烈空戦騎ガイレイジャーいろいろ

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1名無しより愛をこめて
烈空戦騎ガイレイジャーについていろいろ書き込んでください。
小説、ネタ、なんでもいいです。
2名無しより愛をこめて:2006/04/08(土) 18:29:31 ID:MqLiAYcLO
>>2ゲット!
ついにやった!
3名無しより愛をこめて:2006/04/08(土) 18:47:22 ID:NDlh+UOp0
これって特撮なの?
4説明戦士:2006/04/08(土) 19:07:20 ID:X0+gNFJ8O
このスレはおもちゃ板で展開中の妄想特撮玩具スレから発展した
妄想特撮スレです
5名無しより愛をこめて:2006/04/08(土) 19:12:04 ID:NDlh+UOp0
>4
そうなんだ。でも妄想でも小説出してくれるなら見てみたい気がする。
とりあえずがんばって!
6名無しより愛をこめて:2006/04/08(土) 23:14:48 ID:X0+gNFJ8O
まずは設定をよく練るあらすじキャラ武器
ロボなど決めよ
7名無しより愛をこめて:2006/04/09(日) 11:00:29 ID:HKqJbNd60
そうだね。まず設定を決めてからでも遅くはないよ。
ある程度しっかりした設定がないとだめになる確率が高くなるから
8名無しより愛をこめて:2006/04/09(日) 11:40:45 ID:aUWnbkv/0
みなさん書き込みありがとうございます。
説明戦士さんの言う通り、ガイレイジャーはおもちゃ板から誕生した妄想特撮です。
これからも小説や設定などを掲載してよりガイレイジャーワールドを楽しめるように努力していこうと思います。
それでは「烈空戦騎ガイレイジャー」第1章をお楽しみください。
9ガイレイジャープロジェクト:2006/04/09(日) 11:42:20 ID:aUWnbkv/0
第1章伝説のヒーロー

 かつてこの星には2つの軍勢が争いをしていた。1つはすべてを我が物にしようとする「邪神族」、そしてもう1つが平和をもたらすために戦う「善神軍」…。2つの軍勢はいつ果てる事も無い戦いをしてきた。
邪神と善神は互いに犠牲を出しながら戦い続け、最後には善神の最高神「ヴィーダ」が邪神王「ハーデン」を封印する事でこの地に平和をもたらした。しかし善神軍もヴィーダを残して全滅し、誰にも語られる事
も無いままこの戦争はいつしか忘れられていった…。

 そして現代。この星に再び邪悪なる物が復活しようとしていた。
 「わが邪神王の復活のために、人間どもの闇の心を吸い取らねばならぬ。そのためには人間界へ行き、闇を植えつけなければならぬのだ」
 神官らしき人物が邪神像に祈りをささげている。おそらく人間の闇の心を吸い取り、邪神王復活の糧にしようとしているのだろう。
 「フッ、お前ごときに出来るのか?人間の心に闇を植えつけるにはそれなりの覚悟が必要だぞ。何せ人間は心というものが強いと聞くからな」
 黒いマントを羽織った騎士らしき男が神官の前に現れた。
 「ブラックナイト・サージェンか。出来るかどうかはやってみなくては分からぬだろう」
 「そうだなエディス。お前がどのように闇の心を奪ってくるのかお手並み拝見としようか」
 サージェンは通路の方へと消えていった。
 「サージェンよ、指をくわえて待っているがよい。必ず闇の心を取ってきて、邪神王を復活させてみせる。しかし、邪魔をする厄介な奴がいるから、そいつをどうにかしなければならぬな」
 エディスはつぶやきながら隣の部屋へと帰っていった。

10ガイレイジャープロジェクト:2006/04/09(日) 11:43:02 ID:aUWnbkv/0
「それじゃあ、配達行ってくるぜ」
 ガレージからバイクのエンジン音が鳴り響く。青年は配達物を届けるため、バイクで出発しようとしていた。
 「おい遼、気を付けて行くんだぞ」
 事務所から社長らしき人が顔を出してきた。
 「はいはい、分かってるよ。俺はもう大人なんだから、そのくらい十分に気を付けてるよ」
 遼は社長である父親に注意されながら会社を後にした。
 「まったく、父さんはいつも行くたびに『気をつけろ』とか、『ケガには注意するんだぞ』なんて、俺はもう成人してるんだからそんな事言われなくても分かってるよ」
 遼はバイクのアクセルを吹かした。季節はもう春になっていて、桜も満開に近かった。
 「もうこんな季節なんだな…」
 遼は、桜が咲く道をバイクで走っていった。

 「よく届けてくれたな。ありがとう」
 とある大学の一室で、遼は教授らしき人物に荷物を渡した。
 「どういたしまして。ところでこの中には何が入っているんです?」
 「それを聞いてどうするんだ」
 横のソファーに座っていた男が遼に質問した。
 「聞いちゃ悪いのかよ」
 「まあまあ、いいじゃないですか。見るだけなら大丈夫ですよ。ね、皆川教授」
 近くでお茶を入れていた女性が皆川教授に言った。
 「そうだなゆかり君、見るだけならいいだろう」
 「しかし教授、一般の人にそれを見せては…」
 「いいじゃないか大樹君、少しだけ見せるだけなのだから」
 皆川教授は小包を開けた。その中には一冊の本が入っていた。
 「うわ、古臭い本」
 「お前は見る目が無いな。これは烈空の書といって、あることを記した書物なんだ」
 大樹がそう言ったとたん、烈空の書に付いている紋章が光り始めた。
 「な、なんだよ。何で古臭い本が光るんだよ」
 首をかしげる遼を尻目に、大樹と皆川教授は烈空の書を見て目を合わせていた。
11ガイレイジャープロジェクト:2006/04/09(日) 11:46:08 ID:aUWnbkv/0
「教授、これは…」
 「うむ、どうやら烈空の勇者がこの近くにいるようだな」
 二人の会話を聞いて、遼はそのことについて聞いてみた。
 「おい、烈空の勇者っていったいなんだよ」
 「お前には関係ない」
 大樹は遼の質問に答えなかった。
 「ああそうかよ、俺には関係ないのかよ。じゃあ、関係ないなら俺はこれで失礼するよ」
 不機嫌になって部屋を出ていく遼。すると紋章の光が何事も無かったかのように消えてしまった。
 「これは一体…」
 「もしかして彼が勇者じゃないのかね」
 皆川教授がそう言ったそのとき、閉まっていた窓が開き、そこから謎の兵士が部屋に入ってきた。
 「烈空の書をこちらへ渡してもらおうか」
 いつの間にか神官エディスが、部屋の中に立っていた。
 「しまった、気付かれたか」
 「だから宅配で書を運ぶのは反対だって言ったんですよ」
 しかし時すでに遅し。三人は大勢の兵士に囲まれていた。
 「早く渡せ。さもないと、どうなるか知っていよう」
 エディスは手を差し伸べた。
 「私がこいつらを食い止めます。その隙に早く逃げてください」
 大樹は教授達を逃がすため、兵士相手に戦いを挑んだ。その隙をみて二人は外へ逃げ出した。
 二人が逃げ去ったのを確認すると、大樹はポケットから携帯電話サイズのパッドを取り出し、もう片方のポケットからカードを取り出してパッドにスラッシュした。
 『チェンジ・スタート』
 そして大樹はパッドを頭上に掲げて、叫んだ。
 「烈空変神!ガイレイジャーマックス!!」
 すると部屋いっぱいに光が照らされていった。

 
12ガイレイジャープロジェクト:2006/04/09(日) 11:47:04 ID:aUWnbkv/0
 「しまった、ハンコ忘れちまった」
 領収書にハンコを押し忘れてしまった遼は、ハンコを押してもらうため教授たちの部屋へ向かっていた。
 「押してもらわないとまた父さんに怒られるよ」
 ぶつぶつ言って二階に上がろうとしたとき、教授達にバッタリ会ってしまった。
 「あの、すいません。ハンコ…」
 「今はそれどころではない!わし達は今大変なことに巻き込まれてしまったのだ」
 「って、ちょっと待ってくれよ!一体どうなってるんだよ」
 今の状況がつかめない遼に、教授は遼の手を?んだ。
 「ちょうどいい、わしもお前さんに用事があったんじゃ。ちょっと来て貰えんかね」
 教授は遼の手を?んだまま外へ出て行った。
 「まあ、話せば長くなるんだがな、とにかく今はわし達と一緒に逃げるのが先だ」
 そのとき、二階の部屋にある窓ガラスの一つが割れ、人が投げ出されてきた。
 「な、何なんだお前は!」
 その正体は、大樹ことガイレイジャーマックスだった。
 「何だとは何だ!こっちはひどい目に遭っているのに、何様のつもりだ!」
 「そっちこそ、何て格好してるんだよ!ヒーローショーでもするつもりかよ?」
 二人がもめ合っていると、神官が遼たちの目の前に現れた。
 「いい加減、観念したらどうかね?さあ、烈空の書を渡してもらおうか」
 神官の言葉に、遼は不信感を持っていた。あいつはあの本を奪おうとしてるのか。もしそうだとしたら、あいつは悪い奴だな!
 「いい加減にしたいのは、あんたの方だぜ、悪代官さんよ!この本はな、とても大切なものなんだ。だから見てくれの悪そうなあんた達になんか渡すわけにはいかねえんだよ!」
 「お前…」
 遼の行動を見た大樹は、なぜか感心していた。
 
13ガイレイジャープロジェクト:2006/04/09(日) 11:48:18 ID:aUWnbkv/0
「そうか、渡せぬか。ならば殺してでも奪うまでよ!」
 神官は手を横に上げ、兵士達を遼たち目がけて襲わせた。
 「そうはさせない!」
 大樹=マックスは遼をかばって兵士達から身を守った。
 「お前!早く教授たちと共に逃げろ!」
 「お前じゃねえ!俺は天空寺遼って名前があるんだ!」
 「いいから早く逃げろ!!」
 そう言いながら大樹は兵士を投げ飛ばした。
 「でも、あんただけ置いて逃げるわけにはいかねえよ!俺はみんなを守りたいんだ!!」
 遼がそう叫んだとき、ゆかりの手に持っている烈空の書が光りだした。
 「ま、まさかこれって!」
 「そうか、やはり遼君がガイレイジャーだったのか!」
 その光は、遼の下へと飛んでいき、遼の身体を包んでいった。

 気が付くと遼は光の大地の中に立っていた。
 「一体どうなってるんだ?」
 遼が周りを見渡すと、向こうの方から女性の声が頭の中から聞こえてきた。
 「烈空の勇者よ…待っていましたよ」
 そこには女神のような美しい女性が立っていた。
 「私の名は善神ヴィーダ。数千年もの前から邪神と戦ってきたものです」
 「善神…ヴィーダ?邪神って何だ?」
 「はるか昔、私は仲間と共に邪神と戦ってきました。世界の平和を取り戻すために…。しかし邪神の力はすさまじく、
一人、また一人と仲間の命が奪われていきました。そしてやっとの思いで邪神を封印したときには、私を除く善神はすべて消えてしまいました。
でも彼らのスピリットは転生し、烈空の勇者として生まれ変わったのです」
 「もしかして、その勇者の一人が俺…?」
 ヴィーダはゆっくりと頷いた。
 「そうです。あなたは紅き炎神、ガイレイジャーブラスなのです」
 そう言うとヴィーダは、遼にパッドとカードデッキを渡した。
 「それはあなたがガイレイジャーブラスに変神するためのアイテム、ガイレイチェンジャーです。そのカードデッキの中にある変神用のカードを引いてください」
14ガイレイジャープロジェクト:2006/04/09(日) 11:48:56 ID:aUWnbkv/0
 「引くったって…」
 遼が悩んでいると、デッキからひとりでにカードが引き出された。
 「これで変神するのか」
 「そしてそのカードをチェンジャーの溝に通して読み取ってください」
 遼がカードを溝に通すと『チェンジ・スタート』という合成音が聞こえた。
 「チェンジャーを上に掲げて、『烈空変神』と叫んでください」
 「…叫ばないとだめ?」
 「そうしないと変神できませんよ」
 ヴィーダはにこにこしながら遼の方を見た。
 「分かったよ。それじゃあ行きますか。烈空変神!!」
 遼はガイレイチェンジャーを上に掲げて叫んだ。すると遼の身体が光に包まれ、紅き鎧を着た戦士になった。
 「これがガイレイジャーか…」
 「私が出来るのはここまでです。あとは他の仲間と共に邪神の復活を防ぐのです。さあ、急ぎなさい」
 ヴィーダがそう言った瞬間、遼はさっきのような光に包まれていった。

 「なんだ…?一体どうなっているのだ…?」
 神官はあの光を見て驚いていた。
 「もしや、あの男が伝説の勇者なのではあるまいな…」
 「そのまさかだぜ、悪代官」
 光の中から遼の声が聞こえた。そしてその瞬間、光が消えて紅き鎧を着た勇者、ガイレイジャーブラスが現れた。
 「紅き炎神!ガイレイジャー、ブラス!!」
 遼=ガイレイジャーブラスは名乗りを上げた。
 「お前、本当にガイレイジャーなのか?」
 大樹=ガイレイジャーマックスも驚いていた。さっきまで口げんかしていた相手がまさか仲間だったなんて、考えもしなかっただろう。
15ガイレイジャープロジェクト:2006/04/09(日) 11:49:38 ID:aUWnbkv/0
「お前がガイレイジャーならば容赦しない。ドクロ兵、奴らを倒せ!」
 ドクロ兵がブラスとマックスの周りを囲んで、短剣で攻撃してきた。
 「おいでなさったな、兵隊ども」
 「待て、これは私がやろう。マックスボルケーノ!」
 マックスは腕についているチェンジャーの青いスイッチを押して、ハンマー状の専用武器『マックスボルケーノ』を召喚した。
 「グランドインフェルノ!!」
 ボルケーノを地面に叩きつけると、周りにいたドクロ兵が震動でびりびりと痺れていき、そのまま消滅した。
 「ざっとこんなもんだ」
 これを見た神官は怒りに震えながら杖から電撃を放ち、二人を攻撃した。
 「ふっ、やるじゃねえか。今度はこっちからいくぜ!」
 ブラスはチェンジャーの赤いスイッチを押して、武器を召喚した。
 「ブラスブレイバー!」
 そして手に持ったブレイバーに力を込めると、刀身が赤く光りだした。
 「いくぜ!バーニング・ストラッシュ!!」
 ブレイバーから放たれた鳳凰形の赤いオーラは、神官目がけて伸びていった。
 「な、なにーっ!」
 オーラは神官に当り、そのまま消滅した。
 「うぐぐ…貴様ら、覚えておけよ」
 ダメージを負った神官は退却していった。
 「…やったのか、俺達」
 一気に緊張の糸が切れたのか、ブラスは遼に戻ってそのまましゃがみこんでしまった。
 「ああ、初めてにしては上出来だったぞ」
 マックスの変神をといた大樹は、遼の肩を担いだ。
 「それにしてもお前はムチャな事をする奴だな。私だったらこんな事はしないぞ」
 「勝ったからいいじゃねえか。ほんと、あんたは一言多いな」
 二人は教授とゆかりのもとへ戻っていった。
16ガイレイジャープロジェクト:2006/04/09(日) 11:50:18 ID:aUWnbkv/0
 「ふーん、あれが三人目か…無茶するねえ」
 大学の屋上で謎の男が二人の戦いを見てつぶやいた。
 「ま、おれっちの敵じゃないけどね」
 男は立ち上がると空を見上げた。
 「この次会う時は敵になるか、それとも味方になるか…神様だけが知っている、ってな」     
第1章終わり

 【次回予告】
 三人目を見つけるため色々な場所を探す遼たち。そんな遼たちの前に現れた謎の男、海。彼がガイレイジャーなのか?しかし海は遼に闘いを挑んできた。
ガイレイジャー対ガイレイジャー、闘いの火蓋は切って落とされた!
  烈空戦騎ガイレイジャー 第2章「三人目を探せ!」
 次回もガイレイジャーが熱いぜ!!
17ガイレイジャープロジェクト:2006/04/09(日) 11:53:49 ID:aUWnbkv/0
ガイレイジャー第1章をお送りしました。
設定集は次回から掲載しますのでもう少しお待ちください。
この小説のご感想、ご意見がありましたらこの板に書き込んでください。
それでは、また次回お会いしましょう。
18名無しより愛をこめて:2006/04/09(日) 13:17:19 ID:SBziFoqMO
設定
ドクロイド

邪神のつば と呼ばれる物質に魔力を込めると生まれる生命体

19名無しより愛をこめて:2006/04/09(日) 13:22:36 ID:G7XD2w80O

ガイレイジャーロボ
両手がドリル

必殺技はスーパーロボキック
20名無しより愛をこめて:2006/04/09(日) 18:37:45 ID:HKqJbNd60
サポートメカと合体して武装強化ってのもいいかも
21名無しより愛をこめて:2006/04/09(日) 18:54:06 ID:HKqJbNd60
ドクロ兵をサイボーグ兵として設定すればいいと思う。
人間を捕らえてサイボーグ手術して兵士として使うとか
22補足銃騎:2006/04/09(日) 19:02:25 ID:SBziFoqMO
ドクロ兵

邪神のつばの固まりを人に埋め込み
魔力を込めてドクロ兵にする
あとロボ武器等はガイレイジャースレを参考に
23名無しより愛をこめて:2006/04/09(日) 21:31:26 ID:5slhp7790
ガイレイジャーかガイレンジャーかと思ってた。

24名無しより愛をこめて:2006/04/09(日) 22:00:06 ID:5slhp7790
ガイレイジャーブラス 
ガイレイジャーカイン 
ガイレイジャーマックス

三人のヒーローか 
25名無しより愛をこめて:2006/04/10(月) 18:52:07 ID:yhkpU/dQ0
>24
今の所そうみたいだね。話が進んでいくうちにメンバーが増えてったり
するんじゃないの?
26名無しより愛をこめて:2006/04/11(火) 00:18:47 ID:4EomWdw00
ロボの名前とか敵幹部?とか武器の名前とかはおもちゃ板のスレにある程度でてる
27名無しより愛をこめて:2006/04/11(火) 19:34:51 ID:VLeYEIYb0
>26
あ、ほんとだ。これから見るとフォルスとアダンテは第三勢力みたいだね
28名無しより愛をこめて:2006/04/12(水) 12:29:04 ID:00IHLLT+0
>27
おそらく第3勢力。
敵側につけるにもサーディンが居るし、ガイレイジャー側には最初からつくはずないし。
それで正解だろう。
29名無しより愛をこめて:2006/04/12(水) 12:52:26 ID:hVLneXO80
日本の岡山には、母親を狩りレイプする”ママ狩り”という習慣があると、
大阪の同胞からきかされた。
我ら大韓民国の人間が味わったことのないような征服感が味わえるらしい。
我らは想像に胸躍らせながら岡山行き大韓航空に搭乗した。

岡山に着いた我らは、駅前の一等地に店を構える同胞を訪ねた。
「ママ狩りはどこへ行けばできるんだ?」
同胞はきょとんとしたが、一軒の料理屋を紹介してくれた。

我らは期待に胸を膨らませ料理屋に飛び込んだ。
わずか5分後に失意のどん底に叩き落とされることも知らずに・・・


                            ある韓国人の証言
30名無しより愛をこめて:2006/04/12(水) 18:11:15 ID:/o8uDERi0
>29
何ですか、これ?
31名無しより愛をこめて:2006/04/12(水) 18:39:23 ID:kXdujMms0
敵の新たな作戦か?
32名無しより愛をこめて:2006/04/13(木) 12:24:01 ID:6SVSBK8+0
>29
ここで書き込むことではないのでは・・・。
>28
そうなるとゴウライジャータイプなのかも。
第三勢力はそんなに珍しく」ないし、話を盛り上げるのにもこの選択をした
んだと思う。
33名無しより愛をこめて:2006/04/14(金) 19:16:19 ID:Zrjjzyb70
早く小説の続きが見たいなあ・・・
34名無しより愛をこめて:2006/04/15(土) 18:33:15 ID:W18GbEEt0
>33
小説の続き(第2章)は明日でも掲載しようと思いますので
楽しみに待っていてくださいね。
35名無しより愛をこめて:2006/04/15(土) 18:46:11 ID:w3vkEPlC0
オリジナルの特撮風ネタって
特撮板の守備範囲内だったのか?

・・・不覚にも知らなかった。
36名無しより愛をこめて:2006/04/15(土) 19:17:43 ID:TnBU7+fB0
>35
楽しめればいいんじゃない?
たとえオリジナルでもみんながいいと思ってるなら
特撮風でもここに乗せてもいいと思う
37名無しより愛をこめて:2006/04/15(土) 19:19:57 ID:w3vkEPlC0
>>36
なら、それに噛み付く奴が現れたらどうすんの?
俺はどっちでも全然かまわないけど少々気になる。
38名無しより愛をこめて:2006/04/15(土) 19:37:57 ID:TnBU7+fB0
>>37
そんな人はいないと思うけど、おそらくそんな人はこの板に来ないんじゃないかな?
来ても意味ないだろうし
39名無しより愛をこめて:2006/04/15(土) 19:43:18 ID:w3vkEPlC0
>>38
その意味ないアンチな粘着が湧くとこなんだよ、この板は。
とりあえず用心だけはしておいた方がいいと思うよ。
対処法は・・・やっぱり徹底的に無視かなぁ?
40名無しより愛をこめて:2006/04/15(土) 19:50:11 ID:TnBU7+fB0
>>39
そうなんですか。もしそうだとしたら用心したほうがいいだろうね。
ここの板が叩かれないことを祈るよ。
みんなも叩くようなことはしないでね。それを迷惑な人もいるんだから。
41名無しより愛をこめて:2006/04/15(土) 23:04:43 ID:yuZuR3i60
主題歌考えようよ
42名無しより愛をこめて:2006/04/16(日) 06:32:33 ID:9gYnAALH0
ガーイガイガイ 烈空戦騎ガイレイジャー
43名無しより愛をこめて:2006/04/16(日) 10:47:22 ID:+f6q1O850
>>41
そうだね、やっぱ主題歌があるのと無いとでは雰囲気も違ってくるからね。
それに、主題歌で物語の全容が少しつかめるかも知れないし。
44ガイレイジャープロジェクト:2006/04/16(日) 13:08:15 ID:bwKJcVeB0


第2章三人目を探せ!

 「どうしたエディス、お前らしくないな」
 邪神の間でうずくまっているエディスを見て、サージェンが話しかけてきた。
 「ふん、ガイレイジャーという奴らにやられたのよ」
 「そうか、ならば我々も新しい戦力が必要になるな」
 そのとき、邪神像からうめき声が発せられた。
 「どうやら邪神様も悲しんでおられるようだな」
 サージェンの言葉通り、邪神像の目からはドロッとした液が溢れてきた。そしてそれは邪神像の懐にある壺に流れていった。
 『エディスとサージェンよ、この新たな邪神のつばを使い、強力な兵士を作り出すのだ。そうすればガイレイジャーを倒す事も出来ようぞ』
 二人の頭の中から邪神の声が響いた。
 「邪神様、ありがたく使わせていただきます」
 邪神のつばが入った壺を取り出したエディスは、邪神像に向かって感謝の意を表した。
 (フッ、エディスよ、お前の活躍を見物してもらうぞ)
 サージェンはマントを翻し、神官の間を後にした。

 
45名無しより愛をこめて:2006/04/16(日) 13:09:01 ID:N0w27Imw0
仙台人の対人関係には、対等・平等・相互主義とかの概念はない。
彼らの対人関係は上下関係であり、それ以外にはない。上には卑屈な事大主義をとり、下に対し
ては、いつも上の言うことを全面的に認めて平伏すことを要求する。
下の対する仙台人の態度は、東京に進出している仙台人の現地市民に対する暴力
事件などで既に良く知られていることだ。
仙台人は「相手が下」と認識したら、差別を平気で行い隷属を要求し横柄な対応をするのである。
仙台にとっての人間関係とは「下僕がいつも仙台の言うことを全面的に認め、平伏すこと」という
主従関係であり、国際常識である対等関係・相互主義という概念はない。
他府県民が一般的に公正妥当な言説を述べることに対して、意見を述べることさえケシカランという
仙台の考え方からすれば、どんな正論に対しても仙台は他府県民を批判する何らかのへ理屈やへ理屈の
論拠となる捏造を持ち出して難癖をつけるのである。こういう構造なので、他府県民はその都度、
仙台のへ理屈や捏造に対して正論で応じ、偽装捏造やへ理屈の何処がウソなのかを指摘し続けるこ
とをしなくてはならない。
46ガイレイジャープロジェクト:2006/04/16(日) 13:09:18 ID:bwKJcVeB0
 「おいおい、何でお前らがこんな所にいるんだよ」
 最初の戦闘があった数日後、大樹とゆかりは遼の家へ相談に来ていた。
 「仕方ないだろう、この前の戦闘で大学が大変な事になったんだからな」
 「あの後大学から苦情が出て、私達はしばらくの間大学に入れなくなってしまったんです」
 大学内で戦闘をすれば、そうなるに決まってるよな…。遼はそう思った。
 「で、話って何だよ」
 「お前がこの前『他に仲間がいる』って言ってた話だ。その話が本当なら私達の他にもガイレイジャーに選ばれた者がすでにいるということになる。そこで私達は、すでにガイレイジャーになった仲間を探そうと思うのだが、お前にも手伝ってもらいたいんだ」
 「お、おい、俺は宅配の仕事をしなくちゃいけなんだ。そりゃ俺だって協力したいさ。でもお前達とは違って俺は忙しいんだ。仲間を探しになんて出来ると思うか?」
 気持ちは嬉しいけど、仕事放り投げてまで出来るわけないだろ、と遼は思った。
 「行ってやれよ、遼」
 部屋の奥から社長である遼の父が顔を出してきた。
 「と、父さん?だって今の時期はけっこう忙しいんだぜ。仕事放り出して行ける訳ねえだろう」
 「あの人達にとってお前はとても必要な存在のようだな。だったら遼、その人達の役に立ってやるのが筋ってもんじゃないのか?」
 「でも、配達の仕事はどうするんだよ」
 「お前位いなくたって大丈夫さ。気力でカバーするさ」
 そんな父の姿を見て、遼は済まなそうにお礼を言った。
 「ありがとう父さん、俺、大樹たちの役に立って見せるよ」
 それを聞いた大樹はソファーから立ち上がった。
 「じゃ、さっそく行くとするか」
 「って、俺だって用意ってもんがあるんだよ。少しは待ってくれよ」
 さっさと駐車場に移動する二人を尻目に、遼は支度をしながら追いかけていった。

47ガイレイジャープロジェクト:2006/04/16(日) 13:10:17 ID:bwKJcVeB0
「一体どこへ行くんだよ」
 大樹の車に乗り込んだ三人は、海岸の方へ向かっていた。
 「たしかこのあたりに反応があったはずです」
 教授が作ったガイレイジャー反応装置を持ったゆかりが、海岸の方を指差した。
 「なるほど、こんな所にいるとはな」
 海岸の近くに車を止めて、三人は海岸の方へと歩いていった。そのとき、どこからか誰かの声が聞こえた。
 「待ってたよ、ガイレイジャーのお二人さん」
 松の木の陰から男が姿を現した。
 「お前は一体誰だ?」
 大樹の質問に男は答えた。
 「おいらは磯原海。ガイレイジャーのお二人さんに用があってここに来たんだ」
 「まさか、あんたが三人目のガイレイジャーか?」
 続けて遼が海に質問をする。
 「もしそうだったらどうするんだい?」
 「俺達の仲間になってほしいんだ」
 「ふ〜ん、そうかい。ならこのおいらを倒してみな」
 海はポケットからガイレイチェンジャーを取り出し、カードをスラッシュした。
 『チェンジスタート』
 「おい、冗談だろ」
 「どうやら奴は本気らしい。私達も変神するぞ」
 遼たちもチェンジャーを取り出し、カードをスラッシュした。
 「烈空変神!!」
 三人は同時にガイレイジャーに変神した。
 「そうそう、そうこなくっちゃ。これでこのガイレイジャーカインが最強だってことが証明できる!」
 カインは二人目がけて攻撃を仕掛けた。

 
48ガイレイジャープロジェクト:2006/04/16(日) 13:11:09 ID:bwKJcVeB0
 いきなり始まってしまったガイレイジャー同士の闘い。しかしこの勝負はブラスとマックス側の優勢になった。
 「このまま一気に勝負に出るぞ」
 「でも2対1じゃ何か卑怯な気がするんだよな」
 二人がカインに襲い掛かろうとしたそのとき、どこからか刃型の光線が飛んできて三人を吹き飛ばした。
 「な、何だ?」
 「あ、あそこに!」
 ゆかりが指差した場所に神官エディスと怪物が現れた。
 「お前はこの前の!」
 「覚えていてくれたか、ガイレイジャーの諸君!今度は前の用にはいかんぞ。さあやれ、ドクロイド1号クラブカッター!」
 「キシュシュー!!」
 クラブカッターは手のハサミを開き、ビームカッターを出して攻撃してきた。
 「やべえ、あんなのに当ったら俺達真っ二つになっちまうぞ」
 よける三人。しかしビームカッターを連続して発射するクラブカッターに、ガイレイジャー達は手も足も出ずにいた。
 「とりあえずあそこの岩を盾にするぞ」
 必死になって岩まで走る三人。攻撃を避けつつ、なんとか無事に岩までたどり着く事が出来た。
 「どうするんだよ、これじゃあ近づく事も出来やしねえ」
 「とはいっても、あのカッターの攻撃を防ぐには、近づいて奴の懐に入るしかないぞ」
 悩むブラスとマックス。そのとき、カインがある提案をした。
 「ちょっとお二人さん。おいらに名案があるんだけど」
 「お前、また何か企んでるんだろう」
 「ここは三人力をあわせてあいつに一泡吹かせてやりましょう。それにはまず、お二人さんが囮になってあいつを引き寄せてほしいんだ」
 「だがそれは危険な賭けになるぞ。お前を完全に信用したわけじゃないが、勝算はあるんだろうな?」
 「まあ、任せてくれよ。おいらの腕を信じなさい」
 そういっているうちに盾になっている岩が少しづつ削れていった。
 「もうこの岩ももたない。1,2の3でここから出るぞ」
 「よし、1」
 「2の」
 「3!!」
 三人は散りぢりになって飛んだ。マックスとブラスはクラブカッターを引き寄せるためビームカッターを避けつつ応戦した。その隙にカインは少し離れた場所へ移動した。
49ガイレイジャープロジェクト:2006/04/16(日) 13:11:44 ID:bwKJcVeB0
「よ〜し、それじゃあやりますか。カインシューター!」
 カインはチェンジャーの黒いスイッチを押してカインシューターを呼び寄せた。
 「シュートパニッシャー、モードチェンジ!」
 銃口が伸びたカインシューターをカインはクラブカッターに向けた。
 「よしよし、ちゃんと引きつけてよ」
 ターゲットスコープを覗き、敵の弱点を探るカイン。そして…!
 「なるほど、胸の部分が弱点か」
 ターゲットをクラブカッターの胸に絞り込んだ。
 「いけ、スプラッシュバスター!」
 カインはクラブ目がけて引き金を引いた。圧縮された水の弾丸はみごとクラブの胸装甲を打ちぬいた。
 「あ、あぶねえ!」
 間一髪避けた二人はカインシューターの威力に驚いていた。
 「おい、避けろとか一言くらい言えよ!俺たちまで巻きぞいにするつもりか?」
 「ごめん、言う暇が無かったんで」
 胸を打ちぬかれて口から泡を吹いているクラブカッターを尻目に、ブラスはカインに向かって文句を言った。
 クラブを倒された神官エディスは激怒した。
 「うぬぬぬ〜、よくもドクロイド第1号を〜!こうなったら、邪神王様のお借りしてパワーアップさせようぞ!」
 そういうとエディスは杖を天高く上げた。するとクラブの真上から暗雲が立ち込め、そこから雷が降り注ぐと、見る見るうちにクラブカッターは巨大化していった。
 「これがドクロイド最後の力よ!クラブカッターよ、ガイレイジャーを踏み潰してしまえ!!」
 
 いきなり巨大化したクラブカッターにガイレイジャー三人はなすすべも無かった。
 「このままだと私達は踏み潰されてしまう!」
 「じゃあ何かいい方法があるのかよ!」
 そのとき松の陰に隠れていたゆかりが、ブラスにアドバイスした。
 「烈空の切り札にある召喚カードを使うんです」
 「烈空の切り札って、このデッキのことか?」
 ブラスは腰についているデッキからカードを一枚引き抜いた。
50ガイレイジャープロジェクト:2006/04/16(日) 13:12:40 ID:bwKJcVeB0
 「これをチェンジャーにスラッシュするんです」
 ブラスは言われるとおりにカードをスラッシュした。すると、『スクランブル、凱鳳凰』という合成音が鳴り響いた。
 「もしかして、これであいつに対抗できるのか?」
 そう言っているうちに天空から鳥形のマシンが1騎、飛来した。
 「これが凱鳳凰か。で、どうやって乗るんだ?」
 ブラスの声に応えるように、チェンジャーの画面が光り輝いた。
 「そうか、これを触ればいいんだな」
 さっそうブラスは画面を触った。
 『スピリット・ダイブ』
 チェンジャーから合成音が鳴ると、ブラスは凱鳳凰に吸い込まれるように搭乗した。
 「よし、行くぜ!」
 凱鳳凰は巨大クラブカッターに立ち向かった。
 「ビークバルカン!」
 ブラスが叫ぶと凱鳳凰の口から光の弾丸が発射された。しかし巨大クラブには全然効かなかった。
 「え〜と、あとは何か武器は…」
 ブラスが近くのスイッチを押すと、鳥の足から爪が出て巨大クラブを攻撃した。
 「やったか?」
 しかしそれでも巨大クラブに大きなダメージを与えられなかった。
 「くそー、これじゃ倒す事なんて出来っこねえよ」
 「変形するんです。この凱鳳凰は変形して騎光兵形態になれるんです」
 ゆかりがマックスのチェンジャーを通して、ブラスに凱鳳凰が変形する事を話した。
 「それを早く行ってくれよ。凱鳳凰、騎光変形!」
 ブラスが叫ぶと凱鳳凰が変形を開始した。鳥の足が両腕に、後ろの尻尾が両脚に、そして鳥の頭が後ろへ倒れて人型の頭が現れた。静かに舞い降りた騎光兵凱鳳凰は巨大クラブに対してファイティングポーズをとった。
 
51ガイレイジャープロジェクト:2006/04/16(日) 13:13:25 ID:bwKJcVeB0
 「これが騎光兵凱鳳凰か…」
 騎光兵凱鳳凰は巨大クラブにキックをお見舞いした。巨大クラブはよろよろと倒れていった。
 「よーし、今度はこれだ!」
 倒れた巨大クラブに騎光兵凱鳳凰はエルボーを食らわした。苦しがる巨大クラブ。しかし巨大クラブは騎光兵凱鳳凰の腕をハサミで挟んで捕らえてしまった。
 「まだこんな力が残ってたのか!」 
 ハサミに挟まれて動けなくなった騎光兵凱鳳凰は何とかハサミから逃れようと脚で巨大クラブの腹を蹴り続けた。
 「これでどうだー!」
 騎光兵凱鳳凰は巨大クラブを蹴り飛ばして、腕に挟まれたハサミを引きちぎった。
 「よし、これで止めを刺してやる」
 騎光兵凱鳳凰は両腕の爪を起こしてポーズをとった。
 「食らえ!ミラクルショットクロー!!」
 両腕の爪で巨大クラブを十字に引き裂いた。引き裂かれた巨大クラブは木っ端微塵に粉砕された。
 「やった!」
 「お前にしては上出来だな」
 下で見ていた三人は騎光兵凱鳳凰の活躍をみて喜びあっていた。
 「なんと、邪神様の力で作ったドクロイドが…」
 呆然になったエディスはこの場を去っていった。

 
52ガイレイジャープロジェクト:2006/04/16(日) 13:14:05 ID:bwKJcVeB0
 戦いが終わった後、四人は車が止めてある道路まで移動した。
 「どうだ、お前もガイレイジャーなら私達と一緒に戦ってくれないか?」
 大樹は海を仲間に誘った。しかし海は首を縦に振らなかった。
 「お言葉は嬉しいんだけど、おいら団体行動苦手なんだよね」
 「お前、いい加減にしろよ!」
 遼が目くじらを立てて怒った。
 「すぐにとは言わない。お前にも考える時間が必要だろうからな。だがこれだけは覚えていてほしい。私達はこの星を守る戦士だということを」
 「そうだね。考えておくよ。でも今度あったらまた闘ってくれないかな?まだ決着付いてないし」
 ふっ、と鼻で笑う大樹。
 「まあいいだろう。だが今度は二対一じゃなく一対一で勝負しよう」
 「おい、そんな約束していいのかよ」
 それを聞いた海は、後ろを向いて去ろうとした。
 「ああ、そのほうがいいね。それじゃ、楽しみにしてるよ」
 海は走って去っていった。
 「行っちまったぜあのやろう。本当に仲間になるのかよ?」
 「あいつは絶対に約束を守る男だ。心配ない」
 海が走り去っていく姿を大樹たちは見続けていた。
                                    第2章 終わり
53ガイレイジャープロジェクト:2006/04/16(日) 13:14:46 ID:bwKJcVeB0
【次回予告】
 一人で行動する海は、遼たちの仲間になるのを拒み続ける。何とか彼を仲間にしたい大樹は、ついに一対一の対決を自ら買って出ることに。しかし新たな巨大兵器が出現、凱鳳凰は苦戦を強いられてしまう。
果たして大樹は海を説得し、遼を助ける事ができるのか?
 烈空戦騎ガイレイジャー 第3章「その名は凱零刃!」
 次回は烈空戦騎凱零刃、参上!!
54名無しより愛をこめて:2006/04/16(日) 13:17:36 ID:PVrUlVLxO
ドリルちんちん
55ガイレイジャープロジェクト:2006/04/16(日) 13:23:55 ID:bwKJcVeB0
ガイレイジャー第2章をお送りしました。
早速>>18 さんのアイディアを使わせていただきました。ありがとうございます。
このあとになりますが、設定集を載せようと思います。まずは主要キャラとガイレイジャーの設定を載せます。
どうぞご覧ください。
次回はこのタイトルでもある『烈空戦騎』凱零刃が登場します。お楽しみに。>>41さん
主題歌ですか・・・。ここに乗せてもいいのですが、歌詞だけになってしまいますので
どうしようか迷っています。歌詞だけでもいいというのならあとで乗せようと思います。
56ガイレイジャープロジェクト:2006/04/16(日) 13:26:19 ID:bwKJcVeB0
烈空戦騎ガイレイジャー
【キャラクター紹介】1
天空寺 遼(てんくうじ りょう)
 21歳。炎神ガイレイジャーブラスに烈空変神する。ごく普通の正義感のある青年だったが、邪神との戦闘に巻き込まれ、そのときに善神ヴィーダからガイレイチェンジャーを託された。
炎神のスピリットを受け継いでいるせいか、熱しやすい性格で、敵に考えもせずに突っ走る事もしばしばある。そのため、冷静な大樹とは度々衝突する事もあるようだ。だがそれは彼本来の持つ
正義感の現れであり、そのおかげで数々のピンチを切り抜ける事も幾度かある。遼の父が経営する運送会社でバイク便をしている。
聖園 大樹(みその たいき)
 25歳。地神ガイレイジャーマックスに烈空変神する。数年前からガイレイジャーとして戦っていた青年で、しばらくの間仲間を探しつつ一人で邪神と戦い続けていた。そのため、戦いにおいて
の経験値は他の戦士よりも高い。敵の能力を分析して戦うのを得意とするが、冷静に物事を決める性格であるがゆえに遼と意見のぶつかり合いになる事もある。地神のスピリットを受け継いでいる
ため、ガイレイジャーのメンバーの中ではパワーが一番強い。
磯原 海(いそはら かい)
 22歳。海神ガイレイジャーカインに烈空変神する。遼がガイレイジャーになる少し前に変神する能力を手に入れた青年。当初は他のメンバーとは別行動をとっていたが、大樹との闘いを得て正式に
仲間になった。楽天的な性格で、おしゃれに気を使う。かわいい子を見つけたときは気軽に話しかけてデートに誘うテクニックを持つ(いわゆるナンパ)。戦闘においては華麗な動きで相手を翻弄する
スピードタイプの戦士で、特に水中戦では最速のスピードで敵を倒す。
57ガイレイジャープロジェクト:2006/04/16(日) 13:27:15 ID:bwKJcVeB0
皆川 大門(みながわ だいもん)
 50歳。教授でありながら考古学者という肩書きを持つ。神の古文書から善神と邪神の戦いを知り、
ガイレイジャーの出現を待っていた。大樹とは大学で教師をしていた時に知り合い、彼がガイレイジャー
になったときからサポートをしている。皆川は来るべき時に備えるために古代文字で書かれてある
『烈空の書』を解読し、そのことを実行しなければならないという使命を帯びている。性格は慎重深く、
かつ大胆な面もある。
若葉 ゆかり(わかば ゆかり)
 26歳。皆川教授の助手で、ガイレイジャーのサポートを担当する。始めは古いアパートに住んでいたが、
追い出されて天空寺家へ居候する事になった。そのお礼として家事全般をしたり、会社の仕事を手伝ったりしている
(助手の仕事がない時だけ)。すこしおっちょこちょいな性格で、時々失敗したりする。しかし彼女は一生懸命やって
いるので、みんな文句を言えないでいるのだ。
58ガイレイジャープロジェクト:2006/04/16(日) 13:28:25 ID:bwKJcVeB0
【ガイレイジャー紹介】
ガイレイジャーとは、善神ヴィーダによって選ばれた戦士達の名称だ。彼らの体内には伝説の闘神(スピリット)が宿っており、それぞれ能力が異なる。
ガイレイチェンジャーに烈空のカードをスラッシュする事でガイレイスーツを装着する。
ガイレイジャーブラス
 天空寺遼が烈空変神した紅き炎神。炎の能力を持ち、その力で敵を一掃する。体力、スピード、パワーのバランスがよく、オールマイティーな戦いが出来る。
武器は長剣であるブラスブレイバーで、長剣のほかに左右に分離して二本の刀ブレイバーツインエッジに、さらに繋げることでブレイバーランスになる。
必殺技はブラスブレイバーに炎の力を集めて敵を一刀両断する「バーニングストラッシュ」。
ガイレイジャーマックス
 聖園大樹が烈空変神した黄の地神。大樹の能力で戦うほか、その能力を探索に使う事もある。戦いの経験値が多いため、実質ガイレイジャーのリーダーともいえる。
地神のスピリットを宿すため、主にパワーを駆使した戦闘が得意。武器はハンマーの形をしたマックスボルケーノ。変形する事でボルケーノジャベリンにもなる。
必殺技はマックスボルケーノで大地を打ち、天変地異を起こす「グランドインフェルノ」だ。
ガイレイジャーカイン
 磯原海が烈空変神した蒼き海神。水の能力で敵を倒す。水中での戦闘能力に秀でていて、水中戦では敵う者がいない。地上ではスピードを駆使して敵を翻弄させる。
一撃離脱の戦法が得意だ。武器はボウガンの形をしたカインシューターで、変形させてシュートパニッシャーにすることが出来る。必殺技はカインシューターを連射して
敵を弱らせた後にシュートパニッシャーで止めをさす「スプラッシュバスター」。
59名無しより愛をこめて:2006/04/16(日) 19:06:08 ID:NNyszRYz0
おおっ、第2話がアップされてるぞ。
内容は3人目の戦士が仲間になるかならないかで終わってるみたいだね。
ということは次で仲間になるということか。次回も楽しみに待ってるよ。
60名無しより愛をこめて:2006/04/17(月) 12:23:25 ID:WLzwKufQ0
内容としてはなかなかいいところを付いてるような気がする。
1話から仲間がすべて集まらない、アウトローな奴がいる、最初のうちは
チームワークがちぐはぐなど、見るところが多い。
これから話が進んでいくともっと複雑な構成になっていきそうな感じだが、
元の部分がしっかりしているので、安心して観る事が出来ると思う。
これからもガイレイジャーの小説をがんばってほしい。
61名無しより愛をこめて:2006/04/18(火) 19:25:59 ID:FmewpnNe0
キャラクターやガイレイジャーの設定がけっこう詳しく乗っているのには少し驚いた。
次はロボの設定かな?
62名無しより愛をこめて:2006/04/19(水) 19:33:09 ID:UpGm6hhx0
>>61
それもいいけど、敵幹部やドクロイドの設定も載せてほしいね。
63名無しより愛をこめて:2006/04/20(木) 00:16:17 ID:syg4TBFm0
sage進行のがいいのでは?
64名無しより愛をこめて:2006/04/20(木) 12:31:42 ID:6TFOU7m30
>>63
それはもったいない。せっかく小説の連載が始まったというのに。
このまま消すのはだめなような気がする。
65名無しより愛をこめて:2006/04/20(木) 19:35:41 ID:6vJOUL+j0
>>63>>64
もしsage進行にするなら小説だけほかの板に誘導させるようにすればいいのでは。
そのままにしたいのなら小説が完結するまで残してあげればいい。そうしたほうが
ガイレイジャーの小説を書いている人も、小説を楽しみにしている人も納得すると
思う。
66名無しより愛をこめて:2006/04/21(金) 12:26:00 ID:rR7TmgM/0
>>65
まあ様子を見ようよ。ぜんぜん入ってくるわけじゃないんだし。
入ってくるのはこれから。
67名無しより愛をこめて:2006/04/21(金) 18:50:04 ID:02/A+Sjd0
勝手にロボ設定

烈空神・ファイヤーブラス
ガイレイジャーブラスが乗る巨大ロボ。

烈空神・グランドマックス
ガイレイジャーマックスが乗る巨大ロボ。

烈空神・シーカイン
ガイレイジャーカインが乗る巨大ロボ。

三体の烈空神が合体すると烈空戦神・ガイレイダーになる。
その姿は善神・ヴィーダに似ている。
68名無しより愛をこめて:2006/04/21(金) 19:24:23 ID:1wVQyGAW0
>>67
ガイレイジャーのロボットの名前は凱零刃だそうです。
ほかの設定は次の小説待ちかな。
69名無しより愛をこめて:2006/04/22(土) 12:24:16 ID:AFNb+qRE0
次の話はその凱零刃が活躍するみたいだね。
楽しみ。
70名無しより愛をこめて:2006/04/22(土) 15:39:48 ID:j7AJ/2Q80
第3章 女神様危機一髪

 ヴィーダは敵の罠である催眠ガスからようやく目覚めようとしていた。
しかし思うように体が動かず、まだ意識もはっきりとしていなかった。
(寒い‥‥ここはどこ?‥‥‥)
 周りを見ようとするが、前から強い光に照らされており全く見えなか
った。ただ自分が、なぜか一糸纏わぬ姿にされていることと、両手両脚
が枷により固定され大の字の形で磔けられていることは、すぐにわかっ
た。
 そして自分が神官サージェンに捕まったということに気付くのにはそう時間
はかからなかった。
「お目覚めかな?」
 不意に前の方から声がする。
「いったい何のつもり?」
「オマエは、我々に楯突く気だな」
「お前は‥‥‥」

 ヴィーダが名前を言おうとするのを遮るようにサージェンは話し出した。
「我々はガイレイジャーの事をいろいろと知りたいのだよ、ヴィーダ。
‥‥チョット失礼だが、動かないようにさせてもらった。」
「ご親切ね!!こんな事してもいっさい話さないわよ」
「それでは困るのでね‥‥‥」
「ふ、拷問くらいでは私の口は割れないわ!」
「そうだろう。だから、君のオンナに訴えかけようと思ってね‥‥‥」
「女?‥‥‥‥」
 そういうと、サージェンは奥の方から手下を呼び出した。逆光により何
人いるかはわからないが、1人でない事は確かであった。
「やれ‥‥‥」
 サージェンは冷たく言い放った。
「「はっ!!」」
71名無しより愛をこめて:2006/04/22(土) 15:45:53 ID:j7AJ/2Q80
 ヴィーダの側に3人のドクロ兵と遼そっくりの男が姿を現した。
ドクロ兵達の手には道具が握られている。その道具が何に使われるのかは一目瞭然だった。
手足が固定されているので、動くことは出来ない。このドクロ兵達の魔の手からは逃れることは出来なかった。
 ドクロ兵達がヴィーダの側に付いたとたん、部屋の灯りが一瞬で灯る。
ヴィーダが拘束されている部屋は、4方全てが鏡で覆われており、美しい裸体がそこら中に映っていた。
ドクロ兵達が身につけている物は、黒いビキニタイプのブリーフだけであった。思わずそのドクロ兵達の股間に
目がいってしまったがすぐに視線をそらした。しかしその脳裏にはたくましい、強調された股間のイメージがくっきり残っていた。
 ドクロ兵達は無言でヴィーダの体を舐め回すように眺めていた。ヴィーダにはその視線が、
体中に突き刺さっているのがはっきり感じられた。顔を赤らめているが、堂々と視線をまっすぐ前に向け、
あくまでポーカーフェイスを貫いていた。
遼そっくりの男は腕を組み、にやりとしている。

(あぁ‥‥‥見られている‥‥‥)
 そう考えれば、考えるほど躰の中から熱い物がこみ上げてくる‥‥‥
徐々に躰も、赤らんできていた。サージェンは、そのわずかの変化も見逃しはしなかった。
「‥‥ふふ‥‥興奮してきたのではないか‥‥」
「‥‥‥」
「口を開かないつもりだな‥‥‥」
 サージェンは、ドクロ兵の1人に目を向け、なにやら合図をした。そのドクロ兵は合図を受け取ると、
ヴィーダに目隠しをした。それが終わるや否や、他のドクロ兵達は一斉にヴィーダに取り付き、躰の感触を確かめる
かのように、やんわりと愛撫し始めた。1人は脚を、もう1人は腹部を、そしてもう1人は腕をそれぞれ撫で回していた。
 ヴィーダは視覚が遮られているので、何をされるかがわからず多少の恐怖心に襲われていた。
さらに触覚が敏感になり、いつもより数倍感じやすくなっているのであった。
「‥‥‥ぁ‥‥‥くぅ‥‥」
 ドクロ兵達は執拗なまでにヴィーダの躰を撫で回していた。ヴィーダは、
ドクロ兵の動きが徐々に性感帯へと近づいていっているのが、何となく
わかっていた。
 そして、それを自分が望み始めてしまっていることも‥‥‥
(あぁ‥‥‥はやく、もっと感じたい‥‥‥)
72名無しより愛をこめて:2006/04/22(土) 15:46:52 ID:j7AJ/2Q80
 しかし、ドクロ兵達は急に愛撫をぴたりとやめてしまった。
「!?‥‥‥ぇ‥‥‥」
「フフ、どうした、不満そうな顔だな‥‥‥」
 何処からともなく声が聞こえてくる。
「‥‥‥‥そ、そんなこと‥‥‥」
「‥‥‥やっと喋る気になったのか?」
「!!‥‥‥‥」
「また黙りか‥‥‥」
 不意に声が途切れたかと思うと、ドクロ兵達はまた愛撫を開始した。
今度は、ヴィーダの性感帯を中心に攻めだした。

「くぁっ‥‥‥ん‥‥‥」
 突然の快感が、体中を駆けめぐった。不意の攻撃によって、ヴィーダは
思わず悦楽の声を挙げてしまった。胸はやんわりと揉まれて、さらに乳
首は舌でなぶられているようであった。それも一度に両胸を攻められて
いた。その攻めに耐えられず、無意識のうちに、乳首は堅くツンと上を
向いて尖ってきていた。
「‥‥‥くっ‥‥‥」
 さらに下腹部の方にも、ドクロ兵の手が向かってきており、秘所を人
差し指と薬指で開かれ中指で敏感な肉芽を中心に攻められていた。肉芽
を擦られるたびに躰がビクンビクンと跳ね、抑えている声が出てきそう
になった。一気に3カ所も攻められて、気丈にも耐えているヴィーダにも、
女という性からは逃れられなかった。
「‥‥‥‥!?」
 クチュッ‥‥‥クチュッ‥‥‥ヴィーダの耳に、いやらしい水音が聞こ
えてきた。それは、敗北の音にも聞こえた‥‥‥
「くぅ‥‥‥‥」
「クク‥‥‥ついに本性を現したな‥‥‥さあやれ、ドクロイド2号ソードウルフ」
 サージェンが愉快そうに笑いながら話しかけてきた。
 遼そっくりの男が黄金色に輝く鎧をまとった人狼に変身する。
「奴は遼の生き別れの兄だ。人間に絶望して我々の組織の人間になったのだ。」
ソードウルフはゆっくりとヴィーダの胸をやさしく愛撫しはじめた。
73名無しより愛をこめて:2006/04/22(土) 15:48:19 ID:j7AJ/2Q80
「は・・・ぅ‥‥‥‥」
「やはりお前も女‥‥‥一度火がついてしまっては収まらないだろう。
今のうちにガイレンジャーの秘密を喋っておけば、これ以上は痴態をさらさずにす
むがな。もっとも、快楽をもっと味わいたいなら別だが‥‥クク‥‥‥」
(くっ‥‥‥話すものか‥‥‥)
「だ、誰が‥‥‥ぅ‥‥‥」
 しかし、この快感にもっと身を委ねていたいという気持ちがヴィーダの中
で芽生え始めていた。
「フフ‥‥‥」
 ドクロ兵達はさらにいっそう激しく責め立て始めた。いつの間にか胸
を攻めていたソードウルフが、ヴィーダの後ろに回り込み菊門を攻めだした。
ヴィーダの愛液を中指に絡ませ、一気に押し入れた。
「くあっ‥‥‥」
 ヴィーダは今まで味わったことのない直腸を直接触られる感触に、思わず
悲鳴を上げていた。中指は直腸の中をあらっぽく掻き回していた。さらに、
秘所の中にも指が挿入され、ヴィーダの膣の中を掻き回していた。たまに直
腸に入っている指と、膣内の指がたまに躰の中でぶつかり合っているのが
感じられた。胸は、更にきつくそれでいてリズミカルに揉まれており、時
折強く乳首を摘まれると、躰が跳ね上がってしまった。
 しかし、未だ喘ぎ声は挙げてはいなかった。ヴィーダの堅固な意思と、理
性がそれを押しとどめていたのであった。だが秘所からは、止めどなく愛
液が流れ出ており、太腿を伝い、床にまで達していた。体中から汗が吹き
出ており辺り一面に牝の匂いをまき散らしていた。めくるめく快感が、ペ
ギーを襲っていた。
 ヴィーダの意思や理性も限界に近づきつつあった。
(もぅ、どうなってもいい‥‥‥もっと、もっと‥‥‥)
 ヴィーダの頭の中はすでに快感に支配されつつあった。
74名無しより愛をこめて:2006/04/22(土) 15:53:00 ID:j7AJ/2Q80
 するとドクロ兵達が不意に愛撫を中止した。
「?‥‥‥」
 と突然同時に、ソードウルフが一番感じる乳首やクリトリスといった性感帯を強く摘んだ。
「ああああああぁぁぁぁぁっっっっっ‥‥‥」
 あまりにも強い快感にヴィーダはついに絶叫しながら、達してしまった。
それと同時に、秘所からは黄金の水が滝のように流れ落ちた。今まで抑え
てきた本能が一気に解放され、頭の中は真っ白になった。
「ククク‥‥‥アハハハハ‥‥‥」
 サージェンはさも愉快そうに、高笑いをあげた。
「グォオオオオー」
ソードウルフも雄叫びをあげる。
「神といえど、所詮女などこんなものよ‥‥‥クク‥‥後はお前達に任せる
‥‥‥一部始終記録はしてあるな!」
「はっ!!」
「決して殺すな‥丁寧に扱え‥一応客人だ‥フフ‥‥」
「続きはまただ。楽しみにしておけ」
 そういい残すとサージェンとソードウルフは部屋を立ち去った。

                                  第3章 終わり
75名無しより愛をこめて:2006/04/22(土) 17:37:02 ID:PpmL2btx0
官能小説になっちゃった
76名無しより愛をこめて:2006/04/22(土) 18:36:11 ID:6IqqKewH0
び、びっくりしたー!
これって裏の第3章?何かすごい展開に・・・。
77名無しより愛をこめて:2006/04/22(土) 18:50:11 ID:u0VXn9FM0
なんかもう駄目駄目な雰囲気ですな。
78名無しより愛をこめて:2006/04/22(土) 19:17:22 ID:IuCoRipJ0
う〜ん、どうだろ
79名無しより愛をこめて:2006/04/23(日) 10:48:59 ID:FAxkjMp/0
>>70
ここって一般だよね・・・?18禁じゃないよね????
未成年が見てるかも知れないんだし、こういう内容はちょっとヤヴァいんじゃないの?
これからは気をつけてね。
80ガイレイジャープロジェクト:2006/04/23(日) 11:27:30 ID:SgDhyK3K0
>>70
うわあー、ビックリしました。まさかほかの方から小説を掲載してくれるなんて・・・
でも、>>79さんのいう通り、ここは一般の方でも見られる板なので、18禁的な展開は
できれば控えさせてもらいたいのです(子供が見たらどう思うでしょうね・・・。)。
今回は多目に見ますが、これからは気をつけてください。
それでは、ガイレイジャー表(?)の第3章をお楽しみください。
81ガイレイジャープロジェクト:2006/04/23(日) 11:28:58 ID:SgDhyK3K0
第3章その名は凱零刃!

 「実は君に見せたいものがあるんだ」
 皆川教授の家に呼ばれた遼は、ある宝石箱を見せられた。
 「これって一体何が入ってるんだ?」
 「実はこの箱はわしの手では開けられないんだ。おそらくガイレイジャーでしか開けられないように出来ているのだろう」
 「大樹に開けてもらえればよかったんじゃないですか」
 「実はだな…」
 教授は困った顔で遼を見つめた。
 「いきなりなんですか。こんなに困る事なんですか」
 「大樹に連絡したんだが、用があってこちらに行けないと言われたのだ」
 もしかして、あいつのところへ行ったんだな。と、遼は頭の中で思った。
 「それで俺を呼んだんですか」
 「そうだ。君の協力が必要なのだ。さあ、開けてみてくれないか」
 遼は恐る恐る箱に触った。すると箱のロックが外れる音がして、自然と箱が開いた。
 
82ガイレイジャープロジェクト:2006/04/23(日) 11:29:55 ID:SgDhyK3K0
「…なんだ?これって金貨か?」
 箱の中には金貨が1枚納まっていた。
 「もっと豪華な物が入ってると思ったのによ」
 「これは…烈空の金貨!」
 「…烈空の金貨?何だよそれ」
 皆川教授は烈空の金貨を箱から出すと、こんなことを語りだした。
 「はるか昔、邪神族と善神軍との戦いがあった。互いに仲間の命を失いつつも、戦いの末にヴィーダがハーデンを封印してこの戦いはようやく終わったのだ。そのときに使われたのが『烈空の金貨』だ。
金貨は全部で7つあり、それをすべて集めたとき大いなる力が生まれると言われている。この金貨はその内の1つというわけだ」
 「へー、そんなに大切なものなのか、烈空の金貨って」
 遼は烈空の金貨をまじまじと見ていた。
 「これは厳重な所に保管しておく。邪神族にでも奪われたら大変な事になるからな」
 皆川教授は金貨を箱の中に入れなおし、箱を閉じると金庫の中へ閉まった。
 「けど、こんな所に閉まっておいて大丈夫かよ。もっと頑丈な所がいいんじゃないのか」
 「その事なら大丈夫だ。この金庫は特殊合金で出来ていて、しかも地下の金庫部屋へそのまま移動できるようになっているのだ」
 「なるほど、それなら邪神族がここへ襲ってきても大丈夫というわけですね」
 紅茶を運んできたゆかりが安心そうに言った。
 「本当に大丈夫かよ…」
 「ん?何か言ったか?」
 小言を言った遼に皆川教授が鋭く聞いてきた。
 「い、いいえ、何でも…」
 あぶねえあぶねえ、教授は変な所に凝った事するからな…。遼はほっと胸を撫で下ろしながらそう思うのだった。
83ガイレイジャープロジェクト:2006/04/23(日) 11:30:28 ID:SgDhyK3K0
その頃大樹は海との決着をつけるため、山奥まで来ていた。
 「あいつめ、わざわざこんな所を選ぶなんて」
 海が指定した場所は、ちょうど山の頂上にある切り立った崖の上だった。そこで一対一の闘いをするのだろう。
 「待ってたよ、マックスさん」
 「変神もしてないのにそんな名前で呼ぶな。私の名は聖園大樹だ」
 大樹はギッと海をにらんだ。
 「なるほど、今の状態でもやる気まんまんというわけね。じゃあ、今からやりますか」
 「望むところだ」
 二人は烈空のカードをチェンジャーにスラッシュし、変神した。

 「しかしよ、何であいつは仲間になりたがらないんだろうな」
 帰り道、遼はゆかりに海が仲間にならない事の愚痴をこぼしていた。
 「え?誰のことですか?」
 「ほら、前に会った海とかいう奴のことだよ。ガイレイジャーになったんだから仲間になったっていいのによ、あいつはそれを断りやがった」
 「まだそうと決まったわけじゃないでしょう」
 遼の態度を見て、ゆかりは言い返した。
 「今大樹ちゃんが説得しに行ってるから大丈夫ですよ。あの子は絶対海ちゃんを仲間にして帰ってきます」
 「…ゆかりさん、大樹や海の事、ちゃん付けで呼んでなかった?」
 「…はい?」
 遼の質問に、ゆかりはとぼけながら答えた。
 「…まあいいよ。それよりゆかりさん、さっきの金貨の話なんだけど…」
 遼がゆかりに金貨の事を言おうとしたとき、突然激しい地震が起こった。
 「何だ、いきなり地震か?」
 「そうじゃありません、あれを見てください」
 ゆかりが指差した先に、何やら巨大な足つきの戦車が出現した。
 「何だよあれ、戦車か?」
 「あれは、敵のマシンです!遼ちゃん、早く変神して凱鳳凰を呼んでください!」
 またちゃん付けかよ…。遼はそう思いつつガイレイジャーブラスに変神し、凱鳳凰を呼んだ。
84ガイレイジャープロジェクト:2006/04/23(日) 11:31:20 ID:SgDhyK3K0
「じゃ、行ってくるぜ。スピリット・ダイブ!」
 ブラスはさっさと凱鳳凰に乗り込み、騎光兵に変形させた。
 「何てでかさだ…」
 足つき戦車の大きさにブラスは驚いていた。凱鳳凰と比べても2倍以上の身長差があるのだ。これではうかつに近寄る事も出来ないだろう。
 「しょうがねえな、遠くから攻撃するか」
 凱鳳凰はある程度距離を離して攻撃する事にした。しかし足つき戦車は背負っている大砲から弾丸を発射した!
 「な、何だと!」
 間一髪、ぎりぎりの所でよけた凱鳳凰だったが、攻めるチャンスを失ってしまった。
 「ははは、思い知ったかガイレイジャー!この魔界戦車ガードックに立ち向かうなど十万年早いわ!」
 魔界戦車の中からエディスの声が聞こえてきた。
 「そ、その声は…悪代官!!てめえ、何のつもりだ!」
 「知れた事よ。お前達をこの魔界戦車で倒すのよ。そうすれば邪神様の復活を邪魔するものはいなくなるからな」
 誇らしげに笑うエディス。それを聞いた遼=ブラスは激怒した。
 「ちくしょう!近距離じゃダメ、遠距離でも相手が攻撃してくるんじゃどうしようもねえよ!」
 手も足も出せない相手に、ブラスはただ悔しがるしかなかった。

 
85ガイレイジャープロジェクト:2006/04/23(日) 11:32:07 ID:SgDhyK3K0
「どうしたの、これじゃあおいらに勝つ事なんて出来ないよ」
 ちょうどその頃、大樹と海は決着をつけるため一対一で闘っていた。しかしマックスは一方的にカインに攻められていた。
 「こんなに期待してたのに、がっかりだよ。さて、止めと行きますか」
 カインがマックスの脚を狙おうとしたそのとき!
 「待ってたぞ、この時を!」
 マックスは逆に膝でカインの頭を攻撃した。さすがのカインも痛みで転げ落ち、変神が解けてしまった。
 「どうだ、思い知っただろう。私が本気を出せばこんなものだ」
 海はよろよろと立ち上がった。しかし、軽い脳震盪を起こしているため崖のほうへふらふらとよろけてしまい、脚を踏み外してしまった。
 「あっ、しまった!」
 海は何とか踏みとどまろうとするが、頭が痛くて集中できないためにそのまま崖の下へ落ちてしまった。
 もう駄目だ、と海が思ったそのとき、海の手をマックス=大樹がガッチリ?んだ。
 「大丈夫か、今引き揚げてやるぞ」
 さっきまで闘ってたのに、助けてくれるなんて…。海は大樹に助けられたことを不思議に思っていた。
 無事に引き揚げられた海は、大樹に何と言ったらいいのか迷っていた。
 「…なんでおいらの事を助けてくれたんだ。さっきまで闘ってたじゃないか。それなのになぜ…」
 「なぜかって?それはお前が大切な仲間だからだ。たとえ闘っていても私たちは固い絆で結ばれているんだ」
 変神を解いた大樹は海の肩を叩いた。
 「もしかしたらおいら、間違ってたのかもしれない。自分が一番強いって思ってたんじゃ駄目なんじゃないかって思ったんだ、たった今」
 海はよろよろと立ち上がって大樹の目を見た。
 「そうだ、一番大切なのは誰が一番強いかじゃない。守りたいという心なんだ」
 「大樹さん…」
 「海、今度こそ私たちの仲間になってくれるな。私たちと一緒にこの星を守ろう」
 そう言って大樹は海に手を差し伸べた。海はそれに応えるように自分の手を伸ばした。
 「やっと分かってくれたな。今日からはお前も私たちの仲間だ」
 「大樹さん…」
 二人はがっちりと握手をした。その瞬間から海は正式なガイレイジャーの仲間となったのだった。
86ガイレイジャープロジェクト:2006/04/23(日) 11:33:17 ID:SgDhyK3K0
 そのときだった。突然地鳴りが起きたかと思うと、近くの山に凱鳳凰が横たわっているのを二人は目撃した。
 「どうしたんだ遼!」
 大樹はチェンジャーで凱鳳凰の中にいる遼に連絡をした。
 「どうもこうもないぜ。あのバカでけえ戦車の化け物に苦戦してんだよ」
 大樹は凱鳳凰の目線の向こうを見た。そこには巨大な魔界戦車が凱鳳凰に向かって進んでいるのが見えた。
 「これはすごい戦車だ。遼さんも苦戦するのも当然だ」
 「そんなこと言っている暇なんかないぞ。早く私たちも変神して戦騎を召喚するぞ」
 「分かりましたよ。それじゃあ、行きますか」
 二人はカードをスラッシュしてチェンジャーを天高く掲げた。
 「烈空変神!!」
 ガイレイジャーに変神した大樹と海は、召喚用のカードを引き抜いてチェンジャーにスラッシュした。
 『スクランブル・凱獅子王』
 『スクランブル・凱龍王』
 すると天空から獅子型と龍型の戦騎が地上に降り立った。
 「行くぞ、カイン!」
 「OK!スピリット・ダイブ!」
 大樹=マックスは凱獅子王に、海=カインは凱龍王にそれぞれ乗り込んだ。
 「今助けに行くぞ!」
 マックスの凱獅子王は、口から光の弾丸を発射、カインの凱龍王は尻尾のドリルで魔界戦車を攻撃した。しかし魔界戦車に傷を負わせる事はできなかった。
 「駄目だ、全然効かないよ」
 「諦めるな、まだ負けたわけじゃない!」
 二人が魔界戦車に立ち向かっていくのを見た遼=ブラスは、傷ついた凱鳳凰を立ち上がらせて凱獅子王と凱龍王の前へ出て行った。
87ガイレイジャープロジェクト:2006/04/23(日) 11:33:55 ID:SgDhyK3K0
「そうだ、まだ俺達は負けたわけじゃねえ!俺達にはこの星を守るという使命があるんだ!!」
 そのときだった。三人の思いに応えるようにデッキが光り輝いて、それぞれに一枚のカードが飛び出してきた。
 「このカードは…!」
 「合体のカードか…!」
 「それじゃあ、おいら達の戦騎は合体できるって事なんだね?」
 三人はそのカードをスラッシュした。
 『Gフォーメーション・スタート』
 「よっしゃ、行くぜ!烈空合神!!」
 三人の掛け声で3騎の戦騎は合体を開始した。凱鳳凰は両腕を背中に回して収納し、足首をたたんだ。凱獅子王はジャンプして前脚と背中を展開、
後脚を両側に広げてロボットの肩と上腕に変形した。凱龍王は頭部、胴体、尻尾をそれぞれ分離し、胴体をロボットに脚部に変形させ、残りのパーツを下腕部に変形させた。
 そして三騎のパーツが合体、最後に後ろから兜が出現して凱鳳凰の頭にかぶさって合体が完了した。
 「烈空戦騎・凱零刃参上!」
 堂々と舞い降りた凱零刃は、魔界戦車に対してファイティングポーズをとった。
 「凱零刃だと!いくら合体したところでこのガードックにかなう訳無いわ!!」
 エディスは魔界戦車を凱零刃に突進させた。
 「ワンパターンだってーの!ストライクドリル!!」
 凱零刃は左腕の尻尾ドリルで魔界戦車の胴体部分を貫いた。
 「ドラゴンファング!」
 そして右腕の龍の頭で砲身をへし折った。
 「ば、バカな!このガードックがこんな攻撃で…!」
 「いまだブラス!烈空剣だ」
 「よっしゃ!クラッシュホールド!」
 凱零刃はドリルを飛ばして魔界戦車を攻撃し、その隙に右手の龍の頭を剣の握り手に変形させた。そして戻ってきたドリルを握り手に装着させると、ドリルが伸びて刀身に変わった。
 「烈空剣、天凱一文字斬り!!」
 凱零刃は飛び上がると烈空剣を両手で持ち、そのまま魔界戦車を光の剣で切り裂いた。
 「そ、そんなことが…」
 エディスは捨て台詞をのこして魔界戦車から脱出した。その直後、魔界戦車は四散して消滅した。
 「やったぜ、俺達の勝利だ!」
 大地に降り立った凱零刃は剣を静かに下ろした。
88ガイレイジャープロジェクト:2006/04/23(日) 11:34:48 ID:SgDhyK3K0
「よかったです〜、これでガイレイジャーが三人そろいました〜」
 戦いから戻った三人を、ゆかりは喜んで迎えた。
 「まあ、俺は海が仲間になるって信じてたけどな」
 遼は海の肩をたたいて頷いた。
 「…本当にそうか?私はお前が疑っていると思っていたぞ」
 大樹は遼の顔を見てそんな事を言った。
 「おい、俺を疑うのかよ?本当に俺は信じてたんだって」
 「え〜、そうですか〜」
 遼たちのやり取りを見ていたゆかりは、さっき遼が言っていた事を思い出していた。
 「じつはですね〜さっき…」
 「お、俺達は海の事信じてるって話だったんだよな、ゆかりさん」
 遼はゆかりの口を塞ぎながら強引に話を捻じ曲げた。
 「いいじゃないの、遼さんもゆかりさんもおいらの事信じてるって言ってるんだし。もうこれでいいでしょう」
 変なムードの三人に、海は和ませるようにした。
 「…そうだな。これからは私たちはパートナーだからな」
 「お後がよろしいようで」
 こうして海は晴れてガイレイジャーの仲間になることができた。新たな仲間、そして新たなる力、凱零刃。その力がある限り、遼たちの結束はますます強くなっていくだろう。
                                   第3章 終わり

【次回予告】
 業を煮やしたサージェンは、ついに自らガイレイジャーに闘いを挑んできた。しかし遼はゆかりのことで戦闘に出る事ができない。遼がいないガイレイジャーはサージェンにどう立ち向かうのか?
 烈空戦騎 ガイレイジャー 第4章!「出現、暗黒の騎士!」
 次回、ついにサージェンが牙をむく!
89ガイレイジャープロジェクト:2006/04/23(日) 11:45:18 ID:SgDhyK3K0
 第3章をお送りしました。
 やっぱりほかの方から小説を出してくれるのはうれしいですね(まあ、これはアナザーストーリー
のようなものですが)。これからもガイレイジャーのことをよろしくお願いします。
 次回はいよいよブラックナイトサージェンがガイレイジャーに戦いを挑んできます。ライバルキャラであるサージェンの活躍を待っていた人は必見です。
 最後に、恒例のガイレイジャー設定集を掲載します。今回はガイレイジャーのマシンとロボットの紹介です。
 では、また来週お目にかかりましょう。
90ガイレイジャープロジェクト:2006/04/23(日) 11:45:56 ID:SgDhyK3K0
【メカニック紹介】
ガイレイジャーのマシンは戦騎と呼ばれ、それぞれの属性を持った戦騎が用意されている。各戦騎は属性によって動くようになっているが、定められた搭乗者以外では十分な力を引き出す事が出来ない。
召喚カードをガイレイチェンジャーにスラッシュすることで各戦騎を呼び出すことが出来る。
凱鳳凰(がいほうおう)
全高33,5m(騎光兵時)全長28m(戦騎時)、重量740t
ガイレイジャーブラスが操縦する鳳凰型の戦騎。人型(騎光兵)に変形する事が出来、主に格闘戦で戦う。武器は両腕のつめで敵を切り裂く「ミラクルショットクロー」。 
凱獅子王(がいししおう)
全長27m、重量680t
ガイレイジャーマックスが操縦する獅子型の戦騎で、パワーを生かした体当たり戦法を得意とする。口から弾丸を発射する「レオブリット」が武器。
凱龍王(がいりゅうおう)
全長33m、重量570t
ガイレイジャーカインが操縦する東洋龍型の戦騎。高速で空中や水中を移動でき、そのスピードを生かして一撃離脱の戦法を行なう。尻尾のドリルで敵を貫く「トルネードスティンガー」で敵を粉砕する。
烈空戦騎 凱零刃(れっくうせんき がいれいじん)
全高41m、重量1990t
凱鳳凰、凱獅子、凱水龍が烈空合神して誕生する大型の戦騎で、烈空戦騎と呼ばれる。その力は天を裂き、地を砕き、海をも割るとも言われている。3つのスピリットの力を使い、様々な武器を使用する。
必殺技は烈空剣にスピリットパワーを集めて敵を切り裂く「天凱一文字斬り」。
91名無しより愛をこめて:2006/04/23(日) 17:17:06 ID:wdcxz6ms0
とうとう凱零刃も登場だな。
次回からはライバル戦士も出てくるしこれは楽しみ。
92名無しより愛をこめて:2006/04/23(日) 19:49:07 ID:P5o4EuLK0
凱零刃すごすぎ。両腕が龍頭と尻尾ドリルか。ドリルが剣になるアイディアも
いい(すでに出てるけどね・・・)。次回はライバルのサージェンと激突かあ。
期待してます。
93名無しより愛をこめて:2006/04/24(月) 09:20:00 ID:oe/4aZm90
第3.8章 ガイレンジャーの花見

ガイレンジャーの花見の少し前・・・。

「我が組織には戦力も人材も足りん」
「やむを得ん。アルバイト情報誌に広告を出すか・・・」
エディスがつぶやく。
エディスはアルバイト情報誌で集めた人材をドクロ兵にするつもりらしい。

エディスは立ち上がり、部屋から出ていった。

エディスの傍らに立っていた5体のドクロイド達は不満そうな顔をしている。
エディスがいなくなったとたん、一斉に口を開いた。
「まるで我らが役立たずではないか」
「勝手にオレ達を改造しておいてなんて奴だ」
「元は俺らも人間なんだぞ・・・。人殺しは嫌だ」
「正義のヒーローなんかと戦いたくないよ。死にたくない」
「私たちをかばってくれる組織はないのだろうか・・・」

やがてエディスが戻ってくる。
「お前ら、すぐに作戦にかかれ」
5体のドクロイドはしぶしぶ作戦に取りかかった。
元は人間だっただけに、知識は豊富な5体。
ニセのオフィスを作り、人を集めることにした。

エディスの作戦は奏功した。
高い給料に釣られて集まった人間を次々にドクロ兵に変えていった。
見込みのある者は邪神のつばを使いドクロイドにしてしまった。

「フゥハハハハ・・・こんなにうまくいくとは思わなかった」
高笑いをするエディス
エディスの背後から冷たい視線を送る5体のドクロイド。
94名無しより愛をこめて:2006/04/24(月) 09:21:18 ID:oe/4aZm90
その様子を物陰からサージェンがじっと伺う。
「フッ・・・。エディスめ、手ぬるいことを。素人戦闘員でガイレンジャーと戦う気か・・・まあよい。俺が先んじてガイレンジャーを倒してやる。」
サージェンはそっとその場を後にした。
サージェンはだれもいないと思っていたようだが、エディスのドクロイド、ハネアリサンドが背後でサージェンの独り言を聞いていた。

ハネアリサンドから報告を聞いたエディスは激怒した。
「貴様の蟻酸でガイレンジャーもサージェンも溶かしてしまえ!」
「仰せのままに。奴らなど簡単に葬ってまいりましょう」
自信たっぷりにハネアリサンドが答える。

その様子を5体のドクロイド達は苦々しく見つめている・・・


「お花見だあ〜」
浮かれる遼
「仲良くなるには季節のイベントが必要よねー。私、お弁当作ってきたんだ」
ゆかり。
「どれどれ」
お弁当を開く。
小奇麗なお弁当に一同感心する。
「わー、おいしそうー」
「いただきまーす」
「・・・・・・・・・・」
「おにぎり、甘いよー・・・」
海が顔をしかめる
「この玉子焼き、塩辛みたい・・・辛いよ。」
大樹も口をすぼめる。
砂糖と塩を間違えたらしい。
「遼、どうしてゆかりの作ったお弁当を食べてくれないの?」
「だってまずいも・・」
言いかける遼にゆかりのパンチ炸裂。
倒れこむ遼。
95名無しより愛をこめて:2006/04/24(月) 09:22:39 ID:oe/4aZm90
「いてー。ひどいよゆかりさん」
「どっちがひどいのよ!もう!知らない!」
ゆかりは席を立ってしまった。
しばらくして入れ替わりに皆川教授がやってきた。
「飲みものを持ってきたぞ。ゆかりはどうした?」
「帰りました」
「体調でも悪いのか」
「いえ、遼とゆかりさんが弁当でケンカしまして・・・」
海が経緯を話す。
「最近の若いもんは好き嫌いが激しくていかんな」
「じゃあ教授、これを食べてみてください」
おにぎりと玉子焼きを食べる教授。
「・・・・・・おはぎと思えば食えなくもないぞ。」
「玉子焼きも、味付けの薄いものと食えば食えなくもない」
「しかし!」
遼の発言を遮る教授
「遼君。真実だとしても一生懸命にやった者に対して失礼だろう」
動揺する遼。
「ゆかりちゃんに謝ったほうがいいんじゃないか」
大樹が追い討ちをかける。
気まずい雰囲気の中、黙って走り去る遼。
呆然と見つめる三人。

そこへサージェンが現れる・・・

              本編の第4章へ続く
96名無しより愛をこめて:2006/04/24(月) 09:32:48 ID:oe/4aZm90
本編に触発されて3から4の間のサイドストーリーを作ってみますた。
本編の中の人の構想と違ったらスマン。


ドクロイド ハネアリサンド
お調子者でおべんちゃら使いの怪人。
サクラの木が大好物。
蟻酸の攻撃を得意とする。
元は人間じゃない。

5体のドクロイド
人間を改造したドクロイド
エディスと組織に不満を抱いている。
またサイドストーリーを作ったら入れます。
97名無しより愛をこめて:2006/04/24(月) 19:35:31 ID:+RVfkyF70
サイドストーリー、けっこう出来がいいですね。
こういうのが出ると、本編書いてる人も喜ぶでしょうね。
次のも楽しみにしてますよ。
98名無しより愛をこめて:2006/04/25(火) 12:30:25 ID:5QdWF8ST0
>>96
新たなドクロイド現る・・・!
5体のドクロイドの設定もなかなかいいですね。
でもそうなると人間タイプと非人間タイプの2種類が存在することになりますね。
私はそれでもいいですけど。
99名無しより愛をこめて:2006/04/25(火) 20:12:39 ID:5EaBKUKv0
ハネアリサンドの設定に笑ってしまった。おべんチャラ使いっていうのが
気に入ってしまったよ。
100ガイレイジャー本編の中の人:2006/04/26(水) 17:48:18 ID:Oujkjd1a0
>>93
うれしいですね、ほかの人が小説書いてくれるのは。
5体のドクロイドの設定が個人的には気に入りました。この設定は後の展開に
活かそうと思います。サイドストーリー、楽しみにしてますよ。
101名無しより愛をこめて:2006/04/27(木) 03:42:35 ID:dkugWL530
本編の中の人に気にいってもらえて嬉しいです。
またストーリーの続きを書きたいと思います。

ドクロイド設定

ノーマルドクロイド
ハネアリサンドのようなドクロイド。
邪神のつばの固まり同士と物質とドクロイド脳を合成して作られたドクロイド。
ドクロ兵と物質を合成させることもある。
全体的能力は人間をはるかに上回るが、知能は高くないものが多い。
倒されたら爆発四散する。

ヒューマンドクロイド
邪神のつばをつけてドクロイドに変身させられた人間。
人間の感情や知識が残っている。
倒されると爆発してコアの部分が吹き飛ばされ、怪人体のままソフビ人形の大きさになる。
5体のドクロイドの誰かの秘術で人間に戻すことができる。

邪神の眼光で変えられたヒューマンドクロイド(5体のドクロイドなど)はこっちに分けられる。
邪神の眼光の呪いをとく秘法は今のところない。
102名無しより愛をこめて:2006/04/28(金) 12:37:48 ID:EEjU8xKR0
>>101
邪眼の眼光の設定が気に入った。
問題はその設定がどこで生かされるか。少し興味あります。
103ガイレイジャープロジェクト:2006/04/29(土) 17:44:10 ID:mzvpNPQi0
第4章 出現、暗黒の騎士!

