ドラえもん・のび太のポケモン小説【外伝17】

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1名無しさん、君に決めた!
ここは、ドラえもんやのび太達がポケモントレーナーとして活躍する小説の16スレ目です。
このスレでは自分の書いた小説を投稿することが出来ます。

基本ガイドライン
▼喧嘩せずに仲良く利用する。
▼自演はしない。
▼荒らしには反応せずスルー。
▼sage進行

その他
▼次スレは>>970が立てること、
  容量で埋まってしまった場合はバーボンスレにて候補を挙げること
▼現在のスレを使いきる前に新スレ誘導をすること。

詳しいガイドラインは>>2-5あたりに提示。

前スレ
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/poke/1181138948/
バーボンスレ 雑談専用スレ
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/poke/1183208352/
AAスレ AA作品専用スレ
ttp://yy47.60.kg/test/read.cgi/ch2poke/1177234802/
まとめwiki 投下された作品はここでまとめて読める
ttp://www21.atwiki.jp/nobita_in_pokemon/
ポケモン関係SSwiki 1乙作品がここで読める
ttp://www24.atwiki.jp/pokess-keeping/pages/4.html
外部板:ぽけもん板
ttp://yy47.60.kg/ch2poke/
ドラえもん・のび太のポケモン小説 ロッカールーム
http://uzeee.orz.hm/bargiko/bargiko.php?type=game&id=1181661336922
2名無しさん、君に決めた!:2007/07/03(火) 00:45:38 ID:???
作者ガイドライン
▼作品を投下する際には酉と作者名を入れる。
▼自分の作品の質を向上させるよう、日々精進する。
▼一度始めた作品は何があっても完結させる。
▼作品を投下する時は、酉と作者名は必ずつける事。
※酉のつけ方:名前欄に作者・作品名#好きな文字列(全角最大4文字半角最大8文字)と入力
▼読みやすいように自分の前作品に対しアンカーをつける事。
▼自信がなくて怖い人やスレ違いと思う人はぽけもん板に書き込みましょう。

読者ガイドライン
▼作者が投下した後には、何かしら励みになるようなレスをする。
▼作者への批判や悪口は控える。
▼投下中には絶対に割り込まない。
▼作品の評価書き込みは冷静かつ客観的にお願いします。
ぽけもん板に作者考察スレがありますのでそちらも活用して下さい。
▼自分の気に入った作品の作者には応援書き込みをしましょう。
皆様の応援が作者の小説作りへの励みとなり、活力にもなります。
▼これは常識ですが、荒らし又はそれに反応する人は全てスルーして下さい。
荒れる元です。
▼作品を書くのは大変な作業です。
やたら「過疎、過疎」等と言わないで下さい。
作者、読者ともに以下の事に注意して下さい。
▼スレに偉い人は居ません。
皆平等です。
差別、中傷行為は止めましょう。
またその相手をすることも止めましょう。
3加速ブーピッグ ◆hR8C5rHXdI :2007/07/03(火) 00:47:04 ID:???
加速ブーピッグ様が華麗に5ゲット
4名無しさん、君に決めた!:2007/07/03(火) 00:47:18 ID:???
5名無しさん、君に決めた!:2007/07/03(火) 00:47:49 ID:???
1乙
6名無しさん、君に決めた!:2007/07/03(火) 00:48:52 ID:???
いちもつ
7名無しさん、君に決めた!:2007/07/03(火) 00:50:36 ID:???

17スレ目な
8名無しさん、君に決めた!:2007/07/03(火) 00:53:26 ID:???
1ポリゴン乙
9 ◆AnalSexRiQ :2007/07/03(火) 00:54:15 ID:C+SMmLiB
オッスお前ら\(^O^)/
10名無しさん、君に決めた!:2007/07/03(火) 00:55:36 ID:???
アナルじゃん。お前は初代スレだろ
11ロキ ◆zCpebmpy/g :2007/07/03(火) 01:00:32 ID:???
>>1

すまん、投下する
12ロキ ◆zCpebmpy/g :2007/07/03(火) 01:03:28 ID:???

一同森に到着

ブサムス「この森は深いな…」

レオン「大丈夫だ。ここらは詳しい」

のび太「ねぇ〜みんな疲れてないの?」

コラッタ「うるさい!死ねっ!」

レオン「仕方ない、少し休憩だ」

アリーシャ「気になっていたけどどこかで会った気がするんだけど」

レオン「パパは有名な貴族だから王女のお前とはどこかで会っているかもな」

ルーファウス「ぷっ!パパw」

レオン「黙れ!何が悪い!」

のび太「そろそろ出発しようよ!」

一同「…こいつ」

そして森の中間部

草むら「ガサガサ」

レオン「まさか…」な
13ロキ ◆zCpebmpy/g :2007/07/03(火) 01:04:48 ID:???
草むら「ガサガサ…ドバッ!」

レオン「蒼…じゃなくて」

白い液体がアリーシャを襲う!

草むら「ふっふっふっ!サッ!」

なんとあのレZARDが素っ裸であらわれた!

レZARD「ふっふっふっ!今のは私の精液だ!」

アリーシャ「いやあぁぁ〜ajtmgdptwgaふじこjgdt!」

レZARD「今日は我が僕だけで十分だ!」

レZARDはラッタ、ペルシアン、ビジョンをくりだした!

のび太「コラッタ!ラッタに突進だ!」

ラッタ「ふっ!見るからに弱そうなモンスターめ!俺の前歯で死ねっ!」
14ロキ ◆zCpebmpy/g :2007/07/03(火) 01:08:27 ID:???
コラッタ「死ねっ出っ歯!」
バチバチと激しい火花が散る!

ラッタの前歯が激しい音をたて砕け散る!
ラッタ「なっ…何故だ?」

のび太「コラッタにプラスパワーを使っていたのさ」

レZARD「そんなものをどこで?」

のび太「ニャースがひろってきたのさ!」

レZARD「フッ!馬鹿め!行けペルシアン!」

ペルシアン「フニャー!」

コラッタ「ぐはぁ…段違いだ…」

レZARD「ちょっと貴様達が油断しているうちに補助魔法をかけさせてもらった」

レオン「フッ!ストーンブラスト!」

のび太「今だ!ニャース!最後の浄破滅焼光だ!」ドン!

レZARD「ふん!まあいい!どうせザコだ
これではピジョンもダメだな…なら」
まばゆい光がレZARDを包む

ブサムス「まずい!大魔法、セレスティアルスターだ!」
15ロキ ◆zCpebmpy/g :2007/07/03(火) 01:09:27 ID:???
レZARD「ふはははっ!」

カッ!

しかし倒れていたのはレZARDのモンスターだった

ルーファウス「何のつもりだ?」

レZARD「このザコの死骸をくっつけると面白いぞ…」

レZARDが手をかざすと3匹は光輝き変化する!

レオン「あれは…蒼の狸!」
16ロキ ◆zCpebmpy/g :2007/07/03(火) 01:10:19 ID:???

のび太…魔物使い

コラッタLV21

たいあたり
すなかけ
とっしん

ニャースLV19

ひっかく
ねこにこばん
ものまね

ポッポLV12

かぜおこし
すなかけ
つつく

レオンLV38…魔法剣士

浄破滅焼光…ノーマル130
ストーンブラスト…岩60
魔人拳…格闘150

ルーファウス…人間、格闘家

ブサムス…ヴァンパイア

アリーシャ…姫
17ロキ ◆zCpebmpy/g :2007/07/03(火) 01:11:16 ID:???

投下終了

意味わからんなら前回を投下します
18名無しさん、君に決めた!:2007/07/03(火) 01:12:02 ID:???
まあ投下しれば
19名無しさん、君に決めた!:2007/07/03(火) 01:14:33 ID:???
一応乙 テイルズ混じっとるw
20名無しさん、君に決めた!:2007/07/03(火) 01:16:17 ID:???
ロキとかまだ生きてたんだw
21名無しさん、君に決めた!:2007/07/03(火) 13:53:36 ID:???
鼻糞乙
22名無しさん、君に決めた!:2007/07/03(火) 14:31:48 ID:xE8lym3L
ここって一回のレスで何行くらいまで書き込めるんですか?
投下してる人は何回かに分けてるので気になったんですが。
23名無しさん、君に決めた!:2007/07/03(火) 14:33:52 ID:???
>>22
下げてくれ・・・32行だ。
>>1のウィキの執筆参考資料見て来い
24名無しさん、君に決めた!:2007/07/03(火) 14:36:11 ID:???
>>22
sageはメル欄にsageと入れるだけでできる
大体3〜7辺り
それ以上だと規制にかかって書き込めなくなる場合がある
25名無しさん、君に決めた!:2007/07/03(火) 14:50:59 ID:???
ありがとうございます。

作品を読んでいて作品を作りたくなったので仕組みを知りたくて書き込みました。

出来れば今週末に投下します。初心者なのでおかしな点はご指摘いただけると嬉しいです。
作品名は、『のび太とDP』の予定です。
よろしくお願いします。
26名無しさん、君に決めた!:2007/07/03(火) 15:06:04 ID:???
>>25
メモ帳とかに書きためてから投下しろよ
27名無しさん、君に決めた!:2007/07/03(火) 15:08:01 ID:???
>>25
投下ガイドライン読んでこいよちゃんと
読まずに投下して叩かれても擁護は出来んからな
28名無しさん、君に決めた!:2007/07/03(火) 15:21:49 ID:???
25の者ですが、ガイドラインを読んだんですがアンカーとは何ですか?
29名無しさん、君に決めた!:2007/07/03(火) 15:23:49 ID:???
>>28
・・・投下する前に2ch自体の勉強してこい
30名無しさん、君に決めた!:2007/07/03(火) 15:25:33 ID:???
はげオナ
31名無しさん、君に決めた!:2007/07/03(火) 15:25:57 ID:???
>>28
↑これの事だよ
32名無しさん、君に決めた!:2007/07/03(火) 15:31:56 ID:???
>>31
ありがとうございます!…29さんの言うとおりいったんここのことを学んでからにします。
遅くても8月までには覚えると思うんで。
33名無しさん、君に決めた!:2007/07/03(火) 15:51:31 ID:???
>>32
それが正解だよ、待ってるから早く覚えてこい
34名無しさん、君に決めた!:2007/07/03(火) 16:13:02 ID:???
案内の初心者系の板見てくるんだ
35名無しさん、君に決めた!:2007/07/03(火) 21:00:05 ID:???
なんかこういうのが来ると和む
36名無しさん、君に決めた!:2007/07/03(火) 21:30:33 ID:???
     ::*,.-""
     ゛*,:"
   /    ヽ\
  │       │
   へ-  ─ヾ  │
    (○) (○)  ∂ \
  |  し 丶 √ │││
  | ト-=ヽ  │ ││
   \    /  │ │
  / ゝ── /ノ  丿
  ( \__ /   /│

わたしは そうりょリフ
たたかいはできませんが ちりょうのつえがつかえます
よろしければ ごいっしょさせてください

ΩΩΩ〈じぶんに つかえよ
37トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/03(火) 21:53:41 ID:???
これから投下します
今日は少し支援が必要かもしれません
38名無しさん、君に決めた!:2007/07/03(火) 21:55:08 ID:???
投下前にまず支援
39トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/03(火) 21:55:14 ID:???
No.012『かばん』

「のび太ぁぁぁーー!ギタギタにしてやるゥゥーーッ!」
「ヒィイャアアアアーーーーッ!」
見渡す限りの広い広い道路、そこではのび太とジャイアンの生死を賭けた壮絶な追いかけっこが繰り広げられていた。

「のび太のび太のび太のび太のびのびのびのび太ぁぁぁーーッ!」

ジャイアンのその顔は、まさに鬼の形相。無理も無い、彼はのび太のせいで年に一度の試験に落ちたのだと思い込んでいるのだから。
超人的なスピードでのび太を追いかけている。

のび太の逃げ足もなかなかだったが、いささか相手が悪すぎた。
あっという間に、ライオンに捕まったガゼルの様にジャイアンに捕えられ、

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ」

「ブッシュ!」

ギタギタにされてしまった。
40名無しさん、君に決めた!:2007/07/03(火) 21:56:15 ID:???
では支援
41トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/03(火) 21:56:53 ID:???
「ハァ、ハァ、ハァ……まだ気持ちが収まらねえ……」

のび太をボロ雑巾のように痛めつけても、まだ怒りの収まらないジャイアン。
「親にも分かんねえ顔面にしてやるゥゥーーッ!」
怒りに任せてジャイアンが、気絶したのび太に止めの拳を振り上げた瞬間だった。
『ピーンポーンパーンポーン。皆さん、一次試験の突破、おめでとうございます。これから二次試験の説明を開始します』

えっ?二次試験?一次試験突破?

ジャイアンの脳裏に浮かぶ様々なクエスチョン。
しかし放送はジャイアンの脳の情報整理を待ってくれない。放送は尚も続く。

『これから試験管が、二次試験課題を発表なされますので右手に見えますゲートの前にお集まり下さい。プツン……』
放送が終わり、一分後、ジャイアンは理解した。

ああ、俺、二次試験に進んだんだな、と。


そして、彼は足元に転がる気絶したボロ雑巾に目をやる。
「………気絶させちゃったな……………どうしよ」
とりあえず、ジャイアンは『それ』を担いで、行くことにした。

(ちょっぴり、悪いことしたかな)

ジャイアンはそう思った。
42トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/03(火) 21:58:32 ID:???
―数分後―

「………ん?」
「気がついたか」
のび太が目を開けると、そこにはジャイアンの顔があった。

のび太は一瞬、また気を失いそうになったが、ジャイアンの表情をよく見ると先程の怒りモードは解けているようだ。
「のっ、のび太、俺達さ、一次試験突破だってさ……あははははは……」
ジャイアンは笑いながら言う。笑顔が限りなくぎこちない。
のび太は言う。
「じゃあ、僕は殴られなくても良かったんじゃないか!酷いよぉ……」
のび太は半ベソをかく。ジャイアンはそれをたしなめる。
「ま、まぁまぁ、二次に進めたから良かったじゃねえか……あは、あははははは……」
誤魔化そうとするジャイアンをのび太は、ちょっぴり軽蔑の目で見た後、辺りを見回し、言った。

「ところで……ここは何処?」
「さあ……何処だろな」
ジャイアンも頭を捻る。

視界にはゲートと大きな道路、それと急な坂が見えている。

(ゲート、道路、急な坂……あれ……この地形どっかで……)

のび太が記憶の糸を辿ろうとしたその瞬間、

『お前らぁぁぁぁぁぁーーッ!元気かぁぁぁぁぁぁーーッ!!!!!』

飛行機の爆音にも似たアナウンスが辺りに成り響いた。
43名無しさん、君に決めた!:2007/07/03(火) 21:59:38 ID:???
ジャイアンヒドス
44トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/03(火) 22:00:10 ID:???
周囲の人々は思わず耳を塞ぐ。それでも耳がピリピリする。それ程の超爆音。正直、近所迷惑になりそうだ。
耳を塞ぎながらジャイアンは呟く。
「うるせえな…あの人間騒音が……」
「ジャイアンだって……」
「なんか言ったか?」
「いや、何も」
ジャイアンに一睨みされ、のび太は慌てて誤魔化す。騒音がどれだけ他人に迷惑をかけるかをジャイアンが理解することを祈りながら。
そして、一方で尚も止まる事を知らず続く特大破壊音波。
『これからッ!二次試験をッ!開始するぞお前らぁぁぁぁぁぁーーッ!
ゲートの方を向けぇぇぇぇぇぇーーッ!』
人々は反射的にその方向をむく。
そこには、スピーカーを持った、上半身裸のちょっぴりマッチョな髭面中年男と、道着を着、栗色の髪をした18位の若い女が立っていた。
『ワシはぁぁぁーーッ!タンバジムジムリーダーでぇぇぇーーッ!二次試験管のォォォーーッ!シジマじゃああああーーッ!
よろしくなぁぁぁーーッ!』
破壊音波の音源はそう名乗った。
「シジマ……?ああ、これまた影の薄いオッサンか」
ジャイアンは誰とも無しに呟く。

こんな濃い奴だったっけ?っていうかコイツマジで試験管?

ジャイアンがそんな事を考えていると、その試験管とは到底思えない男から、二次試験の内容が発表された。
『ではぁぁぁーーッ!二次試験課題をォォォーーッ!発表するゥゥーーッ!
二次試験課題はぁぁぁーーッ!ズバリ、トライアスロンじゃああああーーッ!』
45トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/03(火) 22:03:13 ID:???
「トライアスロン!?」


どよどよと参加者の間にどよめきが広がる。しかし、
『うるさぁぁぁいッ!静まれぇぇぇーーッ!いつまでまってもッ!試験内容が発表出来んだろうがぁぁぁーーッ!』
シジマの鶴の一声で場のどよめきは収まった。
だが、
(一番うるさいのはアンタだよ)
と受験生に心の中で総ツッコミを入れられたのはいうまでもない。
そうとも知らずにシャウトし続ける髭ハゲ中年デブオヤジ。
『でわぁぁぁーーッ!課題内容を発表するゥゥーーッ!
発表するぞォォォーーッ!ンムムムムッ!なんだこの漢字はぁぁぁーーッ!読めんッ!アイコォォォーーッ!頼むゥゥーーッ!』
アイコと呼ばれた栗毛の女は、バカからスピーカーと資料を受けとると淡々と課題を発表し始めた。
『どうも、二次試験管補佐のアイコです。
これから、皆さんにはトライアスロンをして頂きます。
ちなみに、ここはカントー地方のサイクリングロードという場所です』
(あ、サイクリングロードか)
のび太の記憶の糸が繋がった。アイコは続ける。
『皆さんには、これからこの坂を登って頂きます』
46トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/03(火) 22:04:34 ID:???
「登る?この坂を?マジで?」「何キロあると思ってんだよw」「は?っていうかポケモン関係ねえし」

再び人々はざわめく。しかし、アイコは淡々と次の説明を続ける。
『先程、登って頂くと言いましたが、ただ登って頂く訳ではありません。
皆さん、お足元をご覧下さい』
皆の目線が足元に集中する。
するとどこからともなく、足元に冒険用バッグみたいな物が転送されてきた。
「なんだ?これ」
ジャイアンはそれを恐る恐る触ってみる。
コツン、コツン。何やら丸くて固い物が入っているようだ。
放送は続く。
『そのバッグの中には『折り畳み式マッハ自転車』と『ヘルメット』と『ポケモンの卵』が入っています』

「ポケモンの卵だって!」
のび太はすっとんきょうな声を上げる。

『皆さんも知っての通り、ポケモンの卵は、人間の『歩行』のエネルギーによって孵化します。個体差は有りますが、恐らくレースの中盤から終盤頃には全て孵化するでしょう。

それと、補足しますが、先程はトライアスロンと言いましたが、こちらの指定したコースを通って頂ければ進み方は自由です。
自転車で進んでも、ポケモンに乗って空を飛んでも、はたまた走るのも自由です』
47名無しさん、君に決めた!:2007/07/03(火) 22:06:25 ID:???
sien
48トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/03(火) 22:08:12 ID:???
「……と、言うことは必ずしも体力馬鹿が有利ってわけでもない訳か……
それにもう一つのポイントはポケモンの孵化歩数だな」
受験生の一人が誰とも無しに呟く。
進み方は自由。
これは孵化したポケモンが、飛行ポケ、もしくは人を乗せれるポケモンで、孵化歩数が少ないポケモンを引ければ、圧倒的に有利になれる事を示唆していた。
様々な思索が飛び交う中、アイコの話は続く。
『ここからゴールまでの地図も、バッグに入っています。
それと、二次試験に進出出来るのは先着50名様までです。
どんな手を使ってでもいいですから、頑張って下さい。私からは以上です』
そう言って、アイコはシジマにスピーカーを渡した。
再び繰り広げられる爆音に、皆が耳を塞いだ。
『分かったかぁぁぁーーッ!お前らぁぁぁーーッ!分かったらぁぁぁーーッ!早く自転車を出せぇぇぇーーッ!』
受験生は一斉に自転車を用意し始めた。
折り畳み式のマッハ自転車の構造は分かりやすく、三分もしない内にほぼ全ての受験生が自転車を組み立てる事が出来た。
49名無しさん、君に決めた!:2007/07/03(火) 22:08:50 ID:???
支援
50トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/03(火) 22:10:12 ID:???
――――

5分後、サイクリングロード坂の前には自転車に乗った人の波が出来た。みんな、スタートの時を今か今かと待っている。
『ではぁぁぁーーッ!いくぞォォォーーッ!
よォォォーーイ!ドォォオン!』

「ウオオオオォォォーーッ!!!!」

シジマの合図と共に、凄まじい砂ボコリを巻き上げながら、皆が一斉にスタートし、スタート地点には誰も居なくなった……かのように見えた。


―――――

誰も居なくなったスタート地点に佇む黄色い服を着たメガネの少年と体格の良い少年が二人。
メガネの少年は目の前の自転車を見つめながら呆然としている。
体格の良い少年は、いつまで経っても、スタートしないメガネの少年を心配に思い、訊いた。
「のび太…?なんでスタートしないんだ?
俺もいっちまうぞ?」
ジャイアンの言う言葉が終わらない内に、のび太は頭を押さえながらその場にひざまづき、叫んだ。


「僕自転車のれねぇぇぇぇぇぇーーーーッ!」


サイクリングロードに憐れなのび太の絶叫がこだました。
51トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/03(火) 22:11:33 ID:???
今日はここまでです。
ちょっと今日は文がダラダラだったかな?
52名無しさん、君に決めた!:2007/07/03(火) 22:12:17 ID:???
乙乙乙、乙乙
53トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/03(火) 22:12:53 ID:???
言い忘れてましたが、支援して下さった方々、ありがとうございました
54名無しさん、君に決めた!:2007/07/03(火) 22:14:02 ID:???
ひざまづき じゃなくて ひざまずき だとオモ
55名無しさん、君に決めた!:2007/07/03(火) 22:16:03 ID:???

しかし面白いw
あと、試験管→試験官ね
統一されてるから勘違いされているのではと思って
56名無しさん、君に決めた!:2007/07/03(火) 22:19:53 ID:???
修正

ひざまづき×
ひざまずき○

試験管×
試験官○

今までの試験管は直してもらうのは赤髪氏にも迷惑がかかるので、以前のは脳内変換してください
すみません

>>54>>55
ご指摘ありがとうございます
57 ◆OVcEruNBe6 :2007/07/03(火) 22:22:33 ID:???
大丈夫、暇だから直しておくよ
58トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/04(水) 00:28:59 ID:???
トレーナー氏乙
投下します
59トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/04(水) 00:30:07 ID:???
       #0 「始まり」
       
ここはトキワトレーナーズハイスクール、バトル科4組の教室だ。
「先生、これは一体なんですか?」
一枚の紙を手に取り質問する少年の名は野比のび太という。
紙には、『キングオブトーナメント 開催のお知らせ』と書かれている。

「俺も詳しいことはしらんが、今度開かれる非公式の大会のチラシのようだ
主催者も開催場所も不明、分かっているのは4人一組のチーム戦だということ、そして……
優勝賞金が“4億円”だということだけだ!」
4億円……あまりにも現実味が無い金額を聞いた生徒たちが騒ぎ始める。

「面白そうだな、のび太! 俺たちも出てみないか!」
一際声が大きいこの男は剛田武、通称ジャイアン。
「いや、いいよ。 あまり興味ないし……」
誘いを断られたジャイアンはつまらなそうな顔をした。

―――あの事件から7年が経ち、のび太は17歳となった。
自分を1人前と認めてくれたドラえもんの期待に答えるため、のび太は一生懸命勉強した。
そして見事トレーナーズスクールを卒業し、
今はトレーナーズハイスクールのバトル科の進学して勉強を続けている。

勉強して、友達と遊んで、家族と楽しく食事して……
平凡だが充実した毎日を過ごし、ポケモントレーナーになる夢を追い続けるのび太。
彼は今の生活に何の不安も抱いていない、『幸せ』だと心から感じていた。

―――だが、平凡な日常とはある日突然崩れさっていくものなのだ……

60トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/04(水) 00:31:33 ID:???
「ただいまー!」
威勢よく玄関のドアを開けたのび太。
玄関に入った瞬間、彼は一つの異変に気付いた。
いつもはまだ仕事しているはずの、父親の靴があったのだ。

「パパー、帰ってるのー?」
のび太は父親を呼びながら居間のドアを開ける。
そこには、深刻そうな表情を浮かべて向かい合っている父と母の姿があった。

そこでのび太は衝撃的な話を聞かされる。
のび太の父、のび助の勤める会社が突然倒産したこと。
歳のせいで再就職先を見つけるのも困難であること。
さらに、家のローンと借金が合計3000万もあること……

「一体、この家はどうなるの?」
「そんなの、私に聞かれ……て……も……」
突然、『バタン』という音がした。
母、玉子が倒れたのだ。

救急車が到着し、玉子は病院に運ばれる。
倒れた原因は過労とストレス、ストレスの原因は間違いなく借金だろう。

のび助を病院に残し、1人家に帰ったのび太は悩む。
これから、一体どうすればいいんだろう……
「……助けて、ドラえもん……」
いくら呟いても、もうドラえもんは戻ってこない。

苦悩するのび太の目に、一枚の紙が映った。
『キングオブトーナメント……“優勝賞金4億円”』
家庭を救うため、平凡な日常を守るために……のび太は決意を固めた。
その目はもうすぐ訪れるキングオブトーナメントを見据えていた。
61トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/04(水) 00:32:42 ID:???
       #1 「結成」

「お願いだ! 僕と一緒にあの大会に出てくれ!」

突然、のび太にそう言われたジャイアンは驚いた。
昨日彼は、この大会には興味が無いといっていたハズだ。
「のび太、何があったんだ?」
何かあったな……のび太の長年の友であるジャイアンは直感でそう感じ取った。

のび太は昨日あったことを包み隠さずジャイアンに話した。
「よし、俺様が協力してやるよ!」
ジャイアンは快く承諾してくれた。

「それじゃあ、あらためてこのチラシを見てみようか。」
2人は『キングオブトーナメント 開催のお知らせ』のチラシに目をやる。

『   キングオブトーナメント 開催のお知らせ 
このトーナメントは4人1組のチームで行います
この紙についてある応募用紙にチーム名、4人の選手名(チームリーダーは一番上に記入すること)、補欠選手(人数制限なし、無記名でも可)を記入し、下記の住所へお送りください
“○○○タウン△△番地□□□□―□”
〆切 ○○月○○日
※ 重要事項 優勝賞金は4億円!   』 

しかし、何度読み返してみても不気味な文章である。
大会の試合日や開催場所など、重要な事がほとんど書かれていないのだから。

「ま、そんなこと気にすんなよ! それより残り2人のチームメイトなんだが……どうする?」
ジャイアンがのび太に問う。
「もう目星はつけてある、ジャイアンも分かるでしょう?」
「ああ、じゃあ早速2人に連絡しとくぜ!」
ジャイアンは早速ポケッチを使って、何者かに連絡を取り始めた。
62トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/04(水) 00:33:26 ID:???
放課後、空き地には4人の人物が集まっていた。

のび太、ジャイアン、スネ夫に静香。
スネ夫は現在ハイスクールのポケモン学科に、静香は医学科にそれぞれ通っている。
この4人は7年前にある事件で共に戦って以来、切っても切れない関係で結ばれているのだ。
いわゆる、腐れ縁というやつである。

「……というわけなんだ。
お願いだ、僕と一緒にキングオブトーナメントに出てくれないか!」
のび太がスネ夫と静香に向かって頭を下げる。

それに対して、
「のび太さんの悩みは私たちの悩み……
喜んで協力させてもらうわ」
と、静香。
「仕方ない、僕も協力してやるよ」
と、スネ夫。

「よし、決まりだな! じゃあ俺たち4人で、何とかトーナメントに参加するぞ!」
ジャイアンが空き地全体に響き渡るような大声で叫ぶ。

「どうやら、決めなきゃいけないことが後3つあるね。
補欠選手、チーム名、そしてチームリーダー……」
スネ夫が言うと、ジャイアンがさっそくペンと応募用紙を取り出す。
「補欠選手はとりあえず多い方がいいだろ! スクール時代の同期生全員書いとくか!」
せまい補欠選手欄にジャイアンは無理やり多くの人物の名前を書き込んでいる。
まさかスクールの同期生は、自分が勝手に補欠選手にされているなんて夢にも思わないだろう。

「これで一つは片付いた……次はチームリーダーを決めようぜ!
……ちなみに俺はのび太が適任だと思うんだ!」

63トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/04(水) 00:34:17 ID:???
ジャイアンの言葉を聞いた3人、特にのび太は耳を疑った。
傲慢で自分勝手なジャイアンのことだ、間違いなく俺がリーダーだとわめきだすと思っていた。
しかし彼は他の人物にリーダーの座を譲ろうとしている。
……よりによって、散々馬鹿にしてきたのび太に。

「で、お前ら異論はあるか?」
突然の問いのび太は答えが浮かばず、首を横に振る。
スネ夫と静香も反論することはなかった。

「じゃあリーダーはのび太に決定! 後はチーム名だが……
俺は『ジャイアンズ』を勧めるぜ! これだけは譲れない!」
またまた3人がポカンと口をあける。
……やっぱり、ジャイアンはジャイアンだったか。

「僕はイヤだ!」
すぐさまのび太が反論した。
「じゃあ何がいい? 言ってみろ!」
ジャイアンに問われ、のび太はたじろぐ。
「えっと、うーん、そのー……」
その時ふと、ドラえもんの顔が脳裏に浮かんだ。
「そうだ、『ドラーズ』なんてのはどう?」
「うーん……まあ、『ジャイアンズ』よりはましか……」
スネ夫と静香が呟いた。
結局、多数決の結果3対1でチーム名はドラーズに決まった。

「よし、じゃあ俺たちはこれから『ドラーズ』の仲間だ
皆で協力してトーナメントへ、目指すは優勝だ!」
ジャイアンがそう言いながら右手を差し伸べる。
スネ夫、静香、のび太もその上に手を重ねる。

―――4人が始めて、『ドラーズ』という一つのチームになった瞬間だった。
64トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/04(水) 00:35:11 ID:???
投下終了です
今回からが本編となります
結構長くなりそうですが、どうぞ最後までお付き合いください
65名無しさん、君に決めた!:2007/07/04(水) 00:36:09 ID:???

面白くなってきたじゃないの
66名無しさん、君に決めた!:2007/07/04(水) 00:36:52 ID:???
67名無しさん、君に決めた!:2007/07/04(水) 00:37:03 ID:???

面白くなってキタ━━(゚∀゚)━━!!!
68名無しさん、君に決めた!:2007/07/04(水) 00:38:02 ID:???
69名無しさん、君に決めた!:2007/07/04(水) 07:04:03 ID:???
出木杉カワイソス(´・ω・`)
70名無しさん、君に決めた!:2007/07/04(水) 07:25:03 ID:???
敵になんじゃね?
71ギンガ ◆lx3oly121M :2007/07/04(水) 23:21:03 ID:???
投下する
最近友人がブラックマジシャンガール、ブラックマジシャンガールってうるせえ
72ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/04(水) 23:22:05 ID:???
「嘘……でしょ?」
ナタネが俺に視線を合わせる、思わず逸らしてしまった。
「ねぇ…ナナシ君嘘だよね……嘘だって言ってよ!」
のび太の声が、森の中を空しく木霊する。
俺が手から溢したボールから、ラグラージが赤い光と伴って出てくる。

あいつ……
俺に交換させる隙を作って、カクレオンで仮面を剥ぎ取る作戦だったのか。
スネオの奴…そこまで考えて……

「フン……やっぱりお前はそういう奴だったんだよ
 狡賢くて、卑怯で、出会った時からお前のことは気に入らなかったんだよ!」

『黙れぇぇぇぇぇえええええええええええええええええええええええええええええ』

この瞬間――俺はなにをやったのか分からない。
ただ目の前に見えたのは、血塗れの右手に氷を纏い、棒立ちしているラグラージ。
呆然と立ち尽くしている、のび太、ナタネ、シロナ――
そして、暗い森の地面で血塗れで横たわっているスネオ。
この光景を見る寸前、こう聞こえた。

『ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア』
73ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/04(水) 23:23:04 ID:???
誰だ、誰がやった?
のび太?ナタネ?シロナ? 
全員有り得ない、なぜならラグラージは俺のポケモンだからだ。
俺のポケモンがスネオをやった……
つまり……ヤッタノハオレ?

『うわぁあああああああああああああああああああああああああああ』

この時、俺は自分のやった事を理解した。
俺は……ラグラージに命令してスネオを攻撃したんだ。
この場から……この場から逃げないと……

「戻れラグラージ、出て来いクロバット!」
「ま、待ちなさい!」
「黒い霧だ!」

クロバットが黒い霧を発生させたおかげで
たちまち周囲は黒い霧に覆われる。

「クロバット! トバリビルまで俺を連れて行け!」
クロバットは強く羽ばたいた後、森の空へと上昇していった。
74ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/04(水) 23:24:06 ID:???
「追いかけるわよ、出てきて――」
「今はスネオを病院に運ぶのが先です、シロナさん!」
「……そうだったわね、のび太君。ナタネ、ハクタイシティの病院に搬送するから連絡をお願い」
シロナの指示で、ナタネはポケッチを使用し近くの病院に連絡する。
「すぐに駆けつけてきてくれるそうです」
ナタネの声を聞き、シロナは「分かった」と相槌を取った。

「私も応急処置を取ったし…とりあえず安心と言ったところかしら」
シロナは額の汗を、裾で拭く。
「大丈夫だよね?」
「……大丈夫よ、きっと」
シロナの顔には動揺の色が見えた……

「ナナシ君……」
ナタネは目を瞑り、そう呟いた。
75ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/04(水) 23:24:36 ID:???
―――トバリビル

「ごくろうだったな、ナナシ……」
俺はハクタイの森からクロバットに乗り逃亡し、トバリビルに帰還した。
最上階の父さんの部屋に行くと、既に他の幹部達も待機していた。
「どうやらハクタイの森でなにかあったみたいだな、血の匂いがするぞ」
やはり全てお見通しか……父さんには隠し事はできない。

「次の作戦を説明する、まずこの地図を見てくれ」
後方のモニターに地図が映し出される、ここは……ミオシティの近くだ。
「そこを少し行くと、小さな島が二つあるだろ?」
ああ確かに……隣同士に合わさった小さな島がある。
「そこの島の名前は、満月島、そして新月島だ」
この名前を聞いたとき、俺の頭にはリュックに閉まった新月の石が頭に浮かぶ。

「そろそろ次の指示を出そう」
76ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/04(水) 23:25:41 ID:???
「満月の島にはクレセリア、新月の島にはダークライというポケモンが居る
 今回の目的は、この二体のポケモンの捕獲だ
 そして、その二体はそれぞれの石の所持者にだけ姿を現す
 つまり現状だと、ダークライしか入手することができない」
なるほど…だいたい次の指示が読めたぞ。

「満月の島には三人の幹部と数十人の下っ端を送り、満月の石を奪取するのと
 新月の島での出来事を、なるべく目立たせないようにする。
 そしてナナシ……お前は一人新月の島へ乗り込み、ダークライを捕獲して来い」
一人で乗り込むのか……なにかと心細いな。

「準備ができたら出発してくれ。ナナシは皆が出発したその十分後に出発しろ」
三人の幹部は「了解」と言い、それぞれ立ち去っていった。
俺もさっさと立ち去るとするか。
「ナナシ、ちょっとこっちに来い――」
77ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/04(水) 23:26:45 ID:???

「ナナシ、お前にこれを渡しておく」
渡されたのは三つのボール。市販の物とは違い、赤い箇所が紫色になっている。
「それはマスターボール、100%の捕獲率を誇るボールだ。
 空のボールはダークライ捕獲用のもの、
 そして残りの二つには『あるポケモン』が入ってる。いざとなったら使え」
『あるポケモン』どんなポケモンが入っているかは分からないが、
俺には想像もできないほどの、強力なポケモンが入っているのだろう。
俺は三つのマスターボールをリュックに収納し、部屋を出た。

――三十分後

三人の幹部は数十人の部下を連れ、満月島へと向かってから十分。
そろそろ俺も向かうとするか……新月島へ。
……もう…後戻りはできないんだ。

冷たい風が全ての物を襲う中、太陽はゆっくりと黒い雲に隠されていった。


ナナシ
ルカリオLv47、クロバットLv45、ロトムLv43、
ラグラージLv46、?????Lv??、?????Lv??
78ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/04(水) 23:27:21 ID:???
投下終了
最初に酉を間違えた……orz
79名無しさん、君に決めた!:2007/07/04(水) 23:29:10 ID:???
乙だが

赤い光と伴って
相槌を取る

これはおかしくないか?
80名無しさん、君に決めた!:2007/07/04(水) 23:39:07 ID:???
81名無しさん、君に決めた!:2007/07/04(水) 23:40:07 ID:???
>>79
ごめん、この場合はどう修正したらいいかを教えていただきたい
実力不足でスマン
82名無しさん、君に決めた!:2007/07/04(水) 23:40:29 ID:???

私的には最高です!
83名無しさん、君に決めた!:2007/07/04(水) 23:44:21 ID:???
赤い光と伴って→赤い光を伴って
相槌を取る→相槌を打つ
84名無しさん、君に決めた!:2007/07/04(水) 23:44:55 ID:???
>>83
ありがとう、wikiに収容するときは修正しておいてください
85トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/05(木) 00:07:46 ID:???
ギンガ氏乙
初めての二日連続投下をしてみる
86トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/05(木) 00:08:39 ID:???
       #2 「修行」

―――それは、ドラーズ結成の3日後にやってきた。

「みんな、これ見て!」
空き地に集まった他の仲間たちにのび太が茶色い封筒を見せる。
今朝、彼の家のポストに投函されていた物だ。
封筒の中には、白い紙が2枚入っていた。

1枚目を見てみる。
『キングオブトーナメント 予選について
○○月○△日、午前10時から予選を行います。
予選場所は全国に設けられており、各場所参加者は5名、内2名が本線に進むことが出来ます。
予選場所はコンピューターがランダムに決定しました、どんなに遠い地方に行くことになっても変更は認められません。
なお、予選場所はこの封筒に同封されているもう一枚の紙に記載しております。

つづいて2枚目
『あなたの予選場所は、ニビシティです』
……2枚目はどうやらこれだけのようだ。

「とりあえず、予選場所が近くでよかったね」
のび太が呑気に言う。
「そんなことより、○△日って一週間後だよ!
この大会かなり規模が大きいから、ジムリーダーや四天王も参加するかもしれない……
今のままじゃ勝てない! もっとポケモンを鍛えないと、それに僕らももっとバトルについて学ばなきゃいけない……」
スネ夫が慌てた様子で言う。
「たしかにその通りね! となると、やっぱり指導者がいた方がいいかもしれないわ」
静香が頭を抱えながら言う。

「指導者……それなら俺、いい人を知ってるぜ!」
ジャイアンに連れられ、一同は彼の紹介する指導者の元へ向かった。
87トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/05(木) 00:10:36 ID:???
―――今4人は、シロガネ山の麓まで来ていた。
何故彼らがこんなところに着たのか……とりあえず事の経緯を説明しよう。

ジャイアンが紹介した指導者……
それは、かつてのび太がトレーナーズスクール3年生だった時の担任だった先生だ。
彼には7年前の事件の後に世話になった過去もあり、ドラーズの4人にとって特別な先生だ。
また、年に一度開かれる最大規模の公式大会『ポケモンリーグ』でベスト8にまで上り詰めた経歴を持ち、トレーナーとしての実力も申し分ない。
勿論、教師をしているだけあって指導能力はなかなかのものだ。
ジャイアンにしては、いいチョイスだといえるだろう。

4人はこの大会に出ることになった経緯を説明した上で、先生にコーチを頼んだ。
先生は友達のために大会に出るドラーズの姿に感動し、快くコーチを引き受けてくれた。
先生はコーチを引き受けるとすぐにこう言った。
「今から、シロガネ山に集合だ」

シロガネ山はトキワシティの近くにある巨大な山だ。
気温などの環境がよく、強力なポケモンが沢山生息している。
よって、ポケモントレーナーの修行スポットとして有名である。
『シロガネ山での修行なくして、名トレーナーへの道は開くことはできない』といわれるほどである。
……ここまで言えば、4人がここに召集された理由はもうお分かりだろう。

やがて、4人を追ってシロガネ山に到着した先生が言う。
「では、今から一週間ここで修行を行う!」

4人の苦しく険しい一週間の修行がこれから始まる……
88トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/05(木) 00:11:27 ID:???
修行といっても、何をすればいいのか?
そんなことを先生に尋ねたら、何時間話を聞かされるか検討がつかない……
いまの4人にはそれほどやらなければならないことがたくさんあった。

ドラーズを結成してから予選についての通知が来るまでの3日間、一応4人は何もしていなかったわけではない。
3匹くらいしかポケモンを持っていなかったスネ夫と静香は、とにかく沢山のポケモン捕獲して戦力をかき集めた。
ジャイアンとのび太は、自分たちとスネ夫たちのポケモンのレベル上げを行った。
一応4人とも手持ち6匹が全員最終進化系、というレベルまで持っていったのだ。
しかし先生いわく、『今のままでは予選敗退は確実』だそうだ。
予選敗退レベルから、大会で優勝できるレベルまで一週間で持っていく……
この一週間の修行が、どれだけキツイものになるかが安易に予測できる。

一番大切なものは、勿論ポケモンのレベル上げだ。
この一週間で20〜30レベル上げる、先生に冗談の様子を言ってい様子は見られなかった。

次はトレーナー自信のレベル上げだ。
もっと戦術についての理解を深めること。
そして、決して諦めることのない強靭な精神力を養うことが大切だそうだ。

そして後は実戦になれることだ。
バトル科に進まなかったスネ夫と静香は戦闘のカンが鈍っており、このままでは使いものにならない。
のび太とジャイアンも模擬戦は何度も授業でやったが、真剣勝負の経験はまだまだ未熟だ。
なんども味方同士で戦いを繰り返し、最終的には自分を倒す程度まで成長してもらう……
先生は本気でそういっていた。

目的を確認したところで、いよいよ修行の始まりだ。
89トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/05(木) 00:12:21 ID:???
ここで、彼らの修行の様子について伝えておこう。

修行の朝は早い。
4人はシロガネ山の麓にある小屋を借り、そこを寝泊りに使っていた。(ちなみに静香だけは別室である)
朝の4時半頃には先生が小屋を訪れ、4人を叩き起こす。
4人は眠い目をこすりながら、身支度を素早くすませて外へ向かう。

早朝はまず20kmのランニングを行う。
「トレーナーの精神力が鍛えられ、眠気も覚めて一石二鳥!」
と先生は言っていた。
10km程走れば、体力のないのび太は倒れてしまう。

ランニングを終えると次はポケモンのレベル上げだ。
日にちが経つに連れて、どんどん山の奥まで進んで相手ポケモンのレベルを上げていく。

12時になると一旦レベル上げは終了、昼食を腹がいっぱいになるまで食べる。
昼食を食べ終わると再びレベル上げに戻る。

3時になると20分の休憩が入る、その後は4人でリーグ戦を行う。
このリーグ戦で順位が高い者からその日の晩飯を選ぶことが出来るので、各自気合の入り方が違う。
リーグ戦を終えた後は先生と一対一で順番に戦い、その後夕食を取る。
夕食は、リーグ戦で一位だった者と最下位だった者がハッキリ分かるほど格差が激しい。

夕食後は戦術について徹底的に学習する。
居眠りの常習犯であるのび太とジャイアンには、先生の激しい張り手が何度も炸裂している。
学習を終えると最後に先生が1人1人を呼び出して話をする、その間残りの3人は休憩だ。
全員と話を終えるとこの日の修行は終了、睡眠時間に入る。
この時の時刻はまだ10時、先生が『早寝 早起き』をモットーとしているからだ。
だが彼らに修学旅行生のように夜更かしする余裕はない、一日の疲れが押し寄せて3分もすれば眠りにつく。

こういった感じで、彼らの一週間はあっという間に過ぎて行った。
90トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/05(木) 00:13:26 ID:???
「カイリキー、戦闘不能! ……よって勝者、のび太!」
審判役のスネ夫が高らかに宣言する。
今日は修行の最終日、今ちょうどのび太が先生を破ったところだ。

「すばらしい! これで全員が私に勝利したな
じゃあ今日はここまでだ、後は家に帰って休んでくれ」
修行が終わった……そう感じると、4人はなんだか切ない気分になった。

小屋の中の荷物もまとめ、いよいよシロガネ山ともお別れだ。
先生が最後にこう締めくくった。
「お前たち、この一週間よくがんばったな!
だれも弱音を吐かなかった、決して逃げたり、諦めたりしなかった……
そして君たちは、この私を倒せるくらいまでに成長した
私は、君たちのような教え子を持てたことが本当に嬉しい!
本当にありがとう! 心から礼を言わせてもらうよ」

のび太が先生に言葉を返す。
「こちらこそ、先生のような素晴らしい人に教わることができて本当に幸せです!
先生、ありがとうございました!」
それに続き、残りの3人も頭を下げる。

先生は泣いていた、のび太たちも泣いていた

家に帰ったのび太は、父と退院した母に『一週間もどこへ行っていたのか』と問われた。
のび太は、家庭を救うために大会に出ること、そのために修行していたことを告げた。
それを聞いた父も母も、泣いてのび太に抱きついた。

今日は沢山の涙を見る日だな、のび太はそう思った。
「でも、こういうのも悪くないか……」
そう呟き、窓から空を見上げてみる。
―――今夜は、やけに星が眩しく輝いているように見えた。
91トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/05(木) 00:14:45 ID:???
投下終了
本編に入ってからタイトルをつけ始めましたが、物語を区切るためのものであって深い意味は無いです
92トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/05(木) 00:17:02 ID:???
訂正>>86
×「あなたの予選場所は」
○「あなた方の予選場所は」

以後気をつけます
93名無しさん、君に決めた!:2007/07/05(木) 00:18:11 ID:???
乙ー
94名無しさん、君に決めた!:2007/07/05(木) 00:18:25 ID:???

これは期待せざるを得ない
95名無しさん、君に決めた!:2007/07/05(木) 00:35:01 ID:???
超乙!
ただ本線→本選では?
96名無しさん、君に決めた!:2007/07/05(木) 00:51:18 ID:???
>>95
その通りです
重ね重ねすいません
97名無しさん、君に決めた!:2007/07/05(木) 01:36:32 ID:???

期待大
98名無しさん、君に決めた!:2007/07/05(木) 17:56:13 ID:???
ちょくちょく日本語でおkなとこがあるが、面白いな
99名無しさん、君に決めた!:2007/07/05(木) 22:24:39 ID:???
あはははは投下だと思った?
馬鹿じゃんwwwwwwwwwwwwwwwww
100挑戦者▼QdjHBvZg5s:2007/07/06(金) 00:29:41 ID:???
早速投下する
101ロキ ◆cR08PK3l1o :2007/07/06(金) 00:57:58 ID:???
>>100死ね
102名無しさん、君に決めた!:2007/07/06(金) 01:04:06 ID:???
>>101
下げろお前も死ね
103名無しさん、君に決めた!:2007/07/06(金) 06:28:44 ID:???
偽ロキ乙
104名無しさん、君に決めた!:2007/07/06(金) 08:14:31 ID:???
105名無しさん、君に決めた!:2007/07/06(金) 17:57:13 ID:???
お前偽物じゃんw
106名無しさん、君に決めた!:2007/07/06(金) 18:03:25 ID:???
何気にロキを改心したと思う

おれはロキじゃないぞ
107名無しさん、君に決めた!:2007/07/06(金) 18:11:17 ID:???
日本語でおk
108名無しさん、君に決めた!:2007/07/07(土) 05:42:36 ID:???
保守
109トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/07(土) 13:05:59 ID:???
投下します
110名無しさん、君に決めた!:2007/07/07(土) 13:06:46 ID:???
支援
111トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/07(土) 13:08:16 ID:???
       #3 「スネ夫」

某日、午前9時30分……
ニビシティ郊外にある小さなバトル場に、ドラーズ一行は姿を現した。

「いやー、見事に誰もいないなー!」
ジャイアンが言うとおり、会場には選手と大会関係者数人以外は誰もいなかった。
まあ、この場にいる者以外はここで試合が行われていることすら知らないのだ。
観客が1人もいないのも納得できる。

やがて10時を迎えると、選手たちが会場の中央に集められた。
だが普通の開会式と違って、大会長挨拶や選手宣誓なんてものはない。
審判長から試合のルールが説明される……といっても審判員は1人しかいないのだが。

「この大会予選は5チームによるリーグ戦です
内、上位2チームが本選に出場することができます
試合は一試合ごとに各チーム選手を1人選出し、代表者のポケモンバトルで勝敗を決します
ただし、4試合全て別の選手を選ばなければなりません
続いて、試合のルールについて説明します
ルールは3対3の勝ち抜き戦です、使用する3体はバトル前に決めなければいけません
ただし、ポケモンの交代は認められておりません! 以上で説明を終わります」
審判が淡々とした口調でルールを告げた。

「チーム戦かと思ったら、一対一のポケモンバトル? そんな試合方法初めて聞いたよ」
のび太が驚いた顔で言う。
「そうだなぁ…… とりあえず、最初の試合に誰を出すか決めないと行けねぇ!
うーん……やっぱり、俺かな?」

「ジャイアン、悪いけど第一試合……僕に任せてくれないか?」
皆が驚いて発言者、スネ夫の方を見た。

112トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/07(土) 13:09:14 ID:???
「……別に俺はいいけど、静香ちゃんはどうだ?」
「私は構わない、リーダーののび太さんはどう?」
「僕もいいよ、じゃあ第一試合の選手はスネ夫で行こう!」
3人が驚きを隠せない様子で言った。

「ありがとう、志願したからには必ず勝ってみせるよ」
スネ夫が笑顔で言う。

そして、ついに予選第一試合が始まる時間がやって来た。
「それでは、『ドラーズ』対『ラブ・インセクト』の試合を開始します
スネ夫、オサム両選手はステージに上がってください!」
審判の合図で、スネ夫とその対戦相手である虫取り少年のオサムがフィールドに入る。
対戦相手『ラブ・インセクト』はトキワの森にいる虫取り少年たちが結成したチーム。
虫タイプの強力な使い手、決して油断できる相手ではない。

『必ず、必ず勝つんだ!』

スネ夫が決意を固め、ボールを取り出した。

一方、観客席ではチームメイトの3人がスネ夫の様子を見守っている。
「それにしても珍しいよな、スネ夫が自ら一試合目に出たいというなんて」
ジャイアンが先程から抱いていた疑問をぶつける。
他の2人も首を縦に振って同意する。

スネ夫はどちらかといえば、面倒ごとを避けて通ろうとするタイプだ。
スクール時代も簡単な道ばかりを選択し、良い点でも悪い点でも目立とうとしなかった。
今回の大会だって、野比家の事情がなければ出ようとは思わなかっただろう。
今日も、普段の彼ならプレッシャーが少ない二試合目あたりを選ぶはずだった。
だがそんな彼が、一番プレッシャーがかかる一試合目を自ら志願した。
のび太たち3人には、それが不思議でならなかったのだ。

113名無しさん、君に決めた!:2007/07/07(土) 13:09:29 ID:???
私怨
114トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/07(土) 13:10:27 ID:???
オサムの一匹目はヘラクロス、対するスネ夫はクロバットだ。

「いきなりクロバットだと? 飛ばしてるなーあいつ!」
観客席のジャイアンが少々驚いた様子で言う
一緒に修行してきた彼らは、クロバットがスネ夫の切り札であることを知っている。
そして今回彼はその切り札をトップバッターとして使ってきた。
スネ夫には切り札を最後までとっておく傾向があったので、これまた以外である。

審判の合図で、両者がポケモンに命令をする。
「クロバット、影分身だ!」
「ヘラクロス、ストーンエッジ!」
回避率を上げたクロバットに、もともと命中率の低いストーンエッジは当たらなかった。
この後同じような光景が2、3回繰り広げられる

普通、この場合は影分身より催眠術を使った方が安全だと考えられる。
いや、スネ夫のクロバットは燕返しを覚えているのでそれを使えば一撃で倒せたはずだ。
だが彼は下手すれば一撃で倒される危険性がある影分身を使った。
周囲の人間には愚行に見えたかもしれない、だが彼にはちゃんとした考え方があった。

スネ夫がブツブツと呟く。
「向こうのヘラクロスは状態異常にかかっていないので、根性型ではない
とすると堪える→起死回生の型か拘り、スカーフ型のどちらかのはず
敵は当たる見込みのないストーンエッジを何度も繰り返しているのでおそらく後者……
光の粉と影分身によって回避率を上げたクロバットにこの先ストーンエッジが当たる事はない
ならば今のうちに、影分身をつめるだけ積ませてもらおう……」

スネ夫はこのバトルの始めから敵の技構成や持ち物を予測し、影分身積みが最良の選択だと判断したのだ。
彼はいわゆる、理論派のトレーナーである……相手の手の内を予測し、常にどの選択が一番よいかを一手、二手先まで予測して選ぶ。
だがこの戦闘方法はトレーナーの精神力をかなり削り取っていく、最後まで集中力を持続させるのは極めて困難だ。
彼が何故こんな道を選んだのか、観客席の仲間には理解できなかった。

115名無しさん、君に決めた!:2007/07/07(土) 13:11:05 ID:???
死怨
116トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/07(土) 13:11:19 ID:???
影分身を命令しつつ、スネ夫はふと過去のことを思い出していた。

―――スネ夫が12歳、スクール5年生のときだった。
5年生からは月に一度くらい、クラスメイトと簡単なポケモンバトルをする。
スネ夫も相棒ミズゴロウとともにバトルに望んだが、彼は一度も勝つことが出来なかった。
負けるたびに彼は言う。
「まあ、僕あんまりポケモンのレベル上げしてないから仕方ないか……」
口ではこういうもの、実は毎日コラッタやポッポ相手にミズゴロウを鍛えていたのだ。
誰よりも努力している自信はあった、でも勝てなかった……
彼は12歳にして悟った、自分にはポケモンバトルの才能が無いことに。

そして彼はハイスクール入学時、バトル科には入らなかった。
『僕もバトル科に入りたい、そして強いポケモントレーナーになりたい!』
……でも、自分には才能が無い、だから自分は上を目指してはいけない。
彼はそう思い続けてバトルへの願望を避け続けてきたのだ。

そんな彼に訪れた転機が、今回の大会だった。
ドラーズ結成後、彼は1人悩んでいた。
「今からでも遅くない、“やっぱり僕には無理だ”そういった方がいいんじゃないか」と。
そして、結局それを言い出せぬまま合宿を向かえてしまった。
合宿で先生と一対一で話すとき、思い切って彼に相談してみた。
先生ならきっと、素晴らしい答えを出してくれるかもしれない、と思ったのだ。
先生は言った。

「骨川、これは君が立派なトレーナーになるために与えられた試練なんだ
たしかに君にはバトルの才能がないかもしれん……
だが私は知っている、君がだれよりも戦術について一生懸命勉強してきたことを
君が地道に学び続けたその知識は、必ず君だけの頼もしい武器となるはずだ
だからあきらめるな! 才能がないなら努力でカバーすればいいじゃないか!」

この言葉は、スネ夫の中の何かを確実に変えた。
117トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/07(土) 13:12:14 ID:???
―――そして今、スネ夫のクロバットは影分身を限界まで積み終えていた。
さっそく攻撃に転じ、燕返しでヘラクロスを一蹴する。
さらに次に出てきたスピアーもクロバットに攻撃を当てることが出来ないまま倒された。
最後のカイロスも確実に倒し、スネ夫は一度も攻撃を受けずにバトルに勝利した。

ジャイアンの一際大きい歓喜の叫びが聞こえる。
他の参加チームもその戦いぶりを拍手で称える。
相手チームの選手や、対戦相手であるオサムも拍手を送っていた。
その中で感極まったスネ夫は思わずガッツポーズを取り、
「よっしゃあああ!」
と彼らしくもない口調で叫んでしまった。

―――そうだ、自分にはいままで必死に叩き込んできたこの知識がある。
この頭脳は、才能にも負けない立派な武器なのだ。
先生に言われてからずっと、自分の力を試してみたかった。
だから一試合目を希望した、一刻も早く戦いたかったのだ。
そして自分の力は見事に通用した。
念願の初勝利を挙げることができた。

生まれて初めての勝利は、今までに味わったことの無い快感だった。

初勝利で、まだ自分はトレーナーを目指せるという自身がついた。
やっぱり自分はトレーナーになりたい、自分の気持ちに嘘はつけない!
だからこの大会で自分の力がどこまで通用するか、試してみたいと思う。

会場を去る前に、もう一度小さくガッツポーズを取る。

もっと勝利の快感を味わってみたいと、スネ夫の心はすでに次の戦いを欲していた。
次の戦いに思いを馳せながら、彼は仲間の待つ観客席へと戻っていった。


118名無しさん、君に決めた!:2007/07/07(土) 13:12:25 ID:???
為縁
119名無しさん、君に決めた!:2007/07/07(土) 13:13:10 ID:???
私怨私怨私怨私怨私怨私怨私怨私怨私怨私怨私怨私怨私怨私怨私怨私怨私怨私怨私怨私怨私怨私怨私怨私怨私怨私怨私怨私怨私怨私怨私怨私怨私怨私怨私怨私怨私怨私怨私怨
120トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/07(土) 13:14:24 ID:???
投下終了
支援ありがとうございます。

それと言い忘れてましたが、
シオンタウンのフジ老人とフジツー作った人は別人です。
彼の名前は『ミュウツーの逆襲』に出てくるミュウツーを作った博士から頂きました。
作者紹介で間違えられていたので一応書いときました。
……紛らわしかったですね、すいません。
121名無しさん、君に決めた!:2007/07/07(土) 13:16:35 ID:???
乙!やっぱ面白いな
122名無しさん、君に決めた!:2007/07/07(土) 14:06:04 ID:???
激乙!
フジってそっちだったんだ!
123名無しさん、君に決めた!:2007/07/07(土) 14:42:06 ID:???
乙だが
スネオは修行の時に先生に勝利してるから
初めてじゃないよな?
124トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/07(土) 16:51:50 ID:???
>>123 それもそうですね……

スネ夫はトレーナー同士の闘いで勝ちたかった。
先生はあくまで修行相手だったから、勝ったという実感を感じることが出来なかったということで。
ちょっと無理があるかな?
125名無しさん、君に決めた!:2007/07/07(土) 17:15:08 ID:???
先生以外って付け加えればいいかと
126トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/07(土) 18:06:00 ID:???
>>117の修正版書きました。
改行制限の関係で変更した途中からのみです。

―――そうだ、自分にはいままで必死に叩き込んできたこの知識がある。
この頭脳は、才能にも負けない立派な武器なのだ。
先生に言われてからずっと、自分の力を試してみたかった。
先生に勝利したときに味わった快感を、もう一度味わいたかった。
だから一試合目を希望した、一刻も早く戦いたかったのだ。
そして自分の力は見事に通用した。
念願のトレーナー戦での勝利を挙げることができた。

勝利の後にこみ上げてきた快感は、先生に勝ったときのものを遥かに凌駕していた。

今回の勝利で、まだ自分はトレーナーを目指せるという自身がついた。
やっぱり自分はトレーナーになりたい、自分の気持ちに嘘はつけない!
だからこの大会で自分の力がどこまで通用するか、試してみたいと思う。

会場を去る前に、もう一度小さくガッツポーズを取る。

もっと勝利の快感を味わってみたいと、スネ夫の心はすでに次の戦いを欲していた。
次の戦いに思いを馳せながら、彼は仲間の待つ観客席へと戻っていった。

127名無しさん、君に決めた!:2007/07/07(土) 18:15:02 ID:???
乙!
うまい!
128ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/07(土) 23:22:59 ID:???
投下する
ハルヒ第二期とは感心しませんな
129名無しさん、君に決めた!:2007/07/07(土) 23:24:29 ID:???
なんだお前か
130ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/07(土) 23:24:40 ID:???
――新月島

既に空は漆黒に染まり、肌寒い時間帯となってきた。
隣の島は騒がしいようだが、それがこちらの作戦。
俺の任務は誰にも気づかれず、ダークライを捕獲することだ。
ゆっくり、ゆっくりと新月島の奥へと入っていく。
もうすぐだ……もうすぐでダークライが――

『待て!!』

大きな濁声に反応し、思わず振り返る。
そこには、オレンジ色の服を着た少年と、ピンク色の服を着た少女が居た。
その二人は――ジャイアンと静香……

「よくもスネオに大怪我を負わせてくれたな! 
 絶対に許さねーぞ! いま俺たちがボコボコにしてやるぜ」
ジャイアンと静香はボールを構える。
二対一か……面倒な勝負になりそうだな。
131ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/07(土) 23:26:11 ID:???
「行け、ドタイトス!」「お願い、サーナイト!
敵のポケモンは、草、地面タイプと、エスパータイプ。
ここは地震でダメージを受けないポケモンで行くか。
「行け……クロバット、ロトム」

「ドタイトス、種爆だ……」
「遅い、クロバットはクロスポイズン、ロトムは怪しい光だ。ドタイトスを集中して狙え!」
二体のポケモンは、相手のポケモンよりも素早く動き、それぞれ攻撃を仕掛ける。
クロバットの攻撃が命中した後、ロトムの怪しい光を見てしまい
ドタイトスは混乱してしまった。
「怯まないで! サイコキネシスよ」
サーナイトは右手を突き出し、念力波をクロバットに向けて射出する。
「受け止めろ、ロトム」
クロバットの前に体を出し、サイコキネシスを受け止めるロトム。
「そのまま怪しい風!」
生暖かい風がサーナイトを通り過ぎる。
「ドタイトス、種爆弾だぁ!」
ジャイアンは大声で指示をするが、ドタイトスには届かず、攻撃は失敗してしまった。

「瞑想よ、サーナイト」
サーナイトは体を宙に浮かせ、集中力をあげる。
この状況だからこそ、あえて能力の上昇を命じたのかもしれないが
これは完全にミスだったな。
「ブレイブバードで終わらせてやれ!」
クロバットは物凄いスピードでサーナイトに接近する。
しかし、その瞬間突然サーナイトは姿を消したのであった。
132名無しさん、君に決めた!:2007/07/07(土) 23:26:47 ID:???
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133ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/07(土) 23:27:14 ID:???
攻撃目標が消滅したことで、動揺を隠せないクロバット。
ブレイブバードは失敗し、地面に叩きつけられてしまった。
「今よ、サーナイト。サイコキネシス!」
何処からとも無く現れたサーナイトは、クロバットにサイコキネシスを放った。
その攻撃に耐えることはできず、クロバットは戦闘不能となった。

「まずは一体よ、早く次のポケモンを出しなさい!」
「なぜだ? なぜ瞑想中に突然姿が消えたんだ?」
「そんなの教えられるわけないじゃない、自分で考えてみなさい」
くそっ……分からない……
俺はクロバットを戻し、新しくルカリオを繰り出した。
「ルカリオは悪の波動、ロトムは怪しい風だ!」
悪の波動が怪しい風と合わさり、サーナイトに襲い掛かる。
「テレポートよ!」
サーナイトはまたしても姿を消し、攻撃を回避した。
そうか…瞑想はフェイク。おそらく元から覚えていないんだ。
瞑想と命じることで、テレポートを繰り出すように最初から指示されていた。そういうわけか。
最初に会った時もテレポートに苦しめられたっけな。

「種が分かれば怖くない、電撃波と波動弾だ!」
この二つは必中技。どちらも目標が見えてさえいれば回避は不可能だ。
俺の読み通り、二つの技はサーナイトのHPしっかりと削り取った。
134ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/07(土) 23:28:11 ID:???
サーナイトのHPは既に風前の灯、次の攻撃で100%ダウンするだろう。
しかし、ここではあえてとどめは刺さないことにしようか。
「ドタイトス、いい加減に攻撃しろ!」
ジャイアンはドタイトスを怒鳴り散らす。
だがドタイトスにその声は届かない。混乱中にはトレーナーの指示が通り難いのだ。
自分の思い通りにならないせいで、怒りが頂点に達しようとしているジャイアン。
今が最大のチャンスか。
「ドタイトスにとどめを刺してやれ、波動弾だ」

『えぇーい、地震だ! 地震で何もかもぶっ飛ばしてやれ!』

怒りが頂点に達したジャイアン。その気迫は凄まじく。
混乱していたドタイトスは一瞬にして治ったのだ。
そして、指示通り地震を繰り出す
揺れが凄まじく、直立することすら困難であった。

やがて、地震は収まり、フィールドに沈黙が訪れる。
その時立っていたのは二体のポケモン。
ルカリオとロトムだけだった。


ナナシ
ルカリオLv47、クロバットLv45、ロトムLv43、
ラグラージLv46、?????Lv??、?????Lv??
ジャイアン 
ドタイトスLv46 残りの手持ち不明
静香
サーナイトLv43、エンペルトLv48 残りの手持ち不明
135名無しさん、君に決めた!:2007/07/07(土) 23:28:21 ID:???


136ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/07(土) 23:29:10 ID:???
投下終了
137名無しさん、君に決めた!:2007/07/07(土) 23:30:00 ID:???

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138名無しさん、君に決めた!:2007/07/07(土) 23:31:39 ID:???


 
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139名無しさん、君に決めた!:2007/07/07(土) 23:37:23 ID:???
乙乙乙乙
140名無しさん、君に決めた!:2007/07/07(土) 23:44:48 ID:???

