1 :
名無しさんの初恋:
このスレはあなたの恋愛体験談を小説風に劇的に描くスレです。
毎日書いてくれるような職人でも短編を書いてくれる人でもいいので募集しています。
そしてスレの都合上女の子と付き合ったことがないキモオタや
他人の恋愛話に嫉妬を感じてしまうような卑屈君は違うスレへいきましょう
新しい職人さんもどんどんうpしましょう。
ネタや荒らしでないかぎり歓迎されるはずです
この板の住民が求めているのは生々しい体験談ややり取りです
しかしエロはなるべくなら控えましょう。
職人さんのやる気をそぐような発言は華麗にスルーさせていただきますので
細かいルールは
>>2以降に
2 :
名無しさんの初恋:2005/08/14(日) 20:06:24 ID:67CEo86V
基本的に職人さんは神です(お客さんではありません)
おもしろければそれなりに支持されますし、
書き込まずに見るだけの人もたくさんいるので、
批判や荒らしはまったくといって気にする必要はありません
基本的に素人が書き込むものなので。
今までの職人さんもほとんどが素人ですし、
気にせずじゃんじゃん書きましょう。
出来れば職人さんには乙などの優しい言葉を書きましょう。
自分としては不満があった場合なども
絶対に職人さんのやる気をそがないレスをしましょう。
アドバイスとかその程度なら職人さんも参考にできるでしょう。
決して批判などはしないように
3 :
トランスっ子:2005/08/14(日) 20:07:53 ID:BslS8hrT
うまくいった方には
(´・ω・`)ノ● ウンコー
4 :
名無しさんの初恋:2005/08/14(日) 20:18:54 ID:NtnzmDHx
うまく行かなかった方もヽ( ・∀・)ノ●ウンコー
5 :
名無しさんの初恋:2005/08/14(日) 20:56:24 ID:v2iFtx3O
学生であんまり大人っぽいものは
求められないですが、投下してもいいですか?
6 :
名無しさんの初恋:2005/08/14(日) 21:08:12 ID:v2iFtx3O
(´・ω・`)
7 :
名無しさんの初恋:2005/08/14(日) 21:09:26 ID:noDsvS5e
2003年夏、私には好きな人がいた。
部活の合宿までは、すでに一ヶ月をきっており、合宿中の行動単位となる
五人一組の班はもう決定済みであった。
私の部活では、毎年班を分け、班の中で二年が一年を指導することになっており、
班内の二年は基本的に二人か三人であった。
奇跡的に、私の班の二年は私とその子の二人のみ。
これほどの好条件はないのだが、とある理由により私の心境は複雑だった。
私の親しい友人も、その子の事が好きだったのである。
お互い直接話したことはないが、おそらく両方ともその事に気づいていた。
そんなおり、ちいさな事件が起きる。
合宿を一週間後にひかえた土曜日の午前。
私はなんのきなしもなしに、友人と同じ班である女の子と座って話していた。
が、それがいけなかった。私としては普通に話していたのだが、
周りからはとても仲が良さそうに見えたようであり、それを見ていた企画係の人が
後で私のところへ来て「班かえてあげよっか?」といったのである。
もちろんその場は全力で否定したが、家に帰ってからとある恐怖が私を襲った。
8 :
名無しさんの初恋:2005/08/14(日) 21:10:02 ID:noDsvS5e
よく考えると、少し前に私が冗談で友人に「班かわってやろっか?」といった時、
企画係は私のすぐ近くにいた気がした。
もし、それもあいまって今日私にあのセリフを告げたのだとしたら、これは非常にまずい。
否定したのを照れ隠しと取られたなら、勝手に班をかえられかねない。
せっかく好きな子と同じ班になったのに、そんなことをされてはたまったものではない。
私は急遽企画係に連絡を入れることにした。
が、しかし、私はおくてであり女の子のアドレスなんて知る由もなかった。
悩んだ結果、私は部活の連絡簿を使うことにした。
流石に私も直接アドレスを訊かずに女の子にメールすることがどれだけ罪であるかぐらいは
知っていたが、まぁそこは全力で謝ることにした。
というか、それどころではなかった。
結果、なんとか要件は伝えることができた。
その後一週間は比較的平凡に終わり、例の合宿を向かえることになる。
9 :
名無しさんの初恋:2005/08/14(日) 21:10:35 ID:noDsvS5e
…残念ながら、合宿は私が望んでいたものとはやや違った。
なんと例の友人は合宿中ほぼずっと私の班に付きまとったのである。
まさかこう来るとは思っても見なかった。
が、よく考えると相手はかなり手馴れた告白男。今思えばこのくらいは想定すべきだったのかもしれない。
私の好きな子(以後Aさん)が私に話しかけようとしたりすると、
そいつがわざとらしく話しかけて邪魔をするのである。
実際あれはひどかった。
それでも、私はAさんと同じ班であることが嬉しくてたまらなかったし、それだけで幸せだった。
そう、今思えばこの時なら「同じ班になったし、アドレス教えて」ととても自然にアドレスを訊けたはずであった。
が、しかし、当時私は本当におくてで、アドレスを訊くことさえ頭になかったのである。
そうして合宿は幕を閉じる。
その後幾度となくアドレスを訊こうとするも、私にはたったそれだけの勇気もなくて訊くことができなかった。
結局、私がAさんのアドレスを知るのはそれからだいぶたった十二月のことである。
その頃すでに、アドレスも満足に訊けなかった私はどうしたらいいかわからなくてこのことを友人に打ち明けていた。
そう、ひょんなことからメールするようになっていた、あの企画さん(以後Bさん)である。
そして時は流れ2004年夏。
果てぬことのない陽射しの中、私はとある駅にいた。
告白なんてしたことのない私が、どうしたらAさんが一人の時に遭遇できるかを
必死に考えたすえの苦肉の策である。
高校三年の夏休み。本当なら受験勉強をするべきなのだろうか。
もう何日同じ場所にいたかわからなかった。
いったい何時間ときをこぼしたのかわからなかった。
でも私はずっと同じ場所にいて、ひたすらAさんを待っていた。
そして
…結果はわかりきったものだった。いや、実は初めからそのつもりだった。
ただ、気持ちを伝えたかったのだから。
それでも、わかりきっていたけれど、全てが終わった後はどうしようもなくて、
その日私は、生まれて初めてあの言葉では言い表せない感情を知ったんだ。
それから約二ヶ月。
ほぼ予想していたことが私の身に降りかかった。
そう、Bさんのことを好きが気になり始めたのである。
そしてさらに時は流れ十二月のとある日、私の友人(前半の人とは別人)が私に向かって
「Bさんってめっちゃ萌えるよなー」と言ってくることがあった。
その時、なんだかよくわからないけれど「許さん」という感情にかられ、
私は私の中で本気でBさんが好きなんだ、ということを確認した。
が、しかし、すぐには告白できなかった。いや、今回は意図的にしなかった。
センター試験をまじかにひかえたこの季節、私が告白して動揺させるなんてことはしたくなかったのである。
そして卒業式。
残念ながらこの日はBさんをつかまえることはできなかった。
その二日後、私はBさんに電話で告白することになる。
電話で告白するのはあまり気が進まなかったが、もはや仕方がなかった。
結果は、恐ろしく悲劇的なものだった。
とても消え入りそうな声で、とても言いづらそうに私はこう言われた。
「友達以上には思えなくて…」と。
今度こそ全てが終わった、と思った。俺の中で全てが崩れていった。
七帝の一つに受かったが嬉しくもなんともなかった。
その月中に二度ほどその子からメールが来て、私の高校生活は終わりを告げた。
だが私は大学生になった後も、その子のことを思い続けた。
二度と会えないはずの、その子のことを。
そして五月の中旬。
その子の誕生日の日。
今日しかないと思った。もちろん三月以来メールなんて送ったことはなかった。
けれど今日メールを送れば、それは奇跡となりうるかもしれないと思った。
‘ハッピーバースデイ’
この一言に全てをこめて、ずっと今でもすきなんだよという気持ちをこめて私は送信ボタンを押した。
…はたして奇跡は起きた。
帰ってきたメールには「あの、突然ですが今から電話していいですか?」の文字。
そして
大学入ってからのこととかを少し話した後、こう言われたんだ。
「あのね、あたしね、○○君のこと、好きになってきました。」と。
13 :
にゅ:2005/08/14(日) 21:48:16 ID:LkjuEjch
ここにすすめられたのでこちらにレスさせてもらいます。
最初からレスしなおしますね
私はDと別れた。私から別れを切り出したが
いざ「別れ」という言葉を口に出すと涙がでた。
短いようで長いような1年だったが、情がうつっていたのだろうか。
でも私はこのままで止まってはいられない。
この別れをきっかけにいい出会いをしないといけない。
でも私はDと付き合ったのが人生で初めて。初めて別れを
経験し、寂しさと切なさが襲った。
いつまでこんな日が続くのだろうと思っていたが、次の出会いは意外にも
すぐ近くにあったことを私はまだ気づいていなかった。
14 :
にゅ:2005/08/14(日) 21:49:41 ID:LkjuEjch
数日後、なんとなくDと仲がよいGにメールしてみた。
GとはDと付き合ってた頃から3人で仲がよかった。
かるいあいさつから始まり、
メールでDとの別れについて切り出してみた。
G「なんで別れちゃった〜?あんな仲良かったじゃん」
私「簡単にいうと友達がよかったんだよ!まー
これで自由になれたしもういいさ★」
G「そっかぁ〜じゃあ今度二人でどっか遊びいこうよ!」
私「いいね〜!じゃあ○○(隣町)いこうよ!いきたいと思ってたからさ」
私はこの時軽い気持ちだったんだろう。
でもDと付き合った約1年、他の男の人と遊ぶことはあったけど
それはいつもDも一緒にいたから許されていたこと。
この約束はD抜きでの約束。言葉では言い表せないような気持ちだった
15 :
にゅ:2005/08/14(日) 21:51:01 ID:LkjuEjch
それから2日後くらいたった夏の暑い日。
Gと隣町にいくために駅と待ち合わせ。
私は駅まで母親の車でおくってもらい、Gから連絡がくるまで
車の中でクーラーを浴びて涼んでいた。
ふと思った私は、Dと私が別れたことを知らない母親に
事実を話した。もちろん母親はDのことも知っている。Dと仲の良い
Gのことも知っている。
私「私Dと別れたよ、言い忘れてたけど」
母は顔色を変えたわけでもなく答えた。
母「えっ!マジ?!あーそっかぁ〜
じゃあ何、今日は女の子と遊びにいくの?」
私「いや、Gと」
母「あー!Dと同じ学校の?は〜ん、今度はそっちにいったか 笑」
私「違うし!ただ遊びにいくだけだよ、
Gも前に彼女と別れて今フリーらしいよ」
母「ふーん、まぁGみたいな子は気をつけなよ」
私はこの母の言葉に引っかかりを持ちながら答えた
私「??? Gはいい人だよ」
その時ちょうど携帯がなった。Gが駅に到着したらしい。
私は母親に「じゃあね」とあいさつし車を降りた。
いつものように母親は「気をつけなよ」と返してきたが
その「気をつけなよ」という言葉がいろんな意味に聞こえてきて
私の心の中に残った。
でも私はこの母親の言葉を鵜呑みにしてはいなかった。
この日の暑さは今年の夏で一番暑い。
駅のホームに向って歩くだけで汗がにじみ出る。
汗をかるく流しながらも
久々のD以外との男の人とのデートにわくわくしながら
早足に歩いていった。
季節が変わる頃、母親の言った何気ない言葉が、痛いほど
わかることなど、私はまだ気づくはずもなかった・・・。
16 :
名無しさんの初恋:2005/08/14(日) 22:53:15 ID:v2iFtx3O
投下しまーすノシ
17 :
16:2005/08/14(日) 22:54:16 ID:v2iFtx3O
「はい、じゃあ次は中沢と前川ペアー」
気だるげな副担任の声が夜空に響いた。
同時にどっと沸きあがる甲高い歓声。
「やっぱりこれ、梶山が仕組んでんだろ!」
誰かが笑ってそう叫んだ。
中学三年生、修学旅行。
日本圏内にあるのにも関わらず、海がとても綺麗なことで有名な某所。
クラス単位で修学旅行先を決められる我が学校では、大抵のクラスがここに落ち着く。
そして私達某組はこの地での四日間の宿泊のうち、ようやく三日目を終えようとしていた。
それは二日目の夜、梶山は修学旅行委員である私にひとつの提案をした。
三日目ともなればここらでひとつ、盛り上がるようなイベントを持ってくるべきだろう。
私が梶山に、例えばなんでしょう、と訊ねてみると、梶山は笑った。
馬鹿、お前、そんなん俺に聞くんじゃなくてクラスで考えろよ。
これだから、私は梶山が苦手だ。
適当に何かを思いついたら他人にそれを言い、どのようなものかと訊ねたら知らんと答える。
とにかくよく解らないのだ、彼は。
その後、私は同じ委員であり友人でもある典子としばらく思案した結果、
『肝試し』というあまりにありがちで当たり障りのない企画を立てた。
18 :
鴉:2005/08/14(日) 22:54:51 ID:fQnwuhOv
なげー
19 :
16:2005/08/14(日) 22:54:48 ID:v2iFtx3O
「…というわけで明日の夜は、肝試しをします」
一通り生徒達が食事を取り終えた頃、私達委員がホールの前へ出てその旨伝えると、一気に室内の熱が上った。
まじかよ。嫌だあ。様々な声が飛び交う中、典子が声を張り上げた。
「えぇっと、男女一組だからね!梶山先生がくじびきしてくれるよ!」
あ、馬鹿。
それを聞くと共に生徒達の熱はより一層高まり、
その場が一時手のつけようのないこととなったことはもはや言うまでもない。
副担任である森田が必死で生徒達を静まらせようと奮闘する姿が、なんだかとてもおかしかった。
梶山はこの企画を特に気に入るでも気に入らないでもなく、ただうんうんと頷いているだけだった。
肝試し、男女一組。
これで我がクラスの女子達が黙っているはずがない。
後々彼女らは私達の部屋に乗り込み、一つの案を提示してきた。
「ね、あたし達女子でペア仕組んじゃわない?」
最初は、それは男子達にひどくないのか、そもそもそのようなことはすぐばれるだろう、などと
意見の相違が交わされたが、最終的には最初で最後、一度きりの肝試しだから。そういい丸め込まれてしまった。
だがこれはどうかと思った私と典子が梶山に相談を持ちかけると、彼は軽く笑った。
「いいんじゃないの、たまにはこういうのも。」
「だけど先生、男子達は」
言い掛ける私を一瞬ちらりと見て、梶山はため息混じりに言った。
「はいはい、中田さんも一緒に回りたい男子いるんでしょ。もうクラスの皆解ってんだから素直に楽しんできなよ」
不意に私の頬に熱がせりあがるのを感じた。隣にいた典子がそんな私を茶化すように言う。
「あー…あーあー、加代子回りたい男子いるもんね」
「…あんたもでしょ」
こうして女子達の策略は、可決とされてしまった。
20 :
名無しさんの初恋:2005/08/14(日) 23:07:31 ID:67CEo86V
おお。こっちに移動したら職人が・・・。
今読む時間がないので、明日また楽しませてもらうよー。
とりあえず職人乙。
21 :
16:2005/08/14(日) 23:34:15 ID:v2iFtx3O
「じゃあー次、宇藤と西中ペアー」
森田が抑揚の無い声で続けた。
典子は私の方を向き、素早く唇だけを動かした。
私はよく聞こえないと首をかしげ、耳を寄せた。
彼女はそんな私に苦笑をして、囁く。
じゃあおさきに。
すぐに離れてしまった彼女の表情は暗がりでよく見えなかったが、間違いなく笑っていたと思う。
私はまた勢いよく頬に帯びていく血の気を感じて、それでも笑いながら典子に手を振った。
典子は西中に連れ添われながら、アスファルトの地面を踏みしめていった。
私はぼんやりと、彼女はとても強い子だと思った。
昔、本当に昔の話だが、典子は一度西中に愛想を尽かしてしまったことがある。
理由など詳しいことは私からは言えないが、とにかく彼女の中にあった純粋な思いは一度だけ砕けてしまった。
その原因は、とても辛くて、重い。きっと私が体験していたんじゃあきっと潰れてしまっただろう。
それなのにも関わらず、彼女はもう一度西中という存在に惹かれ、こうしてまた片思いを密やかに続けている。
色恋沙汰には引っ込み思案な彼女も、今回は勇気を振り絞った。だから、それがとても強いと思う。
私は静かに周りを見渡した。楽しげに会話を繰り広げる生徒達。
青白い蛍光灯が、ジジジと音を立てて、暗闇の一部を照らしていた。
肝試しの通路とされる一本道の奥には、橙色のライトアップが両脇に点々と続いている。
この地域は海に面しているため、さざ波の音が静かに響いている。
何もかもを含めて、綺麗だな、と感じた。
22 :
16:2005/08/15(月) 00:09:21 ID:X9t2kWMC
「中田、中田」
「ん?」
振り向くと、男子の橋山と中澤が目の前にぼさっと立っていた。
中澤がそのままおずおずと口にする。
「…これってさあ、もしかして仕組んでんの?」
それを聞いた私は、薄くせせら笑った。
「さあ…梶山が仕組んでんじゃない?」
「そうなの?」「よくわかんないけど、面子からしてそうじゃん」
とてもじゃないが、女子達が勝手に仕組んだなどとは口に出来ない。
しかも、担任ぐるみで。すると橋山は笑って言った。
「だったらお前はあれか、牧本と一緒なわけだ」
「よかったじゃん中田」
「やだ、やめてよ。っていうか梶山がそんな気の利いたことを」
「え?気の利いた?」
「ごめんうそ忘れて今の失言だから」
私は思わずこぼれてしまった本音を、慌てて隠そうとした。
23 :
16:2005/08/15(月) 00:10:03 ID:X9t2kWMC
「はーい、じゃあ次、中田と牧本ー」
この時ばかりはさすがに驚いてしまった。
仕組んでもらったのは知っていたが、よくもまあ会話の内容とタイミングが合うものである。
橋山と中澤が笑って私の背中を叩き、私はわざとらしく飛び上がるようにして叫んだ。
「やっぱりーっ!梶山のヤツ仕組みやがったな!やめてよ!」
もちろん、やめてよ、なんて嘘だ。
またも湧き上がる歓声の中、牧本はのっそりと姿を現した。
「こっちの台詞だっつーの…」
その姿をとらえた私は、どくどくと体中に熱が注がれるのを感じた。
彼、牧本は嫌がる素振りを見せて、観衆に背を押されこちらに向かってくる。
正直とても嬉しい。まさにしてやったりだ。
「はいはい嫌がってないでとっとと行って、詰まってんだから」
森田が無理やりに私達を押しやったため、仕方なく前に進む他は無かった。
24 :
16:2005/08/15(月) 00:17:43 ID:X9t2kWMC
今日はここまでです。
明日辺りに気力があれば後半?アップしようと思います。
感想や指摘などありましたらどうぞお願いします。
25 :
名無しさんの初恋:2005/08/15(月) 00:18:27 ID:TvO6iiFh
すばらしい
富山県、とある街で。
去年一年は、なんだかんだ言ってクラスの人とはうまくやってきたつもりだった。かな
り仲の良い奴も何人かいたし、自慢ではないが俺の所属していたサイドはなかなかの大所
帯だったはずだ。だからたぶん、今年度もそんな風に何事もなく平和に暮らせると思って
いた。そう、少なくとも昨日までは。
高校一年生も終わろうとしていたあの三月、俺は新しいクラスが書かれたボードの前で、
部活で気になっていた子と同じクラスになれたことに喜んでいた。確かに、そのクラスに
は知っている人が四人しかおらず、前のクラスから一緒だった人間も二人しかいなかった
が、それはたいして気にもしていなかった。もちろん、他のクラスになった人たちがひそ
かにこのクラスにならなかったことに安堵しているとは、そのときは到底知る由もなかっ
たのである。
過去最高の職人ダ。大学生とは大違・・・うわ!!何をす!お前は!大がK(ry
28 :
16:2005/08/15(月) 02:31:05 ID:X9t2kWMC
とりあえず長くなりそうなので、今から先にちょっとだけアップしてしまいます。
29 :
16:2005/08/15(月) 02:32:53 ID:X9t2kWMC
牧本とは、決して彼氏彼女というような関係ではない。
二年ほど前に私が告白して、振られてしまった。
私は普段、まあ自分で言うのもなんだが、結構交友関係は広い。
だから私自身学校でも目立つ方ということもあり、
その私の振られてしまったという噂は瞬く間に広がってしまった。
そうしてもはや三年生の学年の中で、私の思いを馳せる人物は
既に牧本と位置づけられてしまったのだった。
牧本も(まあ仕方なく成り行きで)それを受け入れ、このような現状となっている。
もちろん私がまだ牧本に思いを馳せているのは、きっと本人も承知だろう。
「あーもーやだやだっ」
「俺がやだっ」
私達は、坂道を下って行った。
コースはテニスコートを左に曲がり、真昼にガラス工房で
生徒達が作った小物をとって帰る、という非常に単純明快なものだ。
30 :
16:2005/08/15(月) 02:33:55 ID:X9t2kWMC
もうなんだか肝を試すもなにも既に目的を見失っている気がしたので、
とりあえず私は彼の肝を冷やしてやろうと思った。
これによって彼の心臓もどきどきになり、私といると妙な胸の
息苦しさ覚えるを錯覚するといういわゆるつり橋効果作戦だ。
憧れの彼と暗がりで二人きりというシチュエーションなんて
まず滅多に出会えないので、力の限りを尽くそうと思う。
「じゃあ私怪談話すからね、聞いててよ」
「はっ?ちょ、い、いらんし、」
「それはつい最近のことでした、海には一人の」
「や、やめろっつーのっ」
「な、なんでよっ、あ、わかった!怖いんだ!だっさー!」
「違ぇよ馬鹿!もう黙ってろ!」
つり橋効果作戦失敗。
…なんていうのは嘘だ。そんなものが成功するなんてまず有り得ない話である。
多分、彼と居ることによって震え上がる緊張を少しでも和らげようとしている自分がいる。
こうして毒づく彼も、きっと多少は緊張しているんだと思う。さっきからやたらと早口だ。
けれど良かった、普段のような会話の調子が戻ってきた。
私はとにかく沈黙を避けるために、とりあえず梶山の話題へと移ることにした。
「…そーいやさあ、スタート地点に梶山居なかったね」
「梶山先生、だろ」
普段学校で優等生である彼の指摘を軽く受け流し、私は話を進めた。
「はいはい、どっかに潜んでるのかね」
「折り返し地点にでも潜んでんじゃん?」
「ああ、多分そーだ」
31 :
げろしゃぶ:2005/08/15(月) 02:37:03 ID:9G6iur/5
できればどこから誘導されてきたのか
そっと教えてくれると嬉しい>>all職人
32 :
16:2005/08/15(月) 02:38:10 ID:X9t2kWMC
そこでふと、私は右隣にいる牧本の服が目に付いた。
普段優等生である彼は、同時に、全く持って身だしなみやお洒落に気を使わない性質だ。
今まで見てきた彼の私服のブランドは、ユニクロやギャップくらいしかなかった気がする。
だから彼のファッションセンスのことを陰でこっそりと一部の女子達に
笑われいるのを幾度も見てきたが、それほどまでに彼はお洒落に疎いのだ。
だが、今日はなにやらどこか違った。
ユニクロでもない。ギャップでもない。どこのブランドかは解らない。
けれど、その服はいつもよりかは随分とましなものだった。
正直、とても似合っていて、格好よいと思った。
「そういえばさあ」
はっ、と我に返る。
顔を上げると、彼はこちらを不思議そうに見つめていた。
私が、何、と会話を促すと、彼は続ける。
「長崎の奴、さっきひどかったよな」
「さっき?」
「うん、内田と行ってたじゃんアイツ」
「えっ、朋子って長崎とペアだったの?」
「うん」
33 :
16:2005/08/15(月) 02:39:16 ID:X9t2kWMC
長崎とは、私達のクラスでいわゆるオタクとして知られる男子生徒だ。
まあどのようにオタクであるかは言わないでおくが、とにかくオタクだ。
そんな彼が今回の肝試しで、ギャルのグループの一人として知られる内田と
ペアを組むことになってしまった。もちろん内田はそれを嫌がり、長崎もそれを拒んだ。
そうして長崎は内田をコースの途中で放り投げ、さっさと部屋へ戻ってしまったらしい。
さすがにこれには内田も応えたらしく、彼女は一人泣いて皆の元へ戻ってきてしまったのだという。
もちろん、このことで長崎はギャルの中でもはや死ぬべき存在として認知されてしまったらしい。
牧本は一通り説明を終えると、ため息をついた。
「有り得ないよな、普通」
「うん、普通は置いてかないよね…それかなり朋子可哀想だなあ」
「…っていうか知らなかったのかよ、同じ女子なのに」
「解ってんでしょ、あの子達とはグループが違うのグループが」
「ん、あ…そうか」
34 :
16:2005/08/15(月) 02:40:45 ID:X9t2kWMC
>>31 えぇっと、普通に恋愛サロンの方の小説スレから誘導されてきましたよ。
35 :
げろしゃぶ:2005/08/15(月) 02:41:32 ID:9G6iur/5
36 :
16:2005/08/15(月) 02:42:22 ID:X9t2kWMC
そんな他愛もない話をしているうちに、テニスコートが目に入る。
確か森田は、テニスコートを左に曲がれと言っていた。
そんなことをぼうっと考えていたら、牧本が小さく呟いた。
「…あれ、左に曲がんだっけ、右?」
きたよきたよラッキーチャンス!このまま右と言えば二人きり暗がりの中で迷子、美味しいシチュエーション。
一緒に話す時間も増えて、一緒にいる時間も長くなる。どきどき出来る。ああなんて素敵!
私は一瞬ためらい、言った。
「…ああ、左だよ左。ちゃんと覚えておいてよ、もう」
生憎私には、わざと道を間違えるなんてそんな度胸を持ち合わせていなかった。
きっとここで右、と答えておいたところで、すぐに彼は気づいてしまうだろう。
非常に残念ながら、現実はそんな上手くいかないものである。
そう思ってしまう自分が、更に憎らしく思えた。
37 :
16:2005/08/15(月) 02:43:30 ID:X9t2kWMC
本当に今日はここまでにしておきます。
いきなり大量投下ごめんなさい。
それでは、おやすみなさいノシ
>>35 ワロスww
すんばらしい
39 :
16:2005/08/15(月) 11:05:02 ID:X9t2kWMC
あんまり寝れなかった…('A`)おはようございます。
とりあえず完結させたので今から少しずつアップしようと思います。
かんなり長いのでどういう頻度でアップしたらいいんだろうか…
感想くれた方ありがとうございます。
40 :
16:2005/08/15(月) 11:06:22 ID:X9t2kWMC
「あっ」「ん?」
奥の方から、人影が二つ見えた。二つの影は、ゆらゆら、ゆらゆら。
段々こちらに近づいてくると共に、その形は確かなものになっていく。
「…典子じゃん!」
「あ、加代子だー」
「お、よぅ、まきちゃん」
「ぉおっ、にっしーだ」
その二つの人影は、折り返し地点を通過してきた典子と西中だった。
西中は牧本にじゃれるようにして抱きつき、笑う。
「もーまじで全然怖く無かったよ折り返し地点、なんか笑っちゃったもん俺」
「へぇー、そうなんだ、どうだったの?」
「や、オチは言わんでおく。つまんねーじゃん」
私の問いに西中は片手を前に突き出して首を横に振る。
典子の小さく笑う声が隣から聞こえた。
41 :
16:2005/08/15(月) 11:06:52 ID:X9t2kWMC
「じゃあもう行こっか、加代子、頑張ってね!」
「中田、まあグッジョブだ。」
お前らはどこの仲良しカップルだと突っ込みたい気持ちを抑え、私はばつが悪そうに斜め下を向いた。
牧本が隣で必死に、よく聞こえないよ、何言ってんのお前ら、と叫んでいた。
そんなことをしている間にも、典子と西中は歩いていってしまう。
私はちらりと遠ざかる二人の影を見る。
影は、やっぱりゆらゆら、ゆらゆらと揺れて、やがて視界から消え失せた。
偽善ととられても仕方の無いことは解っている。
だけどそれでも構わないと、私は小さく願った。
典子の気持ちが、いつか報われますように。
42 :
16:2005/08/15(月) 11:08:24 ID:X9t2kWMC
「ここだな」
牧本と私は、折り返し地点にようやくたどり着いた。
蛍光灯の薄暗い光がぼんやりと浮ぶ。
コンクリートの敷き詰められた地面が、やたらと硬く感じる。
私達は指定された小物を探すためにじっくりと辺りを歩くことにした。
「茂みとかは有り得ないよねぇ?さすがに」
「うん、多分解りやすいところにおいてあるとおもっ」
牧本がそういい終わらないうちに、彼はようやく姿を現した。
「ばあぁあっ!!」
「…………か、梶山先生…」
「あははっ!梶山先生だ!」
それぞれのリアクションを素直に出す私達に、梶山は絡むようにして話し掛けてきた。
「なんだお前ら、皆して笑いやがって!こっちは驚かせるのに必死なんだっつーの、なぁ中田?」
梶山は私が嫌いなのか、はたまた愛情の裏返しなのか、よく私に突っかかてくる癖がある。
そんな彼に苦笑を漏らし、お疲れ様です、という私を見て、梶山は笑みをこぼした。
「どうだ、牧本とは上手くいったのかよ?まあせいぜい頑張れや、ははっ」
「先生、そういうこと言うのやめて下さい」
すかさず牧本が口を挟んだ。
43 :
16:2005/08/15(月) 11:09:21 ID:X9t2kWMC
「…………」
私は一瞬押し黙り、口を開いた。
「あの、小物下さい」
「あ?ああこれか」
梶山はほいと私に小物をよこした。
それはコバルトブルーのきらきらとしたガラスのハートだった。
作っている最中には気づかなかったが、じっくり眺めると、そのハートには『LOVE』という文字が
非常に雑に掘り込まれている。なんだかさらに気恥ずかしくなって、私はそれを牧本に渡した。
「じゃ、後半楽しんでこいよー」
私達は梶山に一礼して、その場を後にした。
44 :
16:2005/08/15(月) 11:14:10 ID:X9t2kWMC
とりあえずここまで。
後編?は12時すぎたらアップします。
感想、指摘等ありましたら気軽にどうぞ。
45 :
16:2005/08/15(月) 11:29:11 ID:X9t2kWMC
ちょっと質問なんですけど、ここってまとめサイトありますか?
