新キャラメインでDESTINY学園開校8

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1通常の名無しさんの3倍
ここは新キャラ達に優しくて暖かい学園モノの世界を用意するスレです。

SS職人大歓迎。文章の良し悪しなんて気にするな。俺は気にしない。
「もし種が学園モノだったら」というテーマで語り合うのもOK。
優しくて暖かい世界で、新キャラ達を幸せにしてあげてください。

・入学資格
@新キャラは問題なく全員入学を許可。
A旧キャラでも、前作で不幸な最期を迎えてしまった人は入学を許可。
 例:ニコル、ミゲルなど。
BAA組はオーブ学園に隔離して、できるだけ話に絡まないようにする。
Cアスラン、イザーク、ディアッカはAA組。
Dアストレイを含むMSVキャラは禁止。

・校則
@アンチお断り。荒らし・煽りは完全スルー。 生徒の皆さんは、理性ある行動を心がけてください。
A基本的に恋愛は禁止とします。 ただし、ごく一部の例外は除く。
BSS職人に文句を言わない。文句を言うくらいなら自分で書きましょう。
C厨同士の争いは厳禁です。
Dキャラの蔑称は使用禁止です。
Eあくまでも新キャラがメイン。
F主人公はシン・アスカ。このスレで女難が許されるのは彼のみです。

前スレ
新キャラメインでDESTINY学園開校7
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1141559512/l50

過去ログ倉庫
http://shippo-chu.hp.infoseek.co.jp/destenygak.htm

テンプレキャラ紹介は >>2以降で
2通常の名無しさんの3倍:2006/07/11(火) 11:34:52 ID:???
ザフト学園
@シン・アスカ(一年生)
ザフト学園に通う少年。
短気ですぐキレるけど、根はいいヤツ。最近ルナ、ステラ、マユ、コニール、猫という女難に悩まされている。
単純な上に思い込みも激しいので、人の言うことにすぐコロッと騙されるところも有るが、その辺りもご愛嬌。
多くの友人に囲まれ、騒がしいながらも平穏な日々を送っている。

Aルナマリア・ホーク(二年生)
シンの幼馴染。シンよりも一つ年上の姉貴分でシン達の仲良しグループのリーダー格。
以前は単なる弟分としか思っていなかったが、最近シンが気になる存在になり始めている。
普段の明るく勝気な姿からは想像できないが、意外なほど寂しがりやだったりする。
さいきんでは愛情過多なのか、妄想が暴走したあげく空回りして涙を流すことも。

Bレイ・ザ・バレル(一年生)
シンの友人。シンとは同級生。
無口でクールなので、何を考えているのかわからないところもあり。
根はいいヤツだが、最近の密かな楽しみはシンを弄って遊ぶこと。
保護者のラウ、デュランダル理事長を慕っている。ラウの元で家事を修行中。
実はザフト学園裏番という影の顔も併せ持つ。

Cメイリン・ホーク(一年生)
ルナマリアの妹。シンたちの同級生。ツインテールがトレードマークのかわいらしい娘。
人なつこく優しい性格で、友達も多い。最近何かとヴィーノが気にかかるようだ。
何事にも要領の良い姉に対してコンプレックスを抱いたり、シンに対する暴走っぷりに呆れたりもするが
本質的には大のお姉ちゃんっ子。また、普段は大人しいが、いざという時には大胆な行動に出る度胸もあり。


Dタリア・グラディス
シン達のクラスの担任。未亡人で一児の母。
厳しい先生だが、それは生徒を想ってのこと。
元スケ番で元ザフト学園表番という驚愕の過去を持つ。
デュランダルらとは古い付き合い。
3通常の名無しさんの3倍:2006/07/11(火) 11:35:45 ID:???
Eアーサー・トライン
ザフト学園の教師。
何事にも「えええぇぇぇっ!?」と大げさに驚く学園のリアクション王。 生徒からの人気は高い。
彼女がいないので、密かにエロゲーにハマっているとの噂。
最近、教育実習生のアビー先生にアプローチをかけているが全く相手にされない様子。
学生時代はタリア先生の舎弟だった。

Fギルバート・デュランダル
ザフト学園の理事長。うねった黒い長髪が特徴(別名:わかめ)。
教育熱心で、近年進行する学力低下に悩み、密かに様々な学力向上のためのプランを考えている。
以前、タリアと付き合っていたが、その後なぜか別れたらしい。
現在、未亡人となったタリアに再びアプローチを仕掛けているが、いまひとつ相手にされていない。
レイの保護者であるラウとは旧知の仲。

Gヨウラン・ケント(二年生)
ルナの同級生。シンやヴィーノたちとよくつるんでいる。
どこか悟ったような一面があり、 友人達を茶化し・冷やかす、女性の豊満なバストをこよなく愛する男。
自らを「カップル仕置き人」と名乗り、仲間たちの色事に制裁を下さんと奔走することもしばしば。
デュランダル理事長、トライン教諭と共にザフトの「スリー・ピンク」に数えられる。

Hヴィーノ・デュプレ(一年生)
シンたちの同級生で、ヨウランの弟分。
天真爛漫な性格をして、ほんわかとした性格。
秘かにメイリンのことが好きだが、気持ちをなかなか伝えられずにいる。
まだこれからだ。

Iミーア・キャンベル(二年生)
ミーハーな今どきの女の子。 ルナマリアと同じクラス。
ステラたちと同じアパートに住み、ステラを妹のように可愛がっている。
声が某国民的アイドルに似ているので、モノマネ大会では人気者。
実はタリア先生の後継でザフト学園表番をやっている
4通常の名無しさんの3倍:2006/07/11(火) 11:36:38 ID:???
Jニコル・アマルフィ(二年生)
体が弱く、ザフト学園のガラスの貴公子とも呼ばれる。趣味はピアノ。
いつも楽譜を持ち歩くほどであり、音楽でザフトと連合の学園抗争を終わらせようと願っている。
ミーアからはバンドの仲間に引き込もうと狙われているが、
ニコル本人はミーアの派手な衣装と音楽にとまどい気味。

Kアデス
イザークのクラスの担任……だったが、当のイザークたちはまたしても問題を起こし、ついにオーブに転校。
クラスの問題は減ったが、ちょっと寂しい毎日を送っている。

Lマッド・エイブス
ザフト学園の教師で、生徒指導を担当する。熱血漢の頑固者。
不正は無いかと校内を徘徊していることが多いが、とりわけ髪型が奇抜なヴィーノや、
某国民的アイドルのグッズを校内で売りさばこうとするヨウランは、付け狙われているような節がある。

Mサトー
ザフト学園の体育教師。エイブスと共に生活指導を担当。
エイブス以上の熱血漢で、80年代の学園青春ドラマを好んで視聴。
常に竹刀を携帯している。

Nマルコ・モラシム
ザフト学園の体育教師。水泳の授業を担当している。
学生時代も水泳部に所属し、全国制覇も成し遂げたほどの人。
当時は「ザフトのゾノ」と呼ばれ、恐れられたらしい。

Oアビー・ウィンザー
教育実習生。
真面目な性格のため冗談が通じないところがある。
毎度繰り返されるアーサーのアプローチに参っている。

Pユーリ・アマルフィ
ニコルの父親。ザフト学園では物理を教えている。
ニコルを愛して止まない。そんなニコルの姿が見えないと
心配でたまらなくなり、性格が暗黒面に傾くこともある。
工学(技術)系、数学、物理、電波工学関係に精通しており、
ザフトの発明王の異名をとる。
だが、その発明を勝手に理事長たちに利用されることも多々あり、
頭を悩ませている。
5通常の名無しさんの3倍:2006/07/11(火) 11:37:31 ID:???
Qラスティ・マッケンジー(三年)
成績優秀で運動もでき、顔も良い
ただ素晴らしく運が悪く、大ケガを繰り返す為にめったに学校にいない
逆に病院に行くと高確率で彼に会うことができる。
実は不死身だという噂

Rサラ (ザフト学園 教職員)
最近採用された保険の先生。
プライベートで何をしているか全くわからないが、デュランダル理事長とは親しい間柄らしい。
チャームポイントはバイザー。

Sパトリック・ザラ (ザフト学園 元理事長)
ザフト学園の前々理事長。(前理事長はアイリーン・カナーバ)
自由放任な現在の学園の状況に嘆いており、一度クーデターを企てたが失敗。
その後も、あの手この手で理事への返り咲きを狙っているようだ
6通常の名無しさんの3倍:2006/07/11(火) 11:38:41 ID:???
連合高校
@ステラ・ルーシェ(一年生)
天然系の女の子。いつもぽけ〜っとしているが、そういうところも可愛い。
幼い性格には似合わず、スタイル(特に胸)は抜群。
普段は大人しいが、キレるととんでもなく強い。
クラス担任のネオにやたらと懐いている。
身体能力に優れており実は連合高校の裏番である。
アウル、スティングと一緒にアパートの一室に住んでいる。
スティング、アウルの妹、時に娘的存在。

Aスティング・オークレー(三年生)
連合高校の番長。後輩からは「オクレ兄さん」と呼ばれて慕われている。
目つきが悪かったり、乱暴な言葉遣いをして、他人からは怖がられることも多いが、意外なほど面倒見がいい。
近所の食堂『牙留茄飯』でバイトをしつつ、家に帰れば、家事を一手に引き受けている苦労人。
アウル、ステラにとって父親又は長兄的存在。

Bアウル・ニーダ(二年生)
照れ屋なため、口にはなかなか出さないが
同じ孤児院出身で、同居中のスティングとステラのことをとても大事に想っている。
スティングにとっては親友又は弟であり、ステラにとっては兄のような存在。
苦労性の兄と、天然な妹のフォローをする影の大黒柱。
辛党で好物はキムチ。

Cフレイ・アルスター (二年生)
お嬢様にして連合高校の表番。無理をして一人暮らしを始めた為に、
時折「パパ…パパ!」と叫びながらホームシックに陥ることも。
ご近所のミーア、スティング達3人との仲は非常に良好で朝食や夕食を供にすることもしばしば。
前の彼氏のことをひきずっていたようだが、色々あってそちらはふっきれたようだ。
今はオルガ達3人の女王様として君臨しつつ、騒がしくも楽しい日々を送っている。

Dネオ・ロアノーク
ステラのクラスの担任。
陽気で気さくな先生で、生徒からは人気がある。特に、ステラはまるで父親のようにネオを慕っている。
自称「不可能を可能にする男」
校長からはクラスのレベルを上げるように言われているが、最近失敗続きで給料が下がっている。
7通常の名無しさんの3倍:2006/07/11(火) 11:39:31 ID:???
Eロード・ジブリール
連合大学付属高校の校長。生物博士(特に、猫の生態学が研究分野)。
「青き清浄なる世界のために!」を合言葉にする危ない環境保護団体、ブルーコスモスの盟主。
傲慢で嫌味の多い男だが、ネコを可愛がるという意外過ぎる一面も。

Fユウナ・ロマ・セイラン
オーブ学園主席卒業の教育実習生。豊富なエロゲーの知識を実社会において
実践しては手痛いしっぺ返しを受け、周囲を困らせる自称大人な優男。
アーサーとは"属性"の違いで対立しているとの噂・・・。

Gムルタ・アズラエル
連合大学付属高校の元校長だったが問題を起こし解雇される。
現在はおでん屋『むる太』を経営し質素倹約の道を歩んでいる。

Hイアン・リー
連合高校の教師。
自宅にネオが居候しており、好き勝手しているが滅多に意見したりしない寡黙なナイスミドル。

Iトダカ
オーブ学園の経営を巡る騒動により尊敬していた前理事長が辞職に追い込まれ、
それに反発して連合高校に赴任してきた元オーブ学園教師。
ユウナの起こした様々な問題の始末書に追われる日々を過ごす。
中学時代のシンが進路を相談した人物。
8通常の名無しさんの3倍:2006/07/11(火) 11:40:17 ID:???
Jオルガ・サブナック(三年生)
当時から今でも最強世代と呼ばれる学年で、中でもボス扱いであった三人のリーダー格。
いまは『むる太』にたむろったり、フレイにパシられたり奢られたり、穏やかに過ごしている。
趣味は読書。現在留年中。

Kクロト・ブエル(三年生)
オルガ同様、留年生。
「必・殺!」など二次熟語を区切って叫ぶという特徴的なクセを持つ。
趣味はゲーム。シューティングから多人数で遊べるバラエティまで幅広い。

Lシャニ・アンドラス(三年生)
「うざ〜い」が口癖の、つねに気怠げで酷薄な印象の少年。喧嘩は強い。
音楽鑑賞(ヘッドホンつけてメタルを大音量で聞くこと)が趣味。
時折、正体を隠したニコルとライブをしている。

Mナタル・バジルール
連合大学付属高校の数学教師。
凛とした姿勢、整然としてとっつきやすい授業、意外に照れ屋な一面があるなど
これに萌えないはずがない生徒らにより「ナタル先生に萌える会」が設立。
そしてハイネ・ミゲルには数年来の濃厚な愛を送られる、密かな人気者。
9通常の名無しさんの3倍:2006/07/11(火) 11:41:06 ID:???
その他
@コニール・アルメダ
学生に優しいと評判の定食屋『牙瑠茄飯』の看板娘。
耐えない苦労のなか、シンたちという心強い味方のおかげで笑顔を見せるようになり
最近ではスピニングバードキックや百烈脚を習得し、たくましく成長している。
シンとスティングが気になるようだが、本人は否定

Aトール・ケーニヒ
大学生アルバイター。
よく働くが、何故かすぐに『クビ』になるためバイトを転々としているかわいそうな人

Bラウ・ル・クルーゼ
レイの保護者。何の仕事をしているのかよく分からない人。ただ、時折いろんな店の食べ歩きをしているらしい。
ザフト学園のOBでデュランダル、タリアたちとは昔からの知り合いで過去は裏番をしていた。
変な形の仮面をいつも着けており、怪しい事この上ないが、レイには慕われている。

Cマユ・アスカ
シンの妹
幼くして頭脳明晰で、同年代の子と比べて著しく大人びている。時折黒い一面も見え隠れする。
兄に対する独占欲が極度に強く、水面下でルナマリアやステラと仁義無き戦いをたびたび繰り広げている
少々妄想癖もある。

Dハイネ・ヴェステンフルス
ザフト学園のOB。卒業生のくせに、なぜか頻繁に学園を訪れる。
陽気で爽やかな好青年。常にフレンドリーな雰囲気を好むため、
うっかり「ヴェステンフルスさん……」と呼びかけると、「ハ・イ・ネ」と直される。
バイクが好きで、よくオレンジ色に塗った愛車を乗り回している。愛車はFUKUDA社製ZGMF−X2000“GOUF”
ステラ、フレイ、ナタルに執拗に迫るが悉く跳ね返される毎日を送っている
10通常の名無しさんの3倍:2006/07/11(火) 11:43:13 ID:???
Eミゲル・アイマン
ザフト学園のOB。気さくで明るい美青年。愛車はZGMF-1017“GINN”。
オレンジ色の機体を駆ることから付いた二つ名が「黄昏の魔弾」。
ハイネ同様ステラたちにアタックを繰り返すが、ラジオ番組に出演するなど多忙のため
少々遅れをとっている。(その多忙は、年の離れた病気の弟の治療費の為らしい)

Fねこ
連合高校校長ロード・ジブリールの愛猫。(むしろ伴侶、あるいはジブリールのほうが飼われている説もある)
金の瞳と艶やかな黒毛、高貴にして妖絶な佇まいのノルウェージャンフォレストキャット。
ジブリの寵愛を受けつつも、シンに好意を持つ。そのアプローチは他の女子とは違い、余裕たっぷり。

G“かあさん”
オルガやステラたちが幼少時代を過ごした孤児院「ロドニア院」で子供の世話をしている、金髪の美しい女性。
持ち前の明るさと優しさで孤児たちから実母のように慕われる存在である。
特に幼き日のアウルは並々ならぬ独占欲と甘えん坊ぶりで、
月日が流れた現在でも親離れ・子離れしきれていない様子。

Hアサギ・コードウェル
サスライのアルバイター。アルバイトなら数しれない程こなしてきている。
マユラ・ジュリとは仲が良く三人の中でリーダー的存在。
一人でいる事は滅多にないので、一人でいる所を見ると幸運になるというジンクスも…
看護婦が本職という噂もある

Iマユラ・ラバッツ
アサギ・ジュリと共にサスライのアルバイター。二人とは非常に仲が良い。
アサギと同じく看護婦が本職という噂がある。

Jジュリ・ウー・ニェン
マユラ・アサギと同じくサスライのアルバイター。二人とは非常に仲が良い
時に、偽名を名乗り男を誘惑したとか(主任E談)
本職に関してはラスティ・マッケンジーと仲が良いので看護婦で間違いないかと思われる。
11通常の名無しさんの3倍:2006/07/11(火) 13:45:50 ID:???
>>1
乙であります!それと、一応これ(鉄則)も持ってきてみました。

ムルタ「義務化された感想を言う事ぐらい誰にでも出来ますよ。
     時には感想を貰えなくても、そこで腐らずに次頑張るのが優秀な職人。
     これ、ネタスレじゃ常識なんですけど?」
ナタル「ここは学園スレです。感想無しは(職人…いずれはスレ全体の)死を意味します。」
ムルタ「ネタスレだって同じですよ。
     あなたってもしかして、確実に感想貰えるスレでしかネタ書かないタイプ?」
ナタル「…」
ムルタ「それも良いですけどね。ここって時には頑張らないと、立派な職人にはなれませんよ。
     ずっとこのままじゃいられないんだ。頑張って下さいよ。
     ネタを書かずんば感想を得ずってね。」

ムルタ「SSは持ってりゃ嬉しいただのコレクションじゃあない。
     せっかく苦労して時間かけて書いたんです
     さっさと見せて、さっさと感想をもらいましょうよ」

フレイ「あの人! 投下すれば感想がもらえるって言ったのに!」
ナタル「確かに結果は分かるのだ、SSを・・・投下すればな・・・」

フレイ「ずっと苦しかった。私・・何もわかってなかったから。
    でも今、やっと自由だわ。とても素直に、スレが見える。
    守るから、本当の私の思いが職人達を守るから・・・」
12通常の名無しさんの3倍:2006/07/11(火) 22:03:50 ID:???
このスレはコテの皆が名無しの相談を聞いたり、相談したりするスレへの誘導スレです。
本スレはここかこちら↓
http://life7.2ch.net/test/read.cgi/intro/1152285880/


・避難所(有事の際はこちらを使用してください)
【女神達の】ヲチスレ【ラウンジ】
http://yy15.kakiko.com/test/read.cgi/watch/1123170866/
13通常の名無しさんの3倍:2006/07/12(水) 01:19:49 ID:???
>1乙でした!!
14通常の名無しさんの3倍:2006/07/12(水) 03:31:38 ID:???
>1乙です。

雑談のほうで長いの書いたといった奴ですが、
投下は前スレが埋まるのを待ってからのほうがいいでしょうか。
どちらにしても今は寝る時間なのですが。
15夏の日の追想:2006/07/12(水) 22:59:43 ID:???
「あ、…二人ともまだやってたんだ」
夕暮れの校舎。
昇降口を抜け校庭に姿を現し、目にした光景にルナマリアは思わず声をあげた。
視界の中を、勢い良く端から端へと駆け抜けていく黒髪の少年。彼は校庭の端のほうで速度を緩めると、
走り抜けた数メートル前の地面に引いてあった線の横に立つ金髪の少年のもとへ小走りに駆け寄っていった。
そして、彼が手にする計測器を覗き込み、空に向かってガッツポーズをとる。
「…全く、あいつら今日の約束本気で忘れてるんじゃないかしら」
「んん?ようルナ、今帰りか?」
「あ、…ハイネ先輩」
ルナは声のしたほうを見て、その主の名を呼ぶ。そこには見慣れたオレンジの青年が立っていた。
「どうしたんです?今はステラはいませんが」
「おいおい、今日は別の用事だよ。まあ俺といえばステラちゃんだと思ってくれるのは嬉しいけどな?
…ほら、今日だろ?牙留茄飯」
「あ、…ハイネ先輩も」
「なんだ、じゃあお前も?」
ルナの言葉に、ハイネはへえ、と面白そうに目を見張る。
「ええ、今日の牙留茄飯の新作メニューお披露目会。学校が終わったら行こうって約束してたんですよ。
…なのに、あの二人ときたら」
言いながら、ルナは校庭のほうへと視線を投げる。そこではまだ先程の少年達…、ほかでもない、
彼女の幼馴染でもあるシンとレイの二人が、いまだなにやら話し合っていた。話に区切りがつくと、
シンはすぐにレイから遠く離れたスタートラインらしき別の線のほうまで走っていく。
「そういやあいつら、さっきから何やってんだ?」
「シン、学年対抗リレーのアンカーに選ばれたんです」
ルナは説明しながら、体ごと校庭の二人のほうへと向き直る。
「それで、ちょっとでもタイムを縮めようって、毎日ああやって練習してるんですよ」
「ほー、そういやもうすぐ体育祭か。…で、レイはそれに付き合ってやってるってわけか」
「最初は実行委員の仕事がない日って約束だったらしいけど、結局毎日ですね」
「あっはは!相変わらず仲良しだなあ、お前ら」
いいねえ青春、などと言いながら、ハイネは楽しそうに声をあげて笑った。
「でも、ちょっと妬けるんでない?」
「え?」
不意打ちの言葉に、ルナは思わずハイネの顔を見る。
「いや?ああやって一緒にいられるポジションっていうのは羨ましいんじゃないか?と思ったわけ。
お前がどれだけシンが好きか、ってのは、流石に俺も知ってるからさ。
…俺もなあ、いっそ今から連合高校に入学しちまおうかと思ったことは数知れずだよ。きっと天国だ」
ハイネは、ふう、とわざとらしい溜息をついて肩を竦めた。
「先輩が言うと本気か冗談か判断できないんですが。…そうですね、確かに羨ましい、って思うことはあるけど」
髪を軽く掻き揚げながら、ルナは再度校庭へ視線を向けた。
視界の中でシンがゴールラインを駆け抜けていった。先程と同じ辺りで止まり、同じようにレイの元へ走っていく。
良い結果が出たのか、今度はガッツポーズにジャンプが加わっていた。
シンの元気の良さに釣られてか、それまで淡々と計測をしていたレイも薄く微笑を浮かべる。
16夏の日の追想:2006/07/12(水) 23:01:51 ID:???
「…でも、…いいんです、あれはあれで」
「ん?」
ハイネはルナのほうへ顔を向ける。ルナは校庭の二人を見たまま、自然と笑みを滲ませていた。
「そんなふうに思えるのも、シンとレイと私……、色々あったけど、三人でずっと一緒に来れたからだし」
風が優しく通り過ぎる。
少しの沈黙の後、ルナはそっと口を開いた。
「私達は、三人じゃなきゃいけないんです」
それは静かな、だが確かに強い意志を持った言葉だった。


それは、梅雨を間近に控えたとても暑い日だった。
「レイ!」
中学の校庭。
体育の授業中、シンは校舎近くの木の下に座る友人の姿を見つけ、片手を挙げその名を呼んだ。
レイは呼ばれたことに気がつくと、手にしていたファイルから顔を上げ、声のほうを見る。
「何やってんだ?もう測定全部終わったのか」
シンはレイの側まで走り寄ると、その隣に屈み込んだ。
「…まだ途中だ」
答えながら、レイはファイルを畳んでシンの反対側に置く。
「そっか。…どんな調子?」
「まずまず、といったところか」
「…………」
シンは後ろからレイのファイルに手を伸ばそうとした。
が、シンが手を動かすが早いか、レイはさっと自分のファイルを拾い上げ、体育座りの膝の前で確保する。
ファイルの表紙には「体力測定」という印刷の文字と、手書きによる持ち主の名前が記されていた。
「…なんだよ、見せてくれたっていいだろ。俺のも見せるから」
シンはレイのそれと同じタイプのファイル―名前と、表紙の空いたスペースに好きなガンダムか何かの
落書きがされている以外は―を、軽く掲げて見せる。
「お前はこちらが頼まなくとも見せてくるだろう。…だいたい、お互い今更数値で確認する
必要も感じない」
「ま、そりゃそうだけど」
レイのそっけない言葉に、シンは軽く肩を竦めた。
「でも、お前昔より随分運動神経良くなっただろ?何か秘密があるなら俺にも教えてくれよ」
しかしシンはさらに食い下がり、レイの顔を見た。
運動神経だけではなかった。シンの目から見ても、レイは昔と比べて随分変わっていた。
会ったばかりの頃は随分内向的な性格で、他の子供からいじめられても言い返すことも出来ずに
一人で泣いているような少年だったし、体が弱いせいもあって、自分やルナマリアが少々調子に乗って
元気のいい遊び方をした時などは、ついてこられなくさせてしまったことも幾度かあった
(それは勿論反省している)。
だが、学年が上がり、歳を重ねるにつれ、彼は少しずつ変化していった。
意地悪をされても泣かなくなった。自分達が助けに入らずとも言い返せるようになった。
少しずつ体力をつけて、最初は尻込みしていた元気のいい遊びにも加われるようになった。
そして随分気も強くなり、元々頭はよかったため、最近では意見を違えた時にシンのほうが
論破されることも少なくない。ああ、そういえば言葉遣いも変わったか。
「秘密はない。強いて言えば教本で正しい体の使い方を学んで」
「それ俺の一番苦手な分野じゃん…」
レイの答えを聞くと、シンはがくっと体の力を抜く。
17夏の日の追想:2006/07/12(水) 23:03:26 ID:???
「でももっとタイム縮めたいんだよなー。ほら、もうすぐ体育祭だってあるだろ?中学の体育祭って、
小学校の運動会とはぜんぜん違うってルナが言ってたぜ。六年間徒競走一位だった俺としては、ここで
負けるわけにはいかないんだよな。…そうだ」
何か思いついたように言うと、シンは上体ごとレイのほうを向いた。
「レイ、俺の走り方見てくれるか?」
「何?」
「ほら、人に見てもらうと粗がわかるっていうだろ。それにお前、本で勉強してるって言ったし」
「役に立つかはわからないぞ」
「立つ立つ!…な、体育祭までの間でいいから。頼む!」
シンは両手を顔の前で合わせた。レイは少し考えるような素振りだけ見せたのち、ふっと笑顔を見せる。
「実行委員の仕事がない時だけになるが、それで良いか?」
「やったー!!」
答えを聞くやいなや、シンは大声をあげて拳を握り締めた。
「マジ嬉しい恩に着る!ありがとう!これで徒競走七年連続一位が近づいてきたぜ!…あ、走り幅跳び、
今空いてるな。俺行ってくるけど、レイは?」
「あれは終わった。もう少し様子を見る」
「そっか。ま、時間終わらない程度にな」
笑いながら言うと、シンはファイルを手に立ち上がり、ズボンの土を払う。
それからレイに軽く手を上げてみせたのち、少々離れた砂場のほうへと走っていった。

レイは樹下に座ったまま、シンが生徒の列の中に混ざっていくのを見届けた。
(…中学に入って環境が変わったとはいえ、シンの脚力なら徒競走一位ぐらいは間違いないと思うがな)
そんなことを考えながら、先程の必死な友人の姿を思い出して思わず笑ってしまう。
小さい頃からルナマリアとやんちゃな遊びばかりしていたせいか、元々の素質か。シンの運動能力は、同学年の
生徒の中ではかなり高いほうだった。
「…………」
レイは先程シンから隠した自分のファイルを膝の高さまで掲げ、ページを繰った。
既に埋められた幾つかの項目から、運動能力測定に関わる項目に目を遣る。
客観的に見ても決して悪い数値ではない。大体は平均をクリアできているし、小学校在学中だった昨年より
劣った箇所があるとも思えない。寧ろ殆どは上がっているくらいだった。

けれど、きっとまだ及ばない。
18夏の日の追想:2006/07/12(水) 23:05:34 ID:???
レイは無意識に乱暴な溜息を落とすと、手にしたファイルを閉じる。
シンに見せたくなかったのは妙な意地だった。人のよい友人の顔を思い出し、少々自己嫌悪に囚われる。
劣等感など抱いても仕方ないとは思いながらも、どこかにその感情を否定しきれない自分もいた。
じわりと胸の内に、今までも何度も経験した、小さな苦みが滲む。
思い出すのは、いつも元気に前を走る二人の友人の姿。
大好きだった。その姿はとても強く、眩しかった。
かれらと同じものを見て、同じように笑いたい。その一心で今までずっと追いかけて走ってきた。
…だけど。
もしかしていまだに自分は、走る二人に追いつけずに泣いていたときから、前に進めていないのだろうか。

重い考えを振り払うように首を左右に振り、ゆっくりと立ち上がった。
こういう心情のときは、考えれば考えるほど悪循環に嵌っていく。気にしないほうがいい。
そんなことを思いながら、気持ちを切り替えようと、校庭で行われている体力測定の光景へと目を向けた。
…と。
「…………?」
不意に眩暈のような感覚を覚え、レイはその場に立ち尽くした。
足がふらつく。体の安定が取れない。日射病…、いや、熱射病だろうか。
それにしても随分息苦し…………、

「………レイ!?」
生徒たちのざわめきの声に振り返ったシンは、そこにあった光景に全身の毛が逆立つのを感じた。
弾かれたように列の後ろの生徒達を押し退け、全速力で駆け出す。
それはつい先程まで自分がいたのと同じ木の下。同じ場所。
だがそこには、その時は確かに樹下に座っていた筈の友人が、まるで糸の切れた人形のようにその場に崩れ落ちていた。
「……レイ、…レイ!!どうした、しっかりしろよ!おい!!」
誰より早く駆けつけ、シンは必死にレイの体を抱き起こすと、汗で顔に貼り付いた髪を払った。
荒い呼気。ぞっとするほど顔色が悪い。抱きかかえた体は重く、それはシンにいいようのない恐怖すら感じさせた。
(なんでっ……)
何が起きているのかわからない。レイの体があまり丈夫でないことは知っていたが、今までこんなことはなかった。
「な…なんでだよ、なんなんだよ!!しっかりしろ!!」
パニックに陥りかけ、シンは夢中でレイの体を揺さぶる。最早冷静な判断力もなかった。あったのは纏わりつく
不吉な感覚、そして恐怖。
やがてすぐに駆けつけた教師が二人の体を引き離し、レイをどこか屋内に運び込もうとしたときも、
シンは腕を振り回して暴れレイに追いすがろうとしたが、男性教師に押さえ込まれてそれは叶わなかった。
ただ抑えきれない恐怖に駆られ、あらん限りの声で遠ざかる親友の名を叫んだ。
「レイーーーーーーーーー!!!」
19夏の日の追想:2006/07/12(水) 23:06:53 ID:???

我に返ったとき、シンは保健室のベッドで天井を見上げていた。
レイが連れて行かれた後、何があったのかはよく覚えていない。
ぼんやりした意識の中、救急車か何かのサイレンを聞いた気がするが、その時自分がどこにいたのかも
いまいち思い出せない。或いはここにいたんだろうか。
頭が目覚めていく。ゆっくりと全身に浸透していく自我。そうするうちに校庭での出来事、現在の状況が鮮明に
認識され、シンは思わずがばっとベッドから上体を起こした。
「痛っ!!」
が、同時に物凄い頭痛に襲われる。
頭を抑え、暫しベッドの上で蹲る。動かした腕は筋肉痛の症状を訴え、じくじくと痛んだ。
ひとつずつ自分の体を確認すると、腕だけでなく体のあちこちが痛い。なんとなく顔が腫れぼったく、熱を帯びている。
どうやら自分はあのままとんでもない大暴れをしたらしい。
「…………」
ともかくベッドから這い出る。砂だらけの体操服を着たままだった。水道まで辿り着くと、蛇口を強く捻り、一気に
顔を洗う。水を飲む。
そうして欲しいだけ飲み下すと、水を止め、横に吊るしてあるタオルで乱暴に顔を拭った。
「……行かなきゃ」

廊下で鉢合わせた保健医は、アスカくんもういいの、などと暢気なことを言うので適当に答えてやり過ごした。
そのまま駆け足で自分の教室へ向かう。既に下校時刻だったらしく、教室に人影はなかった。
手早く帰り支度を済ませる。はたと思い当たり、レイの机を見た。鞄がまだ残っている。どこまで持って行っていいのか
わからなかったが、自分基準で机の中のものを取り出してレイの鞄に詰めると、それを自分の鞄と一緒に持った。
あとはそのまま校門を出た。レイの家は知っている。深い考えなど何もなかった。とにかく心配で、
胸に湧き上がった不吉な感覚が恐ろしくて、シンは時々駆け足になりながら、急いでレイの家へと向かった。
すぐに見慣れた建物が見えた。全速力で駆け出し、門の前へと辿り着く。
息を弾ませながらインターフォンを押した。一度、二度。…三度目は繰り返し二度。
……返事がない。
「なんで…?ラウさん…、いないんですか!?俺です、シン・アスカです!!ラウさん!!」
玄関ドアに駆け寄り、叩きながら大声で呼ぶ。が、何度繰り返しても、中からの反応はない。
「………!!」
全身を焼く焦燥感。足元から蛇のように絡みつく、絶望にも似た感覚。
眩暈すら覚えそうになったとき、不意にシンの鞄から聞きなれた着信音が鳴った。
20夏の日の追想:2006/07/12(水) 23:08:31 ID:???
慌てて鞄を開くと、入れっぱなしにしていた携帯のランプが点滅しながら音楽を鳴らしている。
縋るように携帯を手に取ると、表示されている名前は幼馴染のルナマリアだった。
失望したような、しかし救われたような妙な気持ちに囚われながら、シンは通話のスイッチを押した。
「もしもし!?」
『もしもし!!ちょっとシン、あんた今どこにいるの!!』
耳に当てた携帯からいきなり物凄い剣幕のルナマリアの声がして、耳が痛くなる。
「どこって、…レイの家、レイが今日、体育の時間に…!」
『レイは病院にいるわよ!!ちょっと考えれば分かるでしょ、このお馬鹿!!』
「……あ」
冷水のようなルナマリアの言葉に、頭に昇っていた血が一瞬すっと引く感覚を覚えた。
…確かにそうだ。あの時自分は、救急車のサイレン音だって聞いた。ただ心配だったその一心でここまで来たが、
あんなにひどい状態だったレイが、あのまま家に帰ったなんてありえただろうか?
呆然とするシンに、ルナマリアはさらに続けた。
『駅前の病院、わかる?そこからだったらそんなにかからない。私入り口の前で待っててあげるから、
すぐ来るのよ?いいわね!?』
「あ、ああ!」
有無を言わさぬ勢いに押され、シンは考える前に返事をしていた。すると突然通話が切れた。
「あ、…ルナ?もしもし!?」
呼びかけても、電子音が聞こえるだけで応答はない。シンは通話終了のスイッチを押し、携帯を鞄に戻す。
そして踵を返し、その場をあとにして駆け出した。
ただの剣幕じゃなかった。冷静なようでいて、ルナマリアも相当動揺していた。
「くそっ……!」
歯を食いしばりながら、シンは焦燥感に駆り立てるられるままにひたすら走り続けた。
21夏の日の追想:2006/07/12(水) 23:11:23 ID:???
今回はここまで。
やたら雲行き怪しげですが、ちゃんとグッドエンド予定してます…。
22通常の名無しさんの3倍:2006/07/12(水) 23:28:17 ID:???
GJ!続き楽しみにしてます
23通常の名無しさんの3倍:2006/07/12(水) 23:37:38 ID:???
青春やね

こいつら(オクレ兄やニダも含めて)でウォーターボーイズでもやってしまえばいいとか思った。
24通常の名無しさんの3倍:2006/07/13(木) 00:41:27 ID:???
>>21
いやあ、文章上手いねえ。
GJ! だぜ
25通常の名無しさんの3倍:2006/07/13(木) 12:05:33 ID:???
>>21
やるじゃない!
26夏の日の追想:2006/07/13(木) 22:40:29 ID:???
>>15-20の続きいきます。

「ちょっとー!あんたたちいい加減にしなさいよー!?」
ルナマリアはシンがひと走り終えたのを見計らい、校庭へ向かって大声で呼びかけた。
記録の手を止めて顔を上げるレイ。シンは大回りをして走る速度を緩めながら、ルナのほうを向いて手を振る。
「あー、悪いー!もうそんな時間ーー?」
「何言ってんのー!さっさと支度して牙留茄飯行くわよ!」
「おーう!」
膨れてみせるルナにシンは全く悪びれた様子もなく笑うと、丁度最後の記録を終えて
ストップウォッチをポケットにしまったレイに駆け寄り、二、三言葉を交わすと、そのまま共に
体育倉庫のあるほうへと走っていった。恐らく借りた用具を片付けるのだろう。
「はは、ガキんちょのお守りは大変だなあ」
口をへの字に結んで二人の後姿を見送るルナに、ハイネは笑いながらのんびりと歩み寄った。
「全くです。レイだってちゃんと見ててくれるかと思いきや、結局二人そろって滅茶苦茶してました、
なんて結構あるんですよね」
「ま、男なんてそんなもんよ」
「そういう言い方はずるいですよ、先輩」
「まあまあ」
抑えなさいな、などと言いながら、ハイネは手を前後に動かしてみせる。
「でもさ、結局お前らはがっちり上手くはまってんだよな。そうやって文句言ってみたところで、
なんだかんだで今まで一緒にやってこれたんだろ?」
「それは、…まあ、そうですけどね」
ルナはハイネの言葉に少々口ごもりながらも、最後には笑顔で答えていた。
「…そうだ、どうせあいつらも着替えとかあんだろうし、戻ってくるまでまだ時間あるよな。
……さっきの話の続き、あれからどうなったんだ?」
「あ、…えーと、どこまで話しましたっけ……」


シンが病院に辿りついた時、既に辺りは薄暗くなっていた。
門へと飛び込み、正面入り口へ向かうと、すぐ脇のベンチにルナマリアが制服のまま憔悴しきった表情で
座っていた。彼女はシンの姿を認めると弾かれたように立ち上がった。
シンは駆け足でルナに近付いた。ルナの泣き出すのを必死で堪えているような顔を見て、ここに来るまで
押さえ込んでいた筈の恐怖が蘇り、ゆっくり体を締め付け始める。
なんでそんな顔してんだよ。レイはどうしたんだよ。
「…ルナ」
「シン、…シン!!ばか、なにやってたのよ……!」
「ごめん。……あのさ」
言葉が続かない。レイはどうした、と、たったひとつを問うのが怖い。
だが、そこはルナマリアは姉貴分だった。ぐっと唇を引き結び気丈な表情を作ると、制服の上からシンの腕を
痛いぐらいに掴み、建物のほうへと歩を踏み出す。
「中にいるから。…来なさい」
27夏の日の追想:2006/07/13(木) 22:42:39 ID:???

ひっそりと閉じ込もった空間から、ガラス越しに単調なビープ音が聞こえてくる。
ベッドを取り囲む機械の群れは、何をするためのものなのかシンには全くわからなかった。
機械と体を繋ぐ何本もの管。閉じられた瞳。血の気のない顔。
「もう安定はしている。ただ、今晩はあのまま様子見だそうだ」
呆然と目の前の光景に釘付けになっていたシンの頭に、大人の手が置かれる。
びっくりして見ると、隣には親友の保護者――ラウの姿があった。シンの頭に手を置いたまま、彼もまた
ガラスの向こうをじっと見据えている。その顔はいつも通り仮面で隠されていたが、その横顔から伝わる
沈痛な思いはシンには十分感じ取れた。

非常に珍しい病気なのだと教わった。
詳しい内容も聞かせてもらえたがいまいち飲み込めなかった。ただ、隣のルナマリアが深刻な顔をしていたので
ただならぬ内容であることだけは理解できた。
「今まで話せなくて悪かった。…話したら、君達のレイを見る目が変わってしまうのではないかと怖かった。
だが、それは私だけの理由、責められるべきは私一人だ。…レイが話さなかったのは、あくまで君達と対等で
ありたかったからだろう。あの子はずっと、君達に追いつきたいと必死に頑張っていたから」
灯りも少ない待合室の椅子に腰掛け、二人はラウから話を聞いていた。
正面に座った彼は、何か大きな感情を押し殺すような冷静さで、静かに言葉を紡いでいく。
「じゃあ、体が弱いのもそのせいですか?」
「…まさか、俺達が一緒に連れ回したから、それで」
思い至った考えに、シンは全身から血の気が引くのを感じた。ルナマリアがはっとした顔でシンのほうを見る。
「それは違う」
だが、ラウは首を横に振ってすぐにシンの言葉を否定した。
「寧ろ、君達に出会ってから随分と丈夫になったくらいだ。…それまではあまり表にも出たがらなかったし、
頻繁に体調を崩して床についていたからね」
「…………」
シンの脳裏に記憶が蘇る。内向的で大人しくて、しょっちゅう傷ついてはべそをかいていたレイ。
そして、気丈で理知的、感情を表すのは下手でもいざというときはしっかり自分の意志を通せる、今日の昼まで
一緒に授業を受けていた今のレイ。
「ただ、体に爆弾を抱えていることに変わりはないから、本当の意味での無茶はできない。そのことは本人も
理解しているから、これまでもその辺りの折り合いはつけながらやってきた筈だ。…だが、今回はその爆弾が
随分体に負担をかけてしまったらしい」
「…なんとか、…あの、…その病気って、なんとかならないんですか!?」
ルナが縋るような目でラウを見る。シンも同じ気持ちで顔を上げていた。

「…方法が、ないわけではない」
28夏の日の追想:2006/07/13(木) 22:44:20 ID:???
「……え」
言葉が、いつの間にか真っ黒に塗りつぶされた胸の内に、一筋の小さな光を射す。
「昔だったらどうだったかわからないが、…あの子のような人間を助けるために、私の友人や、沢山の人が尽力してくれた。
そうして、助ける方法が見つかった。上手くすれば、普通の人間の体と同じぐらいにまで回復する可能性はある」
「じゃあ…!」
「だが、子供の体には負担が大きすぎる」
思わず声をあげたシンだったが、そこにラウの冷静な言葉が割り込んだ。
「だから本当は、もっと大きくなるのを待って治療を受けさせるつもりだった。今の歳では、治療のほうに体が
耐え切れなくなる可能性が否定できなかったからね」
「………「本当は」?」
ルナが視線だけ動かして短く問う。その瞬間、ラウの仮面の下の表情がぴく、と揺れた気がした。
暫しの沈黙。
「……思った以上に、体への負担が大きくなっていた」
押し殺した声で、低く告げられた。
「あまりいい状態とはいえない。……近いうちに、手術を受けることになるだろう」


病院に泊まっていくらしいラウと別れ、シンはルナと家路についた。
辺りは既に真っ暗だった。互いに無言のまま、重い足取りで歩を進めていく。
ルナの顔をちらっと見ると、必死に堪えてはいるが、とても思いつめた顔をしているのは間違いなかった。
もしかして自分もこんな顔をしているのだろうか。
「…明日、ちゃんと学校行きなさいよ」
別れ際、ルナはそんなことをシンに告げてきた。そのまま同じ言葉を返してやりたいような顔をしていたが、
そんな気分にもなれず、「ああ」とだけ答えておいた。
「お兄ちゃん、こんな時間までどこ行ってたの!うちに連絡もしないで!!」
家に入ると、親より先に口うるさい妹―マユが飛びついてくる。歳の割に大人びた傾向のある彼女は最近益々
おませになり、何かとシンの世話を焼きたがる傾向にあった。
だが、そんな日常すら今のシンには重過ぎた。
「…なに、どうしたのお兄ちゃん、具合でも悪いの?ご飯は、お風呂は?」
「別に。…飯も風呂も明日でいい。俺もう寝る」
「ちょっと、…お兄ちゃん!?」
マユの横を通り抜け、自分の部屋へと進んでいく。いつもなら食い下がってくるマユだが、シンの様子が
ただならないのを察したか、ただ廊下に立ち尽くして兄を見送っていた。
シンは自室に入ると、鞄を放り出して制服のままベッドに突っ伏す。
疲労感と静寂に、身も心も突き刺されるようだった。
早く眠ってしまいたくて目を閉じる。瞼の裏に焼きついて離れないのは、ガラスの向こうの光景。無機質な
機械に囲まれ、管やマスクで繋がれて、ゆっくりと胸だけ上下させている親友の姿。
…今もまだ、レイはあのままなんだろうか。
「……」
頭を乱暴に掻き毟り、ベッドの上で蹲る。
結局疲労が勝って眠りに誘われるまで、シンの脳裏からその光景が消えることはなかった。
29夏の日の追想:2006/07/13(木) 22:46:03 ID:???
翌日は案の定寝坊した。マユは昨日の様子から気を遣ったのか、声をかけることはしなかったらしい。
正直学校に行く気力もなかったが、家にいるのもなんとなく気鬱だったので、シャワーと遅い朝食だけ済ませて
家を出た。
学校への道を辿ろうとして、…やはり思い直して方向転換した。ルナは怒るかもしれないが、どう考えても
このまま授業を受けてなどいられない。早足で病院へと向かう。
入り口を潜る。平日の病院は診察に来た人で混み合っていた。ところが、この場に来て初めてシンは自分に
レイに会うための手立てが何もないことに気がついた。
受付で言ったら会わせて貰えるんだろうか。よくドラマである「面会謝絶」なんて状態だったらどうしよう。
そもそもあれからレイは目を覚ましたのか……?
そんなことを考えて立ち尽くしていると、不意に後ろから聞いたことのある声がシンの名を呼んだ。

「おかえりなさいラ………」
開いた扉の向こうから聞きなれた声がして、シンをここまで連れて来てくれた人物を嬉しそうに迎える。
が、発された言葉は、その途中で絶句という形で途切れた。
「………」
「……よ」
シンはきまり悪そうな顔をして、自分を怪訝そうに凝視するレイに軽く片手を挙げてみせた。
偶然一階でラウに会い、この病室に案内されて来るまでずっと、どんな顔をして会えばいいのかとか、どんなふうに
声をかけようとか、そんなことばかりぐるぐると考えていたが、実際その場になればこんなものである。
「ただいまレイ。…お客さんを連れて来た」
扉を閉めながら、ラウは優しくレイに声をかけ、横にいるシンを示す。
自分の存在を強調され、シンはドアの前に突っ立っているわけにもいかず、部屋の中へと歩を進めた。
さっぱりした個室だった。窓の側にベッド。ベッドの側に棚や衝立と、…よくわからない機械。
「…そうだな、タオルの替えでも貰って来よう。その間レイをお願いしても良いかな?」
「え!?…あ、は、はい!?」
突然のラウの提案に、シンは不意をつかれて裏返った声で返事をする。
「…ラウ」
「心配いらない、すぐ戻るから」
不安げな声で呼ぶレイにそう告げると、ラウは一度シンを見て、二人を残し病室を出て行った。

「…………」
「…………」
「……学校は」
「…………」
「…適当な言い訳ぐらい思いつかないのか」
「ともかく座れ」と勧められた椅子に座り、問いにも答えられず黙ったままのシンに、レイは軽く息をついて肩を竦めた。
30夏の日の追想:2006/07/13(木) 22:47:26 ID:???
「お前のことだから聞くまでもなく「サボってきた」が正解だとは思うが」
「…ごめん」
「…その原因を作った俺に、謝られる資格はない」
呟くように言うと、レイは羽織ったカーディガンを直しながらシンから視線を外し、窓の外を見た。
「だが、…言える筋合いではないが、なるべくなら避けてくれ。……俺のためにそんな事をされたら、ラウが悲しむ」
レイの言葉に、シンは少し胸が痛んだ。こんな時までそんな心配しか出来ないのか、お前は。
「…体、どうなんだ?」
「…今は安定している」
シンの問いを受け、暫し言葉を選ぶような間をおいて一言口にすると、レイはやがてすっとシンの方へ顔を向けた。
「どこまで聞いている?」
「多分、大体は。…俺の頭じゃわかんなかったことも多かったけど」
「だったら殆どわかっているということだな」
「…そう、なるのかな」
あくまで淡々とした態度のレイに、シンは相槌をうつのがやっとだった。
「…それで、その」
「手術を受けることになった」
「!」
言葉に反応するように、シンは全身の血が冷却されるような感覚を覚える。
内容自体は昨日ラウから聞いていたことと同じ筈だった。だが、本人の口から告げられたそれは、昨日とは全く
違った重みを持っていた。
「近いうちに都会の病院に移って、そこで手術を受ける。…それが成功しても、暫くは治療を続けないと
ならないから、どのみち当分会うことはできなくなる」
「…………」
一切の感情を排除した、事実だけを連ねた説明。
「だから、こうして会えるのは後少しだ。…ルナマリアにも伝えておいてくれるか。向こうへ行ったら直接連絡を
取るのも難しくなるだろうから」
そこまで言うと、凝視するシンの顔を確かめるように一瞥し、レイは静かに窓のほうを向いた。
僅かに開いた窓の隙間から風が吹き込み、ゆっくりとその髪を揺らす。
「……戻って、これるんだよな」
シンは乾ききった唇から、やっと言葉を搾り出した。
レイのような人間を助けたくて、沢山の人が力を尽くした。その結果、治らない病気じゃなくなった。
だから大丈夫なのだと、そう言って欲しかった。
「…レイ」
名前を呼ぶ。こちらを振り返らないままの彼が、どんな顔をしているのかはわからない。
ただ、微かに顔を俯けるような所作のち、レイは先程までとは違う寂しげな声色で一言だけ呟いた。
「…徒競走の手伝い、してやれなくなってしまったな」


そのあとは会話らしい会話もないまま、間もなくラウが戻ってきて、シンは剥いて貰った味のないリンゴを食べた。
やがて検査の時間を迎えて医師が病室にやってきたので、入れ替わりに病室を出た。
もう学校へ戻るような時間でもなかった。おぼつかない足取りで、無意識に家への道を辿っていく。
家が近くなると、ルナマリアの顔が浮かんだ。学校に行かなかったことを怒られるだろうか。いや、それより
レイの言葉をなんと伝えたらいいだろう。

重い気持ちを抱えたまま、シンは家へと帰っていった。
31夏の日の追想:2006/07/13(木) 22:49:52 ID:???
また最後に書きそびれた…。今回はここまでです。
32通常の名無しさんの3倍:2006/07/13(木) 23:50:10 ID:???
グッジョブです!!文に引き込まれました!
33通常の名無しさんの3倍:2006/07/14(金) 00:22:48 ID:???
>>31
一行がもっと短いと良いかもしれないが、
とてつもなくGJ!

巧みな文と描写、お見事
34ハイティーン・マユ:2006/07/14(金) 09:24:49 ID:???
GJな長編に紛れてアホをし隊プレゼンツ

 あたしマユ。マユ・アスカ。ただいま高二の超絶美少女。
 成績優秀。品行方正。才色兼備に絶対無敵。彼氏なし。
 やんごとなき事情により、今日も今日とて街を走る。
 放課後のあたしは少女探偵。

 メロンパンをかふかふ食べながら、階段を上がる。
 胸がゆれるゆれる。バスト85センチ、まだまだ膨らむや膨らまざるや。
 すると、顔に縫いあとがあるおぢさんとご対面。
 『なんだコラァ』
マユ「あたしを知らないたぁモグリだね。ごらん!」
  このメロンパンが、……目に入らぬかー!
 『そ、それは兄貴てづくりのメロンパン!!』
 『失礼しやした。兄貴のお知り合いでしたか……』
 メロンパンを紋所よろしくかかげながら、あたしは二階に通される。
 見送る彼らに、パンをひとつ投げた。歓声。一斉に群がるけだものたち。
 同時に、ばぁん、と開く扉。
スティ「うっせーぞオマエラ!騒ぐな!……ってか何食ってやがる!」
 強面の男たちは子犬のようにちぢみあがる。
 すいませんっす兄貴。でも、もう辛抱たまらんっす。ぶるぶる。
マユ「そりゃ、これだけ美味しそーな匂いさせてちゃね。酷ってものよ」
スティ「だからってメシ前に食ったら……。と、お前か」
 オクレ兄さんは言う。
 以前から大人びていたけど、実際に年を重ねると格段に男っぷりが上がった。
 三角巾をはずす仕草にも、男の色気がただよっている。いいかんじ。
35ハイティーン・マユ:2006/07/14(金) 09:26:29 ID:???
 そりゃ、男も(ついでに一部の女も)惚れるのも無理ないって話で……。
マユ「コニールは?」
スティ「腰が痛いって起きてこない」
 でもデリカシーがないのは変わりない兄さんだ。
 お茶を出されてあたしは待つ。兄さんは鍋をもって、自分より年上の弟たちに
愛情こめたごはんを与えに行った。大歓声が聞こえる。
 そっと奥の部屋をのぞいた。
 ビトゥインザシーツ、あられもない姿で寝ている彼女。
 ダイナマイトバディにからまる、長い茶褐色の髪。よく成長したものよね。
 これまで何度も危機におそわれた牙留茄飯の最後のピンチ。悪いやつらの罠に
かかって、看板娘はその若いながらも熟れた肢体と店の存続を天秤にかけた。
 さしものあたしも所詮は高校生、からまる大人の事情に手が出せない状況。
 そんな絶体絶命のときに、全国武者修行の旅から帰ってきた兄さんがなにもかも
取りなし、悪いやつらはギッタギタでめでたしめでたし。
 で、あたしはこのドラマチック極道の妻(現役高校生)にノートを届けに来たのである。
 ついでに、
スティ「なに覗いてんだ。……で、ルナマリア・ホークの行方だがな」
マユ「そうそう、あの女の」
 行方不明のアホ毛の捜索もするのである。
 依頼主はアホ毛妹。ツインテールを卒業した彼女は、近々結婚するとかしないとか。
スティ「関西にはいないと見ていいな。ステラの所にも何も入ってこない」
マユ「あの天然のことだから、うっかり見逃したりしてるんじゃないかしら」
スティ「アウルをつけてあるから、それはない。あいつは目敏い」
 信頼しているのね。(本人の前で言ってあげたらいいのに……)
36ハイティーン・マユ:2006/07/14(金) 09:29:53 ID:???
 茶を飲みながら情報を交わすも、進展はなし。
 そうこうしているうちに、ごつい弟分が声を掛けてくる。兄貴、時間です。
マユ「おでかけ?」
スティ「そう。悪いおじさんたちの集まりにな」
 割烹着を脱いで身支度をととのえた兄さんは、立派なヤのつく自由業だった。
 奥の扉がそっとひらいて、サングラスが差し出される。
 シーツをまとっただけの姿では、出てこられないのだろう。
 兄さんは受け取りつつ、コニールのいる部屋に入った。
 ……行っちゃうのか?(ふにゅ)
スティ「おじいさんが、どうしても俺の手料理を食べたいってよ。(なでなで)
    すぐ帰ってくるから、いい子で待ってな」(なでなで)
 ……帰りに、ミソ買ってきてほしいな。(ふにゅふにゅ)
スティ「あぁ、わかった。いいミソ買ってくる」(なでなで)
 ……たのんだぞ……あ、あと、それと。それとな……(ふにゅふにゅ)
 なかなか出てこない二人に、あたしは付きあってられなくなって外に出た。

 そこにはルナマリア・ホークが立っていた。
 ただし、あたしの知っているアホ毛女とは、ずいぶんちがう。
マユ「……なに食えばあんなに大きくなるのよ」
 全長30Mの巨大な女は、白目を剥いて街を破壊してまわっている。
 あたしは路地に入ると、ふところからケータイを取りだした。
マユ「アン・タハイッタイ・ナンナ・ンダー☆☆☆」
37ハイティーン・マユ:2006/07/14(金) 09:34:26 ID:???
 制服が光の粒子となってはじけとび、風がスレンダーな裸身を包みこむ。
 有事のあたしは魔法少女。
 高二だけど魔法少女。来年はさすがにキツイかな。受験が控えている。
 サーフボードと化したケータイに乗り、飛んでアホ毛女に近づく。
マユ「あのー日ー♪かーわーしーた約束はーくーだーけーて散った〜♪」
 地球防衛組も出動してきた。
 ザフトと連合、両校がロボットと化すようになったのはあの冬からだ。
桜が乱れ咲きした地球。六次元魔王『ヤメテヨ・ネー』の侵略。
 増殖する悪意。双理事長の爆死。レイさんは倒れ、兄さんは武者修行中。
おにいちゃんは戦闘のショックのあまり逃げだしてしまったけど、それを
精神世界まで追っていったのはステラ・ザ・爆乳メイドだった。
 省略。
 ふたりのラブラブ・パルマフィオキーナで魔王は滅・殺。世界安寧。むぅ。
 ……しかし、この再度の異変は予想済なのよね。
 あたしに魔法少女『プリティー・インパルス』の力が宿ったのも、そのため。
 でも、あたしは思い知る。
 六次元の恐怖は、もっと身近に迫っていたことに。
マユ「そんな、エルちゃん……なぜ?操られているの?」
エル「いいえ。正気よ。思い出したの。魔王ヤメテヨ・ネーと黙示録の淫婦のあいだに
   生まれ落ちた瞬間タイムスリップした、あたしが六次元の最後の住人。最後の種」
 なぜなの?
 なぜ、あたしたちが争わなくてはならないの?

 それでも帰るのよ、あたしは。
 おにいちゃんの待つ、あたしたちの家へ。
38ハイティーン・マユ、完:2006/07/14(金) 09:36:28 ID:???
 目をつむれば見えるの。
 大好きなやさしい笑顔が。
シン「おはよう、マユ」
 マユだけの。あたしだけのヒト。
 おにいちゃんだけでいいの。おにいちゃんだけが全て。
 ほかに、なにも、いらないの。

 あたしマユ。マユ・アスカ。ただいま高二の超絶美少女。
 成績優秀。品行方正。才色兼備に絶対無敵。彼氏なし。……旦那様、アリ。






シン「おはよう、マユ」
マユ「おにいちゃぁん……ん〜〜〜〜〜〜〜」
シン「……アナゴさんのマネか?」
マユ「え?おにいちゃん、世界を救ったご褒美くれるって……え?
    あれ、れ?え?あたしのバスト85センチがない〜〜〜〜??」

 夢でした。完。
39夏の日の追想:2006/07/14(金) 22:00:11 ID:???
>>34-38
ちょ、変身台詞と理事長の爆死で物凄い笑ったんですが!!GJ!

そして申し訳ない…どこで区切ったらいいか見当がつかなくなってしまったから
以下「夏の日の追想」一気に最後までいきます長くてすいません。
40夏の日の追想:2006/07/14(金) 22:01:30 ID:???
>>15-20>>26-30の続き

レイが病院を移ったのは、それから間もなくのことだった。


体育祭まで、あと一週間を切った。
レイがいないぶんの委員の穴埋めは、シンが引き受けた。そんな仕事など全くやったことがなかったが、
他の生徒には親友の仕事を絶対渡したくないという一心で、気がついたら立候補していた。
また、普段気を抜いているような授業だって一生懸命聞いたし、ノートも漏らさずとった。
レイが受けていない授業のことで困ったら、いつでも助けてやれるようにしておきたかった。
体育祭の練習も本格化してきた。レイが内心思った通り、徒競走ではシンの足に追いつける生徒はいなかった。
だが、シンはそれでも満足できなかった。絶対負けることがないよう、毎日の走り込みは欠かさなかった。


「…もうすぐ体育祭か」
下校時刻。委員で学校に残ることが増えたシンは、待たなくともルナマリアと一緒になる事が多くなった。
二人だけの下校。どんなに仲が良い友人でも、授業や係の都合で毎日一緒に帰れるわけではない。それは当然。
けれど、今の自分たちには確かに足りないものがある。欠けている存在がある。
「シンの家、皆で来るんだ?」
「ああ。仕事なんとかなるみたいだったし、マユも楽しみにしてる。ルナん家は?」
「私も。…ただうちは、メイリンもいるから、どっちを応援しようか困るって言ってたけど」
「はは、そりゃ困った」
シンは軽く笑ってみる。しかしそれがあまりに上辺だけなのが自分で分かってしまい、なんとも
いえない白けた気分になってしまった。
笑いだけでない。この会話も、この場の空気も全て上辺だけ。取り繕っているだけ。
「……レイ、やっぱり間に合わなかったな」
我慢できず、シンは空気を破る一言を口にした。ルナが一瞬ぴくっと肩を震わせる。
「初めての体育祭、…あいつ、あんまりそういうこと言わないけどさ、楽しみにしてたんだよな。
俺ずっと見てたからわかる。ルナから話聞いて、どんなだろうって一緒に話して……」
「…レイといえばね、シン」
シンの言葉が途切れるのを待って、ルナマリアが静かに口を開く。
「さっき、私の携帯にお母さんから電話があったの。ラウさんから電話があったって言ってね、

……手術、明後日だって」

告げられた言葉に、シンの足が止まった。
41夏の日の追想:2006/07/14(金) 22:02:45 ID:???

「たぶん、シンの家にも連絡がいってるんじゃないかな。帰ったら同じこと教えてもらえると思うよ」
「……え」
驚くことじゃない。そのためにレイは遠くの病院まで行ったんじゃないか。
シンが理性で必死にそう思おうとしても、それを飲み込めないでいる感情が、ざわざわと胸の中に
波を起こしていった。
「……うち、…帰ったら電話しなきゃね」
ルナが再び口を開いた。静かな、抑えた声。
「シンも一緒にしようか。そのほうがかちあわなくていいよね。レイは…話せる…のか、わかんないけど……」
「……ルナ?」
言葉を途切れさせる彼女を怪訝に思い、シンが呼びかけたその時。
突然、ルナの表情が泣き出す直前のそれに変わると、彼女は両手で顔を覆った。
そして引き裂かれるような悲痛な声で嗚咽を漏らす。
「ルナ…!?」
「……シン、…レイ、……レイ大丈夫だよね……!!?」
「……!」
叫びに、シンは思わずその場に凍りつく。
「ひどいよね、こんなのってないよね!!私、…私だって、レイがどれだけ頑張ってたか知ってる!!
なのになんで!!?なんでレイだけこんな目に遭わなきゃいけないの!?あんなにいい奴なんだよ!!?
レイが一体何したっていうの!!?教えてよ!!」
ルナの言葉を聞きながら、シンは愕然としたまま動けずにいた。
ひとつひとつが、まるで絶望の悲鳴のようだった。
「もう嫌、…こんなの嫌!!あんまりよ……!!」
叩きつけるように言うと、ルナは顔を覆ったまま俯いて大声で泣き出した。
「…………」
シンは頭を殴りつけられたような気分だった。
(…俺、何やってたんだ)
自分だけじゃない。ルナだってずっと耐えていた。自分達の姉貴分として、勝気なふりをして。でも
目の前の出来事に立ち竦んでいるのはルナだって同じだった。
遠い世界。手の届かないところでの出来事。ガラスの向こうに隔てられた親友の姿を見た時から、
そんなふうに思っていなかっただろうか。
わからない話、わからない病気。それに立ち向かわなきゃいけないレイ。自分にはなにもわからない。
だから、できることはなにもないと、そう思い込んでいなかっただろうか。
…けど、本当はどうなんだ!?その考えに甘えて、何もしようとしてなかっただけなんじゃないのか…!?

「……ルナ」
先程より少し落ち着いた様子のルナマリアに、シンは声をかける。
彼女はまだしゃくりあげてはいたが、多少冷静さを取り戻したらしく、手から顔を離してシンを見た。
「これから俺の家に来い」
「え?」
「ラウさんの話覚えてるよな?レイみたいな奴を助けたいって思った人がいた。そういう人たちが
沢山力を尽くした。だから、レイの病気は治らないものじゃなくなった。けどそれは神様の奇跡でも
なんでもなくて、助けたいって思った人たちが頑張った結果だよな?」
「……うん」
「だったら、俺達にだってレイのためにできることはある」
それに、ルナのためにも。もうこれ以上、大事な仲間を誰一人ひとりぼっちで泣かせたりしない。

「行こう。…ルナもレイも、俺が守る」
42夏の日の追想:2006/07/14(金) 22:05:27 ID:???
翌日の午後。
「ええ!?アホ毛もいないの!!?」
ホーク家玄関先。メイリンから話を聞くと、マユは思わず大声をあげていた。
「そうなの、私が帰ってきたら、留守電に学校から登校してないって連絡が入ってて…。朝はちゃんと
出て行ったんだけど」
「うちもそう、…あ、ただ、お兄ちゃんの豚さん貯金箱が叩き割られて、お金全部持ってかれてたわ。
やだ、まさかあのアホ毛!お兄ちゃんを拉致してよからぬことを企んでるんじゃないでしょうね!」
「マ、マユちゃん、いくらなんでもそれは…」
「ううん!私知ってるの、幼馴染ってフラグが立ちやすいんだもの、何かの拍子にアホ毛がいつ
お兄ちゃんにときめきだすかわからないわ!…くそっ、あいつめ!お兄ちゃんに手なんて出してみなさい、
この私がただじゃおかないんだから!!」
玄関先でムキー、と怒気をあげるマユを、メイリンは乾いた笑いで見ているしかなかった。
…ちなみにマユの予感はほどなく的中し、数年後には彼女たちはすっかりシンを巡って争う関係に
なっているわけだが、それもまた別の物語である。


「…では、私はこれで。済まないね、本当はもっといてあげたいのだけれど」
「いいえ。…お忙しいところをありがとうございました、ギル」
病院の個室。席を立ち上がり謝意を示した男性に、レイは微笑んでベッドの上から頭を下げた。
男性―ギルバート・デュランダルは、レイの顔を見て微笑を返す。
「ではレイ、ギルバートを送っていくから、済まないが少し待っていてくれるかな?」
壁際でその様子を見守っていたラウは、よい頃合を見計らい声をかけると、扉のほうへと歩を進めた。
「ああ、大丈夫一人で帰れるさ、子どもでもあるまいし」
「俺は構いません。何かあったらちゃんとナースコールぐらい押せますから」
「ほら、レイもああ言っている。それに「お見舞いの帰り道に病院で迷子になりました」などという
言い訳、いまどき小学生でも恥ずかしくて言えんぞ?」
「…私が嫌いかね」
「お前ならやりかねないと思って言っているだけだ。さあ、学会に遅刻するぞ?大変だな教育者は」
「…覚えておけ」
ギルは負け惜しみのように、そんなことをぼそっと口にした。その様子を見ながら、レイはつい笑ってしまう。
そんなレイに気付き、ギルはそちらへ視線を向けると、穏やかな笑顔を見せる。
「…明日は頑張りなさい」
「……はい」
言葉に、レイは一瞬表情を固くしたが、すぐにそれを隠して笑顔で頷いて見せた。

「…良かったのか?こんな状況だ、保護者として少しでも側にいるべきだろう」
病院の階段を連れ立って歩きながら、病室の延長戦のようなつまらない応酬をしたのち、先に口火を
切ったのはギルだった。
「それはそうだが。…一応、伝えておきたかった。感謝していると」
「ん?……私は何もしていない。多少手伝いはしたかもしれないが、所詮は一介の教育者だ。直接彼の体に
干渉できるような立場でもない」
「だが、助けられたのは確かだ。お前の知識にも、人脈にも。…お陰で学校で倒れたとき以降は、今日まで
レイは非常に安定した状態で過ごせてきている」
「…同じ状況で苦労した人間を見てきた。あの繰り返しを見るのは嫌だった」
「…………」
「そう思って動いた結果、事態が好転した…。それだけのことだよ」
静かに告げると、ギルは階段の最後の段を降りた。
43夏の日の追想:2006/07/14(金) 22:08:35 ID:???
二人が出て行ったのち、レイは病室に一人取り残された。
賑やかだった彼らが出て行くと、部屋の中は急にしんとして、広く感じられる。
(……明日、か)
出て行く間際のギルの言葉が、静寂の中現実感を持って体に染み渡るようだった。
窓の外は薄暗くあとは日が落ちるのみで、そうなれば就寝時間を待ち眠りにつき、明日という日を迎える。
その先のことは……わからない。誰もが前向きに元気付けてくれるが、状況が厳しいことは間違いない。
…もし上手くいかなかったとしたら。
自分がいなくなったあと、ラウはあの家にひとりになってしまうんだろうか。
と、隣の棚から、パタン、という軽い音がした。
怪訝に思ってそちらを見ると、棚の上にあった写真立てが倒れている。
先程ギルに興味を持たれたため、説明のため手にとっていた。それを置いた際の安定が悪かったらしい。
直そうと再度手を伸ばし、…そこに入っている一枚の写真を見る。
それはこの春、中学に入学する直前に遊びに行った河原で、シンとルナと三人で撮ったものだった。
今でも思い出せる。暖かな日差しが気持ちの良い日だった。三人で沢山遊びながら、これから入る
中学の話をしていた。一年先輩のルナはお姉さんぶってシンとレイに中学校というものの凄さをあれこれと
吹き込み、だからシンと一緒に感心したり、それはないだろうと突っ込んだりしながら聞いたのを覚えている。
ただ、あの時確かに自分たちは、これから始まる日々に期待を抱いていた。
中学に入ったらあれもしよう、これもしようと沢山の話をした。

湧き上がってくる感傷的な気持ちを抑え込むと、レイは写真立てを棚の上に伏せ、それきり見ないようにした。


ギルの乗った車が病院の門を出て行くまで見送ると、ラウはすっと踵を返し、病院の建物へと向かった。
残してきたレイのことを思い、自然と早足になる。友の言う通り、今は可能な限り側にいるべきなのだ。
ずっと同じ時間を過ごしてきた大切な存在。所謂本当の子供というのがどんなものかは結局この歳まで
知らなかったが、注いできた愛情は、他の家族になんら劣らないと胸を張って言える。
それが残酷な運命に立ち向かわねばならないのなら、少しでもその痛みが和らぐよう、恐れずに済むよう
側にいてやりたい。
そうすることが自分にできる、唯一つのことであるならば……。

「………ん?」
少々明かりの落とされた建物へと入り、ラウは思わず声を漏らした。
この時間、基本的に外来はない。一般の見舞い時間も終わっている。
では、あの通路の奥から聞こえてくる、子供が喚くような声は……?
「だーからー!!離せって言ってんだろ!!」
「ご、ごめんなさい!!でもお願いです、一目でいいから会わせて欲しいんです!!」
「そうは言ってもね、そういう重症の患者さんには原則として…」
「………!?」
近づくにつれはっきりと聞こえてきた声に、ラウは息を飲んだ。
走るような早足で、声のするほうへと進む。細い通路へ入り、揉みあう人影へと近づく。
「……君達」
そして、思わず絶句した。そこにあったのは、想像通りの光景だった。
44夏の日の追想:2006/07/14(金) 22:09:49 ID:???
ラウが戻ってこない。
壁の時計を見る。ギルを送りに行っただけにしては遅い。
「…………」
レイは溜息をつき、ベッドに体を横たえて布団を被った。明日に備え、今夜はの夕食はない。だからあとは
時間通りに寝るだけなのだが、それまで少しでも一緒にいたいと思うのに。もう明日になったら、
何がどうなってしまうか分からないのだから…。

そうして見飽きた白い天井をぼんやり眺めていたとき。かつてないほどの勢いで、病室の扉が開いた。

「レイーーーーー!!!」
「レイ、お見舞いに来たわよ!!」
扉が開くと同時に、弾丸のような勢いでシンとルナが飛び込んできた。
「なっ……!!」
レイはびっくりしてベッドから上体を起こす。
青天の霹靂。彼らがここにいるはずはない。だってここは彼らの住む町からは遠く離れているし、
なにより会えないと話したはずなのに!
動揺する中、二人に続いて笑いながらゆっくりラウが部屋に入ってきて、扉を閉めるのが見える。
「レイ、大丈夫か!!…えっと、ともかく大丈夫か!!」
シンはベッドに飛びついてくると、問答無用でレイの正面から両肩を掴んだ。
「何馬鹿になってんのよシン!…ごめんねレイ、でも私たちあのまま待ってるだけなんてどうしても
できなくて…」
ルナは慌ててシンをレイから引き離そうとしながら、それでも懸命に言い募った。
二人は制服姿だった。飛び込んできてから床に放り出しているが、通学鞄も持っている。
「…「大事な友達が心配で、学校なんか行ってられなかった」そうだ」
ラウが笑いながら、三人からやや離れた場所で言う。
「ほんとはもっと早く着くはずだったんだけど、…シンがねえ、時刻表間違えちゃって」
「も、もうそれ言うなよ!こんなに遠くまで来るの初めてだったんだから仕方ないだろ!」
「仕方なくないでしょ?…聞いてよレイ、シンったらその挙句に「面会できないなら強行突破だー!!」
とか言って、個室病棟に突撃かまそうとしたのよ?あそこでラウさんが通りかかってくれなかったら
間違いなく摘み出されてたわ。…って、あんたレイレイばっかり言って、ちゃんとラウさんにお礼言ったの?」
言いながら、ルナはシンの肩を軽くこづく。それは、いつもの遣り取りとなんら変わらないような光景。
「…二人だけでここに?」
「ああ」
「学校を放り出してか?」
「正確には、朝から計画的に行かなかった、だけどね」
「だって、俺たちにはお前のほうがもっと大事だからさ!」
「!」
何の照れも躊躇いもなく真っ直ぐ伝えられた言葉に、レイははっと胸を突かれる。シンの隣では、ルナが
同意するように笑顔で強く頷いていた。
45夏の日の追想:2006/07/14(金) 22:11:03 ID:???
「あ、そうだ!俺いいもの持ってきたぜ!…これ、俺が小学生から大事にしてたカードダスの、…ほら、
赤い彗星!ずっとお守りにしてたんだけど、お前に貸すから!俺これまでこれのお陰でどんなピンチ
だって乗り切ってきたんだぜ!?」
「それでね、その袋を私が作ったの。ちょっと形が変だけど…。…でも、こうやって入れれば、ちゃんと
それっぽいでしょ?はい、私とシンから、ふたりぶん」
差し出された赤いフェルトの袋をそっと受け取る。袋にはマジックで「がんばれ」「俺たちがついてる」、
そして二人の名前が書かれていた。
…馬鹿だ。
自分は、なんて馬鹿だったんだ。
「明日絶対勝とうな!お守りだけでもって思ってたけど、こうなったら俺たちずっと一緒にいてやるから!」
どうなるかわからない賭け。否定できない、低くない最悪の結果の確立。
怖くないはずがなかった。でも、冷静に受け止め、そのうえで出来ることを割り切り、大切な人たちに
心配をかけないための打算ばかり組み立てていた。心配させたくないのは本心だったし、それが務めなのだと
思っていた。
…けど、そんなことをしている場合じゃないだろう!?
生きなくてどうする。少しでも足掻かなくてどうする。
素晴らしい親友たち、愛してくれる家族、大切な人たち。
別れるなんて絶対嫌だ。人は死んだら生まれ変わるのどうのと書いてあった本があったが、
だから何だ。何度生まれ変わったって、こんな素晴らしい人たちに出会える保証があるものか……!!