 「むう、私の作り出した魔界戦車が破れるとは…」
 神官エディスは先ほどの戦闘で破れたことを根に持っていた。おそらくそれほどの性能だったのだろう。
 「このままではわしの面子に拘わってしまう。何か手は無いものか…」
 エディスが悩んでいたそのとき、奥からサージェンが現れた。
 「フッ、度重なる失敗でついに自信が尽きたようだな」
 「お前に何が分かるというのだ。まだ出撃すらしていないお前に」
 エディスはサージェンに文句を言って邪神像の前へ歩いていった。
 「案ずるな、今度は俺が出撃しよう。俺もあいつ等と戦ってみたくなったのでな」
 どうやらサージェンは、ガイレイジャーと一戦交えたいと思っているようだ。
 「そうか、ならばわしの自信作、ドクロイド3号アーマーライノスを使うがいい」
 「お前の気持ちだけもらっておこう。俺は一人でガイレイジャーを倒す!そう決めているからな」
 そういってサージェンは、奥のほうへ去っていった。
 「何が一人で倒す、だ!後悔しても助けてやらんからな」
 エディスはぶつぶつ文句を言いながら自分の研究室へ戻っていった。
104ガイレイジャープロジェクト:2006/04/29(土) 17:46:29 ID:mzvpNPQi0
 「すいません、私をこの家に泊まらせてください」
 ある日いきなり天空寺家に来たゆかりは、遼たちにこんな話を持ちかけてきた。
 「どうしたんだよゆかりさん。何かあったのか」
 「実は…私の家が無くなってしまったんです…」
 ゆかりは目に涙を浮かべていた。それほど住んでいた家がなくなったのがショックだったのだろう。
 「く、詳しくわけを聞かせてくれよ」
 「この前の戦闘で私の住んでいたアパートが、全焼してしまったんです…。それで昨日は皆川教授の家に止めてもらったんですけど、これ以上迷惑をかけるわけにはいけないと思って…」
 「それで家に来たと言うわけだな」
 偶然話を聞いていた遼の父、宗次朗がやってきて腰を下ろした。
 「しょうがねえ、家で面倒見てあげよう」
 「と、父さん。そんなこと言って大丈夫なのか?」
 唐突なことを言う宗次朗に、遼は心配をしていた。
 「家族が一人増えたって別にいいじゃねえか。空いてる部屋はあるんだしな。智世だって喜ぶだろう、お姉ちゃんができたって」
 遼はしばらく考えた後、結論を出した。
 「そうだな…。断ったらゆかりさんがかわいそうだし…。じゃあゆかりさん、ここに住んでいいよ。ただし、ここに来た以上は仕事してもらうからね」
105ガイレイジャープロジェクト:2006/04/29(土) 17:47:07 ID:mzvpNPQi0
 「ありがとうございます!それで私は何を手伝えばいいんですか?」
 「そうだな」
 宗次朗は少し考えて、ある条件を言ってみた。
 「家は母親がいなくてな、炊事や洗濯などがほとんど手につかない状態なんだ。そこでゆかりさんにはこの家の身の回りの事をやってもらいたいんだ」
 『待てよ、ゆかりさんってそういうの得意だったかな…』
 宗次朗の提案に、遼は少し不安を感じていた。
 「分かりました、私がんばります!」
 ゆかりは急に立ち上がって、張り切りポーズをとった。
 「全身全霊をかけて身の回りのこと、目いっぱいやっちゃいますよ〜」
 「ほんとに大丈夫なのかね…心配になってきたよ」
 ゆかりのポーズを見て、遼はちょっと呆れてしまっていた。

 それからしばらくして、智世が学校から帰ってきた。
 「ただいま…あれ、この人は?」
 ゆかりを見て不思議がる智世に、遼が説明をした。
 「今日から家に住む事になった若葉ゆかりさんだ」
 「若葉ゆかりです。よろしくね、智世ちゃん」
 「え―――っ!ここに住むの?でもどうして?」
 遼はゆかりがここに住む経緯を智世に話した。
 「そうなんだ。ゆかりさんも大変な目に遭っちゃったね。だったら遠慮なく住んでよ。あとゆかりさんの事、お姉ちゃんって呼んでいいかな?」
 「はい、いいですよ」
 ゆかりはあっさり了承した。
 「やった―――――!!ついにあたしにもおねえちゃんが出来たんだ――――っ!!!」
 大喜びする智世。こりゃあ肩身が狭くなるな、と遼は思った。
 「それじゃ、さっそくお夕飯の準備をしましょう」
 そういってキッチンに入って準備をするゆかり。
 「本当に大丈夫なのかねぇ…」
 呆れた顔をする遼。それとは裏腹にゆかりの料理に期待する智世。わくわくしている智世を横目に遼はため息をつくのだった。
 「何か不安になってきた…」
106ガイレイジャープロジェクト:2006/04/29(土) 17:48:05 ID:mzvpNPQi0
数時間後、やっとゆかりが夕食を運んできた。
 「おまちどうさまでした〜、今日はスパゲティカルボナーラを作ってみました〜」
 見た目は何の変哲も無い普通のカルボナーラだが…。遼はゆかり特製カルボをまじまじと見た。
 「おっ、美味そうじゃないか。ゆかりさんはこんな物も作れるんだな」
 宗次朗はカルボを見て、自ら太鼓判を押した。
 「うわあ、あたしスパ好きなんだ」
 智世も舌鼓を打つ始末。
 「それじゃあ、冷めないうちにいただきましょう」
 「いただきます」
 遼たちはゆかり特製カルボを一口食べた。すると…。
 「…このカルボ、何か甘くないか?」
 「う〜ん、何かお菓子を食べてる感じだな」
 遼と宗次朗は厳しい顔でカルボを食べていった。
 「ゆかりさん、これじゃカルボじゃなくてプリン食べてる感じだよ」
 「え…、そうなんですか…」
 「カルボって言うのは、塩やこしょうが効いててピリッとした味わいなんだがな…。これじゃ甘いだけの玉子菓子だぞ」
 それを聞いたゆかりは落ち込んでしまい、床にペタンと座ってしまった。
 「わ…私が腕を振るって作ったカルボナーラが、卵のお菓子だなんて…。ひどい…うわ〜ん!」
 ゆかりは泣きながら外へ出て行ってしまった。
 「お兄ちゃんもお父ちゃんも分かってないよ。せっかくゆかりお姉ちゃんが作ってくれたのに、そんなこと言っちゃ駄目だよ」
 一部始終を見ていた智世はカルボを食べながら二人に言い聞かせた。
 「そんな事言ったってな…。ところでお前、カルボ食べて大丈夫なのかよ?」
 「うん、平気。だってあたし甘いの好きだもん」
 「…とにかく俺、ゆかりさんを探しに行って来るよ」
 遼はそう言って表へ飛び出していった。
 「ほら、やっぱ分かってないよ」
 「そうかもな。あの時こんなこと言わなければよかったな」
 宗次朗は少し後悔していた。
107ガイレイジャープロジェクト:2006/04/29(土) 17:48:51 ID:mzvpNPQi0
 ちょうどその頃、大樹と海は皆川教授に烈空の金貨の探索を頼まれ、近くの公園に来ていた。
 「こんな所に金貨なんてあるんかいな」
 「金貨は我々にとっても重要なものだ。奴らより早く探さないとこちらの不利になる」
 「とはいっても、公園になんてあると思えないんだけどね」
 海がそんな事を言った時、一つの影が二人の前に現れた。
 「探したぞガイレイジャー。今から俺の相手をしてもらうぞ」
 影の正体はサージェンだった。二人は即座に戦闘体勢に入った。
 「お前はブラックナイト!一体何をたくらんでいる?」
 「フッ、俺はお前らと戦いたいだけよ。さあ、早く変神するのだ!」
 大樹とサージェンのやり取りをよそに、海は少し感心していた。
 「ブラックナイト…なるほどね。どうりで黒いと思った」
 「ってお前!何感心しているんだ!さっさと変神するぞ!!」
 二人はガイレイチェンジャーを取り出して、カードをスラッシュした。
 「烈空変神!」
 光に包まれて二人はガイレイジャーに変神した。
 「黄の地神!ガイレイジャーマックス!!」
 「蒼き水神!ガイレイジャーカイン!!」
 変神した二人を見てサージェンは戦えるのを喜んでいた。
 「いいぞ、早く俺を楽しませてくれ」
 そしてサージェンは静かに剣を抜いた。
108ガイレイジャープロジェクト:2006/04/29(土) 17:49:54 ID:mzvpNPQi0
「おーいゆかりさーん、悪かったから怒らないでくれよー」
 公園の近くでゆかりを見つけた遼は、さっきの事を謝っていた。
 「私だって一生懸命頑張ってたんです…。それなのにこんな事言うなんて…。私、とっても傷つきました」
 「だから、今謝ってるじゃないか。みんなもさっきの事は反省してるから、早く帰ってほしいんだ」
 まださっきの事で怒っているゆかりに、遼は頭を深々と下げて謝った。
 「どうかこの通り!許してください、ゆかりさま!!」
 それを見ていたゆかりはプッと吹きだしてしまった。
 「あはははは、遼ちゃんったら、ほんとにおかしい」
 ゆかりの顔に笑顔が戻ってきた。さっきの遼の格好がとても変だったのだろう。
 「もういいです、さっきので許してあげます。だからもうこんな事言わないでくださいね」
 「…ありがとう、ゆかりさん!さあ、父さん達が待ってるから早く帰ろう」
 そのとき、ゆかりの後ろから何者かが現れ、ゆかりの腕をつかんだ。
 「…お前は!」
 「いかにも、神官エディスよ。ちょうどいい所に人質がいたものだ。これでお前らも手が出せまい」
 「てめえ、プライドっていうのがねえのかよ!そんなことしてでも勝ちたいのかよ?」
 ゆかりを人質に取られた遼は怒りに燃えていた。
 「ふん、こちらが有利になればそれで良いのよ。さあアーマーライノスよ、さっさと奴を倒すのだ!」
 エディスに呼ばれたアーマーライノスは、遼目がけて突進してきた。間一髪横へよけた遼は、チェンジャーを取り出してカードをスラッシュし、変神した。
 「ゆかりさんを返せ!」
 ブラスはエディスを捕まえようとするが、アーマーライノスに行く手を阻まれてエディスの所まで行く事が出来なかった。
 「さっそくサージェンの奴を手助けしてやろうか、この小娘を使ってな」
 エディスはそう言いながらこの場を去っていった。
 「遼ちゃーん!」
 「ゆかりさーん!」
 エディスはゆかりとともに空中へと消えていった。
109ガイレイジャープロジェクト:2006/04/29(土) 17:50:43 ID:mzvpNPQi0
 「どうしたガイレイジャー、俺を楽しませるのではなかったのか」
 サージェンの圧倒的な強さに、マックスとカインは追い込まれていった。
 「あいつ…強い!」
 「どうするんだよ、このままじゃおいら達やられちゃうよ」
 このままじゃやられる―――そう二人が思ったとき、エディスがサージェンの下へ現れた。人質のゆかりを連れて。
 「ゆ、ゆかりさん!」
 「何で捕まってるの?」
 それを見たサージェンは、エディスに向かって質問した。
 「貴様、何の真似だ?」
 「この娘、あいつ等の仲間なので人質にしたのだ。これでガイレイジャーも手も足も出まいて」
 「俺はそう言った覚えは無いが」
 サージェンは剣をエディスに向けた。
 「俺はそんな卑怯な事はしない主義だ。頼まれもしないのにお前が人質を取るのは気に入らんな」
 「な、何を言っておる。あいつ等に勝てるチャンスなのだぞ。それをお前は台無しにするつもりか」
 エディスは冷汗を出しながら説明した。だがそんな事をサージェンは許す訳はなかった。
 「もう一度言う。俺はお前の行動が気に入らん。早く人質を放せ」
 仕方なくエディスはゆかりを放した。人質から解放されたゆかりはマックスとカインの下まで戻っていった。
 「そうだ、それでいい。こんなものが無くても俺は十分に強い」
 「サージェンめ、覚えていろ」
 エディスは捨て台詞を言いながらこの場から去っていった。
 「さて、邪魔者は消えた。さあ、遠慮なくかかって来い」
 そう言ってサージェンが襲い掛かろうとしたとき、茂みからブラスとアーマーライノスが現れて三人の戦いに割って入ってきた。
 「ぬうっ、貴様もガイレイジャーか?!」
 「ああ、その通りだ!よくもゆかりさんを人質に取りやがって…って、あれ?」
 ブラスが向こうを見ると、人質になったはずのゆかりが開放されていた事に気が付いた。
 「…お前がゆかりさんを助けてくれたのか?」
 「それは違う」
 「じゃあ、何でこんな真似をしたんだ?」
 しかしサージェンは答えようとしなかった。
 「一体どういうことなんだ…うわっ」
 ブラスが言い返そうとしたとき、アーマーライノスが突進してきてブラスに体当たりしてきた。
110ガイレイジャープロジェクト:2006/04/29(土) 17:51:14 ID:mzvpNPQi0
 「くっ、こいつ!」
 「どうやら今回はお預けのようだな。次に出会った時に決闘してやろう。それまでに強くなれ、俺と互角に戦えるようにな」
 そう言ってサージェンは闇の中へと消えていった。
 「おい、こら待ちやがれ!」
 ブラスは追おうとするが、アーマーライノスが立ち塞がってそれ以上行く事が出来なかった。
 「仕方が無い。こいつを倒すしかないようだな」
 「ゆかりさんは危ないから下がってて」
 マックスとカインは苦戦するブラスを助けに行った。
 「皆で力を合わせるぞ、いいな」
 「仕方ねえな。よし、いくぞ!」
 三人はそれぞれの武器を召喚して、必殺技を放つ体勢に入った。
 「三位一体!」
 「トリプルトルネードフィニッシュ!」
 三人のそれぞれの必殺技が一つに重なり、アーマーライノスを貫いた。その直後、アーマーライノスは爆発四散した。
 「何とか倒したな」
 「けど、サージェンには逃げられたけどね」
 三人は変神を解くと、桜の木の陰に隠れていたゆかりの所へと集まった。
 「大丈夫か、ゆかりさん」
 真っ先に遼がゆかりの事を心配した。
 「はい、大丈夫ですよ。助けてくれて、とても嬉しいです」
 「それはよかった」
 「もし捕まったりしたらおいら達大変な目に合う所だったんだよ」
 「す、すいません。私ったらいつもみんなに迷惑をかけっぱなしで…」
 すこし寂しげな表情になったゆかりを励ますために、遼はこんな事を言い出した。
 「そうだ、今からここでお花見をしようぜ。父さんや智世も呼んできてな」
 「あ、いいね。ついでだからおいらも何か食べ物持ってくるよ」
 「そうだな、皆川教授も呼んでこよう」
 三人はそれぞれの家に帰ってからまた桜の木の下へ集まることにした。
111ガイレイジャープロジェクト:2006/04/29(土) 17:52:27 ID:mzvpNPQi0
そんな訳で皆が集まって、お花見兼ゆかりの歓迎会が始まった。
 「あ、どうも始めまして」
 「こちらこそ始めまして」
 宗次朗と皆川教授は丁寧に挨拶をした。
 「あっ、海さん、これおいしそうだね」
 智世は海が持ってきた海苔巻きを口に入れた。
 「う〜ん、おいしい。海さんってけっこう料理上手なんだね」
 「いや〜、それほどでも」
 海はというと、智世に褒められたせいで鼻の下を伸ばしていた。
 「そうそう、あたしが作ったおにぎり、大樹さんに食べてほしいんだ」
 でれでれしている海をよそに、智世は大樹にお手製おにぎりを勧めた。
 「おお、おいしそうだな」
 大樹は一口パクリとおにぎりを食べた。
 「…けっこういいと思うよ」
 「って、その間は何?」
 突っ込む智世。その拍子に大樹はおにぎりをのどに詰まらせてしまった。
 「ご、ごめんね大樹さん。はい、お茶」
 「す、すまない。不覚をとったよ」
 みんなが盛り上がっている場所から少し離れている所に、遼とゆかりは別の桜を見ていた。
 「遼ちゃん、ありがとう。こんな事までしてくれて」
 「いや、別にいいんだよ。ゆかりさんが喜べばそれでいいんだし」
 ゆかりのお礼に遼は照れくさそうに答えた。
 「…この平和がずっと続けてくれればいいんですけどね」
 「だ、大丈夫だよゆかりさん。金貨を早く集めて邪神を封印すればきっと平和が来るさ」
 相変わらず言い訳が下手だな、と、遼は思った。
 「これからもお願いしますね、遼ちゃん」
 「あ、ああ…」
 遼はゆかりを見て、ただ頷くだけしか出来なかった。ああ…、駄目じゃん自分…。心の中で後悔する遼であった…。
112ガイレイジャープロジェクト:2006/04/29(土) 17:53:44 ID:mzvpNPQi0
 「サージェン、一体どういうつもりだ」
 神殿へと帰ってきたサージェンをエディスは問いただしていた。
 「人質を逃がした上に貴重なドクロイドまで失うとは…お前、何を考えている」
 しかしサージェンはエディスに対してこんな事しか言わなかった。
 「お前の胸にでも聞いてみろ」
 悔しがるエディスを尻目に、サージェンは邪神像の間を後にした。
 「くっ、サージェンめ、後で覚えていろよ」
 そのとき、通路から何者かが邪神像の間に入ってきた。
 「やあ、エディス。元気でやってる?」
 その人物を見たエディスは恐怖の顔になった。
 「お、お前は!」
第4章終わり


【次回予告】
 再び決闘を申し込んできたサージェン。それに対抗するガイレイジャーだが、その戦闘能力に苦戦を強いられてしまう。絶体絶命の遼たちに勝算はあるのか?そして新たな敵の正体とは?
 烈空戦騎ガイレイジャー第5章 「謎の戦士」
 果たして彼らは敵か、味方か?

113名無しより愛をこめて:2006/04/29(土) 17:55:48 ID:CT8VFeS40
新作きたきたきたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
アーマーライノス(;´Д`)ハアハア
114ガイレイジャープロジェクト:2006/04/29(土) 18:04:05 ID:mzvpNPQi0
ガイレイジャー第4章を一日早くお送りしました。(明日から旅行に行くため)
今回サージェンとの初対決をしたわけですが、じつはまだブラス=遼だけ直接戦っていません。
それは次回のお楽しみににしておきますので、ご期待ください。
ほかの人からも設定が出てきてるのはうれしいです。これからもどんどん載せてくれると幸いです。
最後に恒例の設定集を掲載しておきます。ドクロイドの設定などは>>101さんの設定を参考にして作りました。
どうぞごらんください。
それではまた次回お会いしましょう。
115ガイレイジャープロジェクト:2006/04/29(土) 18:07:15 ID:mzvpNPQi0
邪神族設定(1)

神官エディス
 はるか昔から邪神族を率いてきた人物で、トップクラスに属する。その地位は神官で、邪神の復活に必要な人間の
精神エネルギーを奪うのを使命としている。トップクラスの地位だが自ら戦地に赴くほどの行動派で、度々ガイレイジャー
に戦いを挑んでくる。性格は一見残忍に見えるが、本当は部下のことを思いやる人情派。とはいっても敵に対しては卑怯な
手を使っても勝とうという意思の方が強いので、その裏の顔を知る事は無い。

ブラックナイトサージェン
 つい最近邪神族の仲間になった黒い甲冑を着た騎士。その素性は邪神族ですら知る者が少なく、正体は謎に包まれている。
卑怯な手を使うのを嫌い、正々堂々と対決するのが彼の美学であり、それを邪魔する者はたとえ仲間であっても容赦しない。
ガイレイジャーブラスをライバルとし、度々一騎打ちを挑んでくる。

ドクロ兵
 邪神のつばによって生み出された下級兵士。邪神族から抜擢された人間に邪神のつばを融合させ、兵士に仕立てる事で誕生する。
ドクロ兵は一般兵士のほかにエディスの研究を補佐する研究員と、特殊な作戦を遂行する特殊工作員などがいる。

ドクロイド 
 邪神像から新たにもたらされた邪神のつばを用いて誕生させた怪人で、邪神のつばと動植物のデータを融合させたノーマルタイプと、
人間に邪神のつばと動植物のデータが入った魔弾丸を撃ち込んで強制的にドクロイドにするヒューマンタイプが存在する。ノーマルは
パワーこそ強いが知能が低く、言葉も話すことが出来ないタイプで、ヒューマンは人間の知能を受け継いでいるため知能は高いが、
強制的にドクロイドにされているために反発をしている者も少なくない。そのため、ヒューマンタイプはよほどのことにしか使う事が無い。
だが、邪神族側が劣勢になるにつれてヒューマンタイプを使わざる負えない状況になってしまうことになる。
116名無しより愛をこめて:2006/04/30(日) 19:19:42 ID:8zJ7YDVm0
昨日掲載だったんですね。
今回はサージェンとの初戦だったわけですが、遼との対決を後に廻すなんて
うまいことをやってくれます。ということは次回が対決というわけですね。
楽しみ。
117名無しより愛をこめて:2006/05/01(月) 04:57:59 ID:WztuHS4X0
サージェン登場でおもろくなってきたな。
アイアンライノス再登場希望。
118名無しより愛をこめて:2006/05/01(月) 06:59:00 ID:4nRM3JIJ0
アーマーライノスと間違えた
119名無しより愛をこめて:2006/05/01(月) 15:53:13 ID:yFpEFzz40
>>117
アーマーライノス2とか出そうだ。今回はあっさりやられたから
2でリベンジするとか。
120名無しより愛をこめて:2006/05/02(火) 11:47:09 ID:h8ktBZWW0
だんだん盛り上がってきたね。
次回は第3勢力登場かな?
121名無しより愛をこめて:2006/05/02(火) 18:47:41 ID:SshEJg8N0
まいど細かい設定を乗せてくれるみなさんに感謝。
122名無しより愛をこめて:2006/05/03(水) 02:49:04 ID:Tx80Dk3MO
騎光兵
飛竜 フェイロン
村田製鉄所で作った対ドクロイド兵器
コアに使用した古代原動機 アトマイクスは ガイレイジンの武器になる(その為飛竜はスクラップになる)

製作指揮他
村田三四郎
製作
安田 島谷 谷内 四倉 エリック その他大勢
資金援助
国防庁 対ドクロイド 課

マシンスペック
全長52m
重量40t
馬力 5000馬力

123名無しより愛をこめて:2006/05/03(水) 15:47:30 ID:/i9zCDVk0
>>22
新しい騎光兵ですか。けっこう設定が細かいですね。
124飛竜補足:2006/05/03(水) 23:47:55 ID:Tx80Dk3MO
アトマイクスは変形して巨大な大砲になる
125名無しより愛をこめて:2006/05/04(木) 00:59:47 ID:JV3DcmF20
そろそろ誰かしらデザインしてくれないかな〜。
126名無しより愛をこめて:2006/05/04(木) 16:38:42 ID:IlwHUDdS0
>>125
そうしたいんですけどね。
うちにはスキャナーないんでイラスト取り込めないんですよ。
127名無しより愛をこめて:2006/05/05(金) 19:42:17 ID:wOY30o0j0
>>125
そうだね。設定画があった方がイメージを膨らませやすいしね。
128名無しより愛をこめて:2006/05/06(土) 16:02:17 ID:tkYQvqeyO
飛龍はシャークリーガー顔キボン
129ガイレイジャープロジェクト:2006/05/06(土) 17:56:55 ID:EWjCJQgW0
第5章 謎の戦士シャドウ
 
 「お、お前は!」
 驚いているエディスの前に謎の男が現れた。
 「久しぶりだなエディス。私の留守の間に何か変わった事は無いかい?」
 「本当に失礼な奴だな、魔界法術士シュぺルター」
 「フッ、君に言われたくないよ。それよりも最近ガイレイジャーが復活したんだってね?おそらく君は彼らに手を焼いているんじゃないかな?」
 シュぺルターは邪神像の前に来て手に持っている小さな壺を前においた。
 「ああ、ドクロイドを造ってあいつ等と戦わせたのだが、2度もやられたわ。まあ、前回はサージェンが悪いのだがな」
 「サージェン…?ああ、前にお前が言ってたあの黒騎士か。実はそのサージェンにも用があるんで、ここに来たのだよ」
 「ど、どういうことだ?」
 「まあ、後々分かるさ。それよりどうだい、この壺を」
 シュぺルターは邪神像の前に置いてある壺を指差した。
 「この壺がどうしたというのだ?!」
 「この壺と君が持っている邪神のつばとを融合させるんだよ。そうすればもっと強いドクロイドを造る事ができるよ」
 「だ、だれがお前なんかに!」
 シュぺルターの言葉にエディスは耳を貸そうともしなかった。しかしシュぺルターは、エディスの懐にある邪神のつばが入っているビンを奪った。
 「あ!いつの間に」
 「君がいつまでも躊躇してるからだよ。それじゃ、遠慮なく使わせてもらうよ」
 そう言ってシュぺルターは壺に邪神のつばを降りかけた。そして何やら呪文を唱え始めた。
 「ゴーラ・ゴム・シータルード・デム・ゲム・ソバラ!」
 呪文を唱え終わったと同時に壺が巨大化し、変形してドクロイドになった。
 「これぞ魔人ドクロイド、壺導師!お前の力で宝を探しに行くのだ!!」
 これは大変な事になったぞ、とエディスは心の中で思うのだった。
130ガイレイジャープロジェクト:2006/05/06(土) 17:57:32 ID:EWjCJQgW0
 「このあたりにあるって教授が行っていたはずなのだが…」
 教授の指令で遼たちは金貨があると言われている湖にやってきた。
 「探知機には何か反応は?」
 「う〜ん、動いてるような、動いてないような…」
 探知機のモニターを覗き込む遼だったが、何も反応は現れなかった。
 「もしかして壊れてたりして」
 それを見ていた海がふざけ半分で言った。
 「もし壊れていたりでもしたら、お前の責任だからな」
 大樹がギラリと遼をにらみつけた。
 「大丈夫だって!俺を疑ってるのかよ?」
 「まあまあ、二人とも落ち着いて。とにかく湖の周りを調べてみようよ」
 気まずい空気になっている二人に、海は話を切り替えるように話しかけた。
 「そうだな。金貨の方が先だったな」
 「じゃあ私と海で向こうの方を探してくるから、遼はゆかりさんと一緒にこの近くで金貨の反応が出るまで見張ってくれ」
 「って、また大樹さんと?」
 ふてくされる海。彼はゆかりと一緒に待ちたかったのだ。
 『まあいいじゃないか。たまには二人にするのも悪くないだろ』
 大樹は小声で海に話しかけた。
 『でも悔しいよ。おいらの方が護れる自信があるのに』
 『ここは遼を信じよう。それにその方が都合がいい』
 『都合って…あっ、待ってよ大樹さん』
 どうも納得がいかない海を置いて、大樹は湖沿いの道を右回りに歩いていった。
 「どうした海、ぐずぐずしていると置いていくぞ。遼、もし何かあったらチェンジャーで連絡する。それまでゆかりさんを頼んだぞ」
 「分かった。大樹たちも気をつけてな」
 大樹は大丈夫と手を上げた。そんな訳で二手に分かれたガイレイジャーは、金貨の在りかを探すことになったのだった。
131ガイレイジャープロジェクト:2006/05/06(土) 17:58:03 ID:EWjCJQgW0
 その頃、同じく湖にやってきたエディスとシュペルターはあるものを探していた。
 「シュペルターよ、こんなところに一体何があると言うのだ。まさか秘宝とか言うのではなかろうな」
 「まあそんなところだ。この近くにある物が見つかったと分かったからね」
 「それでドクロ兵を使って探していると言うわけか。だがわしはそううまく行くとは思えんのだが」
 エディスが不信感を抱いていたそのとき、すぐ下の道の偶然通りかかる大樹たちの姿を見かけた。
 「どうやらあいつ等も目的は同じのようだね。あちらが先に見つけられたら大変だ。どれ、少し脅かしにいきますか」
 「脅かすって、いいのか、あいつ等に見つかっても!」
 遊び半分に楽しんでいるシュペルターに、エディスは激怒した。
 「まあまあ、そんなに怒らなくても。あいつ等に私の魔人ドクロイドを戦わせてやりたいんでね」
 「勝手にしろ!わしはどうなっても知らんからな」
 そう言ってエディスはその場を離れていった。
 「おやおや、剥きになっちゃって。まあいい。これでエディスにも私の本当の目的を知られなくてすんだからね。じゃあ壺導師、あいつ等を脅かして来い」
 「御意」
 壺導師はシュペルターの命を受けて下に降りて行った。
132ガイレイジャープロジェクト:2006/05/06(土) 17:59:26 ID:EWjCJQgW0
「遅いですね、大樹さん達」
 探知機を見張っていたゆかりはため息をついた。
 「金貨見つけるのに時間がかかってるんだろう。それにまだ探知機にも反応してないんだろ」
 湖のそばにいた遼はゆかりの側に来た。
 「そうですよね、時間がかかるのも頷けますね」
 「でも、もう反応があってもいい頃だぜ。それなのにピクリともならないなんて…」
 遼がそう言った時、探知機のモニターに反応が出た。
 「遼ちゃん!湖の真ん中に反応が!!」
 「何だって!すぐに大樹たちに連絡しないと…」
 遼は大樹たちに連絡しようとすると、ゆかりの後ろにおかしな影が迫っているのに気付いた。
 影はゆかりの前で実体化し、遼の行く手をさえぎった。
 「フッ、おろかな奴よ。ここまで近づいても分からないとはな」
 「お前はこの前の!」
 「俺の名はブラックナイト・サージェン。ガイレイジャーよ、今日こそ決着をつけさせてもらう」
 サージェンは鞘から剣を抜いた。ここで戦おうとするつもりなのだ。
 「望むところだ。行くぞ!烈空変神!!」
 遼はチェンジャーにカードをスラッシュしてガイレイジャーブラスに変神した。
 「そうだ、それでいい。お前との戦い、楽しませてくれよ」
 二人の剣が交わる。こうしてブラスとサージェンの一騎打ちが始まった。
133ガイレイジャープロジェクト:2006/05/06(土) 18:00:06 ID:EWjCJQgW0
 遼とサージェンが戦っている頃、大樹たちもドクロ魔人とドクロ兵達と戦っていた。
 「こいつらどこから湧いて出てきたんだ」
 「さあな。もしかしたらあいつ等も同じ目的で…まさか!」
 大樹=マックスは彼らの目的に気付いた。
 「どうかしたの?」
 「おそらく奴らの狙いは私たちと同じ烈空の金貨だろう。あいつらにとっても金貨は必要なものらしい。何せ金貨自体とてつもないパワーを秘めているのだからな」
 「それじゃ、もし金貨があいつらに渡ってしまったら…」
 「邪神を封印できないどころか金貨のパワーを使ってより強力なドクロイドを生み出してしまうだろう。そうならないためにも…」
 「早く金貨を探さないといけないわけだね」
 「そういう事だ」
 二人が話しているうちに、ドクロ兵がゾロゾロやってきて二人の周りを囲んでいった。
 「囲まれちゃったね」
 「だが私たちの敵では無い!」
 マックスは専用武器『マックスボルケーノ』を召喚し、ドクロ兵を一掃していった。
 「ならこっちも!」
 カインも『カインシューター』を召喚して群がるドクロ兵を打ち倒した。そのとき、チェンジャーから遼の連絡がはいった。
 『大樹、聞こえるか?』
 「遼。どうしたんだ?」
 『湖の真ん中にある祠に金貨の反応があったんだ。何とかしてそこにある金貨を…』
 遼が大切なことを言おうとしたそのときに、突然通信が切れてしまった。
 「もしかして遼さんの身に何かあったんじゃ…」
 「心配するな。もしそんな事があったとしてもあいつなら切り抜けてくれるさ。さあ、私たちは祠のところへ急ぐぞ」
 二人は、湖の真ん中にある小さな祠目指して走り出した。
134ガイレイジャープロジェクト:2006/05/06(土) 18:00:39 ID:EWjCJQgW0
「どうしたガイレイジャーブラス、お前もここまでか」
 その頃、サージェンと戦っているブラスは追い込まれていた。
 「へっ、まだまだだ、勝負はついてないぜ」
 ブラスは余裕を見せながら対策を練っていた。
 『あいつには隙が無い。いくら当てようとしても避けたりマントでガードしたりして防いでしまうんだ。どうするか…そうだ!』
 ブラスはある事に気付いた。隙が出来ないなら――!
 「ふん、何か対策でも思いついたか」
 「まあね。それじゃ行くぜ。モードチェンジ、ツインエッジブレイバ―!」
 ブラスはブレイバーを二つに分け、二刀流にした。
 「いくら二刀流にしても俺にかなうわけが無いがな」
 「やって見なくちゃわかんねえだろ」
 ブラスは再びサージェンに襲い掛かった。
 「何度やっても同じ事だ!」
 サージェンは剣でエッジの片方を払いのけた。そしてそのままもう片方のエッジを払おうとした…。
 「待ってたぜ、そのときを!」
 ブラスはもう片方のエッジを逆手に持ちなおしてサージェンの無防備になった左腕に傷を負わせた。
 「やったか?」
 しかしサージェンには致命傷は与えられなかった。サージェンはよろよろと体勢を立て直すと、剣を鞘に収めた。
 「この俺に傷を負わせるとはな…。さすがガイレイジャーだ」
 そう言ってサージェンはこの場を離れた。
 「おい、まだ勝負は終わってねえぞ!」
 「ブラスよ、お前はまだ強くなれる。今度逢うまでに腕を磨いておくんだな」
 サージェンはそういい残して消えた。
 「あいつ…洒落た真似しやがって…」
 「それより遼ちゃん、早く大樹ちゃん達の所へ早く!」
 ゆかりが祠の方を指差して叫んだ。何やら祠の方角がおかしい霧に覆われているのだ。このままでは大樹たちが危ない。そう思ったそのとき…!
 「な、なんだ!またドクロイドが巨大化したぞ!!」
 なんといきなりドクロイドが巨大化してしまったのだ。
 「大樹!海!大丈夫か?」
 ブラス=遼は大樹たちに連絡した。だが、電波が遮断されているのか応答は無かった。
 「一体どうしたんだ?返事してくれよ!」
135ガイレイジャープロジェクト:2006/05/06(土) 18:01:15 ID:EWjCJQgW0
遼がサージェンと戦っていた少し前、マックスとカインは祠に到着していた。祠の周りにはなぜか霧が立ち込めていた。
 「どうやらこの中に金貨が入っているようだな」 
 マックスが祠に触ろうとしたそのとき…!
 「そこまでだ、ガイレイジャー。これは私がもらうよ」
 シュペルターが二人の前に姿を現した。
 「しまった、もう追いついていたのか」
 「金貨は絶対渡すもんか!」
 二人はシュペルターに対して戦闘体勢をとった。
 「フッ、お前たちがどんなに喚こうとこの私にはかなうわけないのだ。さあ、早く金貨を渡すのだ」
 シュペルターが手を伸ばしたそのとき…!どこからか針のようなものが飛んできてシュペルターの腕を貫いた。
 「ぎゃあああ!誰だ、私の邪魔をするのは?」
 針が飛んできたその先に、二人の謎の戦士がこちらを見ていた。
 「お、お前たちは…!シャドウ!!」
 怒りに震えるシュペルター。それを見ていたマックス達は何があったのか分からずにいた。
 「…一体どういうことだ?」
 「敵の仲間…じゃないよね…」
 その二人の戦士はすぐに姿をくらまし、去っていった。
 「く、これでは金貨どころではなくなった!壺導師、後は頼むぞ…!」
 そう言ってシュペルターはその場を去っていった。
 「あっ、待て!」
 「そうはさせん!」
 追おうとする二人に、壺導師が立ちはだかった。
 「お前達を倒し、主に金貨をお渡しするのが我の使命!さあ、行くぞ!!」
 そして空から暗雲が出たかと思うと、そこから雷が落ちて壺導師を巨大化させた。巨大壺導師は壺の上から霧を発生させ、マックスたちの周りを囲んでいった。
 「何だよ、いきなり巨大化?」
 「こうなったら遼を呼んで戦騎を召喚するぞ。…どうした?」
 「遼さんと連絡が取れないよ!」
 「何だと!仕方ない、私たちで戦うしかない」
 二人は戦騎を召喚しようとした。しかし急に霧が濃くなり目の前が見えなくなってしまった
136ガイレイジャープロジェクト:2006/05/06(土) 18:02:14 ID:EWjCJQgW0
「これじゃあ何も見えないよ」
 「カードが取れだせない!」
 このままでは戦騎を呼び出すことが出来ない。二人が困っているそのとき、空から凱鳳凰が飛来した。
 「何だこのすごい霧は!これじゃ、なにも見えねえじゃねえか」
 ブラスが霧で立ち往生しているそのとき、霧の中から壺導師が現れて凱鳳凰を攻撃してきた。
 「くそ、この霧をどうにかしねえと…そうだ、風を起こせば霧も吹き飛ぶはずだ。よし、一か八か!」
 凱鳳凰は回転して竜巻を起こし、周りの霧を吹飛ばした。
 「やった、うまくいった。…って、大樹たちが!」
 遼=ブラスが下を見てみると、木にしがみついているマックスとカインを発見した。さっきの竜巻のせいで吹飛ばされそうになったのだろう。
 『まったくお前は何考えてるんだ!私たちまで吹飛ばすつもりか!?』 
 チェンジャーから怒っている大樹=マックスの通信が入ってきた。
 「ごめん。でもこれで霧が晴れただろ」
 『今のうちに戦騎を召喚しようよ』
 『ああ』
 二人は戦騎を召喚し、それそれの戦騎にスピリット・ダイブした。
 「さっそく合神しようぜ!」
 ブラスの合図で三騎は凱零刃に合神した。
 「烈空戦騎・凱零刃参上!」
 凱零刃は巨大壺導師の前に立ち向かった。身の危険を感じたのか壺導師は壺の天辺から再び霧を出してきた。
 「またこのパターンか…」
 しかしこの霧のせいで周りがまた見えなくなってしまった。
137ガイレイジャープロジェクト:2006/05/06(土) 18:03:10 ID:EWjCJQgW0
 「気をつけろ、あの霧はただの霧じゃない」
 マックスがそう言った時、後ろから壺導師の攻撃を受けてしまった。
 「霧をどうにかしないとやられちゃうよ」
 「だったらもう一度霧を吹飛ばせばいい!」
 凱零刃は飛び上がると全身を回転させて霧を吹飛ばした。
 「よし、これでどうだ」
 「でもまた霧が出て見えなくなっちゃうよ」
 「だがこれではっきりした。あの霧は一定時間しか出せないようだ。その証拠に見ろ」
 ブラスたちが下を見ると、壺導師からは霧はほとんど出なくなっていた。
 「やるなら今しかない!」
 凱零刃は左腕のドリルを回転して壺導師目がけて突進した。
 「いけぇ、ドリルインパクト!」
 高速回転したドリルは壺導師の腹を貫いた。爆発する壺導師。
 「危なかった、霧が晴れなかったらどうなることかと思った」
 ブラスたちは危険な賭けに何とか勝利したのだった。
138ガイレイジャープロジェクト:2006/05/06(土) 18:03:44 ID:EWjCJQgW0
 「それにしてもあのシャドウという奴ら、一体何者なんだ?」
 祠にあった金貨を取り出した遼は、大樹が見たというシャドウのことに疑問を持っていた。
 「分からん。ただ言えるのは奴らは邪神族ではないという事だ」
 「何で分かるんだよ?」
 「証拠ならある。あいつらは間違いなくあの敵を狙っていたし、敵も驚いているみたいだったからな。そうでなければあんな事はしないだろう」
 「なるほど、第三勢力ってわけだね」
 「とにかくこれからはその第三勢力にも用心しなければならない。あいつ等も金貨を狙っているかもしれないからな」
 三人は改めて気を引き締めるのだった。
 「みんな〜、無事でしたか〜」
 祠から戻ってきた遼たちをゆかりが迎えに来た。
 「ゆかりさん、おいら達は無事ですよー」
 「まったく、お前は緊張感がないな」
 そんな二人をよそに、遼はサージェンの事を考えていた。
 『サージェン、今度会うときはお前に勝ってみせる!』
 金貨を握り締める遼。はたして次に戦うときはいつの日だろうか?
                            第5章 終わり
 
【次回予告】
 ある日大樹は学生時代の先輩の鈴村に偶然出会う。しかし大樹は鈴村の様子がおかしい事に気付いてしまう。鈴村に何があったのか?
 烈空戦騎 ガイレイジャー第6章!「友情を取り戻せ」
 「先輩、今度は私があなたを救います!」
139名無しより愛をこめて:2006/05/06(土) 18:05:29 ID:vycXUkM60
デュ○ーヌ?
140名無しより愛をこめて:2006/05/06(土) 18:10:35 ID:tkYQvqeyO
壺童子とかって
ダイレンに出てきたヤツ?
飛竜はいつでるのだ
141ガイレイジャープロジェクト:2006/05/06(土) 18:18:03 ID:EWjCJQgW0
第5章をお送りしました。今回は前回のご約束どおり、遼=ブラスとサージェンとの一騎打ちになりました。
今回はサージェンの腕に傷を負わせるだけでしたが、次回の対決ではどうなるのか・・・、楽しみにしてください。
次回は大樹の先輩が登場します。次回と次々回は大樹と海、それぞれのエピソードをお送りします。お楽しみに。
最後に恒例の設定集です。今回は第5章まで出てきたドクロイドの設定データです。本編で使われていない技なんかも
載せましたので、ぜひごらんください。
>>122さんの設定、いいですね。あとで国防隊製のメカとして出させていただきます。それまで待っててください。
>>117さん、アーマーライノスはあっさり倒されてしまったので機会があれば再登場させようかと思います。いつ出すかは
まだ未定ですが、楽しみに待っててくださいね。
142ガイレイジャープロジェクト:2006/05/06(土) 18:19:36 ID:EWjCJQgW0
ドクロイド全集 その1
クラブカッター 
 第2章に登場。ドクロ兵と蟹の細胞に邪神のつばを融合させて誕生したドクロイド1号。非ヒューマン型のため知能は低い。そのため命令なしではただ暴れるだけの兵士でしかない。
両腕のビームカッター(水中ではヒートカッター)と口から出すシャボンボムが武器。硬い甲羅で覆われているため防御力は高い。しかし甲羅に覆われていない箇所が一つだけあり、そこを狙われると機能が停止してしまう。
カインは甲羅に覆われていない腹部を狙って攻撃したのだ。最期は騎光兵凱鳳凰に敗れ去った。

アーマーライノス
 第4章に登場。ドクロ兵とサイの細胞とつばとを融合させて誕生した非ヒューマン型ドクロイド。全身が装甲で覆われており、突進することですべてを壊してしまうほどの威力を持つ。また全身に生体ミサイルを内蔵しており、
そこから放たれるミサイルボンバーは周りの物を吹飛ばす破壊力を持っている。いわゆる全身が武器庫の状態である。ただしミサイルを発射しないときは非起爆性の物質になっており、発射するときだけ体内で化学反応を起こして
起爆性のミサイルにして発射するような形をとっている(そうしないとライノスの身体が爆発してしまう)。結局アーマーライノスはその能力を発揮できないままガイレイジャーに倒されている。
143ガイレイジャープロジェクト:2006/05/06(土) 18:20:34 ID:EWjCJQgW0
壺導師
 第5章に登場。シュペルターが邪神のつばをエディスから奪って壺に降り掛け、魔呪文によって生まれた魔人ドクロイドである。非ヒューマン型であるが、ある程度の言葉を話すのが大きな違いである。
元々探査用のドクロイドであるため戦闘能力は普通のドクロイドより低い。しかし壺の入り口から霧などを発生させて幻覚を見せるなどしてガイレイジャーを苦しめたため、それなりの戦闘能力は備えているようだ。
ただ霧を発生する時間に制限があるため、霧が発生できないときに攻撃されるとなにも出来なくなるという致命的な弱点があり、凱零刃に弱点をつかれて敗退している。

魔界戦車 ガードック
 第3章に登場。ドクロイドではなく、邪神族が作り上げた地上戦略用の試作兵器である。8本の脚を用いてあらゆる悪路でも移動でき、両脇に設置されている小型パルスレーザー砲で近づく敵を追い払う。ガードック
最大の武器は背の部分にある巨大大砲『グランカノーネ』で、その威力は半径500mほどを吹飛ばしてしまうほどだ。近づく事が困難なガードックだが、天空から放った凱零刃の天凱一文字斬りによって倒されてしまった。
おそらく空からの敵には対応できなかったのが敗因だったようだ。
144名無しより愛をこめて:2006/05/06(土) 18:24:40 ID:tkYQvqeyO
頼む
飛竜は村田製鉄所のガレージから出撃してくれ
原案者からのお願いだ
145ガイレイジャープロジェクト:2006/05/06(土) 18:34:27 ID:EWjCJQgW0
>>144さん
わかりました。村田製鉄所のガレージから発進させましょう。そのほうが雰囲気も出ますし。
>>140さん
壺童子はたしか出てましたね。まあ漢字も能力も違うのでいいということで。
飛竜は第2部中盤あたりに出す予定です。国防軍が絡んでくるので第1部では出せないんですよ。
ですからもう少し待っててくださいね。
146名無しより愛をこめて:2006/05/06(土) 18:35:07 ID:tkYQvqeyO
飛竜 フェイロン
白兵戦のロボ
接近戦では
特殊合金でできた刀
双竜刀(二刀一対)
同じく槍
豪竜槍一本

背中に背負ったレールガン
村田製鉄砲
発射時は肩に装着する
発射エネルギーは
アトマイクスで補う

バトルスタイルは
アトマイクスの力で
高速戦闘を得意とする
147名無しより愛をこめて:2006/05/06(土) 18:42:23 ID:tkYQvqeyO
アトマイクス
古代の原動機
ヴィーダの配下(歴史上から名前が消されてるので不明)
今でいうオーバーテクノロジー

機動力上昇能力
半重力作用と有り余るエネルギーを作り出す
飛竜の重量が並の騎光兵より軽いのはその為
148名無しより愛をこめて:2006/05/06(土) 19:48:00 ID:gKoIg9Od0
サージェン
シャドウ
魔界法術士シュぺルター

次々と出てくるな。

魔界戦車 ガードックも改良して2号機、3号機と出て欲しい。
149名無しより愛をこめて:2006/05/06(土) 20:15:07 ID:tU9jS/Lp0
仕事の間に6章ができていたのでちょっとズレてしまいますが、お目汚し失礼。



第4.6章 闇に蠢く者たち

薄暗い闇の中、ごそごそと動き回る影がひとつ。
ここはガイレンジャーのメンバーがお昼に花見をして、アーマーライノスと戦っていた場所である。


1週間前の出来事が頭をよぎる・・・

熊型ドクロイドと対峙するアーマーライノスと牛型ドクロイド
傍らには黒豹型ドクロイドと猪型ドクロイドが立っている。
「訓練と思うな、全力で打て!」
黒豹ドクロイドが激を飛ばす。
「とりゃあー」
辛うじて防ぐ牛型ドクロイド。
無言で突撃するアーマーライノス。
熊型ドクロイドはそれをいとも簡単にかわす。
「どうした?この程度か。これでも食らえ!」
突撃してくる熊型ドクロイド。
不意を衝かれた牛型ドクロイドが攻撃を避け損なった。
「しまった!」
目をつむる牛型ドクロイド。
だめだ!と思った瞬間、アーマーライノスが盾となり牛型ドクロイドをかばった。
「くっ!」
熊型ドクロイドが悔しそうに吐き捨てる。
一瞬の隙を突いて牛型ドクロイドが強烈なパンチを見舞う。
吹きとばされ、倒れる熊型ドクロイド。
150名無しより愛をこめて:2006/05/06(土) 20:15:49 ID:tU9jS/Lp0
「訓練終了!」
黒豹ドクロイドが戦闘の終了を宣言する。
傍らにいた猪型ドクロイドに熊型ドクロイドの介抱を命じた。
猪型ドクロイドは一礼し、熊型ドクロイドを担いで引き下がった。
「お前には助けられた。」
牛型ドクロイドが礼を述べる。
「どうってことはない。それよりも先日の料理うまかったな。また食わせてくれ。」
アーマーライノスが答える。
「約束する。」
牛型ドクロイドが言った。

約束を果たす間もなくガイレンジャーに倒されてしまったアーマーライノス。
「せめてコアだけでも・・・」
辺りを探す牛型ドクロイド。
小一時間も経っただろうか。
ようやく探し当てたコアにはほのかに温かみがあった。

じっとコアを見つめる牛型ドクロイド。
背後に何者かの気配を感じる。

「おい貴様、こんな夜中になにをしている」

振りかえる牛型ドクロイド。
刹那、アースクエイクコングの蹴りを喰らい、吹っ飛ばされる牛型怪人
地面に這い蹲る牛型ドクロイド。
「弱い奴は死あるのみ。ムシケラは死んで当然!」
機械と猿人が融合したような、ギョロっとした目のドクロイドが言い放つ。
「アースクエイクコング様のおっしゃる通りでございます。」
忍者のような猿型のドクロイドがすかさず追従する。
このドクロイドはハネアリサンドと同じくらいお追従の巧いドクロイドだ。
151名無しより愛をこめて:2006/05/06(土) 20:17:12 ID:tU9jS/Lp0
「うけけけけけけ。弱い奴は死ね」
狡猾な顔つきの兎型ドクロイドが奇怪な声で笑う。
「ククク・・・貴様もバカな奴よの。弱い奴のことなど放っておけばよいものを」
豚型のドクロイドがバカにする。
蝙蝠型ドクロイドも不気味な笑い声ともつかない音を発する。
「力があれば金も女も酒も思いのまま。正義だの平和だのは弱者のくだらぬ思想だ。」
取り巻きが同調したように不気味にうごめく。
「ガイレンジャーなぞ一撃で倒してやる。ガイレンジャーを倒せば貴様らも不要。エディス諸共この世から抹殺してくれるわ。」
吼えるアースクエイクコング。
「何をしている」
盛り上がっていたアースクエイクコングと取り巻き達が横を向く。
「なんだ貴様か。何の用だ?」
アースクエイクコングが声を張り上げる。
「アハハー用がないならとっとと失せなー」
小馬鹿にしたように兎型ドクロイドが喋る。
「お前らこそ寄って集って何をしている。いい加減にしないか!」
アースクエイクコングを睨みつける黒豹型ドクロイド。
「強くないくせに俺様に挑もうってか?笑わせるな!」
2対多数。取り巻きだけなら勝てなくもないが、相手が悪すぎる。
そこへ騒ぎを聞きつけてやってきた、がっしりとした体格の虎型ドクロイドと竜型のドクロイド。
「やめんか!バカなことやってないでとっとと帰れ。」
竜型が怒鳴る。
「これ以上騒ぐなら俺が相手になる!勝負してみるか!!」
虎型の迫力ある一喝に気圧されたアースクエイクコング達は、倒れている牛型ドクロイドの顔面めがけて
「ペッ」と唾を吹きかけ、悪態をつきながら立ち去った。

「大丈夫か?」
サッとハンカチを差し出す虎型ドクロイド。
「夜とはいえ夜桜見物の客もいる。ムチャをするな。」
黒豹型が窘める。
「はい・・・」
呟くように答える牛型ドクロイド。
152名無しより愛をこめて:2006/05/06(土) 20:18:11 ID:tU9jS/Lp0
「コアは持って帰れ。いつか人間に戻してやることができるかもしれん。エディスには何も言うな。」
竜型が牛型ドクロイドに話す。

4体のドクロイドはアジトに戻っていった。

「よくかばってくれたな。」
虎型が黒豹型に話しかける。
「部下を庇うのは私の責務であります。」
黒豹型ドクロイドが答える。
「ご苦労だった。ゆっくり休め。」
虎型が労った。
「失礼します。」
黒豹型は一礼し、踵を返して部屋に戻っていった。
その様子を眺めながら、虎型がポツリと呟いた。
「部下の為に無茶をしなければよいが・・・」

部屋に戻り、ゴロンと横になる虎型。
読みかけの本を開き、読みはじめる竜型。
部屋の隅では、狼型のドクロイドがなにやらゴソゴソやっている。

「ねえ、もし人間と戦えって言われたらどうする?」
獅子型のドクロイドが、隣で武器を磨いている鷹型のドクロイドに話しかけた。
「嫌なら逃げるしかないですね。」
鷹型があっさりと答える。
「逃げるってどこへ?この姿じゃ隠れようにも隠れられないし、庇ってくれる人なんているとは思えないし・・・」
獅子型が弱気に喋る。
「追ってこられない所はありますよ。ただ彼らが私たちのことをどう思ってくれるかですけどね。」
鷹型が平然と答える。
これ以上のやり取りは無駄と思い、獅子型は話すのを止めてしまった。
153名無しより愛をこめて:2006/05/06(土) 20:20:06 ID:tU9jS/Lp0
そのやり取りを黙って聞く虎型。
これが運命ならば黙って従うべきか?
人間の敵になろうとなるまいとに関わらず、人間は異端の者として我らを忌み嫌うだろう。
エディスに嘘でも忠誠を誓わねば、抹殺されるかもしれない。
いっそエディスを倒し、揃って世捨て人になってもいいかな。
様々な思いが頭をよぎるが、焦ってもがいても仕方ない。
黙って目を閉じた。しばらくすると大いびきを立て始めた。
沈んでいた獅子型も静かに寝息を立てている。

その様子を見ていた3体も床につき、眠り始めた。

                   第4.6章 終わり
                   第5章に続く。
154名無しより愛をこめて:2006/05/06(土) 20:24:12 ID:tU9jS/Lp0
本編の中の人には敵いませんが、陽の当たらない部分に蠢くキャラクターを書いてみますた。


5体のドクロイド 「名前募集中」

魔弾丸を打ち込まれて作られたドクロイド。人間の思考が残っているため冷遇されている。
血の繋がりより濃い仲間意識を持っている。

虎型ドクロイド
大型のバイクを乗りこなし、赤色のプロテクトアーマーも革ジャンもタキシードも着こなすダンディなドクロイド。
正義感とパワーが強く、がっちりした体の柔剣道有段者。5体のリーダー。
黒糖焼酎好きで無類の機械フェチ。凱零刃を改造してみたいと思っているらしい。
人間のときは優秀なメカニックだった。
遼の父と縁がある・・・らしい。

竜型ドクロイド
水と炎と斧を武器とするドクロイド。
全身を覆う紺色のプロテクトアーマーがトレードマーク
暴走しそうになる虎型のブレーキと補佐を務めるが、一緒になって暴
走することもある。
どんな危機的な状況下でも決して諦めない強い精神を持ち、不正と卑怯が大嫌いで、アースクエイクコングと取り巻きを嫌っている。
シュペルターと仲が悪い。
人間のときは大型発動機の設計をしていた。

獅子型ドクロイド
白色のプロテクトアーマーと迷彩ズボンが特徴。
しなやかな動きで敵を翻弄するドクロイド。武器はスナイパーライフルとマシンガン。
自然とサバイバルゲームと子供が好き。
人間のときは有能なプログラマーだった。
人間に戻れなくても組織から離脱したいと思っているが、仲間を置いて逃げるのが嫌で我慢している。
155名無しより愛をこめて:2006/05/06(土) 20:25:12 ID:tU9jS/Lp0
鷹型ドクロイド
弓と槍を得意とするドクロイド。
黄色のプロテクトアーマーを装着している。
頭脳明晰で冷静沈着だが、温和な性格で少々世間ずれしてる。
竜型ドクロイドとともに呪いを解く術を探している。
人間のときは考古学を専門とする優秀な大学生だった。
本人は記憶を失っているが、皆川教授の教え子だったらしい。

狼型ドクロイド
オレンジ色のプロテクトアーマー。
武器はショートソードとブーメラン。
手先が器用で、道具の修理や製造もする。
普段は静かだが、一度喋りだすと止まらない。
曲がったこととゴミの投げ捨てを許せない。
サージェンと気が合うのか時々一緒に行動する。
たまに女神が出てくる夢を見る。

ふつうのドクロイド「名前募集中」

牛型ドクロイド
強く凶悪そうな姿とは裏腹に仲間思いの小心者。
鍬と鋤を武器としているが、包丁を握って料理をしているときのほうが幸せらしい。
料理の腕前は玄人はだし。
元は人間だったが、一切の記憶が消されている。

黒豹型ドクロイド
その物静かな風貌からはうかがえない熱い魂を持ったドクロイド。
ドクロイドらしからぬ正義感から上からは疎まれているが、情報収集やドクロイド・ドクロ兵の訓練に使えるため渋々使っている。
口癖は「自分を守る為に強くなれ」
武器は日本刀。趣味で集めている甲冑をつけることがある。
元は人間だったが、一切の記憶が消されている。
虎型ドクロイドを兄のように慕っている。
156名無しより愛をこめて:2006/05/06(土) 20:25:53 ID:tU9jS/Lp0
熊型ドクロイド
チタンの爪とプロテクトアーマーにつけた刃が武器の接近戦型ドクロイド。
性格は典型的江戸っ子気質で喧嘩っ早くて荒っぽいが世話好き祭好き。
義理人情に厚く女性に弱く物見高い。
元は人間だったが、江戸っ子ではないかと思われる。

猪型ドクロイド
武器はバズーカ砲
猪突猛進型のドクロイドだが、やたら礼儀正しく、紳士的で引き際も弁えている。
元は人間だったが、一切の記憶が消されている。
豚型ドクロイドと非常に仲が悪い。

今回出なかったドクロイド

鹿型ドクロイド
火を自在に操るドクロイド。武器は鋭い角と火炎放射器。
万年人手不足の組織で、エディスの補佐を務めている。
思ったことを口に出すタイプで、いつも一言よけいに喋って酷い目にあっている。
元は人間で、悪に染まらないうちに人間に戻りたいと思っているが、保身で精一杯。

馬型ドクロイド
ロケット砲と小型ミサイルを武器とするドクロイド。
性格はいたって温厚でのほほんとしている。
鹿型ドクロイドとウマが合うせいか、常に一緒にいる。
相方が思ったことを口に出すタイプなので、一緒に酷い目にあっている。
元は人間。人間に戻りたいと思っているが、ひそかに今の姿も悪くないと思っている。
157名無しより愛をこめて:2006/05/06(土) 20:26:53 ID:tU9jS/Lp0
シュペルターの部下ドクロイド 「アースクエイクコング以外の名前募集中」

アースクエイクコング
類人猿型。強盗、殺人など数々の犯罪に手を染める凶悪で冷酷非道なドクロイド。
巨大ロボや大きなビルを一撃で打ち砕く巨大ハンマーと、肘と膝のドリルが武器。
大言壮語癖があるが、実力はその大言壮語に見合う。
身勝手な性格で5体のドクロイドとは仲が悪く、自分より下の者に冷淡。
エディスなどへとも思っていない。
鹿型ドクロイドから「犯罪のデパート」とあだ名される。

ネズミ型ドクロイド
アースクエイクコングに影のように付き従い、忠誠を誓う。
呪術に通じ、頭脳作戦にも長けている。
性格は非情で、弱者に対して容赦しない。
サージェンを毛嫌いしている。

兎型ドクロイド
1分だけ時間を操る時計を持つドクロイド。
ぬいぐるみのような外見とは裏腹に不気味な笑い声と詐欺の常習犯。
子供を毛嫌いしている。
ドクロイドには珍しく人に化けるのが得意。

猿型ドクロイド
忍者のような姿をした怪人。武器は忍者刀。
人質を取ったり、暗殺をしかけるなど卑怯な戦法を得意とする怪人。
ガイレンジャーと黒豹型ドクロイドに激しく敵意を燃やしている。

蝙蝠型ドクロイド
何を考えているのかわからないドクロイド。不気味な音波を発している。
エディスに味方したと思えばいつの間にかシュペルターの懐におさまっている。
一切喋らないタイプなので、ノーマルタイプと思われる。
武器は建築物を破壊する超音波と、神経を麻痺させ動けなくさせる毒電波。
158名無しより愛をこめて:2006/05/06(土) 20:27:28 ID:tU9jS/Lp0
イモリ型ドクロイド
アメリカで開発された戦意を失わせる音波とガスを武器とするドクロイド。
一切喋らないタイプなので、ノーマルタイプと思われる。
地球環境にはやさしいが、人間にはやさしくない。
反国家テロ組織と結びついている。

豚型ドクロイド
昆虫を操り、野菜を食い荒らさせる怪人。
愚鈍な外見と違い、敵の攻撃を瞬時にかわす能力を持っている。
子供を誘拐して奴隷化しようと企む。
猪型ドクロイドを「とろい奴」とバカにしている。
知能は高くない。

カエル型ドクロイド
毒粘液と長い舌が武器のドクロイド。
一切喋らないタイプなので、ノーマルタイプと思われる。

ツタ型ドクロイド
植物型ドクロイド。
ムチのような伸びる触手と切断面から滲み出る強烈な酸が武器。
一切喋らないタイプなので、ノーマルタイプと思われる。


長々とおじゃますますた。
159名無しより愛をこめて:2006/05/06(土) 22:00:50 ID:tkYQvqeyO
あげ
160命名:2006/05/07(日) 01:20:09 ID:aOLxz1XrO
ボルスフェザ
鷹型
161名無しより愛をこめて:2006/05/07(日) 06:22:21 ID:klKarcb7O
最初からよんだ
ロボの設定やら敵の設定を妄想するのが楽しいわけで 
すでに出来上がっているものをもってきてもツマランよ>>1
162名無しより愛をこめて:2006/05/07(日) 08:28:24 ID:IdWcFRQ40
誰かこいつが言っていることを日本語に直してくれ
163名無しより愛をこめて:2006/05/07(日) 13:22:53 ID:hVHVzMG60
>>161
この人は設定を妄想するのが大事だと言ってるみたいよ
164名無しより愛をこめて:2006/05/07(日) 14:51:51 ID:2rJ92CnV0
みんなで妄想してるなまいお
165名無しより愛をこめて:2006/05/07(日) 15:46:46 ID:+XXc5GJZ0
女戦士を出してくれ
166名無しより愛をこめて:2006/05/07(日) 18:33:14 ID:tGJ1/rXZ0
お嬢様の悪役がほしい。
167名無しより愛をこめて:2006/05/08(月) 16:24:54 ID:1VPLeNmB0
>>165>>166
それ、いいかも。女性幹部が登場すれば悪側にも
花ができるし
168名無しより愛をこめて:2006/05/09(火) 15:04:00 ID:avg9pRei0
私は力強い幹部が見たいな。
169名無しより愛をこめて:2006/05/10(水) 15:18:50 ID:St3Lt7ao0
熊型ドクロイドの名前
アイアンベア
虎型ドクロイドの名前
エレガントタイガー
170名無しより愛をこめて:2006/05/10(水) 19:00:02 ID:gEOCVLUb0
人間型ドクロイドは普段は人間の姿で、戦闘時には変身してバトルスタイルになる
というのはどうだろう?
171名無しより愛をこめて:2006/05/11(木) 23:15:36 ID:tnl+HBnR0
それだったらドクロイドにされた意味がないような・・・
172名無しより愛をこめて:2006/05/12(金) 00:31:37 ID:Ho3wTSYWO
二部
173名無しより愛をこめて:2006/05/12(金) 11:15:40 ID:kkhqrmgP0
>>171
あちらも変身するというのはありだと思う。
とはいっても体の一部分だけドクロイドのモチーフを残したほうが
いいかも試練
174ガイレイジャープロジェクト:2006/05/13(土) 13:31:34 ID:L0qVjggb0
第6章友情を取り戻せ!

