ドラえもん・のび太のポケモン小説【外伝12】

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1 ◆ChfQmyJ5GM
ここは、ドラえもんやのび太達がポケモントレーナーとして活躍する小説の12スレ目です。
このスレでは自分の書いた小説を投稿することが出来ます。

基本ガイドライン
▼喧嘩せずに仲良く利用する。
▼自演はしない。
▼荒らしには反応せずスルー。

作者ガイドライン
▼作品を投下する際には酉と作者名を入れる。
▼自分の作品の質を向上させるよう、日々精進する。
▼一度始めた作品は何があっても完結させる。

読者ガイドライン
▼作者が投下した後には、何かしら励みになるようなレスをする。
▼作者への批判や悪口は控える。
▼投下中には絶対に割り込まない。

その他
▼次スレは>>970が立てること。
▼現在のスレを使いきる前に新スレ誘導をすること。

関連スレ等は>>2-5あたりに提示。

2 ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/15(木) 21:26:41 ID:???
前スレ:ドラえもん・のび太のポケモン小説【外伝★】
http://
関連スレ:ドラえもん・のび太のポケモンストーリー 第★部
http://
AA作品スレ:(いわゆるリターンズ)
http://
雑談:ドラえもんのポケモン小説についてだが【バーボン★】
http://
外部板:ぽけもん板
ttp://yy47.60.kg/ch2poke/
まとめwiki 
ttp://www21.atwiki.jp/nobita_in_pokemon/

外伝スレ:初代氏以外の作者の方が作品投下出来ます。又、その作品に対しての感想等。

本スレ:初代氏専用のスレッドです。

AAスレ:単純にAAを投下する場所です。誰でも投下が可能です。

雑談スレ:通称バーボン。 外伝スレではスレ違いとなる話題等、主に雑談です。

ぽけもん板: 作品投下や雑談等が出来ます。 自分の作品に自信がない方、スレ違いの作品を等おk。 ※ID強制表示です。

wiki:wikikan、お手伝いが管理するまとめサイトです。
本スレ、外伝スレ、ぽけもん板に投下された殆どの作品が収録されています。

※過去の>>1乙小説等が読みたい方はwikiの関連スレからどうぞ
3 ◆VIPPERFLA. :2007/03/15(木) 21:26:43 ID:???
       /⌒ヽ
⊂二二二( ^ω^)二⊃
      |   /       2ブーン
      ( ヽノ
      ノ>ノ
  三   レレ
4あぼーん:あぼーん
あぼーん
5 ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/15(木) 21:27:22 ID:???
作者ガイドライン補足

▼作品を投下する時は、酉と作者名は必ずつける事。
※酉のつけ方:名前欄に作者・作品名#好きな文字列(全角最大4文字半角最大8文字)と入力
※酉のテストを行いたい方は http://game11.2ch.net/test/read.cgi/poke/1166767588/ このスレです
▼読みやすいように自分の前作品に対しアンカーをつける事。
▼自信がなくて怖い人やスレ違いと思う人はぽけもん板(次のテンプレ)に書き込みましょう。
6 ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/15(木) 21:28:22 ID:???
読者ガイドライン補足

▼作品の評価書き込みは冷静かつ客観的にお願いします。
ぽけもん板に作者考察スレがありますのでそちらも活用して下さい。
▼自分の気に入った作品の作者には応援書き込みをしましょう。
皆様の応援が作者の小説作りへの励みとなり、活力にもなります。
▼これは常識ですが、荒らし又はそれに反応する人は全てスルーして下さい。
荒れる元です。
▼作品を書くのは大変な作業です。
やたら「過疎、過疎」等と言わないで下さい。
作者、読者ともに以下の事に注意して下さい。
▼次スレは重複等を防ぐため、>>970を踏んだ人がスレ立てを宣言してから立てて下さい。
>>970が立てられない場合は他の方がスレ立てを宣言してから立てて下さい。
▼現在のスレッドを使いきる前に新スレ誘導を忘れないようにして下さい。
▼スレに偉い人は居ません。
皆平等です。
差別、中傷行為は止めましょう。
またその相手をすることも止めましょう。
7あぼーん:あぼーん
あぼーん
8 ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/15(木) 21:31:05 ID:???
前スレ:ドラえもん・のび太のポケモン小説【外伝11】
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/poke/1173961557/l50
関連スレ:ドラえもん・のび太のポケモンストーリー 第4部
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/poke/1169258753/
AA作品スレ:(いわゆるリターンズ)
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/poke/1167484676/l50
雑談:ドラえもんのポケモン小説についてだが【バーボン10】
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/poke/1173782704/
外部板:ぽけもん板
ttp://yy47.60.kg/ch2poke/
まとめwiki 
ttp://www21.atwiki.jp/nobita_in_pokemon/

外伝スレ:初代氏以外の作者の方が作品投下出来ます。又、その作品に対しての感想等。

本スレ:初代氏専用のスレッドです。

AAスレ:単純にAAを投下する場所です。誰でも投下が可能です。

雑談スレ:通称バーボン。 外伝スレではスレ違いとなる話題等、主に雑談です。

ぽけもん板: 作品投下や雑談等が出来ます。 自分の作品に自信がない方、スレ違いの作品を等おk。 ※ID強制表示です。

wiki:wikikan、お手伝いが管理するまとめサイトです。
本スレ、外伝スレ、ぽけもん板に投下された殆どの作品が収録されています。

※過去の>>1乙小説等が読みたい方はwikiの関連スレからどうぞ
9あぼーん:あぼーん
あぼーん
10あぼーん:あぼーん
あぼーん
11あぼーん:あぼーん
あぼーん
12あぼーん:あぼーん
あぼーん
13DPその2 ◆Dy4EDQYuSY :2007/03/15(木) 21:37:04 ID:???
>>1
14名無しさん、君に決めた!:2007/03/15(木) 21:38:33 ID:???
酉外し忘れごめん
15名無しさん、君に決めた!:2007/03/15(木) 21:38:43 ID:???
>>1乙ですぅ
16名無しさん、君に決めた!:2007/03/15(木) 21:38:45 ID:???
17あぼーん:あぼーん
あぼーん
18名無しさん、君に決めた!:2007/03/15(木) 21:47:45 ID:???
通報しますた
19ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/15(木) 22:02:59 ID:???
改めて、投下。
スレを跨ぐのはあれなのだ、今日の最初の分からします
20ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/15(木) 22:04:13 ID:???
空は淡い赤に染められていて、おぼろげな夕日が町を照らす。
それと同時に、熱いバトルにも一時の休息が訪れた――

「勝者、のび太選手!」
高らかに勝利宣言をする審判。
こののび太の試合で、第2回戦全ての試合が終わった。
「やった……」
夕日に染まるのび太の顔。
この時点で、のび太達全員の2回戦突破が確定したのだ。

ドーム控え室。
明日の3回戦に備え、のび太達はここで睡眠をとることにした。
因みに、大多数のトレーナーはここに泊まる。
「ともあれ、これで全員が2回戦を突破したワケだね」
モンスターボールを回しながら言う出木杉。
「なあに、全員がここまで来ることは想定内さ。本当の戦いは4回戦……ベスト16からだよ」
当然だろ、と言わんばかりのスネ夫。
だが、彼の顔にはどこか安心したような笑顔がこぼれていた。
21ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/15(木) 22:04:50 ID:???
翌朝。
のび太が起きた頃には、既に3回戦は始まっていた。
「ふぁーあ……あれ、みんなは?」
辺りを見回すと、誰も居ない。
残っているのはトレーナーの荷物だけだ。
「まさかもう始まってるんじゃ……いかなきゃ!」

ドーム観客席。
「はぁはぁ……。おーい、スネ夫!」
息を切らしながらスネ夫の所へ走っていくのび太。
闘技場を見ると、丁度ジャイアンが勝利を納めていたところだった。
「何とか勝ったか……。でも、ジャイアンが3回戦から苦戦を強いられるとは思ってもみなかったな」
一人呟くスネ夫。
どうやら、ジャイアンはかなりの苦戦を強いられたようだ。
「後はのび太と出木杉だけだよ。出木杉は大丈夫だろうけど……お前は大丈夫か?」
皮肉っぽく言うスネ夫。
カッとなったのび太は、つい大声を出してしまう。
「心配されなくても大丈夫だよ!僕は強くなったんだ!」
そう言うと、のび太は観客席の階段を降りていった。
22ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/15(木) 22:05:44 ID:???
そして時は過ぎ、ついにのび太の番が来る。
既に出木杉が楽々勝利を納めたこともあり、のび太は焦っていた。
『どうしよう……僕だけ勝てなかったら……』
胃袋が破裂するような不安を抱え、のび太は闘技場に出ていった。

「では、のび太選手対マサル選手……はじめ!」
「いけ、メタグロス!」
「ニューラ!」
のび太はメタグロス。相手はニューラ。
相性では圧倒的に有利だった。
「メタグロス、コメットパンチ!」

それから戦いは続き、既に日は西に傾いていた。
相手のポケモンは残り一体のマタドガス。
対して、のび太はダーテングとアブソルの二体が残っている。
『ここでダーテングに大爆発をさせれば、僕の勝ち。だけど……』

ドーム観客席。
「のび太はなんで大爆発をしないんだ?したら勝てるのに」
よくわからない、という表情をするスネ夫。
確かに、しない理由が見つからない。
一同は次ののび太の指示を待った。
23ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/15(木) 22:06:15 ID:???
人差し指を立て、ダーテングに指示をだすのび太。
「ダーテング、じんつうりきだ!」

「はぁ?」
観客席では、全員が驚きの声をあげていた。
そして、舞台は闘技場に戻る。
「マタドガス、ヘドロ爆弾!」
ギリギリ生き残ったマタドガスの反撃。
ダーテングは倒れ、のび太は次のポケモンを出す。
「いけ、アブソル!」

ドーム控え室。
皆が待つ中、やっと勝負を終えたのび太が帰ってきた。
「はあ、危なかったよ……。あそこで攻撃が急所に当たらなかったら負けてたかも」
安堵の息をもらすのび太。
だが、スネ夫の反応は厳しかった。
「何が『負けてたかも』だよ!のび太、いくらお前でもわかっているだろ……あそこで大爆発を使えば勝っていたんだ!」
スネ夫の怒声を浴び、うつむくのび太。
「だって……」
すると、その場を沈めようとしずかが間に入る。
「いいじゃないの。結果的に勝ったんだし。私はわかるわ。のび太さんはダーテングが可愛そうだから、大爆発をさせなかったのよね」
しずかが言うと、のび太はゆっくりと頷いた。
24ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/15(木) 22:07:26 ID:???
「いいかのび太!この大会は負けたら終わりなんだ!そんな悠長なことは……」
怒鳴るスネ夫。
だが、言葉は途中で止まった。
バタン!
というドアの音と共に、のび太が控え室を飛び出したからだ。
「もうやめて、スネ夫さん。のび太さんが可愛そうよ……」
しずかがなだめるが、スネ夫は折れない。
「この大会に負けるってことは、この世界が崩壊するってことだ。それだけじゃない。ドラえもんだって取り戻せない!」
そう言われると、反論できないしずかは黙ってしまう。
次に口を挟んだのは出木杉だった。
「過程はどうあれ野比君は勝った。今回はこれぐらいにしないか?それよりも、全員がベスト16に入れたことを喜ぼうよ」
もっともだ。
辺りに沈黙が訪れた……。

トクサネシティ。
部屋を飛び出したのび太は、宿に戻っていた。
「はぁ……」
窓越しに海を眺めるのび太。
『確かに、スネ夫の言う通りだ……。負けちゃ何にもならないじゃないか』
あの試合の時だって、のび太はそう考えていた。
だが、頭でわかっていても口が動かなかった。
『やっぱり、やるしかないのか……』
のび太は夜まで考え込んでいた。
25ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/15(木) 22:08:14 ID:???
チャンピオン・リーグが開催されて早3日。
この日の朝、この大会は誰も予想しない急展開を迎えることになる。

「来ない……」
誰ともなしに呟くスネ夫。
来ないというのは、スネ夫の対戦相手。
いや、それだけではない。
のび太の対戦相手も、しずかの対戦相手も……ここにいる皆の対戦相手が来ていないのだ。
そして、既に開始時間から1時間が経過していた。
「1時間待っても来ない、ということは……ここにいる皆さんの不戦勝、ということですかね……」
戸惑いを隠しきれない司会者。
だが、大会進行をする上で掟に逆らってはならない。
こうして、準々決勝出場者――ベスト8が決まった。

準々決勝
第1試合 のび太VSしずか
第2試合 スネ夫VSジャイアン
第3試合 出木杉VSミツル
第4試合 ダイゴVSリン
26ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/15(木) 22:09:01 ID:???
ドーム控え室。
「不戦勝、か。何か納得できないなぁ」
神妙な顔をして呟く出木杉。
確かに、会場に来た全員の相手が不戦勝だなんてありえない。
だが、のび太達の思いはそこではなく、次の対戦にあった。

「僕の相手はしずかちゃんか……」
のび太がため息をつく。
「俺はスネ夫だな」
ジャイアンが言った。
そう、5人の内出木杉以外は、皆対戦相手として戦うことになる。
つまり、同士討ちを余儀なくされるということだ。
「皆が勝ち進めば、いずれはこうなった。仕方ないよ……」
何とか雰囲気を戻そうとするスネ夫だったが、彼自身も戸惑いを感じていた。
「僕、とりあえずトクサネシティに戻るよ」
部屋を出るのび太。
それに続き、他のメンバーも一人、また一人と部屋を後にした。

いよいよ明日に迫った準々決勝。
空を覆う暗雲は、まるでのび太達の心を映しているかのようだった。
27ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/15(木) 22:10:21 ID:???
投下終わり。

>>19に誤字
スレを跨ぐのはあれなのだ→スレを跨ぐのはあれなので
28名無しさん、君に決めた!:2007/03/15(木) 22:11:49 ID:???
29名無しさん、君に決めた!:2007/03/15(木) 22:14:37 ID:???
あつ!
30ポケモンとのび太とノートと ◆C1aEnJaUS2 :2007/03/15(木) 22:27:17 ID:???
これから投下します。
ルビー氏乙です。
31ポケモンとのび太とノートと ◆C1aEnJaUS2 :2007/03/15(木) 22:28:31 ID:???
のび太「お、お、おォォォォ!!!!
すっ、スゲエ!!!!
力が、力が湧いてくるゥゥ!!!!!」
ドス黒く光ったゲンガーの横で、のび太は言いようのない快感に声を上げる。
脳内麻薬が分泌され、わなわなと力がみなぎる。

コウ「な……なんだこれは……?」
どう見ても異常としか言いようのない光景にコウはすくみ上がる。
この場所から逃げ出したい。
しかし、足が言うことをきかない。

「うああああああああああああ!!!」

部下の一人が叫びをあげた。
声を上げただけ、それだけならまだ良かった。
そいつはそこから逃げ出した。
そして、その逃走は成功しなかった。
逃げる団員の耳をゲンガーが放った漆黒の弾が削りとっていってしまったからだ。
「ウギャアアアアアア!!!!」
血が噴き出す耳を押さえ団員はその場に伏す。

のび太「キシシシシシ……。
ツレねえな………。待てよ」
コウでさえ目を背ける光景を前に真ん丸メガネの少年は残酷そうに笑っていた。
32ポケモンとのび太とノートと ◆C1aEnJaUS2 :2007/03/15(木) 22:30:00 ID:???
死ぬ。殺される。
その場にいた全員がそう思った。
コウも含めて。
全員が死の絶望で静まりかえる中、ゆっくりとのび太は言った。

のび太「まあまあ、逃げるなとは言ったけど問答無用に殺すとは言ってないよ。
うん。俺だって情けはあるしな。
ちょっとした条件を飲んで貰えばいいんだ。
簡単に言えば取引だ。」
のび太がニヤリと笑う。

コウ「取引…………だと?」
コウは首を傾げる。
しかし疑念と共に条件次第で生命が助かる可能性のある事に、彼は密かな安堵感を感じていた。
いざとなれば部下の命を差し出す。彼はそう思っていた。

コウ「ハハッ。取引?
い、いいだろ。言ってみなよ。
金かい?ロケット団撃退の手伝いかい?」
コウは答える。
微笑みながらもその顔はひきつっていた。

のび太「いやいや、そんな大層なことしなくて良いぜ。
一つ目の条件はおとなしく投降すること。
二つ目はここで起こった事は一切他言しないこと。
それと……」
のび太がしゃべっている途中でコウが口を挟む。
コウ「分かった!分かった!従うよ!
おい!部下達!これからコガネ外部に……」

のび太「は?何ふざけてんの?
お前は残るんだよ、ここにな。」
33ポケモンとのび太とノートと ◆C1aEnJaUS2 :2007/03/15(木) 22:32:07 ID:???
のび太「逃げたいか?
何故自分が選ばれてるか解んねえのか?」
コウはコクリと頷く。
その顔は雨か他の液体かでグシャグシャだ。

のび太はその顔を地面に擦り付けて言う。
のび太「いや、別に誰でもいいんだ。耳が無くなったアイツでも計画は成り立つんだ。
でもな、お前はコイツらのリーダーだから落とし前はテメエにつけて貰おうと思ってな。
別に代わりがいればそいつでいいんだ。

あ、そうだ。テメエは「人望」のあるお方だったよな。
その「人望」で代わりもゲットすりゃあいいじゃねえか。」
のび太は周りの団員を見る。皆は目をそらす。
のび太「おーい。部下共。
コイツの代わりになる奴はいるかー?
代わりになる奴は残ってそうでない奴は逃げてくれ。
大事な上司が困ってるぜー。」
34ポケモンとのび太とノートと ◆C1aEnJaUS2 :2007/03/15(木) 22:33:30 ID:???
団員「ヒィ!」
それを聞いた団員達は巻き添えは嫌だとばかりに一目散に逃げ出した。
雨の中残ったのはただ二人。
逃げ出してゆく団員を見ながら鼻で笑うのび太。
のび太「ふん。
カスの「人望」なんて所詮こんなモンか。
笑わせてくれんなあ。
……さて。お前の「命」を貰おうか………。」
のび太の手がコウの頭を持ち上げる。

コウ「ヒイィィャァァ!!!」
コウは金切り声を上げる。
しかし腐ってもコウもロケット団幹部の一人。
意味もなく恐怖におののき悲鳴を上げた訳ではない。

コウ『奴の後ろにクロバットとエアームドが………』
のび太は自分の頭を掴み顔を歪ませて笑っている。どうやら後ろの危機には気づいていない様だ。
コウ『どんなにポケモンが強くてもね……、トレーナー自身を殺せばいいんだよ。
このまま演技で油断させてエアームドの翼で首の動脈かっ切ってやる……』
のび太の背後にエアームドが迫る。
コウは音を消すため声を上げる。雨も、それを助長する。
本来ならカチッ、カチッという音を立てるハズだが、それらのおかけで気づかれない。
更にエアームドは接近し、射程距離内に入った。
コウ『ヘヘッ。後数mだ……。
僕の勝ちだ……』
血まみれのコウの口は微笑みで少しつりあがった。
35ポケモンとのび太とノートと ◆C1aEnJaUS2 :2007/03/15(木) 22:35:57 ID:???
一方、ドラえもんはのび太との合流を諦め、単身ラジオ塔内部へと侵入を開始していた。

無人の一階フロアを通過し、二階への階段を登りながらドラえもんは考える。

ドラえもん『のび太君………。
何故来なかったんだろう?
やっぱり奴に捕まったのかな?
だとしたらこっちも急がないといけない。
のび太君が幹部に見つかったということは逆に言えば、幹部はそのせいで足止めされているといること……。
しかし……。』
現在、このイベントは確実に終盤に差し掛かっているといえよう。
と、いうことはあることについて懸念する必要性が生まれる。
そう、それは時間犯罪者の件である。

ドラえもん『奴の目的はあくまでもこのイベントの達成……。
達成間近な今、奴が僕らを攻撃して来ないとは限らない……。
最深の注意を払わないと………』
彼の神経回路が緊張によりバチバチと小さな火花を上げる。

ドラえもんは二階を通過し三階へ向かった。
36ポケモンとのび太とノートと ◆C1aEnJaUS2 :2007/03/15(木) 22:39:36 ID:???
三階もやはり蛻の殻だった。
ドラえもん『引き離し作戦がここまで上手くいくものなのか?』
微かな疑問を感じつつも足は確実に最上階を目指してゆく。

しかし、五階への階段を登る途中でドラえもんの足は止まった。
局長室が見えたのである。
ドラえもん『ここにボスが……。』
ドラえもんは大きく息を吸い込む。
ここにボスがいるかどうかはドラえもんは知らない。
しかし、何か「凄いもの」がいるという威圧感のようなものは感じる。
このごに及んでしたっぱが出てくるハズがない。
故にこの威圧感の正体はロケット団の首領と考えて間違いないだろう。

恐らくこのイベントはロケット団の首領を倒し、怪電波発生装置を止める事により終わる。
長かった戦いもここで一区切りがつくのだ。

物事を成し得るにはそれ相応の覚悟がいる。
ドラえもんはそれをしようとしていた。

ドラえもんは止まった足を再び動かす。
一歩、一歩確実にドアへ向かってゆく。
そしてドアノブに手をかけた。

ドラえもん『開けるぞ!開けるんだ!』
大きく息を吸い、ドラえもんはそれをした。
ドアを開いたその先の視界には、ヘッドフォンをつけコーヒーをすする一人の老人が映っていた。
37ポケモンとのび太とノートと ◆C1aEnJaUS2 :2007/03/15(木) 22:41:58 ID:???
今日はここまでです。
二作目が書きたい。
しかし時間が無い今日この頃。
今回も20分程で書き下したのでミスが無いか不安です。

ルール〜その15〜
死神が死ねばノートは消える。
38名無しさん、君に決めた!:2007/03/15(木) 22:43:00 ID:???
ノート氏ならここで止めると思った
39名無しさん、君に決めた!:2007/03/15(木) 22:46:15 ID:???
40名無しさん、君に決めた!:2007/03/15(木) 23:43:24 ID:???
20分・・・
さすがノート氏!おれたちにはできない事を平然とやってのけるッ
そこにしびれる!あこがれるゥ!
41挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/15(木) 23:50:11 ID:???
みんな乙。
投下開始。
42挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/15(木) 23:50:49 ID:???
トドゼルガの咆哮が、ジム内でこだまする。

ジャイアンははっきりと恐怖を感じていた。
自分でもそれがわかる。
のび太が毎度、ドラえもんの道具を使ってきて復讐してきた時。
そんな時にも、多少ならず恐怖していた。
でも、その恐怖は『のび太』によって中和されていたのだろう。
のび太なら自分をそこまで酷い事するわけない――

だからこそ、今の恐怖とは質が違う。
トドゼルガから与えられるプレッシャーは心に直接かかってくる。
猶予もなにも感じない。
容赦なく吹雪が叩きつけてくるように。
圧倒的な存在の力が、ジャイアンにのしかかる。
勘が働くジャイアンだからこそ、気づいたのだ。
その力に――今の自分が絶対届かないほど凄まじい力に――

「リオル!走り回れ!兎に角逃げろ!!」
叫ぶようにジャイアンが指示を出す。
切羽詰った獣のような、必死さが漂う声。
リオルはトドゼルガから飛び降りて駆け出す。
だが、疲労のためか、持ち前の素早さは揮われない。
どんなに逃げても、トドゼルガの牙が向けられている。
「こおりのキバ」
スズナがついに命令する。
冷気を帯びた牙が、リオル目掛けて振り下ろされ――
43挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/15(木) 23:51:22 ID:???
「リオル!『こらえる』だあぁ!!」
避けられないことを確信したジャイアン。
息を荒げ、必死に出した指示がリオルの耳に届く。
同時に牙が襲ってきた。
床の破壊音、そして凍結音。
一瞬にして冷やされ、空気中の水分が凝結される。
巻き上がる白い霧が、辺りを包み込む。
まるで粉塵のようにそれは、戦いを覆った。

目を凝らし、ジャイアンは見守っていた。
(リオル……無事でいてくれよ)
――徐々に、薄っすらと霧が晴れていく。
リオルの姿が見えてくる。
「!!リオル……」
ジャイアンは青ざめ、言葉を失う。

リオルは足を氷に包まれて倒れていた。
その足では、もう立つことも難しい。
だがそれ以上に、リオルのダメージが大きいようだ。
細かい息遣いをしながら、歯を食いしばっているリオル。
ジャイアンはその目から諦めの念を感じ取った。
(……リオルが、あれじゃもう戦えねえ)
愕然とするジャイアンの手前、トドゼルガが床から牙を抜く。
44挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/15(木) 23:51:57 ID:???
「ほら」
スズナが何かをジャイアンに投げてきた。
「!?」
急な出来事に戸惑いながら、ジャイアンはそれを取る。
バッジだった。
「……お、おいスズナ!どういうことだよ!!」
「どうって、ジム戦は終わりってことよ。
 あんたは頑張ったわ。随分強くなったもの。
 バッジを渡しても申し分無いほどにね」
その言葉を聞いて、ジャイアンはバッジを見つめる。
「……つまり、俺にこれを受け取れっていうのか?」
「そう。
 別に今あたしに勝てなくても、実力があるんだからそれでいいじゃない。
 勝つだけで強くなるわけじゃないんだから」
ジャイアンは歯噛みする。
(確かに、今の俺じゃスズナに勝てないみたいだ。
 でも俺は早くバッジを手に入れなきゃならねえ。
 ドラえもんの話によると、今はジム戦を終わらせることが先。
 ……ここで止まったら、先にすすまねえんだ。みんなが迷惑する。
 だからここでバッジを受け取れば……受け取れば……)
ジャイアンは悔しさを押し殺し、バッジを握る。
そのまま、バッジをポケットへ――
45挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/15(木) 23:52:29 ID:???
 ダァン!!

力強い音が響いた。


ジャイアンはハッとして顔を上げる。
音源はリオルだ。
メタルクローで、足の氷を砕いている。

 ダァン!

再びリオルが足へ攻撃する。
呆然としていたジャイアンだったが、ふと声を出す。
「おい、リオル。もういい」 
 ダァン、とまた音が響く。
ジャイアンの止めも聞かず、リオルは続ける。
「リオル!もういいんだ!やめろ!」
怒鳴り声でも、反応は無い。

ジャイアンはリオルの頬を伝う一筋の涙に気づいた。
‘――俺はまだまだ大丈夫だから’ リオルの目が、ジャイアンに語りかけてくる。
‘足がどうなっても戦えるから’  ジャイアンは目を向け、気持ちを汲む。
‘まだ諦めねえでくれよ!’
リオルの瞳がジャイアンを睨んでいた。
あまりにも強く鋭い目つきに、ジャイアンは目を逸らしたくなる。
だけど、気づいたのだ。
リオルが自分を信じているから、睨んでいるんだと――
逃げ出そうとした自分を怒り、諭そうとしていることに――
46挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/15(木) 23:53:05 ID:???
足の氷が破裂すると共に、リオルは光に包まれる。


輝きは大きくなる。
膨張して背丈を伸ばし、顔つきを、体つきを変える。
光が引くと、姿があらわになる。
青い体は変わらずとも、風格が変化していた。
凛々しい雰囲気がひしひしと伝わってくる。
闘志としての『ふくつのこころ』を体内に宿し、見開く目は燃えていた。
紅い瞳にトドゼルガを見据えるのは、リオルの進化系――ルカリオだ。

(……進化しやがった)
ジャイアンは目を皿にしていた。
(無茶苦茶強えぇ相手なのに……あんだけボロボロにされても)
いつの間にか、ジャイアンは震えていた。
だけどそれは恐怖じゃない。
武者震いだ。
(リオルはまだ諦めちゃいねえ!だから俺も諦めねえ!)
「スズナ!これ返すぞ!」
ジャイアンはまた、バッジを投げつける。
スズナがそれを受け取る。
「まだ俺のポケモンが諦めてねえんでな!!」
にやりと笑いながら、ジャイアンはポケットからメモを取り出す。
こんなときのためにルカリオが覚える技をジョーイから聞いておいたのだ。
47挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/15(木) 23:53:40 ID:???
スズナは意気込むジャイアンを見て、フッと笑顔になる。
「後悔しても知らないからね!!」
「おう、望むところだ!
 ルカリオ、メタルクロー!!」
勢いよく駆け出すルカリオは、まっすぐトドゼルガへ。
「トドゼルガ、かみくだく!」
トドゼルガの大きな口がルカリオへ突き出され、そして――

ルカリオの振るう腕が、牙を打ち砕いた。
破壊音が響き渡る。
トドゼルガの誇っていた大きな牙が床に落ちる。
目を見開くトドゼルガの目の前に、飛び上がるルカリオの姿が映る。
「もう一度だ!」
ジャイアンの声に恐怖の色は無い。
牙が砕けると共にそんな思いは砕かれていたのだ。
メタルクローがトドゼルガの眉間を襲う。
攻撃の衝撃で海老反りになるトドゼルガ。
「トドゼルガ!こなゆき!」
カッと目を見開いたトドゼルガが、顔を振り下ろしざまにこなゆきを噴射する。
「ルカリオ!でんこうせっかで距離を取れ!」
素早い身のこなしで、ルカリオは後退する。
こなゆきはすぐに切れた。
恐らくトドゼルガもかなりダメージがきているのだろう。
48挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/15(木) 23:54:12 ID:???
「アイスボール!」
スズナの指示で、トドゼルガは丸くなる。
体中を冷気で包み、転がりだす。
そのスピードは徐々に増し、ルカリオへ向かっていく。
「カウンター!」
アイスボールがぶつかった瞬間、ルカリオは身を翻す。
多少のダメージをものともしない勢いで、トドゼルガに攻撃する。
トドゼルガの『アイスボール』は方向を変え、壁にぶつかる。
それでもはずれたわけでは無いから、アイスボールは止まらない。
跳ね返り、ルカリオへ向かう。
『こおりのつぶて』の時と同じように、威力を増大させて。
「へへ、でも隙だらけだぜ!カウンター!」
「飛んで!」
スズナの声がトドゼルガに伝わると――
ぽーんと、トドゼルガが宙に弾み上がる。
そうしてルカリオを飛び越して技を回避したのだ。

それでも、ジャイアンは冷静だった。
(あんな重そうな体でよく飛べるなぁ)
「ルカリオ、メタルクローだ!」
進化した跳躍力により、ルカリオは飛び上がる。
硬化する爪が突き上げられ、トドゼルガにめりこむ。
ルカリオの気合が響く。
勢いで、トドゼルガは天井に叩きつけられる。
悲痛に唸るトドゼルガが、天井の氷にひびをいれ、そして破壊する。
氷の盤に押され、ルカリオとトドゼルガが落下する。
49挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/15(木) 23:54:48 ID:???
「あぶねえ!戻れ、ルカリオ!」
「戻って! トドゼルガ!」
危機を予感した二人が、それぞれポケモンを戻す。
光がポケモンを捕らえ、吸収すると同時に氷塊が激突する。
粉砕音が長く余韻を残した――

暫くしてジャイアンはルカリオを繰り出す。
「まだ瀕死にはなってねえ。
 戦おうとすればまだ戦えるぞ。そっちは?」
答える代わりにスズナはボールのスイッチを押す。
それはトドゼルガのボール。
そして……反応は、無い。

――モンスターボールにある仕組み。
瀕死のポケモンが中に入っている場合
そのモンスターボールにはロックが掛かる。
それは中に入っているポケモンの安全確保のためでもあるのだ――

「あたしのトドゼルガはもう瀕死みたいね……」
スズナはそう呟くと、ジャイアンに近寄る。
「ほら、バッジ。
 これで四つ目でしょ」
スズナからバッジを託されたジャイアンは、それをギュッと握り締める。
「ああ。終わったんだな……」
50挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/15(木) 23:55:23 ID:???
ジャイアンはジムを後にする。
入り口にはまだ民衆が集まっていたが、それを掻き分けてポケモンセンターへ向かう。

フッと、何かが降ってきた。
ジャイアンは思わず手を伸ばし、空を見上げる。
灰色の雲が白のまだら模様で彩られていた。
徐々に、『まだら』が大きくなり、近づいてくる。
ふわりふわりと、雪が舞い降りていた。

それは、この町ではありふれたものだ。
でも東京生まれ、東京育ちのジャイアンに取って、雪はなかなか出会えない風物詩。
自然とジャイアンの顔が綻んだ。
手のひらの中に雪が降り、儚く溶ける。
凍みこむ感覚が微妙に残った。
微かな感覚を心に残して、またジャイアンは歩き出す。

ジャイアンの今までの旅は、雪のように儚いものかもしれない。
雲という広大な日常から逸れた、たった一つの結晶のように。
でも、雪は積もることが出来る。
思い出も、また同じ。心という大地に積もる。
その雪が、春の光を受けると水になって、川が流れて……そうして何かが芽吹くのだ。
51挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/15(木) 23:55:57 ID:???
夜――
ジャイアンが宿舎で暇しているときだった。
窓から羽ばたきが聞こえてきた。
振り向くと目に映った光景に、ジャイアンは息を飲む。
「デリバード!?」
窓の外でつついているのは、袋を担いだデリバード。
ジャイアンは急いで駆け寄ると、窓を開ける。
その瞬間、デリバードは一通のメールを投げ込んできた。
「うわっと!」
メールが床に舞い落ちると、ジャイアンはそれを拾う。
デリバードはそれを見届けると再び窓から飛び去っていった。

同じ頃――
メールを受け取った人間が他に四人。
スネ夫、しずか、ユリ、そしてドラえもん。
全員、内容は同じ。
送り主の名は――出木杉。
52挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/15(木) 23:56:40 ID:???
[君たち全員がジム戦を無事終えてくれて嬉しいよ。
 さて、本当はアカギに送ってもらおうとしたメールだったが、彼が嫌だと言うのでね。
 代わりにデリバードに送ってもらったんだ。
 言っておくけど、全員届いているメールは同じだからね。
 このメールは君たちにあることを伝えるためのものなんだ。
 
 『ポケモンリーグ』が開催される。
 このメールが届いた日から丁度50日後。
 テンセイシティという結構な大都会で開催される。
 そばには『テンセイやま』っていう大きな山があるんだ。
 この世界の人に聞けば場所は大概わかると思うよ。

 ここからが本題なんだ。
 君たちにこのリーグへ参加してもらいたい。
 参加資格はジムバッジを4つ持っていることだから丁度いいだろう?
 面白いことを教えてあげる。
 このリーグには『ギンガ団』が絡んでいるんだ。
 もしかしたら何かわかるかもね。
 じゃあ、頑張ってくれよ!
                 出木杉より]
53挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/15(木) 23:57:14 ID:???
「これは……いったいどういうことだろうな」
ドラえもんがキャモメの進化したペリッパーに銜えられながら呟く。
「どうしてわざわざこんなことを……
 とにかくみんなの所へ行かなくちゃ!!」
ペリッパーに行き先を伝えると、進化した速度で一気に飛んでいく。

翌日、朝――
スネ夫は突然窓を叩く音に飛び起きた。
「ぅわぁ!!何だ何だ!?」 
「僕だよ!スネ夫君!」
ドラえもんが窓越しに声を出す。
スネ夫が窓を開けると、ドラえもんはメールを取り出す。
「これ、もらったよね?」
「あ、ああ。でも」
「荷物をまとめて!すぐ飛んでいくから!!」
驚くスネ夫に有無を言わさず、ドラえもんは急き立てる。
すっかり目が覚めてしまったスネ夫を背に乗せて、ペリッパーが翔けて行く。

朝日が眩しく照らしていた。
新しい兆しを見せて――
54挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/15(木) 23:57:50 ID:???
日が昇り、正午に差し掛かる頃――
ドラえもんは町中でしずかを見つけ、降り立つ。
「ド、ドラちゃん!?」
しずかは動揺して目を丸くする。
「どうしてここに来たの?」
「しずちゃん、メールはもらったよね?」
ドラえもんが取り出したのは、出木杉からのメール。
途端に、しずかが真顔になる。
「ええ、受け取ったわ」
「しずちゃん、兎に角、今みんなを一箇所に集めているんだ。
 君も来てくれるよね?」
すると、しずかは言葉を詰まらせる。
「ご、ゴメン。ドラちゃん。
 あたし、行けないの」
ドラえもんは眉を顰める。
「どうしたの?何があったの?」
「その答えは―ー」
返答に困るしずかのそばにミカンが割り込んでくる。
「今は言えません」
きっぱりとした口調に、ドラえもんはムッとする。
「そちらさんには関係ないでしょう!こっちはこっちで問題が」
「大丈夫です!何ならそちらの用件も聞きましょうか?」
ミカンとドラえもんは暫く口論した後、ニ、三取り決めをする。
「わかりました。しずかには必ずそうさせます」
訝しがるドラえもんだったが、仕方なくその場を後にした。
55挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/15(木) 23:58:28 ID:???
夕方――
ユリはポケモンセンターでドラえもんと遭遇する。
「あ、あれ!?気は……ドラえもん、だっけ?」
ドラえもんは頷くと、出木杉のメールを見せる。
「このメール、来たんだよね?」
ユリがメールを取り出している間に、ハヤトが駆けつけてきた。

ドラえもんは、今全員を一つの町に集めていることを伝えた。
「ボクたちもそこへ行けばいいんだね?」
「そう。でも僕のペリッパーに二人乗りはちょっと――」
「心配ないぞ。ドラえもん殿。
 俺は自分のエアームドに乗っていく」
ハヤトの提案に、ユリは一味つける。
「じゃあ、ボクもハヤトのポケモンに乗っていくよ。
 そうしたほうが効率いいでしょ?」
ドラえもんは大いに頷いた。
「それはいい考えだ!
 集まる町の名前は『リンキタウン』。港町だよ!」
ドラえもんはそう伝えると、最後の一人の元へ向かう。
56挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/15(木) 23:59:05 ID:???
リンキタウン、ポケモンセンター内――
スネ夫は朝方いきなり連れて来られたことで機嫌が悪かった。
(くそぅ、ドラえもんの奴!僕をこんなところへ拉致しやがって!
 しかもしずちゃんを呼んでくるって言ってから何時間かかってると思ってんだか……)
ユリとハヤトが到着しても、怒りはなかなか収まっていなかった。

夜もふけた頃――
、センターの中にジャイアンが入ってくる。
それに続いてドラえもん。
「みんな、集まって!」
ドラえもんが一声あげ、みんなを召集する。
「みんなに集まってもらったのは他でもない。
 このメールのことだ」
ドラえもんはそう言うと、メールを取り出す。
それを見て三人がメールを取り出した。
「ここにはあいにく来ていないけど、しずちゃんところにも同様のメールが届いていた。
 出木杉は僕ら全員を招待しているんだ。ポケモンリーグに」
57挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/15(木) 23:59:37 ID:???
「でもさ……それっておかしくない?
 わざわざ自分の元に敵を招待しているなんて」
スネ夫がまず質問する。
「?なんで出木杉の元なんてわかったんだ?」
ジャイアンがきょとんとする。
「ジャイアン、メールの最初の一文だよ。『さて、本当はアカギに送ってもらおうとしたメール』
 そして最後の方の『このリーグには『ギンガ団』が絡んでいるんだ』
 もしこの言葉を信じるなら、出木杉はギンガ団と関係があるということだろ?」
「流石スネ夫君だね」
ドラえもんが賞賛する。
頭を抱えるジャイアンを無視して、話が続けられる。
「そして、このジム戦のとき、彼は言ってたよね。
 『これは敵の時間稼ぎだ』って。
 その時の『敵』はモテ夫君だったけど、僕がみんなの町に戻ったときには……いなくなっていた。
 ……ま、町の住人全員どこかにいったみたいなんだ。
 気にしなくていいよ!きっと平気だから!
 今は話を続ける。それが先決だよ!
 とにかく、出木杉はモテ夫が追い求めていたものを……受け継いだって言うのかな。
 僕らに時間稼ぎしているんだ。それを手に入れるために」
「じゃ、じゃあどうするのさ?
 こう何度も時間稼ぎされたんじゃいつまでたっても」
「落ち着いて、スネ夫君!
 今度は僕も味方だ。
 僕がリーグの裏で、出木杉のやっていることを探る」
58挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/16(金) 00:00:09 ID:???
もしリーグが開催された場合。
出木杉はリーグに気を取られるはず。
みんながちゃんと来ているか確認するから。
その油断している隙をつくのが、ドラえもんの作戦。
「で、できるの?そんなこと」
ユリが不安げに質問した。
「やるしかないんだ。僕も全力を尽くす。
 さて、幸い、リーグ開催まであと50日。
 みんなはこの間、ポケモンを鍛えてくれ。
 そして『テンセイシティ』で落ち合うんだ」
「……よくわかんねえけど、それが今出来ることなんだな?」
ジャイアンが確かめた。
「だったらやってやるよ!全力でな!」
ジャイアンが力強く胸を叩く。
「まあ、やるしかないんじゃないの」
スネ夫が溜め息混じりに微笑みながら言う。
「ボクもやれるだけやるよ!」
「俺も、出来るだけサポートするつもりだ」
ユリとハヤトの答え。
ドラえもんは頷いた。
「みんなありがとう。いつもいつも」
「おいドラえもん!長い言葉はお断りだぜ?」
ジャイアンが口端を吊り上げながら注意する。
「心配しなくても俺らは頑張るからよ!」
59挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/16(金) 00:01:10 ID:???
星が空を瞬く――

今、ジム戦を終えたばかりの彼らに新たな試練が降りかかった。
それを彼らはものともしない。
ある意味ではいいことなのだろう。

「みんな!忘れないでね!」
ドラえもんが宿舎に入りざま、最後の警告をする。
「もっちろんだ!」
「50日後」「テンセイシティで」
「落ち合うってことだろ!」
「そしてそれまでの間、実力をつけてくれ」
ドラえもんが一息つき、語りだす。
「誰も負けることのないように」
無言で全員頷き、各々部屋に入る。

まだ、彼らは知らなかった。
リーグに集まる人々を。
各地で経験を積んだ、本当の実力者たちの力を。
そして――リーグで何が起こるかも。

星が空を瞬く――
虚空を彩る――
人々を導いていく――
その光は残酷なまでに平等で
無知な挑戦者たちを共に引っ張ろうとするのだ――
60挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/16(金) 00:02:18 ID:???
投下終了。
そしてジム戦編の終わり。
やっとリーグ編に入れるのさぁ!
では。
61名無しさん、君に決めた!:2007/03/16(金) 00:07:27 ID:???
62名無しさん、君に決めた!:2007/03/16(金) 00:14:12 ID:???
挑戦者氏乙ですー
63名無しさん、君に決めた!:2007/03/16(金) 14:08:39 ID:???
リオルはメタルクロー覚えないぞ
64挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/16(金) 15:48:11 ID:???
修正
〜〜
ジャイアンはハッとして顔を上げる。
音源はリオルだ。
自分の拳で、足の氷を砕いている。
〜〜

うん。これでいいね。
65ワタリ ◆wtriJfTC.Y :2007/03/16(金) 20:04:10 ID:???
挑戦者氏乙
あと2話だけ投稿します
66ワタリ ◆wtriJfTC.Y :2007/03/16(金) 20:05:15 ID:???
研究所の外を出ると、外はもう茜色に染まっていた。
ずいぶんと研究所の中にいたようだ。
もういないかもしれないがとりあえずのび太は、マサゴの浜へと足を進めた。
「ここがマサゴの浜...。」
海に夕日が映り綺麗だった。
目を凝らして見ると、ヒカリが浜辺に座っている。
こっちに気づいたのかヒカリは手招きをして呼んでいる。
のび太はヒカリの隣に腰を下ろし、手足をのばした。
「あァー、今日は色々あったなァ。あ、ヒカルは?」
「もう寝てるからあんまり大きな声出さないで。疲れてるみたいね。」
「ゴメン...。」
ヒカルはヒカリの膝でぐっすりと眠っていた。
まるで天使の様だ。
「可愛いね。ヒカル。」
「私より?」
突然の言葉に驚くのび太。なんと言い返せば分からない。
「アハハ。冗談よ冗談。・・・・・・・・。
あのさ...私ね、一ヶ月より前の事が何もわからないの。」

きたこの話だ―――――――
67ワタリ ◆wtriJfTC.Y :2007/03/16(金) 20:05:50 ID:???
「私、前にキッサキシティに住んでいたの。
でも突然マニューラの群に襲われて...私の...私の大切な人を傷つけてしまった。」
「え?なんでヒカリがそのことを知っているの?」
のび太はあわてて口を塞ぐ。
しまった―――――――
「そうナナカマド博士に聞いたの。博士はいい人よ。
私を傷つけまいと、決してその事は言わなかった。でも...。でも私は覚えてるの。」
しばらく沈黙が続いた。
が、その沈黙を破ったのはのび太の方だった。
「その大切な人って...君の恋人か何か...?」
何聞いてるんだボクのバカ!
だが内心心配で心配でたまらなかった。
もし恋人がいるのだとすればぼくは―――――――
「ううん、分からない。でも本当に大切な人なのは確かよ。」
涙を流すヒカリ。見てるだけでもつらい。


「あのさ...。ぼく、友達を捜すためにキッサキシティにも行くんだ。
もし良かったらヒカリも一緒に行かないかい?」

68ワタリ ◆wtriJfTC.Y :2007/03/16(金) 20:06:48 ID:???
投稿終了
なんか最近投げやりな文章になってる気がする・・・
2日ぐらい修行してきます。
69ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/16(金) 20:33:30 ID:???
投下します
今日はいつもよりかなり多めです。
70ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/16(金) 20:34:10 ID:???
トクサネシティの宿。
のび太は部屋の隅に座っていた。
『僕は明日しずかちゃんと戦う……いやだな……』
のび太の対戦相手はしずか。
友達と戦うのは、まだのび太には酷のようだ。

トントン。
不意に、扉を叩く音がする。
「はーい……」
扉を開けるのび太。
すると、そこには対戦相手のしずかがいた。
「こんにちは、のび太さん」

それからのび太としずかは一言も話さず、ただ下を向いていた。
まるで、初めてデートをした時の恋人のように。
「ねえ、のび太さん」
長い沈黙が過ぎ、切り出したのはしずかだった。
「明日の試合……お互い悔いのないように全力で戦いましょう」
すると、のび太は口を小さく開けて言った。
「……嫌だ。僕……しずかちゃんと戦いたくない」
71ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/16(金) 20:35:09 ID:???
のび太の発言に、しずかは戸惑った。
「え?どういうこと?」
優しく問いかけるしずかだったが、のび太は構わず怒鳴った。
「だから、僕はしずかちゃんとは戦いたくないんだよ!」
その瞬間、しずかの手のひらがのび太の頬を引っ叩いた。
その迫力に押され、黙りこくってしまうのび太。
「のび太さんが何を考えてるかはわからないけど……のび太さんは勝ちたくないの?ドラちゃんを助けたくないの?」
必死で諭そうとするしずか。
のび太は赤くなった頬をさすりながら首を横に振った。
「じゃあ、私に勝たないとダメでしょ!勝ってドラちゃんを助けなさいよ!」
今までの長い付き合いの中で見たことのない、しずかの顔。
のび太はコクリと頷いた。

トクサネシティ砂浜。
「波の音が綺麗ね……のび太さん」
「う、うん」
二人は体を寄せ合い、水平線に沈む夕焼けを見ていた。
「明日は……全力で戦いましょうね」
のび太の顔をしっかり見つめるしずか。
「うん。お互い悔いの無いように」
のび太もしずかの顔をしっかり見つめた。
すると、しずかはゆっくり立ち上がる。
「私、負けないからね!」
しずかは砂浜の向こうの方へ走っていき、のび太に手を振りながら言った。
のび太も手を振り返して、笑顔で答えた。
「ああ、僕だって負けないさ!」
72ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/16(金) 20:36:21 ID:???
かたやジャイアンとスネ夫。
二人はトクサネシティのポケモンセンターに居た。
「いよいよ明日だな、スネ夫」
懐のモンスターボールを確かめ、呼びかけるジャイアン。
「そうだね、ジャイアン」
それに答えるスネ夫。
二人の雰囲気はいつもと違い、その表情は固くなっていた。

「ジャイアン。明日の試合、僕は負けないよ。絶対に」
切り出すスネ夫。
「何言ってんだよ。勝つのはこの俺様だ」
返答するジャイアン。
だが……やはりいつもの二人の姿は見えない。
そこにいる二人は親友としての二人ではなく、対戦相手としての二人。
今まで一緒に戦ってきた仲間としての二人ではなく、倒さなければならない敵としての二人。
「僕は戻るよ、ジャイアン。明日に備えないと」
「おう。それじゃあ俺も戻るぜ、スネ夫」

親友の絆をも断ち切ってしまう過酷な戦い、チャンピオン・リーグ。
それは運命なのか、はたまた偶然なのか。
神は少年少女達に過酷な試練を与えた――
73ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/16(金) 20:37:09 ID:???
翌朝。
様々な思いが交錯する中、ついに開始された準々決勝。
最初の試合はのび太VSしずか。
早くも、ここでどちらかが落ちることになるのだ。

「ワー!ワー!ワー!ワー!」
会場全域に響く観客の声。
準々決勝ともなると、その盛り上がり様は物凄かった。
そして、ついに選手がコールされる。
「準々決勝第1試合、のび太選手としずか選手……。今すぐ闘技場に出てください」
アナウンスの声が響くと、闘技場の両サイドに煙が充満する。
右サイドから出てきたのはのび太。
『もう迷わない。ドラえもんを助けるために、僕は勝つ!』
左サイドはしずかだ。
『私だって負けたくない。ここまで来たんですもの』
固まった二人の決意。
それは、その表情にも表れているほどだ。

そして、ついに二人が定位置につく。
審判は高らかに試合開始の旗をあげた。
「では、準々決勝第1試合、はじめ!」
74ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/16(金) 20:37:44 ID:???
「いけ、アブソル!」
「いきなさい、プクリン!」
のび太はアブソル。しずかはプクリン。
先に動いたのはのび太だった。

「剣の舞だ!」
相手を困惑させるような不思議な動きを見せ、攻撃力をあげるアブソル。
対して、しずかは不安げな表情を見せていた。
『いきなり剣の舞……。ただでさえ攻撃力の高いアブソルなのに、これは危ないわね』
危険を察したしずかは、早急にアブソルを倒すことにした。
「プクリン、かわらわり!」
プクリンの手刀を受け、痛がるアブソル。
だが、のび太も負けじと応戦する。
「一発で決めてくれ!アブソル、破壊光線!」
アブソルからキラキラした光線が放出される。
剣の舞をしたこともあって、その威力はかなりのものだった。
「プクリン!」
鈍い音を立てて、プクリンが沈む――
75ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/16(金) 20:39:55 ID:???
しずかのプクリンを一撃で倒したアブソル。
だが、その健闘も虚しく、次に出てきたキレイハナの攻撃で力尽きた。
「頼んだよ、ペリッパー」
のび太が次に選んだのはペリッパー。
草タイプのキレイハナを相手にするには妥当な判断だろう。
『この大会ではポケモンを入れ替えれない……。どうしましょう』
焦るしずか。
その間にも、ペリッパーの攻撃はキレイハナにヒットしている。
「トドメだ!」
のび太の指示により、三撃目がキレイハナを襲った。
「戻りなさい、キレイハナ」

「キリンリキ!」
次に出てきたのはキリンリキ。
そして、キリンリキが放った十万ボルトでペリッパーが沈む。
『キリンリキ……となると、悪タイプの攻撃が必要になるな』
「いけ、ダーテング!」
76ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/16(金) 20:41:32 ID:???
のび太のエース、ダーテングの力はかなりのものだった。
得意の悪技でキリンリキを倒し、その次のキュウコンとも互角の戦いをしていた。
「キュウコン、火炎放射!」
二度目の火炎放射を受け、倒れそうになるダーテング。
のび太は迷っていた。
『ここで大爆発をすれば、キュウコンは倒せる。だけど……』
そこまで考えたとき、のび太はスネ夫の言葉を思い出した。
そして、それにしずかの言葉も重なる。
『……僕は負けられない!負けられないんだ!その為には……ダーテング、ごめんね』
「大爆発!」
苦渋の選択の末に、のび太がとった行動は大爆発だった。

ドーム観客席。
「やった!やったぞのび太!」
歓声をあげるスネ夫。
彼としても、のび太が考えを変えてくれた事が嬉しかった。
「しずかちゃんは残り二匹。野比君は残り三匹。まさか、野比君がここまでしずかちゃんを追い詰めるとはね」
神妙な顔をして呟く出木杉。
正直なところ、出木杉はのび太がしずかに勝てるとは思っていなかった。
だが、今の自分はしずかと互角以上に渡り合っているのび太を目の当たりにしている。
『野比君……。ひょっとしたら、君は僕を超えるかもしれないな』
77ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/16(金) 20:42:12 ID:???
まだまだ続く熱いバトル。
大爆発によってリセットされた戦場に、再び兵士が出陣する。
「ベトベトン!」
「いきなさい、チルタリス!」

のび太のポケモンはベトベトン。
チャンピオン・リーグの準備期間中に育てたものだ。
「ベトベトン……厄介ね。チルタリス、地震!」
激しい揺れを起こし、ベトベトンを襲うチルタリス。
効果抜群の攻撃を受け、ベトベトンはかなりのダメージを負った。
「ヘドロ爆弾だ!」
繰り出される巨大なヘドロの塊。
だが、それはチルタリスの体力の半分も奪えなかった。
「ドラゴンタイプのポテンシャルを舐めてもらったら困るわね。トドメの地震!」
二発目を食らい、さすがのベトベトンも虚しく倒れる。

「お疲れ、ベトベトン」
『残りはハリテヤマとメタグロス。一撃で倒すためにも、ここはメタグロスでいくか』
「出ろ、メタグロス!」
空高くボールを放り投げるのび太。
出てきたのは、今までに何度もピンチを救ってきたのび太の切り札――メタグロス。
78ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/16(金) 20:43:02 ID:???
メタグロスの威容に、しずかは不安を感じていた。
『このメタグロス、かなり強い。チルタリスでなるだけ多くのダメージを与えないと!』
「チルタリス、地震!」
「コメットパンチだ!」
地震攻撃がメタグロスを襲うも、メタグロスは怯まずチルタリスに攻撃する。
フルパワーでぶつけられる豪腕を前に、チルタリスは無残に崩れ落ちた。

「戻りなさい、チルタリス」
チルタリスを戻し、一息をつくしずか。
「のび太さん……。まさか、あなた相手に私が最後の一匹まで追い詰められるなんて、思ってもいなかったわ」
しずかは最後のボールを構える。
「でも、この子は一筋縄じゃいかないわよ。いきなさい!」
最後のボールを放つしずか。
そこから出てきたのは――

見るものを魅了する曲線を描いたボディ。
太陽の光を反射して煌びやかに光る鱗。
会場全体がその美しさに見とれたそのポケモンは――ミロカロス。
79ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/16(金) 20:45:21 ID:???
ついにその姿を現したしずかの切り札、ミロカロス。
その美しさは、言葉では言い表せないほどだった。
『す、凄い!なんて綺麗なんだろう……。って、見とれてる場合じゃない!』
ミロカロスの容姿に見とれながらも、のび太は指示を降す。
「メタグロス、ヘドロ爆弾!」
「ミロカロス、波乗り」
素早さに勝るミロカロスが先に攻撃を放つ。
そして、ギリギリ生き残ったメタグロスの攻撃が繰り出される。
「もう一度よ」
凄まじい耐久力でそれを耐えたミロカロスは、二発目の波乗りでメタグロスを降した。

「このミロカロスは私のとっておき。強さだけじゃなく、美しさも限界まで上げたわ」
メタグロスを倒したことにより、自信を取り戻したしずか。
圧倒的な力は、敵を倒すだけでなくトレーナーの自信をも蘇らせる。
そして、相手のトレーナーに多大なプレッシャーを与える。

『やばい。残りはハリテヤマ一匹。僕は勝てるのか?』
窮地に立ち、焦るのび太。
頭の中がパニックになりながらも、のび太は最後のボールを放つ。
「いけ、ハリテヤマ!」
80ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/16(金) 20:46:32 ID:???
お互いに残りポケモンは後一匹。
もう、後は無かった。

「ミロカロス、波乗り!」
「ハリテヤマ、かわらわりだ!」
繰り出される両者の攻撃。
襲いかかる波を受けながら、ハリテヤマは手刀を振り下ろす。
だが、受けたダメージはハリテヤマの方が圧倒的に大きかった。
「もう一度よ、ミロカロス」
「こっちだって!」
再び、さっきと同じ光景が繰り返される。
これにより、ハリテヤマの体力は後一発の波乗りの射程範囲内に入った。
しかし、対するミロカロスは半分ほど体力が残っている。
「のび太さん。この勝負、私がもらったわね」

ドーム観客席。
「なあ、のび太が負けるのか?」
不安そうな顔で聞くジャイアン。
それにスネ夫が答えた。
「このままいけば……多分そうなるね。やっぱりのび太は……」
「いや、まだ決まってないよ」
スネ夫の言葉の途中に出木杉が割り込んだ。
「ポケモンバトルは何が起こるかわからない。勝負は最後までわからないさ」
3人はただただ戦況を見つめていた。
81ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/16(金) 20:48:07 ID:???
「次の攻撃で私の勝ちね」
勝ち誇ったように言い放つしずか。
対して、のび太には対抗する術はなかった。
『ミロカロスの波乗りでハリテヤマは確実に倒れる……。僕の負けだ』
そして、ついに波乗りの指示が出される。
「これで終わりよ。ミロカロス、波乗り!」

『終わった……終わったんだ』
波乗りで倒れているであろうハリテヤマを見ず、天を仰ぐのび太。
だが、勝利の女神はのび太に微笑んだ――
「え?どういうこと?」
のび太の耳に入るしずかの声。
のび太は目の前の状況を見つめた。
「これは……!ハリテヤマが倒れてない!」

「な、なんで……」
驚愕するしずか。
そんな時、しずかの顔に日差しが当たる。
「これは……太陽の光ね。まさか……」
しずかは何かを気付いたようだ。
「この太陽がにほんばれの状態を作り出して……波乗りの威力を弱めたっていうの?」
確かに、ドームの真上では太陽がギラギラと輝いていた。
「よく耐えたね、ハリテヤマ。そして……僕の勝ちだよ、しずかちゃん」
「え?」
さっきまでとは一変、自信ありげに言うのび太。
すると、突然ハリテヤマが輝き出した。
それは太陽よりも眩しく、夜空に浮かぶ星よりも輝いていた――
82ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/16(金) 20:49:28 ID:???
「こ、これは何?」
しずかはさっきから驚きの連続だった。
そして、そんなしずかを嘲笑うかのようにのび太が言い放つ。
「僕はハリテヤマにチイラの実を持たせていた。これでハリテヤマの攻撃力があがる」
「で、でも!それだけじゃミロカロスは倒せないわ!」
確かにそうだ。
ミロカロスの体力はまだ半分ほど残っている。
いくらハリテヤマの攻撃力にチイラの実が重なったとて、一撃では倒せないだろう。
だが、のび太の次の言葉はしずかの予想を裏切った。

「甘いよ、しずかちゃん。ハリテヤマ、起死回生だ!」
起死回生……自分がダメージを負っていれば負っているほど相手へのダメージが大きくなる技だ。
体力が残り僅かのハリテヤマが繰り出すその威力は――計り知れない。
しずかは負けを悟った。
「いっけええええええええ!」
繰り出される渾身の一撃。
それをまともに食らい、ついにミロカロスが崩れた。
「や……やったああああああ!」
歓喜の叫びをあげるのび太。
しずかはミロカロスをボールに戻し、力無く跪いた。
「勝者、のび太!」
83ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/16(金) 20:51:06 ID:???
投下終わり。
ふう……疲れた。
バーボンで言ってくれた人ありがとうございます。
後、ワタリ氏乙です
84名無しさん、君に決めた!:2007/03/16(金) 21:07:28 ID:???
激乙!
85携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/16(金) 23:12:54 ID:???
ワタリ氏乙ぅです。
新スレ発見に時間がかかってしまった携帯獣です。

もう三月の後半なのに、俺の町は雪景色……
とりあえずドラえもんのBIGコミックで寒さを吹き飛ばそうか。
投下します。
86携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/16(金) 23:13:35 ID:???
『ドラえもんのび太の携帯獣冒険記』
第一章 ♯第十一話 「猛火」

時間はさかのぼり、一時間程前。
ちょうどのび太達が403番道路を抜けたころだ。
ジャイアンは一足先にカイルンシティに到着し、ポケモンセンターで軽食(ジャイアンにふさわしい)を取っていた。
ジャイアンは、チキンカツサンドを頬張りながら、メモ帳を眺めていた。
「ここのジムリはほのおタイプの使い手か」
ジャイアンはポケモンセンターに入る前、あちこちで情報収集をしたのだ。
「うし、行くか!」
ジャイアンは席を立ち、勘定を払うと、ポケモンセンターを飛び出した。