ふと、ラウのほうを見た。
少し後ろにいた彼は、ずっと自分たちを見ていたらしい。レイが顔を上げると、口元に湛えていた笑みを深めた。
仮面で隠されていてもわかる、とても暖かい笑顔がそこにある。
…泣きそうなのがばれただろうか。

「あのねシン、ずっと一緒って、一応聞くけどどこまでついていくつもり?」
「……行けるところまで?」
「…真顔で答えていい回答じゃないわよ…」
「…言っておくが、手術室には入れないからな。明日…いや、本当は今日も、もう関係者しか入れない筈だった」
「えー?俺関係者…」
「そういう意味じゃないの!」
ルナの突っ込みののち、やがて三人で笑い出す。いつもと同じ空気が嬉しかった。
きっと、明日は大丈夫。シンの言うとおり、絶対勝てる。勝ってみせる。
根拠も打算もなにもないが、もうレイにはそんなものは必要なかった。
46夏の日の追想:2006/07/14(金) 22:12:20 ID:???
手術が終わった。
そう連絡を受けたのは、翌日、日が落ちたあとだった。
結局昨日あのあと家に返されたシンは、今日はいてもたってもいられず、学校が終わってから近所の神社…
いや寺だったかも知れないが普段意識していないためいまいち区別がつかない…に出かけ、
お参りをして、結局そのままうろうろとその場に居座っていた。
そして考えていた。結局本当のところ、自分はレイのために何かできていたのだろうか。
ずっと側にいれるわけではない。治療してやれるわけでも、代わってやれるわけでもない。
でも、何もせずにはいられなかった。その結果が昨日の出来事で、結局衝動のままに突っ走ってきた
だけだったような気もしてしまうが、やったことを後悔していない、それだけは確かだった。
そんな事を思っていると、携帯が鳴った。跳ね上がって画面を見ると、ラウの名前が表示されていた。
昨日、手術が終わったら直接連絡を貰う約束をしていた。シンは色々な感情を必死で押さえながら、
通話ボタンを押す。

成功した。確かにそう告げられた。
まだ安心はできないが、非常に安定した状態だという。
ここまで上手くいくとは思わなかった、よく耐え切った、というのが医師の言葉だったとか。

「…はい、わ、わかりました、…じゃあ、その頃になったらまた俺行きますから、…はい、ルナにも、
宜しくお願いします、…あ、はい、体育祭は週末、…ありがとうございます、頑張ります!はい!
それじゃ!ありがとうございました!!」
段々興奮しながらも話を終え、通話を終了させると、シンは堪えきれずに両手を天に突き出した。


「やっ…たああああーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
47夏の日の追想:2006/07/14(金) 22:13:06 ID:???
「ふーん、そんなことがねえ……」
ルナマリアの話が締められたのを確かめると、ハイネは頷きながら空を見た。
「じゃ、今ああやってレイがシンの練習につきあってやってるのも」
「ええ、結局あの年シンは体育祭で一位になりましたけど、…もしかしたら、あのときのことを
取り戻そうとしているのかもしれないですね」
「で、…まあ、日々現物を目にしてる人間が聞くのも変な話だが、レイはその後は大丈夫なのか?」
「はい。…治療とリハビリが終わって、退院して中学に戻ってきましたし、次の年の体育祭には
ちゃんと参加できました」
「…で、現在はあの調子です、か」
笑いながら、ハイネは両手を頭の後ろで組み、顎でシンとレイが去っていった体育倉庫のほうを示す。
「でも、やっぱりまだ多少人より気を使うことはあるみたいだけど」
「けどさ、そういう奴のほうが案外長生きしたりするもんじゃない?」
ハイネはルナに、いつもの軽い調子を装って笑いかける。その調子には人を力づける何かがあった。
ルナは頷きながらハイネに笑顔を返した。
「…にしてもあいつら遅くないか?俺らも随分長話したような気がするが、全然帰ってくる気配がないな」
「そうですね、…ちょっと見に行きましょうか」

「!!!?」
体育倉庫の前に出た瞬間、ルナマリアの前を何か塊のようなものが物凄い勢いで飛んでいく。
「お、おい大丈夫かルナ!?」
「何、いまの、…人!?」
慌てて飛んでいったほうを確かめ、それからすぐに飛んできたほうを見て、ルナは絶句した。
飛んできたほうにいたのは、伝説の白ランに身を包んだ、我らがザフト学園裏番様ことレイ・ザ・バレル。
彼は見事な一本背負いのフォームから身を起こすと、そこでやっとルナ達の存在に気付いたらしく、
軽く手を払いながら無表情で口を開いた。
「ああ、ルナにハイネ先輩。…済まない、居たことに気が付かなかった」
「レイーっ!そっち大丈夫かー!!」
と、少し離れた場所からも声がする。そちらからはやはり既に制服に着替え終わったシンが走ってきた。
「もう終わった」
「…あんたたち、一体何してたの…?」
顔を引きつらせながらルナは辺りを見回す。辺りには連合高校の制服の学生がごろごろと転がり、
それぞれ体を抑えて呻き声などあげていた。或いは既に失神したか、動かない者もいる。
「何って、こいつらが勝手に仕掛けてきたから、返り討ちにしてやったんだよ」
「例によってステラの件だろうな。まあ、降りかかった火の粉を払っただけだ」
「…………」
「…ま、元気が一番、ルナ」
笑い混じりの声で言われながら、ルナはぽんぽん、とハイネに肩を叩かれた。
48夏の日の追想:2006/07/14(金) 22:14:55 ID:???
退院後、念のためとシンとルナはラウからレイのことを重ねて頼まれた。もし具合が悪くなるような
ことがあったら、すぐ知らせて欲しいと言われた。
だが、どうだったろう。ラウに何か知らせたことはあっただろうか?少なくとも自分はない。レイが
自転車二人乗りに挑戦したいと言って愛車「レジェンド(※ママチャリ)」の後ろにシンを乗せてみて
派手に転んだとか、牛乳一気飲みをしてみたいと言って頑張りすぎて鼻から出してしまったとか
(この件は三人だけのトップシークレット扱い)、そういうのが実は報告必須だったとしたら話は別だが、
思い出されるのは武勇伝ばかりで、危機的事態など思い出すほうが難しい。
ふとルナはこのとき、以前ミーアに借りた小説のことを思い出した。
その話の中には、生まれつきの病気で走り回ることもできないという女の子が出てきた。
だが、あるとき彼女は手術を受け、病気を克服する。その後の彼女の躍進はめざましく、話がが続くうちに
すっかりイケイケ攻め攻めの代名詞のような少女へと成長していくのである。
そして、そんな彼女を前にして、主人公の少女はこんなことを思うのだ。

「この子はきっと、このときのためにずっと蛹の状態で力を蓄えていたに違いない」と……。

「…何か用か、ルナ?」
「…ううん、なんでもない…」
レイは熱視線を送るルナに怪訝そうに問いかける。ルナはふるふると首を左右に振った。
「しかしすっかり遅くなってしまったな」
「そうだ!やばい、下手するともう始まってるかも!…ほら、みんな行こうぜ!」
シンは慌てて転がった二つの鞄を拾い上げると、ひとつはレイに押し付け、それからばたばたと先導するように
―傍目には一人で勝手に―走り出す。
「や、ちょっとシン!待ってよ!」
「全く、相変わらず一つのことしか見えていないな」
「おー、頑張れよ若人ども!」
シンの背中を目印に走り出した二人を見送りながら、ハイネはバイクのキーを手の中で放る。
「わっ!何すんだお前ら!」
「馬鹿いってんじゃないわよシン!」
「誰のせいで手間取ったか分かっていないな?」
すぐに追いつくと、ルナとレイは目で合図し、それぞれ左右からシンを挟んで攻撃を加えた。
みっつの影が絡まりあい、夕日の中でひとつになる。
「あー、わかった、わかったから!勘弁してくださいルナ様、レイ様!!」
「ほんとにわかってんのー?」
「だったらそれなりに態度で示して貰わないことにはな」
「わかった、じゃあ牙留茄飯のライス大盛り代を……!」
「じゃあレイはそれ、私はシンお触り権一生分!」
「どさくさに紛れて何要求してんだルナ!!」
「気にするな、俺は」
「気にしろーーーー!!」
初夏の夕焼けの中、三人は足を進めるのも忘れていつまでも縺れながら笑いあっていた。


――私たちは、三人じゃなきゃ駄目なんです。
49夏の日の追想・エピローグ:2006/07/14(金) 22:16:22 ID:???
「レイ」
「ああ、おかえりなさいラウ」
窓の外の景色を眺めていたレイは、声に振り返ると、ベッドの上から笑いかけた。
「電話をしてきた。…シン君たちは、明日、予定通りこちらに来れるそうだよ」
「本当に?」
言葉に、レイの表情が輝く。ラウはそれに頷いて答えると、ベッドの側まで足を進めた。
「それにしても、本当によく頑張った。術後の経過も問題なく、この調子なら夏前には退院できると
先生も言っていた。二学期からは、元通り中学に通える」
「早くあの町に戻りたいです。シンやルナ達と一緒に遊びたい」
「それももうじきだ。きっとまた、一緒に走り回れるようになる。もしかしたらシン君にも勝てるように
なるかも知れないな?」
「……それは、その」
笑いながら告げられた言葉に、レイはうっと言葉を詰まらせる。
「…なに、レイはこれまでよく頑張ってきたのだから、必ず叶うさ」
言いながら、ラウはそっとレイの頭に手を遣り、優しく撫ぜてやった。
レイは先程の余韻で恥ずかしそうな様子を見せていたものの、やがて笑顔でそれを受け入れていた。
が、そんな中、ふと口を開く。
「ラウ、…頑張ったのは俺だけではありません」
「……ん?」
ラウは手を降ろしてレイの顔を見た。
レイは真っ直ぐな目でラウを見上げ、言葉を続ける。
「俺がどんなに頑張っても、届かないものはあった。間違った頑張り方をしていたときもあった。
…それを届くようにしてくれたり、間違いに気付かせてくれたのは、ラウやギル、シンやルナ…、
俺の側にいてくれた人たちです。皆が力を尽くしてくれたから、俺は今生きていられる。
とても感謝しています。皆に、…勿論ラウにだって」
「……レイ」
「…だから、時間がかかるかもしれないけど、それを皆に少しずつでも返していければ」
「見返りを求めるような人間はいないよ。…それに、もう返して貰っているようなものだ」
「え?」
ラウの言葉に、レイは意外そうに目を見張る。
そんなレイに、ラウは優しく微笑むと、再度その頭に手を遣った。
「返して貰っている。…私達の願いが叶い、レイがこうして生きていてくれているだけで」
「…ラウ……」
名前を呼んだ、その後は言葉にならなかった。
50夏の日の追想:2006/07/14(金) 22:18:30 ID:???
「ザフト学園裏番様覚醒への道程」もとい「夏の日の追想」以上で終了です。
やたら長いものにお付き合いくださってありがとうございました。
51通常の名無しさんの3倍:2006/07/14(金) 22:32:10 ID:???
>>40-50
いいもの読ませてもらった。ありがとう。
即席で作ったので拙いが

                /____                      ,,..-‐‐--..,,,
            ,,.=-'" ,.-ー,ー≧-=‐'   /           /       ヽ、
           /:::::::::::::::::::::::::  ::ヾ、__//          / l        .ヽ
          //::/::::::::::::::::::::::   ヾ<  .l l,. '´ ̄ ̄ 丶、  //  ソ i ヾ .、    ヽ
          /::/::/::://://:::: :: :::::::::ミ /ヽl::::::::::::::::::::::::::::::ヽソ.l ',l ヽヽヾヽ.\    l
         ノ:::;,./:::/::/l/Xl;;ハ::::ハ::::::::ハ;X::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::ハl i l_l___,ヾヽヽヾ‐丶   l
        /ト;;l /:::::::/辷ヾl/ l;+',::::::l::',::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::l ヾ.X辷`ヽヾヽ=ミミヾヽ }
         ソ,ゝl::::W   l / 辷丶ト;:::::}:::ハ トヽ:::::ヾ:::::::::::::::::::l  l ヽ  l  \  ヾ丶ヽ',
          X;;ト、l'l  _  ヽ/ソレヽ/::lニヾヽlヽ、',ヽ:::::::,..-、ll ,、ヽヾ  ` __   /',', ll}ヽ、
       ,   ノl/‐ソt-, ヽ-`  /;;ハ'l/ lヾ'´辷, iヽ 辷`ヽ:::l ソ〉ヾヽ:::ヽ ' -  /l リ|| リl  \
   r----<´ヽ‐・-ゝ::::lZlヽ__,,. '´イリl/   ヾ‐ /    ` ヽ,\" ____}ヾヽゝ__ /-‐ソノノヽヾ--
  .l;::::::::::::::ヽヽl ヽl/::::::::l  /:::::/ヽ   ___ヾヽ ー   / ソ||-‐''./ ソ,_>:lll:;フ::::::l::::::::::::::lヾミ、彡
  /;:::::::::::::::::i"U'Uu:::::::::/  l::/i,   /::::::::::::ヽ.ヽ__ /::::::__',||_/   ll::::::::lll::::,./丶l''lヽヽ丶,_ヽ
  ;:::::::::::::::::丿   ゝ:::::>-<::::__::::::ー・‐..,,:::::::::::::,-',lヽl::::::i::::::::::リ::::::::ヽ、.ヾヽ、:::l、:::::::::::::::::u////ソ/、
  ',:::::::::::::::l    /::/ ヽ l:::| ',::::::::::::::::::/ソ  ヽ:::::/- l:::::::::::::::,--ヽ‐-ヾ、< \:::::::/ ̄ uuu u':"''‐-,
3人組いいよ3人組
52通常の名無しさんの3倍:2006/07/14(金) 23:12:59 ID:???
素敵なお話でした。
なんか人間っていいなぁ、と思えるような。

ミネルバ組好きになってよかったですvv
良作、ありがとうございます
53通常の名無しさんの3倍:2006/07/15(土) 01:37:40 ID:???
全米が泣いた
54通常の名無しさんの3倍:2006/07/15(土) 01:39:51 ID:???
>>50
少し・・・。うるっと来たかな。
超GJ!!
55通常の名無しさんの3倍:2006/07/15(土) 16:46:56 ID:???
>>50
(`・ω・´)b<GJ!
56通常の名無しさんの3倍:2006/07/15(土) 19:24:29 ID:???
せっかくの素敵な作品の余韻を壊しかねない俺が帰ってきました
すごく久しぶりに投下します
かなり前の作品(4スレ目の最初)の続きなんで簡単にあらすじ

暖かな日曜日編
ステラに拾われた子犬はがいあと名付けられシンの家で暮らすようになっていた。
がいあは元気いっぱいに育ち、今ではルナの特訓で『絶・天狼抜刀牙』を操るまで成長し
次なる必殺技『撃・閃通臂抜刀牙』の習得に励んでいた
その修行の最中ステラのメイド服を引き裂くハプニングが起こり新しい服を買いにいくことになる

レッドコメット編
怪しい社長さんの経営している店『レッドコメット』に到着した3人娘はステラのメイド服を
手に入れるがルナは不覚にも恋敵ステラに萌えてしまい発狂しかける。社長の機転で『おしとやか
になる薬』を打たれ事態は落ち着いたかに見えたが……

で、次は豹変したルナにシンとガイアが戸惑う話って予告したたんだけど……
さすがにコレだけスレが進んでるとキャラのイメージも変わってる…
つーか、何でステラに萌えたくらいでルナが発狂すんねん!てくらいルナがパワーアップ
してるし、今更シンがちょっとした事で戸惑うかよ!と思ったので以前の案はボツ……
そんな訳で(言い訳終了)予告とは違う内容で投下します。

タイトルは『新しい子?』です
57新しい子?1/4:2006/07/15(土) 19:25:46 ID:???
マユ「……って、訳なの」
シン「なるほど……それで、ずっとアレなのか?」
マユ「イヤ、夜には薬が切れるらしいけど……」
ルナ「シン様、お茶が入りました♪」
ステラ「……ステラの仕事……」
シン・マユ「………………………………………………」
シン「……何か、変だよな?」
マユ「あ、やっぱり?」
シン「うん、こう何て言うか……ルナが大人しいから違和感があるのかもしれないけど……」
マユ「それ以外にもコレは違うだろっ!って感じ?」
シン「そう、それ!」
ルナ「どうか、なさいました?」
シン「………イヤ(何だろ?この違和感?)………ルナは体の調子がおかしいとか無い?」
ルナ「いいえ、普通に健康ですわ」
シン(………何か言葉使いも変だな)
マユ「………でも、お兄ちゃんもこんだけルナが変わったのに大して驚かないんだね……」
シン「ん?……だって、今まで散々変な事に巻き込まれてるんだぜ、今更なぁ………」
マユ「………………悟ってきてるね………」
がいあ「く〜〜ん」
ルナ「え?がいあちゃん、どうかしたの?」
マユ「特訓の続きをしたいんじゃないの?」
シン「アレ、好きなんだ………………(本気で熊を仕留めるつもりかよ?)」
ルナ「まぁ………でも女の子ですし、あまり乱暴な事はいけませんし、お散歩にでも行きましょうか?」
がいあ「あう!?」
シン「ま、良いんじゃない………皆で行くか?」
マユ「そだね♪」
ステラ「いく♪」
ルナ「では、参りましょうか♪」
58新しい子?2/4:2006/07/15(土) 19:29:17 ID:???
マユ「やっぱり、その格好で外歩くんだ?」
ステラ「うん♪………おにゅうの服」
シン「でも、メイド服は目立つよなぁ………」
マユ「うん………周りの人が見てるもんね………………………あれ?」
ルナ「え?私の方を見て、どうかなさいました?」
マユ(そっか、何か変だと思ったら、性格がおしとやかになっても服装が何時もの動きやすい格好だから
   不自然なんだ。しゃべり方がお嬢様っぽくても、外見がついていってないから………なんか裏の有
   りそうなお姉さん…もしくは言葉使いも時々変なせいか女王様って感じが……)
???「アレ?お揃いで散歩?」
シン「あ!ミーアさん」
マユ「こんにちは」
ミーア「やっほ〜、アレ?それが新しい子?」(がいあのこと)
シン「ええ、そうです」
ミーア「ふ〜ん、聞いてるわよ変な調教してるって」(抜刀牙を仕込んでます)
ルナ「少し、やりすぎたかなと思ってますけど………でも最近では自分の方からおねだりしてくるんですの」

 そ の 時 空 気 が 凍っ た
 周りの通行人が一斉に此方に振り向いた………視線の先はメイド服の少女ステラに………

シン(な、何だ?この空気は)
ミーア(私?私が『調教』なんて言葉使った所為!?)
ステラ(ん?なんで…みんな…ステラみてる?)
ルナ「……どうか為さいました?」
マユ(こ、これは……こんな場合の選択肢は…)
  @慌てて訂正させる及び周りの人達の誤解を解く
  A一時の夢をアナタに♪
  B気付かないフリ
マユ「(もちろんA番♪)ほんと、最初はよく鳴いてたのに……この『雌犬』は、ねぇ?」
通行人A(め、雌犬!?…最初は泣いてた?無理やりなのか?)
通行人B(でも、今は自ら積極的に!あんな可愛らしい子が……)
シン「え?…そうだな、最近は鳴かなくなったな…」
ミーア(シン!アナタこの空気読めないの?)
59新しい子?3/4:2006/07/15(土) 19:31:16 ID:???
マユ「そうそう、最初の頃は舐めるときに歯を立てて痛いってお兄ちゃん言ってたね?」
シン「まあ、少しくらいなら気持ち良いんだけど、あまり噛み過ぎるのもなぁ…」
ミーア(え?犬だよね?犬のことだよね?ステラちゃんじゃないよね?)

通行人A(最初は不慣れだったのか?それで今はテクニシャンなのか!?)

マユ「この際、言っておくけど寝る時に自分のベッドに連れ込むのって良くないよ!」
シン「良いだろ、そんくらい!抱いて寝ると気持ち良いんだから」
ルナ「少し、うらやましいですわね……嫉妬しちゃうかも……」
ミーア(え?え?え?…ルナ?……まさか、本気でステラちゃんに調教を……あんな事やこんな事……)

通行人B(こ、この子達全員?……)
通行人C(メイドさんが『新しい子』って事はこの幼女は先輩!?調教済み!?)
通行人D(ハーレムだ……なんて、うらやましい……)

ステラ(……なんで?…みんながステラみてる…コワイ…ミーアまで……)
マユ「(そろそろか?)そうだミーアさん、『この子』抱いてみたくないですか?」
ミーア「え!……いいの?」
マユ「問題ないですよ♪なんだったら一晩お貸しします♪」
ミーア「ほ、ホントに!?」
マユ「(よっしゃ!釣れたぁ――!)良いよね?お兄ちゃん」
シン「まぁ、ミーアさんだったら問題ないだろ…ただステラ(一応がいあの正式の飼い主)の意思を確認して
   からだけど…」
マユ「良いわね、ステラ?」
ステラ「へ?……うん」(よく分かってない)
ミーア「イヤッタァ―――!!!可愛がる!もう、思いっきり可愛がる♪今から連れて帰っていい?」
マユ「どうぞ、どうぞ♪」
ミーア「じゃ、そう言うことで♪」
ステラ「うぇ?うぇぇ〜〜〜〜〜い!?」
60新しい子?4/4:2006/07/15(土) 19:33:09 ID:???
 あっという間だった……ステラの腕を掴むと風のようにミーアは走り去った。

シン「へ?……ステラ、連れて行かれちゃったけど………なんで?」
マユ「さあ、なんでだろ?(お達者で〜〜♪)」

通行人A(レ、レンタルあり?)
通行人B(お、俺も申し込んでみようかなハアハア)
通行人C(あの、幼女もレンタル出来るのかなぁハアハア)





〜〜ミーア、スティングらのアパート前〜〜

アウル「馬鹿じゃね〜の?」
ミーア「クスンクスン…だって〜、だって〜〜!」
オクレ「凄い勢いで帰ってきたと思ったら……」
ステラ「ただいま〜♪」
ミーア「二人ともいきなり殴るなんてヒドイよ〜〜」
アウル「声かけたら、「邪魔ぁ〜!」て叫びながら攻撃してきたのソッチだろ!」
ミーア「だって〜、だって〜〜!」
オクレ「まぁ、事情は理解した(ガキにからかわれたな)お前は今、泣いていい!」
ミーア「うわ〜〜〜ん゚・(ノД`)・゚・!!!」
アウル「で、スティングどうすんの?また、あの子に説教しとく?」
オクレ「ほっとけ、今頃は自業自得ってやつを体験してるだろ」




通行人A「こ、今度は俺に貸してもらえませんか?ハアハア」
通行人B「お、俺にもハアハア」
通行人C「お、俺はこの小さい子でハアハア」
シン「な、なんなんだアンタ達はぁ―――!!!」
マユ「私の…私のミスだぁ―――!!!」
61通常の名無しさんの3倍:2006/07/15(土) 19:40:01 ID:???
新しい子? 投下終了です
ネット出来ない間ネタはいくつか出来てるんだけど文章にするとキビシイ……
まぁ、だからと言って最初から諦めれば先に進まない……

うん、つまり何が言いたいかとゆうと「SS見づらかったらゴメン!」
それと「また、時々は投下するけど暖かく見守ってほしい」って事です
62通常の名無しさんの3倍:2006/07/15(土) 23:31:39 ID:???
楽屋裏スレでの予告の奴ですか!超面白かった!!
通行人ワロスw
63通常の名無しさんの3倍:2006/07/16(日) 00:54:43 ID:???
>>60
最後の台詞で吹いたww
GJ! こういうのもいいなあw
64連高イーストシードパーク:2006/07/16(日) 06:00:38 ID:???
いちごの回
  
 七月某日、夏休みも近い時期、雲ひとつない空に、太陽は容赦なく照り続いている。
 そんな暑さにも負けず、スティングはいつものように皿を洗っていた。
「スティング、相談があるの」
 そう言って話し掛けていたのはステラだった。何やら深刻な顔つきである。
 水道の蛇口をひねり、水を止めた。

 二人は居間のテーブルに向かい合って座っている。
「ステラね、ストーカーにあってるの」
 その話を聞いて、少しびっくりした。
「そんなもんぶっとばせばいいじゃないか」
 ステラは少しうつむいて、
「ダメ……怖いの」
――へぇ、ステラにも怖いものがあんのか。
「警察には言ったのか」
「言ったけど……」
「まともにとりあってもらえない、か」
 スティングは腕を組み、少し考えると、いきなり立ち上がった。
「わかった。俺がなんとかしよう」
 すると、ステラの顔がぱぁっと明るくなって、
「ありがとう! スティング!」
 スティングはもうすでに作戦を練り始めていた。

 次の日、日曜日の夕方。すでに暗くなっているこの時間、スティングは洗面所に向かって何やらやっている。
「服装は大丈夫だな。顔は……仕方ない」
 洗面所の鏡に映るスティングは、金髪で、ピンクの服を着ている。いわゆる、変装というやつだ。
「胸は……? リンゴ、だめだ小さい。やっぱメロンくらい必要か? そうだ、乳首に小さいイチゴを……」
――乳首!? 変態か! 俺は!
 あれこれ悩んだ結果、頭は金、上着はピンク、ベージュのスカートに白いブーツ。胸には小さめのメロンと小さい
イチゴを採用した。
「昔を思い出す……」
 そう言って思い出すのは、孤児院時代、母さんに無理やり女装させられたことだった。
「イヤイヤ、何を思い出してるんだ! 俺は!」
 頭を振ってその記憶を吹き飛ばす。気を取り直して玄関のドアを開けた。
65連高イーストシードパーク:2006/07/16(日) 06:02:26 ID:???
連合高校東種公園近くを歩いていると、スティングは確かに視線を感じていた。
「そこだ!」
 すかさず電柱の後ろにいつ人影に飛びついた。その人物は、
「あれ? ステラちゃんじゃない……」
――ハイネだった。
「ハイネズミィィ! てめぇかぁぁ!」
「ハ、ハイネズミ? えっやめてっぎゃぁぁぁぁ!」
 とりあえず、そいつをボコボコにして家に連行した。
 
「えっそれは俺じゃない」 
 家に帰る道の途中、ボロボロのハイネは答えた。スティングはステラのストーカーはお前か、と聞いたとこ
ろ、違うと答えたのだ。
「とりあえず、話は家に帰ってからだ」
 そうこうしてるうちに、二人は家の前まで歩いてきた。
 すると、アウルであろう人物がかなり焦った様子で走ってきた。
「大変だスティング!ステラが……ステラがさらわれた!」
『何だと!!』
 ハイネも一緒に声をあげた。
66連高イーストシードパーク:2006/07/16(日) 06:04:42 ID:???
とりあえず家の中に入った三人。
「アウル、よく話を聞かせろ」
「あのな、俺が隣の部屋でエース読んでたら、ステラの悲鳴が聞こえて……窓の外を見たら4人の男がステラ
をワゴン車に運んでたんだ!」
 アウルはかなり慌てた様子だ。それに対して、スティングは冷静だった。
「いつのさらわれた?」
「ついさっき」
「あいつがそう簡単につかまるか?」
「確か、ステラは寝てた!」
「車の特徴は?」
「黒くて、ナンバーは……確か○の×□×△」
「警察には連絡したか?」
「したよ!」
「くそう、警察は何やってんだ……」
「おい、ハイネ、アウル!探しに行くぞ!」
 三人は家を飛び出す。
「アウル、車はどっち行った?」
「あっち!」
 アウルは西を方向を指差す。
 スティングを先頭に三人は走っていき、三つの分かれ道がに突き当たった。
「アウルは右、ハイネは左、俺は正面だ!見つけたら携帯で連絡しろ!」
「でもそう簡単に見つかる?」
 アウルが質問をぶつける。
「家の中にいるステラを襲ったということは、少なくともステラを知ってる奴だ。だったら連高の奴らの可能性が
高い。とにかく全力で走り回れ!」
 ここでハイネが質問。
「俺、二人の携帯番号知らないんだけど!」
「知らん! どうにかしろ!」
 三人は分かれ、友人宅、知人宅、しらみつぶしに走り回る。
 そして、大きなガッレジがある家の前でスティングは立ち止まった。
――黒いワゴン車、ナンバー○の×□×△……間違いない。
 携帯を開き、まずはアウルに場所を知らせる。そしてハイネ……
――しまった。俺もあいつの番号知らなかった。まぁ、いっか。
 ガレッジに耳をそっとあてると、かすかに中の会話が聞こえる。
「ねぇ……ステ…ちゃん、」
「ハァハァ」
 スティングは我慢しきれなくなって、ガレッジの真ん中をサバイバルナイフで切り裂き、その間に両手を入れこじ
開ける。
 奥に四人の少年と、縄で縛られガムテープで口を塞がれたステラがいた。
「てめぇらぁぁ! ブッコロス!」
 スティングはその場にいた四人をいとも簡単に、ボコボコにした。
67連高イーストシードパーク:2006/07/16(日) 06:05:45 ID:???
ステラのガムテープと縄を解いてやると、ステラは抱きついてきた。倒れている少年の胸ぐらを掴んで問いただす。
「なぜこんなのことをした!」
「メイド服、着てもらいたかったんだ……」
 少年は切れた口で、言葉をひねり出す。
「変態が……」
「僕らが変態なのは認めます。しかし、あなたにだけは言われたくない」
「なんだと!」
 スティングは怒りをあらわにする。しかし、ようやく到着したアウルに肩を叩かれ、言われた。
「その格好」
 自分のその服を見て、ようやく自分の格好に気付く。
 上着はピンク、ベージュのスカートに白いブーツ、膨らんだ胸。服の袖からイチゴが転がり落ちる。
――しまった! 着替えるの忘れた!
「乳首をいちごなんて、粋なことするな、アンタ」

 イチゴの回 完
68通常の名無しさんの3倍:2006/07/16(日) 13:55:53 ID:???
>いわゆる、変装というやつだ。

>いわゆる、変態というやつだ。
に見えて吹いた。最後でやっぱり変態呼ばわりされてるし!
GJGJ!
69通常の名無しさんの3倍:2006/07/16(日) 14:16:44 ID:???
兄さん家によくメロンがあったと思う。安いハネジューかプリンスか。いやぁ、粋だねぇ
70新参者ですが宜しくお願いします:2006/07/16(日) 23:18:19 ID:???
良作ばかりで、自分の駄作が凄く投下しづらいのですが、このスレ。
しかし、案ずるより産むが易しという言葉もあります。
ミネルバ組+新キャラ達への愛のため、頑張ります!

あと、前以って言っておきます。名前を言ってはいけないあの人達が、
どうしても出てきます。
苦情は後ほど受け付けます。
宜しくお願いします。
71救われた未来:2006/07/16(日) 23:19:35 ID:???
メサイアが堕ちていく。
何も守れず、何もできず。
失われていく命に、ただ泣くことしかできなかった。

自分達は間違っていたのだと諭された。
信じていた議長に、自分達は洗脳され戦わされていたのだと、教えられた。
「駄目かな……?」
褐色の髪の青年はそっと右手を差し出した。差し出された掌を、シンはじっと見返した。
メサイアの攻防の後、シンとルナマリア、メイリン、そして軍を脱走し敵となった元上司
である男は、オーブに戻り揃って、オノゴロ島港近くの、あまり人が訪れないひっそりと
した一角に建つ小さな慰霊碑を訪れた。
そこで出会った褐色の髪の青年と桃色の髪の女性。彼等が何者なのかは、元上司の
男によって紹介された。
元上司の男が何かを期待するような目でこちらを見ている。何を期待しているかは容易
に予想が出来た。ここでの出会いは、もしかすると彼が仕組んだことなのかもしれない。
大団円のハッピーエンドを演出するために。この手を握れば・・・誰もが安堵し、戦争に
幕を引けるのだと。
シンの中に、かつてのような怒りが残っていたなら、その手を勢い良く叩き落としていた
だろう。だが、もう疲れた。ここまで完璧に奪い続けられてしまっては、もうシンの中には
哀しみくらいしか残っていない。
怒るだけの力がないのだ。
もういいじゃないか、そう投げやりに思う。
自分は間違っていた。
彼等は正しかった。
認めてしまえば、楽になる。
「いくら吹き飛ばされても、僕等はまた花を植えるよ。きっと」
強い意志の宿った青年の言葉。
「一緒に戦おう」
「それが俺達の戦いだな」
シンの中で何かが折れた。負けるというのは、こういうことなのだとどこかで悟り。
「………………はい」
青年と握手を交わそうとした。
しかし。
72救われた未来 2:2006/07/16(日) 23:21:33 ID:???
『駄目だ!シン!!』
寂しい場所に突如響き渡る男の声。
『行くな!そっちに行ってはいけない!シンっ!!』
「え…?レイ……?」
聞き覚えのあるその声を間違えることはない。信頼し共に生き、そして死んだはずの戦
友のものだ。だが、辺りを見回しても、どこにも彼の姿はなかった。ルナマリアとメイリン
達も同じようにキョロキョロ辺りを見回している。
「え……?ちょっ……どこにいるのよ、レイ!?」
『ルナマリアー!』
『メイリン!メイリ―ン!!』
「この声……、ヨウランとヴィーノ?」と、メイリンがきょとんとする。
やはりどこを探しても、姿はない。
「声はすれども姿は見えず…………幽霊?」
元上司の男が不吉なことを言う。
『ふざけた事を抜かすな、このヘタレ脱走者!ギル!ラウ!シン達を捕らえました!!』
『よし、そうか。ではこの札を鏡に貼りなさい。ラウ、糊はどこだね?』
『神聖な札に何する気だ?この札は聖水を裏側につけて……』
『なんでもいいから早くして!おにいちゃーん!!』
『シィィィィン!!』
「ええっ?マ、マユ?!ステラなのか!!」
これまた死んだはずの妹と強化人間の少女の声。守れなかったと泣いて抱きしめた、愛
しい少女達。一体何が起こっているのだ?シン達は間抜けた顔で、お互いを見合わせた。
『おーい、お前等怪我はないか?』『わーっ、ちょっ押さないでください、ハイネ先輩!』『や
っほー、ルナマリアー!!私達の姿は見えてる?』『おおっ、手を振れ、手を』『テステス、ただ
いまマイクのテスト中。こちらの声は聞こえていますか?』
「ハイネ?ミーア?……それにニコルとラスティに……ミゲル……?」
次々と沸いて出てくる声に、元上司の男は不思議そうに呟いた。その声が今にも泣き出
しそうに聞こえたのはシンの気のせいだろうか?
『おーい、おっさん達まだか?』
『あはは、スティング見てよ、シン達のあの間抜けた顔!』
「うるさいっ、アウル!…………て、あれ?俺今……?」
咄嗟に叫んだ名前に戸惑う。自分は知らないはずだ、この声も名前も。それなのに、とて
も懐かしい。
シン達から1メートルほど離れた先で、何もない空間が突如光り出す。光は地面に向かっ
て降りていく。やがて光がおさまると、姿見ほどの大きさの穴が開き、その先に声の主達
が姿を見せた。
「上手くいったな」
「やぁ、諸君待たせたね」
「ラウ=ル=クルーゼ隊長……デュランダル議長……」
それまで穏やかな表情を見せていた桃色の髪の女性が、顔を強張らせ、低い声で呻いた。
元上司の男も、信じられないと目を見開く。
「いつまで呆けているんだ。帰るぞ、シン、ルナマリア、メイリン」
レイが、シン達に向かって手を伸ばす。もう二度と見ることは叶わないと思っていたその姿。
これは、なんの奇跡だ?
73救われた未来 3:2006/07/16(日) 23:22:18 ID:???
本当に何が起こっているのかさっぱり分からない。頭は混乱するばかりで、誰でもいいから
説明して欲しかった。けれど。それでも。
レイの力強い声に引かれるように、シンはレイ達のいる場所へと一歩を踏み出す。と、シンの
右腕が何者かに掴まれた。振り向くと、紫の瞳の青年がシンを睨んでいた。
「駄目だよ、行っては。せっかく君は自由になれたんだ。彼等の元に戻ったらまた洗脳されて、
戦わされる。もう嫌でしょ、理不尽な命令で人殺しするの」
「な、何を……」
「僕達と一緒にいよう?一緒に花を植えるんだ。綺麗な花を」
「そうだ、シン、惑わされるな。彼等はきっとお前の未来を殺す」
元上司の男も説得に乗り出す。だが、シンは見た。青年達の瞳のちらつく狂気の色を。自分
達の正義を疑わない者達が見せる、闇。
「おやおや随分な言われようだね。君達は、そうやって自分達に都合が悪いものを全て悪者
にして逃げるのかね?綺麗な花を植えたものこそが正義だとでも?だが世界は、君達に好
む花々だけでは生きていけないのだよ」デュランダルが言う。
「君達も足元を見やるといい。たかが雑草と踏みつけている草も、また世界を支えるものの一つだ」
紫の瞳の青年は、何かに弾かれる様に見を引いた。シンはその一瞬の隙を見逃さなかった。
「ルナマリア、メイリン、走れぇっ!!」
掴まれた腕を振り解き、反応が遅れたメイリンの背中を押す。
「シンっ!!」ルナマリアが叫ぶ。ルナマリアとメイリンを先に行かせたシンの背後に、再び腕が伸びる。
「行かせない。君はもう僕達のものだ!」
「ざっけんな!!お兄ちゃんは前世も現世も来世も私のものよ!!」
「だめぇ!!シンはあげないのっ!!」
マユとステラが、手にしたコップやゴミ箱を青年に向かって投げつけた。それに続くようにアウル達が
手にしたものを投げてくる。
「くっ!」青年達が怯むと、シンは躊躇いなく穴に向かって飛びこんだ。
「レイ!受け止めろ!!」
74救われた未来 4:2006/07/16(日) 23:23:35 ID:???
蛙の潰れるような声がした。顔を上げると、目の前にレイの顔があった。痛そうに顔を歪めてる。
クルーゼ「その桶をひっくり返して!鏡に貼った札も剥がすんだ、早く!」
クルーゼが指示を出すと同時に、シンの背後で水音がした。本当に何が起こっているのか、
そろそろ誰か説明してほしい。そんなことを思っていると、シンの下でレイが呻く。
レイ「おい、シン。いい加減どけ。重い」
シン「え?わ、ごめん」
慌てて退こうとして、ふとシンの動きが止まる。
レイ「シン?」
レイが訝しんでいると、唐突にシンはレイを抱きしめた。
シン「レイだ!レイがいる!!レイレイレイレイ!」
生きてる。
レイが生きている。
アウル「オホモダチ一直線?」
レイ「オイっ」
もし尻尾があればちぎれんばかに振っているであろうシンの様子に、アウルが茶化し、レイ
が睨む。すると、ルナマリアまでレイを背後から抱き締めてきた。
レイ「る、ルナマリア?!」
ルナ「あーもう、本当に生きてる!心配ばっかかけて、この馬鹿!!馬鹿レイ!!」
シン「レイ〜!」
シンとルナマリアにサンドイッチされある意味美味しい状態にあるレイは、しかし硬直して動く
ことが出来なかった。二人が泣いている。本気で泣いているのだ。過去あまり例のない状態
に、レイの思考がフリーズを起こしていた。そこへ、騒がしい乱入者。
75救われた未来 5:2006/07/16(日) 23:24:25 ID:???
マユ「あー、ゲイ!ちょっといつまでお兄ちゃんとくっ付いてんのよ?!」
ステラ「シン、ルナ……、泣いてる?」
シン「マユ!マユ!ステラ〜!!」
今度はマユとステラに向かってシンは飛び付いた。
マユ「お、お兄ちゃん……そんな、いけないわ、昼間から」
ステラ「うぇぇぇい?シン?」
シンは何度も名前を呼んだ。柔らかな温もりを抱きしめて、泣いて、何度も何度も名前を呼んだ。
さながら、母親を見つけた迷子の子供のように。
戦争の中で、失ったと思った温もり。手から零れていった命達。もう二度と戻ってはこないのだと、
何度自分に言い聞かせて絶望しただろう。それが今、再びこの腕の中にある。
これが夢だと言うのなら、どうか覚めないで。
泣きじゃくるシンに、ステラがそっと頭を撫でてあやした。
ステラ「シン、もう大丈夫。恐いもの、こないから。もう大丈夫」
少しだけ、落ち着いてシンは顔を上げた。ステラが笑っている。マユも。レイも。ルナマリアとメイ
リンも、泣きながら笑っている。ヨウランがいた。ヴィーノもいる。スティング、アウル、ミーアにハ
イネ、ニコル、ラスティ、ミゲル、クルーゼ、デュランダル。かつて敵対した者、共に戦い生きた者、
死んでいった人達が、そこにはいて、穏やかに笑っている。
ここは、夢にまで見た戦争の無い、優しくて暖かな世界。
シンは彼等に向かって静かに微笑んだ。
76救われた未来 6:2006/07/16(日) 23:26:30 ID:???
 そもそもの始まりはというと、夏休みの自由研究にあった。研究の資料集めに最初はシン
レイルナメイ、ヨウラン、ヴィーノといつものメンバーで待ち合わせて市立図書館に向かい、
その途中でこれまたいつものアウステスティングの連合三人組みとステラの追っかけハイネ
とミゲルに出くわした。シンが図書館向かっていることを教えると、自分達も図書館で涼みた
いと5人はついてきた。図書館に着くとミーアとニコル、珍しく怪我をしていないラスティが先
客でいた。そして、遅れて読書感想文の本を探すためマユが到着。このメンバーで静かにし
ていろという方が難しく、何度かどんちゃん騒ぎを起こしかけて司書の人に怒られた。それで
も、なんとか必要な資料を集め、帰ろうとしたときのこと。
 それは一冊の本。シンが書棚に本を返しているときに見つけた。背表紙には何も書かれて
おらず、不吉な赤黒い色をしたいた。なんだろう、と興味本位で手に取ると、表紙にもやはり
何も書かれていない。たまたま近くにいたホーク姉妹も覗き込んでくる。本を開いて、数ペー
ジ捲ったところで異変は起きた。
 その時のことはシン達はよく覚えていなかったが、目撃者レイとミーアの談によると、いきな
り本が光出して、次の瞬間には三人が本の中へ吸い込まれていったとのこと。レイが慌てて
本を拾い上げた時には特に何も起こらず、中身を確認するとシンを主人公とした物語が始まっ
ていた。俄かに信じがたい現象。スティング達もさすがに最初信じることができなかったが、し
かし物語を読み進めていくうちに自分達と同じ名前のキャラクターが何人も出てくる。偶然にし
ては出来すぎていて、全員信じざるおえなくなった。
 信じたはいいが、今度はどうやって本からシン達を救出するかの話になり、妖しい本なら怪し
い人に任せようとマユが提案。レイとしては実に不本意なことだが、全員一致でクルーゼ邸に
向かった。
77救われた未来 7:2006/07/16(日) 23:27:26 ID:???
クルーゼ邸ではデュランダルが遊びに来ており、レイ達の話しを聞いた怪しい二人の大人は、
子供達の期待通りというか、予想以上の活躍を見せた。まず水を張った桶に本を浸し、姿見の
前に置く。そして、桶の回りに意味不明な文字を書き込み、どこから持ち出したのか妖しい液体
を桶に降り注ぎ、クルーゼがまた意味不明な呪文を詠唱。するとどうだろう、鏡にシン達の姿が
映し出された。子供達が驚いて何をやったのか聞くと、クルーゼ達は怪しく笑い、企業秘密とだ
け答えた。
 映し出されたシン達は戦争をしていた。
 
 泣き止んだシンルナメイを囲んで、一行はクルーゼ邸のリビングにて寛いでいた。そして、だい
たいの事のあらましと、シン達を救出するのに丸一昼夜かかったことを教えられた。本の中にい
たシン達としては、既に一日経っていることに驚くべきか、まだ一日か経っていないことに驚くべ
きなのか、正直迷うところだった。だが、どちらにしろ、そんなことはどうでもよかった。それよりも
大事なのは、自分達を心配した友人達が、誰一人欠けることなく、ずっと傍にいてくれたこと、そ
の事実にシンはまた感動を覚えて泣きそうになる。
シン「呪われた赤本……ですか?」
なんとか誤魔化そうと、自分が手に取った赤い本の名前を呟いた。今回の事件の諸悪の根源。今
はデュランダルの手元で、神社でよく見かける注連縄によってぐるぐる巻きに縛られている。
ルナマリア「なんか……捻りのない名前ですね」
クルーゼ「聞いたこと無いかね?あの市立図書館では結構有名な噂話なんだが」
デュランダル「昔手首を切って自殺した、売れない作家の怨念が込められているのだと言われてる。
表紙が赤いのは、手首を切ったときに浴びた血の色だともね」
78救われた未来 8:2006/07/16(日) 23:30:13 ID:???
メイリン「なんでそんなモノが図書館に……?」
デリュランダル「噂話では、作家の家族が作家の集
めた本を処分するために何冊か市立図書館に寄
贈したのだが、その際この血に染まった本も紛れて
いたらしい」
クルーゼ「以来赤い本は図書館に棲み付き、その赤
い本を開いた者は本に喰われる、と」
ヨウラン「へー、初めて聞きました」
ミーア「学校の怪談みたい」
クルーゼ「公共の場所とは、得てしてそういったもの
が集まりやすいものさ」
ハイネ「それにしても理事長、今回随分落ち着いてい
らっしゃいましたね。いくらレイが助けを求めたとし
ても、普通すぐには信じませんよ?それにシン達を救
出するのにも随分手馴れていた」
デュランダル「ああそれはね、実は我々が学生だった
頃に、アーサー先生が同じ目に遭ってね」
(げっ、アーサー先生と同レベル?!)シンルナメイ心の叫び
デュランダル「その時は流石に慌てたな。とにかく目
の前で起こったことが信じられなくて、藁をも縋る想
いで近くに神社に駆込んで助けてもらったんだ。それ
からしばらくオカルト関係にハマッて、色々な集会
に顔を出したり勉強したりしたわけだが。ふむ、やはり
何事も知識は身に付けておくべきだな。いつどこで何が
役立つか分からん」
メイリン「あの……、アーサー先生の時も本の内容は、
私達の場合と同じだったんですか?」
クルーゼ「いや、彼の時は確か、18禁官能小説だった」
(うわぁ、アーサー先生のくせに……羨ましい!)男子一同心の声
デュランダル「ちなみにソレがきっかけで、アーサー先生は
エロゲーの世界に嵌ったとかなんとか」
(そして、転落人生一直線)一同心からの同情の声
デュランダル「おそらく、本の内容は人によって変わってい
るのだろう。アーサー先生は、ほら、まぁ……
もてない……あーいや色々と不憫な目に遭って、そういった
方面に弱いところがあるからね。シン君達の
場合まだ若くて芯が強い。だから戦争によって身も心もボロ
ボロにし、弱りきったところで洗脳しようとしたんだろう。
あと少し遅かったら、完全に本に取り込まれて向こうの世界
から帰って来れなかった。危なかったね」
79救われた未来 9:2006/07/16(日) 23:31:00 ID:???
何でもない事のようにデュランダルが言うので、うっかり聞き流してしまうところだったが、改めて一つの可
能性を思い浮かべ、シンは背筋に寒気を感じた。
もしも、あの時あの青年の手を取っていたとしたら。
そうしたら?
クルーゼ「さて、シン君達も助け出したことだし、よくよく考えたら我々は昨日から何も食べていない」
と、クルーゼに言われて、思い出したように、全員のお腹の虫が一斉に鳴き出した。
クルーゼ「夕飯にはまだかなり早いが、何か作ろう。食べていくだろう?」
ヴィーノ「え?いいんですか?やった!!」
スティング「あ、俺手伝います」
マユ「私もー!」
クルーゼ「ありがとう。諸君、なにかリクエストはあるかな?」
アウル「キムチ―!」
ミゲル「ビーフストロガノフ」
ルナマリア「うな重!焼肉!!すっぽん料理!!!」
ステラ「ステラ……熊の丸焼きがいい」
ニコル「そうですね、精進料理などどうでしょう」
ラスティ「流し素麺」
ミーア「お寿司……、あ、フカヒレラーメンとか」
メイリン「え?ええっと……、チョコレートフォンデュ、食べたいな」
ヨウラン「皆、少しは遠慮しろよ……、キャビアありますか?」
ハイネ「俺ステラちゃん」
ステラ「死ねやぁぁぁぁぁぁ!オレンジ凸ぉ!!」
クルーゼ「よし、今夜は熊の丸焼きに決定だな」
一同「なにぃぃぃぃぃぃぃいいいいい?!(ステラのみ歓喜の声)」
80救われた未来 10:2006/07/16(日) 23:31:52 ID:???
皆がかなり早い夕食に湧いているなかで、一人俯いて震えている人物にレイは気付いた。
レイ「シン、大丈夫か?」
肩に手を置くと、シンは弾かれた様に顔を上げ、弱々しく笑った。
シン「レイ……ん、大丈夫。ただ、ちょっと怖くなっただけ。理事長の言った通り、あと少し
遅かったらと思うと……何か、今更なんだけど」
レイ「シン……」
シン「俺……本当に危なかったんだ。父さんと母さんとマユを一度に亡くして、それから、
ハイネにステラが死んで……、アウルとスティング、トダカさんを自分で殺してた。守るた
めに戦っていたはずなのに、皆どんどん俺の前から消えてって……。最後にはレイと理
事長まで死んだって聞かされてさ。なんかもうどうでもやって……なんも考えたくない…
…なにも守れない俺なんて、消えて無くなれば良いのにって」
レイ「……」
シン「レイの……皆の声がもし聞こえてなかったら……そう考えだしたら……」
ぞっとした。
マユもステラもレイも、皆がいない世界で生きていかなくてはいかなかったのか。
あの冷たくて残酷な世界で、心も信念も砕かれ、人形のように。
大好きな人達が生きる世界も忘れて。
レイ「安心しろ、無駄な心配だ。仮に一時的に洗脳され、あの本に取り込まれていたとし
ても、お前のことだ、いずれは助け出されていた」
シン「レイ?」
レイ「お前が一度や二度の洗脳ごときで、取り込まれてしまうほど弱いわけがないだろう。
どうせすぐに自分を取り戻せていた。そして、また戦っていた。ひょっとしたら、俺達が助け
なくても自力で脱出できたかもな」
81救われた未来 10:2006/07/16(日) 23:32:52 ID:???
確かに、戦争によって傷ついて、段々小さくなっていく友人達の姿をみて、不安にならなか
ったといえば嘘になる。だが、物語の中でもシンは最後までレイを信じていた。(自分と同
じ名前、同じ顔が映像として映し出された時は不思議な気分になったものだ)周囲にどれ
だけ利用されている、騙されているのだと言われても、最後までレイの傍らにいてくれた。
ならば、自分もシンを信じなくてどうする?
レイ「お前は強い。それは俺が誰よりも知っている」
そう、レイは知っている。いつも背を真っ直ぐ伸ばして歩く友人を。
踏まれて踏まれて、何度も踏まれて、くじけて俯き、うずくまり、その度に深く根をはり立ち
上がる、まるで雑草のような、そのしたたかさと強さを。
本が売れないからと自殺するような人間の怨念ごときに、負けるわけがない。
シン「レイ……、うん、ありがと」
レイ「単純で、救いようの無い馬鹿ではあるがな」
シン「何だよっ、それ!」
レイ「そうだ、シン。そういえば、まだ言っていなかったな」
シン「へ?」
レイ「おかえり」
シン「ん、ただいま」

クルーゼ「はっはっは、それでは今夜は特別に熊の丸焼きの他にワニの丸焼きも付けてあげよう」
一同「うをををををををををい!?(ステラのみ歓喜のうぇぇぇい!)」
レイ「なんだかラウが楽しそうだ」
シン「皆の反応が良いから」
82救われた未来 11:2006/07/16(日) 23:33:41 ID:???
デュランダル(それにしても、この赤本。アーサー君の時にあの神社で確かにお払いし、
焼いたはずなのに……。それに、何故また今頃現れた?)
シン達は赤本の伝説を聞いたことがなかったという。また、アーサーの件以降、本に食わ
れた人間の話しは聞いたことが無い。それはつまり、赤本は完全に消滅していたというこ
とだ。噂話すら忘れらるほど完全に。それが、何故?
デュランダル(嫌な予感がする・・・・・・気のせいか?まぁいい、明日にでもまた神社に持って
いって、今度こそ完膚なきまでに消滅させるまでだ。ついでに、あの市立図書館もお払いしておこう)

マユ(それにしても、あの本の内容。随分都合良く私と金髪が死んだわね。それにゲイも。メ
イリンもあっち側にいっちゃって、結果お兄ちゃんの傍に残ったのはアホ毛だけ。まさか、これ
はアホ毛の策略?!……いいえ考えすぎよ。いくらアホ毛でも、そんなことができるわけがない。
考えすぎよ、考えすぎ………………、ちくしょう、アホ毛め、許さん!)

ルナマリア(それにしても、泣いてるシン可愛かったなぁ。特に戦争末期の弱弱しくなっている
シン。母性本能と隠れたサド心が疼いて。ああ、何でアーサー先生の時みたいに18禁官能小
説じゃなかったのよ!そうしたら、鞭とか蝋燭とか荒縄とか用意して、シンを……。うふふふ、
駄目よルナマリア、最近貴方本当にアブノーマルな世界に一直線よ!!でも、………………
美味しいわね)

ステラ「マユ……ルナ……、なんか怖い」
スティング「いつものことだろ」

83救われた未来 12:2006/07/16(日) 23:35:47 ID:???

??
????

?「あらあら、残念でしたわ。せっかくあと少しで粋の良い奴隷達が手に入ると思いましたのに……。
まぁ、よろしいですわ、機会はまだ幾らでもありますもの。うふふ、うふふふふふふふふふ・…………
ウケケケケケ、ワタシ、ラ〇スチャン
イ  マ   ア  ナ  タ  ノ  ウ  シ  ロ   ニ  イ  ル  ノ

????
??

84通常の名無しさんの3倍:2006/07/16(日) 23:43:09 ID:???
以上です。

今さらの年末蛇足スペシャルネタ……
すいません、どうしてもあの回だけは許せなかったんです。
これでも一応アノヒトタチは控え目にしたのですが、やはり駄目ですか?

あと、怪談の方
こちらも、すみません。ラモスちゃん(ライスちゃん?)勝手に使わせて
いただきました。好きなんです、あのキャラ。それに夏だったので…、少し
でも皆さんが涼しくなることを願います。
それでは、失礼します!!
85通常の名無しさんの3倍:2006/07/17(月) 00:00:28 ID:???
>84
すごいです!メチャクチャGJ!!
いい話でした。ところどころ笑い発生
最後コエエエエエ!!
86通常の名無しさんの3倍:2006/07/17(月) 00:01:54 ID:???
>>84
ええ話や・・・。
登場人物の行動が上手く特徴掴んでると思いました
GJ!!
87通常の名無しさんの3倍:2006/07/17(月) 00:16:56 ID:???
>>84
テラワロスwGJ!
88水泳プチネタ:2006/07/17(月) 00:43:51 ID:???
いい話の後にスマソなネタ投下。前スレ>>725を踏まえております。

ホーク家。シン、メイリンの部屋から出てくる。

シン「じゃあなメイリン、プリント助かった」
メイリン「ううん、探すの手間取っちゃってごめんね?」
シン「なあ、ところでルナはどうしたんだ?俺が言うのもなんだけど、いつもだったら
来たときにはたいてい顔出してくるのにさ」
メイリン「え!?……あ、ううん、なんでもない、シンは気にしないほうがいいよ…?(そわそわ)」
シン「なんだよ怪しいな。…あれ?ルナの部屋、ちょっと開いてるな。中にいるのか?」
メイリン「!!や、やめたほうがいいってば!!」
シン「おーいルナー……」

ルナ「うふふふふふふふ…いよいよシンは明日プールの授業だわ……!
学校の違うステラやおチビのマユに邪魔はされない、私だけのときめきタイム……。
この日のためにカメラだって新調したし、いざとなったらこの超ハイレグビキニで乱入!して
シンをメロメロのイチャイチャパラダイスが既成事実ゲットでルナマリア的にもオールオッケー?
ふふふふふふ…シンの胸板シンのふとももシンのふくらはぎ……wwwwww…ブツブツブツ……」

シン「(((( ;゜Д゜))) ガクガクブルブル」

クルーゼ邸、夕食時。

レイ「ねえラウ、どうしてあの水着だったんですか?」
ラウ「ん?…そもそも水着というのは水辺で身を守るためのものだろう?
レイがプールサイドで転んで擦り剥いたり、ひどい日焼けをしてはいけないと思ったからね」
レイ「ラウ…(じーん)」

…ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ……ガラッ、ダン!!!!

シン「夜分遅く申し訳ない正直スマンカッタ!!!」
レイ「シン!!?」
ラウ「ど、どうしたんだね窓から飛び込んできたりして!!」
シン「気にするな俺は気にしない!!…レイ、ラウさん!!頼みます一生のお願いだ
俺の平穏な学園生活と○操がかかってるんだーーーーーーーーーー!!!」


ルナ「…ちょっ…ちょっとお!!なんでシンまでその水着なのーーー!!」
シン「なんだよ、いいだろ理事長がアレで校則的には何の問題もないんだから!ともかく俺は
これで夏を乗り切ることに決めたんだからな!文句は言わせん!!」
ルナ「くっ……、こ、こうなったら私だってシンとペアルックでその水着着てやるんだから!!レイ!
私にも売ってる場所教えてちょうだい!!」
レイ「厳密には俺も同じ水着なんだが……」

ラウ「(柱の影から涙押さえ)良かったなレイ、いい友達ができて…」
89ここで空気を壊しそうな短短SS投下:2006/07/17(月) 00:58:46 ID:???
>>84
フレイ「あの〜・・・私は・・・?」

END


いや、面白かったよ、乙w
90通常の名無しさんの3倍:2006/07/17(月) 02:12:51 ID:???
>>84
タリア「ミネルバ組だけど・・・私は――?」
アビー「私も・・・ミネルバ組」


だた単に忘れてただけなんだろうけど、新キャラへの愛が詰まってていいと思ったGJ!!
>>88
小ネタも笑わせて貰ったw乙
91通常の名無しさんの3倍:2006/07/17(月) 14:22:31 ID:???
そろそろあげとく
92通常の名無しさんの3倍:2006/07/17(月) 16:01:08 ID:???
>>84
ジブリール「私と猫タンも忘れないでくれ・・・」
93通常の名無しさんの3倍:2006/07/17(月) 17:47:50 ID:???
ネオ「うっひょー!」
94怪談書いてた人:2006/07/17(月) 19:12:24 ID:???
>>84
なんともGJな作品だ

それに半ば禁忌に触れたキャラ、ピンクちゃんを使ってくれてありがたいです
あのキャラ自分で作っといてなんですけど
お気に入りなんです。
でも元ネタが名前を言ってはいけないあの人なんで、自分で使わない限り誰も出さないだろうと思ってました。
とにかく感謝です。

他の作品おとしてくれるの楽しみにしてますよ

あと自分も長らくこのスレを離れてましたが、またネタを書いていきたいと思ってます
95if 数年後:2006/07/17(月) 21:44:47 ID:SY9IM3i4
「ふう・・・」
 青年は大きく息を吐いた。
 最後の客が勘定を払って出て行き、活気に満ちていた店内は静寂に包まれた。
 蒸し暑い夜。
夏がそろそろ始まろうとする時期とは思えないほどの熱帯夜。こんな夜はビールの
一杯も引っ掛けたくなろうというものだ。
 大きく伸びをし、青年はクビを回す。ゴキリ、と小気味のいい音がした。
「さて・・・と」
 店は終わっても、自分の仕事は終わっていない。
 厨房へ再び入り、溜まった皿、中華鍋やフライパン等を洗い始める。静まり返った
店内に、水音と食器と食器がぶつかる小気味の良い音が響き始めた。
 その時。
 ガラガラという音を立てて、店の戸が開いた。

 ――そういえば、暖簾を入れるのを忘れていた

 青年は軽く舌を打ち鳴らした。
 蛇口をひねって水を止め、手を拭いて店内へと足を踏み入れる。
「すいません、今日はもう――」
 言いかけて、青年は目を大きく見開いた。
「よ、久しぶり! ――もうカンバンだったか?」
 青年の口元に笑みが浮かんだ。
「そうなんだが・・・。ま、特別に違うことにしてやるか。――久方ぶりだな、
ヴェステンフルス」
「ああ、久しぶりだな。スティング」
 オレンジ髪の青年は小さく笑みを浮かべた。
96通常の名無しさんの3倍:2006/07/17(月) 21:48:15 ID:???
「――おまちどうさん」
「おおっ! これこれ。やっぱこの街に来たら、この店で食わないとな」
 パチンと割り箸が開かれる音が響き、続いて咀嚼音が小さく響き始めた。
 残りの洗い物を適当なところまですませ、スティングがビールの栓を抜き、コップを
二つ取り出し、ハイネの向かい側に座る。
「ん?」
 眉を上げたハイネに、スティングは瓶を上げてみせた。
「悪いな・・・」
 ハイネがコップを近づける。スティングが黙ってコップにビールを満たし、ハイネは
それを一息に飲み干した。
「奢ってもらったから言うんじゃないが、スティング。また腕を上げたんじゃないか?」
 アルコールで少し顔を上気させ、ハイネがスティングに向かって言う。
 だが、スティングは苦笑を浮かべて答えた。
「まだまだ、オヤジさんにはおよばねえよ。実際・・・。客の入りが落ちてるからな」
「――そうか」
 わずかな苦さが混じった声に、ハイネは軽く眉間に皺をよせた。自然と手がビールの瓶に
伸び、スティングのグラスに液体を注ぐ。
「・・・ステラちゃん、元気か?」
「この前、手紙が来た。元気でやってるから心配しないで、とさ」
 スティングの顔に寂しさの色がよぎった。見なかったふりをし、ハイネはつとめて明るい
声音で続ける。
「しっかし、ステラちゃんがあんなに頑張るとはなあ・・・。驚いたぜ」
「俺もだ。いくら、シンと同じ大学に行きたかったからとはいえな。受かった時は少々驚いた」
 
 ――こけの一念ってやつだ
 
 スティングはそう言って、苦笑半分自慢半分、といった表情を浮かべた。
「――シンといや、あいつ、まだガンダムを作ってみせるとか言ってんだって?」
「ステラの話だと、どうやらまだ本気らしいぜ。実際、ロボコンだったかの全国大会で
ベスト4まで行ったとかどうとか」
「ほ〜お・・・。そこまで行けば大したもんだな」
「まったくだ」
「・・・ホント、大したもんだぜ。やりたいことがあって、それに向かって突き進んで行
けるってのはな」
 どこか遠い目をし、ハイネは今度は手酌で注ぎ、何かを飲み込むようにまた一息に
グラスを干した。
97通常の名無しさんの3倍:2006/07/17(月) 21:49:50 ID:???
 既に時計の針は深夜を大幅に回り、空瓶の数はかなりの数になっていた。
 二人とも酒は強い方ではある。
 しかし、日ごろの疲れと酒量がたたって、流石に、多少目を赤くしていた。
「――でよ。こっちが何か言う度にダメだしされるわけよ。結局てめえのやり方じゃな
いと気にいらねえってだけだろうによ!」
「どこにでもそういう、俺様主義な奴はいるみてえだな」
「あ、分かるか?」
「店にくるお客さんの話を聞いてると、そういって愚痴ってる人は少なくねえからな」
 ハイネのグラスを持つ手がピタリと止まった。怪訝な表情を浮かべるスティングに、
ハイネはふっと自嘲気味に笑った。
「・・・『酔って居酒屋で上司の悪口を言うような大人になんかならねえ』なんて考え
た時期が俺にもありました、ってか・・・」
「――後悔、してんのか?」
「いや・・・。そんなにはしてないけどな。親に、ちゃんと就職してくれって泣かれちゃ
仕方ない。愚痴っといてなんだが、仕事だってそれほど悪くねえ。一応、音楽関係の
仕事だしな。・・・ただよ」
「ただ?」
「ただ・・・。何か、心から笑ってることが少ねえな、とは思うかもしれねえ」
「そうか」
 なんとなく会話が途切れ、沈黙が満ちた。
 ややあって、横を向いたまま、ハイネが口を開く。
「お前は・・・どうなんだ?」
 思いがけないハイネの言葉に、スティングは一瞬目を伏せた後、
「――お見通しか」
 苦笑交じりに言った。
98通常の名無しさんの3倍:2006/07/17(月) 21:52:37 ID:???
「そりゃ、大学へ行きたくなかったと言っちまえば嘘になっちまう。ネオとナタル先生
が親身になってくれて、奨学金の保証人になってやる、とまで言ってくれたからな。
迷ったぜそりゃ。それでも、オヤジさんが倒れて、コニールの奴が泣いてて・・・。
あの時、本気で料理の修行に専念するって決断しなけりゃ、後悔しただろうって思う。
そりゃ間違いねえ。だが――」
「たまに思っちまう・・・か?」
「未練だな。みっともねえ話だ。分かっちゃいるんだが、何かの拍子にふっとな・・・」
 スティングはそれ以上続けなかったが、ハイネにはその言葉の先がなんとなく分かった。

 ――あの時、違う決断をしていたら

 考えてもどうにもならないことは分かる。
 しかし、壁に当たるたび、理不尽なことがおきる度、どうしても弱い思いが湧き上が
るのだ。

 ――これで良かったのか?

 果たして何人の人間が、現状の自分に満足しているだろう? どれほど、一時的に最良の
決断をしたと思っても、その疑問からは逃れられない。別の『何か』になれたかもしれない。
 つくづく男とは、意外と往生際が悪いものらしい。
「――この道で良かった」
「ん?」
 ステイングの呟きに、ハイネは肩眉を上げた。
「多分一生そう問いかけながら生きていくんだろうよ。気休めをいって自分を慰める
ためにな」
 そう言って、再びグラスに液体をつぎ、スティングが黙り込んだ。
 空になりかけのグラスを軽く振り、自分も残りビールを注ぎながらため息を一つつき、

――そうかもな

 そう答えかけて何故か、ハイネは喉にひっかかりを覚えた。
 分からない。分からないが――
 何故か。何故か言ってはいけない気がした。ここで同意したら何かが終わってしまう
ような気がする。
 ハイネは、チラリとスティングの方を見やった。
99通常の名無しさんの3倍:2006/07/17(月) 21:55:07 ID:???
  
 ――スティングのまっすぐな視線とハイネの視線が衝突した
 
 スティングの視線には力があった。あの頃と同じ、苦境にあっても
まっすぐに前を、未来を見据えた目をしている。

 ――この嘘つきめ

 ハイネは心の中で苦笑をもらす。
(試しやがったな?)
 不思議と不快でなかった。
 それどころか、ふつふつと力が湧きあがってくるのを、ハイネは感じた。
 スティングの視線に、信頼を見たから。
 こいつはヘタれる奴じゃない、そう目が語っていたから。
 しばし考えを巡らせた後、
「違うぜ、スティング。その言葉はそんな風に使うんじゃあない。くたばる時に、
100%の確信を込めて言うのさ。それが正しい使い方だぜ?」
 不敵に笑って言い放った。
 スティングの唇が弧を描く。
「悪くねえな。誰の言葉だ?」
「・・・さあな?」
 ハイネのすっとぼけた口調に、スティングは抑えきれないというように、くっくと
声を漏らしながらグラスを掲げた。
「じゃあ名言を残したその正体不明の誰かさんに、乾杯と行くか!」
「おう!」
 力強くハイネが応じる。
 
 グラス同士のぶつかる澄んだ音が、店内に響いた。
100通常の名無しさんの3倍:2006/07/17(月) 21:57:41 ID:???
「――ご馳走さん」
 鞄を取り上げてハイネが立ち上がり、そのまま入り口へと向かう。
 スティングがその後姿に別れの言葉を投げかける。
「じゃあな。ヴェステンフルス」
 ハイネは前を向いたまま、手を上げて答えようとして――
 何かに気づいたようにその手を止めた。
 見つめるスティングの視線の先で、ハイネが振り返る。その顔には、
覇気と快活さに満ちていた、あの頃と同じ笑顔があった。
 チチチと指を振りながら、
「ハ・イ・ネ!」
 弾けるように笑って、ハイネは身を翻した。
 
 スティングの笑い声に送られ、ハイネは夜の闇の中へと消えていく。
 確かな足取りで。
 数瞬の間があって、店内にまた水音と食器がぶつかる音が響き始めた。
 どこか力強く。

 ある、夏が迫る蒸し暑い夜の出来事であった。
10195-100:2006/07/17(月) 21:58:53 ID:???
以上です。
ageてしまった・・・。不覚
102通常の名無しさんの3倍:2006/07/17(月) 22:49:04 ID:???
GJ!!
何だか胸が締め付けられるよ・・・。
103通常の名無しさんの3倍:2006/07/17(月) 23:46:41 ID:???
>>95-100
GJ
よかった。これは深いよ
104怪談…:2006/07/18(火) 00:52:55 ID:???
6スレ目>269>271-277続き
ヴィーノ「シン…」
シン「俺だけじゃない
お前の相方も連れてきた」
ヨウラン「よ!生きてると思ったぜ相棒!」

ヴィーノ「入り口の影にかくれて言うなよ…」
ヨウラン「済まん、でもな
さすがにアレは怖い!」

女王「光栄ですわ、ほほほほ」

シン「くそっ!余裕こきやがって!」
女王「…しゃべると手元がお留守になりますよ」

ザクッ

シン「うっ!?」
女王「ほ〜らきれいな手がザックリ…ククク」

シン「ちくしょう!イテェんだよー!」
シンが女王を押し返す

女王(なっ!?)

