シンとヤマトの神隠しの第一話の@から投稿していいのか?
1乙
何書き込んでも何も書き込まんかったけどSSスレとして独り立ちおめでとう
話書く事は出来んけどコレからの発展を祈っとるよ
>>3 別にかまわんと思うよ、俺は
さて、俺はどうするか
第一話 二人の少年@
シンは目を覚ました。
見慣れぬ場所に不安を覚えるも、恐らく、戦艦内だろうと予測する。設備はミネルバとそう変わらない。しかし、どうして自分はミネルバで治療を受けられなかったのだろう?
設備が足りなかったのか?
その前に
「なんでこんなことになったんだっけ?」
自分が何故、ベッドの上で寝ているのか、こうなった経緯が空白になっている。ベッドの上に座り込み、しばし記憶を辿るため、考え込む。
蘇った記憶。
『あんたは、俺が討つんだ!今日!ここで!!』
フリーダムを追い詰めていく、シン・アスカ機ことインパルス。
『はぁぁぁぁぁぁ!!!』
エクスカリバーで串刺にし、フリーダムは爆発を起こした。
「ここまでは覚えてるんだよな。」
自分も確かに爆発に巻き込まれた。爆発の衝撃で自分も意識を失ったのか?
考えても分からないので、医務室に誰か来たら聞くことにした。
しかし、とベッドに再び寝転がり、自分の右手を天井に向けて伸ばしてそれを眺める。
フリーダム、前大戦でプロヴィデンスを破り、今回も驚異的な力を見せた最強のMS…それを、俺が討った。ステラの仇を討った。
「く…、くっくっくっ…。ははは…、やった…やったよ。ステラ」
涙が頬を伝う。ステラのことを思い出して泣いてるわけじゃない。もちろん、悲しい。けれど、この涙は?ステラの仇を討てた、フリーダムを討てたことが嬉しいんだ。
「…また…後で来た方がいいかな?」
突然の声に驚き、シンはベッドから跳ねるようにして移動し、構えをとって、何者かと対峙する。
「っ!?」
「こ、子供?」
シンの目の前には、金髪ツインテールの女の子が立っていた。
「驚かせちゃってごめんね。フェイト、フェイト・テスタロッサっていいます。あなたは?」
(何で?こんな子供が…?)「俺は、シン・アスカ。インパルスのパイロットだよ。」
「…インパルス?のパイロット…ですか…?」
フェイトと名乗った少女は困り顔になってしまった。
しかも、今やザフトだけに止まらず、インパスと言う名称は連合にも知れ渡っていた。
にも、関わらず、この少女はインパルスに聞き覚えがないようだった。
子供じゃあ仕方ない。
シンはそう割りきった。子供じゃ分からないこともあるだろうと…。
たったんだ。
さて俺はどうしようかな・・・一応書いてるけど
第一話二人の少年A
キラは目を覚ました。
起き上がる気さえしなかった。だからベッドに寝転んだまま己を責めた。
彼女との誓いを守れなかった。それどころか、剣を失ってしまった。
フリーダム、かつてラクス・クラインが身を危険にさらしてまで、自分に託した機体。
「僕は…、どうして、また…。」
また繰り返すのか?前大戦の時のように…守りたい人を守れない。フレイを失ったときに十分に味わった悲しみ。あんなのはもう二度とごめんだ。
けど、僕にはもう剣が
「傲っていたのかな…僕は」そんなことを呟いた時だった。
「どうやら、意識は戻ったようだな。」
キラはぎょっとする。
そして今更ながらに周囲の状況を確認した。
「アーク・エンジェルじゃ…ない」
「大天使がどうかしたか?」声の主がキラの顔を覗きこんだ。
「あなたは?」
「私はシグナムだ。お前は?」
「キラ・ヤマトです。」
「キラ・ヤマトか、変わった名だな。食事はそこに老いておく。食べられるなら食べるように。」
「あ、ありがとうございます。」
「礼なら主ハヤテに言ってくれ。」
パタンッとドアがしまった。
閉めきられた部屋にシチューの匂いが立ち込める。なんだかわけの解らない状況だが、とりあえず空腹感を覚えたキラはベッドから体を起こし、スプーンを手に取った。
「……いただきます。」
誰がつくったかわからないシチュー。
しかし、それはとても優しく、傷ついたキラの体を暖かく包みこんだ。
, ' , ' f | l ', ヽ. ,' __ノヽ、_ノヽ_ノヽ_ノヽ、_ノヽ_ノヽ
. / ./ {. { j , } .! / )
,' ,' i ヽ、,\-┘ '-y、 i |, ' < 奇跡の踊り子ナージャ・アップルフィールドが
! , ! ! ./,, ==ゝ、 _ノ__,ヽノ 丿 i ! ! 在庫の山を掻き分けながら
>>11get!!
t | t ヽ、/ '' 〃_)i. ` ´ rf´)iヾ,ヽ/ 丿ノ 丿「明日のナージャ」は東映アニメの最高傑作!
. \ t. ゝ-v’ { i、リ! |f_j| ,'_ / ´ ∠__ ナージャは日曜8:30枠の真のヒロイン!!
` ‐- !ゝf ‐、 -‐‐' ヽ .ヒタ .fノ ヽ,.-‐- 、,. -‐-、,. -‐- 、,. -‐-、,. -‐- 、,. -‐-
', l } .:::::::::. ,〜-┐ .::::::. }| ヾ、
l ゝ、_` / l ,.' ! }.} 、
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t ‐--‐' / `/"ヽ` 、 ヽ - ' _,-'⌒!`` =' '‐-‐' l
` ‐-ッ' ./ { .∧ ` ー ',-' !`i ヽ ノ
MUSASH>1 -GUN道- これほどすごいアニメ、今まで見たことなかったわ!!
ゾ>1ドジェネシス 萌えキャラ出せばいいってもんじゃねーよヴォケ!!
>2りはプリキュア 超作画なんとかしろよ、スタッフ!
カードキャプター>3くら ほえー、ほえーって、どうゆう意味(プッ
夢のクレ>4ン王国 12の欠点て、シルバー王女は人格障害じゃないの!?
ふしぎ星のふた>5姫 ユニバーサルプリンセスの名にふさわしいのは、この私よ!!!
>6ゼンメイデン ヒキーとウザイ人形ども、妙に気が合うのはなぜかしら(プゲラ
は>7より男子 j美、あんたこの頃から全然演技に進歩が無いわね!!
リリカルなの>8 アンタらキモオタどものオナペットよ(ドワラ
お邪魔女どれみどっ>9ぁーん! 瀬川おんぷの存在が むかつくわ!!
ガンダム See>10 時間つぶしの回想編ばっかやってるんじゃないわよ!!!
>>12-1000は家に引きこもって、呪い人形の世話してなさい。(W
第一話二人の少年B
艦内、食堂。
とあるテーブルに六人集まっていた。一人はシン、もう一人はフェイトと名乗った少女。
「じゃあ、自己紹介しましょう。私はこの艦の艦長を勤めるリンディ・ハラオウンよ。」
「僕は、執務官のクロノ・ハラオウンだ。よろしく。」
「僕はユーノ・スクライア」「私は、フェイト・テスタロッサ。」
「あたしゃ、フェイトの使い魔、アルフってんだ。」自己紹介してくれる面々。シンもとりあえずは自己紹介をする。
(使い魔ってなに?)
「シン・アスカです。シンって呼んでください。」
「それで、シン、君が聞きたいことと言うのは?」
最初にシンに質問してきたのは紺色の妙な服(軍服だろうか?)に身をつつんだ、クロノと名乗った少年だった。
「ここどこですか?連合やオーブ、ザフトの船でもないみたいですし、それにしては軍みたいな…」
「ちょっと待て君。連合、オーブ、ザフトってなんだ?」
「えっ?だから、今ロゴスを討つために…」
「シン君待ってくれる?」
話を遮ったのはリンディだった。
「どうも会話が一方通行ね。まず君は何故この艦内に現れたのか説明してくださらない?」
そう、シンは本当に、なんの前ぶれもなくこのアースラ内部に現れたのだ。
今シンが乗っている艦船、アースラの警報がなったときには廊下に倒れていたらしい。
アースラに侵入するなんてことはそうそう簡単にはできないはずだった。
「それはこっちが聞きたいですよ。」
しかし、そんなことはシンにだってわからない。
爆発に巻き込まれたら不思議の国に来てました。
今まさにシンはそんな心境だった。
「と言うことは、君は自分がどうしてここにいるのか、分からないって事だよね?」
ユーノと名乗った少年が難しい顔をして考え込みながら言った。
「あぁ、目が覚めたときにはベッドに寝かされてましたし…。」
「そっか…」
第一話二人の少年C
一同は黙りこんだ。というか、言葉が出てこなかったと言うべきだろうか。
「じゃあ、君の件に関しては後回しってことで。
見たところ危険な人物でもなさそうだし…。しばらくはアースラにいて、自分の世界を探してみるといい。ただ、監視役にエイミィをつけるけど、普段の行動は彼女と行ってくれ。」
クロノは何だか憔悴しきったような声で続ける。
「それよりも問題なのは裁判だ。今回はアルフにもそこのフェレットもどきにも証人喚問に出てもらう。」何やら他にも問題を抱えているようだ。
「あぁ」
犬耳が生えてる女性。アルフが相槌をうつ。
「わかった…って誰がフェレットもどきだ!誰が!」
フェレットもどきことユーノは机を叩いて立ち上がった。
「誰って…君のことだが…?」
「そりゃ!確に動物形態でいることも多いけど…」
「まぁまぁ、クロノ。その辺にしときなって。」
苦笑しながアルフが言った。
「そうだよ。あんまりユーノをいじめちゃダメだよ。」
「場を和ます冗談だよ。だが、事実上百パーセント無罪確定の裁判とはいえ、各自、受け答えはしっかりするように…。」
「うん。」
「わかった。」
「了解。」
と三者それぞれ返事をする。
「艦長、僕達はこれから裁判なので失礼します。それから…えっとシン君だっけ?君のデバイスは預かってあるから、エイミィから受け取ってくれ。」
それだけ告げるとクロノ、フェイト、ユーノ、アルフは席を立ち、食堂からでて行った。
「艦長…」
「何かしら?」
「デバイスってなんですか?」
支援+二言
神隠しはもうwikiに載ってるのに何故?
まあ、多少しか気にならないからいいけど
あと職人さんたちへ。
続きお待ちしてます○TZ
>>1乙
職人たち、待っている人たちのためにも頑張れ
wikiって何?
職人さん達、せっかく書いたんですから投下してほしいですよ
第一話二人の少年D
同刻
キラはベッドから鉛のように思い体を無理矢理に起こした。まだ頭部の傷が痛むがそれだけだ。
ベッド脇の台に置かれたお椀に目を止める。
それを手にとり、部屋から出ると、かすかに人の話声が聞こえた。
声の元をたどり、廊下を歩く。リビングの部屋の戸の前まで歩いていくと、ピタリと声がやんだ。
(入って…いいのかな?)
「立ち聞きとは趣味が悪いな。入ってきたらどうだ?」
戸が開いた。
「あっ…いや、そんなつもりじゃ…」
「入れ。お前には少々聞きたいことがある。」
シグナムとなのった女性。彼女の凛とした声がキラを緊張させる。金髪の女性がソファに座っていた。
シグナムに座れと命じられ、キラはそれに従いつつ、時計を見た。
12時丁度だった。
「キラと言ったな?」
頷くキラ。
「お前はここの世界の人間か?」
「……ここの…世界って、どういう意味ですか?」
シグナムと金髪の女性は顔を見合わせる。
「すみません、ちょっと混乱していて…」
「前後の記憶とかってないんですか?あっ、私、シャマルです。」
金髪の女性シャマルがキラに聞く。
「えぇ、あります。」
キラはここに来る前のことを話した。自分の兄弟をオーブに連れていくために、MSでザフトと戦ったこと。そして換装型MSにやられたこと。
「それで、目が覚めたらベッドの上だったと?」
第一話二人の少年E
「僕が覚えてるのはこれだけです。」
「わからんな。そんな世界、聞いたこともないし見たこともない。」
とシグナム。
「そう…ですか…。」
肩を落とすキラ。
「だが、もっと解せんのはこれだ」
シグナムはそう言うと同時にキラの前にそれを突き出していた。
最初にキラが抱いた感想は何かのシンボルマークのキーホルダーだった。しかし、よくよくみるとそれはフリーダムの片翼だった。縮小されキーホルダーサイズになっている。
「これが…何ですか?」
シグナムとシャマルはまたも顔を見合わせる。
「キラさん、本当にしらないんですか?」
「はい…ていうか、これのどこに問題が?」
「単刀直入に聞くぞ?これはなんだと思う?」
それがどうしたんだろう?そう思いつつもキラは答えた。
「キーホルダーかなんかですよね?」
またもや、顔を見合わせるシグナムとシャマル。
「まぁいい、それは一旦保留だ。シャマル、先に主を病院へ迎えに行ってくれ。私は後で行く。」
「そうですか。なら図書館に来てくだい。はやてちゃん、今日は図書館に行くって言ってましたんで。」
「わかった」
シャマルはリビングから出ていった。
シグナムもキラもそれを見送って、また、互いに向き直る。
「…お前がキーホルダーと言ったこれだが、」
机においたままのそれを手にとりシグナムは続ける。「デバイスだ。」
「デバイス?」
「あぁ、私も持っている。」首にかかっているアクセサリーをはずしてキラに見せた。
剣の形をした装飾品が取りつけられている。
「あの…、シグナムさん…。デバイスってなんですか?」
第一話二人の少年F
月村すずかは友人二人と別れた後、海鳴市にある図書館に来ていた。
本を借りに来たと言うのもあるが、目的はもうひとつある。時々見かける車椅子に乗った少女に話しかけることだ。
同じぐらいの年頃で、実は前々から声をかけようとは思うのだが、そのきっかけがなかなか掴めないでいた。今日こそはと思いつつ、館内へと入りザッと見回す。
(今日は来てないのかな?)車椅子の少女の姿を見付けることができなかった。
それならばと、自分が借りに来た本を探す。ジャンル別、五十音順に並んでいるため、自分の探している本が陳列されている棚へと向かった。
「え〜と…」
指でなぞりつつ本を探していると、棚の隙間から手が見えた。続いて頭。肩まで伸ばした髪、そして車椅子。
どうやら、棚の上の方に陳列されている本を取りたいらしい。
(あの子だ。)
すずかはその子の元へとかけより、本をとってあげた。
「これですか?」
少女はニコッと笑いお礼をいった。
「はい、ありがとうございます。」
「そっかぁ、同い年なんだ。」
「うん、時々ここで見掛けてたんよ、あぁ、同い年ぐらいの子やって。」
「あっ、実は私も…。」
すずかと少女は顔を見合わせてクスリと笑った。
「わたし、月村すずか。」
「すずかちゃん…、八神はやていいます。」
「はやてちゃん…」
「平仮名ではやて…変な名前やろ?」
「そんなことないよ。綺麗な名前だと思う。」
すずかとはやてはそれから二、三言葉を交した。
「ほな、私、そろそろ時間やから…」
はやてはそう言って、車椅子のハンドルに手をかけた。
「はやてちゃん、出口まで送るよ?」
「えぇよ、そんな気ぃ使わんでも…」
「私もそろそろ帰るから」
「せやったら、お願いしよか。」
すずかは車椅子の背中のハンドルを握った。
次回に続く
>>16 幾つかSSが投下されてるスレ覗いてみろ。
どれかにあるから。
複数のスレのSSが保管されてる。
G○とか鋼○とかのクロスオーバーとともに
おおっ、皆まとめて蒐集されてますね。
それと、やはりここでは第1話から投下すべきなのでしょうか?
>>25 wikiもありますし途中からでもいいと思いますよ
今投下するといろいろ混ざって混乱しかねないので少し間をおいて日曜ぐらいに投下します。
第一話二人の少年G
『フラッシュ・エッジ』
シンの持っている剣から機械的な男性の声が響く。
同時、連結エクスカリバーの片方が外れ、二刀流になった。
「でやぁ!!」
片方をブーメラン状にして投げる。投げたそれは、ターゲットを真っ二つに切断し、シンの手元へと戻ってきた。
「やった!」
「へぇ〜、シン君やるもんだねぇ。」
エイミィ・リミエッタは感嘆の声を漏らした。
先程、デバイスを返した時
「なんですか?コレ…。」
「なんですかって、君のデバイスじゃない。」
「あぁ…コレが、艦長とクロノって人が言ってた。」 「なんか、自分のものじゃないみたいね。」
「…俺、こんなの持ってなかったと思うんですよね。それにデバイスってなんなんですか?
さっき艦長に聞いたんですが、エイミィさんに聞けって言うんで…。」
シンはエイミィの手からデバイスを受け取った。
剣の形をしている。
柄の部分に紐が通されていて、首にかけられるようになっていた。
「魔法を使うための補助道具っていったら分かりやすいかな?」
「魔法?何言ってるんですか?魔法なんて、そんな非科…」
「じゃあ、実際にやってみる?」
と言うことで戦技室にいる。
出てくる敵はハリボテばかりなのだが、さっきまで魔法の魔の字も知らなかった少年がここまでやるとは思わなかった。
ターゲット、100体中73体を撃破している。
バリアジャケットも三着あるようだ。先程の双剣の時は赤いバリアジャケット。スピードを重視するときは一本の剣に青いバリアジャケット。
そして緑、これは恐らくパワー重視なのだろう。魔力刃でつくられたジャベリンと常時、シンの両脇腹で待機している赤い魔力の塊。シン唯一の遠距離魔法のようだ。ちなみに、シンの魔法陣の色は深紅だった。
第一話 二人の少年H
「どうでした?」
模擬戦闘をモニターしていたエイミィのもとへとシンが息を切らしながらやって来た。
「いや、まぁなんというか…よくもまぁあれだけのバリエーションを考えたね。特にあの砲撃は凄い破壊力だったよ。
君は…シン君だったよね?デバイス使うの本当に初めて?」
「はい。魔法なんて、ここに来る前にいた世界じゃ使えませんでしたからね。」
バリアジャケットが解除され、双剣がアクセサリーに戻った。
「ここに来る前はどんなところにいたの?」
「説明が難しいんですが、魔法が使えない世界にいましたよ。代わりにモビルスーツに乗ってましたけど…」
「モビルスーツ?」
「人型戦闘機っていったら、わかりやすいんですかね?
話せば長くなるんですけど…、それにさっきのバリアジャケットでしたっけ?
あれって、自分で想像しなきゃいけないじゃないですか?
だから、モビルスーツをベースに想像してみたんですよね。」
「ふ〜ん。なんか難しいね。」
「あの…、エイミィさん、食堂行きません?
運動したら、お腹すいちゃって…」
「いいよ。」
とエイミィ。
「エイミィさん…」
「何?わかんないことがあったらなんでもエイミィさんに聞きなさい。」
エッヘンと胸を張る。
「俺、お金もってないんですけど…」
「……はいはい、エイミィさんが立て替えてあげます。」
「ありがとうございます」
第一話二人の少年I
「よかったな、デバイスがちゃんと起動して…」
「えっ?あ、はい、でもどうして僕に魔力が?」
はやてを迎えに行くために、図書館までの道のりを歩くキラとシグナム。
シグナムは家にキラ一人を残しておくわけにはいかないと判断したのだろう。
頭に包帯を巻きっぱなしだが、外に連れ出した。
ちなみに、服はザフィーラという人?のものを借りているので、キラには大きかった。ズボンは裾をまくり、長袖は袖をまくっているが、その上からロングコートを着用しているので、外見上不格好には見えない。シグナム曰く、ザフィーラは守護獣だ。
とのことだが、キラには意味が分からなかった。
「これは、あくまで私の仮説だが、お前がいた世界と今いる世界は別世界なのだと思う。」
「それは…信じがたいですけど、ここが同じ地球である以上、認めないといけないんでしょうね。」
平和だ。
キラは思った。自分達がいた世界、地球には、こんなに呑気に一日を過ごしている人たちなんていなかった。
戦争、内乱、デモ、テロ。いやというほど人が死んだ。
そして、キラも人を殺した。
「そして、お前が乗っていフリーダムはこちら側に来るにあたってデバイス化したのだろう。」
「でも、魔力は?」
「それは、わからん。
ついたぞ。とりあえず、主には礼を言え。」
「はい…。」
「シグナムも来てくれたん?」
図書館から車椅子に乗った少女と、車椅子を押すシャマルが姿を現した。
「はい。」
ジクナムは返事をする。そして、キラに目配せをした。うなずくキラ。
「えと…キラ・ヤマトです。助けてもらったうえに、食べ物まで…ありがとうございます。」
「あはっ、そんなに、かしこまらんでもえぇよ。年もそっちが上なんやし…私は八神はやて」
「はやてちゃ…、はやてさんありがとう、助かった。」
「呼び捨てでええよ。はやてって」
笑って言った。
(笑顔…か。最近笑った覚えがないな。でも…、戦争中なんだし、当たり前と言えば当たり前か…)
「…ラ君?……キラ君?」
「えっ?…あっ、なに?はやてちゃん?」
「何や考え事しとったんか?」
「あ、う、うん。ちょっとね…。」
「キラ君はこれからどうするん?」
「あ、いや、どうするって…。どうするんだろ?」
「なんだ、考えてなかったのか?」
「キラさんて結構抜けてるんですね」
シグナムには呆れられ、シャマルとはやてには笑われていた。
「…てか、笑い事じゃないですよ。」
キラは溜め息をついた。
第一話二人の少年J
「キラ君は、夕飯なんがえぇ?」
「夕飯…ですか?僕は別に、何でも…。」
あれからシグナムと別れ、キラとシャマル、はやてはスーパーへ買い物に来ていた。
「あかん、そう言うのが一番困る…」
「ごめん。じゃあ、シチューで…。今日食べて、すごく美味しかったし…。」
「あはっ、気に入ってくれたん?嬉しいわぁ…。
あっ、でもシャマル達は二日連続でシチューやな。」
「いいですよ、私たちは。はやてちゃんが作る料理なら何回食べてもおいしいですから…。」
「ふ〜ん、そっかぁ、それなら、キラ君の意見が優先やな。よかったなぁ、キラ君。」
「えっと…はやてちゃん、僕のことは別に呼び捨てで構わないよ。キラって」
「うん、じゃあ、次からそーするわ。」
シャマルとキラははやての指示のもと食材集めに散った。
高町なのはは自室で学校の宿題をやっていた。
(今日裁判の最終日だっけ?)
フェイトがビデオメールで裁判の最終日が今日だと言っていた事を思い出す。
もうすぐフェイトちゃんに会えるんだ。
そう思うと、宿題の方に身が入らなかったりする。
そんな時だった…。
『Caution』
突然、レイジングハートが反応し、なのはに警戒を促す。
部屋の窓から外をみると、結界がはられていた。
(ミッドチルダ式じゃない。じゃあ、この結界は…。)
なのはは家を飛び出し、近くのビルの屋上へと向かった。
第一話二人の少年K
とあるビルの屋上。
『ホーミングボール』
誘導弾。
レイジングハートはそう識別した。
オレンジ色に光る球体がなのはに向かって飛んでくる。
(私、なんでねらわれてるんだろう?)
そんな疑問を抱きつつも、とりあえずは防御魔法を展開した。
ラウンドシールド、なのはが最も多用する防御障壁。もともとなのはは防御力が高い。
それはなのは自身も自覚していた。
だから、思った。
誘導弾一つくらい簡単に防げるだろう。
しかし、想定以上の負荷が左腕にかかる。
「テートリヒ!!」
突然の声に振り向けば、全身を真っ赤な服(なのは達で言えばバリアジャケットなのだが)につつんだ少女がハンマー型の杖を
「シュラーク!!」
横一線。
しかし、なのはもこの事態を予想していなかったわけではない。魔法攻撃を受ければ当然、使用者がいる。
なのはは逆手、つまり右手ですぐさまラウンドシールドを展開した。
バチバチッ!!
展開した障壁が赤い服の少女の攻撃を全力で拒絶する。だが、おかしい。
(障壁が……もたな…。)
なのはは障壁が限界なのを察知し、自らその障壁を炸裂させた。
轟音が響き、赤い服の少女は煙に包まれた。
一方、なのはは先程の衝撃でビルから落下中である。そして、意を決する。
「レイジングハート、お願い!!」
なのはの首にかかっている赤く丸い宝石のようなものが反応した。
『All right, my master.
Stand by ready...』
なのはは淡い光に包まれた。
次回に続く
第一話二人の少年L
「艦長!」
シンとエイミィが何やら話をしながら通路を歩いていると、リンディが通りかかったのでエイミィが声をかけた。
「あら?エイミィにシン君。」
どもっと頭を下げるシン。「ちょうどよかったわ。エイミィ、クロノ執務官から連絡があって、フェイトさんの裁判が終わって判決待ちだそうよ。」
「そうなんですか?結構、早かったですね。じゃあ、私からなのはちゃんに連絡しときますね。」
「えぇ、お願いね。まぁあの子のことだから自分で連絡するとは思うけど、こういうことは早い方がいいでしょう。
じゃあ、よろしくね。エイミィ。」
「はい。」
「あれ?おっかしいなぁ。」なのはに連絡するために端末を使うが、繋がらない。もう三度かけなおしをしている。
「番号、あってるんですか?」
シンが聞いた。
「うん、なのはちゃんの携帯の番号は端末に登録してるんだけど…。駄目だ、でない。」
エイミィはいくつかキーボードなのだろうか?透明なボードの様なものを叩くと、モニターが写った。
しかし…
「写らない…」
なおもキーボードを叩くエイミィ。モニターが空間に増えていく。しかし、人物どころか、風景さえも写らなかった。
考えられる可能性は一つ。「空間…結界…。」
エイミィは最後にキーボードを叩いた。
艦内中にアラートが表示され、警報が成り響いた。
「エイミィどういうこと?」「なのはちゃんに、連絡がとれないんです。モニターにも写りません。」
リンディはその場にいる局員に指示を出す。
「アースラの整備は一旦保留。現場に戦闘局員を送って」
「駄目です。今は別件で局員が出払っています。」
考え込むリンディ。
フェイト達はこれから判決待ちだ。だからまだ現地には向かえない。
本局から局員を回してもらう。これも却下、手続きに時間がかかりすぎる。
「艦長…。」
「何?エイミィ。」
エイミィはちらりとシンを見た。
「シン君を?でも、彼はデバイスの使い方…」
「技術班が言うには構造がインテリジェントデバイスと似通っているとのことで、先程、戦技室で起動を確認しました。
戦闘シュミレーションもモニタしましたし、魔力もその時に計測完了しています。
魔力だけならなのはちゃんやフェイトちゃんと同等かと…。」
リンディは視線をシンに向けた。
第一話二人の少年M
「ちょ、何言ってるんですか?あんた…、あなた達は!シュミレーションって言ってもたかが一回しかやってないんですよ?それに…」
「シン君、何もあなたに戦えとは言ってないわ。
狙われたら逃げるだけでいい。
もしなのはさんが怪我をしているようなら、なのはさんを連れて逃げるだけでいい。」
「……。」
(あんたたちが行けばいいじゃないですか。)
とはとても言えなかった。それに、自分が知らないことばかりで戸惑っていたときに、親切にしてくれたのはこの人たちだ。
恩がある。
ならば…
「…わかりましたよ。
逃げるだけでいいんですか?」
シンは覚悟を決め、リンディの申し出を承諾した。
「エイミィは転送位置を設定。シン君は私ときて、転送ゲートまで案内するわ。」
圧倒的な差だった。
相手の魔法ラケーテンハンマーをラウンドシールドで受けたが、障壁は破壊され、レイジングハートはリカバリーが効かないまでに損壊。
あげく、吹っ飛ばされ、建物の窓ガラスをぶち破り、床を転がる始末。
立てないこともないが、障壁を破壊されたことで魔力は大幅に削られていた。
赤い服を着た少女が建物の中まで追ってくる。
「……うっ。」
『Protection』
なのはの代わりにレイジングハートが防御する。
ラウンドシールドと違い、強度を固めた障壁だが…。ラケーテンハンマーの前に脆くも崩れさった。
吹き飛び、建物内のいろんなものに体を打ちつけるなのは。
バリアジャケットも先程の攻撃からなのはに致命傷を追わせないため、レイジングハートがリアクターパージ(最終防衛機能)を駆使ししたため、もう後がない。障壁を二度も割られ、魔力を消費してしまったなのはは、満足に体を動かすことさえできなかった。
ゆっくりと近づいてくる赤い服を身に纏った少女。
手にはもちろんハンマー状のデバイスが握られている。
ブシュウウゥゥッ!!!
デバイスから蒸気が吹き出し、何かが飛び出す。
その、何かは金属的な音をたてて床を転がった。
少女はデバイスを振り上げた。
(もう…、終わり?
そんなの…嫌だよ…クロノ君、ユーノ君、フェイトちゃん)
なのはが目を瞑ろうとしたまさにその時だった。
『フラッシュ・エッジ』
バルディシュとは違う機械的な男の声。
空気を切り裂く光の刃と共に、なのはの眼前に一人の少年が姿を現した。
第一話二人の少年N
「なんだ?テメェーは?こいつの仲間か。」
フラッシュ・エッジをかわし、少女はシンを睨みつけた。
「……。」
シンは答えない。
なのはの近くに魔法陣が現れ、フェイトとユーノが現れた。
「なのは!大丈夫?」
現れて間もなくなのはヘと駆け寄るユーノ。
右手をかざして何かをし始めた。
手が発光している。
一方フェイトは、バルディッシュを構えた。
『サイズ・フォーム』
ガシャンッと音をたてバルディシュが斧形態から変形し、金色の魔力刃が飛び出す。
「シン、さがって…」
「えっ?あ…うん。」
シンはフェイトより後ろへ下がった。
「なんだテメェーら?次から次へと…。」
「時空監理局嘱託魔導士、フェイト・テスタロッサ。民間人への魔法攻撃…。ただではすまないぞ。」
「……。」
少女は答えない。
「抵抗しなければ君には弁護の機会がある。おとなしく投…」
「誰が投降なんかするかよ!!」
少女は建物内から飛び去った。
「ユーノ、シン。なのはをお願い。私はあの子を…」
「わかった。」
「あぁ…。」
フェイトの姿を見送ってからシンはなのはへと向き直る。
「大丈夫かよ?あんた…」
力なく頷くなのは。
「裁判が終わった後、すぐになのはに連絡をとろうとしたんだよ。
けど、通信は繋がらないし空間結界は、はられてるし…。
それで慌ててこっちに来たんだ。」
「そう…なんだ。」
「うん、クロノやリンディさんたちもアースラの整備を一旦保留にして、みんなで対応してくれてる。
もう、大丈夫だから…フェイトもシン君もいるし…、それにアルフもいるから」
「シン…君?とアルフさんも?」
「うん。」
ユーノは頷いた。
保守代わりに第4話投下
機動戦士ガンダムしーどD´s 第4話
「ふぅ」
シンははやての家のあてがわれた部屋でシンはベッドにもたれる。
今日1日いろいろあった。
オーブ進行戦、いきなりのこの世界への転移。数えたらきりがない。
「疲れた・・・・」
とりあえず今は寝よう。
新はゆっくりと目を閉じた。
ドタドタドタドタ
本当に今日はいろいろあった
ドタドタドタドタ
今日はゆっくり眠ろう
ドタドタドタドタ バタン
まだ早いけどおやすみなさ・・・・
「おーーい!寝るんじゃねえ!!起きろーー!!!」
部屋中に子供の大声が響く。
なんなんだよ・・・・と頭をかきながらシンはドアのほうを見る。
そこにはヴィータが仁王立ちしていた。
「なんだよじゃねえ、出かけるぞ!」
「出かける?」
なんのことだと、思ったら後ろからはやてが出てきた。
「服買いにいかなあかんやろ?それともずっとこのままでおる?」
はやてに指摘されそういえば、とシンは思い出した。
「そういえば俺ってまだ軍服のままだったな。」
さっきは転送魔法ではやての家の近くまで来たから誰にも見られずにすんだが、流石にこの世界でこの格好でうろつくのは流石に不味い。
「ほなけん一応これに着替えといて。ちょっとおおきいかもしれんけど。」
そういいはやてに渡されたのは確かにシンには大きいサイズのジーンズとシャツ。
って、まてよ・・・とシンは思った。
「これって誰の服?お兄さんの?それとも父親の?」
そういったとき、はやては一瞬動きが止まった。
「取り合えず着替えたら下で待っとるけん下りてきてよ。」
はやてはそういい降りていく。
しかし、はやての顔はどこか寂しげであった。
それにヴィータもついていった。
(なんなんだ?)
まああまり気にしないで早くしたほうがいいだろうと思いさっさと着替える。
サイズが大きく多少不恰好だがまあ仕方がない。
着替えたので部屋を出たらそこにはヴィータがいた。
ヴィータは睨んでいるような目でシンを見る。
「もうあんなこというんじゃねえぞ。」
え?ってシンはヴィータを見る。
(俺って何か言ったか?)
自分が何を言ったかさっぱり思い出せない。
横で小さくヴィータがつぶやく。
「はやての両親はすでに亡くなってる。」
「!!」
シンは絶句した。
彼女も自分と同じで家族がいないのだ。
「あたしたちが来るまでずっと一人だった。」
さみしそうににつぶやくヴィータ
ヴィータたちと会うまでって言われてもそれほど長くはないということはシンでもわかる。
それまで彼女はずっと一人だったのだ。
「わかったよ。もうそのことは言わない。」
優しくいうシン。
絶対だぞ、と少しえらそうにいうヴィータ。
「あとではやてにも謝っておくよ。」
そういい降りていくシン。
ヴィータも後に続こうと持ったが・・
「ん?なんだあのケータイ?」
シンがいたベッドの上にあるピンクの可愛らしい携帯を見つけた。
おそらくシンのだろう。
ふと、シンが毎日あの携帯をいじくっている姿を思い浮かべた。
「似合わねえ・・・」
はっきりいって似合わない。シンにはああいう趣味があるのだろうか。
まあどうでもいいかと思い部屋を後にするヴィータ。
またこれをダシにしてあいつをからかってやろう。そう思い階段を駆け下りていく。
「シャマル。これなんかシン君に似合わへん?」
「それだったらこんなのとか。」
ここは近所のデパートの衣類コーナー。
ここでははやてとシャマルが服を選んでいる。
しかし、彼女たちの着る服ではない。
「・・・・・・・・」
その服を着る張本人はただあっけにとられている。
(なんであいつらが勝手に決めてるんだ。)
さっきから人が着る服を勝手に決めている二人。
その試着で忙しくなってたシンは、ようやく一時的に開放された。
「おい、」
シンに呼び止められ振り向く二人
「俺が着るんだから俺に決めさせてくれ。」
そういったらえーっと、なぜか不満の声をあげるはやて。
つづいてシャマルも
「だってシン君が選ぶ服って、なんかこうださくないけど地味っていうか・・・」
そんなの人の勝手だろうと心の中でつぶやくが、もちろん彼女達には聞こえていない。
そこに、ぽんとシンの肩をたたくシグナム。
「あきらめろ。ああなったらもうとめられん。」
どうやら彼女も買われる立場のようだ。
おそらく理由はシンと同じだろう。
以前シンと同じことを言ったシグナムはシャマルに
「普段冷静なリーダーが可愛らしい服を着て少し恥ずかしがるのを見るのって楽しいし。」
といわれたらしい。
それを聞いてもう無駄だと分かって二人を見る。
シンは、はやてが乗っている車椅子を見る。
デパートに行く最中にシグナムからあらかたの話は聞いている。
なんでも生まれたときから足の調子が悪いらしく、今ではだいぶ治ってきているが今でも時々車椅子で生活しているらしい。
それにはなんか夜天の魔道書がどうのこうとかも言っていたが、それは気にしないことにした。そんなこといわれても魔法関連のことを言われると自分にはさっぱり分からない。
「強いな・・・あの子。」
家族もおらずずっと一人暮らしで生きてきて、それでも明るく生きている。
「ほんとに、たいした子だよ」
シンは半分呆れ気味にはやてを見た。
結局いつまでいるかわからないということで上下それぞれ5着ずつくらいにしておいた。
次に、今夜の夕食の材料を買いに行くために1階の食料品売場に行くことにした。
「今日はシンさんもおるし豪勢にいこか。」
よっしゃーと喜ぶはやて。
こういう風景を見ると家族との思い出を思い出し、微笑むシン。
(たまにはこういうのもいいかな。)
最近は任務ですっかりこういう触れ合いがなかった気がした。
まあ、家族がおらず、ほとんど一人か、同室でレイがいるぐらいだから仕方がないが。
だから余計にこの光景が懐かしく思えた。
「ふう、ちょっと長くおりすぎたな。」
デパートの帰り道。もう日も暮れかけている。
車椅子を押しているシャマル以外の皆が買い物袋をさげて帰宅しているところだった。
「はやて」
不意にシンがはやてを呼ぶ。
車椅子を止めてもらい、なに?とはやてが振り向く
「えーと・・・あの・・・」
なにか気まずそうな顔をしているシン。
「昼間は悪かった・・・」
少し考えてああ、とうなずくはやて。
「ええよ別にそんなん。」
しかし、やはりはやての顔はどこか暗い。
「確かに最初は寂しかったけど・・・」
しかしいつもの笑顔にもどる。
「もう馴れたし、何より今はこの子達がおる。それで十分すぎるほど幸せや。」
そういいヴィータの頭をなでる。
頭をなでられ喜ぶヴィータ。
はやては再びシンに振り向いた。
「ほな、はよう帰ってご飯にしような。」
そういい皆が歩き出す。
そのとき、シンは向かいからバイクでこちらにすれ違う人物がいた。
それ人物は、特殊なサングラスで顔はよく見えなかったが、金色の髪を長く伸ばしていて、どこか自分がよく知っている人物を連想させた。
「え?レイ?」
いや、そんなはずない。とシンは己に言い聞かせた。
あの時、雷に打たれたときは確かにレイは近くにいたがあたったようには見えなかったし、それにあの人物は一瞬しか見えなかったがどう見ても大人で、自分と同じぐらいの年齢のレイとは全然違った。
おそらく他人の空似だろう。
「どうしたんだよ、早く来いよー!」
気付くとすでに皆は家に到着していて、ヴィータが見かねて呼びにきたのだ。
「ああ、悪い。」
「どうしたんだよいきなり立ち止まって。」
「さっきバイクでとおって言った人、俺の知り合いに似てたんだよ。まあ、似てただけだけど。」
ヴィータはふーん、と興味なさげにうなずいて、家の中に入る。
皆は今ごろどうしてるんだろうか、ふと心は思う。
まあ、レイもルナも赤で、機体もそこらへんのMSとは比べもノンあらない高性能機だ、早々落とされはしないだろう。
(まあ、今は考えても仕方ないか。)
今はただ自分が元の世界へ帰れるのを待つだけである。
それがどれだけもどかしくても、何もしようがない。
シンはあきらめたようにため息を継ぎ、家の中に入る。
続く。
第4話投下完了。
今回ははやてたちしかいなかったけど(約1名除く)
次は出来るだけ多くのキャラを出したいと思っています。
ラッシュに便乗して第3話放出させていただきます。
魔砲戦士リリカルSEED Cross Magic
第3話
「内に秘められし光」
H.17海鳴の小島…そこで4人の少年は信じがたい現実に遭遇した。
魔法が存在する世界、時空管理局と言われる組織、
少年たちは歪んだ運命に突き動かされつつあった・・・
「とりあえず、それはここのドッグにおかせてもらってください。」
少女達の転移魔法によって時空移動艦アースラへとひとまず辿り着いたキラたちは、
MSを降りる場所を探していた。
「凄いな・・・、ミネルバ程ではないがそれなりの設備は整っている。」
レイが辺りを見回して感心の声をあげた
「とりあえずMSは手を付けなくても大丈夫だと思います。」
キラは整備員と話をしていた。
そこへ一人の少年が現れる。
「時空管理局執務官、クロノ・ハラオウンだ、これから君達のサポートをさせてもらう。」
「もしかして君も魔道師なの?」
「ああ、ここにはまだ数人の魔道師がいる。とりあえずついてきてくれないか?」
クロノと名乗る少年は表情一つ変えずにたんたんと答えた。
シンはレイみたいなやつだが生意気でムカツク奴だなと考えていた。
キラ達はアースラのブリッヂへと案内された。
「ようこそアースラへ、アースラ艦長リンディ・ハラオウンです。」
「キラ・ヤマトです。」
「レイ・ザ・バレルです。」
「シン・アスカです。」
三人は軍の癖か、敬礼して挨拶をした。
「話は管理局についてから詳しく聞かせてもらうからとりあえず今は休んでちょうだい。」
「あ、あの、あの要塞みたいな建物は・・・?」
シンがウィンドウに映った巨大建造物を指差して問う。
「あれは時空管理局本局、君たちから言えば軍本部みたいなものだ。」
クロノが艦長に変わって答えた。
「もう一人連れの方は、先に部屋の方で休んでもらっているから
あとで誰か様子を見に行ってみるといいわ。」
「ありがとうございます。」
アスランのことだろうと察してキラが礼をいった。
「ここは・・・?」
診察台の上でアスランは目を覚ました。
すると扉が開き見慣れた金髪の少年が入ってくる。
「・・・!!レイ?!ここは・・・ミネルバか?!」
「落ち着いてください!アスラン!」
「俺はどうしたんだ?!どのくらい眠っていたんだ?!怪我も治ってるし・・・。」
「ここは、あなたが思っている世界とは違う!!まずは話を聞いてください!!」
「はぁ?!」
「いいですか?!ここには俺とシン、それにキラ・ヤマトがいます。」
「キラ?!なんであいつがミネルバに?!」
「わかっていないようですね。付いてきてください、説明は歩きながら。」
レイとアスランはブリッヂへと向かった。
同時刻ブリッヂ
「あの僕達はこれからどうなるんですか?」
「そうだな・・・本局に着いたらまずは事情聴取、その後は健康診断になると思うが・・・。」
「聴取ったって俺達なにもしてませんよ!?」
「ここに来るまでの経緯を聞くだけだ、後はこれからどうするかについての会議かな。」
「オッケー入航準備整ったよ。」
若い女性の声が入航を告げた。
そこへハッチが開きレイとアスランも加わった。
「アスラン・・・大丈夫?」
「あぁ、今でも何が何だかさっぱり・・・話はレイから聞いたよ・・・。」
「あんた、あの体で俺と・・・。」
「シン・・・すまない・・・。」
「な?!何で謝るんですか?!」
相変わらずこの人はなにを考えているのか読めない、
しかしそれにもシンは慣れ始めていた。
数時間後・・・時空管理局聴取室
「そうか・・・そのMSってのに乗って戦闘をしていたら光に包まれた。気がついたら小島にいた…と。」
「はい。」
「艦長どう思います?」
「うーん、とりあえず嘘は言って無さそうね・・・。」
「何らかの衝撃で時空間が歪んでそれに巻き込まれた、そんなところかしら・・・。」
「それで、この後僕達はどうなるんですか?」
「フェイトが言ったと思うがしばらくこっちにいてもらうことになる。
僕らも君達がなるべく早く帰れるように全力を尽くそう。」
「ありがとう。クロノ君。」
「それじゃ、聴取はここまで!皆さんお腹空いたでしょう?ご飯にでも行きましょう。」
すると思い出したように腹が鳴る。
4人はそれに従って歩き出した。
そこへ向かう途中茶髪の少女と以前の金髪の少女・・・フェイトに出会った。
「あ、いたいた。クロノ君探していたんだよ?」
「すまない、聴取があって合流できなかったんだ。」
「ううん、気にしないで、さっきの話だけど2人とも大丈夫だって。」
「そうか、これで彼等も少しは安心できるだろう。」
「あの・・・君は?」
キラが口を挟む。
「私高町なのはです。なのはって呼んでください!」
なのはと名乗った少女は笑顔で答えた。
「彼等がそうだなのは。」
「え?じゃあ私達の家に来るのってお兄さん達なの?」
「ちょ、ちょっとまってくれないか?い、家に?!」
アスランが確認する。
「あぁ、君達にはなのはやフェイト達の家に駐屯してもらう。その方が安全だしな。」
「それよりはやてはどうした?」
「はやてちゃんは今は病院だよ。私達ももうすぐ帰らなくちゃだし。」
どんどん勝手に話が進んでいくのでキラ達はついていくのに精一杯だった。
数十分後…時空管理局健康管理センター
キラ達は数々の検査をこなしてやっと終わったところだった。
奥では何やら研究員が慌しく議論を跳び交わしていた。
その中にはクロノも混じっていた。
「3人ともちょっといいか?」
「なにか異常でも見つかったのか?!」
シンが少し慌てて反応する。
「そうじゃないんだが少し聞きたいことがあるんだ。」
「君達3人の検査結果なんだが、いろいろと何かこう・・・
常人離れしている点がいくつか見つかったんだ。」
それを聞くと急にキラとアスランが暗い顔になる。
「それは多分僕達がコーディネイターだから・・・。」
「コーディネイター?」
後ろからレイが加わる。
「遺伝子を人工的に改良してあらゆる病気を防ぎ、
常人よりよく学習し、よく体も反応する。
人類の夢の完成体、それがコーディネイターです。」
「馬鹿な!遺伝子を人工的に・・・?!」
「それが原因でこっちでは戦争がおきたんです。」
「それで俺達は仲間・・・友達・・・家族、大切な物を亡くしたんです。」
「そうか・・・すまない。悪いことを聞いてしまった。」
「いえ・・・。」
「ところで3人とも・・・僕の顔をじっと見ていてくれないか?」
それを聞いてキラとアスランとシンはきょとんとした顔になるがとりあえず従うことにする。
特にシンはレイが含まれなかったことに疑問を抱いた。
(この声が聞こえるか?)
心の深くから聞こえてくるような声がキラ達の胸に鳴り響いた。
「え?!何で声が・・・?口ひとつ動いてないのに・・・。」
「念話だ、魔力を持つ者のみができる会話方法。」
「じゃ・・・じゃあ俺達・・・。」
「あぁ僕達が話しをしていたのはこれなんだ。」
「君達の体にどんどん魔力の源・・・リンカーコアが形成されている。」
「魔法が・・・僕達に・・・?」
「慣れれば念話どころか単体で飛行や攻撃、防御魔法も使えるようになる。」
「これも俺達コーディネイターの環境対応能力からだろうな・・・。」
アスランが少し戸惑った顔をして言った。
「そこでなんだが君達3人にはさっき言ったように
なのはやフェイト、はやての家に駐屯しつつ魔法の訓練を受けてもらいたい。」
「ん?でもどうして俺達が魔法の訓練受けなくちゃならないんだ?」
「君達の世界の時限座標が仮にわかったとしても、
距離によっては相当な移動が必要な場合があるんだ、
そうなると君達の魔力も必要になってくる。」
「ちゃんと使えるようになるんですか?」
「ああ、指導員がいいからな、特になのはは、ああ見えても戦技指導員だ。」
「レイは?どうなるんだ?」
シンが友の身を案じて問う
「俺はここに残って元の世界に帰る方法を探してみる。
それまでシン、お前はお前にできることをやれ。」
「それとアスラン、シンを頼みます。」
「あぁ、すまないなレイまかせてしまうようで。」
「いえ、お互い様です。」
「そろそろ出発の準備をしてもらいたいんだが。」
「わかった。じゃあレイ君なるべくこっちにきて手伝うようにするから。」
「はい、お気をつけて。」
キラ達はアースラの転送ポートへと向かった。
「行く前にこれに着替えてくれ。」
ロッカールームでクロノから服が手渡される。
流石にパイロットスーツで街を歩くのはまずいらしい。
着替えた後クロノにつれられてキラ達は転送ポートへと辿り着いた。
「準備、できたみたいね。」
「はい艦長、皆こっちへ。」
手元の魔方陣で母親・・・リンディ艦長と話をした後3人を呼び寄せる。
「3人とも順番に向かってもらいます。」
「まずキラ君にフェイトさんのお家、シン君になのはさんのお家、
アスラン君にはやてさんのお家へ行ってもらいます。」
「はやてさん?あの…二人は分かりますが・・・俺の行くところのはちょっと・・・。」
、
「そうか、まだ3人とも会ってなかったな。もう一人の嘱託魔道師だ、
少し気になる点があるとは思うがまぁすぐ慣れる。」
気になる点って何だ・・・と考えを巡らせるが時間も無い様でキラが方陣の中へと向かう。
50 :
tiger:2006/11/19(日) 13:31:02 ID:???
「キラ・・・気をつけて。」
「うん、アスランもまた後でシン君も。」
「あ・・・はぁ。」
今まで人に余り君付けで呼ばれたことがなかっただけに変な違和感を覚える。
キラはその後、光に飲み込まれていった。
その後に続くようにシンも方陣に入り、最後にアスランがまだ見ぬ新たな家族の元へと向かった・・・。
H.17自らの体に新たな力を宿した少年たちは
新たな生活をはじめようとしていた。
戦争から外れた世界、温かく優しい世界
彼等はそれを手にしたのだった・・・。
次回予告
海鳴の街へと向かった少年たち、
彼等はそこで様々な人と触れ合うことになる。
打ち解けることはできるのか・・・。
次回魔砲戦士リリカルSEED Cross Magic
第4話「新生活の始まりキラSide」
と言う訳で次回に続く
最後トリ付け忘れた…orz
4話はそれぞれの視点で3つ話を書きます。
ありがとうございました。
神隠しもガンダムしーどD'sもCross Magicも続きが楽しみだぜ(*^^*)
いやー楽しみがいがありますね
54 :
アルケミスト:2006/11/19(日) 18:55:12 ID:/v4pKbEL
どの種死&リリカルなのはSSも続きが楽しみですね。
「!?」
白き光を抜けたそこには、漆黒の宇宙が広がっていた。
急激な周囲の変化にキラの両腕は操縦桿を引き、ストライクフリーダムを停止させて
辺りの様子を窺う。
「今のは一体?」
カメラの映像を切り替えていく。
前方に浮かぶ鮮やかなピンク色の艦、エターナル。
星々の瞬きのように点いては消えてゆく、収まりきらぬ戦闘の輝き。
そして今、自分の脱出してきた要塞が背後に佇んでいる。
「アスラン……今の、なんだろう?」
先程の、青みを帯びた白い光は。
キラはすぐ側にいるであろう、友の乗る僚機に向かい
深く考えず通信を送った。
「……アスラン?」
当然、応答が返ってくるものだとばかり思っていた。
彼の腕なら、あのような光で視界が奪われた程度で進路を見誤ることはない。
だがしかし、通信機のスピーカーから友の声は返ってこなかった。
「アスラン、聞こえる?アスラン?」
───いや。
彼の乗っていた機体。インフィニットジャスティスそのものがこの戦場から、消え失せていたのである。
キラにはそのようなこと、思いもよらなかったが。
魔法少女リリカルなのはA’sdestiny
第九話 自由と正義は誰がために(下)
狭いコックピット内に、キーボードを叩く電子音と、少年の呟き声が木霊する。
「───っと、ここは……これで。ここも……」
担当官から渡されたツナギ姿に着替えたシンは、
デスティニーのシートに収まって愛機の調整を続けていた。
別段、機体に異常が見つかったというわけでもない。
レクルームですることもなくなったので、通りかかった女性局員……マリーの顔に見覚えがあったこともあり、
試しに調整させてもらえるか頼んでみたら構わないということだったのでお言葉に甘えてみただけのことだ。
なんだかんだでデスティニーはシンと元の世界を唯一繋ぐものである。
ちゃんと使えるようにはしておきたかった。
「シンさーん、いますかー?」
「あ?」
聞き知った声に顔を上げるシン。
一旦操作を止め、開け放たれたハッチから顔を出す。
「……ああ、お前らか」
「えへへ。シャマルさんとマリーさんからこっちにいるって聞いて」
「遊びにきちゃいました」
さらさらの金髪を背中に流した黒服の少女に、ツーテールの茶色髪に白服の少女。
なのはとフェイトがキャットウォークからこちらを、覗き込むようにして立っていた。
「何、してたんですか?この子、なにか問題でも?」
「いや、ちょっと調整……ってか、暇つぶしにいじってた。───ん?『この子』?」
答えてみてから、シンはフェイトの物言いに違和感を覚える。
この子、って。まるでMSのことを生き物のように。
「変な言い方するんだな。機械に」
「へ?」
「ほら、今『この子』って、デスティニーに」
灰色に染まる機体を、二人に示す。
見上げた少女達は逆に、シンの言いように首を傾げていた。
「変ですか?」
「だって……MSだぞ?」
そんな、生き物や人間みたいに言うなんて。
「でも、この子はシンさんのパートナーなんでしょ?一緒に戦ってきた」
「パートナー?」
「相棒、っていうか。ずっと一緒だったんですよね?」
言ってみれば、確かにそうなるのだろうが。
そのようにデスティニーのことを捉えたことのない、ただの兵器としてしか見ていなかった
シンは困惑する。
「……けど、単なる機械だろ。相棒とか、そんなんじゃ……」
「レイジングハートは、機械だけど私の大切なパートナーですよ?ね、レイジングハート」
『yes』
「わっ」
───そうだった。
この世界の機械には、しゃべったり自分の意志を持ってるやつがいるんだった。
それもすごく人間臭いような代物が。
「バルディッシュもだよね、フェイトちゃん」
「うん。まあ、うちの子はあんまりしゃべらないけど」
笑いあう二人を見て、シンは考える。
今まで乗機のことを単なる道具としてしか見ていなかった自分について。
(相棒……か)
道具でなく、相棒。
インパルスに乗っていたときも、これっぽっちも考えなかった。
あくまでMSとは兵器、人を傷つけるための道具。そのようなものに愛着を持つだなんて。
もちろん、彼女達だってMSと彼女達の使うデバイスとかいう武器の性質の違いは
理解しているのだろうが。自分が扱うという点に変わりはない。
年下の少女達の言葉は、妙にシンの心に突き刺さる。
「この子、いい子だと思います。シンさんがこっちにきたときも、一緒についてきてくれたんですし」
「……そう、か?」
「はい。すごく、やさしい子なんじゃないかな、って」
やさしい。
──兵器が、やさしい?
「この子……デスティニーですか?きっと、戦いは好きなんじゃないと思います」
「フェイトちゃん?」
「え?」
「……ほら、目のところ」
フェイトが指差すのにつられて、シンもなのはとともにデスティニーを見上げる。
「この子、泣いてます。でも、それでもシンさんの戦いにずっとついてきてくれたんですよね?」
「あ……ああ」
「頑張り屋さんでご主人思いの、いい子ですよ。きっと」
今は灰色の、赤い血涙を思わせるデスティニーの顔に彫られたデザイン。
前々から変わったデザインだと搭乗者である自分自身、感じていたが、
フェイトの言うような考えは思いもよらなかった。
今は灰色の、赤い血涙を思わせるデスティニーの顔に彫られたデザイン。
前々から変わったデザインだと搭乗者である自分自身、感じていたが、
フェイトの言うような考えは思いもよらなかった。
やさしい機体。戦いを好まぬMS。
観念的、抽象的な言い方で血の通わぬ兵器を言い表すのは不適当なのかもしれない。
そういった考えをする人間など、シンのいた世界には稀だろう。
だが、これを作った議長はどういった意図を持っていたのだろうか。
(……インパルス)
同時に、かつての乗機に思いを馳せる。
あの機体はデスティニー以上に自分を支え、共に戦ってきてくれたというのに。
自分は壊れた部分は換装すればいい、その程度に考えて(それがインパルスの機体コンセプトなのではあるが)、
機体を労わろうともしなかった。
「うまくは言えないんですけど……こういう子たちって、自分と生死を共にする仲間じゃないですか?
だから……『使いこなす』って考えるより、『一緒にがんばる』って考えたほうが機体も応えてくれると思うんです」
「あ……」
「機体との信頼関係?っていったらいいのかな」
デスティニーを受領したときのことを思い出す。
新しい機体に、自分はただ与えられたことを喜ぶだけで。
まるで玩具を買ってもらった子供のように自分のことしか見えていなかった。
機体を与えられたことに笑っても、機体そのものを見てはいなかったのだ。
(……ごめんな、デスティニー)
言われてみてはじめて、自身が駆ってきた機体に対し目が開いていくのがわかる。
同様に、今まで自分にとって「愛機」という言葉が単語でしかなかったということも。
シンはひどく、申し訳ない思いに駆られた。
(そう、だよな。何度も俺の無茶で傷ついて、ボロボロんなって)
考えなしに闇雲につっこんでいくだけだった自分が、恥かしい。
動かすのは自分だが、傷ついていくのは、機体のほうなのだ。
「ありがとな、二人とも」
「いえ」
「そんなことないです」
今までは電源の落ちた状態としか見ていなかったディアクティブモードのデスティニーが、
今では疲れ切った羽根を休めているように見えた。
−−−−
『フェイトちゃん、なのはちゃん、いる?』
「あ、はーい」
と。フェイトの横の空中にウインドウが開き、眼鏡の女性が顔を覗かせる。
先程シンをドックへと案内した、マリーだった。
「なにか事件ですか?」
『事件ってほどのことでもないんだけど。シンくんもそこにいる?』
「俺?」
自分を指差し、シンが不思議そうな声を返すと、画面の向こうのマリーは頷く。
『そ。シグナムさんから通信があって。シンくんを連れてきてほしいんだって』
「……へ?」
「「わかりましたー」」
何故、自分が呼ばれるのだろう?
シンが、よく理解できないでいる間に。
眼鏡の女性が映ったウインドウは空中に消えていった。
つづく
恥ずかしながらこちらで投下させていただくこととなりました。
拙い作品で混乱を招いてしまいもうしわけありませんでした。
129氏GJ!!!!
おもしろかったぜ
シン、確かに機体にそこまで愛着持ってる描写なかったな……しんみりくるGJ。
そして次回はついに髪の薄いアイツが登場か。
>「うん。まあ、うちの子はあんまりしゃべらないけど」
いやいやバルディッシュもなのはさんやシグナムに称えられた時は結構嬉しそうに受け答えを……
シンは確かに「荒っぽい」部類のパイロットかもしれないな。
ま、イージスを自爆させた男がやって来そうだから、その辺の愛機論がどう広がっていくのかは興味深いところ。
続きを期待してます。
職人さん達皆GJ!
どの職人さんにも言える事だけど、どれだけ時間をかけたり話が長くなったり(これは私的に嬉しい面もあるが)しても、自分の満足のいくような作品に仕上げて欲しい。
髪無氏は短期間に2度自爆してるから機体を大事にはしてないですね…
つーか、なにこの国語力の差…越えられない壁です…orz
作品が多いのはいいことです!
職人さん方頑張ってください
まとめた評価でスマンが職人さんたちGJ!
少なくとも来年まで熱冷めることはないだろうし(むしろ来年からか?)
ちょくちょく寄らせてもらいます
>>65 二度自爆して、三度目はリフター捨てましたもんね…。
なのはの世界に来たらものを大事にするようになるのだろうか?
ボトムズみたいにあくまで兵器として次々と使い捨てるなら、デバイスを相棒として扱うなのは達との対比になるんだが、種では中途半端だからな
鎮魂歌にもぶち込んでましたね、忘れてた…。
まぁあれです。
「物を大事にしない奴なんか大嫌いだ!!」
…ゲ○戦記みたいな
子獅子にいわれそうだな髪無氏(笑)
第二話 戦いの嵐、再び
「キラ君、鍋の火を弱めてくれん?」
「うん、このぐらいでいいのかな?」
八神家キッチン。
そこで、はやてとキラはシチューを作っている。まぁ、ほとんどははやてが作っているわけなのだが…。
「それにしても、遅いですね。シグナムさんも、シャマルさんも。」
「ん〜、二人とも子どもやないし、大丈夫やろ?
ヴィータも、ザフィーラがついとるし…」
お玉に少量シチューをすくう。
「前のシチューと味が一緒やったらつまらんと思って、ちょっとコンソメ多く入れてみたんやけど…」
小さい皿にうつし、キラへ差し出した。
「ちょっと味見してくれへん?」
小皿を受取り、キラはシチューを味見する。
「うん、美味しいよ。いいんじゃないかな。これで」
「ほんなら、後はしばらく煮込むだけやさかい、キラくん、お話でもしよ。」
はやては火を皿に弱火にして、リビングへと移動した。
「終りだね。名前と、出身世界を言ってもらおうか。」
フェイトは赤い服の少女にバルディッシュをつきつけた。
アルフの捕縛魔法が自由を奪うことに成功したのだ。しかし…。
「何かやばいよ。フェイト!!」
アルフがフェイトに警告した刹那、目の前に突然、女が現れ、持っている剣を…横一線。
バルディッシュで受けたものの、すさまじい力で数メートル吹っ飛ばされる形になった。
「レヴァンティン」
『Jar』
「紫雷一線!!」
機械的な音がして、剣の柄の部分から何かが排出される。
刃を中心として炎が渦を巻き、そのまま…
縦一線。
ガキィッ!!
バルディッシュの柄にレヴァンティンの刃が食い込み、切断。
「なッ!?」
バルディッシュを割られたことに気をとられ、フェイトの反応が一瞬遅れた。
女はそれを見逃さない。降り降ろしたレヴァンティンを再び構え、振りおろす。
『Defenser』
フェイトの代わりにバルディッシュが障壁を展開。
だが、レヴァンティンはあっさりと障壁を破壊する。
フェイトは空中から叩き落とされる形となり、垂直に真下のビルに突っ込んだ。
二話 戦いの嵐、再びA
ズドォォオンッ!!
コンクリートを砕くような音がシン、なのは、ユーノの耳に届いた。
まだ、自由に動けないなのはには何がおこったのか確認できなかったが、シンとユーノは直ぐに理解する。フェイトがやられたのだと。
理由は単純、一人、結界内に人が増えていたからだ。
「危なかったな。ヴィータ。」
「シグナム!?」
「張り切るのはいいが、あまり無茶をするなよ?
お前が怪我でもしてみろ。主は…。」
「わかってるよ。ここからが本気だったんだよ!」
ヴィータの子供じみた(実際子供なのだが)言い訳に少し、厳しい表情を和らげながら彼女を拘束している魔法を解いてやった。
「フェイトォォオ!!」
突然の出来事にあっけにとられ、呆然としていたアルフがフェイトの落下したビルに向かおうとする。
ふと、視界の隅に人影がうごめくのが入った。
とっさに顔の片面に両腕を構え防御体勢に入る。
衝撃。
やや、後方に飛ばされ、アルフはそこで初めてその人影を確認した。
白髪の男。
犬耳に尻尾が特徴。
服は全体的に青でまとめている。
鋭い目つき。
アルフと同じ、使い魔の容姿をしていた。
「なんなんだ、あいつらは!」
『バリアジャケット、ブラストシルエット。』
「シン君!ちょっと待って、何を!?」
ユーノはシンを制止させるため、手を掴もうとするが、シンが一歩前に進んだ為、掴み損ねた。
『ケルベロス get set』
シンの持つジャベリンから音声が発せられ、両脇に真紅の魔法陣を纏いながら待機している赤い魔力の塊が徐々に肥大化して行く。
『バースト!』
すさまじい衝撃波とともに膨大な赤い魔力の塊が二本、シグナムとヴィータに矢のごとく一直線に向かっていく。
シグナムとヴィータは難無くそれを回避した。
「何だぁ?このヘタクソな砲撃は?」
方向補正、誘導性、全くなっていなかった。
ヴィータの言葉に同感と思いつつ、飛んできた方向に目をやると、緑色の魔法陣に包まれた少女が一人。
先程、叩き落とした少女の元へ向かう少年が一人。
赤い魔法陣を二つ待機させている少年一人の姿を確認した。
続く!