なかったと思う
というかヘタレ中田モエスwww
面白い
48 :
16:2005/08/15(月) 12:58:51 ID:X9t2kWMC
すいませんうっかり寝てましたorz
それじゃあ最終投下行きまーす。
49 :
16:2005/08/15(月) 13:00:11 ID:X9t2kWMC
とにかく褒めたくて仕方が無い。
そんな気持ちが無意識に私の胸の内を巡っていた。
そう、それは先ほど気づいてしまった、彼の服のことである。
普段からの彼の服のセンスもあってか、それは私から見て、とても良く似合っていた。
本当に、ただ純粋に、それを褒めてやりたかったのだ。
だけれど時間は過ぎていく。ゴールなんて、もうあっという間に着いてしまうのだろう。
私は焦燥に駆られながらも、ただそれを口に出せずにいた。
50 :
16:2005/08/15(月) 13:01:21 ID:X9t2kWMC
帰り道はとにかく静かだった。
しかしそれは最初のときのように気まずい沈黙ではなく、
ただ落ち着いたような、心地よい静けさだ。
さざ波が遠くで響いてはまた消えていく。
橙色のライトアップはすぐ目の前にある。
緑色の南国植物達が潮風に揺れる。
空は薄っすらと雲を浮かべ、その奥で星達が小さく震える。
今まで彼以外のことを意識していなかったためか、
ようやくそれらは静けさと共に私の中に飛び込んできた。
私の髪につけていたピンの鈴が、ちりんと音を立てると共に、ようやく牧本が言葉を発した。
51 :
16:2005/08/15(月) 13:02:24 ID:X9t2kWMC
「…もうすぐゴールだな」
「…あ」
向こう側に小さく見えるのは、沢山の人影。
駄目だ、もうすぐ終わってしまう。
終わってしまう。
「あぁでもよかったな、もうお前とも離れられるよ」
冗談混じりに笑う彼の言葉を聞き、私も負けじと言葉を返した。
「ああよかったね、私も多分同じ気持ちだよ」
そうしてお互い、はは、と乾いた笑いを漏らした。
牧本が続けてこう言った。
「じゃあもう俺、先行くから」
そして一歩、手前へ。
私は慌てながらも口にする。
「…長崎みたいになりたいのあんた?」
「…すいませんでした」
52 :
16:2005/08/15(月) 13:03:11 ID:X9t2kWMC
違う、早く。早く。
終わってしまうよ、何をためらってるんだよ。
人影が近づいてくる。
早く、早くしないと!
「…ぅわっ!」
履いていたサンダルが、不意に脱げてしまった。
私は一度よろけ、なんとか転ぶことなく体勢を立て直した。
すると一歩手前にいた牧本がぱっとこちらの方を向く。
そのまま彼は私の隣に駆け寄ってきた。
「…何やってんだよ、馬鹿」
「あ、ご、ごめん…」
今だ。今しかない。
「…あ、あのさあ」
「ん?」
私は静かに立ち上がり、自分の服をはたきながら呟くように言った。
「なんか…あんたのその服」
「?…これ?」
「……あ、いや」
53 :
16:2005/08/15(月) 13:04:38 ID:X9t2kWMC
ああ、駄目だ、しぼむ感覚。
「…なんでもない」
牧本は一瞬きょとんとした表情を浮かべる。
しかし、彼は口を開いた。
「なんですか中田サン、この服にそんなに文句でもあるんでしょうか?」
「え、は?」
彼はふざけた調子で言葉を続ける。
「まぁ僕にはセンスのかけらもありませんしー、ちゃんとそれくらい
解ってますから!そんなの中田サンに言われなくったって…」
私は慌しげに牧本を制止させた。
「まっ、待ってよ!違うっつーの!ぎゃ、逆だよ逆!」
「逆、ってなに?」
ふん、と牧本は鼻を鳴らして私の発言を促す。
私はもう後には退けないと決め込んだ。
心臓はとても速く脈打ち、頬にも耳にも熱がこみ上げてくるのがわかる。
54 :
16:2005/08/15(月) 13:05:58 ID:X9t2kWMC
「…ええっと、いつもよりはましなんじゃない!って言いたかったんだ、けど、…」
ああ、もっと可愛い発言が出来ないのか私。
そしてうつむいてしまった私に、牧本は言った。
「…ありがとうございまーす。母さんが買ってきた奴なんだけどね」
私はそのまま、少しだけ噴き出してしまった。
そうしたら牧本に一発頭を軽く叩かれた。
「ほら、よかったね、もうゴールだ」
うん、よかった。
55 :
16:2005/08/15(月) 13:06:55 ID:X9t2kWMC
ゴールにたどり着くと、女子達に告白はしたのか、とか、進展はあったか、とか、とにかく質問責めにされたが、
残念ながらそのようなことは一切なかったし、普段から要領の悪い自分はそんなこと考えつきもしなかった。
とりあえず典子とハンドタッチを一度だけして、少しだけお互いの武勇伝を語りあい、続きは部屋で話そうということに落ち着いた。
そしてふと隣を見やると、牧本が西中に『中田に服を馬鹿にされた』と笑っていた。
西中は、とても面白かった、と笑っていた。
このような夜はきっと、私の人生の中ではもうないと思う。まるで漫画のようなドラマのような、嘘みたいで素敵な話。
状況は変わらず、別に片思いが両思いとなったわけでもない。だけれど、なんだかとても幸せな心地だ。
何も不安だけが片思いではない。まだまだこれからなんだ。互いに思い入れあわずとも、
嬉しいときは嬉しいから、こうして人はまた恋をする。それは、本当に素敵なことなのだ。
ここまで読んでくださった方々、どうもありがとうございました。
乙
もぅ告っちまえよぉ
57 :
16:2005/08/15(月) 13:18:42 ID:X9t2kWMC
あ、感想下さった皆さんありがとうございました。
>>46さん、まとめサイトの情報ありがとうございます
>>56 もうこれくらいの距離がちょうどいいかなと思ってるので…
きっともう一度告白したところで彼を困らせてしまうでしょうし。
まあただたんに私に意気地が無いだくぁwせdrftgyふじこl
58 :
名無しさんの初恋:2005/08/15(月) 14:53:03 ID:hj0zy6Nf
良職人あげ
59 :
ジャージ ◆K17zrcUAbw :2005/08/16(火) 04:06:55 ID:UUhZNE/n
スレ違いかもしれないケド、ちょっと書かせて欲しい。
60 :
ジャージ ◆K17zrcUAbw :2005/08/16(火) 04:20:36 ID:UUhZNE/n
俺には、12歳の頃から付き合っている彼女がいる。
今年で、7年目になる。
もちろん、俺もその子も他に恋愛なんてした事無い。
家は100メートルしか離れてなくて、ほぼ同棲状態。
家族ぐるみの付き合いで、お互い信頼されきっている。
文字通りの純愛。そんな感じだ。
その日、俺は、いつもの様に2ちゃんのある板を見ていた。
最近増えてきた馴れ合いスレの多さに不快になりながらも、一つのスレが目につく。
「暇だから女友達にイタメール」
それは、やっぱり馴れ合いスレには違いないのだろうが、俺は何気なくそれを開いた。
61 :
ジャージ ◆K17zrcUAbw :2005/08/16(火) 04:30:09 ID:UUhZNE/n
テンプレを読むと、そのスレの主旨が理解できた。
「未来アンカーを指定して、そこにレスされた文章を、女友達にメールする」
といったモノだ。
俺は、それに参加してしまう。
まとめサイトを見てみると、イタメールが原因で、恋愛が実った奴、絶縁状態になった奴、
中には腕を折られた奴もいて、実際、楽しそうだったからだ。
俺と相手(以下、ターゲット、略してタゲとする)のスペックを晒し、ゲームが始まる。
62 :
ジャージ ◆K17zrcUAbw :2005/08/16(火) 04:37:06 ID:UUhZNE/n
俺がタゲとして選んだのは、高校時代の友達だ。
タゲは、俺がタゲに惚れてると勘違いしてるようなフシがあったので、イタメールで電波な感じで絶縁したかった。
今思えば、俺が勘違いをしていたのかもしれないけど。
早速、未来アンカーにレスがつく。
思いきり下ネタだ。
それをタゲに送る。
返事を晒し、またアンカーを付ける。
次も下ネタ。
良い感じに嫌われる予感だった。
しかし、3通目、いきなり方向性が変わる。
63 :
名無しさんの初恋:2005/08/16(火) 17:04:28 ID:DF0Dujip
期待揚げ
このスレに来てもまだ大学生さんのこと覚えてる人がいるのに
ワロたw
元気でやってるのかねあの人は
懐かし記念かきこ
65 :
恋する名無しさん:2005/08/17(水) 22:14:06 ID:T+C6C56v
職人さんに(●´▽`●)_旦"☆"旦_(○´ー`○)カンパイ
66 :
名無しさんの初恋:2005/08/19(金) 00:41:44 ID:Mppb81bH
早く〜
精霊指定都市(1)
「ねぇ、どうしたの?」
商店街の中央で、不意にそんな声が聞こえた。はたしてそれが本当に俺へ向けられた言
葉なのかいささか自信がなかったが、振り返ってみるとそこには俺と近しい年齢であろう
少女が立っていた。どうやら俺の幻覚ではなかったらしい。長くはないけれど流れるよう
な髪に、黒のダッフルコート。何か足りない、とは思ったが、割と可愛らしい顔でもあった。
「さっきからずっとそこに立ってたよね?」
再び少女が問う。そうか、確かに俺はずっとここに立っていた。正月だというのにこん
な所に一人でいるのは、話しかけたくなるほど不自然なものであったか。いや、何かおか
しな理論だ。普通見知らぬ人に声はかけない。
「まぁ…ね。」
ようやく俺も口を開く。よく考えると(考えなくともかもしれないが)、この娘もいた
く不思議な娘だ。普通こういう日は家族とかカップルで過ごすものではないのか。
「ねぇ、もしかして寡黙な人?」
「いや、それはないです。」
なんだろうこのノリは。よくわからないが激しく否定してしまったではないか。
仕方ないので少しはこちらから問いかけてみることにする。
「君は…、なんでここにいたの?」
すると少女はこちらを向き、少しの沈黙の後、満面の笑みでこう言ったのだ。
「ずっと待ってたんです。」と。
あっ、やば、すみません。素でルール間違えました…orz
69 :
名無しさんの初恋:2005/08/19(金) 03:42:50 ID:Mppb81bH
dマイ!
70 :
名無しさんの初恋:2005/08/19(金) 12:30:06 ID:Szrou+0f
小説風に書けるかどうかわからないケド、聞いて欲しい話がある。
俺とそいつは小6の頃からの友達で、7年の付き合いになる。家も歩いて2分。
中学、高校と同じ学校に通っていたが、高2の頃にそいつは中退して、通信の学校に通っていた。
高1の頃に付き合った事がある。
以上が俺らの設定。
じゃあ、話を聞いてくれ。
71 :
名無しさんの初恋:2005/08/19(金) 12:34:34 ID:Jm/rEbs0
聞くよ。
去年の10月頃かな。俺はそいつに告白した。
その時、向こうには付き合って1年近くの彼氏がいた。
俺にも彼女がいた。
でも、告白をしてしまった。
ずっと好きだった。
高1の頃、別れて以来、ずっと引きずっている。
別れた理由は、俺の浮気。
それからも普通に彼女はいる。
でも、そいつの事はずっと好きなんだ。
矛盾してるのはわかってる。
しかし、なぜ、そのタイミングで告白したのか。
まずそれを説明しておきたい。
結構長い話になると思うから、止めろと言われれば止めるから、遠慮せずに言ってくれ。
73 :
名無しさんの初恋:2005/08/19(金) 12:49:40 ID:Szrou+0f
高2でそいつが中退してからも、俺らはよく遊んでいた。
その頃俺には彼女がいたが、特に疚しい事はしなかったし、後ろめたさは無かった。
高3になって、俺は受験勉強に専念するために彼女と別れた。
チャラい女友達との関係も絶った。
それでも、そいつとの関係は続いてた。
でも、明らかに俺の感情が変わってきていた。
いや、変わったというより、抑えていた物が出始めた、と言った方が良い。
決して遊びで彼女と付き合ってた訳じゃない。
でも、彼女と別れた事で、自分の本当の気持ちに気付いた。
綺麗事に聞こえるかもな。
74 :
名無しさんの初恋:2005/08/19(金) 12:50:47 ID:WD6n66A7
続きが気になる。
あの、ココ女が書いてもいいんでしょうか?
75 :
名無しさんの初恋:2005/08/19(金) 12:52:11 ID:Szrou+0f
良い良い(`・ω・´)ノ
76 :
名無しさんの初恋:2005/08/19(金) 12:54:09 ID:WD6n66A7
では75さんが終わってから…。
今はイチ読者としてドキドキしながら待ってますw
77 :
名無しさんの初恋:2005/08/19(金) 13:06:47 ID:Szrou+0f
じゃあ続けます。
でも、その時向こうには既に彼氏がいたから、俺は葛藤に悩まされながら、そいつとの「親友」を「演じて」た。
辛かったよ。
会う度に自分の気持ちを抑えなきゃいけない。
でも、俺がその気持ちを表しちゃうと、「親友」でいられなくなるのはわかってた。
だから、我慢できた。
ギリギリのバランスを保ってたんだ。
でも、その均衡が一気に崩れる事が起きた。
6月、俺は部活の引退試合に向けて汗を流していた。
その日の練習が終わりシャーワ室から戻ると、メールが一件届いていた。
「今から会える?」
78 :
名無しさんの初恋:2005/08/19(金) 13:13:40 ID:Szrou+0f
こんな風にいきなり呼び出されるのは珍しかった。
俺は何かあったのかと思い、急いで待ち合わせ場所の公園に向かった。
公園のベンチにそいつは座っていた。
別にいつもと変わらないそいつ。
心配して損した。そんな暢気な事を考えてた。
話題も尽きて、時計は夜8時を指していた。
いつしか、やばい「ムード」が漂っていた。
互いに沈黙してるんだけど、雰囲気がやばい。
空気が張り詰める。
そこで、俺はテンパりすぎて、崩壊への一歩を踏み出したんだ。
「俺さ、好きな子がいるよ。」
「へぇ・・・どんな人?」
一気に心臓の鼓動が早くなる。
でも、言葉が止まらない。
「そいつはさ、俺の昔からの友達なんだ。でも、彼氏がいるから、俺は何もできないんだ。」
またしばらく沈黙。
そして、そいつが言う。
「私も、好きな人がいる。彼氏とは別に。」
そいつの顔は泣きそうになっていた。
「最悪な女かもしれない。でも、しょうがないんだ。」
お互い、その、「好きな人」の個人名は出していない。
でも、全てわかりきっていた。
気付いたらキスをしていた。
泥沼へのはじめの一歩。
その後、無言で家まで送った。
しかし、やっぱりその行為は間違っていた。
その日以来、連絡が途絶えた。
すごい後悔したよ。
「親友」を失ったんだ。
夏休み、俺はある人に告白される。
流れでOKを出す。
酷い矛盾だ。
でも、しょうがなかったんだよ。
受験勉強、そいつの事、めちゃくちゃイライラしてた。
だから、何て言うか、憂さ晴らしみたいな感じでOK出したんだと思う。
でも、やっぱり、まともに付き合う事はできなかった。
デートは8月と9月に一回づつ。手さえ繋いでいない。
体を汚したくなかった。
俺は最低の矛盾野郎だ。
9月のある日、俺はK‐1の開幕戦を見て熱狂していた。
俺の贔屓の選手が負け、呆然としている時に、携帯が鳴った。
画面には久々に見る名前。
一瞬躊躇したが、電話を取った。
会話の内容は、彼氏の事の相談だった。
最近上手くいってない。
どうすれば良いか悩んでる。・・・
今でも、なぜあの時そんな電話を俺にしてきたのかわからない。
彼氏と別れて俺と付き合えと言って欲しかったのか。
それとも、俺を突き放す為にそんな話をしたのか。
俺は、前者だと思ったけれど、・・・わからない。
別れた方が良いのかな?
というそいつに、俺は
考え直せ
としか言えなかった。
最後に、
俺しかこういう真面目な話ができる相手がいない、ありがとう。
そう言われ、電話を終えた。
葛藤。
そんなぐだぐだな中、10月に入る。
ある日、学校で1番信頼できる友達と飲みに行った。
そして、今までの事を全部話した。
話を聞いてもらえるだけで俺は充分楽になったけど、その友達は具体的なアドバイスも多々してくれた。
そこまで悩んでるなら、いっその事ちゃんと告白しろ。
結果はどうあれ、それで区切りが付くんじゃないか。
と。
83 :
名無しさんの初恋:2005/08/19(金) 14:18:46 ID:Szrou+0f
夜また更新しますね
84 :
76:2005/08/19(金) 14:20:55 ID:7xvmrQFI
乙です。
では、お目汚しになるかもですが私も書いてみます。
長くなるかもしれないのですが・・・
しばしお付き合いくださいませ。
85 :
名無しさんの初恋:2005/08/19(金) 14:39:15 ID:7xvmrQFI
一昨年の夏、私が25になる年の話。
彼氏はひとつ上。
私が高校1年からの付き合い。
一足先に高校を卒業し県外で就職した彼氏。
遠距離だったけど、手紙のやり取りをしたりしながら
それなりに上手くやってた。
次の年、進学で私は彼氏の住む県の隣県へ。
専門だったので3年後卒業。
その年に彼氏は私の住む県へ、というか市内に転勤。
私も就職が決まり、会いやすくなったねと話していたのは
私が22、彼氏が23になる年。
なんかわかりにくくてごめんなさい。
86 :
名無しさんの初恋:2005/08/19(金) 14:49:49 ID:7xvmrQFI
その年から付き合いだ、上司に呼び出された、と
飲みに行くことが増えた彼氏。
付き合いって大変だな、と思ってたんだけど・・・
飲みに行ってた相手は上司じゃなかった。
気が付いたのは翌年のこと。
忘れ物を取りに行った彼氏の家には見知らぬ女性と彼氏の姿が。
それからそれから?
88 :
名無しさんの初恋:2005/08/19(金) 16:02:54 ID:7xvmrQFI
浮気。
相談に乗っているうちに身体の関係へ発展してしまった、と彼氏が言う。
相手は子どもも・・・ご主人もいる人。
あまりにも驚きすぎて泣けもしない。
”私と別れて”そう言うのが精一杯だった。
これで終わるはずだった。
だけど彼氏の返答は”NO”。
理由は・・・
「職場の人たちはオレとお前が付き合っていると知っている。
それに彼女(浮気相手)と付き合ってるとばれたら立場も悪くなる。
だからお前と付き合っていることにしないといけないから
別れる事に応じることは出来ない。」
信じられなかった。
信じたくなかった。
そんな言葉を彼氏に投げつけられるなんて。
気持ちがなくなった。
嫌いになった。
そんな事、言われたくないけれど・・・
浮気の隠れ蓑にされるくらいならそっちのほうがよかった。
89 :
名無しさんの初恋:2005/08/19(金) 16:47:38 ID:7xvmrQFI
本当にどうにかなりそうだった。
浮気相手と長く会えないときには身体を求められて・・・
避妊すらもしてくれない、だから毎月血が流れるたびホッとする。
そんな事を繰り返していた。
その頃、心の拠り所にしていたのはある地域チャット。
地元の人たちとたわいもない会話で盛り上がる。
オフ会をしたり・・・そんな楽しいことが増えていく反面、
彼氏との別れ話は平行線のまま全く進まず。
そんなこんなでどんどん時間だけが過ぎ、私はひとつの決断をした。
地元へ帰る。
これで少なくとも身体を求められることはなくなる。
そうして私は帰郷した。
90 :
名無しさんの初恋:2005/08/19(金) 18:04:04 ID:7xvmrQFI
2001年10月帰郷。
しばらくのんびりして再就職。
充実した日々を過ごしてはいたけれど、別れ話は一向に進まぬまま。
「もうあの子とは別れたから」と言われたけれど、
心の底から信じることなんてもう2度と出来ない。
そんな気持ちのまま付き合うことなんてできない。
心の内を吐露し、ヨリを戻すのは無理だと告げる。
いつまでたっても平行線のまま、季節は春へとむかっていた。
91 :
名無しさんの初恋:2005/08/19(金) 18:12:35 ID:7xvmrQFI
ノシ
また夜にでも書きます。
なかなか一昨年の話にたどり着けない・・・。
前フリばかり長くて申し訳ないです。
92 :
83:2005/08/19(金) 20:30:44 ID:Szrou+0f
その次の日、あえてメールで告白した。
返事がくる。
「じゃあ、なんで考え直せって言ったの?」
そんな事言っても、しょうがないじゃないか(えなり風)って感じだった。
結局、撃沈。
そいつは、こないだの電話で、彼氏は彼氏。俺は俺。と、ケジメを付けたらしい。
まぁ、当たり前の結果だ。
逆にさっぱりしていた。
あまりヘコむ事も無く、その日は寝た。
次の日、彼女に別れを告げた。
俺の中で、恋愛をしばらく封印しようとしたんだ。
しかし、それは全ての始まりだった。
その一週間後、そいつからCDを貸して欲しいとメールが来た。
俺は二人で会うのが嫌だったから、もう一人友達を呼んだ。
そいつは、中学の頃の俺らの共通の友達だった奴だ。
久々の3人組。他愛のない会話で盛り上がる。
俺らは俺が告白した事でぎくしゃくする事も無く、
気にして無いみたいだった。
結果オーライかな。そう思ったんだ。
しばらくして、その友達が、用事があると言って先に帰った。
二人きりになってしまった。
さっきまでと空気が一変する。
結局、重い空気が流れ始めた。
職人さんみなさんいい感じですー
呼んでてとても楽しいです!
続きが気になるので是非お願いします(>_<)
95 :
恋する名無しさん:2005/08/19(金) 23:55:33 ID:RpvIbIzG
マジデ楽しみにしてます
このスレ最高!!!
とりあえずCDを渡す。
俺、めっちゃぎこちなかったと思う。
受け取るそいつもぎこちなかったけど。
沈黙。
突然、そいつが俺の肩に頭を預けてきた。
ビクッと、反射的に俺は避けてしまう。
「・・・ごめん」
そいつは、首を振り、俯きながら言った。
「あのさ・・・やっぱり、ケジメつけられてないや。私。」
俺は、全身に悪寒が走った。
「ごめんね。好きなんだ。」
そう言うと、そいつは帰ってしまった。
夢なら覚めて欲しい。漫画の様な泥沼の、始まり。
97 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/08/20(土) 00:21:44 ID:OsmBBmJF
鳥つけてみた。
つでは続き。
春が過ぎ、夏が過ぎ・・・秋も深まってきた頃、
過労と胃痛からくる過呼吸で意識を失い入院。
自分で思っている以上に身体はボロボロだったらしい。
担当医師に仕事をやめるようすすめられる。
社長や仲間と話し合い、2ヵ月後に退職することになった。
退職したのは年末。
年の瀬も押し迫ってきた頃2つの連絡が入った。
ひとつは彼氏から。
もうひとつはチャットで仲良くなった友人から。
彼氏は他県から地元である県に帰ってくるが、離島勤務だという報告。
友人は離島から市内へ帰ってくるという連絡だった。
98 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/08/20(土) 01:31:46 ID:OsmBBmJF
やっと一昨年の話に辿りつきました・・・orz
春。
報告があった通り、彼氏は県内の離島へ。
友人(以下:カレ)は市内へ。
これが・・・全ての始まりだった。
長引く別れ話。
どうして別れたかったのかさえ、忘れてしまいそうなくらいの時が経ち
”あの子とは別れたから”という言葉を信じてみてもいいのかな・・・
そう思うようになっていた。
あの出来事があるまでは。
99 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/08/20(土) 01:34:04 ID:OsmBBmJF
ノシ
では遅いので今日は寝ます。
また後日(ペコリ
蒼は、まだ〜?
ここでおわんなよー。
101 :
名無しさんの初恋:2005/08/20(土) 15:39:21 ID:ekzk0AvV
リアルも忙しいと思うから時間があるときに続きよろしく〜w
僕はマッタリまってますw
102 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/08/20(土) 15:48:11 ID:WaNG1pC3
ノシ
すみません、今日は携帯からなので
なかなか更新できないかもですが
できる限りうpしていきたいと思ってます。
まさか待ってくれている人がいるとは…
嬉しいものですね。
がんばります。
103 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/08/20(土) 18:21:56 ID:WaNG1pC3
信じてみよう。
もう1度。
これまで重ねてきた時間を。
彼の言葉を、気持ちを。
そう決心したものの…
自分の心にも、彼の行動にも、
何か引っかかるものを抱えたままだった。
104 :
最悪男:2005/08/20(土) 19:47:18 ID:V2eIdVfD
家庭環境は悪くも良くもなく,ごくごく普通だったが,いつ頃からか人に期待を持たない性格になっていた。友情,恋愛,愛,そんな物くだらねぇ〜!バカじゃねぇ〜のって感じで,始めて女性と付き合った16から,出会う女性を何となく落として何となく付き合っていた。
105 :
最悪男:2005/08/20(土) 19:58:57 ID:V2eIdVfD
そんな俺だから付き合っても,すぐ別れて新しい彼女つくっての繰り返し。結婚にも夢など抱けずにいたから生涯独身でいようと思っていた。
まだ外は肌寒い3月末の23の時だった。俺は家を出て寮付きの仕事を始めた。そこで俺の,考え方,人生までも変わることになるKと出会った。
「何故そんなに彼女を好きになれる。それほどの愛とは、なんなんだ、理由は」
「そうだな」と僕は言葉を選んで、言った。「僕が今まで他人に言われたことは『嫌いだ』や『死ね』とか、有体に言えば殆ど罵詈雑言ばかりだった。しかし、彼女はそんなことは決して言わなかった」
「優しかったということか」
「そう言っていいな。生まれて初めて『あなたは生きている』、『これからも生きていていい』、そう言われた気分だった。
今なら、彼女は誰にでもそうだ、と考えられるのにな。若かったよ、あの頃は」
悪意のない一言と悪意のある一言。
たった一つの言葉で職人さんや住人さんの気分も変わろうと言うものです。
各職人様、お疲れ様です。
ただ、出来ましたら、各職人様ごとにせめて簡単にお名前をお書き願えればと、
思う次第でございます。
時々、わたしの頭ではどれがどれやらわからなく…orz
108 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/08/20(土) 23:14:22 ID:WaNG1pC3
“恋人同士“に戻った私と彼氏。
だけどやっぱり今までとは何か違って…。
でもそんな事を考えている場合ではなくなった。
祖母がベランダから転落し、入院したのだ。
ケイツイ損傷で下半身麻痺。
しばらくは24時間誰かがついていなければならなかったので
まだ就職活動中だった私は、活動を一旦やめ、
祖母の側にいることにした。
109 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/08/20(土) 23:49:29 ID:WaNG1pC3
携帯じゃ何書いてるかわからなくなってくる…
また明日にでも更新します。
ノシ
今日はここまでで(ペコリ
110 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/08/21(日) 01:23:04 ID:QJU7vd+A
自宅と病院を往復する毎日が続く。
体は辛いけれど、祖母の容体が安定していくのを
見ているのはとても嬉しかった。
と、同時に彼氏から連絡が来ない事に気付く。
ない、というよりとれないのだ。
漠然とした不安を抱えながら過ごしていたある日、
自分の膝がおかしいことに気付く。
学生時代に痛めていたものが悪化したらしく、
それなりの処置が必要だと言われ、手術を受ける事に。
彼氏にも連絡を入れる。
…結局手術当日になっても、何の返事もなかった。
111 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/08/21(日) 01:56:03 ID:QJU7vd+A
手術を終えた次の日、彼氏からメールが届いてた。
“やっと明日から夏休み!車検もあるし、そっち行くよ。
なんて、車検がついでで○○に会うのが一番の目的なんだけどね“
一瞬状況がのみこめなくて送信者を確かめた。
間違いなく彼氏。
○○って、浮気相手だった子の名前…。
別れた、なんて嘘だった。
もう2度と信じない。
112 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/08/21(日) 03:06:45 ID:QJU7vd+A
術後2日目。
リハビリついでに病院の屋上へ行き、彼氏へ電話をしてみる。
留守電になるかと思いきや本人が電話に出た。
昨日のメールの話をして、別れ話を切り出す。
バレた事で開き直ったのか彼氏はこう言って電話を切った。
『お前は黙って隠れ蓑の役割果たしてればいいんだよ』
哀しいとか怒りとか、そんなものを通り越して笑いが出てしまう。
ウソを見抜けなかった自分が、
必死に信じようとしていた自分が滑稽でおかしかった。
とりあえず病室に戻り昼食をすませた後、
いつの間にかうとうとしていた私は
誰かの気配に気が付いて目を覚ました。
そこにはチャット仲間の“カレ“の姿が。
『お目覚めかね?マチクタビレター』と笑う姿に
ささくれだっていた心が癒される。
113 :
名無しさんの初恋:2005/08/21(日) 07:38:57 ID:JpaDrzec
保守あげ
これって告るとこまでいかなくても書いてヨカの?