シン「くそっ気味悪いんだよ!
逝けえぇぇぇ!!」
105通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 00:55:12 ID:???
女王「く!」
ガキィィン!

済んでの所で女王は切り払う

シン「ちぃ」

女王「ハアハアハアハア…
あら…?」

女王は自分の頬に大きな切り傷が出来ているのに気づいた

シン「へん!ざまーみやがれ化け物野郎!」

女王「プルプルプル私の美しい顔に…傷を…

んのガキがぁぁぁぁ!」
女王お怒り

シン「うわぁぁ!?」
激しい連撃に押されるシン

女王「傷だけではない!
今のは危なかった!
危なかったぞおぉぉぉ!」

シン「どこかで聞いたようなセリフおぉぉぉ!」


ヴィーノ「なあ、あれ両方とも真っ赤なオーラが…」
ヨウラン「…もう気にするな」
106通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 00:58:16 ID:???
ヨウラン「ほら、いいからさっさと怪我人連れてずらかるぞ」
ヴィーノ「…」
ヨウラン「どうした?」

ヴィーノ「俺は…もういいんだ」
ヨウラン「あん?」
ヴィーノ「俺…」
ヨウラン「お前まさか…アイツ気に入ったんか?」

無表情で女王を指さす

ヴィーノ「あんなフリー○もどきに用なんてあるかよ…いい乳してっけどよ

俺はメイリンの所へ逝こうと思う(ヴィーノはメイリンが死んだと勘違いしてます)」

ヨウラン「ああ…なるほど
せっかちな奴だな
せめて皆助けてからにしてくれ」

ヴィーノ「あ…ああ
(止めないのかな?
そうか!俺の覚悟を汲んでくれて…
ありがとう…!)」
107通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 01:00:36 ID:???
ヨウラン「お前はハイネとレイにラウさんをよろしく

俺はルナマリアとステラちゃんな!」
ヴィーノ「え?」
ヨウラン「な!」
ヴィーノ「あ…ああ
(こいつ…どさくさに紛れて
女独り占めかよ)」


シン「ハアハアハアハア」
女王「肩の傷まで開いてましてよ?
そろそろ楽になりなさいな」

シン「まだだ、させるかよ!」

高速突きが女王を貫いた

シン「やった!やったぞ!
ざまぁみやがれこのピーでピーなピー野郎め!」

女王「まあ…下品な言葉を…
放送事故ですわね」

背後で女王の声

シン「え?
(今確かに)」

女王「そんなナマクラじゃ誰も切れねぇ…ませんわ」
108通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 01:02:57 ID:???
女王「あなたが切ったのは私の残像ですわ
まあ当たった所で切れやしないが」

シン(後ろを…取られた
やばい早く動かなきゃ…なんだ動けない)
足がすくみ動けないシン

女王「さて…私の顔に傷をつけたのですから…
死んでもらおうか!
跡形も無くなるほどに刻んでや…ますわ!」

シン「動けこのポンコツー!」

女王の袈裟切りがシンを切り裂く


女王「…しぶといですわね」
シン「へへ…女難だけが取り柄じゃないんだよ」

シンは女王の一撃を受けていたが浅い傷で済んでいた
問題は…

女王「足を刺してまで言うことを聞かすなんてケケケ」
109続きます(もう途中止めはしません):2006/07/18(火) 01:07:24 ID:???
シン「ハアハアハア…ここまで来て負ける訳にはいかないん…だ」

女王「なかなか見所のある奴ですわね…
私の人形にして側に置きたくなりましたが…
私の顔に傷を付けたからには…ね」

シン「けっ、死ぬのも…
お前のダッチワイフになるのも…ごめんだぜ」

女王「ぬかせ
今の貴様…貴方はもはや立っているので精一杯
終わりだ…ですわ」


シンは最後まであきらめる気はなかった
自分が倒れたら皆この化け物女に刺身にされる

この一撃で!
もうそう残ってない力を振り絞り刀を上段に構える

対して女王もこの一撃で終わらせるべく構えを取る
110Kの人:2006/07/18(火) 01:09:25 ID:???
今度こそ完結させます
勝手に途中止めしてすいませんでした
m(_ _;)m
111通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 07:49:07 ID:???
>>110
GJ!!!
シンがカッコエー♪
112通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 20:56:29 ID:???
>>110
お帰りなさいませ。
楽しみにしておりました。GJ!
113通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 22:05:51 ID:???
>>110GJ!
お帰りなさい、どのようなラストを迎えるか楽しみです。

自分も帰還組なんですが復帰2作目でいきなり長編にチャレンジさせてもらいます
あと、デスティニーデパートのサバイバルゲームで使っていた武器を拝借させて
いただきます。
114萌え・P序章1/5:2006/07/18(火) 22:08:02 ID:???
ギル「で、究極の萌えとは、いったい何なんだろうね?」
レイ「は?ギ、ギル?」
シン「突然、俺たちの教室に来たと思ったら何を?」

昼休み、何時ものようにルナ、ステラ、マユの3人がシンに弁当を食べさせるため仁義なき戦いを繰り
広げる最中、唐突に現れた理事長ギルバート・デュランダルの言葉はその場にいる全員を唖然とさせた

ギル「知りたとは思わないかね?」
マユ「そんなもの聞かなくても古来より、萌え=妹もしくはロリと…」
ルナ「幼い頃より隣にいる幼馴染に勝るもの等ありません!」
ステラ「いやし…メイド…」
マユ「なにバカなこと言ってんの!古の『くり〜むレモン』の時代より妹、最高と!」
ルナ「なんつー例え持ってくんのよ!エロガキ!」
マユ「知ってるオマエモナー」
ルナ「くっ!」
ステラ「…くり〜む…なに?」
メイリン「知らないけど…知らないままの方が良いと思う」
ルナ「それは置いといて、やっぱり幼馴染の方が上でしょ!淡い思いを秘めたまま、ずっと隣にいる。
   そんな儚さが…」
メイリン「秘めてない!全っ然、秘めてないからお姉ちゃんは!おまけに儚くないし…」
ルナ「 何 か 言 っ た ? 」
メイリン「ごめん、つい本音がっ!ギブ!オネエチャン…イタイよ…アイアンクローはヤメテ…」
ステラ「巨乳のメイド…これサイコー…ネオが言ってた…」
マユ「胸なんか飾りです!エロい人にはそれが分からんのです」

ギル「そ ん な 決 定 権 が 貴 様 等 に あ る の か !?」
一同『は?』
ギル「現在の測定値はどうなっている?」
サラ「はい、以下のように」

ルナ   0ポイント
ステラ  3ポイント
マユ   15ポイント
メイリン 7ポイント
115萌え・P序章2/5:2006/07/18(火) 22:09:18 ID:???
ヴィーノ「何コレ…って!シン!頭に何か付いてる!」
シン「へっ?…なっ!いつの間に!?」
ヨウラン「気付けよ!」
レイ「イヤ、今まで誰も気付かなかったんだからシンだけを攻めるな」
シン「い、一体、何が付いてんだ?」
レイ「脳波を測る電極みたいだが…」

今まで誰も気付かなかったが、この時シンの頭部には電極が貼り付けられ、コードの先のモニターを
保険医のサラが見つめていた

ギル「落ち着きたまえ、この装置は『萌えティニーX』といって、脳波を測ることで誰に萌えているか
   を数値で割り出すものなのだよ。これを使えば先の様な言い争いをせずとも、誰に一番萌えてい
   るかが分かる大変素晴らしい装置なのだよ」
レイ「流石です理事長」
ヨウラン「…面白いな」
シン「待て!親友たち!」
ヴィーノ「って事は……」
一同「……ま、まさか!!!」

マユ「ィヤッタッァァ―――!!! マユがいっちば〜〜ん!!!」
ルナ「ウ、ウソよ!私が0ポイントなんて!」
メイリン「お姉ちゃん、さっきの自分の言動を振り返ってみたら?」
ルナ「それだったら、何でマユが一番なのよ!?」
マユ「そ・れ・は♪ お兄ちゃんが『くり〜むレモン』な展開を期待してるからよ♪」
ヴィーノ「シ、シン?……」
シン「ち、違う!おかしいって!その装置!」
マユ「も〜〜照れなくても・い・い・の・に♪」
サラ「残念ながら『くり〜むレモン』発言の際は0ポイントでした」
マユ「へ?……なんで?」
サラ「ついでに言うとトップはマユさんではありません。先のメンバーに入っていない方です」
マユ「だ、誰よ!?その泥棒猫の正体を教えなさい!!!」
サラ「理事長です。ちなみにポイントは1092ポイントですね」
ギル「………は?」
全員「え〜〜〜〜!!!!!!」
116萌え・P序章3/5:2006/07/18(火) 22:11:02 ID:???
ギル「…………シン…君は私に萌えていたのかね?///」
シン「ち、違います!ただ…って何、赤くなってんですか!!!」
レイ「シン……お前…」
ヨウラン「ど〜りで、誰にもなびかない訳だ…」
ルナ「そ、そんな…レイを警戒してれば大丈夫だと思ってたのに……」
マユ「意外な伏兵……まさかオジサン趣味だったなんて……」
ヴィーノ「え、えっと…大丈夫、俺そんな事で絶交しないから、ずっと友達でいるから…」
シン「ちっが〜〜う!!!俺はただ理事長の喋り方が格好良いと…」
ギル「…喋り方?」
シン「その…決定権が…ってやつ…」
ギル「……ふむ…そんな決定権が貴様等にあるのか!?」
サラ「750ポイント追加です」
ギル「そんな決定権が貴様等にあるのか!?」
サラ「343ポイント追加です」
ギル「そんな決定権が貴様等にあるのか!?」
サラ「127ポイント追加です」
ギル「ふむ、同じ台詞を続けるのは良くないらしい……」
ヨウラン「理事長…コレ読んでくれます」
ギル「何だね?……『見せて貰おうか、連邦のモビルスーツの性能とやらを!」
サラ「1192ポイント追加です」
レイ「では、マユが高かった理由は……」
サラ「はい、最初はルナマリアさんと最下位争いでしたが『胸なんか飾りです』の発言で15ポイント
   獲得してます」
ヴィーノ「つまり、ガンダムの台詞を応用すればOKと?」
ヨウラン「理事長が高得点なのは、声が赤い人に似てるから……」
全員『………コレ意味あんの?』
ギル「………………………………………………………………」
全員『………………………………………………………………』
ギル「私はここに『萌えティニープラン』の実行を宣言いたします!」
シン「ちょっと、待て〜〜〜〜!!!」
117萌え・P序章4/5:2006/07/18(火) 22:12:17 ID:???
ギル「説明しよう。萌えティニープランとは『誰が一番の萌えキャラか』先の装置を使いシンの心を
   最も掴んだ物を勝者とするプランのことだ」
シン「だから、待てって!!!」
レイ「静かに!理事長のお話中だ!」
シン「……泣いて良い?」
ヨウラン「黙ってろ!聞こえんだろ!」
シン「………………………………………………………………」
ヴィーノ「元気出して……」
メイリン「レイは理事長命だし、ヨウランは面白がってるわね……」
ヴィーノ「この手のイベント好きだから……」
ギル「……つまり、この装置の数値で競う訳だが…」
ルナ「じゃあ、シンの前でモノマネすれば良いんですか?」
ギル「イヤ、そうではない。それではツマラン…では無く、萌えでなくモノマネ勝負になってしまう
   そこで私は考えたのだよ。戦ってる最中にこそ人の真実があると…」
シン「言った!今、ツマランって言った!やっぱり俺で遊ぶ気なんだな!」
ギル「レイ、シンを静かにさせてくれ」
レイ「分かりました」
シン「ちょっ!グッ…」
ヨウラン「今、面白い…もとい、大事な話の最中だから…」
シン(む〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜)
ヴィーノ「理事長って争いを否定してなかったけ?」
メイリン「ん〜〜どっちかって言うと『面白ければOK』な人だった気が……」

レイとヨウランに口を押さえられ発言を許されぬまま全てが進んでいく……ルール内容は

@ 武器はデスティニー・デパートのサバイバルゲームで使用したものを使用
A 戦闘中の行動や会話等は全てモニターによりシンに伝わり、シンが萌えただけ装置にプラスされる
B 逆に萌えと正反対の言動はマイナスされる
C 戦死した時点で脱落 その時点での得点で争う
D 時間は無制限、最後の1人になるまで戦う
E 最後の勝利者は5分間の自由時間がある

ギル「以上である! この勝負、無論最後まで残った方が有利である事は言うまでもあるまい。誰にも
   邪魔されないアピールタイムが有るのだから。また、最後まで残れなくとも長生きすれば、それ
   だけポイントを稼ぐ機会があるのも当然のこと……だが!ただ生き残れば良いというものでも無
   い!ある意味敗れる瞬間!最後の一言が高ポイントを狙う最大のチャンスだということを念頭に
   入れていただきたい!それでは参加者の健闘を期待する!」
118萌え・P序章5/5:2006/07/18(火) 22:13:39 ID:???
今、ここに……


ルナ「絶対に…負けない…特にメイリン!貴女には!!!」
メイリン「へ?な、なんで?……私、参加する気なんか無いけど…」
ルナ「貴女は私よりポイントが高かったのよ!妹キャラにだけは負ける訳にいかないの!マユにも……
   そして、メイリン!貴女にも!!!」
メイリン「な!何を勝手な!……良いわ…今までお姉ちゃんを立ててきたけど…もう、容赦しない!!!」


少女達の……


ステラ「……ぜっこうちょうである……」
ネオ「ちっが〜う!!!ここは、もっと気合を入れて!!!」
ステラ「うえぇ〜〜い」
アウル「……何してんの?」
オクレ「特訓だそうだ……」


己のプライドを賭けた……


ミーア「アイドルとして、負けるわけにいかない!」
フレイ「って事は明日は敵同士って事ね?」
ミーア「フレイ!……貴女も?」
フレイ「…そうよ…参加する…」


戦いの火蓋が……


マユ「ルナお姉ちゃん……ステラさん…………いいや…アホ毛!雌犬!今度こそ決着をつける!!!」
シン「お兄ちゃんの意思は?……いえ、もう良いです……」


切って落とされる!
119通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 22:14:29 ID:???
萌えティニー・プラン序章、投下終了です
まだ文字の入力が遅いのでハイペースでの投下は困難ですが最後までの流れは決まってるので
少しずつ投下していきます。
120通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 22:21:39 ID:???
これは面白そうだ
楽しみにしてます
121通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 22:22:06 ID:???
GJ!!
わ、笑っていいですか?
顔のニヤケが取れないんですが
122通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 22:37:51 ID:???
GJ!!
ここはシンにとってやさしくて暖かい世界でいいね
123通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 22:46:22 ID:???
「救われた未来」書いた者です。
皆さん、温かい感想ありがとうございました。

あと、怪談の方。
連載再開おめでとうございます。
相変わらずシンはかっこいいし、ヨウランは素敵な性格だし。
心待ちにしていた連載だけに、嬉しいです。

えー感謝の意を込めてもう一つSS投下させていただきます。
(ここのスレは良作が多すぎて、本当勇気いります)

では、「救われた未来・後日談」です。
124救われた未来・後日談@:2006/07/18(火) 22:47:28 ID:???
夜。スティング、アウル、ステラの部屋にて。

フレイ「へぇ〜、なかなか帰ってこないと思ったら、そんなことがあったの」
スティング「まったく世話の焼ける奴等だぜ」
昨夜一晩帰って来なかった友人達に、アパートで一人寂しい思いをしていたフレイは、
昨日から起こっていた出来事を聞かされた。
アウル「でも、なかなか面白かったぜ。自分と同じ名前と顔の奴がシンとマジで殺し合いしてんだから」
ミーア「私は悲劇のアイドル〜v」
ステラ「ステラ…死んじゃったの……。でも、シンが泣いて抱き締めてくれた」
フレイ「よかったわねぇ、ステラ」(ステラの頭を撫で撫で)
ステラ「うん」
スティング「良くない。最悪だったぞ、あの本の内容。俺達はボロクズみたいに死んでいくし、
       戦争していたはずが、途中から変な電波系宗教みたいなテロリストが乱入してきて、最終的
       にはそいつ等が勝っちまうし。俺達はなんのために戦ってたんだっての」
アウル「スティング、結構感情移入してんじゃん」
ミーア「あはは、あれには呆れたわよね。自称正義の味方のくせに、言ってること二転三転してるし。
    偉そうなこと言う割りに行動が一致してないわ、結局何も解決してないわで」
スティング「あんな内容しか浮かばないなら、本が売れなかったっていうのも納得できるぜ」
アウル「あ、そういや気付いた?あの本の裏表紙に、作者らしき名前が書いてあったの」
ステラ「ステラ……知らない」
アウル「消えかかってたから全部は読めなかったけど、確かアルファベットでT I A K Iって」
ミーア「へぇ、よく気付いたわね。さすが、アウル」
フレイ「ねぇねぇ、本の中に私は?私の名前はなかったの?」
スティング「フレイ?あー……確か出てなかったぞ」
ミーア「えー?あったわよ。ほら、テロリストの親玉みたいな人の回想の中にちらっと」
アウル「あったようななかったような……」
フレイ「どっちよ?もういいわ、どっちにしろ碌な役じゃなさそうだし」
125救われた未来・後日談A:2006/07/18(火) 22:48:40 ID:???
スティング「まぁな。本当碌なものじゃなかったし……。一番マシだったのは、ステラくらいだったか?」
ミーア「そうよねぇ、ルナがいなければ、思いっきりヒロインのポジションだったし」
ステラ「ヒロイン?……なに?」
フレイ「んーとね、大雑把にいうと物語で主人公の恋人になる女の人のことよ」
ステラ「恋人?主人公……シンだった。ステラ、シンの恋人?えへへ」
ミーア(ステラ、可愛い……)
スティング(あ、なんか今すぐ奴をこの世から抹殺したくなった)
フレイ「でも、ステラ、途中退場しちゃったんでしょ?」
ミーア「そうなんだけどねぇ。ステラ、シンとは敵同士だったのよ。それで戦場では何度か刃を
交えるんだけど、ある日二人は互いの正体を知らないで出会っちゃうの。シンはステラを守るっ
て約束するんだけど、次の戦闘でシンはステラの正体を知ってしまう。助けることが出来ず苦悩
するシン……だが、現実は非情にもシンの目の前でステラの命を奪ってしまうの!!」
フレイ「あらー、素敵じゃない。いいわね、敵同士っていうのがまた王道だけど乙女心を擽られるわ」
ミーア「でしょでしょ!!まさにロミオとジュリエット!少女漫画みたいな恋も憧れるけど、やっぱり
禁断のお約束は捨てられないわ」
フレイ「傷つけ合い憎み合い、それでも惹かれずにはいられない二人……
例えその先に待っているのが悲劇であったとしても」
ミーア「きゃー、燃える!燃えるわ!!」
ステラ「うぇぇぇぇい!」
アウル「怖いよ、三人とも」
スティング「うーん、男にはついていけん話しだ」
フレイ「ふふ、そんな話だったら、是非出たかったわねぇ」

――――アナタハキケンダカラ、イラナイデスワ

フレイ「ん?」
ステラ「フレイ、どうしたの?」
フレイ「今、何か聞こえなかった?」
ミーア「えー?別に何も聞こえなかったわよ?」
フレイ「そう?気のせいだったのかしら?」

風に揺らされ、窓辺に吊るされた風鈴が小さく鳴った。
126救われた未来・後日談B:2006/07/18(火) 22:50:04 ID:???
翌日。ザフト高校職員室にて(本日は登校日)

デュランダル「タリア、分かったよ。例え死が二人を別つとも、二人の間に愛があれば、
本当の意味で離れることはないのだということを」
タリア「はぁ?」
デュランダル「シン君達を飲み込んだ赤い本!その中に書かれた内容は、まったく陳腐で、
失笑ものであったが、一箇所だけダイヤのごとく輝く部分があった。それは、最後。死に逝く
私の傍に駆け寄り、崩れる要塞の中で共にいることを決意した君の姿だ。いや、あの個所だ
けは是非君に見せたかった。残念だよ。本は燃やしてしまったし、もう二度と見ることは叶わない。
せめてビデオかコピーくらいとっておくべきだった」
タリア「おっしゃっていることはよく分かりませんが、とりあえずその場に私がいなかったことを
神に感謝しなくてはいけないことだけは了解しました」
デュランダル「いやはや、あのシーンは素晴らしかった。私は感動のあまり思わず泣いてしまい、
隣にいたラウに釘バットで撲殺されるところだった」
タリア「されればよかったのに……」
デュランダル「私は確かに感じたよ、君の愛を。そこで、私は決意した。君と君の愛を貫くために、
幸せ結婚計画デスティニ―プランを実行することを!!」
タリア「モラシム先生、ちょっとそこに何故か転がってる鉈を拾っていただけますか?」

アーサー「アビー先生、ボクは理事長の話しを聞いて思い出しましたよ。僕達は、どうやら十数年前に
既に運命の出会いを果たしていたんです!」
アビー「はぁ?」
アーサー「そう、あれはグラディス先生のレポートを手伝うため、図書館の中を走り回った日。
ボクはクタクタに疲れて座り込んだ時、一冊の題名の無い本を手にした。次の瞬間、ボクは甘く危険な夢の中にいた。
美しい女性に誘われたんです。ボクに断わる術はありません。そして……フフ、昼間から言うことではありませんね。
今思うと、その女性はアビー先生にとても良く似ていた。なんか運命を感じませんか?」
アビー「おっしゃっていることはよく分かりませんが、とりあえずアーサー先生の脳は昔からカビが生えており色々と既に
修正不可能だということだけは了解しました」
アーサー「いやー、その後本から助け出されたんですが、グラディス先生と理事長に殺されかけましてね。
その時記憶喪失になったみたいで、危うく完全抹消されるところでしたよ」
アビー「消えてなくなればよかったのに……」
アーサー「さぁ、アビー先生!再会を祝して一夏のアバンチュールを!!」
アビー「サトー先生、ちょっとそこに何故か転がっている斧を拾っていただけますか?」

タリア「帰りましょう」
アビー「はい、グラディス先生」
127救われた未来・後日談C:2006/07/18(火) 22:51:12 ID:???
公園。木陰のベンチにて。

ジブリール「いい天気だね。ねこたん」
猫「にゃー」
ジブリール「今日も暑いね」
猫「にゃー」
ジブリール「そういえば、ねこたん、聞いておくれ。この間おかしな夢を見たんだよ」
猫「にゃー」
ジブリール「私達は戦争をしていたんだ。たくさんの兵器を作って、たくさんの人が死んでいったよ。
       でも私は笑っていたんだ。理想の世界を作るために、仕方ない犠牲だって。
       皆が死んでしまった世界にどんな理想があるというのだろうねぇ」
猫「にゃー」
ジブリール「ネオや我が校の生徒を戦わせて、ユウナ君達まで巻き込んで殺してしまった。最後には結局、
       自業自得で私も死んでしまった。まったく、夢の中の私はどんな理想を見ていたのかな。一体何を恐れて戦っていたのかな。
       分かるようで分からないよ。もしかしたら、あれが戦争の狂気というやつかな。戦争の中でしか見ることの出来ない夢と理想」
猫「にゃー」
ジブリール「例え権力やお金、出番、人気がなくても、こうやってねこたんと二人で仲良く散歩していればそれで充分幸せだ。
       私達は、なんて幸せな世界で生きているのだろう」
猫「にゃー」
ジブリール「平和だねぇ」
猫「にゃー」
ジブリール「本当にへいわ……」

シン「いやぁぁぁぁぁ――――――――――つ!!」
ルナマリア「逃げるなぁぁぁぁぁっシン!!」
マユ「お兄ちゃんっ、待ってぇぇぇぇぇ!」
ステラ「シィィィィィィィイィン!!」
シン「逃げるわぁぁぁぁっ!!そして、誰が待つかぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
   待ってほしけりゃ、その手に持ってる鞭と蝋燭と荒縄を、今すぐドブに捨てろぉぉぉぉぉぉおおおっ!!」
ルナマリア「ちょっと新しい世界を垣間見るだけよ!!」
シン「ずぇっっっったい、いぃぃぃぃぃやぁぁぁぁぁだぁぁぁぁぁぁっ!!」
128救われた未来・後日談D:2006/07/18(火) 22:52:17 ID:???
ジブリール「……」
猫「……」

アーサー「アビー先生、どうかボクと一夏のアバンチュールをっ!!」
デュランダル「タリアっ、君のためにデスティニ―プランを捧げよう!!!」
アビー「だぁぁぁぁぁぁっ、しつこい!!」
タリア「いい大人が、脳味噌溶かしてんじゃないわよ!!」
アビー「コンディションレッド発令!コンディションレッド発令!!迎撃用意!!」
デュランダル「え?ちょっ、その懐かしの100tハンマーは……、」
タリア「タンホイザ―起動!撃てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
デュラ・アー「うぎゃぁぁぁぁぁあああああああ!!!」

ジブリール「……」
猫「……」
ジブリール「平和だねぇ……ねこたん」
猫「にゃ――ぁ」

シン「俺の平和はどこだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁ!?」



END
129通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 22:56:21 ID:???
以上です。
では、逃走させていただきます!
130通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 23:25:36 ID:???
>>129
続きも乙
誰かが言ってたけどキャラの特徴よく掴んでるよ
忙しい日常とジブリとヌコの穏やかな日常のギャップに和んだ
131通常の名無しさんの3倍:2006/07/19(水) 01:35:24 ID:???
>>119
いやあ、滅茶苦茶面白いなw
萌えポイントとかの発想にワラタ
にしてもまあ、ホントに筋金入りのガノタだな、シンww
GJ!

>>128
会話が上手い、そしてここの学園スレ補正のかかったキャラも
よく掴んでおられる・。
できておる・・・喃! GJ!
132マユの憂鬱:2006/07/20(木) 01:43:23 ID:???
 そろそろ夏、プールとか海とかの季節で、肌の露出度の多い季節。
 一応気合入れて水着は選ぶけれども――正直、あの二人には敵う気がしない。
 いや、マジで、冗談抜きで。あの二人といえばわかるかもしれないけれど、アホ毛と雌犬だ。
 お兄ちゃんをめぐる私を入れて三人の中で、お尻はアホ毛が一番だし、胸は雌犬が一番だ。
 では、私は何?――そう、腰。しかし腰というのはキュッの部分であって、胸と尻の引き立て役だ。胸や尻がでかくて、
初めて重宝される。しかも私が腰が一番締まっているという理由は、ただ単に体が小さいからであって、そのままスタ
イルに直結しない。
 そもそも妹という時点で不利なのだ。恋愛対象から外れるし。
  ホント、私、どうすればいいんでしょうか。

――マユの日記より
 
133132:2006/07/20(木) 01:44:09 ID:???
何がしたかったのかわからなくなってしまいました。
ごめんなさい
134通常の名無しさんの3倍:2006/07/20(木) 01:52:59 ID:???
>>132
…マユ…ガンガレ!暑い夏はもうすぐそこだ!!
135思いつき小ネタ:2006/07/20(木) 22:43:02 ID:???
○月△日 日直 レイ・ザ・バレル(一年)

朝、グラディス先生に呼び出される。
何事かと思い迅速に職員室へ向かうと、
唐突に先生から「臨時風紀委員」と書いた腕章とバットを渡され、
「今日から貴方をプール期間中の臨時風紀委員に任命します」とか言われた。
なんでもこの期間、夏の陽気に誘われたかわいそうな人たちがプールサイドに
不純な動機でフラフラ近づくから、俺に授業のついでに監視をしろということらしい。
ちなみにこのバットはグラディス先生が現役の頃に使用していたものらしく、
よく見ると赤黒い染みがついている。苦労したんだな、先生。
しかし、俺の行動で授業中の風紀が守られるのであれば良いことだと思うが、
グラディス先生の依頼ということは、即ち敵に回さねばならない人物は…。

…胃が痛い。


○月△日 日直 ヨウラン・ケント(二年)

朝、理事長に呼び出される。
どうせくだらない用事だろうなあと思いニヤニヤしながら理事長室に向かうと、
唐突に理事長から変な形のバッジとカメラを渡され、
「今日から君をFAITHに任命する」とか言われた。
なんでもこの期間、プールサイドの監視が厳しくて、特S級要注意人物に指定されている理事長や
トライン先生は近寄れないから、俺に授業のついでに写真を撮って来いということらしい。
ちなみにこのカメラは理事長が現役の頃に使用していたものらしく、
よく見ると赤黒い染みがついている。体張りすぎだ、あんた。
しかし、俺の行動でスリーピンクの欲望が満たされるなら良いことだと思うが、
グラディス先生達も厳重な防御網を張っているだろう。あの人敵に回すと怖いからなあ…。

…まあ、やるしかない。


夏のザフト学園プールサイドで、二人の代行者達の戦いが始まる(かもしれない)。
136通常の名無しさんの3倍:2006/07/20(木) 22:59:40 ID:???
>>132

マユ、大丈夫!
肌の艶やかさは、君が一番さ★(変態発言)
137通常の名無しさんの3倍:2006/07/20(木) 23:04:37 ID:???
>>135

レイVSヨウラン?!
前代未聞の対決だ。

ちなみに、ルナマユステの女難軍団は参戦するのですか?
138通常の名無しさんの3倍:2006/07/20(木) 23:21:57 ID:jKGfkIVS
それなくしてこの学園スレは始まらんよ
139通常の名無しさんの3倍:2006/07/20(木) 23:29:51 ID:???
女難軍団が一番風紀を乱しそうな悪寒
140怪談:2006/07/21(金) 00:06:42 ID:???
>104-109続き
女王「では貴様の処刑を始める…」

女王の言葉とほぼ同時に

シン「おあああぁぁぁぁ!!」
女王「あはははははは!」

空間が一瞬歪む


シン「くっ…は…ぐぅ…」
シンが片膝をつく

女王「ニヤリ……!?」
勝ちを確信していた女王の顔に縦一文字の線が入っていく

女王「ばっ、バカな?
私がこんなガキにうわらばっ!!」
女王の頭は真っ二つになった

シン「勝った…勝った勝った勝」
ヨウ「シンっ!」
倒れ込むシンをヨウランが抱き止める

シン「みんなは?」
ヨウ「大丈夫だ、意識を取り戻したラウさんが治してくれた」
141通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 00:09:43 ID:???
ヨウ「レイにルナマリア、ステラちゃんも正気を取り戻したぜ
おまけに火を見て興奮してたニコル先輩まで元通りさ」
シン「そうか、良かった…」
ヨウ「おいおい、まだくたばるんじゃないぞ!
すぐラウさんのとこまで連れてってやるよ」
シン「わ、悪いな」
ヨウ「いいって事よ!」
ヨウランに肩を貸され理事長室へ向かうシン
そこへ回復したハイネとレイに肩を貸されたラウがやってきた

シンヨウ「ラウさん?」
レイ「ラウがシンの傷をすぐにでも看なければと言うのでな」
ラウ「ふふ…助けに来た私がこうして君に助けられてしまったんだ
せめてもの礼がしたくてね」
142通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 00:11:54 ID:???
シン「そんな!ラウさんが来てくれたから今俺たちはこうして無事なんですよ!」
ラウ「そう言ってもらえると気が楽になるよ
さ、傷を見せたまえ
すぐに直してあげよう」
シン「はい…」

ラウ「これは酷いな、内臓へのダメージが大きい
少々痛くするし時間もかかるが我慢してくれよ!
ハァッ!」

気合いと共にラウがシンの傷に手をかざした

シン「うぐぅっ!」

レイ「頑張れシン!」
ハイネ「あの化け物野郎酷いことしやがる」
ヨウ「でも治るみたいだし
皆生きててなによりだぜ」
ハイネ「ふ、お前の言うとおりだ」

?「残念、誰も生かして返しゃしねぇよ」
143通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 00:15:23 ID:???
ハイネ「!?」
ヨウ「ひっ!」
レイ「なっ?」
シン「うわ、もう勘弁…」

女王「ぐぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ!!
小僧おぉぉ!まだだぁぁ〜!」
ラウ「くぅ、奴め!まだ!」

女王はまだ死んでいなかった
真っ二つになった頭をぶらぶらさせながらゆっくり近づいてくる

女王「私をこの程度で倒したと思ったら大間違いだあぁぁ!
見ろ!」
ゴキゴキゴキ
ヨウ「ひ、ひいぃぃ!」

女王の真っ二つになった首の付け根から新たな首が生え、さらに切れていた部分もそれぞれに再生を始めた

女王「あはははは
ははははははは!」

首が三つになった
144続く:2006/07/21(金) 00:16:55 ID:???
ハイネ「く…首が三つに?」
シン「キングギドラだ…」
レイ「うわ〜んこわいよらう〜」
ラウ「こらっ!退行するなレイ!ドスッ(秘孔をついた)」
レイ「ふふふ、貴様など俺の前ではゴミクズ同然…」
ラウ(ん、間違えたかな?)

女王「皆殺しにして差し上げますわ(三つの声が変にハモる)」

シン(いや、あしゅら男爵だなこりゃ)

ハイネ「こりゃ背中を見せたら間違いなく殺られるな…どうする」
レイ「何故か自信が沸いてくる
今なら全員でかかればやれます!」
ラウ「レイ、シンはまだ治療中だ
治療をしている私も動けん、済まないが君達だけで奴を食い止めてくれないか」
145通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 11:35:06 ID:???
>>144

怖っ!!女王怖すぎっ!!

しかし、それより何気に怖いのは火を見て興奮するニコルか、人格交代するレイか…。
146通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 12:58:43 ID:???
>>140-144益々ホラー展開で続きが気になる!シン達頑張れGJ!

そして>>135一発ネタのつもりだったが、思いついたのでちょっぴり続きっぽいもの。


シン「よし、今日の授業も終わりだ帰ろうぜレイ!…にしても、そのバット一体何なんだ?」
レイ「…………(目を逸らす)」
ヨウラン「ん?よ、お前らも今帰り?」
シン「ヨウラン!…って、どうしたんだそのカメラ?」
ヨウラン「え?(少し考え)…ああ、実は理事長から直々にプール期間中の広報を任されててさ。
授業中の写真を撮るように言われてんだ。お前らも撮ってやるから覚悟しとけよ?(けらけら)」
シン「へー…」
レイ「(キュピーン!!)……!!?」
シン「どうしたレイ?」
レイ「いや…(今の…、いや違う、俺じゃない…、…まさかこのバットが…!?)」

レイ、ヨウランを見る。ヨウラン、レイと目があってにやりと笑う。

ヨウラン(…へえ、やっぱりそのバット、グラディス先生のか。このカメラと反応するなんて)
レイ(…どういうつもりだ、ヨウラン)
ヨウラン(さあな。にしてもこのカメラも随分念の篭ったものらしいな。…お前なら見覚えあるんじゃないか?)
レイ(やはり理事長の…!…ヨウラン、今ならまだ手荒な真似をせずに済む。大人しく投降しろ)
ヨウラン(投降?何言ってんだ、俺はスリーピンクの一員として役目を果たすまでだよ。…それにな、レイ。
お前は俺には勝てない)
レイ(なにっ…!!)
シン「…なあ、どうしたんだ二人とも?(←聞こえてない)」
ルナ「(ひょっこり)…ねえ、レイとヨウランどうしたの?」
シン「さあ、なんかすごい気迫だけは感じるんだけど…」
ヨウラン(わかるぜ?お前は敬愛するデュランダル理事長を敵に回すことをまだ迷っている)
レイ(!!)
ヨウラン(戦場では割り切らないと死ぬってハイネ先輩(←ステラのストーカー・日々之戦場)も言ってたよな?
だから裏番張ってるとはいえ、そんな状態のお前に負ける気はしない。そして俺にはそんな迷いはない。
桃色の崇高なるスリーピンクの欲望のためなら、俺はこの煩悩で全てを薙ぎ払う!)←半歩出る
レイ(…くっ…!)←半歩下がる
ヨウラン(まあ、ダチのお前と戦うのは気が引けなくもないが、これも所謂ディスティニーって奴か。
お互いプールの授業が楽しみだな、レイ)

ヨウラン、踵を返し、来たほうへと去っていく。

シン「…なんだったんだ一体…」
レイ「……!!(がくっと膝を突く)」
ルナ「レイ!?ど、どうしたの!!」
シン「た、大変だ!…先生!!グラディス先生ー!!」
ステラ「うえええええい!!かあさんまもるじゃなくてシン会いに来(ry」


この後どうなるかなんて全然考えてな(ry
147通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 15:03:10 ID:???
おぅ、しばらく見ていないうちにこんなにSSが!
皆様GJっす!

>>95-100さんの作品中に「ロボコン」って単語が出てきて
「ロボコン」好きの自分はちょ〜と楽しいっす。
148通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 22:47:41 ID:???
アミバネタ禿ワロタw
149萌えPU 萌・戦士1/9:2006/07/22(土) 07:25:27 ID:???
ザフト学園、この巨大な建築物は普段、学び舎として機能している……が、この日は(も)違った。
そう、ここは戦場だった!

ヨウラン「……いま、参加者が全員、校舎内に入った模様です。後の状況はグランド隅に設置されたここ
   開催本部から、モニターをとり実況させていただきます」

グランドの隅にテントを建てただけの開催本部は、大型のモニターがあり、画面の中では武装の点検を
する者、隠れる者、様々な行動を取る少女たちが映されていた。
彼女たちの目的は、試験対象であるシンに想いを寄せる者、優勝賞品の図書券3万円分を狙うもの、自
分こそが最高の萌えキャラと自負する者、その場のノリで参加した者……様々だった
そして、モニターの前には頭部に多数の電極コードを貼り付けたシンをはじめ、この戦いを見守ろうと
する。多くの人に溢れていた。
やがて、その中から今大会の主催者、ザフト学園理事長デュランダルが前に出てマイクを握り……
   
ギル「それでは…………戦 闘 開 始!!!」

戦いの始まりを告げた……

ヨウラン「さあ!今、理事長の合図の下に戦いの火蓋が切って落とされました!申し送れました実況は私
   ヨウラン・ケント!解説はレイ・ザ・バレルさんにお願いしております!レイさん今日はよろ
   しくお願いします」
レイ「よろしくお願いします」
ヨウラン「では、改めてルールの説明をさせてもらいます。大まかなルールはこの様になっています」

@ 武器はデスティニー・デパートのサバイバルゲームで使用したものを使用
A 戦闘中の行動や会話等は全てモニターによりシンに伝わり、シンが萌えただけ装置にプラスされる
B 逆に萌えと正反対の言動はマイナスされる
C 戦死した時点で脱落 その時点での得点で争う
D 時間は無制限、最後の1人になるまで戦う
E 最後の勝利者は5分間の自由時間がある
150萌えPU 萌・戦士2/9:2006/07/22(土) 07:30:37 ID:???
ヨウラン「以上のようになっていますが…レイさん、ポイントはどのあたりでしょう?」
レイ「ハイ、通常この様な戦いでは誰が一番強いかを争うことが多いのですが、今回の場合ですと戦闘
   が苦手な人でも上手く殺られることでポイントを稼げる点を注目して欲しいですね」
ヨウラン「具体的に言うと?」
レイ「つまり、今回はシンが萌えただけポイントが上がるということです。例えば倒れる瞬間、普通
   の男子なら『キャー』とか『イタ〜イ』と言った方が効果が有りますが、相手はシンですから、
   『あのツボは良い物だ――!!!』と叫んで倒れたほうが高ポイントが稼げます」
ヨウラン「なるほど!大変参考になります。では、『如何に勝つか』では無く『如何に負けるか』が大事
   だと言うことですね?」
レイ「いえ、それだけではありません。さっきは戦闘の苦手なものでも充分に勝機が有るという事を
   言っただけで、攻撃の方も重要です」
ヨウラン「と、良いますと?」
レイ「本来、戦闘では相手に気付かれない様、黙って攻撃するのが良いのですが、今回のルールですと
   むしろ『そこっ!』とか『落ちろ!』と叫びながら攻撃するのがお勧めです」

シン「レイ?……何か何時もと違わない?て言うか何でアイツが解説なんか引き受けたんだ?」
ヴィーノ「……さあ?(言えない、参加しようとしてたのをヨウランに『シンの事を一番知ってるのはお
    前だ』と言われて、すごく嬉しそうに引き受けたこと)……」

ヨウラン「お!既に校内では戦闘が始まっている模様です……ところでレイさん、ズバリ!優勝は誰と予想
   しますか?」
レイ「難しいですね……『最後まで残る』ということでしたら、戦闘力の高さでステラ・ルーシェと
   予想出来るんですが……」
ヨウラン「確かに彼女の強さは圧倒的ですからね……実際、参加者全員VSステラ・ルーシェでも良い勝負
   しそうですし……」
レイ「おそらく、ステラが勝つでしょう……」
ヨウラン「しかし、その圧倒的強さを持ってしても優勝は覚束ないのが今回のルール!」
レイ「その通りです…ただ、優勝候補なら幾人か言えます。」
ヨウラン「お!それは誰でしょう?」
レイ「1人目は、シンの妹であるマユ・アスカ」
151萌えPU 萌・戦士3/9:2006/07/22(土) 07:31:58 ID:???
マユは小さい体を生かし素早い動きで攻撃を避け、右手に持ったアサルトライフルで敵を一撃で落とし
ていた。また、避けれなかった分も左手に持った盾で防ぎノーダメージのまま……

マユ「そこっ!」
少女A「ジオン公国に栄光あれ――!!!」
少女B「勝ったのは貴様の実力で無い!そのMSの性能のおかげだと…」

次々と敵を落としていく、その姿はまさに流星であり……

マユ「やらせるか!」
少女C「私を踏み台にしたぁー!?」

悪魔だった。

ヨウラン「これは、凄まじい!右手にライフル左手に盾!そして背中に日本刀!まさにガンダム!!!」
レイ「普段、ルナにボコられてるイメージが有りますが、あれはマユの軽量ゆえの攻撃力の低さが原因
   です。今回のように銃器の使用が許可されていれば、そうそう殺られはしません」
ヨウラン「確かに、彼女がここまで強いとは……」
レイ「さらに今回のルールが彼女にとって有利なのが、その知識です」
ヨウラン「知識というとガンダムの?」
レイ「その通りです。シンは妹がレンタルビデオ屋で『トトロが見たい』と泣き叫んでもガンダムを借
   りる男ですから、一緒に住んでるマユは嫌でもガンダムの知識がインプットされています。最近
   でもゼータの映画を観るため付き合わされていますから……」 
ヨウラン(あ〜、そう言や俺、誘われたけど断ったんだ……)
レイ(気にするな、俺もだ……)

マユ「のこのこと、出てくるから!」
少女D「カミーユ!貴様は…おれべっ!」

ヨウラン「なるほど!確かにアムロだけでなくカミーユの台詞も使っております!」
レイ「はい、この戦闘力に加え、今大会トップの知識、優勝候補の筆頭と言えるでしょう」
シン「マユ!後ろだ!そう、良いぞ―!!!」
ギル「数値は?」
サラ「はい、現在786ポイントです」
152萌えPU 萌・戦士4/9:2006/07/22(土) 07:32:49 ID:???
レイ「次にルナマリア・ホーク」

ルナ「ふっ、そうそう当たるものではない」
少女E「に、逃げろっ!赤い彗星だ〜!!!」
ルナ「逃がしはせんよ!」
少女F「アッシマーが〜!」


ヨウラン「確かに、これも凄い!右手にマシンガン、左手に盾!腰には斧が見えるぞ!これはザク!」
レイ「そうです…」
シン「バカ!お前ら何、見てんだよ!ザクの盾は右肩に付けるモンだろ!」
レイ「………………………………………………………………」
シン「それに良く見ろ!盾の裏側にショットガンとサーベル付けてんだろ!アイツはザクとサザビー
   両方やる気なんだよ!分かれよ!そんくらい!!!」
レイ「…………………すまん」

ルナ「ここまでだなっ!」
少女G「かっ、母さん!」
少女H「謀ったなぁ〜!シャア!!!」

ヨウラン「え、えっと…す、凄い勢いで他の参加者を撃破しております!やはり強いですね」
レイ「は、はい!その通りです。戦闘力も素晴らしいですが彼女もまたシンの幼馴染の立場から高い
   ガンダムの知識を持っています。マユには幾らか劣るでしょうが、その分戦闘能力はこちらの
   方が上と見るべきでしょう」
シン「ルナ!後ろから!」

少女I「捕まえた!」
ルナ「こちらがな!」

シン「キタ――――!!!」
ギル「数値は?」
サラ「はい、現在714ポイントです」
153萌えPU 萌・戦士5/9:2006/07/22(土) 07:35:14 ID:???
レイ「3番目にミーア・キャンベル ザフト表番の実力者にしてアイドルの可愛らしさを持ってます」

ミーア「落ちろ、蚊トンボ!」(たゆん)
少女J「助けてくださいシャア少佐――!!!」
少女K「マシュマー様――!!!」

ヨウラン「これは右手にライフル、左手の剣!これは!?」
レイ「ジ・Oです!私の仕入れた情報によりますと、彼女はあまりガンダムに詳しくないため同じア
   パートの住人と一緒にΖガンダムを観て研究したようです」
ヨウラン「なるほど……しかし、それは付け焼刃のため前の2人に比べ不利のような……」
レイ「確かに不利は否めませんが、彼女の凄さは目の付け所です。あの作品を見て、あえてシロッコ
   のジ・Oを選んだ所でしょう」
ヨウラン「それは?」
レイ「カミーユとシャアは台詞が多いため避けるのも分かりますが、少ない台詞ならハマーンを選ぶ
   のが普通だと思いますが……いえ、これは後ほど説明しましょう。ただ圧倒的な存在感を持つ 
   ジ・Oは少ない台詞でもかなりのインパクトを残せます」

ミーア「ニュータイプの成り損ないが!」(たゆん)
少女L「やられた?癪だねぇ」
少女M「くっ、抜かった!」

レイ「それに彼女の最大の武器は……」
ヨウラン「武器は?」
レイ「………揺れてます///」
ヨウラン「……たゆんたゆんですな♪動くたびに上下左右♪」
レイ「まぁ、この大会はあくまでガンダムゴッコでなく萌えを競い合うものですから……」
ヨウラン「わかります!わかりますとも!!!普段は『俺、小振りな方が好み』とかぬかしてる奴でも、こ
   れを見れば、そうは言ってられません!絶対にあの豊かな双丘に視線は釘付けです!!!」
ヴィーノ「ヨウラン興奮しすぎ、それにしても…………やっぱり凄いね……」
シン「………………うん///」
ギル「数値は?」
サラ「はい、現在628ポイントです」
154萌えPU 萌・戦士6/9:2006/07/22(土) 07:36:07 ID:???
レイ「そして、フレイ・アルスター 連合の表番であり、女王の風格の持ち主」

フレイ「消えろ!」
少女N「アメリアァ―――!!!」
少女O「ゼクス王バンザーイ!!!」

ヨウラン「これは、2丁拳銃!腰にも2本のサーベルをさしてますが……この姿は?」
レイ「キュベレイです!あのMSはファンネルが有名ですがそれ以外の武器として手首に内臓された
   ビームカノン兼用のサーベルが武装です。生身で扱うため手首でなく腰にホルスターと鞘を付
   けているのでしょう」
ヨウラン「なるほど!それにしても素晴らしい戦いぶりだ!離れた敵には2丁拳銃を撃ち、接近されれば
   すかさずサーベルに持ち替え切り刻む!その流れるような動作は気高く美しい!まさに女王の
   異名を持つだけの事はあります!」
レイ「まったくです。サーベル兼用のブーメランを持ちながら、毎回2つ同時に投げつける何処かの
   バカに見せてやりたいですな」
シン「…………あ、あれは違うんだ…俺だって、あの手の武器なら右手でライフル左手にソード状で
   持っておいて遠近両方に対応できるように……そんで持ってライフルを避ける奴には正面から
   の攻撃になれさせて、いきなりブーメランを使った横から攻撃……そうさ、俺は悪くない……
   悪いのはバンクとバンクが増える原因を作った脚本……」
ヴィーノ「シン!戻って!ここは暖かくて優しい世界だ!!!」
シン「| ゚Д゚)Cミ はっ!!!……俺は一体?」

フレイ「俗物共め!」
少女P「ユニバース!!!」
少女Q「見よ!東方は赤く燃えている!!」

レイ「そして、先ほどミーアと一緒にΖガンダムを観て研究したというのが彼女なんです」
ヨウラン「すると?」
レイ「はい、先ほど後で説明すると申しましたが、ミーアがハマーンを選ばなかったのは、フレイが
   選ぶと予想したからでしょう。つまりミーアでさえ被ったら自分が不利と認めたという事です
   同時にそこでシロッコをチョイスするミーアもまた恐るべし……」
ヨウラン「なるほど!……それにしてもフレイ選手、鬼気迫る勢いと言いましょうか……こう、なんか…
   踏まれてみたいような……何か彼女を見ていると新たな自分を発見しそうで恐ろしいですね」
シン「ハマーン様………………………………」
ギル「数値は?」
サラ「はい、現在695ポイントです」
155萌えPU 萌・戦士7/9:2006/07/22(土) 07:36:53 ID:???
レイ「以上の4人で優勝が争われると思います」
ヨウラン「え?…あのレイさんはステラ・ルーシェ選手をお忘れでは?」
レイ「確かに先ほども行った通り、勝ち残るのはステラだと思います……しかし今回のルールでは彼女
   に優勝は無いでしょう……ご覧ください」

ステラ「………………………………………………………………」
バラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラ!!!
少女R「!!!!!!!!!!!」
少女S「!!!!!!!!!!!」
バラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラ!!!

左手に持ったガトリングガンで弾丸を雨の様に降らせる……しかも無言で巨大なガトリングガンを振る
う姿は無慈悲な死神を連想させ、対峙した相手はその凄まじさに恐怖で何も言えずに倒れていた。

カラカラカラカラカラカラカラカラカラカラカラカラ…………………………
ステラ「………………………………………………………………?」
少女T「……?………弾切れ?……ヒッ!」
ステラ「………………………………………」

ガトリングガンの弾が無くなった事に安心しかけた少女の前でステラはアーミーナイフを右手に持ち
ゆっくりと近づく……

少女T「ヒッ!…ヤッ…来ないで……」

ヨウラン「…………こ、怖え〜……確かに、これは萌えとは正反対のような……」
レイ「はい、彼女の姿はグフを象ってますから、ここで『怯えろ!竦め!!』と言えば……」
シン「……違う」
レイ「ん?」
ネオ「その通り!流石はステラの想い人、よく分かってるね〜」
レイ「貴様、何時の間に!?」
ネオ「そんな事より、勘違いしたままじゃ解説者として恥ずかしいと思うがね」
レイ「なんだと!」
シン「レイ、その人の言うとおりだ…あれはグフじゃない……あれは…」

ステラ「…戦闘記録001…記録者名…ステラ・ルーシェとでも名乗っておこう」
156萌えPU 萌・戦士8/9:2006/07/22(土) 07:37:42 ID:???
レイ「あれは!」
ネオ「その通り!」
レイ「たしか……ヘビーアームズ…そうか、あれならステラにも出来る…貴様の入れ知恵か?」
ネオ「結構苦労したぜ……で、どうする、解説者?」
レイ「っ!……失礼しました。先ほどの優勝候補にステラ・ルーシェも付け加えさせて下さい」
ヨウラン「え?それでも口数は少ないですが?」
レイ「ステラの強さはUCシリーズだと浮きますがWのMSなら違和感がありません。むしろはまり役
   と言えるでしょう。シンを見てください」
シン「………つえ〜〜〜……すげ〜〜……」
ギル「数値は?」
サラ「はい、現在538ポイントです」
レイ「低目ではありますが、途中で脱落の可能性がまず有り得ませんし、あの男のことです。勝ち抜き
   後のセリフも伝授してるでしょう」
ネオ「当然♪」
ヨウラン「なるほど!確かにこの5人で優勝が争われそうだぁ―――!!!」


メイリン「好き勝手なこと言ってくれちゃって………でも確かに無難な予想だよね」

メイリンは戦いには参加せず開催本部の声が聞こえる場所で、その身を隠していた。
直接戦えば、あの5人に勝てる一般人はいない。その点でレイの予想には同感だった。だからこそ彼女
は、ここで身を隠しているのだ。
しかし、彼女の強さは自分の能力を客観的に見つめる冷静さと何より情報の大切さを良く知ってる事。
そんな彼女が機会をうかがって耳を澄ませてる最中にスピーカーから声が鳴りだした。

メイリン「っ!途中経過?もう1時間も経ったの?」

ジッと耳を澄ませていたメイリンは突然のスピーカーの大音響に眉をしかめた。



ヨウラン『今、戦闘開始から1時間が経過しました。ここで、現在の上位十名を発表します』
157萌えPU 萌・戦士9/9:2006/07/22(土) 07:38:57 ID:???
 1位、生徒C 1274ポイント(戦死)
 2位、生徒Q 1203ポイント(戦死)
 3位、マユ  1185ポイント
 4位、生徒J 1142ポイント(戦死)
 5位、ルナ  1095ポイント
 6位、フレイ  984ポイント
 7位、生徒L  927ポイント(戦死)
 8位、ミーア  895ポイント
 9位、ステラ  784ポイント
10位、生徒D  726ポイント(戦死)
 
ヨウラン『……以上です。引き続き参加者の皆様の健闘を祈ってます』

ヨウラン「……この様な結果になっていますが、レイさん?」
レイ「『私を踏み台にしたぁ―』はシン的にかなりのツボだったようですね」
ヨウラン「それにしても優勝候補5人以外は、全員戦死となっていますが?」
レイ「これは当然でしょう。皆、最後のセリフでポイントを稼いでますから優勝候補5人が攻撃のセリ
   フだけで、ここまで上位にいる事の方が脅威です」
ヨウラン「なるほ…お〜〜っと! これは2年教室前の廊下にルナマリア選手とマユ選手がいる――!!!
   このままでは早くも両雄激突となりますが…あ〜〜っと気付いた!互いに気付いてしまった!
   戦闘開始だ――――!!!!!

マユ「あれは?……!」
ルナ「まさか……っ!こうも早く遭遇するとは!」
ルナの姿を見たマユはすかさずライフルを連射させ撃墜を試みるが、ルナは素早く避けマシンガンを放
った。
マユ「ちぃっっ!」
シールドで辛くも防御し、ライフルを構えたところ目の前には斧を振りかざしたルナの姿があった。
ルナ「もらったな!」
マユ「させるか―――!」
素早くライフルを捨て、日本刀に持ち替えると、刀で斧をいなしながらすれ違った。
マユ「この動き……間違いない奴だ…ルナマリアだ」
ルナ「(見れば分かるでしょ!)マユか…さらに出来るようになった!」

シン「ジャブロ――――♪!!!」
158通常の名無しさんの3倍:2006/07/22(土) 07:42:17 ID:???
萌えPU 萌・戦士 投下終了です
頭で思ってたより長くなりました……上手くまとまらない
それにしても調教スレとか開くだけでネットの接続が切れるのは何故?
トップにいたから書き込むたびにおかしくなる……

次回はルナVSマユの激闘
萌えPV めぐりあい萌え
159通常の名無しさんの3倍:2006/07/22(土) 09:05:07 ID:???
GJ!
160通常の名無しさんの3倍:2006/07/22(土) 11:52:05 ID:???
戦死の少女たちの台詞がどのガンダムのものか、考えちゃったよ
161通常の名無しさんの3倍:2006/07/22(土) 11:55:02 ID:vQ9A8FTd
おもしれー!GJ!!
162通常の名無しさんの3倍:2006/07/22(土) 12:12:42 ID:???
>新キャラメインでDESTINY学園開校8
このスレの意義↑は・・・もう無いの?


コメディー乙。
163通常の名無しさんの3倍:2006/07/22(土) 12:29:22 ID:???
>>162
164通常の名無しさんの3倍:2006/07/22(土) 12:30:38 ID:???
自分もネットの接続状況わりぃー

なにはともあれGJ!とレスできそうでよかった、ほんと接続悪い…
165通常の名無しさんの3倍:2006/07/22(土) 15:22:52 ID:???
>>163
多分、>>162は「学園」ってとこに引っかかってるんだと思う。
166通常の名無しさんの3倍:2006/07/23(日) 02:03:22 ID:???
>>162
種死キャラで学園コメディ
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1138380331/
167通常の名無しさんの3倍:2006/07/23(日) 03:52:35 ID:???
シンがシャアファンならルナマリアの勝ちだなww
シャアザクとサザビー両方やる奴に勝てる奴なんていないww
168通常の名無しさんの3倍:2006/07/23(日) 10:10:39 ID:???
>>158
面白すぎだろww
台詞の組み込み方が絶妙
GJ!
169通常の名無しさんの3倍:2006/07/23(日) 10:36:26 ID:???
>>158

ハマーン様なフレイ様……イイ!!
(想像したらツボに嵌まった。)
ぜ、是非来年春公開延期予定の劇場版、ガンダムSEEDMemoryにご出演を!!
170通常の名無しさんの3倍:2006/07/23(日) 16:40:44 ID:???
>>153
ミーアの胸に反応するシンとヴィーノがなんかかわいいw
171萌えPV めぐりあい萌え1/6:2006/07/23(日) 18:52:31 ID:???
ヨウラン「なるほ…お〜〜っと! これは2年教室前の廊下にルナマリア選手とマユ選手がいる――!!!
   このままでは早くも両雄激突となりますが…あ〜〜っと気付いた!互いに気付いてしまった!
   戦闘開始だ――――!!!!!」

メイリン「お姉ちゃん!相手はマユって……2年教室まで、ここから走れば……間に合うか?」
メイリンは今ようやく待ち望んだ情報を手に入れた。そして、急いで姉の下へ向かうため、全力で走り
出した。
メイリン(お姉ちゃん……私の戦い方を教えてあげる……)


マユ「そこっ!」
ルナ「えぇい!」
ルナは自分の迂闊さに歯噛みしていた。完全にマユの能力を侮っていたのである。
ルナ(蛙の子は……いや、この場合だと蛙の妹は蛙ってことか)
マユは普段兄のガノタっぷりを嘆いていたが、ルナの見たところガンダムのセリフを言いながら戦うマ
ユは普段より強く感じた。このゲームでは声を出しながら戦うほうがポイントが高いため、普通の人は
意識して声を出そうとし、動作が遅れてしまう。その遅れは人によって違いがあり、ルナは殆ど無いと
自負していた。だがマユの場合…
マユ(調子が良い!…何時もより楽に動ける!)
ルナ(明らかに何時もより速い!……コイツ、絶対にガノタだ!)
マシンガンを放ち、距離を取ろうとしても…
マユ「遅い!」
ルナ「…っ!」
マユは回避しながらライフルを撃つのに対し、ルナは盾で防御するのが精一杯だった。
マユ「それなら!」
マユがライフルを捨て、刀を持って突進してくる…
ルナ「舐めるな!」
接近戦なら分があると踏んだルナは斧を振るったが、刀で逸らされるだけでなく、マユはその勢いを利
用して、斧を払い飛ばしてしまった。
ルナ「え?」
マユ「迂闊な奴!」
斧を払い飛ばした際、大きく振りかぶる形になっていた刀で思いっ切り横なぎにした。足から腰、体を
思いっきり捻って生み出した斬撃は、盾で防御したルナを吹き飛ばすのに充分な威力を持っていた。
ルナ「っぅ!!!」
衝撃で盾を手放し、体勢も崩したルナに必殺の一撃を繰り出そうとマユが吼えた。
マユ「ルナマリア、覚悟!」
172萌えPV めぐりあい萌え2/6:2006/07/23(日) 18:54:11 ID:???
ルナ(こんなところで……でも!)
回避不能と悟り、出来るだけポイントの高くなる最後の言葉を検索しだしたその時、何かに突き飛ばさ
れ…

???「お 姉 ち ゃ ん !!!!!」

ルナ「え?」
メイリン「キャ―――!!!」
突き飛ばされたルナが、先ほどまで自分がいた場所を振り返ると、刀を振り切り呆然としてるマユと
悲鳴を上げ、ゆっくり倒れようとしてるメイリンの姿があった。


ヨウラン「これはぁ―――!!!ルナマリア絶体絶命のピンチをメイリンが庇ったぁ――!!!」
レイ「まさか!このシーンは!?」
シン「ララァ―――!!!」


ルナ「メイリン!」
マユ「メイ…リ…ン?」
倒れるメイリンを呆然と見つめると倒れる途中のメイリンと目が合った。メイリンはルナに向かって、
微笑を浮かべていた…………そう、ニヤリと
ルナ(このアマ!Σ(゚Д゚;) 狙ってやがった!!!)


ギル「数値は!?」
サラ「はい…す、凄いです!0ポイントだったのが今のシーンだけで4873ポイントに!」
ヨウラン「すごい!メイリン・ホーク!一気にダントツのトップに躍り出たぁ―――!!!」
レイ「これがあるから、今回のルールは怖いんですよ」
シン「ララァ…なんで…・゚・(´Д⊂ヽ・゚・」


マユ「マユは…取り返しのつかないことをしてしまった……メイリンを…゚・(ノД`)・゚・。」
ルナ(うわ〜、コイツもノリノリだな〜〜)


ミーア「下が騒がしい?誰か戦っているの?」
ミーアはちょうどルナとマユが戦ってる場所の真上の階にいた。下で行われている戦闘の気配は彼女の
闘争本能を刺激するのに充分な濃度を回りに撒き散らせていた。
ミーア「……潰すか?……って、何言ってんだか♪」
慌てて自制すると、ゆっくり呼吸して気を静めた。今回の戦いはあくまでゲームなのだ。銃も剣も良く
出来ているとは言えオモチャにすぎない。危うく外に出ようとしたザフト表番としての自分を静めると
彼女は『ゲーム』を続けるため階段を上に向かって歩き出した。
173萌えPV めぐりあい萌え3/6:2006/07/23(日) 18:55:35 ID:???
メイリンの行動で生き延びたルナだったが、先ほどから押されっぱなしだった。いや、さらに分が悪く
なっている。マユの攻撃に押され教室に入り込んだため、机と椅子が邪魔で自由に動けないルナに対し
マユは小回りを聞かせ自在に動き回っていた。
マユ「ここなら何時もの動きは出来まい」
ルナ「なっ!」
マユ「なぜメイリンを戦いに巻き込んだんだ?メイリンは戦いをする人ではなかった」
ルナ「っ!」
マユ「ルナァ―!」


フレイ「……ミーア?」
フレイは階段を下りると向かい側の棟にちょうど階段を登ったところのミーアを見つけた。
フレイ「向うも気付いたみたいね……って?」
向かいの棟とは直線距離で10m足らず、渡り廊下で行く事を考えても、それほど遠い距離でな無いが
フレイ「何、手を振ってんのよ……」
満面の笑みで手を振る親友の姿に毒気を抜かれた。そして気付く、自分が戦いを楽しんでいる事に、先
程もミーアを見つけて『親友』でなく『強敵』との認識の方が強く働いていた。かつて、連合とザフト
かの表番として戦った記憶が思い出される……
フレイ(……ストレスが溜まってんのかしら?だったら、いっそ久々に本気でミーアと……ん?)
ミーアを追い戦うか見送るか悩んでいると、ミーアが下を指差し、続いて肩を抱きしめ怯えるそぶりを
みせた。
フレイ(は?何してんのアノ子は……下に何かいる?……まさかステラ?)
一瞬、最強の敵の存在に身を竦ませたが、ミーアの態度に違和感を感じた。
フレイ(ステラが私の下にいるのなら、ミーアが放っておくはずが無いか……)
フレイの知るミーアは変態だった。つまりレズである。そんな人物を親友にしてる自分に疑問を感じな
いではないが、ミーアの愛情の対象はステラ一筋なので、自分に害はない。
そして、今の状況でミーアがステラを発見した時には、殺られるのを覚悟で戦いを挑み、そのドサクサ
に紛れて、ステラの胸を揉みしだくくらいは平気でやる。
フレイ(やっぱりミーアってアレよね……それにしても、いったい何が……って、悩んでても無駄ね)
フレイは呟くと階段を下に下りだした。そして2階に到着すると向かいの棟、ミーアの真下で戦って
いる2人を見つけた。
フレイ(これのこと!?)
174萌えPV めぐりあい萌え4/6:2006/07/23(日) 18:57:21 ID:???
フレイ(あれはルナマリア?……ミーアに聞いてはいたけど……)
フレイはシンを取り合っている3人組の話はよく聞くが、親しいのは同じアパートに住むステラだけで
残りの二人は顔見知りという程度でしかない。彼女等の情報はミーアから聞く程度の情報しか知らなか
った。だが、その情報の中にルナマリアはミーアに匹敵する強さを持っているというものがあった。
フレイは表番の立場に興味が無いミーアが、彼女に代わってほしい為に大げさに話していると思ってい
たのだが……
フレイ(確かに強い!……でも、それより……あの子、シンの妹……マユちゃんだっけ……)
少女U「もらっ…」
フレイ「みくびっては困る!」
振り向きもせずに拳銃を放ち敵を倒すと、ルナとマユの戦いの観察を続けた。


ルナは戦いの途中で、マシンガンをマユに投げつけると全力で逃げ出した。足の速さは自分の方に分が
あると踏んでの事だが……
ルナ(なんて…惨めな……)
思わず本気で泣きそうになる。負けるわけにはいかないと、半ば無理矢理に参加させたメイリンにオイ
シイところを持っていかれ、普段は自分より弱いマユには、圧倒された上にメイリンを巻き込んだこと
を罵倒され悪役あつかい……
ルナ(マジで凹む……でも、この境遇に憶えが……あっ!)
思い出されるのはシンの家のリビング……シンが聖典と言ってのける一本のビデオを皆で観ている光景
シンは途中から泣き出し、マユも涙ぐんでる……確かにルナも初めて観たときは衝撃を受けたし、繰り
返しみても感動した。しかし、流石に何度も見せられると飽きが来て、途中で席を立ったりするように
なっていた。そのため細部を忘れていたが……
今のシーンはあのビデオの内容と同じだ。マユはアムロになりきることで自分をシャアに見立てて圧倒
している。
ルナ(……忘れていたな…ガンダムのビデオ………そういうことか!)
つまり、表面の知識だけで、いまいちノリきれていない自分では勝てるはずがない……
ルナ(……確か、この後……まだだ、まだいける!)
そう、シャアは決して勝てなかったが負けてもいない……内容は散々だが……
ルナ「メイリン……私を導いてくれ」
ルナの中で活力が戻ってきた。そして、シャアになりきった上で誓う。
ルナ(シャアがアムロに勝ってもかまわんだろ)
175萌えPV めぐりあい萌え5/6:2006/07/23(日) 18:58:43 ID:???
ルナを追いかけるマユは、途中でドアの開いている部屋を見つけた。
マユ「……資料室?……ルナはこの中か?」
ルナ「その力、メイリンが与えてくれたものかもしれんのだ。ありがたく思うのだな」
マユ「貴様が、メイリンを戦いに引き込んだ!」
ルナ「それが許せんというのなら、間違いだな。マユ」
マユ「なにぃ?」
ルナ「戦いがなければ、メイリンの萌えキャラへの目覚めはなかった」
マユ「それは理屈だ!」
ルナ「しかし、正しいものの見方だ!」
マユ「っ!」
鋭いサーベルの斬撃にマユが驚く、ルナは明らかに先程までとは違っていた。
ルナ「わかるか。ここに誘い込んだわけを?」
マユ「自由に動き回れない狭い場所では、普通の子供と同じだと思ったからだ」
ルナ「そう、狭い場所で戦えば、いかに貴様とて力負けしてしまう」
ルナの言うとおり、資料を収められた本棚の間は狭く、さらにダンボール箱が無造作に置かれている場
所があり、運動性を完全に封じられていた。
マユが気付いたときにはドアとは反対側の壁際に追い込まれていた。
マユ「そんな、理屈でぇ!」
ルナ「正しい戦術と言ってもらおう!」


ヨウラン「凄い戦いですが……これ萌えます?」
レイ「大丈夫です。シンですから」
ギル「……す、数値は?」
サラ「……両者とも凄い勢いでポイントを貯めています」
シン「……す、素晴らしいハァハァ……」



フレイ「ルナが息を吹き返した?……いい戦いをする」
先程まで圧倒されていたルナが突然、動きに切れを取り戻した。その動きはフレイを感心させる程で
あった。
フレイ(面倒ね……二人が集中している内に横から……)
1対1で戦っても負けるとは思わないが、簡単に勝てるとも思わなかった。面倒になる前に片付けよう
かと思ったその時……
フレイ「あれは!…………どちらへ向かう?」
フレイが、そう呟いたときスピーカーから声が響いた

ヨウラン『今、戦闘開始から2時間が経過しました。ここで、現在の上位十名を発表します』
176萌えPV めぐりあい萌え6/6:2006/07/23(日) 19:00:14 ID:???
 1位 メイリン 4873ポイント(戦死)
 2位  マユ  2938ポイント
 3位  ルナ  2548ポイント
 4位、ミーア  1976ポイント
 5位、フレイ  1725ポイント
 6位、ステラ  1548ポイント
 7位、生徒C  1274ポイント(戦死)
 8位、生徒Q  1203ポイント(戦死)
 9位、生徒J  1142ポイント(戦死)
10位、生徒L   927ポイント(戦死)

ヨウラン『……以上です。引き続き参加者の皆様の健闘を祈ってます』


フレイ「ミーアに抜かれた……まあ私はずっとここで見物してるんだから無理もないか…そんなこと
    より……あの二人の方へ向かってる?……戦いの気配を感じたか……」
   

体勢を崩したマユにルナが必殺の突きを打ち込む
ルナ「終わりだな!」
マユ「させるか――!!!」
回避できないと判断したマユは無理矢理サーベルを払いながら突くことを選んだ。マユの刀はルナのサ
ベルの軌道をずらす事が出来たがマユの刀もルナを貫くことは叶わなかった……その結果
ルナ・マユ(あ、あぶな〜〜〜(゚Д゚;)!)
お互いの顔の脇を剣が通り抜けるという心臓に悪い結果に終わった。
そして、お互いの顔が目の前にあることに気付いた。
マユ(……なんか、こうして見ると、まつげ長くてやっぱり綺麗だよな〜)
ルナ(……うわ〜!肌きれ〜!すごく白いし、これ若さだけじゃ無いよね…)
ルナ・マユ(……………………………………………………………………はっΣ(゚Д゚;)!)
マユ「い、今、メイリンが言った。萌えキャラは殺しあう道具ではないって」
ルナ「だが、戦争アニメでは強力な武器になる。やむを得んことだ」
マユ「貴様だって、萌えキャラだろうに!」


ヨウラン「会話が噛み合っていな〜〜〜〜い!!!……と、あれは!?」


フレイ「お二人さん良く頑張ったけど……運が無かったね」


ステラ「ターゲット確認……これより目標を……殲滅する」
マユ(え?……確かにこのタイミングで来るのは……金髪さんだけど……)
ルナ(セイラさんのセリフと違いすぎる気が?)
資料室の入り口のドアに仁王立ちする少女から死の弾丸が打ち込まれた
ステラ「………………………………………………………………」
バラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラ!!!
177通常の名無しさんの3倍:2006/07/23(日) 19:01:13 ID:???
萌えティニー・プラン  めぐりあい萌え の投下終了です

次回は女難3人組が激突!圧倒的な力を持つステラに対し… 
タイトルは『エンドレス・萌える』
178通常の名無しさんの3倍:2006/07/23(日) 20:10:27 ID:???
メイリンWWWWW
179通常の名無しさんの3倍:2006/07/23(日) 21:20:37 ID:???
続きもワロタwGJ!
180通常の名無しさんの3倍:2006/07/23(日) 21:26:35 ID:???
微妙にズレた緊迫感が最高!!
181通常の名無しさんの3倍:2006/07/23(日) 23:49:20 ID:???
いやあ、メイリンぶっちぎりだwww
それにしても、懐かしくなってきてレンタルビデオ屋に
走ってしまったよ。GJ!!