ジャイアンはジムの中に入った。
中はなんとなく、相撲部屋のような感じだ。
上座には和服のような服を着て、長い髪の毛をポニーテールにした若い女性が座っていた。
「ようこそ、カイルンジムへ!私はジムリーダーのビスカ!」
「俺はジャイアン、ガキ大将だ、早速勝負してくれ」
「いいわ、じゃあ、挑戦者サイドに立って」
ジャイアンは指示された場所に立ち、気合を入れるため四股を踏んだ。
「ルールを説明するわ、手持ちに制限は無いけど、そのうち一体でも
戦闘不能になったらお終い。わかったかな?」
ジャイアンは無言で頷く。
『試合開始!』
女性審判の合図でバトルは始まった。
87携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/16(金) 23:14:18 ID:???
「マグマラシ!」
ビスカの先鋒はマグマラシだ。
「暴れて来い、ラムパルド!!」
ジャイアンはラムパルドを繰り出した。
「ラムパルド、ずつきだ!」
ラムパルドは自慢の硬い頭を敵に向け、突撃する。
「マグマラシ、あなをほる!」
ラムパルドのずつきが当たるすれすれでマグマラシは穴を掘って地中に隠れてしまった。
「さあ、どうする?」
ビスカが挑発したように言う。
「おい、ラムパルド、じしんだ」
ジャイアンはいやらしい笑みを浮かべていった。
最初はすこし戸惑ったが、ラムパルドはジャイアンの言いたいことを理解すると、
地面を踏み込もうとした。
「ま、まずい!脱出よ!」
ビスカの指示でマグマラシはラムパルドの手前から飛び出した。
「がーはははははは!もろはのずつきだあ!」
「へ?」
ラムパルドは突然じしんの体勢から、もろはのずつきの体勢にチェンジアップし、
そのままマグマラシに必殺の一撃を加えた。
マグマラシは宙を舞い、地面に落ちた。まだ、体力はあるようだが、足元が震えている。
「戻って、マグマラシ」
ビスカはこれ以上の戦闘を無理だと判り、マグマラシを戻した。
「……あんた、そのラムパルド……じしん使えないわね?」
「フッ、そうだ、あのじしんは、あんたのマグマラシを引きずり出すためのハッタリ。
上手くひっかかってくれたぜ」
88携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/16(金) 23:14:53 ID:???
「ワカシャモ、でんこうせっかから、かわらわり!」
ワカシャモは目にもとまらぬ速さで、ラムパルドに接近し、
ラムパルドの脳天に鋭い手刀を浴びせた。
「ひるむんじゃねえ!」
ジャイアンが吼える。
だが、ラムパルドはあまりの痛さに、体を震わせている。命令は届いていない。
「あんたのラムパルドはもう無理よ、負けたくなかったら交代なさい」
ビスカが促す。
ジャイアンは舌打ちし、しかたなくラムパルドを戻した。
「姉ちゃんよ、俺様のとっておきを見せてやんぜ!」
ジャイアンは次のポケモンを出した。
キングラーだ。
「がはははは!キングラー、クラブハンマー!」
キングラーは高く飛び上がり、大きいほうのハサミでワカシャモを襲った。
「あんたバカ!?避けなさい、ワカシャモ」
ビスカはジャイアンを罵倒し、ワカシャモを回避させた。
キングラーのハサミは空しく地面を殴りつけた。
「ワカシャモ、にどげりよ!」
ワカシャモが体勢を立て直し、キングラーにとびかかる。
キングラーはワカシャモの蹴りをくらい、吹っ飛んだ。
「諦めんな!マッドショットだ」
キングラーは力を振り絞り、小さいほうのハサミから泥の塊を噴射した。
見事、マッドショットはワカシャモの目の辺りに命中した。
ダメージも与え、命中率も下げることが出来た。
89携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/16(金) 23:15:43 ID:???
「うし、キングラーよバブルこうせんで仕留めろ!」
「こらえて!ワカシャモ」
ワカシャモはなんとかキングラーのバブルこうせんを耐えた。
「戻って、ワカシャモ……意外とやるじゃないの?」
ビスカはワカシャモをボールに戻した。
「けど、ジムリーダーとして簡単には負けない!
行きなさい、バクフーン!」
「ぬわにい!?」
ビスカの切り札はバクフーンだ。
90携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/16(金) 23:18:29 ID:???
手持ち
のび太 モウカザルLv29 マスキッパLv31 ヤミカラスLv26
ドラえもん カメールLv30 ペルシアンLv29 ?
しずか ピチューLv20 チエリンボLv20 ?
ジャイアン ラムパルドLv27 キングラーLv26 ?
スネ夫 ニャルマーLv23 ブラッキーLv32 ?
オリー ミミロップLv40 エアームドLv42
91携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/16(金) 23:21:50 ID:???
投下終了っす。
今さっき気づいたけど、ワタリ氏とルビー氏を間違えてしまいました。
申し訳ありません。

時間操作を初めてやってみました。
明日投下可能ならば、世界観ガイドをどどーんと投下したいと思います。
ではでは。
92名無しさん、君に決めた!:2007/03/16(金) 23:43:00 ID:???
93出木杉の未来大冒険 ◆dqVzDvT5pM :2007/03/17(土) 00:04:02 ID:???
皆さん乙です。
少しだけですが、今から投下します。
94出木杉の未来大冒険 ◆dqVzDvT5pM :2007/03/17(土) 00:05:21 ID:???
 前回の話は前スレで。

 気がつけば、僕は警察署の中にいた。
どうやらあの後、僕は死体の傍にいた事から重要参考人とされてヤマブキシティの警察署に連れて行かれてようだ。
ちなみに、ヤマブキシティへのゲートは今さっき通行可能になったそうだ。
だが僕は死体を見つけてすぐ放心状態になっていたのであまり彼らの役に立つようなことは証言出来ず、取調べはすぐに終わった。
「あ、それと1つ・・・君に伝えておきたい事が・・・・・・」
刑事は一瞬躊躇した後、僕にとんでもないことを告げた。
『被害者の遺体が、ヤマブキシティに輸送中に“突然・・・消えたんだ”。』

 警察署から帰って来た僕は、疲れをとるためにポケモンセンターへ休みに行った。
だが、そうはいかなかった。
のび太たち4人が既にセンター内で僕を待ち構えていたのだ。
僕が彼らの元へ向かうと、それに気付いたドラえもんが話し合いの開始を告げた。
「よし、全員揃ったね。それじゃあ、緊急会議を始めようか。」
それを聞いた、全員がその場にあるテーブルに座る。
辺りに重い沈黙が流れる・・・それを破ったのはドラえもんだった。
「じゃあ出木杉、君の知っている事を全部話してもらおうか・・・」
やはり、僕に話を振って来たか・・・
僕は自分が見たスネ夫の死体の状況や警察から聞いた話などを告げた。
(ちなみに、死体が消えたことは混乱を招かないために伏せておいた)
だが、僕が本当に話すべきことはこんな事ではない。
「・・・それともう1つ、警察には話してないことがあるんだけど・・・」
僕はこの事を話すかどうか、かなり悩んだ。
だが、覚悟を決めて全て打ち明けることにした。
僕の先程までとは違う空気を感じ取ったのか、皆何が来ても驚かないように身構えている。
 そして僕はスネ夫から聞いた話を打ち明けた・・・この中の誰か1人が、ロケット団信者に加担しているという事を・・・・・・
95出木杉の未来大冒険 ◆dqVzDvT5pM :2007/03/17(土) 00:07:16 ID:???
 僕から衝撃的な話を聞いた途端、さっきまで静かだった皆が騒ぎ出した。
だが、そこにドラえもんが追い討ちをかける。
「ちょっと待って!ということは、スネ夫を殺した犯人はその裏切り者・・・つまり僕らの中にいるって事じゃないか!」
その一言によって騒ぎは更に加速する。
「ば、馬鹿な!冗談だろ!」
「この中にスネ夫さんを殺した犯人がいるなんて、私信じられない・・・」
「もう嫌だよ!僕、帰りたい!」
その騒ぎを再び収めたのもまたドラえもんだった。
「落ち着いて、皆!それより、これからどうするかを考えないと・・・」
しばらくして騒ぎは収まり、これからのことについて議論することになった。

 議論の司会はドラえもんが務めた。
「ではこれからどうしたいか、1人1人意見を言って。」
真っ先に口を開いたのはジャイアンだった。
「俺はもう帰りてぇ!こんな所はもうコリゴリだ!」
その意見に静香とのび太も同意する
「私もよ。もう・・・嫌・・・」
「僕も!まさかスネ夫が殺されるなんて・・・」
当然の意見だ、僕も勿論そう思う・・・でも・・・・・・
「そうか・・・出木杉、君はどう思う?」
ドラえもんが僕に意見を求めてきた。
「やっぱり、僕も帰りたい・・・それが一番だと思うよ。でも・・・」
「でも・・・何だい?」
「・・・もしこのまま帰っちゃうと、スネ夫君はもう帰ってこないんだよ。」
 それを聞いた皆は黙り込んでしまった。
「覚えてるかい?この世界で最初にチャンピオンになることが出来た人は、願いを叶えることができるんだ。
それを使えば、スネ夫君を生きかえらせる事が出来るんだ。」
そう、だから僕たちは戦わなければいけないのだ、彼のために・・・

96出木杉の未来大冒険 ◆dqVzDvT5pM :2007/03/17(土) 00:08:46 ID:???
 全員の意見が出終わったところで、ドラえもんが意見をまとめに入った。
「たしかに僕も帰るのが一番だと思うけど、出木杉がスネ夫を生きかえらせる方法を教えてくれた。
だから僕は、スネ夫のために戦いたい!
・・・皆は、どう思う?」
皆、先程はすぐに帰りたいと騒いだのだが、今はかなり悩んでいるようだ。
現実世界に帰れば、信者とも縁が切れるので裏切り者に命を狙われる事はないだろう。
だがそのかわり、スネ夫は永遠に帰ってこない。
なんと言う事だろう!彼らは若干10歳にして、自分の命と友人の命を天秤にかけさされているのだ。
そして悲しいことに、僕も同じ事態に直面しているのでる。

 永遠に続くかと思われた長い沈黙・・・それをかき消したのはジャイアンの大声だった。
「俺はここに残るぜ!裏切り者になんか殺されず、スネ夫を生き返らせてやる!」
それに続いたのは僕だった。
「僕も残るよ!スネ夫君の氏に一番深く関わったのは僕だし、かれを生きかえらせる術を考えたのも僕なんだ!ここで逃げる訳にはいかないさ。」
僕たち2人の勇気に見せられ、静香とのび太も決意を固める。
「私も残るわ。正直、この中にスネ夫さんを殺した人物がいるだなんて信じられないけど・・・」
「ぼ、僕もだ!一人だけ逃げるなんて事は出来ないよ!」
全員の瞳に固い決意が宿る。
それを見たドラえもんは感動の声を上げる。
「全員が友人のために命を賭けて戦うなんて・・・本当に君たちは素晴らしいよ!
 じゃあ、再び冒険に出かけようか!
 ただし、これからは信者に今まで以上に警戒する事。
 それから、何かあったらすぐ皆に連絡すること・・・分かった。」
全員が深く頷き、ポケモンセンターを出て行った。
再び冒険のたびが始まったのだ。
ただ変わったことは、スネ夫がいないこと、そしてこれからは仲間を疑わなければならないことだ・・・
97出木杉の未来大冒険 ◆dqVzDvT5pM :2007/03/17(土) 00:10:04 ID:???
     現在の状況
       ヤマブキシティ
    手持ち リザードLV29、サーナイトLV31、ポリゴンLV20
    所持金 4700円
    バッジ 4個

     出木杉メモ
  名前     手持ち
  のび太    ヤルキモノ、キノガッサ、ディグダ(クチバシティ時)
  ドラえもん  フシギソウ、ピジョン、ビリリダマ(タマムシシティ時)
  静香     カメール、ピカチュウ(クチバシティ時)
  ジャイアン  エビワラー、ニドキング(シオンタウン時)


98名無しさん、君に決めた!:2007/03/17(土) 00:12:00 ID:???
皆乙
99出木杉の未来大冒険 ◆dqVzDvT5pM :2007/03/17(土) 00:12:21 ID:???
投下終了です。
それと3つ目の14行目の出木杉のセリフ「スネ夫君の氏に・・・」ってところの「氏」は「死」の間違いでした。
100名無しさん、君に決めた!:2007/03/17(土) 11:36:09 ID:???
おつゆ
101ポケモンとのび太とノートと ◆C1aEnJaUS2 :2007/03/17(土) 21:15:49 ID:???
これから投下します。
102ポケモンとのび太とノートと ◆C1aEnJaUS2 :2007/03/17(土) 21:16:32 ID:???
ドラえもんは呆気に取られている。

今、ここでのんびりブレイクタイムを取ってるのが本当にロケット団首領のトシミツなのであろうか?
老人であることは、手のシワからある程度は分かる。
顔は見えない。奴は窓の方を向いてるからだ。

ドラえもんは思った。
ドラえもん『これはチャンスではないか?
奴はヘッドフォンで音楽を聞いているし、こっちを全く振り向かない。
気づいてないのでは?』
ドラえもんはそろりと老人の方に近づく。
しかし、物事はうまくは進まないようだ。
ここで老人は初めて口を開いた。
「部屋に入る時はノックをするもんじゃないかな?
え?青狸君。」

「僕は狸じゃない!」と言うのも忘れ、ドラえもんは足を止めた。
一瞬硬直するドラえもんに老人は言う。
老人「まあ、落ち着きたまえ。
先ずはお茶でもしないか?ここにハーブティがある。
結構高級品だから心して飲むようにな。
おっと、椅子も必要だね。」
老人はドラえもんの方を向き、ティーカップにお茶を入れる。
その顔は間違い無い。
あの時演説していたトシミツという奴だ。

お茶を差し出されるも、ドラえもんは疑り深い視線で老人を見つめ出された椅子にも座ろうとしない。
体は勝手に警戒体制をとっている。
103ポケモンとのび太とノートと ◆C1aEnJaUS2 :2007/03/17(土) 21:17:35 ID:???
トシミツ「緊張しているのか?
まあ無理も無いことだ。初対面の者は必ずそうするものだ。
ま、掛けろといっても無理にとは言わないがね。」
トシミツはヘッドフォンを外し、テーブルの上に置いた。
電源は切られてないのか、まだシャカシャか音がする。

トシミツ「君は「GREEN DAY」の「Minority」という曲を知ってるかね?」
トシミツはその電源をパチリと消し、訊いてきた。
ドラえもんは首を横に振る。

トシミツ「政府という多数に流れてゆく人々や世間を皮肉った曲なんだ。
イントロの部分がグッと来る。
全米でスーパーヒットを記録した程の曲なんだがね、何かおかしくないか?
「少数派」のための曲なのに、何故か「大多数」のから賛辞を受けている。
何処か矛盾してないか?
「少数派」のための曲ならヒットするのはおかしい、そう思わないか?」
トシミツは訊いてくる。
ドラえもんはよく意味が分からず黙っている。
トシミツは続ける。

トシミツ「私も昔は音楽の道を志していてね、現在の世の中を批判する曲を書きまくっていたよ。
しかし、それには限界が有ることに気づいた。
音楽で心を訴えても、世間は全く動いてくれやしない。凶悪犯罪、孤児差別、戦争!全く無くなりやしない!
そして私は幾等言っても無駄だと思い、音楽を辞め、ロケット団に入った。
しかし、挫折して音楽を辞めたがどうすればいい!?
私の心をどのように伝えればいい!?」
104ポケモンとのび太とノートと ◆C1aEnJaUS2 :2007/03/17(土) 21:18:23 ID:???
トシミツは言う。
口調は穏やかだが、だんだん熱が入ってきている。
トシミツ「そこで私はラジオ塔をのっとった。
怪電波装置はただの建前。
本当の目的はこのラジオ塔を通して私達の心を全国に伝える事。
言っても無駄な奴らには行動で分からせてやる。
君は私の言ってる事が間違ってると思うかね?」
ドラえもん「間違ってる!!」
ドラえもんは息を絞りだし、叫んだ。
ドラえもん「あなたは……あなたはそんなくだらない事で、こんなに沢山の人々を傷つけ、苦しめたんですか?
自分の欲求を晴らす為?
ゲームのキャラにこんなこと言うのもなんだけど………あなたは自己中だ!」
ドラえもんは叫んだ。
それを聞いたトシミツは少し悲しそうな顔をして言った。
トシミツ「やはり君には伝わらなかったか……。
やはり争わねばならないようだね。
残念だよ。
行け、ニョロボン。」
トシミツはボールを投げ、ニョロボンを繰り出した。
105ポケモンとのび太とノートと ◆C1aEnJaUS2 :2007/03/17(土) 21:21:31 ID:???
今日はここまでです。
人気投票ですか……。
人に順位をつけるなら皆が納得いくやり方でやって欲しいですね。
106名無しさん、君に決めた!:2007/03/17(土) 21:30:53 ID:???
107名無しさん、君に決めた!:2007/03/17(土) 21:56:15 ID:???


でもそう思うなら貴方も積極的に(ry
108挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/17(土) 22:17:36 ID:???
みんな乙。
卒業式は何故あんなに感動するのか。
いい別れだったよ。
投下開始。
109挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/17(土) 22:18:18 ID:???
[――『気ままに夢見る機X』 取扱説明書―ー]

[入り込みたい世界の夢を体験することが出来る道具『気ままに夢見る機』の進化型です。
以前までのこの道具はカセットがあり、その物語をなぞるものでした。
でも、この世界ではなぞる必要は無く、
道具を起動した人物が十分にいい思いをしたと感じれば夢は覚めます。
それ故に物語そのものが存在しないこともあります。
ただ世界の設定を入力するだけでも、登場人物の設定を入力するだけでもいいのです。
それだけで夢が構築されます。
その夢の世界はあらかじめ歴史がつくられています。
また、事前に『ホクロ型受信機』をつけている人は起動した人物で無くとも夢の中へ入り込めます。

この世界をご堪能いただくために、新しい仕組みが設けられました。
現実世界と夢の世界の時間の関係を捻じ曲げてあります。
現実世界での時間の流れは夢の世界において一切気にする必要はありません。
また、夢の世界をより楽しんでいただくために現実世界へ戻る方法を一つだけにしました。
そのため、夢の世界で眠っても現実世界にもどることはありません。
そして、秘密道具は持ち込めなくなりました。

では、この取扱説明書をよく読んで道具を楽しんでください。
あなたの見る夢がきっといいものでありますように……]
110挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/17(土) 22:18:52 ID:???
〜〜〜
燃え盛る研究所――
彼女はその時、叫んでいた。
博士の名前、友の名前、そしてポケモンの名前。
紅蓮の渦が全てを飲み込む。

目に映るポニータたち。
技を暴れまわり、放火し、駆け回り――

焼き尽くす。何もかも。
博士は死んで、友は出て行き―― 
〜〜〜

彼女は震えながら目を覚ました。
その優美な金の長髪は汗で乱れている。
月光が窓から差し込んでいる。

個室を、彼女以外誰もいない個室を照らす。
彼女の荒い吐息のほかに、聞こえる音は無い。

静かな空間が、彼女を孤独へ苛む。
再び彼女は目を瞑った。
二度と『あの日』の悪夢を見ないよう祈りながら……
111挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/17(土) 22:19:31 ID:???
「……ミヤよ。聞こえるか?」
袴姿の男は草原で天を仰いでいた。
不気味なほどはっきりと見える青白い月。
その月を刺すように、男は刀を突き上げる。
「聞こえるわけない……貴様の穢れた耳では。
 だが、なぜこんなことを……」

男の気合一声。
刀が男の周りを振るわれる。
一瞬にして、刈り取られる草むら。
男を中心に円形の模様が出来上がる。

刀を鞘に収めると、男は新聞を置く。
「……いつかここに戻ってくる。
 お前の墓を作るために……」

去っていく男が置いた新聞にはこう書かれていた。

[ミヤ容疑者、脱獄
 先日『カデンの洞窟』内から出てきた所を警官隊に取り押さえられたミヤ容疑者だったが
 昨晩脱走したことが警察関係者の報告で明らかとなった。
 ミヤ容疑者といえば、十数軒以上の欠陥住宅を建てた件で全国に指名手配されていた人物。
 逮捕の際には被害者たちの歓喜の声があらゆる町で響き渡ったものだが
 今回、その思いを打ち砕く結果となってしまった。
 警察側はこの件に対して――]
112挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/17(土) 22:20:07 ID:???
「……見てごらん。ピィ」
少年は目を輝かせて、天体望遠鏡から顔を離す。
肩に乗るピィは興味津々でレンズを覗く。
「見えるだろう?色んな星たちが」
ピィは嬉しそうに頷く〔首がないので体ごと動かして〕。
少年はその様子を優しそうに見つめていた。

少年にとって、このピィは特別な存在だった。
一人の友達から受け取ったポケモン。
ずっと、もう戻ってこないと思っていた友達から。

「ふふ、僕はね。少し前まで思ってたんだ。
 君のパートナーは星になったって」
ピィがレンズから顔を離し、不思議そうな仕草をする。

ピィの見た少年の顔は泣いていた。
でも顔は笑っている。
「ずっと……ずっともう戻ってこないものだと思っていた。
 でも君はまだいるんだね。レイ……」

少年にその情報が伝えられたのは一昨日だった。
近所のおばさんが教えてくれたのだ。
レイが生きている、テンセイシティで見かけた―ーと。
113挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/17(土) 22:20:45 ID:???
彼はまだ眠っていなかった。
どうしてもリーグのことを考えると眠れないのだ。
それも彼の野性的な性格のせいなのだろうか……。

「……兄貴」
彼は横で大の字に寝転んでいる青年を見て呟く。
兄貴と呼ばれた青年からは大きなあくびが発せられていた。
部屋中を満たす大きな音。
そしてそれと見事に不協和音を織り成す音。
「クガノ……」
彼が呼んだ少年は歯軋りをしながら眠っていた。
いつものことながら悔しそうに歯を食いしばっている。
弱気なその少年はよほどストレスがたまっているのだろう。

彼と二人の少年は兄弟だった。
もっとも、表向きは――

ここは養育所。
親のいなくなった子供たちが集まる場所。

「お前ら……」
彼は少しずつ顔を俯かせる。
あくびも歯軋りもだんだん大きくなっていく。
彼は大きく息を吸い、そして――

「ぅうるせぇんだよおぉぉ!!!」
彼の怒声が養育所に響く。
114挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/17(土) 22:21:25 ID:???
テンセイシティ――

「……で、ドラえもんは行っちゃったってわけか」
と、確かめたのは自称将来の大物歌手であり天下のガキ大将、ジャイアンだ。
「うん。『あとは君たちに任せる』って残して行っちゃった。
 結局しずちゃんも来ないみたいだしどうする?
 僕としてはもう会場へ入ったほうが――うわぁ!!」
軽妙な早口を遮られた尖がり頭の狐顔、スネ夫はしりもちをつく。
その上にはピッピが飛び乗っていた。
「ああ、ゴメン。また飛びついた!」
そう言いながら、赤い紐でポニーテールを結わえる通称ものまね娘、ユリはピッピを抱える。
「まったく、どうして僕に飛びつくんだ!?」
スネ夫は愚痴を垂れながら立ち上がる。
「うん。ツンツンしてるものを見ると触りたくなるみたいなの」
「僕のどこがツンツンそてるっていうのさ!?」
「だはは、全体的にツンツンしてるっつーの!」
ジャイアンがスネ夫の頭をぽんぽんと叩く。

あの日、リンキタウンで別れてから様々な事が起こっていた。
50日間の時は流れ……
今日は、ポケモンリーグが開催される日――
115挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/17(土) 22:22:03 ID:???
投下終了。
では。
116名無しさん、君に決めた!:2007/03/17(土) 22:22:17 ID:???
ライウーン
117名無しさん、君に決めた!:2007/03/17(土) 22:23:33 ID:qpNiO9XT
ライウーン
118名無しさん、君に決めた!:2007/03/17(土) 22:28:06 ID:???
tyuubou fuck
119名無しさん、君に決めた!:2007/03/17(土) 22:28:43 ID:???
120名無しさん、君に決めた!:2007/03/17(土) 22:31:59 ID:FJenZIFq
毎日暇なうんこ厨房は打ち切り確定!
121ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/17(土) 22:48:15 ID:???
末期な俺が投下します
122ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/17(土) 22:48:45 ID:???
のび太に負けたショックからか、小走りで闘技場を出るしずか。
『私、負けたの……?』
それに気付いたのび太はしずかの後を追った。

ドーム控え室。
「しずかちゃーん!」
荒い息をつきながら、しずかの方へと走ってくるのび太。
「……」
しずかはどう対応すればいいのかわからず、黙りこくってしまう。
すると、のび太が手を差し出した。
「ありがとう、しずかちゃん。お陰でいいバトルができたよ」
だが、しずかは手を出さなかった。
「私ね、最初はのび太さんに負けるとは思ってなかったの。でも――」
「いや、いいよ」
のび太は全てを察したような表情で止めた。
「もしあの時、日差しが強くなかったら僕は負けていた。僕の運が良かっただけだ。しずかちゃん、君は強いよ」
友達としてではなく、対戦相手としてのしずかに賞賛の言葉を送るのび太。
「ありがとう、のび太さん……」
しずかはゆっくりと右手を挙げ、のび太の手を握った。
123名無しさん、君に決めた!:2007/03/17(土) 22:49:06 ID:???
>>120毎日がSUNDAY!な糞ニートは自殺確定!
124ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/17(土) 22:49:25 ID:???
ドーム闘技場。
ここでは、既にジャイアン対スネ夫の試合が始まっていた。
「出ろ、カイリキー!」
「いけ、エアームド!」
ジャイアンはカイリキー、スネ夫はエアームドだ。

ドーム観客席。
出木杉が二人の試合を見守っている中、のび太としずかが走ってきた。
「おーい、出木杉!試合の状況はどうなんだい?」
「遅くなってごめんなさい、出木杉さん」
二人の様子を見て、安堵の息をもらす出木杉。
『試合が終わっても、何も問題はなかったみたいだな』

舞台は闘技場に戻る。
「エアームド、つばめがえし」
3撃目を食らい、倒れるカイリキー。
「いけ、レアコイル!」
ジャイアンが次に繰り出したのはレアコイルだった。
125ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/17(土) 22:49:56 ID:???
『レアコイル……ダメージが通らないし毒は効かない。これはやばいな』
レアコイルは鋼タイプ。
スネ夫の十八番、毒毒戦法は通じないし、かといってエアームドではダメージも通らない。
『なら、影分身を積んでからまきびしだ!』
「影分身!」
エアームドはさっきのカイリキー戦で2回影分身をしていて、これで3回積んだことになる。
『これで敵の攻撃はそう当たらない。後はゆっくりまきびしをやらせてもらうさ』
だが、スネ夫の策は脆く崩れ落ちることになる。
「レアコイル、電撃波!」
ジャイアンがレアコイルに指示したのは雷でも十万ボルトでもなく、電撃波。
攻撃が必ず当たるという便利な技だ。
一撃の下に倒れるエアームドを見ながら、スネ夫は驚いていた。
「へへっ!スネ夫、俺だって伊達にお前と長い付き合いしてるワケじゃないんだ!おまえの考えぐらいすぐにわかるぜ!」
そう、このレアコイルは、ジャイアンが対スネ夫に特化させたポケモンだったのだ。
『ジャイアン……。まさか君がここまでとはね。どうやら油断は禁物のようだ』
スネ夫はエアームドを戻し、次のモンスターボールを放った。
126ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/17(土) 22:50:29 ID:???
ドーム観客席。
「凄いわね、武さん……」
賞賛するしずか。
それに出木杉も頷く。
『まさか、武君がここまで成長していたとはね……』
ここにいる3人も、闘技場にいるスネ夫までもがジャイアンの成長ぶりに感心していた。

舞台は闘技場へ。
「いけ、ナマズン!」
スネ夫の次のポケモンはナマズン。
チャンピオン・リーグ準備期間に育てたものである。
『ナマズンは弱点が少ないから、殆どの相手と互角に戦える。ラグラージは手に入らなかったが、コイツでも十分だ』
ナマズンは弱点が少なく、技が豊富。
誰と対戦するかわからないこの大会において、まさにうってつけのポケモンだった。
「レアコイル、金属音」
「ナマズン、地震だ!」
特殊防御を下げられるナマズンだったが、そのまま渾身の地震攻撃を食らわせる。
当然、レアコイルは一撃で沈んだ。
127ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/17(土) 22:51:04 ID:???
「サメハダー、波乗り!」
レアコイルを倒したナマズンであったが、続くサメハダーの攻撃で倒れてしまう。
『さっきの金属音が痛かったな……次はどれでいこうか……』
「出ろ、ライボルト」
スネ夫が繰り出したのは、電気タイプのライボルト。
当然といえば当然だ。
「十万ボルト」
効果抜群の一撃を食らい、サメハダーは倒れた。

ドーム観客席。
「お互い一歩も引かないね……。これは面白い戦いになりそうだ」
闘技場を見つめる出木杉。
「ジャイアンは残り3匹。スネ夫は4匹。スネ夫の方が少し有利だね」
のび太が言った。

舞台は闘技場へ。
「ボスゴドラ、地震だ!」
ボスゴドラの地震攻撃であっけなく倒れるライボルト。
双方一歩も引かず、一進一退の攻防を繰り返していた。
128ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/17(土) 22:51:52 ID:???
戦いはまだまだ続く。
「ジュカイン、地震だ!」
スネ夫はジュカインを出し、地震攻撃でボスゴドラを降した。
『僕はこんな所で負けたくない……負けるわけにはいかないんだ』

数日前――
スネ夫は宿の一部屋で寝転んでいた。
そして、今までのことを思い返す。
『……僕はしずかちゃんに負けてジャイアンにも負けて、マグマ団になって……』
だが、頭に浮かんでくるのは屈辱的な思い出ばかり。
『しかも、僕はマツブサを倒せなかった。出木杉にも勝てなかった。結局……僕は何も出来なかった!』
「うわあああああああああ!」
仰向けの状態で、頭を抱えながら暴れるスネ夫。
「はぁ……はぁ……」
そんな時、スネ夫は外に出木杉の姿を見た。
「出木杉……!」
スネ夫はモンスターボールを持ち、大急ぎで宿の階段を駆け下りる。
そして、出木杉と対峙する。
「何だい?骨川君」
荒い息をつくスネ夫に対し、平然と話す出木杉。
スネ夫は出木杉にモンスターボールをつきつけ、言った。
「勝負だ、出木杉!」
129ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/17(土) 22:52:26 ID:???
出木杉に勝負を挑むスネ夫。
彼としても、このチャンピオン・リーグ準備期間に自信をつけたい所だった。
しかし、現実はそう甘くなかった。

「そんな……僕が……負けた?」
何も言わず、逃げるように走っていくスネ夫。
暫く走っている内に、彼は砂浜についた。
『もう夜か……早いな』
辺りは既に暗くなっていて、綺麗な三日月が夜空を彩っていた。
「なんで……なんで!なんで!なんで!」
拳をひたすら砂浜に叩きつけるスネ夫。
その目からは涙がこぼれていた。

暫くして拳を叩きつけるのを止め、海を眺めるスネ夫。
そして、彼は決心する。
『僕は、もうこれ以上負けたくない』
この世界に来たときから、他の皆に対して優越感を抱いていたスネ夫。
そんな彼にとって、これ以上負けるのは自らのプライドが許さなかった。
『相手が誰であろうと僕は勝つ。チャンピオン・リーグで今までの雪辱を晴らしてやる!』
「うおおおおおおおおおっ!」
燦然と輝く星空に向かって、思いっきり吠えるスネ夫。
彼の瞳には、負けたくないという強い闘志が宿っていた。
130ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/17(土) 22:53:20 ID:???
舞台は闘技場へ。
『だから……だから、僕はもう負けられないんだ!』
続くジャイアンのバシャーモに致命傷を与え、倒れるジュカイン。
それを見て、スネ夫は安堵した。
『バシャーモの体力は残り僅か。実質相手の残りポケモンは一匹。勝てる!』
「いけ、ユレイドル!」
スネ夫の予想通り、ユレイドルはスカイアッパーで傷を負いながらもバシャーモを倒す。
対して、ジャイアンは焦っていた。
『やべえ……。俺の残りポケモンは後一匹。コイツだけで勝てるのか』
少し躊躇しながらも、ジャイアンは最後のボールを放つ。
出てきたのは、がっしりとした青いボディに身を包み、巨大な翼を動かす竜。
それこそがジャイアンの切り札、ボーマンダだ。

ドーム観客席。
「ついに武君の切り札が出たか……。でも、骨川君の優勢は変わってないね」
「どうして?」
戦況を説明する出木杉にのび太が聞く。
「ユレイドルなら、残り体力が半分ぐらいとはいえ一発は耐える。それだけで骨川君にはかなりのアドバンテージだ」
出木杉の解説を聞き、のび太がなるほど!といった素振りを見せる。
「じゃあ、スネ夫がかなり有利なんだね」
3人は闘技場に目を移した。
131ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/17(土) 22:54:03 ID:???
「ボーマンダ、かわらわりだ!」
ボーマンダに攻撃の指示が降される。
だが、スネ夫のユレイドルはそれを耐えた。
「ユレイドルの耐久力なら、これぐらい耐えれるさ」
余裕の表情で言い放つスネ夫。
そして、ユレイドルに指示を与えた。
「ユレイドル、毒毒!」
猛毒を浴びるボーマンダ。
だが、次のかわらわりでユレイドルを倒した。
「さあ、最後のポケモンを出せ!スネ夫!」
ジャイアンの声を聞き、言われなくてもわかってるよ!と言わんばかりにスネ夫は最後のボールを放つ。
「いけ、フライゴン!」
出てきたのはボーマンダと同じ竜の血族、フライゴンだった。

ドーム観客席。
「ついにラストバトルね……。どっちが勝つのかしら」
「能力的にはボーマンダ。だが、おそらく骨川君には策がある。まだわからないな」
じっくりと戦況を見つめるしずかと出木杉。
ジャイアンかスネ夫、天はどちらに味方するのか――
132ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/17(土) 22:54:37 ID:???
対峙する二体の竜。
先に動いたのは、スネ夫のフライゴンだった。
「フライゴン、空を飛ぶ!」
ビュンと飛翔し、空高く舞い上がるフライゴン。
それにより、ボーマンダのドラゴンクローは空を切ってしまう。
『このままターン数を稼ぎ、毒と空を飛ぶの蓄積ダメージで倒してやる』
攻撃が外れたことにより、ジャイアンはイライラしていた。
『このままじゃ、毒のダメージもあって次第にガタがくる……やべえな』

そして、フライゴンの攻撃が綺麗にヒットする。
「くそ!ドラゴンクローだ!」
繰り出される反撃のドラゴンクロー。
今度はヒットするが、倒すまでには至らない。
しかも、それだけではなかった。
「フライゴンの傷が癒えている……」
そう、スネ夫はフライゴンに食べ残しを持たせていたのだ。
『このフライゴンは長期戦に特化させた。そう簡単には倒せないよ』
二発目のドラゴンクローが来るも、スネ夫はまもるでそれを無効化する。
依然、スネ夫優勢のまま戦いは最終局面を迎えた。
133ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/17(土) 22:55:19 ID:???
空を飛ぶ、まもる、食べ残しを駆使してボーマンダの攻撃を防ぐスネ夫。
もう勝利は目の前だというのに、彼はうかない顔をしていた。
『僕は……これでいいのか?これで……』
何も出来ないボーマンダと、拳を握りながら下を向くジャイアン。
それを見ている内に、スネ夫は次第に自分の戦い方に罪悪感を感じていた。
「フライゴン、空を飛ぶ」
こうしている内にも毒はボーマンダの体力を奪っている。
『ジャイアン……』

『僕とジャイアンは昔からの親友だった。
たまに虐められることもあったが、それでも絆は切れなかった。
この世界に来てからも、そうだった。
天気研究所の時だって、ジャイアンは悪に染まる僕のために一生懸命戦ってくれた。
それにマツブサの時だって、ジャイアンは僕を助けてくれた。
そして、僕は今、そんなジャイアンを汚いやり方で倒そうとしている。
本当に……これでいいのか?僕は……僕は!』

スネ夫はどうしていいかわからなかった。
だが、考えている間にもボーマンダの体力は減っていく。
『くそ!僕はどうすればいいんだ……』
134ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/17(土) 22:55:50 ID:???
だが、時間はスネ夫に猶予を与えない。
「ドラゴンクロー!」
その時は、既にボーマンダの爪がフライゴンに迫っていて――
「フライゴン!」
フライゴンはかなりのダメージを負った。
もう、後一発も耐えられないだろう。
しかし、それと同時にボーマンダの体力も限界に達していた。
『次の攻撃を防げば僕の勝ち。だけど……』
依然、苦しむスネ夫。
ジャイアンはそれを悟ったのか、今がチャンスと見て最後の指示を降した。
「ボーマンダ、ドラゴンクロー!」

刻一刻と、決断のときは迫ってくる。
風を切り、襲いかかってくるボーマンダ。
その時、スネ夫の頭の中である言葉が鳴り響いた。
『僕はもう……誰にも負けない!』

『そうだ。僕はもう、誰にも負けない。負けたくない』
出木杉に負けた日に誓ったことだった。
そして、スネ夫も最後の指示を降す。
「フライゴン、まもる!」
スネ夫が苦悩の末に選んだ道は、自らの勝利だった。
そこに辿り着く過程が汚い戦法であっても、それが友情を壊すものであっても、彼はその道を選ぶ。
自らの誇りにかけて――
135ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/17(土) 22:56:47 ID:???
「勝者、スネ夫!」
審判が高らかに勝利宣言をする。
それと同時に、会場からは大歓声があがった。
だが、肝心の両者は顔をうつむけながら闘技場を出ていった。

ドーム控え室。
そこでは、ジャイアンとスネ夫が別々の席に座っていた。
当然ながら、長い沈黙が続く。
「あのさ、スネ夫」
沈黙を破ったのは、ジャイアンだ。
ジャイアンにしては妙に他人行儀だが、スネ夫は何故か違和感を感じなかった。
そして、ジャイアンが口を開く。
「いいバトルだったぜ、スネ夫!準決勝、俺の分まで頑張ってくれ!」
スネ夫は戸惑った。
「なんで?なんでそうしていられるんだい?僕があんな汚い手を使ったのに……」
すると、ジャイアンは『そんなことか』と言わんばかりの表情をする。
「確かにあの時はムカついたけどよ、それも一つの作戦じゃねえか。
それに、お前は俺より強い。強い奴が駒を進めるのは当然だろ!」
そう言ってジャイアンがスネ夫の顔を見ると、その目には涙が溜まっていた。
「泣くなよ、スネ夫。お前は勝ったんだぜ?」
その言葉を聞くと、スネ夫は涙を拭き取って聞いた。
「ジャイアン……僕達、友達だよね?」
そして、それを聞いたジャイアンは大きく頷き、言った。
「当たり前じゃねえか!俺達はずっとずっと、友達だぜ!」
136ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/17(土) 22:58:20 ID:???
投下終わり。
場面移動が多くて読みにくいかな……
137名無しさん、君に決めた!:2007/03/17(土) 22:59:09 ID:???
ライウーン
138名無しさん、君に決めた!:2007/03/17(土) 23:00:57 ID:???
乙う
139名無しさん、君に決めた!:2007/03/17(土) 23:01:08 ID:???
ライウーンの何が悪い!
140名無しさん、君に決めた!:2007/03/17(土) 23:02:00 ID:???
乙です。
141名無しさん、君に決めた!:2007/03/17(土) 23:03:57 ID:???
全員乙!
142名無しさん、君に決めた!:2007/03/17(土) 23:09:06 ID:???
143:2007/03/18(日) 15:06:18 ID:???
俺の作品以外つまんね
144コロシアム ◆ivRnQo8vbI :2007/03/18(日) 16:03:46 ID:???
コロシアム投下です。
前スレにあった案を少し使いました。
145コロシアム ◆ivRnQo8vbI :2007/03/18(日) 16:05:36 ID:???
出来杉は相棒のサーナイトと共に暗い洞窟を歩いていた。
ホウエンのチャンピオンロードだ。
(思えば、あれから長かったなぁ)



数ヶ月前――
「ドラえもーん!ポケモンの世界に行こうよ!」
ドアを思い切り開けてのびたが入ってきた。
「うん、いいよ」
のびたは少し驚いた。
ドラえもんがあっさりOKしてくれたのだ。
もっと渋られるかと思っていたから。
「え?いいの?」
思わず口に出してしまう。
「何言ってんだい?自分で言っといて。」
もっともだった。
しかしドラえもんの様子はどこか怪しかった。
「なんか・・・隠してる?」
「う!そっそんなこことないよ」
怪しすぎる。しかしのびたはそんなことより
早くポケモン世界に行きたかった。
「ま、いっか。それより早く行こう!」
「うん、皆をよんどいで」
ドラえもんは見るからに安心し、のびたにいった。
146コロシアム ◆ivRnQo8vbI :2007/03/18(日) 16:06:16 ID:???
「さ、選びなさい」
オタマギがモンスターボールをいくつか差し出す。
コリンク、ラルトス、ナマケロ、トゲピー、タマザラシ、ココドラだ。
それぞれ悩んだ末にパートナーを決めた。
のびたには選択の余地はなかったが。
のびた    ナマケロ
しずか    トゲピー
ジャイアン  ココドラ
スネお    コリンク
ドラえもん  タマザラシ
「何でナマケロなんだ・・・?」
答えは簡単、ジャイアンによって無理やりそうさせられたのだ。
落ち込むのび他を尻目に、それぞれが旅立った。

旅のルール
誰かがチャンピオンになったら終了。
交通機関を使えば、他の地方へも移動できる。
四天王戦やチャンピオン戦で負けたら失格。
マグマ団などの悪キャラに負けても失格。
伝説以外のどんな地方のポケモンも出てくる。
147コロシアム ◆ivRnQo8vbI :2007/03/18(日) 16:15:17 ID:???



そして今に至る。
(このままなら余裕だな。)
出来杉はそう感じていた。
冒険を始めたときにもらったポケナビによれば、
のびたとしずかとドラえもんはルネで共に行動している。
ジャイアンとスネおはルネからサイユウに向かっている途中。
出来杉の勝利は間違いないはずだった。

現在の状況
ドラ   トドゼルガ エテボース グラエナ オオスバメ他
のび   ケッキング ペリッパー他
しず   トゲキッス マリルリ他
三人でルネ
ジャイ  ボスゴドラ ホエルオー他
スネ   レントラー クロバット他 
二人でサイユウへ移動中
出来   サーナイト他
148コロシアム ◆ivRnQo8vbI :2007/03/18(日) 16:16:17 ID:???
(何だあれは)
出来杉の前方から黒いもやをまとった何かが近ずいてくる。
「サーナイト、フラッシュ!!」
眩い光が辺りを包んだが、依然として黒いもやは消えない。
だがそれがちかずいてくるにつれ、それは黒いもやをまとったポケモンだと気づく。
ポケモンはサーナイトに飛び掛ると、一撃で倒す。
出来杉は得体の知れない恐怖を感じていた。
「うあああああああっ!!」
出来杉は手持ち全てを繰り出した。
149コロシアム ◆ivRnQo8vbI :2007/03/18(日) 16:17:35 ID:???
急用が出来たのでまたしばらくしてから来ます
150名無しさん、君に決めた!:2007/03/18(日) 16:40:22 ID:???
コロシアム乙
早く戻ってきて続きかけ
151名無しさん、君に決めた!:2007/03/18(日) 16:43:48 ID:???


だが「スネお」は無いだろ……常識的に考えて
それに「出来杉」、「のびた」……
152コロシアム ◆ivRnQo8vbI :2007/03/18(日) 17:07:20 ID:???
戻ってきました。

変換するとそうなってしまって。
すみません。
「すねお」って「スネ夫」でしたね
153コロシアム ◆ivRnQo8vbI :2007/03/18(日) 17:08:15 ID:???
のび太たちはサイユウを目指して進んでいた。
「もうすぐだよ」
のび太の声にかぶさるように滝の音が響いてきた。
それぞれのポケモンたちが滝を登る。
「あら・・・?あれって武さんとスネおさん?」
「ほんとだ・・・なにしてんだろ・・・?おーい!」
「おっ、のび太じゃねえか」
「なんではいんないの?」
「それがさ、洞窟の入口が崩れちゃったみたいでさ」
スネオの言うとおり、岩が邪魔していて入れない。
「どうしよう・・・」
ドラえもんが頭を抱える。
しかしのび太は前に進み出ると、ケッキングを繰り出した。
「のびた、何を・・・」
「ケッキング、かわらわり!」
ジャイアンの問いを無視し、岩が砕かれる。
「これで通れるよ」
言葉も出ない4人と共に、
のび太はチャンピオンロードへと足を踏み入れた。

その様子を影から見ていた人物がいた。
(あの間抜け面の少年・・・潰しておく必要があるな・・・)
その男は手下に何事か命令すると、ポケモンリ−グへと飛び去った。
154コロシアム ◆ivRnQo8vbI :2007/03/18(日) 17:08:48 ID:???
間抜け面とその仲間達は、洞窟内でしばらく見なかった人物と再開した。
出来杉だ。
彼は常にトップにいたので、のび太たちとは会わなかったのだ。
「出来杉、久しぶり!どうしたのこんな所で」
それに対して出来杉は軽く答える。
「レベル上げしてたんだ。」
「それじゃもうリ−グにはついたのか?」
ジャイアンの問いにうなずく。
「うん、そうだ、そろそろ帰ろうと思うんだけれど、
 穴抜けの紐で一緒に送っていこうか?」
「サンキュー、心の友よ〜」
ジャイアンはすぐ心の友というので、本当にそう思っているか疑わしい。
「じゃ、行くよ。皆しっかりつかまっててね」
ワープする寸前、紐をつかんでいた者の一人が隣の少年を突き飛ばす。
「うわっ!?」
次の瞬間、間抜け面の少年、野比のび太は一人取り残されていた。
155コロシアム ◆ivRnQo8vbI :2007/03/18(日) 17:11:23 ID:???
どうしよう、食べ物もないし・・・
出口もわかんない。
手探りで進むしかないか・・・
ん?水の音?
聞いてたらなんか喉渇いてきたな・・・
よし、飲みに行こう。
結構近づいてきたぞ。
あった!
ゴクゴク、美味しい水だなぁ・・・

ドンッ!!ザパン!!

誰だいきなり押したのは!!
うあっ結構流れが速いな・・・って流されてるよ!!
あ、ひかりが見えてきた、何だろう?
水の音が強くなってきて・・・
滝だ!!
だめだ、落ちる・・・
156コロシアム ◆ivRnQo8vbI :2007/03/18(日) 17:14:22 ID:???
投下終了です。短くてすみません。
少ししたらまた来るかも知れません。

出木杉だったんですか。
知りませんでした。
次回から修正します。
157名無しさん、君に決めた!:2007/03/18(日) 17:51:18 ID:???

あの時のアイディアが本当に採用されるとは……凄い嬉しい
158名無しさん、君に決めた!:2007/03/18(日) 21:26:13 ID:???

本編派生のは「来」になってた
ドラーモン様のは「木」だ

たしか「来」であってるはず
159名無しさん、君に決めた!:2007/03/18(日) 21:31:08 ID:???
すまん今調べたら「木」だった
160名無しさん、君に決めた!:2007/03/18(日) 21:54:32 ID:???
ドラーモン様(笑)
161携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/18(日) 22:10:45 ID:???
コロシアム氏乙です。

おとつい感想をくださった皆様、ありがとうございました。
お騒がせ野郎の携帯獣です。
投下します。
162携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/18(日) 22:11:28 ID:???
『ドラえもんのび太の携帯獣冒険記』
第一章 ♯第十二話 「オリー」

しずかはおそるおそるミロカロスに近づいた。のび太とスネ夫も続いた。
ミロカロスはしずかに気づくと、美しい毛をなびかせ、近づき、歌うような声で何かを言った。
のび太としずかにはそれが理解できなかった。しかし。
「『私達の泉を荒らす者を食い止めてくれてありがとう。』だってさ」
スネ夫には理解できたようだ。スネ夫はポケッチの「ほんやくアプリ」を使用したのだ。
ミロカロスはしばらく無言でのび太達を慈しむように見つめ、
泉の中へ、姿を消した。


その後、のび太達はとりあえず、クラウドをその辺にあった大きな木に縛りつけ、
カイルンシティへ向かった。
163携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/18(日) 22:12:09 ID:???
カイルンシティのポケモンセンターにたどり着いたのび太達は、すぐさま
手持ちのポケモンを預け、寝室を借りた。


「……あれ……?ここは?」
数十分後、オリーは目覚めた。
のび太達は笑顔を浮かべオリーの側に寄った。
「大丈夫かい、オリーちゃん?」
のび太が心配そうに言う。
オリーは小さく頷き、ベッドから体を起こした。
「心配かけてごめんね、もう大丈夫!」
オリーは青白い顔をしながらも、精一杯の笑顔を浮かべた。
「ところで、さっきの『エロド』だっけ?それって何なの?」
オリーは初めて出会ったとき、自分の名前を間違えたのび太の姿を思い出し、
クスリと笑った。
「『エルド』よ、そうね……そろそろ話したほうが良いかしら。ようく聞いてね」
のび太達は身を乗り出した。
164携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/18(日) 22:12:43 ID:???
「まず『エルド』について。あの組織こそ、『地龍の巣窟』に近づけてはいけない、
私達の敵よ。今から4ヶ月後、アルセイオ全体に大きな戦争をしかけてくるわ。
さっき戦ったクラウドはその幹部の一人で、今から5ヶ月後にゼンマイ博士を殺したの」
「だからさっきはあんな風に発狂してたのか」
スネ夫の言葉にオリーは頷く。
「まあね……博士があいつの毒に体を蝕まれていくのを私は見てるだけだった。
それが、やっぱトラウマになってたのかな……」
5人の間に沈黙が流れる。


「オリーちゃん、そろそろキミ自身のことを話してくれないか?」
沈黙を破ったのはドラえもんだった。
「敵の正体はわかった。けど、これからも共に戦うわけだし、お互いにわかりあわなきゃ
いけないと思うんだ」
「けど……私はちょっと……」
オリーは左腕をさすりながらためらう。すると。
「僕は野比のび太!十歳で、特技はあやとりと射的!勉強は苦手だけどね」
のび太がいきなり自己紹介を始めた。
皆きょとんとしているが、しずかもドラえもんもスネ夫も笑みを浮かべて言った。
「源静香です、ピアノとヴァイオリンとお風呂が好きです。よろしく!」
「僕、ドラえもんです。22世紀からきた猫型ロボットだよ」
「僕は骨川スネ夫。大金持ちでVIPな生活を送ってるよ」
オリーはぽかんとした表情で四人を見つめている。
そして、小さく笑った。
「ありがと、あなたたち……やっぱ、いい人達ね……あなたたちなら。
本当の仲間になれそうな気がする」
オリーは左腕を強く握ると、皮膚をズボっと下げた。
165携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/18(日) 22:13:29 ID:???
オリー以外の全員がハッと息をのんだ。
オリーの左腕は機械のようなもので出来ていたのだ。
「……驚かせてごめんね?私の左腕、いくつかの臓器は作り物なんだ」
「どどどどどどどど、どしてなの?」
のび太が尋ねる。
「話せば長いけど、聞いて欲しいの。
……私はレイヴンタウンってところで生まれたの、両親はいつも仕事仕事で、
私に構ってくれなかった……。で、そんな日々が続いてて、両親は……まあ、
職場も違ったし、すれ違いが多くて離婚したの。
私は母の方についていった。これからは私のことだけを見てくれる!……
そう思ってたんだけど、母は、新しい夫を作って、毎日朝昼と仕事、毎晩新しい父と夜遊びして、
また私は一人になった!!……そのうちまた離婚して、私は母と一緒に色んなとこに流れていった。
それを一年のうちに何度も繰り返した!友達がやっと出来てもすぐに離れ離れ!
ポケモンを捕まえようとしても「邪魔なだけ」って否定される!
……そんな嫌なループが永遠に続くと思ってたら、ある日、
珍しく母と一緒に森にピクニックに出かけたの、
もの凄くうれしかった。母は疲れた顔をしてたわ。
そうして森の奥へ奥へ入っていくと、母が突然、私の両肩を掴んでこういったの。
「私と死にましょう」って」
のび太達は唖然とした表情で話を聞いている。
しずかにいたっては、目に涙を浮かべている。
「……私ははっきり嫌って言った。でも母は泣きながら、私を地面に突き飛ばして、
首に手をかけてきた。……凄い力だった。今でも覚えてるわ。
だんだん息が出来なくなって、目の前の母の顔が見えなくなってきた……。
そんなときだった。母の腕の力が緩んだの、母は野生のハブネークに殺されたの」
166携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/18(日) 22:14:19 ID:???
「ハブネークは尻尾の先の刃で母の背中を切り裂いていたの。
私は倒れこんだ母の体を押しのけ必死で逃げた。
でも、ハブネークのほうが速かった。
ハブネークは尾を私目がけ振り下ろしてきたの……」
「そ、そのときに手足を……?」
オリーは頷く。
「そう、あたしの手足は切断されて宙を舞った。
ハブネークはそれを上手に舌にからめて飲み込むと、すぐさまあたしに噛み付いてきた。
腹のあたりを噛み付かれて、すごく痛かった。毒が体に巡るのを感じたわ。
その時だった。偶然フィールドワークに来ていた、ゼンマイ博士がハブネークを倒し、
わたしを自分の研究所に連れて行ってくださったの」
「それが、出会いだったんですね?」
「ええ、私は博士に治療を受けたは左腕に左足、それにいくつかの臓器をつくってもらったの。
その時から私は博士に精一杯恩を尽くそうと頑張ってきた。ってわけ。
話長くてごめんね……でも、あなた達に私のこと、知って欲しいの」
のび太達は頷いた。
「ちょっと、怖い話だったけど……これでオリーちゃんはほんとの仲間だね」
「そうね、のび太君、お互いのことを知り合ったり分かり合ったりするだけでも、
大分違うよね」
オリーは微笑む、そしてのび太に手を差し伸べた。
「これからも、私と一緒に戦ってくれる?」
「もちろん!」
のび太はその手を握った。その上にドラえもん、しずか、スネ夫も手を重ねる。
こうして、彼等は絆を深めた。残るはジャイアン。彼が揃ってこそ、真の結束が生まれる。
物語は始まったばかりだ。
167携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/18(日) 22:15:04 ID:???
『ドラえもんのび太の携帯獣冒険記』
世界観ガイド3 「竜宮の泉編」

1、特徴
403番道路を抜けた先にある巨大な湖。
だが、その実態は、その湖の辺りにある、林の中の小さな泉である。
泉には珍しいポケモンが生息していると言われているが、詳細は不明。
唯一出会えたのは、のび太達一行と読者の皆様である。
168携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/18(日) 22:15:37 ID:???
『ドラえもんのび太の携帯獣冒険記』
世界観ガイド5 「カイルンシティ編」

1、特徴
リュウス観光名所の一つ、
有名なのは、祭りである、月に一度は祭りが開かれ、
様々な場所から観光客が来る、
ジムリーダーのビスカも大の祭り好きである。

2、ビスカ氏
炎タイプのエキスパート。
上記にもあるが、大の祭り好きで、いわゆる江戸っ子気質である。
料理が苦手で、縁日の屋台で、自分の手料理を出品し、客に腹痛を起こさせた裏話がある。
管理するバッジは『バーナバッジ』。ポケモンの素早さを高める。
【主な手持ち】
マグマラシ
ワカシャモ
バクフーン
169携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/18(日) 22:17:11 ID:???
次章予告―
ジャイアンとの再開……

『エルド』の猛攻……

地龍の正体……

のび太、謎の「七匹目の手持ち」……

愛、そして死……

様々な「想い」が交差する第二章。
パズルが組み合わさっていくように、謎が明かされ、
光があるところに生まれる影の如く、新たな「敵」が生まれる。

第二章【のび太覚醒編】
170携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/18(日) 22:19:48 ID:???
投下終了&第一章完
オリーの過去が、けっこう暗かったけど、紹介できました。
171名無しさん、君に決めた!:2007/03/18(日) 22:24:15 ID:???

実は一つ携帯獣氏に謝らなければいけない
絵版に携帯獣しがオリーの絵を投下したときに、男だと勘違いした文を書いたの俺なんだ
あの絵を見たときにどうしても焼きたてジャパンの冠が浮かんできて男とか書いてしまった
ごめんなさい
172名無しさん、君に決めた!:2007/03/18(日) 23:01:19 ID:???

