機動戦士ガンダムSEEDMSV閃光のサイ第三章

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1通常の名無しさんの3倍
2通常の名無しさんの3倍:2005/06/21(火) 18:07:11 ID:???
3通常の名無しさんの3倍:2005/06/21(火) 18:07:22 ID:???
ストーリー
C.E71
アークエンジェルを降りフリーになったサイは、旅に出ることにする。
所が道中旅銀が盗まれてしまい途方にくれているところに、かつての友カズィと再会する。
カズィの紹介によりサイは大阪市西成区の小さな居酒屋おとみで住み込みで働くこととなったのだが、
その数ヵ月後、大阪府を中心に京都府、兵庫県、滋賀県、奈良県、和歌山県の関西2府4県が地球連合及びオーブ、プラントに
対し独立を表明し「関西自由民主主義共和国」が誕生する。
更に堺市、東大阪を中心とした「東大阪工業事業団」を設立し独自企画のMS開発に着手する。
そして1ヶ月後、議長服部は行きつけの酒場おとみでかつてアークエンジェルのクルーだったサイ、カズィをスカウト
己の力を信じ亡きフレイを弔うべくサイは再び戦場に戻ることを決意するのだった。
4通常の名無しさんの3倍:2005/06/21(火) 18:09:01 ID:???
キャラクター紹介
サイ・アーガイル[CV:白鳥 哲]
かつてのキラの同級生、ヤキンの戦役後アークエンジェルを降り放浪の旅へでる。
その途中でカズィと再開し大阪市西成区の居酒屋おとみで住み込みで働くととなる。
しかし、議長服部のスカウトもあり「関西軍」に入隊し座長に就任する。

カズィ・バスカーク[CV:高戸靖広]
地球連合軍がオーブ侵攻の際に、状況に流されること無く自らの意思で艦を降りることを決意する。
その後、避難船がたどり着いた先は大阪市南港、ひょんな事から関西で暮らし始める事となる。
日雇いの街西成で土木建築の等をこなしながらワンルームのアパートを借りる事に成功。
居酒屋おとみは仕事仲間の先輩によって連れて行かれたもの。
しかし、そこで服部と出会い関西軍へとスカウトされる事となる。
ちなみに役職は愚連隊副隊長。
5通常の名無しさんの3倍:2005/06/21(火) 18:09:54 ID:???
主力MS達
MBF−K01 Ψ(サイ)ガンダム

EOIC(East Osaka Industrial Corporation)が開発した最初のMS。
オーブの技術を流用した部分が多く、形式番号もそのまま。
スペック的にはPS装甲付きのM1アストレイといったレベルだが、
サイのストライク搭乗データから考案された姿勢制御システム、
通称「ドゲザ・ザー」を搭載しており、抜群の安定性を誇る。
因みに形式番号のKは関西の略。

MBF−KM01 ミクラス
EOIC初の量産型MS。連合のウィンダムに対抗すべく、飛行性能と
生産性を追及した。装甲が薄く、盾も脆い為にパイロットから
敬遠される傾向にあり、後継機の開発が待たれる。
形式番号の後方のMは量産(Mass Production)の頭文字。
某ウルトラマンのカプセル怪獣が名前の由来なのは言うまでもない。

MBF−KM02 レイアース
いまいち不評なミクラスに続いて開発された量産機。
ミクラスが量とすればこちらは質でウィンダムに対応する。
主武装はレーザー対艦刀と対装甲散弾砲。盾にはラミネート装甲を採用。
高コストな為量産には向かず指揮官にのみ配備されているのが現状。
某漫画の光の魔神が名前の由来なのはこれまた言うまでもない。
6通常の名無しさんの3倍:2005/06/21(火) 18:11:13 ID:???
新造戦艦しまかぜ
境港ドッグで就航された関西軍最大の戦闘艦。
ヤキンでの連合軍艦ドミニオン残骸の回収はそのコストを最小限に抑える事できた。
オリバー艦長からのたっての希望で45口径94式46cm砲3連装3基を副砲として採用。
その他装備:陽電子破城砲ローエングリン、225cm2連<ゴッドフリートMK71>、
110cmリニアカノン<バリアント>、アンチビーム爆雷、艦尾大型ミサイル<コリントス>、
対空防御ミサイル< ヘルダート>、75mm対空自動バルカン砲塔システム イーゲルシュテルン
無論、MS運用を年頭におかれており格納数はドミニオンの2倍と多め

ミネルバ級二番艦おとみ
プラントからの技術協力を受け建造された関西軍の最新鋭戦艦。
一番艦ミネルバの特徴であるインパルス用のカタパルトを廃し、MSデッキにすることで、
MSの搭載数を大幅に増やすことに成功した艦である。
また、陽電子砲ターホイザーを初めとする多数の火器を搭載しており、戦闘力も高い。

艦名の「おとみ」の名はプラントから来た技術者が、居酒屋おとみのおでんの旨さに感銘を
受け、この名をつけたといわれている。

7通常の名無しさんの3倍:2005/06/21(火) 18:17:13 ID:???
MBF−KJ001 ドムハイパー
東大阪事業団屈指のベテラン技師堀越三郎が監修した関西屈指の名機。
かねてからの目標であった低コストハイスペックMSに相応しく、
ベースはジンとタガーの残骸のみで作り上げられている。
そのため生産コストはザフト軍ザクウォーリアの半額とリーズナブル。
ホバーによる高速戦闘のみならず局地戦、長中距離でも単純な武装換装により可能。
メインの武装はビームサーベル、コンパクトバズーカ、ビームピストル
汎用性に優れ関西のゼロファイターの呼び声も高い。

MBF−K2-X200 プロトRe カズィ
Re カズィ KAN−ψガンダムの開発途上で作られたテスト機
メインパイロットは浜田

MBF−K2-X201 Re カズィ
EOIC(East Osaka Industrial Corporation)が宇宙空間専用に開発したMS
ムラサメをベースにインパルスのシルエットシステムを参考に独自改良BWSを利用した
した簡易変形システム(ドゲザ・ザー改)を持つ、三種類のBWSを換装することにより三形態のMAに変形可能
また、モビルスーツ単体でもΨ(サイ)ガンダム を遥かに凌駕する戦闘能力を秘めている
変形システムはムラサメというよりGAT-X370 レイダーに近い
その秘めたる力に関西軍の未来の礎を託さんとカズィ・バスカークに与えられる。

MBF−K02 猛獣王ライオン丸
EOIC(East Osaka Industrial Corporation)が開発した2番目の試作MS。
バクゥやラゴゥの残骸をベースに改造改良が加えられた機械の猛獣。
高性能ホバーの採用により高機動力に優れ高速戦闘は18番、又背中の砲塔は3門に
増やされ、砲塔を交換する事により様々武装に換装が可能となっている。
メインパイロットは現在美雪

KAN−ψガンダム
カンサイの名を冠する関西軍の切り札。
来るべき東アジア関東支部との最終決戦用にψガンダムを改良して作られた。
禁じ手である核エンジンを搭載している。


8通常の名無しさんの3倍:2005/06/21(火) 18:19:52 ID:???
服部半蔵(45)[CV:古谷徹]
プラント生まれのコーディネータ。
ヘリオポリスのガンダム強奪事件に巻き込まれ、避難カプセルで地球へ脱出に成功する。
当初はナチュラルの存在を疎ましく思っていた彼だったが大阪の人情に触れ、大阪という街に惚れ込む。
そして、この大阪の人情こそが世界を恒久の平和に導けると考え、同じ考えを持つ関西独立運動に参加。
「関西人による人情的人類の管理運営」を合言葉に関西2府4県を説得、そのたくいまれなる才能と人望から
関西自由民主主義共和国初代議長に就任し東大阪工業事業団、関西独立軍を結成する。
行きつけの酒場おとみは格好のスカウトポイント 

倉本都美子(27)[CV:皆口裕子]
大阪に生まれ9歳の時両親を死ぬ別れ、11歳で妊娠という凄まじい過去を持つ女性。
生きるために波乱万丈の人生を短期間で行なった彼女だが、20歳の時に当選した宝くじで
土地を購入し居酒屋おとみを開店する。
自慢のおでんは知る人ぞ知る名店、西成という土地柄もあり日雇い労働者で店は常に繁盛している。
サイが来たお陰で店の方は安定したもの二人の娘たちが・・・・
彼女の心配は尽きない限り
9通常の名無しさんの3倍:2005/06/21(火) 18:21:00 ID:???
10通常の名無しさんの3倍:2005/06/21(火) 18:23:11 ID:???
倉本雪見(16)[CV:國府田マリ子]
倉本家双子の長女、おっとりした性格で少々天然ボケの少女
通信制高校に行きながら居酒屋おとみを母と共に支えていたが母都美子は
安定した就職先を望み服部に相談した所、関西軍幹部候補生試験の受験を薦められる。
本人はあまり乗り気ではなかったものの妹と共に採用。
MSパイロットとして愚連隊に配備されることとなる。
サイが少々気になるのはご愛嬌

倉本美雪(16)[CV桃井はるこ]
倉本家双子の次女、超強気の暴走少女で姉とは欲甲乙をつけられている。
都美子にしかられる事もこっち方が断然多いが一向に反省していない(いい意味ならさっぱりした性格)
通信を卒業したらアニメーション系の専門学校に行きたいとダダをこねたが姉と共に受験させられるハメに・・・
鉛筆を転がしワザと落ちようともくろむも見事合格し姉と同部隊に配属される事となる。
隊長のサイや副隊長のカズィを無邪気にいじめまくります

オリバー・カーン(66)[CV青野武]
コディネータでありながら海を愛する海の男、地球の海を守るべくオーブ軍に長く在籍していたが
開戦を数ヶ月前に定年退職する。
子供達も独立し妻と共に平穏な暮らしを送る予定だったが開戦によりオーブから遠く離れた関西へ移住し、
シルバーセンターから紹介されたダンプカー運転手として働いていたところ。
関西軍設立の知らせを聞きつけ賃金のよさから転職。
オーブ軍時代の艦長経験がものをいい新造戦艦しまかぜの艦長として第一線に復帰。
相当のヘビースモーカーでお気に入りのパイプは常に持ち歩き戦闘時には常に口元で煙を吹かしている
浜田 松本
関西軍のTOPエース、後に松本はお富の艦長 浜田はパイロットとしてサイと行動をともにする
11通常の名無しさんの3倍:2005/06/21(火) 18:49:14 ID:6WQ04zLu
こんどはおちなきゃいいんだが
12通常の名無しさんの3倍:2005/06/21(火) 18:59:57 ID:???
●キラブリッジ大佐による下げ方講座
____      ________             ________
|書き込む| 名前:|             | E-mail(省略可): |sage           |
 ̄ ̄ ̄ ̄       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄               ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                                      / ヽ ココ!!
                                     ゝ ノ
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\      、从,       / /
| メール欄に半角で「sage」と   |       n_      / /
| 入れるんだ!!           |       (  ヨ    / /
| おまいら分かったか!?.     |       | `|     /⊂//
\                    \       | |    /⊂//
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄    / ノ ̄ `/  /
                   +   + / / イ  O○ヽ
                      +   ( `ノ )/(/|  |'^ \ \
                   + +   (、Д , <'''!|  |   \ \
                       ((,、)从) .|  )    |  )
                    +   ヽ__,.__ _ / /    / /
                             / /     ∪
13通常の名無しさんの3倍:2005/06/21(火) 20:22:00 ID:???
新生ロシア帝国
再構築戦争時、旧ロシア軍将校ロマゾフがサハリンに建国した帝政国家
北海道を占領しようとするが戦争末期ユーラシア連邦に反乱軍として討伐
約60年後復活関西占領と新エネルギー水素エンジン確保を目指す
首領、三代目皇帝イワン・ロマゾフ(若き皇帝、シスコン
幹部その一、セルゲイ元帥(まともな軍人
幹部そのニ、エカリーン・ロマゾフ(妹、勝気、ブラコン
雇われ幹部、金銀仮面(忍者
14通常の名無しさんの3倍:2005/06/21(火) 20:27:06 ID:???
金銀仮面

関西壊滅を企む謎の忍者
催眠術を極めた怪人
議長暗殺計画でアバーシリ牢獄の囚人と関西を襲撃
その後も新生ロシア帝国、ハニワ王国、九鬼海賊団などの
関西を狙う勢力を影で操り関西に立ちはだかる
15通常の名無しさんの3倍:2005/06/21(火) 23:36:29 ID:???

   ⊂二⊃   
   -‐ー、、、vへ
  「 ヾへWヘリ
  (6ミー=-=|  保守
   lミ..  ー ノ    
   /"""""\
   |__|__|\|つ
   U.|  . |
    ヽ  | |   
     )ノノ 
     V´
16通常の名無しさんの3倍:2005/06/21(火) 23:41:55 ID:???
前スレ早っ
17通常の名無しさんの3倍:2005/06/22(水) 00:05:21 ID:???
容量かせぎしないから即死したとおもわれ
18通常の名無しさんの3倍:2005/06/22(水) 07:13:49 ID:???
SEED最もまともなキャラサイのスレがないですがここでいいですか?

それにしてもオーブにサイとまったく同じ見た目のキャラがいるんですが。
サイってこのまま出てこない?!
アストレイにも出ていないの?サイ好きなんだがなぁ
19通常の名無しさんの3倍:2005/06/22(水) 16:18:58 ID:???
ネタスレですから
ゆっくりくつろいでください
20通常の名無しさんの3倍:2005/06/22(水) 16:25:29 ID:???
     .┌━┐    ┌━┐
      ┃┌╋──╋┐┃
      └╋┘    └╋┘
        ┃ ・   ・  ┃        ┌━━┐
    ●━╋┐    ┌╂━━━━╂┐  ┃
    └━┷┴━━╂┘        └╋━┘
同じスレにはコピペ ┌╋┐        ┌╋┐
できるけど、違う  ┃└╋╋━━╋╋┘┃
スレにはコピペでき ┃  ┃┃    ┃┃  ┃
ない不思議コピペ ┃  ┃┃    ┃┃  ┃
           └━┘┘   └└━┘
21通常の名無しさんの3倍:2005/06/22(水) 16:58:58 ID:???
闇に染まった施設でサイはもがいていた。
己の肉体は幾度の実験で傷だらけとなりもはや心を失っていた。
彼は自ら強化人間になることを志願したのであった。
サイは悟った。2年前自分の無力さをただ見てるだけしかできなかった自分。
自分の気持ちを抑えフレイを失い日常の平和は崩れた。
そして今黒いスーツにバイザーをした黒き騎士が今立ち上がる。
わずかな生命を知りながら黒き翼を持つMSブラックフリーダムを駆り立て今
この戦乱に大きな剣が舞い降りる!
彼は何を求めどこへ進もうというのか?!
ジブリール「ふっふっふ逝くのだ!あの忌々しいナチュラルどもを!!あの訳のわからない
アークエンジェルを叩け!!壊せ ふふふふ」
今始まる 新たな戦況へと進もうとしていた...
22通常の名無しさんの3倍:2005/06/22(水) 17:33:04 ID:???
ジブリール「さぁSAIナチュラル共の街をまずは焼き払え!」
サイ「・・・」
ジブ「おいっ!聞こえているのかぁ!さっさとやれっ」
サイ「...貴様に指図される覚えはない!俺は復讐の為にお前らの力を利用させてもらっただけだ...」
ジブ「なぁんだとぉおいっ!奴の精神脳波は制御できているはずではないのか?!」
オペレータ「SAIの脳波レベルが上昇中 駄目です!制御できません。馬鹿な!自らの精神力で
制御を拒んだ。駄目です既に暴走状態 コントロールできません」
サイ「俺は行く,,,復讐の為に奴を殺す!」
するとサイの黒いフリーダムから大きな閃光が放たれたと思うと街、都市、周囲20kを破壊しつくした

アークエンジェルでは
マリュー「キラ君!大変謎の黒い機体が都市で暴走しているわ!?」
ミリィ「照合します...あっあれはフッフリーダム??!」
キラ「なんだって?!なっなぜフリーダムが!?」
ミリィ「黒いフリーダム?!キラとにかく急いで!」
マリュ「キラ君理由は分からないけどお願い!あの機体を止めて!!」
キラ「分かりました すぐに発進します!」
キラ「キラヤマト フリーダム いきます」

サイ「・・・奴が来る!」
23通常の名無しさんの3倍:2005/06/22(水) 17:44:34 ID:???
キラ「止めろ!誰が乗っているんだ!?なぜフリーダムが!!」
サイ「・・・」
キラ「何も答えないというなら!」
フリーダムはサーベルで振りかざした瞬間、ブラックフリーダムは
瞬時にシールドで防御し足蹴りをフリーダムに食らわせる
キラ「っく!! 早い!」

サイ「...キラ お前弱くなったんじゃねーの?...」
キラ「!?!サッサイなのか?!何故君が!?何故?」
サイ「キラ...お前は俺から何を奪ったか知ってるか?」
キラ「サイ!!なぜそんなものに乗っている!早く降りるんだ!どうしてなんだ」
サイ「俺の質問に答えろ...」
キラ「サイ!!何故だどうして?!」

サイ「そうか、お前は答える気がないのか...っふ俺は心の奥底でずっと耐えてきた
お前にもたらされた屈辱、苦痛!お前がいなければ...俺は平和なひと時を過ごせた
お前は俺からすべてを奪った...だから俺もお前からすべてを奪う...」
キラ「サイ?!」

サイ「・・・勝負だぁ!」
ブラックフリーダムが先行しフリーダムのメインカメラを鷲掴みにするともぎ取った!
キラ「くぅう あああっ」
フリーダムは地上へと叩き落とされた。
フリーダムを凌ぐ性能に圧巻されキラは何も声がでなかった。

サイ「ふっふっふ さぁ立て、これからだ...」
今始まる。復習鬼となったサイとキラが対峙する!
24通常の名無しさんの3倍:2005/06/22(水) 17:55:05 ID:???
キラは数秒間動くことすらできなかった...
キラ「僕がここでやられたら守るものも守れない!たとえ
昔の仲間でも!」キラは種割れ発動!
キラ「サァアアイ!!」
サイ「それでいい、ようやく本気という訳か。初めからそおしろ!」
冷たくサイは独り言のように言い放つとブラックフリーダムは対処よく身構え
攻撃に備える。
フリーダムの特攻をシールドで防御だがブラックフリーダムのバランスが崩れる。
サイ「っふ...面白い!」不適な笑みとともに戦いに快楽を覚えていくサイ
ブラックフリーダムはフリーダムにバルカンで牽制する。
フリーダムは尚を向かってくる。
キラ「サイ!君をやらなきゃ平和はこない!」
サイ「・・・無駄だ...」
ブラックフリーダムは無理な体勢からビームライフルで的確に腕を翼の一部を狙う
フリーダムはバランスを崩しその隙を突き蹴りを食らわす

キラ「動けぇえ っくぅう」
サイ「どうだ...お前がしてきたことだ。」

混迷の先に待つ決着の行くへは??
25通常の名無しさんの3倍:2005/06/22(水) 18:32:42 ID:3dC0TNzB
ワロタわ
面白いな

上げる
26通常の名無しさんの3倍:2005/06/22(水) 23:22:23 ID:???
俺の夢の1シーンを元にSS書こうかと思ったんだけど
このスレSS投下OKかね?
27通常の名無しさんの3倍:2005/06/23(木) 02:45:13 ID:???
dat落ち去れるくらいなら盛り上げて欲しい
28通常の名無しさんの3倍:2005/06/23(木) 06:30:21 ID:???
||: : : : :| l;;;;;;;;;;;;;l;;;;r-_,,.. --――- 、---- 、;;l;;;;;;;;;;l |: : : : :||
    ||: ━ : | l;;;;;;;;;;;;;l,. =''         `ヽ、;;;;l;;;l;;;;;;;;;;l |: :━:||
    || : : : : :| l;;;;; ,rニィ /            ヽ;;;l;;l;;;;;;;;;;l |: : : : :||
    |ー┐ : :| l;;; 彡               ヽ;l;;!;;;;;;;;;l |: :┌┘.|
    |  |: : : |;;;;∠ , ,/ / ,,. -ァ,.. ァ,..:z/1 .ヽト|;l;l;;;;;;;;;;l |: : |  .|
     l___l_: l、 彡/イ/'"         リ//;;;;;ll;;;;;;;;;/ー---/
      \  \ \ ミlヘ'-ニ=、__j 、_,,ニゝl/イ;;;;;;;|__/_/  /
       \ ,γ⌒ヾ.、ヾ={'゙亠' )-‐-('^亠'_}='ノ;;;;;,γ⌒ヾ.、 /
         { i    i };;;ゝl  ̄ |ヽ  ̄  !'";;;;;{ i    i }<オレがストライクで出撃して
         ゝヽ_ノ_/__,-iヽ、 ,..: -、  /-、_ゝヽ_ノノ       自由をやつけてやる
     _,. -'''"^`┬一1 _ノ! \ヽ='' / |__/ ̄ ̄/~  `丶 、
 _,. -'''"  , -''"~ |___|~_  ヽ  ;iー イ  /  r'ー―-/ `ヽ、 _`ヽ、
 !ー--r / ヽ  「 __ |ー'^ ヽ/  | l_/~ー/ __ /  /ヽ |   ̄|
 |   | /   \ | |  | |    ヽ | /   / /  / / / ノヽ|  |
  |   |/ \   | | | |!    | /   / /  / /_// /ヽ   |
 | /_/    | |  | |    |/   / /  / /      ̄ヽ\ |
 / ̄     ヽ | |  | |    |/   [//  / / \       ̄ \
/\      /l| |__| |    |   /  ̄~ //|\       /\
29通常の名無しさんの3倍:2005/06/23(木) 20:28:38 ID:???
平和の国ヒロシマズ

世界で初めて打たれた核の恐怖から、中立国として双方にあいまいな態度をとっていたヒロシマズ、、、しかしヒロシマズは資源プラントミヤジマで極秘にGの開発を進めていた・・・
30通常の名無しさんの3倍:2005/06/23(木) 20:30:31 ID:???
TVシリーズ  機動戦士ガンダムSEEDDESTINY MSV〜閃光のサイ〜
第1話「おさらばで御座います」