 _______
〈〉  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
141名無しさん、君に決めた!:2007/07/08(日) 00:01:59 ID:???
142名無しさん、君に決めた!:2007/07/08(日) 00:25:56 ID:???
□厨が華麗にヌルーされとるw
143名無しさん、君に決めた!:2007/07/08(日) 00:46:52 ID:???
>>142
ウンコ並べて喜んでるのは消防だろ
144名無しさん、君に決めた!:2007/07/08(日) 06:15:22 ID:???
145DPその2 ◆Dy4EDQYuSY :2007/07/08(日) 12:24:23 ID:???
ギンガ氏乙です

さて、今日は投下ラッシュだそうで。
だれもやってないけど勝手に投下しときます。
146DPその2 ◆Dy4EDQYuSY :2007/07/08(日) 12:25:14 ID:???
夕刻。
要請を受け、シンオウ地方の地下通路に4人の男女が降り立った。
それも、ほぼ同時に。

ジャイアンが「合図装置4」を使い、彼に向かって他の人が走って行った。
スネ「何のつもりだ?」
のび「どうかしたの?」
しず「アクシデント?」
3人がジャイアンに駆け寄るなり口々に状況の説明を要求する。
ジャイアンはそれを手で制し、どっこいしょとばかりにその場に胡坐をかいた。
ジャ「なんてこたあねえ。ただ……俺達、ゲームの世界に来てから会話が少ないような気がしてな…」
他の者はやや不満の表情を浮かべたが、座った。
しず「そんな事で呼び出したの?」
ジャ「そうだ。」
ジャイアンは怯まなかった。
スネ「僕は君と愉快な対談なんてしたくない。話題なんて無いだろ。」
ジャ「まあそう言うな。ちょっと前の事なんて忘れろ忘れろ。」
スネ夫は顔をしかめ、ジャイアンから十分に離れて座りなおした。
ジャ「えーと…まずは近況報告をしようじゃねえか。」
147DPその2 ◆Dy4EDQYuSY :2007/07/08(日) 12:27:47 ID:???
まずジャイアンはその話題をスネ夫に振った。
スネ「……別に。シンオウ地方を満喫してるさ。」
ジャイアンはスネ夫の嫌味な言い方を極力無視することに決めたらしい。
華麗なスルーをかまして同じ話題をしずかに振った。
しず「私?…私は、ミオシティからあちこちに船旅して、ハクタイシティに行って……」
しずかが一部始終を話し終えると、ダークライを捕まえたことについて一通りの驚きがあった。
しず「のび太さんは?」
のび「僕は――あそこに行って――ここを渡って――それで、ポケモンリーグに来て……」
ポケモンリーグの一言にオーバーとも言える反応があった。
ジャイアンは歓声を上げ、スネ夫は目を見開き、しずかは口を覆う。
のび「え!?でもぼく、挑戦したわけじゃないし、挑戦する勇気も無かったし……」
のび太は想像以上の賞賛に戸惑いながら話し終えた。

のび太の一言で場がかなり盛り上がり、
少しの間4人は楽しく喋り合った。
だが全員のテンションが最高潮に達したとき、ジャイアンが急に地上に戻ってしまった。
148DPその2 ◆Dy4EDQYuSY :2007/07/08(日) 12:28:28 ID:???
呆然とする一同。やがてスネ夫が口を開いた。
スネ「主催者が勝手に抜けるのは良くないけど、僕には好都合だな。あいつとはちょっといざこざがあってね……
それはそうと、提案があるんだ。折角3人になったんだし、バトルしない?」
のび太としずかが顔を見合わせる。
しず「あの…対戦はいいけど、3人でどうやって……?」
しずかが質問する横でのび太が全くそのとおりだ頷いている。
スネ「簡単だ。2人対戦を3回やれば良い。」
のび太が「僕も考えてたよ、それ」と言う一方でしずかは渋い顔だ。
しず「何匹でやるつもり?私は6匹フルで戦えるけどのび太さんは多分ポケモンが足りないわ。
それから回復はどうするの?傷薬が足りなかったりして……」
スネ「一回の戦いで使うのは2匹だけだよ!」
しず「……ふーん。成程、良いかもね…私はやってもいいわ。のび太さんは?」
聞くまでも無い、とスネ夫は思った。
のび太はしずかに気味の悪い笑顔を向けて「えへへ……いいよ」などとほざいている。
別にしずかの意見に同意したからと言って好いてもらえる訳でもないというのにだ。
対戦に出すポケモンを選び終えたスネ夫は二人を見比べ、ぽつりと言った。
スネ「普通に考えてこいつ等が結ばれることなんて誰が考えただろうな……
ドラえもんが上手く立ち回らなきゃタイムマシンで見た未来の結婚式が現実のものになる確率は無いぞ。」
149DPその2 ◆Dy4EDQYuSY :2007/07/08(日) 12:29:34 ID:???
1回戦はのび太VSしずか

のび「相手がしずかちゃんでも容赦しないぞぼくは。レッツゴー!ヒードラン!」
ズシン、と腹に響く音を立てて地面に着地したヒードラン。
予想を遥かに上回る敵の登場でしずかは息を呑む。
のび「ぼくの手持ちで最高に強いポケモンさ。相手が君ともなれば躊躇していられないからね。全力でぶつかるだけだ!」
のび太の台詞が終わるのを待ち、ヒードランも溶岩の弾けるような唸り声を上げる。
ちなみに、彼の脳内ではポケモンの実力が しずか>スネ夫≧のび太 とランク付けされている。
しず「パチリス、弱らせなさい。電磁波」
のび「撃たせるなヒードランッ!!」
地面から無数の火柱が上がり、パチリスを物の見事に戦闘不能にした。
のび「大地の力さ。これを避けることは不可能に近く、そしてその威力は―――」
しず「ルカリオ、ボーンラッシュ。」
金属の割れるような音が響いたかと思うと、ヒードランが映画の主役にもなったポケモンに倒されていた。
しず「電磁波を恐れるのはそのポケモンが地面タイプで無い証拠よ。戦闘中に大声で慌てるのは控えた方がいいと思うわ。」
何てこった、と力が抜けたのび太。
しずかちゃんはあの一瞬でヒードランのタイプを見抜いたのか……強いとは思っていたけど、勝負あったかな……

その後のび太はエテボースを出し、ルカリオを先制のダブルアタックで沈めようとしたが、
威力が足りなかったのかルカリオの防御が高いのか、体力を僅かに残して耐えられてしまい、
のび太にとって初めてお目にかかる技、はっけいで止めを刺されてしまった。
150DPその2 ◆Dy4EDQYuSY :2007/07/08(日) 12:30:45 ID:???
2回戦、スネ夫VSしずか

早くも、しずかはフワンテ、スネ夫はビークインで試合が始まった。
しずかのフワンテの風起こしがビークインに何度も命中し、スネ夫が珍しくそれを我慢している。
しばらくしてビークインが3回目の回復指令をした頃、スネ夫の頭に電球が付いた。
スネ「……ようやく分かったよ。君のポケモンの変な戦略。
毎ターン風起こしと共に回避率が上がっているのが目に見えて分かったけど、
どうやらその原因はフワンテが風を噴き出すときに体をしぼませた事みたいだね。」
しずかは表情を変えずにスネ夫を凝視している。
ある意味では怒った顔より怖い。
スネ「……で、つまり君のフワンテは『風起こし』と『小さくなる』を同時に使ったわけだ!…違う?」
しずかが余りにだんまりを決め込んでいるのでスネ夫は徐々に自信を無くしていったようだ。
しず「大体正解よスネ夫さん。やっぱり流石にやり込んだ人は違う。
ジムリーダーにすらこの技の組み合わせは見破れなかったのに。」
踏ん反り返るスネ夫。
スネ「そうだろ?そしてトリックを見破った所でそのポケモンは終わりだッ!!」
ビークインが引っ込められ、ムクホークが飼い主譲りのリーゼントで威嚇しながらボールから飛び出した。
スネ「行けえ!!燕返し!」
フワンテは避ける事を考える暇も無く切り裂かれた。

その後の戦闘中、しずかの顔は偶然かわざとか前髪の陰になっていた。
ただ、スネ夫はそんな事に気を配る暇は無い。
必死で育てた自分のポケモンがしずかの切り札に次々に滅ぼされているのを目の当たりにしたせいで、
他のことなど考える余裕は無かったのだ。
151DPその2 ◆Dy4EDQYuSY :2007/07/08(日) 12:31:39 ID:???
3回戦、のび太VSスネ夫

両者特に言葉を交わさずポケモンを戦わせていた。
スネ「キルリアマジカルリーフ。」
敗北のスネ夫は三つ目のウミウシなど見る気もしないのだろう。
鼻を摘んで指示を出し、のび太のトリトドンに反撃の余地すらない正確な攻撃を当てて見せた。
のび「スネ夫はやっぱり強いな。だけど僕だっていつも負けてばっかりいられない。エレブー頼んだ!」
一段と強さを増したエレブーがボールから元気良く飛び出した。
のび「10万ボルトォ!!」
耳をつんざく大音響が地下通路にこだまする。
巻き込まれまいと顔を腕に埋めていたのび太はどうだとばかり得意気な表情で顔を上げ、キルリアの倒れた姿を探した。
スネ「10万ボルトみたいな直線的な攻撃はテレポートでかわすのが僕の戦闘の醍醐味。サイコキネシス!」
背後から飛んできた念波でエレブーの体が硬直する。
スネ「そのまま、緩めるなよ…吹き飛ばせ!」
強力な念力で腕と足をあらぬ方向にはためかせながら宙を飛び回るエレブー。着実にHPが削られていく。
のび「電撃波は忘れさせたんだった………えーい!10万ボルト!10万ボルトーーーッ!!」
電撃はキルリアに当たるどころかのび太を撃ち抜いた。
のび「ぅ…ぐあは……」
無様にも仰向けに地面に倒れ、痛みに手足を丸めてうずくまるのび太。
のび「ドラえもん………助け……」
152DPその2 ◆Dy4EDQYuSY :2007/07/08(日) 12:32:37 ID:???
スネ「終わったか。しずかちゃーん!」
スネ夫は試合に出すポケモンのカンニングを防ぐ為離れた場所で待機していたしずかを呼ぶ。
スネ「試合は終わった。もう来てもいいよ。」
しかししずかは来ない。代わりに叫び声が聞こえた。
しず「まだ試合は終わっていないわー!ここからでものび太さんのポケモンの息遣いが聞こえるもの!」
面倒だな、とスネ夫は振り返った。確かにのび太、エレブー共に戦闘不能には陥っていない。
――ただ、どちらも息が上がり、今にも卒倒しそうだ。
スネ「まだ戦うつもりか?しつこいぞ。サイコキネシス。」
再びエレブーを襲う念力。
苦しむエレブー。だがのび太はかえって目が覚めたようだった。
のび「……放電!」
さっき以上のやかましい電撃が広範囲に渡って放出され、キルリアは勿論のび太とスネ夫も電撃の餌食となった。
スネ「が…うがあ……ごごっ……」
のび「……んぐっ…」
辺りの黄色味を帯びた光が消えたとき、キルリアとそのトレーナーはうつ伏せに横たわっていた。
のび「さァ……最後のポケモンを…出せ!!」

スネ夫の最後のポケモンはポッタイシ。勝負はポケモンが出揃った時から決まっていた。
まもなく、あわれにも先制の10万ボルトが直撃したポッタイシがスネ夫のボールに帰っていった。
153DPその2 ◆Dy4EDQYuSY :2007/07/08(日) 12:34:37 ID:???
ゲーム内ということでのび太とスネ夫の電撃のダメージは数分後に消えた。
だが、スネ夫の心の傷は深かった。

しず「最終結果は私が2勝、のび太さんが1勝1敗、スネ夫さんが……2敗になったのよね?」
のび「まさか僕が誰かに勝てるとは思わなかったよ!」
スネ「全くだ。まさか僕がのび太なんかに負けるとは誰も予想してなかっただろうよ!!」
スネ夫はまた他の人と距離を取って座っている。
時折わざとらしい歯軋りや荒々しい鼻息が聞こえる。
しず「のび太さん、そっとしといてあげましょう。」
のび「……そうだね。僕達は離れた場所に行こうか。」
小声で打ち合わせ、こっそりその場を後にしたのび太としずか。

のび太は解散するにはまだ早いと言ってしずかを通路の袋小路に連れ込んだ。
この状況にしずかも若干身の危険を感じずにはいられなかったが、
相手がのび太なら何かしてきても力ずくで振り払えると考え、大人しく従った。
のび「お願いがあるんだ……その、エレブーを何かと交換してくれない?」
事のいきさつはこうだ。
チャンピオンロードでポケモンを育てていたのび太。
手持ちポケモン5匹の中で唯一最終進化系に達していないと言うことでエレブーを重点的に育てていた。
だがいくら育てても進化する気配が無い。のび太はエレキブルを使いたかったのだが、
エレブーからの進化条件が分からない以上やむを得ず進化を諦めた。
しかし、中進化ポケモンはどう足掻いても最終進化ポケモンと能力の差が出る。
トレーナー戦を経てそれに気が付いたのび太はエレブーを手持ちから外し、
その見返りとしてもっと強力なポケモンの獲得を目論んだのだった。
154名無しさん、君に決めた!:2007/07/08(日) 12:34:42 ID:???
支援
155DPその2 ◆Dy4EDQYuSY :2007/07/08(日) 12:35:25 ID:???
のび「というわけで…何でもいいから(しずかちゃんのポケモンならみんな強いだろうし)エレブーと交換して?」
頭を下げ、そのくせ上目遣いで甘えた顔つきをするのび太。
しずかは少し考え、
しず「いいわ。ルカリオと交換よ。」
承諾した。

ルカリオがしずかを恨むような目で睨み、エレブーが寂しそうな目でのび太を見つめる中、釣り合わない取引が行われた。
のび「おお!来た!よろしくルカリオ!!」
妙にテンションを上げているのび太を尻目にしずかは何やらバッグをごそごそやりはじめている。
しず「あった!エレブー、これを持って。」
しずかはバッグの奥深くに詰め込まれていた黄色い箱型の道具をエレブーの手に押し付けた。
のび太がそれに気付き、好奇心の目つきでちらちらとそれに目を走らせている。
しず「(これでよしと……)のび太さん……本当にごめんなさい!
性格が戦闘向きじゃないからこのエレブー受け取れないわ!!」
しずかは芝居がかった動きでエレブー入りのボールをのび太に差し出した。
のび「ええ〜!!そんなあ!ちえっ……結局元通りか……」
本当の主人の下に帰ることが出来てポケモンたちは喜びを隠しきれない。
しずかも独り笑みを浮かべ、のび太が自分の計略に気付かない内に袋小路から出た。

背後からのび太の狂喜する声が壁に反響して不気味に響きながら追ってくる。
しずかの呟きもそれに加わった。
しず「あのエレブー…今となってはエレキブルだけど……野生で性格が意地っ張りなんて事早々あるものじゃないわ。
是が非でも大切に育てなきゃ。ちゃんと捕まえた人によって…ね。」
156名無しさん、君に決めた!:2007/07/08(日) 12:41:36 ID:???
さるさんになったらしい…

157名無しさん、君に決めた!:2007/07/08(日) 12:49:36 ID:???
支援しとく
158名無しさん、君に決めた!:2007/07/08(日) 12:56:14 ID:???
紫煙
159名無しさん、君に決めた!:2007/07/08(日) 12:58:33 ID:???
すぃえん
160DPその2 ◆Dy4EDQYuSY :2007/07/08(日) 13:23:34 ID:???
のび太としずかはスネ夫に背を向けて袋小路に入り込んだ訳だが、
そうすると、袋小路から出たしずかは未だ敗北を嘆くスネ夫の所に戻って来てしまう。
スネ「くそう……のび太の奴…最終進化ばっかり使いやがって………僕だって進化させれば……」
しずかが気付かれないように足音を忍ばせてスネ夫の視界から消えようとすると…
スネ「攻略サイトによれば、♂のキルリアは目覚め石で新ポケモンに進化するって書いてあったけど……
そんな石このただっぴろいシンオウ地方で見つかる訳ないだろ!!ゲーフリめえぇ!!」
しずかの足がぴたりと止まる。
するとスネ夫がしずかに気付いた。
スネ「ああ、しずかちゃんか。……あのさあ、何処かで…その、『瞳のような眩い石』を拾わなかった?」
しずかはまたバッグを漁り、首を振った。
だがその手はまだバッグの中で、キトサンというラベルが張ってあるビンを引っ張り出していた。
更に、口では他愛の無い会話を繰り広げながら、スネ夫に気付かれないよう蓋を開け、
ポケットから出した『瞳のような眩い石』をその中に入れた。
仕上げに後ろ手で蓋を元通り閉めながらスネ夫に最後の言葉を投げかけた。
しず「珍しくてもきっといつか見つかるわ。じゃあスネ夫さんのキルリアの健康を願って乾杯と行きましょう。」
スネ「え?それ……キトサン?くれるの?ありがとう!!」

格好良くその場を立ち去るしずかに進化の音が聞こえてきた。
しず「テンガン山で目覚め石を拾っといて良かったわ。
やっぱり人を喜ばせるのは意外と気持ち良いものね。まあこっちにも収穫はあったけど。」
しずかがまだ新しいモンスターボールを見つめると、ボールの中のフワライドが見つめ返した。
161DPその2 ◆Dy4EDQYuSY :2007/07/08(日) 13:24:21 ID:???
投下終わりました。迷惑かけてすいません
162名無しさん、君に決めた!:2007/07/08(日) 13:28:42 ID:???

静香ちゃんに泣いた、まともな静香ちゃんだ
163DPその2 ◆Dy4EDQYuSY :2007/07/08(日) 13:34:27 ID:???
断っておくと、皆の前でまともなだけ
164名無しさん、君に決めた!:2007/07/08(日) 13:34:52 ID:???
久しぶりに優しいしずかちゃん見たwww乙
165名無しさん、君に決めた!:2007/07/08(日) 14:25:03 ID:???
一作者な訳だが>>1000の為に今日中に投下する
166名無しさん、君に決めた!:2007/07/08(日) 14:36:26 ID:???
しずかちゃん(´・ω・`)
167名無しさん、君に決めた!:2007/07/08(日) 14:55:06 ID:???

635 :名無しさん@名前を下さい :2007/06/24(日) 04:32:11 ID:???
とある板で初代っつー名前で小説書いてたんだがなんかやる気でないんだ。
やはり改名スレだけに改名するべきだろうか
>>1どうすればいいんだorz

636 :名無しさん@名前を下さい :2007/06/24(日) 08:23:54 ID:???
ウンーコ

637 :635 :2007/06/24(日) 08:33:45 ID:???
初代の名前の切っ掛けは俺が初めに小説を書き始めたから。

638 :名無しさん@名前を下さい :2007/06/24(日) 11:13:44 ID:???
>>637改名するなら、初代=最初
1,one,ファースト,とか入ってればおk
次にうれしいなど良い意味を持つ単語(やる気を沸き立てる)で
happy,グラッドとかがあればいいと思う。
組み合わせてみれば良いかと思われ

639 :ワングラー(初代) :2007/06/24(日) 23:04:54 ID:???
>>638
こんな感じでどうだろ。
グラーはグラッドを短めにしてみた。
投下している板のモンスターに因んでみた。
反省はしていない。
168名無しさん、君に決めた!:2007/07/08(日) 14:57:09 ID:???
>>167
それどこで拾った?
169名無しさん、君に決めた!:2007/07/08(日) 15:45:51 ID:???
乙!しずかがいい!みんなの前だけだろうといい!
170トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/08(日) 16:14:13 ID:???
その2氏乙
投下ラッシュに便乗します
171トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/08(日) 16:15:09 ID:???
       #4 「ジャイアン」

スネ夫が見事な勝利を収めた一方で、ジャイアンはイラつきを隠せないようだった。
「次の試合は俺様が行くぜ、文句はないよな?」
仲間の3人が神速の速さで首を振る。
「あ〜もう! 俺様の試合はまだか!」
どうやらスネ夫のバトルを見せられて、自分も早くやりたいとウズウズしているようだ。

ここの試合会場は2つあって、参加チームは5チーム。
つまり、1チームだけ試合が出来ないチームが出来てしまうのだ。
今ドラーズはまさにその1チームと化している。

「A会場の第二試合が終了しました 
続いて第三試合、『ドラーズ』対『ウォーターボーイズ』の試合を開始します
剛田武、ケンイチ両選手はステージへ上がってください」
アナウンスが流れると、ジャイアンが待ってましたと立ち上がる。

「よし、じゃあ行ってくるぜ! 5秒で終わらせてやるよ!」
ジャイアンが間違いなく不可能な目標を掲げ、バトルステージへ向かった。

今回の対戦相手『ウォーターボーイズ』、日本語に訳すると『水の少年』だろうか。
『水の少年』と聞くと爽やかで神秘的な情景が浮かんでくる、しかし彼らは違った。
対戦相手のケンイチは頭につけたキャップとゴーグル、そして海水パンツ以外は何も着ていない。
彼の仲間の3人も同じである。
この世界では彼らのような人物を、『海パン野郎』と呼ぶ。
『ウォーターボーイズ』は、海パン野郎4人によって結成されたチームだった。
一歩間違えればただの変質者の集まりである。

「海パン野郎なんて変態、俺の相手じゃねぇ!」
ジャイアンはそう言い、意気揚々とステージへ向かった。
172トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/08(日) 16:16:04 ID:???
ジャイアンはジュカイン、ケンイチはパルシェンを出した。

「よし、相性じゃあこっちが勝ってる! 
リーフブレードで沈めてやれ!」
ジュカインがパルシェンに強烈な一撃を当てるが、ケンイチは笑っている。
「僕のパルシェンの最大の自慢は防御力だよ
そんな攻撃、パルシェンには通用しないのさ!
今度はこっちの番だ、冷凍ビーム!」
パルシェンの冷凍ビームはジュカインの体力をかなり削った。

「交代は出来ない……さあ、どうするのかな?」
ニヤニヤと笑うケンイチに対し、ジャイアンは意外な一言を放つ。

「ジュカイン、リーフブレードだ!」
またもやリーフブレードを指示したジャイアンをケンイチは嘲笑う。
「……な、こいつ馬鹿か!リーフブレードは効かないと言っただろう?」
「それはどうかな?」
ジャイアンがニヤつくと同時に、リーフブレードによってパルシェンは倒された。

「あ、ありえない!
いくら効果抜群とはいえ、ジュカインの攻撃力とパルシェンの防御力からすればこんなことが起こるはずが無い!
一体お前は、どんな手を使ったんだ!」
今起こったことが信じられない様子のケンイチに、ジャイアンは言う。
「種も仕掛けもない、あるのは“実力の差”だけだぜ!」

「相変わらずだなあ、ジャイアンは……」
観客席のスネ夫が苦笑した。
173トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/08(日) 16:17:09 ID:???
―――ジャイアンは理論派のスネ夫とは正反対の人間である。
つまり彼は肉体派、言い換えるなら“何も考えていない”のだ。
彼の辞書に『戦術』などという言葉はない、ただ4つある中で一番効きそうな技を選択するだけだ。
こんな小学生、いや幼稚園児レベルの単純な戦い方をしても、ジャイアンは負けることが無い。
もちろん、それにはちゃんと理由がある。

ジャイアンには戦術を理解する力が全く無かった。
決してバトルの才能が無いわけではないのだが、戦術を駆使できなければそれは意味がない。
そんなジャイアンに、天はある才能を授けた。
ジャイアンには、『ポケモン育成』に関してずば抜けた才能があったのだ。

ジャイアンはとにかく、ポケモンのレベル上げをするのがうまかった。
普通のトレーナーが一週間で5レベル上げるとすれば、ジャイアンは全く同じ条件で10レベル上げることができる。
現にドラーズのなかでも、ジャイアンの手持ちは他の3人の手持ちよりも10レベルくらい上をいっている。

戦術が使えないジャイアンが選んだ道、それは圧倒的なレベル差で押して、押して、押しまくることだった。
手持ちポケモンも扱いやすく、パワーがあるポケモンで固めている。

ジャイアンはただ強力な技を命じるだけでいい、後は強力ポケモンが圧倒的な強さでねじ伏せてくれるのだから。
いくら戦術に長けている人間でも、圧倒的な戦力差を覆すことはできない。
だからジャイアンは強かった、スクールでもハイスクールでも負けなしだった……

自分とは正反対、適当に命令しても勝てるジャイアン。
スネ夫は、そんな彼を恨んだり妬んだりはしない。
彼の単純かつ豪快なその姿を見ると、ただただ呆れかえることしか出来なかった。
174トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/08(日) 16:18:04 ID:???
自慢のパルシェンをいとも簡単に倒された……
いまだそのショックから立ち直れないケンイチは、次にルンパッパを出した。
「草タイプがあるこいつならリーフブレードを二発耐えられる
一発目を耐えて冷凍ビームだ!」
ケンイチの予想通り、ジュカインはリーフブレードを使ってきた。
これを耐えたルンパッパの冷凍ビームでジュカインは倒れた。

「まずいなー、もう弱点をつけるポケモンを選んでないや……
仕方ない、こいつを出すか……」
ジャイアンがそう言いながら出したのはボーマンダ、彼の切り札である。
「ボーマンダ、ドラゴンダイブだ!」
ボーマンダのドラゴンダイブは、ルンパッパを一撃でしとめた。

「……いくら何でも、こいつなら一発くらい耐えれるはずだ
ホエルオー、頼んだぞ!」
ケンイチは最後の砦、ホエルオーを繰り出した。
その巨体がバトルフィールドを覆い尽くす。
「ボーマンダ、ドラゴンダイブ!」
再び使われたドラゴンダイブは、ホエルオーの驚異的な体力でさえも一撃で削り取ってしまった。
ケンイチはガックリした様子でうな垂れていた。

「俺のボーマンダの攻撃力を甘く見んなよ! 拘りハチマキまで持たせてるんだからな」
ジャイアンが落ち込むケンイチに告げる。

「勝者、『ドラーズ』剛田武選手!」
審判から勝利の宣告を受けたジャイアンは、満足気な表情を浮かべてステージから出て行った。

観客席に戻る途中、彼はふと思った。
『こんな戦い方で、いつまで勝ち続けることが出来るんだろうか……』
―――この不安が現実になり、自分を苦しめることなどこの時の彼にはまだ分からなかった。

175トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/08(日) 16:19:07 ID:???
       #5 「再開」

「で、次の相手はどこ?」
勝利を収めて満足気な表情をしているジャイアンが問い、静香が答えた
「次の相手はチーム・コトブキっていうところよ
二試合ともB会場でやってたからどんなチームかはわからないけど、向こうもここまで2勝してるみたいね
この試合に勝てれば、予選突破はほぼ決まりといっていいわ!」

「この大事な一戦……やっぱりここはリーダーのお前が出るべきだな!」
ジャイアンはそう言いながらのび太の背中を叩く。
「え〜、僕がぁ?」
のび太が嫌そうな表情を浮かべて言う。
「私ものび太さんがいいと思うわ」「僕も同じく」
などと残りの2人もこれに賛成し、次の試合の出場選手はのび太に決まった。

「それではA会場第4試合、『ドラーズ』対『チーム・コトブキ』の試合を始めます
野比のび太、結城英才両選手はステージに上がってください」

ステージに現れた『チーム・コトブキ』の選手、彼を見たのび太は驚きを隠せない。
それは観客席にいる仲間の3人も同じようだ。

最後に見た6年前からは髪が伸び、だいぶ姿が変わっていた。
でもその知的で凛々しい顔は、今でもかつての面影を残していた。
のび太が思わず、彼の名を口に出す。

「間違いない……君は……出木杉、だよね?」

出木杉と呼ばれた少年は言う。

「まさかこんな形で再開するとは思わなかったよ、野比君……」
176トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/08(日) 16:20:13 ID:???
投下終了です
出木杉の名字はミスじゃないですよ
177名無しさん、君に決めた!:2007/07/08(日) 16:44:31 ID:???

面白いし投下ペースが早いからとても楽しめます!
178名無しさん、君に決めた!:2007/07/08(日) 17:10:49 ID:???
おつ


179名無しさん、君に決めた!:2007/07/08(日) 17:41:11 ID:???
乙乙乙
180名無しさん、君に決めた!:2007/07/08(日) 17:43:14 ID:???

おもしれー
181電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/08(日) 20:56:40 ID:???
投下ラッシュにあやかり、初投下させていただきます。
182電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/08(日) 20:57:30 ID:???

時は2115年

とある会見場で、ポケットモンスター・on-line ver. の公式発表が行われていた。
120周年記念により、MMO風の本格的なオンラインゲーム化が決められていた。
その舞台を決めるにあたって行われたファン投票では、全世界から累計5000万票以上が集まったとの発表等があった。
会見も終盤となり、最も注目の集まる、ゲームのベースとなる地方の発表の時が来た。
果たして、世界のポケモンファンの支持一番多く受けたのは――

「今作の舞台は、ポケットモンスター・・・
 金銀です!」



所変わってここはまだ21世紀はじめ頃の、とある平穏な町。
そこには一人の冴えない少年が歩いていた。
名前はのび太。後の主人公になる存在なのだがそれは置いといて・・・
彼はあるところに呼ばれていた。彼はとにかく急いでいた。しかし予定時間を大幅に過ぎていた。それは更なる焦りを呼んでいた。

「くっそー。なんで僕ばっかりこんな目に・・・ 」
183電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/08(日) 20:58:14 ID:???

それにしてもこの少年、あまりにも惨めな格好である。
服はボロボロ、足は血だらけ、顔は涙でぐしゃぐしゃと、端から見るとまるで虐めでも受けているのかと疑われる程だ。

しかし原因はそうでは無かった。単純にツイてなかったのである。

出掛けようとした矢先に、母親に0点のテストが発覚し説教を受け、野良犬には追いかけられ、ドブに落ちたり電柱にぶつかったり(ry と、酷い有り様であった。


まあそうこうしている内に、ようやくのび太少年は目的地に着いたようである。

ピンポ―ン

「遅いよのび太〜。あっ、のび太に急げなんて言っても無理か。あはははは。」
「のび太クン遅いよ〜。みんな待ってるんだからさぁ〜。」
「俺様をいつまで待たせたと思ってんだ! ぶん殴ってやる!」
「まあまあ武さん落ち着いて。」
「まあやっと全員揃った訳だし、早速始めないか?」

さて、のび太少年を迎え入れたのは、同じ学校に通う4人の少年少女達( プラス狸・・・ では無く猫型ロボット ) である。
のび太少年( 以下のび太 )に話しかけた順に、スネ夫、ドラえもん、ジャイアン、しずか、出木杉といった。

184電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/08(日) 20:59:29 ID:???

「いや〜それにしても、まさか未来のポケモンができるとは思わなかったよ〜。
 ドラえもんはこういう時は凄い役立つ・・・、いや何でもない。」
「おう! しかも未来のポケモンだって言うから全然ワケ分かんなくなるかと思ったけど、金銀ならやり込んだから大丈夫だぜ!
 何故なら俺様はエンテイをレベル100まで育てたからな!
 ガハハハハハハ!」
「オンラインゲームか・・・? 未来の技術も見れるならいい勉強にもなりそうだね。」
「ピッピと一緒に冒険できるのね。
 早くやりたいわね!」

ここまでの会話を聞き終わり、ドラえもんがポケットからパンフレットのコピーを取り出す。

「これが未来デパートの懸賞で当たったんだ!
 ポケットモンスターオンライン、βテストサーバーのアクセス権、つまりこれがあればタダで未来のポケモンが出来るんだ!」

そう渡されたパンフレットを眺めた出木杉は、ドラえもんに対し

「 『抽選で50名様』 なのに、なんで5人分も当たったんだい?」

と尋ねる。
それに対してドラえもんは

「よく分からないよ。 まあ当たったんだからいいじゃないか!」

と楽観的な感じで答え、出木杉はそれ以上突っ込まなかった。

185電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/08(日) 21:00:08 ID:???

「そうは言っても、5人分だから僕は出来ないだけどね…
 まあ僕の事は忘れて、思いっ切りみんなで楽しむといいよ!
 それより、そろそろ準備を始めようかな。 スネ夫〜? 例の物は準備オーケー?」
「バッチリさ。それより、ドラえもんがどうしても必要と言うからわざわざ従兄のお兄さんに頼んで、借りてきたんだぞ。
 ダメだなんていったらタダじゃおかないからな!」
「絶対に大丈夫なんて一言も言ってないじゃないか。やって見るまで分からないよ。」

そう言った後、ドラえもんは傍にあったパソコンの電源を付ける。

「さて、準備ができるまでの間、ゲームについておさらいしておこうか。」

「じゃあまずのび太クンに問題。このゲームはどこを舞台にしているのかな? 」
「ポケモン金! それくらい簡単だよ! 」
「正確には場所で言うならジョウト地方だね、ドラえもん。」
「ご名答〜。流石出木杉クン。
 じゃあ次はジャイアンだ。このゲームの一番大きな目的はな〜んだ?」
「勿論、チャンピオンになる事だぜ! 」
「そう、普通のシリーズと同じ様に、バッジを集めてチャンピオンに勝つんだ。

186電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/08(日) 21:01:01 ID:???

「ところでドラえもん、もう準備が出来たようだよ。」
「あっ、ホントだ。」

そうしてドラえもんは四次元ポケットの中から小さなメモと、何かの冊子を取り出す。


「スネ夫に頼んでおいたパソコンのスペックは大丈夫だし、あとはこの紙に書いてあるアドレスからゲームをダウンロードすれば・・・
 ああっ!? 」

ドラえもんの突然あげられた、謎の叫び声に驚く一同。

一番乗りで声をあげたのは、のび太だった。

「どうしたの!? まさか出来ないの? 」

一瞬沈黙の時が流れる。
しかし、その沈黙を破り、申し訳無さそうに声を絞り出すような感じで口を開けるドラえもん。

「そのまさかだよ・・・ 。」

すかさず出木杉がドラえもんに尋ねようとする

「・・・・・。
 どういう事なんだい? 君が試す前からそんな事を言うという事は、何かしら根拠があるんだろう?」
「うん・・・。 実は・・・


このパソコンじゃ駄目なんだ・・・。」

187電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/08(日) 21:02:04 ID:???
溜め息そして落胆の声をあげる一同。
重い雰囲気のまま時が流れる。
しかしそれは長くは続かない。手を震わせながら立ち上がったのは―

188電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/08(日) 21:04:06 ID:???
投下終了です。
初っ端から改行制限に引っかかりましたorz

ちなみに、オンラインゲームを題材にしていますが、2chのポケモンのオンゲースレとは無関係です
189名無しさん、君に決めた!:2007/07/08(日) 21:04:52 ID:???
乙だが、改行多すぎて読みにくいったらありゃしない……
190名無しさん、君に決めた!:2007/07/08(日) 21:05:06 ID:???

改行が多すぎて読みにくいから、少し直して欲しい
191名無しさん、君に決めた!:2007/07/08(日) 21:09:03 ID:???
何この新たなドS
192 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/08(日) 21:09:27 ID:???
スイマセン
とりあえず書きための方を弄ってきます。
193チャンピオン ◆BzG5Hx/G/k :2007/07/08(日) 22:01:06 ID:???
母ちゃんが、病気になった。
あんなに元気だった母ちゃんが。

この村で一番偉いお医者さんに見てもらったらしいのだが、
どうやらこの病気を治すのにはとてもお金が要るらしかった。
もちろん裕福でもない俺の家じゃ、最低限の薬でさえ買うのに辛いものがあった。
俺は、我慢した。
妹のジャイ子も、我慢してた。
親父は俺の何倍も苦労していた。
仕事は辞め、日々衰退していく母ちゃんを見守る日々。
そして、親戚中を回って「金を貸してくれ」と頼み続ける毎日。
俺は最近、一番苦しいのは母ちゃんなんじゃないかと思い始めた。
名前も長くて覚えられない病気。
そんなのと日夜戦い続けているのだ。
――そんな毎日に、俺は嫌気がさしていた。
我慢しなくちゃいけない。
そんなことはとうの昔に分かりきってたことだった。
でも……これ以上魂が吸い取れていくような母ちゃんを見たくなくて。

そんなある日、俺が学校で耳にしたことがあった。
194チャンピオン ◆BzG5Hx/G/k :2007/07/08(日) 22:01:47 ID:???
「なぁ、『チャンピオン』って知ってるか?」
隣の席の奴らが他愛もない話をしていたのだが、
俺は何故かその話題だけには引き付けられてしまった。
「『チャンピオン』ってな、ポケモントレーナーで一番強い奴なんだって!
 しかもな、その『チャンピオン』になると大金持ちになれるらしいぜ」
「大金持ち!? 羨ましいわ」
「まぁどうせこんなド田舎じゃ都会にでることさえ難しいけどねぇ」
……俺が聞いた話はこんなもんだった。
俺を動かすには、充分な材料だったんだ。

「親父、俺、ポケモントレーナーになりたい」
学校から帰ってきた俺はすぐさまそのことを親父に打ち明かした。
「『チャンピオン』になって、たくさんのお金持ってきて母ちゃんの病気治してやるんだ!」
母ちゃんが倒れてからあまり口をきかなくなった親父が、ついに立ち上がった。
その顔は、今まで見せたことの無い様な、怒った顔。
「武、テメェふざけてんのか!?」
「違う! 俺はマジだ!」
次の瞬間、顔面に物凄い衝撃が走った。
親父の右拳が、俺の頬を殴ったのだ。
しかし、その手はあまりにもひ弱だった。
数年間母ちゃんをずっと看病し続けた結果だったのだろう。
「お前なんかもう俺の子じゃねぇ! 『チャンピオン』だか何だかしらねぇが、
 何にでもなっちまえ!」
親父はそれだけ言うと満足したかのようにへなへなとその場に座り込んだ。
変わり果ててしまった親父の姿に、俺は失望さえしていた。
「もう止めてよ! お父さんも言いすぎよ!」
一部始終をはたから見ていたジャイ子が叫ぶ。
親父はそれを聞こうとはせず、また母ちゃんの方を向くと、それっきりだった。
195チャンピオン ◆BzG5Hx/G/k :2007/07/08(日) 22:02:22 ID:???
「母ちゃん、俺は絶対に『チャンピオン』になって……病気を治す。
 だから、だから安心して待っててくれ」
俺は母ちゃんの傍に駆け寄ると、腰を落とし、すっかり小さくなった母ちゃんの手を握った。
母ちゃんは、少し微笑んだかと思うと、しわがれてしまった声で小さく
「いってらっしゃい」
と言った。

「ジャイ子……俺が帰ってくるまで留守番は頼んだ」
「お兄ちゃん! そんな、私お兄ちゃんまで居なくなったら……!」
ジャイ子が裸足で玄関まで走ってきた。
それでも、俺の気は変わらなかったし、変えるつもりもなかった。
どうしようもない現状を崩すため、「チャンピオン」を目指すのだ。
「大丈夫だ。すぐ、帰ってくる」
俺はそれだけ言うと、ドアを閉めた。
まだ引き止める声があったが、俺は黙って、前を見ていた。

パートナーはなし。
お金も、経験も、何もかもない。
だが、俺には「絶対にチャンピオンになってみせる」という強い意志だけはあった。

俺は、一度も後ろを振り向かずに、ただ前へと進んでいった――
196チャンピオン ◆BzG5Hx/G/k :2007/07/08(日) 22:02:59 ID:???
投下ラッシュとやらに便乗してみた。
反省はしていない。
これから続けるかは検討中。
197名無しさん、君に決めた!:2007/07/08(日) 22:05:48 ID:???
少年漫画っぽいな
198 ◆08zAj3l3IM :2007/07/08(日) 22:14:33 ID:???
投下ラッシュに便乗するわけではありませんが、発投下です
199レッド ◆08zAj3l3IM :2007/07/08(日) 22:15:52 ID:???
 ある日、少年、野比のび太は友人三人を家に呼びだした。


「やあみんな、よく来てくれたね」
「なんの用だ、のび太!」
彼の名前は剛田武。通称ジャイアンと呼ばれ、この連中の中で、一番体格のいい少年だ。
「そうだ! 僕とジャイアンは昨日発売されたゲームやってたんだぞ!」
そして、この男は骨川スネ夫。普段は、ジャイアンの影でヘコヘコ頭を下げている。
しかし彼は、やる時はやる男だ。
ここ一番の勇気を発揮する時もある。
「まあ、落ち着いてよ。今日はもっと面白い物があるんだから」
「あら、それは何かしら」
彼女は源しずか、通称しずちゃんだ。
「フフフ……それはねぇ」

「ポケモンだよ」
200レッド ◆08zAj3l3IM :2007/07/08(日) 22:16:47 ID:???
「もう! いいとこ取るなよドラえもん!」
改めて説明。
 彼は野比のび太。牛乳瓶の底のような眼鏡をかけており、おかっぱに近い頭。
まさに、前世紀前の小学生そのものだ。
 そして彼のおいしい所を奪ったのが、未来のネコ型ロボットドラえもんである。
「ポケモンって……ははぁん、どうせまた変なゲームだろ?
のび太とドラえもんの遊びに付き合うとロクな事にならねえ。
帰るぜスネ夫」
「うん! どうせまた『ゲーム世界入り機』とか使って実際にゲームするんだろ?
どうせ機械が故障するに決まってるよ」
201レッド ◆08zAj3l3IM :2007/07/08(日) 22:17:56 ID:???
「ま…待って!今回はそんな機械じゃないんだよ!
まああながち間違っちゃないけど……」
「そうそう。今回はゲームの中に行くんじゃなくて、ゲームの世界で冒険する事なんだ」
 ジャイアンは、意味不明な事を言うドラえもんに、戸惑いの目を向ける。
「意味分からねえよ! 結局同じじゃねえか!」
「だ……だから、今回はこの世界をポケモン世界に変えるって事だよ!
『もしもボックス』を使ってね!」

「なるほど、別世界に行くわけじゃないから、
もし、もしもボックスが壊れてもタイムでんわで連絡が取れるってわけね」


「その通り! 今回は絶対百パーセント安全だよ!
流石しずちゃん、わかってるなぁ」
202レッド ◆08zAj3l3IM :2007/07/08(日) 22:19:46 ID:???
「……で、どうする? 君たち」
ジャイアンとスネ夫は、暫く考えた後
「やっぱり行く」
と答えた。

「よし、じゃあ詳しい説明を始めるよ」

・地域はカントー地方
・全国や全世界にすると、混乱するので関東地方(のび太の住む地方)だけ、ポケモン世界になる
・始まりはマサラタウン のび太の家は主人公の家となり、パソコンの代わりにもしもボックスが。
・期間は一ヶ月。それを過ぎると、強制に元の世界へ
・もしもボックスが破壊されたら、自動的にドラミに連絡が回り、世界が元に戻る。


「ようし、じゃあ皆、もしもボックスに入って。
『もしもこの地方がポケモンのカントー地方だったら』」
 こうして誰か一人を忘れた旅が始まった…
203レッド ◆08zAj3l3IM :2007/07/08(日) 22:20:58 ID:???
投下終了です。
忙しい身ですが、皆さんどうぞ宜しくお願いします。
204名無しさん、君に決めた!:2007/07/08(日) 22:28:05 ID:???

今日は新人が多いな
205名無しさん、君に決めた!:2007/07/08(日) 22:28:59 ID:???
アドバイスの人乙
206名無しさん、君に決めた!:2007/07/08(日) 22:36:54 ID:???
>>196>>203
乙…だが
>>196検討中ならちゃんと決めるまで待って欲しかった。試しの投下ならバーボンでいいし
>>203
忙しいなら書き貯めを進める
最初の時期はとりあえずそこそこ投下してほしいし
207名無しさん、君に決めた!:2007/07/08(日) 22:43:40 ID:???
>>206
すいません、本当にすいません
208フェイル ◆QdjHBvZg5s :2007/07/08(日) 23:27:21 ID:???
投下した皆、GJ!!
いろいろあって、つらいこともあったけど
すっかりトリップ忘れちゃってとりあえず挑戦者の酉だけど
兎に角今は投下開始。
209フェイル ◆QdjHBvZg5s :2007/07/08(日) 23:28:22 ID:???
舞台は戻り、環境省地下室――

「博士……今なんと言いました?」
ドラえもんは首を傾げながら、目を真っ直ぐ出木杉博士に向けて言った。
「? どうしてだ。私は知ってることを言ったまでだよ」
そう静かに言いながら、博士は一歩ドラえもんに近づく。
尚もドラえもんは目線を動かさず、話し続けた。
「しかし、それじゃ変ですよ。だって、あの事件で死んだ警び――」
いきなり、博士の手がドラえもんの前に出される。
ドラミはその様子を見て息を呑んだ。
「お兄ちゃ――」「しっ! 静かに!!」
出木杉博士は唇の前に人差し指を立てて、短く息を吹く。
反対側の手では、二つのボールを持った手がドラえもんに向けられていた。
「奴らに聞こえたらまずいんだ。静かにしてくれ」
必死の形相で、博士はドラミとドラえもんを睨みつけた。
「受け取れ、ドラえもん。それにドラミちゃん。
 ポケモンがいれば、ロボットでもトレーナーになる許可が降りる」
ドラえもんは二つのボールを受け取ると、ボールに仕舞い込んだ。
「それでは、教えてください……奴らって誰のことです? 博士」
すると、真剣な顔つきで、博士は頷く。
「私の研究を手伝ってくれた資産家だ。
 まずは簡単に言っておこう。ここ4年間のポケモン騒動は……私が原因なのだ」
210フェイル ◆QdjHBvZg5s :2007/07/08(日) 23:29:18 ID:???
博士は体勢を戻し、遠くを見る目つきで話し出した。
「私の実家は、ボランティア団体によって植えられた森の中に佇んでいてね。
 ドラえもん、君の時代にいた出木杉英才の活躍で得た資金により、なかなか大きな屋敷を構えていたんだ。
 ある日、私は英才の遺したものを見つけた。タイムカプセルの中に入っていたんだ。
 極限まで腐食を抑えた方法で埋められていたそれは、一枚のノートだった。
 彼は、自分が将来やりたいことをそこに書き留めていたんだ。いろいろとアイデアが詰まっていた。
 そのほとんどにはチェックがついていたけど、一つだけ、何もマークされていないものがあった。
 『ポケモンの世界を自分の手で作りたい』――これがその文字だ」
ドラえもんはハッとした。
「ひょっとして、それは出木杉君の夢。
 チェックがついてないってことは……実現できなかったたった一つの夢なんじゃ」
「ああ」
博士は微笑みながら頷く。
「恐らく、そのカプセルを埋めたのは晩年なのだろう。
 今までの自分のアイデアを書き留めたノート。実現できたらチェックをいれていたんだろう。
 そして、実現できなかった夢をいつか叶えてほしい、僕はそう受け取った。
 自分では出来なかったそれを英才は伝えたかったんだ。
 だから……私はそのとき決心したんだ。私が見つけたんだ。私が実現してやろうと」
「じゃ、じゃあまさか」ドラミが目を丸くする。
「お兄ちゃんが持ってきたあの道具は――博士が?」
「その通り。あれは私が送りつけたものだ。
 図書館で過去のゲーム作品を調べ、ダイヤモンド・パール発売の直後の時代を特定した。
 そしてわざと道具に欠陥を作り、君たちがディアルガとパルキアを使って戻ってくると見越してね」
211フェイル ◆QdjHBvZg5s :2007/07/08(日) 23:30:10 ID:???
「道具の世界は残されるように工夫しといたのですね?
 そうすれば、いつか残されたディアルガとパルキアが自分の技でこの世界に現れると」
ドラえもんが目を細めながら確認した。
コクリと頷く博士を見て、ドラえもんは口を開ける。
「そんな無茶な……もし出てくる時代がここと違ったらどうする気だったのですか!?」
「今の技術で、超空間はもうほとんど自由に操れるからね。
 突然超空間に現れた裂け目を永久凍土の中へ誘導したんだ」
事も無げに博士は言った。
それでも、ドラえもんは首を横に振る。
「ありえないよ。そんなことを仕出かすには莫大な資金と、人材と、タイムパトロールも黙らせられる権力がなけりゃ」
「それを可能にしたのが、僕の言う『奴ら』だよ」
博士は真剣な顔つきになり、ドラえもんたちと顔が合うまで体を屈める。
ドラえもん、ドラミの双方の顔を見て、出木杉博士はその名を言った。
「榊グループだ」
途端に、ドラえもんたちの顔が驚きへと変わった。

榊グループ――2130年の現在、最も大きな資産家だ。
それが、ドラえもんとドラミも知っている、この時代の常識だった。

「で、でもそれだけじゃ権力面では十分じゃないぞ!
 大資産家ではあるけど、タイムパトロールを黙らせられるほどじゃ」
「奴らの裏の顔を知っているか?」
ドラえもんの必死の抵抗を、博士の言葉が切断した。
「奴らの凄さは表だけではない。
 裏の顔。犯罪組織、マフィアの顔――『六越団』としての顔だ」
212フェイル ◆QdjHBvZg5s :2007/07/08(日) 23:31:07 ID:???
「私は奴らの正体を知った。
 それをダシにすることで、私は奴らの資金を簡単に手に入れられた。
 やっとのことで、計画が成功した矢先――浮かれすぎていたんだ。油断した。
 私は息子を人質に取られたんだ。
 お手上げさ。抵抗すれば息子は死ぬ。私は奴らに服従しなければならなかった。
 それでも、諦めなかった私は、ディアルガとパルキアを使って全てを戻そうとしたが……それが昨日の事件だ。
 私は察したよ。あの事件を起こしたのは六越団だ。
 信頼していた警備員が一人、殺された。ポケモンの力で。
 そして、奴らは逃げ出そうとする私を見つけ、提案をしてきた。
 『まだ生かしておいてやる。だが、今度やらかせばもう一人の警備員のようになる』
 今日の昼頃だ。昨晩連れて行った二人の警備員、その生きていたほうも遺体となって見つかったのは」
博士が話を終えると、静寂が耳を突き抜ける。
痛いほど静かな空間が、三人を包んでいた。

星空が広がっている。
街の明かりでぼやけているけれど、それは確かに光っていた。
そんな幽かな光の下、ドラえもんとドラミは歩いていた。
「お兄ちゃん……」
ドラミが不意に声を掛ける。
「安心しろ、ドラミ。やることはわかっている。
 僕らの手で、六越団を調査する。その後は、博士に言われたとおり。
 僕らがディアルガとパルキアを使い、全てのポケモンを元の世界に返すんだ」
これが、二人の去り際に博士に言われたことだった。
213フェイル ◆QdjHBvZg5s :2007/07/08(日) 23:31:54 ID:???
出木杉博士はガランとした地下室で、一人佇んでいた。
「あ、博士。いたんですか」
ふと、扉が開けられて白衣の青年が入ってくる。
博士はその青年を『新人の科学者』として記憶していた。
「やぁ、どうしたんだい。こんな――」
直感が、博士の体を巡る。
違う――博士が身構えると、青年は立ち止まった。
「気づくのが、早かったね。あ〜ぁ、やっぱまだまだだな」
青年は大げさに溜め息をついて肩を落とした。
その声はさっきの『新人の科学者』の時とは違っている。
「お前……どうしてここに」
博士は愕然とした。
「あれ、嬉しくないの? 久しぶりに会ったのに」
口端を吊り上げながら、青年は喋る。
「仕方ないか。僕のこと何も知らないからね。
 さっきの話聞いてたけど、一つ間違ってるよ。父さん」
青年はボールを取り出した。
「僕は人質として捕まったんじゃない」
「じゃ、じゃあ何で――」
繰り出されたポケモンが、博士の体を動かなくさせる。
「自分から進んでだよ。
 僕ももう『六越』の一人さ」
高笑いをしながら、青年は顎の下を摘んだ。
血筋だろう。現れたその顔は、どこと無く出木杉英才に似ていた。
214フェイル ◆QdjHBvZg5s :2007/07/08(日) 23:32:52 ID:???
場面は変わり――
まず起きたのはジャイアンだった。
「……ん、ぁれ?」
辺りを見回したが、真っ暗でよく見えない。
「何だぁ、ここ。暗くてよく見えな……うゎ!」
立ち上がった途端、体のバランスがおかしいことに気づく。
体がやけに重い――いや、ちょっと前まで持ち合わせていた筋力が無くなっているのだ。
背丈もおかしい。いつもより足りない。まるで縮んだように。
「うわぁああぁぁあああ!!」
いきなり近くで叫び声が上がり、ジャイアンは息を呑む。
弾む息を落ち着かせながら、思考が何かをはじき出した。
「スネ夫!? 今の声は……スネ夫!」
「ジャ、ジャイアン!?」
それは確かにスネ夫の声だ。
ジャイアンは手探りで声の元を探す。
「スネ夫! 今そっちに行く――?」
ふと、床を滑らせていたジャイアンの指先が液体に触れる。
不思議に思いながら、ジャイアンはその臭いを嗅いだ。
つーんと嫌な臭いが鼻を突く。
「う、臭ぇ……!! スネ夫! お前まさか」
「だって怖かったんだもん!」
「このやろぉぉぉおお!!!」
怒りに任せて振るったジャイアンの拳が、何かに激突した。
それは「むぎゃ!」と声を立ててばたりと倒れた。
「あ、当たったのかスネ夫! おい、起きろ!」
ジャイアンは倒れこむその人を手探りで抱えた。背丈は縮んでいたが、特徴的な尖がり頭だ。
それはスネ夫である紛れも無い証拠だった。
215フェイル ◆QdjHBvZg5s :2007/07/08(日) 23:33:37 ID:???
パッと明かりが付けられた。
目を眩ませながら、ジャイアンは自分がサイズの合わない服を着て、サイズの合わない服を着たスネ夫を抱えていることを確認した。
「起きたか、お前ら」
その声の主の方を、ジャイアンは睨みつけた。
「何だ、お前いったいどうして俺らを」
ジャイアンは小さく息を呑んだ。 
相手は格子越しに立っている――いや、自分が格子の中にいるのだ。
ここは牢屋だった。
ますますジャイアンの拳に力が入っていく。
「おい! 何で俺たちはこんなとこに居るんだよ! てめぇいわねえと」
「おちつけ」
相手はやれやれといった顔つきで、牢の錠に手を掛ける。
チャカチャカと音が立ち、牢の扉が開けられた。
「ついてこい。会長がお呼びだ」
短く言葉を出す相手に、ジャイアンは不可思議な思いを募らせた。
「ちょ、ちょっと待てよ! まだいろいろ話したいことが」
「それを会長が話す。いいから黙ってついて」
「だから、会長ってだれだよ!」
相手を思いっきり睨みながら、ジャイアンは声を荒げた。
すると、相手は肩を竦める。
「俺らのボスだ。ここ、石蕗会のな」
216名無しさん、君に決めた!:2007/07/08(日) 23:34:05 ID:???
さあて自演フェイル様の祭だ ワッショイワッショイ
217フェイル ◆QdjHBvZg5s :2007/07/08(日) 23:34:34 ID:???
投下終了。
いろいろと混乱を招きそうだし、酉が見つかるまで投下控えようと思う。
では。
218名無しさん、君に決めた!:2007/07/08(日) 23:34:40 ID:???
支援
219名無しさん、君に決めた!:2007/07/08(日) 23:35:43 ID:???
220名無しさん、君に決めた!:2007/07/08(日) 23:38:19 ID:???
そのままでいい!
この前までの投下ペースでワッショイ
221名無しさん、君に決めた!:2007/07/08(日) 23:38:33 ID:???
超乙
222名無しさん、君に決めた!:2007/07/08(日) 23:40:05 ID:???
超頑張れ
223トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/08(日) 23:53:17 ID:???
これから投下します
皆さん乙です
フェイル氏復活おめでとうございます
224トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/08(日) 23:54:20 ID:???
No.013『PAY MONEY TO MY PAIN』

サイクリングロードは、カントーでは有名な自転車専用道路であり、平日はトライアスリートやチャリンコ暴走族らの憩いの場となっている。
通常、その中は自転車無しでは入れない。
しかし、今回は試験の為に特別に貸し切りで使えるようにしている。まぁ、これもポケモン協会の権力のなせる業だろう。

とまぁ、とりあえず無駄話はここまでにして、コースの説明でもしよう。
サイクリングは全長10キロの坂からなる真っ直ぐなセキチクとタマムシを結ぶ道路である。
参加者は通常下り専用であるその角度25度を誇るここを、逆に登らなければならない。

今回のコースはこうだ。
まず、最初の登り坂5キロ。早い人はここでポケモンが孵化する。
それから、間にある湖でこれまた2キロの水泳、そしてまた3キロの登り坂という道を通ってゴールである。

ちなみに、以前ここをロードレーサー(競技用自転車)で逆走した勇者は
「もう嫌だ」
と言って倒れ、自転車を引退したらしい。
まぁ、精々参加者の方々には頑張って貰いたいものである。
225トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/08(日) 23:55:22 ID:???
レースが始まって10分。

サイクリングロードの約1キロ地点では、数多の先頭集団達が壮絶なトップ争いを繰り広げていた。

その顔触れを見ると、トライアスリート等の、比較的体の完成した人々がその集団の割合の多数を占めている。
肉体系ならまかせろ!と言わんばかりの驚きの走りっぷりだ。

しかし、驚く事はこれだけではない。
その先頭集団の中に、なんとのび太と同じ位の歳の少年がいるのだ。
それを聞いて、読者の皆さんはさぞマッチョな少年や、出○杉の様なスポーツ万能少年を思い浮かべた事だろう。
だが、彼は紛れもなく普通の学校に通う、少々小太りな、体力も至って平均的な普通の少年である。
ただし、常に小さく「お金!お金!お金!お金!お金!お金!お金!お金!」と呟いている事を除けば―――


彼の名前は、金尾ためる。のび太と同じ小学校に通う小学5年生だ。
彼の趣味は貯金、座右の銘は貯金、好きな野球選手は元近鉄の金田、好きなバンドは『PAY MONEY TO MY PAIN』、道端に1000円が落ちていたらどうするかという問いに対し、
「貯金します」
と即答した事もある。
これを見て分かる様に彼の金に対する執着心は異常と言えるほど凄まじい。
226トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/08(日) 23:57:29 ID:???
元から、彼はお金を貯めるのが趣味だったが、罰金鳥によって十万という大金を取られてから(コミックス参照)というものその習性はエスカレートし、身を削って貯金をする様になった。
ちなみに、彼が試験を受験すると決めた背景にもお金が絡んでいる。

この物語の冒頭でも語ったように、公式にトレーナーとして認められると様々な特権を得る事が出来る。

ポケモンの捕獲についてや、危険区域の進入についての特権等があるが、彼はその中の『ポケモンセンター等の宿泊施設を無料で利用出来る』という特権に目をつけた。

「宿泊施設がタダということは、ポケセンでの飲み食いもタダ。ということは、家賃、食費がタダ、ということはその分を貯金出来るということじゃないか!!
ビルゲイツやっほい!」
とまぁおかしい日本語を吐きつつ彼は、
「絶対トレーナーになってやるぞ!金の為に!」
と、トレーナー試験の参加を決めたのだった。
227トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/08(日) 23:58:35 ID:???
―――――
そして、話はレースに戻る。
先頭集団が坂の2キロ地点に差し掛かった所で、流石のためるも疲労を感じてきた。ジリジリと先頭集団から離脱し始める。
「ハァ、ハァッ、ハァ、ハァ、ハァ、ウッグ」
息が乱れて呼吸が辛い。脚の乳酸も半端じゃない。こんなに辛いのは、以前交通費を浮かす為に、自転車でディズニーランドまで遊びに行った時以来だ。
「君、顔色悪いよ。大丈夫?」
隣を走る人が話しかけてくる。
しかし、応対することが出来ない。なんせ肺がヤバくて、呼吸がほとんど出来ないから。
頭もフラフラしてきた。
喉が渇いてしかたないが、支給された水を飲もうとしても、呼吸に邪魔されて飲めない。
そして、先程指摘された顔の色、それは確かに脱水症状のそれを示していた。

このままでは、命に関わる。

しかし、彼は止めない。
「金……金……金……金」
あくなき金への執念が、彼のリタイアを許さない。
しかし、気力で走れても、気力で力は出ない。
前方と絶望的に差が開いてゆく。

本来ならば、彼はここで脱落するハズだった。
だが、世の中には福の神と呼ばれるものでもいるのだろうか、彼を神は見捨てはしなかった。

ピシッ。

突然彼は、何かがヒビ割れた様な音を聞いた。
228名無しさん、君に決めた!:2007/07/08(日) 23:58:57 ID:???
支援
229トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/08(日) 23:59:32 ID:???
――その頃――――

「よし、乗ってみろ!」
「手ッ、手を離さないでね」
「分かってるよ、さあ乗れ」
「よいしょっと!」
「お、スゲー、のび太、お前やれば出来るじゃねえか。
よし、手を離すぞ」
「え?ジャイアン手はまだはや…………ブシュラ!」
「…………………」

ためる達先頭集団が1キロ地点に差し掛かっていた丁度その頃、のび太とジャイアンは今だスタート地点であくせくしていた。
理由はただ一つ。のび太が自転車に乗れないからである。
「いいか、のび太。自転車に乗るコツは、ガッと乗ってギッと漕いでシューだ。分かったな、ガッ、ギッ、シューだ。やってみろ」
「分かったよ!ガッ、ギッ、シューだね!
よーし。
ガッ、ギッ、シュ………ぶげら」
転んだ。

独自の長嶋的理論を繰り広げるジャイアン。
そして絶望的な運動神経を持つのび太。こんな二人が師弟関係を結んでも、上手くいくハズが無く時間だけが過ぎてゆく。

練習開始から、既に時間は10分を刻んでいた。
先頭集団とはさぞかし凄い差がついている事だろう。
ジャイアンの顔も焦りとイライラで歪み始める。

そしてのび太が30回目の転倒をしたその時、
「あー!もう嫌だ!
全然成長しねーよ、コイツ。
もう待ってらんねー!」
とうとうジャイアンはキレた。
230名無しさん、君に決めた!:2007/07/09(月) 00:01:09 ID:???
支援
231トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/09(月) 00:01:26 ID:???
「えっ!?」
この言葉にのび太は驚く。

(待ってらんねー?もう嫌だ?
それって…………


僕を見捨てるって事じゃないかァーッ!)

これは大変な事になった。
もし、自転車の乗れない自分が、コーチ役であるジャイアンに見捨てられたら、自らの脱落は最早目に見えているではないか。

まぁ、運動神経が無かったのは認める、成長の兆しを見せなかったのも認めるし、時間内に自転車に乗れない可能性が高いのも認める。でも、これは酷い。っていうか酷い。

でも、どうにかして練習に付き合って貰わないと破滅は目に見えている。

のび太はそう思い、ジャイアンにしがみつき、泣き付いた。
「捨てないでー!ジャイアーン!お願いだよォーッ!」
しかし、ジャイアンの返答は意外なものであった。
「は?見捨てる?何言ってんの?お前」
「へ?」
のび太は間抜けな声を上げる。ジャイアンはそんなのび太を見やりつつも、話を続ける。
232トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/09(月) 00:02:10 ID:???
「まさか、お前……さっきの俺の言葉を聞いて勘違いしたのか?」
のび太は目を丸くし、コクリと頷く。そんな様子を見ながら笑い、ジャイアンは答えた。
「ハハハハハハハ。俺様が心の友を見捨てる訳がねえじゃねえか!
俺が言いたかったのは時間がないから……」
ジャイアンは自らの自転車をバンと叩く。そして言った。
「俺のチャリの後ろにお前を乗せてやるってコトだよ」
これまた意外な発言にのび太は驚く。
「いいの?」
「ああ、早く乗れ、時間がねえんだ。さ、急げ急げ」

そしてのび太はお言葉に甘え、ジャイアンの自転車の後ろにチョコンと乗る。
のび太から見てジャイアンの背中は何故かいつもより安心出来る物を感じた。
一瞬でも疑ったりしてごめん、のび太は小さく呟いた。
「しっかり捕まってろよ」
「うん」
「よーし、行くぜぇ!ヌォォォーーーーーーーッ!」
「ウパァーーッ!」
妙な奇声を上げると、ジャイアンはもの凄い勢いで自転車を漕ぎ出した。
二人で試験を突破する為に。

超高速で自転車を漕ぐジャイアンが、のび太には少し格好よく見えた。
233トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/09(月) 00:02:56 ID:???
ジャイアンがのび太を乗せてスタート地点を離れてから15分。
ジャイアンは先頭集団のトップよりも5分以上速いペースで2キロ地点を通過し、坂を爆走していた。
「凄い!凄いよジャイアン!」
その走りは後ろののび太も感嘆の声を漏らす程。流石、実家の雑貨屋の配達で鍛えた自転車捌きは並じゃない。
グングンと周りの人々を抜き去ってゆく。
そしてあっという間に2,5キロ地点を超える。
「先頭集団はまだかぁぁぁぁーーッ!のび太ぁぁぁーーッ!」
ジャイアンは叫ぶ。
「ちょっと待って………あの人に聞くから……。すみませーん」
のび太は近くを走るトライアスリートに話しかける。
「先頭集団はどこらへんですか?」
すると、トライアスリートはすぐ前方を指さした。

のび太はそれに歓喜する。
「ジャイアン!あそこだよ!あそこが先頭集団だよ!」
のび太がはやしたてる。
ジャイアンはそれを見て言う。
「なんだ?あいつら遅いなあ。まだあそこかよw
あれならすぐに抜けるぜ」
ジャイアンは自転車のペースを上げた。先頭集団との差はグングンと縮まってゆく。
そして30秒後にはジャイアンは完璧に先頭集団の後続を捕えていた。
「凄い!もう追い付いたよジャイアン!」
のび太はそれを見て、更に喜びの声を上げる。
このまま一気にトップに踊り出ようかと、のび太が思った瞬間だった。
突如、ジャイアンのそのペースがガクッと落ち、先程の走行がまるで嘘であるかのようにスローになった。
234トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/09(月) 00:03:56 ID:???
「ジャイアン!どうしたの?」
のび太が心配そうに聞く。
このペースの落ち方から察するに、何か尋常じゃない事が起こったに違いない。
そして案の定ジャイアンは苦しそうな表情を浮かべ、言った。
「風が……風が強くて前に進まねえ……」

「風だって!」
のび太は急いで辺りを見回す。
すると、周りトライアスリート達の服が、まるで台風の中を走っているかの様に後ろにたなびいているのが見えた。
恐らく自分はジャイアンに風を遮られているから分からなかったのだろう。
そしてジャイアンは言う。
「この風……不自然だ……」
「なんだって!」
不自然?どこが?
のび太の脳裏に疑問が浮かぶ。ジャイアンは続ける。
「おかしいんだよ……先頭集団に入った瞬間にこの風……
それに、最もおかしい点はこのコース外には風が吹いてねえコトだ」
「えっ!?」
のび太は驚き、コースの外を見る。
サイクリングロードの外は海になっているのだが、その水面には波一つ立っていない。こんな強風が吹いているのに。
「これは先頭の奴が人為的にやったモンの可能性が高えな……のび太、俺の代わりにちょっと前を見てくれ」

頼まれたのび太は身を乗り出し、前方を見る。

すると、何を見たのかのび太はすっとんきょうな声を上げた。
「あれは……………あれは金尾ためる君じゃないか!」
235トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/09(月) 00:04:38 ID:???
「なんだって!」
のび太の声を聞き、ジャイアンは驚く。
あの小太り少年のためるがまさかトップに…いや、試験を受験しているなんて、思ってもみなかった。

「とにかく、あれは本当にためるなんだろうな?」
「うん、間違い無いよ」
のび太はきっぱりと答える。

この状況から判断して、恐らくためるのポケモンは既に孵化していて、風はきっとそれが吹かせてくれてるんだろう。
でなければ、この風の理由も、ためるがトップに立っている理由も説明できない。
あの野郎、俺様に手を煩わせやがって。ぶん殴ってやる。

ジャイアンがそんな事を考えていると不意にのび太が呟いた。
「でも、ラッキーだな。あれがためる君で。」
「どういうことだ?」
ジャイアンは訊く。
「だって僕達知り合いだからさ、上手くいけば僕達だけ助けてくれるんじゃない?」
のび太はあっけらかんと答えた。

成程。そういう考えもアリかも知れない。ポケモンがまだ孵化してない自分らにとって、ためるのポケモンを利用出来るのは大きなアドバンテージだ。しかも、ためるとは知り合いだから、そのよしみで力を貸してくれるかも知れない。

そこまで考え、ジャイアンは言った。
「よし、今からためると会話できる距離まで近づく、しっかり捕まってろ」
「うん」
ジャイアンはペダルに更に力を込め、強い向かい風の中を二人は先に進んでいった。
236名無しさん、君に決めた!:2007/07/09(月) 00:05:30 ID:???
しえん
237トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/09(月) 00:05:46 ID:???
今日はここまでです。
最近雑念ばかり頭に浮かびます。
来週決戦なのに眠れないです

はぁ。
238名無しさん、君に決めた!:2007/07/09(月) 00:06:15 ID:???
239名無しさん、君に決めた!:2007/07/09(月) 00:06:18 ID:???
凄い量だ・・・
乙乙乙、乙乙、GJ!乙
240名無しさん、君に決めた!:2007/07/09(月) 00:06:54 ID:???
241名無しさん、君に決めた!:2007/07/09(月) 00:07:08 ID:???
乙乙乙
 乙 乙
乙乙乙乙
242ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/09(月) 00:08:28 ID:???
皆さん乙
自分も投下する
243ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/09(月) 00:09:17 ID:???
「馬鹿な!? なんで俺たちのポケモンが全滅してるんだ」
「当たり前でしょ! 地震は全てのポケモンを巻き込む技なのよ!」
静香はその瞳に涙を浮かべながら、サーナイトをモンスターボールに戻す。
「だ…だとしてもお前のポケモン二体を倒せないのはおかしいじゃんかよ!」
「ロトムの特性は浮遊、大抵の地面タイプの技は受け付けない特性だ。
 そして、ルカリオには『護る』の技を使わせたのだ」
護る――どんな技でも瞬時に防ぐことのできる技。唯一の短所は連続で使用できないこと。
ついでにドタイトスはさっきの波動弾が命中し、戦闘不能になったのだ。

「くそぉ……戻れドタイトス!」
ジャイアンは、悔しそうにドタイトスをボールに戻す。
そして、新たにカイリキーを繰り出してきた。
静香も次のポケモンを繰り出す。そいつは小さな番犬ガーディ――

「静香ちゃん! そんな小さなポケモンで勝てるわけないだろぉ!」
「仕方ないじゃない、この子達は戦闘用のポケモンじゃないのよ」
やはりか……
静香のポケモンは、コンテスト用にコンボ重視に育成されている。
故に実践には不向きのポケモンであるのだ。
対するジャイアンのポケモンは、戦闘に特化して育成されている。
単純に力で押し切り、場を制圧するタイプのポケモン……
この二人の相性は、最悪と言っても過言では無いだろう。
どちらかがサポートにでも周らない限りは、勝機は無い。
244ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/09(月) 00:10:05 ID:???
「クロスチョップだぁ!」「噛み砕くよ!」
二体のポケモンは、それぞれ弱点の技で責めてこようとする。なら簡単な話だな。
「ロトムはカイリキーに、ルカリオはガーディに当たれ」
ルカリオとロトムは交差しながら進み、相手の攻撃を受ける。
左腕を噛み付かれたルカリオだが、まるで気にしていない。
ロトムの方はダメージは皆無である。

「波動弾だ」
右腕をガーディに翳し、黄金の球体を発射する。
それが命中したガーディは大きく吹き飛び、戦闘不能となってしまった。
「そ、そんな……」
静香は唖然とした表情でいる。一撃でガーディがやられてしまったからだろう。
ガーディをボールに戻し、最後のポケモン、エンペルトを繰り出した。

「渦潮よ、エンペルト!」
突如、ルカリオの周囲が水に包まれる。
これでしばらくルカリオの行動は、制限されてしまったわけか。
「冷凍ビームで渦をねr……」
『うぉぉぉおお! 今だ、ルカリオをぶっ飛ばしてやれぇ』
カイリキーが渦潮の中に突っ込んでくる。
「ちょ…タケシさん!?」
既に冷凍ビームの指示を受けたエンペルトは、攻撃を静止することができず。
渦に冷凍ビームを放ってしまう。
その攻撃を受けたカイリキーは、渦潮と共に凍結してしまった。
245ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/09(月) 00:11:02 ID:???
「味方まで氷付けにするとはどういうことだよ! 静香ちゃん!」
「タ…タケシさんが勝手に……」
半分ほど口から出したところで、思わず口を塞ぐ静香。
ジャイアンが般若のような表情をしていたのだ。

『うるせー! 俺様の言うこと聞いてりゃ勝てるんだよ!! 行け、ガブリアス!』
ジャイアンの最後のポケモン、ガブリアスが姿を現す。
「ガブリアース、ドラゴンクローだぁ!」
ガブリアスは咆哮をあげると
爪に炎を纏い、でたらめなスピードで突進してくる。
その姿に一瞬たじろぐが、冷静に見れば単純な直線的攻撃。
回避することなど容易なはずだ。
ルカリオとロトムは、難なくこの攻撃を回避して、攻撃に移る。
「よし、ガブリアスを集中して狙え!」
俺の指示に従い、ルカリオとロトムはガブリアスを集中攻撃し始めた。
「エンペルト、助太刀して!」
エンペルトは塩水を発射するが、素早く動く二体のポケモンには命中せず
的になっているのは、巨体のガブリアスだ。
「なんで俺のポケモンばかり攻撃するんだよ! ギンガ団に寝返ったんじゃないのか!?」
「違うわよ! タケシさんが狙われてるから私……」
「ガブリアスなら二体ともぶっ飛ばせるから、無駄な手出しすんじゃねぇ!」
こちらの狙い通り、二人は喧嘩を始めた。もう勝機は見えたな……

『いい加減にして!!』
246ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/09(月) 00:11:51 ID:???
殺風景な島に木霊する、静香の声――
その声で一瞬、時が止まったような錯覚に陥った。
「私達は協力して……ギンガ団の悪事を止めなきゃいけないのよ…
 なのに私達が喧嘩しちゃったら……誰が悪事を止めるのよ!?」
今までの思いが爆発し、ジャイアンに襲い掛かる。
その思いで、頭に血が登っていたジャイアンも冷静になり始めた。
「悪かったよ静香ちゃん……俺たちの目的を忘れるところだった……
 で…俺はどうすりゃいいんだ? 教えてくれ、俺の頭じゃ分からねぇんだ……」
ジャイアンに耳打ちする静香。それに納得し、顔を明るくさせる。

「分かったぜ静香ちゃん……ナナシ! この作戦でお前をぶっ潰してやる!!」
「ほぉ……なら見せてみろ、お前らの作戦とやらをな!」
「おお行くぜ! ガブリアス、大文字だ!」
大の字の炎を辺り一面に乱射するガブリアス。
「数撃てば当たる、まさかそんな作戦じゃないよな?」
大文字はPPが五しか無い、そしてガブリアスは既に大文字を五回使用している。
もう大文字を撃つことはできないのだ。
「残念だが、大文字は全て外したようだな。万策尽きたか?」
「いや…これからよ、エンペルト、渦潮!」
247ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/09(月) 00:12:53 ID:???
俺の目前……ルカリオの周囲に、再び巨大な渦潮が現れる。
「二度も同じ戦法が通じると思ってるのか?」
「思ってないわよ…ちゃんと私達は新しい戦法を考えてあるわ」
「そうだぜ、お前なんかじゃ絶対に思いつかない戦法をな…」
「言っておくけど、ロトムで電撃攻撃なんてしたらルカリオにも感電するわよ」
俺じゃ絶対に思いつかない?そんなはずは無い。
先ほどよりは随分結束力を高めたようだが、所詮は付け焼刃。
即席の戦法に過ぎないのだ。

「分からねーだろ? 静香ちゃんはお前なんかよりも数倍凄い戦法を思いつくんだぜ」
「フン、既に読めたぜ、お前らの脆い戦法をな!」
簡単だ……相手は間違いなく上から攻撃してくる。
ならば、その時波動弾で狙い撃ちすれば……

『ルカリオ! 上に波動弾だ!』

ルカリオは上に手を翳す。
その瞬間、ルカリオの居る地面が盛り上がり、ガブリアスが出現する。
この攻撃を受け、空中へ跳ね上げられるルカリオ。
『今よ! 渦潮を解いて!』
渦潮が突然消滅する。すると勢いよくガブリアスが飛び出てくる。
『くらえ! 噛み砕く!!』
渦潮から飛び出してきたガブリアスは、その勢いを利用しロトムを攻撃する。
弱点の攻撃を受けた二体のポケモンは、一気に戦闘不能となってしまった。
248ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/09(月) 00:13:24 ID:???
「な……ば、馬鹿な!?」
この状況が理解できない。だが俺の目に飛び込んでくるのは全て事実だけだ。
「まさに不意を突かれたって表情だな……教えてやるよ
 まずはさっきの大文字、あれはルカリオをお前の目の前に追い詰めるのが目的だったんだ」
「そして、あの渦潮には二つの目的があったわ。
 一つ目はルカリオの動きを封じること、二つ目はあなたの視界を塞ぐことよ」
なぜ俺の視界を塞ぐ必要が……まさかっ!?
「気づいたみたいだな。穴を掘るの技を使ったのを気づかせないため
 気づいてたら下を警戒するからな、あそこでずっと喋ってたのも時間稼ぎだ」

「そ…そんな即席の戦法に……俺のポケモン達が……」
「前にもあなたと私の即席の戦法で勝利したじゃない
 前のあなただったら、この戦法を見破れたかもしれないわね」
まずい……俺の手持ちのポケモンはもうラグラージ一体……
リュックを探ると、ラグラージのボール以外の二つのボールを発見する。
そのボールは、赤い箇所が紫色になっているボール、マスターボール――
今が……使用する時だ。
「クククク………」
「な、何がおかしい!?」
「行け、マスターボール!」
俺の投げた二つのボールからは、螺旋状の光に包まれ、二体のポケモンが姿を現す。
一体目は美しい青い翼を羽ばたかせ、冷気を発する鳥ポケモン。
二体目は灼熱の翼を掲げ、紅蓮の炎を吹く鳥ポケモン。
そいつらの名前は……フリーザー、ファイヤーと言う。
249ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/09(月) 00:14:01 ID:???
ジャイアンと静香は、その二体のポケモンを見て硬直する。
「こいつらはまさか……あの伝説のポケモンなのか?」
「嘘…でしょ? こんな相手に勝てるわけがないじゃない…」
「う、うろたえるな! 伝説だろうとなんだろうと
 俺様のガブリアスには勝てねぇんだよ! ドラゴンクローだ!」
「し、塩水よ!」
二体のポケモンは、強大な力に立ち向かう。
「フリーザーは冷凍ビーム、ファイヤーは火炎放射だ……」
勢いよく突進してきたガブリアスは、冷気の塊が命中し、一瞬にして瀕死になる。
塩水は灼熱の炎に包まれ蒸発し、そのままエンペルトをも包み込んだ。

「全……滅?」「そ…そんな……」
あまりに無力な攻撃……それほどまでに伝説のポケモンの力は強大なのだ。
二人は脱力し、その場に座り込んだ。
「クク……クク……ハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」
笑いが止まらない。小手先の戦法など無意味……力こそが全て…
「戻れ、フリーザー、ファイヤー……」
二体のポケモンをボールに戻す。
そのまま俺は新月島の奥へ進んでいった。


ナナシ
ルカリオLv47、クロバットLv45、ロトムLv44、
ラグラージLv46、フリーザーLv60、ファイヤーLv60
ジャイアン 
ドタイトスLv46、カイリキーLv45、ガブリアスLv48
静香
サーナイトLv46、ガーディLv45、エンペルトLv48 
250ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/09(月) 00:15:16 ID:???
投下終了

この戦闘は結構気合入れて書いたんだがどう?
251名無しさん、君に決めた!:2007/07/09(月) 00:16:40 ID:???