>>116 いいんじゃね?
告白して付き合うのが恋愛の全てじゃないしな。
118 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/08/22(月) 01:37:56 ID:eDXC3m9h
起き上がろうとする私を”ゆっくり寝転がってなさい”と制するカレ。
鼻先をかすめた腕からはやわらかい石鹸の香り。
もしかして・・・
「仕事終わって寝ずにそのまま来たの?!帰って寝たほうが・・・」
「おー。眠くなったら帰る、気にすんな。」
でも・・・と続ける私にチョップ一発。
「病人がいらん気使わなくてよろしい。オレがココにいたいからいる。OK?」
コクコクうなずく私を見て、満足そうに笑うカレ。
たわいもない話をしている内に夕飯の時間になり、
「来れるときは見舞いに来るから。」そう言ってカレが病室から出て行く。
そうはいっても仕事が忙しいだろうから、なかなか来れないだろうな、という
私の予想に反し、カレは仕事の日以外お見舞いに来てくれた。
”大切な友だちの為に”
蒼タソのカレとやらは、その段階で気があるとしか思えんな。
120 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/08/23(火) 00:09:02 ID:L+mN/b02
私が入院していた病院には、看護師さんをサポートするヘルパーさんがいて、
その中の1人であるTちゃんと、歳が近いということもあり仲良くなった。
お見舞いに来てくれているカレを交えて話をすることもしばしば。
入院して10日ほど経ったある日、Tちゃんから相談を受けた。
「ねぇ、いつもお見舞いに来てるカレ、蒼ちゃんの彼氏?」
違う、と答えると彼女の表情がパッと明るくなる。
「彼女がいないようだったら、その・・・紹介してもらえないかな?」
あまりにも早すぎると自分でも思うんだけど・・・とTちゃんは言う。
初めて見たとき、惹かれるものがあって、話をするうちに
もっともっと惹かれてしまったのだと私に話す。
”お願いね”と何度も念を押して帰路に着くTちゃん。
”はいはい”と努めて軽く返事をしながら手を振って見送る。
姿が見えなくなった後、フッ・・・と脱力感に襲われる。
突然の話に緊張していたのかもしれない。
何となく気が乗らないまま、私はその場でカレに連絡をとり
Tちゃんと会ってくれるようお願いをした。
121 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/08/23(火) 11:50:39 ID:L+mN/b02
「会うのは構わんが・・・」電話の向こうで歯切れが悪い物言いをするカレ。
「もしかして、彼女・・・いたりする?」と恐る恐る問いかける。
ほんの少しの間の後答えが返ってきた。
「今はいない。でも次に付き合う相手は結婚相手、って決めてるんだよ。
前に言わなかったっけ?だから簡単に付き合ったりできない。」
そういえば、チャットでみんなにそんな事を宣言してた覚えがあるけれど、
まさか本気だったとは思ってもいなかった。
ソレよりも何よりも気になるのは“今はいない”という言葉。
ってーことは!
「転勤する前って彼女いたんデスカーーーー??!!」思わず叫ぶ。
何それ何それ。これってば誰も知らなかったんじゃないか?(笑)
「う゛・・・っ!」 しまった!とカレが呻く。
今まで言う必要もなかったから誰にも言わずにきたのに・・・とかなんとか
ブツブツと言っているのを無視して、もう一度お願いする。
「Tちゃんと今度会ってあげてね。お願い。」
脳裏にはTちゃんの一生懸命な可愛らしい姿。
お願い・・・、もう一度小さな声で重ねて言う。
電話の向こうでカレが小さく笑う声が聴こえる。
「お願いします、だろ?(笑)わかった、会うから。日時決まったら連絡くれ。」
「ありがとー♪じゃあ決めたらメールするね。」
そんなやりとりをして電話を切る。
耳の奥にはカレの焦った声。
初めてあんな声きいたな、と1人笑いながら
携帯電話の液晶を見ると“メールあり”の文字。
相手は・・・彼氏だった。
さあ、盛り上がってきましたよ
・・・で?続きは?
こんにちは
>>16です。
久しぶりに投下してもいいでしょうか?
前回と恋愛の形が明らかに違うんですが…
125 :
名無しさんの初恋:2005/08/25(木) 16:47:01 ID:BXvABNHX
いいけど、どの前に数字じゃないコテを希望したい。
127 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/08/25(木) 23:03:59 ID:rf2U0JkN
ほんの少しためらってからメールを読む。
<話したい事がある>
たった一言そう書かれたメール。
一体何を話したいのか文章からは読み取れない。
ひとつ、大きく息を吐き出して携帯電話のアドレス帳を開く。
・・・ッ・・・プルルルル
1コール、2コール・・・
「もしもし・・・?」
一気に心拍数が跳ね上がる。
「っ・・・、蒼、です。メールを見て・・・」
「わざわざありがとう・・・ヒザ、大丈夫?」
久しぶりに聞く彼氏の穏やかな声、優しい言葉。
「この間はごめん。」
そういった後、黙ってしまう彼氏。
私も口を開けぬまま時間が過ぎていく。
しばらくの沈黙の後、先に口を開いたのは彼氏だった。
128 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/08/25(木) 23:43:18 ID:rf2U0JkN
「俺のこと、嫌いになった・・・よな?」
その問いかけに答えることができない。
嫌いか?と言われれば答えは”No”
だけど、好きか?と問われたならば、その答えも”No”だ。
今、自分が抱いている感情は愛情なのか、情なのか・・・
浮気が発覚して、別れたいと思った。
だけど、嫌いになったのかどうかわからない。
そんな事、考えたこともなかった。
答えに詰まる私に彼氏が言う。
”浮気相手とはキチンと別れる、だから・・・”
「結婚しよう」
結婚・・・
何も知らなければ喜んで受けていたであろうその言葉。
嬉しいはずのその言葉が心に空しく響く。
結婚をタテに、今までのことをごまかされている気がした。
「ちゃんと、別れてから言ってほしかった。
本気なら、そうするべきなんじゃないの?」
泣きそうになるのを堪えて話を続ける。
「お願いだから、私と別れて・・・」
何度この言葉を口にしただろう。
もう、限界だった。
129 :
名無しさんの初恋:2005/08/26(金) 00:28:46 ID:WkzAH5b0
>>96の続き更新します
邪魔だったら言って下さい
130 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/08/26(金) 00:37:25 ID:3WzVT7bk
「別れる気はない」 そう言う彼氏。
話の途中で携帯電話の電池が切れてしまい、半強制的に会話は終了。
携帯を耳から離し、唇をかみしめ、強く、強く目を瞑る。
熱くなっていた携帯電話が徐々に冷えていく、と同時に
昂ぶっていた気持ちも落ち着いていく。
「戻らないと・・・」
自分自身に言い聞かせるように呟いて重い腰をあげ歩き出す。
エレベーターに乗り込んで、中の鏡に自分の姿がうつると
泣きそうな顔をしていた。
病室の隣のベッドには祖母がいる。
こんな顔で戻ったら心配をかけてしまうだろう。
もう1度目を瞑り気持ちを切り替える。
大丈夫、そう自分に言い聞かせてエレベーターを降りた。
131 :
ゆか:2005/08/26(金) 00:38:15 ID:saLaCXyJ
大好きだったその人が、他の県に引越しをすることになたのを聞かされたのは引越しの1週間前だった。
今までは一緒に居られたのはごくごく自然で当たり前のことであった。
なのに、1週間前に聞かされて動揺を隠しきれなかった。
大好きで、大好きで、毎日会うたびに幸せだったときのことなんて、忘れそうになるくらい悲しかった。
私は彼に慰めてもらっても、いつまでも泣いていた。
彼と会える最後の日・・・
私は一生に一度のファーストキスをした。
あやめが咲く6月ごろに、毎年私はその人を思い出した。
132 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/08/26(金) 00:38:19 ID:3WzVT7bk
>>96さん、お待ちしてました!
続き、早く読みたいです。
俺らの奇妙な関係が始まった。
付き合ってはいない。でも、お互いに好き。
何回も「彼氏と別れてくれ」って言いたくなった。
でも、言えなかった。
それを言っちゃうと、そいつを限界まで追い詰める事になってしまう。
それだけは絶対にしてはいけない。
そいつは―メンヘルなんだ。
そんな関係のまま、新年を迎えた。
そいつは大検受かって、進路も決まっていたから、俺の受験の応援だ。
センター試験の前日、お守りをくれた。
心強かった。
実力以上の点数が取れた気がした。
2月。3年生は家庭研修期間に入った。
134 :
名無しさんの初恋:2005/08/26(金) 00:51:30 ID:WkzAH5b0
家庭研修期間。要するに、2月いっぱいの休みだ。
進路が決まった者にとっては受験勉強の疲れを思い切り癒やせる1ヵ月。
決まってない物にとっては、地獄の1ヵ月。
俺は後者。二月の下旬に本試験だ。
二月四日。俺は学校に登校しなくてはならなくなった。
試験に使う調査書が出来たので、取りに来いと担任から連絡があったのだ。
俺はなんとなく一人でいくのはつまらないので、そいつを誘う事にした。
そいつは喜んで付いていくと言った。
中退して以来の学校。とっておいた制服を着て行く、と、張り切っていた。
そして当日。
135 :
名無しさんの初恋:2005/08/26(金) 00:58:10 ID:WkzAH5b0
チャリで2分も離れていないそいつの家に迎えに行く。
家の前で、そいつは待っていた。
正直、久々に見るそいつの制服姿は鼻血物だった。
俺は押し寄せる感情の波を必死に押さえた。
あぁ、この辺は笑うとこです。うん。
で、チャリのケツに乗せて、学校に向かった訳だ。
ケツに乗せてる間も、俺は気が気じゃ無かった。
密着しすぎなんすよ。
当たってるから、そこ。みたいな。
はい。てな訳で、学校に着いたんです。
うん。次のレスからはまた普通の文体に戻しますね。
1、2年生は普通に授業をやっていた為、校舎は静かだった。
俺が用事を済ましてる間、そいつは世話になった教師と楽しげに話をしていた。
校長に許可を得て、特別に学食で飯を食っても良い事になった。
広い食堂を二人で貸し切り。
なんとなく、嬉しかった。
帰り際、校門でそいつがぽつりと言った。
「一緒にこの学校卒業したかったな」
俺は黙ってペダルをこいだ。
相変わらず制服は似合ってたけど、少し弱々くも見えた。
137 :
16=hana:2005/08/26(金) 01:12:55 ID:y6ovXnxr
かんなり長いことになる(それこそどれくらいか解らない)けど、
とりあえず投下しますノシ
今夜の分は恋愛にすら発展しないよ…orz
138 :
hana:2005/08/26(金) 01:14:33 ID:y6ovXnxr
誰だって一度くらいは『劇的な出逢い』というものを求める時期がある。
中学三年生・夏。思春期真っ只中の私はまさに今そんな状態。
イケ面の男に会って、楽しく恋愛して、どこかの甘い恋愛小説みたいに素敵なハッピーエンド。
だけど所詮はただの女子中学生。合同コンパだってろくに出来ないし(やろうと思えば
なんとか出来るのかもしれないけど)、電車の中でイケ面が酔っ払いに絡まれてたとしても
助けることすら出来ない。助けられることもまず有り得ない。きっと恋愛にすら発展しない。
とにかく、出逢いが欲しかった。
どこか不思議な国から王子様が現れて、私を連れてってくれないかな。
なんて柄にも無いことを考えつつ、そんな狂言を絶対口に出すこともなかった。
違う。
私は可愛いお嬢様じゃないし、ましてや誰かのお姫様でもなく、ただの受験生だ。
139 :
hana:2005/08/26(金) 01:16:12 ID:y6ovXnxr
気がつけば朝だった。
重い身体をベッドから無理やり起こし、雨戸からわずかに漏れる朝日をぼうっと眺めた。
時刻は十時二十分。幼稚園の頃にお母さんから貰った猫の目覚まし時計が、
じいっとこちらを見つめている。無機質な物体であるはずなのに、
それがなんだか息苦しくて、私はさっさと部屋を出た。
昨夜からの憂鬱さ加減が、まだ拭い切れていないことを思い知る。
二階の寝室から一階のリビングに下りるときに通りかかった部屋から、
すぅすぅと規則正しく繰り返すお姉ちゃんの寝息だけが聞こえた。
食卓には、一枚のメモに走り書き。
お母さんは熱海の温泉に行って来ます。
ご飯は用意しておいたから、二人で食べてね。
私はそのままメモをぽいと放り投げ、目の前に並ぶ解凍焼きおにぎりを手に取った。
帰りに公園に寄った。
すっかり大人しくなってしまったそいつに声をかける。
「大丈夫か?」
「うん、平気・・・ちょっといろいろ思い出しちゃって。」
そいつが学校を止めた理由―精神病。
思い出させてしまった・・・
「ごめん、俺が誘ったから・・・」
そいつは、満面の笑みで言った。
「ううん、今日はすごく楽しかったから。ありがと。」
その瞬間、俺の中で壁が崩れた。
「こいつを彼女にしたい」
はっきりとそう思った。
その時、そいつの携帯が鳴った。鞄から出し、名前を見て、切る。
「誰?出てもいいのに。」
そいつは俯いた。
141 :
hana:2005/08/26(金) 01:16:54 ID:y6ovXnxr
母は数ヶ月前から足を悪くしている。
だからこうしてたまに、忽然と姿を消して『療養』という形で温泉地へと行ってしまうのだ。
母の足は、あと何年したら治ってくれるのだろう。
そんなことをぼんやりと考えつつ、私は美味しそうな焼きおにぎりの写真が
印刷されたパッケージをひっぺがえし、それを電子レンジの中に投げ入れた。
お父さんは夜帰ってくるのかな。弟はどっか遊びに行ったのかな。
そのままヴンヴンと音を漏らし握り飯を回転させるレンジから一旦離れ、
おもむろにテレビをつけた。テレビに出てくるアナウンサー達は相変わらず
ブラウン管の中で、用意された台本どおりに情報を伝え、番組を順調におし進めていく。
誰が逮捕されたのだとか、誰が脱税しただとか、そんなことばっかりだ。
アナウンサーが報告を一通り終えたのか、画面に日本地図をバックにした
お天気お姉さんが現れた。今日も一日快晴、とても熱い真夏日となるでしょう。
ピッピッピ。
「おはよう」
いつの間にかねぼけ眼の姉がドアの前に突っ立っている。
私は役目を終えた電子レンジのふたをがしゃんと閉じると、
香ばしい匂いを放つ焼きおにぎりを皿に二つ盛った。
142 :
hana:2005/08/26(金) 01:17:23 ID:y6ovXnxr
「ああ焼きおにぎりずるい」
「全部食べてないよ、あと四つ残ってる」
「ならいいよ」
そう言って姉はソファに身体を倒し、またすぅすぅと寝息を立てて寝てしまった。
「おねーちゃん」
すぅすぅ。
「あたし今からアトリエ行って来るからね」
すぅすぅ。
「おねーちゃん」
「…わかった、うん、わかった…わかった…」
そう言って、お姉ちゃんはもぞもぞと頭を動かした。顔は見えない。
彼女の目覚めは悪さは一体どうしたものだろう、と、私はそんなことを考えながら焼きおにぎりにかぶりついた。
お天気お姉さんは、結局最後までその可愛らしい顔から笑みを絶やすことは無かった。
143 :
hana:2005/08/26(金) 01:19:19 ID:y6ovXnxr
とりあえず今日はここまで。指摘感想などあればどうぞ。
あとWkzAH5bさんとかぶっちゃってすいませんでした。。。
「今日さ・・・彼氏に会おうって言われてたんだ」
「・・・」
「無視しちゃった。○○に会いたかったし。」
またそいつが笑みを浮かべる。でも、痛みをごまかすかの様な、笑み。
自分、不器用ですから。
「行けよ」
「え・・・?」
「行けって。俺の用事はもう終わったし。」
「・・・でも」
「いいから行けって」
・・・不器用すぎる。
遠ざかるそいつの背中は凄く小さかった。
その背中に、一体どれほどの物を背負っているんだろう。
その後、俺は、その公園に友達を呼び出した。
例の、俺らの共通の友達だ。
145 :
名無しさんの初恋:2005/08/26(金) 15:38:23 ID:BK1ZwNYn
職人さんお疲れ様です!!
お時間がありましたらまた投稿よろしくお願いします!!!
146 :
名無しさんの初恋:2005/08/26(金) 18:43:13 ID:v+u8CcYf
し! _ -── ‐- 、 , -─-、 -‐─_ノ
ア ギ // ̄> ´  ̄  ̄ `ヽ Y , ´ ). ア ギ
ア ャ L_ / / ヽ ア ャ
ア ア / ' ' i ア ア
ア ア / / く ア ア
ア ア l ,ィ/! / /l/!,l /厶, !! ア
ア ア i ,.lrH‐|'| /‐!-Lハ_ l /-!'|/l /`'メ、_iヽ
ア ア l | |_|_|_|/| / /__!__ |/!トi i/-- 、 レ!/ / ,-- レ、⌒Y⌒ヽ
ア ア _ゝ|/'/⌒ヽ ヽト、|/ '/ ̄`ヾ 、ヽト、N'/⌒ヾ (●) ,イ ̄`ヾ,ノ!
ア ア 「 l (●)(●) (●) ′ | | |(●)L! (●)(●) リ
ア ヽ | ヽ__(●) (●)、ヽ シ(●)! ! |ヽ_、ソ, (●)(●)(●)_ノ _ノ
-┐ ,√ ! (●)(●)(●)(●) リ l !  ̄ (●)(●)  ̄ 7/
レ'⌒ヽ/ ! | (●)〈(●)(●) _人__人ノ_ i(●)く(●)(●)(●) //!
人_,、ノL_,iノ! /! ヽ(●)r─‐- 、 「 L_ヽ r─‐- 、(●)u(●)/
/ / lト、 \ ヽ, -‐┤ ノ ギ 了\ ヽ, -‐┤(●)(●)/
ア ギ { / ヽ,ト、ヽ/!`hノ ) ャ |/! 「ヽ, `ー /) _ ‐'
ア ャ ヽ/ r-、‐' // / |-‐ く ア > / / `'//-‐、 /
ア ア > /\\// / /ヽ_ ! ア ( / / // / `ァ-‐ '
ア ア / /! ヽ(●) レ'/ ノ ア >●)∠-‐  ̄ノヽ /
{ i l !(●)●/ フ ア / (●)-‐ / ̄/〉 〈 \ /
なんで過疎ってるの?
もしかして容量オーバーした?
ちょっと、スレの趣旨とは異なるんだが。
長編っぽいの落としていいですかね?
<2005/08/29> 第壱回 『残り1ヶ月』
悪夢から目が覚める。いつも見る嫌な夢だ。
29日か…。
もうすぐ高校最後の夏が終わってしまうのかと思うと、少し寂しい物がある。
今日も部活で学校に出なきゃいけない。
実質夏休みはもう無いといえるだろう。
私の通う学校は「男女校舎別」で、男女の繋がりは殆ど無い。
その上、学力のレベルも低く、話にならないバカばかりだ。
校内行事もトラブルが発生する為に大抵は先生が取り仕切ってしまい。
男臭いし、日々に変化が無い。とにかく退屈で退屈で仕方なかった。
そこで1年の時に仲間を誘って合唱部に入った。
確かに歌うのは好きだったし、音楽の授業は大好きだった。
練習場所は女子校舎で、部活に入れば女子が居る。
女目当てで入ったといえば、否定はしないが、とにかく退屈しのぎだったのだ。
1年、2年とやってきて、今年。
毎年の話だが、男女比率は悲惨な物で、なんと1:4
男子6人に対し女子25人オーバーという状況。
当然ながら声量の問題で男にかかる重圧は大きい。
そんな練習だから、少し嫌気が出るのだがサボらずに練習に出るのは
やはり退屈しのぎなのか。他に理由でもあるのだろうか。
着替えを済まし、駅に向かう。
駅の改札に差し掛かったところで、急激な腹痛と頭痛に見舞われる。
「…(近くに居るのか?)」
横を見ると、I.Kさんが居た。
目が合ったが、私は強引にそらした。
もう5年間もこの調子だ。
足音なのか、呼吸音なのか、匂いなのか?
どういう原理なんだか知らないが、昔から彼女が近くに居ると分る。
昔はそれだけだった。
彼女は、私の初恋の人だ。
小1からずっと片思いを続け、何度か告白を挑み破れている。いい友達止まりだ。
中1の時にケンカ別れしてからは、一言も喋ってない。
今は、隣の学校に通っているが、殆ど会うことは無い。
そして私は、今も彼女の事を「トラウマ」として引きずっている。
電車の中で私は悶えていた。
なんとか、学校にたどり着いた…。
「おはようございます〜」
学校は平和だ。
「あ、おはよう」
心の葛藤を
「今日面接練習だよ〜」
作り笑いの下に隠して
「何時から?」
今日も1日を浪費する。
「2時45分。3時間も学校で待機だよ」
こいつらは知らないんだ。
「そりゃ大変だなぁ。ははっ」
……終りまで、【32日】だって事を。
とりあえず、投下してみました。
こういう文を書くのは初めてなので、不手際な点等、どうか目を瞑ってやってください。
自分の恋愛経験を書くという事で、どうせだから、「今」の自分の恋を書いてみようと思いました。
ある意味、日記型のモノですので、続くかどうか。終わるかどうかあやしいですが。
マターリ見守ってください。
駄文失礼しました。
155 :
名無しさんの初恋:2005/09/01(木) 09:52:56 ID:4etAKpcO
文才ありますよ〜w
続き楽しみにしてます。
156 :
RadicalSinger ◆GbVHcPwvTA :2005/09/01(木) 21:54:41 ID:Y+Nth2gb
>>155 ありがとうございます。
レスが無かったので、まさかあまりのつまらなさにストッパーになってたのかと思ってました。
がんばって書きます。
<2005/08/30> 第二回 別の何かを。
夏休みだからなのか、それとも悪夢の延長なのか。
駅、今朝も出会ってしまった…。
「…(痛い…。なんでこの時間にいるんだよ…。もう許してくれ…。)」
会いたくない。
会うことで、彼女にまた迷惑をかけるのでは。
会うのが恐い。
また苦痛につぶれていく自分が惨めで悔しかった。
それでも、
心の何処かでは、今も求め続けている。
彼女の事を。
逃げるように、私はその場を離れた。
今日も合唱の練習。
男の数が足りなかった為に、声の低い女の子が、こちらのパートに入ってくれた。
正直申し訳なかった。
この人には体育祭の執行委員でも、合唱でも迷惑かけっ放しだ。
彼女の名前は、M.Tさんという。
彼女と出会ったのは1年の時、この合唱部で。
初対面、しかも現実世界において「スマソ」という言葉が飛び出した恐るべき人物である。
他に体育祭執行委員などで同じだったが、3年の体育祭まで二人とも
「必要最低限の会話」しかしなかった。
彼女はベーシックは優等生という感じの人で、鋭い指摘が出来る人間だ。
常におちゃらけている私からすると楽しいが話しづらい相手だ。
最近は、時々メールを送る程度の仲で…。
「男の人で、スタートレック知ってる人始めて見た」
「え?」
言い忘れた。彼女は腐女子だ。
合唱の練習が終り、男友達でカラオケに行くことになった。
あれだけ歌ってまだ歌うつもりとは、恐ろしいものだ。
カラオケに着き、
M.Tさんに男子の練習に付き合わせてしまった事を謝るメールを送信。
返信は「喉痛かったよぉ(苦笑」相変わらず、通常の会話とメールでギャップのある人だ…。
認識していた。今、私が心に抱く、彼女への恐怖心、それと別の何かを。
メールの着信音。
友の歌う声。
激しい雨がアスファルトに叩きつけられる音。
秋の気配を見せる空気。
あいも変わらない日常。
残り【31日】…。焦っているのか、私は…。
<2005/08/31> 第参回 『発狂していた夏を』
今日も部活だ。
朝、少し早く起きていつもより一本早い電車に乗る。
会うのが恐かった。
今日は、高校生活最後の夏休み、それの最終日。
振り返ってみると、苦しい夏休みだった。
あんなに遠ざけ避けていた筈のI.Kさんに異常なほど遭遇した夏でもあった。
その度に心がかき乱され、生きているのが嫌になる。
それを振り切るように自転車で走り続ければ、
「貧血」「脱水」「過呼吸」の3連コンボで路上にぶっ倒れ病院送り。
発狂していた。全てが悲観的に見えた。
時計の秒針の音が無常に経過する時間を脳に刻み。常に恐怖感を煽る。
私の夢。夢と呼称する目標ゲームプログラマー。
狂ったように、パソコンに向かいプログラムを、ゲームを組んでいた。
自分を誤魔化していた。本当は夢なんかじゃない。
何かやっていないと意識が保てなかっただけだ。
誰も助けてくれない、「誰も本当の私を知らない」から。
あの何の悩みも無かった。
君が私から遠ざかる前の夏の日、思いっきり走り回っていた頃に戻りたいよ。
学校に着いた。
今回の練習にも、M.Tさんを着き合わせてしまっている。
本当に悪い気がする。
彼女は何故文句を言わないのだろう?人前で言わないだけなのか?
疑問の目を向けているところ目が合った。
いつも思う。この人の目は恐いんだ。
最初にそれに気がついたのは、体育祭の当日だった。
私の学校の体育祭は、クラスTシャツというものを各クラスで作り、
それに落書きをし合うという恒例行事がある。
その時にM.Tさんに落書きを頼むとこんな事を書かれた
「たまにはまじめに」
彼女の顔は、笑っていたが、目は非常に冷ややかな色をしていた。
何か、妙に自分を見透かされた気がした。
誰も本当の私を知らない。
トラウマに悶え、発狂している私を知らない。
それは、常に明るくおちゃらけているキャラクターを演じることで
自分を隠した来たからだ。
「しってるよ―…
それを見抜かれた気がした。
…─あたしは。」
部活の後、進学の面接試験の模擬練習があった。
総合評価はAだった。
何か、人前で演じる事を、その技術を、裏打ち評価された気分だった。
残り【30日】。容赦なく過ぎる時間が常に恐怖感を煽る。
162 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/09/04(日) 00:16:47 ID:fUEdq2Vy
消灯時間になり、布団へ潜りこんで肩の力を抜く。
いつも通りに・・・
振舞うというのは疲れるものだな、と思う。
”いつも通り”がどうなのかよくわからないから。
感情が昂ぶっているのを気が付かれなかったという事は
きっといつもの様に振舞えていたのだろう。
目を閉じると鼻の奥がツンとする。
こぼれるほど涙は出ない。
いつからだろう、涙をこぼすことをしなくなったのは。
そんな事を考えている間にいつしか眠りにおちていた・・・。
これって「自分の恋」じゃないとだめ?
「自分が関わった、人の恋」ってんじゃだめ?
その人に許可とればokじゃね?
許可ってとりにくいだろ…
匿名性をしっかりすれば大丈夫だと思う
166 :
名無しさんの初恋:2005/09/08(木) 23:37:34 ID:dW6T2107
保守じゃないがあげ。
<2005/09/08> 第肆回 『拒絶は生まれる』
夏休みが終り、またいつもの生活が始まって1週間ほど経った。
ある意味で「何も無い」日常に逆戻りだ。
受験、プログラミングコンテスト、合唱部、基本情報技術者試験と
決して、暇なわけじゃないが、ただ退屈で波が無い。
日常が何も無いように思えた。
気だるさに逃避と眠りに落ちる事しか出来ないで、
残された時間をどんどん浪費している。
高校に入って、合計6人から告白を受けた。 「あの先輩。突然なんですけど、あたしと付き合ってください…。」
この人たちは、私を好きだという。 「…俺の、どこがいいの?」
告白される度、相手に私の価値を問う。 「いつも明るくて、それに…」
そして、拒絶は生まれる。 「ごめん。無理。」
不快だ。
不快だ。不快だった。話を聞くたびに思った。
彼女たちは、本当の私を見ようとはしない。
ましてや、発狂してる私なんて、想像もしてないだろう。
「明るい」「面白い」そんな作り物の上っ面だけで私を好きになり。
それを「自分のモノ」にしようとした。
作り物の自分を好きだと言われて誰が嬉しい?