面白い展開になってきたじゃないw
173挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/18(日) 23:32:59 ID:???
みんな乙。
投下開始。
174挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/18(日) 23:33:46 ID:???
リーグ参加者はドームの入り口に集められた。

「「リーグ参加者集合の時刻となりました」」
放送がかかる。
「「今回のリーグは参加者の人数が多いため一回戦の前にちょっとした予選があります。
  これから配布される紙にルールが書いてありますのでご覧ください」」

ルールはこうだ。
・リーグ参加者はこれからテンセイやまに登ってもらう。
・テンセイやまにいるリーグ関係者を一人倒し、メダルを獲得する。
・そのメダルを持ってドームの中に入ることがクリア条件。
・リーグ関係者の人数は120人。
・メダルを獲得した参加者からメダルを奪ってもいい。
・制限時間は日が沈むまで。

「「いつ、どの場所からテンセイやまに登っても構いません。
  それでは予選を開始して下さい!」」
と、放送が終わる。
リーグ参加者たちはチラホラと動き出した。
175挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/18(日) 23:34:22 ID:???
「どうやら俺たちも山登りしなきゃならないみたいだな」
ジャイアンが山を見据えて言った。
「うん。僕たちも別れようよ。
 一緒に行動しても利点は無さそうだからね。
 人目につきやすいし、もしかしたらリーグ関係者も避けて行っちゃうかも知れない」

結局スネ夫の提案通り、三人は別方向から山へ向かっていった。
……と見えたが
(ふふふ、あいつらちゃんと行ったな……)
スネ夫は一人舌なめずりする。
(わざわざ山へ行くなんてバカらしいや。
 ここで待ち伏せしてメダルを奪っちゃえばいいんだよ。
 くぅ〜、僕ってやっぱり冴えてるうぅぅ!!)
心の中で高笑いしながら、スネ夫はドーム前で物陰に隠れた。
入り口の様子がよ〜く分かる場所。
スネ夫はそこで獲物を待つことにした。
176挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/18(日) 23:34:57 ID:???
テンセイやま、西の登山口――
ジャイアンはテンセイやまを見上げた。
「うひゃぁ、でっけーの」
不思議と笑顔になりながら、一歩踏み出す。

ガサッ
突然そばの茂みが揺れ、ジャイアンは身構える。
「な、何だ!?一体――!!」
ジャイアンが見ている最中、茂みから人が現れる。
「あ、あんたは!」
「やあ、ジャイアン君じゃないか!」
茂みから出てきた30代ほどの男は驚いた様子だ。

ジャイアンはその人物を知っていた。
「確か洞窟で会った……ミヤさん?」
すると男は頷く。
「よく覚えておいてくれたね!」
ミヤが言葉を言い終わる瞬間。
ジャイアンはミヤに飛び掛った。
「おっと」
身を翻して避け、ミヤは服を払う。
「危ないなあ。またそんな暴力ばっかり」
「うるせえ!お前のせいで大変な目にあったんだぞ!!
 それに結局、俺とスネ夫を利用しただえろうが!
 いっぺん殴らねえと気がすまね――」
「落ち着け。ジャイアン君」
ジャイアンを制し、ミヤは咳払いする。
177挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/18(日) 23:35:27 ID:???
「今は争ってる場合じゃないぞ」
ミヤはもっともらしそうに話し出す。
「どんな関係だろうとしても君と私は知り合いだ。
 こういうサバイバルのような状況の場合、仲間を作るほうが得策。
 そうは思わんかね?」
「得策……例えばどんなことだ?」
ジャイアンは警戒を解かずに問う。
「……そうだな。例えば私たちにかかってくる敵がいたとしよう。
 相手と戦うときはサシよりも大勢で倒したほうがいいだろ?
 他にも作戦を立ててメダルを効率よく奪うこともできる」
「み、見つかったら?メダル持ってる奴に逃げられたらどうするんだよ?」
「見つからなければいいのだろう?
 ちゃっちゃと倒してしまえばいい」
ミヤはジャイアンに手を伸ばした。
「さあ、手を組もうじゃないか。
 あの時のことは反省しているよ。騙していたことも謝る。
 だから今ここで君とともに行動してあげたいんだ」

ジャイアンは思考を巡らしていた。
(ミヤには一度騙されたことがある。
 いや、それ以前にこいつには前科があるんだ。
 ……でも、今謝るって言ったよな……)
「本当に、反省しているんだな?」
慎重にジャイアンは確かめた。
ミヤは大きく頷く。
「もちろんだ」
178挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/18(日) 23:36:27 ID:???
(確かに仲間を増やしたほうがあらゆる面で効率が……上がりそうな)
ジャイアンはだんだんと、誘惑に負けていく。
(こいつの強さは確かだ。
 あの時思ったんだ。
 あんな場所に何日もいて無事でいられる人間なんてそうはいない。
 きっとこいつ……本当はすげえ強いんじゃ)

ジャイアンはゆっくりと手を伸ばす。
ミヤの差し出す手へ。
ミヤの顔は微笑んでいる。

ジャイアンの手が、届く――その時

「ミヤアァぁあぁぁあああ!!!!」
雄叫びがどこからとも無く響いた。
ミヤも、ジャイアンも辺りを見回す。
「!!木が倒れてきた!」
ジャイアンは自分たちに向かってくる木に気づく。
その場の二人は急いで山中へ駆け出した。

木は次々と倒れてくる。
「くそ、どうなってんだ!?」
動揺するジャイアンをよそに、ミヤが呟く。
「これは……まさかササが……何でここに」
「お、おいどうしたんだよミヤさん!?ミヤ――うわあぁああ!!」
ジャイアンの絶叫が響く。
一際大きな大木が倒れてきたのだ。
179挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/18(日) 23:37:05 ID:???
「ジャイアン君!」
ミヤは急に振り向き、伝える。
「後は任せたよ!」
呆然とするジャイアンを尻目に、ミヤは駆けて行く。
こんな山道でよくもと言うほど速く駆けて行く。

大木が横たわり、ミヤの姿が見えなくなった。
それをボーッと見ながら、ジャイアンは考え付く。
(もしかしたら、あの時、危険な状況下で何日も生きられたのは
 強いとか、そういうんじゃなくて……
 ただ足が速かったから……なのかなあ)

「――ふん。逃げたか」
茂みから着物姿の男が現れる。
その手には真剣が握られていた。

ジャイアンはハッとして声を出す。
「あ、あんた誰だよ!?」
すると、男はジャイアンに顔を向ける。
「なあに。さっきの男を追ってる者だ。
 俺を見捨てた奴を倒すためにな……
 さて、ここにはもう用は――」
「待てよ」
ジャイアンが立ち上がり、制止する。
男は首を傾げながら鼻で笑った。
180挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/18(日) 23:37:35 ID:???
「おいおい。お主とは戦う意味は無いんだ。
 無駄な殺生はせぬ。私はあの男が倒せれば」
「よくねえんだよ」
ジャイアンが静かに言う。
その顔には徐々に、薄笑いが浮かんでいく。
「……俺は元来ガキ大将として君臨してきたんだ。
 それなのに、あんな野郎にま〜た騙された」
ジャイアンは歯を剥き出しにした。
「へへ、ちょっと憂さ晴らしさせろよ!!
 このままじゃ気がすまねえからな!!」

「な、何を言うんだ。
 同じミヤを追う者同士なんだ。争う意味などどこに」
「争うんじゃねえ。俺様が勝つんだ!
 俺様の怒りの捌け口があればそれでいいのさ。
 お前を殺してあいつも殺してやる!!」
すると、着物姿の男は一瞬目を見開く。
だが、その顔も徐々に歪んでいった。
「ふん。お主がその気なら、私も同意見だ」
男は鞘に真剣を収める。
「お主を倒してミヤを倒してやる!
 私の名はササだ。覚えておけ!」
「おう、俺の名はジャイアンだ!!」

二人はボールを握り、ポケモンを繰り出す。
「行け、ココドラ!」「カブトプス、行くんだ!」
こうして戦いは始まった。
181挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/18(日) 23:38:08 ID:???
投下終了。
では。
182名無しさん、君に決めた!:2007/03/18(日) 23:54:42 ID:???
183ドラーモン ◆xqjbtxNofI :2007/03/19(月) 00:10:45 ID:???
前スレ512k超えてたのね、びっくり。
遅くなったが投下いたす
184ドラーモン作大長編 ◆xqjbtxNofI :2007/03/19(月) 00:13:24 ID:???
ポケモンリーグ、第3の間

「ゲンガー、シャドーボール!」
ドラえもんのゲンガーが眠っているナギのチルタリスに攻撃する。
眠らされた上に数度のシャドーボール、さすがにチルタリスも耐えられない。
「やはり催眠術主体、しかも素早い……」
ナギのチルタリスも素早さに自信はあったのだが、やはり催眠ゲンガーの素早さは脅威だ。
「どうだ!スネ夫から託されたゲンガーの力は!」
ドラえもんが勝利をガッツポーズでアピールする。
だが、ナギはその言葉を聞き逃さなかった。
『託された……なら、もしかしたら』
データによればスネオは状態異常主体の戦術で攻めてくるタイプ。
催眠術さえ封じれば付け焼き刃……ボロが出るはず。
「催眠戦術の対策も抜かりはないのよ……次はコレよ!」
ナギが繰り出したのは人ほどの大きさの鳥ポケモン。
「なんだ……フクロウ?」
ドラえもんの記憶にあのポケモンのデータはない。
特に注意すべきポケモンではなさそうだが、何らかのカウンター技や即死技を覚えているかもしれない。
「とりあえず催眠術だ!」
ゲンガーの目が怪しく光る。
だが、相手のポケモンは催眠術を受けても全く眠る様子がないのだ。
「ど、どうして……」
185ドラーモン作大長編 ◆xqjbtxNofI :2007/03/19(月) 00:14:18 ID:???
数日前……

「ふーん、じゃあこのゲンガーってポケモン最強じゃないか」
スネ夫からその戦術を聞いたドラえもんは素直に感嘆する。
敵より速く行動し、眠らせるというシンプルだが強力な戦術。
現実のゲームでは眠りのステータス異常に制限がかけられているというが、それも無理はないだろう。
だが、スネ夫はドラえもんに釘を刺す。
「最強のポケモンなんていないさ。いいかい、今から言うパターンでは催眠戦術は使えない……」


舞台は戻る。

ドラえもんはスネ夫の忠告を思い出す。
「確かカゴの実を持たせていたり、周りが騒がしかったり……そうか、特性か!」
敵はフクロウのポケモン。
おそらく夜行性ならではの特性が備わっているのだろう。
ナギが拍手する。
「ご名答。このヨルノズクは「不眠」の特性を持っているわ……そして!」
ヨルノズクの目が怪しく輝くと、それを直視したゲンガーはうとうとと眠りについてしまった。
「催眠戦術のお返しよ」
「そ、そんな……」
素早さの高いゲンガーが眠らされるとは想定外である。
『交換するべきか、このまま耐えるべきか……』
だが、交換したとしてもまた次のポケモンが眠らされてしまうかもしれない。
186ドラーモン作大長編 ◆xqjbtxNofI :2007/03/19(月) 00:16:32 ID:???
「このまま、使い続けるしかないか……」
苦渋の決断をするドラえもん。
「じゃあ遠慮なくやらせてもらうわ、しねんのずつき!」
ヨルノズクが急降下し、眠っているゲンガーに一撃を加える。
「まずい、体力を半分以上持っていかれた……」
思わず呟いてしまったドラえもん。
ナギはその言葉を聞きのがさない。
「じゃあ、もう一発くらわせてトドメを刺してあげるわ!」
再び高度をとり、急降下を開始するヨルノズク。
眠っているゲンガーは避けることもできず、直撃してしまった。
『やったわ!』
しかしナギの思惑とは裏腹に、ゲンガーは僅かな体力を残して持ち堪えている。
驚いてドラえもんを見ると、その顔はしてやったりといった笑みを浮かべている。
「僕はのび太くんの後を追わなきゃならないんだ」
「そのためには卑怯な駆け引きも辞さないということ……なのね」
出木杉様から聞いた話では、彼はのび太の世話係のようなロボットらしい。
フィールドの様子を見て、ナギは自嘲気味に笑った。
「呆れた忠誠心だけど、それが通じたという事かしら」
ナギのその言葉を聞きながら、ドラえもんのゲンガーはゆっくりとその瞳を開いた。
187ドラーモン作大長編 ◆xqjbtxNofI :2007/03/19(月) 00:17:59 ID:???
『やっと起きた……だが、やはりこちらが不利だ』
図鑑でヨルノズクをチェックすると、飛行・ノーマルタイプだった。
つまり、ゲンガー唯一の攻撃技であるシャドーボールが効かない。
「ごめん、スネ夫……アレを使うよ」
催眠術とシャドーボールが効かない今、後はあの技しかない。
「……だいばくはつっ!」
ゲンガーの体が輝いたかと思うと、轟音と共に大爆発を起こす。
「くっ、やはりそう来たわね……」
ナギが爆風から顔を守りながらうめく。
ヨルノズクはゲンガーの捨て身の攻撃を受けて壁に叩き付けられ、それっきり動かなくなった。
「ごめんよ、ゲンガー……けど!」
そう、ナギのポケモンを4匹まで倒した。
まだ出ていない最後のポケモンはアレしかない。
「ナギさん、いよいよ追い詰めたよ……出てこいホエルオーッ!」
ドラえもんが繰り出したのは、旅の最中に海での足になってくれたホエルオー。
その巨体らしい体力の高さには定評がある。
「その程度のポケモンで勝てるかしら……出てきなさい、レックウザ!!!」
ナギが投げたボールから、長大な緑のボディが現れる。

空中でとぐろを巻きながらその異様を見せつけるのは伝説の天空ポケモン、レックウザだ。
188ドラーモン作大長編 ◆xqjbtxNofI :2007/03/19(月) 00:20:10 ID:???
「レックウザ、しんそく!」
先手を取ったレックウザがすさまじいスピードで飛び込み、ホエルオーの体を打つ。
その先制攻撃だけで体力の半分を奪われてしまうホエルオー。
「……眠れ、ホエルオー!」
ルネでの戦いで、レックウザの主力攻撃は破壊光線だと分かっている。
となると、体力を減らしたままでは危うい。
『破壊光線も神速もPPは少ない、なんとか使わせるんだ!』
眠りから覚めるまでの2ターン、そこが勝負だ。
だが、そんなドラえもんの計画は脆くも崩れさった。
「レックウザ、りゅうのまい……」
レックウザが雄大に宙を舞うと、その戦闘力が上がっていく。
「ま、マズイ!もう1回使われたら……」
「さて、どうなるかしらね」
二度目の舞をただ見ているしかないドラえもん。
ようやく目を覚ましたホエルオーだが、その眼前には再びレックウザが迫っていた。
『ど、どうするっ……』
瞬時に考えを巡らせるドラえもん。
ここで敵の攻撃を受けた後に眠らせればもう数ターンは持つかもしれない。
だが、おそらくナギは更に竜の舞を積んでくるだろう。
そうなればおそらく勝ち目はない。
189ドラーモン作大長編 ◆xqjbtxNofI :2007/03/19(月) 00:21:14 ID:???
『なら、攻めるだけだ!』
神速をくらい、大ダメージを受けるホエルオー。
だが、カウンターとして放った一撃がレックウザにヒットした。
「これは、どくどく……」
ナギは思わず声を上げてしまう。
そう、例え伝説のポケモンといえど等しく体力を削っていく毒。
『厄介な……だが、レックウザは眠ることができる』
そう、レックウザはいざとなれば眠って体力と状態異常を回復できるのだ。
「とりあえず、そのホエルオーは倒しておく!」
再度の神速がホエルオーに直撃し、戦闘不能に陥らせる。
「ありがとう、ホエルオー」
ドラえもんはホエルオーをボールに戻すと、大きく深呼吸した。
『2匹、この2匹で決めてみせる……』
そのためには、なんとしてもレックウザの動きを止めなければならない。
「……いけっ、サマヨール!」
ドラえもんが出したのは、耐久力に優れるゴーストポケモン、サマヨール。
『こいつで神速と破壊光線は防げる』
ナギはサマヨールを見てほくそ笑む。
「まさかレックウザの攻撃を封じたつもりじゃないわよね、ドラゴンクロー!」
ナギも元ジムリーダー、それくらい想定できる。
レックウザの爪が不定形のサマヨールのボディにヒットする。
190ドラーモン作大長編 ◆xqjbtxNofI :2007/03/19(月) 00:26:05 ID:???
だが、レックウザの爪は寸前で見えない防護壁に阻まれてしまう。
「まもるを使ったわけね……」
猛毒のダメージを受け、体力を削られるレックウザ。
「だが、2度は使えないわよ」
ナギの指摘に、ドラえもんは笑みを浮かべた。
「……?」
その癪に触る笑みを見たナギは、瞬間的に警戒心が芽生えた。
『何かがおかしい』
「ドラ…いや、りゅうのまい!」
ナギは自分の勘を信じて、この場はさらにレックウザの戦闘力を上げる。
「さすがナギさん、やっぱり罠にはかからなかった……」
ドラえもんの言葉を聞き、サマヨールの姿を確認する。
『あ、あれは、おんねんのの態勢……』
危ういところだった。
あそこでドラゴンクローをくらわせ、サマヨールを倒していたらレックウザのドラゴンクローは使えなくなっていた。
そして相手の最後のポケモンがゴーストなら完封されてしまう。
「守ると怨念、交互に使って時間稼ぎ……」
猛毒に侵されているレックウザにとってかなり厄介な戦術である。
『ここはまず毒を消さなくては……』
怨念のPPが尽きるまで長期戦になる、そう予測したナギ。
「眠れ、レックウザ」
ナギの命令でレックウザは目を閉じ、毒に蝕まれた体を癒していく。
191ドラーモン作大長編 ◆xqjbtxNofI :2007/03/19(月) 00:27:11 ID:???
「かかった!」
ドラえもんが思わず叫んだ。
最後の技が破壊光線だと思っていただけに、眠ってくれるとは嬉しい誤算だ。
「戻れサマヨール、そしていくんだ、ドーブル!」
サマヨールの代わりに現れたのは一見ひ弱そうなポケモンだ。
だが、このポケモンには他のポケモンにない特徴がある。
「こころのめを開け、ドーブル!」
ドラえもんの指示でドーブルはその心眼をレックウザに向ける。
それから逃れることはできない。
『そう、そういうことなのね』
ナギは全てを理解した。
おそらく次に来るのは一撃必殺技。
あれは対伝説ポケモン用に特化したドーブルなのだ。
「だけど詰めが甘いわね、このターンでレックウザは目を覚ますわ!」
そう、素早さに劣るドーブルがレックウザより先に攻撃はできない。
「これが力の差よ、しんそくっ!!」
ナギのレックウザはトドメとなる最後の一撃を放った。
だが……

「持ち堪えた……ですって」

ドーブルは失いそうな意識をタスキ一本で支えていた。
「気合いの、タスキ……そう……そうなの」
ドーブルの放つ絶対零度を受け、ナギのレックウザは断末魔の悲鳴を上げながら地に落ちていった。
192ドラーモン作大長編 ◆xqjbtxNofI :2007/03/19(月) 00:28:31 ID:???
レックウザが倒れた。

「私が、私が負けたというの……」
全身が虚脱し、崩れ落ちるナギ。
全てを犠牲にしてまで手に入れた力は打ち砕かれた。
もう彼女には何も残っていない……
「私は……全てを失った……」

「いや、まだ終わってないよ!」

ドラえもんの叫びに、ナギは自分を取り戻した。
そう、レックウザの力に溺れていてすっかり忘れていた。
「出てきなさい、エアームド!」
ボールから解き放たれたエアームドは悠然と宙を旋回する。

「ああ、まだ残っていたのね……」

ナギはポロポロと涙を溢す。
あのエアームドとヒワマキの空を駆けた毎日、そしてジムリーダーとして暮らした思い出が溢れだしてくる。
「私、私は……間違っていたのね……」
そこにいたのは邪悪な出木杉の手下ではなく、優しいヒワマキのジムリーダーだった。


そんなナギの様子を感慨深げに見ているドラえもん。
だがここで立ち止まってはいられない、のび太を助けに行かなければ。
「今行くよ、のび太くん」
ドラえもんはナギを背にし、先へ向かって走り出した。
193ドラーモン ◆xqjbtxNofI :2007/03/19(月) 00:29:51 ID:???
投下おわり。
戦闘長すぎだなぁ……反省。
194名無しさん、君に決めた!:2007/03/19(月) 00:30:18 ID:???

感動した
195ワタリ ◆wtriJfTC.Y :2007/03/19(月) 12:28:02 ID:???
ドラーモン氏乙です。
これから投稿します。
196ワタリ ◆wtriJfTC.Y :2007/03/19(月) 12:28:36 ID:???
「え...?冗談でしょ?」
目をキョトンとするヒカリ。
「冗談じゃないよ。」
どうやら本当のようだ。のび太の顔はいたって真剣そのもの。
「ダメだよ...。私...おじいさんやヒカルにまだ恩返ししてないもの。」
ヒカリが話し終わった時、後ろからある人影が現れた。
「お、おじいさん!?」
「行っておいでヒカリ。」
おじいさんの顔はいつもとは全く違った。
「ダメだよ...。おじいさん、私は...!」
「いいから行ってきなさい!」
おじいさんは怒鳴った。声が震えている。
「私が...邪魔...なの...?」
おじいさんは首をよこに振った。
「そんなわけ...、そんなわけないだろう...!」
おじいさんはヒカリをぎゅっと抱きしめる。
「おじいさん...。」
ヒカリをおじいさんを見た。涙が出ている。
こんなおじいさんをみたのは初めてだ。
おじいさんは涙を拭きながらこう言う。

「私は...、もう十分にヒカリに恩返ししてもらったよ...。」
197ワタリ ◆wtriJfTC.Y :2007/03/19(月) 12:29:14 ID:???
「私は、ひとりぼっちだった。」
おじいさんは語り出す。
「私もトレーナーとしてチャンピオンを目指していることもあった。
しかし...ギンガ団とかいう謎の組織によって私のポケモンが全て奪われ、目の前で殺された...。それ以来私は誰も信じられなくなり全てを拒んだ。
その時だよ...ヒカリ。おまえが来てくれたのが。おまえと暮らしているうちに私は閉ざされた心を再び開くことが出来た。」
のび太はおじいさんの話の中の ギンガ団 というところに注目した。
人のポケモンを奪って殺すなんて間違ってる...!
おじいさんは話を続ける。
「ヒカルだってそうだ。いつも一人のヒカルをあんなに元気な子にしてくれたのはおまえ以外の何者でもない。私達はもう十分に恩返ししてもらったよ...。」
ヒカリの純粋な眼からワッと涙があふれ出した。
ヒカリはおじいさんを強く抱きしめ、泣き続けた。

のび太はそれを見ていた。
彼らの話には感動したがどうしてもギンガ団の存在が許せない。
歯ぎしりをし、拳を強く握りしめる。

その時のび太の心のなかに 憎しみ という感情が生まれた...。

198ワタリ ◆wtriJfTC.Y :2007/03/19(月) 12:30:22 ID:???
朝日が上り、今日が始まる。
こんなに早く起きたのは久しぶりだ。
おじいさんの姿が見えなかったが、気にしないことにした。
朝食を急いで済ませ、僕たちは旅の支度を始めた。
ぼくは食べ物と生活用品をランドセルの中に入れた。
今、ランドセルに入っているのは
食料 教科書 懐中電灯 リコーダー マッチ お金
ぐらい。
他の物はヒカリに持ってもらった。
旅の支度を終え、ヒカリの家を出るとナナカマド博士が立っていた。
「博士...。」
ヒカリは博士の胸に飛び込む。
最後のお別れ、ということだ。
「ヒカリ...。これを持って行きなさい。」
博士は一つのモンスターボールを取り出した。
ボールから出てきたのはリーフィア。
「このリーフィアは...彼の最後の贈り物だ。」

「ありがとう...。」
199ワタリ ◆wtriJfTC.Y :2007/03/19(月) 12:30:56 ID:???
ヒカリはリーフィアを抱きしめる。
とても温かくて心地がよい。
「そしてコレは私からのプレゼントだ。」
博士は二人にポケモン図鑑とポケッチを渡した。
「博士...ありがとう。」
二人は礼を言い、マサゴタウンの出口付近へと足を進めた。
そこには、村中の人々が集まっていた。

ヒカリ!がんばれよ!応援してるぞ!
ヒカリおねえちゃんがんばってぇ〜

ヒカリを応援する声がそこら中から聞こえる。
そこにはヒカルとおじいさんもいた。
ヒカリは笑顔でみんなに手を振り、のび太の腕をつかむ。
「行こ。のび太。これ以上笑顔でいられそうもないから。」
ヒカリはもう泣いている。それほど別れが悲しいんだろう。

「うん。さァ行こうか!」

こうしてのび太は仲間探しに、ヒカリは記憶探しの旅に出ていったのであった。
200ワタリ ◆wtriJfTC.Y :2007/03/19(月) 12:31:51 ID:???
ハクタイの森

昼間なのに暗い森。
夜になっても暗い森。
それがここ、ハクタイの森。
その森で修行を続けている少年がいた。
重力に逆らっているその髪は、世にも奇妙な姿だった。
彼の名は骨川スネオ。
嫌らしい戦法を好み、ジワジワと攻めるのが得意。
そんな彼は相棒、ドンカラスの育成をしていた。
「へへへ...、これなら誰にも負けないぞ...!」
変な笑い方をしているスネオの頭上に大きく真っ黒な影が現れた。
スネオは上を見上げ、その影がリザードンの物であると確認した。
「リザードン。シンオウ地方にはいないはずだ。トレーナーがいるんだろ?
ぼくと勝負しろよ。けちょんけちょんにしてやるよ。」
そう叫ぶとリザードンは地上に降りてきて、背中に乗せているトレーナー、煉獄を下ろした。

「貴様、てんかいのふえを持っているか?」
201ワタリ ◆wtriJfTC.Y :2007/03/19(月) 12:32:33 ID:???
スネオは怖かった。
よく見るとリザードンは黒。
そしてこのトレーナーも黒いコートに身を包んでいる。
全ての闇をかき集めても足りないような漆黒の眼。
額から左眼を通り、頬にまでのびている弧状の大きな古傷があった。
その眼と同じくらい見事な黒髪。肩まで伸びている。
身長はだいたい175pぐらい。
顔立ちはかなりいいが、その男からは負の感情しか読みとれる物がなかった。
「質問に答えろ。貴様はてんかいのふえを持っているか?」
スネオは横に首を振る。怖くて怖くてちびりそうだった。
「そうか。ならばいい。失せろ。」
スネオはこの言葉にカチンと来てその男、煉獄に向かってこう言った。
「ぼくが元々ここにいたんだオマエが失せろ!」
煉獄はその眼でスネオを睨み、ボールを取り出す。
「へっ!やる気か!いけっ、ドンカラス!オマエの力を見せてやれ!」
スネオはドンカラスを繰り出し、攻撃を命令する。
が、煉獄はまだボールからポケモンを繰り出していなかった。
ドンカラスは空高く昇り、煉獄に向かって急降下した。
上空からの勢いをつけたドンカラスはとてつもなく速く、とてつもなく危険だった。
そのくちばしに当たると何もかも破壊できるくらいの威力だった。
しかし煉獄は、ドンカラスの攻撃を軽くよけ腹部をおもいきり蹴った。
すさまじい音と共にドンカラスは倒れていた。

「雑魚が...。俺をなめるんじゃねぇ...!」
202ワタリ ◆wtriJfTC.Y :2007/03/19(月) 12:33:38 ID:???
スネオは震えていた。
素手でポケモンを倒した...?そんなのあり得ない。
倒れたドンカラスがスネオの方を見ている。
スネオを信じきった目。次のスネオの命令を待っている。
スネオはすごいきずぐすりを飲ませ、ドンカラスに向かってこう命令する。
「すこし卑怯だが、この際仕方がない。ドンカラス、思い切り鳴けぇ!」
ドンカラスはそのたくましい身体から大きな声をだした。
空気が震えているのがわかる。その声は森中に響き渡った。
バサバサと羽音が聞こえる。
空を見るとヤミカラスの群が集まってきていた。
空は完全にヤミカラスに覆われ、全てが黒になっていた。
100...200...いや500はくだらないほどのヤミカラス達が集まり、煉獄を睨んでいる。

「このドンカラスは慕われていてね。この森のヤミカラス達の首領なんだよ!」
203ワタリ ◆wtriJfTC.Y :2007/03/19(月) 12:34:10 ID:???
煉獄は 不敵に笑った。
「くだらん。数で勝負か?身の程しらずが!」
そう言うと煉獄はボールからサンダース、ブースター、シャワーズを繰り出した。
「サンダース、めざめるパワー炎。」
煉獄がこう命令するとサンダースはブースターに向かって攻撃を始めた。
「正気か?自分のポケモンを攻撃するなんて。」
スネオは煉獄の行為が全く理解できなかった。
500対3
この圧倒的な数の有利によりスネオは勝利を確信していた。
その時、短気なヤミカラスがサンダースに攻撃をしかけた。
「サンダース、めざめるパワー氷。」
ヤミカラスはサンダースの放っためざめるパワーにあたり即瀕死状態になる。
スネオは驚いた。
「バカな!めざめるパワーは1体1体によってタイプが決まっているはず...。
なぜ炎と氷の属性が同時に出せる!?」
やれやれと言った表情で煉獄は説明をし始める。

「この能力はコイツの生まれ持っての力だ。」
204ワタリ ◆wtriJfTC.Y :2007/03/19(月) 12:35:24 ID:???
「俺のサンダースの特殊能力は属性変換。そしてブースターは火力補正。
シャワーズは水分拡散。この様にポケモンの中でもまれに特殊な力を秘めて生まれてくる者がいる。
が、大抵はそのまま気づかずに死んでいくケースが多い。
まだこの事は表向きにはには実証されてはいないが我々ギンガ団にとってはもう実証済みだ。」
スネオは彼に問う。
「ま、まさかオマエはギンガ団の...!」
煉獄は笑みをうかべてこう言う。
「そうだ...!おれはギンガ団の副団長、煉獄。アカギ様の信頼を最も受け、
アカギ様の考えを最もよく理解している。」
スネオは完全にビビっていた。
強大な組織ギンガ団の副団長。
ボクなんかがかなう相手じゃない。

「さァ...始めようじゃないか...愚かな少年の埋葬を!」
205ワタリ ◆wtriJfTC.Y :2007/03/19(月) 12:37:17 ID:???
「シャワーズ、中心部にハイドロポンプ。」
シャワーズはヤミカラス達の中心にハイドロポンプを放つ。
数十羽のヤミカラス達がびちょびちょに濡れ、その周りがどんどん湿っていく。
「ククク...。シャワーズの特殊能力、水分拡散...。
一匹でも濡れれば周りにだんだんと水分が行き渡る。」
続いてサンダースの十万ボルトが炸裂した。
水に濡れたヤミカラス達は次々と地面に落下してくる。
その光景をスネオは見ていることしか出来なかった。
あまりにもレベルが違いすぎて命令も何もできない。
「あと約300羽。ブ−スター、とどめだ。オーバーヒート。」
サンダースのめざめるパワーによって炎の威力が上がったブ−スターは、
体内からとてつもなく強大な炎を繰り出す。
「サンダース、シャワーズ、まもる。」
サンダースとシャワーズは守りの体勢に入り、じっとその光景を見つめていた。
炎はヤミカラス達の近くで大きく爆発した。
爆風はすべてのヤミカラスを包み込み、叫び声をあげさせる。

「ククク...。いいぞォ。
この死の断末魔にあげる叫び声が、唯一俺の心に安らぎを与えてくれる。」
206ワタリ ◆wtriJfTC.Y :2007/03/19(月) 12:38:35 ID:???
「全てのヤミカラス達が地面で倒れている。
生き残っているヤミカラスはどこにも見あたらない。
たくさんの命を奪った爆風が煉獄の長い髪をなびかせている。
「ククク...。水の電気分解で酸素と水素を分解させ、熱を加えて爆発させたんだ。子供にこの原理が理解できるか?」
スネオは立ち尽くしていた。
500羽のヤミカラスが3匹のポケモンにすぐに殺されてしまった。
その現実が理解できなかった。
スネオはたまらずドンカラスに飛び乗り、どこかへ逃げてしまった。

「コイツも持ってなかったか...。まァいい。プロジェクトはもう動いている。
シンオウ地方もあと少しの命だ...!」

煉獄の笑い声がハクタイの森を響かせる。
約500匹の遺体を越えて...。
207ワタリ ◆wtriJfTC.Y :2007/03/19(月) 12:39:59 ID:???
投稿終了です。
煉獄の れん っていう字PCじゃ出ないんですね。
↑この字ちょっと違いますから。
208名無しさん、君に決めた!:2007/03/19(月) 12:49:24 ID:???

ドラーモン氏の後にワタリ氏なんて夢のコンボじゃないか
戦闘描写もよくできているし
209名無しさん、君に決めた!:2007/03/19(月) 15:22:00 ID:???

間違い発見
>しかし煉獄は、ドンカラスの攻撃を軽くよけ腹部をおもいきり蹴った。
>素手でポケモンを倒した...?そんなのあり得ない。
210ドラーモン ◆xqjbtxNofI :2007/03/19(月) 16:27:36 ID:???
投下いたす
211ドラーモン作大長編 ◆xqjbtxNofI :2007/03/19(月) 16:29:55 ID:???
ポケモンリーグ、第1の間。

スネ夫の目の前には2体のレジスチルが鏡像のように立ちはだかっている。
スネ夫は2体のレジスチルを相手にしなければならないのだ。
「よりによってレジスチルが2体……けど!」
スネ夫がカビゴンに寝言を命令する。
するとカビゴンは寝返りを打ちながら現れたばかりのレジスチルにのしかかった。

「これでカビゴンとユレイドルの技構成が分かったわ」
ツツジは今までの戦いで敵の技を大体把握できた。
ユレイドルは守る、毒毒、エナジーボール。
レジスチルにとってはさしたる脅威ではない。
だが、ねむねご地震のカビゴンは厄介な相手だ。
「まずはカビゴンを潰す!」
一体目のレジスチルが腕を振りかぶる。
「アームハンマー!」
鋼でできたレジスチルの拳がカビゴンにヒットし、大ダメージを与える。
「カビゴンっ……」
「続けて行くわよ、ラスターカノン!」
だが、2体目のレジスチルは動かない。
さっきののしかかりで体が麻痺しているのだ。
「ら、ラッキー!」
思わず幸運に感謝したスネ夫だが、現状は不利と言わざるを得ない。
「ここからは一手読み違えると負ける……」
スネ夫の灰色の脳細胞がフル回転する。
212ドラーモン作大長編 ◆xqjbtxNofI :2007/03/19(月) 16:31:42 ID:???
まずは敵のレジスチルだ。
片方は守るとアームハンマー、おそらく物理攻撃タイプなのだろう。
となると、麻痺している方は特殊攻撃タイプのはずだ。
「まずはアイツを倒す、そして後は……」
スネ夫の綿密な計算は完了した。
「ユレイドル、まもれ。そしてカビゴンはねむるんだ」
まずここは馬鹿のふりをしなければならない。

ツツジはその対応を見てほくそ笑んだ。
『次ターンに寝言を使うと思ったが、まさかユレイドルがここで守るを使うとはね』
守るは連続で使用すると成功率が落ちる。
つまり、次ターンに味方を巻き込む可能性がある寝言(地震)は使ってこないはずだ。
『まさか、のしかかりの可能性に賭けるつもりじゃないでしょうね』
スネ夫がそんな部の悪い賭けをするわけがない。
「とりあえず、アームハンマーをカビゴンにっ!」
再び炸裂するアームハンマーがカビゴンの体力を奪う。
「そしてこの隙は逃さない、ラスターカノン!」
麻痺しながも、2体目のレジスチルが鋼の衝撃波をユレイドルに撃ち込んだ。
「これで、次のターンには2体とも……」
そう言うツツジは思わず言葉を止めた。
スネ夫が満足そうに笑っていたのだ。
213ドラーモン作大長編 ◆xqjbtxNofI :2007/03/19(月) 16:33:37 ID:???
「ツツジ、あんたなら必ず守るの隙は逃さないと思ったよ」
カビゴンが寝ていること、そしてユレイドルが守れない事でツツジは基本の『1体集中攻撃』を忘れ、分散攻撃をしてきた。
普通ならこれでよかったのかもしれない。
だが、スネ夫はそれをすべて読み切っていた。
「ユレイドル、ミラーコートだっ!」
ユレイドルがラスターカノンの倍の破壊力の衝撃波を放射する。
「そ、そんな……守るはフェイクだったというの」
ツツジの目の前でミラーコートの反撃を受け、崩れ落ちるレジスチル。
「ミラーコート、ミラーコートね……ふふふ、アハハハハハ!」
ツツジはひとしきり笑うと、憎しみの視線をスネ夫に叩き付ける。
「だが貴様のポケモンも瀕死だ!残り1体とはいえ、無傷のレジスチルに勝つつもり?」
「ふん、やってみなよ」
余裕を見せたスネ夫の様子に、逆上するツツジ。
「じゃあ死にな……じしんよ、レジスチル!」
だが、レジスチルの動きが鈍い。
「ユレイドル、まもる。カビゴンはねごとだ!」
レジスチルより先にカビゴンが寝返りをうつ。
すさまじい衝撃波が発生し、レジスチルは大ダメージを受けてしまった。
214ドラーモン作大長編 ◆xqjbtxNofI :2007/03/19(月) 16:35:24 ID:???
「なぜレジスチルより速く……そうか、しまった!」
2度にわたるアームハンマーのせいで素早さが落ちてしまっていたのだ。
「じ、じしんっ!!」
レジスチルも負けずに地震を発生させ、カビゴンを瀕死に追い込んだ。
「まさか、ここまで追い詰められるなんて……」
「これが最後の賭けだ、ツボツボ!」
スネ夫が戦闘不能のカビゴンに代わって繰り出した最後のポケモンはツボツボ。
防御に特化した持久型のポケモンだ。
「ツボツボ……レジスチルが完全ならさほどの脅威ではないけれど……」
実はカビゴンの地震のダメージが予想以上に大きい。
ツボツボやユレイドルの攻撃力は低いが、万が一ということもある。
「ユレイドル、エナジーボール!」
効果はいまひとつとはいえ、それなりのダメージが蓄積されてしまう。
「せっかくここまで削ったのに残念ね……レジスチル、ねむれ!」
レジスチルの体力がみるみる内に回復していく。
『エナジーボールの威力、そしてツボツボの予想される戦闘力なら、落ちるまで2ターンどころか5ターンはかかるわ』
ツツジは勝利を確信する。
だが、スネ夫は会心の笑みを浮かべた。
「やはり、そうくると思ってたよ」
215ドラーモン作大長編 ◆xqjbtxNofI :2007/03/19(月) 16:38:01 ID:???
「ま、まさかこれすら読んでいたというの!」
「ユレイドル、エナジーボール!」
スネ夫のユレイドルが再びエナジーボールをレジスチルにくらわせる。
だが、そのダメージはツツジの想定内だ。
「ふ、ふふ……全然ダメじゃないの!バッカじゃないの、アハハハハハッ!」
完全に勝利を確信したツツジは笑いが止まらない。
スネ夫はそれを聞きながら、静かに呟いた。

「ツボツボ、パワートリック」

ツボツボからすさまじい闘気が溢れだしてくる。
ツツジのその顔が引きつった。

パワートリック。

最高クラスの防御力を持つツボツボの攻撃と防御を入れ替える技。
これにより、ツボツボは最高の攻撃力を持つポケモンに生まれ変わる。
「だけど、これを使うターンは敵の攻撃に晒される事になる。それがネックさ」
「ま、まさか私が眠らせる事まで計算のうちだったというの……」
スネ夫はニヤリと笑うと、指をパチンと鳴らす。

「僕を誰だと思ってるんだい?」

その言葉と共に、ツボツボが味方のユレイドルを巻き込み地震を起こす。
「いやああああああーーー……」
ツツジの悲鳴と共に、レジスチルはその巨大を地に倒した……
216ドラーモン作大長編 ◆xqjbtxNofI :2007/03/19(月) 16:38:59 ID:???
「ふうっ」
スネ夫は深呼吸をすると、その場にへたりこんだ。
なんとか戦いには勝利したが、手持ちで健在なのはツボツボだけだ。
「けど、のび太のやつを助けにいかないとね」

「勝ったのね、スネ夫さん」

聞き覚えのある声、だが決してここで聞くはずのない声が聞こえた。
声のした方向を向くと、部屋の横の扉(おそらく四天王が使うものだろう)から人影が現れる。

いや、人影というには丸すぎるのだ。
スネ夫はその声の主をよく知っている。

「ど、ドラミちゃん……」

そう、ドラえもんの妹のネコ型ロボットのドラミだ。
「ど、どうしてここにいるのさ!」
何が何だか分からないが、とにかく頼りになる援軍だ。
スネ夫は事情を説明しようとドラミに駆け寄ろうとする。
だが、その行く手に青い巨大鳥が立ち塞がった。
「ふ、フリーザーじゃないか……」
スネ夫もよく知っている、カントーに生息する伝説の鳥ポケモンだ。
『なぜこんなところにフリーザーが?』
疑問に思うスネ夫、だがその答えはすぐに分かった。
「フリーザー、れいとうビーム!」
ドラミの命令を受け、フリーザーがスネ夫のツボツボを一撃で戦闘不能にしたのだ。
217ドラーモン作大長編 ◆xqjbtxNofI :2007/03/19(月) 16:39:55 ID:???
この世界にいるはずのないドラミ、そしていきなり攻撃してくるフリーザー。
「な、なんで……」
「ごめんなさいね、スネ夫さん……」
ドラミはポケットから光線銃を取り出すと、スネ夫に光線を撃ち込んだ。
「ピギャーーーッッ!!」
奇妙な声をあげながら気絶するスネ夫。

ショックガンをポケットに戻すと、次は毛布を取り出す。
それをゆっくりとスネ夫にかけてやるドラミ。
「痛かったでしょう、ごめんなさい」
次に起きたときは彼にこの世界の記憶はないだろう。


ポケモンリーグ、チャンピオンの間。

その大きな入り口をくぐり抜けたのび太は、中央に立つ少年の元に歩み寄る。
「出木杉……」
一見いつもと変わらない様子の少年は、何も言わずに背を向けた。
「やっぱり、戦わなくちゃならないのかい」
対面するまではしずかを拐った憎き敵だったが、いざ面と向かうと懐かしさが脳裏をよぎる。
だが、出木杉は冷たく言い放つ。
「僕を倒さないと、しずかちゃんはヒドイ目に合うんだよ、ふふふ……」
出木杉は特設した大きな椅子に座ると、のび太を指で手招きする。
「さあ、ラストバトルを始めようじゃないか」
218ドラーモン作大長編 ◆xqjbtxNofI :2007/03/19(月) 16:40:49 ID:???
バトルフィールドの対面に立つのび太。
深刻な顔をするのび太に対し、出木杉はやれやれと肩をすくめる。
「もっと楽しくいこうよ、どうせゲームなんだしさ」
「しずちゃんに怖い思いをさせて、それをゲームの一言で片付けるな!」
さすがののび太も怒りがこみ上げてきたようだ。
「ふう、仕方ないな。しずかちゃんなんかどうでもいいくらいの快感を味あわせてあげるよ」
出木杉が合図すると、のび太の左右から三人の女性が近づいてくる。
のび太も見覚えのある顔だ。
「さ、サン・トウカの……」
そう、フラワーショップ「サン・トウカ」の名物3姉妹だ。
3姉妹はのび太にがっちりと掴みかかると、その体を押し付けはじめた。
「や、やめて……やめてよっ……」
「どうだい、しずかちゃんなんてどうでもよくなるくらいの快感だろう」


その様子をしずかは隠れて見ていた。
「出木杉さん、そうやってのび太さんを堕落させようとしてるんだろうけど……」
だが、出木杉は「野比のび太」という人間の芯にある強さを知らない。
「のび太さんは貴方とは違うわ」
しずかはそう確信していた。
219ドラーモン作大長編 ◆xqjbtxNofI :2007/03/19(月) 16:42:05 ID:???
注:微エロ

3姉妹がのび太の全身を舌や指、そしてその肉体で愛撫する。
女の匂いに当てられ、耐性のないのび太はすでに意識が混濁していた。
「のび太くん、無理しないで楽になろうよ……」
マユミに自らの下の世話をさせながら、出木杉が誘惑する。
だが、誘惑するまでもなくのび太はすでに快楽に身を浸していた。

このまま身を委ねたらどんなに楽だろう

すべてが夢だったみたいだ

そう、夢のようだ

『!!』

不意にしずかの泣き顔が頭に浮かんだ。
そして、自分をここまで連れてきてくれたドラえもんや仲間達。

「うわああああああっ!」
「きゃあっ!」
のび太は渾身の力を込めて3姉妹を押し退ける。

「僕は、しずちゃんを助けるんだあぁぁっ!」
再び目に生気が戻ったのび太を驚いたように眺める出木杉。
『未経験ゆえに誘惑を振り払えたのか、はたまたしずかちゃんへの恋心か……』
なんにせよ、のび太はその甘美な誘惑を振り払った。
「僕が直々に叩き潰さなきゃならないようだ」
マユミの頭を押さえながら、出木杉がマスターボールを投げる。
「こっちが済むまでコイツで相手してやるよ」
現れたのは虹色に輝く羽を煌めかせた鳥ポケモン、ホウオウだ。
220ドラーモン ◆xqjbtxNofI :2007/03/19(月) 16:44:01 ID:???
投下終わり。
次は21日のカードフェスタが終わるまでは投下できるか分からんが、努力はする。
あと、今回は推敲してないから間違いがあるやもしれん、前もってスマン。
221名無しさん、君に決めた!:2007/03/19(月) 16:48:17 ID:???
乙!
222名無しさん、君に決めた!:2007/03/19(月) 16:49:29 ID:???
こんな時間にくるとは思わなかったぜ
223名無しさん、君に決めた!:2007/03/19(月) 17:15:48 ID:???

二日連続投下とかやべぇwwwwww
224名無しさん、君に決めた!:2007/03/19(月) 17:22:53 ID:???
225名無しさん、君に決めた!:2007/03/19(月) 17:28:00 ID:???
まさにふいうちだ…
226名無しさん、君に決めた!:2007/03/19(月) 18:44:13 ID:???
乙です
もうすぐ完結か
227新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/19(月) 21:28:34 ID:???
皆さん乙。
楽しみに待っていた方々には謝り倒します。
久しぶりにパソコンをつけた新カントーです。
投下させてもらいます。
前回はwikiでも見てくださったら。
228新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/19(月) 21:29:06 ID:???
セキエイ本部

ジャイアンの帰りを全員は温かく迎えた。
「流石ジャイアン!」
スネオはジャイアンに手を向ける。
「おう!」
スネオの手に手を合わせてジャイアンは拳を上にかざした。
「カイさんに勝つなんて……凄いわタケシさん」
高く上げた拳を見つめて呟くしずか。
「どうでもいいけど、スネオは唯一負けるふうに見てたよね」
のび太が口を尖らせて言う。
「馬鹿! 言うんじゃない!」
「何だと、スネオ!」
「わあ!」
スネオはポケモンセンターの外に逃げ出した。
「待て、この野郎!」
スネオを追いかけていくジャイアン。
「僕の試合を忘れるなよ! 二人とも!」
ドラえもんの言葉にジャイアンが「わかった!」と反応した。
走っていく二人を眺める三人。
「現実世界ではこれが普通だったのにね……どうしてかなあ、凄い懐かしいんだ」
「そうね……」
『感傷に浸ってるとこ悪いけど、次のサカキさんが待ってるから早くしてくれない?』
退屈そうな声のアナウンスが響く。
「わかったよ。今から行くさ!」
ドラえもんが乱暴に扉に触れる。
そして、その場から一瞬で消えた。
229新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/19(月) 21:29:37 ID:???
セキエイ高原 龍の間

ドラえもんが辿り着いた先にはロケット団首領がいた。
「全員を破ったか。彼等の実力には感心するよ」
サカキはボールを持ちながらドラえもんを見る。
「皆、手加減してくれたみたいだけどね」
ドラえもんがお腹のポケットからボールを取り出す。
「出木杉英才の行方はわかったのか?」
「Dから聞いたよ。今は牢獄前に居るらしいんだ。さらったのはそっちの幹部だよ」
「なるほど、ソラがカイの為に行動したのか」
疑問が氷解したサカキは手を叩いた。
「全くDの奴め、勝手に計画を変えて……でも先に変えたのは僕だから何も言えないか」
「そうだな……この世界の為にも奴等には成長して貰わなきゃいけないからな。
 お前も含めてだぞ、ドラえもん。だからDは計画を変更したんだ。お前も戦闘させるためにな」
「僕から生まれたくせに……生意気な奴だ」
ドラえもんがボールを取り直す。
「さて、戦闘するぞ。これ以上喋っていたらお前が関係者という事がばれてしまうかもしれないからな」
「そうだね。じゃあやろうかサカキさん。言っておくけど僕は手を抜かないよ!」
「手など抜いたら私は貴様を許さんぞ! 貴様との戦いを私は楽しみにしていたのだからな!」

「ソーナンス!」「カバルドン!」
両者がポケモンを出す。
「またそいつか……」
「流石に初手で出すとは思わなかったみたいだね」
ドラえもんから笑顔がこぼれる。
「……残念だがカバルドンも一撃技を使えるぞ」
「えっ!?」
「地割れだ!」
巻き起こる砂嵐を無視してカバルドンを地面を叩く。
地響きはソーナンスを捕らえ、またもソーナンスは一撃で倒れた。
230新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/19(月) 21:30:07 ID:???
「速いよ……」
ボールにソーナンスを回収して思わず呟くドラえもん。
その目には呆れが垣間見える。
「当てが外れたな……さあ次のポケモンを出せ!」
サカキが叫ぶ。
その目には怒りが垣間見える。
「期待に答えるのはここからだよ! ギャラドス、行け!」
姿を現す青き龍。
その名はギャラドス、水タイプのポケモンだ。
「そいつの特攻でカバルドンを一撃では仕留めれないと思うがな……まあいい、蓄えるだ!」
「させない、挑発だ!」
挑発するギャラドス。
その行動を見てカバルドンはまた地面を叩く。
だがその地響きはギャラドスには無効だった。
「続けて龍の舞!」
ギャラドスが神秘的な舞を踊る。
「カバルドン、岩雪崩だ!」
岩をギャラドスに向かって放つカバルドン。
だが全ての岩は外れてしまった。
「運も僕の味方みたいだね! ギャラドス、アクアテールだ!」
カバルドンに近づいて、尻尾を振り上げるギャラドス。
その尻尾はカバルドンの急所に当たる。
上から叩きつけられたカバルドンが起き上がる事は無かった。
231新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/19(月) 21:30:43 ID:???
「やっと一体倒したか。さあ次はこいつだ!」
ボールを投げるサカキ。
そこから出てきたのは砂漠の聖獣、フライゴン。
「フライゴン……タイプは地面、ドラゴン……ギャラドス、氷の牙だ!」
氷を纏った牙でフライゴンに噛み付くギャラドス。
だが一撃では倒れない。
「な、何で?」
「氷半減の実だ! フライゴン、目覚めるパワーだ!」
フライゴンから光が放たれる。
刹那、ギャラドスに雷光が走る。
悲鳴をあげて、ギャラドスは崩れ落ちていった。

「目覚めるパワー……なんていう執念だ……」
ドラえもんが驚きの声を上げる。
『狙ったタイプを出すのはゲームでも大変だ。
 この世界でそんなものを使ってくる人が僕以外に居るとは……』
「お前の実力はDに匹敵するとまではいかないが私とはほとんど同レベルのはず。
 まさかこの程度で終わるわけではあるまい?」
サカキが問いながらボールを上に軽く投げる。
その様子にドラえもんは笑った。
「切り札を出し惜しみするのは止めるよ。僕のパートナーに任せる!」
ドラえもんがボールを投げる。
出てきたのは旅の相棒、ウインディ。
「日本晴れだ!」
「地震!」
地面を叩きつけウインディにダメージを与えるフライゴン。
だがウインディは痛がる様子も見せない。
「効かないよ、威嚇の特性もあるしね。サカキさん、フライゴンを戻してよ。もうそいつは戦えない」
「!?」目を見開くサカキ。
ドラえもんが言ってからすぐにフライゴンは崩れ落ちたのだ。
232新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/19(月) 21:31:15 ID:???
「素晴らしい攻撃力だ……」
「こいつは僕のポケモンで一番レベルが高いからね」
ウインディを見つめるサカキにドラえもんが誇らしげに答える。
「では私も気を引き締めるとするか!」
ボールを投げるサカキ。
出てきたのは蠍、グライオン。
グライオンを見て笑うドラえもん。
「何がおかしい?」
「ここまで僕の筋書き通りだと、ついね」
「何?」
サカキは目を吊り上げた。
「そう言うのなら見せてみろ! グライオン地震だ!」
地震を起こす為に動作を始めるグライオン。
だがドラえもんは全く慌てなかった。
「攻撃なんて出来ないよ。グライオンは一撃で倒れるんだから。
 さっきフライゴンを倒した攻撃、目覚めるパワーでね!」
ウインディが飛び上がり光を発する。
刹那、グライオンに氷が舞い散った。
「馬鹿な……目覚めるパワーだと……」
一撃で倒れるグライオンを見て呟くサカキ。
ドラえもんの目の前に着地するウインディ。
その様子を見て笑うドラえもん。
状況は完全にドラえもんペースだ。
233新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/19(月) 21:31:46 ID:???
セキエイ本部

「……強い。ドラえもんの奴、こんなに強かったのか」
スネオがドラえもんを見て呟く。
「もしかしたら出木杉より強いんじゃねえか? あのウインディの強さありえねえぞ!」
驚きの声を上げるジャイアン。
「ドラちゃん……何で私達に戦わせようとしたのかしら?
 こんなに強いなら最初から戦えばいいのに」
しずかが疑問を全員にぶつける。
「ドラえもんもこれほどの強さを自分が持っていると気付かなかったとか?
 いや、図鑑で確認できるか……」
スネオは髪をかきあげて考える。
「全員に戦わせようと思ったんじゃねえか。皆戦いたがってると思ってたとか、かもよ」
「タケシさんだけよ。戦いたがってたのは」
ジャイアンの言葉に反論するしずか。
「戦えない理由があったとか? でもそんな理由思いつかないなあ」
のび太の言葉に頷く全員。
ドラえもんの行動には何かが腑に落ちない。
「あいつの言葉を聞くと、ソラの誘拐はイレギュラーみたいだったな」
スネオが髪をかきあげる。
「命がかかった戦いにドラちゃんが参加しない理由。……わからないわね」
しずかは思考を深めていく。
「出木杉が居たらな……何か言ってくれんだろうけどよ」
ジャイアンの言葉どおり、一行で一番頭のいい出木杉はここには居ない。
「考えてもしょうがないよ。皆で応援しようよ!」
のび太はそう言って全員にモニターを見るよう指示する。
だが一番考えているのは彼自身だった。
『あいつの名前……ミュウに聞いた法則に当てはめると……偶然かなあ?
 それとも……まさかあいつとドラえもん、もしかしたら……』
234新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/19(月) 21:32:17 ID:???
「そいつを倒すには色々策を取るしかないようだ」
「策? 僕のウインディは倒せないよ!」
ドラえもんが叫ぶ。
自信に満ち溢れている表情はもう勝ちを確信しているようだ。
その表情を見てサカキはドラえもんを睨みつける。
「私が思う強者が負ける理由は三つある。
 一つ、敵が単純に自分より強い場合。
 これはどう足掻いても勝てぬ。
 二つ、止むを得ない事情で本気を出せない場合。
 これは言い方を変えるなら手を抜いているという事だ。
 そしてお前に当てはまる物は最後だ。何かわかるか?」
サカキが真剣な表情で尋ねる。
ドラえもんは考える素振りを見せる。
そして、『わかった!』と言わんばかりに手を叩いた。
「わかった! 自分自身を強いと思い込んでるときだ!」
ドラえもんの言葉にサカキは頷く。
「その通り。
 今のお前は自分の強さに溺れている。
 それではお前の強さは発揮できない。
 一番の実力を持つお前が試された理由はそこだ。
 思い当たるだろう?」
ドラえもんはサカキの問いに笑って頷く。
「忠告はありがたく貰うよ。
 ……あいつは僕の事をよく理解しているね。
 流石は僕から生まれただけのことはあるよ。
 ありがとう、サカキさん。
 思っていた通り、貴方とあいつは僕の間違った道を正せる人だったよ。
 僕は貴方達を選んで正解だった」
ドラえもんの言葉にサカキは笑った。
「私達を選んで失敗など無い。何故なら私達は世界で一番の悪だからな!」
235新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/19(月) 21:35:36 ID:???
投下終了。
人気投票……まあ自分は何も言いません。
あくまで観客として傍観しておきます。
投下ペースが大分落ちましたが最近とても忙しいので先に昔のペースは無理といっておきます。
申し訳ありません、ではまた。
236名無しさん、君に決めた!:2007/03/19(月) 21:42:50 ID:???
237名無しさん、君に決めた!:2007/03/19(月) 21:47:02 ID:???
そういえば最近見て無かったな
238名無しさん、君に決めた!:2007/03/19(月) 23:29:26 ID:???
みんな乙。
投下開始。
239挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/19(月) 23:30:15 ID:???
テンセイやま、東の山道――
バクーダの火の粉がヒットする。
螺旋状に下降していくドクケイル。
それが地に付く前に、相手はボールに収めた。
相手はリーグ関係者。
「ドクケイル、瀕死確認。
 ……よし、合格だ。はいメダル」
差し出された金メダルを受け取ったのは、ユリ。

関係者がその場を去ると、ユリは一息つく。
「意外と早くメダルが取れてよかった……
 あとはドームに戻ればいいのね」
ユリは金メダルをリュックにしまい、来た道を戻ろうとする。
と、その時
「あ、ちょっと……ピッピ!」
常時抱えているピッピが、ユリの腕をすり抜けた。
そのままとことこと走っていく。
その先の茂みには、茶色と桃色の尖ったものが見える。
(?……あれは)
ユリが首を傾げている間に、ピッピはそれを掴み、引き抜いた。
転がるように出てきたのはピィだ。
「ピィ……誰かのポケモンかなぁ?」
そう呟きながら、ユリはピィに手を伸ばす。
240挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/19(月) 23:30:48 ID:???
突然茂みから手が伸びてピィを抱えた。
「う、うわぁ!」
「え?」
尻餅をつくユリの前で、茂みから少年が現れる。
年はユリとあまり違わない。
「あ、おどかしてごめんよ」
少年はユリに頭を下げる。
「このピィ、僕がつれてきたんだ」

泥を払いながら、ユリは質問する。
「へぇ、ボクピッピが大好きなんだ!
 そのピィ、あなたのポケモンなの?」
「いや」
少年は少し翳りながら否定した。
「これは僕の友達から預かっているんだ。
 多分このリーグに参加している、友達のね」
その答えは意味深だった。
それにより、ユリの詮索本能に火がつく。
「どんな人なの?」
少年は嫌そうな素振りは見せず、ただ微笑んだ。
「随分前に離れ離れになったから、結構変わっちゃってるかも知れない。
 ……でも、僕と同じで星が大好きだったんだ。
 君、知らないかな?名前はレイって言うんだけど――」
いきなり質問され、ユリはたじろいた。
241挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/19(月) 23:31:38 ID:???
(なんだろう、こいつ、変な感じ。
 何か隠しているような……)
いろいろと考えていたため、ユリは咄嗟の反応が出来なかった。
「え、あぁ、知らないわね」
(兎に角、とっとと離れたほうがよさそう)
「じゃ、じゃあボクはこれで」
ユリはそう言って振り返り、その場を去ろうとする。

「待ってよ」
少年が呼び止めてきた。
ユリの全身を悪寒が駆け巡る。
「……君さぁ、さっきメダルもらってたよね」
少年はよく透る声で言う。
(……質問じゃないわね。こいつ、知ってる)
それでもユリは頷いて振り返る。
少年は既に、ボールに手を掛けていた。
「僕はまだなんだ。
 ねえ、勝負しようよ。メダルを掛けて」
ユリは暫く、少年を見ていた。
微笑んでいるその顔は、仮面のように実感がわかない。
危険な賭けだと、ユリは感じた。
(でも、ボクもこの50日間で強くなったはず。
 少しは手応えのあるバトルをしてみるのもありかな……)
ユリはボールを握った。
242挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/19(月) 23:32:12 ID:???
「あ、待って!」
少年がユリを制す。
「やるんだったら、ダブルバトルにしない?
 僕そっちの方が好きなんだ」
突然の提案に、ユリは眉を顰める。
(『好きなんだ』……か)
フッと、ユリは微笑む。
「いいわよ。ダブルバトルで」
(のってやる。鼻を明かしてやろ)
少年は再び頭を下げた。
「ありがとう!僕の名前はユウト」
「ボクの名前はユリ」
自己紹介が終わると、四つのボールが宙を舞う。

ユリのポケモンは、バクーダとピッピ。
ユウトのポケモンは、ソルロックとルナトーン。

(……多分ボクがずっとピッピを抱えていたせい。
 それでピィを放しておいたんだ。あたしがピッピ好きで、寄って来るだろうと踏んで。
 さっきの過去話がホントかどうかはわからないけど……兎に角バトルに持ち込んできた。
 それも好印象を消さずに恐らく得意なダブルバトルに――まあボクには無駄だけど)
そんなふうに相手の心理が読めたのも、ものまねのお陰だった。
ものまねをするときには対象物をよく観察しておかなければならない。
故に相手の心を読む能力がいつの間にか備わっていた。
243挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/19(月) 23:32:48 ID:???
テンセイやま、西中腹――
「ハァ、ハァ……くそ!
 あの野郎滅茶苦茶だぜ!」
ジャイアンは急いでいた。
一刻も速くササから逃げるために……

ササのカブトプスは相当強かった。
コドラもすでにきつい斬撃を喰らっていたのだ。
その上辺りの木を切り倒し、攻撃してきた。
始めは乗り気だったジャイアンも、木を頭に叩きつけられてハッとしたのだ。
今はこんなことしてる場合じゃなかった――と。
そう思うが速いか、ジャイアンはコドラをボールに収めて駆け出していた。
倒れてくる木に紛れて。

「そうだ。今戦わなくてもいい。
 メダルをリーグ関係者から取ればそれでいいんだった。
 何もあんな野郎と戦わなくても――」
「ふん。敵前逃亡か?」
ヒュッと、ジャイアンの頬に水が当たる。
振り向くと二本の大きな鎌。
(アクアジェットか!)
鎌が襲ってくる瞬間、ジャイアンは急停止して身をかがめる。
鎌は頭の上を掠めた。
「……よもや、このまま逃げるわけじゃああるまいな?」
歯噛みしながら振り向くジャイアンの目に先にササが現れる。
244挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/19(月) 23:33:20 ID:???
「ふん。敵に背中を向けて逃げられるほど甘くは無いぞ」
「う、うるせえ!さっきは無駄なことはしないって言ってたじゃねえか!」
ジャイアンはカブトプスから距離をとって叫ぶ。
「……これで十分だろう?」
ササが突き出す手の上には、煌く銀のメダル。
「お、お前いつそれを!?」
「ふん。あんまり逃げ回るものだからな。
 その辺にいたリーグ関係者を倒して手に入れた」
ササは平然と言ってのける。
「さあ、お前が戦う理由は出来ただろう?
 そして、私は今お前と戦いたいんだ。
 憂さ晴らしにな!」

いつものジャイアンなら直ぐに逆上して戦っていただろう。
だがジャイアンは感じていた。
野生の勘により――相手の強さを。
「……くそ!いつまでも逃げてるわけにはいかねえ!
 いけ、ルカリオ!」
「交代だ!行け、アブソル」
二体のポケモンが繰り出される。
「あくタイプなら効くはずだ!
 ルカリオ、はどうだん!」
光球がアブソルへ放たれる。
「サイコカッター!」
ササの指示の元、アブソルの一振りが衝撃波となる。
光球と衝撃波はぶつかり合い、そして――
「な!?」
唖然とするジャイアンの目の前で、光球が一刀両断された。
245挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/19(月) 23:33:53 ID:???
とりあえずはどうだんは効果もあり、アブソルに当たる。
だが同時に衝撃波がルカリオを直撃する。
「ルカリオ!」
駆け寄るジャイアンの前で、ルカリオは倒れた。
(……ルカリオが相当くらってやがる。
 あんな技しらねえけど、アブソルは攻撃が強かったはず。
 つまりこれはぶつり。もしかしてエスパーのか?やっかいだな)
嫌な汗を掻きながら、ジャイアンはルカリオにいいきずぐすりを吹きかける。
ルカリオも少しは回復した様子だ。
「悪い、ルカリオ。回復はあまりないんだ」
「おいおい、まだ終わってはいないだろうな?」
ササが急き立てて来た。
見るとアブソルも悠然と立ち尽くしている。
(く……半分だと威力も減ったか)
「ふん。やはりお前など相手にせず、ミヤを追うべきだったか」
溜め息をつくササ。
その姿を見て、ジャイアンにはふと疑問が浮かぶ。
「なあ、あんた。どうしてササに恨みを持ったんだ?
 家が欠陥住宅だったのか?」
とジャイアンが聞く。
出会った後で見た新聞によると、ミヤは悪徳建築士だったからだ。
「……半分は当たっているな。
 ミヤと私は、昔は友達だった。
 大人になってからも、あいつとは職業上よく会っていた。
 俺は大工だったからな」
246名無しさん、君に決めた!:2007/03/19(月) 23:34:23 ID:???
保守しますよ〜
247挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/19(月) 23:34:27 ID:???
「あいつは建築士で、私はその下で家を建てていた。
 あいつの言うとおり、私は精魂込めて建築していたんだ。
 私は楽しかった。
 そのころは何も知らず、ただただ仕事に生きがいを感じていたわけだ」
ササは遠い目になり、話していた。
だんだんと、その顔に血が上っていく。
「だが!ある日私はあいつが設計図を偽装していることに気づいた。
 明らかに家を支える柱数が足らなかったんだ。
 それで私はあいつに言ったんだ。『作り直した方がいい』って。
 ところが、あいつはどうしたと思う!?
 あいつの頭には建築にかかる金のことしかなかった!
 いくら言ってもあいつは考え直さねえ。
 私は怒りで、そこを辞めてやった。
 実家の剣道場であいつのニュースを聞いたさ。あいつが逃亡してるのを。
 そしてやっと捕まって、その次の日にはまた脱獄しやがった!
 ……私はその時誓ったんだ。警察じゃだめだ。あてにならん。
 私があいつに制裁を加えてやる、とな。
 さて、無駄話は終わりだな。俺はそろそろ」
「――待てよ!」
ジャイアンが呼び止める。
ササを見据えていたその目は、さっきまでと変わっていた。
 
ササはその変化に気づいた。
「どうした?何か私に言いたいことでも――」
「あるさ。
 どうしてお前、ミヤを止めなかったんだ?」
248挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/19(月) 23:35:07 ID:???
ササは眉を吊り上げる。
「何を言ってるんだ?
 私は止めたさ!何度もあいつを説得して」
「じゃあ何でミヤは欠陥住宅を建てたんだ?
 お前が本当に必死で止めていたらそうはならなかっただろ。
 お前がやったのは『辞めること』だった。
 結局は逃げたんじゃねえか!」
ジャイアンは力強い目でササを睨む。
「……それにお前はただ辞めたんだ。
 偽装のことも何にも、誰にも話さなかったんだろ?
 警察にも言わずに、ばれる時を待っていた」
「ああ、だが私と関係ないだろう?
 警察がちゃんと捜査すればすぐに捕まったはず――」
「そんなことはねえ!お前がもっと早く言っていればミヤはすぐ捕まっていた!
 何が『警察じゃだめだ』だ!ハナから警察を応援しようともしねえ!
 いや、……そうしなかったんだろうな」
「……どういう意味だ?」
ササの疑問を持った声が、ジャイアンの怒りを促進する。
「ミヤと友達のお前なら、どうせ思ったんだろ!!
 『ミヤは友達だ。警察に渡すことはしねえ』ってな!!
 だけどな、そんなん友達って言わねえんだよ!
 相手が悪いことしてるのに、傷つけるのが嫌だからって注意しない奴は友達じゃねえ!
 絶対に、心の友ならしねえ行為なんだよ!!!」
歯をむき出しにして、ジャイアンが熱弁した。

思えばジャイアンが町の子供たちを圧政していた頃。
冴えないのび太が、突然未来の強力な道具により『ジャイアン王政』を崩した。
だが、それはジャイアンにとってもいいことだったのだ。
そのお陰でジャイアンは、『心の友』と呼べる者が得られたのだから――
249挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/19(月) 23:35:40 ID:???
「ルカリオ!はどうだん!!」
ササに有無を言わさず、光球がアブソルを襲う。
呆気に取られているササの脇で、アブソルが悶えた。
「……く、サイコカッター!」
声を取り戻したようにササは指示を出す。
「ルカリオ!かわしてメタルクロー!」
素早い足のステップで、ルカリオは身を翻す。
衝撃波が土煙を上げると共に、ルカリオはダッシュする。
まっすぐ、アブソルへ向かって――
「みきり!」
間一髪、アブソルは見切った。
メタルクローはアブソルの顔があった位置を貫く。
アブソルは空中へ跳んでいた。
「ルカリオ!跳んではどうだんを当ててやれ!」
後足が地面を強く蹴り、ルカリオは突撃する。
手に力を込めて、上にいるアブソルへ。
「アブソル!かみつく!」
ササの指示。
アブソルの歯が、ルカリオの右肩を噛んだ。
「そのままサイコカッターごと叩きつけろ!」
「ルカリオ!特大のはどうだん当ててやれ!」
白と青の体がぶつかり合い、衝撃波と光球が弾き合い、そのまま落下して――