サンダー……
252名無しさん、君に決めた!:2007/07/09(月) 00:17:39 ID:???
乙だ
253ロキ ◆zCpebmpy/g :2007/07/09(月) 00:19:49 ID:???

ガブリアスはわかるがエンペルトまで一撃とはw

しかし乙
254ノビタ ◆UIEMKhGpfE :2007/07/09(月) 00:22:28 ID:???
投下します。
255ノビタ ◆UIEMKhGpfE :2007/07/09(月) 00:23:16 ID:???
番外編


しずか

「弱い、弱いわマチス!」
「オウ、アナタハトテモツヨイ」
「やっておしまい、カビゴンのしかかり!」
「アウチ!」
「のしかかりのしかかりのしかかり!」
「アウチアウチアウチ!」
「止めののしかかり!」
「アーウチ!マ、マケマシタ…」


しずかはあるお城に辿り着きました。お城の中にはゾンビ化した女性が一人。
「あなた……?あなたあなたあなたあなたあなたあなたあなた」
「モニカ乙」
※説明しよう!
モニカとは……知る人のみぞ知る、恐ろしい将軍の妻。
最初は仲間だが、ある時に裏切った将軍の妻だ。
詳しくはWebで!
256ノビタ ◆UIEMKhGpfE :2007/07/09(月) 00:25:47 ID:???
「あなたあなたあなたあなたあなたあなた」
「モニカ自重
カビゴンのしかかり」

モニカは、最後に「あなた…いま……おそば…に……」と言ったような気がした。
一粒の涙を溢して、モニカの霊が天へと上っていく。

「ウ……ウウ……ゾンビを救うには倒すしかないのッ
あれでモニカは救われたわ……なのに何故涙が止まらないのかしら」
しずかは涙を袖で拭いながら城を出た。

城の床には、一粒のシミ。
その部屋を見ると、さぞ幸せな夫婦が暮らしていたのだろう
257ノビタ ◆UIEMKhGpfE :2007/07/09(月) 00:26:54 ID:???
番外編その2
スネオ


「ここ どこ?」
スネオが訪れたのは、怪しげな森。
確か、無人発電所を出たはずだ。
「探検しよう。……どうやらここはカントー地方じゃないみたいだ。
どこかの樹海かな?」
「いいや、ここはウバメの森さ。君はカントーから来たみたいだね。
家においでよ。」
スネオは、少女に導かれ森の奥へと進んで行った。


「ここ どこ?」
スネオの目の前にあったのは粗末な墓。
少女は消えていた。
「…さみしかったのかな。」
スネオは林檎の花を供えた。
花言葉は「椎名りんご」
258ノビタ ◆UIEMKhGpfE :2007/07/09(月) 00:27:58 ID:???
投下終了

投下ラッシュ?便乗?何の事ry
259名無しさん、君に決めた!:2007/07/09(月) 00:28:37 ID:???
これで2ケタだな 乙
260名無しさん、君に決めた!:2007/07/09(月) 00:29:13 ID:???
261名無しさん、君に決めた!:2007/07/09(月) 00:29:33 ID:???
テラモニカwwwwww
262名無しさん、君に決めた!:2007/07/09(月) 00:33:49 ID:???
とりあえず今日は月曜だから流れは止まってますね
263のび太の冒険活劇 ◆lbNRv1fVMg :2007/07/09(月) 01:33:48 ID:???
投下させて頂きますで御座います
前回はウィキを参照して頂けると非常に有難いで御座います
264のび太の冒険活劇 ◆lbNRv1fVMg :2007/07/09(月) 01:34:32 ID:???
「勝負は2VS2、道具禁止でいいわね?」
意外にもしずかはバトルにすんなり応じてくれた。
……まぁここで断られたら物語が全く進まないから当然だけど。
(フヒヒ・・・しずかちゃんには悪いけどジム戦したばっかの相手なら僕が勝つに決まってる!)
まさに外道。

「それじゃあ、まずは・・・頼むわスボミー!」
しずかのボールから現れた緑色のポケモンにのび太は何処か見覚えがあった。
「確かそのポケモンってロゼリアの進化前だよね?」
「ええ、事前情報でこの子を見てから絶対捕まえようと思ってたの!」
嬉しそうにしずかが話す。
だが、そんなしずかを見てのび太が心の中でガッツポーズをした。
(ロゼリアの進化前ということは草・毒タイプ、つまりエスパーの鴨だ!)
不思議な事に頭の悪い人間に限ってこういうゲームの知識はしっかりしていたりするものだ。

「それじゃあこっちも行くよ、まずは・・・リーシャン君に決めた!」
『まずは』も何も後の一匹は全く使い物にならないのだが。

「それじゃバトル開始だ!」
「連戦だけど頑張ってねスボミー」
いよいよバトルが始まった。

スボミーとリーシャン、可愛いポケモン同士が小さな火花を散らす・・・。
265のび太の冒険活劇 ◆lbNRv1fVMg :2007/07/09(月) 01:35:23 ID:???
「悩みの種!」
先に動いたのはスボミーだった。
その頭の蕾から放たれた小さな種のようなものが弧を描きリーシャンの頭に付着する。

――だが、リーシャンは特にダメージを受けていないようだった。
安心して今度はのび太が命令をする。
「リーシャン、念力だ!」
命令を聞いたリ−シャンが目を瞑る・・・すると、スボミーが突然苦しげな声を上げた。
どうやら弱点攻撃は確実にスボミーの体力を奪っているようだ。

(よし、相手はもう体力を消耗してるしこれならいける・・・?)
そう勝利を確信したその瞬間、彼は信じられない光景を見た。

リーシャンが墜落した。

「え?え?リ−シャンどうしたんだ!」
突然、浮遊していた風鈴が墜ちたのを動揺するのび太。
――その一瞬をしずかは見逃さなかった。

「スボミー、今の内に接近して」
その声とともにスボミーが墜落したリーシャンに一気に近づいてくる。
「まずい!浮遊するんだ」
このまま相手に接近させられるのは危ないと感じたのび太。
だが、リーシャンが必死に飛び跳ねようとしても浮遊する事はできない。

「何で飛べないんだ・・・」
訳が分からず混乱するのび太。
――だがそうやって考え込んでしまう事こそポケモンバトルで最もやってはいけない事なのだ。
266のび太の冒険活劇 ◆lbNRv1fVMg :2007/07/09(月) 01:36:23 ID:???
「さぁ、そのまま一気に攻撃よ!」
しずかの声で我に返ると、リーシャンがメガドレインによって体力を着々と奪われていた。
「・・・!くそっ、驚かすんだ!」
とっさにのび太が命令を下した。
リーシャンが自分の体を震わせ恐ろしく高い音を放つ。
それによって近くにいたスボミーが思わず怯む。

「そこからえっと念力ぃ!」
のび太が物凄く必死の形相で命令する
だが、それが的確な判断というか運が良かったというか・・・。
怯んで碌に身構えていないスボミーに念力は見事に炸裂した。
ゲームで言う所の急所に当たった!という奴だろう。

「ありがとう、スボミー!ゆっくり休んでてね」
しずかが優しく言ってボールにポケモンを戻す。

「リ−シャン大丈夫かい?」
のび太が急いで問いかけるとリ−シャンが鈴の音を出す。
まだ戦える、というサインなのだろう。

「これで1VS2・・・私も本気を出さないと」
そうしずかは言っているがのび太は内心物凄く焦っていた。
(なんで浮遊ができないんだよ、しかも体力吸収されたし実質1VS1だしくぁwせdrftgyふじこlp;)
もはや焦っていると言うよりご乱心だ。

「じゃあ2体目のポケモンを出すわね」
(頼む・・・弱くて体力が限りなく少ないポケモンを出してくれ!)
だが、出てきたポケモンは彼の期待を思いっきり裏切ってくれた。
「ポッタイシ、行きなさい!」
267のび太の冒険活劇 ◆lbNRv1fVMg :2007/07/09(月) 01:37:19 ID:???
「ぽっ・・・大使?」
梟のような顔をした可愛げの無いポケモン。
だが、その体の色や名前からして思い当たる物と言えば一つ・・・。
「ポッチャマの進化系か!」
「ええ・・・ジム戦の途中で進化したの」
(あの可愛らしいペンギンがこの梟顔になるなんて進化は恐ろしいな・・・)
しみじみと思うのび太。

だが、そんな事を戦いの最中に考えている暇は無かった。
「ポッタイシ、泡攻撃!」
「わわっ・・・念力!」
こちらに向かってくる大量の泡がリーシャンに当たる直前で静止した。

(危ない危ない、もう少しで泡まみれになる所だった・・・、!)
不意にその泡を見たのび太の頭にある作戦が浮かんできた。
(これは・・・いけるかも知れない!)

「ポッタイシ、突く!」
しずかの命令で嘴を前に突き出しながらこちらに向かってくるポッタイシ。

――今がチャンスだ。

「その泡を相手にお返ししてやれぇ!」
「な、なんですって!?」
空中で静止していた泡がいきなりポッタイシに襲い掛かった。
頭を前のめりにしていた事もあり、その梟顔が大量の泡で埋め尽くされる。
268のび太の冒険活劇 ◆lbNRv1fVMg :2007/07/09(月) 01:38:05 ID:???
「ふふふ、目が見えなきゃ何もできない・・・リーシャン巻きついてやれ!」
相手の視界を閉ざしてその間に拘束技をかけ後は念力で体力を奪い続ける。
(我ながら完璧な作戦じゃないか!やっぱ伝説のポケモンに認められた者の真の力って奴がここで――)
そう自画自賛していた矢先。

「水遊びよ」
「え?」
一瞬にしてポッタイシの泡が洗い流される・・・そして

「メタルクロー!」
ポッタイシの懐に入り込む寸前だったリ−シャンが硬化した爪で激しく吹き飛ばされた。
丸い体が宙に浮き、地面に叩きつけられる。

「リーシャン!」
急いで駆け寄るとリ−シャンは目を回して完全にダウンしていた。
「・・・戻ってくれ、リ−シャン」
苦い顔でボールの開閉スイッチを押す。

「さぁ、これで1対1ね!」
これからが本番といったような口ぶりだ。
そしてのび太が出すポケモンは勿論・・・
「もうヤケだぁぁぁぁぁぁ!行ってこいエムリット!」
269のび太の冒険活劇 ◆lbNRv1fVMg :2007/07/09(月) 01:39:00 ID:???
「・・・・・・」

「・・・・・・」

「のび太さん・・・まさかそのエムリット・・・」

「・・・・・・何も言わないで下さい」

こうして彼の卑怯な作戦はバトルに負けた上しずかに全てを説明しなければならないというクソミソな結果に終わったのであった。

「つまり僕のエムリットは眠るしか使えなくてお金も無くて・・・まぁそういう訳だよ」
かなり投げやりに今の自分の状況を説明するのび太。。
そしてそんなのび太をしずかはただ何も言わず見ている。
「あ、賞金払って無かったね。はい・・・それじゃあ」
なけなしのお金をしずかに差し出して足早に去ろうとするのび太。
もう何というか余りにも自分が惨めで情けなさすぎてこの場から消えてしまいたかったのだ。

「・・・待って!のび太さん」
「ごめん、しずかちゃん賞金は悪いけど本当にあれだけしかないんだ・・・って何してるの?」
振り返って見ると何故かしずかが自分のリュックの中をごそごそと漁っていた。

「ちょっと待ってて・・・あったわ!」
そう言ってリュックから何かを取り出し、のび太に押し付けた。
「のび太さん、これ持っていって。私には必要の無い物だから」
そう言い残ししずかは去っていった。
「一体何なんだろ?」
手渡されたCDのような物をよく調べてみる。

「技・・・マシン・・・1・・・0・・・」
それから30分ほど彼は未来の婚約者に感謝の念を唱え続けるのだった。
270のび太の冒険活劇 ◆lbNRv1fVMg :2007/07/09(月) 01:41:02 ID:???
投下終了
初めてバトル書いてみましたが全然駄目だ・・・
考査終わったので次回はもう少し早く投下できるよう努力します
271名無しさん、君に決めた!:2007/07/09(月) 01:43:35 ID:???


いいと思うよ
272名無しさん、君に決めた!:2007/07/09(月) 01:58:11 ID:???
乙乙乙
273名無しさん、君に決めた!:2007/07/09(月) 02:08:55 ID:???

その2氏といい活劇氏といい、まともな静香が増えたな
274引きこもり ◆Bm82Mk3J2Y :2007/07/09(月) 02:19:09 ID:???
\(^o^)/
投下するよー
275引きこもり ◆Bm82Mk3J2Y :2007/07/09(月) 02:20:00 ID:???
――のび太としずかの試合が終わる少し前――

「待ちやがれ〜!」
俺様はのび太のDSとDSカードを盗んだ犯人を追っていた。
「…ういいい!!」
DSを盗んだ奴は奇声を上げながら逃げている。
男様がしばらく追いかけていると男は遂に観念したのか、動きを止め…
「ひい、ふぅ…糞… お、おいお前!」
息たえだえに話かけてきた。
「なんだお前は。早くのび太のカードを返しやがれ!」
「…だ」
「あっ!?聞こえねー!」
「…ポゲモン勝負だあ゛!! 負けたらこのDSとカードは返す! 俺が勝ったら見逃せ!」
男の突然の提案に…俺は…
「うるせえ!」
俺は男から立ったフラグを無視し、のび太のDSをひったくった。それとついでに…
「おっとこれも貰っていくぜ」
男のポケットからはみ出ていた、ストラップ付きのDSを奪った。「お前の物は俺のもの…俺の物は…俺の物だ! 警察に言われたくなかったら黙っておくんだなw」
俺はその場を後にした。
276引きこもり ◆Bm82Mk3J2Y :2007/07/09(月) 02:20:47 ID:???

試合が終わって、しばらくすると、ジャイアンが手を振りながら僕の元へ戻って来た。
その手に、僕のDSを握って…
「ジ、ジャイアン! 取り戻してくれたんだね!」
「おうよ! ほらよ!」
ジャイアンはのび太にDSカードを手渡した。
(よかった…これで次は本気でバトル出来るよ…)
(ウヘヘヘ…DSゲットだぜ!売ったら…フヒヒヒヒwwwwwww)

しばらくするとジャイアンは笑いながらどこかに行った。変にニヤニヤしてなんだったのか…
とりあえず暇だし…休憩所にでもいて昼寝すでもるか…

休憩所
ここは参加者がポゲモンの交換をしたり、休憩したりと色々なことが出来る場所だ。
僕が入ってみると、そこには、スネオがいた。そういえばスネオは二回戦勝ったみたいだったな… 次の相手はスネオかぁ。
まぁ相手をするのも面倒だし試合まで寝よう…
277引きこもり ◆Bm82Mk3J2Y :2007/07/09(月) 02:22:52 ID:???
「これを……いう風に使うんだぞ!」
「うん! ありがとう、スネ吉兄さん! いつもありがとう! 兄さんのおかげで僕はいつも勝負に勝つことが出来るよ^^」
スネオの奴…親戚の兄さんから教えて貰っていたのか…
なんて奴だ。自分で育てる楽しさを知らないとは…よし。

僕はDSの電源を入れ、パーティーを選別し始めた。
(作戦筒抜けッスよwwwサwwwーwwwセwwwンww)

それからしばらくして…

三回戦は始まった。
スネオは始まる前にニヤニヤしながら僕を見ていた。大方、僕なんか相手じゃないと思ってるんだろう。
今の内に笑ってるんだな(笑)

「のび太…(笑) まぁお手柔らかに頼むよ^^」
スネオの一番手はメガヤンマ
まぁ予想通りだけど
278引きこもり ◆Bm82Mk3J2Y :2007/07/09(月) 02:23:34 ID:???
僕の一番手はドンカラス
大会までの期間が長かったから色んなポケモンを育てることが出来てよかった。これでスネオにも…
スネオのメガヤンマは当然みきり
ドンカラスはドリルくちばし
僕は1ターンを無駄にした。けど大丈夫だ。スネオは必ず…
次のスネオのターン、メガヤンマは…催眠術
だが…
「ああ!どうして眠らないんだよ!畜生」
やっぱりスネオはドンカラスの特性を知ってなかった。
兄さんにばかり頼ってるからそうなるんだ。「どうしたんだい? スネオ〜」
僕は嫌味ったらしい笑顔でスネオに話かけた。
スネオは黙っているが、明らかに嫌悪感が漂っていた。

のび太
ドンカラス HP満タン
???×5

スネオ
メガヤンマ ×
???×5
279引きこもり ◆Bm82Mk3J2Y :2007/07/09(月) 02:24:46 ID:???
投下終了/(^o^)\
280名無しさん、君に決めた!:2007/07/09(月) 02:25:16 ID:???
なんという投下ラッシュ……
281名無しさん、君に決めた!:2007/07/09(月) 19:38:01 ID:???
みなさん乙
282最終兵器ヒトカゲ ◆9u2muKti1U :2007/07/09(月) 20:40:54 ID:???
投下ラッシュに便乗して無理矢理焼け糞でスランプを脱した自分が投下しますよ
283最終兵器ヒトカゲ ◆9u2muKti1U :2007/07/09(月) 20:41:44 ID:???
※ジャイアン表記の際、様をつけるのが面倒になったので以後は「ジャ」とする。

ここは1番道路。
この地に初めて足を踏み入れた頃より大分と日が昇ってきた。
ジャ「よぉし、ヒトカゲ! 今から修行だ!」
と腕を捲りながら何やら無茶なことを言い出した。
そして…
コラッタ、ポッポ、コラッタ、ポッポ…をぜぇぜぇはぁはぁ倒した。
くそ、ご主人様やりすぎだぜ。
修行の間、随分と皆進んでいくため、気がかりになって誰が通るか観察してみると、
初めに出木杉、続いて静香。遅れながらものび太とドラえもんが通りすぎた。
しかし、依然としてスネ夫が現れる気配がない。
火の粉を覚えられるレベルにまで達した今もスネ夫だけが通る気配を感じられない。
すると、突然陰湿な笑い声が伺えた。というよりその笑い方で誰だか直ぐに分かる。
スネ「ハハハw単細胞ゴリラが頑張ってるよwwwww」
ご主人様になんつーこと言うんだ!!
284最終兵器ヒトカゲ ◆9u2muKti1U :2007/07/09(月) 20:42:18 ID:???
ジャ「ス…スネ夫!! てめぇぶっ殺す!!!」
するとご主人様は突然走り出し、スネ夫を殴り飛ばす距離まで近づく―――
ご主人様が拳を振り下ろす途端に冷静な口調でスネ夫は話かける。
スネ「折角この世界に来たんだからポケモンで僕に勝ちなよww」
ジャ「いいな、それ! お前を後悔させてやる!!」
ご主人様が使うのはこの僕以外に実はもう一匹。修行の間に捕まえたポッポだ。
対してスネ夫ははじめにストライクを貰っていた。虫・飛行のストライクなら火の粉で瞬殺だ。
285最終兵器ヒトカゲ ◆9u2muKti1U :2007/07/09(月) 20:43:18 ID:???
それからの勝負は一方的だった―――
ジャ「ヒトカゲ! 火の粉で蹴散らせ!!」
ヒトカゲは命令通りストライクを狙う。
スネ「だから単細胞なんだよwwwwストライク、電光石火だ」
元々素早さのあるストライクはヒトカゲの火の粉を避けることなど容易い。
スネ「続けて睨み付ける」
鋭い目つきで睨まれヒトケゲのガードが甘くなる。
ジャ「くそ、もう一回火の粉!!」
スネ「何回やっても同じだよ、ストライク電光石火」
またもや火の粉をあっさり交わされてしまった。
286最終兵器ヒトカゲ ◆9u2muKti1U :2007/07/09(月) 20:44:06 ID:???
スネ「気合溜めだ!!」
これにより急所にあてやすくなったストライクはガードの甘いヒトカゲに
攻撃することで簡単に倒すことができる。
スネ「これがタイプの相性を覆すバトルさwwまぁゲームじゃできないけどねwww」
ジャ「うるせぇ!! ヒトケゲ火の粉だ!!」
スネ「電光石火」
何度も交わされ少しヒトカゲは落ち込む。
ジャ(くそ! なんとかして勝つ方法はねぇのかよ…)
スネ「これじゃ、ジャイアン負けちゃうよw?ポケモンを換えれば勝てるかもねww
ま、もう一匹もってればの話だけどw?」
287最終兵器ヒトカゲ ◆9u2muKti1U :2007/07/09(月) 20:44:43 ID:???
ジャ(そ、そうか! ポケモンを換えれば…)「戻れ、ヒトカg…」
スネ(掛かった!)「ストライク、追い討ちだ!」
ジャ「な…なに!?」
ズシャ…。鋭い鎌で斬りつけられたヒトカゲは一瞬にして葬られた。
ジャ「くそ! 罠だったのか!!」
スネ「罠? 別にアドバイスしただけだよww勝手に乗ってくる‘‘ゴリラ’’が悪いんだよww」
―――その後散々苔にされたジャイアンは最後の手持ちポッポを出すがストライクにやられた。
二体のポケモンは相性の良いストライク相手にあっさり負けた。
レベル差と更にはポケモンの扱い方でバトルにも隙が出来たのだろうか。
今、目前のスネ夫が少し怖くなった。
288最終兵器ヒトカゲ ◆9u2muKti1U :2007/07/09(月) 20:45:18 ID:???
スネ「やっぱりこの世界じゃ君よりも僕の方がやっぱり凄くて強いんだねww
いい経験値になったよwwバイバーイww」
ジャ「あ…あんにゃろ…」

皆の手持ち
ジャイアン→ヒトカゲLv9 ポッポLv5
のび太→ガルーラLv8
スネ夫→ストライクLv11
静香→フシギダネLv13 キャタピーLv4
出木杉→ケーシィLv5 マンキーLv7
ドラえもん→ニョロモLv7
289名無しさん、君に決めた!:2007/07/09(月) 20:45:56 ID:???
290 ◆9u2muKti1U :2007/07/09(月) 20:47:10 ID:???
初めてバトル書いてみたんですがどうかな…。
やっぱ難しいや^^;
ということで本日の投下は終了です。
291 ◆9u2muKti1U :2007/07/09(月) 20:52:40 ID:???
>>288の訂正ですが、
スネ「やっぱりこの世界じゃ君よりも僕の方がやっぱり凄くて強いんだねww
いい経験値になったよwwバイバーイww」
ジャ「あ…あんにゃろ…」

という部分を、

スネ「この世界じゃジャイアンよりも僕の方がやっぱり凄くて強いんだねww
いい経験値になったよwwバイバーイww」
ジャ「あ…あんにゃろ…」

と、収容時に変更してください。
ご迷惑を掛けますがよろしくお願いします。
292名無しさん、君に決めた!:2007/07/09(月) 21:13:09 ID:???
ヒトカゲ復帰か、乙!
293名無しさん、君に決めた!:2007/07/09(月) 21:27:41 ID:???
乙。
wikiに収容されてなうぃんなー…
前回とか良く分からんのだが。
294名無しさん、君に決めた!:2007/07/09(月) 21:35:43 ID:???
乙だが、投下ラッシュはここで終了しそうな雰囲気だな
295名無しさん、君に決めた!:2007/07/09(月) 21:39:35 ID:???
まだ投下ラッシュは終わってないぜ!
296トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/09(月) 22:18:14 ID:???
皆さん乙
投下します
297トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/09(月) 22:19:04 ID:???
6年前自分たちの前から姿を消した少年、出木杉英才。
彼が今再び自分たちの前に現れた、対戦相手として……
その事実にのび太たちは驚きを隠せない。

「出木杉、君には聞きたいことが山ほどあるよ……
どうして君は突然いなくなっちゃたんだい? なんでこの大会に出てるの? 名字が結城ってどういうこと?」
のび太が疑問をぶちまける。

「野比君、今は試合中だよ
喋ってる暇があったら、早くポケモンを出すことだね」
出木杉は冷静にそう言い、ボールからゲンガーを出す。
「どうやら、答えを聞くに君を倒す必要がありそうだね
ギャラドス、頼んだよ!」
のび太は7年来の付き合いの相棒、ギャラドスを繰り出した。

「ゲンガー、10万ボルト!」
先手を取ったゲンガーは、一撃でギャラドスを倒してしまった。
「ギャラドスが一発でやられるなんて……次はフシギバナだ!」
のび太はつづいてフシギバナを繰り出した。
「ゲンガー、サイコキネシス!」
またまた先手を取ったゲンガーに、フシギバナも一撃でやられてしまった。

「おいおい、あのゲンガー強いぞ……」
「つ、強いなんてレベルじゃない! 強すぎるよ!」
この様子を見ていた仲間の3人がざわめく。
彼らはのび太のポケモンが十分に育てられていることを知っている。
だから、そのポケモンたちが一撃で倒されたことに衝撃を受けているのだ。

「このまま、このまま終わってたまるか!」
のび太が祈るように最後のポケモン、ルカリオを繰り出した。
298トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/09(月) 22:20:04 ID:???
ルカリオには気合の襷を持たせている、絶対に一撃でやられることは無い。
向こうの攻撃に耐えたら悪の波動でゲンガーを倒し、残りの二体を起死回生で倒す……
「まだ、勝算は残されている!」
のび太が呟く、彼はまだ勝負を捨ててはいなかったのだ。

いつまでたっても、ゲンガーが攻撃をしてくる様子はない。
「攻撃しないのかい? なら、こちらからいかせてもらうよ!
ルカリオ、悪の波動だ!」
ルカリオの手から放たれた波動がゲンガーを襲う。
攻撃が当たる寸前、ゲンガーは微かに微笑んだ。

そして次の瞬間、悪の波動がゲンガーを直撃した。
効果抜群の強力な一撃を受けたゲンガーが立ち上がることは無かった。

「よし、まずは1匹だ!」
のび太がガッツポーズを取って笑う。
だが、なぜかゲンガーを倒された出木杉も笑っていた…… そして彼は言う。
「野比君、喜んでいる暇があったらルカリオを見てみなよ」
出木杉に言われてルカリオを見たのび太は驚いた。
全く攻撃を受けていないはずのルカリオが、倒れて動かなくなっているのだ。
「ゲンガーの“道連れ”だよ」
驚くのび太に出木杉が答えを告げてあげた。

「勝者、『チーム・コトブキ』結城英才選手!」
審判が出木杉の勝利、すなわちのび太の敗北を宣告する。
ガックリと膝をつくのび太を見ようともせず、出木杉はステージから立ち去っていく。

「ちょっと待ってよ出木杉! 聞きたいことがある!」
自分を呼び止めるのび太に、出木杉は表情一つ変えずに言った。

「野比君、僕はもう君たちのしっている出木杉英才じゃないんだ……」
299トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/09(月) 22:21:03 ID:???
ゲンガー1匹に3タテされた……
そのショックを背負ったのび太は、顔を下げたままステージを後にした。

一方見事に勝利を収めた出木杉には、3人の子供が集まってきていた。
カールで金髪の少年、赤と金という派手色をした髪の少年、ニット帽にマフラーというあったかそうな服装の少女の3人だ。
年齢は皆出木杉と同じくらい……おそらく彼と同じ『チーム・コトブキ』の選手だろう。
笑顔で自分を祝福する彼らに対し、出木杉も笑顔を返す。
だが、その笑顔を見たスネ夫たち3人は違和感を感じる。

まるで彼の笑顔は本心からきたのではなく、作られたものであるような気がしたのだ。

しばらくして、物凄く暗い雰囲気と共にのび太が戻って来た。
「みんな、ごめん……」
俯いたままそう言い、のび太は黙りこむ。
長く重い沈黙が流れ、場が静まりかえる。

突然、ジャイアンが言った。
「のび太、顔を上げろよ」
だが、のび太は依然として俯いて黙り込んでいる。
そんなのび太の態度を見たジャイアンが、声を荒げた。

「しっかりしろよのび太!
この大会で優勝して、お前の家を救いたいんだろ! そのためにみんな頑張ってるんだろ!
それなのに、お前がそんな調子でどうするんだよ!
そうやってグズグズしてるようじゃあ何も救えない、何も守れないんだよ!」

ジャイアンが殴りかかると思ったスネ夫が慌てて止めに入ろうとする。
だが彼の拳は解かれたままだった。
そしてジャイアンは小さく漏らした。

「……だから……だから顔を上げてくれよ、のび太」
300トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/09(月) 22:22:19 ID:???
ジャイアンの思いが伝わったのか、のび太はようやくゆっくりと顔を上げる。
その目には泣き腫らした後があったが、3人ともそれに触れようとはしない。

―――そこには仲間としての、微かな思いやり見え隠れしていた。

「とりあえず、ここまでの様子をおさらいしておこうよ」
スネ夫の提案に賛成し、4人はこれまでの試合の様子を確認する。

現在A・B会場ともに第4試合を終え、残るは後一試合となっていた。
ここまでの結果、一位は全勝の『チーム・コトブキ』。
唯一4試合全てを終え、すでに予選一位突破を決めていた。
そして逆に予選敗退が決まってしまったのは一勝二敗で四位の『ウォーターボーイズ』と、
0勝三敗の「ラブ・インセクト」だ。
そしてまだ本選出場の可能性を残しているのは『ドラーズ』と『ヤマブキ格闘道場』。
どちらも二勝一敗の二位である。

次の試合、A会場は四位と五位の最下位決定戦。
そしてB会場は二位の2チーム同士の戦い、勝った方が本選への切符を手にすることが出来る大事な一戦だ。
両チームの代表選手には、かなりのプレッシャーがかかることだろう。

「あ〜、僕が負けてなければこんなことにはならなかったのに……
みんな、本当にごめん!」
現状がいかに大変かを知り、改めてのび太が詫びをいれる。
そんな彼に言葉をかけたのは、次の大事な試合を控えた静香だった。

「のび太さん、もう謝らなくていいわ
大丈夫、私が“必ず”勝ってみせるから……」

静香はそう言い、優しく微笑んだ。

301トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/09(月) 22:24:07 ID:???
投下終了です
ゲームでは最後のポケモンに道連れは使ったらいけなかったような気がするんですが、
この世界ではそういった技に関する制限がほとんどありません。
上記のやつが気のせいだったらすいません

それと今回は少なめでしたが、次回は倍くらい投下します
半分くらいが静香の回想シーンなんですがね……
302名無しさん、君に決めた!:2007/07/09(月) 22:25:46 ID:???
乙!
クオリティと共に素晴らしい投下速度だ!
303名無しさん、君に決めた!:2007/07/09(月) 22:28:46 ID:???

お互いが一体ずつじゃないなら別にいいんじゃなかったか?
304ノビタ ◆UIEMKhGpfE :2007/07/09(月) 22:32:59 ID:???
投下でます
305トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/09(月) 22:33:04 ID:???
>>303
やっぱり勘違いでしたか……

個体値とか努力値とかに気をつけて育成したことは一度も無い。
バトルの知識なんて全く無い。
そんな自分がゲームに沿ったバトルを書くのはやっぱりちょっと無謀だったかな……
まあこの先も戦闘方法をかえるつもりはないですがね。
そのためにはもっと勉強しなきゃいけないな……
306名無しさん、君に決めた!:2007/07/09(月) 22:33:08 ID:???
>>301
「自分」が一体の時に使っちゃいけないんだぜ
307ノビタ ◆UIEMKhGpfE :2007/07/09(月) 22:33:50 ID:???
ドラえもんが地に還ってから早一年。
僕は小学六年生を迎えた。
そろそろコロコロからジャンプに卒業だ。
そんなある日、僕の机の引き出しが急に開いた。
「おじいちゃん!」
引き出しから出てきたパツキンの不細工。
これは、僕のひ孫、セワシだ。
僕に似てなんとハンサムな顔立ちだろうね。

ところでなんの用かな、孫よ。
私は今勉強をしているところだ
「おじいちゃん、去年ポケモン世界に行ったよね。そこで大変な事が起きてるんだ」
興味無いな。セワシよほら、50円あげるから帰りなさい。
君のお年玉だよ
「わあい、おじいちゃ」
308ノビタ ◆UIEMKhGpfE :2007/07/09(月) 22:35:09 ID:???
セワシは引き出しに帰っていった。
さて、断ったものの、やはり行きたくなったな。
久しぶりにスネオとしずちゃん、出木杉に会いたいし。

よし、行こう。
僕は、引き出しに足を入れた。


ガッチャーン
引き出しは外れてしまった。
セワシめ、あいつタイムマシン持って帰ったな。
仕方ない、タイム電話で呼び出そう


トゥルルリル トゥルルリル
カチャ
「はいもしもし野比です」
セワシかね。
「おじいちゃんかい? やはり行く気になったんだね。さあ、早く未来に来てよ」
…喧嘩売ってんの?
「え?」
タイムマシンはお前が持って帰っただろが
未来にどうやって行くんだ?
考えろ。fackfack
309名無しさん、君に決めた!:2007/07/09(月) 22:36:28 ID:???
「ハァァァァァァァ! 僕は僕のタイムマシン、「タイムマシーン3号」で来たわ!
冷やかしなら帰れ! 地に帰れ!
大体fuckじゃ! ボケナスが!」
カチャ
トゥー トゥー
ふざけやがって、あの糞セワシが。
親の顔が見てみたい。
僕は知っている。あいつは忘れたふりをしているのだ。
あいつはそんな意地汚い男だ。
…頭がぼんやりして考えがまとまらない。
そうだ、確かセワシがポケモン世界が大変だと言ってたっけ。
未来に行こう。
僕は、引き出しに足を入れた。
ガッチャーン
引き出しは外れてしまった。
セワシめ。あいつタイムマシンを持って帰ったな。
310ノビタ ◆UIEMKhGpfE :2007/07/09(月) 22:37:47 ID:???
電話だ。電話。
トゥルルリル トゥルルリル
カチャ
「おじいちゃん、さっきは僕が悪かったよ。
でも確かに僕は自分ので帰った。信じて」
そんな事はいい。お前、タイムマシン持って帰っただろ。
「ハァァァァァァァ!
さっきと同じか!もういい!着信拒否にするからな!
死ね!fackfack!」
カチャ
トゥー トゥー
ファックの綴りはfuck。
まったく…誰だよこんなアフォを育てたのは
よく引き出し見たらあるじゃん、タイムマシン
なんであいつ勝手にキレてんの。
じゃあ行こうか。未来へ。
311ノビタ ◆UIEMKhGpfE :2007/07/09(月) 22:39:22 ID:???
投下終了ます
のび太って小五だよ……ね?
312名無しさん、君に決めた!:2007/07/09(月) 22:40:09 ID:???
そうだよ
乙w
313トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/09(月) 22:40:37 ID:???

それと、すいませんでした


314名無しさん、君に決めた!:2007/07/09(月) 22:41:06 ID:???
ファックの綴りにワロタw乙
315名無しさん、君に決めた!:2007/07/09(月) 22:41:15 ID:???
書こうかと被るな…
ま、まさか!?
316名無しさん、君に決めた!:2007/07/09(月) 22:41:33 ID:???
乙!!
多分大丈夫ですよ!ところで各チームの勝ち数と負け数がおかしい気がするんですが。
多分ウォーターボーイズも0勝3敗なのでは?
317名無しさん、君に決めた!:2007/07/09(月) 22:43:06 ID:???
乙w
あのカオス作品が戻ってくるのか
318名無しさん、君に決めた!:2007/07/09(月) 22:45:34 ID:???
すいません316ですがトキワ英雄伝説さんへの質問です。
書いてる間にずれちゃいました…
319トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/09(月) 22:47:21 ID:???
>>316 その通りです、指摘どうも。 次こそは修正版を投下しなくてもいいように気をつけます。 では>>300の修正版投下しときますね(横長く書いてるのは改行制限のため)

ジャイアンの思いが伝わったのか、のび太はようやくゆっくりと顔を上げる。
その目には泣き腫らした後があったが、3人ともそれに触れようとはしない。

―――そこには仲間としての、微かな思いやり見え隠れしていた。

「とりあえず、ここまでの様子をおさらいしておこうよ」
スネ夫の提案に賛成し、4人はこれまでの試合の様子を確認する。

現在A・B会場ともに第4試合を終え、残るは後一試合となっていた。
ここまでの結果、一位は全勝の『チーム・コトブキ』。
唯一4試合全てを終え、すでに予選一位突破を決めていた。
そして逆に予選敗退が決まってしまったのは0勝3敗の『ウォーターボーイズ』と、同じ成績の「ラブ・インセクト」だ。
そしてまだ本選出場の可能性を残しているのは『ドラーズ』と『ヤマブキ格闘道場』。
どちらも二勝一敗の二位である。

次の試合、A会場はここまで全敗のチーム同士の最下位決定戦。
そしてB会場は二位の2チーム同士の戦い、勝った方が本選への切符を手にすることが出来る大事な一戦だ。
両チームの代表選手には、かなりのプレッシャーがかかることだろう。

「あ〜、僕が負けてなければこんなことにはならなかったのに……
みんな、本当にごめん!」
現状がいかに大変かを知り、改めてのび太が詫びをいれる。
そんな彼に言葉をかけたのは、次の大事な試合を控えた静香だった。

「のび太さん、もう謝らなくていいわ
大丈夫、私が“必ず”勝ってみせるから……」

静香はそう言い、優しく微笑んだ。
320トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/09(月) 22:48:07 ID:???
あ、wiki修正時はこっちに差し替えておいてください
321名無しさん、君に決めた!:2007/07/10(火) 16:33:42 ID:???
皆さん乙です。
そしてお久しぶりです。
投下します。
322名無しさん、君に決めた!:2007/07/10(火) 16:34:15 ID:???
誰だ
323ただの金銀のようだ ◆OgMOWRDE.s :2007/07/10(火) 16:34:29 ID:???
「ダブルバトルぅ?」
ジャイアンの言葉に怪訝そうにするアカネ。
「まぁ別に構へんけどな。どうせウチの勝ちやし」
余裕しゃくしゃくのアカネにジャイアンはガッツポーズ。
「さっさと始めるで!」
「望むところだ!」
二人は二つずつボールを投げる。
アカネが繰り出したのはいつも通り、ピッピとミルタンク。
対するジャイアンは、
「なんや、さっきと同じやんか」
そう、先ほどと変わらず、ゴーリキーとオニドリルだ。
「まぁええわ。ミルタンク、転がるや!」
ミルタンクがゴーリキー目掛けてその巨体をぶつけにくる。
「ゴーリキー、受け止めろ!」
ジャイアンのゴーリキーも力では負けていない。
二本の腕でミルタンクをしっかりと止める。
「さて、どうするつもりや?」
アカネに対し、ジャイアンは得意気に言う。
「気付いたことがあるんだよ。
 転がるの威力は最初の方は大したことねぇ。そして、お前のピッピは弱ぇ」
イライラしたアカネはジャイアンに尋ねる。
「だからなんなん?」
「このミルタンクもゴーリキーなら平気だけど」
ゴーリキーはミルタンクに反対方向の力を加え、
耐え切れなくなったミルタンクは転がっていく。
「お前のピッピは耐えられねぇ!」
「なッ……あかん!」
ミルタンクが転がった先にはアカネのピッピ。
「ピッピ、よけるんや!」
アカネは声を張り上げたが遅く、ピッピは味方のミルタンクに倒されてしまった。
324ただの金銀のようだ ◆OgMOWRDE.s :2007/07/10(火) 16:35:12 ID:???
「セコい真似しくさって……!」
ミルタンクは依然転がり続けている。
「ミルタンク、そのままゴーリキーに突っ込め!」
ミルタンクの転がるの威力は半端なものではなくなっている。
しかし、ゴーリキーに当たる直前に、ミルタンクは動きを止めてしまった。
「なんやねん、一体!」
「お前がピッピに気を取られてるすきに、オニドリルを交代しといたんだよ」
見れば、フィールドにいるのはオニドリルではなく、捕まえたばかりのスリープだった。
ミルタンクの動きの停止は、恐らく金縛りによるものだろう。
転がるを封じられたアカネのミルタンクは、
言わば天の恵みのないトゲキッスのようだった。
もともと相性で有利なゴーリキーは、意外なほどあっさりとミルタンクを倒した。
「どうだ? 今度はおれの勝ちだな!」
声を上げて笑うジャイアン。
すると、
「うぅ……うわあぁん! ひどいよぉ!」
アカネは突如泣き出してしまった。
さすがのジャイアンもこれにはびっくりだ。
「え? え?」
「ひっく、本気で戦うなんてぇ……」
ジム戦を本気で戦うのは至って当然なのだが。
周りのトレーナーたちもざわつきだした。
ジャイアンは取りあえずこの、
「なんか知らないけどおれが悪いみたいな空気」を治めるべく謝り、
理不尽なことにも絶え得る大人へと一歩近付いたのであった。
時刻はすでに真夜中。
「じゃあな。すぐ泣くのは止めろよな、貧乳」
「貧乳ちゃうわ!」
「あぁ、そうだった。微乳だった」
「……違う方の字、思い浮かべとるやろ」
こうして、ジャイアンはアカネとほんの少し仲良くなった。
325ただの金銀のようだ ◆OgMOWRDE.s :2007/07/10(火) 16:36:03 ID:???
 焼けた塔
 謎の大火事で焼けました
 危険なので近寄らないでください

「確かここにいるんだよな」
スネ夫は立ち入り禁止の文字など見なかったことにして、
焼けた塔の中を彷徨っていた。
「暗くて見づら……うわぁッ!」
焼けた塔はその名の通り、火事が起きた塔。
あちこちボロボロで床に穴も空いており、しかも足下は見えにくい。
要するに、スネ夫はその穴からおっこちたのだ。
「いったぁ……くそぅ……」
今度は足下がよく見えるように、と、
先ほど新たに捕まえたロコンを繰り出すスネ夫。
明かりのおかげで、スムーズに奥へ進んでいく。
「えぇと……確かこのあた」
ズボッ。
左足に嫌な感触を覚えたスネ夫は、恐る恐るそこを見やる。
スネ夫の足はしっかりと床を踏み抜いていた。
「だから……こんなとこまでリアルに再現するなぁ!」
そう叫びながら、スネ夫は本日二度目の地下への落下を体験した。
326ただの金銀のようだ ◆OgMOWRDE.s :2007/07/10(火) 16:36:54 ID:???
「ほら、完成したで」
ガンテツはのび太としずかに二つのボールを手渡した。
「ルアーボールとフレンドボールや。持ってってええぞ」
のび太としずかはうやうやしく礼をした。
「んん? なんや、そのポケモンは」
「ああ、こいつですか」
のび太は傍らのポケモンを抱き抱え、事も無げに言う。
「もらったタマゴが孵化したんですよ。トゲピーって言うんです」
「ポケモンのタマゴやて!?」
のび太の言葉にガンテツは相当びっくりしたらしい。
あまりの驚きにゴホゴホとむせて、孫に心配されているほどだ。
「大発見やないか! ポケモンがタマゴを産むなんて!」
「えっ? こんなの別にじょうし」
「本当にそうですよね! わたしもびっくりしました!」
空気を読まないのび太のフォローをするしずか。
このポケモン金銀の世界において、
ポケモンのタマゴは初めて発見され、孵化したのだから、
ガンテツにとっては大発見なのだ。
もちろんのび太は、そこまで考え至るほどの思考力を持ち合わせていない。
「ぜひともそのポケモンを、わしの作ったボールに入れてくれ!」
ガンテツにそう頼まれたのび太は、
トゲピーをガンテツからもらったフレンドボールに入れた。
そうしてヒワダタウンを後にした二人だったが、
二つの中から適当に選んだボールが、
トゲピーにとってベストチョイスであることは知らなかった。
327ただの金銀のようだ ◆OgMOWRDE.s :2007/07/10(火) 16:37:35 ID:???
「なんでぼくがこんな目に……」
スネ夫は煤塗れになったズボンをはたく。
「ったく……あッ!」
スネ夫の視線の先には三匹の美しいポケモン。
スネ夫の目的はそのポケモンたちだった。
ゲームのイベントではこの三匹には逃げられてしまうのだが、
すきを付けば捕獲できるかもしれない。
「できるならスイクン、少なくともライコウは捕まえてやる!」
たまには唯一神のことも思い出してあげてください。
スネ夫は三匹に、本人にしてみれば二匹に近付こうとした。
すると、
「うっわぁ!」
気付かれたらしく、スイクンの冷凍ビームがスネ夫を襲う。
直撃はしなかったものの、床が凍り付いてしまった。
そうこうしているうちに、
三匹のポケモンたちはそれぞれバラバラに走り去っていった。
「やっぱりダメなのかぁ……」
はぁ、とスネ夫は溜め息を吐いた。
「うん、あれ? ……アーッ!」
さらに不運なことに、
スネ夫の足は氷によって床とくっつけられてしまっていた。
328 ◆OgMOWRDE.s :2007/07/10(火) 16:38:19 ID:???
投下終了。
進学校になんか入るんじゃなかったぜ\(^o^)/
そして、またしばらく来れなくなりそうです。
ではまた。
329名無しさん、君に決めた!:2007/07/10(火) 16:42:50 ID:???
330名無しさん、君に決めた!:2007/07/10(火) 16:59:52 ID:???

改行が少なくて読みにくいから、もう少し改行を増やしてくれ
331名無しさん、君に決めた!:2007/07/10(火) 17:17:56 ID:???


>>330
そうか?普通だと思うが
332ノビタ ◆UIEMKhGpfE :2007/07/10(火) 18:46:35 ID:???
投下します。
今回は選択肢が出ます。
選んで下さい
333ノビタ ◆UIEMKhGpfE :2007/07/10(火) 18:48:11 ID:???
〜未来〜


やあドラミちゃん。
「あらのび太さん、セワシさんが怒ってたわよ。
『あのもうろくジジイ、今度顔見たら殺してやる』だって。
今セワシさんと顔合わせない方がいいわよ」
わかった。セワシに、『おじいちゃんが悪かった』って伝えといて。
僕はポケモン世界に行くから。
「あら、ならこの機械を」

前来たように、機械を使って行くようだ。
ウィィィィン



着いた。



334名無しさん、君に決めた!:2007/07/10(火) 18:48:22 ID:???
支援
335ノビタ ◆UIEMKhGpfE :2007/07/10(火) 18:49:04 ID:???
その頃のセワシ(What was Sewashi doing then)
「やあドラミ」
「あらセワシさん、のび太さんが来たわよ」
「なんだって! あの事は言ってくれた?」
「ええ、『おじいちゃん、僕が悪かった』って伝えたわ。
でものび太さんったら『死ねやゆとり』って言ってたわよ」
「ハ……ハァァァァァァァ!?
……ハハ…向こうがそういう態度ならいいさ。
二度とポケモン世界から帰れなくしてやる――」

バキィ

セワシは機械を蹴り壊した!
336名無しさん、君に決めた!:2007/07/10(火) 18:49:07 ID:???
私怨
337ノビタ ◆UIEMKhGpfE :2007/07/10(火) 18:49:58 ID:???
〜ウツギ研究所〜

「やあ、話は聞いているよ」
あなたは…ウツギ博士!
ウツギ博士!ウツギ博士〜〜〜!
「ハハ、僕も有名になったね」
一番影が薄い博士だもの。
一人だけ独身で子供もいないし!
「…いや、町をよく見てみそ。一応家族はいるんだ」
誰が気づくんだよ、あんなチンケな家に。

「ところでなんのようかな?」

1.ポケモン下さい

2.いえ、なんとなく

3.そぉい!
338名無しさん、君に決めた!:2007/07/10(火) 18:50:33 ID:???
339名無しさん、君に決めた!:2007/07/10(火) 18:51:08 ID:???
33333333
340ノビタ ◆UIEMKhGpfE :2007/07/10(火) 18:52:02 ID:???
ポケモン下さい
「…悪いね。ついこの前三人の新人が来てね。
一人はスネオ君、もう一人はしずか君
そして最後は出木杉君が…」
じゃあポケモンは無いのですか……?
「ないわけではない。だが少し奇異なポケモンでね。
リザードンにバタフリーの羽が付いてる。
我々は『リザフリー』と呼んでいるよ」
じゃあそれください。
「話を最後まで聞く。
もしこのポケモン…『リザフリー』に触ったら……干からびて死んでしまう!」
う、うそーーん!!
「ハハ、うそ」

ドゴゥ


リザフリーをゲットした!
341ノビタ ◆UIEMKhGpfE :2007/07/10(火) 18:53:00 ID:???
投下終了です
342名無しさん、君に決めた!:2007/07/10(火) 18:55:14 ID:???
ソリッドのぬるちんぽはちっちゃーい( ゚Д゚ )
343名無しさん、君に決めた!:2007/07/10(火) 19:00:14 ID:???
ノビタ・・・選択肢はもし某所のパクリとかなら止めてくれ
344名無しさん、君に決めた!:2007/07/10(火) 19:03:18 ID:???
乙wwバタードンじゃねぇのww?
345名無しさん、君に決めた!:2007/07/10(火) 19:21:37 ID:???
>>343kwsk
346名無しさん、君に決めた!:2007/07/10(火) 20:17:59 ID:???
フリーダムwwwwwww
347トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/10(火) 22:20:54 ID:???
ヨーダ氏、ノビタ氏乙
今から投下します
今回はもしかしたら支援が必要になるかもしれないのでよろしくおねがいします
348トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/10(火) 22:22:09 ID:???
    #6 「静香」

「それではB会場最後の試合、『ドラーズ』対『ヤマブキ格闘道場』の試合を開始します
源静香、タケノリ両選手はステージへ上がってください」
名前を呼ばれた静香がゆっくりとステージへ向こう。

審判の合図でお互いがボールからポケモンを出す。
静香はテッカニン、タケノリはサワムラーだ。

一方観客席では、仲間2人が静香の様子を不安げに見守る。
「大丈夫かな、静香ちゃん……」
のび太はボソリと呟く。
「相手が悪すぎるんだよなあ、俺でも勝てるかどうかわかんねえ
本人は必ず勝つ、なんて言ってたけどなあ……」
ジャイアンも溜息を漏らす。

最終戦の相手『ヤマブキ格闘道場』とは、名前の通りヤマブキにある格闘家たちが集う道場である。
数年前にとなりにある現ヤマブキジムとの対戦に敗れ、今でこそただの道場だ……
だが昔はこの道場こそがヤマブキジムだったのだ。
そして静香の相手をしているのは敵のリーダー、道場師範のタケノリだ。
かつてジムだった場所のトップ、つまりタケノリはジムリーダーに匹敵する力を持っているのだ。

そんな相手に静香が勝てるのか、2人の胸は不安でいっぱいだ。
正直言って2人の見解では、静香の勝算は30%にも満たない。
とその時、いままで黙り込んでいたスネ夫が口を開いた。

「大丈夫、静香ちゃんが負けることはまず無いよ……」
349トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/10(火) 22:23:03 ID:???
スネ夫の言葉を聞いた2人は絶句する。
かなり楽観的なタイプだと自覚している自分たちでさえ、静香の勝利は望み薄いと思っている。
それなのに、どちらかと言えば悲観的なタイプであるスネ夫が、静香の勝ちを確信しているのは何故なのか?
「まあ、見てれば分かるよ……」
スネ夫が落ち着いた調子のままで言う。

1ターン目、タケノリのサワムラーはブレイズキックを仕掛けてきた。
対する静香のテッカニンはまもるを使い、攻撃を無力化した。
「時間稼ぎか? そんな行動、やるだけ無駄だ!」
タケノリが余裕たっぷりの笑みを浮かべる。

続く2ターン目、テッカニンは剣の舞で攻撃力を上げる。
対するサワムラーは再びブレイズキック、今度はテッカニンにダメージを与えた。
気合の襷を持っていたテッカニンは、何とかこの攻撃を耐え抜いた。
だが残り体力はわずか1、もはや虫の息である。

そして3ターン目、ブレイズキックにまもるという1ターン目と全く同じ光景が繰り返された。
「何がしたいのか? 諦めて素直に倒されるべきだと私は思うぞ」
せせら笑うタケノリに静香は軽く微笑みかけ、テッカニンに命じる。
「テッカニン、バトンタッチよ」
テッカニンに変わって出てきたエルレイドのサイコカッターが、一撃でサワムラーを仕留めた。
加速3ターン分に剣の舞、それらを引き継いだエルレイドの能力は尋常ではない。
タケノリの顔はすっかり青ざめていた。

「馬鹿だなあ、加速の特性は知らないし、テッカバトンも読めないのか? 
そんなんだからお前はジムリーダーを降ろされたんだよ」
観客席ではスネ夫が冷静さを崩さぬまま、タケノリを嘲笑っていた。
350トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/10(火) 22:24:22 ID:???
「お、おいスネ夫! 一体どうなってるんだよ?
何なんだ、あの静香ちゃんの強さは?」
ジムリーダークラスの男を圧倒する静香の姿に、ジャイアンはすっかり動転していた。
「別にどうもなってない、あれが彼女の本来の力だよ」

スネ夫は静香から目を逸らさないまま説明する。
「静香ちゃんの得意とする戦略は、積み技を可能な限り使って能力を上げる戦略。
特に加速の特性をいかしたテッカバトンは彼女の十八番だよ。」
「で、でも! 修行のときはそんなに強くなかったような……」
ジャイアンが口をポカンと開けながら言う。
「静香ちゃんは修行の時もあの戦略は使ってたよ、“極まれに”だけどね
彼女が本気を出したことは修行中一度も無い、最後の先生との戦いの時も力をセーブしていたよ
だから君たちは気付かなかったさ、彼女の真の実力に……」
スネ夫の目は依然として、静香を見据えていた。

ジャイアンものび太も完全に言葉を失っていた。
高い実力を持ちながらもそれを隠していた静香、それに気付いていたスネ夫。
どちらにも驚きがたえないようだ。

「でも静香ちゃん、何で実力を隠したりするんだろうね?」
のび太が不思議そうな顔をする。
「さあな、俺にはわかんねえよ」
ジャイアンものび太と同じような表情を浮かべる。


一方、静香を見つめているスネ夫は小さく歯軋りし、小さく言葉を漏らす。
「それだけの実力があるのに、なぜ上を目指そうとしない……」
自分が手を伸ばしても決して届かないバトルの才能、それを持っている静香がトレーナーを志さないことがスネ夫にとっては屈辱だったのだ。

―――彼女がどんなに苦しみながら戦っているかは、スネ夫にも見破ることが出来なかったようだ。

351トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/10(火) 22:25:06 ID:???
タケノリの2番手、エビワラーもサイコカッター一撃で沈んでしまった。
攻撃を受けて吹っ飛び、ダメージに苦しむエビワラー。
その姿を見ていた静香の頭に、ふとある光景がよぎる。

それはまだ、彼女が10歳だったときの記憶……

圧倒的に勝っているというのに、静香はギリギリまで追い詰められたかのような顔をしていた。
息遣いが荒くなるに連れて、静香の頭には昔の回想シーンが流れていく。

『私、ポケモントレーナーになりたい!』
―――娘の静香がそう言ったときの両親の顔は幸福に満ちていた……
源静香の両親は、かつてポケモントレーナーを志していた。
だが2人には決定的な“素質”が欠けていた。
結局2人は夢のポケモンリーグ出場を果たせぬまま、引退することになってしまった。
だから娘の静香がポケモントレーナーになると宣言した時は、言葉では言い表せないほどの喜びがあった。
娘が自分の夢を引き継いでくれる、親ならだれもが夢見る光景だろう。

だがその時6歳だった静香は、この先に待っている苦しみなどと想像もしていなかった。

「ポケモントレーナーを目指すなら、やっぱりトレーナーズスクールに通わなきゃな」
両親は高い学費など全く苦にせず、静香をスクールに入学させた。
実を言うとこの時の静香は、普通の小学校にも興味があった。
でも幸せそうに入学手続きをする両親の顔を見ると、そんなことを言い出せるわけが無かった。
352トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/10(火) 22:26:04 ID:???
トレーナーズスクールに入ってから、静香は順調に学年を上げていった。
一度4年生の昇級試験に落ちたが、それぐらいは誰にだってあること。
静香の能力は、確実に平均より遥かに上を行っていた。

静香が10歳、4年生のときの担任は家庭訪問でこんな事を言った。
「源さんの才能は素晴らしい、磨けばまだまだ伸びるはずです
うまくいけば将来は、ポケモンリーグ入賞も夢じゃないですよ!」
その日の両親は、この世で一番幸せそうな顔をしていた。
この日夕飯に出された赤飯を美味しそうに食べる静香……

この笑顔がこの数日後曇り始めることなど、この時誰が予想しただろうか

このころ、彼女は少しバトルを素直に楽しめないでいた。
優しい性格の彼女は、ポケモン同士で傷つけ合うバトルを肯定することが出来なかったのだ。
でも、両親をもっと喜ばせたいからがんばろう……
健気で親思いな静香は、そう思うことでバトルフィールドに上がることができた。

だが彼女の心に根付いた小さなバトルへの嫌悪感の種……
それはある事件を境に急成長して立派な大樹へと成長し、彼女の心に深く根を張るのだった。

―――7年前、静香は今のチームメイトとともにある事件の調査をした。
事件の名は『ポケモン消失事件』、この事件がなければドラーズが結成されることもなかっただろう。
ひょんなことから、4人は犯人がスクール内にいることを突き止めた。
そして向かった科学室の地下、そこで事件は起こった。

そこにいた犯人にして教師だった男、彼は4人に気付かぬまま“ある行動”を起こす。

―――おそらくここで起こったことを、静香は生涯忘れることは無いだろう。
それほどこの出来事は静香のトラウマとなり、彼女を苦しめ続けてきたのだから……
353名無しさん、君に決めた!:2007/07/10(火) 22:27:00 ID:???
支援しとくか
354トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/10(火) 22:27:42 ID:???
その翌日、『ポケモン消失事件』はドラえもんと出木杉を加えた6人によって見事解決した。
だが彼女の心から、トレーナーになって両親を喜ばす夢は消え去っていた。

―――そして時は経ち、静香は無事トレーナースクールの卒業式を迎える。
自分たちより一足早く卒業した彼女を、のび太たちも祝福した。

この先にどんな失望が待ち構えているか分からない、でも言わなければいけない……
静香は覚悟を決め、両親に告げた。
「私、もうトレーナーにはなりたくない! ハイスクールでは医学科に入ることにする!」
両親はすぐに理由を問うてきた、でも静香には『バトルが嫌いになった』としか答えられない。
両親はそれ以上追求をせず笑顔で言う、
「医学科でもがんばれよ」と。
子供の希望を最優先するのは親として当然のことだ、だから両親は何も言わなかった。
でもその顔にはやはり、どこか残念そうな雰囲気が残されていた。

両親は失望しただろうか、己の夢を引き継いでくれなかった自分に……
静香は1人苦悩していた。
どうせなら全て打ち明けてしまいたかった。
でもあの事件のことは国家機密、たとえ相手が親であろうと喋ることはできない。

『私、ポケモントレーナーになりたい!』
世界のことなどまだ何も知らず、ただ両親を喜ばせたい一念だけでそう言った6歳の自分。
……あの時、あんなことさえ言わなければこんなに苦しむことは無かった!
普通の小学生になって、普通の中学生になって、楽しい毎日を送ることが出来た!
無邪気で汚れの無い心を持っていた幼い自分を恨む。
でも過去は二度と取り戻せない、運命はどう足掻いても変えられない……

静香の心から『希望』の光は失われていく。

そしてその代わりに、『絶望』が生まれていく……

355トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/10(火) 22:28:24 ID:???
―――それから数ヶ月の時が経つ、静香は医学科に入り充実した生活を送っていた。
勉強熱心な彼女は組の中でもトップクラスの成績を取り、みんなの憧れの的となっていた。

『ポケモンを傷つけることはできなくも、護ることならできる』
ポケモンを治療する医者は、優しい性格の彼女にはうってつけの職業だった。
医者になるという新たな夢を見つけた静香の心には希望が取り戻されつつあった。
だがそんなある日、希望は再び打ち砕かれる。

バトル科の実技授業で事故が起こり、ある生徒のピジョンが怪我を負った。
その日は休日の補習日であまり人がおらず、静香の組の担任教師がピジョンの治療を引き受ける。
1人では厳しいと判断したその教師は、優秀な静香に助手を頼んだ。

今まで育んできた知識を活かせば大丈夫、静香はそう思っていた。
だが、現実はまたもや彼女を苦しめる。
ピジョンの腹部から流れる真っ赤な血、それを見た静香の脳裏に『7年前のあの事件』の光景が写る。

犯人の男が、フーディンにサイコキネシスを命じる。
フーディンのサイコキネシスによってラムパルドの首が吹き飛ぶ。
吹き出す大量の血の赤色は、この世の地獄を象徴しているようだった。
そして空中を舞う鮮血は静香にも降りかかり、その身を地獄へといざなう……
その『悪夢』を思い出した静香の心が狂う。

『イ、イヤアアァァァァ!』

静香の甲高い悲痛な叫びが、校舎中に響き渡った。

いくら知識を身につけても医者にはなれない、静香には血を見ることが出来ないのだから。
「両親の期待を裏切ってまでしてここに来たのに、私は今ここで何をしているんだろう?」
―――いくら呟いてみても、静香の問いに答えてくれるものはいなかった。
356トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/10(火) 22:29:07 ID:???
そして今静香は、もっとも嫌っていた戦いの場に身をゆだねている……

野比家の事情を知ったからには、絶対に断ることはできない。
心優しき静香に彼を見捨てるようなことはできないのだ。

「のび太さんのため、のび太さんのため、のび太さんのため……」
呪文を唱えるように呟き、自分がポケモンを傷つけている現実から目を背けようとする。

でも彼女の手で倒されたポケモンの姿が、叫びが、彼女と現実を向き合わせる。
そしてそのたびに流れてくる、7年前のあの光景……
もう2度とあんな光景を見たくない、ポケモンが傷つく姿を見たくない。
でも、のび太を救うためには戦わなければならない。
友情と願望の間で揺れる彼女の心はすでに限界を迎えていた。

敵の最後の1匹であるオコリザルが倒れる、またあの光景が頭をよぎる。
激しい眩暈と吐き気に襲われ、立っているのさえ苦しくなる。

「勝者、『ドラーズ』源静香選手!」
審判が静香の勝利を告げた、自分たちが本選出場権を手にしたのだ。
歓喜に沸く仲間たちとは対照的に、静香は沈んだ心もちでステージを出た。

観客席へ行く途中のトイレに駆け込み、何度も嗚咽を漏らす。

どう足掻いても、7年前のあの光景は容赦なく自分を襲ってくる。
残酷な運命からは、決して逃れることができない。

「私は一体、どうしたらいいの……」
嗚咽にまぎれて、一筋の涙が静香の頬を伝った。

357トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/10(火) 22:30:09 ID:???
投下終了です。
支援必要なかったかもしれませんね、お騒がせしてすいませんでした。
358名無しさん、君に決めた!:2007/07/10(火) 22:31:03 ID:???
乙乙乙
最近の投下頻度は凄いな
359名無しさん、君に決めた!:2007/07/10(火) 22:40:07 ID:???