不快だ。酷く不快だ。
それに…。
「もう心から人を好きになることなんて事出来ない。」
私のトラウマを馬鹿にされた気分だ。
頭に血が上る。握り締めて、爪が突き刺さった拳が震えていた。
残り【22日】。
こんな日常が、やがて存在しなくなるのを知っているのに。
169 :
RadicalSinger ◆GbVHcPwvTA :2005/09/09(金) 01:33:32 ID:y+eA8glH
激しく日が開いてしまった…orz。
待ってた人いたらスマソですた。
やっと来ましたね!
待ってましたよー!
楽しみにして待ってるので
続きもお願いしますね
投下していいですか?
おk
「Connected Separations」 1
そいつ、“相棒”とは今年で12年の縁になります。
俺も相棒も、保育園年長から、音楽教室の6人グループレッスンに通っていましたが、
メンバーは一人辞め、また一人辞め、と、「アンサンブルコース」に進み、中学校にあがる
時点ではメンバーは2人だけになっていました。
仮にも「アンサンブルコース」に進んでしまった以上は、発表会では『アンサンブル』をせざるを
得ませんでした。そんなわけで、中1の3月の発表会には「2人だけのアンサンブル」という、
何とも滑稽な形での合奏になりました。俺が電子オルガン専攻、相棒がピアノ専攻。曲目は、
T-SQUARE「TRUTH 21c」、F-1のテーマ曲。
発表会当日、俺はいとこの結婚式に参加することになっていて、発表会会場には出番直前に
到着する予定でした。これが、かえって緊張を和らげることになったのかもしれません。
会場に到着したときには、ちょうど出番の5つ前のグループが演奏を終えたところでした。
客席の後ろから相棒の席を探していると(“同じグループは固まって座りましょう”というやつです)、
「あっ、来たよ!」という声が聞こえました。声の方に顔を向けると、ちょうどこちらを振り向いた
相棒と目が合いました。
「遅ぇな、おい!」
開口一番そう言った相棒。そうは言っても、それほど怒った感じには見えませんでしたが。
「仕方ないっしょ、結婚式だから」
「新婦さん綺麗だった?」
「そりゃもう。名前忘れたけど」
とりとめのない話をしていると、招集がかかりました。
演奏は、俺が電子オルガン、相棒がピアノ。俺が自動演奏データを開始させるところから
始まります。弾くよ、と合図すべく、相棒の方を見やりました。相棒はこちらを見て、軽く頷き
返しました。
アイコンタクト。これを後に思いも寄らぬ場面で思い出そうとは、想像もしませんでした。
「Connected Separations」 2
発表会は、成功でした。
あとでビデオを見てわかったことですが、聴いてくれていたちびっ子がよくノッてくれていて、
少なくとも俺にとって、それまでで一番楽しいテイクでした。
その後、中学2年の年、町の事業で行われている豪州海外派遣でも2人とも派遣メンバー、
宿舎は同じホテル。3年生では同じクラス、そして読書感想文も、部門こそ違うものの、2人とも
県の審査で入賞。何をするにも、近くにはこいつが居た気がします。周りからも、そう言われる
ことがありました。
俺は気恥ずかしさもあり、そう周りから言われるたび「腐れ縁」などと言っていましたが、本当は
“近くにこいつがいるのが普通”と錯覚していました。“相棒”の感覚を感じたのはこのころでした。
2月、推薦入試で一足先に高校に合格した俺は、その“ご褒美”として携帯を買ってもらいました。
といっても、最初は待受画像を色々変える、などという思想はあまりなく、デフォルトのカレンダー
の待受を使っていました。
携帯がもらえれば色々なところに持っていきたくなるもので、音楽教室に持って行ったときに
相棒にも見せびらかしました。結局、この日は相棒と音楽教室の先生にアドレスを教えることに
なりました。
帰宅後、携帯を持ってぼうっとしているとメール着信。相棒でした。
「待受寂しそうだからカナヘイの待画ァゲル☆」
書かれていたアドレスにあったのは、“カナヘイ”のヤギが手紙をくわえた絵でした。どうにも俺が
使うには明らかに“かわいすぎる”ような感じを受けるものでした。
「アンタ俺に一番似合わなさそうなヤツ選んだろ 笑」
メールの返事にはそう書きつつも、画像を携帯に保存しました。多分使わねえだろうな、と思いつつ。
175 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/09/12(月) 01:06:20 ID:5lWOLPf3
朝。
スッキリとしない目覚めに不快さを感じながら、軽く身体を捻って筋を伸ばす。
『・・・!っつぅ・・・』
上体を思い切り捻ったときにつられて動いた右膝に、痛みが走って思わずうめく。
抜糸も済んで、傷口はもう閉じているのに奥深くが痛む。
まるで自分のココロみたいだ、そう思う。
切り裂かれたココロを外からは分からないように繕って
奥深くに残った痛みを無視している。
痛みがあることは紛れもない事実なのに、痛くない”フリ”。
そうやって、痛みが遠のくのをジッと待っている。
バカみたい・・・そう思った。
176 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/09/12(月) 01:28:23 ID:5lWOLPf3
自分の中のもやもやが何なのかはっきりと確かめる前に
まずはやるべきことがある。
やるべきこと=確かめること になるハズだけど。
Tちゃんとカレに連絡をとる。
今日の午後なら2人とも時間が空いているのがわかったから。
カレの仕事の都合で夕方からにはなったが、会うことはできる。
いきなり2人で、というのは恥ずかしいとTちゃんがいうので
病院ロビーで夕方会う事になった。
なんとなくソワソワしながら夕方を待っていると、
少し早めにカレが病室へ姿を見せた。
『女の子と会うのに気合いれてこないの〜?』と笑う私に
『別に、無理に自分をよく見せたってしょうがないだろう』と笑って返すカレ。
強い人だな、といつも感じる。
生きていく中で不安を感じないことはないだろうけれど
自分は自分、そういえる強さがカレにはある。
そんなところに、ミンナ惹かれているのだろう。
そう、Tちゃんも。
そして・・・
私も。
GJ!!
激痛に苛まれながらこの文章を書いている。
この痛みに敵う方法を、誰か教えて…。
<2005/09/12> 第伍回 『日常と激痛と』
今日も、部活の練習があった。
「すいませぇ〜ん。遅れました」
「うわ…。」
視線は足元のケーブルを追い、行き着く先にはラジカセがあった。つまりは今日は…。
「さっきまで録音練習してた」
「やっぱり…」
珍しくMTさんから話しかけて来た。いつも私から話しかけているのに。
今日は機嫌でも良いのだろうか。
―この人と目を合わせるのが恐い―
無意識に目をそらそうとしているんだ…。
男子が少ないから、今日も男子パートに入ってもらってる。
先生が交代で各パートを見るパート練習に入り、その教室チェンジの時だ。
教室を出てきざまに、一人の後輩が
後輩♀ 「せんぱぁ〜い」
私 「ん?」
後輩♀ 「I LOVE YOU〜♪」
MTさん 「えっ…」
友達♂ 「プッw」
私 「ははっ、困るね〜」
おどけた冗談だと分ってる。
でもその発せられたその言葉は、作り笑顔の下の【僕】を不愉快にさせる。
「お疲れ〜。」
部活が終わった。
「このドア、中途半端なところで止まるはずなんだけど…」
「へー」
「ってか、そっちにスリッパしまいたいんだけど…」
MTさんとドアの止まるポジションを互いに反対側から、ドアノブを押して探す。
まったりとした時間だ。コイツと友達みたいに話せたら面白いだろうな…。
だが、この後、私は苦痛に悶えるとは知る由も無かった。
靴箱付近の自販機で友達♂とジュースを買っていた時だ。
「せんぱぁ〜い、おごって」
「えー。お金ないから嫌」
さっき冗談をかました後輩♀だ。私は、作り笑顔をやめない…。
その後話の流れが続き、帰り道彼女のグループと一緒に帰った。
そして、電車のホームで、二人きりになった時だ。
「先輩、ポテトおごって〜」
「嫌だって」
「ケチぃ。そんな事じゃ彼女できませんよぉ」
「…作る気無いよ」
「おごってぇ〜」
しつこかったので、「じゃんけんに勝ったらいいよ」と言った。
「はっ!!」
しかし、負けてしまった…。
250円のフライドポテトを奢る羽目になった。が、これで黙るならいいかと思った。
フライドポテトを買おうと、売店に向かった。
女子高生の集団が、店の前に居て、変な目で見られているような気がした。
―――カップルに見られてる。
私の自意識過剰だろうか?
そうだろうが、そうじゃなかろうが、どちらにしろ嫌な気分に変りは無い。
ポテトを買い、電車を待っていた。
急に背中に寒気を感じた。
そして振り返り、ホームに降りる階段の方を見た。
…I.Kさんだ。
見られた。
急激な腹痛が体を襲う。
歯を食いしばり、彼女に背を向けた。
「先輩、たべます?」
「いいや。」
後輩の笑顔がいやに憎たらしく思えた。
すぐ、ホームに電車が到着した。
後輩♀と別れ、逃げ込むように電車に乗り込んだ。
「もう一度だけそばに居させて欲しいと
言った日が遠ざかって
もう二度と会えないと
泣いた夜にずっと背を向けてた。」
残り【18日】。歌う意外に、この痛みを誤魔化す術を、僕は知らない。
183 :
RadicalSinger ◆GbVHcPwvTA :2005/09/12(月) 22:33:05 ID:4VNecOnY
かなり長くなっちゃってごめんなさい。
それと今回も読みにくいモノになってしまった感があって大変スイマセン。
痛いのは、今だいぶ楽になりました。
それでは。
184 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/09/12(月) 23:42:33 ID:5lWOLPf3
RadicalSingerタソ乙です。
いつもながらGJ。
では、私も投下させていただきます。
185 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/09/12(月) 23:43:27 ID:5lWOLPf3
シン・・・と静まり返った病院のロビーは、夏だというのに
ひんやりとしていて、現実世界と隔離された空間のように思える。
Tちゃんが来るまであと少し。
ソワソワしている私の背中に向かってカレは唐突にこう問いかけてきた。
『なぁ、蒼。・・・お前は一体何がしたいんだ?』
振り向かなくてもわかる、カレのまっすぐな視線。
自分のココロの中にある小さな小さな想いを見透かされたようで、
スグに答えることができずその場に固まる。
『何がしたいって・・・女の子の紹介。』
振り向きざま、努めてマジメな顔でカレにそう答える。
笑うことは、できなかった。
まっすぐな視線から目を逸らしたくなる。
だけど今逸らしちゃいけない、そんな気がした。
巨匠が2人も来ちゃうと投下しづらいYO…つД`)
188 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/09/13(火) 00:23:53 ID:fhOe5mB0
どれくらいそうしていただろう。
長く思えていたけれど・・・多分、ほんの一瞬のこと。
『蒼ちゃん、遅くなってゴメンね!』
そう言いながら小走りにTちゃんが駆け寄ってくる。
カレ、を見るとTちゃんは恥ずかしそうにうつむく。
いつもよりも少しだけお洒落な格好とメイク。
ふんわりと甘い香りがたちこめる。
Tシャツにハーフパンツ、右膝には装具といういでたちの自分が
とても恥ずかしく思えて、この場を早く離れたい衝動にかられてしまう。
そんな気持ちを払うようにカレとTちゃんをお互いに軽く紹介する。
『Tです、初めまして・・・ではないですよね(笑)』とTちゃんが笑う。
『Nです。どうも』とカレも笑う。
会話が弾んで来たところで少し距離をとり、2人を眺める。
ぎゅう・・・と胸がしめつけられてイタイ。
そして思い知らされる。
私は、カレの事が 好き なんだと。
189 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/09/13(火) 00:24:51 ID:fhOe5mB0
今日はコレで終わりますノシ
>>186タソ投下キボン щ(゜ロ゜щ)
やっぱ良いなー
職人さん乙
191 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/09/15(木) 01:40:03 ID:n4O9jTUU
お久しぶりです。
ちょっと落ち着いたらわたしも投下してもよろしいでしょうか。
お目汚しですけれど、職人さんを見ているとなんだか落としたくなってきました。
…ですが、前スレ探す手間をはずして初めからのほうがいいのでしょうか…
それともやはり落とさないほうが…
<2005/09/18> 第陸話 『あれから…』
昨日、学校の面接試験に行って来た。
そのあと、友達に誘われカラオケへ。
あれから、もう1週間…。
あれだけ歌って血の味がした喉も治癒し、私はまた歌っている。
…声が変わった。
風邪の時に大声を出すと声が変わってしまうように、
私が強引に引き出した声は、喉を壊し、以前までの声を失わせた。
それはまるで、自虐して自分を変えていく自分の姿を抽象しているようだった。
もう何度、この声は姿を変えただろう。
いつも口ずさむ歌が、今、透き通って喉を越える。
今まで出なかった高音部でさえ、歌えてしまった。
”体” が ”私” に皮肉を言っている。
素直な歌い方が出来なくなって、何年経ったんだろう。
過去の事を思い出していた。
I.Kさんとの記憶。
一番、僕が幸せだった時間。
訪れた夜に泣き止まない僕。
また一緒に居れた、あの2年。
そして、死んだ”僕”生まれた”私”。
気がつけば、時間は、一気に朝から夜へと消化された。
憂鬱だ。
出会ってから、もう11年か…。
いろんな記憶の中の、どこもかしこも、君が居る。
核だった。人生の。だから、失った僕は後ろを向いて歩くことで、今まで生きてこられた。
急に手が動き携帯に向かっていた。
宛先:MTさん
───────────── 何してるんだ?
_, ,_ パーン
( ‘д‘)
⊂彡☆))Д´)
─────────────
送信者:MTさん
内容─────────── 私は一体何をしようとしている
何ー!?
ぇ、何、何かした私??!
─────────────
宛先:MTさん
内容─────────── 分らない、自分の気持ちが分らない。
憂鬱だから、ビンタしてみ
ました(ぉぃ
─────────────
送信者:MTさん
内容─────────── 一体何を考えてるんだ?
憂鬱だからって……;
メールで叩かれたの
初めてですよ
─────────────
宛先:MTさん
内容─────────── 「…助けを…。」
_, ,_ パーン
_, ,_ ( ・д・) _, ,_
( ・д・) U☆ミ (・д・ )
⊂彡☆))Д´)☆ミ⊃
バコッ , ,∩彡☆ パーン
( ) パーン
─────────────
送信者:MTさん
内容─────────── 助けを求めている?
い、いじめに発展してる!;;
痛い痛い痛いですから!
─────────────
宛先:MTさん
内容─────────── 彼女に?
なぐって、ごめんね。
なんか変だわ、今。
─────────────
送信者:MTさん
内容─────────── 彼女なら理解できるの?
うん、なんか変やね
憂鬱って…何かあった?
─────────────
宛先:MTさん
内容─────────── これじゃ、あの時と同じじゃないか!!
まぁ、いいや。
変でごめん。またね
─────────────
送信者:MTさん
内容─────────── ごめん…。
うん……
また火曜日にね、合唱で
─────────────
それは、高校に入ってすぐの話で。
私立だった学校は、学校のルールを生徒に叩き込む為に、即行で合宿を敢行した。
その中で、縄跳びをするというのがあり、その時、出来たばかりの友達と
どんな女の子が趣味かという話に花を咲かせようとしていた。
目の前で飛んでいる女子等を指差し、彼は言った。
「あの中で言うと、誰?」
斜め前のクラスの先頭で飛んでいた人に目が向く。
「あの子かな」
その時は、なんとなくだった。
合宿が終り、普段どおりの生活が始まった。満員の通学電車にはため息で零れるばかりだった。
そんな時、2つ目の駅から乗り込んだ客の中に、同じ学校の制服を来た女子が居た。
縄跳びの時の人だ。
目が合った。
それから、朝、同じ電車で会うたびに、私はいい気分になった。
その人は、いつも、不機嫌そうというか、寂しそうというか、そんな表情を浮かべていた。
それに惹かれて気になってしょうがなかった。そう、私は恋に落ちた。
「なんで、あんな表情してるんだろう」
「話しかけないと…」
「どうやって、携帯のアド聞けばいいんだよ」
毎日、そんな新たな悩みを抱えがてら、今の私が、普通に人を好きになれたという満足感があった。
しかし、私は気がついてしまったんだ。
あの表情、あの感じ。似てる…。
それは、あまりにも笑えない現実だった。
I.Kさんと似てる。
無意識に感じ取っていたのだろう。彼女に、I.Kさんの影を求めようとしていた。
なんて愚かな事だ。
私の中で、自己嫌悪と恋愛感情の板ばさみが始まり、その葛藤の苦しんでいた。
それが嫌になったのか。勇気に足を進ませたのか分らないが、
私は、2年の梅雨に、彼女にアドレスを聞いた。
断られ。私は、そのから抜け出すことが出来た。
認識した。 もう、普通に人を好きに、なれないのだと。
そんな時に、中学校の同級生で委員長と呼んでいた人が、相談に乗ってくれた。
何があったかを、トラウマの事も、詳しく内容を話すことは無かったけど、
「話を聞くよ」と言ってくれて、それは感情の緊張を解くものだった。
「会って話せないかな。」
そのメールを見た瞬間、欲望が、体を駆け巡った。
このまま会いに行けば、多分、彼女を押し倒して襲ってしまう。
意外に脆くなかった理性が、欲望に噛み付きそれを抑制した。
「ごめん…。」
…今。私は、MTさんに、同じ事をしようとしていたんじゃないだろうか。
今度、また同じ事があっても、この弱った理性じゃ、欲望を押さえ込めるか分らない。
そんな不安が、私にあった。
残り【12日】。
あと、それだけ耐えれば、私は、解放されるのか?
200 :
RadicalSinger ◆GbVHcPwvTA :2005/09/18(日) 22:45:37 ID:olXQ0+hl
なんか、汚い話ですいません。
ここ純愛板なのに。
>>184 さんくすです。
密かに蒼氏を応援しておりますお。
>>186 私も投下待ってますよ〜。
>>191 初めからきぼん、に2票目です。
それでは。
201 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/09/18(日) 23:40:59 ID:0TAwqSXF
カレへの想いに気付いたと同時に自己嫌悪に陥る…。
私はいつからカレを男性として見ていたのだろう。
彼氏と別れようと思ったのはその想いがあったから?
自問自答を繰り返す。
これじゃ…浮気した彼氏を責める資格なんてないじゃん。
そんな事をぐるぐる考えている内に2人の話が
深いところまで進んでいた。
『あの…Nさんは彼女作る気、ないんですか?』
『仕事が忙しくて出会いが、ね』と苦笑いするカレ。
ほんの少しの間の後、Tちゃんが意を決したように口を開いた。
『あの…、じゃあ…』
202 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/09/19(月) 00:01:50 ID:vm3wKKTo
これはきっと…自分の気持ちに向き合わず、
カレへの想いに気付かないフリをした私への罰。
Tちゃんに想いを寄せられて嫌な男の人なんてきっといない。
耳を塞ぐこともできず、その場から動く事もできずその時を待つ。
『あの…、じゃあ…私が立候補してもいいですか?』
シン…と静まりかえったロビーにTちゃんの声が響いた。
あげ
キニナルーキニナル!マテルヨ
206 :
名無しさんの初恋:2005/09/20(火) 02:02:50 ID:ffzxpk11
めっさきになる…
207 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/09/20(火) 22:20:04 ID:hNCctsbb
ええっと…流れぶった切るみたいであれですが、投下します。
文章力ないのでそのあたりは申し訳ないのですが大目に見てください。
208 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/09/20(火) 22:20:42 ID:hNCctsbb
はじめの出会いはネットだったけれど、これは本当にきっかけ。
これはきっかけってどこにでもあるんですっていう素敵な見本。
出会いと言うのは正確には、たしか一年半前。
というのも、はじめはとあるサイトのチャットでした。
登場人物はHNの頭だけを使って書くことにします。
クライアントはIRCを使ったもの。
ブラウザチャットよりレスポンスが早いので、イライラせずに済むと言う、
短気なわたしが選んだコミュニケーションの一つ。
そんなチャットチャンネルに入ってきた人物。
自分で地雷を埋めた地雷原に自分から突入して大爆発起こしてるような、
所謂盛り上げ係というか、ムードーメーカーな明るい性格の人物。
それが彼、Cさんでした。
『面白い人だなあ』
チャットで会話するたびそう思いました。
ノリのいいメンバーの中でもひときわノリがよかったせいか、人気者で。
『Cさんだからなあ』
18禁すれすれの発言だか冗談なのか本気なのかわから無いような、
そんな発言をすると大抵そういわれて、参加者に納得されるような人。
そのサイトが閉鎖されることなり、わたしがそのサイトに参加していた
人たちの受け皿を作ることになりました。
つまり、わたしが管理人を引き継ぐ形になったのです。
209 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/09/20(火) 22:22:10 ID:hNCctsbb
それから約2ヵ月後、今年の頭に同地域(同じ都道府県内)に住んでいたのもあって、
『折角だからオフ会かねて初詣に行こう』と言う話がもちあがり、
初詣に行くことになりました。
はじめ、Cさんとわたしだけしかその場にいなかったため
2人での初詣になるところを、さすがに初顔合わせの男女2人で行くには
抵抗があったので、Sさん(女の子)を巻き込むことにしました。
初詣に参加したのは3人。Cさんと、わたしと、Sさん。
連絡手段はメールと携帯。
全員顔をあわせるのは初めて。上手く合流できるか心配でした。
当日、Sさんとは私鉄沿線が同じなのもあって先に合流し、
Cさんとは後で合流することになっていました。
Sさんとはすんなり合流でき、電車を乗り換えてCさんとの待ち合わせ場所へと
向かいました。
Sさんは控えめながら楽しげに笑う人で、仕事が警備員であるせいか、
少し身体ががっしりした感じの方でした。背はそれほど高くもなく低くもなく。
反応が可愛いのでチャット内でも『萌えっ子』といわれるだけはあります。
改札を通る人間は何人もいて、人の流れがある中で1人。
柱にもたれて文庫本を読む、眼鏡をかけた青年がそこにいたのです。
「携帯、鳴らしてみる?」
流石にいきなり声をかける勇気はなかったのでどうしたものか、
と顔を見合わせたところでした。
210 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/09/20(火) 22:23:11 ID:hNCctsbb
「Dさん(わたしのことです)と、Sさん?」
向こうのほうが気がついて声をかけてきたのです。
「あ、はい。わたしが〜」
各自簡単に自己紹介をして改札を出ました。
チャットで話をする間柄、軽く自己紹介するだけで十分でした。
初めて顔をあわせたときのCさん印象はチャットと変わらないな、と言う感じで。
身長はさほど高くない(本人曰く165cm)、ごくごく普通の冗談の好きな男の子、
といったところでしょうか。
目の前にチャットで会話する仲間がいることが、新鮮で不思議な感じがしました。
毎晩のように文字では顔をあわせているのですから、初めて会ったと言う印象は
全然ありません。
211 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/09/20(火) 22:24:55 ID:hNCctsbb
流石に正月3が日が過ぎた後のためか、神社の境内にはほとんど人はいませんでした。
―――今年はいい事ありますように
『今年は』と言うのは去年は自分の身の回りで、人間関係を主に
問題と難題がたくさん発生したからだったのですが。
今年はいい事あるといいな。
そう思って普段行かない初詣にいきたいといったのです。
正直、Cさんがどんな人間なのか、知りたい理由もありました。
「お昼どうしようか」
正直、ここは電気街(場所がばれてしまいますね)でしたので、
食べるところは差ほどたくさんありません。
カレー屋さんの前を通ります。
「カレーは?」
Cさんが言いました。
わたしは全員の服装に目を向けます。
わたし→黒。Sさん→明るいパステル調の服。Cさん→白い毛糸のセーター。
「却下。CさんとSさん、カレー食べると大惨事ですよ」
外でカレーを食べる際、白や明るめの服はカレーが付いた際の危険度は高いのです。
ぴちっと跳ねて汚した場合、洗濯してもあの色はなかなか落ちません。
「じゃあ、どんぶりとか」
どんぶり屋さんの前でCさんが言います
212 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/09/20(火) 22:26:14 ID:hNCctsbb
「…君はアレか? 食べ物屋さんの前で、適当に言ってるだけだな?」
にこりと微笑んで冷ややかにCさんを見ました。
ちなみにこの間、Sさんは「そうですねー」「どうしましょー」と
相槌を打っているだけで、完全にわたしたちに任せるつもりのようでした。
「だってお腹減ってるんだもーん」
「子供か!?」
ががーん。と突っ込みます。
このあたり、完全に普段のチャットのノリです。
関西人なので突っ込みはお手の物、即座に入ります。
結局、そのどんぶり屋さんで昼食をすることにしました。
その後噂のメイド喫茶へ。
メイドさん好きのわたしのたっての願いだったからでした。
だって、メイドさんの制服、可愛いじゃないですか。
お店の雰囲気にちょっと拘りますけれど…
感想は……ちゃらちゃらしてて好きくない店だった…
閑話休題。
その後カラオケを存分に楽しんで家路に帰りました。
213 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/09/20(火) 22:27:20 ID:hNCctsbb
今日はこのあたりで止めておきますね。
お目汚し失礼しました。
214 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/09/21(水) 00:32:39 ID:EtAl9Qlf
ジッとカレの言葉を待つTちゃん。
私は無意識にうつむき、唇を噛み締めていた。
『Tさん…』少し困った顔のカレ。
『はい…?』緊張と、期待の入混じった面持ちで答えるTちゃん。
『Tさんは、オレの何に好意を寄せてくれているの?』
笑顔に見えるけれど目が笑っていない。
まるで自分が問われているかのような錯覚に陥る。
『蒼ちゃんの友達だし…』
Tちゃんが口を開いた。
『仕事もきちんとしたもので…誠実そうだなって…』
『わかった。そこまででいい。』
カレはTちゃんの言葉を遮ってしまった。
それ以上、話す必要はないと言わんばかりに。
このスレでまだ大学生さんのこと覚えてる人いるかな…?
>>215 ここにいるぞ〜
彼は今どうしてるんだろう・・・
217 :
名無しさんの初恋:2005/09/21(水) 18:27:10 ID:EtAl9Qlf
なぜ言葉を遮られたのかわからない様子でTちゃんはカレを見つめる。
瞳には不安の色。
私は…?
私はカレのどこが好きなんだろう。
考えれば考えるほどわからなくなってしまう。
カレが小さく息を吐く音で我にかえった。
『…Tさんは“オレ“じゃなくて、この仕事に就いているオレに好意を持っているんだと思う。』
ハッとした表情を浮かべるTちゃん。 やっぱり、といった顔のカレ。
『Nさんとは会ってまだ間もないし…』
『うん。なのにオレに好意を持ってくれたのは、
オレがこの仕事に就いていて誠実そうだと思ったからだよね?』
そうTちゃんに問うカレはもう笑っていなかった。
218 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/09/21(水) 19:01:12 ID:EtAl9Qlf
>>217に名前いれてなかったorz
職人の皆様乙ですノシ
>>216 古参がいたか…
何気に書き込んでないか全レスチェックしちゃったよw
220 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/09/21(水) 21:34:03 ID:+MSdj/iC
221 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/09/21(水) 21:35:00 ID:+MSdj/iC
話題の絶えない、ネタ満載、軟派に見えて実は硬派だとか、変な友人…と言うか
特殊な友人たちに囲まれた環境で育ってるとか。
Cさんに会って、チャットで見えないところが見えて、チャットのなかで
普段話しているときから、少し気になる人物であったのもあり、恋とは呼べないような、
でもほかの人と違う何か特別な感情を抱きだしたのはこのころ。
当時わたしには遠距離で彼氏がいたけれど、その彼氏との間がギクシャクしていて、
別れる寸前にありました。
グダグダと付き合うのは彼にもわたしにも悪いと言うことで。
2月。
わたしは彼と別れる決意をし、そして別れました。
『これ以上付き合うのはお互いのためにならない』と。
彼もそれを承諾し、別れたのです。
222 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/09/21(水) 21:35:54 ID:+MSdj/iC
初詣以降。一ヶ月毎あたりに機会を見つけてはイベント(〜博とか)などで
集まるようになりました。
このころにはもう一人、S氏という人物が増えています。
プチオフ会は大抵何らかのイベントでSさんが行きたがるのから始まりました。
Cさんの人となり、と言うか、いまだネタとしてあげられる一つのエピソードがあります。
夕食を喫茶店(ここもやはりメイド喫茶(笑))で食べた後、『おなかいっぱいだ』と
いいながら店を出たCさんが反射的に(本人曰く脊髄反射だそうです)『吉牛行くか』
と発言。
「いま食べたばかりじゃない」
わたしがすかさず突っ込みます。
「おおぅ」
自分の発言が恥ずかしかったのか、その場で頭を抱えてしゃがみこみつつ、
のた打ち回るCさん。
「…はいはい」
しゃがみこんだ彼に、オフ会参加者が取り囲んで頭を撫でると言う光景が
その場にありました。
以降。
『食べ物を食べた後、満腹でも吉牛に行こうと言う、気概のある漢(BUT:男)』
としてチャット内でいまだ語り継がれています。
223 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/09/21(水) 21:36:30 ID:+MSdj/iC
4月の中旬。
「花見がしたい」
突然駄々をこねるようにわたしが言いました。
わたしの家の周辺には市の木である桜がたくさん植えてあるけれど、
「花見」として友人同士集まるようなことがなかったため、
『わいわいと花見をしてみたい』、と言うのがあって誘ってみたのです。
ちなみに、高校のときからの友人たちは軒並み同人誌の原稿や仕事などで
動くに動けないらしく、誘った直後断られました。
ほかのメンバーの時間が合わずに、結局二人で花見に行くことになりました。
待ち合わせ場所に着きます。
Cさんは人身事故のために電車が止まってしまい、遅れると言う連絡があり、
待っている間は暇なため、メールを交換します。
わたし:電車、どう?