濛々と粉塵が爆発的に広がる。
轟音を伴い、二体が地面に叩きつけられたのだ。
250挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/19(月) 23:36:22 ID:???
投下終了。
では。
251名無しさん、君に決めた!:2007/03/19(月) 23:36:58 ID:???
誤爆ですた
252名無しさん、君に決めた!:2007/03/19(月) 23:41:36 ID:???
253名無しさん、君に決めた!:2007/03/19(月) 23:42:00 ID:???
今までfuckとか書いてたの俺だ。スマンかった。
アンタの小説読んでみたけど面白かったよ。
254名無しさん、君に決めた!:2007/03/19(月) 23:45:02 ID:???
255名無しさん、君に決めた!:2007/03/20(火) 11:23:02 ID:???
現在の状況をうまく使い切れてない
初代を見習え
256ポケモンとのび太とノートと ◆C1aEnJaUS2 :2007/03/20(火) 17:26:05 ID:???
これから投下します。
さっき間違ってAAスレに投下しちゃいました
257ポケモンとのび太とノートと ◆C1aEnJaUS2 :2007/03/20(火) 17:27:39 ID:???
トシミツは言う。
トシミツ「本当なら戦いは嫌いなんだ。
力ずくで相手を従わせても相手の「心」は従っていないんだ。
「心」を手に入れなければ本当の服従関係は生まれない。
しかし、君は私の計画をどうしても邪魔しようとする「言っても無駄な敵」だ。
言って駄目なら行動で分からせる……。いくぞ!
ニョロボン、ハイドロポンプ!」
ニョロボンの腹部から激流が飛び出し、ドラえもんを襲う。

ドラえもん「そんなの効かない!
行けッ!キマワリ!受け止めろ!」

ドラえもんはそれに対応してキマワリを繰り出す。
ハイドロポンプがキマワリに命中するが、タイプのせいか思った様なダメージは与えられない。

ハイドロポンプを堪えたキマワリは攻撃に転ずる。

ドラえもん「はっぱカッターだ!」

トシミツ「遅い!ニョロボン、さいみんじゅつ!」
キマワリの行動の前にニョロボンの「さいみんじゅつ」がヒットし、キマワリは眠ってしまった。

しかし、ドラえもんは動じない。
ドラえもん「眠りか……。本来なら厄介だけど、これはなんでも有りの実戦。
眠気覚ましで簡単に対処出きる!」

ドラえもんはキマワリの眠り状態を解除する。

ドラえもん「眠りは無駄だよ!!!」
258ポケモンとのび太とノートと ◆C1aEnJaUS2 :2007/03/20(火) 17:28:47 ID:???
得意気に笑うドラえもん。
しかし、トシミツはそれを見ても今だ余裕の表情を浮かべている。
それに少しドラえもんは不気味さを感じた。
トシミツが言う。


トシミツ「眠らせた事が無駄だって?果たしてそうかな?
ニョロボン、キマワリに「じわれ」だ」

ニョロボンが飛び上がり、床に衝撃を放つ。
その衝撃で床に破れ目が生じる。
そして、その裂目は一直線にキマワリの方へと向かっていき、キマワリに直撃した。
ドラえもん「キマワリ!!」
ドラえもんはキマワリに駆け寄る。

ドラえもん「一撃技にも関わらずこの正確さ………さては「こころのめ」か!!!」ドラえもんが叫ぶ。

やられた原因はすぐに分かった。
恐らく「さいみんじゅつ」を使ったのはこちらに「こころのめ」を決める為の隙を作るためだろう。
(敵)さいみんじゅつ→(ドラ)眠り→(ドラ)眠気覚まし
といった流れでこちらが一動作分無駄な動きを取らざるを得なくなる。
多分その間に「こころのめ」を決められたに違いない。
259ポケモンとのび太とノートと ◆C1aEnJaUS2 :2007/03/20(火) 17:29:35 ID:???
キマワリに駆け寄ったドラえもんは、キマワリの容態を確認し苦い表情を浮かべる。

ドラえもん「くっ!元気の欠片を使わないと……」
ドラえもんはその場でキマワリの回復をしようとした。
しかし、それがいけなかった。
ドラえもんの足元からピシピシと破滅の音が聞えだした。

「じわれ」の影響で床が崩れかけているのである。


ドラえもん『ヤバイ……。このままじゃ……床が抜けて………。』

トシミツはニヤリと笑い、指示を出す。
トシミツ「いい案配じゃあないか。
まあ、ここから床に落ちても死にはしないよ。
ニョロボン、もう一度じわれだ。
このフロアの床を崩せ。」

ドラえもん「うわあああああ!!!」
無情にもドラえもんの足場は崩れ去り、その体は瓦礫と共に四階フロアに叩きつけられた。
260ポケモンとのび太とノートと ◆C1aEnJaUS2 :2007/03/20(火) 17:32:05 ID:???
ガラッ。
四階フロアの瓦礫を払い除け、ドラえもんが姿を現す。

右腕が少しショートしていたが、気にしてはいられない。
すぐに追撃が襲ってくることは目に見えているからだ。
ドラえもんは辺りを警戒する。
ドラえもん『この階に奴がいる気配は無い……。
と、いうことはまだ上に居る。』
ドラえもんは思考を巡らせる。

さっきのでポケモン自体の実力の差は余り無い事が分かったが、戦いの経験からくる戦術レベルの差が違い過ぎる事も明白になった。
少々卑怯だが、もう秘密道具に頼るしかない。
恐らく次の手は階下へのハイドロポンプである可能性が高いだろう。
すると少々マズイ事になる……。


ドラえもんはショートを起こしている右腕をチラリと見やる。
そこを水に浸けたらどうなるかは言うまでも無いだろう。

ドラえもんはポケットからひらりマントを取り出すと、上を向いて身構えた。

ドラえもん『さあ、来い。はね返してやる!』
ドラえもんが上を睨みつけたその瞬間だった。
階段の方からガラリという音が聞こえた。
261ポケモンとのび太とノートと ◆C1aEnJaUS2 :2007/03/20(火) 17:33:13 ID:???
誰かがこの階に侵入したらしい。
だが、それは100%トシミツではない。
音が聞こえたのは上からではなく、下からの階段だからだ。

ドラえもん『まさか……のび太君?助けに来てくれたのか……?』
ドラえもんは一瞬、援軍を期待した。

しかし、ドラえもんの期待は無惨に打ち砕かれる事になる。
現れたのはメガネの冴えない少年ではなく、長身の銀髪男だったのである。
ドラえもんはそいつの名を叫んだ。
ドラえもん「お前は………コウ……!!!」
262ポケモンとのび太とノートと ◆C1aEnJaUS2 :2007/03/20(火) 17:34:00 ID:???
今日はここまでです。
そろそろ終わるかな?
263名無しさん、君に決めた!:2007/03/20(火) 17:57:41 ID:???
264名無しさん、君に決めた!:2007/03/20(火) 18:24:16 ID:???
いいとこで止めやがって・・・
265名無しさん、君に決めた!:2007/03/20(火) 20:14:40 ID:???
otu
266ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/20(火) 21:07:49 ID:???
投下します
267ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/20(火) 21:08:25 ID:???
熱戦の続くドームを照らす夕焼け。
空は茜色に染められていた。

ドーム観客席。
「凄いや、二人とも……」
目を丸くして闘技場を見るのび太。
今戦っているのは出木杉とミツルだ。
お互い2匹のポケモンを失っていて、互角の戦いを見せている。
「まさか、あの出木杉と互角に戦えるほどだったとはね」
スネ夫が呟いた。

「いけ、エネコロロ!」
「サーナイト!」
出木杉はサクラビスとボーマンダ、ミツルはロゼリアとレアコイルが瀕死状態だ。
「サーナイト、サイコキネシス!」
「シャドーボールだ」
繰り出される両者の攻撃。
だが、どちらの攻撃も相手の体力を奪いきることは出来なかった。
『スピードはサーナイトの方が上だ。次のサイコキネシスで確実にエネコロロは倒せる』
頭の中で次のターンの計算をする出木杉。
だが、その予想に反して先に動いたのはエネコロロだった。
「シャドーボール」
黒い玉はサーナイトに直撃し、その体力を奪った。
268ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/20(火) 21:10:40 ID:???
「……そんな!どういうことだ?」
驚く出木杉。
すると、ミツルが口を開いた。
「僕はエネコロロにカムラの実を持たせていたんですよ」
カムラの実。ピンチの時に素早さをあげる効力を持つ木の実だ。
出木杉はチッと舌打ちすると、次のボールを放った。
「いけ、ネンドール」
出てきたのは土偶、ネンドール。
「エネコロロ、シャドーボール」
「地震だ!」
エネコロロはネンドールにダメージを負わせるも、地震攻撃で倒されてしまう。

「出ろ、チルタリス!」
ミツルが次に選んだポケモンはチルタリス。
それを見て、出木杉は口元を歪ませた。
「ふふ……ネンドール、大爆発だ!」
出木杉がチルタリス相手にとった行動は大爆発。
これが決まればミツルは残り1匹、こちらは残り2匹で有利に立てる。
――のだが、ミツルの戦略はその上をいっていた。
「そんな……」
口をポカンを開け、立ち尽くす出木杉。
そこには力尽きたネンドールと、無傷のチルタリスがあったのだ。
269ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/20(火) 21:11:21 ID:???
立ち尽くす出木杉を見て、ニヤニヤと笑うミツル。
「あなたが大爆発をする前に、僕はチルタリスにまもるを命令してたんですよ」
「し、しまった……」
出木杉は自らの判断ミスによって、ネンドールを無駄死にさせてしまったのだ。
試合は完全にミツルペースだ。

ドーム観客席。
「あの出木杉が押されてるなんて……」
信じられない、という表情のスネ夫。
スネ夫だけじゃない。のび太としずか、それにジャイアンも驚いていた。
無理もないだろう。皆の中で一番強い出木杉が苦戦しているのだから……。

舞台は闘技場へ。
「いけ、リザードン!」
まんまと嵌められて困惑している出木杉が出したのはリザードン。
『リザードンなら効果抜群の攻撃は受けないハズ。ドラゴンクローで倒してやる』
出木杉はリザードンでチルタリスを倒し、レックウザで確実に最後のポケモンを倒すつもりなのだ。
『最後は最高のポケモンで決めてやるさ』
出木杉はレックウザの入ったボールを眺めながら、薄ら笑いを浮かべた。
270ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/20(火) 21:11:58 ID:???
「ドラゴンクロー!」
リザードンの攻撃がチルタリスを襲う。
だが、チルタリスも負けじと技を出す。
「チルタリス、歌う!」
歌うは命中率の低い技だが、運良くリザードンに当たってしまう。
「ふふ、眠ってるんじゃ何もできないね」
勝ち誇ったような笑みを浮かべるミツルだが、出木杉は動じない。
いや、寧ろ笑っているように見えた。
「リザードン!」
出木杉が叫ぶと、リザードンの眠気は消えていく。
「なるほど、眠気を覚ます木の実というわけか……」
眠気を覚ましたリザードンの二撃目が決まり、チルタリスは倒れた。

「凄いね、君。まさか、僕の最後のポケモンを出す事になるとはね」
チルタリスを戻し、最後のボールに手をかけるミツル。
そして、それを空高く放り投げた。
「これは……!」
そのポケモンの威容に驚く出木杉。
会場全体に響き渡る咆哮と共に出てきたのはミツルの切り札、カイリューだった。
271ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/20(火) 21:12:51 ID:???
巨大な両翼を羽ばたかせ、砂埃を巻き上げるカイリュー。
その威圧感は凄まじかった。
『凄い、このカイリュー……』
カイリューの巨体に臆しながらも、出木杉は指示を降す。
「リザードン、ドラゴンクローだっ!」
効果抜群の攻撃を食らうカイリューだったが、そんなに効いていない。
カイリューは素早さこそ低いものの、破壊力と耐久力はかなり上位にランクインするほどなのだ。
その上、ミツルはカイリューに食べ残しを持たせている。
「カイリュー、電磁波から空を飛ぶだ!」
リザードンに電磁波を浴びせ、空高く飛翔するカイリュー。
対して、リザードンの攻撃は空を切ってしまう。
「今だカイリュー、空を飛ぶ攻撃!」
空中からリザードン向かって勢い良くぶつかるカイリュー。
リザードンはかなりのダメージを負った。

ドーム観客席。
「かなりやばいぞ。リザードンは電磁波によってマヒさせられているし、あっちには食べ残しがある」
真剣な眼差しで勝負を見つめるスネ夫。
電磁波などの相手の動きを抑制する技や、空を飛ぶのようなターン数をかけさせる技は食べ残しと相性がいい。
それは、対ジャイアン戦で同じ戦法を使ったスネ夫が一番良くわかっていた。
「このままじゃ、出木杉が負けるかもしれない。あの出木杉が……」
272ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/20(火) 21:13:30 ID:???
「トドメだ、カイリュー!」
二発目の空を飛ぶが決まり、ついにリザードンが沈む。
「くそっ……」
うつむきながら歯ぎしりする出木杉。
巧みな戦術によってリザードンの攻撃は抑制され、ほとんど何も出来ないまま倒されてしまったのだ。
しかも、ミツルのカイリューは食べ残しによってその体力を回復させている。

「戻れ、リザードン」
リザードンをボールに戻す出木杉。
そして、最後のボールに手をかける。
レックウザの入ったボール――マスターボールに。
「最後はお前だ……レックウザッ!」
とぐろを巻き、体を捻らせながら現れる緑色の竜――
出木杉の切り札、レックウザがフィールドに解き放たれた。
「へえ……そんなポケモン持ってるんだ」
感心するように言うミツル。
「コイツが僕の切り札さ。そう簡単には倒せないよ」
「さあ、どうかな?」
自信あり気に言う出木杉に対し、ミツルが挑発する。
「なら、試してみるか……!」
それと同時に、レックウザが動いた――
273ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/20(火) 21:14:25 ID:???
「レックウザ、ドラゴンクロー!」
猛スピードでカイリューに突っ込み、重い一撃を与えるレックウザ。
さすがのカイリューも、この攻撃はかなり辛いようだ。
「へえ、中々強いね……カイリュー、電磁波だ!」
攻撃を終えたレックウザに電磁波を浴びせるカイリュー。
そして、更に指示が降される。
「ドラゴンクロー!」
今度はカイリューがレックウザに攻撃する。
「レックウザ!」
悲鳴を上げ、苦しむレックウザ。
「ドラゴンクローだ!レックウザ!」
出木杉が指示を出すも、レックウザは動かない。
その周囲には電光が走っていた。
「……くそっ!」
チッと舌打ちをする出木杉。
そう、レックウザが動けないのは麻痺状態によるものだ。
「モタモタしてる内に決めさせてもらうよ!トドメのドラゴンクロー!」
レックウザ向かって突っ込んでくるカイリュー。
それと同時に、出木杉は顔をうつむける。
『この一撃を食らえば、レックウザは倒れる。僕の負けだ……』
次の瞬間、カイリューはレックウザに手刀を振り下ろした。
274ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/20(火) 21:14:57 ID:???
「やったか!」
歓喜の叫びを上げるミツル。
だが、カイリューの攻撃はヒットしていなかった。
「よし!」
さっきまでとは一変、笑顔になる出木杉。
レックウザの周囲にはキラキラと煌びやかに光る粉が鏤められていた。
「これは……光の粉かっ!」
「ご名答。ようやく発動してくれたか……」
そう、出木杉がレックウザに持たせていたのは光の粉。
持たせると、相手の命中率が下がるという代物だ。
「これで……僕の勝ちだ」
歯噛みするミツルを他所に、言い放つ出木杉。
「いや、これでも僕の勝ちだ。ドラゴンクロー一発じゃカイリューは倒れない」
ミツルの言い分はもっともだ。
食べ残しによってカイリューの体力はかなり回復している。
「君は大きな見落としをしている。このターン、レックウザは2度攻撃できる……」
「2度攻撃?そんなの先制技でもなければ……そうか、先制技か!」
出木杉の意図を悟り、敗北を確信するミツル。
次の瞬間には攻撃命令が降されていた。
「レックウザ、ドラゴンクロー!」
まず、第一撃目。そして……
「これで終わりだ……しんそく!」
猛スピードで風を切り、カイリューにぶつかるレックウザ。
その瞬間、カイリューはその巨体を地へ落とす。
「勝者、出木杉!」
275ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/20(火) 21:16:15 ID:???
投下終わり。
276名無しさん、君に決めた!:2007/03/20(火) 21:22:51 ID:???
277名無しさん、君に決めた!:2007/03/20(火) 21:40:45 ID:???
278携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/20(火) 22:14:46 ID:???
ルビー氏乙です。もう少しで終わりですねぇラストスパートっすよ!

ワタリ氏には絵なら勝t(ry)
と思いこんでる携帯獣です。
さて、自分の作品も二章に突入です。
読者の皆様、そしてぇっ自分自身も楽しめる作品を心がけていこうと思います。
投下開始ィ!!!(ハイテンションでスマソ)
279携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/20(火) 22:15:32 ID:???
『ドラえもんのび太の携帯獣冒険記』
第二章 ♯第一話 「初歩」

のび太、ドラえもん、オリー、しずか、スネ夫の五人が真の仲間になってから一週間後。
彼等はジャイアン捜索がてら、ジムに挑戦したり、ポケモンの育成をしていた。
オリーはなんとなく、のび太達への態度が少し和らいだようで、地球のことにも興味をもち始めていた。
「……じゃあ、ドラえもん君は、今から100年後の地球で造られたの?」
今、のび太達はカイルンシティ、404番道路を抜け、コダマタウンに到着し、
レストランで昼食を取っている。
「そう!僕は科学文明の22世紀の英知のけっしょうなのです!」
ドラえもんが自信たっぷりに言う。
「嘘ばっかり、オリーちゃん、こいつほんとは中古なんだよ」
「おまけにネズミに耳かじられちゃってさ、ほんと猫じゃないよね」
のび太とスネ夫が冷やかす。
「言ったなあ!」
ドラえもんが割り箸を投げつける。オリーとしずかはそんな三人を微笑ましく見るのだった。


ネクロムシティポケモンセンター。
その一室に泊まっていたジャイアンは今まで集めた三つのバッジを眺めていた。
「サザン、バーナ、クレイバッジ……残り五つで俺は……」
ジャイアンは「あの日」の出来事を思い出していた。
280携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/20(火) 22:16:07 ID:???
『ドラえもんのび太の携帯獣冒険記』
第二章 ♯第二話 「回想」

「あの日」とは、ジャイアンの様子が変になった日のことだ。
ジャイアンは、スイセンに負けた悔しさをバネに、単独で特訓していた。
「よし、いいぜ!グラエナ」
ジャイアンは傷薬などをどっさり買い込んで、森の奥に潜む強いポケモンたちと戦っていた。
ゆうに十五、六匹は倒し、ポチエナはグラエナに、ズガイドスはラムパルドに進化していたのだ。
ジャイアンの戦闘センスは目を見張るものがあったのだ。
「そろそろ、いいだろう。あのスカした兄ちゃんをギャフンと言わせてやる」
ジャイアンは勇み足で森を出た。


「ん?あれはトレーナーか?」
ジャイアンは赤黒い髪で、黒い服を着た自分より少し年上の男を見つけた。
腰のホルダーにはモンスターボールがある。
「こいつはラッキーだ、あいつで俺様の力試しだ!」
ジャイアンはそう呟くと、男に近づいていった。
「おう、兄ちゃん、俺と勝負してくれよ!」
ジャイアンは気軽に声をかけた。
男はその声に振り向いた。男の顔はスラリとして色白で、目は鋭く瞳は髪と違い、鮮やかな赤で、
なにか恐怖を感じさせるものがあった。
「……いいけど」
「決まりだな!行け、グラエナ!」
ジャイアンはグラエナを繰り出した。
281携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/20(火) 22:16:46 ID:???
「お前、ごり押しタイプか」
男はニヤリと笑い、ヘルガーを繰り出した。
「グラエナ、かみつけ!」
グラエナは猛然とヘルガーに突進していく。
しかし、ヘルガーは何も動じず、ただグラエナを睨みつけていた。
グラエナの牙が、ヘルガーの首筋に食い込んだ。
「よっしゃあ!そのまま投げ飛ばせえ!」
グラエナは首を振りヘルガーを持ち上げた。
「よし、そのまま」
「かえんほうしゃ」
ヘルガーはグラエナの顔目がけ火炎を放った。
グラエナは短い悲鳴を上げ、その場に倒れ、動かなくなった。
「え?ちょっ……あれ?」
ジャイアンはグラエナが負けたことに実感を持っていないようで、混乱している。
「な、何でだよ!グラエナ押してたじゃんか!なんで負けんだよ」
ジャイアンは地団駄し、グラエナをボールに戻した。
ジャイアンは次にラムパルドを出した。
「ラムパルド、げんしのちからで吹き飛ばせ!」
ラムパルドは岩を持ち上げ、ヘルガーに向けて投げ飛ばした。
「アイアンテール」
ヘルガーはしなやかな尾を硬化させ、岩を砕いた。
「このやろお!かいりきで押しつぶせ!」
ラムパルドはヘルガーを殴りつけた。ドゴっという鈍い音がしたが、ヘルガーは全くの無傷だ。
しかも、ラムパルドの拳はヘルガーのシンボルともいえる、2本の角により挟まれている。
「カウンター」
ヘルガーはラムパルドの腕が挟まったままの状態で、前方に駆け出した。
もの凄い力で、ラムパルドは押され、倒れこんでしまった。
ヘルガーは倒れたラムパルドの腹の上に乗り、勝利の遠吠えを上げた。
282携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/20(火) 22:17:37 ID:???
ヘルガーは遠吠えを止めると、死なない程度の力でラムパルドの首筋に噛みつき、意識を奪った。
「そ、そんなあ……」
ジャイアンは地面にガックリと膝を落とした。
男はヘルガーの頭を軽く撫で、ジャイアンに近づいてきた。
「顔を上げろ」
「な、なんだよ……賞金か?」
男はゆっくりと首を横に振った。
「そんなもんはいらん、余るほどあるからな……それよりお前に聞きたいことがある」
「何だよ」
「『地龍の巣窟』って場所、知ってるか?」
ジャイアンははっとした。オリーがそこに近づけてはならない敵がいると言っていたのを思い出したのだ。
「そんなん知らねえよ、第一、俺は駆け出しトレーナーだし」
ジャイアンは我ながら良い嘘をついたと自分を褒めた。
しかし、男は冷たい目でジャイアンを見下ろしている。
「……嘘なら許さんぞ?」
「う、嘘じゃねって!俺は今まで正直剛で通ってきたんだ!」
この時点で正直剛ではないが、男は舌打ちし、そっぽを向いた。なんとかはぐらかせたようだ。
「そうだ、なら新米駆け出しトレーナーにアドバイスをやろう」
男は再びジャイアンを見据えた。
「お前、嫌われ者だろ?」
男はニヤリと笑い言った。
283携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/20(火) 22:18:27 ID:???
「はあ、何言ってやがる?俺は」
「それも、相当嫌われ者だな。そうだな……暴力に強奪に……クク、ゲス声で騒音の源か」
男はジャイアンの「地球」での様子を全て見抜いているようだ。
「どうしてこんなことになるか、それはすべてお前が悪いからだろ?」
「う、うるせえ!」
ジャイアンは男の顔めがけ、拳を突き出すも、軽くいなされてしまった。
「図星なら分かってんだろ?お前は友達なんて居ないんだ、いても愛想笑い浮かべてる腰巾着くらいだろう」
「う、嘘だあ!スネ夫ものび太もドラえもんもしずかちゃんも……!」
「なら!今までそいつらにやってきたことを思い出してみな!」
ジャイアンは頭の中がグルグルしてきた。
(どうして、こいつは俺のことがわかる?どうして俺が嫌われ者だって……)
ジャイアンの脳裏には、のび太やスネ夫を殴ったこと、クラスの連中からマンガやゲームを取り上げたこと、
しずかの心を傷つけ、泣かせたこと……自分が犯してきた「負」の出来事がフラッシュバックしてくる。
「俺は……俺は……」
ジャイアンは頭を抱え込んで、崩れた。
男はジャイアンの震える肩を優しく叩いた。
「お前にとっておきの方法を教えてやろう、それは『絶対的な力』だ」
「『絶対的な力』?」
「そうだ。お前が完全な支配者となるには、今の中途半端な力では駄目なのだ。
中途半端だから嫌われる。だが、『絶対的な力』を持てば、お前は完全な支配者となり、
嫌ってきた連中も、今までとは違い、尊敬いや、崇めるような目でお前を称えるだろう」
ジャイアンの理性では、そんなことは間違っている!と、いうようにわかっていた。
だが、なぜかこの男の言うことがとても心地よく聞こえたのだ。
「なら、俺はどうすればいいんです?」
男は天使のような笑みでこう言った。
「この地方での力の象徴、ジムバッジを全て集めろ」
284携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/20(火) 22:19:16 ID:???


ジャイアンは「あの日」のことを思い出すのをやめた。
なんだかのび太達が今まで猫をかぶっていたようでムカついてくるからだ。
ジャイアンは次のジムを目指し、再び孤独な旅路に出た。
285携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/20(火) 22:19:50 ID:???
手持ち
のび太 モウカザルLv32 マスキッパLv33 ヤミカラスLv29
ドラえもん カメールLv34 ペルシアンLv35 パッチールLv30
しずか ピカチュウLv33 マリルリLv35 チェリムLv27 ガラガラLv29
ジャイアン グラエナLv40 ラムパルドLv42 キングラーLv38 ドードリオLv36
スネ夫 ニャルマーLv31 ブラッキーLv35 オオスバメLv30
オリー ミミロップLv50 エアームドLv44
286携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/20(火) 22:23:14 ID:???
投下終了です。
……こうして、新たな章に突入できたのも、
読者の皆様、wiki管様のおかげです。
本当にありがとうございます。

戦闘シーンは少しは変わったでしょうか?
ジャイアン失踪に少しは納得できたでしょうか?
戦闘、心理描写について、アドバイスを頂ければ幸いです。
ではでは。
287名無しさん、君に決めた!:2007/03/20(火) 22:27:49 ID:???

ジャイアンについてはかなり納得。
これでジャイアンが敵になるフラグが立ったな。
後は投下前のテンションは落とした方が良い。
ワタリ氏も携帯獣氏も絵はどっちもどっちだしな
288新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/20(火) 22:36:42 ID:???
挑戦者氏、ノート氏、ルビー氏、携帯獣氏乙です。
運良く?キリ番ゲットの新カントーです。
今から投下させて頂きます。
前回は>>227-234です。
289新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/20(火) 22:37:15 ID:???
サカキが言葉を終えて出したのはネンドール。
ドラえもんに唯一見せていたポケモンだ。
「そいつか……ウインディ、フレアドライブだ!」
炎を纏い突進するウインディ。
それは確実にネンドールに大きなダメージを与えている。
「トリックルームだ!」
サカキの指示を受けてネンドールは空間を歪ませる。
歪んでいく空間にウインディは居心地が悪そうだ。
「そいつはその為にいたのか……でもあの技は素早さに関係ないよ!」
ドラえもんの叫びに反応してウインディの姿が消える。
「……神速か。ネンドール、大爆発だ!」
指示を出すサカキ。
だがネンドールは指示には答えない。
ネンドールはウインディの姿が見えると同時に倒れたのだ。

観客席ロビー

「サカキさんが負ける……こんな簡単に?」
しずかは驚きを隠せない。
「つええ……強すぎるぜドラえもん」
ジャイアンは絶句する。
「トリックルーム……出てくるのは何だ?」
一人で考えるスネオ。
「……」
『ドラえもん……僕の戦闘の前に真相を明かしてもらうよ。
 とぼけるようだったら……僕は君を壊す』
のび太は無言で決意する。
考えてる中、レベルの高い戦闘に魅入られる四人。
外から聞こえる轟音には、誰も気付く事はなかった。
290新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/20(火) 22:37:54 ID:???
「ドサイドン!」
プロテクターを着けたポケモン、ドサイドン。
その巨体は出ただけで大地を揺るがす物だ。
「そいつが居るのか……ウインディ、神速だ!」
指示を出した直後、ウインディは姿を消す。
ドサイドンは衝撃を受けるが、気にする様子は無い。
「その程度で倒れると思うのか? ドサイドン地震だ!」
地面を叩きつけて大地を揺るがすドサイドン。
その攻撃はウインディを捕らえた。
衝撃を受けて崩れ落ちていくウインディ。
ドラえもんのエースは遂にここで倒れた。

「ご苦労様、ウインディ」
労いの言葉をかけてウインディをボールに戻す。
『相手はドサイドン、ハピナスでカウンターでも狙うか……
 いや、過信は駄目だ。ここは確実に二手で倒せるように……』
ボールを取りながら考えるドラえもん。
もう先程までの余裕に溢れた顔は無い。
その様子をサカキは満足そうに見る。
『サカキさん』
「!」
脳に響く声に一瞬途惑うが表情には出さないサカキ。
『何だ、D』
『いや、ソラがもう牢獄に来ちゃったんだけど。どうにかしてくれない?』
『といってもな……私は何も出来ぬし……お前のほうで何とかできないのか?』
『こっちは演出に忙しいんだ、それに色々警戒もしなきゃいけないし』
『むう……カイに相談して判断を取ったらどうだ?』
『そうだね……それが一番かな。頑張ってね、戦闘。後、あいつは使っちゃ駄目だよ』
『わかっている。では戦闘も始まるようだ、後はそちらでどうにかしてくれ』
サカキはドラえもんが投げたボールを見て会話を中断する事にした。
291新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/20(火) 22:39:02 ID:???
「ハピナス!」
ドラえもんが出したのは卵を抱えたかわいらしいポケモン、ハピナス。
「さて、歪んだ空間も時間に制限がある。素早くいかせて貰うぞ!」
サカキは叫びドサイドンは声を上げる。
「地震だ!」
「水の波動!」
地面を叩きつけるドサイドン。
その揺れは確実にハピナスから体力を奪う。
ハピナスも水の波動を当ててドサイドンにダメージを与える。
だが一撃で相手を倒す事も無かった。
「続けて地震だ、ドサイドン!」
地面の揺れは確実にハピナスを捉える。
今度の揺れで、流石にハピナスは倒れた。

「次は君だ、トゲキッス!」
ドラえもんが次に選んだのは、トゲキッス。
「草結びだ!」
「ストーンエッジ!」
ドサイドンがトゲキッスに近づいて腕を振り上げる。
そのまま叩きつけた腕はトゲキッスをとらえた。
だがトゲキッスも一撃では倒れない。
そしてドサイドンの足元を草が覆う。
ドサイドンは草につまずいて転ぶ。
序句点の攻撃を受けたドサイドンが起き上がることは無かった。
292新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/20(火) 22:39:45 ID:???
「ハハハハハ! 愉快だ! これほど愉快なことなどあるものか!」
ドラえもんを見て笑い始めるサカキ。
「私がここまで追い詰められたのは何時以来だろう!?
 私にこいつを出させるのは誰以来だろう!?
 ……残念だ。この戦闘がもう終わるのが残念だ。
 だがそうも言ってられない。私達にはもう時間が無いのだから」
サカキは手に取ったボールを手に慣らすように軽く上に浮かばせる。
「決着をつけるのは僕も淋しい……でももう終わらせるよ!」
ドラえもんもサカキの笑いに笑顔で答える。
「私の勝ちか? お前の勝ちか? 全てはこいつが倒れてから決まる事だ!」
しっかりと掴んでボールを投げるサカキ。
出てきたポケモンはドラえもんには見えない。
何故ならフィールドを砂嵐が覆ったからだ。

「最後がバンギラスとはね……」
ドラえもんがトゲキッスを見つめる。
『異空間の時間も残りわずか……奴の最後のポケモンはメタグロス。
 バンギラスにあの技を指示するか……格闘半減の実を持たせているから一回は確実に耐えるだろう』
サカキは考えを決めて力強く拳を握り締める。
「波動弾!」
「踊れ、バンギラス! 龍の舞だ!」
黄色い弾を作り出してバンギラスに撃つトゲキッス。
直撃するがバンギラスは気にする様子も無い。
神秘的な踊りを舞い終わり攻撃態勢に入るバンギラス。
「ハハハハハ! 圧倒的な破壊力を見せ付けろバンギラス! ストーンエッジだ!」
「格闘タイプの技であれだけしか聞かないなんて……トゲキッスもう一発だ!」
黄色い弾を作り出し放とうとするトゲキッス。
だが攻撃より先にバンギラスが腕を振り下ろす。
その腕を受けてトゲキッスは壁に叩きつけられ、そのまま地に落ちていった。
293新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/20(火) 22:40:44 ID:???
『一対一……僕のポケモンはメタグロス。
 あのバンギラスは龍の舞を一回舞っている……
 一撃コメットパンチを与えられれば致命傷に近いはずだ……
 でも……僕のメタグロスが耐えるのか? 負けるんじゃないのか?
 信じるしかない。僕とポケモンの絆を。
 そして……サカキさんとDの期待に答えてみせる!』
決意を固めてドラえもんは最後のボールを取り出す。
「いい目だ……それでこそ、我がライバルにふさわしい!」
『勝負は終わる……一対一。メタグロスが地震に耐えるか耐えないかだ!』
「メタグロス、頼むよ!」
最後に出てきた鋼鉄のポケモン、メタグロス。
ドラえもんのもう一匹の切り札だ。
「砕け散れ! 地震だ!」
「耐えてくれ! コメットパンチだ!」
足を叩きつけて地面を揺らすバンギラス。
周りの石像は全て倒れ、床にはヒビが入っていく。
だが揺れにも耐え切りメタグロスはコメットパンチを放つ。
しかし、バンギラスも倒れない。
両者が定位置に戻り、構える。
「私の勝ちだ! 終わらせろバンギラス!」
「僕の負けじゃない! これをバンギラスが耐えるかだ!
 行け、メタグロス! パレットパンチだ!」
高速の動きでバンギラスに攻撃するメタグロス。
拳がバンギラスに直撃する。
だが―― バンギラスは倒れなかった。
294新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/20(火) 22:41:25 ID:???
「……負けたか」
ドラえもんが俯いて呟く。
その呟きに笑うサカキ。
「くく、負けだと? 負けではない。お前の勝ちだ」
サカキが言葉を言うとバンギラスを見るように指示を出す。
「!」
ドラえもんは驚いてそれを見た。
バンギラスは立ったまま気絶していたのだ。
ボールにバンギラスを回収してサカキは後ろを向く。
「惜しい……私が本気で戦えればもっと面白かっただろうに」
「……サカキさんの本当の切り札は・・・・・ですか?」
ドラえもんはその呟きに頷いて尋ねる。
サカキは後ろを向いたまま答える。
「……ああ、そうだ。
 そして、私の右腕で親友が対となる・・・・・を持っている。
 本来そいつは奴の妻の物で奴はそれらの上位の・・・・・の使い手だ。
 妻が死んだ時に部下が上司を超えたらいけないとか言いだしてあいつはそいつを使うのを止めた。
 ……私からすれば、ただ妻の物を使う為の言い訳にしか見えないがな」
サカキは苦笑してその場の石像を起こし始める。
「私はもう少しここに残る。お前は最後の戦いを見届けて来い」
「わかった。僕は行くよ……サカキさん」
ドラえもんが目を潤まして、名前を呼んだ。
「何だ?」
「全部が終わったらまた戦おうね! 今度こそ全力で!」
その叫びにサカキは笑う。
そして、襟を正してドラえもんを見つめた。
「願っても無い事だ。また宜しく頼む」
ドラえもんは言葉を聞いて、笑ってワープゾーンに飛び込んだ。
295新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/20(火) 22:42:09 ID:???
決着

ドラえもん ウインディLV95 ギャラドスLV88 メタグロスLV91

      ハピナス LV85 ソーナンスLV85 トゲキッスLV86

サカキ   カバルドンLV87 フライゴンLV85 グライオンLV85

      ネンドールLV85 ドサイドンLV92 バンギラスLV95

四回戦ドラえもん○―×サカキ

番外戦出木杉対ソラ
296新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/20(火) 22:44:31 ID:???
投下終了。
>>291の最後の行の最初の意味不明な字は弱点です。
……後この戦いは二回後の投下に持ってくる気でしたが長引かせるのも無駄と思って辞めました。
ではまた投下時に。
297挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/20(火) 22:46:51 ID:???
みんな乙。
投下開始。
298挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/20(火) 22:47:39 ID:???
……やがてその場が澄み渡っていく。
ジャイアンの目にもはっきり映った。
ルカリオとアブソルが、重なり合って倒れているのを――
「同士討ちか……」
ジャイアンは呟きながらルカリオをボールに収める。
ワンテンポ遅く、ササもアブソルを戻した。
「テッカニン!」「ストライク!」
繰り出された二体は互いに睨み合う。

(……何なんだ、こいつは)
ササの思考が疑問を上げる。
ミヤのことを警察に突き出さなかったのも、ジャイアンの言ったとおり。
警察がミヤを捕まえてくれれば、それで済むと思ったから。
そして、ミヤは捕まり、その後脱獄した。
だから自分で制裁を――
(それは俺のわがままなのか……)

「テッカニン、きりさくだ!」
瞬間飛び込むテッカニンの先。
佇む相手に刃が触れる瞬間。
赤い光が、ストライクを包んだ。
「!?……え」
空を切るテッカニンの攻撃を見ながら、ジャイアンは目を見開く。
299挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/20(火) 22:48:23 ID:???
「終わりだ」
ササが一声告げ、銀のメダルが投げられる。
弧を描きながらそれはジャイアンの前に落ちた。
「すまないな。こんな戦いさせてしまって……
 私は間違っていたようだ」
そう告げると、ササは立ち去ろうとする。
ジャイアンは銀メダルを拾い、そして
「待てよ!」
と一声掛けてササの元へ向かう。
振り返るササにメダルを突き出す。
「俺はいらないよ。
 あんたも十分強かったからな!」
目を見開くササ。
ジャイアンは微笑みながら、返答を待つ。
すると、ササもにっと笑い、メダルを受け取った。
「私は先にドームへ向かおう。
 お前も勝ち残れよ!」
ササはそう言って、山を降りていった。

「とりあえずは……助かったみたいだ」
ジャイアンは冷や汗を拭う。
(危なかった……俺の中で残っているのはテッカニンと……)
ジャイアンはボールを確かめる。
コドラ、ルカリオ、テッカニンのボール、そしてその脇にもう一つ。
(こいつだけだ……)

その問題児がもうすぐ日の光を浴びることになるとは、ジャイアンはまだ知らない。
300挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/20(火) 22:49:02 ID:???
東の山道――
逆巻く『ほのおのうず』が木々を焚きつける。
燃え盛る炎が辺りを紅で包み込む。
戦いはどんどん激しさを増していく。
ふと、二体の巨石が宙に浮かび上がった。
(……『じゅうりょく』の効果が切れたんだ!)
舌打ちしながら、ユリはボールに手を掛ける。
(またハスブレロを戻してピッピを――)

「ハッハァ!!」
突如茂みから飛び出してきたスキンヘッズ。
ユリと、ユウトの視線もそいつに向けられた。
「俺の名はジョウ!
 今さっきメダルを取られたリーグ関係者と出会ったぁ!
 さあ、メダルを持っているのはどっちだぁ!?」
(!チャンス)「あっちよ!!」
ユリはすかさずユウトを指す。
「え?えぇ!?」
不意を突かれたユウトを後に、ユリは駆け出す。
ハスブレロもバクーダもしっかり戻して――

「よおし、こっちだな!」
ジョウはにやりと笑いながらユウトの前に立ち塞がる。
「行け、カゲボウズ、コロボーシ、チェリンボぉ!!」
一気に三体のポケモンがジョウによって繰り出される。
「あいつからメダルを奪えぇ!!」

飛び掛るポケモンたちも、それを指揮するジョウ自身も気づいていなかった。
ユウトが笑っていることに――
301挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/20(火) 22:49:48 ID:???
「……ふう、危なかった」
大分駆けた所で、ユリは木に支えられて一息つく。
(あのままじゃ危険だった。
 ダブルバトルのせいかしら。かなり強かった……
 ま、速くドームへ戻っちゃえばいいんだけどね!)
ユリは思考を切り替え、ドームへ向かっていく。

「……ちょっと聞きたいんだけどさぁ」
ユウトはメダルを弄りながら言う。
「な、なんだ……」
下敷きにされているジョウは、痛々しげに聞き返す。
辺りに散らばる三匹とも、ジョウのポケモン。
今は『さいみんじゅつ』のあとの『ほのおのうず』により瀕死状態。
「どうしてメダルを持っているのに僕のメダルを欲しがったの?」
「……あ、ああ。簡単なこと。
 メダルを余分に持っておけば、もしも強敵に出会った時にも逃げられる。
 そのほうがライバルも減らせ……ぶっ!」
ユウトはジョウの顔を足蹴に地面に降り立つ。
「ふうん。やっぱりそうか」
頷くユウトの後ろで、ジョウがゆっくり立ち上がる。
「こ、の……くそ野ろ」「さいみんじゅつ」
ルナトーンの目が光り、ジョウは白目をむいて倒れた。

「やっぱり、同じことを考える人もいるんだねえ」
ユウトの弄ぶメダルは二つあった。
両方とも銅色のメダルだ。
302挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/20(火) 22:50:27 ID:???
少し時間を戻し――
ドーム入り口――
(しめしめ、現れたぞ……)
スネ夫は段々と近づいてくる男を見つけた。
間違いなく銅メダルを持っている。
(あと少し……もうちょい近づいたら……)
男はにこやかに笑いながら走っている。
恐らく早い内にメダルを取れたことがうれしかったのだろう。
(ふふ、すぐに僕のになるけどね〜!)
男とドームの間には何も無い。
スネ夫は静かに、グラエナの『どろぼう』が出来る範囲を考えた。
(もうちょい、もうちょい……今!)
「グラエナ、どろぼう!」
繰り出されたグラエナは四肢を唸らせて飛び込んでいく。
その黒い毛並みを凝視する男。
そして――
「なに!?」
スネ夫が息を呑む。
グラエナと男の間に突然つるが伸びてきたのだ。
つるは男の体に結びつき、浮かび上がらせる。
グラエナもそこまで届かない位置に。
急いで辺りを確認すると、つるの先にマスキッパ。
それに二人の人影が見える。
(くそ!僕の獲物を!)
スネ夫は物陰から飛び出した。
303挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/20(火) 22:51:29 ID:???
投下終了。
多分四月になったら投下が不定期になる。
では。
304名無しさん、君に決めた!:2007/03/20(火) 22:57:20 ID:???
みんな乙
305ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/03/20(火) 23:00:47 ID:???
投下する
306名無しさん、君に決めた!:2007/03/20(火) 23:02:17 ID:???
サイクリングロード建設予定、206番道路には今度サイクリングロードが建てられるようだ。
柱のようなものがいくつか立っている。早くここを抜けて次の町に行くか……あれは?
『どうしてフカマルは出てこないんだよ!?』
「し、知らないよジャイアン!!迷いの洞窟にフカマルは出てくるのは本当だよ」
あれはジャイアンとスネオだ……どうやらフカマルが出現せずイライラしているようである。
『うるせーよ 俺様のポケモンになれるのがどれだけ幸せかわかんねーのか!?』
トレーナーに捕まるよりかは野生のほうがいいだろ……常識的に考えて……
「あ!あいつはナナシだよジャイアン 最初のバトルの怨みを晴らしてきなよ!!」
スネオの余計な一言でジャイアンがこちらに向かって来た、凄い形相だ。
「よぉ!ナ ナ シ く ん 早速だがポケモンバトル や ら な い か ?」
勝負を受けた、俺はゴルバットを出しジャイアンはハヤシガメを繰り出してきた。

数分後ジャイアンのハヤシガメは気絶になっていた。
『また俺様が負けた……今日はついてねー…のびたでもぶっ飛ばしてやる」
顔が真っ赤になり湯気が出てきた、ゴルバットが怯えてる…ハヤシガメより強そうだ。
ゴルバットが茂みの奥のほうに逃げ去っていった、おや洞窟がある。
「ジャ、ジャイアン!ゴルバットのほうを見てみてよ!!」
そう、迷いの洞窟のもう一つの入り口、茂みによって隠れていたのだった。
「そういえばフカマルは暗いところに生息してるって聞いたよ」
それをさっさと言えばいいだろ……まぁいいか…これで俺は。
「せっかくだしお前も一緒にフカマルを探してくれないか?」
ハァ……やっぱりか…どうせ断れないんだろ?
『じゃあ行くぞ!今からジャイアン探検隊 出発!!』
ジャイアン、スネオ、ナナシの三人のジャイアン探検隊が出発した。
307ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/03/20(火) 23:03:18 ID:???
『ジャイアン…暗いよ、怖いよ、何も見えないよ!!』
「う、うろたえるなスネオ!!俺だって前が見えないんだ。」
茂みに隠れていただけはあり光がいっさい入ってこなかった。
「こういうときになんとかするのが部下の仕事だろ!スネオかナナシがなんとかしろっ!」
隊長なんだから懐中電灯持参しろよ、ロトムを出し周囲に少し明かりが入った。
「よ、よくやったぞナナシ!お前をジャイアン探検隊の副隊長にしてやる」
よしっ!ジャイアン探検隊の副隊長に……なれたからなんなんだろう?
「スネオもこいつを見習え!お前は下っ端だ。」
スネオが俺のほうを睨みつけてきた……そんなにジャイアンに気に入られたいのか?
バチンッ……また野生のズバットが俺の顔に体当たりしてくる。いじめか?いじめは社会問題なんだぞ?
「それにしてもフカマルは出てこねーな……おいスネオ?本当にここに居るのか?」
『そ、そんなの知らないよ!?僕は暗いところに居ると言っただけであの洞窟に居るとは言ってない!』
「な、なんだとスネオ!!よくも俺様を騙したな!」
スネオが逃げ出しジャイアンがそれを追い掛け回した
、ロトムの明かりはそんなに遠くまでは届かない。
"ドンッ"何かにぶつかったようだ……こいつは…

ガバイト!?俺はどうやらガバイトにぶつかったようだ。
『おい!フカマルの進化系のガバイt』
ガバイトが俺に向かった突進してきた。
ロトムで対抗するもののすり抜けて結局俺にぶつかってきた。
まずい、早くリオルかゴルバットを……しまった…さっきの突進でリュックを落としてしまった。
ガバイトが再び突進の準備をする、残酷にもロトムの明かりでその光景はよく見えた。
308ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/03/20(火) 23:04:02 ID:???
『ワンリキー!受け止めろ。』
俺の前にワンリキーが突然現れガバイトの突進を受け止めた。
「部下の安全を守るのは隊長の務めだ!こいつの相手は俺がするぜ」
ジャイアンだ、絶体絶命のときに駆けつけてくれたのだ。
「こいつはフカマルの進化系のガバイト…絶対にこいつは強いぜ」
こいつを捕獲するつもりなのだろう…はたしてジャイアンにできるのだろうか?

「ワンリキー 空手チョップだぁ!!」
ワンリキーはガバイト目掛けて突進する、ガバイトも三度目の突進をしてきた。
空手チョップは命中したもののガバイトの突進をモロに受けてしまい、お互いに吹っ飛んだ。
「くそ…なかなかやるな……これでこそ俺様のポケモンに相応しいぜ…ワンリキー気合溜めだ」
ワンリキーはこの戦闘に完全に集中したようだ、もう主人の声しか聞こえないだろう。
「もう一回空手チョップ!きつい一撃を当ててやれぇ!!」
ガバイトの元へ再び攻撃に向かうワンリキー、しかしここでガバイトは龍の怒りを使った。
「ワ、ワンリキー!?」
洞窟の壁に激突してしまった、まだ立ち上がってきた。
「それでこそ俺のポケモンだ もう一度攻撃しろぉ!!」
ジャイアンの指示通り三度突っ込むワンリキー、無謀すぎる。
『おい!ガバイトの方が力が強い 作戦を立てて攻撃するんだ』
「うるせー 俺様のポケモンなら作戦なんか立てずとも強い敵くらい倒せなきゃダメなんだ」
「そうやって簡単に突っ込んだとしてもガバイトは倒せない、それくらい分かってるんだろ?」
ジャイアンは黙ってしまった、ワンリキーも突進で吹き飛ばされてしまっている。
309ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/03/20(火) 23:04:57 ID:???
「なぁ……どうすればあのガバイトを捕まえられる?」
「……あいつの動きを止められればワンリキーは空手チョップを命中させられる
 今は気合溜めで急所に命中しやすい、今なら一撃で瀕死にさせられるかもしれない」
「分かった、あいつの動きを止めればいいんだな、ワンリキー俺の次の作戦、やってくれるか?」
ワンリキーは強く頷いた……さすがはジャイアンのなポケモンだ
『よし!ワンリキ、岩石封じ』
周りの壁に攻撃し岩をガバイトの周りに命中させた、ガバイトは身動きが取れない。
『ワンリキー!あいつに渾身の力で空手チョップだ』
ワンリキーは身動きの取れないガバイトに空手チョップを命中させた。
その力は凄まじくガバイトはガバイトは大きく仰け反り周囲にあった岩は一瞬にして破壊された。
「よっしゃ!止めだワンリキー 地球投げ」
ワンリキーは動かなかった……ワンリキーは既に気絶していたのだ。
310ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/03/20(火) 23:05:30 ID:???
『ど、どうしたワンリキー!俺の命令が聞けないのか!?』
聞きたくても聞けないのだ、先ほどの空手チョップで破壊された岩が周囲に飛び散り
傷を負っているワンリキーに命中、ワンリキーはそれに耐えれなかった。
さらに不幸なことにまだガバイトは気絶していなかった。
「お、俺の手持ちはもう全滅してるんだよ!も…もうダメだぁ」
先ほどのガバイトとの戦闘でワンリキーが、俺との戦闘でハヤシガメは戦闘不能になっている。
ここは俺が立ち回らないと命の危険すら出る。
そう思いボールを構えると、ガバイトは自らジャイアンのボールの中に入っていった。
ガバイトは先ほどの戦闘によって、ジャイアンを自分の主人として認めたのであった。
「こ、これは……ガバイトゲットでいいんだよな?」
「ああ、何も戦って捕まえるだけがゲットじゃないからな」
『……よっしゃ!ガバイトゲットだぜ』
ガバイトのボールを右手に掲げて大声を張り上げた。
大声に反応した野生のズバットたちが俺の顔に体当たりをしてきた。
そしてその声に引かれてもう一人こっちにやってきた。
311ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/03/20(火) 23:06:04 ID:???
「やぁジャイアン、フカマルは捕まえられたみたいだね」
スネオがこちらにやってきた…足元にはカラナクシが居る。
「なんとフカマルじゃなくて進化系のガバイトを捕まえちまったよ!」
「へぇ!すごいね さすがジャイアンだよ!」
「ところでスネオ お前は何をやってたんだ?」
「え?ぼ、僕は発電所の近くで捕まえたカラナクシのレベル上げをしてたよ」
「なんだ、お前も新しい仲間くらい加えておけよ」
ちょっと前まで追いかけられていたのが今は普通に会話をしている
ガキ大将とは機嫌が変わりやすいものだ
「俺も欲しいポケモンを捕まえたことだしさっさとこんな洞窟出ようぜ」

洞窟を出た…異常に暗い洞窟から外に出たことで目が潰れかけた。
『これにてジャイアン探検隊解散!皆ごくろうだった。』
ジャイアン探検隊は解散した、これでやっと先に進める。
ヨスガシティを目指し俺は歩き出した。

ナナシ 
リオルLv24 ゴルバットLv23 ロトムLv18
ジャイアン 
ハヤシガメLv25 ワンリキーLv20 ガバイトLv24
スネオ 
カラナクシLv?? 残りの手持ち不明
312ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/03/20(火) 23:07:49 ID:???
投下終了

昨日のバーボンのオリキャラの話題の雑談のときはヒヤヒヤしてた
ドラえもんメンバーがなるべくストーリーに入ってくるように努力するよ
313名無しさん、君に決めた!:2007/03/20(火) 23:09:50 ID:???
いい忘れてた

ノート氏、ルビー氏、携帯獣氏、新カントー氏、挑戦者氏乙
314虹色 ◆9i43zxbeXs :2007/03/20(火) 23:13:10 ID:???
こんばんは、新人です。
台本としては少ない金銀を書いてみました。
投下します。
315虹色 ◆9i43zxbeXs :2007/03/20(火) 23:13:49 ID:???
今日は、8月6日。
真夏の太陽の照りつける中で、心地よい風が吹き抜けていく。
少年、野比のび太はいつものように自分の部屋で座布団を枕に横になっていた。
22世紀からやってきたネコ型ロボットのドラえもんは未来へ出かけていて今は不在だ。
未来デパートへ行っているらしい。
タイムマシンが使えるならどうして出かけた直後に帰ってこないのかという疑問が残るが、ドラえもんはいつもそうなのだ。
銀河超特急のチケットを買いに行ったときなど無断で3日間も家を空けた。
しかし、今回の場合ドラえもんの不在はのび太にとって大好きな昼寝を悠々とするまたとないチャンスである。
のび太はドラえもんが大好きだったが、子守ロボットの宿命としてドラえもんは何かと口うるさいのだ。
昨日も宿題をきちんとやってね、と言い残して引き出しの中に潜り込んでいった。
ドラえもん、何やってるのかな・・・
心の片隅でわずかながらドラえもんを案じながら、のび太は眠りへ落ちていった―――

知らない間にのび太が眠りに落ちてどれくらい経ったろう、のび太の安眠を破るものは突然現れた。
「おーい、のび太ー!!」「のび太ー!」
下で大柄の少年、剛田武が叫んでいる。
あの声はジャイアンか。
目を覚ましたのび太はゆっくりと起き上がり、あくび交じりに窓から顔を出す。
「なに〜?」
「これから僕のウチでポケモンやるから、DS持ってのび太も来なよ」
骨川スネ夫が奇妙な髪型を風になびかせてそう言った。
「わかったー!先に行っててよ!」
「じゃあな、絶対来いよ!来ないとぶん殴るからな!」
ジャイアンがそう言うと二人はスネ夫の家の方角目指して駆けていった。
「えーっと、DSDS・・・」
昨年の誕生日までに宿題を終わらせるという条件で頼み込んで買ってもらったものだ。
ちなみに、ポケモンはひみつ道具の「サンタえんとつ」の力である。
のび太が時計にちらと目をやると3時前を指していた。
さあ、行くか。必死で育てたポケモンの力を見せてやる。もうぼくをバカにはさせないぞ。
のび太は階段を駆け下りるといつもの調子で行ってきますの言葉を残して自宅を後にした。
316虹色 ◆9i43zxbeXs :2007/03/20(火) 23:14:39 ID:???
スネ夫の家に着き、とりあえずみんなでDSの電源を入れてピコピコやっていると、不意にインターホンが鳴った。
「あ、しずちゃん!」
そういってスネ夫は部屋を後にし、玄関へ向かった。
「しずちゃんも来るのかぁ・・・」
しずちゃんと呼ばれた来客、源静香はのび太と同い年の美少女である。性格も優しく、多くの男の子の憧れの存在であった。
しずちゃんにいいとこ見せなくちゃ。
のび太がそう思っているところにしずかがスネ夫につれられ部屋に入ってくる。しかし、その後ろには・・・
「出木杉!」
のび太は思わず叫んだ。出木杉英才はのび太の恋敵、そしてなんでもソツなくこなす天才少年だ。
「やあ、のび太くん、武くん」
「こんにちは」
2人が口々に挨拶するとジャイアンは陽気に「おう!」と返した。のび太はDSに没頭するフリをして何も言わない。
「のび太くん、どうしたの?」
のび太に勝手にライバル視されているとも知らない出木杉はどうやら心配したらしい。
「いや、なんでもない」
「ならいいんだけど・・・」
「みんなそろったところで対戦しようよ」
二人の会話をスネ夫がさえぎり、のび太vsジャイアン、スネ夫vs出木杉の対戦が始まった。しずかは興味深そうに見守る。
のび太の家を出るときの闘志はまだ衰えてはいなかった。今日こそは勝ってやる!
「よーし、行くぞジャイアン!」

結果は惨敗であった。お互い相性を良く覚えきっていない対戦では力押し主体のジャイアンの戦い方の方が有利だったのだ。
それに加えてジャイアンは自分のポケモンが一匹倒れるごとにのび太を殴ろうとするし、散々だ。
「ふん!いまのはたまたま!」
一敗程度で闘志は衰えない。そのままジャイアンに再挑戦するも、やはり歯が立たない。
その後の対戦相手、スネ夫と出木杉にも赤子の手をひねるようにあしらわれ、のび太の戦跡は全敗であった。
317虹色 ◆9i43zxbeXs :2007/03/20(火) 23:16:27 ID:???
恒例行事のジャイアン・スネ夫によるのび太いびりのあと、スネ夫がこんなことを言い出した。
「出木杉、頼んだものは持ってきた?」
「うん、持って来たよ。」
出木杉はカバンを探るとゲームボーイカラーを取り出した。スネ夫も同様にGBCを取り出す。
「じゃあ約束どおり対戦しようか」
「何だそれ?」
ジャイアンがたずねる。出木杉が説明を始めた。
「これはポケモン金だね。スネ夫くんのは銀さ。
 今から7年以上前に発売したものだけど、今のDS版のシステムのベースを作り上げた作品さ。」
「へぇ・・・」
「さすが出木杉さんね」
ジャイアンとしずかはただ感心する。のび太は「ちぇっ」と漏らした。
かなり長かったスネ夫と出木杉の対戦が終わるとスネ夫はいつものように自慢話を始めた。
「このポケモン銀はボクが3歳のときに・・・」
まーたはじまった。スネ夫の自慢話は大概いやらしくて長い。
でも、僕もポケモン金銀遊んでみたいかも・・・。
そうだ、ドラえもんが帰ってきたら頼んでみよう。明日は誕生日、何とかなるかもしれない。
のび太がそこまで考えたとき、スネ夫の自慢話が終わったようだ。
「・・・って感じなんだけど、のび太、聞いてる?ま、持ってないやつには分からないだろうけどね」
「分かるさ!」
「へぇ、どの辺が?」
「それは・・・」
「ほら、やっぱり答えられないじゃないか」
318虹色 ◆9i43zxbeXs :2007/03/20(火) 23:17:30 ID:???
ジャイアンとスネ夫は満足げに笑う。そこでしずかが流れをさえぎった。
「でも、スネ夫さんの話聞いてたらあたしもやりたくなってきちゃったわ、ポケモン」
でも、のび太はしずかに・・・何も出来ない!
そこで出木杉がGBCを差し出しながら言った。
「じゃあ、僕のを貸してあげるよ。もうやりつくしちゃったし」
「スネ夫、もちろん俺には今すぐ貸してくれるんだろうな?」
隣でジャイアンはいつもの調子のままスネ夫に詰め寄る。
「わ・・・わかった、貸すから貸すから。」
そういってジャイアンにGBCを差し出すスネ夫。満足げに頷き、ジャイアンはのび太のほうを向いた。
「のび太!しばらくしたらまた相手になってやるぜ!あ、もちろんこの銀の方でな」
「ジャイアン、のび太は持ってないんだって」
「そうだったそうだった、ガハハハ」
「あー、もういいよ!じゃあね、スネ夫!おじゃましました!」
のび太はDSを引っつかみ、泣きながら骨川邸を後にした。

「たけしさん、スネ夫さん、言いすぎよ」
「うん、僕もそう思うな」
良識派の二人はジャイアンとスネ夫をとがめるが、いつもどおりのどこ吹く風だ。
「大丈夫大丈夫、またドラえもんに道具でも出してもらうんじゃねーの?」
「ま、ポケモンが強くなる道具があるとは思えないけどね、それにのび太だし」

当ののび太は以前泣きながら通りを走っていく。
その口からは不在だと分かりつつもいつもの名前が飛び出してきた。
「ドラえも〜〜〜〜〜ん!!!」
319虹色 ◆9i43zxbeXs :2007/03/20(火) 23:19:48 ID:???
プロローグ見返してみても長いですね・・・。
ポケモンの世界に入るにはもう少しかかります。
金銀に持っていくには何かしら理由付けが必要かと思ったので。
それではみなさん、これからよろしくお願いします。
320虹色 ◆9i43zxbeXs :2007/03/20(火) 23:20:18 ID:???
一番大事なこと書き忘れた
投下終了
321名無しさん、君に決めた!:2007/03/20(火) 23:22:12 ID:???
322名無しさん、君に決めた!:2007/03/21(水) 09:40:52 ID:???

wktkが止まらない
323名無しさん、君に決めた!:2007/03/21(水) 13:34:03 ID:???

もう書かなくていいよ
324名無しさん、君に決めた!:2007/03/21(水) 14:04:32 ID:???
>>323
もう書かなくていいよ
325にゃーす◇pepusiman:2007/03/21(水) 19:31:12 ID:???
のび太「ドラえもん。ポケモンの世界につれてって」
ドラえもん「いいよ。」
ジャイアン「やったー」
スネオ「やったー」
しずか「やったー」
出来過ぎ「やったー」
ドラえもん「じゃあ行こうか」

こうしてのび太の旅は始まった
326にゃーす◇pepusiman:2007/03/21(水) 19:32:33 ID:???
のび太「ドラえもん。ポケモンちょうだい」
ドラえもん「いいよはい」
のび太「やったー」
ジャイアン「やったー」
スネオ「やったー」
しずか「やったー」
出来過ぎ「やったー」

こうして全員ポケモンをもらった
327にゃーす◇pepusiman:2007/03/21(水) 19:34:18 ID:???
のび太「なんでぼくだけコイキングなの」
ジャイアン「メガネをかけているからさ」
のび太「殺すぞテメェ」
のび太「やったー」
ジャイアン「やったー」
スネオ「やったー」
しずか「やったー」
出来過ぎ「やったー」

こうしてのび太とジャイアンの戦いは始まった
328にゃーす◇pepusiman:2007/03/21(水) 19:35:52 ID:???
じゃいあん「いけカイオーガ」
のび太「コイキングはねる」
カイオーガは倒れた
のび太「やったー」
ジャイアン「やったー」
スネオ「やったー」
しずか「やったー」
出来過ぎ「やったー」

こうしてジャイアンはのび太にまけた
329にゃーす◇pepusiman:2007/03/21(水) 19:37:28 ID:???
ジャアイン「この俺様が負けるはずがねぇ」
スネオ「でも負けたジャン」
のび太「やったー」
ジャイアン「やったー」
スネオ「やったー」
しずか「やったー」
出来過ぎ「やったー」

      完
330名無しさん、君に決めた!:2007/03/21(水) 19:54:43 ID:???
のび太「なんでぼくだけコイキングなの」
ジャイアン「メガネをかけているからさ」
のび太「殺すぞテメェ」

不覚にもワロタ
331名無しさん、君に決めた!:2007/03/21(水) 19:58:02 ID:???