構成が上手いな
360名無しさん、君に決めた!:2007/07/10(火) 22:44:12 ID:???
長い説明文萎えた
361名無しさん、君に決めた!:2007/07/10(火) 22:48:34 ID:???
おっつ
362名無しさん、君に決めた!:2007/07/11(水) 06:32:29 ID:???
おつ
本当にすばらしい投下速度です。
363電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/11(水) 22:13:43 ID:???
投下します。
改行を減らしてみましたが、改行がまだ多い、もしくは少なすぎるなどのご指摘が頂けると嬉しいです。
前回>>182-187
364電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/11(水) 22:14:54 ID:???
立ち上がったのは意外にも、スネ夫だった
「どういう事だよドラえもん! 君に頼まれたスペックは全て満たしたハズだよ!」
「うん…。 スペック的には問題ないんだ。でも…」
「でも何なんだよっ! 僕は従兄の兄さんにどう顔を合わせればいいんだ!」

続く言葉が出てこないドラえもん。少し考え込むようにした後、再び口を開く。
「えっと… 、このままじゃ納得いかないだろうから、一から説明するよ。みんなしっかり聞いてよね…
まず、このゲームをダウンロードするのは勿論未来のホームページ。これはみんな分かるよね?」

のび太を除く全員が頷く。 どうやらこののび太、この時点で話についていけない様である。
しかし、そんなのび太を無視して話は続く
「この時代のパソコンじゃダウンロードページにアクセスできないんだ・・・
 勿論、無理やりインストールする事は出来る。 未来からダウンロードデータを持ってくればいい話だからね。」
しかし、スネ夫は一向に食い下がろうとしない。
「じゃあそうすればいいじゃないか!
 ダウンロードごときに手段を問う必要なんてないだろ!」
365電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/11(水) 22:16:01 ID:???
ここで急に、ドラえもんの口調が説明的になる
「オンラインゲームは、自分達以外にも相手がいる・・・、 俗に言うNPCに対するPCのことだ。未来の世界では、タイムマシンの操作による不正が無いようにという事で、タイムプロキシというものが導入されているんだ。
 タイムプロキシは、ゲームに干渉するタイムマシンプログラムを遮断する優れものなんだ。
 未来のゲームは、これが無いと出来ないようになってるんだ。ここまでみんな大丈夫かな?」
「タイムふろしき? それなら僕がこの前借りてたから返すよ!」
「ふろしき じゃない。 プ ロ キ シ だ!
 そういえばタイムふろしきが無くなったと思ってたら、また君が勝手に借りてたのか!」
「もういいからのび太は引っこんでろ!」
「そうだそうだ!」
「ヒドいよぉおお、みんなぁあ〜!」
のび太が騒ぎだし、雰囲気がグダグダになりそうな所で、出木杉が続きを催促して、話は戻る。
「ドラえもん、それで続きは?」
「今回出来ないのは全て、タイムプロキシが無いのが原因さ。これが無いとまるで歯が立たないからね……」

―――――

結局、この日は全体的に落ち込んだような、暗い雰囲気のままお開きという事になった。
366電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/11(水) 22:16:42 ID:???
数日後――

のび太は相変わらず堕落した毎日を過ごしていた。
(最近ドラえもんが日中いないなあ。まあ僕は昼寝するからどうでもいいけど)
そう言って今日ものび太が長い昼寝を堪能し始めようとした時、未来に繋がっているハイテクな彼の机は、勢い良く開かれた。

「おーい、のび太クン〜!!」
しかしのび太の体は起きない。ドラえもんはそれを揺すって起こす。
「なんだよドラえもん〜。僕の昼寝をじゃましないでよ〜」
「じゃあのび太君はポケモンやらないのね?」
ここでようやく、のび太の他人より段違いに働きの遅い脳が動き出す。

ポケモン――…?

「ああっ! パソコンの!?」
367電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/11(水) 22:17:57 ID:???
「そうだよ!」
「えっ、本当にできるの!?」
「今のパソコンで無理なら未来に行けば良かったんだよ! それで、今からドラミのパソコンを借りていいことになったんだ!」
「よ、よ〜し! みんなを呼んでくる!」

数十分後―

「みんな集まったね?」
「おう! 早く行こうぜ!」
「じゃあ行こうか。ちゃんと帰る時間になったら帰るんだよ。」
「あら? ドラちゃんは来ないの?」
「僕だって行くよ。ああ、なんでこんな事わざわざ言うのかって? 時間通りに帰らないとドラミが怒るからね。だからみんな時間になったら止めて帰るんだよ。」
「話が長げーよドラえもん! 早く行かねえと!」
「バカだなぁジャイアンは。ゲームが逃げる訳ないのn

ボカン☆

「じゃあ行こうか。」

スネ夫は耐えた。しかし、スネ夫の未来は決して明るくはならないということは、まだ彼は知る由もない
368電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/11(水) 22:18:34 ID:???
投下終了です。
369名無しさん、君に決めた!:2007/07/11(水) 22:25:56 ID:???
370名無しさん、君に決めた!:2007/07/11(水) 22:45:11 ID:???
おつ
371トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/11(水) 23:57:09 ID:???
電脳氏乙
投下します
372トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/11(水) 23:58:07 ID:???
       #7 「決意」

最終試合が終了し、順位は以下のようになった。
1位 『チーム・コトブキ』  4勝0敗
2位 『ドラーズ』      3勝1敗
3位 『ヤマブキ格闘道場』  2勝2敗
4位 『ウォーターボーイズ』 1勝3敗
5位 『ラブ・インセクト』  0勝4敗

本選出場が敵わなかった下位3チームは帰ってしまった。
会場に残されたのは残り2チームの選手と、大会関係者の数人だけとなった。

「それではいまから、本選についての説明を行います」
大会関係者の1人が淡々とした口調で本選のことを告げる。
「本選の開始は3日後、開催場所にはクチバシティの港に集まってから移動します
ちなみに、大会のルール等は現地で伝えます
ポケモンは何匹持っていっても構いません、技マシンも持ち込み可能です
ただし会場に行けるのは選手のみです、応援の方などは入ることができません
では、何か質問があったらどうぞ」

大会関係者の男が説明が終えると、スネ夫がただ1人手を挙げていた。
どうやら何か質問があるようだ、男がスネ夫の発言を許可する。
「ずっと前から気になっていたんですが、この大会の開催者は一体誰なんですか?
そもそも応援が禁止だったり、開催場所がいまだに不明だったり……この大会にはおかしい点が多すぎます!」
スネ夫が今まで胸に秘めていた疑問をぶつけたが、男たちは答えることができなかった。
彼らが言うには、『自分たちも金を払って雇われただけで、詳しいことは何も知らない
大会の運営や進行方法などについては、全て雇い主から送られてきたマニュアルにそってやった』とのことだ。

様々な疑問を残したまま、大会関係者たちはその場を去っていった。

373トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/11(水) 23:59:11 ID:???
「じゃあ、俺らもそろそろ帰ろうぜ」
『チーム・コトブキ』の1人、金髪の少年が言う。
他の仲間もそれに賛同し、彼らが会場から出て行こうとする……

「おい、待てよ出木杉!」

会場内にジャイアンの声が響き渡った。
出木杉はジャイアンに背を向けたまま言う。
「悪いけど、君たちと話すことは何も無いよ……」
出木杉はわめくジャイアンを無視し、仲間と共に会場を去っていった。

会場にはのび太たち4人だけが残された。
「出木杉のやつ、どうしちゃったんだろうな……」
ジャイアンが物寂しげに呟く。
「あいつ、『僕はもう君たちのしっている出木杉英才じゃない』なんて言ってたよ……」
のび太もなんだか虚しそうな表情を浮かべる。

何ともいえぬ気まずい雰囲気、それを打ち破ったのは静香の一言だった。
「出木杉さんが変わっちゃった理由…… 
あの人なら知っているかもしれないわ!」
早速4人は、静香が提案した人物のもとへ向かった。

トキワトレーナーズスクール、のび太たち4人の母校である。
そしてそこの職員室にいる先生のもとを彼らは訪れた。
職員室に他の先生や生徒の姿は見えない、ここはいま5人だけの空間になっていた。
のび太たちは早速先生に予選突破の報告をした。
それを聞いた先生が弟子を見守る師のような笑顔を浮かべ、彼らを祝福する。
早く話を切り出さなければ、そう思ったのび太がさっそく本題に入る。

「先生、実は今日の予選会場にあいつ……『出木杉英才』がいたんです」
わずか一瞬だが、確かにのび太の目は捉えていた。
『出木杉』、その言葉を聞いた瞬間先生の顔色が曇ったことを。
374トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/12(木) 00:00:16 ID:???
先生はやはり何か知っている、そう確信したのび太は質問を続ける。
「6年前、あいつは突然僕らの前から姿を消しました……
先生は僕らが何度聞いても『転校』としか教えてくれなかった
でもあいつの性格なら別れを隠したりしない、絶対に僕たちに何か告げてくれたはずです
それに今日あったとき、あいつは変わっていました
何というかこう、暗くなったというか、恐ろしくなったというか……
それに名字も変わっていました『結城』、だったかな?」
「もしかして、離婚とか?」
スネ夫が付け足すように呟く。

しばらく沈黙が続き、突然先生が深く溜息をついた。
そして、暗い表情で呟く。
「『離婚』か……こんな言い方をするのもなんだが、離婚くらいならまだましだったよ
6年前に彼が負った傷、それは君たちが想像しているよりはるかに深い……」
のび太が興奮して先生を問い詰める。
「やっぱり6年前、何かがあったんですね! 一体何があったのか、教えてください!
僕たちはあいつの友達だった、だからあいつの傷を知っておかなければならないんです!」

再び先生は深い溜息をつき、暗い表情を浮かべた。
「そうだな、君たち出木杉の一番の友達だった
それに、7年前にあの事件で一緒に戦った仲間でもある
君たちには彼の身に起こったことを、知る権利があるはずだ……」
長い沈黙の後、先生は言った。
「わかった、教えよう……6年前の『あの事件』について……」
全員の間に緊張が走る。

声一つしない静かな空間に、先生の語りだけが響きはじめた。

「あれはそう、とてもよく晴れた日のことだった……」
375トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/12(木) 00:01:26 ID:???
―――6年前……出木杉英才は当時11歳だった。

その日はよく晴れていて休日だったので、出木杉の父は息子をシロガネ山登りに誘った。
かつてポケモンリーグで準優勝した名トレーナーの父。
悪の秘密結社、『ロケット団』との戦いで活躍し、英雄として讃えられた父。
そんな父は出木杉の目標にして憧れだった、その父が誘ってくれた山登りを、出木杉が断るはずが無かった。
―――だがこの後、悲劇は起こってしまった……

シロガネ山の中間当たりまで登ったときのことだった、突然リングマが目の前に現れたのだ。
襲い掛かってこれば危険、そう思った父は早速腰にあるモンスターボールに手をかけた。
だがこのリングマは父の予想を遥かに上回るスピードで近づいてきて、彼との距離を詰めた。
このままでとモンスターボールを取り出す間にやられる、そう判断した父は息子に言う。
「早く逃げるんだ、英才!」

一方その言葉を聞いた出木杉はパニック状態に陥っていた。
自分の憧れの父が、このままでは殺されてしまうかもしれない!
あのリングマさえどうにかできれば……
でもムクバードのボールは家に置いてきた、ましてや非力な自分がリングマに立ち向かえるわけがない。

何もできず立ちつくす出木杉、その時彼の足に何かの感触がする。
恐る恐る拾い上げてみると、それは確かに『銃』だった。
それも、極めて殺傷性の高い……
リングマに視線を向けていた父は、息子が凶悪な文明の利器を手にしていることに気付かない。
『あのリングマをこの銃で殺して、父を助けるんだ!』
そんな考えが出木杉の頭をよぎる。
銃の使い方などしらない、普段の冷静な出木杉ならここで銃を投げ捨てることだろう。
でもパニックで気が動転していた彼は、その引き金に手をかけてしまう。

―――次の瞬間、シロガネ山に二つの銃声が響きわたった。
376トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/12(木) 00:03:09 ID:???
銃を撃った衝撃で後ろに吹っ飛ぶ出木杉。
地面に身を打ちつけた痛みに堪えながら恐る恐る目を開けると、そこには衝撃的な光景が待ち構えていた。

血を流し、横たわるリングマと……父。
どちらもすでに息をしていなかった。

「う、うわああああああ!」
出木杉の叫びとともに、1人の男が驚いた顔をして現れた。
赤色の長い髪が特徴的な彼は、動揺しながらどこかへ電話をかける。
数分後、警察がその場に駆けつけた。

警察署では恐るべき真実が出木杉を待ち構えていた。
赤髪の男の職業は猟師、出木杉が手にした銃は彼が落とした物だった。
父とリングマが死んだ瞬間、赤髪の男と出木杉は同時にリングマ目掛けて引き金を引いた。
そして赤髪の男の弾はリングマに、出木杉の弾は狙いを外して父に命中した……

つまり、出木杉は自らの手で父を殺してしまったのだ。

結局この事件は事故として扱われ、出木杉が罪を問われることは無かった。
まだ小さな彼の将来を重視し、この事件が表ざたになることは無かった。
赤髪の男は銃を落としたことから厳重な注意を受けていたが、彼にも処分はなかった。
だが出木杉は父を失ってしまった、そして悲劇はさらに続く……

『自分の子が夫を殺した』その現実に耐えられなくなった出木杉の母が、自殺したのだ。

一度に両親2人を失った出木杉は遠いシンオウ地方コトブキタウンの親戚、結城家に引き取られることになった。
そうして出木杉英才はトキワトレーナーズスクールから姿を消した。

その心に、いまも深い傷を残しながら……
377トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/12(木) 00:04:46 ID:???
「……これが、私の知っていることの全てだ」
先生から出木杉の過去を聞かされた4人の表情は暗い。
おそらくいまごろ自分の元気な両親のことを思い出して、彼の痛みを痛感しているのだろう。

先生は初めて4人に頭を下げて言った。
「頼む、出木杉を救ってやってくれ!
彼がどれだけ傷ついているか分かっているのに、私は何もしてやれなかった……
でも、君たちなら彼の力になってあげられるかもしれない! 
だからお願いだ、彼を……出木杉、いや結城英才を……」
4人は無言で頷き、職員室を後にした。

「じゃあ3日後、クチバシティで会おうぜ!」
ジャイアンが言うと、4人はそれぞれの家へと向かっていった。

のび太は家へ帰る前に、ある場所へと向かった。
シロガネ山……ついこの間まで自分たちが修行を行っていた場所。
そして6年前、出木杉が父を自らの手で殺めたところ……
高くそびえる山を見上げ、のび太は出木杉のことを考えてみる。

父の会社が倒産して大量の借金を背負い、母は倒れてしまった。
だから自分は世界で一番不幸な少年だなどと思いこんでいた。
でもそれは違った、身近にもっと深い傷を負うものがいた……

努力しだいでどうにもなる自分の状況とは違い、出木杉はもう幸せな過去を取り戻すことはできない。
消えてしまった命は、二度と戻ってこないのだから……
わずか11歳でその痛みを背負った出木杉、彼の傷は自分の何倍も深いはずだ。

のび太は思う、そんな彼を救いたいと。
たとえ救う方法が分からなくても、のび太の心はすでに決まっていた。
378トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/12(木) 00:06:09 ID:???
家に帰ったのび太は、両親に予選通過を報告する。
両親は涙を流しながら喜んでくれた、とくに母は
「今夜はのびちゃんの好きなもの作らなきゃね」
と、まだ不安が残る体に無理をおしてがんばっている。

出木杉の両親の死を知ったいま、のび太は改めて家族がいてくれることの幸せさに気付いていた。
2人と食卓でかわす一つ一つの他愛ない会話が、自分の心を揺さぶる。

のび太は声を震わしながら言う。
「あのね……パパ、ママ」
毎日自分のために働いてくれた、どんな日も欠かさず家事を頑張ってくれた。
高い学費に文句を言わず、トレーナーズスクールに通わせてくれた。
自分が悪いことをした時には厳しくしかりつけてくれた。
悩んだ時は励ましてくれた、嬉しい時は一緒に喜んでくれた……
このとめどなく溢れる感謝の気持ちを両親に伝えたかった。
言いたいことは山ほどあった、でも結局言葉にできたのはこれだけだった。

『いままで育ててくれて、ありがとう』

自分の部屋に戻り、のび太は考える。
心に深い傷を持つ出木杉を救いたい。
自分を育ててくれた家族を救いたい、と。
「そのためにはとりあえず、このトーナメントで優勝しなきゃいけないな
だからこの3日間でもっとポケモンのレベルを上げなきゃ
よーし、明日からまた修行再開だ! そのためにも今日は、ゆっくり休もう……」

トーナメント優勝を心に誓うのび太の目には、固い決意が宿っていた。
379トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/12(木) 00:07:21 ID:???
投下終了です
この投下ペースがいつまで持つか心配だ……
380名無しさん、君に決めた!:2007/07/12(木) 00:08:01 ID:???
激乙!
381名無しさん、君に決めた!:2007/07/12(木) 00:12:10 ID:???
いい勢いだけど、後々なにかあっても投下出来るように、多少貯めといた方がいいかもな。
おつ
382レッド ◆08zAj3l3IM :2007/07/12(木) 17:02:52 ID:???
投下します。
383レッド ◆08zAj3l3IM :2007/07/12(木) 17:03:36 ID:???
「ほっほ、よく来たの」
彼はポケモン界の権威とも言える博士、オーキド。
「おう、じいさん。ポケモンくれよ」
(なんじゃこの餓鬼、生意気な)
「いやあオーキド博士、これはほんの気持ちです」
スネ夫は黄金色のお菓子を差し出した!
(ククク、これで僕に最強のポケモンが回るはず……)
「まっずい菓子だなあ」
黄金ブッセはジャイアンに饕われた!
(貴様!その菓子はワシのじゃ!)
(このゴリラ! 死ね、士ね!)
「あのう……ポケモンを早く頂けないでしょうか」
(ムハッ なかなか可愛いオニャノコじゃあないか…)
384レッド ◆08zAj3l3IM :2007/07/12(木) 17:04:54 ID:???
もしこの言葉を他の人が言ったとしよう。
まずポケモンを貰う事は出来ないだろう。
しかし、しずかの純粋に、「早くポケモンが欲しい」という言葉が響いたわけではない。
やはり世の中は顔。


「おお、忘れておった。 君達は五人だから、五匹用意しよう」
そう言ってオーキドは、自室に閉じこもった。


ムシャムシャ…
「なんだよこの菓子、全部不味いな」
ジャイアンは黄金水羊羹と黄金ヌガーを平らげていた。
(ああ……30万が水の泡)

「待たせたな君達。初心者用の五匹のポケモンじゃ。
皆にあったポケモンを配るから、一列に並びなさい」
385レッド ◆08zAj3l3IM :2007/07/12(木) 17:06:21 ID:???
「ワクワクワクワク」
(こやつ……歯にヌガーが付いておる。
さては食べおったな……許さん)
「君は力が強そうじゃからこれじゃ」
ジャイアンは赤いモンスターボールを貰った!
「あと、ポケモンを受け取ったらすぐに旅立ってくれ。間違ってもここでバトルなんかしないように。
ポケモンの確認も駄目じゃ」
「へへ、見せびらかせないのは残念だが、お先にな!」
バターン!
ジャイアンは研究所を出た!

「ふう、それでは次
君は作戦を立てるのが得意そうじゃ。
こいつをやろう」
スネ夫はオレンジのモンスターボールを貰った!
386レッド ◆08zAj3l3IM :2007/07/12(木) 17:07:26 ID:???
「え〜次。 君は可愛…じゃなくて、かなりセンスがありそうじゃ。
このポケモンがよかろう」
しずかは青のモンスターボールを貰った!
「ありがとう、オーキド博士」
「お礼と言ってはなんじゃが、キs」
「だが断る」
しずかは研究所を出た!


「ねえ、早く僕達にも下さい」
オーキドは我に帰った!
「ああ、そうじゃ。君は……長所無さそうじゃな」
「酷い! 僕だって射的くらいは……」
「ポケモンバトルでは役に立たん!」
オーキドはのび太に激昂した。
「代わりといってはなんじゃが、君には特別なアイテムをやる」
387レッド ◆08zAj3l3IM :2007/07/12(木) 17:08:59 ID:???
「特別な……もの?」
「うむ。だからのび太君は後回しじゃな」
のび太は後回しになった。

「最後か。君はバランスがよさそうじゃ。
ポケモンのバランスもよい方がいい。
だからこれをやろう」
ドラえもんは白のモンスターボールを貰った!
「ありがとう、先生さん」
「先生? ワシは博士じゃ」
「そうだったね、ありがとう、オーキド博士」
「気をつけるのじゃぞ〜」


「博士! 早く僕にアイテムを!」
「焦ったらいかん。アイテムを作るには三日かかるのじゃ。
だから君は少し研究所で勉強をしなさい
君は頭が悪かろう」
(流石先生だな)
388レッド ◆08zAj3l3IM :2007/07/12(木) 17:10:26 ID:???
「さて、俺様が一番になったからには、チャンピオンになるのも俺様だな」
彼は一番道路を歩いていた。
「そういえばまだポケモン確認してなかったな。
真っ赤なモンスターボール……きっと中は赤いポケモンだぜ!」
最初に貰えそうで赤いポケモン。
それは皆さんご存知、「ヒトカゲ」だろう。
ジャイアンの、赤の時の相棒もヒトカゲだったので、ジャイアンのテンションはかなり高ぶっていた。
「ようし、出てこいヒトカゲ!」
ボン!
煙が舞い上がった。

モクモク……

ピチピチ……

「ピチピチ?」



ジャイアンはコイキングを手に入れた!
389レッド ◆08zAj3l3IM :2007/07/12(木) 17:11:26 ID:???
「さて、僕も行くか」
スネ夫は、グリーンの家でタウンマップを回収していた。
「ジャイアンも馬鹿だな。
ゲームの時とは違う地形になっているかもしれないのに。
まあ、この死点に気づくのは僕くら…」
バターン
「あらスネ夫さん」
「としずちゃんくらいだな」

「ところでしずちゃんはポケモン見た?」
「いいえ、まだよ。スネ夫さんもまだみたいね。
どうやらモンスターボールの色でポケモンが違うらしいわ」
「なら見せ合いしようよ」
スネ夫はモンスターボールを投げた!
中からはパラスが出てきた。
「次はあたしね、そうれ!」
しずかはモンスターボールを投げた!
中から
390 ◆08zAj3l3IM :2007/07/12(木) 17:12:53 ID:???
終わりといってはなんじゃが、明日も投下はできなさそうです。
すいません。
391名無しさん、君に決めた!:2007/07/12(木) 18:12:44 ID:???
y4
392名無しさん、君に決めた!:2007/07/12(木) 19:07:38 ID:???
y4が気になってテスト勉強ができん

あ、乙
393名無しさん、君に決めた!:2007/07/12(木) 19:38:03 ID:???
乙だが…y4ってなんだ?
394391:2007/07/12(木) 19:42:12 ID:???
投稿できるかテストしただけなんだ。なんというかすまない

395虹色 ◆9i43zxbeXs :2007/07/12(木) 21:32:31 ID:???
みなさん、お久しぶりです。
中間、実テ、期末とようやくテストが終わりました。
水泳部なんで今度は部活が忙しくなるんですけどね……
3連休は合宿、そして来週の金曜日から4日間遠征です。

まあ夏休みに入ってからは定期的に投下できるように頑張りますね。
遠征までに1回くらいは投下したいですが……

レッド氏乙です。
今回は5レス分の投下となりますので支援が必要になるかも知れません。
それでは投下します。前回はWikiをどうぞ。
396虹色 ◆9i43zxbeXs :2007/07/12(木) 21:33:05 ID:???

3日目、午前10時。
のび太の姿はキキョウシティの南西に位置する「アルフの遺跡」にあった。
何を目的にしたというわけではない。単純な話、迷い込んだのだ。
研究所のような小さな建物がひとつあるだけだったが、人がいることに安心したのび太は遺跡内をそれとなしに歩いていた。
ぽかんと開けた口から「ほぇ〜」などと漏れ出していることなど本人も自覚しては居ないが、とにかく、遺跡は壮大なものだったのだ。
しかも、この遺跡はほんの一部で、洞窟が古くなって崩落してしまった箇所もあるらしい。その資料はエンジュ大学に所蔵してある、と看板が出ていた。

メガネをかけた、白衣姿の若い研究員を眺めながら、のび太はふと、遺跡内にもう一人子供らしい人影があるのに気づいた。
メモ帳を手にしているあの後姿は―――
「出木杉くん?」
振り向いたその姿は間違いなく出木杉だった。
研究熱心な彼はゲームのテーマに関わってくるこのアルフの遺跡の謎も調べておきたいと思ったらしい。
というわけで壁に刻まれたアンノーン文字をメモしているのだ。
のび太はそのメモを見せてもらったが、アルファベットでなにやら細々とかかれており、のび太にはちんぷんかんぷんだ。
一方、そんなことなどお構いなく出木杉は語り始めた。アンノーンの下に小さく書かれたAやらBやらが気になるという話だ。
出木杉はどうもこういうものにロマンを感じるらしいが、のび太にそのようなものを求めるなど逆に酷であろう。
397虹色 ◆9i43zxbeXs :2007/07/12(木) 21:34:10 ID:???

一通り出木杉の話を聞き流したあと、せっかくなのでのび太は勝負を申し込むことにした。
彼はそれを快諾し、遺跡の外に出ると二人はお互いモンスターボールを手に対峙する。
「のび太くん、まさか君とこんなに早く戦うことになるなんてね」
「いや、ぼくは負けないよ」
まるで答えになってない。出木杉は苦笑しながらモンスターボールを放り投げる。
「出てこい、ゴース!」
出木杉はゴースを使ってきた。抜け目なく強いポケモンをゲットしてきている。
のび太のウパーも続いて登場し、戦闘開始だ。
「ゴース、催眠術!」
試合開始早々、ゴースはいきなり催眠電波を発し始める。しかし次の瞬間、ゴースの顔面には勢いよく水が浴びせかけられた。
もはやトレーナー・ポケモン両者完全に使い慣れたウパーの水鉄砲だ。催眠術は外れていたのだ。
「いいぞ、ウパー! 出木杉、次の一撃でゴースは負けちゃうよ?」
のび太は余裕たっぷりに言い放った。出木杉相手に優位に立てることが嬉しくて仕方がないらしい。
思わず出木杉を呼び捨てにしている。面と向かっては呼び捨てなど出来ないあののび太が。
出木杉はのび太の言葉を無視し、きっと眉を吊り上げてゴースにこう指示した。
「呪い!」
指示を受けたゴースの周りをなにやら黒いものが漂い始め―――ウパーに憑依した。
398虹色 ◆9i43zxbeXs :2007/07/12(木) 21:35:01 ID:???

その副作用でゴースは力尽きてモンスターボールへ戻っていったが、呪いの力がウパーの体力を削る。
「ウパー!」
思わずウパーに駆け寄っていくのび太に出木杉はこう忠告した。
「のび太くん、勝負はまだ終わってないんだ。それに、危ないから下がって!
 ……言って来い、ホーホー! 催眠術だ!」
モンスターボールから次のポケモンが現れる。現れたときには既にウパーは催眠術の餌食となっていた。
どうやら出木杉の戦略は催眠術で時間を稼いでウパーが呪いにやられるのを待つ、というもののようだ。
そしてその作戦通り無常にもウパーの体力はなくなっていく。
「のび太くん、僕の勝ちだ!」
自分の策に嵌まったのび太を見、出木杉は勝ち誇った笑みを浮かべる。普段の落ち着いた彼からは考えられない表情だ。
「負けないよ! 待っててね、ウパー……」
ウパーに傷薬を拭きかけながら出木杉にそう気丈に返すのび太だが、これはただの空元気だ。
出木杉の言うとおり、自分は負けるかもしれない……でも、負けたくない気持ちの表れがこの傷薬だ。
ウパーと「絶対負けない」という約束を交わしてまだたったの2日。忘れるわけがない。
あとはウパーが早く目を覚ましてくれることを祈るばかりだ。
そうすれば必ず勝てる。根拠はないが、その確信がのび太にはあった。

だが、世の中はそう甘くはない。運の悪いのび太ならなおさらのことだ。
のび太の瞳には、未だ瞼が閉じられたままつつく攻撃を受けるウパーの姿が映っていた。
いたたまれないその光景、たまらずのび太は叫びだす。
「ウパー、起きてよ! このままじゃ負けちゃう! 約束したでしょ!」
「のび太くん、残念だけどバトルだから遠慮はしないよ。つつく!」
うつ伏せになったままのウパーをホーホーのくちばしは確実に捉えた……
399虹色 ◆9i43zxbeXs :2007/07/12(木) 21:36:04 ID:???

……かに見えた。
そう、「見えた」だけだ。
実際には『ホーホーのくちばしがウパーを捉えた』のではなく『ウパーの尻尾がホーホーを捉えた』のだった。
ウパーは目を覚ましていたのだ。技は「たたきつける」。
のび太の声は確かにウパーに届いていた。負けたくない、という思いは両者一致のようだ。
その証拠に、ウパーの小さな瞳の奥には間違いなく炎が燃え盛っていた。

「やった!」「まさか……」
のび太と出木杉の立場が完全に逆転していた。
のび太は飛び上がって喜び、出木杉は唇を噛む。

結局出木杉の作戦通りには行かなかった。ホーホーはあと一撃叩きつけられれば間違いなく落ちるだろう。
ゴースの育成に注力していたためポケモン一体一体のレベルに不安のあった出木杉はゴースを犠牲にしながらもこのような作戦を採ったのだ。
あともう一度つつくが決められていたなら出木杉は勝利していただろう。
だが、その思惑とは異なった光景が眼前では展開されている。

しかし……と出木杉は考える。作戦の失敗だけが気になるのではない。
もっと重要なことだ。

のび太がここまで熱い人物だとは思わなかったのだ。

ドジで、勉強もスポーツも苦手。だけどその優しさと愛嬌でなぜか憎めない。
自分の中の「野比のび太」はこういう人間だった。
それは間違ってはいないだろう。しかし、こんな熱い心や土壇場での踏ん張りが効く人物だとは思っていなかったのだ。
どうやら人物像を修正する必要があるようだ。
そして、目の前に居る少年が今後自分のライバルとなる日も近いのかもしれない。
それは現実世界に戻っても、だ。
今、自分はのび太に負けたくない。友達として、ライバルとして、全力でぶつかりたい。
今負けたらいつか自分はのび太に負ける気がするから。
出木杉は心からそう思った。
400虹色 ◆9i43zxbeXs :2007/07/12(木) 21:37:01 ID:???

そして再び場面はバトルへと戻る。

元気よくホーホーを地面へと叩きつけたウパーにも直後に呪いが襲い掛かり、体力は2割も残っていない。
そして叩きつけられたホーホーは体勢を立て直したものの、まだ少しよろけている。体力は半分より若干少ないくらいだ。
どっちにしろ次の攻防で勝敗が決まる。出木杉はもちろん、いくら頭の悪いのび太にもそれは明らかだ。
お互いの拳に力がこもる。こうなればもう単なる力比べだ。
「ウパー、たたきつける!」「ホーホー、つつく!」

二匹のポケモンの一瞬の攻防。それを制したのはウパーだった。
最後の呪いが襲いかかろうとしてよろめくウパーをのび太は慌ててボールに戻す。
出木杉もボールにホーホーを戻しながら、のび太に向かってこう言った。
「ありがとう、のび太くん。この借りは必ず返すよ。次あったときにね。」
一瞬のび太はきょとんとした―――あの出木杉が「借りを返す」、しかも自分に向かってだ―――だが、それを認識したのび太は笑顔で返した。
「わかった。でも結果は変わらないよ!」
出木杉はハハ、と短く笑い、手を振るとゲートへと駆けていった。
ゲートにはこう書かれている。

この先、32番道路/つながりの洞窟

「出木杉くんがライバル、なんてね」
そうつぶやくのび太の頭上には霞のような雲に覆われた太陽がきらきらと輝いていた。
西の空には厚い雲がある。春に三日の晴れ間なし、ということなのだろう。
それを知って知らずか、忘れ物を思い出したのび太は遺跡内へと戻っていった。
忘れ物を「思い出す」なんてのび太にしては珍しい話だが、ここから少しずつ歯車は回り始めるのである。
401虹色 ◆9i43zxbeXs :2007/07/12(木) 21:37:46 ID:???
投下終了です。
本来なら昨日投下するはずだったんですけどね。
402名無しさん、君に決めた!:2007/07/12(木) 21:38:52 ID:???
ォッー
403名無しさん、君に決めた!:2007/07/12(木) 21:39:42 ID:???
ぉっぅ
404名無しさん、君に決めた!:2007/07/12(木) 21:41:05 ID:???
405名無しさん、君に決めた!:2007/07/12(木) 21:41:31 ID:???
>>401
規制に巻き込まれたのか?乙
406名無しさん、君に決めた!:2007/07/12(木) 22:33:38 ID:???
復帰乙
407名無しさん、君に決めた!:2007/07/12(木) 22:42:30 ID:???
遂に来たな
408 ◆0oe33Tyq22 :2007/07/13(金) 13:29:07 ID:???
久しぶりの投下
期末オワタ
409ドラAAモン ◆0oe33Tyq22 :2007/07/13(金) 13:30:27 ID:???
時はさかのぼってというかほぼ一ヶ月たって……
だがしかし今回のお話は前回のちょっと前の話だったりするわけで。


  コポコポ…… コポコポ……

な……なんだこの音は……
というか、いきなり出番なのね……

《帰ってきたというか別に行っても帰ってもいないけどなという感じな
 ドラえもんサイド》

ふと目がさめたら、僕はなぜか水の中にいた。
たしかにまぁ、僕は機械だから空気はなくても生きてはいけるけど……
こんな生物をいれるっていうことは、おそらく酸素入りの液体だな。
確か今週の世界一受けたい授業でやるらしいけど……ぶっちゃけどうでもいい。

とりあえず、ここから出よう……。

チャチャチャチャン♪ タイトル音楽じゃんこれ。
テッテテー♪だな。
空気ほ……

ぽぽぽぽっけっととととととがななななない!
ありきたりな展開だけどない!
410ドラAAモン ◆0oe33Tyq22 :2007/07/13(金) 13:31:29 ID:???
危ない危ない。僕が人間だったら今のショックで死んでるところだったな。
ひとまずここは落ち着いて、あたりでもみようか。
あたりに見えるのは……よくアニメとかでみるありきたりな実験装置器具がたくさんある。
そして、その中にはなんだかよくわかんない塊がういている。
これについて追求しておくのはやめておこう……。

そんなとき、この部屋に誰かがやってきた。
足音的に一人だな……。一応目は閉じておくか。
「オーウ!トゥデイはナイスな収穫ネ!特にこの狸!ベリーグットネ!」
が……我慢我慢。
「それにしてもディス狸イズベリー丸いデース」
がま……がま……
「HAHAHA!何度見てもこれはとても笑えるネ!」
ががががががががががあががまんならなーーーーい!

そんなこんなで僕は、自分が入っていた容器から飛び出たのであった。
「WHYーーーーー?!YOUはどうやってあの容器からでたのデースカ?」
それはですね(全略)というわけですよ。
「なるほど、そういうわけですかー。しかーし、YOUはまたその容器に戻るのデース」
そういうと外人まがいは自分のポケットからよくわからないスイッチ上のものをだした。
「ユーはこれがなんだかアンダスターンド?これはー起爆装置デース。
 ……ユーの後ろにある容器のね!」
そんなことを言われたので後ろを振り返ると、そこには僕と同じ容器に入っているポケモンたちの姿があった。
そして、その中には僕のポケモンもいた。
「HAHAHA!あそこにはユーのポケモンもイマース!
 ソー、ユーはミーに手出しができないのデース。さぁ、おとなしく戻りなさーい」
411ドラAAモン ◆0oe33Tyq22 :2007/07/13(金) 13:32:30 ID:???
くっ……僕は何もできないのかっ……
だめだっ、あきらめちゃならない……最善の策を考えなければっ!

「ユー、いったいどうしますかー?」
……僕のポケモンと交渉してみるよ。だからちょっと待ってくれ。
「いいデース、しかし一匹のみですよー?三分間まってやりマース」

そんなこんなで、僕は今作品にて始めてお目にかかるマイポケモンアゲハントと話し合うことにした。
なぜかはしらないけれど、僕にはポケモンの気持ちが分かるんだ。もっとも、そのポケモンに触ったらだけどね。

「HEY!三分経ちましたー!答えを聞こうではありませんかー」
これは賭けだ。もし失敗すれば命はない……だが、やらないわけにはいかない!


《バルス(フラッシュ)》

「NOOOOOOOOO!目が……目がぁ……」 
作戦は成功のようだ。よし、ここはさっさとポケモンたちを救出して逃げ……

 『ドゴオオオオオオン』
な、なんだこの音は?!これはまさか……まさか……
やばいっ!さっきのバルスのせいでこの建物が崩れてしまったのか?!
ありえるのかそんなこと ※前回参照
っていってるうちにおちるうううううううううう
412ドラAAモン ◆0oe33Tyq22 :2007/07/13(金) 13:34:30 ID:???
投下終了これからは頑張って投下回数を増やす
413名無しさん、君に決めた!:2007/07/13(金) 14:06:11 ID:???
414名無しさん、君に決めた!:2007/07/13(金) 14:36:33 ID:???
う、うれしくなんかねえよ
415名無しさん、君に決めた!:2007/07/13(金) 14:59:06 ID:???
乙かれ
416名無しさん、君に決めた!:2007/07/13(金) 15:21:06 ID:???
来ると思ったwwwww
417名無しさん、君に決めた!:2007/07/13(金) 19:33:07 ID:???
おつかれ
久々〜
418トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/13(金) 21:23:14 ID:???
これから投下します。

toワタリ氏
自分も部活や勉強が忙しい身なので良く分かります。余裕が出来るように頑張ってください。
自分は勉強の合間等の空いた時間を利用してます
部活や勉強の息抜きと考えればいいですよ、本当に。
馴れれば一レス書くのに五分かかりませんし。
419トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/13(金) 21:24:05 ID:???
No.014『Over Drive』

30秒後、のび太とジャイアンはためるとの距離を後10m程に縮めていた。ジャイアンが呟く。
「奴に近づけば近づく程、風が強くなっていってやがる……。
しかも、奴の後ろで鳥っぽい奴が羽ばたいてるしな。ありゃあ、ポッポか?つーことは、やっぱ、アイツがこの風の発生源か」
ジャイアンの言う通り、ためるの背後にはなんだか小さな鳥の様なポケモンがいる。そして、また彼の言う通り、それはポッポと呼ばれるポケモンだった。恐らく、ためるが孵化させたものだろう。


「おーい、ためる君!僕だよ、のび太だよ!」
と、のび太が呼び掛ける。
「……………」
しかし、ためるは気付かないのか、全く返事をする気配が無い。
「おい!ためる!聞こえてんのか!?返事くらいしろ!」
「……………」
依然、ためるはジャイアンの呼び掛けにも全く反応を示さない。
「あの野郎……いい気になって無視してやがる……」
「いや、落ち着いてよ、ジャイアン。
もう少し近づいてみようよ、ひょっとしたら本当に気づいていないだけかも……」
のび太の言葉にジャイアンはがなりたてる。
「気づいて無い訳ねえだろ!俺とためるとの距離は10mもねえんだぞ!」
ジャイアンの声が大音量で響く。
その時、先程から沈黙を守っていたためるが不意に口を開いた。
「……さいな……」
420トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/13(金) 21:25:11 ID:???
「ためる君!ジャイアン聞いた!?ためる君が今反応したよ!」
ためるが反応してくれた事が嬉しかったのか、のび太は少しテンションが上がったような声を上げる。
「ためる君!僕だよ、野比のび太だよ!」
「ためる!ジャイアンだ!
聞こえてんだろ!早く風を止めやがれ!」
しかし、風は一向に止む気配を見せない。

限界スレスレ、破裂しそうな筋肉の中ジャイアンは必死に叫ぶ。
「ためるゥゥーーッ!
聞こえてんだろォォーーッ!もう一度言う!早く風を止めやがれぇぇーーッ!」
ジャイアンの悲痛な声が響く。
「ためる君!早く風を止めて!」
のび太も必死だ。

そしてためるは必死な級友二人を見て、そっけなく呟いた。
「全くうるさいな…。」
「ためる、今なんて…」
「ポッポ、吹き飛ばせ」
ためるの非情な指示がポッポに伝わると、もともと強かった風の勢いが更に強まり、それは容赦なくジャイアンとのび太を襲う。
「うぉぉぉぉぉぉーーッ!
何しやがるんだためるぅぅーーッ!」
「なんで……なんで、ためる君…」
風に押され、苦しむジャイアン。級友の冷徹な行動が信じられず、戸惑うのび太。
それを見てためるは冷たく言い放つ。
421トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/13(金) 21:26:13 ID:???
「全く……救えないな……、救えないよ。
君達、君達が僕にした事を覚えてるかい?
ずっと僕はそれで君らを恨んでるんだ」
「なんのこと?」
のび太は首を傾げる。
ためるは続けた。
「ははははは、忘れたのかい。
そうか、そうか忘れたのかい」
ためるが自嘲気味の笑みを浮かべる。
しかし、次の瞬間、ためるの態度は急変した。
「君達が……僕から……僕が汗水垂らしてッ!
お菓子も我慢してッ!DSも買わず、好きなCDも買わずにラジオで我慢してッ!
やっとの思いで貯めた10万円を、あの訳の分からない機械で奪っていったじゃないか!
許さない……僕の努力の結晶を……許さない……絶対に……」
ためるの丸々の健康そうな顔が次第に赤みをおびてゆく。
ジャイアンとのび太はそれをただ唖然と見ている。
「のび太、覚えてるか?」
「ううん、覚えてない」
残念ながら二人はすっかりそれを忘れていた。だってもともとためるって、そんな濃いキャラじゃなかったし。

そして憐れなためるは叫んだ。
「君達が覚えていようが、いまいがどうでもいいッ!
これは神さまがくれた復讐のチャンスだ!
お前ら絶対に許さないぞッ!僕の風で吹き飛ばしてやるッ!ポッポ、やれッ!」
ためるが指示を出すと、今までの倍はあろうかと思える風力エネルギーが二人を襲った。
422トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/13(金) 21:28:18 ID:???
「な……なんて風だ……」
苦しむジャイアン。風圧のせいで顔がかなり不細工な物になっている。それは醜い豚といったところか。
「あははははは、ジャイアン醜い豚みたいだよ、あははははは」
ためるが笑う。正直、五十歩百歩だ。

豚が豚を笑った直後、ふと後ろを振り返ったのび太は恐ろしい物を見た。

人がガラガラと音を立てて、坂を転がっている。

一言で言えばそんな光景。文字にしたら間抜けに見えるかも知れない。
しかし、ここで少し考えて欲しい。この坂の傾斜は20約度以上。そしてこのレースは1000人以上の人が参加している。
こんな状況で先頭の何人かが転倒したらどうなるだろう。
たとえ転んだのが一人でも、そいつが他人を巻き込み……起こるのは大惨事だ。
現にそれはのび太の目の前で起こっていた。

地獄画図のような光景を見ながらのび太は悲痛な声を上げる。
「ためる君!早く風を止めて!このままじゃ……」
「知らんよ」
残念ながらその声は復讐に燃え、自らの金欲で動くためるの心には響かなかった。

のび太はそれを見て痛感した。
ジャイアンじゃないが、やはりためるを力づくでも止めなければならない、と。
そして、のび太の無言の決心がジャイアンに通じたのか、彼はのび太に言った。
「のび太、これから俺の言う通りに動け。ためるを止める。お前なら出来る」
423トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/13(金) 21:29:17 ID:???
*******

ためるは満足していた。

最初、基本的に凡庸なポケモンであるポッポを引き当てた時はどうなる事かどうなる事かと思ったが、孵化歩数の少ない事がこれ程までにアドバンテージになってくれるとは。
しかも、復讐したい奴らに復讐でき、更に試験まで突破出来てなんてハッピーなんだろう。

ためるの心は喜びでいっぱいだ。まぁ、貯金の楽しさには及ばないが。
そう思いながらためるは自らのポケットを見る。
その中には貯金箱、いや、ためるBANK(通称TB)が入っている。
トレーナーになれば、この中身も更に肥えることだろう。
まぁ、その前に復讐せねばならない連中が居るが。

ためるはそう思い、ふと後ろを振り返った。
そこにはまだあの暴君豚と眼鏡猿が居る。
全くしぶとい。まるでゴキブリのようだ。
しかし、そうは言っても、そろそろ限界と見える。
ジャイアンの息遣いがここまで聞こえるからだ。
顔は本当に苦しそうだ。
豚は言う。
「ためる……分かった…限界だ…頼む、何でも言うこと聞くから止めてくれ……」
ためるはニヤリと笑いを浮かべると言った。
「駄目」
「どうしても?」
「うん」
「じゃあ手加減しなくていいな、食らえッ!」
そう言うと、ジャイアンが『何か』をこちらに投げつけてきた。
424トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/13(金) 21:30:14 ID:???
『それ』は直線的な動きでこちらに向かってくる。『それ』は確実にこちらに命中するコースを飛んでいた。
「飛び道具か……そんな物は想定の範囲内さ。
ポッポ、翼でうちおと……いや、待て」
ためるは飛んでくる『それ』を凝視する。
その形は円形、しかし平べったい、そしてその色は金色。
『それ』はまさしく……、
「五百円玉だ!」
ためるの目の色が変わる。

これはキャッチせねば。
なにせよ、10円や、100円じゃない500円なのだ。
日本で流通している硬貨の中で、最も価値の高い500円なのだ。
突然500円もの大金を自分にプレゼントしてくれるなんて、なんて優しい――――


そこまで考えてためるは考えた。
500円もの大金をプレゼントしてくれる?
あのケチで傲慢なジャイアンが?

有り得ない。

これは何かの策に違いない。
そして、ふと後ろを見ると眼鏡猿と豚が居ない。
「何処だ!」
ためるは反射的に横を見る。
そこには、最後の力を振り絞り、ためるの前に進もうとしている二人の姿があった。
425トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/13(金) 21:31:17 ID:???
成程、恐らくジャイアンが500円を投げたのは自分の注意を引くため。
そして注意を引いたのは、唯一の風の影響外と考えた自分の前に行くための布石であろう。

そこまで考えてためるは呟いた。
「ははははは、考えが浅いね。
風の影響外へ逃げれると思った?甘いよぉぉーーッ!」

甘い、甘いすぎる。
豚は、自分の横に立てばどうなるか分からないのだろうか。
今は他の参加者を押さえる為に下に、しかも広範囲に分散させて風を吹かせていた。しかし、誰かが自分の前に横に立つようなら話は別。
奴らに真横から狭い範囲に集中させて風を吹かせてやる。
横風に抗うことはいかな屈強な力を持つものでも不可能。
可哀想に、奴らがしたこと全ては無駄に終わる。
とりあえず先にこの500円を取ってからするとしよう。


ためるは落下してくる500円玉を見ながら笑う。
「ははははは!
残念だったね!500円、いただ金貨〜!」
ためるはそう言い、硬貨に左手を伸ばした。
そして、彼が難なくそれをキャッチした瞬間――――

「今だ!のび太!」
ジャイアンの叫びが響いた。
426トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/13(金) 21:32:13 ID:???
今日はここまでです
次の試合は多分中止だろうな
427名無しさん、君に決めた!:2007/07/13(金) 21:32:42 ID:???
ちきしょおおおおおおおおおおおおおおおお


乙乙乙乙、乙、GJ!
428名無しさん、君に決めた!:2007/07/13(金) 21:32:54 ID:???
走る雲の影を飛び越えて乙
429電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/13(金) 21:37:26 ID:???
トレーナー氏乙です。
自分も投下させていただきます。
前回は>>364-367
430電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/13(金) 21:39:06 ID:???
2115年――

タイムマシンに乗って、ドラミが居候している家に到着した一同は、いてもたってもいられないというような感じのようだ。
無邪気にワクワクしている素振りを見せる5人は、ドラえもんの第一声を待っていた。
「・・・うん、・・・・・ 」
「・・・ね。・・・・・ 」
「・・・分かったよ、ただ・・・・・ 」
「・・・よ、・・・・・から・・・・・ 」

ドラえもんとドラミが話を終わらせて、ドラえもんは大人しく待っていたのび太達の方を向く。
「よし、じゃあ早速やろうか! あっ、IDは僕がみんなの分をとっておいたよ。」
「おっしゃー! やるぜー!」
「んじゃあ僕も〜。お先に失礼〜♪ 」
「私もやるわよ! 」
「僕も僕も! 」

と喜びの声をあげるジャイアン、スネ夫、静香、のび太の4人に、ドラえもんは各自のIDとパスワードが記された紙を渡す。
「じゃあ、ジャイアンは向こうのパソコン、スネ夫はあっちのパソコン、静香ちゃんはこのパソコンでやるんだよ。
くれぐれも変な事はしちゃダメだよー。」

『はーい!! 』
「ど、ドラえも〜ん! 僕のは〜? 」
「ああ、君のはね、違う部屋のパソコンだよ。壊すといけないからね。」
431電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/13(金) 21:39:46 ID:???

「それどういう意味〜? てか、僕だけ別の部屋って酷いよ〜。」
「まあ、気にするなよ。 それよりみんなはもう始めてるようだけど…」
「ああっ、僕も早くやらないと! じゃーねドラえもん!」
「頑張ってね〜・・…。さて、僕はみんなの様子でも見て回るかな。」

「ところでドラえもん。 この家には5台もパソコンがあるのかい? 」
「そうだよ。1台は家のパソコン、3台はそれぞれ家族のパソコン、残りの1台はドラミに借りたんだよ。
…って出木杉君じゃないか。君はやらなくていいのかい?」
「それが気になっただけだよ。 そういえばここの家の人はいないのかい? 」
「家族旅行に行ったらしいよ。 ドラミは用事があるとかでお留守番。
さあ出木杉君にもこのIDを渡すから早くやってきな。」
「じゃあ、そうさせてもらうよ。」
「急いで出遅れを取り戻さないのでいいのかい?」
「大丈夫だよ。」
「ならいいけど。」
432電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/13(金) 21:40:27 ID:???
出木杉の考えはこうである。


この前のパンフレットを見た限り、根本的なゲームシステムや、ダメージ計算式は本編とは違うみたいだ。
だから、先に彼等に好き放題やらせておいて、それを観察した後の方が効率的なハズだ。
こんな事に気づいているのはこの僕だけだろう…。フフフ…。我ながら名案だな。
(あ、そろそろ始めてもいい頃合だな…)


そして、数時間後――

「みんなー、もう帰るよー。」
『え〜!? 』

と、保護者的な立場のドラえもんに反抗する一同。しかしドラえもんは断固として
「帰るって言ったら帰るんだ! さあ早く! 」

と、子供達に譲る気配を見せないため、彼らは渋々元の時代に帰る事になる。
しかし、普段は優しいハズのドラえもんが、ここまでかたくなになっていたのには別の訳があった。

(いいなあ、みんな。本当は僕もやりたかったのに…。
 あっ! そういえばいい方法があるじゃないか! ふふふふふ…。)
433電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/13(金) 21:41:32 ID:???
今日は一応ここまでです。
土日にまた投下したいと思ってますので、良ければ読んで下さい
434名無しさん、君に決めた!:2007/07/13(金) 21:43:32 ID:???
435名無しさん、君に決めた!:2007/07/13(金) 21:43:54 ID:???
乙!
楽しみにしてるぜ!
436名無しさん、君に決めた!:2007/07/13(金) 21:44:55 ID:???
のびたぬきバロスwww
437名無しさん、君に決めた!:2007/07/13(金) 21:46:45 ID:???
いただ金貨www
ヤマザキwww

二人とも乙
438トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/13(金) 22:21:43 ID:???
トレーナー氏、電脳氏乙
投下します
439トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/13(金) 22:23:03 ID:???
      #8 「コロシアム」

某日午前8時30分、クチバシティにのび太が到着した。
「おせーぞのびたぁ!」
一番にここへ来て、のび太を何十分も待っていたジャイアンが怒る。
「4人揃ったことだし、早く港へ行きましょうよ」
静香の提案に賛同し、4人はクチバ港へと向かう。

港にはすでに沢山の人が集まっていた。
どこを見てもとにかく人、人、人……
「これはすごい……500人くらいいるんじゃないのか?」
スネ夫が口をポカンと開けて言う。
自分たちはここにいる参加者たちの頂点に立とうとしているのだ。
本当にそんなことが出来るのだろうか、彼らの心が折れ始める。

「弱気になっちゃだめだよ! 何人いようが関係ない、僕たちは勝つんだ!」

以外にもそう言ったのはのび太だった。
「そ、そうだよな! 俺たちはどんな奴にも絶対負けねえもんな!」
ジャイアンも多少慌てながらのび太に賛同する。
「うん、そうだよジャイアン! 
あ、そろそろ船がくるらしいよ! もっと近くに行って見にいこうよ」
のび太が人ごみの中を掻き分けて奥へ向かう。
仲間の3人は立ち尽くしてそれを見ている。

「あいつ、変わったよな……」
「うん」
ジャイアンの問いかけに2人が気の無い返事をする。
3人とも、3日前からののび太の変化にただ驚くことしか出来なかった。
440トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/13(金) 22:24:08 ID:???
「見ろ、船が来たぞ!」
人ごみのどこかで声がする。
その声を聞いた選手全員の目が船に注がれる。

「あれ?」
のび太が驚いたように呟く。
「どうしたんだ、のび太?」
「いや、なんか思ってたのと違うなって……」
のび太の想像では、サントアンヌ号の倍くらいあるような巨大で豪華な船が来るはずだった。
でも実際にきたのは小さくはないが、サントアンヌ号の半分くらいの大きさの船だった。
「こんなのに全員乗せれるのかなあ?」
そんな疑問を抱きつつ、のび太は船に向かう。

船の乗組員に誘導されて選手たちが向かったのは、一つの巨大な部屋。
船の面積のほとんどをこの部屋が占めているのだから、かなりの大きさだ。
学校の体育館くらいの大きさ、といったところだろうか。
たしかにこれなら全ての選手を会場まで連れて行くことは可能だろう。
しかし、これから敵になる選手たちが皆同じ部屋にいるというのはなんとも居心地が悪いものである。

会場に着くまでの間、ドラーズの面々は3日間のことについて話す。
やはり4人ともポケモンをさらに鍛えていたようだ、控えのポケモンを育成した者もいる。
4人の会話が盛り上がってきたところで、突如アナウンスが流れる。

『皆様、ただいまから試合会場への移動を開始します、その場を動かないでください』

「え? すでに試合会場に移動中なんじゃあ……」
スネ夫が疑問を漏らすと同時に、大量のケーシィが部屋の中に送り込まれてきた。
驚いたのび太は一度目をつぶる。

―――そしてもう一度目を開けたとき、そこはもう船の中ではなかった。
441トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/13(金) 22:25:16 ID:???
「……な、何だよこれ……」
最初に口を開いた者の発した言葉が、選手全員の驚きを表していた。
今彼らがいる場所こそ、まさに試合会場そのものであった。
のび太たちがTVでしか見たことが無いポケモンリーグの会場、その5倍はあろうかという広さだった。
ここなら500人どこらか500万人、いやもっと沢山の人間が収容できるだろう。
その大きさに選手たちはとにかく圧倒されていた。

「おい、俺たちは船の中にいたはずじゃなかったのか?」
「多分、さっきのケーシィたちがテレポートを使ったんでしょうね」
ジャイアンの疑問に静香が答える。
「それにしても、なんでこんな方法を使ったのかな?」
スネ夫がもっともな疑問を唱える。
テレポートで移動するのなら、なぜ途中まで船を使ったのだろうか?
会場のいたるところで似たような会話が繰り広げられていた。

会場の中央奥、その一番上に設置された時計の針が12時を示す。
それと同時に、時計の下にある広間に2人の人物が現れた。
特に目に付くのは中央にいる椅子に座った者、おそらくこの大会の主催者だろう。
そして主催者らしき者から少し離れたところにもう1人、こちらは立っているようだ。
2人とも黒いローブで全身を隠していて、その姿を見ることは出来ない。

『皆様、我らがコロシアムへようこそ』
立っている人物のほうが変声機を使った不気味な声で言う。
『こちらがこの大会の主催者で大会長の“Mr.ゼロ”氏でございます』
いかにも胡散臭い偽名で、椅子に座った人物が紹介される。

自分に全員の視線が注がれても、彼もしくは彼女は動揺する様子を全く見せない。
ただひたすら、その身から不気味なオーラを発し続けていた。
442トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/13(金) 22:26:12 ID:???
選手全員が先程からの驚くべき出来事の連続に動揺していた。
立っている人物はそんな事など全く気にせずに話を続ける、おそらくこの人物は司会なのだろう。

『突然こんな風にお連れして申し訳ありませんでした
もうお気づきだとは思いますが、ここがキングオブトーナメントの試合会場でございます
このコロシアムは本大会のために建設された物で、とある孤島の上に立てられています
あなた方はこの大会が終わるまでの間、コロシアムから出られないようになっております
勿論、負けた人はワープ床でクチバシティまで送りますのでご安心ください
勝った人は負けるまでこのコロシアムに滞在しなければなりませんが、ここには寝室もポケモン回復装置もセットされているので大丈夫です
食事もこちらで用意しました、コロシアム内での生活に決して不自由がないよう最善を尽くしております』
勝ち続ければ、当分はこのコロシアム内で過ごさなければならない。
そして、このコロシアムから出てはいけない。
一風変わった決まりに、選手たちが驚きの声を上げる

『ではつづいて、試合について説明します
いまここには、全部で256のチームがいます
本選はこれを16チームずつの、16のグループに分けて行います。
各グループでトーナメント戦を行い、そこで優勝したチームが決勝トーナメントに進むことが出来ます
そして決勝トーナメントで優勝したチームには、賞金4億円がおくられます』
司会者の言葉を聞いたジャイアンが早速計算を始める。
「えーと、グループ戦が16チーム、それから決勝トーナメントも16チームだから試合数は……」
「8試合だよ、ジャイアン」
計算に苦戦するジャイアンに見かねたスネ夫が口を挟む。

……8試合も勝つのは大変だろうな。
でも4億円をとって家族を救うために、僕は勝ってみせる!
ジャイアンたちの会話を聞いたのび太は1人、闘志を燃やしていた。
443トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/13(金) 22:27:10 ID:???
司会者の話はまだ続く……
『では続いて、試合のルールについて説明します
まず最初に、2人の選手がダブルバトルを行います
使用ポケモンは1人2体、合計4対4のバトルとなります
つづいてポケモン3匹でのシングルバトルを行います
そしてこの時点で決着がつかなかった場合、最後の選手が同じルールで大将戦を行います
ただし、大将に2試合連続同じ選手を選ぶことは出来ません
尚、ポケモンの交代はシングルバトルのみ、一回だけ許されています
では以上でバトルのルールについての説明を終わります!』
バトルのルールを聞き終えたジャイアンが言う。
「全員出場のチーム戦か……面白いじゃねえか」

『ではただいまより、グループ分けを発表します
そして一時間後、各グループの第一試合を同時に開始します
勝ったチームは部屋の鍵が渡され、負けたチームにはその場で帰っていただきます
あ、それとこの大会には、主催者側からも4チーム出場しております
ではみなさん、決勝トーナメントで会いましょう!』
そう言うと、司会者とMr.ゼロはその場を立ち去った。

しばらくして、会場の巨大なスクリーンにグループ分けが表示される。
ドラーズはDグループの左から2番目、第一試合目だ。
試合順の早さに喜ぶジャイアンとは対照的に、スネ夫はブルブルと身を震わせている。
「ジャ、ジャイアン…… あれを見てみなよ」
スネ夫が指差しているのは同じDグループの右端にいるチーム、名は『カントー四天王連合』。
決勝トーナメントに進むには、カントー四天王チームを倒さなればいけないのだ。
「どうしたスネ夫、そんなに震えて……ビビッてんのか?」
ジャイアンの問いにスネ夫は答える。

「いーや、これは『武者震い』ってやつだよ! 優勝候補をグループ戦で潰せる思うと、震えが止まらなくってね」
「そーか、ならいい! さっさと第一試合へ向かうぞ!」
ジャイアンが豪快に笑い、それに続いて他の3人も笑う……胸に抱えた不安を隠すために。
444トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/13(金) 22:28:30 ID:???
投下終了
とりあえず、最低でも次の投下分を残した状態で投下するようにします
投下ペースを落とす件についてはまだ保留中です
445名無しさん、君に決めた!:2007/07/13(金) 22:29:25 ID:???
乙 期待してるから頑張って
446名無しさん、君に決めた!:2007/07/13(金) 22:30:47 ID:???
ガンボレ
447名無しさん、君に決めた!:2007/07/13(金) 22:47:13 ID:???
意識して落とす必要は無いぞ
448名無しさん、君に決めた!:2007/07/13(金) 22:51:39 ID:???