Cさん:もうすぐ動く〜
わたし:そっか、よかった。お昼、なににしようか
Cさん:なんでもいいけどカレー以外なら
わたし:…またカレー? 拘るなあ
Cさん:昨日の夜食ったからだ
わたし:わかりやすっ!?
Cさん:で。なににしようか。Dさん、なに食べられないんだっけ。
わたしにはアレルギーがあり、蛸や海老、烏賊などの海洋軟体類が食べられません。
わたし:まあ、シーフードなんちゃら〜とかじゃなかったら、概ね大丈夫だから。
メールをやり取りしている間にCさんが乗っていた電車は動き、
15分ほど遅れて無事合流。
お昼は結局、うろうろしているうちに不意にわたしが『天津飯が食べたいな』と
言った為、中華になりました。
224 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/09/21(水) 21:38:16 ID:+MSdj/iC
「夜桜ってしたことないんだよね」
Cさんが言うので、それなら、と花見は夕方からすることにし、
それまでは喫茶店やお店を回ることにしました。
Cさんがコーヒーが苦手だと言うので、わたしお勧めの紅茶の専門店へと案内します。
わたしはコーヒーも好んで飲みますが、紅茶にはこだわりがありました。
「いいでしょ〜。ここ。友人に教えてもらったのです。ちょっと高いのですけどね」
「お洒落ですね。と言うか、こういうところは俺、あまり来ませんし…」
「わたし、給料日開けとかに来るんですよ。本を持って1〜2時間とか平気だったり」
「へ〜」
会計を済ませ、店を出ました。
先にお金をさっさと払われてしまったので慌てて追いかけて、Cさんの手をとって
夏目さんを握らせました。
奢られると言うのはあまり好きではなく、『自分で飲んだり食べたりしたものは
自分で払う』と言うのがわたしのスタンスなのです。
「…奢るのに」
Cさんは受け取りながらそういいました。
「奢られるのは駄目なのー」
そういってしっかりと手に夏目さんを握らせました。
225 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/09/21(水) 21:40:52 ID:+MSdj/iC
連投もあれなので止めて置きます。
蒼さんの続き楽しみにしています。
俺も一応古参だ。
大学生さん小説は全て保存してる。
まじですか!うpしてくれませんか!?
228 :
226:2005/09/23(金) 23:16:23 ID:aBIczbCG
>>227 マジだが、ここでうpすると今いる職人さんの邪魔になる。
まとめサイトみたいなのがあればそこにうpすんだが…
ちなみに小説とその時のコメントなども保存してるから
大学生さんの誠実さがリアルにわかるぞ
229 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/09/24(土) 01:01:24 ID:2C++brXN
230 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/09/24(土) 01:02:46 ID:2C++brXN
てくてくと街中を歩いて、雑談をします。
「Dさん、確か彼氏いたよね。遠距離なんでしょ?
いいのかなーこんなところで男と二人花見に行くなんてねー」
冷やかすようにCさんが言いました。
「…別れたんだ。このまま続けると、二人とも良くないから」
「へ、え? あ、そうなんだ…ごめん、悪いこと聞いた」
流石に『悪い話を振ってしまった』と思ったらしく、しょげてしまったCさんの頭を
撫でながらいいました。
「気にしないでいいよ。縁がなかったんだ。友達としてはいい人間だけど、
恋人として失格だったんだよ、お互い」
頭のてっぺんには少し腕を上げなければ届かなかったので撫でている姿は
少し変に見えたかもしれません。
わたしの中で、前の彼との話は『終わった話』になっていたので、
あまり別れて寂しいとかそういう感じはしませんでした。
「ですから、次の恋を探してみようかと。こう、(わたしより)お金持ちで
(わたしより)背が高くて(性格が)いい男で女の子大事にする人どっかに
落ちてないでしょうかねー」
わたしは仕事上、月収が10万未満です。身長は152〜3cmといったところ。
よっぽどひん曲がってない限り、性格は悪いとは思いません。
「Dさん高望みしすぎ」
呆れたようにCさんが呟きます。
「あらー? 望むのは自由ですわよー?」
「いや、まあそうだけどね」
しんみりした空気を吹き払うように、努めてわたしは明るい口調で笑いました。
231 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/09/24(土) 01:10:19 ID:2C++brXN
15時ごろ。
桜の名所でもあるその公園にわたしたちはいました。
てくてくと歩いて桜並木を潜り抜け、適当な場所に座ってぼんやりと桜を眺めます。
わたし自身、その時期は仕事などでいろいろストレスがたまっていて、
グダグダだったのもあり、まったりと流れる時間はとても気が楽になって、
気分が良かったです。
仕事の話などをしました。
Cさんはプログラマーさんだそうで、レジの修理などをする仕事をしていること。
夜帰るのも遅いからのんびりする時間もあまり無いことを教えてくださいました。
「それだとこういう時間があったほうがいいんだね」
そういうとニコニコしてCさんは答えました。
「そだね、こう気持ちがいいと、眠くなってくる」
そう言って、肩に少し凭れてきたのです。胸がどきどきしました。
気づかれないか、聞こえないか…すごく心配しながら…
このときから、さらに彼が自分のなかで大きく存在するようになりました。
現金だな、と。
家に帰ってお風呂に入りながらわたしは呟きました。
つい1〜2ヶ月前に遠距離だったとはいえ、彼氏と別ればかりです。
もう次に気になる男の人がいるなんて、そんな軽い女だったのかと。
自分で自分がすごく汚い感じがして、わたしは自己嫌悪に陥りました。
232 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/09/24(土) 01:11:16 ID:2C++brXN
今日はここまでにしておきます。お疲れ様でした。
まとめサイト作りたいけど、
どっかの人らと同じ轍を踏みそうでガクブル
「2ちゃんねるプラス」にだったら大いにお願いしたいところだが
234 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/09/24(土) 15:43:57 ID:2C++brXN
どこかフリーのスペースで作成…というのは難しいのでしょうか。
わたしももう一度一からまとめてみてみたいです。
一応トリつけとく。これが終わったら名無しに戻るが。
捨てアド載せたから欲しい人はそこに送ればいい。
236 :
翔:2005/09/24(土) 22:18:19 ID:tNwTEQvF
好きな人が出来ました。名前は、あやです。
ちなみに今日は十一時前に落ちる。
その後に送った奴は明日添付したの送信するから。
238 :
翔:2005/09/24(土) 22:20:14 ID:tNwTEQvF
相談に載ってください。
240 :
名無しさんの初恋:2005/09/26(月) 03:24:47 ID:N6tDgjoU
つづきまだー?保守
241 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/09/27(火) 00:36:46 ID:bRXosmI+
242 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/09/27(火) 00:37:38 ID:bRXosmI+
それから約半月後の5月の連休の頭。
連休だったために徹夜チャットをしていたその日の早朝。
ストレスでグテグテになっていて、
「遊べば多少ましだろうが、遊び方が思い浮かばない」のわたしの発言に
「仕事無いなら、どこか遊びに行くか? 俺もカラオケしたい」
とCさんが誘ってくれました。
Cさんのストレス解消法はカラオケだそうです。
よく「カラオケ行きたい」と言っていましたし、誰かが「カラオケしたい」
といえば「俺もー」と乗り出すのです。
彼もストレスでいっぱいいっぱいだったのもあったらしく、「行こうか」と言えば
「行こう、行こう」と乗り気でした。
「一緒にお昼食べて某公園で昼寝でもしようか」
その早朝の時間帯、わたしたちの住む都道府県在住のオフ会メンバーは
わたしとCさん以外いませんでした。
完全にデートです。
4月もそうでしたが、前回は「花見に行きたい」という理由がありましたが、
今回は完全に突発です。
天気もいいし、昼寝にはもってこいで、ゴザなんか敷いて公園でうとうとするのも
気持ちがよさそうでした。
ごく自然に、なぜかその話はとんとん、と進んだのです。
243 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/09/27(火) 00:38:19 ID:bRXosmI+
待ち合わせ場所で、合流してお昼ごはん。
4月の花見のときに人がいっぱいで入れなかった、わたしお勧めのパスタ屋さんに
行くことにしました。
運がいいことに、すんなり入れたので早々に注文をします。
…同じものを頼みました。
「偶然だねえ」
そう言って笑いあって、食事をすませ、そのままテクテクと、
某公園へと歩いていったのです。
「ゴザがない」
何気なく木陰でいい場所を探しながら、ふとCさんが言いました。
「寝ること考えてたのにすっかり忘れてきたよ」
わたしはてっきり、ベンチとかで寝るのだと思っていたのですが、
ベンチは概ね日当たりのいい場所に置いてあり、木陰で寝るには芝生があるために
ゴザが必要でした。
草の汁が付くのが気にならないなら、そのまま座ってもよかったのですが、
わたしが白いロングスカートだったのもあり、それは決行できず。
そもそも、草の汁では布が染まってしまいます。
「…コンビニ、ちょっと歩くけど…あるよ?」
「じゃ、行こうか」
意地でも横になって寝たいらしいです。
244 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/09/27(火) 00:39:17 ID:bRXosmI+
テクテクと公園を横切り、コンビニへ。
「あ。ハバネロー♪」
嬉しげにCさんが手に取りました。
「わたし辛いの駄目だから。買っても一人で食べてね?」
「じゃあ買わない」
―――じゃあってなぜに?
しかも即答です。
「別に食べたいなら、買えばいいじゃない?」
「だって、一人で食ったって楽しくないっしょ?」
そう言って、ありきたりなお菓子をいくつかと、ゴザと飲み物を手にレジへといきました。
店を出て、歩き出してしばらくしたときでした。
「Cさんって可愛いよねえ?」
口をついて出た言葉に、Cさんは苦笑しながら言いました。
「普通、男に可愛いって言わないでしょうが」
「でも、女性から見て男性への「可愛い」っていうのは、最上級のほめ言葉なんだよ?」
「そういうものっすか」
そういうものです。
245 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/09/27(火) 00:39:57 ID:bRXosmI+
先ほど見つけた木陰へと戻りました。
どうやら近くに猫が集まる溜まり場があるようで、Cさんがここを選んだ理由も
それが一因したようでした。
Cさんは無類の猫好きです。家で『ちゃちゃ』と言う名前の猫さんがいます。
わたしはどちらも好きでした。基本的に動物は好きです。
家では父親が猫嫌いのために、2頭の犬を飼っていたことがありました。
すでに老衰や病気(癌だったのかは不明です)で2頭ともこの世にいませんが。
「んう〜。にゃんこ〜」
「はいはい。ゴザ敷きますよ」
猫を眺めながら、ご満悦のCさんの横で、まるで母親のように仕切るわたし。
ゴザを敷いて、二人並んでのんびり座りました。
仕事のことや、愚痴など、他愛の無い話もなんだかうわの空です。
―――どうして二人でこんなことしてるのかな…恋人でも無いのに……
冷静に考えるとそうなります。端から見たらどう見たって恋人同士にしか
見えないでしょうし、後日ある人にその一部始終を聞いてもらっても
同じように答えが返ってきました。
―――これって、恋人に見えるよねえ…知らない人から見れば…
Cさんは、気にしてないのかな…
そう思っていた矢先でした。
246 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/09/27(火) 00:40:42 ID:bRXosmI+
「ん〜。眠い。Dちゃん膝枕〜」
答える暇も与えずに、ぽてり、と膝に頭を乗せてきました。
断る…とは言えなかったのは…むしろ断る理由なんて探したってでてきませんですし、
彼が自分のなかでいつの間にか「気になる」存在であったからでしょうか。
しばらくすると寝息が聞こえてきました。
そういえば、4月の半ば、花見のころ以降から「Dさん」から「Dちゃん」に
呼び名が変わっていました。
―――どうして、この人はこんなに無防備に寝られるんだろう…
不思議に思いました。
普通こういうことと言うのは好きな人にしてもらうから良いのであって、
逆もまた然りなわけです。
わたしとしては、彼が気になる存在でありましたから平気ですが、
彼がどう思ってるのかさっぱりわかりませんでしたから、気になります。
それより何より、人の通る道の脇であると言うことで通る人の視線が気になります。
現にそばの道を歩いていった数組のカップルはわたしたちを見て微笑ましそうに
笑みを交わしながら歩いていきましたし、恥ずかしくていたたまれなかったです。
所謂羞恥プレイと言うものなのでしょうか。
ですが、それを吹っ飛ばす勢いであまりに無防備に寝ているものですから、
思わず髪を撫でてしまいました。
247 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/09/27(火) 00:41:20 ID:bRXosmI+
軽い天然パーマかかった黒い髪は撫でるとふわり、と持ち上がってまるで子犬か何かを
撫でているようです。
何度も何度も。
膝にかかる頭の重さはあまり苦痛に感じなかったです。
膝枕をしている間にデートだなあ、とかそういうことを考えないことにしました。
考えれば考えるほど、泥沼にはまっていく気分でしたから。
日が暮れてきて、少し周囲の温度が下がったころ。
「そろそろ日が暮れるよ? 寒がりでしょCさん。起きて?」
上着を着ていない、なおかつ寒がりのCさんが少し身体を丸くしたのを見て、揺さぶって起こすことにしました。
5月で温かくなったとはいえ、日が暮れると気温は下がります。
「ん〜ぅ。もうすこし…」
寝返りを打ちました。
―――…あのー?
「…あの、Cさん?」
「んぁ?」
はじめは寝ぼけていたようですが、次はワザとのようです。
「日も暮れるし、寒くなるよ? 移動したほうがいいんじゃ無いかな?」
「じゃあ、カラオケいこ?」
むくり、と起き上がってパタパタと、服をはたきます。
寝起きは良いようでした。低血圧のわたしと大違い。
248 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/09/27(火) 00:42:21 ID:bRXosmI+
今日はここまでにしておきます。
長々と失礼しました。
249 :
名無しさんの初恋:2005/09/27(火) 00:58:57 ID:VWDAvoRe
>>226さんありがとう。
僕のやつでは6月21〜25が修学旅行で抜けていたので大変うれしいです。
ただ、6月22日以降の小説がないのが残念でした。僕のは6月26日の途中で終わっているので。
250 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/09/27(火) 11:37:37 ID:noSLpdKx
Dさん、いつも楽しみにしてます(・ω・)
と、いうか実は自分と被りまくりでこそばゆかったりするwww
251 :
やんみ:2005/09/27(火) 11:39:28 ID:U29KeTA5
始まりも無く終わりが近づく〜♪
古参の人!
ぷーさんの続編発見!
ブログで目撃情報アリ!
懐かしいWW
詳細頼む
256 :
RadicalSinger ◆GbVHcPwvTA :2005/09/29(木) 19:41:32 ID:PqL2HR+y
とうとう、明日で終り。
今の自分の葛藤を文章化を試みてみたけど…。
どうも不可能だったらしい。
うまく言葉にならなかったし、殆ど表現できない事を思い知らされたよ。
途中から書けなくなって、そのあとも色々あった。
書く事で、少しは自分を変える力があったと気がついたけど、それも明日で終り。
じゃ、おまいら、楽しい人生送れよな。
257 :
名無しさんの初恋:2005/09/29(木) 23:46:35 ID:jB3oH/Nv
>>253 :猫 ◆5uGe0yeQxg :2005/09/28(水) 18:54:38 ID:lfqk/hTt
古参の人!
ぷーさんの続編発見!
ブログで目撃情報アリ!
254 :NO ◆D24s65nhoU :2005/09/28(水) 23:39:47 ID:lfqk/hTt
懐かしいWW
詳細頼む
マジ受けるわ。
プログの作者かな?プログの場所教えてくれないか
258 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/10/01(土) 23:10:15 ID:Fxdhr4Go
259 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/10/01(土) 23:10:56 ID:Fxdhr4Go
御飯の時間には少し早かったし、Cさんはカラオケに行きたがってましたので、
カラオケに行くことにしました。
起き上がるとき、Cさんが残念そうな顔をしたので、首をかしげて聞いてみました。
「どうかした?」
外していた眼鏡をかけなおしながら、Cさんはにこっとしながら言いました。
「ん〜? もう少し寝ていたかったかなーって。膝枕は男のロマンですから」
勢いよく、そしてまるで熱を込めたように(それこそギ●ンのごとく)言い切るCさん。
そういうものですか?
カラオケを2時間ほどして、御飯を食べに行くことにしました。
「なに食べる?」
「どうしようかなぁ」
そういいながら、商店街を歩いていきました。
正直、今年に入ってからお腹が空いても食欲と言うものが沸かず、「なにが食べたい?」
といわれても「これが食べたい」と言う欲求がなかったので、聞かれると困りました。
お腹が鳴っているのに食べないこともしばしばあったくらいです。
露店のお好み焼きやさんの前を何度か通りました。
「焼いたソースの匂いがいいな…お好み焼き食べよう」
そう言ったのはCさんでした。
また、脊髄反射でそのときの食事を決めています。
とはいえ、わたしにそれを否定する資格はありません。
260 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/10/01(土) 23:11:36 ID:Fxdhr4Go
「…外で?」
苦笑してわたしが聞きなおすと、
「食べるところ無いし、それはあんまりだから、お店入ろうか」
そう言って、お好み焼き屋さんの某チェーン店に入りました。
待っている間名前の話になりました。
「Cさんはサイトに登録するときに送ったメールが本名だったよね。
サイトの管理者だと、HN以外を知る機会があってとても役得」
「うぉう。そんなことが!」
「わたしの名前はね、漢字で○と×って書いて「○△□」って読むの。
いい名前だよね。親に感謝してる。Cさんの名前は…」
そこでふと、Cさんの本名を覚えてきていたはずなのに忘れてしまいました。
「▲って字、使うよね…なんだっけ…」
「んー? 秘密」
秘密も何もありません。度忘れしたとはいえ、わたしは本名を知っているわけですから。
「〜▲…ちがうな…なんだったっけ…」
「〜♪」
思い出そうとする横で何気にニコニコしてる彼の顔がすごく気になります。
さらに隣に座って同じように順番を待っていたカップルの目が気になりました。
名前の会話をしておきながら、思い出せないカップルってどういうものなのだろうか、
とでも思われたのかもしれません。
261 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/10/01(土) 23:12:26 ID:Fxdhr4Go
店員が空いた席へと案内しました。
やっぱり他愛無い会話をしつつ、食事は進みます。
―――…わかんないなぁ。この人の考えてること…
悪い意味でなく、純粋に理解できなかったのです。
別に恋人でもなく、特別長い付き合いの友達と言うわけでなく。
チャットで、確かに一年半近くの付き合いはありましたが、それだけです。
何度か確かにオフ会のなかで顔もあわせました、でもそれだけです。
そして当日、チャットのなかで「遊びたいけれど遊びかたがわからない」の一言で
「じゃあ、どこか行くか」と誘ってくれたのはなぜなのか。
理解できませんでした。
確かにお互い仕事でストレスが溜まってるのもわかります。
話題の中に、自分たちの仕事がどうなのか、そういう会話もありましたから。
きっとお互い、どこか愚痴を言いあう人を探していたのかもしれません。
お会計を済ませて、お店を出ました。
Cさんが店を出る際に受け取らなかったレシートを店員さんから受け取って、
覗き込みながら、財布を開けました。
「えーっと。わたしが食べた分は…」
「いいよ。Dちゃん、お金ないでしょ?」
図星です。
262 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/10/01(土) 23:13:32 ID:Fxdhr4Go
何しろわたしは歩合制賃金制度なお仕事をしているせいもあり、あまりお金を
持っていませんでした。
「…でも食べた分払わないと」
「奢るって」
「う〜ん…」
しばらく考えました。
4月にもあったように奢られると言うのはあまり好きではなく、それより何より、
『対等』と言う感じがしないのでわたしは大抵ワリカンを希望するのですが。
そのときは給料をもらって、必要な支払いを全てした後のため、財布にそれほど
入っていなかったのもあり、少し心は揺れていました。
後押ししたのは、以前チャット仲間が『女の子に奢るのは"対等"じゃないから、
とかそう言うんじゃなくて『一緒に食べてくれてありがとう』と言うお礼』なのだと
言っていたのを思い出し、Cさんもそれに『そうそう』と同意していたので、
お言葉に甘えることにしました。
「ん〜…甘えちゃいますよ?」
「うむ」
「うむ」と言う彼の顔がかなりご満悦風味だったので、それ以上こちらから言って
気分を害するのは良くないと思い、お言葉に甘えることにしました。
後日、何らかの形でお礼をすれば良いかな、なにがいいだろうか。
その日から問題が発生しました。
膝枕、と言う行動について、とにかくわたしの頭の中はぐるぐるとナルトの渦巻きが
大発生して、とまりません。
とにかく何かのタイミングで、「何故、あの時膝枕だったの…?
ほかの人にもしたのかな?」と疑問符ばかり。
263 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/10/01(土) 23:14:34 ID:Fxdhr4Go
今日はここまでにしておきます。
長々と失礼しました。
264 :
名無しさんの初恋:2005/10/02(日) 00:11:37 ID:Bn6JkMYa
乙です。
ほのぼのとした感じが良い!
265 :
名無しさんの初恋:2005/10/02(日) 04:17:26 ID:xJrb/CuP
続きが気になる
266 :
名無しさんの初恋:2005/10/03(月) 16:41:59 ID:g4krhjt3
オレもいいかな・・・
267 :
266:2005/10/03(月) 18:06:59 ID:YHUxcptx
割り込む形で申し訳ないが・・・
まとめて書いて一気に投下しようと思います
268 :
266:2005/10/03(月) 18:41:28 ID:cVz87jb3
その子との最初の出会いはオレ(M)の仕事先で会ったところから。
たまたまその子(F)と2人になれて、仕事のことや前いた学校のことを話してた。
そのときはまぁ普通に話してそのままお別れ。
その数日後、たまたま散歩してるFと会った。その時オレはちょうど
出かけてた帰り。
「こんばんわ〜どこか行ってたんですか?」
「おぉ、ちょっと気分転換に星見に行ってたんよ」
空を見ながら
「すごいキレイですね。どこで見てたんですか?」
「○○行って見てた」
そこは確かにキレイなとこだが、ちょっと遠いのが難点
「私も夜そこ行ってみたいんですけど、バイクとかないから行けなくて・・・」
「そっか今ずっと徒歩だもんな(笑)」ってな会話をしてた。
そこで40〜50分くらい話しただろうか。もう0時近い。
「あっもうこんな時間、眠くなってきましたね」
もうお別れの時間だし、ここで勇気を出して一言
「Fちゃん明日夜ヒマ!?良かったら○○行ってみない?」
すると
「ホントですか?行きたいです!!」とのこと。
携帯の番号教えて
「明日行ける時になったら連絡頂戴よ!」
といってこの日は終了。自分も仕事があったんですぐ寝ました。
269 :
266:2005/10/03(月) 18:53:42 ID:DUW2iqVp
次の日、夜8時30分くらいに電話がかかってきた。
「こんばんわ〜今大丈夫ですか??」
「ちょうど今全部(飯の片付け、洗濯など)終わったから大丈夫。
んじゃ行こうか」と言っていざ出発。
車の中でもいろいろ会話しながら無事到着。
早速空を見てみたがあいにく雲が・・・
「まぁゆっくり待とうや」といいながら再び雑談
そんな中Fちゃんはあと1週間ちょいで地元に帰っちゃうって話もあった
途中から寝っころがったりしながら星を見つつひたすら会話してた
徐々に星も見えてきたけど同時に寒さも増してきた。
270 :
:2005/10/03(月) 19:03:35 ID:MwBQS/kE
付き合う前からいつも電話をしていた。付き合ってからも、おかげで電話代は2000円も上がるし
それからは家で電話するな!!と親から言われ、公衆電話で電話をしていた。夜冷え込んできて息が白くなって
雪も降り始めた。
「あっ雪だ。」
「とってもきれい。」
「あれ、そとにいるの??」
「うん。近くにいるよ」
「どこ??」
「さがしてみて」
後ろを向くと、俺と同じくらいの身長の子が、寒そうに携帯で話している。
「フフッ」
彼女は笑う。
電話を切って彼女を抱きしめた。
「好きだよ」
彼女も抱きしめかえし
「私も」
そして甘いファーストキスをしたのだった。
271 :
266:2005/10/03(月) 19:10:00 ID:jENszgxl
よく手が冷たくなっちゃった、とかで手をつなぐきっかけになるかなと思い
ふと「手つなぐチャンスか!?」と思ったがなかなか行動に出れず・・・でも寒い。
「勇気を出して言うか」と思ったときFから
「ちょっと寒いですね。手が冷たくなってきた」と言ってきた。
「うん、確かに」って言ったときFの手がちょっとだけ当たった。ホントに冷たい
「手冷てぇな」と言ってオレから手を握った
「Mさんの手温かいですね」
「オレも結構寒いけどね」とかいいながらずっと手を握る
そっからは無言が続いた。流れ星なんか見るとちょこっと話したりしたが
基本はずっと空を見上げてる感じ
272 :
266:2005/10/03(月) 19:22:53 ID:AVfMrpiH
時間もかなりたち、0時を超えた。時間も時間だから
「最後に二人で流れ星一緒に見えたら帰るか」となった
だがなかなかそう簡単にはみれずそこから30分くらいでようやく見れた
「次からは寒さ対策しようね」とか話しながらこの日はFちゃんを送って帰宅
それから1週間もしないある日、オレが買い物しててふと空を見たら
この前とは比べ物にならないくらいの見事な星空だった
今日Fちゃん誘ったらまた行ってくれるかな・・・でも忙しいかと思い
メシ食ったら1人で行くかなと思ってた
しかし飯も食って9時をまわったころ、ちょっと眠気が・・・
10時から見たいテレビもないし行くか!と半分寝そうになりながら
考えてたら携帯がなった。Fちゃんだ
「もしもし、こんばんわ〜寝てました??」
「イヤ大丈夫(ホントは危なかったけど)・・・どうしたの??」
「星見ました!?すごいキレイですよ♪」
「おぉ、この前とは大違いやね(笑)」
「良かったらまた連れてってくれませんか?あっ、でも忙しいですか?」
一気に眠気が吹っ飛んだ。俺もちょうど行こうと思ってたんだ
と言おうかと思ったけどあえて言わず普通に
「おぉ全然構わんよ!」と答えた
「じゃあ○分後に行きましょう♪」といって携帯は切れ、数分後Fちゃんが来た
273 :
266:2005/10/03(月) 19:31:44 ID:631iKFbI
「こんばんわ〜急に電話して大丈夫でしたか??」
「ちょっと眠いけど・・・まぁ行くか!」といざ出発
その出発した直後、なんといきなり検問。そん時は酒飲んでなかったから問題なく通過
「危ねぇ・・・酒飲んでなくて良かったわ」
「私が運転してたら捕まってましたよ」とFちゃんが一言
どうやら酒を飲んできた様子、全然酔ってはいないがテンションは高いとのこと
「お酒結構飲むの?」
「大好きですよ。今日は全然飲んでないですけど」
そんな話をしながら到着。ついてまた寝っころがって星を見始めた
今日はものすごくきれいに見える。星を見ながら最初はしばらくお酒の話が続いた
話もはずんでたが、オレに早くも眠気が。それに察知したのか
「眠いんですか?」とFちゃん
「・・・うん、眠い。でも大丈夫」
だがやっぱり眠い。ウトウトしながらたまに星を見てる状態になった
ちょっとして「・・・あっ・・・ゴメン・・・・・寝ちゃってた」
「けっこう流れ星見えてますよ〜」とか言ってくれてたがかなり限界
274 :
266:2005/10/03(月) 19:40:41 ID:ydeGeeLH
申し訳ないと思ったがオレから「・・・ちょっと休憩」といって寝る体勢に
でもこのときまたけっこう寒くなってきた。もう眠いオレは考えもクソもなく
「手つないでもいい?」といってFちゃんの手を握りながらウトウト
所々目を覚ましたとき、Fちゃんもやや眠そうな感じ
「Fちゃん寒くない?大丈夫?」と声をかけると
「んー・・・ちょっと」といった。その後、2人は無意識に密着し始めた
ウトウトしてたがFちゃんの呼吸が聞こえるくらい近かったってのは分かった
275 :
名無しさんの初恋:2005/10/03(月) 19:43:36 ID:2Rj4u+Kb
妄想は現実を遠ざける。
私は妄想は一切しない。
276 :
266:2005/10/03(月) 19:56:01 ID:GnOXM3zv
だけど結局この日は半分近くは寝てしまった・・・
寝ながら星を見てって感じのまま終了。時間を見たら1時近いし。
帰り際に「ゴメンね・・・オレほとんど寝てたよね」
「いえ〜私も無理言ってすいませんでした。また今度行きましょうね
帰るまでにもう一回は行きたいです」
「たぶん行けるのは明日か明後日くらいかな・・・」
「そうですね」
「OK〜じゃあまた連絡するよ!おやすみ〜」ってな感じでこの日も終了
次の日。仕事が終わってFちゃんが帰るまでにどこで行けるかなぁ
と思ってたら明後日用事ができた・・・
「今日しか無理じゃん!?昨日の今日だけど行くかなぁ・・・」
って思いながら一応電話してみた
「もしもし、Fちゃん?Mだけど」
「こんばんわ。どうしました?」
「明後日さぁ、用事が入っちゃったから2日連続だけど今日行かない?」
「いいですよ〜じゃあこれから準備します」
「OK。準備できたら連絡頂戴よ」といって今日もお出かけ
277 :
266:2005/10/03(月) 20:05:55 ID:C8HuBeDu
車の中はほとんどあと○日しかないんだね〜って感じの会話
到着してもそんな会話や仕事の話、できたら今は地元に帰っちゃうけど
またここに戻ってきたいってな話をしてた
この日もまた寒かった、そのせいか普通の流れで手をつないでた。
また寝っころがってたので途中眠気がきたが寝ちゃうのはダメだと思い
ひたすら話をしてた。だが頭ではそう思っても徐々に眠くなってくる
ウトウトしてて気づいたらオレだけちょっと寝てたらしい
よく見るとその時オレはFちゃんに抱きついてる状態だった
「あれっ?いつの間に・・・」と思いながら普通の姿勢に戻ろうと
動いたとき、今度はFちゃんからギュッとしてきた
「・・・・・???」
最初Fちゃんも寝てると思ったが、声をかけたらちゃんと起きてた
「ゴメン・・・また寝ちゃった・・・・」でもオレはウトウトしてたんで
思考回路があまり働いてない。また心地よくなってきて気づいたら
またそのまま寝ちゃったみたい。次起きたとき、ようやく元の姿勢に戻る
「ゴメンね・・・重かったでしょ?」
「・・・うん、ちょっと」
278 :
266:2005/10/03(月) 20:16:55 ID:MzJCxH+g
元の体勢に戻ったけど、俺は相変わらずウトウト・・・
だけどFちゃんの隣で、また抱きしめたいなと思っていたその時
頬になんか柔らかい感触が。「ん?・・・なんだろ・・・」
でもそのときは気にせずウトウトしてた。ここでまた軽く寝ちゃったみたい
ここで目を覚ましたとき口に柔らかい感触が。とっさに
「・・・ゴメン・・・・・口当たっちゃってた」
でも正直どこに当たってたか分からなかった。だがその直後また柔らかい感触が
Fちゃんから寝てるオレにキスしてきたのだ。正直驚いた
「ん?・・・・・Fちゃん!?」寝ぼけながらも声をかけてみた
それでもキスは続く。そこからはしばらく無言で、キスしたり抱き合ったり
10〜20分はずっと抱き合ったままキスとかしてたと思う
そこで時間を見ると0時くらいになってた
「そろそろ帰らなきゃ」とFちゃん、でもそこでまた強く抱きしめながら
「・・・もうちょっとだけこのままでいたい」
「・・・・・うん。」とまた抱き合ってキス
279 :
266:2005/10/03(月) 20:34:10 ID:tnyxviuV
結局そこからまた10分くらいはそのままだったと思う
2人で一緒に体を起こして、「・・・帰ろっか」と一言
今日で最後かな〜って思いつつ「もしまた時間取れそうだったら行こっか」
と最後に言ってお別れ。
そこからはやっぱ時間がとれず、結局この日が最後になってしまった
出来たらまた来るって話とアドレスを教えてもらい、帰ったら連絡しますよ
って感じでFちゃんは地元に帰っちゃいました。
やっぱ会えなくなると途端に寂しくなってきました。今も書いててちょっと
しまったと思いました。
以上で終わります。また眺めるほうに戻ります
280 :
名無しさんの初恋:2005/10/04(火) 19:09:35 ID:kKhAn7LW
乙です!!