続きも期待してるぜ
182通常の名無しさんの3倍:2006/07/24(月) 00:00:21 ID:???
ヘビーアームズだと、ステラのおっぱいからガトリングが発射される
183オクレ兄さんが「兄さん」である理由:2006/07/24(月) 01:39:53 ID:???
それは、ある夏の日のこと。シンはルナ、マユ、ステラの争いに巻き込まれるのを恐れてオクレ家に避難していた。

オクレ「お前も毎日毎日大変だな、シン。麦茶飲むか?」
シン「いただきます。…そういえばオクレ兄さん、前から聞きたいことがあったんですが…」
オクレ「オクレ言うな。…で、なんだ?」
シン「兄さんって、昔からその…達観してたっていうか、お兄さん的キャラだったんですか?」
オクレ「はぁ?お前もどうでもいいこと気にする奴だな…」
そこに、アウルが口を挟む。
アウル「全ッ然!僕らが小さかった頃のスティングなんて、イジメっ子そのものだったんだぜ?」
オクレ「アウル、てめぇ!」
シン「それ、ホントなんですか?」
オクレ「ん?あ、あぁ…まあ、な」
アウル「でさ、スティングが今みたいに丸くなったのって、意外な人の影響があってさぁ…」
シン「意外な人?」
アウル「そうそう、あの…」
オクレ「喋りすぎだ!休みだからってゴロゴロしてないで、暇ならどこか行ってこい!」
アウル「はいはい、厄介払いってワケね…」
オクレ「アウル!!」

だが、アウルは既に家から逃げ出していた。

シン「へぇ〜、兄さんを変えた意外な人って、誰なんですか?」
オクレ「別に。お前も知ってる人。それだけ」
シン「それだけって…」
オクレ「聞いたって仕方ねぇだろ?」
シン「そんな、そこまで聞いたら知りたいですよ!」
オクレ「…んじゃ話すけど、聞いた後で文句言うなよ?」
シン「はい!」

それは約15年前、ロドニアの孤児院でのことだった…。
184通常の名無しさんの3倍:2006/07/24(月) 11:25:27 ID:???
あの人とは一体……
うわ、続きが気になる
185出来心です:2006/07/24(月) 11:35:49 ID:???
ルナ「シン、ずっとあなたが好きだった。もう幼馴染の立場じゃ満足できないの」
シン「ルナ……」
ルナ「お願い、私と恋人として付き合ってください」
シン「…………ごめん、ルナマリア。気持ちは嬉しいんだけど、俺……」
ルナ「やっぱり私じゃ駄目なの?」
シン「本当にごめん……俺にはもう心に決めた人がいるから」
ルナ「!だっ、誰?!やっぱりステラなの?!」
シン「いや、違うんだ」
ルナ「まさか……マユ?血が繋がらない兄妹設定が実現しちゃったの?」
シン「違うよ……遺伝子レベルで99%血の繋がった兄妹」
ルナ「え?じゃ、じゃあ、一体誰なの?あ、もしかしてミーア?それとも最近親しいフレイさん?」
シンは黙って首を横に振った。
ルナ「……考えたくないけど、メイリンなの?それとも、アビー先生と教師と生徒の禁断の恋?
いいえ……ひょっとして、噂通り、レイなの?ヨウラン?ヴィーノ?ハイネ先輩?スティングにアウル?
あ、デュランダル理事長とか……大穴でラウさん?」
シン「ルナ……ちょっと最近読んだ本教えろ……」
ルナ「もう、一体誰なのよ?!」
シン「一目惚れだったんだ……、俺は俺の人生の全てを彼女に捧げようって……そう決めた」
ふわり、微笑んだ幸せそうなシンの顔。
ルナマリアは悟らずにはいられなかった。
もう自分に入り込む隙間は無いのだと。
ルナ「シン……」
シン「紹介するよ。ZGMF−X42Sデスティニーさん」
デスティニー「ヨロシクデス」

ルナ「なにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!???」
186出来心です:2006/07/24(月) 11:39:38 ID:???
ルナ「ていう夢を見たんだけど……
何故かしらね、ステラやマユって言われるより、よっぽどリアルな危機感を覚えるのわ……」
メイリン「疲れてるんだよ、お姉ちゃん……」






以上です。
昔懐かし夢オチネタ……。
ちなみに、シンには昔違う彼女がいてZGMF−X56Sインパルスさん。
一年ほど付き合い、擦れ違いの末別れました。
187通常の名無しさんの3倍:2006/07/24(月) 12:17:42 ID:???
>>186
それシンのバイクじゃね?>インパルス
188出来心です:2006/07/24(月) 12:57:32 ID:???
あ・・・・・・・・・・・・・・・・・

























そういやあったね
わ、忘れてた・・・・・・・うわ、どうしよ、穴があったら入りたい〜〜〜〜〜〜〜!!
189通常の名無しさんの3倍:2006/07/24(月) 13:17:46 ID:???
いいんじゃないか?
夢のネタなんだから
シンのバイクが彼女でしたっていう夢さ
190通常の名無しさんの3倍:2006/07/24(月) 23:59:56 ID:???
無機物に萌えるのはシンの特有スキルだしな。
191オクレ兄さんが「兄さん」である理由2:2006/07/25(火) 00:27:17 ID:???
>>183続き

約15年前、ロドニアの孤児院…。

アウル「かあさ〜ん!スティングが、スティングがぁ〜(泣)」
母さん「またなの!?ちょっとスティング、いい加減にしなさい!どうしてみんなと仲良くできないの!」
オクレ「俺はこいつらと仲良くする気なんかない!わかったらあっち行けよ!」
母さん「ダメよ!あなたが仲良くしないのは勝手でも、まずはアウルに謝りなさい!」
オクレ「イ・ヤ・だ・ね!絶対謝ったりするもんか!」

(現在)オクレ「…で、母さんに体当たりして院内を逃げ回ってたなぁ…あ、途中で会う奴を片っ端から殴ったりもしてたか」
シン「そ、相当悪ガキだったんですね〜…」オクレ「我ながらなんて奴だと思うぜ。ところが、だ。ある日俺はいつものようにみんなをいじめながら逃げ回ってたら川に落ちちまってな。今までの行動が行動だから誰も助けてくれないわけだ」
シン「ど、どうなったんですか?」
オクレ「そりゃまあ結果としちゃ助かったわけだが…」

(昔)オクレ「クソッ!誰か!誰か助けてくれよ!」
アウル「僕らは知らないね!あれだけいじめられて助けるわけないだろ!そのまま沈んじゃえよ!」

誰もいなくなった。近くにあった岩に捕まって流されるのは防いだが、腕の力がもう限界にきた。日が暮れる。誰も探しに来ないんだろうなと思ったその時、誰かがロープをこっちに投げたんだ。

??「おい、スティング!それに捕まってこっちに来い!できるか?」

俺は答えるかわりにそのロープを強く握った。

??「よし、引くぞ!」

俺の体が宙に浮いたと思ったら、もう岸についていた。そしてその人は俺に尋ねた。

??「なぁ、お前さぁ。なんで他の奴と一緒にいないんだ?」
オクレ「他の奴は面白くない。すぐ泣くし、騒ぐし、イライラする」
??「そりゃそうだよな。…お前、友達がほしかったんじゃないのか?」
オクレ「うるさいな!そんなのいるかよ!」

…でも、実際俺は友達がほしかったんだよな。みんな年下だし。
192通常の名無しさんの3倍:2006/07/25(火) 12:44:43 ID:???
15年前か・・・15年・・・?
兄 さ ん い く つ だ ?

過去話っていえばアウクリやステバレは何年前だったっけ・・・
193通常の名無しさんの3倍:2006/07/25(火) 18:03:11 ID:???
パラレルと解釈すれば問題ない
しかしあれかな、新参の人が増えてくれたってことかな
194通常の名無しさんの3倍:2006/07/25(火) 19:07:43 ID:???
約がついてるから……なんとか13年前ならOKとして、
兄さん4〜5歳
ニダ3〜4歳
ステラ2〜3歳
……大丈夫!
195萌えPW エンドレス萌える1/6:2006/07/25(火) 21:08:05 ID:???
戦死して離脱したメイリンが開催本部のテント前に辿り着いたのを最初に見つけたのは、やはりという
かヴィーノだった。
ヴィーノ「メイリン、お疲れ様 すごいよ今ダントツのトップだよ!」
メイリン「うん、ありがと♪ ふ〜、疲れた〜…お姉ちゃんは?」
ヴィーノが黙って指差す方を見ると…
メイリン「……なに…やってんの?」
画面の中で、キスしそうなほど顔を近づけたルナとマユが顔を真っ赤にして見詰め合っていた。


ルナ・マユ(……………………………………………………………………はっΣ(゚Д゚;)!)
マユ「い、今、メイリンが言った。萌えキャラは殺しあう道具ではないって」


メイリン「何それ? 言ってない!言ってないから!!!……って、ステラ!?」


ルナ「だが、戦争アニメでは強力な武器になる。やむを得んことだ」
マユ「貴様だって、萌えキャラだろうに!」


ヨウラン「会話が噛み合っていな〜〜〜〜い!!!……と、あれは!?」


ステラ「ターゲット確認……これより目標を……殲滅する」
マユ(え?……確かにこのタイミングで来るのは……金髪さんだけど……)
ルナ(セイラさんのセリフと違いすぎる気が?)
資料室の入り口のドアに仁王立ちする少女から死の弾丸が打ち込まれた
ステラ「………………………………………………………………」
バラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラ!!!
左手に持ったガトリングガンを撃ちまくり、資料室の道具が砕け破れた書類が舞い散った。
バラバラバラバラバラ!カチッ!カラカラカラカラカラカラカラ…………………………
弾が切れたことを確認すると、ガトリングガンを捨てアーミーナイフを片手にゆっくりと資料室に足を
踏み入れた。
196萌えPW エンドレス萌える2/6:2006/07/25(火) 21:09:53 ID:???
資料室の中は本棚は倒れ、紙が雪のように舞っていた……
ヨウラン「こ、これは……さすがに中にいた2人は…」
レイ「いえ、まだです!」


マユ「落ちろ!」
ルナ「もらった!」
倒れた本棚の後ろに隠れていたルナとマユが、それぞれショットガンとアサルトライフルをステラに向
け連射した……が
ステラ「…………………………………………おしまいか?」
マユ「うそ……飛んでくる弾を……」
ルナ「…ナイフで弾いた?」


ヨウラン「…………人間?」
レイ「連合の裏番、伊達ではありません」


マユ「そ、そうだ!メイド!ご主人様に歯向かうつもり!?」
ステラ「……お前を殺す」
ルナ「なんか…何時もと違う…」


ヨウラン「それにしてもルナマリア選手とマユ選手強敵を前に手を結んだようですね」
レイ「賢明です……今の彼女は噂で聞く『morisitaモード』という奴ですから」
ヨウラン「それは!?」
レイ「……男前です」
ヨウラン「…………は?(´・ω・)」


マユ「…………こうなったら…ルナ」
ルナ「何か良い手がある?」
マユ「上手くいくかどうか分からないけど……少しの間、1人でステラを引き付けてくれる?」
ルナ「……難しいけど…………やってみるさ!」
197萌えPW エンドレス萌える3/6:2006/07/25(火) 21:11:26 ID:???
ルナは斧と盾を構え前に一歩踏み出した。
ルナ「……見せてもらおうか、連合の裏番の実力とやらを」
出入り口を背にするステラは、ルナに視線を送ると……
ステラ「うえぇ〜〜〜い!!!」
雄叫びをあげ一気に間合いを詰めた。
ルナ「ぬおっ!」
ルナは何とかアーミーナイフの一撃を盾で受け止めるが、反撃する暇も無く防戦一方になる。
ルナ(マユは?)
マユはこの時ステラの後方、ルナと二人でステラを挟む位置にいた。
ルナ(どうする?……って、まさか!)
ルナは嫌な予感がした。今マユがいる場所ステラの後方は………先程までステラがいた場所………
つまり……出入り口前…
マユ「ごめんよルナ♪今マユは逃げれる所にいるんだ。こんなうれしいことはない。わかってくれる
   よね?ルナにはいつでも会いにいけるから」
ルナ「ちょっ!おま〜〜〜〜〜〜!!!Σ(゚Д゚;)」
マユ「いえすまいすい〜〜いえすまいすい〜て〜す♪あいわなげっばっくふぇんゆぅわぁ〜♪いとしぃ
   ひとよ〜〜もぉいちど〜〜♪」
少女は逃げた……幸せそうに歌いながら……一度も振り返ることなく……ひたすら逃げた。
ルナ「……………………………………うそ?」
ステラ「………………………………残るはお前だけだな」


シン「ちょっとマユ……一番感動するシーンで……おまえ…なんてマネを……」
サラ「さすがにポイント下がってますね……」
ギル「……と、当然といえば当然か」


ルナ「〜〜〜〜〜〜!!!」
ステラのナイフによる連撃を辛くも盾で受け止めるが、すでに腕が限界に近づいていた。諦めたい気分ち
もあるが、せめて自分を置き去りにしたマユに一矢報いたい、その気持ちだけで耐え続けた。
ステラ「……しぶとい」
一旦離れて呼吸を整えた時…
ルナ「こうなったら!」
盾をステラに投げつけ、続いて斧を両手に持ち、思いっきり切りかかった。重量のある盾と斧の連撃な
らば軽い弾と違いナイフでは弾けないし、さばいた場合も連撃には対応出来ないと踏んでの行為だった
が…
ステラ「甘い」
盾をナイフでさばき、斧は体を横にずらしてかわすと、ガードの開いた脇腹を切り裂こうと擦れ違いざ
まにナイフを一閃させた。
198萌えPW エンドレス萌える4/6:2006/07/25(火) 21:13:37 ID:???
ルナ(やばっ!こんな体勢で殺られるなんて、恥ずかしすぎる!………………………あれ?)
ダンボール箱から頭を抜きステラを見ると、彼女は冷たい目で見下し…
ステラ「…よくよけた」
…つまらそうに呟いた。
ルナ(余裕でトドメをさせたのに…完全になめられている!……でも…余裕を持つのも当然か……)
ルナの全身を怒りと恐怖が渦巻いていた。今、目の前にいるステラは普段の彼女と違いすぎた。いつも
恋敵であるはずの自分に対し真っ直ぐな好意の眼差しを向けてくる少女……シンに純粋な愛情を見せる
少女……最近はいつも一緒にいる。いつの間にか仲良くなって、ケンカがじゃれ合いになっていた。
……しかし今の彼女は同じ顔なのに自分のことをまるでムシケラのように……
ルナ(やっぱりダメ……怖いけど!)
斧を投げつけると投げ捨てた盾の元へ走り、裏側に付いたサーベルを握った。
ルナ「まだだ!(こんなステラ、好きじゃない!)まだ終わらんよ!」
剣先を前に突き出し、懐に入らせないように構える。突くより引くほうを速く、此方の間合いで戦いを
する。あくまで基本、それがルナの最後の作戦だった。


ヨウラン「驚きです!ルナマリア選手、粘ります!!!レイさん、この勝負ルナマリア選手にも勝ち目が
   あるのでは無いでしょうか!?」
レイ「ルナマリアは周りが思っているより、ずっと強い……だが…」
ネオ「ステラは遥かにその上をいく!」


ステラ「戦術的に見て…ナイフを持った相手を倒すには懐に入らせないように距離を取り…相手の間合い
    の外から攻撃する方が確実な効果を上げられる……この場合、斧でなくサーベルを選んだ敵の
    行動は正しい……だが…こちらの戦力を把握する前に行動を起こすべきでななかった」
ルナ「何をブツブツと!」
ルナはステラが間合いを詰めるとサーベルを突いていた。それをステラがスウェーでかわす……暫らく
その繰り返しだったが、突然サーベルを引くタイミングで、ステラが前に進みナイフでサーベルの軌道
をずらしながら間合いを詰めてきた。
ルナ「えぇい!」
ルナは強引な横薙ぎでステラを押し返そうとするが…
ステラ「うかつな動きは…死につながる」
ステラはサーベルをナイフで抑えたまま、空いた左手で掌底をあごに叩き込んできた。
199萌えPW エンドレス萌える5/6:2006/07/25(火) 21:15:02 ID:???
ルナ「くふっ!!!!!!」
ルナはとっさにアゴを肩に押し付け後ろに飛ぶことで衝撃を緩和したが、想像以上に衝撃は大きく、
吹き飛ばされた後、軽い脳震盪に陥っていた。


ヨウラン「これは強烈〜〜〜!!!」
ネオ「好し!いまだ!ステラ!!!」


ステラ「…………なるほど…シャイニングフィンガーとはこういうものか!」


シン「お〜〜〜〜〜〜♪!!!」
ネオ「よ〜し!きまったぁ!!!」
オクレ「お、おい!…そんなセリフも憶えさせたのか!?」
レイ「か、彼女がこんな長いセリフを大声で言えるとは……」
ネオ「フッ……苦労したぞ〜」
オクレ「だが、ステラにはトロワとヒイロしか無理だと判断したんじゃ…」
ネオ「バカ言え!こんなチャンスに御大将を使わないなどありえん!名セリフの宝庫だぞ!」
アウル「……大丈夫かよ」
メイリン「てーか、おまえらウチの姉ちゃんがマヂで怪我してんの無視か?あん?」
ヴィーノ「メ、メイリン!落ち着いて!」


ルナはふらつく足取りで立ち上がると、朦朧とした頭でショットガンを手にした。
ルナ(…………あれ?……何で…こんなもの持ってんの?)
ステラ「…………まだ、やるか?」
ルナ(…………まだ?…………何を?…………そうだ、逃げ出したクソガキを…………)
ステラが止めをさすためナイフを振りかぶった時…
ルナ「…………(絶対にヌッ殺す)…………マユ……………」
ステラ「……!……兄弟よぉ…今女の名前を呼ばなかったかぃ?」
ルナ「へ?ステラ!!」
驚いて我に返ったルナは反射的にステラに向け引き金を引いた。
200萌えPW エンドレス萌える6/6:2006/07/25(火) 21:17:05 ID:???
ステラ「戦場でなぁ、恋人や女房の名前を呼ぶ時というのはなぁ、瀕死の兵たっばっ!!!」
ルナ「………あれ?…当たった?」
膝をつき両手で口を押さえるステラを呆然と見つめた。


ヨウラン「…………直撃?……ですね?」
レイ「……セリフを言うのに全神経を注いでいましたね……」
ネオ「……あれ?」
レイ「おまけにタイミング良く舌を噛んだもようです……」
ヨウラン「………つまり?」
レイ「……そこのバカが無理して、余計なセリフまで仕込んだせいで自滅しました……」
ネオ「……そこのバカって、俺?」
レイ「……(コクリ)」
オクレ「ネオ!…獅子身中の虫め!!!」
ネオ「おわっ!いたっ!やめんかスティング!話せばわかる!」
オクレ「もう貴様などに話す舌を持たん!」
シン(……ガトーだ♪……)
サラ「今、スティングさんに萌えていますが?」
ギル「……当然、ノーカウントだ」


ルナ「……だ、大丈夫?」
ステラ「……(コクリ)…はやひゃっひゃひゃ…ほへほひほ(早かったな、俺の死も)」
ルナ(良かった……いつものステラだ……私のステラだ……)
ステラの戦死を確認すると資料室を後にする……その途中……
ルナ「あえ〜〜〜〜〜Σ(゚Д゚;)!!!い、今、何思った!?ちょっと!私の!?……あえっ?」
大声を出すと頭がふらつき、膝をついた。
ルナ(……あ、あかん……ダメージがデカイ……そうだ、だから変な事、口走ったんだ……そうしとこ
   う……ちょっと…休憩……)


フレイ「驚いたぁ……まさかステラに勝っちゃうなんて……今行けば楽に倒せるけど……」
戦いを終始見物していたフレイはルナが気絶したことに気付いていた。
フレイ「……でも、今回は健闘を祝して……見逃してあげる♪」


ネオ「暴力はよくない!」
シン(……カミーユだ♪……)
サラ「今度はネオさんに萌えていますが?」
ギル「……それも当然、ノーカウントだ」
201通常の名無しさんの3倍:2006/07/25(火) 21:19:09 ID:???
萌えティニー・プランW エンドレス萌える投下終了です

ステラ離脱で物語りは最終決戦に突入していく(まだ最終回では無い)
そして、ついに4人の萌え戦士が一堂に会する!
次回、萌えティニー・プラン第五話
『星の鼓動は萌え』
202通常の名無しさんの3倍:2006/07/25(火) 21:23:26 ID:???
GJ!

しかし最近投下ラッシュで父さん嬉しい。
203通常の名無しさんの3倍:2006/07/25(火) 21:25:36 ID:???
萌えPW エンドレス萌える4/6の最初
以下の文章が抜けていました……

ルナ「ええぇい!……………ぬおっ!!!」
斧をかわされた瞬間、無理矢理体を捻ってナイフを避けたが、その勢いで足がもつれダンボール箱に頭
から突っ込んでしまった。
ルナ(やばっ!こんな体勢で殺られるなんて、恥ずかしすぎる!………………………あれ?)

深くお詫びします
204通常の名無しさんの3倍:2006/07/25(火) 22:01:21 ID:???
>>202

映画化発表で、一時沈静化したはずの怒りというか、憎しみがまた再燃したものだから……。
このフラストレーションを発散する場所は、やはり此処でしょうvv
205通常の名無しさんの3倍:2006/07/26(水) 01:53:08 ID:???
>204
映画化やっぱりやるのか…
どうなるんだろな
またKやらピンクを引き立てるだけに作った新キャラ虐殺の嵐や脇キャラ空気化?

そしたら新たな犠牲者達もここに迎えてやらなきゃな
206通常の名無しさんの3倍:2006/07/26(水) 10:48:47 ID:???
でも、映画でKやAやピンクや国家元首や乳やらが死んでも、迎え入れない方向でOKだよな
207通常の名無しさんの3倍:2006/07/26(水) 10:53:39 ID:???
>>206
もちろん!!

たぶん死なないだろうけどさ……
208通常の名無しさんの3倍:2006/07/26(水) 11:26:36 ID:???
>>206
今出すのNGになっている奴等はたとえ死んでもNGのままだ!!
YやDとかな!!
209通常の名無しさんの3倍:2006/07/26(水) 18:07:36 ID:???
種☆のキャラはどういう扱いになるんだろう、まだ様子見かな?
210通常の名無しさんの3倍:2006/07/26(水) 20:13:42 ID:???
せっかく職人さんが来て流れが良いんだから、その手の話題は楽屋裏でしましょう
211通常の名無しさんの3倍:2006/07/27(木) 10:06:17 ID:???
>>201
いやあ、どんどん面白くなりますな・・・
今回もGJ!!
212通常の名無しさんの3倍:2006/07/28(金) 05:55:13 ID:???
保守
213萌えP X 星の鼓動は萌え1/5:2006/07/28(金) 19:23:11 ID:???
ルナ「……マユ〜…こっちにいらっしゃい……お尻ペンペン…してあげる〜……zzzz」


マユ「な!なんだ…このプレッシャーは?」
マユは悪寒を感じ、あたりを見回す……
マユ(……誰かに見られている?……いや、誰もいない………)
ステラの強襲から脱出した後、マユは手当たりしだいに相手を襲い、ポイントを貯めていた。だが…
マユ(………つーか、マヂに人いね〜〜)
先程から、まったく人に出会わなくなっていた。マユが知るはずもないが、気を失なって(眠って)いる
ルナを除き、生き残っている人物は同じ事を考えていた。……なぜなら


ヨウラン『特別放送、特別放送……ただいま戦闘されている方にお伝えします……つまり…マユ・アスカ』

マユ「ん?」

ヨウラン『ルナマリア・ホーク』

ルナ「zzzzzzzzzz」

ヨウラン『ミーア・キャンベル』

ミーア「これって?」

ヨウラン『最後にフレイ・アルスター』

フレイ「………なるほど」

ヨウラン『以上、4名の方!現在、生き残っているのは貴女方だけです。なおポイントは』
 1位 メイリン 4873ポイント(戦死)
 2位  マユ  3784ポイント
 3位  ルナ  3758ポイント
 4位、ミーア  3693ポイント
 5位、フレイ  3626ポイント
 6位、ステラ  3187ポイント(戦死)
 7位、生徒C  1274ポイント(戦死)
 8位、生徒Q  1203ポイント(戦死)
 9位、生徒J  1142ポイント(戦死)
10位、生徒L   927ポイント(戦死)

ヨウラン『このようになっています』
214萌えP X 星の鼓動は萌え2/5:2006/07/28(金) 19:24:22 ID:???
ヨウラン『この人数ですと擦れ違いが多くなると思われますので、これより戦場を二階以上は禁止と、させ
   ていただきます』

マユ「え!…ステラが戦死って……ルナ、どんな卑劣な手段を?」

ルナ「zzz…ほ〜れ、可愛いお尻が…真っ赤になってきた。zzz何〜その目はぁ?普段の強気な
   マユちゃんはどこにいったのかなぁ?……ん?あらあら、何か濡れてきてるけど、お漏らし?
   違うでしょ〜♪くすくす……いやらしい子供ねぇ〜〜zzz」
 
マユ(!!!!また、あの嫌な感覚!……いったい何?)

ヨウラン『という事で……た だ ち に 移 動 を 開 始 し て 下 さ い!!!』

ルナ「zzz……なに〜その目は〜これが欲しい…あえ!Σ(゚Д゚;)」

ヨウラン『もう一度繰り返します……』

マユ「……プレッシャーが消えた?」

ルナ「……あえ?…残り4人だけ……いつの間に?」

ミーア「……ずいぶんと横並びな数値ね……」

フレイ「トップまで、1000と少しか……死亡シーンもほとんど出てるだろうし…一気に逆転は厳し
    いな……出来れば優勝、最低でも1人は倒しておきたいわね」

マユ「……とりあえず移動ね」

ルナ「……え〜と……何か良い夢を見てた気がするけど……思い出せない……まぁ良いか……移動しよ
   う……」
215萌えP X 星の鼓動は萌え3/5:2006/07/28(金) 19:25:12 ID:???
ヨウラン「さあ、ルナマリア選手も目を覚まして、各選手移動を開始しました」
レイ「あのまま眠らせておいて、試合終了まで無視するのも面白かったかもしれませんが」
レイはヨウランが放送中に大声を出し、ルナを起こした事に苦笑しながら皮肉った。
ヨウラン「いや〜、それだと流石に後味が悪いでしょ……それにしてもブツブツ寝言を呟いてましたが、夢
   の中でも戦っていたのでしょうか?」
レイ「それは無いでしょう…随分ニヤけてましたし」
ヨウラン「確かに、そうですね……それにしてもこの後、誰と誰が遭遇して最初の戦闘が開始されるのか、
   注目ですね」
レイ「はい、残った4人の内、誰が勝っても可笑しくない実力ですし」
ヨウラン「その通りです……お?……これは!」
レイ「……こんな事が……」
画面の中で移動する4人を観察していた者が全員驚きの声を出した。彼女たちは一階に降りると、示し
合わせてもいないのに、引かれ合うかの様に同じ方向に向かっていたのである。
ヨウラン「ま、まるで本物のニュータイプみたいだ……」
レイ「信じられん……」
メイリン「……ニュータイプというよりゴジラが他の怪獣の存在を察知してケンカ売りに行くイメージなん
   だけど……」
ヴィーノ「あー……分かる分かる」


ルナ「ここは…劇場?……(こんなモンあったけ?)」
ルナは普段使用されていない教室に入った。最初は小型の映画館だと思ったが、舞台があるところから
劇場と思われた。
ルナ(そういや、昔は演劇部があったんだっけ?)
考え事をしながら、舞台に上がると突然スポットライトが浴びせられた。
フレイ「ルナマリア!銃をを捨てろ! 」
ルナ「なっ…フレイ!」
そこにはスポットライトを背に銃を構えるフレイがいた。
フレイ「大した萌えキャラぶりだったよルナ。男の尻を追っかけているだけと思いきや、レズっ毛まで
    あるとは……話し合いの余地がないとするならば、ここがお前の死に場所になるな」
ルナ「……(私がレズ?…え〜と…ま、いいや)……いや、もう一人レズがいるな」
フレイ「ん? 」
ミーア「ふっふっふ」
216萌えP X 星の鼓動は萌え4/5:2006/07/28(金) 19:26:22 ID:???
フレイ「そうだな、こんなレズビアンじみた事はミーアの領分だったな? 」
ミーア「私はステラちゃんラブに過ぎんから、そうも見えるか。が、ルナよりは冷静だ」
ルナ「私が冷静でないだと?」
ミーア「そうだよ、貴様はその手に全ての萌え属性を欲しがっている」
フレイ「ミーアの言う通りだろう、ルナ?ならば私の同士になれ。その上で萌える女王様の事を共に考
    えよう」
そう言うとルナに向けていた銃をミーアに向け照準を合わせる。
ミーア「うっ!」
フレイ「この小うるさい巨乳レズビアンを倒してな」
ルナ「フレイ、私はただ、シンを私に萌えさせたいだけだ」
フレイ「では聞くが、ミニスカ&ニーソックスもアホ毛もコスプレも通じぬ男に、お前は一体何をし
    ようというのだ」
ルナ「私が手を下さなくとも、萌えキャラへの覚醒でシンは変わる。その時を待つ。うっ!」
ルナは再度、銃を向けられ言葉に詰まってしまった。
フレイ「私に同調してくれなければ排除するだけだ。その上で女王様キャラの良さを認識させる。それ
    がわかりやすく、人に道を示すことになる」
ルナ「人には色んな萌えの趣味があると気付かんのか!」
フレイ「自分の萌え属性に興味を抱かない相手は、排除すべきだ!」
マユ「それは違う!」
ルナ「マユ!」
フレイ「うっ! 」
ルナ「マユなのか!?」
ミーア「なっ!」
ただならぬマユの気迫に3人とも気後れしていた。
マユ「本当に排除しなければならないのは、『近親相姦はダメ』とか『児童買春・ポルノ禁止』とかの
   変な法律を作る人間達だろう?そんなマユに不利な法律ばっかり作るなんて間違ってる!」
ルナ「…………………はい?」
フレイ「………え〜と…ぐ、愚劣な事を言う!」
ミーア「な、生の感情を出すようでは俗人を動かす事も出来んし、我々にも通じんな!」
マユ「人の心を大事にしない世界を作って、何になるんだ!」
ミーア「大人の女に相手されなかった変態共の拠り所とする幼女に何ができた!常に人気のAV女優は
    みんな巨乳だ!」
マユ「違う!」
ミーア「男を癒し明日への活力を与えるのは一握りで掴みきれない巨乳だけだ!」
ルナ「マユ、退け!」
マユ「嫌だ!」
ミーア「ちっぽけな貧乳では男の未来を破滅に導くだけだ、少女!」
ルナ「マユ!」
ルナ「貧乳!…うっ…・゚・(ノД`)」
217萌えP X 星の鼓動は萌え5/5:2006/07/28(金) 19:27:07 ID:???
口論に負け、泣きながら走り去るマユと一緒に逃げるルナを見失うと……
ミーア「くっ!逃がしたか……では、フレイ…」
フレイ「……貴様との決着をここで付けるのも面白いが……ここは確実に仕留めたいのでな」
ミーア「……ふっ、なるほど手を組もうという事か……それにしても、なりきってるね〜♪」
フレイ「……癖になりそうだ♪」

ルナ「……よし、二人っきりね」
マユ「う〜〜・゚・(´Д⊂ヽ・゚・、巨乳なんか巨乳なん…え?」
ルナ「さ っ き は よ く も 逃 げ て く れ た わ ね !!!」
マユ「ちょっ!…え〜と…そうだ!ここで戦ったら残りの二人に漁夫の利を与えかねないよ?」
ルナ「あえ?」
マユ「考えてみて、ここでマユを倒した後、二人が同時に襲ってきたらどうする?消耗した状態であの
   二人を相手に出来るの?」
ルナ「それは厳しいけど……」
マユ「って事で手を組みましょ、マユはあの巨乳を痛い目に合わせなきゃ気がすまないし」
ルナ「で、私がフレイを倒した後、決着つけると……」
マユ「そう!そしたら思う存分『逆襲』できるよ?」
ルナ「…!……『逆襲』…良い響きね……逆襲のルナ!…………乗った!」
マユ「OK♪…(単純で良かった〜)」
218通常の名無しさんの3倍:2006/07/28(金) 19:29:02 ID:???
『星の鼓動は萌え』投下終了です。
他の職人さんは何処だ〜〜〜!!!
1人で落としてると寂しい……

次回はルナVSフレイ  マユVSミーアの同時進行
タイトルは『宇宙を萌える』です
219通常の名無しさんの3倍:2006/07/28(金) 20:28:29 ID:???
面白かった!次回をワクテカしながら待ってるよ!!
220通常の名無しさんの3倍:2006/07/28(金) 21:49:39 ID:???
今回も笑った笑った!!
GJっす!
221通常の名無しさんの3倍:2006/07/28(金) 23:02:23 ID:???
ゴジラワロタw
222通常の名無しさんの3倍:2006/07/29(土) 03:25:57 ID:???
そういえば別スレッドで
<新キャラと言わず種キャラ全部好き>って意見を見かけて
思わず('A`)になったんだけどどうしようか。

まあ、"種キャラたちよ! 福田と両澤のような奴に動かされたのがお前たちの最大の不幸だ!!"って解釈でいいんだろうけど。
223通常の名無しさんの3倍:2006/07/29(土) 09:19:28 ID:???
>>218
GJ!続きも期待
224通常の名無しさんの3倍:2006/07/29(土) 21:25:42 ID:???
>>222
うん、その解釈でいいと思います。
ストーリー無視すれば、(個人の好みは置いといて)どれも魅力的ではあるし。
他の人の作品(例えば同人)とかだと、結構好きになれるし。
だからこそ、あの脳みそ万年春の負債によって作られたのが悔しいんだよなぁ……。
225通常の名無しさんの3倍:2006/07/30(日) 00:52:21 ID:???
>>218
台詞の改変上手すぎ・・・。
センスあるなあ。
GJ!!
226かんかんかん 1/2:2006/07/30(日) 05:36:53 ID:???
 ある夜おそくのこと。
 シンはヨウラン家から帰るところでした。
 さっきまでMGガンダムF91を組んでいたのです。
(ヨウラン「ひとん家きてRPGやり始めるよりタチ悪くね?」)
 すると……かん かん かん。

ステラ「マイクはいりませんか、マイクはいりませんか」
アウル「ステラ、マッチマッチ」
ステラ「マッチはいりませんか、マッチは」
オクテ「ステラ、火事のもと火事のもと」
ステラ「あっ。え〜〜と、マッチ一本、火事のもと……」

 トリオ漫才がやってきました。

シン「ステラ。こんな時間になにしてるんだ?」
ステラ「あっ、シン!ステラね、夜の放火活動してるの!」

 かん ……。

オクレ「……奉仕」
シン「……あ、奉仕活動か」
ステラ「うん、ご奉仕するにゃんで町内が平和になったらイイナ!なの」
ヨウラン「土日に早起き、いいことだねぇ」
ハイネ「ステラちゃん俺にもご奉s」
オクレ「……ご奉仕するにゃん」
ハイネ「えっちょっオクレ兄さん目が据わっやめて連れていかないで
     いやぁーそっそこはだめぇ猥褻物陳列罪はいやぁー」
227かんかんかん 2/2:2006/07/30(日) 05:40:04 ID:???
シン「そのかんかんって何?」
ステラ「拍子木。シンもする?」
シン「うん」
ステラ「じゃあね、はんぶんこ。はい。……いっせーのーで」

 かん かん かん。
               かん かん かん。

シン「マッチ一本」
ステラ「火事のもと〜」

 かん かん かん。

アウル「あーーーぁ。あんなにくっついちゃって」
ヨウラン「共同作業。独り身の心に染みるねぇ」
ハイネ「あぁっオクレ兄さん今夜は激しすぎっ。いやーーんらめえぇぇーん燃え尽きちゃう!」

 かん かん かん。






マユ「……お兄ちゃんったら帰りが遅いと思ったら一体なによあんなあんなあんな……」
 ぎり ぎり ぎり。(歯ぎしり)

 マッチ一本、大火事のもと。
 かん。
228通常の名無しさんの3倍:2006/07/30(日) 10:31:36 ID:???
人の家でガンプラ作るシンワロスwww
229通常の名無しさんの3倍:2006/07/30(日) 12:42:07 ID:???
みさくらさんw
230通常の名無しさんの3倍:2006/07/30(日) 15:45:25 ID:???
過去スレッドで裏ニコルネタがあったので、
その流れで「DMCニコル〜〜福田などSATSUGAIしてくれるわー!〜〜」ってのを
誰か書いてくれませんか?
231通常の名無しさんの3倍:2006/07/30(日) 17:12:38 ID:???
他人に頼むより自分で書いた方がいいとオモ
232通常の名無しさんの3倍:2006/07/30(日) 17:50:38 ID:???
>>227
マユ、自分の家に火ィ付けてシンが助けに行くなんてシチュ想像すんなよ?
つーかハイネwwwオクレ兄さん何してんだwwwww

>>>222
俺もそうだな。憎むべきは負債と考えてる。種キャラは皆好きだ。
故にこのスレに出て来る禁断の人ピンクは嫁に、同じくKは福田に脳内変換して読んでいる。
好みと言うのは所詮主観であって、十人十色であるのが当たり前。
まあその主観を絶対不変の事実の様に押し付ける奴がいるから問題なんだろうけど。
よく人間は自分と違う存在を拒絶したがるって言うけどさ、寧ろそれは喜ばしい事だと思うんだよね。
そう言うのから新しい考え方とか感性とか、自分の殻に閉じこもってるだけじゃ得られない色々な物が得られるんだからさ。
このスレは新キャラへの愛に溢れているし、優しさと温かさに満ちている。
例え旧キャラがアレな扱いであろうとその愛は本物であり、読んだ人にエネルギーを与えてくれる。
「学校って良いなぁ」「生きてるって良いなぁ」って思えるんだ。
スレ違いな話もしてしまったが、まあ要はアレだ。俺はこのスレが大好きだと言う事だ。
233通常の名無しさんの3倍:2006/07/30(日) 18:41:21 ID:???
>>232
俺も憎むべきは負債って考えだなぁ

ただ、俺はシンやフレイ、ステラ達よりも
ピンク娘氏と婚約者キラーこそが一番の被害者だって思ってるけどw
もしもまともな監督、脚本だったら
彼女達もちゃんとした成長を見せてくれたんだろうなぁ・・・とか思うとさ
可哀相になってくるんだよ
234通常の名無しさんの3倍:2006/07/30(日) 21:49:33 ID:???
>>226-227
ちょvvvvvvv
お茶噴出した

ステラかわええええwwww
そしてオクレ兄さんにハイネ、最高!!

GJ!
235通常の名無しさんの3倍:2006/07/30(日) 23:46:32 ID:???
シン「てれてって〜♪」
ある日の昼休み。今日のシンは朝からご機嫌だ。
ステラ「シン、幸せそう・・・。何かあったの?」
レイ「プラモが完成したんじゃないか?」
ヨウラン「それはないだろ。F91、俺の家で組み上げやがったし・・・」
ヴィーノ「新しいMGが出るんだってさ。空賊のガンダムだとか」
アウル「そういう事か」
オクレ「アイツらしいな」
シン「違うっ!!!!」
シンがスピード覚醒し物凄い勢いで寄って来る。
「「「「「「うおっ(うぇっ)!?」」」」」」
シン「空賊だって?ふざけるな、誇り高きクロスボーンを掲げた、海賊だ!
XM−X1、本来の形式はF97 クロスボーンガンダムX1!!
木星圏での運用っていう従来よりも大出力の推進器がいるこの機体は、
機体の大型化を回避する為に
F91に搭載されなかったコアファイターのスラスターにもなっている
交差する骨をイメージした背部可変スラスターを搭載したんだ!
武装はビームピストル・バスターガン、粒子加速式ビームサーベル・ビームザンバーの2種類の武器に分離する特殊武器ザンバスター!
コアファイターのビームガンを用・・・」
・・・以下延々とシンの講義が続いた・・・
シン「分かったか!?」
「「「「「ハイ、ワカリマシタ」」」」」
5人の言葉にシンはよし!と大きく頷く。
「ABCマントを纏い、戦場を駆け抜けたこのガンダムがっ
カトキハジメさんによってリデザインされて発売されるんだぞ!
更に8月25日にはGFFシリーズにX1改・改へのコンパチが可能なX3も発売されるんだw
あ〜、こんなに嬉しい事はない♪」
幸せそうな顔をしたシンが教室を去っていく。
ルナ&マユ「「やっほ〜シン(お兄ちゃん)。一緒に帰りましょv・・・って、いないし!」」
見事にハモる2人。普段からこうして仲良く出来ないものなのか。いや、シンが絡まなければ出来るのか。
マユ「あら、皆そんな所で呆けて何してるの?」
「「「「「ウワー、ABCマントツケタX1ガトンデイルカッコイイナァハハハハハハハ」」」」」
マユ「え?」
ステラ「ルナ、シンってね、物知りなの」
ルナ「はぁ?」
236通常の名無しさんの3倍:2006/07/31(月) 00:13:08 ID:???
電波WWWWW
237通常の名無しさんの3倍:2006/07/31(月) 10:26:17 ID:???
俺も欲しくなってきたじゃねーかww
238通常の名無しさんの3倍:2006/07/31(月) 11:22:25 ID:???
どう見ても広告です。
本当にありがとうございました。

ワロスwwww
239通常の名無しさんの3倍:2006/08/01(火) 00:56:48 ID:???
シンは間違いなくガンダム展に行く
240通常の名無しさんの3倍:2006/08/01(火) 03:18:22 ID:???
ageておこう
241通常の名無しさんの3倍:2006/08/01(火) 03:48:07 ID:???
あれ?なんでだろう・・・目から汗が・・・

てかあの戦艦が出ばらなけりゃアニメ版わかりにくいけどいい作品になったと思うよ。
カットして編集すればそれなりに泣けるんじゃね?
まぁ、すべて赤本の内容だがな。
それでもリウリウの小説版は泣けた。
242通常の名無しさんの3倍:2006/08/01(火) 10:32:13 ID:???
ステラ 「皆さんこんにちわっ!今日からこの学園に通うことになりましたステラ・ルーシェですっ!ぶいっ!」

シン 「だ…誰だよお前!?」
243通常の名無しさんの3倍:2006/08/01(火) 13:19:02 ID:???
sageとこう
244通常の名無しさんの3倍:2006/08/01(火) 22:42:21 ID:???
それは街をレイとシン、二人で歩いていた時のこと。
シン「やっぱさー、高校でたら家を出ようと思うんだよね」
レイ「一人暮らしか」
シン「うん、いつまでも家族に甘えてるわけにはいかないしさ。
   まだ父さん達には言ってないけど、そのための貯金もしてる」
そう言って、シンは通りにある不動産屋に張り出されていたアパートの広告に目をやった。
そして、固まった。
シン「なぁ……レイ……」
レイ「どうした?」
シン「コレ、見て。凄いよ、このアパート……」
レイ「?」
シンが震える手で指差す広告の1つを、レイも覗いた。
シン「築3分……」
レイ「カップラーメン並みか……」
シン「それでもって、駅から徒歩10年……」
レイ「火星にでもあるのか、そのアパートは……」
245通常の名無しさんの3倍:2006/08/02(水) 00:26:15 ID:???
>>244
>「築3分……」

>「それでもって、駅から徒歩10年……」
>「火星にでもあるのか、そのアパートは……」

この流れで行くと、ジャンク屋のあの男が登場するのか?
246通常の名無しさんの3倍:2006/08/02(水) 05:04:08 ID:???
ワロタw
247女難っぽいもの1/2:2006/08/02(水) 15:00:15 ID:???
女難っぽいものをひとつ。

ルナ「はーいっよい子のみんなー、こんにちはー!ルナちゃんでーす!!」
レイ「(ルナが「よい子のみんな」と挨拶した方角を不思議そうに見ている)」
ルナ「さてさて!いよいよ夏本番ということで!海に山にプールもいいけど、
ひとつ大事なものを忘れちゃいけないと思わない?」
レイ「大事なもの?」
ルナ「肝試しよ!!(びしっ)…いい?想像してみなさい。どこから来るとも知れない恐怖に警戒しながら
暗がりをゆく男と女。そこに襲い掛かるお化けの魔の手!
悲鳴をあげて縋りつく女に男は言うの、「大丈夫俺が守るから!」…どう、素晴らしいでしょ!?」
レイ「死亡フラグか」
ルナ「違あああああう!…まあいいわ、ともかく!そういうわけでこのたび私達ザフト学園は、
全校をあげて肝試し大会をすることになりましたー!!ぱちぱち!!」
レイ「ぱちぱち…(拍手に付き合っている)しかし、よく突然こんな行事を打ち立てられたものだ」
ルナ「唐突な行事はうちの学校のお家芸でしょ?理事長だって「グラディス先生とアチチのチな夏の思い出
メイクトゥギャザーですよー!」って言ったら、笑顔で許可してくれたわ!」
レイ「ギル…(目頭押さえて目逸らす)」
ルナ「よーし、これでシンとのロマンスゲットするわよー!」

マユ・ステラ「ちょっと待ったあーー!!」

ルナ「!!…ちょ、ちょっと、なんであんたたちがここにいるのよ!」
マユ「ふざけんじゃないわよアホ毛!あんただけおいしい思いをしようたってそうはいかないわ!」
ステラ「お化け来る、だめ!ステラ、シン守る!!」
ルナ「な…、何言ってんのよ!これは私達の学校の行事なんだから、あんたたちが参加できるわけ…」
マユ「甘いわ!とっくにあんたのとこの理事長の許可は取得済みよ!!」
ルナ「なんですってええ!!」
レイ「恐らく、既にアチチのチで頭がいっぱいで細かいことは気にしていないだろう…」
248女難っぽいもの2/2:2006/08/02(水) 15:01:14 ID:???
マユ「そういうわけだから、最早私達の誰にだってお兄ちゃんと組む権利はあるの。残念だったわね!」
ステラ「ステラ、シンと一緒!」
ルナ「くっ…、こ、こうなったら早いもの勝ちだわ!シン!シンはどこ!!」
ステラ「!シン、いた!!」
マユ「本当だわ!おにいちゃー…、って、ちょっと、何よあれ!!」
シン「あ、…なんだよ、ルナ…と、やっぱりマユにステラも来てたのか」
マユ「お兄ちゃん!…な、なんなのその全身に纏った白い布と血糊と手からぶらさげたコンニャクは!!」
シン「何…って、俺、今日はお化け役だし」
三人「「「お化け!!?」」」
シン「なんだよ、肝試しなんだからお化け役だっているに決まってるだろ?ま、そういうわけだからさ!
いやあー残念だなあ俺もお化けに脅かされたかったよあっはっは」
ルナ「なんですって…(愕然)」
マユ「その逃げ道があったか…(orz)」
ステラ「シン…(さびしそうな目)」


アウル「あれ?お前ザフトの裏番じゃん、こんなところで何してんの?」
ミーア「え?…きゃ!ちょ、ちょっと墓石になんて座ってないでよ、びっくりするじゃない!
って、あんたお化け役じゃないでしょ?確かルナと組んでたんじゃなかったっけ?」
レイ「いや……(暗がりを指差す)」

ルナ「きゃあああああああああああああああああああああああ!!」
マユ「いやああああああ!!お化けーー!!怖いわ怖いわーー!!」
ステラ「うぇえええええええい!!ステラ、シン守るーーーー!!」
シン「な、なんなんだお前らーーーーーーーーーーーーーーー!!」

レイ「…というわけだ」
ミーア「…あの子たち悲鳴あげながらお化けに縋り付いてるわ……」
アウル「スティング…今日バイトでよかったな……(遠い目)」


おそまつさまでした。
249通常の名無しさんの3倍:2006/08/02(水) 21:51:50 ID:???
GJ!
女難軍団は最凶……じゃなかった、最強だ!
シン…頑張れ!いや、今回一番被害を被ったのはレイか?

250通常の名無しさんの3倍:2006/08/02(水) 22:47:10 ID:???
>>233
受け手側は辛いな。
251通常の名無しさんの3倍:2006/08/02(水) 22:53:19 ID:???
>>248
ワロタ♪せっかくのお化け役が意味ねぇし、シンに逃げ場など無いな
>>249
確かにレイの立場だったら凹む
252通常の名無しさんの3倍:2006/08/02(水) 22:59:53 ID:???
ヴィノメイのかわいい肝試し見たいよね
253通常の名無しさんの3倍:2006/08/03(木) 00:01:59 ID:???
夏休み直前!だけど追試があるから地獄だよSP!!

(シンの部屋)
レイ「鎌倉幕府が成立した年は」
シン「えーっと……いいくに(1192)創れる物なら創ってみろ、鎌倉幕府、だから1192年」
レイ「正解だが微妙に間違えているぞ、シン」

(スティングの部屋)
アウル「じゃあステラ、俺の後に付いて教科書を読むんだよ?」
ステラ「うぇーい」
スティ「(そんな初歩からなのか?)」
アウル「おはようございます、を訳しなさい」
ステラ「……ぐっどもーにんぐ」
アウル「グッドモーニング、を略しなさい」
ステラ「……グモング」
アウル「グモング、の正式名称は?」
ステラ「……モグラ怪獣グモング!」
アウル「モグラ怪獣グモング、を倒す有効な攻撃は?」
ステラ「日光!」
スティ「(ラーメンズのネタだろ、これ……)」

(ルナの部屋)
フレイ「だからここはこれがこうなるから」
ルナ「ああ、アレがアレで…ってわけね」
フレイ「そうそう、アレをアレしてアレすればいいのよ」
ルナ「まぁアレよね、うん」
メイリン「(長州力みたいな会話なのに、なんで伝わるのかしら……)」

Q:結果は合格ですか?
A:受かってないですよ、これで(追試に)受かったら大したもんですよ。(長州力風に)
254追試地獄変:2006/08/03(木) 00:17:35 ID:???
アウルのセリフと題名の修正忘れ…お詫びにもう一ネタ。

(番外編:とある港にて)
フレイ「問題、徳川家四代将軍は?」

オルガ「なんでそんなどマイナーなとこ突くんだよ!!」
クロト「家!…………丸?」
シャニ「……やばーい」

フレイ「はい不正解なのでバスを下げます。オレンジ頭、クレーン下ろして」
ハイネ「だからハ・イ・ネ…ってまぁフレイちゃんの頼みだからなんでも聞くよー!」

ウイイイイイン……

オルガ「だああ!!沈む!マジ沈むぞオイッ!!」
クロト「沈!没!?」
シャニ「お前っ、お前っ、お前ぇぇぇ!!!(半ベソで)」

フレイ「ちなみに今日は台風が近付いてる影響で波が高く、フェリーは全便欠航よ。さぁ次の問題」
ハイネ「いやー、いいリアクションするねぇ。さすが連合のダ○ョウ倶○部ってとこか。」

常夏「助けてくれぇぇぇ!!」

三人はバスが四分の三ほど沈んだ所で救出されました。
255ヨウランノート:2006/08/03(木) 20:19:13 ID:???
ヨウラン「おい、シン! いい加減俺ん家でMG作んのやめろよ!」
ヴィーノ「なんだコレ? ……ノート?」
   
  『シン・アスカがモテる理由』
 シン・アスカ。彼はガノタのくせにやたら持てる。この本は、各女性にどうしてモテているのかを解明した。

 ルナマリアの場合
 ルナマリアがシンに惹かれた理由としては、一番は幼馴染であること。しかし、コレに関してはレイでもよかったはず。では、どうしてなのだろうか。
 『子供』これは女性なら持っている母性本能を刺激する属性である。姉キャラであるルナマリアはこれが特に強い。ガキであるシンに昔から世話を焼いていた。
 これがルナマリアがシンに惹かれた理由であるだろう。

 ステラの場合
 ステラに関しては、彼女にも理由がある。恋する乙女の年頃に、『出会い』があったのだ。女性はそういう年頃には運命などにあこがれる傾向がある。
 溺れていたところをシンに助けられ、運命と思うのは年頃の女性では当然のこと。その後も何度も出会い、そしてパッタリと会わなくなった。そしてある日突然、彼と
出会ったのが、一番の理由と言えるだろう。

 マユの場合
 マユの場合、かなり特殊だ。マユにお兄ちゃん傾向があったのが一番の理由と言える。
 その次に、『ライバルの存在』というのが挙げられる。これはルナマリアにも言えることだが、好きとまでは行かないが、行為を持っている男性に女性がアタックした
とき、そして仲良くしてたとき、「気に入らない」という感情芽生える。どんなに仲が良くても、女性同士は少なからず対抗心を持っていて、それが大きくなったのが今
の状況になったといえるだろう。

ヴィーノ「ヨウラン……弟子にしてくださいっ!」

 完
256通常の名無しさんの3倍:2006/08/03(木) 21:11:30 ID:???
どのネタもワロタwwやっぱいいなここ
257萌えP Y 宇宙を萌える1/10:2006/08/03(木) 21:49:42 ID:???
ルナ「で、手を組むとして……どうする?」
マユ「う〜ん……さっきは向うの二人が手を組む前提で話したけど、これって、あくまで最悪の可能性
   であって、今頃は戦ってる可能性もあるんだよね……」
ルナ「その場合は?」
マユ「その時は残った方を二人でボコる。まあ、こうなってたら楽なんだけど巨乳を潰したいマユとし
   てはフレイに残られるのは困るんだけど…」
ミーア「その心配は無用よおチビちゃん♪」
マユ「巨乳!?」
フレイ「そうすると私の相手はルナマリアになるな」
ルナ「フレイ……」
マユ「……そっちも手を組んだってこと?」
ミーア「まぁね♪……それにしてもルナ、こんな子供に作戦立てさせるなんて……」
ルナ「うるさい! 仕方ないでしょ! この手の事に関してはマユの方が賢いんだから!!!つーか
   アンタだって、こいつに騙された事あるじゃない!」
ミーア「あ〜……そういや、そうだったわね…戦う理由がもう一つ出来てうれしいわ…おチビちゃん」
ミーアの雰囲気が変わる……そこにはアイドル志望の少女ではなくザフトの表番としてのミーアがいた。
マユ「はんっ! 凄み利かせても無駄!騙されるバカが悪いのよ。もっとも〜脳みそに行く栄養が全部
   胸の脂肪に変わってるのには同情するけど♪」
ミーア「調子に乗るなよ小娘っ!」
ミーアが一気に踏み込み剣を一閃させる
マユ「甘い!」
ミーア「なっ!」
必殺の一撃を放ったつもりだったミーアはマユの刀に受け止められ、驚きの声を上げた。
フレイ「侮るなよミーア、この少女……本当に強い」
ミーア「……確かに……だが!」
マユ「えっ!!!!」
ミーアが刀ごと押しつぶそうと力を入れはじめた。
マユ「くっ!……」
ミーア「さあ、その小さな体でどこまで耐えられる?」
ルナ「マユ!」
フレイ「さて、お前の相手は私だったはずだが?」
ルナ「……フレイ……」
フレイ「場所を変えようか」
ルナ「分かった……マユ!負けるんじゃないよ!」
258萌えP Y 宇宙を萌える2/10:2006/08/03(木) 21:50:34 ID:???
マユ(……そうは言っても……この巨乳……強い……)
ルナの声援に返事をしたくても、ミーアの剣を受け止めるのに精一杯だった。単なる力押しなら流す事
で回避できるし、呼吸を乱しても反撃する機会があるが、ミーアからはその隙さえ感じなかった。
マユ(……ずっと息を吐き続けてる……巨乳が売りのものまね芸人と思ってたけど……本気で歌手を目
   指してるんだ……)


ヨウラン「膠着状態が続いてますねぇ……」
レイ「ミーア有利の形ですから、ミーアからは崩しませんし、マユには逃げる事は難しいでしょう」
ヨウラン「ですが、マユ選手は力は無くても器用ですし、今までの戦い方から、こういった状態から逃げる
   のは得意な気がしますが?」
レイ「相手が悪いです。確かにマユは相手の隙を見つけるのが上手いのですが……例えば普通の相手な
   ら、息を吸うタイミングで動きます。息を吸ってる最中は変な力の入り方しかしませんから」
ヨウラン「え?それが何故ミーア選手相手だと出来ないんですか?(ミーアだって息を吸うだろ?)」
レイ「彼女の呼吸は特殊なんですよ(お前はミーアの追っかけしてるだろ。普段、何見てる?)」
ヨウラン「おっぱいに決まってんだろ!(特殊と言いますと?)」
レイ「管楽器を吹く音楽家で優秀な者は、鼻から息を吸い口から吐き続けることで息継ぎなしで吹き続
   けられるんです。この能力は歌手は勿論、格闘家としても大きな長所になり先に話した息を吸う
   タイミングでの攻撃が回避できます。(結局それか!)」
ヨウラン「それかって!ミーアのおっぱいをバカにする気か!(なるほど!ではミーア選手はその能力が備
   わってると?)」
レイ「俺がバカにしてるのはミーアのおっぱいでは無い!お前をバカにしているだけだ!(その通りで  
   す。さらに彼女の呼吸法ですと、力の入れ方にムラが出ないため、受ける側はジワジワと消耗し
   ますよ)」
ネオ「なるほど、3分間喋り続けるの無理だと思っていたが……」
アウル「ああ、オメェがやってたエロゲ?」
ギル「……レイの口から『おっぱい』なんて単語が出るとは……」
ヴィーノ「……実況と解説の仕事と小声の会話が入れ替わってるけど…突っ込まないの?」
メイリン「……いや…ヨウランの気迫に圧倒されて……つーか、何で私に?」
ヴィーノ「え?突っ込み好きじゃなかったけ?」
メイリン「……あれは、好きでやってるんじゃ……だって、アレが姉だよ?」
259萌えP Y 宇宙を萌える3/10:2006/08/03(木) 21:51:31 ID:???
メイリンの指差す先ではもう一つの戦闘がすでに開始されていた。

ルナ「ちょwwwwwwww!!!タンマァwwwwww!!!」
ルナは更衣室に立て篭もり、わずかに開けたドアの隙間からフレイに抗議の声を上げていた。
フレイ「無様だな、ルナマリア」
ルナ「だからね!何で私が銃を持ってないのにアンタはそう平気な顔でパンパン撃ってくるわけ?おか
   しいでしょ?」
フレイ「あのね〜……私は持ってるんだから使うの当然でしょ…つーか何でアンタ持ってないの?」
ルナ「アンタが捨てろって言ったからでしょ!>>215
フレイ「捨てるアンタが悪い」
ルナ「あそこは、従う場面でしょうが!」
フレイ「あ〜〜もう、ウザイ!」
ルナ「ウザイって!…わあ!撃つな!」
フレイ「これで終わりにするか、続けるか?」
ルナ「だ〜か〜ら!それよりも銃をしまいなさいよ!」
フレイ「……アンタさぁ……このゲームのルール忘れたの?私が『終わりにするか、続けるか?』って
    言ってるんだから、『そんな決定権が』って続けなきゃ盛り上がらないでしょうが!」
ルナ「バカ言ってるんじゃないわよ!!!さっき、それで銃を捨てたからこうなってんでしょうが!
私だって『弾切れか!』とか言いたいわよ!でも、それ以前に銃が無いの!!!」
フレイ「それはそれ、これはこれ!」
ルナ「あぁ〜〜!もう、この天然女王さまは〜〜!!!」
フレイ「もう、諦めて殺られたら?」
ルナ「それはイヤ!」


ヨウラン「……こちらは、その…何と言うか…ある意味熾烈な戦いを…」
レイ「……まあ、ある意味ルナマリアのペースですが……会話のバカさ加減とか……」
メイリン「突っ込み……するよね……ずっと一緒だよ?アレと……」
ヴィーノ「……その…ゴメン……」


ルナ「ここは男らしく飛び道具無しで…だから撃つな!」
フレイ「男じゃ無いし……それに泥臭いこと嫌なの……だいたいシャアのセリフを選択してるんだから
    ここで殺られるのが妥当でしょ?」
ルナ「それを覆すのがカッコいいのよ!」
フレイ「呆れた……もう、面倒だわ……このまま、アンタのペースに巻き込まれるのもダルイし……」
ルナ「へ?」
260萌えP Y 宇宙を萌える4/10:2006/08/03(木) 21:52:31 ID:???
フレイは銃を捨てるとサーベルを抜いた。
フレイ「これが望みでしょ……来なさい」
ルナ「…本当に捨てるなんて…フレイ……さすがは連合の表番ってわけね……心から敬意をはらうわ」
フレイ「世辞はいい……さっさと出てきなさい」
ルナは更衣室から出るとサーベルを構えた。対峙するフレイはサーベルを両手に持ったままの自然体
フレイ「覚悟はいい?」
ルナ「剣での勝負を選んでくれた事には感謝する。でも、手加減は出来ない」
フレイ「元より手加減など期待してない……懸かって来い」
ルナ「……わかった…………参る!!!」
ルナは駆け出しフレイに切りかかった。元より油断する気は無かった。相手はここまで勝ち抜いてきた
連合のトップの実力者。フレイの動きに細心の注意を払いながらの攻撃……だが、フレイの口から予想
もしない言葉が吐かれた。
フレイ「いけぇ!ファンネル!!!」
ルナ「へ?…って、ちょっと待てぇぇぇぇぇ!!!」
突如現れたパールピンクの全身タイツの集団が手にした銃でルナに攻撃を加えてきた。
ルナ「なんとぉぉ――!!!」
ギリギリかわしたルナは全身タイツを指差し抗議した。
ルナ「ちょっと!アンタ正々堂々と勝負するって話はドコ行ったのよ!」
フレイ「正々堂々?私そんなこと一言も言ってないけど?」


アウル「……なあ、アレって?……」
オクレ「……先輩?……何て可哀相な格好を……」
ヨウラン「あれって、いいの?」
ギル「武器申請の際、私が許可した。キュベレイにファンネルは付物だし、面白そうだったのでね」
全員「………………………………………………………………」
ヨウラン「……なるほど、ところでファンネルの動きを解説するのに何と呼べば良いのでしょう?」
レイ「そ、そうですね、仮にオルガ、シャニ、クロトとでも呼んでおきましょう」
メイリン「仮って、まんまだから!その呼び方!」


ルナ「……わかった…こうなったらマユ同時に行くわよ!」
フレイ「え!?ミーアが負けたの!」
慌てて後ろを振り向くが、そこには誰も存在せず……
フレイ「まさか!」
再度、ルナを見ると先程までルナがいた場所には誰もいなかった……
フレイ「…………逃げたか、まあ良い。あの程度の敵、何時でも倒せる……行くわよ」
フレイが歩き出すと3人の全身タイツがトボトボと後を追った。
261萌えP Y 宇宙を萌える5/10:2006/08/03(木) 21:53:17 ID:???
ヨウラン「ファンネル……目が虚ろですね」
レイ「普段からラリってるところはありますが……やっぱり嫌なんでしょうね、あの格好は」
アウル「全身タイツだからなぁ〜」
オクレ「おまけにパールピンクって……」
ネオ「やはり、無理矢理やらされてるんだろうなぁ」
ヴィーノ「何か、この光景見てると……」
メイリン「あ〜る〜晴れた〜ひ〜る〜さがり〜♪」
全員「「それそれ(ドナドナ)」」


マユ「くっ!」
ミーア「粘るわね……」
マユ「……これ(剣)退けてくれないと、必殺技…使っちゃうよ……」
ミーア「脅しだったら、もう少しまともなウソを言いなさい」
マユ「……『逆襲』用に取っときたかったんだけど……ジオに使うなんて……」
ミーア「?」
マユ「…征けっ!フィンファンネル!!!」
ミーア「なっ!!!」
危険を察知し、慌てて身を引くと先程までいた場所を銃弾がかすめた。
マユ(チッ!あれをかわすとは)


ヨウラン「こっちも……」
レイ「……そうですね、こっちは仮にミゲルとハイネと呼びましょ」
ヴィーノ「どうやって、あの二人を雇ったんだ?」
アウル「あれって、ズルくねぇ?」
ギル「問題ない」
オクレ「こっちの色は白と黒の半々か……何で?」
シン「よし♪俺が教えてやるy」
メイリン「あんな色のファンネルと思っとけば良いわよ」
オクレ「サンキュー」
シン「……俺の説明……」
262萌えP Y 宇宙を萌える6/10:2006/08/03(木) 21:54:12 ID:???
ミーア「私の知らない武器が隠されていたのか」
マユ「わかるまい!Ζ以外のガンダムを知らずに参加したミーアには!トトロを見れずに涙し、この歳
   で全てのガンダムシリーズを見尽くしたマユの経験を!」
ミーア「トトロを観てない…そんな事で小学生の話題に付いていけるものか!」
マユ「何?」
ミゲル(マユはそれ以外の知識に長けている)
ハイネ(ガンダムと下ネタのね)
ミーア「全身タイツの声?」
マユ「まだ、抵抗するのなら! うぉぉぉぉぉ! 」
刀を振りかぶり切りかかってくるマユをミーアは迎撃しようとするが…
ミーア「動け!全身タイツ、何故離さん! 」
両腕を全身タイツの二人組みに掴まれ、身動き出来なかった。
マユ「ここからいなくなれぇ―――!!!」
そのままマユは身動きできないミーアに刀を一閃させた…が
ミーア「私だけが、死ぬ訳がない。貴様の心も一緒に連れて行く、マユ・アスカ…って、言いたいとこ
    ろだけど…残念♪」
マユ「……ジオの隠し腕のつもり?」
ミーアの蹴りをギリギリで受け止めたマユが呟いた……靴のつま先にはナイフが仕込んであり、後少し
でマユに当たるところだった。
マユ「だが、不意打ちさえ凌げばこんなモノ!」
ミーア「!」
足を掴み再び切りかかろうとした時、フィンファンネルがミーアの拘束を解きマユの背後にまわった。
マユ「え?」
マユが後ろを振り向くとそこにはビニールシートを広げマユを庇うフィンファンネルの姿があった。
マユ「ファンネルバリアが作動した?」
フレイ「そちらのファンネルは随分と便利だな」
マユ「フレイ!?…まさかルナが……」
フレイ「いや、まだ生きてるよ……尻尾を巻いて逃げたがな」
マユ「あの役立たず!」
フレイ「さて、ファンネルを用意しているとはルナより厄介そうだ……貴様から片付けさせてもらう」
マユ「ほざくな!返り討ちにしてやる!」
睨み合うマユとフレイ、その脇にはパールピンクの全身タイツと白黒の全身タイツ……


レイ「……シュールな光景だ」
263萌えP Y 宇宙を萌える7/10:2006/08/03(木) 21:55:26 ID:???
マユがフレイに気を取られていると…
ミーア「私を忘れてもらっては困るな」
背後からミーアが声をかけ剣を振り下ろした…
マユ「しまっ!…え?」
しかし、銃声が響くとミーアの手から剣が弾き飛ばされていた。
ミーア「なっ!」
マユ「ルナ!」
そこにはショットガンを構えるルナの姿があった。


ヨウラン「おぉ!再び全員が揃いました!ますます混迷するこのバトル!……それにしてもルナマリア選手
   素晴らしい射撃の腕前です」
レイ「いや、アレはミーアを狙った弾が外れて剣に当たったんですよ」


ルナ(おかしいなぁ……何で当たらないんだろ?)
フレイ「ふん!今更、何をしに戻った?」
ルナ「え!…これ(銃)が無いと不便だと思ったのでね…今度は先程のようにはいかん」
フレイ「正確にミーアの剣を狙った腕は認めよう!だが…」
マユ「待って!…同じファンネル使い同士、決着を付けましょう」
フレイ「面白い……いいだろう!」
ミーア「では…」
ルナ「私がミーアとか……」
そう言うとルナは手にしていたショットガンを捨てた。
ミーア「正気?(あれ程の腕前なのに!)」
ルナ「アンタも素手でしょ(当てる自信ないし)」

………………………………………………………………………………

フレイ「良いのか?私は三つ、そちらは二つ、どちらが有利かなんて説明するまでも無いが?」
マユ「ファンネルで大事なのは数でなく使い方よ。使うときは全部出して、『当たれぇ!』とか叫んで
   るだけの、どっかのバカな小僧と同レベルに思われたいの?」
フレイ「ゴメン…それだけは勘弁して」
マユ「分かればよろしい、では見せてあげるわ……私のフィンファンネルと貴女のファンネルの違いを
   ……いけぇ!フィンファンネル!!!」
264萌えP Y 宇宙を萌える8/10:2006/08/03(木) 21:57:10 ID:???
マユが声を上げると白黒の全身タイツが…まず立位体前屈で体を折り曲げ……続いて勢い良く背を伸ば
しジャンプ……
フレイ「ヒッ!……な、なんなの?」


ヨウラン「……え〜と……これは?」
レイ「……おそらくフィンファンネルの動きを模しているかと……」
アウル「気持ち悪ぃ〜〜〜」


マユ「どう?」
フレイ「え?…『どう』と自慢げに言われても……気持ち悪いとしか……」
マユ「これが分からない貴女に勝ち目は無いわ……いけっ!フィンファンネル!!!」
フレイ「バカなことを!ファンネル!!!……えぇ?!!!オルガ!」
白黒の全身タイツ二人組は一瞬でパールピンクの全身タイツの1人を葬り、2対2になると圧倒的に
優勢に攻め始めた。
フレイ「な、何で?」
マユ「知りたい?……貴女はファンネルを無理矢理に酷使している。それに比べ私のフィンファンネル
   は自ら望んで戦っている」
フレイ「そんな!あんな格好をしておきながら自ら望んで!?」」
マユ「無理矢理に全身タイツを着せられたら、恥ずかくてヤル気なんて起きないでしょ?だから餌を与
   えたの……」
フレイ「餌?」
マユ「言ったのよ、戦闘中ならドサクサに紛れて揉んだり摘んだりしても事故だって♪」
フレイ「なっ!……きゃぁぁぁぁぁぁ!!!」
フレイは見てしまった……白黒タイツ組の自分を見る欲望にまみれた視線を…全身タイツのためハッキ
リと分かる股間の膨らみを……
フィンファンネル(ほ〜こた〜〜〜〜ん♪)
フレイ「ちょっ!いや!来ないで!!!……って?」
今まで動きの鈍かったパールピンクの全身タイツが突如スピードを上げ、フレイに飛び掛ろうとした
白黒の全身タイツを叩きのめした。
マユ「うん、やっぱりアンタがピンチの時はマジになるわね常夏たち……自分が愛されてるって、分か
   った女王様♪」
フレイ「え?」
声に反応し、後ろを振り向くと何時の間にかマユが背後に回って刀を振りかぶっていた。
マユ「暗黒の世界へ帰れ!フレェ――イ!!!」
265萌えP Y 宇宙を萌える9/10:2006/08/03(木) 22:00:54 ID:???
フレイ「!……私が負けた?……こんな子供に?」
攻撃を受け薄れいく意識の中で、彼女は敗因を考えた。
フレイ(変態二人に気を取られたから?……あれ?でもアイツ等はシャニとクロトが……そうか私3人
    を信用してなかった。……あんな格好させたから嫌がってるって知ってたし……あのまま続け
    てたら、どっちにしても負けてたな……それにしても、わざわざあんな事言ってシャニとクロ
    トに本気を出させるなんて……私がピンチになると本気で守るって信じて……)
フレイは自分を破った少女を見つめ微笑んだ。
フレイ「……強い子に会えて良かった」


フレイ・アルスター戦死 4926ポイント


メイリン「抜かれた〜!」
ヨウラン「フレイ選手、最後までハマーンのセリフで見事にトップに立ちましたぁ!」
ネオ「そんなにハマーンが好きかぁ!」
シン「好きだぁぁぁ!!!」
サラ「お久しぶりです。ところで相変わらずネオさんに萌えていますが?」
ギル「……ノーカウントだ」


ミーア「フレイ!」
フレイが倒れたのを見たミーアは驚きの声を上げた。
ルナ「では、こちらも決着を付けようか」
ミーア「……ルナの敗北でね」
ルナ「いや、そうは行かないわね。こっちも切り札を使わせてもらうから」
ミーア「切り札?」
ルナ「そう、我がホーク家に伝わる最強の奥義で!」


ヨウラン「ホーク家に伝わる奥義?それはいったい?」
レイ「私も初耳です……メイリン?」
メイリン「へ?私も知らないけど……」
266萌えP Y 宇宙を萌える10/10:2006/08/03(木) 22:02:25 ID:???
ルナ「私のこの手が真っ赤に萌えるッ!勝利を掴めと轟き叫ぶッ!ばぁぁぁぁく熱ッ!……ゴォォォッ
   ド!フィンガァァァァッ!!!」


ヨウラン「それかい!」
レイ「イヤ!あれは!」


ミーア「単なる掌底突き?……舐めるな!」
掌底突きに対応するためガード上げたが、ルナの体が沈み下腹部に手を置かれた。
ミーア「ちょっ!!!ドコ触って…」
ルナ「ホォォォォク!カトォッ!!!」
ミーア「!!!!!!!!!!!」
ルナの気合の声と同時に手が振動すると、ミーアは声も出せずに失神していた。


ヨウラン「こ、これがホーク家に伝わるゴッドフィンガー?」
レイ「ホーク・カトー?」
メイリン「違う!違うからね!皆そんな目で見ないで!」


恍惚とした表情で失神したミーアに止めをさし、指先に付いた雫を払いながら最後の敵を睨んだ。
ルナ「さあ、この技……幼女相手でも充分に使えるぞ」
マユ「……しょ、正気か…このアマ」


ミーア・キャンベル戦死 4283ポイント
267通常の名無しさんの3倍:2006/08/03(木) 22:04:28 ID:???
萌えティニープランY 宇宙を萌える投下終了です
最初はファンネル対決がラストバトルになる予定だったんですが
この前AVを見たせいで、変なネタ思いついて……長くなってスマン!