これからも頑張れ
332針 ◆4srbOouwJo :2007/03/21(水) 20:49:37 ID:???
のび太「ドラえも〜ん!」
ドタドタと階段を駆け上がる眼鏡の少年、名はのび太。
彼は猫型ロボットの名を叫びながらふすまを開けた。
のび太「実はポケットモン」
ドラえもん「無理、不可能、それより宿題を終わらせるんだ」

〜END〜
333針 ◆4srbOouwJo :2007/03/21(水) 21:03:21 ID:???
のび太「いや、終わらせるわけにはいかないんだよぉ」
彼は段々と目に涙を溜めている。
そんなのび太に呆れたようにドラえもんが聞いた。
ドラえもん「どうせジャイアン辺りに何か言われたんだろ?」
仁王立ちでのび太の前に現るドラえもん。
正にその通りだった。

ドラえもん「つまり、君がポケモンとやらを実際にやらせてあげると約束したわけだ
      そんでもって破ったら僕の道具をジャイアン達に使い放題にさせると
      …………何か疲れた、未来に帰るわ、俺」
ドラえもんは右手で軽く挨拶し、引き出しへと飛び込んだ。
のび太「ケッ、セワシの野郎もとんだ馬鹿ロボットを送り込んだもんだ
    親の顔が見てみたいぜ」
良く考えたらセワシは自分の子孫だ。

うーむ、と腕を組み考え始めるのび太。
その時不意に後ろに気配を感じた。そして左胸に激痛が走る。
薄れ行く意識の中で、僕「野比のび太」は死んだ。
334針 ◆4srbOouwJo :2007/03/21(水) 21:03:52 ID:???
ちょっと遅くなったけど終わり。
次からは推理編。
335ポケモンとのび太とノートと ◆C1aEnJaUS2 :2007/03/21(水) 21:04:45 ID:???
これから投下します。
336ポケモンとのび太とノートと ◆C1aEnJaUS2 :2007/03/21(水) 21:05:46 ID:???
まさかの敵の出現に、嘆きに近いドラえもんの声が漏れる。

服装がさっきと違っていたのですぐには分からなかった。
何故服装を変えたのかも気になるが、ドラえもんは今最も安否が気になる人間の事を聞いた。

ドラえもん「のび太君はどうした……?」

コウ「………………。」

返事はない。

コウは何も言わず瓦礫の山を超え、五階へ向かう。

上のトシミツも階下から訪問者がやってきたのに気づいたらしい。

トシミツ「コウ君、丁度いい時に来たね。
今戦闘中なんだ。
しかし加勢はしなくていい。
二対一は卑怯だ……。
卑怯な手では相手の「心」を屈服させられない……。
すまないが見ていてくれないか?」
トシミツは言う。

そして、その時初めてコウは口を開いた。

コウ「………ていけない……」
トシミツ「なに?」
コウの声は小さく、聞き取り辛かった。
聞き返されたコウは面倒臭そうに、もう一度言った。
コウ「ついていけないんですよ……。あなたには。」
337ポケモンとのび太とノートと ◆C1aEnJaUS2 :2007/03/21(水) 21:07:16 ID:???
トシミツ「何だと………!?」
予想もしていなかった言葉にトシミツは驚く。
彼をよそに、コウは話を続ける。

コウ「貴方ね……。無能なんですよ……。
貴方の甘い作戦のお陰でセンターは爆破され、コイツらにも侵入を許してしまったんですよ……?」
コウは吐き出すように言う。

トシミツは黙っている。
コウ「私は本気で勝つべきなら籠城と言いましたよね……。
なのにアンタは部下の為だかなんだか知らないが、「あまごい」を続けさせる為にエンジュに出撃した……。
部下の命とか言う馬鹿馬鹿しい物の為に……全てを無茶苦茶にした……。」

30年来部下を第一に考えるトシミツにとって、コウの言葉は余りにもショックだった。
無理もない。自分の生き方の半分を否定されたようなものだからである。
そしてコウは言った。

コウ「貴方にはもうついていけません。
ならば僕はこれから好きにする!!!」

トシミツ「で…………。
君は何が言いたいんだね?」
トシミツは訊く。

そしてコウから発された言葉は部下への愛情を注いで止まないトシミツにとっては信じられないものであった。

コウ「僕は無能な貴方を殺してロケット団の首領になる……。そういうことです。」
338ポケモンとのび太とノートと ◆C1aEnJaUS2 :2007/03/21(水) 21:08:19 ID:???
コウはそう言い、ポケットからモンスターボールを取り出した。
中からはゴローニャが飛び出す。

コウ「あなたの死体は一切残しません。
コイツの「だいばくはつ」で死んでください。
団なら心配要りません。
部下達や、他の幹部には戦死したと言いますよ。
安心してください。」
ゴローニャにプラスパワーを使いつつ、コウは言う。

一方、下から話を聞いていたドラえもんは軽いデジャヴに襲われた。
ドラえもん『ん?
この展開何処かで見たことあるぞ。なんだっけ……?

いや、それより今はヤツを止めなきゃ!』
ドラえもんはコウの暴走を止めるべく、階段を登った。

コウ「逃げないでくださいよ。
少しでも逃げる素振りを見せたらその瞬間爆破します。」
コウはトシミツに釘を刺す。
そう言われては動く事も出来ない。

トシミツ「何故……?
何故このような事をする……?」
トシミツが訊く。

コウ「うるさいなあ。喋らないでくださいよ。
今立場は逆なんですよ。
僕の許可無しに喋らないでください。」
コウはうすら笑いを浮かべて返した。
339ポケモンとのび太とノートと ◆C1aEnJaUS2 :2007/03/21(水) 21:09:09 ID:???
その瞬間、
ドラえもん「ヌオー!!!みずでっぽう!!!」
階段を登ってきたドラえもんがコウに攻撃を仕掛けた。
不意を突かれたコウのゴローニャはまともにみずでっぽうを喰らう。

ドラえもん『倒してしまえば「だいばくはつ」を阻止出来るぞ!』

しかし、悲しいかな。その攻撃は効果が抜群にも関わらず、ゴローニャに対して余り効果を挙げる事は出来なかった。

コウはギロリとドラえもんを睨む。
コウ「ウザイですね………。
コイツを先に殺してからにしましょうか……。」
コウは呟く。
それを慌ててトシミツが止めた。
トシミツ「待ってくれ!
その青狸君は全く関係無い!!
青狸君分かったろ。死にたくなければ早く帰りたまえ。」
トシミツが言ったがコウは聞く耳を持たない。
コウは静かにゴローニャに命令を下した。

コウ「ゴローニャ、あの青狸に向かって「いわおとし」だ。」
340ポケモンとのび太とノートと ◆C1aEnJaUS2 :2007/03/21(水) 21:11:16 ID:???
ドラえもん「くっ!」
ドラえもんはこれから来る攻撃を撃退しようと身構えた。
プラスパワー四個分の攻撃だ。
並のの威力ではないだろう。

ドラえもん「来るぞッ!!」

コウ「さあ、行けッ!!!ゴローニャ!!
………………ゴローニャ?」
ゴローニャはコウの命令に反応せず、動こうとしない。
コウ『何故言うことを聞かないんだ……?』
コウが首を傾げた瞬間だった。

「キュイイイイイ・・・・・」

冷たいゴローニャの岩の体が、ほのかに光を帯び始めた。
341ポケモンとのび太とノートと ◆C1aEnJaUS2 :2007/03/21(水) 21:12:31 ID:???
トシミツ「こッ、これは……だいばくはつの前兆じゃないか!」
一早く異変に気づいたトシミツが声を上げる。

コウ「ばかな………、僕は一言もだいばくはつの指示を出してなかったぞ!」
コウは悲痛な声を上げる。

ゴローニャは以前として光を発し、だいばくはつの前兆を止めようとしない。
コウ「いかん!このままじゃ爆発する。
死んでしまうッ!!」
コウは黄色い悲鳴を上げる。

コウ「だっ、脱出せねばッ!!!」

そして、コウは下の階段に向かい走り出した。
コウ「どけえぇぇぇッッ!!!」
コウは階段の前にいたドラえもんを弾き飛ばし下へ向かう。

ゴローニャは強い光を発し、爆発寸前だった。

トシミツ「くっ………。もう逃げても間に合わない……。
青狸君……済まない……。
私の部下への教育が悪かったせいで……君は死ななくて良かったのにな……。」
トシミツは言う。
その言葉は苦しそうではあったが、死期を完全に悟った穏やかな口調だった。

しかし、その青狸の目はまだ死んではいなかった。
ドラえもん「諦めないで!!
通り抜けフープで脱出する!
それと僕は狸じゃない!!!!」
ドラえもんはそう叫び、トシミツの方へ走る。

そして、ゴローニャの体は強い光に包まれ、激しい爆発を起こした。
342ポケモンとのび太とノートと ◆C1aEnJaUS2 :2007/03/21(水) 21:13:22 ID:???
今日はここまでです。
疲れた………。
343名無しさん、君に決めた!:2007/03/21(水) 21:14:26 ID:???
344名無しさん、君に決めた!:2007/03/21(水) 21:17:31 ID:???
345名無しさん、君に決めた!:2007/03/21(水) 22:14:36 ID:???
乙です
346短期連載U ◆h8RyxQKBOY :2007/03/21(水) 23:57:53 ID:???
皆さん乙です。
またこの名前をつける日がくるとはな……
投下する。
347短期連載U ◆h8RyxQKBOY :2007/03/21(水) 23:58:45 ID:???
目の前の雑踏は耳障りなノイズを奏でる
人々の声、足音、そして――ポケモンの声。

〜〜僕は5年前、この町に来た。

といっても、他の町から来たとかそんなもんじゃない。
違う世界だ。
そう、僕がいた世界だ。
5年前まで、そこが僕のいるべき世界だった。〜〜

夕暮れに差し掛かる。
斜陽は紅く世界を照らす。
僕のいた世界と変わらない。
聳えるビルも、鉄の民家も同じ。
違うのは、ポケモンがいることだけ。

〜〜5年前、友達を巻き込んで、僕はこの世界に来た。
青い狸のようなロボット、ドラえもん。
彼が出した機械によって僕らは来たのだ〜〜

――僕の名前は野比のび太――15歳
348短期連載U ◆h8RyxQKBOY :2007/03/21(水) 23:59:34 ID:???
人々から離れ、僕はアパートに帰った。

ようはポケモンをうまく扱えれば、この世界では暮らしていける。
僕の仕事は、とあるジムで挑戦者相手に小手調べすること。
前哨戦みたいなもので、ジムリーダーに言わせれば弱ければ弱いほどいいらしい。
そうすれば挑戦者は油断するから。
だから僕を選んだのだろう。
バトルに関しちゃ全然だめな僕を――あいつらしいや。
まぁ、それでも仕事にはなる。
一応、あいつには感謝しているのさ。

「あぁ、のびさん。おかえり」
お隣のばぁさんが寄って来る。
僕は挨拶をして「ただいま」と返した。
「お客さんが来てるよ。部屋の中にいるみたい。
 鍵を掛けっ放しにしてたのかい?危ないねえ。フェッフェ!」
いやに耳に残る笑いを残し、ばぁさんは自分の室内へ入った。

お客さん――一体誰だ?
見当はつかない。
それに鍵? 僕はちゃんと……

僕のポケットの中にはちゃんと鍵があった。
こうなるとますます怪しい。
ばぁさんが嘘でも言ったか……いや、ボケたか?
……ま、確かめてみるかな。
349短期連載U ◆h8RyxQKBOY :2007/03/22(木) 00:00:07 ID:???
そう心に決めてはみるものの。
やっぱりちょっと怖い。
ノブを握る僕の手は少し震えていた。

……回すぞ!

グッグッ

……あ、鍵か。

誰も見ていないのに急に恥ずかしくなる。
兎に角、ドアを開けた。

「のび太さぁん!!」
突拍子も無く彼女が飛びついてくる。
背後には見覚えのあるマリルリの姿が見受けられた。
「……しずちゃん?」
胸の上を擦る、懐かしいおさげ。
源静香、かつての僕らのマドンナだ。

同時に記憶がふつふつとよみがえって来る。
「ど、どうしたのしずちゃん!?
 とにかく中へ……あ、僕が入るのか」
そんなこんなで泣きじゃくる静香を押しながら、部屋へ入る。
350短期連載U ◆h8RyxQKBOY :2007/03/22(木) 00:00:54 ID:???
投下終わり。
それじゃ。
351名無しさん、君に決めた!:2007/03/22(木) 00:15:03 ID:???
乙!
やべっ!スゲェ面白い
352D&P:2007/03/22(木) 12:14:54 ID:???
(ドラえもん視点)

「ドラえむぉ〜ん!!!!!」

のび太君が泣きながら2階へやってきた。どうせ僕におねだりだろう。

「聞いてくれよ!・・・・・・・・・・・・・・なんだよ!」

長いので読者には簡潔に述べよう。
のび太君は空き地でジャイアン達とゲームでポケモンバトルをしていたらしい。
そこでスネ夫のダークライと言う見た事も無いポケモンにコテンパンにされたらしい。

「だからさあ!絶対に倒せないポケモンだしてよ!」
「のび太君、でもそれは君の実力じゃないよ・・・・・。」
「実力?僕に実力が無いとでも?だったら僕の実力を君に見せてあげるよ!」
「どうやって?」
「だから道具だしてよ〜!」

やはりこうなるのか・・・・。僕は仕方が無く道具を出した。

「実現ゲーム機・ヴィー!」
「任天堂の某ゲーム機の名前に似てるような・・・・。」
「そこら辺は気にしないでよ。ここにゲームのソフトを入れるとそのゲームの世界に行けるんだよ。」
「凄ぉい!」
「でも発売されたばかりだからバグが多いかも・・・・。」
「よし!皆を誘って来るよ!」

人、いや機械の話を聞いてよ・・・・・。
353D&P:2007/03/22(木) 12:39:16 ID:???
(のび太視点)

ゲームの世界に行けるなんて夢みたいだ!そこで僕の実力を皆に披露してやろう。
まずはジャイアンとスネ夫だ。あいつらをボコボコにしてやろう。
確か空き地に・・・・・居た。

「オ〜イ!」
「ん?のび太?なんか用か?」

ブタゴリ・・・・いや体がガッチリとした少年が言った。
彼は剛田 武。皆からはジャイアンと言われている。
何故ジャイアンと呼ばれているのかは知らない。妹の「ジャイ子のあんちゃん」を略してジャイアンという説がある。

「どうした、のび太?僕にリベンジしに来たか?」

キツ・・・・ギザギザヘアーの小柄な少年が言った。
彼は骨川 スネ夫。家が裕福で少しイヤミな事を言う奴だ。
しかし以外に手先が器用で絵がうまい事が憎らしい。

「フフフフフ、君達にいいお知らせがあるよ。」
「何だ?」
「つまらない事じゃないよな!」

「ドラえもんがポケモンの世界に連れて行ってくれるんだって!君達も行く!」
「マジかよ、のび太!嘘ついてたら承知しねえぞ!」
「うっ、嘘じゃないよ!行きたいんだったら僕の部屋で待っててよ。」
「オウ!久しぶりに面白い事が来たぜ!スネ夫も行くよな!」
「うん!(このガキ大将を倒すチャンスだな・・・・・。)」
「じゃあ僕は他の人たちを誘ってくるから!」

こうして僕は空き地を後にした・・・・。
354名無しさん、君に決めた!:2007/03/22(木) 12:41:42 ID:???
せめてsageとメモ帳にまとめて投下くらいはしろ
355D&P:2007/03/22(木) 12:44:07 ID:???
>>354
すみませんでした・・・・。
以後は気をつけて投下します・・・。
356名無しさん、君に決めた!:2007/03/22(木) 12:46:33 ID:???
>>355
sageって分かるかい?
メール覧、君がpapipuと入れている場所だ
そこにsageと書くんだ

何も考えずそうするんだ、次のレスまでにそうしなかったら追い出すぞ
357D&P:2007/03/22(木) 13:40:33 ID:???
先程は迷惑をかけてすみませんでした。投下します。

今度は静香ちゃんを誘おう。きっと喜ぶぞ、ムフフフフフ・・・・・。
そして僕は静香ちゃんの家の前に居る。僕はインターホンを鳴らす。「ピンポーン」という音が鳴り響いた。

「はい、どなた?」

扉から僕が思いを寄せる人、源 静香が出てきた。
さっそく話そ・・・・・ん、後ろに誰か居るぞ?

「あっ、のび太君じゃないか!」

出来のよさそうな人が現れた。チッ、と僕は舌打ちをした。
彼は出来杉 英才。頭が良く、運動も出来、中身もいい男である。
出来杉を誘うのは・・・・待てよ。出来杉より凄い所を見せれば静香ちゃんは・・・・・よし誘うか。

「ドラえもんがポケモンの世界に連れて行ってくれるんだって!静香ちゃん達も行こう!」
「面白そう!でも今は勉強を・・・・・・。」
「少し息抜きも必要だよ、行こうよ静香ちゃん。」
「分かったわ、出来杉さん!」
「(計画通り!)じゃあ僕の部屋に行くよ。」

これで役者はそろった・・・・。僕の素晴らしき世界の幕開けだ!
358D&P:2007/03/22(木) 13:41:35 ID:???
(出来杉視点)

どうも、僕は出来杉と言います。
のび太君がポケモンの世界に連れて行ってくれるんだって、楽しみだな。
何を隠そう僕は初代からDPまでやりこんでいるからね・・・・。きっと皆、僕の実力に驚くだろう。
あっ、どうやらのび太君の家に着いたみたいだ。

「さあさあ、上に上がって。」

のび太君は満面の笑みで僕らを迎え入れた。
僕と静香ちゃんは「おじゃまします」と一言言って、上に上がった。のび太君も僕らの後を追った。

「ドラえもん!皆を呼んだよ!」
「遅いぜ、のび太!」
「ゴメンゴメン・・・・じゃあさっそく行こうよ!」
「あと少し待って、ロードが完了するから。・・・・・・・・よし、完了だ!行くよ!ポケモンの世界へ!」
「オー!!!!」

皆がいきなり手をグーにして挙げたので僕も慌ててそうした。
ドラえもんはスイッチを押した。周りが光に包まれていく様な感じだった・・・・。

気がついた時は皆起きていた。
359D&P:2007/03/22(木) 13:42:24 ID:???
ジャイアン視点)

俺様はジャイアン!ついにポケモンの世界に来たぜ!ここで大暴れしてやる!
む、出来杉が起きたみたいだ。よっしゃあ!進むぜ!
ん?誰も俺の後をついてこないぞ。ドラえもんは何叫んでるんだ?
・・・・・目の前にムクドリのような物が大量に居た。

「ウギャー!!!!!」

俺様は大量のムックルに追いかけられた。なんか俺が悪い事をしたのかよ!
しばらくして俺様はムックル達から解放された。どうやら俺達はシンジ湖にいるらしい。

「いきなり走り出すからだよ・・・・。」
「すまねえ・・・・。」
「とりあえず、ルールを説明するよ。誰かがポケモンリーグを制覇すれば終了。なお、ここでのポケモンリーグはトーナメント方式だから。」
「ドラえもん、そんな事よりポケモンを・・・・・。」
「そんな事よりって・・・・じゃあポケモンを配るよ。」

ドラえもんはカバンを開いた、中には大量のモンスターボールがあった。
皆はそれぞれモンスターボールを手に取った。俺も期待を膨らませてボールを手に取った。

出て来い!俺のポケモン!
360D&P:2007/03/22(木) 13:43:04 ID:???
俺のモンスターボールからは小さな赤色の猿が出てきた。
ヒコザルだ。ゲームでもこいつを選んだので嬉しかった。他の奴らもボールからポケモンを出したらしい。

のび太は・・・・ナエトルだ。あいつもゲームでナエトルを選んでいたので満足だろう。
ただあのナエトルはボーッとしていた。のび太に似ている。

スネ夫は・・・・ムウマだ。ムウマの進化系をあいつ使ってたな。
先程のナエトルとは対照的に活発ではしゃいでいた。

静香ちゃんは・・・・ポッチャマだ。進化すると可愛さよりかっこよさが増すペンギンだ。
ムウマ程ではないが活発で静香ちゃんになついていた。

出来杉は・・・・リオルだ。あの野郎、俺がゲームで使ってた奴を・・・・。
リオルは冷静で、出来杉が喋っても首を動かすだけだ。

ドラえもんは・・・・ゴンベだ。俺のゲームではいくら草むらを探しても出てこなかった。
熟睡していてドラえもんは必死に起こしていて笑えた。

さあ、冒険の幕開けだぜ!
361D&P:2007/03/22(木) 13:43:42 ID:???
投下終了です。先程は申し訳ございませんでした。
362名無しさん、君に決めた!:2007/03/22(木) 16:46:49 ID:???

とりあえずテンプレを読んでくれ
363D&P:2007/03/22(木) 17:23:22 ID:???
釣りですたwwwwww
364名無しさん、君に決めた!:2007/03/22(木) 17:47:58 ID:???
知っとるわボケ
365ワタリ ◆wtriJfTC.Y :2007/03/22(木) 19:37:09 ID:???
投下しやす
366ワタリ ◆wtriJfTC.Y :2007/03/22(木) 19:37:39 ID:???
202番道路

ギラギラと照りつける太陽がぼくを苦しめる。
目の前にいる短パン小僧、ユウタもかなり暑そうだ。
「負けたよ...。君のビッパ、ずいぶん打たれ強いね。」
そう、ぼくが初めて捕まえたポケモン、ビッパは身体が頑丈だ。
図鑑によるとこのビッパの性格はゆうかん。
特に防御も特防も上がりやすい性格ではない。
「のび太ァ。早く行こォ。」
木陰で休んでいるヒカリ。その傍らにはリーフィアとナエトルがたわむれていた。
「さて次はナエトルを鍛えるかな。」
「よくやるわねぇ。この暑い中。」
今朝、のび太はナナカマド博士からナエトルをもらった。
どうやらヒコザルはもう他の人にもらわれたらしい。
一体誰だろうか?
367ワタリ ◆wtriJfTC.Y :2007/03/22(木) 19:38:25 ID:???
太陽が頭上に昇り、そろそろお腹が減ってきた。
「のび太ァ。もう気が済んだァ?コトブキシティにご飯食べに行こ!」
ヒカリがあくびしながら言う。
やけに静かだと思っていたら今まで寝ていたらしい。


「わかった。でもその前に...勝負だヒカリ!」


勝つ自信はあった。
捕まえた頃と比べると見違えるほど強くなっている。
それは確かだ。
でも負けた。それほどヒカリのポッチャマは強い。
あの鍛えられ方はハンパではない。
368ワタリ ◆wtriJfTC.Y :2007/03/22(木) 19:38:58 ID:???
気が付くと、もうコトブキシティに到着していた。
かなりの大都市だ。人工も多い。
「早くのび太ァ。」
のび太はヒカリに連れられポケモンセンターに入っていった。
「うわ!すごい人だ!」
中は人でごった返していてとてもボールを預けられる状態じゃなかった。
とりあえず食堂へと向かい食事をとることにした。
今日の昼食はスパゲティ。余談ではあるがポケモンセンターの料理は安くておいしい。
のび太はビッパ、ナエトルの育成をしたせいか、かなりのスピードで食べた。
「あれ?のび太。口の周りにミートソースついてるよ。」
ヒカリは側にある紙ナプキンを取り出しのび太の口を拭こうとした。
「ちょ、いいよ!恥ずかしいってば!」
のび太はあわてて窓ガラスの方を向く。
すると、ある人物が目に映った。

「ジャイアンだ...!」
369ワタリ ◆wtriJfTC.Y :2007/03/22(木) 19:39:38 ID:???
のび太は思わず席を立った。
ヒカリが何か言っていたがそんなことはどうでもいい。
全速力でポケモンセンターを出、ジャイアンを探す。
だが、もう人混みに紛れたのかジャイアンの姿はなかった。
確かに見た。オレンジ色のシャツに紺色の半ズボン。
あれはジャイアン以外に考えられない。
「どうしたの?いきなり出ていったりして。」
ヒカリが息を切らして走ってきた。

「ジャイアンがいたんだ...。」
370ワタリ ◆wtriJfTC.Y :2007/03/22(木) 19:40:10 ID:???
それからヒカリとぼくとで別行動を取ることになった。
どうやらヒカリは用事があるらしいので、ポッチャマを預かり噴水の前で遊んでいた。
いや、子守をさせられた、と言った方が正しい。
「ハァ...なんでオマエはそんなに強いんだ〜?」
ポッチャマの頭を撫でてやると、笑って喜ぶ。こう見るとただのポッチャマだ。
その後、ポッチャマは噴水の中に入り水浴びを始めた。
「コラコラ。出てきなさい。」
すかさずボクは手をのばしポッチャマを引き戻そうとする。
ドン!
すると何者かがぼくにぶつかり、噴水の中に頭をつっこんでしまった。
鼻の中に水が入り、苦しくなる。
いくら暑いとはいえ、いきなり水の中に顔をつっこませられると苦しい。
「お!悪ぃ悪ぃ。」
髪の毛が黄色の少年はそう言い残し立ち去っていった。
年はだいたいぼくと同じぐらい。薄手のマフラーを巻いている。
ヒカリの知り合いだろうか?
ぼくはポッチャマをボールに戻し、その男の後をついていった。

371ワタリ ◆wtriJfTC.Y :2007/03/22(木) 19:42:07 ID:???
ボクが後をつけて5分ほど後、少年はある建物の中に入っていった。
「トレーナーズスクール?」
その建物にはそう表記されていた。
ぼくはびしょぬれの状態なのにもかかわらず戸を開いた。
「おい!髪の黄色い少年!ポケモンバトルだ!」
自分でも何をいっているのか分からなかった。
ただ謝って欲しいだけなのに何でポケモンバトルなんて言っちゃったんだろう。
「お前はさっき突き飛ばしちまったやつじゃねぇか。ごめんな。おれはせっかちなもんでな。ポケモンバトルか?さぁやろうぜ!」
早口で話しているのであまり聞き取れなかったが、最後のところは聞こえた。
ぼくはボールを取り出し、ビッパを出す。
「いけ!ビッパ!ってあれ...?」
すでにビッパは疲れ果てていた。
そうだ。あの時ポケモンセンターで回復してもらってない!
「へ!なんかお前のビッパ疲れてるじゃねぇか。行け!ヒコザル!」
そう叫ぶとボールからヒコザルが飛び出した。
ヒコザル...!こいつもナナカマド博士にもらったのか!?

「さぁバトル開始だぜ!」
372ワタリ ◆wtriJfTC.Y :2007/03/22(木) 19:42:41 ID:???
投下終了
もしかしたら1週間ぐらい来れないかも
373D&P:2007/03/22(木) 19:43:51 ID:???
>>363>>364
釣りじゃありません
374名無しさん、君に決めた!:2007/03/22(木) 19:46:40 ID:???
トリップつけろよ消防
あとワタリ氏乙
375名無しさん、君に決めた!:2007/03/22(木) 19:59:09 ID:???

なんかふいんき(ryというか情景が好き
376名無しさん、君に決めた!:2007/03/22(木) 20:02:49 ID:???
・・・・・・・
377名無しさん、君に決めた!:2007/03/22(木) 20:14:13 ID:???
>>372
来た来たwwwこのスレをになう作者。
なかなかこんな文才に溢れる作者はいないよ
クソ厨が君を叩くけど君は
テンサイだから安心しろ。
いいから俺がついてる
いっしょう俺が守ってやる
ヨロシクな!
378名無しさん、君に決めた!:2007/03/22(木) 20:16:52 ID:???
なんという縦読み
379名無しさん、君に決めた!:2007/03/22(木) 20:19:32 ID:???
今日ので完全に萎えた
380にゃーすpepusiman ◆rwwitCZFqY :2007/03/22(木) 20:29:59 ID:???
トリップつけてみた
プロローグだけ投下する
381にゃーすpepusiman ◆rwwitCZFqY :2007/03/22(木) 20:30:39 ID:???
20XX年―――――――

第三次世界大戦が終結し、世界は平和になりかけていた。
人々は卓越した技術で人間にそっくりのロボット、レプリロイドを作り上げた。
レプリロイドは人間のために奉仕し人間にはかかせない存在となっていた。
だが中には故障し、守るべき人間を攻撃するレプリロイドが現れた。
そのレプリロイドはイレギュラーと呼ばれ、イレギュラーはレプリロイドによって始末させられていた。
人間が生活を発達させるにつれて有限エネルギーも底を尽き、エネルギー不足が世界の1番の問題となっていた。
当然日本でもエネルギー不足が問題となっており、少しでもエネルギーを節約するため、政府は罪のないレプリロイドをイレギャラーにしたてて処分していた。
これはそんな世界の物語。
382にゃーすpepusiman ◆rwwitCZFqY :2007/03/22(木) 20:31:21 ID:???
ここはある奇妙な色の屋根の家。
そこには人間3人とネコ型ロボット、ドラえもんが住んでいる。
ドラえもんはかなりの旧式でレプリロイドとは違うロボットである。
「ドラえもん!ここ教えて!」
いつもいつも机の前で頭を抱える少年、のび太。
彼の平均点は0に近い数字でこの世紀最大のバカと言っても過言ではない。
「またぁ?さっき教えたばかりじゃないか」
ドラえもんは人間に100%従うプログラムは設定されていない。
いわゆるしつけロボットだ。なので人間に対し説教やケンカもする。
しつけロボットとしては最高峰だがあるデメリットがあった。
それはイレギュラーと見なされやすいこと。
今までドラえもんは多くの仲間を失ってきた。
それ故、政府にはあまり感心していない。
むしろ憎んでいる。だがその事を言うとイレギュラーとして処分されるためまだ人間に話したことはない。
もちろんのび太にもだ。
383にゃーすpepusiman ◆rwwitCZFqY :2007/03/22(木) 20:32:18 ID:???
投下終了
なんか聞いたことある設定かもしれないが気にするな
ポケモンはもうそろそろ出す。
384名無しさん、君に決めた!:2007/03/22(木) 20:35:01 ID:???
乙w
385名無しさん、君に決めた!:2007/03/22(木) 20:36:38 ID:???
彼の平均点は0に近い数字でこの世紀最大のバカと言っても過言ではない。

バロスwwww
386名無しさん、君に決めた!:2007/03/22(木) 20:49:22 ID:???
>>383
sage進行だボケ














期待してる乙
387携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/22(木) 21:00:18 ID:???
にゃーす氏乙です。
なんだか「アイ・ロボット」を思い出しましたよ。(ストーリーは違いますが)

ジャイアン氏の作品を見てカップヌードルを食べたくなった。
携帯獣です。
投下開始。
388携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/22(木) 21:00:49 ID:???
『ドラえもんのび太の携帯獣冒険記』
第二章 ♯第三話 「破音」

時間は巻き戻り、朝の八時。
ここは何処かの街の何処かの建物の一室。
ベッドの上には一人の、のび太達よりも少し年上の女性が寝転んでいた。
シャワーを浴びてきたばかりだろうか?バスタオルを体に巻きつけている。
「8時間後にはネクロムシティを占拠……か」
彼女はそう呟くと、起き上がり、着替えを始めた。
彼女は明るめのブルーのバイクスーツに着替えた。
そして、テーブルに置いてある、眼鏡を掛け、化粧を始めた。
化粧をしていると、誰かが外から部屋の戸を叩いた。
「どうぞー」
彼女の声で一人の少女が入ってきた。
少女は彼女の妹なのだろうか?女性と同じような水色の髪をしている。
「ねえ、あたし……ちゃんとやれるかな?」
少女は不安そうに女性に尋ねた。
女性は柔らかな笑みを浮かべ、少女の小さな頭を撫でた。
「レイン?そんなに緊張しなくたっていいじゃない。
あんたの力はお姉ちゃんが一番分かってるもん」
レインと呼ばれた少女は照れたような笑顔を浮かべ、頷いた。
「さ、行きましょ、そろそろ作戦会議よ」
『エルド』の幹部、ミストは妹のレインと共に部屋を出た。
その目にある決意を浮かべて。
389携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/22(木) 21:01:45 ID:???
『ドラえもんのび太の携帯獣冒険記』
第二章 ♯第四話 「ジャイアンVS『エルド』」

時間は戻り、昼の一時。
昼飯を済ませたジャイアンは次のジムを目指し、405番道路で特訓をしていた。
「よし、こんだけ強くなりゃあ、十分だろう」
ジャイアンはポケモン達をボールに戻した。
「なんかまた腹減ってきたな……しゃあねえ、街に戻ろう」
育ち盛りのジャイアンは、腹ごしらえにネクロムに戻った。


ハンバーガーを5個、ペロリとたいらげたジャイアンは、公園のベンチで昼寝をしていた。
ジャイアンのいびきはうるさいようで、近くのオバタリアン共がグチグチ文句を言っている。
一見何事も無い平和なこの街。しかし、悪夢は訪れる。


公園の噴水が突然破裂し、そこから大量の水ポケモンが飛び出してきた。
飛び出してきたポケモン達は老若男女問わず、人々を地面に押さえつけた。
ジャイアンはこの事態に気づくと、急いで手持ちのポケモン達を繰り出し、
水ポケモン達を退け、茂みの中に飛び込んで、身を隠した。
「なんだよ……いきなり!」
ジャイアンが悪態をつくと、頭上から無数のポケモン達が落下してきた。
それと同時にスピーカーを通した声も聞こえた。
390携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/22(木) 21:02:22 ID:???
『ネクロムシティの市民共!この街は我ら、『エルド』の占拠地となる!
抵抗する者は容赦なく抹殺する!死にたくなければ、おとなしく投降しろ!』
強い口調で男が言う。
この言葉にビビった市民達は地面に伏せたまま、両手を挙げた。
中には、抵抗しようとしてポケモンを繰り出す者もいたが、
数匹のニョロボン達に捕まり、首の骨を折られ殺されてしまった。
「げっ!マジかよ」
ジャイアンは見える限りでは、一番身を隠してくれそうな草むらの中に入り、
反撃のチャンスを伺うことにした。


ジャイアンの見える範囲では、上空からヘリが数機降りてきて、
その中から出てきた黒い服を着た人達が、投降してきた市民達を次々に
護送用のヘリに入れていた。その中にこの街のジムリーダー、マングの姿もあった。
「情けねえジムリーダーだぜ。さて、これからどうするか?
見る限りでは、『エルド』とかいうやつらのポケモンも減ってきてるし……。
よし、突攻だ」
流石ジャイアン。
391携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/22(木) 21:02:57 ID:???
ジャイアンはとりあえず、孤立している団員を狙うことにした。
まあ、この時点で特攻とは言わないが。
ジャイアンはのんきに欠伸をしながら歩いている団員を見つけた。
「よしあいつだ、ラムパルドよ、やれ」
ラムパルドはこっそりと男の背後に回りこみ、後頭部に鉄拳を与えた。
男は悲鳴も上げずにその場に倒れた。
「よし、よくやった」
ジャイアンはラムパルドをボールに戻すと、男の団服を奪い取り、
自分に着せた。
「少しキツイけど、なんとかなるだろ」
ジャイアンはスパイ活動にでた。
……特攻はどうした。
392携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/22(木) 21:03:56 ID:???
とりあえずここまで。
また後で投下したいと思います。
一旦退場。
393名無しさん、君に決めた!:2007/03/22(木) 21:04:09 ID:???
394虹色 ◆9i43zxbeXs :2007/03/22(木) 21:07:26 ID:???
携帯獣氏、乙です
投下します
395虹色 ◆9i43zxbeXs :2007/03/22(木) 21:08:10 ID:???
「なんだ、まだ帰ってないのか。肝心なときにいないんだから!」
イライラしながらのび太がおやつを食べていると、引き出しが開いて、ドラえもんが帰ってきた。
ニコニコ笑っている。
「やあ、のび太くん、ただい「ドラえもーん!!」「わっ!」
「遅かったなぁ、何やってたの?」
「ふふふ、秘密」
「それよりドラえもん、ポケモン出してよ」
「え?ポケモンならもう持ってるじゃないか」
「そうじゃなくて!ポケモン金銀!」
のび太は今スネ夫の家であったことを話した。
「ふうん。仕方がないなあ」
「じゃあ、出してくれるんだね!」
「ふふふ、みんなを呼んできて」
「なんでポケモンを出すのにみんなを呼ぶの?」
「いいから、早く」
「??? じゃあ、呼んでくるよ」

のび太はスネ夫の家に電話をかけた。まだみんないるらしい。
「とにかく、ドラえもんが来いって言うんだよ」
「ふうん、まあドラえもんがそういうなら悪いことはなさそうだな。
 わかった、みんなに言ってみるよ」
396虹色 ◆9i43zxbeXs :2007/03/22(木) 21:08:52 ID:???
数十分後。のび太の部屋に5人が集まった。ジャイアンはドラえもんに大声でたずねる。
「ドラえもん、なにがあるっつーんだよ!」
「いいからいいから」
ドラえもんは無言でポケットを探っている。
「シミュレー塔!!」
ポケットからドラえもんの背丈ほどもある道具が飛び出してきた。
トゲのついた黒い巻貝のような形で、ライトのようなものがついている。
魔王の城、といった要望に、一同はあっと声を上げた。
「これは22世紀の新商品で、パラレルワールドを作り出す道具なんだ」
ドラえもんが説明を始める。出木杉、しずか、スネ夫は意表を疲れたような顔で黙って聞き、のび太とジャイアンは興味津々の様子だ。
「パラパラワールド?ドラミちゃんの言ってた?」
のび太のお約束の間違いを訂正しつつも、ドラえもんは説明を続ける。
「パラレルワールド!要するに平行世界、僕らの住んでるのとは別の空間にある世界だね。
 この道具は未来のダウンロード販売で買った世界のデータを取り込んで、そこに入り込めるんだ。
 もしもボックスと違うのは、世界の様子が初めから決まっているのと、クリアするまで出られないことかな。
 もちろん途中リタイアはできるし、設定もある程度は出来るんだけどね」
「へぇ。面白そう」
さすがは出木杉である。小学生ながら今の説明を一発で理解したらしい。
「なんだかよくわかんないや」
のび太は対称的にほとんど理解できなかったようだ。スネ夫としずかは何とか理解しようと少し難しい顔をしている。
「よく分からないけど、俺たちをどっかの世界に連れてってくれるんだな!」
ジャイアンはいつもせっかちだ。
「ま、そういうこと。のび太くん、もしもボックスと気ままに夢見る機を組み合わせたような道具って言えば分かる?」
「うーん、分かったような分からないような・・・」
「で、ドラえもん。ボクたちをどんな世界に連れて行ってくれるの?」
「見たほうが早いよ」
397虹色 ◆9i43zxbeXs :2007/03/22(木) 21:09:27 ID:???
ドラえもんがシミュレー塔の取っ手を引くと、ノートパソコンのようなものが出てきた。
スネ夫およびみんなの最大の関心事に答える、世界データの管理画面のようである。
真っ先に覗き込んだスネ夫が文字を読み上げる。
「ポケットモンスター・・・金銀クリスタル・・・ジョウト・カントー地方・・・これは!」
「ガハハハ、さすがドラえもん」
「わあ、あたしもやってみたかったの」
「いいね、ポケモンの世界かぁ・・・」
少年少女は口々に期待のコメントをする。ここでのび太が口を挟んだ。
「ドラえもん、さっき言ってた秘密ってこれ?なんでこんなにすごいもの買ってきたの?」
「だから、秘密」
ドラえもんは笑顔のまま秘密を守り通すつもりだ。
苦楽をともにしてきたのび太にはドラえもんの意図がすぐに掴めた。

「んー・・・でも」
そこで言葉を切り、終始笑顔だったドラえもんの表情が若干曇る。
「今やってるDS版にしたあげたかったんだけど少し高くて・・・」
「気にしないでよ、ドラえもん。ありがとう」
「照れるなぁ・・・じゃあ出発の前にみんなにルールを説明しておくね。設定は終わってるから」
ドラえもんはルールの説明を始めた。
398虹色 ◆9i43zxbeXs :2007/03/22(木) 21:10:00 ID:???
1.最後までチャンピオンだった人の勝ち。危険なものを除いて好きな秘密道具を1日自由に使える
2.勝者のポケモン世界からの出口はチャンピオンのワタルが開いてくれる
3.ワカバタウンからスタート
4.あくまでも世界を作り出す道具なので全てシナリオどおりに行くとは限らない。
 ゲームにないイベントが起こることもある
5.現実世界の1秒はポケモン世界の1万秒、つまりポケモン世界では時間が1万分の1のペースで流れる
6.クリアに必要な道具は人数分あるが、それ以外の道具はそうとは限らない
7.戦闘、進化、技などはダイヤモンド・パール版の設定に準ずる

「よし、じゃあいくよ!出発ー!」
「ドラえもんも来るの?」
「見てるだけじゃつまんないから」
ドラえもんがそういいながらボタンを押すとライトのようなものが光り、照らされた場所は抜け穴のようになった。
「さ、早く早く!」
「よーし!」
ドラえもんは5人を手招きして出発を見送った後、ふっとこう呟いた。
「1日早いけど、ま、いっか」
そしてドラえもんも、踵を返すとポケモンの世界へと旅立っていった―――

窓から夕日が差し込んでいる。
オレンジ色に染まった西の空には雲ひとつない。明日の天気は快晴なのだろう。
これから始まる旅への期待へ胸膨らます、6人の気持ちを映すように・・・。
399虹色 ◆9i43zxbeXs :2007/03/22(木) 21:11:18 ID:???
投下終了です。
やっと次回からポケモン登場。
かなりの大長編になると思いますが読んでいただければ幸いです
400名無しさん、君に決めた!:2007/03/22(木) 21:11:31 ID:???
401名無しさん、君に決めた!:2007/03/22(木) 21:13:50 ID:???
途中まで読んだが、君は台本小説の方が向いてると思う
402名無しさん、君に決めた!:2007/03/22(木) 21:52:29 ID:???

周りの情景がイマイチ分からないから
もう少しセリフを減らしたほうがいいと思う
403短期連載U ◆h8RyxQKBOY :2007/03/22(木) 21:53:31 ID:???
みなさん乙です。
投下します。
404短期連載U ◆h8RyxQKBOY :2007/03/22(木) 21:54:10 ID:???
暮れなずむ町を背に、僕は扉を閉める。

目の前の静香は大袈裟に大人びて見えた。
無理も無い、僕が最後に会った静香はまだ10歳だったのだから――

「のび太さん!今まで何していたの!?」
静香は堰を切ったように質問を浴びせてくる。
「あたしがロケット団に捕まってからもう5年も経つのよ!
 どうしてこうなったの!?
 誰かがチャンピオンになったら元の世界に帰れるんじゃなかったの?」
「あぁ、うんまあ……そうだったんだよね。本当は」
僕は静香を宥めながら、床に座らせる。
「実はね静香ちゃん。
 あの道具……壊れちゃったんだ」

フッと、静香の顔から表情が消えた。

「こ、壊れたって?」
「うん。
 実は参加者の一人がチャンピオンになっても元の世界に戻らなくてさ。
 そのチャンピオンが言うには機械が壊れているみたいって」
「そんな……それで!?
 ドラちゃんはどう――」
首を横に振る僕を見て、静香はようやく思い出したようだ。

ドラえもんが手持ちのピカチュウの攻撃を喰らい、ショートしてしまったことを――
405短期連載U ◆h8RyxQKBOY :2007/03/22(木) 21:54:41 ID:???
「……ごめんなさい」
静香がおもむろに頭を下げたので、僕は慌てた。
「べ、別にいいんだよ!
 もうみんな知っているんだから。
 僕らがこの世界から帰れなくなったこと、みんな理解してくれた。
 仕方ないから僕らはこの世界で暮らしているんだ。
 ほら、この世界ってポケモンが使えれば――」
「そんなことよりのび太さん!」
そんなことですかしずちゃん。
「あたし今大変なの!
 追っ手が来てるのよ!匿って!!」

そういえば、静香は5年間ロケット団のところにいた。
道具が壊れた騒ぎですっかり忘れられていたのだ。

「お、追っ手って……ロケット団の?」
「そうよ!
 あたしロケット団員として養成されていたんだけど
 その腕が認められて幹部にまで上り詰めたの。
 だけど、のび太さんたちがずっと来ないから心配になって
 暇だったから脱出したの」
色々と突っ込みたかったが、静香の様子が本気なのでやめておく。
「……わかった。
 でもそれだったら僕なんかよりジムの方へ――」

ガシャン!
不意に部屋の窓ガラスが勢いよく割られた。
406短期連載U ◆h8RyxQKBOY :2007/03/22(木) 21:55:15 ID:???
振り向くと、ドンカラスと共に一人の男が侵入して来る。
完全な犯罪だ。訴えなきゃ。
いや待てよ。
このままじゃ僕が大家さんに訴えられる!
「見つけたぞ!静香!
 ロケット団を裏切るとは愚かなことを!
 この空の覇者、須羽ミツ夫から逃げ切れるわけ――」
「行け、ピカチュウ!10万ボルトだ!!」
名誉の危機を感じた僕はポケモンを繰り出す。
黄色ねずみは凄まじい電撃を繰り出し、須羽を処した。
須羽の絶叫が響き渡る。
う〜ん。さすが僕の第一のパートナーだ。
あの電撃の輝き、威力……なんとすばらしい!
因みにドラえもんをショートさせたのもこいつだ。

須羽がマックロクロスケとなっているうちに、僕は静香の手を握る。
「さぁ、行こう!しずちゃん!!
 ……時にしずちゃん。どうしてこの部屋に入れたんだい?」
「ええ、ピッキングよ!
 ロケット団にいるうちに習ったの!」

しずちゃん。
5年間の歳月はいったい君に何をもたらしたんだ……

かくして僕らの逃亡劇が始まった。
電気ねずみと水ねずみを従えて――
まず目指すのはジムだ!
407短期連載U ◆h8RyxQKBOY :2007/03/22(木) 21:55:51 ID:???
《《《
「……おい、1号がやられたぞ」
男はたこ焼きを頬張りながら言う。
かなりの巨漢だ。
それを背負うペリッパーも、標準に比べればかなり大型。
「1号……懐かしい呼び名ね」
女はピジョットに腰掛けながら下を見ている。
駆けて行くのび太と静香の前に。ばぁさんが立ち塞がっていた。
「ああ、俺らにとっちゃあいつはいつまでも1号や。
 んなことより……次はどうすんねん?」
「順番からして、次は2号ね」
「ウキャ!?」
「ええんかいな、そんなんで……2号ええんか?」
「ウキャキャ!」
チンパンジーは勢いよく民家から降りていく。
腰にちゃんとモンスターボールをつけて――
》》》

「会話は聞いてたよ。
 壁越しから聞こえるんだ。フェッフェ」
……僕は5年間もそんな所に住んでいたのか。
ばぁさんはドードリオを繰り出す。
「乗りな!」
「……いえ、いいです」
僕はばぁさんの脇を擦り抜け、駆けていった。
逃亡劇は始まったばかりだ!
408短期連載U ◆h8RyxQKBOY :2007/03/22(木) 21:56:56 ID:???
投下終わり。
結構がんばったけど、やっぱりね……
俺はシリアスなんて無理!
それじゃ。
409DPでも書こうか ◆ePxtyQg3Mk :2007/03/22(木) 22:01:31 ID:???
みんなみんな乙
と言うことで自分もラストスパート、これから投下
少ないけどね
410DPでも書こうか ◆ePxtyQg3Mk :2007/03/22(木) 22:02:20 ID:???
「はいざんね〜ん」
洞窟内に高いのび太の声が響く。
階段を登りかけていたジャイアンは咄嗟に後ろを向いた。
「マスキッパ!パワーウィップでぶっ飛ばせ!」
剣の舞を一度舞ったマスキッパの攻撃力は凄まじい。
ジャイアンの出したドダイドスもろとも突き飛ばし、ジャイアンに当たった。
ガシャーンとも捕らえられる音が耳を貫いた。
そのままジャイアンは動かなくなってしまった。

「ふぅ、エテボースが守るを覚えてくれて良かった」
ポケモン達をボールに戻した僕は、岩の下敷きになったバックを引っ張って取り出す。
ケチャップでベチョベチョになった両手を岩に擦り付け、ジャイアンの横を通り過ぎて行く。
「シャレてんだな」と一言吐いたのび太の目には、真っ二つに割れた金色のブレスレットがあった。
411DPでも書こうか ◆ePxtyQg3Mk :2007/03/22(木) 22:03:09 ID:???
テンガン山 頂上
「そ、そんな……私の言うことが聞けないのか!?」
アカギは赤い鎖で撒きつけられた2体のポケモンから離れようと後ずさる。
しかしトン、と背中に何かが当たった。
「アカギだっけ?お前、邪魔だから消えていいよ」
先ほどバトルした少年、出来杉だった。
アカギは少年の形相に恐怖を覚えながらもモンスターボールを手で探る。
「バトル?面倒だからコイツ等にでも食われてろよ」
「?」
出来杉は右足を思い切りアカギの腹にぶつけた。
子供とは思えないパワーで、アカギの体は宙に浮かんだ。
飛ぶ先は……空間ポケモンパルキア。

再び舞台は戻る。
「あっ、ジャイアン殺しちまったよ
 ……まぁどうせ悪党だし報いを受けて当然か」
のび太は笑みを浮かべ、また階段を登り始める。
彼も又、おかしくなり始めていたのだ。

今となってマトモなのはドラえもん、そして後もう一人となってしまったのは
本人達は知る由も無い。

「うぐ……」
冷たい洞窟の中、オレンジのセーターを纏った少年が長い眠りから覚めた。
彼こそが最後の希望となる。

みんなのてもち(廃止)
412DPでも書こうか ◆ePxtyQg3Mk :2007/03/22(木) 22:03:55 ID:???
ホント少ないなぁ
それじゃ
413名無しさん、君に決めた!:2007/03/22(木) 22:06:58 ID:???
糞眼鏡クラスの名言が……
414名無しさん、君に決めた!:2007/03/22(木) 22:18:39 ID:???
書こうか氏からは荒木比呂彦レベルのセンスが伺える
415名無しさん、君に決めた!:2007/03/22(木) 22:19:21 ID:???
なんかwkwkしてきたぜ
416名無しさん、君に決めた!:2007/03/22(木) 22:25:56 ID:???
ちょwwwすげー面白いわwww
乙!
417携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/22(木) 23:57:34 ID:???
書こうか氏very乙です。

予告投下の携帯獣です
投下。
418携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/22(木) 23:58:14 ID:???
『ドラえもんのび太の携帯獣冒険記』
第二章 ♯第四話 「行動開始」

スパイとなったジャイアンは、仲間面で『エルド』の団員に近づき、
不意打ちをして少しずつ倒していった。
「これで五人目か……疲れてきたぜ」
ジャイアンは気絶した団員を木に縛り付けた。
そして、少し休もうと、さっきの茂みの中に隠れると、
腰にある、『エルド』団員の通信機が振動した。
ジャイアンはこれに出なければ怪しまれると思い、
通信機を手に取った。
「は、はい!なんでございましょ?」
ジャイアンは緊張のあまり、スネ夫のママのような口調になった。
『お前そんな口調だったか?……まあいい、これから第2段階に移行する。
ヘリに集まれ』
「イ、イエッサー!」
ジャイアンは第2段階というのが何かわからなかったが、
取りあえずヘリに向かった。
419携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/22(木) 23:58:51 ID:???
ジャイアンがヘリの場所に着いたときには、
ざっと五十人程の団員達がいた。
「(こりゃ俺一人で倒すのは無理だな)」
ジャイアンは何かいい作戦はないかと考えながら、団員の中に混じった。


5分位経つと、一人の男がマイクを片手に現れた。
灰色の髪にサングラス、黒いバイクスーツの男だ。
読者の皆様ならおわかりになると思いますが。
クラウドです。
「え〜本日はお日柄も良く……ちゃうわ。
これから第2段階、『地龍』捕獲装置の製造および、『地龍』捕獲本部の設置を始めようと思います」
団員達が拍手をする。
「おおきに、ほな、自分の番号覚えとるよな?その番号で奇数のやつらが、装置のほうに、
偶数のほうが、本部設置に回って。はい、始め!」
団員達は、自分の胸にある、番号を見ている。
ジャイアンもつられて番号を見た。
「67か……あれ?グースウってなんだっけ?」
ジャイアンは懸命に考え、自分と同じく、7が一の位にある団員を見つけ、
ついていった。
420携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/22(木) 23:59:30 ID:???
「お〜い待ってくれよ!」
ジャイアンは番号27番の男を呼び止めた。
「はい?」
27番も男は振り返った。ジャイアンより少し背が高く、細身で繊細そうな若い男だ。
「どこ行くんだ?」
「え?『地龍』捕獲装置の製造に……」
「俺も一緒に行くぜ」
ジャイアンは若い男と共に現場に向かった。


現場に着くまで、ジャイアンと若い男、ユウマとすっかり仲良くなっていた。
「……なら、ユウマはバトルのセンスが良いからこの隊に入ったのか?」
「うん、こう見えても小さいころからバトルだけは得意でね……。
いつかはクラウドさんの側近になりたいと思ってるんだよ」
ジャイアンとユウマは工具を運びながら雑談している。
「クラウド?誰だそいつ?」
ジャイアンの言葉にユウマは目を丸くした。
「武、なに言ってるんだ?クラウドさんは『エルド』の幹部で僕らの上司だよ!」
「え?」
ジャイアンは自分がスパイだと怪しまれるのでは?
と思ったが、ユウマは、覚えなきゃ駄目だよ。と
一言言っただけだった。
421携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/23(金) 00:00:32 ID:???
作業を始めてから1時間後。
『地龍』捕獲装置は着々と完成に近づいていた。
見た目は2階建ての家と同じくらいの大きさの戦車のような形で、
中は様々な機械が取り付けられている。
「いや〜疲れたぜ。汗を流した後の一杯は最高だな」
ジャイアンは休憩所でコーラーをガブ飲みしていた。
「ん?俺はこんなことしてる暇はねえんだよ!」
自分の目的を思い出したジャイアンは、空き缶を握りつぶし、辺りを見回した。
休憩中の団員ばかりで、今ならジャイアンでも十分に倒せる程だ。
「(こいつらを倒せば俺は……『絶対的な力』にまた一歩近づける!)」
ジャイアンは心の中でそう叫ぶと、手持ちのポケモンを全て出し、
今まで共に汗水流し働いてきた団員達を奇襲した。
「とにかく暴れろお!」
団員達は突然のクーデターに慌てふためき、なすすべも無く気を失っていった。
中には正気を取り戻し、ジャイアンに向かってくる者もいたが、
還付無きまでに叩きのめした。


5分もすれば、ジャイアンの周りには団員達の悲惨な姿があった。
「連絡できねえようにアンテナも叩き折ったし、これでいいだろう」
ジャイアンは本部建設現場に向かおうと、立ち上がった。
すると、後ろでガランガランと何か、缶が落ちたような音がした。
ジャイアンが不思議に思い振り向くと、その先には真っ青な顔をして立ち尽くしている
ユウマの姿があった。ユウマはジャイアンが休憩する少し前に飲み物を調達しに行っていたのだ。
「た、武……これは一体……?」
「あのな……ユウマよ、これは」
「裏切り者ォ!!!」
ユウマは顔を真っ赤にしてポケモンを繰り出した。
フライゴンだ!
422携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/23(金) 00:01:25 ID:???
『ドラえもんのび太の携帯獣冒険記』
第二章 ♯第五話 「ユウマ」

「フライゴン、かえんほうしゃ!」
ユウマのフライゴンは宙に舞い、火炎を吹いた。
「ちいっ!キングラーよ、しおみずだ!」
キングラーは素早くジャイアンの隣に立ち、小さいほうのハサミから、
火炎目がけ水を放った。
両者の力は互角で、お互いの攻撃は相殺してしまった。
「くそ……だったらソニックブームだ!」
フライゴンは翼を大きく羽ばたかせた。
その瞬間、キングラーは見えない何かによって吹き飛ばされてしまった。
「あっ?どうやらゲームとは違うみてえだぜ!」
ジャイアンが見たのは、空気のわずかなブレであった。
これがソニックブームの正体のようだ。
「キングラー、まだいけるか?」
ジャイアンの呼びかけで、
瓦礫の山に突き刺さっていたキングラーは起き上がり、すぐに戦闘態勢に入った。
「よし、ラムパルドはいわなだれでソニックブームの位置を特定しろ、
キングラーはソニックブームをかわしつつ、しおみずをフライゴンに発射だ!」
ラムパルドは作戦を聞き終えると、大きな尻尾で瓦礫を叩きつけた。
その衝撃で瓦礫達は宙を舞い、フライゴンにおそいかかる。
「ふん、ソニックブームで裏切り者ごと岩を切り裂け!」
フライゴンは再び羽ばたく、それと同時に真空の刃が岩を切り裂いた。
キングラーはさっきの作戦通り、ソニックブームの位置を把握し、それを避け、
フライゴンにしおみずを連射した。
423携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/23(金) 00:02:44 ID:???
「甘いよ、フライゴンにはそんなものは当たらない!」
ユウマの言うとおり、フライゴンは身軽にキングラーの攻撃をかわした。
「裏切り者にはふさわしい攻撃を食らわせてやる!
はかいこうせん!」
「なぬ?」
フライゴンは大きく口を開ける、口の中にはどんどんエネルギーが溜まっていく。
「やべえ、ドードリオ……」
「遅いっ!」
フライゴンの口から強力なエネルギー波が放たれた。
そして一瞬のうちにジャイアンがいたところを粉砕してしまった。


丁度ジャイアンにはかいこうせんが放たれたころ、
とうとうのび太達がネクロムシティに到着した。
「こ、これは一体?」
しずかは壊された建物、街に鳴り響く轟音に、驚きの声を上げる。
「……とうとう侵攻を開始したか……皆、『エルド』を食い止めるわよ!」
のび太達はオリーに続いて走り出した。


―本部建設現場―
「クラウドさん、街に侵入者が!」
クラウドは街の入り口を望遠鏡で監視していた部下に呼ばれた。
「どれどれ……ほほう……こりゃあこりゃあ……」
クラウドは街に侵入したオリー達を見て、邪悪な笑みを浮かべる。
「お前ら、一旦作業中止や!コラッタが入り込んだ。今から駆除しに行くでえ!」
クラウドは十指にマイクを取り付け、部下を引き連れ、狩りに出た。
424携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/23(金) 00:04:53 ID:???
投下終了。
間違い発見。
第四話が、第5話を
第5話、第六話にひとつずらしてください。
wiki管氏申し訳ない。
425名無しさん、君に決めた!:2007/03/23(金) 00:23:03 ID:???
426名無しさん、君に決めた!:2007/03/23(金) 02:28:18 ID:???
O2
427にゃーすpepusiman ◆rwwitCZFqY :2007/03/23(金) 09:47:36 ID:???
用語集みたいなのを投下
428にゃーすpepusiman ◆rwwitCZFqY :2007/03/23(金) 09:48:16 ID:???
データベースA

No.001 レプリロイド

アメリカが発明した限りなく人間に近いロボット。
今では世界中で作られ人間の最高のパートナーとなっている。
しかし、あまりに人間に近すぎたために人間に逆らうレプリロイドも現れた。
人々は、そういったレプリロイドをイレギュラーとして恐れ、同じレプリロイドの手によって処分させている
429にゃーすpepusiman ◆rwwitCZFqY :2007/03/23(金) 09:48:49 ID:???
データベースA

No.002 第三次世界大戦

北朝鮮・韓国の連合軍がエネルギーを求め、アメリカ・日本を攻撃。
その後アメリカの宣戦布告により戦争勃発。
主にアジアが戦場となり日本国内で戦うこともしばしばあった。
アメリカ政府はイレギュラーに認定されたレプリロイドを兵隊として起用。
北朝鮮・韓国でもレプリロイドを戦闘用に改造し、いつしか人間同士の戦いがレプリロイド同士の戦いとなっていた。
結局、北朝鮮・韓国の降伏により戦争は終わったが、日本が受けたダメージは相当なものであった。
430にゃーすpepusiman ◆rwwitCZFqY :2007/03/23(金) 09:50:55 ID:???
とりあえずここで止める
歴史を考えるのって難しいな
431名無しさん、君に決めた!:2007/03/23(金) 10:39:07 ID:???
書こうか氏、携帯獣氏、にゃーす氏、乙です。

以前からバーボンで金銀を書くと言っていたものです。
投下します。
432ただの金銀のようだ ◆OgMOWRDE.s :2007/03/23(金) 10:39:59 ID:???
 拝啓 ドラえもんさま。
 こんばんは、野比のび太です。
 陽春の候、いかがお過ごしでしょうか。
 さて、あなたに誘われるままポケットモンスター金銀の世界にやって来てから、
 六時間ほどが経過いたしました。
 言い出しっぺのあなたがゲームの世界に来ないとは正直予想外でした。
 おかげでぼくはウツギ博士にお使いを頼まれ、先ほどやっとそれを終え、
 一人だけ大幅に遅れをとっています。
 博士からのお礼は特にありません。
 早くも現実の世界に帰りたくなってしまいました。
 スペアポケットとは言いません。
 せめてウラシマキャンデーを、ウラシマキャンデーをください。
 冗談です。
 それでは、またお会いいたしましょう。
 敬具
433ただの金銀のようだ ◆OgMOWRDE.s :2007/03/23(金) 10:40:42 ID:???
 ここはヨシノシティ
 かわいい花の香る町

「へぇ、ゲームの世界にも季節ってあるんだぁ」
のび太は感嘆の声を洩らした。
この町にはその説明の通り、至る所に花がある。
もちろん、春を象徴する桜もその花を咲かせている。
「きれいだなぁ……」
のび太はのび太らしい率直な感想を述べた。
「ほらヤドン、桜きれいだよ」
しかし、のび太のパートナーであるヤドンは桜に一瞥も与えず、
ただぼんやりと月の浮かんだ夜空を眺めている。
のび太はやれやれと思いながらポケギアに目を落とす。
「次の町はキキョウシティか。みんなもう着いてるんだろうなぁ……」
のび太は溜め息を漏らした。
ヤドンはまだ空を見ている。
ウツギによれば、もともとのび太たちがもらえるはずだったポケモンたちは、
数日前に何者かに盗まれてしまったらしい。
のび太は不安を感じずにはいられない。
「そういうイベント、なのかなぁ?」
のび太の独り言に答えるものはいなかった。
考えていてもしょうがないと判断したのび太は、
ヤドンを連れて30番道路に向かった。
434ただの金銀のようだ ◆OgMOWRDE.s :2007/03/23(金) 10:41:34 ID:???
 ここは30番道路
 キキョウシティ …… ヨシノシティ

「ここを抜ければキキョウシティなんだね」
のび太はなんとなく、そばにあった大きな木に手をついた。
そして、木の上からなにかがぶら下がっていることに気付いた。
「うわッ!」
のび太は驚き、慌てて後ろに下がった。
そのなにかの正体は野生のイトマル。
のび太は胸を撫で下ろす。
「はぁ、どきどきしたぁ……」
のび太はイトマルをよく捉えようとして、そのつぶらな瞳と目が合った。
「よし、捕まえてみよう」
そう決めるや否やのび太は傍らのヤドンに命じる。
「体当たり!」
気を抜いていたらしいイトマルにヤドンのピンク色の体がぶつかった。
「よし、モンスターボール!」
射撃が得意なだけあって、のび太の投げたボールは見事にイトマルに命中し、
当たったボールは揺れもしなかった。
「やった、えへへ」
初めて自力でポケモンを捕まえ、頬が紅潮している。
「やっぱり考えすぎだったな」
のび太は実に単純な構造の脳みその持ち主だった。
435ただの金銀のようだ ◆OgMOWRDE.s :2007/03/23(金) 10:42:45 ID:???
 ここはキキョウシティ
 懐かしい香りのする町

「だれかと一緒に行けばよかったかしら」
しずかはぽつりと呟いた。
しずかはこの世界に来た四人の中で唯一、ポケモンをプレイしたことがない。
みんなのプレイを見ていた程度だ。
経験不足はしずかを焦らせ、結局ここまで一人で来てしまったのだった。
「別に優勝するつもりもないのに」
そう、ゲームには勝者がつきものだ。
今回の場合は最初にチャンピオンになれば優勝である。
しかし、しずかは勝ち負けにはあまり興味がなく、
どちらかと言えばかわいいポケモンと一緒にいたいという気持ちだった。
どうせ黙っていてもだれかが優勝するだろうと考え、
これからは自分のペースで進むことにした。
「それじゃナゾノクサ、お散歩にでも行きましょ」
パートナーのナゾノクサを連れて、しずかもまた30番道路へ歩き出した。
436ただの金銀のようだ ◆OgMOWRDE.s :2007/03/23(金) 10:44:08 ID:???
 ここはマダツボミの塔
 ポケモンの修行をなされよ

「オニスズメ、つつく!」
ジャイアンはマダツボミの塔で坊主相手に修行をしていた。
修行と言っても、マダツボミ狩りと言い換えることができるほど一方的なものだった。
ジャイアンのパートナーはワンリキーだが、
マダツボミやホーホーを相手にしてはその実力は発揮できない。
そこで新入りのオニスズメの出番というわけだ。
そしてとうとう、マダツボミの塔において最も強い坊主、コウセイをも倒してしまった。
「あんたも弱いなぁ。全然手応えなかったぜ」
ジャイアンは勝ち誇った笑みを浮かべる。
そんなジャイアンを見据え、コウセイは口を開く。
「確かにそなたは強い。だが」
「負け犬のくせに説教かよ」
ジャイアンを無視してコウセイは続ける。
「そなたはポケモンに対する愛情が足りない」
途端にジャイアンの顔が不愉快そうになった。
「愛情なんて強さに関係ねぇよ」
「どう思おうと勝手だが、そのままではこれ以上強くはなれまい」
いつものジャイアンならばとっくにコウセイを殴っていただろうが、
コウセイの持つ密かな迫力に圧倒されてしまっていた。
「ちッ、ばかじゃねぇの。なにが愛情だよ」
ジャイアンはそう吐き捨て、塔をあとにした。
437ただの金銀のようだ ◆OgMOWRDE.s :2007/03/23(金) 10:44:46 ID:???
 キキョウシティ ポケモンジム
 リーダー ハヤト
 華麗なる飛行ポケモン使い!