シン駄目じゃん。
相手の気を引くためだから狙いを定めなかったのか、素で射撃が駄目なのか・・・
気を引くだけだったら、かなりの自信家だよな。
魔砲使いとしてはド素人に近いのだから、当然かと。
シチューの味見してる元ニートなら早々に使いこなすかもしけないけどw
シンはどっちかというと、努力を積み重ねて強くなっていったりするタイプだからな。
とある人は元からある才能に頼るだけかもしれんが。
てか、慌ただしいシンとは違ってキラは平和そうだな。
つか何もしてない・する気の無いキラはまたニート化してますが
第二話 戦いの嵐、再びB
「現状、四対三…。一対一ならば我々、ヴェルカの騎士に負けはないと見ていい。しかし…」
「白い方は障壁がはってあるから面倒だ。赤い方を二人でボコっていけば?丁度一対一にできるんじゃねぇ?」
なんて、安直な…とも、思ったが実際、やれないことはないだろう。それに名案でもある。
どの道、白い方は戦えないだろう。ならば、無視して赤い方をやるべきだ。
「よし、ヴィータ、行くぞ。」
「言われなくても…、グラーフアイゼン!!」
『シュワルベフリーゲン』振り上げたグラーフアイゼン、空中に浮かぶ4つの弾。
「やるってんなら、こっちだって!!」
『バリアジャケット、ソードシルエット』
「はぁぁああ!!」
『フラッシュ・エッジ』 4つの飛行するオレンジ色の光を、シンの放つ、赤い光の刃のフラッシュエッジが薙払う。
響きわたる炸裂音。
生ずる煙。
その、煙をかきわけるようにして、シグナムが特攻を仕掛けてくる。
「くそー!何なんだよ。こいつら!」
シンは地を蹴り、こちらからも攻撃を仕掛ける。
アカデミーで訓練を受け、ある程度は生身で戦えるが、しかし、生身で空を飛ぶのがこんなにも勝手が悪いとは思っていなかった。
何と言うか、落ち着かないのだ。
シグナムの一撃を連結エクスカリバーで受ける。
「くそっ!なんでこんな!!」「テートリヒ!!」
「後ろから!?」
連結しているエクスカリバーを解除し、
「シュラーク!!」
ヴィータの攻撃をも受ける。
(どうすりゃいいんだ?このままじゃ…だいたい、こいつら、どこにこんな力を…)
焦るシン。一人は女、一人は子供と言うことで侮っていた。
(武器破壊が目的だったのだが…、魔力刃か少々厄介だな。)
シンのエクスカリバーは、実際にインパルスソードシルエット時とサイズこそ違えどほぼ同じものだ。
実体部分と魔力刃の二つの部分に分かれている。
シグナムは力負けしないようにしつつも、相手の情報を少しでも多く得ようとしていた。
『フォトンランサー』
「撃ち抜け、ファイア!!」
同時、シグナムとヴィータはシンから離れ、金色の閃光を回避する。
「シン、大丈夫?」
飛翔してきたフェイトが心配そうな声音で聞いてきた。ユーノも飛翔してきている。
「あ、あぁ。」
「ユーノ、結界を破って、ここから全員転送…いける?」
「わからないけど…、アルフと協力すれば、たぶん…。(アルフ?)」
「(ちょっとしんどいけど、やってみるよ。)」
「私は、あの赤服の子の相手をします。彼女の射撃魔法は厄介ですから、シンはあっちの剣の人をお願いします。ユーノはシンをサポートしてあげて。」
「へっ?お、俺が!?」
「わかった。行くよ!シン君。」
「あ、あぁ。」
第二話戦いの嵐、再びC
「二対一…か。」
ユーノとシン、両方に視線を走らせながら呟く。
『エクスカリバーアンビデクストラスフォーム』
「できるだけ注意をシン君に引き付けて、僕が君をサポートするから。」
ゴクッと唾を飲み、頷くシン。
「やってやる。」
沈黙が続く。
そんなことは知らない、フェイトとヴィータがデバイス同士を打ち合った。
それが合図となり、シンもシグナムも同時に相手に向かって突進。
「おぉぉぉ!!」
「はぁぁぁ!!」
お互いの渾身の一撃がぶつかり合い、初撃でパワーでは不利と判断したシグナムはすぐに距離をとる。無駄な力をここで使うわけにはいかない。
(パワーでは俺の方が上)
チャンスとばかりにシンが追い討ちをかける。
「レヴァンティン。」
シグナムの持つ剣から、薬筒が弾け飛ぶ。
「もらったぁぁ!!」
「紫雷一線!!」
シンが縦一線を繰り出したのに対し、シグナムは強化された横一線を見舞う。エクスカリバーの実体部分を狙った攻撃。
ガシャアァンッ。
見事にそれは効果をあげた。
「そんな?」
片方のエクスカリバーが砕け、散る。
「シン君、後ろ!!」
ユーノの声にハッと我にかえる。振り返るとニ撃目が繰り出されていた。
駄目だ、やられる!
そう思ったが、防御障壁が発生し、シグナムの攻撃を阻む。ユーノが発生させた障壁だった。
「(転送の準備はできたけど、空間結界が破れない。アルフ!)」
「(こっちもやってんだけど、無茶苦茶かたいんだよ。この結界)」
「うわぁぁぁ!!!」
「シン君!!」
ユーノが展開した障壁を破られ、シンは残っているエクスカリバーでシグナムの攻撃を受ける。
「(これだ、この弾丸みたいなやつ、これが打ち出されてパワーが上がってるのか?)」
剣圧でエクスカリバーに亀裂が入り始める。折れるのも時間の問題だろう。
(せっかくフリーダムを討ったのに、こんなわけの分かんないことで俺は…俺は!)
何かが自分の中で弾けた気がした。頭の中に音が響く。
パリィィン。
『バリアジャケットフォースシルエット』
シンの目付きがかわり、今まで押していたはずのシグナムが逆に押され始めた。「うぉぉぉ!!」
そのまま、力で強引にシグナムを弾き飛ばし、一瞬で間合いをつめ、最速の突きを繰り出す。
紙一重でかわすシグナム。さっきまでと違い、パワーもスピードも格段に上がっている。そして何より一撃一撃に気迫がこもっていた。
「ちょこまかと…」
シグナムへ向き直り、怒りに満ち溢れた目で睨み、凄まじいまでのスピードで追い掛けていく。豹変したシンの姿を目の前にしてユーノは呆然としていた。
「シン…君?」
続く!
そういえばMSに乗らなくても種ってはじけるんだったな。
今までずっとMS乗った時しか割れなかったし。
乗ってないときに割れるとどーなるんだろ?
なのは世界っていろんな世界の集合体みたいなもんだから
飛ばされた種キャラたちが本局に行ったら
いろんな世界から飛ばされてきたキャラ&MSが置いてあったりしても面白いかも
4話目キラSideを放出します。(会話ぶった切ってスマソ)
魔砲戦士リリカルSEED Cross Magic
第4話
「新生活の始まり・キラSide」
H.17時空管理局少年達は新たな力を手に入れる。
魔法の力、自らの命運を握る鍵の力だった。
そして始まる新たな生活、少年たちは、どう生き抜いていくのか・・・
Side by Kira Yamato
「うっ・・・」
キラは方陣から歩みを進めるが少しふらついている。
転移魔法の感覚にはまだ慣れていないようだった。
不意にポケットに手を突っ込むとメモが入っていた。
「キラ君へ、目の前のマンションの***号室にいってフェイトさんと合流してください。
リンディ・ハラオウン」
フェイト・・・あの金髪の女の子か・・・この世界で出会ったはじめての住人を思い出しながら
キラはマンションへと向かった。
「えーとこの階・・・でいいんだよな。」
ブツブツと自分に問いながらキラ書面の号室の扉までくる。
ピンポーン少し間抜けな音のチャイムを鳴らす。
「誰だい?」
聞きなれた声とは違う声が帰ってくる。
「あの・・・今日からここでお世話になるキラ・ヤマトです・・・。」
「あぁ、フェイトから話は聞いているよ。どうした?ほら入んな。」
「お・・・お邪魔します・・・。」
少し緊張してきたがとりあえず入ることができた。
ひとまず安心すると奥から今度は聞きなれた少女の声が聞こえてくる。
「アルフ、お客さん?・・・あ!」
金髪の少女がキラを見つけて声をあげる。
「えっと、始めまして・・・じゃないよね・・・。」
「は・・・はい。え、えと・・・あの・・・。」
「大丈夫?顔真っ赤だよ?」
「う・・・。」
それっきりフェイトは黙ってしまう。
これじゃ立場が逆だ、などとキラはすこし吹きだした。
「クスクス・・・ごめん・・・僕はキラ・ヤマト、君がフェイトちゃんであってるよね?」
「は、はい。あの、よろしくお願いします。」
「そんな堅苦しくしないで、普通にしゃべってくれればいいから。」
とりあえず最初の挨拶は成功のようだった。
しばし会話をかわしていたキラはさっき玄関先にいた女性がいないのに気づいた。
「そういえばさっき玄関にいたのはお姉さん?姿が見えないけど…。」
「アルフのこと?アルフは・・・うーん、大切な友達だよ。」
「アタシならここだよ。」
子犬がしゃべっている、いや、次の瞬間には人間の姿になっている。
「アルフさんも魔道師…ですか?」
「アタシはフェイトを守る使い魔さ・・・魔道師とはちょっと異なるかもね。」
離し終えたとたん子犬の姿に戻ると耳が鋭くピクッと動いた。
「おや…なにかいるねぇ…。」
壁に向かって飛びつくとそこから何か飛び立った
「ちぃ!逃がした!」
ゴキブリだった。
「え?アルフ…?うわっ!!」
フェイトのすぐそばをゴキブリが飛び去っていく。
「虫・・・苦手なんだけどなぁ。」
「ちょっと待って、ビニールか何かあるかな?」
新聞紙とスプレーを手に持ったフェイトを見てキラが変わりを買って出る。
ビニールを手にするとキラはゴキブリに向かって丸めた新聞紙を一つ投げつけるがあっさりかわされる。
しかし、キラは狙っていたかのように飛び出したゴキブリをビニールでキャッチし口を縛った。
「す…凄い…。」
「さてと、どうするこれ?食べる?」
「い…いやどうするって…食べる?!」
フェイトが混乱するのを見てキラはちょっと悪いことをしたような気になった。
「あはは…冗談だよ!」
「なんだ…。」
フェイトがホッとした様子なのを見るとついつい笑いがこみ上げてくる。
元いた世界でもこんなだったらどんなに楽しいだろう。今、自分がいる場所こそが平和なのだ。
その後キラはゴキブリを近くの公園で解放して夕飯の準備の手伝いにとりかかっていた。
「キラさんは何が食べたいですか?」
「うーん、なんでもいいよ。」
「好きな物とかないんですか?!」
少しムッとした様子でフェイトが問う。
「じゃキャベツあるかな?」
「いろいろ買ってきたから大抵のものはあるよ。」
「なら、ロールキャベツをお願いしようかな。」
「はい。」
今度は笑顔だ。表情がコロコロ変わる様子はとても可愛い。
キラはあのピンク色の髪の色白の少女と目の前の少女とを重ねていた。
「ご馳走様、おいしかったよ。」
「あ…ありがとう…ございます。」
大抵自分とアルフで食事をとっていたフェイトは人に自分の料理がおいしかったなんて
誉められたのは始めてだった。(キラも手伝いをかなり頑張ってはいたが)
「明日は学校かな?」
「はい。」
「じゃあ、そろそろ寝ないとだね。えっと…僕はどこで寝ればいいかな?」
「クロノの部屋が空いてるんでとりあえず自由に使ってください。」
「うん。ありがとう。明日は何時に起きればいいかな?」
「魔法の練習もあるんでなるべくはやく…そうだなー…5時30分ぐらい。」
「うん、わかった。お休みフェイトちゃん。」
「はい、おやすみなさい。」
二人と一匹は挨拶を交わし眠りについた。
「うーん…。」
フェイトは自室のベッドで目を覚ました。
「ちょっと…寝坊したかな…?」
着替えと歯磨きを済ませてリビングの扉を開ける。
「あ、おはようフェイトちゃん。」
「おはようございます…キラさん…。」
「ま…まだ眠そうだね…大丈夫?」
「はい…。」
少しボーっとしているフェイトをキラが気遣う。
「とりあえず朝ご飯にしてそれから出かけよう。」
バルトフェルドに教わった入れ方を少しアレンジ(と言ってもミルクと砂糖の量を増やしただけだが)
したコーヒーを手渡しながら予定を話す。
「ありがとうございます。」
「どうかな?」
「あったかくておいしいです。」
「よかった。少し自身無かったんだ。アルフさんはこれどうぞ。」
ホットミルクをトレイに注ぐ
「気が利くじゃないか。」
アルフはそれをすぐに飲み干してしまった。
朝ご飯を済ますと二人と一匹は近くの公園へと向かった。
AM6:00海鳴臨海公園
「アルフ少しでいいから結界お願いね。」
「アイヨ。」
数10メートルの範囲の結界が張られる。
「えっと…よろしくお願いします。」
昨晩は友達のように会話していたが仮にも物を教わる立場に
あるので挨拶は丁寧にする
(訓練の為にも指示は念話でするよ。)
(わかった、こうやって相手と意識を糸電話みたいにすれば伝わるんだよね?)
(うん大丈夫、聞こえてるよ。)
キラがこれから教わるのは転移魔法だ。
最初は数メートルおきに転移し徐々に距離を伸ばしていくと言うものだった。
(ここの時限座標は**********で最後の2桁をちょっとずらせば小距離での転移も出来ます。)
(大丈夫かな…。)
(えっと、見てますからやってみてください。)
(うん。)
「時限座標**********…転移開始…。」
キラの魔方陣はミッド式でクロノと同じ透き通るような水色だ。
一度キラの姿が消えたと思うと数メートル先に同じ魔方陣が展開しそこにキラも現れる。
(やった…のかな?)
(一発で決めちゃった…。)
(説明がわかりやすかったからだよ。)
(ううん、キラさんに才能があるんだよきっと。)
(そ…そうかな?ありがと。次はなにをすればいい?)
(もうちょっと距離を伸ばして、練習の繰り返しかな。)
(じゃあ次は**ぐらいでいいかな…。)
「時限座標**********…転移!」
キラは念話と転移はあっというまに習得出来そうだった。
今ごろシンやアスランも練習してるのだろうか、そんなことを考える余裕さえ生まれていた。
その後練習を終えたキラはフェイトを学校へ送った後マンションへと戻った。
H.17海鳴、
力の使い方をそれぞれの少年は学び始めた。
何の為に与えられた力なのか、それをどう使うか、それぞれの思いは一つだった。
Side By Kira Yamato END
次回は第4話アスランSideということで…
転移魔法の原理とか思いっきり無視してます。
んでもってキラが子供っぽく書きすぎた気がします…。
なのはにあるまじきほのぼのライフ…髪無氏はもっと酷くなる予定(ヤメレ
キテターーー(゚∀゚)ーーー!!
フランキーなキラだな。
実はロリコンか?
実は和名が大和 月とか
……新世界の神かい
「キラさん」にふいた俺「キラさんスレ」住人
実際に言いそうだから、また怖い
ロリコン…書いた人のが乗り移ってしまった可能性大
キラーさんなら新世界の神
第5話、投下します。
機動戦士ガンダムし〜どD´s 第5話
いい匂いが部屋中にたちこみ、空腹の身体を更に刺激する。
「「「「いただきます」」」」
はやての家では夕食が始まり、テーブルの上には様々な料理が並んでいる。
それを見てシンは内心ほっとする。
(よかった・・・・へんなものだされたらどうしようかと思った。)
別にはやてが料理が出来なさそうとかではなく、この世界の食べ物が自分の世界とほとんど、いや、全く一緒とだということでだ。
(まあ同じ人間なんだから当たり前といえば当たり前か。)
いろいろ考えているせいで、シンの箸が全く進んでいないことにはやては気付く。
「もしかして口にあわなんだ?」
はやてが悲しそうな目で見ている。
「あ・・いや・・この世界の食べ物が俺がいた世界の食べ物と全く一緒だから、それでちょっと驚いただけだよ。」
あわてて理由を説明するシン。
それを聞いてはやては安心した。
「そうやったんか。ほか遠慮せんと食べて。」
そういわれ、近くにあったいびつな形のコロッケに手を伸ばす。
おそらく手伝うといって聞かなかったヴィータが作ったのだろう。
まあ味自体に影響はないと思い口に入れる。
「美味い。」
ここ最近、食事はミネルバの食堂でした食べていない。
ミネルバの食事のおいしいが、一人になってからコンビニやアカデミーの食堂でしか食事をしていなかったシンにとって、こういう家庭の味が懐かしかった。
「そう?よかったぁ。」
シンからおいしいといわれて喜ぶはやて。
その後はすぐに皆と打ち解けた。
ふとそこでシンは下を見た。
そこには犬がいて、シンたちと同じものを食べている。
「なあ、はやて・・」
ん?とシンのほうを見るはやて。
「犬にあんなのを食べさせていいのか?」
「犬?」
「ほら、あそこ。」
そういいシンは箸でザフィーラのほうを指差す。
「それ犬じゃねえぞ。」
はやての変わりにヴィータが言う。
犬じゃないって、そんな馬鹿な。
シンはザフィーラを見る。
(どう考えても犬だよな・・・・・)
どこをどう見ても犬にしか見えない。
「ザフィーラ、一時的に変身を解除してみたら?」
シャマルがにっこりと笑いながら言う。
変身?何を言ってるんだ?
そう思ったとたんその犬が急に光りだした。
だが光はすぐに止み、そこには一人の男性が立っていた。
ただ、少し違うのは、頭に犬の耳があったことぐらい。
「な・・・・・」
シンは呆然としてその男を見ていてた。
「言うのが遅れたな、ザフィーラだ。」
そういいすぐにまたさっきまでいたのに戻る。
まだ頭が混乱している。
「え?犬?・・・人?・・・・どっち?・・・・」
混乱しているシンを見てヴィータが笑う。
それにつられて皆も笑い出した。
「な、別に笑わなくてもいいだろ!」
シンは立ち上がって皆に向かって叫ぶ。
「ごめん、あんまりにもおかしいかおするからつい・・・」
代表してはやてが謝る。
ため息をつき、シンは席に座る。
(そういえば、こんなくだらないことで怒るのって久しぶりだな・・・・・)
思わずシンは苦笑する。
大切な人を奪われた怒り。
信じていた人の裏切り。
ブルーコスモスの横暴。
最近は本当に激怒しかなかった。
「何笑ってんだよ?」
「え?そういえばこんなくだらないことでも怒れるんだなって思っただけさ。」
「はあ?」
シンの言っている意味が分からず、困惑するヴィータ。
ここの生活は楽しい、シンは心から思う。
「ふぅん、ロボットねぇ。」
ここは高町なのはの家。
今日はなのはの兄、恭也の恋人、月村忍もいる。
なのはは今日起こったことを家族に話した。
大きなロボットにでくわして、その中に人が乗っていたこと。
そのパイロットは別の世界の軍人で、いまははやての家に滞在していること。
「それって本当なのか?」
恭也にはどうにも信じられなかった。
ただでさえなのはが魔法使いだといわれたときも実際目にするまで疑っていた。
まあ、魔法使いとか巨大ロボットとか、信じろというのが難しい話だが。
「まあまあ、なのはが言ってるんだから間違いないでしょ?なのはは嘘つきじゃないもんね。」
こういうとき一番になのはの味方をするのは姉の美由希である。
続いて母の桃子もなのはのフォローに入る。
「そうそう、それに、魔法もあるんだから別にロボットがあってもおかしくはないでしょ?」
確かに、逆にこの世界ではまだロボットのほうがまだ実現はしやすそうではある。
「まあ確かにそうだけど・・・・いきなり言われて信じろって言われてもなあ・・・」
まだ信じてもらえないのか、と少しため息を吐くなのは。
真面目なのはいいが相変わらず頭が固すぎる。
そこでひとつの提案をしたのが父士郎であった。
「じゃあその人を今度連れてきたらどうかな?」
まあ確かにつれてきて直接話を聞いたほうが信じてもらえる。
その意見にはおおむね賛成だった。
「それいいわね。呼ぶときは私も呼んでね。」
以外にも忍も彼に会いたいと言い出した。
恭也はその理由がすぐに分かった。
「どうせそのロボットも見せてもらおうとおもったんだろ?」
彼女は大のメカ好きである。
しかも今まで見たことのない本物のロボットが見れるのだ。
「まあね。異世界のメカかあ。どんなのだろう。」
「それに向こうの世界っていうのも気になるしね。」
「じゃあ、あとではやてちゃんに聞いて合えるかどうか聞いてみるね。」
女性たちは向こうの世界に興味津々で話し始めた。
ここは海鳴市とは少し離れた町。
そこには一人の警察官がいた。
彼は今夜間の見回りで町を回っている。
「この区間も異常なし、と。平和っていいねえ。」
今日も何事もなく仕事が終わり、署に戻ろうとしていたときだった。
「すみません。」
急に誰かに呼び止められ、後ろを振り向いた。
そこにいたのは珍しいサングラスをかけた長い金色の髪を伸ばした外国の男性だった。
「ちょっと道に迷ってしまいましてね。ここがどこだか教えて欲しいのですが。」
深夜に人が迷う。よくあることだと思って警官が答える。
「ああ、それだったら向こうに地図があるか・・・・」
男性が後ろを振り向いた直後、男は隠し持っていたナイフで男性のわき腹を思いっきり2度、3度刺した。
いきなりのことと急激な痛みで男性の頭が混乱する。
その隙に男は男性の顔面を思いっきり蹴り飛ばした。
男性はしばらくうずくまるが、それ以降動くことはなかった。
「さてと・・・」
男は人を殺しても何も動じることなく警官の拳銃を手に取った。
どうやら最初からそれが目的だったようで、銃弾の確認もして、予備のマガジンもついてとばかりに拝借した。
「使い方は一緒だろう。それよりも、これほど簡単にうまくいくとは。」
よほど平和ボケな国なのだなと思った。
「必要なものは手に入った・・・ん?」
その男、クルーゼは公園の中心に光があることに気付く。
「私以外にも客がいるとはな。」
クルーゼはその光のほうに向かった。
その光の中にいたのは少女だった。
だが・・・・
「死人がここに来るとは・・・」
衣服も、髪も、ほとんど血でまみれていて、更には右腕が千切れていた。
もう死んでいるだろと思ったときだった。
ピク・・・ピク・・・・
左腕が僅かに動く。
クルーゼがこれを見てすぐに分かった。
「もしや、コーディネーターか。」
身体が未発達な子供がこれほどの傷を負いながら生きていられるのはクルーゼは知るかぎりではコーディネーターしか知らない。
不意に、クルーゼの顔がほころぶ。
「思わぬキーが手に入ったな。」
これは利用できる。そう思いクルーゼは少女を抱き、ワープのようなもので闇の中に消えていった・・・・
その中で少女がクルーゼが気付かないほどの声で小さくつぶやく
(お父さん・・・お母さん・・・)
ほとんど意識のない状態で彼女が思い浮かぶのは、自分の家族。
その中で強烈に思い浮かぶのは、自分が落とした携帯電話を取りに行った兄の姿であった。
(お兄ちゃん・・・・)
「ん?」
シンは突然妙な感覚に襲われた。
(何だろう、この感じ・・・)
なにか、どこかで感じた感覚。
(懐かしい感じがするけど・・・何だろう・・)
ぼうっとしているそのときだった。
ガシャン!
皿が落ちた音でシンの現実に戻った。
「ヤベ!」
なにしてんだよ、と後ろからヴィータの揶揄が飛んでいたが、それを無視して落とした皿を手に取った。
運よく皿は割れておらず、ほっと一息つくシン。
もう夕食も終わり、後片付けが始まってシンもそれを手伝っていた。
「きいつけなよ。」
はやてにいわれて「ああ」と返事をするシン。
そのとき、ピピピ、と携帯の呼び出し音が鳴った。
「主、なのはからメールです。」
シグナムから携帯を受け取り、メールの確認をする。
「シンさん。明日って用事あらへん?」
「明日?明日は昼からなら大丈夫だけど。」
いったいどうしたんだ?とシンは思った。
「なのはちゃんからこの休みうちにこれんか?ってメールが。」
これんか?何のことかさっぱり分からないシンは少し考え込む。
「これないかって意味だよ。」とヴィータに言われてああとシンはうなずく。
時たまはやての言っている意味が分からないときがある。
はやてのしゃべっている言葉は一部でしか使われない言葉である。
だからたまにいっている意味が分からないときがあり、誰かに意味を聞くときがある。
「別にいいけど。」
シンがそういいはやてはメールを返信した。
そしてすぐにメールが帰ってきた。
その内容を簡単に告げた。
「ロボットのことはなしたら信じてくれないから本人から話してって。それと別の人にロボット見せていい?っていよるけど?」
別に信じなくてもいいのに何でそんなことを・・・・と思ったが、別にいいといってしまったので「MSは無理だけど話だけなら、っていっといてくれ」とだけいい再度皿洗いを再開した。
流石MSをに一般人に見せるわけにはいかない。
(しばらく大変だなこりゃ。)
そう思い苦笑すると、先ほどの感覚を思い出す。
(にしてもさっきの感覚。なんだったんだあれは?)
さっきからあの感覚が気になって仕方がなかった。
(なんかあったかかったな・・・)
何かいいことあるかもしれない、そう思った。
さっきその考えていて皿を落としたシンだが、今回も・・・・
「おっと。」
今回は落とす前にちゃんと空中でキャッチした。
シンがこの世界を訪れてから長い1日がやっと終わりを告げようとしていた。
続く。
第5話投下完了。
だんだんなのはの世界に死人が増えてきたなあ。
まあこれからもっと増えるかもしれないけど・・・・
腕がちぎれてるのって、マユだよね。
恐ろしや。
乙っす
やっぱザフィーラの変身にはびびるよな
マユの千切れた腕の変わりに融合装着型デバイス埋め込まれて....な展開浮んで一瞬マユがライダー化してるの想像してしまって吹いた
そういえばクルーゼも恐らくデバイス持ってるんだよな
となるとクルーゼのデバイスは....仮面?
「この力でもう一度世界を滅ぼして見せるさ…」
「Ready?」
「さぁ真の終焉へのプロローグだ!!変身!!」
「Take this!」
クルーゼの変身ってこんな感じ?キモ
すまないけど、ちょっと遅れそうです。何とか日曜日までのうpを頑張りたいです。
別にはやて達の家にシンを置かなくても良いんだよね?
SSスレだからいいんじゃん?
なのはさん達の方を種世界に放り込みたいが誰が良いだろうか……。
何時だって持て囃されるのはシン!シン!シン!!!
たまには使ってやれよ・・・アーサーを・・・
赤い眼を持つ妹キャラってことでフェイトはどうだ?
経緯はどうあれ、ミネルバに保護されマユを守れなかった代わりにシンに可愛がられるみたいな。
一応アルフも付いてるけど、アースラと連絡が取れないため身動きが取れない為帰還できないとか。
>>116 独立前の時にもこんなん有ったよな?
あの時は種のオーブ陥落の所でぼろぼろの初期フェイトとシン遭遇で身寄りの無い二人が…ってやつ
ヴォルケンは誰放り込んでも大丈夫では
理由がしっかりしてるので
時期は限られるけど…
あとはリーゼ姉妹とか
つーかさ、魔道師をCEに放り込んでもそこに留まらず、元の世界に戻ろうと
次々と世界を渡り歩きそうな気がするんだが
それはあるかも、種キャラは自分で転移魔法なんて使えないから、なのはキャラたちに頼るしかないんだもんな。
まぁなのはキャラにも個人で転移できない奴はいるけど…。
122 :
114:2006/11/25(土) 04:14:18 ID:???
楽しみにしてるぜ!
がんばって下さい!んじゃ俺はキラ編よりひどいアスラン編おいときます。
魔砲戦士リリカルSEED Cross Magic
第4話「新生活の始まり・アスランSide」
H.17時空管理局少年達は新たな力を手に入れる。
魔法の力、自らの命運を握る鍵の力だった。
そして始まる新たな生活少年たちは、どう生き抜いていくのか・・・
Side by Athrun Zara
「ここが海鳴か…。」
転移魔法によって海鳴の路地裏に送られたアスランは、
キラと同じようにポケットに入ったメモを見てすでに動き出していた。
メモにはこうあった。
「アスラン君へ、あなたの行き先は海鳴市**-**の家です。
表札には八神と書いてあるからまちがえないように。
リンディ・ハラオウン」
「八神…ここか?」
自問自答しつつドアを叩く。
「誰だ?」
「八神はやてさんのお宅はここですか?」
ドア一枚分の向こうからどこか刺のある女性の声が帰ってくる。
「確かにそうだが…魔力のあるものをやすやすといれる訳にはいかんっ!!」
「!!」
声と同時にドアがバンと開き、中からピンク色の髪の女性が剣を手に斬りかかって来る。
すんでの所で飛びのき塀の上に着地した、自分がコーディネイターじゃなかったら
間違い無く真っ二つにされていただろう。
「待て!!俺は…」
「問答無用っ!!」
(シグナム!!その人に攻撃したらあかん!)
次はかわせないだろう、そう思っていたアスランだが、刃はピタリと空で止まっていた。
「あ…主?・・・しかし…。」
「ごめんな、アスランさん。シグナムに悪気はなかったんよ。」
後ろから大人の女性と少女が現れる。
「いや…なんとなくだがなんで攻撃されたかわかるよ…。」
ホッと胸を撫で下ろし塀からヒラリと飛び降りる。
「シグナムまたむやみに攻撃したでしょう?」
「ぐ…い…いきなり魔力を持つ者が来たらしかたなかろう!」
「ええんよシャマル、私が言わなかったのがいけないんやし。」
「はやてちゃんがそういうなら…。」
「あ…あの…あなた達は…?」
自分だけ取り残されているアスランが初対面の面々に問う。
「あ、すみません。私八神はやていいます、こっちはシグナムでこっちは…」
「シャマルです。」
「始めまして、アスラン・ザラです。」
「まぁ立ち話も難やからとりあえず中入って、お茶にしよ。」
「あ…主?」
シグナムとよばれた女性が姿に似合わず頭上にハテナマークを浮かべている。
「シグナムも説明は後や、さ早う中入って。」
4人は家へと入った。
それぞれ各自説明をうけ終えしばし沈黙が訪れる。
「え…えと…私実はアスランさんとは初対面ではないんですよ。」
なんとかシャマルが話を続けようとする。
「怪我をしてるアスランさんの治療をしたのは私なんです。」
「そ…そうなんですか?・・・ありがとうございます。」
「いいえ、どういたしまして。」
「ほんとは後二人いるんやけど、仕事で帰りは遅くなるから自己紹介はそのときや。」
「はい…あ、そうだ、この辺で電子機器をうってる店はありますか?」
「あるけどなにするん?お金もあらへんのに…?」
「ええちょっと…。」
笑顔で答える。
「ならええよ。はい、あんま無駄使いせえへんように!」
「わかった。じゃあちょっと出かけてくるよ。」
「いってらっしゃい。」
「気をつけて…」
アスランは
家電量販店へと向かう。
「なぁシグナム、シャマル、アスラン君のことどう思う?」
「は?どうとはどういう…。」
「だから男として…。」
笑顔でさらっととんでもないことを聴いてくるはやてに二人は調子をくずす。
「いい人そうですけど…。」
「我々は守護騎士です。そんな感情は…」
「あるやろ、顔にそう書いてある。」
シグナムもシャマルも自分の顔が赤面しているのに気づかなかった。
同時刻、海鳴電気…
「結構買ったな…。」
両手になにやら金属とコードとチップの入った袋を抱えてアスランは店をでる。
どうやらなにか作るらしい。
思いのほか店が近かったので数分で家に着く。
「ただいま。」
「あ、お…お帰りなさい。」
シャマルがまだ少し赤い顔で返事をする。
「?どうか…しましたか?」
「な…何でもありませんっ!!」
なんなんだ…。と考えつつ部屋に入る。
「どやった?何買ってきたか見せて!」
はやてが楽しそうに話し掛けてくる。
袋をテーブルに広げて中身を見せる。
「鉄板にコード…何に使うん?これ?」
「秘密です。パソコンとドライバーを借りてもいいですか?」
「ええよ。ドライバーは棚でパソコンはシグナムの部屋に置いてある。」
「ありがとう。」
とりあえずアスランは部品を持ってシグナムの部屋へ向かう。
「アスラン・ザラです。」
ノックし挨拶をする。
「ん、入れ。」
カチャリとドアをあけて中に入るとシグナムが椅子に腰掛けて本を読んでいた。
「パソコン借りますよ。」
「ああ、」
そっけない返事が帰ってくる。
ブーンとパソコンの起動音がしてパソコンがたちあがる。
パーツを取り出して次々に組み上げていく。
するとなにやら興味ありげな顔をしたシグナムが話し掛けてくる。
「機用だな。慣れているのか?」
「元の世界では毎年作ってましたから…。」
「そうか、邪魔して済まなかった。」
「いえ、邪魔なんてこちらこそ…」
最初があんなだったとはとても想像できないくらい
軽く会話できるようになっていた。
数時間後…
「よし、出来た!」
「ん、出来たのか?」
「はい。これですよ。」
するとアスランの手元から丸く可愛らしいロボットが飛び出す。
白と青のハロだ。
「ハロハロ!アカンデー!」
「なんだ?この間抜けなロボットは?」
「ハロです。皆さんに。」
「……。」
「アスラーン!!」
途端にハロがアスランの手元に帰ってくる。
「じゃ下行きますか。」
「あぁ。」
ハロを持って二人は階段を降りる。
下ではシャマルとはやてが夕飯の支度をしていた。
「はやてちゃん、ちょっと来てみて。」
「何?なんかあったん?」
「はい、これプレゼント。」
「ハロハロ!はやて!!ダーイスキ!」
相変わらずピョンピョン跳ねながらはやての手元にハロが収まる。
「うわー可愛い!ええの、ほんまに?!」
「もちろん。」
隣ではシグナムが笑っている、ふいにめがあうとお互いニッコリと笑う。
だがシグナムはすぐはやての方へ向きかえる
「主、ヴィータとザフィーラは帰りは深夜になると…。」
「そっか、まぁしょうがない。ここにいるメンバーだけで歓迎会しよか!」
「ザンネン!!ザンネン!!」
ハロがピョンピョン跳ねつづけている。
はやてはそれを大事そうにキャッチすると又キッチンの方へ向かった。
翌日…
下から物凄い怒鳴り声が聞こえてきて
アスランは起こされる。
声の主はどうやらはやてのようだった。
「ヴィータの馬鹿!!なんでこんなことするん!」
「だ…だってはやて…。」
「もうヴィータなんか嫌いや!あっちいって!」
「はやてぇ!」
もう一人の少女は泣きそうになっている。
アスランが歩みよろうとするがシグナムに制される。
かわってシャマルが歩み寄る
「はやてちゃん…ちょっとそれは言い過ぎでは…。」
「マスターは私や!私がどうしようと私の勝手や!!」
「でてって…」
「え?はやて…」
「はよこっからでてって!もうヴィータなんかいらへん!!」
涙交じりの声ではやてが叫ぶ
「…っ!!わけわかんねーっ!!」
もう一方の少女もかけでていってしまった。
「いったいなにがあったんです?朝からこんな…。」
するとシグナムが答える。
「それが…テーブルの上を見ろ。」
昨晩までは激しく飛び回っていたハロが機能停止している。
アスランは何が合ったのか察しシグナムの手をのけて前へと進む
「はやてちゃん…さっきの子…。」
「ほっといて!アスラン君は黙ってて!」
するとはやての頬に平手打ちが飛んでくる。
パンッ…!
「自分勝手ばかり言うな!それに…あれを作ったのは俺だ、こんな状況でほっとけるか…」
「だって!!ヴィータが…!」
なおも反論してくるはやてにアスランは思いっきり怒鳴りつける。
「それに…さっきの子に言った言葉…あれを言ってあの子がどれだけ傷つくかわかっていったのか?!」
「う…ご…ごめんなさい…。」
そう言うと少女の頬を大粒の涙が次々零れ落ちる。
「…!いや、わかればいい、殴ってすまなかった。けど誤るのは俺じゃないだろう・・・ちがうか?」
「はい…。」
「ハロも大丈夫だ、ちょっと接触に問題が出ただけですぐ直る。」
そう言うとハロを少しづつ分解し始める。
「す…凄い勢いで怒るな…。」
アスランの怒涛の勢いに流石のシグナムも目が点になっている。
「向こうで似たような聴かん子を扱ってましたからね…。うん、これでいいかな。」
物の数分で直すと出かける支度を始める。
「さ、さっきの娘を探しに行こう。名前は?」
「ヴィータだ。私も行こう。」
「シャマルさんははやてちゃんについててください。俺が必ずつれて戻ります。」
「はい。」
「ごめん…ごめんな…。」
はやてはずっと泣いていた。
近くの公園では同じようにヴィータが花壇に腰掛けて泣いていた。
「なんだよ…あんなに怒ることないじゃないか…。」
別に悪気があった訳じゃない、ただ任務を終えて家に帰ると変なロボットがいて
思いっきり突っ込んでくるから条件反射で地面に叩き落してしまったのである。
「…タ!ヴィーターッ!」
「シグナム?!シグナムーッ!!」
シグナムに居場所を告げようとするがどうやら聞こえてないようだ。
そのうしろから更に一人男も駆けて来る。
「ヴィータちゃーん!!」
「ザフィーラ?!違うな…。」
「シグナムーッ!」
数分前…
アスラン達はあれからずっと探していたがなかなかみつけられなかった。
シグナムが行きそうな場所を手当たり次第さがしやっと公園までたどり着いたのだ。
「いないな…移動するか?」
するとアスランの耳に声が聞こえてくる。
ふっと笑うと返答する。
「いや…いましたよ…。」
声の聞こえたほうを指差すとヴィータが駆けて来る。
「ヴィータ!大丈夫か?」
「はやては…それにコイツ…。」
「アスラン・ザラだ。大丈夫、もうハロも直ったしはやてちゃんも怒ってない。」
「ほんとか?!シグナム?!」
「ああ。」
「帰ろう、皆待ってるぞ。」
アスランが笑顔で語り掛ける
「お前いい奴だなアスラン!」
呼び捨てか…まぁいいか…そう心の中で呟くと
ヴィータの手を引いて八神家へと向かった。
その後二人は無事仲直りし事態は事無きを得た。
そして数日がたちアスランも魔法の特訓が始まったのだった。
H.17海鳴、
力の使い方をそれぞれの少年は学び始めた。
何の為に与えられた力なのか、それをどう使うか、それぞれの思いは一つだった。
Side By Athrun Zara END
アスラン編終了、残すはシン編
関西弁は俺にとって未知の領域です…
ザフ犬出てないしキャラの性格ぶち壊しすぎたかも…
後一人で第4話おわるよ…
乙。
いくらなんでもはやて怒りすぎって怒ったけど、そういえば人からプレゼントもらうのって初めてだったか?
シン編も期待している。
リインのあれはプレゼント…?いや形見かな。
はやてを怒らせすぎたのは自分でも反省している。
でも、まぁアスランを切れさせるためと
向こうで似たような聴かん子を扱ってましたからね…。
これを言わせたかったから…
アスランに父親の心情を持たせてみたかったんです。
期待されるほどのものになるかわかりませんが全力全開で頑張ってみます。
アスラン別に酷い目にもあってないじゃないか
これ以上抜けると可哀相ですから(なにが
いやぁ、面白いわぁ〜。
次回に期待
凸は何処にいてもエラそうだな
・・・・・・まあ凸が来たのが平和な時でよかったよ
闇の書事件の時に八神家に来て、キラが管理局側だったりしたら、200%裏切っただろうからな
髪無「すまないはやて、シグナム…俺は…」
シグナム「アスラン貴様ぁ!」
はやて「シグナム、容赦せんでええよ。」
髪無「もう過去に囚われたまま戦うのはやめ…キラぁぁぁぁぁっ!!」
合掌
前のスレにあったよな>八神家についた場合
確か
シン
「何にも知らないくせにー!」となのは達に攻撃した後、「やめるんだ、はやてー!」と無防備さらして説得
キラ
「はやては今泣いてる、何故それがわからない!」と相手の話聞かず攻撃
凸
散々悩んだ挙げ句管理局側へ寝返り、「お前はなにが欲しかったんだ、このばかやろう!」と説教かましつつ攻撃
だったかな?
相変わらず何考えてんのかわかんないな
はやては何も望んでなかったろうに
ただ幸せに暮らしたかっただけだろうに…
SS作者が色々書くと荒れるよ
SS書く時とそれ以外の馴れ合いの時ではハンドル変えた方がいいと思う
んじゃ忘れなければそういう風にさせていただきます
ご指摘ども
| ̄``''- 、
| `゙''ー- 、 ________
| ,. -‐ ''´ ̄ ̄`ヽ、_ /
|, - '´ ̄ `ヽ、 /
/ `ヽ、ヽ /
_/ ヽヽ/
/ / / / / / ヽハ
く / /! | 〃 _/__ l| | | | | | | ||ヽ
\l// / | /|'´ ∧ || | |ー、|| | | l | ヽ
/ハ/ | | ヽ/ ヽ | ヽ | || /|ヽ/! |/ | ヽ
/ | ||ヽ { ,r===、 \| _!V |// // .! |
| || |l |ヽ!'´ ̄`゙ , ==ミ、 /イ川 |─┘
| ハ|| || | """ ┌---┐ ` / // |
V !ヽ ト! ヽ、 | ! / //| /
ヽ! \ハ` 、 ヽ、__ノ ,.イ/ // | /
┌/)/)/)/)/)/)/)/)/)/)lー/ ` ー‐┬ '´ レ//l/ |/
|(/(/(/(/(/(/(/(/(/(/│|| |\ 〃
r'´ ̄ヽ. | | ト / \
/  ̄`ア | | | ⌒/ 入
〉  ̄二) SSは好きだが | | | / // ヽ
〈! ,. -' | | ヽ∠-----', '´ ',
| \| | .お前の態度が | |<二Z二 ̄ / ',
| | | _r'---| [ ``ヽ、 ',
| | | 気に入らない >-、__ [ ヽ !
\.| l. ヽ、 [ ヽ |
ヽ| \ r' ヽ、 |
強いて言うならばハロを普通の電気屋で売ってるような部品と工具で作り上げるのは無理だと思う
>>151 ハロは適当に組んだ部品と凸の毛髪数本でできるんだよ
ハロ作りならむしろ、なのはと一緒にやった方が意気投合したかも
確か設定ではメカに強いはずだよな>なのは
設定がOKなら種キャラは全員別人になってしまうがな
第6話投下します。
機動戦士ガンダムし〜どD´s 第6話
カタカタと、キーボードを打つ音が聞こえる。
ここはデスティニーがある格納庫。
シンはここでデスティニーの調整を行っていた。
「VPSの出力は・・・・稼働時間を考えて低くしておくか・・」
どうせこの世界のほとんどが魔法攻撃だから実弾を防御するVPSはあまり意味がないだろうと思い低めにしておいた。
ちなみに低いときVPSの色は黒になる。
「これじゃ本当に悪魔っぽくなるな・・・」
シンはコックピットのなかで思わず微笑する。
ただでさえ悪魔的な面影を持つデスティニー。
それがさらに色が黒くなるから本当に悪魔になるかもしれない。
設定しているうちにふと、前から声が聞こえた。
「何してるんですか?」
いきなりの声にびっくりしてシンは前を見る。
そこには長い金色の髪をしている少女が浮いたままそこにいた。
「あんたは確か・・・艦長の子供の・・・フェイトだったよな。」
名前を言われてコクっとうなずくフェイト。
今の彼女の姿は出撃時の戦闘服になっている。
話しかけたのは向こうからなのになぜか恥ずかしそうにしている。
(人見知りが激しいのか?)
まあそういう人もいるだろう。シンはあまり気にしないことにした。
しかし、
(それにしても・・・・)
シンはまだ魔法というのになれていない。
(昨日といいいったいどうやって飛んでるんだ?)
シンはずっとフェイトの足元を見ていた。
「・・・・・どこ見てるんですか?」
え?とシンはフェイトの顔を見る。
恥ずかしそうにしてるのは相変わらずだが少し怒っているようだ。
どうやら誤解されたらしい。
「あ、ごめん。まだ人が飛んでるのに慣れてないから不思議でつい・・・・」
あ、と気まずそうにするフェイト。
「誤解してごめんなさい。」
「別にいいよ、こっちこそ誤解するようなことして悪かった。それで何?」
「艦長から、今から私とシンさん。それとシグナムの3人で偵察に言ってほしいって。」
「わかった。で、あいつは今どこ?」
「シグナムなら先に行ってるから。」
「それは真面目なことで・・・・これでよしっと。」
そういいながらシンは最後の設定を終了する。
「それじゃ、あいつが怒る前にさっさと行くか。」
そういいながらシンはアースラに連絡を入れる。
了解、と聞こえてからまもなく円陣が現れ、フェイトとデスティニーがその場からいなくなる。
「遅い・・・」
別に彼女は時間にルーズではないとおもっていた。
ただ、待つことがあまり好きではない。
先に合流地点に向かったのはいいが、肝心の合流相手がなかなか来ない。
そのとき、シグナムの前に円陣が出現した。
やっときたか、
「おまたせ」
「お前にしては遅かったな。」
「それは・・・」
そういいながらフェイトはデスティニーを指差す。
「シンがあれの調整で時間がかかって。」
『俺のせいかよ。』
シンが思わず突っ込む。
まあ、確かに調整はしてたが。
フェイトが魔力を使って話しかけているので真意も聞こえていた。
シグナムはデスティニーを見て、違和感を感じた。
「?あの時と色が違うようだが?」
確か最初に会ったときはもっとカラフルだったはずだが・・・・
その答えはすぐに分かった。
『こういうことさ』
そういったとたんだんだんとデスティニーの色が変わっていく。
ふたりはそれをものめずらしそうに見やる。
だが、結局は以前見たような色ではなく、今回は全体的に黒くなっていた。
「これの設定に時間がかかったんだよ。」
不思議そうにデスティニーを見つける二人。
「早く偵察に行かなくていいのか?」
シンのお声に気付いた二人
「そうだったな。いくぞ、レヴァンテイン」
『了解』
「いくよ、バルディッシュ」
『イエッサー』
「どういうことクルーゼ?」
プレシアはクルーゼを睨む。
複数ある機材、そのうちアリシアの横にある機材にもうひとつの少女が加わっていた。
「どういうこと、とは?」
クルーゼはいわれることがわかっているような微笑を浮かべで答える。
「ふざけないで!なんなのよあれは!!あんなものを持って帰ってきて!!」
ヒステリックになりながら少女のほうを指差す。
それでも一応は治療しているプレシア。
(まだ完全に狂ってはいないということか・・・)
そうおもい微笑するクルーゼ。
「私もそうはおもいましたが・・・・お子さんもお友達は必要でしょう。」
「・・・・・・」
アリシアのことになると急におとなしくなるプレシア。
ここでクルーゼがひとつ提案を出す。
「なあに、もって帰ってきた手前、面倒は私が見るさ。」
まあそれならいいだろうとおもってプレシアは、次の問題に移る。
「で、あの右腕はどうするの?」
少女の右腕は千切れている。
「それはそちらに任せよう。生きてさえいればどうしてもらってもいい。」
そういい含みのある笑みを見せながら部屋を出て行くクルーゼ。
(ならば私の好きにやらせてもらうわ・・・・ちょうどあれの実験にも使いたいし。)
あれ・・・それはプレシアがここに飛ばされて、アリシアの復活と同時に進めていたもの。
ただ、それは普通の人間の子供にするには負担が大きい。
そんなものアリシアには絶対にさせるわけにはいかない。
(データ上では死なないはずだからあいつとの約束も守れる・・・・言い訳は許さないわよ、クルーゼ)
彼女は不敵な笑みを漏らす。
(これが成功すればあの忌々しい管理局に復讐することが出来る・・・・)
笑わずに入られなかった。
(それにあいつと一緒にあったあれももうすぐ完成する。そしてアリシアも・・・)
すべての条件が整いつつあり、そうおもうだけで胸が高鳴る。
「結局何もなかったな。」
「何もあってほしくないだろ普通は。」
「そうだよシグナム。」
ここは海鳴市、偵察任務をすませた3人は、それぞれの自宅へと向かっている。
そこでシグナムはさっき偶然見たことを聞いた。
「そういえばアスカ、さっき艦長に何を預けた?」
シンは、偵察が終った後リンディに何かを預けた。
「あれ?個人的なことだから別に何でもいいだろ。」
「そうか、ならいい。」
意外とあっさり検索するのをやめたシグナム。
もしこれがヴィータやシャマルだったらしつこく聞いてくるだろう。。
「じゃあ私からも聞いていい?」
こんどはなんだ?とシンはフェイトを見た。
「あのロボットの羽の後ろにあるのは何?」
おそらく折りたたまれている二つの武器のことだろう。
折りたたまれているから分からなかったのだろう。
「あれは剣と銃だよ。でかいから折り畳んでるんだ。」
え?と驚くフェイト。あれが剣だったらどれだけの大きさがあっただろう。
「名前とかあるのか?」
武器の話になるとシグナムも話に混ざる。
「銃のほうは普通に高出力ビーム砲で剣のほうは・・・アロンダイトだったか。」
シグナムはその名前に聞き覚えがあった。
「アロンダイト・・・神話で円卓の騎士長、ランスロットが持っていた武器か。」
そうだったの?とシンはシグナムのほうに向く。
それを見て呆れるシグナム。
「自分が使う武器の由来くらい覚えておけ。」
「ここの世界と俺たちの世界じゃ違うかもしれないだろ。だったら・・・」
度はシンから質問が投げかけた。
「エクスカリバーの由来ってなんだ?」
「エクスカリバーは、確か同じ神話でアーサー王が・・」「ぷ!」
シンはいきなり笑い出した。
シンはアーサー王と聞いてミネルバの副官、アーサートラインを思い出した。
そしてそのアーサーが王冠をかぶってエクスカリバーを持ち、えらそうにしている姿を想像した。
「どうした?」
いきなりシンが笑い出して困惑するシグナム。
「ごめん、なんでもない。」
それでもまだ涙目で笑うシン。
「早く帰ったほうがいいんじゃない?シンさん、今日なのはの家に行くんでしょ?」
どうやら彼女も招待されたらしい。
「そうだな、もう昼過ぎだし、はやても待ってるだろう。」
そういいながら目の前の交差点を曲がろうとしたとき、急に人が飛び出してきてぶつかった。
「っとと!」
ぶつかった相手は何とか片足でバランスを保とうとするが、勢いあまってこけそうになる。
シンはすかさずその人を支える。
その人物は女性で、年はシンと同じくらい。こげ茶色の髪の毛をしていて、黄色いリボンと丸い眼鏡が特徴的な人物だった。
「大丈夫ですか?」
シンが安否を確認したが、女性は動こうとはしない。
そのとき、シンは違和感を感じる。
(身体の一部でこんな感触あったか?)
妙にやわらかい感触にシンは違和感を覚え、すぐに理由が分かり、顔を赤らめる。
女性を支えようとしたシンはその女性の胸を鷲摑みしていた。
女性は、ふるふると体を震わせている
「えと・・あの・・その・・・すみま」「イヤアアァァァァ!!!!」
「!!!!!!!!!!」
火事場の馬鹿力なのか、あせって言葉が出ないシンに、その女性から叫び声とともにシンの男の大事なものをおもいっきり蹴り上げた。
(きゅうしょあたった!こうかはばつぐんだ!!)
・・・・・どこかのゲームのナレーションが聞こえる・・・・・
「あ・・・が・・・ぐ・・・・」
大事なものを押さえその場に倒れ込むシン。
苦しすぎて声もままならない。
どう声をかけていいかわからずその場で考え込むシグナム。
「はあ・・はあ・・はあ・・」
その女性は顔を真っ赤にして息を荒げている。相当怒っているようだ。
フェイトは、その人物が自分がよく知ってる人物であることに気付いた。
「美由希さん・・・・」
その女性、美由希はっと気付いて後ろを振り返る。
「あ、フェイトちゃん。」
先ほどとうってかわって笑っていた。
「何してるんですか?」
「なにって、自主トレ代わりのランニングだけど。見て分からない?」
美由希は自分の服をさす。
今彼女はジャージ姿である。
「それでちょっとたりないから手首足首に錘を。」
相変わらずだな、とフェイトはあっけにとたれていた。
「おい!しっかりしろアスカ!!」
シグナムの声に気付きフェイトはシンを見る。
それをみてびっくりするしかなかった。
顔は青く、泡も吹いていて、さらには白目も向いている。
「と、とりあえず病院に。それときゅうきゅ」
「分かった。すまないがテスタロッサは主に連絡してくれ。」
そういいながらシンを担いで自分が知っている病院に全速力で急ぐシグナム。
「救急車呼んだほうが・・・」
だがフェイトは言い終わる前にシグナムはもう走っていた。
あわてていても人の話はちゃんと最後まで聞こう。
先生に教えられたが全く持ってそのとおりだとフェイトは実感した。
「で・・あの人・・・だれ?」
少しやりすぎたと思い心配そうに聞く美由希。
「あれがなのはがいってた異世界の人だよ。」
「・・・・え?・・・・」
「う・・ぐ・・・」
シンの意識はブラックアウト寸前だ。
確かに触ったことは悪かったと自分でも思っている。しかし・・
(ここまでするかよ普通・・・・)
それに、だれかがおぶっているかんじもするが、そんなことはどうでもよかった。
今シンは、本気で死にそうな感覚に見舞われている。
これほどの危機感は、オーブを出たときに現れたMAとも戦いのときも感じたが、今回は下手したらそれ以上かもしれない。
軍人であるシンは、確かにいつ戦いで死んでもおかしくはない。
だが・・・
(こんなことで・・・・)
女性に急所をけられて死ぬなぞ、笑いものもいいところだ。
(こんなことで・・お・・れ・・・・)
一度いったことがありそうな台詞を言い切る前に、シンの意識は完全に途絶えた。
続く?
第6話投下完了。
MS乗ってるときの会話のときだけど、なんかいろいろ設定が変になってるなあ。
162 :
通常の名無しさんの3倍:2006/11/26(日) 14:56:59 ID:SbkbFH0K
別に凸は八神家としか絡まないってわけじゃないんだろうし
後々でなのは達とも接触するから、そん時にまたハロ話が展開するんじゃね?
まぁそこんとこは職人さん次第なんだが
>>161 種死世界から離れた事でシンの特殊能力ラッキースケベに等価交換の法則が付加されたのか!?
シグナム→裸体を拝むも手足縛られ水没
美由希→胸タッチで金的潰し
正に天国から地獄!
今回も面白かったっすよ〜
シン弱い…よく調べ上げててGJ
細かい事だけど、ヴォルケン達がアーサー王の事知ってるのも不思議な気が
はやておかーさんの入れ知恵さ。
読書家だからなはやてママンは
前回
>>83 第二話 戦いの嵐、再びD
「(ユーノ君、フェイトちゃん、アルフさん、それからシン君、私がスターライトブレイカーで結界を破ります。その間に転送を!)」
「(なのは、大丈夫なの?)」シンを除く三人には念話が通じた。
「うぉぉぉおおお!!」
(こいつ、ここに来てまだ早くなるのか!?)
「いい加減、落ちろぉ!!」
『エクスカリバー get set』
「くっ、レヴァンティン」
『シュランゲ フォルム』
「エクス…ッ!?」
シンが大技を放つ前に、二本目のエクスカリバーが砕け、散った。
レヴァンティンのもう一つの形態、シュランゲフォルム。剣が分断され、複数の刃がワイヤーの様なものに付属している。
それが、シンの持つエクスカリバーを締め付け、実体部分をへし折ったのだ。
「魔導士としては微妙だが、剣士としては思いきりのいい、良い太刀筋をしていた。お前…、名は?」
「…シン・アスカ、あんたは?」
丸腰でシグナムと対峙するシン。
「私はシグナムだ。」
レヴァンティンに弾丸を込め、再び構えを取る。
「なのはぁぁぁ!!」
フェイトは叫び、なのはの元へ飛ぼうとするが、ヴィータによってそれは妨害される。
シンもユーノも、フェイトの焦りようから、なのはへと視線を移す。
「な、なんだよ、あれは?」「なのは!?」
ユーノも向かおうとするが、シグナムがそれを許さなかった。
なのはの胸のあたりから、人の手が生えていた。手は淡いピンクに光る何かを掴み、やがて、輝きは小さくなっていく。
なのはの顔が苦悶の表情に歪む。しかし、それでも彼女は
「す…スターライト…ブレイカー!!」
魔法を放った。
ピンクの魔力の塊が空中に打ち上げられ、破裂。
天に向かい、一筋の光が走る。そして、膨大な魔力が一気に爆発し、空間結界をぶち破った。
「なんて火力とパワーなんだよ、こいつは…。」
その理不尽なまでの破壊力に目を奪われているシン。その一方で、シグナム、ヴィータ、ザフィーラはすぐに撤退を開始する。
「追わなくていいのか?」
隣にいるユーノにシンが聞いた。
「無理に追っても仕方ないからね。それよりも、なのはを…。」
第三話 取引成立、そしてお引っ越し@
「う…ん。」
なのはが目を開けると、医務室にいた。
視界がややぼやけているが、アースラの医務室であることに間違いはないだろう。
「おっ、目が覚めた?」
ちょうど医務室の扉を開けて、少年が入ってきた。
黒髪に赤い瞳が印象的な男の子。
(お兄ちゃんと同い年ぐらいかな?)
「えっと、ごめんなさい。ちょっと記憶が混乱してて、どなたですか?」
「えっ?あ、よく考えたら、俺、まだ君になのってないな。」
コホンっと咳払いして
「俺は、シン・アスカ。C.E.ってとこからこっちの世界に来たんだ。アースラ?だったっけ?局員の服は着てるけど、借りてるだけ。高町なのは?だっけ、よろしく。」
「はい、よろしくお願いします。」
すると、再びドアが開き、今度は、リンディがやって来た。
「なのはさん、大丈夫?」
「はい、リンディさん。」
「艦長、自分はこれで…。」ザフトの敬礼をし、シンは医務室から出ていった。
部屋から出ると、何かにぶつかった。
「いてッ!」
「ご、ごめんなさい。急いでたもので。」
「あぁ、大丈夫。気にすんな。」
フェイトはペコリと一礼すると、医務室の中へと入っていった。
入れ違いに、リンディが出てくる。
「シン君、ちょっとお話しましょう。」
「えっ?あっ、はい。」
二人は食堂へと向かった。
「協力…ですか?」
「えぇ、今回の件は相当厄介な事になりそうなの。
できれば戦力が多い方が、こちらとしては都合がいいのよ。」
「艦長、お茶が入りました。」
エイミィがトレーにお茶を三人分運んできてくれた。「ありがとう、エイミィ。」「ありがとうございます。」「いえいえ、シン君は砂糖いくつ?ミルクは?」
みるとリンディは自分で砂糖とミルクをカップに入れている。
カップの中身は…緑茶。
「…いや、俺はこのままでいいです。」
シンはカップを受け取り、そのまま口に運んだ。
「それで、協力してくれるのかしら?」
「協力ったって何すりゃい…何をしたらいいんでありますか?」
「もちろん、戦闘面で協力してもらうわ。
住居も提供します。
毎日、三食つくわ。そして、何より、時空管理局が責任を持って、あなたのいた世界を探してあげる。」
最高にいい条件だった。
(なんてサービス精神何だよ。こいつは…。)
「今日から、俺、ここに住むんですか?」
みるからに高級そうなマンションを見上げながらシンが言った。
「まっ、住むのは君だけじゃないがな。
母さんとフェイト、アルフそれから僕もだ。」
クロノは物資をシンの隣まで運び、降ろす。
「シン、上がるついでにこれを部屋に運んでくれないか?」
「あぁ。わかった。」
部屋に入ると、フェイトとリンディ、なのはがいた。(あれ?アルフは?)
などと考えていると、
「あっ、シン君。こんにちわぁ」
となのは。
「おっ、なのは、手伝いに来てくれたんだってな。
体の調子はもういいのか?」
「はい、体の方はもう何とも…。ただ、まだ魔法はほとんど使えないですけど…。」
声の調子を落とすなのは。「あ、シン、それは何?」
「テーブル。どこに置けばいいんだ?」
フェイトが丁度となりの部屋から出てきたところだった。
「それは…どこかな?リンディてい…、リンディさん?」
なんとか、家具の配置を終え、一同は一息つくことにして、みんなでお茶を飲んでいた。
「そろそろ時間ね。」
リンディが呟くと、ほぼ同時にリビング中央に魔法陣が形成され、そこから、子犬とフェレットが現れた。「新形態、子犬フォーム!」「う、うわぁぁ、犬が…喋った!?」
「わぁー、アルフちっちゃい、どうしたの?」
「ユーノ君もその姿、久しぶりだね。」
「う、うん。」
なのはとフェイトがそれぞれフェレットと子犬に話しかけている。
しかも、フェレットと子犬はちゃんと受け答えをしていた。
「フェレットも…!?って、ユーノとアルフ?これがぁ?」
「使い魔って、言わなかったっけ?」
アルフがシンの方へトタトタと小走りにやって来た。「えぇ、そー言えば、言ってましたね。」
シンがアルフの顎を撫でる。アルフは目を細めつつ、眠たげな声で簡単な説明をしてくれた。
「へ〜、じゃあ、あのフェレット、ユーノはなのはの使い魔なのか?」
「いんや、あれは使い魔じゃない。」
「じゃあ、なんなんだよ?」「ユーノは元が人間、アタシは元が犬。
ユーノはただ変身魔法を使って動物に変身してるだけなんだよ。」
「へ〜。」
アルフはごろんっと仰向けになる。
「へぇ〜、アルフがもうなついてる。珍しいな。」
「こいつ、シンだっけか?撫でるのうまいんだよ。」
アルフはでっかいあくびを漏らした。
同時刻 八神家
「あれ、キラ君は?キラく〜ん?」
キラの姿が見当たらないので、はやては探しているのだが返事はなかった。
「どうしたんですか?はやてちゃん。」
リビングの掃除を終えたシャマルがパタパタとはやての元へやって来る。
「キラ君、みらんかった?いつまでもサイズの合わん服を着せとるわけにもいかんから、昨日、買い物行こうやって言ったんやけどなぁ…。」
「キラ君なら、さっきヴィータちゃんとシグナムがつれて行っちゃいましたよ?お昼には戻るって言ってました。」
「そーなん?」
三人で一体何をやっているのか気になったが、まぁシグナムがついているから、との事ではやてはあまり気にしないことにした。
偏狭の世界
「ここなら、大丈夫だろう。」
シグナムは周囲に結界をはった。
「うわっ、何これ?」
キラの目の前の景色が一変する。
「封鎖結界、んなことも知らねぇのか。」
ヴィータは苛立たしげに言った。
「うん、ごめん。こういうの初めてなんだ。」
素直に謝るキラ。
「いや、別にいいんだけどよ。それより、デバイスを起動させろよ。」
「あ、う、うん。」
着ている服が一瞬にして、白と紺をベースにした服になる。
そして、両の手には二丁の銃。
「キラ・ヤマト、それがお前の騎士服だ。そして、手に持っているのがデバイス。
お前の持っているデバイスは、私たちのとは違うみたいだがな。」
とシグナム。
「騎士…服…ね。」
「それがあんたの体を守ってくれるんだ。デバイスは相手を攻撃するためにある。」
ヴィータはいつのまにか、騎士服になり、手にはハンマーを持っていた。それをキラに向け構える。
ジャキっと音がした。
「こいつはグラーフアイゼン。あんたのは?」
「え、えっ…とぉ〜、(フリーダム…やられちゃったからな。名前…名前。)ス…。」
「「ス?」」
シグナムとヴィータがハモる。
「ストライクフリーダム。」「なんかよく意味の分からん名だな。私のは炎の魔剣レヴァンティンだ。」
一通り紹介が終わったところで、キラは気になっていることを聞いた。
次回につづく
旧自由かと思いきや、和田で来たか・・・
神隠しの作者さん、前から少し気になってたけど二人称が混乱してる気がする。
……俺の気のせい?