 ここはエディスのドクロイド研究所。ここでは新たなドクロイドの開発が進められていた…。
 「出来たぞ、これで人間をドクロイドに変えることが出来る。名づけて『魔弾丸』!」
 エディスは出来たばかりの魔弾丸を取り出した。
 「本当は人間なんぞをドクロイドにしたくはないのだが、このままではわしの面子が立たんからな。さっそくドクロイドに適した人間を探すとするか。特殊ドクロ兵達、入って来い」
 特殊任務用のドクロ兵達が3人ほど、研究室へ入ってきた。エディスは特殊ドクロ兵達に指令を伝えた。
 「これから地上界に行って人間をドクロイドにする実験を行なう。この任務は隠密に行わなければならぬ。そのためにお前達を呼んだのだ」
 「しかし御頭、人間をドクロイドにするメリットはあるのでしょうか?」
 特殊ドクロ兵の一人がエディスに質問した。
 「そんなの分かってるわ!だがドクロイドが次々と倒されるのを見ていると敵を討ちたいと思ってしまってな…」
 エディスは少ししんみりとした表情になった。
 「とにかく、お前らの使命は人間の一人をドクロイドに変えることだ!失敗は許さんからな!!」
 「サー・イエス・サー!」
 特殊ドクロ兵は魔弾丸を持って任務についていった。
 「見ていろガイレイジャー、お前らに目にものを見せてやるわ!」
 誇らしげに笑うエディス。しかしその影で一部始終を見ていた人物がいた。シュペルターだ。
 「なるほど、新しいドクロイドか。せいぜい私の邪魔だけはしないでほしいね…」
 その言葉を残してシュペルターはここから去っていくのだった。
175ガイレイジャープロジェクト:2006/05/13(土) 13:33:11 ID:L0qVjggb0
 「おい、そこはこっちに置くんじゃないぞ」
 今日は皆川宅で資料の整理をやる事になった。遼や海、大樹はもちろんのこと、助っ人として遼の妹の智世まで手伝いに来ていた。
 「やれやれ、何て多いんだ、ここの荷物はよ。これじゃ今日中になんか片付けることなんて出きっこねえ」
 「文句言う暇があったら早く片付けることだな。早くしないと昼なしになるぞ」
 文句を言っている遼に大樹が痛い言葉を言い放つ。
 「そうそう、大樹さんの言うとおりだよ。お兄ちゃんがこんな事してるからまだこんなに荷物が残ってるよ」
 智世の一言でさらに追い討ちをかけられる遼。もうたじたじだ。
 「でもよ、何でこんなに本とかノートとかとって置いてるんだ?こんなに貴重な物だったらパソコンの中にでもデータ化して入れておけばいいのに…」
 「貴重なものだからこそこんな形で残しているのだよ」
 皆川教授が部屋へ入ってきた。
 「そ、そうでしたか。失礼な事を言ってしまってすいません」
 「いや、いいんだよ。これはわしが勝手にこうしたのだから」
 教授はノートの1つを手にとってページをめくった。
 「大樹さーん、皆川教授―、お客さんで―――す!」
 一階にいるゆかりの声が二階に響いた。
 「一体誰だ、こんなときに」
 「もしかしたら大切なお客さんかもしれませんよ。遼、すまないが後の片付け頼むな」
 大樹と皆川教授は下に降りていった。
 「ったく、こんなときに来なくたっていいのによ。まだ半分も片付いてねえじゃねえか」
 「しょうがないよ。大樹さんにも大切な人みたいだからね。それはそうとお兄ちゃん、向こうがまだ片付いてないよ」
 片付いていないスペースを指差す智世。それを見た遼は、ますますゲンナリしてしまった。
 「海〜、早く帰ってきてくれ〜」
176ガイレイジャープロジェクト:2006/05/13(土) 13:33:48 ID:L0qVjggb0
 「よお大樹、久しぶりだな。」
 青年は大樹に対して懐かしそうな感じで話しかけた。どうやら知り合いらしい。
 「お久しぶりです鈴村先輩。それで何で皆川教授の家へ?」
 「実は久しぶりに教授に会おうと思いましてね。お土産も持ってきたんですよ」
 鈴村は持ってきたお土産袋をテーブルに乗せた。
 「おお、これはわしの好きな酒饅頭じゃないか」
 「ここに来るついでに買ってきたんです。教授はこれが好きでしたから」
 「ありがとう鈴村君。ところでそっちの方はうまくやってるかな?」
 「ええ、研究は実験段階にはいっています。後は試運転の結果次第です」
 鈴村は嬉しそうに実験の事を話した。
 「そうなると先輩、あの夢がかなうときが来たんですね」
 「ああ。これで俺の夢の一つがかなうよ。あともう一つの夢はもう少しかかるけどね」
 「がんばってください先輩、私も応援してますから」
 それを聞いた鈴村は大声で笑った。
 「はははは。せいぜいお前もがんばれよ。俺も応援してるからな」
 夢の話で盛り上がったそのとき、突然鈴村が立ち上がった。
 「すまないな。俺、用があるからこれで失礼するわ」
 「どうしたんだね鈴村君。もっとゆっくりしてもいいのに」
 「教授、急に用事を思い出したので行かなくちゃ行けないんです。ですからこれで失礼します」
 鈴村はお茶を飲まずに帰ってしまった。
 『さっきの先輩…、何かおかしかったような…。』
 さっきの鈴村の行動に不信に思った大樹は、立ち上がって玄関の方へ歩いていった。
 「大樹君…、どうしたんだ」
 「教授、私は先輩の跡をつけようと思います。さっきの行動、何かおかしいです。もしかしたら先輩の身に何かあるのでは…」
 「そうか…。だが気を付けて行くんだぞ。もしかしたら…」
 皆川教授はさっきの鈴村の変わった行動が気になっていた。もしかしたら邪神族と関係があるのでは、と…。
 「分かりました。もしも先輩に何かあったときは、私が先輩を助けます」
 そう言って大樹は玄関を飛び出していった。
177ガイレイジャープロジェクト:2006/05/13(土) 13:34:45 ID:L0qVjggb0
「片付け終わりました…って教授、大樹は?」
 やっと片づけが終わり、下に降りてきた遼は大樹がいないのに気付いた。
 「大樹君は今しがた鈴村君の跡を追って言ったよ」
 「鈴村って…さっきのお客を?」
 詳しい事を知らない遼は、教授に鈴村のことを聞いた。
 「そうか、大樹はその鈴村先輩がおかしいと思って後をつけたんだな。それじゃ俺も跡を…」
 遼が跡を追おうとしたとき、教授がそれを止めた。
 「遼君、ここは大樹君に任せてほしいんだ。大樹君は鈴村君を救いたいと思っているから、遼君達に話さなかったのだろう。私たちはもう少し待つことにしよう」
 「…でも大樹一人じゃ危ないんじゃ…!」
 「大丈夫、大樹君は遼君と会う前はずっと一人で戦ってきたんだ。ピンチを切り抜ける術は備えてるさ」
 教授は遼の肩をポンと叩いた。しかし遼は大樹のことが気になってしょうがなかった。
 「俺、やっぱり心配だから追います!」
 そう言って外へ出て行く遼。
 「おい…って、聞く人じゃなかったな、遼君は」
 教授は遼の後姿をただ見守るしかなかった…。
178ガイレイジャープロジェクト:2006/05/13(土) 13:35:20 ID:L0qVjggb0
「待ってください、先輩!」
 やっとのことで鈴村に追いついた大樹は、鈴村を止めようとした。
 「なんだ大樹、何か用でもあるのか?」
 「さっきの先輩の様子、何か変ですよ。意味もなくこのまま立ち去るなんて」
 問い詰める大樹に、鈴村は心配要らないという素振りをみせた。
 「別に心配なんてないさ。この通り俺はケガ一つしていないんだからな」
 「それじゃ、何で急に立ち去ろうとしたのですか?あなたがそんなことすると言う事は、何か隠し事をしているに違いないんです」
 大樹の言葉で鈴村ははっとした。
 「そうか、やっぱりお前には隠し事できないな。実は俺の中には…うっ!」
 鈴村が何かを言おうとした瞬間、急に胸を抱えて苦しみだしたかと思うと、鈴村の身体が怪物へと変わっていった。
 「鈴村先輩!」
 「来るな!来るとお前まで巻き込まれてしまう。早く逃げろ」
 しかし大樹は逃げるどころか鈴村に歩み寄った。
 「先輩、私とあなたがまだ学生だった頃、色々と助けてくれましたね。研究をリードしてくれたのも先輩でしたし、勉強まで教えてくれました。だから、今先輩に恩返ししたいんです。先輩の中にあるドクロイドの遺伝子を取り去りたいんです!!」
 そう言って大樹はガイレイチェンジャーにカードをスラッシュし、ガイレイジャーマックスに変神した。
 「お、お前がガイレイジャーだったのか…。まさか俺の後輩が正義のヒーローだなんて、俺は嬉しいよ…」
 鈴村の意識は朦朧となり、完全に牛型ドクロイドの姿に変化してしまった。
 「先輩…。今度は私が助ける番です!」
 大樹=マックスは鈴村=牛ドクロイドに向かって行った。
179ガイレイジャープロジェクト:2006/05/13(土) 13:38:45 ID:L0qVjggb0
 一方、途中で合流した海とともに大樹の跡を追いかけていた遼は、神官エディスに道を阻まれていた。
 「そこをどいてくれ!」
 「ふん、退けと言われて素直に退くと思うか?今頃お前らの仲間はドクロイドによって倒されているだろうよ」
 「まさか、大樹さんは今頃…」
 海は大樹がやられてしまう、と思った。
 「…あいつのことを信じようぜ。あいつはこんな事でやられたりしねえよ」
 遼はポンと海の肩を叩いた。
 「ええい、何をしゃべっておる!とにかくここからは通さんからな!出でよドクロ兵達よ!!」
 エディスの号令でどこからともなくドクロ兵の大群が現れた。
 「現れたね、いつものが」
 「さっさと片付けちまおうぜ。行くぞ!」
 「烈空変神!!」
 二人はガイレイジャーに変神すると、ドクロ兵の大群に向かっていった。
180ガイレイジャープロジェクト:2006/05/13(土) 13:39:21 ID:L0qVjggb0
「目を覚ましてください、先輩!」
 鈴村が変化した牛ドクロイドに大樹=マックスは苦戦していた。何せ変化しているのが鈴村だから手も足も出ないのだ。
 『このままでは元に戻すどころかこちらがやられてしまう。何か、何かいい策はないだろうか?』
 マックスはなぜ鈴村がドクロイドにされたのか、考えていた。
 『もしかしたらドクロイドになる装置を体内に埋め込まれたのでは…!』
 突進してくる牛ドクロイドをかわしつつ、少しづつ接近していくマックス。そして牛ドクロイドの背中に飛び乗った。
 『私の考えが正しければ、先輩はドクロイドになってそんなに経っていないはず。ならば今、装置を取り外しさえすれば元に戻るはず!』
 マックスはセンサーをサーチモードに切り替え、ドクロイドにする装置=魔弾丸を探した。
 『あった、首筋のところに!これを抜けば先輩は助かるはずだ』
 手刀で傷口を広げるマックス。だがその痛みで牛ドクロイドが暴れてしまった。振り落とされそうになるマックスだったが、なんとか牛ドクロイドの背中にしがみついて弾丸の摘出を続けた。
 魔弾丸はそれほど奥には食い込んでおらず、手でも取り出せる場所にあった。マックスは魔弾丸を取り出すと、すぐに牛ドクロイドの背中から離れた。
 『これでうまくいってくれるだろうか…!』
 魔弾丸を取り外された牛ドクロイドは、苦しみながらのた打ち回った。しかし…!
 「どういうことだ?まだ元に戻らないなんて」
 苦しみながら牛ドクロイドはマックスに突進してきた。
 「先輩…。すいません!」
 マックスは専用武器『マックスボルケーノ』を召還すると、牛ドクロイドの頭を横から叩いた。
 「うがあぁぁぁぁぁぁぁっ!」
 ボルケーノは牛ドクロイドの角を片方折って、突進を止めた。マックスは間髪いれずにもう片方の角も叩き折った。
 角を二本とも折られた牛ドクロイドはその場に倒れ、元の鈴村に戻っていった。
 「先輩、私は…」
 変神を解いた大樹は、倒れている鈴村をみてただ立ち尽くすしかなかった…。
181ガイレイジャープロジェクト:2006/05/13(土) 13:39:57 ID:L0qVjggb0
その頃大量のドクロ兵を倒した二人は、ドクロイドが暴れていた場所へと急いでいた。
 「大樹さん、やられてないよね…」
 「だから大丈夫だって言ってるだろ!大樹は俺達よりガイレイジャー歴が長いんだからやられたりなんかしねーよ!」
 しかしエディスがまた、二人の行く手を阻んできた。
 「行かせんぞ、お前たちは仲間がドクロイドに倒されるのを見ているしかないのだ!」
 エディスが手から念力を放とうとしたそのとき…!
 「むむっ、ドクロイド反応が消えてしまった…!どうやら作戦は失敗してしまったようだな。お前たち、命拾いしたな」
 そう言ってエディスは二人の前から消えていった。
 「あれ、消えちゃったよ」
 「それよりも大樹だろ!急ごうぜ!」
 二人は大樹が戦っていた広場へ急いだ。
182ガイレイジャープロジェクト:2006/05/13(土) 13:43:19 ID:L0qVjggb0
遼たちが広場へ到着したときにはもう戦闘は終わっていて、倒れている鈴村とその場で立ち尽くしている大樹がいるだけだった。
 「大樹―、大丈夫か?」
 だが大樹はなにも話さなかった。ただ呆然と立っているだけだった。
 「この人が鈴村さんか…。どうしてこんな事になったんだ?!」
 二人は倒れている鈴村の周りに集まった。海が鈴村の顔を覗き込むと、かすかだが息をしているのが感じられた。
 「大樹さん!この人生きてますよ!!早く病院へ運ばないと…!」
 しかし大樹は動こうともしなかった。
 「すまない、お前たちが鈴村先輩を病院へ運んでくれないか…。私には、いく資格がない…!」
 そんな大樹の態度に、遼は彼の頬を思いっきり叩いた。
 「いい加減にしろよ!何でお前はそんなに自分を責めるんだ?先輩を手にかけたことを後悔してんのかよ?でも先輩は助かるんだ!お前が助けたんだよ!」
 「だが、私は…」
 「そんなに悩んでるんだったら、あとで謝ればいいだろ!今悩むよりも謝ってから悩んでも遅くないだろ?」
 遼の一言で、大樹は目が覚めた。
 「あとで謝ればいい、か…。お前らしいな」
 大樹は遼の顔を見た。
 「それより、早く先輩さんを病院へ運ばないと。危ない状態なのは変わらないんだから」
 「そうだったな。だったら私が先輩を病院へ連れて行く。私の手で先輩を助けたいんだ」
 大樹は変神して鈴村を背負い、病院へと送っていった。
 「先輩さん、助かるといいね」
 「心配ない。絶対助かるさ」
 病院へ送る大樹の後姿を、二人は見送っていた。
183ガイレイジャープロジェクト:2006/05/13(土) 13:43:57 ID:L0qVjggb0
 それから数日後、鈴村の病室へお見舞いに来た大樹たちは彼の様子を見てビックリしていた。
 「よぉお前たち、元気にしてた?」
 鈴村はこの前のことが無かったかのように病室でくつろいでいた。
 「…鈴村先輩、大丈夫なんですか?」
 大樹が心配そうにしていた。
 「いや〜、それが何でここに居るのか分かんなくてね、俺の身体に何か起きたのかしら、なんて思ってたわけよ」
 なんと鈴村はこの前のことをすっかり忘れているのだ。
 「そうか、鈴村君はあの時の戦闘でこの前の記憶がなくなってしまったのだな」
 皆川教授は大樹の顔を見た。
 「そ、そうですね…」
 そうなると私がガイレイジャーだという事も忘れているのでは…と、大樹は思っていた。
 「それよりも、鈴村さんが退院したらお祝いに焼肉食べに行こうよ。もちろん大連亭で」
 ちゃっかりついてきた智世が焼肉パーティーを提案してきた。
 「お前な、いつ退院できるか分かってないのに、よくそんな事言えるな」
 そんな智世を遼はにらみつけた。
 「それもそうですね。みんなで食べるほうがいいですもんね」
 ゆかりも焼肉でわくわくしていた。
 「ゆかりさんまで…」
 「まあいいじゃないか」
 焼肉の事で盛り上がっているみんなに、鈴村が笑いながら声をかけた。
 「俺が退院したらみんなで大連亭へ焼肉食べに行こう。もちろん、お前のおごりでな」
 鈴村は大樹の方に指を立てた。
 「…分かりました、私がおごりますよ」
 大樹は少し情けなさそうに答えた。
 でもみんなが大喜びしているのを見て、大樹はこれでよかったんだなと思うのだった。
                
第6章終わり
184ガイレイジャープロジェクト:2006/05/13(土) 13:46:53 ID:L0qVjggb0
【次回予告】
 昔、幼い少女とある約束をした海は、彼女の演奏会の会場へと急ぐ。だがその行く手をドクロイドが阻んだ!果たして海は少女の演奏会に間見合うことが出来るのか?!
 烈空戦騎ガイレイジャー第7章! 「少女との約束」
 「あの子の約束を果たすまでは、おいらは倒れない!」
185ガイレイジャープロジェクト:2006/05/13(土) 13:56:51 ID:L0qVjggb0
ガイレイジャー第7章をお送りしました。
今回は大樹がドクロイドになってしまった鈴村先輩を救うお話でした。
このお話で大樹の過去が少しですが明らかになりました。次に大樹メインの
お話のときはさらに大樹に過去を掘り下げていこうと思います。
さて次回は海メインのお話です。昔交わした約束を海はかなえることができるでしょうか?
ちなみに今回のドクロイドの名前は「ダッシュタウロス」でした。ストーリーの展開上小説に載せることができ
なかったのでここに名前を載せておきます。詳しいスペックは[ドクロイド全集2]に載せますのでもう少しお待ち
ください。
あと今回は設定集をお休みさせていただきます。ご了承ください。
186ガイレイジャープロジェクト:2006/05/13(土) 14:07:53 ID:L0qVjggb0
>>149->>158
サイドストーリーとドクロイドの設定、今回もどうもありがとうございます。そのうちの1部を
使わせていただきます。第2部あたりから出そうと思いますので楽しみに待っていてくださいね。
>>165
女性幹部は実は出る予定があります。第2部からになりますが、重要な役回りになる予定ですので
期待していてください。
>>170
ヒューマンタイプは人間社会に紛れ込むために人間に変化できるタイプですので、その気になれば
人間になることはできます。しかし元人間とはいえドクロイドはドクロイドですから、長時間は
人間になることはできないんです。(1日に1回はドクロイドの姿に戻らないと体組織が崩壊してしまう)
そのことも含めまして、あとで設定に載せようと思います。
187名無しより愛をこめて:2006/05/13(土) 14:33:05 ID:FR2dAXODO
話を思い付いたからかく
あらすじ
近所のコロッケ屋がの「味の達人」出場抽選に当選したが、おやっさんが手首を捻挫してしまう。それを知った○○はおやっさんの特訓を受け出場する事になった だが、本番中味の達人のスタジオにドクロイド(コロッケ好きの侍形)が襲撃しに来る
188名無しより愛をこめて:2006/05/13(土) 18:48:48 ID:7fJX232G0
第6章見ました。
今回は大樹さんがドクロイドになった鈴村先輩を助ける話だけど、魔弾丸を
埋め込まれた人はすぐにはドクロイドにはならないみたいですね。そういう所
をもう少し書いてくれればよかったと思います。ほかはけっこうよかったと思います。
次は心温まる話みたいなので、期待しています。
189名無しより愛をこめて:2006/05/15(月) 11:48:54 ID:U59ejAYw0
ドクロイドの名前が劇中に出ないのは今回がはじめて?
大掃除のシーンもよかったかな。
190名無しより愛をこめて:2006/05/15(月) 19:04:22 ID:khr4eFu70
今回と次回はインターミッションみたいなもの。
第8章以降に期待。
191名無しより愛をこめて:2006/05/16(火) 18:38:11 ID:NGOcTH1z0
焼肉パーティーで締めくくるのはいいね。
特撮でも焼肉食べに行くシーンってそんなにないかな?
192名無しより愛をこめて:2006/05/17(水) 18:22:17 ID:fKwFh4OH0
あるといえばあるかな。
僕は家庭団らんのシーンがいいね。
193名無しより愛をこめて:2006/05/18(木) 18:43:38 ID:NXmnZHii0
大樹の先輩がドクロイドになってしまったシーンで、ちょっとはらはらした。
194名無しより愛をこめて:2006/05/19(金) 18:45:50 ID:F4XHMPYB0
ここも書き込みが少なくなったな。
195名無しより愛をこめて:2006/05/19(金) 19:14:06 ID:thwOrjC+O
コロッケ好きな侍
命名
殺剣刺 ころっけんし
196名無しより愛をこめて:2006/05/20(土) 15:54:33 ID:d3BGsJl50
なにこのナリ剣士
197名無しより愛をこめて:2006/05/20(土) 19:04:37 ID:19ofTwtb0
小説明日みたいだね。
198ガイレイジャープロジェクト:2006/05/21(日) 12:31:09 ID:uEWWYzrF0
第7章少女との約束

 ここはエディスの研究所。エディスはこの前の人間型ドクロイドの失敗に業を煮やしていた。
 「まさか魔弾丸の効果が不完全だったとは…。魔弾丸はまだ開発の余地があるな」
 エディスはドクロ兵特殊部隊を呼んで、次の作戦の説明をした。
 「いいか、これからお前たちはガイレイジャーのデータを集めてくるのだ。あいつらには必ず弱点があるはずだ。それを見つけるまでここへ帰ってくるなよ、分かったか!」
 「しかし親方」
 特殊ドクロ兵の一人がエディスに質問した。
 「ガイレイジャーの弱点を調べるったってどこから手を付ければいいんでしょうか」
 「そうだな、まずお前らは三手に分かれてそれぞれのメンバーの後をつけるのだ。そしてあいつ等をくまなく観察し、弱点を見つけるのだ」
 「なるほど、奴らを観察すればおのずと弱点が見つけられるというわけですね」
 もう一人の特殊ドクロ兵が分かったかのように答えた。
 「まあ、そのためのお前等だからな。分かったら早く行け!」
 特殊ドクロ兵達は三手に分かれて散っていった。
 「さすがは特殊部隊、手際がいいね」
 その話を聞いていたのか、シュペルターが部屋に入ってきた。
 「お前、いつからここに居た」
 「嫌ですねぇ、ついさっき方ですよ。何か特殊部隊の皆さんがゾロゾロ集まってましたからね」
 シュペルターは近くの椅子に座り、落ち着いた格好になってエディスを見つめた。
 「ま、この私が考案している計画とは比べ物にならないけどね」
 シュペルターの態度にエディスは怒りをこらえていた。
 「お前が何かたくらんでいるのは分かっておったわ。だがそう上手くいくと思うな」
 「私は君の作戦を見物するとしよう。せいぜい無駄な努力をするんだね。ははははは」
 シュペルターは椅子から飛び降りてそのまま立ち去っていった。
 「む〜シュペルターめ、いずれその口をつぶしてやるわ!」
 エディスはカンカンになってドアをバンと閉めてしまった。
199ガイレイジャープロジェクト:2006/05/21(日) 12:31:58 ID:uEWWYzrF0
今日の海はご機嫌だった。なぜならある人と約束していた日がやってきたからだ。その日のために海はスーツを新調し、近くの花屋さんで白い薔薇を1束買い、プレゼントも買ってきたのだ。
 話は数日前にさかのぼる。その日海は釣りをするために河川敷に来ていた。のんびり釣りをしていると、懐に入れてある携帯電話からメールが届いていた。
 〈海おにいちゃんへ 今度、バイオリンの演奏会に出る事になりました。今度の日曜日の午後1時に赤井ホールで演奏します。ぜひきてくださいね。 麻衣〉
 メールを見た海は嬉しそうに笑みをこぼした。
 「演奏会に出るんだ…。よかったね、麻衣ちゃん」
 その日の夕方、海は天空寺家に来てそのことをみんなに話した。
 「へ〜、海さんってこんな子と付き合ってたんだね〜」
 智世はニヤニヤしながら海の話を聞いていた。
 「で、いつ演奏会に行くんだよ。色々用意しなくちゃいけないんだろ」
 遼の方は演奏会のことが気になっていた。
 「プレゼントも用意しないといけないぞ」
 大樹も演奏会に行く準備を気にかけていた。
 「まだ時間があるんだし、ゆっくり考えるよ」
 「とはいっても後2,3日くらいしかねえんだろ。やる事はいっぱいあるぜ。まずは格好からどうにかしないとな」
 「そうだな。お前の家にはスーツとかは無いのか?」
 みんなが一気に話してしまったために、海はかなり混乱していた。
 「ちょ、ちょっと待ってよ。一気に言われてもおいら、全然解んないよ」
 「あ、そうだったな」
 「まずは一つづつ決めていこう」
 というわけで長い口論の末、着ていくものと用意するものは決まった。後はプレゼントを決めるだけだ。
200ガイレイジャープロジェクト:2006/05/21(日) 12:33:29 ID:uEWWYzrF0
「どうする、プレゼント何持っていくんだ?」
 「それは最初から決めてあるんだ」
 「どういうことだ?」
 「麻衣ちゃんが一番ほしがってるもの、それは…」
 海が言おうとした時、周りの時間が一瞬止まったかのように静かになった。
 「それは?」
 「麻衣ちゃんが好きなもの、ぬいぐるみだよ」
 あっけない答えで、一同から笑いが巻き起こった。
 「そ、そうか。ぬいぐるみね…。」
 「もっと豪華なものかと思った」
 そういえばそんな事を話してたっけ…。海はそのことを思い出して思わず噴出してしまった。
 「あっ、もうこんな時間だ」
 海は約束の時間に間に合うように、会場に向かって走り出した。

 「それにしても上手く見つからないな…」
 特殊ドクロ兵たちは手分けしてガイレイジャーを探したが、見つけることが出来なかった。
 「早く見つけないと親方に怒られちまうぞ」
 「そうはいっても見つけられないと俺達帰れないんだぞ」
 途方にくれる特殊ドクロ兵達。そのとき、偶然海が近くを通りかかった。
 「あ、あれは!」
 「ガイレイジャーの一人みたいだな。よし、後をつけるぞ」
 ドクロ兵達は二手に分かれて海の後をつけるのだった。
 しばらくして特殊ドクロ兵達は、海の向かっている所が発表会の会場だということに気が付いた。
 「もしかしてあの場所にガイレイジャーの基地があるのかもしれないな」
 あろうことか彼らは会場をガイレイジャー基地だと勘違いしてしまったのだ。特殊ドクロ兵は先回りして会場の中へ侵入した。
 会場の中は演奏会を始める準備の真っ最中だった。それを見た特殊ドクロ兵達は様子を伺っていた。
201ガイレイジャープロジェクト:2006/05/21(日) 12:34:06 ID:uEWWYzrF0
「あれは一体なんでしょうね…」
 「おそらくカモフラージュだろう。奴らはここで演奏会開いて基地だと見破られなうようにしているのだろう」
 「さすが隊長、考えることが違いますね」
 勘違いしまくりの特 殊ドクロ兵達は、四方に散って会場を取り囲み、会場の電源を遮断した。もちろん会場はパニックになった。
 「一体どういうことだ!いきなり停電するなんて!!」
 「あ〜ん、こわいよ〜」
 会場の人々は出口の方へ逃げようとした、しかし扉はロックされていて外に出る事は出来なかった。
 「さて、後は奴らを燻りだすだけだな」
 特殊ドクロ兵達数人は、会場の外へ出てガイレイジャーを迎え撃つ事にした。

 そのころ海は、会場のドアが開かないのに疑問を持っていた。
 「おかしいな…、今日だったはずなのに…」
 そのとき、向こうのドアから特殊ドクロ兵が数人現れて、海の周りを取り囲んだ。
 「お、お前たちは!」
 「ガイレイジャー、お前たちの基地は俺達が占領した。観念するんだな!」
 一体何を言ってるんだ?と海は彼らを見てそう思った。
 「何を言ってるかわかんないけど、 そこをどいてくれないかな」
 「そうはいかないね。ここがお前らの基地だと分かった以上、通すわけにはいかない」
 特殊ドクロ兵達は、武器を持って戦闘準備をした。
 「そうかい、そんなに邪魔をしたいのかい。じゃ、おいらにも考えがあるからね」
 海はガイレイチェンジャーを取り出すと、変神用のカードをスラッシュした。
 「烈空変神!」
 ガイレイジャーカインに変神した海は、特殊ドクロ兵に立ち向かっていった。
202ガイレイジャープロジェクト:2006/05/21(日) 12:34:42 ID:uEWWYzrF0
そのころ会場の中では、取り残された人達がドクロ兵達によって中心に集められていた。もちろん麻衣も一緒だった。
 「わ、私達をどうする気だ?」
 司会の人がドクロ兵に質問した。
 「お前たちはここで待っていろ。用が済んだらここから出してやる」
 会場の人達はほっと胸を撫で下ろした。しかし一人だけおかしいと思っている人がいた。麻衣だ。
 「嘘よ。あんた達はどう見ても私達を出そうとしてるとは思わないわ。だってこんなことする人がただで放すなんてことしないもの」
 それを聞いた特殊ドクロ兵の隊長が麻衣の前へ来てこう言い聞かせた。
 「お嬢さん、わし達が悪い人だと言う証拠があるのかい?もしこんな事をしても人を殺さなければいいんじゃないかい?」
 「だって、これから演奏会が始まるのにあんた達はそれを邪魔しようとしたじゃないの。それだけでもあんた達は悪い事をしてるんだよ。それでもあんた達は悪い事してないって言えるの?言えないでしょ」
 さすがの隊長もこれには参っていた。それもそのはず、これは明らかに自分達が悪いことをしているのだから。
 「そうかいお嬢さん、それなら一つお願いがあるんだけど」
 「お願いって何よ」
 「悪いんだけど、人質になってくれないかな?あいつ等を呼び寄せるえさが必要なんでね」
 そう言って隊長は麻衣の手に特殊ロープを巻きつけると、ロープを引っ張って上の階へ上がっていった。
 「お、おい!彼女をどうするつもりだ?」
 司会が隊長に向かって叫んだ。
 「あんた達は黙って見てるんだな、この子はガイレイジャーをおびき寄せるえさにするのだからな」
 隊長は麻衣を連れて屋上へと登っていった。
203ガイレイジャープロジェクト:2006/05/21(日) 12:35:14 ID:uEWWYzrF0
「これじゃ会場の中へ入れない!」
 大勢のドクロ兵に囲まれたカインは会場の中に入れないのをあせっていた。
 「あそこには麻衣ちゃんがいるんだ…もし麻衣ちゃんにもしもの事があったら…!」
 早く行かないと麻衣ちゃんが危ない…!そう思ったカインはカインシューターでドクロ兵を一掃しようとした。そのとき…!
 「水臭いぜ、俺達に黙って戦うなんてよ」
 「連絡が無かったから心配したぞ」
 ブラスとマックスがカインを見かねたのか加勢しに来た。
 「ブラス、マックス…!どうしてここに?」
 「お前の事だから、もしかしたら襲われてるんじゃないかと思ってな」
 「麻衣ちゃんのことも心配だったしな」
 三人は襲い掛かってくるドクロ兵を投げ飛ばし、会場の入り口までたどり着いた。
 「カイン、お前は中の人達を助けに行くんだ」
 「でも、二人は…!」
 「心配すんな。お前は麻衣ちゃんを助けに行くんだろ」
 ブラスはカインの肩を叩いた。
 「分かった、後を頼むよ」
 カインはシューターでドアの鍵を壊すと、一人で会場の中へはいっていった。
204ガイレイジャープロジェクト:2006/05/21(日) 12:35:47 ID:uEWWYzrF0
「どこにいるんだ、麻衣ちゃん達は…」
 カインは会場の中を探しまくった。小ホールにも、中ホールにもいない。そうなると…!
 「大ホールだ!」
 カインは大ホールのドアを壊して中へ入った。中には捕らわれていた人達がホールの中心で集まっていた。
 「みんな、無事ですか?助けに来ました!」
 会場の人達はカインを見てビックリしていた。それもそのはず、こんなヒーローの格好で会場に来たのだから。
 「な、何だね君は?!」
 「そんな事より早くここから逃げてください!ここに居ると危険です!!」
 カインは会場の人達を外へ誘導した。しかしカインは逃げまとう人達の中に麻衣がいないのに気付いた。
 「麻衣ちゃんはどこにいるんですか?」
 司会に麻衣の居場所を聞きだすカイン。司会は無言で屋上へと続く階段を指差した。
 「ありがとうございます、麻衣ちゃんは必ず助け出します!」
 カインは屋上への階段を駆け上っていった。

 「さてと、今からここを破壊するとするか」
 隊長は麻衣をロープで屋上の柱にくくりつけると、アタッシュケースみたいなものから武器みたいなものを取り出してきた。
 「な、何言ってるの!なんでここを壊さなくちゃいけないの?」
 「お嬢さん、ここはガイレイジャーの基地なんだよ。だからここは壊さなくちゃいけないんだ」
 隊長の話を聞いてぽか〜んとする麻衣。相手が真剣に話していても、こっちには分かるはずもない。
 「って、ここは基地なんかじゃないわ。ただの演奏会の会場よ」
 「そうカモフラージュしてるんだよ。って言ってもお嬢さんには分からないだろうがね」
 そういいながら隊長は爆破の準備を進めていった。
 「さてと、これで準備完了だ。お嬢さんはもう少しわしと付き合ってもらうよ」
 そういうと隊長は柱に縛っていたロープを解き、再び自分の左手首にくくりつけようとした。
205ガイレイジャープロジェクト:2006/05/21(日) 12:36:56 ID:uEWWYzrF0
「まて!麻衣ちゃんをどこへ連れて行くつもりだ?」
 そのとき、屋上に上がってきたカインがここから去ろうとした隊長を止めた。
 「ガイレイジャーカイン!どうやってここへ来たんだ?」
 「え?この人は…」
 戸惑う麻衣を横目に、隊長はカインがここへ来たのを驚いていた。
 「司会の人が教えてくれたおかげさ。さてと、さっさと爆破装置をこちらに渡してくれないかな?」
 「ふん、渡せといわれて渡す馬鹿がどこにいるんだ?爆破装置をほしいならこのわしを倒してからにするんだな!」
 隊長は懐に隠してあった魔弾丸を取り出し、銃に弾を込めて自分の胸に打ち込むと、あっという間にドクロイドに変化していった。
 「どうだ、このコマンドコヨーテに勝てるかな?」
 コマンドコヨーテは麻衣を突き放すと、カイン目がけて襲い掛かっていった。
 「くっ、なんて速さだ!これじゃ相手を捉えることが出来ない!」
 高速で動くコマンドコヨーテに、カインは追い込まれていった。
206ガイレイジャープロジェクト:2006/05/21(日) 12:37:37 ID:uEWWYzrF0
 「どうだガイレイジャー。これでは手も足も出まい」
 コマンドコヨーテの攻撃で、ついにカインは肩ひざを突いてしまった。このままじゃやられる…。そう思ったカインは半分諦めかけていた。そのとき、麻衣がカインにあるヒントをくれた。
 「お兄ちゃん!その怪人は走るリズムがあるよ!目で追わないで耳で相手を追うの!!」
 目じゃなくて耳で捉える…!カイン=海は目をつぶり、耳に神経を集中した。一歩、二歩、三歩…。
 「そこだ!」
 カインはシューターでコマンドコヨーテが出現する場所を狙い撃ちした。シューターの弾はコマンドコヨーテの胸に当たり、魔弾丸を消滅させた。
 「な、なぜわしの動きが分かったのだ…!」
 「それはね、あんたの走るリズムが一定だったからだよ。自慢じゃないけどおいらは絶対音感の持ち主でね、歩く音で大抵のリズムが分かっちゃうんだよ」
 元の姿に戻った隊長は自分の負けを認めた。
 「ふっ、そうか…。わしは速さに過信しすぎたわけだな…。負けたよ、お前らの基地を狙うのは諦めるよ」
 「えっ、基地って…」
 「部下にはこう言っておこう、ここはガイレイジャーの基地ではない、と…」
 そう言うと隊長はこの場から去っていった。
 「…何勘違いしてるんだ、あの人は…」
 カインは隊長の言っている意味が分からなかった。
 「あっ、そうだ、大丈夫かい、麻衣ちゃん」
 「うん、大丈夫。それよりも海お兄ちゃん、そっちこそ大丈夫?」
 麻衣はカインの側まで歩いてきた。
 「分かってたんだね、麻衣ちゃん…」
 変神を解いた海は、麻衣の前にしゃがんだ。
 「うん、だってあんな事出来るの海お兄ちゃんしかいないもの。だから分かっちゃった」
 麻衣は海の顔を覗き込むと、いきなり涙を流し始めてしまった。
 「ご、ごめんね…。せっかくお兄ちゃん、演奏会に来てくれたのに…。こんな事になっちゃって…」
 「いいんだよ麻衣ちゃん、演奏会が中止になったのは麻衣ちゃんのせいじゃないんだから」
 自分に責任を感じてしまい、泣いてしまった麻衣に海は頭を撫でて慰めてあげた。
 「さ、顔を上げて。泣いてたんじゃいつもの麻衣ちゃんじゃないよ」
 海は麻衣をおんぶして階段を下りていった。
 「お、お兄ちゃん…。ありがとう…」
 麻衣は海の背中を抱きしめるのだった…。
207ガイレイジャープロジェクト:2006/05/21(日) 12:39:12 ID:uEWWYzrF0
結局ホールでの演奏会は中止になってしまったが、改めて天空寺のガレージで麻衣の演奏会を始める事になった。
 「すいません、ガレージをお借りしてしまって…」
 海は宗一朗にガレージを借りたお礼をした。
 「なに、いいっていいって。困ったときはお互い様だろ」
 「ま、ここで広い場所といえばここしかないからな」
 遼が宗一朗に茶々を入れる。
 「お前、言っていいことと言っちゃいけないことがあるぞ!」
 遼にげんこつをお見舞いする宗一朗。それを見て笑う一同。
 「みんな、お静かに。これから麻衣ちゃんの演奏会を始めます。それでは麻衣ちゃん、どうぞ」
 ゆかりのアナウンスで麻衣がステージに入場してきた。麻衣は会釈をすると、バイオリンで演奏を始めた。
 「う〜ん、いい音色だな…」
 「ほんと、すばらしいです」
 みんなも麻衣の演奏に満足している様子だ。
 麻衣の演奏を聴いて海は思う。麻衣ちゃんの演奏を安心して聴けるためにも、早く平和を取り戻さなくちゃいけない…。海は改めて誓うのだった…。

  第7章 終わり

【次回予告】
 ついにシュペルターが打倒ガイレイジャーのために動き出した。しかしシュペルターを狙う二人の影が姿を現す!
 シャドウとシュペルターの因縁とは?そしてシュペルターの計画とは?
 烈空戦騎ガイレイジャー第8章! 「因縁、再び!」
 2つの影が宙を舞う。
208ガイレイジャープロジェクト:2006/05/21(日) 12:47:42 ID:uEWWYzrF0
ガイレイジャー第7章をお送りしました。
今回は海が昔知り合った少女、麻衣の演奏会に行くお話でしたがいかがでしたでしょうか。
次回はシュぺルターとシャドウの因縁の対決がメインです。シャドウが本格的に行動を開始しますので
楽しみに待っていてください。
最後に恒例の設定集です。今回は天空寺家の家族紹介とゲストキャラの紹介です。どうぞごらんください。
209ガイレイジャープロジェクト:2006/05/21(日) 12:49:03 ID:uEWWYzrF0
【キャラクター紹介】2
天空寺 宗一朗(てんくうじ そういちろう)

 50歳。天空寺遼の父で、天空寺運送の二代目社長。先代から受け継いだ会社に誇りを持っており、その後を遼に受け継いでほしいと切に願っている。頑固な所もあるが、基本的には穏やかな性格。
ゆかりが来る前は天空寺家の料理を彼が担当していたため、食べ物には少しうるさい。過去に妻と自分の息子(遼と智世の兄)を亡くしているため、遼と智世のことを人一倍心配している。

天空寺 智世(てんくうじ ともよ)
 
 13歳。遼の妹。明るく、くよくよしない性格。遼に対して生意気な態度をとっているように見えるが、実は密かに遼のことを尊敬している。大樹のことが好きで、家に来るたびにべたべたする困ったさん。
居候してきたゆかりにアドバイスするほど家事に詳しいという特技(?)を持つ。ただし料理だけは壊滅的に駄目。


鈴村 憲太(すずむら けんた)

 27歳。大樹の大学時代の先輩。大学のサークルで偶然出会い、以後一緒に研究をしたりする仲になった。性格は結構さっぱり系で、遼たちもその性格に驚いたほど。その割には相手に気を使う慎重なところもある。
過去にヒューマンタイプドクロイドに変化させられた経歴があり(第5章)、そのときは自我を失ってガイレイジャーに襲い掛かった。魔弾丸に撃たれてそんなに時間が経っていなかったため、もとに戻る事が出来たが、
頭を負傷したせいで変化した記憶を失っている。(もちろん大樹がガイレイジャーに変神した記憶も) 


渡利 麻衣(わたり まい)

 11歳。3年前、海が修行の旅で知り合った少女。幼いころから習っていたバイオリンが得意で、過去に数回コンクールで賞を取った経験がある。将来はバイオリンの演奏で、世界中の人に音楽のすばらしさを教えるのが彼女の夢。
性格はおとなしく、あまり人と話したがらないが、いざというときは勇気を振り絞って危機に立ち向かう強さを見せる。海のことを頼りになるお兄ちゃんだと思っており、悩みを打ち明ける事が出来る存在でもある。ガイレイジャーの正体を
知る数少ない人物。
210名無しより愛をこめて:2006/05/21(日) 19:02:53 ID:0+OTUiH90
第7章読みました。今回は海が麻衣ちゃんの演奏会に行く話だったんですが、
そっちよりもドクロ兵の勘違いのほうが話を引き立てたのではないかと思います。
次回はついにシャドウが動き出すみたいですね。期待してます。
211名無しより愛をこめて:2006/05/21(日) 19:16:20 ID:+hqyfaQG0
コマンドコヨーテハァハア
212名無しより愛をこめて:2006/05/21(日) 20:10:56 ID:C0KK2qPh0
>>209を見てサージェンの正体が遼の兄ではないかと思い始めました。
213名無しより愛をこめて:2006/05/21(日) 22:31:45 ID:nNTNchAy0
烈空頑駄無どこにも売ってないんですが…
214金杉剛:2006/05/22(月) 01:16:39 ID:n21xZ+xUO
銀河英雄戦隊
マントマン

幸せな島を目指して
宇宙からのメッセージの戦隊版

赤・隻眼の海賊みたいな男・本当は両目が見えるが過去は暗黒の騎士で…

青・アンドロイドの女・相対性理論や人類の始まりも知っている頭蓋骨がサファイアのオーパーツ

黄・元銀河傭兵・裏切り者として処刑されるところを赤に…

白・魔族と妖族のハーフ・母を殺した伝説の刀を求めて…

桃・元ブレードボールの選手のマッチョマン・口癖が男がピンクでなぜ悪い!死んだ妹が好きな色がピンク
215名無しより愛をこめて:2006/05/22(月) 21:45:15 ID:C8df2yDM0
追加メンバーっているのかな?
シャドウはまだわからんし・・・
216名無しより愛をこめて:2006/05/23(火) 17:57:13 ID:U/J+rwnE0
>>215
ガイレイジャージェネシスというのがいるけど、いつ出るのかねえ。
217名無しより愛をこめて:2006/05/24(水) 15:38:07 ID:+VapO/EZO
おいガイレプロの人
第三部でもいいからコロッケ侍ドクロイドの話つくってけろ
218ガイレプロ小説の中の人:2006/05/25(木) 18:51:32 ID:G2ROHMQa0
>>217
大丈夫ですよ、コロッケ侍の話は出す予定あります。
第2部の終盤か第3部のはじめくらいに掲載する予定です。
219名無しより愛をこめて:2006/05/26(金) 19:03:26 ID:PQpKwiaX0
麻衣ちゃんの演奏会・・・いいね。
惚れ惚れしちゃう。
220ガイレイジャープロジェクト:2006/05/28(日) 13:27:09 ID:KGLxGDQG0
第8章因縁、再び

  闇夜の中で2つの影が動いていた。その影は移動しつつ何かを探している様子だった。
 「どうだ、まだ奴は見つからないか」
 「だめだ、全くというほど反応が無い」
 二人は探すのをいったんやめて、木の上へ飛び乗った。
 「あいつは俺達にとって敵なんだ。こんなところで立ち止まってたんじゃ奴に逃げられるだろ」
 「それは分かりますよ兄弟子。あの人は僕らの師匠を殺した張本人ですから」
 「そう、あいつは俺達の師匠を殺しただけじゃなく、大事なものまで奪っていったんだからな」
 兄弟子の拳が震えた。彼らにとってはシュペルターは敵だけの存在ではないのだ。
 「とにかく一刻も早く奴を探さないといけない。それが今の俺達の使命だからな」
 「分かりましたよ、それでは参りましょう」
 二人は木の上から飛び出すと、森の向こうへと消えていった。
221ガイレイジャープロジェクト:2006/05/28(日) 13:29:11 ID:KGLxGDQG0
 シュペルターは悩んでいた。どうしたら邪魔をされずに計画を実行できるかで、頭の中がいっぱいだった。
 「ガイレイジャーといい、シャドウといい、なぜ私の邪魔ばかりするんだ」
 この前もシャドウの邪魔によって烈空の金貨を奪い損ねてしまったために、シュペルターは怒っているのだ。
 「どうしたのだ、シュペルター」
 呼びもしないのにエディスがシュペルターの側に現れた。
 「これは神官エディス。私に何か用かな」
 「お前が悩んでいるように見えたのでな。何があった」
 しかしシュペルターはエディスの質問に答えようともしなかった。
 「いいや、なんでもない。少し疲れただけだ」
 「そうか、だったらいいのだがな」
 そう言うとエディスはその場を去っていった。
 「くっ、何とかしなくては。そうだ、邪神のつばを使ってあいつ等を始末すればいいのだ。そしてその後に金貨を探せばいい」
 さっそくシュペルターはオルゴールと2つ持ってきて、それにつばを降りかけた。
 「ゴーラ・ゴム・シータルード・デム・ゲム・ソバラ!出でよオルゴール魔人ヘルメロディ・アイン、ツヴァイ!!」
 2つのオルゴールは見る見る変わっていき、2体の魔人ドクロイドになった。
 「ただいま参上しました」
 「しました」
 ヘルメロディ・アインとツヴァイはシュペルターの下へ膝間ついた。
 「よしお前たち、今からそれぞれガイレイジャーとシャドウを倒してくるのだ。お前たちの能力ならあいつ等を倒せるだろう。さあ、行くがいい!」
 「承知しました」
 「しました」
 二人は二手に分かれて散っていった。
 「さて、私は奴らが倒されるのを見に行きますか」
 シュペルターも部屋を後にした。
222ガイレイジャープロジェクト:2006/05/28(日) 13:30:01 ID:KGLxGDQG0
そのころ遼たちは烈空の金貨探しに山奥まで来ていた。
 「ここでいいのかよ、烈空の金貨のある場所は」
 「たしかにこの場所のはずです」
 「それにしてもどこまで歩かなくちゃいけないんだろ。もう疲れたよ」
 四人は獣道を歩くのに体力を使い果たしていた。
 「このあたりで一休みしよう」
 「賛成」
 近くの竹林で休憩する事になった四人は、ここで昼食をとることにした。
 「今日は巻き寿司にしました〜」
 ゆかりはここぞとばかりに、ランチボックスから巻き寿司を出してきた。
 「おお、美味しそうだな」
 「ゆかりさんの特製お弁当楽しみにしてたんだ」
 大樹と海は巻き寿司を見て食欲をそそっていた。しかし遼は少し遠慮しがちになっていた。
 「あれ、どうかしましたか遼ちゃん?」
 「い、いやなんでもない」
 遼はこの前の夕食の事を思い出していた。あの時は甘〜いカルボを食べるはめになったからな…。今回は大丈夫だよな…。
 「私たちは先に食べてるぞ、遼」
 遼がそう考えているうちに、大樹たちは巻き寿司を食べ始めていた。
 「あっ!ずるいぜみんな」
 そのときだった。竹林の影からヘルメロディ・アインが現れた。
 「ガイレイジャー、お前らに烈空の金貨は渡さん」
 「ちっ、こんなときに!」
 食事もそっちのけで遼たちはドクロイドと戦う破目になってしまった。
 「これじゃあきりがねえ。変神するぞ」
 「分かった」
 三人はガイレイチェンジャーを出してカードをスラッシュした。
 「烈空変神!!」
 まばゆい光に包まれて、三人はガイレイジャーに変神した。
223ガイレイジャープロジェクト:2006/05/28(日) 13:31:18 ID:KGLxGDQG0
ガイレイジャー達が戦っているそのころ、ヘルメロディ・ツヴァイがシャドウを探していた。
 「くっ、まだシャドウは見つからないか」
 ツヴァイが林を見回しているそのとき、2つの影が姿を現した。
 「お前、探してるのは俺達だろ?」
 影はツヴァイの前に降り立った。
 「お前らを探す手間が省けた。シュペルター様の命により、お前らを倒す!」
 「それはムリだな。お前は僕達の手で倒される運命なんだよ」
 二人は左腕に付けてあるチェンジャーにカードをスラッシュした。
 『シャドウ・チェンジ』
 そして左腕を天高く上げた。
 「幻影変神!」
 影が二人の身体にまとわり付き、強化服の形になった。まるでガイレイジャーのように。
 「シャドウマスター・フォルス!」
 「シャドウソルジャー・アダンテ!」
 変神した二人を見てツヴァイは驚いていた。
 「お、お前たちは、まさか…」
 「よく覚えておくんだな、俺達はシャドウセイバーズだ!!」
 シャドウセイバーズと名乗った二人はツヴァイに戦いを挑んだ。
 「ふん、何がシャドウセイバーズだ!そんなもの私が倒してやる!」
 ツヴァイは胸の扉を開き、オルゴールの音色を響かせた。
 「オルゴールの舞!」
 オルゴールの音色は周りの木の葉を怪物に変えた。
 「俺達も舐められたもんだな。こんな木の葉を相手にしなくちゃいけないとはね」
 「とにかくあれを何とかしましょう」
 フォルスとアダンテは2手に分かれ、怪物に攻撃を仕掛けた。
224ガイレイジャープロジェクト:2006/05/28(日) 13:32:35 ID:KGLxGDQG0
 「アダンテ、クナイショットであいつの足を止めるぞ」
 「分かりました」
 二人は召還カードを出し、スラッシュした。するとクナイショットが召還された。
 「よし、いまだ!」
 フォルスとアダンテは同時にクナイショットを怪物目がけて発射した。しかしクナイは怪物をすり抜けてしまった。
 「やっぱり駄目でしたか。本体を倒さないと怪物は消えないみたいですよ」
 「それを早く言ってくれよ。無駄な攻撃をしちまったじゃないか」
 「すいませんフォルス。とにかく本体を攻撃しましょう」
 二人は森の向こうへ逃げるツヴァイを追っていった。

 「何てパワーだ。これじゃ反撃できねぇぞ」
 ヘルメロディ・アインに苦戦しているガイレイジャーは竹林から出るため、来た道を戻っていた。
 「どこか広いところへ出ないと私たちの不利になる」
 「で、いい所があるのかよ?」
 「この先に野原があるからそこまで奴をおびき寄せるんだ。そこなら私たちが有利に戦える」
 マックスは野原が在る方向を指差した。
 「なるほどね、広いところなら戦いやすいわけだ」
 カインもマックスの意見に同感していた。
 「とにかく早くここから出ようぜ。そうしないとこちらがやられちまう!」
 三人はアインの音波攻撃を避けつつ出口を目指した。そして…。
 「やった、野原へ出たぜ!」
 しかし、そこには魔界法術士シュペルターが待ち構えていた。
 「ようこそ、私の用意したステージに」
 「何てこった、罠かよ」
 「しまった、奴らにいっぱい食わされたのか」
 シュペルターは杖を使ってガイレイジャーを攻撃した。
 「ぐわああああっ!」
 地面に叩き込まれるガイレイジャー三人。
 「ちくしょう、手も足もでねえ」
 動けないガイレイジャーを尻目に、シュペルターはもう1組の敵であるシャドウが来るのを待った。
 「おそいな、一体何やってるんだ、ツヴァイは」
 そのとき、向こうの竹林から三人の人影が現れた。ツヴァイとシャドウだ。
225ガイレイジャープロジェクト:2006/05/28(日) 13:33:18 ID:KGLxGDQG0
「すいませんシュペルター様。奴ら強いんです」
 「言い訳はいい。それよりお前はアインと協力してガイレイジャーとシャドウを始末するのだ」
 アインとツヴァイは手を繋いで合体し、より巨大なドクロイドになった。
 「あら、合体しちまったよ」
 「どうします、フォルス」
 「決まってるだろ、倒すんだよ」
 フォルスは召還カードを取り出し、チェンジャーにスラッシュした。
 『アサルトスティンガー』
 スティンガーはフォルスの右腕に装着された。
 「ブラストユニット・イグニッション!」
 フォルスはスティンガーのボールスイッチを回し、ブラストユニットを選択した。すると先端が引っ込んで別のユニットがせり出してきた。
 「お前等、そこをどいてろ」
 フォルスは倒れているガイレイジャー3人に退くように指示した。
 「何だ、こいつらは」
 ブラスは彼らを見て不思議がっていた。
 「そうか、あいつ等はこの前の…」
 「シュペルターがシャドウって呼んでた、あの人達だよね」
 マックスとカインはシャドウ二人を見て、金貨を見つけたときにシュペルターを狙った相手だという事を確信した。
 「さて、あいつの弱点はどこだ」
 フォルスはアダンテにヘルメロディの弱点をサーチするように言った。
 「どうやらあのドクロイドの弱点は結合部分にあるようです」
 「ちょうど真ん中というわけだな。それじゃ、射抜くより切り裂いた方がいいみたいだな」
 フォルスはアサルトスティンガーのボールを回転させてモードを変更した。
 「ソードユニット・イグニッション!」
 するとまた先端が引っ込んでソード上のユニットが現れた。
 「いくぜ、一刀両断だ――っ!」
 そのままヘルメロディに突進したフォルスは、ジャンプして真っ二つに切り裂いた。
 「ぐがああああ!」
 断末魔の声を上げたヘルメロディは真っ二つになりながら倒れていった。
226ガイレイジャープロジェクト:2006/05/28(日) 13:34:14 ID:KGLxGDQG0
「さてと、次はお前だシュペルター!」
 ヘルメロディを倒したフォルスはそのままシュペルターの側まで歩いていった。
 「お、お前たち、私をどうするつもりだ?!」
 「ふざけるな!お前は俺達の師匠を殺しただけじゃなく、師匠が大事に保管していた戦騎まで奪った!さあどこだ、俺達の戦騎は?」
 彼は怒りに燃えていた。師匠を殺された悲しみと怒りが、心の中で渦巻いていた。そしてフォルスはシュペルターの襟首をつかんで言い放った。
 「さあ言え!戦騎をどこへ隠した?」
 しかしシュペルターはそのことについてはなにも言わなかった。
 「ふふふ、殺せるものなら殺してみるんだね。もっとも、私を殺してしまえばお前の戦騎は永久に戻ってこないがね」
 そのときだった。倒したはずのヘルメロディが起き上がり、まわりの大気を取り込んで巨大化し始めたのだ。
 「し、しまった!」
 その衝撃でフォルスはシュペルターの襟首を離してしまった。シュペルターはそそくさに逃げていった。
 「残念だったねえ、もし取り戻したかったら自分の手で取り戻すんだね。はははははは…」
 「くそっ、逃げられた!」
 フォルスは残念そうに地面を叩いた。
 「フォルス、早く逃げないと危ないですよ」
 アダンテがフォルスの側に来て彼の肩を叩いた。
 「おい待て!お前等一体何者だ?」
 その場から離れようとするシャドウの二人をブラスが引き止めた。
 「お前には関係の無い事だ。それよりも巨大化したこいつを何とかしなくちゃいけないんじゃないのか?」
 その言葉を残し、二人は姿を消した。
 「…あの野郎、どさくさにまぎれて逃げやがって…。今度会ったらただじゃ済ませねえぞ」
 ブラスは拳をバシンと叩いた。
 「おいブラス、そんな事よりも巨大化ドクロイドを倒すのが先だ。早く召還しろ」
 「ああ、分かった」
 ガイレイジャー三人は戦騎を召還して巨大ヘルメロディに立ち向かった。
227ガイレイジャープロジェクト:2006/05/28(日) 13:35:07 ID:KGLxGDQG0
「一気に合神するぞ!烈空合神!」
 『Gフォーメーション・スタート』
 3体の戦騎は合神して凱零刃になった。
 「早い所片付けようぜ!バスターミサイル!!」
 凱零刃の胸からミサイルが出てヘルメロディを攻撃した。しかし音波の壁を作ってミサイルを破壊してしまった。
 「攻撃がとどかねえ」
 「どこから音波が出てるんだろう」
 あせるブラスとカイン。だがマックスだけは冷静に弱点を調べていた。
 「どうやら両肩から音波を出しているようだ。そこを壊せば音波攻撃は出来なくなるはずだ」
 「でもこれじゃ近寄れないんじゃ」
 「奴が攻撃する直後を狙うんだ。あれは連続して出せるものじゃないからな」
 「よし、だったらこっちから攻撃を仕掛けようぜ。クラッシュホールド!」
 凱零刃は腕のドリルを発射してヘルメロディに攻撃を仕掛けた。案の定、ヘルメロディは音波攻撃をしてドリルを弾き飛ばした。
 「いまだ、攻撃するんだ!」
 凱零神はヘルメロディの目の前まで近づいて両肩の発生装置を引き剥がした。
 「これで音波攻撃ができなくなったはずだ」
 両肩を壊されたヘルメロディは口のようなところからビームを連射してきた。
 「その手はくわねえよ」
 凱零刃はビームの雨を難なくよけた。
 「それじゃいくぜ、烈空剣!」
 飛ばされたドリルを変形させて手元へ引き寄せた凱零刃は、そのままヘルメロディに切りかかった。
 「天凱・横一文字斬り!」
 横一文に切り裂かれたヘルメロディは爆発四散した。
 「何とか勝てたな」
 「でも、あの二人はどこへ…」
 凱零刃から降りた三人はシャドウの行方を捜した。しかしもうどこにもいなかった。
 「あいつら、今度会ったらただじゃすまねえ!」
 ブラスはシャドウに対して怒りを感じていた。
228ガイレイジャープロジェクト:2006/05/28(日) 13:35:50 ID:KGLxGDQG0
「結局金貨は見つからなかったな」
 戦いの後、大樹たちは夕方まで探索したが、金貨を見つけることが出来なかった。
 「どうする、ここで一泊して明日探そうか」
 海がここで泊まるのを提案してきた。
 「とはいっても私たちはキャンプの道具など持ってきてないぞ」
 「実はこの近くに温泉があってね、ここで泊まった事があるんだ」
 「なるほど、でも泊まるって言ってないんだよな、父さんたちに」
 悩んでいる三人に、ゆかりがある提案をだした。
 「それなら電話すればいいじゃないですか。今日は泊まりますって」
 「ゆかりさん、家事とかどうするんだよ。今日は夕食作ってないんだろ」
 遼の言葉でゆかりは少しドキッとした。
 「あ、それは電話して冷蔵庫の中のモノを作って食べてって言えばいいんじゃないですか」
 遼はすこし考えて答えをだした。
 「しょうがねえな、俺が電話して説明するよ」
 「よかった〜、これで温泉にいけますね」
 よろこぶゆかり。それを見ていた大樹たちはすこし呆れた顔で、しょうがないな、と思っていた。
 「それじゃ、おいらが案内するから早く行こう」
 というわけで一行は温泉街へ行くことになったのだった。

 一方そのころ、どさくさで逃げたシャドウの二人は、木の根っこから金貨の入った箱を掘り出していた。
 「どうやらこの金貨は風属性のものらしいな」
 「この金貨を集めれば強大なパワーが与えられると、師匠から聞いたことがあります。でもシュペルターもこの金貨を集めてるでしょうね」
 アダンテは金貨を持ってフォルスに渡した。
 「まあ、これがあれば奴をおびき寄せる事が出来る。そのときが奴に奪われたモノを取り返すチャンスかもしれないからな」
 フォルスは金貨を握り締めて改めて復讐を誓うのだった。

第8章終わり
229ガイレイジャープロジェクト:2006/05/28(日) 13:39:01 ID:KGLxGDQG0
【次回予告】
  ガイレイジャー、シュペルター、そしてシャドウの三つ巴の戦いがついに始まった。だがシュペルターはある切り札を出して、ガイレイジャーとシャドウを追い詰める。
だがそれはシャドウが探していた物だったのだ!
 烈空戦騎ガイレイジャー第9章! 「暗黒の戦騎!」
 黒い牙が空を切り裂く。
230ガイレイジャープロジェクト:2006/05/28(日) 13:49:30 ID:KGLxGDQG0
ガイレイジャー第8章をお送りしました。
今回からシャドウが動き出しました。これからしばらくはシャドウ中心にストーリーが展開していきます。
次回はシュぺルターに奪われた戦騎が登場します。戦騎VS戦騎の戦いがついに始まります。
最後に設定集です。今回はシュぺルターと魔人ドクロイドの設定です。どうぞごらんください。
>>212
やっぱりそう思いましたか・・・。サージェンの正体は第1部の終わりごろに判明します。それまで待っていてください。
>>217
コロッケの話は第2部あたりにでも書こうと思います。誰をその役にするのかはまだ決めてないですけど・・・。
231名無しより愛をこめて:2006/05/28(日) 16:37:04 ID:jfQHUnI70
シャドウセイバーズ、ついに名乗りましたね。
次回も楽しみにしてます。

ところで、DX凱零刃はどこで売ってるの?
232名無しより愛をこめて:2006/05/28(日) 18:52:07 ID:s5/nx2Od0
DX凱零刃は大きなおもちゃ屋さんで売ってるぞ。
買えないときはネット通販でも受け付けてるからそっちを使うのも手だ。
233名無しより愛をこめて:2006/05/28(日) 18:57:45 ID:4IA9ZAKYO
質問
横一文字って書いてあるけど 一文字切りって元々横だよね

234名無しより愛をこめて:2006/05/28(日) 19:14:32 ID:s5/nx2Od0
>>一文字切りって元々横
でも番組によっては縦一文字斬りなんて技があるからね・・・。
どちらでもいいんじゃないか?
235名無しより愛をこめて:2006/05/28(日) 19:30:02 ID:4IA9ZAKYO
縦一文字というのは
間違った日本語
縦ならば
かのバトルフィーバー○ボの様に
唐竹割りと言ってほしいものだな
236名無しより愛をこめて:2006/05/29(月) 16:01:07 ID:URNMWST10
ところでなんでコロッケが出てくんの?
237名無しより愛をこめて:2006/05/29(月) 18:02:42 ID:hYd+Yq5v0
ガイレイジャー第8章見ました。
ついにシャドウが動き出しましたね。これから彼らの行動が気になるところです。
あと、シュぺルターの過去も気になります。次回はさらに激戦になるみたいなので、楽しみに待っています。
238357:2006/05/29(月) 19:29:20 ID:fVX7P36b0
>>236
>>195を見てくれ。
239名無しより愛をこめて:2006/05/29(月) 20:27:32 ID:4jhZzjRjO
>>187 >>195
どっちも俺の考えたアィディア
設定
味の達人ってのはガイレの世界の料理の鉄人的なもの
挑戦者が鉄人と勝負
挑戦者が勝てば鉄人交代
鉄人になれば10万円
勝ち抜けばで20万円
5週勝てば大鉄人となり殿堂入り

あと飛竜の制作スタッフの一部スタッフの設定を考えてはくれませんか?
240名無しより愛をこめて:2006/05/31(水) 15:12:49 ID:n97bPkvgO
ガイレ
241名無しより愛をこめて:2006/05/31(水) 18:08:54 ID:CJ45vVaa0
横一文字斬りもあるなら唐竹割りも見てみたい。
242名無しより愛をこめて:2006/06/01(木) 13:13:44 ID:0PffeXs30
「コロまる」被害に合った方々2人
http://food6.2ch.net/test/read.cgi/food/1108248797/
243名無しより愛をこめて:2006/06/01(木) 16:46:41 ID:iUtfk76V0
シャドウの戦騎とガイレイジャーの戦騎って合体して・・・みたいなことに
なるんだろうか?
244名無しより愛をこめて:2006/06/01(木) 17:09:23 ID:NuTLemKX0
>>243
合体しそうな気がする。ストーリーの流れだと
そうなる感じがするなあ。
245名無しより愛をこめて:2006/06/01(木) 21:54:46 ID:IkyeZwlGO
>>1から読んだ(*´∀`)ヨイネェ
設定画とかホスィね・・・絵師来ないかな


個人的にはサイドストーリーの獅子ドロイドの口調から
おにゃの子の匂いがした・・・若しくは、かなり若い衆w
246名無しより愛をこめて:2006/06/02(金) 17:57:58 ID:kVhig5bZ0
絵師は来てほしいけど、イメージ的にはどうなんだろうねえ・・・。
ある程度イメージは固まってるけど。
247名無しより愛をこめて:2006/06/03(土) 14:53:48 ID:tvyCN+p20
第1部って何章まで予定してるの?
ガイプロの人
248名無しより愛をこめて:2006/06/04(日) 03:42:47 ID:2Z7y9sNf0
光の勇者・ガイレイジャージェネシスはいつ登場するの?
249ガイレイジャープロジェクト:2006/06/04(日) 12:26:40 ID:lu0FVSiK0
第9章暗黒の戦騎!