次は最終回『逆襲の萌え』です
大会後のおまけも入れる予定
268通常の名無しさんの3倍:2006/08/03(木) 22:26:52 ID:???
>>萌えP
夜中に大声出してわらっちったい。
それにしても、変態しかいないのか? ZAFT学園……
269通常の名無しさんの3倍:2006/08/03(木) 22:28:20 ID:???
もう何処からどうツッ込んでいいのやらwwwww
面白すぎます!素晴らしすぎます!!

レイ&ヨウランコンビもフレイ様と常夏トリオの絆もメイリンの苦労も・・・・・・・、
ああ、もう皆好きだ――――――――――――――――!!!!!!
270通常の名無しさんの3倍:2006/08/03(木) 22:34:15 ID:???
俺も好きだ―――――――――――――――――――――!!!!!!
271通常の名無しさんの3倍:2006/08/03(木) 22:59:19 ID:???
ファンネルwテラワロスw
やはりシャアルナはロリコンなのか
272通常の名無しさんの3倍:2006/08/03(木) 23:55:17 ID:???
すっげーwなにこのアホどもw腹イテェ
ところでフィンファンネルはホントは対ステラ用だったん?
273通常の名無しさんの3倍:2006/08/04(金) 00:10:29 ID:???
循環呼吸が出るとは思わなんだ
ま、私は優秀じゃないから出来んがね
274通常の名無しさんの3倍:2006/08/04(金) 11:47:44 ID:???
ホークカトーに噴いたwww
275オクレ兄さんが「兄さん」である理由3:2006/08/04(金) 13:30:01 ID:???
遅れてスマソ。>>191の続きです。

??「プッ…フフ、ハハハハハ!」
オクレ「何がおかしいんだよ!」
??「いや、お前、顔真っ赤」
オクレ「…っ!」
??「まぁ、お前の気持ちもわかるぜ。俺も似たようなもんだからな」
オクレ「え?」
??「物心ついたときからここにいた。いるのはお前みたいなひねたガキばっかだ、当然友達なんてものはいなかった。でもな」

その人は俺の頭をなでてこう言ったんだ。

??「ムカつく自分を抑えてそいつらと喋ってみると、結構面白くてな。まぁあれだ、自分の態度を変えなきゃ友達なんてできねぇってことだ」
オクレ「…俺が、変える…」
??「そう、お前が変わることが大事なんだよ。じゃあな」

そうして、その人は去っていった。で、その日から俺は態度を改めてみた。

(現在)
アウル「それで変わったのかよ!スティングってば僕らには全然話さないくせに、なんでシンには話すんだよ!」
オクレ「お前らに言ったって仕方がないだろう」
アウル「ま、それもそうかな。いや、それにしてもん時は気持ち悪かったよなぁ〜、「ロドニアのジャイアン」って言われてたスティングがすごく優しくなってんだぜ?何か悪いモンでも喰ったんじゃないかって思ったよ」
オクレ「お前ら、そんな呼び方してたのか…」
シン「…え、それで、その人は今、どこで何を?」
オクレ「さぁ〜、今頃バイトサボって本でも読んでるんじゃねぇの?」
シン「???」
276通常の名無しさんの3倍:2006/08/04(金) 17:56:59 ID:fst5el9x
本?!まさか常夏のあいつか?
277通常の名無しさんの3倍:2006/08/04(金) 22:17:16 ID:???
ちょwwwwww
ロドニアのジャイアンってwww
278遠く険しきヒロインへの道:2006/08/04(金) 22:25:58 ID:???
それは、ある麗らかなくそ暑い夏の午後のこと。

「納得いかなぁぁぁぁぁ――――――――――――――――っい!!!」

クルーゼ邸にて、ルナマリア・ホークの叫びが木霊した。
テーブルの向かい側座るレイ・ザ・バレルは、その声量に一瞬煩げに眉を顰めたが、
すぐにいつもの涼しい顔に戻り、よく冷えた麦茶の入ったコップに口をつける。
レイ「落ち着け、ルナマリア。全くいきなり人の家に押しかけてきたと思えば、これか……」
ルナ「うるさい!これが叫ばずにいられますか!!」
レイ「だったら自分の家で叫べばいいだろうが」
ルナ「やめてよね!そんなことしたら近所迷惑で苦情がくるじゃない!!」
レイ「…………おい」
レイの口元がひくつく。一般の生徒がその場にいたならば裸足で逃げ出すだろう、ZAFT学園裏番の
絶対零度の視線に晒され、しかしそこはさすが無敵の幼馴染。ちっとも堪えた様子はなく、平然とし
た顔で出された麦茶を一気に飲み干した。
ルナ「あー、叫んだらちょっとはスッキリしたわ。ありがとね、レイ」
レイ「………………………………………もういい」
重く長く溜息をついて、レイはなんとか気を持ち直した。
レイ「それで、一体何が納得いかないんだ?」
ルナ「あ、そうそうっ、そうなのよ、思い出したらなんかまた腹が立ってきたわ!」
レイ「だから、何が?」
ルナ「最近の私の扱いよ!メインヒロインのはずなのに、近頃めっきりギャグキャラじゃない!!」
レイ「最近というより、最初からだろ………」
レイが全てを言い終える前に、白銀の刃が飛んできた。レイは咄嗟にそれを受け止めた。
ルナ「んー?何かいったかしら、レイ?」
レイ「……………いや……すまない。……それより、この鉈どっから取り出した?」
ルナ「乙女の秘密v」
そういって、ルナマリアはまたどこへともなく鉈をしまう。
ルナ「最初は確かに恋に暴走したところはあったわよ。でも、それは可愛い女の子によくある若さ故の過ちよ」
色々突っ込みたいところはあるが、レイは懸命にも沈黙に徹した。
ルナ「それなのに、最近の私ときたら、恋する乙女どころかストーカーに痴女……おまけにレズの気まで……」
レイ「ついでに、女王様スキルも身に付けようとしているな」
ルナ「それはいいのよ。シンが可愛いから」
レイ「……いいのか?」
279遠く険しきヒロインへの道A:2006/08/04(金) 22:27:07 ID:???
ルナ「とにかく!このままではいけないわ。早々にまともなヒロインに軌道修正しなくては、マユはいいとして、
ステラとデスティニーさんには勝てない!!」
レイ「デスティニーさん?誰だ、それは?」
ルナ「問題は、まともなヒロインってイメージが漠然としすぎて、上手く思い浮かばないのよねぇ。てなわけで、レイ、なんかない?」
レイ「ちょっと待て。その前に、何故俺なんだ?こういったことは、ヨウランやヴィーノが適任だろう。それに、シン自身に好みを聞いて、
それを参考にした方が早いのではないか?」
ルナ「だぁって、ヨウランなんて胸の大きさが基準だし?ヴィーノなんかに相談したら、きっとメイリンのノロケ話聞かされるのがオチよ。
シンは問題外ね。あのお子様がまともなヒロイン像をだせますか。きっとデスティニーさんの性能とかその辺を事細かに言うだけ……」
レイ「だから、デスティニーさんって誰だ?」
ルナ「で、消去法で残ったのがレイって訳。感謝しなさいよ、一番まともな男として選んであげたんだから」
レイ「素直に喜べないのは何故だ……?それに、まともなヒロインと言われてもな……そうだな、一見天然可愛い系と見せかけて、
その裏では国民の血税で造られた戦艦や兵器を盗んで勝手に私物化し、平和を歌いながら、古びたノート一冊片手に、
自国に戦争をふっかける電波な女性とか?」
ルナ「そんなやたら具体的な危険人物はいらん。そうねぇ……例えばレイの好みのタイプは?」
レイ「俺の好み?それは、あまり関係ないのでは……」
ルナ「いいのよ、あくまで参考例がほしいだけだし。レイだとやっぱり、お淑やかなお嬢様系?大人っぽいタイプ?」
レイ「あまり考えたことはないが・・・・・・大人しいより多少我侭なのが可愛い気がする」
ルナ「あら、意外」
レイ「そうか?あと、頭がいいよりは、単純馬鹿の方がからかいがいがあって楽しい。いつもは周りに振り回されてばかりいるが、
いざという時立っていられる芯の強さも欲しいところだ」
ルナ「ふむふむ」
レイ「自分より他人が大事で、守ると決めれば真っ直ぐ一途、下手すると視野が狭くなり、すぐ暴走して危険を省みず周りを心配させ、
自身が傷つくことには無頓着。年上には反抗するものと思い込み、しかし一度尊敬すると子犬のように尻尾を振って懐くツンデレ具合。
そして年下や弱い者には無条件で優しいお兄ちゃん気質」
ルナ「………ん?」
レイ「顔は悪いよりは良いに越したことはないが……、ああ、俺は髪が金色のせいか黒髪に憧れる」
ルナ「……」
レイ「肌は色白で、目つきは少々悪いほうがいいか。吊り目がちで、瞳の色はルビーのようなあ……」
ルナ「悪霊退散――――――――――――――――――――――っ!!」
突如振り下ろされた斧を、レイは間一髪で受け止めた。
レイ「いきなり何をする、ルナマリア!?」
ルナ「あーら、ごめんなさい。目の前にとっても大きくて危険な害虫がいたもんだから、つい」
レイ「ただの冗談だろう」
ルナ「あんたの冗談は冗談に聞こえないのよ」
そして、再びルナマリアはどこへともなく斧をしまう。
280遠く険しきヒロインへの道B:2006/08/04(金) 22:27:56 ID:???
ルナ「たくっ、人が真面目に悩んでるのに、どいつもこいつも」
レイ「すまなかった。だが、例え俺が物静かでおっとりとした女性をあげたとしても、お前がそうなることはできないだろう?」
ルナ「……悪かったわね」
レイ「悪くはない。お淑やかで大人しいルナマリアなぞ気味が悪いだけだ」
ルナ「……」
レイ「もっと自分に自信を持て。確かに最近特に暴走が激しい気がせんでもないが、それはもう少し自制を覚えれば良いだけのこと。
お前の持ち味をわざわざ消すことはない。俺もシンも、今のお前が好きだからな」
ルナ「……うん、ありがとう」
レイ「ああ、そうだ。いい案がある」
ルナ「?」
レイ「いっそシンをヒロインにして、ルナマリアがヒーローに徹すればいいんだ。それで問題はない」
ルナ「根本的な解決になってないでしょう――――――――がっ!!!」
レイ「気にするな。女難軍団の方が漢らしいと評判だからな、きっと誰も気にしない」
ルナ「…………………………………………………………………」

ルナマリア・ホークは、黙ってバズーカ砲を用意した。
281通常の名無しさんの3倍:2006/08/04(金) 22:29:36 ID:???
こんなこと書いておいてなんだが、
大好きだぞ、ルナマリア―――――――――!!
282通常の名無しさんの3倍:2006/08/04(金) 22:51:52 ID:???
>>281
ルナ何持ってんだwwwwww
ワロタ、GJ!!
283通常の名無しさんの3倍:2006/08/04(金) 22:52:26 ID:???
>>278-280
GJ!つかやたらと存在を主張されてるデスティニーさん吹いたww
284通常の名無しさんの3倍:2006/08/05(土) 00:27:41 ID:???
>>281俺も好きだぁ――!
どれくらい好きかっていうと 

 諸君 私はルナが好きだ
 諸君 私はルナが好きだ
 諸君 私はこのスレのルナが大好きだ

 アホ毛が好きだ ミニスカが好きだ ニーソックスが好きだ 
 幼馴染設定が好きだ お姉さんキャラが好きだ おバカなところが好きだ 
 学園で 自宅で シンの家で 街中で ゲーセンで 友人宅で 
 このスレで行われる ありとあらゆるルナの行動が大好きだ
 シンのために弁当を作りマユとステラと争ってるところ好きだ
 マユと怪しげな作戦を練ってる姿には心がおどる
 何故か戦う事になって敵を撃破するのが好きだ
 悲鳴を上げてシンに抱きついたときなど胸がすくような気持ちだった
 ゴッドフィンガーまで憶えミーアを蹂躙するのが好きだ
 シンとレイとの過去の話は感動すら覚える
 やりすぎたマユにお仕置きする様などはもうたまらない
 シンを喜ばそうとコスプレをするところなど最高だ
 何時の間にかレズに興味を持っていたことには絶頂すら覚える
 恋敵のはずのステラの面倒を見ているのが好きだ
 マユにいいようにからかわれた時など屈辱の極みだ

 諸君 私はルナを 芸人の様なルナを望んでいる
 諸君 このスレを見ている大隊戦友諸君 君達は一体 何を望んでいる?
 更なるルナを望むか? 情け容赦のない ネタを望むか?
 鉄風雷火の限りを尽くし このスレの住人を笑わす嵐の様なルナを望むか?
285通常の名無しさんの3倍:2006/08/05(土) 01:13:41 ID:???
>>283
某スレSSのデスティニーさんは、ご主人に振り回されて泣いてまつ。
286通常の名無しさんの3倍:2006/08/05(土) 01:47:02 ID:???
>>285
その某スレ知ってる希ガスww
287285:2006/08/05(土) 02:04:16 ID:???
>>286
お前は俺か!?
288.seed//DESTINY (予告編):2006/08/05(土) 16:06:22 ID:???
―――それは、一つのオンラインゲームから始まった。

「『Tane World』?それ何てエロゲ?」
「普通のオンラインゲームだよ。発売されるや否や、店頭から消えるほどの
人気なんだぜ?」

―――だが、そのゲームは。

「時間かかるみたいだし、今度の週末でも、どうだ?」
「でもこれってソフトがないとできないんじゃ?」
「心配するなって。・・・ほら」
「ちょwwwwこれって違法コピーじゃん」
「大丈夫だって。学校のPCでやったから」
「・・・余計に良くないと思うが。それ以前に、来週は期末テs」
「まーまー、いいじゃないの。一日ぐらいさ」

―――夢と冒険と、少しの悪意でできていた。

「うち、パソコンない・・・」
「大丈夫、私んちに来ればパパの古いのが何台かあるわよ」
「いいの・・・?」
「悪いな、いつも」
「あなたも付き添いで来たら?今日はバイトないんでしょ?」
「私も行くー!!」

―――少年達は、仮想世界『Tane World』に足を踏み入れた。

「宿直ってヒマなんだよなー。さて、校内は誰もいないし、エロゲ・・・とその前に、
パソコン部の部室に一枚落ちてたディスクでも見てみるか」

―――これから起こる出来事も知らずに。

「クケケケケ・・・私ラ○スちゃん
・・・・・・・・・今あなたの P C に い る の」

.seed//DESTINY
近日公開・・・するかもしれないし、しないかもしれない。


怪談の方へ
ピンクの無断使用ごめんなさい・・・やってしまいましたorz
289通常の名無しさんの3倍:2006/08/05(土) 20:28:49 ID:???
>>288
>>近日公開・・・するかもしれないし、しないかもしれない。

本気の予告かそれとも一発ネタか?反応しにくい……
もし、本気の予告なら『Tane World』の世界観を先に教えて欲しいんだが?
290通常の名無しさんの3倍:2006/08/06(日) 02:24:27 ID:???
>>289
わかりにくい表現ですみません。
現時点では本気の予告です。筋書きもできてはいるんですが、
問題は、家でPC開く時間がとれるかどうか・・・。

世界観について。
元ネタは「.hack」内に出てくる『The World』というものです。
基本的にはドラクエや昔のFFみたいなRPGの世界を想像していただけると
良いかと。ただ、ちょっとだけ種要素も加わってます。
詳しくは本編で。
291通常の名無しさんの3倍:2006/08/06(日) 09:39:22 ID:???
OK期待します
292萌えP最終回 逆襲の萌え1/5:2006/08/06(日) 10:06:27 ID:???
ヨウラン「え〜と…これが最後のバトルになるわけですが……ルナマリア選手、目が危ないような?」
レイ「いっちゃってますね、あのマユが怯えてます……」


妖しく目を輝かせて、ゆっくりと呟いた。
ルナ「マユもすぐにいかせてやる」
マユ「じょ、冗談でしょ……」

戦場の端では目が覚めたフレイがミーアを介抱していた。
フレイ「ちょっと!ミーア正気に戻って!ルナ!あんた何すんの!?」
ミーア「……ふにゃ〜ん♪」

ミーアの姿を見たマユは自分もああなるのかと恐怖していた。
マユ「何でこんな技を使う!これではルナの虜になって男に満足しなくなる!レズの嵐が来るぞ!」
ルナ「私は恋敵を減らすことしか考えていない!だからいかせると宣言した!」
マユ「女が女に快楽を与えるなどと!」
ルナ「私、ルナマリア・ホークに萌えさせようと言うのだ!マユも!」
マユ「レズだよそれは!」
ルナ「私の女難の時が来ているのだ!……そんなものでは!」
フィンファンネルが襲い掛かってきたが、攻撃を回避し…
ルナ「ゴッドフィンガーの威力、甘く見るな!ホォォォォク!カトォォ!!!」
ミゲル「!!!!!!!!!!」
ハイネ「!!!!!!!!!!」
両名は尾てい骨付近を突かれただけで悶絶してしまった。
マユ「チッ!フィンファンネルが敏感すぎたか!」
ルナ「この性技(わざ)、元はシンのために身に付けたもの、男でもこうなる」


ヨウラン「男にも効くんだ……」
ヴィーノ(……ホーク家の奥義)
メイリン(な、なに?期待されてる!?)
293萌えP最終回 逆襲の萌え2/5:2006/08/06(日) 10:07:40 ID:???
ルナ「さあ、次は貴様の番だ!忠告しておくが下手に暴れると勢いが余って、膜が破れるぞ!」
マユ「ちぃっ!それだけはやらせるか!」
マユは接近戦では分が悪いと銃を取ろうとするが…
ルナ「そうはさせんよ」
マユの手が届く前に銃を奪い遠くへ投げ捨ててしまった。
マユ「そんな!」
ルナ「もうすぐ、この長かった戦いも終わる……私が最高の萌えキャラとして君臨する!」
マユ「萌えキャラのこと、知らないんだな。萌えキャラはいつも腐女子がコスプレを始めるが、豚みた
   いな体型を持っていてもやるから、イタイことにしかならない。」
ルナ「……服から肉がはみ出る?」
マユ「だから萌えオタはコスプレの後では、可愛い萌えキャラだって汚された気分になるから、萌えオ
   タはそれを嫌って、その萌えキャラから身を引いて他のキャラにはしる。だったら……」
ルナ「私はコスプレされる側になるなど考えていない!」
ルナはマユに接近しようとするがマユは刀を振り回し懐に入られるのを防いでいた。


ヨウラン「ルナマリア選手、ここに来て凄い動きだぁ!」
レイ「素手で刀と渡り合うとは……」

  
マユ「なんでサーベルを使わないんだ!」
ルナ「私はお前と違って、ただ敵を倒すだけで満足するわけにはいかん!」
マユ「なんだと!」
ルナ「マユ!貴様をモノにするためだ!」
マユ「マユたちとお兄ちゃんを取り合ってた女が、なんでレズビアンに!」
ルナ「今までの私たちはシンを苦しめているだけの、独占欲に魂を縛られている人々だ!」
マユ「だったらルナが身を引けばいい!」
ルナ「まず妹の貴様から諦めるのが筋だろ!」
マユ「だぁ〜〜〜!言ってることが無茶苦茶ぁ!!!」
ルナ「ならば分かりやすく教えてやる!」
マユ「え?(トチ狂ってんじゃ無いの?)」
ルナ「私とマユとステラがレズになれば……シ ン と 4 P で き る!!!」
294萌えP最終回 逆襲の萌え3/5:2006/08/06(日) 10:08:42 ID:???
ヨウラン「………………………………お姉さん正気?」
メイリン「……お願い、私に聞かないで……」
ギル「うむ、戦いの中でこそ人の真実が暴かれるという私の読みは正しかった…」
ネオ「ウソつけ!いつも通り適当にやってんだろ!」
レイ「いや、普段は理性で抑えている考えがここにきて爆発した可能性があります。少なくとも今のル
   ナは少し錯乱しているようだ」
ヨウラン「う〜ん、なんでこうなったんでしょう?」
レイ「有り余る愛情をシンが受け止めてくれないから、暴走していつも側にいるマユとステラに向いた
   のでは?」
ヨウラン「母性本能が強いからですかねぇ〜」
メイリン「……わたし、愛情を向けられた記憶が無いんだけど?」
レイ「お前は放っておいても平気だからだろ」
ヴィーノ「シンはガキっぽい……マユちゃんは子供だしルナに似たとこがあるからメイリン以上に妹っぽ
   い……ステラはアレだし……」
ヨウラン「ある意味、好みのタイプは一貫してるな、保護欲を刺激するって方向で……」


マユ「………………………………ア、アホかテメェェ―――!!!」
ルナ「どこがっ!?」
マユ「お兄ちゃんは、マユ達のエゴ全部を飲みこめやしない!」
ルナ「シンの性欲はそんなもんだって乗り越えられる!」
マユ「ならば今すぐお兄ちゃんに性欲を授けてみせろ!」
ルナ「貴様を犯ってからそうさせてもらう!」
マユ「って!いつの間にかマユがシャアのセリフ!」
ルナ「貴様が負けるからだよ!」


サラ「ところでシンさんの様子がおかしいのですが」
シン「あ?大きな星が点いたり消えたりしている。ハハ大きい……彗星かな?いや違う、違うな……
   彗星はもっと、バァーって動くもんな……暑っ苦しいな……ここ、出られないのかな。お〜い
   出してくださいよぉ〜!ねえ……」
ヨウラン「そりゃ、あんな会話を聞かされたら……」
アウル「身の危険、感じるよな……」
サラ「ちなみにルナマリアさん、マユさんの現ポイントですが……」
ギル「いくつだね?」
295萌えP最終回 逆襲の萌え4/5:2006/08/06(日) 10:09:55 ID:???
サラ「両名とも0ポイントです」
ギル「…………頑張りすぎだな」
レイ「それも逆方向で……」
シン「帰る……俺、おウチに帰る……」
オクレ「おい!しっかりしろ!」
レイ「これでは優勝も不可能ですし……中止にしますか?」
ギル「いや、面白いから続行♪」
ヨウラン「さすがです理事長♪」
メイリン「鬼だ!つーか、やっぱり誰が一番の萌えキャラかなんて、どうでも良かったんだ!」
ヨウラン「……お前さぁ、本気でこのルールで優勝して嬉しかったのか?」
メイリン「……実はあんまり……」
ヴィーノ「あれ?さっきまでと二人の様子が違う……」


ルナ「マユは嫌いなの?」
マユ「は?」
ルナ「今の関係が……」
マユ「そんなの……」
ルナ「このままでは遅かれ早かれ、シンは誰かを選ぶことになる」
マユ「そんな先の事まで!」
ルナ「私はシンが私以外の子を選ぶのは嫌……」
マユ「そんなのマユだって」
ルナ「でも、シンが私を選んでマユとステラが悲しむのも見たくない…」
マユ「……………そ、それ以上言うな!」
ルナ「何故!私はずっと皆といたい!マユだって…」
マユ「相手にしていられるか!」
ルナ「逃がさん!」
マユは学園の廊下に設置された屋内消火栓の元まで走るとふたを開け消化ホースを取り出した。
マユ「このバカ!頭悪いくせに余計な事で悩んで……頭冷やしてやる!」
ルナ「やらせん!」
元栓を開ける前にルナが攻撃をしかけてきたため、マユは水の出てないホースを持ったまま逃げるしか
なかった。
ルナ「水の出ぬホースで戦うつもりか?」
すでに消火栓からは離され、間にはルナが立ち塞がっていた。
マユ「まだ、手はある……マイクロウェーヴ送信!」
そう言うとポケットから携帯電話を取り出し…
マユ「作戦開始、元栓開けて」
296萌えP最終回 逆襲の萌え5/5:2006/08/06(日) 10:11:01 ID:???
マユが携帯に向かって話しかけると一人の少女が現れた
コニール「あ、あなたに力を……」
恥ずかしそうに呟きながら消火栓の元栓を開け始めた。
マユ「切り札がフィンファンネルだけと思ったのが間違いね」
ルナ「まだ、隠し玉が?させるか!」
マユ「コニールを攻撃したら、その間に背中から斬る!」
ルナ「なっ!…ならば水が来る前に仕留める!」
マユ「最後にさっきの答えだけど、マユもルナとステラが好き…だから一緒にいるのは楽しい……でも
   先の事なんてわからないし、考える気もない!」
ルナ「くっ!……でも私は!ゴォォォッド!フィンガァァァァッ!!!」
マユ「サテライトキャノン!」
ルナ「ホォォォォク!カトォッ!!!」
マユ「発射ぁ―――!!!」


…………………………………………………………………………………………


ギル「優勝、おめでとう」
フレイ「ありがとうございます」


メイリン「終わった終わった」
ヴィーノ「おつかれ〜」
アウル「で、シンの奴どうする?」
シン「………………………………………」
オクレ「まだ、現実に戻って来ないか…起こすか」
アウル「あ〜それもだけど、ルナが言ってたこと教える?」
オクレ「あ?『ずっと一緒にいたい』てやつ?……そんなのおチビが言ったろ『先の事なんか』って
    おら!起きやがれ!」
シン「おわっ!へ?あれ?………」
ミーア「お〜い!フレイが打ち上げにカラオケ行こうって」
ステラ「フレイ…みんなのぶん…お金だすって」
アウル「いいのかよ?」
フレイ「ど〜せ賞品の図書券は換金するし、足りなくてもポケットマネーから出すわよ」
アウル「お嬢は……」
シン「あれ?……何、終わったの?」
ヨウラン「ああ終わったぜ、ちなみに優勝はフレイ、最後まで立ってたのは……」
ヨウランの指差す方向を見ると水圧で吹き飛ばされ失神したルナと、恍惚とした表情で失神したマユが
倒れていた。
レイ「相打ちでダブルノックダウンだ」
297萌えPおまけ1/3:2006/08/06(日) 10:12:06 ID:???
長い戦いが終わった。私は濡れた服を着替え仲間たちとカラオケに向かっている。
いつもだったら、カラオケと言えば必ず参加するミゲル先輩とハイネ先輩は私のゴッドフィンガーを
喰らったためパンツがカピカピしてると泣きながら帰った。多少の罪悪感が残ったがフレイとステラ
にはすごく感謝された。
マユは目が覚めるなり、私を殴り『今度トチ狂ったら殺す』と言った。そう言われても最後のほうは
記憶が無いのでよく分からないけど、マユの目が本気だったから頷いておいた。
ステラは幸せそうに私とマユを見ている。何かあったんだろうか?
メイリンは何時もより冷たい目で私を見ている。お姉ちゃん悲しい。
ミーアは私と目が合うと顔を真っ赤にし、慌ててステラに抱きつく、ゴッドフィンガーの後遺症だろう
しばらくはこのままの状態が続くはずだ。
フレイは先頭を常夏3人組と歩いている。彼等に対する態度が何時もより優しい。まあ、どうせ長続き
はしないだろう。
ヨウランはヴィーノと並んで今日のことを話している。内容はミーアの胸の揺れ具合、相変わらずね。
スティングとアウルは街中で踊ろうとするステラを嗜めながら、ネオを殺すとか呟いている。図書券が
欲しかったんだろうか?
そしてシンは……


シン「一番、シン・アスカ『哀・戦士』歌います」
最後のほうで何かショックなことがあったらしいが、基本的に今日のイベントが楽しかったらしくノリ
ノリで歌いだした。
まあ、最初なのに『翔べ!ガンダム』でなく『哀戦士』を選んだ事には意外だったが文句は無い、これ
で『砂の十字架』を歌いだしたら、いくらシンでも全力で阻止しただろう。アレはカラオケで歌っては
いけない曲だ。
ミーア「は〜い♪次はミーア・キャンベル『Ζ・刻をこえて』を」
ミーアがアニソン?めずらしい事もある……だがこれが後の流れを決定付けた。
メイリン「『水の星へ愛をこめて』を歌います」
……今回のカラオケはガンダムソング大会になっていた。
298萌えPおまけ2/3:2006/08/06(日) 10:13:47 ID:???
みんな萌えティニー・プラン用で研究していたためか、よく知っている。途中、マユとフレイがサイレ
ント・ヴォイスをどっちが歌うかでケンカしていたが……つーかお前らプルとハマーンのつもりか?
ところで、あの歌はハマーンソングともプルソングとも言われるが本当はどっちなんだろ?シンに聞け
ば一発で分かるだろうが、そのために当時の歌手とか製作環境など関係の無い話題を8時間くらい聞か
されそうだから怖くて聞けない。
そして、シャニが0083のOP、THE WINNERを英語で歌ったときの盛り上がりは最高だった。その横
で、龍騎を歌ったらダメなのかと残念そうに呟くオルガが印象的だ。なにやらゴローちゃんゴメンと謝
まっていたが?
そんな中、1人だけレイが歌ってないことに気付いた私はレイに話しかけた。
ルナ「レイ、歌わないの?」
レイ「あまり歌は得意でない」
笛のお兄さんともあろう……あれ?いま変な電波が……いや、そんなことより友人として、一緒に楽し
まなくては
ルナ「そんなこと言わずに、みんなで楽しみましょ」
ちなみに私がレイと暖かい世界を築いている間、ヨウランがウケ狙いの『シャアが来る』を歌っている
……シャアシャア煩い上にピアノの伴奏が耳に響く……
シン「そうだよレイも歌おうぜ」
お?シンが『シャアが来る』を放っておいてレイに話かける。
うむ、いい感じだ。レイを心配する私とシン、この構図こそこのスレの美しく正しい姿、最近の私は
汚れ芸人ばかりで……って、また電波が?
レイ「……そうだな、あまり上手く歌えないかもしれんが……」
シン「別にガンダムでなくてもいいんだぜ」
お姉さんビックリ!シンがそんなこと言うなんて……
レイ「いや、せっかくだしガンダムソングで歌ってみたかった曲がある」
ほう、レイが歌いたい曲とは……やがて曲が流れ出し……
299萌えPおまけ3/3:2006/08/06(日) 10:15:11 ID:???
レイ「前ぶれもなく呼び出すの 天気がいいから♪」
全員「「!!!!!!!!!」」
そ、それは『It's just Love!』ガンダムシリーズ中、最も作品の内容と違和感があるガンダムWの
EDテーマ……いや、それよりもあの曲をメイリンあたりならまだしもレイが歌っているのが……
レイ「Just Love! 気にくわないアイツ♪イジワルをしちゃうのは”好きだから”よ♪」
モニターの歌詞を無表情に見つめ淡々と歌い続けるレイ……
笑うな!笑ってはいけない!あのレイが一生懸命に歌っているんだ。ここは友として……全員が頬を
引きつらせている。もし笑う奴がいればゴッドフィンガーを叩き込む!
私の視線に気付いたのか全員が頷く。
レイ「運命でも偶然でも♪ 思うままあなたと生きたい♪」
すでに、メイリン、アウル、ミーアが限界を超え倒れてしまった。でも私は最後まで聞き届け拍手を
する!絶対に!シンも同じ気持ちだ!
レイ「逆らうなんて10年早い 今に痛い目に会うわよ♪」
すげ〜歌詞だなぁおい……つーかレイ、だんだんと乗ってきたのか『Just Love!』のところだけ首を傾
げるのはヤメテ……お腹が痙攣してきた。
レイ「…ムリなこと言っちゃうの♪ ちょっと ご・め・ん・・・…Just Love!…」
終わった……さらにマユ、スティング、ヴィーノ、オルガが後を追ったが…私は耐えた!レイとの友情
を守り抜いた!そして、拍手をしようとする私にレイの残念そうな声が届いた。
レイ「……ウケなかったか……」
ああ、そういやこの人オチ泥棒なんでしたっけ! 私がレイにゴッドフィンガーを叩き込むと一斉に拍
手が鳴り響いた。
まあ、色々あったけど楽しい一日だった。
300通常の名無しさんの3倍:2006/08/06(日) 10:16:45 ID:???
萌えティニープラン最終話&おまけの投下終了です。
住人の皆様、途中のレスありがとうございました。おかげ様でこちらも楽しく投下できました。
また新しいネタが出来たら投下しようとおもいます。
301通常の名無しさんの3倍:2006/08/06(日) 11:02:10 ID:???
>>300
ありがとうございます
302通常の名無しさんの3倍:2006/08/06(日) 12:44:55 ID:???
ほとばしるほどGJ!!!
303通常の名無しさんの3倍:2006/08/06(日) 14:07:05 ID:???
いやー、GJ!
レズだよそれはッッ
304通常の名無しさんの3倍:2006/08/06(日) 19:03:46 ID:???
すごいワロタwGJでした
305通常の名無しさんの3倍:2006/08/06(日) 21:48:56 ID:???
最近ってルナマリア強化月間?

GJです!
お疲れ様でしたwwwwwwwwww
306通常の名無しさんの3倍:2006/08/06(日) 22:17:14 ID:???
>ルナ「私とマユとステラがレズになれば……シ ン と 4 P で き る!!!」

ある意味で究極の計画。 シンのお尻がもたないぜw
307ギルの改革:2006/08/07(月) 00:02:47 ID:???
ギル「レイ、ふと思ったのだがこのザフト高校には変態が多い」
レイ「はぁ」
ギル「エロゲマニア、レズ×2、あと、卒業生だがストーカー。どうかね?」
レイ「しかし、ザフト高校全員で何人いるか知りませんが、四人だけでは」
ギル「レイ……考えてみろ。君が中学生だったとき、レズとかストーカーなどといたか?」
レイ「はい、レズが一人」
ギル「たとえ四人だとしても、一人は教職員だ。そこで、私は改革を行おうと思うのだが」
レイ「改革をする者がそもそも変態では元も子も無いと思います。失礼します」
ギル「反抗期か……若いな」

短いけど終わり
308通常の名無しさんの3倍:2006/08/07(月) 00:19:22 ID:???
>>307
「一人は教職員だ。」思い切り吹いた…。GJ。

そしてルナが大活躍なのにインスパイアされてみた一品投下します。
309小ネタ:2006/08/07(月) 00:20:42 ID:???
夏休みの一コマ。
三人組、ラウに車を回して貰って近場の浜辺にでも遊びに行った帰り。

シン(後部座席)「ぐー…かー……」
ルナ(その隣)「すぴー…すぴぴぴ……」
レイ(助手席)「…すいませんラウ、予想外の大騒ぎになってしまって」
ラウ(運転席)「ん?…いや、流石に西瓜割りが流血沙汰になったときは私もどうしようかと
思ったがね。しかし、楽しかったのだから良いじゃないか。それともレイは楽しくなかったかい?」
レイ「いえ、そんな事は」
ラウ「それなら良かった。私は楽しかったな。若い人たちと過ごすとなんだか自分も若返ったような
気になるし、…それに、君達三人を見ていると。丁度我々が同じぐらいだった時のことを思い出すんだよ」
レイ「我々…、ギルやグラディス先生達との?」
ラウ「ああ。丁度こちらも三人だったから、見ていて重なる部分も多くてね。
こんなことを言うのも妙だが、最近はレイを見ていると、あの頃の自分を見ているような気分になる。
…いや、当時の私より余程よくやっているか」
レイ「そんな……」
ラウ「…それに、あとの二人も、よく似ていると思う」
レイ「え?
…あの、ルナとグラディス先生でしたら、強い女性だ、という点を見れば近いと考えられない
こともないと思いますが、ギルとシンでは寧ろ比較しろというほうが無茶というか無謀というか
分を弁えるべきというか」
ラウ「…レイ、前から聞きたかったんだが。一体私の知らない間にギルバート・デュランダルという
男について、何をどこでどう吹き込まれたんだね…?
それに、誤解があったようだが、似ていると言いたかったのはその組み合わせではないんだ」
レイ「…は?」
ラウ「さあ、パーキングに着いた。二人とも起きなさい」


ルナ「ねえねえシン!特産品のラベンダーアイスクリームですって!一緒に食べたら幸せになれるかしら!」
シン「ひっつくなルナ!!つか意味がわからん!!」
ルナ「だって愛すクリームvって言うぐらいですもの!」
シン「寒い!それは寒すぎる!!」
ルナ「きゃー、ほっぺについちゃったー!さあシン、ぺろりとひと舐めに」
シン「ハンカチで拭き取っとけ!!」
ルナ「あ!見て見てシン、こんなにハトが集まってきたわ、まるで私達を祝福しているかのようね!」
シン「って餌をねだってるようにしか見えねーよ!…もうだめだやってられん、俺は車に戻る!」
ルナ「あー!ちょっと待ってよシンー!」


レイ「…………」
ラウ「…いや、本当にあの頃を見ているようだ……」


BGM:「君は僕に似ている」
310通常の名無しさんの3倍:2006/08/07(月) 01:23:15 ID:???
ワロタw将来シンはワカメ
311通常の名無しさんの3倍:2006/08/07(月) 01:55:59 ID:???
ルナがワカメだろ?
312通常の名無しさんの3倍:2006/08/07(月) 02:09:36 ID:???
赤ザクだしな
この世界観だと真っ赤なフェラーリでも乗り回すのだろうか
313通常の名無しさんの3倍:2006/08/07(月) 10:27:06 ID:???
とりあえず、「西瓜割りが流血沙汰になった」件について突っ込むべきか・・・・
314通常の名無しさんの3倍:2006/08/07(月) 18:35:11 ID:KMRqiwOF
大方レイに砂に埋めてもらったシンの頭をルナマリアがスイカと間違えて棒でぶったたいたとかだろ
315通常の名無しさんの3倍:2006/08/07(月) 19:06:05 ID:???
いや、偶然海の家にバイトに来てたラスティが通りかかって流血な沙汰に…
316通常の名無しさんの3倍:2006/08/07(月) 19:37:04 ID:???
どっちにしろ流血させたのはルナ方だろうな
317通常の名無しさんの3倍:2006/08/08(火) 00:05:51 ID:???
では、相棒(マユ)がいれば、流血程度ではすまんな
318通常の名無しさんの3倍:2006/08/08(火) 02:21:59 ID:???
死人が出るだろ
319通常の名無しさんの3倍:2006/08/08(火) 12:00:15 ID:???
>>314の場合
シン「(砂に埋められご満悦)あー…結構気持ちいいなこれ。
一回やってみたかったんだよ、サンキューレイ、ラウさん」

ルナ「ねえねえ、早く西瓜割りしましょうよ!」
レイ「そうだな、…シン?」
シン「zzz…(気持ちよさそうに寝ている)」
レイ「…駄目だな、起きる気配がない」
ルナ「いいわ、先にやっちゃいましょ!…よーし、最初は私よ!
さあ西瓜はどこかしら…(目隠し完了、うろうろし始める)」
そこに丁度アイス屋さんが鐘を振りながら通りかかる
ラウ「(ルナから目を離す)ん?アイスか、どうするレイ?」
レイ「(同じく目を離す)そうですね、…でも西瓜があるし、どうせなら
飲み物でも買いに…」

フォン、グシャ!

シン「ぎゃあああああああああああああああああ!!!」
レイ・ラウ「「Σ( ;゜Д゜)」」


>>315の場合
シン「ルナ、もっと右だ右!!」
ルナ「えええ!?こ、こっち?(ふらふら)」

丁度そこに実はラスティだったアイス屋さんが鐘を振りながら通りかかる
ラスティ「アイスー…って、今日も暑いな…」

レイ「止まれ!…よし、そこで振り下ろせ!」
ルナ「わかったわ!いくわよー…、えい!!」
ルナ、棒を振り下ろす。が、手からすっぽ抜けてあらぬ方向へ飛んでいく
ラスティ「え?……がっ!!」
棒がラスティの頭を直撃、ラスティ撃沈
シン「ああああああ!!馬鹿、何やってんだよルナ!」
ルナ「え?(目隠しを取る)…うわあ、やっちゃった」
レイ「…!? …おい、まさかあのアイス屋……」
シン・ルナ「「…………あっ」」
320通常の名無しさんの3倍:2006/08/08(火) 12:31:59 ID:???
スイカ割りをするとき、目隠しをするから、シンと間違えて叩くことはない。ただあるとすれば、

 誰 か が 誘 導 し た 。
321320:2006/08/08(火) 12:34:09 ID:???
リロ長いだいだしてなかった。スマソ
322通常の名無しさんの3倍:2006/08/08(火) 12:39:45 ID:???
>>309
ルナがギルのポジだったのかww
323通常の名無しさんの3倍:2006/08/08(火) 13:23:06 ID:PWwvn1FD
>>320、そうか、だとするとスイカはこっちだという嘘の電波(?)をアンテナでキャッチしてシンを・・・
324通常の名無しさんの3倍:2006/08/08(火) 14:11:42 ID:D8W5G8rR
>>5
325通常の名無しさんの3倍:2006/08/08(火) 16:08:16 ID:???
>>324
やっと退院できたらもう夏休みだったので
バイトしてたら結局>>315ってことなんでは?
326通常の名無しさんの3倍:2006/08/08(火) 21:09:36 ID:???
スペランカーラスティ
327夢酔い夏奇談ー序章@:2006/08/08(火) 22:07:59 ID:???
シン・アスカは、その時一人で歩いていた。
見慣れた街の見慣れた道。
照りつける夏の太陽の下、陽炎の揺らめくコンクリートで舗装された小道。
耳元で劈くように響く蝉の合唱。
一歩進むごとに汗が吹き出る。それを、こまめにハンカチで拭う。
喉が乾いた。冷たいジュースが飲みたい。どこかに自販機はないかと周囲を見回した。
だが、残念なことに見える範囲内では、自販機の影も形も見当たらない。落胆して溜息を零す。
せめて、どこか休める場所はないものかと、木陰を探した。
そこで、ふとシンは立ち止まる。
あれ?と首を傾げる。
素朴な疑問が浮かぶ。
とても基本的なこと。
今自分はどこに向かって歩いているのだろう?
目的地がどうしても思い出せない。
自分の家?それともレイの家?ルナの家?ヨウランの家、ヴィーノの家、学校、ゲームセンター、
駅、コンビニ、公園。候補は幾つもあるのに、どれもしっくりこない。誰かと待ち合わせした覚えもない。
こんな暑さの中、目的もなく出歩くわけがないのに。そもそも、自分はいつから歩いてる?歩く前はどこにいた?
熱さのせいか、朦朧とする頭で必死に考えた。
涼やかな音が、シンの元に届く。
どこかの家に吊るされた風鈴が揺れたのか。遠く近く。シンはいつしか目を閉じて、その涼やかな音色を追った。
「努々夢見る事勿れ」
「え?」
不意に背後で聞こえた子供の声。驚いて、シンは振りかえった。
328夢酔い夏奇談ー序章A:2006/08/08(火) 22:09:33 ID:???
そして、一瞬ぎょっとする。
シンのすぐ後ろにあったのは、白い狐のお面。思わず一歩引いた。それから、すぐに狐の面は子供が被って
いるものだと気付く。背格好からして5歳くらいだろうか。朝顔の絵柄が入った紺色の浴衣を着て、右手には
何故か、赤と黒の金魚の模様の入った風鈴を手にしていた。
子供の持つ風鈴が揺れる。また、涼やかな音色が届いた。先程から聞こえていた音は、この子供の風鈴から
発せられていたのか。
子供は唄う。

「努々夢見る事勿れ
美しき夢は人を惑わせる
悪夢は人を弱らせる
努々夢見る事勿れ
小指に針刺して
目を覚ませ」

なんだろう、この
子供は。
シンは掛ける言葉がでてこず、半ば呆然と子供を見つめる。
風鈴が揺れる。
「急がなきゃ」
唐突に子供は唄うのを止めた。
「変な奴等が入ってくる。変な奴等が近付いて来る。変な奴等に捕まる前に、急がなきゃ」
「急ぐって、何を……」
ようやくそれだけ言えた。
「落としたの。だから、探すの。落し物。探し物。大事な物。急がなきゃ。急いで探さなきゃ」
子供はシンの横を通り抜けて、走り出す。
「急がなきゃ。変な奴等が近付いて来る。急いで探さなきゃ。変な奴等が入ってくる前に」
「あ、おいっ待てよ!」
反射的に、シンは子供を追い掛けた。
329夢酔い夏奇談ー序章B:2006/08/08(火) 22:11:10 ID:???
子供特有の甲高い笑い声が辺りに響き渡る。
蝉の鳴く声が、いつのまにか消えていた。
日が落ちる。夕陽が世界を赤く染め上げる。
逢魔ヶ時。
シンは夢中で子供を追いかける。子供より、シンの足の方が速いはずなのに、何故か子供に追い付けない。
シンが呼びかけても、子供は振りかえらない。一定の距離を開けて、シンの前を走る。
どれくらい走ったのだろう。
子供が角を曲がる。シンも慌てて角を曲がった。しかし、曲がった先に子供の姿はなく。
その先にあったのは、なんの変哲もない公園だった。すべり台とブランコと、シーソーにジャングルジム。
砂場の近くにはゴリラやカバといった動物のオブジェ、いくつかのベンチが置いてあるのみ。
それなりに広さはあるが、誰もいない公園。
「あの子、どこに行ったんだ?」
不思議な子供。どうして、必死になって追い掛ける?
シンの視界の端で、ブランコがひとりでに揺れ出す。錆付いた、耳障りな音をたてる。
風はなく、目を凝らしてもやはりそこに人影はない。不思議とその光景が怖いと思わなかった。
何かに惹かれるように、シンはブランコに近づいた。
シンが太い鎖を捕まえると、ブランコは揺れるのを止める。
ブランコの下に落ちている物があった。シンはそれを拾い上げる。それは風鈴だった。
赤と黒の金魚が描かれた、あの子供が持っていた物。
風鈴は風もないのに揺れる。涼しげな音を放つ。
「おや、それは坊やのものだ」
今度は大人の男の声が背後で聞こえた。シンは慌てて振り返る。
シンから少し離れた所に男は立っていた。男は紺に縦縞の浴衣を着ていて、またあの子供と同様に狐のお面を被っている。
「すまないが、それを返してもらえないかね。坊やの大事な物なんだ」
男は、シンが持っている風鈴を指差した。シンは一瞬男と風鈴を見比べて、それから男の後ろで見え隠れしている子供の
存在に気付く。朝顔の浴衣。先程の子供だ。子供は男の浴衣に必死にしがみ付いて、シンの様子を伺っているようだ。
シンと目が合うと、すぐに男の後ろに隠れてしまう。その仕草が、小さかった頃の妹を彷彿とさせて、微笑ましい。
330夢酔い夏奇談ー序章C:2006/08/08(火) 22:12:02 ID:???
「君?」
「え?あ、すみません」
シンは風鈴を持って、子供の傍に行った。片膝をついて目線を子供に合わせると、怯える子供に風鈴を差し出した。
「はい、これ君の?」
子供はおずおずと頷くと、小さな手で風鈴を受け取った。
「ありがと」
今にも消え入りそうな声で、子供はお礼を言う。
「よかったな。もう落とすなよ?」
「うん」
シンは破顔して、子供の頭を撫でてやる。
「本当にありがとう。なくしてしまったらどうしようかと焦ったよ」
「いえ、俺は、別に何も……」
シンは首を横に振る。と、男がじっとシンの顔を見つめてくる。
「あの……?」
お面を付けているが、やはり自分の顔を見られるのは居心地が悪い。
「ふむ……、君は人にしては変わった目の色をしているね。赤い……ヒトに流れる血の色と同じだ」
「え?」
「だが、暁の輝きを失わない。ふうむ……、君は少し我々に近いかもしれないね。時折君の周囲で不可思議な事が
起こったりしないかね?そう、例えば今のような……ああ、いや、考えなくて良い。考えてしまうと、帰れなくなってしまう。
今は何も考えず、流れに身を任せていなさい」
「はぁ……」
男の言っていることが全く分からない。
「そうだ。坊やの大事な物を見つけてくれたお礼をしなくてはね」
そう言って、男は浴衣の袖に手を入れて探る。
「あの、いや、だから俺は何もしてませんからっ……」
「いやいや、大人しく受け取っておきなさい。最近妙な奴等が、異界から入り込んでる。異界からの来訪者は大なり小なり、
必ず災いを招く。少しでも身を守るものが必要だ」
男は、小さな小瓶を取り出した。小指程の大きさで、中には銀色の細い針が一本入っている。
「努々夢を見る事勿れ」
331夢酔い夏奇談ー序章D:2006/08/08(火) 22:13:11 ID:???
半ば強引に男はシンの手を掴んで、小瓶を手の中に落とした。
そして、男は子供と同じ唄を歌う。
「美しき夢は人を惑わせる
悪夢は人を弱らせる
努々夢見る事勿れ
小指に針刺して
目を覚ませ」
いきなり、シンの頭を何かが引っ張った。男と子供の姿がどんどん遠ざかっていく。
シンは手を伸ばして、何かを叫んだ。叫んだはずなのに、声はシン自身にも聞こえず、分からず。



やがて、視界はぼやけて、薄れて、消えていった。




「おに――ちゃ―――ん!!朝よ―――っ、おっきなさ―――い!!」
けたたましい目覚ましのベルの音。妹の元気な声。
次の瞬間、腹部を中心に衝撃が走り、シンは蛙が潰れるような声をあげた。
「うふふふふふ……夏休みだからって、あんまりお寝坊さんしてると、お仕置きしちゃうぞ――!」
332夢酔い夏奇談ー序章E:2006/08/08(火) 22:13:58 ID:???
「あのなぁ……マユ……」
朝っぱらからベットにダイビングをかましてくれる妹に、寝起きのシンは半眼で呻く。だが、マユに反省の色はなし。
そのままシンの上に乗っかって、顔だけ近づけてくる。
「うーん……寝起きのお兄ちゃんも、なかなか美味しそうなんだよねぇ」
「は?」
「でも、朝からはやっぱり色々不味いから、とりあえず、おはようのチューを」
「い?」
「こぉらぁぁぁぁぁ!朝から何やっとるかぁぁぁっ、このキモウトがぁぁ!!」
そこへ、隣の家にいるはずの幼馴染、ルナマリアが怒鳴りながら駆込んできた。
マユが舌打ちするのを、シンは聞き逃さなかった。
「あぁぁぁら、アホ毛。朝っぱらから不法侵入とはやってくれるじゃない」
「安心なさい、おばさんにはちゃんと、お邪魔しますって言ってきたから」
「言えばいいってもんじゃないでしょーが!私達の甘い一時を邪魔しおってからに!!」
「なーにが甘い一時よ?!ガキが朝から兄の寝起きを襲ってんじゃない!!」
「これは、私達兄妹の神聖な儀式よ!これだから常識をしらないババァは……」
「常識と非常識を摩り替えんな!」
「あんたの行動よりマシよ!」
「どこがよっ?!だいたい……」
「こらー、あんた達いつまで喧嘩してるの?!いい加減にしないと約束の時間に遅れるわよ!」
シンを置き去りにして、マユとルナの激しい舌戦が繰り広げられる中、階下より母親の声が届いた。
二人はピタリと止まり、同時にシンに顔を向ける。
「そーよ、お兄ちゃん。早く起きて朝ご飯食べよ!」
333夢酔い夏奇談ー序章F:2006/08/08(火) 22:15:28 ID:???
「そうそう、遊びに行く日まで遅刻する気?」
「……はいはい」
微妙に理不尽な気分になりながらも、シンは黙ってベットから起き上がる。この二人に何を言っても仕方ない。
溜息を吐出しながら、シンの着替えを観賞しようと居座る二人を何とか部屋から追い出した。
カーテンを開ける。窓の向こうには青空が広がっており、今日も一日暑くなりそうだ。
着替えを済ませて、部屋を出ようとしたところで、シンは枕元に転がる小瓶を見つけた。
小瓶の中には銀色の小さな針が一本入っていた。
窓の外に吊るしていた風鈴が揺れる。
涼やかな音色。
風鈴に描かれているのは、赤と黒の金魚だった。



夢がはじまる。
334夢酔い夏奇談:2006/08/08(火) 22:22:12 ID:???
というわけで、長編モノ投下します。
かなり長い話なので、正直書ききれるか自信ないですが・・・・・・・。
映画化、スペエディとなにかと暗い話題が続く昨今、シンと新キャラのために頑張ります!

シンが主役!(あれ?言ってて何故か涙が……)
そして、シンとレイの友情がコンセプトのお話です。

宜しければお付き合い下さい。

335通常の名無しさんの3倍:2006/08/08(火) 22:41:38 ID:???
>>334
なんだ?なにが始まるんだ!?と不思議な雰囲気にのめり込んで読んでしまいました。
続き楽しみにしています!
336通常の名無しさんの3倍:2006/08/08(火) 23:52:49 ID:???
引き込まれました・・・
続き楽しみにしてます、GJ!
337通常の名無しさんの3倍:2006/08/09(水) 06:35:56 ID:???
夏ネタだGJ
338通常の名無しさんの3倍:2006/08/09(水) 06:55:18 ID:???
これは真のスペエディの予感
続き期待してまつww
339通常の名無しさんの3倍:2006/08/09(水) 08:16:31 ID:???
>>334
GJじゃああああああああああああ
340通常の名無しさんの3倍:2006/08/09(水) 15:06:18 ID:???
>>334
こう、引きこまれる文章ですね。
しかし狐のお面とはまた奇異を引き寄せるような怪しさがよろしいですよね。
341流れを切るようだが一応投下。:2006/08/09(水) 19:14:17 ID:???
俺、つい昨日
菊地秀行の「魔人学園」読んで感じたんだけど、
あの話の終盤〜ラストシーンに込められたモノって
このスレッドとどこかしら共通してないか? >>1のテンプレ読むと特にさ。
342341:2006/08/09(水) 19:17:26 ID:???
アレ? ということは"この世界"も……
343夢酔い夏奇談T-@:2006/08/09(水) 22:11:08 ID:???
夢を見ようか 
     愛しきこの世界が 永遠であるために


ヨウラン「お!シン達が来たみたいだぞ」
ヴィーノ「あ、本当だ。おっはよー、メイリン!それにシンとルナマリアとマユちゃん」
待ち合わせの場所として指定した駅前の大きな時計台の下で、ヨウランとヴィーノが手を振る。
その横には、レイとステラとアウルとスティング・・・ようするにいつもの顔ぶれがあった。
シン「ヴィーノ、俺達はおまけ扱いかよ!」
ヴィーノ「え?なんのこと?」
ルナ「態度があらかさまなのよ、このおバカ!」
ルナがヴィーノの頭を軽く小突いた・・・・・・・割にはヴィーノはその場にしゃがみ込んで悶絶する。
全員その光景は見なかったことにして、そっぽ向く。
ステラ「シン!シン、おはよ!ステラ、会いたかった!」
シン「うん、おはよう、ステラ」
抱きついてくるステラに、シンは頭を撫でる。すると、ステラは嬉しそうに顔をシンに摺り寄せた。
その仕草が、なんだか甘えたがりの子猫を思わせて、かわいいなぁとシンも顔を綻ばせる。
マユ「て、いつまでくッついとるか、この金髪ぅぅぅぅぅぅ!!」
ルナ「朝っぱらから、不純異性交遊禁止ぃっ!!」
ステラ「うぇぇぇぇい?!」
スティング「・・・朝っぱらからテンション高いな、お前等」
アウル「俺なんか・・・・朝飯にキムチなかったから、もうこの世の終わり並に気分はどん底なのに・・・」
メイリン「ごめんなさい、ちょっとその気持ちはわかんない」
レイ「どうでもいいが、そろそろ行かないか?もう全員揃ったのだろう?」
シン「あ、うん、て、あれ?ミーアさんとフレイさんは?一緒じゃないの?」
スティング「オルガ先輩達と後から遅れて来るそうだ」
シン「あ、そうなんだ」
一通り騒ぎ終えると、シン達十人はぞろぞろと連れ立って歩き出した。向かう先にあるのは、駅から約20分
ほど歩いた場所にあるぽっかりと空いた広場だった。ザフト学園のグラウンドの倍の広さはあるだろうそこは、
色々なイベントを催すためにある場所だ。駅から歩いて行ける場所であり、車も充分に留められるスペースを
確保してあるので、よくバザーやキャラクターショー、野外ライブなどが行われている。
今回は『エターナル・ドリーム』と呼ばれる移動遊園地が、その広場を占拠していた。
344夢酔い夏奇談T-A:2006/08/09(水) 22:12:19 ID:???
広場に近づくにつれ、軽快な音楽と人の歓声が聞こえてきた。自然と皆が浮き足立つ。
まず最初に目に飛び込んできたのは、真っ赤なテント。色取り取りの紙ふぶきと風船が舞い散る中、中央に
大きく陣取って、やってきた人間を圧倒する。その周囲には、カラフルな色合いのテント、メリーゴーランドや
びっくりハウス、コーヒーカップ、小ぶりではあるが観覧車にジェットコースターまであった。
たかが移動遊園地と思うことなかれ。規模こそ一般にある遊園地には劣るが、華やかさでは明らかにこちらが上回る。
スティング「すげぇな・・・・・」
メイリン「本格的ねぇ・・・・」
感嘆の溜息が漏れる。
ルナ「これは・・・・招待券くれたデュランダル理事長にマジ感謝しないと」
シン「だよなぁ・・・・・それに、理事長と仲のいいレイにも」
レイ「気にするな。俺は気にしない」
園内に入るためには、大人1,200円、子供は600円の入場料を払はなくてはならない。
その変わり一度入れば、飲食関係は別として、あとは全て遊び放題である。
この度、どのような権力とツテを使ったかは知らないが、5人までは無料で入ることが出来る団体招待券といったものを、
デュランダルが3枚も貰ってきたのだった。日頃実の息子の如くレイを猫可愛がりしていたデリュランダルは、あっさりと
その招待券をレイに渡した。曰く「学生時代の友人達と過ごす夏休みというものは大変貴重なものだ。大人になっても笑
っていられるよう、今のうちに沢山楽しい思い出をつくりなさい」とのことだった。レイは心から感謝しながら、その招待券を
受け取り、シン達を誘った。本当は今のメンバーの他に、フレイとミーアも同行する予定であったが、フレイの予定がズレ込
んでしまったため、後でオルガ達を引き連れてくるとのこと。そのため、招待券3枚のうち1枚は先に彼女達に渡してある。
「ようこそ、可愛いお嬢さん。エターナル・ドリームへ」
招待券を見せて中に入ると、背の高いピエロが近づいてきて、近くにいたマユに黄色い風船を渡した。
それから、マユのすぐ後ろにいたメイリンにも白い風船を渡す。
「良い夢を」
それだけ言うと、ピエロは一礼して去っていった。そして、少し離れた所にいた小さい子供連れの親子に風船を渡している。
メイリン「へへ、よかったね、マユちゃん」
マユ「うん!」
ステラ「いいなー、ステラも風船ほしい・・・・・・」
スティング「あとで貰ってやるよ。それより、まず先にどこ行く?」
シン「んー、一時からあの赤いテントでサーカスやるみたいだから、
今は・・・・10時ちょっと過ぎか。それまでは色々遊べるわけだけど」
入り口で貰った園内のマップを見ながら、シンが唸る。
レイ「最初にどこ行きたいか、希望はあるか?」
ルナ「ホラー・ハウス!」
マユ「観覧車!」
ステラ「お馬さんに乗りたい・・・・」
ヴィーノ「ジェットコースター!」
アウル「キムチ!」
ヨウラン「最後違うっ!!」
メイリン「見事に意見が別れたね」
レイ「まぁ、予想の範囲内だな」
345夢酔い夏奇談T-B:2006/08/09(水) 22:13:36 ID:???
ヨウラン「じゃあ、一時になったら赤テント前に集合、それまではそれぞれ自由行動ということで・・・」
シン「わーっ、バカヨウラン!!そんなこといったら・・・・!!」
ルナ「さぁ、シン!ホラー・ハウスに行くわよ!」
マユ「お兄ちゃん、観覧車!観覧車に乗りたいよね?!」
ステラ「シン・・・・白馬の王子様・・・・」
ヨウラン「こうなることが分かってて言ったに決まってるだろ」
シン「ヨウラン・・・・てめぇ、覚えてろよ・・・・・」
メイリン「私は・・・・・・・ミラー・ハウスに行ってみたいかな」
ヴィーノ「え?じゃ、じゃあオレも・・・・・・」
ヨウラン「あ、俺もそこ行きたい!じゃ、一緒に行こうぜ、メイリン・・・・・ヴィーノ?」
ヴィーノ(悪魔の笑み?!このっ・・・・・カップルお仕置き人がぁ!!!)
スティング「お前はどうする?」
レイ「そうだな・・・・・・これといって特別乗りたいものがあるわけではないが」
シン「レイ・・・・スティング・・・・・・」
ぎゃあぎゃあ喚いている女難軍団に囲まれ、まるで捨てられて冷たい雨に打たれる子犬のような目で、
シンが縋るように見つめてくる。二人はなるべく目を合わせないよう努めるものの、
切実な訴えを無視できるほど悪人にはなれず。
レイ「分かった・・・・・・・」
スティング「・・・・・・ステラが目の届かないところにいるのも心配だからな」
アウル「え?スティングとステラが一緒なら、俺もこっちのグループに」
ステラ「うぇぇぇい、皆一緒v」
ルナ・マユ「チィッ!!(やはりこうなるか)」
ヨウラン「すっげー偏りだが、まぁ、俺達は平和だからいいか」
ヴィーノ(達ってなんだよ!達って?!人のささやかな幸せを壊しやがって―――!!)
こうして、一時に赤いテント前集合と約束だけ取り付けて、シン達は7対3という不自然極まりないグループに別れた。

はらり
はらり
はらはらと
346夢酔い夏奇談T-C:2006/08/09(水) 22:14:54 ID:???
ホラー・ハウスにて(シン組み)
ルナ「きゃー、お化け!お化けが追っかけてくるー!」
マユ「お兄ちゃーん、、助けてー!」
ステラ「シィィィン!ステラ・・・・ステラ、守る!?」
シン「わー!レイ、怖いよー(女難軍団が)!」
レイ「ちょ、待て、シン!俺に引っ付くな!こっちまで被害がくるだろう(女難軍団の)?!」
アウル「きゃああっ、スティング怖い――――!!」
スティング「女声だして引っ付くな!可愛くない!」

ミラー・ハウスにて(ヨウラン組み)
メイリン「「いたっ!また鏡にぶつかっちゃった」
ヴィーノ「大丈夫?あはは、おでこが赤いや」
メイリン「むぅ、笑うなんてヒドイ!」
ヴィーノ「ごめんごめん・・・て、あいてっ!!」
メイリン「わーい、ヴィーノもおでこが赤くなった。これで、お揃いだね」
ヴィーノ「う、うん・・・・///////」
ヨウラン「くっ、くそ!!ヴィーノの邪魔をしたいのに、鏡のせいでどれが本物か分からん!イテッ!くそっ、またぶつかった!!」

メリーゴーランド(シン組み)
ステラ「うぇぇぇい!シン、一緒に乗ろ?」
シン「う、うん。でも、コレ二人乗りは駄目みたいだよ?」
ステラ「ほぇ?シン、白馬の王子様になれない?」
マユ「ちょっと、金髪。一体さっきから何なのよ、その白馬の王子様って?」
ステラ「ネオ、言ってた。白いお馬に、シンと一緒に乗って、ステラがお姫様・・・シンが王子様。
それから、二人で・・・・・二人の世界に逃避行って」
スティング「また、あの親父はステラにしょうもないことを・・・・!」
アウル「帰ったらリンチ決定だな」
ルナ「どうせなら、シンがお馬さんになれば・・・・・・」
レイ「健全な場所で、怪しい妄想に耽るな」
347夢酔い夏奇談T-D:2006/08/09(水) 22:15:57 ID:???
ジェットコースター(ヨウラン組み)
ヴィーノ「ぎゃ―――――!」
ヨウラン「わっ―――――!」
メイリン「あはははははは!」
・・・・・・・・・・・・。
メイリン「あんまり怖くなかったね?」
ヨウラン「だな、斜度も低かったし。まぁ、移動遊園地ならこんなものか」
ヴィーノ「・・・・・・・・・・・・・死ぬ」

観覧車(シン組み)
シン「四人乗り・・・」
アウル「まぁ、妥当な線としてはシンとステラとマユとルナマリア、残りで俺とスティングとレイだけど」
シン「どこが妥当?!」
スティング「普通男なら、このハーレム状態に歓喜するもんだがな」
レイ「肝心の女性陣がアレではな・・・・」
マユ「じゃ、あたしとお兄ちゃんで、二人っきりで乗るから、あとは適当に」
ルナ「何が適当よ!あんた、一周する間にシンとどこまで進めるつもり?!」
マユ「なに話飛躍させてんのよ!ま、まぁ、お兄ちゃんがその気なら・・・やぶさかでないけど」
ステラ「?進める?藪医者?」
シン「(小声)な、なぁ、先に俺達だけで乗らないか?」
スティング「むさいわ」

コーヒーカップ(ヨウラン組み)
メイリン「きゃー!回る回る!!」
ヴィーノ「ちょっ、メイリン回しすぎ!!」
ヨウラン「なんかっ、俺達注目されてないかっ、うっ、目がまわっ!!」
メイリン「よーし!もっと行くわよ――――――!!」
ヴィーノ・ヨウラン「ヒッ―――――――――――ィ!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
メイリン「あ―――、楽しかった」
ヨウラン「・・・・・・・化け物」
ヴィーノ「・・・・・・・・・・・・気持ち悪い」
メイリン「ね、ね、もう一回乗ってみない?コーヒーカップ!」
ヴィーノ「あ・・・・・・・・川の向こう側で」
ヨウラン「お星様が手を振っている・・・・・・・・・」
348夢酔い夏奇談T-E:2006/08/09(水) 22:17:13 ID:???
はらはら
はらはら
舞い散る紙吹雪
まるで雪のようで
夢のようで

シン「疲れたー」
レイ「シン、お茶飲むか?」
ベンチに座り込んだシンに、レイがよく冷えたお茶の缶を差し出した。斜め向かい側の売店でかってきたらしい。
シン「お、サンキュー!あれ?マユ達は?」
レイ「空中ブランコに乗っている。ステラとルナマリアとアウルも一緒だ。スティングが監督してる」
シン「スティング・・・・・・・すっかりお父さん役が染みついたなぁ」
レイ「お前は相変わらず、振り回される役だな」
シン「わーるかったな!・・・・・・どうせ俺は軟弱者だよ。いっつもルナ達に押されてますよーだ!」
レイ「拗ねるな。そうやって振り回されるお前を見ているのも楽しいんだ」
シン「うわー鬼畜。極悪人」
レイ「ははは。・・・・・一昔前の俺なら、こうやってお前達と騒げるとは、夢にも思わなかっただろうな」
シン「レイ?」
散る。
舞い散る。紙吹雪。
レイ「いや、夢には見ていたか。こうやって、たくさんの友人に囲まれて馬鹿みたいに騒ぐ夢は、何度も見た。
ただ、現実になるという可能性を信じていなかっただけで」
風船。赤。青。黄色。
子供の手から離れて、空へ。泣く子供。
軽快な音楽。人の笑う声。踊るピエロ。純白の衣装をはためかせて。白銀の仮面。笑う顔。泣く子供。
艶やかに、笑うピエロ。
レイ「だからだろうか・・・時々とても不安になる。本当にここが現実なのか」
舞い散る紙吹雪。緑。紫。桃色。
仮面。笑う仮面。風船が飛ぶ。歓声。ピエロが踊る。遠い。
どこか遠い国の。
レイ「実は俺はまだベットの上。たくさんの機械に繋がれて、身動きも満足にとれず、虫の息。今見ているのは、
末期の夢かなにか・・・・・・・・・・」
幻想。

―――――――――努々夢見る事勿れ
349夢酔い夏奇談T-F:2006/08/09(水) 22:19:45 ID:???
シン「レイ!!」
叫んでシンはレイの両の頬を思いっきり引っ張った。
レイ「ヒン?いひゃいじょ、にゃにをふる?」
シン「うっさい!なに寝ぼけたこと言ってんだよ?!寝てんなら目を覚ませっ!!」
シンが手を離すと、レイの頬が少し腫れていて、レイは痛そうに擦る。
レイ「本当に痛いぞ」
シン「よかったな!痛いって事は、今起きてるって証拠だろ。だから、こっちが現実なの!」
レイ「何を怒っている?」
シン「レイが悪いんだからな!不吉なこと言いやがって。何が夢だよ!何が末期だ!
お前、今俺達の存在を否定したんだぞ!わかってんのか?!」
レイ「あ、ああ、すまない・・・・・」
シン「俺達はずっとレイの傍にいるんだ。レイと一緒にいて、勉強して、喧嘩して、笑って遊んでんだ。
いろんな物みて、いろんな物積み上げてきたんだ。それを夢かもしれないって・・・・馬鹿アホ間抜け・・・
今度同じこといったら、拳固で殴るからな!」
レイ「シン・・・・・・・ああ、すまない・・・・ありがとう」
シン「ふん……馬鹿レイ」
目の前を、一輪車に乗ったピエロが通りすぎていった。その後を幼い子供達が追い掛ける。
シンが飲み掛けのお茶に口をつけていると、遠くから聞き覚えのある声が届いた。
?「ゅ・・・・さま・・・ぁ!ユウナさまー!」
シン「あれ?トダカさん?」
それは、昔シンがお世話になった恩師であり、今は連合高校の教職についているトダカであった。
トダカ「え?おや、シン君じゃないか」
シン「お久しぶりです。トダカさんも遊びに来てたんだ。どうかしたんですか?」
トダカ「元気そうだね。いや、実はユウナ様の付き添いで来ただけなんだが、その肝心のユウナ様が
いつの間にか姿を消してしまっていて」
シン「要するに迷子?まぁ、この人ごみじゃ仕方ないかもしれないけど・・・・・・・・あの人もいい年して・・・・」
トダカ「全くだ。すまないが、シン君。もしも見掛けたら、入場門の所で大人しく待っているよう伝言しておいて
くれないか。どうもここは携帯が通じないみたいなんだ」
シン「わかりました」
350夢酔い夏奇談T-G:2006/08/09(水) 22:20:48 ID:???
それだけ伝えると、トダカはまた人ごみの中に紛れていった。
レイ「あの人も苦労しているな」
本当だ、とシンは苦笑する。
ヨウラン「ああ――!シンとレイ見っけ!」
シン「ヨウラン?ヴィーノ?集合時間までにはまだ30分近くあるぞ」
ヴィーノ「ああ、うん、そうなんだけど。大変なんだ!メイリンがいなくなっちゃって」
レイ「はぐれたのか?」
ヨウラン「うん。ちょっと目を離した隙に、人波に浚われたみたいでさ、今必死になって探している」
シン「あとちょっとしたら、集合時間なんだから、赤テントの前で待ってればいいじゃん」
ヴィーノ「そりゃ、そうなんだけどさ・・・メイリン可愛いから、ナンパとかされてるんじゃないかと思うと、
もういても立ってもいられなくてさ」
シン「そういう心配かよ」
ルナ「あ、いたいた!シーン!」
シン「ルナ?」
ルナ「ねぇ、マユみなかった?」
シン「いや、みてないけど。なに?マユも迷子なわけ?」
ルナ「マユもって、・・・・・あら、ヴィーノにヨウラン。メイリンは?」
ヴィーノ・ヨウラン「「迷子」」
スティング「悪いな。ちょっと目を離したら、いなくなっていて」
アウル「背がちっちゃいしねー。この人ごみじゃ見失うのも仕方ないっちゃあ仕方ない」
ステラ「マユ・・・・・・迷子?」
シン「うーん、ちょっと早いけど、先に赤いテントの所に行こうか。ひょっとしたら、二人も同じこと考えているかもしれないし」
ルナ「賛成。下手に動いて、迷子増やすわけにはいかないしね」
赤いテントの入り口までいったが、残念ながら二人の姿はなかった。
ヴィーノ「どうしよう・・・・携帯も圏外で繋がらないし」
シン「こんなことで泣くなよ・・・・・俺、ちょっと周りを探してみる。皆時間になったら先にテントの中入ってて」
スティング「俺も行こう」
シン「いや、あまり人数いても擦れ違うだけだし、俺一人でいいよ」
そして、シンもまた人ごみの中に消えていった。
七人はしばらくテントの付近で待っていたが、やがてサーカスの始まる時間になったようで、ベルが鳴りテントの中に人が入っていく。
351夢酔い夏奇談T-H:2006/08/09(水) 22:21:47 ID:???
ルナ「私達もいきましょーか」
スティング「ああ、待っていてもしょうがないし」
ヴィーノ「めいりーん・・・・・・」
ルナ「ほら、男ならしゃきっとしなさい!」
ルナがヴィーノの背中をバシッと叩く。余りの痛さに、ヴィーノ本日二度目の苦悶。
ステラは辺りをキョロキョロ見渡していた。そこへ、色取り取りの風船を持ったピエロが通り過ぎていくのが目に入った。
ステラ「あ、風船!」
ステラは横にいたレイの袖を引っ張った。そういえば、入り口のところで風船を貰えなかったことにステラが
悔しがっていたことをレイは思い出した。レイがステラに欲しいのかと聞くと、ステラは思いっきり頷いた。
レイ「すまないが、先にテントの中に入っててくれ。ステラの風船を貰ってくる」
スティング「わかった。悪いな」
レイ「気にするな。ステラ、行こう」
ステラ「うぇぇい!風船!!」

風船♪風船♪と歌いながら、弾むような足取りで歩くステラ。その姿は今にも踊り出しそうで、
すぐ後ろを歩いていたレイは苦笑を漏らす。
レイ「楽しそうだな」
ステラ「うん!ステラ、楽しいの!」
レイ「風船が手に入るのが?」
ステラ「ううん、皆と一緒にいるのが楽しい!シンもアウルもスティングもレイもいる。だからステラ、楽しい。
マユもルナもステラ大好き。皆と一緒に遊べるの、嬉しい。レイは、楽しくない?」
レイ「いいや、俺も楽しい。俺もステラやシン、ルナマリア達が大好きだからな」
ステラ「うん!レイ、風船一杯貰おうね。シン達の分まで貰おう」
風船は一人一個のようだから、人数分貰うのは無理だろう。だが、それをレイは口にしなかった。
ステラを悲しませたくなかったからだ。それに風船くらい、口八丁でもぎ取る自信がレイにはある。
352夢酔い夏奇談T-I:2006/08/09(水) 22:23:16 ID:???
それにしても、とレイは思う。なんとなく、このステラという少女と、友人であるシンという少年は似ている気がする。
おそらく、それはレイだけでなく、ルナマリアやスティングも同じ事を感じているのだろう。
あの二人も、なんだかんだ言って肝心なところで、シンとステラに甘いから。
ステラ「風船さん・・・・・・・いない・・・」
レイ「もう少し探してみよう」
一見すれば全く似ていない。熱血少年と天然ボケ少女。だが付き合ってみるとよく分かる。
本当はこっちが兄妹なんじゃないかと思うくらいに、根が純真。悪く言えば、単純馬鹿ところ。
それから、人が迷ったり、立ち止まろうとする時、こ臆面もなく真っ直ぐな言葉を投げ掛けてくるところも。
もちろんその言葉は、ラウやデュランダルのような年長者が持つ深みのあるものではないが、
相手を想う気持ちを隠さない言葉は、時に意表をついて何度もレイを救い上げる。本人達に言ってやるつもりはない。
くすぐったくはあるが、とても愛しい友人達。
レイは願う。
幸せであれ。
彼等がずっと笑っていられる世界であってほしい、と。
そして、その傍らに自分もずっと一緒にいられたらいい。
ステラ「あ、風船さん」
ステラが指差して駆け出す。
その時、レイは違和感も何も全く感じなかった。
普段ならありえないことを、さも当たり前のように受け入れた。
今は夏休み。多くの親子連れや若者達が賑わうこの移動遊園地の中にあって、そこだけぽっかりと穴が
空いたように人がいなかった。丸い円を形造るように、人が自然と避けて通る。
人のいない円の中には、否一人だけ人が立っていた。
純白の衣装に、白銀色の仮面。右手に色取り取りの風船を持った、ピエロ。
「ようこそ、エターナル・ドリームへ。可愛いお嬢さん」
ピエロは一礼して、風船を一つ差し出した。
「風船をどうぞ」
ステラ「うぇい!」
ステラは躊躇いもなく、その風船を受け取った。するとどうだろう、ステラはまるで時が止まったように、
その場に立ち尽くして、微動だにしない。
レイが不審に思って名前を呼ぶが、反応はない。
ピエロは、そっとステラの頬に触れた。
「綺麗な瞳だ・・・・・・何の雑じり気のない・・・純粋な夢の持ち主・・・・・・・・・欲しい」
353夢酔い夏奇談T-J:2006/08/09(水) 22:24:07 ID:???
途端、ステラの身体は崩れ落ちる。
レイ「ステラ?!」
レイが手を伸ばすより先に、ピエロがステラを抱きとめる。
レイ「貴様っ、何をする?!」
ステラを抱き、その場を去ろうとして、不意にピエロは立ち止まる。初めてそこにレイがいたことに気付いたように。
白銀の仮面が、レイの顔を見つめる。
「なんと・・・・素晴らしい・・・・・これは、また美しい蒼の瞳」
レイ「ステラを離せ!!」
レイの拳が空を切る。ザフト学園の裏番であるレイの拳を、ピエロはあっさりかわしたのだ。レイのプライドが刺激され、
今度は蹴りを繰出した。またピエロはかわすが、拳よりも若干早かったレイの右脚は、ピエロが纏めていた髪を、解けさせた。
長く伸ばした漆黒の髪が中を舞う。
「あんた、強いね。最高だ」
妙に砕けた口調で、ピエロが言う。
左手にステラ、右手に風船ではさすがに避けるのが難しいと判断したのか、ピエロは右手の風船を手放した。
重りのなくなった風船が、空へと昇っていく。
「空の色・・・違う、この星の色だ。・・・・欲しい・・・・・・欲しいな・・・・」
ピエロが歌うように言う。これだけ乱闘騒ぎを起こしても、周囲の人間は気にも留めずに行き交う。
レイの右手が仮面に触れた。
その拍子に、仮面が地に落ちる。その下に隠されていた素顔が暴される。
しかし、ピエロは大して気にした様子はなく。
むしろ、レイが動きを止めた。
レイ「・・・・・・・・え・・・・・あ・・・・?」
仮面の下に隠されていたのは。
濡れたような漆黒の髪。
象げ色の肌。
そして。
354夢酔い夏奇談T-K:2006/08/09(水) 22:26:57 ID:???
「おいで・・・・・美しき瞳と純粋な夢の持ち主・・・・・・・私と共に・・・・・」
赤い。
赤い色。
幼い頃から、何度レイを救いあげてきただろう。
生命を象徴する色。
強い意志の力を宿した色。
「夢を見よう」
真紅の瞳。

「――――――――シ・・・ン・・・・・・・・?!」

それは、紛れもなく、レイの親友、シン・アスカの姿だった。



ユメユメユメミルコトナカレ
    トワノユメヲミルコトナカレ

努々夢見る事勿れ
   
                永久の夢を見る事勿れ
355夢酔い夏奇談:2006/08/09(水) 22:33:40 ID:???
書いておいてなんですけど・・・・、
長っ!ていうか、終わるのこれ・・・・・・・?
よ、予想以上に長くなりそうな悪寒・・・・いや、予感がorz

夏休み中に終わるといいなー、というのが希望的観測です。

と、その前に、ちょっと夏の祭典の方に行ってきまーす。
ですので、続きはその後ということで
宜しくお願いします。
356通常の名無しさんの3倍:2006/08/09(水) 23:20:50 ID:???
早速凄ぇの来たな・・・
並々ならぬ予感に震えが止まらねー
357通常の名無しさんの3倍:2006/08/09(水) 23:21:43 ID:???
これからの展開にwktk
祭典に行かれる際は台風に気を付けて下さい
358通常の名無しさんの3倍:2006/08/10(木) 09:58:07 ID:UzffiwVA
妖しい雰囲気がイイ!
執筆お疲れ様です。

・・・ピエロの外見設定の所で、てっきりクルーゼが出て来たのかと・・・。


GJ!
359通常の名無しさんの3倍:2006/08/10(木) 12:51:24 ID:???
GJ!
夏、移動遊園地、ピエロ、そしてサーカス!
妖かしの雰囲気がいい!夢、幻、現実!こういうの好きだ〜!
360通常の名無しさんの3倍:2006/08/10(木) 18:47:22 ID:???