「それじゃよろしくお願いします」
「こちらこそ」
その頃、スネ夫はキキョウジムに挑戦していた。
ハヤトはポッポを、スネ夫はパートナーであるケーシィを繰り出す。
「ポッポ、体当たり!」
先手を打ったのはハヤトだった。
スネ夫は動じず、ケーシィに指示を出す。
「テレポート!」
ポッポから攻撃を受ける直前にケーシィの姿がかき消えた。
「どこに行った?」
「後ろだよ」
ケーシィはポッポの背後に回っていた。
「ポッポ、風起こし!」
「ケーシィ、テレポート!」
スネ夫はただただ、ケーシィにテレポートを命じ、
ポッポの攻撃をケーシィがテレポートで避ける、という行為が幾度も繰り返される。
「どういうつもりだ!」
スネ夫はそれには答えない。
そして、ハヤトはスネ夫のその意図に気が付いた。
(悪あがき狙いか!)
そう、スネ夫は技ポイント切れによって悪あがきを発動させようとしているのだ。
(舐めた真似を)
「テレポート!」
怒りに震えるハヤトにスネ夫の声が聞こえた。
(今のが十四回目のテレポートだな)
テレポートの技ポイントは十五。
ならば、とハヤトは考える。
438ただの金銀のようだ ◆OgMOWRDE.s :2007/03/23(金) 10:46:39 ID:???
ケーシィが最後のテレポートを使ったときに、
ポッポに守るを使用させれば悪あがきを防ぐことができるだろう。
「ケーシィ」
スネ夫が指示を出そうとした。
「ポッポ、守る!」
ハヤトの命令を受け、ポッポが自身を丸め、防御しようとしたそのとき。
「悪あがき!」
ケーシィはテレポートではなく、悪あがきを発動した。
「なにッ!」
防御体勢が万端でなかったポッポは、悪あがきをまともに食らい倒れた。
「ばかな!なぜ……」
スネ夫がいやらしい笑みを浮かべて言う。
「技ポイントが常に満タンとは限らないよ?」
その言葉にハヤトははっとする。
「なるほど、おれと戦う前にテレポートの技ポイントを一だけ減らしておいたのか」
テレポートの連発が悪あがき狙いであることが気付かれるのは、
スネ夫にとっては計算のうちだったのだ。
「仕方ない。出てこい、ピジョン!」
ハヤトが繰り出したのは、切り札でもあるピジョン。
「先制攻撃だ、泥かけ!」
もはや攻撃を避けるすべを持たないケーシィは、泥かけを食らってしまった。
「ケーシィ、悪あがき!」
命中率が下がっているケーシィの悪あがきは虚しく空を切る。
「ピジョン、風起こし!」
もともと防御力の高くないケーシィは、ピジョンの攻撃で戦闘不能となった。
「戻れ、ケーシィ。次はこいつだ!」
スネ夫が出したのはハネッコ。
「ハネッコ、だと?」
草タイプのハネッコは飛行タイプのピジョンとは相性が悪い。
「どこまでも舐めたものだな」
ハヤトは呆れかえっている。
それを見て、スネ夫はにやりと笑った。
439名無しさん、君に決めた!:2007/03/23(金) 10:48:12 ID:???
投下終了です。
次回の投下はいつになるかはちょっと分かりません。
これからよろしくお願いします!
それではまた。
440DPその2 ◆Dy4EDQYuSY :2007/03/23(金) 11:08:20 ID:???
ただの金銀のようだ氏乙です
金銀作者の新人なんて久しぶりですね

今から少し投下します
…べ、別に人気投票のためじゃないんだからねっ!
441DPその2 ◆Dy4EDQYuSY :2007/03/23(金) 11:10:50 ID:???
ノモセシティにジャイアンは足を踏み入れた。
彼は特別深いぬかるみに沈み込み、動けなくなってしまい、
仕方なく泥の中を泳いできたのだった。
ジャ「服…どうしよう、母ちゃんに怒られる…」
注目の的になりながらポケモンセンターに入ると、
カウンターのお姉さんが気の毒に思ったらしく、
部屋を貸し、風呂に入る手配までしてくれた。

ジャ「ポケモンセンターは風呂まで管理してんだな。」
ジャイアンは湯につかりながら満足気に呟いた。
ここノモセシティは湿原があり、海が近く、
そして町から一歩外に出ると土砂降りの道路。
どうも湿気がたまりがちな町である。
ジャ「でも、ルネシティみたいに水の町ってわけじゃないな。
むしろ、ウパーなんかが好きそうな泥の町…ってとこか。」
ジャイアンは窓辺まで泳いで行き、町を一望した。
シティという割には家が少ない。それに町の4分の1は海だ。
船がとまっている。
ジャ「うーみーはーひろいーなーおおきーいーなー………」
ジャイアンの静かな歌声が夜の街に消えていく。
流石に大声で歌う気にはなれないようだ。
442DPその2 ◆Dy4EDQYuSY :2007/03/23(金) 11:12:52 ID:???
パルパーク

スネオは、今までにあまい香りのする木で捕らえたポケモンを並べてみた。
ミツハニー♂が二匹、ミノムッチが一匹、それとゴンベが一匹。
まさかゴンベが野生で、しかもあまい香りのする木で出てくるとは思えなかったが、
分布を調べてみると他では出てこないようなので、少し得をしたようだ。
スネオは最初に捕まえたミツハニーのボールを出した。
初めはただのウザイ奴としか思わなかったが、
レベルを上げる毎にあまいみつをたくさん拾ってくれるし、
愛嬌のある顔×3がボールを開けるたびに飛び出してきたので、
スネオも愛着がわいてそのままスネオのパーティ入りしたのだ。
今ではビークインだ。

欠伸が出た。
このゲームをしていると時間の感覚がなくなってしまいそうだ。
ドラえもんと連絡を取るのも面倒だったので、
そのままぼうけんノートにレポートを書く。
一人現実世界に帰っていくスネオ。
443DPその2っ記帳 ◆Dy4EDQYuSY :2007/03/23(金) 11:18:03 ID:???
投下これだけで終了

何が日記帳なのかと言うと、
志望校合格しました
それと、人気投票の26日は俺の誕生日です。
444名無しさん、君に決めた!:2007/03/23(金) 11:51:47 ID:???
DP2氏おめでとー。
良かったね、俺まで嬉しくなるよ。
誕生日プレゼントはピザで良いよね?ピザーラの
445ドラAAモン ◆0oe33Tyq22 :2007/03/23(金) 12:33:24 ID:???
久々に投下
最近はネタが思い浮かばないわ人気投票が近いわで困る
446ドラAAモン ◆0oe33Tyq22 :2007/03/23(金) 12:34:52 ID:???
僕は、とりあえず南に行くことにした。

途中湖も見えた。ここにも全身タイツの大人の人がいた。
この世界では何か大きなサークルがはやっているのか?
そんなことは気にせず先に行った。

ノモセシティについた。じめじめしている。
そういやこの世界に来てから風呂入っていないなぁ…。せめて水浴びでもしたいなぁ。
というわけで、人の家の風呂に入るきっかけをとるためにサファリにいった。

結局何も取れなかった。きりばらいの秘伝マシンは手に入れたけど。


で、風呂はどこ?
447ドラAAモン ◆0oe33Tyq22 :2007/03/23(金) 12:35:50 ID:???
結局風呂も見つからず前よりさらに汚くなった僕は、仕方なしにジムに行った。

自動ドアをぬけたら、そこは水のプールだった。

条件反射で飛び込んだ。

汚れ取れ 僕はおぼれて 気絶した 
                 のび太 心の一句

「おお、ようやく気がついたようじゃな。よかったよかった。」
気がついたら目の前に見たことのある人がいた。
……誰だっけ?
「おぬしがおぼれているのを見たときは冷や汗ものだったぞ、まったく……
なぜ泳げぬのに飛び込んだんだ?」
マイペースで話を続けるおじさんに、ひとまず僕はたずねた。

おいてめぇ何様のつもりでこの俺に話しかけているんだコラァ!
ひとまずは名前を言わんかいこのボケナスがぁ!…と。

この前スキンヘッドのカメダコウキっていう人に教わった、
相手に見くびられず自分を強く見せるための挨拶だそうだ。


殴られました。
448ドラAAモン ◆0oe33Tyq22 :2007/03/23(金) 12:37:01 ID:???
で、殴られたショックで思い出した。
この人は怪しいおじさん――
「カッコイイお兄さん、マキシマム仮面だ!」
……カッコイイお兄さん、マキシマム仮面です。
この人には憎たらしい怨念が――
「ありがたい恩!」
……ありがたい恩をもらいました。

それにしてもこの人がジムリーダーとは驚いた。
初対面のときは釣り好きのコスプレ好きな迷惑ばかりかける変態おやじだと思っていたのに――


あ、いや、釣りが趣味のカッコイイ優しいイケメンお兄さんだと思っていたのに。
(何があったのだろうか)
まぁいいや、どうせここのジムは楽勝だろうな。弱点もうまくつけているパーティだし。
「ふむ、どうやら楽勝だと思っているな。今までもそう思っていたやつがいたな。
まぁ、そいつには結局負けてしまったがな…。
つまり、生半可な気持ちではこのワシには勝てないというわけだ!
さぁ、かかってこい!」

……作者はバトルシーンをうまく書けるのだろうか?
449ドラAAモン ◆0oe33Tyq22 :2007/03/23(金) 12:37:51 ID:???
投下終了。

なんというか笑いも文章力も無いような気がする今日この頃
450DPでも書こうか ◆ePxtyQg3Mk :2007/03/23(金) 12:40:11 ID:???
ドラAAモンGJ
これからも頑張れよ
451名無しさん、君に決めた!:2007/03/23(金) 12:41:11 ID:???
酉つけたままだった
見なかったことにして
452名無しさん、君に決めた!:2007/03/23(金) 17:55:45 ID:???
>>450
この目に焼き付けた

ドラAA乙〜
453名無しさん、君に決めた!:2007/03/23(金) 18:18:25 ID:???
454名無しさん、君に決めた!:2007/03/23(金) 18:52:42 ID:???
ドラAAモン氏、DPでも書こうか氏乙
455ポケモンとのび太とノートと ◆C1aEnJaUS2 :2007/03/23(金) 20:08:53 ID:???
これから投下します。
甲子園は練習のせいで、佐野日×大牟田しか見れませんでした。
全国のレベルを痛感しました
456ポケモンとのび太とノートと ◆C1aEnJaUS2 :2007/03/23(金) 20:09:45 ID:???
「ズズズーーーーーーン!!!!」
凄まじい爆発音が鳴り響き、ラジオ塔が崩壊してゆく。

その衝撃や惨状はコガネゲート前にいた人々や、今だクモの巣をかきわけているスネ夫にも容易に観測出来た。

ある人々は驚き、またある人は余りに衝撃的な光景に目を疑う。

しかし、ここに一人例外がいた。

しとしと降る雨にうたれながらも、その顔は狂喜で歪んでいる。

のび太「計画通り………。
そして、時間通り……正確だ。」
のび太は時計を見ながら微笑みを浮かべた。

「計画通り」「時間通り」「正確だ」
この三つは何を意味しているのだろう。

それはこれから順を追って説明せねばならない事になる。
と、いう訳で時間を少しばかり巻き戻してみよう。
457ポケモンとのび太とノートと ◆C1aEnJaUS2 :2007/03/23(金) 20:10:45 ID:???
時はドラえもんがラジオ塔に侵入した時、すなわち、コウがのび太に騙し討ちをしようとした時間まで遡る。





コウを追い詰めたのび太。
一方コウはのび太に不意打ちを食わせようと、クロバットとエアームドをのび太の背後に忍ばせていた。

雨のせいか、後ろの二匹に全く気づかないのび太は言う。
のび太「安心しろ。死ぬ運命は避けられないが、苦しくはない。
大人しくしてろよ……。」

コウ『言っとけ………。
あと2m………。』
鼻血を出し、地面に叩きつけられ惨めな姿になっても、コウは今だ最後の望みに全てを賭けている。

のび太に迫る二つの影。
まだ気づかれてはいない。

コウ「後少し……もう少し……。」

そして二匹は、完全にのび太への射程距離内に侵入することに成功した。

完璧に気配を殺し、エアームドがその鋭い刃の羽を振り上げる。

コウ『今だッ!!!殺せぇぇッ!!!』
鋼の翼がのび太の勁動脈に襲いかかる。

のび太「!!!!!」
458ポケモンとのび太とノートと ◆C1aEnJaUS2 :2007/03/23(金) 20:11:47 ID:???
人間の神経系を駆け巡るインパルスの中でも、最速のものは18m/sの速さを記録するらしい。
それが速いと思うか、遅いと思うかはここでは置いておこう。

ともかく、のび太への攻撃は通常、上で挙げた常人の反射の速さでは到底防げるものではなかった。

しかし、エアームドからの斬撃はのび太の首を少しかすめただけで、完璧にかわされたのである。

コウ「ば………バカな……タイミングは完璧だったのに……。
よ、避けられる訳が……。」
最後の策も尽き、コウはうめく様に言う。

のび太「ハア……ハア……ハア……。
野郎……死ぬとこだったじゃねえか……。」
のび太はそう言いながら自分の首筋を触る。
指には微かに血が滲んでいた。

のび太「血……。このオレが血を……。
………このクソ鳥共がぁああああ!!!!」
のび太は逆上し、それに合わせるかの様に、ゲンガーがエアームドとクロバットにシャドーボールを雨霰の如く浴びせる。
二羽が完全に動かなくなった後もそれはしばらく続き、一分後、シャドーボールのPPが切れてやっとそれは中断される。
二体のその姿は、目もあてられない様なものになっていた。

それを見たのび太は、満足そうに指についた血をしゃぶり、荒い息を整え始める。
一通り感情も爆発し終えて、気分も落ち着いてきたようだ。
459ポケモンとのび太とノートと ◆C1aEnJaUS2 :2007/03/23(金) 20:12:47 ID:???
のび太「ふぅ……。危なかった。
雨で音は消えていたし、気配は完全に消されていた……。
下手したら、マジで死んでたかもしんねえ……。」
のび太は言い、またコウヘ一歩踏み出す。
その顔に不気味な笑みを浮かべながら。

コウ「ヒイイイイイ!!!!
なっ、なっなっ、何故ぇぇッ!」
コウは怯えながらも騙し討ち失敗の原因を聞こうとする。
発狂寸前。口からはだらしなく涎が垂れている。

のび太「ん?何故俺がお前の不意打ちに気づいたか知りたいのか?
いいだろ。教えてやる。」
のび太はコウの、言葉にならない言葉を汲み取り言った。

のび太「お前の体には俺の背後を映し出す物が一つだけあった。
そして俺はそれで偶然気づいた。それだけだ。」

コウ『じっ、自分の、かっ、体?そっ、そんなものは………。』
コウは半狂乱の頭で考える。

映し出す……。鏡……。光?
まさか!

コウは反射的にその部位を押さえた。
460ポケモンとのび太とノートと ◆C1aEnJaUS2 :2007/03/23(金) 20:14:52 ID:???
のび太「そう!!正解だ!お前の瞳にあの鳥が映っていたんだよ!」
のび太はそう言い、コウの頭を掴む。

のび太「これから言う質問に答えたら、無事に逃がしてやる。
お前の手持ちポケモンを全て言え。
ええと、なになに………。」
のび太はコウのポケモン達を黒い冊子のノートに書き込んでゆく。

一通り書き終えた所で次の質問に入った。
のび太「お前のコウという名前は本名(フルネーム)か?」
コウは無言で頷く。
のび太「そうか……。」
のび太は冊子に次々と何かを書き込んでゆく。

そして二分後。
「パタン!」
のび太は何かを書き終え、冊子を閉じて言った。
のび太「お疲れさん。
これは餞別だ。親が変わるから進化するかもな。
まあとにかく頑張れよ。」
のび太はコウにモンスターボールを渡し肩を叩く。
モンスターボールの中身は誰にも知らせていないアイツだ。
461ポケモンとのび太とノートと ◆C1aEnJaUS2 :2007/03/23(金) 20:15:41 ID:???
コウは突然の恐怖からの解放され、渡されたモンスターボールを手にポカーンとしている。
のび太「早く行けってんだよカスが!!!」
のび太はコウの尻に蹴りをかました。
その勢いで彼の体は一回転し、水溜まりに叩きつけられる。

コウ「うわあああああああ!!!」
水溜まりの水を撒き散らし、恐怖の叫びをあげながら、コウの姿は雨の中へと消えてしまった。

降り頻る雨の中、残されたのび太は一人呟く。
のび太「よし、これが上手くいけば、脱出にかなり有利になれる………。
デキスギとかいう奴らも出し抜けるぞ!」
のび太は再びノートを開き、そこに細部を書き込み始めた。
その内容は以下の通り。


名前【コウ】
死因【爆死】

手持ち【クロバット・エアームド・リザードン・オニドリル・ゴローニャ】

死の前の状況【コガネシティのラジオ塔に向かうが、途中で体の汚れが気になり、近くの無人の民家で体を洗い服を着替える。
その後再びラジオ塔へ向かい、首領を倒そうとするも他人から貰ったゴローニャが言うことを聞かず、200X年 X月X日 午後4時44分、自らのポケモンの爆発に巻き込まれ死亡】


のび太は満足そうな表情をし、ノートを閉じた。
のび太は自らの勝利を揺るぎない物と確信していた。
462ポケモンとのび太とノートと ◆C1aEnJaUS2 :2007/03/23(金) 20:17:56 ID:???
今日はここまでです。
ドラーモン氏、ご指摘ありがとうございました。
今度からは書いたら即投下ではなく、ちゃんと推敲してから投下します。
463名無しさん、君に決めた!:2007/03/23(金) 20:19:13 ID:???
乙!
464針 ◆4srbOouwJo :2007/03/23(金) 20:19:45 ID:???
ドラAAモン氏、ノート氏乙
ノート氏の後に自分の作品となると気分を害される方も居るかと思いますが、投下
465針(色々あって台本廃止) ◆4srbOouwJo :2007/03/23(金) 20:21:18 ID:???
「あれ? セワシ君が居ない……」
未来に帰ってきたドラえもん。
しかしそこには見慣れた主人が居ない。

「あら、お兄ちゃん
 実はカクカクしかじかで」
「成程、つい2分頃前から姿が見えないと」
ドラえもんは手を組み、何やら考え始める。
「もしかしたら歴史が変わったのかもしれない」
「また大袈裟な、大長編でもあるまいし」
ドラミはドラえもんを少々馬鹿にしたように言った後、セワシを探しに外に出て行った。
ドラえもんはそれを見送ると、タイムホールへと飛び込んだ。

「のび太君? 居るの?」
何時もなら昼寝でもしている筈ののび太は部屋に居ない。
ドラえもんは小さく溜息をつき、空き地へと向かった。
彼はまだ、何も気づいていない。

そしてこの作品にポケモンが関わりそうに無いことにも――――
466針 ◆4srbOouwJo :2007/03/23(金) 20:22:50 ID:???
ザワザワと騒がしい空き地。
その中心には黄色いものが地面に転がっていた。
多分のび太だろう。
「のび太君! 実は……」
ドラえもんが駆け寄ったのは左胸から出血し、既に冷たくなっていた
変わり果てた姿ののび太だった。
よく「死んだようには見えない」と漫画等で言われているが、
今ののび太は「死んでいるようにしか見えなかった」。
それもそのはず、血が大量に流れてるから。

ドラえもんは「やはりそういうことか」と呟くと、
のび太を【透明マント】で隠した。
流石にこんなグロイのは直視出来ない。

「あなたを犯人です」
ドラえもんは不意に真後ろのスネ夫を指差す。
「……え?」

そう、事件は新たな局面を迎えようとしている。
467針 ◆4srbOouwJo :2007/03/23(金) 20:23:48 ID:???
投下終了
推敲なんかしてない
反省は今もしていない
468名無しさん、君に決めた!:2007/03/23(金) 20:32:37 ID:???
スレ違いと言いたいが受け入れてやる。
乙。
469名無しさん、君に決めた!:2007/03/23(金) 20:54:31 ID:???
>「あなたを犯人です」
日本語でおk

470虹色 ◆9i43zxbeXs :2007/03/23(金) 21:32:32 ID:???
ノート氏、針氏乙です。
投下します。
471虹色 ◆9i43zxbeXs :2007/03/23(金) 21:33:09 ID:???
柔らかい日差しが芽吹いてきた新たな命を包み込む。こちらの世界では春のようだった。
穴はドラえもんの説明どおりワカバタウンに繋がっていた。
いつものようにのび太を一番下にして6人が折り重なって倒れている。
どうやらここは広場のようになっているらしい。なぜかいつもの空き地にどことなく雰囲気が似ている。
民家が立ち並ぶ中で一際目を引く建物はウツギ研究所だろう。
「いててて・・・へぇー、ここがポケモンの世界?」
真っ先に立ち上がったスネ夫が誰ともなしに感想をつぶやく。
他の5人も立ち上がって泥を払っている。
「そうだよ。じゃあ、ここからは一人一人別々に行動をとって競争しよう!」
「オーッ!ってちょっと待って。何もないのにどうやって旅しろって言うのさ」
のび太にしてはまともな疑問である。ゲームの場合にもポケギアやら最初のポケモンやら旅の準備というものがある。
「そこにリュックがあるでしょ。中に必要なものが全部入ってる」
いつの間にやらそれぞれの傍らにリュックが置いてあった。しずかのものは丸っこい、少し違う形をしている。
472虹色 ◆9i43zxbeXs :2007/03/23(金) 21:34:36 ID:???
既にリュックをあさり始めていたジャイアンは、中から手のひらサイズのボールを取り出した。
「お、モンスターボールだぜ!行けっ!」
中から現れたのは水色のワニ。おおあごポケモン、ワニノコである。
「おう!気に入ったぜ!よろしくな」
ジャイアンはゲームでスネ夫からもらった(というか横取りした)オーダイルがかなり気に入っていたのだった。
「ボクのオーダイル・・・ん、あった!何が出るかな?」
スネ夫のモンスターボールから出てきたのはヒノアラシ。
背中の炎の温度を肌で感じたスネ夫はポケモン世界に来た実感がようやく湧いてきた。
ポカポカした陽気も手伝い、夢見心地のスネ夫。
そしてその夢見心地を破るものはいつもの男である。
「おい、スネ夫!何を寝ぼけてんだよ?今から俺と勝負しようぜ!」
「えぇえ!?」
まさに寝耳に水。かくして半ば強引に二人はバトルを始めることとなった。
473虹色 ◆9i43zxbeXs :2007/03/23(金) 21:35:12 ID:???
その隣では残りのメンバーがポケモンを取り出していた。
ドラえもんはチコリータ、しずかはピンプクがパートナーとなった。
広場の端っこでリュックの中身を検めていた出木杉のボールからはホーホーが飛び出してきた。
リュックの中にはポケギア、ポケモン図鑑、トレーナーカードなどの他にも歯ブラシ・タオル・石鹸といった生活用品まで入れられていた。
そしてなぜか、小さなヒメグマのぬいぐるみ。ティッシュは葉っぱで代用できてもこれは外せないと小さな説明が付いていた。
そんなリュックの中身がのび太の周りに散らばっている。
「ない・・・ない・・・えーっと・・・あった!君に決めた!」
一度やってみたかったとばかりに定番のセリフを吐いたのび太の前に現れたのは・・・
「わっ!」
仰向けに倒れたのび太の顔の上ではみずうおポケモン、ウパーがぴょこぴょこ飛び跳ねていた。
「わぁ・・・かわいいじゃない」
しずかは抱きかかえてみたが、ウパーはすぐに逃げ出してのび太の顔面にもう一度ダイブした。
しずかは仕方がないとばかりにクスリと笑うとリュックを背負って踵を返すと、こちらを振り向いてこう言った。
「じゃ、あたしは行くわ。のび太さん、ドラちゃん、出木杉さんもまた会ったときにね」
「そうだね。じゃ、僕も行こうかな」
出木杉も準備が出来たらしい。
「またね、のび太くん、ドラえもん」
「うん、じゃあね」
「うー・・・」
出木杉としずかの挨拶にうめき声で答えると、のび太は手の先でモンスターボールをつかみ、ウパーを戻した。
「ドラえもん・・・ぼくウパーイヤだよ・・・」
ドラえもんは返事もしないで広場の奥を見ていた。どうやらジャイアンとスネ夫の勝負が終わったらしい。
「勝った勝った。やっぱり俺様はこっちの世界でも最強だな。じゃあなスネ夫!のび太、お前もせいぜい頑張れよ!」
ジャイアンは意気揚々と飛び出して行った。
「やっぱりジャイアンはジャイアンだなぁ・・・」
ドラえもんは呆れたように言った。スネ夫を見やると、ブツブツ文句を言いながらリュックを背負っていた。
ちらりとこちらを見やった後、何も言わずにスネ夫は広場を出て行った。
474虹色 ◆9i43zxbeXs :2007/03/23(金) 21:35:55 ID:???
こうして広場に残っているのは仰向けに倒れたままへばっているのび太と呆れたようにそれを眺めるドラえもんのみとなった。
「やっぱりのび太くんだねぇ・・・」
ドラえもんはポケットにリュックをしまう。
「仕方ないだろ!こいつが悪いんだよ、こいつが!」
「ポケモンのせいにしたって仕方ないじゃないの」
「だってこいつが「ぎいやあああああああああ!!!!」
ドラえもんはいきなり飛び上がった!のび太もつられて飛び上がってしまった。
のび太には分かる。ドラえもんがこういうリアクションを取るのはネズミを見たときだけだ。でも、どこに?
「ネズミ!ネズミ!ネズミ!」
ドラえもんは広場を10週はしたかと思うと道へ出て猛スピードで走り去っていった。

のび太は突然の出来事に放心していたが、しばらくしてハッと我に返った。
見ると、広場の入り口にぎょっとしたように突っ立っている短パンを履いた少年がいて、その足元でコラッタが怯えている。
この世界の人間に出会うのは初めてだ。のび太は若干ドキドキしながら話しかけた。
「やあ、おろど・・・驚かせちゃってゴメン。あれ、ぼ、ぼくの友達なんだ」
「え?あ、ああ、ゴメ、ゴメン」
「ぼくはのび太っていうんだ」
「俺はゴロウ」
数秒間気まずい沈黙が流れる。・・・沈黙を破ったのはゴロウのほうだった。
「のび太、君はポケモン持ってるだろ?せっかくだから勝負しないか?」
怪訝そうな顔をして主人を見ていたコラッタは「勝負」の一言にきっとした表情になった。
「あ、う、うん。わかった・・・」
貰ったばかりのウパーに一抹の不安を抱きつつも、のび太の初戦が幕を開けることとなった。
475虹色 ◆9i43zxbeXs :2007/03/23(金) 21:38:29 ID:???
投下終了です。
やっぱり情景描写は難しい・・・

ノート氏の作品はデスノが大好きなだけに影響を受けすぎてしまわないかと思って未読なんですが、やっぱり読んだ方がいいですかね?
476名無しさん、君に決めた!:2007/03/23(金) 21:46:40 ID:???
乙。
デスノ好きだからとかは余り関係ないと思う。
基本はバトルとかだし。
あれだけの評価を受けてる理由は戦闘のオリジナリティが高いからだな。
477名無しさん、君に決めた!:2007/03/23(金) 21:47:26 ID:???
>>475
まるで成長していない・・・
478名無しさん、君に決めた!:2007/03/23(金) 21:48:22 ID:???

479名無しさん、君に決めた!:2007/03/23(金) 21:59:48 ID:???
乙です
480トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/03/23(金) 22:07:47 ID:???
新作です。
宜しくお願いします。
481トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/03/23(金) 22:10:09 ID:???
No.001『Fで始まるやつ』


「野比ぃ!
廊下に立っとれ!!」
先生の罵声が学校中に鳴り響き、僕はバケツを持たされ、教室の外に叩き出される。
理由は簡単。テストで0点をとったからだ。

「またのび太が立たされた。
やーい、やーい立たされのび太〜♪」
ジャイアンが僕を馬鹿にする。
続けてスネ夫が、僕に追い討ちをかける。
「いつもの事だよ。
いっそのこと、幼稚園からやり直せばいいのにね。」
教室から、ドッと皆の僕を嘲る様な笑い声がする。

確かに、廊下に立たされ屈辱を味わうのはいつもの事だ。
だが、いつもの事といって馴れるものでもない。
正直苦しい。

「あ〜あ。この世にテストや学校が無ければなあ」
僕はそう呟き、いつもの様に六時間目の授業を廊下で過ごす。

そしていつもの様に六時間目の終わりを告げるチャイムが鳴り響く。
僕はこの毎日の繰り返しに嫌気がさしていた。
482トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/03/23(金) 22:11:08 ID:???
「ただいま。」
学校から帰った僕は、真っ直ぐ部屋に向かい横になった。

ドラえもんが居ない事は分かっている。
最近新しい猫との付き合いが出来たらしい。

「あ〜あ。変わらない日々……。嫌いじゃないけどなんだか嫌だなぁ。」
きっと僕は明日も学校へ行き、怒られて笑われてというループを無限に繰り返すのだろう。
ゴールの見えないマラソン、15回規定の無い延長戦。
本当にうんざりだ。脱出したい。

しかし、そこまで考えて僕は気づいた。
考えるだけでは何も解決しない。僕は今まで何をしてきた?いや、何もしていない。
この毎日は日々の怠惰の結果。しょうがない事。
だがそこで諦めてはいけない。前に進めない。

よし。今日からやろう!
この不毛な繰り返しをぶち壊そう!
そのためにはまず宿題をして……。





「グー……。グー……。」



そこでいつもの如く僕の意識はブッ飛んだ。
483トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/03/23(金) 22:13:23 ID:???
「ムニャムニャ……ん?
今何時……?」
その数時間後、僕は目覚めた。
僕の完全な寝惚け眼は、手に取った時計が七時を告げているのを映し出した。
「七時!?いかん!ポケモンが始まる!!」
そこで僕の頭のスイッチは完全にオンに切り替わった。僕はやかましく階段をかけおりる。
さっきの決心などとうに忘れていた。

僕は驚異の速さで居間にたどり着き、襖を開いた。
先客のドラえもんがテレビの前で座っている。

ポケモンは既に始まっていた。
「やあ、のび太君。帰ってたの?」
僕は「うん」とだけ頷き、テレビの前に座る。

画面の前で生き生きと輝く登場人物やポケモン達……。それを見てるだけで心が癒される……。
マンネリ化した僕の生活とは違った物を与えてくれている……。

しかし、至福の時が終わるのは早い。
気づいたら、もう次回予告。お楽しみはまた来週へと去ってゆく。
「終わったね……。」
ドラえもんが感慨深げに呟く。
僕はまた「うん」とだけ言っておいた。

「のびちゃーん、ご飯よー。」ママの声が聞こえた。
「のび太君、ご飯らしいよ。行こう。」
「うん。」
夕御飯か。ピーマン出てきたら、やだな。
僕は夕御飯の餃子をたいらげ、自分の部屋に向かった。
484トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/03/23(金) 22:14:03 ID:???
風呂に入り歯を磨き床につく。いつもの事だ。
何ら変わりは無い。
「のび太君、おやすみ。」
そしてまたドラえもんがいつもの押し入れの二階で寝るのもいつもの事。
そして僕もいつもの様に布団に潜る。
しかし、今日は一つだけいつもと違っていた。

眠れない。

そこで僕としては珍しく、今日の事をおさらいしてみた。

「ええと……。
まず、家を出て宿題忘れて立たされて給食残して怒鳴られて……。」
悲惨と人は言うかも知れない。しかし、これが僕の日常だ。

僕は今日の反芻を続ける。
「スネ夫に馬鹿にされて……ジャイアンにジャンピングネックブリカーを食らわされて……。
家に帰って昼寝して……。
ポケモン観て餃子食って……」
いいことと言えばポケモンを観たことと晩御飯が餃子だった事だけだ。
つくづく僕には良いことが無い。
それ以上考えても、嫌なだけなので別の事を考える事にした。
「それにしても今日のポケモンは凄かったなァ。
はぁ、この世界にポケモンが居たらいいのに……。
……………そうだ。」
僕はここであるアイデアを思いついた。
この方法を使えば、今日の現状も打破出来るかも知れない。
485トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/03/23(金) 22:15:19 ID:???
そうと考えてから僕の行動は早かった。
気配を絶ち、ドラえもんが寝ている押し入れの襖を開け、玩具箱をガチャガチャとあさり、目当ての物を取り出す。
「あった!スペアポケットだ!」
半月型の袋を取り出し、僕は言う。
更に僕はその中から目当ての道具を探す。
「あれはあるかな……?あ、あった!」
袋の中から明らかに開け口の面積を越えた箱を取り出す。

それはドラえもんが「もしもボックス」と呼んでいる物だった。
道具の説明はするまでも無いだろう。
僕はその中に入って高らかに言った。

「もしもこの世界にポケモンが居たら!」

するとボックスの外の景色が歪み出した。
「おおおっっッ!!」
僕は期待の声を上げたが、景色はすぐに元の状態に戻り始め、それは完全におさまった。
辺りはシーンとして一見、何も変わっていない。
とりあえず、僕はボックスの外に出ることにし、それをやった。
外に出ても、別に変わった気配は見られなかった。
「本当に変わったのかなあ……?
実感がないんだけど」
僕は一瞬もしもボックスの効果を疑い、外に出て本当に効果を発揮したのか確かめようとしたが、それはヤボなことと思い、止めた。
「とにかく、この世界はポケモンの世界に変わった!
よし!明日を楽しみにして……」
僕は寝た。
希望に満ち溢れた明日を夢見て……。
486トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/03/23(金) 22:16:23 ID:???
今日はここまでです。
何かアドバイスを頂ければ幸いです
487名無しさん、君に決めた!:2007/03/23(金) 22:22:34 ID:???
別スレで酉のテストやるなよ……
488名無しさん、君に決めた!:2007/03/23(金) 22:26:52 ID:???
>>487すみません。
489名無しさん、君に決めた!:2007/03/23(金) 22:28:47 ID:???
まだ序盤だけど期待出来る
まだ序盤だけど
490挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/23(金) 22:39:35 ID:???
みんな乙。
投下開始。
491挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/23(金) 22:40:15 ID:???
マスキッパのつるに縛られた男は苦痛で呻いている。
「た、助けてくれー!!」
スネ夫がふと目をやると、男は左手の指を三方向に伸ばしていた。
(なんだあの手の形……癖かな?)
スネ夫はまだ知らない。
もうじきこの左手の形に多大な恩恵を受けることを。
ただ、これは現実世界の話なので今は関係ない。
(そんなことより)
「グラエナ!つるをかみくだけ!!」
猛進するグラエナの牙に捕らえられ、つるはブチブチと切られた。
解放される男はバランスを保つ。
「少年、ありがとう!!」
男はスネ夫に礼を言う。
見るとやっぱり、左手の指が三方向に。
「あの、いったいそれは何――」
「つるのムチ!」
鋭い声が届く。
同時に緑のつるがスネ夫と男の間を突き刺す。
スネ夫が目を向けると、二人の女が走ってきているのがわかった。
(くそ、あいつら諦めてないな……
 !!そうだ、こうなったら)
「あの、あなた名前は!?」
なるべく切羽詰った風で、スネ夫は男に聞く。
「ああ、少年。名乗るのが遅れたね。
 私の名前はミング。
 しかしてあの連中はいったい?」
「ミングさん。
 あいつらはあなたからメダルを奪おうとした悪い奴らです!」
492挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/23(金) 22:40:51 ID:???
二人の女はスネ夫たちと対峙した。
マスキッパを連れているのは、和服姿の女。
もう一人は短い金髪をたなびかせている。
「やい、お前ら!メダルを取ろうとしたな!!」
(よし、これで!)
「まさか仲間がいたとはね……」
声を出したのは金髪の女。
「サエ!やっちまいな!!」
「マスキッパ、さっきの男を捕らえて!」
サエと呼ばれた和服女は指示を出す。
つるのムチがミングの周りを旋回し、そして――
「ライボルト、ほのおの牙」
ミングの繰り出すポケモンが、つるのムチを焼き切る。
「カラ、そっちは任せたよ!」
サエは金髪の女に告げ、ミングと向かい合う。
カラと呼ばれた方の女はポケモンを繰り出した。
静電気を弾けさせながら現れた、小柄な白い体。
でんきりすポケモン、パチリスだ。

(ふふふ、やったぞ!
 ミングは完全に僕のことを味方だと思ってる!)
スネ夫は笑いを堪えながら、勝利への算段をした。
(なんとか一対一に持ち込めたんだ。
 ミングはきっと勝てるだろう。
 油断しているすきにグラエナの『どろぼう』でメダルを奪い、とっととドームへ――)
「パチリス、メロメロ!」
パチリスが相手にアピールする。
493挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/23(金) 22:41:25 ID:???
(……メロメロ?
 あれ、僕はまだポケモンを――)
途端に青ざめながら、スネ夫は振り返る。
グラエナがいた。
すっかり興奮した様子でパチリスを凝視しながら。
「し、しまったぁ!」
(まあずいぞ!すっかり出したままなのを忘れてた。
 グラエナがメロメロにかかっちまった!
 これではまともに戦えないな……いったん戻さなきゃ)
ダラダラとよだれを垂らすグラエナをボールに収めながら、考え直す。
(こうなれば……絶えずミングの戦いを監視して
 勝ちそうなところでグラエナと交代すればいい!)
「ほら、早く次を出しな!」
と、カラが催促してくる。
(うるさい奴だな……
 兎に角次は……次は……!!
 あれ、性別なんて図鑑ないから分からないぞ?)

スネ夫は相手を『どく』や『ねむり』にするのが大好きだ。
弱っている相手を叩きのめせる……なんと楽しいことだろう!
だがそれ故に、自分のポケモンが状態異常になることは嫌っていた。
『メロメロ』も『こんらん』も、すぐに対策を打たなければ気がすまないのだ。
だから手持ちにはいつもオスとメスのポケモンを入れておいた。
だけど――今、性別はわからない。

(こうなったら……50%の確立に賭ける!)
スネ夫の思考が一つの答えを導き出す。
(50%で絶対に『メロメロ』を解いてみせるぜ!)
決心して、スネ夫はポケモンを繰り出す。
494短期連載U ◆h8RyxQKBOY :2007/03/23(金) 22:42:18 ID:???
僕は走った。
しずちゃんを連れて、ジムへ向かったんだ。
ジムの扉を蹴破り、ジムリーダーの元へ――

「おい、リーダー!助けてくれ!!」
僕は急き込んで叫んだ。
「ど、、どうした?のび太?
 それに……しずちゃん!?」
これがこのジムのリーダー。
一角獣のスネ夫だ。

僕はことのあらましを説明した。
「なるほど、しずちゃんがロケット団に追われているのか……
 よし、僕も協力しよう!」
スネ夫は頷く。
一角の如きヘアーが襲ってきたのを置いといて、僕らは裏口からジムを出る。

この町のゲートまで来た。
「この先はポケモンリーグなんだ。
 四天王は僕らの知っている人物だ。きっと助けてくれる」
「……おい、ちょっと待てスネ夫。
 お前が僕らを助けるんじゃ」
「あ、それとついでにこれを受け取ってくれ」
僕の言葉を切って、スネ夫は紙を差し出した。
495短期連載U ◆h8RyxQKBOY :2007/03/23(金) 22:42:54 ID:???
[ハナダキャバレー
 採れたて新鮮な美女たちがあなたをおもてなし――]

「あはは、ごめん。間違えた」
スネ夫が笑いながら誤魔化す。
……おい、なんだその『行ってて当たり前だよね』的な目つきは。
そして何故それを僕に向ける?
そんなに打ち殺されたいか?一角獣。
「これだよこれ」

[スネ夫君。
 ○月○日、ポケモンリーグに来てほしい。
 重大発表があるんだ。
              チャンピオンより]

「これが数日前、僕の家に届いたんだ。
 日付は今日。だけど僕は大事な用があるんだ。
 だから代わりにチャンピオンのところへ言ってくれないか?」
怒りを鎮めた僕はその手紙を受け取った。
「わかった。チャンピオンの所へ行けば――」

ドオォォォン!!

爆音が町中でこだました。
「な、何だあれは!?」
僕は思わず叫ぶ。
496短期連載U ◆h8RyxQKBOY :2007/03/23(金) 22:43:28 ID:???
町中に突如、巨大なケッキングが現れたのだ。
頭にチンパンジーが乗っている。
ケッキングは町の塔によじ登っている。
「!!あそこには店が!
 のび太、しずちゃん!来い!」
スネ夫は先導する。

「?……どうしたの?しずちゃん」
僕は隣のしずちゃんが震えていることに気づいた。
しずちゃんはケッキングの上のチンパンジーを凝視している。
「のび太さん。
 あたし、あのチンパンジー知ってるわ!
 あたしが幹部になるときに『人じゃ無いから』っていう不純な理由で
 一階級落とされたロケット団員よ!
 ロケット団員は幹部の下が全員下っ端なの!
 だからあたしのこと相当恨んでるはずよ!!」 
……ここで突っ込んだら負けだここで突っ込んだら負けだここで突っ込んだら(ry

兎に角僕らは町を救うため戦いに躍り出た。
待ってろよキングコング!
497:2007/03/23(金) 22:44:30 ID:Y8baDh4A
498短期連載U ◆h8RyxQKBOY :2007/03/23(金) 22:45:15 ID:???
投下終わり。
まずい、これは『のび太の南海大冒険化現象』だ!
何だこの現象名……妙に言い辛いな。
ではそれじゃ。
499針 ◆4srbOouwJo :2007/03/23(金) 22:46:13 ID:???
>>469
元ネタ知らんか

それと乙
500名無しさん、君に決めた!:2007/03/23(金) 22:56:21 ID:???
あれ?
挑戦者氏どこいった?
501短期連載 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/23(金) 22:58:23 ID:???
>>500なんの宣言もなしに入れ替わってごめんよ。
みんな俺の正体に気づいていると思ったんだ。
同時連載ってことね。ご理解いただけたでしょうか.
502名無しさん、君に決めた!:2007/03/23(金) 22:59:50 ID:???
>>501
あ、そうだったのか
すまんかった
503ミュウ ◆NPxbYyE1hc :2007/03/23(金) 23:08:33 ID:???
投下します。
何だろな……スランプ気味かも
504名無しさん、君に決めた!:2007/03/23(金) 23:13:16 ID:???
>>501
死ね。だからどうした。
ライブの時に空気読まん奴くらいウザイな。
んなこと既に知ってるから
カスが。
っていうかお前調子乗りすぎ
ただのクズがでしゃばんな
505ミュウ ◆NPxbYyE1hc :2007/03/23(金) 23:14:31 ID:???
ブォン!!!
 
ハッサムの拳が、空を斬った。
ハッサムの周りを、何十匹ものオレンジ色の生き物が囲んでいる。
 
その生き物はライチュウ。
パパの二番手であり、その圧倒的なスピードでハッサムを翻弄している。
影分身で分身出来る数は、普通15、6匹。
だが、このライチュウはその数倍の数の分身を作り出していた。
 
のび太の顔を汗が流れる。
『何てスピードだ!
 こんなスピードじゃ攻撃を当てる所か、狙いを定めることも出来ない!』
「ライチュウ、アイアンテール!」
数十匹ものライチュウのシッポが光り出し、
中央で身構えるハッサムに一斉に飛びかかった。
「いくら数が多くても本物は一匹、攻撃も一回だ!
 守るで防げ、ハッサム!」
ガキィィィッ!!
 
大勢が突撃する見た目と裏腹に、
一発耳障りな金属音が、ドーム内に響くだけで攻撃は終わった。
「良い判断だ」
パパが評価する様に、のび太に言う。
だが、のび太からは今までに無い反応が返ってきた。
「ハッサム、パパに向けて破壊光線!」
「!? ライチュウ、俺を守れ!」
素早くライチュウがパパの前に現れ、破壊光線を代わりに受けた。
破壊光線の威力で軽く後ろに仰け反ったライチュウだったが、まだ戦う体力は残っているようだ。
506ミュウ ◆NPxbYyE1hc :2007/03/23(金) 23:16:47 ID:???
「のび太……何の真似だ!」
 
パパが今までに無いほど冷たい声でそう吐いた。
その目は鋭く、子供を見る目では無い。
だが、のび太も負けないほど鋭い目で睨み返した。
「こうすれば本物のライチュウが分かるだろ?
 ライチュウのスピードなら、パパを守りきれるだろうしね。
 あと……
 僕の指示を評価するのはもう止めろ!」
 
あまりの声の大きさにパパは驚いた。
だが、さらにのび太は言葉を続ける。
「どうして今まで仲間みたいに接してきたんだよ!
 パパは…パパは出木杉の仲間なのに!」
のび太の震えた声がドームに響く。
その声を聞いたパパは、のび太を指さし、静かに言った。
 
「ライチュウ、雷だ」
 
驚く間も無くのび太の頭に電流が落ちる。
薄れる意識の中のび太は見た。
涙に濡れた……パパの顔を
507ミュウ ◆NPxbYyE1hc :2007/03/23(金) 23:18:48 ID:???
「終わったな……」
パパは、そう一言を吐き後ろを向いた。
「待て!」
短い一言がパパの足を止める。
 のび太だ。
のび太はふらつきながらも立ち上がり、身構える。
「次は……電圧を最大にして撃つぞ!のび太!」
冷酷な一言。
もはや親子とは思えない会話がドームに 伝わる。
「撃ってみろよ。
 撃った瞬間破壊光線がパパに直撃するぞ」
ハッサムの左腕がパパに向けられる。
緊張で喉が渇いてきた。
一瞬の油断でこの試合にピリオドが打たれる。
そう思うと自然に観客までもが、身構えてしまっていた。
 
カコーン!カコーン!コーン!コーンコン…
誰かがメガホンを落とした音。
静かなドームにそんな小さな音が響き渡る。
だが、その音を合図にするかのように、ドームの静寂は破られた。
「雷!」
太い電気の線が地面に落ちる。
だが、のび太に落ちた訳ではなかった。
「ハッサムか!」
そう。
ハッサムがメタルクローを上に上げて、
避雷針の役目をしたのだ。
ハッサムは焦げ付いた体を動かし、ライチュウに迫る。
だが、ライチュウは、さっきの巨大な雷の反動でしびれて動けない様だ。
「メタルクロー!」
ハッサムの精一杯の攻撃が、ライチュウの腹にめり込んだ。
508ミュウ ◆NPxbYyE1hc :2007/03/23(金) 23:20:01 ID:???
一発目の破壊光線はオトリ。
二発目は、破壊光線を撃つと思わせて撃たない。
完全に作戦負けだ。
冷静にならず、実の息子を殺そうとする何て……
俺は……父親失格だ。
 
「パパ!」
のび太の一言でパパは気づいた。
まだライチュウが力尽きていないことに……
ライチュウは必死で立ち上がり、パパの方を向く。
『ライチュウ…』
「ライチュウ…ヴォルテッカーだ!」
ハッサムに向かって、電流を帯びたライチュウが走り出す。
「ハッサム、ギガインパクトで迎え撃て!」
最大パワーのライチュウとハッサムが中央で交わった。
轟音が響き、ドームの中央が白い煙に包まれる。
 
「ハ、ハッサム……」
煙が晴れるとそこにはハッサムがボーッと立っていた。
ライチュウの頭を腹に刺したまま……
だが、ライチュウもその体勢のまま動く気配が無い。
「ハッサム、砂嵐だ」
ハッサムは最後の力を振り絞り、巨大な砂嵐を起こしフィールドに倒れた。
そして……ライチュウもまた、その場に倒れて動かなくなった。
「ピカチュウ、もう一度頼むぞ!」
再びピカチュウが現れ、戦闘体勢を取る。
「この試合を……終わらせてこい、カイリュー!」

509ミュウ ◆NPxbYyE1hc :2007/03/23(金) 23:21:33 ID:???
『2ヶ月前』
最近、町にある1つの噂が広まっている。
ドーム周辺にまだ駆け出しのトレーナーのくせに、
プロのトレーナーに挑む小学生が居ると言う少し変わった噂だ。
その噂のせいで、
ドーム周辺にはその小学生を一目見ようとする野次馬や
小学生なら勝てると考えた 性格のねじ曲がったトレーナーが大勢集まっていた。
 
「おーい、しょうねぇん。生きてるかぁ?」
返事が無い。ただのメガネの様だ。
「まぁ、連れてくかな」
ズリッ ズリッ……ズリッ
 
「……………はっ!、先生ごめんなさい!」
のび太は気づくと暖かい布団の中に居た。
少し狭い南国風の部屋。
少し先では老人が料理を作っている。
「起きたか?じゃあ、メシにしよう!」
「?」
状況が飲み込めないのび太。
だが、今ののび太にとってそんな疑問どうでもよかった。
のび太が今一番満たしたいのは、この鳴り止まない腹なのだ。
「う、うまい!」
久しぶりの温かい食事。
体の芯まで温まるのをのび太は感じた。
「旨いじゃろ?これはわし特性ゼニガメ汁じゃ」
「えっ?……」
 
久しぶりの温かい食事。
それは忘れられない小学生の頃の思い出となった。
510ミュウ ◆NPxbYyE1hc :2007/03/23(金) 23:25:22 ID:???
「ふわぁぁぁ……良い天気じゃのう…」
「バナバナぁ」
ボリボリと背中を掻く老人。
その横では萎れたフシギバナが日光浴をしている。
「ピカチュウ、10万ボルト!
 ストライクは峰打ちだ!」
急に現れた二体のポケモンが老人に攻撃する。
「まだまだじゃのう…」
その瞬間フシギバナの体から無数の触手が飛び出し、
二体の攻撃を一瞬で打ち消した。
「うわぁぁぁぁっ!」
残った触手は、のび太を空中に吊り上げ、動きを奪う。
「ホッホッホ。今日で3日目。
 タイムリミットまであと2日しか無いぞ、少年」
 
事の始まりは3日前。
この謎の老人に助けられたのび太は、老人に「ゲームをしないか」と誘われたのだ。
ゲームの内容は簡単。
5日以内に老人の体に一撃でも攻撃を加えればのび太の勝ち。
攻撃出来なければのび太の負け。
のび太は、助けられた側と言うこともありしぶしぶゲームを始めた。
だが、このゲーム。予想以上に難しい。
と言うよりも、この老人めちゃくちゃ強い!
この3日間、のび太は老人が寝てる時でさえ攻撃を加えることが出来なかった。
511ミュウ ◆NPxbYyE1hc :2007/03/23(金) 23:27:35 ID:???
「何が足らんか分かるかの?少年」
老人は、のび太を吊り上げたままの状態で問う。
「足りないって?…何が?」
老人はヤレヤレと言った様な顔をし、一言だけ言った。
「逝ってこい」
ブォン!
「ああああぁぁぁぁ!」
ヒュー ドスン!
勢い良くツルに投げられたのび太は柔らかい砂の上に着地した。
 
「イチチ…何だここは?」
その問いの答えは、すぐに分かった。
理由は1つ。
周りに大量のヒポポタスとカバルドンが居たからだ。
「ここは……裏山のふもとのカバルドンの巣じゃないかぁ!」
 
その頃、老人は一人茶をすすっていた。
512ミュウ ◆NPxbYyE1hc :2007/03/23(金) 23:28:16 ID:???
カバルドンが大きな口を開け威嚇する。
それと同時に砂嵐が起き始め、のび太の視界を奪った。
どうやら、さっきまで居た家は裏山のふもとの近くだったようだ。
のび太は周りを見渡して逃げる方法を必死で考える。
『逃げる?どこにだ?』
のび太は気づいた。
こんな視界が悪い 状況じゃここから脱出なんて出来る訳ないと。
《何が足らんか分かるかの?》
あの老人の言葉。
もしかしたらここで戦えばこの言葉の意味が分かるかも知れない。
そして、のび太は腰の2つのボールを手に取った。
 
「かかってこい!お前らをカバ焼きにしてやる!」
513ミュウ ◆NPxbYyE1hc :2007/03/23(金) 23:29:52 ID:???
ゲーム開始から5日目。
最近続いていた青空とは異なり、空には曇雲が漂っていた。
 
「こりゃあ一雨来るのぅ。
 いや……それよりも先に小さな客人が来たかの。
 違うか?そこの茂みの少年よ」
ガサッ!
茂みの中から少年が飛び出す。
だが、それより先に触手が前を塞ぎ、のび太の体をまた吊し上げた。
「ホッホッホ、甘いのぅ」
老人は満足げにのび太を見る 。
のび太の顔は……笑っていた。
「!?」
周りを砂が混ざった風が覆う。
「ホホッ、どうやら分かった様じゃのぅ!
 だけど……砂嵐を起こす程度じゃわしは倒せんぞ!」
砂の中からピカチュウが飛び出す。
しかし、意表は突いたが簡単にフシギバナの触手に捕まってしまった。
ニヤニヤ笑う老人。
だがその時、笑顔を奪うかの様な風が老人を襲った。
「うおぉっ!危ないじゃないか!」
辛うじて避けた老人。
だが、その老人の上にはストライクが鎌を向け、立っていた。
「……ギブアップじゃ」
 
のび太は満足そうに地面に下り、
ストライクに老人の上から退くよう支持を出した。
「騙されましたね。ストライクは砂嵐何て使えません。
 さっきの技は銀色の風です」
514ミュウ ◆NPxbYyE1hc :2007/03/23(金) 23:31:30 ID:???
「さぁ何をくれるんですか?」
「はぁ?何言ってるんじゃ?」
『そう言えば……そんな約束して無かったぁ……』
『10分後』
「まぁ、そう泣くな、少年」
「だってぇ…何の為に僕はぁ……」
「でも分かったじゃろ?足りないこと」
のび太はあえて何も言わなかった。
どうせこの老人は、言葉にしなくても全て分かっていそうだから。
「それじゃあ…僕行きますね」
「待った!ちょいとストライクのボール貸してみろ」
老人は強引にボールを奪い取ると、家の中に消えて行った。
 
「ほいよ」
ボールの中からハッサムが飛び出す。
「ありがとうございます!」
「それとこれは、砂嵐の技マシン。お主なら上手く使えるはずじゃ。
 わしが教えることはもう何も無い。後はとにかく戦い続けろ。
 バトルで最後に身を結ぶのは……経験値の量じゃ」
 
その日から町には新たな噂が流れ始めた。
上級トレーナーを狩る、砂嵐を巧みに使う少年トレーナーが現れると言う噂が……

515名無しさん、君に決めた!:2007/03/23(金) 23:35:39 ID:???
るろうに検診乙
516ミュウ ◆NPxbYyE1hc :2007/03/23(金) 23:36:03 ID:???
「くっ、何て嵐だ!」
砂嵐がパパの視界を奪う。
この砂嵐、通常よりかなり風が強く、例えるなら規模を小さくした台風。
きっと、一般人なら目を開けることも出来ないだろう。
だが、メガネの奥ののび太の目はしっかり捉えていた。
フィールドのカイリューの姿を。
 
「ピカチュウ、アイアンテール!」
カイリューの悲鳴がドームに響く。
ピカチュウは攻撃すると、直ぐ様砂嵐の中に消え、その姿を隠した。
「なるほど……お前のピカチュウ。
 砂嵐の中での戦いに慣れているな。だけど、このカイリューは一味違うぞ」
パパはそう言うと、周りの砂嵐を見渡した。
ガリッ
「そこだ!カイリュー、竜巻!」
カイリューが羽をバタつかせると竜巻が現れ、砂嵐の一部分を弾き飛ばした。
砂嵐のあった場所に居たピカチュウは、驚きの表情でカイリューを見る。
「砂壊光線!」
パパはピカチュウを指さし、そう叫んだ。
「まずい!ピカチュウ、電光石火で避けろ!」
ピカチュウが素早くカイリューの頭上へと移動する。
だがカイリューの光線は発射されなかった。
「悪いな、のび太。俺はさっき砂壊光線と言ったんだ。
 今から言うのが本当の破壊光線の指示だ」
「しまっ…」「破壊光線!」
 
破壊光線はピカチュウに直撃し、一撃でピカチュウを瀕死にした。
517ミュウ ◆NPxbYyE1hc :2007/03/23(金) 23:37:37 ID:???
ハッサムが倒れ、ピカチュウも倒れた。
後は切り札のホウオウのみ。
だが、今回の戦いでホウオウを使うことは、なるべく避けねばならないことだった。
「のび太、どうした?ホウオウを早く出すんだ」
パパがわざとらしくそう言う。
パパはもう気づいてる。
ホウオウでは、カイリューには勝てないと言うことに……
『もう、あの作戦しか……』
僕は決意を固めた。
投げたボールからホウオウが飛び出す。
その体は、砂嵐に隠れてもなお、美しさを保っていた。
「のび太、お前は良く頑張った。
 だが、ここまでだ。カイリュー、雨乞いをしろ!」
 
ドームの上空に雨雲が現れ、雨を降らす。
その雨は、砂嵐で生まれた砂を泥に変え、フィールドの地面を泥で埋め尽くした。
『後は……もう簡単だ。
 ホウオウに雷は効果抜群。そしてこの雨。雷は確実にホウオウを捉える。
 この試合……悪いが俺の勝ちだ』
 
パパは目前の勝利を見据え、笑った。
518ミュウ ◆NPxbYyE1hc :2007/03/23(金) 23:39:48 ID:???
「おかしい…」
パパは体に何か違和感を感じた。
そう、まるで足に軽い電流が流れている様な……
「まさか!」
パパが前を見ると、のび太はホウオウの上に乗っていた。
 