すみません。気を付けます
銃系のデバイスってなのはの世界にはなかったよな?
無い。無いがゆえに壷でも双葉でも色々と妄想のネタになってるな>銃型デバイス
引き金引くだけで、フォトンランサーが撃てそうだ。
>>175 つか、銃系デバイスってカートリッジシステムそのものじゃんか
>>178 そうなのか?よくは分かんないけど、フリーダムにカートリッジシステムはついてないんじゃないの?
>>179 銃系デバイスでも種系ビームライフルが基ならカートリッジ無いな
撃つ度に魔力消費する上にエネルギーの充填・凝縮出来ないから垂れ流しと変らん
種世界の和田みたいに、やりたい放題にはいかんだろうな。
>>180 ハイペリオンのビームマシンガンとビームナイフは電池式。
といってもこの形式を採用している機体はハイペリオン以外にないはず。
ユーラシア連邦のバッテリー技術が発達しているのであろうか?
なおマシンガンのメーカーはザスタバ社、ナイフのメーカーはロムテクニカ社。
職人さんたちGJ!
続き、楽しみにしてるぜ!
184 :
通常の名無しさんの3倍:2006/11/29(水) 19:41:19 ID:HEmE4w8v
>>182 ザクウォーリアのビーム突撃銃も使い捨てエネルギー方式だが。
185 :
184:2006/11/29(水) 19:43:43 ID:???
sage忘れスマン。それと職人さんGJ!
シンのデバイスもカートリッジシステムは搭載されてないしな。
まぁ時期的にレイハ&バルディッシュが生まれ変わる頃だし、
エクスカリバーもポッキリいっちゃったからどうなるか分からんが・・・・
仮に和田に搭載するんなら、連結ロングライフル撃つときに1〜2発消費とか?
職人殿GJ!!
ゆっくりじっくり練られたイイ物を期待してるぜ。
盾の裏にMAGがあったな
そうなのか?
俺は普通にマガジンの略だと思ったんだが・・・・
ザクのシールド裏に付いてるやつな
シン編が完成、短いです。
魔砲戦士リリカルSEED Cross Magic
第4話
「新生活の始まり・シンSide」
H.17時空管理局少年達は新たな力を手に入れる。
魔法の力、自らの命運を握る鍵の力だった。
そして始まる新たな生活少年たちは、どう生き抜いていくのか・・・
Side by Shinn Asuka
「公園…?お、メモ?」
シンが転移したのは海沿いの公園だった
シンもメモを見つけると読み始める。
「シン君へ、そこで待機しててください、時期なのはさんが迎えにきます。リンディ・ハラオウン」
「なのは…この間の茶髪の女の子か?」
そこへ一人の少女がかけてくる。
「シンくーん!!シン君だよねーっ?!」
「え?あ、あぁ。」
(違ってたらどうしてたんだ…)
そんな考えを巡らせつつシンはなのはに問う。
「俺は?この後どこへ行くんだ?」
「どこって家だよ。でも、その前にちょっと来てほしいんだ♪」
するとなのははシンの手を引いて駆け出す。
「っておい!どこつれてく気だよっ!」
転移早々つれてこられたのは、翠屋という喫茶店だった。
「喫茶店…、またなんでこんなところへ…?」
「お父さん、お母さんシン君連れてきたよー。」
するとカウンターと厨房からそれぞれやってくる。
「んーどれどれ…シン君だったね。ちょっとこれ着てみてくれるかな?」
男性にエプロンを渡され言われるがままに着てみる。
それがどんな意味かシンには理解できなかった。
「こう…ですよね?」
「よく似合ってるじゃない。敬語もちゃんとできる子みたいだし…大丈夫そうじゃない?」
「大丈夫ってなにがで…」
シンが問おうとするも男性に遮られる。
「決まりだな。」
「決まり?大丈夫?何なんですか一体!」
するとなのはが答える。
「シン君聞いてなかったの?リンディさんがお店手伝ってもらいなさいっていってたから…」
「はぁ?!そんな勝手な…。」
「まぁまぁ、心配しなくてもシン君ならできるさ、おっと、なのはの父の高町士郎だ、今日からよろしくな!」
「同じく高町桃子です。本当の家族と思って気楽に…ねっ!」
ポン!と肩を叩かれバランスを崩しつつもシンは自分が改めて別世界に来た事を自覚する。
「ま…まぁよろしくお願いします…。けど!なんで俺が働かなくちゃいけないんですか…って聞いてますか?」
隣で四郎と桃子が店のスタッフを集めてなにやら話をしている。
スタッフの中にはシンのほうをチラチラ見るものもあった。
(前途多難だなこりゃ…)
「それじゃ早速手伝ってもらうとするか…そうだな…よし!ウェイターをやってもらおう。」
「そんないきなりやれって言われても…。」
「あんなに小さくて可愛い女の子がやってるのにシン君はやらないのか…?酷い男だなぁ君は。」
奥でなのはがせっせとトレイを運んでいる。
それを見るとシンは引くに引けなくなる。
「わかりました…やればいいんでしょう…ったく。」
「わかればよろしい。さぁ、午後4時きったな忙しくなるぞーっ!!」
「そんなぁ。」
それでもシンはがんがん働き初日にもかかわらず失敗なくやりとげた。
その後4人は家路についた。
家に着くと更に二人の家族が待っていた。
一人は青年ともう一人はシンとさほど変わらなそうな年齢の少女だった。
「君がシン君だな。高町恭也だ、よろしく。」
「いいなぁなのはは、お客さんがいっぱいいて…美由希です。」
「よろしくお願いします…。」
「どうしたのシン君?暗い顔して…。」
急に悲しげな顔になったシンを心配してなのはが問う
「え?いや、別に何も。」
(家族か…俺にはもう…)
幸せな家庭を見ていると少しシンは辛かった。
翌日…高町家の庭、および道場…
(どう?シン君?行けそう?)
(あぁ、いつでも)
皆と同じ転移魔法の練習だが他の二人とは違うところがあった。
「これで…どうだっ!!」
血のような赤い魔方陣が展開すると道場からシンの姿が消えた。
しかし地上にシンの姿は無い。
「やったぁ!成功だよシン君!」
「へへっ、俺にすればこれぐらい…っとと!」
上空から声がする、シンは転移魔法と飛行魔法を同時に修行していたのだ。
戦技指導員のなのはらしい発案だった。
しかし、まだ集中力を切らすと落ちかけるようだった。
「気を付けなよぉ、怪我して困るのはシン君だよ。」
「わ、わるかったな!」
「なのは〜そろそろ時間だぞ〜!」
「は〜い!シン君、そろそろ時間だから今日はこの辺で、じゃぁお仕事頑張って!」
「あぁ、いってらっしゃい。」
奥から父の声がしたかと思うとなのははかけていく。
(またあそこで無賃バイトかよ…)
シンの新生活はまだまだ始まったばかりだった…。
H.17海鳴、
力の使い方をそれぞれの少年は学び始めた。
何の為に与えられた力なのか、それをどう使うか、それぞれの思いは一つだった。
Side By Shinn Asuka END
次回予告
数日ぶりに管理局へと戻ったキラ達、
しかし、つかの間の平和は警戒音に引き裂かれる。
そして現場へ向かう少女達を目に少年たちは…
次回魔砲戦士リリカルSEED Cross Magic
第5話「僕等の力」
4話全部終了
3人中もっとも短くネタが詰まってないんです…。
とにかく第5話に続く。
もうちょっと家族ネタで引っ張っても良かったんじゃないかな?
寂しげなシンの視線に気づいた桃子さんが家族の事について尋ねたりとか
俺もそう思う。後、無賃バイトのとこでももうちょい引っ張れたかと
同意、俺もそう思う。
なんかアスランとキラも翠屋で働き出すような気が・・・・・
言い忘れたけどおつ。
キラは絶対働かないだろうと思ってしまうのは何故だろう・・・?
OS作って儲けます!
リリカルという事はさざなみやとらハのキャラは出さない方がいいですよね?
>>204 獣医師槙原愛とか本編に出てきた人ならおk
ちなみに俺は無印二話で出てきた犬連れたお姉さんはななかタンであったと頑なに信じている
>>204 いいんじゃない?種シリーズキャラと、なのはシリーズキャラ中心に話を進めるんなら…。
会話ぶったぎりごめん
前回
>>171 「シグナムさんたちは魔法の力を…この力を何に使おうっていうんですか?」
「主を御守りするためだ。」「そう…ですか。」
沈黙が流れた。
封鎖結界内では風も吹かない。まだ昼にも関わらず、明かりがない。
決して真っ暗というわけでもない。景色は一望できる。ただ、明るいとは思えない。そんな感じだ。
「とりあえず、それは置いといて、そろそろ始めるぞ、キラ・ヤマト。」
「はい。」
シグナムはレヴァンティンを構え、キラは二丁の銃、フリーダムを構える。
「始め!」
ヴィータが合図した。
「はやて、ただいま!!」
「おかえり、ヴィータ。シグナムとキラ君は?」
パスタを魚介類をふんだんに使ったクリームソース(昨日のシチューの残りを使用)に絡めながら、はやてがヴィータを迎える。
「一緒に帰ってきたよ。」
すると、シグナムの肩を借りたキラが姿を見せた。
「た、ただいま…はやてちゃん。」
「めっちゃ、辛そうやな。何してたん?」
「ちょっと、シグナムさんに稽古をつけてもらって…ね。」
「お昼から服買いに外でるけど、大丈夫?」
「うん、それは大丈夫。お昼を過ぎる頃には、疲れもとれるだろうから…たぶん。」
シグナムに椅子まで肩を借りて行って椅子に腰を下ろすキラ。
「まったく、あれだけドカドカ砲撃魔法を多用すれば直ぐに魔力がなくなるのも当たり前だ。」
向かい側の席に座り、シグナムは自分のグラスに水を注いだ。
「すみません。」
「まぁ、初めてだというならそれも仕方ないが…。」だが、その初めての相手に何度かひやりとさせられたのも事実だった。
キラのデバイスは独特だった。
デバイス自体のモードは二つ、ライフルモードとサーベルモード。しかし、気にかかるのは、背中にある魔力で出来た青い翼。
一体なんだというのだろう。
「シグナム、ボーッとしてどうかしたん?」
はやての言葉にハッとして我にかえると、テーブルにはザフィーラを除くみんなの分のクリームパスタが用意されていた。
ヴィータを除く、キラ、シャマル、はやてはフォークを止め、シグナムに視線を向けていた。
「これなんかどうやろ?」
はやてが、いくつか見繕い、キラにその服を手渡した。
「うん、いいんじゃないかな。」
「いいんじゃないかな、やない。試着、試着。」
「あ…う、うん。」
「うちはその間にもう何着か持ってくるから、はよしてな。」
「素直に従った方がいいぞ。こういうことに関してははやてはうるさいからな。」
ボソッとヴィータ。
キラは苦笑して試着室内へと姿を消した。
「たくさん買うたなぁ。」
「本当に、ありがとう。はやてちゃん。」
両手を買い物袋に塞がれたキラがお礼を言った。ちなみに、はやての車椅子を押しているのはヴィータだ。「これからしばらく、うちに住むんならこれくらいしてやらんとな。
あっ、でも、手伝いとかはお願いするかも…。」
「僕に出来ることなら何でも言って。」
「そやなぁ〜、じゃあ、家事全般やってもらおうかな。」
「あと、はやての病院の送り向かえもな。」
「えっ?あ…うん。」
「あはっ、冗談やて。」
「冗談だよ、バァカ。」
はやてとヴィータにからかわれつつ、とりあえず買い物は終わったのだった。
「あれ?艦長は?」
午後三時過ぎ、マンションの一室のリビングのソファでゴロゴロしていたシンは、リンディの姿がないことに気付いた。
「リンディさんならさっき本局へ行くって出ていきましたけど…。」
テーブルの上に雑誌を広げ、絨毯に座っているフェイトが答えた。
「そっか。で、フェイトは何の雑誌を見てるんだ?」
「携帯電話のです。リンディさんが買ってくれるって言ってくれたんで…、シンは、携帯電話、持ってないの?」
「…持ってたよ。」
「向こうの世界に置いて来たの?」
「ん、戦闘中にこっちに来たからな。携帯は戦艦の自分の部屋に置きっぱなしなんだよ。」
ペラッと雑誌のページをめくる音が二人きりの静かな空間に響いた。
「今頃、シンのことを心配してるだろうね。ご両親や友達が…。」
シンの返事が返ってこなかった。
「シン?どうしたの?」
雑誌から顔をあげるフェイト。
「あ、いや。何でもない。そうだな。みんな心配してるだろうな。」
フェイトは雑誌に視線を戻し、シンはソファの上に仰向けになり、頭の上で腕を組んだ。
(ミネルバのみんなは…どうしてるんだろう…。)
日が沈み、民家に明かりがともり始めたころ。
「シン、夕飯どうする?」
フェイトが開いていた雑誌を閉じ、立ち上がった。
「え、艦長は?」
「リンディさん遅くなるんだって…、クロノも…。だから何か適当に食べててって言われて、お金も預かってるんだけど…。」
う〜ん、と考え込むシン。「どうするったって…、何か買うか作るしかないだろ…。」
「…だよね。」
「フェイトはこの辺の地理には詳しいのか?」
床で寝ているアルフを抱き上げていたフェイトはちょっと困ったような顔になった。
「うん、まぁ一応は…それで何食べたい?」
「フェイトは何か食べたいものはないのかよ?」
「じゃあ、お店に行ってから決めようか。」
そうだな、とフェイトの提案にシンは賛成し、二人は外出の準備に取り掛かった。ちなみに、シンの洋服は、アースラの男性局員から借りているものだ。
リンディがそのうちに買いにいくから、との事で部下から拝借してきたものだが、そのうち、と言うのがいつになるかはわからないらしい。
何でも、第一級捜索指定失物に含まれるロストロギア、闇の書を先の戦いの時にシグナム達が所有していることがわかったことで、本局が慌ただしくなっているそうだ。
部屋着から外出用の服に着替え、コートを着用し、シンは玄関へと向かった。
フェイトも丁度着替が終わったらしく、コートを着用しながらこちらへとやって来る。
「アルフ、留守番お願いね。」
「は〜いよ。」
絨毯の上でまどろみながらアルフは返事をした。
外は寒かった。
当たり前と言えば当たり前えだ。こっちの世界では12月。
まだC.E.にいたときは月なんて関係なかった。国を転々とし、その国々で気候が違っていたし、のんびりと外に出る暇なんてなかったし、連戦で季節を感じるなんて事ができなかった。
「あっ、家族がいたときは…」
そうではなかった。
オーブにいたときは、家族がいたときは、夏が終わり、木の葉に色がつくころ、家族皆で紅葉をみに行ったりしたものだ。
弁当を母親が作り、車を父親が運転し、マユとはからかい、からかわれたりしながらよく遊んだ。
「シン?」
隣を歩いているシンの表情が哀しげに見え、フェイトは声をかける。
「いいよな、こういうの。」哀しげに笑いながらシンが言う。
「えっ?」
「こうやって、誰かと外に出てさ、賑やかな通りを歩けるって…。」
「うん、私もそう思う。」
フェイトは頬を紅く染め、微かに微笑んだ。
>>165 シグナムのレヴァンティンだって北欧神話にでてくる剣の名前なので何の不思議も無い。
ラーメン、とんかつ、蕎麦うどん、ファミレスetc...「どーするんだ?フェイト…何食べるんだよ?」
う〜ん…とフェイト。どうやら興味を惹かれるお店が多くあるらしい。
(そういや、マユも携帯買うときこんな感じだったっけ?あの時は携帯を選ぶだけで三時間かかったんだよな。)
「どうしよう…。」
まだ迷っているフェイトにみかね、シンが提案する。「コンビニか、スーパーで惣菜か弁当買って帰るってのはどうだよ?アルフも家でまってるし…一緒に食べればいいんじゃないか?」
「…うん、そうだね。そうするよ。」
手近なスーパーへと入り、惣菜、弁当コーナーへ向かう。
「…、アルフって何食べるんだよ?」
「何でも食べるよ。お肉なんかは特に大好き。」
「じゃあ、唐揚げ弁当で…、俺は…おっ、これにしよ、海鳴デラックス弁当。」フェイトが持っている買い物籠に唐揚げ弁当と海鳴デラックス弁当をいれ、シンは右手を差し出した。
「籠、貸せよ。重いだろ?」「ううん、大丈夫だよ。」
「いいから、フェイトは弁当選べよ。」
半ば強引に籠を奪い取り、フェイトを促す。
「…ありがとう。」
それからフェイトが弁当を決めるまで三十分かかったと言う。
「ありがとうございました。」
店員の営業スマイルに見送られ、二人はスーパーをでた。
相変わらず外は寒い。
体の芯から熱をうばっていくような冷えかただ。
すれちがう人々の白い吐息が空気に溶けこんでいく。(ベルリンはもっと寒かったな。)
そんな事を考えながらシンは歩く。
(ステラも…こんな世界だったら、幸せになれただろうな。もちろん、魔法とは無関係で…。)
シンは隣を歩くフェイトを見る。
(フェイトもなのはも戦ってるんだよな。こんな、小さな子どもが…)
それは、自然にとった行動だった。シンは買い物袋を持っている手とは逆の手でフェイトの頭を撫でていた。
顔を真っ赤にするフェイト。
「…何?急に…。」
「あ、いや…ゴメン。いろいろ、考え事してたらつい…。気に触ったら、謝る。」
首を横に振るフェイト。
「ちょっと、びっくりしただけ。でも…、何で急に?」
冷たい空気を胸一杯に吸い込み、一気に吐き出す。
「似てるんだ、俺が…守ってあげられなかった子に…。」
次回に続きます。
ところで、デスティニーの技を募集させてもらいたいのですが…、パルマ、フラッシュエッジ、はそのままでいいんですが、アロンダイトの近距離技、高エネルギー長射程ビーム砲のバリエーションが全然浮かばないんです。
よろしければ案をだしてはもらえないでしょうか?
よろしくお願いします。
>>211 かつてのベルカの騎士が地球に現れた時、それが口伝となって神話になったという可能性もあるが、
アーサー王伝説はたかだか1200年前くらいの実在の人物を元にした創作だぞ
>>213 それってシンのデバイスのこと?
ヴェルカ式なの?
8492隊か!!ベルカの亡霊め!!
>>213 乙
蝶射程砲はデバイス版アロンダイトの刀身が別れてメガキャノン風変形で良いんじゃないか?
誘導型はフラッシュエッジの自動発射(スラッシュリッパー風?)で
この際ビームライフルは無くても良いんじゃないか?
処で気になったんだがヴォルケンがキラからコア奪わないのは何故?
切羽詰まってるんだから相手選んでられないと思うんだが……
アレか!鴨が肥えるのを待つ状態なのか
>>218 はやてが倒れているキラを助けたから、手は出せないかなって思っている。
ただ、シグナムたちがキラのコアを抜こうとするのはだいぶ後、はやてが入院してからの予定。
さらに、せっぱ詰まってからですね。
それまでは、キラにもコア蒐集をてつだってもらいます。
ところで、デスティニーの案ありがとうございます。参考にして、色々考えてみます。
>>213 投下乙
好きな作風なんでがんばってください。
>>214 それを言うなら1700年前。大体三国志の少し後の話だよ
アーサー王自体存在した年代ははっきりせず5世紀〜8世紀って言われてるから1200年前でも間違いじゃないよ。
むしろ1700年前だとまだ西ローマが存在してるからありえないぞ?
西ローマ体制崩壊後のブリテンの混乱を収めたのがアーサー王なんだから。
>>211 実は北欧神話においてレヴァンティンと呼ばれるモノが二本有ったりする
一つは前述の終末の巨人スルトの持つ灼熱の剣[レヴァンティン]
もう一つは混血の神ロキが使ったとされる魔杖[レヴァンティン]
区別する為に魔杖の方は一部名を変えてレヴァティーンとか呼ぶ人も居るらしい
まあ俺も別の場所で聞いた話なんだがね……
機動戦士ガンダムし〜どD´s 第7話(前編)
今までこれほど自分がコーディネーターでよかったと思ったことはない。
シンは歩きながらそうおもった。
ここはシグナムがよく知っている病院で、彼女がここまで彼を運び込んだ。
シンはすこし前に目を覚まし、痛みもほとんど引いていて、無事帰ってもいいと医師からいわれた。
担当の先生が言うには「あなた自身の体が異常に丈夫だから大事に至らなかった」ということらしい。
それを聞いて本当にコーディネーターであることに感謝したシン。
けど、付け加える医師。
「シグナムさんに感謝しなさいよ。ちょっと遅かったら生殖系に異常をきたしたかもしれなかったから。」
早い段階でここに運んできたシグナムには本当に助けられた。
それにしても、シンはシグナムを見る。
(よくもまあばれなかったな)
彼女は途中から飛んで彼を運んだと本人から聞いた。
救急車という案も「待つよりも飛ぶほうが早いだろ」と言う言葉で一蹴。
魔法って便利だなあ。心からシンはおもう。
病院から出ようとしたとき、玄関の前にははやてがいた。
「シンさん怪我いけるー?」
はやてに聞かれ「ああ」と返すシン。
それを聞いて安心したはやて。
「さっきなのはちゃんから電話があってな。お詫びがしたいって。」
その言葉でシンは疑問を浮かべる。
(俺って何かされたか?)
その疑問にはやてがすぐに答える。
「さっきシンを蹴った人、フェイトちゃんがいうにはなのはちゃんのお姉ちゃんやって。」
ああ、とシンは納得した。
病院送りにしたことをきいて、その侘びなのだろう。
「元はといえば俺が悪いことしたのに、いいのか?」
こうなったのはシンが美由希の胸を触った(というかつかんだ)ことから始まったのだ。
「それも含めてお話があるから来てって。ヴィータたちはすでにいっとるよ。」
じゃあ急いだほうがいいな。そう思い3人でなのはの親が営んでいる喫茶店に行くことになった。
ここはアースラの艦橋。
そこでリンディは目の前のモニターを見てため息をつく。
「調べるごとにすごいものがあるわね、これ。」
「本当ですよ。」
エイミィが結果を表示しながらつぶやく。
クロノは黙って結果を見ている。
「どれをとっても僕たちの世界では知らないものばかりだな。」
今リンディたちが見ているのはデスティニーの調査結果。
シンに頼んで調べさせてもらっていた。
大きな理由は2つ。一つは整備面。
流石にシンが少しやっているとはいえこのままだったらいつかガタが来る。
もうひとつは、まあ向こうの技術を見ておきたいという一つの好奇心だった。
「特に、この機体に積まれているシステム。特定の艦があれば外からでもエネルギーの供給が出来るシステム。ほかにもいろいろあるけど私たちじゃよく分からない。」
「まあ、詳しいことは彼に聞かないとわからないしね。今度彼も含めてもう一度調べてみましょう。」
そういうとリンディは手に持っている数枚のディスクを見る。
偵察が終った後、シンに渡されたディスク。
向こうの世界の企画だからここの世界では見れないため、どうにか見れるように出来ないかといわれた。
本来はこれはほかの人には見せれないが、もしこの世界の企画で見れるようになったらシンよりより先に専用記録のほうならみてもいいという条件で作業に取り掛かり、さきほど終了したところである。
「こっちのほうも調べてみましょう。ちゃんと彼から許可は取ってあるわ。」
そういいながらディスクをはめ込むクロノ。
その中には、ここにいる全員が息を呑む映像があった。
「「・・・・・・・」」
ここはなのはの親が経営している喫茶店「翠屋」
シンがここに到着したときは客は誰もいない。
そこで、シンと美由希は向かい合う形で座っている。
なのはの親と話をした後、お互いが悪いと思っているのでお互いが謝りあうというということになったが、何かこう二人だけ残されてると言いづらいものがある。
(なんか、ドラマとかでよく見る仲直りする恋人みたい・・・)
なのはは二人のやり取りを見て思った。
もしくはこれがきっかけでこれから仲がよくなっていくパターンも思いつく。
(こういうのって、フラグがたつっていうのかな?)
どこぞの専門用語を思い出しながらみんなは二人を見ていた。
(なあなあはやて。)
小さな声でしゃべるヴィータ。
(なに?)
(何であんなふうになってんだかまだわかんねえんだけど。)
(私も。おしえておしえて)
ヴィータノ横にいるなのはの友達、アリサが混ざりに来る。
ちょっとはずかしがりながらはやては答える
(シグナムからきいたからわいも詳しいこと知らんけど・・・)
「・・・・さっきは悪かった。」
先にシンが謝る。
お互い、あまり顔を見ないようにしている。
「こっちこそ、やりすぎてごめん。」
シンにつられて美由希も謝る。
「はい、これで仲直り。」
笑いながら桃子がみんなのジュースを出す。
別に喧嘩したというわけではないが・・・・
「すみません。」
ジュースを出され、礼を言うシン。
「きにしないで、なのはの新しいお友達なんだから。」
「お・・・お友達?・・・・」
まだ仕事仲間とかなら分かるけど・・・・友達とはちょっと違う気がする・・・・シンは思った。
「え?違うの?なのはがそうだって言ってたけど。ねえ、なのは。」
「うん。シン君はなのはの友達だよ。」
いっぺんこいつの友達の概念を聞いてみたい。シンはそう思わずにはいわれなかった。
ここで、シンは妙な視線を感じた。
そこには、なのはの友達だろうか、オレンジっぽい髪をした少女がシンを睨んでいる。
「はやてからこうなったいきさつはきいたわ。これからよろしく。ラッキースケベさん。」
「え!?ラッキー・・・」
「だってそうじゃない。偶然ぶつかって美由希さんの・・・ああもう!女の子になに言わすのよ!」
(おまえ、あの子の胸触っただろ。このぉ、ラッキースケベ。)
一人で勝手に騒ぐアリサをよそに、シンはさっきのアリサの言葉で友人、ヨウラン・ケイトを思い出し、苦笑する。
(あいつら、元気でしてるかなあ。)
いま、自分がいないことでどうなってるのか気になる。
ふと、ここである言葉を思い出す。
それは、コズミック・イラの軍全部が知っているであろう言葉だった。
(そうだった・・・もしかしたら俺はもう・・・・)
それを思い出して、気が重くなるシン。
「どうしたんだい?」
シンがうつむいたままぼうっとしていうるので、なのはの父士郎と母、桃子が気にかけて声をかける。
「あ、いや・・・向こうにいる友人を思い出して、今頃どうしてるかなって・・・」
「そうだったの・・・はやく戻れるといいですね。ご家族も心配でしょうし。」
家族。その言葉にシンは少しうつむく。そして
「たぶん悲しんでくれてはいるでしょうが心配してくれている人はいないと思います。」
「え?」
シンがいったことに二人は驚いていた。
誰も心配してくれていない?
あ、とシンがあわてて言い直す。
ついしゃべり過ぎた。
「あ、いや・・・さっきのは独り言です。忘れてください・・・」
あわてながら言っているが、まあいいとして本来言おうとしていたことをいう。
「ああ。あと、今日ここでなのは達の進級祝いとしてここでちょっとしたパーティーを開くんだが、一緒にどうだい?」
話を聞くと、毎年なのはたちが進級するごとにやっていることでなのはとその友達関連の家族が集まって食事会を開くというものだった。
「一緒に食べたほうが、食事もおいしいしね。」
桃子も笑いながら言う。
おそらくはやてとヴォルケンたちも参加するのだろう。だとしたら出るしか選択儀がない。一人でいるものつまらないだろうし。
「じゃあ、参加させてもらいます。」
「わかった。じゃあ早めに来ておいてくれよ。」
「え?」
「パーティーのメンバーは男性が少なくてね。準備にはいろいろ力仕事も必要だから協力してもらうのさ。」
「はあ・・」
まあ呼んでもらうのだからそれぐらいはまあ当然だと思う。
「じゃあ今日は早めに店を閉めてから準備をするからもうちょっとでここでいてくれないか。」
「分かりました。」
そういってシンは空いている席に行く。
士郎は、さっきのシンの言葉が思い浮かぶ。
(悲しんでくれてはいるでしょうが、心配はしてくれないと思います。)
いったい、彼に何があったのか、気になっていた。
「ふぅ。」
いすに座り込むシン。
突っ込まれている手にはピンク色の携帯電話が握り締められている。
なぜか予備の軍服の中に入っていた。
違うものかと一瞬思ったが、開くとマユの画像があったので間違いない。
何でそうなったかは別に気にしないことにした。
これまでにもここにきたときデスティニーのENが満タンだったり壊れていた右腕が復元されていたり、不思議なことばかりが起こっている。
それに比べたら、ないはずの携帯が予備の服に入っているくらい・・・・
(って、普通は十分おかしいか・・・慣れてきたのかな・・・こういうことに・・・・)
あんましなれたくないけど、と心で愚痴る。
そして、さっきのことを思い出す。
今コズミックイラで自分が置かれている状況。
戦闘中に妙な雷に打たれどこかへ消えた。
普通は考えたらありえないが、おそらく自分は今この状況に置かれている。
「・・・MIA・・・か・・・」
シンは小さくつぶやいた。
続く
7話前編投下。
後編はおそらくパーティーの内容になると思う。
投下が遅くなってすまん。
いろいろ案があったんだがどうしようか迷ったすえにこうなった。
当初は出る予定だったが信徒の辛味があまり見つからなかったので出られなくなったヴェ○○ンフ○ス氏に合掌。
もしかしたら、もう著としたら出るかもしれない・・・あくまでかもだが・・・
乙!
いい展開になってきましたね。次回を楽しみに待ってま〜す。
GJ!
ヴィータに続いて士郎と、順調にシンが自分の過去を話すフラグがたってきてるみたいだな。
>>223 おーい、スルトの妻シンマラが保管していると言う魔剣『害をなす魔の杖(レーヴァタイン)』を作ったのがロキだよ。
レーヴァタインのタインって言葉が、杖って意味なの。
そうやら北欧神話の世界では、魔法の力を持つ武器に杖ってつけるのが結構ポピュラーらしくて、
他にもガンバンタインとか色々ある。
因みに、スルトが世界を焼き尽くしたのは手にしていた松明で……で、しかも最終戦で使っていた剣の名は出ていないんだが、他にスルト関係の名のある武器はないんで、これなんじゃないかって言われてる。
まあ、剣の輝きを松明に擬えるってのもまあ、ない表現じゃないから、実際には剣で焼き尽くしたのかもしれないし……。
以上、北欧神話まめ知識でした。
前回
>>212 「…守れなかった?」
「まぁ色々あってね。」
まだ幼い子にするような話ではない。そう思ったシンは笑って誤魔化した。けれど、その笑顔は何処か寂しげで、苦痛に歪んでいるようにフェイトには見えた。
「「ただいま〜。」」
家に着くと、人型アルフがシンとフェイトを迎えてくれた。
「おかえり、フェイト、シン。ずいぶん遅かったじゃないか。」
「ごめんね、アルフ。」
「誰かさんが何を食べるかで随分深刻に長い時間悩んでたからな。」
家をでたのが六時前、帰って来たのが七時半過ぎだった。フェイトが困ったような笑みを浮かべる。
「まぁ…今更驚かないけどね。」
半ばあきれたようにアルフはフェイトを見ると、シンの買い物袋に目が止まる。「それ、アタシの分?」
「もある。はい、アルフにはコレ。」
シンは唐揚げ弁当をアルフに渡した。
「ちょっと待って、アンタたち、そとで食べてきたんじゃないの?」
「ううん、お弁当買ってきたの。暖めてくるからちょっと待ててね。アルフ。」皆の分の弁当を持って、フェイトは台所へ姿を消した。
「アタシャてっきり外で食べてきたもんだと思ってたよ。」
「結構店が多かったから迷ってたんだよ。」
「ふ〜ん、まっ、そこがフェイトの可愛いとこなんだけどね。」
「俺の妹もそんな感じだったけどな。」
シンはアルフの横を通り抜け、コートを脱いでクローゼットにかけた。
(俺の妹もそんな感じだったけどな…。)何かが引っ掛かるもの言いだったがアルフは気にしない事にし、フェイトが暖めている弁当を食べにリビングに向かった。
「キラ、起きろ!」
「う…。」
ドスンと腹の上に何かが乗っかった。
「ヴィ…、ヴィータちゃん、どうしたの?」
「今回はお前も連れてくんだってよ。」
キラの腹の上であぐらをかく。
「今、何時?」
「22時だな。」
「二時間は寝たんだね。」
「つーか、早く起きろ!時間がねぇ。」
キラの上から飛び下りるヴィータ。
「う、うん。」
「遅かったな。二人とも」
あるビルの屋上にシグナム、シャマル、ザフィーラがいた。
「悪い、シグナム、こいつが起きんの遅くてさ。」
ヴィータに腕を引っ張られ、よたよたとついてくるキラ。よほど、今朝の魔法の訓練がこたえているらしい。
「キラ・ヤマト、デバイスをさっさと起動させろ。」
「はい…」
着ていた服が騎士服に変わる。よくよくみてみると、シャマル、シグナム、ヴィータも騎士服に変わっていた。
「あれ?ザフィーラは?」
さっきまでザフィーラ(犬)がいたのだが、見当たらない。いるのは犬耳に尻尾をつけた見知らぬ男…。
「この姿でお前と会うのは初めてだったな。キラ。」
「えっ、ひょっとして…ザフィーラ?」
「話は後だ、行くぞ。キラ・ヤマトはヴィータとザフィーラと共にいけ、私はシャマルと行く。」
シグナムとシャマルはその場から飛び立つと姿を消した。
「ったく、シグナムもよぉ、こんなやつ押し付けやがって…。ノロノロしてっと置いて行くからな!ちゃんとついてこいよ!」
ヴィータ、キラ、ザフィーラも飛び立ち、姿を消した。
翌日、AM7:00
「おはようございます。リンディさん。」
「あら、おはよう。フェイトさん。シンくんの魔法の訓練は終わったの?」
「はい、念話と基本的な事を少々…。」
フェイトは椅子に腰掛け、机にナプキンをひく。
「はい、フェイトさん。」
目玉焼きに、ベーコン。野菜サラダにパンののった皿をリンディが運んでくる。「シン君の分も用意したんだけど…帰ってきてないわね。」
「シンなら、アルフともう少し訓練してから帰るって言ってました。」
「そう。お弁当も作って置いたから忘れちゃ駄目よ?」
「はい、ありがとうございます。いただきます。」
ふぅーっと、息を全部吐き、目を閉じる。全神経を自分の右の掌に集中する。薄く赤い光がシンの掌に発生し、足元には深紅の魔法陣が形成された。赤い光は一つの丸い球となり、そして…
「そこだぁ!!」
放つ、赤い球は弾丸の如く真っ直ぐに目標である空き缶に向かい、飛んで行くが、空き缶を通りすぎて、地面にぶつかり、バシュッと音をたて霧散した。
「当たらないねぇ〜。」
とアルフ(子犬フォーム)。「だ〜、ちくしょう!なんで当たんないんだよ。」
「まぁまぁ、自分一人で魔法を使えるようになったんだから…。そろそろ戻んない?アタシ、お腹減ってさ…。」
シンは額に滲んだ汗をタオルで拭い、アルフが座っているベンチのとなりに腰掛ける。
時計をみると七時半だった。背持たれに体重を預け、空を眺める。薄い雲が筋の用に伸び、まだ半分しか姿を覗かせていない太陽の光を反射して茜色に輝いていた。
「すごいよな…。フェイトも…なのはも…。」
ポツリとシン。
「何だい、急に?」
「だって、まだ九歳だろ?俺が九歳の頃っていったら、ただの子供でしかなかった。」
「まぁね、色々あったんだよ。フェイトにも、なのはにも…。」
よっ、とベンチから立ち上がり、アルフと一緒に帰路に着いた。
「ただいま〜。」
「お帰りなさい。朝ごはん出来てるわよ。」
靴を脱ぎ、リビングへ入っていくと、リンディが資料に目を通しながらお茶をすすっていた。
「いただきます。」
五分程でたいらげ、食器を流しへ持っていく。魔法の特訓で疲れたのでシンは少し、仮眠をとることにした。
AM11:00八神家、廊下
「また、キラくんがおらへん。シャマル、キラくん知らん?」
「キラ君なら、ヴィータちゃんとザフィーラと一緒に出かけましたよ。」
「そーなん?」
「えぇ、まぁ出かけたと言うより連れていかれましたね。ヴィータちゃんに…。」
「主はキラ・ヤマトが気になるようですね。」
階段からシグナムが降りてきた。
「はやてちゃん、キラ君の事が好きなんですか?」
何故かシャマルが頬を染める。
「ち、ちゃうよ。ただ…。」「「ただ…?」」
「キラ君、異世界からきたんやろ?そうやったら、こっちの世界やと一人ぼっちやん…。
一人の辛さや寂しさは一応知ってるつもりやから…。できれば、不安にさせたくない。」
「………。」
「でも、私が心配せんでも、みんなキラ君と出かけたりしとるから、取り越し苦労やね。」
はやては笑った言った。
学校から帰ってきた、フェイトとなのははアースラにいた。
なのはのリンカーコアが正常に回復しているかどうかを調べる検診だ。もちろん、シンとアルフもアースラに来ている。
医務室からなのはとフェイトが出てきた。
「なのは、もうなおったのか?」
「うん、もう元通りだってさ。」
それはよかったと三人と一匹で喋っているとエイミィがやって来た。
「なのはちゃん、フェイトちゃん、シン君、三人のデバイス、修理終ったよ。」レイジングハート、バルディッシュ、が手渡され、シンにもデバイスが渡される。
「いい?三人とも、修理の際…。」
エイミィの言葉を遮って艦内に警報がなり響いた。
「くそっ、監理局のやつらか…。」
ヴィータ、ザフィーラ、そしてキラは多数の監理局魔導士に囲まれていた。
(どういう…ことなんだ?)わけがわからない。
そもそもヴィータが言った監理局という組織が一体なんなのか、キラには分からなかった。
すると、包囲がとかれ、代わりに
「スティンガーブレイド、エクスキューションシフト!!」
声。
淡いブルーの光の剣が三人に向かって降り注いだ。
発光し爆発がおこる。
「ザフィーラさん!」
キラが声を上げた。
ザフィーラの腕に数本、剣が刺さっていたのだ。
「心配するな、これぐらいでどうにかなるほどヤワじゃない。」
ザフィーラが腕に力を入れると剣が抜け、落ちる。
ホッとするキラ。
「安心すんのはまだはぇーぜ、キラ。」
ヴィータが指す方をみると、新たに三人、転送されてきた。
うち一人は見覚えがある。オーブの慰霊碑の前でいくつか言葉を交した少年。
(誤魔化せないってことなのかも、いくら綺麗に花が咲いても人はまた…吹き飛ばす。)
その言葉が、少年の怒りの篭った瞳が脳裏に蘇った。あの時、キラは返す言葉が浮かばず、何も言えなかった。
「じゃあ、あのMSのパイロットは…。」
合点が行く。
あの時、僕を討ったのはあの少年だ…。と
バリアジャケットを装着した。なのは、フェイト、シン。何やら追加装備があったらしく、起動に手間がかかった。
「あいつは!」
シンもまた思い出す、オーブでの出来事を…。
青く光る魔力でつくられた翼。そのシルエットはまさにフリーダム。
腕に、アロンダイトを持つ手に力が入る。
(討ったのに…討ったはずなのに…また、どうして?ステラの仇をとったはずなのにィィィ!!!)
頭の中で自分の声が木霊した。
「シン君?」
「シン…?」
シンの異常に気付いたなのはとフェイトが声をかけるが次の瞬間には憎悪に満ち、人間の声量の限界を超えた様な、そんな怒声をあげていた。
「…くそぉぉぉおおお!!!」『ロードカートリッジ。
フラッシュ・エッジホーミングシフト』
鍔にあたる部分から薬筒が弾け跳び、勢いよく振り上げたアロンダイトを降り下ろす。
魔力刃の部分がアロンダイトの本体から外れ、2つに分割。ブーメランの用に目標であるキラへと、挟み打ちをするような形で向かってくる。
「くっ!!」
『ライフルモード』
キラの持つ二丁の銃の銃口の先端に環状魔法陣が発生し、さらに、魔力を増幅するための増幅リングと圧縮リングが展開される。
シンとは対照的な青い魔力がリングによって増幅され、さらに圧縮される。
そして、左右のフラッシュ・エッジに狙いを着け両トリガーを引いた。
ドゥッ、と魔力の奔流が勢いよく発射され、見事に命中、フラッシュ・エッジは相殺された。
続く!
うおおお!GJ!
ついにキラも参戦、シンは問答無用で攻撃開始かw
デバイスも一新されて今後が楽しみだ。職人さん乙です!
はぁ…戦闘か…俺は5話の後編からだな…
バリ日常パートな第5話前編
魔砲戦士リリカルSEED Cross Magic
第5話
「僕等の力・前編」
H.17.4人の少年たちは
魔法と出遭い。少女達との新生活を始めた。
そして数日が過ぎ、翌日に管理局での会議を控えていた…。
海鳴臨海公園魔法結界内
一人の少年が宙に浮いている。
スゥと一息つくと急激な加速と共に空を駆け抜け始める。
その直後後ろから黄色い閃光が彼を追尾し直撃する。いや、防がれている。
(う…腕に来るね…これ…)
(慣れて下さい、身を守るためですから。)
キラとフェイトだ、すでにキラも転移、念話、浮遊の魔法をマスターし
最終段階にとりかかっていた。
(今日はこの辺で…勘弁してくれないかな…ちょっと疲れた。)
キラが音を上げ始める。
(仕方ないね…今日はここまで戻っていいよ。)
(あはは…ゴメン)
二人は地上に戻りフェイトの体からバリアジャケットが離散し私服に戻る。
「ありがと、もういいよバルディッシュ、アルフも。」
手に持った杖がチップ形態に戻ると結界が解除される。
238 :
tiger:2006/12/04(月) 18:10:43 ID:???
「キラさん。ちょっと付き合ってもらっていいかな?」
「いいけど、どこへ行くの?」
「ちょっと友達と約束したんだ。」
「じゃぁ、僕はいないほうがいいんじゃないの?」
キラは気を使う、小学生の付き合いに大人が入るものではないと思ったからだ。
「大丈夫、皆来るから。」
キラはフェイトが何を言っているのかさっぱりわからなかったがフェイトはニコニコ笑っていた。
キラはフェイトにつれられて駅前の喫茶店にやってきていた。
「翠屋…?」
「うん。早く入ろう♪」
二人と一匹は扉を開けて入店した。
すると横からどこかで聞いたような声が飛んできた。
「いらっしゃいま…げっ!!」
「シン君?!何で君がここに?」
キラ達を迎えたのはシンだった。
フェイトは奥でなのはと話をしている。
「何でって…何でですかね…なんかこき使われてるんですよ。」
「…同情…するよ。」
「何ですか、今の間はぁ?!」
「いいの?仕事しなくて?」
「うっ…こちらへどうぞ。」
キラ達は席へと通された。
「ご注文が決まりましたら声をかけて下さい、では。」
シンはカウンターの方へと引っ込んでしまう。
よほどエプロン姿を見られるのが恥ずかしかったらしい。
「なんかそっけない店員さんだね…。」
フェイトが苦笑いを浮かべて言う。
「でも良く働くし優しいよ。本当のお兄ちゃんみたいに。」
いつのまにかなのはも席についている。
そこへ新たな客が入店する。
「ハロ!ハロ!オマエモナー!」
「ハロ?アスラン?!」
「キラ!?ってことはシンもいるのか?」
「ご注文はお決まりでしょうか……?」
注文を取りに来たシンの顔にサーッと音を立てて血の気が引いていく。
「な…げ…元気か?シン。」
「え…ええ、まぁおかげさんで…。」
「シン…お前そのカッコ・・・」
「ジュース4つにコーヒー3つで宜しいですねッ!!」
シンは全速力で注文に自己判断を下し、そそくさと退散する。
その後アスランとはやても席に加わった。
「明日は管理局で会議だね…。」
「うん。キラさん達も4人集合できるよ。」
「そうか、管理局にはレイもいたんだったな。」
「アスラン忘れてたの?」
「いや、そうじゃないんだが。」
するとそばから球体が高速で飛んできてアスランがなんとかキャッチする。
「ハロ!ハロ!アカンデー!」
「こらハロ!うるさくしたらあかん!」
「うわぁ〜可愛い、それはやてちゃんの?」
「どうしたのそれ?いいなぁ。」
なのはとフェイトがはやてに手渡されたハロに興味をもつ
「アスラン君がプレゼントしてくれたんよ。これからお世話になりますって。」
「ハロ以外になんかなかったの?いつもこればっかりで…。」
キラが多少呆れ顔をしている。
「お前と同じだ。女の子がもらって嬉しいものなんてこれぐらいしかわからない。」
「……。」
キラは更に黙り込む。
そこへはやてが割り込んでくる。
「アスラン君よかったらなんやけど…なのはちゃん達にも作ってくれへん?」
「できればそうしてやりたいんだが…パーツもあれが最後だったんだ…又今度な。」
「そっか、ごめんな無理言って。」
「元の世界に戻れれば材料はいくらでもあるんだが…。」
そんなこんなで話をしていると突然なのはの携帯がなる。
「管理局から…どうしたんだろ…はい、あ、クロノ君。…うん、わかった。」
「なにかあったのなのは?」
「そんな対したことじゃないんだけど1日早くなるけどキラ君達と一緒に来てくれないか?って」
「そうなんだ。ならシン君呼び戻さないと…。」
キラがOLの話し相手をさせられているシンを呼ぶと6人と一匹は外に出る。
路地裏まで来ると皆が一箇所に
集合する。
「それじゃぁいくよ!」
アルフが掛け声を上げると共に方陣が展開し7人を纏めて光が包み込んだ。
後編へ続く
やっと管理局にもどってレイも復活する後編に続く
そして後編で事件が……つまらなくてゴメンナサイ…
そんなことはない、ただ一言GJとだけ言わせていただこうっ!
お疲れ様!
つまんなくない!!面白いっすよ。
保守
職人さんは今、四人しかいないんだっけ?
むしろ4人もいると言った方が
職人さん四人は多い方なのか?
五人じゃないか?
・・・なにげにこのスレって職人さんに恵まれてるな、しかもみんな面白いし。
>>248 多い方だと思う。
大抵のクロススレは基本的に1〜2人くらいの職人さんがいる(Wスレとかカミーユスレとか)
機動戦士ガンダムし〜ど第7話(中篇)
もう日が沈んで暗い夜。
その中で活気あふれる空気が翠屋にあふれていた。
ここで、なのはたちの進級記念パーティーが行われていた。
店の中は、はっきり言ってしまえば先のどのメンバーとさして変わらない。
フェイトたちの家族と、なのはの兄とさっきいた友達の家族がいるぐらいだ。
(普通たかが進級したぐらいでそんなことするか?)
シンは心の中でおもったが、人それぞれだし、誘ってもらってこうやっていろいろ食べてるんだから文句を言っても仕方ないと思いながらロールキャベツを口に運ぶ。
そこで、士郎の言葉を思い出す。
「メンバーの中に男は少ない。」
士郎の言っていることは正しく、男性メンバーは自分を含めて士郎、なのはの兄の恭也、クロノ、見たことないなのはくらいの年齢の少年。それにザフィーラ(この際人というのはどうかはのけておく。実際人型にもなるし)の6名。
そして、今時分が置かれている状況。
「それで、あんたの世界って宇宙にも人が住んでるの?」
シンの周りにはシンの世界に興味を持っている人がシンから話を聞こうと集まっていた。
「ああ、月にも町とかあって人がたくさん住んでるし、宇宙空間にも人が住んでる。」
この状況をたとえるなら。物語を話すおじいさんと、それを聞いている子供たち。
(って、誰が爺さんだ!)
一人ボケ突っ込みをかましながら次々と聞かれている質問に答える。
料理も食べているので意外と忙しい。
「宇宙空間にも住んでるって・・・・空気とかはどうするんですか?」
こちらの世界では当たり前のことを知らない世界の人に説明するのはとても難しいことが分かった。
考えながら答える。
「えーと・・・あ、ほら。魚を飼うのと一緒。」
「さかな?」
「魚は地上で生きていけない。魚を飼うには水槽を用意してその中に水を入れてから飼う。それと一緒さ。宇宙空間に人が住めるよう俺の世界ではコロニーとかプランとっていうけど、それをおいて、空気を入れて町を作って、人が住める状態にしてから住むんだよ。」
宇宙に住んでる人を魚扱いしたことを謝りつつこの世界にもあるようなものでできる限り分かりやすい例えを言うシン。
「へえ。ゲームとかアニメだけかと思ってたけど、実際にあるんだ。」
アリサが感心したようにシンの話を聞く。
どうやらちゃんと理解はしてくれたようだ。
「人気者ねシン君。」
後ろから桃子が話しかけてきた。
桃子の周りには参加しているすべての大人がいる。
大人といっても桃子と士郎とリンディの3人だけである。
「あ、そうだ。シン君。」
リンディがシンを呼んで服すウンディスクを渡した。
「渡せるうちにね。ハイこれ。」
そういい数枚のディスクを出す。
「丸いのがこの世界用で、四角いのがアースラで見られるから。」
「もう出来たんですか?」
そういいながらディスクを受け取るシン。
「それと・・・悪いけどちょっとついてきてくれる?」
「え?」
「ちょっと話したいことがあるから。」
なんだろうと思いつつ、室内ではなくテラスへ向かう二人。
二人は適当な席に座る。
「ごめんなさいね。呼び出しちゃって。」
「いえ、かまいませんよ。話ってなんですか?」
「ちょっとした身の上話をね・・」
笑ってはいるが、その表情はどこか暗い。
「私には夫がいたの。名前はクライド・ハラオウン。私と同じように時空管理局にはいていたわ。」
「いた?」
「ええ。彼はもうこの世にいないの。」
「あ・・・」
まずいことを聞いた、とシンは思った。
その場の空気が重くなるような、そんな感じがした。
「別に気にしなくていいのよ。もう11年前の話になるし、話を始めたのはこっちなんだから。」
リンディがちゃらけたようにいう。
「あの人は私と同じで艦の艦長をやってて、ある事件に巻き込まれて、船員を脱出させて自分だけが艦長だからって運命は艦とともにするってね・・」
たんたんとリンディは言う。
「それを聞いて、シンくんはどう思う?クライドのこと。」
「え?」
急に質問されて戸惑うシン。
「俺は・・・その人は立派だと思います。軍務を全うして、それで死ねた事に。」
それが正直な感想だった。
なかなか艦と運命を共にするなんて、普通なかなか言えない。
だが、自分がいたミネルバの艦長、タリア・グラディスも同じようなことをする、そうシンは思った。
「そうね、私もそう思うわ。管理局員としてなら・・ね。」
「え?」
「けど・・家族の一員としてみるなら・・・最低な人・・・かな・・・」
あ、とシンはリンディをみた。
「11年前だからクロノもまだ3歳。結局あのこは父親というのを知らないまま私が一人で育ててきたわ。」
懐かしむような漢字でリンディが話す。
「それでね、聞いた話なんだけど、あの人が最後に言った言葉が、妻と息子に言っておいてくれ。すまなかったって・・・」
だんだんと、愚痴るような口調になってきた。
「あの時は怒ることしかできなかったわ。ふざけないでよ、そんなこというんだったら戻ってきてよって。」
「どうして、そんな話を俺に・・・」
シンは、どうしてそんな話を自分にするのか分からなかった。
「あなたの戦闘記録を見せてもらったの・・・・それでね・・・・」
リンディはシンが持って来た戦闘記録を思い出す。
シンが乗っている機体とよく似た、もしくはちょっと違うようなものが飛び交い、爆散していく。
「あなたまだ16でしょ?それでこんな戦いに参加して・・・それで命を落としたら、家族が悲しむでしょ。」
家族、その言葉にシンは黙り込んでしまう。
「いや・・おれ・・」
「だから、絶対に死んじゃだめよ。どんなことをしても生き残って、家族のためにも、ね。」
シンが小さな声で何か言っているが聞こえなかったのか、リンディが微笑みながらシンを見る。
「さて、そろそろ戻りましょ。あなたの話を待ってる人もいることですし。」
そういい先に部屋に戻るリンディ。
シンもゆっくり後をおうように戻っていく。
「早く戻ってこーい。話の続きしようぜ。」
ヴィータに呼ばれて、わかったよといいながら席に戻るシン。
ほとんどパーティーも終わりかけて、あとはみんなで話をするぐらいであった。
「で?今度は何が聞きたいんだ?」
あらから話し終えて、何かないかと考え込む子供たち。
「ええと・・・・あ、そうだ。シンさんって携帯持ってる?」
そのなのはの問いに答えたのは、シンではなくヴィータだった。
「持ってたよな。にあわねーピンク色の携帯。」
いつのまに見たんだよ、と思いながらポケットから携帯を取り出す。
「よかったら、アドレス交換しない?」
アドレス交換は出来ればしたかったが・・・・
「すまない。これは俺の世界の携帯だから電波が通んないんだよ。」
さすがにこの世界と自分の世界の企画が会わないらしく、電波が入っていない。
「じゃあさ、ちょっとかしてくれよ。」
ヴィータがねだるようにシンの携帯をとる。
「何する気が?っていうか使い方知ってるのか?」
「大体は同じようなもんだろ。ちょっと画像をチェックっと・・・・・・」
やめろという前にヴィータが先に画像をチェックして、ヴィータが固まった。
あれも、これも、どれも同じ女の子が移っていた。
たまにシンや夫婦の画像もあるが、ほとんどがその女の子の画像である。
年齢はなのはたちと同じくらいで栗色の髪を伸ばしている。
どしたの?となのはたちもシンの形態を見る。
その後は、皆がシンを疑いの目で見始める。
あせるシン。
そしていつの間にかほとんどのものがその画像を見ることになった。
そしてヴィータが一言。
「ロリコン。」
「ちがう!」
シンが全力で否定したが、信じてもらえるはずなかった。
「でもこれ見たらねえ・・・」
「ああ・・・」
この反応で、シンが観念したように答える。
「これ、俺の携帯じゃないんだ。」
訪れる沈黙。
今度はアリサが一言。
「泥棒?」
「だからなんでそういう風にしか言えないんだ!あんたたちは!!」
まあ普通は双思うのが普通だが、双叫ばなければ屋っていけなかった。
「じゃあだれの?」
はやてがまだ疑っているような目で聞いてくる。
「妹の携帯だよ。」
再び訪れる沈黙。
今度は桃子。
「これっていわゆる・・・・シスコン?それとも妹の携帯を泥棒?」
「あんたらはいったい何なんだ!!」
「あ、でもこの子意外とかわいいわね。」
「何で艦長まで、チェックしてるんだーーー!!」
シンは叫ばずにいられなかった。
そのみんなの気持ちを代弁するようにヴィータが答える。
「じゃあ何でお前がその妹の携帯を持ってるんだよ。」
「えっと・・・それは・・・・」
言葉につまるシン。どのように言えばいいのかわからない。
「なんだよ、言い返せないのかよ。シスコン。泥棒。」
ヴィータの言葉がいいすぎだと思い注意しようとはやては思ったが、その前にシンの怒声が飛ぶ。
「うるさい!!!」
ヴィータの言葉に本気で怒って叫ぶシン。
そしてヴィータを睨みつける。
それに少しびびるヴィータ。
目も少し涙目である。
「な・・・なんだよいきなり・・・・」
確かに言い過ぎたかもしれないが、そこまで怒ることはないだろうと思った。
落ち着きを取り戻したシンははっと気付き罰を悪そうにする。
「あ・・すまない・・・つい血が上って。」
回りもどこかびっくりしている。
ここまでシンが叫んだことが驚いているようだ。
「えーと・・・どういうことか説明してくれるかな?」
士郎がゆっくりと聞いてきて。はいと答えるシン。
「この携帯は、妹の・・・いや・・・家族の形見のようなものだ。」
続く
第7話中篇投下完了。
いきなりはじめてしまっていすみません。
リンディの話はほとんどうろ覚えなのですまん。
あと、シンを叫ばせすぎた・・・・・
乙です。相変わらずシンは誤解されやすいタイプのようで…w
シスコン疑惑浮上川磯洲w
GJ
ロリはともかくシスは否定できないと思うのは気のせいか?w
涙目のヴィータ萌え
とか真っ先に思った俺は紫電一閃されて来る
GJ!
シスコンだとは思うけど、家族が目の前でバラバラになって死んだら
トラウマになって覚えていても無理ないかもな、とも思うんだ。
つか普通は消せない。唯一残った形のある思い出だろうしな。
だがそれとは関係なくシスコン疑惑はいたって正統
シスコンってのとはちと違う気がしね?
実は生きていた真由と再会したら、絶対シスコン化するだろうけどさ。
あれは、自分の幸せの象徴として偶像化してしまった結果だと思うんだが。
だよなぁ。郷愁の象徴というか幸福の象徴というか
シンの場合「国のせいで死んだ」というのがあるからなおさらに
前回
>>235 「ちっ!」
「ちょっ、シン君、まずは話を…。」
なのはが止めようとするが、静止を無視してシンは飛びだし、キラへと向かっていく。
しかし、突如、紫雷がシンを襲った。
「お前の相手は私だ。シン・アスカ。」
監理局の戦闘局員のはる結界をレヴァンティンで強引に破り、結界内に侵入してきたシグナムだった。
こうなってしまったら話し合いどころではない。
そう判断したクロノは指示を出した。
「(なのはは、赤い服の子と、フェイトとユーノはあの青い子を捕えて、力が未知数だから油断するなよ。アルフは…。)」
「(わかってるよ。丁度、アタシもあいつに用がある。)」
ザフィーラを睨んだ。
クロノからの指示を受け、なのは、フェイト、ユーノ、アルフはそれに従う。
「(僕は彼等のマスターを探す。皆、頼んだぞ。)」
それぞれ、了解の声を上げ、散開した。
「この!」
自分の視界にフリーダムのパイロットを捕えながらも、シグナムに邪魔されて討ちに行くことができず、シンはイライラしていた。
かと言ってシグナムを無視するわけにも行かなかった。前回よりも武器が強化され、レヴァンティンと打ち合う度にヒビが入りはしないが、剣の修行を、実戦で行っていなかったシンにとっては、シグナムの攻撃一つ一つを見切り、防ぐのがやっとだった。
(気を散らせば負ける。)
今は、悔しいがフリーダムのことを出来るだけ頭から切り放し、戦闘に集中することにした。
「サポートは僕にまかせて、フェイトは前へ。」
「うん。」
ヒュッと音を立て、キラへ向かっていくフェイト。
「一体、何だって言うんだ…。」
キラはこの突然の状況を理解できず、呆然としていた。
「チェーンバインド!」
その隙をついたユーノのバインド。相手の捕縛を目的とした魔法だ。
声にハッとし、慌てて回避するキラ。
三本のチェーンバインドを一本、二本と回避していく。
『Warning!サーベルモード』
フリーダムの警告。キラは振り向き、背後からのフェイトの一撃を辛うじて二刀のサーベルで受ける。
「ぐっ!!どうして、こんな…。」
競り合っている間に、シグナムや、ヴィータ、ザフィーラの状況を確認する。
(駄目だ、シグナムさんもヴィータちゃんも、手が空いてない。やれるのか?
やるしかないのか?)
サーベルに力を込め、一旦相手、つまりフェイトとの間合いをとった。
『プラズマランサー』
フェイトの足元に魔法陣が展開され、周囲にも八つの環状魔法陣が展開される。
「プラズマランサー、ファイア!!」
「チェーンバインド!!」
ユーノが操るチェーンバインドがキラを誘導し、避けたところへフェイトがプラズマランサー放った。
「くっ。」
サーベルでプラズマランサーを弾き飛ばすが、一旦、弾き飛ばされたそれらは、空中で制止し反転して再びキラへと向かって発射される。
「これは…。」
『ライフルモード。』
キラはさらに上空へと回避行動をとり、魔法陣を展開、左右のライフルを前後で連結させ、追尾してくるプラズマランサーに狙いをつけた。
連結した銃の前後から薬筒が弾け跳び、リングが複数とりまく。
キラはトリガーを引いた。フラッシュ・エッジを相殺したときとは比べ物にならない太さの魔力の奔流がプラズマランサーを飲み込み、消滅させる。
しかし、息をつくまもなく、フェイトの追い撃ちが続く。
「はぁぁぁ!!」
振り上げたバルディッシュのリボルバーが撃ち出す圧縮魔力を刃へと変化させ、サイズフォームへと変化する。
「くっ!!」
後ろへと回避行動をとりながらトリガーを引き、通常射撃魔法を連射し威嚇するが、フェイトは放たれた魔法をバルディッシュで切り裂き、加速。
キラとの間合いを一気につめる。
さらに横から再びユーノのバインドがキラへと向かってきていた。
それを視界の隅に確認する。
(ここで、捕まるわけにはいかないんだ。何でこんなことになってるのか皆に聞くまでは…当てられるか?)
キラは意を決し、魔法陣を展開。カートリッジを両銃から二発ずつ、計四発消費する。
『ハイマットモード・スタンバイ』
自分を追ってきている少女とチェーン状の魔法が三本、そしてその術者の少年が一人。
さらにターゲットを加える。
オーブで出会った少年にヴィータと戦闘中の少女。それからザフィーラと戦闘中の相手をも加える。
「ターゲット、マルチロック!!」
『オールライト』
最後に左右一発ずつカートリッジを消費する。
だがすぐには魔法を発動させない。全てに遅延をかける。
なぜなら、フェイトがすぐ目の前にまで迫って来ていたからだ。
キラの全身に汗が吹き出した。
失敗は許されない。
魔法を維持し、今からやろうとしていることに全神経を集中する。
振り上げられたバルディッシュを目の前にしてキラは両手のフリーダムを空中に投げた。
「ッ!?」
えっ!?フェイトはキラの行動を疑問に思いながらもバルディッシュで縦一閃を見舞う。
一方、キラはフリーダムを手放した両の掌に自分の掌より一周り大きい防御障壁を発生させ、バルディッシュの魔力刃を両手の障壁で挟み、受けとめる。
「そんなッ!?」
目を見開くフェイト。
「ごめんね…。」
キラの左右の腰辺りに待機させていた射撃魔法が発動する。
「バルディッシュ!!」
『ディフェンサープラス』キラの狙いに気付いたフェイトは直ぐ様障壁を展開し、直撃をさけた、五メートルほど後退する。
キラは直後に手元に落ちてきたフリーダムを構え、遅延を解除し、魔法を発動させた。
『ハイマットモード』
キラの背中にある、魔力でつくられた翼が展開される。左右合計八枚。
「間に合え!!」
ユーノはなんとかバインドを間に合わせたかった。
嫌な予感がするのだ。その魔法を撃たすな。
直感がそう告げていた。
『ハイマットフルバースト』
「当たれぇぇぇえええ!!!!」ズドォォッ!!!