ヤキン攻防戦から1週間…停戦条約により世界は一応の平穏を取り戻した。
そしてこの場所はオーブの地下ドッグ、マリューとサイの2人が話している。
「どうしても降りるの?」と問うマリューにサイは「はい」と言葉少なにこたえる。
「カガリさんの計らいで私達AAのクルーはオーブへの移住が許可されてるし…カガリさんの弟であるキラ君
 まではいかなくても、住居や職などの面でそれなりの待遇を受けれるわ。」
そんなマリューの言葉にサイはふと(待遇か…そんなとこでもキラにはかなわないんだな……)と思った。
「サイ君?」少しボーっとしていたサイにマリューはさらに話を続ける。
「それとも…キラ君とのことで……?」
「いや、キラは…すいません、関係ないって言ったら嘘になります。キラとはフレイの事で色々あったし、
 それを許す事も忘れる事も今のオレにはできません…。」
しかし、それ以上にサイは今の世界を見たい、という強い気持ちがあった。戦争の事なんて気にもせず過ご
していたヘリオポリスの学生の頃から、今までに自分が見てきた事はあまりにも衝撃的なものが多かった。
何も考えていなかったあの頃から少しは変わる事ができた。今オーブに残るとまた前の自分に戻ってしまう
のでは?自分はもっと知るべき事があるのでは?その気持ちがサイにはあった。
それを話すとマリューも納得して「頑張ってね」とサイに優しく声をかけた。その後、サイはAAのクルー
でも親しいメンバーに別れを告げ、オーブを旅立った。
オーブから出航した船の中でサイは考えていた、これからの事を。とりあえず、最初にサイが向かったのは
オーブと同じ言語を使用するアジアの日本だった。

(日本か…オーブと同じ言葉を使うらしいけど、どんな国なんだろうな。いつか…この旅が終わってオーブ
 に帰る時、オレはキラを許せるようになっているんだろうか…。戦争が起こってなければ、オレとキラは
 あのまま友達でいれたのかなぁ。フレイとも婚約者でいれたんだろうか…こんな事考えるのはよそう。今
 でもキラはオレの友達さ。この先いつか、また笑顔で話せるさ。)
しかし、歴史は2人に時間を与えない。2年後2人は再会を果たす、戦場で、互いに敵として…

初代からコピペ
31通常の名無しさんの3倍:2005/06/23(木) 20:32:01 ID:???
TVシリーズ  機動戦士ガンダムSEEDDESTINY MSV〜閃光のサイ〜
第2話「再会、恋の街大阪 前半部分」
オーブからの連絡船は、丸一日海上を走り続け西宮に定刻どおり到着した。
「本日も新甲子園フェリーオーブ〜西宮航路をご利用いただきありがとうございます。西宮、西宮です」
サイはリュックを背負い、列に並んで下船していく。
「うぁ・・・」
外に出たとたんソースが焼ける匂いが外に出たとたん鼻をくすぐる。
ワンボックスのワゴンを改造した荷台で焼きそばやらたこ焼きを焼いているようだった。
32通常の名無しさんの3倍:2005/06/23(木) 20:33:35 ID:???
TVシリーズ  機動戦士ガンダムSEEDDESTINY MSV〜閃光のサイ〜
第2話「再会、恋の街大阪 後半部分」

オーブを発つ前にネットで調べたが、日本という国は少し複雑な事情をもった国だった。
サイが着いた西宮をはじめ関西と呼ばれる地域ではナチュラル、コーディネーターはあまり区別される事なく
暮らしている。特に大阪などは在日のコーディネーターが多く、大阪の東側は優れた技術を持った企業・技術
者が多い。
しかし、関東と呼ばれる地域は全く違う。関東はブルーコスモスの活動が激しく、コーディネーターという存
在は許されない。もともと日本は平均・安定を求める国民性であるらしく、ましてや遺伝子操作を受けて優れ
た能力を有するコーディネーターというものを認める事はできないのだろう。ネットでは「とある事件が発端
で関東のブルーコスモスの活動が今のように過激になった」ともあった。その「とある事件」が何なのかまで
は書いていなかったが…。
しかも、サイが日本に着く1週間ほど前に大阪のコーディネーター優遇の実態が明るみに出て、関西でも反コ
ーディネーターの風潮がナチュラルの間で高まってきている。
サイは当面の宿泊先施設を決めようと梅田という街の方まで電車で行ってみた。
「ぅわ!なんだあれ?遊園地でもないのに観覧車?よくわかんないけど、日本の人ってああいうのが好きなの
 かな?とりあえずホテルを探さないと…にしても人が多いな。」
その日が日本では休日だった事もあり、梅田はかなりの人がいた。地理のわからないサイは人の波に流され、
気がつけば迷子になっていた。
「ハハ…どうしよう。とりあえず「交番」ってやつを探そう。日本じゃここで道を教えてくれるらしいし。」
交番を探してる間にサイは反コーディネーターのデモ活動をしている集団を見た。
(反コーディネーターか…オレもあんなふうになってしまえば、キラとの事で悩むこともなく、もっと楽なの
 かもしれないけど…。それは違うって、なんか思うんだよな…。)
そんな事を考えながらサイは歩いていた。そして信号待ちの時に後ろから声が…
「あんた!さっきからこの辺りうろちょろしてるけど…もしかして迷子?日本人ちゃうやんな?目の色違うし。」
声に驚き、振り返ったサイの目の前には軍服姿の1人の女の子が。
「うちでよかったら、案内してあげるで。てか、ついてきた方があんたのためやと思うしついてきぃ!」
そう言うと女の子はサイの手を無理矢理ひっぱり歩き始めた。
「え、あ…ちょっと!」と驚きながらも、ついていくサイ。
少女の名は山田華子。関西軍精鋭が集う吉本部隊の女性パイロット。この少女との出会いがサイを再び戦場へと向かわせる・・・。
33通常の名無しさんの3倍:2005/06/23(木) 20:35:15 ID:???
TVシリーズ  機動戦士ガンダムSEEDDESTINY MSV〜閃光のサイ〜
第3話「何も考えずに入れ!」

見知らぬ少女に手をひかれ、サイは大阪の街を歩いていた。ふいに少女が話し掛けてくる。
「そういや、自己紹介まだやったね。うちは山田華子って言うねん。これでも関西軍のパイロットでMSに乗っ
 てるんやで。」
「関西軍!?確か日本には軍隊はないんじゃ…?」
「正確には軍隊とは違うねんよ。国防隊って言うねん。あくまでも自衛力であって、戦力ではない、みたいな。
 でも、中立っていっても武器やMSを持ってることには変わりあらへんけどねw」
オーブと似ている。サイはそう思った。オーブも他国からの侵略に備え軍隊をもっていた。そしてその力に目
をつけられ、連合に滅ぼされてしまった。いつかこの国もそうなってしまうんでは…? そんな不安がサイの
脳裏をよぎる。華子は話を続ける。
「あんたコーディネーターちゃうやんな?」
「いや、違うけど…?」
「よかった。あんたは知らんかもしれんけど、最近大阪でもブルーコスモスがやたら活動してんねん。瞳の色
 が違うだけで襲うアホもおる。普通の外人もおんのにな。あんなとこでうろちょろしとったら、余計にやで。軍
 のうちとおればまだ安心やから連れてきてん。」
しかし、サイは自分達が今どこに向かっているのか気になっていた。華子に尋ねてみると意外な返事がきた。
「関西軍の訓練所が千日前ロードの少し脇にあんねんけど、そこにおいしいタコヤキ屋さんあんねん。そこやで。
 タコヤキ食べながら、あんたの話聞かせて。まずはそれからや。」
なぜタコヤキを…?と疑問を抱きながらもサイは華子にひっぱられるがまま歩いていった。そして、サイは自分
のこれまでの経緯、そしてこれから何をしようとしているのかを華子に話した、タコヤキを食べながら。
話を聞き終えた華子はサイに1つの提案をする。
「なんや、あんたそれやったらうちに来たらええやん!」
「えぇ!?うちって関西軍ってとこに?」
「そうそう。うちに入れば戦争について考える事もできるし、AAにおったっていうあんたの経歴を活かす事もで
 きるし、一石二鳥やん。それより、AAにおったって事はフリーダムのパイロット知ってる?ヤキン攻防戦での
 英雄やったさ。知ってんねんやったら、どんな人か教えてよ。」
その質問にサイは少し下を向いた。
「ごめん…フリーダムのパイロットの人はAAじゃなくて、違う艦に乗ってたから知らないんだ……」
「そうなんかー。まぁそりゃしゃーないな〜。それより、うちへ来るって話どう?」
散々迷ったすえにサイは関西軍に入る事を決意した。初めて来た国で初めて知り合った人が軍関係の人間
というのも1つの運命かもしれない、と。
手続きに関しては【西成兵役登録所】という所で驚くほどすんなり済んだ。なんでも関西軍には日雇いという
システムがあるらしく、手続き自体はそう時間がかからなかった。
こうして関西軍に籍をおいたサイは後に関西軍が秘密裏に製造している最新のMSと運命的な出会いを果たす。
34通常の名無しさんの3倍:2005/06/23(木) 20:36:28 ID:???
後半
「もうあいているかな?」
爽やかな声で一人の男が入ってきた。
「ああ、服部さんどうぞ、どうぞ・・・」
冷えたグラスをカウンターの端に置くと雪見はビールの栓を抜きグラスのうまそうに注いだ。
この男、服部半蔵は関西独立を目指す中心人物でありこの居酒屋おとみの常連でもある。
いつもの指定席に座ると雪見に注がれた冷たいビールをグッと飲み干す。
まさに、この一杯である。
「やっぱり、雪見ちゃんに注いでもらえるビールが一番うまいよ」
「また、服部さんは!」
テレながら店のカウンターに入ると冷蔵庫から大きなまぐろの塊を取り出した。
「そうそうええまぐろを卸で見つけて、どうです?」
「お、いいねじゃあ刺身でもらうか」
「はい、雪見頼むな」
「は〜い」
ツーカーのテンポで機敏な行動がとるふたりを服部は優美に見つめている。
その時、表から賑やか声が近づいてくる。
「いらっしゃいませー」
勢いよく、ドアを開けると日雇い兵数人と正規兵が入ってくる。
関西軍の兵隊は直ぐに見分けがつく、日雇い兵は青つなぎに安全靴、ヘルメットという井出達だからだ。
「あら、カズィちゃん、またたかられてんの?」
正規の軍服に身包んだカズィは苦笑いを浮かべた。
35通常の名無しさんの3倍:2005/06/25(土) 00:17:05 ID:???
ジュリは聞いた、「今でもキラやフレイを憎んでるの?」
サイはうつむいた。
しかし、少し微笑んだ後、「いや、憎んでなんか無いよ、友達だもの」
とハッキリと言った。
「キラが言ったんだ、僕にはフレイをどうすることもできなかったって
 僕に出来ないことを君は出来るんだ……ってさあ」
サイは続けた。
「調子いいよな……でも、やっぱり、本当は俺にしか出来なかったんだ、フレイのことは」
サイはジュリを見た。
「キラってさ、なんでも出来るように見えて、結構ダメなヤツなんだよ」
サイは思った、あいつはすぐに後悔する、すぐ悩む、すぐ流される、それでいながら、
俺達みたいなできない立場の人間を考えない……まぁ、俺達も少なからずそういうとこあるだろうけど。
「だからさ、……もしまたアイツがそういう事になったら
 今度こそ殴ってやろうと思うんだ、それは俺にしか出来ないから」
サイはビールを店に運んだ。

キラ、カズイ、ミリィどうしてるかな……そしてトール、フレイ、見ててくれるか?
サイは空を見上げた。

上空をウィンダムが飛んでいく。
オーブにまた夏が来るのだ。

36前スレストーリ:2005/06/25(土) 00:18:09 ID:???
関西の独立を受けて、東アジアからサーペントテイルの傭兵、ムラクモガイが派遣された。
整形したチャンドラと間違えておとみにつれ込むサイ。

メガネとグラサンの話で盛りあがる二人。

そんな二人を尻目に焼き鳥の「つくね」を作り続けるカズイ。
ロウ・ギュールのことをちょっとだけ思い出すジュリ。

「関西がさー、Ψ(サイ)ガンダムっていうのを作ってるんだ」
「へー、さすがチャンドラさん、情報戦担当だけありますねー」
「だから俺はそんなドラえもんズみたいな名前じゃないって」

重要機密をうっかりばらしたガイ。
いつになく酒が進むサイ

そして、関西の重要機密を録音するカズイ。

こうしておとみの夜はふけていくのであった。
37前スレストーリ:2005/06/25(土) 00:18:49 ID:???
105ダガーの改良型、ダガーLの強襲を受ける関西。
美雪と雪見姉妹、そしておとみを守るために、サイはψガンダムに乗りこむ。
が、ナチュラルに完全に対応したはずのψガンダムが全く動かない。
それどころか、土下座したまま坂を滑りつづける。

しかし、ドゲザザーシステムが、サイに告げる。
「調整を完了しました」
ψガンダムが、コントロールシステム、ドゲザザーを起動させる。
土下座のままダガーに体当たりしたサイは、機体を立ちあがらせる。
「このシステム……イエスだね!」
ψガンダムが、今、大地に立つのだった
38前スレストーリ:2005/06/25(土) 00:19:34 ID:???
機動戦士ガンダムSEED DESTINYMSV〜閃光のサイ〜
TBS系列 毎週土曜日 PM07:30〜08:00(一部地域を除く)
MBS系列 毎週金曜日 前編「あん」番組内AM07:25頃より
          後編「ちちんぷい」番組内PM04:30頃より

MBS系列は関西限定機動戦士ガンダムSEEDシリーズの世界観をちちんぷい看板アナウンサー角純一が
放送前日にパネルを使い徹底解剖!

第一期OP「燃え上がれガンダム2005」 郷ひろみ
第一期ED「スターチルドレン」 やしきたかじん 
39前スレストーリ:2005/06/25(土) 00:20:43 ID:???
「紅に染まる都」
サイ達は束の間の休暇を得て、観光に出かける。
京都の文化的価値の貴重さを説く雪見、
サイは面白そうに東洋の文化に触れるが、
カズイは芸者に夢中、そんなカズイを馬鹿にする美雪。

そんな中、東アジアの強硬派が、京都にある関西の軍事施設を破壊しようともくろむ。
東アジアの強硬派は、日本の文化などに興味が無いのか、重要な遺跡の破壊もかまわず攻撃してくる。
「あんた達だってわかってるんでしょ!?これは人類の宝だって!世界最古の木造建築なんだよ!」
「ウェーッハッハッハ! ウリハそんなことはしらん……ニダ!」

「やめろーーーー!」

美雪のモビルスーツが、法隆寺を守ろうと、盾になる……

「…やっちゃ……いけなかったんだよ!だから簡単に金閣寺だって壊せるんだ!」

カズイのモビルスーツが、信じられないくらいの速さで動く。
「ウワアアアアア!」
「アイゴーーーーーー!」

辛くも、サイ達は京都を守りぬくことが出来たのだが……。
40前スレストーリ:2005/06/25(土) 00:22:03 ID:???
ドム・ハイパーの活躍により、どうにか連合軍を撤退させる事に成功したサイ達。
しかし、ユニウス7落下による被害が甚大な連合軍が再び関西軍の所有する関空・伊丹のマスドライバーとMSを
狙ってくるのは明らか。
今の疲弊した戦力では次攻められればどうなるかわからない…サイ達現場のパイロットが焦りと不安を隠せない
中、奈良が連合に寝返ったという報が知らされる。
かねてより京都との確執が噂されていた奈良は、秘密裏に連合と結託して独自に軍事増強路線をとっていた。
奈良独立軍と連合軍が生駒山から侵攻していると知らされたサイ達は休む間もなく生駒山へ防衛戦に向かう。
そこでサイ達は見た。奈良が独自に開発していた3体のNシリーズのガンダムを…
GAT-N001 ウキミ・ドー
GAT-N002 シカセン・ベー
GAT-N003 ナラヅ・ケー
圧倒的な性能で大阪へ侵攻してくる3体のガンダム、そして後方の艦には指揮官として奈良出身芸人サンマーの姿も…
果たしてサイ達はそれをくいとめる事はできるのか!?
次回「暁の生駒山へ」ひろがる戦禍、くいとめろサイ!
41前スレストーリ:2005/06/25(土) 00:22:33 ID:???
Nは奈良(NARA)のNだよな?説明ないが。奈良出身者としては性能書いてみるか
ウキミ・ドー…奈良公園内にあるスポットの1つを参考に命名。
       灯火会の時など幻想的な雰囲気でデートで行くといい。しかし、たまに
       笛ふいてるおっさんがいるのが難。
       カオスを参考にし、MAへの変形機能を持つ。もちろん、本家浮見堂と
       同じ形になり、浮見堂が2つに増えて、笛をふくおっさんや恋人たちは
       嬉しい限りだ。

シカセン・ベー…鹿のエサを元に命名。
        鹿せんべいが紙でできている事はあまり知られていない。鹿は紙を食
        うのだ!だから、奈良公園内の公衆トイレには柵がある。
        ガイアの変形機構を真似ており、MA形態で鹿の姿になる。

ナラヅ・ケー…もちろん奈良名産のあれから命名。
       アビスを参考にした水陸両用ガンダム。ただし、奈良は海に面していな
       い都道府県3つのうちの1つなので、水陸両用の意味はあまりない
42前スレストーリ:2005/06/25(土) 00:23:32 ID:???
GAT-N004 マンマ・マー 
サンマーの出演するTV番組「サンマーのマンマー」の
マスコットキャラ「マンマ」を模したNシリーズ4番機。
その鈍重そうな外見とは裏腹に運動性は極めて高い。
腹部には小型の陽電子破城砲が内臓されている。
43前スレストーリ:2005/06/25(土) 00:24:36 ID:???
生駒山に駆けつけたサイはNARA軍のMSを見て驚いた。
「な!…さっきの連合のMSと似ている!いや、でもあれは噂では連合がZAFTから奪取したもの…
 まさかNARAはZAFTともつながりがあるというのか!?」
カズィも驚きを隠せないようだ。カズィからの通信が入る。
「ねぇ、サイあれって…さっきのMSと似てるよね?じゃぁ性能も同じって事なのかな…
 サイごめん…」
そう言ってカズィのMSは大きく後退した。戦意をなくしている…それは明らかだった。
「ミリィは女の子だから、もうとっくに軍を辞めてるよね…」
カズィの通信が入ってくる。
「ミリィは今戦場カメラマンとして関西軍のために連合、ZAFTの情報を集めているよ」
「え!?…サイやっぱりオレも…」
「だから、そういうのがダメなんだって。おまえは優しいから…向いてないだけなんだよ。
 ここはオレがなんとかするから下がっているんだ!カズィ」
Ψガンダムとドムハイパーの2機がNシリーズ3機と激しい攻防を繰り広げる。
しかし、どうしても数が少ない分終始おされ気味なのは否めなかった。
自分がいけば3対3になる、なんとかなるかもしれない…そうは思っても恐怖で手が震えて
MSを操縦できないカズィはただ溢れる涙を止められなかった。
その時!ドムハイパーがバランスを崩した一瞬のスキをついてMA(鹿)形態のシカセン・
ベーが飛び出し、サイ達の母艦おとみに向かった。
「しまった!」
サイはそう叫び、追いかけようとするがそこにナラズ・ケーが立ちはだかる。
シカセン・ベーがおとみのデッキにあがりビームキャノンの照準を合わせる。
サイは思った「もう、間に合わない」と…。その時シカセン・ベーをかすめる光の筋が!
「うわぁぁあぁっぁ!」
悲鳴のような声をあげたカズィはライオン丸でシカセン・ベーにタックルを食らわす。
「僕だって…ナチュラルだって……!」極限状態に追い詰められたカズィはSEEDが覚醒した。

守るべきもののために…ついにカズィが戦士として立ち上がる。
しかし、降着状態の戦況を打破すべくサンマーはダガーL部隊を投入。混迷をきわめる戦場で戦士達は
1つの決断を迫られる。
次回「カズィの選択」光のない闇の中、駆け抜けろ!ライオン丸!!
44前スレストーリ:2005/06/25(土) 00:26:17 ID:???
第3話「居酒屋おとみ」
「なぁ〜お母さんええやろ!」
一人の少女が帰るなり母親に詰め寄っている。
「あかん、あかん!アニメなんかでご飯食べていけるわけない、お姉ちゃんと一緒に関西軍の試験受けるんや!」
強い口調で母親は言い返す。
「もぉ、美雪もお母さんももう店開けるんやで」
居酒屋の暖簾を表にかけ帰ってきた雪見が、二人を制した。
「お姉ちゃんはええの、兵隊になるなんて耐えられへんわ!」
美雪は雪見をにらみながらエプロンをつける。
「私は別に・・・もう戦争は終わったし、西成を希望するから5時には終わって店も手伝えるしな」
カウンターを拭きながらニコニコして雪見は答えた。
「雪見は、ほんまええ子や」
その言葉に美雪は、ほほをぷぅと膨らませた。
「またお姉ちゃんばっかり・・・・私より30秒早く生まれただけやのに」
「もぉ、又そんな事言って・・・」
おでんの煮え具合を見ながらあきれ声で都美子が言う。
45前スレストーリ:2005/06/25(土) 00:27:04 ID:???
205 名前: 188 [sage] 投稿日: 2005/03/30(水) 01:01:50 ID:???
>>200>>202をまとめて3話としてみました。
TVシリーズ  機動戦士ガンダムSEEDDESTINY MSV〜閃光のサイ〜
第4話前半「サイ、ガンダムと叫ぶ」

日本に来てから1年、サイは関西軍のパイロットとして訓練をつんでいた。
日本は連合の支配化にあたるので、関西軍が使用するMSも連合のダガーなどが主だった。しかし、日本
国内で生産しているわけではなく、連合から購入している。加えて、宇宙港のない日本は戦略上それほど
重要な拠点というわけでもなく、連合からまわされるMSも旧型のMSというのが現状だった。
その日もサイはMSでの模擬実戦を行っていた。相手は華子だ。終始華子がおしていたが、一瞬のスキを
ついてサイのダガーが華子のダガーの頭部に攻撃をヒットさせた。
「そこまで!2人ともあがれ!」と教官らしき人物の声が響くと、2人はMSから降りレストルームに向かった。
「腕あげたなー。もう、うちより強いんちゃうか?」
「いや、今日のはたまたまで…」
サイのパイロットとしての実力を褒める華子に対し、サイは照れ笑いを浮かべる。
「明日休みやし、おとみ行く?」
華子の誘いにサイはうなずき、訓練後2人はとある居酒屋に行った。
その居酒屋の名は【おとみ】。関西軍の訓練所に近いため、サイらをはじめ関西軍の兵が常連として多い店
だ。
店に入ると、顔なじみの面々が多々いた。
「カズィ、おまえも来てたのか!」とサイは驚く。サイがオーブを発った2週間後、カズィもまたオーブ発っていた。
そしてサイと同じように日本の関西軍に身をおいていた。しかし、カズィはオペレーターなので、パイロット候補
のサイと顔を合わす事はあまりなかった。今日も久しぶりの再開であった。
関西軍の仲間達とサイは楽しく酒を酌み交わしていた。その時、カウンターに座っていた服部がサイに声をか
けてきた。
「サイ、おまえ明日も訓練か?」
「いや、明日は休みですけれど…なにか?」
「明日おまえに見せたいもんがある。10時にオレの部屋に来い。」
「?…はい。」
そう言うと服部は早々に帰っていった。そして次の日、サイは言われた通りに服部の部屋に行った。すると工場
の方へと連れていかれた。
46前スレストーリ:2005/06/25(土) 00:28:12 ID:???
TVシリーズ  機動戦士ガンダムSEEDDESTINY MSV〜閃光のサイ〜
第4話後半「サイ、ガンダムと叫ぶ」