ファイト!
449レッド ◆08zAj3l3IM :2007/07/14(土) 18:05:11 ID:???
投下します。
450レッド ◆08zAj3l3IM :2007/07/14(土) 18:06:21 ID:???
ギャァァァァ

「こ…これは……!」
「……カメックス?」
なんと、しずかのモンスターボールはカメックスが入っていた!
「あのジジイ! 文句言いにいってやる!」
「待って! スネ夫さん」
突然、スネ夫の襟首を掴み、スネ夫を引き止めた。
「何だ!」

「バトルしましょ」


結果は、スネ夫の惨敗だった。
仕方ない事なのだ。
ポケモンの世界で目が会ったトレーナーの運命は、誰にも変えられない。
しずかは、スネ夫の500円を握ってその場を去った
451レッド ◆08zAj3l3IM :2007/07/14(土) 18:07:06 ID:???
俺はジャイアン、ガキ大将だ。
ポケモンの世界なんかに来てみたが、着いた瞬間に俺に不幸が訪れた。
いくらなんでもコイキングはない。
俺はコイキングの鱗を一枚剥がし、腹いせに生肉が剥き出している部分に塩を塗った。
この時、俺のコイキングは「あばれる」を覚えたのさ。


「やあ、ジャイアン」
俺の目の前に現れたのは、ドラえもんだった。
「早速バトルしよう?」
「まあ、いいだろう。お前のポケモンはなんだ?」
「僕もまだ見ていないんだ。行け!モンスターボール」
モンスターボールからは、コラッタがあらわれた!
452レッド ◆08zAj3l3IM :2007/07/14(土) 18:08:13 ID:???
「うん、ありがちだね」
「誰に言ってんだドラえもん!」
ドラえもんはコラッタをくりだした!
「ネズミ……大丈夫なの?」
「だって実際はこれは……まあいいや。
君のポケモンも見せてよ」
正直出すのは気が引ける。
コイキングなど出したらまず笑われるからだ。
ここは一つ……釣ってみるか。

「なあ、ドラえもん。
実はさ、このポケモンはすっげえ強いポケモンでさ」
「うんうん」
「俺の手には負えないんだ……一度暴れだせば止まらん」
「…ごくり」
「だからさ、今回のバトルは……」
その時には既に目の前のドラえもんは居なかった。
口ほどにもない
453レッド ◆08zAj3l3IM :2007/07/14(土) 18:09:21 ID:???
――その頃ののび太


「のび太君、君は射的以外に得意な事は?」
「あやとりを少々……たしなむ程度です」
「あywあやtwwwwあやとりwwwwwww」
オーキドは大爆笑してしまった。
(僕、笑いの才能あるのかな、もう少し笑わせよう)
「あと毎日息を吸います」
決まった。オーキドは大爆笑するに違いない。

「ふぅ……………所詮餓鬼か」
「え!?」
オーキドは作業に戻った。
何やらチュインチュインと音がする。
まるで工場のような、あの音だ。


「出来たぞ! 君専用モンスターボール投げ!
その名も『モンスターシューター』じゃ!」
454レッド ◆08zAj3l3IM :2007/07/14(土) 18:10:35 ID:???
「『モンスターシューター』
一見、銃のような物に見えるだろう。
しかし、それには普通のモデルガンとは違う点があるのだ。

まず、球の補充するリボルバーがない。
次に、何やら不思議なツマミもある。
最後に、『OHK(オーキド)』制作だという事じゃ。
君は、まともにボールも投げれんじゃろう。
この銃は、モンスターボールを球にして、撃ち出す機械じゃ。
重さは約3kとかなり軽いが、扱いはかなり難しいのじゃ。
これでポケモンにボールを当てる事ができよう。
あと、これが君のポケモンじゃ。大事なしろよ」
のび太は黒のモンスターボールを貰った!
「うわぁい、有難う、博士」
「礼には及ばん。皆もポケモン、ゲットじゃぞ〜〜」
455レッド ◆08zAj3l3IM :2007/07/14(土) 18:12:03 ID:???
投下終了します。
明日、明後日も投下します。
456名無しさん、君に決めた!:2007/07/14(土) 18:23:57 ID:???
457名無しさん、君に決めた!:2007/07/14(土) 18:58:39 ID:???
458ロキ ◆zCpebmpy/g :2007/07/14(土) 19:51:48 ID:???
小4からやってプレイ時間150時間の俺のポケモンカードGBのデータが今日亡くなりました
459名無しさん、君に決めた!:2007/07/14(土) 19:55:58 ID:???
……葬式、やろうか?
460名無しさん、君に決めた!:2007/07/14(土) 20:38:22 ID:???
sageない奴に用はない
461トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/14(土) 21:34:49 ID:???
レッド氏乙
投下します
462トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/14(土) 21:36:04 ID:???
       #9 「来訪者」

巨大な面積をもつコロシアムの試合会場はいま、大きな壁によって16のブロックに分けられていた。
これは一度に全てのグループの試合を行うため、そして壁によって他の試合の邪魔にならないようにするためだ。
のび太たちはその内の、『D』と書かれたブロックへ向かう。
中に入るための扉を開けると、すでに審判と対戦相手『テンガン山愛好会』が待っていた。
審判はのび太たちが入ってきたのを確認すると、試合開始を告げる。

最初のダブルバトルに出るのはスネ夫と静香だ。
「スネ夫・静香ちゃん、絶対勝てよな!」
ジャイアンの励ましに2人は笑顔で答える。

―――それから数分が経ち、ダブルバトルはすでに終盤を迎えていた。
ここまでの展開は完全にドラーズが優勢だった。
「静香ちゃん、おそらくあのゴローニャ仕掛けてくるよ……」
スネ夫がひっそりと耳打ちをし、静香がうなずく。
「ゴローニャ、大爆発だ!」
敵が形勢逆転を狙って大爆発を仕掛けてきたが、スネ夫と静香のポケモンはまもるを使用していたので通じない。
「さあ、残り1匹だ! たたみかけよう!」
敵の最後の1匹を2匹で集中攻撃し、倒した。
「勝者、『ドラーズ』骨川スネ夫・源静香ペア!」
審判から勝利の宣告を言い渡された2人は満足気な顔で選手が立ち位置から下がって行く。

「すげーな! 圧勝だったじゃん!」
「そんな……スネ夫さんの読みが凄かっただけよ」
静香の言うとおり、この試合はスネ夫の読みが冴えまくっていた。

「じゃあ次は僕の番だ、みんな行ってくるよ」
のび太が仲間に微笑みかけ、フィールドへ進んでいった。
463トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/14(土) 21:37:05 ID:???
―――試合が進むに連れて、のび太の呼吸が荒くなってくる。
「え、えーと……フシギバナ、毒毒だ!」
最後の1匹まで追い詰められたのび太が焦って命令するが、敵は鋼タイプを持つハガネールなので毒タイプの技が効くはずがない。
「もー、何やってんだよのび太の奴は!」
ジャイアンがイラついた様子で言う。
結局フシギバナはハガネールに倒され、のび太は負けてしまった。
その後大将戦でジャイアンが見事に勝利を収め、ドラーズは何とか二回戦進出を決めた。

「425」と書かれた鍵を受け取り、4階にある自分たちの部屋へ向かう途中にジャイアンがのび太を叱っていた。
「おいのび太、何だよさっきの試合は!」
「ごめん、何かその……頭の中が真っ白になっちゃって……」
「次にあんな試合したら、承知しねえからな!」
部屋に着くまでの道中、のび太は頭を下げっぱなしだった。

部屋に着き、荷物を降ろして休憩を取る。
ここへ来るまでの道中で、4人はこのコロシアムの構造を大体理解していた。
コロシアムは真ん丸い形をしていて5階建て
中央に巨大な試合会場があり、2階から5階は観覧席になっている……また全ての階の壁際には選手が泊まる部屋がある。
だがまだまだこのコロシアムについて理解できていないことは多い、だからこれから分かれて散歩でもしようという話になった。
ジャイアンは試合観戦のために観覧席に向い、他の3人は適当にコロシアム内を歩き回る。

1人になり、3階をうろつくのび太は先程の試合のことを考える。
……やる気はあった、調子も悪くなかった。
でも、試合が始まると急に頭の中が真っ白になった、やる気が空回りしたのだろうか。
先程の敗戦で何か心の中にぽっかりと隙間ができてしまったみたいな気がする。
「だれか、この隙間を埋めてくれないかな……」
のび太が呟いたその時だった、目の前に青い狸のような生物が現れたのは。
のび太は思わず、その者の名を大声で叫ぶ。

「ド、ドラえもん! どうしてこんなところに?」
464トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/14(土) 21:38:08 ID:???
のび太を立派な人間に育てるために未来からやって来て彼の家に居候したロボット。
そして7年前、のび太は立派に成長したと判断して未来へ帰っていたロボット。
そしていま、再び目の前に現れたロボットこそが、ドラえもんである。

ずっと会いたいと思っていた、伝えたいことが沢山あった。
心の奥から溢れてくる思いに身を任せ、のび太はドラえもんの元へ駆け寄る。
ドラえもんはそんなのび太を、何も言わずに抱きしめた。

―――そこには7年経っても変わらぬ、確かな絆があった。

しばらくして、ドラえもんが言う。
「皆を部屋に集めておいて欲しい、話があるんだ」
のび太は急いで仲間の3人を集める。
3人とも最初は文句を言っていたが、久しぶりにドラえもんに会えると聞くと目の色が変わる。

部屋に4人が集まって数分経つと、ドラえもんが25歳くらいの青年を連れて部屋に入った。
「ドラえもん、久しぶり!」
「ドラちゃん、元気だった!」
早速皆が声を上げるが、ドラえもんは厳しい顔つきを崩さない。
「再開を喜びたいのは山々なんだけど、いまはそれどころじゃないんだ
まず紹介しておこう、こちらはタイムパトロール隊員のリュカ君だ」
ドラえもんに紹介された青年、リュカが頭を下げて挨拶をする。
ドラーズの4人は、『タイムパトロール』という言葉に反応する。
タイムパトロールは未来の警察組織で、タイムマシンを使って過去を変えたり、過去の物を持ち帰ったりする『時間犯罪』を摘発するために存在している。
そのタイムパトロールがここにいるということは、何かしら良くない話があるに違いない。
悪い予感がして、4人の表情が曇り始める。

そしてそんな彼らに、ドラえもんは暗い声で告げる。
「実はこの大会に、『時間犯罪者』が関わっている可能性が高いんだ」
465トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/14(土) 21:39:05 ID:???
時間犯罪者とは名の通り、時間犯罪を犯す者たちのことである。
いまいち展開が読めない4人は困惑する。

「とりあえず、順を追って説明するよ
実は僕は未来に帰った後も、ときどきタイムテレビでのび太君の様子を見てたんだ
そしてつい最近、この大会のことを知った……
君たちも知ってのとおり、この大会にはおかしな点が多すぎる
気になった僕はリュカ君と一緒にこの時代に戻ってきた、ちょうど君たちが修行を終えた頃かな
そしたら突然、現在と未来を繋ぐ『タイムゲート』が閉じられてしまったんだ
このタイムゲートというのは時間犯罪者の動きを封じるためにあるもので、閉めた本人しかあけることが出来ないんだ
つまり、僕たちは未来に帰れなくなってしまったんだ
そして帰るためには、ゲートを閉めた犯人を捜さなきゃいけないんだ」
ドラえもんが未来に帰れなくなったことを知り、4人は驚く。

「―――それから僕たちはタイムゲートを閉じた犯人を捜さなきゃいけなくなった
でも犯人がどこにいるか全く見当がつかないし、ゲートを閉じられたら未来と連絡を取ることもできない
だから僕たちは時間犯罪者がいる可能性がもっとも高い、このトーナメント会場へ行くことにしたんだ
そしてこっそり船に忍び込み、テレポートに紛れてこの会場に来たって訳さ
そしたら驚いたことに、この会場では全ての秘密道具が使えないようになっているんだ
最早この大会に時間犯罪者が絡んでいるのは間違いない、だから僕たちはいまその手がかりを探していたというわけさ」
ドラえもんは一通りの説明を終えると、深い溜息をついた

「で、この大会にいる時間犯罪者ってのは誰なの?」
のび太が首をかしげる。
「おそらく一番可能性が高いのは主催者のMr.ゼロだ
まだ確信はないし、彼が大会を開催した目的も分からないけど……」
ドラえもんはもう一度、深く溜息をついた。
466名無しさん、君に決めた!:2007/07/14(土) 21:39:35 ID:???
援助するために支
467トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/14(土) 21:40:38 ID:???
一通りの会話を終えると、リュカが提案をする。
「ドラえもんさんはのび太君と話したいことが沢山あるでしょう
私たちは外へ出ますので、2人きりで話をしたらどうですか?」
ジャイアン・スネ夫・静香の三人もそれに賛成し、リュカと一緒に部屋を出て行く。
部屋の中には強制的に、のび太とドラえもんの2人だけが残された。

長い沈黙が続き、それに耐えられなくなったのび太が口を開く。
「ドラえもん、大変だったんだね……」
ドラえもんは「うん」、と小さく頷く。
するとのび太は突然俯き、涙声で喋り始めた。
「君は大変だったのに、僕はそんなことも知らずに君に甘えようとした
ごめんねドラえもん、僕は全然一人前の立派な人間なんかじゃない! 昔から何も変わっていない!」

悲観的になるのび太に、ドラえもんは優しく言う。
「それは違うよのび太君……君は家族を救うためにこの大会に参加した
そのためにキツイ修行にも耐え抜いた!
君は立派になった、君を見守り続けてきたこの僕が保証するよ」
ドラえもんの言葉がのび太の心に深く響く。
彼の言葉はのび太にとって、いままで聞いてきたどんな話よりも重みがあった。

「ありがとう、ドラえもん」
のび太は涙を拭いて顔を上げると、満面の笑みを見せた

……一方部屋から少し離れた廊下では、ドラーズの3人がリュカの話を聞いていた。
「うわー、リュカさんの上司って厳しいんですね」
「うん。 でもいい人だよ、僕は彼に憧れてタイムパトロールに……」
リュカが突然話を切り、少し離れた廊下の方に目をやる。
目線の先にはMr.ゼロとは正反対の、白いローブを着た人物がいた
そいつはこちらと目が合うと、慌てて逃げ出していった。
「一体何者ですか、さっきの奴は? 僕たちの会話を盗み聞きしてたみたいですけど……」
「分からない……でも時間犯罪者の正体と関係があるかもしれないな……」
468名無しさん、君に決めた!:2007/07/14(土) 21:41:15 ID:???
支援
469トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/14(土) 21:41:47 ID:???
しばらくして部屋に戻って来たリュカたちは、先程の白いローブの人物について報告する。
「なるほど、確かに怪しいね……」
ドラえもんはそう呟くと、何かを考え込み始めた。
そんな彼に静香が提案する。
「ねえドラちゃん、その白いローブの人について調べるんでしょう
なら、この部屋を拠点にしたらどう? 私たちに出来ることは、それくらいしかないから……」
他の3人もそれに同調する。
「じゃあ、好意に甘えさせてもらうね
とりあえず、僕たちはもうちょっと調べてくるよ」
ドラえもんはそう言うと、部屋の出口のドアへ向かう。

部屋を出る前に、ドラえもんはのび太に話しかけた。
「のび太君、僕は絶対に時間犯罪者の正体を突き止める
君は絶対にトーナメントで優勝して家族を救う、約束だ!」
ドラえもんはそう言って手を差し出す、指が無いので小指を差し出すことは出来ない。
「うん、約束だ!」
のび太はそう言って自分の手のひらでドラえもんの手を包み、強く握り締めた。

―――この約束が果たされるかどうかは、この時にはまだ誰も分からなかった

ドラえもんとリュカが部屋を去り、部屋にはドラーズの4人だけが残された。
のび太は覚悟を決め、仲間に告げる。
「明日の試合、僕を大将にしてくれないか?」と。
のび太の決意の固さを悟った3人は首を縦に振り、「がんばれよ」と告げる。
のび太は「ありがとう」と返し、明日の試合に備えて寝床に着く。

「ぽっかりと空いた心の隙間は、ドラえもんが埋めてくれた。
ドラえもんとの約束を果たすため、明日こそ必ず勝つんだ!」
小さくそう呟いたのび太の瞳は、いままでにないくらい燃えていた。
470トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/14(土) 21:42:57 ID:???
投下終了です
471名無しさん、君に決めた!:2007/07/14(土) 21:43:24 ID:???

スレに凄い貢献してるな
472名無しさん、君に決めた!:2007/07/14(土) 21:44:09 ID:???
473名無しさん、君に決めた!:2007/07/14(土) 21:44:29 ID:???
おっつー☆
474名無しさん、君に決めた!:2007/07/14(土) 21:50:25 ID:???
475名無しさん、君に決めた!:2007/07/14(土) 21:51:16 ID:???
476名無しさん、君に決めた!:2007/07/14(土) 22:16:58 ID:???
乙♪
477ノビタ ◆UIEMKhGpfE :2007/07/14(土) 22:17:02 ID:???
レッド氏、トキワ氏乙です。
投下します。
478ノビタ ◆UIEMKhGpfE :2007/07/14(土) 22:18:07 ID:???
カバタウンを出て、僕とリザフリーはヨシノシティに旅立った。
「あんたものび太っていうんだな。
俺の前の主人の名前ものび太なんだ。
でも俺は感じるぜ、あんたは前のご主人とは違うってな。
あの糞野郎の出す負のオーラとは真逆の、正のオーラを感じるぜ」
ほう、それは奇偶だったな。
「さて、次に行こうか」


30番道路

たんパンこぞうのゴロウがしょうぶをしかけてきた!
いけ!リザフリー!
「火炎放射!」
ゴロウのオタチは、一撃でやられた。
このリザフリー、かなりレベルが高いぞ。
479ノビタ ◆UIEMKhGpfE :2007/07/14(土) 22:18:45 ID:???
ゴロウと電話番号を交換し、31番道路。
むしとりしょうねんのコウイチがしょうぶをしかけてきた!
いけ!リザフリー!
「火炎放射!」
コウイチのキャタピーは(ry


そしてキキョウシティ。
キキョウと聞いたら胸が熱くなる気がする。
「確かに……何かトキメキという物を感じるぜ」
トレーナースクールの壁に張り紙が貼ってある……
『キキョウファンクラブ』


そしてキキョウジムに着いた。
「俺様はハヤト様、最強の飛行タイプ様の使い手様だ!」
まずい、火・虫のリザフリーには分が悪い……
480ノビタ ◆UIEMKhGpfE :2007/07/14(土) 22:19:44 ID:???
「行け!ポッポLv7!」
「Lv7…プフーッ」
リザフリーが吹き出してしまった。
さすがに最初のジムでも7レベルはないだろう。
多分、赤緑の時苦情が来たのだろう。
『タケシが倒せねえよ』と。
「見たところそいつは火、ポッポ、どろかけ!」
残念、リザフリーの特性は「ふゆう」だ。
「残念残念残念賞、ティッシュやるよ」
リザフリーは炎のティッシュをポッポに浴びせた。
無理があるか、この描写。


「この俺様を……なめるな!」
ハヤトは最後の砦、ピジョンを出してきた。
481ノビタ ◆UIEMKhGpfE :2007/07/14(土) 22:20:41 ID:???
「ピジョンLv9て……改造?」
改造だ改造!ワタル2ndだ!
「こっ……これは赤ピカチュウバージョンからの引き継ぎで……」
自ら墓穴を掘ったな、ハヤト。
まだキキョウジムに来た時点では、連動マシンはまだ整備中。
ピカチュウバージョンから連れてくる事は不可能なんだよぉぉぉ!
「さぁ〜て電話電話。電話ピポパポ110番」
「た、頼む! 見逃してくれ!
なんでもするから!」
なんでも……する?
「じゃあ俺の肉奴r」
バッチをくれ。
「ああ、それで済むなら」
あと10円くれ。
「ああ。それだけ? よし、交渉成立だ。あばよ」
482ノビタ ◆UIEMKhGpfE :2007/07/14(土) 22:21:49 ID:???
のび太はジムを出た!

「なあ、なんであいつからなんもとらなかったんだよ。
たったの10円じゃ何も……」

チャリーン
のび太は公衆電話に10円玉を入れた。
「おい、電話ならポケギアに……」
パ ペ ポ
トゥルルリル トゥルルリル
カチャ
あ、警察ですか、僕、むしとりのコウイチと言いますが……
「ま、まさか!!?」
…ええ、お陰で僕のポケモンが死………
「こいつ……かなりの鬼畜!」
はい、至急逮捕………キキョウジムのハヤトで……
カチャ
トゥー トゥー

行くか。
「ああ」
僕達は次の町に行った。
483ノビタ ◆UIEMKhGpfE :2007/07/14(土) 22:23:51 ID:???
投下終了です。
闘技場でレベッカが氏んじゃった
俺の一時間を返して

では皆さん、台風にお気を付けて
484名無しさん、君に決めた!:2007/07/14(土) 22:25:42 ID:???
やべえwww
リザフリー炎虫浮遊www
乙乙乙乙
485名無しさん、君に決めた!:2007/07/14(土) 22:27:56 ID:???
分かる、分かるよその気持ち。
闘技場でついついカナスとか出してアーチャー(ノ∀`)に殺られてリセットなんか
486名無しさん、君に決めた!:2007/07/14(土) 22:28:01 ID:???
これはヤバイww乙乙乙乙
487名無しさん、君に決めた!:2007/07/14(土) 22:28:34 ID:???
キキョウファンクラブwwwww
488名無しさん、君に決めた!:2007/07/14(土) 22:52:44 ID:???

ニニアン萌えってお前かw
489名無しさん、君に決めた!:2007/07/15(日) 00:00:35 ID:???
>>488
プリシラに騙された二人目です
ニルスも只今受け付けております
490ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/15(日) 00:14:05 ID:???
投下する
人気投票か……
491ロキ ◆zCpebmpy/g :2007/07/15(日) 00:14:45 ID:???



さっきはsage忘れた。すまん
492ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/15(日) 00:15:09 ID:???
新月島の奥――そこに奴は居た。
漆黒の体、無機質な蒼い瞳……ダークライ。
もう邪魔をする人間も居ない、あとはこいつを捕獲することで任務は完了する。
リュックからマスターボールを取り出し、宙に放り投げる。
ダークライは、そのボールにゆっくりと収納された。

収納されたボールを拾うと、俺の手の中で消滅する。
そうか、俺の手持ちは六体居るから、七体目のポケモンは転送されるのか。
父さんはそこまで考えて、ファイヤーとフリーザーを預けたのか。
もうここに用は無い。俺の任務は完了したんだ、とっととトバリビルに――

『待ちなさい!』

狭いこの島で、再び声が木霊する。
その声の主は……現シンオウリーグチャンピオン、シロナ。
「スネオ君にあんなことして……許さないわよ」
『黙れっ!!』
今の俺の手持ちなら……伝説のポケモン二体なら勝てる。
「ここでぶっ倒してやる、行け、ファイヤー!」
493ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/15(日) 00:16:26 ID:???
再びその場に姿を現すファイヤー。
「伝説のポケモン……アカギめ、こんなポケモンを……」
「さぁ! 早くポケモンを出せ!」
どんなポケモンが来ようと、今の俺なら撃破することができる。
「出来れば使いたくなかったけど……仕方が無いわね、行け――」
シロナの投げたボールから出てきたのは、雷の猛獣、ライコウ。
まずい……ライコウのタイプは電気、ファイヤーとの相性は悪い。
「く、くそ…ファイヤー、火炎放射だ!」
「ライコウ、雷!」
火炎放射を撃つ前に、ファイヤーが雷に貫かれる。
その攻撃を、ファイヤーは耐えることができなかった。

まずい……ファイヤーが一撃で……
次に出せばいいのはどっちだ、ラグラージ?フリーザー?
相性的に考えたらラグラージだが、電気タイプの技を封じたところで別の技にやられるだけ。
それならフリーザーを出して、ライコウより早く攻撃すれば……
伝説のポケモンだ……相性なんて覆せるはず。
「行け! フリーザー、冷凍ビ――」
出てきたばかりのフリーザーに、激しい閃光が走り轟音と共に沈む。
その光景を俺はただ見てることしかできなかった。
494ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/15(日) 00:17:33 ID:???
「あ……あ……い、行け! ラグラ――」
『ライコウ!』
シロナの掛け声で、ライコウは俺の元へと駆け込み、俺を押したおす。
「ついに自分のポケモンすら信用できなくなってしまったのね……」
な……なんのことだ?
「本当はこんなことしたくないけど……
 あなたがギンガ団幹部である以上見逃すわけにはいかないわ」
鋭い爪と牙を俺に向ける。
やばい……この攻撃を食らったら瀕死じゃ済まない……死ぬ。

あぁ……もう駄目だな。

「………さようなら」

ライコウの爪が、俺目掛けて振り下ろされた。
495ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/15(日) 00:18:23 ID:???
『十万ボルトだ!』
突如、ライコウを強大な電撃が襲う。
その攻撃を、ライコウは紙一重で回避した。
「……まさか…」
起き上がった俺の目に飛び込んできたのは、伝説のポケモン、サンダー。
そしてその背に乗っているのは、ギンガ団総裁である父親、アカギ。

「そこまでだ。現シンオウリーグチャンピオン、シロナ」
「あら、久しぶりね。また私にやられたいのかしら?」
流し目で父さんをみつめるシロナ。それに対し薄ら笑いを浮かべる父さん。
「やられる? それはそっちの話だ。お前のポケモンは二、三体ほど失っているだろう
 それに対しこちらは手持ちがフルに残ってる。この時点で貴様に勝ち目はないのだ」
そう指摘され、シロナは父さんをキッと睨む。指摘されたことは間違いでは無いようだ。

「次は……覚えていなさい」
シロナは悔しそうにこちらを睨む。
「帰るぞ、ナナシ……」
手を差し伸べられる。
俺はその手に掴み、ゆっくりと立ち上がった。
496ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/15(日) 00:18:56 ID:???
投下終了
最近執筆が進まない
497名無しさん、君に決めた!:2007/07/15(日) 00:19:16 ID:???
光の速度で乙
498名無しさん、君に決めた!:2007/07/15(日) 00:20:07 ID:???
499名無しさん、君に決めた!:2007/07/15(日) 00:32:18 ID:???
500名無しさん、君に決めた!:2007/07/15(日) 12:43:15 ID:???
>>500getだぜ
501トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/15(日) 19:02:43 ID:???
ノビタ氏、ギンガ氏乙
投下します
502トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/15(日) 19:03:15 ID:???
       #10 「のび太」

「おいおい、何だよあれ……」
二回戦の相手、『ジャックス』を見たジャイアンが思わず呟いた。
彼らは全身を黒いローブで包み、声も明らかに生身のものではない。
テレビのインタビューなどでよく聞く、無機質で不気味な低い声だ。
その姿はまさに開催者“Mr.ゼロ”と瓜二つだった。
4人の頭に開会式の時、同じ格好をした司会者の言葉が甦る。

『あ、それとこの大会には、主催者側からも4チーム出場しております』

「なるほど、こいつらはMr.ゼロの刺客ってことか」
よく見ると彼らの肩には、13や15といった数字が書かれている。
「なるほど、そういうことか……」
その数字を見たスネ夫が探偵気取りに言う。
「どういうことだ?」
「後で説明するよ、それよりいまは試合だ。」
ジャイアンの疑問を流し、スネ夫はフィールドへ向かう。

最初のタッグバトルはスネ夫と静香、昨日圧倒的な勝利を収めたコンビだ。
「まあ、この試合も楽勝だろう」
自信満々なスネ夫とは対照的に、静香は未知の敵に対して不安を隠せない。

「試合開始」と審判が叫ぶと、4人の選手はポケモンをフィールドに出す。
スネ夫はクロバット、静香はヤドラン、敵は15thと書かれたほうがクロバットと、16 thの方がキュウコンだ。
最初に動いたのは敵のクロバット、怪しい光でスネ夫のクロバットを混乱させる。
スネ夫のクロバットは自分を攻撃してしまい、次は敵のキュウコンのターンになる。
「キュウコン、怪しい光だ!」
敵が不気味な声で命令し、ヤドランも混乱状態になる。
「に、2体とも混乱状態だと?」
スネ夫の顔に焦りの表情が浮かび上がってくる。
503トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/15(日) 19:04:18 ID:???
ヤドランは混乱によって攻撃失敗、続いて敵のクロバットは身代わりを出現させる。
対してスネ夫のクロバットは再び自分を攻撃してしまう。
「何やってるんだ、クロバット!」
スネ夫が彼らしくもない冷静さを欠いた声でクロバットを怒鳴りつける。

―――もともと敵を状態異常にするいわゆる『嫌がらせ戦法』はスネ夫の十八番であった。
嫌がらせ技をくらった敵は頭に血が上ってイライラし、命令が単調になる。
故に、敵の行動を読んで行動するスネ夫と嫌がらせ戦法は相性がかなり良かった。
現に、スネ夫の手持ちの内半分のポケモンが状態異常技を覚えている。
だが状態異常技が指示に影響を与えるというのは、言い返せば相手にも当てはめることができる。
得意とする状態異常技に苦しめられているスネ夫は、すっかり冷静さを欠いてしまっていたのだ。

敵のキュウコンは悪巧みで特攻を上昇させる。
ヤドランは今度こそ攻撃に成功したものの、そのサイコキネシスはクロバットの身代わりによって消されてしまう。
いまこのバトルは、完全に敵が支配していた。

この後もこちらの攻撃は混乱と敵の身代わりによって阻まれ、敵は悪巧みを積み終えたキュウコンでどんどんこちらのポケモンを倒していった。
結局倒せたのはクロバット一体、圧倒的な負けを喫してしまった。
「完全な戦略負けだ…… ごめん、僕のせいで負けちゃった」
スネ夫が俯いて言う。
「大丈夫、僕とジャイアンが必ず勝つから」
のび太はそう言ってスネ夫に微笑みかける。

そして数分後、ジャイアンはまともや圧倒的なレベル差で勝利を収めた。
負けた敵の14thという男は大将にのみ頭を下げていた。
次はいよいよ大将戦、のび太の出番だ。
504トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/15(日) 19:05:02 ID:???
それでは大将戦、野比のび太対13th(サーティーンス)の試合を開始します」
審判が大将戦の始まりを告げ、両選手がフィールドに入る。
敵、13thの1匹目はハッサム、対するのび太の最初のポケモンはバリヤードだ。

「バリヤード?」
後ろでのび太の最初のポケモンを見たジャイアンが首をかしげる。
バリヤードはのび太のパーティの中でもっともレベルが低くて弱い、正直言って足手まといなポケモンだった。
それに船での会話で、のび太は新たな切り札を育成したといっていた。
てっきりバリヤードの出番はもう来ないと思っていたのだ。
「まあ、のび太にも何か考えがあるはずだ
ここは黙って見守ろうよ」
スネ夫の言うことに従い、ジャイアンは口を塞ぐ。

レベル差で先手をとったハッサムは、高速移動でステータスをアップさせる。
対するバリヤードはアンコールだ。
アンコールを受けたハッサムはしばらく高速移動しか出来ない、13thは軽く舌打ちをする。
次のターン、ハッサムは勿論高速移動そしてバリヤードはというと……
「バリヤード、トリックルームだ!」

「トリックルーム?」
意外な技の登場に、ジャイアンが再び首をかしげる。
そして次のターン、ここでのび太はポケモンを交代した。
「一度だけ認められているポケモンの交代をここで使ってきたか……」
スネ夫が解説者のように言う。
バリヤードの代わりにドンファンが現れる、対するハッサムはまだ高速移動しか使えない。
そして次のターン、のび太が以外な命令を下す。
「ドンファン、転がるだ!」

「転がる、だと?」
ジャイアンがまたまた首をかしげた。
505トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/15(日) 19:06:02 ID:???
転がるは何ターンも連続で使用することによって、どんどん威力が上がっていく癖のある技だ。
しかし一発目の攻撃力が低すぎるし、威力が上がっていく前にポケモンが倒されてしまう。
よって、この技を使用するトレーナーはまずいない。
……いまここにいるのび太を除けば、だ。

予想通り、転がるがハッサムに与えたダメージはほんの微量だった。
対するハッサムはまだ高速移動だ。
次のターンの転がるは、先程よりは与えるダメージが大分増えていた。
ハッサムはついにアンコールが解け、シザークロスでドンファンの体力を削る。
だが次の転がるはかなり威力が増加しており、ハッサムは瀕死に追い込まれた。
のび太が微笑む。
「この勝負、もらった!」

次に敵が出したヨノワールは、転がる一撃でやられてしまった。
「な、何故だ! ヨノワールの方が素早さが遅いはず、それに一撃だ何て……」
冷静さを保っていた13thが取り乱し、頭を抱えながら言う。
その様子を見たのび太は満足気に語る。
「トリックルームの効果は5ターンで切れるから、もうさっきのターンは終わっちゃってたんだよ
それから転がるはねー、毎ターン威力が“2倍”されていくんだよ
最初のターンは30、次は60、その次は120、そしてさっきのは威力は“240”
さらに次のターンは転がる最大の威力“480”だ! これを受けて立ち上がれるポケモンはいない!」

のび太が解説を終えると、その場にいる全員が脱帽する。
世界広しといえど、こんな大事な場面でこの戦略を実行しようと思う人間はのび太くらいだろう。
「どーだスネ夫、俺がのび太をリーダーに選んだ理由が分かったか?」
ジャイアンがスネ夫に問う。
「まあ、なんとなく分かったよ」
スネ夫が驚いた調子のままで言う。
506トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/15(日) 19:07:12 ID:???
ジャイアンが唯一自分のライバルとしていた男、それがのび太だった。

―――トレーナーズスクールに入学してから今日現在まで、のび太のもっとも身近にいたジャイアン。
彼はうすうす感づいていた、のび太に秘められた才能があることを……
きっかけは7年前、『ポケモン消失事件』で改造ポケモンと戦った時のことだ。
敵に止めを刺したのは出木杉だったが、そのお膳立てをしたのはのび太だった。
あの時からジャイアンは、のび太の奥に潜む何かに注目するようになった。
スクールでもバトル科でも、のび太の実戦戦績は負け星だらけだった。
でも彼は時々、思いもつかないような戦略を披露したり、土壇場で大逆転を繰り広げたりする。
そんな様子を見てきたジャイアンは、のび太に底知れない才能があることに気付いた。
だからのび太は自分のライバルに相応しい男だと思っているだ。

しかしその才能はいまだ開花することはない。
よってその才能に気付く者は少ない、のび太本人ですら自分の才能に気付いていないのだ。
よって周りの者はのび太をダメなトレーナーだと思っている、そしてのび太本人もそう思い込んでいるのだ。
そんな彼を見るうちに、ジャイアンはこう思うようになった。
『あいつの才能を伸ばしてやりたい、周りの人間にあいつを認めさせたい』

だからジャイアンは今回、のび太をリーダーに指名した。
リーダーとしての責任感、家族を救うという使命感……
この状況なら、彼の才能が開花するかもしれないと感じたのだ。

そして今日、のび太の奥に眠るものはわずかにその姿を見せた。
この大会が終わる頃、のび太ははたしてどれだけ才能を伸ばしているのだろうか。
期待と同時に、わずかな恐れが生まれる。
『もしかして自分は、大変な奴を育てようとしているのかもしれないな』という恐れが。
507トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/15(日) 19:08:10 ID:???
「さあ、早く最後のポケモンをだしなよ!」
のび太が自信たっぷりに言う。
敵が最後にだしてきたのはウツボットだった。
「転がるの威力が凄いなら、こうすればいいだけのことだ」
13thはまもるを命令する、こうすれば転がるは外れ、次からまた威力30に戻るのだ。
「……そう来ると思ったよ」
のび太は勝ち誇ったように笑い、ドンファンに気合溜めを命じる。
この時13thは、負けを予感した。

次のターン、ウツボットの葉っぱカッターはドンファンの体力を削りきることができなかった。
そしてドンファン渾身の地震は気合溜めのおかげで見事に急所に命中し、ウツボットを倒した。
「勝者、『ドラーズ』野比のび太選手」
審判がのび太の勝利を高らかに宣言し、ドラーズはグループ戦準決勝進出を決めた。

満面の笑みを浮かべて、のび太が仲間のもとへ帰ってくる。
「凄かったでしょ」とアピールするのび太をスネ夫は叱り付ける。
「おいのび太! なんであんな戦略使おうと思ったんだよ
もしアンコールが解けるのがもう1ターン早かったら!
もし転がるが途中で外れたら!
もし敵の2体目がドンファンより早かったら! もし敵がもっと早くまもるを使っていたら……」
スネ夫の言い分は正しい、あんな戦略が次も成功することはまずないだろう。

そんなスネ夫にのび太はこう返す。
あの戦略が無茶だってことは分かってたんだけど、試してみたかったんだよ
それにもし失敗しても、僕にはこいつが残ってたからさ……」
のび太はそう言って、バトルで使われなかった3体目のモンスターボールを差し出す。
「こいつに、そんなに自信があったのか?」
スネ夫の問いにのび太は一言、「うん」と答えた。
「ったく、仕方ないなーお前は……」
スネ夫はそう言って、のび太の頭を軽く小突いた。
508トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/15(日) 19:09:33 ID:???
会場から自分の部屋までの道を、4人は談笑しながら進む。
「しかしMr.ゼロのチームって、そこまで強くなかったね
この調子なら、残りの3チームも大したことなさそうだ」
「それはどうかな」
調子に乗るのび太に、スネ夫は釘を刺す。
「そういえばジャイアンに説明する約束をしていたね、いまから話しておくよ」
3人はスネ夫の話に真剣に耳を傾ける。

「今回の相手は13から16までの数字が名前になっていた、彼らとMr.ゼロにある共通点が分かるかい?」
「わかった、どちらも数字が名前についているわ」
考え込むのび太とジャイアンとは対照的に、静香は素早い返答をする。
「その通り。 Mr.ゼロのチームは4チームあるから4×4で選手は16人いる。
ということは、残り3チームに12から1までの数字を持った選手がいるはずだ
そして今回の対戦相手の内14thという男は負けた時、13thにしか頭を下げなかった
僕が察するに、Mr.ゼロのチームでは数字が低いほど階級が上なんだ
それに先程の試合を見る限り、16thと13thではかなりの実力の差があった
多分数字が低くなるに連れて階級と共に実力が上がっていくんだろう
となると、やつらの2ndや1stクラスの実力はかなり高いはずだ、決して油断はできないよ」
スネ夫の鋭い観察力に仲間の3人はただ脱帽するしかなかった。
そしてまだ見ぬ強敵に思いを馳せながら部屋へと無言で帰っていった。

「ただいまー! ドラえもん、勝ったよ!」
のび太が上機嫌でドアを開けるが、部屋の中にはドラえもんとリュカの姿はなかった。
「2人とも犯人捜しで忙しいんだろ。 そんなことより次の対戦相手の試合を見にいこーぜ!」
ジャイアンに従い、皆は観覧席へと向かう。
だが試合見物を終えて帰ってきてからも、2人が帰ってくることはなかった。
「ドラえもんとリュカさん、一体どうしたのかな?」
のび太は不安を抱きつつ寝床へ向かう。

―――彼らが2度とこの部屋に戻って来ないことを、この時の彼らはまだ知らなかった……
509トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/15(日) 19:10:41 ID:???
投下終了
今回のバトルは少し無理があったかな、書かなければよかったかな
と多少後悔しています
510名無しさん、君に決めた!:2007/07/15(日) 19:17:56 ID:???
転がるは攻撃事威力二倍だったか?
まあ乙
511名無しさん、君に決めた!:2007/07/15(日) 20:07:56 ID:???
その投下ペースにいつも脱帽させられる。いつも乙!
512ノビタ ◆UIEMKhGpfE :2007/07/15(日) 20:45:33 ID:???
投下する、ですぅ
513ノビタ ◆UIEMKhGpfE :2007/07/15(日) 20:46:16 ID:???
「あなたは野比のび太様ですね」
なんと、のび太の前に研究員が現れた。
「オーキド博士から預かりものがあります。どうぞ」
のび太はポケモンのタマゴを手に入れた!


「……なあ、これどうするよ」
タマゴは温めたら孵るらしいな。
「そうか……ならば温めるだけだ」
よし!リザ、アレの準備はいいか!
「おうともさ!」
行くぞ!
「3」

「1」
FIRE!



タマゴに炎が燃え移った!
「ワクワク」
早く孵らないかな。

その瞬間。
「ピシッ」
突然、タマゴに亀裂が入った!
514ノビタ ◆UIEMKhGpfE :2007/07/15(日) 20:47:28 ID:???
「おお!」
「ピシピシッ」
タマゴがどんどん剥がれていく!
のび太は今、生命の誕生を拝んでいる!
「俺もこうして産まれたんだな……
母ちゃんに感謝せなな……」
リザフリーは泣き出した!
そして!!



「パキィィン」
タマゴの殻が全て崩れ去った!
「ピキィィィィ」
中にはトンガリ頭で丸い体をした生物が入っていた。
これがポケモン…… 図鑑で調べたら、「トゲピー」だそうだ。
ただし、図鑑とは違って卵の殻を体に装着していない。
「チョッケップリィィィ」
「あんよが上手、あんよが上手」
私はこの生物を、「カラナクシ」と命名しようか。
さて、次の町に行くか
515ノビタ ◆UIEMKhGpfE :2007/07/15(日) 20:48:46 ID:???
のび太はつながりの洞窟に到着した。
もちろん、その前にピクニックガールと電話番号を交換したのは言うまでもない。
「あ、君おいしいシッポはいらない?」
それは少し興味がある。
「味はオタフクソース味、マヨネーズ味、チョコレート味があるよ。
今ならたったの100万円! どう? 買うでしょ?」
いや、いいっすわ。どうせいつか9800円で買えるし。
「なんだ冷やかしかよ消えな」


トンネル抜けたらそこは
「夢の遊園地」
「水と風のハーモニー」
おいでよ
「HEY!」
遊ぼ
「HEY!」
準備はいいか〜い
「ウキウキウキウキ」
STEP!
「ムキムキムキムキ」
マッチョマーン
516ノビタ ◆UIEMKhGpfE :2007/07/15(日) 20:49:46 ID:???
「ジムに行こう。虫タイプなんざ俺の炎で焼いてやるよ」
よし、行こう。


「…へへ、おれ筑井丸史郎 略してツクシ 付き合ってよおにーちゃん」
筑井丸史郎 事故死
津久井丸史郎 事故死
築井丸司郎 事故死
佃井丸史朗 事故死
:
:

さあ、どうなる!
「逃げた!」
「おっとこっちはストライクだぜ」
「おいツク危な……」

……デスノート 偽物だな。
「余興は終わりだ、行け僕のトランセル!」
すごく……でかいです
「これは虫とり大会で捕ったんだ いいだろ〜」
つまりかたくなるしか出来ない…と
「一応体当たり使える」
517ノビタ ◆UIEMKhGpfE :2007/07/15(日) 20:50:41 ID:???
リザフリー、火炎放射
「トランセル」
トランセルは倒れた!
「糞! 行け僕のコクーン!」
「すごく……でかいです。火炎放射」
コクーンは倒れた!
「ならばストライクだ!」
「火炎放射!」
しかしストライクは影分身をしてかわした。
「影分身影分身影分身!」
「火炎放射火炎放射火炎放射!」
ストライクに命中!ストライクは倒れた。
ニア 僕の勝ちだ。
 い、いやだ…死にたく無い
 さよならレイ・ペンバー

「僕の負けか……インセクトバッジを拾って失せな愚民ども」
あばよ!
「吠え面掻いてな!」
「チョッケップリィィィ」
僕はジムを出た。
518ノビタ ◆UIEMKhGpfE :2007/07/15(日) 20:52:16 ID:???
投下終了します
ちなみにしまじろうのエンディングを見たことがないです。
519名無しさん、君に決めた!:2007/07/15(日) 20:55:26 ID:???
フリーダムwww
乙乙
520名無しさん、君に決めた!:2007/07/15(日) 21:03:36 ID:???
カラナクシwwww
521名無しさん、君に決めた!:2007/07/15(日) 21:03:36 ID:???
っちょwwwww
糞オモシロスwww乙wwwぷはwww
522名無しさん、君に決めた!:2007/07/15(日) 21:27:01 ID:???

しまじろうかよ…笑ったぜw
523電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/15(日) 22:18:33 ID:???
ギンガ氏トキワ氏ノビタ氏乙です
自分も投下します
前回>>430-432
524電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/15(日) 22:19:29 ID:???
それから約一ヶ月後――

「お〜いのび太ク〜ン! また未来に行こうよ〜!」
「ん、何だっけか? ああ! もしかしてポケモン!? すっかり忘れてたよ! でも急にどうしたんだい? 」
「これを見てよ! 」

ちゃらららっちゃらー

「バーチャルゲームプレーヤー、Winbows Destaバージョン! 」
「……何コレ?」
「これはゲームの世界を体験できる道具さ。 実際はパソコンに入り込んで、ああだこうだって感じだけど、どうせ分からないだろうから説明は省くよ。
まあつまりは、ポケモンがリアルにできるって事だよ! 」
「凄いよドラえも〜ん!! 早速みんなを誘ってやりに行こう!
 でも、どうしてこんな凄い物をドラえもん持ってるのさ?」
「懸賞で当たったんだ! “新・22世紀、絶対当たる懸賞術” のおかげかな!」
(名前からして胡散臭い本だな…)

それから間もなく、野比家には5人の子供とロボットが集まった。
525電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/15(日) 22:20:05 ID:???
そして再び2115年へ――

『着いたー!』
「早速早くやろうよ〜!」
「そうだ! 早く準備しろドラえもん!」
「ドラちゃんだって完璧じゃないのよ。 急かすのは良くないわ。」
「そっ、そうだね静香ちゃん! ドラえもんもじっくりゆっくりとやればイインダヨー。」

「よし、出来た!」

『おおー!』

「どうやるんだドラえもん!」
「えっと、今パソコンと繋いだから、このバーチャルコントローラーを握って、マスターボタンを僕が押せばいいんだ。」
「よーし! みんな行くぞ―!」
「みんな準備は〜?」
「オーケー!」
「それじゃあ、みんなでポケモンの世界へ・・・ 」
『レッツ、ゴー!!』
526電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/15(日) 22:22:27 ID:???
レッツゴーの合図で、ポケモンの世界にやって来た一同は、
気がついた時には、町に投げ出されていた。
周りには、ワカバタウンの風景が広がっている――

「痛いよジャイアン! 上に乗らないでよ! 」
「スネ夫の癖に生意気な! ギタンギタンにされたいのか! 」
「まあまあ喧嘩するなよ〜。 早くポケモンを貰いに行こうよ。」
「そうだな。 博士からポケモンを貰ったら、スネ夫をギタンギタンにしてやるぜ!」

スネ夫とジャイアンの力関係は相変わらずである。
しかしそれは無視して、ドラえもんが仕切り出す。
「君たちはこの前もやっただろ。なんかヒントみたいなのを覚えてないのかい?」
「1ヶ月も経ったら忘れるよ。」
「そうだ。ドラえもんは待たせ過ぎなんだ! 」
「私も生憎殆ど忘れて…」
「ジャイアンはともかく、スネ夫と静香ちゃんも覚えてないのか。のび太君も?」
「当然さ!」
「…威張るなよ。出木杉君はどう?」
「えっ、ああ! 僕も全く覚えてないよ!
いっ、いいじゃないか! みんな新鮮な気分で出来る事だし。」
527電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/15(日) 22:23:52 ID:???
「まあそうだね。 あと、みんなに先に言っておくけど、道具の設定は100日分にセットしてあるからね。
終わったら過去から来た時間に帰ればいい。
もしなんかあったら、ポケギアが貰えるハズだからそれに全員の番号を入れとけば大丈夫だよね?
説明は以上! さあ、博士の研究所に行こう!」
こうして5人は歩き出す。
しかし、出木杉一人は何かのノートを見て考え事をしている。

(フフフ・・・。 この“出木杉ノート”があれば序盤の攻略なんてチョロいもんさ。
あの時記録しておいて良かったな・・・。)

「おーい出木杉君〜! 早くしなよ〜。」
「あっ、ああ。今行くよ。」

そう返事をして、出木杉もドラえもんの方に合流していった。

★ 出木杉ノート 1ページ

・最初に貰えるポケモンはガチャガチャで決められる
→初心者用で扱い易いポケモンが多い
・モンスターボールは店売りされていない
→モンスターボール等の捕獲アイテムは、クエストの報酬等での入手に限定されるため、無駄遣いは出来ない。
ちなみに、始めに3個貰える
・ゲームシステムはダイパと同じと考えて良い。
但し、ダメージ計算式は本編とは根本的に異なる
→ポケダンに近いものとなる


…流石優等生。小学五年にして箇条書きでキレイにまとめてある
528電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/15(日) 22:24:42 ID:???
投下終了です
529名無しさん、君に決めた!:2007/07/15(日) 22:30:56 ID:???
乙!
出来杉wwwwww
530名無しさん、君に決めた!:2007/07/15(日) 22:34:48 ID:???

ネトゲみたいだな
531フェイル ◆Q43ANlifNA :2007/07/15(日) 22:51:14 ID:???
みなさんGJ!
投下開始。
532フェイル ◆Q43ANlifNA :2007/07/15(日) 22:51:55 ID:???
ジャイアンとスネ夫は、守衛のついた一室に案内された。
牢から引導してきた男が黒い扉を開けると、二人の目の前には白髪の老人が立っていた。
「二人の少年以外は退室してくれ」
老人が命令すると、ジャイアンとスネ夫を残して他の者はさっさと退室してしまう。
ポツンと立ち尽くす二人は、老人と顔を見合わせた。
老人は微笑んでいたが、表情はどことなく悲しげであり、物憂げだった。
白髪や、顔に刻まれた皺がくたびれた印象を与えてくる。
けれども同時に、引き締まった黒いスーツ姿が逆らい難い雰囲気を出している。
もっともそんな雰囲気、この少年の前には無意味だったが。
「おい、お前がさっきの奴らの親玉なんだな!?」
ジャイアンは怒鳴り声で質問する。
横ではスネ夫がビクッと肩を竦めた。
「ちょ、ちょっとジャイアン。まずいよそんな声だしちゃ……」
スネ夫の声はどんどん尻すぼみになっていった。
それと反比例して、ジャイアンの声が荒げられていく。
「いったいどうして俺たちを牢屋に閉じ込めたりなんかしたんだ!
 俺たちは何もした覚えはねぇし、お前らが誰なのかも知らねぇぞ!!」
すると、老人は眉間に皺を寄せた。
「なんと……わしら石蕗会のことを知らないのか?」
「あぁ! んなもん聞いたことねぇ。そんなことより何で俺たちが連れてこられたのか教え」
「まぁ、待て。静かにしてくれ」
老人はここでようやくジャイアンを制した。
「わしらがお前たちを連れてきたのではないぞ。
 お前たちの方から……やってきたのだ。空からな」
533フェイル ◆Q43ANlifNA :2007/07/15(日) 22:52:39 ID:???
「へ?」
ジャイアンとスネ夫の声が一致する。
「で、でもおかしいじゃんか。俺らここへ来る理由なんて無いし。
 ……何で?」
ジャイアンの視線がスネ夫へと移った。
「そ、そんなこと急に振られたって……ぁ」
ふと、スネ夫はタイムマシンでの事故を思い出した。
手を筒にしてジャイアンの耳を包む。
「ほら、ジャイアン。きっとあれだよ。
 僕らタイムマシンに乗ってて、それで乱流に巻き込まれたんだよね?」
こそこそとした喋り声がジャイアンにだけ届く。
「乱流のせいで、僕たち気を失ったんだ。
 それでもタイムマシンは到着して、僕らをこの時代、この場所に落としたんだよ」
「! そうか、それで――」
咄嗟に大声を出したジャイアンは、老人に見据えられて口を噤む。
「何かわかったのかね? お前たち」
しどろもどろしているジャイアンの隣で、スネ夫が咳払いする。
「どうやら僕たちは、タイムマシンの事故でたまたまここへ来てしまったようです。
 なのでコレといった用件はありません。帰れと言われたらすぐに帰りますので――」
流れるような調子で、スネ夫がすらすらと言葉を並べていく。
いろいろと飾っているが、要はここから帰らせてくれということらしい。
ジャイアンにもそのことが理解出来てきたところで、老人は首を横に振った。
「残念だがそれは出来ない。例え子供でも無理だ。
 それが石蕗会のルールだからな」
534フェイル ◆Q43ANlifNA :2007/07/15(日) 22:53:31 ID:???
「子供って……僕らはもうすぐ高校生ですよ!?
 タイムマシンを動かすことも出来ますし、何も心配されることは」
「そういう問題ではない」
笑い飛ばそうとするスネ夫の言葉を切り、老人ははっきりと言う。
「石蕗会のルールだと言ってるのだ。
 誰であろうと、この組織の中に入ったものを開放するわけにはいかない。
 それに、どうやら君たちは気づいていないようだな」
老人はそういうと、部屋の隅に置かれた大きな鏡を指した。
ジャイアンとスネ夫はそれを見て、目を見開く。
そこに映っていたのはどう見ても、小学生の頃の自分たちだった。
「恐らく君らは時空の乱流に巻き込まれたのだろう。
 その影響で体が時を遡り、今の姿になったのだ」
老人の説明は二人の耳を貫通していた。
二人はただ愕然と、鏡に映る自分たちの姿を見つめている。
「――そうだ、君たちに一つ言うことが」
その時、突然扉が開かれた。
「石蕗会長! 客人が来ています」
入ってきた男に対し、老人こと石蕗会長は顔を向ける。
「後には回せないのか? 今はこの子らに話があるのだが。
 誰が来たのか言ってくれ」
「えぇ、それが」
男は一瞬戸惑った。
「つわ――いえ、榊ダイゴ様で」
途端に会長の顔色が変わる。
「すぐにいく。この子らを育成所に案内してやれ」
会長は素早く歩き出し、扉のところで身を翻した。
「さっき言おうとしたことだ。育成所にはお前たちの仲間がいるぞ」
535フェイル ◆Q43ANlifNA :2007/07/15(日) 22:54:15 ID:???
石蕗会は『裏』社会の組織。外に広められてはいけない名前だ。
下部組織をいろいろ従えて、『表』の世界には言えない研究や行動をしている。
言ってみればテロリストだ。
今は力を溜めていて、そのうちきっと世界を転覆させるようなことを――
下っ端の理想論を聞きながら、一行は鉄扉にたどり着いた。
『育成所』と看板か掛けられている。
「ここに誰が居るって?」
ジャイアンは改めて下っ端に質問した。
下っ端は鍵取り出しながら首を横に振る。
「名前は知らない。でもお前らと一緒に落ちてきた女の子だ」
女の子――ジャイアンとスネ夫はハッとする。
「も、もしかしてしずちゃんもここに!?」
期待を寄せて二人は、開かれた鉄扉の奥に突入した。
瞬間、辺り様子が一風変わっていることに気づく。
広々とした部屋――いや、むしろ中庭に近い。
下には草地の床が広がり、上には巨大な窓が取り付けられている。
今は夜中らしく、星空が広がっていた。
「な、なんだここ」
突然外に飛び出されたような空間に、ジャイアンが呆然と言った。
その目を足元に向け、何か丸いものがたくさん転がっていることに気づく。
「これは……卵?」
「ひょっとしてポケモンの卵かなぁ」
スネ夫は屈みこんで卵の一つを抱える。
「あ、あれ? ひょっとして」
スネ夫の手のひらの上で、卵が微かに動いた。
536フェイル ◆Q43ANlifNA :2007/07/15(日) 22:55:07 ID:???
「お〜い、しずちゃん。どこだ?」
ジャイアンは呼びかけながら、草むらの中を進んでいった。
一際丈が長い草むらに入り、速度は自然と落ちる。
「くそ、進みづらいなぁ」
草を掻き分けていくと、物音がジャイアンの耳に届く。
「しずちゃんか!?」
期待を込めて顔を向けたその時、草むらが動き出す。
素早く切り裂く音と共に草むらが崩れ落ちていく。
ジャイアンに行動を起こさせるよりも早く二本の鎌がジャイアンに降り注ぐ。
「キノココ、しびれごな!」
そんな声が聞こえてきたのは、ジャイアンが恐怖で目を瞑った瞬間だった。
黄色い粉が噴出され、鎌はジャイアンに数センチ上で止まる。
ゆっくりと目を開けたジャイアンはようやく鎌の正体が見えた。
ストライクが体を引き攣らせて立っている。
「な、なんだ? どうして動かないんだ」
「しびれごなで麻痺してるのよ」
冷静な声が聞こえ、ジャイアンは振り向いた。
「目が覚めた? 武さん」
「しずちゃん!」
ジャイアンは驚き、そして笑顔になった。
「よかった。やっと会えたぜ。ホントこんなとこで会うなんて」
突如風を切る音がして、見るとストライクの鎌がジャイアンそばに振り下ろされていた。
「ここから離れましょ。まひ状態でも動くことはあるから」
静香はそういうとジャイアンを手招きする。
額に嫌な汗を掻きながら、ジャイアンは後をついていった。
537フェイル ◆Q43ANlifNA :2007/07/15(日) 22:55:44 ID:???
「あたしはあなたたちより先に目覚めたの」
部屋の中央にある切り株に腰掛け、静香は語りだす。
「会長からいろいろと説明を受けて、その後ここに案内されたわ。
 始めは戸惑ったし、怖かったけど……すぐ慣れちゃったわね」
「へ、へぇ」
ジャイアンは平然としている静香を見て軽く恐怖した。
(俺はまだ戸惑いまくってるっていうのによぉ)
「どうかした? 武さん」
静香に質問され、ジャイアンは首を横に振る。
「いやぁ、別に。
 と、ところでここって何の部屋なんだ?」
「育成所よ。強いポケモンを育成するとこなの。慣れると楽しいわ」
静香は楽しそうに説明を始めた。
「基本はまず卵作りからなの。強いポケモンってのは産まれたときから他と違うのよ。
 ゲームでやったのと同じよ」
ジャイアンは記憶の片隅から、ポケモンを育成した記憶を蘇らせた。
確かスネ夫に教えられて、それから育て屋に通いつめたり、町中を自転車で走りまくった。
やがて単調な作業に飽きてやめてしまったが。
「それってすごい手間がかかるんじゃ無かったっけか?」
ジャイアンがきくと、静香はクスクスと笑う。
「そうね、ゲームだと最強を目指すのは難しいわ。
 でもここは現実の世界。見るのはステータスじゃなく、ポケモンの素質なの。
 天才って奴ね。ここの科学力はすごいから、機械を使えばすぐに――!」
静香の足元の卵が割れ、中から小さなゴニョニョが出てくる。
それを見て、静香はすぐ携帯電話のような機会を取り出してゴニョニョにかざした。
「……チッ、凡骨め」
ゴニョニョをあっさり捨てる静香から、ジャイアンは何か底知れないものを感じた。
538フェイル ◆Q43ANlifNA :2007/07/15(日) 22:56:39 ID:???
投下終了。
では。
539名無しさん、君に決めた!:2007/07/15(日) 23:00:48 ID:???

凡骨、城之内のことか?
540名無しさん、君に決めた!:2007/07/16(月) 00:17:41 ID:???
乙だけど、フェイルはぽけもん板で投下してほしいな…
541名無しさん、君に決めた!:2007/07/16(月) 10:43:13 ID:???
黒静香www乙
542ノビタ ◆UIEMKhGpfE :2007/07/16(月) 22:01:49 ID:???
今日の地震でうちの婆さんの具合が心配です。
投下します。
543ノビタ ◆UIEMKhGpfE :2007/07/16(月) 22:02:35 ID:???
ウバメの森。
ここには、怪しげな祠があるという。
さらに、昔この森に迷いこんだょぅι゙ょの墓もあるという。
のび太一行はその森を通り、コガネシティに向かうのであった。



「ある日」

「森の中」
……
「熊さんに」
………
「出会った」
…………
「おや、あんなところにお墓があるぞ」
本当だ。お花も添えてある。
あれは…林檎の花だ。
「まだ新しい……どうやら昨日の昼に代えられたようだ」
お墓の状態もピカピカ……毎日来てるみたいだ。
「ペロ……これは青酸カリ!」
「んなわけあるか! それは雑草剤だ!」
544ノビタ ◆UIEMKhGpfE :2007/07/16(月) 22:03:34 ID:???
お前は……スネオ。
「のび太か。ここで何してる。ここは僕の森だぞ!」
「君も男なら聞き分けたまえ。」
「その墓に触るな! さっさと森から失せな!
ランターン! あいつらを追い出せ!」
「見せてあげよう、ラピュタの雷を!」
ランターンのかみなり! リザフリーには効果がないみたいだ……
「ナニッ」
「リザフリー、容赦せん!」
リザフリーの地震!効果は抜群だ!
ランターンは倒れた……
今の衝撃でお墓が崩れた!
「あ……ああ……」
スネオの怒り!
スネオの怒りのボルテージが上がっていく!
「許さなァァァァァァい!」
545ノビタ ◆UIEMKhGpfE :2007/07/16(月) 22:04:40 ID:???
こいつ……キレてる。
「セレビィ! 僕に力を!」
なんと!セレビィがスネオの元に現れた!
「セレビィ! あいつは地面タイプを持ってる!
ソーラービィム!」
「ヘアッ」
セレビィの口から光の光線が発射された。
効果はいまひとつのようだ……
「あ〜? 蚊が刺したか?」
リザフリーのヘドロ爆弾!
セレビィは毒状態になった。
「セレビィ……大爆発」
「工エエェ(;゚д゚;)ェエエ工」
セレビィの体が光りだした!
「いいんだ……いま行くよ、ヒノキちゃ……」
リザフリーには効果が無いみたいだ……
「……我が人生に悔いなし」


「ふぅ……厳しい闘いだったぜ」
この墓を守ってたの、スネオだったんだな。
悪い事したな。
のび太は、町に戻り、林檎の花を買ってきた。
林檎の花。花言葉は「椎名林檎」



一方コガネシティ
「ハァ……ハァ……許さないぞ……
のび太……そしてツクシ!!」
546ノビタ ◆UIEMKhGpfE :2007/07/16(月) 22:06:00 ID:???
――そしてコガネシティに行くまでの道路にて

「引越し!引越し!さっさと引越し!」
育て屋からおばさんが顔を出して騒いでいる。
やかましいな。
「おいババア! うるさいn」
「引越し!引越し!さっさと引越し!しばくぞ!」
相手を引越しさせるまで、引越しおばさんの怒りは止まらない   byド

「チョッケップリィィィ!」
「あら、うちの子が起きたじゃない!
てめえ少し黙れ!」
「Hip Hop Sip!Hip Hop Sip!
Say That Hip Hop Sip!」
電話ピポパポ110番っと。
「―以上、Mr.Childrenの皆様でした〜」
少し黙れ。そして謝れ。
547ノビタ ◆UIEMKhGpfE :2007/07/16(月) 22:07:14 ID:???
投下終了します。
台風の直後に地震とは、自然は残酷ですね。
548名無しさん、君に決めた!:2007/07/16(月) 22:08:32 ID:???
自然の猛威は恐ろしいよな
乙乙
549名無しさん、君に決めた!:2007/07/16(月) 22:14:33 ID:???

自然の驚異は恐ろしいな
550セカンド ◆AX.L.nmoTY :2007/07/16(月) 22:58:42 ID:???
久々に投下。
戦闘が3つ同時進行であり、その上3つとも書き終わってから投下するつもりだったので、しばらく投下を控えていました。
まだ3つ目のが最後までいってないけど、既に23レス分は溜まってる。

551セカンド ◆AX.L.nmoTY :2007/07/16(月) 23:00:01 ID:???
テンガン山中腹、雪原内。

「ブニャットとラフレシア……ね」
静香がマーズのポケモンを一瞥し、呟く。
「蹴散らしてあげる!ブニャット、催眠術!」
ブニャットの催眠術により、エンペルトが眠ってしまう。
だが、静香は気にする様子も見せずミミロップに指示を出した。
「ラフレシアに炎のパンチ!そして……」
「何!?」
マーズは驚く。
攻撃を放ったミミロップの横で、エンペルトが目覚めたのだ。
「状態異常を治す木の実……ってところかしらね」
歯噛みするマーズ。
それを見て、静香は勝ち誇ったような顔をする。
エンペルトの渾身の一撃、ハイドロポンプはブニャットを一撃の下に降した。

「まだ終わってないわ……ラフレシア!」
マーズの一声と共に、ラフレシアが動く。
エンペルトに眠り粉をかけようとするが、虚しく外れてしまった。
「どうやら運も私の味方のようね」
静香は依然、余裕の笑みを見せていた。
552セカンド ◆AX.L.nmoTY :2007/07/16(月) 23:01:00 ID:???
「行きなさい、チャーレム!」
マーズがチャーレムを繰り出すも、出てきた直後にミミロップのピヨピヨパンチが飛んでくる。
(……よし!)
心の中で安堵するマーズ。
静香のミミロップが甘えるを使ってこなかったのは嬉しい誤算だった。
そのお陰で、ピヨピヨパンチを受けたチャーレムが本来の攻撃力で攻撃出来る。

「とびひさげりっ!」
マーズの狙いは、エンペルトただ一匹だった。
彼女が踏んだ通りならば、エンペルトが静香のパーティの主力。
ここで潰しておけば、後々楽になる筈。
「お願い、エンペルト……!」
静香の願いも虚しく、チャーレムの攻撃によってエンペルトが倒れる。
その上、ラフレシアの眠り粉でミミロップが眠ってしまった。
「形勢逆転……ね」

静香は焦っていた。
(私の残り控えポケモンはロズレイドとパチリス。
ミミロップには薬を使うから、このターンは動けない。
相手のチャーレムとラフレシア……どう倒せばいいの?)
静香にとって、エンペルトを失ったのはかなりの痛手だった。
何せ、エンペルトは静香の手持ちの中でも屈指の強さを誇るポケモン。
まさかそれをバトル序盤に失う事になろうとは。
553セカンド ◆AX.L.nmoTY :2007/07/16(月) 23:01:51 ID:???
「お願い、パチリス!」
静香がパチリスを繰り出す。
それから静香の指示が飛ぶのにかかった時間、僅か一秒足らず。
「甘える!」

チャーレムはパチリスに甘えられ、攻撃力がガクンと下がる。
マーズは舌打ちをしながらも、的確な指示を飛ばした。
「チィ、厄介な……でも、まずはあのミミロップをやりなさい!」
攻撃力が下がったとはいえ、効果抜群のチャーレムの飛び膝蹴り。
それに加え、ラフレシアのエナジーボール。
ミミロップが耐えきれる筈も無かった。

マーズの顔に余裕の色が見える。
静香は仕方なくミミロップを戻し、ロズレイドを出す。
形勢は圧倒的に不利。
しかし、静香はまだ諦めてはいなかった。
「狙いをラフレシアに!」
静香の声が、パチリスをロズレイドを駆り立てる。
パチリスの怒りの前歯と、ロズレイドのじんつうりきがラフレシアを降した。
554セカンド ◆AX.L.nmoTY :2007/07/16(月) 23:02:50 ID:???
テンガン山頂上付近、雪原内。

ここでは、ドラえもんとジュピターが対峙していた。
「やっぱり来たのね、狸さん」
「僕は狸じゃない!猫型ロボットだ!」
ドラえもんが怒鳴り、先に行ったのび太とジャイアンを見つめる。
やがて、二人の姿は洞窟の中へ消えていった。

降り続ける雪と共に、二つのボールが宙を舞う。
ドラえもんのボールからはヌオー、ジュピターのボールからはスカタンクが出てきた。
「どうやら先取点は僕のものらしいね」
スカタンクなら、ヌオーの地震攻撃で倒せる。
そう踏んだドラえもんは、僅かに笑みを見せた。

「スカタンク、つじぎり!」
スカタンクがヌオーに斬りかかる。
ドラえもんはその状況を楽観していたが、やがてその顔は青ざめていく。
「甘いのよ、狸さん」
ジュピターが小声で囁く。
ドラえもんのヌオーはあっけなく倒れていた。
スカタンクのつじぎり、その一撃で。
555セカンド ◆AX.L.nmoTY :2007/07/16(月) 23:03:41 ID:???
「ピントレンズを持たせてたのよ」
ジュピターがドラえもんに言い放つ。
「なるほど……だから急所に当たったのか」
ドラえもんは感心しながらも次の手を考える。

「いけっ、ムクホーク!」
ドラえもんの選択は、切り札のムクホーク。
その空を裂くような咆哮に、ジュピターは少したじろいだ。
「ムクホーク、ブレイブバードッ!」
ムクホークが空高く飛翔し、勢いよくスカタンクに突っ込む。
それはまるで、全てを貫く矢のような攻撃。
「この一撃で決めろ!」
再びドラえもんの声が響く。
ムクホークは更に加速し、最高速度でスカタンクに突撃した。
それによってスカタンクは力尽き、倒れる。

ジュピターは歯噛みする。
(あの鳥をどうにかしないとやばいわね……でも、どうすれば)
ドラえもんのムクホークはかなり鍛えられている。
それ故、先手を取って倒さないと逆にこちらがやられる。
「ならこの子しか居ないわね……行きなさい、マニューラ!」
鋭い鉤爪を持ったポケモン、マニューラが現れる。
556セカンド ◆AX.L.nmoTY :2007/07/16(月) 23:04:45 ID:???
(マニューラ……やばい!)
危険を感じたドラえもんが、ムクホークをボールに戻そうとする。
だが、ジュピターはそれを読んでいた。
「追い討ちっ!」
ムクホークがボールに戻る寸前、マニューラの鉤爪がその身体を裂く。
瀕死には至らなかったものの、その体力はかなり削られてしまった。
「くっ……やっぱり強いか!……ん?」
ドラえもんが次のボールを取り出したところで、ふと気付いた。
自分が優勢なのにも関わらず、浮かない顔をしているジュピターに。

(……どうしたんだろ?あの顔……何か迷っているような)
少し蒼白で、迷いの色が見え隠れしているジュピターの顔。
それを気にならずにはいられないドラえもんだったが、とりあえず次のボールを放つ。
「いけ、ウソッキー!」

ドラえもんにとっては最良の選択だった。
防御力の高いウソッキーなら、先手を取られても反撃の一撃でマニューラを撃破出来る。
(一旦戻した方が得策かしらね……)
ジュピターがマニューラをボールに戻す。
だが、それもドラえもんの想定内の事だった。
「読んでいたよ!ウソッキー、ステルスロック!」
「くっ……」
見事に決まったステルスロックが、ジュピターにプレッシャーを与える。
557名無しさん、君に決めた!:2007/07/16(月) 23:07:37 ID:???
支援
558名無しさん、君に決めた!:2007/07/16(月) 23:08:34 ID:???
セカンド(笑)支援
559セカンド ◆AX.L.nmoTY :2007/07/16(月) 23:08:48 ID:???
投下終わり。
バトルなので文が稚拙だったり表現が似たりよったりだけど、多めに見てほしい。

あとぽけもん板についてだけど、セカンドの完結と同時に潰すことにする。
そっちが信用できないから使いたくないって言うのに、〜〜に使えるから残しておけ なんてのは虫が良すぎる話。
ぽけもん板で投下していた作者には申し訳ないと思っている。
それでは。
560名無しさん、君に決めた!:2007/07/16(月) 23:12:53 ID:???
561名無しさん、君に決めた!:2007/07/16(月) 23:19:13 ID:???
562名無しさん、君に決めた!:2007/07/16(月) 23:21:05 ID:???
済まないで済むと思ってんの?お前
563名無しさん、君に決めた!:2007/07/16(月) 23:29:37 ID:???
もう書くな
564トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/16(月) 23:40:36 ID:???
皆さん乙
投下します
565トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/16(月) 23:41:37 ID:???
       #11 「限界」

Dブロックのフィールドで、8人の選手が向かい合って立っている。
『ドラーズ』と『キッサキ同盟軍』、今から行われる準決勝の対戦相手同士だ。
キッサキ同盟軍のなかには有名なキッサキジムジムリーダー、スズナの姿も見える。
「今日の相手に勝てないようじゃあ、四天王にはまず勝てないよ」
昨日作戦を立てていたとき、スネ夫はそう言っていた。

第一試合のダブルバトルの選手がフィールドに入る。
ドラーズはのび太とスネ夫、相手はトキコとレイミという女性の2人組みだ。
「のび太、絶対勝つぞ」
スネ夫が囁き、のび太が「勿論さ」と返答する。

―――バトルは進み、ちょうどジュゴンを倒されたレイミがマンムーを繰り出したところだ。
「のび太、マンムーは生かしておくと危険だぞ!」
「わかった、最優先で攻撃するよ」
のび太はスネ夫の指示通りルカリオに波動弾を命じ、マンムーを倒す。
「マンムーを一撃で倒すか、のび太のルカリオが良く育っている証拠だ」
予想以上の展開に、スネ夫は笑みを浮かべる。
昨日とは違い、この試合は完全にドラーズが、いやスネ夫が支配していた。

「もう昨日のようなヘマはしない、絶対に……」
昨夜、スネ夫は仲間にそう誓った。
今日のスネ夫のバトルに、仲間の3人も彼の思いを感じていた。
566トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/16(月) 23:42:19 ID:???
一方のび太もまた、胸にある思いを抱えて戦っていた。
先日、結局ドラえもんは帰ってこなかった。
調査が忙しいんだろ、とジャイアンは笑い飛ばしていた。

『でも、でももしかしたら……』

嫌な予感がする、でも今やることは一つ、目先の闘いに集中することだ。
自分はドラえもんとの約束を果たさなければいけない、もし彼がいなくなったとしても……
「ルカリオ、波動弾だ!」
敵の最後の一体、ルージュラが倒れる。
「勝者、『ドラーズ』野比のび太、骨川スネ夫ペア!」
審判がのび太たちの勝利を告げる、両選手がフィールドから交代する。