魔力の奔流がチェーンバインドを飲み込み砕く。
中距離だったユーノはともかく、至近距離でしかも、魔力の量が一番多い、キラの腹部から放たれた奔流を障壁で受けていた。
「うぅぅぅ…。」
フェイトの魔力を障壁の上からえぐっていく。
ユーノはフェイトを援護してやりたいが、こちらも防御で手一杯になっていた。
ディバインシューターのコントロールに集中していたなのはにレイジングハートが警告する。
『Caution!!』
「えっ!?」
『プロテクション!』
レイジングハートが自動で全包囲バリアを展開した直後に激しい衝撃がなのはを襲った。
「いったい何!?」
「ぐぅぅうう!!」
シンも必死に防御障壁を展開していた。
「くっそぉぉおお!!」
ふと視界の隅に人影が写る。人影はただ降下を続けるだけだった。
眩しい魔力の光だけにはっきりしないが、シンは確にそれを確認していた。
金髪のツインテール、フェイト・テスタロッサ。
「フェイト!!」
障壁の角度をずらし、射線軸から離脱し、落下中のフェイトを抱きとめた。
「フェイト!大丈夫か!?」「う、うん。大丈夫…。ちょっと受けきれなかっただけ…。」
顔を真っ赤に染めながら、言った。着地し、シンはフェイトをそっと地面に寝かせる。
「ありがとう、シン…。でも、大丈夫。立てるから…。」
黒い髪でシンの表情が隠れ、確認することはできなかった。
シンは立ち上がり、空を見上げ、キラを睨む。
オノゴロで家族を失ったとき…フリーダムがいた。
ハイネのときも、ステラのときもフリーダムがいた。討ったのに…、討ったはずなのに…、今度もまた俺の前に現れ、大切な繋がりを奪おうというのだろうか?砲撃が終わったようで、辺りが静かになった。
「…いつだってそうだ。あんたはそうやって俺の前に現れて、大切な人や家族や友人や仲間を奪っていく。」
(殺してやる!今度こそ…)頭の中で何かが弾け思考がクリアになり、憎悪がシンを支配する。
シンは地を蹴り、飛翔した。
「あんたって人はぁぁぁああああ!!」
一気に加速、キラへとフラッシュエッジを連射しながら向かっていった。
「はぁ…はぁ…。」
疲労感覚がキラを襲った。『Warning』
フリーダムによる警告。
「えっ?」
4つの光の刃がキラを狙う。そのうち三つを撃ち落とし、ひとつを避ける。
『シールド』
フリーダムが自動で防御結界を発動させた。
避けたそこには、シンが待ち構えていた。アロンダイトからカートリッジを二発消費する。
右手をフリーダムの張った結界に当てがい、そして…『パルマ・フィオキーナ』「あんたは、俺が殺す!!」『バースト』
シールドが破壊され、キラはその衝撃で吹き飛び、近くのビルに激突し、粉塵をあげた。
続く!
キラが高度なことをやってるけど、一応シンも遅延とか出来るんで気にしないでください。
法則丸無視ですんません。
GJ
いかんぞシン、怒りのスーパーモードではフラグを見逃すだけだ……!w
GJ!
この後でシンは確実にフェイトに問い詰められるだろうな、過去に何があったのかって。
何か最近、神隠しが加速度的にオモロくなってきたなあ
なのはらしい、空中を縦横に入り乱れる集団バトルが熱い
シンもキラもMS乗ってる時よりよっぽど良い動きしてるぜw
GJ
今回だけでカートリッジ8発も使ったんだよな、やはり二丁は燃費悪いんだな…
だな。それに加えて「シンvsキラ」オンリーではなく
シグナムやフェイトとの交戦もちゃんと書いてあるから
戦闘の幅が広がってて面白い
274 :
273:2006/12/07(木) 00:39:39 ID:???
↑は>271に対してのレスだ。ミスった・・・・
そういや八神家はカートリッジの生産率が低いんだよな
キラこんなに使ってていいのかよw
>>275 この戦闘の後で、ヴィータに文句言われそうだなw
シャマル干乾びるかもな.....
つか態々キラの分までカ−トリッジ作らない気もするが......
大体キラの特訓の時にカートリッジ系の描写無かったから案外気付いて無くてカートリッジの補給もしなかったりして.....
基本的に戦闘舐めきってる(機体整備不要発言と戦略も何も無い行き当たりばったりの行動で被害増やす等)
キラだから戦闘中に弾切れ起こしてやられるって展開も良いかも知れんな
今後の教訓にも成るし今まで行って来た行動が引き起こした事を身を以って知る機会にも成るし
PS.住んでる場所近いからスーパーとか銭湯とかでハヤテと知り合うってのも"お約束"だけど良いかもね?
種アンチがしたいのなら余所へ行けよ
なのはだって種だって戦略どころか戦術面でもアホらしい事しかしてないだろ
クロス作品スレなのに一方だけ徹底的に美化するような馬鹿は消えろ
>>278 誰も種アンチなんかしてないだろう。
キラがそういう性格のキャラって言ってるだけだろう。
それに管理局は民間と嘱託が乱しているだけで一期をみればわかるように敵が自滅するのを狙ったりと真面目にやっている。
勝つのが手段じゃなくてフェイトを利用してプレシアの船を追尾するために追跡ラインを綿密に張ってなのはと勝負させたりとか。
おまいらもちつけ
まったりー行こう。
結果論で言うのなら無敵のキラ様率いるラクス教、もといオーブが一人勝ちして
世界は平和になったな
どの作品も続きが楽しみ!
キラがバルディッシュを白羽取りか。
アロンダイトを相手にやったときはキラもとい嫁はアホかと思ったけど、
多少追い詰められた状況でキラ目線でやるとかっこよく感じてしまった。
描写からすると、パルマにはバリアブレイクの効果があるのか
まあそうでもないとパルマの存在意義が無くなるからなあ
アロンダイトのカートリッジ技は、やっぱ例のドス特攻だろうか
ドス特攻って…ヤクザじゃないんだから
所で付くじゃなく薙ぎ払う方が攻撃を交わすのが難しいんじゃなかった?
ドスじゃなく長ドスだな
魔法戦士リリカルSEED
第3話 新たな生活
「……ねぇ。」
「………何だ。」
「いや、何でもない……。」
重い空気が流れていた。クロノとシンは話しもせずにずっと黙っていた。
今のようにどちらかが話しかけても全く話しが続かないのだ。
年代が近いから話しが弾みそうなものだが、シンは軍属のパイロット、対してクロノは時空管理局の執務官。
多忙な毎日を送っていた二人には趣味らしい趣味などなかったのである。
そもそも、何故こんなことになったのか。
何でこんなことにと二人は同時にため息をつく。
発端はこんなことだった。
なのは達は困っていた。彼…シン・アスカをどうするかであった。
彼の世界ではもう大人らしいのだが、まだ彼は未成年だ。
まして、彼はこの世界の住人でさえないのだ。
彼のいた地球となのは達の住む地球は似通ってはいるが根本的には違う世界。違う世界の住人をたった一人で生活させるなんてことは時空管理局員であるリンディには出来なかった。
「それで俺はどうなるんですか?」
やや不機嫌そうな口調でシンは言う。
自分が一人で生活出来ると言い張るのに彼女らが頑なに認めようとしないからである。
「そうね…シンさんはどうしたいの?」
「俺は……やっぱり、一人で暮らしたいです。」
「残念だけど、それは許すことは出来ないわ。」
そうかとシンは肩を落とす。
「やっぱり、誰かの家で預かって貰うしかないよね。」
なのはの発言にクロノはうんうんと頷く。
「僕もそれしか選択肢はないと思う。君が許そうが許すまいが選ぶ権利はない。」
冷静にクロノは言う。クロノの言うことは正しいとはシンにも分かるのだが、それを認めることが出来るかは別問題だ。
だが、世の中認められなくても認めないといけないことはある。それが今の状況であった。
「それじゃ俺は誰のところに行けば、良いんですか?」
「そうね……。」
「私達の…ところで良いんじゃないですか?」
そう言ったのは今部屋に入ってきた金髪の少女であった。
シンと同じ赤い目の少女。シンのが血のように紅い目に対し、彼女のはガーネットのような赤であった。
「誰です?」
なのは達に問うようにシンは言う。
彼はフェイトと会うのはこれが初めてだった。
「彼女はフェイト。僕の妹だよ。」
そう答えたのはクロノであった。
シンはクロノとフェイトを見比べるように交互に見る。
───全然似てないな。
兄妹と言うにはあまりにも似ていない。
髪の色も目の色も違う。ぱっと見ではあるが、性格まで違うようにシンには思えた。
「………。」
「何だその目は。ああ、僕達は本当の兄妹じゃないから。彼女はその……。」
言いづらそうにクロノは頭を掻いている。そこまで言われれば、いくら鈍感なシンとはいえ気づく。
そうかと小さな声で言うとフェイトと向き合う。
「えっと…フェイトちゃんだっけ?俺はシン・アスカだ。よろしくな。」
彼はやれる限りで人懐っこい笑顔を浮かべる。
「お母さんから話しは聞いてます。私はフェイト・T・ハラオウンです。よろしくお願いします。」
ぺこりと頭を下げるとすぐにリンディと向かい合う。
「私達のところで預かるっていうのは?」
リンディはフェイトに問う。
「なのはの家にはご家族がいるし、はやての家は今は色々大変だから、残っているのは私達の家しかないから」
はやての体を侵していた闇の書は元の夜天の書に戻ったのだが、それでも長い間病んでいたのは変わらない。
完全に回復するまでは暫くはかかる。
ヴォルケンズがいるとはいえ彼女に手間をかけさせたくなかったのは彼女の心情であったのだ。
「いい考えね。クロノにも同年代の男の子の友達も殆どいなかったことだし…。」
クロノは幼くして執務官というトップエリートとしての道を通っている。
士官学校でも彼ほど若いものはいなかった。
年が近い友人はいるが、彼女……エイミィは女性だ。
要するに彼は同年代の男友達が誰一人もいなかったのである。
「ちょっと、母さん!?」
当然クロノは反論する。
彼とシンの第一印象は最悪とまでは言わないが、決してよくはなかった。
シンにとってみれば、クロノは生意気なガキ、クロノにとってみれば、偉そうな年上。要するにどっちもどっちなのである。
「それでシンさんはどうしたいの?」
「……やっぱり、納得は出来ない。けど、そちらがそれで良いのなら俺の方では異論はありません。」
はっきりとした口調でシンは言う。
「本当にそれで良いのですね?」
確認のためにリンディは再び問う。
シンはリンディを正面から見据えた。
「はい。」
力強くシンは答えた。
リンディは柔らかく笑い、お茶に角砂糖とミルクを入れた。
──日本茶に角砂糖とミルク……。
どう考えてもミスマッチであった。
想像するとシンは胸焼けをしそうになった。
リンディはそのお茶を美味しそうに飲む。
──うわっ…飲んでるよ。
「どうしたの?」
ずっと、シンがリンディのことを見ていたのに気づいたのか彼女は声を上げる。
「いえ、何でもありません。」
流石に指摘するのは失礼だろう。
「そう、シンさんもお茶いります?」
「あっ、はい。」
「お砂糖とミルクは?」
思わず、シンは吹き出した。
「にはは……。」
気まずそそうになのはは笑っていて、クロノは深くため息をついた。
リンディは不思議そうに三人を見渡していた。
「……。」
そういう経緯もあって今はシンはハラオウン家に厄介になっている。
リンディ曰く、男の子同士親睦を深めなさいとのことでシンとクロノは二人っきりにされた。
二人が帰ってくるまでしばらくかかる。
やることがないのでシンは武器の手入れでもしようかと思ったが、今はリンディが持っていることを思い出して止めた。
この国では銃やナイフは携帯してるだけで犯罪になるらしい。
最も、軍人かつコーディネーターのシンに生身で勝てる人間など殆どいないのだが。
「ねぇ…アスカ。」
「シンで良いよ」
アスカでは女みたいな名前だ、とシンは思った。
「それじゃシン、本当に君はあれで良かったのか?」
「…あぁ、そうするしかなかったし、それにこれ以外俺に選択肢があったか?」
「…それもそうだね。ごめん、失言だった。」
「いや、謝られても…。」
気まずそうにシンは頭をポリポリとかく。
話す内容がないのだ。もともとシンもクロノも口数は多い方でも積極的なタイプでもない。
そんな二人が話してもちぐはぐになるのは仕方がなかった。
「…この世界は平和なのか?」
「えっ?あぁ…今はね。」
「そっか……。平和なんだなこの世界は」
シンは言う。これが彼にっとて求めた世界なのだ。
争いのない世界。誰もが笑っていられる世界。
なのはやフェイトのような子供が笑っていられる世界。
──だからといってあの二人のような子供をこき使うのはどうかと思うが。
いつか直接言ってやろうとシンは思っていた。
「どうしたんだ?」
シンが何かを考え込んでいるのを表情で察したクロノが言う
「いや、平和何だなって…。」
「………そうか。」
クロノはシンの事情を聞いていた。
彼は世界から戦争をなくすためにずっと戦っていたという。
そんな彼にとっては現在の日本のような戦争がない世界は理想そのものだ。
「シン…君に趣味はないか?」
「……これと言ってないな」
そういえば、趣味らしい趣味は持ってなかったなとシンは思った
「そうか…僕もだ。」
「クロノも?」
「うん。」
そっかとシンは笑った。
「趣味なんてこれから探していけば良いよ。」
「そうだな。」
シンとクロノは笑い合った。
友人というには弱い関係。ただ、ほんの少しではあったが、絆は深くなっていた。
しばらくすると、フェイトとリンディは帰ってきた。この家のペットであろう赤毛の子犬を連れて。
シンは暇だったので子犬に餌を与えていた。
子犬の体を優しく撫でながらシンは話しかける。
「お前らは気楽そうで良いな。」
「そうでもないのよ。」
不意に声が聞こえた。
「空耳か?」
シンは周りを軽く見渡す。
だが、周りにはシンとクロノ以外はいない。
クロノは書類のようなものを記入していたためシンに話しかけられるような状況ではない。
「……気のせいだな。」
「気のせいじゃないわよ。」
また声が聞こえた。
聞こえたのは下の方から。シンは真下を向く。
無論、そこにいるのは子犬だけだ。
「………ははは……まさか……な?」
「……いくら何でも気づくでしょ普通。」
──しゃべった。今明らかにこの犬はしゃべった。
新種の犬なのか? いや、そんなはずはない。
いくら何でも犬がしゃべるなんて常識を外れすぎている。
「そういえば、あんたの前で変身したことはなかったね。」
そう言うと子犬の姿はみるみるうちに赤毛の少女に変わる。
犬である証の耳を頭上に残して……。
「……えっ……あっ……へっ?」
シンの口はパクパクとしている。
「うっ……嘘だろぉぉぉ!!!!」
シンは叫び声をあげた。
──いっ、犬が人間になった……。
シンは目を何度かこすってまじまじとアルフのことを見つめるが結果は変わらなかった。
「どうした……の?」
ひょっこりと顔を出したのはフェイト。
シンの叫び声に気づき様子を見に来た。
「いっ……犬が人間に……。」
「あぁ…その子は犬じゃなくて私の使い魔なの。」
「…使い魔?」
シンは首を傾げる。
「魔導師に仕える僕……だけど、私とアルフは友達だよ。」
「そうか……。」
シンはアルフを見る。
年からしてシンと同じくらいのようだ。
「…………。」
「……何?」
「いや、本当に魔術なんてあるんだなぁって。」
一応信じてはいたが、もしかしたら、ドッキリなんじゃないかとシンは心のどこかで思っていた。
だが、人間に変身する犬を見た今、流石の彼も完全にここが異世界だと自覚した。
「まあ、そりゃいきなり魔法の存在を信じろって言われてもちょっと無理があるからね。」
「そうだな。だけど、流石にあんたの存在見た後じゃ信じないわけにもいかないだろ。」
そうだねとアルフは快活に笑う。
赤毛の少女というとシンにとって恋人であるルナマリアの顔が真っ先に浮かぶ。
──ルナ大丈夫かなぁ…。
錯乱したシンがアスランに敗れるのをずっと見ていた。
あの後ルナもやられたかもしれない。
「どうしたんだいおっかない顔して。」
「……いや、何でもない。」
こんなこと話したってどうにもならない。
──アスラン…どうして…。
確かに、議長のやっていることには非があったかもしれない。
否定したものを殺すやり方に正義があったとは思わない。
だが、シンにとって戦争がない世界の方が大事だった。
例え、自由が多少なりとも奪われたとしても。
悪戯に戦火を広げるラクス・クラインに正義がるとは彼には思えなかった。
「シンさーん!!ご飯出来ましたよ。」
シンはCEについて考えるのを止める。
──今はまずは目の前のことだ。
「今いきます。」
声を出す。シンは輪の中へと入っていった。
以上です。
リアルが忙しかったので投稿遅れました……。
295 :
通常の名無しさんの3倍:2006/12/08(金) 19:42:52 ID:YNrPHR2y
続きが気になる。
死んでくる
そろそろ誰かなのはさん達がCEの世界に行く小説投稿してくれないかなぁ
真面目な話し管理局が平行世界への移動技術をもたない他世界の戦争に介入するのって
思いっきり内政干渉だし禁止とかされてる気がするな。
まあ何かしらの敵勢力(復活プリシラとか)がCEに介入したのに対抗する為、
管理局側が現地の軍と協力するというセンならアリかもしれない
地底冥府インフェルシアとか
スレ違いだけどな
ロストロギアなのかプレシャスなのか定義が曖昧な不思議アイテムを巡って、サージェスやネガティブシンジケートと戦う時空管理局
既に種ですらないw
どうせならマユとフェィトが入れ替わる話が読みたいな。
マユがアリシアの記憶植えつけられて、フェイト記憶が植えつけられるってかんじでw
>>305 ×フェイト記憶が植えつけられるってかんじでw
○フェイトは記憶が植えつけられる前ってかんじ
AAAランクの連中はCEのMSと比べてどの程度の強さにすべきかとか、
そもそも宇宙空間で魔導師は生存できるのかとか、
>>300の問題とか、
CEのMSに脱出機構はないからMS撃破しちゃったら中の人死んじゃうよなとか。
考えられるだけで問題山積みで書ける気がしない。
クロスオーバーSS描ける人は本当に凄いな……。
慰霊碑でシンと会ったのがキラじゃなく、アクシデントでCEに来たなのはさんだったらおもしろいかも。
何気ないなのはさんの一言が、シンを本編と違った良い方向へ成長させたりとか
自分で書けよ
職人に対して我侭な欲望を押し付けるな
いや、ただ言ってみただけで、押し付けとかそういうのじゃないんだ。
すまない・・・
ちょっと質問があるんですが、デバイスに非殺傷設定とかありますよね?
あれって自分で設定したり解除したり出来るんですか?
>311
漫画なんかの描写を見る限りじゃあ非殺傷設定は言うに及ばず
アームドデバイスだと切れ味なんかも自分で設定できる模様。
ちなみに非殺傷設定でもなのはとフェイトの全力全壊合体技と
はやての全力全壊がぶつかり合うと時空管理局本部の訓練室+ユーノの結界
が壊れるほどの威力らしい。
無論その場合でもなのは達は服が破れたり焦げたりする程度の被害しか出ないようだけど。
全力全開→全力全壊
いいなその例え方
>312
ありがとう。
参考にさせてもらいます。
参考にするもなにも、そのくらいぐぐれば出てこないか?と思う。とらハまでカバーしろとは言わんが書く作品の知識はありったけ頭入れて書くべきじゃないのか?実際ピンク板のなのはスレなんかそんなかんじだし。
>315
アニメとか小説は一通り読んでるんだけど…ね。
詳細まで調べないと書いちゃ駄目か?
まぁミスがあれば指摘して直して次に活かせばいいじゃない
なかなか設定の網羅って難しいよ、とヘタレなクロス書きは思う
下を見てたらキリが無いのを承知で言うが、二次創作しか知らないですけど
SS書いてますってのも居るんだよなぁ……
>>317 そういう奴が書いているので完結した作品は読んだことが無いな。
大抵設定に無理や矛盾があって叩かれて消えていくし。
>>318 U−1系やナデシコ、エヴァだとザラだぜ・・・
320 :
通常の名無しさんの3倍:2006/12/10(日) 14:05:20 ID:54lkKmz9
>>319 まぁ、クロス作品になった途端にSSS魔道師になったり神様無敵パワー手に入れたり
ニコポ(笑っただけで女性キャラ撃沈)がないだけシンはかわいいよ・・・・・・。
>クロス作品になった途端にSSS魔道師になったり神様無敵パワー手に入れたりニコポ
どんなキャラだよw
>>320 おいおい、SSS魔道師より上のM魔道師だけど面倒くさいのでBだろ?
作品の設定上、結構簡単になのは→CEは書けると思うんだがなぁ
ロストロギアがあるし
ああいう基本的に殆どの話の流れの発端になりえる物があると凄い書きやすい
クロスでも矛盾点があるときは極論を言えばロストロギアのせいにできるし
そもそも、なのは達に人殺しさせることになるのが問題なんだろ
スパロボみたいに超高性能の脱出そうt(ry
そこら辺こそ適当に設定つける所だと思うが、確かにちょっと難しいな
神隠しの人みたいにMSがデバイス化するのがアリならば、その逆もまた然りだろうか
>>329 デバイスがMS化。
……良いかもしれない。
なのはは基本的に現代日本の小学生だしなぁ
覚悟があるとはいえ
人が殺せるとは思えないし、殺しても気にしない人間だとは思わない
むしろ精神的にぼろぼろになっていって果てはカトル化とか?
> >クロス作品になった途端にSSS魔道師になったり神様無敵パワー手に入れたりニコポ
> どんなキャラだよw
ニコポは何故かわりと標準装備
派生にナデポ(撫でられたら)とか
>>322 大抵のアキトもだ
行きなり気だの波動だのな……
まあ最後まで人の身で修羅道を駆け抜けたりってのも何作か知ってるからまだましな方か?
なのは達に人殺し云々言ってるけど別にMS戦じゃなくても良いと思うんだ
この際なのは達をロギア関連が出た時のみの白兵戦力と見るとか手は有ると思うんだ
なのはさんなら、ボロボロに成っても最後の最後で踏みとどまれると思う。
何だかんだ言っても、周囲の人間が優しい上に人格出来てるのが多いし。
周りに支えられて、折れそうな所を支えてもらえるでしょう。
でもまあ、殺しちゃってボロボロに成るだろうってのは同意。
スレ違いを承知で、なのはさん→ワンピースを提案・・・・
そして逃げる!!
スクライド世界にいってかなみと握手してこい
>334
それをやる位なら東の方にいって蒐集家の魔女とロストロギアの争奪戦をやったり
地下室で引き持っていた妹様と遊んだりしたり、半人前の剣士とシグナムと剣舞を
みてみたい。
337 :
334:2006/12/10(日) 21:37:54 ID:???
あ、なんか勘違いされてるみたいだ・・・・
俺が言ってるのは「ジャンプ」のワンピースのことで
>>336 同人小説だとヴォルケンリッター&はやてが黒白と7色に半殺し&病院送りされたのがある
相沢祐一 リリカルなのは でぐぐった
・・・・・・なにこれ
相沢祐一が出るなのはのクロスは正直ありえないと思うよ。
なんというか…祐一至上主義みたいな感じだし。
それに比べるとここのシンinなのはワールドはかなりの良作。
>>340 違う、なのはだけでなく他の作品全てとのクロスが祐一至上主義だ
この話題はこの辺にしておかんか
地獄の釜の蓋をわざわざ開く事もあるめぇ
何事もなかったかのように進行↓
私は高町なのは、9歳。小学三年生相当の女の子。
使用デバイスは魔杖レイジングハート・ヱルトリウム。魔力属性は特に無し。
二つ名は"管理局の白い大魔王"で、魔道士ランクは最高のSSSより強いU-1だけど面倒なのでAAA。
「なのは、何ひとりごと言ってるの。今は管理局の採用試験試合中だよ」
ごめん、ユーノくん。つい口に出しちゃった。
さて、とっとと決めるの。
『Calamity Blast』
私は試合場全域を問答無用で攻性魔力一色に塗り替える。塗り込める。塗り潰す。
「バカな!? この力の何処がAAAランクなん――ウボォァ!!」
ふっ、教導隊の一番下っ端が、新人相手にカッコつけて偉ぶってるからこんな目に遭うの。
「なのは……ぽっ」
もう、フェイトちゃんったら……こんなことで一々惚れ直されると、逆にこっちが恥ずかしいよ。
アレは祐一ではなく作者が妄想上の自分を書いているだけ
ま、エロゲの主人公なんてみんなそんなもんだし
7話後編、いきます。
機動戦士ガンダムし〜どD´s 第7話 後編
「え・・・形見・・・?」
なのははあっけに取られてシンを見ている。
シンは自嘲気味に笑いながら話し続ける。
「俺のいた国・・オーブって言うんだけどさ・・・戦争に巻き込まれたんだ。」
地球、プラントで起こった戦いは、パナマが落とされて旗色が悪くなった地球連合。
そこで目についたのが、世界で3つしかないマスドライバーの一つ持っているオーブであった。」
「こっちはずっと中立を守ってきた国。もう一方は地球の大半を占める軍・・・勝負は分かりきってた。」
それでも戦闘は避けられなかった。
「降伏するなり民間人のことを思えばほかに道があったはずなのに・・・オーブの理念も守るとか言ってさ・・・変にプライドを保とうとして・・・」
シンは苦い顔をする
「戦闘している中を逃げていて・・・その最中に、妹・・・マユが携帯を落としてさ。」
そこで、微笑を含んだ顔でシンは話す。
「今思うと馬鹿な妹だよな・・・普通携帯よりも自分の命を優先するはずなのにさ・・・・」
シン以外のものは黙って聞くしかなかった。
「それで、手が空いていた俺がとりに言ったんだ・・・そして・・・携帯を手にした瞬間・・・・爆発が起こって・・・・」
シンの表情が暗くなる。
「俺は無事だったけど・・・家族の安否を確かめようとして・・・妹の右手が見えて・・」
「それで?・・・」
つい聞いてしまうなのは。心の表情から大体のことは察したが、一応聞いてみた。
「右手だけだったよ・・・前をみたら、妹の右手がなくて、家族全員が血まみれで死んでて・・・」
「う・・・」
どのような想像をしたのかわらないが、アリサが口をおさえている。
「戦闘が終った後、家に戻ってみたけど、やっぱり家も吹き飛ばされてて・・・本当に一人になって・・・唯一残っている家族の遺品がこれだけなんです・・・・」
「そうだったの・・・」
リンディはさっき自分が話しているときに、最後に言ったことを思い出す。
(ご家族が心配しているでしょう?)
そのときに暗い顔をしたのはこういうことだったのだ。
「シンさん。わいと同じやったんや・・・・」
はやてもシンの過去を聞いて驚いている。
「それで、俺は今いるプラントに住むようになって、進んで軍に入りました。」
「そうか・・・・」
士郎は黙ってシンを見る。
「しかし、なんでまた子供の君が軍に?」
子供という言葉に敏感に反応するシン。
「な!?・・・俺は十分大人です!」
「え?だってまだ君は16だろ?」
「プラントでは、15で成人です。」
ここの国ではしらないが、プラントにとって、16はすでに成人である。
「そうだったのか・・・・じゃあ何で軍なんかに?」
士郎の問いに、シンは不機嫌ながらも答える。
「力が欲しかったんです。家族を失った時、何も出来なくて無力だった自分が嫌で、もう何も失いたくなくて・・・守りたいものを守り抜くための力が欲しかった。」
そして彼は現在、たった2年でザフトの最新鋭機を任されるほどのパイロットに成長した。
士郎はふと、時計を見る。
「もうこんな時間か、そろそろお開きにしようか。」
時計を見ると、時刻は夜の8時を回っている。
臣たちにとってはどうでもない時間だが、小学生たちにとっては速く帰らなくてはいけない時間帯である。
「アリサちゃんとすずかちゃんと忍は、俺が車で送っていくよ。」
恭也が車を取りに先に翠屋を出る。
そのあと、皆がそれぞれの家に帰っていった。
「・・・・・・・」
シンの表情は暗い。
さっきあんな話をした後だからなおさら暗かった。
「おい・・・」
ヴィータがシンを呼ぶ。
その顔はどこかばつが悪そうな、というよりどこかシンを怖がっているところもある。
「さっきわ悪かった・・・・・おちょくってごめん・・・・」
そういうちと、シンの手がヴィータのほうへ伸びていきて、反射的にヴィータは目をつむった。
さっきのことで、まだ怒っていてなのかされる。そう感じていたのだ。
しかし、ヴィータの予想とは裏腹に、頭に優しい感触があった。
ゆっくりと目を開けると、シンは微笑みながらヴィータの頭をなでていた。
「こっちこそ悪かった。言い過ぎたよ。さっきは頭に血が上っててさ・・・大人気なかったよ。」
どうも自分は感情的になりやすく、さっき自分は成人だといったことを恥ずかしく思っている。
「じゃあ、許してくれるのか?」
「だから別にそういう意味で怒ってるわけじゃないから気にすんなって。」
そういったとたん、ヴィータの顔が笑顔になった。
「・・・・」
その中で、はやてがさっきからずと何か考え込んでいる。
「主?」
シグナムの言葉も聞こえないのかわざと無視してるのか、ずっと考え込むはやて。
そして、シンのほうを向いた。
「シンさん?」
「ん?」
「さっきからずっと考えたんやけど、今日からもとの世界に帰るまで、うちの家族の一員にならへん?」
はやての突拍子のない言葉にはやてを見たまま言葉につまるシン。
一体どこから突っ込んだらいいのやら・・・・
「心配せんでもええで、ヴィータたちも家族やし・・」
「いや、そういう問題じゃないだろ・・・・」
混乱しているシンに、ヴィータが割り込む。
「それいいじゃん。あたしは歓迎だぜ。」
その言葉に、ほかの騎士たちも答える。
「私もそれで賛成です。」
「主がそれでいいなら。」
勝手に話を進めて話すタイミングを逃したシン。
笑いながらヴィータがシンに言う。
「多数決で、今日からお前は家族ってことで決まりだな!」
そういうことを多数決で決めていいのか・・・と、シンは本気で考えた。
「まあ、家族いうても今までどおりにおったらええけん。」
はやてが笑いながら言う。
降参、といった感じでシンはため息をつく。
「わかったよ。」
どうせ何を言っても聞かないだろうと思ったのだ。
「ほなシンさんは・・・・・おにいちゃん?」
「は?」
「シンさんの家族の役割。」
それを聞いてなぜか少し恥ずかしくなった。
流石に血のつながっていない人間に「お兄ちゃん」と呼ばれるのは流石に気が引ける。
「呼ぶときは普通にシンでいいから・・・・」
「うーん・・わかった。」
少し渋ったように妥協するはやて。
そこでふと気になる。
「ヴィータとかは、家族でいうとなんになるんだ?・・・大体分かる気もするけど。」
「ヴィータは妹で、シャマルはどっちかって言うとお母さんで・・・・シグナムは・・・・・」
少し考えた後、シグナムを見て申し訳なさそうに答える。」
「・・・・・お父さん?」
「な!?・・・主・・」
流石のシグナムも予想外のことを言われて驚く。
それを聞いてくすくす笑うヴィータ。
「ちょうどいいじゃん!」
「ヴィータ、お前まで・・」
「でも、リーダーって毎朝ご飯食いながら新聞見てるでしょ?それって普通父親がすることだと思うんだけど?」
少し痛いところを疲れて黙るシグナム。
そのやり取りを聞いていたシンもついでに答える。
「それは父親じゃなくて、親父がすることだ。」
「お・・・親父・・・」
今度は親父といわれ流石にショックを隠せないシグナム。
少し言い過ぎたかと持ったシンはすぐにフォローを入れる。
「別に、本気でいってるわけじゃないさ、はやてもヴィータも。だから・・・そこまで気を落とさなくてもいいぞ。」
「あ・・ああ・・すまない・・・」
どうやら彼女は冗談とかを真に受けるタイプみたいである。
なにはともわれ、こうして本格的にシンの新しい家族(?)との生活がスタートしたのだ。
(ここは?・・・)
少女は・・・・・薄れたままの意識の中で、自分がどうなったかを懸命に思い出そうとする。
確か、オーブが戦場になって、避難している最中に、自分の携帯を落とした。
拾おうとしたときにそばにいる女性に危ないからと止められた。
それでもあの携帯を手放したくなかった。
そのとき、一人の少年が自分の携帯を取りにいってくれた。
ちょうどそのときだった・・・・
いままで感じたことのない衝撃と、味わったことのない痛み。
だが、不思議なことに痛いのに何打破感じなかった。
そのあと痛みが残るまま不思議な感覚に包まれた感じがして、今は何かの液体に浸かっているる感じがする。
(ああそうか・・・・)
その少女はなんとなく分かった。
(マユ、死んじゃったのかな?)
少女、マユ・アスカは思った
あの衝撃と強烈な痛み。まだ小さなマユでも分かる。
なぜか液体に浸かっている理由は分からないけど、もうどうでもよかった。
ただ、ひとつだけはっきりしていることがある・・・
「ごめんなさい・・・」
自分の我侭で結局家族全員が死んでしまった。
「ごめんなさい・・・・・ごめんなさい・・・」
だんだんと消えそうな意識の中で、いくら謝っても意味を成さないが、とりあえず謝り続ける。
「ご・・・めん・・・なさ・・い・・」
なきながら謝っていくうちに、何か眠気のようなものがおそい・・・それ以降マユは何も言わなくなった・・・・・・
第7話後半投下完了。
なんかシンの話をした後のみんなの対応に消化不良を感じる。
乙なの!
GJです。
シンはネオに
「ステラを暖かくて優しい世界に〜」
とか言ったけど、シンにこそ
「暖かくて優しい世界」
が必要だったんじゃないかと思った。
家族の役割、やっぱバター犬はペットか
乙っす。GJ
でも
>みんなの対応に消化不良を感じる
にはやや同意
ちょっぴりMS戦闘が入った5話後編を…
魔砲戦士リリカルSEED Cross Magic
第5話「僕等の力・後編」
キラ達は無事管理局に辿り着いた。
「すまないな、無理を言ってしまって。」
クロノがなのは達に謝る。
「大丈夫、皆も平気って言ってくれたし♪」
「そうか、ならよかった。キラ君にアスラン君、それと…誰だ?君は?」
「お前っ!俺に喧嘩売ってんのか?!シンだシン!シン・アスカ!」
「レイ君はユーノの手伝いをしている。あとで情報交換するといい。」
「うん。ありがとう。」
シンは完全に流されている。
するとシンはクロノの胸ぐらを掴む
「無視すんなよっ!」
「場を紛らわすためのジョークだ…ったく、誰も彼も空気の読めないやつばっかりだな…。」
「何ーっ!」
「シン、子供相手にやめろ、みっともないぞ。」
アスランが静止にかかる。
「クロノもあんまりからかっちゃかわいそうだよ…。」
クロノもフェイトに注意された。
「まぁ兎に角、なぜ呼んだかだが…君達が乗ってきたあれについてだ…。」
「MSのことですか…?」
キラが疑問符を浮かべる。
「あぁ、少しデータを取らせてもらったんだが…機能面では実際に見たほうが速いと思ってな。」
「つまり…模擬戦をやってくれないかってことだな。」
「そうなんだが…君達をみているとどうも頼みにくくてな。」
「いいですよ、やりましょう。」
「シン?しかし…。」
「俺はアンタと決着をつけたいんだ。模擬戦なら殺さなくてすむからな!」
「いいだろう、望むところだ…。だが、こっちには整備用の道具も無い事だけは忘れるな。」
シンとアスランはやる気のようだった
「いいのか?なら明日の会議が終わった後に海鳴海上で結界をはってやってもらいたいんだが。」
「わかりました。そういうことなら。」
キラも承諾した。
「それで、細かい事はこっちにはわからないから調整はそっちでやってくれないか?」
「あたりまえだ!他人にいじられてたまるか!」
「なら頼む、僕はこれから艦長に報告に行ってくるから自由にしてくれて構わない。」
「ありがとう。」
クロノは去っていった。
その後キラ達も移動しなのはたちに案内されてやって来たのは無限書庫なる部屋の入り口だった。
「中暗いから気をつけて下さい。」
なのはが扉を開けると膨大な量の書物と奥に二人の少年の姿があった。
「レイ!」
シンが友の姿を見歓喜の声をあげる。
全員が中に入ると360度見渡す限り本棚だ。
「久しぶりだなレイ。C.Eに帰る方法は見つかったか?」
「アスランですか、いえ、彼が頑張ってくれていますがまだみつかっていません。」
もう裏切り者とそれを追うものでなくなったからかスルスルと会話も出来る。
しかし、まだ帰る方法は見つかっていないようだった。
奥ではなのは達とユーノ、キラが喋っている。
「シン、そっちはどうだ…?」
「…別に。」
ぶすっと返事をする。レイにだけはエプロン姿を笑われたくはない。
すると奥からユーノも加わる。
「なのは達も来た事だしレイ君も少し休憩にしないか?」
「あぁ、そろそろ続けて4時間だ、休憩しないと身が持ちません。」
「4時間も?!俺には絶対無理だ…。」
シンはレイの集中力には驚きだった。
その後キラ達は管理局で食事をとりそのまま各部屋で眠りについた。
翌日アースラ会議室
「…と言う訳で…仮に帰る方法が見つかったとしても戦線の真っ只中です。迂闊に転移はできないでしょう。」
「ありがとうレイ君、席に戻っていいわよ。」
「はい。」
「帰ったら…。」
キラが下を向いてぼそっと呟く
「ん?キラ?」
「帰ったら僕達は又敵同士…なんだよね…。」
「……。」
「そうね…帰らなければそんなことにはならない。けど帰らなければ大切な人を守れない、
でも仲間を傷つけなければならない。どちらも辛い選択肢ね…。」
「リンディさんは…なぜ僕達に協力を…?」
「あなた達には帰らなきゃならない場所があるでしょう。あなた達の本当の居場所はここじゃない、わかるでしょう?」
「はい…。」
そこへブリッヂから緊急通信がはいる。
「海鳴市海上に強力な魔力反応!傀儡兵と魔道師です!」
「なのはさんフェイトさんはやてさん、お願いしていいかしら?」
「もちろんです、艦長。」
そう言うと3人は転送ポートへ向かう。
「アスラン!」
「あぁ!行こうキラ!」
「ちょ…君達まさか!」
「データ取りたいんだろ!見せてやる!俺達も行くぞレイ!」
「いいでしょう許可します。」
「か、艦長!」
「なにもせずにはいられないんでしょう。それはあなたも同じでしょう?クロノ・ハラオウン執務官。」
クロノもこのおしっぷりには折れた
そして同じころ4人もMSに乗り込みポートより転移した。
海鳴市海上…
「傀儡兵だけでこんなに…多分魔道師は相当の使い手だね…。それにあの独特なフォルム…母さんの組織の残党かもしれない…。」
フェイトが50は超えるであろう傀儡兵を見て言う。
「3対未知数…勝てるかな?」
なのはは少し心配になってくる。
//あなたなら大丈夫です。マスター//
「うん…そうだね。それじゃ…一発目…。」
「なのはっ!」
どこからともなくシンの声がしてなのははキョロキョロする。
すると天空から4機のMSが飛来する。
「ここは僕達が押さえる、フェイトちゃん達は魔道師を!」
「キラさん?どうして?!」
「いいから行け!なにが目的かまだわからない!」
「アスラン君の声や…皆あれに乗ってるん?」
すると4機は戦闘を開始する。
「ロックされない?!そうか!エイミィさん!友軍の戦力と魔力データ!わかる限りでいいから早く!」
「いま送ったよ!」
すると次々情報が送られてくる。
それと同時にキラの指が異常なまでの速さでキーボードを叩く
「よし!これでみんなにも!」
データが残りの3人にも送られて本格的に戦闘が始まりその横を少女達が抜けていく。
しかしそれを阻もうと傀儡兵が動き出す。そこへデスティニーが舞い降りる。
「邪魔をさせて…たまるかぁーっ!!」
アロンダイトで胸部から思いっきり切り裂き後ろから攻めてきた傀儡兵も振り向きざまに
蹴落として長射程ビーム砲で貫く。
デスティニーの下から迫る傀儡兵をジャスティスが投擲したシャイニングエッジが切り裂き
リフターをパージし自立突撃艇として敵に不意打ちを与えて
ビームサーベルで次々敵を切り裂いて行く。
「この感じ…!この世界にまさか…?!」
レイは背筋にいやな違和感を覚えつつも飛び交う魔力弾をやすやすとかわして
ドラグーンの分散砲撃で一度に数機を葬り去る
キラはなのは達の護衛をしながら戦っていた。
「人は乗ってないんだよね?」
ふと目の前の敵を見てエイミィに問う。
「もちろん!思う存分やっちゃってください!」
「了解!…ターゲット確認…マルチロック!」
計13門の砲口が火を吹き纏めて十数機の傀儡兵の中心の胸の部分を貫く。
尚もなのは達に迫ろうとする傀儡兵も二刀流で次々機能停止させていくがキリが無い。
その一方キラ達の足止めもあったおかげでなのは達は魔道師の元へ辿り着いた。
「よう、子猫ちゃん、調子はどうだ?」
金髪の飄々とした魔道師が敵であるなのは達に向かって挨拶をする。
「目的と出身国それと名前を名乗って投降すれば危害は加えません。」
無視して嘱託であるフェイトが決まった台詞を述べる。
「んー、いいねぇ、俺はC.Eのアル・ダ・フラガだ、フェイト・テスタロッサちゃん。」
「C.E?キラさんの…それにどうして私の名前…。」
「君を作った女…プレシア・テスタロッサにクローン技術を吹き込んだのは俺だからさ。」
「そんな…!」
フェイトの体から力が抜ける。
H.17.少年はその身を再び戦いの渦へ躍らせた。
守りたいものがあるから、人は助け合えるから
信じるものはみな同じだった…。
次回予告
一人の少女に知らされる新たな真実
そしてアル・ダ・フラガの目的、
数奇な運命に導かれ彼らはどこへ向かうのか…
次回魔砲戦士リリカルSEED Cross Magic
第6話「明かされる野望」
マジで戦闘ちょっとしか入ってません。
しかもMS。
不可能を可能にする父を行き帰らせてみました。
なんで傀儡兵はデスティニーに向かって突っ込んでいったんだろーね。
砲撃あんのにorz
6話ではフェイトが色々やってくれちゃいます。
乙っす!
面白くなって来ましたね!
ちょwwwwwおまwwwwwwアル・ダ・フラガかよ。
てっきりラウかネオあたりが来るとおもってた。
>>351 GJ!
ただ、はやての口調に違和感が…
「艦長!!シン君のデバイスの非殺傷設定が…!!」
「ッ!?どういうこと?」
端末にうつされているシンのバイタルとデバイスコンディションが異常をきたしていた。
「わかりません。さっきまで下がっていた魔力が突然、跳ね上がったんです。それから、デバイスも非殺傷設定が解除されています。」
「じゃあ、もしやシン君…。」
(殺そうとしているの?)
とは口に出せなかった。
代わりに、シンをなんとかして止めるための案を考える。
捕まえて、主の居場所を突き止めなければ意味がないのだ。
「クロノ執務官は?」
「闇の書を所有中の者を追い詰めましたが…、現在は何者かと交戦中。」
リンディがクロノの写っているモニターに目を向ける。仮面をつけた男とクロノが対峙しているところだった。
「まずいわね。とにかく、シン君を止めて、ユーノ君に連絡!!」
「はい!!」
「(はい、なんとかやってみます。)」
エイミィからの指示を受けたユーノはシンを止めに向かう。
「フェイトはなるだけ、剣の人を押さえてて!
(それから、なのはは鉄槌の子を!アルフも、そのまま相手をひきつけてて!)」「(うん、わかった。)」
「(あいよ!!)」
「ユーノ、気を付けて!」
「うん、フェイトも…無理はしなくていいから。」
「うぉぉおお!!」
「くっ!!」
シンのアロンダイトが空を切り、ビルの床に突き刺さり、床を破壊する。
「こ…、このぉ!!」
左右のフリーダムによる射撃。しかし、シンの一閃により、脆くもかきけされてしまう。
「そんなもんにぃ!!」
特攻をしかけるシン。
『サーベルモード』
迎え撃つキラ。
緋と蒼の二つの魔力が反応し、紫雷が走る。
だが、シンの太刀筋は単調だった。キラにとってそれは反撃のチャンスであり、右のサーベルでアロンダイトの起動を変え、左のサーベルで突きを繰り出す。
狙いはアロンダイトの鍔の部分。
これで決める!!
迷いなく、武器を狙う。
しかし、その攻撃は当たらなかった。シンの蹴りが先にキラを捉え、そしてそれは疲労しているキラには十分な一撃だった。
意識が飛び、飛翔魔法を維持出来なくって、落下を開始する。
『バスターフォーム、ケルベロス』
カートリッジを二発消費し、魔法陣を展開する。アロンダイトの切っ先に魔力が集中し、増幅リングが展開された。
「これでぇ!終りだぁ!!!」両親の顔、マユの顔、そしてステラの顔が頭の中を駆け巡る。
第四話 傷だらけの過去
「ストラグルバインド!!」
「ッ!?」
シンの体に緑色の紐状の魔力が巻き付き、ケルベロスは消え、霧散した。
「ユーノ!何するんだよ!!もうちょっとで…!」
「まって、シン君、落ち着いて!彼を殺しちゃ駄目だ!」
「何で!?こいつは敵なんだろ?だったら!!」
バインドを力づくで引き千切ろうともがくシン。
「(ユーノ君、シン君を局に転送して!)」
エイミィからの念話がはいった。
同じころ、落下を続ける。キラをシグナムが抱きとめていた。
もちろん、その場にはフェイトもいるのだが、フェイトは攻撃せずに、二人を見守っていた。
「大丈夫か?キラ・ヤマト。」
返事はなかった。どうやら軽い脳震盪のようだ。
その時、シャマルからの念話が入った。
「(闇の書の力を使って、結界を破壊します。)」
「(わかった)」
シグナムは了解の返事をして、フェイトに向き直る。「悪いな、もう少し戦いを楽しみたいところだが…、どうやら、時間のようだ。この勝負は私が預かる。私の名はシグナム、闇の書を守護する騎士だ。そして、炎の魔剣レヴァンティン。お前は?」
「時空管理局嘱託魔導士フェイト・テスタロッサ。この子はバルディッシュ。」凄まじい轟音がなり響く。「直撃を喰らえばただでは済まない。守ってもらえ。」
そう言い残し、シグナムはキラを抱えたまま飛び去った。
「フェイト!なのは!こっち!」
ユーノがフェイトとなのはを呼び、アルフと二人がかりで防御魔法を展開し、闇の書による魔法攻撃を無事にしのいだ。
「シン君、私は彼等の捕獲を命じたはずよ?」
シンはユーノのバインドによって捕縛されたあと、管理局へ転送されていた。今は、なのは、フェイト、ユーノ、アルフ、クロノも帰還し、ミーティング中だった。
「………。」
シンは何も言わなかった。さっきから、リンディが何度も問ただしているのだが、だんまりを決め込み、何も喋らない。
はぁっ…と溜め息をつき、ミーティングの解散を指示する。
「フェイトさん、シン君は先に家に戻っててちょうだい。私はまだ仕事が残っているから…。」
「はい…。」
フェイトは返事をするがシンは返事をしなかった。
今のシンには近寄りがたい、話しかけにくい雰囲気がでていた。
けれど、それでもフェイトはシンに話しかけた。
「シン、帰ろう。」
「…、あぁ…。」
転送ポートまでをなのはとフェイトと通路を歩く。シンはその間何も喋らなかった。
なのはとフェイトも途中で話題がなくなったのか、三人は無言で歩き、転送ポートを使って、リンディが借りたマンションへと転移した。
「キラ・ヤマト、大丈夫か?」
目を覚ますと、そこはキラが寝泊まりしている寝室だった。
「…、僕は…どうして?」
「シン・アスカにやられたみたいだな。」
「そう…ですか。また…。」「また…?」
シグナムが顔をしかめ、聞き返す。
キラはベッドから体を起こし、自分が知ったことをシグナムに話す。
「今、シグナムさんが言ったシン・アスカって子。たぶん、彼がこの世界に来る前に僕を討った子なんです。」
すると、部屋のドアが開き、シャマルが入ってきた。「キラさん、起きて大丈夫何ですか?」
「あっ、はい。」
「シャマル、主には何て伝えたんだ?」
「シグナムと稽古中に脳震盪を起こしたって伝えときました。」
「…、酷い言われようだな。
それで、キラ・ヤマトはなぜ、奴がそうだとわかった?」
「はっきりとした答えはないけど、彼は僕のことを知ってるみたいでした。僕に対して、怒ってるみたいでしたし…。」
「キラさん、恨まれるようなことしたんですか?」
シャマルが聞いた。
「かも…しれませんね。C.Eは戦争中でしたし、僕が、彼の仲間、友人、あるいは家族を殺してしまったのかもしれない。」
「しかし、こっちの世界に来ていたとはな。きっかけはやはり、MSとかいうものの爆発か…。」
「みたいです。…、ところでシグナムさん、シャマルさん。聞きたいことがあるんです。」
「なんだ?」
「なんですか?」
「何で…、監理局とか言う機関が僕たちを狙ってきたんですか?
僕は、この数日、シグナムさんや、ヴィータちゃん、ザフィーラさんとリンカーコアを集めるために、変な生き物と戦ってきました。あなたたちは、リンカーコアを集めてどうするつもりなんですか?」
その質問にシャマルは動揺を隠せなかったようで、落ち着きがなくなり、おろおろしていた。
一方、シグナムは平然とし、凛とした声で答えた。
「監理局が狙っているのは、闇の書だ。」
予め聞かれることを予想していたのか、シグナムは手にしている本をキラに見せた。
「闇の…書?」
頷くシグナム。
「しかし、この闇の書はまだ完成していない。」
シグナムがパラパラと本を捲ると、途中から白紙になっていた。
「リンカーコアを吸収し、対象者の魔力から新たな魔法を書きしるし、特殊な魔法があったならそれを記録する。用は魔法の図鑑みたいなものだな。もちろん、完成すれば、記録された魔法は使用できる。」
「完成させて、何を…?」
「主は足が悪いだろう?足が悪くなったのは闇の書のせいだ。完成させれば主の足は、闇の書の力により、直るだろう。
元通り、歩くことも出来るようになる。」
「私達のせいなんです。はやてちゃんの足が悪くなったのは…。」
シャマルが上擦った声で言った。
「闇の書は、主を選ぶ。今回は主にはやてを選んだ。そして、主はやてと幼い頃から共にあった闇の書は、主はやての魔力を少しずつ、これまでずっと魔力を奪ってきた。やがて、それは主の足を蝕み、足を動かすことが…。歩くことが出来なくなった。」
「その影響は今も…、続いてるんですか?」
シグナムもシャマルもただ頷くだけだった。
「はやてちゃんは今までのマスターとは違って、私達を道具の様に扱ったりしませんでした。
人じゃないのに、人として接してくれたんです。だから…助けてあげたいんです。
病院に行ってもどうにもならなくて、私達に残された、これが最後の方法なんです。」
必死に訴えるシャマル。キラには返す言葉が見付からなかった。代わりにでる言葉。
「このままだと…はやてちゃんはどうなるんですか?」
「さぁ、だが、ロクなことにはならんだろうな。」
シグナムの声のトーンが落ちた。
「闇の書に選ばれてしまった…、運命なんでしょうね。」
とシャマル。
守ってあげたい。助けてあげたい。キラはそう思った。まだはやては九歳だ。なのに、こんなに幼いときからこうなることが、この理不尽な運命が決まっているなんてことがキラには許すことが出来なかった。
誰だって、限界が決まっているなんて思いたくない。運命で未来が決まっているなんて思いたくない。
未来(あした)がほしい。決まっていない、まだみたこともない未来(あした)がほしいはずだ。はやてにも、シグナムやシャマル、ヴィータ、ザフィーラにも、それは人に限ったことではない。現にこの三人と一匹がそうではないか。
頭を垂れているシャマルとシグナムにキラが言った。「未来を決めるのは、運命じゃないよ。」
しっかりと前を向いたキラの目にはなにがしかかの決意が込められていた。
「こっちでいろいろと調べた結果、一人を除く四人は人ではないことがわかった。」
空間に写るモニタにシグナム、ヴィータ、ザフィーラ、シャマル、キラの姿が写っている。それを見ながらクロノは考え込む。
「人じゃないって言うと…、私…みたいな?」
フェイトが言った。
「馬鹿をいうな!」
クロノが怒ったように声を荒げる。
リンディもそれに続く。
なのはも…、ただシンだけは驚いていた。
「何回も検査してちゃんと結果がでてるだろう?二度とそんなことを言うな。」
「クロノの言うとおりよ、フェイトさん。
あなたは、ただ生まれ方が他の人とちょっと違うだけだわ!」
「ご、ごめんなさい。」
「どういうことなんだよ?」興味を示した。シンが口を挟むとクロノに一喝された。
「君は、命令違反を侵してるんだぞ?そのせいで、闇の書の主に関する情報を手に入れられなかったことを忘れるなよ。それに、他人の過去に首を突っ込むもんじゃない。」
「あんたにそんなこと言われたくないね。、闇の書を前にして逃したんだろ?」
「なんだと?」
拳に力を込めるクロノ。
「やめなさい!クロノもシン君も!!シン君、あなたは協力者でしょう?協力者になった以上、命令には従いなさい。」
咳払いをしてから、リンディは続ける。
「そう言えば、まだちゃんと理由を聞いてなかったわね?命令を無視した理由を…。答えてみなさい。」
「……。」
「さぁ。それとも答えられない理由でもあるのかしら?」
「俺が殺そうとしたのは、闇の書とは関係ないやつだ。俺と同じ世界からきた奴だから…。」
「だが、実際に君が殺そうとした子は彼等、ヴォルケンに手をかしてただろう?だったら分からないんじゃないのか?」
「そ…、それは…。」
「ほら見ろ。言わんこっちゃない。」
クロノに言い負かされるシン。
「ちっ!!」
シンは席を立つ。しかし、フェイトに袖を掴まれ、また座り直した。
「これからは勝手な行動は慎むように。わかったかしら?シン君。」
「はいはい。」
適当な返事を返すシン。
「おぃ、家とは言え、一応艦長だぞ?口を慎め!!」
「あ〜、はい。そうでした。この人、偉いんでした。すみません。申し訳ありませんでした。以後気を付けます。」
シンは再び席を立ち、自分の部屋に閉じ籠ってしまった。
「感じ悪いな。あいつ。」
クロノが言った。
続く!
GJ
フェイトに袖掴まれて座りなおすシン萌ゑw
乙
やっぱ噛み付いてこそシンだと思うわ
乙
クロノもシンも10台のガキっぽくて、フェイトのが余程大人に見えるw
乙です!
キラの意味不明だった台詞が格好よく聞こえる。
悪く言うとキザッぽく。
GJ!!
GJ!
今回、個人的に一番の見所は、キラの起死回生の斬撃をカウンターで蹴り返したシンだった
原作に対する見事な意趣返しにスカッとした
MS戦や魔砲の撃ち合いならともかく、肉体を駆使しての接近戦はまだシンの方が一枚も二枚も上手だろうからなあ
まあキラも今回で明確な目的が出来たみたいだし、シグナムに徹底的に鍛えられれば違ってくるだろうが
>>375 つかクロノがキレてるのは、本当に単にシンの言動にムカついてるだけなのだろうかw
CEでは戦争だったけど、こっちは私闘だからなのか‥‥
キラへの違和感がないやw
GJです
神隠しさんのSSはテンポが良くて読みやすいわ
うーん微妙にクロノが・・・
ヘイトじゃないですよね
>>379 義妹の関心が何処の馬の骨とも知れない男に向けられているのが我慢なら無い、とでも言いたいので?w
>>382 クロノは無印の時も、なのはや淫獣に最初あまり良い顔しなかったぐらいだからな
ましてやそれがシンみたいに反抗的な奴だったら、今回の反応もおかしくはない
>>379 背が高い男は皆敵だって考えは持っていないと思うよ
シンも作られた人間だったりする点について
母親から生まれているが
コーディネーターとして「能力を作られた」とは言えるかもしれんな
機動戦士ガンダムし〜どD´s 第8話
まだ少し暗い早朝とも言える時間帯。
「ん・・・」
その時間にシンは目が覚めた。
まだ少し暗いので時計を見る。
「6時すぎか・・・」
少し早すぎる時間に起きて何をしようかと考えた。
もう一度寝るには微妙だし、おそらくほかの人はまだ寝ているだろうと思う。
(とりあえず・・・・トイレに行くか・・・)
そう思い部屋を出てトイレにいこうと思ったが、廊下の電気がついてることに気付く。
「消し忘れか?」
そう思いながらトイレを済ませると、部屋の灯りがついていて、何か音がした。
「誰だ・・・・」
そう思って部屋に入ると、そこにははやてがいて、朝食の準備をしていた。
「どしたんシャマル?きょうは早いなあ。」
「え?」
シンのほうを見ずにはやてはシンとシャマルを間違える。
「あ、シンやったん。今日は早いなあ。」
「ああ、っていうか今までが遅かったって言えばいいかな?向こうじゃ忙しくてあんまり寝れなかったし。」
戦場から離れてそういう生活を送って、身体が休みを求めているのかもしれない。
「暇だし、何か手伝おうか?」
早く起きて何もすることがないので、何か手伝うことがないか聞いてみる。
「シンって料理できる?」
「・・・・・・・・・・」
それを聞かれてシンは黙る。
はっきり言ってシンは料理は出来ない。
「無理せんでええよ・・・ほな、あの皿机に並べといて。」
言われて支持された皿を机に並べる。
そこに、今度はシグナムが降りてきた。
「おはようございます。主。」
変わってるところといえば、その手には竹で出来た刀が握られている。
「なんだそれ?」
「これか?竹刀っていうのだが。」
「竹刀?」
オーブにすんでいた頃にテレビかなんかでみたことはあるのだがよくわからない。
「竹で作られた刀だ。」
「へえ・・・」
ふとここでシンは思いつく。
「なあ、研ぎ器があったら貸してくれないか?」
「え?砥石やったらあるけど・・・」
そういいキッチンの下から砥石を出す。意外と本格的な砥石でいろいろある。
「ありがとう。」
そういい砥石をおいて自分の部屋に戻るシン。
戻ってきたときにはなにやら袋が合った。
「ちょくちょくやっとかないと・・・」
そういい取り出したのは・・・・
「ナイフ?」
見た目は地味だがそこそこ立派なナイフだった。
「ああ、軍人なんだから持ってて当たり前だろう。」
そういいナイフを研ぎ始めた。
しばらくするとシャマルが起きてきた。
「おはようはやてちゃ・・・・」
シャマルがちょっとした部屋の異変気づく。
はやては料理をつくり、シグナムは庭で素振りをしている。
そこまではいつもどおりだ。
いつもと違うところは、シンが居間でナイフを研いでいることであった。
「あ、シャマルおはよ。早速やけどお鍋みとって。」
そういい別の作業に取り掛かるはやて。
もう一度シンを見てみると、研ぎ終わってナイフを真剣に見つめるシン。
こう見ると、本当に軍人なんだなあと思える。
ヴィータもおきて、今日は少し早めの朝食を始めた。
「あ、そや。シン。」
「ん?」
何か思い出して、シンを呼ぶはやて。
「休日はともかく平日の朝と昼過ぎはあんまし外にであるかんといてくれる?」
「え?なんでだよ。」
「ふつうシンの年齢の人は学校いってるやん。」
「地球ではそうだな。」
「ほれで警察の人とかに見つかって質問されたらどないするん?」
ああ、とシンは話の内容を理解した。
もし質問されて「学校は?仕事は?」などと聞かれた場合を考えているのだ。
この世界の学校なんていってないから言えないし、「軍人です。」なんていっても信じてはもらえまい。
「なるほど・・・・わかった。出来るだけ努力する。」
「まあ、しょっちゅ出歩かんかったら大丈夫やと思うけど・・・シンの年齢やったら義務教育も終ってるし、そこまで追及されんとおもうし。」
おそらく出歩くなというのは念のためなのだろう。
「なあなあ。」
はやてとの話が終ると今度はヴィータが話しかけてきた。
「ん?」
「机にあるあのナイフってお前の?」
そういえばまだヴィータにはまだ話してなかったなとシンは説明する。
「ああ、軍用のナイフだ。ほかにもいろいろあるよ。」
「なんだよ?銃とかあるって言うのか?」
試しに言ってみて、流石にそれはないだろうとシグナムもシャマルが言う。
しかし・・・・
「ああ、入ってるよ。」
「「「「・・・・・・え?・・・・・・」」」」
その言葉に一同が沈黙する。
「「「「・・・・・・え?・・・・・・」」」」
その言葉に一同が沈黙する。
「なんだよ・・・・軍人なんだから持ってて当たり前だろう。銃ぐらい。」
そのシンのタイミングを計るかのようにニュースが流れる。
「続いては、○○市内でおきた、警官殺傷事件です。警官がナイフのようなもので数箇所刺され、携帯している銃が奪われる事件で・・・・近所の皆様は、十分お気をつけください・・・」
そのニュースを聞いて、全員がシンのほうを見る。
「え・・・・」
犯人と思われたらしく、あわてて誤解をとこうとする。
「あ・・あのなあ、軍人なんだから持って手当たり前だろう。それに・・・・ここに来てからずっとお前らと一緒だっただろう。」
懸命に誤解をとこうとするシン。
確かに・・・・とうなずくはやて。
それに、シンはどう見てもナイフで人をさして、拳銃を奪うということはしそうにない。
「それもそうやな。ほなけど、銃はリンディさんに預けとったほうがええで。ここでは一般人が銃を持つんはれっきとした犯罪やけん。」
はやてに注意され、ああ、と汗をかきながら言うシン。
(近々デスティニーに戻しておくか。)
見つかってこの世界で牢屋行きは流石に簡便するシン。
だが、ニュースはそれだけではなかった。
「なお、その現場の近くの公園で小学生くらいの子供のものと思われる右腕が見つかりました。警察は、ばらばら殺人として調査し、警官を殺害した犯人と同一人物の方向で調査を進めています。」
「ぶっそうねえ・・・・」
シャマルがニュースを見て嘆く。
部屋にいる皆もも同じきもちになる。
「主、これから遅くに出歩くときは、誰かついていたほうがいいでしょう。」
ニュースを見てシグナムが提案する。
「ほれもほうやな・・・・」
少し話して、帰りは出来るだけ誰かが迎えに行くことにした。
だが、シンも、この部屋にいる皆も、誰も気付くはずがない。
その右腕が、シンの妹、マユ・アスカのものであることに・・・・
もう昼過ぎになる時刻。
はやてはすでに学校で、シャマルはザフィーラの散歩ついでの買い物、、家にはシンとヴィータとシグナムの三人。
シンはパソコンを使って以前リンディに渡されたディスクを見ている。
そこにはオーブ戦での映像が流れていた。
その中で、フリーダムの戦いと、ジャスティス・・・アスラン・ザラとの戦いを見ていた。
「くそ・・・早い・・・」
シンはアスランとの戦いを見て、焦りを覚える。
この戦闘記録を見るだけでも分かる。明らかに反応が早い。特に格闘技術においては、フリーダムのパイロットよりも上かもしれない。
先にこっちが攻撃したのに、それなのにシンよりも先に攻撃を加えている。
(俺じゃ・・・・あいつには勝てないのか・・・・・)
敗北感がシンにのしかかる。
『おまえは、本当は何が欲しかったんだ!?』
画面の向こうでアスランが語りかけてくる。
「ロゴスを撃って、オーブを撃つ・・・お前はそれでいいのか!?」
次々と話しかけられるアスランの言葉。
そのときだった。
「おーい」
ヴィータが呼びかけながらドアを開ける。
急なことだったのであわててモニターを消すシン。
「な・・なんだよ・・・・」
「暇なんだろ?ゲームに付き合ってくれよ。」
そういいゲームソフトを持ちながら言うヴィータ。
シンは考えて、気晴らしになるだろうとOKを出した。
どうもさっきから気分が暗くなる一方であった。
「わかったよ。」
そういいながら席を立ち、そのまま部屋を出る。パソコンをつけっぱなしと気付かずに・・・
居間では3人がそろっている。
シグナムは新聞を見ながらコーヒーを飲んでいる。
数日前の話を気にしていて、こうして昼に新聞を読むことにしたシグナム。
「新聞でも話題になっているのか。」
今見ている記事は、朝放送していたニュースと同じものであった。
○×公園に幼児の右腕。警官殺害と関連は?と、大きく取り上げられていた。
噂では、その腕の写真が秘密にネットに流れているらしい。
「全く・・・何を考えていんだ・・・」
そこで、ふと前を見る。
「このままではおわらんぞーーー!」
いかつい男の叫びが部屋に聞こえる。
「やっぱ人間って・・・オモシロ!」
そのあと、妙な悪魔っぽい男の声が聞こえる。
前では、シンとヴィータがゲームをしていた。
「くっそーー!負けたーー!!」
ヴィータが悔しそうに叫ぶ。
「なんあんだよあのボス!!途中で変なノート出して40秒たったら負けって・・・反則だろ!!」
さっきまでシンがやっていたのだが、どうやら隠しステージを出したようで、それをやりたくてヴィータがやっている最中だった。
だが・・結果は見事敗北。それでヴィータは苛立っていた。
そこで時計を見る。
「もうこんな時間か。」
確か今日は近くの剣道場で稽古があったはず。
シグナムは自室へいって道具を取ろうとして、真の部屋のパソコンがつけっぱなしであることに気付く。
デンkぢあの無駄だと思って消そうとして、モニターを起動させたが、そこにはひとつの映像仮名ばれていた。
「これは・・・・シンの乗っていた・・・デスティニーだったか・・・」
えいぞうには、デスティニーと、もうひとつ、赤い機体が接近戦で勝負をしていた。
「シン!お前が欲しかったのは何なんだ!?」
あの赤い機体に乗っている奴だろうか、シンとは別の男の声が聞こえる。
「オーブを撃つ!お前は本当にそれでいいのか!?」
そのあと、デスティニーはその機体にやられていた。
先ほどの会話でオーブ・・・・確かシンが住んでいた国だったか、その名前が挙がる。
「何故アスカは自分の国を・・・・」
そこまで考えたときだった。
「おい・・・・」
暗い声がして、はっと気付いて横を向くシグナム。
そこには、はっきり怒っているシンの姿があった。
ゲームをしている最中に、パソコンを消し忘れたことに気付いたシンは、消しにいこうと思ったら、シグナムが部屋にいて、戦闘記録と通信記録を見ていた。
「わ・・悪かった。」
はっきりと謝るシグナム。
確かにさっきのは勝手に部屋に入って、人のパソコンを見たシグナムが悪い。
一方シンは、怒ってるというより、恥ずかしがってるという感じだった。
まあ、他人に自分がやられているところを見られたら、誰だって恥ずかしがるものなのだが。
「・・・まあ、俺もちゃんと消してなかったのが悪かったけど・・・・」
そこで、シンの顔が暗くなる。
そこでためしに聞いてみることにした。
「あの機体に乗っている奴を知っているのか?」
それにシンが反応して、ゆっくりと答える。
「あいつは・・・・裏切り者だ。」
そしてシンの顔が少しづつ怒りへと変わる。
「俺たちがいた軍を抜けた時に、俺が一度殺したはずだった・・・」
シンの顔が今度は悔しさへと変わる。
「けど・・・・生きていて・・・・・わけわかんない事いってきて・・・・・今度こそ息根のをとめようとして・・・・」
「それでああなったのか・・・」
シグナムは記録の一部を思い出す。
急に動き出して、振りかぶったデスティニーの一撃は、難なく相手に返され、逆にデスティニーの武器を破壊した。
それを聞いてしばしシグナムは考えた・・・・
「アスカ・・・お前、血が上ったら周りが見えなくなるだろう?」
それを聞かれて言葉につまるシン。
実際、それが原因でアカデミーにいたときでも少々問題児扱いされていた。
「いくら上手にあれを扱えるからといっても、あのままではとっさのことに反応できないぞ。」
ぐさり、と痛いところを疲れるシン。
実際、今まで急な展開に対処できず、苦戦していることが多い、オーブ沖でのMA戦、ダータネルスでのアークエンジェルの乱入などがいい例だ。
だが、それも仕方がないのかもしれない。
シンは家族を失った後、プラントという国に渡ったと聞いた。
身寄りの者もおらず、見知らぬ地で一人で生きているのだ。こうなっても別に不思議ではない。
「なんなら、私が鍛えるのを手伝ってやろうか。ちょうど心身ともに鍛えれるところを知っている。」
いきなりのシグナムの言葉に前をむくシン。
「いいのか?・・・・」
「ああ。あのときの、強くなりたい。力が欲しいという言葉に、嘘偽りはないのだろう?」
みんなの前で言った、二度と失いたくない・・・守りたいものを守る力・・・・
「ああ・・・」
「ならそれでいい。お互いより高みを望むということはいいことだ。」
そういい立ち上がった。
「ちょうどいい、今日、その稽古があるところだ。一緒に来るといい。」
そういってヴィータに向かってしゃべる。
「ヴィータ、これから私はアスカと出かける。遅くなるかもしれないからそのときはシャマルに主の迎えを頼むよう言っておいてくれ。」
わかった、と腕を上げながら返事をするヴィータ。
そのあと準備を終らせたシグナムとシンは家を出て目的地へ向かった。
続く
第8話投下完了。
シン・・・かいてて思うけど誤解させすぎた・・・・・
それと関西弁って本当にやりづらいな・・・近所に住んでるのに・・・・
次は道場のことを書く予定。
乙。
つか、現時点の作品群の中でダントツに物騒だw
GJ!