(工場なんて来ても今更何を…?)
サイはそう思いながらも、服部が上官なので仕方なしについていった。エレベーターに乗ると服部は壁に指をあ
てた。すると、エレベーターが急に動き出した。
「え!?これは…地下に向かってる??」
「指紋照合だ。オレをはじめ関係者ごく数名の指紋でしか地下には動かないようになっている。軍の重要機密が
 あるんだ。それくらいのセキュリティは当然だろう?」
(重要機密!?)
サイはその言葉に少し動揺していた。そんなサイを見て服部は少し笑ったかのように見えた。そして数分がたち、
やっとエレベーターが止まった。エレベーターが開き、自分の目の前に現れたモノにサイは驚いた。
「これは…ガンダム!」
「ガンダム?なんだそれは?これはMBF-K01という型番の関西軍最新のMSだ。ザフトではインパルスと呼ばれ
 ている機体らしいがな。」
「ザフト?」
「あぁそうだ。これはザフトの最新MSのデータを基に作り上げたものだ。なんでも先の対戦で連合のストライクを基
 にザフトが設計したもので、シルエットとかいうストライクと似た換装システムを持っている。まぁうちではそのシル
 エットはないがな(笑)ところで、さっきも聞いたがガンダムってのはなんだ?これの名前なのか?」
「あ、いや…OSの名前の頭文字をつないだらそう読めるらしくって…。」
「そういや、おまえはAAにいたんだっけな。コーディネーターのOSなんざオレらにゃ使いこなせねぇから別のOSを
 つんでるが…ガンダムか、悪くかねぇな。これは関西軍がおまえ用に開発をすすめてきたものだ。おまえのガン
 ダムだ。さしずめ、サイ・ガンダムってとこか。」
「サイ・ガンダム・……」
サイはじっとそのMSを見つめていた。キラと同じガンダム、それに乗れるという事に戸惑いながらも興奮を隠せな
かった。服部は話を続ける。
「気に入ってくれたか?といっても、こいつはまだ完成していない。OSやシステムの面でまだ調整が必要だ。サイ、
 おまえ開発にも加わってみないか?おまえのMSなんだし。」
その言葉にサイは静かにうなづいた。
47前スレストーリ:2005/06/25(土) 00:28:50 ID:???
TVシリーズ  機動戦士ガンダムSEEDDESTINY MSV〜閃光のサイ〜
第5話前半「Ψの鼓動」

サイがΨガンダムの開発スタッフに加わり、あれからさらに8ヶ月が過ぎた。
その間サイは昼間はパイロットとしての訓練、夜は工場地下でΨガンダムの開発と2足のわらじをはく生活を
送っていた。また、サイは少し前に引越しをしていた。もともとは関西軍の独身寮【虎風荘】に住んでいたのだ
が、訓練所まで遠く多忙なサイにとっては少し不便に感じていた。その時なじみの店の【おとみ】の女主人都
美子が「男手がほしいから…」とサイに3階の空き部屋を提供してくれたため、今はおとみの3階で暮らしてい
る。おとみは訓練所に近いため、サイは喜んで申し出を受け入れたのだった。ただ、引越しの事を華子に言っ
た時、華子が不機嫌そうな顔で
「なんでおとみなん?他にもいっぱい部屋あるやん!」
と言い、それ以来どこかよそよそしい態度をとる華子にサイは凹んでいた。
(オレ何か悪い事したのかなぁ・・・?)
それはさておき、
サイはパイロット候補生としてその頭角をメキメキ表し、華子らエリートが揃う吉本部隊への配属が決定してい
た。また、Ψガンダムの方もサイが考案した新姿勢制御システム【ドゲザザー】を搭載するなど開発は順調に
進み、ロールアウトも目前とまさに順風満帆であった。
しかし、C.E.73・06・12の今、世界は再び歪みを生じ始めている事にサイはまだ気付いていなかった。
ザフトの最新鋭MS3機の開発情報を手にいれた連合はそれの強奪を計画。また、それに伴い新型MSの量
産など武力強化を図っている。連合がどうのようにしてザフトの情報を手にいれたかは謎だが、サイ達関西軍
にインパルスのデータを提供した人物となんらかのつながりがあるようだ。
また、日本国内でも関東のブルーコスモスの活動がまた活発化するなど、不穏な空気が漂っていた。コーディ
ネーターが多く暮らす関西を非難する声も多い。
210 名前: 通常の名無しさんの3倍 [sage] 投稿日: 2005/03/30(水) 12:13:09 ID:???
>>208
すまん。上官ではなく、議長に脳内変換おねがい
48前スレストーリ:2005/06/25(土) 00:30:07 ID:???
TVシリーズ  機動戦士ガンダムSEEDDESTINY MSV〜閃光のサイ〜
第5話後半「Ψの鼓動」

その日の午後、サイはKESIA(Kansai Electrical Safety Inspection Association=関西電気保安協会)にい
た。KESIAとは関西軍の開発部門の一部で、主にMSのバッテリーなど電気系統の開発を行っている。
なぜパイロットのサイがここにいるかというと、Ψガンダムに積む新型のバッテリーを開発してもらっているから
である。『核エンジンを積む』という案もあったが、サイや服部はそれには反対していた。条約違反だという事も
あったし、服部の「核をうたれた国が、自分の国守るのに核使うなんてのはオレは耐えられない」という言葉が
サイには印象的だった。
しかし、従来のバッテリーではPS装甲、ビームガトリングを装備しているΨガンダムはすぐにバッテリー切れを
起こすので、KESIAに新型の開発を依頼している。サイは開発主任と話している。
「どうですか?開発の方は。」
「これはこれはアーガイルさん。わざわざすいません。開発の方は順調です。明日には完成するでしょう。そちら
 の方は?」
「こちらも後はバッテリーを積むだけ、というところです。開発に携わってから約8ヶ月…やっとこの時がきたって
 感じですよ。それでは明日また伺いますので、よろしくお願いします。」
そう言ってサイはその場をあとにした。
次の日、KESIAから運ばれた新型バッテリーをΨガンダムに積み、起動の実験が行われていた。実際にサイ
が乗り、基本的な動きを見てデータを採取していた。実験後、サイは服部に呼ばれた。
「サイ、どうだ?いけそうか?あれは。」
「いいですね。ダガーより全然動きやすいし、反応速度もいいですよ。今日動かした限りではシステムに問題も
 見られませんし。」
「そうか…。なら、明日模擬実戦で使ってみるか?最近の不穏な空気のせいでな、1日でもはやく新型MSの
 性能を見てみたいというのが議長としてのオレの本音だ。」
「わかりました。オレ自身も見てみたいですしね、こいつの性能を。」
…そして翌日、サイはΨガンダムに乗り、模擬実戦場にいた。相手はエリートの吉本部隊の中でもトップクラス
の実力と言われるヒロ・吉田。こと接近戦においては無類の実力を誇るらしい。服部からの通信が入る。
「おまえとΨガンダムの実力見せてもらうぞ。」
試合開始の合図が鳴り響く…
211 名前: 通常の名無しさんの3倍 [sage] 投
49前スレストーリ:2005/06/25(土) 00:31:34 ID:???
【ドゲザザー】
サイが考案した姿勢制御に関する新システム。従来のスラスターに加え、反対方向などにも
スラスターを増設し、スラスターを使用し人間の体重移動に近いものをモビルスーツでもで
きるようにしたもの。
例えば後ろに倒れそうになった時は足のスラスターを下方向、背中のスラスターを上方向に
噴射することで倒れそうなところを持ちこたえるなどといった感じ。
これにより運動性能が格段にあがる。



☆関西軍まめ知識☆
自分より先輩の人間に対しては「兄さん」「姉さん」という呼称をつけなければならない
上官については「師匠」とつけるのが原則
50前スレストーリ:2005/06/25(土) 00:32:22 ID:???
TVシリーズ  機動戦士ガンダムSEEDDESTINY MSV〜閃光のサイ〜
第6話「Ψガンダム始動」

訓練所ではΨガンダムの性能試験を兼ねた模擬実戦が始まっていた。
互いに武器は模擬実戦用のサーベルのみという事もあり、接近戦の得意なヒロの方がおしているといった
状態であった。しかし、Ψガンダムの方もその運動性能を活かし、まだまともには攻撃をくらっていなかった。
「くっ・・・さすがにうまい。機体性能じゃこっちの方が上だけど、ヒロ兄さんはさすがに戦い慣れている。」
ある程度予想していたとはいえ、自分の予想をこえるヒロの能力の高さにサイは思わぬ苦戦を強いられた。
そこにヒロからの通信が入ってきた。
「サイ、少しは驚いたか?おまえの実力は認めたる。新人としてはたいしたもんや。でもな、オレもそう簡単
 には負けられへんねん。これでもヤキンの戦いに参加してたもんでなぁ!」
「ヤキンで!?」
71年のヤキン戦の時、連合からの要請で日本の軍も派兵されていたのは華子から聞いて知っていた。しか
し、華子からは関西軍も参加していたとは聞いていなかった。確かに、そのあたりに関しては言葉をにごして
いたが…。よく考えてみれば、軍であるという事を考えても、華子はAAやフリーダムについて詳しく知ってい
た。今思えば、それは当たり前のことだろう。ヤキン戦に参加していたのなら、戦う敵の事くらい知っている。
おそらく日本もオーブのように強制的に派兵を迫られたのだろう。望まぬ戦いだったとしても、あの時戦場で
会っていたかもしれない…そう思うと華子はサイに本当の事を言えずにいた。
「華子からは聞いてなかったんか!?」
動揺し少し動きのにぶくなったサイに対し、ヒロは攻撃の手をゆるめない。サイがサーベルを振りかぶったその
時、ヒロのショルダータックルによりΨガンダムが大きく後ろにバランスを崩した。ヒロは勝負を決めにきた。
「もらったぁぁぁ!」
瞬時にサイはドゲザザー・システムを起動させた。擬似体重移動によりΨガンダムはバランスを崩したその体
勢から身をひるがえし、ヒロの攻撃を避け後ろをとった。
「な…!なんで後ろに!?」
一瞬何が起こったか理解できないヒロ。この隙をサイは見逃さない。
「Ψガンダムは伊達じゃない!」
そう叫びはなったサイの一撃はヒロの横胴に見事にヒットした。
「そこまで!」
技術仕官の声が試合の終了を告げた。その一部始終を見ていた服部は
「ふむ・・・やはりすばらしい。Ψガンダムとそのパイロット、サイ。この先の戦いで我ら関西軍を勝利に導く光とな
 るか…。」
51前スレストーリ:2005/06/25(土) 00:33:44 ID:???
第7話「儚い夢」「猛獣王」
「次は堺筋本町、堺筋本町、関西議長府前へは次が便利です」
阪急京都線乗り入れ高槻行きの地下鉄が堺筋本町の駅に滑り込む。
「ほら、降りるで美雪!」
姉雪見は恥ずかしそうに女性専用車両から美雪を引きずりだした。
双子なので一緒に行動すると周りから注目されるのだが、美雪の性格がこんなんなためその注目はUP中である。
「いやや!いやや!」
歯医者に連れて行かれる子供のように美雪はだだをこねている。
「もうここまで来たんやからあきらめよし」
切符を口にくわえて何とか自動改札に通すと雪見は美雪を引きずりながら議長府前出口階段を上がった。
階段を上がるとすぐに腕に腕章をつけたカズィと会うことができた。
「はい、試験会場は議長府3階大会議室です・・・・・あれ雪見ちゃん?美雪も」
「カズィさん!どうしはったんです?」
雪見も驚いたような表情を浮かべる。
「いや、議長に呼び出されて来て見ればついでに会場案内のお手伝いだと・・・」
苦笑いするカズィに雪見もクスクスと笑った。
「そういえば、雪見ちゃんと美雪も今日が採用試験か・・・・頑張ってこいよ」
「はい!おおきに、ほら美雪いくで」
「いやや、カズィ助けて〜、もし助けてくれたら私、私・・・カズィのファーストキスの相手しちゃうぞ」
美雪は頬を赤らめながら上目使いにカズィを見つめる。
しかし、カズィは動じる事も無く美雪の額にデコピンを見舞った。
「うぅ・・・レディに何するねん!アホ」
カズィはおとみの常連になってからこの美雪には数々の目に合わされている。
おでんはカラシMAXで出されるは、平和荘の自室に忍び込まれ死ぬほど脅かされたり等言い出したら
きりがない。
「お前のジャジャ馬ぶりも今日までってことだ、ほらとっと試験受けて来い」
「ほな、失礼します」
「あ、帰り待ってな、議長がおとみに寄るから一緒に車で帰ろう」
「ええんですか?私らまで」
「うん、昨日議長の運転手さんが御堂筋の飲酒検問に引っかかって免取り喰らったからさ」
52前スレストーリ:2005/06/25(土) 00:34:58 ID:???
TVシリーズ  機動戦士ガンダムSEEDDESTINY MSV〜閃光のサイ〜
第7話後半「儚い夢」

試験会場に入ってからも美雪は不機嫌な顔をしている。
「最悪や。なんで私が軍なんか入らなあかんねん…。こうなったら、ワザと落ちるしかないわー。でも、白紙で
 出したらお母さんにしばかれるしなぁ…ハァ。そや!試験はマークシートらしいし、適当に鉛筆転がしてりゃい
 いんや!それやったら絶対落ちるやろし、お母さんにもしばかれへん!」
そして美雪はそれを実行した。嬉々として鉛筆を転がす美雪を、周りの受験生は不思議そうに見ていたが、と
うの美雪は軍に入らずにすむという喜びでそんな事には気付いていなかった。その後の面接も美雪はヘラヘラ
愛想笑いを浮かべ、試験官の質問にマトモに答えなかった。
(これで確実に落ちた!)
そう確信し、美雪は姉の雪見とカズィが待つ場所に向かい、車に乗った。2人が乗るとカズィは議長を迎えに行
き、4人でおとみに向かった。その車中、カズィが雪見と美雪に試験の出来を尋ねた。
「2人ともどうだった?」
まずまずだった、と答えた雪見に対し、美雪は
「いやー、あかんかったわぁ。私が関西軍に入ったら、お母さんもちょっとは楽できる思うてんけどなー。」
と心にもない事を言ったのが運のつきだった。服部が
「美雪ちゃんはできなかったのか?」
と尋ねると、美雪は
「残念やけど、できませんでしたわー。」
と面接時のようなヘラヘラした顔で答えた。それを見た服部は
「ふむ・・・だったら、幹部候補は無理だとしても、一般兵として入隊したらいい。オレは議長だからその程度の
 権限ならある。現にカズィだってオレがスカウトして関西軍に入ったんだ。なぁ?カズィ。」
「入ったていうか…無理矢理入れられたって感じですけどね(笑)まぁ美雪もそうしなよ。」
想定の範囲外の事に驚いた美雪は、慌ててこれを阻止しようとする。
「いや、でもホンマできひんかったんですよ!私なんて入っても役に立ちませんて!!」
「そういう謙虚なところもいいね。最近実力もないのに、プライドだけは高い奴が多くてなぁ。美雪ちゃんのような
 子なら大歓迎だ。」
「えぇ!?えぇ!?そんな〜…」
うなだれる美雪にカズィが声をかける。
「よかったな、美雪。」
美雪は見逃さなかった。そう言った時のカズィの口元がわずかにゆるんでいたのを。美雪が軍に入りたくない
のを知っていたカズィは議長と美雪のやりとりを楽しんでいた。それに気付いた美雪は
「カズィ・・・後でしばく……。」
と、1人つぶやいた。その1週間後、入隊許可証が届いた雪見と美雪の2人を嬉しそうに眺める都美子の姿が
あった。アニメーション系の専門学校に行きたい…そんな美雪の夢はもろくも崩れ去ってしまった
53前スレストーリ:2005/06/25(土) 00:36:38 ID:???
TVシリーズ  機動戦士ガンダムSEEDDESTINY MSV〜閃光のサイ〜
第8話前半「悲しみの服部」


雪見と美雪が関西軍の入隊許可証を受け取ったその日の夜、例の工場地下のコントロールルームに議長の姿
があった。議長の視線の先には製造途中のMSの大群が…。
「もっとペースをあげるんだ!今はもういつ何があってもおかしくない状況なんだぞ。Ψガンダムだけでどうにか
 なると思うな。こいつの量産を軌道にのせるんだ!」
そこに1人の男が入ってきた。
「失礼します。」
「おぅ、カーンか。よく来てくれた。艦の方はもう見てきたのか?」
「ええ、もちろん。実にすばらしい艦ですな。オーブにもあれほどのものはなかったですよ。」
オーブの名を口にするこの男の説明は>>36参照。
「そうか、そいつは嬉しいな。おまえにはあの艦の艦長を頼む。」
「了解しました。例のΨガンダムというMSもあの艦に…?」
「いや、Ψガンダムは違う。アレにはアレ用の艦を用意するさ。」
ここでカーンが少しいぶかしげな表情をする。
「ほぅ・・・別の艦ですか。こちらで生産されているMSといい、たいした技術と財力です。だが、それほどの戦力が
 必要なのでしょうか?停戦から1年と約8ヶ月…連合もザフトもこれといった動きは見せてはいませんが?」
少し納得がいかないといった感じのカーンに服部はこう答えた。
「表面上は、な。しかし、ザフトの新型機開発に加え、ブルーコスモスの新盟主ジブリールも何を考えているかわ
 からん。まして、うちは同じ国内の関東から攻められてもおかしくない状況だ。この状況ではある程度の武力を
 持たないといかんのだ。」
「言いたい事はわかります。しかし、これは『ある程度』を超えているのでは?」
「おまえも見てないわけじゃないだろ?先の大戦での、連合の核ミサイル、そしてザフトの核を使用した虐殺兵器
 ジェネシスを。…日本は被爆国だ。核を撃たれる痛みを知るからこそ、核に対して過剰に反応する。悲しいけど
 仕方のない事だ。」
そう言った服部の表情はどこか寂しげだった。
54前スレストーリ:2005/06/25(土) 00:37:36 ID:???
7話Bパート前半「猛獣王」
カズィは兵役所から軽自動車を借り呼び出された堺を目指していた。
恵比寿町のランプウェイから阪神高速に乗り順調に車を飛ばす。
しかし、環状線に入る頃には渋滞につかまってノロノロ運転になった。
「やっぱり下で行けばよかったかなぁ」
車の群れを眺めながらうなだれていると突然目の前が真っ暗になる。
「うぁ!何だ!ヤメロ、ヤメロ」
思いっきり拳で後ろを叩くと、犯人の顔のどこかにぶつかった。
「アイタ!うう・・・・・」
視界を遮っていた物から開放されると後ろを振り向いた。
「美雪!?」
打たれた鼻から鼻血を流しながら、美雪がこっちを睨んでいた。
「レディの顔に何するねん!あー鼻血出てしもたぁ〜カズィのアホ」
「アホじゃない!お前こそ何でこんなトコにいるんだよ」
もっともな答えがカズィから返ってきた。
「昼間のお返しや!」
とんだ逆恨みである。
「はぁああ・・・・店はどうしたんだよ、都美子さん怒ってるぞ」
「サイがいるもん、ただ飯食わしてるんや!それ位やって当然」
鼻にティッシュを詰めながら美雪は答えた。
(サイスマン・・・)
カズィは仕事で疲れているサイに侘びるが美雪を送っていく暇もないのでそのまま連れて行くことにした。
55前スレストーリ:2005/06/25(土) 00:38:31 ID:???
TVシリーズ  機動戦士ガンダムSEEDDESTINY MSV〜閃光のサイ〜
第8話後半「悲しみの服部」


服部の心配も無理は周りからすれば理解できない。というのも、ここ最近ザフト、連合の両陣営ともに不穏な
動きを見せてはいない。いや、むしろ表面上はまったく動きがない。それが服部には不気味に感じられるのだ
った。
(杞憂に終わればいいんだが…デュランダル、ジブリール…どちらも信用しがたい人間だ)
「カーン、オレだって好きでこんなもん作らせているわけじゃない。だが…仮に連合・ザフトがこのまま和平路線
 をとっていったとしても、この日本では…関西と関東の武力衝突はもはや避けられないだろう。オレには関西
 を守らなければならない責任がある。オレは…たとえ自分が知らない人間の命を奪う事になっても、自分の目
 の前にいる大事な人間達を守りたい。間違っているとしても、オレはそういうやり方でしか大事な奴を守れん
 のだ……。」
「議長……。」
服部の言葉をカーンは静かに聞いた。関西と関東の武力衝突…それが避けられないところまできてしまってい
る事はカーン自身も薄々気付いていた。
連合傘下の日本において、コーディネーターの住む関西は本来あってはならない地域であった。日本が連合に
組する時も関西の事は議題にあがった。しかし、その時はまだ戦争は始まっていなかったし、国際的な経済支
援を行っていた日本ゆえに例外的措置として許容された。しかし、前の大戦が起こった事で事態は変わったの
である。それまで例外的に許容されていた関西に対し連合加盟国から次々と批判が沸き起こった。それでも関
西はコーディネーター排除をよしとせず、日本国内において新たな独立地域国家として関西自由民主主義共和
国建国を提唱。その後、関西軍を連合に派兵するなど、外交努力を重ねるも、関東のブルーコスモスの動きは
おさまらず、停戦の今も関東との衝突は絶えなかった。
「議長、人を守るという事に正しいも間違ってるもない。守れるか守れないか、だけです。私はそう思います。私
 だって家族を守りたいし、この関西が好きです。ともに守りましょう、大切なものを。」