「静香ちゃん、頼んだよ」
戻って来たスネ夫が静香に耳打ちする。
静香は無言で頷き、フィールドへ足を進める。

昨夜、キッサキ同盟軍の試合を見たスネ夫は静香に話を持ちかけた。
「静香ちゃん、明日の試合は絶対に勝ってほしいんだ
さっき見たから分かると思うけど、次の対戦相手にはジムリーダーのスズナがくる。
おそらく明日は大将で来るはずだ……多分、多分ジャイアンは……」
そこでスネ夫は一瞬言葉を詰らせ、暗い顔で呟く。

「多分ジャイアンは、スズナには勝てない……」

いままでジャイアンはレベル差で勝ってきたけど、ジムリーダー相手にそれは通用しない、戦術勝負となると確実に負けるだろう。
だから大将戦までまわさずに勝負を決めなければいけない、スネ夫はそう静香に言った。
だがこの一言によって与えられたプレッシャーが、傷つくポケモンの姿に加わって静香の苦しみを増幅させる。

―――そして再び、静香の脳裏にあの光景が甦る。
567名無しさん、君に決めた!:2007/07/16(月) 23:43:20 ID:???
またトキワか
もう飽きたから死ね
568トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/16(月) 23:43:43 ID:???
「静香ちゃん、落ち着いて!」
どんなに叫んでも、仲間たちの声は彼女に届かない。
今彼女の頭にあるのはあの光景だけ……
静香の最後の1匹、ロズレイドが敵の冷凍ビームをくらって倒れる。
「勝者、『キッサキ同盟軍』ヒデキ選手」
敵の勝利、即ち自らの敗北を告げられた静香は無言で後退する。

「ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい……」
静香は俯き、何度もそう呟いていた。
汗を大量にかき、異様なオーラをかもしだす静香。
「ま、まあ仕方ないさ。 後ろで休んでなよ」
初めてみる彼女の不気味な一面に、のび太はそう言うしかできなかった。

「まあとにかく、俺が勝てば決勝進出だから大丈夫さ!」
ジャイアンが豪快に笑い飛ばし、フィールドへ向かう。
スネ夫は不安を抱えつつも、この試合をジャイアンに託すことにした。

審判がバトル開始を告げ、両者がポケモンを出す。
ジャイアンの一匹目はリザードン、そしてスズナの1匹目は……
「ユ、ユキノオーだと?」
意外な敵の1匹目に、ジャイアンが思わず声を漏らす。
この時、ユキノオーの特性で天候が霰に変更される。
「なんだかよくわからねーが、氷タイプなんてリザードン一匹で楽勝だ!
早速行くぜえええ! 火炎放射!」
ジャイアンが勢いよく叫び、リザードンの火炎放射がユキノーに大ダメージを与える。
ユキノオーは気合の襷で耐えて吹雪で反撃したが、次のターンにやられてしまった。
「何だ、この調子なら楽勝かな……」
呑気に呟くジャイアンとは対照的に、スネ夫は苦い表情を浮かべる。
「ユキノオーを最初に出して来た……間違いない、スズナは霰パーティーだ……」
569トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/16(月) 23:44:47 ID:???
「霰パーティー?」
聞き慣れない言葉を耳にしたのび太が繰り返す。
スネ夫は仕方ないなという顔を浮かべて説明を始める。
「霰パーティー、略して霰パとも呼ばれているこの言葉は、名前通り霰の天候を利用した戦術のことだ
雨パ(雨パーティー)や砂パ(砂パーティー)と違ってあまり使われることはないけど、なかなか強力な戦術だよ
霰パの利点の一つめは、氷タイプ以外のポケモンに毎ターンダメージを与えることができる
そして二つ目の利点は雪隠れやアイスボディといった氷タイプの強力な特性が発動すること
後三つ目は、吹雪が必中技になることだ、これが霰パ最大の魅力だと思うよ」
「そういえば、そんなこと授業で習ったなあ」
呑気に言うのび太に呆れつつ、スネ夫は再びフィールドに目をやる。
ジャイアンが霰パを攻略できるのだろうか……スネ夫の胸に不安が募る。

一方ジャイアンはそんなスネ夫の不安など知らず、自信満々な笑みを浮かべている。
そんなジャイアンに向かってスズナは次にグレイシアを出す。
「また氷タイプか、余裕だぜ! リザードン、火炎放射!」
次の瞬間、ジャイアンは目を疑った。
命中率は100、外れるはずのない火炎放射が当たらなかったのだ。
「ど、どーなってんだよ?」

「グレイシアの特性は雪隠れ、霰の時に回避率が上がるんだ
それにあのグレイシアは光の粉も持っているようだ、回避率はかなり高いよ」
後方でスネ夫が苦い顔をして言う。
さらに追い討ちをかけるかのように、グレイシアは影分身を積み始めた。
選手に具体的なアドバイスをすることは禁止されている、ジャイアンにこのことを伝えることはできない。
負けを確信し、絶望的な表情を浮かべるスネ夫。
だが彼とは対照的に、ジャイアンはいまだ状況を理解できていなかった。
570トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/16(月) 23:45:38 ID:???
「くそ! 何で火炎放射が一発もあたらねーんだ!」
もはや敵の回避率が絶望的な高さまで到達していることなど知らず、ジャイアンはイラついていた。
一方影分身を積み終えたスズナはついに攻撃に転じる。
霰でじわじわと体力を削られていたリザードンは、吹雪一発でやられてしまった。
「そ、そんな……」
ジャイアンの心は少しずつ折れかかっていた。

そんな様子を見ても、対戦相手のスズナは手を緩める気などさらさらない。
勿論当然のことなのに、「ジムリーダーのくせに大人気ない」などと彼女を非難するものが現れる。
だが彼女だって必死なのだ。
『4億円を手に入れ、寂れた故郷キッサキをもう一度活性化させる』
そのためにジムの門下生に頭を下げてまでトーナメントに参加したのだ。
絶対に負けるわけにはいかない、彼女にはのび太たちにも負けない固い決意があった。

勝利に執念を燃やすスズナとは対照的に、ジャイアンからはいつもの貪欲に勝利を欲す闘志が消えかかっていた。
この状況を覆すことはできない、おそらくこのまま負けてしまうのだろう。
自分は最強ではなかった……その事実に気付かされる。
『こんな戦い方で、いつまで勝ち続けることができるんだろうか……』
予選のとき、何気なく考えたことを思い出す。
そうか、自分は所詮ここまでだったのか。
これが自分の限界だったのか……
ジャイアンの心が折れる……そのときだった。

「ジャイアン、授業で習ったことを思い出せ!」
のび太の叫び声が響く。
それを聞いたジャイアンの頭にあることが思い出される。
「そういえば授業で習ったな、『霰のとき、吹雪は必中技になる』って」
ジャイアンが思い出したように呟く。
まだ勝負を捨てるのは早いかもしれない、ジャイアンにわずかな希望が戻って来た。
571トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/16(月) 23:46:14 ID:???
ジャイアンの二匹目のポケモンはホエルオー、その圧倒的な巨体がフィールドを埋め尽くす。
スズナの使ってきた技は吹雪、天候のおかげで外れることがない。
「そう、霰状態で吹雪が外れることはない……
それは、俺たちにも当てはめることができるんだぜ!」
ジャイアンがニヤリと笑い、ホエルオーに命じた技は『吹雪』
スズナの表情がゆがむ、どんなに回避率を上げても必中技は避けられない。
「天候を逆に利用されちゃったか……」
スズナが悔しそうに呟く。

グレイシアとホエルオーは吹雪の撃ちあいとなり、耐久力で劣るグレイシアが先に倒れた。
最後にスズナが出したポケモンはトドゼルガ、耐久力も攻撃力も高い氷タイプの主戦力だ。
「吹雪はほとんど効かない、なら……」
ジャイアンはホエルオーに地震を命じる、対するトドゼルガは効果いまひとつの吹雪。
眠るを織り交ぜて粘ったものの、結局ホエルオーは敗れてしまった。
しかし地震をかなりくらわせた、後一発でもくらわせば倒れるはずだ。
そのわりには目先のトドゼルガはかなり元気そうだ、何故?
このときようやくジャイアンは、トドゼルガに“アイスボディ”という特性があったのを思い出した。
毎ターンアイスボディよ食べのこしで回復していたトドゼルガに、地震はほとんど意味を成さなかったのだ。
もうちょっと早く気付いていれば……ジャイアンが自分の愚かさを悔やむ。

最後のポケモンはカイロス、トドゼルガの弱点を付けるような技は覚えていない。
おそらくトドゼルガの攻撃を1、2発受ければ倒れてしまう、その間に攻撃技で敵を倒すことはできない。
となると残された道は一つ、運にすがることだ。
「カイロス、ハサミギロチンだ!」
―――霰が激しく舞う中を、自慢の鋏を構えてカイロスが駆け抜けていった。
572トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/16(月) 23:47:16 ID:???
ドラーズの4人はいま、部屋までの道を無言で歩いていた。

―――結局ハサミギロチンは命中し、ジャイアンは勝負に勝った。
スズナは泣きながらフィールドを去っていった。
彼女の仲間たちは「運が悪かった」と言い、彼女を必死に慰めていた。
一方勝ったジャイアンの心の中にも、何かやりきれない思いがあった。
途中で勝負を諦めかけたこと。
のび太の助言に助けられたこと。
運に頼って勝ったこと。
今回の勝負でジャイアンのプライドはズタズタになっていた。

部屋までの帰路で、沈黙に耐え切れなくなったスネ夫が四天王の試合を見に行こうと提案した。
「ごめんなさい、一人にさせてほしいの」
と言う静香を除く3人で観覧席へ向かった。
そしてそこで、3人は衝撃的な光景を眼にする。
となりのCブロックの試合で、片方の選手が相手のポケモンをいたぶるような戦い方をしていたのだ。
余裕で勝てる状況なのにあえて毒毒でじっくりいたぶり、とどめは強力な技でさす。
まさにそれは、悪魔のような戦い方だった。
黒いローブ、肩に書かれた5thの文字、おそらくMr.ゼロの配下だろう。
「最低だ、許せねえ」ジャイアンはそういって席を立ち、駆け出していった。

試合を終えた選手が出てくる一回の廊下、ジャイアンは先程の5thという人物に遭遇する。
「てめえ、ぶん殴ってやる!」
ジャイアンが5thのローブを掴む、ローブがはだけてその顔があらわになる。

―――その瞬間、ジャイアンも、後ろから追いかけてきたスネ夫とのび太も度肝を抜かれた。

「……ジャイ……子……なのか?」

ジャイアンが思わず、己の妹の名を口にした。
573トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/16(月) 23:48:08 ID:???
投下終了です

まずミュウ氏、すいませんでした
残酷な敵→正体はジャイ子というこのもろ被りな展開だけは避けたかったんですが、結局修正できませんでした。
完全な自分の力量不足です、本当にごめんなさい。

後諸事情により、これからは投下ペースが遅くなる可能性が高そうです、
574名無しさん、君に決めた!:2007/07/16(月) 23:49:23 ID:???
乙!
575名無しさん、君に決めた!:2007/07/16(月) 23:53:14 ID:???
576名無しさん、君に決めた!:2007/07/17(火) 00:05:52 ID:???

かませ犬はどの作品にも存在するものだな
577 ◆cAII3gBk5. :2007/07/17(火) 00:45:41 ID:???
乙 イイヨイイヨ
ドラキャラ自体が少ないんだし、キャラ被るのはしょうがない(;A`)
578名無しさん、君に決めた!:2007/07/17(火) 00:47:36 ID:???
>>577
溜めてる?
579名無しさん、君に決めた!:2007/07/17(火) 00:49:10 ID:???
>>578 週末に向けて書き溜め中
580名無しさん、君に決めた!:2007/07/17(火) 08:13:40 ID:???
乙!
トキワ英雄伝説氏はすばらしい!
勝ち上がるにつれて敵が手強くなっているのが感じられます。これを小説で書き表すのは難しいと思います。
今までの投下ペースが早かっただけなので、少しくらいペースが遅くなっても誰も責めないと思いますよ。
581名無しさん、君に決めた!:2007/07/17(火) 18:54:16 ID:???
なんという信者・・・いや、ファンというべきか
582名無しさん、君に決めた!:2007/07/17(火) 19:01:02 ID:???
>>581
香ばしい という言葉が適切じゃないか
583名無しさん、君に決めた!:2007/07/17(火) 19:04:15 ID:???
嫉妬すんなよ^^
584名無しさん、君に決めた!:2007/07/17(火) 19:06:49 ID:???
>>583
どう捉えたら嫉妬になるんだww
585名無しさん、君に決めた!:2007/07/17(火) 19:11:58 ID:???
トキワにファン
対して自分にはファンと呼べる人が居ない
だからファンを信者扱い
>>584
信者とか言ったら迷惑だから止めろ^^
586名無しさん、君に決めた!:2007/07/17(火) 19:16:22 ID:???
俺は>>581じゃないが、>>581はファンとも言ってるぞ
そもそも勝手な憶測だけで決め付けるのはやめような、頭弱い厨房
ってかこいつセカンドのアンチと同じ臭いがする……
587582 584:2007/07/17(火) 19:18:02 ID:???
>>585
認定厨は帰れ
588名無しさん、君に決めた!:2007/07/17(火) 19:23:27 ID:???
>>587
>>586も認定厨な訳だが^^
っていうか、俺はファンを信者扱いするのがトキワや>>580にとって迷惑になるから止めろと言ったのに何故セカンドアンチ扱いされなきゃいけないの?^^
お前の言ってる事相当理不尽だよ^^
っていうか、スレチだから止めるわ^^
ここは投下スレだから議論する場所じゃないし^^
それはお前もわかってるよな^^
くれぐれも人を信者呼わりするのは止めろよ^^
お前がやってる事は侮辱というんだよ^^
589名無しさん、君に決めた!:2007/07/17(火) 19:41:03 ID:???
^^←あれる前兆
590名無しさん、君に決めた!:2007/07/17(火) 19:44:08 ID:???
>>589
もう書くな
俺もだが
これじゃあ奴の思うツボ
591名無しさん、君に決めた!:2007/07/17(火) 19:44:33 ID:???
>>588痛すぎワロタ
これはごく稀に見る必死な消防wwww
まずお前とまともな議論ができるとは思わない
592名無しさん、君に決めた!:2007/07/17(火) 19:46:24 ID:???
>>591
投下スレで消防煽ってるお前も余り変わらんよ
593名無しさん、君に決めた!:2007/07/17(火) 19:46:39 ID:???
>>591
逆に見てて面白いからよくね?
>>588は自分がこのスレ最大の汚点だってことを意識しろよ
594名無しさん、君に決めた!:2007/07/17(火) 19:48:23 ID:???
>>588(セカンドアンチ)を叩く流れか。

>>588
もう消えなよ社会の底辺。
595名無しさん、君に決めた!:2007/07/17(火) 19:49:20 ID:???
セカンドアンチだけど>>588みたいな低脳と一緒にしないでください!><
596名無しさん、君に決めた!:2007/07/17(火) 19:51:40 ID:???
589のいってることは的中したなwww
597名無しさん、君に決めた!:2007/07/17(火) 19:52:11 ID:???
投下スレで自演で消防煽るお前はもっと痛い
598名無しさん、君に決めた!:2007/07/17(火) 19:52:43 ID:???
――いったん終了――
599ドラMモン ◆0oe33Tyq22 :2007/07/17(火) 23:31:08 ID:???
投下する。
ドラーモン氏キターと思った人、ごめんなさいでした。
さらに量が少ないですごめんなさい
600ドラMモン ◆0oe33Tyq22 :2007/07/17(火) 23:32:12 ID:???
一方そのころ……
「ここは……そう、ポケモンの世界なのね。おにいちゃんったら、一体どこに……
 あら、なにかしらこのポケモン。……人のポケモンみたいね。
 よしよし、飼い主に逃がされたか、飼い主がなくなったのね。
 今日からは、私が主人よ」
話は別の展開で動いていくとかいかないとか。
もしかしたら何も触れないで話が終わってしまうのかもしれない。
「ちょっと、ひどいじゃない」
そういう作者の作品に入ったあなたのうんがわるかったんです。
「ところで……あなたは誰なの?さっきからやけに私に話しかけてくるけど」
天の声です。ちなみに作者の脳内設定ではアナゴさんボイスです。
「放送局が違うけど……そこは大丈夫なの?」
小説で人気がないから大丈夫なのです。
「……いつまで引っ張るきなの、これで」
言われてしまったので、本編開始しまーす。
これもほんぺんだけどね。
601ドラAAモン ◆0oe33Tyq22 :2007/07/17(火) 23:33:12 ID:???
  ううう……
   むむむ……

ぬっひょー!死ぬかとおもった!まさか瓦礫の中に埋まるとはおもわなかった。
 あの後、建物が崩れたので、僕は瓦礫の中に埋まってしまったのだ。
それにしても……ひどいありさまだな。
中にはたくさんのギンガ団の団員がいただろうし……

いや、まてよ。
もしかしたら今落ちたときにいろいろあって大事なところが破れている女団員がいるかも
  グヘヘッヘヘヘヘヘヘ

なんてね。さて、こうなったらここにもう用はないし、先に急ぐか……
あれ?あそこにポケモンがいるぞ……誰のだ?
ポケモンの質を見る限りギンガ団のではなさそうだけど。
……あれ?あのでっかい亀、どこかで見たような気もするけど……
そういえば、誰かから聞いたな、「のび太のポケモンはのびただな。亀のポケモンなんかもってるよw」
って。

……のび太君じゃないかもしれないけれど、一様助けようか。
  テッテテー!ポケット一応取り返したんだよな。描写はないけど。
 ムードもりあげ楽団改造var〜。
これなら、僕が思ったとおりに楽団が演奏してくれるんだよな。
まったく持って小説の世界は便利だ。

さぁ、楽団よ、あそこに埋まっている人を勇気付けるのだ!

 ということがあって、話はのび太サイドにもどるわけで。
602ドラAAモン ◆0oe33Tyq22 :2007/07/17(火) 23:34:06 ID:???
投下終了。
さぁ、不満のエネルギーを私にぶつけるのだ
603名無しさん、君に決めた!:2007/07/17(火) 23:34:55 ID:???
畜生!乙だ
604名無しさん、君に決めた!:2007/07/17(火) 23:37:39 ID:???
貴様なんぞ
乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙
乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙
乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙
605名無しさん、君に決めた!:2007/07/17(火) 23:39:29 ID:???
オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオツオツオツオツオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ
オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ
606名無しさん、君に決めた!:2007/07/17(火) 23:43:46 ID:???
お前の作品なんてつまんねえんだよ
もう来なくていいぜ
しねばいいよ空気読んで
ロキ並にウザイよお前、正直
いなくなっちまえよ
おもしろくないんだから
つまんねえんだよボケ
607トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/17(火) 23:52:44 ID:???
ドラAAモン氏乙
投下します
608トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/17(火) 23:53:39 ID:???
       #12 「仲間」

ドラーズが滞在する425号室はいま、重い沈黙だけが流れていた。
……結局ジャイアンは、5thを殴ることはできなかった。
それもそうだろう、彼女の正体は自分が可愛がっていた妹だったのだから……
ジャイアンは手を放し、開放されたジャイ子は無言のままその場を立ち去っていった。

そして先程部屋に帰ってきてから数分、いまだに誰も口を開こうとはしなかった。
しばらくして、沈黙に耐え切れなくなったのび太が部屋を出て行く。
「僕ちょっと、静香ちゃんを探してくるよ」
のび太はそう言い残し、部屋を出ていった。

残されたジャイアンとスネ夫は、無言でいつのまにか置かれていた夕食に手をつける。
「ねえ、ジャイアン」
突然スネ夫が箸を止め、ジャイアンに話しかける。

返事をしないジャイアンに、スネ夫はそのまま話を続ける。
「明日の試合、僕たちが四天王に勝つには『奇跡』を起こさなければいけない
その奇跡に少しでも現実味を持たすには、僕たちが必ず勝たなければいけないんだ
シングル一戦目に出る静香ちゃんは様子がおかしいし、のび太もドラえもんのことで頭がいっぱいみたいだ
しかものび太の相手は四天王の中でもずば抜けた実力を持つワタル、あいつに勝利を求めるのは酷な話だ
静香ちゃんとのび太の両方ともが勝利する可能性は極めて薄い、勝つためには僕たちは絶対に勝たなければいけないんだ……
だからジャイアン、君が苦しんでいるのはわかってる……
でもいまはジャイ子のことを忘れて、試合に集中してほしいんだ……」

『ジャイ子』、その言葉に反応したジャイアンが立ち上がり、スネ夫の胸ぐらを掴む。
「お前に俺の何が分かるっていうんだよ! ふざけんな!」
ジャイアンが拳を振り上げ、スネ夫が思わず目を閉じる。
だがジャイアンはその拳を振り下ろさず、スネ夫から手を放して部屋を出て行った。
609トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/17(火) 23:54:17 ID:???
部屋に1人残されたスネ夫は、深い溜息をつく。
昨夜のバトルとジャイ子のことで苦悩するジャイアン。
試合で見たこともないような一面を見せ、いまだ部屋に帰ってこない静香。
姿を消したドラえもん、それを心配するのび太。
「こんな調子で明日、大丈夫なのかな……」
スネ夫の不安は尽きそうにもない。

―――場面は変わってここは5階、コロシアムの最北端
先程からコロシアムをさ迷い続けていた静香は、ふとここで足を止めた。
ここだけ壁に大きな透明のガラスが張られており、外の様子が見えるようになっているのだ。
そしてそこから見える光景は、満天の星空……

自分の心とは違い、美しく輝きを放つ星たち。
一瞬それに目を奪われるが、時間が気になって時計に視線を移す。
現在の時刻は午後8時、静香が1人になってからかなりの時間が経っていた。
仲間の3人は自分を心配しているだろうか、それとも呆れて放っているだろうか。
「どっちでもいいわ、私にはもう彼らに会わす顔がないもの……」
寂しく1人、夜空に向かって呟く。

「あれ、先客がいる」
突然後ろから声が聞こえてきた。
振り返ると、そこにはニット帽を被った同じくらいの年頃の少女がいた。
少女は静香の顔を見つめると、明るい声で言った。
「あ、あなたあのチームの! 久しぶりね」
満面の笑みを浮かべる少女の姿に、静香は首をかしげる。
「失礼ですけど……私、あなたとどこかでお会いしたことありましたっけ?」

静香がそう言うと、少女は笑みを絶やさず答える。
「あちゃー、覚えてないのか…… あなたたち、英才の知り合いよね?」
英才……彼女が出木杉のことを言っているのに理解するのに数秒かかった。
何故ここで出木杉の名が? 静香はますます首をかしげた。
610トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/17(火) 23:55:02 ID:???
静香がとりあえず出木杉の知り合いであることを告げると、彼女は言う。
「やっぱり、確かあなたたちのチーム『ドラーズ』だったかな?
ほら、私はあなたたちと戦った『チーム・コトブキ』の選手、つまり英才のチームメイトよ」
記憶をたどると、確かに彼女には見覚えがあった。
予選会場で勝利した出木杉を祝福していた輪の中に、彼女を見た記憶がある。
「どうやら、思い出してくれたみたいね」
彼女は再び、朗らかに微笑んだ。

2人はその場に座りこみ、星空を見ていた。
「ここ、綺麗でしょ! 私が見つけたお気に入りの場所なんだ」
笑顔で言う彼女に対して、静香も僅かな微笑みを返した。
「あ、自己紹介がまだだったね。 私はヒカリ、あなたは?」
「私は静香、源静香よ。 ヒカリ、よろしく」
静香はそう言って手を差し出し、ヒカリもその手を握って硬く握手をする。

2人はすっかり打ち解けあい、様々な他愛ない会話を交した。
ヒカリの屈託のない笑顔は、静香の緊張を解し、その心の癒しの存在となっていた。
『彼女なら、ヒカリならもしかしたら……』
ヒカリなら自分の悩みを解決してくれるかもしれない。
今あったばかりの少女に、静香は全てをゆだねようとしていた。
1人で悩み続けるのは辛かった、だれかに心の闇をぶつけたかった。

―――そして静香は、ヒカリに己の全てを打ち明けた。

話を聞き終えたヒカリはしばらく考え込むと、ある話を始める。
「ねえ静香、私の悩みも話していいかな」
ヒカリの顔に先程までの笑顔はない、そこには初めてみる彼女の深刻な表情があった。
611トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/17(火) 23:56:08 ID:???
ヒカリの悩み、それは出木杉に関することだった。

―――静香とそのチームメイト2人は、コトブキトレーナーズスクールの同級生だった。
そしてある日、彼女たちの学校に結城英才が転校してきた。
3人は早速彼に近づき、仲良くなった。
「……そう、確かに私たちは仲の良い友達だった
でも彼は、抱えている何かを私たちに見せまいと必死になっていた……」
そんな出木杉は、いつもどこかでヒカリたちに距離を一歩置いていた……

だがある日、いきなり出木杉が頭を下げて言った。
「お願いだ、僕と一緒にキングオブトーナメントに出てくれないか!」
普段会話しているとき、いつも3人に遠慮がちな出木杉。
そんな彼が誘ってきたトーナメント、3人は迷わず参加することにした。
「この大会で、彼の心の闇を知ることができるかもしれない…… そう思ったの」
ヒカリはそう言うと、黙り込んでしまった。

出木杉が抱える心の闇……その原因となる6年前の事件を静香は知っている。
でも言うべきではないと思った、このことは直接出木杉から聞くべきだと思ったのだ。
静香がそんなことを考えていると、ヒカリが唐突に問いかけてきた。
「ねえ静香、なんで私がこんな話したかわかる?」

ヒカリがこんなことを話した理由、自分の悩みも聞いてほしかったからではないと言うのか?
全く見当がつかず困る静香にヒカリは言った。
「いまのあなた、英才と似てるわよ」
自分が出木杉と似ている? 一体どういうことなのだろうか?
静香が考え込んでいたそのとき、少し遠くから声が聞こえてきた。
「静香ちゃーん、どこなのー?」
のび太の声だ、おそらく自分を探しているのだろう。
「あなたには私なんかより、もっと身近に相談する人がいるはずよ」
ヒカリはそう言い、また笑顔を見せた。
612トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/17(火) 23:57:25 ID:???
廊下からはのび太の声がまだ聞こえていた。
それを聞いていると、ヒカリの言いたいことが理解できたような気がした。
「ありがとうヒカリ、あなたに会えてよかったわ」
立ち上がり、そう告げる静香にヒカリは言った。
「あなたに一つアドバイス、相手を傷つけるだけがバトルじゃないわよ」
ヒカリはそう言うと、静香にサヨナラを告げてどこかへ去って行った。

残された静香は決心を固め、のび太の声がするほうに向かう。
「あ、静香ちゃん! も〜、心配したんだよ」
のび太は目に涙を浮かべて言う、そんな彼に静香は言った。
「ごめんなさい、のび太さん……
それと実はこれから、みんなに言いたいことがあるんだけど、いいかな?」
のび太は「勿論!」と返答し、早く部屋へ戻るよう促す。

2人が部屋に戻ると、ジャイアンとスネ夫が少し離れて座っていた。
なんだか険悪な雰囲気だったが、ここで躊躇するわけにはいかない。
静香はまず今日の行動をわびた後、一度息をのむ。

そして、3人に自分の悩みを全て打ち明けた。

―――ヒカリは言った、自分は出木杉に似ていると。
あれは身近な仲間に悩みを相談しようとしない自分に、同じ境遇の出木杉を重ねていたのだろう。
そしてヒカリは出木杉が自分たちに全てを打ち明けることを望んでいた。
だからヒカリは、出木杉に似た自分に仲間に相談しろと告げたかったのだ。
自分の仲間はどうだろう? 同じように自分に相談されることを待っているのではないか?
少なくとも自分が彼らの立場だったら、それを望むだろう。
そして静香は、仲間に全てを打ち明けることを決めたのだ。
613トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/17(火) 23:58:37 ID:???
話を聞き終えたのび太は言った。
「静香ちゃん、僕は悔しいよ……」
一呼吸入れた後、のび太は話を続ける。
「君の悩みにいままで気付けなかったことも悔しいけど、君が僕たちに今まで相談してくれなかったことが、僕は何より悔しい!」

のび太に続き、スネ夫とジャイアンも言う。
「そうだよ静香ちゃん、何で今まで僕たちに相談してくれなかったんだい?」
「俺たち仲間だろ? 黙って1人で抱え込むなんて、水くせーじゃねーか」
2人の言葉に合いずつを打ちつつ、のび太は言った。
「そうだよ静香ちゃん、もっと僕たちに頼ってよ! 悩みはみんなで共有しようよ!
だって僕たちは仲間だから、4人揃っての『ドラーズ』だから……」

その言葉を聞き終えたとき、静香の頬を一筋の涙が伝った。

「みんな、ありがとう……」

静香はそういって泣き崩れた。
―――何故気付かなかったんだろう、相談すべき相手がこんな身近にいたことに。
素晴らしい仲間が、こんな身近にいたことに……
7年間背負ってきた重い荷物がだいぶ軽くなったような気がした。
だっていまこの荷物を背負っているのは自分1人じゃない、3人の仲間が一緒に支えてくれている……

数時間後、4人はそれぞれ違う思いを抱えて寝床に着いた。
明日の相手はカントー四天王、最強の敵だ。

果たして奇跡は起きるのか? それは神だけが知っている……
614トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/18(水) 00:00:58 ID:???
投下終了です。
今日は雰囲気が悪かったので、投下を控えようかと思いました。
でもバーボンスレは常に傍観するだけ、スレをいい方向に持っていくような言葉を言うこともできない。
そんな自分にできるのは、せめて投下することぐらいなのではないかと思い、投下することにしました。

まあ、投下できるうちにしておきたかったというのもあるんですけど……
615名無しさん、君に決めた!:2007/07/18(水) 00:01:34 ID:???
乙!
616名無しさん、君に決めた!:2007/07/18(水) 00:02:38 ID:???

悩みを相談できる仲間か……
617名無しさん、君に決めた!:2007/07/18(水) 00:08:24 ID:???
乙乙乙乙
618名無しさん、君に決めた!:2007/07/18(水) 00:17:08 ID:???


>静とそのチームメイト2人
間違え…てない?
619名無しさん、君に決めた!:2007/07/18(水) 00:20:51 ID:???
乙です。
今日の朝レスして信者と呼ばれた者ですが、何やら私のレスから雰囲気が悪くなったようで、申し訳ありませんでした。

私は、信者とは何か良く分かりませんが、トキワ氏のファンのつもりです。
しかし、私はギンガ氏やドラーモン氏、ミュウ氏などなど、みんなが好きなので、みなさんといい雰囲気でいたいので、これからはレスする内容に気をつけようと思います。
やたら長くてすいませんでした。
620名無しさん、君に決めた!:2007/07/18(水) 00:25:13 ID:???
全ての発端>>619ktkr
621名無しさん、君に決めた!:2007/07/18(水) 00:28:17 ID:???
>>620
全ての発端ってことは無いだろ
事実バーボンのあれとはあまり関係ない内容だし

>>619
作者にとってファンができることは嬉しいが、行き過ぎると迷惑なところもある
ある程度はセーブして発言してくれ
622名無しさん、君に決めた!:2007/07/18(水) 00:31:17 ID:???
>>621
きっかけはそうだろ
話はそこからあさっての方向に向かってったが
623名無しさん、君に決めた!:2007/07/18(水) 00:33:03 ID:???
>>622
そうなるのか……
そうだとしても>>619を攻めるのはやめよう
完全にとばっちりだ
624名無しさん、君に決めた!:2007/07/18(水) 00:35:42 ID:???
>>619
とりあえず半月ロムれ
625名無しさん、君に決めた!:2007/07/18(水) 01:00:48 ID:???
>>624
お前も一ヶ月ロムれ
626名無しさん、君に決めた!:2007/07/18(水) 01:01:58 ID:???
じゃあ俺は二日ROMる
627トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/18(水) 21:53:16 ID:???
これから投下します
628トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/18(水) 21:54:11 ID:???
No.015『Highway Star』

ズキン。

始めにためるは微かな痛みを自らの肘に感じた。
そして次の瞬間、あることに気づいた。
自分の右手が……放しても無いのにいつの間にかハンドルから放れていたのだ。

「な、なんだこれは!?ヤバイ!」
ためるは思わず叫ぶ。
左手も500円をキャッチしようとしていたため、ハンドルから放れている。
よって彼のハンドルを制御するものは何も無い。
「ヤバイ!このままじゃあ転んでしまう!」
ためるはあわてて右手を伸ばそうとするが、力が入らない。
何故か、感覚がマヒしている。
そこで、彼は500円をポケットに強引に押し込み、左手一本でハンドルを握ろうとする。
しかし―――


バシッ!

何かが勢い良く飛んできてためるの左手を弾いた。
「クソッ!何だ!」
ためるはその方向をキッと睨む。
そこにいたのはメガネとゴリラ。二人はニヤニヤとこっちを見ている。
そして、メガネの手の人差し指と親指にゴムがかけてあり、いわゆる『パチンコ』を思わせる形になっていた。さっきのは恐らく、それで飛ばした石か何かだろう。
そしてメガネは次の砲撃を加える。
それはためるの自転車のハンドルに異常なまでの正確さでヒットした。
「うおあ!」
ためるは思わずバランスを崩す。
629トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/18(水) 21:55:39 ID:???
そんな自分を見てあの忌々しい豚が何やら言っている。
「俺が500円を投げた理由――それは二つある。
一つ目はお前の注意を引きつけ、『狙撃』をするために風の影響の無い場所に行くため。
もう一つはお前の片手をハンドルから離すため。
そしてお前が手を離した理由も特別サービスで教えてやる。
人間の肘にはな、神経が集中しててそこに強い衝撃を与えると、腕がマヒするんだよ。
昔トリビアで言ってたファニーボーンってのがそれさ。
後、恨むんなら俺じゃなくてのび太を恨みな
アイツがあんなに射的が上手くなきゃあ、こんなことは出来なかったぜ
お前の肘に正確に石をぶつけるなんてな。
分かったな、逆らうものは皆死刑―――――」
そこまで聞いてためるの意識は途絶えた。
完全に操縦不能に陥った自転車は、彼をコースの外の大木に導きそれに激突させたのだ。
その衝撃で、彼は完璧に気絶し、ポケットの貯金箱、いや、ためるBANK(通称TB)をも破壊した。
TB内のためるの愛しき財産達は、あるものは草むらに消え、またあるものは斜面を転がってゆき、またあるものは風に吹かれて何処かへ飛んでいってしまった。

それを見てジャイアンは言う。
「ざまあみろ馬鹿めw
そして現在一位のためるを俺達が抜いたから俺達が一位だ!」
ジャイアンが高らかに叫ぶ。
そしてのび太が言った。
「ジャイアン!池だ!池が見えてきたよ!」
630トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/18(水) 21:56:30 ID:???
「本当だ!」
池を目の当たりにし、ジャイアンのテンションも自ずと上がる。
自転車を漕ぐ力も強くなるというものだ。
「よーし、のび太、捕まってろ!」
「うん」
二人はまた風を切って走り出した。

――――――――

第二次試験のサイクリングロードトライアスロンの中盤には水泳という課題が課せられている。
その距離2キロの池を泳いで横断するのだ。
しかし、ただ泳いで横断するだけではただの体力比べになってしまう。
そこで、池の前のチェックポイントでは大小二つの船が貸されている。
小さい方は風呂桶程の大きさだが、大きい方は人が一人のれる位の大きさがあり、先端にワッカのついたロープがついている。
前者は泳いで渡る人が、荷物を乗せておくためのもの、後者はポケモンに船を引かせるためのものである。
故に、今回は水ポケモン、または「波乗り」が使えるポケモンを孵化させた受験者が有利になると言えよう。
631トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/18(水) 21:58:03 ID:???
*******

「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ……到着だ!」
「大丈夫?」
「大丈夫だ!
ちょっと疲れたが、なんともないぜ!」
のび太は心配そうにジャイアンの顔色を伺ったが、まだ余力はあるようだ。
のび太はほっと一息つき、辺りを見回す。周りに人はまだ居ない。のび太は首を傾げる。
「どうやら、正真正銘僕達が一位みたいだね。でも、人が居ないや
早すぎたのかな?」
「いや、多分他の連中はためるの「風」のせいで吹き飛ばされて失格したか、「風」を避ける為に迂回してるんだろ
まぁ、俺様が早すぎたのもあるけど」
「成程」
ジャイアンにしては賢明な分析である。
とりあえず、今、自分らはトップなのだ。
それは変わらない事実。しかし、油断はできない。これはただのレースでは無いのだ。孵化したポケモンで余裕の逆転も有り得る。
陸上はともかく水上ではいくら凄い水泳選手だとしても、ポケモンに勝てる気はしない。

というわけで、とにかく今は急ぐべき。二人はそう判断した。
632トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/18(水) 21:59:15 ID:???
ジャイアンは言う。
「とりあえず、今は急がねえとな。
俺がお前の分までの船を取ってきてやるから先にお前は服を脱いでおけ」
「あ、ちょっと待ってジャイアン……」
「ああん?何だぁ?」
のび太に呼び止められ、ジャイアンは歩みを止める。
のび太は続ける。
「あの……僕……ちょっと……その……」
何か言いたそうに、そして何やら申し訳なさそうにもじもじするのび太。
ただでさえ時間が無いのに、せっかちなジャイアンはその態度が我慢なら無い。
「のび太!何か言いたいなら早く言いやがれ!
時間がねえんだよ!」
と、怒鳴りつける。
そして、ジャイアンはまた忘れいた。
人並みの事が出来ないという少年、のび太のことを。

そしてのび太は言った。
「僕……泳げないんだ……」
「……………バカヤローーーッ!」
「いやなんで殴……グビッ!」
完全に忘れていた。
ジャイアンは、このどうしようもない友人をとりあえず、一発殴っておいた。

池はそんな二人を嘲笑うかの様に揺れていた。
633名無しさん、君に決めた!:2007/07/18(水) 22:01:08 ID:???
支援
634トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/18(水) 22:01:17 ID:???
今日はここまでです。
前作で登場したカホウ、キキョウ、コウ、実は有名なギタリスト二人の名前のアナグラムになっていたって気付きましたか?
635名無しさん、君に決めた!:2007/07/18(水) 22:02:30 ID:???

音楽のことは詳しく知らないから、当然気づかなかった
636名無しさん、君に決めた!:2007/07/18(水) 22:44:35 ID:???

同じく
637名無しさん、君に決めた!:2007/07/19(木) 00:00:59 ID:???


悪いがジミーとクラプトンとベックしか知らない……
638トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/19(木) 20:28:30 ID:???
>>618 返答遅れてすいません、間違ってます。
この場合は静香じゃなくてヒカリでしたね。指摘ありがとうございました。

では、投下します
639トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/19(木) 20:29:10 ID:???
       #13 「奇跡」

ドラーズがDブロック試合会場に到着した時にはもう、対戦相手の四天王が待ち構えていた。
テレビの奥でしか見たことのない、雲の上の存在だった四天王。
でもその彼らはいま目の前にいて、これから自分たちと戦おうとしているのだ。
これは現実なのか? 夢じゃないのか?
スネ夫が自分の頬をつねってみる、そこには確かな痛みがあった。

そうだ、現実逃避なんかしている場合ではない。
認めよう、いま起こっていることは全て現実なんだ。
自分たちはこれから四天王と戦い、勝たなければいけない。
それは奇跡的な確率だろう……でも自分たちはその奇跡を起こしてみせる、絶対に!
スネ夫は決意を固め、フィールドへと向かう。

対戦相手はカンナとシバのコンビだ。
勿論いままでの相手より圧倒的に強いのだが、四天王の中では下の方に位置している。
「後に続く2人の負担を軽くするためにも、絶対勝たなきゃいけない…… いいね、ジャイアン」
スネ夫の呼びかけに、ジャイアンは素っ気無い返事をする。

審判の合図でいよいよバトルが始まる、こちら側はジャイアンがヘラクロス、スネ夫がマルマイン。
対する敵はカンナがラプラス、シバがウソッキーだ。
「氷タイプ使い手カンナと、岩・格闘タイプの使い手シバ
敵はどんな手を使ってくるかわからない、ここは慎重に行こう」
マルマインに光の壁を指示しながらスネ夫が囁いた。

氷タイプの使い手……そう、昨日戦ったスズナも氷タイプの使い手だった。
甦る昨日のバトルの記憶、見え始めた自分の限界……

「俺に限界なんてあるわけねえ! ……俺は、俺は最強なんだああああああ!」

ジャイアンはスネ夫の言葉を無視し、ヘラクロスにインファイトを命じた。
640トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/19(木) 20:30:04 ID:???
ヘラクロスのインファイトはラプラスに届かなかった。
カンナはラプラスに“まもる”を使わせていたのだ。
三匹が行動を終え、一番素早さが低いウソッキーのターンが回ってくる。
シバが一言、呟いた。
「ウソッキー、大爆発だ」
もの凄い衝撃が辺りを包む、それが収まった時、立っていたのはラプラスだけだった。

1ターンで2体のポケモンを倒されたドラーズの2人は焦りを隠せない。
「ジャイアン、やっぱり慎重に行った方がいいよ」
「うるせえ! 黙ってろ!」
スネ夫の助言をジャイアンは一蹴する。
その迫力に押され、スネ夫は何も言えなくなってしまった。

先程倒れたポケモンの代わりに、新たなポケモンがフィールドに出される。
ジャイアンはリザードン、スネ夫はカビゴン、シバはハリテヤマだ。
ジャイアンは早速、シバのハリテヤマにエアスラッシュで攻撃する。
ハリテヤマは気合の襷で耐えたものの、体力はたった1になってしまった。
「やっぱり俺は間違っちゃいねえ!」
念じるように叫ぶジャイアンを、シバの一言が襲う。
「ハリテヤマ、カウンターだ!」
リザードンは戦闘不能、ジャイアンの手持ちは0になってしまった。

残されたスネ夫のカビゴンはのろいを積み、次のターン反撃に出ようとした。
が、ラプラスの絶対零度が2ターン目で命中、カビゴンは攻撃できないまま倒されてしまった。
無様な負けを喫し、俯きながら戻ってくるスネ夫とジャイアン。
「ごめん、僕たち負けちゃった……」
謝るスネ夫に、静香は優しく微笑みかけて言う。

「大丈夫、私が勝ってみせるから」
その笑顔は、スネ夫たちの心を優しく包み込む。
そう、まるで天使のように……
641トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/19(木) 20:31:02 ID:???
シングルバトルの出場選手、静香とキクコがフィールドに入る。
ドラーズはすでに一敗している、ここは絶対に落とせない試合だ……
静香はテッカニン、キクコはムウマージだ。
「敵はゴーストタイプ最強の使い手といわれるキクコ。 さて、静香ちゃんはどう出るのか……」
スネ夫が不安そうに呟く。

1ターン目、テッカニンはいつものようにまもるを使う。
それに対し、ムウマージは10万ボルトを使って失敗する。
2ターン目、テッカニンは影分身。
対するムウマージは再び10万ボルト、襷で耐えたテッカニンの残り体力は残り僅か1だ。
「あれ……」
のび太が先程の光景に違和感を覚える。
今までバトン戦術を使う時、静香は2ターン目には必ず剣の舞を使っていた。
何故今回は影分身なのか? ここで一つの可能性が浮かぶ。
「剣の舞を使わないということはバトンタッチで出てくるのは物理アタッカーではないということ
今回バトンタッチするポケモンは、エルレイドじゃないのか?」
静香がテッカニンのバトンタッチで出すポケモンはいつもエルレイドだった。
彼女はエルレイドの決定力にかなりの信頼を寄せていたはずだ。
果たしてエルレイドより決定力があるポケモンなど、彼女のパーティーにいただろうか?
のび太の疑問に答えが出ないまま、バトルは進んでいく。

静香はテッカニンに再びまもるを命じる。
それを予測していたキクコは瞑想を積ませ、次にバトンタッチで出てくるポケモンに備える。
そして運命の4ターン目、テッカニンはバトンタッチをする。
「見せてあげるわ、私の“新しい”切り札を……」
フィールドに現れたのは、白いボディを赤と青の三角模様で彩っているポケモン。
その名はトゲキッス、静香の手持ちで最強のポケモンだ。
642トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/19(木) 20:32:14 ID:???
「ト、トゲキッス! いつの間にあんなポケモンを!」
スネ夫が意外なポケモンの登場に驚きの声を上げる。
ポケモン界でも屈指の戦闘能力を誇るトゲキッス、それをまさかこの短期間で育成していたとは。
静香はポケモンを傷つけることに苦しみを感じていた。
彼女はトゲキッスを育成する時、一体何匹のポケモンを倒したのだろうか、そしてどれだけ苦しんだのだろうか……その苦しみを思うと胸が痛くなる。
「いまは静香ちゃんの勝利を信じて、黙って見守ろうよ!」
のび太の言葉に、スネ夫とジャイアンも賛成した。

キクコがムウマージに命じていたシャドーボールは、ノーマルタイプのトゲキッスには通じなかった。
だがキクコは決して苛立ったりせず、その冷静な態度を崩さない。
彼女にはムウマージでトゲキッスに勝てるという確信があったからだ。
向こうのトゲキッスはまだ素早さと回避率しか上がっていない、対してこちらは瞑想で特攻と特防を上げている。
しかもこちらは10万ボルトで弱点を付くことができる、勝てる見込みは十分あるのだ。

キクコは真っ向勝負を挑むことを決め、ムウマージに10万ボルトを命じる。
「トゲキッス、悪巧みよ」
対する静香は以外にも再び積み技を使ってきた。
一方ムウマージの攻撃は、影分身と光の粉で回避率を上げたトゲキッスには命中しなかった。
次のターン、特攻を上げたトゲキッスは当然攻撃してくるだろうとキクコは考えていた。
だが静香はまたもや悪巧みを指示した。
敵のムウマージの10万ボルトは今度こそ命中し、トゲキッスの体力を半分以上削る。

この光景を見てキクコはひっそりと笑う。
ムウマージは次のターンやられるだろうが、その次のポケモンが体力が減ったトゲキッスを倒すだろう。
そうしたら敵は2体、しかもその内の1体は体力が1しかないテッカニンだ。
この勝負はもらった、そう確信を持つキクコに、静香は意外な言葉を投げかける。

「トゲキッス、バトンタッチよ!」
なんと静香は2度目のバトンタッチを使ってきた。
フィールドにテッカニンとトゲキッス、2体の思いを受け継いだロズレイドが現れた。
643トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/19(木) 20:33:10 ID:???
ロズレイド……静香が始めて手にしたポケモン、スボミーの最終進化系だ。
静香は切り札トゲキッスを囮に使い、このロズレイドに勝負をかけてきた。
2連続のバトンタッチという奇抜な戦略に、静香以外の全員が驚いていた。

ムウマージがトゲキッスに撃とうとしていた10万ボルトは、草タイプのロズレイドにはあまり効かなかった。
そして次のターン、加速3回分と悪巧み二回分の能力アップを引き継いだロズレイドが反撃に出る。
「ロズレイド、シャドーボール!」
静香はロズレイドに攻撃を命令する、その顔に迷いはなかった。

―――昨日ヒカリは言った、『相手を傷つけるだけがポケモンバトルではない』と。
バトルとは何なのか? 自分なりの結論が出たような気がする。
ポケモンバトルとは、自分の目的のために様々なものをかけて戦うことだ。
では、自分の目的とはいったい何なのか?
自分が戦う理由……それに気付けた時、ポケモンを傷つけるのにも耐えられると思えた。

そう、相手を傷つけるために戦っているのではない、自分が戦う理由とは……

静香は新たな思いを胸に、戦いへ身を投じていく。
シャドーボールを受けて苦しむムウマージ、その光景を見ても不思議と以前のように気持ち悪くなったりはしない。
静香は迷うことなく敵のポケモンを倒していった。

「あれが静香ちゃんの、本当の実力……」
のび太たち3人が思わず息を呑む。
その後もロズレイドは敵のポケモンを一撃で倒し、見事に勝利を収めた。
無名の若きトレーナーが四天王に勝つ……
静香は見事、奇跡的な快挙を成し遂げて見せたのだ。

自分らのもとに戻って来た静香を、3人は手一杯歓迎する。
「じゃあ次は僕が奇跡を起こす番だね!」
のび太が言う、自分が四天王最強のワタルに勝つ……それは静香が勝った異常に奇跡的な確率だろう。
だが、『起こしてこそ奇跡』なのだ。
のび太の目は、対戦相手であるワタルをまっすぐに見据えていた。
644名無しさん、君に決めた!:2007/07/19(木) 20:41:12 ID:???
バイさる?
645トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/19(木) 20:42:20 ID:???
投下終了言うの忘れてました、すいません
646名無しさん、君に決めた!:2007/07/19(木) 20:44:24 ID:???
とりあえず乙
647名無しさん、君に決めた!:2007/07/19(木) 20:50:15 ID:???

結構テンポいいな
648名無しさん、君に決めた!:2007/07/19(木) 20:53:14 ID:???

異常→以上だと思うが、面白くてやはり飽きない。
649名無しさん、君に決めた!:2007/07/19(木) 21:42:23 ID:???
乙だがエアスラッシュはカウンターで返せないぞ
650名無しさん、君に決めた!:2007/07/19(木) 21:44:17 ID:???
改造厨の手下だからアリじゃね?
651最終兵器ヒトカゲ ◆9u2muKti1U :2007/07/19(木) 21:46:16 ID:???
今日の投下での参考までにどうぞ…
http://www.youtube.com/watch?v=EoDP1kd7yTI
B-DASHです。
652最終兵器ヒトカゲ ◆9u2muKti1U :2007/07/19(木) 21:47:25 ID:???
―――ところ変わって、22番道路。
出木杉がマンキーを捕まえる話まで遡る。

出「うーん…なかなか出ないな…」
出木杉はマンキーを探していた。
だが、幾ら探してもマンキーは出ない。
出「マンキーが中々出ないからケーシィ眠っちゃった…」
っとその時!!
出「マンキーキタ――(゜∀゜)――ッ!!早速捕まえよう!!」
だが、ケーシィは攻撃技など無いのだが…。
出「眠ったままでバトル×3 なんだかちょっと愉快…」
トンガリキッズのB-DASHに当てはめて頑張っている出木杉に不覚にも萌えw
653最終兵器ヒトカゲ ◆9u2muKti1U :2007/07/19(木) 21:49:00 ID:???
冗談はさて置き、彼の作戦はこうだ。
・まずマンキーの攻撃は全てテレポートで交わす。
・但し、テレポートはマンキーの周囲で行う。
・恐らくケーシィの素早い動きに翻弄され混乱。

果たして上手く行くのだろうか…

出「ケーシィ!! 作戦を実行するよ!!」
ケーシィは眠っているのかいないのか分からないが取り敢えずコクンと頷く。
――それは項垂れていたのだが、出木杉は以外にもこういう場面には鈍感だった。
654最終兵器ヒトカゲ ◆9u2muKti1U :2007/07/19(木) 21:50:14 ID:???
初めにマンキーが動いた。
ケーシィに飛び掛る――
出「テレポート!!」
ケーシィのテレポートに翻弄され序々に目を回し、混乱した。

出「捕まるかは分からないけど…行け! モンスターボール!!」
このときアニメで見るサトシを思い描いていたのは内緒だ。
655最終兵器ヒトカゲ ◆9u2muKti1U :2007/07/19(木) 21:51:41 ID:???
そして……。
出「計画通り…」
このセリフを言うためにわざわざ醜く歪んだ笑顔作り、隠しながらも
見事にマンキーを捕まえたのだった。

―――またまた場所が変わり、ニビシティ。
しず「ここがニビシティね…」
そう、静香は誰よりもいち早くニビシティへと到着していたのだった。
しず「早速ジムに挑戦しましょうか…ね?フシギダネ」
話しかける静香の顔を見て、武者震いを起こすフシギダネ。
それは、彼が''余裕''を醸し出しているようにも見えた。
656最終兵器ヒトカゲ ◆9u2muKti1U :2007/07/19(木) 21:52:33 ID:???

―――数分後。
しず「よく頑張ったわね、フシギソウ」
そこにはフシギソウを褒める静香の姿があった。
657最終兵器ヒトカゲ ◆9u2muKti1U :2007/07/19(木) 21:55:11 ID:???
投下終了です。
最後の部分だけ歯切れが悪かったですね^^;
すいません…。
658名無しさん、君に決めた!:2007/07/19(木) 21:57:50 ID:???
659名無しさん、君に決めた!:2007/07/19(木) 21:59:34 ID:???
乙、なんつーか読みやすい(笑)
ち、違うぞセカンドアンチ厨とはwwww
660トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/19(木) 22:02:18 ID:???
ヒトカゲ氏乙
自分はあまり偉そうなことを言える身ではありませんが、もうちょっと1レスに詰め込んだほうがいいと思いますよ。
まあ、自分の場合は逆に詰め込みすぎですが、常に改行制限ギリギリだし。

それと>>648 さん、>>649さん指摘どうも。
それにしても、またやっちゃいましたか……
とりあえず異常のミスは>>648さんの言うとおりで。
エアスラッシュのミスは、少々苦しいですがエアスラッシュの部分を全て燕返しに脳内変換しておいてください。
>>650さん、シバは普通の一般参加者だからそういうわけにはいかないんですよ。
ちゃんと見直してから投下してるはずなんだけどなあ……
661名無しさん、君に決めた!:2007/07/19(木) 22:03:53 ID:???
>>660
失礼なのは承知だが……ゲームの実戦はどのくらい積んでる?
662トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/19(木) 22:06:18 ID:???
すいません。 全くの素人です。
前も書きましたが、個体値やら努力値やらにこだわって育成したことが一度もないくらいの素人です。
毎回バトルを書くたびに資料と睨めっこしてます。
663最終兵器ヒトカゲ ◆9u2muKti1U :2007/07/19(木) 22:13:08 ID:???
トキワ氏、アドバイスthx
以後、気をつけます!!
664名無しさん、君に決めた!:2007/07/19(木) 22:14:08 ID:???
B-DASHって言ったからバンドの方かと思いました
乙です
B-DASHの「ちょ」は最高ですよ
665ロキ ◆zCpebmpy/g :2007/07/19(木) 22:22:44 ID:???

みんな久しぶり〜(^^)
666名無しさん、君に決めた!:2007/07/19(木) 22:25:05 ID:???
この場合はスルーが一番だよな?
667名無しさん、君に決めた!:2007/07/19(木) 22:27:35 ID:???
言わずもがな
668 ◆9u2muKti1U :2007/07/19(木) 22:38:02 ID:???
>>664
めがねも結構好きですw
669名無しさん、君に決めた!:2007/07/19(木) 23:02:05 ID:???
670メロス ◆VSSxXRQ5PY :2007/07/19(木) 23:22:17 ID:???
発投下します
671メロス ◆VSSxXRQ5PY :2007/07/19(木) 23:23:03 ID:???
〜第一恋〜
『旅立ちは突然に』


僕達は、ドラえもんの機械でポケモンの世界に行く事になった。
場面はマサラタウン。
しかし、僕の目的はチャンピオンになる事ではない。


ズバリ、しずちゃんとラブラブになる事だ。

のび太「ここがマサラタウン……」
しずか「あら綺麗な町」
のび太(君の方が綺麗だよしずか)
出木杉「君の方が綺麗だよしずか」
しずか「やん、出木杉さんたらこんな所で……恥ずかしい」
ジャイアン「出木杉ちょっと裏来い」
スネオ「出木杉?ボコボコにしてやんよ」
こんないつもの平和な昼下がり。
672メロス ◆VSSxXRQ5PY :2007/07/19(木) 23:24:09 ID:???
ドラえもん「まずはオーキド博士にポケモンを貰わないとね」
のび太達は研究所に入っていった。


オーキド「やあ(´・ω・`)ようこそオーキド研究所へ。
このテキーラはサービスだからまず落ち着いて飲んで欲しい」
のび太「未成年に酒飲ますなよ……」
しずか「しかもテキーラみたいにアルコール成分が高かったらベロンベロンになるわ」
のび太(しずちゃんをベロンベロンにしてその間に……夜b)
出木杉「君を酔わせてあげるよ。僕の愛というテキーラでね」
しずか「出木杉さん、素敵!」
ジャイアン「出木杉ちょっと裏来いや」
スネオ「出木杉?ボコボコにしてやんよ」
673メロス ◆VSSxXRQ5PY :2007/07/19(木) 23:25:09 ID:???
オーキド「ウォッホン!
昼間から見せつけてくれるな、若造が」
ドラえもん「早く貰おうよ」

こうして皆にポケモンが配られた。

のび太 ラルトス
しずか チョンチー
出木杉 イーブイ
ジャイアン ミミロル
スネオ スボミー
ドラえもん ロコン


スネオ「何この萌えポケの嵐」
ドラえもん「仕方ない仕方ない」
ジャイアン「出木杉ちょっと裏来いや」
出木杉「いいだろう……くっ……収まれ邪気眼!」
ジャイアン「何!?」
出木杉「邪気眼を持たぬ者には分かるまい……
ここにいたら迷惑をかける、今は去るとしよう……」
674メロス ◆VSSxXRQ5PY :2007/07/19(木) 23:26:11 ID:???
しずか「私も行くわ。じゃあね皆」
のび太「ま、待って!」
――ハッ そうだ!

のび太「しずちゃん、ポケモンバトルしようよ」
しずか「あら、のび太さんが誘うなんて不思議ね。
いいわ、相手になってあげる」
マサラタウンの中央通り、ここで白昼堂々熱いバトルが繰り広げられるのだった……


のび太「行け!ラルトス」
しずか「チョンチー、カモン!」
しずかが指をパチンと鳴らす。
その瞬間、チョンチーがボールから飛び出してきた。
しずか「先手必勝、スパーク!」
のび太「喰らえ!俺の魂の一撃!


メ ロ メ ロ だ」
のび太のラルトスが尻を振りだした!
675メロス ◆VSSxXRQ5PY :2007/07/19(木) 23:27:31 ID:???
ラルトスが相手を誘っている!
しずか「メロメロ……厄介な技ね。ポケモンが一匹しかいない今では」
のび太「いや、ラルトスの狙いはチョンチーじゃない!
君だよ、しずちゃん」
しずか「あたしが?」
のび太「さあ、そろそろ胸が熱く燃える程ヒートになってきたんでない?」
しずか「……別に」
のび太「なんだとっ!」

ミッ●ー(♂)「馬鹿だね、のび太君は。
君のラルトスは♀、同じ♀のしずかちゃんには効果がないのさ。
それなのにあのラルトス、ずっと尻振って誘惑してるよ。
可愛いなあ、ホント、食べちゃいたいくらいに」
676メロス ◆VSSxXRQ5PY :2007/07/19(木) 23:28:28 ID:???
のび太「な、なんだってー」
しずかのチョンチーのスパークが直撃!
ラルトスは倒れた……

しずか「じゃあ、お金は貰うわ。じゃあね」
しずかに敗北したのび太は、三分間地面を殴り続けていた……


のび太「さて、次の町に行くか」
仕切り直したのび太は、トキワシティへと足を進める。

店員「私はフレンドリィショップの店員」
のび太「さいですか…」
店員「きずぐすり、あげる」
のび太「さいですか…」
店員「……」
のび太「……」
店員「……」
のび太はその場を後にした。



店員「……」
677メロス ◆VSSxXRQ5PY :2007/07/19(木) 23:29:52 ID:???
現在の状況

のび太 ラルトス♀Lv5

しずか チョンチー♀Lv7

出木杉 イーブイ♀Lv5

ジャイアン ミミロル♀Lv5
スネオ スボミー♀Lv5

ドラえもん ロコン♀Lv5


【次回予告】
謎の店員の行動の意味は!?
のび太を狙うオッドアイ!
暗闇に二つの眼が光る……



子供A「わ〜ミッ●ーだ〜」
ミッ●ー「ハハハ、ミッ●ーだよ」
子供B「中の人だいじょーぶ?」
ミッ●ー「ハハハ、なんの事?」
子供C「名前なんてーの?」
ミッ●ー「ミッ●ーマウスだよ」


子供C「糞ッノートに名前を書いたのに死なない!
まさか……偽名!?」
678メロス ◆VSSxXRQ5PY :2007/07/19(木) 23:31:29 ID:???
投下終了ですよ
679名無しさん、君に決めた!:2007/07/19(木) 23:34:15 ID:???
( ゚∀゚)O彡゚こなたん!こなたん!
680名無しさん、君に決めた!:2007/07/19(木) 23:35:06 ID:???
ちょwバーボンwwww
681電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/19(木) 23:45:36 ID:???
皆さん乙です。
自分も投下させていただきます。
前回>>523-527
682電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/19(木) 23:46:31 ID:???
『ウツギ博士〜!
ポケモンを貰いに来ました〜!』

「ようこそ、ポケモンの世界へ!
まあ長い挨拶は聞きたくないだろう。 まずは、この高性能ポケギアを受け取りたまえ。
そして、ポケギアの指示に従って、あっちのガチャガチャを回すんだ。
健闘を祈る。」

と、かなり手抜きの挨拶を終えたウツギは研究所の奥へ戻っていく。
そしてこういう場合に一番乗りで進んでいくのは勿論…… ジャイアンである。
「よし、まずは俺様から回しに行くぜ! 」

そう言いながら早くもガチャガチャを回している。実に素早い動きをするものである。
ガチャガチャッ、ポロン☆
「おおー! モンスターボールが出てきた! では早速…」
「ボールは外で開けること、研究所内では駄目だ。」
「よし! じゃあ外で出しにいくぜ! スネ夫! お前のも見てやるから早くしろ!」
「煩いな〜。今回すから待っててよ。」

ワカバタウン、研究所前――

「いっせーのせで出そうぜ!」
「別にいいけど。」
「じゃあいくぜ!」

『いっせーの〜せ!』

683名無しさん、君に決めた!:2007/07/19(木) 23:46:53 ID:PB5ckUy1
ドラえもんが大暴走
http://vision.ameba.jp/watch.do?movie=520690
684電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/19(木) 23:47:22 ID:???
モンスターボールから2匹のポケモンが出てくる。 二人はそれと同時に悲喜こもごもの声を上げる。

「よっしゃあ! ヒノアラシだ! 」
「僕はゴースか。 ってこれじゃあポッポやコラッタに攻撃出来ないじゃないか!」
「スネ夫! 勝負だ!」
「いや遠慮しとk 「問答無用!」

こうして、この世界最初のバトルが始まった。
「行け! ヒノアラシ! 」
「ゴース行くんだ。まずは催眠術!」
「俺のヒノアラシは簡単に寝るような奴じゃねえぜ! ヒノアラシ、体当たりだ!」
「体当たりがゴーストタイプのポケモンに当たるハズが…
ってゴースどうした!?」
「ヒノアラシ、体当たりもう一発!」
「避けろゴース! 舌でなめるだ!」

ヒノアラシの体当たりを、今度は簡単に避けたゴース。 そして、ヒノアラシの体を舐め回す。

「そのままもう一度催眠術だ!」

今度はゴースの催眠術がヒノアラシにヒットする。 間もなくヒノアラシは動かなくなる。

「さあジャイアン、この辺で終わろうか。 それとも勝ち目の無いバトルをまだ続けたい?」
「くっ…、分かったぜ。 でもいつかお前を倒しに来るから覚えてろよー!」

そう言ってジャイアンは走り去っていった。
685電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/19(木) 23:49:08 ID:???
「あっ、スネ夫が勝ったんだね。」

スネ夫が気づいた時には研究所にいた他の4人がボールを持って眺めていた。
「当然さ。僕がジャイアンなんかに負ける訳ないだろ! それよりお前らのポケモンは何だよ?」「僕はコイル。」
「私はケーシィよ。」
「僕のはワニノコだ!」
そう言って3人はボールからポケモンを出す。

(ドラえもんは途中でイシツブテでも捕まえておけば怖くないな。
ケーシィも進化までは辛いだろう。
のび太はワニノコか…。まあ大丈夫だろう。のび太だし。)

「あれ、出木杉はどこだい?」
「そういえばいないね。」
「さっき走ってどこかに行ったわ。」
(チッ、出木杉に先を越されたか・・・。)
「出木杉のポケモンは?」
「知らないよ。 すぐ行っちゃったし。」
(出木杉の奴、抜け駆けしやがって…)
「じゃあ僕は行くから。君達はせいぜいウィングバッチが取れればいいね。じゃあ。」

そう嫌味を言い残し、スネ夫も29番道路に向かっていった。
686電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/19(木) 23:49:47 ID:???
「じゃあ僕達もそろそろ行こうか。」
「うん!」

▼みんなの手持ち

ジャイアン ヒノアラシ
スネ夫 ゴース
のび太 ワニノコ
ドラえもん コイル
静香 ケーシィ
出木杉 ???
687電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/19(木) 23:50:58 ID:???
投下終了です。
688名無しさん、君に決めた!:2007/07/19(木) 23:57:45 ID:???
689名無しさん、君に決めた!:2007/07/19(木) 23:58:09 ID:???
690名無しさん、君に決めた!:2007/07/20(金) 00:02:10 ID:???
691名無しさん、君に決めた!:2007/07/20(金) 23:40:53 ID:???
一日過疎
692ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/21(土) 00:04:45 ID:???
投下する
693ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/21(土) 00:05:29 ID:???
【資産家逮捕 ハクタイの森で強盗殺人】
××日午前0時32分頃、ヨスガシティ付近に在住の、資産家、ウラヤマ容疑者(54)を
強盗殺人の疑いで緊急逮捕した。

調べによると、ウラヤマ容疑者は4年前、友人である資産家××××さん(当時50歳)と
××××さんの娘の××ちゃん(当時6歳)を殺害し、金目の物を奪った疑い。

ウラヤマ容疑者は前日の午後10時40分ごろ、犯罪組織ギンガ団に襲われ
その時に容疑が暴かれる。
その後シンオウリーグチャンピオンによってギンガ団は撃退され、ウラヤマ容疑者は連行された。

ウラヤマ容疑者はこの事実を認め、死体の遺棄場所を供述し、
供述通りその場所から二人の死体が発見された。

警察はこの事実を踏まえ、ウラヤマ容疑者にさらなる事実を要求している。
694ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/21(土) 00:06:12 ID:???
………これが五日前の新聞の記事、あれからもうこんなに経ったのだ。
殺人事件を起こしたウラヤマ氏は記事どおり逮捕され、今も取調べを受けている。
殺害された二人の死体は、ハクタイの森の洋館の地中から発見されたそうだ。
執事も多少の取調べは受けたみたいだが、とくに罪には問われなかったらしい。
この事件の影響は大きく、ウラヤマ氏が経営していたポケモン触れ合い広場は当然閉鎖。
他にもいくつもの団体や組織に影響があったようだ。

この情報は、全てギンガ団の諜報部員が教えてくれた。
……スネオは無事だろうか?
諜報部員に尋ねてみたが、調査することが難しいらしい。
ポケモンリーグが隠蔽工作をしており、下手したら命を落としかねないそうだ。

俺はあの後、二体の鳥ポケモンを回収され、一言こう言われた。

『力に溺れるな』

力に溺れる……なんとなく意味は分かる気がする。
ちょうどあの時、フリーザーかラグラージ、どちらを出すか悩んだ時
伝説というだけでフリーザーを出し、結果はあれだ。

なんというか……酷い無気力感に襲われた。
695ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/21(土) 00:06:56 ID:???
いつまでも踏みとどまっていてはいけない。そう思い、俺はウラヤマさんの屋敷へと足を運んだ。
屋敷内は立ち入り禁止となっており、外から見るくらいしか出来ないが……
数日前までは人がたくさん居たようだが、今は全く居ない。
たくさん居たメイドさんも、執事のお爺さんも、主人のウラヤマ氏も姿は無い。
こんなところを訪れてもしょうがない。そのはずだった。

俺が帰ろう、そう思ったときにポケモンの鳴き声が聞こえた。

鳴き声の聞こえた茂みを探してみると、白い体毛のイーブイが居た。
こいつは、ウラヤマさんの自慢のペットだったイーブイだ。
飼い主が逮捕されて、もう世話をする人間が居ないのか……
「俺と一緒に来るか?」
手を伸ばす俺。
その手に前足を伸ばし、白いイーブイは高い声で鳴いた。
696ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/21(土) 00:07:43 ID:???
その後、なんとなく森の洋館に訪れた。
人は居ると思ったのだが、ウラヤマ氏の屋敷周辺と同じく人は居ない。
呪い…が怖いのか?

……もうここには呪いなんて存在しない。
開放されたんだ、ここの主人も、ウラヤマさんも……

俺はリュックの中から、かつてナタネに貰った羊羹二つと、紙皿を取り出す。
それを屋敷の門の前に備え、黙祷した。

……黙祷し終わり、ゆっくりと立ち上がる。
そして、そのまま洋館に背を向けた。

これで…全て終わったんだ―――


ナナシ
ルカリオLv47、クロバットLv45、ロトムLv44、
ラグラージLv46、イーブイLv40
697ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/21(土) 00:08:48 ID:???
投下終了
新聞記事真似て書くのに時間掛かった
698名無しさん、君に決めた!:2007/07/21(土) 00:10:27 ID:???
699名無しさん、君に決めた!:2007/07/21(土) 00:12:04 ID:???
700名無しさん、君に決めた!:2007/07/21(土) 00:15:37 ID:???
ああ乙
701名無しさん、君に決めた!:2007/07/21(土) 00:15:52 ID:???