281 :
名無しさんの初恋:2005/10/08(土) 10:43:31 ID:Vo2ayz3n
大学生さんの小説今
彼のホムペで公開してるね
小説ランキングの上位に食い込んでた
282 :
名無しさんの初恋:2005/10/08(土) 13:38:47 ID:Tw1EasNj
284 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/10/13(木) 03:12:33 ID:rVh/YbI7
285 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/10/13(木) 03:13:56 ID:rVh/YbI7
数日後IRCの機能を使ってCさんに単独で話しかけました。
合間に先日の公園デート(便宜上)の話題をはさんで、
遠まわしに聞いてみたりしていました。
わたし:君がとりあえず策士なのか天然なのかの確認だけしたい
我ながら遠まわし過ぎる聞き方でした。
Cさん:策士でありたいとは思っているが、別に策を使った記憶ないしなぁ…(濁
わたし:ほんとにあれ、天然なのか、君は…
どちらでもいいから、返事がほしかったとは思っていましたが、
期待したような答えは返ってきませんでした。
後日、よく考えれば、かなりCさんらしい回答だと、納得してしまいましたが。
286 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/10/13(木) 03:14:43 ID:rVh/YbI7
わたし:… というか普通ね。
膝枕って、好きな子にしてもらったほうがいいんじゃないの?
Cさん:好きな子いってもなぁ…。特に出会いとかない職場だし〜?
わたし:なにそれ、わたしもそうだっつーの。
それにしても、あんな外で無防備によく寝れるもんだね?
Cさん:Cさんの7つの特技の一つ「どこでも寝れる」特技を使ったのです(マテ)
わたし:ほんと気持ちよさそうに寝てました
Cさん:そんなに無防備だった?
わたし:うん。スースー寝息立てて思わず頭撫でてたもん。
Cさん:むは〜
わたし:気づいてなかった…? もしかして。気がついてると思ってたのだけど。
Cさん:いや、撫でられてるのが気持ちよかったの覚えてるけれど…
わたし:覚えてるんじゃないか…
Cさん:でもあんまり優しくしちゃ駄目だよ〜、勘違いして襲っちゃうよ〜(マテ)
わたし:責任取るならどうぞ?
Cさん:責任とるなら襲われてもOKみたいにきこえるんだけど?
わたし:さて? 傷心のわたしを慰めてくれるくらいの気概があって、
それで、ちゃーんと責任取るって言うならそうなんじゃないの?
むしろ逆も発生しうるっての、わかって君は言ってる?
遠まわしに言ってみました。
287 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/10/13(木) 03:16:11 ID:rVh/YbI7
Cさん:俺、襲われる?(マテ)
…遠まわしすぎたようです。
わたし:(スルーしつつ)前に言ったけど。今まで付き合ってた彼氏に、
誰一人として、膝枕してあげたこと無いんですよ
Cさん:むむむ、もしかして俺、ポイント高い?
わたし:割と稼げてますよ、先生…って言うか、Cさんといると苦痛じゃないからさ
Cさん:なるほどねぇ
気になる存在…であった彼がどんどん大きくなるのを感じつつ。
遠い都道府県に住む、チャット仲間であるKさん(女性です)が、
わたしたちの住む都道府県へと遊びに来ることになり、集まることになりました。
Kさんの宿泊場所はわたしの家というのはすぐに決定し…
288 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/10/13(木) 03:17:27 ID:rVh/YbI7
某有名水族館がスケジュールに組み込まれました。
たってのKさんの希望です。
スケジュールを考えるのはCさんとわたしと、Kさんになりました。
簡単にスケジュールを組みます。
当日、仕事の都合で、合流時間が定かでは無い人間が、わたしを含め3人
(全参加者が6人でした)いましたので、そのあたりも考慮しつつ、
スケジュールを組みました。
曰く、「合流できるようになったときに連絡取れる人間に連絡し、そこで合流を考える」
…あまりにアバウトですが、基本行動スケジュールを決めておいて、
それに柔軟に対応することにしました。
基本行動スケジュールはすんなり決定し、雑談になりました。
Cさんは仕事が終わって帰宅するのがいつも遅いため、『寝落ちの帝王』
といわれるくらいよく寝落ちをしていたのです。
いつも、少し意識が覚めるとパソコンを落とすために短い挨拶を残してチャットを
切るので良く見落とすのです。
会話に混ざってこないので、わたしは彼が既にパソコンを落としているものだと
思っていました。
289 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/10/13(木) 03:21:21 ID:rVh/YbI7
今夜はこれまでにしておきます。
お目汚し失礼しました。
290 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/10/21(金) 22:28:15 ID:Hlm1i9yE
間が空きましたが続きいきます。
長くてすみません。
291 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/10/21(金) 22:28:50 ID:Hlm1i9yE
IRCチャットを利用していたのですから、チャンネル参加者を見れば
一目瞭然だったのですが、わたしは発言内容を見る窓を広く取るため、
参加者の一覧をはじめの頭文字のみ見える程度のサイズにしていたのです。
いくつかIRCチャットのチャンネルに入っていたせいもありました。
挨拶を何度もしているせいで麻痺していたのもあったのかもしれません。
Kさんとの話題はスケジュールから参加メンバーの話になっていました。
参加メンバーのなかで、わたしが苦手な人間がいると言う話から、
気になる人間が居ると言う話まで。
Kさんは「なんとなくわかるよ。Dさんが好きな人」とお見通しのようでした。
Kさんは何気に鋭い方で、チャットで少し荒れていると、
1対1トークでなだめてくれたりするような気配り上手な『お姉さん』な方でした。
わたしはKさんにその「気になる」人がどんな人なのか、名前を挙げずに人となりだけを伝えて、相談してみました。
292 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/10/21(金) 22:31:16 ID:Hlm1i9yE
わたし:…と言うわけでわけがわからないのですよ(@▽@)
Kさん:…意味わかりませんね…と言うか、これって恋人なら理解できる光景ですよね…
明らかに
わたし:…そうですよね…
Kさん:ただわかるのは…
わたし:…はい?
Kさん:今の話からしてDさんが、Cさんを好きなのは十分わかります。
そして、CさんはDさんを嫌いではないのもわかりますよね
わたし:嫌いだったらこんなことしないよね……あれ?
わたし、いま名前言いましたっけ?
Kさん:いいえ。でもわかりますよ?
293 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/10/21(金) 22:33:13 ID:Hlm1i9yE
そんなに露骨な会話はした覚えがありません。普通に中の良いご近所さんのような
会話しか、チャンネル内でしていなかったはずです。
「流石です。Kさん…」
そういう会話をしていたところで、ふと、参加者の一覧に目を向けました。
「あ”」
そこでやっとCさんが寝落ちのまま、接続を切ってないことに気がつきました。
わたし:…どしよ。Cさん落ちてなかったんだっけ…
Kさん:そうですね。ログ、残してたらちょっと怖いですね
至極冷静にKさんは発言します。
どうやらKさんのほうは確信犯的にCさんの名前を挙げたようでした。
IRCはログを残すと言う作業をしていなければ、ログは残りませんが、
クライアント上でログを自動的に残す、と言う設定を使えばどんなチャンネルでも
ログが残ります。
わたし:一応、蹴り出したらログ残してなかったら消えますよね
Kさん:そうですね
わたし:…蹴り出して寝ます…
Kさん:うん。おやすみー
チャンネルからすっぱりCさんを蹴り出し、ログを残してないことを祈りつつ、
その日は寝ることにしました。
294 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/10/21(金) 22:34:41 ID:Hlm1i9yE
気が気でならない一日を過ごした後。
どうしても気になって1対1トークを投げてみました。
以降、読みやすく手を入れたものの、ほぼ原文ママ。
わたし:…あの。昨日のログなんですけど…
Cさん:あ? 今見て無いけど、残ってるな、デフォで
わたし:じゃあ、そのまま、こう、墓場(ゴミ箱)にさくっとサクリファイス(生贄)
してください。中身見ずに。今すぐ
この内容からわかるように、わたしは某有名トレーディングカードゲームを
一時期プレイしていました。
そして、Cさんもこのゲームをしていました。
会話の中でそんな用語がよく出てきました。これもその一つです。
Cさん:んー? Dちゃんなんか言ったん?
わたし:気にせずサクリファイス。読まずに。
ってか今開いてるでしょ、それ閉じてサクリファイス(ずずい)
Cさん:ケケケ(邪笑)
俺がDちゃんに対する羞恥プレイを遠慮せねばならんのだ!(鬼畜)
わたし:うわ、読んでる!? やーめーてー!!
Cさん:さて。見ずに捨てておくか。Dちゃんに羞恥プレイするのもいいけどな
わたし:…(ほ)
Cさん:あれだ、家出る前に読んだけどな
わたし:Σ( ̄■ ̄)!?
295 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/10/21(金) 22:35:30 ID:Hlm1i9yE
フリーズ。
わたしが運営するサイトはあるゲームをIRC上でしたあと、
ログを整理して読みやすくしてUPするサイトでありましたので、
常にログをとって置いた方が『ログとってなかった!』というミスが少なくて済みます。
現にわたしもその設定をしていました。
適当にIRCクライアントを利用する人間ではなく、きちんと設定する人であった様子。
よく考えれば、元プログラマーなのでそれくらいはしていることを考慮するべきでした。
Cさん:せめて蹴り落としてから、女の子同士の話としてやるべきでしたな
(タバコぷかぷか)
わたし:ログの件は悪かった。マジで。だから今からさっくり記憶から消して。
Cさん:Dちゃんの黒い面と可愛い面が見れたということで水に流そう(マテ)
黒い面、と言うのはどうやらわたしが苦手とする人間へのコメントに対することのようでした。
Cさん:あっ、ちなみに俺のDちゃん感情はlike以上love以下みたいな?
わたし:はあ
296 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/10/21(金) 22:36:07 ID:Hlm1i9yE
目が点になりました。
それは一体どういう意味なのでしょうか。
親しい友人とならばそう言うこともわかります。
長い間付き合ってきた異性の友達なら、そういうこともあるでしょう。
チャット友達。同じサイトでの仲間。
初めて顔をあわせたのは半年前で、月一回会うか会わないか。
そんな人間に、そのような感情をさらりと持つものなのでしょうか。
…自分の事は棚上げです。
恋なんて、始まるのはいつも突然。何かのきっかけです(混乱中)
297 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/10/21(金) 22:36:44 ID:Hlm1i9yE
今日はここまでにしておきます。
長々と失礼いたしました。
298 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/10/22(土) 00:31:21 ID:PORALt2c
久々に投下します。
ぎっくり腰でへばってました・・・w
>>217 続き
一瞬だけの沈黙の後、カレは続けてこう言った。
『今、誰かと付き合う気にはなれないんだ。ごめんね。』
―――まるで、自分に言われているかのような錯覚に陥った。
それに・・・とカレは続ける。
『次に付き合う子は・・・結婚相手だって決めてる。
だから試しに付き合ってみる、なんていうのはオレにはできない。』
優しい口調だけれど、ハッキリとした拒絶。
Tちゃんを見ると、泣きそうだった表情は消え去っていた。
『わかりました。話を聞いてくれて・・・ありがとうございます。』
そう言って笑う彼女。
カレもそれに応えるように笑顔を見せる。
少し離れた場所に立っていた私の所へ2人が来る。
『ダメだったわ(笑)』とTちゃん。
『まぁ、そういう事だ。』とカレ。
『ちょっと、なんでそんなに軽いのよ(笑)』と私。
笑顔の裏に・・・どんな感情が隠れているかわからない。
―――少なくとも私は・・・
Tちゃんとカレが付き合うことにならずホッとしていて、
そんな自分を、とてもイヤな、汚い人間だと思っていた。
299 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/10/22(土) 00:55:01 ID:PORALt2c
それから、3人で話をした。
しばらく経ったころ、カレの携帯に着信。
仕事の呼び出しがかかったという事で、カレは一足先に帰ることに。
カレを見送った後、Tちゃんはポツリポツリ、と話を始めた。
『蒼ちゃん、私ね、Nさんのこと、まだ男として好きじゃなかったんだと思う。
人としては本当に好きだったんだけど。仕事ありきで見てたのも事実。
見抜かれちゃってたんだね。』そういって苦笑しながら彼女はこう続けた。
『本当に優しい人なんだね。曖昧にして逃げることもできるのに、
あえて自分が悪者になるような口調でハッキリ断ってくれた。』
フゥ・・・と大きく息を吐きだしてTちゃんは言った。
”余計好きになりそうだわ(笑)”
それまで、相槌を打ちながらただ話を聞くだけだった私は
思い切ってTちゃんに言った。
言わなければいけないと思った。
『Tちゃん・・・話があるんだけど、聞いてくれる?』
300 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/10/22(土) 01:38:14 ID:PORALt2c
『私・・・Nの事・・・』
言葉が詰まる。
たった一言。
それも、本人へ告げるわけでもないのに。
『多分・・・Nのこと・・・好きなんだと思う。』
多分―――そう言ったのはまだ自分の気持ちに自信が持てなかったから。
近くにいて、色々な相談にのってもらって・・・
好きなんだ、と錯覚しているだけかもしれない。
もしかしたら、仲の良い友だちを誰かにとられる・・・なんて
子どもじみた感情からくる、擬似的な恋愛感情かもしれない。
そんな不安からだった。
Tちゃんが驚いた表情のまま口を開いた。
『―――え?今更?』
『ごめん・・・ね。』
謝る私にTちゃんが慌てて言う。
『いや、そうじゃなくて。もしかして今頃気付いたの?蒼ちゃん・・・
自分がNさんのことスキだって・・・?』
その言葉に”?”となる私。
Tちゃんが”今更”と言ったのは、批判ではなくて・・・?
301 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/10/22(土) 01:45:20 ID:PORALt2c
『私、蒼ちゃんはずっとNさんの事好きなんだと思ってた・・・
ちょっと蒼ちゃん・・・自分の気持ちに鈍すぎ(笑)』
と、笑い始めるTちゃん。
Σ( ̄□ ̄;)!?
↑そういわれた瞬間、私はこんな顔をしていたと思う(笑)
『そっか、蒼ちゃん彼氏とまだ別れられてないんだっけ。
だから自分の気持ちにブレーキかけてたんだね。でもバレバレ(笑)』
そう言いながら笑うTちゃんに心の底から救われた。
『じゃあ、これからは、ライバルだね。私も諦める気はないから。』
Tちゃんがにんまり小悪魔的な笑顔を見せる。
『そうだね。まぁ・・・私はまず、彼氏とちゃんと別れないと(苦笑』
煮詰まっていた彼氏との別れ話。
もういいや・・・と投げやりになっていたけれど
”好きな人がいる”そうきちんと伝えて根気よく話し合おう。
カレとの今の関係を壊すのが怖い気もする。
だからこの想いを告げるかどうかはわからない。
だけど・・・もしかしたら来るその時の為に、キチンと彼氏とは別れておこう。
それが、彼氏にも、カレに対しても最低限の礼儀であることに変わりはないのだから。
302 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/10/22(土) 01:47:10 ID:PORALt2c
今日はこの辺りでやめておきます。
かなり間があいてしまって申し訳なかったです(´・ω・)ノシ
お二方とも乙です
毎回楽しみにしておりますので
他の職人さん方もどんどん投下して頂けると幸いです
自分文章力ないので
******恋のおまもり******
コレを見た人は、超超超超幸せもの★★
@週間以内に好きな人に告白されるか、
好きな人といいコトがあるよ・・・ ☆★
でも、そのためには次のことを実行!!
コレを読んだら、@時間以内にどこかに貼る★★
数はあなたが好きな人への想いをこめて、好きなだけ貼ってね・・・★
さぁぁ!! 頑張って♪♪
305 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/10/30(日) 00:27:28 ID:fWfAOwNh
間があきましたが、続きいきます。
>>291-296 わたし:Cさん、女の子にいつもそんなこと言ってるの?
Cさん:いつもそんなことって?
わたし:いや、だから…「like以上love以下みたいな」…こと
Cさん:いや、残念。Dちゃん以外には言ったことないな。
つーか、これもチャットだから面向かって言ったことは全然ないね
わたし:はあ。まあ、言い難いよね。
特に男の人ってのはそういうこと、言わないものね
Cさん:言わないね
わたし:いや、その悪かったとは思ってるんです。
いくら半分寝ぼけてるとはいえ、ああいうこと相談してたのは
うっかりしてたものでして…
っていうか、大体Cさん、わたしが困ってるの見て、楽しんでるでしょ
Cさん:んー。困ってるDちゃん可愛いから。
わたし:わたし、可愛くないですから。
「わたし、可愛くないから」
そうつぶやいてわたしは入力しました。
そして前回聞きそびれたことを、今日こそ聞こうと決心して、
ドキドキしながら考えていた文章を打ち込みました。
わたし:それから…あのさ、膝枕って言うのは、基本恋人同士でするものじゃない?
Cさん:そうだね。
わたし:そういうの、ほかの子でもやるの?
Cさん:やったことある。…んで、それが?
306 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/10/30(日) 00:28:20 ID:fWfAOwNh
――そか、やったこと、あるんだ。
キーを叩く手がとまりました。
――それじゃ仕方ないね。どうとも思わない女の子とあんな、デートみたいなこと
出来るわけだ。
軽い人なのかな…会って話してる感じ、そんな風に見えなかったけれど。
よくチャットで18禁すれすれ発言をする人ではあったけれど。
それはあくまでネタだったし…
慌てて、止めてしまった手を動かしました。
わたし:そ、か。普通、そういうのあまりしないほうが良いと思うの。
―――何、言ってるんだろう。わたし。
それって、まるで嫉妬してるみたいじゃないか…
自分で打ち込んでおいて、大後悔です。
Cさん:わかった。今からDちゃん以外にはしません。
わたし:へ?
再び手が止まります。完全に思考も止まりました。
―――イッタイ、コノヒトハ、イマナニヲイッタンダロウ…
そんなわたしの思考を再び動かしたのはCさんの発言でした。
Cさん:だから、またデートして膝枕してくれるかな?
俺は何回かDちゃんを抱きしめたい衝動にかられたことがあるんだよね。
わたし:…どして?
Cさん:うーん、なんでだろ? 可愛いから? 欲情?
ごちゃごちゃしてて良くわかんない
カタカタと、指が震えます。
それってどういう意味なんだろう、と。
期待していいの? 貴男を想っていいの?
振り絞るように、そして相手が不審に思わない様に、キーを必死に叩きます。
307 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/10/30(日) 00:29:58 ID:fWfAOwNh
わたし:わたし、可愛く無いよ?
Cさん:可愛くなるなんてさ、方法は簡単だが、努力が多大にいるものなんだよ。
わたし:努力ねえ…
Cさん:相手のことを想えば良いんだよ。その相手に吊り合うような努力をすれば
可愛くなれる。まあ、人づてに聞いた話だけどね〜
わたし:…それ、女の子は普通に出来ることだと思うけど
Cさん:それならDちゃんは可愛くなれるってことだ
わたし:そういうものかな?
わたしは外見に自身がありません。
お洒落でもなければ、化粧だって普段しないので、綺麗に化粧できません。
美人でもなければ、背も高くなく、むしろサイズで言うなら幼児体型の
ミニマムサイズです。
ストレスと仕事環境のせいで、おなかが空いても食欲が沸かず、あまり食べないせいか、
去年の夏ごろに身長からの平均体重から10キロ下がってました。
今年に入ってまた5キロ減っていました。
おかげで、Cカップあった胸もAカップにまで下がり、
そこも自分では気にしているところでした。
内面だって全然自身がありません。
だからこそ、『可愛い』と言う言葉から縁遠いと思っていました。
返事がありません。どうやら寝落ちしたようです。
時間は午前2時。
寝落ちしても仕方ない時間です。
わたし:寝落ちの帝王様へ。とりあえずわたしも寝ときます。
そう残して、わたしもパソコンを落として寝ることにしました。
308 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/10/30(日) 00:31:23 ID:fWfAOwNh
前回のトークから数日後。
再び1対1トーク。
基本、IRCチャットで繰り広げる会話でしたので、
しっかりログが残っているところが気恥ずかしいところです。
わたし:ほんとにCさんがわからないや。
Cさん:そうか?
わたし:うん。
Cさん:俺。Dちゃん好きだよ?
わたし:へ?!
またもやフリーズ。
どうしてこの人はさらりとこういうことを言えるのでしょうか。
というかこの『好き』とはどういう意味で言ってるのか…
それが理解できずに固まったままのわたしの前のモニターには続いて
Cさん:だから今度デートしよう。
わたし:え、えと、来週はKさんが来るし、月末なら…
Cさん:じゃ、それで。
309 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/10/30(日) 00:32:02 ID:fWfAOwNh
自分の目を疑いました。
軽い人に見えるけど、ほんとに誠実な人物であるのは今まで会話してた中で、
そしてまたオフ会で知っていましたから。
軽く見えるのは、単なる照れ隠しだったり、盛り上げるためだったのも確かでしたし、
そこがまた味のある彼の性格であったからです。
地雷を埋めて、その地雷原に自分からダッシュで駆け込むような、
そういう感じの天然さんで。
そのくせ人知れず頼りになる人物で、さりげない気配りも出来る人でした。
だから、わたしは好きになったんだと思います。
だから、自分がほしかった答えを返してもらったとき、
天にも昇りそうな勢いで胸がどきどきしたのを感じていました。
310 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/10/30(日) 00:33:10 ID:fWfAOwNh
今晩はこのあたりで。
それではおやすみなさい。
Dさん、いい感じできましたね!
とても楽しく読ませてもらってます。
続きも期待しているので是非お願いします!
某所で知りました。
いい・・いいですなwいい物語を拝見した。頑張ってください
313 :
名無しさんの初恋:2005/11/04(金) 13:20:40 ID:Ws7lHoQY
大学生まだ名前変えて書き込んでるのか
314 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/11/08(火) 23:13:29 ID:ZkJEQAVT
>>298-
>>301 続き投下させていただきますー。
7月半ば、退院の日。
入院した時はどんよりとしていた空もスッキリと晴れ、
まるで自分の心のようだ・・・という思いが胸を掠める。
彼氏とは相変わらず連絡をとることができない。
だけど、脅迫にも似たあの焦りはどこかへ消え
落ち着いている自分がココにいる。
仕事で離島にいる彼氏。
連絡が取れないのならば会いに行こう。
きっと相手には迷惑でしかないけれど。
この想いが。
この気持ちが。
くじけてしまう前に。
続き投下します。
>>305-309 Kさんがわたしの家に泊まりに来る、オフ会の日がやってきました。
Kさんの滞在は土日。つまり一泊二日です。
一日目は水族館。
結局一日目の合流は全参加者6人のうち、5人は朝から合流可能となり、
当初予定してた3人と言う少人数ではなくなったため、わいわいと水族館へ行きました。
水族館前ではとあるトラックが止まっていました。
井戸から髪の長い女性が半分出ているトラックです。
「あ、うわさのRINGトラック…」
海外版RINGのデモの為に置かれていると言う話をネットで知っていたSさんが、
そのトラックなのだと、教えてくれました。
その横を笑って通り、水族館へ。
(これでどこの水族館かわかりますね(苦笑))
水族館のなかで、他愛の無い話題や、魚について語りながら5人は歩いていきました。
「おいしそう…」
「沢蟹って焼いて食べるより揚げたほうが美味しいんだよね」
…そんな会話ばかりです。
「…なんで食べることばかり話してるんだか」
苦笑しながら足を進めます。
よく考えれば、動物園ではそういう話はしませんが、水族館ではなぜかそういう
会話をするもののようです。周り見てもそうだし…
「俺の周辺の人間だと、釣竿持ってきそうだな」
ふと、水槽を眺めながらCさんが呟きました。
「Cさんの友達って変な人多いよね。ほら、前に話してたじゃない?
車を運転しながら携帯で話してた人が、ギアを入れ替えて欲しくてなんて
言ったんだっけ?」
からかい半分でわたしが話を振りました。
「…『C氏!(ギアを)バックに入れてー!』か!? 俺はそんな趣味を持ち合わせておらーぬ!
しかも電話先の人に『新しい趣味に目覚めた!?』とか言われて! 心外であーる」
Cさんがわたしの首筋と言うか、首の根っこを鷲掴みにしたのです。
ベアクローでしたか、丁度あんな感じです。
「や、ちょっとやめて。そこ駄目なの、弱いのよ〜ってか何でわたしに
八つ当たりするかー!? にゃぁああぁ〜」
わたしはとにかく首筋や、うなじを触られるのが苦手でした。
「いいこと知ったな♪」
Cさんは意地悪に笑みを浮かべます。
「もーうやめてよう」
必死に手を引き剥がして、離れようとしました。
理由は第一に恥ずかしかったから。
ピーク時間を越えて、減ったとはいえほかのお客さんもいるのです。
はっきりと恋人同士でも無いのにべたべたするのは心情的に反しました。
水族館は少し薄暗くて、水のせいで空間が青かったので顔色がわからなかったのが
幸いだと思いました。
きっと気づかれていない…自分の顔色がどんな色になってるのか、
自分の頬を支えながらその熱が早く引くのを願いました。
離れようとしたとき、名残惜しそうに手がゆっくりと離れていたのは……
指が最後まで触れていたのは……お互いが、手を繋ぎたかったから…?