すまんけど関西自由民主主義共和国の設定を多少TV版にかえた
56前スレストーリ:2005/06/25(土) 00:39:31 ID:???
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第9話「命短し 恋せよ乙女」


C.E.73.10.05
雪見達が入隊してから3ヶ月ほどが過ぎようとしていた。2人ともすっかり軍には慣れた様子で、入隊時から
面倒を見てきたサイやカズィもようやく一安心といったところだった。雪見の方は幹部候補生ということで、訓
練所にはあまり来れないのだが、昼食時などは食堂の同じ席について一緒に食事をとっている。また、帰り
もサイと雪見は2人で一緒に帰っていた。サイの方が終わるのが遅いのだが、雪見はいつもサイを待ってい
てくれた。店の手伝いがあるだろうから待たなくてもいいよと、サイは気を遣っているが、雪見は
「サイさんを待っていても店には十分間に合いますから…それに私嬉しいんです。前まではサイさんが帰って
 くるのを待ってるだけやったけど、今は違います。今はこうやって一緒に帰れます…。迷惑やないんやったら
 いつも一緒に帰って下さい。」
「いや、迷惑だなんて…そんな事ないよ。ただ、いつも待ってもらって悪いなって思って…。」
「そんなん全然気にせんとって下さい!ほな、帰りましょう。」
仲よさげに帰る2人の姿を遠くから見つめる1人の女性がいた。華子だ。
「うぅ・・・前まではうちが一緒に帰ってたのに。あのおとみの子が来てから……。」
そんな華子の方をヒロがポンとたたく。
「まぁ元気出せや。まだあかんて決まったわけやないやろ。ハイハイ横丁でうまいお好み焼き屋見つけてん。
 おごったるから、食いに行くぞ。うまいもん食って栄養つけとかな、いざっちゅう時にパワー出ーへんしな。」
ヒロの慰めの言葉に華子は素直にうなづき、その場を後にした。
因みに、美雪は毎日カズィに車で送り迎えをさせていた。今日とて例外ではない。カズィは美雪を乗せて帰っ
ていた。
「カズィー、今日の練習きつかったからお腹すいたわ!なんか食べたい〜。あ!鶴橋で焼肉食べたい!カズィ
 鶴橋行け!もちろんカズィのオゴリな〜!」
美雪は毎日こんな調子でカズィはうんざりしていたが、車に乗せないと後でうるさいのでカズィは仕方なしに乗
せていたのだった。
こんな毎日が当たり前のようにこの先も続いていく…そう信じていたサイ達の想いはあと数日で裏切られる事
になる…。
57前スレストーリ:2005/06/25(土) 00:40:48 ID:???
TVシリーズ  機動戦士ガンダムSEEDDESTINY MSV〜閃光のサイ〜
第10話前半「来るなら来い!ユニウス7」


C.E.73.10.09
その時はついに訪れてしまった。L4に新設されたザフトのプラント【アーモリーワン】でザフトの新型MS3機
が強奪されるという事件が起きた。この不測の事態に対しザフト新造艦ミネルバの艦長タリアは艦の発進を
決意。
宇宙でそのような事が起こってるとは全く知らないサイは、今日もいつものように訓練に励んでいた。吉本隊
に配属されてからもサイはそれまでと同じように、いや前以上に訓練を積むようになった。それは関西軍の中
でもエリートが揃う吉本隊に選ばれたという喜び、そして隊の中で自分1人だけが未だパイロットとしての実
戦経験がないという焦りからであった。そんなサイを見て華子は
「新人なんやし、そう焦らんでもええやん。あんたはこれからの人間なんや。」
と、少しは休むように促したが、今のサイにはその言葉も届かなかった。1日の訓練が終わる午後6時まで、
サイはほとんど休む事なく訓練をする日々をここ1ヶ月おくっていた。旧知の仲であるカズィもそんなサイを見
て心配してはいたものの、必死のサイに言葉をかけられずにいた。そして、それは雪見も同じであった。一緒
に帰ってはくれるものの、訓練で疲れているサイとは会話はあまりなく、ただ隣を歩いているだけであった。
「サイさん…あまり無理はせんといて下さいね。最近ずっと疲れた顔してはるし……。」
「心配させてごめん…。でも、まだ届かないんだよ…今のオレじゃ…。」
「サイさん…?」
サイの言葉の意味が雪見にはわからなかった。サイが追いかけているもの、それはキラ・ヤマトの背中。AA
にいる時、戦闘になると自分達を守ろうと必死に戦うキラの背中をサイはブリッジからいつも見ていた。ナチュ
ラルの自分じゃコーディネーターのキラには一生追いつけない。そう思いながらも今歩みを止めてしまっては
ますますキラに届かなくなる。少しでもキラに…そんな強い気持ちが今のサイを突き動かしていた。
「ごめん、訳わかんない事言っちゃって。さぁ帰ろう。はやく店の手伝いしなきゃいけないしね。」
そう言って笑顔を見せてくれたサイに、雪見は少しホッとした。
(いつまでもうちのお店にいてくれはったらええのに…)
そう思いながら、雪見笑顔でサイの後ろをついていった。

58前スレストーリ:2005/06/25(土) 00:41:44 ID:???
TVシリーズ  機動戦士ガンダムSEEDDESTINY MSV〜閃光のサイ〜
第10話後半「来るなら来い!ユニウス7」


2人がおとみに帰ると、客に囲まれ忙しそうな都美子の姿があった。2人の姿を見て待ちわびていたように
「遅い!2人とも遅いで!はやく手伝ってちょーだいな。美雪は軍に入ってから夜遅いし…もぅ!とにかく用意
 して!お客さんが待ってはるんや!!」
慌てて準備をする2人。そんな3人のやりとりを見て酔いのまわっている客達は笑う。
「おとみちゃん、相変わらずきついな〜。そんなんやったらサイ君も婿に来てくれへんで。なぁサイ君。」
「雪見ちゃんと美雪ちゃん、どっちが本命なんや?やっぱし雪見ちゃんか??」
ちゃかしてくる客に苦笑いで答えるサイと雪見。おとみでは見慣れた風景であった。
その時、野球の試合を放送していたTVの画面が急に消えた。野球を見ていた客が
「急になんやねんな!?せっかくチャンスでクリンナップやったのに〜。」
と愚痴をこぼしていると、また画面が映った。しかし、野球の試合ではなく緊急ニュースのようだ。何があった
んだろうとサイ達がTV画面に注目していると、衝撃の事実が述べられた。
「番組中にすみません。緊急ニュースです。宇宙で安定軌道を保っていたユニウス7がなんらかの原因でその
 軌道がずれ、地球へ降下しているという情報がさきほどプラント側から入ってきました。今現在、プラントと連
 合が共同で破砕作業を行っていますが、これに成功したとしても破片などの地球への落下は避けられない
 状況となっています。住民の皆様は速やかに近くのシェルターに避難して下さい。繰り返します…」
ニュースの内容にサイ達は愕然とした。落下まではまだ数時間はあるということだが、ユニウス7のような巨大
なものが地球に落下したら、一体どれほどの被害が出るのか…。とりあえず、サイは客にすぐ避難するよう言い、
自分達も避難の準備を始めた。しかし、美雪に連絡がつかない。仕方なしにサイは都美子と雪見の2人だけを
先にシェルターに連れていった。そして自分は美雪を探しに行くと伝えた。涙を浮かべサイの心配をする雪見を
サイは優しくなだめた。
「大丈夫。工場に行ってガンダムに乗って探すから。あれならシェルターにいるのと同じさ。それに万が一美雪
 ちゃんが見つからなくても、きっとカズィがいるから大丈夫だよ。だから、雪見ちゃんはここで待っていて。」
そう言い残して、サイは逃げ惑う人の群れの中に消えていった…。


今回はGガンダムのタイトルを参考にした
59前スレストーリ:2005/06/25(土) 00:42:21 ID:???
7話Bパート後半「猛獣王」
車は堺の工場地帯の中に止まった。
「こんな場所につれてきて・・・・カズィもやっぱり狼やな」
目を潤ませながらカズィを見つめるも車の後部においてあったハリセンでバッシと殴られる美雪・・・
「何でそんなもん用意してんねん!」
「お前が住吉の縁日にスピードクジ引いてもらった外れ景品だろ!」
「あ〜いらんかったしおいてったんやった」
「もういい!ここで大人しくまってろよ」
車を離れようとすると腕を美雪にグッと持たれた。
「何?」
「こんな場所に・・・か弱い乙女をおいていかんといてよ・・・」
「え?」
カズィが周りを見渡すと先の大戦で廃棄された連合、ザフト、オーブのMSや艦残骸が所狭しと積み上げられている。
鉱物資源の乏しい関西は常に資源が不足しており、軍備拡張を進める上においてもこのような残骸をリサイクルするのである。
無論戦艦に関しても連合、ザフトから廃艦寸前の物を買ったりしているためナスカ級と連合艦合同の奇妙なものも存在する。
中には死体からパイロットスーツやヘルメットを脱がせ売っている店も存在するのだ。
そして、今日も大量の戦時の遺産が大型タンカー宇宙船や世界各地によってやって来る。
無論、死体もそのまま・・・・
だから、美雪は怖かった。
「な、な、ええやろ?つれてって」
「分かったよ・・・でも中で見たものは誰にも喋るな!」
無駄とは分かっているがこいつも関西軍の一員なのだからと言う事でカズィは美雪の同行を許可した。

廃棄物が入るこの一番ブロックは常に消臭剤の臭いが鼻につく。
死体が腐乱し悪臭が市街地流れるのを防ぐために一日に数回空中散布が行なわれるブロックなのだ。
「え〜と、死体処理場から200メートル北にか」
携帯のメールをチェックしながら歩いていると上空をジンの胴体がクレーンで運ばれていった。
「きゃ!」
「こら!くっ付くな歩きにくいだろう」
「うるさい・・・・・」
怯えた目でカズィにくっ付きながら歩いていくと目的の場所に到着した。
「ここか、お前は表で待ってるか?」
意地悪そうに美雪に答えると美雪は黙って首を横に振った。
(これはいい弱点を見つけたぞ・・・)
カズィは内心そう思いながら古い工場の入り口の呼び鈴をならした。
「誰かね?」
中年男性の声がインターフォンを通じて聞こえる。
「関西軍カズィ・バスカークです」

60前スレストーリ:2005/06/25(土) 00:43:39 ID:???
「ああ、入ってくれたまえ」
許可を得ると同時にアルミ製の安っぽいドアを開けると地下へと続く階段があった。
鉄製の階段をカツン、カツンと降りていくと部屋にぶち当たった。
「美雪、ここなら怖くないだろ?ここで待ってろ」
IDレコーダーがあるので許可書を出しリロードするがうんともすんともいわない。
「あれ?」
何回か試みているうちに中から堀越本人が現れ開けてくれた。
「言うの忘れてたんだがこいつ壊れててよ、んお連れさんかい?」
美雪はぺこりと会釈すると船越は二人を中に招き入れてくれた。
「いいんですか?こいつはまだ部外者ですよ!?」
「構わんよ・・・」
中に入ると駄々広い地下格納庫が現れその一角に畳がひかれちゃぶ台がある。
仕事が忙しくカップ麺の容器が2つ並んでいた。
「朝、昼ね・・・・おっちゃ〜んちゃんとしたご飯食べてんの〜」
「こら美雪!失礼だぞ、すみません堀越技師」
美雪の暴言にカズィは冷や冷や出会った。
「ハッハッハ、これは恥ずかしい物を見られてしまったな」
頭を書きながらペットボトルが3つ並べられた。
「すまんな、女房、子供に大戦で先立たれて最近の食生活は乱れまくりなんだ」
「そうなんかいな・・・・よっしゃ今日は私が旨いもん作ったるわ!」
美雪はパッと立つとこれまたすみに取り付けられたキッチンの横の冷蔵庫を開ける。
「あれ?何にもないやん」
「すまんな、一応の調理具は事業団からそろえて貰ったんだがほとんどが新品だ」
そう言うと堀越は立ち上がって電気のスイッチを入れる。
格納庫全体にがカクテル光線で照らされ広さが更に明らかになった。
「向こうの方に螺旋階段があるだろう、あそこを上がると地上の踊り場に出られるから
出たら奥の扉を出てくれ、スーパー玉出がまん前だ」
螺旋階段の方を指差すと美雪は走っていった。
「すみません、勝手な事をして」
「構わんさ・・・・久々の家庭の味だ、楽しみにさせてもらう」
そういうと堀越はタバコに火をつけた。
「さて、本題だが・・・来てくれ」


「こ、これは!?」
四足のMSが目の前にエレベーターで上がってきた。
カズィが目を丸くしていると堀越はコックピットの扉をリモコンで開けた。
「私が設計した最初で最後の力作・・・・猛獣王ライオン丸だ」
「ライオン丸・・・」
カズィは思わず息を呑んだ
61前スレストーリ:2005/06/25(土) 00:44:43 ID:???
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第11話前半「戦争開始!地球に落ちたユニウス7」


急いで工場じ行ったサイはすぐさまΨガンダムに乗り込んだ。工場スタッフによって地上への通路が開く。
「…よし、異常はない。サイ・アーガイル、ガンダム出ます!」
落下するユニウス7で微かに赤く染まる空の下の大阪の街にΨガンダムがその姿を見せる。
(美雪ちゃん一体どこにいるんだ?…それにカズィも!)
焦る気持ちをなんとかおさえ、サイは2人の姿を探していた。もうほとんどの人がシェルターに避難したのだろう。
街に人の姿は全くといっていいほどなかった。美雪やカズィもすでに避難しているかもしれない。それでも、もし
逃げ送れていたら?…そう思うとサイはいてもたってもいられず、ただひたすらに2人の姿を探した。しかし、数
時間たっても、2人の姿は見つからなかった。
「こんなに探したのに…やっぱりもう避難したのか?それならいいんだけど……。」
その時、通信が入ってきた。服部からだ。
「サイ、どうだ?見つかったか?」
「いえ…もう避難したのかも……。」
「そうか…。あいつらならきっと避難している。それよりもオマエだ。計算では後1分弱でユニウス7が地球に落
 ちてくるぞ!」
「!…破砕作業は失敗したんですか?」
「いや、成功した。しかし、その破片までは処理できず大気圏を突き抜けて落ちてくる。その位置からじゃもう工
 場に戻る事は間にあわん。フェイズシフトを展開するんだ!」
そう言われてサイはPS装甲を展開した。それまで灰色だったΨガンダムの機体がモノクロカラーをメインとした
色に変わっていく。
「空が赤い…来る!」
サイがそう言った数秒後、最初の破片が大気圏をこえて地球に落ちてきた。そしてそれを合図とするかのように、
次々と赤い光の筋が地球に降り注いだ。サイはガンダムの右腕の盾を上にかざして防御体勢をとりながら、その
光景を見ていた。その光景はまるでこれから始まる惨劇を暗示しているかのようにサイは思った。その時、近くで
大きな衝撃音がした。大阪にも破片が落ちた。その事実にサイはショックを隠せなかったが、全ての破片が落ち
るまで不用意には動けず、それが余計にサイを焦らせた。
62前スレストーリ:2005/06/25(土) 00:45:36 ID:???
TVシリーズ  機動戦士ガンダムSEEDDESTINY MSV〜閃光のサイ〜
第11話後半「戦争開始!地球に落ちたユニウス7」


全ての破片が落ちた後、サイは衝撃音のした方向へと向かった。そこには落下した破片により全壊状態の法善寺
横町が…。水かけ不動尊も跡形もなくなっていた。サイは大きなショックを受けた。大阪に住む人間にとってここは
なくてはならない場所。サイも大阪に住んでからは関西軍のメンバーと何度となく訪れていた。その法善寺横町が
全壊という状況…大阪に落下した破片はこの1つだけだったが、大阪人に悲しみを与えるには十分すぎる被害だっ
た。サイは被害状況を伝えるために関西軍工場へと戻っていった。
あれから数日、大阪は活気を取り戻していた。法善寺横町のあたり一帯の被害は大きかったが、それ以外の地区
はほとんど被害がなかったというのが大きかった。それに、法善寺横町は前歴の時にも火事にまきこまれるなどし
たが、その度に再建されてきた場所であった。ある種、復興のシンボル的な存在として「直したろう!法善寺横町」
をテーマにサイ達関西軍を始め、地元民総がかりで復興作業を行っていた。
世界では甚大な被害を受けた国もあり、どうなることかと思ったが、プラントの最高評議会議長デュランダルの迅速
な判断と支援により、そういった国も2次災害などは防げていた。今回の事がきっかけで世界は再び戦争へと進む
んではないかと心配していたサイも、協力的なプラントの姿勢に安心し、復興作業に精を出していた。作業も一段落
した午後3時過ぎ、サイは雪見と遅めの昼食をとっていた。
「おつかれさま、サイさん。」
そう言って、雪見が水を持ってきてくれた。
「雪見ちゃんもお疲れさま。肉体労働はむかないんじゃない?」
「そんなことありませんて。こう見えて力ありますよ。それに今はみんなが頑張らなあかん時でしょ!」
「ハハ、確かにね。カズィと美雪ちゃんも頑張ってるみたいだし、オレ達ももっとやらないとね。にしても、あいつらオレ
 が必死に探してたのにまだ軍にいただなんて…。」
あの時ユニウス7落下後、サイが工場に戻ってきた時カズィと美雪の2人もそこにいたのだった。用事があったためと
言うカズィは何かを隠している様子だったが、サイはそれ以上問い詰める事はしなかった。2人とも無事でいてくれた。
それがなにより嬉しかったからだ。しかし、この数日後事態は思わぬ方向に動く事になる。
今回のユニウス7落下が偶然の事故ではなく、人の手によって必然的に起こされたものだというニュースが流れた。
さらにその原因となった人間達はプラントのテロリストであるという報道が流された。そのニュースでは証拠として連
合軍が映したという画像を出した。そこにはザフトのMSがユニウス7に爆弾を仕掛けている姿があった。
「ジブリールはこれを理由にプラントに宣戦布告するだろう。多くのナチュラルがコーディネーターに不信感を抱いてし
 まっている。この流れはもう止められん。関西でも日系コーディネーターへの迫害が多発している。我々も1つの決
 断を求められてるのかもしれん…。」
「そんな……。」
服部の言葉にサイは言葉を失った。そして、連合のプラントへの宣戦布告は最悪の形で行われた。核による報復と
いう形によって…。
63前スレストーリ:2005/06/25(土) 00:46:58 ID:???
7話「猛獣王」
「驚いたかい?4足MSの新鋭機、その名は百獣の王ライオンよりいただきしライオン丸だ」
大きな爪に猫科特有の脚力が見事に再現されており、口には敵MSを噛み砕くであろう牙、
後ろに流れる鬣にはビームサーベルが装備されている。
モノアイズではないメインカメラはいかにも野生のライオンである事を象徴させる。
背中には二門の砲塔が空を睨んでいる。
「小型のローエングリンとでも思ってくれMSでは破壊力最強だろう」
堀越は太鼓判を押した。
「無論、砲塔の他にも多数の武器が取り付けられるぞ!まぁ今の所全て開発中だが」
「はぁ・・・・で、何でそれを俺なんかに」
「君のこの機体を預けたいんだよ」
堀越飲め真剣だった。
「え、え〜!無理です、お、俺はMSのパイロットなんて・・・」
カズィは案の定断った。
(俺にMSなんか無理だ・・・・俺はキラ達のように強くない・・・)
フラッシュバックするキラがストライクで戦う所、トールが死んだ事、そしてサイがストライクに乗ろうとした事・・・・
苦悩するカズィに堀越は一声かけた。
「今はかりそめとは言え平時だ、君が迷うのも無理は無い・・・ただこれだけは考えて欲しい、人は誰かを守るために戦わなくてはならん時
あると言うことだよ」
カズィの肩に手を置くとタバコを足元で消した。
「男には行かなければならないときがある、今は分からんかもしれんが私は無くしてからそれに気がついた」
「堀越技師・・・・」
「ほらライオンがお前を見ているぞ、こいつもお前に乗って欲しい思っている」
ライオン丸の顔を指差す堀越は静かに語る。
「でも、やっと手に入れた平和・・・今更俺がMSに乗る事がそれほど重要なのでしょうか?」
「君の経緯は服部議長から多少は聞いている、そして直感した君ならコイツを預けられると」
カズィは悩んだ。
(俺が人を殺すことなんて出来ない)
しかし、殺されるのも嫌だった。
(あの時俺は自ら船を下りた・・・・しかし、サイ達は・・・今度は俺が!)
そして、決意したこのライオンに乗ろうと!
「堀越技師、俺乗ります!」
「そうか・・・」
「エライ!見直したで、カズィ」
堀越がカズィに何か言う前に後ろから台詞をさえぎられた。
そこには買い物袋を持った美雪が立っている。
「本来ならとび蹴りの一発でもかまさなあかんとこやけど・・・まぁええわ」
そういうと美雪は台所に行いき料理のしたくを始めた。
「まぁ、とりあえず乗ってみよう・・・これをコックピットの差込口セットしたまえ」
堀越はそういうとファミコンカセット位の箱を手渡した。
「何ですかこれ?」
「私の考案するシステム、MyOSだよ」
64前スレストーリ:2005/06/25(土) 00:48:49 ID:???
「MyOS?」
堀越の考案したMyOSシステムとは、正規兵以外にも多くの日雇い兵を
抱える関西軍には画期的なシステムであった。
連合、ザフトが使うようなコーディネーターとナチュラルのような大雑把に分けるのではなく
このOSはそれぞれのパイロット個人に配られるものである。
いわば車の鍵のようなものでそのファミコンカセットのような小箱にはそのパイロットの情報が詰こめられており
それを母体(MS)に差し込む事により母体はその情報を読み取りそのパイロットが一番乗りやすい環境を作るのだ。
これにより、1機対し複数が兼用する機体でもメンテの時間が減る事になった。
「分かったかね?」
「はぁ、なるほど・・・とりあえず差し込めばいいんですね?」
ライオン丸のコックピットの差込口にカセットを装着すると機体に火が入りディスプレーや計器が点灯する。
「ガォォ」
「うぁ!?何だ」
コックピット装甲板が閉じるとメインカメラが作動しライオンの鳴き声と同時にライオン丸の口が動く。
「おお、こりゃ相当凝ってるなぁ・・・ん、これは」
カズィの今までのシュミレーション結果表示されライオン丸の母体OSがそれに合わせ微調整を瞬座に行う。
この後、カズィは美雪の料理が出来るまで事業団が作った最新の訓練システムを経験。
先の大戦で活躍したフリーダム、ジャスティス、プロビレンツ等までが収録されていた。
結果はライオン丸初陣でもあり結果は散々であったが堀越は「慣れればいいと」起こらなかった。
その後美雪が作ったハッシュッドビーフにも満足して「こんどはおとみにいくよ」美雪にも感謝していた。
「おっちゃんまたね」
「堀越技師長い事お邪魔してすみませんでした」
車の止めた場所まで送ってくれた堀越に別れを告げる二人。
「一応まだ秘密だから誰にも喋るな」
「分かりました」
カズィは新鮮な気持ちで帰宅した。
しかし、その夜は都美子の怒号と美雪の泣き声がよく聞こえる夜だった。
7話終了