          ,.-―-- .,_   _
     ,----‐ '´      `´ `ヽ
      !                \
    i                  ヽ
   /        ,.-.、r.、          ',
 r'´       ,. '"    `''‐.、  ,.、  l
 ヽ      /        ノiヾ´ ヽ  ',
  ';      'ri ,.-- 、,,_ ´ ! l'   i   i
  /   r-、  {.    -t;;ェ-"ヽ  ,.-_--、! /
  ヽ   i "i i l          |. 'ー'` .i ノ
   ヽ  ', r' i |          i   l.i
    ',. ヾーl l          ,ゝ  .l,'
    ヽ、 `!ヽ !       __     ;'
        `!  ヾ       ,,,,, `  /
    ,.-_、|  '; \         /
     !  `''ー- _!  `' 、       /
     !     | n'i  `ー‐r‐ 'ヽ
.    l       ! !i !     |  !ni
361通常の名無しさんの3倍:2006/08/10(木) 20:26:30 ID:???
鈴置さんの死去でシンが引きこもるかもしれない件
362通常の名無しさんの3倍:2006/08/10(木) 20:34:17 ID:???
>>361
ウソを……ウソをつくなぁーーーーーーーーーー!!!!!!
363通常の名無しさんの3倍:2006/08/10(木) 20:42:54 ID:???
残念ながら

http://www.asahi.com/obituaries/update/0810/002.html

ミクシでも、所属事務所にまで電話して確認した香具師あり

俺だって壮大な釣りだって、信じたいお…
364341:2006/08/10(木) 21:35:08 ID:???
レスが無いんだけど 俺の解釈は間違ってんのか?
365通常の名無しさんの3倍:2006/08/10(木) 21:36:23 ID:???
鈴置氏は塩沢氏と親交が深かったと聞きます
また一人惜しい方を…………
ご冥福をお祈り致します
366通常の名無しさんの3倍:2006/08/10(木) 22:07:47 ID:???
>>364
そもそも「魔人学園」がどういうものか知らない俺には何も言うことはできん。


それはそうと……ブライトさぁぁぁぁぁんっ!!!
367通常の名無しさんの3倍:2006/08/10(木) 22:34:09 ID:???
ちょ、久能先輩
変態は復活しますよね
368通常の名無しさんの3倍:2006/08/10(木) 22:47:45 ID:???
>>355
いやあ、オリジナルストーリーお見事!
続きに大いに期待
369通常の名無しさんの3倍:2006/08/11(金) 23:05:05 ID:???
今更、くり〜むれもんが何なのか知った…
370通常の名無しさんの3倍:2006/08/11(金) 23:43:28 ID:???
レイ&ラウの中の人って、昔鈴置氏と共演してなかったっけ?
確かFっていうカーレースもののアニメで・・・
でも残念だよなあ、はあ・・・
371通常の名無しさんの3倍:2006/08/12(土) 00:23:55 ID:???
ゼオライマーってアニメでも競演してたぞ
372短いのを投下 1/1:2006/08/12(土) 14:09:08 ID:???
 夏休みであり、お盆であるからして。
 たとえ一介のスーパーといえど。
 ……この混雑具合といったら!!
スティ「(アウルもステラも連れてこなくてよかったぜ)」
 じっくり吟味を欠かさない中年女性の群れが見える。
 高級果物のスペース。
 色とりどりの化粧箱。種類も豊富な熟れ熟れぶどう。
 巨峰。
 デラウェア。
 ピレーネ。
 キャンベル。
スティ「(…………)」
 キャンベル、1930円。

 牙留茄飯。
ミーア「なーに? オクレ兄さん、あたしばっか見て。なんかついてる?」
 あ、でっかいオッパイがついてるとかはナシよぉ?
 一人で言ってはしゃぐミーアに、スティングはしみじみと、
スティ「お前は高い女だなぁ」
ミーア「……?」
 ここからミーア思考。
 高い→価値がある→良い。
 『お前は高い女だなぁ』→『お前は良い女だなぁ』
ミーア「ゃ、やだ、もぉ、スティングったらぁ……」
 その日、スティングはミーアから熱いデレを贈られ、これに困惑していたところ
看板娘からは冷たいツン(久方ぶりのスピニングバードキック)を贈呈された。
373通常の名無しさんの3倍:2006/08/12(土) 19:29:06 ID:???
オクレ兄さんorz


ブライト艦長……OTLあんた程の神がなぜ死んだ!!
374364:2006/08/12(土) 23:04:27 ID:???
>>366
今は日本出版社から新装板が出てるんで(あと古本屋にもあると思うから)
最後まで読めばわかりますよ。
375通常の名無しさんの3倍:2006/08/12(土) 23:44:28 ID:???
オレも菊地秀行は大好きですが

語りならこちらでやった方が職人の邪魔にならないかと
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1139731941/
376夢酔い夏奇談U-@:2006/08/14(月) 22:21:31 ID:???
そろそろサーカスの始まる時間だ。もう赤いテントのところに戻ったほうがいいかもしれない。
シンは腕時計を見ながら歩いていると、前方から一際騒がしい集団が近づいてきた。
ミーア「あー、もうすっごい人!」
フレイ「どっからこんなに人が涌いて出てくるのかしら」
シャニ「うざーい!」
クロト「混・雑!」
オルガ「うっせーよ、お前等。今は夏休みなんだから仕方ないだろ」
フレイ「まぁー、オルガのクセに生意気!」
ミーア「うーん、やっぱり朝からこればよかったかなぁ?」
フレイ「失敗したわ。やっぱりお昼過ぎっていうのはきついわねぇ」
クロト「ていうかさぁ、出足が遅れたのってお前等のせいだろ」
シャニ「そうそう、身支度に二時間半て、信じらんなーい!」
フレイ「うっさいわね!昔から女の身支度は三時間って相場が決まってんのよ」
オルガ「決まってね―よ。つか、化粧したところで、今更そんなに変わらない・・・・」
フレイ「なぁーんか、言ったかしら?オ・ル・ガ?」
オルガ「あ・・・・いや・・・・その・・・・・」
フレイ「クロト、シャニ・・・・やっちゃいなさい」
クロト・シャニ「「イエス・マム」」
オルガ「ぎゃ――――!!」
ミーア「あーん!そんなことより、ステラはどこー?」
微妙に周囲の人間が距離を置いて、その集団を見物している。相変わらず目立つ人達だ。
まぁ確かに、端から見ている分には下手な大道芸より面白いか。フレイ達を見ながら、こっそり苦笑するシンは、
しかし自分達も普段から充分目立って、なおかつ見世物になっている自覚はなかった。
377夢酔い夏奇談U-A:2006/08/14(月) 22:23:01 ID:???
ミーア「あ、シン、見――――っけ!」
シン「こんにちは、ミーアさん、フレイさん・・・と愉快なお供達」
オルガ・クロト・シャニ「「「をい?!」」」
フレイ「あら、シン一人?ステラ達は一緒じゃないの?」
シン「ステラ達なら、あの赤いテントのところにいますよ。一時からサーカスのショーが始まるから」
オルガ「で、テメーは一人こんなところで、何やってんだ?」
シン「マユとメイリンがはぐれちゃって、捜索中。でも、もうサーカス始まるから皆の所に戻ろうかと思って」
そこへ、土煙と地響きがシン達に向かって、凄いスピードで接近してきた。
ハイネ・ミゲル「「フッレイちゃ―――――――――――――ん!!!!」」
フレイ「暑苦しいわぁ!!来るんじゃなぁぁぁぁ―――――――――い!!!」
ミーア「おお!見事フレイの両の拳がストーカー二人の顔面にのめり込んだ―――――!」
シン「凄いキレだ!さすがは連合の表番!!」
オルガ「もうほとんど、反射行動だな」
ハイネ「ぐ・・・・・・最・・・・こ・・・のパンチだぜ・・・・フレイ・・・ちゃ・・・」
ミゲル「うう・・・人生・・・・・に悔い・・・はなし・・・・」
クロト「変・態!」
シャニ「ばーか」
ニコル「まぁまぁ、そんなに言わないであげてください。この暑さで、わずかに残ってた脳味噌が全部溶けちゃったんですから」
シン「何気に酷いことをにこやかに言うのは、ニコル先輩!」
ニコル「こんにちはー。皆さんも来ていたんですね」
シン「はい。ちょっと招待券貰いまして・・・ニコル先輩達も三人で?」
ニコル「本当はラスティも来る予定だったんですが、例によって例の如く怪我して入院中です。
ちなみに今回の怪我の原因は、街を歩いていて何故か落ちていたバナナの皮を踏んですッころんで、
頭から電柱にぶつかり、そしたら電柱が倒壊いたしまして、電柱に封印されていた怪獣が復活してしまい、
機動隊が出動し、怪獣と戦闘を繰り広げたところ、運悪く怪獣に踏まれてしまい、夏休み一杯入院だそうです」
シン「え?何、その大事件」
378夢酔い夏奇談U-B:2006/08/14(月) 22:24:08 ID:???
ミーア「ねえねえ、そんなことより、早くステラ達のところに行こーよー」
フレイ「そうねぇ、こんなとこに立っていてもしょうがないし」
シャニ「え――?ジェットコースター乗らないの―?」
クロト「観・覧・車!」
ミーア「私とステラの愛が優先――――!!」
ハイネ「愛?そうだ、愛!死んでる場合じゃねぇ!」
ミゲル「ステラちゃんにも会わなくては!!」
オルガ「うをっ!復活しやがった!?」
ハイネ「だが、その前に、フレイちゃん!」
ミゲル「俺達の愛の詰まったこの風船を受け取ってくれ!」
フレイ「いらない」
一蹴される。ハイネとミゲルは、風船を差し出した形のまま氷結。
フレイ「ていうか、私達全員その風船持ってるでしょう。これ以上増えても邪魔なだけじゃない」
言われてみればそうだ。フレイとミーア、ニコル達だけでなく、オルガ達も、風船を手にしている。
いかにも柄の悪そうな不良3トリオまでもが風船を持っている光景はなかなかにシュールだ。
オルガ「おい、シン。なにジロジロ見てんだよ」
シン「いや、なんか可愛いなーて思って」
オルガ「ああ?・・・・・・・はぁぁぁぁぁ?!」
シンの意図を察したオルガが赤面する。それでも、風船を手放さない辺り、なるほどフレイがいじめたくなる訳だ。
シン「さ、ステラ達のところに行きましょう。早くしないと、サーカスが終わってしまいますよ
379夢酔い夏奇談U-C:2006/08/14(月) 22:25:15 ID:???
飛ぶ。
風船が飛ぶ。
人の波の向こう側で、十数個の風船が一斉に空へと昇る。
どこかの慌てん坊のピエロが風船から手を離してしまったのだろうか。
一瞬だけ、人の波が割れる。僅かにできた隙間の先で、シンが見たものは。
純白の衣装を着たピエロ。
それから。
光を集めたような流れる金色の髪。
―――――――――――――――――レイ?
確認をする間もなく、その姿はすぐにまた人の波の中に消えてしまった。
シャニ「どうしたのー?」
シン「え?あ、・・・・何でもない」
気のせい?
一瞬のことだったし、遠目だった。それに、レイはルナマリア達と一緒に赤いテントのところで残っていたのだから、
もしも今のがレイだったのなら、他の人間が何か事情を知っているだろう。
シンは振りかえることなく、フレイ達の後を追った。

人のざわめきは止まない。
380夢酔い夏奇談U:2006/08/14(月) 22:28:33 ID:???
どうも、夏の祭典から帰ってきましたぁ〜。

まだちょっと体力回復できてないんで、すみません、2章途中までしか書けませんでしたorz
381通常の名無しさんの3倍:2006/08/14(月) 23:51:35 ID:???
>>380
GJ!そして夏の祭典お疲れさま。
大雨と停電は大丈夫だった?

てかラスティwww電柱に封印されてた怪獣ってどんなんだwwww
382通常の名無しさんの3倍:2006/08/15(火) 00:55:50 ID:???
オルガ萌え
383通常の名無しさんの3倍:2006/08/16(水) 01:25:59 ID:???
オルガ「うぜぇから萌えんな・・・こっち見んなよ!萌えんな!」
384通常の名無しさんの3倍:2006/08/16(水) 11:06:56 ID:???
無機物に萌えを感じる○イヴンとしては萌えぬ筈がない!

私の眼に狂いは無かった、が、しかし。全ての住人を萌えさせるにはあまりに限られた属性か…。















電柱イイ!
385通常の名無しさんの3倍:2006/08/16(水) 20:41:56 ID:???

    _  ∩
  ( ゚∀゚)彡 電柱!電柱!
    ⊂彡
386通常の名無しさんの3倍:2006/08/16(水) 21:28:40 ID:???
え?電柱、大人気?!
387夢酔い夏奇談U-D:2006/08/16(水) 21:30:17 ID:???
テントの中に入ると、拍手と歓声の嵐だった。
今は丁度、花をモチーフにした可愛らしい女の子が三人、鮮やかに空中アクロバットを決めて、
観客を沸かせている。
ミーア「すごい!すごーい!!」
ニコル「よくあんな細いロープの上を・・・・うわ、バク転した!」
クロト「感・激!」
席のほとんどが埋まっており、シン達は仕方なく、最後尾の立見席で我慢した。それでも、
曲芸の感動は存分に伝わり、皆興奮している。
空中アクロバットに続いて、今度はシンの倍は背丈がありそうな大男の登場。大人5人で抱えてきた太い丸太を片腕で、
見事真っ二つにしてみせた。また、歓声。
シン(でも、ルナかグラディス先生辺りなら、やってのけそう)
本人達が聞いたならば、シン自信が真っ二つにされそうなことを、心の中で考えた。
そういえば、ルナマリア達はどこにいるのだろうと、シンは観客席を見渡して、
かなり離れてはいるが斜め前方の席でそれらしき集団を発見。
人数が足りない。シンを抜き、マユとメイリンがまだ合流できていなかったとしても、7人いるはずなのに、5人しかいない。
誰が足りないか考えて、レイとステラの姿がないことに気付く。
シン(じゃあ、やっぱりさっきいたのは、レイ?)
何故あそこにレイが(もしかするとステラも)いたのか気になったシンは、隣にいたフレイに小声で話しかけた。
シン「すみません、ルナ達見つけたんで、ここに皆がきてること伝えてきます」
フレイ「了―――解。よろしくね」
ショーを邪魔されて睨む観客に謝罪しながら、シンはルナマリア達のもとへ行った。
シン「ルナ!」
ルナ「シン、遅かったじゃない。メイリン達は見つかった?」
シン「ごめん、全然。その代わり、フレイさん達を発見した」
言われて5人は一斉に後ろを振り向いた。立見席にいたフレイ達と目が合い手を軽く振ると、向こうも振り返してきた。
スティング「ハイネ達も来てるのか」
388夢酔い夏奇談U-E:2006/08/16(水) 21:31:07 ID:???
シン「あっちは別口。例の如くフレイさん達を追いかけてきた模様。それより、レイとステラは?一緒じゃないの?」
アウル「ステラが風船欲しいっていうから、レイが付き添いで貰いに行った」
じゃあ、やはりあそこにいたのはレイなのか。声を掛ければよかったな、とシンは少し後悔した。
「さぁ、次なるショーは、少し観客の皆様方にお手伝いいただきましょう!」
舞台の中心で、純白のピエロがマイクを片手に芝居がかった台詞を叫ぶ。
あのピエロは!
思わず叫びそうになって慌ててシンは口を塞いだ。あのピエロは、さっきレイと一緒にいたのと同じピエロだ。
何故ここにいる?レイとステラは?
シン「な、なぁ・・・あのピエロは?」
ヨウラン「ん?ああ、あの白い奴?なんかこのサーカス団の座長だって」
シン「いつから、あそこにいる?」
ヨウラン「いつって、最初っからだよ。ずっとあそこで司会やってるけど?」
シン「あ・・・・そうなの」
思わず拍子抜けした声を出す。レイとピエロを目撃したのは、だいたいサーカスが始まったのと同じっくらいのはず。
時間と距離から考えると最初から司会をやっているのは無理だ。そもそも、ちらっと見ただけなのだ。たまたま似た
ような衣装をきたピエロがいただけに過ぎないかもしれない。というか、普通に考えてそうだろう。
何を焦っている?シン・アスカ。
「ご紹介いたします!我がサーカスの最高の占い師ファントムです!今から彼が、十人のお客様の生年月日と
名前を当てさせていただきます。呼ばれた方は是非舞台へお越し下さい」
ファントムと呼ばれた占い師は、台座に置かれた水晶玉の上に両手を翳すと、高らかに生年月日と名を呼んだ。
すると、シン達のいる場所とは反対側の席で中年の男性がおずおずと手を挙げて立ちあがった。一斉にどよめき
と歓声が巻き起こる。ファントムは次の名を呼んだ。次々と呼ばれた人間が舞台に上がっていく。
「・・・・・・アーサー・トライン!」
「「「へ?」」」
意表を突いた名前に、シン達は全員素っ頓狂な声を出す。
シン達から斜め後ろの席で勢いよく立ちあがったのは、よく知っている顔。
間違いなくアーサーその人であった。
シン「アーサー先生?」
ルナ「来てたんだ。あー!モラシム先生とサトー先生もいるわ!!」
スティング「いい年こいた男が三人だけで、なにやってんだよ・・・・」
ヨウラン「言ってやるなよ・・・・・・・・・・・・(泣)」
389夢酔い夏奇談U-F:2006/08/16(水) 21:32:05 ID:???
アーサーで七人目。八人目。九人目と名を呼ばれ舞台に上がり、そして、最後の十人目。
「・・・・・・・ヴィーノ・デュプレ!!」
ヴィーノ「ええ?オレェ―――?!」
驚いて自分を指差しながら、立ちあがった。
ヨウラン「行ってこい」
ヴィーノ「で、でも・・・オレ・・・」
ルナ「なーに怯えてんのよ。別に殺されいくわけじゃないんだから。まぁ、仮に死んでも骨くらい拾ってあげるから、安心なさい!」
ヴィーノ「うう・・・・・・メイリン。お空からオレを見守っていてくれ」
シン「いや、別にメイリン死んでないから」
スティング「それにしても、見事に占いが当たるな。気味が悪いくらいだぜ」
アウル「生年月日と名前がピタリと一致してるしね。個人情報漏洩?」
スティング「にしても、無理があるだろ。手にした情報の奴が、今日ここに来るとは限らないんだからな」
シン「じゃあ、やっぱり実力で当てたのか?十人とも?」
ぞくり、とシンの背中に寒気が走る。嫌な予感がして、シンはヴィーノを止めようとしたが、時既に遅く、
ヴィーノはぎくしゃくしながらも舞台に上がっていった。アーサーが驚いて口を開けているのがよく分かる。
「さぁっ、これで十人が揃いました。勇敢な皆様に拍手を!」
拍手と声援が送られる。
「では、勇敢な皆様には、まずこの風船を持っていただきます。他のお客様も、よく覚えていて下さい。
右から赤、黄、緑、白、青、橙、桃、黒、紫、茶色です!」
ヴィーノは緑、アーサーは黒の風船だ。
「その風船を持って、後ろの箱に入ってもらいます。箱もまた色が塗ってありますので、
持っている風船とは別の色の箱に入ってください」
ヴィーノは赤、アーサーは白い箱に入る。
「箱に鍵を掛けます。ちょっと狭くて暗いですが、我慢をお願いします。え?居心地よくて寝ちゃいそう?
駄目ですよ。立ったまま寝ないで下さいね。居眠りされたら、動かすの大変なんですから」
ピエロのおどけた言葉に観客は笑う。
「さて、今は風船と箱、別々の色の組み合わせで入っていただいております!でも、色がバラバラだと落ち着かないでしょう!
そんなことはない?いえいえ、お客様、私が落ち着かないのです!やはり、赤い箱には赤い風船、黒い箱には黒い風船が入
っていないと!ですので、私が今から魔法を使います。中に入っている風船とお客様には、同じ色の箱に行っていただきましょう。
さぁ、ワン・ツー・・・・スリー!!」
ピエロの掛け声と供に鍵が落ちた。そして、勢いをつけて箱の扉が開く。
箱の中には、頭のない体と、風船だけが入っていた。
シン「ヴィーノ!!」
ルナ「アーサー先生!!」
観客の中から、驚愕と悲鳴の声が巻き起こる。
ピエロは大仰に両手を振って、怯えた観客を静める。
「落ち着いてください、お客様!!申し訳ありません、ちょっと魔法が失敗してしまい、首だけの移動となってしまいました!
390夢酔い夏奇談U-G:2006/08/16(水) 21:33:21 ID:???
大至急、胴体と風船も移動させますので、ご安心ください!!」
アシスタントの小柄なピエロが、大慌てで箱の扉を閉めていく。
「それでは、今度こそ!ワン・ツー・・・・・・スリー!!」
再び箱の扉が開く。中から、風船を持った人が出で来る。もちろん、頭もある。
緑の箱からはヴィーノ、黒い箱からはアーサーが。どこか顔が誇らしげだ。
見事、全員持っている風船の色と同じ色の箱から出てきた。
「さぁ、無事に移動できた十人の勇者に盛大なる拍手を!」
悲鳴は一転して、拍手喝采、歓声へと変わる。
「ああ、そうだ!魔法が失敗してしまったお詫びに、その風船を差し上げます。
お願いですから、警察には通報しないでくださいね?」
ルナ「すごーい!ええ?一体どうやったの?」
ヨウラン「箱の下に穴でも空いてたんじゃないのか?」
アウル「首がなかったのは?服同じの着てたじゃん。まさか、あの短い時間に服脱いで、用意していた人形に着せたのか?」
ヨウラン「そこまで、知るかよ」
シン「あ、ヴィーノが戻ってきた」
ルナ「おかえりー。ねぇねぇ、あの手品一体どうやったの?」
ヴィーノ「あー緊張した!!わかんないよ!本当に気がついたら、だもん。箱が閉められて、真っ暗になって、
一瞬気が遠くなったかと思ったら、次には箱が開いてたから」
ルナ「え―――?何それ?そんなんで納得できるわけないでしょ!何か隠してんなら、正直に白状しちゃいなさい!!」
ヴィーノ「本当だってば!!」
半ば自棄になって叫ぶヴィーノ。驚くルナマリア。シン達も目を丸くする。
シン「ヴィーノ?」
ヴィーノ「オレ・・・・・・行かなくちゃ・・・・」
ヨウラン「行くって、どこへ?トイレか?」
ヴィーノ「あ・・・・・うん・・・・・・・・」
どこか上の空の返事に、シンは眉を顰めた。
シン「おい、ヴィーノ?本当にトイレか?」
ヴィーノ「うん・・・・・なるべく、早く帰ってくるから、心配しないで」
それだけ言うと、ヴィーノは風船を持ったまま行ってしまった。
ショーはそれからもしばらく続いたが、ヴィーノが帰ってくる気配はなかった。
391夢酔い夏奇談U:2006/08/16(水) 21:42:36 ID:???
今回はここまでです。
第2章はなんとか明日には書き終えたいです。

本当に終わるのかなー・・・・・これ

>>381
ご心配ありがとうございます。なんとか無事に3日間すごせましたv
大雨の時は丁度会場内にいまして、雷雨を尻目に目の前を通り過ぎていくコスプレに、友人と
話の華を咲かせてましたから。帰りの山○線が止まっていたのには困りましたが・・・。
停電の時は、とっとと東京脱出してましたので、全く被害もなく。間一髪です。







392通常の名無しさんの3倍:2006/08/16(水) 22:33:08 ID:???
>>391
超GJッス! 職人さんお疲れ様です!
良いねぇあの怒涛のパロネタ合戦の後にこう言う幻想的なものが来るとは。
これからも期待してます。改めてGood Job!
それはそうとオルガカワイスw

どうでも良い話だがスペエディ2のEDで、
シンステ+ルナを中心にミネルバ組&三兄妹が集合しているところ見てマジ涙が止まらなかった・゚・(ノД`;)・゚・
つーか今でもようつべのを見てちょっと泣いちまう・゚・(ノД`;)・゚・
・・・整備士二人はいなかったがorz
393通常の名無しさんの3倍:2006/08/16(水) 23:12:14 ID:???
そういえば、時間の無駄だからスペエディ見てないなぁ
評判もボロクソだしwwww負債は本当に何したいんだろうねぇ〜?
少しはここの職人さんを見習えばいいのに

でもミネルバ組と新連語の集合EDは見たかった!
彼らの幸せな姿は、一枚でも多く見たい!!
それが新キャラファンの切なる願い!

さらにどうでもいい話だが、本屋行く度に目に入る、某アニメ雑誌
怨念込めて燃やしたくなるのは自分だけか?
394通常の名無しさんの3倍:2006/08/16(水) 23:56:13 ID:???
続きがめっちゃ気になるw
395通常の名無しさんの3倍:2006/08/17(木) 00:07:28 ID:???
>>391
いやあ、滅茶苦茶面白いっす。
ゆっくり書いてくだされ。
GJ!!
396通常の名無しさんの3倍:2006/08/17(木) 00:19:06 ID:???
無事すごせてよかったよかった。>夏の祭典
せっかくの良作、焦らずに書いてください。

雨でびしょぬれになった上に書きかけのSSが進まない者が言うのもなんですが。
397392:2006/08/17(木) 00:50:58 ID:???
>そういえば、時間の無駄だからスペエディ見てないなぁ
>評判もボロクソだしwwww負債は本当に何したいんだろうねぇ〜?
>少しはここの職人さんを見習えばいいのに
正直俺も120%見てりゃよかったと思ったぜorz
ファイナルプラスは見損ねて良かったと思ってる。
確実に某漫画版アムロのごとくモニター叩き割ってただろうからwww

>でもミネルバ組と新連合の集合EDは見たかった!
ttp://www.youtube.com/watch?v=2SLR_G3ieEo&NR
予め言っておく。ぶっちゃけ禁断の人達メインだ。
集合カットはほんの僅かのみ。他のカットと比べても何か地味。
それでも泣いた。だって数少ない新キャラカットだから色んな意味で・゚・(ノД`;)・゚・

>さらにどうでもいい話だが、本屋行く度に目に入る、某アニメ雑誌
>怨念込めて燃やしたくなるのは自分だけか?
俺は怨念の代わりに愛を込めた拳を禁断の人たちのページに向けて『バッカヤロウ!!!』と泣き叫びながら叩き込む。
なんだかんだ言って旧キャラも好きだし俺の場合。
いくら好きなキャラっつってもやって良いことと悪い事があるだろう(悪い事しかやってなかったが。
しかしガキに言葉は通じねェ・・・、故に拳で語るしかないのさ(←バカ。
398通常の名無しさんの3倍:2006/08/17(木) 02:38:42 ID:???
 本の世界からシン達が生還してから早三日。
 夏の眩しい陽光が窓から差し込む一年の教室で、いつものメンバーはいつも
の如く、シンの机の周りに集まって弁当を広げていた。
 
「俺たちは実際に被害にあったわけじゃないけどさぁ・・・。今回の事件も色々すごか
ったなぁ」
 ヴィーノが苦笑混じりに口火を切ると、ヨウランが顔をしかめて言葉を継いだ。
「そりゃ実際には被害にあってはないけど、俺のそっくりさんが最後の最後でいきな
り死んだのは、見てていい気がしなかったな」
「あぁ・・・。分かる分かる(俺だってメイリンを生え際後退野郎に・・・)」
 忌々しいことを思い出し、ヴィーノも自然と渋い表情になる。
 すると、
「・・・俺も同感だ。まったく思い出しても胸が悪くなる。最低の脚本だ」
 レイまでが怒気を込めて吐き捨てた。いつも淡々としている彼には珍しいその口調に、
自然とみんな箸を止め、レイを注視した。
 その視線に気づき、幾分か声を和らげつつも、
「何が我慢ならんいといって、俺が最後にギルを殺すことだ。しかも、あの電波男の
一言でいきなり豹変してだぞ? 100歩譲って、シンやルナマリアのためならまだ、
分からんでもないが」 
 その口調にはやはり、憤懣やるかた無い、といった感情が滲んでいた。
 だが、今度はシンが少し自嘲気味に笑って口を開く。
「しょうがないよ・・・。本の中じゃ俺、あんまりいい奴じゃなかったから。何ていうか
中学の時の俺に戻ったみたいで。自分だけが悲劇のヒロインみたいな顔して、みんなが
支えてくれようとしてるのに、そんなこと考えようともしないで・・・」
 はあ・・・。
 シンはため息をつき、下を向いた。
 自分は本質的にどうしようもない人間なのだろうか? 苦い思いがシンの胸を満たす。
 その時、
「そんなことはない。本の中でもお前はお前だった」
 レイの穏やかな、だが確信に満ちた声が響いた。
 シンの視線は自然とレイの方に吸い寄せられる。シンの視線を柔らかな笑みで受け止め、
レイは言葉を紡ぐ。
「誰かを守ろうと立ち向かっていく。それは本の中でも変わっていなかった。あの本の
中では思考と判断力が著しく低下させられ、他の登場人物同様気が狂ったような行動を
取らされてしまうことを割り引いても、確かに多少空回ってしまっていたことは否めない。
だがそれでもお前はお前だった。俺のために身を省みず、クラスの奴等や大人に立ち
向かってくれたシン・アスカだった。俺はそう感じた」
「レイ・・・」
 自然と頬が熱くなるのを感じ、シンは慌てて顔をそらした。
399通常の名無しさんの3倍:2006/08/17(木) 02:45:47 ID:???
「そうそう、その通りよシン。何たってこの私が、シンじゃない他の男にモーション
かけさせられちゃうくらいなんだから! あの世界じゃ多少おかしくなっても当然よ。
――て言っても、結局私は洗脳をはねのけ、シンへの愛を取り戻したけどね!!」
 大威張りでルナマリアが胸を張り、その子供っぽい態度に苦笑しつつも、シンは
嬉しそうに言う。
「そうだよな。ルナは最後まで俺の側にいてくれたっけ・・・」
 何の気なしに、シンの口から放たれた言葉。
 だが、メイリンは身体を震わせ、箸を持つ手を止めてしまう。ルナマリアは、その
様子を目ざとくとらえ、一瞬眉を潜めた。
 だが、敢えて気づかないふりをし、
「そうよ! その通りよシン!」
 注目を引くために大げさに声を張り上げた。
 メイリンが何を気に病んでいるか検討はつくが、あくまで本の中での話。殊更に周
りに思い出させることはない。
「シンは最後には私の所に来た。つまり、これはつまり! シンは私の所に来る! それが、
シンのディティニーってこと・・・」
「勝手なこと言ってんじゃないわよ!! このアホ毛!」
 いきなり黒い豊かな髪をなびかせ、マユが走りこんできた。
「アホ毛言うな! って・・・。マユ!? 」
「何かヤバそうなオーラを感知して来てみれば・・・。そんなこと言うなら、お兄ちゃんは
マユが死んでからもずっと、ずーっとマユの携帯を大事に持ってて、いっつも写真
を見て、何回も何回も何回も声を聞いてくれてたんだから! つまり、私こそお兄ちゃんの
永遠の恋人だってこと!!」
 マユの発言にシンの身体がビシリと音を立てて硬直した。
「(ヒソ)あぁ〜。そういえばそうだっけ」
「(ヒソ)おう。シンの奴、よくベッドで聞いてたよな・・・。俺は正直、シンが写真とか
声をネタにオ○△□×でも始めないかと思ってひやひやしたぜ」
「(ヒソ)まとわりつかれると鬱陶しそうにしてる割には、シンって結構シスコン?」
 ヨウランとヴィーノが何やらコソコソと話し始め、シンはどっと汗が噴出すのを感じた。
 考えてみると、かなり問題のある行動だったかもしれない。しかもそれをみんなに見られ
ていたと思うと・・・。
「シンは・・・。ステラのこと・・・ぎゅってしてくれて・・・。いっぱい泣いてくれたの」
 すると今度は、ステラがどことなく陶然としたように言い始めた。ステラの白磁の頬が
わずかに赤く染まり、大きなすみれ色の瞳が潤む。
「ぐっ・・・。(か、可愛い。――って何でこんなこと思うのよ? 別にアホ毛と違って私にゃ
そのケはないってのに!)」
「ステラ・・・。(可愛いわ。恋をしてる子は5割り増しで可愛くなるっていうけど・・・。ホントね!)」
 一瞬言い合いを中断したマユとルナマリアだったが、シンの顔がこれまた赤らんで
いるのに気づき、ハッと我に返った。
「わ、私なんかキスしたんだからね!」
 シンの身体がびくっと跳ね上がった。
400通常の名無しさんの3倍:2006/08/17(木) 02:48:23 ID:trs0iK39
「あの時私とシンの心は確かにつながった。――そうよね? シン」
「いや・・・。そうなんだけど・・・。でも・・・」
 ルナマリアに顔を覗き込まれ、シンはダラダラと汗を流す。あの時は確かにルナマリア
のことがどうしようもなく愛しく思え、激情のままに唇を重ねた。
 だが、本の中から戻ってきてすべての記憶を取り戻してみると、果たしてあれが恋愛
感情だったのかというと、どうにもそれは・・・。
「酷い! 私の体だけが目当てだったのね!?」
「違う! そうじゃなくって・・・」
 ヨヨと泣き崩れる仕草をするルナマリアに、シンが大慌てて何かを言おうとした瞬間、

――スパーン

 いい音が響いた。
 マユの突っ込みのハリセンがルナマリアの後頭部に炸裂したのだ。
「くぉら! キスぐらいでカマトトなことほざいてんじゃない! ・・・ていうか、今
当たった瞬間に頭を動かして衝撃を最小限にしたでしょ!? そこに直れ!」
「ここは漫才をする所ではござらん!」
「漫才と申したか。さにあらず! これは人誅である!」
「ぬふぅ・・・」
 そのまま両者は対峙した。
 小柄な黒髪の少女の一撃は、体格差を埋めて赤毛の少女の脳天に届くのであろうか?
 振り下ろされるハリセンの打撃を皮に当てさせて衝撃は流す。そんな神技を、赤毛の少女
は本当に実行できるのか?

 ――できる。できるのだ!

 ・・・などとシンを置いてけぼりにして対決ムードを漂わせるマユとルナマリア。
矛先がとりあえず反れてほっとため息をつくシン。ひそひそと話しているヨウランと
ヴィーノ。自分の世界へ入ってしまっているステラ。淡々とラウの弁当を食すレイ。
 基本的にはいつもと変わらないひと時。
 しかし。
 ただ一人、メイリンだけは暗い顔で俯いていた。
401通常の名無しさんの3倍:2006/08/17(木) 02:54:43 ID:???
 オーブ高校。
 近辺の高校の中ではトップクラスの進学率を誇り、比較的裕福な家庭の子弟が多いこと
でも有名な高校である。
 それ故か、連合高校の生徒達は何となく面白くない感情をオーブ高校の生徒達
に抱いている。またザフト高校の生徒達も、少し高慢ちきな所があるオーブ高校の生徒の
ことをあまり快く思っておらず、進んでかかわろうとする生徒はあまりいない。
 さらに、オーブ高校も生徒達も連合・ザフト高校のそういう感情に気づいていており、
見下すような感情と相まって、二つの高校の生徒と進んで交流を持とうとはしない。
 つまり、オーブ高校とザフト・連合の両校は、ほぼ断絶関係にあるのである。
 
 ――以上は余談。

 
 夕刻。
 夏の太陽が傾き赤くなり始めた陽光があたりを照らす中、オーブ高校の正門前に、
一人の少女が立っている。
 赤い髪を二つに結ったなかなかに可愛い女の子だ。だが、目に深刻なものを浮かべ、じっと
門を見ているその姿は、ただならぬものを感じさせた。
 ややあって、少女は何かを決心したような面持ちでオーブ高校の敷地内に入っていった。
402通常の名無しさんの3倍:2006/08/17(木) 03:04:07 ID:???
 この時期のオーブ高校は私服で登校することが許される。そのおかげで、ザフト高の
生徒である少女も怪しまれずに校内を歩き回ることができるのだ。
(どこにいるんだろ?)

 ――射撃部
 いない。
 ――チェス部
 いない。
 ――もしかしたら
 ・・・いた。
 
 ロボット研究部。
 そう書いてあるプレートのかかった教室の中に、少女が探す人はいた。
 後は、このドアを開けるだけ。
 そう思った途端に、少女の足と手が凍りついた。
 自分はとんでもなく馬鹿なことをしているのではないか? そんな思いが込み上げる。
 でも・・・
 それでも・・・。
(答えを出さなきゃ!)
 少女は震える手をドアにかけた。
 
 ガラリ。
 ドアの開く音に藍髪の少年がチラリと視線を向け、続いて怪訝そうに首をかしげた。
「何か用でも? ここは見ての通りロボ研の部室なんだが」
「あの・・・。その・・・」
 口ごもる見たこともない少女。藍髪の少年はその表情に疑問の色を浮かべた。
 そのまま数分が過ぎた。
 たまりかねた少年が何か言葉を発しようとしたまさにその時、ツインテールの少女は
意を決したようにさっと顔を上げた。
 そして、
「私と・・・。私と、付き合ってもらえませんか!?」
 思いつめたような表情でそう叫んだのだった
403通常の名無しさんの3倍:2006/08/17(木) 03:07:25 ID:???
今日は以上です。

今回のSSは、内容が内容ですので言いたいことはあるでしょうが、
見守っていただけたら幸いです。
404通常の名無しさんの3倍:2006/08/17(木) 03:18:41 ID:???
まぁ自分はいいけど…荒れそうで怖いな…
405通常の名無しさんの3倍:2006/08/17(木) 04:32:59 ID:???
うん…頑張れ。荒れそうで恐いのはあるけど…
406通常の名無しさんの3倍:2006/08/17(木) 07:16:47 ID:???
テンプレを読んだ上で書いてるんでしょう?
だったら問題ない。
ちゃんとそれように書いてくれるだろうし、面白そうだから期待してるよ!
407通常の名無しさんの3倍:2006/08/17(木) 07:33:41 ID:???
後半の展開はまずい、スレの趣旨から外れてるよ、禁忌組と絡ませちゃ駄目だって!
過去スレのサバゲーみたいに、連ザ同盟がO学園をやっつける、てな展開になればまだ良いんだが・・・
408通常の名無しさんの3倍:2006/08/17(木) 13:04:14 ID:???
俺は、シン達もそうだが彼ら禁忌組みこそ、救われるべきだとも思ってるから問題ない
あんな脚本じゃなければ彼らもちゃんとした、愛されるキャラクターになってただろうに・・・

問題はこのスレで許されるかどうか、だ
俺個人の感情では、やってくれてぜんぜん構わないんだが
409通常の名無しさんの3倍:2006/08/17(木) 13:35:13 ID:???
>>408
他の某スレでは、AA組も含めたキャラ全員が救われているんだけどね
俺も>>408と同じ考えだが、このスレの住人にはAA組が大嫌いな人が居るようなので、
このスレの全体的な空気は読んで欲しい・・・
410通常の名無しさんの3倍:2006/08/17(木) 14:07:13 ID:???
他のスレには他のスレの流れが、このスレにはこのスレの流れがある。
当たり前のことだけどな。
このスレも8つ目だけど、最初のころから、いろいろ議論があった。
その結果がテンプレだから、ここでやる以上は尊重してほしいな。
でも、個人的に、直で出たわけじゃないから、今後の展開しだいではないかと思う。
GJ!と言われるか、テンプレ嫁と言われるか…
411通常の名無しさんの3倍:2006/08/17(木) 15:49:06 ID:???
嘗てのフレイ小説レベルなら問題無いだろうけど、旧キャラがトラウマになっている人も少なくないだろう。
結局そこは加減の問題だよね。『これは禁忌の人とは別人だ』と思い込めるレベルなら問題ないんじゃないかと。
職人さんがちゃんとルールを守ってくれると俺は信じている(つーかルールを守れなきゃ『職人』ではない。
まあ今後の展開次第ですな。職人さん、期待してます!
412通常の名無しさんの3倍:2006/08/17(木) 18:22:09 ID:???
>>403
内容はともかく、ちょいと気になったので確認したい
本の世界から〜と唐突に始まってるわけだが
貴方はあの話を書いた人と同一人物ってことでおk?
そうじゃないなら何かしら断り等が入るのが通例だから
本人さんなんだろうとは思うんだけど
413通常の名無しさんの3倍:2006/08/17(木) 19:30:56 ID:???
お前ら釣られすぎだ
メイリンが告白しに行ったのはアスランじゃなくて
アチョモランだ、別人だ
414通常の名無しさんの3倍:2006/08/17(木) 22:35:24 ID:???
空気を読まずにレス返し

>>392
ありがとう!シンステ達の集合EDが見れましたよwww
これでスペエディを買わんですむ(もともと買う気もないが)
忠告のおかげで、禁断の人たちは眼中に入らなかった(笑)

やっぱり新キャラ達は皆可愛いなぁwwwwwwwwww
415通常の名無しさんの3倍:2006/08/17(木) 22:54:29 ID:???
>>413
あれ?胡蝶欄を見に行ったんジャマイカン?
416夢酔い夏奇談U-H:2006/08/17(木) 23:47:40 ID:???
「本日の演目は以上となります!皆様は、引き続き園内をお楽しみ下さい!!」
純白のピエロが高らかに終了を宣言すると、客席から人が立ち、テントの外へと出て行く。
シン達は、ぎりぎりまで客席に残っていたが、さすがにテント内に自分達以外に人間が誰もいなくなってしまうと、
いつまでもそこにいることは出来ない。舞台を掃除している用務員らしき男が、ジロリと睨んでくる。
仕方なく、外へ出た。
ヨウラン「ああ、もう!どこに行ったんだよ、ヴィーノの奴!」
ルナ「トイレが混んでるとか?それにしても、遅すぎるわ」
シン「やっぱ、なんか、ヴィーノの様子変だったから」
スティング「それに、ステラとレイがまだ戻ってこないのも気になるな」
スティングの言葉に、五人は顔を合わせる。
シン「レイなら、フレイさん達と合流した時に、一度それらしいのを見たけど」
アウル「そういや、フレイ達は?どこに行ったんだ?」
ルナ「さぁ?私達最後まで客席にいたから・・・もうどっかに遊びに行ったかも」
モラシム「おーい、お前等!!」
ヨウラン「モラシム先生!サトー先生!」
サトー「お前達も来ていたんだな。すまんが、アーサー先生を見なかったか?」
シン「いいえ?どうかしたんですか?」
モラシム「うむ、ショーの途中でトイレに行くといってから、戻ってこなくてな」
シン「え?」
サトー「すまんが、もしアーサー先生を見かけたら、我々はプロジェクトBを実行していると伝えてくれ」
ヨウラン「プロジェクトB?」
モラシム「では、また会おう!」
去っていく教師二人の後姿を、しばし五人は黙って見つめた。
ルナ「アーサー先生も?こっちは、メイリンにマユに、レイ、ステラ、ヴィーノ・・・・ちょっと行方不明者多すぎない?」
それだけじゃない。シンはトダカがユウナを探していたのを知っている。
携帯で連絡をとろうにも、始終圏外の表示のまま。肝心な時に役に立たない。
嫌な予感がする。嫌な予感がする。シンはいても立ってもいられず、駆け出した。
ルナ「シン!」
417夢酔い夏奇談U-I:2006/08/17(木) 23:48:31 ID:???
シン「俺、もう一度皆を探してくる!ルナ達は出口の所で待ってて!」
ルナ「こら、一人で突っ走るなって!・・・・・ああ、いっちゃった・・・・たくっ、あの子は・・・・・」
スティング「しゃーない、俺達も探しに行くか。出口で待ち合わせってことで」
アウル「あ、待ってよ、スティング。俺にちょっと良い考えがあるんだけど・・・・・・、
あ、すみませーん!そこのピエロさん、風船4つくださーい!」
スティング「あん?風船?そんなもの、どうすんだよ?」
アウル「へっへーん・・・取り出したりますは、油性のマジック!」
ヨウラン「何故持ってる・・・?」
アウル「いやー、朝飯にキムチ出なかったから、腹いせに疲れて昼寝するスティングの顔に、
落書きできる機会を虎視眈々と狙ってたんだよね、実は!」
スティング「ほほーう?」
アウル「で、この風船に、あの馬鹿達の名前書いておけば、目立つし、あっちも俺達の居場所分るだろ?」
ヨウラン「まぁ、確かに・・・・・」
ルナ「私達も微妙に恥かしいんだけどね・・・・」
アウル「苦情は、迷子の連中に!ついでにシンの名前も書いといたろ。じゃ、解さーん!」
ルナ「その前に、呼び出しのアナウンス掛けてもらわない?」
ルナマリアが、実に堅実的な提案をした。

シンは、フレイ達と合流した地点まで戻った。
シン「えっと・・・ここでオルガをからかっていて、んで、あそこから、風船が飛んでくの見たんだよ」
ぶつぶつ独り言を言いながら、先程のことを思い出す。今更行ったところで、いつまでもそこにレイ達がいるはずはないのに、
しかし、何かしら手掛かりはないものかと、ほとんど藁にもすがる思いだった。
一体なにがこんなにも不安なのだろうか。ただ、人ごみがが凄くて、はぐれてしまっただけなのに。
?「むぅ、貴様は!」
背後から聞こえた低い男の声に、シンは振り向いた。
418夢酔い夏奇談U-J:2006/08/17(木) 23:49:29 ID:???
シン「へ?・・・・・・て、あ――!あんたはっ!」
?「デュランダルの犬、シン・アスカか?!」
シン「パトリック・ザラ!なんで、あんだがここに?!つーか、誰が犬だよ、誰が!」
パトリック「相変わらず、年長者に対する口の聞き方を知らんガキだな」
シン「精神年齢がガキの奴に対する口の聞き方なんて、こんなもんだろ!」
パトリック「誰がガキだ!!まったく、あのデュランダルは、生徒にどんな教育を施しているんだ!」
シン「ロクなものじゃないことだけは教えておく」
パトリック「私が理事だった頃はこんな口を利く生徒などいなかったぞ!」
シン「よく言うよ、あんたの教育のせいで、今の理事長みたいなのが生まれたんだろ」
パトリック「む?わ、私のせいだというのか?!」
シン「3分の1くらいはそうだって、ラウさんがいってたなー」
パトリック「ば、ばかな・・・私の教育があんなストーカー変態奇人ワカメを生んだというのか?」
あまりの狼狽ぶりに、ちょっと気の毒なってフォローする。
シン「そこまで言わんでも・・・・一応残りは生まれもった個性とグラディス先生のせいだとも言っていたし」
パトリック「ふはははは!やはり、私のせいではないではないか!そうだ、私の教育に一点の曇りもあるものか!!」
シン「あ、今、3分の1のところ、綺麗に捨てやがったな」
パトリック「まぁいい。ここであったが100年目。デュランダルを始末する前に、まず貴様を血祭りにあげてくれようか!!」
シン「望むところだ!返り討ちにしてやる!!」
両者の間に激しい火花が散る。
一触即発。張り詰めた空気の中、互いが拳を握り締めた時。
ピン・ポン・パン・ポーン!
アナウンスが入った。
『ザフト学園からお越しのメイリン・ホークさん、マユ・アスカさん、レイ・ザ・バレルさん、連合高校からお越しのステラ・ルーシェさん。
お友達がお待ちです。至急園内出口のところまで起こし下さい・・・・、繰り返します、ザフト学園かろお越しの・・・・・・・・・・・』
微妙に気概が反れて、シンは前につんのめった。
おそらくルナマリア達の仕業だろう。そういえば、こういう探し方もあったなぁ、と今更ながら思い出した。
パトリック「ふん、お前達の連れか?なんだ高校生にもなって、迷子とは情けない」
シン「うるさい!ちょっと人が多すぎて、見つけにくいだけだよ!」
ピン・ポン・パン・ポーン!
『申し訳ございません。つけたして、お呼び出し申し上げます。ザフト学園からお越しの、
・・・・ちょ、猪突猛進のシン・アスカさんも至急園内出口までお越し下さい。繰り返します・・・・・・』
419夢酔い夏奇談U-K:2006/08/17(木) 23:50:16 ID:???
シンは、豪快にこけた。
シン「な、なんだ、今のアナウンスはぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
パトリック「わははははははははっ、なんだっ、貴様も迷子なのか?!猪突猛進のシン・アスカ!」
シン「やかましいわっ!!てゆーか、本当になんであんたがここにいるんだよ?!」
パトリック「ふん、たまの休日、愛しい妻とのデートだ。何か文句があるか?」
シン「デートぉ?また似合わん言葉で・・・しかもデート先が遊園地って、さらに似合わん・・・・」
パトリック「レ、レノアたっての頼みなんだ!だったら叶えるしかないだろう!!」
シン「意外と尻に敷かれるタイプ?で、肝心の奥さんは?」
パトリック「はっ、そうだった!貴様の相手をしている場合ではない!!レノアを探さねば!レノア!!
レノアは何処行ったー?!」
シン「結局あんたも、はぐれたんかい?!」
シンの突っ込みを無視して、パトリックは去っていった。台風一過という言葉が、シンの脳裏に浮かぶ。
シン「結局なんだったんだ?うーん、あの息子にしてこの親あり、だな。人の話を聞かないところが、
そっくり・・・・て、こんなことしとる場合じゃない!出口の所に行かないと・・・・・」
シンは出口に向かった。
どうやら、出口に一番近かったのがシンらしく、まだ誰も来ていない。
出口周辺を見渡せる丁度いい位置にベンチを見つけて、そこに座った。
ぼんやりと、人の波を眺めながら、ルナマリア達が到着するのを待つ。
シン(そういや、フレイさん達もどこいったんだろ?あれから全然見てないや。
あんな目立つ集団見過ごすはずないのに・・・・。フレイさん達もやっぱさっきの放送聞いたのかなぁ?
うう、オルガ辺りに馬鹿にされそう。だいたい何だよ、猪突猛進って!ヨウランの発案だ、絶対!会ったらとっちめてやる!)
時は刻々と過ぎていく。
ルナマリア達はまだ現れない。自分達が放送で呼び出しておいて、一体何をやっているんだ。

はらり
はらり
はらはら はらはら
420夢酔い夏奇談U-L:2006/08/17(木) 23:51:02 ID:???
紙吹雪は絶え間なく降りつづける。一体誰が降らせているのだろうか。
雲一つない青い空。照りつける太陽。
紙吹雪は、まるで季節はずれの雪のように見えて。
時の感覚を狂わせていく。
ルナマリア達が来ない。
レイは何処?
女の子の笑う声。少しマユの声に似ている。
風船が空へと昇る。ピエロが踊っている。行き交う人々。止むことのないざわめき。
ピエロ。純白の衣装と白銀の仮面。ピエロが風船を渡している。
――――――――――――――良い夢を
ああ、レイと一緒にいたピエロだ。
なんだか瞼が重い。
皆何処にいった?
眠たい。眠りたい。
次第にシンの意識が遠のいていく。
シンは夢を見る。
夢の中で、シンはあの黄昏の街にいた。
狐の面を被った子供が泣いている。
怖いよ、怖いよ、皆食われてしまう、と。
狐の面を被った男が子供の頭を撫でる。慰める。
男はシンを見た。シンを見て、言う。
早く其処から帰りなさい。逃げなさい。彼等の手を取る前に。
シンは言う。友達とはぐれてしまった。探さないと。
男はかぶりを振る。駄目だよ、君の友人は帰れない。捕まってしまったから。
もう、帰れない。
君だけでも帰りなさい。早く早く帰りなさい。
私があげたものを持っていなさい。夢に捕まりそうになったら、きっとアレが役に立つ。
日が落ちる。夜が来る。闇が迫る。朝はまだ遠い。

「・・・・・・さ・・・ま!お客様!!」
シンの身体を誰かが揺り動かす。耳元で、甲高い女の人の声。
421夢酔い夏奇談U-M:2006/08/17(木) 23:52:01 ID:???
シンはゆっくり目を覚ました。
シン「・・・・・・ん・・・・マユ?」
「お客様、起きてください!!閉館時間ですよ!」
シン「・・・・・・・・ええ?!」
状況を把握するのに数秒掛かった。今自分が何処にいるのかを思い出すと、シンは飛び起きた。
閉館時間?女の言葉が信じられず、辺りを見回す。
空にはわずかな星が瞬いていた。あれだけ人がいて賑やかだった園内は、閑散としており、誰もいない。
ルナマリア達を待っている間、しっかり寝こけてしまっていたらしい。
しかもぐっすり閉館時間まで寝て、今係員の女性に起こされたということか。
恥かしい。シンは赤面した。
「申し訳ございませんが、もう門を閉めますので」
シン「は、はい、すみません。あ、でも友人が・・・・・・」
「え?」
シン「いえ、何でもないです・・・・・・」
女が怪訝そうな顔をするので、シンは慌てて両手を振った。
これだけ人がいない園内で、友人達がまだ来ていないとは言えない。
女に頭を下げ、シンは急いで外に出た。
移動遊園地から外に出ても、其処に誰かがいることはなかった。
おかしい、本当にどこへいったのか。シンがベンチにいることに誰も気付かず、痺れを切らして帰ってしまったのだろうか。
それだったら、少し寂しい。
携帯は相変わらず、圏外のまま。
とりあえず、家に帰ることを決心した。家に帰れば、ひょっとすると、マユが帰ってるかもしれない。
不意に夢の中の男の言葉を思い出した。
―――――――――――――君の友人は帰れない。捕まってしまったから。
弾かれた様に、シンは後ろを振り返った。
すでに入場門は固く閉ざされている。わずかに灯された電灯の他には、明かりらしきものはなく、周囲は暗い。
中央の赤いテントは、すべて黒い闇に覆われており、威圧的にシンの前に立ち塞がる。
まるで要塞のようだった。
物音一つしない、静寂。
生暖かい空気に、寒気を覚える。
帰ろう。

シンは一人、家路についた。
422夢酔い夏奇談U:2006/08/17(木) 23:58:18 ID:???
微妙に空気読まずに作品投下
でも、後悔はしていない
何故なら・・・・・・・・・・・・・・



パトリックが書けたからwwwwwwwwww

好きです、パトリックwww
種無印時、フレイ様の次に好きでしたw

パトリックとシンて性格似てるよなぁ、と思うのは自分だけだろうか?

これにて2章目終了です。
そろそろラウとかネオとかジブリとかムルタを出したいです。
423通常の名無しさんの3倍:2006/08/18(金) 00:13:32 ID:???
猪突猛進?という事はシンの武力が8うpして移動速度が増すわけか?
424通常の名無しさんの3倍:2006/08/18(金) 00:27:36 ID:???
フレイ好きでパトパパ好きか
気が合うな

まぁ、俺は流離うが理由だがw
425通常の名無しさんの3倍:2006/08/18(金) 22:42:23 ID:???
不思議だ…
426通常の名無しさんの3倍:2006/08/19(土) 00:02:54 ID:???
恋人よ今すぐ
あなたの前に座りたい
あなたの後ろを体育座りで尾けまわしたい
ごらんあの空を (不思議だ)
天にも昇るたぁ (素敵) このことよ
ドシコムリムリッポン (幸せだ)
シャモモメメン (嗚呼)
君が好きだぜ体育座り
427通常の名無しさんの3倍:2006/08/19(土) 00:34:17 ID:???
誤爆?
428通常の名無しさんの3倍:2006/08/20(日) 00:07:06 ID:???
>>398-402 の続き。

「ふわ〜ぁ・・・」
 今日は休日。
 睡眠を飽食し尽くし、パジャマ姿で一階に下りてきたルナマリアは、妹の姿をその寝ぼ
けた視界に捉え、
「おはよ〜、メイリ〜ン」
 欠伸交じりに声をかけた。
「お、おはよ。お姉ちゃん」
「うん・・・。速いわね〜。あんた」
 そのまま通り過ぎようとして――
 ルナマリアは足をとめる。振り返って、妹の格好を上から下までしげしげと観察。姉の
視線に、メイリンは居心地が悪そうに身をよじった。
「何? お姉ちゃん」
「――メイリン。デート?」
 メイリンの体が固まった。
 ややあって、
「えぇ? ど、どうしてぇ?」
 視線を泳がせ、白々しく聞き返す妹に、
「どうしても何も・・・。そんなにめかし込んで、他に何があるっていうのよ?」
 ルナマリアは呆れたというように嘆息した。
「ふ、普通だってば」
「普通って言われてもねえ・・・。そりゃ、ちゃんとした服でいかなきゃ相手に失礼だけど
あんたはもうちょっと肩の力抜いた格好の方が、可愛いと思うんだけどなあ・・・」
 いくらなんでも肩が膨らんだブラウスに、ネックレスはないだろう。髪を下ろしている
時ならともかく、ツインテールでその格好はいかがなものか?
 まあもっとも――
「ヴィーノがメイリンの格好にケチをつけるなんてありえなけどね」
 あまりにも二人とも奥手なので、どうなることか多少気を揉んでいたが、やっと心を
決めたとみえる。
 メイリンの姉としても、ヴィーノの友人としても喜ばしいことだ。
 ところが、
「違うの・・・」
 メイリンの口から漏れた呟きは何故か思いつめたような響きがあった。これから好きな
人とデートに行こうとしている女の子のものとはとて思えない声。
 「え!? ・・・ど、どういうこと?」
「何でもない・・・。ごめん、私、行かないと!」
 慌てて問いかけるルナマリアを避けるように顔を逸らし、メイリンはドアを開けると走り去った。
429通常の名無しさんの3倍:2006/08/20(日) 00:09:33 ID:???