イーブイのレベル高いなw
702名無しさん、君に決めた!:2007/07/21(土) 05:25:59 ID:???

なんだが重い感じが良かった
703DPその2 ◆Dy4EDQYuSY :2007/07/21(土) 11:19:26 ID:???
投下します。
誰かいたら、投下途中に雑談でもいいので書き込んで下さい。
704DPその2 ◆Dy4EDQYuSY :2007/07/21(土) 11:20:24 ID:???
辺りはすっかり闇に包まれる……そんな時刻の少し前。
のび太が地下通路から飛び出して着地したところは、224番道路。特に何も無い道である。
のび「そろそろポケモンリーグに戻らなきゃいけないだろうな……ドラえもんの為じゃないぞ。回復のためだ。」
チャンピオンロードに戻る道すがら、のび太は不機嫌なブツクサ声を所々に落としていた。
補足すると、のび太が腹を立てているのはついドラえもんのことを考えてしまう自分自身だ。

例によって例のごとく、チャンピオンロードでは来るときに気付かなかったトレーナーに声をかけられ、
その都度マンネリ化した戦闘を繰り返しながらのび太はノロノロと城側の出口を目指す。
そんな中どうも戦いという雰囲気とは違う少女が対戦を申し込んできた。

最近ののび太には珍しく、惨敗した。
少女は言う。
マイ「あんた……悩み事があるのが分かる。だから負けた。………良かったら話を聞いてあげてもいいよ。」
何故か、話を聞いてくれることが今ののび太にとってとても嬉しい事に感じられた。
近頃ののび太は一人での決断が多かったからであろう。

それから小1時間、のび太は脳みそを振り絞って彼女に今までの事を話した。
話し下手で聞き下手なのび太だが、この少女は話し下手でも聞き上手だった。
話し終わってまもなく、マイがのび太の気持ちまでも要約して見せた。
マイ「つまり、あんたは……そのドラえもんという人に攻撃して……反省して…それだけで決別したわけ?」
のび「うん……」
自分とこのマイという少女とはドラえもんの姿のイメージがかなり違っているんだろうな。
のび太はそんな事を考えていた。
705DPその2 ◆Dy4EDQYuSY :2007/07/21(土) 11:21:37 ID:???
マイ「じゃあ何であんたは今…ポケモンリーグに行くの?」
のび「え?だってそれは……」
マイ「ドラえもんって人さ…実力の見合わない人と戦わせられて今頃大変だろうね。」
のび「そりゃそうだけど………」
鈍いのび太でなければこの会話の結末がこの時点である程度予想が付く。
マイ「ポケモンの回復なら……あたしがやってあげても良いよ。こう見えても薬、いっぱい持ってる。」
そう言ってマイはのび太のエレキブルのボールを奪い、勝手に回復を始めた。
慌ててのび太はボールを取り返す。
のび「い、いいよ別に!リーグの中のポケセンはただなんだから。わざわざ高額な薬使って回復すること無いよ!」
マイの目元、口元が歪み、今にも笑い出しそうなことにものび太は気付かない。
マイ「今ポケモンリーグに行ったらきっとドラえもんって人がいるよ……あんた達、気まずい関係じゃなかった?」
のび「う……でも…でも、僕だってちゃんとしたところで休みたいし……」
マイ「確実に………鉢合わせすると思うよ。それでもいいの?」
遂に沈黙するのび太。
マイ「………行って来なよ、ポケモンリーグ。そんなに行きたいんだったらさ。」

洞窟から駆け出すのび太の背中にマイが声をかけた。
マイ「慰めてあげなよ。きっとその人、負けて悔しがってる。」
706DPその2 ◆Dy4EDQYuSY :2007/07/21(土) 11:22:40 ID:???
暗闇を突っ切ってのび太は走る。
途中で何かにぶつかったような気がするが何とも無い。
今の彼の興味はドラえもんただ一人。何者も気を逸らせることは出来ない。

チャンピオンロードから出てもその勢いは止まらなかった。
トリトドンの首にしがみついて大滝も少しずつ登り、髪が頭皮に張り付いてオールバックの状態でリーグのドアの前に立つ。
のび「ハア……ハア…やっと来ることが出来た。………踏ん切りがついた。」
もうシグナルビームの件なんてどうでもいい。僕はドラえもんに会いたい、それだけのことだもの。
ドラえもんが許してくれなくてもぼくは気にしない。
いや、これまででドラえもんが僕のしたことを許さないことなんて無かった。
いつもいつも、喧嘩してもいつの間にか普通の関係に戻っていた。そう、普通の関係に……友達に。
今度は許されるんじゃない、僕が謝るんだ!!

城の中は、ポケモンセンターの中は静かだった。
人が沢山いるのに静かだった。そしてその沢山の人はみんなカウンター付近に集まり、額を寄せ合っている。
誰かが僕に気付く。すると皆が一斉にこっちを向く。誰かがこっちに来る。
折角の期待がどんどんしぼんでいく……何でだろう。嫌な予感が、凄く嫌な予感がする。

「失礼ですが、あなたはドラえもんという方をご存知ですか?」
「はい…」
「彼の友達ですか?」
「はい…」
その人は後ろの人たちと目配せした。
「大変……申し訳ございません。ドラえもん様は、当ポケモンリーグの敷地内で行方不明になりました……………」
707名無しさん、君に決めた!:2007/07/21(土) 11:23:22 ID:???
支援
708DPその2 ◆Dy4EDQYuSY :2007/07/21(土) 11:23:52 ID:???
のび太は詳細を聞く気にもなれなかった。謝罪を受け入れたくも無かった。
ただ回れ右してポケモンリーグから出てとっぷりと暮れた夜に夢遊病者の如く歩き出た。

マイを探したのか、のび太の足は自然とチャンピオンロードへと赴く。
だが気を逸らせてくれるものなど何も無い。のび太の足は止まることなく、再び224番道路に辿り着いた。
ここなら誰も見ていない。そう思うとのび太の目から自然に涙が流れた。
のび「僕が……僕がドラえもんを追い立てたばっかりに……!!」
のび太の心が折れると共に膝も折れた。
地面に突っ伏して自分自身を殴る。拳が擦り剥けてもまだ殴った。
ドラえもんが消えたことの悲しみ、
ほんの少しのことを気にしてドラえもんと決別したことへの悔やみがのび太の拳を止めさせない。
今になって思えば、ドラえもんに伝言を残して勝手に旅立った時もドラえもんの事が頭を離れなかった。
常に追跡されている。なんて妄想もしてドラえもんがずっと付いてきていると思い込もうとした。
小部屋に閉じ込められた時にもその場に居もしないドラえもんを頼っていた。
ついさっきだってスネ夫に負けかけてドラえもんが助けてくれると信じていた。
結局、僕は独りで旅をしていてもドラえもんを求めていたんだ。
それなのに、僕は勝手に一人立ちを決め込んでドラえもんを突き放そうとしてた。
その挙句がこれだ。
ドラえもんはデータ管理されているゲームの中で行方不明。ゲーム側に不備があったとしたら探しようも無い。
のび太は戒めの拳骨を停止させた。
大したパンチ力を持っていない以上これ以上ひっぱたいても意味が無い。
償いの道は唯一つ。ドラえもんと同じ所に行こう。
のび太は覚悟を決めた。
709DPその2 ◆Dy4EDQYuSY :2007/07/21(土) 11:25:36 ID:???
突如邪魔が入った。道の向こうからオーキド博士が息を切らしながら走ってきたのだ。
オーキド「のび太くん!待っておったぞ。手紙を残しておいたのになかなか来ないもんじゃから……」
のび太はハクタイのオーキドの家で見つけた手紙をバッグから掘り出した。くしゃくしゃだ。
オー「224番道路に来て欲しいと書いてあったじゃろう……ともかく、こっちに来てくれ。」
オーキドはのび太を岬の方へ連れて行った。
今までそこに行った事が無いのび太だったが、ドラえもん以外の事に興味は持てない。
岬に着いた。すべすべの白い岩がある。
オー「この石碑を見てくれんか?カントー地方でも同じものが見つかったのでな。君の力を借りたいのじゃ!」
のび太は身じろきもせずオーキドの話を聞いていた。
オー「どうやら石碑に書かれていることを調べてみると、大人のトレーナー入りをしたトレーナーの
ありがとうという思いを刻むらしい。そこで、君の力を借りたいのじゃよ。
たくさんの人やポケモンと出会い、たくさんの経験をしてきたことじゃろう。今の気持ちを素直に言えばいいのじゃ。
さあ!君がありがとうと伝えたい相手は誰じゃ?」
たくさんの人やポケモンと出会ったってのび太が石に刻む名前は変わるわけではなかった。
冒険の途中幾度と無く力を貸してくれた生涯の友人の名前を石に刻んだ。
その人にもう会えないかもしれないと思うとのび太の目からまた涙がこぼれ、石に滴った。
オー「ふむ……君がありがとうと伝えたい相手はドラえもんじゃな。本当に良いのじゃな?」
のび太は涙声でやっと「はい」と言った。


辺りが光に包まれた。
710名無しさん、君に決めた!:2007/07/21(土) 11:26:43 ID:???
支援
711DPその2 ◆Dy4EDQYuSY :2007/07/21(土) 11:26:51 ID:???
気が付くとのび太は花畑の中に立っていた。オーキドもいる。
「きゅうう ううん」
変なポケモンが近くにいる。のび太が見つめるとそのポケモンはいつの間にか海に伸びていた道に逃げ出した。
オー「なんじゃ今のポケモンは?この石碑と関係あるのか……ふむぅ………
今のポケモンが行った先に何があるのか気になるところじゃのう。」
のび太はやっと気づいた。花が急に咲き乱れたがここはさっきと同じ場所だ。
そして、一時だけドラえもんのことを忘れ、のび太は海われの道に走り出した。

シェイミを追いかけて海われの道を走る、永遠ともいえる時が過ぎ、
のび太は四方八方花畑の『花の薬園』にたたずんでいた。
シェイミはもう逃げていない。花にうずもれてのび太を見上げている。
のび「ドラえもん……シェイミ、君はいったい何を………?」
シェイミは無垢な顔でのび太を見つめるばかりだった。
のび「ありがとう…………か。忘れてた。ドラえもんを追うんじゃない。もっと先に伝えなきゃいけないことだった。」
のび太はまっすぐシェイミを見つめ返した。
のび「まずは君にありがとうを言わなきゃな。思い出させてくれて……ありがとう。」
シェイミはまた「きゅうう ううん」と鳴いただけだった。

のび太はシェイミを抱いて花の楽園から戻った。
岬のところまで戻ると自分が石に削った『ドラえもん』の文字が目に入った。
のび「ドラえもん……これまでありがとう。それに、これからもずっとありがとうって言わせて。すぐに探し出すから。」
712DPその2 ◆Dy4EDQYuSY :2007/07/21(土) 11:27:43 ID:???
ドラ「今誰かが僕を呼ばなかったかな……?」
辺り一面の暗闇。ここは謎の場所だ。
ドラ「何でこんな所に…これもリーグが課した試練なんだろうか?」
ドラえもんは手探りで一歩一歩歩を進める。ビーダルは既にボールの中だ。
何の前触れも無く手が壁に当たった。波乗りで放り出されたゴヨウの部屋の壁だ。
しかしドラえもんにはそれが分からない。何も見えない恐怖と戦いながら壁伝いに蟹歩きするのがやっとだった。
部屋の隅で直角に曲がると、ドラえもんの足に何かが当たった。
何かの毛のような感触だ。ドラえもんはさらに青ざめ、恐怖に耐えかね…
ドラ「ぎゃあああああああああああああ!!!」
無防備にも走り出した。
しかしその音速ダッシュも長くは続かない。女の声に呼び止められ、強制的に止まらせられた。
何か話しているが自分の出す喚き声で聞こえない。
そのうちおじいさんの声も加わり、勝手に足が前に動いた。
ドラ「死にたくなあああああい!!!」
絶叫むなしくドラえもんは何処かに連行された。

のび「ドラえもん待ってろ。今見つけるから……!!」
力強い足取りでのび太は――もう3度目になるが――ポケモンリーグに向かっていた。
が、その足も一瞬で固まった。リーグから出てきた人に目を奪われたのだ。
のび「ドラえもん……………」
ドラ「のび太くん……………」
何も考えず、何も準備していなかったが2人は再会の喜びに抱き合った。
詳しい話は後でいい。ひとまず今はお互いの気持ちが何日か振りに同調したこと、また会えた事の喜びを噛み締めよう。
城の前で抱き合う2人。同性な事を除けばこの上ないロマンチックな情景であった。
713DPその2 ◆Dy4EDQYuSY :2007/07/21(土) 11:29:34 ID:???
投下終わり

のび太伝説多すぎ
714名無しさん、君に決めた!:2007/07/21(土) 11:30:40 ID:???

のび太は伝説厨なんだよ
715名無しさん、君に決めた!:2007/07/21(土) 11:36:52 ID:???


ゲームのバグを上手く使ってるな

716DPその2 ◆Dy4EDQYuSY :2007/07/21(土) 11:39:37 ID:???
補足が要るな……

ドラえもんの足に触れたのは草むらです。
謎の場所で実際に試してみました。
何故急にドラえもんが脱出できたのかというと、
ゴヨウの部屋から暗闇に出て上に進むと足止めされ、シロナに勝ったときの会話が流れてそのまま殿堂入り出来るからです。
717名無しさん、君に決めた!:2007/07/21(土) 11:50:40 ID:???
718名無しさん、君に決めた!:2007/07/21(土) 13:23:08 ID:???

あの白い岩はシェイミと関係あったんだ…。てかゴヨウの部屋から謎の場所行けるんだ…
719名無しさん、君に決めた!:2007/07/21(土) 17:56:55 ID:???
何を今更
720電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/22(日) 00:15:42 ID:???
前スレバーボン>>1000にあやかって勝手に投下します。
昨日もアレな流れでしたが今日はいいふいんき(ry になる事を期待

前回>>682-686
721電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/22(日) 00:16:29 ID:???
30番道路――

「ヒノアラシ、火の粉で焼き尽くせ!」
「うわあああん! 僕のコラッタがああ!」

ジャイアンは誰よりも早く進んでいき、トレーナーに片っ端から戦いを挑んでいったため、
かなりの経験値と小銭を稼いでいた。
既に、彼のヒノアラシは進化直前まで育っていた。
「ハハハハハ! やっぱり俺様が負けるなんて有り得ないぜ! 」

そう言ってジャイアンはキキョウシティの方向に進んでいった。
しかし、それを見て下品な笑いを浮かべる者がいた。勿論、“ 彼 ”である。

「ヒノアラシ一匹では確実に行き詰まる。 僕はその時に備えてニョロモでも育てておくかな。
結局僕が一番強いんだよね〜。 今くらいは楽しませておかないとね。
ヒヒヒヒヒ…。」

所変わって29番道路、のび太達3人は未だにここが抜けられずにいた。
それもその筈、野生のコラッタに出くわす度に、ドラえもんは戦闘をのび太に任せて逃げ出して、
のび太はのび太で、野生のポケモン一体倒すだけで、かれこれもう10分は掛けているのである。
静香はそれを傍観しつつ、コッソリと経験値を稼ごうと試みていたのだが、それすらもなかなか進む気配がない。
722電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/22(日) 00:17:23 ID:???
(ああ、失敗だったわね。 ケーシィじゃまともに戦えないからって、この二人について行こうとした私が馬鹿だったわ。)

と、ワカバタウンでの判断を悔やんだ静香
話は一時間程前に遡る

…モンスターボールは温存しておきたいし、しばらくはケーシィだけで行くのがベストね。
適当な技マシンでも拾えれば、特攻の高さがあるから絶対に楽になるはず。
それまでの間の辛抱よ静香……


こうして先程の
VS野生のコラッタ まで来たわけであった。

「ワニノコ! ひっかくだ! おい〜、睨み付けるじゃないよお。 ひっかくだよ〜!」

自分のポケモンにすら、なかなか言うことを聞いてもらえないのび太。
彼のダメ人間オーラがポケモンにまで伝わっているのだろうか。

「ワニノコ! ひっかけ! ああ、違うよお! もう一回ひっかくだ!
お〜い〜、なに変な踊りをしてるんだよぉお!」
(!!! あれはもしかして…、龍の舞!?)

「ワニノコ〜、お願いだから引っかいてくれよ〜!」

今度は命令を聞いたワニノコは、鋭い爪を勢い良く振り、コラッタを一撃で瀕死にする。
のび太はそのワニノコのパワーに、さっきまで命令を無視されていた事も忘れて喜んでいる。
723電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/22(日) 00:18:20 ID:???
それを見ていた静香は、何かを閃いた。
そして、それを早速行動に移そうとする。

「のび太さん、ドラちゃん、ちょっとワカバタウンに忘れ物をしてきたの。
取りに行くから先に行ってて。」
「静香ちゃん、僕も着いて行ってあげるよ! 」
「いやのび太さんはいいわよ。それよりワニノコを育ててないとダメよ。」
「分かった。気をつけてねぇ。」

(よし、これでもしケーシィがテレポート以外の技を出せたら、それは多分遺伝技ね。
これは初心者用の配慮かしら? まあ何にせよ、これはあの二人から抜け出すチャンスね。
あっ、野生のポッポ。)

「ケーシィ、あのポッポにテレポート以外の技を出すのよ!」
命令を聞いたケーシィは、手に電気を集めて、それをポッポに発射する。
発射されたそれは、逃げようと飛び上がるポッポを逃さない。
悲鳴をあげたポッポは一撃で倒れてしまった。

(これは電撃波・・・。 なかなか便利な技ね。)

静香は、ここでポッポを倒してレベル上げをするという事に決めた。

…ああ、もしもしドラちゃん? …うん、…だから。…そう、先に行ってて。…いいからお願い。
…ええ、分かったわ。……。そう、じゃあそっちも頑張ってね。

ツーツーツー…
724電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/22(日) 00:19:32 ID:???
投下終了です
毎回切る場所が中途半端になってしまって済みませんorz
725名無しさん、君に決めた!:2007/07/22(日) 00:21:23 ID:???
726名無しさん、君に決めた!:2007/07/22(日) 13:28:49 ID:???
うかつ、まさかバーボンで猿さんになるとは思わなかった
727トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/22(日) 18:45:43 ID:???
これから投下します
ノビタ氏が勝てて良かったです
728トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/22(日) 18:46:39 ID:???
No.016『負けないで、もう少し、最後まで走り抜けて』

―――30分後、池の対岸にて――――――

「馬鹿じゃねえのォォォォォォ!」
岸から上がったパンツ一丁のジャイアンは開口一番にそう叫ぶ。
体からは、体についた水が次々と水蒸気となって蒸発してゆく程凄まじい熱をおびている。
多少の運動ではこうはならない。何かあったに違いない。
「大丈夫………?」
そして、今にも死にそうなジャイアンを心配し、話しかけるのび太。彼はジャイアンと対照的に疲弊もしていないし、体も水に濡れていない。

「大丈夫な訳ねえだろォォォォーーッ!
そもそもお前が泳げればこんなことにはならなかったんだぜッ!このボゲッ!」
「………ごめん…」
悪態をつくジャイアンに素直に頭を下げるのび太。まぁそれにも正当な理由があるのだが。
そういえば、彼は泳げなかったハズ。何故ここまで来れたのだろう。

答えは簡単。
彼はそもそも『泳いでなんていない』のである。
では、どんな方法で泳がずに池を渡ったのだろうか。
これの答えも簡単。
ポケモンに引かせる為の、大きな『船』に乗り、それをポケモンに引かせる代わりに、ジャイアンに引かせてここまで来たのである。
口で言うのは容易いが、人を一人乗せた船を引きながら2キロの距離を泳ぎきるのは凄まじい。そもそも素で2キロも池を泳ぐのでさえ、相当体力を消耗するにも関わらず、だ。
全く末恐ろしい少年である。
729トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/22(日) 18:47:56 ID:???
のび太はそんなジャイアンを見て、流石に哀れだと思ったのか、こんな提案をする。
「ジャイアン、疲れてるでしょ?少し休んだら?」
のび太がそう思うのも無理もない。
二人乗り、強風下での坂登り、そして極め付けは今回の水泳。これでは流石のジャイアンも持たない。潰れてしまう。
しかしのび太の提案は、即却下されることになる。ジャイアンは言う。
「のび太……気持ちは嬉しいが、それは無理な話だ」
「なんでさ?」
「いやな、さっきの水泳でな……俺、数えてたんだよ。何人に抜かれたんだろうってな
記憶が正確じゃねえが、恐らく少なくとも60人以上には抜かれてるんだ」
「!?」
ジャイアンの言葉に、のび太は面食った様な表情を浮かべる。
そんなに抜かれてたなんて全く気付かなかった。
ジャイアンは続ける。
「この試験を突破出来るのは50人……最初あのジジイが言ってたよな
残りの距離が少ない今、そんな流暢に休んでる暇なんてねえんだよ……さあ、のび太、行くぞ。早く乗れ」
ジャイアンはそう言いつつ、自転車のサドルに手をかける。
それを見ながらのび太は無言で後ろに乗る。
今のジャイアンにはなんだか分からない威圧感があった。
日常の、暴君としての威圧感とは違うもっと高潔な何かが。
のび太はそれに圧迫され、何も言えなかった。
そして、
「よし、出すぞ、捕まってろ」
とジャイアンが自転車を出そうとした瞬間、
ペチッ
何か小気味の良い音がした。
730トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/22(日) 18:50:04 ID:???
読者の皆さんはこの一行を見て、「ポケモンの孵化か、読めてるな。っていうか、ジャイアン良かったねw」と思った人も居るかもしれない。
しかし、残念ながら音を立てたのは、皆さんがご想像のジャイアン達の荷物の中のそれではない。得てして最悪の事は最悪のタイミングで発生するのである。

音の発生源、それは……ジャイアンの足である。

*********

「うわぁぁぁぁぁッ!」
この世の終りの様な断末魔と共に、ジャイアンは自転車からころげ落ち、その場に倒れ込む。
「ジャイアン!」
のび太はジャイアンの元へ急いで駆け寄る。
「ジャイアン、どうしたの!?」
「足が……足が……」
のび太は即座にジャイアンの足を見る。
「これは………」
ジャイアンの脚を見てのび太が苦い表情を浮かべる。
太股の肉が膝側に移動している。いわゆる肉離れって奴である。
そして、肉離れを知らないのび太でも、ジャイアンの脚にただならぬ事が起きているのは容易に理解する事が出来た。
731トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/22(日) 18:51:06 ID:???
「ジャイアン!ああ、どうしよう!」
のび太は立ちすくむ。頭が混乱して何も出来ない。

そんなのび太を横目に、ジャイアンは自分の衣服を裂き始める。
そして、それを自分の脚に強く巻いた。
「…くへへ……っ……手作りのテーピングだぜ……」
ジャイアンはそう呟くと、再び立ち上がろうとする。
「つッ!」
しかし、脚は言うことを聞いてくれない。
「ジャイアン!」
のび太も再び駆け寄ってくる。
「もういいよ!ジャイアン!リタイアしよう!」
のび太が言う。
しかし、ジャイアンは聞く耳を持たない。依然として自転車にすがりついている。
「ジャイアン!」
のび太は溜らず、ジャイアンの動作を中断させる。だが、ジャイアンはそれを振りほどこうともがく。
「何……しやがる……」
痛みと疲労による虚な目でジャイアンはのび太を睨む。とても自転車なんて漕げる状態じゃない。
のび太は言う。
「ジャイアン!君は怪我をしてるんだ!
だからもういいじゃないか!僕はもういい!」
悲痛な声でのび太はそう訴える。
732トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/22(日) 18:53:36 ID:???
しかし、
「どけッ!」
ジャイアンはのび太を乱暴に振り払い、再び自転車に跨る。
そしてジャイアンは小さく喋り始めた。
「俺さ……二番目にかっこ悪い奴ってのはな……借りを返せねえ奴って思ってんだよ……
俺はさ……一次試験でお前に借りが出来た……だから……俺はお前をケツに乗せたし、船にも乗せてやった……『お前に借りを返す』俺は心にそう決めたんだよ……
そんでな……やっぱ一番かっこ悪いのはな……自分が『心に決めた事を守れねえ奴』だと思うんだよなぁ……
のび太……俺は間違ったコト言ってっかなぁ」

のび太は言い返せなかった。
ポリシーを持って生きる人間はカッコいい。ジャイアンがまさにそれ、自分はその逆だった。
のび太は自分の情けなさを噛み締める。
試験の合否はともかく、ジャイアンの気持ちを大切にしてやらねばならない。
のび太はそう思った。
そしてジャイアンが小さく言う。
「……よし……行くぞ……気にすんな片足でも自転車位漕げらあ。行くぜ……」
「うん……」
のび太はそう言い、再び自転車の後部座席に乗り………


ビュウ


突然、何処からともなく強風が吹いてきた。
「うわぁぁぁ!」
のび太とジャイアンはその風に煽られ倒れる。そしてのび太は立ち上がり様に言う。
「この風……まさか………」

「そのまさかさ」
そこには、さっき木に叩き付けられたばかりの金尾ためるが居た。
733名無しさん、君に決めた!:2007/07/22(日) 18:55:10 ID:???
支援
734トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/22(日) 18:56:08 ID:???
「ポッポ、砂かけ!」
「うわぁぁぁ!砂が目に……」
大量の砂がのび太とジャイアンに浴びせられる。

「わははははははは、こいつら砂まみれになってやがんの、わははははははは」
ためるは笑う。
そしてやっとこさ目の砂が落ちたのび太が言う。
「ためる君……なんで……」
「なんで、じゃねぇよォォォォーーッ!」
突如キレだすためる。最早正気とは思えない。
ためるは続けた。
「許さない……許さないぞお前ら……。
僕のトレーナー貯蓄計画を……そしてッ!
僕のためるBANK(通称TB)をぶち壊しやがってッ!
金の恨みは怖いんだぞッ!
許せん許せん許せん許せん許せん許せん許せん許せん許せん許せん許せん」
ためるの「許せん」の連呼に合わせてポッポの『翼で撃つ』がのび太とジャイアンを襲う。
「ポケモンでトレーナーを直接攻撃したら失格だけど、どうせ今からじゃあ絶対間に合わないしねー!
せっかくだから恨みを晴らさせてもらうよッ!ポッポ、翼で撃つだ!」
「うわぁぁぁ!」
ポッポの翼が二人を痛めつける。
(やっぱり異常だ、コイツ。いや、まてよ……上手くためる君を利用する事が出来れば……。運が良ければこの状況から脱却できて、二次試験も突破出きるッ!
よし、この手でいくしかないか!)
のび太の目がキラリと光った。
735トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/22(日) 18:57:43 ID:???
――――――

「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ……ざまあみろ……」
三分後、ためるの目の前には文字通りボロ雑巾の様になり、地面に伏すのび太とジャイアンの姿があった。
ためるはそれらを見て満足そうに笑みを浮かべる。
「ふふふふふ……復讐完了!」
そんなためるを見つめながら、ジャイアンは絞り出す様に言う。
「ためる……テメエ覚えてろよ……学校で会ったらボコボコにしてやるからな……」
ジャイアンが鬼の形相でためるを睨む。
しかし、今は、ジャイアンの怒りの声も、ためるにはとってはただのギャグにしかならない。
「ほう、そんなこと言うんだ
ポッポ、またまた翼で撃つ」
再びポッポの翼がジャイアンを襲う。
バキッ、ベキッ!
あらゆる角度から殴りつけられるジャイアン。もう、反撃する元気も無い。それを見ながらためるは言う。
「ああ、言っとくけどね、僕は来週から転校するから。……って聞いてる?悔しいよねぇ、ガキ大将気取りさん^^」
ジャイアンはズタボロになってしまい、もう反抗する気配もない。ためるは征服感に包まれていた。
「あー、スッキリした。じゃあね」
ためるはそう言い、その場を去ろうと自転車を走らせ始めた。
すると、

ガキッ。

突然自転車が進まなくなった。どうやら何者かに自転車の後部座席を捕まれたらしい。
「しつこいよ?のび太君」
ためるは後ろを向き、苛立ちながら言う。
そして、ためるの自転車を止めている者は息も絶え絶えに言った。
「待て………ためる君……」
736トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/22(日) 18:58:46 ID:???
「勘違いしてるみたいだけどね、悪いのは君達だよ
君達が僕のためるBANK(通称TB)をぶち壊したんだから。あれには15万入ってたんだよ。
っていうか、とりあえず、いい加減離しなよ」
ためるはそう言い、ペダルに力を入れる。
のび太の手は意外とあっさりとはなされた。
(ふん、やっぱり根性無いじゃないか)
ためるは心の中でほくそ笑む。しかし、その笑いはすぐにのび太の言葉によって打ち消される。

「ためる君、油断したね」
「なに?」
突然ののび太の余裕に、ためるの頭上にクエスチョンマークが浮かぶ。
のび太は笑みを浮かべながら右手に握った物を見せる。
するとためるはすっとんきょうな声を上げた。
「それは僕のためるウォーレット(通称TW)ッ!
いつの間に………」
「君の後ろに回った時さ。
さて、これをどうしようかな……?」
「返せェェェェェェッ!」
自分の大切な財布、いや、ためるウォーレット(通称TW)を取り返すため、我を忘れて自転車で突進するためる。

彼は冷静さを失っている。ポッポに財布の奪取を指示しないのがその証拠だ。

運動神経の無いのび太だが、小回りの能力なら自転車より人間に分がある。
ためるが冷静さを欠いている事もあり、のび太はあっさりとためるの突撃を避わしてゆく。
737トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/22(日) 18:59:25 ID:???
「鬼さんこちら手の鳴る方へ〜」
のび太はしきりにためるを挑発しながら、逃げ回る。
(後少し……もう少し……)
「待て待てェェェェッ!」
般若の如き形相で、ためるはのび太を追う。

あのガキマジでブチ殺す。僕の命とためるBANK(通称TB)の次に大切なためるウォーレット(通称TW)を持て遊びやがって殺す殺す殺す殺すゥゥゥッ!

ためるはのび太を真一文字に睨み、突進する。
「財布返せェェェェッ!」

その時だった。
ビシッ、ビシシシッ――――――
738名無しさん、君に決めた!:2007/07/22(日) 19:01:27 ID:???
支援
739トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/22(日) 19:01:29 ID:???
「な、なんだぁ?」
突如鳴り出した謎の音に、ためるは驚きを隠せない。

ビシッ、ビシッ、ビシッ

『音』は更に大きくなる。
そして、ここでためるはようやく気づいた。その音は自分の後ろ、つまり後部座席で鳴っているのだと。
ためるはそれを確認しようと、後ろを向く。すると、そこにはバッグが一つ。中から少し硬そうな物が顔を出している。
「ポケモンのタマゴ……何故僕の後部座席に……
まさか!」
驚くためるを尻目に、のび太はニヤニヤと笑っている。
「そう、そのまさかさ。
実はね、さっき君の財布を奪った時に置いておいたんだよ。
君の『歩行の力』を利用して、タマゴを孵化させるためにね!」

全く気付かなかった。
財布を盗んだのは、自分の注意を引くためと、走り回らせて歩数を稼がせるため。
まんまと罠にかかってしまった。軽率だった。

まぁ、ここは反省するとしよう。

だが、これで勝ったと思って貰っては困る。
今、タマゴを持っているのは自分。故にこのままタマゴが孵れば、自分が親ということになり、自分の手駒として扱える。
のび太は多分この事を知らないのだろう。
最後の最後で詰めが甘かったね、のび太よ。ドンマイ。
740名無しさん、君に決めた!:2007/07/22(日) 19:01:37 ID:???
おわり?
741トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/22(日) 19:03:18 ID:???
ピシッ、ピシッ
タマゴの孵化は更に進んでゆく。

このままタマゴをキープし続ければためるの勝ちだ。
タマゴはもう孵化寸前。ためるは勝利を確信した。
「残念だったねーッ!
よく頑張ったけどここまでだよ!タマゴは『孵した人』が『親』になるんだよォーッ!
お前の負けだぁーッ!」

「いや、君の負けだよ」
「何?」
「これで君の負けが確定する」
そう言い、のび太は地面に何かを投げつけた。
それからはチャリンと小気味の良い音さえ聞こえる。麗しい音。自分の汗と根性の結晶の音。
ためるはそれに覚えがあった。
「僕のためるウォーレット(通称TW)ッ!うおああああああ」
ためるは自転車を急発進させる。そして自転車を止め、財布を大切そうに拾う。
「あー、良かった。戻ってきて。君すら失ったら僕は本当に生きる目的を失って……」
そこまで言ってためるは喋るのを止めた。

何て自分は馬鹿なのだろう。
ためるウォーレット(通称TW)を拾う為、今自分はのび太の近くまで行きゎ自転車を止めている。
と、いうことは……。
「ためる君、タマゴは返して貰うよ」
「罠かあああああああッ!」
のび太がいつの間にか後ろでタマゴを手に取っている。
ミスった。落ち着いて考えれば罠と分かるものの……。完璧に気を取られて……。

ビシッ、ビシッ、ビシッ。
タマゴから光が漏れる孵化の合図だ。
「産まれる……」
神秘的な光景にのび太は思わずそう呟いた。
742トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/07/22(日) 19:05:11 ID:???
今日はここまでです
743名無しさん、君に決めた!:2007/07/22(日) 19:05:34 ID:???
激乙
744名無しさん、君に決めた!:2007/07/22(日) 19:06:02 ID:???
745名無しさん、君に決めた!:2007/07/22(日) 19:08:01 ID:???

トレーナー氏も試合頑張れ!
746名無しさん、君に決めた!:2007/07/22(日) 19:13:14 ID:???
真一文字に睨むっていう表現はあるのか?
747名無しさん、君に決めた!:2007/07/22(日) 19:21:42 ID:???

のび太天才wwww
748名無しさん、君に決めた!:2007/07/22(日) 20:01:42 ID:???
>「ああ、言っとくけどね、僕は来週から転校するから。……って聞いてる?悔しいよねぇ、ガキ大将気取りさん^^」
>ガキ大将気取りさん^^
>^^

((゚皿゚#))
749名無しさん、君に決めた!:2007/07/22(日) 20:08:09 ID:???
そんな嫌味なためるタソが好き
750名無しさん、君に決めた!:2007/07/22(日) 20:23:55 ID:???
>>749
お^^に^^ん^^に^^ん^^に^^ん^^に^^ん^^
751名無しさん、君に決めた!:2007/07/22(日) 20:43:58 ID:???

ためる(´・ω・`)カワイソス
752名無しさん、君に決めた!:2007/07/22(日) 21:10:03 ID:???

15万…しかもこれからやられると考えると…ためるに同情する
753トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/22(日) 21:30:06 ID:???
トレーナー氏乙
投下します
今回からセリフは最後の行以外「。」をつけるようにしました、こっちの方が読みやすいと思ったんで。
754トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/22(日) 21:31:12 ID:???
       #14 「新星」

「それではただいまより、大将戦を開始します!」
審判の宣言を聞いた2人の選手がフィールドに上がる。
片や四天王最強にして、カントー地方最強と言われるドラゴン使いワタル。
片やまだ17歳の学生、無名のポケモントレーナー野比のび太。
決勝トーナメントに進めるのは2人のうち、勝った方だけである。

いまこのとき、のび太が勝つと思っておる人間が何人いるだろうか?
おそらく1人もいないだろう……のび太たちを除いては、だ。

両者がポケモンを出す、何とどちらもギャラドスだ。
「同じポケモンか……レベルの高いワタルのほうが有利だな」
スネ夫が苦しい表情を浮かべる。

スネ夫の予想通り、レベルで上回っているワタルのギャラドスが先手をとり、ストーンエッジを使う。
それを受けたのび太のギャラドスがかなりのダメージを負った。
対してのび太のギャラドスがとった行動は龍の舞。
「なるほど、次のターンに先手を取って一撃で仕留めようという作戦か。
だが、龍の舞を一度積んだくらいでは俺のギャラドスを倒すことはできないぞ!」
ワタルの勝ち誇った顔は、この後驚きの表情に変わることとなる。
のび太のギャラドスのストーンエッジが、ワタルのギャラドスを一撃でしとめたのだ。

「確かに龍の舞1回だけではあなたのギャラドスを一撃で倒すことはできなかったでしょうね
でも僕のギャラドスにはストーンエッジをくらったとき、“チイラの実”が発動していた
つまり攻撃力は2段階上がっていた、あなたのギャラドスを倒すには十分な力があったのさ」
のび太の言葉を受けても、ワタルは余裕を崩さず言った。
「なるほど、この俺がいっぱいくわされた……というわけか。
なかなか面白いじゃないか、今回の対戦相手は。
これなら、面白いバトルができそうだ!」
755トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/22(日) 21:32:04 ID:???
先に手持ちを一匹失ったにも関わらず、呑気にバトルを楽しむワタル。
その顔には、四天王ならではの余裕が見え隠れしていた。
そんなワタルは、2匹目のポケモンにプテラを選んだ。
「何故ギャラドスに対してプテラなの? 相性的に不利なハズなのに……」
不思議そうに呟く静香に、スネ夫が答える。
「いまのギャラドスは一撃で倒せるほど弱っているかわりに、攻撃力と素早さが上がっている。
現時点でギャラドスの相手にもっとも適しているのは、確実に先手が取れる素早いポケモンだ。
だから、プテラを選んだワタルの選択は正しいと思うよ」

のび太の考えでは、上昇した攻撃力と素早さでどんな敵が来ても一撃でしとめるつもりだった。
だが、いまのギャラドスよりさらに素早いポケモンを出されては敵わない。
プテラは先手をとり、岩雪崩一発でギャラドスを倒した。
これでお互い残り2体、戦況は五分五分である。

つづいてのび太は、ガルーラをフィールドに出した。
「ガルーラなんかで、プテラに勝てると思っているのかい?」
ワタルの問いかけに、のび太は力強く頷く。
「ならばその根拠、見せてもらおうか。 プテラ、岩雪崩!」
岩雪崩をくらったガルーラの体力が半分ほど削られる。
ガルーラは噛み砕くで反撃するが、たいしたダメージにはならない。
ターン終了時に食べ残しで少し回復したが、それでも被ダメージはガルーラのほうが上だ。
おそらく、後に2ターンもすれば倒されてしまうだろう。

「のび太の奴、ほんとにガルーラで勝つつもりなのか?」
バトルを見守るスネ夫に不安は絶えない。
756トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/22(日) 21:33:02 ID:???
2ターン目、プテラは再び岩雪崩で攻撃する。
ギリギリまで体力を削られたガルーラに、のび太は命じる。
「ガルーラ、眠るだ」
命令を受けたガルーラは眠り始め、体力を全回復させる。
「眠っても無駄だ! 起きるまでの間に倒せるのだからな」
ワタルが勝ち誇った顔で言う。
そんな彼の様子を見たのび太も、勝ち誇った顔を浮かべた。

のび太の様子を疑問に思いつつも、ワタルはまたもや岩雪崩を命じる。
対するガルーラは寝言を使い、噛み砕くでプテラの体力を削る。
そしてまたまたプテラは岩雪崩、再びガルーラの体力が残り僅かとなる。
すると早くもガルーラは目覚め、のび太はそれを見越していたかのように眠るを指示していた。
後残り僅かだった体力は、またもや満タンになる。
「た、助かった……運が良かったな」
スネ夫が安堵の溜息の溜息をつく。

四ターン目、プテラの岩雪崩は外れてしまった。
ガルーラは寝言でのしかかりを繰り出し、プテラの体力は残り僅かとなる。
そして次のターン、岩雪崩をくらったガルーラはまたもや素早く目覚める。
そしてのび太はまともやそれを見越していたかのように噛み砕くを命じ、プテラは倒れた。

「偶然が2度続くとは考えがたい……あ、もしや!」
のび太の策に気付くスネ夫、そしてそれとほぼ同時にワタルものび太の考えに気付く。
「なるほど。 そのガルーラの特性はズバリ、“早起き”だな?」
ワタルの問いを受けたのび太は、首を縦に振った。
757トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/22(日) 21:34:05 ID:???
のび太の作戦はこうだ。
まず残り体力が少なくなってきたところで、ガルーラを眠らせる。
次のターンは寝言で敵を攻撃する、攻撃技は噛み砕くとのしかかりの二種類だ。
そしてその次は、ガルーラが起きると予想して眠る、体力に余裕がある場合は攻撃技を命じる。
早起きで眠りから覚めるのが早くなっているガルーラは、このターンに起きる可能性が高い。
勿論眠ってから1ターン目や3ターン目に起きる可能性もあるので、多少の運が絡むのという弱点はあるのだが……
それでもこの作戦を実行できたのはガルーラの耐久力の高さ、そしてそれを信じるのび太の心があったからだ。

「……なかなか面白いな、君は。
だが、こいつには勝つことができないだろう!」
そう言ってワタルがボールから出した最後の1匹はカイリュー、彼の切り札だ。
のび太はそのプレッシャーを必死ではねのけるように、ガルーラを眠らせる。
対するワタルは、カイリューに龍の舞を命じる。
「まずい、のび太の戦法は積み技に弱いのを見越されている。
それにいま積まれたら、三匹目のポケモンも一発でやられてしまう」
スネ夫がまたまた不安そうな様子で呟く。

龍の舞によって素早さを上げたカイリューは、もう一度龍の舞を積む。
対するガルーラは寝言でのしかかり、カイリューに多少のダメージを与える。
そして次のターン、先手を取ったガルーラにのび太はのしかかりを命じる。
しかし強運は何度も続かない、ガルーラはまだ眠りから覚めていなかったのだ。
カイリューが逆鱗でガルーラを倒し、のび太の手持ちも残り1体となる。
「行け、僕の切り札よ!」
のび太が祈るように出した最後の1匹はなんと……
「カ、カイリューだと……」
自分と同じポケモンの出現にワタルが驚きを見せる。
「のび太の言ってた切り札って、カイリューだったのか……
まさか、三日間の間にあんな凄いのを育ててたなんて……」
いままで黙り込んでいたジャイアンが感動の言葉を漏らす。

フィールドではいま、2体のカイリューが向かい合っていた。
758トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/22(日) 21:34:59 ID:???
この時、スネ夫はいままで以上に絶望的な表情を浮かべていた。
「向こうのカイリューは龍の舞を2回積んでいる、勝てるわけがない。
……終わった、僕らの負けだ!」
だがこの後、彼にとって予想外の展開が訪れた。

「カイリュー、逆鱗だ!」

そう叫んだのはのび太だった、なんとのび太のカイリューが先手を取ったのだ。
カイリューを倒されたワタルが信じられないという表情を浮かべる。
だがしばらくして、ようやく己のミスに気付いた
―――ガルーラがのしかかりをしたときに、ワタルのカイリューは麻痺していたのだ。
でもワタルはガルーラが3ターン目に先手を取ったとき、それに気付くことができなかった。
もし気付いたとしても、どうすることもできなかったかもしれないが……
審判はしばらく動きを止めた後、勢いよく宣言した。
「勝者、『ドラーズ』野比のび太選手!」

勝ったんだ……自分が、四天王最強の男に。
しばらく放心状態になった後、のび太はガッツポーズをとり、大声で叫ぶ。
「僕は、僕は奇跡を起こしたんだ!」
子供のように無邪気に喜ぶのび太に、仲間の3人が駆け寄って行く。
そして、一緒になって子供のようにはしゃぎだす。

そんなのび太たちにワタルは歩み寄り、手を差し出しながら言った。
「奇跡なんかじゃない……君が勝ったのは紛れもなく、実力によるものさ」
のび太は「ありがとうございます」と告げ、ワタルの手を硬く握り締めた。

そんな様子を見ていた四天王の一人、キクコが呟いた。
「どうやらポケモントレーナー界に、期待の新星が現れたようじゃな」と。

こうしてドラーズはDブロック優勝、及び決勝トーナメント進出を決めた。
―――この後に待ち構えている悲しき運命など知らず、彼らはひとときの喜びを分かち合っていた……
759トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/22(日) 21:36:21 ID:???
投下終了です
時をかける少女のおかげで久しぶりに感動できた、でも執筆は遅れた。
760名無しさん、君に決めた!:2007/07/22(日) 21:37:22 ID:???
眠るの効果はニターン固定だ
761トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/22(日) 21:40:28 ID:???
まじですか!
それならあんな運頼みの戦法みたいに書く必要なかったのに……
やっぱり書き直した方がいいですかね?
762名無しさん、君に決めた!:2007/07/22(日) 21:40:56 ID:lJpmm4VO
763名無しさん、君に決めた!:2007/07/22(日) 21:44:10 ID:???
>>761
脳内変換でおkg
764トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/22(日) 21:50:55 ID:???
やっぱり個人的にすっきりしないのでいまから書き直そうと思います
>>763さん、せっかく意見してくれたのにすいません
ちなみに書き直すのは>>756 >>757の2箇所です
765トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/22(日) 21:53:07 ID:???
あ、>>757だけで大丈夫でした
じゃあ書いてきます。
766名無しさん、君に決めた!:2007/07/22(日) 21:54:17 ID:???
乙だがこれはきつくね?
767名無しさん、君に決めた!:2007/07/22(日) 21:55:31 ID:???
ちなみに早起きなら一ターン眠れば起きるぞ
768トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/22(日) 22:00:31 ID:???
いまから>>757の修正版投下します
改行制限ギリギリなので投下宣言と内容を分けなければいけません
レスの無駄遣いしてすいません
769トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/22(日) 22:01:31 ID:???
のび太の作戦はこうだ。
まず残り体力が少なくなってきたところで、ガルーラを眠らせる。
次のターンは寝言で敵を攻撃する、攻撃技は噛み砕くとのしかかりの二種類だ。
そしてその次は、再び眠るか、体力に余裕がある場合は攻撃技を命じる。
必ず2ターン眠ると、眠るターンを半分にする早起き。
この2つを組み合わせることで、ガルーラは必ず眠るを使った2ターン後に目覚めるのだ。
この作戦を実行できたのはガルーラの耐久力の高さ、そしてそれを信じるのび太の心があったからだ。

「……なかなか面白いな、君は。
だが、こいつには勝つことができないだろう!」
そう言ってワタルがボールから出した最後の1匹はカイリュー、彼の切り札だ。
のび太はそのプレッシャーを必死ではねのけるように、ガルーラを眠らせる。
対するワタルは、カイリューに龍の舞を命じる。
「まずい、のび太の戦法は積み技に弱いのを見越されている。
それにいま積まれたら、三匹目のポケモンも一発でやられてしまう」
スネ夫がまたまた不安そうな様子で呟く。

龍の舞によって素早さを上げたカイリューは、もう一度龍の舞を積む。
対するガルーラは寝言でのしかかり、カイリューに多少のダメージを与える。
そして次のターン、先手を取ったガルーラにのび太はのしかかりを命じる。
のしかかる2発をくらわせても、カイリューはまだ半分ほど体力を残していた。
カイリューが逆鱗でガルーラを倒し、のび太の手持ちも残り1体となる。
「行け、僕の切り札よ!」
のび太が祈るように出した最後の1匹はなんと……
「カ、カイリューだと……」
自分と同じポケモンの出現にワタルが驚きを見せる。
「のび太の言ってた切り札って、カイリューだったのか……
まさか、三日間の間にあんな凄いのを育ててたなんて……」
いままで黙り込んでいたジャイアンが感動の言葉を漏らす。

フィールドではいま、2体のカイリューが向かい合っていた。
770名無しさん、君に決めた!:2007/07/22(日) 22:03:09 ID:???
>眠るを使った2ターン後
眠るを使った1ターン後じゃない?
771トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/22(日) 22:03:26 ID:???
投下終了です
一応、眠るの効果が本当にあってるのかゲームで確かめておきました
この修正版投下のせいで赤髪氏には毎回お手数をかけていますね、すいません
772トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/22(日) 22:06:17 ID:???
>>770 さっきドードーで実験したら、目覚めるのは眠るを使った2ターン後でした。
1ターン目 眠るを使用
2ターン目 眠っている
3ターン目 目覚める という具合です
773名無しさん、君に決めた!:2007/07/22(日) 22:10:02 ID:???
>>772
あ、俺の読解ミスかorz
774トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/22(日) 22:28:30 ID:???
あ……
すいません、修正版でまたミス発見しました
>必ず2ターン眠ると、眠るターンを半分にする早起き。
ってとこなんですが、
「必ず2ターン眠り状態になる眠ると」でした
重ね重ね本当に申し訳ありません
775名無しさん、君に決めた!:2007/07/22(日) 22:49:25 ID:???
特性とか、色々バトルに自信ないなら 対戦Wikiとか見て覚えるのもいいぞ
776フェイル ◆Q43ANlifNA :2007/07/22(日) 22:50:26 ID:???
皆さん投下GJ!です。
いつパソコンの電源落ちるかわからない危険な状況ですが、投下します。
777フェイル ◆Q43ANlifNA :2007/07/22(日) 22:51:13 ID:???
スネ夫は目の前に置いた卵を凝視していた。
卵は時折揺れては止まることを繰り返す。
何度も期待を裏切られながら、スネ夫はまだ諦めなかった。

ポケモンの卵――育成所にあったのだから、ポケモンの卵と見て間違いは無い。
そう思い当たると、スネ夫は自然と好奇心が湧いた。
ポケモンの生まれる瞬間に立ち会えるという興奮。
ゲーム画面を介して見てきたことが、現実として起きる。
一度でいいから見ておきたい。
その想いに駆られてスネ夫はその瞬間を待つと決めたのだ。

「……あっ!」
思わず声を上げるスネ夫。
卵が一際大きく揺れだしたのだ。
スネ夫は手を伸ばして、卵を掴もうとする。
あと少しで卵に触れる……ほんの数センチでスネ夫の手が卵に触れる。

だが、突然卵の揺れは止まった。
直後に大きな音が育成所内に響き渡る。
爆発のような衝撃音、そして地響きを伴う振動。
「な!? なんだこの揺れはー!」
スネ夫は叫びながら咄嗟に、卵に抱きついた。
778フェイル ◆Q43ANlifNA :2007/07/22(日) 22:52:04 ID:???
ジャイアンと静香は振動に気づいた。
「お、おい何だこりゃぁ!?」
狼狽するジャイアンの横で静香も当惑していた。
「わからない。でも、きっと近くで大きな力があったのよ!」
その時、育成所の扉が勢いよく開く。
見ると石蕗会員の一人が立っていた。
「おい、お前ら早く屋上へ来い!
 会長が客人に襲われたんだ。とっとと相手を殺りに行くぞ!」
会員はそう叫ぶと駆け出していく。
残されたジャイアンたちは暫く呆然としていた。

まず動き出したのはジャイアン。
「何かよくわかんねーが、会長って白髪の爺さんのことだよな?」
問いかけられた静香はたじろき、そして頷いた。
「あの爺さんは、絶対悪い人じゃない。俺はそう感じた。
 見ず知らずの俺たちをわざわざ運んできたんだ」
「……牢屋だけどね」
少し離れたところから声が聞こえたので見ると、スネ夫が卵を抱えて膝をついていた。
「それに僕らは侵入者として捕まったんだ。
 あの様子じゃなかなか逃げられそうにないけど、この混乱に乗じればどうだい?
 今なら簡単に逃げられ」
「ふざけんな、この野郎!」
ジャイアンは足元の卵を掴んでスネ夫に投げつけた。
かなりのスピードで飛んだ卵はスネ夫の顔面に激突する。
779フェイル ◆Q43ANlifNA :2007/07/22(日) 22:52:51 ID:???
「ん、何すんだよジャイアン!!」
卵を払いのけ、鼻を覆いながらスネ夫は怒鳴った。
「逃げるなんてできるかよ! 俺たちは世話になってんだぞ」
「ふん。だからそれは捕まっただけだって言ってんだろ!」
スネ夫は先ほど投げつけられた卵をジャイアンに投げ返した。
放物線を描いて、卵はジャイアンの手に収まる。
「それでも、俺たちにタイムマシンの事故を教えてくれた。
 状況がわかってない俺たちにいろいろ説明してくれただろ!」
再び、ジャイアンは卵を投げ返す。
卵は真っ直ぐスネ夫に向かって飛んでいく。
「くだらねぇ」
スネ夫は飛んできた卵を叩き落とし、そのまま立ち上がる。
「僕は逃げるよ。そんなことをするほど感謝した覚えは無い」
そう告げると、スネ夫は歩いて扉へ向かう。
「……待てよ。スネ夫」
ジャイアンは口調を抑えて話し出す。
「もし、あの爺さんが俺たちを連れてこなかったら、俺たちはどうなっていた?」
その問いかけに、スネ夫の体が止まる。
「わけわからねぇまま、野生のポケモンに襲われてとっくに死んでた。そうだろ?
 お前だってわかるよな。
 だいたい、何でこんなことで争ってんだよ」
ジャイアンはスネ夫に近づく。スネ夫はゆっくりと振り返り、ジャイアンを見据えた。
「こんな状況だ。俺たちは一緒に巻き込まれた仲間だろ。
 少なくとも、のび太を見つけるまでは絶対死ぬわけにはいかないよな」
ジャイアンの言葉は、スネ夫の耳にしっかり届いた。
スネ夫は短く溜め息をつく。
「しょうがない……行こうか!」
780フェイル ◆Q43ANlifNA :2007/07/22(日) 22:53:54 ID:???
「武さん、スネ夫さん!」
静香が声を掛けて走ってきた。
後ろに数体のポケモンを連れてきている。
「客に来た人はポケモンを使って襲ったに違いないわ。
 でなきゃあんな振動が起こるはずないもの。
 さぁ、相手がポケモンを使っているんだから、こっちもポケモンで応戦よ!」
そう意気込むと、静香は後ろに連れたポケモンを振り向く。
その中からストライクを引っ張り出すとジャイアンに押し出した。
「武さんにはこの子がぴったりだと思うわ」
ジャイアンはそのストライクをしげしげと眺めた。
「なぁ、しずちゃん。これってさっき俺をぶった斬ろうとした奴じゃ」
「ええ、ちょっと血の気が多いの。
 でも大丈夫。バカみたいに速く走るしバカみたいに力が強いのよ、この子。
 ホント、バカが使っても攻撃してりゃ十分戦えるのよ! あなたにぴったりでしょ?」
何か喚いているジャイアンを無視して、静香はスネ夫にもポケモンを押しやる。
「ほら、スネ夫さんにぴったりなのはこの子よ」
黒い羽で空中に浮かぶそのポケモンは、ズバットだった。
「うわ……ズバットかぁ。懐かしいな。
 でもどうして僕にぴったりなの?」
「ええ、この子は『さいみんじゅつ』を覚えてるし『どくどく』の技マシンも使ったの。
 『ちょうおんぱ』も使えたはずよ。混乱させ、眠らせ、毒浴びせるのがあなたの戦法だったじゃない!」
スネ夫は遠い記憶を思い出した。
攻撃しか出来ないのび太やジャイアンをノーダメージで潰す自分。
手も足も出ない相手を嘲る自分の高らかな笑い声。
「そうか。そういえばそうだった。
 ふふ、ありがとう。しずちゃん。僕らしさを思い出したよ」
微笑みあう二人に対して、ジャイアンはさらに恐れを感じるのであった。
781フェイル ◆Q43ANlifNA :2007/07/22(日) 22:54:53 ID:???
終わりです。
では。
782名無しさん、君に決めた!:2007/07/22(日) 23:32:19 ID:???
783名無しさん、君に決めた!:2007/07/22(日) 23:36:41 ID:???
784名無しさん、君に決めた!:2007/07/23(月) 13:48:29 ID:???
学生は夏休みに入ったが昼は書き込みが少ないままだな…
785名無しさん、君に決めた!:2007/07/23(月) 19:41:17 ID:???
学生は昼 部活や遊びなどで結局家にいないぞ
786名無しさん、君に決めた!:2007/07/23(月) 19:52:31 ID:???
夜は夜で塾ある奴は塾だしな
787ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/23(月) 23:26:09 ID:???
投下する
友人と一緒にハヤテ見てたらヒナギクが出てきたところで発狂したんだが
788ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/23(月) 23:26:48 ID:???
『ハ…ハ……ハクションッ!』
俺は次のジムのある町、キッサキシティに行くため、217番道路を歩いている。
だがこの道路……足元にも雪が絡み付いて、動くのにかなり労力を使う。
ったく……なんでこんな不便なところにジムがあるんだ。

突然寒気が俺を襲う。悪寒と言った方が適切だろうか?
……嫌な予感がするな。もしかしたらあいつらに―――

「やぁ、久しぶりだね」

まさか、とは思ったがタイミング悪すぎだろ……
恐る恐る振り返ると、優等生面の少年、出木杉の姿があった。
789ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/23(月) 23:27:26 ID:???
「で、出木杉!?」
まずい……既に俺がギンガ団員だというのは周知のこと。
こんなところで仲間を呼ばれたら……
「そんなに驚いて……なにかあったのかい?」
……まさかとは思うが、ひょっとして知らないのか?
「いや…突然後ろから声かけられたからさ……」
大丈夫だ…誤魔化せてるはずだ。

「お前はもうグレイシャバッジを手に入れたのか?」
「まだなんだ…これから僕も行くところだよ
 それよりナナシ君、ジム戦の前に勝負をしてみないかい?」
勝負の申し込み、環境が悪かろうと売られた喧嘩は買うしかない。
790ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/23(月) 23:29:01 ID:???
俺の先鋒はルカリオ、相手はエレブーだ。
「炎のパンチだ、エレブー!」
拳に炎を宿し、ルカリオ目掛け突進してくる。
「電光石火で回避しろ!」
単調な攻撃は簡単に回避でk……
エレブーの右手はルカリオを捕らえ、炎が襲った。
しまった。足場が雪のせいで、素早く動くことができないのか……
だが相手も同じ条件だ。ここは単調な攻撃でも通る。

この後、ルカリオとエレブーの激しい技の応酬が続いたが
最初に受けた炎のパンチのダメージが大きく、先にルカリオが力尽きた。
俺は新たにラグラージを出し、冷凍パンチでエレブーを沈めた。
791ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/23(月) 23:30:02 ID:???
「やるね……ナナシ君」
「そっちもな。さぁ次のポケモンを出せ」
余裕を見せてはいるものの、切り札のルカリオを失った今、かなり不利な状況に立たされている。
相手のエレブーは、おそらく切り札でも何でも無いはず。
「行け、シャワーズ!」
イーブイの進化系シャワーズ、おそらく彼の切り札だ。
「シャワーズ、波乗りだ!」
波如く大量の水がラグラージに襲い掛かる。
「れ、冷凍パンチだ!」
波に拳を当て、凍結させる。
しかし、全てを凍結させることはできずに波はラグラージを呑みこんだ。

『ハ…ハ……ハクションッッ!!』
波はラグラージだけではなく、俺にも命中し
服を濡らされてしまった。
「ご、ごめん、大丈夫かい?」
「なんとかな……」
こんな寒い中で服を濡らすはめになるとは……
「くそっ……瓦割りだ!」
腕を振り上げ、シャワーズに襲い掛かる。
しかし、その動きはどこかぎこちない。
その理由は足場の悪さ。
体重の重いラグラージは、素早く動き回ることはできないのだ。
792ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/23(月) 23:31:14 ID:???
「シャワーズ、オーロラビームだ!」
七色の光線がラグラージを貫く。
その光線でラグラージは、白い大地に倒れこんだ。

「僕のシャワーズを甘く見ないでもらいたいね」
このシャワーズ……強い。
勝負している環境も作用しておるが、シャワーズ自身もかなり育てこまれている。
こうなったら……
「行け! クロバット」
翼を羽ばたかせ、空中を駆け巡るクロバット。
こいつなら地面の影響を受けることは無い。その素早さを存分に生かせる。
「クロスポイズン!」
クロバットは旋回しながら、シャワーズ目掛け突進する。
「オーロラビームだ!」
シャワーズは上を向き、オーロラビームを放とうとする。
しかしその攻撃は、突然中断された。
そして、隙の生まれたシャワーズに、クロスポイズンが打ち込まれた。
この攻撃と今まで蓄積されたダメージで、シャワーズは戦闘不能となった。
「どうしたんだシャワーズ!?」
「上を見れば分かるさ」
「なに……まぶしっ……そうか」
シャワーズは上を向いたとき、陽光が目に入り、攻撃を中断してしまったのだ。
793ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/23(月) 23:31:58 ID:???
段々と風が強くなっていく、濡れた服のせいで寒い。
「シャワーズを倒されるとはね……でもまだだ! 行けムクホーク!」

鋭い眼光をクロバットに向ける。一瞬俺まで怯えてしまった。
「捨て身タックルだ!」
いきなりの奇襲、風を切裂く音が俺の耳にも入ってくる。
「応戦しろ! ブレイブバードだ」
クロバットも羽を折りたたみ、ムクホークに突撃する。
お互いがぶつかり合い、衝撃波が飛び散る。
数秒ぶつかり合い、やがてクロバットが押し負けた。
なんて攻撃力なんだ……
「まだだ! 応戦しろクロバット」
何度もぶつかり合うムクホークとクロバット。
しかし、負けるのはクロバットだ。
いくらムクホークの攻撃力が高いからって、この結果はおかしすぎる。
他の要素が……しまった。
ムクホークの特性『威嚇』を忘れてた。
これが原因で、クロバットの攻撃力が下がっていたのか。

「一旦離れろ! 今の状態じゃ――」
「もう遅いよ、とどめの電光石火!」
流星のようなスピードで、ムクホークはクロバットに一撃を加える。
この攻撃でクロバットは地に落ちた。
794ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/23(月) 23:32:42 ID:???
「くそ……行け、ロト……うわっ」
吹雪がフィールドを襲う。
『大丈夫かーい!?』
出木杉の声が聞こえる。そっちは大丈夫なようだ。
「もう勝負は無理みたいだね……とりあえず引き分けという形でいいよね?」
こっちが三体失っていて、相手は二体失っている。
はっきり言えば負けているのは俺……だが相手がそう言っているのならばいいか。

「分かった、またいつか勝負できる機会があればいいな」
「そうだね……じゃあ!」
この場所からどうやって離脱するんだ?
そう考えていると、ムクホークが出木杉を乗せてキッサキ方面に飛び立っていった。
よし、俺もクロバットに乗って……
クロバットは、さっきの戦闘で瀕死になっていたんだ……
ここから……どうやってキッサキシティにつけばいいんだ?


ナナシ
ルカリオLv47、クロバットLv45、ロトムLv44、
ラグラージLv46、イーブイLv40
出木杉
シャワーズLv52、ムクホークLv47、エレブーLv46、残りの手持ち不明
795ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/23(月) 23:33:57 ID:???
投下終了
ゼロの使い魔重い……
796名無しさん、君に決めた!:2007/07/23(月) 23:35:36 ID:???
797トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/23(月) 23:41:35 ID:???
ギンガ氏乙
投下します
798トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/23(月) 23:42:16 ID:???
       #15 「死の宣告」

午前9時、選手たちはコロシアム中央に集められた。
昨日までここを細かく区切っていた壁は消え、会場は再び初日のときの広さを取り戻している。
彼らがここに集められたのは他でもない、決勝トーナメントの説明を受けるためである。
初日、ここには256のチームがいたのだが、いまはたったの16チームまで減ったしまった。
有名なトレーナーや出木杉たち、5thことジャイ子や廊下で遭遇した白いローブの人物の姿も見える。

しばらくして、開会式のときと同じように2人の人物が上の広場に現れる。
Mr.ゼロと、開会式で司会をしていた者……相変わらずどちらも顔は見ることができない。
さっそく司会の者が口を忙しそうに動かし、説明を始める。
一方で、Mr.ゼロは椅子に座ったまま全く動かない、不気味なことこの上なしだ。

司会の男が決勝トーナメントのルールを発表し終えた。
大きく変わったところは、手持ちポケモンの数だ。
ダブルバトルは1人につき手持ち3体、合計6体6の勝負となった。
シングル一戦目は3体3のまま、特に変わりはない。
そして大将戦は、6体6のフルバトルとなった。
その他、バトルの内容などについてのルールには特に変更はない。

司会の人物がルールを告げ終わったその時だった。
いままでずっと椅子に座っていたMr.ゼロが突然立ち上がり、司会からマイクを受け取る。
いったいこれから、どんな言葉を発するのだろうか?
場が静まり返り、全員の視線がMr.ゼロに注がれる。
注目を受け続けるMr.ゼロは、変声機による不気味な声で言った。
『諸君らに、見せたいものがある』   
799トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/23(月) 23:43:09 ID:???
見せたいもの? いったい何なんだ? と、選手たちがざわめき始める。
それをかき消すかのように、会場の巨大スクリーンにある映像が映される。

映像に映されていた場所は、どこかの広く薄暗い部屋だった。
ここへくる時に乗った船の部屋の2倍くらいの大きさだった。
……そしてそこには、800人くらいの人間がいた。

「まだ気付かないのか……ならこうすればどうかな?」
Mr.ゼロがそう言うと、映っている人間の顔がはっきりと見えるくらい映像がズームされた。
「え! あ、あれは……」
のび太が驚きの声を上げた。
昨日自分たちに負けた、カントー四天王やキッサキ同盟軍の姿が見えたのだ。

そこに映っていたのは、この大会で敗れた選手たちだったのだ……

「おい、どういうことだ! 負けた選手は帰ったんじゃなかったのか!」
ジャイアンが上のほうにいるMr.ゼロに叫びかける。
それをきっかけに、他の選手たちの何人かが思い思いの言葉を叫ぶ。
だがMr.ゼロがマイクを口に近づけだすと、その声は一瞬にして止んだ。
そしてMr.ゼロは、何事もなかったかのように言った。

『試合に負けた選手が乗るワープ床、あれがこの部屋に通じていた。
この部屋はコロシアムの地下にある……彼らは大会が終わるまで、この部屋から出ることはできない。
つまり彼らは……“人質”というわけだ』
選手たちが再びざわめき始める前に、Mr.ゼロは話を続けた。

『もし諸君らのうちのどこかのチームが優勝すれば、彼らを解放するし、4億円も渡す。
……ただし、我々のチームが優勝した場合には
“この大会の参加者は全員、死ぬ”』

―――それは、あまりにも突然な死の宣告だった。
800トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/23(月) 23:44:14 ID:???
「ふざけんな、なんで俺たちが殺されなきゃならねえんだ!」 
「説明しろ!」 
「そこから降りて来い!」
様々な罵声を背に、Mr.ゼロはその場を去っていった。

残された選手たちは動揺を隠せない。
(自分が負けたら、あの地下室の輪に加わることになる。
もしMr.ゼロのチームが優勝すれば、ここにいる参加者は1人残らず消されてしまう。)
頭では理解できているのに、先程聞いた話が信じられない。
当然だ、人はそう易々と死を受け入れることはできないのだから。

もし明日突然「死ね」と言われて、それを受け入れることができる人間がいるのだろうか?
それを受け入れろというのは、あまりに酷な話である。
死を恐れ、現実を信じようとしない選手たちが混乱し始める。

だが上の広場に1人残された司会者は、そんな様子を全く気にせず言った。
『では、決勝トーナメントの組み合わせを発表します』
それと同時に、スクリーンに映るものが地下室の映像からトーナメント表に切り替わる。
組み合わせは、以下の通りだ。
801トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/23(月) 23:45:11 ID:???
ジョウトジムリーダーズ――┓
             ┣―――┓
   チーム・コトブキ――┛   ┃
                 ┣――――┓
       キングス――┓   ┃   ┃
             ┣―――┛   ┃
       ドラーズ――┛       ┃
  ┣―――――┓
       爆走同盟――┓ ┃ ┃
             ┣―――┓ ┃ ┃
     ナナシマ連合――┛   ┃ ┃ ┃
                  ┣――――┛ ┃
   セキチク忍者軍団――┓   ┃ ┃
             ┣―――┛ ┃
フロンティアブレーンズ――┛ ┃
┣━
     レジスタンス――┓ ┃
              ┣―――┓ ┃
     ポケモン救助隊――┛   ┃ ┃
                  ┣――――┓ ┃
   カナズミスクール――┓   ┃ ┃ ┃
              ┣―――┛ ┃ ┃
      クイーンズ――┛ ┃ ┃
┣―――――┛
  ホウエン四天王連合――┓ ┃
              ┣―――┓ ┃
シンオウジムリーダーズ――┛   ┃ ┃
                 ┣――――┛
 ポケモン大好きクラブ――┓   ┃
             ┣―――┛
     ジョーカーズ――┛
802トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/23(月) 23:46:01 ID:???
トーナメント表が映るのを確認すると、司会者はその場を去っていった。

残された選手たちの混乱はしばらく続いたが、徐々に落ち着きを取り戻し始めた。
トーナメント表のうち、『キングス』『クイーンズ』『ジョーカーズ』の3チームはMr.ゼロのチームだ。
その3チームと戦うことになった選手たちに緊張が走る。
自分たちが勝たなければ、自分や他の選手たちの命が……
そんなプレッシャーが、彼らを襲ってくるのだ。
勿論それは、『キングス』と初戦で当たることになったドラーズの面々も例外ではない。

「私たち、絶対に勝たなきゃいけないわね……」
静香が不安そうに呟く、3人からの返答は帰ってこない。
……しばらくして、しびれを切らしたジャイアンが動き出した。
「あ、ジャイアン! どこに行く気なの?」
のび太が問うと、ジャイアンは背を向けて言った。
「いまから相手の『キングス』ってやつらのとこに行って、問い詰めてやるんだ!
“なんでお前らのリーダーは、こんなことをするのか”ってなあ!」
その声には怒りがこもっていた。
慌てて引き止めようとする仲間を無視し、ジャイアンは敵の元へ向かう。

「ねえジャイアン! 落ち着いて……」
ジャイアンを追いかけて行ったのび太の言葉は途中で途切れた。
そこに対戦相手を目の前にして、ガックリと膝をついているジャイアンの姿があったのからだ。
ジャイアンの目の前にいる対戦相手、『キングス』の選手の1人の肩に“5”の文字が見える。
5……5th、ジャイ子のことだ。
次の対戦相手は、ジャイ子のチームだったのだ。
いまから当たる相手は、自分たちを死に追いやろうとしている悪のチーム。
そして、ジャイアンの大切な妹が属するチーム……

「うわああああああ!」
ジャイアンが獣のように雄たけびを上げた。
803トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/23(月) 23:47:35 ID:???
トーナメント表はバーボン>>509さんのを参考に作らせていただきました。
ありがとうございました
投下終了……したいところなんですが、なんで>>801はあんなにずれてるんだ?
804名無しさん、君に決めた!:2007/07/23(月) 23:48:50 ID:???