65前スレストーリ:2005/06/25(土) 00:49:37 ID:???
TVシリーズ  機動戦士ガンダムSEEDDESTINY MSV〜閃光のサイ〜
第12話前半「闘えサイ!名古屋がリングだ」


服部らと関西軍の施設にサイはいた。その時、流れた報道が新たな運命をサイに運び込む。
プラントに対し連合の核攻撃が行われた、そして、その全ての核がプラントの謎の攻撃によって破壊されたと
いう報道にサイは言葉を失った。同じくその場にいた服部が口を開く。
「まぁ…当然、と言えば当然かもしれんな。前の大戦でも核を撃たれているんだ。それに対して何の防御策も
 練ってなかったって方がおかしい。それにしても、あの兵器の威力は尋常じゃないがな。まるでヤキンの時
 のやつと同じように思えるが…。」
服部が言ってるのはジェネシスの事だった。ジェネシスを戦場で間近に見ていたサイはよく知っていた。そし
て、確かに服部の言う通り、今報道されたプラントの兵器の映像はジェネシスに似ていた。
(あの時…確かにジェネシスはキラの友達のアスランによって破壊されたのに・・・。まさかプラントはまた作っ
 たっていうのか!?あれを…)
もしそうだとしたら…サイは震えがとまらなかった。そこに関西軍の士官が慌てて入ってくる。
「議長!…大変です!関東から声明文が……。」
「なんだと!?…読んでみろ。」
関東から届いたものは関西軍に対する要求であった。内容は@関西に在住するコーディネーターの国外追放
A伊丹空港に建設中のマスドライバー施設の使用許可の2つが書かれていた。そして、もしその要求が飲み
込めないのであれば関東は連合と協力し、関西地方を武力によって支配下におさめる、と。また、要求に対す
る回答は同日17時までにと書かれている。関東と連合の協力軍はすでに名古屋市上空まで来ていた。
「17時!?後2時間しかないじゃないか!議長…!」
「ちっ…。軍の奴らは全員戦闘配備につかせろ!あと、一般市民はシェルターに避難させるんだ!」
「議長!?戦うんですか?関東と!」
「要求をのんだところで、どうせ難癖つけて攻めてくる。もともと関西を煙たがってた奴らだからな。それに連合
 がプラントに宣戦布告した今、コーディネーターを排除することで連合に媚売ろうってこった!関東はな!!
 2時間じゃ逃げる事さえできない。関東の奴らは楽しんでるのさ。どうする事もできなくて慌てふためくオレら
 を見てな…!」
語気を荒げる服部。サイはある決断をする。
66前スレストーリ:2005/06/25(土) 00:50:45 ID:???
TVシリーズ  機動戦士ガンダムSEEDDESTINY MSV〜閃光のサイ〜
第12話後半「闘えサイ!名古屋がリングだ」


「議長!オレが関東と連合の軍をたたいてきます!」
「な…サイ、何を言ってるんだ!?」
「どうせもう戦いは避けられないんでしょ!?だったら、せめて大阪の街には被害がでないように…!」
「名古屋を戦場にするというのか…?」
「いえ、名古屋港まで誘導しようと思います。港まで行けば街への被害も少なくてすむはずです。」
「サイ…。わかった。おまえに任せよう!しかし、1人で行く事は許さん。吉本隊出撃だ!」
そう言って服部は近くにいた士官に指示を出した。
「サイ、おまえもガンダムに乗って5番施設まで来い!」
サイは言われた通りΨガンダムに乗って5番施設まで行った。するとそこには初めて見る艦の姿が…。
「議長…これは?」
「おまえのガンダム同様、関西軍が極秘裏に開発していたもんだ。中も見てみろ。」
そう言われて、サイは艦内のMSドッグに向かった。するとそこには新型MSの姿が。
「これは…新型のMS!?」
「サイ、うちらも戦うで。吉本隊の底力見せたろうな!うちらが乗るんはミクラスっちゅう量産型やけど、関東
 になんか負けへんで!」
入ってきた通信は華子からであった。さらにブリッジからも通信が入る。
「サイさん、頑張っていきましょう!」
「雪見ちゃん!?なんでブリッジに…。」
「私がオペレーターです。私も守りたいんです、関西を!(それとサイさんを…)」
「みんな…。」
少し胸が熱くなるのをサイは感じた。そして、この仲間を守るためにも自分は勝たねばならない、負けることは
許されない、と感じた。そう感じた瞬間、サイは呼吸が苦しくなった。
(負けられない…負ければ死ぬ……オレも、仲間も……キラはこんなプレッシャーとたたかっていたのか…)
「サイさん?どうしたんですか?」
様子がおかしいと感じた雪見が声をかける。サイは平然を装うが呼吸は荒かった。そこに
「あー、間に合ったー!カズィ、あんたがモタモタしてるからや!!」
「おまえがトイレに行ったからだろ!」
聞きなれた声にサイが振り返る。
「カズィ、美雪ちゃん…?えっ!?それはMS…じゃないか。」
「へへー、サイおまえだけじゃないんだ。オレもMS乗るよ。オレ達まだまだ弱いけどさ、2人ならキラと同じく
 らいはいけんじゃない?なんてね、ハハ…」
「カズィ…。」
不思議とさっきまで感じていたプレッシャーが消えるのがサイには感じられた。艦長のカーンの声が響く。
「よし、準備はいいな?それでは、しまかぜ発進する。目的地は名古屋、任務は関東・連合協力軍の殲滅だ!」
67前スレストーリ:2005/06/25(土) 00:52:10 ID:???
第13話前半「ファントムペイン出撃」
「補給には感謝するが我々にも他の任務があってね」
特殊部隊隊長ネオ・ロアノークは返答を渋っていた。
ユニウスの落下を見守った後、横須賀に入港しガティー・ルー及び強奪機の修理を行なった関東からの
要請にジブリールは許可を下ろしたものの、ネオとしては一刻も早くミネルバを追撃したかったのだ。
「恥ずかしながら関東のMSは旧式のものが多くパイロットの訓練もまだまだ・・・・」
関東軍作戦参謀辻正明大佐はファントムペイン作戦参加を強く希望した。
「そりゃ、分からんでもないが・・・・ウラジオストックからもMS隊がでるんだ」
「ご無理は承知の上!しかしながら我が関東といたしましても連合の一員、早期に関西を併合し今度は我々がザフト殲滅に回る所存であります」
熱弁にネオも少々押され気味でいると、辻更に続ける。
「連合の精鋭ファントムペインが本作戦に参加いただければ正に鬼に金棒、ザフト兵より弱腰と聞く関西軍など何ごとくありません!
我ら連合の威光を前に戦う前から逃げ出すでありましょう!」
(暑苦しいオッサンだな・・・・)
ネオはそう思いながら少し考えるとイアン・リー艦長の方に視線を向けた。
「ガティー・ルー及びカオス、ガイア、アビスの調整も万全ですからなそれに地球に降りたならまた会えますよ」
「そうだな・・・地球は丸い、また会えるか」
イアンの意見に頷きさっぱりと方針転換するネオ。
「分かった、辻大佐作戦には参加しよう。しかし、俺のMSが届くも待ちたいので出撃は少々遅れるぞ」
「ありがとうございます、ファントムペインが参加していただけるなら関西軍など鎧袖一触ですな」
「そうで願いたいね・・・よし、じゃああいつらを呼び戻すとするか」
68前スレストーリ:2005/06/25(土) 00:53:17 ID:???
TVシリーズ  機動戦士ガンダムSEEDDESTINY MSV〜閃光のサイ〜
第13話後半「ファントムペイン出撃!」


艦内の部屋の一室でネオはスティング達に今回の作戦を説明していた。
「…以上が今回の作戦だ。3人ともわかったな?」
返事をするスティング、アウルに対し、1人おびえている様子のステラにネオは優しく声をかける。
「大丈夫だ。今回はオレも出るから…な。」
優しくなだめるネオにステラは笑顔を見せ、部屋を後にした。そこにイアンが入室してくる。
「失礼します。大佐専用のウィンダムが届きました。ただいま最終調整の作業中ですが、ご覧になりますか?」
「お、もう届いたのか。さっそく見させてもらうよ。しっかし、日本も大変だねー、国が2つに分かれちゃうなんてさ。
 そこに連合からの圧力もきてんだからさ。平和憲法なんて名ばかりで軍もあるし、それを連合に利用されようと
 している…似てるね、オーブに。」
「あまりそのような発言は謹んで下さい…。」
「わかったよ。了解。」
そう言って、ネオとイアンの2人も部屋を後にした。
…一方、関東軍の作戦本部では辻が笑顔を見せていた。
「ふふ…こんなにもはやく訪れようとはな。関西を制圧する日が!もとより我ら関東軍と関西軍の力は互角。そこ
 に連合の精鋭部隊が加わったとなれば…我らの勝利は約束されたも同然!!忌々しいコーディネーター共め!
 日本から消し去ってくれるわ!」
そこにファントムペインから準備ができたとの連絡が入ったと兵が報告にくる。
「おぉ!MS到着を待つから時間がかかると言っていたが、もう届いたのか。よし、関東軍も全員第一戦闘配備!
 ただちに出発する!!」
関東軍・連合の協力軍が関西にむけて出発した。
…その数時間後、協力軍は名古屋市上空に位置していた。関西軍にはすでに関東軍の意向が通告されており、
それに対する関西軍の返答を待っているという状況だった。関西軍は全面降伏してくるものとタカをくくっている辻
と違い、ネオは今後の展開を考えていた。ネオには関西軍が全面降伏をしてくるとは思えなかった。
「何を難しい顔をされているのですか?ネオ大佐。関西軍には我々に歯向かう力などありませんよ。奴らにできる
 事は、ただ我々に降伏するのみ。それだけです!」
「我々…ね。」
少しあきれた顔でネオが言う。その時
「レーダーに機影あり!これは…アンノウン。データにないものです。数は艦が1…いや、先行してくるMSを1機
 確認!」
「な!…まさか関西軍か!?」
驚く辻。ネオは「やはり」という顔でスティング達に指示を出していく。その最中、ふとイアンの方を向き言葉を発した。
「な。やっぱ似てるんだって。日本とオーブはさ。」
そう言ったネオの顔はどこか嬉しげであった。
69前スレストーリ:2005/06/25(土) 00:54:50 ID:???
第14話前半 「月下の剣豪」
新造艦しまかぜより3000メートル後方を飛行するナスカ級改修艦御堂筋に堀越は乗艦していた。
しかし、堀越は新造艦には目もくれず下の名神高速をひた走る対空トラックミゼット改に目をやっていた。
「あんなのでMSと戦うんだ・・・・ドムハイパーの生産が後1ヶ月早ければ」
堀越は悲観に満ち溢れている、ミクラスは確かに純正の国産機である。
しかし、ほとんどが正規兵に回され訓練用のタガーまで回らない始末、お陰で日雇いは
三都自治区時代より使用している兵器ミゼット改に乗っての実戦となったのだ。
関西軍の屋台骨は日雇い兵達が支えていると言っても過言ではないのである。
現に今だ正規兵より日雇い兵の方が多いのである。
そこで、堀越は兼ねてよりミクラスとは別の低価格MSの製造に力を注いでいた。
そして誕生したのがタガー×ジンのドムハイパーであった。

第14話中 「月下の剣豪」
残骸で内部パーツを賄う事により低価格化に成功し更に、装甲の訳30パーセントを強化プラスティックを
採用する事により機体の軽量化に成功した。
無論、コックピット周りの装甲は堅牢なものである。
ここへライオン丸にも使われている高出力ホバーを搭載し高速戦闘においても実力を発揮してくれると堀越は信じた。
「ザフトのザクウォーリア一機分の価格でドムハイパーは二機作れますよ」
堀越は開戦前工場視察に訪れた議長に得意げに話したと言う。
「近藤さん!ヘルメットを付けてください」
窓を眺める堀越の後ろを二人の男が通り過ぎていく。
「そんなものは飾りに過ぎん・・・・」
日雇いのACEと呼ばれる近藤勇は、ノーマルスーツは着用するもののヘルメットを着用しない事で有名であった。
整備兵の制止むなしく、近藤はドムハイパーのコックピットへもぐりこんだ。
「堀越主任〜」
「いいんだよ、近藤はあれで・・・」
生産に間に合った六機のドムのうち記念すべき1号機は近藤専用機となった。
量産型と性能は同じではあるが近藤機には幕末を駆け抜けた侍たち・・・・新撰組の「誠」文字が肩に刻まれ
塗装も新撰組の物が採用された。
「堀越さん、出るぞ・・・・・」
「あ、はいはい整備兵退避!」
ドムハイパーがバーニアを吹かし始める。
御堂筋艦橋のオペレーターが近藤機に通信を送る。
「ブリッジ遮蔽、進路オールグリン、近藤機発進OKです」
「出させてもらうぞ・・・・」
70前スレストーリ:2005/06/25(土) 00:57:13 ID:???
TVシリーズ  機動戦士ガンダムSEEDDESTINY MSV〜閃光のサイ〜
第15話前半「大ピンチ!敵はネオ・ロアノーク」


Ψガンダム用に改修したファトゥーム00をつけ、1人先行するサイに通信が入る。
「サイ、後ろから近藤が来ている。近藤と合流して2機で相手艦を誘導してくれ。我々は港で待機している。」
「近藤!?まさか近藤勇さんですか?あの人とならうまくいきますよ。任して下さい。」
そう言ってサイは後ろから来る近藤を待つため、その場で動きをとめた。少しすると近藤のドムが追いついた。
ドムはΨガンダム用に改修する際に得られたデータをもとに開発されたMS用飛行ユニットを使用していた。
「おまえがサイか…色々と噂は聞いている。関西軍のエース候補だとな。作戦は成功させる。行くぞ!」
市内へと向かう2人の視界の前にガーティ・ルーと関東軍の空母の姿があらわれた。
「どうやら本当にたった2機みたいだな。よし、スティングを出せ。ステラとアウルは待機だ。しかし…あれは?
 おい、向こうのMSの拡大映像表示できるか?」
「はい。」
「おー、映った映った。んー…これはやっぱザフトのあのMSに似てるなぁ。関東がオレ達連合なら、関西はザ
 フトってわけか。これはオレも出た方がよさそうだな。イアン、後は頼む。」
イアンが返事をすると同時に、ネオはブリッジを後にし、MSの準備をするように指示を出した。
関東軍はすでに主力であるダガーL部隊を出していた。それを確認した近藤はサイに指示を出す。
「よし、すぐに後退だ。港へ行くぞ。」
「え!でも、これじゃぁ敵に罠だってバレてしまうんじゃ?」
「関東軍の作戦指揮をとっているのは恐らく辻という男だ。あの男なら追ってくる。」
そう言うと近藤は旋回し引き返し始めた。しかたなしにサイも近藤の後を追った。
サイ達が撤退し始めたという報告を聞いた辻は
「フハハ!やはり恐れをなして逃げたか。絶対に逃がすな!今日こそ息の根とめてくれる!我らも艦で追うぞ!」
「はっ!」
サイ達を追う関東軍。その報告にネオはまた呆れた。
「おいおい、罠ってわかって追ってるのか?それともわかってないのか?しかたない、イアン。オレ達の艦も追う
 ぞ。あと、スティングには深追いするなと指示しておけ。オレももう出る。」
関東軍の後を追うように発進するガーティ・ルー。それを見たサイは一安心した。そして港に着き海にでた。
「よし、ここだ。サイ、もう逃げる必要はない。行くぞ!」
初の実戦にサイは手が震えていた。それを察してか、近藤が単身ダガーL部隊に突っ込み1機撃破した。無言の
ゲキにサイは己を奮い立たせ、右手でビームサーベルを抜いた。そして、そのサイの後ろからしまかぜがあらわれ
援護射撃を始める。カズィもデッキ上からライオン丸で援護している。ふいを突かれた関東軍は対応が遅れ、MS
が次々とやられていく。
71前スレストーリ:2005/06/25(土) 00:58:44 ID:???
TVシリーズ  機動戦士ガンダムSEEDDESTINY MSV〜閃光のサイ〜
第15話後半「大ピンチ!敵はネオ・ロアノーク」


サイはビームサーベルによる接近戦とビームガトリングを駆使し、奮闘していた。
「よし、合わせて6機落ちた。あと2機!」
思わぬ苦戦をしいられた関東軍の辻は機嫌が悪くなっていた。
「ええぃ!関西ごときに何をしている!だいたい連合の部隊はどうした!?ネオにつなげ!」
「遅くなってすまないね。今からオレともう1機で敵を討つ。」
苛立ちを隠せない辻はその通信を無言で聞いていた。
「まったく…自分で罠にかかっといてどうしようもないオッサンだな。スティング、行くぞ。」
ネオ、スティングがサイ達に接近する。
「新しい反応?敵の増援か!あれは…新型、しかも2機か。サイ、気をつけろ!オレは緑の方をたたく!」
カオスに切りかかるドム。そしてサイはネオのウィンダムとの戦闘になる。機動力を活かしたネオの戦い方に
サイは翻弄されていた。Ψガンダムの性能のおかげでなんとか動きについていけるものの、終始押され気味
で、このままでは負けは明らかであった。ビームライフル主体の距離をとる攻撃にサイもビームガトリングで対
応していたが、雲に入ったネオを一瞬見失ってしまった。
「しまった!どこに…」
ネオを探すサイは左からの光の筋に気付いた。しかし、避けきる事ができずに被弾し、ビームガトリングが壊
れてしまった。チャンスとばかりにネオはビームサーベルを抜き、一気に勝負を決めにくる。
「ザフトのオリジナルよりはパイロットが弱いようだな。悪いけど落とさせてもらう!」
そう言ってウィンダムが横になぎ払ったビームサーベルはΨガンダムの右足にヒットし、スラスターが壊れた。
「しまった!これじゃぁドゲザザーが機能しない…。」
サイが負けを、死を覚悟した時、爆音が空に響いた。爆音の方向を見ると、関東軍の空母が被弾していた。
しまかぜの艦砲が命中したのであった。
「チッ!何してるんだ。スティング、いったん戻るぞ。」
舌打ちをしながらもネオは関東軍の空母に向かって引き返した。安堵するサイ。カーンから通信が入る。
「大丈夫か?どうにか向こうの艦に当てる事ができた、おそらくこれで撤退するだろう。」
カーンの言葉どおり、関東・連合協力軍は撤退していった。艦に戻ると、ドムもかなり被弾しており、この戦闘
の激しさを物語っていた。なんとか関西を守る事ができたものの、ネオとの戦闘で己の力のなさを痛感したサ
イは素直に喜べないでいた……
72前スレストーリ:2005/06/25(土) 01:01:16 ID:???
【ドゲザザーシステム】
正式名称 Defensive Os of G.u.n.d.a.m Embody:座面安定・スラスターシステム(Zamen Antei THrustER system)
略してDOGE:ZA・THERシステム

元々はサイが趣味で設計していたナチュラル用OS(実際は趣味などではなくキラへの劣等感からか?)だったが、Ψガンダム開発にあたり関西軍の技術力により改良、発展された。優れた運動性、安定性を発揮し、最大稼働時には独特の体形に一瞬で変形し緊急回避が可能。
尚、この技術がザフト側に何らかの形で漏れ、ザフト製新型可変機(カオス、アッシュ、バビ等)に応用されたという噂もあるが…?
73前スレストーリ:2005/06/25(土) 03:44:54 ID:???
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第16話前半「関西SOS!出撃吉本隊」


名古屋での関東軍との戦闘から1週間。大阪は何事もなかったかのように復興作業を続けていた。もちろん
サイ達もその作業を行っていた。しかし、サイはネオとの戦闘で感じた敗北感を拭えずにいた。あの時、カー
ンがいなければ自分は死んでいた。そんな自分にこの先関西を守っていく事ができるのだろうか?作業をし
ながらも、サイはその事を考えていた。すると、サイの様子に気付いたのか華子が声をかけてきた。
「サイ、ちょっと休憩しょうか。」
そう言いながら華子は大阪生まれのフリフリみっくちゅじゅーちゅを差し出した。日陰に移動し、休む2人。ふ
と華子が口を開く。
「まだ気にしてんの?」
「え?…なんのこと?」
「嘘いいな。あんた前の戦闘で敵のMSに歯がたたんかった事、気にしてんねやろ?」
「それは…」
「サイはようやってたやん!うちらがもっとはやくダガーを倒してサイをサポートせなあかんかってん。ごめんな。」
あの時の戦闘で華子ら吉本隊は関東軍のダガー部隊にてこずっていたため、サイ・近藤のサポートにまわる事
ができなかった。華子はそれを悔やんでいた。華子の言葉にサイは答える。
「そんな事ないよ。あの時はみんな必死だったし…。ただ、自分にもっと力があればなって…そう思ってただけ
 だよ……キラのような力が…」
「キラ?」
「あ、いや何でもない。そろそろ作業に戻ろうか…」
立ち上がるサイに華子が声をかける。
「サイ!うちは…たとえ自分が負けても関西が守れたらそれでええ。うちらは吉本隊っていうチームやねん。軍や
 ねんから、個人じゃなく軍で勝てたらええねん。やから、そんなに自分の責任にせんでええよ。あの時も、うち
 らは軍として関西を守る事ができた。それでええねん。な!そう思っとき!」
「…ありがとう。」
華子の優しい言葉にサイは少し救われた気分だった。
74前スレストーリ:2005/06/25(土) 03:47:12 ID:???
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第16話後半「関西SOS!出撃吉本隊」