 「まさかこんな事で失敗するとは」
 シュペルターはこの前の件で頭を抱えていた。何せドクロイドを2体も使ったのにガイレイジャーとシャドウセイバーズを倒せなかったのだから。
 「しかし手はある。私が奪ったあの戦騎を使う事が出来ればな」
 だが戦騎は天界のスピリットを持った者でしか動かす事は出来ない。つまりシュペルターでは動かす事が出来ないのだ。
 「戦騎を操る事が出来る者はすでに調べてあるのだが、そいつが操ってくれるのかが問題だ」
 そのとき、ドアをノックする音が聞こえた。
 「シュペルター、俺だ、サージェンだ」
 「ついに来たか」
 シュペルターはドアを開けてあげた。
 「一体どういうことだ?俺にあの機体に乗ってくれなんて、どういう風の吹き回しだ?」
 『さすがサージェン、勘が鋭いな』
 シュペルターは心の中でそう思った。
 「いや、お前専用の機体としてそれをあげたいと思ったのだ。これでガイレイジャーのロボットに対抗することが出来るぞ」
 「フッ、なるほどな。お前が何をたくらんでいるのは知らんが、俺とガイレイジャーの対決の邪魔だけはするなよ」
 そう言うとサージェンはドアを開けて部屋から去ろうとした。だがシュペルターは必死にサ―ジェンを引き止めるのだった。
 「まて、その前に一つテストをしたいと思うのだが」
 「何だ、テストとは」
 「あの機体、ダルクリアンの動作テストだよ。お前が乗るのだから反応を見たいと思ってね」
 サージェンはほくそえんで、さえぎっているシュペルターの腕を振り解いた。
 「そうか、ならお前に付き合おうとしよう。俺もダルクリアンに興味があるからな」
 そう言ってサージェンは格納庫の方へ歩いていった。
 『上手くいった。これでサージェンを使ってあいつ等を倒してやる』
 シュペルターはサージェンの後に付いて行きながらそう思うのだった。
250ガイレイジャープロジェクト:2006/06/04(日) 12:27:55 ID:lu0FVSiK0
 「いや〜、いい気持ちだった〜」
 烈空の金貨探しのついでに旅館へ泊まった遼たちは、朝から温泉を満喫してきた。
 「それにしてもこんな所に温泉があるなんて思わなかったよな」
 「いや〜、それほどでもないよ。こういう所は日本中回ってるおいらにとっては穴場でも何でもないよ」
 遼と海の会話を割って入るかのように大樹がシャドウのことを話してきた。
 「そういえば昨日のシャドウという奴ら、明らかにシュペルターを狙っていたな」
 「一体何があるんだろうね」
 「昔かにかあったから、とか」
 遼の言葉で大樹はもしや、と思った。もしそうだとしたら奴らは…。
 「どうかしたの、大樹さん」
 「い、いや、なんでもない。それよりゆかりさんを待たせると寂しがるから早く行こう」
 「そうだな。これでもゆかりさん、一人になると落ち込んじゃうからな」
 遼たちはいそいでゆかりの待つ応接間へ急いだ。

 一方、近くの山に潜んでいたシャドウは、シュペルターを見つけるために動いていた。
 「どうだ、奴は見つからないか」
 「駄目ですね、シュペルターらしき姿は見つかりません」
 アダンテのチェンジャーには何も反応はなかった。
 「そうなると、これを使うしかないか」
 フォルスは懐から烈空の金貨を取り出した。これでシュペルターをおびき寄せるつもりなのだろう。
 「金貨は奴も欲しがっていたからな。これを餌にすれば食いついてくるだろうよ」
 「でもそれは危険すぎます。もし失敗したらどうするんですか」
 フォルスの突飛な考えに驚くアダンテ。しかしフォルスは金貨を持って下に降りてしまった。
 「そのときはそのときさ。また次の手を考えればいい」
 そして森の出口へと走っていった。
 「…まったく、僕の忠告を聴かないんだから…でもそこが兄弟子のいいところでもあるんですけどね」
 アダンテはフォルスの後についていった。
251ガイレイジャープロジェクト:2006/06/04(日) 12:29:11 ID:lu0FVSiK0
朝食を済ませた遼たちは、旅館を出て金貨探しを再開した。
 「今日は別のところから探そうぜ」
 「だが昨日の場所が一番反応が強かったみたいだぞ」
 「もしかしたら別のところにあるかもしれないじゃないか」
 お互いに意見を言い合う遼と大樹。それを見ていた海とゆかりは少し呆れていた。
 「あいかわらずだね」
 「でも、ケンカするほど仲がいいって言うじゃないですか。ああやって友情を確かめ合ってるんですよ、あの二人は」
 「…そうかなぁ…」
 結局大樹の提案で昨日の場所へ行く事になった。険しい森を抜けて大きな大木の側まできた一行は、根の部分が掘り起こされているのに気がついた。
 「しまった、遅かったか」
 「確かにここにあったんだな。それにしても見つけられちまうなんて、ついてないぜ」
 「大体お前があんな事言わなければもっと早く着くことが出来たんだ。なのにあんな事言うなんて」
 大樹は遼をにらみつけた。
 「おいおい、俺のせいだと言いたいのかよ。俺が言ってなくても金貨は掘り起こされてたんじゃねえのかよ」
 負けずに睨み返す遼。そんな二人を海が止めに入った。 
 「まあまあ、二人とも落ち着いて。掘り起こした後を見ると、けっこう時間が経ってるように見えないかい?」
 「そういえばそうだな」
 「つまり、おいら達が来てもとっくの昔に金貨は無くなってたってわけだ。違うかい?」
 海の説明におもわず黙ってしまう二人。そしてしばらくした後、遼の方から謝ってきた。
 「…ごめん、俺悪気が合って言ったんじゃないんだ。ただ他にも金貨があると思ってたからそんな事を…」
 「いや、私も悪かった。もう少し落ち着いていればこんな事にはならなかったはずだからな」
 二人とも反省している様子だった。
 「とにかくまだ近くに金貨の反応がありますから、みんなで探しましょう」
 ゆかりも遼たちを元気付けてあげた。
 「そうだな」
252ガイレイジャープロジェクト:2006/06/04(日) 12:30:25 ID:lu0FVSiK0
そのとき、木陰から何者かが姿を現した。
 「お、お前たちは…」
 その正体はシャドウの二人だった。
 「どういうことだ、昨日はあんな事しやがって」
 「ふん、お前たちには関係ないと言ったはずだ。俺達が何をやろうと勝手だろ」
 にらみ合う遼とフォルス。そこへ大樹が割って入ってきた。
 「落ち着け、まずお前たち、名前くらい名乗ったらどうだ」
 「僕達はシャドウセイバーズというチームを組んでいます。僕の名は甲野有紀と言います。そっちは剣峰疾風です」
 シャドウセイバーズの有紀は自己紹介をした。しかしもう一方の疾風のほうはすこし不機嫌な状態だった。
 「で、そのシャドウセイバーズが俺達に何の用だよ?」
 「別にお前らなんかに用なんてないさ」
 疾風は顔を明後日の方に顔を向けてつぶやいた。しょうがないなぁ、という顔をして有紀が遼たちに説明をしてあげた。
 「僕達はある人物を追ってここまで来たんです。その人は僕らの大切なものを奪っていったんです」
 「大切なものって?」
 「おい有紀、そいつらに言ったって無駄だぞ」
 そっちを向いたまま疾風が茶々を入れてきた。
 「うるさいぞお前、大切な事かもしれないじゃないかよ」
 怒る遼。そのとき、どこからか変な笑い声が聞こえてきた。
 「なんだよ、お前高笑いなんてするなよ、みっともない」
 「俺が笑ってると思うか、普通!あの声はシュペルターの野郎だ」
 その笑い声はだんだん近づいて来たかと思うと、突然シュペルターが遼たちの目の前に現れた。
253ガイレイジャープロジェクト:2006/06/04(日) 12:31:36 ID:lu0FVSiK0
 「ちょうど手間が省けたわ。お前たちにいいモノを見せてやろうと思ってな」
 「いい物ってなんだ?」
 「フッ、見せてやろう、出でよダルクリアン!」
 シュペルターの合図と同時に突然地震が起こった。
 「あ、あれを!」
 有紀が山の方を指差した。そこには黒い巨大ロボットが地響きを起こしながら歩いてきた。
 「あいつ、俺達のダルクリアンを…!」
 疾風はシュペルターの顔をキッと睨みつけた。
 「おい、一体どういうことなんだ?闘神のスピリットを宿してない人物は戦騎を動かせないはずだ!」
 「簡単な事さ、闘神のスピリットを宿している人物がパイロットなのさ。まさか私たちの仲間が元天界人だとは、この私でも最近まで気付かなかったよ」
 シュペルターは高笑いをしてダルクリアンに合図を送った。
 「さあ、こいつらを踏み潰してしまえ!」
 指令を受けたダルクリアンは、遼たちのいる森の方へ歩いていった。
254ガイレイジャープロジェクト:2006/06/04(日) 12:32:16 ID:lu0FVSiK0
 「このままじゃ俺達やられるぞ」
 ダルクリアンに追われる遼たちは、戦騎を召還できる場所を探した。
 「まずいな、追いつかれる」
 「こうなったら僕達がダルクリアンを引き寄せましょう」
 有紀の提案に疾風は反対した。
 「何であいつ等と協力しないといけないんだ?」
 「だってダルクリアンを止められるのは彼らの戦騎だけですよ。ここは召還の時間を稼ぐために僕達が囮になったほうがいいと思うのです」
 「フッ、そういうことか。おい、俺達があいつをおびき寄せるから、お前らはさっさと戦騎を召還しろ」
 疾風は遼たちに対して命令口調で頼んだ。
 「分かった。このままでは追いつかれるのも時間の問題だからな。頼んだぞ」
 大樹が応えると疾風たちは変神し、ダルクリアンに立ち向かって行った。
 「いいのかよ、あいつら信用して」
 「彼らは私たちの敵じゃない。目的は違うかもしれないが志は一緒だと確信したんだ。だから彼らを信用したんだ」
 大樹の言葉に、遼は少し感心した。
 「分かったよ、今回は俺も信じるよ。完全に信じたわけじゃないけどな」
 そう言ってるうちに一行は広い場所に出る事が出来た。
 「よしみんな、変神するぞ!」
 遼たちはチェンジャーを出して、カードをスラッシュした。
 「烈空変神!」
 そして続けて戦騎召還用のカードをスラッシュし、戦騎を召還した。
 
 「いくぞ、クナイショット!」
 一方自ら囮になったシャドウの二人は、クナイショットでダルクリアンを牽制していた。
 「こっち、こっち!」
 「このままじゃきりがねえな。一気に決めようぜ」
 フォルスはアサルトスティンガーを召還し、ダルクリアンに標準をセットした。
255ガイレイジャープロジェクト:2006/06/04(日) 12:32:56 ID:lu0FVSiK0
 「駄目ですよ、スティンガーで撃っちゃ。ダルクリアンを壊すつもりですか」
 「あ、そうだったな。それにしてもあいつら早くこねえかな」
 フォルスがつぶやいたそのとき、空から凱零刃が飛んできてダルクリアンにキックをお見舞いした。
 「待たせたな、今からこいつを倒してやっからよ」
 凱零刃は烈空剣を出して構えた。
 「さすがは俺の見込んだ好敵手だ。また会えるとはな」
 どこかで聞き覚えのある声がダルクリアンから聞こえてきた。
 「お、お前は、サージェン!どうして戦騎に乗ってるんだ?」
 「お前と戦いたいからだ、ガイレイジャーブラス!そのためには俺も凱零刃と同等のマシンが必要だったのだ。シュペルターからこれを貰ったときは身体が身震いしたよ。これでお前らと対等に戦えるとな!」
 「それでダルクリアンに乗ったのか。でもよ、これはお前の物じゃない。お前はシュペルターという奴に騙されてるんだよ。それが分からないのかよ!」
 しかしサージェンはブラスの声に耳を貸そうともしなかった。それどころかそのまま凱零刃に向かって行った。
 「俺はお前を倒す!それが俺とお前の宿命だからだ!!」
 ダルクリアンはアックスを取り出し、凱零刃に斬りかかってきた。凱零刃は間一髪避けたが、ダルクリアンの猛攻に手も脚も出ない状態だった。
 「何てことだ!奴には隙がない!!」 
 「このままじゃやられちゃうよ」
 「何とか隙が出来ればな…」
 そのときチェンジャーから通信が入った。
 『僕達が隙を作りますから何とかしてダルクリアンを止めてください』
 「そうか、頼んだぞ」
256ガイレイジャープロジェクト:2006/06/04(日) 12:34:42 ID:lu0FVSiK0
地上にいるシャドウの二人はクナイショットでサージェンの気をそらす作戦に出た。
 「それじゃ、行きますよ。1」
 「2の」
 「3!」
 同時に放たれたクナイは、ダルクリアンの目の部分に当たり、視界を奪うのに成功した。
 「よし、いまだ!」
 凱零刃はダルクリアンの背中に回って羽交い絞めにした。
 「これでもう動けないだろう」
 「フッ、それはどうかな?」
 だがサージェンは捕らわれているにもかかわらず、余裕をかましていた。
 「何か奴の様子が変だぞ。ブラス、早く奴から離れるんだ」
 「冗談じゃないぜ、せっかく捕まえたのに放せなんて」
 その直後、ダルクリアンの身体が上下に分離した。上半身はワイバーンタイプのマシンに、下半身はサーペントタイプのマシンにそれぞれ変形した。
 『しまった、ダルクリアンは分離できるんでした』
 「それを早く言えよ!せっかく捕まえたのによ」
 だがそれぞれのマシンは、なぜか凱零刃から逃げるように離れてしまった。
 「む、何だ!コントロールできない!!」
 急にコントロールが利かなくなって、サージェンは驚いていた。
 「サージェン、ここはひとまず引き揚げましょう。あいつ等を倒すのはそれからでも遅くはないはず」
 「お前か、ダルクリアンに細工を施したのは!俺はまだ戦えるというのに!!」
 サージェンの叫びもむなしく、マシンはシュペルターに導かれてここから去っていった。
 「あっ、待て!俺達のダルクリアンを返せ!」
 フォルスは追いかけようとしたが、ダルクリアンは異次元の扉へと消えていってしまった。
257ガイレイジャープロジェクト:2006/06/04(日) 12:35:34 ID:lu0FVSiK0
「ちくしょう、もう少しでダルクリアンを取り返せたのに…」
 「今度現れたらまた取り返せばいいじゃねえか」
 凱零刃から降りて変神を解いた遼が慰めるように言った。
 「しかしなぜサージェンは戦騎を操縦できたんだ?戦騎は闘神のスピリットがないと動かす事も出来ないんじゃないのか?」
 後から降りてきた大樹が疾風たちに質問した。
 「そこなんですよ、さっきサージェンが操縦できた理由が何なのか分からないんですよ」
 「戦騎って元々天界の人達が作ったんだもんね」
 「答えはただ一つ、サージェンがスピリットを持っている、としか考えるられないな」
 変神を解いた疾風が答えを出した。
 「そうなるとサージェンは俺達の仲間、という事になるのか」
 「今はそうとはいえませんね。彼は明らかに敵対心を持ってましたから。おそらく彼は闇に堕ちた堕天使かも知れません」
 淡々と話していく有紀。だが遼は納得がいかなかった。
 「でもあいつが卑怯な事するようには見えないんだ。もしかしたら事情があるのかも知れないな」
 「お前はとんでもない甘ちゃんだな。ま、とにかく俺達はそういう考えをするお前らとは手を組まないからな。行くぞ、有紀」
 そう言うと疾風は遼たちの前から去っていった。
 「すいません、疾風は素直じゃないんですよ。皆さんも分かってあげてください」
 有紀は遼たちの前から去ろうとした。だが大樹は去ろうとする有紀に質問をした。
 「一つ聞かせて欲しい。さっき大切なものを奪われたって言ってたが、それとシュペルターとは一体なんの関係があるんだ?」
 有紀は少し頭を下向きに下げてこう答えた。
 「いずれ話します。それでは」
 有紀は去っていった。
258ガイレイジャープロジェクト:2006/06/04(日) 12:36:34 ID:lu0FVSiK0
「それにしてもあいつら、敵か味方かわけ分かんないな」
 「さっきも言っただろ、彼らとは志が同じだと。時が経てばきっと私たちの仲間になるはずだ。私はそう信じている」
 大樹は遼に言い聞かせた。
 「みんな〜、大丈夫でしたか〜」
 さっきの戦闘でちゃっかり逃げ出していたゆかりが遼たちと合流してきた。
 「あれ、ゆかりさん。どこ行ってたんですか」
 「みんなひどいですよ。私を置いてくなんて。おかげで服が汚れちゃったじゃないですか」
 よく見るとゆかりの服は泥でひどく汚れていた。どこかで転んだのだろう。
 「ごめん、一緒に逃げてると思ってたから…」
 「だったらもう一度温泉へ行けばいいじゃないか」
 泣きそうなゆかりを海が慰めてあげた。
 「じゃあ、お詫びにご馳走おごって下さいよ」
 「ほんと、ちゃっかりしてるよ、ゆかりさんは」
 結局遼たちは再び温泉へと行く破目になるのだった。
 
第9章終わり
259ガイレイジャープロジェクト:2006/06/04(日) 12:37:28 ID:lu0FVSiK0
【次回予告】
 遼たちの前に再び姿を現したダルクリアン。立ち向かった凱零刃だったが、次第に追い詰められてしまう。だがそのとき、突然サージェンの様子がおかしくなった。
一体サージェンに何が起きたのか?
 烈空戦騎ガイレイジャー第10章!「呪われた記憶」
 いったい誰と戦うのか、サージェン!
260ガイレイジャープロジェクト:2006/06/04(日) 13:04:57 ID:lu0FVSiK0
ガイレイジャー第9章をお送りしました。
ついに第2の戦騎、ダルクリアンが登場しました。ダルクリアンの登場で第1章はクライマックスへと向かっていきます。
そして次回はサージェンの記憶の断片が語られることになります。その記憶とは?次回もご期待ください。
>>247- >>248
ガイレイジャーは3部構成で、全40話を予定しています。(話に内容によっては少し話数を伸ばすかも知れませんが)第1部が13話、第2部も13話、
そして第3部が14話(予定)になります。つまり年末には終わる予定です。皆さんからも高く評価してくれますので、続編も考えています。
ジェネシスですが、第2部の始めくらいに登場しますのでご期待ください。
最後に設定週です。今回はシャドウセイバーズの設定です。ご覧ください。
>>212
サージェンの正体は次回から少しずつわかってきます。果たしてサージェンの正体とは?それは見てのお楽しみです。
>>239
スタッフ名は考えてますよ、まだ全員ではないですけど。それも第2部中盤で発表しようと思います。
>>243
凱零刃とダルクリアンは第1部の最後(第13章)に合神します。名前はどうなるか、またどのように合神するのかはまだ秘密です。
>>245
設定画ですか・・・。書きたいのは書きたいんですけど、私はスキャナがありませんし、今のところホームページも開けない状態なのです。(もしできても来年あたりかも)
もしガイレイジャーのHPを開くことができたなら、一緒に設定がもお見せできるかも知れません。それまで待っていてください。
261ガイレイジャープロジェクト:2006/06/04(日) 13:08:33 ID:lu0FVSiK0
シャドウセイバーズ紹介】
シャドウセイバーズとはかつて影一族の中で選ばれた戦士の名称だったが、ある事件によって一族は散りぢりになってしまい、その名は失われてしまった。
疾風と有紀は影一族の中でもトップクラスの実力とパワーを持っている。しかし彼らもガイレイジャー同様闘神のスピリットを受け継ぐ人物であった。彼らは先祖が残したシャドウチェンジャーを使い、人知れず邪神族と戦い続けていた。
しかしある事件によって師匠を失い、古の戦騎を奪われた二人は復讐を誓う事になる。そのため彼らはシャドウセイバーズの名を再び名乗るようにしたのだ。
シャドウスーツは主に接近戦用に対応しており、ガイレイスーツに比べて若干防御を犠牲にしている。それはすばやく行動しなければいけないことと、攻撃を受けるよりもかわすための軽量化を目指したためだといわれている。
【シャドウマスターフォルス】
疾風がシャドウチェンジャーに変神用のカードをスラッシュして変神した姿。特に接近戦で戦うが、クナイショットやアサルトスティンガーを用いて中距離で戦う事もある。これは疾風自身がガンファイターということもあるからだろう。
もちろん接近戦にも対応出来る。専用武器であるアサルトスティンガーは、先端のユニットを取り替えることによって様々な戦闘に対応している。
ニードルユニットは超硬質のチタン針を高速で打ち出すことが出来、ガンユニットは毎分600発の硬質弾丸を発射できる。ソードユニットはビーム発生装置を内蔵したユニットで、クローユニットは超鋼チタン製の爪で敵を切り裂く。
レーザーユニットは暑さ30cm以上の鉄板も貫く事が出来る。
疾風がもっとも多用するユニットはガンユニットのようだ。必殺技はガンユニットで相手の動きを止める「ダンシングシュート」とソードで相手を切り裂く「ダッシュスラッシュ」。
262ガイレイジャープロジェクト:2006/06/04(日) 13:09:06 ID:lu0FVSiK0
【シャドウソルジャーアダンテ】
有紀が変神する戦士で、フォルスよりも高速で移動する事が出来る。アダンテは特に接近戦においてその実力を発揮するタイプで、
そのときには専用武器であるコンバットダガーを用いて戦う。コンバットダガーは短剣型の武器で、2本使用する。
右のSダガーと左のNダガーは組み合わせる事によってクロスダガーになり、そのときに発せられる必殺技「サンダーボルトシザーズ」は相手を消滅させてしまうほどの強力な技である。
 
263名無しより愛をこめて:2006/06/04(日) 16:37:39 ID:e/NcPALx0
第9章見ました。ついにダルクリアンが出ましたね。今回は顔見せ程度でしたが、
次回も出るみたいですので活躍が楽しみです。あとシャドウがどうやってダルクリアンを取り返すのかも
興味があります。でも個人的にはサージェンの過去が気になってしょうがないのです。そこも次回明かされる
でしょうから期待してます。
264名無しより愛をこめて:2006/06/04(日) 20:24:16 ID:JIm9FmSb0
9話見た、シャドウセイバーズとシュペルターの因縁今後どうなっていくか
楽しみです。
あとダルクリアンの設定も載せてね。
265名無しより愛をこめて:2006/06/05(月) 13:35:36 ID:zhzxBJYU0
ダルクリアンカクいいー!
266名無しより愛をこめて:2006/06/06(火) 15:01:37 ID:FrE2+Iqi0
サージェンの過去・・・わたしも気になります。>>212 さんのように遼のお兄さん
じゃないか、という考えを持つ人がいますが、わたしは前の大戦で生き残った人だ
と思います。戦騎を動かせるという時点でそれが決定的な証拠になったからです。
まだ次回以降の話を見ないとわかりませんが、サージェンは元仲間じゃないかと思います。
267名無しより愛をこめて:2006/06/07(水) 15:49:35 ID:z0T8kTlA0
3部構成で全40話か・・・。これってキリがいいのかな?
268名無しより愛をこめて:2006/06/07(水) 16:52:46 ID:Y9luOXfC0
>>267
40話だからキリがいいんじゃないかな。13話ずつ(3部は14話)だからちょうど
1クールだし。でも3クールってけっこう珍しくね?
269名無しより愛をこめて:2006/06/07(水) 21:29:50 ID:iWktoS9A0
サージェンの正体が遼の兄という説を考えたものです。
そう思ったのは、実は遼の母は先の大戦で生き残った人で地球に逃げてきた時
、遼の父と出会い二人は愛し合い遼の兄、遼、智世の三兄弟が生まれた。
その後、地球にエディスが来たことを察知した母はすでに烈空の力に目覚めていた
遼の兄と共に敵地に向かう。そこで母と兄は捕まり、母は幽閉され、兄は邪神に
よって記憶を消され、闇の黒騎士・サージェンへと変えられてしまった。
父は母と兄のことは遼たちには内緒にして、ただ事故で亡くなったとしか伝えていない。
マックスやカイン、シャドウセイバーズ、ジェネシスも烈空の戦士の子孫ではないかと
と考えてます。
だからこそ戦騎を操れると思います。

ガイプレの人へ、間違ってたらすんません。
270名無しより愛をこめて:2006/06/09(金) 15:25:26 ID:aam2s0Rb0
サージェンが遼の兄だといいね。おそらく後のエピソードにもかかわるだろうし
これからも活躍しそうだから。
271ガイレイジャープロジェクト:2006/06/10(土) 14:10:01 ID:d71l/3zJ0
第10章呪われた記憶

 サージェンは悩んでいた。この前の戦闘でブラス=遼の行っていた言葉が気にかかっているのだ。
 『お前はシュペルターという奴に騙されてるんだよ。それが分からないのかよ!』
 「俺は本当に騙されているのだろうか…だが俺はあいつと戦いたい。そのためにダルクリアンに乗ったのだ。後悔はしていないつもりだ」
 しかし彼は疑問に思っていた。なぜ戦騎を操る事が出来るのか、他の奴らには出来ない事をなぜ自分が出来るのかを。
 「どうしたのだ、サージェン」
 サージェンの部屋にエディスが入って来た。
 「おお、エディスか。何をしに来たんだ」
 「お前があのダルクリアンとか言うマシンに乗って疲れて戻ってきたと聞いてな」
 「それで俺のところまで来たというわけか。心配ない、慣れない操縦で疲れただけだ」
 「そうか。それならいいのだがな」
 エディスは胸を撫で下ろして部屋を出ようとした。
 「サージェン」
 「何だ」
 「シュペルターには気をつけろ。あいつは何をたくらんでるか分からん奴だ。ここに来て日の浅いお前は分からないだろうが、あいつに不信感を抱いてる隊員も少なくない。だからお前も十分警戒した方がいいぞ」
 「分かった、十分に気を付ける事にしよう」
 そういい残してエディスは部屋を出て行った。 
272ガイレイジャープロジェクト:2006/06/10(土) 14:10:30 ID:d71l/3zJ0
「結局金貨は見つからなかったのか」
 皆川教授の家へ戻ってきた遼たちは、昨日のことの一部始終を話した。
 「…つまりシャドウというチームがガイレイジャーではないか、というわけだね?」
 「ええ、彼らは出身こそ違いますがガイレイジャーの力を受け継いでいます。なぜ今まで分からなかったのかは不思議ですが…」
 「大樹君、まだ彼らが本当にガイレイジャーかどうかは分からんが、私も彼らに協力しよう」
 教授は快く賛成してくれた。
 「ありがとうございます!それではこれから彼らを探しに行ってきます」
 そのとき、大樹のガイレイチェンジャーからコール音が聞こえた。
 「誰だ?」
 「もしかしてシャドウの連中じゃないのか?」
 「とにかく出てみよう」
 大樹はチェンジャーを通信モードに切り替えた。
 『あっ、皆さんこんにちは。僕です、有紀です』
 「お前か、一体何のようだ?」
 『前に言ってたシュペルターのことで話がしたいんです。今日の午後3時に○○地区のレストラン葉月で待ち合わせしましょう』
 「おい、本当にこいつらの事信用する―――」
 文句を言う遼を大樹が止めた。
 「分かった、それで条件があるんだが」
 『何ですか?』
 「私たち三人のほかにある人を連れて行きたいんだが、大丈夫か?」
 有紀は少し考えた後に答えを出した。
 「分かりました、それではその人を連れてきてください」
 「ありがとう、感謝する」
 大樹がお礼をいった直後、通信が切れた。
 「それでは皆川教授、一緒についていってくれますね」
 「だ、大丈夫なのかよ?あいつ等のところへ教授を連れて行っても」
 遼は反対したが、大樹は反対を押し切って教授の側まで来た。
 「彼らの説得にはあなたが必要なんです。お願いします!」
 「分かった、私も一度彼らに逢いたいと思っていたところだ」
 こうして遼たち三人は皆川教授を連れて『レストラン葉月』へ行く事になった。
273ガイレイジャープロジェクト:2006/06/10(土) 14:11:22 ID:d71l/3zJ0
「ここか、レストラン葉月は」
 皆川教授を連れてきた遼たちは、レストランの中へはいる事にした。
 「皆さんお待ちしてました」
 入り口で有紀がみんなが来るのを待っていた。
 「お前、普通の格好じゃねえかよ」
 遼が有紀の姿を見て驚いていた。
 「あんな格好なんかじゃここには来れませんよ。それよりも、誰です、この人は?」
 「私の大学時代の先生で、今は烈空の書の解読をしている皆川教授だ」
 「始めまして、私が皆川だ。君たちが烈空の勇者の力を受け継いでいる者たちだね?」
 「そのお話はこちらでしましょう」
 有紀は奥のテーブルへ案内した。そのテーブルには疾風が不機嫌そうな顔で座っていた。
 「ん?誰だ、そのおっさんは」
 「失礼ですよ兄弟子。あの人は皆川教授といって、烈空の書を解読している人だそうです」
 「まあとにかくこっちへ座ってくれ」
 有紀は疾風の隣の席に座り、四人は残りの椅子に座った。
 「で、俺達に用ってのは?」
 「シュペルターの話ですよ。僕達がなぜ彼を追いかけてるのか、それを話そうと思って皆さんを呼んだんですから」
 「そうか、では話してもらえんかの」
 有紀は自分達がなぜシュペルターを追っているのかを話すことにした。
274ガイレイジャープロジェクト:2006/06/10(土) 14:12:25 ID:d71l/3zJ0
「今から2年前の事です。僕達が1人前の戦士の称号を与えられた日の出来事でした。
 『今日からお前たちはシャドウセイバーの称号を持つ戦士だ。これからは世のため人のために働くのだぞ』
 シャドウセイバーズに選ばれた僕と兄弟子は心から喜んでました。他の仲間達も僕達の事を祝福してくれました。
 …その日の夜です。あの事件が起きたのは。僕と兄弟子が宴の場をこっそり抜け出して河原にいたとき、突然お屋敷の方からドーンという大きな爆発音がこだまして燃え上がったんです。もちろん僕達は急いでお屋敷に戻りました。
 『なんてひどいことをしやがるんだ…』
 そこはまるで地獄絵図でした。この前まで祝福してくれた仲間達が何者かの手によって殺されていたのです…。
 『兄弟子、お師匠のことが心配です。早く行かないと』
 僕達はお師匠のいる部屋へと急ぎました。
 『師匠!』
 そこには棚の下敷きになったお師匠の姿がありました。
 『大丈夫ですか、今お助けします!』
 『いや、わしはもう駄目だ。お前たちだけでも逃げろ』
 『一体誰がこんな事をしたんですか?』
 『魔界法術士と名乗るものにやられた。奴は一瞬のうちに弟子達を倒し、わしのいるこの部屋まで来たのだ』
 その魔界法術士というのがシュペルターなんです…」
 「でも何でシュペルターがこんなところまで来たんだ?」
 遼が話の途中で有紀に質問した。
 「それはこいつの話を聞けば分かるさ」
 疾風が遼の質問に答えた。
275ガイレイジャープロジェクト:2006/06/10(土) 14:13:28 ID:d71l/3zJ0
 「そうか…。話をぶった切っちまってすまねえな。続けてくれ」
 「…シュペルターがここに来た理由は、ダルクリアンを奪うこと、そしてシャドウチェンジャーを使って最強の邪神戦士を生み出す事でした。でもシャドウチェンジャーだけはお師匠が身体を張って護ってくれたおかげで奪われずに済んだんです。
 『お前たち、わしの身体に隠された鍵を取り出してくれないか…』
 『鍵って、まさか…!』
 『そうだ、わしに中にはシャドウチェンジャーが隠してある場所を開ける鍵が隠されている。さあ、早く取り出すのだ』
 『出来るわけないでしょう!そんな状態でそんなことしたらお師匠は死んでしまいます!』
 僕はお師匠を死なせたくなかった。でも兄弟子はお師匠の身体から鍵を取り出したんです。
 『師匠、これで良いんですね』
 『ああ、これでいい…。わしも安心して眠る事が出来る…。ただお前たちが変神する姿を見られないのが心残りだ…』
 『チェンジャーがある場所はどこです?』
 『それは…鍵がお前らを導いてくれるだろう。さあ、早く行くのだ。ここはもう崩壊する…』
 こうして僕達はお屋敷を脱出し、鍵の導きによってシャドウチェンジャーを手に入れました。そして誓ったんです。シュペルターを倒してお師匠の仇を討つって…」
276ガイレイジャープロジェクト:2006/06/10(土) 14:14:25 ID:d71l/3zJ0
「そうだったのか、ここまでシュペルターにこだわっていた理由にはこんな過去があったとはな…」
 大樹はジュースを飲み干した。
 「大樹さん、おいら達も言わなくちゃいけないことがあるんじゃないの?」
 「ああ、そうだった。もしよかったら君たちも一緒に邪神族と戦ってくれないか?君たちがいればこれからの戦いも…」
 「お断りだな。俺達の行動は俺達が決める事だ。お前たちと戦うなんて真っ平ごめんだ」
 大樹の誘いを疾風は断った。
 「兄弟子、彼らと協力したほうがダルクリアンを取り返せるんじゃないんでしょうか」
 「これは俺達の戦いだ。よそ者の手を借りてまで取り替えそうとは思わない。少なくとも俺はな…!」
 疾風はそう言い放つと出口の方へと歩いていった。
 「待ってください兄弟子!…すいません、こんな事になってしまいまして…。こんな兄弟子ですけど、本当は優しい人なんです。だからいつの日にかあなた達と戦えるときが来るはずです。それまでそっとしてあげてください」
 「そうか、もし私たちの力が必要になったらいつでも連絡して欲しい。必ず力になろう」
 皆川教授は有紀に約束をした。
 「ありがとうございます。それでは」
 有紀は挨拶をして疾風の後を追っていった。
277ガイレイジャープロジェクト:2006/06/10(土) 14:15:29 ID:d71l/3zJ0
「それにしてもあいつ等は仲間になってくれねえんだろうな」
 レストランを出た四人はシャドウの二人の事を心配していた。
 「彼らにも都合というものがあるのかもしれんな」
 「教授はこのまま待ってろと言いたいのか?」
 「そうじゃないよ、今はそっとした方がいいって事だよ。彼らにだって触れられたくない事があるからね」
 「それもそうだな」
 そのとき、海が空を指差して驚いていた。
 「あ、あれを見て!」
 四人が空を見上げると、見る見ると黒い雲が立ち込めて、その中から2機のマシンが飛来してきた。
 「あれはこの前の!」
 「こんなところから出てくるとはな」
 その2機のマシンは合体を始めた。まずワイバーンの脚が変形して腕になり、首が折れて胴体に収納される。サーペントは前後の脚を収納、頭と背中が分離して胴体が二つに分かれて両脚になった。背中のパーツは変形して腰になり、両脚が合体する。
そして上半身と下半身になった2機は合体、ロボットの頭が出現してダルクリアンが完成した。
 「出て来いガイレイジャー!俺はお前たちと戦いたいのだ」
 「出やがったな、サージェン!言われるまでもねえ、相手してやるぜ」
 遼たち三人はチェンジャーを取り出し、変神した。
 「戦騎、召還!」
 そして召還のカードをスラッシュして戦騎を呼び、乗り込んだ。
 「烈空合神!」
 3機の戦騎は合神して凱零刃になった。
 「そうだ、それでいい。これで戦い甲斐があるというものよ」
 サージェンが乗ったダルクリアンは、凱零刃に向かってビームを発射した。
 「やべえ、避けねえと」
 「バカ言うな、ここで避けたらビルに当ってしまう。ここは防御するんだ」
 凱零刃は烈空剣を回転させて防御した。
 「ここで戦っては街に被害が出てしまう。どこか別の場所におびき寄せるぞ」
 これ以上街に被害が出ないために凱零刃は飛んでダルクリアンをおびき寄せることにした。
 「に、逃がさん!」
 案の定、ダルクリアンは凱零刃の後を追いかけてきた。
278ガイレイジャープロジェクト:2006/06/10(土) 14:18:07 ID:d71l/3zJ0
近くの広場に降り立った凱零刃とダルクリアンは再び戦闘を開始した。両者ともに戦闘力はほぼ互角で、なかなか決着がつかなかった。
 「あいつらこんな所で戦ってるのか!」
 シャドウの二人が遅れて広場へとやってきた。
 「このままじゃ近寄る事も出来やしねえ」
 「ここは彼らを信じるしかないでしょう。それまで僕達は…」
 「ここで待ってろというのか?」
 有紀の見守るという意見に疾風は反対した。
 「冗談じゃねえぜ、せっかく目の前にダルクリアンがあるんだ。今が取り返すチャンスじゃねえかよ」
 疾風は二体の戦騎に向かって走り出した。
 「もう、仕方ないですね」
 二人は変神してダルクリアンに立ち向かった。
 「あ、あいつら!」
 「ムチャしてるなあ」
 「とにかく二人が来ると戦いにくくなる。何とかして別な所へ移動するんだ」
 しかし、隙を与えないダルクリアンに凱零刃は少しずつ追い込まれていった。
 「まずい、これじゃあ移動どころじゃねえぜ」
 「どういうことだ、奴のパワーが急激に上昇している。このままだとオーバーヒートを起こしてダルクリアンは…」
 「まさか…」
 「爆発する!!」
 歩く爆弾になってしまったダルクリアンを何とかしなければ、ここの周りは消滅してしまう。そう思った大樹=マックスは、遼=ブラスにあることを伝えた。
 「遼、お前がダルクリアンのコックピットに乗り込んでサージェンを引きずりおろすんだ。そうすればダルクリアンを止める事が出来るかもしれない。だがこれは危険な賭けだ。
やれるか?」
 「どうして俺が?」
 「奴と互角に戦うことができるのはお前だからだ。それに奴はお前と戦いたいと思っている。だから遼、お前が行くんだ」
 遼=ブラスは少し考えて決心した。
 「分かった、俺が奴を止める。それまで持ちこたえてくれよ」
 ブラスはコックピットから出てダルクリアンに飛び乗った。
 「頼んだぞ、遼」
279ガイレイジャープロジェクト:2006/06/10(土) 14:19:33 ID:d71l/3zJ0
 そのころシャドウの二人はダルクリアンに行く途中でシュペルターに行く手を阻まれていた。
 「どけよシュペルター!お前にかまってる暇はないんだ!!」
 「フッ、のんきなものだな、お前たち」
 シュペルターは不敵な笑みを浮かべていた。
 「どういうことだ?」
 「ダルクリアンの事だよ。あれにはちょっとした仕掛けが施されていてね、サージェンが暗黒の炎を燃やせば燃やすほどダルクリアンのパワーが増大して、最後にはここの回りは消えてなくなるのさ」
 「だったらなおさらどいてもらうぞ!」
 「馬鹿だねえ、私が素直に退くとでも思うのかい?こうやって君達の行く手を阻んでるのも爆発させる時間稼ぎをしてるからなんだよ」
 シュペルターが合図をすると、どこからともなくドクロ兵がゾロゾロと現れた。
 「意地でもここを通さないつもりか」
 「仕方ありません、ここは強行突破しましょう」
 二人はドクロ兵の集団へ突進した。

 「どうしたガイレイジャー、俺の力にひれ伏したか」
 ダルクリアンを操縦しているサージェンは、余裕で凱零刃を痛めつけていた。
 「そろそろ止めを刺すか」
 「おいおい、止めを刺すのはまだ早いんじゃねえか?」
 コックピットに潜入するのに成功したブラスが、サージェンに対して言い放った。
 「ブラス!お前いつここに入ったのだ?」
 「戦ってる間に忍び込ませてもらったのさ。お前との決着をつけるためにな!」
 ブラスの言葉に、サージェンは笑みを浮かべた。
 「そうだったな、まだお前とは決着を着けていなかったな。来い、決着をつけてやろう!」
280ガイレイジャープロジェクト:2006/06/10(土) 14:20:14 ID:d71l/3zJ0
ついにブラスVSサージェンの闘いが、ダルクリアンの中で始まった。お互い一歩も譲らない闘いぶりで、なかなか決着しなかった。
 『このままじゃいつ爆発するかわからねえ。早い所けり付けねえと』
 とはいってもここでは必殺技が使えない。困っていたブラスは、ある策を思いついた。
 『そうだ、サージェンをダルクリアンから引き離せばいいんじゃないか。何とか出口までおびき寄せないと』
 ブラスは少しずつ後ろに下がりながら出口の方へおびき寄せていった。
 「待て、逃げるつもりか!」
 勘のいいサージェンはブラスの行動を読んでいた。
 「くそ、さっきのようにはいかないか」
 そのとき、ダルクリアンが大きく揺れ始めた。その拍子にサージェンは崩れ落ちて頭を打ってしまった。
 「一体何が起きてるんだ?」
  気絶しているサージェンを尻目に、ブラスはマックスに連絡を取った。
 「外では一体何が起きてるんだ?」
 『ダルクリアンが勝手に動き出したんだ。このままだと街の方に出てしまう!』
 「なんだって?それじゃ俺も戻った方がいいんじゃねえのか?」
 『お前は何とかしてサージェンからダルクリアンを止める方法を聞きだすんだ。そうしたほうが止められる確率が大きい。私たちは凱零刃で奴の動きを止めてみる。それまでに停止させる方法を聞きだすんだ、いいな』
 「分かった。そっちもがんばってくれよ」
 ブラスは通信をきった。
 「しかしどうやって聞けばいいかな…」
 気絶しているサージェンを見てブラスは少し困っていた。
281ガイレイジャープロジェクト:2006/06/10(土) 14:20:51 ID:d71l/3zJ0
『…ここは…どこだ…』
 真っ暗な闇の中。サージェンは闇の中で横たわっていた。
 『何だ、この記憶は…。俺は一体何をしている…』
 よろよろと立ち上がったサージェンは光の指す方向へと歩き始めた。
 『これは…うわっ』
 光に包まれたサージェンはある所にいた。白いテーブル、広いソファー、そして誰かを呼ぶ声…。
 「何だここは。こんなに明るいところなんて始めて見る場所だ」
 「どうかしたの?」
 突然後ろから声をかけられるサージェン。振り向くと見知らぬ女性が立っていた。
 「駄目じゃないの、こんな所でボーっとしてたんじゃ。早くしないと置いてくわよ」
 一体どうなってるんだ…。サージェンは呼ばれるままに外へと出て行った。
 それからしばらくするとサージェンは女性と一緒に車に乗っていた。運転しているにはサージェン自身で、隣には女性が座っていた。
 「どうしたのよ、今日のあなたはどうかしてるわよ」
 「いや、別に何ともないんだ、母さん」
 母さん…?どうしてそんな言葉を…。サージェンは自分がいった言葉に疑問を持っていた。
 「ところで母さん、どこに行こうとしてるんだい?」
 「それは…」
 母が言いかけたそのとき、突然車が揺れてハンドルが利かなくなった。
 「一体どうしたんだ?急にハンドルが利かなくなるなんて」
 サージェンは窓の外を見てみた。浮かんでいる。車ごと空に浮かんでいるのだ。なぜそんな事になってるのだろう。
 「このままじゃ俺たちは…。うわっ!」
 闇の穴に吸い込まれた車は衝撃でバラバラになり、二人は空中に放り込まれた形になった。
 「か、母さーん!!」
 サージェンは、母の名前を呼びながら闇の中へと堕ちていった…。
282ガイレイジャープロジェクト:2006/06/10(土) 14:21:37 ID:d71l/3zJ0
「母さん、行かないでくれ、母さん」
 苦しみながら上辺で言っているサージェンを見て、遼=ブラスは不思議がっていた。
 「か、母さん…?何言ってるんだ、こいつは」
 すると突然、サージェンが目を覚ました。
 「うう…ここはどこだ…」
 「おい、大丈夫か?」
 ブラスの言葉にサージェンはなぜか懐かしく感じていた。
 「お…お前は…遼…」
 「どういうことだよ?何でお前が俺の名前を知ってるんだよ?」
 「…俺だよ、お前の兄の…」
 兄という言葉にブラス=遼はハッとした。…どういうことなんだ?俺の兄さんなのか…?遼はサージェンを見て戸惑っていた。
     
第10章終わり

【次回予告】
 サージェンの正体は遼の兄だった。それを信じたくない遼は、ダルクリアンを止めるためにサージェンに最後の闘いに挑む。
しかしシュペルターの真の目的は街を消滅させる事だけではなかったのだ!
 烈空戦騎ガイレイジャー第11章!「さよなら、黒き騎士よ…」
 「お前に逢えて嬉しかったよ…」
283ガイレイジャープロジェクト:2006/06/10(土) 14:41:22 ID:d71l/3zJ0
ガイレイジャー第10章をお送りしました。ついに明かされた疾風たちの復讐の理由、
そしてサージェンの正体・・・!クライマックスが近いのでますます盛り上がっていきますので
ご期待ください。次回はシュペルターの目的が判明します。そして兄弟の再会と別れ・・・。
果たして次回はどうなるのか、お楽しみに。
>>269さん
アイディアどうもありがとうございました。
今回でサージェンの正体が遼の兄だということが判明しました。兄が烈空の力に目覚めていたというの
は前から考えていたことです。もしかしたら母だけがそれに気づいてたのかも知れませんね。遼たちの母の消息については
後の展開に関係するため、今は言うことはできません。
>>264さん
ダルクリアンの設定は今回載せます。ダルクリアンの戦騎は幻獣タイプにしましたがいかがでしょうか。今回は凱零刃のスペックを
少し変えたのもいっしょに載せておきます。
284ガイレイジャープロジェクト:2006/06/10(土) 14:47:59 ID:d71l/3zJ0
【メカニック紹介】
ガイレイジャーやシャドウのマシンは戦騎と呼ばれ、それぞれの属性を持った戦騎が用意されている。各戦騎は属性によって動くようになっているが、定められた搭乗者以外では十分な力を引き出す事が出来ない。
召喚カードをガイレイチェンジャー(シャドウチェンジャー)にスラッシュすることで各戦騎を呼び出すことが出来る。
凱鳳凰(がいほうおう)
全高33,5m(騎光兵時)全長28m(戦騎時)、重量540t
ガイレイジャーブラスが操縦する鳳凰型の戦騎。人型(騎光兵)に変形する事が出来、主に格闘戦で戦う。武器は両腕のつめで敵を切り裂く「ミラクルショットクロー」。 
凱獅子王(がいししおう)
全長27m、重量480t
ガイレイジャーマックスが操縦する獅子型の戦騎で、パワーを生かした体当たり戦法を得意とする。口から弾丸を発射する「レオブリット」が武器。
凱龍王(がいりゅうおう)
全長33m、重量270t
ガイレイジャーカインが操縦する東洋龍型の戦騎。高速で空中や水中を移動でき、そのスピードを生かして一撃離脱の戦法を行なう。尻尾のドリルで敵を貫く「トルネードスティンガー」で敵を粉砕する。
烈空戦騎 凱零刃(れっくうせんき がいれいじん)
全高41m、重量1290t
凱鳳凰、凱獅子、凱水龍が烈空合神して誕生する大型の戦騎で、烈空戦騎と呼ばれる。その力は天を裂き、地を砕き、海をも割るとも言われている。3つのスピリットの力を使い、様々な武器を使用する。
必殺技は烈空剣にスピリットパワーを集めて敵を切り裂く「天凱一文字斬り」。
285ガイレイジャープロジェクト:2006/06/10(土) 14:49:10 ID:d71l/3zJ0
ダルクワイバーン
全長27m、重量490t
ダルクリアンの上半身を構成するワイバーン型の戦騎。凱鳳凰よりも小回りが利き、ドックファイトに適している。
武装は小型のビームバルカン、足に装備されたワイバーンクローなど。
ダルクサーペント
全長34m、重量720t
サーペント型の戦騎で、ダルクリアンの下半身を構成する。水中や空中を移動する事が出来、キャタピラを出せば地上も走る事が出来る。
頑丈な機体が特徴で、深海2000mの海底でも活動する事が可能だ。武装はマイクロミサイル、ショットアンカー、ロングレンジキャノンなど。
幻影戦騎ダルクリアン
全高40m、重量1110t 
ワイバーンとサーペントが幻影合神した姿。凱零刃よりもスピードに長け、そのスピードで敵を翻弄する。武装は合神前の武器に加えてダルクリアンアックス、
ダルクリアンシールド、ダルクリアンスピアなどの手持ち武器を使用する。
必殺技はアックスで敵を十文字に切り裂く「クルセイドスパーク」とスピアを投げつけて敵を貫く「ブレイクスピア」。
ダルクリアンは元々シャドウ一族が厳重に保管していたものだったが、シュペルターの結界破りで邪神族の手に堕ちてしまった。しかし邪神族では戦騎を動かす事が出来なかった。シュペルターは偶然サージェンがダルクリアンに反応したのを発見し、
彼をパイロットに仕立て上げる。つまりサージェンを利用してダルクリアンを我が物にしようとしたのだ。だがその企みは思わぬ方向へと進む結果となってしまうのだ…。
286名無しより愛をこめて:2006/06/10(土) 20:35:32 ID:WaPJMg+A0
>>269です。
ガイプロの方へ。
10章早速拝見いたしました。
サージェンの正体は、遼の兄でしたか。
先にネタバレさせてしまってすんません。
なんか設定読んでるうちに自分もいろいろ考えてみて書き込んでしまいました。

あと、ジェネシスの件ですが、光の勇者なだけに光速で移動して敵と戦うなんて
どうでしょうか?
シャドウセイバーズより速く動き、武器は弓状の「ジェネシスブライトアロー」で、
持つところが2つに分かれて二刀流の剣としても使用できる。
必殺技は光速分身で敵の周りを円状に囲んで放つ「ジェネシススパイラルシューティング」
なんていかがですか?
287名無しより愛をこめて:2006/06/11(日) 08:37:16 ID:Z3hp75vu0
君の考えたドクロイド募集。

最優秀作品は実際に登場してガイレイジャーたちと戦うぞ。
そして特典としてガイレイジャーたちが君の家に遊びに行くぞ。
あて先はこちら→○○○○○○○○○○○○○○○○○○
みんなの応募待ってるよ。

なって呼びかけてみる。
288名無しより愛をこめて:2006/06/11(日) 19:19:17 ID:EiXiDPKN0
第10章拝見しました。
シャドウの過去の因縁の理由、そしてサージェンの正体。クライマックスに向かっていよいよ
目が離せない展開になってきましたね。次回はさらにすごい展開になるようなので、期待したいと思います。
サージェンの正体が遼の兄だというのには少し驚いています。でも次回はその兄に何かが起きそうな気がします。
いったいどうなるのでしょか。
289名無しより愛をこめて:2006/06/13(火) 17:01:42 ID:KKP0ggBj0
いよいよ第1部もクライマックスになってきたね♪
今回はなぞの断片が少し明かされた感じだった。次回はどうなるんだろうね。
シュぺルターの陰謀も気になるし。
290名無しより愛をこめて:2006/06/15(木) 15:30:18 ID://MDQzt60
シュぺルターは何を考えてるのかわからないキャラクターだからな。
第1部の中心になるかも試練。
291名無しより愛をこめて:2006/06/16(金) 17:38:52 ID:dAjo802W0
13章は第一部の総集編みたいな感じになるのかな?
時期も七夕に重なるから、「七夕の夜」とかいうサブタイトルだったりして。
292名無しより愛をこめて:2006/06/16(金) 19:30:18 ID:D2Wf5tqa0
第1部の終わりだから強敵出現か、最強形態誕生とかかも
293ガイレイジャープロジェクト:2006/06/17(土) 18:52:14 ID:XB0J0SH50
第11章さよなら、黒き騎士よ…

 「お前が猛兄さんだというのか?!」
 遼は信じられなかった。今まで敵として戦っていた相手が、自分の兄さんだと名乗ったのだ。信じられないのも無理はなかった。
 「…そうだ、まだ完全には思い出せないが、俺はお前の兄だという事は思い出したよ」
 「どういうことなんだ?お前はサージェンじゃなかったのかよ?」
 遼は変神を解いてサージェンの側まで駆け寄った。
 「それに猛兄さんは事故で死んだって父さんが言ってたんだ!兄さんは生きてるわけがない!」
 「そうか…親父はそんな事を言ってたのか…。すまないな」
 サージェン=猛は謝るような口調でしゃべった。
 「お前にも迷惑かけたな。智世は元気か?」
 「いい加減にしろ!」
 兄と名乗る敵に対して遼は突き放すように叫んだ。
 「お前、本当に猛兄さんなのか?じゃあなぜ俺たちの前に現れずに邪神族の手下になんかになってるんだよ?」
 「あの時は俺も記憶を操作されていて、なぜこんな事をしたのか分からなかったんだ。おそらくさっきの衝撃で記憶が戻ったのだろう」
 「嘘だ!俺は騙されないぞ。そう言って俺を騙してダルクリアンを爆破しようとしてるんだろう!」
 それを聞いた猛は自分がなぜダルクリアンに載せられたのかを悟った。
 「…そうだったのか、シュペルター!ここまで落ちぶれるとはな…」
 猛はダルクリアンのコックピットへと向かおうとした。
294ガイレイジャープロジェクト:2006/06/17(土) 18:52:55 ID:XB0J0SH50
「待てよ、コックピットに行ってどうするつもりだよ?」 
 「ダルクリアンの動きを止めるのだ。これ以上みんなを巻き込ませたくないからな」
 しかし遼は猛の行く手をさえぎった。
 「そうはいかねえ。お前がコックピットに座ったら何をされるか分かんねえからな。それでも行く気なら俺を倒してからにしろ!」
 遼はチェンジャーにカードをスラッシュして、ガイレイジャーブラスに変神した。
 「そうか…。お前を倒さねばならないのか…」
 ついに遼と猛の兄弟対決が始まってしまった。

 「何て数だ、これじゃ切りがねえ」
 一方大勢のドクロ兵とドクロイド二体に囲まれたフォルスとアダンテは苦戦を強いられていた。
 「何か言い考えはないのか、アダンテ」
 「この数じゃ一気に片付けるのは難しいですよ。まずはドクロ兵の方を何とかしないと駄目です」
 「それしかねえか。じゃあいくぜ!アサルトスティンガー・マシンガンモード!」
 フォルスはスティンガーをマシンガンモードに切り替え、ドクロ兵に乱射した。
 「どうだ、これで片付いただろ」
 「無茶しますね」
 だがドクロイド二体だけは無傷だった。
 「なるほど、そんなにやわじゃないってわけか。アダンテ、一気に片付けるぞ」
 「分かりました」
 二人はそれぞれの武器を必殺技モードに切り替えた。
 「スティンガーソードモード!」
 「クロスダガー!」
 迫ってくる二体のドクロイド。しかし二人はすばやく必殺技を放った。
 「ダッシュスラッシュ!」
 「サンダーボルトシザーズ!」
 二体のドクロイドは必殺技の前に敗れ去った。
 「さて、早くダルクリアンの後を追うぞ」
 シャドウの二人は急いでダルクリアンの後を追った。
 「むう、こうなったらダルクリアンを早くダークホールに導かなければ」
 草陰に隠れていたシュペルターは、手に持った腕輪型のコントローラーを使ってダルクリアンに命令を出した。
 「早く目的地のダークホール発生場所に急ぐのだ!」
295ガイレイジャープロジェクト:2006/06/17(土) 18:54:40 ID:XB0J0SH50
 そのころダルクリアン内ではブラス=遼とサージェン=猛の闘いが繰り広げられていた。
 「やめろ遼、こんな闘いは無意味だ。俺がダルクリアンを止めればすべてが終わる。だからここを通してくれ」
 「そんな事、信じられるかよ!」
 執拗に猛を攻める遼。それに対し猛は防戦一方の状態になっていた。
 「馬鹿野郎、お前はそれでも烈空の勇者か!烈空の勇者はな、そんな事で剣を振るわないんだ!弱者を護るため、邪悪を打ち砕くために剣を振るわなければいけないんだ!今のお前にはそれが分かっていない!
こんな決闘で剣を振るうなんて、お前は間違っているぞ!!」
 兄の言葉に、遼は一瞬動きを止めた。
 「そ…そんなバカな…なんで…お前が兄さんにダブって見えるんだよ…」
 「確かにお前は他の人よりも強い正義の心を持っている。だがそれだけでは駄目なんだ。人を信頼する心、人を愛する心、そして人を許す心を持たなければいけないんだ。今のお前には人を許す心が欠けている。いくら相手が憎くてもそれを許す心が無いと、
冷たい殺戮マシンと同じになってしまう。今は分からなくてもいい。だがいつかお前にも分かるときが絶対に来るはずだ。それを忘れるな」
 猛の言葉に遼は混乱していた。本当にサージェンが俺の兄さんなのか…。俺は間違っているのか…。
 「…サージェン、そこをどいてくれ…。俺がダルクリアンを止める…」
 「いや、お前にはまだやらなければならないことがある。ここは俺がやろう」
 しかし遼はブレイバーを手に取り、猛に切っ先を向けた。
 「俺にはまだあんたが兄さんだなんて信じられない。でもダルクリアンを止めるという目的は一緒だ。だからそこをどいてくれ」
 「お前にはムリだ。今のダルクリアンはこの俺にしか止められない。それにお前を死なせたくないんだ。だからここを通すわけには行かない」
 「…そこをどかないというのなら…」
 遼はブレイバーを振り上げ、猛に向かって振り下ろそうとした。
 「倒してでもここを通させてもらうぜ!」
 振り下ろされたブレイバーはサージェンの兜に当たり、額にひびを作った。
296名無しより愛をこめて:2006/06/17(土) 18:57:30 ID:XB0J0SH50
「…何でだ、どうして避けなかったんだ?」
 「お前に目を覚まさせたかったからだ」
 ひびは一直線に入り、兜を真っ二つに割っていった。そしてその中には猛の素顔が現れた。
 「に、兄さん…。本当に兄さんなのか?」
 「やっと信じてくれたか、遼!」
 遼は変神を解き、その場で腰が抜けたように座り込んだ。
 「まさか…本当に兄さんだなんて…。信じられない…」
 「信じられないだろうが、これは本当だ。俺は母さんと一緒に邪神軍に捕らえられた。そのとき俺は瀕死の重傷を負い、邪神軍の手によって蘇えったのだ。そのときに偽りの記憶を植えつけられたがな…」
 「だから兄さんは今まで邪神軍にいたのか」
 事実を受け入れた遼は、改めて猛の顔を見つめた。
 「ごめん、俺は兄さんのことを信じなくて、こんな事を言ってしまった…」
 「いや、もっと早く記憶が戻っていればお前たちにも迷惑をかけずにすんだんだ…」
 二人はお互い握手を交わした。8年ぶりの再会を二人は確かめ合ったのだ。
 「兄さん…。帰ってきてくれたんだね…。俺、嬉しいよ」
 「ああ、俺もだ。これほど幸せだと思ったことは無い。だが、これでお別れだ…」
 猛は遼から離れ、弟の肩を叩いた。
 「俺はこれからダークホールの発生を止めなければならない。そのためにもまずはダルクリアンを停止させなければならないのだ」
 「兄さん…まさかダークホールに…」
 猛は静かに頷いた。
 「そんな、冗談だろ!ダルクリアンさえ爆発しなければダークホールが発生するのを防げるんだろ?」
 「たとえダルクリアンの爆破が失敗しても奴は次の手を討ってくるだろう。それを防ぐためにも俺は行かなければならないんだ」
297ガイレイジャープロジェクト:2006/06/17(土) 18:58:53 ID:XB0J0SH50
「だったら俺が!」
 「思い上がるな!」
 猛は遼の頬を叩いた。叩かれた遼はその場に倒れてしまった。
 「お前はやらなければならないことがあるだろう!これから邪神との闘いはますます激化するだろう。そのためにもお前には生き残って欲しいんだ」
 「に、兄さん…」
 「それに俺はこんな身体にされた身だ。もうお前たちのもとへは戻る事は出来ない」
 遼は猛の身体を見た。鎧に覆われた無骨な身体…。そこにはもうかつての猛の肉体は無かった…。
 「そうか…。父さんたちに逢わないつもりなんだな…」
 「すまない、遼…。こんな兄を許してくれ」
 猛はダルクリアンのコックピットに乗り込み、緊急停止レバーを引いた。
ダルクリアンはその場で停止した。
 「遼、やったのか?」
 ダルクリアンが停止したのを知った大樹たちは、凱零刃でダルクリアンを安全な場所に移動を開始した。
 「これでダルクリアンは元の持ち主の手に戻るだろう。それじゃあ遼、元気でな」
 このまま去ろうとする猛を遼は止めようとした。
 「待ってくれ、兄さん!どうしても行かなくちゃ駄目なのか!?」
 「このまま離れてしまえばダークホールを封印する機会を失ってしまう。だから俺は行かなければならないんだ」
 「…俺は兄さんのこと、小さい頃から尊敬していた。兄さんは俺よりも勉強が出来るし、運動だっていつも上だった。だからあの事故が起こったときの夜、俺は部屋で一晩中泣いたんだ。あんなに尊敬してた兄さんがいなくなっちゃうなんて…。
だからこうして兄さんに会えたときは嬉しかったんだ。なのにこんな形で別れなくちゃいけないなんて…。俺は、おれは…」
298ガイレイジャープロジェクト:2006/06/17(土) 18:59:26 ID:XB0J0SH50
「すまないな、遼。俺はお前たちに迷惑をかけてしまった。謝りたい事だっていっぱいある。だが俺はそれを償うためにダークホールを止める覚悟を決めたんだ。だから遼、自分を責める必要は無いんだ」
 「で、でも…」
 気を落としている遼に、猛は首にかけていたペンダントを遼の首にかけてあげた。
 「たとえ離れていても俺たち兄弟は一緒だ。このペンダントを俺だと思って大事にするんだぞ」
 猛は遼の首から手を離すと、近くの出口用ハッチを開けた。
 「それまでさよならだ、遼。お前に逢えてうれしかったよ」
 そう言うと猛はマントをウイングにしてダルクリアンを降りていった。
 「に、兄さーん!!俺はまだ話したいことがいっぱいあるんだ!だから戻ってくれよ、兄さん、にいーさーん!!」
 しかしその声は猛には届かなかった。遼は猛が行った跡をただ見ているしかなかった…。
299ガイレイジャープロジェクト:2006/06/17(土) 19:00:01 ID:XB0J0SH50
「なぜだ、なぜコントローラーが利かないのだ?!」
 ダルクリアンが自分のコントロールから離れてしまったため、痺れを切らしていたシュペルターはコントローラーを地面に叩き落とした。
 「ちくしょう、失敗したのもすべてサージェンが悪いのだ。今度やつに会ったらただじゃすまさん!!」
 「何が悪いんだって?」
 怒っているシュペルターの後ろに、シャドウの二人が立ち並んでいた。
 「お、お前たちは?!」
 「見ての通りお前に仲間を殺されたシャドウセイバーズだ。シュペルター、今度こそ師匠たちの仇をとらせてもらうぞ」
 「またお前らか。悪いけどお前らに付き合っている暇は無いんでね、これで失礼させてもらうよ」
 シュペルターはそう言いながら逃げようとしたそのとき、目の前にサージェン=猛が立ちふさがった。
 「サ、サージェンか。ちょうどいい、やつらを倒してくれ」
 しかし猛はシャドウではなく、シュペルターに剣を向けた。
 「い、一体どういうことだ」
 「シュペルター、お前にはさんざん世話になった。そのお礼としてわざわざここに来たのだ」
 「一体どうなってるんだ」
 敵が味方であるシュペルターに剣を向けているのだ。シャドウの二人は何が何だか分からないまま様子を見ていた。
 「お、お前、裏切る気か?」
 「裏切るも何も、俺は最初からお前らの手下になったつもりは無い!!お前らは俺をさんざん利用してきたからな!その礼はさせてもらうぞ!!」
 「ちょ、ちょっと待て!」
 猛がシュペルターに斬りかかろうとしたとき、フォルスが止めに入った。
 「シュペルターは俺たちの仇だ。それなのになぜあんたが討つ必要があるんだ?」
 「こいつにはまだ聞きださなければならないことがある。そのために俺はわざわざここに来たのだ!」
300ガイレイジャープロジェクト:2006/06/17(土) 19:00:41 ID:XB0J0SH50
「…どういうことだ?説明してくれ!」
 「こいつはな、街の中に巨大なダークホールを出現させ、邪神王を復活させるつもりなんだ!」
 猛が行った事実に、シャドウの二人は驚きを隠せなかった。
 「じゃ、邪神王が」
 「復活するですって――!?」
 「そうだ。そのためにも俺はダークホールを塞がなければならない。その方法をこいつが知っているんだ!」
 「クッ、ククククククククッ」
 猛が行った言葉に反応してか、シュペルターは急に笑い出した。
 「お前もめでたい奴よのぉ。そのためだけにわざわざここまで来たというわけだ。だったら冥土の土産にでも聞かせてやろう。ダークホールを止めるには、闇に染まった者がその身を犠牲にしなければいけないのだ。
だが、それを止めようとしても無駄だぞ。すでにダークホールは開きつつあるのだからな」
 「…そうか、それだけ聞けば十分だ。こいつの事はお前たちに任せる」
 猛はシュペルターをシャドウの近くまで突き飛ばした。
 「どうするつもりだ?ま、まさか、ダークホールを塞ぐ気か?」
 「最初から覚悟は出来ていたさ。シュペルターはお前らの好きにしろ。俺は、行かねばならない…!」
 そう言って猛は去って行った。
 「…ありがとう、サージェン…!」
 フォルスはなぜかサージェンに礼を言っていた。
 「さて、あとはあいつを倒すだけだな」
 しかしシュペルターはどこかへと逃げ出した後だった。
 「アダンテ、あいつはどこに行った?」
 「すいません、こっちに飛ばされたはずなんですけど…」
 「何てこった!せっかくのチャンスを…!」
 フォルスは悔しさのあまり地面に拳を打ち込んだ。
301ガイレイジャープロジェクト:2006/06/17(土) 19:01:19 ID:XB0J0SH50
ダークホールに着いた猛はその大きさに驚いていた。
 「いかん、もうこんなに大きくなっている」
 これ以上大きくなると自分の力では防ぎきれなくなる…そう思った猛は覚悟を決めた。
 「これで間に合うかどうか…」
 猛はダークホールの真ん中へ飛び降りた。飛び降りる瞬間、猛の頭の中で思い出が走馬灯のように走り去って行った。
 「親父…、俺がいなくなってからはどんなに辛く寂しく生きてきたんだろうな…。でもこれからは幸せに生きてくれ。智世、一目でいいからお前の笑顔を見たかったよ…。遼…、兄さんがいなくなってもたくましく生きろ!それが俺からの最後のアドバイスだ…!!」
 …そして猛はその身と引き換えに、ダークホールを封印したのだった…。
 ダークホールの消滅をはるか遠くで見ていた遼は、兄の最後に涙した。そして誓った。もうこんな事は終わりにしようと…。
 「俺は、もう兄さんのような人を増やしたくない。だから一刻も早くこの戦いを終わらせるんだ…、俺たちの手で…!」
 ダークホールを封印するためにその身を犠牲にした猛。遼たちはその勇姿を忘れることは無いだろう…。
 第11章終わり

【次回予告】
 切り札を封じられたシュペルターは量産型の魔界戦車を使い、最後に作戦に出る。迎え撃つ凱零刃とダルクリアン。しかし激闘の最中に魔界の扉が開き、邪神が復活し始めてしまった!
 烈空戦騎ガイレイジャー第12章! 「邪神復活のとき!」
 地上界が闇に包まれる…
302ガイレイジャープロジェクト:2006/06/17(土) 19:17:31 ID:XB0J0SH50
ガイレイジャー第11章をお送りしました。前回サージェンの正体が明らかになりましたが、
今回はサージェン=猛とブラス=遼との別れが書かれます。天界族の血を受け継ぎながら邪神
の配下に入ってしまった(とはいっても無理やりに、ですが)猛は、罪を償うかのようにダーク
ホールを封印する手段に出ます。しかし次回はその封印をシュぺルターは破ろうとします。果たして
遼たちはそれを止めることができるのでしょうか?
〉〉286さん
サージェンが遼の兄、猛というのは最初から決めていたわけではありませんでした。書いているうちに
『サージェンを遼の兄にしたほうがドラマがより深くなるのでは?』と思ったので付け加えました。
ジェネシスの設定はありがたく使わせていただきます。ありがとうございます。
))291さん
13章は第1部のクライマックスですから、総集編にはなりません。〈小説だからそれが書きにくいと
いうのもありますけど)しかし意外な人物が勝利の鍵を握ってます。それは誰なのかはお楽しみです。
))292 さん
いいところをついてきましたね。第13章ではついに最強の合神ロボが誕生します。そのきっかけになる
アイテムとは何なのかは、見てのお楽しみです。
303ガイレイジャープロジェクト:2006/06/17(土) 19:19:39 ID:XB0J0SH50
書き忘れましたが、今回の設定集はお休みです。その代わり次回は2本立てでお送り
しますのでお楽しみに。
304ガイレイジャーサポーター:2006/06/17(土) 21:17:19 ID:8/8LT5BN0
>>286=ガイレイジャーサポーターです。

ガイプロさんへ、11章拝見しました。
遼の兄・猛=サージェンとの再会もつかの間、ダークホールへ飛び込んで
邪神の復活を阻止するときはグッときました。
次回も楽しみにしてます。


305名無しより愛をこめて:2006/06/18(日) 13:06:48 ID:Pkebv9r70
ガイレイジャー第11章を拝見しました。サージェンの正体が遼の兄である猛だということから始まって、
再開、そして別れとうまい具合に話が進んでいって最高によかったです。そして猛が身を呈してまでダークホール
を封印する場面は、もう涙なしでは見られませんでした。次回は第1部の終盤ということもあって、否応なしに
盛り上がりますね。兄を失った遼がどう立ち向かうのかが気になります。次回も楽しみです。

306名無しより愛をこめて:2006/06/22(木) 17:19:21 ID:TpL+cwk60
次回と次々回はいよいよ第1部での最終決戦ですね。
果たしてガイレイジャーはシュペルターの企みを止めることができるのでしょうか?
今から楽しみです。
307ガイレイジャープロジェクト:2006/06/24(土) 16:17:40 ID:PtccnhmA0
邪神復活のとき!