シグナムの言う稽古によってシンにどんな変化が出るのか・・・
続きが気になって朝昼晩眠れないぜ!
ここんとこ129氏が来ない件について
時期が時期だし色々と忙しいんだろ?
ま、のんびりまとうや。
シンはベッドに仰向けに寝転がり、天井を見つめていた。
天井の模様の数を数えては、分からなくなり、また最初から数えなおす。それを何度繰り返しただろう。
分からなくなったころに、ドアがノックされた。
シンは一度だけ、ドアに目をやり、それを無視してまた天井の模様を数え始めた。
「入るけどいいか?」
クロノだった。
部屋のドアをあけ、中に入ってくる。
「悪かった。さっきは言いすぎた。ごめん。」
「別に…もう気にしちゃいませんけどね。」
何処まで数えたか分からなくなり、再び天井の模様を最初から数え始めるシン。クロノはしばらく、黙って、シンの部屋にいたが、やがて出ていった。
「何やってんだろ…、俺…。」
シンは起き上がり、コートを着て、リンディ達に行き先も告げずにそっと玄関を出ると、音を立てないようにドアを閉めた。
特に行く当てもなく、街をさ迷う。
雪がパラつき、街はそれに合わせたかのようなイルミネーションを点灯させていた。
途中、ふらふらとコンビニにより、雑誌を立ち読みし、それに飽きると、またふらふらと歩き出した。
寒かった。
手袋はつけていないので両手をポケットに突っ込んで歩く。
何も考えずに歩いていくうち、公園に着いた。
ブランコに腰をかけ、空を眺める。
星は見えない。
外灯のせいか、とも考えたが、雪が降っているのだから星が見えないのは当たり前かと思い直す。
「親父、お袋…マユ、ステラ…。」
意味もなく言葉にしてみる。それは白く濁り、やがて空気に溶けこんだ。
「ここにいたんだ…。」
声のした方をみるとフェイトだった。
足元にはアルフもいた。
「風邪…引くよ?」
「かもな…。」
フェイトはアルフを抱えると、シンの隣のブランコに座り、膝の上にアルフを乗せた。
「昔の私の話、聞きたい?」「別に…。聞いても聞かなくてもどっちでもいいし、さっきはちょっと気になっただけで、問いつめるつもりはなかったさ。」
シンはブランコを足を使って前後に揺らす。
錆び付いた鉄の音がなり響いた。
「プレシア・テスタロッサ。これが、私の母さんの名前。」
フェイトは静かに、記憶をたどりながら、自分の過去をシンに話始めた。
プレシアにはアリシアと言う娘がいたこと。そしてとてもアリシアをプレシアが可愛がっていたこと。
シンはブランコを揺らすのをやめ、フェイトの話に耳を傾ける。
フェイトは淡々と話を続ける。できれば思い出したくないからだ。
表面をなぞるようにして、過去を話す。
やがて、事故でアリシアが死に、プレシアは名誉を剥奪され、汚名を着せられて姿を消したこと。
アリシアの死を受け止めることが出来ず、生き返らせようと研究を開始したこと。
その過程で自分が産み出されたこと。
「産み出された…は正しくないのかな?」
自嘲気味にフェイトが笑った。
シンはフェイトを無言で見つめる。
さらにフェイトは続けた。自分はアリシアとは外観だけで、中身は似ていなかったこと。
プレシアに従順だったこと。笑って欲しくて、願いを叶えてあげたくて、ジュエルシードを集めたこと。
なのはと出会い、戦ったこと。
何度も、何度もなのはが自分の名を読んでくれたこと。
そして、プレシアは最後まで自分を娘と認めてくれなかったこと。
笑いかけてくれなかったこと。
そして…。
「大体、こんなところ…だね。」
「フェイト…。」
アルフが鼻をクーンとならし、膝の上からフェイトを見つめた。
「大丈夫だよ。アルフ。私は、もう大丈夫だから。」
「だからさっき、自分が人じゃないっていったのか…。」
フェイトは頷き、アルフの頭を撫でる。
「次はシンの番だよ。」
「はっ?」
「シンも、何かあったんだよね?」
じっと見つめられるシン。「……。と、とりあえず、帰ろう?風邪引くぞ、フェイト。」
「えっ?う、うん。」
「俺、帰り道わかんないんだけど…、フェイトはわかるよな?」
「うん。」
「じゃ、案内頼む。」
はぐらかされたと、思いつつも、フェイト、シンは帰路に着いた。
PM9:00八神家、キッチン
キラは一人で鍋を食べていた。はやては月村すずかという友達の家に泊まりに行っているらしい。
シグナムはお風呂に入っていて、ザフィーラは絨毯の上で丸まっていた。
シャマルは居間でアイロン台を出し、洗濯物にアイロンをかけていた。
ヴィータはキラの正面に座り、アイスを食べている。「キラさぁ…。」
野菜ばかり残った鍋から、長ネギをお椀によそっているキラにヴィータが話かけた。
「何?ヴィータちゃん。」
「カートリッジ使いすぎ。」さっきの戦いを思い出す。合計八発。シグナムは一発、ヴィータは二発しか使っていなかった。
「え…と。」
口に運びかけていた白菜をお椀に戻す。
「…ごめん。」
「まぁ、あの砲撃で、高町何とかの魔法から助かったからいいんだけどさ。」
「なるだけ、押さえるよ。」すると、黙々とアイロンをかけていたシャマルが顔を上げ、
「じゃあ、キラさんもカートリッジ造るの手伝ってもらえます?」
そういいながら、アイロンのスイッチを切り、キラとヴィータの元へとやってきた。
「えっ?」
「作り方は私が教えますから…。」
棚からコップを取り出して、キラが出しておいたお茶を注ぐ。
「すみません。」
「別に、責めてるわけじゃねぇって。あんたのお陰で、助かったのは事実だし…。認めたくねぇけど。
闇の書だって、今回使っちゃったけど、戦闘要員が増えたんだ。蒐集速度は格段に上がるはずだし…。」
「ただ、カートリッジはシグナムもヴィータも使うものなんで…。」
「分かりました。じゃあ、シャマルさん。お願いします。」
「ところでお前さぁ、野菜ばっか食べてるけど、肉とか食べないのか?」
先ほどからアイスを食べながらキラの食の進め方を見ていたヴィータは素直な疑問を口にした。
「…てか、この鍋、野菜しか入ってないよ?」
キラも素直に答えた。
「まぁ、肉団子は私が全部食べちゃったんだけど…。蟹とかまだあるじゃねぇ?」
「蟹なら私が…。」
小さく手をあげるシャマル。
「でもまだカキがあると思いますよ?」
ゴホンッ!
居間から聞こえてくる咳払い。キラ、ヴィータ、シャマルの三人の視線がザフィーラに向けられる。
「すまん。我が…。だが、まだ海老があったと思うが…。」
鍋の中をみてみると、海老らしきものは何も残っていなかった。
「キラ・ヤマト、すまない。蛯は私が…。」
廊下にめんする扉をみると、タオルを片手に、風呂に入ったせいだろう。頬を染めたシグナムが立っていた。
「えと…気にしないでください。居候の身だし、野菜は体にいいしね。」
夜中にお腹空くだろうなぁ、などと考えつつ、キラは再び箸を進めるのであった。
マンションへの帰り道を歩くシンとフェイト、アルフ。
「そう言えば、フェイトはさっき、自分が人じゃないって言ってたよな?」
「うん…。」
「造られた人間だって…。」「うん…。」
「けど…、だけどそれって俺のいた世界だとそう珍しいことでもないんだよな。」
「それは…どういう意味?」「俺がいた世界では、そのフェイトの母さんがやったようなことが一般化されてたんだ。
もちろん、魔法なんて使えないから、そこは化学技術になるんだけどな。それに、いくらクローン人間を造っても同じ人間になるとは限らない。記憶の植え付けなんてことも出来なかったしな。」
「そうなんだ。」
「あぁ、俺はクローンとは違うけど、遺伝子いじくってつくられたんだ。髪の色や目の色、学習能力や運動能力だって一般人よりも遥かに高い。死ぬような病気にだってかからないし…。俺がいた世界では、俺みたいな奴のことをコーディネイターって言うんだ。」
「すごいんだね、シンは。」素直に感嘆するフェイト。「だから…。人じゃないなんて言うなよ。自分の為にも、俺たちの世界の奴らの為にも…。」
「うん…。ごめんなさい。」
そーっと玄関のドアを開けるシン。
「リンディさんとクロノ…いる?」
「いや、大丈夫だ。」
廊下に、リンディもクロノもいなかった。
今は午後10:30過ぎ、シンはともかく、フェイトは見付かれば怒られるだろう。と言うわけで、泥棒のようにコソコソと家の中を確認しているのだ。
リビングの方に明かりはついているが、気配はない。さっと、家の中に入り、フェイトが音を立てないようにドアを閉め鍵をかけた。「じゃあ、私、明日学校だから…。」
「あぁ、悪かったな。心配かけて…。」
フェイトは頭を降ってそれを否定し、自分の部屋に戻ろうとして、ピタッと動きを止め、シンを指差す。
「あ?」
シンは意味が分からず、フェイトの人指し指を見つめるばかり。。
「シン君、私たちには何も言うことないのかしら?」フェイトが指したのはシンではなく、その後ろで仁王立ちするリンディに向けたものだった。
「心配したんだぞ?二人とも部屋にいないし…アルフも。靴箱を除いてみたら靴が二足なくなってるし…。」
仁王立ちしたリンディの後ろからクロノが出てくる。「ごめんなさい…。」
フェイトは謝った。
この後、フェイトは明日学校があるので床につくことを許されたが、シンは一時間、リンディとクロノから説教をうけ、さらに態度に関すること、命令違反に逆らったことに対するきちんとした理由を言うまで寝かせてもらえなかった。
まずはフェイトの過去なんですが、簡単にかかせてもらいました。
次回はいよいよ、フェイトVSキラ、キラ(覚醒)VSシン(覚醒)の二大激闘です。
フェイトのリンカーコアが突如、出現した仮面の男が現れ…
そしてリンカーコアを奪われぐったりしているフェイトをキラが抱えているところにシンが…。
乙乙。
そう言えば、このシンはまだレイの出自を知らないんだよな
もし知ってたら、また違った反応をしたかも
雪って、シンにとっては嫌でもベルリンの一件を想起させるから、シンには辛いシチュかも知れん
だろうな。
知ってたらもっと必死にフェイトの発言を間違いだって主張しただろうね。
しかし、キラ…。
シャマルがキラの分をとっててくれそうなもんだが…。
神隠しのキラは頑張ってる割に今イチ報われないというキャラが板についてきたなw
そんなキラの方が全然好感持てるな、俺は
今、wikiを見てきたんだが、シンとヤマトの神隠しの第三話の後半が抜けてた。
神隠し第三話抜けてる部分追加しておきました、報告ありがとうございます
>フェイトVSキラ、キラ(覚醒)VSシン(覚醒)
気になる……。
412 :
アルケミスト:2006/12/17(日) 22:33:08 ID:Jeqe4ZYi
神隠しのほうで、私としては、キラ(覚醒)VSシン(覚醒)で、キラとシンが戦闘中どんな会話をするのか気になります。
キラはやっぱり誰だって未来(あした)が欲しいって言うんでしょうかねぇ。
いや、むしろアレだろ
「君の言う事も分かるけど! はやては今(r」
いや泣いてないし
「家族とステラの仇を討つためにあんたを殺す!」
とか言って突っ込んでくるシンに、キラが
「仇だっていうんなら討たれてもいい。
でも、討てば君は、僕と同じ人殺しだ。それでもいいのか!?」
と言って欲しい
かなり幼稚な返答だな・・・・
キラっぽくない
>>413-414 はやての騎士気取りだったキラだが、実際ははやての方が遥かに強靭な精神の持ち主だった事に気付かされて衝撃を受ける、とかそういう展開が期待できる流れだな
>>415 まずそこまで考えが回ると思えない
そして復讐者に理屈は通じない
結果
「それでも守りた(r」
機動戦士ガンダムし〜どD´s 第9話
「メエェェーーーーン!!」
甲高い声が、道場全体に木霊する。
ここは、いつもシグナムが通っている剣道場で、今は技の鍛錬の最中だった。
「ちゃんと左手に力を入れろ!威力が弱いし振りも遅い!」
いま門下生たちの指導をしているのはシグナム本人である。
一方シンは・・・・
「そうだ、意外と筋がいいな。」
今シンが道場主に教えてもらっているのは「すり足」。剣道での基本的な移動方法である。
筋がいいといわれるが、本人にとってはやりづらいことこの上ない。
それに・・・
(なんだよこの服・・・)
今シンが来ている胴着。この道場にある予備の者を貸してくれたのだが、着付け方が決まっていて、ちんぷんかんぷんだった。
最初はシグナムに手取り足取り教えてもらわなければ何も出来なかった。
それと・・・これが分厚く、すぐに熱気がこもって熱いし、以前誰かが使っている人があまり選択をしなかったのか、ほのかに汗臭い。
(毎日こういうのを着てするのか・・・・)
そうおもうだけで少し嫌気がさす。
(精神的鍛錬ってこういうのに慣れろってことなのか?)
勿論それじゃないだろうが・・・・
それにしても・・・・
「ドオォォォーー!!」
いちいち叫ばないとだめなのだろうか・・・・
きてすぐシグナムに渡されたマニュアルブックにも
「試合は指定箇所を攻撃し、同時にその箇所を叫びながら攻撃しないと一本に入らない。さらに、入った後もガッツポーズなどをしても無効にされる。」
と、シンにしてみたらわけの分からないルールがたくさんだ。
(アカデミーの白兵戦の授業とは全然ちがうな・・・・)
まあ、この剣道は言って見れば競技で、アカデミーの白兵戦は、言ってしまえば人を殺すためのものだ。
(ま、これが本物だったら殺せるんだろうけど・・・)
ぶつぶつ思っているうちに道場主から次のことを言われる。
「よし、じゃあ・・・・おい、小沢。」
そういい奥のほうにいる、今いる中でも年配、といっても、シンよりも二つか三つくらい上の人が道場主を見た。
「俺は今から稽古に移る。その間こいつの面倒を見てくれ。」
そういわれて分かりました、と答える小沢。
「よ・・よろしくお願いします。」
鍛錬中は目上の人にはすべて敬語で、というシグナムの言うとおり、なれない敬語で返事をするシン。
「よろしく。俺の名前は小沢。ここで6年間世話になってる。」
一通り挨拶をして、小沢は部室に戻って何かを取り出してきた。
「なんですかそれ?」
それは、シンぐらいの大きさで、人間をかたどっていて、防具一式を備えさせた鉄の棒の寄せ集めと言ったほうが正しいのか・・・・
「これは、まあ素振りや打ち込みのときに使う俺たちが使っている奴だ。通称がんばれ森川君2号。」
1号のことはあまり気にしないでおこう。名前を聞いた時シンはそう思った。
「とりあえずこれで基本的な技の練習をしてもらう。」
そういい小沢は森川君2号の前に立ち、構えて、
「メエェェーーーーン!!」
例の如く叫びながら森川君の面を竹刀で叩く。
「まあ、最終的にはこういう面をするんだけど、まだ初心者だったんだよね。だったら風通にこうしてるといいよ。」
そういい森川君の前に立ったまま竹刀を振り、同じ箇所を何回も当てる。
「これを休みなしで・・・・そうだな・・・・最初だから30回して、それを3セットといこうか。」
そういいシンに竹刀を渡す小沢。
今度はシンが森川君の前にたち、さっきシグナムがさりげなく言っていた「左手に力を入れ」て、さっきの小沢がやっていたように森川君を叩く。
「へえぇーーーー。」
それをまじまじと見る小沢。
ちゃんと手に力も入っていて、初心者にしてはまずまずといった感じだ。
ただ、やはり形があまり出来ていない。
「腕をもっと伸ばして、竹刀はもっとあげてから打ったほうがいいな。」
はい、と正直に答えるシン。
ふと横を見る。
今本来の稽古をしている人たちは、次々といろいろな技を打ち込んでいる最中だった。
「足を休ませるな!もっと思い切って来い!」
生徒たちの打ち込みを受けながら指導するシグナム。
その姿を見て、意外だとシンは思った。
(意外と熱血っぽいところもあるんだなあの人。)
今までシンから見たシグナムは、クールというか寡黙というか、どこか落ち着いた感じがあった。
しかしここでのシグナムは、今まで見たことのない、非常に生き生きとしていて、とても楽しんでいるように見える。
「ほら、さっさとしないと怒られるよ。」
小沢に注意され、続きを始めるシン。
「ふう。」
一通りの技を打って、すこしすり足の練習をした後、休憩がでて少し外に出るシン。
さりげなく吹く風が気持ちよく感じているそのとき
「ちょっといいかな?」
誰かに呼ばれて振り向くと、そこには、先ほど真にいろいろ教えてくれた小沢という人がいる。
「何ですか?」
シンがたずねると、小沢は真面目な表情で答える。
「君、シグナムさんとはどう関係で知り合ったの?」
え?と小沢を見つめるシン。
「いや、シグナムさんが連れてきた人だからちょっときになってね・・・・。」
そういっている小沢の顔は、少し赤い。
「はあ・・・まあいろいろあってシグナムの所で居候させてもらってますけど。」
流石に「異世界に飛ばされて、いるところがないからシグナムの家にいます。」など言えるはずもなく、無難に答えるシン。
それを聞いて驚く小沢。
「ってことは、シグナムさんと一緒の家でいるってこと!?」
いきなりシンに詰め寄ってくる小沢。
「ええ・・・そうですけど・・・」
そういうと小沢が段々とエスカレートする。
「ってことは・・・・シグナムさんの手料理とか食べてたりするのか!?」
「いえ、あの人は料理なんてしません。」
「じゃあ、一緒に風呂に入ったり、寝たり・・・・」
「するわけないでしょ、子供じゃないんですから・・・・それに、そんなことしたらあの人に八つ裂きにされて殺されます。」
次々とわけの分からないことをいう小沢。
それにあきれたシン。
「あの・・・・」
「ん?」
「そろそろ突っ込んでもいいですか?」
「え?・・・・」
「やかましいですよ。シグナムに聞こえたらどうするんですか?・・・」
そういわれてあ・・・と気付く小沢。
運よく二人がいた場所は道場からそこそこ離れていて、回りには誰もいなかった。
「取り乱してごめん・・・」
「いえ・・・・べつにいいですけど・・・いったいどうしたんですか?そんなにシグナムの事を聞いて。」
え?とシンのほうを向く小沢。
(気付いてないのか?・・・・あそこまで言って・・・)
小沢はシグナムのことが好きだ。
いつも真剣に鍛錬に励み、門下生を指導している姿に惚れている。
しかし、なかなかこの思いを伝えずにいた。
(どうやら問題なさそうでよかった・・・・)
いきなりシグナムがつれてきた少年、シンを見て、もしかしてと思ったが、一緒に暮らしてるのは予想外だが、どうやら別に恋人同士とかではなくて一安心した。
「いや、ごめんね。変な話して。」
そういわれ、はあ、とあいまいに返事をするシン
「そろそろ戻るか、休憩も終るし。」
そういい道場のほうへ戻る小沢。
「あと、それと。」
何かほかにうことであるのだろうか・・・
「休憩後はランニングと階段ダッシュになるから。流石にこれだけは君だけ特別扱いすることは出来ないからね。」
そういい戻る小沢。シンもその後に続いた。
「はあ・・・はあ・・・はあ・・・」
ここは海鳴市内にある神社。
ここで多数の人が息を荒げている。
あの休憩の後、道場からこの神社まで走り、あおのあと様々な条件で階段ダッシュを行っていた。
今日はいつもより多めにやらされて、へばっている門下生達。
しかし、その中で立っているものが数名。
「ふう。」
シグナムは、持ってきたタオルで汗を拭く。
(今日は多かったな)
自分はまあ体力があるから大丈夫だが、周りを見てみると・・・
(軍人だとは聞いたが、すごいな・・・これほど体力があるとは・・・)
シグナムの横でシンはストレッチをしている。
今このメンバーで、一番ピンピンしているのはシンだ。
その次に自分で、その次に立っているのが師範代と小沢といったところだ。
今ここにいるもの全員が。シンを見ている。
「すごいな・・・皆これだけへばっているのに・・・君はまだ余裕そうだな。」
小沢がシンに話しかける。
「え・・ああ・・・こういうことは前からよくしてましたから。」
軍に入っているシンとしては、朝飯前といったところだ。
逆にいろいろ忘れて走ることに夢中になれるから気分がよかった。
「ふうん・・・・・」
小沢は呆れたよにシンを見る。
「よし、休憩もこんなところだろう。そろそろ戻るぞ。戻った地稽古で今日は終わりだ。」
道場主の言葉が聞こえて、皆が立ち上がって、また走り始めた。
「え?シンもシグナムの道場にいっとるん?」
迎えを待っていたはやてにシャマルが言った。
「はい。ヴィータがそういってました。この時間帯に一緒に出かけたから間違いなさそうって。」
そこにはなのはたちも一緒だ。
「男の人って・・・そういう人が多いのかな?」
そういいながらなのはは自分の兄と父を想像する。
「そういえば、なのはちゃんの家族も剣術習ってるんやったな。」
「そうだけど・・・うちは・・ちょっとちがうけどね・・・」
なのはは笑いながら話す。
なのはの家は、代々伝えられている剣術で、ほかの・・・剣道とは違う。
「それで、シグナムとシンの帰りが遅くなるかもしれないって。」
シャマルの言葉を聞いて「わかった。」と答えたはやては、家に帰る。
今日の買い物はシャマルがしてくれたらしいから今日は買出しに行かなくてすむ。
「ほかはよかえってごはんはゆっくりでええな。」
そういいはやてはなのは太刀と分かれて一足先に帰った。
「やっぱりほかの子も家の人が迎えに来るらしいわ。」
はやては、朝のニュースのことが、学校でも話題になっていて、ほかの生徒も自分のように家族の迎えが来るのを待っているらしい。
学校のほうでも、できるだけ帰りは家族の人と帰ってくださいと言っていた。
「やっぱり・・・・物騒よねえ・・・・」
シャマルはため息をつきながらいう。
警官が殺されている近くの公園で幼い子供の右腕だけがある。普通に考えたら怖い話だ。
「ほやな。はよう犯人捕まってくれるとええけど。」
はやても事件が速く解決することを願う。
本当は、警官殺害は別として、少女の腕はこの世界の人ではなくても・・・・
「遅くなったな。」
すでに暗い空を見上げながらシグナムは言う。
稽古が終わってからいろんな人と話をしていて、すっかり遅くなってしまった。
時計を見ると・・・・7時半くらいか。
「まだそこまで遅くないだろう?」
缶コーヒーを飲みながらシンは言う。
シンはどちらかというとまだ7時半という感覚であった。
「お前はそうでも、主にとってはもう7時半だ。」
はやてはまだ小学生だ。寝るのも早いから確かにもう7時半かもしれない。
「主が待っているだろうから早く帰るぞ。」
そういって道角を曲がったときだった。
「あれは・・・?」
シンが見たものは公演で学生の女性が一人と、それを取り囲む男が数人。
「ナンパか?今時・・・」
「それにしては少々嫌がっているように見えるが?」
どうやらそうみたいで、遠目から見ても女性のほうが嫌がっているのが分かる。
さらに言えば、あの事件のせいなのか、周りには人っ子一人いない。
しかも・・・ナンパをされている女性に見覚えがあった。
「あれは確か・・・えーと・・・なのはの姉の・・・美由希・・・だったっけ?」
そういったとき、数日前の出来事が思い起こされる。
どうする?といった感じでシグナムを見る。
それを察したシグナムはわかりきったように言う。
「私には、お前はこの場合見てみぬふりをする奴にはみえないが?」
実際そのとおりで、シンはこの光景を見ていて腹が立っていた。
二人でナンパ現場に近づき、公園なので主に迷惑をかけないだろうと思ってシンが少し怒鳴る。
「おい!なにやってるんだ!?あんたら!!」
続く。
第9話投下。
なんか新キャラ(というかオリジナルキャラ)登場。彼の思いはシグナムに通じるのか・・・
次回は、もしかしたら○○○が○○に○するかもしれない(ほとんど言ってるようなきが・・・・
美由希に絡むとは運の無い男共だな
ご愁傷様、男ども…。
GJ
予告しておきながら、話が予定範囲まで進みませんでした…スマソ。
第4話傷だらけの過去
翌日、日が上る前。
部屋のドアをノックする音でシンは目を覚ました。
「…ん、ふぁ〜い。」
「シン、魔法の訓練の時間。」
慌てて、ベッドから抜け出し、部屋着から外出用の服に着替える。
「悪い、寝過ごした。」
目覚ましをセットせずに寝てしまったらしい。
「朝御飯食べていくから、ゆっくりでいいよ。」
「あぁ。」
居間に行くとすでにリンディが早起きして朝食を準備してくれていた。
「おはよう。シン君。」
「おはようございます。」
昨日の命令違反の理由は、前にいた世界で、敵だったということでなんとか言い逃れることができた。
リンディもクロノもそこは理解したのか、あるいは異世界の事情に口を挟むべきではないと判断したのか、納得してくれた。
「それはわからんでもないが、とにかく、次からはちゃんと命令には従うように…。」
とクロノがまとめて、説教はお開きとなった。
「じゃあ、フェイトさん、携帯電話は学校帰りでいいのかしら?」
「あっ、はい。お願いします。」
申し訳なさそうにフェイトが言う。
トーストにスクランブルエッグ、ベーコンに野菜サラダを机の上に並べリンディも席につく。
「いただきます。」
「「いただきます。」」
三人は箸をとって朝食を食べ始めた。
『シュランゲフォルム!!』『ハイマットモード!』
渦を巻く刃の蛇の中心をキラはスルリと抜け、両銃一発の弾丸を消費する。
魔法陣を展開し、自分の両腰の脇に独特の音を発っしながら紫電を伴った青い魔力が発生する。
『クスィフィアス』
バシュッ!!
と一直線にシグナムを目がけ、発射体から超高速で撃ち出された。
シグナムはそれらを防御障壁でガードしてみることにした。三つの円を繋ぐ三角形の紫色の障壁が展開され、クスィフィアが命中し、炸裂した。
障壁の上からであるにも関わらず、衝撃が体を駆け抜け、無理矢理十メートルほど後退させらる。
しかし、魔力ダメージはない。
「よし、やめだ。」
「はい。」
キラはゆっくりと降下し、着地する。
「今の魔法は多用できるな障壁の上からでも対象にダメージを与えることができるようだ。最も、魔力ダメージは与えられないようだが、障壁がなければ、相手を吹っ飛ばすことも可能だろうな…。」
今回も偏狭の世界までシグナムと一緒に転移し、結界を張ってもらってその中で魔法の訓練をしてもらっている。
大方の基本を習得し、独自に応用までしているキラ。あとはデバイス、ストライクフリーダムが習得している魔法を一通り使ってみて、どんな魔法なのか、どんな効果を持っているのかを確認する作業を行っていた。
「大丈夫ですか?」
シグナムがフッと笑う。
「障壁の上からならそんなにダメージはない。心配するな。
さて、そろそろ引き上げるか。
主が午前中には帰ってくる。迎えてやらんとな。」
「はい。」
「それから、明日からはザフィーラもお前に稽古をつけてくれる。」
「ザフィーラさんが?」
「あぁ、お前、前回、シン・アスカに負けただろう?それに、どうも接近戦になると力負けしたり、汗って攻撃したりするところが目立つ。
だから、私が剣の使い方を教え、ザフィーラが接近戦でお前と模擬戦闘を行ってくれる。
そこから、私がお前の弱点を見つけ、補う対策を施す。
監理局のことだ。また、交戦することもあるだろう。テスタロッサやシン・アスカは接近戦では脅威のスピードを持っているし、シン・アスカに至ってはパワーも脅威だ。」
「はい。それは、身を持って体感しました。」
「ならば、全力で稽古に励め。勝つために…。」
「はい…。」
結界を解除し、二人は八神家へと戻った。
「シンはいくつ、射撃魔法を使える?」
まだ半分しか太陽が顔をのぞかせていないなか、マンションの屋上でフェイトとシンは基礎訓練を行っていた。
大方の基礎は終わり、今は自分の使える、またはデバイスが習得している魔法の確認を行っていた。
「射撃っていうのが正しいのかどうかわからないけど…
フラッシュ・エッジ、フラッシュ・エッジホーミングシフト、ケルベロス…それぐらいかな。」
「接近戦はそのアロンダイトと…。」
「パルマ・フィオキーナ。」フェイトは暫し考え込み、
「あの人は、遠距離タイプだよね?」
と言った。もちろん、あの人と言うのが誰をさしているのかシンには察しがついた。
「…たぶん。この世界では…。」
「…たぶん?」
「前の世界では苦手な距離がなかったように思える。」
「とにかく、シンは砲撃魔法が少ない分、遠距離戦の経験を積まなきゃいけないと思う。」
「…そうだな。」
「今日、なのはに相談して、シンの訓練の手伝いを頼んでみるよ。」
それだけ言うと、バスの時間だからと言って、フェイトは鞄をせおい、屋上から出ていった。
「(そういうことになっちゃったんだけど…、駄目かな?)」
「(ううん、いいよ。私が模擬戦闘の相手をすればいいんだよね?)」
フェイトとなのははバスを待ちながら念話で話をしていた。
「(それで、シン君が何で命令違反したのかわかったの?)」
「(ううん、わかんなかった。でも、私にはシンが怖い人だとは思えないんだ。)」「(フェイトちゃんがそう思うなら、間違いないよ。)」二人は顔を見合わせ、にこっと笑い、丁度やって来たバスに乗り込んだ。
フェイトが学校に行ってからシンは鉄の棒を使って、素振りをしていた。
だいぶ、日ものぼり、シンの額に汗がにじみ出る。その横で
「くあぁ〜…。」
と欠伸をしているのは子犬フォームのアルフだ。
「(眠たいのなら、部屋に戻れば…?)」
シンが会得した念話でぶっきらぼうに言った。
「(いんや、日が当たって気持いいし、ここでいい。)」「(あっそ。)」
素振りをやめ、シンは手にタオルを取り、汗を拭った。
「ただいま〜。」
「あっ!はやてだ!!」
そう言って一番に駆けていくのはヴィータだ。そのあとに、キラとシャマルが続く。
玄関までいくと、一人の女の子が車椅子を押してくれているところだった。
「ありがとう、すずかちゃん。」
「ううん、私こそ、昨日は楽しかったから、また泊まりに来てね。はやてちゃん。」
「君が月村すずかちゃん?」キラが声をかける。
「はい。」
「ありがとう。車椅子はもういいよ。あとは僕がやるから…。これから学校でしょ?もう七時半過ぎちゃってるし、遅れちゃうよ?」
「えッ!?あっはい。ありがとうございます。
じゃあね、はやてちゃん。またね!」
「うん、すずかちゃん、またな〜。」
パタンと玄関のドアを閉め、鍵をかけるヴィータ。
「はやて、おかえり!」
「ただいま、ヴィータ。」
はやては、微笑み、ヴィータに答えた。
「はやてちゃん、今日は十時から病院ですよ。」
「うん、わかっとるよ。」
表情が少しだけ曇るはやて。
病院なんて気休だ。
はやては病気ではないのだから…。はやては実年齢の子供と比べ、しっかりしている。本人も良くならないことを悟っているのではないだろうか。
キラはそう思った。
「今日は、僕も付き添うからね。シグナムさん出かけちゃったから…。」
「そうなん?ほんならお昼はどっか、外で食べよか?」
「うん、そうだね。」
キラは車椅子のハンドルを握り、はやてをリビングへと連れていった。
海鳴大学病院
「じゃあ、私、ちょっとはやてちゃんの薬を取ってきますんで…。はやてちゃんを頼みますね。」
「分かりました。」
シャマルは処方箋をもって受付へと向かった。
「なぁ、キラ君はお昼なんがえぇの?」
「う〜ん、そうだね。ヴィータちゃんは何がいいのかな?」
「そうだな…私は…うーん」「はやてちゃん。」
「あっ、先生…。」
キラははやてが先生と呼んだ女性に視線を向けた。
はやてとその女性は二言、三言かわすと、キラへと向き直り、挨拶をする。
「どうも、八神はやてちゃんの担当医です。」
「あっ…どうも、はやてちゃんがいつもお世話になってます。」
ちなみに、キラとはやては遠い親戚と言うことになっている。
「シャマルさんは?」
「今は薬を取りに行ってますね。何か御用ですか?」
「えぇ、少しはやてちゃんのことでお話があったもので、では、え〜と。」
「キラです。」
「キラさん、ちょっと来てもらえますか?」
「ヴィータちゃん、はやてちゃんのこと頼めるかな?」
「んっ?あぁ、いいよ。」
キラはヴィータにはやてを任せると、診察室に案内され、患者用の椅子に座るように促された。
「はやてちゃんの容態なんですが、相変わらず、足の方の原因はわかりません。一応、様々な治療を試してはみたんですが…、どれも結果がでずじまいで…。」
「はぁ…。」
「それで…、ですね。はやてちゃんに直接言おうか迷ったんですが…まだあの子は九歳ですし…。」
「はい。それで…一体何の話ですか?」
担当医はなんだか迷っているようで、しばらく無言で手元にある資料の整頓を始めたりしていたが、やがて決心したのか、重たい口を開いた。
「はやてちゃんの病気が悪化しています。
足から上…、つまり内臓、消化器ですね。そこにまで麻痺が広がって来ています。」
キラの鼓動が早くなる。
「……それで……このままだとはやてちゃんはどうなるんですか?」
担当医は首を左右に降り、「近いうちに発作がおこると思います。
先程も話したとは思いますが、現代医学では解明できない病気です。
覚悟をしておいてください。」
覚悟、その言葉が重くキラにのしかかってきた。
「大丈夫?シン君…。」
シンは息をきらし、大の字に戦技室中央の床に寝転がっていた。
「あぁ…。」
ディバインシューター…、厄介だ。
なのはの遠隔コントロールによる追尾型の魔法。全包囲360度からの攻撃。避けるので精一杯で、なのはに近付いてもいいように追い込まれてディバインバスターで弾き飛ばされ、再び間合いをとられてしまう。
「…畜生。」
「今日は、ここまでにしようか?私も疲れたし…。」
「俺はもっと疲れた…。」
なのはがクスッと笑う。
「じゃあ、先に帰るね?もう結構、夜も遅いし…。」
「あぁ…またな…。」
シンは立ち上がり、戦技室から出ると、フェイトが待っていた。
「お疲れ様。」
そう言って、タオルを差し出す。
「サンキュー。」
「リンディさんが、今日の夕飯何がいいかって言ってたよ?」
「俺は…、何でもいいよ。フェイトは?」
「私も、何でもいいかな。」そんなことを話しながら二人は帰路に着いた。
深夜、八神家居間。
ヴィータ、シグナム、シャマル、ザフィーラ、キラは集まっていた。
「主は?」
「はやてならもう寝たよ。」シグナムの問にヴィータは眠たげに答えた。
無理もない、一旦はやてと布団に入ったので眠くなったのだろう。
「それで、キラ、話しとはなんだ?」
ザフィーラがキラに問う。キラは病院で聞いたことを全て話した。ヴィータには言わない方がいいかもしれないと思ったが、下手に「大丈夫だよ」とも言えなかった。
自分もかつてフレイに安易な口約束をし、傷付けてしまったことがあったので、ヴィータには正直に話しておいた方がいいだろうと判断し、深夜にヴィータも集まるようにと言っておいたのだ。
「そうか、予想はしていたが…、浸蝕のスピードが思っていたよりも早いな。」
「はやて…。」
「はやてちゃん…。」
ヴィータとシャマルがソファに座り、うつむく。
「明日から、四人で魔力の蒐集を行う。シャマルは主についててやってくれ。キラ・ヤマト、ヴィータ、ザフィーラ。いいな?」
三人は返事をし、床に着いた。
「じゃあ、私は本局に行くから、エイミィ、あとはまかせるわよ?」
「はい!艦長。」
午前九時、リンディは対策本部を離れ、本局へ転移した。
「あれ?エイミィさん?」
「こんにちは、シン君、って髪の毛が凄いことになってるよ?」
キッチンで買ってきた野菜やれなんやれを冷蔵庫にしまっているようだった。
なのはも来ており、シンの姿をみてなのは、フェイト、アルフも笑っている。
「シン、昨日は頑張ってたもんね。」
結局、なのはとの模擬戦の後、家に帰ってから、フェイトと対策を話し合い、寝るのが十一時過ぎてしまっていた。
本来なら寝過ごすはずもないが、昨日はつかれていたのか…泥のように眠ってしまったようだ。
「もう一時かよ?」
「そうだよぉ、今日はシン君、お寝坊さんだね。」
「と、とりあえず、顔を洗ってくる。」
そう言って、洗面所で顔を洗い、歯を研く、髪も水を使って撫でつけ、タオルで顔をふいていると、突然警報がなった。
シグナムはヴィータがてこずった魔物の相手をしていた。ムカデのように足が何本も生えており、さらに触手も生えている。
さっきから、何度も攻撃を当ててはいるのだが、中々倒れてくれない。
自分の攻撃力が落ちてきているのだろうか?
「なるほど…、ヴィータがてこずるわけだ…。」
レヴァンティンに弾丸を込める。
しかし、その行為で生まれた僅かな隙を突かれ、触手によって絡め取られてしまった。
「ぐっ、しまった。」
魔物が容赦なくシグナムの体を締め付ける。
その時だった。
『クスィフィアス』
バシュ!!
と聞き慣れた声と音が響く。魔物に着弾後、炸裂し、その衝撃で魔物が一瞬怯む。
『サーベルモード』
触手の隙間を蒼い閃光が駆け抜け、一瞬にして切り裂き、シグナムの拘束を解いた。
「大丈夫ですか?シグナムさん。」
「あぁ、助かった。」
触手を斬られ、痛みに狂った魔物が暴れる。しかし、次の瞬間、
『サンダーブレイド』
言葉の意味通り、紫電を伴った金色の魔力の剣が魔物に突き刺さる。
「ブレイク!」
凛とした声が響きわたった。とたんに、魔物に刺さっていた剣が爆散し、体を破壊する。
「テスタロッサ!?」
「監理局の子か。」
シグナムは冷静に状況分析する。
自分とテスタロッサ、キラ、この中でスピードで劣るのは自分だ。恐らく、キラとテスタロッサはスピードでは互角。しかし、ハイマットモード時のキラはテスタロッサよりも早い。
だが、そうすると、キラに抱えてもらって、逃げると言う手もあるが、それはプライドが許さない。実際、キラのスピードも落ちて、捕まってしまうだろう。
キラはまだ魔法を覚えてから一週間もたっていない。戦闘経験も少ない。
ならば…。
「キラ・ヤマト、お前は逃げ…」
「シグナムさんは行ってください。ここは僕が引き受ける。」
「お前…。」
「時間を稼ぎます。」
「すまん、頼んだぞ。キラ・ヤマト。」
シグナムは飛翔した。
「ここは、引いてくれないかな?」
フェイトは首を左右に振り、否定する。
「私は監理局の嘱託魔導士、そしてあなたたちは法をおかし、第一級捜索指定のロストロギアを持っています。逃がす訳にはいかない。」
「そう…。」
(近いうちに発作が起きると思います。)
フェイトがバルディッシュを構えた。
(覚悟しておいてください)蘇る担当医の言葉。
「それじゃあ…仕方ないよね…。…僕は…君を討つ。」
決して、撃ちたいわけではない。しかし、今は時間がないのだ。捕まるわけには、負けるわけにはいかない。
『ライフルモード』
『サイズフォーム』
左右のフリーダムによる射撃。撃ち出された青い光弾をバルディッシュを巧みに操り、魔力刃で切り裂いていく。
そしてカートリッジを一発消費し
『ハーケンフォーム』
「ハーケンセイバー!!はっ!!」
突攻をかけながらのハーケンセイバー。光の刃がキラを襲う。
左右のフリーダムを連結させ、カートリッジを前後一発ずつ消費する。
「これで!!」
撃ち出された魔力の奔流がハーケンセイバーを直撃。両者はぶつかり合い、爆散。
『ブリッツラッシュ』
不意に響いたバルディッシュの声。
太陽を背にし、空中からの縦一閃の攻撃。キラは後ろに跳躍し、そのまま飛翔する。
『ハイマットモード』
フリーダムから合計四発のカートリッジが排出された。翼が四枚になり、両銃を構え…
「同じ手は通用しないよ!」フェイトがそう言った瞬間、キラの体が設置系のバインドに拘束される。
「なっ!?こ、これは!」
「フォトンランサー、ファランクスシフト!」
フェイトが魔法陣を展開し、巨大な魔力の塊がいくつもフェイトの周囲を取り巻く。
「前回のお…」
『ドラグーン』
フリーダムのカートリッジ左右一発ずつ消費され、薬筒が弾け跳ぶ。
背中の魔力で出来た翼、系八枚が一斉に射出された。「当たれぇぇ!!」
不規則な動きをしながら、フェイトヘと向かっていくそれらは尖端にリングを発生させ、8つの翼から連続で幾つもの魔力の奔流が撃ち出される。
まるでなのはのディバインシューターを思わせる様な魔法。しかし、それとは全然異なる魔法。
フェイトは放とうとしていた魔法を解除し、ドラグーンの攻撃から逃れることに専念する。
(何?この魔法。何でバインドが…!?)
『サーベルモード』
今度はキラが上空から攻撃を仕掛けようとしていた。ドラグーンが使用者の元へと戻っていく。
『プラズマランサー』
「ファイア!!」
計8つのプラズマランサーがキラヘと向かってとんで行く。
一方、キラは翼を一旦たたみ、くるくる回転しつつ降下し、プラズマランサーの間を縫って回避する。一度通りすぎたプラズマランサーが方向転換し再び発射される前に、翼を展開、
『クスィフィアス』
二つの蒼い光弾が紫電を伴いながら発生し、超高速で発射された。
終わり?
それとも規制か?
すみません。
続きます!
乙ッス。
ここまで来たということは、神隠しはそろそろ後半になるのか、最後まで頑張れ!個人的に最終話が気になる。
>>435 あぁ、まだ話を投稿するのかと昨日からずっと待ってたけど違ってたわけね
とりあえずGJ
他の所のSS(アムロとかカミーユとかウッソとか)だと、そのキャラが来る事によって
戦力バランスが崩れてしまってるけど、それでも大筋のストーリーは変わらない点に
多少違和感が無いでも無かった。
神隠しは両陣営にキラとシンを配する事でバランス取れてるからいいね。
なあ、ちょっと前の書き込み見て電波受信して、書き始めてみたのはいいものの、元々なのはも種死もそんながっつり見てたわけじゃないから良く判らなくなってしまった一発ネタの生ゴミがあるんだが、投下してもいいかな?
>439
俺はいいと思うよ。
一発ネタの短編なら良いと思う
でも設定適当で長編は勘弁な
7話を早く出したい…6話行きます。
魔砲戦士リリカルSEED Cross Magic
第6話
「明かされる野望」
H.17.海鳴市海上…突如現れた傀儡兵
そして死んだはずの男アル・ダ・フラガ…
「一緒に来てもらおうか、フェイト・テスタロッサちゃん。」
その言葉を耳にするとフェイトの表情がキッと変わる
「誰が…お前なんかにっ!」
//ドラグーンシールド//
バルディッシュを構えてフラガ目掛け突進する。
しかし突然あらわれた壁のような防御に阻まれる。
「おいおい…俺があの女に技術を教えてなかったら今ごろ君はここにいないんだぜ?」
「くっ…。」
正論を叩きつけられ反論できなくなる。
「……バルデッシュ、ソニックフォームとハーケンを。」
//イェスシアー//
カートリッジを消費してバルディッシュが鎌の形に変化しフェイトのバリアジャケットも変化する。
「ちょっ…フェイトちゃんやる気なん?」
はやてがフェイトの身を案じて問う。
「行こうはやてちゃん、これは多分フェイトちゃんの戦いだよ…。」
「ありがとう、なのは…キラさん達の援護に行ってあげて。ハァッ!」
「うひょーっ!速いなぁ。さぁ、どう来る?!」
//プラズマランサー//
//ミラーリフレクション//
数基の楔形の魔力弾がフラガの方向へ飛び出し今度はバリアを突き破るが今度は体の寸前ではじき返され
隙をうかがっていたフェイトの方へと突撃してくる。
「コントロールが効かない?!なんで…うっ!」
自分の魔法への絶対的な信頼が仇になり回避行動が遅れ脇腹をランサーが掠める。
ソニックフォームの為に一発でもまともに食らったら致命傷を負っていただろう。
「お嬢ちゃん、無茶はいけないぜ、俺についてきてくれればいいから。」
「お前のせいで母さんは…今度はいったいなにをするつもりだ…?!」
「自分の思いのままに世界を動かしたいっていうの?ほら、俺1度死んでるし。」
「ならなんで私を…?」
「俺のクローン技術の入ったクローンを集めて最強の部隊でも作ろうかと思ってね。」
「じゃぁ他にも…。」
「そーいうこと。そいつらを使って手に入れたいものがあってね。」
「そんなこと…絶対にさせない!…え?」
動こうとしても体が動かない、会話のなかで不可視のバインドをされていたのだ。
「悪いが捕獲させてもらう!」
//ストームイーグル//
デバイスが魔法名をコールしフラガの両腰から魔力砲撃が放たれる。
(これじゃガードもできない…皆…)
終わりかと思った次の瞬間にはフェイトはストライクフリーダムのコクピットの中に転送されている。
キラがフェイトをぎりぎりのところで救ったのだった。
「大丈夫?」
「キラさん…?ありがと…。」
「こっちはだいぶ片付いたけどあの人は今の僕等じゃ無理そうだからって…リンディさんから帰還命令。」
「任務失敗…?」
「命のほうが大事だよ。」
「うん。」
フリーダムは再び戦闘に入る。
フラガは目標を失い待機状態にあった。
「逃がしたかな?それにしてもあの機械…MSか?C.Eのものがなぜここに…?」
するとフラガは傀儡兵を消滅させて転移魔法で空域を離脱する。
第1戦はなんとか切り抜けた様だった。
「アル・ダ・フラガ?!たしかムウさんの父親の名前じゃ?!」
管理局にもどったキラ達はフェイトが語ったその名に驚いていた。
「やっぱり、C.Eの人って言うのは本当だったんだね…。」
「それでフラガはなんといってたんだ?」
レイがにらむような目つきで問う。
「世界を意のままに動かしたい、その為に自分の作ったクローン技術の入った人間を集めてるって…それで私も…。」
するとシンが机を思いっきり叩く
「なんだよそれ…!命をいったいなんだと思ってんだ!」
「落ち着けシン、いったい何を考えているんだ…。」
「世界を操るってどういう意味なんだろう…?」
「ロゴス…、じゃなきゃそれよりも…もっとなにかこう邪悪な…。」
シンが議長の言っていた死の商人の名を上げる。
「クローン…それに彼の魔法…ロストロギアを使っていてもおかしくは無いな…。」
クロノが気難しげな顔をして言う。
「ロストロギアってなんだ?」
「失われた古代の遺産…触れてはならない禁忌の魔の器のことや。」
「兎に角、緊急対策本部の設置は早急にしたほうがよさそうね。」
「僕達にも手伝わせてください、フラガは…もともとこっちの人間ですし…。」
「そうね。お願いするわ。とりあえず今日はここで解散よ。」
「はい。」
全員が部屋を出ると4人は整備の為MSの元へ向かう、
しかしアスランがあることに気づきキラを小突く。
キラが振りかえると自分の後ろをひょこひょこくっついて歩くフェイトの姿があった。
「どうしたの?フェイトちゃん?」
「え?あれ?なんで私こんなところにいるんだろ?」
「こんなところきても面白くは無いと思うけど…。」
すると奥からなのはとはやてがやってくる。
「あーいた!フェイトちゃんどこ行ってたの?」
「うう…気がついたらここにいたんだ…。」
「フェイトちゃんキラ君の後つけてったんとちゃうか?」
「チチチ違うよ!ちょっとボーッとしちゃっててそれで…。」
「あかん、重症や…。」
「くすくす…フェイトちゃんってば可愛い。」
「うー…。なのはまでぇ…。」
その光景を目にキラとアスランも笑っている。
「仲良いよね皆。」
「あぁ、俺達もここで出会っていたら…戦わずに済んだかもしれないな…。」
「そうなのかな…。」
「レイはまた残んの?」
「あぁ、召集がかから無い限りは無限書庫だ。」
「また…攻めてクンのかな…アイツ。」
「目的のためなら手段を選ばないか…。」
「絶対に止めてやる!」
H.17.事件は動き出す。
時空を越えて巻き起こったこの事件と、
偶然が重なって起きた出会い。
少年達の世界を救うための戦いが始まった。
次回予告
傀儡兵を引き連れ再び現れるアル・ダ・フラガ
自分のオリジナルを前にレイは…
魔道師対MS、前代未聞の戦いがはじまる。
次回魔砲戦士リリカルSEED Cross Magic
第7話「因縁の二人」
最後がgdgdに…
フラガの魔法は暁でやってます。
戦闘書くのはあんまり得意じゃないみたいっす。
次回ではなんとレイが…!!
>>440.441
りょーかい
じゃ、遂行終わったら投下しますね
451 :
アルケミスト:2006/12/19(火) 22:03:15 ID:q9QweX6j
そういえば神隠しじゃまだ変体仮面姉妹は登場してないんだよな
しれっと登場してないっけ?
確か、シンが暴走?したときに、クロノを向かわせようとしたら交戦中みたいなこと書いてあったと思うよ。
姉妹は登場してないけど…。
仮面の男としては登場してるが、姉妹としてはまだ登場してないな。
いやー、素晴らしい作品ですね。こんな時間まで読んじゃいましたよ。 んで、自分もこの面白い題材を書いてみようかなー、と思うんですけど、なのははレンタルで見ただけなんですよね。
設定資料みたいなのが欲しいんですけど、設定資料集みたいなものはもう売ってないんですかね?アマゾンだと8000ぐらいするんですけど。
>>456 基本的な設定なら公式HPに大抵のことは載ってる(デバイスのこととか)
>458
ありがとう。一番見なきゃいけない場所を見てねー俺はアホウ。行ってきます。
リーゼ姉妹はエロキャラ扱いされてるらしいしシンの特殊技能炸裂しそうで今から楽しみだ
仮面の中身は原作通り猫姉妹と見せかけて、実はマジモンの盟主王だったとかやっても悪くないな
461 :
449:2006/12/20(水) 15:25:22 ID:???
流れを読まず生ゴミを投下いたしやす
種死なのは短発最低SS
「やるなぁ、坊主。
……たいした魔力と防御力だよ」
大剣を構えた髭面の男は、シン・アスカに向かってうっそりと笑った。
だが、男の浮かべた笑みがシンへ向ける一片の感心をも湛えていないのは、その目を見れば明らか。
男は、明らかなる嘲笑を込めて、こう言葉を続けた。
「だが、いけねぇなぁ。
そんな白兵に向かねぇデバイス使ってる癖に、砲撃がまるでなっちゃいねぇ。
幾ら魔力が高くったって、それじゃ宝の持ち腐れだぜ」
そう言い放った男の、視線の先には、シンの背に浮かぶ一対の翼状デバイス――Wing of the Destiny――。
確かに、戦闘特化の魔法使い達が好んで用いる杖、剣等の形をした取り回しの良いデバイスと比べて、シンのディスティニーは決して扱いやすいとは言えないデバイスだ。
かつてのシンであれば、頭に血を上らせて我武者羅に突っ込んでいたに違いない言葉。
「そう思うかい、おっさん」
だが、CEにおける最後の戦いから――そう、彼の体に寄生しているという正体不明のロストロギアに故郷と引き離されてから――一年、今のシンは冷静にそう言うと、双の拳を構えていた。
そう、シン・アスカの特性は、遠距離戦には向かない。
師匠とであった世界で彼が手にした武具と、時空管理局に所属して知った魔力の適正は、何よりも客観的にそれを指し示していた。
逆に彼の背中のディスティニーは、白兵戦には向かない。
彼の中のロスト・ロギアの影響を受けているらしいとは言え、元は支援用のデバイスなのだから、それは当たり前だった。
今のシンの心は、当たり前の事実を挑発的に指摘された程度で揺れはしない。
故郷から完全に切り離されてしまった事がシンをそうさせたのか、あるいは、初めて飛ばされた世界で出会った生涯の師の教えの影響か?
かつての、凶戦士めいたシンを知るものならば瞠目するだろう落ち着きを持って、格闘の構えを取っていた。
そう、シンの手に武器は無くとも、彼は師より受け継いだ十三の武器を持っている。
そして、そんな彼にとって、ディスティニーが最良のデバイスである事に、目の前の男は気付いていなかった。
462 :
449:2006/12/20(水) 15:27:44 ID:???
「おいおい、そのデバイスでどうやって近接戦やるつもりだい?」
だからシンは、呆れたように剣を構えなおす男を無視して、周囲の仲間達の様子を探る。
シンの仲間――と言うには、余りに幼すぎて、彼に多少の気恥ずかしさと大きな無力感とを感じさせる少女――達である高町なのはとフェイト・テスタロッサは、それぞれの敵に相当苦戦しているようだった。
フェイト・テスタロッサは、剣型のデバイスを用いる連携に長けた二人組の魔法使いを攻めあぐねており、
高町なのはは、砲撃特化らしい杖型のデバイスを持った多数の魔法使い達の飽和攻撃を受けて、行動がままならない。
魔法使いとしては規格外の能力を持つ二人だが、肉体的にはまだ幼い少女。
体力的にも、運動能力的にも、しかるべき訓練を受けた大人の魔法使いに敵う筈も無い。
それと数の力を生かした集団戦術で、魔力で大きく優越する少女達を磨り潰そうという敵の作戦は、今の所成功しているようだった。
恐らくは、二人の能力に対する調査と分析とを重ねた上で、幾度と無い演習を行った結果がこの作戦なのだろう。
「砲撃戦に長けたなのはを飽和攻撃で、高機動戦に長けたフェイトを連携と手数で……情報の少ない俺は、一番場数を踏んでいるあんたが抑える、か」
個人戦技に走りがちなZAFTをナチュラルが数と戦術で圧倒する事例は、シンが学んだ士官学校の授業でもしばしば取り上げられていたが、
強力な魔法使いである二人を巧妙に切り離し、封じた彼らの手口は、そのお手本として教本に載せても恥ずかしくない程の鮮やかさを持っていた。
「そう言うことだ。
悪いが坊主には、あっちの嬢ちゃん達がへたばるまでは俺に付き合ってもらうぜ」
シンが戻した視線の先で、男は僅かな感心の籠った笑いを見せる。
無理に攻める気は無い男が、隙無く周囲を伺う姿に、シンは奥歯を噛み締めた。
これだけ周到に彼らを誘い込んだ敵が、まだ何人かの味方がいるアースラに、何かのアクションを起こしていないとは考えにくい。
つまり、短期的には味方の増援は期待できず、現状を好転させたければ、シンがこの場を何とかするしかなかった。
……もっとも、目の前の男がシンの能力を見誤っている現状、それはそう難しい話ではない。
463 :
449:2006/12/20(水) 15:28:34 ID:???
「ディスティニー!」
『Lighet Wing get set』
シンの叫びと共に、ディスティニーから光が噴出し、翼の様に姿を整えた。
同時、シンの前面……手刀構え、前に延ばされた右手を基点に、円錐形の強力な防壁が形成される。
確かに、ディスティニーは、白兵には向かない。
そしてシンは、射撃や補助には向いていない。
だが、シンとディスティニーの組み合わせが、格闘戦に向いていないかといえば、そうではなかった。
どんな魔法使いよりも速く空を駆ける光の翼。
四肢の先端を基点に展開し、着用者を防護すると同時に、空力を利用したアクロバティックな動きを可能にする可変式魔法障壁。
どんなナチュラルよりも耐G能力に優れた、コーディネーターのシン・アスカ。
師より受け継いだ十三のアーツ。
この四つの組み合わせは、高速格闘戦にこそその最大の威力を発揮する。
「ヘッ、カミカゼかい?