今のところ、関東軍からの再度の攻撃はなかった。相変わらずブルーコスモスの運動は激しいが、関西ではブル
ーコスモスの姿をほとんど見ないのは幸いだった。開戦した今もなお、関西ではナチュラルとコーディネーターが一
緒に暮らしている。それは服部の尽力によるところが大きい。一貫してコーディネーターを擁護し融和の道をとって
きた彼を信頼する市民は多い。しかし、それは裏を返せば、服部という人間1人がいなくなった時に一気にこれま
での関係が崩れる可能性があるという事でもあった。服部自身もそれを察して表向きは議長として自らをパフォー
マンスの道具として使い、その裏で武力増強を推し進めてきた。
関西軍の工場地下では今また新たなMSの量産がすすめられていた。名古屋戦で実戦投入された関西軍初の
量産機ミクラス。これの上位機にあたるMSである。その名もレイアース。開発チーフの人間が自分の好きな漫画
からとった名前らしい。ミクラスに比べ、各スペックが向上している反面、コストもかかるため、今のところ少数しか
生産されていない。現時点で6機が完成している。名古屋戦後、このうち5機はしまかぜに搬入された。
そして服部があるところと連絡をとる。
「オレだ。【おとみ】の開発はどうだ?順調か?
 ……そうか、後1週間で仕上げろ。関東軍は必ず近いうちにもう1度攻めてくる。」
その時、慌てて士官が入ってきた。
「議長!関東軍の部隊が関空にむかって進行中との情報が!!」
「なんだと!関空は関西にとっては重要な空路だ。やらせるわけにはいかん。しまかぜを出撃させろ!」
サイ達に緊急召集がかかり、しまかぜは関空に向けて発進した。
…関空の少し手前でしまかぜは関東軍の捕捉に成功し、戦闘に入った。関東軍はダガーL4機、ウィンダム2機の
MS部隊を投入。関西軍はΨガンダムとロールアウトしたばかりのレイアース4機で迎え撃った。
激しい戦闘がくりひろげられる中、サイ達が1機、また1機と関東軍のMSを撃墜していく。その様子を艦のブリッジ
から見ていた関東軍の辻は不愉快でしかたなかった。
「なぜうちのMSばかり撃墜されるのだ!こうなっては…アレを出せ!!ネオの置き土産、有効に使わせてもらおう。」
「しかし…あれはまだパイロットの方が訓練不足ですが…」
「だまれ!このまま負けるのを見ていろとでもいう気か!!ザムザザーを出せ!」
関東軍は6機中5機撃墜され、負けは必至だった。サイ達吉本隊も勝ちを確信していた。その時、関東軍の空母のハ
ッチが開いた事にサイが気付く。
「増援?いや、でも今更・・…なんだ!?あれは!新型…それにでかい!」
突如として姿をあらわした謎の巨大MAにサイ達は驚いた。
「フフ…ザムザザーの力をもってして、関西軍など滅ぼしてくれるわ!」
辻の不気味な笑い声が響く中、サイ達はザムザザーを迎え撃つ事になる…
75前スレストーリ:2005/06/25(土) 03:48:36 ID:???
TVシリーズ  機動戦士ガンダムSEEDDESTINY MSV〜閃光のサイ〜
第17話前半「さらば友よ!山田華子、暁に死す」


突如としてあらわれたザムザザーにサイ達は戸惑っていた。
「サイ!おまえはとりあえず残り1機のダガーを倒せ!オレ達は4人であのでかい奴の相手をしとくから、ダ
 ガーを倒したらこっちに合流や!わかったな!?」
「はい!」
隊長のヤスシが出した指示を受け、サイは1人ダガーLを撃墜すべくむかった。そして、ヤスシ、華子、ヒロ、
マサの4人はザムザザーを迎え撃つ。
距離をとり、あまり攻めて来ないダガーL。それに焦りも加わり、サイはなかなかダガーを討てないでいた。
そのすぐ近くでは圧倒的な火力と推進力を持つザムザザーに華子達が苦戦していた。
「くそっ!あのダガー逃げてばかりじゃないか!これじゃぁ埒があかない…はやく行かないと皆が危ないって
 いうのに!」
苛立つサイはますます冷静さをかき、攻撃も当てられずにいた。その時、ザムザザーのクローで華子が乗る
レイーアスの左腕が破壊されるのが見えた。華子のレイアースは爆発とともにバランスを崩し、吹き飛ばされ
た。それを見たサイはヤスシの指示など忘れ、ザムザザーに突っ込んでいった。
「うぉぉぉぉぉ!」
「サイ、オレの指示を聞いてへんかったんか!まずはダガーを討て言うてるやろ!!」
「先にこっちを討たないと危ないでしょう!!」
感情が高まったサイは隊長であるヤスシの指示に逆らい、ザムザザーを狙いつづけた。しかし、怒りに身を
まかせた攻撃は全て大ぶりで直進的な動きのため全てかわされていた。
「サイ!サイ!!ちっ!おまえらサイのサポートにまわるぞ!あの野郎…。」
ヤスシ達は単身ザムザザーに挑むサイをサポトすべくフォーメーションを展開し、ザムザザーに攻撃をしかけ
ていく。
「華子、おまえは一旦しまかぜに戻れ!もう1機レイアースあったやろ。それに乗り換えてこい!!そのまま
 やったら危険や!!」
ヤスシの指示通り、艦に戻ろうとする華子。しかし、華子の目に反対側の離れた場所からΨガンダムにライ
フルの照準を合わせるダガーLの姿が映る。華子はスラスターを加速させ、サイ達のもとに向かう。
「華子、なんで来てん!戻れ言うたやろ!!」…ヤスシ
「サイ!危ない!!」…華子
「え?」…サイ
華子が乗るレイアースはΨガンダムの下を通過し、Ψガンダムを狙って撃たれたビームライフルの筋に直撃
した。レイアースはΨガンダムのすぐ近くで激しい爆音とともに、その破片が海に落ちていった。
76前スレストーリ:2005/06/25(土) 03:51:26 ID:???
TVシリーズ  機動戦士ガンダムSEEDDESTINY MSV〜閃光のサイ〜
第17話前後半「さらば友よ!山田華子、暁に死す」


「ぁ…うあぁぁあぁぁ!!…」
悲鳴とも奇声ともわからない声を発するサイ。華子のMSがやられたという事実が未だ理解できずにいた。
しかし、敵は容赦なくおそってくる。ザムザザーがΨガンダムめがけて突っ込んでくる。
間一髪かわしたサイをヤスシが怒鳴りつける。
「サイ!ボケッとしてんちゃうわ!あいつをやらな、次やられんのはおまえや俺らやぞ!」
次にやられる…その言葉がいやがおうにも華子がやられてしまったことを認識させる。サイをかばったために。
さらに追撃をかけようとむかってくるザムザザー。その時サイのSEEDが弾ける!
「おまえさえいなければ…!」
ビームサーベルで切りかかるも、図体に似合わぬ機敏な動きでザムザザーはことごとく攻撃をかわす。
「くそっ!」
それならばとファトゥームのビームカノンとビームガトリングを撃つも陽電子リフレクターにより防御されて
しまい、防戦一方になる。
「くっ・・・いちかばちか…」
そう言ってサイはザムザザーにむかい特攻する。それに合わせザムザザーはリフレクターを展開し攻撃に
備える。そして、Ψガンダムがザムザザーの正面に限りなく近づいた時、左腕に装着されているビームガト
リングでザムザザーを攻撃した。リフレクターに直撃し腕もろとも爆発し壊れるガトリング。
「な!ガトリングで殴ってきただと!?しかし、その程度でこのリフレクターを破れると思うな!とどめをさし
 てくれる!…いない!?」
ザムザザーの正面にΨガンダムの姿はすでになかった。Ψガンダムはガトリングで殴りかかると同時にそ
の衝撃とドゲザザー・システムによりザムザザーの真上に身をひるがえしていた。
「ここだっ!」
そう言うよりもはやくΨガンダムのビームサーベルがザムザザーを貫く。
「な…うわぁぁあぁぁ!!!」
パイロットの悲鳴とともに爆発炎上し海に消えていくザムザザー。それを見た関東軍は撤退を決め艦を退き
始める。追撃をかけようとするサイをヤスシが止める。
「サイ!おれらの任務は関西を守る事や!関東を滅ぼすことやない!」
「でもっ!」
華子のことを思えばそんな事を言ってられない。サイはそう思った。しかし、そんなサイを落ち着かせるかの
ように静かにバッテリー切れによるフェイズシフトダウンを起こすΨガンダム。
「サイ、命令だ。艦に戻るぞ」
「…はい」
そのやりとりの一部始終をブリッジで聞いていた雪見は胸中複雑な気持ちだった。


77前スレストーリ:2005/06/25(土) 03:52:16 ID:???
TVシリーズ  機動戦士ガンダムSEEDDESTINY MSV〜閃光のサイ〜
第18話前半「新たなる輝き!サイ、座長就任」


…関空攻防戦から数日後、大破して海に落ちたため華子は死亡の確認がとれず、MIAという形になった。
「名誉の戦死により2階級特進の華子師匠に敬礼!」
ヤスシのそんな言葉を聞きながら、サイは華子の墓標に敬礼をした。その目にはかすかに涙が浮かぶ。供養
が終わった後ヤスシが声をかけてくる。
「サイ。華子の遺品の整理はおまえがやっとけ。あと、いつまでもウジウジしとったらぶん殴るからな!あの時
 華子がおまえを助けんかったらおまえは死んでた。おまえが死んでたら俺らもあのMAにやられて死んでた
 やろう。そうなってたら関西も終わりやった。華子の事は残念や。でも、おまえは関西を救った英雄なんや。
 もっと英雄らしい顔しとかんかい!わかったな?」
「…はい。」
ヤスシの言葉にサイは一言答えるだけしかできなかった。英雄…自分にそんな言葉が似合うなんて思っても
いない。同じ隊の仲間を死なせてしまう人間のどこが英雄だというのだろう…サイは落ち込んでいた。しかし
周りの関西軍の兵士達はサイを英雄として崇め、慕ってくる。サイはヤスシの言葉を思い出し、無理にでも笑
顔をつくって接していた。カズィや雪見らクルーの面々はそんなサイにかけてあげられるうまい言葉が見つから
ずにいた。
78前スレストーリ:2005/06/25(土) 03:53:05 ID:???
TVシリーズ  機動戦士ガンダムSEEDDESTINY MSV〜閃光のサイ〜
第18話後半「新たなる輝き!サイ、座長就任」


ところはかわり、ここは関東軍の施設の中のとある部屋。その薄暗い部屋の真ん中に辻が立っている。
そして、辻を取り囲むように円卓状のテーブルに座る8人の男と後ろに立つ秘書のような1人の男の影。
そのうちの1人が喋る。
「これまでの失態、どういい訳する気かね?」
「それは……」
辻は答える事ができなかった。どういい訳したところで、これまで関西軍に破れつづけた自分は無事でいら
れるはずがないと諦めていた。何も言えない辻を見かねてか、別の男が口を開く。
「まあまあ、円楽さん。そう怖い顔をしなさんなって。辻くんも怯えているよ。今日はそういう事ではないでしょう?」
「それはそうだが…まぁ歌麻呂さんがそう言うなら…。おーい、山田くん、あれ持ってきて。」
円楽と呼ばれた男がそういうと秘書らしき男が動き、1枚のディスクを持ってきた。その内容がスクリーンに映し
出される。そこにはクモのような形をしたMAのデータが映っていた。
「これは…ザムザザーの改良版ですか?」
「まぁそんなところだ。拠点防衛用のMAゲルズゲーというらしい。連合の人間がそう言っていた。なぜ君にこれを
 見せたかわかるかね?」
「え?いや…」
「中部地方の事は君も知っているだろう。あそこは関東・関西のどちらにも属さない県が多い。最近、そこで不穏
 な動きがあるという事だ。これまでの戦果から、どうも関西にとりいろうと動いている県があるらしい。中部地方
 は関東・関西を分かつ重要なラインとなる地方だ。だからこそ、我が軍もあそこにローエングリンゲートを作って
 いる。君の任務はゲルズゲーの搬送、および中部地方の県を関東側にとりこむことだ。たとえ、武力をもってし
 てもな…。」
「ハッ!私の命にかえても、その任務まっとうして参ります!」
「その言葉、信じているよ。」
辻が中部地方に向かうのと時を同じくして、関西軍の1室で服部とサイが話をしていた。
「…以上が理由だ。サイ・アーガイルを座長に就任する、な。」
「でも議長!オレにはそんな資格…」
「華子を死なせたからか?確かに華子のことは残念だ。しかし、おまえのせいではない。むしろ、華子のことを
 残念だと思うのなら、なおさら就任してもらいたい。仲間を守りたいなら、力とともに責任も持つものだ。座長
 就任だ。わかったな?」
「はい…やってみます。」
納得もしていなければ自信もない。それでも、仲間を守るさらなる力を得る事ができるなら…そう思い座長に就任
したサイは新たなる一歩を踏み出した。しかし、それは力のみを求める道につながっていた。
79前スレストーリ:2005/06/25(土) 03:53:48 ID:???
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第19話前半「職務放棄!?恋にドキドキ、サイ・アーガイル」


サイの座長就任はその日のうちに関西軍内に告知された。その内容はサイの座長就任とそれにともない、
アーガイル隊が結成されるというものだった。また、アーガイル隊の母艦として軍の最新鋭艦おとみが配備
される事も記されていた。スタッフに関してはシマカゼのスタッフがほぼそのまま異動。しかし、パイロットは
サイとカズィの2人だけで、近藤や吉本隊はシマカゼに残る事になっていた。また、カーンもシマカゼの艦長
として残るためにおとみの艦長として新たに関西軍で闘将として圧倒的なカリスマ性を持つホシノ>>184
就任する事になっていた。人事についての正式な通知は後日改めてされる予定だ。
「サイ!座長就任おめでとう。」
カズィがサイに祝福の言葉をかけてきた。
「ありがとう。これからも一緒に頑張っていこうぜ。」
「まぁねー。しっかし、議長もさ、パイロットが俺たち2人だけって何考えてんだろな。どう考えても少ないよ。
 それともまだ決まってないだけで、もっと増えるのかな?」
「さぁ…それはオレにもわからないけど…。とにかく頑張っていこう!」
通路で話している2人のもとに雪見があらわれた。
「あ、サイさんにカズィさん。お疲れ様です。サイさん、私もおとみに異動になったんでよろしくお願いしますね。」
「あぁ、こっちこそよろしく。」
「それじゃぁ、私まだ仕事があるんで、これで失礼しますね。」
そう言って雪見は手をふりながら去っていった。
「いいよな〜、サイは。」
「え?何が?」
「何がって、雪見ちゃんだよ。まさか気付いてないわけないよね?」
「…?」
サイにはカズィの言っている事の意味がわからなかった。そんなサイにカズィは呆れ果てる。
「サイ、鈍感にも程があるよ。雪見ちゃんがサイのこと好きだってわからないの?」
「えぇ!?雪見ちゃんが・…?まさかぁ。」
「前から思ってたけどさー、サイって押しが弱いっていうか、純情というか…そんなんだとフレイみたいに雪見
 ちゃんも誰かにとられちゃうよ。」
「え…」
「あ、ごめん……フレイは関係なかったよね。ごめん、サイ…」
「あ、いやいいんだ。気にしてないから。フレイのことはオレが悪かったんだし。雪見ちゃんは仲良いけど、
 オレのこと別に好きってわけでもないと思うけど。それに…今はそういう事まだ考えられないや。」
「そっか…。ごめん、余計な事言って。」
「誤るなって、カズィ。とにかくお互いパイロットとして頑張っていこう。俺たちの関西を守らないと!」
「…うん。」
80前スレストーリ:2005/06/25(土) 03:56:02 ID:???
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第19話真ん中「職務放棄!?恋にドキドキ、サイ・アーガイル」

その夜、サイはいつものようにおとみの手伝いをしていた。おとみが閉店の時間になり客が帰った後、サイ達
は店の掃除を始める。
「オレ、生ゴミ捨ててきますね。」
「あ、待って。サイさん。これも捨てなあかんから一緒に行きましょう。」
慌てて雪見が後を追ってきた。ゴミ捨て場までは少し距離がある。2人で夜道を歩いていると、ふいに雪見が
話し掛けてきた。
「サイさんは本当にすごい人ですね。」
「へ?…なんでオレがすごいの?」
「だって…関西軍のエースとして座長に就任しはりましたし、今日はサイさんを祝福するためにたくさんの人が
 店に来てくれてはったやないですか。すごいです!」
「そんなことないよ…。雪見ちゃんの方がすごいよ。幹部候補生なんだし。」
「それは…単に試験に受かっただけの話です。私はサイさんのようにMSを操縦することはできません。いつも
 見てるだけです。ブリッジに入ったっていうても、実際戦ってくれてるんはサイさんですし…」
「雪見ちゃん…」
2年前の自分を見ているみたいだ。サイはそう思った。キラと自分、パイロットとクルーの間にある確かな差…実
際に戦っている者と、そうでない者。ある種の劣等感を感じているのだろう。
雪見の言葉に対し、サイはそれ以上何も言うことができなかった。雪見もそれ以上何も言ってこなかった。沈黙
したまま2人はゴミ捨て場につき、ゴミを捨てた後、また沈黙のまま帰路についた。静かな帰り道、雪見に気の
きいた言葉1つかけてやれない自分にもどかしさを感じていたサイ。沈黙に耐え切れなくなり、うつむきかげんで
横を歩く雪見の名前を呼ぶ。
「雪見ちゃん。」
「はい?」
「オレはパイロットとブリッジは違うだとか、パイロットの方がすごいとかそんなふうには思わない。雪見ちゃん達
 のようにパイロットをサポートしてくれるクルーがいなかったら、オレはとっくに死んでるよ。たとえどんな状況に
 なったって、雪見ちゃん達が支えてくれるって思える、信頼できるから、オレはMSに乗って戦えるんだ。雪見
 ちゃんはオレが皆を守ってるって言ってくれた。それと同じように雪見ちゃんはオレ達パイロットを守ってくれて
 るんだ。なんか全然うまく言えてないけど…とにかく!そんなふうに落ち込まないでほしい。元気だしてよ。」
「サイさん…ありがとうございます。」

81前スレストーリ:2005/06/25(土) 03:57:06 ID:???
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第19話後半「職務放棄!?恋にドキドキ、サイ・アーガイル」


笑顔になった雪見を見てサイはホッとした。その時歩いていた雪見が小石につまづき、転びかける。それを見た
サイは雪見の手を掴むが一緒にバランスを崩しこけてしまった。その際、サイの眼鏡が外れて落ちてしまい、レ
ンズに傷がはいってしまった。
「ご、ごめんなさい!」
「いいよ、気にしなくて。これくらい簡単に直るし。」
雪見がサイに謝る。が、その時雪見はある事に気付いた。
(…これって買い物にかこつけてサイさんをデートに誘うチャンスなのでは?)
そう思った雪見はすぐサイを誘ってみた。
「あの〜…もしよかったら明日オフやし、2人で眼鏡見に行きませんか?デートとかそんな深く考えないで。ほら!
 サイさんあまり難波の方には行った事ないから案内もしたいですしぃ…。」
「そう?じゃぁそうしてくれると助かるし、一緒に行こうか。」
そうこう話しているうちにおとみに戻った2人は残りの掃除も終わり、雪見達は眠りについた。
しかし、サイは眠れずにいた。華子が死んだあの日以来、寝ようと目を閉じるとあのシーンが脳裏に浮かんできて
寝れなかった。暗いと何か不安になるので、電気も消さずにいた。あの日以来、そのような生活が続いている。
82前スレストーリ:2005/06/25(土) 03:57:59 ID:???
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第20話前半「雨の再開…フォーリング・ジュリ」


一晩明けて、天気はあいにくの雨だったが、サイは雪見と買い物に来ていた。あの後、サイが寝付いたのは
早朝近くになってからであった。
「サイさん、もしかして疲れてはります?なんか目の下にくまもできてるみたいですし…。」
無理もない。ここ数日毎日2〜3時間ほどしか寝れていないし、眠りも浅い。睡眠不足による疲労は確かに
あった。しかし、せっかくの休日を自分の買い物に付き合ってくれている雪見の前でそのような事を言うこと
は失礼だと思い、サイは「気のせいだよ」とだけ言っておいた。
「サイさん。雨降ってるし、なんばウォークに行きませんか?あそこやったら傘ささなくていいですし。」
なんばウォーク…難波と日本橋の間にある地下街で多くのショップが入っている。大阪では有名で多くの人
が利用する場所だがサイは行ったことがなかった。
「なんばウォークかぁ…1回行ってみたかったし、そこに行こうか。」
「ですね。そこやったらメガネ屋さんもあると思いますし。探してみましょう。」
なんばウォークについた2人はまずメガネ屋を探した。店はすぐに見つかり、修理に1時間ほどかかるという
ことなので、その間に昼食をすまそうということになった。サイはあまり店がわからないので雪見に任せると
雪見が大好きだという店があるらしく、その店に行くことにした。雪見に案内され日本橋の方へと歩いていき、
地上に出てから、また少し歩いた。すると黒門というラーメン屋についた。
「ラーメン?」
「はい。私、ここのラーメン大好きなんです。」
普段女の子らしい雪見のお気に入りの店ということだから、かわいらしい感じの店だろうと思っていたサイは
少し驚いた。が、雪見の言うとおり、美味しかったのでサイは満足した。
ラーメンを食べて少ししてから店に行くと、サイの眼鏡の修理が終わっており、直った眼鏡を受け取った。
「良かったですね、眼鏡直って。私のせいでごめんなさい。」
「いや、雪見ちゃんのせいじゃないって。とにかく直って良かったよ。これからどうしようか?雪見ちゃん疲れた?
 疲れたなら帰ろうか?」
「え!?大丈夫です。私全然疲れてないんで、サイさん行きたいとこあるなら案内しますよ。」
「そうだなぁ…日本橋でMSのジャンクパーツ見たいし、もう少しつきあってくれる?」
「はい♪」
83前スレストーリ:2005/06/25(土) 04:00:06 ID:???
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第20話中半「雨の再開…フォーリング・ジュリ」