 死闘の末ダルクリアンを取り返すことに成功したガイレイジャーとシャドウセイバーズ。しかし遼は猛を失ったショックで落ち込んでいた。
 「一体どうしたんだ、あいつは」
 天空寺のガレージに来ていた疾風は、近くの椅子に座っている遼を見て不思議そうに思っていた。
 「サージェンが兄だったことと、その兄がダークホールを封印するために犠牲になったことが相当ショックだったんだろう。今はそっとしておいたほうがいい」
 遼に代わって運送の手伝いをしている大樹が奥から現れた。
 「そうだったな…。あいつの兄貴には俺たちも助けられたからな…。とりあえず心の傷が癒えるまでそっとした方がいいみたいだな」
 「それよりもお前、まだ運ぶのが終わってないぞ。お前が手伝うって言い出したんだからな。早くやれよ」
 「分かったよ、大樹の兄貴。それにしても今日はやけに荷物が多いな」
 脇に置いてある配達用の荷物を見て、疾風はげんなりしていた。
 「今日はこのほかにもあと一回あるそうだ。あいつの分までがんばろう」
 「ひえ〜、運送ってこんなに疲れるなんて思ってもみなかったよ」
 疾風は荷物を運びながら、もうこんな仕事なんて真っ平ごめんだ、と思うのだった。
308ガイレイジャープロジェクト:2006/06/24(土) 16:18:28 ID:PtccnhmA0
一方魔界に戻ってきたシュペルターは工場内である物を製造していた。
 「ダークホールを出現させるのは失敗したが、まだ私には奥の手がある」
 自動工場で次々と作られる魔界戦車。これは凱零刃に破壊されたガードックの量産型であった。
 「この改良されたガードック量産型を使って邪神の封印を解けば、ガイレイジャーと云えども太刀打ちすることなどできないだろう。そして邪神様の手で暗黒世紀が始まるのだ」
 工場内に響くシュペルターの笑い声。それを隅のほうで見ていたエディスはシュペルターに不安と恐怖を感じていた。
 「わしが製作したガードックを使ってあんな事を企てるとは…。恐ろしいやつよ、シュペルター」
 エディスは昔サージェンが言っていたことを思い出していた。
 …あれは数年前のことだったな。わしとサージェンが会ってそんなに経っていなかったある日の出来事だった。
 『エディスとか言ったな。お前は魔界の秩序をどう思っている?』
 それはわしにとって思いもしなかった質問だった。それでわしはこう答えた。
 『あって当然のことだろう。秩序なんてあって当然だとわしは思うが』
 『果たしてそうかな…。秩序というものはいつかは壊れるもの。魔界の秩序にほころびが生じるとき、そのときこそ魔界そのもののバランスが失うときだろう』
 そのときのわしにはそんな事は気にはしなかった。しかし今は一人の男のせいで魔界の秩序が別な方向へと迷走し始めている。あのサージェンの行動も狂った秩序をなくすためのものだったのだろう。もはやあの男を止める術は無いかもしれない。
だがもし止めるものがいるとしたら…。疑問を抱きながらエディスは工場を後にした。
309ガイレイジャープロジェクト:2006/06/24(土) 16:19:00 ID:PtccnhmA0
 「…まだ落ち込んでるのかよ、あいつは」
 なかなか立ち直れない遼に、疾風は次第に痺れを切らしていた。
 「お兄さんを失ったショックが大きかったんですよ。私たちが声をかけたらかえって逆効果ですよ」
 「もしかしたらずっとこのまま、なんてことは無いよな…」
 疾風とゆかりはそんな遼が心配だった。兄を失ったショックが大きいのではないかと…。しかし大樹はそう思わなかった。
 「あいつは立ち直りが早い方だからな、心配する事はない」
 「とはいってもなぁ…。もしこんな時にでも邪神軍が現れたらどうするんだよ…」
 そのとき、チェンジャーから偵察に出ていた有紀と海から通信が入ってきた。
 『大変です、邪神軍の戦車が数機、近くの町に現れました!』
 「こんなときに…。どうする、大樹の兄貴」
 「仕方ない、私たちで何とか食い止めるんだ」
 大樹たちが出撃しようとしたとき、ゆかりが遼の方を見て驚いていた。
 「遼ちゃん、大丈夫なの?」
 「ゆかりさん、俺はもう大丈夫だ。邪神軍が暴れてるのに俺だけ落ちこんでるわけにはいかないだろ」
 遼は椅子から立ち上がって大樹たちのそばに駆け出して行った。
 「さすがは遼だな。このくらいの事で落ち込むやつではないと思ったよ」
 「もうこれ以上奴らの好きにはさせたくないんだ、いくぞ大樹、疾風!」
 そう言って遼は外へ飛び出して行った。
 「私たちも急ぐぞ、ついて来い疾風!」
 「おいおい、待ってくれよ」
 三人は急いで現場へ向かうのだった。
310ガイレイジャープロジェクト:2006/06/24(土) 16:19:58 ID:PtccnhmA0
「いよいよ邪神王様復活の時が来た。ドクロ兵パイロット達よ、ガードックを指定の位置まで移動させるのだ」
 シュペルターの指示にしたがって、6台のガードックは指定の位置に移動を始めた。
 「ガードックに搭載された結界破壊砲を六方向に照射してダークホールの封印を破るのだ。そうすれば邪神王様の復活を果たす事が出来る」
 シュペルターは猛が身体を張って封印したダークホールの封印を解こうとしているのだ。そしてダークホールを使って、封じ込められている邪神王を地上界に復活させようとしているのである。
 5台のガードックの移動が終わり、あと1台が指定の位置に到着しようとするそのとき…!
 「そんな事、させてたまるか!」
 空から凱零刃が降りてきて移動中のガードックに攻撃した。
 「し、しまった!やつらめ、移動中を狙ってきたか!」
 ガードックは対空砲で応戦するが、結界破壊砲のチャージ中だったので決め手が無かった。そのため、凱零刃に脚部を斬られてしまった。
 「どうだ、動けなくしてやったぜ」
 予想していなかった事態に、シュペルターはあせっていた。
 「仕方ない、5台だけでも準備に取り掛かれ!凱零刃の相手はこいつがやる」
 シュペルターは魔力で近くにあった重機を合体させて、巨大ドクロイドを作り上げた。
 「お前らの相手はこのジャンクキングだ。覚悟しろよ、ガイレイジャー!!」
 ジャンクキングは凱零刃に襲い掛かった。
 「たかがジャンクじゃねえか、こんなもんぶっ壊してやるぜ!」
 しかしジャンクキングのパワーに苦戦する凱零刃。力負けしてついに片膝をついてしまった。
311ガイレイジャープロジェクト:2006/06/24(土) 16:20:40 ID:PtccnhmA0
「パワーではこっちの方が不利だ。距離を置いて戦うしかない」
 「そんなの分かってるよ、でも早くこいつを倒さないと封印が解かれちまうんだ。ここは何とかして倒さねえと」
 あせるブラス=遼。しかしマックス=大樹はそんな遼を叱咤した。
 「早く倒したいというお前の気持ちはよくわかる。だが闇雲に突っ走っては倒せるものも倒せなくなる。ここは落ち着いてあちらの様子を見たほうがいい」
 「大樹さんの言うとおりだよ。もっと冷静にならなくちゃ」
 二人の言葉に遼は我に返った。
 「…ごめん大樹、海。俺、兄さんの仇だと思ってついカッとなっちまった。たしかに冷静にならないと駄目だよな。こんなときだから余計にな」
 遼=ブラスは深呼吸を二回ほどして、心を落ち着かせた。
 「よし、少し離れて攻撃するぞ」
 凱零刃は立ち上がり、ジャンクキングから距離をおいて攻撃する事にした。
 「このまま攻撃しながらダルクリアンが来るまで時間稼ぎをするんだ。ダルクリアンが来ればこちらにも勝機が生まれるはずだ」
 「了解だ。だが、どの位時間が稼げるかは分からんぞ」
 凱零刃の遠距離用の武器はそんなにあるわけではない。どちらかというと凱零刃は接近戦を得意とする戦騎なため、ある程度の距離での攻撃では致命傷を与える事が難しいのだ。
だが今のままでは接近戦で戦うことが困難なため、仕方なしに遠距離攻撃をする事になったのだ。
 「こいつ、笑ってやがるぞ」
 遠距離の攻撃力がそれほど無い凱零刃の攻撃を、ジャンクキングはせせら笑っていた。
 「あと少しだ、もう少し時間を稼げば疾風たちが駆けつけてくれるはずだ」
 しかし決定打を失っている凱零刃では、とても時間を稼ぐ事は難しくなっていた。次第に追い込まれていく凱零刃。もう駄目かと思ったそのとき…!
312ガイレイジャープロジェクト:2006/06/24(土) 16:24:57 ID:PtccnhmA0
突然遠方からビームが来て、ジャンクキングを攻撃した。
 「やっと来てくれたか、戦友よ!」
 修理が終わったダルクリアンが駆けつけてくれたのだ。
 「わりいな、こいつの修理に手こずっちまったんでな」
 「でも、もう大丈夫ですよ、ダルクリアンは100%のパワーで戦えます!」
 完全復活したダルクリアンは、ショルダーキャノンでジャンクキングの頭を攻撃した。頭を破壊されたジャンクキングは思わずしりもちをついてしまった。
 「よっしゃー!これで何とか倒せるぜ!!」
 疾風=フォルスは勝利へのガッツポーズを取っていた。しかし、ジャンクキングは壊れた頭を近くのジャンクを使って修復した。
 「そんなのありかよ」
 「だから安心しちゃ駄目なんですよ。ここは2機の戦騎が協力しないと勝てない相手なんです。まずは僕達が遠距離でジャンクを食い止めますから、
その隙に凱零刃は後ろから接近戦に持ち込んでください」
 「分かった。聞いたかブラス、ダルクリアンが攻撃している隙に、私たちは接近戦で攻撃するぞ」
 それに答えたブラスは、ダルクリアンが攻撃している隙に凱零刃をジャンクキングの後ろ側に回り込ませ、攻撃の構えを取った。
 「烈空剣、唐竹割り!!」
 ジャンクキングの体が真っ二つに切り裂かれた。しかしその体から球体みたいなのがでて、周りにあるジャンクや機械等を取り込んで新たな身体を作り出した。
 「これじゃあきりがねえぜ」
 「でもこれではっきりしました。あのドクロイドはあの球体のコアが本体なんです。そこを破壊すればいいんです」
 「なるほど、だったら手っ取り早くコアを破壊しちまおうぜ。早くしねえと封印が解かれちまう」
 凱零刃とダルクリアンは前後から挟み撃ちにして攻撃した。しかしジャンクキングの身体に致命的なダメージを負わせることが出来なかった。
313ガイレイジャープロジェクト:2006/06/24(土) 16:25:33 ID:PtccnhmA0
 「さっきより体硬くなってないか?」
 「だな。もしかしたら倒せば倒すほど強くなるんじゃないのか?」
 厄介な敵にブラスたちは何か良い方法が無いかと考えていた。
 「コアを破壊すればいいんだから…コアを引きずり出せば良いんじゃないか?」
 突然ひらめいたブラス=遼はジャンクキングを倒す方法を考え出した。
 「お前な、どうやって引きずり出すんだよ。相手は強くなってるんだぜ」
 「いいえ、引きずり出す方法が一つだけあります。それには二体の力を合わせなければいけません」
 有紀=アダンテの提案に一同は耳を貸した。
 「あのドクロイドを倒すには、一度身体を破壊しなければなりません。完全に破壊した後にコアを取り出して消滅させればいいんです」
 「とはいっても、どうやって破壊すればいいんだよ?俺たちの攻撃は効かないんだぜ」
 「まだ試してない技があるんです。今から僕たちが攻撃しますから、その後にコアを破壊してください」
 ダルクリアンはジャンクキングから離れ、必殺技の体勢に入った。
 「くらえ、ハイパーグラヴィトンウエイヴ!」
 胸からエネルギー波が発射され、ジャンクキングの身体をボロボロに砕いた。
 「今です、コアを破壊してください!」
 「いくぜ、スパイラルドリル!!」
 凱零刃のドリルがジャンクキングのコアを貫いた。コアは無数のひび割れを起こして粉々に粉砕された。
 「やったな」
 「まだ安心するのは早いぜ。残りの魔界戦車を止めねえと」
 二体の戦騎は魔界戦車が集結しているダークホールの封印場所に向かって行った。
314ガイレイジャープロジェクト:2006/06/24(土) 16:26:06 ID:PtccnhmA0
 一方5台の魔界戦車を封印場所に集結させたシュペルターは、封印を解く為の儀式を始めようとした。
 「ドクロ兵達よ、結界破壊砲の準備をするのだ!」
 魔界戦車に乗っているドクロ兵はいっせいに準備を始めた。まず魔界戦車を指定の位置に移動、それぞれの場所に移動した戦車はアンカーで車体を固定して衝撃に備える。そして結界破壊砲のチャージを始めるのだ。
 「そうだ、その調子だ。これで邪神王さまの復活も近いぞ」
 しかしその直後、5台の魔界戦車が集中放火を受けてしまった。凱零刃とダルクリアンが魔界戦車を狙っているのだ。
 「やつらめ、ジャンクキングを倒したな。だがもう遅いぞ。結界はもう少しで破られるのだからな」
 2機の戦騎の攻撃を受けてもなお放射を続ける魔界戦車。だが集中砲火を受けた戦車からは火を吹き始めているのもあった。
 「もう少しだ、もう少しで結界が破ることが出来る」
 次々と火を噴いてしまう魔界戦車。だが結界は次第に破られていくのだった。
 「このままだと邪神の封印が解かれてしまうぞ」
 「そんな事言ったって近づく事が出来ないんだからしょうがねえだろ」
 「とはいってもこのままじゃ兄さんが封印したダークホールが復活しちまう。俺たちが身体を張ってでもこいつを止めねえと地球は邪神の手に落ちてしまうんだ」
 凱零刃とダルクリアンは邪神王復活を阻止しようとしてダークホールの側まで近づいて行った。だが強力な結界のせいで上手く進む事が出来なかった。
 「だめだ、結界が強くてこれ以上進めない」
 「何とかして止めないと開いてしまうぞ」
 機体から火を噴きながら魔界戦車は次々と結界を解いていった。そして…!
 「いよいよ邪神王様が復活する。とくと見よ、ガイレイジャーども!」
 すべての魔界戦車が破壊すると同時に、ダークホールの封印は開いてしまった。ダークホールは次第に大きくなり、その中から邪神王の手が出現した。
 「もうだめなのかよ…」
 「諦めるな、俺たちは邪神の復活を止めなくちゃいけないんだ!」
 遼の声がダークホールにこだました…。
 第12章 おわり
315ガイレイジャープロジェクト:2006/06/24(土) 16:26:47 ID:PtccnhmA0
【次回予告】
 邪神王が復活するとき、世界は恐怖の渦に包まれる…。果たして遼たちは邪神王の復活を止める事が出来るのか?
邪神のパワーを得たシュペルターに追い詰められたとき、ガイレイジャー達に奇跡が起こる。
 烈空戦騎ガイレイジャー第13章!「奇跡の合神!騎覇王凱零刃」
新たな力は世界を救えるか?
316ガイレイジャープロジェクト:2006/06/24(土) 16:34:12 ID:PtccnhmA0
第12章をお送りしました。
いよいよ第1部のクライマックスにはいってきましたガイレイジャー。
今回と次回で一応の区切りをつくこととなります。
ガイレイジャーサポーターさんの期待にこたえて第2部も頑張っていきます。どうぞご期待ください。
第2部ですが、新たな敵幹部が二人登場します(そのうちの一人は女性です)。ガイレイジャー側にも新たな仲間が
登場しますのでお楽しみに。
最後に前回では休んでしまった設定集をお送りします。今回はシャドウセイバーズの二人と世界観の設定です。
どうぞご覧ください。
317ガイレイジャープロジェクト:2006/06/24(土) 16:35:01 ID:PtccnhmA0
剣峰 疾風(けんみね はやて)
 
 21歳。シャドウ流の正統後継者で、あらゆる武術・戦術をマスターしている。そのため、師匠である獏山からシャドウマスターの称号を与えられた。
だが獏山が殺されてからはその力を復讐のために使う事を決意する事となる。シュペルターに復讐の炎を燃やす彼だが、本来は気さくで明るい性格である。
シャドウチェンジャーで変神してシャドウマスターフォルスになる。

甲野有紀(こうの ゆき)

 18歳。疾風と同じくシャドウ流の正統後継者。主に隠密・探索を行なう、忍びのプロ。疾風のよき理解者で、幼馴染でもある。
熱くなりやすい疾風に対して、過酷な戦場を冷静に判断できる能力を持つ。同じ称号を持つ者としてではなく、疾風が心配だからという理由
で一緒に同行している、世話焼きさんである。そのためでもあるが、性格は優しく、おとなしい。しかし悪に対しては勇敢に立ち向かっていく、
芯の強さがある。シャドウチェンジャーでシャドウソルジャーアダンテに変神する。
318ガイレイジャープロジェクト:2006/06/24(土) 16:37:03 ID:PtccnhmA0
【ガイレイジャーの世界観】1

ガイレイジャーの世界は大きく3つに分かれている。わたし達が住んでいる地上界、善神が護っているといわれている天上界、そして邪神族が支配している魔界である。
【天上界】
天上界はかつて外宇宙から飛来した宇宙人が創造した浮遊大陸で、宇宙人が選んだ地上人、もしくはその技術を学んだ人物を
天界人と呼ばれている。そのため、天界人は人間と変わりない姿をしている。彼らは宇宙人、もしくは宇宙人と一体化して意思を
受け継いだものを善神とよび、地球の防衛のためにガイレイジャースーツや戦騎などの装備を開発していた。その後邪神軍が地上に出現したとき、
選ばれし勇者がガイレイスーツを着て戦ったといわれている。数々の犠牲を出した天界は、次の戦いに備えて天上界を地球から離れさせ、
静かな眠りについた。そのこともあってか、天上界の存在自体が忘れられていき、現在に至っている。邪神が復活するその日までは…。
【魔界】
どうやって生まれたのかがはっきりと分かっていない魔界は、いまだに謎が多い世界である。混沌から生まれたのではないかと説もあれば、
元々は人間界の一部が別次元に飲み込まれて魔界になったのではないかという説もある。いつの頃からか邪神の存在が確認され、(邪神は罪を犯した
宇宙人が魔界へ流れ着いたという説もある)邪神を護る邪神軍が誕生し、魔界を支配していったと言われている。そして邪神軍が地上へと進出したとき、
天上界からの攻撃を受けたのだった。天界軍の攻撃を予想していなかった邪神軍は次々と援軍を送り込んだが、天界軍の中心である善神ヴィーダによって
邪神王の本体を封印され、地上界への入り口も封印されてしまった。その後も邪神軍は地上界への進出をしようとしたが、封印に阻まれて地上界に出る事が
出来なかった。その後数千年の時が流れ、封印の効力がなくなり始めたときに再び地上界に進出し始めたのだ。
319ガイレイジャーサポーター:2006/06/24(土) 21:02:03 ID:dK8tTw5n0
早速、12章見ました。
もう地上は闇に飲まれるのか、それとも奇跡が起こるか楽しみです。
320名無しより愛をこめて:2006/06/25(日) 10:17:48 ID:hgEfSmqQ0
第12章拝見しました。
シュぺルターの最後の切り札、量産型魔界戦車や、
それを阻止する遼たちガイレイジャーの活躍がうまく絡んでいます。
次回は最強形態の凱零刃が登場するので楽しみです。
321名無しより愛をこめて:2006/06/27(火) 19:27:40 ID:Tib37ZM00
次回はいよいよ第1部のクライマックスだね。
しまりのある幕引き、おねがいします。
322名無しより愛をこめて:2006/06/27(火) 20:00:42 ID:k8VapyQgO
二部で使ってほしい
ドクロイド

ギガギムシ
クマムシ型巨大ドクロイド召喚されてから5分しか活動できないがその間は何をされても平気だが5分経つと…
戦闘員タイプのメガメガムシもいる
323ガイレイジャープロジェクト:2006/07/01(土) 14:35:24 ID:25yL0Mie0
第13章 奇跡の合神!騎覇王凱零刃

 いま世界は闇に包まれようとしていた。ダークホールの封印が解かれて邪神王の本体が目覚めようとしているのだ。それを阻止しようと凱零刃とダルクリアンは必死で邪神の復活を止めようとしていた。
しかしダークホールからあふれ出るダークエネルギーのせいで身動きが取れないでいた…。
 「このままだと邪神が復活してしまう!」
 「とはいっても近寄れないし動けないんじゃどうしようもねえよ」
 凱零刃とダルクリアンは魔界戦車を攻撃してダークホール発生を止めようとしたが、破壊してもすでに止める事が出来なくなっていた。
 ダークホールの拡大の影響で周りの街にも避難勧告が出され、市民は安全な場所へと避難していた。
 「このまま世界は闇に包まれてしまうんでしょうか…」
 車で非難場所へと移動しているゆかりは不安そうだった。
 「大丈夫、遼君たちが何とかしてくれるだろう」
 そこへ、別の車が教授たちの車の側まで来た。天空字運送のバンだ。
 「皆川さん、そっちの方は大丈夫かい?」
 宗一朗が皆川教授に話しかけてきた。
 「ええ、大丈夫ですよ。それより宗一朗さんの所はどうです?」
 「こっちはあわてて荷物を積んだからもう大変でしょうがなかったんだ。智世なんか色々持っていきたいって言い出すから、こっちも困ってね」
 「そうですか、私たちも早くここから離れましょう。闇がもうすぐここを飲み込んでしまうでしょうから」
 渋滞の中、2台の車は山の方へと避難して行った。
324ガイレイジャープロジェクト:2006/07/01(土) 14:36:02 ID:25yL0Mie0
 「いいぞ、この調子で邪神王様を復活させるのだ」
 ダークホールの拡大を空から見ていたシュペルターは最後の儀式に入ろうとしていた。
 「後は邪神王様の魂を本体と融合させれば、完全復活できるはずだ。邪神像よ、我の前に来るのだ!!」
 だが邪神像はシュペルターの前には現れなかった。
 「どうしたというのだ?邪神像が現れないと邪神王様は復活しないというのに?なぜ現れんのだ?」
 シュペルターはダークホールの方を見た。ダークホールの径がこれ以上広がらないではないか。
 「おかしい、どういうことなのだ?これでは邪神王様が復活する前にホールが閉じてしまうではないか」
 シュペルターはなぜダークホールが広がらないのかを考えてみた。そして考えていくうちにあることに気付いた。
 「そうか…6台あった魔界戦車のうちの1台が破壊されたからだ…!そのために出力が足りなくて完全にダークホールの封印が解かれなかったのだ…」
 ダークホールからエネルギーの供給が足りないため、邪神像が引き寄せられない。そう考えたシュペルターは自ら邪神像を取りに魔界へ帰ろうとした。
だがシュペルターは後ろに誰かの気配を感じて振り向いた。
 「…エディス。お前、いつの間に来ていたのか」
 そこには浮遊マシンに乗ったエディスがいた。
 「シュペルターよ、もはや邪神王の復活はかなわん。他の方法を考えるべきだ」
 「お前、この私に指図するつもりか…!お前だって邪神王様の復活を望んでいるのではないのか?」
 「確かにわしは邪神王の復活を望んでいる。しかしこの有様を見ろ。ダークホールはもはや完全には開かぬではないか。今回は諦めて他の方法を考えるべきだ」
 しかしシュペルターはエディスの言葉を聞かずに食って掛かった。
 「他の方法を考えろだと…?私はこの作戦にすべてをかけたのだ。もはや後戻りはできないのだ」
 「だったら好きにするんだな、わしはどうなっても知らんからな」
 エディスはさっさと帰っていってしまった。
325ガイレイジャープロジェクト:2006/07/01(土) 14:37:21 ID:25yL0Mie0
「だがエディスよ、ダークホールは不完全ながら邪神王様の本体を目覚めさせてくれたぞ。見よ、ダークホールから邪神王様の手が出てきているではないか!」
 不完全なダークホールから邪神王の手が少しずつ出現してきた。シュペルターの計画は失敗したわけではなかったのだ。
 それを見た遼たちは驚きの顔を隠せなかった。
 「バカな、魔界戦車はすべて破壊したはずだ」
 「おそらく不完全ながら邪神本体を目覚めさせてしまったのでしょう。このままだと本体がダークホールから出てしまいます!」
 少しずつ邪神の右手が姿を現していく。このままだと魂の無い邪神王が世界を火の海にしてしまうだろう。
 だが、奇跡がおきた。邪神王の右手が出た瞬間、ダークホールが再び閉まり始めたのだ。猛が施した封印は効力を失ってはいなかったのだ。急激に縮み始めたダークホールは、邪神の右手を残して消滅して行った。
 「兄さん…俺たちのことを護ってくれたんだな」
 遼は兄の面影を見た気がした。そして猛が空の向こうから微笑んでいるように見えた。
326ガイレイジャープロジェクト:2006/07/01(土) 14:38:16 ID:25yL0Mie0
「サージェンめ、後一歩というところで邪魔しやがって…!これで邪神王様が復活できなかったじゃないか…!」
 邪神王復活を阻止されたシュペルターは地団駄を踏んでいた。
 「このままではすまさんぞガイレイジャー!お前たちだけでも地獄に送ってやるぞ…!」
 シュペルターは地上に残った邪神王の右手を見下ろした。
 「…まだ生きていらっしゃる。さすがは邪神王様、なんとすばらしい生命力でしょう」 
 ダークホールがあった邪神王の右手が動き始めたかと思うと、さっき動きを止められて鎮座した魔界戦車と融合した。融合した魔界戦車は大きく形を
変えて巨大な化け物と化した。
 「おお、魔界戦車が邪神王様の手と融合して最強のマシンとなったぞ。名づけるとしたら魔王戦車・グランガードックとでもつけようか」
 魔王戦車グランガードックは街に向けて歩き始めた。
 「おい、あれは一体なんだ?」
 いち早く異変に気付いた疾風が、ダークホールがあった場所を指差した。
 「…ありゃなんだ?」
 「もしかしたら、さっき封印したときに残された右手が魔界戦車と合体したのかも知れない」
 「さっさと壊した方がいいね」
 凱零刃とダルクリアンは魔王戦車に立ち向った。しかし邪神王の右手が融合した魔王戦車は二体の戦騎の攻撃をもってしても傷つける事ができなかった。
 「一体どうなってるんだ?」
 「邪神の力がこれほどとは思わなかった。このままではわたし達が束になっても勝てないだろう」
 「それじゃおいら達はこのまま負けちゃうの?」
 「それでも何とか倒すしかねえだろ!」
 凱零刃はもう一度魔王戦車に立ち向った。しかし戦車の口からでた糸のせいで身動きが取れなくなってしまった。
327ガイレイジャープロジェクト:2006/07/01(土) 14:39:11 ID:25yL0Mie0
 「くそっ、身動きとれねえ」
 凱零刃が脱出しようとしたとき、魔王戦車がダルクリアンの方へ突進してきた。
 「このやろう、力比べでもするつもりかよ」
 ダルクリアンは魔王戦車の角をつかみ、押し返そうとした。だが魔王戦車のほうがパワーは上だった。力負けして吹き飛ばされてしまうダルクリアン。そのままビルへとぶつかってしまった。
 「強いな、こいつ」
 「このままでは二騎とも倒されてしまいます。何とか策をとらないと…」
 「しかし手も足も出ない状態では…」
 そう言っているうちに、魔王戦車は二騎の前に立ちはだかっていた。

 「いいですぞ、一気に止めを刺して息の根を止めてください、邪神王様」
 魔王戦車が暴れているのを空から見ていたシュペルターは、駄目押しといわんばかりに魔王戦車を応援していた。
 その声を聞いたのか、魔王戦車は雄たけびを上げて二騎の戦騎に攻撃を仕掛けた。身動きが取れない二騎は攻撃に耐えるのがやっとだった。
 「何か、何かいい策はねえのかよ!?」
 「ここを脱出しない限りムリです」
 「このままおいら達死ぬのかな…」
 「諦めるな、まだ倒す方法があるはずだ」
 魔王戦車の攻撃に悲鳴を上げる4人。しかし、遼=ブラスだけはなぜか冷静になっていた。
 「…兄さん、教えてくれ。あいつ等に勝つ方法を…。俺たちは、まだ負けるわけにはいかない。この世界を、みんなの未来を救わなくちゃいけないんだ。
…だから兄さん、俺たちに力を貸してくれ…」
 すると遼の胸に架かっている兄のペンダントが光りだした。その瞬間、遼はふしぎな空間に立っていた。
328ガイレイジャープロジェクト:2006/07/01(土) 14:40:01 ID:25yL0Mie0
「ガイレイジャーブラス、いいえ、天空寺遼、あなたの護りたいという気持ち、確かに受け取りましたよ」
 光の向こうからどこかで聞いた声がこだました。
 「あ…あなたは…ヴィーダ!」
 「遼、あなたのこの世界を護りたい気持ちと、諦めない心が新たな力を生む事になるでしょう…。さあ、このカードをチェンジャーにスラッシュして
二騎の勇者を合神させるのです」
 「合神…?凱零刃とダルクリアンは合神できるのですか?」
 遼の質問にヴィーダは頷いた。
 「はい、二騎の戦騎は合神して新たな力になるのです。名づけて騎覇王凱零刃!!」
 「騎覇王…凱零刃…これで邪神を倒す事ができるんですね!」
 ヴィーダはにっこりと微笑むと、光の彼方へと消えて行った。それと同時に遼の体が光に包まれ、気が付くともとのコックピットに戻っていた。
 「ありがとう…、兄さん、ヴィーダ!」
 遼=ブラスは凱零刃を糸の呪縛から逃れようと、フルパワーで糸を引きちぎった。そして倒れているダルクリアン手を引いて立ちあげた。
 「遼、何か策があるのか?」
 「みんな聞いてくれ、これから凱零刃とダルクリアンを合神させる。もしかしたら失敗するかも知れない。そのためにもお前たちの命、
俺に預けてくれないか?」
 遼の言葉に大樹は決心した。
 「よし、勝てる方法があるなら私はお前に賭ける!みんなもいいな?」
 「もちろんOKだよ。おいらは遼さんのこと、信じるよ」
 「僕も信じます。このままやられるより、最後までがんばった方がいいですもの」
 みんなが賛成する中、疾風は少し迷っていた。
 「俺はお前の事を完全に信じたわけじゃねえし、お前に命を預ける気もねえ。だがこいつを倒せるならお前に力を貸してやってもいいぜ」
 「疾風…。よしみんな、合神するぞ、準備はいいか?」
 「OK!」
 遼はヴィーダに貰ったカードをチェンジャーにスラッシュして、スイッチを押した。
329ガイレイジャープロジェクト:2006/07/01(土) 14:40:42 ID:25yL0Mie0
『騎覇王フォーメーション、スタート』
 それと同時に凱零刃とダルクリアンは背中合わせになり、それぞれが分離した。凱鳳凰を中心にして、胸に凱獅子王が、肩を凱龍王が構成し、ダルサーペントが腰と足に、
ダルワイバーンが腕とバックパックに合神した。そしてバックパックから兜が降りてきて凱鳳凰の頭部にかぶさって騎覇王凱零刃が完成した。
 「騎覇王凱零刃、降臨!」
 騎覇王凱零刃は、魔王戦車に立ち向っていった。
 「何が騎覇王凱零刃だ、こんなもの魔王戦車の敵ではないわ!」
 業を煮やしたシュペルターは魔王戦車に乗り込み、騎覇王に挑んだ。
 「シュペルター!今日こそ決着をつけてやる!」
 騎覇王と魔王戦車のパワーは互角で、力比べでは決着がつかなかった。
 「ならばこれならどうだ!」
 魔王戦車から大量の糸が出て、騎覇王に絡んできた。
 「2度もそんな手を食うかよ!」
 遼は騎覇王剣で糸を切り落とし、糸が絡むのを防いだ。
 「むう、ならばこの魔王砲で止めを刺してやる」
 シュペルターは魔王砲を気は騎覇王に向けた。至近距離で魔王砲を発射するつもりなのだ。だがこんな距離では発射した側にもダメージが出るのは目に見えている。それだけシュペルターは必死なのだ。
 「くらえ、騎覇王凱零刃!」
 シュペルターは魔王砲を発射した。しかし…。
 「何だと、至近距離でもダメージ0だと?!」
 騎覇王の身体には傷一つついていなかったのだ。
 「すげえ、こいつにはガードシステムがついているのか」
 「遼、相手がダメージを追っている今がチャンスだ。必殺技で魔王戦車を粉砕するんだ」
 「よし、ファイヤーブレス!」
 騎覇王の胸の獅子から炎を吐き、魔王戦車をホールドした。そして背中のバーニアを噴射して高速で魔王戦車に向かって行った。
 「騎覇王剣、天王乱舞!!」
 騎覇王は魔王戦車を切り刻むと、そのまま後ろの方へと移動した。その直後、魔王戦車は大爆発を起こし、跡形も無く消えた。
 「やった…俺たちやったんだな…」
 「ああ、私たちの勝利だ」
 遼たちは強敵に勝利した。これでこの世界は救われたのだ…。
330ガイレイジャープロジェクト :2006/07/01(土) 14:45:52 ID:25yL0Mie0
「くそっ、ガイレイジャーめ、私の作戦を台無しにした恨み、忘れんぞ…」
 間一髪魔王戦車から脱出したシュペルターは、傷ついた身体を引きずりながら魔界へと帰ろうとした。
 「次こそはお前らを倒してやるぞ…」
  シュペルターが魔界の入り口に入ろうとしたとき、謎の二人組が彼の前に立ちふさがった。
 「あら、負け犬がこんなところにいるなんて、汚らしい」
 女性の方がシュペルターを見てこう言った。
 「仕方ねえだろ、こいつは自分のまいた種で失敗したんだからな」
 もう一人の男の方は、呆れた顔で見つめた。
 「この人、どうする?」
 「そうだな、まだ死なれては困るし、このまま帰らせても何をされるか分からないからな…」
 二人はこそこそと相談すると、シュペルターの両腕に手錠みたいなものをかけて、鳥かごみたいな箱の中へ閉じこんだ。
 「まだあんたにはやって貰わないといけない事があるからな、ここでしばらくいてもらうよ」
 シュペルターが入った箱を手のひらサイズに縮めた彼は、女性にそれを渡してトランクの中に入れさせた。
 「さて、これからどうする?」
 「ガイレイジャーを叩きのめす準備はまだ決まってないからな、これから魔界に帰ってから考えるよ」
 二人はそのまま魔界の扉へと去って行った。
331ガイレイジャープロジェクト :2006/07/01(土) 14:46:45 ID:25yL0Mie0
「これで仇を討つことが出来た。お前らのお陰だ」
 疾風と有紀は遼たちに礼を言った。
 「お前達はこれからどうするんだ?」
 「とりあえず一度故郷に帰るつもりです。でもまだ邪神は滅んでいませんから、邪神を倒すための手がかりを探そうと思います」
 「そうか、もし烈空の金貨を見つけたら私達に連絡してほしい」
 烈空の金貨の名前を聞いた疾風は、懐にあった金貨を三人に見せた。
 「もしかして、金貨って言うのは、これの事じゃないのか?」
 「間違いない、風の金貨だ。これはどこで手に入れた?」
 「大木の根っこに埋まっていたんですよ。そこで偶然発見したんです」
 「俺はこれを使ってシュペルターを倒そうとしたんだが、やつがいなくなったからこれはお前達にやるよ。まあ、礼って言えばいいのかな、
つまりだ、その…」
 「ありがとうって言いたいんだろ」
 すこし戸惑っている疾風に、遼は笑顔で答えた。
 「ああ…、ありがとう…すまねえな、こんなこと言えなくて」
 「俺達は仲間だろ、遠慮しなくてもいいんだよ」
 二人はガッチリと握手を交わした。これでガイレイジャーとシャドウセイバーズの蟠りは消えたのだ。
 「それじゃ、俺達はこれで失礼するぜ」
 「皆さんもお元気で」
 二人はこのまま去って行った。
 「さてと、俺達もみんなの下へ戻ろうぜ」
 「ゆかりさんがご馳走作って待ってるからね」
 海の言葉に二人はぞっとなった。二人にとってゆかりの手料理は口に合わない物なのだ。
 「あれ?二人ともどうしたの?」
 「い、いや、なんでもない」
 「食いたいなら俺たちの分も食ってもいいんだぜ」
 二人は反対の方へと走っていった。
 「ちょっと遼さん、大樹さん、そんなのゆかりさんに失礼だよ〜!」
 海は二人の後を追いかけて行った。こうして少しだけだがこの世界に平和が訪れた。しかし遼たちの災難はまだ続きそうである…。

第13章 終わり
332ガイレイジャープロジェクト :2006/07/01(土) 14:48:26 ID:25yL0Mie0
【次回予告】
 あの戦いから一ヵ月経ったある日の出来事、海はある女性と出会った。海はその女性と付き合っていくうちに恋を実らせていく。
 しかしその裏で新たな敵が出現、苦戦するガイレイジャー。一体彼らは何者なのか?
 烈空戦騎ガイレイジャー第14章!「新たな出会い、新たな敵」
 新たな闇を切り裂け、ガイレイジャー!
333ガイレイジャープロジェクト :2006/07/01(土) 14:58:27 ID:25yL0Mie0
ガイレイジャー第13章をお送りしました。
ついに第1部が完結しました。邪神の復活は阻止されましたが、遼たちにはまだ烈空の
金貨を探すという使命が残っています。第2部では烈空の金貨を中心に展開していきます
のでお楽しみに。次回はお休みします。また再来週お会いしましょう。
さて今回も設定集を掲載します。今回はドクロイド設定集の第2弾です。どうぞごらんください。
>>322さん
面白い設定ですね。これはいいアイディアですので、第2部の中ごろにでも出しましょう。
サポーターさん
今回無事第1部が完結しましたがいかがでしたか?ご感想を送っていただければうれしいです。
334ガイレイジャープロジェクト :2006/07/01(土) 14:59:32 ID:25yL0Mie0
ドクロイド全集 2
 
ダッシュタウロス
 第6章に登場。エディスが発明した魔弾丸によって誕生したヒューマンドクロイド第1号。人間をベースにすることで、知力を引き上げ、より精密な行動を可能にするために開発された。
 誕生させるためには、まずドクロイドのデータと邪神のつばを入れた魔弾丸を、人間の身体に撃ち込むことでドクロイドに変身する能力が生まれる。ヒューマンドクロイドの利点は、
人間世界にもぐりこませて人間界の情報収集をすることが出来る事、そして人間に気付かれずに潜入できる事である。
 ダッシュタウロスの実験材料になった鈴村は、体格がいいためにタウロスの被験者に選ばれた。タウロスになった鈴村だが、弾丸を摘出された時点でもとに戻ってしまった。そのため、
魔弾丸は更なる改良を余技なくされてしまうことになる。
 タウロス自体の戦闘能力は頭部の角で突進する「ホーンクラッシュ」と、強靭な肉体が武器である。タウロスの戦闘パターンはシンプルそのものなので、それ以上の武器は必要ないのだ。

特殊ドクロ兵
 ドクロ兵の中で選ばれたエリート兵、それが特殊ドクロ兵である。彼らは潜入・調査・狙撃など、特殊な任務に就く事が多い。しかしエディス側の特殊ドクロ兵はそれ以外の任務につくことも多い
(それは自らの意思でもあるのだが)。それだけエディスが信頼しているのだろう。他のドクロ兵もエディス側につきたいと願っているものが多いくらいなのだ。エディス配下の特殊ドクロ兵は、
隊長のオーランドの指示によって行動する。
335ガイレイジャープロジェクト :2006/07/01(土) 15:01:33 ID:25yL0Mie0
コマンドコヨーテ
 第7章に登場。特殊ドクロ兵隊長であるオーランドが魔弾丸によって変化したヒューマンドクロイド。高速戦闘が得意で、ヒット&アウェイ戦法を基本スタイルとする。
その戦法でカインを苦しめるが、麻衣のアドバイスによってスピードのリズムを読み取られて敗れてしまった。

ヘルメロディ アイン・ツヴァイ
 第8章に登場。シュペルターが魔力で生み出した二体のオルゴール魔人、それがヘルメロディである。ヘルメロディは基本的に行動をともにすることでその力を発揮する事が
出来るのだが、今回の作戦では別行動で出撃した。それでも単体での能力は他のドクロイドよりずば抜けていて、胸のスピーカーによる「メロディショック」は、音波によって
目標物を破壊してしまうほどの威力を持っており、スピーカーから出る催眠音波で周りの生き物を怪物にする「オルゴールの舞」も強力な武器である。
 さらにアインとツヴァイは合体する事が出来、ヘルメロディ・グレートになる。合体後はより強力な音波攻撃が出来るようになる。しかし結合部分が弱く、それを知られた
フォルスによって1度は分解された。その後、巨大化したヘルメロディは凱零刃によって倒されている。

二体のドクロイド
 第11章に登場した二体のドクロイド。それはシュペルターの生み出したドクロイドではなく、エディスが生み出したドクロイドであった。
 シュペルターはシャドウをおびき寄せるために他人のドクロイドをわざわざ持ち出したと思われる。(もちろんエディスには黙って)。おそらくシュペルターは魔法力を温存
していたのではないだろうか。黙って持ち出したため、シュペルターはこのドクロイドの名前を知らないで使っていたらしい。そのため、二体のドクロイドの連携はバラバラで、
シャドウにあっさり撃破されている。ちなみに二体のドクロイドの名前は「バトルドッグ」「ストライクキャット」であった。
336ガイレイジャープロジェクト :2006/07/01(土) 15:02:37 ID:25yL0Mie0
魔界戦車 ガードック量産型
 ダークホールを封印されたシュペルターが取った最後の手段、それが量産型魔界戦車に装備した「結界破壊砲」で結界を破壊する事であった。
全6台量産されたガードックは、六方からの正射で結界を破壊する予定だった。しかし凱零刃の邪魔が入り1台が鎮座、残る5台で結界を破ろう
としたが後一歩のところで結界を完全破壊する事が出来なかった。量産型は試作品で指摘された上からの攻撃に弱いという欠点を補うために、
「対空砲」を装備した。しかしこの量産型はむりやり結界破壊砲を装備したために出力が足りなくなり、対空砲までのエネルギーがまわせなくなって
しまった。そのため空から来た凱零刃によって1台が鎮座し、残る5台も二騎の戦騎によって破壊されている。
 
魔王戦車 グランガードック
 封印が完全に解除されないまま復活した邪神本体。しかし再び結界が発生されたために邪神本体は右手を残して封印させてしまった。しかし右手は鎮座した
ガードックに乗り移り、魔王戦車として復活した。邪神の右腕が宿っているためその戦力は魔界戦車と比べても桁違いである。武装は魔界戦車のものに加えて、
新たに出現した口から出るデスストリングスが主な武器である。これによって凱零刃とダルクリアンは苦戦を強いられてしまう。しかし奇跡の力で合神した
騎覇王凱零刃によって破壊された。
337ガイレイジャーサポーター:2006/07/01(土) 18:21:47 ID:vNGbEq1M0
第一部13章無事終了ってところですね。

サージェン=猛は生きているのか?
2部に登場の新たな幹部は、ガイレイジャーやシャドウセイバーズ
とどう戦うか、新戦士・ジェネシスの正体は誰かホント楽しみです。
338名無しより愛をこめて:2006/07/02(日) 11:23:32 ID:TmngEXUF0
第1部完結おめでとうございます。
さて次々回から第2部が始まりますが、新たな戦力(敵も見方も)が気になります。
なぞの2人組や新たな戦士、ガイレイジャージェネシスの存在もどうなるのか、楽しみです。
来週はお休みと言うことですが、充電期間ということなのでよりよい第2部を期待しています。
339名無しより愛をこめて:2006/07/02(日) 15:30:55 ID:jjnsVsnf0
第13章拝見しました。
ついに登場しましたね、騎覇王凱零刃が。今回の話ではまだすべての能力が出ていない
騎覇王ですが、これから激しくなる戦いには必要不可欠な存在になることでしょう。
次回のお話は再来週になるということですが、第2部のこともあるのではないかと
私は思います。再来週の連載再開、楽しみに待っています。
340名無しより愛をこめて:2006/07/04(火) 18:02:08 ID:1TB9OOzY0
次回はお休みか・・・。
再来週の第2部に期待。
341名無しより愛をこめて:2006/07/06(木) 15:37:44 ID:jxa6cnUC0
>>337
猛は第3部あたりで復活しそう。
>>338
新たな敵、いったい誰なのか楽しみです。ジェネシスはその次かな?
ガイレイジャーのピンチに駆けつけておいしいところ持っていっちゃう展開を希望。
342名無しより愛をこめて:2006/07/06(木) 15:43:52 ID:9d8s5rY5O
アトマイクス期待
343名無しより愛をこめて:2006/07/08(土) 17:48:47 ID:R4pSL16p0
ガイレイジャー、今日休みか・・・。
344名無しより愛をこめて:2006/07/12(水) 18:24:30 ID:Fd+aID0/0
次回あたりラブロマンスが出そう。
345名無しより愛をこめて:2006/07/13(木) 15:43:45 ID:5YUcguPu0
新幹部に期待。
特に女性幹部に。
346ガイレイジャープロジェクト:2006/07/15(土) 14:57:23 ID:XUvyzSwZ0
第14章 新たな出会い 新たな敵

 ダークホールを封印する戦いからしばらくの間は邪神軍の動きは無く、遼たちはそれぞれの場所に戻っていた。しかし烈空の金貨集めは続けられ、そのときだけ三人は顔をあわせる事になっていた。
 今日は金貨集めの日であり、遼たちは皆川教授の研究所に集まっていた。
 「よっ、久しぶりだな、大樹」
 「まだそんなに経っていないのに久しぶりなんていうな」
 「まあまあ、それより海ちゃん、遅いねえ」
 「まったくだよな、あいつガイレイジャーとしての意識が無いんじゃないか?」
 遼は呆れてしまっていた。

 みんなが心配しているその頃、海は急いで研究所に向かっていた。
 「うわ、完璧に遅刻だよ。急がなくちゃ」
 その瞬間、海は前に歩いている女性とぶつかってしまった。
 「ご、ごめんなさい。急いでいたもので」
 海は頭を下げて女性に謝った。
 「ううん、いいのよ。私もぼ〜っとしてたんだし。ごめんなさい、私、急ぐから…ああぅっ」
 彼女は立ち上がろうとしたが、足にケガをしたらしく、立ち上がることができなかった。
 「だ、大丈夫ですか?骨折れてませんか?」
 「大丈夫、足をひねっただけよ。このくらいなら何とか歩けるから…うぁっ」
 彼女は立ち上がろうとしたが、激痛ですぐにしゃがみこんでしまった。
 「足がはれ上がってる…これじゃ歩くなんてムリですよ」
 海は近くに落ちているサンダルを拾い上げ、彼女を抱っこしてあげた。
 「さあ、早く病院に行かなくちゃ。しっかりつかまって」
 そう言うと海は近くの病院までダッシュしていった。
347ガイレイジャープロジェクト:2006/07/15(土) 14:58:23 ID:XUvyzSwZ0
病院についた海は、医務室まで彼女を運んであげた。
 「ありがとう、あなた、優しいのね」
 「いいえ、困った人がいたら助ける、これがおいらのポリシーですから」
 彼女を椅子におろしてあげた海は、照れくさそうに言った。
 「それじゃおいらはこれで」
 「待って、お礼をしないと」
 「いいんですよ、ぶつかったのはおいらの方なんですから」
 「それじゃこれを」
 彼女は自分の名前が書いてある名刺を海に手渡した。
 「浅生…由梨…さん?」
 「私、あなたに迷惑をかけてしまって、後でお礼を言いたいの。あ、あとあなたのお名前も教えて」
 「おいらは磯原海。この近くに住んでるんだ。電話番号も教えるよ」
 海はメモに番号を書いて由梨に渡した。
 「もしもの事があったらここに電話してよ。それじゃ、おいらこれから行かなくちゃならない所があるから、これで失礼します」
 猛スピードで病院を出て行く海。その姿を由梨は尊敬に眼差しで見つめていた。
348ガイレイジャープロジェクト:2006/07/15(土) 14:59:32 ID:XUvyzSwZ0
 「ごめんごめん、遅くなっちゃって」
 海が研究所に着いたのは、午前10時過ぎだった。
 「お前な、一体何回遅刻すれば気が済むんだよ」
 「実は途中でトラブルが出ちゃって…」
 「まあいい。もう時間が無い。早く車に入れ」
 少し遅れてしまったが、一行は金貨探しに出発した。
 「…で、何で遅くなったんだよ?」
 後部座席に乗り込んだ遼は、隣に座っている海に遅れた理由を聞いた。
 「遅れた理由なんだけど…」
 海は女性を病院に運んだ事を話した。
 「なるほど、それで遅くなったのか」
 「お前らしいぜ、女の子とぶつかるなんてよ」
 遼たちは海のことを怒ってはいなかった。
 「で、その女の子とはどの位付き合ったんだ?」
 「そ、そんなの分からないよ。だって今日会ったばっかりなんだもん」
 「あ、そうか。朝会ったばっかりだもんな」
 遼は大声で笑った。それを見ていた海はすこしゲンナリした。
349ガイレイジャープロジェクト:2006/07/15(土) 15:00:43 ID:XUvyzSwZ0
「そう言ってるうちに着いたぞ。ここに金貨があるらしい」
 遼たちはそれを見てビックリした。そこは大きな滝であった。
 「まさか、あの中に金貨があるって言うんじゃないよね…?」
 「その通りだ。この滝の裏に金貨反応がある。これからそれを取りにいこうと思うのだが…」
 「そうだな…」
 大樹の言葉に反応したかのように遼は海のほうを向いた。
 「よっしゃ、お前が行って来いよ。こういうのはお前の方が適任だろ」
 遼は海の肩をポンと叩いた。金貨取りを押し付けられた海は、嫌な顔をした。
 「何でおいらが行かなくちゃいけないのさ。そう言うんだったら遼さんが取りに行けばいいじゃないか」
 「いや、今回はお前が行くんだ」
 遼の言葉を後押しするように、大樹は海に命令した。
 「今回金貨があるのは滝の裏だ。私も水に慣れている海が適任だと思う」
 「大樹さんまで…。分かったよ、取りに行けばいいんでしょう」
 海は滝のふもとまで来てそのまま飛び込もうとした。
 「おい、お前変神した方がいいんじゃないのか?」
 「滝の底は深いから変神したほうがいい。いくら泳げるといっても急に入ったら大変だろうからな」
 「はいはい。それじゃあいきますよ。烈空変神!」
 カインに変神した海は、そのまま川の中へ飛び込んだ。
 「頼んだぞ、海」
350ガイレイジャープロジェクト:2006/07/15(土) 15:01:14 ID:XUvyzSwZ0
川の中にもぐったカインは入り口を探していた。
 「うわあ、流れが速くて見つけるどころじゃないよ」
 ここは滝つぼのちょうど下の位置で、水の流れがもっとも速い場所でもあった。カインは水の流れに逆らいながらなんとか目的地の横穴まで入ることが出来た。
 穴を通って洞窟らしき場所に出たカインは、金貨の反応があるほうへ歩いて行った。
 「たしかここにあるはずなんだけど…」
 そのときカインは何者かがこの洞窟に来ている気配を感じた。ここに来るということは、邪神軍がこの洞窟に潜んでるのかも知れない…。
 「とにかく移動しながら金貨を探そう」
 狭い洞窟を抜けると、突然広い場所へ出た。おそらくここに金貨があるに違いない。そう思ったカインは、金貨がある場所をサーチしてみた。
 「さて、どこに隠されてるか…」
 カインが天井を見たとき、金貨の反応が強くなった。ここに金貨は隠されているのだ。
 「ここならジャンプすれば取れるはずだ」
 カインは周りを見渡すと、天上へジャンプした。そして金貨をがしっとつかんで地面へ降りた。
 「ほほほほほ、ご苦労様。私のために金貨を取ってくれるなんてね」
 笑いながら敵の幹部が岩陰から現れた。
 「あ、あんたは誰だ!?」
 「私?私は邪神軍司令官の一人、ミスティ。ガイレイジャーの坊や、早く金貨を渡しなさい」
 カインは渡す気などなかった。なぜなら相手が邪神軍だからだ。カインは金貨を握り締めて出入り口に向かおうとした。
 「あら、渡す気ないわけ?だったら力ずくでも奪うしかないわね」
 ミスティは口笛でドクロ兵を呼んだ。あっという間にカインはドクロ兵に囲まれてしまった。
 「やっぱただじゃ帰してくれないか」
 カインはファイティングポーズをとった。
351ガイレイジャープロジェクト:2006/07/15(土) 15:01:54 ID:XUvyzSwZ0
一方カインの帰りを待っている遼と大樹は、滝の周りを警備していた。
 「何でこんなことしなくちゃならねえんだ?」
 「邪神軍に見つかってしまったらここも攻撃されてしまうからだ。奴らがここをかぎつけている可能性があるからな」
 大樹がそういうと同時に、どこからともなくドクロ兵が現れ、二人の周りを囲んで行った。
 「性懲りもなく来やがったな、邪神軍!」
 「こいつら、なぜここが分かったんだ?」
 二人が不思議に思っていると、崖の上から誰かが立って二人に話しかけてきた。
 「俺たちも金貨を狙っていたというわけさ。さあお前たち、あいつ等を片付けるんだ」
 「誰だ、お前は?」
 「おっと、言い忘れるところだったよ。俺の名は魔将軍ヴェルデル。お前らのライバルさ。悔しかったらさっさとこいつらを片付けて俺と戦うんだな」
 「望むところだ!行くぞ大樹!」
 「分かった」
 「烈空変神!!」X2
 二人はガイレイジャーに変神して、ドクロ兵たちに立ち向った。
 「一気に片付けるぜ、ブラスブレイバー!」
 「マックスヴォルケーノ!」
 二人はそれぞれの武器を召還した。
 「ダブルエッジブレイバー!」
 「ヴォルケーノジャベリン!」
 武器を変形させた二人はドクロ兵を次々と倒して行った。
 「どうだ、すべて倒したぜ。今度はお前の番だ」
 「クックックッ、まだ大きいのが残ってるぞ」
 ヴェルデルが大地を指差すと、そこから大型のドクロイドが現れた。
 「お前たちの相手はこのブレイクホーンだ。こいつを倒したら俺と戦わせてやるよ」
 ブレイクホーンは二人をにらみつけた。
 「こいつ、前に戦ったのと似てねえか?」
 「いや、こいつは前に戦ったのとは違う。これはヴェルデルが強化したドクロイドだ。おそらく桁違いに強いはずだ」
 「けっこう厄介な相手だな。でも倒さないとだめみたいだな」
 「当たり前だ。行くぞ」
 ブラスとマックスはブレイクホーンに立ち向って行った。
352ガイレイジャープロジェクト:2006/07/15(土) 15:03:05 ID:XUvyzSwZ0
「ほほほほほ、あなたの実力はそんなもの?」
 そのころただ一人ミスティに立ち向うカインは、苦戦を強いられていた。
 「まったく、あなたはどこまでバカな人なの?その金貨ってのを渡せば楽になるのに」
 嘲笑うミスティにカインはこんな事を言い出した。
 「そりゃあ、この金貨に護る価値があるからだよ。金貨はおいら達にとって大切なアイテムなんだ。そんなのを邪神軍に奪われたりしたら大変な事になっちゃうだろ。だからおいらはこれを護らなくちゃいけないんだ…」
 「…護る価値があるなら、それを護って見せなさいよ!」
 ミスティは腰につけていた鞭でカインを縛り上げた。
 「命が惜しかったら早く金貨を渡しなさい!これは脅しじゃなくてよ」
 「渡せない…これはおいら達にとって、大事なものなんだーッ!!」
 すると、カインの言葉に反応したかのように金貨が光りだし、カインの身体を包んでいった。その光で鞭がくずれてカインは自由になった。
 「なぜ…どうして金貨があの子に力を与えたの?」
 「分からない…。どうして金貨がおいらに力をくれたのかなんて…」
 カインは立ち上がり、そのまま出入り口に走っていた。
 「わるいけど、今はあんたと戦う理由がない。だからこれで失礼するよ」
 「待って、あなた勝ち目がない戦いに行くつもりなの?」
 ミスティの言葉にカインは立ち止まり、彼女の方を向いてこう言った。
 「勝ち目がない戦いに行くんじゃない。勝つために戦うんだ」
 カインはそのまま去って行った。一人残されたミスティはその場にしゃがみこみ、つぶやいた。
 「馬鹿ね…どうして男って勝手なのかしらね…」
353ガイレイジャープロジェクト:2006/07/15(土) 15:07:17 ID:XUvyzSwZ0
「どうしたガイレイジャー、手も足も出ないんじゃないのか?」
 ブレイクホーンに苦戦しているブラスとマックスは、滝の近くまで追い込まれていた。
 「これで俺の出番はなくなったな。まあいい、このまま倒してしまえ」
 そのとき、滝の中から大量の水が出て、ブレイクホーンに攻撃してきた。
 「も、もしかして…!」
 「ああ、あいつが戻ってきたんだ…!」
 その直後、滝の中からカインが現れ、ブラスとマックスの前に現れた。
 「ごめん、遅くなっちゃった」
 「まったく、おいしいところ持って行きやがって」
 「助かったぞ、カイン」
 三人そろったガイレイジャーは、コンビネーションでブレイクホーンに立ち向った。
 「なるほど、三人そろうとパワーアップするというわけか」
 ホーンが苦戦しているのを見かねたヴェルデルは、下に降りてホーンの助太刀をした。
 「俺たちも力を合わせるぞ。いいな」
 ホーンは無言で頷いた。そして二人はガイレイジャーに立ち向って行った。
 「あいつら手を組んで戦うつもりか?」
 「邪神軍としては珍しいかも知れないな」
 「感心してる暇はないよ、おいら達も力を合わせないと」
 三人はフィニッシュカードをチェンジャーにスラッシュし、ヴェルデル達に攻撃を仕掛けた。
 「トリプルコンビネーションアタック!」
 マックスがジャベリンを突き刺してアースウォールを作って敵の目を欺き、カインがジャンプしながらシューターでホーン達に狙い撃ちし、そして最後にカインの肩を借りて高くジャンプしたブラスが急降下して、ダブルエッジブレイバーでホーンを切り裂いた。
 「くっ、ホーンがやられるなんて…!だがこのままやられるわけには…!」
 絶体絶命のピンチに経たされたヴェルデルは、三人に追い込まれていった。しかしそこにミスティが現れてヴェルデルを助けた。
354ガイレイジャープロジェクト:2006/07/15(土) 15:07:55 ID:XUvyzSwZ0
「お前、なぜここに来た?」
 「見ていられないからよ、あんなのにやられるなんて、あなたも弱くなったわね」
 「あいつ等を侮っていた、ただそれだけだ。今回のところは出直そう」
 二人は霧で姿をくらました。
 「あいつら手ごわかったな」
 「ああ。今までの幹部とは桁違いだったな」
 変神を解いた三人はゆかりの待つ駐車場へと歩いて行った。しかし海はさっきの事を考えていた。
 『あの人…どこか寂しい感じがしたような…まさかね』
 ミスティのことを疑問に思いながら海は滝つぼを後にした。
355ガイレイジャープロジェクト:2006/07/15(土) 15:08:29 ID:XUvyzSwZ0
「これが水の金貨か」
 金貨集めから帰ってきた遼たちは皆川教授に金貨を見せた。
 「この金貨にはまだ謎があるみたいなんです。海に力を与えたりしてましたし…」
 「どうやらこの金貨には君達を強化してくれるエレメンタルパワーがあるようだ。金貨は各自持っていたほうがいいかもしれないな」
 教授は金庫から金貨を持ってきて、火の金貨を遼に、地の金貨を大樹に渡した。
 「本当は金庫に入れたほうがいいのだが、金貨に何らかの能力があると分かった以上、君達に渡した方がいいだろう」
 「でもいいんですか、わたし達が持っていると邪神軍に金貨が狙われる確立が増えますが…」
 「そのときは俺達が護ればいいじゃねえか」
 心配する大樹に、遼は慰めるように言った。
 「それに分散して持っていれば全部を取られなくてすむだろ。大丈夫だよ」
 「風の金貨は疾風君たちが来たときにでも渡そう。後の金貨は君達に任せた。頼んだぞ」
 教授は風の金貨が入った箱を金庫に閉まって、金庫をもとの場所に移動した。
 「そういえば海君はどうしたのかね?」
 「ああ、どこに行ったんだろう。大樹は知らねえか?」
 「さっき用事があるって出て行ったきりだな」
 「もしかしたら、さっき言ってたあの子のところにでも行ったのかも?」
 「そうかも知れないな。手分けして探しにいくか?」
 遼たちは海を探しに外へ飛び出して行った。
356ガイレイジャープロジェクト:2006/07/15(土) 15:09:50 ID:XUvyzSwZ0
その頃海は病院の近くで彼女のところで電話をかけていた。
 「もしもし、浅生由梨さんのお宅ですか?おいらです、磯原海です」
 電話した先は、由梨の携帯だった。
 『ああ、海さん。心配して電話してくれたのね』
 「足の怪我はどうですか?まだ歩けないくらい痛みますか?」
 『何とか歩けるようにはなったけど、まだ腫れが引いてないからしばらく安静してくださいといわれたわ』
 「そうですか…由梨さん、これからお見舞いに行きたいのですが、言っていいでしょうか?」
 しかし由梨はすこし寂しそうに答えた。
 『実は、家族にここには来させないでくれって言われてるの。だからその気持ちだけ貰っておくわね。ごめんなさい』
 そう言って由梨は電話を切ってしまった。
 「どうして家に来ちゃいけないんだろう…。それに由梨さん、少し様子が変だった…」
 海は由梨に疑問を抱いていた…。

第14章終わり

 【次回予告】
 烈空の金貨探しに全力を注ぐガイレイジャー。しかしそこにヴェルデルとミスティが現れる。彼らが生み出したハイパードクロイドに苦戦するガイレイジャーとシャドウセイバーズ。しかしそこへ新たな戦士が颯爽と現れた!
 烈空戦騎ガイレイジャー第15章!「眩き光の勇者」
 古の勇者が今よみがえる。
357ガイレイジャープロジェクト:2006/07/15(土) 15:24:16 ID:XUvyzSwZ0
ガイレイジャー第14章をお送りしました。
皆さん2週間ぶりのご無沙汰です。今回から第2部の始まりです。
前回から登場した2人の新幹部、ヴェルデルとミスティが本格的に登場しました。
この2人はほかの幹部よりも一癖違うキャラにしています。今後この2人がどのようにして
ガイレイジャー達に立ち向かっていくのか、期待してください。
あと、第2部からの新キャラである女性、浅生由梨が登場しました。彼女は偶然海と出会い、
次第に付き合っていきますが・・・。実は浅生由梨は第2部の重要人物です。彼女が海に付き
合うようになったのかは、先のお楽しみです。
さて最後に設定集を掲載します。今回は烈空の切り札の設定(1)です。どうぞごらんください。
>>337サポーターさん
猛の再登場は意外なシーンになりますので楽しみの待っていてください。ジェネシスは
早いうちに出そうと思います。
>>339さん
騎覇王は現時点で最強の戦力です。ここぞというときにでも活躍させようと思います。
358ガイレイジャープロジェクト:2006/07/15(土) 15:25:12 ID:XUvyzSwZ0
烈空の切札について(1)

 烈空の切り札はガイレイジャーおよびシャドウセイバーズが使用するカードの名称である。このカードはエレメンタルマーク(火・地・水・風・雷・光・影の属性)が記されており、
変神や武器の召喚、必殺技などに使われる。

【変神カード】
 ガイレイジャーおよびシャドウセイバーズ変神するために必要なカードである。それぞれに定められた属性があり、他の戦士には使用する事ができない専用のカードである。
このカードがないとチェンジャーがあっても変神することはできない。

【召喚カード】
 武器や戦騎を召喚するカードで、基本的には他の戦士では召喚できないようになっている。ただし戦騎は補助カードの併用で他の仲間でも召喚することは可能だ。

【補助能力カード】
 自分や相手に対してカードに記された能力をアップさせたり、封じたりすることが出来る。このカードは戦士なら誰にでも使用できるカードで、主に補助的な効果がある。
カードの組み合わせの相乗効果で能力をアップしたり、コンボ技を出す事も可能。
359ガイレイジャーサポーター:2006/07/16(日) 09:04:08 ID:EUSSZsHi0
14章早速見ました
今後、レイジャーやセイバーの武器がパワーアップして金貨を装填すると
いう設定にしたらいいかも。
360名無しより愛をこめて:2006/07/16(日) 19:41:36 ID:ADlAumTg0
第14章拝見しました。
今回から第2部というわけで、2人の新幹部の紹介、それと新キャラクターの
由梨さんの登場とバラエティ豊富になってきました。
今回は2部の初めということなので、少し様子見です
361名無しより愛をこめて:2006/07/17(月) 14:16:10 ID:08JdLrbI0
第14章を見ました。邪神軍が攻めてこなくなって普通の生活の戻った3人が、金貨を
めぐって再び動き出す、というシーンがよかったです。前回では顔見せだけの新幹部も
本格的に登場して、3人と対決するシーンもよかったです。
次回はついにジェネシス登場というわけで、盛り上がっていくと思います。でもジェネ
シスはおいしいところ持っていくキャラになりそうな気が・・・。
362名無しより愛をこめて:2006/07/18(火) 18:31:44 ID:f2J1wWmM0
ジェネシスに期待
363名無しより愛をこめて:2006/07/20(木) 18:08:05 ID:uGiWCtPM0
第2部、期待してます。
特にジェネシスと飛竜に期待。
364名無しより愛をこめて:2006/07/20(木) 18:39:34 ID:uGiWCtPM0
そういえばブラスブレイバーのブレイバーってブレイダーの間違いじゃないの?
もし間違ってたら修正してください。
365ガイレイジャープロジェクト:2006/07/22(土) 13:34:16 ID:6RNNCFuA0
第16章 眩き光の勇者

 「あいつ等を少々舐めてたよ、これからは本気で戦わないと」
 魔界に戻ったヴェルデルとミスティは、休憩所で休んでいた。
 「まさかここまで手こずるなんてね。ガイレイジャーだけでもこんなじゃ先が思いやられるわね」
 「だが手は打ってある。シュペルターが残したあのノートをヒントにして、新しいドクロイドを誕生させるんだ」
 さっそく二人は研究所へ足を運んだ。
 「どうだエディス、研究は進んでるか?」
 「お前達、ノックくらいしてから入って来い」
 少々不機嫌なエディスは、ヴェルデルの頼みで新しいドクロイド用のジェネレーターを作っていた。
 「新たなドクロイドに埋め込むために製作した『アストレスジェネレーター』はもうすぐ完成する。これさえあればガイレイジャーたちを倒すのも時間の問題だ」
 「頼んだよ、一刻も早く完成させてくれよ」
 二人は差し入れの紅茶とケーキをおいて研究所から去って行った。
366ガイレイジャープロジェクト:2006/07/22(土) 13:35:56 ID:6RNNCFuA0
「何なの、あの『アストレスジェネレーター』って」
 「シュペルターが残してくれたノートの中に天界人が作ったジェネレーターの能力が書かれていてね、その名も『アトマイクス』といわれているそうなんだ」
 「その『アトマイクス』っていったい何に使われてたのよ?」
 「詳しくは分からないが、あるものに使われていた、と言われているそうなんだ。それを参考にしてシュペルターは新たなジェネレーターを作ろうとしていたらしい」
 「それが『アストレスジェネレーター』なのね」
 「それを作らせるのには少々骨が折れたよ。何せあのエディスは頑固者でね、シュペルターの書いたノートなどいらぬ、ってノートを捨てようとしたからな。説得するまでに時間がかかったよ」
 「でもそのおかげで新たなドクロイドが完成するんじゃないの。粘っててよかったわね」
 二人は作戦室に入ると、深々と椅子に座ってくつろいだ。
 「あとはガイレイジャーとシャドウをおびき寄せる作戦を決めればいいのさ。そうすれば今度こそ奴らを倒す事ができる」
 「じゃあ早めに作戦を立てましょう。どうするの?」
 ミスティがヴェルデルの方を見ると、彼は疲れたのか眠っていた。
 「あらあら、作戦を立てようとしたらこれだわ。まあそんなに急ぐ事はないか」
 ミスティは近くにあった毛布をヴェルデルにかけてあげた。
367ガイレイジャープロジェクト:2006/07/22(土) 13:36:52 ID:6RNNCFuA0
 「それにしても信じられねえよな。烈空の金貨が海を護ったなんて」
 天空寺のお茶の間でくつろいでいた遼は『火』の金貨を眺めながらこの前のことを思い出していた。
 「烈空の金貨にはまだ私達にも分からない秘められた力があるのだろう。その謎を解くために教授とゆかりさんは金貨を調べている最中だそうだ」
 智世のお誘いで天空寺家にお邪魔していた大樹は、智世が出してくれた紅茶を飲みほした。
 「やっぱ俺たちが烈空の勇者だから力を貸したとか?もしかしたらそうかもしれねえな」
 「お前、金貨の力を過信していたら自分が弱くなるぞ。金貨はあくまで補助的なアイテムなんだからな」
 「へいへい、分かったよ。そういえば智世のやつ遅いなあ。いつまでお菓子作りに手間取ってるんだ?」
 智世が大樹たちを誘った理由、それは自分が作ったお菓子を食べさせることだったのだ。そのため、二人はお茶の間で待たされているのだ。
 「お待ち〜。智世ちゃん特製カスタードパイだよ〜」
 やっと智世ができたてのお菓子を運んできた。それは直径が30cmもあるカスタードケーキだった。
 「さささ、覚めないうちに召し上がれ〜」
 智世はナイフでサクッと切り分け、二人の前に出してあげた。
 「うわあ、すっごくでけえな。これ食べるのかよ」
 「文句を言うなら食べなくてもいいんだよ」
 文句を言う遼を尻目に、智世は大樹にカスタードパイを勧めた。
 「大樹さんはカスタードパイ、好きだよね〜」
 「あ、ああ、好きだ」
 「よかった〜、やっぱり作った甲斐があったよ〜。おかわりもあるから好きなだけ食べてね」
 「ああ、では、いただきます」
 大樹はカスタードパイを口に運んだ。そのとたん、大樹の様子がおかしくなった。
368ガイレイジャープロジェクト:2006/07/22(土) 13:37:37 ID:6RNNCFuA0
「どうしたんですか?のどに詰まったんですか?」
 「い、いや、なんでもないよ」
 しかしどう見ても大樹はおいしいと思っていない様子だ。遼は大樹を肘で叩いて、どうしたのか小声で聞いてみた。
 『お前、無理してないか?』
 『いや、実は私は甘いのが好きじゃないんだ。特にこのカスタードパイは甘すぎる』
 二人が何かをしている所を智世は不審に思った。
 「遼兄ちゃんも大樹さんもどうしたのよ?そんなにあたしのカスタードパイが気に入らないの?」
 「そ、そんなことねえよ。お前の作ったお菓子は最高だ」
 「私もこのカスタードパイ、おいしいと思うよ」
 とっさにパイの話題に切り替える二人。自分が作ったパイの事を褒められた智世は有頂天になった。
 「よかった〜、失敗したかと思ったよ。気に入ってくれて本当に嬉しい〜!」
 智世は台所の方に大喜びで去っていった。
 「やれやれ、あいつが単純で助かったぜ…」
 妹の後姿を見ながら、遼はため息をついた。
 「海がいてくれたら喜んで食べただろうな…」
 パイを一通り食べた大樹は、続けてため息をついた。
 「そういえば海の奴はどうしたんだ?」
 「さあな、もしかしたらこの前会った由梨さんの所にでも行ったんじゃないか?」
 「あいつも隅に置けない奴だな。あんな綺麗な人と付き合ってるなんて」
 遼は海が由梨と付き合っているのを少しうらやましく思っていた。
369ガイレイジャープロジェクト:2006/07/22(土) 13:38:20 ID:6RNNCFuA0
「遅いなあ、由梨さん」
 待ち合わせの公園で、海は由梨を待っていた。約束の時間はもうとっくにすぎているのに、まだ由梨は来なかった。
 「もう三十分も待ってるのに、いつになったら来るんだろう…」
 海がもう少し待とうとしたそのとき、やっと由梨が公園にやってきた。
 「ごめんなさい、遅れてしまって…」
 前のケガのせいで、由梨は松葉杖をしていた。そのせいで遅れてしまったのだろう。
 「い、いいんですよ。でも由梨さん、わざわざ誘ってくれたのはいいですけど、足のほうは大丈夫なんですか?」
 「まだ杖を使わないといけないけど、もう大丈夫よ」
 由梨は杖をしている足をぷらぷらしてみた。
 「無理しないほうがいいですよ。また痛み出したら大変な事になりますから」
 「いいの。それより海君と一緒に行きたい場所があるの」
 「え?どこですか?」
 「それは…こっち!」
 由梨は海の手を握り締めてバス停のほうへ歩き出した。
 (それにしてもこんな風に誘われたのって何年ぶりだろう…。ついこの前までは戦いばっかりで誘われるなんてなかったもんな…)
 二人はバスで近くの遊園地へとやってきた。そこには大きな観覧車とけっこうな高さがあるジェットコースター、それと豪華なメリーゴーランドがあった。
 「海君、わたし一度でいいからこのメリーゴーランドに乗ってみたかったの。だから一緒に乗ろう!」
 海は由梨に誘われてメリーゴーランドに乗り込んだ。
 (こんな日がいつまでも続けばいいなあ…)
 そう思いながら海は嬉しそうに遊ぶのだった…。
370ガイレイジャープロジェクト:2006/07/22(土) 13:42:08 ID:6RNNCFuA0
 カスタードパイを食べ終わった遼と大樹は、皆川教授に呼ばれて研究室にやってきた。
 「あれ、二人とも真剣な顔をしてどうしたの?」
 「お前な、大事な話なのに真剣にならなくてどうするんだ?」
 「まあまあ、遼ちゃんはふざけて言っただけでしょ。怒らないの、大樹ちゃん」
 緊張を解いたゆかりが、遼のフォローを入れた。
 「とにかく話を始めるぞ。そういえば海君はどうしたんだ?」
 「あいつなら今デートの最中なんじゃないの?もしかしたらそれで忙しいのかも」
 そんな遼を無視して大樹は教授に言った。
 「海には後で言っておきましょう。それでは始めてください」
 大樹たちはビデオルームに移動して説明を聞くことになった。
 「それでは始めるとしよう。まずはこれを見てほしい」
 皆川教授はある写真を投影して、みんなに見せた。
 「これは私の知人が撮影したものなのだが…、ここに何者かが封印された形跡があるみたいなのだ」
 それはドーム型のシェルターみたいなものだった。おそらくこの中に何かが入っていたのだろう。
 「さらに拡大してみると、こんな紋章が彫られていたのだ」
 教授は拡大した写真を投影した。そこには遼や大樹たちがよく目にする紋章だった。
 「教授、もしかしてこれは…」
 「そうだ、これは烈空の紋章だ。おそらくこの中に君達の仲間が眠っていたのかも知れないのだ…」
 「ということは、俺達の新しい仲間というわけだな!でも何でこんな所で眠ってたんだろう?」
 遼の質問に対して教授は首を横に振りながら答えた。
 「まだこれだけでは解らんよ。もう少し調べなくては」
 「そうか…でもこれで他にも仲間がいるって解ったんだから、それなりの収穫はあったわけだ」
 「しかし、その人物が仲間になるとは限らないでしょう?」
 「そこなんだが…」
 そのとき、外から大きな爆発音が聞こえた。
 「何だ、あの音は?」
 「奴らが街で暴れているかも知れない。とにかく行かなくては」
 遼と大樹はすぐに外へ飛び出して行った。
371ガイレイジャープロジェクト:2006/07/22(土) 13:43:05 ID:6RNNCFuA0
「はい、ピーチソフト買って来たよ」
 そのころ遊園地で遊んでいた海と由梨は、近くのベンチで休んでいた。
 「あ、ありがとう。ごめんね海君、色々つき合わせちゃって…」
 「いいって、こっちも楽しめたし。それより由梨さん、今度は観覧車にでも乗りませんか?」
 海は照れながら観覧車の方を指差した。
 「うん、ここから眺める風景もいいしね」
 二人が観覧車へ向かおうとしたそのとき、海のポケットから発信音が響いた。
 「どうしたの、もしかして家の人から電話?」
 由梨がふしぎそうに海の顔を眺めている。
 「どうやらそうみたい。ごめんね、ちょっと待ってて」
 海は近くのトイレに駆け込むと、ガイレイチェンジャーをポケットから取り出した。
 「大樹さん、事件ですか?」
 『街でドクロイドが暴れているんだ。どうやらお前がいる近くで暴れているらしい。すまないがわたし達がつくまでに先に行ってくれないか?』
 「解ったよ大樹さん、でももう少しだけ待っててよ」
 『今は彼女と付き合ってる暇なんかないんだぞ。とにかく彼女にはちゃんと訳を言っておくんだぞ』
 通信をきった海は、由梨の所に来て事情を話した。
 「ごめん、ちょっと急用ができちゃって…」
 「いいのよ、私も十分楽しんだし。海君と遊べて本当によかったわ。また今度遊びにいけたらいいね」
 「また遊びにいきましょう。じゃあおいらはこれで…」
 海は急いで遊園地の外へ走って行った。
 「…ごめんなさい、本当は私…」
 由梨は海に謝るように呟くと、携帯電話をポケットから取りだし、電話をかけた。
 「もしもし、本部ですか…」
372ガイレイジャープロジェクト:2006/07/22(土) 13:44:01 ID:6RNNCFuA0
 「烈空変神!ガイレイジャーカイン!!」
 草陰で変神を済ませた海は、近くで暴れているドクロイドに攻撃を仕掛けた。
 「むむっ、何奴?」
 驚くドクロイドは、草むらの方を見た。
 「蒼き海神、ガイレイジャーカイン様さ。ドクロイド、これ以上街を壊したらお
 いらが許さないぞ」
 「ふん、そう言ってるのも今のうちだ」
 ドクロイドの影からヴェルデルが姿を現した。
 「このハイパードクロイド『アークドラゴン』はお前らの武器を弾いてしまう耐衝撃アーマーが施されている。だからいくら攻撃しても無傷なのさ」
 誇らしげに笑うヴェルデル。しかしカインはシューターをライフルモードにしてアークドラゴンを狙い撃ちした。
 「!きかない…」
 「だから言っただろ、アークの装甲は攻撃をはじいてしまうと。だがこいつの能力はそれだけじゃないんだぜ」
 アークドラゴンは胸に埋め込まれているコアみたいな物を発光させた。
 「へっ、それがどうしたんだい?…な、何か力が急に入らなくなっていく…」
 カインはその場にひざを着いてしまった。
 「気付くのが遅かったようだな。アークドラゴンに埋め込まれている『アストレスジェネレーター』は、お前らのスーツのエネルギーを吸い尽くす働きを持っている。これでお前らは手も足も出せない状態になるというわけだ」
 「そ、そんな…」
 ついにカインは倒れてしまった。
 「さて、残りの奴らもエネルギーを吸い取ってやろうか」
373ガイレイジャープロジェクト:2006/07/22(土) 13:44:57 ID:6RNNCFuA0
「さて、残りの奴らもエネルギーを吸い取ってやろうか」
 そのとき、遠くからクナイが飛んできて、アークドラゴンに当った。
 「ようやく来たか、残りの奴らも」
 カインを助けるために、残りの四人が駆けつけたのだ。しかしヴェルデルは不適な笑みを浮かべて、アークドラゴンに命令を出した。
 「お前の力で残りの奴らも動けなくしてしまえ!」
 アークドラゴンは翼を出して飛び立つと、ブラスたちの真上に来てアストレスジェネレーターを発動した。
 「だめだ、その光に当っては!」
 しかし時すでに遅く、真上から光を浴びてしまった四人は、たちまちエネルギーを吸い取られてしまった。
 「何なんだこの光は…体から力が抜けていくようだ…」
 「どうやら私達はあいつ等の罠にかかってしまったようだ…」
 「じょ、冗談じゃねえ、こんなのに力を奪われてたまるかよ…」
 「このままだと僕達はやられてしまう…」
 ついに四人もその場へ倒れてしまった。
 「ああ…みんな…」
 「これで俺達の邪魔をするものはいなくなったわけだ。あとはこいつらの息の根を止めるだけだな」
 ヴェルデルは少しずつ四人に近づいて、マックスの前に止まった。
 「まずはお前から倒すとするか」
 腰の剣を鞘から引き抜いたヴェルデルは、マックスの首目がけて振り下ろした。
374ガイレイジャープロジェクト:2006/07/22(土) 13:45:58 ID:6RNNCFuA0
「だめだ、やめろ――――!!」
 そのときだった。一陣の風がヴェルデルの刀を弾き飛ばした。
 「誰だ、てめえは?」
 その風はカインの目の前に止まり、姿を現した。
 「眩き光の勇者、ガイレイジャー・ジェネシス!」
 その姿はガイレイジャースーツに似ており、白く光り輝いていた。ジェネシスはヴェルデルを見て、こう言い放った。
 「ヴェルデル、お前らの悪事を私が許すとでも思うか?来い、この前のようにな!」
「フッ、面白い。だったらこの前のようにしてやろうか?ええ、ジェネシスさんよ!」
 弾き飛ばされた刀を拾ってヴェルデルはジェネシスに切りかかった。
 「またこの前のパターンか。その動きはもうとっくに見切っている!」
 ジェネシスはすっとヴェルデルの攻撃をかわし、手刀で刀を折った。
 「バカな、この前より強くなっているだと…!ええい、アークドラゴンよ、あいつにアストレスの光を浴びせるんだ!」
 アークドラゴンはカインたちにしたように、アストレスの光を照射した。
 「だめだ、あの光に当たるとエネルギーを吸い取られるんだ!ジェネシス、早く逃げるんだ!!」
 カインの言う事を聞かずにジェネシスは光に当ってしまった。
 「どうだ、これでお前は動けなくなるんだ、あのときのように!」
 しかしジェネシスは動けなくなるどころか、そのまま走ってアークドラゴンの翼を切り落としたのだ。
 「甘いな、私が何もせずに立ち向ったとでも思ったか?」
 ジェネシスは懐に閉まってあったカードを取り出して、ヴェルデルに見せた。
 「このカードはエネルギーの放出をガードする『エレメントシールド』発動のカードだ。この前お前にエネルギーを吸い取られた教訓を生かして作ったのさ」
 これを見て怒りをあらわにしたヴェルデルは、アークドラゴンにジェネシスを倒すように命令を下した。
375ガイレイジャープロジェクト:2006/07/22(土) 13:46:43 ID:6RNNCFuA0
 「こうなったらどんな手を使ってでもお前を倒してやるぞ、ジェネシス!!」
 「やれやれ、こんなことで熱くなるとは、お前もたいした奴だな」
 ジェネシスはカードデッキからカードを取り出すと、自分が持っているジェネシスコマンダーにスラッシュした。
 『ジェネシスブライトアロー』
 するとジェネシスの左腕にブライトアローが装着された。ジェネシスは弓の部分を引き抜いて二股の剣にした。そして高速で移動してアークドラゴンに切りかかった。
 「シャイニングエクステンデット!!」
 アークドラゴンは真っ二つに切り裂かれて消滅した。
 「何てこった…、せっかく創ったハイパードクロイドが…。覚えていろよ、ガイレイジャージェネシス!」
 ヴェルデルはマントを翻して姿を消した。その直後、カインたちは自由に動けるようになった。
 「ひえ〜、ひどい目に会ったぜ…」
 「とにかく助かった」
 変神を解いた遼たちは、ジェネシスの側へと集合した。
 「あなたが封印から目覚めた私達の先輩ですね。助けていただいてありがとうございます」
 大樹がジェネシスに握手を求めようとした。しかしジェネシスは変神を解いて、大樹たちの方を見て説教を始めた。
 「何だその戦い方は?いくら相手がアストレスジェネレーターを持っていたとしても、こんな無様な負け方をしなかったはずだ。なぜならば、君たちはチームワークが取れていなかったからだ!」
 「そんな…、おいら達は死力を尽くして戦ったよ。それなのに…」
 「チームワークもろくに取れない君たちに何ができる?特にカイン、君は無謀にも一人で立ち向っていったな。もしも君が一人で戦わなければ最悪の状態だけは避けられたはずだ」
 「それはこの私がそう言ったからです」
 海を庇うかのように、大樹が言い放った。
 「あのとき、私が海を先に行かせたからこんな事になったんです。もっと考えて指示を出せばこんな事には…」
 「言い訳はいい。今回の戦いで君たちが弱いことがわかった。これから君たちは私のもとで修行をして強くならなければならない、あの場所で!」
 ジェネシスは空を指差してこう言い切った。
 「あ、あの場所って、空の上で…?」
 海たちはジェネシスが指差した空を見て驚いていた…。
   第14章 終わり
376ガイレイジャープロジェクト:2006/07/22(土) 13:47:36 ID:6RNNCFuA0
【次回予告】
 ジェネシス=ミツキは、遼たちを天空要塞・ガリバーベースで戦士の修行をさせてパワーアップを図ろうとする。しかし海は由梨のことが気になってしまい修行に専念することが出来ずにいた。心がバラバラになったガイレイジャーたちは一体どうなってしまうのか?
 烈空戦騎ガイレイジャー第15章!「発進、伝説の凱閃煌!」
 「見ていろ、これが私の力だ!」
377ガイレイジャープロジェクト:2006/07/22(土) 14:09:29 ID:6RNNCFuA0
第15章をお送りしました。
まず訂正があります。第14章と書いてしまったのですが、本当は第15章です。
次回予告も第16章に訂正です。すいませんでした。
さて、気を取り直して簡単な説明に戻ります。今回、六人目のガイレイジャー
(シャドウセイバーズも含む)であるジェネシスが登場しました。ジェネシスは
前大戦でリーダー的存在の戦士で、「光の勇者」と呼ばれています。プロフィール
などは後で設定集の掲載しますが、これからのストーリーで重要な人物になることは
間違いないでしょう。また、遼たちの先輩(先生)として鍛えるシーンもありますので、
期待していてください。
もう1つ重要なアイテムである「アストレスジェネレーター」が登場しました。これは古代科学
の1つである「アトマイクスジェネレーター」を基にして作られたという設定で、アトマイクス
ジェネレーターのエネルギーを吸い取ってしまうという能力を持っています。これも際しいことは
設定集の載せる予定です。
さて次回はジェネシス専用の戦騎、「凱閃煌」が登場します。お楽しみに。
最後に設定集です。今回は「烈空の切り札について」の第2弾です。前回とでは乗せることができなかった
カードの種類もありますので、前回とあわせてご覧ください。
>>サポータさん
金貨でのパワーアップは第2部の最後あたりで起こります。誰がパワーアップするのかは見てのお楽しみと
いうことで・・・。
>>364さん
ブレイダーの方が正解みたいです。ブレイバーだと「勇敢なるもの」という意味になりますからね。
それはホームページができてから訂正することにします。次回からは「ブラスブレイダー」と書くことにします。
>>361さん
ジェネシスはおいしいところを持っていくキャラですか・・・。今のところはそう見られるかもしれないですね。
でもお話が進むにつれて意外な面も見ることができると思いますので、期待してくださいね。
378ガイレイジャープロジェクト:2006/07/22(土) 14:10:43 ID:6RNNCFuA0
烈空の切札について(2)


【フィニッシュカード】
 必殺技を使うためのカードで、専用のカードと汎用のカードがある。専用カードは個人にしか使用不可のカード、汎用カードはどの戦士でも使用可能なカードである。専用カードは主に単独で使う事で能力を発揮する。
汎用カードは属性を組み合わせて必殺技を生み出す事が可能なので、主にコンビネーション技で使われる事が多い。

【スペシャルカード】
 上記のどれにも当てはまらないカードで、非戦闘時に使われる事が多い。
『テレポーテーションリンク』や『パスワードブロッカー』などといったカードがこれに当る。ただしこれは戦闘時にはめったに使われる事はなく、
もし使ったとしてもせいぜい目くらまし程度にしかならない。
その代わり移動や捜索などには力を発揮する、縁の上の力持ち的カードなのである。

【補足】
 烈空の切札は自らがレベルアップするごとに使える枚数が増えていくアイテムで、最初のうちは使えるカード枚数が限られている。(烈空の金貨もそういうアイテムの一つであるが、
それは次の機会にでも説明する予定)例外として、スペシャルカードなどの非戦闘用のカードはレベルアップしなくても使えるようになっている。ちなみに烈空の切り札はレベルの
高い戦士なら自分で作成する事もできる。それにはかなりの熟練度と知識が必要で、生み出すにもかなりの時間がかかる。
379名無しより愛をこめて:2006/07/24(月) 18:27:54 ID:s7FlZeGk0
第15章拝見しました。
ついに登場しましたね、ジェネシス。次回は遼たちを特訓するそうなので、
どんな特訓をするのか楽しみです。次回も楽しみにしています。
380361改めガイレイジャ−を盛り上げる会:2006/07/26(水) 14:01:08 ID:1iWCdVbe0
ジェネシスがおいしいところを持っていくキャラと言い出した者です。
今回のガイレイジャーを見て、ジェネシスに対しての考え方が少し変わりました。
ジェネシスはどちらかというとみんなをリードしていくタイプの人間なんでしょう。
つまり、先生的ポジションにいるんでしょう。これからもそんなジェネシスを応援して
いきたいと思います。
381ガイレイジャーサポーター:2006/07/26(水) 16:57:40 ID:BCtZj9Yo0
第15章見ました。

自分はジェネシスの正体がサージェン=猛だったらなぁ・・・って思ってた。
ダークホールと共に邪神を再び封印することに成功した猛はその時の衝撃で
異世界に飛ばされる。
そこは善神・ヴィーダのいる世界であった。
邪神の呪いを解かれ、新たなる烈空の力を授けられた猛はジェネシスとして
戦うことを決意する・・・って感じで。
382名無しより愛をこめて:2006/07/29(土) 13:48:18 ID:vg7KGepf0
第15章 発進、伝説の凱閃煌!