ドラーズ下の4チームは平和だなw
805名無しさん、君に決めた!:2007/07/23(月) 23:49:03 ID:???

……さぁ?なんとか作り直してみたら?
806トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/23(月) 23:50:30 ID:???
ちょっと避難所でもう一回ちゃんと貼れるかどうかためしてみます
ダメだったら諦めるしかないかも……
807名無しさん、君に決めた!:2007/07/23(月) 23:51:19 ID:???
>>509だがそれはテメエがスペースを使ってねえからだよ!
だから俺のをコピペしろと言ったのにこのマヌケが!


808名無しさん、君に決めた!:2007/07/23(月) 23:53:47 ID:???
>>807
ゲームやネットの世界だけだと思ってたが本当に居るんだな……
809トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/23(月) 23:54:13 ID:???
やっぱりだめっ立ったので帰ってきてみたら……なるほど! そういうことだったのか
「チーム数も足りないし、自分で頑張ってみよう」などと思っていた自分が馬鹿でした
810 ◆cAII3gBk5. :2007/07/24(火) 01:38:04 ID:???
    皆乙。
やっぱり合コンは大ッ嫌いだッ!!!
 
投下しますよ。
811 ◆cAII3gBk5. :2007/07/24(火) 01:40:39 ID:???
「ジャイ子!」
 
ジャイアンの声がドーム内に木霊する。
フードの中から出てきたクリスの顔は、紛れもなくジャイアンの妹であるジャイ子の顔だった。
「ジャイ子だって!?
 ジャイアン、それは間違いじゃないの?」
「間違いなく……あれはジャイ子よ」
のび太の質問に答えたのはジャイアンではなく、いつの間にか後ろにいたジャイアンの母だった。
「タケシ、のび太君。
 ジャイ子は変わってしまったんだよ。
 そう……出木杉様の忠実な下部になってしまったんだ。
 あんなに痩せて、髪もボサボサにして……もうあんな子の事は忘れておしまい」
「…母ちゃん」
ジャイアンには直ぐ分かった。
この言葉の真意が、そして本当の気持ちが…
『母ちゃん、安心してくれ。 ジャイ子は俺が必ず助ける』
 
「オバサン、少し話を聞かしてくれませんか?
 その…ジャイ子ちゃんが変わってしまう…切っ掛けのような事を…」
「それが良く分からないんだけど…
 ジャイ子が変わる2日前に出木杉様が店に来たんだ。
 その日の夜、ジャイ子がとても嬉しそうにしてたのを覚えてるよ」
「…やっぱり出木杉か!
 クソッ、俺のせいだ! 家族が狙われる事くらい…予想出来たはずなのに…」
ジャイアンが、思いっきり腕を床に叩きつけようと腕を振り上げた
――その時
 
《…えるか……の声が聞こえるか?》
812ミュウ ◆cAII3gBk5. :2007/07/24(火) 01:44:18 ID:???
「ふは…ふははははははァ!
 勝ちましたよ、出木杉様ァァ! 出てきて下さいィ!
 そして……褒めて下さいィィ! このあたしの事をォォォ!」
ジャイ子の枯れた声が、ドーム内に響き渡った。
その絶叫にも似た声の余りの大きさに、観客全員が耳を覆う。
やがてドーム内の空気が戻り始めた頃、黒いミュウを従えた出木杉が姿を現した。
「頑張ったね、ジャイ子君」
「…出木杉様ぁ……相変わらずとても素敵です…」
ジャイ子が再会を喜ぶ中…
出木杉は計画が思惑通りに事が進む優越感に浸っていた。
 
《聞こ…るか?》
「その声……ミュウかい?」
のび太はなるべく小さな声でそう言い、隣のジャイアンを見た。
黙って頷くジャイアン。
どうやらジャイアンにも聞こえてる様だ。
「ミュウ…なんだい?」
《…私……木杉に操ら…てしま…た。
 こ…以上、お前達…サポー…をする事…出来ない…許し…くれ》
「えっ!?」
思わず大声を出してしまい自らの口を抑える。
そして、のび太は聞いた。
「何が…あったの?」
《…私…頭に…特殊な…械が搭載さ…ていた。
 そ…で身動き…止められ…あるポ…モンに思考を完全…操られ…んだ。
 何故か…この試合が始ま…前辺りから…こう…て少し力…使えるがな…》
「おい、まさか!?」
「ジャイ子も……そのポケモンに!?」
二人の脳は、同時に1つの答えを弾き出した。
813ミュウ ◆cAII3gBk5. :2007/07/24(火) 01:47:13 ID:???
《も…分か…ただろ?
 そのポケ…ン…いや、デオ…シスは、生物…体内に特殊な電流…流し、
 …分の支配…に置く事が出来…んだ。
 た…し、一度に完全…操る事が出来るのは一匹のみ。
 複数を一度に操…うとす…と、力が弱…る。 だから出木杉は…》
「…今日までミュウを支配してこなかった」
 
そう言って、のび太は前を見た。
良く見ると、出木杉が手に何かを持っている。
きっと、ミュウが逆らった時殺す為の機械だろう。
      『クソッ…』
のび太には、どうする事も出来ない自分を責める事しか出来なかった。
 
スネ夫が負けた 敵はジャイ子 ミュウが操られた
 
余りに多くの事が一度に頭に入り、のび太の頭がパンクしそうになる。
そして、のび太の頭に浮かんではいけない言葉が浮かんだ。
 
   『…もう無理だ』
 
ゆっくりと下を向くのび太。
……だがその瞬間、ジャイアンが驚くべき事を口にした。
 
「スネ夫が……笑ってる」
814ミュウ ◆cAII3gBk5. :2007/07/24(火) 01:48:46 ID:???
「何笑ってるの?
 ついに頭がおかしくなったのかしら? お兄ちゃんの下僕さん」
「…いや、面白くてね。
 余りに自分の思惑通りに事が進んでいるのが」
「何だって?」
そう言ったのは出木杉だった。
出木杉は、最初からジャイ子とジャイアンの兄妹対決を準決勝で再現する事を計画していた。
つまり、この試合でジャイ子が勝つことは、出木杉にとって計画通りなのだ。
それなのに、スネ夫は自分の計画通りに進んでいると言っている。
出木杉は、その事がとても気に食わなかった。
「骨川君、どういう意味だい?
 まさか…この試合君が勝つとでも言いたいのかい?
 もう…ポケモンも残っていないのに」
その言葉は聞いたスネ夫は、ニヤリと歯を見せて笑う。
そして、ジャイ子を指差し、こう言った。
「勝つんじゃなくて、勝ったのさ。
 出木杉、ジャイ子の体を揺すってごらんよ」
その言葉を聞いた出木杉は、ゆっくりとジャイ子の肩に手を伸ばす。
 
「ジャイ子く……な…何だと!?」
 
ジャイ子の体は、ゆっくりと地面に吸い込まれていった。
深い眠りにつき……とても気持ち良さそうな表情をしたまま……
815ミュウ ◆cAII3gBk5. :2007/07/24(火) 01:50:11 ID:???
「こ、こんなはずは……まさか、お前!?」
「そのまさか、さ。 前を見てみな」
前を見ると、さっき倒れたはずのナッシーが立っていた。
傷だらけで、片膝をついており、その体は今にも倒れそうだ。
しばらくそのナッシーを眺め、出木杉は言った。
「"こらえる"を使ったな…骨川…君」
「その通りだよ、出木杉。
 僕はこの試合中に、クリスがジャイ子である事に気が付いたんだ。
 理由は3つある。
 まずは口調だ。 ずっと気になってたよ。
 小さめで、途切れ途切れに喋る特徴的ある口調。
 小さな声で喋るのは分かるが、声が途切れるのはいくら何でもおかしい。
 そして、分かったんだ。
 その喋り方が、正体を隠す為の作戦だってね」
その言葉を聞くと、出木杉は怪しく笑った。
「……良く気が付いたね、その通りだよ。
 普通に《あいうえお》と言うと、声質が良く分かるけど…
 《あ…い…う…え…お》と間を入れると、声質は分かり難い。
 そう、バラバラのパズルでは、描かれた絵が分からないのと同じようにね」
「……それで気が付いたんだよ。
 クリスの正体はバレると不味い人物……つまり、僕らに関係のある人物って事にね」
816ミュウ ◆cAII3gBk5. :2007/07/24(火) 01:51:32 ID:???
「2つ目の理由は…ジャイアンの話だ。
 ジャイアンが言ってたよ。 ジャイ子が居なくなったって…
 そして、クリスの口調と、ジャイアンの話が、僕の中で1つに繋がったんだ」
「骨川君、1つ良いかい?
 君は大きな勘違いをしているよ」
出木杉が、スネ夫の話に割り込んでそう言った。
そして、出木杉はさらに話を続ける。
「ジャイ子君が僕と話している間に、ナッシーを密かに接近させ、
 催眠術でジャイ子君を眠らせた……そこまでは良かったよ。
 でも、もう終わりだ。
 ジャイ子君が眠っても、君の勝ちにはならない。
 ジャイ子君に勝ちたいなら、あのレジギガスを倒さないといけないんだよ。
 …君のナッシーにそれが出来るかい?
 絶対無理だ。 ジャイ子君はもう直ぐ目を覚ましッ! そのナッシーを粉砕するッ!」
出木杉がそう叫んだ。
確かに…出木杉の言う通り、試合に勝つにはトレーナーを棄権させるか、
トレーナーかポケモンを戦闘不能にしないといけない。
相手が眠っているうえ、仲間であるジャイ子である以上、
スネ夫が試合に勝つには、改造レジギガスを倒さないといけないのだ。
 
圧倒的に不利な状況……
だが、スネ夫の顔はやはり笑っていた。
817名無しさん、君に決めた!:2007/07/24(火) 01:54:08 ID:???
支援
818名無しさん、君に決めた!:2007/07/24(火) 02:00:40 ID:???
支援
819名無しさん、君に決めた!:2007/07/24(火) 02:11:25 ID:???
言え、どこだ、どこにある。ミュウ氏の続きはどこだぁあああああああ
820ミュウ ◆cAII3gBk5. :2007/07/24(火) 06:45:42 ID:???
スネ夫の笑みを見た出木杉は、声を荒げ叫んだ。
「な、何がおかしいんだ!」
「…出木杉、お前も見てたんだろ?
 さっきクロバットがレジギガスに噛み付くのを。
 あの攻撃は……ただの噛み付くじゃなかったのさ」
そうスネ夫が言った瞬間、レジギガスの巨体が地面に沈んだ。
ドーム内に轟音が鳴り響き、辺りが一面砂煙に包まれる。
その煙が晴れると、出木杉の顔は悔しさの色に染まっていた。
「…どくどくの牙だったのか。
 今までわざわざあんな長い話をしたのも、
 "どくどく"に気付かれない為の布石だったって訳だね」
「最初からナッシーにその指令を全て教えておいたんだ。
 ここまで上手くいくとは……流石に思ってなかったけどね」
スネ夫の言葉を聞いた出木杉は、今度は楽しそうに笑う。
その顔は余裕に満ち溢れ、自分の計画に絶対的自信を抱いている……そんな顔だった。
「全く……君の思いつく作戦の狡猾さ、斬新さ、強力さには驚かされる。
 完敗だよ……僕もまだまだ甘いって事かな。
 …ミュウ、帰るぞ。 作戦の練り直しだ」
出木杉がそう命令すると、二人の体が光に包まれる。
だが、二人の体が消える直前、出木杉は再び口を開いた。
 
「骨川君、もう1つ質問だ。
 クリスの正体が分かった3つ目の理由は?」
スネ夫は短く笑い、その質問に答えた。
「…簡単さ。 名前だよ。
 クリスチーヌ剛田、略してクリス…だろ?」
821ミュウ ◆cAII3gBk5. :2007/07/24(火) 06:54:38 ID:???
「それでは、Dブロック決勝の勝者を発表します!
 勝者は……骨川スネ夫!」
その名前が呼ばれた瞬間、スネ夫にドーム内から惜しみ無い拍手が贈られた。
『僕への…拍手だよな?』
スネ夫は、少し自分の頬っぺたを引っ張ってみた。
痛い…てか伸びてた爪が刺さった。
『夢じゃない…僕は勝ったんだ、あのクリスに』
予選でクリスから逃げ、一回戦では大怪我も負った。
二回戦で初めての完全勝利を味わい、命がけの修行も乗り越えた。
そして……現在。
あのクリスを倒し、自分はこのドームの全ての観客に認められている。
スネ夫は思った。
今まで頑張ってきて、本当に良かったと。
「スネ夫、戻って来いよぉ!」
後ろを向くと、のび太とジャイアンが手を振っている。
スネ夫は、ジャイアン達の方に足を伸ばした。
――ミュウ?
『…ちょっと待て……まさか、ミュウは僕に…』
スネ夫の中で新たな答えが見つかり、作戦が作り上げられていく。
スネ夫は、伸ばしてた足を戻し、のび太達に背を向けた。
822ミュウ ◆cAII3gBk5. :2007/07/24(火) 07:01:04 ID:???
「ス、スネ夫?」
のび太達が驚きの声を上げる。
スネ夫は、後ろを向いたままこう言った。
「ジャイ子を放ってはおけないだろ?
 …僕は棄権して、一緒に下へ落ちる事にするよ」
「な、何言ってんだよ!
 せっかく…勝ったのに…俺はお前とも戦いたいんだぞ!」
「…ジャイアン、僕らはここに戦いに来てるんじゃない。
 優勝して、ドラえもんと出木杉を助け出す為にここに来てるんだ。
 僕には考えがある。
 だから二人は……全力でジンを倒して、しずかちゃんを助けてくれ!」
「ス、スネ夫…お前…」
スネ夫が司会を呼び、事を説明する。
頷く司会、そして…司会は最後の確認をした。
「悔いは無いですか?」 「……はい」
司会がボタンに手を伸ばす。
「スネ夫!」 ジャイアンがスネ夫の名前を呼んだ。
 
「……お前、カッコ良かったぜ!」
 
一生続きそうな程盛大な拍手の中、二人の体は消えていった。
 
のび太とジャイアンは、拍手が鳴る間、まばたきもせず……その光景を見守っていた。
823ミュウ ◆cAII3gBk5. :2007/07/24(火) 07:08:00 ID:???
ようやく次は決勝編だ……長かったぁ…
半年前に構想したジンとの戦いがやっと実現するよぉ…
準々決勝編――完結 >>811-816 >>820-822
 
今回途中で眠ってしまい、本当にごめんなさい。
朝起きたらケータイ握ったまま眠ってたよ/(^O^)\ナンテコッタイ
824名無しさん、君に決めた!:2007/07/24(火) 07:08:35 ID:???

ジンがいるならウォッカもで……
825名無しさん、君に決めた!:2007/07/24(火) 09:21:47 ID:???
それなんてコナン?
826名無しさん、君に決めた!:2007/07/24(火) 10:14:50 ID:???
827名無しさん、君に決めた!:2007/07/24(火) 10:32:19 ID:???
このおちゃめさん☆
828名無しさん、君に決めた!:2007/07/24(火) 12:12:25 ID:???

まだ準々決勝か、完結は先だな
829名無しさん、君に決めた!:2007/07/24(火) 12:15:25 ID:???

不覚にも萌えた
830名無しさん、君に決めた!:2007/07/24(火) 12:44:49 ID:???

ジン対レッドってもうやった?
831名無しさん、君に決めた!:2007/07/24(火) 16:34:13 ID:???
レッドって誰だよw
832名無しさん、君に決めた!:2007/07/24(火) 18:27:40 ID:???
シロガネ山のレッド。多分ワタルやダイゴとかシロナと同じ幹部かと思ったんだけど書いて無かったっけ?
833名無しさん、君に決めた!:2007/07/24(火) 18:34:06 ID:???
そんなの出てたのか……というかダイゴやシロナが出てきたのも覚えてない
もう一回最初から読み直してみようかな
834名無しさん、君に決めた!:2007/07/24(火) 19:22:00 ID:???
描写は無いけど、レッドはジンに負けたよ。
ジンは完全に謎の存在にしたかったから、書かなかった。
強さを説明すると…
サーナイトオタ<<<<<ゴヘエ<<シロナ=ダイゴ=レッド<<<<ゴク=クリス<ジン
シロナ、ダイゴ、ディアルガ、パルキアの扱いの低さには正直悪かったと思ってるw
835名無しさん、君に決めた!:2007/07/24(火) 19:27:07 ID:???
なるほど…あなたがミュウ氏ですか?やっぱレッドってあのレッドですよね?しかしゴクってそんなに強かったのか…
836名無しさん、君に決めた!:2007/07/24(火) 19:29:35 ID:???
こういう時こそバーボンつかえよ
837 ◆cAII3gBk5. :2007/07/24(火) 19:35:31 ID:???
ゴクは強いよ、相当。
でも、ゴクは勝つことより相手を屈服させる事に全身全霊を捧げるタイプ。
ハッキリ言って、あの性格じゃなかったらゴクにジャイアンは勝てなかった。
てか、レッドって言っても所詮はゲームの1キャラ。
考える事も、持ってるポケモンも生身の人間には勝てないんだよ。
以下バーボンへ……→
838電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/24(火) 22:57:50 ID:???
投下します
839電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/24(火) 22:58:36 ID:???
電話を終えた静香は、会心の笑みを浮かべた。
電撃波と言えば、使い勝手の非常に良い技。
ハヤトのピジョンやツクシのストライクなど、ジムリーダー戦でも充分に使える。
地面タイプには効かないのが難点だが、最短ルートならつながりの洞窟までは、野生のイシツブテは出現しないので、そこまで心配すべき事ではない。
一番大きいのは、独り立ちが出来たという事で、のび太のペースに付き合わなくて済むという事だった。
「さて、身の程知らずな子犬達をどうやって手懐けようかしら…」

同じ頃、ヨシノシティのポケモンセンターでは、テレビに夢中になっているのび太がいた。
そこへ、静香からの電話のやりとりを済ませたドラえもんが帰ってきて、のび太に声をかける。
「のび太君、あのね、静香ちゃんは…
「うるさいうるさいうるさ〜い!
今、“クイズ・ペンタゴン”を見てるんだい! 邪魔するな!」
「いや、静香ちゃんが…って、ポケギアの機能に関する問題が出てるじゃないか! どれどれ、

『次のうち、現在ポケギアに搭載されている機能はどれ?
A.ワンセグ、B.クエストお知らせ機能、C.トレーナーズ・アイ。
さあどれでしょう!』
840電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/24(火) 22:59:21 ID:???
「ドラえもん分かる〜?」
「ポケギアなんてまだ大して使ってないしなあ。よく分かんないや。
あ、あれコガネジムのアカネだ。ボタン押すの速いなあ。」

――――――――――
クルミ:それではアカネさん、答えは?
アカネ:Aのワンセグや!
クルミ:ブ―。正解はBのクエストお知らせ機能でしたあ。
司会者:お前アホか! それでもジムリーダーか!
アカネ:ぐっすん、ひっぐ、ひどいよぉ〜!
クルミ:あーあアカネさん泣かしちゃった。
司会者:いっ、一旦CMへ!
――――――――――

「これは酷い茶番だなあ。でも芸能界って大変だね。」
「そうだね。」

・memo
クイズペンタゴン…カントージョウト地方で人気のクイズ番組
準レギュラーとして度々コガネジムリーダーのアカネが出演する
一見アホに見えるアカネだが、実はそこまでアホでは無い
しかし、そこは番組の都合上、天然キャラとして扱われることが多い
841電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/24(火) 23:00:08 ID:???
「ドラえもん、クエストお知らせ機能って何だか分かる?」
「どうやら完了したクエストや、新たに受けることが可能となったクエストを知らせてくれる機能みたい。
あっ、CM終わってた」

――――――――――
クルミ:今の問題で終了ですぅ〜。また来週テレビの前でお会いましょう〜。
司会ヒロキ、アナウンスクルミでお送りしました〜。
――――――――――
「終わっちゃったねのび太君」
「うんそうだね。あっ、なんかゲームフリークからのお知らせとか出てるよ。」
「な、なんだってー」

【ゲームフリークからのお知らせ】
この度のアップデートでの更新内容をお知らせします。
1.ゲーム内アイテムを追加実装します。
・ハイパーボール
・わざマシン各種

2.ポケギアに新機能が搭載されます。
トレーナーズ・アイ
この機能では、自分のポケモンの能力値や、相手のポケモンのレベルが分かるようになります。

今後も“ポケモン”を宜しくお願いします。
842電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/24(火) 23:00:58 ID:???
「成る程成る程、ゲームが進化するんだねえ。となると今の番組も実は宣伝だったのか。」
「それよりなんだか外が騒がしいよ! 行ってみようよ!」
確かに外が騒がしい。
「あっ、本当だ。どうしたんだろ」
「行こうドラえもん!」

外に繰り出していくのび太とドラえもん。しかし、そこには騒ぎを起こせる程の人数はいなかった。
「ドラえもん! どうして空から声が聞こえるんだい?」
「一体なんなんだろうね?」

人はいない、されど確かに声はする。だが内容は殆ど以下のようなものである。

ハイパーボール━━キ(゚∀゚)タ━━!!
うはw 新技マシンktkr
トレーナーズ・アイとか今更かよwwwwwwww

「うん、確かに声ははっきりと聞こえるね。でも何処からだろう…?」
「これはね、拡声器と言うんだよ。」
『拡声器?』
843電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/24(火) 23:01:41 ID:???
首を傾げる二人。しかしドラえもんは、“拡声器”という物の詳細よりも、先に訊きたい事があった。
「あなたは、誰…?」
「君らと同じ旅人だよ。君達は拡声器を知らないのかい?」
「ええ、全く」
「そうかいそうかい。拡声器とはね、自分の発言がジョウト中に聞かせる事ができるアイテムなのさ。」
「へぇえ。それじゃ今のもジョウトにいる誰かの発言なんですか?」
「そうだよ。まあ拡声器は有料なんだがね」
「有料ってどういう意味で?」
「ゲーム内の通貨ではなく、現実世界のお金で買わなきゃいけないって事さ。
まあここでは詳しくは語らないでおこうか。では僕はそろそろ行くとするよ」
「待って! 貴方の名前は?」
「……君達の名前は?」
「ドラえもんです!」
「のび太だ!」
「そうか、ではまた会う日まで……。
ピジョット、空を飛ぶ!」
謎の青年はそう言って去っていった。

「行っちゃったね。」
「うん…、でもまたきっと会えるよ!」
「そうだね! 僕達も先に進もう!」
「うん!」
844電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/24(火) 23:02:21 ID:???
投下終了です。
前回は>>720-723だったはずです
845名無しさん、君に決めた!:2007/07/24(火) 23:05:25 ID:???
846トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/24(火) 23:57:29 ID:???
電脳氏乙

昨日のトーナメント表の件ではお騒がせしてすいませんでした。
いろいろと力になってくれた>>807氏には悪いのですが、トーナメント表は諦めることにしました。
本当に申し訳ありません。

今回はおまけみたいなものですけど、投下します
847トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/24(火) 23:58:14 ID:???
       決勝トーナメント出場チーム紹介
       (ランクは高い順にS、A、B、C、D)

bP ジョウトジムリーダーズ   ランクA
リーダー   シジマ 
・ジョウト地方のジムリーダーであるハヤト、アカネ、シジマ、ミカンの4人で結成されたチーム。
どの選手もジムリーダーをしているだけあってかなりの実力者である。

bQ チーム・コトブキ      ランクA
 リーダー   結城英才
・シンオウ地方、コトブキシティのトレーナーズハイスクールの同級生4人で結成されたチーム。
無名のトレーナー集団ながら、個々の実力は物凄く高く、圧倒的な実力で予選を勝ち抜いた。
特にリーダーである結城英才の実力は飛びぬけている。将来に期待がもてるチームだ。

bR キングス          ランクS
 リーダー   5th
・Mr.ゼロのチーム、実力は4チーム中2番目。
非常に残酷なバトルを演じ、実力もかなり高い。
四天王に匹敵する、とまで言われているほどだ。

bS ドラーズ          ランクB
 リーダー   野比のび太
・トキワシティのトレーナーズスクールの同級生4人で結成されたチーム。
ブロック戦の最初の方の戦いぶりを見る限りはたいしたチームには見えない。
だがしかし、ブロック戦決勝で優勝候補のカントー四天王連合を倒すという快挙を成し遂げた。
試合ごとに選手の調子にバラつきがあり、安定感はないがその分実力もまだまだ未知数だ。
決勝トーナメントでも並み居る競合を倒し、この大会のダークホースとなれるのか? 目が離せないチームである。
848トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/24(火) 23:59:07 ID:???
bT 爆走同盟          ランクC
 リーダー   ゴウゾウ
・カントー全土を恐怖に陥れている(自称)暴走族たちによって結成されたチーム。
普段はタマムシシティ近くのサイクリングロードで活動(通行者を睨みつけるだけ)している。
しかしたまに、ナナシマなど他の場所で暴れ回ることもある。
おもに毒タイプや悪タイプを使うのを得意としている。

bU ナナシマ連合        ランクB
 リーダー   キワメ
・人がいなくなり、寂しくなってしまったナナシマにもう一度活気を与えるために出場した。
2の島で技を教えているキワメ婆さんを始めとする島中の実力者をかき集めただけあって、なかなか強いチームである。
なんといっても、大会にかける熱意は参加チームの中でもトップクラスだ。

bV セキチク忍者軍団      ランクB
 リーダー   キョウ
・セキチクジムのジムリーダー、キョウとその娘アンズにジムの門下生2人で結成されたチーム。
毒タイプの使い手のプロフェッショナルだけあって、毒毒などの嫌がらせ技を使うのに長けている。
Bランクといっても、AとBの間くらいの実力をもっている。

bW フロンティアブレーンズ   ランクS
 リーダー   ウコン
・フロンティアブレーンの4人、ヒース、ダツラ、ウコン、リラで結成されたチーム。
フロンティアブレーンの実力は、四天王にも匹敵すると言われている。
四天王と違って使うタイプも固定されていないので、間違いなく今大会の優勝候補の1人だと言えるだろう。
849トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/24(火) 23:59:51 ID:???
bX レジスタンス        ランク?
 リーダー   フォルテ
・Mr.ゼロたちの黒いローブとは反対に、全員が白いローブに身を包んでいる。
予選では自分たちの実力を隠すような試合をし、実力は未知数である。
チーム名の『レジスタンス』とは日本語で『抵抗』という意味を持っている。
彼らはいったい何に抵抗していると言うのだろうか?
そしてリーダーのフォルテという人物は、何故ドラーズの前に姿を現したのだろうか?
謎だらけの得体の知れないチームである。

10 ポケモン救助隊       ランクD
リーダー   マモル
・傷ついたポケモンや危険な状態にあるポケモンを助けることを仕事としている者たちによって結成されたチーム。
今回は、4億円で救助予算費を増やすために参加している。
手持ちのポケモンは、過去に自分たちが助けたポケモンを育成したものである。
バトルはあまり専門ではないので、勝ち進むのは厳しいと思われる。
ちなみに彼らは、道具でポケモンをキャプチャするポケモンレンジャーとは別物である。

11 カナズミスクール      ランクC
 リーダー   ツツジ
・平均年齢は大会最年少、カナズミトレーナーズスクールの講師と生徒によつチームだ。
リーダーのツツジはジムリーダーもしているだけあってかなりの実力者なのだが、他の選手たちはまだ10代前半の幼い子供だ。
今回の大会も、日頃学んだ知識をどれくらい生かせるかをためそうとして参加しただけである。
リーダーツツジがどれくらいチームを引っ張れるのか、このチームは彼女しだいである。

12 クイーンズ         ランクA
 リーダー   9th
・Mr.ゼロのチーム、実力は4チーム中3番目
ジョーカーズやキングスにはかなり劣っているが、1人1人がジムリーダークラスの実力を保持している。
850トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/25(水) 00:00:19 ID:???
13 ホウエン四天王連合     ランクS
 リーダー   ダイゴ
・ホウエン地方の四天王のうちカゲツを除く3人、そしてチャンピオンのダイゴで構成された優勝候補の一角。
今回はダイゴが長年のライバル、ワタルと決着をつけたいがために参加。
ワタルが敗れたのでその願いは叶わなくなったが、いまは純粋に優勝を目指している。

14 シンオウジムリーダーズ   ランクA
 リーダー   マキシ
・シンオウ地方のジムリーダーであるヒョウタ、ナタネ、スモモ、マキシの4人で結成されたチーム。
ジョウトジムリーダーズと同じく、全員がジムリーダーなので個々の実力は高い。
初戦の相手がホウエン四天王でなければ、かなり期待をすることができただろう……

15 ポケモン大好きクラブ    ランクD
 リーダー   ポケモン大好きクラブ会長
・ポケモンを愛し、ポケモンを生きがいとするポケモン大好きクラブのチーム。
普段はポケモンを傷つけたくないのでバトルをしないのだが、今回は『ポケモン愛』の精神を広めるために参加した。
実力はかなり低い、正直ここまで勝ち進めたのは奇跡といっていいだろう。
ちなみに、リーダーである会長の本名は不明である。

16 ジョーカーズ        ランクS
 リーダー   1st
・Mr.ゼロが放つ最強の刺客。
ブロック戦は、ポケモンを1体も倒されないという圧倒的な力で勝ち進んだ。
まだまだその実力は底が知れない、優勝候補の一角だと断言できるチームだ。
851トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/25(水) 00:01:22 ID:???
投下終了です
ブロック戦のとき、のび太のブロックだけ強いチームが集まりすぎていたのは突っ込まない方向で
852名無しさん、君に決めた!:2007/07/25(水) 00:03:51 ID:???
853名無しさん、君に決めた!:2007/07/25(水) 00:10:23 ID:???
乙。だいぶわかりやすくなってヨロシ
854名無しさん、君に決めた!:2007/07/25(水) 00:15:29 ID:???
カゲツ……
855名無しさん、君に決めた!:2007/07/25(水) 00:54:40 ID:???
出来ればドラーズ以外の試合も少しは書いて欲しい。シンオウジムリーダーズ…(泣)
でもやっぱ乙。
856名無しさん、君に決めた!:2007/07/25(水) 10:22:40 ID:???

最初、救助隊をポケダンと勘違いしたwwwwwwwwww
857名無しさん、君に決めた!:2007/07/25(水) 11:10:41 ID:???

上に同じ
858ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/25(水) 23:06:44 ID:???
投下する
夏休みの間は二日に一回の投下ペースで行きたい
それでもトキワ氏には敵わんが……
本当にいつも乙、あのクオリティに投下スピードは凄いよ
859ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/25(水) 23:08:17 ID:???
「………クソッ」
出木杉と別れてから、何時間経過しただろうか――?
ポケッチも通じず、上空からは一切光を感知することができない。
なんとかロトムの明かりで、白銀の大地を踏みしめられている。
さらに、吹雪のせいで前方五メートルすら直視することすらままならない。
俗にこれを遭難って言うんだろうな。

濡れた衣服のせいで余計に体温を奪われる……
脱いでしまいたいが、脱いだら脱いだで大変なはずだ。
荷物が重い…手が震える…目が霞む。
もう駄目だ……歩くのをやめたい――
こう思ったとき、突然ロトムが突然ソワソワとしだす。
それに反応して、ロトムの視線の先を覗くと
なんと洞窟があったのだ。
助かった……吹雪が止むまでここで休もう。
最後の力を振り絞って、洞窟へと進む
そのときの足取りは、不思議と軽かった。
860ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/25(水) 23:09:43 ID:???
「ハァ……ハァ……」
洞窟の地面に腰をかける。湿っていて気持ち悪いが
こんなことを気にしていられる状況ではない。
休憩が取れたことを感謝せねばな……
「ありがとうロト――」
俺の左肩付近に浮遊していたロトムは
まるで糸が切れた人形のように、地面に横たわっていた。
「ロ、ロトム!?」
すっかり冷え切ってしまっているロトム。
顔がいつもより紅潮している。
これ以上、ロトムを出しておくのは危険だ……

「……ありがとう、ロトム」
ロトムをモンスターボールに収納する。
もう俺の手持ちは一体しか残っていない……
あの白いイーブイだ。
リュックを漁り、最後のモンスターボールを取り出す。
中からは、美しい体毛を兼ね備えた白いイーブイが出てきた。
861ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/25(水) 23:10:33 ID:???
イーブイはボールから出てくると、その円らな瞳で俺を見上げる。
俺はイーブイを抱きかかえ、洞窟の壁にもたれかかった。

……温かい。

雪の様に真っ白な体毛だが、その見かけとは正反対に温かく
冷え切った体に、温もりを取り戻してくれる。
イーブイも最初は驚いた素振りを見せていたが
次第に落ち着いてきたようで、今は眼を閉じ、寝息を上げている。
……急に目蓋が重くなってくる。
この状況に安心してしまったのか、眠気が襲ってきたのだ。
……俺も少し寝るか……ここなら吹雪の影響は無いし
温かいイーブイを抱えていたら、凍死することはまず無いだろう。

……お休み、イーブイ。
862ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/25(水) 23:11:28 ID:???
……なんだ? これはポケモンの鳴き声?
なにかのポケモンの鳴き声で、目を覚ます。
イーブイもこの鳴き声を聞き取ったのか、俺の体から降りて
洞窟の入り口で、警戒体勢を取っていた。

「どうしたんd……
俺が声を出すより早く、イーブイに黒い物体が襲い掛かる。
そいつの攻撃を受け、イーブイは洞窟の壁に叩きつけられた。
こいつは……ニューラ。それも何匹も居る。
まずい、ここはニューラ達の縄張りだったのか。
ニューラがイーブイに追い討ちをかけようとする。
俺はリュックの中を素早く漁り、ナイフを取り出す。
そのまま俺は、ニューラの元へ駆けていった。

『イーブイから離れろっ!』

大声を上げ、ニューラにナイフで一閃する。
しかしその攻撃は、空しく宙を掠めただけだった。
くそっ……早く次の攻撃を――
俺が体勢を整えようとしたとき、突然、右腕に焼けるような痛みが走る。
そして、俺の足元には真紅の液体が広がっていた。
863ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/25(水) 23:14:03 ID:???
『ァガァァアァアアァアアァァアアァアアア』

声にならない悲鳴を上げる。
体勢を立て直そうとしたとき、さっきのとは別のニューラに腕を切裂かれたのだ。
俺の腕を切裂いたニューラは、爪に付着した鮮血をペロリと舐める。
握っていたナイフは地面に落としてしまい、もう抵抗する方法が無い。
「に、逃げろ、イーブイ!」
このイーブイの特性は逃げ足、この状況から離脱するのもさほど難しくは無いだろう。
お前だけでもここから逃げるんだ……さようなら。

死を覚悟した瞬間――
目の前のニューラに、紅い球体が直撃した。
864ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/25(水) 23:14:34 ID:???
ニューラは短い悲鳴を上げ、地面に膝を着く。
今のは……イーブイ?
洞窟の入り口付近で、鋭い眼光をニューラ達に向けている。
だがその足は、恐怖と寒さによって震えている。
ニューラ達はその姿を見て、醜い笑みを浮かべる
そして、一気に襲い掛かった。

『ブィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー』

イーブイはその小さな体からは考えられないほどの、大声を張り上げ
再び紅い球体を発射した。
その紅い球体を受けたニューラは、二度目ということもあり瀕死になった。
あの技はなんなんだ?おそらく色からして炎タイプの技。
だがイーブイは炎タイプの技は……そういえば
『目覚めるパワー』の技があった。
『目覚めるパワー』は、そのポケモンごとのタイプと威力の違う技であり、無限の可能性を秘めている技―
865ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/25(水) 23:15:14 ID:???
「なんで……なんで逃げないんだよ……」

今も俺の目の前でイーブイは、ニューラ達と死闘を繰り広げている。
数匹は撃破できたものの、状況は明白。圧倒的にイーブイが不利だ。
なのにイーブイは逃げようとしない。簡単にこの場から離脱できるはずなのに……
このままじゃ本当に死ぬかもしれないんだぞ……どうして…どうしてなんだよ。

何発目か分からない目覚めるパワーが、ニューラを瀕死にする。
イーブイは既に息が上がっており、限界だというのは誰にでも分かる。
それをニューラ達はチャンスだというように、一斉に飛び掛った。

『イーブィイイイイイイイ!!』

俺が叫んだその時、イーブイが眩い光に包まれる。
その閃光に、ニューラ達は目を潰される。
これは……進化?

やがて光が収まり、イーブイが居た場所には、真っ白なグレイシアが居た。
866ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/25(水) 23:16:46 ID:???
その後の勝負は圧倒的だった。
グレイシアの特攻は凄まじく、イーブイの頃の目覚めるパワーより三倍近く威力が跳ね上がっていた。
さらに防御力も上がっていたことで、ニューラ達の攻撃を物とせず
気がついたときは、全てのニューラが地面にひれ伏していた。

俺の元へ駆け寄ってくるグレイシア。その体には、無数の切り傷があった。
「ありがとう……グレイシア」
グレイシアを強く抱きしめる。その体はイーブイの時と変わらず温かかった。


ナナシ
ルカリオLv47、クロバットLv45、ロトムLv44、
ラグラージLv46、グレイシアLv43
867ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/25(水) 23:18:09 ID:???
投下終了
本当はイーブイと一緒にゆったりする描写を書きたかったが
なんか規制にかかりそうだったからやめた
868名無しさん、君に決めた!:2007/07/25(水) 23:19:40 ID:???
おつ
869名無しさん、君に決めた!:2007/07/25(水) 23:35:05 ID:???

二日に一回…楽しみだ!
870名無しさん、君に決めた!:2007/07/26(木) 09:06:44 ID:???
871名無しさん、君に決めた!:2007/07/26(木) 13:26:18 ID:???

あまり無理しないでね
872電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/26(木) 23:36:48 ID:???
投下します。
前回>>839-843

配分間違えて短くなってすいませんと予め言っておきます
873電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/26(木) 23:37:53 ID:???
同じ頃、46番道路――

こんな所に一人っきりで、イシツブテばかりを乱獲していたのは、出木杉英才だった。
「ふっ、トレーナーズ・アイで見てみたらコイツ、原始の力なんか覚えていたのか。
おっ、オニスズメがいるじゃないか。よし、原始の力、撃ってみろ!」

彼の命令をうけ、原始の力を繰り出す小さなポケモン。
その発射された岩に当たったオニスズメは、鳴き声をあげて落ちていく。
「ハハハハハ! 素晴らしい威力だ! オニスズメなんて目じゃ無いね!」

一人悦に入る出木杉。しかしその隙が命取りとなる。背後からオニスズメが飛びかかってきたのだ。
鋭いクチバシで頭を突かれた出木杉は、当たりどころが悪かったのだろうか。そのまま倒れてしまった。

その頃、ジャイアンはどうしてたかと言うと――

「ハーハッハッハッハ! ジムリーダーなんてチョロいもんだぜ!」
5人とドラえもんの中で最も早くキキョウシティに到着していたジャイアンは、彼のマグマラシとともにジムに乗り込んでいった。
結果はジャイアンの圧勝、彼のマグマラシは捨て身タックルを覚えていた。
序盤でタイプ不一致とはいえ120の威力を誇る技を出されれば、耐えろというのは酷な話である。
874電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/26(木) 23:38:41 ID:???
「では、ジムバッジを授けよう。あと技マシンも」
ハヤトはそう言うと、ジムバッジと一緒に怪しい箱をジャイアンに渡した。
ちなみに、この箱はランダムボックスといい、文字通りクエストの報酬等、中身がランダムの時に渡されるものである。
ジャイアンはその箱を受け取り、
「へっ、ジムリーダーって弱いんだな。あばよ。」
と吐き捨てて去っていった。
「『もう日が沈んできてるからポケモンセンターで休んでおけ』と言おうと思ったが、まあいいか。」

こうしてジャイアンは夜の32番道路に進んでいった。

▼みんなの手持ち

ジャイアン マグマラシLv15
スネ夫 ゴースLv?? ??? ???
のび太 ワニノコLv7
ドラえもん コイルLv8
静香 ケーシィLv9
出木杉 ???

875電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/26(木) 23:39:41 ID:???
投下終了です。
ハイ、本当に短くてスイマセンorz
876名無しさん、君に決めた!:2007/07/26(木) 23:40:18 ID:???

配分が滅茶苦茶なんてよくあること
877ロキ ◆zCpebmpy/g :2007/07/27(金) 00:24:12 ID:???
俺のようにな
878トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/27(金) 20:34:02 ID:???
電脳氏乙
投下します
879トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/27(金) 20:34:52 ID:???
       #16 「挫折と成長」

試合は1時からというアナウンスが入り、選手たちは無言で部屋へ帰っていく。
ドラーズの4人も無言で部屋へ向かう、時刻はこの時10時半。
部屋に入ってしばらくすると、沈黙に耐え切れなくなったのび太が話を始める。
話題は勿論、今日開会式でMr.ゼロが言ったあのことだ。

「僕たち、本当に死んじゃうのかな……」
スネ夫が暗い顔で呟くと、静香が励ますように言う。
「大丈夫よ! だって決勝トーナメントにはフロンティアブレーンや四天王がいるのよ。
いくらMr.ゼロの部下が凄くても、彼らならきっと倒してくれるわ!」
意外にも楽天的な静香の発言に、のび太も「そうだよ」と同意するタイミングを少し遅らせてしまった。
静香ものび太も本心はスネ夫と同じ、怖いのだ。
でも仲間に心配をかけさせないため、そしてなにより死を信じたくないという自分の心が強気な発言をさせているのだ。
そしてこういうとき、だれよりも強気かつ大胆な発言をする男、ジャイアン。
彼はいま3人の会話に加わらず、黙って部屋の端っこに座り込んでいた。

「ねえ、ジャイアンのことだけど……」
「いまは、そっととしておいてあげた方がいいんじゃないかしら?」
3人がジャイアンに聞こえないくらいの大きさの声では話し、心配そうな目で彼を見る。
そんな3人の思いなど知らないジャイアンは、依然として部屋の隅から動かない。
880トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/27(金) 20:35:46 ID:???
ジャイアンはいま、とてつもなく大きな壁と戦っていた。
その壁は屈辱、不安、悲しみ、恐怖といった様々な負の感情を呼び起こす。
ジャイアンはそれにのみこまれ、いままでにない苦しみを味わっていた。
それは、人生初の挫折だった……

ジャイアンは小さい頃から腕にものを言わせ、どんなことも思うとおりにしてきた。
小さな悩みや不安があっても大して気にとめない、一晩寝たら忘れてしまう。
ときには障害が襲ってくることもあったが、持ち前の力強さで強引にねじ伏せてきた。
そうやってジャイアンは、挫折というものを味わずにいままで生きてきた。
『俺は何でもできる、俺は無敵なんだ』そう思い込んでさえいた。
でもそれは、所詮ただの思い込みに過ぎなかったのだ……

かつて自分より圧倒的に弱かったドラーズの仲間たちは、この大会中にかなり成長した。
才能はないけれど、持ち前の戦略を極めて順調に勝利を重ねるスネ夫。
トラウマを克服し、本来の実力を発揮し始めた静香。
そして秘められた才能を徐々に見せはじめ、ついにはあのワタルに勝利したのび太。
   それにくらべて自分はどうだろうか?
つい最近の戦いの記憶が甦る。
運に助けられて勝ったけれども、実力では完全に負けていたスズナ戦。
パートナーであるスネ夫の足を引っ張り、完全なる負けを喫したカンナ・シバ戦。
   そしてようやく気付いた。
いまチームで一番弱いのは自分であるということ、自分が足手まといになっているということに……

自分がチームの足手まといだという屈辱。
ついに見えてきた限界への不安。
そして大切な妹と戦うという悲しみと、恐怖。
それらがジャイアンの心に重くのしかかり、彼を苦しみへと陥れていった。
881トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/27(金) 20:36:40 ID:???
時刻は午前11時を迎えた。
戦いのときが刻一刻と近づいてくるのを感じ、ジャイアンの体が強張っていく。
ジャイ子とは絶対に戦いたくない、戦うのが怖い…… 
そんな思いが、ジャイアンにプライドを捨てさせた。
ジャイアンは仲間のもとに近づき、弱々しく告げた。

「なあみんな。 今日の試合、俺をジャイ子と当たらない場所にして欲しいんだ……」
その発言を聞いた3人は耳を疑った。
ジャイアンは当然、ジャイ子と戦うと思っていた。
俺が勝ってあいつの目を覚ましてやる! と勇ましく言うと思っていた。
だからいまの発言が信じられない、のび太が理由を問う。
すると返ってきたのは、信じられないほど弱気な返答だった。

「いまの俺はこのチームで一番弱い、足手まといなんだ。
だから俺なんかが、敵の大将であるジャイ子には勝てるはずがねえ。
……それに俺、あいつとやるのが……その……“怖いんだ”
いまのあいつは恐ろしい程残酷で、冷たくて、俺の知ってるあいつじゃないみたいだ。
大体なんで俺があいつと戦わなきゃいけないんだよ! あいつは俺の妹なんだぞ!
俺は絶対にあいつとは戦わな……」
―――言葉はそこで途切れた。

のび太の拳が、ジャイアンの右頬にクリーンヒットしたのだ。

スネ夫と静香は耳だけでなく、目も疑った。
のび太がだれかを殴るところを見たのははじめてだった……いや、のび太が人を殴ったこと自体がはじめてかもしれない。

ジャイアンは怒らない、ただ今起こったことが信じられないよいう顔を浮かべている。
自分のものより一回りも二回りも小さいのび太の拳は、いままで味わったどんな痛みよりも激しく胸に突き刺さった。
882トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/27(金) 20:37:27 ID:???
「……何……するんだよ」
ジャイアンがようやく口を開いたが、その言葉は弱々しいものだった。
「君が情けなさすぎてムカついたから殴ったんだよ、ジャイアン……」
のび太が馬鹿にするような口調で言った。
この言葉でようやく怒りが解き放たれ、ジャイアンが憤怒の表情を浮かべて立ち上がる。
だがのび太は怯むことなく続けた。
「殴るのかい? だったら殴ってみなよ?
いくら殴ったところで何も変わりはしない、君がいつまでも弱虫で臆病者の情けない男だってこともね」
のび太に罵倒されたジャイアンは、意外にもその拳をおろした。

「そうだよな……俺はただの弱虫で、臆病者の情けない男なんだよな。
やっぱりそんな俺には、妹1人救うこともできな……」
鈍い音が響き、ジャイアンの言葉が再び途切れた。
のび太の2度目の攻撃を、スネ夫と静香はただ立ち尽くしてみていた。


のび太が再び口を開いた。
「ジャイアン……以前君に言われた言葉をそのまま返すよ。
『君がそうやってグズグズしてるようじゃあ何も救えない、何も守れないんだよ!』」
今度は先程までの冷酷な口調とは違い、声を荒げていった。
ジャイアンは心に何か感じる物があったのか、その言葉に納得したような顔を浮かべる。

「そうだ、俺が勇気を出してジャイ子と戦わなければいけないんだ。
だって……だってあいつを救えるのは世界でただ1人、この俺だけなんだから……」

その言葉を聞いたのび太は、満足気な笑みを浮かべた。
883トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/27(金) 20:39:06 ID:???
ジャイアンはその後突然、座り込んで頭を下げた。
彼の土下座を、3人は生まれて始めて見た。
ジャイアンはその姿勢のまま3人に言う。
「頼む! 俺に戦術を叩き込んでくれ!
いまならまだ間に合うかもしれない! ジャイ子を救えるかもしれないんだ!」
ジャイアンの覚悟を目の当たりにしたのび太は、手を差し伸べながら彼に顔を上げるよう諭した。

いまのままではチームの足手まとい、ジャイ子に勝つことは絶対にできない。
力でねじ伏せることに限界を感じたジャイアンが選んだ道は、自分を変えることだった。
力だけで勝てないというのなら、戦略を加えて勝てばいい。
妹を救うため、ジャイアンはプライドを捨て、全てを変える決心をしたのだ。 

仲間の3人はそんな彼の考えを受け入れ、昼食を食べる暇も惜しまず彼を指導した。
ジャイアンは必死でそれを頭に叩き込み。
そしていよいよ時間は1時、決勝トーナメント開始の時を迎えた。
第一試合の『ジョウトジムリーダーズ』と「チーム・コトブキ」の試合が始まったというアナウンスが流れる。
つづく第二試合は、自分たちドラーズの試合だ。
試合の準備をしている最中、ジャイアンがのび太に告げる。
「さっきは殴ってくれて……その……ありがとな。
おかげで、ようやく目が覚めたぜ」
のび太は照れくさそうな顔を浮かべて一言、
「なあに、仲間として当然のことをしたまでだよ」と言った。
それを聞いたジャイアンは笑みを浮かべ、のび太の頭を軽く小突いた。
その顔に数時間前の苦悩の色はない、変わりにかつての自信に満ち溢れた表情があった。

―――人は挫折を乗り越えて、初めて大きく成長することができる。
仲間という強大な力のおかげそれを乗り越えたジャイアンも、きっと大きく成長したのだろう。
現に彼の顔は、心なしか前より少し頼もしく見えるのだから。
884トキワ英雄伝説 ◆eNlSemdwK6 :2007/07/27(金) 20:40:15 ID:???
投下終了です
以前予告したとおり、投下ペースはこれから序々に落ちていきそうです
885名無しさん、君に決めた!:2007/07/27(金) 20:41:19 ID:???

投下ペースは落ちたとしても平均では上の方だから心配無いさ
俺は早く続きが見たいが
886名無しさん、君に決めた!:2007/07/27(金) 20:46:23 ID:???
俺はあまり気持ちを表に出す様な人間ではない…
だがッ!敢えて言う事にしようッ! 乙 であるとッ!!!
887名無しさん、君に決めた!:2007/07/27(金) 21:36:08 ID:???
正直この小説をよんでると俺の心に響くものすらある…本当に乙だ!
888名無しさん、君に決めた!:2007/07/27(金) 21:38:26 ID:???
この小説はッ!!未来大冒険以来に見る友情ストーリーだッ!!
889ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/27(金) 22:32:06 ID:???
投下する
たくさん寝たのになぜか眠い
890ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/27(金) 22:32:43 ID:???
「やっと……到着した」

空は晴天、眩い陽光が真っ白な大地に反射している。
俺はなんとか、キッサキシティに辿り着くことができたのだ。

あの後、そのまま洞窟で一晩明かすことにした。
腕の傷は思ったより浅く、持ち歩いていた治療用具で傷を塞いだ。
多分すぐに治るだろう。病院には行く必要は無いな。

ポケモンセンターでポケモンを回復させると、急に恐ろしいほどの眠気が襲い掛かってくる。
その眠気に屈してしまい、ベッドに潜り込んでしまった。
891ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/27(金) 22:33:21 ID:???
――キッサキジム

「ミミロップ、炎のパンチ!」「波動弾だルカリオ!」
かなりの時間のロスはあったが、なんとかジムに挑戦することが出来た。
ここのジムリーダーのスズナは氷タイプの使い手。
フィールドには霰が降り注いでいて、少しずつ俺のポケモンの体力を蝕んでいく。
霰が降っている原因は、最初にスズナが出したユキノオーの特性『雪降らし』だ
すぐに倒したものの、出た瞬間から発動する特性は防ぐことができず
この天候になっているわけだ。

「なかなかやるわね……雷パンチよ!」
電気を帯びた拳がルカリオを襲う。
辛うじて回避することができたが、いつもより動きが鈍い。
寒さで思うように動けないのか……そこまで計算に入れているのかスズナは。
「距離を取って波動弾だ!」
ルカリオは後退するが、ミミロップはすぐに追いつき、攻撃の隙を与えない。
「寒さに慣れたミミロップを甘く見ない方がいいわよ……スカイアッパー!」
地面の氷を抉るほどの強力なアッパーが、ルカリオを襲う。
ルカリオは宙へと跳ね上げられた。
「屋根を使って、炎のパンチ!」
ミミロップは屋根を足で蹴って、ルカリオの方へ落下する。
「護るだ!」
ルカリオは球状の防御壁に包まれ、炎のパンチを防ぐ。
そのまま落下のダメージも無効化した。
892ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/27(金) 22:33:51 ID:???
「護るのタイミングがいいわね……だけど防御だけじゃ勝てないわよ!」
ミミロップはすぐさま体勢を整え、踏み込んでくる。
電光石火は地面が凍結しているせいで、使用することができない。
地面が凍ってる?……こうなったら……

「すぐそこの地面に波動弾を撃て!」
ルカリオは、目前の地面に波動弾を撃ち込む。
周囲の氷が飛び散り、氷には亀裂が走る。
「ミミロップ止まりなさい!」
スズナの指示も空しく、ミミロップは割れた地面に足を取られ転倒する。
「この氷の地面じゃ、急停止なんてできるわけが無い……波動弾」
零距離からの波動弾の威力は、ミミロップのHPを一瞬で無にするのも難しくは無かった。
893ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/27(金) 22:34:37 ID:???
スズナの最後のポケモンはマンムー。
その巨体から発せられる威圧感に、思わず身を震わす。
ルカリオの体力は残り僅かだ…無理はさせられない。
「戻れ、ルカリオ。行け、グレイシア!」
グレイシアが姿を現す。氷の世界によく似合うポケモンだ。
「色違いのグレイシアじゃない! いいなぁ……ね、ちょうだい? バッジあげるから!」
「断る」
誰がやるか、さっさとジム戦の続きを始めよう。

「冷凍ビームだ!」「氷の礫よ」
冷凍ビームをマンムーに向けて撃ち込む。
だがその攻撃は、弾丸のように発射された氷の礫に命中した。
冷凍ビームを受け、氷の礫は巨大化する。
巨大な氷の塊は、そのままグレイシアを襲った。
894ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/27(金) 22:35:07 ID:???
タイプの相性、元々の防御力の高さから、そこまでダメージは大きくなかったものの
発射した冷凍ビームが吸収されたという事実には、冷や汗が出る。
「どんどん行くよ、雪雪崩!」
無数の氷塊がグレイシアを襲う。
「回避し……」
駄目だ。攻撃範囲が広すぎて、攻撃を回避することができない。なら……
「マンムーに水の波動!」
少しでも相手のHPを削り取るしかない。幸い相手は攻撃中で隙だらけだ。
だが、水の波動はマンムーを外して、ジムの壁に命中した。
「な……」
驚愕しているグレイシアに、雪雪崩が命中した。

「大丈夫か!?」
雪に埋もれていたグレイシアは姿を現す。無事のようだ。
だがなんで水の波動が外れたんだ……
「マンムーの特性は『雪隠れ』霰状態だと、たまに攻撃を回避することができるのよ」
なるほど……この天候に適したポケモンということか。
ポケモンの選択のバランスもいい、流石はジムリーダー。
戦闘前から既にジム戦は始まっているということか……
895ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/27(金) 22:35:48 ID:???
「マンムー、突進よ!」
マンムーは、その巨体からは考えられないほどのスピードで迫ってくる。
接近することで改めて感じる威圧感。思わずたじろいでしまう。
「み、水の波動だ!」
接近してきたマンムーに水の波動を命中させるが、まるで効いていない様な素振りを見せる。
そのままグレイシアに突進を命中させた。

立ち上がるグレイシアを見るが、思ったよりもダメージが激しい。
どうやら急所に命中してしまったようだ……運が無い。
「水の波動で足元を狙え!」
水の波動でマンムーの足元を狙う。
転倒してくれれば嬉しかったが、回避され僅かな水飛沫がマンムーの足にかかっただけだ。
「甘いわよ、もう一度突進!」「凍える風!」
グレイシアが凍える風を繰り出し、マンムーを襲う。
……これでマンムー撃破の準備ができた。
「馬鹿ね、その程度の技でマンムーを押さえ込めるわけが無いわよ!」
「それはどうかな? マンムーをよく見てみるんだな」
スズナはマンムーに目を向ける。そこには突進を停止し、体を小刻みに震わせているマンムーが居た。

「寒さには滅法強いはずなのに……なんでマンムーが」
「体が濡れていれば当然寒さは感じやすくなる。例え氷タイプにもその効果はある
 さらにこの天候、そして凍える風、マンムーの体温を奪うには十分のようだったみたいだな」
スズナは下唇は噛み、フィールドから目を逸らす。

「これで終わりだ、冷凍ビーム――」
896ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/27(金) 22:36:45 ID:???

「はぁ……私の完敗かぁ……グレイシャバッジよ」
七つ目のバッジを手に入れる。後一つでコンプリートか。
「最近連敗続きだなぁ……昨日も眼鏡の子と連れの女の子にやられちゃったし……」
眼鏡の子と連れの女の子? まさか――

「その二人……のび太と静香って名前か!?」
目を鋭くし、スズナに詰め寄る。
「ちょ…怖いわよ……そうよ、あの二人の知り合い?」
「ああ、そうだが……」
知り合い……そうなるのだろう。
「昨日、静香ちゃんが私との対戦後に急に倒れちゃって……
 今もここのポケモンセンターに居ると思うから、見に行ってあげたら?」
同じ町に居たとは……会わなくて良かった。
さっさとこの町から立ち去ろう。
「ああ、じゃあ行ってくる」
「バイバイ、最後のジム戦も頑張ってね!」
スズナが手を振る中、俺はジムの扉を開け、外へと踏み出した。


ナナシ
ルカリオLv48、クロバットLv45、ロトムLv44、
ラグラージLv46、グレイシアLv44
897ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/07/27(金) 22:37:37 ID:???
投下終了
俺の作品もかなり配分が滅茶苦茶だ
898名無しさん、君に決めた!:2007/07/27(金) 22:44:00 ID:???
お、乙だなんて言わないぞ!
899名無しさん、君に決めた!:2007/07/27(金) 22:45:31 ID:???

グレイシアを欲するスズナにアニメの草ポケLOVEなナタネを重ねて見た。
900どくどく ◆KURMIn6luc :2007/07/28(土) 04:49:02 ID:???
あげお
901電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/28(土) 19:40:30 ID:???
投下します。
前回>>873-874

そろそろ原稿の貯蓄がつきてきましたorz
902電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/28(土) 19:41:19 ID:???
夜が明けて――

スネ夫はキキョウシティのポケモンセンターで目を覚ました。
ゲームの中という事で、トレーナーがお腹を空かすという事は無いが、スネ夫はモモンの実を口にしてみた。
……不味い。やはりポケモンの食べ物だな。
スネ夫はジムに向かった。

「あの〜、ジムリーダーのハヤト居ますか?」
「俺がハヤトだ。それにしても最近の挑戦者は無礼な奴が多いな。
GMとはいえ、敬称くらいは付けたらどうだ」
「へー、ジムリーダーってGMだったんだ」
「まあな。で、ジム戦に来たんだな?」
「そうだよ。ルールは?」
「通常の対戦と同じで構わない。道具の使用も可だ」
「オッケー、じゃあ早速いくよ。行け、レディバ!」
スネ夫の一番手はレディバ。野生のレディバを捕まえたものだろう。
「飛行使いの俺に虫タイプで来るとは面白い。こちらはポッポだ!」
場にレディバとポッポが対峙する。戦闘という言葉は似合わない二匹だ。
「レディバ、光の壁!」
「ポッポ、風を起こして攻撃だ!」
先手をとったレディバは、手袋のような手から巨大な壁を作り出す。
直後にポッポの起こした風が当たるが、光の壁がそれを吸収し、レディバに大ダメージを与えるには至らない。
903電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/28(土) 19:42:22 ID:???
「特殊がダメなら物理でいくぜ。ポッポ、電光石火!」
今度はレディバより早く行動したポッポは、素早い動きでレディバに突っ込む。
急所に当たったのだろうか、レディバは風起こしのダメージを受けていたせいもあり、倒れてしまった。
「あれ、ジムリーダーのポッポってレベル7じゃん。トレーナーズ・アイで見たから間違いは無いハズだよ
なんで電光石火を使うのさ?」
「う、うるさい! ジムリーダー仕様だ!
それより早く次のポケモンを出せ!」
「ふぅん、ジムリーダー仕様ねえ……。まあ気にしないでおこう。
電光石火があるならリフレクターも張っておきたかったけど、まあいいさ。
いけニョロモ、まずは催眠術!」
ボールからニョロモが飛び出す。すかさず放たれた催眠術の波動は、見事ポッポに命中する。
「チッ、催眠戦法か。起きろポッポ!」
しかし、そう簡単に起きるものではない。そして次のスネ夫の命令に。
「ニョロモ、水鉄砲だ!」
水鉄砲もポッポにヒットする。なんとか持ちこたえているようだが、ポッポは眠らされた状態でもがいている。
「ポッポ、大丈夫か!」「ニョロモ、水鉄砲だ」

ハヤトの叫びも空しく、ポッポはここでダウンした。
904電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/28(土) 19:43:26 ID:???
「少年、なかなか手強いな。しかし俺も簡単には負けられないんだ。
行け! 俺の切り札、ピジョン!」
ボールからピジョンが飛び出す。

「催眠術は命中率は高くない! ピジョン、泥かけだ!」

ピジョンはどこからともなく現れた泥を、ニョロモに向かってかける。
それはニョロモに大きなダメージを与えるものでは無かったが、視界が悪くなり命中が下がるのは避けられない。

「むぅ、厄介な事をしてくれるね。でも構わず水鉄砲だ!」
小さな身体から放たれる水鉄砲。クリーンヒットとまではいかなかったが、ピジョンの羽に当たって確実にダメージを与える。

「ほう、大した奴だ。ならこっちも全力で攻撃だ。
ピジョン、電光石火!」
ピジョンは素早い動きでニョロモに攻撃する。それは先ほどのポッポとは比べ物にならない威力を持っていた。
しかしニョロモはそれをギリギリで耐え
「トドメの水鉄砲!」

今度はクリーンヒットしたそれは、ピジョンの体力を奪いきるには充分だった。
905電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/28(土) 19:44:39 ID:???
「負けたぜ挑戦者よ。
ジムバッジと技マシンを受け取るがいい」
スネ夫はハヤトからジムバッジと何かの技マシンを受け取り、ジムを後にした。


所変わって30番道路では、静香が少年トレーナーによって、足止めを喰らっていた。
「ワハハハハ! 僕のポケモンは強くて格好いいぞー!」
「いいや、俺のコラッタの方が強いね!」
「よーし、勝負だー! アハハハハ」
とくだらない争いを道のド真ん中でされては、先に進もうにも進めないのであった。
始めこそはは大人しく、少年達が居なくなるのを待っていた静香だが、もう堪忍袋の尾が切れかかっている。
静香が諦めて少年に声をかけようとしたその時――
「やあ、静香ちゃんじゃないか」

「あら、出木杉さん。丁度よかったわ、あの人達をどかしてきてくれない?」
「何だい彼等は?」
「さっきから道を塞いでるの。そのせいで進めなくて困ってたの」
「そうなのか。よし、僕がどかしてこよう」
(ラッキー♪)
906電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/28(土) 19:46:05 ID:???
静香は手間が省けて内心では大喜びだが、それを顔には出さない。
しかし、出木杉はそんな事には気付かず

ここで静香ちゃんにいいところを見せれば、未来では結婚出来るに違いない!
と勝手に燃えていた。そして――

「おい君達〜、そこをどくんだ! 迷惑を考えたまえ!」
「えー、じゃあ僕と勝負して勝てたらいいよ」
「……なんでそうなる?」
「なんとなくかなぁ。とにかく、僕が最初に手に入れたこのコラッタで戦いたいんだ」
「…まあいいか。僕が勝ったら退くんだよ」
「いいよー♪」
「出木杉さん頑張ってー」

こうして、静香が見守る中、出木杉の最初のトレーナーとのバトルが始まったのだった。
「いけ、僕の自慢のコラッタ!」
「まずは様子見で……ゴマゾウ、君に決めた!」
このゴマゾウは今朝、出木杉が目を覚ました時に偶然捕まえたものである。
バトルタワーでドンファンに、出木杉自慢の5Vガブリアスが敗れた事があったので、出木杉はドンファンを育てたいと思っていたのだ。
まあ正確には氷のつぶてを使いたかっただけなのであったが、それは遺伝技であり、
野生で育てても覚えないという事まで出木杉には考えが及んでいないのであったりするが。
907名無しさん、君に決めた!:2007/07/28(土) 19:46:08 ID:???
支援
908電脳戦士のび太 ◆Xu30yXkiGE :2007/07/28(土) 19:46:59 ID:???
投下終了です。
支援していただいた方ありがとうございます。
909名無しさん、君に決めた!:2007/07/28(土) 19:48:21 ID:???
>>908
乙です
910名無しさん、君に決めた!:2007/07/28(土) 19:48:55 ID:???
911名無しさん、君に決めた!:2007/07/28(土) 19:58:59 ID:???
912名無しさん、君に決めた!:2007/07/28(土) 20:07:25 ID:???
913ドラ旅 ◆B/3uoJfB4Y :2007/07/28(土) 20:20:46 ID:???
(〇'ω'〇)
914ドラ旅 ◆B/3uoJfB4Y :2007/07/28(土) 20:21:55 ID:g329Bv25
 、_
(〇,_`〇)
915名無しさん、君に決めた!:2007/07/28(土) 20:22:31 ID:g329Bv25
(^_^)
916名無しさん、君に決めた!:2007/07/28(土) 20:24:58 ID:g329Bv25
(^_`)
917名無しさん、君に決めた!:2007/07/28(土) 20:25:56 ID:???
通報しますた
918名無しさん、君に決めた!:2007/07/28(土) 20:26:24 ID:g329Bv25
>>917
( ゚д゚ )
919名無しさん、君に決めた!:2007/07/28(土) 20:26:49 ID:???
ドラ旅とかいうカスはお呼びじゃないんだよ。消えな
920レイモンド ◆1vwMyjM5nw :2007/07/28(土) 20:27:43 ID:g329Bv25
(^^)
921名無しさん、君に決めた!:2007/07/28(土) 20:28:50 ID:???
アク禁依頼しといた
922名無しさん、君に決めた!:2007/07/28(土) 23:31:45 ID:???
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923名無しさん、君に決めた!:2007/07/28(土) 23:32:37 ID:???
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924名無しさん、君に決めた!:2007/07/28(土) 23:33:56 ID:???
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925名無しさん、君に決めた!:2007/07/28(土) 23:35:35 ID:???
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926名無しさん、君に決めた!:2007/07/28(土) 23:36:22 ID:???
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927名無しさん、君に決めた!:2007/07/28(土) 23:37:02 ID:???
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928名無しさん、君に決めた!:2007/07/28(土) 23:37:06 ID:???
これが今スレ最後のレスになったら、次スレはいきなり投下ラッシュ
929名無しさん、君に決めた!
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