日本橋のパーツショップに着いたサイは現在考案中の新システムに使えそうなものはないかと真剣に品を
見ていた。雪見はそんなサイの後を嬉しそうに歩いていた。
「んー、このパーツ使えるかなぁ…」
悩むサイに店員が声をかけてきた。
「気に入りましたか?なんだったらお安くしますよ。」
「あ、まだ買うかどうかは…?……ジュリさん!?」
「え?もしかして…サイ君?」
サイに声をかけてきた店員はM1アストレイの元パイロットのジュリ>>6だった。
「生きてたんですね!良かった…ヤキン戦でMIAになったって聞いていたから…。」
「私もダメだと思ったんだけどねー。瀕死で宇宙空間に漂ってた私を関西軍のMSが見つけて保護してくれたの。
 それで運良く助かったわ。まぁつい最近まではリハビリ生活だったけどね。今はここでアルバイトしてるの。」
「そうなんですか。本当に良かったです。」
仲良さげに話す2人に雪見がわってはいる。
「あのぅ、サイさん。こちらの方は?」
「あぁごめん。雪見ちゃんは初めて会うね。ジュリさんはオーブの元パイロットで、ヤキンで一緒に戦ってたんだ。」
「よろしく。この子はサイ君の彼女?かわいい子ね。」
「え、いや雪見ちゃんとはそういう関係じゃなくて、まぁ同じ軍の仲間で…」
「軍?サイ君もしかして関西軍にいるの?」
「はい。ΨガンダムってMSのパイロットをしています。」
「そうなんだー。Ψガンダムのパイロットってサイくんだったのね。でも、なんか意外な感じ。ヤキンの時とかも、君
 はあんまり軍人って感じじゃなかったから。まぁキラ君とかもそうだったけどね。」
楽しそうに当時のことを振り返るサイとジュリ。日本に来てからのサイしか知らない雪見は自分1人だけ仲間外れ
にされているみたいで少し寂しかった。そんな雪見の心情に気付かずサイはジュリと会話を続けた。
「…ところでジュリさん。ここでバイトしてるって言ってましたけど、もうパイロットにはならないんですか?ジュリさん
 は元パイロットだし、もしなってくれたら心強いんですけど…。」
「ん…私も今の関西の情勢は理解してるつもり。関東とよろしくない関係って事とかはね。でも、どうしてもあの時
 の恐怖が蘇ってきて…コクピットには座れないの。」
ここ数日華子の死にうなされているサイにはよく理解できた。
「そうですよね…。すいません、変なこと言っちゃって。」
「いいのよ。私は力になれそうにないけど、サイ君は頑張ってね。じゃぁ私そろそろ仕事に戻らないと…」
「あ、はい。すいませんでした、時間とらせて。じゃぁまた。待たせてごめんね、雪見ちゃん。次行こうか。」
その後日本橋での買い物をすませた2人はおとみへと帰ってきった。
84前スレストーリ:2005/06/25(土) 04:01:34 ID:???
TVシリーズ  機動戦士ガンダムSEEDDESTINY MSV〜閃光のサイ〜
第20話後半「雨の再開…フォーリング・ジュリ」


…その頃、関西空港に1機の宇宙シャトルが着陸していた。2人の男が降りてくる。その後ろからマネージャー
らしき男も降りてきた。その2人(+1人)が向かう先には服部の姿があった。
「おぉ、待っていたぞ。わざわざ宇宙から呼び戻してすまんかったな。」
「ほんまやわ!議長が言うからわざわざ宇宙まで行ったのに、すぐ戻ってこい言うんやからな。疲れて当たり前や
 っちゅうねん。で、オレらを呼び戻したからにはあんねやろ?それなりの理由が。あと、あれはどうしたらええねん?
 宇宙で開発してた例のMS。シャトルに積んでるで。」
「外に軍の者がいるから、そいつらに運ばせる。まぁ話は後だ。とりあえず車に乗って軍本部に戻るぞ。」
「まぁオレらが戻ってきたからには関東の奴らに好き勝手はさせへんで。安心しとけ。」
「期待しているぞ。」
宇宙から来た2人(+1人)を乗せ、車は軍本部へと向かっていった。
85前スレストーリ:2005/06/25(土) 04:02:43 ID:???
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第21話前半「戦士の誇り!与えられたRe カズィ」


その日、サイとカズィの2人は議長に呼び出された。理由のわからない2人はとりあえず地下工場へと向かった。
そこには議長と見たことのない男が2人(+1人)いた。サイ達を見て議長が話しかける。
「よく来たな。」
「議長、そちらの方々は?」
「あぁ紹介しよう。この2人は浜田と松本だ。おまえも名前くらいは聞いたことあるだろう。あと、こっちはマネージャ
 ーの藤原だ。」
「浜田に…松本って、まさか、あの?」
「呼び捨てとはいい度胸やな。ペーペーのくせに。」
「あ、すいません!浜田兄さん、松本兄さん。」
サイが驚きのあまり敬称を付け忘れるのも無理はなかった。この2人は関西軍の中でもトップクラス、いや実質
トップ2と言っても過言ではない2人だからだ。関西軍から派遣として参加した2年前のヤキン戦ではザフトのMS
を次々と撃墜し、戦後も関西の治安を守り抜いてきた2人である。議長命令で4ヶ月前から宇宙にあがっていると
聞いていた2人が何故ここにいるのかサイは不思議だった。服部はさらに話を続けた。
「驚いているようだな。まぁ無理もない。こいつらには宇宙でやってもらう事があって宇宙に行ってもらってたわけだ
 が、それが1段落ついたから戻ってきてもらったのさ。そして、それはお前等にも関係あることだ。」
そう言うと、服部は浜田らの方を向いた。松本が話し始める。
「まぁそういうことやな。藤原、あれ見せたれ。」
松本の指示に従い、藤原が動く。藤原が動いた先にはシートをかぶったMSらしきものがあった。
「おい、センター分けの方。おまえの新しいMSや。ちゃんと見とけよ。」
松本がそう言うと、藤原がシートを外した。そこにはガンダムフェイスのMSがあった。
「これは…ガンダム?オレもガンダムに…?」
驚くカズィに藤原がMSの説明をする。
「正確にはちゃうけどな。これはオーブのムラサメっちゅうMSをうちで改良したもんや。ドゲザザーシステム改を
 積んでるから、カズィ、おまえでも操縦できるわ。これを作るために松本さんはわざわざ宇宙に行ったんや。
 ほんま松本さんの優しさは天井知らずやで〜。」
MS「Re カズィ」を見て唖然とするカズィ。服部が話し掛ける。
「まぁそういうことだ。宇宙用に開発されているが、大気圏内でもΨガンダム以上のスペックを誇る。これをおまえ
 に託す。MS名はおまえに因んで「Re カズィ」>>289だ。頼んだぞ!」
「え…でも……オレじゃぁ…」
とまどうカズィをサイが励ます。
「カズィ、おまえならできるって。」
「サイ……議長、わかりました。オレ頑張ります。」
86前スレストーリ:2005/06/25(土) 04:03:28 ID:???
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第21話前半「戦士の誇り!与えられたRe カズィ」


松本は話を続けた。
「それと、そっちのメガネの方。おまえのMSも宇宙で作ってるからな。」
「え!オレの…新しいMS!?本当なんですか?議長。」
「あぁ本当だ。巨大MAなど関東軍の力は日をおって強くなっている。それに対抗しうるだけの力がうちにも必要
 だからな。量産機も開発中だ。」
そこに藤原がわってはいる。
「サイ、おまえのMSの開発にも松本さんは関わってるんやで。ほんま松本さんの優しさは5大陸に響き渡るで〜。」
新しいMS…その言葉にサイは興奮を隠せなかった。今よりも強くなれる、と。
そして、サイ達は服部の指示でいったんミーティングルームに移動した。そこで服部が話をする。
「さてと…そろそろ今回の作戦について話すとするか。」
「作戦?」
MS受領だけではなかったのかとサイが驚く。
「そうだ。まぁ簡単に説明する。現在我々関西と関東は紛争中だ。そして、その間の中部地方は中立地域になって
いる。しかし、関東軍が侵攻しており、実質関東領みたいなもんだ。だが、関東軍からの支配がイヤで反抗している
組織も多数ある。今回そういった組織の1つから共同戦線をはらないかという申し込みがあったのだ。」
「共同戦線?」
「うむ。関ヶ原という場所は知っているな?そこに関東軍が設置したローエングリンゲートというものがある。それの
 破壊が今回の目的だ。それのせいで名神高速が米原JCTまでしか使用不可能になっている。上の福井に抜け
 ようにもゲートの攻撃範囲内だからな。また名古屋は完全に関東軍の支配化のため伊勢湾岸道、東名阪も使用
 不可と、ここで関西、関東のルートがほぼ断たれている。そのため中部は関東から高額とわかりつつも物資を購
 入するしかないし、我々関西としてもいつ攻められるかわからない状況で放っておく事はできないという事だ。」
「なるほど…。でも、どうして関ヶ原の方なんですか?前は名古屋から来たんですし、そっちが先でも。」
「名古屋よりも関ヶ原の方が関東軍の数が少ないからだ。まずは1つ、道をこじあける。それにゲートは地上に設置
 されているから、飛行可能なMSがいれば比較的安全に破壊できる。Ψガンダムはもちろん、Reカズィも飛べるか
 らな。そういった理由だ。それと、今回の作戦には浜田、松本にも参加してもらう。以上だ。」
「まぁそういうこっちゃ。よろしくな。」
作戦当日までの5日間、サイはいつにもまして訓練に励んでその日をまった。
87前スレストーリ:2005/06/25(土) 04:04:44 ID:???
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第22話前半「危険な作戦!ローエングリンゲート攻略」


作戦当日。例によって十分な睡眠はとれていないものの、サイは充実した気持ちでその日をむかえた。
この作戦が成功し、関ヶ原のローエングリンゲートを破壊することができれば、関西と関東の情勢も今とは
また違ったものになる。関西にとって、優位にはたらくのは間違いないからだった。そして、浜田、松本の
2人と共に戦えるということもサイを興奮させた。
作戦に参加するのはおとみと、関西軍の巡洋艦2隻であった。おとみは本来艦長としてむかえるはずだった
ホシノが体調不良のため、ヤキン時に艦長を務めていた松本が急遽艦長に就任した。
関ヶ原への移動中、サイとカズィは艦内のMSドッグにいた。MSドッグにはΨガンダム、Reカズィ、ライオン
丸、そして浜田専用機のReカズィ試作型の4機が収容されていた。カズィが憂鬱そうに話す。
「Reカズィか…ホントに良かったのかなって、今でも思うんだ。オレは…キラやサイみたいには頑張れない…
 また逃げ出すかもしれない……戦場でサイを置いて…。」
「カズィ…何も変わらないよ、オレもおまえも……キラも。」
少し重い空気を払拭しようと、サイは話題をそらした。
「あ、そういえばさ、なんでライオン丸があるんだろうな。カズィはReカズィに乗るのにさぁ。」
「さぁ・・・確かにそうだよな。パイロットなんていないのに。」
「何言うてんのや!」
突如として聞こえてきた大きな声にサイとカズィは驚いた。声がした先には美雪が。
サ「美雪ちゃん!?どうしてパイロットスーツを!?」
美「どうしてって、パイロットスーツを着る理由は1つに決まってるやろ!?私がライオン丸のパイロットや!」
カ「えぇ〜!?冗談はやめて早くブリッジに戻れっての。」
美「冗談やない!カズィ、あんたは知らんやろけどな、私もあの後おっちゃんからソフトもらってシミュレーション
   やってたんたで。あんたよりも良いスコア出してたわ。まぁ私に任しとき!」
無邪気に笑う美雪にサイとカズィは呆れるほかなかった。しかし、さきほどまでの重い空気はなかった。美雪
のおかげといったところだろうか。
その時、艦内に放送が流れた。松本の声だ。
「あー、もうすぐ関ヶ原に着くからな。パイロットはMSに乗って用意しとくんやぞ。」
その放送でサイ達の緊張は一気に高まる。
88前スレストーリ:2005/06/25(土) 04:06:10 ID:???
TVシリーズ  機動戦士ガンダムSEEDDESTINY MSV〜閃光のサイ〜
第22話後半「危険な作戦!ローエングリンゲート攻略」


「もう1度作戦の確認だけしとくぞ〜。浜田やサイらはMSでローエングリンの破壊に向かう。おとみはその後方
 から援護射撃をするからな。わかったか?高速道路上に設置されてるから、なるべく道路壊さんようにな。」
「あれ?おとみは来ないんですか?」
「ボケェ!カズィ。おとみが前まで行ったらローエングリンのいい的になるやろが!」
「す、すいません!」
「まァ残り2つの艦のMSも合わしたら16機や。情報ではむこうはだいたい20機程度がおるらしいから、浜田と
 サイとカズィで半分くらい倒してくれりゃ楽やわ。いけるやろ?任したで。よっしゃ!ほんなら行くで!」
カタパルトについたサイに雪見からOKサインが出る。
「よし…サイ・アーガイル、ガンダム行きます!」
まず浜田、サイ、カズィで先行した。ゲートまで近づくとジェットストライカー装備のダガーLが攻撃してきた。数は
情報通り20機ほど。敵MSが出てきたのを確認し、関西軍の残りのMS部隊出撃すし、関ヶ原は一気に両軍入
り乱れた戦場となった。
関東軍MSと空中戦を繰り広げるサイ。実戦経験を積んできたサイにとって一般兵が乗るダガーLはそれほど苦
戦する相手ではなかった。しかし、以前とは違う何かを感じていた。簡単に言えば、「反応がよくなった」という事
になる。以前よりも相手の動きがよく見えた。相手の攻撃をかわす回数が増えている。以前までならシールドで
防いでいた攻撃さえも今はかわす事ができる。ただ、どうにも落ち着かない気持ちだった。呼吸がはやくなり、息
づかいが荒くなる。それを心配した雪見から通信がはいる。
「サイさん、どうしたんですか?大丈夫ですか?」
「え?あぁ、問題ない、大丈夫だよ。」
サイの戦闘を横目で見ていた浜田も違和感を感じていた。
「あいつ…議長から見せてもろた映像資料と動きが違うな。敵は倒してるけど、反応がいいというか…まるで逃げ
てるみたいや。あいつ、まさか…な。」
浜田はさすがエースといった戦いぶりで関東軍MSを次々と落としていった。
「性能良い言うても、ダガーLはしょせん量産機や。こいつはダガーとはちゃうねん!ダガーとはな!」
カズィもつたないながらも、なんとか関東軍MSを落としていた。
「とりあえず、やられないように頑張らなくちゃ・・・」
「カズィ!うしろ、うしろ!!」
「え?…うわ!!!」
美雪からの通信で後ろを見るとReカズィめがけてライオン丸のビームが撃たれており、あやうく命中するとこだった。
「美雪!おまえ見方を殺す気か!!」
「ごめんて〜。なんやようわからんと撃ったら、カズィの方にいってん。ま、当たらんかったんやし、いいやろ。」
「おまえな〜!当たらなかったんじゃなくて、オレがよけたんだよ!」
次々と関東軍MSを撃破していく関西軍。浜田が指示を出す。
「よっしゃ!サイ、オレとおまえでゲート破壊に向かうぞ。ついてこい!
89前スレストーリ:2005/06/25(土) 04:06:52 ID:???
TVシリーズ  機動戦士ガンダムSEEDDESTINY MSV〜閃光のサイ〜
第23話前半「癒えぬ傷跡」


浜田と共にローエングリンの破壊に向かったサイ。2人の目の前にローエングリンが見えた。その時、サイ
達とローエングリンの間に割って入ったMAが1機。
「な!…あれは関東軍の新型!?」
驚くサイとうって変わって、浜田は冷静であった。
「ちゃうな。関東軍は自軍でMSの開発はしとらん。あれは連合の新型MAやろ。」
謎のMAの登場に動きを止めたサイと浜田。遠く司令室から戦況を見つめる関東軍の辻がいた。
「ふふふ…以前のザムザザーはやられたが、あのゲルズゲーは違うぞ!連合の最新MAということに加え、
 乗っているのは真島博士がつくりあげた強化人間だ!!>>285 ハハハ!」
相変わらずの高笑いをあげる辻。一方、サイと浜田はゲルズゲーと戦闘を始めていた。しかし、リフレクター
により攻撃が無効化され、ローエングリンとゲルズゲーのビームライフルにより近接戦闘にも持ち込めず、
戦況は降着状態だった。
「おい、サイ!このままやと埒あかん!あいつは多分前面にしかあのリフレクターをはれへん。そやから、オレ
 とおまえであのMAを常に直線状にはさむんや。360度はリフレクターはれへんねんから、オレかおまえ後ろ
 をとった方がライフルで仕留めるぞ!」ローエングリンには気をつけろよ!」
「はい!」
浜田の指示通り、ゲルズゲーを2人の中心にはさむように動くサイ。浜田の予想通り、ゲルズゲーは前面にし
かリフレクターを展開できなかった。しかし、向きを変えて2人の攻撃に対応し反撃してくる。サイ達は距離を
取っているため直撃はなかったが、その距離がまたゲルズゲーに決定的ダメージを与えられない原因でもあ
った。それに業を煮やした浜田がサイに指示する。
「おい!もっと距離つめるぞ!この距離じゃあいつは防ぎおる!!」
距離をつめる浜田とサイ。その時、近づくサイに向けてゲルズゲーはビームライフルを撃つ。それまで全ての
攻撃を避けていたサイだが、直進していたため避けきれずにシールドで防いだ。シールドでビームを防御した
ため、少しの振動と爆発音がした。その時、
「う…うわぁぁ!!」
突如として叫び声をあげるサイ。呼吸も荒くなり、Ψガンダムはその場で動きを止めてしまった。
90前スレストーリ:2005/06/25(土) 04:07:34 ID:???
第24話総集編「MOIRA」

関西の混迷が深まる中、議長服部は今までのことを思う。
なぜこうなってしまったのか?
サイ、カズイ、雪見と自らの思いを重ねながら。
10年前、プラントでの友・ギルバートとの会合。
傍らに立つ赤服のザフト兵と金髪の子。
友の思いに服部の心は...

関西の宿命のため、飛びたてKAN−ψガンダム!
91前スレストーリ:2005/06/25(土) 04:08:50 ID:???
TVシリーズ  機動戦士ガンダムSEEDDESTINY MSV〜閃光のサイ〜
第23話「癒えぬ傷跡」中盤


「オイッ!サイ!止まるな!死ぬぞ!おいっ!」
ψガンダムのバックアップがなくなり、ゲルズゲーの攻撃にさらされている浜田から通信が入るが、
サイはコクピットの中で震えていた。
動きを止めたψガンダムに気づいたゲルズゲーがビームライフルを射掛ける。
「お前の相手は俺や言うてるやろ!」
浜田は牽制のビームをゲルズゲーに放つが、ゲルズゲーのψガンダムへの攻撃は止まらない。

着弾の衝撃がコクピットを激しく揺らす。

―怖い

脳裏に華子のレイアースが散っていく様子がフラッシュバックする。
今まで、あの戦争の時も近いようで遠かった存在。
恐怖がサイの内側を支配していく。心拍数がどんどん上がっていく。
「はぁっはぁっ・・・」
とてつもなく息苦しい。コクピットの壁が迫ってくるような圧迫感。今すぐハッチをあけて外に出たい。
そして、いまサイを守っている唯一のものの、シールドが保持している腕ごと消失した。
「サイさんっ!」
ψガンダムの戦闘をモニタリングしていた雪見が悲鳴をあげる。
「ちょっとまずいな・・・」
松本もψガンダムの現状には眉をひそめることくらいしかできない。
今おとみが出て行けば関東軍のローエングリンの格好の的になってしまう。かといって、直掩のMSをψガンダムの掩護に
さけるほど、余裕もなかった。
「サイさん・・・」
雪見は銃火にさらされるψガンダムを祈るようにみつめた。

浜田の銃撃をたくみにかわし、ついにゲルズゲーは、ψガンダムの目の前にたどり着いた。
グロテスクなフォルムの前足をψガンダムの胸にかけ、ライフルの銃口をψガンダムのコクピットに向ける。