 突如現れた六人目の烈空の勇者、ガイレイジャージェネシス。彼は前の戦いで窮地に陥ったガイレイジャー五人を助け、ハイパードクロイドを倒した。
しかし彼は遼たちに向かってこんな事を言い出したのだ。
 「お前達は私のもとで修行をして強くならなければならない!」
 遼たちはそのことで頭を悩ませていた。強くなるといっても、どうやって強くなれるのか分からないのだ。天空寺家の居間に集合した海を除く四人は、そのことについて話していた。
 「なあ、修行するといってもどこでやるんだ?あのジェネシスは空を指差してたけどよ」
 「おそらく月の上にでも連れて行かれるんじゃねえのか?」
 遼の質問に疾風が冗談交じりで答えた。
 「もしかしたら秘密基地に連れて行かれるのかも知れませんね」
 「おい、それって本気で言ってるのかよ」
 「いや、案外そうかもしれない。近くで特訓しようにもトレーニングジムでは目立ちすぎるし、
山奥や海岸でも邪神軍に見つかる可能性があるからな」
383ガイレイジャープロジェクト:2006/07/29(土) 13:49:29 ID:vg7KGepf0
四人が意見を言い合っているうちに、裏庭からジェネシスとゆかり、そして海が帰ってきた。
 「待たせたな、さっき皆川さんのところで特訓のことを言ってきたところだ。それでは改めて自己紹介しよう。私がガイレイジャージェネシスに変神するミツキだ。これから君たちが強くなるために戦いのノウハウを見につけてもらうために、
コーチとして特訓の施しをすることになった。よろしく頼むぞ」
 「こ、こちらこそよろしく…」
 四人はお礼を言うように頭を下げた。
 「この特訓は君たちにとってはきついと思う。そこで今回はゆかりさんがお前達のサポーターとして一緒についていく事になった。ゆかりさん、よろしく頼みます」
 「はい、わたしも行きますから皆さんは特訓がんばってくださいね〜」
 というわけで一同は天空寺のガレージから離れた場所に移動した。
 「あ、そうだ、長い間留守にするんだから父さんたちにも言っておかないと」
 「その心配は無用だ。これから行くところはここと時間の隔たりが大きい場所だ。一週間滞在してもこちらは一日くらいしか時間が経過しないように設定されているのだ。だから数日留守にすると書いておけばいい」
 「そうか、じゃあ俺、置手紙書いてくるわ」
 遼は手紙を書きに家へ戻った。
 「やれやれ、世話の焼ける奴だ。…そういえば海、お前さっきまでどこ行ってたんだ?」
 元気のなさそうな海を見て、大樹は話しかけた。
 「…ちょっと用があったから。心配しなくていいよ」
 「そうか、だったらいいんだ」
384ガイレイジャープロジェクト:2006/07/29(土) 13:50:19 ID:vg7KGepf0
そうしているうちに遼が家から戻ってきた。
 「よしみんな、準備はいいか。これから私はあるカードを使って、みんなをある場所へ移動する。
そのためにもこの円の外から出ないようにしてほしいんだ」
 「もし出たらどうなるんですか?」
 「その時は別の次元に飛ばされて二度とここへ戻れなくなる。そのためにも発動中は手を繋いで丸くなった方がいいだろう」
 「手を繋いで丸くなるなんて…何か久しぶりにやるな」
 みんなは手をつないで円を描いた。
 「それでは行くぞ」
 ミツキはカードを変神アイテムであるジェネシスコマンダーにスラッシュした。
 『テレポーテーションリンク』
 すると周りが輝き始めて一同を包んで行った。そしてその瞬間別の場所へと移動した。
385ガイレイジャープロジェクト:2006/07/29(土) 13:51:19 ID:vg7KGepf0
「着いたぞ、ここが私達の秘密基地、ガリバーベースだ」
 遼たちが瞬間移動した先は、巨大な建造物の前だった。
 「ガリバーベース…ここで俺達が特訓するのか」
 「何かすごい設備みたいですね」
 遼たちは物珍しそうにガリバーベースを眺めていた。
 「眺めてないで早く入って来い。これから中を案内するから」
 ミツキはコマンダーを上に掲げ、入り口を出現させた。
 「すげえ、これだけで開くのかよ」
 「感心してないで入るんだ」
 中に入ると、ハイテクなメカがずらりと並んでいた。おそらくここは整備工場なのだろう。
 「こっちだ。お前達に見せたいものがある」
 一同が奥へ入ると、そこには大きな格納庫があった。
 「おい、こんな所に俺達の戦騎があるぞ」
 「ここは君達の戦騎が格納されている場所だ。ここで戦騎達は整備されて、いつでも出撃できるようにスタンバイしているんだ」
 「あっちにはダルクワイバーンとサーペントがあるぞ」
 「僕達の戦騎も収納されているんですね」
 格納庫を進んでいく一同は、奥に見慣れないマシンが置いてあるのを発見した。
 「あれは何でしょうか…?」
 「あれは私の戦騎だ。詳しい事は跡で話すとしよう」
 格納庫を抜けて、さらに奥へと進む一同は、突き当りのドアの前で止まった。
386ガイレイジャープロジェクト:2006/07/29(土) 13:52:28 ID:vg7KGepf0
「ここがしばらくの間私達が住むことになる移住区だ。この中にトレーニングルームやベッドルームといった生活の場がある。では入るぞ」
 ミツキが手をかざすと、ドアが開いてさっきとは違う通路が出現した。その中に入ると清々しい空気が流れて気持ちよくさせた。
 「結構快適だな、この通路は」
 「君達、これで驚いてはいけないぞ。奥のほうにはもっと驚くほどすごい施設があるからな」
 さらに奥に入っていく一同は、大きなロビーみたいな場所に出た。
 「ここがメインルームだ。その周りにある部屋が君たちの泊まる所だ。そして真ん中のエレベーターを使ってトレーニングルームや食堂、バスルームなどの施設へ行く事ができるようになっている。
各自荷物を置きに行ったら、ここに集合するように」
 言われたとおりに遼たちは部屋に入り、荷物を置いてくるのだった。

 「さて、これから君達の弱点を克服するためのトレーニングをおこなおうとしよう」
 トレーニングルームに来た遼たちはミツキの特訓を受ける事になった。
 「まずは遼、君からやる事にしようか。まずはここで変神してくれないか」
 「ちょっと待ってください、ここで変神して大丈夫なんですか?」
 疑問に思った有紀がミツキに質問した。
 「大丈夫さ。ここはそのために造られた場所だからね。さあ遼、変神するんだ」
 「はいはい、分かりましたよ。烈空変神!」
 遼はブラスに変神した。
 「これでどうするんだよ?組み手でもする気か?」
 「そうだな、とりあえず私に必殺技を打ち込んでほしいんだ」
 「おいおい、冗談じゃねえぞ。こんな事をしたらあんたもただじゃすまねえよ」
 「大丈夫、私も変神するから。思いっきり打ち込んでもいいぞ。他のみんなは安全なところで待機していてくれ」
 ミツキは変神して迎え撃つ準備をした。
387ガイレイジャープロジェクト:2006/07/29(土) 13:53:48 ID:vg7KGepf0
「どうなってもしらねえぞ、バーニングストラッシュ!!」
 ブラスは必殺技を放った。しかしジェネシスは微動だにしなかった。
 「これが君の必殺技か…。遅すぎるな」
 ジェネシスは片手で技を受け止めると、ブラスにそれを返した。
 「ぐわあああっ!」
 「どうだ、自分の技を食らった感想は?君の場合は必殺技を放つモーションが大きすぎる。もっとすばやく必殺技を放つようにしないとな。よし、君は変神を解いて休んでいろ」
 変神を解いた遼を角の方に運んだジェネシスは、次の対戦相手を選んだ。
 「次は大樹、君だ」
 「はい、お願いします」
 大樹は変神してジェネシスに襲い掛かっていった。
 「君の弱点は…ここだ」
 ジェネシスは足払いをしてマックスを転ばした。
 「君の場合スピードが遅すぎる。パワーだけではなくもっとスピードに磨きをかけないとだめだ。次は疾風だ」
 大樹と入れ替わりで変神した疾風がやってきた。
 「俺はスピードには自信がある。あんたとは互角に戦えるはずだぜ」
 「フッ、それはどうかな?」
 攻撃をかけるフォルスにジェネシスは冷静に対応した。
 「何だ?こんなに早く動けるなんて」
 「きみの弱点は自信過剰なところだ。体力や技だけ勝っていても、それを判断する能力が無いとすべての力を発揮することはできない。もっと精神的に強くなければな」
388ガイレイジャープロジェクト:2006/07/29(土) 13:54:57 ID:vg7KGepf0
 「次は僕が行きます」
 疾風と入れ替わりに有紀が自らジェネシスにもとへやってきた。
 「君の場合は組み手をしなくても分かる。君は体力的に他のメンバーより劣っている。それに変わる能力を身に着ければ一対一でも引けを取らなくなるだろう」
 「…ご指南、ありがとうございます」
 ジェネシスは最後に残った海を指名してきた。
 「残るは君だけになったぞ、海君。だが、この調子では特訓に耐えられるかどうか分からないがね」
 しかし海は何も反応しなかった。それを不敏に思った大樹が海に呼びかけた。
 「海、お前の番だぞ」
 大樹に呼ばれた海は思い出したかのように気が付き、大樹の方を見た。
 「あ、おいらの番だね、すっかり忘れてたよ」
 変神してジェネシスの前に来た海は、素手でジェネシスに襲い掛かってきた。
 「それで攻撃するつもりか?」
 ジェネシスはカインのパンチを余裕でかわし、逆にみぞおちにパンチを食らわした。
 「どうやら君はあることに頭がいっぱいな様だな。それではこの特訓を受けても意味がない。君はしばらくの間地上に戻って自分自身のことを考えてみるんだ。その考え方を改めない限り、ここに居ても邪魔なだけだ。君にはこのカードを渡しておくから、
もし自分の考えを改めたならこのカードを使ってここに来るがいい。分かったね」
 変神を解いたミツキは、海に『テレポーテーションリンク』のカードを渡した。そして自分のカードを使って海を地上に帰してしまった。
389ガイレイジャープロジェクト:2006/07/29(土) 13:55:26 ID:vg7KGepf0
これを目の前で見た遼は、ミツキが起こした行動が納得いかなかった。
 「…一体どういうことなんだよ、いきなり海を帰しちまうなんて」
 「この特訓は君達にとって辛いものになるって言った筈だ。中途半端な考えを持つ者に特訓を受ける資格はない」
 「でもこれじゃああまりにも…」
 「察するんだ、遼。あの人にも考えがあるからこんな事をしたんだろう」
 大樹が遼に言い聞かせた。
 「大丈夫さ、あいつならきっと帰ってくるさ」
 疾風も遼の肩を叩いて言い聞かせた。
 「そうだな…あいつを信じなくちゃな」
 そんな遼達を見て、ミツキは手を叩いて集合させた。
 「これで君達の弱点が分かった。明日は私が組んだスケジュールにしたがって特訓をすることにする。各自解散して明日の特訓に備えてほしい。それでは、解散」
 そう言ってミツキはエレベーターで帰っていった。
 「さて、私達もメインルームへ帰るぞ」
 「そうだな、ちょうど腹が減ってきたしな」
 四人はエレベーターでメインルームへと帰っていくのだった。
390ガイレイジャープロジェクト:2006/07/29(土) 13:56:37 ID:vg7KGepf0
 一人地上に戻された海は、なぜこんな事になったのか考えていた。
 『由梨さんのことを考えてたのがいけないんだろうか…。いくらなんでもそんな事は…』
 海が考えながら歩いていたそのとき、後ろから突然誰かに呼びかけられた。
 「あっ、やっぱり海君ね」
 声の主は由梨だった。
 「あれ、由梨さん、どうしてこんな所に」
 「それはこっちのセリフよ。こんなところでどうしたのよ」
 かっこ悪いところ見られちゃったかな…。海はそう思うと、近くの公園にあるベンチに座ってこんな事を話した。
 「じつはおいら、ちょっと考えてる事があってね…。どうしようか困ってるんだ」
 それを聞いた由梨はてをポンと叩いてなるほどと答えた。
 「悩み事ね、悩んでるなら私が力になってあげる」
 しかし海はその理由を由梨に話そうか悩んでいた。
 『もし由梨さんにガイレイジャーのことを話したら、どうなるんだろう…。もしかしたら由梨さんにも邪神軍の手にかかってしまうかもしれないんだ…。
どうしよう、言うべきか、言わないでごまかすか…』
 「もしいえないことだったら無理して言わなくてもいいのよ。でもあなたの心を癒す事はできるわ」
 由梨は海の手を強く握りしめた。それほど力になりたいのだろう…。
 「…分かった、実はおいら…」
 そのとき、どこからかドクロ兵が現れて二人を囲んで包囲してしまった。
391ガイレイジャープロジェクト:2006/07/29(土) 13:57:21 ID:vg7KGepf0
「あいつら、こんなところまで」
 海はチェンジャーを取り出そうとした。しかし彼女の前では変神することなんてできない。変神をでしぶっている海に、
ドクロ兵達が襲い掛かってきた。 
 「ブライトアーチェリー!」
 絶体絶命のピンチの海を救ったのは、ガイレイジャージェネシスだった。
 「ケガはなかったか?」
 「どうしてあんたがここに?」
 「君が悩んでいる原因、それはあの子のようだな。それが心配でここまで後をつけていたのさ」
 「じゃあ何でさっきはあんな事を」
 「私の仕事は君達を一人前にすることだ。君の場合はあの子を事が気になっているから特訓に身が入らなかった。
はずれていないだろ?」
 「まあ、それはそうだけど…ジェネシス、後ろ!」
 二人が話しているうちに、ドクロ兵たちが背後に回って攻撃を仕掛けてきた。
 「君は下がっているんだ。ここは私が片付ける」
 「おいらも…」
 「君は彼女を護ってやるんだ。それが君にとってもプラスになるはずだ」
 海は無言で頷くと、由梨を連れて公園の外への逃げ出した。
 「さて、君達の相手はこの私だ。どこからでもかかって来い!」
 ジェネシスの挑発に反応したドクロ兵は、束になって襲い掛かってきた。
392ガイレイジャープロジェクト:2006/07/29(土) 13:58:12 ID:vg7KGepf0
「かかったな。アローシュート!!」
 ジェネシスはアローを連射してドクロ兵を次々と倒して行った。
 「さすがだなジェネシス、この前よりも強くなってるようだな」
 木の陰からヴェルデルが姿を現した。
 「だが、こいつを倒す事ができるかな?」
 ヴェルデルの掛け声で地中から巨大なロボットが姿を現した。
 「こいつはアトミクスを内蔵したマシン兵器『メガロタイタン』だ。強大なパワーを備えたこいつに、お前は勝てるかな?」
 「なるほど、よく考えたものだな。だがこっちにも心強いマシンがあることを忘れては困る!!」
 ジェネシスはカードデッキからカードを一枚引くと、コマンダーにスラッシュした。
 『天空騎馬・凱閃煌』
 「来い、天空騎馬!」
 ジェネシスの呼びかけに呼応して、天空騎馬が空から現れた。
 「スピリットダイブ!」
 そしてジェネシスはコックピットへと搭乗した。
 「なるほどな、虎の子の登場というわけか」
 それを見たヴェルデルは、自分もメガロタイタンのコックピットへ搭乗した。
 「勝負だ、ジェネシス!」
 天空騎馬に襲い掛かるメガロタイタンに対し、ジェネシスは騎馬の前半部分を切り離し、変形させた。
 「騎光兵・凱閃煌!」
 ジェネシスの号令により、騎馬が変形を始めた。前脚が両腕に、後足が両脚に、そして馬の頭部が胸に収まって騎光兵の頭が出現した。
 「いくぞ、ヴェルデル!!」
 変形が完了した騎光兵凱閃煌は、メガロタイタンの立ち向って行った。
393ガイレイジャープロジェクト:2006/07/29(土) 13:59:10 ID:vg7KGepf0
「こんなものでこのメガロタイタンが倒せると思うなよ!」
 しかし騎光兵凱閃煌の動きはすばやく、メガロタイタンの力を持ってしても捕まえることはできなかった。
 「こうなったらこれでも食らえ!」
 業を煮やしたヴェルデルは、騎光兵凱閃煌に向かってミサイルを一斉放射した。無数のミサイルは騎光兵凱閃煌にあたり、
周りの町ごと破壊した。
 「どうだ、これでお前に勝ったぞ」
 しかし騎光兵凱閃煌は馬形態に変形して飛び上がり、再変形して後部に連結してあったギャリーと合体した。
 「騎兵合神、烈空戦騎・凱閃煌!!」
 ギャリーが両脚、両腕、胴体部、そしてヘルメットに分離して騎光兵の身体に合体していく。そしてヘルメットを被ると、
一回り巨大化した凱閃煌が現れた。
 「なるほど。これで勝てると思うか」
 「やって見なければわからないさ」
 二体のロボットは互いに組合い、力比べをした。しかしそれでは決着がつくはずもなかった。
 「力は互角というわけか」
 「なら、これならどうだ!」
 メガロタイタンは巨大な槍を背中から取り出し、凱閃煌に向けて突いてきた。
 「そうか、接近戦で戦うのか。ならばこっちも接近戦でいくぞ。閃煌双牙剣!!」
 凱閃煌の腰から一対の剣が引き出され、両手に握られた。そしてメガロタイタンに向かって突進した。
394ガイレイジャープロジェクト:2006/07/29(土) 13:59:59 ID:vg7KGepf0
「一気に決着をつけるぞ、ジェネシス!!」
 「望むところだ。ヴェルデル!」
 二体の武器が交差し、火花が散る。そしてお互いに視力を尽くして闘った。
 そしてついに凱閃煌の剣がメガロタイタンの槍を真っ二つに折ることに成功した。
 「閃煌双牙剣、天翔の舞!!」
 凱閃煌の必殺技がメガロタイタンにヒットし、動けなくした。だがそんなことでヴェルデルはまだ諦めるわけにはいなかった。
 「まだだ、まだ俺は倒れるわけにはいかない。お前との決着を着けるためには…」 
 「もうお前は動く事ができない。勝負はついたんだ。それ以上戦う理由なんてないはずだ」
 「俺は…」
 そのとき地上から魔法陣が出現し、メガロタイタンを地中へと沈ませていった。
 「なぜこんな事を!俺はまだ戦える」
 「馬鹿ね、動けないんじゃ戦えるわけないじゃないの。あんたが倒されるのをこれ以上見たくないの」
 魔方陣を出現させたのはミスティだった。彼女は傷ついたメガロタイタンを移動させると、どこかへと消えて行った。
 「戦いに水を入れられた形になったな…」
 戦いが終わった凱閃煌は、空へと帰っていった。
395ガイレイジャープロジェクト:2006/07/29(土) 14:00:45 ID:vg7KGepf0
由梨さん、怪我はなかった?」
ジェネシスが戦っていた場所から少し離れたところで、海と由梨は腰を下ろして休んでいた。
 「ええ、大丈夫よ。それよりさっきのあれって何なの?」
 「ああ、あれね、あれはガイレイジャーという地球を護るヒーローさ」
 「ヒーロー?あの時の事件で戦ったあの?」
 由梨の言葉に海は少しドキッとした。
 「そ、そう。あれがガイレイジャーだよ」
 「海君、一つ聞きたいんだけど」
 「え?」
 いきなり由梨がこんな事を質問してきたので、海は非常にドギマギしていた。
 「海君ってガイレイジャーなの?」
 つ、ついに言われてしまった…。それを聞いた海は、そう思った…。
 「ええ?何でこんな事聞くの?」
 「じゃあ何でガイレイジャーが助けに来たの?どうして襲われてるのが分かったの?」
 「そ、それは…」
 もうここまでばれてるなら、言ったほうがいいかも知れない…。海は決意を固めた。
 「分かった。本当のことを話すよ。由梨さんの言うとおりおいらはガイレイジャーなんだ。本当は由梨さんを危険な目に合わせたくなかったから言わなかったんだけど、
分かったならしょうがないよね」
 それを聞いた由梨はキッとした顔をして、こんな事を言い出した。
 「それじゃあ海君、私の言う事を聞いてほしいの」
 一体何を言い出すんだ、由梨さんは?そう思いつつも聴かざるをえない海だった…。
  第15章終わり
396ガイレイジャープロジェクト:2006/07/29(土) 14:01:31 ID:vg7KGepf0
【次回予告】
 由梨から出た言葉、それはあるプロジェクトの内容だった。それを聴いた海は協力すればいいか迷ってしまう。
悩んだ末に海はある決断を取る事になる。
 烈空戦騎ガイレイジャー第16章!「明かされた飛竜計画」
 「飛竜の咆哮を耳にする日も近い…」
397ガイレイジャープロジェクト:2006/07/29(土) 14:15:19 ID:vg7KGepf0
ガイレイジャー第15章をお送りしました。
今回はガイレイジャーの秘密基地である『ガリバーベース』と、ジェネシス専用の
戦騎、凱閃煌が登場しました。凱閃煌については、ジェネシス専用機なので、神々しい
イメージで書いています。ガリバーベースは「敵に見つからなさそうな移動基地」を
目指して書いていきました。でもまだ全貌は現れていないので、イメージしにくいかもしれませんね。
そしてもう1つ、由梨さんがついに海にあることを伝えようとします。それはいったい何なのか?
それは次回のお楽しみです。
>>380 ガイレイジャ−を盛り上げる会さん
今回のジェネシスの活躍はどうでしたか?これからもジェネシスのことを応援してくださいね。
>>381 ガイレイジャーサポーターさん
そうでしたか。ジェネシスが猛だと思っていましたか。でも猛は再び登場する予定ですので、
期待して待っていてください。もちろん遼たちの仲間として帰ってきます。
最後に設定集です。今回はジェネシスについての設定です。ごゆっくりご覧くださいませ。
398ガイレイジャープロジェクト:2006/07/29(土) 14:16:50 ID:vg7KGepf0
ガイレイジャージェネシスについて

 ガイレイジャージェネシスは天上軍に所属していた隊長であり、軍を率いるリーダー的存在でもあった。彼は最終決戦の時に天上軍をひきいて邪神軍に立ち向い、勝利に導いている。その後、彼は次の決戦に備えてコールドスリープに入り、
幾千年の時を過ごした。そして再び邪神軍が動き出したときに眠りから覚めて現代のガイレイジャーとともに戦うことになったのだある。

 【ジェネシスのガイレイスーツのついて】
 ジェネシスのスーツは他のガイレイジャーのスーツよりも耐弾・耐圧などが大幅にアップされ、エネルギーの伝導率も通常に1,5倍以上になっている。これはジェネシスのスーツが隊長用にカスタマイズされているからであり、
その能力は他のスーツをはるかに凌駕する。さらにジェネシスのスーツは加速機能が内蔵されており、高速で移動する事が可能になっている。そのためジェネシスは「光の勇者」と呼ばれるようになった。
変神方法は「ジェネシスコマンダー」と呼ばれるモバイルを使用する。このコマンダーは基本的にはガイレイチェンジャーと同様の機能が備えてあるが、探索モード、カード生成モード、遠隔操縦モードが追加されている。
変神後は腰のホルダーに装着されるのも他のチェンジャーと異なる。
399ガイレイジャープロジェクト:2006/07/29(土) 14:17:30 ID:vg7KGepf0
【ジェネシスの武器について】
 ジェネシスの専用武器、「ジェネシスブライトアロー」は多段変形する武器である。ジェネシスは各モードを使い分ける事で状況に対応する事が出来る。
カタールモード
最初に召喚されるときにはこのモードで召喚される。このモードでは主に攻防一体の陣形を張ることが出来る。主に防御用に使われる事が多い。

ソードモード
カタールの刃が左右に開いた形態で、主に攻撃用に使われる。ただし取り回しが悪いためにあまり使用されることはない。

ツインソード&シールドモード
ソードモードの刃を基部から取り外した形態。刃はツインソードに変形して取り回しの良い両刃の剣に、基部の上半分と翼状の飾りである「ディフェンスウイング」が展開して
シールドになる。攻防のバランスが取れた形態で、ジェネシスが好んで使用する。必殺技はツインソードに光のエネルギーを集めて切り裂く「シャイニングエクステンデット」。

アーチェリーモード
ソードモードからサイドウイングが展開し、砲身が出現した形態。この状態で光の矢を連射する事が出来るようになる。さらにシールドの上半分がスライドし、ディフェンスウイング
が展開すると、「フィニッシュモード」になる。この状態から放たれる必殺技「シャイニングアロー」はドクロイドを光に変える技である。
400指摘:2006/07/29(土) 15:58:29 ID:HkQOzRnjO
あの〜
今回の話に出てきた「アトミクス」と飛竜の「アトマイクス」は別物?
401ガイレイジャープロジェクト:2006/07/29(土) 17:57:32 ID:vg7KGepf0
>>400
ごめんなさい、「アトミクス」じゃなくて「アストレス」の間違いでした。
気を取り直して説明しますと、「アトマイクス」は各戦騎の動力源で、これから出る
「飛竜」にも搭載されているもので、「アストレス」は「アトマイクス」を邪神軍側が
解析してコピーした動力源です。ですから「アトマイクス」と「アストレス」は別物です。
しかも「アストレス」にはエネルギーを吸い取って自分の物にするシステムも内臓しているので
戦騎にとって厄介な代物であることは言うまでもありません。
簡単に説明しましたが、これが2つのジェネレーターの違いです。これも後で詳しく設定集に載せますので
待っていてください。
402ガイレイジャ−を盛り上げる会:2006/07/30(日) 12:59:51 ID:7BzUE7SQ0
お答えくださってありがとうございます。
早速第16章を拝見しました。今回は凱閃煌初登場ということで、ジェネシスの独占場
になりましたね。敵のライバルロボの「メガロタイタン」もいい味出しています。
ただ、今のところジェネシスの変神シーンが出ていないので、いつ登場するのか気になります。
もしかしたら次回なのでしょうか。期待しています。
403名無しより愛をこめて:2006/07/30(日) 20:57:36 ID:O3Q+NAOH0
サポーターです。
16章見ました。
ジェネシスはみんなの先生って感じですかね?
あとドクロイドとハイパードクロイドの違いって具体的にどの辺なんですか?
404名無しより愛をこめて:2006/08/02(水) 05:28:52 ID:lXGD2KsfO
>>400 って事は計三基のジェネレーター搭載になるな 大砲付き 「騎覇王凱霊刃」
405ガイレイジャープロジェクト:2006/08/05(土) 13:01:45 ID:gs0TdfA40
第16章 明かされた飛竜計画

 よく晴れた朝、自分のアパートに戻った海は思い悩んでいた。昨日の由梨の言葉が気にかかっていたのだ。
 「由梨さんがあんなことをしてたなんて…」
 話は昨日の夜にさかのぼる。海と由梨はレストランであることを話していた。
 「海君、私たちに協力してほしいの」
 「何だよ、いきなりそんなこと言うなんて」
 「私は国防庁の開発メンバーの一人で、地球を護るために防衛用の兵器を開発する仕事をしてるの。そのためにも海君の協力が必要なの」
 それを聞いた海は何が何だか分からなくなっていた。
 「…防衛用の兵器?国防庁?何言ってるんだよ、由梨さん」
 「私があなたに近づいたのは、ガイレイジャーかどうか確かめたかったからなの。もちろんそれだけじゃないけどね」
 「それじゃあ、由梨さんはおいらの事を騙してたのかい…」
 「そうじゃないわ。半分は任務が目的だったけど、もう半分はあなたが気になったからなの。本当はもう少しあとで逢う予定だったんだけど、
偶然ぶつかっちゃったのよね。そのときから私はあなたの事が気になってしょうがなかったの」
 海は呆然として聴いていた。あの時は本当に偶然だったのだ。このことを聴いて海は少しホッとした。
 「でも、どうしてそんなこと言うんだい?おいらがガイレイジャーの秘密を知ってるからなの?」
 「それもあるわ。でもわたし達が必要なのは幻の動力源、アトマイクスの製造方法よ」
 「アト…マイクス?」
 「アトマイクスとは、古代の戦士が使っていた乗り物や兵器に使われていた超エネルギー炉よ。これを造るにはあるものが必要なの」
 由梨はアトマイクスについて出来る限りのことを海に話した。
 「由梨さん…、本当に信じていいんだね?もしかしたらそれを知っている人がいるかもしれないんだ。だからもう少し待っててほしい」
 「…分かったわ。もし決まったら私の携帯にだ電話して頂戴。私はいつでも待ってるから」
 こうして二人はレストランから出て、別れたのだった。
406ガイレイジャープロジェクト:2006/08/05(土) 13:03:24 ID:gs0TdfA40
「でも誰に言えばいいんだろう。ミツキさんには言えないし、遼さんたちにそんなこと言っても分からないだろうし…」
 海は考えた。そして考えた末にある決断をしたのだった。
 「皆川教授に相談してみよう」

 そのころガリバーベースでは、ガイレイジャーのパワーアップの特訓を開始しようとしていた。
 「今日から本格的に特訓を開始するとしよう。まずは遼、君から特訓のスケジュールを決めようと思う」
 「ええと…、どこから始めるんでしょう?」
 「そうだな、まず両腕の握力を強化しよう。ほら、これ持って」
 ミツキはバットみたいな棒を二本、遼に渡した。
 「これって、金属バットじゃねえか。にしては先が太いんだけど」
 「これを持って手首だけで回転させるんだ。スムーズに回せるようになったら次の段階に進む事にしよう。次は大樹、君だ」
 ミツキは大樹を隣の専用ルームに連れて行き、あることを命じた。
 「君にやってほしいことは反射神経の特訓だ。戦いには時として機敏さが必要とされる事がある。それでこのマシンを使って君の反射神経を強化したいと思う。やれるか?」
 「はい、やります。それでこのマシンはどうやって動かすんですか?」
 「これは、こう動かすんだ」
 ミツキは手をかざしてマシンを動かした。
 「運動の強弱はこちらで設定しておこう。まずは弱にしておこうか。動いたらこの中へ入って障害物を避けたりジャンプして通過してほしい。
止めるときは手を上にかざせば止まる仕掛けになっている。それでは始めよう」
 マシンに設置された障害物が動き始め、大樹は特訓を始めた。
407ガイレイジャープロジェクト:2006/08/05(土) 13:03:56 ID:gs0TdfA40
「さて、次は有紀、君だな」
 ミツキは有紀を別の部屋へ案内した。
 「ここで君はシミュレーションをしてもらう。まあゲームみたいなものと考えてもいい。さあ始めようか」
 「すいません、少し質問があるんですけど」
 シミュレーターを見て有紀は疑問に思ったのか、ミツキに質問をした。
 「どうして僕だけこんなシミュレーターに乗らないといけないんでしょうか?」
 「これは君の判断力と行動力をテストするものだ。他のメンバーと違って君はあまり体力がないから、それを補うためにこのシミュレーターで訓練をするわけだ。
それではスタートするよ。いいね」
 有紀がシミュレーターのシートに乗ったのを確認した後、ミツキはスイッチを押してシミュレーターを始動させた。
 「じゃあ私は疾風君の所に行ってくるからね。終わるまでそこにいるんだよ」
 そう言ってミツキはシミュレータールームを後にした。
 トレーニングルームに戻ってきたミツキは、最後に残った疾風にトレーニングの内容を話した。
 「君はここで瞑想に入ってもらい、精神を鍛えてもらう。まずここで座禅をして、瞑想に入る。気持ちを落ち着かせるのがポイントだ。
そして精神を統一して心を空っぽにするのが今回のメニューだ。これが出来たら次のメニューに入るとしよう」
 疾風は黙ってその場に座禅をして、瞑想に入った。しかしこういうのが苦手な疾風は、次第にガマンが出来なくなっていった。
 「なあミツキさん、こういうの俺には向かないわ。他のトレーニングにしてほしいんだけど」
 「だめだ、これが出来ないと、君はいつになっても前には進めない。今はガマンするんだ」
 「分かったよ。やればいいんでしょう」
 疾風はぶつぶつ言いながら瞑想を再開した。
 「あとは海だけか…。彼は格闘家をやっていたと聴いたから、技や体力はあるはずなんだが…」 
 そう言いながらミツキはエレベーターに乗り、外へ向かった。
408ガイレイジャープロジェクト:2006/08/05(土) 13:05:10 ID:gs0TdfA40
「皆川教授、お話したいことがあるんですけど」
 研究室を訪ねてきた海は、烈空の書を解読中の皆川教授に会いに来た。
 「どうしたのかい、海君?みんなと一緒に行ったんじゃないのか?」
 「ちょっと聞きたいことがあるんでここに来たんです。実は…」
 「アトマイクスのことだね。昨日浅生由梨から電話があってね、海君が来たら国防庁に来るようにといわれたんだよ」
 それを聴いた海は驚いていた。まさか皆川教授の所まで電話を入れるなんて思っても見なかったからだ。
 「あの…、教授は由梨さん、いや浅生さんのことをどう思ってますか?」
 「浅生さんのことか…、彼女は一生懸命地球のことを護りたいと思っていると思うよ。そのためにもアトマイクスが必要だといっていたしね」
 海はそのことを聴いて、由梨が地球の平和を一生懸命考えているのを悟った。
 「分かりました。それじゃ一緒に国防庁に行きましょう。おいら達が力になれば地球の平和は早く来ますよ」
 「そうか、では一緒に行こう」
 海と皆川教授は車で国防庁へと出発した。
409ガイレイジャープロジェクト:2006/08/05(土) 13:06:55 ID:gs0TdfA40
「ようこそいらっしゃいました。スタッフの方が奥で待っています」
 国防庁の本部に来た海と皆川教授は、警備員に連れられて会議室へ案内された。
 「いらっしゃい、海君、それと皆川教授」
 室内には由梨と国防庁の上司らしき人が数人、椅子に座っていた。
 「始めまして、私が国防庁長官の瀧口士郎です。隣にいるのが深田副官、反対側に座っているのが飛竜計画スタッフの開発責任者、村田三四郎です」
 両脇に座っている二人も会釈をした。
 「後はご存知かと思いますが、飛竜製作の助手であり、調査員の浅生由梨君だ」
 そうか、そういうことか…。海は少し緊張している由梨の顔を見てそう思った。
 「あともう一人、飛竜開発にかかわっている人物がいるのですが…。もう到着しているはずなんだが…」
 「もう来てますよ」
 急に会議室のドアが開いた。中に入ってきたのは、海が最近出会ったあの人物だった。
 「あなたは…ミツキさん!?どうしてここに?」
 「皆川教授に頼まれてね、地球の平和のために協力することにしたのさ」
 「それじゃあ、今までのことはすべて…」
 「すべてじゃないけど、ある程度は知っていたさ。なぜ浅生由梨が急に君に近づいたのか、そのせいで君の戦いに影響したのかもね」
 「そ、それは…」
 「君に気があったかのかもしれないが、あくまで彼女の狙いはアトマイクスの製造方法だったのさ」
 海はしばらく黙り込んだ。そんな海をよそに皆川教授が飛竜について質問した。
410ガイレイジャープロジェクト:2006/08/05(土) 13:08:51 ID:gs0TdfA40
「飛竜を製造してどうするつもりですか?」
 瀧口長官がその答えを出した。
 「前に邪神が復活しかけた事があったのはご存知ですね。そのとき私達国防隊は手も足も出せなかった。ガイレイジャーの活躍によって邪神復活は免れたが、再び邪神が復活すればいくらガイレイジャーでも勝てる見込みはないだろう。
そこで私達は開発途中の戦闘兵器、「飛竜」を対邪神用に改造する事に決めたのです」
 「それで私に協力を要請したのですね」
 「その通り。私は古代文明の遺産である烈空の書を解読しているあなたを通してガイレイジャーにアトマイクスのことを聞き出そうとしたのです。しかしガイレイジャーにもそのことは分からなかったようなのです。半ば諦めていた私達でしたが、
幸いにも古代文明の事を知っているミツキ君とコンタクトをとれる事ができました。
それでミツキ君にもこの計画に参加してもらったのです」
 「そこからは私が言おう」
 長官の代わりにミツキが説明を続けた。
 「私は戦騎のデータやアトマイクスの製造方法を国防軍に教えるのは最初は反対した。天界の技術を人類に教えるのは危険だと感じたからだ。しかし前の決戦で苦戦したことや、
今の戦力のことを考えると彼らに協力した方がいいと思ったから私は天界の技術を教えたのだ。あることを条件として…」
 「そう、この技術を地球防衛にだけ使うと約束したんです」
411ガイレイジャープロジェクト:2006/08/05(土) 13:10:26 ID:gs0TdfA40
 由梨が説明を続けた。
 「過剰な技術は自ら身を滅ぼしかねません。ましてやそれがきっかけで戦争にでもなったら大変な結果を招きます。飛竜は相手を滅ぼす兵器ではなく護りの兵器として存在するのです」
 由梨は黙り込んでいる海をちらっと見ると、淡々とした口調で説明を続けた。
 「それを約束した私達は、彼の知識と天界の技術を借りて地球防衛用の量産型戦騎、飛竜の開発に着手しました。基本構造はある程度完成していましたが、動力源と変形を確保するための強度、
それに巨体を浮かせるための推進システムが難航してしまい、試作機が完成するのが遅れてしまいました。今急ピッチで作業をしていますが、
試作機が完成するまでにはあと十日ほどかかります」
 「なるほど、ミツキさんが国防庁へコンタクトを取りたいと言い出したのも、由梨さんがガイレイジャーに近づいたのもすべてはそのためだったのか」
 下を向いていた海が顔を上げて答えを出した。
 「ごめんね海君、それも地球を護るためなのよ」
 「もう分かったよ、もうすでに技術を手に入れたのにおいらを誘ったのも、これを見せるためだったんだろ…。もう説明が終わったなら、おいらは帰るよ」
 「ち、違うよ海君、あの時は…」
 「…もういいんだ」
 海は会議室を出て行ってしまった。
 『海君、本当に君のことが好きなのに…』
 由梨は自分の不甲斐なさを責めた…。
412ガイレイジャープロジェクト:2006/08/05(土) 13:11:03 ID:gs0TdfA40
 「どうしておいらはこんな事言っちゃったんだろう…。本当は分かってたはずなのに…」
 外に出た海は、さっき由梨に言ってしまった事を後悔していた。
 「後悔したって仕方ないだろ」
 後ろからどこかで聞き覚えがある声が聞こえた。
 「遼さん!どうしてここに居るのが分かったんだよ?」
 「実はこっそりミツキさんの跡を追ってたんだよ。そうしたらお前が出てきたから声をかけたんだよ」
 そうか、遼さんはおいらの事を心配してわざわざここに来たんだな…。
海は心の中で遼を感謝した。
 「…でも遼さん、トレーニング抜けだして大丈夫なの?」
 「ばれやしねえよ、まあ、ここに来たのは俺だけじゃねえけどな」
 そのとき、突然地震が起きて山の方から巨大ロボが現れた。
 「邪神軍のマシンか。よし、変神して凱零刃呼ぶぞ」
 「うん、分かった」
 2人は変神して戦騎を呼んだ。
 「遼、お前途中で抜け出していいのか」
 凱獅子王に乗り込んでいる大樹=マックスが遼に注意した。
 「いいんだって。それよりいくぞ!烈空合神!!」
 3機の戦騎は合神して凱零刃になった。
 「おや?お前らは他のガイレイジャーじゃねえか。ジェネシスはどうした?」
 巨大ロボ、ネオタイタンに乗り込んでいるヴェルデルが叫んだ。
 「俺達じゃ不服というわけか?冗談じゃねえ。やってやろうじゃねえか!」
 凱零刃はネオタイタンに立ち向って行った。しかしまるで歯が立たない。
 「こんなときに疾風達はどこ行ってるんだ?」
 「ここは耐えるしかないぞ、ブラス」
 防戦一方の凱零刃に、ネオタイタンは攻撃を仕掛けてきた。
 「お前等雑魚にかまってる暇はねえんだよ。さっさと倒れな!」
 そのとき、どこからかミサイルが飛んできて、ネオタイタンに当った。
 「すまねえな、遅れちまって」
 凱零刃を助けたのはダルクリアンだった。
413ガイレイジャープロジェクト:2006/08/05(土) 13:11:57 ID:gs0TdfA40
「早く騎覇王凱零刃に合神しましょう」
 「よし、いくぜ!超烈空合神!!」
 『キバフォーメーション』
 二体の戦騎は合神して最強の戦騎・騎覇王凱零刃になった。
 「フッ、雑魚が合体したところでどうにかなると思ったら大間違いだ!」
 ネオタイタンは騎覇王に襲い掛かった。しかし騎覇王は余裕でそれをよけ、ネオタイタンにブローを叩き込んだ。
 「どうだ、騎覇王凱零刃の力は!」
 「くそっ、試作機ではこれが限界か。だが俺はこのまま引き下がる訳にはいかねえんだよ!」 
 ダメージを受けたにも拘わらず、突進していくネオタイタン。それに答えるかのように、騎覇王は騎覇王剣を出現させて迎え撃った。
 「うをおおおおおおお!」
 「ここまで向かってくるなんて、敵ながら大した奴だな。よし、いくぜ!」
 お互いに立ち向っていく二体のロボ。そして交差した瞬間…。
 ネオタイタンの体が上下に切断された。
 「こんな奴らにやられるとは…。作戦の建て直しだ!!」
 ネオタイタンが爆発する前に、ヴェルデルはテレポーテーションで脱出した。
 「やったな、ブラス」
 「ああ、でもこれをミツキさんに見られたらどうしようか…」
 「と、とりあえずこの場で解散してから考えようよ」
 騎覇王はそそくさに分離して、この場を去って行った。
414ガイレイジャープロジェクト:2006/08/05(土) 13:12:56 ID:gs0TdfA40
 戦いから戻った海はさっき言ったことを謝るため、改めて国防庁に戻ってきた。会議はすでに終わっていたが、由梨とミツキは
後片付けで遅くなったため、今国防庁から出るところだった。
 「ごめんなさい、おいら、そんな事言うつもりはなかったんだ…」
 「謝りたいのは私のほうよ。そんなこと言おうとした訳じゃないのに、言ってしまって…」
 「いいじゃないか」
 二人の間を割って入るようにミツキが慰めた。
 「もう蟠りは解けたんだから。これからは普通に付き合えばいい」
 「は、はい!」
 海は照れながら答えた。
 「もう、海君ったら」
 そのとき、門の脇からドタッという音が聞こえた。遼と疾風が物陰で一部始終を見ていたのだ。
 「あっ、みんな…」
 「見て…たのね…」
 それを見て呆れた二人は大声で笑ってしまった。
 「おいおい、笑い事じゃねえよ」
 「お前を心配して影から見てたって言うのに、何だよそれ」
 それを見たミツキは、遼たちに向かって叫んだ。
 「君達、修行をさぼって何見てるんだ?そんな暇があったらさっさと練習するんだ!」
 「わ、分かったからそんなに目くじら立てなくても良いじゃんか」
 「いいや、許さないよ。君達にはちゃあんとメニューをやってもらわないといけないからね〜」
 内なる怒りを秘めてミツキは遼たちに説教を始めてしまった。
 「ねぇ、あんな調子で地球を救えるのかしら?」
 「さ、さあね…」
 海と由梨は一緒にため息をつくのだった…。
415ガイレイジャープロジェクト:2006/08/05(土) 13:14:14 ID:gs0TdfA40
 「これでいいのですね、長官」
 海たちの様子を見ていた皆川と瀧口長官はこれからのことを話し合っていた。
 「ああ、今更隠しても彼らのためにもならないからね。私たちが進めている『飛竜計画』、今更引くわけにもいかんだろう」
 瀧口長官は懐からタバコを取り出し、火をつけた。
 「このまま順調にいけば、飛竜の咆哮を耳にする日も近い。それまでは彼らにがんばってもらわないといけないがね…」
 「私もがんばるつもりです。早い所烈空の書を解読しないといけませんから…」
 二人は晴れ渡った空を見ながら決意をした。
                             
第16章終わり


 【次回予告】
 街にドクロイド出現!それも3体。遼たちはそれぞれ現場に向かうが、すぐに姿をくらましてしまう。神出鬼没の敵に、ガイレイジャーはどう立ち向うのか?
 烈空戦騎ガイレイジャー第17章!「唸れ、勝利の新必殺技!」
 「俺達の特訓の成果、見せてやるぜ!」
416ガイレイジャープロジェクト:2006/08/05(土) 13:35:00 ID:gs0TdfA40
第16章をお送りしました。
今回で海と由梨の物語は一応の決着がつきました。由梨の正体を知って、海が彼女のとった
行動が自分を利用したのだと勘違いしてしまって彼女から離れようとしたのですが、それは誤解だった
ことに気づいて仲直りする・・・、というシチュエーションでしたがいかがでしたでしょうか。
もうひとつ忘れてはいけないのが、今回登場した「飛竜」の存在でしょう。この「飛竜」は前にこのスレで
掲載していただいた「飛竜」が元になっています。細かいスペックは少し変更させていただきましたが、何とか
登場させることができたのでよかったと思います。「飛竜」自体の登場はもう少し先ですが、満足できる登場の
仕方をしますので期待していてください。
>>402 ガイレイジャ−を盛り上げる会さん
すいません、今回もジェネシスの変神シーンを載せることができませんでした。(今回はミツキが変神しなかったため)
次回は変神シーンがありますので期待していてください。
>>403 ガイレイジャーサポーターさん
ドクロイドとハイパードクロイドの違いは、アストレスが内蔵しているかしていないか、そのエネルギーに耐えられる
構造になっているかどうかです。つまりハイパードクロイドはアストレス搭載を意図したドクロイドというわけです。
詳しいスペックは跡で設定集に載せますので待っていてください。
>>404さん
飛竜は手持ち武器に変形する予定です。どのようにして装備されるのかはお楽しみです。
最後に設定集です。今回は>>400さんのリクエストにお答えしてアトマイクスとアストレスの説明を掲載します。
どうぞごらんください。
417ガイレイジャープロジェクト:2006/08/05(土) 13:36:25 ID:gs0TdfA40
アトマイクスとアストレスについて

 アトマイクスは天界人が開発した、いわゆるオーバーテクノロジーといえる動力源である。光を圧縮した宝石をエネルギー源にしているアトマイクスは、
戦騎だけではなく天空島や移動基地、ガイレイジャーのスーツにも利用されている。アトマイクス自体は小さく、小型のものだと手のひらに乗るほどの大きさしかない。
またすべて地球上の元素で構成されているため、それを創れる技術さえあれば地球人でも作ることは可能らしい。そのため、悪用を恐れた天界人はその技術をガリバーベースに封印し、
来るべきときに使えるようにしたのだ。
 それに対してアストレスは、シュペルターがアトマイクスのデータをどこからか入手し設計した動力源であり、その出力はアトマイクスより上回るといわれているらしい。
しかしコピーし切れていない部分もあるため、稼動させるためのエネルギーを多く消費するという欠点がある。設計した本人が行方不明なため設計図を基にエディスが開発したが、
未完成な部分があり改良が必要である。そのためアストレスにはエネルギー吸収システムが追加されており、エネルギー不足分を補っている。もちろんアトマイクスも例外ではなく、
ガイレイジャー達もエネルギーを吸い取られて窮地に立たされたこともある。
418名無しより愛をこめて:2006/08/05(土) 17:13:58 ID:B0/xusxiO
飛竜は壊れてこそ花だと思う
長官「やはり私達もイカロスと同じか…、太陽にはたどり着けないということか」
で締めてほしい。
419名無しより愛をこめて:2006/08/05(土) 17:25:23 ID:B0/xusxiO
飛竜制作班

安田道晴
38才妻子持ち趣味時代劇鑑賞
島谷
27才、元天才ゲーマー。プログラム担当
谷内
42才、妻と二人暮らし飛竜のデザインをした
四倉
塗装担当。32才
エリック
特撮とオクラが大好きデザイン担当32才
村田三四郎
56才 元戦車整備工
420名無しより愛をこめて:2006/08/05(土) 17:29:16 ID:m6FELt1G0
オナスレをあげるなよクズ
421ガイレイジャーを盛り上げる会:2006/08/06(日) 15:23:47 ID:dD+X1bZi0
第16章拝見しました。
今回はついに「飛竜」の話が出ましたね。私も飛竜については期待していました。
量産型という設定はいいアイディアですものね。
近いうちに飛竜が飛び立つ日まであと数話ということなので、期待して待つことにします。
それと今回はもうひとつ、海と由梨の関係がとりあえず結ばれる話は、ひとつの区切りとしては
すこし強引でありながらも、うまくまとめたみたいでよかったと思います。
次回は強敵が登場するということなので期待したいと思います。
422ガイレイジャープロジェクト:2006/08/08(火) 18:37:03 ID:d3C1ocX30
>>409
訂正します。
X「君に気があったかのかもしれないが、あくまで彼女の狙いはアトマイクスの製造方法だったのさ」
○「彼女はアトマイクスの製造方法を知りたかったから君に近づいた。しかし彼女は君に付き合っていくうちに
自分の使命を忘れてしまった。私はそれに口を出す権利はない。君のこともあるからね」
間違ってしまってどうもすいませんでした。
423ガイレイジャープロジェクト:2006/08/09(水) 13:55:55 ID:87+Ge5LQ0
やっぱり書き直したい部分がありましたので、再度第16章を再掲載します。
それでは訂正版の第16章をごらんください。
424ガイレイジャープロジェクト:2006/08/09(水) 13:56:44 ID:87+Ge5LQ0
第16章 明かされた飛竜計画

 よく晴れた朝、自分のアパートに戻った海は思い悩んでいた。昨日の由梨の言葉が気にかかっていたのだ。
 「由梨さんがあんなことをしてたなんて…」
 話は昨日の夜にさかのぼる。海と由梨はレストランであることを話していた。
 「海君、私たちに協力してほしいの」
 「何だよ、いきなりそんなこと言うなんて」
 「私は国防庁の開発メンバーの一人で、地球を護るために防衛用の兵器を開発する仕事をしてるの。そのためにも海君の強力が必要なの」
 それを聞いた海は何が何だか分からなくなっていた。
 「…防衛用の兵器?国防庁?何言ってるんだよ、由梨さん」
 「私があなたに近づいたのは、ガイレイジャーかどうか確かめたかったからなの。もちろんそれだけじゃないけどね」
 「それじゃあ、由梨さんはおいらの事を騙してたのかい…」
 「そうじゃないわ。半分は任務が目的だったけど、もう半分はあなたが気になったからなの。本当はもう少しあとで逢う予定だったんだけど、偶然ぶつかっちゃったのよね。
そのときから私はあなたの事が気になってしょうがなかったの」
 海は呆然として聴いていた。あの時は本当に偶然だったのだ。このことを聴いて海は少しホッとした。
 「でも、どうしてそんなこと言うんだい?おいらがガイレイジャーの秘密を知ってるからなの?」
 「それもあるわ。でもわたし達が必要なのは幻の動力源、アトマイクスの製造方法よ」
 「アト…マイクス?」
 「アトマイクスとは、古代の戦士が使っていた乗り物や兵器に使われていた超エネルギー炉よ。これを造るにはあるものが必要なの」
 由梨はアトマイクスについて出来る限りのことを海に話した。
 「由梨さん…、本当に信じていいんだね?もしかしたらそれを知っている人がいるかもしれないんだ。だからもう少し待っててほしい」
 「…分かったわ。もし決まったら私の携帯にだ電話して頂戴。私はいつでも待ってるから」
 こうして二人はレストランから出て、別れたのだった。
 「でも誰に言えばいいんだろう。ミツキさんには言えないし、遼さんたちにそんなこと言っても分からないだろうし…」
 海は考えた。そして考えた末にある決断をしたのだった。
 「皆川教授に相談してみよう」
425ガイレイジャープロジェクト:2006/08/09(水) 13:58:36 ID:87+Ge5LQ0
そのころガリバーベースでは、本格的にガイレイジャーのパワーアップの特訓を開始しようとしていた。
 「今日から本格的に特訓を開始するとしよう。まずは遼、君から特訓のスケジュールを決めようと思う」
 「ええと…、どこから始めるんでしょう?」
 「そうだな、まず両腕の握力を強化しよう。ほら、これ持って」
 ミツキはバットみたいな棒を二本、遼に渡した。
 「これって、金属バットじゃねえか。にしては先が太いんだけど」
 「これを持って手首だけで回転させるんだ。スムーズに回せるようになったら次の段階に進む事にしよう。次は大樹、君だ」
 ミツキは大樹を隣の専用ルームに連れて行き、あることを命じた。
 「君にやってほしいことは反射神経の特訓だ。戦いには時として機敏さが必要とされる事がある。それでこのマシンを使って君の反射神経を強化したいと思う。やれるか?」
 「はい、やります。それでこのマシンはどうやって動かすんですか?」
 「これは、こう動かすんだ」
 ミツキは手をかざしてマシンを動かした。
 「運動の強弱はこちらで設定しておこう。まずは弱にしておこうか。動いたらこの中へ入って障害物を避けたりジャンプして通過してほしい。止めるときは手を上にかざせば止まる仕掛けになっている。それでは始めよう」
 マシンに設置された障害物が動き始め、大樹は特訓を始めた。
 「さて、次は有紀、君だな」
 ミツキは有紀を別の部屋へ案内した。
 「ここで君はシミュレーションをしてもらう。まあゲームみたいなものと考えてもいい。さあ始めようか」
 「すいません、少し質問があるんですけど」
 シミュレーターを見て有紀は疑問に思ったのか、ミツキに質問をした。
 「どうして僕だけこんなシミュレーターに乗らないといけないんでしょうか?」
 「これは君の判断力と行動力をテストするものだ。他のメンバーと違って君はあまり体力がないから、それを補うためにこのシミュレーターで訓練をするわけだ。それではスタートするよ。いいね」
 有紀がシミュレーターのシートに乗ったのを確認した後、ミツキはスイッチを押してシミュレーターを始動させた。
 「じゃあ私は疾風君の所に行ってくるからね。終わるまでそこにいるんだよ」
 そう言ってミツキはシミュレータールームを後にした。
426ガイレイジャープロジェクト:2006/08/09(水) 13:59:16 ID:87+Ge5LQ0
トレーニングルームに戻ってきたミツキは、最後に残った疾風にトレーニングの内容を話した。
 「君はここで瞑想に入ってもらい、精神を鍛えてもらう。まずここで座禅をして、瞑想に入る。気持ちを落ち着かせるのがポイントだ。そして精神を統一して心を空っぽにするのが今回のメニューだ。
これが出来たら次のメニューに入るとしよう」
 疾風は黙ってその場に座禅をして、瞑想に入った。しかしこういうのが苦手な疾風は、次第にガマンが出来なくなっていった。
 「なあミツキさん、こういうの俺には向かないわ。他のトレーニングにしてほしいんだけど」
 「だめだ、これが出来ないと、君はいつになっても前には進めない。今はガマンするんだ」
 「分かったよ。やればいいんでしょう」
 疾風はぶつぶつ言いながら瞑想を再開した。
 「あとは海だけか…。彼は格闘家をやっていたと聴いたから、技術や体力はあるはずなんだが…」 
 そう言いながらミツキはエレベーターに乗り、下に降りていった。
427ガイレイジャープロジェクト:2006/08/09(水) 14:00:06 ID:87+Ge5LQ0
「皆川教授、お話したいことがあるんですけど」
 研究室を訪ねてきた海は、烈空の書を解読中の皆川教授に会いに来た。
 「どうしたんだ海君?みんなと一緒に行ったんじゃないのか?」
 「ちょっと聞きたいことがあるんでここに来たんです。実は…」
 「アトマイクスのことだね。昨日浅生さんから電話があってね、海君が来たら国防庁に来るようにといわれたんだよ」
 それを聴いた海は驚いていた。まさか皆川教授の所まで電話を入れるなんて考えてもみなかったからだ。
 「あの…、教授は由梨さん、いや浅生さんのことをどう思ってますか?」
 「浅生さんのことか…、彼女は一生懸命地球のことを護りたいと思っていると思うよ。そのためにもアトマイクスが必要だといっていたしね」
 海はそのことを聴いて、由梨が地球の平和を一生懸命考えているのを悟った。
 「分かりました。それじゃ一緒に国防庁に行きましょう。おいら達が力になれば地球の平和は早く来ますよ」
 「そうか、では一緒に行こう」
 海と皆川教授は車で国防庁へと出発した。
428ガイレイジャープロジェクト:2006/08/09(水) 14:01:21 ID:87+Ge5LQ0
 「ようこそいらっしゃいました。スタッフの方が奥で待っています」
 国防庁の本部に来た海と皆川教授は、警備員に連れられて会議室へ案内された。
 「いらっしゃい、海君、それと皆川教授」
 室内には由梨と国防庁の上司らしき人が数人、椅子に座っていた。
 「始めまして、私が国防庁長官の瀧口士郎です。隣にいるのが深田副官、反対側に座っているのが飛竜計画スタッフの開発責任者、村田三四郎です」
 両脇に座っている二人も会釈をした。
 「後はご存知かと思いますが、飛竜製作の助手であり、調査員の浅生由梨君だ」
 そうか、そういうことか…。海は少し緊張している由梨の顔を見てそう思った。
 「あともう一人、飛竜開発にかかわっている人物がいるのですが…。もう到着しているはずなんだが…」
 「もう来てますよ」
 急に会議室のドアが開いた。中に入ってきたのは、海が最近出会ったあの人物だった。
429ガイレイジャープロジェクト:2006/08/09(水) 14:04:51 ID:87+Ge5LQ0
 「あなたは…ミツキさん!?どうしてここに?」
 「皆川教授に頼まれてね、地球の平和のために協力することにしたのさ」
 「だったらどうして話してくれなかったんです?」
 「このことは秘密裏に進めていきたかったのでね、話さなかったんだ」
 「…それじゃ、由梨さんのことも知ってたんですか?」
 「由梨さんが飛竜に関わってたのはここに来たときに分かった。でもさすがに彼女が君と付き合ってるのは知らなかった。まあ、君がよそよそしかったのは、もしかしたら彼女が原因じゃないかな、とは思っていたけどね」
 海はショックのあまりしばらく黙り込んでしまった。そんな海をよそに皆川教授が飛竜について質問した。
 「飛竜を製造してどうするつもりですか?」
 瀧口長官がその答えを出した。
 「前に邪神が復活しかけた事があったのはご存知ですね。そのとき私達国防隊は手も足も出せなかった。
ガイレイジャーの活躍によって邪神復活は免れたが、再び邪神が復活すればいくらガイレイジャーでも勝てる見込みはないだろう。そこで私達は開発途中の戦闘兵器、「飛竜」を対邪神用に改造する事に決めたのです」
 「それで私に協力を要請したのですね」
 「その通り。私は古代文明の遺産である烈空の書を解読しているあなたを通してガイレイジャーにアトマイクスのことを聞き出そうとしたのです。しかしガイレイジャーにもそのことは分からなかったようなのです。半ば諦めていた私達でしたが、
幸いにも古代文明の事を知っているミツキ君とコンタクトをとれる事ができました。
それでミツキ君にもこの計画に参加してもらったのです」
 「そこからは私が言おう」
 長官の代わりにミツキが説明を続けた。
 「私は戦騎のデータやアトマイクスの製造方法を国防軍に教えるのは最初は反対した。天界の技術を人類に教えるのは危険だと感じたからだ。しかし前の決戦で苦戦したことや、今の戦力のことを考えると彼らに協力した方がいいと思ったから
私は天界の技術を教えたのだ。あることを条件として…」
430ガイレイジャープロジェクト:2006/08/09(水) 14:06:14 ID:87+Ge5LQ0
 「どうしておいらはこんな事言っちゃったんだろう…。本当は分かってたはずなのに…」
 外に出た海は、さっき由梨に言ってしまった事を後悔していた。
 「後悔したって仕方ねえだろ」
 後ろからどこかで聞き覚えがある声が聞こえた。
 「遼さん!どうしてここに居るのが分かったんだよ?」
 「実はこっそりミツキさんの後を追ってたんだよ。そうしたらお前が出てきたから声をかけたんだ」
 そうか、遼さんはおいらの事を心配してわざわざここに来たんだな…。
海は心の中で遼を感謝した。
 「…でも遼さん、トレーニング抜けだして大丈夫なの?」
 「そんなのばれやしねえよ。まっ、ここに来たのは俺だけじゃねえけどな」
 そのとき、突然地震が起きて山の方から巨大ロボが現れた。
 「邪神軍のマシンか。よし、変神して凱零刃呼ぶぞ」
 「うん、分かった」
 2人は変神して戦騎を呼んだ。
 「遼、お前途中で抜け出していいのか」
 凱獅子王に乗り込んでいる大樹=マックスが遼に注意した。
 「いいんだって。それよりいくぞ!烈空合神!!」
 3機の戦騎は合神して凱零刃になった。
 「おや?お前らは他のガイレイジャーじゃねえか。ジェネシスはどうした?」
 巨大ロボ、ネオタイタンに乗り込んでいるヴェルデルが叫んだ。
 「俺達じゃ不服というわけか?冗談じゃねえ。やってやろうじゃねえか!」
 凱零刃はネオタイタンに立ち向って行った。しかしまるで歯が立たない。
 「こんなときに疾風達はどこ行ってるんだ?」
 「ここはダルクリアンが来るまで耐えるしかないぞ、ブラス」
 防戦一方の凱零刃に、ネオタイタンは攻撃を仕掛けてきた。
 「お前等雑魚にかまってる暇はねえんだよ。さっさと倒れな!」
 そのとき、どこからかミサイルが飛んできて、ネオタイタンに当った。
431ガイレイジャープロジェクト:2006/08/09(水) 14:07:11 ID:87+Ge5LQ0
「すまねえな、遅れちまって」
 凱零刃を助けたのはダルクリアンだった。
 「早く騎覇王凱零刃に合神しましょう」
 「よし、いくぜ!超烈空合神!!」
 『キバフォーメーション』
 二体の戦騎は合神して最強の戦騎・騎覇王凱零刃になった。
 「フッ、雑魚が合体したところでどうにかなると思ったら大間違いだ!」
 ネオタイタンは騎覇王に襲い掛かった。しかし騎覇王は余裕でそれをよけ、ネオタイタンにブローを叩き込んだ。
 「どうだ、騎覇王凱零刃の力は!」
 「くそっ、試作機ではこれが限界か。だが俺はこのまま引き下がる訳にはいかねえんだよ!」 
 ダメージを受けたにも拘わらず、突進していくネオタイタン。それに答えるかのように、騎覇王は騎覇王剣を出現させて迎え撃った。
 「うをおおおおおおお!」
 「ここまで向かってくるなんて、敵ながら大した奴だな。よし、いくぜ!」
 お互いに立ち向っていく二体のロボ。そして交差した瞬間…。
 ネオタイタンの体が上下に切断された。
 「こんな奴らにやられるとは…。作戦の建て直しだ!!」
 ネオタイタンが爆発する前に、ヴェルデルはテレポーテーションで脱出した。
 「やったな、ブラス」
 「ああ、でもこれをミツキさんに見られたらどうしようか…」
 「と、とりあえずこの場で解散してから考えようよ」
 騎覇王はそそくさと分離して、この場を去って行った。
432ガイレイジャープロジェクト:2006/08/09(水) 14:11:10 ID:87+Ge5LQ0
 戦いから戻った海はさっき言ったことを謝るため、改めて国防庁に戻ってきた。会議はすでに終わっていたが、
由梨とミツキは後片付けで遅くなったため、今国防庁から出るところだった。
 「由梨さんごめんなさい、おいら、そんな事言うつもりはなかったんだ…」
 「ううん、謝りたいのは私のほうよ。そんなこと言おうとした訳じゃないのに、言ってしまって…」
 「いいじゃないか」
 二人の間を割って入るようにミツキが慰めた。
 「もう蟠りは解けたんだから。これからは普通に付き合えばいい」
 「は、はい!」
 海は照れながら答えた。
 「もう、海君ったら」
 そのとき、門の脇からドタッという音が聞こえた。遼と疾風が物陰で一部始終を見ていたのだ。
 「あっ、みんな…」
 「見て…たのね…」
 それを見て呆れた二人は大声で笑ってしまった。
 「おいおい、笑い事じゃねえよ」
 「お前を心配して影から見てたって言うのに、何だよそれ」
 それを見たミツキは、遼たちに向かって叫んだ。
 「君達、修行をさぼって何見てるんだ?そんな暇があったら練習したらどうだ!」
 「わ、分かったからそんなに目くじら立てなくてもいいじゃんか」
 「いいや、許さないよ。君達にはちゃ〜んとメニューをやってもらわないといけないからね」
 内なる怒りを燃え上がらせてミツキは遼たちに説教を始めてしまった。
 「ねぇ、あんな調子で地球を救えるのかしら?」
 「さ、さあね…」
 海と由梨は一緒にため息をつくのだった…。
433ガイレイジャープロジェクト:2006/08/09(水) 14:12:17 ID:87+Ge5LQ0
「これでいいのですね、長官」
 海たちの様子を見ていた皆川と瀧口長官はこれからのことを話し合っていた。
 「ああ、今更隠しても彼らのためにもならないからね。私たちが進めている『飛竜計画』、今更引くわけにもいかんだろう」
 瀧口長官は懐からタバコを取り出し、火をつけた。
 「このまま順調にいけば、飛竜の咆哮を耳にする日も近い。それまでは彼らにがんばってもらわないといけないがね…」
 「私もがんばるつもりです。早い所烈空の書を解読しないといけませんから…」
 二人は晴れ渡った空を見ながら決意をした。
                             
第16章終わり


 【次回予告】
 街にドクロイド出現!それも3体別の場所で。遼たちはそれぞれ現場に向かうが、すぐに姿をくらましてしまう。
神出鬼没の敵に、ガイレイジャーはどう立ち向うのか?
 烈空戦騎ガイレイジャー第17章!「唸れ、勝利の新必殺技!」
 「俺達の特訓の成果、見せてやるぜ!」
434ガイレイジャープロジェクト:2006/08/09(水) 14:25:02 ID:87+Ge5LQ0
第16章訂正版をお送りしました。
普通この場合だと訂正版は自分のホームページに掲載するものですが、今のところ私には
ホームページがないためこんな形でしか訂正版を載せることができません。皆さんにご迷惑をかけてしまったことを
この場を借りてお詫びします。
>>418さん
飛竜は壊れてこそ花、ですか・・・。飛竜自体はどのように破壊されるかはまだ決めていないので、まだはっきりとしたことは
いえません。もしかしたら途中で破壊されるかも知れませんし、最後までいっしょに戦うかも知れません。ただ、破壊される予定だけは
決まっています。どのように壊れるのかはまだ分かりませんが・・・。
>>419さん
飛竜制作班の設定、ありがとうございます。ありがたく使わせていただきます。


435ガイプロの人:2006/08/10(木) 18:47:37 ID:wb88iYZM0
すいません、>>429>>430の間が抜けていました。
>>411と内容が同じですのでそちらを見てください。
436名無しより愛をこめて:2006/08/11(金) 17:48:47 ID:+afzTo1S0
そういえばサポーターの人、今週は来ないねえ・・・。
どうしたんだろ。旅行かな。
437ガイレイジャープロジェクト:2006/08/12(土) 13:50:39 ID:NRBk0Erq0
第17章 唸れ、勝利の新必殺技!