 ――気になる

 遅めの朝食を取り部屋に戻ってからも、ルナマリアの頭の中はさっき妹が見せた
不審な態度のことで一杯だった。
(ヴィーノとじゃないの?)
 他に思い当たる相手はいないのだが・・・。
 もっとも、誰であろうとそれはいい。メイリンの自由だ。
 だが、どうしてこれからデートに行こうというのに、あんな様子だったのか?
 それに・・・。
(ひっかかるのよね・・・。あの格好)
 メイリンのあんな格好は、今だかつて見たことがない。
 服を買う時は大体いつも二人でお店に行って、あれこれ批評し合いながら買っている。
自分が一緒にいたら、その服はやめろと言っただろう。

 ――いや

 やはり見たことがある気がする。
 そう・・・あれは――
 閃めくものがあり、ルナマリアはガバっとベッドから身を起こした。
「まさか、あの子!」
 こうしてはいられない。
 何かに突き動かされるように、ルナマリアは外へ駆け出した
430通常の名無しさんの3倍:2006/08/20(日) 00:14:59 ID:???
「――であるからして、愚鈍な大衆は、天才に導かれるのが幸福なのである、と・・・」
 ここは、オーブ高校のロボット研究部の部室。
 中では褐色の少年が一人、キーボードを叩いているた。
 部活動のため校内は開放されているとはいえ、今日は休日。人気はほとんどなく、遠く
のグラウンドから野球部員やサッカー部員の掛け声がかすかに響いて聞こえる他は物音
もなく、静寂が校舎を満たしている。
「ったく、勘弁してよね。レポートを提出しないと留年だなんて。ちょっと、出席日数
が100日ほど足りないくらいでさ・・・」
 誰かが聞いていたら色々とつっこまれそうなことを呟きながら、少年が新しい課題
に取り掛かった――
 その時。
 足音が凄まじい勢いで近づいてきたかと思うと、ロボ研の部室の前で突然止まった。
 ガラッ!
 ドアが引きあけられ、肩を怒らせた赤毛の少女が室内にずかずかと踏み入ってくる。
 その少女はなにやらただならぬ雰囲気を漂わせており、傲岸不遜な態度がデフォの
褐色の髪の少年も流石に身を強張らせた。
 赤い髪の少女は一直線に褐色の少年に近づき、ずいっと顔を近づけた。
「・・・デコ助野郎がどこにいるか、あなた知らない!?」
 どう考えても無礼千万な態度である。しかし、赤い髪の少女には有無をいわせぬ迫力が
あった。
「し、知らない! 僕は何も!」
「隠し立てするとタメにならないわよ!?」
「ほ、本当だよ。レポート手伝ってって言ったのに、大事な用があるとかいって、どっか
行っちゃって・・・」
 そのまま数瞬、赤毛の少女は少年を睨みつけ、
「・・・邪魔したわね」
 ため息をつくと同時に身を翻した。
 その背中に
「――ちょっと質問していいかな?」
 少年の声が飛んだ。
 胡乱気に振り返るルナマリアに、ようやく自分のペースを立て直しつつある少年は、
どことなく悪魔的な笑みを顔面に貼り付け、
「君の知り合いに、赤い髪をツインテールにしてる女の子、いるんじゃない?」
 そう問いかけた。
431通常の名無しさんの3倍:2006/08/20(日) 00:17:39 ID:???
 いきなりの問いかけに押し黙るルナマリアを見て、少年はにやりと笑う。
「その沈黙は肯定と取るよ? どんな関係かは知らないけど、君はその子、が君のいう
デコ助野郎と今どうしているのか、気になって仕方がない。そうでしょ?」
「こっちの世界でもスペックだけは無駄に高いみたいね・・・」
 半眼で呟くルナマリアに、少年は不可解そうに眉をひそめた。
「何のことだか分からないけど・・・。 ――とにかく、その子のこと詳しく教えてく
れないかな?」
「聞いてどうするわけ? 妙なこと考えてるんじゃ・・・」
 ルナマリアの目が鋭く細められた。
 フレイ・アルスターのお見合い事件の顛末も聞き知っているし、本の中とはいえこの男
と同姓同名の奴に、自分もシンも散々な目に合わされた。とてもではないが、進んでお近づき
になりたいと思える人間ではないし、メイリンに近づけたくも無い。
 ルナマリアの鋭い眼光を受け、少年は軽く肩をすくめた。
「その子をどうこうしようってわけじゃないよ。・・・当分赤い髪の子はゴメンだからね。
僕が言いたいのは、その子のデータが揃えば、二人のデートコースを割り出せるってこと」
「・・・できるの? そんなこと?」
 嘘をつけ、という思いをたっぷり込めたルナマリアの問いかけに、
「別に難しいことじゃないよ。僕はわけあって、君の言うつるッ禿予備軍男の、デート
コースは、ほぼ完璧に知ってるからね。後は、君の知り合いの今日の服装とか履物の種類、
食事とかの好みなんかかが分かれば、100%に近い精度で割り出しせるさ」
 少年は自信満々に言い切った。
「・・・まだ動機を聞いてないんだけど?」
「僕は君の動機を聞かない。君も僕の動機を聞かない。けど、誓って僕は君の知り合いに
は手を出さない。これですべて丸く収まると思うんだけど。どうかな?」
「質問に質問で返すと零点だって、小学校で教わらなかったの?」
「そんなこと言ってた気もするけど、凡人が僕に説教たれようなんて許せないじゃない?」
「そこまで言えるのは、ある意味大したものね・・・」
 呆れて天を仰ぎつつ、ルナマリアはしばし思考を巡らせた。
 だが確かに、本気でメイリンを追いかけようとするなら、この不愉快な少年に頼るし
かないのは事実だ。
 それでも少しの間逡巡して・・・
「わかった、教えるわよ。けど、メイリンに何かしたら許さないわよ? これだけは
はっきり言っておくから!」
 蛇に誘惑されて禁断の果実に手を伸ばすイブの心境で、ルナマリアは重い吐息と共に
言葉を吐き出した。
 ルナマリアの度重なる念押しに閉口しつつも、
「よっぽど大事なんだね、その子が・・・。了解。僕はメイリン・ホークに何もしない。
僕の才能にかけて!」
 芝居がかった口調でそう言った後、少年はPCに向き直った。
「じゃあ、まず――」
 矢継ぎ早にルナマリアに質問をし、凄い勢いでデータをPCに打ち込んでいく。
「絞り込めないってのなら、合わせりゃいいんだろう? 今日の天候、気温、金銭状態
から往復可能なデートスポット位置をCPGを再入力…、チッ! ならメイリン・ホークの
行動パターンに行動範囲直結!ニュートラルリンケージ・ネットワーク、再構築!
思考パターンデータ更新! フィードフォワード制御再起動、伝達関数!・・・」
 怪しげなプログラムを組み始めた少年を横目で見つつ、ルナマリアは、今日何度目にな
るか分からないため息をついた。
432通常の名無しさんの3倍:2006/08/20(日) 00:22:39 ID:???
 メイリンの目の前に海が広がっていた。
 あの場所ではないけれど、似た場所。
 その場所で、
「気は、すんだのかい?」
 隣の藍髪の少年が優しい声で言う。
 でも・・・
 あの時のような気持ちは湧いてこない。
 何かしてあげたい、という気持ちも。自分のことを知って欲しい、という気持ちも。

 ――好き

 という気持ちも。
 メイリンは苦笑を浮かべた。
(当たり前よね・・・)
 今日まで一度も会ったことがなかったのだ。
 確かに今日一日デートをしてみて、いい人だというのは分かった。顔だって格好い
いと思う。

 ――でも
 
 それだけ。
 息が苦しくなることも、心臓の鼓動がはっきり聞こえるほど高鳴ることもない。
「ごめんなさい、本当に。いきなり滅茶苦茶なことを言って、一日引っ張り回したりし
てしまって」
「いや、いいさ。けど、理由はやっぱり内緒なのかな?」
「いえ・・・その」
 どうせ言っても信じてもらえまい。
 だが、今日一日付き合ってくれた少年の誠意には答えたかった。
 口ごもりつつも、メイリンは言葉を紡ぐ。
「確かめに来たんです。この格好であなたの前に立って、心を揺さぶる何かがあるのか」
「――で?」
「どうやら私は、自由みたいです。――ごめんなさい、言ってることが意味不明だろうなって
ことは、分かってるんですけど・・・」
 普通だったら怒るか気味悪がって、追っ払われるのがオチだ。
 それでも、
「確かに・・・分からないな。だが、君の助けになれたなら何よりだ。それに俺も、今日は
楽しかった。だから、君が何かに納得できたなら、それでいいさ」
 やはり彼は女の子に対してはどこまでも紳士で・・・。
 こういう所は、あっちの世界と変わらないなあ、と思う。
 でも、それだけだ。
 それ以上の思いは何も湧いてこない。
「さて・・・と。行こうか。バスの時間がそろそろだ」
「はい」
 二人がバス停に向かって歩き出そうとした、その時。
「おい、そこの女ぁ!」 
 野卑な声が飛んだ。
 メイリンが身体を強張らせ、藍髪の青年がメイリンを庇うように一歩前へ出た。いつ
の間にか、ガラの悪そうな少年達が、二人を取り巻いていた。
433通常の名無しさんの3倍:2006/08/20(日) 00:25:16 ID:???
「何だ!? 君たちは」
 警戒心も露に藍髪の少年が鋭い声を上げた。
「テメエにゃ関係ねえ。とっとと消えな、色男さんよ。俺たちが用があるのは、そこの
女だけだからよ」
「だから、何の用だときいている!」
「・・・テメエにゃ関係ねえって言ってんだろ? 聞いてのか、あぁ?」
「ちゃんとした用なら、俺の前でも話せるはずだ。それが出来ないというのなら、俺は
引くわけにはいかない!」
「うぜぇ・・・。黙らせろ!!」
 リーダー格の一言で、数人が藍髪の少年に向かって殺到していく。
 だが、
「ふっ!」
 激しい息遣いと共に、藍髪の少年の体が左右に素早く動いた。
 一人が顎を打ち抜かれて倒れ、一人が側頭部に回し蹴りを食らってもんどりをうった。
 明らかに何か格闘技をやっている者の動き。
 怯んだ不良たちは、慌てて距離を取った。
「暴力で解決しようというのなら・・・。容赦はしない!」
 後ろにメイリンを庇いつつ、藍髪の少年を低い声で告げた。しかし、その迫力にも怯まず
不良たちのリーダー格がゆっくりと前に出てきた。
「けっ! カッコいいねえ・・・」
 リーダー格がゆっくりとバットを構え、わずかに藍髪の少年の体が硬くなった。
 無理もない。
 道場やジムでいくら実戦的なスパーリングを積んでいようと、流石にバットで殴りか
かってくる相手を相手にしたことはないのだから。
 しかし、ケンカの場数は踏んでいる相手は、その隙を見逃してはくれなかった。
 
 ――否

 初めから計算づくであったとみた方が正しいだろう。
「おらぁ!」
「うっ!」
 掛け声と共に、投げつけられたバットはモロに藍髪の少年の膝に命中。藍髪の少年の
体勢が崩れ、
「かはっ!」
 間髪いれずに放たれた不良のリーダー格の前蹴りが少年の腹に食い込んだ。この機
を逃すかとばかりに不良たちが一斉に少年に襲い掛かる。
「やめてぇ!」
 メイリンの悲鳴は、不良たちの雄叫びにかき消された。
 数発の拳が藍髪の少年の端整な顔に炸裂し、崩れ落ちた少年の頭部にバットが振り下
ろされようとした、まさにその時。
 高速で飛来した礫が、バットを持った不良少年の掌を打った。
 激痛に悲鳴を上げてのたうつ不良。
 虚を突かれた不良達が礫の飛んできた方に視線を向けるよりも早く、赤い矢となって
ひとりの少女が不良たちの集団の中に飛び込んできた。
434通常の名無しさんの3倍:2006/08/20(日) 00:30:10 ID:???
「グゲッ!」「ごっ!」「クヶ!」
 異様な悲鳴が連続して響き、三人の不良が立て続けに昏倒。
「てめぇっ!」
 叫んで角材を振りかぶった不良の睾丸を一撃で蹴り潰し、もう一人喉元に拳を突き入れる。
 カカト、肘、膝といった身体の硬質な部分を使った全弾急所狙いの攻撃。人体を破壊することに
特化したその攻撃方法は、凶悪そのものだった。
 不良達をなぎ倒し、赤い髪の少女は一直線にメイリンの元へ走り寄った。
 メイリンの瞳に少女の背中が映る。小さいのに、何故かとても大きく感じられるその背中。
「怪我はない!? メイリン!」
 凛とした声がメイリンの鼓膜を打った。
「お姉ちゃん!?」
「良かった・・・。無事だったみたいね」
 驚きと喜びを混ぜこぜにしたようなメイリンの声を背中で聞きつつ、ルナマリアは
冷徹な視線を眼前の不良たちに叩き付けた。
「さっさと消えなさい! メイリンに怪我はないみたいだから、大人しく帰るって
いうなら見逃してやるわ。でも、やるっていうのなら容赦しないわよ!」
 不敵極まる言葉に、不良たちは色めきたつ。しかし、誰一人として飛び掛ろうとする
ものはいない。軽々しく飛び掛っていくには、やられた箇所をおさえてうめき声を
あげ続けている仲間達の様子は、あまりにも悲惨すぎたからだ。
「モ、モロサワさん・・・」
 知らず知らずのうちに、不良達の目はリーダー格の少年に吸い寄せられていく。
 モロサワ、と呼ばれたリーダー格の少年は低い唸り声を上げた。
「てめえ等・・・。やっぱあん時の・・・」
「は? 私、あんたみたいなカスを知り合いにを持った覚えはないんだけど?」
 ルナマリアが疑問の成分を多大に滲ませた声で返答する。
 モロサワの顔面がみるみる朱に染まった。
「忘れたとは言わせねえ! あのシンって餓鬼をシメようとした時に、邪魔してくれや
がったこと、こっちゃ忘れてねーんだからなぁ!」
「ああ、あの時の・・・」

 シンが飼っていた犬を殺されたことをきっかけにオーブ中等部にいた頃。
ついに犯人を突き止めたシンが、多勢に無勢。リンチ寸前になったその時、自分や
レイ達が駆けつけ、相手を叩きのめして一件落着となった事件をルナマリアは思い出す。
(3スレ目、181−183・213−217参照)
435通常の名無しさんの3倍:2006/08/20(日) 00:32:12 ID:???
「――懐かしいわね。あの後ゴメンって言いに来たシンの顔、可愛かったな・・・」
 状況を忘れたかの如く、いきなりうっとりと思い出に浸り始めるルナマリア。
「舐めてんじゃねえぞ この糞アマぁ!!」
 自分達など眼中にないと言わんばかりのその態度に、モロサワは完全に激高し、
怒声を上げた。
「便所のネズミの糞以下のあんたを舐めたいと思うほど、私はマニアックじゃないつも
りだけど? ていうかそんな人間、この世に存在するとも思えないんだけど?」
 モロサワの頬の朱色がみるみる顔全体に広がっていく。
「てめえがぁ!!」
「まあ、信じる者は救われるっていうし 存在する可能性も無くはないと思うわよ?
ネッシーの存在する可能性と同程度ぐらいはあるわよ! 多分」
「殺す!!」
 投げつけられた鉄パイプをルナマリアは、右半身になってかわし、続いて放たれた拳
を右斜め前に出ながら回避。
 そして回避に左拳をぐっと握り、腰を鋭く回転させた。

 ――ぐざっ!

 異様な音が響いた。
 左拳を深々と鳩尾に叩き込まれ、モロサワの身体ががくんと沈み込んだ。位置が下が
った顔面に容赦なく膝を叩き込み、鼻血を噴出して倒れたモロサワの顔面にさらに必殺
の下段蹴り!
 淡々と徹底的な人体破壊を実行するルナマリアに、不良たちは戦慄した。
 モロサワを完全に沈黙させた後、ルナマリアは再び不良たちに向き直ると、先程までとは
比べ物にならにほど凄絶な眼光で不良たちをねめつけた。
436通常の名無しさんの3倍:2006/08/20(日) 00:37:54 ID:???
「最後の警告よ。三度目はない! ――消えろ!!」
 その言葉が終わると同時に、ルナマリアの身体からすさまじい殺気が放たれた。
 本の中とはいえ、死光と弾丸が飛び交う戦場を戦い抜いて来たルナマリア・ホークである。
その本気の殺気は、不良たちを震え上がらせるには十分であった。

 ○ ● ○ ●

「お姉ちゃん!」
 不良達がそそくさと立ち去った後、メイリンが歓声を上げて駆け寄ってきた。
 その身体を優しく抱きとめてやりながら、
「どこも、怪我してない?」
 ルナマリアは心配そうにメイリンの身体のあちこちに目をやる。
「私は。でも・・・」
 メイリンの視線の先で、藍髪の少年がヨロヨロと身を起こした。
「いや、俺の方も大したことはない。すまなかった。守れなくて・・・」
「そんなこと、ないです! ありがとうございました」
 痛みと不甲斐なさに顔をしかめる少年に、メイリンは深々と頭を下げる。
 少年はふっと小さな笑みを浮かべ、今度はルナマリアに向き直った。
「君、ありがとう。ええと・・・。ルナマリア・ホークさん、かな?」
「――どうして私の名前を?」
 ルナマリアは目を丸くした。
 現実世界で面識はないはずだが・・・。
「君は結構目立っていたからな。俺たちの学年でも男子は結構騒いでたよ。可愛い子が
一年に入ってきたって。俺はその後転向してしまったけど、そのことは覚えてる」
「そうだったんですか?」
「ああ。――それにしても、強いんだな、君は」
 素直な賞賛の言葉に
「いえ、何ていうか・・・。身体が覚えててくれたみたいで」
 ルナマリアは苦笑をもらした。
 本の中だろうが、身に着けたことは意外と役に立つものだ。

 ――それにしても・・・
 
 ルナマリアは目の前の少年の顔を凝視した。
 本の中では、少年が何か言うたびに心がざわついていたというのに、今はどんな言葉
を聴いても、自分の心にはさざ波一つ立ちはしない。
 メイリンの言葉通り、どうやら自分達は完全に解き放たれ、「自由」らしい。
 ルナマリアは秘かに安堵の息をもらした。
437通常の名無しさんの3倍:2006/08/20(日) 00:45:19 ID:???
「じゃあ、帰りましょうか」
 ルナマリアが二人を促して歩き出し、メイリンがその後に続く。藍髪の少年も続こうと
して、
「いや・・・。俺はちょっと急用ができた」
 足を止めた。
 少年がチラリと視線を送った先の岩場を見て、ルナマリアにはその急用の内容が分か
った。もっとも、自分達には関係のない話だ。
「そうですか。――今日は妹がご迷惑をおかけしました」
「ありがとうございました。本当に」
 もう一度深々と頭を下げ、メイリンとルナマリアは肩を並べて歩き出す。
 そして一度も振り返ることなく、海岸を後にしたのだった。

 ● ○ ● ○
 
 その夜。
 ホーク家の二階のルナマリアの部屋で、二人分の影が動いていた。

「あいっ! ったあ・・・。そんなにしっかりやらなくても大丈夫だって」
「ダメだってば。ちゃんと消毒しておかないと。雑菌が入ったらどうするの?」
 攻撃を受けていないとはいえ、容赦なく不良達の五体を粉砕した拳、肘、膝には、
打ち身や、切り傷ができてしまっている。ちゃんと消毒しておかないと化膿しないとも限
らない。
 ほどなく手当てが終わり、
「ん。ありがと、メイリン」
 ルナマリアは傷の状態をざっと確認した。
 関節や骨に重大な損傷はなし。切り傷も一瞬間もあれば消えるだろう。
「やめてよ、お姉ちゃん、ありがとうって言わなきゃならないのは私の方。私が、馬鹿
なこと考えなきゃこんなことに・・・」
 姉の手や肘に巻かれた包帯を見て、メイリンの瞳に影が落ちる。
「でも、どうしても私、確かめたかった・・・。私、シンやお姉ちゃんを裏切ってミネルバの
みんなとも戦って・・・。それで・・・」
 言葉にしてしまうともう止めることはできなかった。
 ずっとこらえていた感情が堰を切ったように溢れだし、メイリンは強く拳を握り締めた。
「レイやヨウラン、タリア艦長が・・・死んだのに・・・。私、あんな風に・・・ヘラヘラ・・・笑って・・・」
「メイリン!」
 血が滲むほど握り締められたメイリンの拳をルナマリアが慌てて掴んだ。瞳に涙を
滲ませながらメイリンの苦渋に満ちた声を絞り出す。
「私、あんな人間なのかなって! お姉ちゃん達を裏切っちゃうようなひどい人間なの
かなって!」
438通常の名無しさんの3倍:2006/08/20(日) 00:50:29 ID:???
「姉ちゃんだって、不安だから今日ついてきたんでしょ!? 私が・・・。
私がまたあの人のとこ」
 いきなり力強く抱き寄せられ、メイリンの言葉は強制的に中断させられた。
 頬を寄せ、妹の耳元でルナマリアは優しく囁く。
「うん。不安だった。だってまだ、ちゃんと言ってなかったもの」
「・・・え?」
 身体をそっと放すと、ルナマリアはメイリンの瞳を正面から覗き込んだ。
その目は限りなく優しく、
「大好きよ、メイリン」
 その笑顔は慈みの気持ちに満ちていた。
「子供の時からずっと一緒だから、言わなくても分かるだろうって思っちゃって・・・
いつも伝えるのが後回しになっちゃうけど。――大好き。あなたのこと」
 ルナマリアは、妹の頬を伝った涙をそっとぬぐってやった。
「あの時、メイリンがあの人と逃げたって聞いて・・・。私、すっごく後悔した。ちゃんと
大事に思ってるって伝えておけば、メイリンは私に話してくれたかなって・・・。もう一度、
時間を撒き戻せたらいいのにって。ダメね・・・私。結局、こんなことでもないと言えないなんて・・・」

 ――何か言わなくちゃ
 
 そう思うのに、メイリンの喉は一向にいうことを聞いてくれなかった。
 強い感情が溢れてきて言葉にならない。言葉のかわりに、またどっと涙があふれた。
 それでも。
 必死に嗚咽を噛み殺し、メイリンは言葉を搾り出した。
「私も・・・大好き」
 ルナマリアはもう一度メイリンを抱きしめた。
 優しく、力強く、思いを込めて。
439通常の名無しさんの3倍:2006/08/20(日) 00:59:32 ID:???
「どうしちゃったの? 一緒に寝たいなんて」
 布団の上に座り、ルナマリアは可笑しそうに笑った。
 あれからひとしきり泣いて、泣き止んだと思ったら・・・
「だってぇ」
「まったく。あんたはしっかりしてるんだかしてないんだか・・・。今日はどうしたの? 
小さいころに戻っちゃったみたいじゃない」
 ルナマリアは、可笑しそうに笑いながら、電気のスイッチを切ろうと立ちあがった。
 部屋の灯りが消え、闇が部屋を支配する。少しの間、静寂が部屋を包む。
「・・・でもね、メイリン。私を叩きのめしでも行きたい道を見つけたときは、行ってもいい
んだからね?」
「お姉ちゃん?」
 突然の言葉に驚いたメイリンが自分の方を向いた気配を感じながら、ルナマリアは
目をつぶったまま、静かな声で続けた。
「だって、それはそれでメイリンにとっていいことだって思うもの。だけど、いきなりメ
イリンがいなくなっちゃたら私、とっても悲しいわ。だから、その時はちゃんと言って
欲しいの。・お願い、約束して? ちゃんと私に言うって・・・」
 また滲みそうになる目をごしごしとこすり、闇の中でメイリンは笑顔をつくると
「分かった・・・。約束する」
 大きく頷いた。
「約束よ?」
「うん!」
「きっとよ?」
「きっと!」
「指きりげんまん、嘘ついたら針万本飲〜ます!」
「お姉ちゃん・・・」
「あはは・・・。ごめんごめん」
「もぅ・・・。すぐそうやって私のことからかうんだから!」
「ごめ〜ん」
 ルナマリアは手を伸ばし、軽くメイリンの頭を撫でてやった。すると、メイリンが
甘えるように身体を寄せてくる。
 間近にメイリンの体温を感じながら、ルナマリアは遠い昔を思い出す。

 子供の時はよくこうして眠ったことがあったように思う。
 小さい時はいつでも一緒だった。
 ご飯を食べる時も、学校へ行く時も、遊ぶ時も、眠る時も。
 でも、いつの間にか別々に行動する時間が増えていって・・・
 いつしか一緒にいる時間の方が短くなっていた。
 
 それでいいと思うし、そうでなければいけないとは思う。
 自分とメイリンは、別個の人間なのだから。
 いつかは離れて生きていくのだから。

 でも。
 心だけは。
 心だけはずっと共に・・・
440通常の名無しさんの3倍:2006/08/20(日) 01:05:00 ID:???
以上です。

どうも回線が調子が悪く、投下に時間がかかってしまいました。
失礼を。
441通常の名無しさんの3倍:2006/08/20(日) 02:43:30 ID:???
GJ!
ルナがまともに姉マリアしてる!!
442通常の名無しさんの3倍:2006/08/20(日) 13:35:23 ID:???
GJ!
ルナ強い!姉妹の絆も強い!
ルナの怪我が一瞬間で直るってのは一週間かなw
ルナなら一瞬で直りそうだけどw
443エピローグ1:2006/08/20(日) 22:36:55 ID:???
>>398-402 >>428-440 の続き

「メイリン・・・。何かいいことあった?」
 並んで廊下を歩きながらヴィーノがメイリンに尋ねるた
「え? う〜んと・・・。ていうか、私そんなに浮かれて見るの?」
 メイリンの問いかけにヴィーノが真顔で頷く。
 メイリンは少し顔を赤らめた。どうやら、自分は傍目から見ても分かるほど
浮かれているらしい。
「でも、良かったぁ・・・。メイリン、ここんとこ元気なかったからさぁ」
「心配かけてごめんね。ありがとう、心配してくれて。嬉しい・・・」
「い・・・いや。そ、そんなこと」
 メイリンに優しく笑いかけられ、ヴィーノは目を白黒させた。
「大切な人にはちゃんと伝える・・・。大事なことだよね」
「な、何のこと?」
「昨日、お姉ちゃんに教えてもらったこと!」
 メイリンの脳裏に昨日のルナマリアの雄姿が浮かぶ。颯爽と現れて、不良を叩きのめし
自分を守ってくれた。
 とっても凛々しくて、カッコ良かった。
 そして、あの背中。
『ほらほら、私の前にら出ちゃダメだって。守ってあげられないでしょ?』
 小さい時、いつも自分の目の前にあったあの背中。
 あの頃、ルナマリアは自分のヒーローだった。
 ううん。
 今もそうだ。
444通常の名無しさんの3倍:2006/08/20(日) 22:37:46 ID:???
 ――綺麗でカッコ良くて

「逃げるなぁぁぁぁぁっシン!!」
「逃げるわぁぁぁぁっ!! 頼むから、その手に持ってる鞭と蝋燭と荒縄を、今すぐ
ドブに捨ててくれぇぇ!!」
 メイリンとヴィーノの前を、シンとルナマリアがすさまじい勢いで通り過ぎていく。
シンは必死の形相だ。
 
 ――明るくて、とっても優しい

「ちょっと新しい世界を垣間見るだけだって!!」
「ずぇっっっったい、いやだぁぁぁぁぁぁっ!!」

 ――自慢のお姉ちゃん

「大丈夫よ! 痛くしないからぁぁぁ!!」
「誰か助けてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

「・・・いい台詞だってのは分かるんだけどさぁ。ルナの場合、ストレートに伝えすぎ
なんかじゃないかって思うんだよなぁ。早く、助けてやってよメイリン。毎日あれじゃ
シンのやつ、気の休まる暇が・・・。って、メイリン!? どしたの? ちょっ・・・・
メイリン、しっかり!!」







 

 
  
 ――多分・・・
445通常の名無しさんの3倍:2006/08/21(月) 01:49:27 ID:???
まさにGJ!
446通常の名無しさんの3倍:2006/08/21(月) 09:41:41 ID:???
うほっ

いい仕事!
447通常の名無しさんの3倍:2006/08/21(月) 11:10:34 ID:???
ああ、なんかこんなの見つけた

                 /|                           /
              ,/ || |    ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋   /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  || |    ╋(・д・),.╋(・д・),.╋(・д・),.╋  | ̄ ̄ ̄ ̄
ニニ, -  | / ̄/......|  || |    ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋  |  ┐レ^ヽ
  ノ ___ノ   _ノ   |,_,||_|    ╋(´∀`リ╋(´∀`リ╋(´∀`リ╋  |  レ| ノ
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           ||  .||       ╋ ゚/Д゚)i╋ ゚/Д゚)i╋ ゚/Д゚)i╋   ||   ||
  .∩ ∧_∧   ||  .||       ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋   ||   ||
,____ U(´∀` )   .||  .||       ╋J゚ヮ^*b╋J゚ヮ^*b╋J゚ヮ^*b╋   ||   ||
_|_| と八__儿つ......||   /|. . . .╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋   ||   ||
∧ ∧ (     ) ...||,/......|   / ´_ゝ`)   ´_ゝ`)    ∧ ∧ /|  .||   ||
(   ,,゚) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~| .. ..|   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(・д・)=)| .|  .||   ||_
.|  ノ           |  /   |_________ /   | .|/   ||  /
〜 |           |/                     〜(___,ノ     .||/  品
.しし  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄                                    /
                                         | ̄ ̄ ̄ ̄
               (__         ((_ 
  〃"´⌒ ヽ _    ,r´  `ヽ  _  〃´   `ヽ
  i ノ 八川 l(祭)    リ ノノ人,,)(祭)  i .( (( ))ノ
  | リ ゚ー゚Jリ Y    ノ从゚ ヮ゚ノリ  Y   W* ゚∀゚ノ
  /ヾ__ ソ_ |フつ    /ヾ__ ソ_ |フつ    /ヾ__ ソ_ |フつ。
 (レ'|_| __|ノ     (レ'|_| __|ノ     (レ'|_| __|ノ   |
    (ノ U         (ノ U         (ノ U    △
448通常の名無しさんの3倍:2006/08/21(月) 14:32:32 ID:???
>>443-444
オチにワロタ
449通常の名無しさんの3倍:2006/08/21(月) 23:15:55 ID:???
>>447
いいなぁ、ほのぼのしてるwww
かわいいwww
450通常の名無しさんの3倍:2006/08/22(火) 00:00:01 ID:???
ルナ様らしいw
451通常の名無しさんの3倍:2006/08/23(水) 18:37:44 ID:???
保守
452素晴らしき、争いの無いこの世界:2006/08/24(木) 17:36:48 ID:???
オクレ「自由研究?」
レイ「そうだ」
アウル「お前らんとこって高校にもなってそんなのあるのかよ」
シン「いや、でも普段ああだから、寧ろ普通じゃないか?」
ヨウラン「問題は何するかだ。あんまり適当なの持ってくと評価下がるからな」
ヴィーノ「え、ヨウラン何するか決めてないの?」
ヨウラン「ん? あ、あぁ、まあな(流石にエロゲレビューするのはまずいよな・・・)」
ステラ「シンは、どうするの?」
ルナ「前はPGウィングガンダムゼロカスタム作ってたわね。またそんな感じ?」
シン「違う! アレはプラモ販売時に混乱を避ける為に付けられた名で、正確にはウィングガンダムゼロ(Endless waltz)だ!
それはともかく、どうするかな。またプラモっていうのも・・・・・・! そうかっ!」
シン、スピード覚醒!
シン「よし、アレ作るっ! じゃ、みんな今日から作り始めるんで、今日はこれで! じゃな!」
「「「「「「「「アレ?」」」」」」」」
―――数日後
シン「おーい、みんな! 完成したぞっ。見てくれっ!」
オクレ「!」
レイ「こ、これは・・・」
ヴィーノ「まさか・・・」
シン「そう! アンチビームコーティングマント、通称ABCマントだ!」
このくそ暑い中真っ黒のマントを纏って誇らしげなシンが立っている。
ヨウラン「い、いやな思い出が・・・」
ステラ「うえぇい」
シン「へへっ、すごいだろ! ちゃんとビームコーティングもしてるんだぜ。ルナ、試しにビーム撃ってくれよ」
ルナ「・・・・・・・・・どうやって?」
シン「・・・・・・あ」
アウル「ビームライフルなんて物騒なもんあるわけないだろ、バカ」
シンの魂を込めた戦いの道具は、自由研究として発表される事はなかった。
戦争とは無縁な世界に、こんなものはいらない。
453通常の名無しさんの3倍:2006/08/24(木) 21:06:21 ID:???
>>452
>戦争とは無縁な世界に、こんなものはいらない。
なんか胸にあったかいものがこみ上げてきたよGJ。
しかしそれと同じぐらいシンのおばかの子っぷり最高にワロタ。
454通常の名無しさんの3倍:2006/08/24(木) 21:51:14 ID:???
>>452
シンwwwwwwwwwwwwwwwww
455通常の名無しさんの3倍:2006/08/25(金) 00:44:53 ID:???
>>452
GJ!

シンらしくてよろしいww
456理事長小ネタ:2006/08/25(金) 00:52:14 ID:???
ギル「いかんな…これは全くもってゆゆしき事態だ」
アーサー「何がですか理事長?」
ギル「もうじき夏休みが終わろうというのに、私とタリアの仲は何一つ進展して
いないじゃないか!(机を叩く)」
ヨウラン「確かにこの夏のメモリアルを思い返しても、大活躍のルナに比べて理事長は
そういう意味ではいまいち奮ってなかったような…。(アルバムめくる)」
ギル「同じ赤を背負う彼女の活躍は喜ばしい限りだが、かえって我が身のふがいなさが
思いやられるというものか…。…いや、だがまだ夏休みは一週間ある。一週間あれば
天地創造を成し遂げてお釣りがくると聖書にだって書いてあった!ならば私が一週間で
タリアと夏の思い出を作ることぐらい容易い筈!まだだ、まだ終わらんよ!(立ち上がる)」
アーサー「聖書にあやまれ!って言われちゃいますよ理事長」
ギル「よし決めた!というわけで私はこの夏最後の思い出作りとして、タリアとの既成事実
メイクミラクルゲッツプランの導入実行を今ここに宣言いたします!!」
ヨウラン「それ既に犯罪者ですよ理事長ー」


ラウ「…済まないレイ、少々出かけてくる。夕食は鍋の中に作っておいたから温めて食べなさい」
レイ「え、どうしたんですかラウ?」


もしもザフト学園が何事もなかったかのように二学期を迎えることができたなら…、
そこには仮面の男の人知れぬ暗躍があったかもしれないしなかったかもしれない。
457思い出小ネタ:2006/08/25(金) 01:27:50 ID:???
調子に乗ってもうひとネタ

ルナ「自由研究といえば…」


小学生時代・レイん家で宿題集会

ルナ「あら?シンとレイは工作にするの?」
シン「うん!紙粘土でつくるんだ!(こねこね)」
レイ「出来上がったら見せっこする約束なんだ!(こねこね)」

シン「できたー!ほら、すごいだろ、おれのシャアザク!レイはなにつくったんだ?」
レイ「あ、…えーと……(出来上がったものを隠してそわそわ)」
シン「なんだよー、見せるって約束だろ?…ん?なんだそれ、ひらったくて
ふたつ穴あいてて…」
ラウ「さあ皆、そろそろお菓子で休憩にするかね?(お盆持って入場)」
ルナ「わあおいしそうー!(喜)」
レイ「ラウ!…そのっ…これ!(隠していたものを差し出す)」
ラウ「ん?」
レイ「ラウのためにつくった仮面、ラウにあげる!(満面の笑顔)」


シン「…いや、でも実際ラウさん暫くあれつけてたからな」
ルナ「なんていうか、理屈じゃなく幸せな家庭ってのを幼心に思い知らされたわ、あの時は」
レイ「だからその話はもうするなと言っただろう!!!」
458通常の名無しさんの3倍:2006/08/25(金) 01:30:10 ID:???
>>457
う〜ん・・・可愛いw
短いのに破壊力十分だぜこりゃあ!

GJ!!
459452:2006/08/25(金) 02:27:17 ID:???
初めてGJいただいたwありがとう!
>>456
理事長バカスwこれタリアが知ったらどうなるだろうなw
>>457
レイ可愛いよ、レイ。今も昔も。
職人さんGJ!
影で活躍し、レイの仮面を付けたラウもGJ!
 ちゃんとうんこしてる?
 愛犬と散歩中のシンに、声を掛けてきたのはアウルだった。
 シンは軽く微笑んで、右手のポリ袋を上げて見せた。
アウル「健康のバロメータ、ってね。元気そうじゃん。よしよし」
 がいあは嬉しさあまってグルグルまわる。
 子犬のワルツ。虎バターになりそうでもある。
アウル「たまにはうちに連れてこいよ。ステラがよろこぶぜ?」
シン「がいあが部屋に上がると、オクレ兄さんが怒るだろ」
アウル「バッカ、ホントは嬉しいんだよ。内心こいつみたいになってんの」
 ちぎれんばかりに振られる犬しっぽ。
アウル「あれで動物好きなんだぜ」
シン「へぇ?」
アウル「わりと好かれもするしさ。そういえば、昔なぁ……」


 ──この話に題名をつけるとしたら、
 そうだな、【天使になったスティング】……なんてね。縁起悪いかな?


かあさん「スティングくん、その……どうするの?」
スティ「かう」
かあさん「……本気で、と書いてマジで?」
スティ「まじ」
かあさん「……二匹とも?」
スティ「とも。名前も決めたんだ」

 『かおす』

かあさん「おもしろい名前ね。どっちが『かおす』?」
スティ「どっちも」
461かおす:2006/08/25(金) 03:57:37 ID:???
 かあさんは頭を抱えた。
 ぼくらは歓声をあげていた。
ステラ「ふさふさ」
アウル「わぁ、笑ったよコイツ」
 今まで見たこともない、かわいくて、めずらしい生き物に興味津々。
 ろくに名前も知らない子が大半のそいつ。
 その『かおす』は、二匹の……あざらしだったのだ。
 ……うん、あざらし。ごまちゃんって奴。
 発見は早朝だった。
 スティングがベッドからでてこない。心配して見に行ったところ、
かあさん「まさか海棲哺乳類と対面するなんて……」
 川の字を書くように、二匹と一匹がいたそうだ。
 あざらし達はスティングを挟み、小さな肩にぴったりと寄り添っていた。
 まるで、そこに惹き付けられるかのように。
かあさん「……元の場所に帰してらっしゃい、と言いたいところだけど」
スティ「裏の森にいた」
かあさん「あざらしって森の動物だったかしら……」
 日が昇る前、スティングは呼ばれたように外に出て彼らを見つけ、ベッドに
招き入れたという。あわてて院長が駆け回った結果、それは近場の水族館で
盗まれていたという二匹と判明する。
 犯人は逮捕されていたが、この子たちが行方不明だった。
 けっきょく、あざらし達はすぐに水族館に帰ることになる……。
 ──これが最初の『かおす』だった。

シン「最初、の?」

 ──そうさ、まだ続いたんだ。この不思議な肩への滞在客は。
462かおす:2006/08/25(金) 04:00:46 ID:???
 しばらくたったある日のこと。
 かわいいあざらしを返したコトによる子ども達のブーイングも収まったころ。
かあさん「スティングくん、その……どうするの?」
スティ「かう」
かあさん「……名前は」
スティ「かおす」
 二匹のふくろう。飛びかたも危なっかしい、ぴよぴよのペーペーだった。
 とまっていたんだ、スティングの両肩に。
 また院長は駆け回り、野生からはぐれてしまった動物を森に帰してあげる、
そういう団体の人たちに二匹を任せることになった。
かあさん「いけません!!」
アウル「やだ!僕たちが飼うの!」
ステラ「ふくろさん……かえさないの」
 まぁ、こういう騒ぎになって。
 でもこの楽しい騒動は、当のスティングが(二匹を肩にとまらせたまま)ひとりで
院を出て、とおくまで歩いて、森に帰しちゃったことで終わる。
 ブーイングの矛先はそっちに向かうところだったけど、帰ってきたスティングが
ごはんも食べずにぽろぽろ泣いていたから、誰も何も言わないでおいた。
 そして、また、しばらく。
スティ「かおす」
かあさん「帰しましょう、ね?」
 たしかスズメだったかな。双子の。
スティ「かおす」
かあさん「帰してらっしゃい」
 二羽のハト。その次が二羽ガラスで、犬も猫もいたちも来て、
スティ「かおす」
かあさん「それはヤメテそれはヤメテ」
 イグアナ、アナコンダ、クロコダイル。泣くよそりゃ。
463かおす:2006/08/25(金) 04:03:39 ID:???
 そのどれもが二匹ずつで、肩からはがそうとすると威嚇するわ暴れるわ。
 おかげで毎回、かあさんは半泣きだった。
 次はモスラの幼虫でも連れてくるんじゃないかと戦々恐々。
かあさん「ステラちゃん、肩から離れちゃいやよ。封印よ、封印」
ステラ「あい」
 ついにはそんなことを言い出して、スティングはおんぶおばけを背負うことに。
スティ「……重……」
 効果はあったのか、なかったのか。
 そのころ、雨がたくさん降った。町の一部が水で埋まるほどの雨。おぼえてる?
 ざんねんなことに、一部の地域にドンピシャの我が院は避難を余儀なくされた。
 そしてその日も、ステラはおんぶおばけだった。

 大人でさえ歩くのが困難な深い水。濁流のなか。
 僕のとなりにいたスティングが、足下から溶けるみたいに消える。

 ──流されていった。

 言っておくけど、ステラは悪くないんだ。
 あいつだったら自分の足で歩かせるよりか、誰かの上のが安全だろ?
 でも流されちゃったら、そんなことは、もうどうでもいい。
 良いも悪いもない。
 どうしようもなかった。
 避難所で僕たちは途方にくれた。僕はかあさんに抱えられていた。
 ふたりを助けにいくって水に飛びこもうとしたから、捕まえられたんだ。
 僕たちは途方にくれた。
 かあさんが泣いた。
 朝になって、
 かあさんはまた泣いた。
かあさん「わぁぁぁん。スティングくんが天使になっちゃったよぅー」
 朝日は後光となって、濡れた羽をきらめかせる。
 二対の金褐色の翼。
464かおす:2006/08/25(金) 04:07:07 ID:???
スティ「……かおす」
 ちゃんとステラをおぶっていた。
 どう見ても肩から大流血していた。
 二本の足をちょっと床から浮かせて、
 ただいまと彼は浮遊しながら言ったのだ。
 院長は卒倒し、
 子どもたちは悲鳴をあげて、
 かあさんは鼻水まで垂らして泣いた。
 とても喋れそうにないから、僕が代わりに言ってあげる。
アウル「……帰してらっしゃい」
 そのイヌワシ二羽。


シン「いっ、いっ、いっイヌワシ!? ……希少動物じゃ?」
アウル「らしいね」
 双肩に爪を立てていた鷲は、スティングが眠ると同時に飛び去ったという。
 バッファローもさらう怪力に、肩がちぎれなかったのは偶然か、鳥の手心か。
 とにかく衰弱はしていたが、それ以外に大きなケガはなかったそうだ。ステラも。
シン「それからは?」
アウル「それがさ、なーんにも、なくなっちゃったよ。次の『かおす』楽しみにしてたのに。
     ま、ワシだのワニだの今ウチにやってきても困るけどさぁ。……あ」
 ふと、向こうに影。噂をすればなんとやら、ステラとスティングだ。
 アウルは別れも告げずに走っていった。
 いくつもの動物が寄り添った肩に、ドンとぶつかっていく。「メシなにー?」
 邪魔することもないだろう。シンは駆け寄りたがるがいあを宥め、帰ることにする。
シン「……ん?」
 気付いてふりかえった。
465かおす:2006/08/25(金) 04:10:40 ID:???
 その肩から伸びる右腕をアウルがひっぱり、左腕にはステラがしがみつく。
シン「なるほど」
 なーんにも、なくなっちゃったよ。
 どうやら、そういうわけではないらしい。
 不思議な双肩は、力を失ったわけではないらしい。
 ただ、そこには今、すでに『かおす』が。ながいながい滞在客が、いるからして……
シン「がいあ、帰ろうか」
 わふー。
 がいあはぴったりとシンに寄り添った。






        (´\r-、    +     /`/`)    +
     ┼   (\. \!   *     // ,/)  *
  +     * (ヽ、   \      /   /)   +
      ⊂ニ      ) +  (     ニ⊃
  *  +  ⊂、    /゙^```'ヽ、    ⊃   +  *
         (/(   ,lj゙`''"´lミ  l    、)ヽ)  ┼
    +        (/  i(`ー´ b/)  、)ヽ) +   ┼ *
     *      (/' 〉     〈/、)、)´ +  *
             し――-J
     (あんまり関係ないイメージ映像)
466かおす(終):2006/08/25(金) 04:14:27 ID:???
(あっ、(終)って入れ忘れた)
467通常の名無しさんの3倍:2006/08/25(金) 10:31:13 ID:???
>>460-466
物凄い上にそれでいて心洗われる素敵な話だった。しかしイヌワシ…。
ラストがこの三人らしくていいなあ。イメージ映像もいい味出してる。GJ!
468通常の名無しさんの3倍:2006/08/25(金) 11:31:11 ID:???
>>466
スティング可愛いスティング可愛いスティングかわ・・・・・(以下エンドレス)

かあさんがいい味だしてるなぁ
469通常の名無しさんの3倍:2006/08/25(金) 13:01:37 ID:???

    〃⌒`ヽ,/゙^```'r(`⌒ヽ、
   ≦、__ノノィ,lj゙`''"´(人ノ') ) )
    ゝリ `∀(`ー´ (∀`*从
      (  つ∪∪ と  )
      し-J'し―-Jし-J
空は〜飛べないけど〜♪ 翼〜ならあるのさ〜♪
470通常の名無しさんの3倍:2006/08/25(金) 19:44:44 ID:???
>>457
かなり遅くなったがGJ!
それとシン(幼)よ!
紙粘土で角付きのザクだと白いからコードネームグレイ・ウルフでバスターZ乗っちゃう人の白狼専用ザクだ!
471通常の名無しさんの3倍:2006/08/26(土) 07:08:59 ID:???
保守
472通常の名無しさんの3倍:2006/08/26(土) 15:34:12 ID:???
オクレ兄さんっていいよな(*´Д`)
473通常の名無しさんの3倍:2006/08/26(土) 19:04:05 ID:???
>>470にインスパイアされたので>>457の続き

シン「な、なんだよー!これから色塗るに決まってんだろ!
ちゃんと絵の具だって持ってきたんだからな!…えーと、赤、赤…」

夜、シンの家

シン「うっ…ぐすっ……」
シン父「ただいまー…、どうしたシン、部屋の隅で毛布なんか被って?
…ん?これは?(テーブルの上にある物体に気づく)」
シン「あ!見るなあー!(毛布から飛び出して父に飛びつく)」
父「……蛸怪人?」
シン「違あああああう!!父さんのばかやろー!!(ぼかぼか殴り始める)」
父「お、おい落ち着けシン!一体何があったんだ、話してみなさい?」

父「…成程、色を塗ってみたら上手くいかなかった、というわけか」
シン「うっうっ…。絵の具を塗る前はちゃんとしてたのに…」
父「学校の絵の具と筆で塗ったのか?…そうだなあ、確かにこれを全部筆で塗るのは
大変だったろうな」
シン「うん……」
父「どうせならエアブラシかスプレーを使ったほうが良かった」
シン「……へ?」
父「塗る前に表面の凹凸も処理して下地処理から始めたほうが良かっただろうし、
それに塗料自体もきちんとしたものを使うべきだな、色も折角シャアザクにするなら
(以下マニアックな独り言が続くので割愛)」
シン「……と、父さん?」
父「よし!決めたぞシン!父さん丁度明日は会社が休みだから、シンを父さんの行きつけの
店に連れて行ってやる!」
シン「ええ!?」
父「いや、実は最近は母さんに叱られるから行きづらかったんだが、シンの夏休みの宿題の
為なんだしきっと許してもらえるさ!それに、シンもそろそろ立体方面へデビューしても
いい年頃だろう!」
シン「で、でびゅーって何…」
父「いいからいいから!…うーん、昔の血が騒いできた、工具はまだ押入れの中にあったかな…」


シンのことだからガンプラを知育玩具代わりに育ったような気もするが、
折角思いついたので書いてみた。今は反省(ry
474通常の名無しさんの3倍:2006/08/26(土) 22:14:48 ID:???
>>473
そうか、こうやって重度のガノタになっていったんだなシン…
475通常の名無しさんの3倍:2006/08/26(土) 22:26:49 ID:???
>>473
乙!
なるほど・・・。ガンプラ作りは親子の絆の証
だったのかw
476通常の名無しさんの3倍:2006/08/26(土) 23:47:18 ID:???
むしろ、ガノタって遺伝?

かわいいなぁ、アスカ親子
父親も子供のようで、読んでて温かい気持ちになるよ
477通常の名無しさんの3倍:2006/08/27(日) 01:42:10 ID:???
息子は立派なガノタになりました
478ネタ振り 続きは他の人お願い:2006/08/27(日) 15:01:53 ID:???
或る日の早朝、DESTINY学園の近くに現れた黒い人影。
「ここか……新たなる実験場は……」
そう呟いた男の名は、生簀一郎――料理で人の感情を操ることができる"闇料理道"の使い手だ。
やがて生簀は"獲物"を定め歩み寄っていく、内に邪な衝動を秘めたまま。
果たして新キャラと不遇な旧キャラたちの運命は? 悲劇はまたも繰り返されるのか?
479478:2006/08/27(日) 15:16:27 ID:???
<オーブ>にて・1
「貴方に丁度良い料理を作らせてもらいました。さあどうぞ」
「海草フルコース? とりあえず頂くぞ(しかしどうして俺が海草を欲しがってると……まあいいか)」
パクッムグムグ
『プツプツプツプツプツプツプツ』 う わ ぁ ! 『プツプツプツプツプツプツプツ』 毛がッ、俺の大事な"本当の毛"が死んでいくッ!! 『プツプツプツプツプツプツプツ』

<オーブ>にて・2
「このチャーハンは豚の餌だッ! そこのグゥレイトゥ! 貴様、中華鍋を振ったな?
チャーハンを作るときに鍋を振るのは! 舞い上がった飯粒を直火に直接当てて水分を飛ばす、その技巧があって初めて意味を成す。
お前はただ"チャーハンを作っている"気分を味わいたい為だけに鍋を振った!
その証拠に見てみろ! チャーハンに求められる飯粒のパラパラ感が足りない!
鍋を振らずに常に鍋肌に飯粒を当てて水分を飛ばすべきだったな。
お前は所詮素人だ!」
480通常の名無しさんの3倍:2006/08/27(日) 16:40:33 ID:???
富野&チャーハン作るよ!「(#^ω^)ビキビキ」
481478:2006/08/27(日) 17:39:51 ID:???
>>479
"禿"とは凸の事ですよ。ついでにチャーハン作ったのは痔悪化で。
482481:2006/08/27(日) 17:42:31 ID:???
レスアンカー>>480に訂正します。

あと、第一回目はコニールの家を舞台にしていただきたいんですが。
483通常の名無しさんの3倍:2006/08/27(日) 18:33:02 ID:???
今小説書いてたんだけど、シンってスティングの事何て呼んでたっけ?
484通常の名無しさんの3倍:2006/08/27(日) 19:05:31 ID:???
>483オクレ兄さん
485通常の名無しさんの3倍:2006/08/27(日) 20:20:02 ID:???
>>473のさらにおまけ

月日が流れてシンがガンプラにもいい加減覚醒した頃、ある日のおもちゃ屋

シン「なあ、どれにするか決まったか?ちなみに今お前が持ってるそれは
デスサイズヘルカスタムっていって(以下マニアックな独り言が続くので割愛)」
レイ「済まんが言っていることがなんとなく懐かしいようでいてよく分からん」
シン「まあ、ともかく一度ひとつ作ってみて欲しいんだよ!そうすりゃ絶対良さが
わかるからさ。わからないこととか出てきたらいつでも聞いてくれていいし!」
レイ「寧ろ聞いて欲しくてたまらないという顔に見えるのは俺の気のせいか…?」

帰宅。レイ、自室で一人律儀にプラモ作り。

レイ「さて、次はシンの見立てたこの塗料で…、(瓶の蓋を開ける)……うっ。
随分臭いが強いな…。窓を開けていても完全には換気し切れないな。仕方ない、
多少は我慢するとしよう」

ラウ「(外から帰宅)全く、突然呼び出したかと思ったら「タリアをデートに
誘いたいんだがいい店を教えてくれないか?(微笑)」だと…?
………? なんだこの臭いは……、……!!!(血相変えて廊下を駆ける)」

ラウ「(レイの部屋の扉をがばっと開けて)レイ!!……うっ!!(ドサッ)」
レイ「(シンナー臭まみれの部屋で振り返り)あ、おかえりなさいラウ……、!!? 
ど、どうしたの、しっかり……!!」


レイ「……というわけで、済まんがうちでは無理のようだ」
シン「ああ、夜中まで家族会議の末にラウさんに泣かれたんじゃな……」


おしまい。ずるずるとスマンカッタ。
486通常の名無しさんの3倍:2006/08/27(日) 20:56:43 ID:???
>>485
ラウさ――――――んwwwwww
まぁ、シンナーの匂いじゃ普通勘違いするかな
ていうか、クルーゼ邸の家族会議ww想像するとなんか面白そうだwwww
487通常の名無しさんの3倍:2006/08/27(日) 21:30:06 ID:???
クルーゼに萌えたw
488通常の名無しさんの3倍:2006/08/27(日) 22:07:47 ID:???
クルーゼ、大丈夫!
レイは充分良い子に育ってるぞww




どうでもいいんですが、かなり壊れていると評判のスペエディですが、
先日ついに完膚なきまでに壊されたようで・・・・外の世界では大嵐が吹き荒れて大変なようですorz

もう、いいですよね
種の世界は、この暖かくて優しい世界だけで充分ですよね・・・・?
489夢酔い夏奇談V−@:2006/08/27(日) 22:47:41 ID:???
シン「ただいまー」
アスカ母「おかえりー、シン。随分遅かったわね」
シン「んー、まぁね。それより何か食べる物ある?お腹すいた」
アスカ母「あら、何も食べてこなかったの?オムライスでも作ろっか?」
シン「サンキュー!あ、そうだ母さん、マユは?部屋にいる?」
アスカ母「マユ?」
母親が怪訝な顔をする。
玄関にも靴はなかったし、母親のこの様子から、まだマユが家に帰ってないことを判断する。
全く、一体全体何処をほっつき歩いているんだ。
まさか、本当にまだあの遊園地内にいるのか。いや、いくらなんでもそれはない。
考えられるものとしては、誰かの家・・・例えばルナの家に寄り道しているか、
それともシンの存在を忘れて皆で何処かで夕飯にありついているか(自分で考えて、シンは心底落ち込んだ)。
ひょっとすると、向こうもシンを探して入れ違いになっているかもしれない。
どちらにしろ、一度家に連絡をくれてもいいだろうに。
夕飯を食べたら、もう一度探しに行くかとシンは考えた。
だが、次に発せられた母親の言葉は、シンの予想だにしないものだった。

アスカ母「シン・・・・・・・・マユって誰のこと?」

シン「え?」
シンは自分の耳を疑った。今、母親はなんと言った?
シン「え〜と、ごめん。よく聞こえなかったんだけど、・・・・・・何?」
アスカ母「だから、マユって誰のことだい?」
シン「はい?」
アスカ母「?今マユって言ったでしょ?聞いたことない名前だけど・・・・」
鈍器で頭を殴られたような衝撃を受け、シンは一瞬頭が真っ白になった。
母親の言っていることが理解できない。それはとても簡単な言葉のはずなのに、
聞いたこともない異国の言葉にも聞こえた。
490夢酔い夏奇談V−A:2006/08/27(日) 22:49:26 ID:???
シン「や、やだなぁ、母さん。変な冗談止めてくれよ・・・・・・・マユは、俺の妹じゃん」
震えそうになるのを誤魔化すように、必死に笑いながらシンは言う。
そうだ。これは、冗談。質の悪い冗談だ。
きっとマユにでも頼まれたのだろう。はぐれて心細い想いをした可哀相な妹を見つけ出すことが出来なかった
馬鹿な兄に対する、妹からのちょっとした意地悪だ。ああ、もしかしてマユはもう部屋にいるのか。
そして、驚いているシンを影からこっそり覗いて笑っているのか。しょうがない妹だ。
アスカ母「妹?あんたこそ何言ってるの?ウチの子供は、シンあんた一人だけよ」
母親が首を傾げる。
シンはまじまじと母親を見た。母親の目から、からかいの色は見えない。
アスカ母「大丈夫、シン?熱でもあるんじゃ・・・・・・」
シン「ね、熱があるのは、母さんの方だろ!何言ってんだよ?!マユだよ?マユ!俺の妹!!
母さんの娘だろ!いつまで変な冗談に付き合ってんだよ!!」
言っていることがめちゃくちゃだ。
シンは母親の手を払いのけ、階段を駆け上がった。
シンの名前を呼ぶ母親の声を遮断するように、自室のドアを勢いつけて閉めた。しばらくその場に立ち尽くす。
頭が混乱している。
シン「は・・・・はは・・・・もう、なんだよ、今日は・・・・。マユ達とははぐれるし・・・・皆どっかいっちゃって
・・・・そんでもって、母さんが、マユって誰?って・・・・・・なんだ、それ?」
ふと、シンの視界に入ったモノがあった。それは、本棚の隅に置かれているアルバム。
シンは慌てて、そのアルバムを掴んだ。アルバムにはマユと一緒に写っている写真が何枚もある。
その写真を母親に見せればいい。そうしたら、きっと言い逃れは出来まい。
しかし、アルバムを開いた途端、シンは固まった。目の前のモノが信じられず、呆然とする。
シン「なん・・・・・・だよ・・・・・・これは・・・・・?」
写真にマユは写っていなかった。
マユだけじゃない。レイにルナマリア、ヨウランやヴィーノの姿までない。
確かに一緒に写真は撮っている。旅行や学校のイベントがあるごとに、思い出作りと称して、
嫌がるレイを巻き込んでまで撮った記憶がある。それが、今はシン一人しか写っていない。
ありえない。ありえないほど不自然な、シン一人だけの写真ばかり。
何かに弾かれるようにして、シンは部屋から飛び出した。
アスカ母「シン?一体さっきからどうしたの?薬でも飲む・・・・・・・」
背後で母親が何かを言っているが、無視して靴を履くと、家を出た。
向かう先は隣のホーク姉妹の家。
491夢酔い夏奇談V−B:2006/08/27(日) 22:50:59 ID:???
呼び鈴を押すと、程なくしてルナマリア達の母親が姿を現した。
ホーク母「シン君?こんな時間にどうかしたの?」
シン「あ、あのおばさん!ルナ達は、帰ってきてる?」
ホーク母「ルナ?誰のこと?」
と、首を傾げる。シンの母親と同じ反応だった。
心臓を何かドス黒いものに鷲掴みされたような気分だ。シンは不安を押し隠しながら、できるだけ冷静にホーク母に尋ねた。
シン「えっと、・・・・・・・・じゃあ、メイリンは?」
ホーク母「知らないわね」
シン「・・・・・・・・・・・・・・変なこと聞くけど、おばさんのところに子供はいる?」
ホーク母「本当に変なこと聞くのね。ウチに子供がいないのはシン君もよく知ってるでしょ?」
シン「おばさん、ごめん!ちょっとあがらせて!!」
ホーク母「ええ?!な、何・・・・・?」
驚くホーク母を押しのけて、シンは家にあがった。勝手知ったる他人の家。迷いもなく、シンはルナマリアの部屋の扉を開けた。
扉の向こうには、見慣れた部屋の風景はなく、雑然と物がおかれた物置部屋だった。
続いて、メイリンの部屋も開けた。同じような光景だった。
落胆と、ああやっぱりかという想いが、シンの心の中を占める。
ホーク母「シン君!どうしちゃったの、急に!」
怒りを滲ませてホーク母がやってくる。
適当な言い訳も思い浮かばず、シンは頭だけ下げると、再び走り出した。
次に向かったのは、レイの家だ。
レイの家に明かりは灯っていなかった。呼び鈴を何度押しても、誰も出てこない。
そういえば、クルーゼはしばらく一人旅にでていると、レイが言っていた気がする。
シン「クソッ、間の悪い!!」
仕方ないので、次にヨウランの家に行った。それから、ヴィーノの家。
結果は同じだった。
ヨウランもヴィーノもいなかった。


存在すらしていなかった。
492夢酔い夏奇談V−C:2006/08/27(日) 22:52:00 ID:???
シン「一体、どうなって・・・・・・どうなってんだよ!!あいつ等どこ行ったんだよ?!」
町の中をめちゃくちゃに走りながら、シンは叫んだ。
今までいた人間が、その存在そのものを消してしまうなどということは、あるはずがない。
何かに騙されているのでは・・・・と強く思う。だが、自分の母親や自分をよく知るホーク母までなら冗談を言っていると
思い込めるが、ステラ達のアパートまで行って、その部屋の表札が外されていたり、その部屋にはもう何年も人が住んでいない
と言われれば、もう何が何やら。
やがて、走り疲れたシンは、近くにあった公園のベンチに腰を下ろす。
腹が鳴る。お腹がすいた。夕飯も食べずに家を出てきたことを思い出す。
だが、家に帰ろうとは思わなかった。
家にいても混乱は収まらない、どころか更に増長していきそうな気さえする。
シン「何なんだよ・・・・・・・・チクショー・・・・」
シンは痛む頭を抱えた。
マユはいない?そんなはずはない。あの小さな手を握り、遊んだ記憶はシンの中に確かにある。
マユだけではない。レイもルナマリアも確かに存在していた。それなのに、その存在した足跡も、証拠も跡形なく消えてしまっている。
彼等をよく知る人間達が、誰も彼等を知らないという。
シンだけが彼等を知っていて、走り回っている。
おかしいのはどちら?自分の方が既に狂っているのだろうか。
いない存在を、さも存在しているように錯覚している。そんな映画を昔観た覚えがある。戦争に行って帰って来なかった恋人を待
ち続ける女性が、次第に精神を病んでいき、死んだ恋人の幻影を見るのだ。
端から見れば、今のシンはまさにそんな状態だろう。
それとも、これは夢?まだ自分はあの移動遊園地内にあるベンチの上で寝ているのか。
それならそれでもいい。
早く目を覚ませ。
シン(・・・・・・・・・・・・・・・・・・夢?)
夢で思い出した夢の話。
シン「そうだ!夢!確か・・・・・・!!」
シンはポケットを探る。出てきたのは小瓶。中には銀の針が入っている。
夢の中で見た、狐の面を被った不思議な親子。
夢の中で渡された物が、現実の枕元にあった不可思議な現象。
493夢酔い夏奇談V−D:2006/08/27(日) 22:52:52 ID:???
今のこの異常な事態に繋がっている可能性は充分にある。
シン「えっと・・・・・なんて、言ってた?努々夢見る事勿れ・・・・・・・・それで、最後に・・・・目を覚ませって・・・・・その前、
美しき夢・・・より後だ・・・・ええと、なんだっけ?ゆめ・・・ゆめ・・・・・・・・思い出せぇ・・・・、
悪夢は人を弱らせる・・・・努々夢見る事勿れ・・・・・・・・そうっ!小指に針刺して、目を覚ませ、だ!!」
小指に針刺して、の『針』の部分は恐らくこの針のことを指しているのだろう。
彼等の唄の通りならば、これで目が覚める。
この状況から脱出できるかもしれない。
さっそくシンは小瓶の蓋を開けて、針を取り出した。
シン「どうか早く目が覚めますように」
シンは祈るように目を閉じて、左手の小指に針を刺した。
鋭い痛みが走り、顔を顰める。だが、目を開けることなく数十秒。
時が過ぎるのを黙って耐えた。
目を覚ませ。
目を覚ませ。
レイが、ルナマリアが、皆がいる世界に!
深く刺しすぎたせいで、銀の針にシンの血が伝う。
恐る恐る、シンは目を開ける。




目の前の景色は何も変わることはなかった。
494夢酔い夏奇談V:2006/08/27(日) 22:54:36 ID:???
なんか前回から随分間が空いてしまった
まだ終わらないです
もう少しお付き合いください
495通常の名無しさんの3倍:2006/08/28(月) 21:40:07 ID:???
>>494
GJ!実はずっと続き待ってました。
496通常の名無しさんの3倍:2006/08/29(火) 03:04:19 ID:???
GJ
続きwktkしながらお待ちしてます
497夢酔い夏奇談V−E:2006/08/29(火) 20:57:05 ID:???
レイが目を開けると、白い世界が広がっていた。
空もなく地もなく、ただ白い。白い以外に何もなかった。
いや、あった。一点だけ黒い染みのようなものが。
何だろう、とレイは目を擦った。
すると、それはすぐに友人の後ろ頭だということが知れた。
彼は、レイに背を向け、膝を抱えて蹲っている。
「シン?」
レイは静かに友人の名前を呼んだ。
「シン?」
反応がないので、同じ名前を繰り返し呼んだ。
だが、友人は応えない。
聞こえていないのかと、レイは友人の肩を叩こうとした。
しかし、レイはすぐに手を止めた。友人の肩が微かに震えているのに気付いた。
寒い?違う、泣いているのか?
しくしく
しくしく
何故かレイは、自分の胸が突き刺さるような痛みを感じた。
「泣いているのか?」
やはり、シンの反応はない。
「何かあったのか?泣くような悲しいことが」
努めてレイは優しい声で友人に尋ねた。滅多に泣かない友人が、泣くようなこと。
だが、友人は膝に顔を埋めて泣くばかり。
レイは仕方なく溜息をついた。
「シン、泣いているばかりでは分らない。一体何があった?」
すると、黒髪の友人はやっと顔を上げて呟いた。
「みんなが・・・・・・・・・・」
「皆?」
498夢酔い夏奇談V−F:2006/08/29(火) 20:58:18 ID:???
「いなくなっちゃたんだ。みんな・・・・・・誰一人・・・・いない」
と、切なげに言ったのだった。
「レイもルナもマユもステラも・・・・・・・・・俺を置いて・・・・・・」
「何を言っている?俺はここに居るだろうが」
「俺・・・・性格悪いから・・・・・きっと皆俺のこと嫌いになって・・・・・いなくなっちゃたんだ」
「馬鹿なことをいうな」
「ごめんなさい・・・・ごめんなさい・・・・・俺、良い子になるから・・・・お願い、一人にしないで」
レイは眉を寄せた。
「ごめんなさい・・・・・ごめんなさい・・・・・・ごめんなさい・・・・・・」
泣きながら謝り続ける友人に、無性に腹が立ったレイは肩を掴むと、強引に友人を振り向かせた。
「ふざけるな!!誰がいつお前を嫌いと言った!だいたい俺はここにいるっ・・・・・・・・・!!」
言ってレイは固まった。
振り向いた友人の目はいつもの赤ではなく、冷たい青の色。髪も黒から金へ。
友人の姿は掻き消え、レイの前にいたのはレイ自身。それも、5,6歳くらいの幼い自分自身だった。
「なんで、手をとったの?」
幼いレイは、大きな瞳に涙を一杯に浮かべて、レイを睨む。
「何・・・・・・・・・?」
「なんで、シン達の手をとったの?どうせ、いつかは一人になる日が来るって分ってたのに!
皆、ボクから離れいてくって分っていたのに!!」
幼いレイは叫んだ。
おかげで、ボクはまた一人ぼっちだ!
「いやだ!いやだ!一人にしないで!!」
独りを思い知るくらいなら、最初から一人のままでいたかった!
幼いレイはさめざめと涙に暮れて。
「そうしたら、終わりを恐れることはなかった」
永遠を望むこともしなかったのに!!
小さな身体を、さらに小さく縮み込ませた。



499夢酔い夏奇談V−G:2006/08/29(火) 20:59:22 ID:???



そこでレイ・ザ・バレルはぱっちりと目を覚ました。
視界に広がったのは白。
だから、レイはまだ自分が夢をみているのか起きているのか、把握するのに数秒掛かった。
「う――――・・・・・ん」
レイのすぐ隣で、呻く声が聞こえなければ、さらに数秒は呆然としていたかもしれない。
レイは声のする方に顔を向けると、そこにはレイと同じ金髪の少女が眠っていた。
レイ「ステラ?」
ステラ「うみゅ――――・・・・・・、シン・・・・ステラ・・・・・・・大丈夫」
良い夢を見ているのだろう。すやすや眠る表情は幸せそうだった。
ステラ「・・・・・ステラが・・・・怪獣フクダと・・・・チアキ・・・・倒した・・・・・・・・・・・・・・・・・電柱に封印・・・・したから・・・
もう、電波アニメ作れない・・・・・・・・安心・・・して・・・・・・・電柱・・・・うぇぇぇぇい!・・・・」
レイ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何の夢だ?」
ステラの夢はとりあえず置いておいて、レイは辺りを見回した。
レイ「ここは、どこだ?・・・・・・・・・・・俺達は、一体?」
レイとステラは、ベットのようなものに寝かされていた。ようなもの、というのはレイの家や他の家で見掛けるベットとは
若干形が異なっていたから。どちらかというと、丸くて大きなクッションといったほうがいいかもしれない。そこに肌触りの
良いシルクの布が被せられ、無雑作に二人は寝かされていた。
天井からは、半透明のレースがベットを囲むように垂らされ、まるで天蓋着きベットのような感じだ。
レイはステラを起こさないよう気を使いながら、そっとベットから降りた。レースを手で払いのけると、まだ白い世界が
広がっていた。床もベットと同じシルクの布地が敷かれ、壁も同様のものがカーテンのように垂らされている。部屋の
広さはそれほど大きくなく、窓らしきものは一切見当たらず、レイの真正面に観音開きの扉があるだけ。スタンドが四
隅に置かれており、それが光源となっていた。
レイは壁に掛かっている布を一枚捲る。白いコンクリートの壁が現れた。手で軽く叩いてみるが、鈍い音が返ってくるのみ。
一応他の布も捲ってみたが、同じだった。
最後に、恐る恐る扉に手を掛けた。鍵が掛かっていると思いきや、扉はあっさりと開いた。
レイ「無用心な・・・・・・・・」
思わず、そんな感想が漏れた。
ステラ「ふみゅ―・・・、朝?スティング・・・アウル・・・・おはよー・・・」
レースの中から、ステラの寝ぼけた声。
レイ「ステラ、起きたのか?」
ステラ「あれぇ?レイ?・・・・・・・なんで?」
500夢酔い夏奇談V−H:2006/08/29(火) 21:00:24 ID:???
きょとんと、レイを見る。まぁ、当然の反応か。レイも全く分らない状況なのだから。
ステラ「スティングと・・・アウルは・・・どこ?」
レイ「分らない。気がついたら、ここにいた。俺とステラ以外は誰もいない」
ステラ「ふぇぇぇ?」
レイは慎重に自分の記憶を探った。一番新しい記憶は、確かシン達と遊園地に遊びにきたものだ。
そこで、サーカスのショーを見ようとして待っていたところ、ステラが風船を欲しがって、貰いに行ったのだ。そ
して、奇妙なピエロと出会い・・・、それからの記憶がない。家に帰った覚えもない。どうしても思い出せない。
レイ(ギルが時々、酒を飲んだ後に記憶がないという話をするが、こんな感じか?)
ちなみに、酒を飲んだ次の日、連合高校のジブリール氏と何故か裸で、何故かラブホテルのベット上にいたと青褪めた顔で
ギルバートがこっそりラウに話していたのは余談だ。ああ、ホラー。
レイ「ステラ、立てるか?とりあえず、この部屋をでることは可能なようだ。ここにいても仕方がないからな、一旦外に出るぞ」
レイはステラの手を取ると、ゆっくりベットから降ろした。それから、肩膝をつくと、ベットの下に転がっていた靴をステラに履かせた。
ステラ「お外?はれ?・・・・・ここ、どこ?」
きょろきょろ、辺りを見回す。
レイ「分らない。俺達に危害を加えるつもりはないようだが・・・・」
そっと扉を開ける。扉の向こうには、薄暗い廊下が続いていた。
始めにレイが一歩踏み出した。カツン、と音が響く。数秒待って、何も起こらないことを確認すると、
ステラを後ろに庇いながら、部屋から出ていった。
廊下をしばらく歩き続けると、また扉にぶち当たった。部屋の扉と全く同じだったので、
一瞬元の場所に戻ってきたのかと思ったが、廊下は真っ直ぐ一本道であったはずだ。
レイは一度だけ後ろを振り返り、また扉に手を掛ける。扉はあっさりと開いた。
ステラ「キレイ・・・・」
ステラが感嘆の溜息を洩らす。
扉を開けると、その先にあったのは青白く光る異様な部屋だった。正確に言えば、青白く光っているのは床で、
それが部屋全体を幻想的に照らしていた。異様だったのは、部屋一杯に浮かぶ何百という風船。赤白黄色、緑に青に・・・。
上下に浮かんだり沈んだり。レイはなんとか道らしき道をみつけて、前に進む。ステラもそれに続いたが、時折傍に浮く風船
を突付いたり、手に取ったりした。
ステラ「風船さん・・・・一杯・・・・」
嬉しそうだ。レイはステラを急かすことなく、自分も歩くのを止めて辺りを窺う。
物音はしない。人のいる気配もなかった。この部屋にいるのは今のところステラと自分しかいないようだ。
部屋はかなりの広さがある。壁が視界で確認できる距離には見えない。天井も、床の明かりが届かないため見ることができず、
まるで無限の空間が広がっているような錯覚を覚える。
ステラ「レイ・・・・・・・、これ、ミーア」
レイ「は?」
風船の一つを胸に抱いて、ステラが摩訶不思議なことを言う。
ミーア?何故に今ここで彼女の名前が出てくる?
ステラ「ミーアがいるよ、これ」
反応が出来ず固まったレイに、ステラは白い風船を差し出した。
ステラ「こうやってね・・・・風船おでこにくっ付けて・・・目を閉じると、ミーアがいるの・・・・歌ってるの」
ステラの言葉に戸惑いつつ拒否も出来ずに、レイは風船を受け取った。そして、言われるがままに風船をおでこにくっ付けた。
レイ「!!!」
それは数瞬の出来事。レイは弾かれるように風船から顔を離した。
ステラの意味不明な言葉。理解はしたが、俄に信じ難い現象。
レイはもう一度風船におでこをくっ付け、目を閉じた。
レイ「・・・・・・・・・・・・・・・見える」
501夢酔い夏奇談V−I:2006/08/29(火) 21:01:18 ID:???
見えるのだ、ミーアが瞼の裏に。
コンサートだろう。大勢の人間の歓声を浴びながら、舞台の上で楽しそうに歌うミーアの姿が。
夢や幻とは言いきれない、妙にリアルな質感を伴なって。
ステラ「でしょ?」
ステラが自慢気に笑う。レイは呆然としながら頷いた。
レイ「・・・・・・・・なんだ、これは?」
ステラ「ミーア!ミーアの風船!!」
何が嬉しいのか、ステラはくるりと回って踊り出す。
?「ああ、それもかなり綺麗な夢だよね。私的にはこっちもお勧めかな?」
ステラ「わーい!!」
目の前に出された赤い風船。ステラは何の警戒もなく受け取った。
レイ「って、誰だ、貴様は?!」
突如現れた第3者の声に、レイは咄嗟にステラを背中に庇い、声を荒げた。
迂闊だった。油断していたとはいえ、こんなに近くまで人がいたことに気付かないなんて。
レイは心の中で舌打ちした。
?「怒らないでよ。別に襲うわけじゃないんだからさ」
睨むレイに怯えた様子もなく、おどけた口調で言う。
そこにいたのは、レイが記憶を失う直前に見たピエロだった。白い衣装に、白銀の仮面。そして・・・・・・・。
ピエロ「起きたんだね。部屋にいないからびっくりしたよ。気分はどう?頭痛かったりしない?」
矢継ぎ早に聞かれる質問。だが、レイは警戒心を解かず、質問に答えることはしなかった。
ピエロは肩を竦めた。
ピエロ「なんか答えてよ。一人で喋ってるのは寂しいんだ」
レイ「・・・・・・・・・・・・・・・何者だ?」
ピエロ「私?見ての通りしがないピエロだよ。君達は?名前はなんて言うの?」
レイ「・・・・・・・・・・・・・」
ピエロ「あ、卑怯なんだ。私だけ名乗らせておいて、自分達は名乗らないなんて。礼儀がなってないねー」
レイ「・・・・・・貴様も名乗ってないだろうが」
ピエロ「えー?ちゃんと言ったよ?ピエロって。それ以外に名前なんてないんだから、だったらこれを名乗るしかないじゃないか。
で?君達の名前は?」
ステラ「・・・・・ステラは・・・・ステラ」
ピエロ「へぇ、星の名前だ。綺麗な名前。君によく似合ってる」
502夢酔い夏奇談V−J:2006/08/29(火) 21:05:12 ID:???
ステラ「・・・えへへ・・・・誉められた」
ピエロ「それで、君は?」
レイ「・・・・・・・・・・・・・レイ、だ」
ピエロ「わぁ、君も綺麗な名前。いいなー」
ステラ「レイ・・・・・・この赤い・・・風船・・・・・・フレイだった」
ピエロ「あ、知ってる子なの?その子の夢綺麗でしょ?花嫁さん・・・・髪が赤いから純白のドレスが良く似合う」
ステラ「うん、フレイ・・・・キレイ・・・・・・・・・お姫さまみたい」
ピエロ「そうそう、綺麗な子だよね」
ステラ「キレーキレー!フレイ・・・・キレー」
ピエロ「うん、キレーキレー!」
ステラ「フレイ、キレー!ミーアもキレー!」
ピエロ「キレー!キレー!
やたらフレンドリーな正体不明な怪しいピエロ。
最初っから警戒心ゼロでこれまたフレンドリーなステラ。
二人は、なんだかとっても気が合ったようで。
何故か腕を組んで踊り始めた。
周りの風船も、二人にあわせてふわふわ、ふわふわ。浮いたり沈んだり。



結局ピエロが何者なのか、とか。
ここは一体どこなのか、とか。
この風船は一体なんなのか、とか。
そんな諸々の謎を残し、ひたすら楽しげに踊る二人を見ながら、謎と同じく取り残されたレイは、
レイ「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
一人で真面目に警戒しながら悩んでいるのが馬鹿らしくなって。
痛む頭を抱えるのだった。
503夢酔い夏奇談V:2006/08/29(火) 21:06:53 ID:???
もうすぐシンの誕生日ですねー

ごめん、シン
君の誕生日までに終われそうに・・・ないorz
5041/3:2006/08/29(火) 22:27:33 ID:???
こ、この超ベネな長編のあとに投下しろと!?オラすっげぇガクブルしてきたぞ!


