政府の「独立行政法人(独法)改革に関する有識者懇談会」(樫谷隆夫座長)が
月内にまとめる中間報告の原案が19日、明らかになった。
民主党政権が決めた統合・再編計画は取りやめ、独法制度を維持するほか、
科学技術などの研究開発に携わる独法について、国際競争力を高めるため、
給与や予算に関し、制度改革を行うべきだとした。全独法を対象に、
収入増などに貢献した職員には報奨金を出す制度の検討なども盛り込まれた。
懇談会は近く行政改革推進会議(議長・安倍首相)に中間報告を提出する。
政府は、今秋の臨時国会で関連法を改正し、来年度からの実現を目指す。
独法は、無駄が多いとして常に行革の対象とされてきたが、中間報告案では、
将来の成長につながる研究への支援や個人のやる気を引き出す改革が
打ち出されており、大きな方針転換となっている。
中間報告案では、研究開発に取り組む独法について、
「現行制度では、国を代表して国家的に重要な政策課題に取り組む機関であることが、明らかでない」
として評価を見直すべきだと主張した。その上で、海外の研究機関との競争力を高める目的で、
「研究開発型」の独法を指定。国際的な研究者の確保のための高い給与を
支払うことができるようにすることや、要望に応じて予算を柔軟に繰り越しできるよう求めている。
(2013年5月20日03時03分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130519-OYT1T00983.htm