ジャッ……」
なにかを言いかけた男を無視して、シンはその心をクリアに……情報量を増していく世界に微かに顔をしかめると、右手刀を振り上げながら光の翼を一打ちした。
そして、地面スレスレを恐ろしい勢いで跳びながら、更に地を蹴って加速加速加速。
一瞬にも満たない刹那で彼我の距離を0にし、シンは障壁を収束した手刀を振り下ろす。
「両断!ブラボチョップ!!」
十三のブラボー技(アーツ)の一つ、両断!ブラボーチョップ!!
師であるキャプテンブラボーの様な――海を割るほどの――威力は持たないシンの一撃だったが、それでも男がとっさに構え受けた剣型のデバイスを断ち切り、更にはその持ち主を大地に叩き付ける程度の芸当は平気でやってのける超常の秘技。
「グハァ!」
その上、非殺傷設定も攻撃を目的とする術以外には効果が薄く、この攻撃の威力の大半は、純粋に物理的なものだ。
内蔵を傷めたらしく血を吐いている男に背を向けて、シンは光の翼でフェイトの元へと飛ぶ。
464 :
449:2006/12/20(水) 15:30:29 ID:???
地面スレスレを飛びながら、地を蹴って更に加速加速加速加速。
シンは、コーディネータと言えども用意には対応できない速度で地面スレスレを飛びながら、神業ともいえる知覚力と運動能力で地を蹴って、更なる加速を重ねた。
そうしながらも、空中で白兵戦を続ける三人の戦闘の軌跡からその行く先を予測して回り込み、地を蹴って急速上昇。
光の翼を一打ち、二打ち、重力に逆らって加速加速加速。
敵二人とフェイトを挟み込むようにして、音速超過で突進。
障壁の内で姿勢を変え、跳び蹴りの様な姿勢を作ると、蹴り足を起点に、障壁を細く細く絞り込む。
「流星・ブラボー脚!!」
そして、魔力で強化された音速超過の衝撃を曳き、シンは二人の敵の背後をすり抜けた。
空中で姿勢転換、障壁構造の変化。
シンは空に背を向け、大きく四肢を広げる様にしながら、身に降りかかる巨大なGに歯を食いしばって耐える。
眼下には、突如襲い掛かる衝撃波に、デバイス自動発動の防御魔法で耐える三人……だが、背後からの攻撃、崩れた連携と、不利な要素がより多い上に、基礎魔力もまた低い敵手二人の方が、建て直しにかかる時間は長い。
「バルディッシュ!」
『Harken Form』
その隙を突く様に、フェイトが叫び、その大斧は光刃を展開する大鎌へとシフト。
大きく薙ぎ払おうとするフェイトに、なんとか回避行動を間に合わせた二人へと、シンは数発の魔力弾を打ち出した。
威力は低い、コントロールは甘いと御世辞にも褒められないシンの、更には不安定な姿勢ではなった速射砲撃だったが、それでも二人を牽制するには充分。
「「…!?」」
頭上注意の警告に、二人の動きが僅かに迷った。
対し、先の衝撃の源がシンであることを知るフェイトは、敵手二人を迷いごと薙ぎ払うように前進……二人は鎌に薙ぎ払われ、更には追い討ちとなった魔力弾を受けて、降下。
それは恐らく、デバイスの自動機能によるものなのだろう。
戦闘中とはとても思えぬ、ゆっくりとした動きで地に下りると、二人は動きを止めた。
465 :
449:2006/12/20(水) 15:31:54 ID:???
「大丈夫か、フェイト」
子供は大人と比べて体力があるとよく言われるが、それは、単に体重が軽く代謝量が高いだけの話で、内在するエネルギーの総量は大人と比べるべくも無い。
戦闘に長けた大人二人の狡猾な連携は、思った以上に、フェイトの体力を磨り減らしていたようだった。
「助けに、行かないと……」
荒い息で、なのはの支援に向かおうとするフェイトを、シンは肩を掴んで制する。
「いや、なのはの支援には俺が行く。
フェイトは、下の二人と、向こうに倒れているリーダーらしき敵の確保を頼む」
そう言ったシンの目を、フェイトは僅かに苛立ちを含んだ目で見返した。
フェイトにとって、最初の、そして最高の友人であるなのはを、魔法使いとしての等級では自分に劣る、まだ良く知らない男に任せるというのは、余り嬉しくない事なのだろう。
それに……、フェイトと比べればまだ余力を残しているシンではあったが、こういってはなんだが、疲労した彼女を戦わせたくない理由の半分は、彼のわがままだった。
死んだ妹に近い年頃の少女を、戦いなどに行かせたくは無い。
本当なら、元気な時でさえ二人を戦わせたくは無い。
そして、とても長い付き合いとは言えないフェイトだったが、彼女は共に戦った幾つかの戦闘における彼の行動から、シンのそういった過保護に気付いているようだった。
だからなのだろう、消耗した今のフェイトを、なのはを押さえ込めるだけの数の暴力にぶつけるのは無謀……そんな彼の判断は正しいはずなのに、
シンの方は少なくない引け目を抱き、対するフェイトの方はそんなシンに不審を感じる。
だが、今のシンには、フェイトを悠長に説得している程の時間は無く、また、共に向かうにはフェイトは消耗しすぎていた。
アドレナリンが分泌されている今この瞬間はいいだろうが、何らかの理由で緊張が途切れたらと思うと、シンは気が気ではない。
かと言って、人付き合いが苦手で口下手なシンに、フェイトを丸め込めるわけも無く……ループに陥りそうな現状を振り払い、シンは覚悟を決めた。
こうなったら、困った時のブラボー頼み。
後々面倒な事になりそうな気はしたが、きっと緊急避難的な行為として認めてもらえるだろうと、シンは、無理矢理自分に言い聞かせる。
466 :
449:2006/12/20(水) 15:33:49 ID:???
「フェイト!」
「!?」
真顔でその目を見返すシンに、フェイトは微かに息を呑んだ。
邪眼。
伝承の中の魔法にはそういった技も存在するが、まさにその邪眼めいたシンの赤い瞳が、フェイトのそれを刺し貫く。
そんなフェイトの目前で、シンは自分の口元に己が手を当てると……。
「悩 殺! ブラボキッス はーと」
キュピィン はーと
その瞬間、フェイトの背筋から股間までを、言い知れぬ戦慄が走った。
フェイトの胸が勝手に高鳴り、頬が上気する。
目の前のシンの顔を、フェイトはまともに見れず、なんだ、まさか本当に邪眼なのか……と、混乱していた彼女の膝が、かくんと崩れた。
そう、フェイトは今まで、白兵技術と経験において彼女を上回るそれも連携慣れした大人の敵と、延々渡りあっていたのである。
フェイトに自覚は無くとも、彼女の体は疲労の極みにあった。
それが、シンのブラボーアーツで開いた意識の空隙に、一気に襲い掛かってきたのである。
「フェイト、大丈夫か?」
そして、混乱の余りに姿勢を崩したフェイトの体を、直ぐに細く引き締まった逞しい腕が包んだ。
彼女の目の前には、心配そうなシンの顔。
見た目によらず逞しいその胸板と、激しい戦闘でかいたのだろう、彼の汗の香りとに包まれて、フェイトの心臓は更に激しく高鳴る。
次いで、自分もそれ以上に汗をかいているのだろうと気付き、フェイトの感じていた恥ずかしさが百倍以上にも跳ね上がった。
シンは、フェイトを抱きとめたまま下降……顔を極限まで赤く、目をぐるぐるにして思考停止する彼女を、酷く優しく地上に降ろす。
「だから言っただろ?
なのはは俺が絶対に助けるから、フェイトはここで待ってるんだ!」
まるで、妹にでも言うように優しく告げるシンに、フェイトは微かな不満を感じながらもこくこくと無心に頷いたのだった。
467 :
449:2006/12/20(水) 15:37:20 ID:???
これで終わりです。
ちょっと前の最低SS談義を読んでいたら、連想で何故かシンがなのは達にブラボキッスを使う様が頭に浮かび、
頭の中のその絵面が余りに面白すぎたんで書いてみたんですが、文章にすると酷くアレですね。
状況設定なんかは、ごまかしがほとんど全て(誤魔化せてないけど)なんで、突っ込まないでいただけると幸いです
バロスwwwww
是非とも続きをお願いしたいw
笑えたwww
GJ
面白い・・・んだが、どうにもやり切れない何かが!
このスレで触発されて、俺もSS書いてみようかと思った。
まだ無いみたいだから、CE.73inなのはで。
……クロス設定よりも、種死本編の矛盾処理の方が大変だorz
正直、もう種ぽ(´・ω・`)
このスレで触発されて、俺もSS書いてみようかと思った。
まだ無いみたいだから、CE.73inなのはで。
……クロス設定よりも、種死本編の矛盾処理の方が大変だorz
正直、もう種ぽ(´・ω・`)
このスレで触発されて、俺もSS書いてみようかと思った。
まだ無いみたいだから、CE.73inなのはで。
……クロス設定よりも、種死本編の矛盾処理の方が大変だorz
正直、もう種ぽ(´・ω・`)
このスレで触発されて、俺もSS書いてみようかと思った。
まだ無いみたいだから、CE.73inなのはで。
……クロス設定よりも、種死本編の矛盾処理の方が大変だorz
正直、もう種ぽ(´・ω・`)
このスレで触発されて、俺もSS書いてみようかと思った。
まだ無いみたいだから、CE.73inなのはで。
……クロス設定よりも、種死本編の矛盾処理の方が大変だorz
正直、もう種ぽ(´・ω・`)
476 :
通常の名無しさんの3倍:2006/12/20(水) 21:58:50 ID:XA0iHcw6
477 :
通常の名無しさんの3倍:2006/12/20(水) 22:00:13 ID:XA0iHcw6
478 :
通常の名無しさんの3倍:2006/12/20(水) 22:01:58 ID:XA0iHcw6
餅突け
マジですいません
一時期繋がりにくくなったもんな
本気なのか冗談なのは分からん
でもなのはだけでも恐ろしいのにとらは3チームになるとさらに凶悪になるんだよなあw
海鳴、なんて恐ろしい町!!
ワロタ
海鳴町は杜王町に匹敵するくらい恐ろしい町だと思うぜ
三咲町なんてメじゃないぜ
まあ、大和丘ほどじゃないがな。
前回>433
「早いッ!!」
フェイトは後ろに跳躍し、クスィフィアスを避ける。地に着弾し、爆破、砂塵を巻き上げた。
このまま距離をとられるのはまずいと判断し、バルディッシュを構え、キラへと向かっていく。
プラズマランサーからの追撃を受けているキラはフェイトをそのまま迎撃すべく、加速して行く。
バチバチ!
バルディッシュによる縦一閃を二刀のサーベルで受け、互いに力で押し合った。金色と蒼色の魔力が反応を起こす。キラの背後からはプラズマランサーが追尾してきている。
もちろん、気が付いてないわけではない。
競り合い中にも関わらずキラは腕の力を抜いた。フェイトはその隙を逃さない。力を込めて弾き飛ばした。上半身がのけぞるようになってしまったキラはそのまま宙返りをする。
キラの体で隠れていたプラズマランサーがフェイトの視界に入った。、ターゲットの突然の回避行動に対応できず、術者であるフェイトへと突っ込んでいく。
「ターン!!」
すんでのところで、プラズマランサーを制止、再び制御し、キラへと放つ。
しかし、プラズマランサーのターン動作中に、通常射撃とクスィフィアスによって四発が破壊された。
キラのカートリッジが尽きる。
「ぐっ、弾がっ!?」
フリーダムに装填できるカートリッジは左右合計二十発。最大二十二発で恐ろしく燃費が悪い。今回は自分で作ってきたマガジンを後一組持ってきている。
総弾数残り二十発。
プラズマランサーが目前まで迫ってきている。
キラはサーベルを駆使して四発を払い除けるが、それらは反転し、再びキラを襲う。
「もらった!!」
「くっ!」
通常射撃魔法で残りの四発を撃ち落としている間に、フェイトに接近されていた。既にバルディッシュを構え、後は一閃するだけだ。刹那の間にキラは判断し、右のフリーダムを左のフリーダムに連結させて右手を空け、ラウンドシールドを展開した。
バルディッシュの刃が突き刺さる。だが、キラは防御力が高いわけではない。
バルディッシュとフェイトの集中力と精神力によって研ぎ澄まされた刃がシールドをメキメキ音を立てて、貫通し始める。
まだ、マガジンを装填していないフリーダムを左手に焦り始めるキラ。
(くそっ!!まずい。)
額に汗が滲んでくる。
それを感じながらキラは何とか回避する手段を考えようと、必死にシールドに魔力を集中しつつ、思考にも集中する。
「この!」
フェイトもここで相手に一撃を入れ、状況を自分に有利にしたかった。
「バルディッシュ!!」
カートリッジが一発消費され、リボルバーが回転する。
『ハーケンフォーム』
途端にバルディッシュの魔力刃に魔力が集中し、シールドに食い込んだ刃が、まがまがしく形を変化させ、無理矢理にシールドに亀裂を作っていく。
「くっそぉぉおお!」
『シールドバースト』
キラが駄目かと諦めかけたとき、フリーダムが自動でシールドを爆散させ、フェイトを数メートル吹き飛ばした。
その間にフリーダムにマガジンを装填する。
『Please, call me cartridge load.』
「フリーダム、カートリッジロード。」
ガシャンと音がし、フリーダムにカートリッジが正常にロードされる。
『プラズマスマッシャー』カートリッジを二発消費し、フェイトが砲撃魔法の体制に入った。リングを三つ展開。最大射程を犠牲に、威力と発射速度を高める。『カリドゥス』
一方キラも左のフリーダムから一発だけカートリッジを消費し、リングを三つ展開する。
「プラズマ…スマッシャー!!」
「これでぇ!!」
放たれるは同時。
雷を伴った金色の魔力と紫電を伴った蒼色の魔力がぶつかり、爆ぜ、反応し、砂塵を巻き上げる。
「はぁぁ!!」
「このぉ!!」
砂塵を掻き分け、キラとフェイトが交差した。
ハラオウン家のマンションに再び警報がなり響き、今度はなのはが出動する。
「エイミィさん、俺をフェイトのところに転送してください。」
モニターをしっかりと監視しながらキーを叩いているエイミィにシンが言った。「どうして?フェイトちゃんならちゃんとやってくれるよ。」
違う、フェイトが勝つ、負けるを言っているわけではない。
「二人の方が、捕まえるのは早いじゃないですか。」
「まぁねぇ…、だけど、フェイトちゃんと連携取るのは難しいと思うよ?
スピードも早いし…。」
「……くっ。」
両方の拳を握り、下唇を噛む。
フリーダムを撃つのは俺なんだ。俺でなきゃいけないんだ。
あいつは…、あいつだけは…!!俺が…!!!
灼熱の光がフェイトとキラの体力を削りとっていく。(この人、急所を狙って来ない。)
フェイトはキラと一旦距離をとり、そんなことを考えていた。
(なんでだろう?スピードではあの人が上だから、当てるチャンスは何度もあったはず…。なのに…)
と自分のダメージを確認する。バリアジャケットの胴の部分が少しだけ破れている。
後は足と腕にちょっとした切り傷がある程度。
(砲撃も殆んどが魔力ダメージ中心。私に勝つと言うよりは、負けないために戦ってるみたいだ。
けど…、勝つつもりで挑んでるこっちの攻撃がなかなか当てられない。
あの魔力で出来た翼が四枚になってから、スピードが増した上に、高速戦での体の安定性が高くなってる。)
フゥッと息を吐き、深く息を吸い込むフェイト。
生暖かい、空気が肺を満たした。
(やるしかないかな…ソニックフォーム。)
(反応速度が思っていた以上に早い…。)
フェイトを視界に捕えながら、キラも思考していた。(スピードは僕の方が上だ。だけど、うまいところで射撃魔法を混ぜて、補ってる。
それに…、魔力ダメージを警戒してか、ヒットアンドウェイを基本に戦ってるみたいだ。戦闘技術では彼女の方が上だ。油断すれば僕がやられる。)
ゴクリっと唾を飲み込み、相手を、つまりはフェイトを見据える。
(少しずつダメージを与えたんじゃ意味がない。
当てられるか?ハイマットフルバースト。)
熱波が吹き、キラの、フェイトの髪がなびく。
二人の頬を汗が伝い、そして砂地に落ちる。
それを合図に同時に踏み込んだ。
(初撃をかわして、ソニックフォーム。これで行く!)
(初撃で怯ませて、ドラグーンで牽制、それからフルバースト、これで行く!)キィィィン
何かの音が耳に入る。
その音は魔法陣を展開する音。キラの注意がそれ、フェイトはその隙を逃さない。
チャンスとばかりに、バルディッシュで横薙一閃を見舞おうと構えるが、それが振り切られることはなく、フェイトは自分の体の異常に、キラはフェイトの体の異常に目を奪われていた。
「手荒な真似はしたくない…、エイミィさん。」
シンは果物ナイフをエイミィにつきつけた。
「し、…シン君!?何の…真似?」
「あいつは、あの男は俺が倒すんだ。だから…、早く…俺を…。」
慌てたエイミィはシンに言われた通り転送設定をした。
だが、このとき、シンもエイミィもモニターを見ていなかったため、フェイトに起きた異常を知ることができなかった。
「あぁぁぁ…。」
悲鳴をあげるフェイト。
「あなたは…!?」
キラは驚愕する。仮面を着けた男が突然フェイトの背後に現れ、そして男の腕がフェイトの胸の辺りから突きでて、いや生えていたのだ。
「奪え…。」
男の低い声音が響く。
そして手にはフェイトのリンカーコアが輝いていた。「こ…こんな…。」
こんな形で手に入れることが許されるのか?
キラは戸惑う。
「奪え…。」
男から再度、言葉が発せられる。キラは迷った。
(どうする?いいのか?こんな…、こんな形で…。
だけど…。)
(近いうちに発作が起きると思います…。)
再び蘇る担当医の言葉。
(そうだ。今は…はやてちゃんを助けることだけを考えるんだ。)
「(ヴィータちゃん、闇の書を…)」
念話を使い、闇の書を転送してもらう。
「ごめんね。テスタロッサちゃん…蒐集開始…。」
闇の書が開き、フェイトの魔力を蒐集する。
蒐集が完了するのを確認すると仮面の男は転移し消えたさった。
砂地に倒れたフェイトを抱きかかえ、立ち尽くすキラ。罪悪感がつのる。
フェイトの頬に着いた砂を拭う。
「ごめん…ごめんね…。」
「フェイトォォォオオオ!!」アルフが声を張り上げやってきた。
「あんた!フェイトに何をした?」
「早く…治療してあげてください。」
「えっ?」
アルフは戸惑ってしまう。(何故?コイツがフェイトのリンカーコアを抜いたんじゃないの?)
取り合えず、主の危機には違いあるまい。どうやら、相手には今、争うつもりはないらしい。
ならば無理に争う必要はない。
キラとアルフがしばらくの間対峙していると、転送ゲートが開き、シンが現れた。
デバイスを起動させ、バリアジャケットを装着。アルフを見、そしてキラを見てから、その腕の中でぐったりしているフェイトに視線が止まった。
「はっ…ははは、また…かよ。」
シンの顔が憎悪に歪むのをアルフもキラもはっきりと確認できた。
「テスタロッサちゃんにごめんねって言っといてください。それから、早く治療を…。」
キラはなかば強引にアルフの腕の中にフェイトを押し付け、すぐさま飛翔を開始した。
「逃がすかよ!!」
『ケルベロスゲットセット』
シンの頭の中で何かが弾けた。
「アルフはフェイトを連れていけ!!
フリーダムは…俺が討つ!!」
シンは迷いなくケルベロスをキラに向け発射した。
「あんたって人はぁぁ!!」
「クッ!!やめろ!討ちたくないんだ!!」
回避行動をとりつつ、さらにシンから距離をとる。
『デスティニーフォーム』カートリッジが三発消費され、シンの背中に鮮血のように赤い翼が形成される。そして、飛翔した。
羽が開き、その羽の間から光が噴射される。
これがシンのデバイス、デスティニーの第3形態。
噴射される光は魔力で、これがスピードを爆発的にあげる。
瞬間的な加速力ならばフェイトを、ハイマットモード時のキラを遥かに凌駕する。
「殺してやる!今度こそ!!」「早いッ!?」
距離をとっていたはずがいつのまにか追い付かれている。ただ、最初のような加速力はない。
恐らく、瞬間的にスピードをあげるのだろう。キラは瞬時にそう判断する。
アロンダイトを大きく振りかぶり、キラ目がけて一閃。
『サーベルモード』
フリーダムで受けるが、あっさりと双剣を弾き飛ばされる。
「く、くっそぉぉおお!」
大きく後退しながらもシンに通常射撃魔法を連射する。しかし、当たらない。
デバイスがシン以外をロックしていて狙いが定まらないのだ。
ロックしているのはシンが動いたあとに微かに残る残像。
「こ、これは…。」
キラはデバイスのオートロックを解除する。
「家族がオノゴロで死んだとき…あんたがいた!!!」
『フラッシュエッジホーミングシフト』
キラはシンとフラッシュエッジから回避しつつ、射撃魔法をフラッシュエッジに当てる。しかし、その隙にすぐ目前にまでシンが迫って来ていた。
『シールド!!』
フリーダムによる自動防御『パルマ・フィオキーナ』「しまった…!」
「ハイネが死んだときも、ステラが死んだときも!
あんたがいたぁぁ!!」
シールドが破壊され、さらに後退させられるキラ。
「なのに…今更討ちたくないだって?」
カートリッジが一発、デスティニーから弾け跳ぶ。
「ふざけるなぁぁああ!!」
展開された翼の羽と羽の間から激しく光が噴射される。アロンダイトを対象に突き刺さるように構え、
『ハイスピード・スラスト』
一直線に怒れる猛獣のごとく突っ込んでいく。
「うおぉぉぉおおお!!!」
キラはまだ体勢を立て直していない。
「くっ…このままじゃ…。」(近いうちに発作が起きると思います。覚悟しておいてください。)
何度目か思い出される担当医の声。
(はやてちゃんの足が悪くなったのは私たちのせいなんです…だから……。)
(思っていたよりも浸蝕がはやいな…。)
(はやて……。)
「こんなところでやられてたまるかぁぁああ!!」
キラの頭の中で何かが弾けた。初めてではないこの感覚。疲労していた体がグンッと軽くなる。
目前にまでシンが迫ってきている。
超高速の突きが繰り出された。キラは体勢を立て直さず、そのまま体勢をわざと崩し、突きを避け、アロンダイトと平行に飛行する。シンがキラを見下ろし、キラがシンを見上げる形となった。
勢いが着いたシンは止まらず、突きを繰り出したそのままの体勢でキラと一緒に飛行する。
左右のフリーダムから薬筒が弾け跳び、
『クスィフィアス』
二発の魔力弾がほぼゼロ距離でシンに直撃した。
「うわぁぁ!!」
「君に守ってあげたい人がいるように、僕にだって守ってあげたい人がいるんだ。」
体勢を立て直し、キラが言放つ。シンはデスティニーの自動障壁のおかげでで十メートル程後退させらるだけで済んだ。
「何を!じゃあ、あんたは自分が守りたいものの為なら、何を犠牲にしてもいいってのかよ!!」
シンは再び羽を展開し飛び出した。瞬時に最高速度へと達する。
「それは君もだろ!!」
シンから距離を取りつつ射撃をするキラ。
「家族を殺したから、友人を、大切な人を奪ったから、だから殺す。殺されなくちゃならない。
君はそう言いたいのか!!」
キラの射撃を避け、切り払いしながら、シンは言い返す。
「あぁ、そうだ!!目の前で家族を失い、仲間を殺されて!…守りたかった人も守れずに…、その原因になった奴が目の前にいるのに、あんたは引くのかよ!!」
カリドゥスとケルベロス、蒼い閃光と緋い閃光がぶつかり会う。
「わかるけど…、君の言いたいこともわかるけど!君だけがそんな思いをしているわけじゃない!!!!」
キラとシンの両者が同時に斬撃をくりだす。
「何にも知らないくせにィ!!知ったような口を聞くなぁぁああ!!」
「何にも知らないのは、君だ!!僕だって、アスランだってカガリだって、守れなくて失ったものがあるんだぞ!!君だけが失って悲しい思いをしてるわけじゃない!!それがわからないのか!!」
続く
シンがキラを倒そうとしているのをなのはに邪魔されたとして…、シンはなのはに「邪魔をするな!!」って、いって攻撃しそうですかね?
>>神隠し様
MSのディバイス化っていう設定も凄いと思ったけど、CE時のエピソードを上手く使ってるなぁ。
毎回、楽しまさせてもらってます。
シスコンのシンには、幼い少女には攻撃できない気もする。
ましてや、なのはは仲間サイドだし。
まぁ、威嚇射撃ぐらいはしても、今回のナイフ突き立て程の違和感は無いかな。
あそこは、シンの行動にもエイミィの反応にも違和感が‥‥。
495 :
アルケミスト:2006/12/21(木) 08:08:37 ID:7WFWzG3Q
確かに、今のシンならたとえ仲間が止めに入っても敵とみなして殺しにかかりそうですね。
頭に血が上ってる時ならありそう
GJ、とは言い難いなぁ。
ナイフ突き立ては必要なかったのでは。
仮面男登場→フェイトコア蒐集→シン転送でダメですか?
正直違和感が……
今回、シンのキレ方も凄いが、キラも相当キテるな
こうして見ると、こいつら結構似た者同士な気がする
ああ確かにナイフは大問題すぎるな(ミリアリアじゃないんだからw)
シンの憎しみゆえの暴走や、この後でクロノ達に問いつめられる展開を描くんだったら、またキラを殺そうとするだけで十分だと思うし
GJ。
しかしナイフ事件に違和感が。
またキレていてもシスロリがょぅι゙ょに攻撃するとは思えません。
原作最終戦でルナに攻撃しかけたのは、飛び出してきたからだし。
ところで。
キラの台詞は力ある者の傲慢にしか聞こえない。
シンの台詞は復讐者の自己正当化にしか聞こえない。
ここはなのはさんが全力全壊で吹き飛ばすべきだと思いますww
今のシンとキラ、双方の思考を簡単に言うと、こんな感じか
シン「ブッ殺す!とにかくブチ殺す!!」
キラ「テメーの復讐なんざ知るかボケー!んな事より、はやてタン救う方が大事よー!!」
憎悪で目を曇らせ周囲に当り散らしても、限度があるかと。
キラが言ってる事は正論ではあるけど、奪った奴が言っても、奪われて、
憎しみ抱えてる人には責任逃れしているようにしか聞こえないと思う。
まあ奪われた側からすればそうだわな
視聴者は神の目を持ってるからキラ自身の経験から来る言葉だと知ってるだけで
異色の第10話、投下します。
機動戦士ガンダムし〜どD´s 第10話前編
(はぁ、弱ったなあ・・)
美由希は心の中でため息をつきながら言う。
今日は学校用事で遅れて、今はこのようにナンパされている。
一応助けを呼ぼうにも、周りには人がひとりもいない。
そして、周りには男が8人。よくもこれだけ集まれるなあといろんな意味で感心する。
「そこの嬢ちゃん。」
男の集団のリーダー格っぽい男の人が美由希に向かって話しかけた。
「今からちょっと俺たちに付き合ってくんない?」
男がナンパの定番政府をいいながら近づいてくる。
「こんな時間帯にどこにいこうって言うの?」
あくまで冷静に言う美由希。
(これぐらいなら何とかなると思うけど・・・ちょっと多いかな・・・)
普段兄から小太刀二刀御神流」を習っているが、今は刀を持っていない。(というか普通は持っているほうがおかしい。)
周りは美由希を囲むようにいる。何とか逃げ出せないことはないが、この中の数人がナイフを持っている。物騒なことこの上ない。
もしかしたらこいつらが警官殺害とバラバラ遺体の犯人かもしれない。
(奪えばこっちのもんなんだけど・・・・)
奪って怪我でもさせたらどうしようと思った。
刃物で相手を傷つければ警察沙汰になる。殴って怪我をさせるのとはわけが違う。
「夜だからいけるところもあるじゃん。」
不敵な笑みを浮かべながら男が話しかける。
結局は身体目当てなのだろう。
「ごめんだけど、私これから家に帰るから。」
そういっても男たちは引かない。
「いいじゃん。ちょっと連絡したら言いだけだろ?悪いようにはしないからさ。」
そういい美由希に手をかけようとする男。
「だからイヤだって言ってるでしょ!」
少し苛立った声で男の腕をつかむ。
それで男がイラつく。
「この女、人がおとなしくしてりゃいい気になりやがって、おい!」
男の合図で数人がナイフを取り出す。
「少々傷つけてもかまわねえ。・・ち、今日は厄日だ!学校も退学させられて仲間内でとおばまできて女捕まえようと思ったら・・・覚悟がるんだろうなこのアマ!」
とうとう本性を現した男。
まずったなあと少し後悔する美由希。キレタ人間は何するか分かったものじゃない。
男の中の一人が美由希にさらに近づこうとしたその時だった。
「おい!なにやってるんだ!?あんたら!!」
男たちがああ!?と、いかにも不機嫌そうに声のほうを見る。
美由希声のほうを見ると、一組の男女がいた。
美由希はその男女を知っていた。
女のほうはなのはの友達、はやての家にいる女性、シグナム。
もう一人は、同じく最近はやてのいえで暮らすことになり、数日前に自分が病院送りにした人物。名前は確か・・・
(あすか・しん・・・だったっけ・・)
その男女。シンとシグナムは男たちに睨まれていた。
「なんだてめえら!?」
リーダーがシンを睨みつける。
「そいつの知り合いのようなもんだけど。」
そういいながらシンは美由希のほうを指差す。
「それにしても、恥ずかしくないのかよ。一人の女に数人の男が寄りかかって、それもナイフを持ちながら。」
シンの言葉は、男たちを激怒させるのには十分だった。
こんな年下に項まで言われては自分たちのプライドが許せない。
「おい、さすがにそれは・・」
シグナムが注しようとするが遅かった。
「このクソガキ・・・・・おい!!」
リーダーが首で合図して、そのうちの一人の男がシンに向かって歩き出す。
それにあわせるようにシンも歩き出す。
「おい、アスカ。おちつけ!」
シグナムに呼び止められ、シンは振り向く。
「心配ないさ。こいつらにやられるようなへまはしない。」
そう一方的に言ってそう男のほうに歩く。
男たちとシグナム、そして美由希が見守る中、お互いが睨むような感じで前に立つ。
「おい!このガキ!」
男はサイフを持ったままシンの方を指す。
「どうなってるか分かってるんだろうな!?」
そういわれてシンははっと鼻で笑い言い返す。なめきった口調で。
「そういうあんたこそ、泣きべそかくまえに帰ったほうがいいんじゃないか?」
その言葉に完全にキレタ男はシンのほうへ向かって走り、ナイフを突き刺す。
だがそれは簡単にシンにかわされた。
まぐれだ、そう思い何度もナイフで切ろうとする。
しかし、それは風を切るばかりでシンにはあたらない。
それをあっけに取られてみているほかの人々。
(すごい・・・)
ただの、普通の学生にしか見えない少年の動きには、とても思えない。
美由希は、幼いときから剣術にいそしみ、今の身体能力を手に入れている。
だが、自分より一つ下の彼は、どのようにしてこの力を手に入れたのか。
なのはから聞いた話しでは、彼は軍人と聞いたが、軍人は皆のような動きが出来るのだろうか。
美由希は彼に少し興味を持った。
「くそ・・・」
男はあせっていた、さっきから何度攻撃してもあの子供に当たらない。
「もう終ったのか?」
男とは対照的に、シンは落ち着いてた。
「ダンスクラブで踊ってるわけじゃないんだぜ。」
シンは、アカデミー時代で教官がよく口にしていた言葉を言う。
「なに?」
息を荒くしながら男はシンを見る。
「最後通告だ。こうなる前にとっとと帰れ。」
そういいさっきまでもっていた缶コーヒーを前に出す。
そしてそれを思いっきり握り、
「べコ」
と素手、それも片手でつぶした。
それを見て全員が固まる。
コーヒー缶、すなわちスチール缶が全体的に握りつぶされている。
あれをつぶすのにどれだけの握力が必要なのか。
「こ・・・・このおお!」
逆に恐怖心に狩られたのか、シンに向かって突っ込んできた。
それをさっきのようにかわし、今度は交わすと同時に思いっきりみぞおちを殴る。
そのまま男は倒れこむ。
「てめえ、このお!!」
さっきとは別の男がさっきのように突っ込んでくる。
彼と違うのは、向かってくるとき思いっきり砂を投げつけた。
おそらく向かう前にとっさに拾ったのだろう。
さっきのようにナイフで向かってくると予想していたシンはもろに砂を喰らった。
砂で前が見えないときにナイフと一撃がくる。
やはり完全にはかわしきれず、左頬を切られる。
「つっ!」
思ったよりも傷は深く、かなりの血の量が流れる。
さらに、砂をかけられ不安定なままでよけたので、体制が整えられず、こけてしまう。
男はそのままシンを刺そうとナイフを振る。
すでに錯乱していて、殺すということを考えなくなった。
流石にやばいと思い、加勢しようとしたシグナムだが、そう思ったときに、目の前に男たちが呆然としている間に間を抜けてきた美由希がいて・・・
「ハッ!」
掛け声とともに男の顔面にトビ蹴りをかます。
シンはびっくりして美由希を見る。
(ナチュラルなのになんて身体能力なんだよ・・・)
そのとき・・・
「あ・・・」
美由希は今制服姿である。
どこの学校でも女性はスカートをはいている。
シンは倒れているから美由希を見上げる形で見ている。
そして美由希は思いっきり、スカートをはいてることを忘れてるんじゃないかってくらい思いっきり蹴っている。
そのとき、ちょうど美由希の下着が見えた。
シンの顔が少し紅潮する。
色は・・・・言えない。言えば殺される。そんな気がした。
だが、見られた本人は気付いていないらしく、シンに歩み寄る。
そのとき・・・・
「なめたまねしやがって。」
リーダー格の男が突っ込んでくる。
まだ懲りないのか、そんな思いがシンにはあった。
(いい加減にしろ!!あんたたちは!!!)
心の中で叫び、何かがはじけるような感覚が来る。
シンは、そばにあった最初に倒した男が使っていたナイフを拾い、男に向かって走り出す。
同時にナイフが振られ、男が持っていたナイフが弾かれた。
その勢いでシンは体当たりをかまし、吹き飛ぶ男。
倒れていた男が起き上がろうとしたが、そこには男の首に向かってナイフを向けているシンの姿があった。
先ほどのナイフをかわしていたときよりも動きがすばやく、最早人間ではないような動きだった。
「ひ!」
男は悲鳴を上げた。
別にナイフを突きつけられているからじゃなく、シンの表情を見てだ。
今のシンの表情は、目の輝きがなく、どすが入ったように赤黒い。
表情自体も、今にも「殺すぞ」といわんばかりの殺意がわいてきている感じがする。
さらに左頬にある傷と血が、恐怖感を倍増させる。
シンはそのままほかの男たちにも目を向ける。
先ほどの男と同様におびえ、腰が抜けて倒れるものもいる。
その表情はシグナム達にも見えた。
(あれが本当にアスカなのか?)
今まで見たシンとは違い、連続殺人犯・・・・狂人・・・そんな言葉が似合いそうなほど豹変していた。
美由希も、この前あったときとはぜんぜん違うシンを見て、ずっとシンを見ている。
シンはナイフを捨てて、それと同時に男たちはそれを見て次々と退散していく。
倒れている仲間を抱えたり、自分たちのナイフを拾ったり、細かいところで丁寧な奴らだった。
周りには3人しかおらず、シンは二人に振り向いた。
すでにシンの顔は、以前のシンに戻っている。
(二重人格か?)
そう思えるほど違っている。
「大丈夫か?」
シンは美由希に話しかける。
その顔は先ほどとはうって変わって微笑んでいた。
・・・・血が流れててちょっと怖いが・・・・
「う・・うん・・」
美由希は急にそっぽを向き、顔もなぜか少し赤い。
その理由は自分でもよく分からなかった。
それよりも・・・
「そっちこそ大丈夫?まだ血が止まってないけど・・」
美由希は心の傷を心配する。
先ほど切られた傷は、血管でも切られたのかいまだ止まっておらず、服も流れてきた血がべっとりとくっついている。
「とりあえずこれ。」
そういいポケットティッシュを取り出し、シンに渡す。
そのとき、美由希の携帯がなった。
「はい、美由希です・・・・あ、母さん。」
どうやら帰りが遅い美由希を心配して電話をかけてきたらしい。
美由希が話をしている最中に、シグナムが話しかけてきた。
「すまなかったな、援護が出来なくて。」
シグナムはわびる。
今日は意外なことが多すぎた。
シンと美由希の身体能力にシンの多重人格化。
「それにしても、さっきのはなんだったんだ?急に人が変わったが。」
シンそれを言われて困ったように言う。
実際自分が何故ああなったのか分からないのだ。
「時々なるんですよ。どうしても許せないときとか、感情が高ぶるって言うか・・・・感情が抑制できないときというか・・・そんなときに急に視界がクリーンになって・・」
どうやらこれが初めてではないらしい。
「けど、なんかそのときになると力が沸いてきて・・・実際、そうなって向こうで何度もピンチを乗り越えましたし・・」
そして、電話が終って美由希が話しかける。
「ねえ、母さんがお礼と傷の手当がしたいからうちに来てくれないかって言ってるんだけど・・・」
そういわれて「え?」としか返せないシン。
いきなり言われても困る・・・・
「そうしてもらえ、主には私が言っておく。」
シグナムにもそういわれるシン。
「おそらくここからだったらなのはの家のほうが近いだろう。早いうちに傷は直したほうがいい。傷跡は帰ってきたらシャマルに直してもらえばいい。」
そうまで言われたらわかったとしかいえない。
そういい二組に別れてお互い帰路につく。
出来るだけ人目に付かない道のりで走って帰っていた。
流石に夜とはいえ血が大量についている服を着たまま表通りを通るわけにはいかないし、ティッシュで無理やり抑えているため早急な治療が必要だった。
(怪我してるのに走ったら悪化するんじゃなかったっけ?)
まあ自分が医学は分からないからどうでもいいと思い美由希の後を追うシン。
走って五分くらいたった後でなのはの家があるのか、兄の恭也が家の前にいた。
「あ、恭ちゃん。」
「あ、美由希。帰ってきたの・・・・・」
帰ってきたのか。そう言い切る前に恭也の言葉がつまる。
美由希の横にいる、上半身血まみれのシンを見て・・・・
「ん?・・・・」
少女は目を覚まし、辺りを見渡す。
(ここ・・・どこ・・・それに・・・なんでこんなところに?・・・)
少女はおぼろけながらもあいまいな記憶を呼び覚まそうとする。
確か、オーブが戦場になり、家族と一緒で逃げるところまで思い出した。
そこで急に頭痛が来る。
「あ・・れ・・・?・・」
思い出せない。家族の顔が思い出せない。
父、母、兄がいることは覚えている。しかし・・・顔が思い出せない。
「なんで・・・・・」
ちゃんと家族といた記憶もある。
家族の声、衣服も。
だが、どうしても顔だけが思い出せない。
「どうして・・・・」
そのとき、ふと声が聞こえた。
「おや、目が覚めたようだね。」
その少女は見上げて男を見る。
そこには、アニメや漫画の敵キャラがかぶっている変な仮面みたいなのをしている男性だった。
「・・・だれ?・・・」
続く。
はい、第10話前編投下完了。
あれ?・・・なんかなのはっぽくないしかといって種死っぽくもない。
それと・・・すでにシンが別進化。
どっちかと言えばとらハ3っぽいかも
>492
乙です!
今回の戦闘は凄かったッス
>493シスコンのシンには出来ないと思うなぁ。
てか、はやてのためにここまで頑張るキラも隠れロリコンかwww
キラの場合はエルのトラウマがあるから
ぶっちゃけ、シンがナイフを持ち出したときは、自分でもやりすぎたと思いました。
そこは無しって事になりませんかね?
その部分を修正して、再投下してみてはどうだろう?
読ませてもらってるだけの俺が言うのもなんだけど・・・
じゃあ、差し換え分を書くことにしますね。
tXtで書いて、アプロダにあげればいいんじゃない?
作者氏本人が訂正Verを書きたいのなら、何も問題は無いと思います。
面白い話を読ませてもらってるだけで満足。
520 :
アルケミスト:2006/12/21(木) 20:39:58 ID:7WFWzG3Q
>>神隠し様
今回の件でシンはいろんな意味で仲間から追求されるかもしれませんね。
もちろんキラも。それぞれの過去が下手したら明かされますからねぇ。
>>510 乙
まさかのマユ到来にwktk
しかし美由紀って手裏剣代わりのシャーペンとか持ってたような(とらハでのことだが)
まぁリリカル世界だから必ずしもじゃないし難癖レベルか
>>521 俺とらハもってないから全然知らないんだよ。
だからいろいろ資料見てそれでやってるから違うところがいろいろあるかもしれない。
>>522 や、上でも書いたけど難癖レベルなんで気にしないでくれ
とらハまで取り入れると恭也兄が植木鉢投げかねん
リリカルでは、恭也膝ぶっ壊してなかったんだっけ。
まぁ脇キャラだしな、高町家。
>>524 膝壊してたのはとらハ
リリカルは知らない
とらはで膝壊したのは、士郎おとっつぁん亡き後、無茶な特訓を重ねすぎたのが理由なので、
おとっつぁんが生きている以上、特訓メニューはおとっつぁんが作るだろうから壊す理由が無いかと。
膝壊したのは特訓じゃなく交通事故だろ
529 :
449:2006/12/22(金) 01:21:52 ID:???
以外に好評だったので、もうちょっとだけ続けてみる。
後、やるせないのは当たり前だと思いますよ。
これは最低SSですし、得体の知れない技で少女の初恋(?)踏みにじってるわけですし。
非常にうろ覚えな面が多い上に、せめて資料をと探しに言った小説版と漫画版も見つからず終いなんで、相当おかしい部分もあると思います。
気付いたら優しく教えてくださいね。
……話の内容より多く、最低SSの条件を満たしている書き手より。
その時、アースラ艦長、クロノ・ハラオウンは彼にしては珍しく取り乱していた。
「なのは達にはまだ連絡が取れないのか?」
彼の母親であるリンディ・ハラオウンと、保護観察対象である八神はやて、そして、二人の護衛(と称して)はやての守護騎士の中からシャマルとヴィータが本局へと出向いた、
そのタイミングを狙ったように、所属不明の魔法使い集団がアースラを襲撃したのはおおよそ十五分ほど前の事だ。
クロノは、そんな敵の戦力と動きに、陽動の可能性有りと判断。
艦の予備兵力としてアルフ、ザフィーラ、シグナムを残し、高町なのはとフェイト・テスタロッサ……そして、本人の強い意向により、艦で保護されている民間人、シン・アスカを迎撃の為に出撃させている。
「はい、ジャミングは依然継続中です」
その後、アースラ一隻には過剰ともいえるAAA級の二人と、それには劣るものの暫定A級のシン・アスカに圧倒された敵集団は、徐々に後退を開始。
敵がリンディ達の不在をを狙い、襲撃をかけてきた事実を重く見たクロノは、三人に追跡を命令した……のだが。
530 :
449:2006/12/22(金) 01:24:44 ID:???
『くそ、なのはとフェイトの戦力を過信しすぎたか?』
三人が艦を離れて暫くした頃、アースラは突然のジャミングと傀儡兵達の襲撃を受けた。
現れた傀儡兵達は、以前時の庭園で確認されたものほど強力ではなかったが、数が多く、非常に連携が取れている上に、道具としての自分達の利点を生かした行動を取ると言う点で、以前の傀儡兵等より余程性質が悪い。
おかげで、一見作動停止したように見えても、完全破壊に至る迄全く気が抜けないソレに、迎撃に当たっているアルフ達は非常な消耗を強いられており、恐らくは誘い出されたのだろうなのは達に応援を出す余裕が無い。
そして、自らもAAA+――なのは達を超える――等級の魔術師であるクロノは、艦を統括する立場にある以上出撃するわけにも行かず、自席でただストレスを溜めていた。
管理すべき範囲が広すぎ、相対的に人員が少なすぎる管理局では、その所属艦に徹底した省力化を行っており、その結果、一隻頭の配属人数は極めて少ない物となっている。
逆に言えば、それは一人が艦機能に占める割合が極大化しているという事であり、その歪さは、特に艦機能に影響しない執務官時代のクロノが(執務官補佐のエイミィの存在があるとは言え)、艦のNo2でありながら度々前線に出ていたことでも見て取れる。
更に言えば、その比率も多くの歪みを抱えており、何らかの権限を持たされた士官級が非常に多い癖に、本来兵卒に位置する一般の武装局員はその殆どが本局に配属されていると言う――本末転倒と言うか、そもそも戦争のできる組織構造にはなっていなかった。
そしてそれは、なのはたちも同じだ。
なのはもフェイトも、魔導士として、戦士としては破格の能力を持ってはいたが、兵士、軍人としてはそうではない。
あの魔導士集団が、目の前の傀儡兵達が、ただの個人の集合であれば、なのは達、アルフ達は楽に圧倒できただろう、できるだろう。
だが、もしそれが、集団としての従前に備えているのなら……その答えは、今、クロノ達の目の前にある。
いや、それどころか、これがなのは達を誘い出す策である可能性が高い事を考え合わせれば、それ以上の苦境に陥っている可能性が高かった。
そして、それらの予測と、現状を呼び込んだ自らの判断ミス、高い戦闘能力を持つ自分が、この席を離れられないと言う事実が、真面目なクロノを必要以上にいらだたせる。
531 :
449:2006/12/22(金) 01:27:00 ID:???
「せめて、シンをこの艦に残してれば……」
軍人であり、戦士である、暫定A級の魔導士、シン・アスカ。
こう書くと酷く有能そうに見えるが、
クロノから見た彼は、体内にはロストロギアが寄生しているわ、その影響で魔力は酷く安定しないわ、
魔導士としてはまだ新人だわ、なのは達とは知り合ってそれほど間がなく連携など取れそうにないわ、その上デバイスは癖強すぎだわ……と、不安要素ばかりが大きく、戦力としてはまともに評価できるものではない。
シンの特質、ロストロギアの影響、それに、デバイスの特性から、防御力はなのは級、機動力はフェイト以上と、シン自身の安全には不安がないのが一抹の救いだが、正直、クロノは彼が二人の足手まといになっていないかが不安だった。
だが、そんなシンでも、艦からのフォローが可能なアースラの近辺であれば、それなりの戦力に数えられるし、であればフェイトとの連携に長けたアルフを彼女達との連絡に向かわせる事もできただろう。
『……考えろ、今の僕にできる事はなんだ』
勿論、クロノの抱いた不安は杞憂――むしろ、シンの存在がなのは達の突破口――となったわけだが、ジャミングの影響下にある彼に、それを知る術はない。
故にクロノは、自分の失策の数々と周囲の戦況とを目と艦機能とで把握……挽回点を探して頭を高速回転させながら、アルフたちに情報と必要最小限の指示とを送る。
『この傀儡兵達は、恐らくなのは達を孤立させるためのもの……だが、敵の目的がなんであれ、この場から戦力を割けば、敵はその気に乗じてアースラを落とそうとするだろう。
いっそ、アースラごとなのはとフェイトの元へと向かうか?
巧くいけば、なのは達の罠を咬み破った上で合流を果たせるが……』
局地的な戦闘の指揮を取りながら、この襲撃全体が描き出す盤面を読み取ろうと苦戦を続けるクロノ……しかし、この敵の勝利で固まりかけていた盤面をひっくり返したのは彼ではなく、
彼――そして、恐らく敵――が、最小の戦力と見積もっていた一人のイレギュラーだった。
532 :
449:2006/12/22(金) 01:28:05 ID:???
ドンッ、ドンッ、ドンッ!
センサー感知範囲外からの砲撃に、支援型傀儡兵の幾体が崩れ落ちる。
敵陣の最後尾に開いた穴を、轟く豪雷が押し広げ……そして、開いた空隙に撃ち込まれたのは、紅い矢羽を曳く一矢。
シンは、背に赤い光翼を羽ばたかせながら、その心をクリアにした。
少年の瞳から光が失われ、頭の中に浮かぶ銀色の鍵の表象(イメージ)。
増えていく知覚情報と遅くなっていく時間の流れに、シンは歯を食いしばり、光翼と両の足とで加速加速加速……音よりも速く傀儡兵の群れに飛び込んだ。
「……粉砕!ブラボラッシュ!!」
なのはとフェイトとが、文字通り最後の魔力で乱した敵陣形……それが修復せぬ内に飛び込んで掻き回し、アルフたちの反撃を助ける。
シンが立てたその作戦は、単純すぎるくらい単純な代物だったが、相手が気付かない内に殴りつけて、体勢を立て直す暇を与えずに殴り続けると言うのは、どんな世界にも共通の必勝パターンだ。
それを体現したかのようなシンの双拳連撃は、その一撃一撃が破城槌をも超える破壊力。
打撃点を陥没させて吹き飛ぶ傀儡兵が、突進の衝撃波で姿勢を崩した他の傀儡兵をも巻き込み弾け……ほとんど怪獣映画の様な勢いで敵陣を蹂躙するシンに、アースラの艦橋は沈黙に包まれた。
信じられないと言うか、信じたくない。
だが、卓越した魔導師であるクロノには、一目見て判ってしまっていた。
アレは魔法ではない。
背の光翼と、身体保護及び機動補助用の障壁を除けば、シンは何一つ魔法を使ってはいない。
そう、シン・アスカは、ただ純粋な身体能力だけで、傀儡兵を圧倒しているのだと。
「……なんて非常識な」
クロノがこぼしたそんな一言は、艦橋にいる全員の総意だっただろう。
人間を凌駕する身体能力を持つアルフやザフィーラといった使い魔達の、魔力を込めた拳撃をも上回る威力を、シンはただの技と力のみで撃ち出しているのだ。
我に返って周囲を見れば、突如崩れた敵に本格的な反撃を始めるアルフ達の姿……シン達の乱入で盤面は既に変わっている、そして更にひっくり返る事はないだろう。
「……はぁ」
クロノは酷く疲れたような溜息を突くと、今の自分にできる仕事を再開することにした。
まず手始めに、医務室に連絡を入れると、エイミィには医療班の転送準備をさせる。
なのはとフェイトが最初の一撃以降動きを見せない事に、疑問を感じたのだ。
……保険にと出したクロノの指示が、結局役立ったのは、それから十分後の事だった。
533 :
449:2006/12/22(金) 01:30:06 ID:???
終わりです。
一発ネタギャグ話の初回と異なり、インパクトが少ない分廚設定が目立ちますね。
ただ、割り切って最低な最強主人公をかくのは、書き手としては案外面白いのかもしれません。
面白かったぜ!
シンがシンらしくないのが笑える。
つぅかここまでに何があったシン(笑)
いや、俺がやるせないのは何でキャプテンブラボーが・・・って所なんだが
GJw
ここまではっちゃけてくれると逆に何もかも許せてしまうwww
GJ
このネタで連載されると俺も許せないだろうが、一発ネタならOKかなと
>割り切って最低な最強主人公をかくのは、書き手としては案外面白いのかも
あーわかるわかる
ネタと割り切って書く分には面白い
他人が読んでもおもろいかは別にして
続きwktk
GJ
突き抜けすぎてて面白いww
541 :
449:2006/12/23(土) 22:04:41 ID:???
GJありがとうございます。
皆さまの生暖かい黙認の下、続けさせていただいている最低SS
マジカルエンジェル★ブラボーシン(仮題)
ですが、こんな最低SSを長々と続けて御不興を買うのもアレですので、
どの程度続けていいのか少し尋ねてみたいと思います。
1)今すぐヤメロ
俺達はまだ上り始めたばかりだこの(以下略)
2)悩殺!ブラボーキッス はぁと の顛末まで
後二回で終わると思います
3)この襲撃事件が終わるまで
延びなければ、後5〜6回かな?
多分、月曜に日付が変わる頃には次の話が書きあがると思いますので、それまでにご意見お願いします。
なお、意見が全くなかった場合は、2番になると思います。
とりあえず、次の話は書き始めているので……。
なお、今のタイトルより馬鹿臭くて目も当てられない最低っぽいタイトルがあったら、教えていただけるとありがたいです。
……いいんだろか、こんなの書いて←チキンなボケの本音
とりあえず俺は2
当初の執筆動機がそれなら、それを目指して描くべき
目的を見失うとダラダラすると思う
543 :
魔法少女リリカルなのは DESTINY:2006/12/23(土) 22:35:00 ID:7/nSfIMv
なのはクロスオーバーがとても楽しかったんで書いてみました。
他国を侵略せず、他国の侵略を許さない。それが僕らの国、オーブの理念だった。だけど、
「うっ……ああぁっ!」
国の理念が……僕の家族を殺した。ちっぽけな……それでも大切な何か。それがぽっかり抜けてしまった。残されたのは妹の大切にしていた携帯と……妹の小さな手。絆と一緒に、マユの身体は粉々に砕かれてしまった……。
あの蒼い翼を持つ、一機のMSに……。
潰したい。あのMSを。
家族を奪ったあのMSを。
だけど僕はどうしようもなく非力で、
ちっぽけだった。
それが現実。
僕の両手はあのソラには届かない……。
震える僕の身体を、あのMSのビームが照らした……
・
・
・
・
・
外された世界。運命は歪み、狂い、しかしそれでも確かに在る。
代わりに手に入れたのは魔法の力。
今度こそ、運命のソラに届いてみせる。
赤い翼。
蒼い剣。
‘運命’を冠された鬼神の力。
『魔法少女リリカルなのは DESTINY』
始まります。
作品書くならとりあえずsageろ
シンが自分を僕と呼ぶようになったら
シスコン説に拍車がかかるな。
ステラと洞窟で一緒にいた時に「僕は…」って言いかけて「俺」と言い直したシーンがあったっけ
シンの本性はあっちなのかもしれん
便乗して発車させます。
プロローグ
(どうして、こんな事になっちゃったのかな?)
巻き起こる爆風にその身を翻弄されながら、少女は思った。
温かな家族に恵まれた平穏な日々。生まれた時から在った幸せが
終わる時が来るなど、少女は考えた事もなかった。
(お父さん、お母さん……お兄ちゃん……。)
理不尽な暴力と肥大する死の予感の中で、自らの家族の事を思い
浮かべながら、少女は意識を失った。
それは幾重にも重なった偶然だった。
唐突に――世界が歪む。
現れたのは、鈍く光る十数センチ程の大きさの黒い水晶。
消えたのは、先ほど意識を閉ざした傷だらけの少女。
2年後――この世界を震撼させる事件の発端に気づいた者は、誰
もいなかった。
=========================
目を覚ますと白い天井が見えた。
少し顔を動かしてみると、四方を囲っている壁も白色だった。左
側の壁にはドアがある。どことなくスクールの保健室を思い起こさ
せる――知らない部屋。
(……ここ、どこだろう?)
それにしても酷い夢を見た。家族と自分が死んでしまう夢。
妙に現実感に溢れ、思い返すだけでもゾッとする悪夢。
不意にドアが開き、黒衣の――兄と同じ年頃の――少年が部屋に
入ってくる。
「ん? 気がついたみたいだね。」
「……えっと……。」
「僕は時空管理局執務官のクロノ・ハラオウンだ。」
「私は――!?」
自分も名乗ろうと身を起こそうとした際に、生じた違和感。
在るはずの物が無い感覚。視界に移るのは肘から先が欠けた左腕。
フラッシュバックする先程の悪夢――夢だと思った出来事。
「い……嫌ぁぁぁぁっ!」
認識してしまった現実に、少女――マユ・アスカは否定の絶叫を
上げる事しかできなかった。
今回はここまでです。
……改行し過ぎたと反省していますorz
乙っす!!
マユの活躍ぶりを期待棚
>>541 無論3だ。トコトン突き抜けようぜヒャッハー!w
ご無沙汰しています、129です。
真に申し訳ないですが、正直、現在全く執筆は進んでいません。
というのも、プライベートのほうが忙しく、またモチベーションが一向にあがってこなかったためです。
またこれ以上の投下は、控えさせていただきたいと思っています。
自分の中にはやはり、スレ分離前に雑談の合間に投下する「つまみ」程度、話の種程度として
読んでもらえれば、という思いがあり投下しておりまた、
ssだけがメインとなるスレへの分立は予期していませんでした(見通しが甘いといわれればそれまでですが)。
その点で方向性のズレを感じたことがひとつ。
同じテーマ、同じ作品を扱った非常に似通ったスレが同じ板に二つ並ぶというのも、気が引けましたし・・・。
また、分立の際にスレが荒れたことも非常に不本意であり、そんな状態で自分がのうのうと
続けてよかったのかと思っていたことも事実です。やはり、自分が書き始めなければ
荒れる原因は生まれえなかったわけですから。
そして、自分のように投下速度の遅い者の他に多数、筆の早い職人の方々が増えてきたこともあり、
自分がこのスレでできることはなくなったのではないか、と思った次第です。
以上のことから、自分はこのスレへの投下は控えようと思っています。
批判はいくらしていただいても結構です。何をえらそうに、と言われてもしかたありません。
未完で投げ出すような形になってしまい、もうしわけありません。
自分の駄文を読んでくださった方々、本当にありがとうございました。
>>541 3かな?事件のアレコレも気になるし。
>>553 残念。非常に残念。
もし復帰される事があれば、と思ってる。
>>541 とりあえず3
ブラボーアーツがまだまだ見たい
>>541 タイトルにケーキ噴いたw
事件の終わりも気になるので、3
129さん、お疲れです。
楽しませてくれてありがとう。
終わったことは気にしないでもいいと思いますよ?
また、何か思い付いたらぜひ書き込みを!
559 :
魔法少女リリカルなのは DESTINY:2006/12/24(日) 07:06:19 ID:UJnTkgio
129さんお疲れ様です。
また何か時間がありましたら復帰してくれると嬉しいです。
ところで、投稿する時のsageってどうやるんでしょうか^^;
こういうところで書き込むの初めてなので仕組みが分かりませんorz
すいませんが教えていただけませんか?
mail欄に『sage』と半角で打ち込む
ありがとうございます。では前回の続きから。
ある晴れた昼下がり。小学三年三年生の少女、高町なのはは何時もの通学路をとぼとぼ歩いていた。
彼女はこの春、数奇な運命から‘ジュエルシード’と呼ばれる文明の遺産、‘ロストロギア’を巡る事
件に巻き込まれた。そこで彼女は数々の人と出会い、時には戦い、友情を育んでいった……のだが。
「はぁ……」
その事件―P・T事件の終結と共に、彼らとも暫くのお別れと相成った。ちゃんとお別れの言葉も言え
たし、また会うと約束もした……。でも寂しいものは寂しいのだった。
「リンディさんにクロノ君……フェイトちゃん元気かなぁ」
ねぇなのは!僕は!僕はどうしたの!?と、何処からか邪悪フェレットもどきの声が聞こえてきた気
がするが気にしない。えてして、近すぎる人間というものは逆に心配にならない……訳でもないが。と
もかく今はそんなことはどうでもいい。魔道師として、抜群の才能を持つ彼女も、まだ小学校三年生。
精神的には脆い部分を持っているのも当然だった。むしろ、なのはは歳の割りにかなり成長していると
言える。幼少の頃からの経験と、先の事件。否応なく強くならざる終えなかった。それでも彼女はまだ
まだ幼い少女なのだ。
「うん、くよくよしてても仕方ない!」
自分に言い聞かせるように彼女は言った。張り切って陽気な気分で駆け出す。ふとその時、曲がり角か
ら誰かがひょいと出てきた。
「あわわっ!」
勢い余ってなのははその人に突っ込んでしまう。彼女はぽふっとその人のお腹に頭をぶつけてしまった
。相手は咄嗟になのはを抱きとめた。
「あいてて……ど、どうもすいませ―」
謝ろうとして見上げた時、なのはは相手の顔を見た。真っ先に目に付いたのは瞳だった。
赤い瞳。顔立ちは日本人らしく、つやつやの黒髪を長めに伸ばした少年だった。そこまでは普通。
だが、その赤い瞳だけが妙になのはの頭に貼り付いて離れなくなっていた。思わず口篭ってしまう。
そのまま十秒ほど固まってから、やっとなのはは再起動した。
「あ、あわわ!ご、ごめんなさい!」
全力で謝った。深くお辞儀する。すると赤眼の少年は逆に恐縮してしまった。
「あ、いや、僕こそいきなり飛び出して悪かったよ。君、怪我は無い?」
「は、はい」
「そうか。よかった」
彼は優しく微笑むと、なのはの肩にかけていた手を離した。なのはは少しだけ彼から離れた。
「あ、あの、本当に大丈夫なんで、はい……」
しかしなのははまだ慌てていた。あの赤眼が妙になのはを刺激していた。その様子に、少年は苦笑した。
「ああ。この眼かい?」
「え!?」
「生まれつきなんだよ。驚かしてごめんね」
そんなに恐縮されるとこっちも恐縮してしまう。なのはは少しばつが悪そうに俯いた。
「ははは。別にそんなに気にしなくてもいいよ。結構慣れてるからさ」
「い、いえ、そうじゃないんです、けど……」
どうにも歯切れが悪かった。なのはは不思議に思った。ただ眼が赤いだけならこんなにも気にならない。
別に眼が何色でもいいじゃないかと彼女は思う。だけれど、それでも目の前の優しそうな少年の赤眼が、
気になってしょうがないのだ。なのはは戸惑った。
「あ、それじゃあ僕、急ぐんで」
少年は最後ににっこり微笑むと、なのはの横を通って言ってしまった。慌ててなのはは呼び止める。
「あ、あの!」
「ん?」
「お名前は」
「ああ」
少年の顔にふと影が射した。けれどそれも一瞬。すぐに笑顔に戻った。
彼は先の表情が嘘の様に普通の調子で言った。
「シン……シン・アスカだよ」
あれから二年。少年は確かに‘ここ’に居た。
翌日の朝。なのはは海沿いの公園で最近続けている魔法の鍛錬をしていた。
ここはなのはがP・T事件の折に出会った少女―フェイト・テスタロッサと
最後に戦った場所でもある。今は無二の親友となった彼女のことを想いながら、
なのはは誘導系の魔法の練習を続けていた。
放り投げた空き缶に、小さく収束させた魔力弾を連続して当てる。
落下するまでに、何回当てられるかの練習だった。威力の加減と誘導の
正確さが求められるこの練習を続けることによって、なのはの腕は格段に
上がっていた。もはや百発百中と言ってもいいだろう。彼女はその腕を、
さらに上げるべく日夜励んでいた。大した向上心である。
「……ふぅ」
一通り済ませ、ハンカチで汗を拭く。潮風が優しく吹いて、心地良かった。
何だかんだ言って、順風満帆である気もする。なのははふとそう思った。
そんななのはを注視する影が、海上にあった。
「……」
蒼い八枚の翼を広げ、それはやってきた……。
『Caution. Emergency. 』
突然、信頼できる相棒であり友である魔法杖、『レイジングハート』が警戒を
促した。首からかけたそれが、警告を告げたとき、同時に海の向こうから緑の閃光が煌めいた。
「えっ!?」
咄嗟にプロテクションを出して受け止めた。だが、レイジングハートを
起動させていない状態での魔法ではとても防ぎきれる威力ではなかった。
赤く輝く魔法陣の盾は容易く砕かれ、突き抜けた光がなのはの肩を掠めた。
「う、あぁっ!」
反動で吹き飛ばされ、芝生の上を転がらされる。凄まじい威力だった。
もう少し行動が遅ければ、確実にやられていた。なのはは攻撃がきた方を
向いた。物凄い勢いで、海上を突き抜けてくる敵影があった。
なのはは覚悟を決めた。
「何だか分かんないけど……やるしかない!お願い!レイジングハート!」
なのはの意志を受け、赤い宝玉―レイジングハートが瞬いた。
『Standby, ready, setup』
レイジングハート起動を告げる声。次の瞬間、なのはは淡い光に包まれ、
戦闘用装束―バリアジャケットを纏っていた。光を突きぬけ、戦う準備を
整えたなのはが飛び出してゆく。
「行くよ!レイジングハート!」
その手には、デバイスモードに変化したレイジングハートが握られている。
迫り来る敵を迎え撃つべく、なのははレイジングハートを振りかぶった。
瞬間、なのはを中心に六つの赤い光弾が現れた。なのはの十八番、
『ディバインシューター』である。なのはは目標に狙いを定め、一気に放つ。
「シュートっ!」
気合と共に振り切った杖の勢いにあわせ、光弾が目標に殺到する。
直撃確実の軌道だ。だが、
「フリーダム」
『OK,Full burst,』
刹那、閃光が空を覆い尽くした。
「え、えぇっ!?」
蒼い翼を広げた魔道師は、ディバインシューターを全弾打ち落として見せた。
なのはから見れば、何が起こったか分からない。魔道師の周りが光ったかと
思うと、赤い光弾は全て散らされていたのだ。さらに魔道師は、追い討ち
とばかりに猛烈な砲撃をなのはに向けて一斉に飛ばした。なのはは靴から
フライアーフィンを羽ばたかせ、猛撃をかわす。青白い閃光が次々と
迫ってくるのを、ぎりぎりのところで避け、徐々に後退してゆく。だが、
かわすのが精一杯で、あの魔道師の姿を捉えられない。
「ど、どこっ!?」
『 It approaches at a high speed. 』
なのはが戸惑っている隙をついて魔道師は、なのはの真上から光る剣を抜いて
飛び込んできた。すれ違い様に眼にも留まらぬ速さで剣を振るってすり抜ける。
なのはが気づいた時にはレイジングハートが真っ二つに斬られていた。
「えぇっ!?」
驚愕するなのは。だがその隙を見逃す相手ではなかった。真下へと抜けた
魔道師は、再びあの閃光の渦を放った。今度は避けられない。なのはは
その中の一発を腹にまともに受けて吹っ飛ばされた。
「あああぁっ!」
爆発の瞬間、リアクターバージしてダメージの相殺をはかったが、それでも
苛烈な衝撃がなのはを打ちのめした。意識が飛びそうになり、手から折られた
レイジングハートがすり落ちそうになる。そのままなのはは海面に向かって
真っ逆さまに落下していく。それでもと、折れたレイジングハートを自分を
見下ろす魔道師に向け、抵抗しようとする。だが、
「もう止めて」
こともなさ気に撃たれた一筋の光が、レイジングハートの中心部を砕いた。
愕然とするなのは。ショックで、頭がおかしくなりそうだった。
壊れたのではない。‘死んだ’のだった。
「いやあぁぁぁっ!!」
レイジングハートの消失により、バリアジャケットが崩壊する。
フライアーフィンも失い、なのはを支えるものは無くなった。
海面に急降下してゆく少女の身体。その様子を淡々と、魔道師は
傍観していた。
「(私、こんなところで……)」
家族の顔が浮かんだ。その次に友人の笑顔。傍らにいてくれた少年。
ともに戦ってくれた年上の男の子。魔道師としてのなのはの良き理解者
である彼の母。そして、フェイト。なのはの瞼を、目まぐるしく人々の
笑顔が駆け巡っていた。だけどもうその人たちにも会えない。絶対的絶望が、
なのはを襲った。
そんな時、
『setup,Forcemode』
青い影が空を舞った。
気付いたら、誰かに助けられていた。その人の腕の中で、私は眼を覚ました。
「……誰?」
だけどその人は答えてくれない。ただ‘赤い瞳’を空に向けて、怒っていた。
「くそっ、なんでこんな……」
凄く、怒っていた。その眼差しの先にはあの魔道師がいた。怖い。そう思った。
今まで、こんなに怖いと思ったことは無かった。でも、
「‘まだ殺し足りないのか!アンタは!’」
この人の声を聞いていると、怖くなるより……悲しくなった……。
交わった運命と運命。時空(とき)を超え、新たな戦いが刻まれる……
戦闘描写に難アリですorz今後頑張って改善していこうかと思います。
ちなみにシン君の一人称が『僕』なのは、まだ一人称が『僕』だったC.E71
からこちらに来たから。ただし殺気が前面に出る戦闘では『俺』に変わります。
すこしややこしいです^^;
感想&ご意見お願いします。
乙。
ってちょ、キラ・・・・今回は不殺無しっすか?