 「今日はこれまでの特訓の成果を兼ねて、模擬戦をしようと思う」
 ガリバーベースのトレーニングルームで、今日もミツキ先生によるトレーニングが続けられていた。
もちろんこの前のことが吹っ切れた海も一緒だ。
 「それじゃ、まずおいらからやりましょうか」
 「いや、まずは大樹、君からだ」
 「え、どうして?」
 「今の戦力で一番劣っているのが君だからだ。いやだったら他の人に変えてもいいんだぞ」
 「いえ、やらせてください」
 大樹はミツキのそばまで来てファイティングポーズをとった。
 「ほう、やる気はあるようだね。それでは始めるとするか」
 こうして二人の闘いが始まった。
 「だいぶ動きが良くなったな。それだけ練習していたわけだ」
 大樹は無言でミツキにパンチを繰り出していった。
 「フットワークもキレが出てきたようだ。あとは決め手になる物がほしいな」
 パンチをすり抜けながらミツキは大樹の背中に回り、首もとに手刀を当てた。
 「だがまだ隙があるな。それさえ無くせばほぼ完璧といってもいい。さて、次は疾風、君だ」
438ガイレイジャープロジェクト:2006/08/12(土) 13:51:16 ID:NRBk0Erq0
そのとき、警報が鳴り響いた。
 「何だ?どこか故障したのか?」
 「街にドクロイドが出現したんだろう。司令室へ行くぞ」
 ミツキ達はエレベーターで司令室に向かった。
 「やはりそうか。町でドクロイドが三体、それもそれぞれ別な場所で暴れている」
 「手分けして向かいますか?」
 「そうだな。ここは三手に分かれてドクロイド迎撃に向かおう。試験を兼ねてね」
 試験と聞いた遼たちは驚いた。
 「こんなときに試験かよ!一体何考えてるんだ?」
 「これは君達のチームワークを試す絶好のチャンスだ。これからくじで誰とコンビを組むか決めようと思う」
 そう言ってミツキは近くにあるくじを持ってきて遼たちに引かせた。
 「俺は赤だ」
 「って、俺も赤だぞ。という事は…」
 「どうやら一組目が決まったようだな。遼と疾風は第一ポイントに向かうんだ。決まったらさっさと移動だ」
 二人はぶつぶつ言いながらカードをスラッシュして移動した。
 「あっ、おいらは青だ」
 「僕も青です。海さんと一緒ですね」
 「二組目は海と有紀か。それでは第二ポイントへ移動してくれ」
 海たちもスラッシュしてテレポートしていった。
 「私は何も付いてないが…」
 「それは私と一緒に行くということさ。それでは行こうか」
 残った二人もテレポートして現場に向かった。
439ガイレイジャープロジェクト:2006/08/12(土) 13:51:57 ID:NRBk0Erq0
 第三ポイントに向かったミツキと大樹は、近所の公園に到着した。
 「近くにはいないようですね…」
 「いや、この近くに必ずいるはずだ。サーチモードで探してみよう」
 ミツキはジェネシスコマンダーをサーチモードに変形させて、周りを捜査した。
 「どうやら当りのようだ。ここに擬態して隠れている」
 トイレの壁に擬態しているドクロイドをミツキは発見した。
 「まるでカメレオンみたいですね」
 「みたいじゃなくて、本当にカメレオン型のドクロイドだ。よく見ていろ」
 ミツキはコマンダーのセンサービームを隠れているドクロイドに照射した。すると隠れていたはずのドクロイドが姿を現した。
 「本当にカメレオン型のドクロイドですね」
 「何を関心してるんだ。相手が襲ってくる前に変神するぞ」
 ミツキはコマンダーをもとのモバイルモードに戻して、大樹はチェンジャーを取り出してそれぞれ変神カードをスラッシュした。
 「烈空変神!!」
 二人はガイレイジャーマックスとジェネシスにそれぞれ変神した。
 驚いたカメレオンドクロイドは舌を出して二人を攻撃してきた。
 「気を付けろマックス、奴の舌はかなり射程距離があるぞ」
 「はい、気をつけます」
 カメレオンドクロイドの攻撃を避けつつ、二人は挟み撃ちを仕掛けた。しかし…。
 「同時攻撃をして一気に片付けましょう」
 「待て、何かおかしい気がする。もう少し待ったほうがいい」
 二人がそばまで近づいたとたん、カメレオンドクロイドはそのまま消えてしまったのだ。
440ガイレイジャープロジェクト:2006/08/12(土) 13:52:33 ID:NRBk0Erq0
「しまった、逃げられたか」
 「だからおかしいと言ったんだ。お前は焦りすぎたために判断ミスをしてしまった。だからあんな事も分からなかったんだ」
 「…そうかも知れません。さっきの私は焦りすぎてしまって大事なところを見過ごしていたのかもしれない」
 変神を解いた大樹はそのままひざを突いてしまった。
 「まあ失敗は誰にでもあることさ。ところでさっきの攻撃で分かった事がある。あのカメレオンドクロイド、もしかしたらここだけ現れたわけじゃないのかもしれない」
 ミツキも変神を解き、さっきのカメレオンドクロイドがなぜ消えたのか考えていた。
 「そうなるとあのドクロイドは複数いるということに…!」
 「いや、そうとも限らないな。もしそうだとしたら、さっき消えた説明がつかないだろう」
 ミツキは手をポンと叩いて他の仲間に連絡した。
 「みんな、そちらの様子はどうだ?」
 『さっき追いかけていたら見失っちまって、一体どこに行ったかわかんねえよ』
 『こちらも追い詰めていたら急に消えてしまったんです』
 「そうか、それなら仕方がない。基地に戻るとしよう」
 通信をきったミツキは大樹に顔を向けた。
 「私達も戻るとしよう。作戦を立て直した方がいいからな」
 「あの…、質問しても良いですか?」
 突然大樹がミツキに質問をしてきた。
 「何だ?さっきの事か?それなら気にするな」
 「いえ、もしかしたらあのドクロイドは…」
 「今は言うな。その話は戻ってからだ」
 二人はテレポーションリンクで基地に戻っていった。
441ガイレイジャープロジェクト:2006/08/12(土) 13:53:10 ID:NRBk0Erq0
「さて、どうして同じタイプのドクロイドが三か所同時に現れたのか?」
 ガリバーベースに帰ってきたミツキたちは、中央ルームでさっきのドクロイドのことを話し合っていた。
 「私の考えはこうだ。さっき私達の見たドクロイドはどれも本物だ。正確には分身と本体がそれぞれ行動していたんだろう。
さっき攻撃を仕掛けようとしたときに突然消えたのがその証拠だ」
 「そうなると同時に攻撃すれば、分身にも本体にもダメージを与えることが出来るんですか?」
 「これも推測だが、ただ普通に攻撃しても奴の身体にはダメージは出ないだろう。しかし消滅させるほどの攻撃だったらどうだろうか?」
 ミツキの考えにみんなは頭を悩ませた。だが一人だけひらめいた人がいた。
 「それぞれの必殺技を同時にぶつければ本体にも大きなダメージになると言いたいのですね、ミツキさん」
 「さすがは大樹、いい所に気が付いた。必殺技をまともに受ければ分身も本体も大きなダメージを受ける事になる。
つまり同時に攻撃する事によってどれが本体か判別できるのさ」
 「なるほど、そうと決まればさっそく探しに行こうぜ」
 遼が行こうとすると、ミツキがそれを止めた。
 「そう焦るな。奴らが再び現れたらそれを実行すればいい。そのときに今まで特訓した新必殺技を放てばいいんだ」
 「でもその間は何をすればいいんだ?」
 疾風の質問にミツキはこう答えた。
 「もう12時を過ぎているから、昼食にでもするか」
 「そんな事だと思って、ゆかり特製のスペシャルランチを作ってきました〜」
 キッチンの方からゆかりがランチを持って部屋に入ってきた。
 「ゆ、ゆかりさん、いつの間にこんなご馳走作ってきたんだよ」
 「だってもうお昼でしょ。みんなおなかすいてると思ったから作ってきたのよ」
 「おお、ちょうど腹が減ってたんだ。みんなも食べようぜ」
 「そうだな、いただくとしよう」
 というわけでミツキたちは昼食をとることにした。
442ガイレイジャープロジェクト:2006/08/12(土) 13:55:48 ID:NRBk0Erq0
「よくやったぞ、カメレオンニンジャ。これで奴らも手を出す事が出来まい」
 とある廃工場で、ヴェルデルとミスティがカメレオンニンジャに次の指令を出していた。
 「さて、次は邪神復活のために人間の精神エネルギーをとってくるのだ。お前の能力を持ってすればすぐに集める事が出来るだろう」
 「お任せくださいヴェルデル様。必ずや精神エネルギーを採取してご覧に入れます」
 「期待してるわよ、カメレオン」
 カメレオンニンジャはその場から姿を消した。
 「でもこんな事で上手くいくのかしら。ドクロ兵を使った方が手っ取り早いんじゃないの?」
 「あいつを見くびっては困るな。カメレオンの特殊能力はドクロ兵の数十人分の働きを持つ。特に隠密行動はお手の物さ」
 「そうかしら?私はそんなに期待しないけど」
 ミスティは奥に引っ込んでしまった。
 「これで邪神復活も近いぞ。見ているがいい」
 ヴェルデルも別のところへと去って行った。
443ガイレイジャープロジェクト:2006/08/12(土) 13:58:38 ID:NRBk0Erq0
 昼食をとり終わったミツキたちは、カメレオンニンジャが出そうな場所を中心に、三箇所に分かれて探す事にした。
 「本当にこんな所にいるのかねえ。諦めて帰ったんじゃねえの?」
 『彼らが狙っているのは精神エネルギーだ。人気がいる場所を狙うに違いないんだ』
 そこへ謎の影が飛び出し、人々のエネルギーを採取していった。
 「もしかしたら…」
 『ああ、間違いない。奴だ。見失わないように追いかけるんだ』
 遼と疾風は人気のないところで変神して追いかけることにした。
 「さて、海達の方はどうだ」
 遼たちがいた場所から少し離れた所でミツキと大樹は海達に連絡をとった。
 『こっちにもカメレオンが現れたよ』
 『僕たちもすぐに追いかけます』
 「頼んだぞ、上手く私が指示した場所へとおびき寄せるんだ」
 『分かりました』
 有紀たちもカメレオンの分身を追いかけていった。
 「次は私達の番だな、もうすぐここに来るはずだ」
 「ミツキさん、少し聞いてもいいですか?」
 大樹がミツキに質問をした。
 「なんだ?」
 「どうしてあの場所に移動させるのですか?」
 「合図を送りやすくするためさ。もちろん被害が出ないようにするためでもあるけどね。そう言ってるうちに来たぞ。私達も変神しよう」
 二人は変神してカメレオンを追った。
444ガイレイジャープロジェクト:2006/08/12(土) 13:59:31 ID:NRBk0Erq0
 「やっと追い詰めたぜ」 
 カメレオンニンジャを追い詰めたブラスとフォルスは、逃げられないようにネットで取り囲んだ。
 「むう、不覚を取ったわ!こやつらがこんなに素早く行動するとは」
 カメレオンを捕まえたブラスたちは、アダンテたちに連絡を取った。
 「そっちの方はどうだ?」
 『こっちも捕まえました。残ったのはミツキさんたちが追ってるのだけになりましたね』
 「そうか、じゃあ連絡するか。そっちの方はどうだ?」
 『まだ戦っている最中だ、というかお前、戦闘中だぞ。話しかけるな!』
 マックスとジェネシスはまだカメレオンに手こずっていた。分身二体が捕まったために焦っているのだろう。カメレオンは容赦なく攻撃を仕掛けてきた。
 「どうやら相当焦ってるようだな」
 「もしかしたらこれが本体かも知れません」
 「本体ならこれを倒せば分身も消えるはずだ。例のコンビネーションを試す日が来たようだ」
 二人は間合いを取って必殺技を放つ構えに入った。
 「この前渡したカードをスラッシュして必殺技を放つんだ、いくぞ」
 カードデッキからフィニッシュカードを取り出し、スラッシュする。そしてカメレオンに向かって突進した。
 「クラッシュインフェルノ!!」
 まずマックスがインフェルノを放ち、カメレオンの動きを止める。そしてジェネシスがアーチェリーで相手の手足の自由を奪った。
 「行くぞ、ダブルコメットブレイカー!!」
 2人が同時にカメレオンに襲い掛かり、同時に必殺技を放った。カメレオンは大きなダメージを負ってその場に倒れた。
 「ぐうう、こうなったら、分身よ、我のもとへ戻れ!!」
 傷を負ったカメレオンは、分身を自分のもとへ引き寄せて合体した。そして巨大化して暴れ始めた。
 「巨大化しましたね」
 「思ったとおりだ、本体がダメージを負うと分身を解除せざる終えない状態になる。ここを選んだのもそんな事を想定したからなんだがね」
 暴れまわるカメレオン。援軍に向かったブラスたちも合流してマックスたちのもとへ来た。
445ガイレイジャープロジェクト:2006/08/12(土) 14:00:36 ID:NRBk0Erq0
 「いきなり消えたかと思ったら巨大化かよ」
 「こうなったら戦騎を呼んで戦うしかないな。みんな、いくぞ!」
 一同はカードをスラッシュして戦騎を呼んだ。そして合神してカメレオンに立ち向った。
 「お前達がいくらかかってきても我を倒すことなどできん。見よ、我が必殺の忍法、時雨落とし!」
 カメレオンが印を結ぶと、空から水圧の高い雨が降り注ぎ、凱零刃達を攻撃した。
 「なんだよこの雨は」
 「超高圧の酸性雨だ。長く当たると大変な事になる。何とかしてカメレオンを攻撃して術を止めさせるんだ」
 3機の戦騎はいっせいに攻撃をして印を解かせた。すると雨はやんで空が晴れ渡った。
 「まだまだ、次はこれだ。忍法分身戦法」
 カメレオンは分身してそれぞれの戦騎に襲い掛かった。
 「また分身かよ。今更したってどうにもならねえんじゃねえの?」
 「いや、油断するな。さっきの分身とは違う。あれは攻撃用の分身だ」
 三体のカメレオンは高速で3機の戦騎を翻弄していく。それに対し、凱零刃達は手も足も出ない状態だった。
446ガイレイジャープロジェクト:2006/08/12(土) 14:01:07 ID:NRBk0Erq0
「隙があれば何とかなるんだけどなあ」
 「よくみろ、あの分身は長時間維持できないみたいだ。すぐにもとに戻るようだ」
 ジェネシスのいうとおり、カメレオンの分身は攻撃をしたあとすぐに元に戻っていった。
 「みんな、聞いてくれ。奴がもう一度分身攻撃を仕掛けてきたらそれぞれの分身をいっせいに攻撃するんだ。
そうすればダメージも3倍になるはずだ」
 「なるほど、3つに分身してるからダメージも3倍、というわけか」
 「お前にしては頭が回るな、遼」
 大樹=マックスが遼=ブラスを茶化した。
 「お前にしてはは余計だろ」
 「とにかく今度分身したら一斉に攻撃するんだ。いいな」
 そう言っているうちにカメレオンが再び分身を始めた。
 「いまだ、一斉に攻撃するぞ!」
 3機の戦騎は一斉に分身を攻撃した。いきなり攻撃を受けたカメレオン分身は大ダメージを受けて元に戻ってしまった。
 「よし、騎覇王に合神するぞ!超烈空合神!!」
 二体の戦騎は合神して騎覇王凱零刃になった。
 「騎覇王咆哮破!!」
 胸のライオンの口から火の玉が放たれてカメレオンに直撃した。そして凱閃皇が止めを刺した。
 「天空飛翔斬!!」
 カメレオンは断末魔をあげて消滅していった。
 「やっぱりだめだったみたいね」
 近くで見ていたヴェルデルとミスティはその様子を目の当たりにした。
 「裏を書かれてしまったか…。恐るべしガイレイジャー」
 二人はその場を後にした。
447ガイレイジャープロジェクト:2006/08/12(土) 14:01:40 ID:NRBk0Erq0
「それにしてもあんな土壇場で分かるなんて、ミツキさんって頭の回転がいいんじゃねえのかな?」
 戦いから帰った遼達は、ミツキのことを褒めていた。
 「とっさの判断でピンチを脱したんだからな」
 「にしても、まさかあのときに同時攻撃が活かせたのは意外だったよな。これも怪我の功名ってやつか?」
 「そんな事はないぞ、遼」
 遼の答えに大樹が突っ込みを入れた。
 「確かにあの時は予想外だったかもしれない。しかしそんなときでも必ず活かせる日がきっと来る。そのための特訓なのだから」
 「その通りだ」
 部屋から戻ってきたミツキがメインルームに戻って来た。
 「たとえ今回の戦いで特訓の成果が活かせなくても、次の戦いで活かせるかもしれない。そのためにも体を鍛えておかないといけないんだ」
 「なるほど、そういうチャンスはいつかは来る、というわけですね。今回の戦いでそれを学んだ気がします」
 「やっと分かったみたいだな」
 ミツキは立ち上がり、みんなをルームの中央に集めた。
 「君達は私が用意した特訓のメニューを一通り消化した。これで君達のバトルレベルはいっそう高くなっただろう。今回の特訓はひとまずこれで終わりにする」
 「終わりって、どういうことですか?」
 「つまり今回の戦いで君達のチームワーク、そして判断力が身についたということだ。君達は明日にでも家に戻った方が良いだろう、家族も心配してるだろうしね」
448ガイレイジャープロジェクト:2006/08/12(土) 14:03:54 ID:NRBk0Erq0
そんなわけで遼たちは帰る仕度をすることになった。そして次の日…。
 遼たちは自分の荷物を持って外へ集まった。
 「長いようで短かったなあ、ここでの生活も」
 「もう少しここに居ても良かったんだけどなあ」
 みんなそれぞれここから出るのを惜しんでいた。
 「しょうがないじゃないですか、私もここに居たかったのにいきなり言われたんですもの」
 ゆかりが息を切らして後から追いかけてきた。
 「ゆかりさん、来るの遅いよ」
 「早くしないと帰れなくなるぞ」
 「だってここの道、急なんだもん」
 みんなが中央の噴水に集まったとき、ミツキが現れた。
 「これからみんなを地上に降ろす。さあ、手を繋いで」
 「あれ、カードを使えば大丈夫なんじゃねえの?」
 「ゆかりさんがいるだろう。カードではみんな一緒にテレポートできないからな」
 一行は手を繋ぎ、輪になった。
 「それでは行くぞ」
 『テレポーションリンク』
 一行は噴水前から姿を消した。
449ガイレイジャープロジェクト:2006/08/12(土) 14:05:04 ID:NRBk0Erq0
ついた所は前に集まった公園の広場だった。
 「もとのところに帰っちまったぜ…」
 遼たちは周りを見渡した。
 「さて、私はしばらくここで厄介になろう」
 「皆川教授にところで?」
 しかしミツキは首を横に振った。
 「いいや、皆川教授は今忙しい身だ。迷惑をかけたくない。そこで遼、君の家で厄介になることにした」
 それを聞いた遼は青ざめた顔になった。
 「ちょ、ちょっと待ってくれよ!いつ決めたんだ、そんな事!」
 「少し前に君の家に挨拶に行ってね、ここで働きたいと言って来たんだ。もちろん家族の許可を取ってあるよ」
 「そ、そんなこと言われてもなあ…。なあ、大樹の家はどうだ?海のアパートは住めねえか?」
 遼は大樹たちに相談した。しかし、答えはノーだった…。
 「私達の家はそんなに広くないからな。お前の家のほうが広いだろう」
 遼はひざをがっくり落としてうつむいてしまった。
 「そりゃねえよ…。そんな事ってありかよ…」
 こうしてミツキは天空寺家に居候する事になった。そしてそれは遼の悪夢の始まりでもあったのだ…。

  第17章 終わり
450ガイレイジャープロジェクト:2006/08/12(土) 14:05:51 ID:NRBk0Erq0
【次回予告】
 ミツキのことを気に入った智世は彼をショッピングへと誘う。商店街で偶然見かけたコロッケ店が気に入ったミツキは、そこの店員がケガをしてしまったのを聞いて
代わりに店を手伝う事にする。しかしそこへ謎のコロッケ販売店が姿を現した!
 烈空戦騎ガイレイジャー第18章!「激突、コロッケ対決!」
 「私のプライドに賭けて、お前を倒す!」
451ガイレイジャープロジェクト:2006/08/12(土) 14:13:03 ID:NRBk0Erq0
ガイレイジャー第17章をお送りしました。
前回はご迷惑をおかけしてすいませんでした。今回は今までの特訓の成果を見せるために
遼たちがコンビネーションを見せるお話です。もっともメインは大樹とミツキでしたが。
3大戦騎もついに勢揃いしました。ここでも彼らのコンビネーションが発揮されました。
次回はミツキメインのお話で、アイディアとして出していただいた「コロッケ侍」の設定を
ベースにしたお話になります。お楽しみに。
最後に設定集です。今回は凱閃皇の設定です。ごゆっくりとご覧くださいませ。
452ガイレイジャープロジェクト:2006/08/12(土) 14:14:56 ID:NRBk0Erq0
メカニック紹介(凱閃煌編)

 天空騎馬 凱閃煌
 全長69m、全幅21m、重量1100t
 凱閃煌の騎馬形態がこれで、ジェネシスがコマンダーで呼びだされたとき、この形態で現れる。天空騎馬の状態では光速で空(宇宙)を駆けることが出来る。
武装はキャリー側についている「フォトンマシンガン」や馬側の頭部についている「ショットスラッガー」。

 騎光兵・凱閃煌
 全高25m、重量475t
 天空騎馬の前部分、つまり馬側が変形した中型の騎光兵がこの形態である。騎光兵形態では主に高速戦闘を行い、敵を翻弄させる事が出来る。
その反面、今ひとつ決め手にかけるところがあり、ある程度翻弄してから合神するというパターンが主な先鋒である。武器は「ショットスラッガー」が変形した「スラッシュダガー」と
胸に装備されている「ビームスポット」。

 烈空戦騎・凱閃煌
 全高40メートル、重量1100t
 騎光兵凱閃煌と牽引されていたキャリーが合神して誕生する「光の戦騎」。前の対戦でもその力を十分に発揮した。凱零刃やダルクリアンよりも素早く動き、高速で敵を攻撃する。
パワーこそ他の二騎よりも劣るが、パイロットの操縦技術によってそれをカバーしているため、他の二騎にも引けを取らない戦闘能力を持つ。
武器はテールウイップとアストラルシールド、閃煌双牙剣を使用する。必殺技を多彩で、鳥のように舞って敵に切りかかる「天翔の舞」や「天空飛翔斬」などがある。
453ガイレイジャーを盛り上げる会:2006/08/13(日) 11:34:02 ID:iIuJjnYy0
17章拝見しました。
今回は特訓の成果を見せる話でしたが、少しあっさり目だった気がします。
ミツキと大樹を中心にしたのはよかったと思いますが。
次回は前に出ていたコロッケ職人の話だそうで、楽しみにしています。
454名無しより愛をこめて:2006/08/15(火) 13:33:47 ID:sUCUXaNM0
ここに来る人って結構いるの?
そんなにいるような感じしないけど。
455名無しより愛をこめて:2006/08/16(水) 12:04:45 ID:enarkQDg0
確かに最初に比べてここに書き込む人が減ったね。
サポーターの人も前回から書き込まなくなったし。
今書き込んでるのはどのくらいだ?
456名無しより愛をこめて:2006/08/17(木) 15:12:15 ID:mFmr3ZJO0
今回初めてここに来たんだけど、ここってオリジナルヒーローということになるのかな?
結構がんばってるみたいなので、自分も応援します。
457名無しより愛をこめて:2006/08/19(土) 14:17:01 ID:o/P1uEL80
サポーターです。
夏休みで旅行いってたもので・・・16、17章見ました。
次回はコロッケですか、ネタだと思ってた。
458ガイレイジャープロジェクト:2006/08/19(土) 15:21:40 ID:U+jYpADO0
第18章 激突、コロッケ対決!

 よく晴れた昼下がり。配達の準備をしていた遼はこの前のことを思い出していた。
 『あの時は驚いたよな…。急にミツキさんが家に来るんだもんな。前もって話しておいたって言われても、これじゃたまったもんじゃねえな』
 荷物をワゴンに積み終えると、遼は事務所に戻って地図とバッグを取りに行った。
 「やあ遼、仕事の方ははかどってるか?」
 事務所には行った遼を迎えたのは、なぜかそこにいたミツキだった。
 「ってあんた、何でこんな所にいるんだよ?」
 「実はおじさんに事務の仕事の手伝いを頼まれてしまってね、それでここにいるんだ」
 「ミツキさんは結構働いてくれるから結構助かるよ。遼、お前もミツキさんを見習って働くんだぞ」
 余計なお世話だ、と遼は心の中で愚痴をこぼした。
 「分かってるよ。それじゃあ配達に行ってきます」
 遼はワゴンで配達に出かけていった。
 「さてと、こっちの仕事はひとまず終わった。そっちの方はどうだ?」
 宗一郎がミツキの様子を覗いてみると、今回のどころか数日後の予定表まで作成が完了していた。
 「もう終わったのか。ずいぶんと早いな」
 「数日後の予定までやりましたが、余計なお世話でしたか?」
 「いや、やってもらって感謝してるよ。手伝ってくれてありがとうな」
 宗一郎はミツキの頭を叩いた。
 「仕事が終わったならもう上がって良いぞ。疲れてるみたいだからな」
 「ありがとうございます。それでは失礼します」
 ミツキは事務所を後にした。
 「ミツキさんが手伝ってくれたおかげで仕事もスムーズに進ませることが出来た。うちはただでさえ社員が少ないからな…。そういったことをしてくれて本当に助かるよ」
 宗一郎は明細書を片付けながらミツキに感謝した。
459ガイレイジャープロジェクト:2006/08/19(土) 15:22:39 ID:U+jYpADO0
「このままだと邪神王さまの復活が望めなくなる」
 魔界の砦の会議室でヴェルデルか嘆いていた。その原因は精神エネルギーがあまり集まらないからだ。
 「何とかして精神エネルギーを集めないと」
 「焦る事はない、それに邪神王さまはすでに第二形態に入っておられる」
 反対側に座っているエディスが邪神王復活の状況を述べた。
 「早く復活させようとすると、この前のように不完全体のまま復活してしまう。ここはじっくりと復活の時期を待ったほうがいい」
 「なるほど、熟成期間が必要というわけね」
 ヴェルデルの隣に座っているミスティが言葉を出してきた。
 「邪神王さまの復活はワインと同じ、熟成させることでより強大になって復活するのよね」
 「上手いこというな、ミスティ」
 それを聞いたヴェルデルも納得した。
 「と、とにかく邪神王さまの復活はもう少し時間がかかる。すこしでも良いから精神エネルギーを採取してほしい。それともう一つ」
 エディスが条件を一つ付け加えた。
 「ガイレイジャーのことだ。あいつらを何とかしないとエネルギー集めがうまくはかどらん。倒すか妨害するかしないと集める事なんて出来んぞ」
 「それなら手は打ってあるわ」
 ミスティは立ち上がって説明を始めた。
 「新たな刺客を派遣したわ。これで足止めくらいにはなるでしょう」
 画面に映し出されたのは、ある計画の一部だった。
 「こんなものであいつ等をおびき寄せる事なんて出来るのか?」
 「大丈夫、私に任せなさい」
 ミスティは誇らしげに笑うのだった。
460ガイレイジャープロジェクト:2006/08/19(土) 15:23:29 ID:U+jYpADO0
 「ミツキさん、暇だったらどこかへ遊びに行かない?」
 居間でお茶を飲んでいたミツキに、智世が話しかけてきた。
 「何だ、街を案内してくれるのか?」
 「まっ、そんなとこ。近所の商店街でいいところがあるんだ〜。だから、一緒に行こうよ」
 なるほど、彼女は私と一緒に行きたいんだな。ミツキは心の中でそう思った。
 「よし、ちょうど暇だし外に出るのもいい日だしな。一緒に行くか」
 「やったー!じゃあ支度してくるから待っててね」
 智世は自分の部屋へ戻っていった。
 「それじゃ、私も着替えるとするか」
 ミツキは外出用の服に着替えて智世を待った。
 「お待たせ〜、じゃあ私が案内するからついてってね」
 というわけで二人は電車で大型ショッピングモールのある商店街へ行く事になった。
 「着いたよ、ここが最近オープンしたショッピングモールがある筑紫沢商店街だよ」
 そこには昔ながらの商店街と、奥に大型のショッピングモールが目立つところにならんでいた。
 「こっちから行くには、まず商店街を通んないといけないんだ。じゃ、案内するね」
 智世はミツキの手を引いて商店街を案内した。
 「ここが通称グルメ通りって呼ばれてる場所だよ。ここの通りには色んな食べ物があるんだよ」
 さまざまな店を見て、ミツキは驚いていた。
 「なるほど、よく見ると結構色々あるものだな。私がいた時代とは全然ちがう」
 「えっ、何か行った?」
 「い、いや、色々あってどれにしようか迷ってしまってね」
 あぶないあぶない、もう少しでしゃべってしまうところだった。ミツキは口を塞ぎながら思った。
461ガイレイジャープロジェクト:2006/08/19(土) 15:24:23 ID:U+jYpADO0
 「ミツキさーん、ここ、このコロッケ結構おいしいんだよ。騙されたと思って食べてみてよ」
 智世はミツキの手を引っ張って、近くのコロッケ店へ誘った。
 「おーいらっしゃい、何だ智世ちゃん、今日は彼氏連れてデートかい?」
 「やだな日高おじさん、そんなんじゃないってば」
 2人のやり取りを見てミツキはくすっと笑った。
 「ちょっと、何笑ってるのよ。こっちの方が恥ずかしくなるじゃない」
 「ああ、すまない」
 「あのね、ここはすまない、じゃなくて『いや〜、つい笑っちゃってね』とか言わなくっちゃ」
 「ああ、そうか。すまん」
 「だからそんなんじゃなくて…。まあいいわ、それよりここのコロッケ食べてみてよ。ここのコロッケは商店街名物で、遠くから買いに来るほど有名なの。
それじゃ、サクッと食べちゃって」
 コロッケを渡されたミツキは、コロッケを一口食べた。
 「これはおいしい。今までこんなにおいしいものを食べたことはない!」
 「でしょ。ここのコロッケは冷めても衣がサクッとしてるのが特徴なんだよ」
 「それにこの中身は何だ、まるでほくほくする食感が口の中に広がっていくようだ」
 コロッケを褒め称えるミツキに、コロッケ店のおじさんも喜んでいた。
 「こんなにうちのコロッケを褒めてくれるのは、君くらいのもんだよ。どうだ、もう一つどうだ?」
 「いいんですか?」
 そのとき、1台のワゴン車がコロッケ店の前に止まった。
 「何だ?」
 「これって、販売用のワゴンじゃない!」
 ワゴンの中から販売員が二人ほど出て、のぼりやら看板やらを立てていった。そしてマスクをつけた店長らしき人物がワゴンの中から出てきて大々的に宣伝を始めた。
462ガイレイジャープロジェクト:2006/08/19(土) 15:37:02 ID:U+jYpADO0
 「さあさあ皆さん、日本一おいしいワゴンコロッケはいかがでしょうか?そこらのコロッケとは比べ物にならないほどおいしいコロッケですよ。良かったら食べてみてください」
 なんとコロッケ店の前でコロッケ販売を始めてしまったのだ。これを見た日高はカンカンに怒り、店長に食って掛かった。
 「おいお前達、こんなところで商売とは俺にケンカでも売りに来たのか?」
 「いやですねおじさん、私は日本一おいしいコロッケを売りに来たのですよ。私のコロッケをここのみんなにも召し上がっていただきたいと思ってここにやってきたのです」
 「だからといって家の前で堂々とやるのはどうかと思うがな。そんな店なんかにうちのコロッケが勝てるわけがねえ」
 しかしワゴンコロッケの噂を聞いてきた近所の客が少しずつワゴンへと集まってきた。
 「ど、どうしてあんな店に…」
 「お客さんの舌は正直なのですよ。さ、日本一おいしい当店のコロッケをぜひお召し上がりください」
 ワゴンコロッケを求める客の数は次第に多くなり、ついには長い行列が出来るようになった。
 「お、俺のコロッケがあんな野郎に…」
 それを見た日高はショックのあまり倒れこんでしまった。
 「お、おじさん!」
 「何てことだ…おじさんのコロッケが負けるなんて…」
 ミツキたちは日高を店の中に運んだ。
 「どうですかこのお客の量は。こんな古ぼけた店よりも多く入っていますよ。これが実力というものです」
 誇らしげに笑い勝利宣言をする店長。ワゴンコロッケを求める数はどんどん増えていき、反対側の日高コロッケ店はついに閉店まで追い込まれてしまった…。
463ガイレイジャープロジェクト:2006/08/19(土) 15:38:13 ID:U+jYpADO0
 「どうしよう、このままじゃこのお店つぶされちゃうよ」
 コロッケ店の中で日高の看病を手伝う智世が困っていた。
 「どうするったって…。そうだ、奥さんはコロッケを作ったことありますか?」
 しかし奥さんは首を横に振った。
 「私じゃコロッケを上手く揚げることが出来ないんですよ。だから今まではこの人が全部揚げていたんです。せめてあの子がここにいたら…」
 「困ったな…。そうだ、お店見せていただけませんか?」
 「ええ、いいですけど…」
 ミツキと奥さんは調理場へ入った。そこには揚げてあるコロッケとジャガイモの箱などがおいてあった。
 「なるほど…、このジャガイモは男爵芋と書いてあるな。こっちは牛乳、冷蔵庫にはひき肉か。あれは…」
 ミツキは厨房の中をぐるりと回った。そしてあるヒントをつかんだ。
 「そうか、これがこのコロッケをおいしくする鍵なんだ!」
 そしてすぐにコロッケを作り始めた。
 「大丈夫ですか、いきなり作ってしまって…」
 「安心してください。どうやらこのコロッケの秘密がこれで分かったようだ」
 出来上がったコロッケを居間に運び、智世と奥さんに試食させてみた。
 「…これは」
 「そっくりだわ、うちの人が作ったコロッケと!いいえ、それよりもコクが増したような…」
 「どうやら成功したようだな」
 ミツキもコロッケを試食してみた。
 「このコロッケはジャガイモとマヨネーズ、それに牛乳が少し入っていた。そこでそれに生クリームを加えてアレンジしてみたのさ」
 「じゃあこれであのコロッケに対抗できるんじゃない?」
 「もちろんそのつもりさ。明日から開店してあのワゴンコロッケをあっと言わせるんだ」
 ミツキたちは打倒ワゴンコロッケの闘志を燃やすのだった。
464ガイレイジャープロジェクト:2006/08/19(土) 15:39:32 ID:U+jYpADO0
 次の日、再びワゴンがコロッケ店の前にやってきた。
 「みなさん、今日もおいしいコロッケワゴンがやってきました。日本一おいしいコロッケ屋さんはこちらですよ」
 しかしワゴン側には行列は並ばなかった。それどころかワゴンの前を通り過ぎていくではないか。
 「一体どうなっているんですか?私が作ったコロッケが売れないなんて…!」
 店長は反対側のコロッケ店を見て驚いた。なんと昨日は人がほとんど入っていなかった店が、今日は大勢の人でいっぱいになっているではないか。
 「店長、あれだけのお客が大勢集まるなんて、信じられないですよ」
 「こちらも何とかしてお客を入れないと」
 「待ちなさい、ここは時が来るのを待つのです。そうすれば流れは変わるはずです」
 一方大繁盛のコロッケ店は、コロッケを揚げるのが追いつかないくらいに客が押し寄せていた。
 「さすが智世ちゃん、ネットを通じてここのコロッケの紹介をするなんて」
 手伝いに来た大樹たちもこの繁盛ぶりに舌を巻いていた。
 「まあここでしか味わえない、て書き込んだからかな」
 「こいつはこういうのだけは頭が回るからな」
 「だけ、は余計でしょ」
 コロッケ店に並ぶ客の数は次第に増えていき、コロッケも飛ぶように売れて行った。そのため、コロッケの材料もすでに半分にまで減っていた。
 「これは一体どういうことですか?私のコロッケがおいしくないというのですか?」
 店長は近くの人にそのわけを聞いてみた。
 「あの店のコロッケは手作り感があるからおいしいんだよ。それに比べるとここのコロッケはおいしいんだけど何かが違うような気がする。簡単に言えばあんたの店のコロッケは真心がこもってない気がするんだ」
 それを聞いた店長はガクっとひざを落とし、自分なの未熟さを悟るのだった。
465ガイレイジャープロジェクト:2006/08/19(土) 15:40:12 ID:U+jYpADO0
「どうやら私達の負けのようですね。ここを畳みましょう」
 「あら、もう逃げるつもり?」
 ショックを受けた店長の前に、ミスティが現れた。
 「せっかく私があげたチャンスを台無しにするなんて、一体どういうことなの?」
 「すいませんミスティさま、今度こそおいしいコロッケを作ってきますので…」
 しかしミスティは店長の耳を貸さなかった。
 「もう飽きたわ。さっさとあいつ等を倒してらっしゃい」
 ミスティは店長のマスクを取って呪文を唱えた。すると店長はドクロイドの姿へと変わっていった。
 「さあコロッケ伯爵、ガイレイジャー達のいるあの店を襲うのよ!」
 「…かしこまりました」
 コロッケ伯爵はコロッケ店のある方向へ歩き出した。
 「そうはさせねえぜ!」
 伯爵がコロッケ店を襲おうとしたとき、ガイレイジャー達が立ちはだかった。
 「コロッケ店を襲おうとするドクロイドめ、俺達がここを通すわけにはいかねえ!」
 「なるほど、君達がガイレイジャーですか。戦いなど好みませんが、向かってくるなら仕方がありません。かかってきなさい!」
 伯爵はサーベルを持ってガイレイジャーに襲い掛かってきた。
 「ブラスブレイダー!!」
 ブラスはブレイダーを召喚して伯爵のサーベルを受け止めた。
 「そうそう、それで良いのです。それでは私とお付き合いしていただきましょう」
 それぞれの剣が次々と切り当たり、離れていった。まるで円舞を踊っているように…。
 マックスたちが援護しようとしたが、ドクロ兵が立ちはだかり、行く手をさえぎってしまった。
 「どうしよう、これじゃあブラスを援護できないよ」
 「仕方ない、ここはあいつを信じるしかない」
 マックスたちは大勢のドクロ兵に向かっていった。
466ガイレイジャープロジェクト:2006/08/19(土) 15:41:02 ID:U+jYpADO0
 「ははは、どうですか私の剣さばきは」
 伯爵のサーベルに苦戦しているブラスは何とか隙を作ろうとしていた。しかし伯爵の剣には隙がなく、踏み入れる事もできなかった。
 (何とかして隙を作らないと…。そうだ)
 ブラス=遼は前にミツキに教えてもらった事を思い出していた。
 『君にこれを伝授しておこう。いつか役に立つときが来るはずだ』
 『これって、あの訓練と関係があるのか?』
 『そう思ってもかまわない。もし君が苦戦する事があったならこの技を使うんだ。いいね』
 (…ありがたく使わせてもらうぜ、ミツキ先生!)
 ブラスはブレイダーを二つに分離して二刀流になった。そして順手から逆手に持ち替えて戦闘態勢を取った。
 「なるほど、二刀流で対抗するつもりですか。いくらこんな事をしても私の剣さばきには勝てるわけがありません」
 「それはどうかな、今の俺はお前に勝つ自信があるんだからな」
 ブラスは伯爵に突進すると、二刀流でサーベルを叩き落した。
 「なかなかやりますね、しかしこれは避ける事が出来ますか?」
 伯爵の背中から大量のコロッケが飛び出し、ブラスを攻撃した。
467ガイレイジャープロジェクト:2006/08/19(土) 15:49:41 ID:U+jYpADO0
 「どうですか、私が作ったコロッケボンバーは?気に入っていただきましたか?」
 「お前のような食い物を粗末にする奴に負けてられっかってんだ!」
 飛んでくるコロッケボンバーをダブルブレイダーで切り落としていくブラスは、ついに伯爵の間合いに入ることが出来た。
 「食らえ、シャイニングダブルエッジ!!」
 ブラスは伯爵を十文字に切り裂いて動けなくした。それと同時に伯爵の体から大量の煙状のものが出て、空へと消えていった。
 「大丈夫だったか、ブラス」
 「ああ、そっちのほうはどうだ?」
 「ドクロ兵は伯爵が倒されたら逃げていっちゃったよ」
 変神を解いた遼たちは伯爵がいた場所に誰かが倒れている事に気が付いた。
 「あれって、人間?」
 「どうやらこのドクロイドは操られていただけのようだな。よし、コロッケ店まで運ぼう。このまま放っておけないからな」
 「じゃ、俺が運んでやるよ」
 遼たちは元ドクロイドの人間を店へと運んでいった。
468ガイレイジャープロジェクト:2006/08/19(土) 15:50:37 ID:U+jYpADO0
 「…ここは…」
 ミツキたちの看病のおかげで男は無事に目を覚ました。
 「大丈夫だったか?まだ動けるまで回復していないからゆっくり休んでいるんだ」
 「すいません…、ここは日高コロッケ店ですか?この部屋に見覚えがあるんです…」
 そのとき、日高店主が身体を引きずりながらこの部屋に入ってきた。
 「お、お前は…、陽彦じゃねえか…」
 「と、父さん…ごめん、迷惑をかけてしまって…」
 「馬鹿やろう、お前が家を出て行ってからどれだけ心配したと思ってたんだ。俺も母さんもお前が帰ってくるのを待ってたんだぞ」
 「父さん、僕、謝らなくちゃいけないことがあるんだ…」
 しかし日高店主は首を横に振りながら答えた。
 「いや、良いんだ。お前がここに帰ってくれれば言い訳なんてどうでも良いんだ」
 「と、父さん…!」
 二人はお互いの手を強く握りしめた。
 「ありがとうミツキさん、店を手伝ってくれただけじゃなく、息子まで合わせてもらうなんて…、本当にありがとう」
 「いいえ、私はただ困った人を放って置けなかっただけですよ」
 「だったら是非お礼をさせてほしい。何なりと言ってくれればできるだけのことはするから」
 ミツキは考えた末に答えを出した。
 「でしたら毎日ここで揚げたコロッケを食べに来る、というのはどうですか?私はここのコロッケが気に入りましたので」
 「そうか、だったらいつでも来てもいいぞ、俺もお前の事が気に入ったからな」
 日高店主は声高らかに笑い飛ばした。
469ガイレイジャープロジェクト:2006/08/19(土) 15:51:16 ID:U+jYpADO0
 「よかったな、これでこの店も潰されずにすんだな」
 「あの件も水に流れたしな」
 「でもどうして息子さんがドクロイドなんかにされてたんだろう?それが少し気になってね」
 海の質問に考えてしまう二人。そこへ智世がやってきて変な顔で遼たちを見つめた。
 「どうしたの大樹さん達、嬉しくないの?」
 「あ、いや、もちろん嬉しいよ。これでこの店も繁盛するしね」
 「それより腹減っちまったぜ。何かおいしい物でもないかな?」
 それを聞いたミツキは揚げておいたコロッケを持ってきて遼たちの前に置いた。
 「そう言うと思って残しておいたんだ。さあ、遠慮しないで食べてくれ」
 遼は山盛りのコロッケを見て顔が真っ青になった。
 「もうコロッケは勘弁してくれよ〜」
 そう言って外へ逃げてしまった。
 「ん?多く作りすぎたかな?」
 状況を分かっていないミツキを見て、一同は大きなため息をつくのだった…。

 第18章終わり

 【次回予告】
 たまたま病院に寄った疾風は、足が不自由な少年「はやて」と知り合いになる。しかしはやては足が不自由になった原因がガイレイジャーのせいだと思っていた。そんなはやてを疾風は立ち直らせる事が出来るか?
 烈空戦騎ガイレイジャー第19章!「疾風とはやての約束」
 「俺は約束を必ず守る!」
470ガイレイジャープロジェクト:2006/08/19(土) 16:10:53 ID:U+jYpADO0
ガイレイジャー第18章をお送りいたしました。
今回はコロッケ店長(コロッケ伯爵)のお話でしたがいかがでしたか?
このお話は前に出ていた「コロッケ選手権」のネタを基に書いたものです。
自分なりにアレンジしたものですがいかがでしたか?ここ数章はまじめなお話が続いていたので
こういったギャグな話を入れてみたいと思って書いてみました。
次回は疾風メインのお話です。戦いの犠牲者である少年と疾風の友情の物語を書く予定です。
今回は設定集はお休みです。また次回のお話はもしかしたら来週載せることが出来ないかも知れません。
もし載せることが出来ましたらまた来週お会いしましょう。
>>457サポーターさま
旅行お疲れ様です。今回はコロッケのネタを使ってギャグ方面のお話にしてみました。
でもギャグかどうかは少し微妙かも・・・。とにかく明るいお話です。気を抜いて見てください。
>>453盛り上げる会さま
あっさり目でしたか・・・。もう少し掘り下げればよかったのですが、これ以上掘り下げてしまうと
長くなってしまいますので、ある程度でとめました。まあ、結構気をつけているんですけどね。
471ガイレイジャーを盛り上げる会:2006/08/23(水) 18:06:43 ID:ZP2iuw+a0
第18章を見ました。今回はインターミッション的な話なので、結構面白く読むことが出来ました。
次回は疾風と少年との友情のお話ですか。期待しています。
472ガイレイジャープロジェクト:2006/08/26(土) 18:43:41 ID:krHhK4tf0
第19章疾風とはやての約束
 今日は疾風が天空寺運送に働きに来る日だ。遼は疾風と一緒に荷物を運ぶためにガレージで待っていた。
 「おそいな疾風の奴。どこ道草食ってるんだ?」
 もう出勤時間は近づいているというのに、疾風が来る気配はない。痺れを切らした遼は疾風に電話をした。
 「おい、休むんだったら電話くらいかけて来いよ」
 「わりい、今それどころじゃないんでな、少し遅れるからみんなにそう伝えてくれ」
 「説明くらい出来るだろ。一体どこにいるんだよ!?」 
 「今病院にいるんだ」
 それを聞いた遼は驚いてしまった。
 「びょ、病院だとー!!お前、ケガでもしたのかよ?」
 「おいおい、そんなに驚く事ねえだろ。俺はある用事でここに来てるの。別にケガなんてしてねえよ」
 「と、とにかくそっちに向かうからな、ここで待ってろよ」
 遼は電話を切ると、大急ぎでワゴンの方に向かった。
 「おい遼、どこへ行くんだ?」
 ワゴンに乗ろうとする遼を宗一郎が止めた。
 「疾風が病院にいるって聞いたから迎えに行ってやるんだよ」
 「お前、配達はどうするんだよ」
 「迎えにいってからするよ。それじゃいってくるよ」
 遼はワゴンで病院へ出発した。
 「あのやろう、荷物載せたまま行っちまいやがった」
 ワゴンの後姿を宗一郎は呆れながら見つめていた。
473ガイレイジャープロジェクト:2006/08/26(土) 18:44:53 ID:krHhK4tf0
 疾風が言っていた病院に到着した遼は、疾風を探しに病院を隅々まで歩き回った。
 「あいつ、どこにいるんだろう。変な事してたらただじゃすまねえからな」
 ついに遼は最上階の病室まで来てしまった。そこのゲストルームに疾風を見つけた。
 「あ、いたいた。お前どこにいたんだよ。探しまくっちまったじゃねえか」
 遼が来ているのを知った疾風は、ケロリとしていた。
 「おお、お前わざわざこんな所まで来たのか。大変だったな」
 「お前な、もう少し状況を判断して言えよ」
 「すまねえな。ここに寄ったから少し遅れるって言ったんだけどな、来てくれるとは思わなかったよ」
 「それより、何でお前がここにいるんだ?別に病気になってるわけじゃねえんだろ」
 「ああ、そのことか。おい、こっちに来てくれ」
 疾風は近くにいる車椅子の子供を呼んだ。
 「紹介するよ、この前知り合いになった神野はやて君だ」
 「は、始めまして。僕が神野はやてです」
 はやての名前を聞いた遼は、疾風と同じ名前だという事に疑問を抱いていた。
 「どうして同じ『はやて』なんだ?もしかして知り合いかなんか?」
 「いやな、俺がある用事でこの病院に入ったとき、この子と知り合ったんだ。それからはたまに遊びに来るのさ」
 「そうか。でも何でここの病院に用があったんだ?お前が入るのには不自然すぎるんじゃねえの?」
 それを聞いた疾風は少しギクっとした。
 「い、いや、ほんとに用があったんだ。じゃなきゃここに来るわけねえだろ」
 「じゃ、何の用か言えるよな?」
 疾風は黙ってしまった。
 「実は疾風お兄ちゃん、おなかが痛くて病院に来てたんだよ」
 はやてが疾風が病院に来たわけを言った。
 「病院に来たとき、お兄ちゃんがおなかの治療をしてたときに偶然会ったんだ。それがきっかけでお見舞いに来てくれるようになったんだ」
 「まあ、こいつが歩く練習をしてたときに倒れそうになってな、抱き起こしてあげたのがきっかけになったわけよ。それからは時々だけど会うことにしてるんだ」
474ガイレイジャープロジェクト:2006/08/26(土) 18:46:07 ID:krHhK4tf0
 「でもよ、今日は何で仕事ほったらかしてここに来てるんだ?」
 「実は今日手術があるんだ」
 はやてが少し不安そうに話した。
 「今日二度目の手術があって、それで脚が治るって言われてるんだ。でも僕、とても不安なんだ。いくら治っても歩けないんじゃ意味ないよ」
 「それで俺がここに来てはやてを元気付けてあげてるんだ。早くよくなるように、ってな」
 疾風の言葉に、遼はあっさりと理解した。
 「そうか、それでお前は朝からここに来てるというわけだな。だったらこの弟分を面倒見てあげろよな。配達は俺がやっておくからな」
 「でも大丈夫かよ、お前一人で」
 「安心しろ、暇そうな奴がいるからそいつに手伝わせることにするよ。それじゃあ、ちゃんと面倒見るんだぞ」
 そう言うと遼はゲストルームから去って行った。
475ガイレイジャープロジェクト:2006/08/26(土) 18:47:02 ID:krHhK4tf0
 「あいつもたまにはいいこと言うんだな…。ところではやて、手術は何時からなんだ?もうそろそろ病室に戻ってなくちゃいけないんじゃないのか?」
 しかしはやては黙ったままだった…。
 「どうしたんだ?早く戻んなくちゃいけないんだろ?」
 「やっぱり…手術するの、怖いよ。成功しても歩けるかどうか分かんないし…」
 不安そうなはやてに、疾風は元気付けるためにはやての肩を叩いた。
 「お前は俺と同じ名前を持ってるんだろ?『はやて』は決して弱虫な名前じゃないんだ。昔、俺が小さいころに、どうして自分が『疾風』って名前を付けられたのか、って父上に聞いてみた。そうしたら父上はこういったんだ。
 『疾き風のように強い心を持ってほしいからそう名づけたのだ』
 ってな。つまりお前は弱虫じゃなくて強いんだ、って言いたいんだよ。だから手術くらいどおってことないんだぜ」
 「本当に『はやて』って強い名前なの?じゃあ僕もお兄ちゃんのように強くなれるかな?」
 「なれるに決まってるだろ。だから手術して歩けるようになるんだぞ。分かったな」
 疾風は弟分の頭を撫でてあげた。撫でてもらったはやてはとても嬉しそうだった。
 その日の午後、はやての手術が始まった。疾風とはやての両親は、手術が終わるのを長い間待った。そして数時間後…。『手術中』のライトが消えた。
 「手術は成功しました。後ははやて君の気力しだいです」
 ほっと肩を撫で下ろすはやての両親。それを見た疾風は両親に挨拶をして静かに病院を後にした。
476ガイレイジャープロジェクト:2006/08/26(土) 18:48:36 ID:krHhK4tf0
 それからというものの、疾風は毎日、はやてのお見舞いに行くようになった。もちろん、はやてを元気付けるために…。
 「どうだ、まだ痛むか?」
 「だいぶよくなってきたよ。でも僕、歩ける自信がないよ…」
 心配顔のはやてに、疾風はいいことを思いついた。
 「いい子にしてれば、ガイレイジャーが来てくれるかもしれないぞ」
 だが、はやてはガイレイジャーの名前を聞いたとたん、顔色を変えてしまった。
 「あんなの、こないほうがいい」
 「どういうことだ、はやて?ガイレイジャーは悪い人たちじゃないんだぞ?」
 「ガイレイジャーは僕の足をこんなにした張本人なんだ。だから会いたくなんかないよ」
 それを聞いた疾風は愕然とした。
 「どういうことなんだい?詳しく教えてくれないかな」
 「数ヶ月前に町中で大きな地震があったでしょ。そのとき僕はデパートにいたんだ。そのときに柱が落ちてきて僕は両足を挟まれてしまった。そのときに大きな巨人が動けない僕の前に現れたんだ。いつ襲われるかわかんなくて僕はぶるぶる震えてたよ。
その巨人は向こうにいっちゃったけど、そのときから僕の足は動けなくなっちゃったんだ…」
 はやての話を聞いていた疾風は、あのときの事を思い出していた。
 『そうか、ダルクリアンが暴れていたときにこの子はケガをしたんだな…』
 「その後だよ、あのロボットがガイレイジャーの乗ってるのを知ったのは。だから僕はこんな体にしたガイレイジャーを許さないんだ」
 話を聞いた疾風は、自分が思っていたことをはやてに言ってみた。
 「そんな事があったのか…。お前の言いたい事は分かった。でもそう考えるのは違うと思うぜ。ガイレイジャーはみんなのために戦ってるんだ。そんな人たちが君の事を苦しめると思うか?」
 「でも僕は…、こんな体にしたガイレイジャーの事を、どうしても許せないんだ…ごめんお兄ちゃん、今日はもうかえってよ…」
 はやての言葉に疾風は従った。病室から出ようとするそのときに、疾風はこんな事を言い出した。
 「分かった。今日のところは帰るよ。でもこれだけは憶えてほしい。お前がこんな事を考えてたら、お前のためにもならないってことをな」
 そう言って疾風は静かに病室を後にした。
477ガイレイジャープロジェクト:2006/08/26(土) 18:49:26 ID:krHhK4tf0
 病院を出た疾風は、なぜはやてがあんな事を言ったのか考えていた。
 『あの戦いのせいではやての心は傷ついてしまったんだ。もう少し俺がしっかりしていれば…!』
 家に帰ろうとした疾風は、偶然ミツキと大樹に出会った。
 「どうしたんだ、考え事でもしてたのか?」
 「ええ、実は…」
 疾風はミツキ達にはやてのことを話した。
 「なるほど…、それでお前ははやて君を立ち直らせるために考えてたわけだな」
 「俺ははやてを立ち直らせて元気にしてあげたいんだ…。だから誤解を解くきっかけがほしいんだ」
 「う〜ん、難しいな。はやて君に歩く意思があればそんなに苦労はないんだけどね…」
 そのとき、病院の方角から大きな音がこだました。
 「ひょっとして…!」
 「ああ、病院が襲われたみたいだな、急ごう」
 三人は病院へと向かった。病院は所々が破壊されていた。
 「中の人たちが心配だ、早く助けに行くぞ」
 病院の中に入った三人は、中の人たちが誰もいない事に気付いた。
 「おかしい、人がいないぞ」
 「もしかしたら、邪神軍にさらわれたのかもしれない」
 「ここには動けない患者が大勢いるんだぞ!どうやって消せるんだよ?」
 「奴らのことだ、転送装置を使って患者達を消したのだろう」
 疾風は愕然とした。ここに居る人たちが一瞬のうちに消された事実をしってしまったからだ。
 「だが心配するな、ドクロイドを見つけ出してその装置を奪えばいい。そうすれば患者達もここへ戻ってくるだろう」
 「そうか、だったらすぐにでも見つけ出さないと…」
 疾風が上の階へ行こうとしたそのとき、トイレがある方角から何かの物音が聞こえた。
 「誰だ?誰かいるのか?」
 疾風はトイレがある方向を見回した。すると車椅子用のトイレからドンドンと叩く音が聞こえた。
478ガイレイジャープロジェクト:2006/08/26(土) 18:50:23 ID:krHhK4tf0
 「おい、誰かいるのか?」
 「その声は、疾風お兄ちゃん!」
 中にいたのははやてだった。疾風はトイレのドアをこじ開けて、はやてを救出した。
 「どうしてお前だけが無事だったんだ?」
 「分かんないよ。僕がトイレに入ったら突然大きな音が聞こえて周りが静かになったんだ。僕は怖くなってずっとこの中にいたんだ」
 疾風は怖がっているはやての頭をさすりながら言った。
 「そうか、でもここは危ない。早く安全な場所に逃げた方がいい」
 「でも、お兄ちゃんはどうするの?」
 「俺は他に人がいないか探してくる。お前は早く逃げるんだ、分かったな」
 そのとき、扉の向こうから何者かが現れて、病院を破壊してきた。
 「くっ、こんなときに」
 現れたのはハイパードクロイドだった。やはりここを襲ったのは邪神軍だったのだ。
 『ここで暴れられたら病院が崩れてしまう。それに戦うとしてもはやてがいるから変神が出来ねえ。どうすればいい…』
 二人に襲い掛かるドクロイド。間一髪ジェネシスとマックスが二人を助けた。しかしドクロイドはこれ以上の反撃をしないでさっさと逃げてしまった。
 「大丈夫か、二人とも」
 「ああ、大丈夫だ」
 二人の姿を見て、はやては驚いていた。
 「ガ、ガイレイジャー…どうしてここに…」
 「君達を助けに来たんだ。ここはもう危ない。早く逃げるんだ」
 しかしはやてはこれを拒否した。
 「だまされないよ、あの化け物だってあんた達の仲間なんでしょう?」
 「いい加減にしろ!」
 疑っているはやてに、疾風はしかりつけた。
 「ここはもう危ないんだ、早く逃げないとお前は死んじまうんだぞ!」
 はやてはしばらく黙った後、はやての背中におぶさった。
 「よし、しっかりつかまってるんだぞ」
 疾風ははやてを背負って裏口から逃げる事にした。ロビーにはドクロ兵が集まってきているからだ。ジェネシスとマックスは囮になるためにロビーへと向かった。
479ガイレイジャープロジェクト:2006/08/26(土) 18:52:13 ID:krHhK4tf0
 「ごめんな、さっきは言いすぎたな」
 「ううん、こっちこそあんなこと言ってごめんね」
 裏口に出た疾風たちは、病院の外に出るため裏門目指して走り出した。しかし…。
 「まだこんなところに病人がいたとはな」
 さっきのドクロイドが裏門に立ちはだかっていた。ここを突破しないと病院の外へ出ることは出来ない。
疾風ははやてを降ろしてドクロイドに立ち向っていった。
 「早く逃げろ、お前なら出来るはずだ!」
 しかしはやては立つ事も出来ない状態である。どうやって逃げるのか分からずにいた。
 「だめ、出来ないよ。歩けないもの」
 「だったら這ってでも外に出るんだ!助かりたいんだろ?」
 はやては頷くと、這いながら裏門の方へと向かっていった。
 「逃さんぞ、病人め!」
 ドクロイドは触手を出してはやての脚を絡ませた。
 「疾風には指一本触れさせねえぞ!」
 疾風はこちらに注意をひきつけるためにクナイでドクロイドの触手を切り落とした。
 「貴様…、死にたいようだな?だったらお前から先に倒してやろう!」
 「出来るもんならやってみなよ?だが倒れるのはお前のほうだぜ?」
 疾風はポケットにしまっていたシャドウチェンジャーを取り出し、デッキからカードを取り出した。
 「いいかはやて、俺の姿をよーく目に焼き付けておけよ。これからあいつをやっつけるからな」
 そしてカードをチェンジャーにスラッシュした。
 「ま、まさかお兄ちゃん…!」
 「幻影、変神!!」
 疾風ははやての目の前で変神をした。
480ガイレイジャープロジェクト:2006/08/26(土) 18:53:37 ID:krHhK4tf0
 「そんな…、お兄ちゃんがガイレイジャーだったなんて…」
 「この通り俺はガイレイジャーだ。だが信じてくれ、俺はお前を悲しませる事はしないということを…!」
 疾風=フォルスはドクロイドに向かって行った。はやての約束のために。
 「しゃらくさい、お前も餌食にしてくれる!」
 襲い掛かるドクロイド。しかし疾風の心に迷いはなかった。
 ドクロイドがフォルスに近づいたそのとき、手に持ったクナイショットがドクロイドの腹を貫通した。
 「はやてを悲しませた罪は重いぞ、ドクロイド!」
 フォルスはクナイショットを連射した。その攻撃でダメージを負ったドクロイドはよろよろと離れていった。しかし…!
 「ばかめ、そうやすやすとこのグラードラフレシアを倒せると思ったか!」
 グラードラフレシアはツル状の触手でフォルスの手足を絡め取った。
 「し、しまった!」
 「小僧、よく見ておくんだな。こいつの最後をな」
 苦戦するフォルスを見たはやては、今まで憎んでいたガイレイジャーをなぜか応援していた…。
481ガイレイジャープロジェクト:2006/08/26(土) 18:54:23 ID:krHhK4tf0
 「がんばって…お兄ちゃん。あんな怪人やっつけて!」
 応援するはやてを見て、フォルスは驚いていた。なぜならはやては応援するために自分の足で立ち上がったのだから…!
 「ありがとうな、はやて!お前の勇気を貰ったおかげで俺はこいつに負ける気がしなくなったぜ…!」
 フォルスは強引に触手を引きちぎろうとした。
 「ばかな、俺様のバインドハンドがお前ごときに引きちぎれるわけがない!」
 だがフォルスはバインドハンドをことごとく引きちぎるのだった。
 「どうだ、俺の底力思い知ったか!」
 「こうなったら最後の手段、ラフレシアストーム!!」
 グラードラフレシアは最後の攻撃を仕掛けてきた。顔についているラフレシアでフォルスを飲み込む気なのだ。
 「お兄ちゃん!」
 「心配すんな。こいつの弱点はとっくに分かってるからな」
 フォルスはアサルトスティンガーを召喚して、ラフレシアに標準をあわせた。
 「お前の弱点、それはラフレシアの中心だ!くらえ、スティンガーブラスト!!」
 スティンガーブラストがラフレシアの中心を打ち抜いた。そしてグラードラフレシアはその場に倒れ、消滅した。
 「やったね、お兄ちゃん…」
 はやてはへなへなとその場に座り込んでしまった。気が抜けてしまったのだろうか。
 「大丈夫か、はやて。怪我はないか?」
 「平気だよ、だってお兄ちゃんが護ってくれたから」
 「…俺の姿を見て平気なのか?」
 「もういいんだ、お兄ちゃんがガイレイジャーだって知ったときから、どうでもよくなっちゃった」
 やっと誤解が解けたんだな…。疾風=フォルスはほっと胸を撫で下ろした。
482ガイレイジャープロジェクト:2006/08/26(土) 18:55:10 ID:krHhK4tf0
 その後ジェネシスが転送装置を見つけ出したおかげで、病院の患者達は安全な場所へと転送されて助かった。
しかしここの病院が使えなくなってしまったために多くの患者が数件の病院へと運ばれる事になった。
 「はやて、ちゃんと足を直してこいよ」
 天空寺ワゴンで他の病院へ運ばれたはやては、疾風達にお礼を言った。
 「ありがとう、お兄ちゃん。僕、一生懸命がんばって歩けるようになるよ」
 「歩けるようになったら遊びに来いよ。俺達も歓迎するぜ」
 「歓迎パーティー、用意しておきますよ」
 みんなもはやてを励ました。やがて移動ベッドが来て、はやては病室に運ばれていった。
 「よかったな疾風、誤解も解けて」
 「後はあの子が退院する日を待つばかりですね」
 遼と大樹ははやての回復を願った。
 「ところで、あの子男の子?それとも女の子?」
 一緒についてきた智世がおかしなことを言い出した。
 「ど、どういうことだよ?あいつは男の子に決まってるだろ?なあ、疾風」
 しかし疾風は黙っていた。一体どういうことなんだろうか。
 「どうしたんだよ、疾風?あいつは男の子だよな?」
 「あ、ああ、その通りだ。あいつはれっきとした男の子だ」
 疾風は焦った感じで答えた。
 「本当にはやてちゃんは男の子なのかな〜?ひょっとしたら…」
 「ば、馬鹿なこと言うなよ。お、おれはあいつと男同士の約束までしたんだからな」
 照れながら疾風は門の方へと走っていった。もちろんみんなは大笑いしたのだった。

第19章終わり
483ガイレイジャープロジェクト:2006/08/26(土) 18:56:56 ID:krHhK4tf0
【次回予告】
 ある高校で謎の事件が起きた。ガイレイジャーは現場に向かおうとするが、学校に入ることはできなかった。
そこでミツキはある提案を立てる。それは有紀を女子高生として学校に侵入させる計画だった!
 烈空戦騎ガイレイジャー第20章!「女子高生にご用心!?」
 「僕はこんな格好いやですからね!」
484ガイレイジャープロジェクト:2006/08/26(土) 19:05:37 ID:krHhK4tf0
 ガイレイジャー第19章、何とか掲載することができました。
 今回のお話は、疾風が自分の同じ名前の子供との友情と約束の物語でした。
病気や怪我をした子供とメインキャラクターの交流は、最近では見かけなくなった気がします。
なので今回はこれを書いたというわけです。最後はあれでしたけど。
 次回は有紀メインのお話で、少しギャグが入っているお話です。
 最後に設定集です。今回はハイパードクロイドの説明です。どうぞご覧ください。
485ガイレイジャープロジェクト:2006/08/26(土) 19:09:06 ID:krHhK4tf0
ハイパードクロイドについて
 ハイパードクロイドはアストレスジェネレーターを埋め込んだ、新型のドクロイドである。パワー、スピード、適応能力、すべてにおいて通常のドクロイドよりも上回り、
相手のエネルギーを自分のものに出来るため、設定的には欠点がないように思える。
 しかし欠点がないわけではない。アストレス自体エネルギー消費率が高いため、絶えずエネルギーを吸収しないと長時間活動できないのである。そのため最初は運用するかどうかためらっていたようだ。
しかしHドクロイドを出さざる終えない状況になってしまったために、急遽若干マイナーチェンジしたHドクロイドを開発、数種類生産された。しかしエネルギー面の問題は完全に解決していないために、長時間の活動では、専用のサポーターが必要となるようだ。
なお、身体に負担がかかった状態になっているため、人間体には変化できないようになっている。

ヴェルデル・ミスティ配下のドクロイド
 基本的には今までのドクロイドと同じであるが、二人が隠密活動の重要性を重んじるため、人間体に変化できるドクロイドを使用している。このドクロイドは人間界の様々な場所に潜伏させており、
情報を収集する任務を受け持っている。そのためドクロイドの配下人数は最も多く、潜伏期間が多くなっているドクロイドも少なくないとか。
486名無しより愛をこめて:2006/08/26(土) 20:32:09 ID:zpkgYWtp0
サポーターです。
19章見ました、次回は有紀の女装ですか・・・うーん微妙。
487ガイレイジャーを盛り上げる会:2006/08/28(月) 17:32:01 ID:QjzWxuls0
第19章見ました。
今回は車椅子の少年?と疾風の交流がかかれましたね。今後もこんな感動話を
期待しています。
次回は有紀の女装(?)があるそうですので少し期待です。
488名無しより愛をこめて:2006/08/30(水) 18:14:44 ID:uI9y3lVz0
今回のを見て気になったんだけど、
車椅子の少年ってどこかで見た気がするんだけど・・・気のせい?
489名無しより愛をこめて:2006/08/31(木) 01:29:51 ID:0XYdyuCh0
   ミミ ヽヽヽヽリリノノノノ     /⌒`⌒`⌒` \      / ̄ ̄ ̄`⌒\
  ミ   ,,、,、,、,、,、,、,、、 彡    /           ヽ    /          ヽ
   l  i''"        i彡  (  ノ⌒〜⌒〜⌒ヽ、 )   |  _,_ _人_   .|
  .| 」   /' '\  |   ヽ/    \, ,/   i ノ    ヽ|´ ┏━ ━┓`i /
  ,r-/    ■■■  |    |   <・>, <・>   |     .|  ■■■■  |
 l       ノ( 、_, )ヽ  |    | 、  ,,,,(、_,),,,   ノ|    (6|   ,(、_,)、.  |6)
 ー'    ノ、__!!_,.、.  |    ヽ   ト=ニ=ァ   /     .ヽ  トェェェイ  /
 ∧     ヽニニソ   l     \.  `ニニ´  /        ヽ. ヽニソ /
    ヽ.  `ー--一'  .ノ       ` ┻━┻'           `ー一'
      逮捕済                           逮捕済
  ご協力有り難うございます              ご協力有り難うございます
490ガイレイジャープロジェクト:2006/09/02(土) 17:09:30 ID:WotDsvq60
第20章 女子高生にご用心!?