地面に広がる泥、高電圧のフィールドの壁、電気の漏電……
このヒントが導く答えは1つ。
「そうか! この泥を流れて壁の電流が……」
バリバリッ!
音を発てて、泥の中を電流が勢い良く流れ込む。
「ありがとう…カイリュー」
まさに間一髪。
カイリューがパパを泥の中から救いだし、その背中にパパを乗せた。
だが、パパは気づいていない。
のび太がこのチャンスを狙っていることを……
「パパ、カイリューの影に隠れて!」
「!?」
高速で接近するホウオウ。
パパを助けるので精一杯だったカイリューは、ホウオウの攻撃に反応出来ない。
「ホウオウ、鋼の翼!」
ホウオウは音も発てずカイリューを切り裂き、その意識は一瞬で吹き飛ばした。
「やった…うあっ!」バリッ!
安心したのび太。
だが、その瞬間のび太に雷が浴びせられた。
 
白眼を向いたカイリューがのび太達の前に立ちはだかる。
「のび太…まだ…だぞ」
519ミュウ ◆NPxbYyE1hc :2007/03/23(金) 23:41:24 ID:???
「パ、パパ…」
「のび太、俺を気遣い危険が少ない技を選んだのが間違いだったな。
 もう、これで終わりだ」
パパの指がのび太とホウオウを捉える。
降り続ける雨。……もはや逃げ場は0
張りつめた空気が間に流れ、二人の顔を強張らせる。
「のび太、頼む。負けを認めてくれ…
 下は高電圧の電流が流れる泥沼。落ちたら命は無いんだ」
パパの最後の説得。
だが、のび太は負けを認めずこう言った。
「僕は今までずっとパパに守られて生きてきた……
 泣き虫で人に頼ってばかりで……本当に情けなかった。
 でも……でも今は違う!これからは僕がパパやママを、そしてみんなを守るんだ!
 この試合僕が勝つ!」
『のび太…』
パパの目に涙が溢れる。
この試合、自分が負ける。そんな予感がしたのだ。
だが、パパは試合を止めようとはしなかった。
息子の成長を見守る為…親としての義務を果たすために。
「のび太、後悔しないな?」
無言でうなずくのび太。
カイリューの体に周りの粒子が集まっていく。
「これが最後だ…
 カイリュー、最大及の雷!」
 
ドームを一筋の大きな閃光が走った。
520ミュウ ◆NPxbYyE1hc :2007/03/23(金) 23:42:59 ID:???
『眩しい!』
観客は皆、雷の光で目が開けられず数秒間目をつぶっていた。
この数秒の間に何が起こったのか。
それを理解している者は、ドーム内にただ一人として居ない。
ただ、今分かることは
ホウオウのクチバシがカイリューの腹に突き刺さっているとう目の前の現実だけ。
だが、さっきまで降っていた雨が止んでいることから、
今カイリューが瀕死の状態であることは充分理解出来る。
 
「のび太、お前いったい何をしたんだ?」
この数秒間の出来事が全く理解出来ないパパが、のび太に問いかけた。
確実に雷はホウオウを捉えたはず。
なのに……何故ホウオウはカイリューに攻撃を……
「あの時……
 ホウオウは僕たちがしゃべっている間、ずっとある攻撃の準備をしていたんだ」
「準備……そうか!」
「そう、ゴッドバードだよ。
 あの時、雷の到達速度を上回るスピードで、
ホウオウはカイリューの腹に突進し、腹を貫いたんだ。
 いくら雷でも高速で動く目標にあてるのは無理だしね」
のび太は誇らしげにそう話した。
その姿は、まるで父親に百点のテストを見せる子供の様だ……
パパはそんなのび太の姿を笑顔で見つめ、ある決意を固めた。
521ミュウ ◆NPxbYyE1hc :2007/03/23(金) 23:45:40 ID:???
「のび太……頼みがある」
いつになく真剣な顔でパパは話す。
「パパ……どうしたの?改まって」
「これからも玉子を……ママを守ってあげてくれ」
そう言うとパパは思いきり足を振り上げ、カイリューに叩きつけた。
ホウオウのクチバシだけで支えられていたカイリューの力無い体が、バランスを崩す。
そしてもちろん……そのカイリューに乗っていたパパの体も地面へと落ちていった。
「じゃあな、のび太…」
 
泥沼へとパパの体が…
バシッ!
パパの太い腕をのび太の細腕が掴んだ。
522ミュウ ◆NPxbYyE1hc :2007/03/23(金) 23:48:53 ID:???
投下終了。
パパの凶行の理由は次回で分かるから……
るろうに剣真は本当に読んだことがない……
でもあの展開は無いなと自分でも反省してる。
気を悪くしたファンの人、本当にごめん。
523名無しさん、君に決めた!:2007/03/23(金) 23:49:35 ID:???
>>522乙!
524名無しさん、君に決めた!:2007/03/23(金) 23:52:20 ID:???
525名無しさん、君に決めた!:2007/03/23(金) 23:57:21 ID:???
違う!俺が頭にきてんのは一時間近くも投下するとかどんな投下の仕方をしてんのかっていうことだ!
526名無しさん、君に決めた!:2007/03/23(金) 23:59:16 ID:???
ミュウ氏へ
ストップウォッチじゃ……ストップウォッチを使うのじゃ!
俺はそれにより30秒投下を可能にしている
527名無しさん、君に決めた!:2007/03/24(土) 00:02:04 ID:???
ミュウ氏乙ですー
528名無しさん、君に決めた!:2007/03/24(土) 00:02:33 ID:???
確かに40秒ルールミスると焦って39秒とかになるもんな
529名無しさん、君に決めた!:2007/03/24(土) 00:03:03 ID:???
>>525
ごめん、バーボンにも書いたがメモ帳が壊れてメモ帳内の文章の抽出が出来なくなったの。
だからわざわざメモ帳開いて文章を少しコピーして、サイトに写してって
凄い面倒臭いことしないといけなくなってる訳よ……
今必死で直してるから許してくれ……
530新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/24(土) 00:14:17 ID:???
ああ、眠い。
投下は早めに……当分は安定して投下できそうな新カントーです。
新人の方増えてきましたね……自分は気にせず自分の道を突っ走りますが。
前回は>>289-295です。
では今から投下します。
531新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/24(土) 00:14:52 ID:???
セキエイ高原牢獄前

切り立った崖に二人は向き合っている。
利発そうな少年、出木杉。
紫のドレスを着た少女、ソラ。
「戦う前に一つ聞きたい」
二人の間の沈黙を破って出木杉は話し掛ける。
「何ですか?」
「これは君の意思か? 誰かに命令されたとかじゃないのか?」
出木杉の問いにソラは手に乗せていた鳥を空に放ち、答えた。
「これは私の選択です。
 実は貴方が帰った後にカイ様が来たんですよ」
「な、何だって!?」
出木杉の反応を聞いてソラは微笑を浮かべて続ける。
「ふふ。面白い方ですね、出木杉さんは。
 私はカイ様に戦闘に出るなと言われました。
 Dさんからも参加はしないでくれと言われました
 実は……私はナナシマの筆頭リーダーに任じられました。
 ……でも、そんな大役私には勤まるのか不安だった。
 相応しい人はDさんにジュダさんにキクコさんにカンナさんに……一杯居ました。
 ですが、私は私以外の人の満場一致でリーグの筆頭リーダー決まってしまいました。
 これは……同じくらいの実力を持つ貴方と戦う事で自分を見極めたかったからです。
 ……だから、全員の計画の迷惑覚悟で貴方を誘拐したんです。
 もういいでしょうか? カイ様の命令を逆らうのは初めてなのでとても怖いんです」
ボールを取り出すソラ。
彼女の目に迷いは無い。
その目を見て、答えを聞いて、出木杉は笑った。
532新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/24(土) 00:15:33 ID:???
出ているのは両者のポケモン。
エレキブル対メガヤンマ。
先に動いたのはメガヤンマだった。
「眠って下さい!」
「雷パンチだ、エレキブル!」
攻撃に向かうエレキブルに催眠術を放つメガヤンマ。
エレキブルは前のめりに倒れた。
「当たったようですね」
ソラが胸を撫で下ろす。
だが、出木杉は焦ってなどいない。
「甘いよ! 僕はそれを読んでいた! エレキブル、雷パンチだ!」
倒れていたエレキブルが突如飛び上がる。
そして、そのままメガヤンマを殴りつけた。

「何故……」
メガヤンマを回収して呟くソラ。
「カゴの実さ。催眠術で攻めてくるのはわかってたしね。
 君は飛行タイプで固めてるんじゃないのかな?
 悪いけどエレキブルで押し切らせてもらうよ!」
出木杉の言葉にソラは一度驚いた後、微笑を浮かべる。
「すみませんけど……私のポケモンで飛行タイプを持っているのはこの子を入れて二体ですよ」
「な、何だって!?」
言葉に出木杉は驚いた。
『まずい、予想が外れた! じゃあ次は何が出てくるんだ?』
「ふふ、次の私のポケモンを考えているんですか? ……頼みましたよ、エル!」
ボールを投げるソラ。
出てきたのは腕に刃を持ったポケモンだった。
533新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/24(土) 00:16:09 ID:???
「エルレイド……」
出木杉がエルレイドを眺める。
『地震は耐えないよな……取りあえず一撃でも多くダメージを与えるか……』
一方エレキブルを見ているソラ。
『相手のポケモンはカメックス、ピジョット、フーディンはわかっています……。
 この中で氷技を持っているとしたらカメックス……。
 カメックスをどうにかして引きずり出して倒すしかありませんね。
 私のカイリュ―は一体でも相手を壊滅させる実力を持っています。
 あの子が言う事を聞いてくれればあっさり勝てるんでしょうけど……。
 ……これはあの子に頼らないで勝てと言うカイ様の暗示ですね』
考えを決めた出木杉は指を突き出す。
考えを決めたソラが目にかかる髪を横に払う。
「エレキブル、雷パンチだ!」
「エル、地震です!」
跳躍してエルレイドに向かっていくエレキブル。
そのまま拳をエルレイドに当てて元いた場所に戻る。
行動を終えたエレキブルに地震が襲った。
ソラの立っている地面にヒビが入るほどの衝撃を起きる。
だがエレキブルは紙一重で衝撃に耐え切った。
『運も僕の味方か? 次のエレキブルの攻撃で倒せる!』
ガッツポーズをしながら指示を出す出木杉。
「エレキブル、雷パンチ!」
「エル、影打ちです!」
エレキブルの後ろからエルレイドの影が出てきて腕を振り下ろす。
後ろからの攻撃に反応できずにエレキブルは前のめりに崩れ落ちた。
534新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/24(土) 00:16:41 ID:???
『油断した……先制技を考えていなかった。
 ……エルレイド。ハッサムなら安全に積み技を使えるかもしれない……』 
考えを決めて腰からボールを取り、投げる出木杉。
「次は君だ、ハッサム!」
出木杉のボールから出てきたのはハッサム。
ハッサムを見てソラは手を顔に当てる。
『これで私の知らないポケモンは後一体……。
 ハッサムと言う事は一回は安全に補助技を使えます。
 ……相手は私の持ち物には気が付いていない筈です。
 だったらまずはダメージを覚悟して補助技を使ってきますね』
相手の戦術を読みきり、ソラは指示を出すことにした。
「エル、インファイト!」
「高速移動だ!」
ハッサムの前に入り猛攻撃を開始するエルレイド。
だが、あっさり耐え切りハッサムは高速移動に成功する。
「そのままシザークロスだ!」
「堪える!」
ハッサムが驚異的な速さでエルレイドを切りつける。
しかし、エルレイドは攻撃を堪えきった。
エルレイドが赤く光りだす。
『これでカムラの実が発動しました。さあ、インファイトで止めを刺しましょう!』
ソラは確信を持って指示を出す。
出木杉は落ち着いて状況を見ているままだ。
「インファイト!」
「電光石火!」
出木杉の行動はさっきソラが出木杉の裏をついた行動だった。
攻撃を受けてエルレイドは倒れた。
535新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/24(土) 00:17:20 ID:???
『先制技ですか……自分が使ったのに……愚かですね、私は。
 ハッサム……私の考えが正しければ……カメックスを引きずり出す絶好のチャンスかもしれない。
 あの人のパーティーでこの子を止められるのはカメックスしかいないはずです。
 ハッサムをこの子で倒すことになるとその後にカメックスをおびき出せるはず。
 ……ハル、ヒョウ、貴方達から貰ったポケモン、使わせてもらうよ……』
ソラはボールを取り、投げる。
出てきたのは九個の尻尾を持ったポケモン。
「キュウコン! 頼みます」
キュウコンを見て出木杉は笑う。
『炎タイプが居た……予想の範囲内だ。
 こっちの作戦を使う事になったか。……まあこっちでも問題は無いけど。
 相手の切り札、カイリューを仕留めるにはカメックスが必要だ。
 相手は僕の切り札カメックスをカイリューを出す前に仕留めたいはず。
 これは交換できない戦いを上手く使ったおびき寄せる作戦だな。
 甘いよ、僕は君に手を抜く気はない。本気で勝ちに行かせてもらう!』
考えを決めて出木杉は二つボールを取った。
『二つボールを取った?
 諦めたと言う事……? 
 ここは……取りあえず攻撃しましょう!』
「火炎放射!」
キュウコンから炎が吐かれる。
その炎は真っ直ぐにハッサムに向かった。
「バトンタッチ!」
出木杉の声に二つのボールが反応して光り出した。

「そうやって登場させましたか……厄介ですね」
その場に居たのはソラが最も警戒していたポケモン。
スピードが上がった状態で出てきたカメックスだ。
536新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/24(土) 00:18:02 ID:???
カメックスのハイドロポンプで一撃でやられるキュウコン。
運悪く急所に決まったようだ。
「さあ次のポケモンを出しなよ!」
出木杉は笑顔で語りかける。
ポケモンバトルを本当に楽しんでいる様子だ。
一方、ソラは浮かない顔をしている。
自分の作戦がほとんど崩されたからだ。
『母さんの形見……あのカメックスを倒せるはずだったのですが……。
 まさか高速移動バトンタッチとは……不利ですね、間違いなく。
 取りあえず出して考えましょう。まだ負けが決まったわけではありませんから』
「ナイト!」
ソラが投げたボールから出たのはサーナイト。
光を纏いその場に登場する。
『サーナイトか……確実に十万ボルトを二回撃って倒すつもりだったな。
 だけど甘いよ、僕のカメックスを舐めないで欲しいな』
「ナイト、十万ボルト!」
電撃がカメックスに浴びせられる。
だが高速移動をしたはずのカメックスの行動よりサーナイトの行動のほうが早かった。
『どういう事……?』
ソラはカメックスの動きに疑問を覚える。
だがその疑問は出木杉の言葉によってすぐに解消された。
「ミラーコートだ!」
カメックスから受けた二倍の電撃が放出される。
その攻撃にサーナイトは耐える事は無かった。
537新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/24(土) 00:18:36 ID:???
『もう残りはカイリューだけ。
 ……やはり私は弱い、何で皆は私を筆頭リーダーにしたの?
 こんなに弱い私を……何故……』

一週間前 ナナシマリーグ会議場

「ではリーダーの投票の結果を発表させて頂きます」
そう言って、箱から紙を取り出して読み上げていく、1の島ジムリーダー、ニシキ。
ニシキの言葉を受けてホワイトボードに書き込むのは4の島ジムリーダー、カンナ。
「1の島ジムリーダー、ニシキ。推薦6の島ジムリーダー、ソラ」
ホワイトボードの数字の6の下に一本赤いラインが引かれる。
『私に……? ニシキさんは何を考えているのでしょう?』
「2の島ジムリーダー、メイジン。推薦6の島ジムリーダー、ソラ」
『!』
ホワイトボードに二本目の線が引かれる。
それはまた6の島だ。
『メイジンさんも……。何故私なのでしょう? 理由が聞きたいです。
 でもゴウゾウさんは私だとしても他の人は違うはず。
 皆、Dさんやジュダさんを選ぶはずです……』
ソラの予想通り3の島のジムリーダー、ゴウゾウもソラに票を入れる。
『次はカンナさん。多分ジュダさん辺りを選ぶはずです』
「4の島ジムリーダー、カンナ。推薦6の島ジムリーダー、ソラ」
『! 何で!?』
次のジュダもソラを推薦し、その瞬間ソラはナナシマリーグの筆頭リーダーに決定した。
538新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/24(土) 00:19:14 ID:???
「キクコお婆ちゃん」
ソラは会議が終わり最後まで残っていたキクコに話し掛けた。
「なんだい? あたしはもう帰ろうと思ったんだがね」
床を杖で叩いて欠伸をするキクコ。
その姿は元四天王とは思えない。
「何故皆さん私に投票したんですか? 私より相応しい人は居るはずです」
真剣な眼差しをぶつける。
「嫌なのかい? 筆頭リーダーが」
キクコはソラを見つめて問い掛ける。
「……自信がありません。私には荷が重いです」
ソラは頭を下げた。
「お願いです! 私の代わりにやってくれませんか!?」
言葉を受けて溜息をつくキクコ。
「……自分が選ばれた理由がわからないんだね、ソラ?」
問いに首を縦に振るソラ。
それを見て老婆は笑う。
「わからないならそれでいい。でも私やカンナ、ジュダがやることは無い。
 まあ……更にニシキとメイジンとゴウゾウはないから最初からソラとDのどっちかだったのさ」
杖を突いて扉の前に立つキクコ。
「……何故やらないんですか」
後ろを向いている問い掛けるソラ。
その問いにキクコは一言呟いた。
「……百花繚乱」
キクコはそれだけ言うと部屋から出て行った。
539新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/24(土) 00:19:46 ID:???
廊下を歩く老婆。
目の前に人が居るのに気が付き足を止める。
前に居るのは青い髪の少年。
「あんたも言う事があるんだったら速く言いなよ。年寄りをこき使わないでおくれ」
そう言って男の横を通り抜けていく老婆。
「かなわないなあ、キクコ婆には」
男は髪をかきあげて呟く。
「……後は頼んだよD。今からはアンタ等の時代なんだ。
 あたし達を一番若いソラが引っ張っていくんだ。
 年が一番近いアンタがあの子を支えなきゃいけないんだからね」
杖を突いて廊下を歩き始めるキクコ。
その老婆の後ろ姿を見てDと呼ばれた少年は呟く。
「……貴方は尊敬に値するよ、キクコ婆」
その言葉に老婆は笑い声を上げて歩いていく。
少年はその様子に苦笑した。
「……全く、僕はこういうのは嫌いなんだけどね」
髪をかきあげて、少年は呟いた。
「ソラに用件だけ伝えるか。……はあ」
頭をかいて少年は部屋に向かう。
部屋の前に辿り着いて少年は扉を開けた。
540新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/24(土) 00:20:31 ID:???
部屋の扉を開けてDは驚愕する。
目に飛び込んできたのは少女が顔に手を合わせて泣いている姿だったからだ。
「ちょ、ちょっと! 何で泣いてるんだよ!」
慌てて近づくD。
その声にやっと気が付いたのかソラはDに目を向ける。
真っ赤に染まりきった目。
ソラは小さい声で呟いた。
「……だって……皆……理由を言ってくれないから……」
その言葉を聞いて溜息をつくD。
「そんなことで泣いてるのか。僕は真面目なキミが一番いいと思ったから入れただけ。
 頑張っている人をサポートするのが僕にはあってるんだよ」
Dの言葉を聞き終えるとソラは涙を拭いて呟く。
「……そうなの?」
「そうだよ! 僕はリーダー体質じゃないんだよ、オリジナルと違ってね。
 ああ、そう僕はキミに言う事があったんだ」
ソラに即答してDは髪をかきあげる。
「……何?」
「セキエイでの決戦には参加しないで。キミは色々な意味でイレギュラーだから」
Dはそう言うとポケモンを一体繰り出した。
「じゃあ僕は船に戻るよ。頼むよパートナー」
『心得た、D』
「待って、Dさん! 私は!」
光を放ち、Dとそのポケモンは一瞬で消えた。

「……私は……私は……」
541新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/24(土) 00:21:02 ID:???
一日前 ソラの家 出木杉帰宅後

「明日が決戦ですか……」
誰も居ない部屋でソラは呟く。
『あの人と戦って自分の実力を確かめたいと思っていたのに……皆と相談しますか』
そう思うと、ソラはポケモンを繰り出す。
出てきたのはエルレイド、サーナイト、キュウコン。
(何でカイリューは出さなかったの?)
思念波で伝えてくるキュウコン
「あの子は家の中では出れませんから」
ソラはキュウコンの問いに答える。

ソラの家系はポケモンと精神を共有する事ができる。
この事を詳しく知っているのは父のカイと兄のセイトのみでソラですら詳しくは知らない事だ。
普段はこれを隠しているがそれは兄の言い付けを守っているからである。
『あいつは居ないな……今日こそ切り殺してやろうと思ったのに』
[駄目ですよ、エル。彼女も私たちの仲間なんですから]
エルレイドを嗜めるサーナイト。
それは彼らが夫婦だからこその光景だ。
「ねえ皆相談したいことが……」
ソラは言葉を紡ぎかけて、止めた。
ドアの音を立てては居ないが、誰かが家に入ってきたからである。
542新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/24(土) 00:21:41 ID:???
(誰だろう?)[敵意は感じません。家の鍵を持っている誰かですね]『……俺たちの出番は無いな』
取りあえず全員をボールに戻すソラ。
そして来た人間を考える。
『敵意は感じない……そして家の鍵を持っている……心当たりは二人ですね。
 でもどちらにしろ……用心をするに越した事はありませんね。
 あの二人なら……大丈夫。どちらも……私よりは強い』
机の上に置いてあったナイフを取り、ソラはドアの前で息を潜める。
どうやら相手はリビングの写真を飾っている棚の前に立っているようだ。
これは好都合、相手は自分の距離からそんなに離れていない。
一つ息をついて、ソラは扉を開け、相手に飛び掛った。
だがその攻撃はあっさりかわされ、浮かんだ状態のソラは首を腕で捕まれそのまま床に叩きつけられた。
「けほっ!」
首を締められて呻き声を上げるソラ。
だが、ただで終わるわけにもいかない。
足を振り上げて相手の顔を狙う。
だがその動きを相手は予測していたかのように相手は先に足を手で抑えていた。
「負けを認めるか?」
男は少女に尋ねる。
問いに少女は頷いた。

首から手を離された少女は息を整える。
その様子を見て男は呆れたように呟いた。
「全く……俺はこんな教育した覚えは無いぞ」
そう言って、男は襟を正す。
その懐かしい仕草を見てソラは微笑を浮かべた。
「私も教育を受けた覚えはありませんから。カイ様には」
543新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/24(土) 00:23:10 ID:???
投下終了。
明日の朝に決着編を投下したいと思います。
後、皆様乙でした。
ではおやすみなさい。
544名無しさん、君に決めた!:2007/03/24(土) 04:07:10 ID:???
545みけ ◆j3r35pDblU :2007/03/24(土) 10:33:55 ID:???
http://twilightzone.is.land.to/keijiban/keijiban.cgi
こんな糞板よりここの方がいいと思う
あとこのレスみたら違うスレに5つ張らなきゃ死にますよw
まぁテイノウにはわかりませんが
546名無しさん、君に決めた!:2007/03/24(土) 12:44:23 ID:???
>>545
コイツ最高に(ry
547出木杉の未来大冒険 ◆dqVzDvT5pM :2007/03/24(土) 16:28:06 ID:???
この時間帯は誰も居そうに無いけど、せっかく暇な時間が出来たので投下させてもらいます。
548出木杉の未来大冒険 ◆dqVzDvT5pM :2007/03/24(土) 16:29:07 ID:???
>>97の続き
 
 先程話し合った通り、僕たちは一刻も早くこのゲームをクリアしなければならない。
となると、まず今やるべきことはバッジを集めることだ。
今いるヤマブキシティにもジムがあるので、とりあえずそこから攻略して行こう。
僕は次の目標を定めると、早速ヤマブキシティの北東・・・ジムの方角へと向かった。
だがそこには格闘道場しかなかった。
ここも10年の間になにかあったのかも知れない・・・とりあえずその辺りの通行人に聞いてみた。
通行人によると、ヤマブキジムのジムリーダーだったエスパー使いナツメは、段々自分の超能力が弱まってきていることを理由にジムリーダーを引退したそうだ。
そして、その後この格闘道場がヤマブキの新たなジムとされ、前のジムは取り壊しになったそうだ。
格闘タイプならサーナイトで楽勝・・・僕は自分の幸運を喜びながらジムへ入った。

 ジムに入ると、いきなり10人ほどの格闘家が建物内の左右に移動して頭を下げ、僕を迎え入れてくれた。
そしてその奥にはジムリーダーと思われる威厳ある格闘家が正座していた。
彼は立ち上がると、早速自己紹介をしてきた。
「私がここの道場主、つまりジムリーダーのタケノリという者だ。
お主、どうやら挑戦者のようだな・・・なら早速、ジム戦を始めようか。」
彼はモンスターボールを取り出してきた。
僕はまだ心の準備ができていなかったが、そんな事を言ってられる雰囲気ではない。
戸惑いながらもサーナイトのボールを握り締め、戦いの場へ身を投じた。
549出木杉の未来大冒険 ◆dqVzDvT5pM :2007/03/24(土) 16:29:59 ID:???
 こちらのサーナイトに対して、敵が出してきたのはエビワラーだった。
相性では完全に僕が有利、速攻で片付けてやる!
「サーナイト、サイコ・・・じゃなくて念力。」
そういえば、僕のサーナイトが使えるエスパータイプの技は念力しかなかったのだ。
攻撃はヒットしたのだが、特防の高いエビワラーにはあまり効いてないようだ。
「今度は私の番だな、メガトンパンチ!」
タケノリが叫ぶとともに、エビワラーの強力なパンチがサーナイトに炸裂した。
なかなかくらったような気がしたけど・・・どれくらいくらったのかな?
ポケモン図鑑でダメージを確認した僕は目を疑った。
先程のパンチ一発で体力の8割以上を持っていかれたのだ。
たしかジャイアンから聞いた話では、エビワラーには“鉄の拳”という強力な特性があるそうなのだが、それにしてもこのダメージは大きすぎる。
考えることは1つ、圧倒的なレベルの差だ。
僕は、ゲームでヤマブキのジムリーダーだったナツメのフーディンは43レベルだったことを思い出した。
この男、タケノリのポケモンもその程度のレベルなら、僕が勝てる確率はきわめて低い。
とりあえず、まずはこのエビワラーを倒さなければ・・・
素早さはサーナイトのほうが速いので、うまくいけば次の念力で倒せるかもしれない。
だが、タケノリが放った一言は僕の希望を残酷に打ちのめした
「エビワラー、マッハパンチ。」
先制攻撃をくらい、サーナイトは倒れて動かなくなった。

 この後の戦いはあまりにも一方的だった。
リザードはメガトンパンチ一発でやられ、最後に残ったレベル20のポリゴンなど問題外だ。
結局僕は敵の1匹目、エビワラーの体力を半分も削れないまま負けてしまったのだ。
落ち込む僕の心にタケノリが止めを刺す。
「その程度の力で私に挑もうとは、なめられたものだ。
 もっと力を磨いてから再び来るがよい。」
僕は俯いたまま、無言でジムを後にした。
550出木杉の未来大冒険 ◆dqVzDvT5pM :2007/03/24(土) 16:32:05 ID:???
 とりあえずさっきの挑戦で分かったことは1つ、もっとポケモンのレベルを上げなければいけないということだ。
この調子ならセキチクのジムでも間違いなく惨敗だろう。
僕はシオンタウンからセキチクシティの間にある13〜15番道路をレベル上げの場所に選んだ。
あそこは沢山トレーナーがいて、おまけにそのトレーナーたちは僕と同じくらいのレベルなのだ。
うまくいけば、一日で7、8レベル上げられるかもしれない。
僕は早速レベル上げに向かった。
だがその途中に思わぬ出来事に遭遇した。
シオンタウンに行く途中の8番道路で、何者かが僕に付いて来ていたのだ。
もしかして信者かも・・・僕は警戒しながら勇気を出して後ろを向いた。
「・・・お前は・・・サンダース?」
そこにいたのは野生のサンダース・・・いや、サンダースが野性のポケモンとして出現するわけない。
これはおそらく、僕が死体を見つける前にボールから出したスネ夫のサンダースだ。
このサンダースを見ているとスネ夫の事を思い出す、だから見ているのは寂しかった。
僕はサンダースから離れようと走り出した、だが、サンダースはどこまでも着いてきた。
しばらくすると逃げることを諦め、思い切ってサンダースに訪ねてみた。
「お前、僕と一緒に来たいのか?」
サンダースは無言で頷いた。
僕はサンダースをボールに納め、手持ちに加える事を決めた。
スネ夫が死んだ事実から目を逸らしてはいけない・・・こいつを彼の形見だと思って共にがんばろう。

 その後はシオンタウンで一休みした後、13〜15番道路でひたすらレベル上げに励んだ。
一日中ずっとトレーナーと戦っていたので、手持ちのレベルをかなり上げることに成功した。
そして翌日、僕は再びヤマブキジムの門をくぐった。
551出木杉の未来大冒険 ◆dqVzDvT5pM :2007/03/24(土) 16:32:42 ID:???
 昨日惨敗した僕が再び現れたので、ジムリーダーのタケノリは驚いていた。
でも本当に驚くのはまだまだこれからだ。
「また来たか・・・まさか昨日と同じような展開を繰り返す訳では無いだろうな。」
「勿論、そのつもりですよ。」
タケノリの問いに笑顔で返す。
さっそく戦いが始まった、お互いの1匹目は昨日と同じくサーナイトとエビワラーだ。
「昨日との違いを見せてあげますよ・・・サーナイト、サイコキネシスだ。」
昨日の特訓で、サーナイトは念力の倍近い威力を持つ新技、サイコキネシスを覚えた。
おかげでエビワラーの体力を一気にレッドゾーンまで追い込むことが出来た。
「ほう、なかなかやるな・・・メガトンパンチだ。」
昨日と全く同じ展開だ・・・変わったところを挙げるとすれば、サーナイトのダメージがかなり減ったことだ。
「ここは少しでも体力を減らしておこう、マッハパンチ!」
先制攻撃マッハパンチが再びサーナイトを襲う。
だが、その攻撃はバリアのような物で弾かれてしまった。
「“守る”だよ。僕は二度も同じ手を食うほど甘くはないよ。」
そして次のサイコキネシスでエビワラーは倒れた。
さて、このサーナイトで一体どこまでいけることやら・・・
552出木杉の未来大冒険 ◆dqVzDvT5pM :2007/03/24(土) 16:33:14 ID:???
 次にタケノリが出して来たのはサワムラーだった。
だがこれもエビワラーと同じく、一度攻撃を加えると倒されてしまった。
しかしサーナイトの体力も限界に近づいていて、次のカポエラーの電光石火で倒されてしまった。
サーナイトは結局2体のポケモンを倒したことになる・・・まずまずの結果だ。
次はこいつがいるのだから・・・
僕が自信を持って繰り出したのはリザードン、昨日進化したばかりの僕のパートナーだ。
「今度は飛行タイプか・・・厄介な奴が来たな。」
タケノリはちょっと焦っている、昨日からの僕の実力の急激な向上に戸惑っているのだろう。
「早速行くよ!リザードン、翼で撃つ。」
効果抜群の攻撃を受けたカポエラーはかなりのダメージを受けている。
「クッ、リベンジだ!」
リベンジは敵の攻撃を受けると威力が2倍になる技だが、リザードンには相性が悪いのであまりダメージを与えられない。
そして、次の翼で撃つでカポエラーは倒れた。

 敵のポケモンはもういないはず・・・勝利という美酒に酔う僕、だがタケノリの一言が僕を再び現実へ引きずり込む。
「喜ぶのはまだ早い・・・私にはまだ切り札が残っているのだから・・・」
まさか、奴の手持ちはバルキー系だかじゃあ・・・嘘だと言ってくれ!
僕の必死の祈りも虚しく、敵は格闘タイプ最強のポケモンであるカイリキーを繰り出した。
落ち着け、敵は最後の一体、こちらはまだ3体残っている。
おまけにリザードンはまだ半分以上体力を残している・・・うまくいけばこいつだけでカイリキーを倒せるかもしれない。
早速使ったリザードンの翼で撃つはカイリキーにそこそこのダメージを与えた。
これはいけそうだ!という僕の喜びを、最大の弱点である岩タイプのストーンエッジをくらって一撃で倒れるリザードンの姿が打ち砕いた。
553出木杉の未来大冒険 ◆dqVzDvT5pM :2007/03/24(土) 16:34:22 ID:???
 さて、これでこちらの残りポケモンは2体。
おそらく一撃でやられるであろうポリゴンと、ノーマル技+電気技+スネ夫が覚えさせていたシャドーボールしか使えないので弱点を攻めれないサンダースだ。
サンダースがやられて負けが確定するのが怖かった僕は先にポリゴンを繰り出した。
一撃でやられるを覚悟していたのだが、タケノリはビルドアップを使うと言う予想外の行動に出た。
まさか、弱いポリゴンが出ている間に能力を上げ、サンダースを一撃で葬る気か!
敵が2回ビルドアップをし、ポリゴンが2回サイケ光線をくらわせた後、遂に敵は能力UPをやめてポリゴンを倒した。
今僕が勝つ方法は1つしかない、だいぶ体力が減ったであろうカイリキーの攻撃をくらう前に、一撃で奴を倒すのだ。

僕は最後の希望を託したサンダースを繰り出し、祈るように10万ボルト(これもスネ夫が技マシンで覚えさせていた)を命じた。
・・・だが、カイリキーは倒れなかった。
タケノリは勝ち誇った顔で言った。
「残念だったな・・・お主の努力は認めるが、この勝負は私に軍配が上がったようだ。
 さあ、これで終わりだ。リベンジ!」
しっかりと命中率100パーセントの技を選んできたか・・・最後まで油断しない男だ。
僕は負けを確信して俯いた、だが顔を上げると、そこには元気なサンダースと倒れて動かないカイリキーの姿があった。
状況が理解できない僕にタケノリが説明をしてくれた。
「どうやらポリゴンのサイケ光線で混乱していて、それが原因で自分を攻撃して倒れたようだ。
 ポリゴンの攻撃を甘く見ていた私の負けだな。」
タケノリはそう言うとバッジと気合パンチの技マシンを僕に渡してくれた。
僕は上機嫌でジムを出ると、この戦いの功労者であるポリゴンを進化させてやるためにシルフで無料配布されているアップグレードを貰い、その辺のトレーナーの協力で進化させてもらった。
554出木杉の未来大冒険 ◆dqVzDvT5pM :2007/03/24(土) 16:38:01 ID:???
     現在の状況
       ヤマブキシティ
    手持ち リザードンLV36、サーナイトLV35、ポリゴン2LV30、サンダースLV34
    バッジ 5個

     出木杉メモ
  名前     手持ち
  のび太    ヤルキモノ、キノガッサ、ディグダ(クチバシティ時)
  ドラえもん  フシギソウ、ピジョン、ビリリダマ(タマムシシティ時)
  静香     カメール、ピカチュウ(クチバシティ時)
  ジャイアン  エビワラー、ニドキング(シオンタウン時)

投下終了。所持金は書く必要がない気がしたのでやめました。
それとまたまた誤字発見。>>552の17行目、バルキー系だ「か」じゃあ・・・の「か」は「け」の間違いです。次は誤字がないように気をつけます。
555名無しさん、君に決めた!:2007/03/24(土) 16:42:06 ID:???
乙、乙、乙
556名無しさん、君に決めた!:2007/03/24(土) 16:50:29 ID:???
乙。
557名無しさん、君に決めた!:2007/03/24(土) 16:50:36 ID:???
乙カレー
558名無しさん、君に決めた!:2007/03/24(土) 17:02:07 ID:???
559名無しさん、君に決めた!:2007/03/24(土) 17:14:14 ID:???
スネオ……
560DPでも書こうか ◆ePxtyQg3Mk :2007/03/24(土) 21:25:31 ID:???
出木杉未来氏乙
>>440-441
残り2〜3回の投下
べ、べつに人気投票のことなんか気にしてないんだからね!
561DPでも書こうか ◆ePxtyQg3Mk :2007/03/24(土) 21:26:18 ID:???
テンガン山 頂上
2体のポケモンからは凄まじい力が感じられる。
効果音で現すと「ゴゴゴゴゴゴ」みたいな感じか。
髪の毛が強い風で激しく靡く。
「ふーん、楽しめそうじゃん」
出来杉は醜い笑みを浮かべると、懐からボールを取り出した。

「待て出来杉!」

突然の叫び声に出来杉は手の動きを止める。
彼の後ろにはギザギザ頭でキツネ顔の奴が足を震わせていた。
確か「スネオ」だったか。
562DPでも書こうか ◆ePxtyQg3Mk :2007/03/24(土) 21:27:20 ID:???
「おい、見ろよ、スゲェだろ」
含み笑いを隠しながら、出来杉は振り向き、後ろのポケモンを指差す。
スネオの顔は「恐怖」に歪む。
しかしそれはすぐに「喜び」と変え、スネオを勇気付ける。
「こ、これが伝説のポケモン……
 このボクにこそ、ボクにこそ相応しい……!」
狂喜のあまり、出来杉の肩にぶつかったことも気づかず
ポケモンに近づくスネオ。
スネオは「あぁ、あぁ……」と興奮を抑えるように、小声を漏らす。
その右手には空のモンスターボールが握られていた。

スネオの背後にはそれをニヤニヤと見つめる出来杉が居た。
強風によりスネオの髪はいつものトゲトゲ感が無い。
既に焦点の定まっていない目のスネオは、パルキアに思い切りボールを投げた。

雷が轟く。
赤い目が少年を捉える。
左手がゆっくりと上がる。
少年の叫び声が空に響く。
そして少年は居なくなる。

そこに残されたのは一つのモンスターボールとなった。
出来杉は堪えきれずに盛大に吹き出す。
その一部始終を目の当たりにしたドラえもん。
彼はこの事態に元々青い顔を更に青くした。
563DPでも書こうか ◆ePxtyQg3Mk :2007/03/24(土) 21:28:52 ID:???
「出来杉さん、そこ、邪魔なんだけど」
物陰から出てきたのはしずか。
その服は乱れもしていないし、汚れもしていない。
(ふん、中々やる奴なのかもな)
出来杉は初めて自分と対等に戦えそうな人物を発見したのだ。
彼の初バトルが始まる。

「ガブリアス、地震」
単調な命令でエンペルトは一撃で倒された。
「何だ、期待外れ」かと出来杉は呟き、ガブリアスをボールに戻す。
「そんな……私が負けるなんて……」
しずかは膝を地につき、唖然とする。
「俺が邪魔なんじゃなくて、お前が邪魔だ」
出来杉は冷たい言葉を放つと、しずかの胸倉を掴み、2体のポケモン
の方へと吹っ飛ばす。

悲鳴は聞こえなかった――――

みんあのてもち(廃止)
564DPでも書こうか ◆ePxtyQg3Mk :2007/03/24(土) 21:29:47 ID:???
投下終了
ちょっと分かり難い描写があるけどその辺は君達に任せた
565名無しさん、君に決めた!:2007/03/24(土) 21:30:25 ID:???
乙です。
でも前回レスDPその2氏になってるよ。
566名無しさん、君に決めた!:2007/03/24(土) 21:59:31 ID:???
>>565
悪い、ちょっと急いでたもんで
567名無しさん、君に決めた!:2007/03/24(土) 22:04:47 ID:???
乙だから困る
568名無しさん、君に決めた!:2007/03/24(土) 22:08:56 ID:???
流石だな書こうか氏
超乙
569短期連載U ◆h8RyxQKBOY :2007/03/24(土) 22:31:36 ID:Pko517+c
みなさん乙。
投下します。
570短期連載U ◆h8RyxQKBOY :2007/03/24(土) 22:32:24 ID:???
巨大ケッキングが町を破壊していく。
何やら塔に登り、雄叫びを上げている。
!!巡回するヘリをぶっ壊しやがった……何の映画の撮影だこれは。

そんなこんなで僕たちは町に戻ってきた。
機動隊がケッキングに爆撃を仕掛けている。
「くそ……僕の町をこんなに荒らしやがって!!」
スネ夫は悪態をつきながらケッキングを見上げていた。

その時
「あ!あれは何!!」
しずかが空の一点を指す。
僕はそれを見た。
「あれは確か――!!」
僕は気づいたんだ。
二体のネンドールが一体のドダイトスを頭に載せている。
その上には一人の王女の姿!

「ムス子さんだ!!」
僕は思わず叫ぶ。
「えぇ!?
 ムス子ってあの笑わないでいつもムスっとしていた女の子のこと!?」
しずかは明らかに動揺していた。
当然か……あれは確かに驚くべきことだったから。
571名無しさん、君に決めた!:2007/03/24(土) 22:33:22 ID:???
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572短期連載U ◆h8RyxQKBOY :2007/03/24(土) 22:33:24 ID:???
「そうだよ。
 ムス子さんはね、旅の途中自分の本名を知ったんだ。
 ロムス子・パロ・ウル・ラピュタ――それが彼女の本名。
 彼女はどっかの古代文明の、王族の末裔だったんだよ!!」

何故だ……しずかが訝しげに僕を見てくる。
嘘はついていないのになぁ。

「「愚かな猿よ!!」」
ムス子王女が拡声器をつかって話し出す。
返事の代わりに、ケッキングの唸りが一声。
「「我の王国はこの町のそばに浮かんでいる。
  そこへお前の攻撃音が響いてきた。
  それが我の安眠を妨げたのだ!!
  よってここいら一帯の人間と共にお前を滅ぼす!!覚悟しろ!!」」
ネンドールの足の先で、エネルギーが溜まっていく。
「あれはきっと本気だぞ……しずちゃん、ほっといて行こう」
「ええ」
そうして僕らはポケモンリーグへ向かうことにした。

光が弾け、爆発、突風。
町の中心に攻撃が放たれたのだ。
「「あはははは!!
  見ろ!人がゴミのようだ!!あはははは!!」」
拡声器を通して、ムス子の笑い声が聞こえてきた。
「あぁ、のび太さん。あのムス子が笑ってるわ。
 5年の間に随分変わったのね」
573短期連載U ◆h8RyxQKBOY :2007/03/24(土) 22:34:16 ID:???
ageちゃった。ごめん。
投下終わり。
それじゃ。
574名無しさん、君に決めた!:2007/03/24(土) 22:35:12 ID:???
カオスwwwwww
575名無しさん、君に決めた!:2007/03/24(土) 22:42:00 ID:???
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576名無しさん、君に決めた!:2007/03/24(土) 22:55:45 ID:???
ムス子wwwwwwwwwwwwwwww
577名無しさん、君に決めた!:2007/03/24(土) 22:56:51 ID:???
大体オチは分かったw
578にゃーすpepusiman ◆rwwitCZFqY :2007/03/24(土) 23:06:19 ID:???
投下開始!
579にゃーすpepusiman ◆rwwitCZFqY :2007/03/24(土) 23:07:20 ID:???
ズウゥン
今日ボクを起こしてくれたのは目覚まし時計ではなく激しい爆撃音だった。
「のび太君!早く起きろ!」
ドラえもんが必死にボクを起こしている。
でも眠たいよドラえもん・・・あと5分だけ・・・
「起きろ!死にたいのか!」
おおげさだなぁ・・・
しぶしぶ起きたボクはふと窓の外に目をやった。
赤い。今は朝のハズなのに何故か空が赤い。
窓を開けその現状を把握しようとした。
だがすぐに真っ黒な煙が窓から入り、むせてしまった。
「どどどどどうしたの?コレ!?ドラえもん!」
「分からないよ!いいから早く着替えて!」
ぼくは押入に入れてある洋服を素早く取り出し着替えた。
いつもの半袖短パンではさすがにマズイと思い、あまり着たことのない厚手のパーカーを着て素早く外を出た。
暑い。まわりの家が燃えている。二軒三軒・・・いやもっとだ。
「ママやパパは!?」
「もう避難してる。僕たちは裏山の防空壕に向かおう。」
裏山の防空壕。第三次世界大戦に使われた大きな防空壕である。
あの頃はみんな息をひそめて隠れていたんだっけ。
そして僕らは裏山に向かって走り始めた。
580にゃーすpepusiman ◆rwwitCZFqY :2007/03/24(土) 23:08:29 ID:???
裏山の防空壕にはたくさんの人たちがいた。
その人々のなかに見慣れた顔を見つけた。
しずかちゃんとジャイアン、それにスネオだ。
「みんな!ここにいたんだね!」
ぼくは感動のあまり涙ぐんでしまった。
みんなが無事だった。それが一番嬉しい。
「おお!無事だったか心の友よ!」
「のび太さん、大丈夫だった?」
「のび太のクセによくここまで来れたね!」
ボカッ
スネオの頭にジャイアンのばくれつパンチが炸裂した。
「何言ってんだ!今ふざけてる場合じゃないだろ!」
「ボクが悪かったよ。ゴメンな、のび太。」
ボクは少し照れくさそうに笑う。スネオに謝られる事なんて数えるほどしかない。
僕たちがそんな会話を繰り広げているとき後ろからイヤな目で見てくる人達がいた。その中のリーダーらしき人物がドラえもんに向かってこう言った。
「おい!そこの青いの。お前レプリロイドだろ?ここから出てけよ!」
ドラえもんはびっくりした顔で彼を見ていた。
レプリロイドだから出て行け・・・?どういうことだ?
「うるせぇやい!ドラえもんがレプリロイドだろうがなんだろうが関係ねぇだろ!」
ジャイアンが彼に向かって怒鳴りちらす。
こういう時にたよりになるんだ、ジャイアンは。
「あ!?ザケんなよ糞ガキ。そのレプリロイドの目立つ色で俺達の場所がバレちまうだろうが!
それにお前しつけロボットだろ?しつけロボットは身体にマイクロチップが埋め込まれているから衛生で検索されたら一発なんだよ!」
そう、ドラえもんはしつけロボット。
それにマイクロチップが埋め込まれているのもボクは知っている。
でも・・・だからって出ていけなんて・・・。
「分かりました。ボク、ここから出ます。みなさんの邪魔になりどうも失礼いたしました。」
そう言い残すとドラえもんは防空壕から出ていった。
そんな・・・危険だよドラえもん・・・!
581にゃーすpepusiman ◆rwwitCZFqY :2007/03/24(土) 23:10:04 ID:???
次回予告

『ようこそ、レジスタンスベースへ』

『所詮、レプリロイドと人間は相容れない仲なんだよ!』

582にゃーすpepusiman ◆rwwitCZFqY :2007/03/24(土) 23:10:47 ID:???
投下終了。
次回予告はセリフだけの予定。
583名無しさん、君に決めた!:2007/03/24(土) 23:12:31 ID:???

ポケモン関係ねえw
584名無しさん、君に決めた!:2007/03/24(土) 23:13:05 ID:???

俺こういうストーリー大好き。期待してる
585トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/03/24(土) 23:14:37 ID:???
これから投下します。
みなさん乙です。
586トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/03/24(土) 23:15:50 ID:???
No.002『DREAMS COME TRUE』



「ジィリリリリリリ!!!!」
僕の部屋に凄まじい音を立て、ベルが鳴り響く。
うるさい。僕はもう少し寝たいんだ。ほっといてくれ。
「……タクン……びた君………のび太君……!!」
誰かが僕の体を揺する。
きっとドラえもんだろう。
タイマーは余裕を持つため七時に設定してある。
登校時間まで、まだ一時間以上ある。
五分くらいいいじゃん。
「ん……。まだ七時だよ……あと五分……。」
僕は起きるのが嫌で布団に潜り込む。
すると、突然僕の体を覆っていた布団が取り上げられ、特徴のあるダミ声の叫びが聞こえた。
「ふざけるなぁッ!!!
もう八時だぞ!遅刻だぞ!」
「えっ!」
僕は慌てて時計を掴む。
その短針は確かに八時を告げていた。
そこで僕の眠気は一気に覚め、それは先生への恐怖に次第に変わってゆく。
「ちッ、遅刻だあああああああ!!」
僕は跳ね起き、急いで服を着替える。
靴下が左右で違うやつだったけど、気にする暇は無い。

階段を転げる様に下り、台所のパンを一枚失敬してそれを食べながら学校へダッシュする。
僕は昨日の事など全て忘れてしまっていた。
587トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/03/24(土) 23:19:30 ID:???
キーンコーンカーンコーン。

一時間目の授業を告げるチャイムが鳴る。
僕がそれを耳にしたのは校庭を突っ切り、校舎に向かう途中だった。
「うおあああああああ!!!!」
最後の力を振り絞り僕は下駄箱へ向かう。
その時間、実に30秒。
ちなみにその距離100m。
僕は下駄箱を通過し、二階の教室へ向かう。
「やった、教室だ……。」
長かった……。疲れがどっと出る。これだけ頑張ったんだから、先生も許してくれるだろう。

教室の扉まであと2、3m。
「えーと……ここは……こうであって……。」
先生の声も、微かながら聞こえる距離だ。そいや、一時間目って何の授業だっけ。

まあ、思い出してもさほど意味はないと思い、僕は先生という名のモンスターがいる教室へ、一歩を踏み出した。
「ええと、次の問題は……誰に当てようかな……。」
「おはようございます」
僕は引き戸をガラリと開けた。皆の視線が僕に集中される。
先生は僕を見てニヤリと笑う。
あれ、おかしいな。いつもは鬼人の如く怒り始めるのに。
僕はとりあえず愛想笑いを返してみた。
歯を磨いていなかった事に気づいた。

先生は言った。
「野比君、いいタイミングに来たな。この問題は君に解いてもらおうか」
最悪のタイミングに来てしまったようだ。
588トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/03/24(土) 23:22:13 ID:???
先生は意地悪だ。いきなり来た僕がいきなり頭が良くなっていきなり問題を解けるハズないだろ。
「ええと……あの……そのですね……。」
僕は何か言いたそうにモジモジする。
何の解決にもならない事が分かっていながらもモジモジする。
しかし、それは先生の気に触ったようだ。先生の雷が落ちた。
「野比ィ!さっさと解かんか!」
「は、はいィィ!」

僕はイソイソとチョークを取り、先生へ聞こえないよう、愚痴を溢しながら黒板へ向かう。

「突然なのに僕に解ける訳が……」
ここで僕の言葉は中断した。

信じられない。何だ、これは。ここは学校だよね?
僕はそう思った。
黒板には、こう書いてあった。
『ライボルトが、ラグラージに「かみなり」で攻撃したとき、ダメージはどうなるでしょう。』
ライボルト?ラグラージ?ポケモン?

僕の頭が混乱しだす。
「何だ!?野比君解けないのか?」
先生が、また同じセリフを繰り返す。

書けるよ。書けるよ。書けますよ。
でもさ、学校でさ、なんかあれでしょ、あれ。

「野比ィ!」 「はい!!!!!」
先生の喝が飛ぶ。
もう、どうなっても知らないぞ!
僕は黒板に、『ダメージは無し』と書いた。
589トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/03/24(土) 23:24:38 ID:???
書いた後、僕は恐る恐る先生の顔色を伺おうとした。その時、
「ハッハー!のび太の奴馬鹿だぜぇ!
こないだ習ったタイプの相性も分かってねぇ!
ラグラージは水タイプだから『効果は抜群』だぜぇ!」
ジャイアンが言った。
しかし、先生の反応は違った。
先生は、「うん」と頷き言った。
「よし、野比君、正解だ。席につきたまえ。
後、剛田、いつも見掛けで判断するなと言ってるだろうが!」
「えっ?なんで?」
ラグラージは、水・地面タイプだよバーカ。
僕は怒られるジャイアンを見て、心の中で呟いた。

僕は鞄を置き、席に着く。
すると、気分も冴えてきて昨日の事を思い出してきた。
やっぱり、『もしもボックス』の効果は発動していたらしい。
あの問題はそのためだろう。
と、するともしかして……。
僕は席が隣であるスネ夫に一つの疑問をぶつけてみた。
「スネ夫、この世界にポケモンっているよね?」
僕がそう訊くと、スネ夫は何か異様な物を見る目付きでこっちを見、答えた。
「は?何言ってるの?
たくさんいるじゃん。」
キター!
僕は嬉しくてたまらず、子踊りを始めた。

スネ夫は小さく、「ついに頭がおかしくなったか。」と呟いた。

「えへ、えへ、えへ、えへへへへへへ。」
僕はその日一日、気持ち悪い笑いが止まらなかった。
590トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/03/24(土) 23:25:41 ID:???
今日は全てが上手くいった。
僕のポケモンの知識はピカイチで、先生が出す問題も全て余裕。
マジで気持ちよかった。
しずかちゃんも僕を凄いと言ってくれた。

そして、時間は終礼の時間。そのチャイムが鳴り、僕は席につく。
すると、先生の話が始まる前に前列から何かの紙が配られてきた。
それには大きな太文字で、こう書いてあった。

『トレーナー試験ついに開催!!!』

「トレーナー試験?なんじゃそりゃ?」
僕は首を捻った。
考えても分からなかったので、とりあえずまたスネ夫に聞いてみることにした。

「スネ夫ー。トレーナー試験って何?」
スネ夫はまた、先程と同じ様な反応を見せ、ボソリと言った。
「トレーナーになるための試験だよ。
僕達は、今年から受験資格があるんだ。
だから参加用紙が配られてきたのさ。」
「えっ?トレーナーになるためには試験がいるの?」
「当たり前じゃないか。
そんなのも知らないのか?」
僕はスネ夫の言葉に耳を疑った。
ゲームではそんなイベントなかったぞ。
スネ夫は続ける。
「今年から僕も試験を受けるんだ。
受かったらアイドルトレーナー!かっこいいじゃないか。」
この身長でアイドル?
僕は吹き出してしまった。
591トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/03/24(土) 23:26:21 ID:???
しかし自分に酔いしれて、スネ夫は僕が吹き出した事に気づいていない。
僕は聞いた。
「僕でも受けられるの?」
すると、突如スネ夫は現実にカムバックしてきて、僕に冷たく言い放った。
「のび太が?プフフフフ……。
無理に決まってんじゃん。
受けたとしても、一次試験で足切りだよ。
まあ、多分僕も今年は無理だろうけどね。」
僕はスネ夫に腹が立ち、会話はそこで打ち切った。
しかし、僕は密かに決意していた。
トレーナー試験を受けてやろうと。


終礼直後、僕は脱兎の如く教室を飛び出した。
家までノンストップで走る。
右手には一枚の紙を握りしめながら。

「ただいまぁッ!!」
僕は勢いよく靴を脱ぎ散らかし家に入る。
ママは何処だろう。台所かな?
僕は台所に向かった。
案の定ママはそこにいた。
僕はママに一枚の紙をつきつけた。
「ママ!僕、トレーナー試験受ける!
僕、トレーナーになるんだ!」
592トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/03/24(土) 23:28:38 ID:???
今日はここまでです。
次の投下が終わったら、また一作目の方に戻ります。
最近スランプ気味です。
っていうか、台本小説って書きにくいと思いました
593名無しさん、君に決めた!:2007/03/24(土) 23:36:40 ID:???
乙!
この発想は無かった
594名無しさん、君に決めた!:2007/03/24(土) 23:40:56 ID:???
乙です
すごい発想力だ
595ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/03/24(土) 23:42:17 ID:???
投下する
人気投票見たけど
まさか句読点であそこまで言われるとは思わなかった
句読点の数をできるだけ減らすように努力してたんだが
まさかそれが仇となるとはwwww
596ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/03/24(土) 23:42:57 ID:???
テンガン山を越え、ヨスガシティについた。
ここにはポケモンコンテストの会場や、ふれあいひろばがある。
そのせいか他の町よりも、人が多いようである。
ふと電柱を見ると、派手なチラシが貼ってあった。

ポケモンコンテスト開催!
日程事項 ○月×日 午後二時から

ポケッチを覗くと、今の時間は三時……
まだやってるかもしれない。
そう思い、俺はポケモンコンテストの会場へ走っていった。
597ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/03/24(土) 23:44:17 ID:???
ごめん、ちょっとトラブル発生
一旦投下中止、少ししたらまた投下する
598ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/03/24(土) 23:49:19 ID:???
スマン
再び、投下開始
599ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/03/24(土) 23:52:14 ID:???
息を切らせながら、コンテスト会場に入っていく。
実況の甲高い声と、観客の叫び声が、会場内に響き渡っていた。
今は演技審査4体のポケモンが、それぞれとくいな技を披露している……あれは?

『ガーディ、火炎車でこれを取りに行きなさい!』
ガーディのトレーナーがボールを遠くへ投げ、ガーディが火炎車でボールを取りに走る。
上空に投げられたボールをガーディは急上昇して、口に銜え、そのまま着地した。
火炎車をしていたのにも関わらず、ボールは焦げていない。

『『『キャ―――――』』』

鼓膜を突き破るかのような叫び声が、俺の耳を貫く。
そして結果が出る……ガーディは一位であった。
優勝したトレーナーの顔が、大画面のモニターに映し出される。
……あれは……確か、静香……
マサゴタウンで俺達と一緒に旅立った一人であった。
表彰台に上がり、観客に手を振っている。

『『『ワ――――――』』』

先ほどよりもさらに大きな叫び声が、耳を貫く。
その時、突然会場の選手入場用の扉が開いた。
600ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/03/24(土) 23:54:32 ID:???
開かれた扉からは、何人もの人間が押しかけてきた。
会場が一気に静まり返る、先ほどの叫び声が嘘のようである。
「素晴らしい演技だったよ、私の名前はサターン……ギンガ団の幹部だ
 単刀直入に言う、そのポケモン達を我々ギンガ団に譲ってもらいたいのだが」
「そんな簡単に大事なポケモンを、渡せるはずが無いじゃない!」
「なら力づくで奪わせてもらう、行けユンゲラー、ドクロッグ!」

幹部のポケモンの出陣と同時に、下っ端もポケモンを繰り出した。
その場にいたトレーナーも、ポケモンを出して応戦する。
静香もガーディと、新たに出したポッタイシで迎え撃った。
「ポッタイシはバブル光線、ガーディは火炎車!」
手際よく攻撃するものの、幹部の方が一歩上の戦いをしている。
やがてドクロッグの一撃で、ポッタイシは戦闘不能となってしまった。

「この程度の実力じゃコンテストにも勝ち上がることはできない、ユンゲラー念力だ」
『ロトム!電撃波だ』
ユンゲラーのスプーンに電撃が命中し、念力は失敗する。
『………』「あ、あなたは……」
「人の旅の娯楽の時間を邪魔しないでもらいたいな……」
「……まさかお前がここに居るとは、探す手間が省けた……ドクロッグ、瓦割りだ」
ドクロッグが俺目掛けて突撃してくる、それをガーディが防いだ。
「あなたがあたしの邪魔をするならば、あたしはあなたを攻撃する。」
「ほぉ…いい度胸だな、ギンガ団の幹部に立ち向かうとは…お前らは手出しするなよ……」
コンテスト会場で、俺&しずかVSサターンのバトルが始まった。
601ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/03/24(土) 23:55:41 ID:???
「ドクロッグに火炎車」「ユンゲラーに電撃波だ」
それぞれが別々に攻撃をする。
「金縛りをガーディにドクロッグは瓦割りだ。」
ガーディは金縛りで火炎車を封じられ、一瞬動きが止まった。
その隙を狙い、ドクロッグが手刀をガーディに命中させる。
電撃波はユンゲラーに命中したものの、ダメージは少ないようだ。

「あなたはサポートに回って!あなたのロトムは電撃波以外攻撃技が無いじゃない」
「技だけが問題じゃない、お前のガーディはダメージが大きい、そっちがサポートに回れ」
「パートナーとのコンビネーションが取れぬようでは、敗北は決定したようなものだ
 ドクロッグはガーディに泥かけ、ユンゲラーはサイケ光線だ」

ドクロッグが泥をガーディにかける、目が見えない中でユンゲラーがサイケ光線を命中させた。
「俺を無視してていいのか?影分身だロトム」
ロトムは分身し、ドクロッグとユンゲラーを囲んだ。
「これなら本体を見破ることはできないだろう……」
「フン、それはどうかな?」
「どういう意味……!?」
突然ロトムの分身が、次々と消滅していった。
602ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/03/24(土) 23:56:35 ID:???
「な、なにをした!?」
「ユンゲラーのミラクルアイだ、それを使って分身を探り出した」
……影分身の対策技を持っているとは厄介だ。
「だが、もう一度影分身を使えばいい、ロトム、影分身だ!」
ロトムは俺の指示に対し、困惑の表情を見せる。
「無駄だ、金縛りで影分身を封じておいた」
用意周到な奴だ、金縛りを使用しておくとは……
「チッ……」「私が攻撃するわ!ガーディ、火炎車よ!」
ロトムに金縛りの効果が移行したことによって、ガーディの金縛りの効果は解けたようだ。

「無駄なことを……ユンゲラーは念力、ドクロッグは泥かけだ」
念力で動きを止められ、泥をかけられた。
「あなたはサポートに周って、ガーディのほうが相手にダメージを与えられるんだから」
「そっちばかりが集中攻撃される中、アタッカーにするのは不利だ!」
「それをあなたがサポートしてくれればいいの!!」
ガーディばかり狙われている状態なのに、なぜガーディをアタッカーにせねばならないのだ……
……なぜガーディばかりが狙われるんだ?……そうか!