 コニールの持つ唯一の水着。
 ちょっとおしりに食い込みはじめたスクール水着。
コニ「…………」
 プールにも海にも、とても行く気にはなれない。
コニ「くそぅ。こんな、マユがあーだこーだ言うから、こんな!!」
 それは昼間の牙留茄飯にて。
 『露出は戦術よ』と講義を始めるマユ・アスカ。
マユ「水着は兵器!日焼け跡は勲章!っつーかたまにはプールでも行かないの?」
コニ「……シンとふたりきりのほうがいいんだろ、このシスコンが」
 当然、と言うその顔は平然。
マユ「オクレ兄さんも呼んで、ダブルデートならいいよ♡」
 あやうくチャーシューメンとキムチ海苔ご飯のセットをぶちまけるところだった。

 『とにかく水着よ。いいの? ……このままじゃ、夏が終わっちゃうわよ!!』

 べつに。
コニ「…………」
 べつに──に、水着姿を見せたいなんて。
コニ「…………」
 見劣りするに決まってる。レジャープールもビーチも街中でさえ、露出度の高い
ファッションに溢れているのに。学校指定の水着なんて。コニールは一部マニアの
存在を知らなかった。知っていても、気になるアイツはその一部だとは思えない。
かといって。だがしかし。嗚呼けどイヤそんな。
コニ「…………だからっ、あたしは別に水着を見せたいなんてっ」
 見せたい。
コニ「……あぅ……」
 反応が見たい。見たい。見たい。
 コニールは、悶々と眠れない夜を過ごした。
 そして、大胆な行動にでる。
5052/3:2006/08/29(火) 22:30:47 ID:???
コニ「……い、いらっしゃいませぇ」
客「こ、こにーるちゃん……?」
客「どしたの、それ……?」
客「いや、かわいいけど、一体なにが」
コニ「いや〜こう連日暑いと〜汗ビッショリかいちゃいますし〜洗濯も大変で〜?」
客「「「なるほど」」」
 それは納得だったのか、どうか。
 店中の客の視線は、すずしげなスタイルの看板娘に向けられる。
コニ「(……完璧だ)」
 海にも行かず、プールにも行かず、かつオシャレな女たちと見比べられることもない。
 世には水着のようなハレンチな服がまかりとおっているのだ。これならむしろおとなしい。
 そしらぬ顔で給仕を続ける。天使のように細心に、悪魔のように大胆に。
 さぁ、来るなら来い!! そして見ろ!!
コニ「って私は痴女かぁ!マユじゃあるまいしッ、いやマユだってそんなことはっ」
マユ「ぎゃーーーーーーーーーっ。どうしたのコニール、そんなサービスしてッ?!
   エプロン+スク水+靴下なんてッッ!なら、脱ぐしかないじゃないか私も!」(がばぁ)
コニ「するのかよ」
アーサー「ょぅι゙ょのスク水エプロン姿が見られるお店はこちらでつか!?」
コニ「(スルー)」
 夕陽が沈みだしたが、シンもスティングも姿を現さなかった。
コニ「…………」
マユ「おにいちゃん、このぶんだと夜まで帰ってこないわね」
コニ「!? ど、どこへ!どこへ行ったんだ!!」
マユ「この暑いのにガンプラ一式とデジカメ持って、最高の風景を探しに。電車で」
 さすがのマユも暑さに負けて、ついていけなかったという。
コニ母「コニール、いま電話あってね。スティングくんたち、勝ったそうよ」
コニ「!?? 何の話」
コニ母「言ってなかったっけ。バスケ部の練習試合に、弟さんと助っ人してくるんだって」
マユ「あれ、知らなかった? 今朝、重箱のおべんとうもって駅にいたのに」
コニ母「場所が遠いから、今日はバイトもお休み。……コニール? どうしたの?」
506まか(ry:2006/08/29(火) 22:33:10 ID:???
GJ!見ていて落ち着くssですな。

ま、ワシの誕生日は十日前だったがな、は…は…は…は…orz
5073/3:2006/08/29(火) 22:38:40 ID:???
 翌日。
アウル「言っただろ、重箱じゃ足りないって。部員多いんだからさぁ」
スティ「高校生男子の食欲を甘く見ていた」
アウル「主婦っぽいこと言うなよ。ってか自分も高校生男子だろ」
シン「夏の河原にアッガイとゾッグ。なんてセクシー……」
コニ父「っらっしゃーい。おお、あんちゃんおかえり。がんばったなー」
 親父の愛を込めた『ぎゅー』に、抱かれるスティングは苦笑し、アウルは遠ざかる。
アウル「あつくるしい……」
シン「たしかに暑苦しいな。今日はいやに大繁盛ですね」
客?「ょぅι゙ょのスク水エプロン姿が見られるお店はこちらでつか?」
客?「ょぅι゙ょのスク水エプロン姿が見られるお店はこちらでつか?」
シン「…………??」
 声を聞きつけコニールの母が、そして仏頂面のコニール本人が現れた。
 タンクトップにキュロット姿の看板娘に、あちこちで落胆のため息。
シン「あ、コニール。ひさしぶり」
スティ「どうしたんだ、そんな顔して」
 ……べしっ。
 コニールの投げたスクール水着が、直撃したシンの顔を覆う。
ヨウラン「このラッキースケベ」
シン「(いたのかヨウラン)」
 鼻をふさがれ、ふごふご呼吸をするシンからスティングが水着を取りあげる。
スティ「どうすんだコレ捨てるのか。……あ、おい」
シン「走って行っちゃったよ。なんなんだ?」
 ふたりは呆然とした。
スティ「……そういえばステラが、水着が破れて穴があいたとか言ってたな」
 やめろよ、とアウルが言う。
 こどもサイズの水着を着るステラ。想像するのも恐ろしい。



コニ「うわーん、あんな恥ずかしい思いしたのに店に変な客が増えただけなんてー!」 (おわり)
508通常の名無しさんの3倍:2006/08/29(火) 23:34:16 ID:???
>>506
と・・・十日遅れですが、お誕生日おめでとうございますwww

>>507
何だか久しぶりにコニール見た気がします
可愛かったwwwwwwwwwwwww
朴念仁の男が二人・・・・・・・・・・・・ガンバレー
509通常の名無しさんの3倍:2006/08/30(水) 00:55:11 ID:???
アーサーw
510通常の名無しさんの3倍:2006/08/30(水) 00:59:57 ID:???
シンが着々とガンプラオタの道を究めつつあるw
511Thanks 1/4:2006/08/30(水) 01:58:06 ID:???
>>507
アーサーで食ってたラムレーズンアイス吹きかけました。

まもなくシン誕だと思い出し慌てて作品書いた自分が来ましたよ。
微妙にシンの話じゃないのは前(々々?)夜祭の余興ということでひとつ…。


「おう」
商店街の一角、ある店の前。
ガラス張りのショーケースの中を見つめる人物に、スティングはスーパーの袋を持たないほうの
手を軽く挙げ、声を投げた。
声をかけられた人物はその金髪を軽く揺らして振り返り、少々驚いたような顔でスティングを見る。
「こんなところで奇遇だな、ザフトの」
「…………」
ショーケース前の人物…ザフト学園裏番ことレイ・ザ・バレルは、怪訝そうな顔のまま、それでも
軽く首だけで会釈を返してきた。
「ああ、夕飯の買い物帰り」
スティングは軽くスーパーの袋を掲げて見せる。「別に事件とかじゃねえよ」と付け加えると、
ようやくレイも納得した顔になり、体ごとスティングのほうへと向き直ってきた。
「…これから夕食の支度か」
「おう、…見ろよこのキムチ、198円。最近アウルがキムチキムチうるさくて参ってたんだけどな?
やっと特売があったんだよ、本当助かった」
「では、今日はキムチか」
「いや、給料も入ったし今日は豚キムチだ。つっても白菜と韮、豚肉が足されるだけだがな。
でもまあ、これであいつの禁断症状も少しは大人しくなるってもんだ」
やれやれ、という調子でスティングが軽く笑うと、釣られるふうでレイの表情も軽く動いた。
…この手の相手への対応に関しては、自分は伊達にステラの兄貴はしていないと思う。
「…で、お前は何してたんだ?」
空気が緩んだところで、ガサガサと袋にキムチをしまいながら、今度はスティングから問いを投げた。
「…贈り物を探していた」
「贈り物?」
意外な返答に、スティングは瞬きをして問い返す。彼がショーケースの中へと視線を投げると同時に、
レイの言葉が続けられた。
「もうじき…、シンの誕生日だ」
512Thanks 2/4:2006/08/30(水) 01:58:57 ID:???
「あー……」
はいはい、と声を挙げつつスティングは頷いた。
シンの誕生日。そりゃあいつにだって誕生日ぐらいあるだろう。例え本当はガンダムの股から
生まれたなんてオチだったとしても。
「だから丁度良い贈り物がないか探していたんだが…、やはりこの辺りでは限界があるな。
百貨店にでも出かけたほうが良いかと考えていたところだ」
「…待て、お前一体何を贈る気だ」
スティングは思案顔のレイに思わず突っ込んだ。目の前のショーケースに陳列されているのは
値の張りそうな万年筆。そして二人の正面の店は、この辺りでは珍しい高級文房具の専門店。
「お互い高校生になったのだからそれなりにきちんとしたものを贈ったほうがいいと、ラウも」
「俺はあいつにゃガンプラ与えときゃ十分だと思うけどな……」
大真面目なレイの言葉を聞き流しつつ、スティングは遠い目で呟いた。
「…しかし、幼馴染とはいえ律儀なもんだな」
「俺とルナは毎年必ず祝うようにしている。…近年ルナの祝い方は段々過激になってはいるが」
「過激にね……」
思わず失笑が漏れたが、具体的な話は聞かないのがお互いの精神衛生上宜しいだろう。
「で、お前やルナの誕生日も、そうやって祝いあってるってわけか?」
「ああ。…もっとも、最初からそうしていた訳ではない」
「…そうなのか?」
静かに呟くようなレイの声に、スティングは思わず彼のほうを見る。
彼はショーケースに手を当て、中を…いや、遠くを見つめるように、その目を細めていた。
「少なくとも俺自身にとっては、…それほど意味のある日ではなかったから」


届出をすれば、戸籍の上には誕生日は出来上がる。
だが、そこに意味を見出せる人間ばかりではない。自分はどうして生まれた?どうやって生まれた?
誰が祝福してくれた?
或いはそもそもそれは、本当に自分が生まれた日なのか?
そんな感情があることは、孤児院で育ったスティングにとって理解できないことではなかった。
寧ろ当たり前のように誰かしらが抱えていたような気がする。
「けど、お前はラウさんの所で」
「…ラウ自身も、色々あって。ずっと俺と同じにそんな思いを抱えていた。…勿論俺のことを
大事にして、毎年巡ってくるその日のことも祝ってくれようとしていたが」
「…やっぱ、どっかに無理が出ちまうもんか」
スティングの言葉にレイは表情を微かに曇らせると、話す為にスティングへ向けていた視線を、再度
ケースへと移した。
513Thanks 3/4:2006/08/30(水) 02:00:21 ID:???
「…スティングにとって、誕生日とは何だ?」
「ん?」
不意に問いかけられ、思わず声を漏らす。
「誕生日に限らない、…記念日というものは、誰かが意味を与えてやって初めて価値が出る。
あの頃、俺は誕生日というものに意味を見出せずにいた。とはいえ、いっそ俺とラウ二人だけの
ことなら、見出す必要もなかったのかも知れない。他に大切にできる思い出や出来事は沢山あった。
二人で暮らし過ぎていく日々の中で、意味を持った日などいくらでも存在した」
「だから、無理に誕生日に意味を見出すことはないと結論づけていた」
「…………」
付け加えられた言葉に、レイは不意打ちを受けたふうでスティングのほうを見たが、やがて
小さく肩を竦めて笑みを零す。その通りだ、と表情が告げていた。
「けどまあ、今は祝ってんだろ?」
「ああ。…シンとルナ、彼らが俺に、その日の意味をくれた」
「意味」
スティングはレイの言葉を繰り返す。レイはスティングへひとつ頷くと、続けて口を開いた。

「誕生日とは、その人が生まれてきてくれたことを感謝する日だそうだ」

それは、今まで見たことのないような表情だった。
表情の動きこそいつもと同様大きなものではなかったが、そこに確かな喜びと友への感謝を
滲ませた、静かな笑顔。
「出会って間もない頃、友人の誕生日すら満足に祝うことができなかった俺に、彼らは言った。
どんな経緯だろうと、今二人の前に俺がいることは事実。そして、友人になれたことはとても
喜ばしいこと。…だから、その俺が生まれてきたことを感謝する意味で、誕生日と定められた
日を祝わせてはくれないだろうか、と」
「…………」
「驚くと同時に、…その気持ちが、とても嬉しかった」
そっと口にすると、レイは顔を上げ、先程よりは普段に近い表情でスティングに笑いかける。
「…俺が誰かの誕生日を祝えるようになったのは、それからだ。その理屈に従えば、俺にとっても
シンやルナは、生まれてきてくれたことを感謝してもし足りない程の友人だからな」
「……成程な」
スティングは表情を緩めながら頷く。
「じゃあ、だから今はラウさんも」
「シン達から話を聞かされた後、帰ってすぐに同じ話をした。だからラウの誕生日もきちんと
祝いたいのだ、ということも。…あのとき頭を撫でてくれたラウの笑顔は、今でも覚えている」
仮面じゃん、と突っ込みたい気持ちをスティングはぐっと堪えた。
「だから、毎年のラウの誕生日も本当に祝うことができるようになった。…ただ尤も、俺達には
もうひとつ誕生日とは別に祝いの日があって」
「『一緒に暮らし始めた日』、…だろ?」
「…………」
「……まあ、何だ。この辺がお前が俺に話しちまった理由だろうな」
「……そうだな」
微妙な空気が流れた後、二人は顔を見合わせ、堪えきれないふうで軽く笑いあう。
レイの話に誘われるように、いつしかスティングの脳裏にもかけがえない家族達の顔が浮かんでいた。
次の祝いの日にはケーキも奮発するか。またアウルとステラは好みで喧嘩になるだろうな…。
514Thanks 4/4:2006/08/30(水) 02:01:22 ID:???

誕生日とは何か。正直言うと、スティングはそれについて真面目に考えたことはなかった。
だが何故かスティングの中には、レイに問われる前から心のどこかで、なんとなく誰かの大切な
日だという認識ができていた。
何故だろうと記憶を手繰って、…そして気が付いた。
誰かの誕生日の記憶。そこにはいつも、一生懸命心から祝ってくれようとする人の姿があった。
(……かあさん)
楽しめる子にも、楽しめない子にも。貧しい中から、それでも飾りつけをして、美味しいものを作って。
あなたの大切な日なのだと、愛情を注いで、偽りない心で祝ってくれた人がいた。
そこには、…きっとシンやルナがレイに伝えた気持ちと、同じものがあったのではないだろうか。


「…ともかくまあ、いい祝いになるといいな。シンの奴、あと何日だ?」
「……明後日か?」
「ちょ、おい待てもう目の前じゃねえか。プレゼント決めんなら早くしねえと拙いだろ」
指折り真顔で首傾げるレイに、スティングは今度こそ突っ込んだ。
「それはそうだな。…しかし、スティングが把握していなかったのは意外だった」
「なんで俺が」
「ステラがいるだろう?」
「…………」
スティングはレイの言葉に、夏の歩道で凍りついた。
「ルナの支度ぶりを見る限り、当日は修羅場だ。当然マユやステラも戦場に上がるものだと
思っていたが…、……スティング?」
「…すまねえが、俺ちょっともう今すぐ火急的速やかに帰らなきゃならん気がする」
「…そうか」
頑張れ、と投げられた言葉に手を挙げ応えると、スティングはレイを追い越して歩道の向こうへと
早足で歩き去ろうとして、…足を止め、振り返らずに言った。
「ああ、…お前の誕生日、近くなったら念を押せ。祝ってやらんこともない」
「……何、」
そして、口を開きかけたレイの返事を待たず、早足で歩き去る。
レイはスティングの背中が小さくなり、見えなくなるまで呆然としていたが、やがて我に帰ると
複雑な表情で頭を掻き、それから小さく笑った。
(あちらのことはステラにでも訊けば教えて貰えるか…。いや、だったら三人分きちんと訊かねばな)
出会えた大切な友人たちに、間違いなく祝いの言葉を告げることができるように。
しかし、まずは目の前のシンの誕生日だ。どんな惨劇になるのか知らないが、今年もしっかりと
祝ってやらねばならない。この日の意味と、そして沢山の思いをくれた、大切な親友の一人へと
感謝の気持ちを伝えるために。


かけがえのない、大切な人へ。

誕生日、おめでとう。

そして、


生まれてきてくれて、ありがとう。
515通常の名無しさんの3倍:2006/08/30(水) 09:55:35 ID:???
あれ?
目からしょっぱい汁が・・・・・
516通常の名無しさんの3倍:2006/08/30(水) 15:31:14 ID:???

 惨劇なんてない。あったのは、悲劇と喜劇。

ナンツッタリシテ
517通常の名無しさんの3倍:2006/08/30(水) 22:49:00 ID:???
>>511
クオリティ高いな、ホント。
乙です!!
518世界の中心で幸福を叫ぶ 1:2006/08/31(木) 01:40:11 ID:???
>511
>生まれてきてくれて、ありがとう。
泣かせて貰ったよ、GJ。
で、便乗して誕生日モノ投下させて貰うよ(え
んで、投下に際して『救われた未来』がちょっと絡むから、作者さんご了承くだされ。

最近、皆に避けられている。
放課後、夕日に照らされた道をシン・アスカは一人とぼとぼと歩いていた。
ほんのつい最近までは、みんなといつもどこかで騒いでいたというのに。
それが今では、誘っても当たり障りのない答えではぐらかされ、放課後は一人だ。
家ではマユもあまり寄って来ないし、スティングやアウル、ステラ達連合高校の友達とは、会う事すら出来ない。
「みんな、一体何してるんだろうな・・・」
沈鬱な表情で、シンはため息をつく。これで何回目だろうか。
「ん? あれは・・・・・・」
顔をあげたシンは良く知る人物の後姿を見つけた。夕日に照らされ美しく輝く柔らかな金髪。
「・・・ステラ」
彼女が一人でいるなんて珍しい。いつもオクレ兄さんとアウルと一緒にいるのに。
ステラは両手に『盛留玄零手』の紙袋を持ち、何か嬉しい事でもあったのか、軽やかな足取りで歩いてゆく。
519世界の中心で幸福を叫ぶ 2:2006/08/31(木) 02:05:09 ID:???
歩いてゆく方向は・・・
「レイの家・・・?」
向かっている方向には、自分が知る限りステラが関わりのある場所なんて他にない。
もはや珍しいを通り越しておかしい。レイの家に、ステラが紙袋を提げて訪ねる状況が考えられない。
友達の後をつけるなんて気が引けるとは思いつつも、シンは追ってみる事にした。
普段からほえほえしてて、更に今は上機嫌らしいステラを追うのは簡単。某野球少年の姉さんよろしく、電柱に頼る事もなく尾行は続く。
「あ、ステラ!」
後数分でレイの家という所で、ステラを呼ぶ声がし、シンは慌てて電柱の陰に隠れた。
(・・・ルナ!? それにメイリンも?!)
今日は映画を見に行くと言って先に帰った二人が何故ここに? しかも、二人とも両手に荷物を持っている。
「ちゃ〜んと・・・・・・でしょうね?」
「・・・。ステラ、ちゃんと・・・・・・! スティングとアウルも、もう・・・・の!」
「じゃあ、早く・・・・・・しょうよ。もう余り時間はない・・・から。行・・・」
距離があるから途切れ途切れにしか聞こえない。一体何の話だろう?
「そうね。シンにばれちゃいけないし。見つか・・・と」
「シンには・・・ショ」
「・・・なくなるものね」
(!!!)
三人は頷き合うと、幾分早足でレイの家へと歩いていった。
だが、シンは動かない。
・・・・・・いや、動いた。三人が向かった方に背を向けると、一目散に駆け出した。
520世界の中心で幸福を叫ぶ 2:2006/08/31(木) 03:06:55 ID:???
完璧に避けられてる・・・俺・・・何かしたのか・・・?
ただいまも言わず自室に引きこもったシンは、電気をつける事もなく、暗い部屋の中、ベッドに仰向けに寝転がっていた。
思考の海、沈んでいく・・・沈んでいく・・・沈んでいく・・・
答えは出ない。みんなに避けられるほど、酷い事をした覚えが・・・・・・
突然、海の中から、何かに掴まれた。
「あぁ・・・そうか・・・」
思い出せなかったのではない。思い出したくなかった。
先日シン、ルナマリア、メイリンがとらわれた呪われた赤本の事を。
「あの中で・・・俺は・・・・・・」
俺は、みんなを殺した。
父さんを殺した母さんを殺したマユを殺したレイを殺したアウルを殺したオクレ兄さんを殺したハイネを殺したトダカさんを殺した名前も知らない人さえ殺した。
大切な家族を、友達を殺した。
そして。
ステラを、護ると約束したのに護る事が出来ず、殺した。
ルナを、護ると言いながら、自分のこの手で殺しかけた。・・・いや、殺したといって変わりはない。
自分を好きといってくれる、身近な女の子さえも殺した。
赤本の世界は、それを見た人間を喰らう為に作り出された虚構の世界。
だが、虚構の中でも行った行動は・・・現実。人を撃ち、斬り捨て、殺していた。
「俺はこの手で・・・みんなを殺すだけじゃ飽き足らず、何人も、何人も人を殺した。・・・・・・ハハッ、当たり前だよな。こんな殺人鬼を避けるのは」
何かが頬を伝っている。涙だろうか。頭を載せていた両腕を動かし目を覆う。とまらない。
あぁ、涙ではない。流す資格、俺にはない。これは殺したみんなの赤い赤い血だ。
海の中から何かに掴まれた。
あぁ、これは人の手だ。俺が殺したみんなの、赤い赤い血に染まった手だ。
振り払えそうにない。いや、振り払ってはいけないのか。殺したのは自分なんだから。
赤い海、沈んでいく・・・沈んでいく・・・沈んでいく・・・
暗闇に包まれたシンの部屋。主の姿は消えていた。
521世界の中心で幸福を叫ぶ 休:2006/08/31(木) 03:15:34 ID:???
本日(?)投下分終了。
なんかシンが妙に鬱っていうかネガティブ思考になってるのは
『本の世界は虚構。でも、そこでの行動、経験は心に身体に焼き付いてる』と解釈したから。
戦争を経験したら、どんなに強い子でもすぐには立ち直れないと思うんだ。
この駄文もちっと続きます。もう少しお付き合い下さい。
522通常の名無しさんの3倍:2006/08/31(木) 09:31:57 ID:???
あの本の話をあんま引きずりすぎるのは、正直やめてほすい
あの話自体は名作だと思うが
523通常の名無しさんの3倍:2006/08/31(木) 10:56:39 ID:???
いやー、これもありかとwww
暗ければ暗いほど、後の楽しみは増えるしwwww
524通常の名無しさんの3倍:2006/08/31(木) 11:00:03 ID:???
>>518-521
書き込み時間からいくと、書きながら投下した?
投下するときは終わるか区切るかするところまで先にメモ帳やテキストパッドに
書き上げてから、短時間でまとめて投下したほうがいいよ。
でないと他の人がその間投下や書き込みできずに待つことになっちゃうから。
525通常の名無しさんの3倍:2006/09/01(金) 00:00:05 ID:???
シン
お誕生日オメデト―――――――――!!
526通常の名無しさんの3倍:2006/09/01(金) 00:23:25 ID:???
Σ

シンおめっとさん
527通常の名無しさんの3倍:2006/09/01(金) 00:28:11 ID:???
シンの誕生日であると共に防災の日でもありますね
528通常の名無しさんの3倍:2006/09/01(金) 00:33:25 ID:???
ついでに、新学期
529通常の名無しさんの3倍:2006/09/01(金) 00:43:56 ID:???
>>527
防災の日…防災訓練!
ルナマユステラ「「「ならどさくさ紛れに襲うしかないじゃない!!!」」」

シン誕生日おめでとーーーーー!
530通常の名無しさんの3倍:2006/09/01(金) 10:14:48 ID:???
避難訓練のおかしって
押さない
駆けない
しゃべらない
だっけ?
531通常の名無しさんの3倍:2006/09/01(金) 10:21:47 ID:???
犯さない
抜け駆けしない
しゃぶらない
532通常の名無しさんの3倍:2006/09/01(金) 18:20:57 ID:???
お…追いかけない
か…狩らない
し…縛らない
533通常の名無しさんの3倍:2006/09/01(金) 20:42:50 ID:???
ツン誕生日オメー

俺の地方じゃ"おはし"だったが?
押さない
走らない
喋らない
534ザフ学番長会議〜ミーア様がみてる:2006/09/02(土) 00:00:23 ID:???
誕生日と関係なくて申し訳ないネタですが投下。
3スレ目の894-897、ミーアの前にハイネが表番をしていたという設定を使わせて頂いています。

ある晴れた日、喫茶店にて。
ミーア「(パフェもぐもぐ)…で、なんなんですかあ?あたし達が呼び出された理由って」
レイ「(紅茶ひと口)俺まで召集がかかるということは…、何か事件でも?」
ハイネ「んー…、事件ってわけじゃないんだけどさ。お前ら、自分の後継者について
考えたことある?」
ミーア・レイ「「は?(ポカーン)」」
ハイネ「いやね?ほら、俺んときそれで大分苦労したわけじゃない?最終的にはミーア
っていう適任者を得ることができたわけだけど、それまでは俺が学校に様子見に行って、
ずっと表番をやってたわけだしさ。もしお前らがそんなことになったらー、って、昨日
寝る前電気のヒモ引っ張ろうとした時にふと思いつちまったわけよ」
ミーア「学校に通ってたのは殆ど趣味の域じゃないですか…」
レイ「そして寝る前の思いつきで俺達を呼び出した訳ですね…?」
ハイネ「ままま!!…で、どうなのよ実際」
ミーア「どうなのよって、そんなこといきなり言われたって。ねえ?(レイに同意求め)」
レイ「というか俺はまだ一年なんですが…」
ハイネ「甘い甘い、光陰矢の如しよ?…つーわけで、今日はお前達のためにこんなもんを
持ってきてやった」
ハイネはポケットに手をやり、そこから二つの小さな箱を取り出す。
レイ「…なんですかこれは」
ハイネ「いっこずつな。お前達の意識を高めるためにわざわざ用意してやった…」
ミーア「きゃああああああああwwww!!なにこれ――――――――wwww!!!!」
箱を開き歓喜の悲鳴をあげるミーア。見ると、箱の中には小さなロザリオが。
嫌な予感に苛まれながらレイも箱を開くと、似たようなロザリオがひとつ。
レイ「…………(げんなりと突っ伏す)」
ハイネ「ははっ、ミーアなら絶対喜ぶと思ってたぜ!…いいか、お前達が後継者に相応しいと
思ったヤツに出会ったら、その証としてそいつを渡してやるんだ。それでいつか役目を
引き継ぐその日までしっかり指導してやること。うんうんいいねえ!これうちの伝統にしない?」
レイ「なにを馬鹿げtミーア「はいはいはーい、するする――!いいとおもいまーす!!!」
レイ「……(唖然)」
ミーア「ていうか先輩、これステラに渡してきちゃだめですか!!?」
ハイネ「だめ。つかステラちゃんはもう連合の裏番でしょ?」
ミーア「ううう〜……。(頭抱えうだうだ)…でもでも、ロザリオで結ばれた先輩と後輩の絆…、
これはこれで女の子の永遠の夢ってやつよね?そうよミーア・キャンベル、考えてみなさい。
どうせ後を引き受けてもらうなら可愛い妹がいいに決まってるじゃない。そしてあたしが引退する
その日までお姉さまとして側で手取り足取り腰取りあんなことやこんなことをみっちり教えて、
二人は学園中が羨む姉妹になるんだわ。あらあら妹タイが曲がっていてよ?…ふふ、うふふふふ……」
ハイネ「おっ!やる気になってくれたか、それでこそ俺が見込んだ後継者!!なあレイ!裏番も
負けてらんねーぞ?」
レイ「…………(お冷の氷など眺めて現実逃避中)」
ミーア「オッケーです先輩!!(椅子蹴って立ち上がる)もうこうなったらあたし、早速明日から
可愛い妹w火の中水の中草の中スカートの中まで探しまくっちゃいますよ――――!!」

そんなこんなで、それ以来ミーアの女の子を見る視線は益々熱くなったそうな。
メデタシメデタシ。
レイ「女子限定とは言っていなかった気がするんだが……」
535通常の名無しさんの3倍:2006/09/02(土) 01:44:44 ID:???
ワロタwww
536通常の名無しさんの3倍:2006/09/02(土) 09:32:19 ID:???
元ネタが分からない漏れは工業高校生。
知らない方が勝ち組な希ガス…
537通常の名無しさんの3倍:2006/09/02(土) 12:22:03 ID:???
元ネタは古くないから。まだ続いてるから。
勝ち組かどうかは知らんけど。

一日遅れだけど、シン誕生日どんまい。
538通常の名無しさんの3倍:2006/09/02(土) 21:31:25 ID:???
元ネタ?
目指せポケモンマスターだろ
539通常の名無しさんの3倍:2006/09/02(土) 22:13:02 ID:???
>>536
スールとかギガンティアとか言うアレだと思う。
良くは知らんが好きだって言ってる人は多かった。
540がんばれトール:2006/09/02(土) 22:21:27 ID:???
このスレ見てたらネタが書きたくなってしまいました・・・
下手糞ですがすいません・・・

がいあのドッグフードが切れてしまったため
近所のホームセンターの一角にあるペットショップに買いにきたシン。
そんな彼に声をかける一人の人物がいた。
???「お!シンじゃないか!」
シン「あ!トールさん!」
声をかけてきた人物はトールだった。
シン「トールさんは何でこんなところに?ペット飼ってましたっけ?」
トール「いや、俺はバイト」
シン「またクビになりそうだ・・・」
シン(そうだったんですか、頑張ってください!)
トール「本音と建前が逆になってるぞ」
シン「しまった!!」
そんな彼を苦笑を浮かべながら見るトール。
しかし、その直後、彼の表情には自身に満ちた笑みが浮かぶ。
トール「ふふふ・・・。数多のバイトをクビになった俺だが、今度は大丈夫だ!」
シン「へ?何でです?」
妙に自身ありげなトールに違和感を覚えるシン。
トール「アレを見ろ!!」
そういってトールが指差した先にシンが視線をやると・・・
シン「アサギさん・・・?彼女がどうかしたんですか?」
トール「彼女の周りをよく見てみろ」
そういわれて彼女の周辺を目を細めながらシンは視線を巡らす。
微かに感じる違和感。
いつもならあるべきものがそこにない・・・
シン「まさか・・・彼女は今一人!?」
トール「その通り!シフトの都合で彼女たち三人は一人ずつしかこの店に来ない!
その奇跡を拝める俺はつまり今の俺はグゥレイトにハッピーなわけだ!!今の俺がクビになると思うか・・・?」
なにやらテンションが上がりすぎているトール。
シン「なるわけないですよね!よかったじゃないですか!!」
トール「ホントよかったよ・・・」
そう言ってしまいにはあさっての方向を見ながら涙を流すトール。
しかし、シンにはわかっている。
彼の涙は戦いを終えた男の喜びの涙であるということを・・・
シン「じゃぁ、俺は買い物すませて帰ります!バイト、頑張ってください!!」
ありふれた、しかし今のトールにとってはこの上ない祝辞を述べてシンはその場を立ち去った・・・。

541がんばれトール:2006/09/02(土) 22:22:25 ID:???

なんてことがあったのが1週間前。

ニコル「えーと、こっちでしたっけ?」
そういってペットショップに訪れたは二コル。彼の傍らにはラスティ、ハイネがいる。
彼らを出迎えたのは奇跡的にいまだにバイトが続いているトールだ。
トール「いらっしゃいませ!」
三人「あ、トール」
トール「あれ?なんか珍しい面子だな。お前らペット飼ってたっけ?」
ハイネ「俺に言わせればお前がここまでバイト続いてる方が珍しいって。
つーかシンが言ってたのってほんとだったんだな」
トール「ひでぇ・・・」
ハイネの率直な感想にへこむトール。
そんな彼を見かねて二コルは話題を切り替えた
二コル「それはさておき、僕たちはシンの誕生日プレゼントを買いに来たんですよ。一日オクレになっちゃいますけど」
トール「ん?あいつ昨日誕生日だったの?」
二コル「はい。それで彼にペット用品でもプレゼントしてあげようかと思いまして・・・」
そういって穏やかに微笑む二コル
トール「なるほど。なら俺も金、一口出そうかな。」
二コル「ほんとですか?彼もきっと喜びますよ」
ラスティ「当日に渡せればもっとよかったんだけどな」
そういって苦笑を浮かべるラスティ。
と、そんなラスティにアサギが声をかけた。
アサギ「あ、ラスティ君。もう怪我は平気なの?」
ラスティ「あ、アサギさん。もうすっかり直りましたよ!」
そういって立ち話を始める二人。
そんな彼女たちを見てハイネは
ハイネ「ま、立ち話してる奴等の邪魔すんのもなんだし、俺たちは今からプレゼント選ぶか」
二コル「そうですね」
トール「そうか。じゃ、俺は仕事まだあるからまた後で」
ハイネ「おう、じゃあな」
二コル「はい、また後で」
そしてハイネと二コルはプレゼントを選びに行くのだった
542がんばれトール:2006/09/02(土) 22:27:15 ID:???
プレゼントを選ぶハイネと二コル。
ハイネ「しかし、あれだよな。三人娘のジンクスってマジだったんだな。トールがあんだけバイト続いてるんだし」
二コルはそれを聞いて苦笑を浮かべる。
二コル「さぁ、どうなんでしょうね?
でももし本当なら、いま一人だけのアサギさんと話しているラスティも少しは幸運になってくれるといいんですけどね」
友のことを思いやる二コルの言葉にやさしさを感じつつ、
ハイネ「はは!たしかにな!」
とハイネは笑った。
そんなことを話していると、
二コル「これなんかどうでしょうか?」
そういって二コルが選んだのは犬用のフリスビーだ。
ハイネ「お、いいんじゃないか?じゃあ、これにするか」
そしてレジに向かおうとする二人。
そんな二人に気づいたラスティはアサギとの話も切り上げてこちらに向かってきた。
ラスティ「あ、悪いな!二人だけに選ばせちゃったみたいで」
二コル「いえ、いいですよ」
ハイネ「ま、金はちゃんとだせよ?心をこめてな」
茶化すように言うハイネ。
そんな彼の言葉を聞いて苦笑を浮かべるラスティ。
ラスティ「わかってま・・・うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!??」
突然こけたラスティ。その足元に転がっているのはネコ缶であった。
二コル、ハイネ「ら、ラスティィィィィィィィ!!」
こけたラスティはごろごろと転がっていきペットフードが積み上げられ積み上げられた棚に激突。
その棚が倒れてラスティの上に覆いかぶさる。
さらに突然天井の蛍光灯が外れ容赦なくラスティに降り注ぐ。
「わうんわうん!」
「にゃー!」
さらになぜか売り物のペットたちが逃げ出してしまい、
しかも何故かご丁寧にみんなラスティの上を通過していくのだった・・・
二コル、ハイネ「・・・・・・・・・・」
呆然とする二コルとハイネ
543がんばれトール:2006/09/02(土) 22:29:34 ID:???
ラスティ「う・・・」
棚の下でうめくラスティ。彼はなんとか上半身を棚の下から這い出させる
ラスティ「に、二コル・・・」
苦悶の表情を浮かべながら二コルの名を呼ぶラスティ。
その声に我に返った二コルがラスティの傍へと駆け寄る
二コル「ラ、ラスティ・・・」
ラスティ「こ、これでシンのプレゼントを買っておいてくれ・・・」
そういってラスティは2000円札を二コルに震える手で渡すラスティ
ハイネ「ラスティ・・・おまえ・・・なんで2000円札なんて持ってるんだ・・・・」
ラスティ「あとは、頼んだ・・・」
そういってラスティはがっくりうなだれた。
二コル、ハイネ「ラ、ラスティーーーー!!!!!」

トール「なにがあったんだ!大丈夫か、お前たち!」
そういってトールが駆け寄ってきた。
そして気を失っているラスティを目撃した彼の第一声
トール「さわっちゃだめだ!現場の維持を最優先!」
二コル「呼吸と意識の確認は!?」
ハイネ「つーか、死んだこと前提で話をするな!!」

こうしてラスティは再び入院することとなった。
またこの事故の原因は商品の陳列を行ったトールの責任となり、
彼はまたしてもクビとなったのだった。
三人娘のジンクスをも打ち破るほど彼等の不幸が強かったのか、
はたまた三人娘のジンクスがガセだったのか、
それは誰にもわからない・・・
ちなみに、二コルが四人の名義でプレゼントしたフリスビーは
今ではすっかりがいあのお気に入りである。


・・・長い上にしょうもないもんを書いてスレ汚ししてしまってすいません・・・
544通常の名無しさんの3倍:2006/09/02(土) 22:58:36 ID:???
三人娘のジンクスがネタになったのって初めてじゃね?
前の方のスレでこんな設定にしてたら三人娘の出番増えるかなwwって勝手にジンクスをテンプレ案にだしたのは俺ですorz
まさか書いてくれる職人がいるとは(´;ω;`)
GJ!
545通常の名無しさんの3倍:2006/09/02(土) 23:58:35 ID:???
トール!
頑張れ、トール!!

てか、ラスティwwwwwwwww死んだこと前提に話すニコルとトールが好きですwwwww(鬼)


GJです!!
546通常の名無しさんの3倍:2006/09/03(日) 00:08:58 ID:???
>>540-543
GJ!なんかついでにラスティもがんばれな感じで笑った。
547通常の名無しさんの3倍:2006/09/03(日) 13:47:36 ID:???
GJ!
一日オクレってwww
548通常の名無しさんの3倍:2006/09/03(日) 15:47:03 ID:???
保守
549通常の名無しさんの3倍:2006/09/04(月) 11:58:59 ID:???
GJ!
550通常の名無しさんの3倍:2006/09/05(火) 01:07:47 ID:???
一日オクレ

それは、シンたちの間で毎月15日に行われる行事である。
このスレの縁の下の力持ち、スティングに感謝の気持ちをこめて、前日のくじ引きで当たった人がその日一日スティングの代わりにアウルやステラの面倒を見たり、バイトに勤しんだり、連合の表番を代行するのである。



思い付きブッパすまぬ
551540:2006/09/05(火) 02:35:14 ID:IvHYz+oR
みなさんGJありがとう・・・
1日オクレはめそ・・・げふんげふン。なんでもないっす。
きっと>>550が正しいんです、そっとしておいて上げてください・・・俺の誤字

とりあえず調子に乗ってもう一個小ねた書いてみました。
もしよかったら読んでください・・・

ザフト学園の教師、アーサーの昼食は今日も今日とてカップ麺であった。
その様子を見て、アビーは言った。
アビー「トライン先生はいつも昼食はインスタント食品ばっかりだと体に悪いですよ?」
アーサー「いや、そうなんですけどね・・・。
料理なんて元からしないし、外食にしても生活が苦しいですから・・・」
アーサー(ほんとはエロゲの買いすぎで生活費が枯渇してるだけなんだけど)
アビー「せめて野菜くらいはとらないと・・・」
アーサー「それなら大丈夫です!」
そういってアーサーは自身ありげな顔をしてあるもの取り出した。
それは・・・
『うまいぞ棒 サラミ味』
アーサー「サラダ味らしいですから、
これ一本でサラダ食べたのと同じくらいの野菜が摂取出来たはずです!」
アビー「・・・トライン先生・・・」
アーサー「はい?」
アビー「そのスナック菓子は、化学調味料で味付けしてそういう味にしているだけで、
スナック菓子に野菜は練りこまれてません。よしんばそうだとしても、
それ、サラミ味です。サラミは野菜じゃありません・・・」

アーサー「フォンドゥヴァオウ!」
552540:2006/09/05(火) 02:36:30 ID:???
あげてしまった・・・
すいません・・・orz
553通常の名無しさんの3倍:2006/09/05(火) 02:53:51 ID:???
>>551
ちょwwアーサー野菜ジュース飲めよ
554通常の名無しさんの3倍:2006/09/05(火) 22:22:28 ID:???
アーサー・・・・成人病決定だなwwwwwwwww
555通常の名無しさんの3倍:2006/09/06(水) 10:31:06 ID:xNvDUiEM
保守しなければ・・・・
熱い熱い保守を・・・・
556通常の名無しさんの3倍:2006/09/06(水) 20:23:43 ID:???
だったらageんでくれ
557通常の名無しさんの3倍:2006/09/08(金) 07:51:22 ID:???
保守
558連合のピカソは誰だ?!:2006/09/08(金) 21:44:49 ID:???
アート。芸術・美術と称されるもの。古来、アーティストというものは人に理解されがたい
センスを持っているそうだ。
そういえば、中学二年生の英語の教科書には、アボリジニーアートだかなんだかのページが
あったような気がする。それの最後は確かこうまとめていた。
<They are artist!>と。

アウルには一つ憂鬱なことがある。
とりあえず、鞄に入っているモノの一体どうしたらいいのか。
大体何のためにこんなことやるんだろう。なんて考えてもどうしようもないことを考えてみたり。
隣の席にいるステラも同じ状況だ。しかし、向こうは最初から何も考えていないので、
うきうきと華を飛ばしながら鼻歌を歌っている。いいなぁ、お気楽そうで。
教室にいても、何にも間にも浮かばない。
仕方ない、とアウルはステラを引っ張って教室から出ていった。
もともとそのつもりだったのだが。

「なんか用よ」
「用もないのに、他人の教室きちゃいけませーん!」
「うざーい」
「えー、そう言わないでくださいよー。すっごい困ってるですからぁ!!」
「からー・・・・・」
「知るか!!」
三年の先輩方の教室は、現在格闘ゲームに指の神経全部を集中させているクロトと
傍観者のオルガ、シャニとその他数人のモブ、そしてアウルとステラで賑わっていた。
「大変、ていうのはその小脇に抱えている荷物のことか?」
「そーなんですよオルガ先輩〜」
「うぇぇぇぇい!」
助け船を出すオルガに甘えるように、視線をそっちに向ける。
「何だよこれ?・・・・・木」
「木です」
559連合のピカソは誰だ?!:2006/09/08(金) 21:47:25 ID:???
「木でどうするんだよ」
「えー、どうするって」
「アウル、ステラ、またここか?!」
ばたん、という素晴らしい音と共にドアが開き、同時に足がアウルの後頭部に直撃する。
うずくまるアウルをよそにずかずか上がり込んできたのは、スティングだった。
「痛っ―――」
「お前達何やってんだ、明日提出だぞわかってんのか?お前達が馬鹿やると、
なんでか一緒に住んでる俺にも火の粉がかぶるんだぞ!」
頭を抑えるアウルに更に頭の痛くなるような言葉の矢が発射される。
そしてなすすべもなく沈黙するアウル。と、きょとんと首を傾げるステラ。
「・・・おい、さっきから何の話だよ」
「え?あー大したことじゃないっすよ」
スティングの睨みが決まる。アウルがぷいっとそっぽを向いたので、まぁそんなトコだろう。
「えーっとですね、一年生の美術で木彫りをやるんですよ」
「あーー」
全員納得の声を上げる。
「それでこの馬鹿アウルとステラだけまだ提出してないんです。明日が〆切なのにやってもいないし」
「オレだけ馬鹿付き!!」
抗議の声を上げて、アウルは固まった。スティングの憤怒の色が、顔を見ただけでわかる。
多分何度もその火の粉とやらをかぶっているのだろう。
アウルは錆付いたロボットの如く、ゆっくりスティングから顔を背け、次いでオルガ達を見ると、
可愛い仕草で、首を傾げた。ステラも真似をする。
「だからー、手伝ってくださいv」
「ください!」
「・・・・・・」
何だろうか、この状況は。
留年トリオは、どうしようもなくただ呆然としていたし。
クロト、指も上手く動かず対戦ゲームは逆転負け。
560連合のピカソは誰だ?!:2006/09/08(金) 21:49:28 ID:???
机にはステラとアウルが座っていて、周りにはのぞき込むような形で一同がいる。
当事者達は真剣そうだが、周りは只「楽しそう」という感じだ。木彫りの木は机に置かれたまま、
ただただ無言で面々を見上げている。
「なぁ、スティング。この木彫りとやらのテーマは?」
「無いですよ、そんなの」
「は?!」
オルガは驚嘆の声を上げた。普通、こういうものの場合にはテーマというものがないだろうか。
「何か、生徒の自由性をうんたらって言ってますから」
「・・・・そりゃ、自由は自由だがね」
それで上手い発想ができない奴には地獄である。事実、目の前のお馬鹿君達にとっては地獄のようだ・・・・。
「お、ステラとアウル、作り始めたか?」
突然作業をはじめたステラを、のぞき込もうとするクロトに―――――。
がすっ
後少しで鉄拳が制裁される・・・というところで間一髪、クロトが避け。ちっという舌打ちはスティング。
「ス、スティング、何のつもりだよおい!」
「クロト先輩、邪魔しないでくださいねぇ〜。ステラ達だけの問題じゃないんです。美術なんて落とすはずもない科目で成績落とすなんて、絶対断じて嫌です・・・・というわけで邪魔しないでください
」文句を言おうと振り返ったクロトが見たものは、いつもにましてすわった目。
思わず身じろぐクロトと、三歩後ろに下がるギャラリー。黙々と作り続けるステラ。「
ス、スティングって怖くないか・・・・?」
「キレてるなぁ・・・・そんなに嫌か。とばっちり」
嫌なようだ。
「でもさー、それならネオの方がもっととばっちりだよな・・・」
「あーたしかに」
自覚があるだけに確信犯。と。
「できたーーー!!!」
ステラの声に呼ばれて、全員机まで戻ってきて。見たもの・・・・。
「・・・・ステラ」
「・・・・・・・・面白いなー(嘲笑)」
「・・・・?」
「・・・・ステラ、お前なぁ・・・・(呆れ)」
「?なぁに?」
なぁにって・・・・。全員、顔を見合わせる。
561連合のピカソは誰だ?!:2006/09/08(金) 21:50:56 ID:???
そもそもこの机に載せられている物体は何か。さるかゴリラかエイリアンか。
わかるのはどうやら人型にしようと試みていたことだけ。
「ステラ、これは何ー?」
恐る恐る、シャニが尋ねる。
「・・・・・・・オルガ・・・」
ぴし・・・。
今、確かに場が凍り付いた(クロト談)。
オルガの背がかすかに震えている、そして次の瞬間。ばきっ無言のオルガの手によって、ステラは沈められた(哀れ)。
だが、それだけで話は終わらなかった。
「あーあー、オルガ・・・女の子殴っちゃって」
「かわいそ―――――・・・・」
「いーけないんだ、いけないんだ♪せーんせいに言ってやろ♪」
クロト、シャニ、アウルの順で囃子立てる。オルガは慌てて両手と首を横に振った。
「ちょっ、・・・・待て、違う!!これはつい勢いでっ・・・・・!」

「・・・ステラ沈んじゃいましたねぇ・・・」

あ、と全員が地の底から聞こえてくるような低い声の方を振り向く。
そして、
「ス、スティング・・・?」
「明日〆切なのになぁ・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
無表情なだけに、恐ろしすぎた。
「先輩方・・・・手伝ってくれますよね?」
それは無言の威圧だった。

562連合のピカソは誰だ?!:2006/09/08(金) 21:51:45 ID:???
<後日談>結局ステラ流オルガの像は、留年トリオの手によってとてつもなく小さな(失敗を重ねたため)
ブローチにまで仕上がった。木彫りとしては、なかなかよかったがはたしてステラにここまでできるのか
という話が幾つかあがったが、そんな話はいつの間にか消えていた。
アウルは、自力で本人曰くキムチ像という(こちらも大概)謎の物体を作り上げて提出した。
ネオはその日、胃薬を買いに薬局へ走ったとかなんとか。

「シン――――、遊びにきた――――!!」
「ステラ?美術の課題はどうしたの?」
「うん、あのね・・・何かね、いつの間にか終わってたの・・・だからいいの。よく覚えてないけど」
「そっか」
「でもね、何だか、オルガが作ったような気がするのー」
「・・・・へぇ」
「シンのも作る・・・・木彫りで・・・・」
「ん・・・?」
「う〜ん・・・、やっぱり・・・ダメ」
「?」
「やっぱり、シンは実物がかっこいいv」

563連合のピカソは誰だ?!:2006/09/08(金) 21:53:02 ID:???
書き終わった後で思い出した。

アウルって、2年生だった――――――――――――っ!!!
orz
564通常の名無しさんの3倍:2006/09/08(金) 23:11:08 ID:???
GJ
作者自身がつけたオチに笑ったw
565通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 19:18:44 ID:???
体育祭とか文化祭の季節
566通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 22:19:39 ID:???
ネオも気苦労が絶えないねww 
567通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 23:04:38 ID:???
このまえ体育祭で綱引き優勝した漏れ関係ない。

工業高校でマッチョとか居たけど全員瞬・殺!
一番前で引っ張ったけドナー
568のすたるじあ:2006/09/10(日) 20:44:13 ID:???
その日の朝、シンが廊下を一人で歩いていると、ポンと肩を叩かれた。
振り向くと、すぐ後ろにレイがいて、何故か辺りをキョロキョロ見回している。
「レイ?」
「シン、お前今日学校が終わったあと、何か用事はあるか?」
「?いや、暇だけど?」
「そうか、よかった。ならば今日、学校が終わったら裏門にいろ」
「へ?」
「説明はその時する。いいか、誰かに誘われても適当に誤魔化して今日は断ってくれ。それから、
俺と裏門で待ち合わせしていることは誰にも教えるな」
「なんで?」
「なんでもだ。後で恨みを買いたくなければ、この事は絶対秘密にしろ」
「いや、だからなんで?」
「デートだ」
「はぁ?!」
それだけ言うと、レイはスタスタと歩いていってしまう。
後には呆然と突っ立っているシンだけが残された。

569のすたるじあA:2006/09/10(日) 20:46:16 ID:???

授業終了の鐘が鳴る。
レイの謎の言葉に悶々と一日を過ごしていたシンだったが、それでも学校が終わると気持ちが軽くなる。
今週当番だったシンは、教室の掃除を終えると穏やかに友人達に別れを告げあい、こっそり裏門に向かう。
そこには、もう既にレイが待っていた。
「悪い、レイ!遅くなったっ…!」
「気にするな、たいして待っていない。誰にも知られなかったか?」
「おう、ばっちし!」
「シン、少し遅くなるかもしれないから、家の方に連絡を入れた方がいいかもしれない。今日は俺の家に寄るとでも言っておけ」
「あー、おっけ」
そうして携帯を取り出すシンを横目に、時計を見ながら移動の時間を計算する。
電車に乗って40分、徒歩で15分、閉館は9時だったから…。
「お待たせ、んで、どこ行くんだ?」
「美術館だ。今日だけの特別展示がある」
とにかく急ぎたいので、シンを促しながら説明する。
「えー!?オレ、絵とかあんま分かんねぇし興味ないけど」
「展示してあるのは絵じゃないんだ。いや、絵もあるがオルゴールとか…とにかく口では説明しにくいから、来てくれ」
待たせてしまった手前、嫌とも言えずシンはレイについて早足で歩いた。
570のすたるじあB:2006/09/10(日) 20:47:23 ID:???
そこは普通の美術館のように見えた。外観は。
「招待券が2枚しか手に入らなかったんだ。ラウもギルも今日は仕事が忙しくて来れないし、他の誰を誘うにも、
絶対角が立つからな。だから、秘密にしてもらった」
と、レイが説明した。
「ふーん、でも何で俺?さっきも言ったけど、俺美術鑑賞なんて高尚な趣味はないぜ?」
「安心しろ、お前でも恐らく退屈しない。それに、お前なら俺の家に遊びに行くなんて言い訳しても不自然じゃないからな」
入り口から入ると広めのエントランス。
正面には2m四方のガラスが天井から下げられていた。そしてそのガラスには無数の剥き出しのオルゴールが取り付けられている。
向きもばらばらどころか、表も裏も関係なく、ネジがこちらを向いているものもあれば、突起のドラムの部分が見えているのもある。
「何?これ」
「ネジが止まっていたら回すといい」
説明して、レイは手近な一つのオルゴールのねじを2、3回まわす。小さな可愛らしい音がゆっくりと鳴り響いた。
シンも少し上の方のオルゴールに手を伸ばし、ネジを回す。たくさん回した為か、それは勢い良く回り、テンポ良く鳴り響いた。
「へー、おもしろい」
他にも止まっているものを探して、2、3個ネジをまわす。ちょっとわくわくしてきた様子のシンに、レイはどうやら気に入って
もらえそうだとほっとした。
「他にも色々ある。二階へ行こう」
慣れた調子で案内しながら、レイは説明してくれた。
「毎年、1日だけ展示してるんだ。色々展示がある。基本的に鍵のかかってない部屋には入っていいことになってるから、
扉に見えなくても注意しておけ」
「へー」
相槌を打つそばから、階段の途中の棚に顕微鏡のようなものが設置されている。
「覗いてご覧?」
理科の実験とか思い出すなーとか思いながら覗きこむ。最初は暗くて何も見えないが、1、2秒に一回フラッシュが焚かれて
絵のようなものが見えた。バレエのように広がったスカートをはいた女の子。そう理解するのに5回は見た。
レイも覗いて、二人で答えあわせをしながら二階へ。途中からハーブのようないい臭いがしてきた。
臭いの原因をくんくんと辿っていくと、一つの部屋についた。部屋の中を見てシンは目を疑った。
「うそだろ!?絨毯張りだぜ?」
シンが驚くのも無理はない。8mx10mほどのグレイの絨毯が敷いてある部屋一面に枯葉が撒いてあった。
それはもう見事な程一杯に。わずかに隙間から下の絨毯が見えている。他の観覧者達は思い思いにくつろいでいた。
壁にもたれ座っている人。寝転んでいる人。誰も枯葉の上に直に座るなんてと気取っている風はない。
臭いの原因は枯葉に混じっている葉っぱのどれかのようだった。しかし廊下に漏れるほど臭いが充満しているので、
どれがそうなのかは分からない。
空気を胸一杯に吸い込むと、授業で疲れた体から余計な力が抜けるようだった。
「去年は、両手を広げたら手がつくくらいの細い廊下にクッションくらいに高く積み上げられていたんだ。
歩くとふわふわしていて、雲の上を歩いたらこんな感じかと思った」
「へー」
571のすたるじあC:2006/09/10(日) 20:48:44 ID:???
さわやかなハーブのような香りがすっかり気に入って、ごろりと寝転んだ傍らで優しく説明してくれる。
あー、なんか幸せ。
ウットリとくつろいで、シンはうつぶせになり、目を閉じて枯葉に頬をつけた。幾重にも重なった枯葉は空気を孕んで暖かい。
まるで…のようだと思う。
清清しい香りと、癒してくれる暖かさ。なんだか久しぶりに感じる。
「シン、次の部屋も見ないと全部回れなくなるぞ」
レイの促す声に、バチッと音のしそうな勢いで目を開く。
「おっと、わりぃ。次行こうぜ」

**

廊下に出ると左手にドアが薄く開いているのが見えた。どうやら臭いにばかり気を取られて通りすぎていたようだ。
中を覗くと真っ暗で何も見えない…。
「シン、入るぞ」
笑いのにじんだ声でレイが促す。おっかなびっくりしながら、真っ暗で見えないのに展示なんてあるのかー?と中に入る。
奥の方に人の気配がする。そして小さな明かりも。
でも、真っ暗で壁がどのあたりかも分からないのでそろそろを足を進ませた。
不思議なことに出て行く人は上手く自分をよけてくれて、誰ともぶつかることなく展示のある場所まで辿りつけた。
 
  ECHO

立て掛けられた電光掲示板に赤く浮かび上がった文字は、下にも同じ文字が映っている。
「シン、これ下の鏡か何かに映ってるんだ。水か?」
レイの言葉にどうにも正体を確かめたくて、シンは手を伸ばした。濡れた感触と揺らぐECHOの文字。
「水だ!!へー逆さに映ってんのに、おんなじに見えるんだ!」
驚きながらも小さな声で囁く。だってなんか、暗いところでこっそり楽しむものみたいだから。
どういう展示か分かって納得して出口を目指したら、さっき出て行く人が自分を避けられた理由がわかった。
薄く開いたドアから光が入り、入ってくる人を映す。出る人は明かりが見えるので入ってくる人影を
避ければお互いにぶつからずにすむのだ。
今度は自分が避けながら他人の自然な気遣いを感じて、シンは嬉しい気持ちで廊下へ出た。
572のすたるじあD:2006/09/10(日) 20:50:26 ID:???
「あれは、光りを絶やさない為にドアストッパーをかけてるんだな」
後ろを振り返りつつレイが言い、
「うん、あれも展示の仕掛けだな!」
うきうきとシンが応える。次は何が見られるのか、もうこの美術展に夢中になっているのがありありと分かって、レイを和ませた。
次は一見壁、にしか見えないのに実は扉になっている部屋。
中は広くてあちこちの壁に、普通の美術館の様に色々飾られている。
ただ、飾られているものが…。
「一体何個あるんだ!?この時計!」
20cmx10cmくらいのスケルトンオレンジに白い盤のアナログ時計。
普通に目覚ましに使っていそうなタイプで、Uの字を逆さにした形だ。
それが一個なら特に何も思わないのだが、ずらりと一見して20個以上はある数が並べて壁にくっつけてあった。
「一、ニ、三…」
シンが指差し数え始めたのを見て、7、8歳くらいの女の子もシンの後ろに並んで数え始める。
「三十五、三十六…」
二人並んで最後まで辿りついたら、顔を見合わせて
「五十一個!!」
ぴったり合っていたのが嬉しくてにっこり笑い合った後、シンはレイの元へ、女の子はお母さんらしき人のところへかけていった。
「レイ!五十一個だった。女の子と答え合わせしたから間違いないぜ!!」
「シン、子供みたいだぞ」
笑いをかみ殺しつつレイに言われる。
「いーじゃん!おまえだって実は数えてみたかったくせにー」
軽く小突き合いながら、次の部屋へ行った。

他にも色々、展示品は趣向を凝らしてあって、オルゴールのねじの柄の部分がストローくらいの長さになっていて、
それがビー玉が10個ほど入ったグラスにさしてあってオルゴールが回るたびにちりん、とビー玉も鳴る仕掛け。

椅子に座ったら、丁度耳の位置にくるように設置された5mほどのパイプ。

和室には床下からキーボードの音が波のように響き、ガラスの破片の上に置かれたオルゴールがちりちりと
物悲しいほどの静かな音色を奏でる。
573のすたるじあE:2006/09/10(日) 20:51:39 ID:???
他にも数え切れないほどの仕掛けを、笑い合い、教え合いながら、シンとレイは見て回った。
「もうほとんど見たな」
「だな!これで見逃してんのがあったらくやしいぜー」
「たぶん大丈夫だ」
館内地図を見ながら確認するレイにシンはおずおずと問い掛けた。
「な、帰る前にもう一回あの枯葉の部屋に行っていいか?」
「ああ、いいぞ」
もちろんレイもあの部屋は気に入っていたので否やはない。
変わらず凄い臭いの充満する部屋に入り、シンは適度に枯葉の固まったところにうつぶせに寝転んだ。
当然レイはその傍らに座る。
目を閉じて、ものも言わず、眠るように安らかな表情のシンに、子供を愛しむような気持ちが湧き上がってきて、
レイはそっと頭をなでた。
子供の頃ってこんなだったな。

誰かに頭をなでてもらうのが大好きだった。

好きなものをちゃんと素直に好きだと言えた。

成長して色々なものが見えるようになったけど、臆病にもなった気がする。



「そろそろ帰ろっか」
回想から我に返って、シンは起きあがる。
頭にくっつけた葉っぱを取ってやりながら、同意してレイも立ちあがった。
それにしても美術展はかなり尾を引いて、帰り道でも何かを見るたびに仕掛けがあるのではないかと疑ってみてしまう。
「なーあの標識もめくれたりしないかな?」
「あれは本物だ!」
「このボタン押してみたくならねぇ?」
「非常ベルはまずいだろう…」
574のすたるじあF:2006/09/10(日) 20:52:27 ID:???
他愛無いことを話ながら電車に乗る。10時代なので同じ車両には4、5人しか乗っていなかった。
「レイ、誘ってくれてサンキューな」
「いや、俺もお前と来られて楽しかった」
「なんかさ、小さい頃の宝箱みたいな感じだった。ちっちゃい頃ってさ、大人から見たら大したことないものでも
すげー大事なんだよな」
「ああ、俺もそう思う。俺は小さい頃病気がちで家の中ばかりいたが、あの空間を懐かしいと思うんだ」
そうだ。レイはシン達と出会うまでほとんどを病室と家の中で過ごしていた。
シンの知らない、孤独な世界。
今でこそ、ザフト、連合高校の生徒と交流し世界は広がったが、レイは未だに心許せるものが少ない。
その大切な希少な世界を彼は自分に分けてくれたのだ。
「………!」
とたんに彼に強く想われている実感がして、たまらない気持ちになった。
「あのさ、俺レイのこと好きだからな」
「なんだ、突然、気色の悪い」
「うわっ、ひで!いいんだよ、朝のデート発言の仕返しだと思え」
「デート?なんのことだ?」
「忘れてる?!俺、あの発言のせいで今日一日悩んだってのに!」
「くだらんことで悩むな」
「レイぃぃぃ・・・・・・・・・」
電車の中にいるにもかかわらず、二人は暴れ出す。
「なぁ、紅葉が深くなったら今度はルナ達誘って、山にハイキングにいこっか」
「いいな。今日誘えなかったお詫びも兼ねて」
「でも、今日のことは秘密のままで」
「そうだな、今日のことがバレたら、俺の命が危うい」
「落ち葉一杯集めてベットにして寝転がって」
「ルナマリアとマユとステラにお前は襲われるんだ」
「・・・・・・・・・・・・・、ば、バーベキューもしたいな」
「キノコ狩りもいいな」
「またステラ達が猪や熊を狩るのだろうか」
「ラウも誘うか。喜びそうだ」
「遭難すんなよ」
「お前こそ」

子供の頃の宝物を思い出して、ノスタルジックに浸るのもいい。
今日という思い出もまた、十年後の宝物になるのだろうか。
575のすたるじあ:2006/09/10(日) 20:54:30 ID:???
愛すべき新キャラ達に、優しい話を





いやー、見なきゃいいのにアニメ雑誌見てささくれ立ってたものだから・・・
576通常の名無しさんの3倍:2006/09/10(日) 21:11:59 ID:???
一瞬BLかと思ったがGJ
577のすたるじあ:2006/09/10(日) 21:19:11 ID:???
書いてる自分も思ったから大丈夫orz
純粋にこの二人の友情が好きなだけなんだが、どうもルナがいないと妖しくなるなぁ・・・・
578通常の名無しさんの3倍:2006/09/10(日) 23:36:46 ID:???
スレ違いだって事は分かってるんだ……でも、どうしても俺はこの言葉を言わないと気が済まない


「恥ずかしいセリフ禁止!」

職人さん達GJです!
579通常の名無しさんの3倍:2006/09/11(月) 01:31:40 ID:???
>>575
めちゃくちゃGJ!!

いいねえ。ほのぼのするねえ・・・
580通常の名無しさんの3倍:2006/09/11(月) 04:00:28 ID:???
ほのぼのGJ!!
581通常の名無しさんの3倍:2006/09/11(月) 06:23:29 ID:???
残り容量が、あと8kです。
そろそろ次スレを。
582通常の名無しさんの3倍:2006/09/12(火) 15:01:46 ID:???
ダメだった、誰かお願い
583通常の名無しさんの3倍:2006/09/13(水) 00:46:27 ID:???
584通常の名無しさんの3倍:2006/09/13(水) 02:38:41 ID:???
新スレ乙です!
585通常の名無しさんの3倍:2006/09/13(水) 09:50:52 ID:???
          ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::::::/ ̄ ̄ヽ
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      ∨:.:.:./:.:.:.:.:l  ● l:/  ヽ|  ●     !:.:.:.:.:.:.:.:.:.lヾ'、|  
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埋め
586通常の名無しさんの3倍:2006/09/13(水) 09:52:31 ID:???
                          _   ,. ―- 、
                       /   `Y     ヽー- 、
                       /             l   ヽ
                       /                  |    ヽ                     ┌─┐
 ┌─┐   _            i      l  l       /j、    l                 _  │  |
 └─┘  | |   ┌───┐  . !     / /_l |!       // ヽ l   l┌───┐ ┌─┐   | |  |  │
 ┌─┐  / /   .|     │   l   l    ヽ !  |  /     !l    j |      │ └─┘  / / |  │
 └─┘  / /    └───┘    !   l  ○  ヽ ! /   ○ j    /└───┘       / /  |  |
      //              ハ l l ///   \|   /// l  j /              //  └─┘
 __/ /                ! ヽ ヽヽ   ┌──┐   7 /イ           __/ /    ┌─┐
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                                   ,、、
                                 __,/l~Μ)
                                /   ̄\ノ
                            ,r――|_,_/
                          _// ̄ ´     ̄;:`\
                          '/´      __  ::::ヽ\
、 トヘ∧ィ                     (、::::|::ヽ,   ´ ::::\ .::丶,ヽ
,ゝ    ヽ  ィ                   ヽ,;:! ハ,     ::::|   :::l |
}      `" {     ,―― 、    ,へ,    /l/|ミリ」ニ、_,  ::::|l  ::`l,/    デストロ〜〜〜〜イ!!!
  / ̄ ̄ ̄ ̄/ / ̄ ̄ ̄ ̄/ ̄;/ \__(::::/\_`--';´ ::/ :::::,/
 }    |___,r――┤|_    /´/`\_ ,/∃:;ヽ,_)__ノ| ,/__::,/
 j   / ̄      \フー―,/-'/:::::::::::::ヽl||(:;:::(,/__/|/〕_´_
ノ ィ ヽ、__,r-―-、__, |、   }, /::::::::::::::::::〔_l、 `へ,_::::::::\/ ̄\::)
)     ";, ,       ヽ-ゝ―┴// ̄ ̄´   `ヽ,__ゝ;:::::く,    \
`"ノ、_ゝ⌒              `ヾ;\      フ´   \::::\____ノ;`;,
                     ̄\__、\/       ̄\:::::::::/\
                        `"´           \::::l、   \
キックの先はきっとハイネかミゲル埋め
587通常の名無しさんの3倍:2006/09/13(水) 10:16:57 ID:???
                 ,、
              __,l::'、  ,. -―-;.、__
             /:::::``ア´:::::::::::l:トゝ;;:):):ヽ
               l:::::::::/:/:::::l::;、::{``  イ::::::::',
              /:::::::;{/ヘ::::::トlzミ、  -ノィノ:::l
           /:::::::/_ノ::::ヽゝ ゞ┘ , fぅ7::::/
         r'"´:::::::ノ  ヘ;:l弌`   r、_ `ゞ‐r'
         ヽr'´ ̄    `ゝ_!ヽ   `‐'_ノ::/
          `        l  ` T、lイ:::;'
                 ,rノ  //`ゝ、l
                 r'フ/ /./    ヽ、
              ,.-;'"´,.-''´ . l       \
            /. { ,r'′   l r‐- 、     \
            '、 `´     ノ'′ /`ヽ、    \
             7''''ー―‐''‐ニニy'ヽ  丶、    \
                  l          ,イ゙ /    ゙ヽ、__  }
                 l       /ハ} /      l     l
              l       {~ /       l   /
.               }       '、/          !   ,'
.               {          \        l   ,
                ', i        `ヽ、     l'   ,'
                 ',、         ノ 丶  j   ,'
               lヽヽ、___,.-‐'´ ,,.....,ヽ‐'  /

夏も終わり
588通常の名無しさんの3倍:2006/09/13(水) 10:18:14 ID:???
                     ,.-‐''''''''−、
                    /::::::::::::::::::::::::\
                  /:::::::::::::r';ニニ==ミ、
                  l:/:::::::::::`:::::::;、:::::::::::::ヽ
                  ゙l:::::::::::l:::l;:::l::'、ヽ::::::::l::l
                  l::::/::/zlミ、l、トヽフト、:lノ
                  ゙Y:::::'、ゞ' `゙ `7:::リ
                    ';:lヽ;ヽ r‐ァ,.イ:::::}
                   ヽヽ、l``ーイ/イ:/
                 ,.-―r;ヾ′   l゙r'" ̄`ヽ
                /  //     j_l       ',
               /  ,.-' ヽ  /‐'"´☆ヽ /   l
              /  / ☆ ヽイ☆    ☆! l,   !
               , '   .ス☆ /~ヽ、☆   ノ ,l    l
           , '    , ' `r''´      ̄ ゙̄ヽ7 l.   l
          ,イ- 、 /   ,',             ,'  l     l
          { ヽ,  }__ / ,ヘ         ,'   l   l
             ',  >   `く }        {     !    l
           l/ ’ ’    ゙7   l     ヽ .  ',    !
           {r'" ̄`ヽ、_」   l      ヽ  l   ',
             '、      l    '        ヽ. l     !
            lヽ、__,イj             ヽ,   l
.             l  l  //l,`ー-、_      __,,..-riヽ、 |
               l  '、  ~./ ヽ、☆  ̄ ̄ ̄☆ ,.-‐1f十   |
             l  l l  ,l   \☆ ☆  /   `゙1,   l
            l ノrヽ l     ヽ、☆ /      |l  l
            ' 、 l }ソj         ~フ7        ll  l
               ̄ .!       /.|       ノ   l
                l       / . l         /    |


589通常の名無しさんの3倍
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       r{┐   ,彡´-‐ ァ}:.:.:.:\_ - z __,
        ヽ┘  /:.'、_ニニ-':.:.:.:.:.:.:.:ヽ.     ` ー-z
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              { l    `   ''" ̄`ヽ| _´_  /
              ゙l   /           j/ } . /
     ___,,. --、    !        U  _ノ.ノ/
     /     -、`へ_ヽ tニニ'''ー、   _,、‐''/
    / r= ' ´ 7  rー‐ヘ    ̄ _- '´ ∨/ヽ
.    j 〃    /   |    ヽ - '´     ヽl  Y⌒ー''´
   |ll |   /   |ヽ   ヽ    l      |   |===
   ノ〃|   l   | ヽ、_  l    /   _,イ  |
  _」{{  |     |    |    丶   _∠ - ´ /  |   /
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  {    ヽ  |.    |             /    | /
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