 とある裏道…。女子高生二人がしゃべりながら歩いていた。
 「ねえねえ、今度の休み、街に遊びに行かな〜い?」
 「いいねえ、丁度暇だったんだ」
 その影に何者かが彼女たちの背後に近づいてきた。
 (だ〜るまさんが…転んだ!)
 「えっ、だれ?今の」
 二人が振り向くと、そこにはマントを羽織った紳士らしき人物が立っていた。
 「動いたね、罰として君達を鏡の中へ閉じ込めちゃうよ」
 紳士は鏡を取り出すと、二人を吸い込んでしまった。
 「君達は邪神様の復活のために役立っていただくよ」
 紳士は再び闇の中へと消えて行った…。

 「えっ、生徒が行方不明?」
 久しぶりに天空寺のガレージに集まった遼たちは、ミツキの言葉に驚いていた。
 「そうだ、最近行方不明になった女子高生の数が十人をこえる事件が起きた。近くの人から聞いた話によると、紳士らしき人物が彼女達を消し去ったらしいとのことだ。おそらく今回の事件は邪神軍が絡んでいると思う。そこで私達は手分けして紳士ドクロイドを探そうと思う」
 「でも、どこに出没するか分からないのでは探し様がないでしょう」
 「ドクロイドが出没するエリアは今のところ限られている。だが少しづつではあるが行動範囲を広げているようなんだ。これ以上犠牲が出る前にドクロイドを探し出して倒すしかない。分かったな」
 ミツキたちは現場近くにテレポートして捜査を開始した。以前ドクロイドが出没した場所を中心に、それぞれ手分けして探す事にした。
 しかし一時間たってもドクロイドは姿を現さなかった。
491ガイレイジャープロジェクト:2006/09/02(土) 17:10:30 ID:WotDsvq60
「おかしいなあ、何でドクロイドが現れないんだ?」
 「どうやら奴は下校時に襲うようだ」
 「だったらそれを先に言ってくれよ〜。これじゃあ俺達、無駄足踏んだ事になるじゃねえか」
 文句を言う遼。しかしミツキはそんな遼にこんな事を言って落ち着かせた。
 「もう少し待つんだ。そろそろ高校生が下校する時間だ」
 しばらくすると、坂の上から下校する高校生が少しずつ見えてきた。
 「生徒が帰り始まったぜ」
 「だがそこは目立つ場所だ。奴は人気のない裏通りで待ち伏せしているに違いない。どこに出没するか探すんだ」
 遼たちは人気のないところを中心に探しまくった。そして…!
 「キャ〜ッ!」
 女の子の悲鳴が聞こえた。遼たちは変神して現場へ向かったが、後一歩でドクロイドに逃げられてしまった。
 「あいつ、どうやって逃げたんだ?ここには隠れるところなんて何もないぞ」
 「おそらくあのドクロイドはある方法で素早く逃げる事が出来るのだろう」
 遅れてきたミツキがみんなのところにやってきた。
 「その方法は?」
 「もしかしたらこの時間帯と関係があるのかもしれない。とにかくもう一度作戦を立て直そう」
 結局遼たちは捕まえる事が出来ないまま、戻ることになってしまった。
492ガイレイジャープロジェクト:2006/09/02(土) 17:11:04 ID:WotDsvq60
 ガレージに戻ってきた遼たちは、もう一度作戦を立て直していた。
 「今回ドクロイドが出現した時間帯、場所を特定してみると、学生の下校時で、人気があまりないところを狙ってきている。つまり奴は影を使って移動しているのだろう」
 ミツキの考えに、有紀が質問をした。
 「質問です、どうしてそのドクロイドが影を移動してるってわかったんです?」
 「どうしてかというと、まず奴はわざわざ人気のないところでさらっている。もちろん他の人に気付かれないようにするのもそうだが、その方法でしか彼女らを捉える事が出来ないんだ。それに下校の時刻を狙ってくるのもそれが関係しているのかもしれない。
それで私は影を使って捉えてるのではと考えたんだ」
 「なるほどね、影を使って高校生を引きずり落とすってわけか。それにしてもセコイやり方だね」
 遼はニヤニヤしていた。
 「問題はどうやって奴を捕まえるかだ。姿を現さないとなると、こちらから奴をおびき寄せなければいけないからだ」
 「そうだな、誰かが囮になってドクロイドをおびき寄せる、ってのはどうだ?それが一番手っ取り早いぜ」
 「とはいっても誰を囮にするんだ?高校生といっても奴は女子しか狙ってこないぞ」
 「誰かが変装して囮になるんだ。女装しても大丈夫な人は…」
 ミツキは有紀のほうをじっと見た。
 「な、何見てるんですか?ひょっとして、僕が…?」
 「そうだ、君が女装してドクロイドをおびき寄せるんだ」
 それを聞いた有紀は驚いて後ろにのけぞってしまった。
 「じょ、冗談でしょ?僕はそんなの嫌ですからね!」
 「頼む、奴をおびき寄せられるのは君だけしかいないんだ。女装してくれ!」
 お願いするミツキに、有紀は嫌悪感を感じた。
 「嫌と言ったら嫌です!ごめんなさい!」
 そういうと、有紀はガレージの外へ逃げてしまった。
 「あ〜あ、逃げられちゃったぜ。どうするんだよ、ミツキ先生?」
 「これじゃあ、有紀がかわいそうだよ」
 みんなに後ろ指を刺されてしまい、ミツキは落ち込んでしまった。
 「何てことだ…。私がいけないというのか…」
493ガイレイジャープロジェクト:2006/09/02(土) 17:11:42 ID:WotDsvq60
ミツキにあんな事を言われた有紀は、泣きながら外へ出て行こうとした。しかし、偶然通りかかったゆかりに質問された。
 「どうしたの有紀ちゃん?そんな悲しい顔して」
 ゆかりに止められた有紀は、さっきにことを一部始終話した。
 「そうなの…。それで有紀ちゃんは制服を着るのが嫌なのね…」
 「はい、いくら囮でもあんな格好させられるのなんて嫌です」
 嫌がっている有紀に、ゆかりはまじまじと見つめながらこんな事を言った。
 「それならはっきりと断ればいいことじゃないの。嫌がってるのに無理してやる必要はないと私は思うよ」
 「言えるならあのときに言ってますよ。でも…」
 「だったら私が囮になってあげる。それならいいでしょ」
 しかし有紀はそれに反対した。
 「だ、だめですよ。ゆかりさんにもしもの事があったらどうなるんですか?相手はドクロイドなんですよ」
 「その時は有紀ちゃんが護ってくれれば良いよ」
 有紀はしばらく考えた。そして…。
 「分かりました。僕が囮になります。もうこんな事したくないんですけど、がんばってやる事にします」
 「え?それってどういうこと?」
 驚いているゆかりに、有紀はそのわけを言い始めた。
 「実は…」
494ガイレイジャープロジェクト:2006/09/02(土) 17:12:59 ID:WotDsvq60
 「あいつは子供のころ、女の子だったんだ」
 有紀がいなくなったガレージで、疾風は有紀のコンプレックスの理由を話していた。
 「俺がまだ父上の下にいたときのことだ。あの時俺は中学生で、表向きは普通の生活をしていた。確か俺が三年のときだったかな…。全校集会があって、そこで転入生を紹介されたときに有紀と出会ったんだ。
始めはそんなに付き合いはなかったんだけど、あるきっかけで俺達は知り合うようになったんだ。
 『あ、あの…、剣峰疾風さん、ですよね…?』
 まさかこちらから話しかけられるとは思わなかったよ。あんなにかわいい子に話しかけるなんて…と当時の俺は思ったんだ。だが付き合ううちにあいつの様子がどこか変だと思い始めたんだ」
 「それってどういうことだよ?まさかお前…」
 遼が疾風に向かって変な眼差しで見つめてきた。
 「バカいうな、俺はそんな事しねえよ。とにかく俺は出来るだけあいつの様子を見ることにしたんだ。さすがに授業中は無理だから、休み時間とか、クラブ活動のときとか…。時には下校時間にこっそり後を付けたときもあった」
 「なるほど…。君は心配のあまりあんな事をしたのか…」
 ミツキは疾風の話を聞いて少し感動していた。
495ガイレイジャープロジェクト:2006/09/02(土) 17:15:26 ID:WotDsvq60
 「ミツキさん、感動するところが違うって…」
 「ま、まあとにかく、俺はある日の放課後、あいつの後を付けるのに成功したんだ。そうしたらあいつの家に到着したんだけど、その家がすごく広くてな、まるでお屋敷のようなところだったんだ。さすがに中に入ることはできなかったけど、とにかくすごく驚いたよ」
 それを聞いた一同は驚きの色を隠せなかった。有紀が名門の出身だったからだ。
 「そんなに驚くなよ。あのときから俺はあいつに話しかけることに抵抗を感じた。俺のような表むきは平凡な学生にとって名門出身はハードルが高すぎる、そう思ってしまったからだ。あの時まではな…。
 俺がいつものように下校時にあとをつけて行ったときに事件が起きた。屋敷の前で有紀と偉そうな服を来た男性がなにやら話をしてたんだ。よくは聞き取れなかったが、状況からしてとんでもない事になってるのは明らかだったな。その後、
有紀は車に入れられてどこかへ連れて行かれてしまった。俺は追いかけようとしたが、とてもじゃないけど無理だった。
 その事件があってから、有紀は学校に登校しなくなった。あのときの有紀の悲しい顔を思い出すたびに、俺の心は無性にむなしさを感じた…。
 それから数週間が経ったころ、父上からある所に行ってこい、と言われた。父上に連れられた先は、山奥にあった小さな寺だった。そこで有紀と再会したんだ」
 「へえ、そんなところで再開するなんて奇遇だったんだったな」
 「奇遇かどうかは分からないが、運命の再開というには間違いないな」
 「再開した有紀の姿を見て俺は驚いた。学校に通ってたときの姿と比べ物にならないくらいの格好をしてたからだ。あいつはそこで修行をしてると、先生らしき人が言ってた。でもあの時あんなに嫌がってたのに、
今ではそんなことがなかったかのように生活してるのには驚いたな。
その日から俺は、この寺で師匠たちの授業を受けてシャドウマスターの名前を受け継ぐくらいの実力を見につけたんだ」
 遼たちはそれを聞いて納得した。
 「なるほど…、でもそれと有紀の女装嫌いと何の関係があるんだよ?」
 「それはだな…」
496ガイレイジャープロジェクト:2006/09/02(土) 17:16:32 ID:WotDsvq60
 「あの時はお父さんに女の子として育てられたからなんです」
 有紀はゆかりに自分が女性として育てられた事を話した。
 「僕は甲野家の末っ子として生まれました。その時の僕は男性か女性か分からない状態だったと聞いた覚えがあります。そのため僕は女の子として育てられる事になりました。でもある資料を見て分かってしまったんです。
僕が特別な人間だという事が…。そのときから僕はお父さんを恨みました。
 ある日そのことをお父さんに言ったら、カンカンに怒って僕を山寺へ送り出してしまったんです。行き場を無くした僕はお寺での生活を余儀なくされました。それから数週間たったある日のこと、兄弟子の疾風さんに出会ったんです」
 「でもどうして後から来たのに疾風さんが兄弟子なの?」
 「戦士としては彼のほうが先輩だからです。僕はお寺に来てから修行を始めましたから…。そのこともあって僕と兄弟子は仲がよくなりました。修行の時も、お食事のときも一緒でした」
 「そうなの、事情はよく分かった。有紀ちゃんも結構苦労してたんだね。女装が嫌いなのも分かる気がするよ」
 ゆかりはベンチから立ち上がって有紀の手を引いてあげた。
 「さっ、みんなのところへ行こう。みんなにそのことを話して分かってもらおうよ」
 「その心配はしなくていいぜ」
 有紀たちの前にいつの間にか遼たちが集っていた。
 「み、皆さん…。どうしてここに…」
 「お前の事は疾風から聞いたよ。俺達は仲間だろ。そんな事気にするなよ」
 「そうだ、たとえお前が誰であろうと私達の仲間なのに代わりはないんだからな」
 「そうそう、おいら達は仲間だもんね」
 仲間達が有紀に対して励ましてくれている。みんな有紀のことを心配しているのだ。
 「ありがとう…、みんな…。これで僕、決心が付きました」
 「有紀、やってくれるな。この作戦は君がいなくてはだめなんだ」
 ミツキは有紀の頭を撫でながら言い聞かせた。
 「…分かりました、それでは皆さん、がんばりましょう!」
 「よっしゃー!!」
 みんなは手を合わせて明日の作戦の成功を誓った。
 『まあ有紀が元気になったのはよかった。けど本当に言ってよかったのかな…』
 少しはなれたところでみんなを見ていた疾風は、少しはずかしそうにうつむいた
497ガイレイジャープロジェクト:2006/09/02(土) 17:18:23 ID:WotDsvq60
 そして次の日、遼たちは紳士ドクロイドを捕まえるために作戦を実行した。まず女子生徒の格好をした有紀が人気のない通りを歩いてドクロイドをおびき寄せる。ドクロイドが現れて有紀を襲おうとしたときに遼たちがドクロイドを囲み、
カードで脱出通路を封じ込めて逃げられなくする。そしてドクロイドを倒すという計画である。
 「じゃあ、頼んだぞ、有紀」
 「分かりました、みんな頼みますよ」
 有紀は制服姿で通路を歩き始めた。歩いている後ろに突然影が膨らみ始め、ドクロイドが出現した。
 「だ〜るまさ〜んがこ〜ろんだ!」
 姿を現したドクロイドは有紀を振り向かせるためにだるまさんがころんだを仕掛けてきた。
 「だめだ有紀、振り向くな!」
 振り向いてしまった有紀はドクロイドの影につかまってしまい、影に引きずりこまれる形になってしまった。
 「くそっ、有紀を放しやがれ!」
 いち早く飛び出した疾風は、有紀の手を捕まえて引きずられないように引っ張った。
 「あ、兄弟子…」
 「お前は誰にも渡しはしねえ!俺が惚れた最高の弟分だからな!」
 疾風はグッと手を引っ張るが、自分も影の中に引き寄せられてしまう形になってしまった。
 「このままじゃ二人とも捕まっちまうぜ!」
 「今ミツキさんが結界をはっている最中だ、信じて待つんだ!」
 二人が引きずられそうになったそのとき、突然結界が張り巡らされ、紳士ドクロイドの術を封じ込めた。
 「何とか間に合ったな。これで奴は影を使う術は使用できないはずだ」
 ミツキが物陰から姿を現した。
 「な、何?私の術が破られただと?」
 「どうやら後がなくなったようだな、紳士さんよ!」
 「自己紹介が遅れましたね、私の名前はジェントルマジシャン。以後お見知りおきを」
 「この人、なかなか礼儀正しいですね」
 「お前、感心してる場合かよ?とにかく奴を倒すぞ?」
 二人は変神してフォーメーションを取った。それを見たジェントルマジシャンは驚いていた。
 「なに?お前達はガイレイジャーだというのか?」
 「俺達はシャドウセイバーズだ、いい加減覚えろよ!」
 「まあそんなにこだわらなくても良いですけどね…」
 「さっさとやるぞ!?」
 シャドウの二人はジェントルマジシャンに立ち向っていった。
498ガイレイジャープロジェクト:2006/09/02(土) 17:18:55 ID:WotDsvq60
「何てことだ、女子高生がガイレイジャーだとは…!」
 混乱するマジシャン。それを見たフォルスは指を刺しながら笑っていた。
 「見ろよ、あいつお前が変神した姿見て混乱してるぜ」
 「兄弟子、そんな事で笑わないでくださいよ」
 アダンテは照れながらフォルスを肘でつついた。
 「え〜い、どいつもこいつも馬鹿にしおってからに…!食らえ、影縛り!」
 マジシャンは自分の影から出たひも状の物で、二人に襲い掛かった。
 「シャドウって名乗ってる俺たちが、こんな影で倒されるとでも思ってるのか?」
 二人はそれぞれの武器を召喚し、マジシャンに立ち向った。遅い来る影を、二人は次々と切り落としていった。
 「ば、ばかな?私の攻撃が通じないなんて…」
 「俺たち二人の前には、どんな敵でも断ち切れない絆があるのさ!そうだろ、有紀」
 フォルス=疾風はアダンテ=有紀を見た。有紀はそれに答えるように頷いた。
 「はい、僕たちの絆は永遠です!」
 マジシャンの上へと飛び上がる二人。そしてフォルスが前に、アダンテが後ろに並んだ。
 「ニードルマシンガン!」
 フォルスがマシンガンを連射して相手を油断させた後に、アダンテがコンバットダガーで切り裂く体制に入った。
 「ライトニングスラッシュ!!」
 十文字に切り裂かれたマジシャンは、影の中に溶け込むように消えていった。それと同時に捕らわれていた女子高生がその場に現れた。
 「どうやら奴が倒れると捕らわれた人たちは解放されるみたいだ」
 「これで彼女たちも安心して帰れますね」
 女子高生達はシャドウの二人のお礼を言って帰っていった。遅れてきた遼たちは、二人を祝福した。
 「よくやったな、あんなに息のあった攻撃は最高だったぜ」
 「ほんと、おいら達には真似できないよね」
 変神を解いた二人は、遼たちに感謝した。
 「皆さんのおかげです。こんな僕でも出来ましたから…」
 照れる有紀に、疾風がこんな事を言い出した。
 「それにしても有紀、お前の制服姿、けっこう似合ってるぜ…」
 それを聞いた有紀は、顔が真っ赤になってしゃがみこんでしまった。
 「そ、そんな…。茶化さないでくださいよ…」
 照れる有紀を見て、みんなの笑いがこだました。
499ガイレイジャープロジェクト:2006/09/02(土) 17:19:35 ID:WotDsvq60
「何てことなの、マジシャンが敗れるなんて…」
 司令室で一部始終を見ていたミスティは、悔しがっていた。
 「あのドクロイドは偵察用だ、奴に倒せるとは最初から思っておらんわ」
 隣で見ていたエディスがミスティを見てつぶやいた。
 「それにお前は奴らを軽く見ている。その調子では邪神王さまの復活など夢のまた夢だ…」
 「そんな事言わないほうがいいんじゃないか?」
 司令室に入ってきたヴェルデルが、エディスの言い分に異を唱えた。
 「まだ時間はある、そんなに焦らなくてもいいんじゃないか?この時点で目標の半分は達成されたんだからな」
 「とはいっても、これ以上やつらの好きにさせると、とんでもない事になるかも知れんのだ。早急に手を打たんと…」
 焦るエディス。しかし何者かが影でそれを見ていたのには、誰も知らなかったのだ…。

第20章終わり

【次回予告】
 シュペルターが何者かの手によって脱走した。脱走したシュペルターは復讐をするため、配下のドクロイドを集めて反逆を企てようとする。
果たしてその計画とは…?
烈空戦騎ガイレイジャー第21章!「反逆のシュペルター!謎の邪弾計画」
 復讐の牙が襲い掛かる。
500ガイレイジャープロジェクト:2006/09/02(土) 17:38:46 ID:WotDsvq60
ガイレイジャー第20章をお送りしました。
今回は有紀の過去のお話です。有紀のトラウマのなぞや、どうやって疾風と有紀が
出会ったのかを書いてみました。少しライトな感じで書いてみましたが、いかがでしたでしょうか。
次回は本来の流れに戻ってシリアスな展開になりますので、期待してください。
>>486 サポーターさん
今回は女装云々よりも、有紀の過去を重点に書いてみました。女装はおまけみたいな物です。
次回は今回とは違った雰囲気になりますのでご期待ください。
>>487盛り上げる会さん
前回の車椅子の子は、疾風との信頼と友情を書いた作品でした。今回は有紀についてのお話です。
女装という題材を使いましたが、それは有紀のトラウマを書きたかった口実に過ぎませんでした。
何はともあれ、何とかいい方向へ引っ張れたので、自分としては半分は満足しています。
最後に、設定集です。今回は先延ばしになってしまっていた、騎覇王凱零刃の設定です。
どうぞご覧ください。
501ガイレイジャープロジェクト:2006/09/02(土) 17:39:53 ID:WotDsvq60
メカニック紹介 (騎覇王凱零刃編)

全高57,2m、重量2300t
 騎覇王凱零刃は、凱零刃とダルクリアンが合神して誕生する「超烈空戦騎」である。
計5機のアトマイクスジェネレーター(正確には中型のジェネレーター3機と小型のジェネレータ4基)をフル稼働させることが出来るため、驚異的なパワーを引き出す事が可能となっている。
また合神前の武装もほとんど使用できるため、あらゆる状況に対応する事が出来るフレキシビリティも併せ持っている。
 武装は合神前の武器と、新たに使用することが出来るようになった両肩の「騎覇重力砲」、胸の獅子の口から発射される「ハウリングブラスト」、ダルクリアンの武器を組み合わせた「アックスランス」、
烈空剣とシールドが合体した「騎覇王剣」などがある。必殺技は騎覇王剣に自然エネルギーを集めて切り裂き、浄化させる「天王乱舞」など。
502名無しより愛をこめて:2006/09/02(土) 20:56:35 ID:f0y88Hvi0
サポーターです。
20章見ました。
女装を嫌がる有紀の暗い過去、疾風と出会ってシャドウセイバーズになった
経緯けっこういいですね。
503ガイレイジャーを盛り上げる会:2006/09/05(火) 17:26:10 ID:7pi6lwis0
第20章拝見しました。
助走ネタと思いきや、有紀の過去の話なのでびっくりしました。
最後の敵側の動きが少し気になりますが、それは次回以降大きな動きになるみたい
なので、楽しみです。
504ガイレイジャープロジェクト:2006/09/09(土) 17:48:18 ID:DtEW+yPD0
第21章反逆のシュペルター!謎の邪弾計画


 ここは研究室の倉庫。そこにシュペルターが封じ込められている箱がおいてあった。その倉庫に一人のドクロイドが入ってきた。
 「シュペルター様、脱出の準備が完了しました」
 そのドクロイドは身体が大きく、まるでゴリラみたいな体つきだった。
 「おお来たか、クエイカーコング。ここから出してくれるのを長い間待っていたぞ」
 「それではさっそくそこから出す準備をしましょう。私たちの研究班が箱の封印を解く装置を開発しましたので、すぐにここから出して差し上げます」
 クエイカーコングは封印の箱を懐にしまい込み、倉庫から出て行った。
 それから数十分後…。
 「大変ですヴェルデル様、ドクロイドが数名、魔界戦車を乗っ取って脱走しました!」
 報告係のドクロ兵が司令室に入ってきた。それを聞いたヴェルデルは、青ざめた顔になった。
 「もしや…、奴ら裏切ったのか?」
 「もう一つ残念なニュースがあります。研究室の倉庫からシュペルター様の入っている封印の箱がなくなっていました。おそらくドクロイド達はそれを持って逃げたと思われます」
 しかしヴェルデルは少し笑みを浮かべていた。
 「ばかな、あんなものを持っていったとしても何の役に立たないというのに…。あの箱には封印の呪文がかけられているのだぞ」
 「しかしシュペルター様の研究所跡には封印を解いた痕跡がありました。おそらくドクロイド達は封印を説く方法を解読したのかもしれません」
 ヴェルデルはそれを聞いたとたん、立ち上がって怒りをあらわにした。
 「ま、まさか奴らが封印を解くまでの知能を持っていたとは…。今からでも遅くはない、奴らを追うんだ!」
 「は、はい!」
 さっそく魔界要塞から戦闘用ジェットが数機、シュペルターたちの乗る魔界戦車を追いかけていった。
 「シュペルターめ、油断もすきもない奴よ!何をたくらんでいるかは知らないが、ただでは済むと思うなよ!!」
 ヴェルデルは愛剣を引き抜き、力任せに近くの像を一刀両断した。
505ガイレイジャープロジェクト:2006/09/09(土) 17:48:51 ID:DtEW+yPD0
「あ〜、今日はよく晴れたなあ」
 土曜日の休日、智世は晴れ渡った青空の下、背伸びをしていた。
 「よく言うぜ、俺達は今日も仕事だというのによ」
 智世の姿を見て文句を言う遼。しかし手伝いに来た大樹がなだめた。
 「まあいいじゃないか、今日は午前中で終わりにしていいって宗一郎さんが言ってたんだから」
 「でもよ、近くであんなことやられてたら無性にいらだつんだよな」
 遼はぶつぶつ言いながらワゴンに荷物を運んでいった。
 「まったく、お前には呆れるよ。ミツキさんの爪の垢でも煎じて飲ませてやりたいよ」
 「なるほど、爪の垢にそんな効果があるのか」
 近くで荷物の点検をしていたミツキが大樹のそばにやってきた。
 「だったらすぐにでも爪の垢入りのお茶を飲ませてあげようか?」
 「物のたとえですよ、ミツキさん」
 「そ、そうか…。ところで前に聞いた烈空の金貨のことだが、その内の一つに心当たりがあるんだが…」
 ミツキの言葉に、大樹は仕事の手を止めた。
 「ほ、本当ですか?それでどこにあるんですか?」
 「まあまあ、そのことは仕事が終わってから話そう。今は仕事の方が大切だろ?」
 「は、はい…」
 ミツキは仕事があるため、元の場所に戻っていった。
 残る金貨はあと三つ…。早く見つけないと再び邪神が復活してしまうときに太刀打ちできなくなる…。大樹はそのことで仕事に身に入らずにいた。
 「おい、そっちじゃないぞ。この荷物はあっちの倉庫だろ」
 宗一郎に注意されて、大樹は我に返った。
 「す、すいません。すぐに運びなおします」
 「どうしたんだ、いつものお前らしくないぞ。何か悩み事でもあったか?」
 宗一郎が心配そうに大樹の顔を覗き込んでいた。
 「いえ、何でもありません。たいした事じゃありません」
 「そうか、それならいいんだが」
 宗一郎は待機の肩を叩いて事務所に戻っていった。
 「…私としたことが、悩んでしまうなんて…」
 大樹は荷物を運びながらつぶやいた。
506ガイレイジャープロジェクト:2006/09/09(土) 17:50:07 ID:DtEW+yPD0
 仕事が終わり、他の仲間とともに皆川教授の研究室に集ったミツキたちは、まだ発見されていない残りの烈空の金貨について話し合うことにした。
 「今わたし達が所有している金貨は五つ、残りの金貨の在りかを探すためにこれからどうするかをみんなで話し合おうと思う」
 ミツキが言った五つという言葉に、遼は疑問を持っていた。
 「ミツキさん、俺たちの持ってる金貨って、四つじゃなかった?」
 「実は一つは私が持っているのだ。ガリバーベース内に隠していたのをすっかり忘れていたのでね…。言うのを遅れてしまってすまない」
 「しっかりしてくださいよ、ミツキさん」
 「それでは気を取り直して、残りの金貨についてだが、この地球上には存在しないのだ」
 驚く一同。それもその筈、地球上のどこにもないということを知ってしまったからだ…。 
 「みんな、話は最後まで聞いてほしい。地球上にないということだが、別の天体には存在しないとは言ってないのだ。第六の金貨は…、月にあるのだ」
 再び驚く一同。
507ガイレイジャープロジェクト:2006/09/09(土) 17:51:16 ID:DtEW+yPD0
「月って…、地球の周りを回ってるあの月?」
 「そうだ、昔善神ヴィーダが烈空の金貨で邪神王を封印したという話は聞いたことがあるな。その封印後、ヴィーダは金貨を悪用されないようにそれぞれ別々の場所に隠したんだ。
見つかりにくいところにね」
 「だから私たちが見つけたところは人気がない場所だったわけですね」
 「にしてもいきなり月かよ。一気にスケールが大きくなっちまったな」
 「まあ今更って感じもするがな」
 みんなが意見を言い合っている間を縫って、これからどうするのかを説明した。
 「これから説明をするので聞いてほしい。まず月にある金貨の事だが、私と疾風、それと有紀で取りに行こうと思う」
 それを聞いて遼はミツキに質問をしてみた。
 「残った俺達はどうするんだよ」
 「残りのメンバーは地球の守りについてもらう。つまり留守番というわけだ」
 「ええ〜、おいら達留守番なの…」
 「仕方ないだろう、私たちまで月に行ってしまうと地球の守りが薄くなってしまうからな」
 「その通りだ」
 大樹の答えに、ミツキは同意した。
 「もしも金貨を取りにいった隙を邪神軍側に突かれたら大変な事になってしまうからね、遼たちには残ってもらうんだ」
 「だから俺達は留守番しないといけねえのか…。だったらしょうがねえよな」
508ガイレイジャープロジェクト:2006/09/09(土) 17:51:49 ID:DtEW+yPD0
 そんなわけでミツキと疾風と有紀は月にある烈空の金貨を取りに、遼と大樹と海は地球に残る事になった。
 「あ〜あ、いっちまった…」
 「まだ駄々をこねてるのか、お前らしくもない」
 「おいらだって月に行きたかったよ。でも留守のときに邪神軍に攻められたらだめだもんね」
 二人の言い分を聞いているうちに、遼はすっかり諦めていた。
 「仕方ねえな、あいつ等の分までこの星を護ろうぜ」
 遼が決意を固めたそのとき、突然何者かが三人の前に現れた。
 「見つけたぞ、ガイレイジャー」
 「お、お前は…シュペルター!?」
 遼たちは彼の姿を見て驚いていた。シュペルターはもはや、前に見た姿ではなくなっていた…。
 「その姿、もしかして…!」
 「そうだ、私は半ドクロイド化してよみがえったのだ…。お前達に復讐するためにな…!」
 シュペルターが合図を出すと、影から精鋭隊のドクロ兵達が三人を取り囲んだ。
 「このままでは危険だ、早く変神しないと…!」 
 「よし、烈空変神!!」
 三人はガイレイジャーに変神し、ドクロ兵達に立ち向った。
509ガイレイジャープロジェクト:2006/09/09(土) 17:53:10 ID:DtEW+yPD0
 一方烈空の金貨を探しにいったミツキたちは、月のクレーターに到着していた。
 「月ったってどこを探せばいいんだよ?まさかしらみつぶしに、ってわけじゃねえよな…」
 「安心しろ、凱閃煌のレーダーで金貨がある場所は把握している。そこをたどっていけば金貨のあるところへいくことが出来るはずだ」
 一行は金貨の反応がある場所へと移動を開始した。
 「…何もない場所ですね…。何か出そうな感じがしますね」
 「おいおい、脅かすなよ。こんな所にいるのは邪神軍くらいだろ」
 金貨の場所へと近づいていくと、クレーターの中心に何かの装置があるのを発見した。
 「あれは…!」
 「おそらくこの場所がそうみたいだ。みんな、気をつけて降りるんだぞ」
 クレーターの近くに降り立った一行は、装置の近くまで徒歩で行くことにした。
 「どうして戦騎で取りにいかないんだ?」
 「戦騎でいこうとすればトラップにかかってしまう確率が高い。だが徒歩なら入り込みやすいし、あの装置を壊さずにすむだろうからな」
 「なるほどね、じゃあ、早く済ませましょう。有紀、留守番たのんだぜ」
 「気を付けてくださいね、何が起きるか分かりませんから」
 二人は有紀を残して装置があるクレーターの中心まで近づくことにした。
 「重力が少ないと歩きにくいな」
 「ガマンしろ。もう少しで中心部だ」
 二人が装置のすぐ近くまで近づいたそのとき…!突然巨大な四本足のマシンが地底から現れた。
 「な、何なんだあれは?」
 「古代の防衛システムだろう。あいつを倒さない限り金貨は手に入れることは出来ないらしい」
 「勘弁してくれよ〜、楽に手に入れることができると思ったのに…」
 仕方がないので、二人はマシンに立ち向っていった。
510ガイレイジャープロジェクト:2006/09/09(土) 17:53:57 ID:DtEW+yPD0
 「くっ、これじゃきりがねえぜ」
 親衛隊ドクロ兵達を相手に、ブラスたちは苦戦を強いられていた。
 「こんなに数が多いんじゃ俺たちの方がまいっちまうよ」
 「何とかしてシュペルターの側までいければいいんだが…」
 しかしこれだけの数のドクロ兵である、そう簡単には突破する事は難しいだろう。
 「おいらが突破口を作る。その隙に二人はシュペルターの所へ!」
 「でも大丈夫なのかよ?お前だけじゃこんな大勢のドクロ兵相手に出来ないだろ?」
 「…おいらを信じて。必ず生きて帰ってくるから」
 ブラスとマックスはカインの言う事を聞くことにした。
 「わかった、お前の事を信じよう。ここは頼んだぞ」
 「…無事でいろよ、お前も俺たちの仲間だからな」
 それを聞いて安心したカインは、シューターをモードチェンジさせてシュペルターがいるところ目がけて発射した。
 「今のうちに、早く!」
 その隙に二人はシュペルターのいるところ目がけて走っていった。
 シュペルターのすぐ近くまで来た時、ドクロイドが二人の前に立ちふさがった。
 「ここから先へは行かせんぞ!」
 「おお、来たかバインドコンドル」
 バインドコンドルは羽を飛ばしてブラスとマックスを攻撃した。その隙にシュペルターは逃げていった。
 「くっ、ここまで来て」
 「ブラス、ここは私が相手をする。お前はシュペルターを追うんだ」
 「お前までいなくなったら、俺は…」
 「弱音を吐くな、お前らしくない。大丈夫だ、すぐに倒して後から追いつくから」
 ブラスはマックスにこの場を任して、シュペルターを追っていった。
 『みんな…、無事でいるんだぞ』
511ガイレイジャープロジェクト:2006/09/09(土) 17:56:19 ID:DtEW+yPD0
 ブラスはシュペルターの後を追うが、廃工場の近くで見失ってしまった。
 「どこだ、シュペルター!隠れてないで出て来いよー!!」
 そのとき、地鳴りが起きて廃工場から魔界戦車が出現した。
 「お前の相手はこの魔界戦車だ。どこからでもかかってくるんだな!」
 「またあの魔界戦車か。こうなったら戦騎を呼んで戦うしかない!」
 ブラスは自分の戦騎を呼び出して戦いに挑んだ。しかし凱鳳凰だけでは魔界戦車には歯が立たなかった。
 「だ、だめか…。合神しないと奴には勝てねえ。おい、マックス、カイン、戦騎を呼び出してくれ」
しかし誰一人として答えるものはいなかった。
 「だめか…。このままじゃ手も足も出ねえ。どうすれば…」
 ブラスはあることを思い出した。それは少し前、ミツキから渡されたカードのことだった。
 『もしものときがあったらこのカードを使ってくれ。これはエクストラカードといって、もしもピンチになってしまったときに一回だけ使えるカードだ。ただし普通は使えない能力を使うわけだから使用回数は一回とさせてもらうよ。
何回も使ったらそれだけの負担がかかるからね』
 「…そうだ、このカードを使えば他の戦騎を呼び出して合神することができるはずだ。よし、一か八かやってみるか」
 ブラスはエクストラカードをスラッシュした。
 〈使用する機能を言ってください〉
 「凱零刃に合神したい」
 〈了解しました。それでは凱獅子王と凱龍王を召喚します〉
 チェンジャーは召喚モードになり、他の二騎を召喚した。
512ガイレイジャープロジェクト:2006/09/09(土) 17:59:13 ID:DtEW+yPD0
 「よし、いくぜ!烈空合神!!」
 三騎は合神形態にはいり、凱零刃になった。それを見たシュペルターは慌てふためいていた。
 「ど、どういうことだ、こんな状態で合体できるのか?」
 凱零刃は魔界戦車に立ち向っていき、烈空剣で攻撃した。
 「ふん、この魔界戦車には、まだ奥の手があるのだ。変形せよ、魔界巨人ガードランダー!!」
 シュペルターの号令で魔界戦車は変形し、巨大なロボットになった。
 「こんなのありかよ!?だがお前らの好きにはさせるわけにはいかねえんだよ!」
 凱零刃はガードランダーに攻撃を続けた。しかしガードランダーはびくともしなかった。
 「お前もこれで終わりのようだな。ついでだから私の計画を冥土の土産に聞かせてやろう。私の作戦、それは地上を消滅させる『邪弾計画』を実行させる事だ!!」
 「そ、そんな事、俺たちがさせねえよ!」
 「そんな状態で私の計画をとめることは出来んよ。このまま地上が滅ぶのを見ながら死ね!」
 ガードランダーは凱零刃を投げ飛ばし、ミサイルで攻撃した。
 「このまま倒れるわけにはいかねえんだよ…」
 ブラス=遼の声がこだました…。

第21章終わり

【次回予告】
 ついに明かされたシュペルターの邪弾計画!遼たちはそれを止めようとするが、魔界巨人に行く手を阻まれてしまい苦戦を強いられてしまう。
 一方ミツキたちは金貨を取りに行くために結界の中へ進入する。そしてそこでミツキたちは謎の紋章を発見する…!
 烈空戦騎ガイレイジャー第22章!「発動・紋章の力」
 天の光は奇跡を生むのか?
513ガイレイジャープロジェクト:2006/09/09(土) 18:17:51 ID:DtEW+yPD0
ガイレイジャー第21章をお送りしました。
今回からはハード路線が続きます。シュペルターの復活と反逆、残りの金貨の行方、
そしてばらばらになったガイレイジャーたち・・・。この展開は次回も続きます。
次回はシュペルターの邪弾計画と天空人が残したあるアイテムが明かされることになります。
どうぞお楽しみに。
さて、ここのスレもいよいよ容量がいっぱいになってきました。このスレで書けるのも次回が
最後になると思います。その次の回からは新たなスレになると思いますのでご了承ください。
そのため今回と次回は設定集をお休みしようと思います。その分新たなスレで設定を載せようと思います
野で、楽しみに待っていてください。
>>502サポーターさん
有紀の意外な過去は、考えるのに苦労しました。女装というギャグチックな展開から始まったのはいいのですが、
どういう風に展開させていこうか悩みました。そこで有紀の過去話が出てきたわけです。つまり女装嫌い=有紀の過去
という風につなげてみようか、という話からこのような展開になったわけです。
今回はまた本来の路線に戻りましたが、またこのようなギャグ系のお話を書いてみたいですね。
>>503盛り上げる会さん
前回のラストは今回の話に直結しています。また、シュペルター配下のドクロイドの設定の一部は前に
書いていただいた設定を元にしています。やっぱり直属のドクロイドは必要ですからね。
次回は驚く展開が用意されていますので、楽しみに待っていてくださいね。
514ガイレイジャーを盛り上げる会:2006/09/11(月) 14:37:47 ID:qS2j/29M0
第21章を見ました。
今回から急展開ですか。どんな風になるのか楽しみです。
もうそろそろ飛竜の出番もあるかな?期待しています。
515名無しより愛をこめて:2006/09/13(水) 13:50:35 ID:0hi2JNYG0
ウンコを作る時に発生する大量のメタンガスも有効活用出来ないだろうか?
今の所、電車で隣にうざい奴が座って来た時に催涙ガス代わりに放出する
位しか使い道が無い。
しかも、ケツを浮かす方向をミスると自滅する危険も伴う諸刃の剣。
516名無しより愛をこめて:2006/09/13(水) 17:46:29 ID:PvbzzNWo0
ごめん、スレ違いだった。
517名無しより愛をこめて:2006/09/16(土) 23:03:20 ID:oJau3qez0
サポーターです。
忙しくて今日21章見ました。
ギャグ編の2回も終わって本格的に邪神軍が動き始めましたね。
518ガイレイジャープロジェクト:2006/09/17(日) 16:30:30 ID:wwFM8bnQ0
第22章 発動、紋章の力

 月にある烈空の金貨を取りにいくために、ミツキたちは金貨を護るマシンと遭遇した。このマシンは金貨の防衛のために作られたいわゆる守護神的存在だ。
ミツキと疾風はそのマシンと戦う破目になってしまったのだ。
 「なあ、あんたの命令であのマシンをとめることは出来ないのか?あれはあくまで天空人が作ったものなんだろ?」
 疾風=フォルスの質問にミツキ=ジェネシスは残念そうに答えた。
 「だめなんだ、さっきも試したんだがまったく応答がない。もしかしたら誰かに操られているか、プログラムが狂ってしまったかどちらかだと思う」
 「そうか、つまりこの怪物を壊さない限り先には進めないというわけだな」
 「それしかないだろう。私達は早い内に金貨を取りに行かなければならないからな」
 しかし防衛マシンの攻撃は次第に増すばかりだ。何とかしてここを突破しなければいけない。覚悟を決めたフォルスとジェネシスは必殺技で突破口を開く事を決意した。
 「私の合図で一斉に必殺技を相手にぶつける。もしタイミングが合わなかったりはずしたりしたら後はないと思え。いいな」
 「あいよ、要するに二人の必殺技をあわせて急所にぶつければいいんだな」
 「そうだ、相手を十分にひきつけてから打つぞ」
 防衛マシンの気をひきつけるために移動する二人。そして行き止まりまで来たそのとき、ジェネシスが説明をした。
 「額の制御パネルを狙うんだ、チャンスは一回だけ、撃てといったら一斉に放つぞ」
 「OK,たった一度の賭け、喜んで乗ってやるぜ」
 次第に迫ってくる防衛マシン。100mを切った時、ジェネシスが発射の合図をした。
 「いくぞ、シャイニングアロー!!」
 「バーストスティンガー!!」
 二人の必殺技が弧を描いて発射された。
519ガイレイジャープロジェクト:2006/09/17(日) 16:33:07 ID:wwFM8bnQ0
 一方地球では、凱零刃が巨大兵器『ガードランダー』の攻撃に苦戦していた。
 「何だこいつ、パワーが桁違いに強すぎる!」
 ガードランダーの攻撃を受け、凱零刃は防御に集中しなければならなかった。それだけ強いのだろう。
 「せめて騎覇王に合神できれば…」
 「ほほほ、この魔界巨人はかつて邪神王さまの一部が合体した『魔王戦車』を基にして作られた最強の巨人、凱零刃ごときにやられるやわなものではないわ!」
 ガードランダーの攻撃を受け続けた凱零刃は、ついに倒れてしまった。
 「お前さえ倒せば私の計画を妨害するものはいなくなるはずだ。さあ、さっさと破れるがいい!!」
 胸からミサイルを発射しようとするガードランダー。しかし発射しようとした瞬間、何者かによって攻撃されてしまい、発射するタイミングを逃してしまった。
 「何者だ!?」
 そこには見慣れないマシンが一機、ガードランダー目がけて飛来していた。
 「…あれは…教授が前に言ってた飛竜か?」
 マシンはガードランダーを攻撃し、凱零刃から退かせた。そして両肩のキャノンでミサイル発射口を狙って発射した。
 「いかん…!ひとまず引くんだ!」
 ガードランダーは狙われる前に変形してこの場から去っていった。
520ガイレイジャープロジェクト:2006/09/17(日) 16:34:03 ID:wwFM8bnQ0
 凱零刃から降りたブラスは飛竜が降り立った場所へ駆けていった。
 「大丈夫か?ガイレイジャー」
 飛竜のコックピットからパイロットが出てきた。
 「ああ、それより仲間が苦戦してるんだ、助けに行ってくれないか」
 「それなら心配ない、特殊部隊が彼らを助けにいったところだ」
 それからすぐにマックスたちが特殊部隊とともにこちらへやってきた。どうやらたいした怪我はないようだ。
 「みんな、無事だったか」
 「どうやらあいつ等は私達をおびき寄せるために暴れていたみたいだ。特殊部隊が来たとたん撤退していったからな」
 「だがこれからどうするんだ?ミツキさんらが帰ってくる前に攻められたら大変な事になるぞ」
 「心配ない」
 特殊部隊の隊長らしき人物と隊員数名が三人の前にやってきた。
 「これからは私たちもガイレイジャーとともに戦う。そのための飛竜部隊だからな」
 「これは心強いな」
 「しかし完成した飛竜はこの一機だけです。これだけの戦力でどこまで立ち向えるか…」
 心配する隊員をよそに、隊長が話し始めた。
 「この飛竜はいわばプロトタイプだ。量産型の飛竜はまだ完成していない。上層部は出撃を反対したが、
私が無理を言って許可を出したんだ」
 「そういうことだったのか。とにかくこれで何とかミツキさんたちが帰ってくるまでの時間稼ぎをしないとな」
 「とにかく国防庁で対策を練ろう。皆川教授もこちらに来ている」
 遼たちは特殊部隊が乗ったジープで国防庁へ向かうことになった。
521ガイレイジャープロジェクト:2006/09/17(日) 16:34:54 ID:wwFM8bnQ0
 そのころ防衛マシンに苦戦していたミツキと疾風は、なんとか防衛マシンを倒す事に成功していた。
 「よし、これで金貨を取りにいけるな」
 「だが油断するな、まだ罠があるかもしれない。気をつけていくんだぞ」
 二人はゆっくりと中央へ歩いていった。そしてついに中心にある岩に到着したのだ。
 「この中に金貨があるのか…」
 「この岩は天界人が封印したものだろう。そうなるとこれはただではあけられないということになる」
 「もしも邪神軍が発見しても開けられなくちゃ意味ないもんな。…でもどうやって開けるんだ?」
 コンコンと岩を叩くフォルス。
 「まあ見ていろ、これは天界人しか開けられないようになっているはずだからな」
 ジェネシスはフォルスを後ろに退避させると、自分は両手を岩に乗せて気を入れ始めた。すると岩は真っ二つに割れ、
中から烈空の金貨が出現した。
 「これで任務完了というわけだな」
 「いや、そうはいかないらしい。岩の下にあるものを発見した。見てみろ」
 二人が覗き込むと、割れた岩の下から紋章らしきレリーフが出現した。
 「これって一体…」
 「もしかしたらこれは…」
 そのとき、地響きが鳴り、周りがゆれ始めた。
 「一体どうなってるんだ?」
 「アダンテ、状況はどうだ?」
 「近くに施設らしきものが突然出現したんです。すぐに戻ってください」
 二人は各戦騎のもとへ戻ることにした。
 「でもあのレリーフ、一体何なんだ?俺たちに関係があるのか?」
 「今はそれどころじゃない、あれを止めるのが先だ」
 何とか戻ってきた二人は、戦騎で近くまで近づく事にした。
 「…これは…!」
 基地を見たその時、ジェネシスは驚きを隠すことができなかった。
522ガイレイジャープロジェクト:2006/09/17(日) 16:35:40 ID:wwFM8bnQ0
 「どうしたんだ?」
 「どうやら私達はとんでもないモノを発見してしまったようだ。これは邪弾システムという、いわゆる最終兵器だ!」
 「邪弾…システム?何だそれ?」
 「邪弾システム…、それはかつて邪神軍が開発していた兵器だ。しかしそれは相手だけではなく自軍すらも滅ぼしてしまう悪魔の兵器なんだ。自滅を恐れた邪神軍はこの兵器をあるところへ封印したと言われていたが…、
まさかこんな所に封印していたとは…!」
 「それが起動したという事は…!」
 「ああ、ここに邪神軍が来て封印を解いたのだろう」
 ジェネシスから真実を聞かされたフォルスとアダンテは愕然とした。
 「…どうすればいいんだ、俺達は…」
 「今のうちに破壊するのが一番いい方法だが…、この戦力では難しいかも知れんな」
 「でもやってみなくちゃ分からねえだろ?もしかしたら破壊できるかも知れねえし」
 「僕からもお願いします、このままじゃ地球は破壊されてしまいます」
 ジェネシスはしばらく考えてから結論を出した。
 「よし、出来るだけ基地にダメージを与えるようにしよう。ただし、ムチャだけはするな、いいな」
 二騎の戦騎は邪弾基地を攻撃する事にした。
523ガイレイジャープロジェクト:2006/09/17(日) 16:37:17 ID:wwFM8bnQ0
 国防庁の会議室に呼ばれた遼たちは、瀧口長官の説明を聞く事になった。
 「今回の作戦はきわめて困難な作戦だ。シュペルターという邪神軍の幹部が自ら攻めてくるのだから、それだけの覚悟を決めなければいけない。それに万が一の事もある。作戦に参加したくないものは早いうちに手を上げてほしい」
 しかし手を上げる人は誰一人としていなかった。
 「そうか、それでは再度説明をしておこう。魔界戦車を止めるのには凱零刃と飛竜の連携が必要だ。今完成している飛竜はプロトタイプを含めて三機しかない。それだけの戦力でどうやって魔界戦車の足を止めるか…。それにはまず三機の飛竜で魔界戦車を引き寄せ、
その隙に凱零刃が戦車を止める戦法をとることにする」
 「もしそれが成功しなかった場合は…」
 「その時はあの方法を使うしかない」
 村田はデータの入ったディスクを入れ、モニターに映し出した。
 「これはドラゴンブレイザーという飛竜の切り札だ。これで魔界戦車の装甲を打ちぬくことが出来る。ただし発射できるのは1回のみ。なぜなら凱零刃のアトマイクスジェネレーターと飛竜のジェネレーターを直結しないと撃てならないからだ。
それにその衝撃に飛竜が耐えられるかどうかまだテストをしていない。しかしそれをする時間がないのも事実だ」
 それを聞いた遼は村田に質問をした。
 「作戦が成功すればそれを使わなくても良いんだろ?もし失敗しても俺たちが何とかすればいいことだろ?」
 「魔界戦車の攻撃力では凱零刃を持ってしても太刀打ちできなかったのは君がよく知っているはず。だからドラゴンブレイザーの力が必要なのだ」
 「でもそれで飛竜が壊れたりでもしたら…」
 「その覚悟はある。たとえ飛竜が破壊されても作戦が成功すれば本望だろう。安心しろ、飛竜はそんなにやわな作りじゃない」
 村田は自分の席に戻っていった。
 「それでは1時間後、作戦を実行する。それまで準備をしておくように」
 隊員達は解散し、遼たちも会議室から出て行った。
524ガイレイジャープロジェクト:2006/09/17(日) 16:39:01 ID:wwFM8bnQ0
 「なあ、この作戦、成功すると思うか?何か嫌な感じがするんだ」
 「お前らしくないな。でもこの作戦は成功させなければならないんだ。そのためにもわたし達ががんばらなければならないんだ」
 「おいら達ががんばれば何とかなるよ」
 「そ、そうか?だったら大丈夫だな」
 遼は無理して笑った。しかし遼の心には不安がぬぐいきれなかった。
 それから1時間後、ついに作戦が開始された。再び出現した魔界戦車をおびき寄せて例のフォーメーションで戦車を倒すのだ。
 「来たぞ、魔界戦車だ。飛竜部隊は直ちに発進し、目標を迎撃しろ」
 村田製作所のガレージで組み立てを終えた量産型飛竜が次々と発進していく。そしてそれを見送る飛竜の製作スタッフたち。
 「がんばれよー」
 「俺たちの翼で勝利をつかめ!」
 三機の飛竜は目的地に向かって飛んでいく。その後に凱零刃も続いた。
 「いた、結構早い出陣になったな」
 飛竜弐号機を操縦するエリックが参号機の本多に言った。
 「まだろくなテストもしてないんだってな、こいつは」
 本多が冗談交じりで返した。
 「まあ、この機体はお前さんが一番知ってるしな。よろしく頼むぜ、先輩」
 「お前達、おしゃべりがよすぎるぞ、そんな事言ってたらガイレイジャーに笑われるぞ」
 二人の話を聞いていた本郷隊長が檄を飛ばした。
 「は、はい、すいません」
 「よし、それでは作戦を実行する。皆、用意はいいか?」
 「いつでもどうぞ」
 「やっと本番だ」
 「いくぞ、オペレーションドラグーン、GO!」
 三機の飛竜は三方向に分かれて攻撃を開始した。地上に降りた凱零刃は、迎撃準備にはいった。
525ガイレイジャープロジェクト:2006/09/17(日) 16:40:03 ID:wwFM8bnQ0
 「始まったか」
 「私たちも迎撃に入るぞ。準備はいいか」
 「OKだよ」
 しかしその直後、凱零刃は何者かに吹き飛ばされた。
 「一体なんだ?!」
 「まさか別働隊がいるなんて…」
 なんとジャンクロボが出現し、凱零刃に立ちはだかったのだ。
 「敵も頭が切れるみたいだな」
 「どうするんだよ、こんなの相手にして」
 「どうもこうもねえだろ、一緒に叩き潰してやる!」
 凱零刃とジャンクは組み手にはいった。

 「どうだ、これで何とか破壊しただろ」
 月で破壊兵器『邪弾システム』に出会わせたジェネシスたちは、必死になって基地を破壊していった。
 「それにしては様子がおかしいと思わないか?いくら防御システムがあるとしても手薄な気がしてならないんだ」
 「そういえばそうですね。ドクロイドの一人もいないなんて」
 アダンテがそう言ったそのとき、突然大きな地響きがして基地が崩壊し、奥から発射台らしきものが出現した。
 「あのやろ、もったいぶりやがって」
 しかもその周りにはさっき倒した防衛マシンと同型のマシンがグルリと囲んでいるではないか。
 「これでからくりが解けた。あいつら自分たちが開けられないから私たちを利用してわざと金貨を取りに来させたんだ。
あの防衛マシンが狂っていたのも奴らが仕掛けた罠だったんだ」
 防衛マシンに囲まれて、次第に行き場を失ってしまうダルクリアンと凱閃煌。
 「このままだとやられるぞ!」
 そのときだった。後ろのクレーターから光が放たれ、その光は基地の周りを包みこんだかと思うと、たちまち防衛マシンを活動停止させていった。
 「どうしたんだ、マシンが動かなくなったぞ」
 謎の光はすべての防衛マシンを停止させた後、静かにその光を弱めていき、そして消えていった。
526ガイレイジャープロジェクト:2006/09/17(日) 16:40:46 ID:wwFM8bnQ0
「…消えた…何なんだ、あの光は」
 「あの紋章のレリーフだ。あれのせいでマシンの機能を停止させたんだ」
 ジェネシスが叫んだ。
 「もっと早く気付けばよかった。あの紋章は天空人のシンボル、『太陽の紋章』だったんだ!!」
 だがそのとき、邪弾ミサイルの発射台が爆発し、周りの基地ごと消滅させてしまった。間一髪逃げ延びたジェネシスたちは、さっきのクレーターに降り立った。
 「一体どういうことだ?あの紋章って一体何の力があるんだ?」
 戦騎から降りて紋章を拾ったフォルスは、紋章をマジマジと見つめた。
 「これは選ばれた勇者が持っている、いわば『結束の証』。おそらく私の仲間がその紋章を持っていたのだろう。
そして死んだ後も私達を護ってくれたのだ…」
 ジェネシスは自分の持っている紋章のレリーフが施してあるメダルをフォルスたちに見せた。
 「本当だ、この紋章に似ているな…」
 「おそらく持ち主の意思がまだこの紋章に残ってたんでしょう…」
 フォルスは紋章をもう一度見つめた。そのとき、突然熱くなり、彼の手から紋章が離れていった。
 「い、一体どうなってるんだ?!」
 「どうやら君はこの紋章に選ばれなかったらしい。この紋章を持つ資格があるのはここには居ない。おそらく…!」
 ジェネシスは地球を指差した。新たな紋章の持ち主は地球にいるのだ。
 「邪弾システムの事も気になる。早く地球に帰ろう」
 「ちょっと待てよ、システムは破壊したんだろ。どうして急ぐ必要があるんだよ?」
 ジェネシスはフォルスをキッと見つめた。
 「あれは私たちをおびき寄せるダミーだ。邪弾は地球にある。奴が作動させたら大変な事になるぞ。早く行かないと!」
 ジェネシスたちは急いで月を離れ、地球を目指した。
527ガイレイジャープロジェクト:2006/09/17(日) 16:41:45 ID:wwFM8bnQ0
 そのころ魔界戦車とジャンクロボに苦戦しているブラスたちは、何とかして逆転のチャンスを見つけようとしていた。
 「このままやれてたまるか!」
 凱零刃はジャンクを投げ飛ばし、烈空剣で串刺しにした。
 「さっきのお返しだ!」
 凱零刃は剣を回転させてジャンクをばらばらにした。
 「よーし、次は魔界戦車だな」
 飛竜を助けるために魔界戦車に向かう凱零刃。しかしそこへシュペルターが現れ、凱零刃の前に立ちはだかった。
 「そうはさせん、私の邪魔をする奴は誰であろうと許しはしない!!」
 杖から電撃を放ち、凱零刃を足止めした。
 「もうそろそろいいだろう、ガードランダーに変形して邪弾ミサイルの準備をするのだ!!」
 魔界戦車は変形してガードランダーになり、胸から大型のミサイルを出してきた。
 「あれは…、ミサイルなのか?!」
 「ただのミサイルではないぞ、これは地上を消滅させるほどの威力を持つ『邪弾ミサイル』だ!お前達もこれで消えてしまうのだ!」
 これを聞いたブラスたちは驚愕した。このミサイル一発ですべてが消滅してしまうの事実を知ってしまったからだ。
 「そしてお前達は私の手によって倒される運命なのだ!」
 シュペルターは自らの身体を巨大化して凱零刃に襲い掛かった。
 「そんなのありかよ!」
 「なんとしてもあのミサイルを止めないと、大変どころに話じゃなくなるぞ!」
 「でもその前にこいつを何とかしないと」
 シュペルターに追い詰められる凱零刃。果たして邪弾ミサイルをとめることが出来るのか?

第22章終わり

【次回予告】
 ついに邪弾発射のカウントダウンが始まってしまった。必死でそれを止めようとする凱零刃と飛竜。しかしシュペルターの前に苦戦を強いられてしまう。邪弾を止める術はあるのか?
そしてミツキたちは間に合う事が出来るのか?
 烈空戦騎ガイレイジャー第23章!「熱く、燃えろ」
 「みんなの命、俺にくれ!!」
528ガイレイジャープロジェクト:2006/09/17(日) 16:53:59 ID:wwFM8bnQ0
 第22章をお送りしました。
 今回は前回の続きです。そして次回もこの続きになります。
前回で反逆したシュペルターは、恐ろしい手段に出ました。それは過去に封印された
悪魔の兵器、邪弾ミサイルを使って地上を滅ぼす事でした。ヴェルデルはそれを
恐れているためにシュペルターの後を追わせたのです。ヴェルデル自身は地上を
無傷で手に入れたいですからね。そのミサイルは月にあるといわれていましたが、
それはダミーで、本体はすでにシュペルターに奪われた後でした。
 次回はそのミサイルを使って世界を滅ぼそうとするシュペルターのたくらみを阻止する
ためにガイレイジャーたちが止める話になります。この話は24章まで続くことになります。
 さてその次回ですが、何とか1話くらいは出来そうなので、次回もここで載せようと思います。
このスレ最後のガイレイジャーストーリーをどうぞご期待ください。
529名無しより愛をこめて:2006/09/19(火) 19:29:48 ID:18k7FNZf0
盛り上げる会のものです。
第22章をみました。前回、今回と展開が続き、そして次回へ続く流れがすばらしいです。
飛竜の発進シーンも結構よかったと思います。
次回は邪弾がついに発射されるかどうかの瀬戸際の展開ですね。期待して待っています。
530名無しより愛をこめて:2006/09/19(火) 21:31:22 ID:yWU+34GyO
531名無しより愛をこめて:2006/09/22(金) 18:44:07 ID:2w8iN7Xw0
けっこういい展開になったな。
532ガイレイジャープロジェクト:2006/09/23(土) 17:09:41 ID:AJlWHd5P0
第23章熱く燃えろ!

 魔界巨人と戦っている遼たちは驚いていた。なんと巨人の体内に邪弾を隠し持っていたのだ。凱零刃はやむなく後退を余儀なくされてしまった。
 「まさか…あの中に邪弾がはいっているのか?!」
 指令トレーラーの中で指揮をとっている指令は驚いていた。無理もない、邪弾ミサイルは別の場所にあると思っていたからだ。
 「作戦変更だ、魔界巨人を出来るだけ街から引き離すようにおびき寄せるんだ」
 街から引き離すために後退しながら攻撃をする飛竜部隊。凱零刃も後退しながらガードランダーを引き寄せるのだった。
 「何とか海の方へ引き寄せて被害を最小限に食い止めるんだ」
 じりじりと後退する凱零刃達。海岸の近くまで来て何とかガードランダーを海の上までおびき寄せる事に成功した。
 「ここの住民は避難させた。あとは何とかして体内にある邪弾を取り出してくれ」
 長官の命令で飛竜三機はフォーメーションを組んでガードランダーに攻撃をした。
 「今のうちに邪弾を引き抜いてくれ」
 本郷隊長の命令で、凱零刃は邪弾摘出を開始した。しかしどうやって取り外せばいいのか検討も付かなかった。
 「まずいな、しっかり固定されてるぜ…」
 「これじゃ取り外す隙がない」
 そう言っているうちに、ガードランダーが両腕で凱零刃に攻撃を始めた。
 「これじゃあ邪弾を取り外すどころじゃねえぜ」
 「敵の攻撃をどうにかすれば…」
 一進一退の凱零刃は最大のピンチを迎えていた。
533ガイレイジャープロジェクト:2006/09/23(土) 17:11:09 ID:AJlWHd5P0
 「結局シュペルターを追った迎撃隊は全滅したと?」
 邪神城に命からがら戻ってきた偵察兵がヴェルデルに報告をした。
 「申し訳ありません。すぐに新たな迎撃部隊を地上に送ります」
 「いや待て、今度は俺が行く」
 ヴェルデルは椅子から立ち上がり、格納庫へと続く通路に向かった。
 「しかし、相手は忌まわしき兵器、邪弾を持っているのですよ」
 「やはりそうか、あいつめ、あんなものを隠し持っていたとはな。迎撃部隊はパワードロイドに乗って俺について来い。今度こそあいつを捕まえてやる…!」
 ヴェルデル率いる迎撃部隊はデモンキャリー数機でシュペルター討伐へ出陣した。
 
 一方邪弾摘出に全力を注ぐガイレイジャーたちは、ガードランダーの攻撃を受けて手も足も出せない状態になっていた。
 「どうしたらこいつを止める事が出来るんだ?」
 「このままだとこちらがやられてしまうぞ」
 そのとき、司令室から連絡がはいってきた。
 「外から出来ないのなら中から邪弾を取りはずす事は出来ないだろうか?巨人の中に入り、内部から邪弾を取り外せば爆発を防ぐ事が出来るかもしれない」
 「でもどうやって中に入るんですか?このままだと中に入る前に倒されるのは目に見えています」
534ガイレイジャープロジェクト:2006/09/23(土) 17:11:39 ID:AJlWHd5P0
長官はしばらく考えてから遼たちに話した。
 「少し危険な賭けになるかも知れないが、巨人のミサイル発射口から中にはいることが出来るかもしれない。ただし中に入れるかどうかはやってみないと分からん。それでもやってみるか?」
 「分かりました、私が巨人の中に入って邪弾を取り外してきます」
 マックスが外へ出ようとしたとき、ブラスがそれを止めた。
 「その役、俺が引き受けたぜ」
 「だめだ、お前は凱零刃の中で待機しているんだ」
 「もうこれ以上やられるのを見ていられないんだ。頼む、皆の命、俺に預けてくれないか?」
 マックス=大樹は少し考えると、ブラス=遼に頼む事にした。
 「分かった、その任務お前に頼む事にしよう。ただしこれだけは約束してほしい。邪弾を止める事が出来ても出来なくても必ずここに帰ってくること、それを守ってくれ」
 「大丈夫さ、俺はそんなんでやられるほどドジじゃねえよ。それじゃ、行って来るから発射口に近づいてくれ」
 凱零刃はブラスを手に乗せて、ガードランダーの発射口に近づいた。しかしランダーが暴れるため、なかなか近づく事が出来なかった。
 「わたし達が巨人の目をひきつけますから、その隙に潜入してください」
 二号機のエリックから伝言が入ってきた。
 「頼みます」
 三機の飛竜はヒューマノイド形態に変形して、ランダーをひきつけるためにレールガンを発射した。攻撃を受けたランダーは飛竜の方を向いて反撃した。
 「よし、背中のハッチから進入するんだ」
 凱零刃の手からランダーのハッチ付近に飛び乗ったブラスは、手探りで出入り口の探して進入した。
 「頼んだぞ、邪弾を止めるのはお前しかいないからな」
 凱零刃は静かに巨人の側から離れていった。
535ガイレイジャープロジェクト:2006/09/23(土) 17:12:25 ID:AJlWHd5P0
一方、邪弾を止めるために日本へ急ぐミツキたちの前に、ヴェルデル率いる迎撃部隊が立ちはだかっていた。
 「そこをどいてくれないか」
 しかしヴェルデルは首を立てに振ろうとはしなかった。
 「どかないといったらどうする?力ずくでも通るつもりか?」
 「君達がそのつもりならそうさせてもらってもいいが」
 余裕を見せるミツキ。だがそれを見たヴェルデルは、気に入らなかったらしく不愉快になった。
 「気にいらねえな、貴様と話していると、どうも虫唾が走る」
 「戦う気がなければそこをどいてくれないか。私たちも急がなければならないのでね」
 ミツキたちは迎撃部隊の横を通り過ぎようとした。しかしヴェルデルはミツキたちを止めた。
 「貴様達の目的は邪弾を止める事だろ?もしそうならここは一つ手を組まないか?」
 「一体何のつもりだ?あれはお前達が仕掛けたのではないのか?」
 ミツキの言葉にヴェルデルは笑みを浮かべた。
 「そうか、貴様はあれを俺たちが仕掛けたと思っているのか。冗談じゃない、あれを仕掛ける奴は身の程知らずな奴だけだ」
 「それではあの邪弾はお前がしたことではないというのか?」
 「当たり前だ、あんな忌まわしき兵器など誰が使うか」
 「そうか、今の私たちの敵はお前達ではなく、他にいるというわけだな」
 ミツキは凱閃煌の方向を別の方へ向けると、迎撃部隊を無視して走り去ろうとした。
 「待て、俺たちと戦うんじゃなかったのか?」
 「お前達と関係ないなら無駄な戦いをするわけにはいかない。悪いけど現場へ向かわせてもらうよ」
 そしてそのままこの場を後にして走り去っていった。
 「あのやろう、いい気になりやがって」
 凱閃煌が走り去る後姿を見て、ヴェルデルは無性に悔しくなった。
 「どうしますかヴェルデル様、私たちも後を追いますか?」
 「当たり前だ、どうやらあいつの考えと俺の考えは一緒みたいだからな」
 迎撃部隊も凱閃煌の後を追っていった。
536ガイレイジャープロジェクト:2006/09/23(土) 17:13:17 ID:AJlWHd5P0
「なんだこりゃ」
 巨人の中に潜入した遼は、変神を解いて中の様子を調べていた。
 「中にはドクロ兵らしき影がほとんどないぞ。一体どうなってるんだ?」
 遼は通路を道なりに進んでいくと、広い空間に出た。
 「何だ?こいつの中に工場があるのか」
 どうやらその場所は兵器工場らしい。遼は見つからないように静かに下に降りていった。
 「ここにもひと気がないみたいだな。何考えてるんだろう」
 邪弾を搭載しているというのにあまりにもひと気がなさすぎる。そう思った遼は一気に邪弾がある所まで移動しようと考えた。
 「もしかしたら邪弾があるところに集中して警備してるのかも知れないな」
 邪弾があるところはちょうど巨人の腹部にあるため、必ず下へ行く階段かエレベーターを使用しないとたどり着く事は出来ない。遼は下に降りるためにエレベーターを探した。
 「あったあった、これなら一気に邪弾のあるところまで行けるぞ」
 遼はエレベーターの下スイッチを押した。しかしエレベーターがこの階に来る気配はなかった。
 「あのやろう、壊しやがったな」
 しょうがないので遼は近くの階段を使って下に降りることにした。階段は下が見えないくらいに長い階段になっていた。
 「こんな所を降りないといけないのかよ。しょうがない、変神して一気に降りることにするか」
 遼は変神して階段を下っていった。
 「これじゃいくらなんでも疲れるぜ。よし、これならどうだ!」
 ブラスは階段の隙間を使ってそのまま降りることにした。しかし隙間はやっと人が通れるくらいしかない。ブラスは飛び降りると階段のバーに当たらないように身体を伸ばして降りることにした。
 「…でもどうやって着地しよう…」
 そう思っているうちに、最下層ちかくまで降りてきてしまった。仕方ないので手すりにつかまって減速をし、何とか着地をした。
 「あぶねえ、もう少しで地面に激突するところだった」
 鋼鉄のドアを静かに開けると、そこには警備ドクロ兵がうようよと監視をしていた。
537ガイレイジャープロジェクト:2006/09/23(土) 17:14:33 ID:AJlWHd5P0
 「やっぱりね、ここに集中してると思ったよ。それにしても何でこんなに人がいないんだ?」
 ブラスはそのことを考えてみた。もしかしたらこれは…!
 「なるほどね、シュペルターの野郎の考える事だ。自分だけ安全なところにいて、部下に汚い仕事をさせるなんて何て奴だ」
 周りを見回しながら、ブラスはそろっと邪弾格納庫へと移動を開始した。だが警備はとても厳重で、入り込むのに困難な様子だった。
 「しかたねえな、力ずくでも中へはいるしかねえか」
 ブラスは格納庫を警備していたドクロ兵を殴り倒し、中へ入った。そこには巨大な邪弾装置が鎮座していた。
 「こいつを停止させれば爆発しないはずだが…」
 『よくここまで来たな』
 どこからか誰かの声が聞こえてきた。ブラスは周りを見回したが、姿は見えなかった。
538ガイレイジャープロジェクト:2006/09/23(土) 17:17:26 ID:AJlWHd5P0
 「シュペルターか。隠れてないで出て来い!」
 『まあ、そう怒ることはないじゃないか。せっかくの機会だから、こうやって君と話してると言うのに』
 「お前、いい加減にしろよな。こんな事をしていいと思ってるのかよ」
 シュペルターはフッと笑い、淡々と話した。
 『ガイレイジャーブラス、これは私にとって計画の手始めに過ぎないのだよ。邪魔をするなら邪弾が爆発する前に君を倒してもいいんだよ』
 「ふざけんな!そうなる前にお前を倒してやるよ」
 『姿が見えない私をか?どこまでも浅はかな人だな、君は」
 ブラスは手を握りしめながら怒るのをガマンした。
 「…一つだけ聞いていいか?どうしてお前はあんな物騒なものを使ってすべてを滅ぼそうとするんだ?あんなもの使わなくてもいいんじゃないか?」
 『君の最後の願いだ、答えてあげよう。これは復讐のために私が発掘した最終兵器だ。こいつを使うことでヴェルデル達に一泡拭かせてやるのがこの計画なのだ。私はお前達のせいですべてを失った。
だから私はお前達人間を地上ごと抹殺し、邪神軍の頂点に立つことにしたのだ』
 「そんなのお前の勝手だろ。自分だけいいと思ってるのは仲間にだって迷惑をかける行為だぜ」
 『フッ、勝手か…。勝手で結構だよ、ここで倒される君にとってはね!』
 シュペルターが号令を出すとドクロ兵の軍団が現れ、ブラスを取り囲んだ。
 「まいったね、こんな所で戦闘になるなんてな」
 『君はそこで地上が熱く燃えあがる所を見届けるがいい。さらばだ』
 シュペルターの声がプッツリ切れたと同時に、ドクロ兵の軍隊が一斉に攻撃を仕掛けてきた。
 「こんな所で攻撃かよ、まったく、向こう見ずな奴らだよ」
 ブラスは邪弾に当たらないように別の方向へと逃げていった。
539ガイレイジャープロジェクト:2006/09/23(土) 17:18:06 ID:AJlWHd5P0
そのころガードランダーの外では、飛竜部隊と凱零刃が足止めをするためにピンポイント攻撃をしていた。
 「あいつおそいな、なにをしているんだ?」
 「邪弾探しに苦戦してるんだよ、きっと」
 「それならいいのだがな…」
 そのとき、ランダーが急に向きを変えて海上に出て行ってしまった。
 「どうしたんだ?」
 「いきなり沖に出るとは…。何をたくらんでいるんだ!?」
 沖に向かって突き進んでいくランダー。一体どうするつもりなのか。そして地球の未来はどうなるのか!?

第23章終わり

 【次回予告】
 邪弾を爆発させるために沖へと出てしまうガードランダー。それを必死で食い止めようとする遼たち。
爆発までのタイムリミットが迫る中、ヴェルデルはある行動を取る!
 烈空戦騎ガイレイジャー第24章!「戦士の誇り」
 「俺は俺の考え方でやるだけだ!」
540ガイレイジャープロジェクト:2006/09/23(土) 17:25:11 ID:AJlWHd5P0
第23章をお送りいたしました。
今回も前回と同じく邪弾を阻止すための戦いになりました。
途中、ミツキとヴェルデルの会話がありましたが、これは次回の複線になります。
それと同時にヴェルデルのみに何かが起こることになりますが・・・。
次回も邪弾編の続きになります。果たして遼たちは邪弾爆発を阻止できるでしょうか。
そして今回の話で容量がいっぱいになってしまいました。次スレは第24章ができ次第
立てようと思います。それまではこのスレを利用して感想などを書き込んでください。
それではまた次のスレでお会いしましょう。
541名無しより愛をこめて:2006/09/25(月) 17:27:11 ID:f1wpHuIi0
烈空戦騎!それは伝説の武装神!!
ガイレイジャー!それは熱き魂をもつ勇者たち!!
542ガイレイジャーを盛り上げる会:2006/09/27(水) 14:04:39 ID:gS0I/ylo0
第23章を見ました。
今回もすべてがクライマックスのような展開で、すごかったと思います。
次回は次のスレですか、期待して待っています。
543名無しより愛をこめて:2006/09/30(土) 17:56:51 ID:aGGkSBpT0
烈空戦騎ガイレイジャーの放送時間が変わるぞ!
次回から「毎週火曜日午後5時30分」からの放送になるんだ!まちがえるなよ。
これからもますます盛り上がるガイレイジャーを応援してくれ!
544名無しより愛をこめて:2006/10/03(火) 23:27:43 ID:cp8lvLgh0
再生アーマーライノスまだかなぁ、とか今更なことを言ってみる。

飛竜も村田製作所から発進したしクエイカーコングも出てきたから、忘れてる訳じゃないだろうけど。
545ガイレイジャーを盛り上げる会
新スレの誘導先です。

烈空戦騎ガイレイジャー2【集結・7人の勇者たち】
http://tv7.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1159860818/l100

このスレがいっぱいになったらそちらへ移動してください。