モニターいっぱいにゲルズゲーの虫を思わせる下半身と、腕に保持されたライフルが映る。

―もうだめだ

サイは全てを放棄し、目を閉じた。外に出られると思うと、サイの内の恐怖心はなくなっていた
92前スレストーリ:2005/06/25(土) 04:09:54 ID:???
第24話「舞い降りし女神は偽りか」
関東軍との睨み合いが続き、以前の激突からは双方小競り合い程度の戦闘しかなく
サイ達にも一旦の平和が訪れていた。
「キラ・・・・・・」
デイリースポーツを広げ裏面の記事にまず目をやるサイ、表面の阪神快勝の記事にはめもくれず写る裏面一面を飾るフリーダム、アークエンジェルの記事に
目をやっていた。
「フリーダム花嫁を略取誘拐、アークエンジェルと共に海の底か・・・」
詳しい中面の記事を読んでいたサイを間の抜けた声が襲う。
「うぁ!美雪ちゃんか・・・なんだよ」
「何だよやあらへんねん!お昼やでお昼!ソーメンがのびるで!」
新聞を奪われサイも渋々下へ降りていった。
「お早うございます、サイさん」
「雪見もうこんにちはの時間や」
雪見の言葉に都美子がすっと突っ込む、この大阪独特の会話にも慣れてしまった。
おとみは定休日なので閑散としている。
茶の間で賄い食以外のものをちゃんと食べるのも週に一度の楽しみだった。
大きなサラダボールに大量のそうめんと氷、徳用の3?濃縮汁に野菜や竹輪の天ぷらを目の前に昼食が始まった。
初夏の風が茶の間を抜けると風鈴をくすぐりおなじみの音色が歌う。
特にこれと言った会話もなく、テレビを見ながらソーメンをすする四人。
テレビではミネルバがスエズを攻略した事を伝えている。
現場からの映像に写るとザフトのガンダムは実にいい動きをしていた。
「サイより強そうやん」
美雪がすっと毒を吐く。
「お前のライオンもこいつにはかなわないだろ」
手なれた返答をするサイ、もうなれていた。
「サイさんもいずれはこれと戦うんですか」
雪見は心配そうな表情を浮かべる。
「服部議長はザフトとは友好的な関係を持っているから敵対する事はまずないだろうと言うがオーブですらあのありさま」
「世の中はワカワンてことですな」
都美子が頷いて代弁する。
「まぁ、そういうことかな、戦いたくはないけどね」
「そうですか」
不安ながらも笑顔を見せる雪見にサイも安堵の表情を見せた。
その時、おとみの看板を思いっきり開けて飛び込んでくるカズィ。
一瞬真昼間からの押し込み強盗だと思い立ちあがる三人。
「何、正規の軍人が皆揃ってビビッテんの」
座って何食わぬ顔でソーメンをすする都美子。
「すみません・・・カズィどうしたんだよ?」
「はぁ、はぁ・・・・あ、ありがとう・・・」
雪見が手渡した麦茶を飲み一呼吸置くカズィ。
「驚くなみんな、実は明日ラクス・クラインがデュランダル議長と関西空港にお付きになるそうだ」
「えー!」
都美子を除く全員が大声を上げた。
93前スレストーリ:2005/06/25(土) 04:11:15 ID:???
中編
翌日、確かにラクス・クラインはやって来た。
「なぁ言ったとおりだろ」
カズィが得意げな表情で笑っている。
「おいおい、俺たちは警護に来てるんだから真面目にやれよ」
修理中のψガンダムに代わり量産型ドムハイパーに搭乗しているサイがコックピットから身を乗り出して注意する。
「うち・・・ラクス様を生で見てるんやぁ・・・・軍に入ってこんなにハッピーな日は初めてやで・・・・」
ライオン丸のコックピットで美雪が目を潤ませて喜んでいる。
しかし、ラクスと面識のあるサイは疑問に思っていた。
何故キラと行動していないのか、何故プラントに戻ったのか、全てが謎でサイを困惑させていた。
「おい!しっかりしてくれよ、座長さん!」
考え事に夢中だったサイの後方にオレンジ色に塗装された新型MSが立っていた。
「しっかりしてくれよ!一応警備の係りなんだろ」
そのMSのコックピットが開くと青年が身を乗り出し呆れた様子で苦笑いしながら話しかけてきた。
「あの・・・・あなたは?」
「おっと申し遅れた、ザフト軍特務隊ハイネ・ヴェステンフルスだ」
94通常の名無しさんの3倍:2005/06/25(土) 13:11:36 ID:???
ハニワ王国
日本の先住民をなのる地下国家
国王ハニワ大王ハニ八世の息子ハニワタケルノ皇子の指揮下関西侵攻を開始
95通常の名無しさんの3倍:2005/06/25(土) 16:10:22 ID:???
保守
96通常の名無しさんの3倍:2005/06/26(日) 07:38:50 ID:NEj1mLCZ
age
97通常の名無しさんの3倍:2005/06/26(日) 11:56:53 ID:???
勝利を続ける関西軍、しかしこの事態を重く見た東アジア共和国は
ユーラシア連邦のアバーシリ牢獄から三人の囚人を関西に派遣した
その指揮を執るのはなぞの傭兵金銀仮面
次回、議長暗殺計画〜アバーシリの牢獄編
98通常の名無しさんの3倍:2005/06/26(日) 12:48:22 ID:???
第24話外伝「同盟締結」【1】
辻正明は焦っていた、ローエングリンゲート陥落により中部地方が関西よりになった
責任を取らされることと関西からの追撃がいつ名古屋に来るかを。
名古屋方面関東軍本部をダガー部分を失ったゲルズゲーが防衛していた、
その脇をハニワの仮面を着けた一団が通り過ぎた。
「関東軍中部地方軍司令、辻正明大佐殿はいるのか。ハニワ王国将軍ハニワタケルの皇子が来た」
ハニワ仮面の一団の中のリーダー格の男は言った、
「私が辻正明だハニワ王国将軍が何のようだ」
東アジア共和国から日本の統治を任された関東と日本の先住民を名のるハニワ王国は敵対関係にあった
さらにネコ耳帽子を被った一団にヘリポートから眼帯を着けた海賊風の老人が降りてきて
貴族風の軍服を着た青年を護衛する軍団と頭を剃った男達が睨み合っていた
「ネコオウ軍団に九鬼海賊団さらに新生ロシア帝国にツルリン寺僧兵団だと」
99通常の名無しさんの3倍:2005/06/26(日) 20:56:35 ID:???
100通常の名無しさんの3倍:2005/06/27(月) 10:53:09 ID:???
hosyu
101前スレストーリ:2005/06/27(月) 19:50:43 ID:???
第24話「舞い降りし女神は偽りか」
http://www.imgup.org/file/iup46934.jpg
1021話1/4@サイ、大地に立つ:2005/06/27(月) 21:38:48 ID:???
アークエンジェルの展望室で男女が会話している。

「サイ…地球軍に行くって本当?」
「ん?ミリィか…ああ、本当だよ」
「何で?皆カガリさんの計らいでオーブに移住できるのに…」
「ミリィ、俺たちってヘリオポリスで何をしてたんだろうな」
「え?」
「開戦してからも『オーブは中立だから』ってさ…昔マリューさんにも言われたけど」
「うん…」
「なんかさ、ザフトでは同い年の奴が戦ってるのにのほほんとしててさ。
こう、訳もわからないからとりあえず中立でいるっていうのが嫌なんだ。
どっちの言い分も聞いて…納得して自分の立つ所を決めたい、そう思ったんだ」
「サイ…」
「そういえばミリィはこれからどうするんだ?」
「あたし?あたしは…戦争で起きた悲劇を皆に知らせたい。
もう二度とこんなことが起こらないように…」
「そうか…じゃあしばらく会えなくなるな」
「そうね…でも一生会えないわけじゃないし、サイも頑張ってね!」
「ああ…頑張るさ」
フレイ…俺は…キミみたいな事が起こらない世界を作って見せる…!

−彼らが次に出会うのは2年後−
1031話2/4@サイ、大地に立つ:2005/06/27(月) 21:40:10 ID:???
「姫をシェルターへ。エヴァンスは!?」
「なんで…」
「こちらへ」
「代表!」
「なんとしても抑えるんだ!ミネルバにも応援を頼め!
3機の情報はデータベースに公開しろ!奪われるくらいなら破壊も許可する!」


「くそっ!なんでまたこんな事に…うわっ!!」
目の前でMSが爆発し、案内のザフト兵が爆発に巻き込まれる。
「なんで!!」
「こっちだ、走れ!カガリ!!」
走った先でも爆発が起こる。
「っ!」
爆発を車の影でやり過ごし、退路を探すアスラン。
すると近くの倒れたMSが目に入る。
「乗るぞ!」
「ええっ!?お前!」
ハッチを開けて乗り込む二人。
「ここで君を死なせるわけにいくか!!」


破壊されたハンガーの横で倒れてる二人が見える。
「レイ!ルナ!大丈夫か!」
「大丈夫です」
レイは素早く立ち上がり返事をするとルナマリアに手を貸す。
「早く乗り込め!」
二人が乗り込むと同時に急いで車を発進させる。
「なんなんですかあれ!?一体何が…」
ルナが呟く。
「…多分新型が盗まれたんだろうな、前ザフトでやったみたいに」
「新型が…?」「昔ザフトが…?」
「とりあえず生きてるハンガーに行ってMSで出るぞ、奴らを止める!」

もう悲劇は繰り返させない、ここで止めてやる!
1041話3/4@サイ、大地に立つ:2005/06/27(月) 21:41:20 ID:???
「出入口からは出るなよ!!壁を壊して出ろ!!」
指示を出して、外に出ると同時に今までいたハンガーは破壊された。

3機の正面にアビスが立ちはだかる。
「新型相手にザク2機とゲイツじゃちょっと荷が重いかな…」
急いで戦況を確認する。
と友軍は殆どやられ、少し遠くで交戦しているザクがいるのがわかった。
すぐに二人に指示を出す。
「黒い奴と戦ってるザクがいる、そいつを援護しに行け!」
そっちの方がミネルバに近いから援軍も来るだろう。
「えっ!でも!?」
「俺はこいつを足止めする、早く行け!俺のやられ損になるだろう!!」
「ルナ、行くぞ。迷ってても状況は悪化するだけだ」
二人が下がるまで新型に銃撃を浴びせる。
しかし新型はモノともせずにランスで切りかかってくる。
「フリーダムに比べれば…動きそのものは…」
とは言え流石は新型。何とかかわしたが、自分の腕ではとても倒すのは無理だろう。
向こうのパイロットが弱い事を祈るが、過去を思い出すとそういう事もないだろうと気付く。
「うわっ!」
またも切りかかってくる新型をかわし、蹴飛ばす。
攻撃が直線的だ、実戦経験があまりないな…この相手。
銃を向けてロックするとモニターに情報が表示された。
「アイ…ビス…?アビスか、武器は?」
コンソールを素早く操作する。
「ビーム…ランス…ミサイル…」
急いで情報を見ていると素早く立ち上がったアビスがビームを放ってくる。
「っと!ああっ!!!」
コクピットが激しく揺れる。
左腕を失ったか…クソっ!
援軍はまだ来ないのかっ!!
1051話4/4@サイ、大地に立つ:2005/06/27(月) 21:42:52 ID:???
「いたっ!新型!!」
「そこのザク、大丈夫か」
アスラン機に通信を入れるレイ。
「味方か!助かる!」
アスランのザクはカオスとガイアに囲まれ苦戦していた。

『こいつぅ…』
『ステラ!俺が後ろに回りこむから気を引けっ!!』
『うぇーいっ!!』
飛び上がるカオスと切りかかるガイア。しかしカオスを横から銃撃が襲う。
『っ!援軍が来やがったか!ステラ!急いで片を付けるぞ!!』
『このー!!』
「くっ!」
腕を切り飛ばされるアスラン機。
「おい!大丈夫か!?」
心配するカガリ。
追撃しようとするガイアをルナ機が追い返す。
その後ろからレイ機が援護射撃で更に押す。
『何よっ!こいつらっ!』
『ステラ落ち着けっ!二人で一機を狙えばそいつは倒せる…ぐぅあっ!!』
突然カオスの背部に爆発が起こる。
「インパルス…シンか」
レイが呟くと同時にビームソードを構えてシンが叫ぶ。

「何でこんな事…また戦争がしたいのか、アンタ達は!」
106サイに陽の目を:2005/06/27(月) 21:45:16 ID:???
このスレ落とすのは忍びないので稚拙なSSで持たせようと思います。
質問クレーム受付中
107通常の名無しさんの3倍:2005/06/27(月) 23:05:03 ID:???
           _, ‐''"´.........|........ ``丶、_
           _, ‐'´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::. i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:... `ヽ、
.      , ‐'´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:. ヽ\
      {' .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.___, -┴-、___.:.:.:.:.::.:::.:.:.:.〉 ノ
        \....::;. ‐'' ¨ ̄ /_,≦≧,_\  ̄¨'' 、:::'/
        `゙|:      \_<>_/     :|´
.          ,|t=== == == == == ==ァ!、
.        〈:i `>、.____________,,.ィ´ ; }
          }i、_:| " ィi互`ヽ 〈i´  'l矼_ゝノ,.イ/
          {⌒l|          `, `    ´ |リ゙}
          ヽ.くl|、       {     ノク/
         `テ!、         !     ,!‐′  100GET!
        _/,.,::\    'ー─一'   ,.ヘ、
         `'ー-‐r=ヽ、    ̄  ,∠!,__;:>
                  :\.___/
108通常の名無しさんの3倍:2005/06/27(月) 23:52:19 ID:???
               , ....--‐ ''' "" ''' ‐ 、
 >>107          ,. '´  ,. -- .、      `"'ヽ
               i  r'´    `' .、       '、
              r''゙  \       \      `!
              !/  i´"i           、.  |
              ,.!-!, !、',  ', 、 '、   、      !  |
             /) //i''==-;、'、ヽ !,'=-'、lヽ ! i i  !
.         //,.'//',! rt;;i‐` ヽ `-i;;:j‐ヽヽlノr'ヾ ,'
         , ' ,.' , '/./ .!  ̄ i ::.    ̄   iノl { ! i
        ,.'       /,.'")'、   ,' :::        -' //
     /      ' , ' .ヽ  ヽ        i'l" /
   ,-, '       , '    ヽ 、―‐ッ    ノ i /
  / !      ./      ゝ  ̄     /_, -'`!
/   ヽ  ,、-‐ '          l.ri,、 _ ,.; 'i''i''"   i
     ヽ' '、           ,' !l !| |  |.| l .!.    ',
       \. ',____,,..././;' !l .!  !.!. 'r',   ,. ,!、_
        ヽ'    _,,.... -'、' .,'/ .!  '、'、 -, -,.'- '   `" 'ー- .,_
       /   /"     `ー' ,!  ヽ-‐'" `"''ー- .,,_      `'ー- .,_
109通常の名無しさんの3倍:2005/06/28(火) 01:21:36 ID:???
機動戦士ガンダムSEED〜真説閃光のカズィ〜
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1119887358/
110通常の名無しさんの3倍:2005/06/29(水) 00:48:20 ID:TNBbkoMW
保守age
111通常の名無しさんの3倍:2005/06/29(水) 23:29:52 ID:???
            __,,,,,,___ 
          (⌒ヽ:::::::::::'''''-,,
      /巛 》~\  ::::::::::::::::::ヽ 
      ヾノ"~^ヽ,^ハ::::::::::::::::::::::ヽ,    
   ∫  (´∀`* (         )
   旦 (⌒ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄⌒)
112通常の名無しさんの3倍:2005/06/30(木) 20:47:08 ID:???
連合vsZAFTでサイはパイロットとしてストライクに登場できる
ソースは今月号のアルカディア
素で驚いちゃったよ
113通常の名無しさんの3倍:2005/07/01(金) 17:50:30 ID:???
    ||: : : : :| l;;;;;;;;;;;;;l;;;;r-_,,.. --――- 、---- 、;;l;;;;;;;;;;l |: : : : :||
    ||: ━ : | l;;;;;;;;;;;;;l,. =''         `ヽ、;;;;l;;;l;;;;;;;;;;l |: :━:||
    || : : : : :| l;;;;; ,rニィ /            ヽ;;;l;;l;;;;;;;;;;l |: : : : :||
    |ー┐ : :| l;;; 彡               ヽ;l;;!;;;;;;;;;l |: :┌┘.|
    |  |: : : |;;;;∠ , ,/ / ,,. -ァ,.. ァ,..:z/1 .ヽト|;l;l;;;;;;;;;;l |: : |  .|
     l___l_: l、 彡/イ/'"         リ//;;;;;ll;;;;;;;;;/ー---/
      \  \ \ ミlヘ'-ニ=、__j 、_,,ニゝl/イ;;;;;;;|__/_/  /
       \ ,γ⌒ヾ.、ヾ={'゙亠' )-‐-('^亠'_}='ノ;;;;;,γ⌒ヾ.、 /
         { i    i };;;ゝl  ̄ |ヽ  ̄  !'";;;;;{ i    i }<オレがストライクで出撃して
         ゝヽ_ノ_/__,-iヽ、 ,..: -、  /-、_ゝヽ_ノノ       自由をやつけてやる
     _,. -'''"^`┬一1 _ノ! \ヽ='' / |__/ ̄ ̄/~  `丶 、
 _,. -'''"  , -''"~ |___|~_  ヽ  ;iー イ  /  r'ー―-/ `ヽ、 _`ヽ、
 !ー--r / ヽ  「 __ |ー'^ ヽ/  | l_/~ー/ __ /  /ヽ |   ̄|
 |   | /   \ | |  | |    ヽ | /   / /  / / / ノヽ|  |
  |   |/ \   | | | |!    | /   / /  / /_// /ヽ   |
 | /_/    | |  | |    |/   / /  / /      ̄ヽ\ |
 / ̄     ヽ | |  | |    |/   [//  / / \       ̄ \
/\      /l| |__| |    |   /  ̄~ //|\       /\
114通常の名無しさんの3倍:2005/07/01(金) 19:12:41 ID:PLhoMXY7
ならストライクを使うしかないじゃないか!
115通常の名無しさんの3倍:2005/07/02(土) 00:57:38 ID:???
116通常の名無しさんの3倍:2005/07/03(日) 03:14:14 ID:???
117通常の名無しさんの3倍:2005/07/03(日) 20:57:01 ID:???
サイ「このスレは墜とさせない!!」
118通常の名無しさんの3倍:2005/07/03(日) 22:29:41 ID:???
やべ…
なんか、とてつもなく良スレだ…
俺もサイが主役の物語を妄想で描いたことあったが、ここはさらに上を走ってるな…
ということで応援します。
119通常の名無しさんの3倍:2005/07/04(月) 00:46:16 ID:???
>116
トールが妙にハマリ役だな
サイがカッコよすぎる
カズィは......
120通常の名無しさんの3倍:2005/07/04(月) 01:27:09 ID:???
28話「Ψの胎動」 前編

宇宙空間に関東軍が大量虐殺兵器建造中という噂を確かめるために服部議長はミネルバ二番艦おとみを
宇宙(そら)へあげることを決意する

松本・浜田 「議長これは・・・・」
浜田と松本は関東軍が宇宙空間に建造してると思しき、巨大なコロニーのような建造物の映像を見ながら絶句した。
服部 「うむ・・・デュランダル議長から警告があってな・・・・月軌道衛星上につくられた物のようだが
どうやらコロニーレーザのようだ」
松本 「こんな大規模な兵器・・・・実際に使われたらどうなるんや!」
服部 「コードネーム戒羅州と関東軍内部では呼ばれてるらしい、こいつの標準は「ここ」つまり大阪だ
もっとも直撃すれば大阪だけではすまないな・・・関西全域が巨大なクレイターと化す代物と推測される」
浜田 「そんな馬鹿な・・・・こんなもんつこうたら、関東だってただで済むわけないやないか!」
服部 「真実がどうであれこいつの完成だけは阻止せねばならん、行ってくれるな?お前たち」
服部 「それにザフトと共同開発していたアレをホーキンス隊から受領してもらいたいんでな、
サイたちも同行させてくれ、いざとなったら彼らの力が必要になるだろうしな」

そのころ、おとみのMSドッグでは修復されたΨガンダムのまえに立つサイの姿があった
1212話1/3@サイ、目立たず:2005/07/04(月) 22:57:41 ID:???
インパルスは戸惑っているガイアを相手に剣を振るう。
「『あれも…新型か…?」』
アスランとスティングが呟く。
その間にもインパルスはビームブーメランをガイアに当てる。
『こいつ…』
ステラがうめく。

(いけるっ!)
シンが体勢を崩したガイアに切りかかろうとしたその時
『シン!捕獲が無理ならば撃墜という命令だからな!忘れるなよ!!』
「わかってますよ!できるかどうかわからないからやってるんじゃないですか!うわ!」

『お前らまだトロトロやってたのかよぉ!』
突然現れたアビスがインパルスにビームを浴びせる。

「ひょっとしてやられちゃった…?」
「まずいな…新型が3対1ではザクが3機いても…」

『こんなザコ相手に何手間取ってんだよ!』
『うるさい!』
『アウル!舐めてかかるなよ!』

「とにかく俺達は時間を稼ぐぞ、捕獲も破壊も恐らくシンでなければ難しいだろう」
「了解!」
「絶対に逃がさないからな!!」
1222話2/3@サイ、目立たず:2005/07/04(月) 22:58:46 ID:???
!?

プラント内の地面が揺れる。
そこに船からの通信が入る。
『アーモリーワン周辺にてローラシア級が落とされました!』

「迎えが来たという訳か…シン!」
「わかってる!くっそぉぉ!!」
『このおぉぉ!!』
お互いのサーベルがぶつかり合って火花を散らす。
「!? 退いた?」
ルナマリアが相手をしていたアビスが下がる。
「このまま逃げる!?」
アスランが気が付く。

『スティング!今の!』
『分かってる、お迎えの時間だな』
『遅れてる』
『分かってると言ったろうが!』
『予定に無いことばっかり…ネオの野郎』
『ステラ、時間切れだ!行くぞ!』
『今すぐ沈める!喰らえーっ!』

「うわっ、あ、ぐあああぁぁ!!」
「シン、大丈夫か」
「まだまだ、クソ…訓練もない機体で!」

『こいつ!何故落ちない!!』
『いい加減にしろ!このままじゃキリも無い!援軍も来ちまう!』
『私は!こんな!』
『離脱だ、ステラ!』
『じゃあお前はここで死ねよ!』『アウル!』
『止まんないんじゃしょうがないだろう?』
スティングは舌打ちを返す。
『文句は結果出してから言えよ、ホラ!』
アビスはカオスの相手をしていたアスラン機にビームを浴びせる。
「ぐぁっ!!」「うわぁっ!」
倒れ込むカガリ。アスランは起こそうとしたがカガリの顔には頭から血が伝っていた。
「くそっ!」
すぐさま撤退するアスラン。
『これで満足だろ?』
スティングは無言で顔を顰めるとステラを連れて撤退を始めた。
『ったくよ!』
アウルもそれに続く。

「あっ!」「逃がすかぁ!!」「ルナ、追うぞ」
1232話3/3@サイ、目立たず:2005/07/04(月) 23:00:23 ID:???
ミネルバ内に声が響く。
「状況は!どうなっている!」
「議長!」
タリアの声の後、すぐまたブリッジの扉が開く。
「すぐに出られる機体はあるか!…デュ、デュランダル議長…」
「いや、いい。すぐに出撃してくれ」
サイは横のオペレーターに尋ねる。
「メイリン、何かあるか?」
「今回収した中破のザクと式典用で装備が少ないディンくらいしか…」
「ディンで行く、準備しておいてくれ」
走ってブリッジを出て行くサイ。

それと同時に艦に通信が入る。
「ミネルバ!フォースシルエットを!」
「どうします?艦長」
「許可します、射出急いで!」
「ハッ!」
タリアはデュランダルに視線を向ける。
「もう機密も何もありませんでしょ?」
「当然だ、これで止められるなら安い物だよ」
「…フォースシルエット、射出スタンバイ」
「このままではインパルス1機が飛び出す形になります」
「艦を発進させます、議長」
「任せる」

カガリに声をかけるアスラン。
戦闘から離脱して身近な港に入ったところで一番近くにあった艦に収容された。
「ふぅ、カガ…代表、大丈夫ですか?」
「うん…ああ…」
(ここは軍艦か?ややこしいことになりそうだな)
「ちょっとお待ちを」
ハッチを開けて両手を上げて顔を見せるアスラン。
「こちらはオーブ連合首長国代表カガリ・ユラ・アスハ氏だ。俺は随員のアレックス・ディノ
デュランダル議長との会見中騒ぎに巻き込まれ、避難もままならないままこの機体を借りた」
「少し待て、確認を取る。それとアスハ氏の顔を見せてくれ」
「了解した、代表は怪我をされている。確認が取れ次第治療をお願いしたい」
124通常の名無しさんの3倍:2005/07/06(水) 08:39:05 ID:???
ついにサイ専用MSが開発されますた
ttp://www.shoi.org/pramo/_others/g00_other/040422-004.jpg
125通常の名無しさんの3倍:2005/07/07(木) 16:13:31 ID:???
保守
126通常の名無しさんの3倍
ちょっとあげてみる