その日、あとから合流した一人を加えて夕食にし、カラオケに行くことに。
何気にそのときの席順が、彼の隣だったのは周囲が気にしたからなのか、
自分たちで意図したのか、よくわかりませんでしたが。
周囲が、そう…
花見、そして公園デート以降、チャット内でわたしとCさんが『ラブラブ』だと
なぜか公認気味に言われるようになっていました。
『悪いな…』
わたしは言われるたび、そう思っていたのです。
帰り道。
それぞれ帰路につきました。
同じ路線を使うSさんと車内で別れて、自宅からの迎えの車を待ちながら、
Kさんと雑談に花が咲いていました。
「今日、楽しかったね。みんな面白い人たちだしさ」
Kさんがニコニコと言いました。
「そうですね。今回、某県からも参加の人がいましたし。楽しんでいただけて幸いです」
「Dさんも楽しそうだった」
「そりゃあそうですよ。久しぶりに水族館行きましたし」
そう、自分が住んでる都道府県内にあるというのに、
この水族館には開館直後あたりに行ったっきりだったのでした。
水族館は好きです。
特にこの水族館は、自分の視点よりずっと上を魚たちが泳ぐので、まるで空を魚が
飛んでいるようにみえて好きでした。
「そうじゃないでしょ?」
「え…?」
「Dさん、それだけじゃないでしょ?」
どき。
鋭い一言です。
「Cさんの、こと?」
恐る恐る聞くと、Kさんは深く頷きました。
「…気になる、から、好きだな、って思うけれど……でも、向こうはさっぱり……それに、
わたし、彼氏と別れたばかりですよ? そう尻軽に動けるわけないじゃないですか」
Cさんは優しいし、軽いこと言ってるけどその実すごく誠実です。
所謂「いい人なんだけど」で終わるタイプの人間だと思われます。
どこまでが冗談で、どこまでが本気か。
その見極めが微妙なときがままあり、一緒にいて楽しいけれど、たまにわからなくなる
ような。
彼は策士であると同時に天然でした。
「あら、女の子は常に恋をしていたほうがいいんですよ。そしたら綺麗でいられる
でしょ? それに…」
間が空きました。
「少なくとも…」
Kさんは静かに続けます。
「…彼に脈はあると、私は見るけれど?」
どうやら、水族館での光景を見ていたようです。
「そうだといいです…ね」
話題はそのあたりで切れました。迎えが到着したからです。
その日、帰宅直後に風呂に入り、IRCチャンネルに入り、他愛もなく会話して、
疲れていたのですぐに落ちて寝てしまいました。
その次の日明らかに展開がかわりました。
今日はここまでにしておきます。
乱文失礼しました。
322 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/11/10(木) 22:55:52 ID:vB+GedNI
>>314 続き
退院してからしばらく経ち、退院祝いだ、私の誕生日だ、なんて
チャット仲間達と何度か飲みに行ったりしていた。
彼氏との別れ話は・・・連絡が付かないまま。
ちょっとだけ気が滅入ってきた7月も終わり頃、
私の妹やいとこ、友達、それにカレを加えて海へ行く事になった。
この計画を練ったのは入院中に仲良くなった同じ歳の男性H君。
私のお見舞いに来た友達に一目ぼれして、なんとかお近づきに・・・(笑)
という事で決行されたもの。
仕事が忙しいカレは無理だろうと思いつつも、声をかけてみたら
返事は意外な事にOK。
たまたまその日だけ空いていたそうで・・・。
思わずガッツポーズしてしまったのはココだけの話(笑)
323 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/11/10(木) 23:17:11 ID:vB+GedNI
海水浴当日。
1人だけ家が遠いので少し遅れてきたカレ。
更衣室はあっち、と言う言葉を無視してその場で生着替え。
・・・あまりに刺激が強すぎデス。
武道をたしなんでいる為か、はたまた仕事柄なのか
服の上からでもわかる程に筋肉質な身体。
元々筋肉フェチなのに、好きな人が目の前で・・・
夏バンザイ・・・と恍惚(変態)の表情だった事は間違いないと思います(笑)
荷物番をしておくよ、という友だちとH君を残し他のメンバーは海へ。
しばらくフヨフヨとその辺りをみんなで漂っているうちに
膝が冷えてしまって痛みが・・・。
岸へ戻ろうか、とも考えましたが様子を見てみるとなんだか
盛り上がっている感じ。
今、向こうへ帰ると邪魔になりそうだな〜と思い、
とりあえず沖のほうにあるテトラポットの上で休憩することに決めました。
みんなで沖へ向かい、いざテトラポットへ上がろうとしたものの
膝が言う事をきかない・・・。
腕の力だけでも上がれるだろう、と安易に考えて
手をかけ登ろうとしたとき思いっきり滑って海中へドボン!
324 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/11/10(木) 23:30:08 ID:vB+GedNI
『な〜にやってんだお前』
と、カレが呆れたように笑いながら近づいてくる。
『あは、膝が冷えちゃって・・・』
その一言で察してくれたのか”ホレ”と手を差し伸べてきた。
その手をとるのが恥ずかしくて慌てて断る。
『や!大丈夫。手が滑っただけだし!』
『いいから、こういうときは大人しくありがとう、って言っとけ。』
カレはそう言いながら軽々と片手で私を引き上げてしまいました。
引き上げられるとき否応なしに密着する腕。
ヒンヤリとした私の身体とは違い、熱を帯びた身体。
恥ずかしさが一気にこみ上げ、カレを直視することができず
目を伏せたまま”ありがとう”というのが精一杯でした。
325 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/11/10(木) 23:30:49 ID:vB+GedNI
今日はこの辺りで・・・
お目汚し失礼しました。
乙!
続きマテルヨ
>>315-320 続き投下します。
チーズケーキ博。
Kさんが来た目的のひとつがこれでした。
目当てのチーズケーキを皆で選んで購入し、
ビルの屋上にあるガーデンで食べることにしました。
席取りを男性陣にまかせて、女性陣はお手洗いの後、ガーデンへと向かいました。
あえてわたしはCさんの隣を選択し、ぺたり、とベンチに座ります。
チーズケーキを満喫した後、Kさんが高速バスに乗るため、バス停のある場所まで
移動することにしました。
Kさんが、CさんがKさんに奢ると約束したものをそのとき思い出し、「それなら」と
わたしお勧めのお店に案内しました。
バスに載るときのお土産にと、その約束の品をKさんに持たせ、バスを待ちます。
バスがバス発着乗り場に来るまで時間はありました。
その間、わたしは頼んだわけでなく、なぜか男性陣総出
(といっても二人しかいませんでしたが)のマッサージ攻撃にあいました。
仕事上、肩こりと腱鞘炎には常に縁がありましたので、マッサージ師お墨付きの
コリをほぐしていただきました。
右手をCさんがにぎにぎ、とマッサージしてくださいました。
328 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/11/19(土) 20:14:37 ID:GGL17p9V
Kさんの乗るバスがバス停に入るまで、Cさんはずっと右手を離しませんでした。
「また来てね」
「また来ます」
とにこやかに笑いながら、バスへと向かっていったKさんを見送り、
わたしたちはそのまま、喫茶店へと向かいました。
皆歩き詰めで、へとへとだったからです。
喫茶店に入ったとき、もうわたしは眠くて意識が少し飛びつつありました。
ずっと目を擦っていたのを知っていたCさんが、壁際のソファーへと引っ張っていき、
自分の隣にわたしを座らせました。
隣のテーブルには親子連れが座っており、荷物の都合から、
わたしはCさんにぴったり寄り添う形になって座っていました。
わたし以外のメンバーは甘いものが食べたかったらしく、パフェなどを頼んでいましたが、
とにかくわたしは10分でも良かったので寝たかったので、飲み物だけを注文しました。
329 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/11/19(土) 20:15:52 ID:GGL17p9V
うとうとと、半分眠りながら、半分メンバーたちの話を聞き、わたしはふと、
自分の手に恐る恐る、まるで確かめるように指を絡めてきたCさんの手に気がつきました。
半分寝ぼけたまま、そっと指に力をいれ、わたしの指とCさんの指が交差します。
少しずつ、少しずつ。
Cさんの指は迷いながらわたしの指と指の間に伸びていき、いつの間にかしっかり握り合う状態にまでなっていました。
「お、ラブラブじゃん? IRCでさらしちゃおうか」
参加者の1人がふざけたように声を上げ、写メールを撮ろうとします。
「人が疲れて寝かけてるところを……こういうの、捏造って言わないか?」
半分寝ぼけてるので意味不明発言です。
捏造どころか、自分たちで絡めていったのですから、ラブラブである、
と言う表現は間違いではありません。
わたしの本心ではこの指を離したくは無かったです。ずっと繋いでいたかった。
ですが、わたしはとにかくKさんが2日間楽しんでくれたのかといったことや、
これまでのCさんのことなどで頭がいっぱいでひどく緊張していたせいか、
最後の最後で疲労によるダウン宣言をせざるをえませんでした。
「駄目だ、眠い…ごめん今日はこれで帰るよ」
そういうと、やはり皆疲労は同様だったらしく、全員そのまま帰宅することにしました。
330 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/11/19(土) 20:17:01 ID:GGL17p9V
どうやって帰ったのか。
昨日はKさんがいたため、家からの迎えがありましたが、最寄り駅で借りている
自転車置き場へ行き、置いておいた自転車に乗って帰宅したはずなのですが。
…ぜんぜん覚えていませんでした。
とにかく記憶にあるのは、帰った途端、居間のソファーに横になり、寝たことだけです。
その間、とても幸せで、ぷかぷか浮かぶようなそんな浮遊感がずっと身体を
支配していました。
理由は十分すぎるほどわかっています。
2時間ほど寝てすっきりしたので、IRCに入りました。
既にそこには無事帰宅できたKさんが。
そしてCさんがいました。
ほかのメンバーはダウンしたのか、その日IRCのチャンネルには入ってきませんでした。
Cさんと1対1トークをはじめました。
お互い「お疲れ様」とねぎらったあと、その日の簡単な反省会をしました。
ふと。
331 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/11/19(土) 20:18:07 ID:GGL17p9V
Cさん:ね、俺のこと嫌い?
わたし:どして?
Cさん:いや、ほらなんとなく。
わたし:嫌いだったら、触りもしせませんよ、わたし。そのあたりは徹底してます。
Cさん:なら、手をつなげたんだから俺は嫌われてないってことか……
ねえ、今度もまた手をつないでもいい?
わたし:…オフ会で手を繋ぐのはちょっと抵抗あるけど…いいですよ、ぜんぜん
正直、微妙な関係を払拭できるのではないか、と期待しました。
微妙、と感じているのはわたしだけだったのかもしれません。
はっきり言わないだけで、お互いどう思ってるのか気づいていたのですから。
そして、確かにはっきりと。わたしは冗談だと思って聞き流していたけれど。
彼はわたしを好きだといってくれたのですから。
332 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/11/19(土) 20:18:54 ID:GGL17p9V
気がつけば、気になる人から好きな人になり、その人のほうがわたしに対して
押せ押せになっていったのは、なんだかか不思議です。
今現在、彼とわたしは家が離れているけれど、とても遠距離というほどでもないけれど。
家が離れててすぐに会いに行ったりできないけれど。
好き同士で、互いを大事に思って、いつも傍にいて欲しいと願っています。
毎晩よほど彼が疲れていない限り、遅い時間でもIRCに上がってきて寝落ちして。
それを横目にわたしは自宅に持ち帰った仕事をして。
そんな毎日。
休みの日で会える日はいっしょにデートして。
わたしに仕事があって、でも早く終わった時は彼の休日にもデートをして。
今。
わたしはとてもとても素敵な恋をしています。
はじめの出会いはネットだったけれど、これは本当にきっかけ。
これはきっかけってどこにでもあるんですっていう素敵な見本。
333 :
D ◆rwKcPUpqTQ :2005/11/19(土) 20:23:00 ID:GGL17p9V
以上で、終わりです。
長々と読んでくださり、ありがとうございました。
>>蒼さん
続き楽しみにしています。
がんばってください。
334 :
名無しさんの初恋:2005/11/20(日) 01:24:25 ID:C6DKmEBM
>>333 Dさん、お疲れさまでした。
とてもよかったです(*´∀`*)
Cさんといつまでもお幸せに!
335 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/11/20(日) 01:40:37 ID:Yoj0vpHu
Dさん乙でした!
本当に素敵な恋ですね・・・
いつも(*´Д`)ハァハァしてましたw
>>324続きいきます。
バーベキューをしたり、スイカ割をしたり・・・
スイカ割りと言っても、一般的なものではなく
カレが手刀で割ってました(笑)
そんなこんなで夕暮れまで海で楽しんでいた私たち。
花火を・・・という声もあがったものの、カレとH君は
自宅が少し遠いので切り上げようという結論に達し
結局花火はやらず仕舞い。
また次回に持ち越し、という約束をして解散しました。
336 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/11/20(日) 01:58:09 ID:Yoj0vpHu
それからしばらく、私は祖母の看病と職安通い。
カレも仕事が忙しく会うこともないまま日にちは過ぎていきました。
カレは今どき珍しく携帯にメール機能をつけていなかったので、連絡がとり辛く、
いつも”メール出来るようにした方が連絡とりやすいのにー”と私は言っていました。
”だって必要ないしー、いつでも電話したらいいよ”といつも返ってきていましたが・・・。
カレと電話で話をするのはとても苦手でした。
声がいいのもありますが(声フェチ・・・w)・・・
耳元で声が聞こえるので、いてもたってもいられないというか、
くすぐったくて悶えるというか、とにかく電話のたびに
気力も体力も消耗してしまうから。
以前に1度、寝ぼけたカレの声を聞いたときは用事も何もかも
忘れてしまってかなり焦ったこともありました。
まぁ、そんなどうでもいい話は置いといて。
彼氏、彼女の関係ではないから次に会う約束なんて出来ない。
用事もないのに電話なんかできない。
”声が聞きたい”そんな理由で電話しちゃいけない。
携帯のアドレスからカレの番号を表示させては通話ボタンを
押すことが出来ず過ごしていたある日、1通のメールが届きました。
337 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/11/20(日) 02:22:10 ID:Yoj0vpHu
登録していないアドレス。
だけどそれはカレのものに間違いありません。
自分のHNをそのままアドレスにしてあるから間違いようもなく(笑)
”もう少しひねれ”と思わずメールに突っ込み。
本文に書かれていたのは・・・
【チャット仲間のアドやら番号教えれ】
は??
状況がイマイチつかめずとりあえず返信、
しようとしたところにカレから電話が。
”メール届いたかー?”とカレ。
”一体何がおきたのか説明せぃ(笑)”と私。
話を聞くと・・・
仕事中、携帯を落としてしまったらば、運悪く車に轢かれてしまった。
=メモリ全てパァ。
メモもバックアップもとっていなかったので、誰の番号もアドレスも
わからなくなってしまって、さぁ大変。となってしまったんだそう。
じゃあどうして私の番号とアドレスはわかったのか?
携帯を変えた、と以前メモを渡されたモノが財布に入ったままだったから。
なるほど。
338 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/11/20(日) 02:22:42 ID:Yoj0vpHu
今日はここまでにします(m__)m
では。
339 :
名無しさんの初恋:2005/11/20(日) 12:15:27 ID:NXUZBv4K
初ですが、書かせていただいてもよいでしょうか?
342 :
名無しさんの初恋:2005/11/23(水) 20:43:15 ID:NxXkV+D/
すいません、書いていいですか?
(あだ名はそのままですが、本名は仮名です。)
“ねえさん”こと吉川さんと、俺“いせやん”は、2人とも、
うちの市の「小中高合同文化祭」スタッフでした。
高校は別。学年はねえさんが一つ上。
“ねえさん”も“いせやん”もこの文化祭スタッフの間でのあだ名。
別に実の姉弟って訳じゃなく。確かに1つ上だけど、
姉御肌だから“ねえさん”。俺の本名が伊勢谷だから“いせやん”。
……ちょっとばっかり、安直でしょうか?
文化祭本番は11月7日でしたが、準備開始は5月からでした。
最初は名字で呼んでましたが、途中から「ねえさん」に。
そのころは本当に「姉」のように思ってました。
そのうち、ねえさんがだんだん危なっかしいことばっかり
(いろんなところでけつまずいたり、机の上の書類ひっくり返したり)
しているのが目に付くようになりました。
その度に支え起こしたり、 書類拾ったりしているうちに、
なんだか気になるように。
いわば、お決まりのパターン、といったところでしょうか。
10月半ば。
ねえさんから「スタッフの中じゃ一番のお気にだ笑」というメールが来ました。
ですが、その頃はまだ、 その少し前まで「1年半想い続けて諦めた相手」が
心に引っかかり続けていました。
その「相手」、“相棒”は、12年前から同じピアノ教室に行っていた相手でした。
保育園から中学校までずっと同じグループレッスンにいたせいで、
また、中学校に入ってからはどこに行くにも同じ班だったりしたせいで、
こいつとは『一緒にいるのが普通』という錯覚に陥っていたのです。
この錯覚が脆くも崩れ去ることになったのは、高校に入ってすぐのころ。
高校入学して、相棒は全くピアノ教室に来なくなりました。
事前に「高校入って忙しくなったら辞めるかも」と話はされていましたが、
そのときは事の重大さに気づくことが出来ませんでした。
実際に会えなくなってみると、相棒の存在がどんどん大きくなっていきました。
何をするにも相棒のことを思い出したり。
何をしても最初の報告メールは相棒に送ったり。
一回、相棒に彼氏が出来たと聞いて、諦めようと思いました。
諦められると思いました。
とある映画の一シーンを、相棒と一緒に出た発表会に重ね合わせるなんてするまでは。
その映画の発表会シーン、「登場人物2人がアイコンタクトを交わすシーン」が、
相棒と2人でアイコンタクトを交わした思い出にオーバーラップしました。
忘れられると、諦められると思ったのに。
このときから、妙な気分にさせられていました。
2月14日も親経由――相棒が忙しさのせいでピアノ教室に来なくなってから、
直接会う機会は全くなくなっていました――でチョコを貰い、
3月14日は親経由でお返しをして、
私が大学見学で東京へ行き、そのお土産を買えばやはり親経由。
相棒が修学旅行でお土産を買ってくれば、親同士が職場で受け渡して……と、
完全に途切れるわけでもなく、繋がっているわけどもなく、という、
宙ぶらりんな状態のままに相棒との仲は続いていました。
「諦め」が付いたのは、俺自身の不注意によってのようなものです。
相棒からもらった修学旅行のお土産の携帯マスコットを、
自身の修学旅行先・京都で無くしてしまいました。
その日は情けないことに取り乱し、宿舎の部屋では思わず泣きました。
周りにも心配されました。本当に申し訳ないことです。
ただ、仲間に言われた
「神様も仏様もいっぱい居る京都で無くしたんだからさ、諦めろってお告げじゃない?」
という言葉に、奇妙に心休まるものがありました。
(文化祭の日付は正しくは11月6日でした。訂正致します)
そうはいっても、このことが心に引っかかり続けていたので、
“ねえさんを好きになっちゃいけない”と思ってました。
ねえさんにも、俺にはそういう相手――相棒――がいる、
ということをほのめかしつつ。
本番の日、会場撤収終了後。数名で「ぶっちゃけ話」をしていました。
少しづつ面子が帰っていき、結局ねえさんと2人だけに。
そこで、「その相手の話、聞かせて?」と言われました。
これでどちらも――ねえさんも、そして相棒も――吹っ切れると思いました。
1年半も想い続け…なんて、普通重たいだけの話でしょう?
これを聞いて、良い印象を持つ人なんて限られるはず。
呆れてくれたら、突っぱねてくれたら、ねえさんを好きにならずにすむ、
と考えてました。
しかし、予想と反対の結果でした。
ねえさんは優しく聞いてくれました。……目に涙溜めながら。
「純だなあ…」とか言われました。こっちも泣きたくなってきました。
ここで「泣いたら肩を貸してもらえるかな」とか邪な事を考えました。
そんなこと出来るはずもなく自己嫌悪に。
そのまま2人とも迎えが来て帰宅。
帰宅後にメッセ起動したところ、ねえさんから呼び出し。
姐「お疲れ」
私『お疲れさまです』
話題は主に合同文化祭のもの。
姐「いせやんの人生おもしろい。2人でじっくり話したい」
私「途中で泣く 笑」
姐「泣いても良い あたしの前で無理してほしくないb」
優しさがこんなに痛かったのは初めてでした。
傷口に消毒液を一気に吹き付けられたような。
私「助けて欲しいときに逆に言えない 甘えたらズルズル行きそうで」
姐「誰かに甘えなさい」
私「相手不在」
姐「じゃあうちに甘えるか?w」
できるものならそうしたい、という思いはありました。
けれど、事前にねえさんの過去を聞いていたので、そうも思えませんでした。
私「俺が甘えていい過去じゃなさげ」
姐「男性恐怖症だったけど克服」
私「…何となく兆候はありました」
姐「これでも頑張ってるんだよ〜」
私「姐さんこそ無理しないでください、お願いですから」
姐「無理はしてないよ」
再び話題は合同文化祭に戻りました。
姐「危なくいせやん)に手出すところだったw」
私「殴られる?」
姐「違うw」
私「埋められる? それとも日本海に放り投げられるとか?」
姐「わかってるでしょ?」
もうこの際だ、と、肩を借りようとしていたことを白状。
姐「泣いたら結果として抱きしめようかと思った。人がいたしちょっとヤバいと思ったけど」
まさかメッセで泣くとは思いませんでした。
姐「大丈夫?我慢してた分今出ちゃったかな?後悔」
私「後悔する必要全く無い」
姐「誰もみないとこに連行して抱きしめてあげたらよかった」
頭殴られたような感覚。
姐「あの場所でお互いそう思ってたのかと思うとハズカシイ」
私「我ながら恥ずかしいやら情けないやら」
姐「だれだって一度はある」
私「ありがとう。」
姐「ヤバイ。打ち上げでテンパる」
私「演じます。平静を装う」
姐「できるかな?w」
私「大丈夫、慣れてる 笑」
いくらか落ち着いてきた、と思ったところに。
姐「もう一個正直に言っていいw?」
私「何なりと」
姐「あぶなく勢いに任せて【キス】しようとしてましたwすみませんw」
私「よかったですよ、別に」
何でこんな言葉が出たのか、自分でも判りません。
姐「え」
私「……なんてね。」
姐「あせるからw」
私「でも、拒みもしなかったと思う」
姐「こらwそういうこと言わないの」
私「次泣きそうになった時はお願いします」
姐「みんないる前で」
私「それは難しいかも 笑」
352 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/11/24(木) 16:16:05 ID:1P6agd4r
>>337続き
『誰かさんが”メールできるようにしようよ〜!”って
ずーっと言ってたし、しょ・う・が・な・い・か・ら
できるようにしてあげましたよ〜(笑)』
ありがたく思え、と電話の向こうで笑うカレ。
『ちょっちょっ、私だけじゃなくて他の人も言ってたでしょ!?』
『そうだっけ〜?お前だけじゃなかったか〜?(笑)』
まぁ実際のところはチャット仲間からも言われていたんだけれど
確かに私が一番言ってたかも・・・。
カレの仕事は昼夜を問わないものなので、連絡をとるときは私なりに気を使っていた。
遊びの誘いや、いつでもいいような連絡を仕事中にするのはイヤだし、
かけ直してもらうのも気がひける。
もしかしたら夜勤明けで寝ているかもしれない。
そんな事を考えてるウチに電話をかけそびれてしまうこともしばしば。
メールなら後でチェックできるし、仕事の邪魔もそうしないかな、と思って
ずーーーーっと(笑)”メールできるようにしてよーー”とお願いはしていた。
ちゃんと気にかけてくれてたんだ、と思わず頬がゆるんでいくと同時に
つられて声が弾んでいくのが自分でもわかる。
いけない・・・はしゃぎすぎると変に思われてしまう。
353 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/11/24(木) 16:45:13 ID:1P6agd4r
『ねぇねぇ、PCでメールしてみんなにアドとか確認すればよかったじゃない?』
そう私はカレに言う。
PCにチャット仲間のアドレスくらいは登録しているはずなのに。
『あ〜・・・それ考えたけど面倒だったからヤメタ(笑)』
まぁ、その内誰かから連絡くるだろう、と考えていたところにメモ書き発見。
じゃあ連絡でもしてみるか、という流れになったらしい。
『嬉しいだろー?Nがメール第一号(笑)』
う・・・嬉しいに決まってるけどそんなん言えるか!
『他の人のメアドわかんないんだから第一号になるの当たり前〜。』
我ながらひねくれた受け答えだな、と思うけれどそうでもしてないと
喜びの感情ダダ漏れになるだろうし恥ずかしすぎる・・・。
必死で弾みそうになる声を抑えていた。
電話を切った後、一息ついてからカレに友人のアドと番号を送る。
その作業が終わった後もちょこちょこメールを交わしていた中
ふ、と思いついたことを聞いてみる。
『ねぇ、彼女のアドとか番号って覚えてなかったの?』
我ながら自虐的な質問だとは思う。
だけど、引越しの手伝いに行ってからずっと気になっていた。
料理は自分でしない、という割に揃っていた調理道具や小物。
フォーク、ナイフなどがペアであったこと。
そして箸は夫婦箸だったから。
354 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/11/24(木) 17:12:45 ID:1P6agd4r
Tちゃんと会ってもらうときにも1度聞いて”今はいない”と
言っていたけれど、もし・・・別れた、というだけで
彼女との思い出の品を捨てきれていないのだったら?
カレの心の中にはまだ彼女がいるのではないのだろうか?
そんな事を度々考えていた。
返信が来るまで、そう時間はかからなかったけれど、長く感じた。
受信ボックスを開くのに勇気がいる。
”ぬぁ”なんて変な声を出しながら思い切ってメールを見る。
【覚えてない。必要ないし。】
なんとも簡潔な・・・。
ホッとしたと同時に、聞いてはいけないことを聞いた気がして
即座に謝罪のメールを送る。
後悔先に立たず。なんてバカな質問をしたんだろう。
自分の感情に任せて他人を傷つけたり、領域に踏み込むのは愚者のすること。
今、私がしたことはその行為そのものだ。
【ごめんー。アホな事聞いた。お詫びに今度オススメの本貸して?w】
できるだけ軽い感じで・・・。
【普通は逆だろう、アホ(笑)】
返信にホッとした。
この後も、本を借りに行く日を決めたり、と
何度かたわいもないメールを交わす。
幸せな気分だった。
355 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/11/24(木) 17:37:03 ID:1P6agd4r
今日はとりあえずここまでで(m__)m
いつもちょこちょこですみません。
356 :
名無しさんの初恋:2005/11/25(金) 09:55:37 ID:uJPSmbna
お二人とも続き楽しみにしてます!