乙です。
RHは道具としてしか見てないし、なのはが海面に叩きつけられて死ぬ事も考慮してないと思う。
さすがはスーパーコーディネイター。
乙でした。
戦いをなくすためにデバイスを壊して(殺して)まわるキラなのかな。
感想ありがとうございます^^
えとですね。キラはあれでも不殺しているつもり、のようです^^;
なのは世界ではデバイス=友みたいな感じですが、キラにとっては
ただの兵器ですから、デバイス壊すことに対しては全く抵抗ありません。
なのはに対する攻撃も、全部非殺傷……らしいです。書いといて
なんですが、キラのデバイスは非殺傷設定にされていてもすごい破壊力
なんで……下手したら死にます(爆)。やはり考えが甘いんですねぇ彼。
彼の目的はデバイス破壊以外にあるのですが、それは後ほど。暫くは
キラVSシン&管理局のお友達という構図になるかと思います。
とても判りやすいU-1系ばかりになってまいりました
どうせなら449氏のように突き抜けてくれればいいのにな。
あ、選択肢は3でヨロシク。
572 :
通常の名無しさんの3倍:2006/12/24(日) 12:33:27 ID:N4+dtP1r
>569
ゴミがたくさんついてますよ? つ; つ^^
sageてくれ
>>553 個人的には
>>129さんが描こうとしていた内容が非常に気になるので残念です
・・・できれば復帰して欲しいですが・・・ただ、こういうのは基本的に無理するものではないと思いますので、
こちらこそ、読者として楽しませていただきました。ありがとうございました。
575 :
通常の名無しさんの3倍:2006/12/24(日) 15:28:07 ID:JgUyQV0X
キラきゅんには武器(MSやデバイス)への思いやりなど無さそうですからね〜
ついでに仲間だと認識している人以外にも思いやりゼロだけどさ……
あのキラに思いやり、なんて言葉があるはずがない。
てかキラ、小学生の女の子が相手でも不殺とはいえボコにするとは…さすがですね。
キラですからね。「カガリは今泣いているんだ〜!」と私情を持ち込んで、交戦中の軍隊を喧嘩両成敗して尚且つ、味方ではないと言う理由で親友が乗ったMSを海上でダルマにしてしまうキラですから。
見知らぬ小学生の女の子くらい……シンじゃこんな事はできませんな。なにせシスコンラッキースケベだし
さすがキラきゅん! スーパーコーディネーター!
なるほど…スーパーコーディネイターになる資格は私情で戦場を混沌とさせ、
さらに見知らぬ小学生をボコに出来なきゃいけないということでFA?
だからカナードはスパコーディになれなかったのか…
キャラアンチは他所でやってくれないかな
>>561 このSS、MSがデバイス化と似たような設定?
神隠しみたいに。
別にキラ擁護する気はないけど、味方に優しく敵には容赦なくってのは当たり前じゃね?
まあシンはマユの件があるからなのはくらいの子に手を出したりできないだろうけど、
それ以外の奴なら殺さずにデバイスのみを破壊という程度であれば躊躇しないと思うが
どうやってシンやキラはなのはの世界に来たのか?
キラがいきなりなのはを攻撃したのは何故?
そこら辺を詳しく。
ご感想ありがとうございます。
まず、デバイスの件についてですが、シン君のは彼のオーダーメイドです。
MSがデバイス化ではなく、純粋なストレージデバイス。なのでインパルスとの
直接的関係はありません。名前が同じなのは偶然です偶然^^;
キラのデバイスは、C.Eで乗っていた自由の思想を元に、とある人に作って
もらったという設定です。なのでこちらはある意味、自由と関係ありますね。
他にもフェイズシフト装甲張りの能力とか持ってるんで、キラのだけ半端
じゃなく高性能だったりします。二話は明後日ぐらいになりますが、現在
設定を纏めておりますのでお待ちください。
ちなみにシンとキラがこちらの世界にやってきたのは‘引き寄せられた’から
ということです。本編内でおいおい明かしてゆくつもりです。キラがなのはを
襲った理由も、第二話以降に明らかにするつもりです。
スマン! ちょっと質問なんだけど、この板はシンやキラをメインに置かんと小説書いちゃマズイ?
正直、こう言う場所で書いた事ないので確約は出来んけど、レイとフェイトとか熱いな〜と妄想しとるのです。
どうでも良いけど、好きなニコルとかも書きたいですな(汗
新入りですが、別にそんなルールは無いと思いますよ。好きなキャラを
出してもいいんじゃないですかね。
両作品への愛さえ感じられれば誰が主人公だろうと問題ないと俺は思う
スレが賑わっているのは、なのは祭り一周年だからか?
続きが今夜中に投下できそうです。
書き上がってはいるので、帰宅後に見直しするだけですので。
とりあえずデバイス設定だけ出しておきます。細かい設定は後ほど。
デバイス設定
シンのデバイス
フォース・インパルス シンの使うデバイスの一つ。シンのバリアジャケット(ロングコートの色が変化して
各部に装甲が付加される形式)を構築し、飛行能力を与える為のデバイスで、武装としての役割は
薄いという珍しい型のデバイス。一応インテリジェントデバイスに属するが、レイジングハート達に
比べても口数は少ない。だが、猪突猛進型のシンを影ながらサポートする、縁の下の力持ちで
あったりもする。
エクスカリバー シンの使うデバイスの一つ。普段は短剣の形をした指輪の形をしている。起動
すると2mもの長剣に姿を変える。状況に応じて、同じものをもう一つ出すことが出来、それを連結
して使用することも可能。単純な破壊力ではシンの扱うデバイスの中で一番高い。
ストレージデバイスである為、人格は持っていない。起動音は、何故かリンディ提督の声である。
ケルベロス シンの使うデバイスの一つ。普段はイヤリングとして、シンに常備携行されている。
シンの持つデバイスの中で、唯一遠距離魔法が使えるデバイスで、長距離砲撃魔法と、誘導式の
中距離魔法を使い分けることができる。
ストレージデバイスである為、人格は持っていないが、高い火器管制システムのようなものを持つ。
シンの性格から、使用頻度はもっとも低い。
シンの能力 キラよりもこちらの世界での経験が長い為、魔道師としての腕はキラより高い。
魔力の保有量も高く、三つのデバイスを使い分けるなど、普通の魔道師とは一線を画す戦術をとる。
だが、勢いで突っ走る傾向があり、三つのデバイスの乱用で魔力を急激に減らしてしまう傾向にある等、
戦術面ではまだまだといったところ。魔道師としてのランクはAAだが、コーディネイターとして生まれ持った
体力といざと言う時の爆発力で、それより上のランクの魔道師とも渡り合うことが出来る。
キラのデバイス
フリーダム キラの使うデバイス。『フリーダム』は、キラが呼ぶ時の通称。正式名称は
『アークシエル』。非常に高性能なインテリジェントデバイスで普段は八枚の羽根を放射状に
束ねた様な形をしたペンダントになっている。キラ自身が開発を手伝った。
そのため、彼がC.Eで搭乗していたMS、フリーダムガンダムの思想をエスカレートしたような
能力を持つ。背中の八枚の蒼い翼は高い推力と機動力を生み出すと共に、高い火器管制システム
でもある。キラの使う全ての魔法の根幹を成しているといっても過言ではない。
さらに、先端が槍になった魔道杖を生み出し(デバイスとしての本体は羽根)、それもまた
管制システムとして機能する。
キラの能力 魔道師としての訓練は殆ど積んでおらず、才能だけで戦っているようである。
半ば、フリーダムを扱うように自分を動かし、フリーダムを超える火力で圧倒的制圧力を誇る。
C.E時代からの不殺戦法は健在のようだが、そもそも戦っている相手は人間であるので、不殺
になっているのかも怪しい。デバイスを武器としてしか認識しておらず、他人のデバイスを破壊
することに何の躊躇いも持たない。スーパーコーディネイターとしての力をフルに使い、魔道師
という枠を逸脱した能力を持つ。
あー、SS界隈によくある現象なんだが。
本文より先に設定を投稿するとよく言われないので、
せめて本文とセットであげるようにしたほうがいい。
>>584 レイとフェイトの絡みは俺も読みたい
うp希望してみんとす
>>588-589 個人的希望だけども、SSの中で語ってくれる方がイカスと思う
設定だけ置かれても、その、なんだ。困る
せっかく決めた設定、書きたくなる気持ちはわかるんだけどなー
魔法少女リリカルなのは DESTINYの設定、乙です。
しかしキラには反則的なものを感じますな。実力的にも精神的にも(汗
まあ、ラスボスは反則的なものですよね?…アレ?と言う事は種死のラスボスはヤッパリ(ry
一方シン君も三つのデバイズを使用とはやりますな。
しかし説明を見ている限り、フォース以外は飛べない? それって魔道師戦闘的にキツクない?と思ってしまう私は浅はか?
まあ、あんまり詳しくない者意見なので、スルーしてちょうだいませよ
ついでに言うなら、設定を書かずに本文だけであらかたの事を納得させられるのが最良。
何の理由もなしに襲い掛かり、原作でもなかなか突破できなかったなのはのプロテクションをあっさり突破。
そのうえなのはの相棒であるレイジングハートを容赦なく破壊と、正直なのは好きには結構きつい展開だなぁ。
ここは新シャア専用版だからSEEDキャラ側に多少の補正があっても仕方ないと思うが、次回にはここまで行う理由が描かれて欲しいと思う。
あとキラって十数年単位でここの世界に関わっているのか?
使うデバイスがインテリジェンスデバイスである以上戦闘自体は可能だろうが、その開発を手伝うっていくら天下のスパコディでもそう簡単には無理でしょ。
先程「レイとフェイトとか燃えない?」と果敢にチャレンジングな台詞を吐いてしまった、SS書きたいな〜な人です。
>585・>586様、ゴ意見どうもです!
>591様、オォ! 同士!!
これはぜひとも書きたい気分満々ですな。
しかし色々と問題が……種死もなのはもいまいち詳しくないトラップカードorz
しかも明日から帰郷でネットからしばらくグッバイ! どうやって勉強しよう……とくになのはの
誰か良いサイトとか本とか教えてホシ〜やっぱり何とかして全編見ないとダメか……
追伸……こういう場所は後になってから、「わたしがこの発言をした人ですよ〜」証明するには如何すれば良いのだしょ?
何から何まで素人でマジゴメン……しかもナガっ!?
ご意見ありがとうございます。本編より先に設定先行してしまうのは
私の悪い癖です。本編でもちゃんと補完するのでご安心ください。
名前のところに自分が発言したときの番号うっとくか、本文で○○○(発言したときの番号)ですけどってうっときゃいいとおもう。
598 :
595:2006/12/24(日) 22:19:42 ID:???
うぃっす、了解だ〜す。お手間かけてスンマソン
名前の所に前回の番号……こんな感じですかね?とりあえずやってみますわ
投下準備完了!
‥‥今の状況って投下してもいいのかな?
>>なのは運命
設定やらキャラの動機やらはSS本編で語るべき
いきなり垂れ流されても鬱陶しいだけです
>>595 最低限題材にする作品の知識を得てから書いてくれ、な?
可能であれば両方全編目を通して欲しいな
次元世界を管理する司法機関――時空管理局のL級艦船であるアースラ。
その艦内にある転送装置の前には、2人の少女と1人の青年が向き合っていた。
片方の少女――マユ・アスカが青年に頭を下げる。
「今までお世話になりました。」
転移事故に因り異世界へ飛ばされたマユを現地の魔導師が保護。
その後、マユが管理局の預かりとなってから、二年の月日が経っていた。
「他の皆さんにお別れできないのが残念ですけど……。」
「もう二度と会えなくなる訳じゃない。君の世界は管理局の管轄外だが……まぁ、君個人との交流だけなら
、さほど問題は無いさ。」
青年――クロノ・ハラオウンの意外な返答に、マユの表情は明るくなる。
「クロノ君ってば、やっさしい〜♪」
「うっ……ぼ、僕は別に執務官として――」
「ありがとうごさいます、クロノさん!」
茶化された照れ隠しに上げたクロノの反論は、マユによって掻き消される。
クロノを茶化したのは、茶色の髪を頭の両脇で結った少女――高町なのは。
私立聖祥中学校に通う13歳の中学一年生。
同時に――時空管理局航空教導隊三等空尉という肩書きを持つ魔導師でもある。
そして二年前、マユを保護したのもなのはだ。
「ったく……そんな事よりも、彼女の事、しっかり頼むぞ。」
「うん。任せて、クロノ君。」
『それと……例の件、くれぐれも無茶はするなよ?』
『うん。それも分かってる。』
マユには聞かれたくない為、念話――魔導師間でのみ行える通信魔法――で問い掛けるクロノに答えなが
ら、なのはは一時間程前のクロノとのやり取りを思い返す。
=========================
「調査?」
「ああ。」
自分が浮かべた疑問符にクロノが答えてくる。
自分達の世界とマユが住んでいた世界は類似項が多く、次元座標的にも比較的近い位置に在るらしい。
それにも拘らず、マユの世界の座標特定に二年もの月日を要したのだ。
「単純に――偶発的な転移事故であればいいんだがな。」
クロノが言うには――マユの世界周辺の次元層で少しばかり不自然な歪みが観測されたが、アースラの現
在位置からでは調査・解析が困難。差し迫って危険な状態という訳ではないが、念の為に現地調査を行おう
という事になった。
らしいのだが――
「毎度の事ながら、管理局は慢性的な人手不足でね。調査隊編成の為の人員確保が難しい状況なんだ。」
「フェイトちゃんやはやてちゃん達も任務中だもんね。」
クロノのぼやきに対して、別世界で活動中であろう親友達の事を思い浮かべる。
「そこでだ。任務明けで非番中の君に頼むのもなんなんだが、先行調査をして来てほしいんだ。」
「う〜ん……それは別にいいんだけど……私、そっち系は苦手だよ?」
自分の魔力運用は戦闘スキルに特化している。
補助系――もちろん、探索系も含む――は苦手なのだ。
「だから、というのもある。君にも知覚できる程の魔力干渉の存在。本来、魔法という概念の無い世界で―
―だ。それによって、調査隊の派遣を少しは早める事ができる。」
「……それって、私としてはびみょ〜な気が……」
「人には向き不向きがある。今さら悲観する様な事でもないだろう?」
「むぅ……それはそうなんだけど……」
どこか納得がいかない。
「それに、本音としては『現地にいる教導隊所属のAAAランク魔導師からの要請』という事実が役に立
つ。」
「そうなの?」
「ああ。だから――今回は、マユ・アスカ送還のサポートが優先目的。調査の方は、そのついでぐらいのつ
もりでいてくれればいい。」
「了解しました、クロノ執務官!」
そういう事ならばと、ワザとらしい敬礼を交えて応えてみせた。
=========================
『クロノ君、そろそろいいかな?』
「ああ、頼む。」
『了解!』
クロノの指示を受けて、アースラの通信主任兼執務官補佐――エイミィ・リミエッタが手元の端末を操作
すると、なのはとマユが入っている転送装置が発光し始める。
「クロノさん、本当にありがとうございました。」
「ああ。元気でな。」
「クロノさんも。」
「それじゃ、高町なのは、行ってきま〜す!」
なのはとマユが、アースラの管制システムのサポートを受けた転送装置によって転移する。
ある一つの世界に運命の鍵が挿された瞬間だった。
改行が思いどうりにいかないorz
特に1番目。なぜなのさ!?
もっと精進します。
606 :
596:2006/12/25(月) 07:33:20 ID:???
乙です。時期的にはなのはA'sとエピローグの六年後世界の間ぐらいですかね。
マユメインで書かれるSSは初めてなので楽しみです。
予定より早く書き終わったので投下。約一名、キャラが壊れる人がいます。
輝いて、死んでゆく星達。その中を、流星のように駆ける、自由の名を
持つ翼があった。
『それでも、護りたい世界があるんだぁ!!』
僕は叫んだ。叫ばずにはいられなかった。言葉じゃ勝てなかった。絶対に
勝てなかった。だから怖くなった。なら倒すしかないじゃないか。あの人は
僕の大切な人を殺した。僕を否定しようとした。嫌だ。僕は戦うことしか
出来ないんじゃない。戦わないといけないから戦った。それだけなんだ。
思いもあった。力もあった。
なのに……
宇宙をただぷかりぷかりと浮かぶ僕の身体と心を、淡い光が包んでいった……
「キラ。私とアリシア、そしてあなたの幸せの為に……もう一度戦ってちょうだい」
僕を助けてくれた人。僕を人として認めてくれた『僕の知らない人』。僕は
その人と、その人の家族の為に、戦うんだ。
「はい」
『フリーダム』。君の名を、僕の新しい力に捧げるよ。
外された世界。だけどそこには自由があった。笑顔があった。
もっと笑っていて欲しい。この世界の中で。
新たに手に入れたのは魔法の力。
今度こそ、誰にも奪わせない。
蒼い翼。
金色の羽ばたき。
‘自由’を冠された天使の力。
『魔法少女リリカルなのは DESTINY』
始まります。
第二話 『現実への恐怖』
夕焼けに照らされた鳴海市海上にて、二人の魔道師が対峙していた。両者、ぴくりとも動かない。
先に口を開いたのは赤い瞳の少年―シン・アスカだった。
「アンタ……まだ殺そうっていうのか!」
眼をかっと開き、怒気を隠そうともしないシンの姿に、蒼い翼の魔道師―キラ・ヤマトは臆する。
「なにを、言ってるんだ君は!」
「さぁな!自分の胸に―」
シンは言うが早いか、剣型のデバイス―エクスカリバーを抜いてキラに斬りかかる。
「聞いてみろっ!」
神速の振りで下ろされたエクスカリバーが、キラの頭上を捉える。並みの魔道師ではとても避けれない
軌道だ。だがキラは、横にすり抜けるだけでそれをかわしてみせる。
「っこのぉ!!」
返す刀でキラを捉え、逆袈裟に切り上げる。キラはそれを、赤い光剣で止める。ぶつかり合い、
火花を散らしあう剣と剣。シンは押し切るようにキラに突進する。
「うおおぉぉっ!」
シンに浮力を与えている背中の青い魔法陣の輝きが増し、推力が跳ね上がる。鍔迫り合いしながら、
シンは海面に向かってキラを捕まえたまま落下していった。
「まさか!?」
キラが気づいた時にはもう遅い。海面すれすれでシンはエクスカリバーを横に払って、キラの光剣を
弾いてガードを外させた。がら空きになった胴体に、強烈な蹴りを叩き込む。そのままキラは海面に
叩きつけられて派手な水飛沫を上げて沈んでいった。
「はぁはぁ……これで」
シンは高度を取り直し、その様子を息を切らしながら見ていた。キラが浮上してこないのを確かめてから、
公園に寝かしておいた少女の下へと飛んでいった。
「う、うぅん……」
なのはははっきりしない思考の中、眼を覚ました。白い天井が見える。何処かの病院らしかった。
特有の臭いがする。身体を起こしてみる。少し、節々が痛んだ。
「ここは」
ぼうっとする頭を振って、周りを見た。見覚えがある部屋だった。
「アースラ?」
「気がついた?なのは」
傍らには人間の姿をしたユーノがいた。どうやらここはアースラの病室らしい。懐かしい場所になのは
は安堵する。だが、安心すると同時に、言い様の無い喪失感が襲ってきた。
「ユーノ君。私……」
「レイジングハートのことだね……」
なのはとユーノは俯いた。なのはを今まで護り抜いてきた戦友―レイジングハートは謎の魔道師―キラの
攻撃で破壊されてしまった。強襲してきたあの魔道師の姿を思うと、忘れていた恐怖が再燃してきた。肩
を抱き、なのはは震えることしか出来なかった。そんななのはの辛そうな姿を見て、何も出来なかったユーノは
歯噛みした。
「大丈夫……。回収された破片から、レイジングハートは修復されているよ。でも……」
そこでユーノは言葉を切ってしまう。言うのが辛かった。けれど、言わなければならない。
「どうしたのユーノ君」
ユーノは意を決した。何にせよ、なのはが何れ知ることだった。躊躇いつつも、ユーノは決定的な事実を
告げた。
「修復されても……レイジングハートの記憶……なのはと一緒だった記憶は……修復出来ないだろうって……」
なのはは自分の中で何か大切なものが粉々に砕け散るのを感じた。
シンとの戦いに敗走したキラは、一先ず‘今の主’の元へと帰っていた。巨大な研究室の様なその部屋には、
何に使うか分からない器具や機材が沢山置かれており、その中心に人一人が丸々納まりそうな大きさの試験管が緑色の液体を湛えて安置されていた。
その試験管を前に、キラと一人の魔道師がいた。
彼女は‘魔女’だった。紫色の髪を艶やかに流した、妙齢の女性であった。
「そう。管理局の連中は現れなかったのね」
「すいません。例の彼女を追い詰めたんですが、邪魔が入りました」
「いいのよ。あなたが居てくれてさえいれば」
女性はキラの頭に手を置いた。愛しそうな手つきでその頭を撫でてやる。キラはされるがままだった。
「……今度こそ必ず、手に入れてみせます」
「焦らなくていいのよ。時間はたっぷりあるんだもの」
女性はそう言うと踵を返して部屋を後にした。残されたキラは切なげに試験管の中で今も眠る少女の残影
を想う。
「分かってるよアリシアちゃん。君をこのままにしやしないから」
キラは自らに与えられたデバイスを握り締めた。空恐ろしいまでの力。かつて、自らの翼となったMS、
フリーダムを思い起こさせた。だけど所詮それも『力だけ』だったのだろう。『世界の為に戦う』。
それはキラにとって、大きすぎる重石だった。『大切な人を護る』。それだけで十分だったのだ。それに
気づいた時、キラの本当に大切な人は炎に焼かれて果てた。目の前で、手を伸ばせば届くというのに。
だけど届かなかった。延々と続くジレンマが、キラの心を未だに焼いていた。
「だから今度こそ、護ってみせる。プレシアさんを。そしてアリシアちゃんを」
キラの持つデバイス、『アークシエル』はプレシア・テスタロッサが新たに製作していたインテリ
ジェントデバイスを、キラの意見を尊重して改良したデバイスである。元々は伝説のユニゾンデバイス
の研究の副産物で生まれた技術をインテリジェントデバイスに継ぎ込んだという些か反則的な経緯を
辿ったデバイスでもある。それをキラのスタイルに合わせて大幅に仕様変更を施したわけだからその
戦闘力は推して知るべきだろう。
「開発に‘二年'もかかってしまったけど……」
『どうしたんですかマスター』
キラの呟きに、アークシエルが反応した。優しい、恭しい口調で尋ねる。だがキラは顔を顰めると
きつく言い切った。
「君は僕に話しかけないでくれ。‘決意'が、鈍る」
『それは……』
「君は人間じゃないんだ。なのになんで……!」
『……すいませんマスター』
自分でも理不尽だと分かっている。機械相手に憤ったって、無意味なんだ。だけど……。定まらない考え故に、
キラは深く苦悩し続ける。その苦痛を背負ったまま、キラは退出した。
『(大丈夫です。マスターは私がお守りします)』
拒絶され、否定されても、機械である‘彼女'の決意は揺るがなかった。
「まさかレティの‘秘蔵っ子'があなただったなんてねぇ」
「はぁ……」
ここはアースラのブリッジ。艦長の座にあるのは年齢不詳の、失礼。青髪が美しい美女であった。そう美女。
「でも助かったわ。何故かこっちからじゃあ感知出来なかったんだもの。あなたが気付いて駆けつけてくれなきゃ、
なのはさんどうなってたか」
美女―リンディ・ハラオウンはこよなく愛する飲み物である緑茶に、それを冒涜するかのようにミルクと砂糖を
入れながら、シンとの会話を楽しんでいた。なお、ミルクに砂糖とは、彼女の流儀であったりする。流儀なら
仕方が無い。半ば呆れながらもシンは突っ込みたくなるのを必死に抑えていた。
「(うわぁ凄い量)」
「ところでシン君だったかしら」
「は、はい!」
シンは慌てて姿勢を正した。リンディは微笑みながら、楽にしてと促すと、シンも少しだが姿勢を楽にした。
「あなた、アースラからも感知できないような反応を、どうして感じることが出来たのかしら」
アースラの探査能力は絶大である。特殊な結界でも張られない限り、そう簡単に誤魔化せるものではない。それを
掻い潜るような相手を、この少年一人が探り出すことが出来たというのは信じられなかった。
「ああそれは……」
シンは頬を掻きながら、言葉を選んで答える。
「元々僕は‘奴'を見つける為にレティさ、いえ、レティ提督の特命を受けて鳴海市にやって来ていたんです。
現地に最初からいたってのも強みでしたね。それと、あの男の‘気配'が、僕には分かるらしくて……」
「気配?」
「あ、はい。それはまあおいおい……」
シンは困った。正直、結構その辺りはレティ提督に口止めされていたりする。下手に喋ったらどんな‘お仕置き'が
待っているか……。
「ああ心配しないで。私もあなたが‘こちらの世界'の人間じゃないってことは知ってるから」
躊躇うシンの様子をリンディは勘違いしたらしく、少し見当外れなことを言ってしまった。シンはその真摯な様子に
引かれそうになるが、でもレティ提督も怖いからなぁとか思いながら、勝手に悶え苦しみだした。
「う、うごぉっ……」
「ど、どうかしたの?」
リンディが額に大きな汗を貼り付けてシンの奇行を見ていた時、唐突に通信が入った。
「艦長。レティ提督から通信です」
アースラの通信士にしてアースラの‘お姉さん'。エイミィがにこにこしながら言った。
「え、レティから?」
リンディの声が旧友の突然の連絡に少し弾んだ。
ギクッ!シンの肩が跳ね上がった。それはもう思いっきり。
来る。絶望が、来る。
「なんでも‘明日香 真'への通信らしいんですが」
シンはエイミィのにこにこが少し恨めしかった。レティの真実を、現実を知らない人間は何時もこうだった。
「え?‘明日香 真'?」
リンディはシンを見た。ブリッジに設置された転送機に向かって何故か抜き足差し足で向かっていた。
「シン君?‘明日香 真'って、あなたのことなんじゃない?」
シンの肩が、さらに大きく跳ね上がった。
「な、何言うんですか!僕の名前は‘シン・アスカ'。‘明日香 真'なんかじゃありませんにょ!断じて
違いますから!」
「(ありません‘にょ'って……)」
リンディはその様子を怪訝に見つつ、通信を開くかどうか悩んだ。だが遅かった。強引に通信に割り込みをかけたのか、
アースラのメインスクリーンにレティ提督のお顔がドアップで表示された。
かなり、起こっている様子だった。
「(逃げろ!唯一の生存の道に逃げるんだ!)」
シンは生存の道に駆け出した。だが後ろから言い知れぬ殺気を感じ、脚が動かない。悲しいかな。シンの脚は
レティに従順だった。生存の道は、あえなく閉ざされた。
「アスカ……」
地獄の声が響いた。シンだけでなく、リンディ達アースラクルーも震え上がらせるデスボイス。レティの声の
破壊力は絶大だった。親友であるリンディですら、こんなレティは見たことが無かった。
「あんた、今逃げようとしたでしょう」
「いえ、滅相もございま―」
「嘘吐きは私、嫌いなんだけど」
「……はい逃げました」
「へぇ、私から逃げようとしたのね。ずっと養ってあげて、あまつさえ手取り足取り指導してあげたこの私から、逃げようとしたのね」
「いえ、あれは不可抗力と言うか抗えぬ運命と言うかですね―」
「黙りなさい」
「……はい」
勝手に二人だけの世界(甘い意味は無い。むしろ、グロい)に入ってしまったシンとレティ。慌ててリンディは
シンにフォローを入れる。
「あ、あのレティ?一体なんでそんなに怒ってるの?」
「あら、リンディ。あなたには関係の無いことよ」
リンディは絶句した。まさかレティから関係の無いことなどと言われるとは思わなかった。だが付き合いの長い
リンディは、それ程にレティを怒らせることをシンがしたのか、ならば何をしたのだろうという方向で考えを
巡らした。
「シン。私ね、何事も限度ってものがあると思うの」
「はい。その通りです」
「ならさ、まだまだ調整の済んでないエクスカリバー、結界の外で使ったりする?」
「いえしません」
「あんたってば私の命令無視していきなり戦ったわよね。あなた、正規の職員でも無いし民間協力者でも
無いのよ。言うなれば見習い。言い方を変えると下っ端。分かる?」
「分かります」
「あんた、あそこでヤツが落ちてくれなかったら、ケルベロスまで使う気だったでしょ」
「いえ、流石にあれは使いま―」
「使う気だったでしょ」
「……はい」
リンディは、何となく話が読めてきた。
「ああ、二人とも良いかしら」
「何よ」
レティは不服そうだったがシンへの追求を止めた。リンディはここまで感情むき出しのレティを見るのは始めただった。
「話の流れからすると、シン君はレティの命令でここに来たのよね」
「はい……」
シンはまだレティの絶対零度の恐怖に怯えていたが、何とか首肯した。そんな様子を不憫に思いながらも
リンディは話を続ける。
「その命令って詳しくは?」
「あの魔道師の監視よ」
シンが答えなかったのでスクリーンのレティが答えた。
「あの魔道師、少し前からミッドチルダ界隈を騒がしてたのよ。一度時空管理局本部付近にまでやってきたような
ヤツなの。その時もシンが真っ先に気付いてくれたから助かったけど。何故か管理局の網にも引っ掛からないのよ。
お陰でアイツ相手にはシンに頼りっぱなし。腹立たしいったらありゃしないわ」
「そ、そうだったの」
レティはシンとの会話でまだ熱が冷め切っていないのか、何時ものクールビューティとしたところが全く無かった。
リンディは彼女の意外な一面を垣間見た気がした。
。
「でもね、シンは確かに私の‘秘蔵っ子'だけど、まだ正規の職員じゃないの。
立ち位置も中途半端だから、民間協力者って訳にも行かないし。身分だって私が
あの手この手で作り出したのよ」
「だからって‘明日香 真'はないんじゃ……」
「シン、あんたは黙ってて」
「はい」
ところどころで挟まれる、レティとシンの地のやり取りに閉口しつつ、リンディには大体の話が読めてきていた。
「要するに、シン君じゃないとあの相手を見つけることは出来ない。そういうことなの?」
「信じられないけどそういうことなのよ。シン自身、何で自分がアイツを感じれるのか、分からないらしいし。
管理局としてはシンの感覚に頼らざる終えなかったの。だけど……」
そこでレティは言葉を切り、シンを睨んだ。シンは蛇に睨まれた蛙のように小さくなって固まった。
「見つけ次第、こちらに連絡入れてって言ったわよね」
「はい……」
「まだあんたのデバイスは調整終わってないんだから、戦っちゃダメって言ってたのにねぇ」
「はい……」
リンディはやっと察しがついた。シンはどうやらこの厄介な提督の命令に背きに背きまくったらしい。何となく
そんな無茶なところがなのは達に似ているなと思いつつ、リンディはシンに助け舟を出してやった。
「でもレティ。シン君がやってくれなきゃ、なのはさんはどうなっていたか。今回は良かったんじゃない?」
「まあねぇ。でももうシン一人だけじゃやれることにも限りがあるのよ。大体が、今回の戦闘でもう十回目よ。
その度にシンの魔力が切れて逃げられちゃう始末だし。三回目なんてあんた、やられてたのよ。あの時どれだけ
私が心配したか……」
「はあ、なるほどね」
リンディは納得した。命令のこともさることながら、シンに対する親心のようなものもあったのだろう。
けれどシンはそのことに気付いていないらしく、ただ小さくなるばかり。何となくこの二人の掛け合いが
ずれているとリンディは感じた。
「でもシン、今回は許してあげるわ。あんたが戦ってくれたお陰で、やっとあの魔道師の特徴が分かってきたから」
レティの言葉に、シンは急に元気を取り戻した。あの魔道師を倒すきっかけが得られるかもしれないのだ。
リンディも、先程までの会話は置いて、指揮官としての顔を見せた。
「それで、あの魔道師の特徴というのは?」
「まあ分かったところで面白くも何とも無いんだけどね……」
レティはそう前置きをして、口を開いた。
「結論から言うわ。あの魔道師とは戦わないで」
レティから語られたのは、‘限りなく厳しい壁'の存在だった
シンはこちらの世界に飛ばされて、巡り巡ってレティの下に引き取られた。シンがレティの下にやってくる
までには色々と波乱万丈な激動の攻防が繰り広げられたりしたのだが、それはまたの機会としておこう。
ともかくその後が大変だった。レティは異世界の住人であったシンに、大きな才能を見出すと、自らの手で
一流の魔道師にするべく鍛え上げだした。管理局ですら見つけられない時空からやってきた人間を、提督である
レティがそこまでするというのに反対の意見も上がった。事実、他の訓練生とは軋轢が耐えなかったという。
そんな中でシンは魔道師としての力を開花させていったのだった。だが、
「力はともかく、あんた本当に頭無いわね」
「すいません」
戦術論というのがシンには全く無かった。訓練中も半ば、暴れまわるように他者を吹き飛ばしていったのだが、
いざ団体戦になってみると持ち前の血の気の多さと後先考えずに突っ込む性格が空回りし、全然話しにならなかった。
なので試験に落ちも落ち、彼は管理局職員になれなかった。まだ割りと簡単な(それでも大変である)
嘱託魔道師にすらなれなかったことを考えると、相当なものである。なのでシンはレティの‘養子'という立場以外、
何の肩書きも持たないただの‘民間人'ということになった。のだが、
「あんた、腕は確かなんでしょ。そう落ち込むことないわよ」
「別に落ち込んじゃいませんよ」
「その腕、私が買ってあげる」
「へ?」
それが全ての始まりだった。レティは手続きも無しにシンを非合法で使うことにした。管理局の人間として、
何の立場も持たず、民間人としての立場も危うい。そんな人間を民間協力者とは到底呼べないが、それでもまあ
協力者であるところの彼。というよく分からないにも程がある立場。
『特命魔道師只の馬鹿野郎』の誕生であった。ちなみに只の馬鹿野郎とはレティの言葉である。さらにそこから
シンの‘持ち物'を固める為にレティは奔走した。開発中でその‘性格'から、放棄されていたインテリジェントデバイス、
『フォース・インパルス』を強引に開発を再開させ、シン用に完成させたり。さらにはそれに付随させる形で
ストレージデバイス、『エクスカリバー』と『ケルベロス』を完成させた(この開発経緯にも恐ろしい激闘
があった)。それを受け、シンは早速それらのデバイスを使いこなすための特訓が開始されたのだが、
「まさか一度に全部使って魔力使い果たす馬鹿が本当にいたとはね」
「ぜぇぜぇ……」
ともかくこうして、魔道師シン・アスカは誕生した。明日香 真というのも、シンが向かう先、地球の日本での
生活をより良くする為の偽名だったりするのだが、理解力が少し足りないシンには、ただレティが遊んでいるだけと
勘違いされている辺り、かみ合ってなかった……。
アースラの休憩室にて、シンはエイミィと談笑していた。これから暫くお世話になる艦のことを、少しでも
知っておきたいということもあった。
「へぇ。じゃあシン君は艦長とは顔見知りだったんだ」
「ええ。僕がこっちの世界に来た折に、お世話になったんです」
シンは思い返す。いやぁアレはお世話になったとかそんなレベルではなかった。とシンは改めて思った。
こちらの世界に渡って初めてのころは右も左も分からない。それに家族を失った苦しみの所為で情緒不安定
になりがちだったシンをリンディは優しく接してくれた。今思うと結構酷いことも言った気もする。だけど
それでもリンディは嫌な顔せず、シンに接していたのだった。そのことが、シンにリンディに対する忠義にも
似た感情を抱かせていた。ちなみにレティに対しては畏怖と服従に近かったりする。何にせよ、今のシンが
あるのはそれぞれ違う優しさを持った大人の女性のお陰だった。
「じゃあクロノ君とは?」
「クロノ君とは……訓練生時代にお世話になりました」
シンの中に過去の恐怖が蘇ってきた。知らず知らずのうちに身体が震えだす。止めろ、止まれ俺の震え!と
自分に訴えてみるが止まらなかった。エイミィはシンの様子を見て、どうやら踏んではいけない地雷を
踏んでしまったようだと気の毒に思った。
「クロノのヤツ……包囲して一斉射は無いだろう……」
憑かれたように小声でぶつくさ言うシンの姿に、エイミィは一抹の不安を抱いた。
『いい加減にしろ。貴様の奇行を前にして、ご婦人が驚かれておるぞ』
ふと、声がした。エイミィはぎょっとして振り返ってみた。しかし誰もいない。それに、その声は前から
聞こえた気がする。エイミィは前を見た。当たり前だがシンしかいなかった。シンは呆れたように溜息を
吐いて、右手に付けた鳥の羽を模したブレスレットを突っついた。するとそのブレスレットは不服そうに
喋った。
『何をする』
「人前ではあまり喋るなって言っただろ。お前、珍しいから目立つんだから」
ブレスレットが喋る。それは普通である。何しろインテリジェントデバイス、『フォース・インパルス』の
スタンバイモードなのだから。だが、
「えと、シン君。それって……」
「一応、インテリジェントデバイスです」
『一応とは失敬な。ここまで優れたインテリジェントデバイスは、この世には他に無いぞ』
『インテリジェントデバイス』は、人格を持っているというのが最大の特徴である。使用者との対話も
可能だし、個々によってかなりその性格は変わってくる。のだが、
「普通、インテリジェントデバイスはそんなに口が達者じゃ無いって」
通常、インテリジェントデバイスは英語で意志を伝える。使用者には直接その意志が伝わるので、言語を
選ぶ必要は無いのだが、フォース・インパルスはシンに合わせ、‘日本語で喋っている'。シンにだけでなく、
エイミィにも日本語として伝わるのだからその言語能力は本物だった。
『痴れ者が。それこそ私が優れたデバイスである証拠だろう』
しかもやたらと偉そうである。シンは呆れ果てた様子で首を振った。
「優れたデバイスって……。言わせてもらうが、お前ほど使いにくいデバイスは他に無いと思うぞ。空飛ぶ以外に
機能が無いなんて、一体なんなんだお前」
『その分、空戦能力は随一だろうが。案ずるな。私を使う限り、貴様は制空権を握っているといっても過言ではない』
「確かにお前が空飛ぶには優れてるってのは認めるけどさ。エクスカリバーとか使わないと戦闘出来ないっていう
根本的欠陥にはどう言い訳するんだ?」
『ふっ。大した問題ではない』
「いや、問題だから」
勝手に盛り上がってる二人(?)を前に、エイミィは言葉を失っていた。とにかく喋るのである。デバイスの方が。
「あ、あの……シン君。この子って……」
「くどいようですが……一応インテリジェントデバイスです」
『ご婦人、私はれっきとしたインテリジェントデバイスである。こやつに騙されぬ様、注意するのだ』
さよう。フォース・インパルスはれっきとしたインテリジェントデバイスである。のだが、何故か極度に
発達した人間性を持ち、他のデバイスとは全く違う理念を持つ。普通のデバイスが極端な話、マスターに
従順であるようになっているのに対し、フォース・インパルスは‘マスターを強くする'という基本理念の
元に成り立っている。その‘強くする'という選択の中には、当然のようにスパルタという古典的な選択が
入っていたりする。つまり、
「訓練中にいきなり全開で相手に突っ込まされたり……」
「うわぁ……」
「いきなりプロテクションを消したり……」
「いやぁ……」
『他にはわざと重いバリアジャケットを着せたりしてだな』
「酷い……」
エイミィはシンに心の底から同情した。下手をすれば、命に関わるやり方だった。
「クロノとの模擬戦で、いきなりプロテクション消された時は本気で死ぬと思ったよ」
『あの小童のブレイズキャノンの前にあえなく下される貴様の醜態は見物だったわ』
容赦がなさすぎるとエイミィはジト眼でフォース・インパルスを見た。意に介した様子も無く、フォース・インパルスは
笑い続けていた。
「終いには起動しなかったときもあるんですよ。だから起動の時だけは
強引に強制稼働させてます」
「本当に酷いね、この子」
『何を言うかご婦人。私ほど優れたデバイスはこの世に存在せぬ』
エイミィは返す言葉が見つからなかった。
意識を取り戻したなのははベッドの上で膝を抱えていた。
レイジングハートの破壊。それは彼女にとって、友の死と等しかった。そして友を殺めた魔道師に
対する言い知れぬ恐怖が、なのはの心を蝕んでいた。今まで戦ってきて、怖いと思ったことはあまり
無かった。レイジングハートと、仲間と一緒で居られれば、不思議と恐れは無く、自然と勇気が湧いてきた。
けれど今は叩きのめされ、立ち上がる気力さえ奪われてしまった。もはや傷つけられ、震えることしか
出来なかった。そんななのはの姿を、ユーノは直視することが出来なかった。
だが、
運命は彼女に眠ることを許さない。
再臨の刻はもうすぐそこまで来ていたのだった……
『……my master.』
そう。すぐそばまで……
第三話 『雷神来る』 に続く
二話は長すぎますね。すいませんorz必ず何処かしら問題があるな、私のSS。
これからまた精進します。
GJ。
何を言う!! 長いに越した事はない!!
621 :
通常の名無しさんの3倍:2006/12/25(月) 21:34:35 ID:pzRj/ZOH
MSとデバイスを同じように考えるのはおかしいだろ。
インテリデバイス開発に関わってたのに他のインテリデバイスを破壊するキラが違和感ありすぎ。
凸から貰ったトリィを大事にしていたのは何だったんだ。
RHを壊したということはシン側と和解してもなのはと仲が良くなる事は無理。
つまりなのは関係の人たちと友好関係を築くことも不可能。
…そんなにキラをいじめて楽しいのかあんたは!w
ていうか、プレシアが『今の主』て……前の主はラクスか?
このスレはなのは厨兼種アンチの巣窟だからしょうがない
このキラって種終了時のキラじゃないのか?
……完結できるかわからないまま見切り発車するのはやっぱ駄目だよな。
無責任だね
それが種クオリティ
ご意見ありがとうございます。
キラはまだデバイスのことを兵器としてしか認識しておりません。
それ以上でもそれ以下でもなく、ただの力。それが彼のデバイスに
対する認識です。ならインテリジェントデバイス使うなという話に
なるのですが^^;
なお、なのは達との件は必ず書きますのでお待ちください。今回は
キラというキャラで悲恋を表現してみたいと思っております。まあ私の
拙い文章力で何処まで書けるか分かりませんが、よろしければ最後まで
お付き合いください。
文章力はあるんだけど、どうにも読んでて違和感バリバリなのは何故だろう
奇遇だな、俺もだ。本当に何故だろう?
ほとんどオリ設定で固めてるからじゃね?
例えオリ設定でも大筋がしっかりしてれば違和感は無い
でも何か小骨が引っかかる感じだ
そのなぜか?の答えは何となくわかる
多分だけどね
勿体ぶらずに言ってくれよw
第10話後編投下します。
機動戦士ガンダムし〜どD´s 第10話後編
「これで大丈夫だから。」
「ありがとうございます。」
シンは桃子に傷の治療をしてもらって、やっと血が止まったところだった。
だが、顔には生々しい傷跡が残っている。
最初なのはの家族がシンを見たときは皆が驚いてた。
特にここまで大量の血を今までもたことがないなのはは倒れて、今はそのまま自室で少し眠っている(気を失っているといったほうが正しいが)
ちなみに美由希は現在疲れたからさきに風呂に入ったらしい。
「けど、びっくりしちゃった。ここまで血が出てるなんて思わなかったし。美由希から大体のことは聞いたけど・・・」
まあそれはそうだろう。普通は怪我してるって聞いて顔の傷だけで服が血まみれになるなんて聞いたことがない。
「ごめんなさいね。娘のためにこんな怪我を。」
桃子が申し訳なさそうに言う。謝っても足りないくらいだ。
「いえ、もともと首を突っ込んだのはこっちですし。」
シンは気にしないでくださいという。
こんな傷はアカデミーのナイフ講習でよくやってて、よく直してもらっていた。
「けどありがとう。最近はいろいろ物騒だからな。剣術習ってるといっても、やっぱり女の子一人を夜遅く歩かせるのは危なかった。」
士郎がシンに礼を言う。
それを聞いて「え?」とみる。
(あいつも習ってたんだ。)
だが、これである程度は納得がいった。
シンが刺されそうになったときの美由希の動き。
シンが思っていたことを士郎は察した。
「ああ、美由希と恭也は俺が剣術を教えたんだ。詳しく言えば、俺が教えたのは恭也で、美由希は恭也から教わってるんだけどね。」
それを聞いて、へえとうなずくシン。
「まあ、俺が教えてるのはちょっと違うけどね。」
それを聞いて「え?」という。
「俺が教えてるのは、まあなんていうか、「御神流」っていって・・・まあ詳しいことは教えられないけどね。」
そこまでは言及せず、ただ頷くシン。
ふと時計を見る。すでに8時をとっくに回っている。
「もうこんな時間か・・・」
シンの言葉で桃子と士郎も時計を見る。
「すみません。はやても待ってることですし、そろそろ戻ります。」
それを聞いた士郎は驚いてシンのほうを向く。
「あ、そうか。連絡とる手段がないから何も聞いてなかったんだな。」
何の話だ?そう思いながらシンは高町夫妻を見る。
「君の傷の手当をしている最中にはやてちゃんから電話があってね。話し合った結果「もう夜も遅いからシン君は今晩内に泊まる」ってことになったのだが。」
「・・・え?・・・」
「ん?・・・」
なのはは自分の部屋で目を覚ました。
「あれ・・・わたし・・・・なんでこんなところに?・・・」
確か姉、美由希の帰りが遅いから両親と居間で待っていたときだった。
「確かお姉ちゃんが帰ってきたときに、シン君も一緒にいて・・」
そしてすべてやっと思い出せた。
「う・・・」
あの時はいきなりだったから気を失ったが、思い出すだけでも気分が悪い。
そのシンが、顔面を切られて、そのとき流れていた大量の血が服にこべりついていた。
「お、目が覚めたか。」
気がつくと目の前にはなのはの様子を見に来た恭也の姿があった。
「あ、お兄ちゃん。」
「いきなり倒れたからびっくりしたぞ。まあ、気持ちは分かるけどな。」
そういいながら恭也は、あのときのシンの姿を思い出す。
「シン君大丈夫なの?」
「ああ、最も、流石に傷跡は消せないけどな。」
さっき少し見たが、痛々しい傷跡が残っていた。
「あ、それと・・」
恭也が本来言うことを思い出す。
「今晩はシン君はうちに泊まることになるらしい。」
「え?」
「物騒だから帰るのは明日がいいだろうってさ。」
といっても、まだ8時過ぎなのだが・・・向こうの家の主にとってはもう8時過ぎなのだろう。
「俺が送っていこうかって言ったら「礼もしたいから一晩泊まらせるから別に言い。」ってさ。」
「そうなんだ。」
「あと、そろそろ夕食だから降りて来い。」
そういい恭也が部屋を出て、その後を続くようになのはも後に続く。
「君の名前は?」
「マユ・・マユ・アスカ。」
ここはクルーゼの自室。ここで目覚めたマユはクルーゼからいろいろ質問されている。
マユはこの男を奇妙な人だと思った。
その一番の理由は変な仮面をかぶっていることであった。
だが、実際彼女を助けたのは彼なのだから、そこまで悪い人じゃないと思い、話を聞いている。
彼女はいろいろ話した。
自分はオーブ出身で、家族がいるが戦争に巻き込まれて、それでなぜかその家族の顔がどうしても思い出せないこと。
いろいろ聞いたクルーゼは、不意にこんなことを言った。
「ところで、今年は何年か知っているかな?」
奇妙なこと聞いている人だなとおもい答える。
「今年って・・・・コズミック・イラ71年でしょ?」
それを聞いて仮面の下の彼の顔は笑っていた。
・・・・何なんだろう・・・この人・・・・
「信じてくれとはいわんが、今私たちがいる場所はコズミック・イラではない。」
「え?」(何を言ってるんだろう、この人・・・)
マユはどこかにドッキリカメラでもあるのではないかと、いろいろ見渡す。
だが、この部屋にあるのはベッドとデスクのみ。
デスクも彼がかぶっているマスクのスペアと同じ数の、これまた奇妙なデザインのサングラス。それと変な薬のみ。
「まあ、簡単に言えば、魔法がある世界、といえばいいかな?」
ここはコズミック・イラではないの次は、ここは魔法の世界。
だんだんマユの頭が痛くなってきた。
「君は知らないかもしれないが、私が君を助けたときには、君の右腕はちぎれていてね。」
それを聞いてマユは自分の腕を見る。
そこには普段どおり自分の右腕があった。
「だが、私が世話になっている人が、君の右腕を直してくれてね。そうだ、今から会いに行ってもいいだろう。」
そういいクルーゼはマユをつれてプレシアのいる研究室へと向かった。
「何なの・・・・これは・・・」
プレシアは驚いている。
あのクルーゼが拾ってきた少女に、ある処置を施した。
それは、幼い子供がするにはあまりにも負担が多い。
だが、この少女にいたってはそこまでたいした副作用や傷害などは見られない。
予想以上にうまくいったのもひとつの要因だが、これだけではない。
「あいつ・・・ほかにも何か・・・」
おそらく、ほかにも何か隠している。あの娘のことで・・・・
「クルーゼだが、いいかね。」
うわさをすれば、その張本人が尋ねてきた。
「・・・・何のよう?」
「例の娘が目を覚ましてね。礼を言いたいと。」
簡潔に内容を説明して、しばし考え、中に入れた。
「あ・・・あの・・・」
部屋に入ってクルーゼの横にいる少女が話しかけている。
「助けてくれて、ありがとうございます。」
何故だろう・・・何か暖かいものを感じるものがあった。
プレシアを失って、初めて人に素直に「ありがとう」と心から感謝された気がした。
「・・・・クルーゼ・・・・」
「何ですかな?」
「いったん部屋に戻って・・・」
「分かりました。」
そういいクルーゼは素直に部屋を出て行く。」
今、部屋には二人きり。
「あなた、名前は。」
「マユ・アスカです。」
マユはプレシアの表情に少し怖さを覚える。
「あなたを治したのには、ちょっとした理由があるの。」
そういいプレシアはアリシアのほうを見る。
「あの娘は?」
アリシアについて、マユがたずねる。
「私の娘よ・・・・といっても、今は死んでるけど。」
それを聞いてマユは目も前の少女を見る。
死んでいるというよりは、ぐっすりと眠っている状態にみえた。
「でも、それも終る。アリシアは生き返る。」
マユは分からないことばかりだった。
人が生き返る。漫画の世界でしか言いそうにないこと。
「本当なんですか?人が生き返るって。」
ひと、何気なく言ってしまった。
「ええ、クルーゼに聞いた限りでは、あなたの世界では魔法というものがないと聞いたわ。
知らなくて当然よ。」
プレシアは、今までにない優しい感じで言う
「お願いっていうのは・・・・」
プレシアはマユのほうを向く。
その表情は先ほどまでと違い、やさしい母親の顔だった。
クルーゼを返したのは、こんな顔を見られたくなかったからだ。
「この子が生き返っても、私とアリシアしかいなくて、お友達がいないの。だから、アリシアが生き返ったら、友達になって欲しいの。」
プレシアに言われてマユは考えた。
そして出した答えは。
「分かりました。やっぱり、友達は多いほうがいいですよね。」
笑いながらマユはいう。
こういう空気は久しぶりだ。プレシアは思う。
何か、このマユという少女とアリシアは、何か似ているところでもあるのだろうか。
こうしてプレシアは、久しぶりの、人としての感情を少しずつ取り戻してゆく。
「「「いただきまーす」」」
今高町家では、シンを交えての夕食が始まっていた。
時間はすでに8時半が来ようとしていた。夕食としては遅い。
高町家では「食事は全員で食べる。」がモットーらしい。
ちなみにメニューはカレー。
その中でシンは呆れたような目で前を見た。
「いやあ、相変わらず母さんのご飯はおいしいなあ。」
「そうでしょ。今日はちょっと隠し味にいろいろ入れてみたのよ。」
「シン君もたくさん食べろよ。こんなうまいカレーを食べる機会なんてめったにないだろうからな。」
「あ・・はい・・・」
「やだもうあなたったら!」
いつの間にか二人の空間が出来上がっていた。
(いい年こいでなにやってんだよとこの人達・・・・)
こういうのをなんていったっけ?絶対領域?A・○フィールド?
確かに料理はうまい。流石喫茶店を経営しているだけのことはある。
だが・・・目の前の二人はどう見ても夫婦というより甘いときを過ごしている恋人同士・・・・それも重度のバカップルの。
(いつもこんな感じなのか?)
シンはこそっとなのはに聞く。
(うん。そうだよ。)
話の内容を察知し、なのはも同じようにこそっと答える。
(・・・仲いいんだな。ものすっごく・・・)
(うん、とっても。それに・・・)
なのはは、士郎たちとは違う方向、つまり、恭也たちを指差した。
向こうでも、やや二人の空間が出来上がっていた。
「・・・・・・」
シンは、この家はいい意味で普通じゃないと思った。
(家族に愛されてるって自覚あるんだけど・・・なんかわたしだけちょっとこう浮いてるっていうか・・・)
なのはのいいたいこともわかる。
そこでシンはちょっとしたアドバイスを入れた。
(お前が浮いてるんじゃない。ほかの人が浮きすぎてるんだ。)
シンはこそっと、しかしきっぱりといった。
それにはなのはも苦笑いを浮かべながら同意するしかない。
そこで、シンは以前から疑問に思っていることがあった。
(桃子さんだっけ・・・この人いくつなんだ?)
家族の母親である桃子と、長男の恭也を見比べる。
どうも今にも成人を迎えそうな人の母親には見えない。若すぎる。
だが、とても聞きづらく、言えるはずもなく、もくもくとカレーを食べる。
「ふぅ。」
シンはあてがわれた客室でぐったりしていた。
風呂にも入って、今はシャツとズボンという格好であった。
泊まることになった経緯を士郎から詳しく聞いた。
「俺は子供かよ・・・・」
まあ、はやてがシンの身を考えてのことなのはわかるが・・・・
「にしても、ヘマしたな。」
そういいながらシンは切られた左頬をさする。
「ちょっといいかな?」
そのとき、ドアの向こうで声が聞こえた。美由望の声だった。
シンは彼女を中に入れた。
「何?」
シンは尋ねると美由希は気恥ずかしそうに答えた。
「お礼、言い忘れたから。助けてくれてありがとう。それと、傷のほうは大丈夫?」
まだ気にしてたのか。そう思いながらシンは答える。
「別に、気にすんなよ。こっちから首突っ込んだんだし。」
なぜか場に重い空気が流れる。
何とかしようとシンは何かはなしのねたはないかと探す。
「なあ、あんたの兄貴って、年いくつなんだ?」
ふいに気になって切ることを聞く。
「え、恭ちゃん?今年で二十歳になるけど。」
それを聞いて黙り込むシン。そして。
「・・・・母親は?・・・・」
「・・・・女性の年齢を聞く気?・・・・」
「じゃあ兄貴は別にいいのかよ。」
「だって恭ちゃんはそんなこと気にしないもん。」
ふうん、とことガだけ返すシン。
変なことを思われるわけにはいかないので、正直に話す。
「今年で成人を迎えるような子供を持ってる割にはあんたの母親は若いなって思っただけだよ。」
それを聞いて、ああと相槌を打つ美由希。
「そういえば、話してなかったね。」
何のことだ?と思いながらシンは美由希を見る。
「父さんと母さんの子供は、なのはだけ。」
それを聞いてえ?と驚く。
「恭ちゃんは父さんは父さんだけど、母さんは父さんの前の母さんで、連れ子。それで、私の本当の母さんは父さんの妹。」
思ってもいないことを言われて、少し混乱するシン。
「それで私の家族は・・・・全員テロで死んで・・・・今の父さんが私を預かってくれるようになったの。」
非常に気まずい雰囲気になった。
そんな事情があったなんて思っても見なかった。
「・・悪い。へんなこと聞いた。」
謝ることしかできないシン。
「べつにいいよ。これでお互い様だし。」
「え?」
「まえにおしえてくれたでしょ?シンの家族のこと。」
数日前、みんなの前でシンは家族のことを話した。
「シンのことだけ聞いて、うちのことだけ話さないって不公平でしょ?だから話したの。」
そういうものか?とシンは思ったが、まあいいかと思った。
ここで、不意に美由紀が尋ねてくる。
「ねえ、そういえば、シンって感じでどう書くの?」
「は?」
「だから、アスカ・シンって、感じでどう書くかって聞いてるの。」
しばらく考えて、ああといっている意味を理解するシン。
(そういえば、ここの国の名前って漢字で書いてるんだな。)
オーブがこの国と同じ言葉を使って言うことを思い出す。(おかげで、難なく文字とかが読めるのだが)
「名前に漢字なんて使ってない。カタカナでシン・アスカでいい。ファミリーネームも名前の後に付ける。」
それを聞いて、え?とシンをみる美由希。
「確かに、俺が住んでた国にこの言葉は使われてたし、漢字もあるけど、名前はカタカナだ。」
同じ言葉を使っているのに、名前には使わない。
美由希は、ほんとに彼は異世界からきたんだなと少し実感する。
話しているうちに美由希は、眠気が来た。
あれから結構話し込んでしまった。
「もうこんな時間。じゃ、私は寝るから、お休み。」
そういい部屋から出ていく美由紀。
「さて、俺も寝るか。」
そういい部屋の明かりを消して寝床に着いた。」
「ふあぁぁーー」
大きなあくびをしながらしながら美由希は自分の部屋を戻る。
そこに・・・・
「おねえちゃん?」
後ろからなのはが話しかけてきた。
「なのは、まだ起きてたの?」
「ううん。ちょっとトイレで目が覚めただけ。」
そういってるなのはは、明らかに自分よりもはるかに眠たそうだ。
「おねえちゃん、さっきまでシン君の部屋にいたの?」
「え・・うん・・まあね。」
なぜか、シンのことを聞かれたら這うzかしくなる美由希。
「ほら、早く寝ないと朝起きれないよ。」
はぁい、といいながら自分の部屋に戻るなのは。
(なんなんだろう・・・)
なんか、いままで感じなかった感情が、少しずつ芽生え始める、こんな感じがあった。
(っとといけない。早く寝よ。明日も朝速いし。)
そういい、別に学校に行かなくてもいいシンを少し羨ましながら部屋に戻る。
それ以降、何故かシンのことばかり考えているかも知らずに・・・・・
続く。
はい、なんかいつもより長くなってしまった第10話後編投下完了。
なんかあらぬ方向へ突っ走ってる気する・・・・
644 :
619 :2006/12/26(火) 11:25:58 ID:???
