ナノテクノロジーで美肌を創る〜コスメティックサイエンスの最前線〜
株式会社資生堂 製品開発センターメーキャップ製品研究所長 高田 定樹 氏
赤、青、緑。色を重ねるほど明るく無色透明に近づいていく光。一方、顔料では多くを混
ぜるほどに色は濁りくすんでいく。ナノレベルの粉体加工技術によって光の制御が可能
になった今、メーキャップのトレンドは光の加法混色を使うファンデーションだ。
「皮膚は半透明の組織なんです。実は、皮膚の表面で反射するのは入射光の5%くらいで、
ほとんどの光は一旦皮膚の中に入って、散乱や吸収をくり返しながら進みます」。皮膚内
に入った光はメラニンやヘモグロビンに吸収され、再び外へと出て行くのは入射光の40〜50%。
メラニンは全可視領域に吸収特性を有するが特に紫外領域に高い吸収特性を持ち、ヘモ
グロビンは500〜600nmの緑や黄色の光を吸収する。どちらの生体色素にも吸収されにくく
外に出ていく赤い光が皮膚の美しさを大きく左右する。
「くすんで見える肌」の光学特性を測ると、美しい肌に比べ赤みが少なくなっている。
これを赤い顔料で補うのではなく、赤い干渉光を用いて補正しようというのだ。基材となる
のは、大きさ20μm程度の雲母の板状粉体。高田氏らは、この表面に酸化チタンをナノス
ケールの厚さで被覆した干渉系雲母チタンを応用した。
粉体に入射する光のうち、あるものは酸化チタンの表面で反射され、あるものは酸化チ
タンを透過して雲母との界面で反射される。このとき2つの光の位相にずれが生じるが、
その度合いを酸化チタンの膜厚によって制御することができる。特定の波長の光の位相を
揃えれば、その波長の光だけが増強される。
膜厚130nmではこの雲母チタンの分光反射率は440nm付近にピークをもつ山型の曲線と
なり青の干渉光を生み出し、150nmでは520nm付近がピークで、緑の干渉光を示す。100
nmになると逆に530nm付近を底とする谷型の曲線となり、赤の干渉光とともに青の干渉光
を発する。「実はくすんだ肌は、赤味だけでなく青味も若干少ないので、100nmの膜厚の
雲母チタンの干渉光を使うと一石二鳥なんです」。(中略)
雲母チタンは色彩補正能に優れるものの、粒子が板状のため正反射が強すぎて肌に
過度なつや感が出てしまう。高田氏らは、雲母チタンの入った分散液中に結晶成長の核と
なる無機ナノ粒子を入れ、塩化バリウム、硫酸ナトリウムと錯形成剤を添加してある条件で
反応させると、硫酸バリウムの微小球に覆われた雲母チタンの複合粉体が得られることを
見出した。「つまり雲母チタンの表面に小さな球を沢山つけたんです。真球状の粉末は表
面の曲率に従って光を乱反射します。拡散反射によってつやを抑えたマット状の仕上がり
になるし、雲母チタンの持つ干渉光も得られる」。
試行錯誤の中から生み出される様々な複合粉体。高田氏は山梨大学 藤間一美教授の
協力を仰ぎ、FDTD法(Finite Difference Time Domain Method:時間領域差分法)を用いた
電磁界シミュレーションで複合粉体の反射特性を最大限に活かす条件を探った。その結果、
粒径1.0〜1.5μm、雲母チタンの被覆密度20%、基材に微粒子が1/5〜1/2埋め込まれたよ
うな被覆状態において、光の散乱が高まることが明らかになった。(略)
記事全文・図・用語解説等はこちらです。
Japan Nanonet Bulletin 第96号 : 2005年9月7日ナノネットインタビュー
http://www.nanonet.go.jp/japanese/mailmag/2005/096a.html コンピューター・シミュレーションにより女性が理想とする「赤ちゃんの肌」を実現する新規複合粉体を設計・開発
http://www.shiseido.co.jp/releimg/1153-j.pdf 肌内部からの反射光を肌の外へ引き出し、透明感の高い肌を実現する新規複合粉体“インナーライティングパウダー”を開発
http://www.shiseido.co.jp/releimg/1200-j.pdf 関連情報は
>>2あたり
坊さんたちによると、2012年以降の現代文明は、科学技術の最後の砦が即物的な物理学や
化学ではなく精神の領域にあることを理解するという。テクノロジーの方向付けが大きく
変わる。人類は精神性の真髄、肉体と魂の関係、輪廻転生、人間個々人が実は互いにつな
がっているという事実を学んでいくのだと。
地球外の知的生命体が2012年に人類の前に実際に姿を現すかという問いに対し、坊さんたちは、
「地球人が恐れをなさないような方法で、彼らは自分たちの存在を知らしめることになります」
と答えている。必要時にしか姿を見せない。科学技術が進歩するにつれて、何らかの方法で
彼らの姿を見ることができ、彼らと言葉を交わすことが可能になるという。
遠隔透視僧たちによれば、2012年が初めてのことではない。これまでも人類が気づいていな
かっただけで、実際には何度も“彼ら”に助けられているのだそうだ。
http://rate.livedoor.biz/archives/11395632.html