書かせてください。
---
たしか、もう4年くらい前になると思う。
友達が作っていたサイトに掲示板があって
それは、趣味で詩や文章を投稿する掲示板だった。
私はそこに時々詩を投稿していて、
その頃同じように投稿するようになった人に気が付いた。
友達の友達らしいけど、私の全く知らない人だ。
何度か彼の作品を見ていて、なんとなく気に入って
気をつけて掲示板を見るようになったんだ。
私がとても好きな部類に属するその作品は
選ばれている言葉が繊細で、
静かな青の世界が広がっていて
覚えてしまうくらいに何度も読んだんだった。
新しい言葉が投稿されるのを
密かな楽しみにしていたある日、友達が言った。
「チョコベビの詩、hが好きだって言ってたよ」
hとは、私が密かに投稿をまっているその本人。
その本人が、私の書くものを好きだと言っていた。
なんというか、くすぐったいような嬉しい出来事だった。
その日から、私はhさんの言葉とともに
本人はどういう人なのか、いろいろ想像するようになったんだと思う。
その頃の勝手な想像の中では
あまりしゃべらない無口で、繊細な顔つき、
細い体と、細い指をもった、
まあ、いわゆる文学青年を具現化したようなイメージで。
あまりに貧弱な自分の想像力が残念でもあったけど
改めて、hさんの言葉たちが作り出す世界に
感心したり、負けるもんかと思ったり
良きライバル、みたいに思うようになっていった。
359 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/11/28(月) 15:23:07 ID:zo7KueHS
>>354続き
メールをするようになって、前よりも頻繁に連絡をとるようになり
比例するように、チャット仲間と集まって遊ぶ機会も増えた。
そんなある日、予定していたメンバーがバイトや急な帰省で
集まれなくなり、残るは私とカレの2人。
しかも飲みに行くぞ、と集まった後だったので
どうしたものか、と途方にくれてしまう。
『どうする?今日はやめようか?』と私はカレに聞く。
『あー・・・せっかくココまできたし、たまには2人で飲んでみるか?』
少し考えた後カレはそう言った。
『うん!』思わず即答してしまう。
何度も一緒に飲んでいるけれど、サシは初めて。
緊張する・・・と思っていたのもはじめだけ。
映画の話や本の話、カレの話は尽きることなく・・・
あまりのおもしろさにひきこまれていました。
話は段々深いところへ。
私と彼氏の現状の話もしました。
こうなる以前から話を聞いてもらっているので気軽に話せます。
『彼氏が電話に出てくれなくてねー』苦笑いしながら話す。
黙って話を聞いていたカレが言いました。
『気持ちの整理がちゃんとつくまでオレは傍にいてやるから』
360 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/11/28(月) 15:53:39 ID:zo7KueHS
『気持ちの整理がちゃんとつくまでオレは傍にいてやるから』
この一言に、なんというか・・・やられました(笑)
もちろんカレは口説いているわけではなくて
”最後まで見守っててやるからめげるな”と言っているだけ。
それでも嬉しい。
”ありがとう”小さくそう呟いてから照れ隠しに、また私は話し始めた。
『Nってさぁ・・・”キザ”っちぃ・・・。』
私の一言に飲んでいたソルティドッグを”ぶぅ”、と噴出すカレ。
『ちょぉっと待て!オレのドコがキザっちぃんだ?!ぉい。』
『自分で気付いてないだろうけど、さっきの台詞ってもろ口説き文句w』
キザだ、そうじゃない、の応酬をするアホな2人。
白熱していた応酬は・・・
『っていうか!Nは無意識に”ホルモン”垂れ流しすぎ!』
『ホルモン垂れ流しって、オレはスプラッタか!!』
私の簡単な言葉の間違い ×ホルモン⇒○フェロモン によって幕を閉じました(ガクリ
361 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/11/29(火) 01:24:59 ID:ilNaauoM
程よく酔いもまわったところで解散。
酔った勢いでの大人な展開も甘い展開もございませんのであしからず(笑)
自宅へ到着し、カレに家へ着いたことをメールする。
【いま家に着いたよ。今日は楽しかった、ありがとう。】
【おう、たのしかったのなら何より。ちゃんと風呂入れよー】
・・・あんたは私の親デスか(笑)
お風呂を済ませた後メッセを立ち上げ、彼を含めたチャット仲間達と
軽く話すけれど、小一時間でダウン。
みんなに就寝を告げ、いそいそと布団へもぐりこんだ。
まどろみの中、カレの言葉を思い出す。
”傍にいてやる”・・・か。
見守ってくれる人がいるのはとても心強い。
カレの励ましに応えられたらいいな・・・そんな事を考えながら
深い眠りへと落ちていった。
362 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/11/29(火) 01:44:49 ID:ilNaauoM
8月も半ばにさしかかった頃、またチャット仲間で飲み会。
カレは仕事が忙しく参加できなさそうだったけれど
当日にまた連絡してみて、と言われていたので連絡をとる。
『もしもしN?今電話大丈夫だった?』
『ぉう、今日は仕事明けだから家。』
話をしていて何となく違和感を感じる。もしかして・・・
『ねぇN、風邪ひいてない?』
『うん、多分熱もある・・・でも薬飲んだし大丈夫ー』
いや、全く持って大丈夫そうでないんですが。
電話越しに聞こえるけだるそうな声。
あぁ、こんなとき彼女なら行って看病できるのに・・・
気持ちがじりじりと焦る。
『あ、今日飲み会の日だっけ?行こうかな・・・』
とんでもないことを言い出すカレに思わず声を荒げる。
『大人しく寝てなさい!ご飯は?食べた?』
『ご飯食べたー、薬も飲んだー、だいぶ良くなったー』
そう言ってはいるけれど声はかなりだるそう。
『今日は家でゆっくり寝てなきゃ。仕事忙しいんでしょ?』
また”行くー”と言い出す前に釘を刺す。
しばらく考えている風なカレ。
しばらくの間の後”わかった、大人しく寝とく”と返事が返ってくる。
『それに明日お見合いだしな・・・』
363 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/11/29(火) 01:45:37 ID:ilNaauoM
今日はここで終わりにしておきます(m__)m
>>358続きです
「飲み会あるけど参加しない?」
ある日、友達が仕事帰りに電話をよこした。
私は元々消極的な性格なこともあって、大勢の飲み会は苦手だし
まず初対面の人というのも苦手だった。
友達の友達に初めて会う、という状況は苦痛すら感じてしまう。
だけど、その頃「人見知り直そうキャンペーン」を自分の中でしていて
怖いけど、苦手だけど、とにかく初対面の人でも会う。
という、今思ってもずいぶん頑張って肩肘張っていた時期でもあった。
実は、その飲み会のお誘いのしばらく前に
「hさんと会ってみたいなあ」と
私が友達に言っていたそうで。
なんとなく言っただけで、本当になるとは思ってなかったし
すっかりそんなことは忘れてしまっていたのだけど。
都内のとある駅でまず友達と待ち合わせ。
「やっぱ怖いなあ…」
「大丈夫だって!二人ともいい奴だよ」
「うーん…」
「あ!hが来たよ」
私の肩越しに手を振っていた。
背中が少し緊張して、こわばってしまう。
ゆっくり振り返る。
革でできたぽいジャケットを着て、
にやにやと笑っている人が近づいてくる。
「久しぶり!元気だった?」
「おっす。元気元気。aさんは?どうなの?」
「元気だよ〜」
…。
誰?
完璧に、私の中のhさんのイメージは砕かれた。
全然違う。思っていたイメージと。
繊細そうな?すらりと細身の?少し無口な?
いやいや、全くの思いこみ。当たり前だけど。
hさんは、始終にやにやと笑っていて
細身ではあったけど、よくしゃべる明るい人で
細くて小さな目が、笑うともっと細くなってしまうような人。
そして、下ネタばかり発する。
この人が本当にあの詩を書いていたの?
特に気になったのは、笑い方。
初対面のイメージは
「ぐだぐだで下ネタばかり。嫌いな笑い方の人」
という惨憺たるものだった。
最初、紹介されて、名前を名乗って
少し天気について二言程言葉を交わした後、
hさんは私に対して一度も話しかけてこなかった。
私もhさんに対して全く話しかけてたりしなかった。
初対面は、そんなあっけない感じで。
また書かせてください。よろしくお願いします。
368 :
名無しさんの初恋:2005/12/04(日) 01:58:18 ID:SnOvXYFh
続き楽しみにしてます
369 :
チョコベビ ◆qZlyV0vV7w :2005/12/05(月) 01:12:38 ID:40A0+FPc
>>366続きです
hさんを交えた飲み会は、その後何度かあった。
そのかたわら、やっぱり掲示板は毎日確認していて
お互いの作品はちょこちょこと更新していた。
hさんとも少しずつ話すようになった頃、
友達からメールがきた。
それは、hさんから友達に宛てて書かれたメールの転送だった。
「なかなかメールの返事出せずにすみません。
今度また近いうちにみんなで飲み会しませんか?
それから、チョコベビのアドレスと電話番号を教えてください」
どきっとした。
初対面で、ぐだぐだな印象しかなかったhさんだけど
何度か会って話しているうちに、
また会いたいなと思うようになっていたからだ。
転送メールを受け取った日すぐに
私はhさんへメールを送った。
「友達からメールを受け取りました。
私のアドレスと番号です。
ぜひまたみんなで飲みに行きましょう。」
370 :
チョコベビ ◆qZlyV0vV7w :2005/12/05(月) 01:22:27 ID:40A0+FPc
メールを出した次の日には、さっそくhさんから返信が。
「チョコベビの詩、いつもみてますよ。
新しいものにも期待してます。」
なんだか嬉しくなって、メールを出した。
他愛ないメール。
2.3日置きにメールがやりとりされてた。
内容は少し哲学的なものだったり、世間話だったり。
恋愛めいたものは一切なくて、それがかえって心地よかった。
実はhさんは筆無精、連絡無精で有名で
忘れた頃に返事がくるというのを
メールのやりとりを始めてしばらくして知った。
友達は私たちの頻繁なメール交換に心底驚いていたっけ。
371 :
チョコベビ ◆qZlyV0vV7w :2005/12/05(月) 01:31:24 ID:40A0+FPc
それでも、hさんからはメールは来ても
電話が来ることはなかった。
私も電話をすることはなかった。
それから、ふたりだけで会うことも。
ある日、共通の友達のライブがあって
hさん、友達、私の3人で集まった。
3人で一緒にライブを見て、
その後近くのファミレスでお茶をしながら
それぞれの感想を言い合って、うだうだと時間を過ごす。
そのうち友達が彼が家で待っているというので
先に帰ってしまった。
「チョコベビはまだ居ても平気なんだろ?店移動しようよ」
「うん、いいよ」
まだhさんと一緒にいたかったんだ。
ふたりで夜になった街をぶらぶらしてカラオケに行った。
初めてふたりだけでカラオケ。
礼儀正しく距離を取って座った私たちは
熱唱につぐ熱唱で大いに盛り上がったのでした。
カラオケ屋を出たら、小腹が空いたと言うので
近くにあったマックでハンバーガーを買って夜の公園へ行った。
季節は春になりかけで、夜風が生ぬるく3分咲きの桜が揺れていた。
やっぱりここでも、少しの距離を空けてベンチに腰掛けて
いつものメールのやりとりみたいな他愛ないお話。
話ながら、この時間がもっと続けばと思ってた。
11時過ぎ、のんびり駅へ向かった。
時々腕にhさんの腕があたるのが、少し恥ずかしかった。
ホームについて、hさんは上り、私は下りの電車を待つ。
上りの電車が先に到着した。
「それじゃ」
簡単な挨拶を残して電車に乗り込んでいく。
煌々と明るい車両の中でhさんが笑っていた。
ゴトゴトと動き出した窓を目で追いかけていた。
見えなくなるまで、hさんはにこにこと手を振って。
私も手を振って。
また会いたい。
きっとまた会える。
家について、今日はありがとうとメールを出した。
その後、そのメールに返信がくることはなかった。
あれが最後になるなんて、
あの時誰が気づけたというんだろう。
長くてすみません。。
また書かせてください。
374 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/12/09(金) 00:04:11 ID:YGtvRSEo
>>362続き
『は・・・ぁ?』
驚きのあまり声が裏返った私に、メニューを見ていた友人達の視線が集中する。
『あ〜・・・、他の奴らには聞かれないようにしてて。』
カレがそう言うので友人達に手振りで外へ出てくると伝え、席を離れる。
店の外へ出てもう一度カレに聞く。
『お、お見合いって言った、よね?ちょ、なんでそんな事に?』
具合が悪いと知りつつも電話を切ることが出来ない。
『仕事先に出入りしてる人が”いい娘がいるのよー”って。』
イランことするな!と心の中で叫びつつ質問を続ける。
『相手はNの事気に入ってお見合い受けるって言ってるんだよね?』
『うん、そうっぽい。』
まずい。
これは非常にまずい事態・・・だ。
つい最近、何人かで恋愛論を語る機会があった。
そのとき彼はこう言った。
”人を好きになるってどういうことかわからない。
だから、自分を好いてくれる人を大切にする”
お見合い相手はNの事を気に入っている。
だったらNはその人を・・・大切にしようと思うんじゃないか?
グルグル、と纏まらない思考だけが頭の中を駆け巡る。
気持ちを伝えないまま終わりだなんて・・・そんなのイヤだ。
チョコベビさん!切ないねぇ‥(TДT)
376 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/12/09(金) 00:23:57 ID:YGtvRSEo
声が詰まって泣きそうだ。
いっそこのまま勢いで気持ちを伝えたら、そう考えたりもした。
だけど、まだ彼氏とのケリがついていない状態でそんな事したくない。
想いを伝えたい衝動をグッとこらえる。
『・・・だったら、尚更ちゃんと身体休めておかなくちゃダメじゃん。』
明日は大事な日なんだから、と心にもないことを言っている自分がおかしかった。
だけど他に何を言っていいのかわからなくて。
『あ〜、でもコレでお付き合いとかすることになって、結婚、なんて事に
なっちゃったら遊ぶ機会も減っちゃうんだね。』
精一杯の強がりだった。
寂しい、だなんて絶対に口に出せない。
”ゲームなんかしないでちゃんと布団で寝るんだよ”と
会話を終わらせようとしていた私にカレが言った。
『断るよ。多分。』
『・・・っはぁ??!』
本日2度目となる素っ頓狂な声。
断る(多分、だけど)って何で?
そろそろ身を固めようとか思ってたからいい話なんじゃないの?!とか
まとまりのつかない考えがさらに纏まらなくなる。
『いや、でも、いい話なんでしょ?っていうかどうでもいいから
早く布団に入って寝なくちゃダメだってば!』
あぁ、もう何言ってるんだか私(泣)
>>372続きです
>>375この時はとっても切なかったです…(TДT)
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最初は見たこともないhさんに勝手に想像をして、
会ってみたらちょっとがっかりして(笑)
そんなどこにでもあることで。
初めて会った時、この人を好きになることはないなって思ってたけど
少しずつ惹かれてた。
初めて二人で公園で話した夜、
帰りの電車の中で笑いながら遠くなっていくhさんに
また会いたいと思った私の中で、たぶん恋が始まったのだと思う。
メールに返信がないことも、最初は気にしていなかった。
2週間程経った頃、友達から電話があった。
「h、東京にいないってよ!」
「え?」
「地元に帰ったんだって」
「はあああああ????」
hさんは、友達にも誰にも告げずに東京からいなくなっていた。
もう1週間前の事らしい。
ふたりで話したあの夜から1週間後には、
もうhさんは東京にいなかったんだ。
目の前がくらくらして、同時に何故か怒りがこみ上げてしまった。
だんだん仲良くなってきて、
いろんな話をして、
きっともっと仲良くなっていけると思っていたから。
どこにも持って行き場がない怒りがあったけど
電話をしてみようという気持ちにはならなかった。
ただしばらくは、みんなhさんに置いてけぼりにされてしまった。。
という悲しい気持ちでいっぱいになってた。
東京から、800kmも離れたところにhさんはいるんだ。
恋が自分の中で始まっていたことに
私は自分でもよくわかっていなかったし、
仲良しと言い切れない、「友達の友達」という域を抜け出せてはなかったし
もう二度と会えないかもしれないことがどうしようもなく悲しくて。
でもそれをどうにもできなくて。
悲しい気持ちも少しずつ薄まって1ヶ月が経とうとしていた頃。
また友達から電話がきた。
「hに電話してみて。今東京にいるんだって!早く!」
初めて電話をするのは少しためらってしまったけど
とにかく急かされて、すぐにhさんの番号へ発信していた。
「チョコベビです」
「おお!チョコベビ!今東京に来てるんだ」
「バカ!!!」
「はあ?」
「なんで居なくなっちゃったんだよう!」
「あー、地元帰るとか言うとしみったれるしな」
「でもみんなhさんに置いてけぼりにされたんじゃないか!」
「いや、そういうわけでは…。ていうか何で逆切れしてんの」
「だってまた会えるって思ってたんだよ!」
「そっか、すまなかったな」
のんびりとした笑い声が電話の奥から聞こえた。
今までの悲しいと怒りが、いきなり口から出て驚いた。
自分でもそんな事を言うつもりもなかったのに。
結局この時は、予定が合わず会うことはできなかった。
でも、声を聞けて少し嬉しかった。
「チョコベビにえらく怒られた」とhさんが笑っていた、と
後日友達が教えてくれた。
書き始めてみたらものすごく長くなりそうです。
また書かせてください。
381 :
名無しさんの初恋:2005/12/12(月) 22:32:00 ID:vlaArA/3
お二人の続き楽しみにしてます!
>>379続きです。
この後hさんに会うことが出来たのは、3ヶ月程後のお盆のこと。
3ヶ月、1度も電話をしなかったし、かかってもこなかった。
ただ、お盆前1度だけhさんからの着信が。
「もしもし、hです」
「久しぶり!元気だった?」
「おう。お盆には東京へ行くけど予定はどう?」
「大丈夫だよ。みんなで飲み会って聞いてた」
「その日は昼頃についてしまうんだけど」
「じゃあ飲み会前にお茶でもする?」
「家に行くよ」
「え?あ、、うん」
以前、友達みんなで家に集まったことが数回あった。
でもhさんひとりでは初めて。
男性を部屋に上げるのは少し怖いと思ったけど、hさんならいいと思えたんだ。
当日、昼過ぎに電話が鳴る。
近くの駅で待ち合わせて、おやつを買って家へ到着。
5ヶ月ぶりに会ったhさんは全く変わることなく
いつものように、にやにやとしていた。
会えて、嬉しかった。
それに思いがけずふたりの時間が持てたんだ。
部屋でおやつを食べながら
一緒にテレビを見たり、ネットを見たり
他愛ない話に花が咲いて数時間はあっという間に過ぎた。
一緒に部屋を出て、みんなとの待ち合わせの居酒屋へ行く。
久しぶりに集まる仲間達は相変わらず騒々しくて
時間なんて経っていないようだった。
飲んで、騒いで、大笑いをして。
誰かが言う。
「オールカラオケ行くぞー!」
陽気になってしまったみんなはノリで合意。
そのまま朝までそれぞれが熱唱した。
始発も始まった朝、夏の早朝の朝日に
みんなの疲れてふやけた顔が白く見える。
「じゃあまた」
それぞれが言い合って、それぞれの路線へ向かう。
hさんともうひとりと私は3人同じ方へ向かった。
お盆だし朝の電車はだいぶ空いていた。
私が座った向かいの座席に、はなれてひとりが座った。
hさんは、私の隣に座った。
誰も口をきくこともなく、黙って目を閉じている。
なんとなく、hさんの肩にもたれてしまった。
いきなりhさんは目を開けてハイテンションで話し始めた。
私を眠らせないように。
そのうちに、私の下りる駅についた。
「じゃあまたね」
「じゃ」
きっと今度は年末に会えるだろう。
また同じように居酒屋で、朝まで大騒ぎして。
何の疑いもなく、そう思えた。
それが当たり前だと思っていた。
この年、hさんと会うことはなかった。
年末には都合が合わず、すれ違いになった。
ただひとつ。
変わった事がある。
hさんがお盆以降、月に1度あるかないかだったけど
時々電話をくれるようになったのでした。
今日はここで終わります。書かせてくれてありがとうございます。
386 :
名無しさんの初恋:2005/12/18(日) 22:32:41 ID:bL0iJlcM
387 :
名無しさんの初恋:2005/12/25(日) 02:42:17 ID:QdxkaEwn
チョコベビさんの投稿を楽しみにしてるんだから余計な事言うな!
今から少し話したいと思う。
よければ聞いてくれ。
>>388 是非話してくださいな、気になりま
チョコベビさんも続き楽しみにしてるので是非書いてくださ
391 :
♯ブライヤン:2005/12/31(土) 07:31:26 ID:TIgwuHR0
こういうスレがあったとは、初めて知りました。
自分も書いてみようかな。今年はすっごいショックな事があたので、
すっきりするかもしれないから。
392 :
ブライヤン:2005/12/31(土) 07:48:44 ID:TIgwuHR0
ハンドルネームのやり方がわからないのでなしでいきます
A(自分)は到底女の子には縁がなく、恋愛経験もほとんどないような男でした。
そんな時、自分の会社に入社してきたBさん。
かわいらしくて、性格がよくて、自分とはつりあうはずもない女の子。
でも通勤が同じ自転車通勤ということもあって、よく会社でも話をするようになって、
そんなある日、帰りが遅くなった帰り道、Bさんと一緒になったので
勇気を出して言いました。
自分「今からご飯でも食べにいかない?」
(自分としてはこれでも勇気をふりしぼりました。これが精一杯)
Bさん「いいよ。」
あっさりとついて来てくれました。
それからというものの、そんなにしょっちゅうじゃなく、月に多くて2回くらいだけれど
その子と飲みにいくようになり、
今思えば夢を見ていられたその頃が一番幸せでした。
しかし、このあとあんな悲しい事が起こるとは・・・・
こんな話でも聞きたい人がいればつづく
393 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2005/12/31(土) 13:09:23 ID:yyYQsaHO
ハンドルネーム#好きな文字列
↑で、できますよー。続き楽しみにしてます。
394 :
ブライヤン:2005/12/31(土) 13:48:00 ID:TIgwuHR0
つづき
そしてそんな友人関係みたいなものができつつある、ある日
どっちが言い出したとか覚えてないけれど。
たまには他の人を呼んでみようかと言う話しになりました。
そして自分が友人のCくん(同じ職場)をつれてきて3人で飲みにいったりするようになりました。
当時はあんまり深く考えてなく、単純に3人で集まればもっと楽しいと思い
呼んだのですが、それが間違いだったとあとで気づくのでした・・・・
そして時は過ぎ1年ぐらいたち、なんかその二人がなんとなくおかしいと
感づきはじめました。3人とも同じ職場なのですが、
そのCくんがBさんのことを好きになっているのがわかりました。
Bさんに対する態度をみてわかってきました。そのとき自分はとても嫌な気分で
そんな自分の気持ちを知ってか知らぬか、職場でもCくんとはしゃべることが少なくなってきました。
その頃は3人で飲みにいってもなんか自分が邪魔なように扱われているような感じを受けていました。
(自分の錯覚かもしれませんが、当時はなんでも悪い方に受け取ってました)
そして今年の1月の初めころ
Cくんに帰り際、「話しがある。」と言われ、
その話し方の雰囲気といい、いい話しではないとはわかり、
すごい嫌な予感がしました・・・・・
395 :
ブライヤン:2005/12/31(土) 14:40:01 ID:TIgwuHR0
C「Bさんとつきあうことになったから。」
自分「・・・・・・(無言 何も言えず)」
C「また飲み会は3人で集まろう。」
自分「うん。・・・」
終始言葉に詰まり、「うん。」ぐらいしか言えませんでした。
そして帰り道、自転車を飛ばしながら久しぶりに泣きました。
自分は最近ドラマとか見ても泣いた記憶はなく。あったとしても小学生の頃。
血も涙もないような男だと思ってたのですが。
その日は、家に帰ってからも涙が止まりませんでした。
くやしさ、さみしさ、口惜しさ、様々な感情が湧いて出てきましたが
年明け早々、最悪な1年のすたーとでした。
そして職場では2人とは目もあわせられませんでした。
毎日顔を合わせても無視してました。自分は大人気ない最低の男でした。
そしてそれから1週間が過ぎたごろ、Cさんと会社帰りに話しかけてきました。
なんか話しずらそうに、言いました。
396 :
ブライヤン:2005/12/31(土) 14:41:42 ID:TIgwuHR0
B「Cくんから聞いてる?怒ってる?黙っててごめん。」
自分「なんとなくわかってたけど・・・」
B「2人のことを応援してくれる?」
自分は無言で首を横に振りました。とても素直に2人の事を応援とか
ましてや「がんばって」などと言えるはずもありませんでした。
B「Cくんと仲良く慣れたのはAくんのおかげだから。」
この言葉が一番ショックでした。自分のおかげだから感謝してるみたいなことでしたが
ますますあの時、紹介したりしなければよかった。
少なくともこんな嫌な思いしなくてすんだ。と思いました。
そして自分もBさんのことが好きだった、みたいなことを言いました。
当然のようにBさんは困った顔をしてました。
そして自分があんまり何も言わないところにBさんが切り出しました。
B「いまからご飯でも食べに行こうか。」
そしてなんとなく入った飲み屋で、、
B「他にもいい人いるよ、頑張って。」などと振られた子に慰められる始末
そういうことがあり、それからは、もう3人で飲みにいく事もなく
半年以上過ぎました。
その間に少しは立ち直りつつあり、2人のことも、もう気にしないように
しようと思い、徐々にまた話しが出来るようになってきました、
そして9月。Bさんと話す機会があり、そこで聞かされたことがあります。
続きはやくーwwww
ちなみに厳密にいうならハンドルネームは「ブライヤン」ってついてるじゃんw
トリップ(蒼 ◆pOM392MOrw)みたいにつけたいなら「ブライヤン#1919」みたいなのにすればおけ
「1919」は自分の好きなのにしてくれ
蒼、勝手に使って申し訳ない
ちなみに体験談は楽しみに読ませて貰ったw
398 :
ブライヤン:2005/12/31(土) 18:03:27 ID:TIgwuHR0
トリップのつけかたわかりました。今度やってみます。
それではそのつづき
9月のある日、会社帰り、Bさんと一緒になり、なんとなく話をしました。
去年までは3人で飲み会を月に一回は行っていたのに、今年はそういうこともなく
自分もさみしかったし、2人のことも、もう気にしないようにしようと思い。
自分「飯でも食いにいこうか。Cくんを連れてきていいいから。
彼氏の許可とらんとね。」
みたいなことを言ったら、意外な言葉が返ってきました
B「Cくんとはもう付き合ってないし・・・」
意外なことにとっくに2人は別れていたことを知らされました。
今は友達に戻ったってことを聞かされました。
自分の中では、嬉しいと思う嫌な人間性が出てきました。
他人の不幸を喜ぶような嫌な性格だと自分で自分がいやになってきました。
「これで元通りに戻ったね。」
みたいなことをいわれたけれど、昔のように気軽にしゃべれず、
2人に対するわだかまりだけが残りました。
Cくんが今度一回3人で集まろうと言っていたけれど、自分がはっきり態度を示さないので
その話ものびのびになってしまい、今日も電話でもしようと思っても、それも出来ず
また昔のように友人関係に戻りたいとも思うけれど、
裏切られたようなことを思い出してしまうと、言葉がなかなかでません。
そして3人はいまでも同じ会社、同じ職場で働いてます。
まだBさんのことを勝手に片思いしながら・・・・
399 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2006/01/01(日) 00:09:03 ID:A9Vpxl1b
>>376続き。
『断る・・・断らないはNの自由だけど・・・
お見合い相手の事、先入観だけで見ないであげてね。』
思わずそう言ってしまった。
カレは”この仕事に就いているから、相手はお見合いに応じた”
そう考えているんだろうと思った。
いつも、いつも自分に言い聞かせるようにそう呟いていたから。
カレがどんな恋愛をしてきたのかは知らない。
”この仕事に就いているから”と呟くようになったのは・・・
カレが愛した人がそうだったのか、好意をよせてくれた人達がそうだったのか私にはわからない。
わかるのは、カレがその事に傷ついているという事。
そして、それが原因で恋愛をしようと思っていない事。
”お見合い相手”を”先入観”だけで見ないで。
そん言葉を口にした本当の理由は・・・自分が怖かったから。
私が”好き”だとカレに告げても同じ様に拒絶されるのではないか、
そんな恐怖感からだった。
自分の首を絞める発言なのは百も承知ったけれど言わずにはいれなかった。
カレの言葉ひとつひとつが自分にむけられているような錯覚に陥っていたから。
『・・・わかった』
少しだけ考えた後カレはそう答えた。
400 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2006/01/01(日) 00:36:05 ID:A9Vpxl1b
携帯を閉じた後、頬を軽く叩いて気持ちを落ち着かせる。
大丈夫。
そう自分に言い聞かせ、みんなの待つ店内へと戻った。
飲み会も終了して自宅へ戻ったのは21時を少し回った頃。
着くと同時に彼氏へ電話をかける。
1コール、2コール・・・相変わらず電話には出てくれない。
留守番電話サービスに接続される。
いつもなら電話を切ってしまうところだけれど今日は伝言を残す。
”どうしても話したいことがあります”
そう、一言だけ。
彼氏からの電話を待ちながらお風呂などを済ませていく。
23時を過ぎても連絡はこない。
諦めて眠りに就こうとしたとき、電話がなる。
液晶には彼氏の名前が表示されていた。
401 :
蒼 ◆pOM392MOrw :2006/01/01(日) 00:50:30 ID:A9Vpxl1b
『・・・もしもし?K?(彼氏の名前)』
『うん、そう。伝言残ってたから電話した、遅くにごめんな。』
耳をくすぐる、かつて愛した人の声。
『ううん、大丈夫。まだ起きてたから。』
そこで話が途切れてしまう。
昔は心地よかった沈黙が、今はただ・・・痛かった。
”なんでもない”と電話を終えたくなる衝動と必死に戦いながら次の言葉をさがす。
『K、今日は・・・話したい、ことがあるの。』
『うん・・・』
『ずっと・・・同じ話をしてきたけれど・・・私と別れてほしい。』
『蒼、またその・・・』
その話・・・と続ける彼氏の言葉をさえぎって話を続ける。
『好きな人ができたの!だから別れる。』
半ば叫ぶように彼氏に自分の気持ちをぶつけた。
”別れてほしい”ではなく”別れる”
その言葉の違いに彼氏も気付いてくれたようだ。
再び沈黙が訪れた・・・。重い、重い沈黙が。
402 :
名無しさんの初恋:2006/01/03(火) 02:53:53 ID:nMNo9thb
うがー!
またええところで寸止めかよ!
403 :
名無しさんの初恋:2006/01/09(月) 20:43:29 ID:Ti1+DZiR
誰か書いて〜〜〜〜〜
404 :
名無しさんの初恋:
(´・ω・)σあげ