乙です。第10話、楽しみしていました。
それにしてもシン、美由希さんとフラグ立った?
>>643 むしろ、そのまま突っ走ってほしい。
乙です!
少し前に、なのはの設定を求めた者です。一つ質問なんですが、やはり携帯からの投稿は嫌われますかね?NGなら自粛しますので。
>>646 本人にヤル気があるなら構わないかと。
ただ、SS投下の際にレス間隔が開き過ぎない工夫はして欲しい。
てか、良SSを期待待ちしてる。
>>621 じゃあ見なきゃいいだろゴキラ厨
>>622 おいおいアホか
この板でこんなに種キャラ、特にキラが優遇されてるSSばかりのクロスオーバーSSスレなんて
他にねーぞw
大抵踏み台扱いだ
とりあえず今日も何とか書けたので投下。
突きつけられた現実。それはあまりにも厳しくて……。
しかし少女の復活を待たず、事件は動き出す。
『stand by ready.set up.』
『魔法少女リリカルなのは DESTINY』
始まります。
第三話 『雷神来る』
時空管理局本部。時空管理局の中心にして、発見されている世界、全てを監視する監視網。
その一室―レティーの提督室に二人の少女が居た。
フェイト・テスタロッサとその使い魔のアルフである。フェイトはいきなりの大物との
対面に緊張して俯いていた。まあ無理も無い。形式上のものとはいえ、自分は今から裁判を
受ける身なのだ。例え信用できる人の知り合いと言えども、提督という身分ともなると警戒
してしまう。フェイトのそんな様子を、レティは存外に優しい笑顔で迎えた。
「フェイト、テスタロッサさんね」
「は、はい」
「私はレティ・ロウラン。あなたのよく知ってる、リンディ提督と同じ、時空管理局提督よ」
「はぁ……」
レティは小さく苦笑した。正直、ファーストコンタクトとしては芳しくなかった。フェイトの
隣に凛と立つ使い魔―アルフなどはあからさまに警戒している。フェイトに何かしたら承知しないよ。
という雰囲気がひしひしと伝わってくるのだから苦しいったらありゃしなかった。ともかく、
そんな泣き言を言ってはいられない。事態は急を要する。さっさと話を進めねばならないのだった。
レティは気分を仕切りなおし、提督としての顔を前に出した。そうすれば不思議とフェイトの
戸惑いもアルフの威圧感も感じなくなる。
「……単刀直入に言うわ。まだ裁判前のあなた達を動かすのはこちら側としても
リスクが大きいのだけど。今はあなた達しか信用できる人がいないの。だから頼むわ」
フェイトとアルフは顔を見合わせた。レティの要求に、検討がつかなかった。
しかしレティの要請は二人の予想の斜め上をいっていた。
「至急、アースラに向かって欲しいの」
ところ変わってアースラ艦内のトレーニングルーム。そこに二人の魔道師が己のデバイスを起動させて
立っていた。
「シン。久しぶりだな」
「クロノ君こそお元気で何より」
言い合って、どちらからともなく握手する。だが中々その手を離さない。徐々に赤くなってゆく二人の顔。
随分と必死そうだ。握り合った手がぶるぶると震えていた。見学しているエイミィは、二人の間に何か大きな
確執があるのではないかと不安になった。実際、確執というほどのものではない。昔の因縁というヤツである。
「……さてシン。僕に吹っ飛ばされた後、君はどれ位成長したのかな?」
「さぁてね。まあ君に負けないように血反吐吐いたのはまだ覚えてるよ」
言い合う二人の様子を呆れたように見ていたエイミィは、飽きたのか、溜息を吐いて部屋を後にした。後ろから
二人が魔法をぶつけ合う音が聞こえたが気にしない。どうせやるとは思っていたからだ。
「もう……レイジングハートの修理もまだだっていうのに……」
キラによって破壊されたレイジングハートは、僅かな破片を回収し、それを元に修復が進められていた。しかし、
ある意味でもっとも大事な部分―記憶中枢のようなものへのダメージが大きく、その修復は困難と思われていた。
エイミィも、ばらばらになったレイジングハートを目の辺りにし、大きな衝撃を受けた。現在は回収された
パーツを管理局本部のメンテナンスルームに送って、修理してもらっているということなのだが。
「どうなっちゃうのかな。なのはちゃんとレイジングハート」
その頃、薄れゆく意識の中、レイジングハートが大きな決断を下していたことを、エイミィも誰も知らない。
ブリッジでは、魔道師キラとの戦闘に備え、その能力の検証が始められていた。レティからもたらされた
極僅かな情報を元に、リンディ達は対策を練っていた。
「とにかく……この機動力と火力が厄介なのよね」
スクリーンに映し出される映像を見て、リンディは溜息を吐いた。こんな挙動をする魔道師を、彼女を含め、
アースラクルーは今まで見たことが無かった。とにかく無茶苦茶にも程がある動きであった。人間の身体の限界を
全く考慮していない。しかし現にキラは、そんな機動を平気で行っていた。リンディが今まで会った中で、もっとも
機動力に優れた魔道師は、フェイト・テスタロッサであった。しかし彼女の力を以ってしても、この魔道師に
着いて行けるかは疑問であった。
さらに火力の面。キラの魔法は全て、シールド貫通力が以上だった。いや、貫通というのも生ぬるい。
完全な破壊である。なのはの強固なプロテクションを、苦も無く破壊するその破壊力は、通常の魔法とは
一線を画していた。レティが戦うなと言ったのも、それが大きな要因だった。
詰まる所、現状ではキラを止める術は無いということだった。攻撃を当てるのもままならず、さらには
こちらの防御を無視する力。一対一で勝てる相手ではなかった。
「確かこの子、シン君はキラって呼んでたわよね」
リンディが呟く。リンディは疑問に思っていた。何故、シンはあそこまでこのキラという魔道師に詳しいのだろう。
何故、シンだけがキラを探知することが出来るのだろう。疑問は尽きないが、まず、対応策が無いというのが
辛かった。たった一人の魔道師相手に、管理局が手も足も出ないとは、信じたくなかった。
「どうしたものかしら……」
クロノとシンの模擬戦の見学をあっさり切り上げたエイミィはレイジングハートの修理の状況を知るため、
メンテナンスルームに直接通信を入れていた。
「うぃい、マリー。調子はどうかな?」
「あ、エイミィさん。お久しぶりです」
マリーはレティの部下の一人で、主にデバイスのメンテナンスを担当している職員だ。今回、レイジングハートの
修理を担当したのも彼女だった。
「で、レイジングハートのことなんだけど……」
「あっ……」
急に空気が重くなった。エイミィは聞いたことを少し後悔した。
「そうか……。やっぱりあの子、修理できなかったんだ」
エイミィは最悪の結果を予想した。傷付いたなのはにはレイジングハートが必要と思ったのだが、こんなことに
なってしまえば、どう彼女に言えばいいのだろう。エイミィの気持ちが深く沈んでいった。だが、
「修理は……出来ました」
「へっ!?」
エイミィは顔を上げた。そしてモニターに抱きついて頬擦りしだした。
「もぉっ!さっすがマリーちゃん!ありがと〜!」
感極まって、モニターに移る相手に頬擦り始めてしまったエイミィにマリーは一瞬退いてしまったが、まあ
この反応も当然と言えば当然と思いなおす。しかし、マリーはエイミィのそんな喜んだ顔を見れば見るほど
至らなかった自分に歯がゆくなった。まだエイミィに伝えていないことがあった。絶対に伝えておかねばならない
ことを。
「あ、あの、エイミィさん」
「ん?何々?」
「実は、一つお話が……」
「要するに、3対1ぐらいで相手をするのが丁度良いってことか」
「ああ」
突発的に勃発したクロノとシンの模擬戦は、引き分けという形で幕を下ろした。お互い、かなりの高速戦闘の中、
それぞれブレイズキャノンとケルベロスを撃ち合い、派手に吹っ飛んだ末のはっきりしない決着だった。その時の
名残か、二人の顔には幾らか擦り傷があった。
「二人がキラの捕縛に回って、攻めるのは一人。それぐらいが丁度いいはずだ」
「そうは言うが、あの弾幕の中をどう抜ける。僕も見せてもらったが、あれだけの魔法の中を掻い潜れる魔道師は
限られてくるぞ」
「そうなんだよなぁ……」
シンは頭を掻いた。とにかくキラの魔法の質と量は異常なのである。シン自身、十回戦って優勢だったのは先の
海での小競り合いだけだった。
「近付こうにも近付き難いし、近付いてもあのスピードで下がられるし……」
シンにとって一番良いのは押し切りの戦法だった。海で試してみたが、意外とキラは接近戦での力のぶつけ合い
に弱い傾向にあった。それに言葉による簡単な揺さぶりにも弱かった。あれだけの魔道師なのにあの精神的な弱さ。
シンには何か引っ掛かったが、まあそれはよい。それよりも、何故あの時自分は『また殺すのか!』と言ったのか。
戦闘中、無意識に飛び出した言葉だったが、妙に引っ掛かる。そもそも、あの姿を見る度に脳裏を掠めるC.Eの記憶。
キラという存在が、シンを刺激して止まないのはそのためだった。しばしの沈黙。シンは自分を貫く違和感の正体に
思いを馳せた。
時空の狭間を航行しているアースラの影に張り付く蒼い光が、アースラの艦内へ消えた。
それから数分も立たないうちに、アースラの全警報が何者かの侵入を告げた。
「クロノ、シン君!至急アースラの居住区に向かって!」
珍しくリンディが声を荒げていた。その様子に、ただ事ではないとシンとクロノは悟った。
‘ヤツ'が、来た。
なのはは未だに暗闇の中に居た。レイジングハートの喪失が、なのはをそこまで追い詰めていた。ユーノは
そんななのはにずっと付き添っていたが、突然の警戒警報に、いてもたってもいられなくなった。立ち上がり、
眠るなのはにそっと布団をかけてやる。今は行くしかなかった。
「僕なんかに何が出来るか分からないけど……行ってくるよ」
居住区に突如として現れたキラは、迎撃するべく現れた武装局員を前に、バリアジャケットも纏わず立っていた。
キラの能力を十分承知している局員達は、距離を空け、様子を窺っていた。
「退いてください。あなた達と、戦うつもりはありません」
あからさまな挑発、と受け取られかねない言葉を、キラは本気で言った。キラは最初から、このアースラにいる
どんな魔道師も相手にしていなかった。他者を寄せ付けない力。それを得る為に、キラは‘甘んじて'、アークシエルを
手にしているのだ。人間性を持った武器など、使いたくなかった。アークシエルが話しかけてくるだけで、
全てが狂ってしまいそうだった。だが、それでも今のキラにはアークシエルの‘力'が必要だった。
‘強いから使う'。ただそれだけだった。
「くっ、ふざけるな!」
局員は、ただ無言で歩み寄るキラに慄いていた。デバイスも出していない今のキラだが、それでもその威圧感が
辺りを戦慄させていた。
「これ以上、近付くな!こちらは貴様を排除する権限を持っている!」
実際は確保を優先するべきなのだが、キラの発するオーラに当てられた局員全員が浮き足立っていた。キラは
冷たい眼差しで一瞥すると、歩を少しだけ速めて迫る。
「ちぃっ!撃て!撃てぇっ!」
アースラ艦内で使われる強力な砲撃魔法。限られた空間の中を、眩い閃光がキラに向かって殺到する。瞬間、
キラを蒼い光が包んだ。
キラのデバイス、アークシエルが自らの意志で張った強力なプロテクションだった。その壁を前に、放たれた
全ての砲撃魔法がキラの目の前で停止する。キラは命令も何も下していない。アークシエルの力の前に、正規職員の
力が屈したのだ。愕然とする職員達。キラは表情一つ変えない。
『この人に……』
澄んだ女性の声。アークシエルの声だった。しかしその声は今は苦痛に歪んでいた。
『手を出さないでくださいっ!』
そのままの威力で返されてゆく砲撃魔法。それらが全て、バリケードを組んでいた職員達の手前で炸裂した。
衝撃に弾き飛ばされる職員達。アースラを響かせる悲鳴と爆音。倒れ伏す彼らの中を、キラは鬼神の如く進んでいった。
『大丈夫ですか。お怪我は?』
キラの身を案じたアークシエルが語りかけた。
「何とも無いから黙っていてくれ」
だがそんな彼女の心遣いも、今のキラには届かない。アークシエルはそこまで無下にされても何も言わなかった。
『……お怪我が無ければ、それで良いのです』
ゆっくりと進むキラの前に、再び魔道師が立ち塞がった。シンとクロノである。
「君がキラ・ヤマトか。今ならまだ弁護の機会がある。大人しく投降しろ」
クロノが言った。もっとも、今のキラが投降しないことぐらい、クロノも分かっていた。絶対に退かない。キラの
姿勢が無言の内に語っていた。シンはまたあのムシャクシャする衝動に駆られた。だがそれを抑えつけて何とか
だんまりを決め込む。このままだと、クロノの作戦を無視して突っ込んでしまいそうだった。
「そこを退いて下さい。リンディ提督に話があります」
リンディの名前を出され、クロノの眉が吊り上がった。シンはクロノの様子を見て、交渉人の代わりを引き受けることにした。
「キラ。ここからは絶対に通さない。リンディ提督の前には絶対に通さない!」
元からここで引き下がる相手ならこうも難しくは無い。ただ相手の出方を窺う時間が欲しいだけだった。
「(シン。キラはまだデバイスを起動させていない。何故だ?)」
「(知るかよ。俺達を油断させるつもりかもしれないが、もう先のバリケード突破されてる時点で油断も何も
あったもんじゃないよ。多分、俺と同じ理由だと思う)」
クロノとシンは念話で会話していた。
シンはアークシエルは狭い空間ではその性能を発揮できないどころか羽根が邪魔になって動き難い。だから
起動させていないのだろうと考えた。何度かの戦闘で、シンはキラが極度に空中戦を好むことに気付いた。
自分自身も空戦主体だから気にしていなかったが、確かに艦内では動き難いだろう。逆に言えば、シン自身も
この空間内ではフォース・インパルスの機動力を活かしきれないということになる。シンは考えた。この状況で
どうすればキラを退けることができるかを。だがキラは、攻めあぐねるシンとクロノを無視するかのように再び
歩き出した。
「どうやら止まる気は無いようだな」
クロノの低く殺した声が響いた。その声に会わせるように、シンはフォース・インパルスとエクスカリバーを起動させた。
『setup.』
『どうやら私の力が必要になったらしいな』
起動して早々、早速軽口を叩くフォース・インパルスを無視して、シンはクロノの前に出た。
「クロノ。俺がヤツの動きを鈍らせる。隙が出来たら俺に構わず大きな一発ぶちかませ」
「ちょ、ちょっと待て。君を無視してってどういうことだ」
「どうせあいつには甘い攻撃は通らないさ。俺が撹乱しているうちに当てるしかない」
シンはそう言うと、キラに飛び掛っていった。仕方なくシンの作戦に乗るクロノ。ストレージデバイス、『S2U』を
起動させ、砲撃の準備をする。
「シン、無理はするな!」
「言ってる場合かよ!」
シンはエクスカリバーを大上段から振り下ろした。キラはすり抜けるように鮮やかな挙動でそれをかわす。魔法を
使ったのか、存外に機敏な動きだった。デバイスを起動させずとも、その機動力はかなりのものらしい。シンは
舌打ちすると、強引に機動を変え、エクスカリバーを後ろに回りこんだキラに向かって振り切った。殺さず、捕縛する
為に、エクスカリバーの腹で殴るように振った。キラはそれを、突然出した光剣で受け止めた。その形はかつて
C.Eでキラが振るっていた凶刃、『ラケルタ』に酷似していた。鍔迫り合う二人の魔道師。パワーではややシンが
圧していた。それをすぐに理解したキラは、鍔迫り合いを解き、シンを自らの懐に招き入れた。
「なっ!」
驚くシンの鳩尾に、強烈な膝蹴りをかまし、吹っ飛ばす。シンは何とか踏鞴を踏んで耐えた。口から鉄の味がするが、
泣き言は言ってられない。シンがキラの動きを殺すのを、クロノがまだかまだかと待っているのだった。すぐさま自分に
渇をいれ、キラに再び迫り寄る。キラは刺突の構えをとっていた。狙うは一つ。シンの握るエクスカリバー。
シンが踏み込んでくるのと同時に、キラも素早く突きを放った。踏み込みはキラのほうが強く、速かった。
「おっと!」
シンは身体を僅かに逸らし、キラの突きの軌道から身体を外した。すり抜け様にキラに当て身を入れる。無論、
その程度でキラは揺るがない。距離をとりつつ、ラケルタを逆手に構えてシンの次の攻撃を待ち構える。
キラと間合いを取り、注意を完全に引き付けつつ、自らはクロノが撃つであろう砲撃の圏外に出ようとする。
シンにしては恐ろしいほどに冷静な対応だった。いける。シンの中で勝利の可能性が出来上がりつつあった。
「(後は、どうやってキラにクロノの砲撃を当てるかだ)」
冷静に、出来る限り冷静に分析する。キラの機動力は高い。だが、ここでは何時もほどではない。それは自分も
同じだが、キラが全力を出せないということが大きなカードだった。キラは艦内へのダメージを極力避けるため、
自分から砲撃魔法は使わない。敵ながら、こちらの艦を気にしてくれるとはありがたい。シンはそんなことを
思う自分を哂った。だが、そんなキラの中途半端な甘さを吐き捨てたくもなる。またそういう変な甘さを戦場に持ち出して―
「(また?)」
シンははっとした。そもそもまたとはどういうことなのだろうか。自分は、キラの何を知っている?こちらの世界で
出会った、敵である魔道師。ただそれだけのはずだ。なのになんだろうこの不快感は。ただの敵には到底向ける必要の無い
憎しみが、何処からか沸々と湧いてくる。そんな躊躇いが、シンの動きを止めた。そこを見逃すキラではない。
一気に距離を詰め、ラケルタを振り上げた。
「シン、退け!」
クロノの叫びが、シンを思考の渦から解き放った。ともかく今はやるべきことをやる。シンは決断した。
もしかしたら艦内を傷つけてしまうかもしれないが、多少の損傷は仕方が無い。始末書の一つだろうが何だろうが書いてやる。
「―!」
シンはエクスカリバーを捨てると、瞬時にケルベロスを起動させた。シンの耳に付けられた三角錐形のイヤリングが輝き、
シンを護るように前面に緑の魔法陣が現れる。迫りくるキラを迎え撃つべく、シンの魔力を火薬庫とした一斉射撃が
牙を剥く。
「うおおぉぉぉっ!」
魔法陣から放たれる無数の赤い流星。シンのストレージデバイス、ケルベロスによって増幅された魔力を小型の
魔力弾にして放つ、『ファイヤービー』である。怒涛の勢いで放たれた赤い弾丸が、キラを襲う。
「う、わっ!」
キラはプロテクションを展開してそれを受け止める。武装職員達の一斉射撃を受け止めたアークシエルのプロテクションだったが、
しかし、何故か今のキラにはその時ほどの力が発揮できていない。シンの勢いに圧され、反撃することもできない。
どころか身動き一つとれない。戸惑うキラに、追い討ちをかけるかのようにクロノが非殺傷設定にした状態で、
渾身の一撃を放った。
『ブレイズキャノン』
青白い光芒が、キラに向かって飛んだ。キラはシンのファイヤービーを止めるだけで精一杯だ。クロノの相手までは
出来ない。緊迫するキラ。自分達の勝利を確信したシン達。だが、キラは‘彼女'には見放されていなかった。
『手を出すなと……』
声が聴こえた。女の子の声だった。シンは怪訝に思ったが、次の瞬間そうも言っていられなくなった。
『言ってるんです!』
キラの身体を護るようにして、蒼い光が輝いた。その輝きが、シンのファイヤービーを、クロノのブレイズキャノンを押し戻した。
「「なにっ!?」」
シンとクロノが気づいた時、視界は光に奪われていた……。
「ぐっ……」
崩れた壁に寄りかかって何とか身を立たせているシンは、自分の前を悠然と歩いて行くキラを追いかけることが出来なかった。
身体が少しも動かない。跳ね返されたファイヤービーの直撃を受け、シンの身体は悲鳴を上げていた。
「く、そ……」
返されたブレイズキャノンの直撃を受け、クロノは倒れ伏していた。胸に痛烈な痛みが走った。歩き去るキラの
脚に、手を伸ばすが届かない。二人の魔道師を下し、歩き去るキラ。その姿を、二人は見ていることしか出来なかった。
「(シン……動けるか?)」
「(冗談……言うなよ)」
薄れゆく意識の中、シンはこの世界に来て最初にあった人のことを思い出していた……。
二人を蹴散らしたキラは、しかし空虚な眼差しで、アースラの艦内を歩いていた。残された武装職員達が
決死の想いでキラを止めようと立ち塞がる。
『大丈夫ですか。お怪我は?』
だが、
「ないよ……。何とも無い」
キラに触れることなく、‘アークシエル'が全ての攻撃を止めてしまう。
『私が非力なばかりに……あなたを危険な目に合わせてしまう』
あらゆる攻撃が、彼には通らない。
「……」
アークシエルの力は正にキラの求めた力そのもの。
「……僕は」
なのに何だというのだろうこの虚しさは。誰にも脅かされない、誰も‘自分を否定したり出来ない'力。
現に今も、アークシエルは主人であるキラを護る為に、その力を行使し続けている。
『あなた達に、邪魔はさせない!』
プレシアの願いを叶える為の、絶対的な力。
『私が、マスターを!護る!』
それを行使するのに躊躇いは無かった。自分は自分の、‘今やりたいことをしている'。それなのにこの空虚さだけが
胸に残る。
戦争を止める。それはやらねばならないことだった。そうしなければ、世界はさらに歪んで崩壊の道を辿っていただろう。
そして大切な人を護る為に戦った。自分が戦って、勝って、戦争を終わらせれば彼女も救われると。苦しまなくて済むと、
本気で考えていた。
自分に力を与えてくれたラクス。感謝している。それが無ければ戦えなかった。
自分に戦う意味、大義を与えてくれたラクス。感謝している。それが無ければ戦えなかった。
自分を愛していると言ってくれたラクス。……それに答えた。だが、
その結果がこれか。戦い、仮面の狂気に存在を否定され、否定し返した結末に、キラは愕然とした。なら何故ここまで
自分は追い詰められた。自分が何をした?何をしてここまで来てしまった?!定まらない思考が、キラをますます
追い詰める。キラはこの世界に来たことを後悔していた。ここは自分の生きるべき世界ではない。けれどキラは、
この世界でプレシアと出会えたことを後悔してはいなかった。彼女は、キラを癒した。キラの生い立ちなど関係なく
接してくれた。この世界にコーディネイターもナチュラルも無い。それを知ったとき、キラはどんなに嬉しかったことか。
一度は崩れかけた自己の存在を、キラは優しく、ただ優しく接してくれるプレシアに母にも似た感情を向けることで
癒していった。
その内に知ったのはプレシアの過去。そして今は無き、一人娘のアリシア。プレシアはキラに優しく接しながらも
悲しみを抱いていた。つらい過去。もういないアリシアの影を追い続け、蘇生の研究を続けるプレシアの姿を見て、キラは決意した。
『この人の夢の為に戦おう。必要なものがあるなら、僕が手に入れてきてあげる。それが僕の、やるべき、いや……』
「やりたいことなんだぁっ!」
沈痛な叫びを上げたキラの頬を、金色の一閃が掠めた。
『マスター!?』
アークシエルが驚きの声を上げる。キラは無言で頬を撫でた。切られた頬から、血が滲んでいた。
「……」
キラは振り向いた。そこには二人の魔道師と一匹の狼が立っていた。
橙の毛を逆立たせ、キラを睨む狼と、金髪の少年。そして、その二人をまるで従がえるかのように立つ
一人の少女。漆黒のマントを靡かせ、戦斧の様でもあり鎌のようでもあるデバイスを持つその姿は、まるで
悪魔であった。
美しく、凛々しい悪魔は、艶やかな金髪に隠された瞳から鋭い眼光をキラに向けた。奥から覗く、紅い瞳。
それがキラの心を刺激した。いや、彼女の容姿全てが、キラに大きな衝撃を与えた。
「そんな……まさか」
キラは震えた。震えが止まらなかった。
まさかこんなにも早く、‘ターゲット'が現れるとは。キラは歓喜に震えて、誰にも聞こえない小さな声で呟いた。
「君が……アリシア、いや」
キラは零れそうになる笑いを抑えながら、デバイスを起動した。キラの背中に、あの蒼い八枚の羽根が輝いた。
キラの動きを見て、少女も本気になる。デバイスをサイズフォームに変えて、一人と一匹―ユーノとアルフの
前に出る。キラはそんな勇ましい少女の姿を見て、満足そうに言った。
「来たんだね。フェイト・テスタロッサ」
少女―フェイト・テスタロッサは、キラの言葉など聞く耳持たず、ただキラを鋭く睨みつけていた。
第四話 『復活の不屈の心』
氏の話は無印とAsの間、になるのかな?
あぁまた長い。次回は不屈の心さん復活の予定。
662 :
661:2006/12/26(火) 17:43:00 ID:???
はいそうです。大体、時期的にははやてとボルケンの皆様が幸せな生活を
始めた頃です。
最近、Cross magicの作者さん来ないね、忙しいのかな?
>なのは運命氏
キャラの違和感が進むごとに酷くなっていくのはなんでだろう
解釈が違うだけのか、それともなのは運命氏が観てた種と俺の見てた種が違うのか?
とにかくキラもシンも別人過ぎて…特にキラが酷い
いや、この程度の差異が気になるようだったらいちいちSSなんて読めんぞ
特に種キャラはあまりにも原作のキャラ付けが曖昧なんで、各人による認識の差が激しい
ぶっちゃけ、この板のSS見てもシンの性格なんて皆違うし、キラに至ってはラスボス補正がついて更に別人になってる事もザラ
それにしても、な
「成長」「改善」ならともかく「変更」は違和感が強い
ああ、だから種キャラの名前だけ借りたなのは二次小説に見えるのか!
669 :
661:2006/12/26(火) 22:56:20 ID:???
665さん
シンはTVシリーズ本編が始まる前、オーブで家族を失った時点でなのは世界に
飛ばされているので、こちらの世界での経験が彼を大きく変えた。という設定です。
ぶっちゃけるとTV版とは別人という^^;
キラの場合、個人的に種→種死の間に何があったのかとか、イマイチ不明瞭なので、
あえてあそこまでキャラを変えてます。きつ過ぎるぐらいに彼の精神状態を不安定に
しているんです。TV版のシンが可愛くみえるぐらいに。
666さん
キラは一応中ボスクラスなんです。中ボスってアニメでも結構中途半端な立場で
苦しむキャラが多かった気がするんで、彼もそんな位置付けです。
667さん
シンは今後どう転ぶか分かりませんが、キラはある意味で「改悪」でしょうね^^;
668さん
ある意味、あなたのお言葉が全てを表してくれてますorz
「中ボス」だの「改悪」だのいちいちオブラートに包まなくてもいいじゃん。
悪者だ、アンチだって言っちまえよ。
そっちのほうが潔くて読むほうの違和感も薄まるんじゃないかと思う次第。
671 :
661:2006/12/26(火) 23:32:14 ID:???
670さん
そこまで言っちゃうと何か違う気がするんですよねぇ。そもそもあまりアンチっていう表現は
好きじゃないので^^;
まぁ純粋に悪者っていうのもなんだか違う気がするんで変な言い方したんですけど(苦笑
じゃあ、なのはを悪にしたSSでも書いてくれよ
悪魔でも良いそうだしな
>>672 いやんな子供じゃないんだから
あのセリフだって
「正義か悪かなんて関係ねえ、まずは話聞けや」
って奴なんだから
…なんか間違ってる気がしないでもないが
「相互」とスレタイに銘打ってるんだから、種がいつも悪だとおかしいだろ
スレタイ守れよ
流れぶった切って投下予告。
問題なければ、15分後ぐらいに投下します。
オーブ本島オノゴロ島の市街地から離れた山中で、転移の魔法陣がその役目を終えて消える。
二人の少女がオーブの大地を踏む。特にマユの方は何とも言えない感慨に包まれる。
(帰って来たんだ……わたし。)
「ここがマユちゃんの世界なんだね。」
「うん。そして、わたしの国だよ。」
「良かったね。帰って来られて。」
「うん。ありがとう!」
「じゃ、早速。街に行こうよ?」
「うん。」
二人は山を下りてすぐの通りでバスに乗り、市街地へと移動。
まずは、マユの戸籍情報を確認する為に、オーブ行政局の住民課を訪れていた。
そこでマユがオーブで暮らしていく為の手続きをしていく。
「――はい、これで住民登録の変更は完了です。」
「はい。ありがとうございました。」
マユが窓口担当者にお礼を述べる。
彼女は行方不明者――といっても、実質的には死亡者――扱いだったが、本人の確認が取れたので、オーブ在住民として再登録してもらった。
コーディネイターであるマユの遺伝子情報が記録に残っていた為、身分確認に問題が無かったのは幸いだった。
また、マユが住んでいた地域は戦後の区画整理を受けていて、一家不在だったアスカ宅も既になくなっているらしかった。
住んでいた家が無くなってしまっているマユに、担当者は孤児院を紹介してくれた。その孤児院は、今日からでもマユを受け入れてくれるらしい。
用件が済んだ二人は、その孤児院へ向かう為に、再びバスに乗る。
「孤児院、良い所だといいね。」
「う〜ん……まあ、あまり贅沢は言えない立場だしね。なるべく早く独りで生活できる様に頑張るつもり。」
「そっか。大変だろうけど頑張ってね。私、応援してるから。」
「ありがとう、なのはちゃん。」
マユの自立意識は強くなっていた。
管理局の保護の下、ミッドチルダで二年間を過ごしたマユにとって、同い年のはずのなのは達が管理局所属の魔導師として働く姿が自立した女性に見えていた
――なのは達も本人達の世界では年相応の生活を送っているのだが、マユにはそれを目にする機会が無い為、そういった印象が強いのだ。
=========================
彼は被害者だった。
何も知らずに平凡な学生生活を送っていた彼の日常は――ある日を境に一変する。
戦闘に巻き込まれた彼は、成り行きで戦う事となる。
大切な人達を守る為に戦う彼が向ける銃口の先には――彼の親友の姿もあった。
戦う度に守れなかったものが増えていった。彼は傷ついていき――彼もまた、周りを傷つけていく。
やがて、悲しみと憎しみは狂気となり、彼は親友と殺し合う。
そうまでして辿り着いた想い――憎しみの連鎖を終わらせる為に、自分の出来る事をする。
しかし――運命はさらに彼を傷つける。大切なものも、また守り切れなかった。
結局は、悲しみと憎しみの果てに彼は敵を討ってしまう。
それでも、戦争はようやく終わりを告げる。
疲弊しきった彼は、姉の配慮により母国での生活を始める。
そこで、一緒に生活する子供達が日々を懸命に生きる姿に希望を見つける。
ある時――子供達の両親の大半が、連合がオーブに侵略してきた際の戦闘に巻き込まれて亡くなった事を
知る。
彼もその戦闘に参加していた。ならば――この孤児達を作ったのは?
彼は、自身の手が血塗られている事をより深く思い知らされる。
彼は被害者――であると同時に加害者だった。
=========================
彼女は苦悩していた。
戦後――彼女は一人の女として最愛の人に寄り添い、その傷を癒す道を選んだ。
プラントの未来を導いて欲しいという数多の想いを捨ててまで。
彼女さえ、その身に課せられた責務を果たしていれば――狂人達がその狂気を地上に降らせる事も、さら
なる狂気が宇宙で放たれる事も、
再びこの世界が悲しみと憎しみの連鎖に囚われた戦争に向かう様な事にもならなかったのではないか?
いや、今からでも――彼女になら出来る事は山程あるだろう。開戦は避けられずとも、戦争の早期終結の
力にはなれる。
先の大戦の様な愚行をせずとも――人々から『平和の歌姫』と呼ばれた彼女になら。
だが、それでも――未だ傷ついたままの最愛の人の傍を離れる事はできそうもなかった。
彼女は人々が望む様な偶像である前に――ただの女でしかなかった。
今回の投下分、終了。
遅筆ですが少しずつ進めていこうかと。
‥‥プロット作成中に確認したい事ができて、なのはDVDとか視だすと止まらなくなるYO!
今度は種世界にまで侵略しにきたのか
確かに悪魔だな
投下乙
なのはinCEか
シンとマユがあったらシン一気に役立たずになりそうな気が
予定より遅れてすいません。
それから、アンケートに御協力ありがとうございました。
私はまだ暫く登り続けなければならないようですね、この最低坂を……(爆)
「シンさんって、凄く強かったんだね」
「うん」
「わたし、お父さんより強い人って、始めて見たよ」
「うん」
「あれもロストロギアの影響なのかな?」
「うん」
「フェイトちゃん、どうしたの?」
「うん」
「………」
アースラの医務室。
隣り合ったベッドに横たわる二人は、全くかみ合わない言葉を交わしあっていた。
強固な障壁越しとは言え、幾十幾百の砲撃を受けたなのはと、手練の二人相手に延々体力と精神力とをすり減らしたフェイト――大きな負傷こそないものの消耗の酷い二人――は、戦闘終了後即座に医務室に移送されている。
とは言え、彼女達は緊急を要するような怪我はなく、アースラの医療班は簡単な診察の後に、負傷の激しい敵魔導士部隊の治療に専心していた。
詳細な診察は後回しにされ、消耗していると言っても負傷があるわけでもなし、更に言えば、フェイトとなのはは未だ回復力旺盛な年齢。
やる事もなく、かといって、ここを動く事もできず、ベットの上で暇を持て余したなのはは、隣のフェイトとお喋りでもしようと声を掛けた……のだが、どうも返事がおかしい。
暖簾に腕押しと言うか、ぬかに釘と言うか、上の空なのだ。
無口ではあるが誠実で、頭の回転も速い。
彼女の知るフェイトにはまずありえない反応に、なのはは慌てベットを降りるとフェイトのベットへ駆け寄った。
打ち所でも悪くて、先の戦闘の後遺症が出たのではないだろうか?
「フェイトちゃん!」
なのはは幾分控えめに――しかし先程よりは確実に力を込めて――フェイトにそう呼びかけると、その体を軽く揺さぶる。
「……え、なのは、どうしたの?」
そして、そんななのはに初めて気付いたように向き直り、尋ねかけたフェイトにがくりと頭を落とした。
「どうしたのもなにも、さっきからずっと声をかけてたのに、受け答えが変だったから。
……さっきの戦闘で頭で打ったのかと思って、心配したんだよ」
わかっていない様子のフェイトにそう説明すると、なのはは大きな溜息を吐く。
「……ごめんなさい、なのは」
そんななのはに、心底すまなさそうに頭を下げて、フェイトもまた大きく息を吐いた。
「うん、さっきの戦闘の後遺症といえば後遺症なんだけどね」
どこか体の調子がおかしくて、胸の奥にもなんだか大きなもやもやが残っている。
それがなんだか判らなくて、フェイトはずっと上の空の状態だったのだ。
「フェイトちゃん!
何でさっきお医者様に……」
やはり、どこか本調子ではないのだろう。
フェイトは、慌てて医者を呼びにいこうとしたなのはを、苦笑いしながら止めると、
「ううん、そう言うのじゃないから……」
そんな言葉では納得してくれなさそうななのはに、ポツリポツリと語り始めた。
「さっきの戦いの時、三人、分断されたでしょう」
「うん」
「シンさんの助けで敵を倒した後、なのはちゃんを助けに行こうとしたんだ。
そうしたら、止められて……それで、あの人過保護なところがあるでしょう?
わたし、自分あそこまで疲れていると自覚していなかったから、シンさんを思わず睨みつけてしまって……」
そう言って言葉を切ると、フェイトは迷うように言い淀む。
「それで、どうしたの?」
だが、促すように問いかけるなのはに、結局言葉を続ける事にした。
フェイトは、なのはと出会ったジュエルシードの一件で、こうなった時の彼女は絶対引かないという事をその身をもって知っている。
「そしたらシンさん、少しだけ困った顔をして……けれどすぐ真剣な顔になって私の目を見返したの。
……なのはちゃん、邪眼って知ってる?」
そして、そう問いかけるフェイトに、なのはは首を捻った。
「ええと、漫画とかで、目がピカピカ光ったりすると相手が動かなくなったりする?」
兄の持っている漫画を思い出しながら、自信なさげに答えるなのはに、フェイトが頷く。
「うん、大きくは間違っていない。
……あの時、シンさんに私の目を見返されてから、ちょっと体が変なんだ。
それで、あの時シンさんが私をとめるために邪眼をつかったんじゃないか……って。
シンさんって、色素が薄いわけでもないのに、瞳が赤いでしょう?
ロストロギアのユニゾンデバイスが融合しているそうだし、その影響で目が赤くなったんじゃないかな?」
あの赤い目に覗き込まれた時の怯みと、その直後から感じている奇妙な胸の高鳴り……それを思い出しながら、フェイトはそう説明を終えた。
当然、フェイトの変調の原因は、シンと目が合ったことではなく、直後の悩 殺!ブラボーキッスはぁとなのだが、直前の赤い瞳があまりにも印象的だったせいか、彼女はその後の出来事をそれほど重要視していない。
「あれ、けど確かそのユニゾンデバイスって、銀の鍵って名前じゃなかったっけ?」
しかし、色々と初体験な感情に翻弄されているフェイトとは異なり、比較的平静ななのはは、そんな穴だらけな結論には納得できなかった。
「……え?」
そして、本気で驚くフェイトに、なのはは困ったような表情を作る。
「それに、その時、フェイトちゃんはバルディッシュを起動していたんだよ。
幾らロストロギアでも、魔力を使っている事には変わりないんだし、だったら、バルディッシュも警告くらいはできるんじゃないかと思うんだけど……」
そう、なのはが気付いた結論の穴は、普段のフェイトなら確実気付く物ばかりだったからだ。
……そんなに調子がおかしいのだろうか?
「ねえフェイトちゃん。
まずは落ち着いて、その時あった事を初めから話してみて」
なのはは心配そうな目でフェイトを見ると、咬んで含めるように尋ねかける。
「まず、追い詰められかけたところを、シンさんが助けてくれて」
そしてフェイトは、なのはの言葉に頷き、俯き、ぽつりぽつりと言葉を紡ぎ始めた。
シンの事を思い出すと、妙に高鳴ったりする心臓と、無限に横にそれていく思考と、突然熱くなったりする顔と戦いながら、フェイトは一つ一つあった事だけを言葉にしていく。
「なのはを助けに行こうとして……シンさんに止められて……睨んだら真剣な目で私の目を見つめて、それで……」
そんな、雨垂れの様なフェイトの言葉が、先程と同じところで突然止まった。
しかし、今のフェイトの顔に浮かぶ表情は、先程とは異なる『どうやって説明したらいいのかわからない』と言うような、当惑。
「たしか……」
そう言いながら口元に掌を当てるフェイトに、なのはは向ける注意を深め、そして……
「悩 殺! ブラボーキッス はぁと」
不意打ちで食らった悩殺!フェイトキッスはぁとに、それはそれは盛大に爆笑した。
「ご(くすくす)ごめん(くすくす)ね(くす)フェイト(くす)ちゃん」
なのはのいきなりの大爆笑にフェイトは不満交じりの当惑を見せ……なのはの方は、笑いをこらえようとしながら謝るが、どこかツボに入ってしまったらしく中々止まらない。
「けど、それ本当にシンさんがやった事なの?」
暫し後、何とか爆笑を押さえ込みながら問いかけるなのはに、フェイトは無言で頷いた。
見るからに人付き合いが苦手そうで、なのは達を避けている節がある癖に妙に過保護……ついでに言えば、時々悲しそうな顔でなのは達を見ている事があるあのシン・アスカが、何でそんな面白すぎることを?
シンがさっきのフェイトと同じ仕草をするところをなのはは想像……浮かんだ笑いを今度はかみ殺し、傍と気付いた。
「ああ、そうか、シンさんはフェイトちゃんを笑わせようとしたんだ」
なのはにも、戦闘後緊張の糸が切れたところで自分の疲労に気づいた経験はある。
人付き合いが苦手そうなシン・アスカが、余り交流のない――それも、頑固な――フェイトを持ち前の過保護さから何とか止めようとして、思いついた手段が捨て身のギャグで緊張の糸をぶったぎると言う荒業だったのではないだろうか?
元々悪い人だと思っていたわけではない。
だが、そう思うと、今迄それほど親しくなかったシンが途端に可愛く思えてきて、なのははすこしだけ笑った。
でも、そうするとフェイトの不調の原因は何なのだろう。
「そう言えばフェイトちゃん。
体が変って、どう変なの?」
そう言えば肝心な事を聞いていなかった、となのはが尋ねると、フェイトは妙に艶っぽく自分の体を抱きしめた。
なんとなく、彼女の母親、高町桃子がのろけている時に似ている、そうなのはは思う。
フェイトの目元がほんのり朱に染まっていた。
「その、体がゾクゾクする……けれど、それが変に気持ちいい」
そして、シンの事を考えると思考が脱線し、妙に胸が高鳴って顔が熱くなる。
そう、たどたどしく説明するフェイトに、なのはは余り性質の良ろしくない微笑を浮かべた。
「……なるほどね。
フェイトちゃんは、シンさんが好きなんだ」
なのは自身に恋愛経験はないが、ここまでステロな答えを返されれば誰でもわかる。
そもそも、フェイトはシンに邪眼を使われた=危害を加えられたと考えていたのに、彼のことは酷く好意的な言い方をしていた。
その時点で、フェイトがシンに好意を抱いたことには気付いていたなのはだが、まさか、一足飛びでそこまで言っていようとは……?
「………え?」
そして、そうぶっちゃけたなのはに、フェイトの顔が真っ赤に染まる。
まずその言葉を否定しようと考えて、全く否定できない自分に気付いたのだ。
「そうか、わたし、シンさんのことが好きになったんだ」
そしてフェイトはそう呟く。
だが、その言葉が決して幸せそうではなかった。
母を慕い、その命に従い、しかし、その母親の死んだ娘の代用にすら慣れなかった人造生命体……闇の書の一件で吹っ切ったとは言え、受け入れてもらえないのでは?という不安と恐怖は、フェイトの中にまだ確かに息づいている。
その上、彼女はまだ小学四年生で、シンは十七歳の青年なのだ。
あと十年も時が過ぎれば殆ど無と化すこの年齢差は、しかし、成長の早い十代の少年少女にとっては限りなく大きい……と言うか、もしシンが彼女を受け入れたとしたら、そっちのほうが問題だろう。
シンがいつか故郷に帰る人間だという事を考えても、フェイトの初恋が幸せに実る事は殆ど有り得ないように思えた。
恋を得た幸せに浸るには彼女の今迄は不幸に過ぎ、障害に目を瞑るには聡明に過ぎる。
目の前の壁は限りなく高く、以前であれば、戦う前に諦めていたかもしれない……だが、なのはとの出会いが作り出した今の彼女は、何もせずに諦めるには不屈に過ぎた。
だからフェイトは、もう少しだけ貪欲になってみようと思う。
母の時の様に、盲目的に従い続けるのではなく、真正面からぶつかって見よう。
仮に、それで砕けてもいいじゃないか……フェイトはそう思い切ってなのはを見る。
かつて過酷な運命(フェイト)に砕けた彼女を拾い集め、打ち直してくれた親友は、今、彼女の決意を寿ぐようにその傍らで笑っていた。
おわりであります。
そして、それほど長くない本編で語ることは無理そうなので、オマケ
「よう、久しぶりだなァ、防人」
「……俺をその名で呼ぶな、火渡」
「チッ、一線を退いたってのに、テメェも変わらねぇな。
……まあいい、今日は喧嘩しに来たわけじゃねぇ。
ちぃとばっかし、テメェに頼みごとがあってな」
「お前が、俺にか?」
「ああ、死体卿のところでちょっとばかり手間の掛かる馬鹿を拾ったんでな。
ソイツにテメェの不条理を叩き込んで欲しい」
「……死体卿?
確か、使命手配中のアルケミストだったな?
しかし、ブラボー技は俺にしか使えんぞ」
「ハッ、そんなの関係ねぇな。
テメェの不条理を憶えられるかどうかは、コイツの問題。
憶えられなかったら、別の不条理にコイツが潰されるだけの話だ」
「…………」
「……おい、シン!
テメェもさっさとこっちに来やがれ!!」
Q:何故ブラボーが?
A:意外に部下思いな火渡に頼まれました(半分は嫌がらせかもしれませんが……)。
Q:何故技を教えてくれたの?
A:近い動機を持つシンに共感したからです。なお、シンの迷走は彼が叩き直しました。
Q:どうして憶えられたの?
A:ロストロギアの影響で原作カズキ状態+コーディネータ補正+SEED補正
Q:シンに何があったんだ
A:
1.ロストロギア・超小型次元移動装置『銀の鍵』、管理局に破れ別世界に逃亡
2.『銀の鍵』、自己修復の為に宿主を探す→潜在魔力の高い少年シン・アスカを発見
3.『銀の鍵』、シンに融合成功、ただし、そのショックでシンは気絶
4.状況・最終戦の敗北直後、シンは破壊されたディスティニーの中
5.消耗激しい銀の鍵、残った力でシンを別世界に移動→武装錬金世界へ
6.ホムンクルスの錬金術士、死体卿、奇妙なエネルギーを感知→シンを拾う
7.色々会って、錬金戦団入り、キャプテンブラボーの弟子に
8.怪現象の調査中、時空管理局に接触
GJ!
会社なのに思わずニヤニヤしちまったw
以外に(失礼)シリアスなラストにやや驚きつつGJ
つーか混ぜすぎ
神隠し見てて思ったんだけど、
銃型デバイス、本当に出てきちまったな・・・
クラールヴィントだって指輪だしなあ
道具なら結構何でもありかも試練
てか、神隠しさん最近こないね…。
まあ、年末だしなぁ
GJ
シスコンがロリコンに開眼したって不思議じゃないと思うんだ。
某銀河天使でも犯罪的年の差カップル成立したしねw
>>694 Hのことかーーーッ!!
まぁアレはここではない遠いどこかの宇宙の話だし
鯨つながりでいいんだったら、某ルドなんとかとか、ムーの白なんとかとか、白鯨なんとかとかが出てきそうで怖い
まあ何というか、続きを期待しているということで
しかしガントレット型ベルカ式デバイスとローラーブレードか
「MEブースト!!」とか叫び出しそうな新キャラよのう
むしろシェルブリット+ラディカルグッドスピード
今年最後の投下。
機動戦士ガンダムし〜どD´s 第11話
ここは海鳴市にある小高い丘。
まだ完全に朝日が昇っていない早朝。
なのはは、ここで毎朝のようにここでいつものトレーニングを行っている。
(いくよ、レイジングハート)
なのはは念話で自分で持っているアクセサリーに話しかけた。
(了解)
そのアクセサリー・・・もとい、デバイス「レイジングハート」は答え、それと同時になのはは空き缶を二つ放り投げた。
そのとき、なのはの周りに小さな弾のようなものが二つ現れ、それぞれが空き缶を追っていった。
ほぼ同じタイミングで何回も空き缶に当たる弾
(10・・・・20・・・30)
レイジングハートがその数を数えていく。
それをまじまじと見ているシン。
(これって何の訓練なんだ?)
朝ふと目が覚めて部屋を出ると、なのはがすでに起きていて、魔法のトレーニングをするといっているのでついていくことにした(他にまだ誰も起きてないのでちゃんと書き置きも書いていった)
それでついてきてみてみれば、ただ空き缶にちいさま魔力をぶつけるだけ。
(まあ、どうせわかんないし、俺自身魔法なんて使えないしどうでもいいか・・・・あ、100回いった)
暇つぶしにさりげなく回数を数えていたりしていた。
(130・・・140・・・150!)
レイジングハートの声とともに空き缶は弾け飛び、見事空き缶はゴミ箱に二つとも入った。
「ふぅっ。」
少しずつ回数を増やし、同時に扱うまたの数も増やしていき、流石に二つの弾を150回ずつ当てるのは疲れる。
「すごいな。これを毎朝やってるのか。」
そばで見てたシンはさりげなくなのはに声をかける。
「そうだよ。少しずつ回数増やしたり、空き缶の数を増やしたり。」
「それで150回も?」
「数えてたんだ・・・」
そういいながらシンはゴミ箱を見る。
そこには、思いっきりつぶされてる空き缶が二つ。
「あ、そろそろ帰らないと。」
そういい二人はこの丘を後にした。
なのはの家につくと、家の横にある建物から声が聞こえてくる。
それを見て、なのはがすぐに答える。
「あ、あそこでお兄ちゃんとおねえちゃんが剣のお稽古してるんだよ。」
そういわれて機能士郎がそんなことを言っていたのを思い出す。
「どんなことしてるんだ?」
だが、それはなのはには分からないらしく、首を横に振る。
「私には全然わかんない。ただ刀を振ってるようにしか見えないし。」
まあ普段からあんまし見てないんだろう。そう思い再び道場を見た。
先日の美由希の動きに、シンは興味を持って、少し見てみたいと思っていた。
だが、先日士郎の言っていた「家のはちょっと違う。」という言葉を思い出し、あんまし部外者が出入りするもんじゃないだろうと思い、なのはに続いて家の中に入った。
しばらくした後朝食を食べて、いつもの如く絶対領域を張っている夫婦を見ながら朝食を取る。
ただいつもと違うのは、今朝からやけに美由希がこっちを見ている。
それに気付いて美由希のほうに向くと、急にそっぽを向く。
(俺、何かしたか?)
そう思い朝食のハムトーストをかじるシン。
皆が学校に出かけた後、シンは片づけを手伝おうと思った。しかし・・・
「お客さんにしてもらうのは悪いから、ゆっくりしてて。」
そういわれたが、傷を治してもらって、一晩とめてもらい、そこまでしてくれて、何もしないのは流石に気が引ける。
そういうと桃子は少し考えて、ひとつの提案をした。
流石にそれは・・・と考えたシンだが、今日、なのはの学校が昼までで、そのあいだだけといわれて、それならと了承した。
「クルーゼ、説明してくれる?」
研究室で、二人は話をしている。
マユは今寝ていて、プレシアはクルーゼにマユのことを聞きだそうとしていた。
「ふむ・・・」
そろそろ言ってもいいだろう。そう思い説明するクルーゼ。
「彼女は、コーディネーターだ。」
「コーディネーター?」
聞きなれない言葉に疑問を浮かべるプレシア。
「私の世界にいる人種でね。遺伝子を改良させて本来の人間よりも身体能力や様々な能力が高い人間のことだ。」
「なるほど・・・それで・・・」
クルーゼの話を聞いて、彼女が本来の子供よりも強靭な身体を持っているからあの実験をしてもそこまで大使は後遺症がなかったのかと納得した。
「あと、言うの忘れてましたが、少し脳に異常がきたしてまして。まあ、異常といっても、少し記憶を失ってるだけですが。」
マユの報告を済ませたクルーゼは部屋から出て行く。
「ちょっとまって。」
しかしプレシアにとめられた。
「あの子にあのことはいってるの?」
それを聞いたクルーゼは笑みを浮かべながら答える。
「まあ、今は自分のことで頭がいっぱいらしい。落ち着いたら話すつもりさ。」
そういいながら部屋を出て行った・・・・
「ありがとうございました。」
喫茶翠屋はまだ朝なのにそこそこ客がいた。
朝は主に近所の奥さん達、昼はOL、夕方は学校帰りの生徒や恋人たちで一杯になる。
「注文は・・・はい、アイスコーヒーとトーストですね。分かりました。」
その中でシンはウェイターをしている。
朝の話で、今日はちょうどウェイトレスが休んでいて、昼になるとなのはが帰ってくるから帰ってくるまでの間、この店を手伝うことになった。
ちょうどはやても一緒らしいから、はやても連れて帰る予定だ。
仕事のほうはというと、初めての割にはちゃんとできている。
ふと、シンは周りを見てみる。
まあケーキやデザートを主に扱ってる店だから仕方ないといえるが・・・
(男は俺とあの人だけかよ・・・)
周りを見てみると、働いてるのは女性ばかりで、男はシンと士郎のみ。
暇なときは恭也もくるというが、恭也も今日は学校だった。
客層もやはり女性が多いので、何か自分だけ浮いている気がする。
だが、客からの反応は意外とよかった。
桃子さんと仲のいいお客の会話をちょっと盗み聞きすると、シンが働いている経緯を少し話していたらしく、その客が
「顔もいいし意外と礼儀もいいし・・・このまま雇っちゃえば?」
という声が聞こえて、桃子だったら本当にやりかねないので少し不安になるシンであった。
ここは私立風芽丘学園。今は昼休みで、その屋上で数名の学生が昼食を取っている。
「それにしても・・・美由希、今日はどうしたの?」
そこで、美由の友人の一人が声をかける。
「え?」
「そうそう、なんか授業中も上の空だったし、なんかいろいろつぶやいてたし。」
「ええと・・・」
それは自分が聞きたかった。
今日は朝からずっと、シンのことがなぜか頭から離れない。おかげで朝の稽古もあまり身に入らなかった。
「・・・・美由希もしかして・・・」
最初に話しかけてきたまさかとおもい話しかける。
「男が出来たとか?」
それを聞いて、飲んでいたお茶を吹きかけ、むせる美由希。
「え!うそ?ほんと!?」
この手の話になると急に騒ぎ出す一同。
美由希はあわてて違うという。
「ち・・違うって・・・・別にそんな関係じゃ・・・・」
「やっぱ男関係じゃん。ほら、どんな奴か言ってみ。」
観念して、昨日起こったことと、出会った経緯を話した(勿論、魔法関連は話してない)それを聞いた友達は・・・
「うっわなにそれ。漫画みたいじゃん。」
たしかに、出会いが交差点でぶつかったのは漫画ではよくある。
「それに、危ない男達に囲まれて絶体絶命のピンチに、颯爽と駆けつけるなんて、あんためったにそんな体験できないわよ。」
美由希の話でいろいろ盛り上がってる友達。
(はぁ・・・)
心の中でため息をつき、空を見る。
そして、友達に呼ばれるまで、またシンのことを考えているのであった。
「ただいまーー。」
元気な声が翠屋から聞こえてくる。
学校が終り、なのはたちが帰ってきた。
「いらっしゃーい。」
働いているクセで、つい客と同じ対応を取ってしまうシン。
なのはたちも、シンがここで働いていることに驚いた。
「え?シン君?なんで?」
まだなのはに説明をしてなかったシンは事情を話す。
それを聞いて納得したなのは。
「あら、いらっしゃい。」
なのはの声に気付いて、ようやく出てきた士郎と桃子。
「「「「お邪魔します」」」」
子供たちが挨拶をして、あいている席に移り、話を始めた。
「シン君。わるいけど、あの子達にこれもっていってくれない?」
そういわれてたくさんのジュースやらケーキやらいろいろのってあるトレーを出された。
「分かりました。」
そういってトレーをもち、なのはたちのところに持っていくシン。
そこで、はやてがシンの傷に気付く。
「うわ、すごい傷やな。」
シグナムから聞いた話で、どこまでの傷か知らなかったはやてが、シンの傷を見て予想以上の傷でびっくりする。
「こんだけ深かったらシャマルでも完全に治すんは無理かもしれんな。」
シンの傷を見て、はやては言う。
「別に無理にしなくていいさ。無理だったら、元の世界に戻ったら治せるかもしれないからな。」
笑いながらシンはいう。
プラントに戻れば、これくらいおそらく治せるだろう。
だから気にすることはない、とはやてに言う。
「ほれやったらええけど。」
治せるという言葉を聞いて安心するはやて。
「シンくーん。ちょっときてー。」
遠くからシンを呼ぶ桃子の声が聞こえ、「わかりました。」といいながら戻るシン。
もうすぐ開放されるので張り切っていくことにした。
ようやく接客の仕事から解放され、今ははやてと一緒に家に帰っている最中だった。
だがその前に・・・
「ちょっとよるところあるけん一緒に来て。」
と言われて今は病院にいた。
この病院はシンも知っているところだった。
そこは、シンが数日前によった病院だったからだ。
「だいぶ足も調子がよくなってるみたいね。」
診断書を見ながらはやての担当医、石田医師がいう。
「おそらく半年・・・遅くても今年中には完全に完治すると思うわ。」
医師の言葉を聞いて笑顔で喜ぶはやて。
「だから、この調子でね。」
医師の言葉にはいと答えて診断室を出るはやて。
それから、この帰り道ずっとはやては笑っていた。
「よかったな、足が完治するって。」
「うん!」
ずっとこのとで話をしていて、近くの空き地を通り抜けようとしたときだった。
(ん?)
声はしないけど、誰かが自分を呼んでいる・・・そんな感じがして気配がした空き地の方をみる。
しかし、そこには誰もいない。
「どしたん?」
はやてには聞こえなかったのか、シンがいきなり動きを止めたので不思議に思ったはやて。
「いや、なんか声が聞こえたけど・・・空耳か?」
そう思って再度歩き出そうとしたとき・・・
(くそ・・・まただ・・・)
またもや気配を感じた。
「ちょっと待っててくれ。」
そういいシンはさっきから声がする空き地へと行く。
「ここいらだったよな・・・」
そのとき、草の中に何か光るものを見つけたシン。
それを拾って見ると、貝殻のようなものが落ちていた。
ただ、本物の貝殻ではなく、硝子だろうか・・・透明なもので貝殻の形を模したものがあった。
何かも落し物だろうか、そう思い拾うと
「え・・・」
少しだけだが、それは光りだした。
「なんだ・・・」
そのとき、はやてがシンに近づいた。
「どないしたん?」
そういってシンがひっているものを見る。
「シン、これって・・・・デバイス?」
はやての言葉で、もう一度見る。
「これいっぺんアースラいって調べてもらったほうがええんちゃうん?」
だが、シンにははやての言葉は聞こえていない。
(なんだろうこの感じ・・・なんか暖かい・・・)
シンは、この感覚を以前に感じた気がする。そんな気がした。
第11話投下完了。
だんだん変な方向に行ってます。
続きは年明けになると思うので。
簡単な予告で次回は、仮面関連のおふた方がこっちに来ます(答えいってんじゃん・・・)
GJ
来年もよろしくお願いします!良いお年をー
GJ!
もう493KBか。そろそろ次スレだな
もうそんなか、ところで228氏の第3話がwikiに登録されてないんだが・・・
携帯房の俺にはどうにもできん
>>699 銃型も出てきたしな
いよいよ等身大MS型のデバイスも有りな気がしてきた
それやると最早メタルヒーローになっちまうけど
埋め
普通にその2で良いんじゃないか
今回埋めねーの?
次スレ立てるの早すぎたんじゃない?
埋めないなら別にいいけど。
>>718 残りの容量みてる?
職人さんのこと考えると妥当だと思うよ
720 :
通常の名無しさんの3倍:2006/12/31(日) 23:00:47 ID:w88dyhCU
頼む
orz
埋めるか
埋め立て開始しようぜ?
埋め
_/⌒ ̄⌒`´ ̄`〜ヽ'ー--、
_/ ιυっ ̄~つyへつ
/ フっιつ人´ / /つυ^っへ っっ
/ /つつ。o/ / / / ^つっへυっつ
_/ 〉o°o。 。 / / /°>つっっっつっっ
/ \γ、。 o 。 /o。/ /つっっつっつ
__/ `⌒ヽっ/ 。/ / っつ) っつっつ
=/ っっ τ-っつつっ、。| つ っつつつ
 ̄ っっ )) ) っつつつ。| っっつつ
つつっιつ) ⌒つっ) っつっつ。 °| ° o 。
っつっo °。 υつ っ つっυ。o。°| ° ° °。
っ\\っoっ。 °° つ。°°。o。o。\o。° 。°°。 。°。
つっつ _o°°。 ° ° 。o/⌒\。 o\°°o 。 /У\°
)へ)つ\///`ー、_ ° °。_/ \°。\。 。°° /WMW、\
へ)。°|\\\\`ー、 ,〜´ へっυ  ̄ ̄ ̄\°°__/______\ ____/
( ̄o°oヽ、 \\,O、/~ つっへっ \ へ \ ⊂≡⊂=
\__/ ̄ ̄ ̄ ̄ っっつ へ ⊂≡⊂=⌒*(・∀・ )*⌒= 津波? RH無しでボコボコにしてやんよなの!
\ っつっっつ ___ へ \ ⊂=⊂≡ O)
っ フつ っ つっつっ \\ ババババ ( ヽ
/つっつつっ ⌒っ⌒つ つ っ つ\。° \ヽ______∪ ̄\)ΟΟΟΟ/
/。 )) つっつ つっゝ つっ つ つ つ\°。 \^/^/^/^^^^  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/〜
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/ ./ )(ノ.) ̄.)) / (ノ/ ̄ /) / ./ /_⊂__⊃ └┐ ヽ__ノ(ノ| |)
.ノ_/ ノ_ノ__ノ \_/ヽ_ノ__ノ /_/_|__|__| ヽ___ノ__ノ
し`J し`J し`J し`J
? これは一体どういう状況? 埋め途中? 新しいのは立ってないよね?
以上、久々にやってきた奴の戯言でした〜(脱兎
お前はたった10レス前も読めんのか
だれか埋めろよw
梅
ヽl ,、 l/
〃")' ~´ヘヘ)"ヽ
!( ソノ八)ヽ) ソ
ヾl.゚ ヮ゚ノ!.
Desire〜Nanoha Takamachi`s My sacrifice〜
レイジングハートの「レディ」という声で私は気合の塊になるの
ジャンキーと同じかもしれないの
魔方陣の前に飛び出していく、その興奮の中毒になっているの
私にとってお仕事とは「お話を聞いて、話を聞かせて」
魔砲を撃ちまくるのが私のお仕事なの
魔力のチャージに時間がかかるようになたら
高町なのはは身を引くの
私にとって傷も痣も全部価値あるものなの
犠牲なんていえるものは何もないの
みんなが大好きだから
. _/´`ヽ-- 、 ,. -―- 、_
,. -―ァ'´/ ,. ヽ",.ィ二、 ̄
_∠... / / // \
,. '´:::::::::::.,' ./ /!ヘ、リ|∧i i \ ヽ、>
<:.:.:.:.:.::::::::::::.| ./ /rfス;T` リ レN」_! l 、 ヽ
` ナ‐ァ:.:::::.j/. , ' └┘ |イハ / ! \ !
/ /:.:.:./ ∠、 ' `′レ!イ i! !|/
, '-┴=/ /\} ゛` ∧_/| ト、|レ':.ヽ 埋めます
/ \/ /`ーュ :.\ / ヽ.| |::::ト、::::::'
. / :./ / :.:_,巨三三ミf¨フ :.| |:::::| \}
/ :./ /ヽ :./―ァ::::::::::>'´ ==,' i、::::!
,. - '´ _,.イ 〃-‐┤::ハ`ー'´,.-<´ .:./ / `ニュ、
-‐ '´ _,. -‐ !N‐=‐にロこ}´ -=―¬ :./ / ___}、_
_,. -‐ r┴ >′:::::::`ー―こ二::_` く ∠二 __,.ニニュ、
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