「……分かった、今から俺がサポートに周る、だからお前はドクロッグを狙ってくれ」
「……何か作戦があるみたいね、ガーディ!ドクロッグに火炎車。」
これから俺達の逆転劇が始まる。
603ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/03/24(土) 23:57:11 ID:???
「策があるようだが私のポケモンのコンビネーションは、そう簡単に敗れたりはしない、ユンg」
『ロトム怪しい光をユンゲラーに使え!!』
ロトムから発せられる怪しい光で、ユンゲラーは混乱した。
「ドクロッグ、泥かけだ!」「電撃波で弾けロトム!」
泥を電撃波で弾いた、直接的なダメージは無くとも軌道変更くらいならできる。
ガーディの火炎車はドクロッグに命中し、ごっそりと相手の体力を奪っていった。

『ドクロッグの特性は"乾燥肌"……これの効果は分かるよな?』
乾燥肌とは水タイプに強くなり、炎タイプに弱くなる特性……
「クッ……なぜそれに気づいた!?」
「ガーディを集中攻撃したからさ、さらにお前はさっき念力で動きを封じられたガーディに
 瓦割りでは無く、泥かけを使ったからだ、炎を纏っている状態で触れることはできないからな」

「……そんなことでここまで見抜かれるとは、さすがだな」
『バトル中にお喋りしてる暇なんか無いわよ、ガーディ火炎車よ!』
再びドクロッグに火炎車が命中し、ドクロッグは倒れた。
「確かにお喋りが長すぎたようだ……ユンゲラー、サイケ光線」
ユンゲラーの混乱状態は既に解けていたようだ、俺の喋っている時間が長すぎたようだな。
『電撃波で止めだ!』
『ガーディ!手助けよ』
ガーディの手助けによって電撃波の威力は上昇しサイケ光線を打ち破った。
そのままユンゲラーに命中し戦闘不能となった。
604ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/03/24(土) 23:57:42 ID:???
「私の負けだな……お前らのコンビネーションが、私を打ち破ったということか」
サターンは涼しい顔をしながら部下を連れて去っていった。

『『『すごいぞー、かっこいいぞー』』』

観客の大歓声が三度、俺の耳を貫く。
しかしそれは不思議と喧しいと感じなかった。

コンテスト会場を出て、俺達はポケモンセンターに来た。

「あの時、サポートに周ってくれてありがとう、
 私はバトルとかになるとちょっと熱が入っちゃって……ごめんなさい」
「ああ……俺も変な意地を張っていたがガーディのほうが攻撃技が多いからな。」

その後、静香としばらく雑談をしていた。
「そういえば、あのサターンって人あなたのことを狙っていたみたいだけど……」
『それは今、答えたくない、そろそろ時間だし俺も退散するよ』
「ちょ、ちょっと!?」
俺はピシャリと会話を止め、その場から立ち去った。

このままジムに行こうと思ったが、聞いた話ではここのジムリーダーは今出かけているらしい
つまり、今はジムへの挑戦ができない……最近のジムリーダーは皆こうなのか?
ジムリーダーに挑戦できない以上、この町に用はないと思ったが既に夜だ
今日はポケモンセンターでゆっくりするか……
そう思い、俺はポケモンセンターに駆けて行った。


ナナシ
リオルLv26ゴルバットLv25ロトムLv23
しずか
ポッタイシLv26ガーディLv25 残りの手持ち不明
605ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/03/24(土) 23:58:37 ID:???
投下終了
一応、句読点を多くしたつもりなんだがどう?
606名無しさん、君に決めた!:2007/03/25(日) 00:01:26 ID:???
607新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/25(日) 14:05:53 ID:???
えー、どう見たって今は朝じゃなくて昼……。
申し訳ありません、昨日少し用事が入りまして投下できませんでした。
今から投下させて頂きます。
前回は>>531-542
608新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/25(日) 14:06:26 ID:???
「で、お前は敵意の無い事がわかっていながらナイフを父に振りかざしたわけか」
黒いスーツを着た男、カイがソラに告げる。
「私を置いていったセイト兄様、私の居場所を変えたカイ様。
 シーナ母様が亡くなっている以上鍵を持っているのはこの二人です。
 セイト兄様は私に格闘を教えた人、カイ様はセイト兄様に格闘を教えた人。
 どちらでも私の攻撃は避けれる、と踏んで行動しました」
ソラは説明を終えてコーヒーを注げる。
「確かブラックでしたよね?」
「ああ、そうだ」
カイの目の前にコップを置き、椅子に腰をかけるソラ。
「で、何の用でしょうか? 私の記憶ではカイ様は私にお祝いを言うような人ではありませんが」
自分の分のコップにコーヒーを注ぐソラ。
コーヒーを飲むソラにカイは溜息をついた。

「お前は……父との団欒を楽しむ気も無いのか?」
「本当の用件は違いますよ。カイ様なら。
 ……私に計画に参加するなと仰られるんでしょう?」
問いにカイは頷く。
「……私はジムを作っておけと言う事ですか? 本当の戦いに備える為に」
「そうだ。だがサカキが反対したんだ。俺はドラえもんと戦いたいとな。
 だから俺は反対だが今回はお前の意思で決定を許可する。
 サカキと話せるようにしておくから相談してもいい」
カイは席を立ち、タバコを取り出した。
609新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/25(日) 14:06:57 ID:???
「相変わらずコーヒーは上手いな。シーナ譲りだよ。
 しかししっかりしたお前はいいとしても自称『頼りになる兄』は、今、何処で、何をしてるんだか」
「さあ? 元気にはしてると思いますよ。多分ですけどね」
コーヒーのカップを洗いながらソラは答える。
「ふん。違いない。……ソラ、今まですまなかったな」
「何がですか?」
ソラはカップを棚に置きカイと向き合った。
「いや……今まで悪事に加担させた事などだ」
男の言葉に少女は溜息をつく。
「……私は幸せでしたよ。団の皆は私にとってもう一つの家族でした。
 それに……ハル、ヒョウ、イツキ、カリン、サカキ様……そしてカイ様。
 ……私は思うのです。
 私が見てきた副首領は決して間違った事はしない。
 だから後悔しないで、誇ってください。
 貴方は……私の最高の上司です。そして……自慢の父です。
 ……私からは以上ですよ。さようなら……父様」
そう言うと、ソラは扉を開けて自分の部屋に戻っていった。

カイは涙を流して家を出る。
その手には一つのモンスターボール。
「なあ・・・・・。俺は幸せ者だな」
『そうだな……子供を持たぬ我には理解出来ぬがお前は幸せ者だよ。
 あれほどまでに慕う者が居るのだからな』
カイはそのポケモンを出して、飛び乗る。
「……あいつの為にも……この世界を崩壊させるわけには行かない。
 俺が死んでもお前は最強の剣として戦ってくれるか?」
『勿論だ。ルギア、ホウオウ、、ディアルガ、パルキア、ギラティナの救出の為にも……。
 私とミュウツーは永遠の剣となって未来犯罪者を叩き潰してやる。
 それが伝説と呼ばれた我等の宿命だ』
「……では行くぞ」
610新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/25(日) 14:07:33 ID:???
セキエイ高原 牢獄前崖

『……そうです、私は自分の意志でこの場に立つ事を決めたのです。
 何故今更迷うのです……私はまだ負けたわけではない。
 私の親友がまだ居ます。((そうだ、まだ私が居る))
 ! カイリュー……何ですか?((お前がやっても埒があかない……少し変わってもらうぞ))
 いえ……私は……まだ……((もう遅い))え?』
「うああああああああああ!!!」
頭を抱えて絶叫し、ソラは地面に倒れこむ。
「だ、大丈夫、ソラさん!?」
その様子を見かねて、思わず声をかける出木杉。
言葉を受けて少女は立ち上がる。
「……大丈夫だ」
呟いて、すぐにボールを投げる。
出てきたのは黄色い龍、カイリュー。
「カメックス、冷凍ビームだ!」
「龍の舞」
冷凍ビームを直撃するカイリュー。
だが効いている様子も無い。
「馬鹿な! 冷凍ビームが効かない……そうか、氷半減の実か!」
「私を甘く思うな……私は戦闘のプロだと言う事に気が付か無いのか?」
「! 誰だ君は!?」
出木杉は思わず尋ねた。
目の前に居る少女の先程までとは違った雰囲気に尋ねざるをえない。
「私か? 私の名前はロケット団元幹部、ナナシマリーグ筆頭リーダー、ソラ・バレフィルド。
 ロケット団の意地と、ナナシマリーグ筆頭のプライドにかけて、まだ負けるわけにはいかないのさ。
 覚悟しろ、出木杉英才! 私達の戦いは、これからだ!」
叫びに反応してカイリューが鳴き声を上げる。
その鳴き声は逆襲の始まりの音か。
611新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/25(日) 14:08:19 ID:???
轟音を立ててカメックスは倒れる。
目の前に居る黄色の破壊神、カイリューの手によって。
「私の相手にすらならない! 次を出せ!」
拳を突き出しソラは叫ぶ。
その様子に途惑う出木杉。
『どうしたんだ!? まるで人が変わったみたいだ。
 彼女の話し方も違うし……何より仕草がおかしい!
 それもこれも……カイリューが出てきてから……。
 ということはあのカイリューを倒せば元に戻るのか?
 ……わからない……だけど……可能性はある!』
力強くボールを握り締め、ボールを放つ。
出てきたのはフーディン。
「フーディン、サイコキネシス!」
フーディンから強い思念波が浴びせられる。
だがカイリューは堪えもしない。
「貴様に圧倒的な火力を教えてやろう! ハハハハハハハハハ!!!」
叫びに答えるようにカイリューは暴れまわり始めた。
『これは……逆鱗! まずい……流石に耐えられない!』
カイリューの腕がフーディンの身体を空高くまで打ち上げる。
落ちてきた衝撃で更にヒビが入っていく地面。
ソラの周りなどもう砕ける寸前だ。
「弱い、弱すぎるぞ! 貴様の実力はこんな物なのか! クハハハハ!!!」
狂ったように笑い続けるソラ。
出木杉の身体は震えてボールもつかめない。
『何だこの震えは……。
 ……恐れているのか……同じ年の女の子に。
 何を恐れている、同じ年の女の子に恐れを抱くのか?
 しっかりしろ、出木杉英才! 僕は天才だぞ!』
震える身体に鞭を入れハッサムのボールを投げる。
そうして、改めて出木杉はソラを睨みつけた。
612新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/25(日) 14:08:50 ID:???
「ハッサムだと……私を愚弄しているのか? 吹き飛ばしてくれるわ!」
『ここは一つの賭けだ……まずこいつの高速移動が成功しなきゃ勝機は無い!』
「ハッサム! 僕を信じて高速移動だ!」
指示に従い高速に移動を開始するハッサム。
すかさずカイリューの腕がハッサムを捕らえて妨害をする。
だがハッサムは倒れない。
「何!? 貴様……そうかその鉢巻だな!」
「その通り! そして僕の君を倒す戦術は始まっている! バトンタッチだ!」

出木杉のボールから新たに出てきたのはブラッキー。
「フハハハハ! そいつも吹き飛ばしてくれるわ!」
カイリューが腕を振り上げブラッキーに攻撃を仕掛ける。
だがブラッキーは少し吹き飛ばされただけですぐに立ち上がった。
「防御能力の高いブラッキーを舐めるな!」
「ぐう……頭がはっきりしない……グオオオオオオオ!!!」
叫び声と同時にカイリューは自分を殴りつける。
「影分身!」
分身を作り出し本物のブラッキー隠して戦う出木杉。
「おやおや……私としたことが焦ったな。守りの重要性を忘れるとはな」
カイリューが綺麗な光につつまれていく。
『あれは神秘の守りか。これで状態異常技は意味がない』
「フハハハハ、続けて瓦割り!」
拳を振り上げてカイリューは一体のブラッキーを殴りつける。
だがそのブラッキーは本体ではなかった。
613新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/25(日) 14:09:57 ID:???
「それは外れだよ! ブラッキー、のろいだ!」
素早さを落として攻撃力と防御力を上げる。
だがそれをしたことでブラッキーはカイリューに場所を見抜かれてしまった。
「今度は逃がさん!」
腕を振り上げブラッキーに攻撃を仕掛けるカイリュー。
「守る!」
緑の防護幕を出して攻撃を防ぐブラッキー。
その様子を見てソラは叫ぶ。
「ブラッキー、貴様は臆病なポケモンだ! 自分から攻撃を仕掛けて来ない等とはな」
言葉を受けてブラッキーは出木杉を見る。
『戦わせてくれ』と言わんばかりの眼差しだ。
だが出木杉は首を横に振った。
「僕を信じてくれ! 勝つ為にはこの作戦は必要なんだ!」
その言葉にブラッキーはカイリューを睨みつける。
ブラッキーの目にもう迷いは無い。
「何だその目は? まさか私に勝てるとでも思っているのか?
 私には負けられない理由がある! 貴様等に負けるか!」
腕を振り上げブラッキーは攻撃を受ける。
だがのろいのおかげか、後一回は確実に耐えそうだった。
『のろいを二回した……大丈夫だ!』
「ブラッキー、バトンタッチ!」
「そう来ると思ったぞ! だから私はあえて高威力の技を打っていなかったのだからな!
 馬鹿な奴だ……素直に守ればよいものを!」
炎を撒き散らして突進してくるカイリュー。
『あれは……逆鱗! これを耐えれば……』
「捕らえた!」
拳がブラッキーを捕らえ宙に舞い上がる。
だが宙に舞い上がったブラッキーの姿は突然消えた。
614新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/25(日) 14:10:28 ID:???
「何!? 何処に行った!」
ソラとカイリューが辺りを見回して叫ぶ。
「カイリュー、君は上を見ないのかい?」
「何!? 上だと!」
上を見上げるソラとカイリュー。
そこには出木杉最後のポケモン、ピジョットが姿を現していた。

「やっぱり君はカイリューだったのか」
出木杉がソラを見つめて話し掛ける。
「……そうだ。私はカイリュー、ソラの能力を最大限に開放して私が憑依した状態だ」
「ソラさんの能力?」
尋ねる出木杉にソラは口を閉じる仕草を見せる。
「おっといけない。バレフィルド家の秘密を語るところだったな。
 私はカイ様とシーナ様とセイトに約束したのさ、ソラを守りつづけると!
 勝ちに急ぐ余りまともな判断が出来ないソラ……見ていられなかった!
 だから私は最近現れたソラが気にする男性、出木杉英才に負けるわけにはいかない!
 最後の馬鹿者が力を貸さない以上、私が倒すしかないのだ!」
ソラが腕を広げてカイリューに指示を出す。
「そいつがお前の切り札だろう! そいつを倒せば手負いのブラッキーとハッサム。
 一撃で倒してくれるわああああああああああ!!!!」
炎を撒き散らして突進し始めるカイリュー。
突進を見て出木杉は笑う。
「何がおかしいいいいいいい!!!」
「僕の技はソラさんだったらわかっただろう……この勝負、君が憑依した時点で負けだったんだ!
 ピジョット、オウム返しだ!」
炎を撒き散らして突進をし始めるピジョット。
両者はそのまま激突した。
615新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/25(日) 14:11:01 ID:???
突進して崩れ落ちていく二体のポケモン。
『ドローか……ソラさんの最後のポケモンで決まる』
地面に二体のポケモンが落ちる。
出木杉は前を見て気付く。
ソラが倒れている事に。
慌ててボールを取り出す出木杉。
「ソラさん!」
倒れたピジョットを回収して出木杉は走る。

「うっ……カイリューの奴、私の力を勝手に解放しましたね……」
起き上がろうとするソラ。だが足がおぼつかない。
「大丈夫、ソラさん?」
手を伸ばす出木杉。
ソラは一瞬躊躇したが、迷いなく手を握る。
「ありがとうございます……出木杉さん」
力を借りてソラはゆっくりと立ち上がる。
肩からボールを取り出して、カイリューに向けるソラ。
地上に立ってカイリューを回収した瞬間だった。

元々カイリューとピジョットが落ちた時に地面は限界だったのだろう。
ここまで良く耐えたと誉めるべきなのかもしれない。
二人が大地を踏みしめた時、彼等の足場は無くなった。
616新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/25(日) 14:11:53 ID:???
決着

出木杉   カメックスLV91 ピジョットLV83 フーディンLV83

      ハッサム LV84 エレキブルLV85 ブラッキーLV88

ソラ    メガヤンマLV87 エルレイドLV90 キュウコンLV85

      サーナイトLV90 カイリューLV100  ?  LV100

出木杉△―△ソラ

最終戦
のび太対ノメアロD
617新カントー物語 ◆Tq6F3QrRYQ :2007/03/25(日) 14:13:16 ID:???
投下終了
では、また投下時に。
618名無しさん、君に決めた!:2007/03/25(日) 14:14:07 ID:???
619名無しさん、君に決めた!:2007/03/25(日) 14:18:04 ID:???
乙であります
620 ◆NPxbYyE1hc :2007/03/25(日) 18:18:25 ID:???
新カントー氏乙。投下します。
621 ◆NPxbYyE1hc :2007/03/25(日) 18:19:48 ID:???
ガラッ
「はぁ…はぁ…玉子、赤ちゃん、赤ちゃんはどこ?」
俺は病室に勢い良く入り、言った。
「の、のび助さん!仕事はどうしたのよ!」
「あ……まぁ許して貰えるよ。だって今日は…」
「あう!あうぅ」
二人の会話を遮る様に赤ちゃんが泣き出した。
そう、今日は俺の息子が産まれた日なのだ。
「おーよしよし。あの人があなたのパパでしゅよー」
玉子は泣いている赤ちゃんをなだめる様に言う。
パパ…?
あ、そうだ。俺はこの子のパパになったんだ。
「俺がパパかぁ」
俺は暖かい布団にくるまれている小さな息子を抱き上げた。
『小さい手だな……』
まだ小さいが、元気に動いている手。
これがいつか自分の様に大きくなるのだと考えると、
俺はとても不思議な気持ちになった。
「あなた……泣いてるの?」
「えっ?…」
玉子の言葉に驚き、自分の頬を触る。
不思議だ。自分でも気づかない内に涙が頬を伝っていた。
「何でもないよ」
俺は服で涙を拭き、玉子に笑顔を見せた。
 
この時俺は誓ったんだ。
絶対に……この息子を守ると。
この小さな手を……ずっと支えていこうと
622ミュウ ◆NPxbYyE1hc :2007/03/25(日) 18:21:11 ID:???
「パパ!」
のび太の手が俺の手を掴む。
その手はあの時よりかなり大きくなり、
あの時とは逆で、俺の体がのび太の手に支えられていた。
「のび太…離してくれ。
 ママを救うには、俺に掛けてある保険金が必要なんだよ。
 お前だってママが居なくなるのは、嫌だろ?」
「僕はパパが死ぬのも嫌だ!」
のび太の悲痛の叫びがドームに響く。
ジャイアン達が二人を助けようと
ポケモンを出そうとするが、警備員がそれを許さない。
「うあぁぁぁ!」
のび太は、必死で腕の激痛に耐えていた。
80kgを超える大人の体は、のび太の細腕じゃ支えきれないのだ。
会場の観客は皆、手を合わせ二人の無事を祈っている。
そう、ただ一人を除いて……
「はっはっはっ!最高だ、最高だよ!あの二人!」
VIPルームの出木杉が大声で笑う。
家族を失う悲しみ。
それを一番理解しているはずの出木杉が、
人が家族を失う瞬間を見て、笑っている。
『何て奴だ!…』
ミュウは、そんな出木杉の姿をすぐ隣で見ていた。
怒りで血管が浮かびあがる。
だが、ミュウは必死でその怒りを抑えていた。
今、ミュウが裏切ってることがバレれば必ず……
「ミュウ」「…はい」
突然の出木杉の声。ミュウは慌てず、返事をした。
 
「新しい任務だ。
 あの二人を仲良く沈めてやれ」
623ミュウ ◆NPxbYyE1hc :2007/03/25(日) 18:22:23 ID:???
「な!?…」
ミュウが驚きの声をあげる。
「どちらか一方が生き残るってのもかわいそうだろ?
 だったら二人共死ねば良い、違うか?ミュウ」
出木杉が正論の様にそう述べた。
《間違ってる!》
ミュウの思考回路がそう訴える。
だが、口には出ない。いや……出せない。
今のび太達を助けに行けば、絶対に殺されてしまうから。
「のび太、手を離せ!」
スクリーンのスピーカーから声が発せられる。
「嫌だ!パパが居なくなる何て僕は絶対嫌だ!」
『嫌だ!』
あの時、弟が連れて行かれる時……ミュウもそう叫んだ。
必死で声をあげる自分。
止まってくれない、大切な人。
 
込み上げる絶望と哀しみ。
『あの時……私は大切な人を助けられなかった。
 だけど今回は……今回は助けられるじゃないか!自分の力で!』
「ミュウ、どうした?早くやれ」
ミュウの肩に出木杉が手を置く。
だが、その手はミュウによって弾かれた。
「つっ!ミュウ……お前!」
初めての反抗に驚く出木杉。だが、ミュウは反抗を止めない。
ミュウの指が出木杉の頭を指さした。
 
「出木杉……私はもうお前の操り人形にはならない!」
624ミュウ ◆NPxbYyE1hc :2007/03/25(日) 18:24:15 ID:???
「ミュウ、お前…死にたいのか?……」
出木杉が小さい声でそう言った。
血の気が引く。だが、もう後には引けない!
「波動砲!」
一撃で出木杉を吹き飛ばし、
ミュウは一瞬でフィールドに姿を現した。
「あ、あいつ…」
ジャイアンが驚いて、ミュウを指さす。
だが、スネ夫は安心し、言った。
「ジャイアン、大丈夫。あいつは味方だ」
 
「サイコキネシス!」
声と同時に、のび太とパパが光に包まれる。
「これは……」
二人の体が宙に浮く。
ミュウは、一瞬でフィールドの泥を乾かし、
固くなった地面の上へと、ゆっくり二人を移動させた。
「ミュウ、お前はいったい…」
「話は後だ。
 お前、のび助と言ったか。その玉子って女は私が助けてやる、行くぞ!」
話が飲み込めない二人。
だが、ママを助けると言うミュウの言葉を信じることにし、
ミュウの言う通りにすることを決めた。
「早く行くぞ!
 私は出木杉に追われてるんだ!」
鬼気迫るミュウの言葉。
その言葉に圧され、パパは一言だけ言った。
「玉子は家に居るはずだ」
その言葉を発した瞬間、二人はミュウと一緒に光に包まれる。
ミュウは初めて微笑み、二人を見た。
「安心しろ、私はお前らの味方だ」
625ミュウ ◆NPxbYyE1hc :2007/03/25(日) 18:26:21 ID:???
のび太の家に着いた三人。
ママはミュウの姿に驚いたが、すぐに話を理解し、ミュウを信用した。
「ミュウ、ママ…治りそう?」
のび太が不安そうにミュウに尋ねる。
「安心しろ。
 出木杉が私に実行した実験は、
出木杉が自分の母親を蘇させる為のものだ。
 この程度の病気、私から見れば、ただの風邪と変わらないよ」
母親を蘇させる?
少し気になる言葉があったが、のび太は深くは聞かないことにした。
「少し外に行っててくれ。
 ……力を使っている姿は、あまり見られたくないんだ」
二人はミュウの言う通り、家の外で待つことにした。
バタン
「……………」
二人の間を沈黙の時間が流れる。
さっきまで戦っていた二人。
急に仲良く喋り合うのは、さすがに気恥ずかしいものがあった。
「のび太…」パパが沈黙を破る。
「強く……なったな。完敗だったよ」
「うん……ママが助かって良かったよね」
「ああ…俺も……ひと安心だよ」
 
そして二人は同時に言った。
「ごめん…」
626ミュウ ◆NPxbYyE1hc :2007/03/25(日) 18:27:55 ID:???
「終わったぞ」
ミュウが家の中から出てきた。
するとのび太とパパは、
ミュウの横を一瞬で駆け抜け、家の中へ中に入っていった。
「まるで子供だな」
ミュウは一人でそう言った。
誰かがあちらの方から走ってこちらに向かって来る。
…ジャイアンとスネ夫だ。
おそらく、のび太を心配して様子を見に来たのだろう。
「…のび太のママは?」
二人はミュウの姿を見つけ、そう言った。
ミュウは無言でうなずく。
拳を上へ突き上げるジャイアン。軽く涙目になるスネ夫。
そんな二人を見て、ミュウは言った。
「顔……見せてきたらどうだ?きっと、みんな喜ぶと思うぞ」
二人はミュウの言葉を聞くと納得した様な顔をし、
二人仲良くのび太の家の中へ入っていった。
 
『羨ましいな……私にもあんな仲間が居たら……』
ミュウの黒い顔を涙が伝う。
『ダメだ!……私とあいつらじゃ……生きる世界が違う』
そして、ミュウはある決意を固めた。
 
出木杉の所へ行く決意を……
627ミュウ ◆NPxbYyE1hc :2007/03/25(日) 18:29:14 ID:???
「どけぇ!」
ミュウは警備員を吹き飛ばしながらそう叫んだ。
VIPルームのある3階は、たくさんの警備員が配置されてるのだ。
だが、所詮は人間。
ミュウの敵どころか足止めにもならなかった。
「出木杉!絶対にお前は……お前は私が殺す!」
ついにVIPルームの扉が見えた。
あの扉の先に……出木杉が……
キーーン!
「な…う、うあぁぁぁぁぁ!」
突然の金属音。
その金属音はミュウの脳を刺激し、体中に激痛を与えた。
視界がぼやける。
だが、しっかりミュウは奴の姿を見た。
《で…き…す…ぎぃ!》
痛みで声が出ない。
出木杉は……笑っていた。
「無様だね、ミュウ」
出木杉が手に握られているスイッチを押す。
すると、また金属音が発せられ、体中の神経を刺激された。
「ぐ…ああああ…」
声が渇れる。意識が薄れる。力が……入らない。
「僕がペットに首輪も着けないと思ったのか?
 お前の頭には、特殊な機械が埋め込まれてるんだよ。
 このスイッチを押すと…」
「うあぁあああ!!!!」
「こんな風に体中に激痛が走るんだ。面白いだろ?」
ミュウは汗で濡れた顔を出木杉に向け、力無い目でその顔を見た。
「どうだ?僕に逆らう気は無くなったか?」
628ミュウ ◆NPxbYyE1hc :2007/03/25(日) 18:31:38 ID:???
「………だ」
ミュウが聞こえない声でそう言う。
「何だ、聞こえないぞ」
「……ろうだ。お前はカス野郎だって言ってるんだよ!」
「くっ!デオキシス、出てこい!」
ボールの中から奇妙な生物が現れる。
「こいつの脳を支配してやれ!」
その言葉の瞬間、ミュウの体に赤と青の触手が突き刺さった。
 
『みんな……出木杉を倒してくれ……
 そして、もう一度…もう一度だけ……会いたかったよ……ジェフ』
 
ミュウは最後にそう願い、死んでいった……
 
「兄貴?」
しずか…いやジンは後ろを振り返った。
誰かに呼ばれた……そんな気がして……
629ミュウ ◆NPxbYyE1hc :2007/03/25(日) 18:33:27 ID:???
「それじゃ、僕は戻るね。
 ママ、病み上がり何だからあんまり無茶しちゃダメだよ。
 それからパパ、ダイエットしてよ。あの時凄い重くて死ぬかと思ったんだから」
のび太、ジャイアン、スネ夫の三人はのび太の家をあとにし、ドームへ向かった。
 
「行っちゃったわね…」
「ああ…」
「大丈夫かしら、あの子達。まだ子供なのに……」
「大丈夫さ。……のび太達は、もう充分大人だよ」
 
もうのび太達の姿はずいぶん小さくなっている。
のび助にはその姿が、少し寂しくも思えた。
シュボッ 「ふぅ…」
タバコの煙が上に上がっていく。
「今夜は久しぶりに二人だけで食事に行こうな、玉子」
この日、野比家に久々の平穏が戻ったのだった……
『VIPルーム』
「出木杉様、お呼びでしょうか」
「来たか…流水」
出木杉の後ろに形が無い、水飴のようなものが現れる。
「計画は順調です。
 あと……約1日で準備が終わると思われます」
「そうか……ハハッ」
出木杉の口から笑い声が漏れる。
 
「この町の奴らに味あわせてやるんだ……
 終わらない悪夢がどれほど苦しいものかを!……」
630ミュウ ◆NPxbYyE1hc :2007/03/25(日) 18:39:28 ID:???
投下終了。
これで人気投票前に一段落つけたかな?
前のぶんのまとめをしてなかったからここでまとめとく。
『のび太VSパパ 完結編』>>505-514 >>516-521
 
『ミュウの決意』>>621-629
631名無しさん、君に決めた!:2007/03/25(日) 18:41:00 ID:???
632名無しさん、君に決めた!:2007/03/25(日) 18:44:54 ID:???
ミュウ氏乙ですー
633名無しさん、君に決めた!:2007/03/25(日) 19:05:09 ID:???
634名無しさん、君に決めた!:2007/03/25(日) 19:12:06 ID:???
乙 もうキャラ性格違いすぎだなwwww ただのポケモン小説でよくないか?って感じだからもうちょいドラえもんらしさがあった方がいいと思う 生意気失礼
635名無しさん、君に決めた!:2007/03/25(日) 19:30:56 ID:???
>>634
まぁドラえもん登場しないしねw
いちおうこの小説のメインはのび太の成長。
だんだん男らしくなっていくのび太を書いてるつもり。
パパは……知らん。
出木杉は確かに変えすぎた……
次の投下で変わった理由を書くから見逃して。
道具は出てくるよ、最終決戦で
636名無しさん、君に決めた!:2007/03/25(日) 20:06:17 ID:???
理由があったのか 生意気な意見失礼した これからも期待している
637名無しさん、君に決めた!:2007/03/25(日) 20:24:42 ID:???
おっ
638トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/03/25(日) 22:00:27 ID:???
これから投下します。
ミュウ氏、新カントー氏乙です。
639トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/03/25(日) 22:01:31 ID:???
No.003『PADDLE』

ママは面食らった表情で参加用紙と僕の顔を二、三回見比べる。
そしてママは僕に一言聞いてきた。
「本当にトレーナーになりたいの?」
「うん。」
ママの無粋な質問に、僕はとりあえず頷いておいた。

ママは携帯のバイブの様に、プルプルと震えだす。

「たっ、大変だわ………」
そう言うとママは台所を飛び出し、居間へ向かった。
何がなんだか分からないけど、僕もとりあえずその後を追った。

居間にはドラえもんが居た。どら焼きを食べながら、電波少年の再放送を見ている。

「ドラちゃぁーん!!!」
ママは突如、ブレイクタイム中のドラえもんに抱きついた。
何故だか知らないけど、目には涙を浮かべている。
僕、何か悪い事したっけ?

ママはドラえもんに言う。
「のびちゃんが……のびちゃんが……トレーナーになるって言うのよ!」
「なんだってーー!!!ウッ、ゴホンゴホン!」
ドラえもんは驚きの余り、どら焼きを喉に詰まらせた。

何故そんなに皆驚くんだろう。とりあえず、僕はその訳を聞いてみた。
「ねえ、何でそんなに驚いてるの?」
僕の言葉がよっぽど奇妙だったらしい。
ママとドラえもんは僕の顔を見つめ、丸い目を更に丸くする。
この世界の常識ってイマイチ掴めないなあ……。
640トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/03/25(日) 22:02:59 ID:???
少しの間、水をうったような静寂が走る。
なんだよ、本当に。

そして三秒後、関を切った様に二人の言葉はマシンガンの様に返ってきた。
「のびちゃん、頑張ってね!ママ、応援するから!」
「のび太君!僕は嬉しいよ……。やっと僕の心が君に伝わったんだね……。ウッ、ウッ。」

「よし!今日はのびちゃんの好きなハンバーグを作るわ!
後、パパにもこのことを知らせなきゃね!」
え?えっ?えっ!?
ドラえもんは泣き出しママは狂った様に喜びだした。
本当に何がなんだか分からない。
僕は、取り残されたような気分でちょっとなんかアレだ。

混乱している僕を尻目に、ドラえもんは言った。
手には何故か参加用紙が握られている。
どうやらいつのまにか僕のをひったくってたらしい。
「よし!僕は今から申し込みの電話をしてくるよ!
ママさんは夕飯の準備、お願いね。」
ドラえもんは電波少年そっちのけで居間を飛び出す。
「なんなの?本当に。」
訳の分からぬまま、僕はまたもその後を追った。
641トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/03/25(日) 22:04:12 ID:???
「ガリガリガリガリ、ガリガリガリガリ」
僕がドラえもんに追いついた時、彼は既にダイヤルを回してしまっていた。

「ドラえも……」「シーッ!」
僕が話しかけようとすると、ドラえもんは「静かに!」のジェスチャーをしてきた。
目が完全に「黙れ」と言っている。
とりあえず僕は黙る。

「もしもし……、ええ、あ、はい……。二人です……」
電話が繋がり、ドラえもんは何者かに何かをしゃべっている。
ドラえもんの会話は続く。
「ああ、はい。10才です。
三日後ですね?
ええ……分かりました。明日に書類を送りますね。それじゃあ。」
ガチャン!
ドラえもんは電話を切った。

とりあえず僕は「トレーナー試験」が如何な物であるのか聞いてみようとする。

「あの……ドラえもん……?」
「あ、のび太君。申し込みはちゃんとしておいたから。
いやーのび太君がまさかトレーナーになりたいと言い出すとは思わなかったなぁ。
あ、ついでに僕も出るから一緒に頑張ろう!」
……会話は成立しなかった。
642トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/03/25(日) 22:06:40 ID:???
ドラえもんはスキップしながら、ルンルンと二階に上っていった。
またもや取り残された僕はその場に立ち尽す。
受けようとは言ったものの、結局「トレーナー試験」について、色々な事が謎のままだ。
ただ、スネ夫やママやドラえもんの言動から、それがこの世界ではかなりメジャーなものということは読みとれる。
そして、それを受ける事によってママが喜んでくれる様な物であることもわかった。

「とにかく、この世界の常識みたいな物だから、他人にとやかく訊くのはマズイな……。」

そこで、僕は偉大なるネットの力を借りる事に決めた。
643トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/03/25(日) 22:07:34 ID:???
僕の部屋の向かいの部屋。
1980年代の原作では物置になってるらしいが、今は2007年代。
「置き場が無いから」という理由で我が家のパソコンはそこに据えられた。物置というのに変わりは無いが。

「うんしょっとぉ!」
僕は使われなくなった家具の山を越え、パソコンというゴールを目指す。
途中で何度も体を擦り剥き、頭を打ちながらもなんとかパソコンまで辿りつくことが出来た。
僕は家具の山から適当に椅子を一つ引っ張り出し、それに座ってパソコンの電源を入れた。
そしてYahooの検索画面に検索ワードを打ち込む。
ブラインドタッチが出来ない僕は人差し指一本でキーボードを叩く。
「ええと……。トレーナー試験っと。」
僕は検索ボタンをクリックした。

「うわあああああ…………。」
膨大な量の検索結果が出てくる。
思わず僕は呟いた。
「凄いや……」
圧倒的な知名度に僕は少し驚きを隠せない。
しかし、気圧されていても仕方ない。
とりあえず、検索結果の一番上にあるサイトを開き、僕はそこからトレーナー試験の情報を得る事にした。
644トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/03/25(日) 22:09:02 ID:???
そこを開くと、いくつかの項目が目に飛び込んできた。
とりあえず、「トレーナー試験の意義」の欄をクリックしてみた。
僕はそれを読む。

「ええと……。なになに……?
『以前、トレーナーの増加によるポケモンの虐待、及び絶滅寸前のポケモンの乱獲、ポケモンを使った犯罪は増加の傾向にあった。
これの原因はトレーナーの質の低下に因るものが大きかった。
昔は子どもから大人まで誰でもいつでも、職業としてのトレーナーの資格を簡単に手に入れる事が出来ていた。
自由に各地のジムを渡り歩く事が出来たが、同時に資格を持ったトレーナーによるポケモンを利用する犯罪が世の中を台頭してきた。
その為、我がポケモン協会はトレーナーの職業性を廃止するにあたった。
しかし、大多数の要望により数年後、廃止は取り止められた。
そしてその代わりにトレーナー試験というものが出来、それから今に至るまでそれは存続している。』

ふーん。トレーナー試験ってこんなルーツがあったんだ。」
僕は感心し、呟く。
僕は次の項をクリックした。
645トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/03/25(日) 22:10:13 ID:???
その欄には、「トレーナー資格による特権」と書いてあった。

「ええと……。
『1・現在、法律では「営利目的」でのポケモンバトル、複数のポケモンの育成を禁止しているが、トレーナーの資格を持った者はこの限りではない。

2・ポケモンセンター等の宿泊施設及び、リニア等の公共機関をいつでも無料で利用してよい。

3・ポケモンを自由に捕獲、交換してよい。

4・一般人の立ち入り禁止区域、危険区域に入る事が出来る(ジョウトのシロガネ山等)

………etc。』

トレーナーって凄いなあ。」
特権が多すぎて、全ては詳しく読めなかったが、とりあえずトレーナーという物が優遇されていることはわかった。

トレーナーの実体がわかったところで、最後の欄を開く。

「ええと………?
『トレーナー試験の実体』?

『毎年、全国の各会場でトレーナー試験が行われている。
試験は一次から四次試験まであり、その全ての課題をパスしたものだけがトレーナーの資格を手に入れる事が出来る。
ちなみに今年は記念すべき、第50回大会。』

五十回?凄いなあ!」
歴史の深さを感じ、僕は感嘆の声を漏らす。
646トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/03/25(日) 22:12:46 ID:???
続きがある様なので、とりあえず次のページも閲覧することにした。

「ええと………?
『トレーナー試験の「試験官」は毎年適任と思われるトレーナーが各地方の試験会場にランダムで送り込まれる(だいたいが、ジムリーダーやバトルフロンティアのトレーナーであるが)。
試験課題はその試験官に全て一任される。
ちなみにトレーナー試験は世界の資格の中でもトップクラスの難関。
ポケモンと触れ合う事が目的の子供や老人も参加している為もあって、その倍率は5000倍を越える。』

…………5000倍!?」
親戚の叔父さんから聞いたけど、司法試験の倍率は確か50倍。
単純計算で、司法試験の100倍も難しい事になるじゃないか!
ママやドラえもんがあんなに狂喜した訳がやっと分かった。
自分の息子が、弁護士や医者になりたいといえば、両親は間違いなく喜んでくれるだろう。
余りの倍率に僕はガタガタと震えだす。

無理だ。なんなの5000倍って。
30人のクラスでも一番下の方なのに……。

僕は絶望の余りキーボードに突っ伏す。

諦めようかな?
そんな考えが浮かんでくる。
5000倍という現実に、僕の心は完全に折られてしまった。
647トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/03/25(日) 22:13:34 ID:???
「ハァ……。」
僕は浮かない顔で部屋に戻る。
帰宅時のワクワクとした希望は今の僕には少しも無かった。

そして僕はいつもの様に現実逃避の為に枕を取り出す。
「おやすみ……。」
そして僕は夢の中に逃げ出した。




どれ程の時間が経ったのだろう。
ママの僕を呼ぶ声で目が覚めた。

「のびちゃーん!ご飯よぉー。」
呼ばれて、僕は寝惚け眼を擦り浮かない顔で階段を降り、台所へ向かう。

駄目なんだ。僕の心はもう……。

台所に入ると豪勢な料理が僕を待っていた。
ママが頑張ってくれたのだろう。
パパも既に帰ってきていた。
パパが言った。
「のび太、試験を受けるのか?」
僕は「うん」とだけ答えた。
パパはまた言う。
「パパもな、昔トレーナーになりたくて何度も何度も受験したんだ。
でもな、俺は無理だったんだ。
そこで俺の挑戦は途絶えてしまったんだ。」
「そうなんだ……。」
僕は目の前の不合格者を見て更に気落ちする。
648トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/03/25(日) 22:14:53 ID:???
しかし僕の言葉を聞いてか聞かずか、パパは続けた。
「でもな、のび太。
俺の夢はまだ途絶えた訳じゃない。
俺は嬉しかったよ。お前がトレーナーになるって言ってくれて。
俺の夢は次なる世代、つまりお前に受け継がれたんだ!
まあ、確かに試験だ!
受かる人もいれば落ちる人もいる!
しかし、それにドーンとぶつかってゆけ!
男の子だろ!」
僕は頭をガーンと殴られたような衝撃を受けた。
そうだ。倍率5000倍がなんだ。男なら立ち向かわねばならない。
僕は間違っていた!

自然と目から一筋の滴が流れる。
先ほどまでの自分の情けなさ、ふがいなさがそうさせる。
「どうした?」
パパが突然泣き出す僕を不思議に思い、聞いてきた。
僕は
「ううん。なんでもない」
そう言い、涙を拭くと夕飯を口の中にかき入れた。
「今年は無理でもいい!
絶対トレーナーになってやる!」
僕は一層強い決心を固めた。

茶碗を台所に出すと三日後に控えた試験の為に、部屋で僕は勉強を始めた。

いつもと違って、今日は眠くならなかった。
いつもと違って。
649トレーナー ◆e0ecEtFYBA :2007/03/25(日) 22:16:42 ID:???
今日はここまでです。
明日から一作目の完結に力を注ぎます。
話は出来上がってるけど、筆が進まない。
そんな感じです。
完結してからこの続きは書きます。
650名無しさん、君に決めた!:2007/03/25(日) 22:19:42 ID:???
651名無しさん、君に決めた!:2007/03/25(日) 22:24:47 ID:???
652名無しさん、君に決めた!:2007/03/25(日) 22:33:31 ID:???
引き込まれるな
乙です
653携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/25(日) 22:43:43 ID:???
トレーナー氏乙です。
あなたの正体は一体……!?

人気投票ではお世話になりました。
バーボンでもお世話になりました。
携帯獣です。
さて、投下。
654携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/25(日) 22:44:14 ID:???
『ドラえもんのび太の携帯獣冒険記』
第二章 ♯第七話 「接戦」

のび太達はオリーを先頭に街の中心部を目指していた。
「オリーちゃん、この街では何が起こったことになってるの?」
のび太がオリーに聞く。
「この街は『地龍の巣窟』に一番近い街なの、
『エルド』の連中はここを拠点にして『地龍』の捕獲本部の設置。
捕獲装置の製造を行ったのよ」
「そして、『地龍』が捕まった……と?」
スネ夫の言葉にオリーは頷く。
「ここには多数の幹部がいるはず。前戦った『毒雲のクラウド』とかね」
のび太はクラウドとの戦いを思い出し、ごくりと生唾を飲んだ。
「他に、幹部はいないんですか?」
しずかがおそるおそる尋ねる。
「私の知っている限りでは……そうね、
『魔霧乙女 ミスト』、『炎雷の破皇 シデン』、ぐらいかしら」
「やっぱりそいつらって……」
のび太が何か言おうとした時、一行の目の前に部下を引き連れたクラウドが現れた。
655携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/25(日) 22:45:05 ID:???
「ひっさしぶりやねえ」
クラウドは敵であるのび太達に対し、気軽に声をかけてくる。
幹部であるが故の余裕か。
「なんでおまえらがここにいるかは知らへんけど、
あん時の借りはきっちりつけさしてもらうでえ!」
クラウドが腰に手を伸ばす、今回は最初から本気のようだ。
クラウドが繰り出したポケモンはドラピオンだ。
クラウドに続き、部下たちもポケモンを繰り出す。
「ここは私と、のび太君が戦うわ、ドラえもん君、しずかちゃん、スネ夫は、
本部と装置の破壊を!」
オリーの命令で三人はこの場を離れた。
残ったオリーとのび太はそれぞれポケモンを繰り出す。
オリーはエアームド、のび太はモウカザルだ。
「いいんかい?仲間を行かせて?」
「ハッ!あんたが思ってる程、あたしの仲間は弱くないわ!」
そう言うとオリーは左腕を掴み、皮膚を引き剥がした。
前にのび太達に見せた、機械の腕があらわになる。
その光景を見て、クラウドは、はっと息を呑んだ。
「行くわよ、のび太君!」
「うん!」
二人はクラウド達に向かっていった。
656携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/25(日) 22:45:59 ID:???
『ドラえもんのび太の携帯獣冒険記』
第二章 ♯第八話 「魔霧乙女」

オリー、のび太と別れたドラえもん達は、別ルートを通って中心部に向かっていた。
既に五分位走り回り、ランニングシューズで走っても、三人に限界がきていたとき、
「! あそこにヘリがあるわ」
しずかは数台、ヘリが着陸していうのを発見した。
ドラえもんたちは、警戒しつつ、ヘリに近づいていった。
「……『エルド・カンパニー』って書かれてあるところを見ても、間違いはなさそうだね」
ヘリを調査し終えたドラえもんが言う。
「じゃあ、この近くに本部が設置されているの?」
「おそらくね。もう少し探してみよう」
ドラえもんたちは虱潰しに近くを探してみることにした。


「あっ、ドラえもん!」
スネ夫が何かを見つけたらしい。
ドラえもんとしずかは急いでスネ夫の元に向かった。
「どうしたの、スネ夫君?」
ドラえもんがスネ夫に尋ねる。
「いや、別に本部を見つけたわけじゃないけど……これ見てよ」
スネ夫が指差す方には、もの凄く濃い霧がかかっていたのだ。
「気味が悪いわ」
「うん、とりあえずここから離れよう」
ドラえもんは引き返そうと振り向いた。すると、彼の目の前にもとても濃い霧がかかっていたのだ。
「ド、ドラちゃん……」
「だ、誰だ姿を見せろ!」
ドラえもんの要求に応じたのか、霧の向こう側から、何かが迫ってきた。
657携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/25(日) 22:46:40 ID:???
「カメール、とにかく、みずでっぽう!」
ドラえもんはカメールを繰り出し、姿を見せない敵に向かって、
やみくもにみずでっぽうを連射させた。
『駄目ね、相手にならない』
霧の向こうから女の声が聞こえた。
その瞬間、霧を突き破り、ライボルトが飛び出してきた。
ライボルトはカメールに突撃した。
「何だこいつ、反撃だ!カメール!」
カメールはライボルトに向かって、みずでっぽうを放った。
ライボルトはそれをさっと避け、霧の中に身を隠した。
『どうしたの?慣れない環境が怖いかしら?』
また女の声がする。
スネ夫は無言でオオスバメを繰り出した。
しずかもそれと同時にガラガラを繰り出す。
スネ夫は小声でドラえもんに囁いた。
「敵は上にいるかもしれない、僕が様子を見てくる」
スネ夫は言い終えると、オオスバメに自分の肩を掴ませ、空に舞い上がった。
『逃がさないわ、かみなり!』
スネ夫が霧から脱出したとたん、ライボルトのかみなりがスネ夫を襲った。
このままでは直撃してしまう、スネ夫は笑っていた。
「甘いよ」
ライボルトのかみなりは目標を大きくそれ、地に落ちた。
かみなりの落ちた地点には、ガラガラが仁王立ちしていた。
『……ひらいしんね……』
「そういうこと」
しずかが自信満々に言う。
658携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/25(日) 22:47:37 ID:???


霧の内部は、異様な静けさに包まれていた。
「……ライボルトは襲ってこないのかしら?」
「しずかちゃんのガラガラには厄介な敵だからね、うかつにはこないと思うよ」
『ご名答』
いきなり女の声がする。
ドラえもんとしずかはさっと身構える。
『私の「今つかえる手持ち」はライボルトのみ、
うかつに近づいたら、そこの狸君の言うとおり成す術もなくやられてしまう』
「僕は狸じゃない!」
ドラえもんが激怒する。
『ウフフ、知ってるわ、地球の未来から来た、優秀な猫型ロボットでしょ?』
ドラえもんとしずかは凍りついた。
「なぜそんなことを?」
『いちいち話す暇なんてないわ。
そんなことより、あのトゲトゲ頭。今ごろどうなってるでしょう?』
女の声が途絶えた。その直後、ドラえもん達の後ろに、ドサっと音をたて、何かが落ちてきた。
「ひっ……!」
しずかが見たのは、スネ夫の無残な姿だった。
スネ夫は体中に切り傷があり、すっかり体が冷え切っていた。
「しっかりしろ!スネ夫君!」
ドラえもんは慌てて、オリーからもらった「ヒトデマン軟膏」をスネ夫の傷口に塗りたくった。
スネ夫はうっと小さな悲鳴を上げた。そして、ドラえもんに囁いた。
「ド……ドラえもん……あいつは……コータスと…オニゴーリを使って霧を……」
スネ夫は言い終えないうちに気を失ってしまった。
しずかは、小刻みに震えている。
「その子、私の霧の秘密を教えたようね」
今度は霧の向こうからではなく、ドラえもんたちの真後ろで女の声がした。
659携帯獣 ◆LJ35tJImvc :2007/03/25(日) 22:49:28 ID:???
投下終わり。
幹部の二つ名は皆様のお好きな風に呼んでください。

緊迫した恐怖にチャレンジしてもたけども
どうでしょうかねえ?
660名無しさん、君に決めた!:2007/03/25(日) 22:51:25 ID:???

なかなか緊迫感が出てるんじゃないかと思う
661短期連載U ◆h8RyxQKBOY :2007/03/25(日) 23:13:34 ID:???
ある日の思考
(まいったな……まだ『短期連載U』を終わらせてなかった)
(早く終わらせなきゃまずいんじゃねーの?)
(まったく。早く『挑戦者』の続きを書かねば)
(いや、時既に遅し。人気投票が始ってしまった)
(くそ、ついてねえな。作者考察書いた時みてえな感覚だぜ)
(そういや某氏、俺の評価だけ書いてないな。やべ、絶対キレてるって)
(甘かった……俺はてっきり去ったか転生したものかと)
(過ぎたこと、過ぎたこと!今は『短期連載U』だ)
(そうだな……しかしこのアニメ今日で終わるのか)
(ウェンツきめぇぇ……)

みんな乙です。
投下します。
662短期連載U ◆h8RyxQKBOY :2007/03/25(日) 23:14:13 ID:???
僕はリーグへ入った。

左にはジョーイ、右にはフレンドリィショップ店員がいる。
「リーグ参加者ですね。何かお買いに?」
店員が話し掛けてきた。
僕は首を横に振る。
「いや、僕は戦いに来たんじゃないんです。
 チャンピオンに会いに来たんです」
「どっちにしろチャンピオンに会うためには四天王の間を通らなければいけません。
 しっかり話せば大丈夫でしょうが、四天王は全員血気盛んなので戦いを挑んできてしまうかと」
とジョーイが教えてくれた。

僕は溜め息をつき、しずかの手をより強く握る。
「行くよ。しずちゃん。
 なるべく戦いは避けるよう協力してくれ」
「わかったわ」
しずかは力強く頷く。

なんとか大丈夫だろう。
そういえば四天王も知り合いばっかりだった気が……

とりあえず僕は第一の間の扉を開けた。
待ってろよチャンピオン!
663短期連載U ◆h8RyxQKBOY :2007/03/25(日) 23:14:53 ID:???
第一の間――『美来斗利偉・拉麺男』

メガネをかけたテンパの男が中央に座っている。
カップヌードルを啜っている。
「むごっ! ひょーふぇんしゃだば!!」
食べながら喋ってやがる。きたねえ。
四天王の男は一気にカップヌードルを吸い込んだ。
「―ーよし、食い終わった!
 俺の名は小池!四天王の一人さ!
 カップヌードル片手に時空を越えて参上する最強の背景キャラ――」
な、なんだかわからんが熱い奴だ。
僕はとりあえず交渉してみる。
「あの……僕たち戦いに来たのではなく」
「行くぞ、まずは俺のポケモン!
 行くんだ、『ナカタニ』!」
小池さんが繰り出したのは『ナカタニ』という名のカイリキーだ。
「ふわー、はは!!
 どうだ、俺の先鋒の威圧感は!?
 ん、何故『ナカタニ』なのか聞きたそうだな?
 『中谷』という字を立てに並べて丸で囲んでみろ!ぶわー、ははは!!」
だめだ、こいつ。
「しずちゃん。ここはスルーで」
「マリルリ、はかいこうせん」

しずちゃん……僕の言葉は届かなかったんだね……

マリルリの口元で光が急速に収束し、発射される。
664短期連載U ◆h8RyxQKBOY :2007/03/25(日) 23:15:36 ID:???
光線にぶち当たり、壁まで吹き飛ばされるナカタニ(カイリキー)。
「な、ナカタニぃぃ!!
 ……くそぉ、よくもやってくれたなこの」

突然僕の背後の扉が破壊される。
「やっと見つけたわよ……」「あの町を出るのはホンマ、大変だったで」
アイドルスタイルの女と、巨漢の男が現れた。
隣でしずかが息を呑む。
「のび太さん!
 あいつら幹部よ!!ついにここまで来たんだわ!!」
「くくく、その通り」
幹部の女がキッと、僕たちを睨んだ。
「さぁ、その女を渡しなさい!」

……渡せって言われて渡す奴いるかっての。バカだろこいつら。
「しずちゃん、次へ行こう」
僕は先導し、次の部屋への扉を開ける。
階段だ。
どうやら第二の間は二階らしい。
僕らは駆けて行く。次の間へ――

《《《
「追うのよ、パーやん!」「もちろんでぇ、パー子!」
「まてぇぇい!!」
小池が扉の前に立つ。
「俺を倒してから行きやがれ!!」
こうして第一の間で死闘が始まった。
しかし面倒なので省くことにする。
》》》
665短期連載U ◆h8RyxQKBOY :2007/03/25(日) 23:16:09 ID:???
第二の間――『自虐妖怪・御化Q』

僕は第二の間の扉を開けた!

「毛〜がさ〜んぼ〜ん、毛〜がさ〜んぼ〜ん」
白いたらこクチビルの……お化けが歌っている。
恐らく歌は自分のことだろう。
情けなく生えている毛は確かに三本しかない。
「あのね〜。Q太郎はね〜。
 毛が三本しかないんだよ〜♪
 ……
 う ら み は ら さ で お く べ き か あ!!!!!」
どうやら僕らは恨まれたらしい。
そして何故か……
僕は無性に腹が立った!
「何で恨むんだこの野郎!
 僕の友達の『ドラえもん』はなぁ!!
 あったまてっか、て〜か!されどぴっか、ぴ〜か!!てなぁ
 毎週歌ってたけど、いっつも泣いてたんだぞ!
 部屋の隅で泣いてたんだぞ!!」
僕は怒った。
久しぶりに怒った。
だけど、目の前の白い物体は何も言わない。
「くそ、三本も残ってるのに自虐に走りやがって!!
 そんなものあるからいけないんだよ!えい」

ブチッ
ぷしゅうぅぅぅぅ――

その変化で、しずかが気絶した。
僕は見なかったことにして、しずかを負ぶさる。
さて、次へ行くか。
666短期連載U ◆h8RyxQKBOY :2007/03/25(日) 23:16:49 ID:???
第三の間――『危うし、オシシ仮面!』

「ふふふ、オシシ仮面よ。ついに追い詰めたぞ」
敵の参謀が語り出す。
「くそ、油断していたぜ……」
オシシ仮面が悪態をつく。
周りには十数人もの敵の傭兵。
もはや助かることは不可能か――?
「バカな奴だ。
 まさか先代のライオン仮面の名を少し利用しただけで簡単に捕まるとはな」
「!!そ、それじゃまさか」
オシシ仮面は息を呑む。
自分の考えてることがあってなければいいと、心から願って――
「ふふふ、ようやく気づいたようだな。
 オシシ仮面よ。お前の考えている通りだ!
 ライオン仮面は死んだのだよ!!ふはははは」
「嘘だ!」
オシシ仮面は必死で首を横に振る。
「嘘だ嘘だ!兄貴がお前ら何かにやられるわけ」
「うるさいやつだ。消せ!!」

バシュ!

「グェーーーー!!」
ばたりと倒れこむオシシ仮面。
そのまま動くことは無かった。

「すいません。ちょっと通りますね」
お取り込み中悪いので、僕は急いで第四の間へ向かった。
667短期連載U ◆h8RyxQKBOY :2007/03/25(日) 23:17:26 ID:???
第四の間――『発明家奇天烈が遺した機械侍コロ助』

「ワガハイの部屋へようこそナリ〜」
黄色い二頭身の何かがいた。
絡繰ってやつだな。
僕はとりあえず説得から始めてみる。
「あ〜僕は戦いに来たんじゃないんだ。
 チャンピオンに会いに着たんだ。
 それだけだから」
「だめナリ!
 ワガハイを欺こうたってそうはいかないナリ!」
くそ、こいつも頭かてぇな。
ドラえもんみてぇなやつだ。ショートしてぇ……
「いくナリ、ワガハイのしもべ!」
コロ助がボールを投げた。

出てきたのはなんと、人間だ!
「驚いたナリか?
 奇天烈が遺した発明品、人間捕獲服従球!
 これを使えば人間をポケモンと同じように扱えるナリ!」
な、何て道具だ。
奇天烈――外道だな。
「因みにその人間が奇天烈本人ナリ。
 研究のやりすぎでニートになり、目障りだったので発明品を使って捕らえてやったナリ!
 いけ、奇天烈!」
668短期連載U ◆h8RyxQKBOY :2007/03/25(日) 23:17:58 ID:???
奇天烈の拳が、僕に目掛けて襲ってきた。
「ま、待て!コロ助!
 お前確かコロッケ好きだったな!」
拳がピタッと止まった。
「どうして知ってるナリ?」
「アニメ見てたからな。そのくらい知ってる」
「ふぅん……アニメに出るときに設定されたことだけど、確かにコロッケは好きナリ!」
「じゃあ、コロッケやればチャンピオンに会わせてくれるな!」
「……考えてやってもいいナリよ〜」

ふ、かかったな!
僕はポケモンを繰り出す。

出てきたのはエビワラー。
「そいつの名は『コロッケ』だ。何故かわかるか?」
なぁに、すぐわかるぜ!
「コロッケ、あの技だ!
 死んだ親父から教わったあの技、見せてやれ!」
コロッケ(エビワラー)の右手が、炎に包まれる!
一気にコロ助に詰め寄り、そして
ほのおの拳がコロ助を吹き飛ばした!!やったぜ!

え、何?ほのおのパンチ?
違う、あれは『ハンバーグー』だ!
669短期連載U ◆h8RyxQKBOY :2007/03/25(日) 23:18:32 ID:???
「とにかく、終わったな」
僕はボーっとしている奇天烈の秘孔をついた。
息を引き取る直前、奇天烈は「あぁ、近視の僕にも死兆星が見える」と呟いた。
いったいどこから星を見たというのだ……いや、言いたかっただけか。

僕が次の階へ登ろうとした、その時!
「ナリ〜!!」
なんとコロ助が再び立ち上がった!

〈まずい……まずいぞ!
 まず『北斗の拳』と『コロッケ』のネタを一度に理解する人間なんてざらにいない!
 ただでさえ苦しいギャグ運びだと言うのに、コロ助め起き上がりおった!!
 このままじゃいけない。
 のび太よ……早く!次の一撃で勝負を決めるのじゃ!!〉

な、なんだ!?
神の思し召しが聞こえてくる。
そうか、ここで終わらせなきゃ……僕らはお蔵入りらしい。
冗談じゃない。「次で決めるぞ!コロッケ!!あの技だ!!」
コロッケ(エビワラー)は炎の拳で北斗神拳の何かを繰り出した。
あいにく僕は北斗百裂拳しか知らないのでわからない。
「ちぃ〜、ば〜!!」
……おい、コロ助。その断末魔は幻の

〈急げのび太!このままではぼろが出る!〉

天の声だ。
僕は急いでしずかを抱え、チャンピオンの間へ向かった。
670短期連載U ◆h8RyxQKBOY :2007/03/25(日) 23:19:11 ID:???
投下終わり〜。
明日には終わらせる。
それじゃ。
671DPでも書こうか ◆ePxtyQg3Mk :2007/03/25(日) 23:29:25 ID:???


ラティアスた(ryとマリオカート、自分ですw
でも最近はポケモンの守備範囲が(性的な意味で)広がった気がする
DSのマリオカートだったら負けないと思うぜ

今は首吊ろうか真剣に考えてる
これを期に改名して「首でも吊ろうか」にしようかな
672DPでも書こうか ◆ePxtyQg3Mk :2007/03/25(日) 23:30:13 ID:???
「起きろぉ!」
ドラえもんの声で目が覚めた。
そうだ、俺は確か……ギンガ団のアジトで話しを聞いて……
起きたばかりの頭がフル回転し、上半身だけを跳ね起こす。
「ド、ドラえもん!大変なんだ!」
「……分かってる。出木杉君の様子がどうもおかしい」
言葉では「おかしい」で済ませたが、先ほどのバトルを見る限り
そんなレベルじゃない。
ドラえもんは更に説明を続けた。
「スネオ君としずかちゃんは出来杉君に倒された
 のび太君が何も知らないまま山頂へ向かっているんだ
 早く止めないと!」
突然の出来事で全てを飲み込むことは不可能だったが、一つだけ確かなことがあった。
「とてつもなく大変な事態」だってこと。
673DPでも書こうか ◆ePxtyQg3Mk :2007/03/25(日) 23:30:52 ID:???
服の汚れを乱暴に取りながら階段を駆け上がる2人。
1日中動きっぱなしでやられっぱなしのジャイアンは走り始めて数分で倒れこんでしまった。
「急げ!時間が無いんだぞ!」
「道具でも何でも出してくれよ……」
力なくジャイアンが呟く。
その言葉にドラえもんは顔を輝かせた。
「その手があったか!」
彼は長いポケモン生活のため、自分が道具を自由に扱えることを忘れていたのだ。
尤も、冒険の初めにポケットは使うな、とのび太に言われたんだが。
「ほら、タケコプターだ!」
ドラえもんはポケットから小さな黄色いプロペラを出すとジャイアンの頭に取り付ける。
懐かしいようなプロペラ音と共に、2人は階段を飛んでいった。

「…………」
圧倒的な威圧感から声も出ない。
強風の先には出来杉、そしてのび太が居た。
「のび太君!」
ドラえもんがすかさず飛び出す。
「来るんじゃねえ!狸が!」
のび太の罵声が槍の柱に響く。
ドラえもんは悟った。
のび太はもう、普通じゃないことを。
674DPでも書こうか ◆ePxtyQg3Mk :2007/03/25(日) 23:32:17 ID:???
「出来杉、何でこんなことしてるんだ!」
ジャイアンがドラえもんの近くに駆け寄り、出来杉に叫ぶ。
その答えはあまりにもふざけていた。
「え〜?暇つぶしかな
 最近楽しいことないし」
顔はマジだ。
きっとそれが本当の理由なのだろう。
ジャイアンとドラえもんは怒りを通り過ぎ、呆れてさえ居た。

「ところでノビタ、お前何のために此処に来た?」
出来杉は突然のび太に問う。
その答えも普通じゃなかった。
「……何か理由があった気もするが忘れた」
「じゃあお前、俺の仲間にならない?」
「さーんせい!アハハハハ!」

「ドラえもん、まさか道具の力とかじゃないよな?」
ジャイアンはひそひそとドラえもんに話し掛ける。
「まさか、僕はこんな効果のある道具は使ってないし
 ……あ」
ドラえもんはあの日の事を思い出す。
のび太にせがまれ、しぶしぶリアルゲームを買ったときだ。

「飛び蹴りした時に何かが弾けた音がしたようなしなかったような……」
ドラえもんは今度は元々白い顔を更に白くした。

元凶が自分だということに。

みんなのてもち(廃止)
675首でも吊ろうか ◆ePxtyQg3Mk :2007/03/25(日) 23:33:16 ID:???
投下終了
いいよ、いいよみもれっと氏
676名無しさん、君に決めた!:2007/03/25(日) 23:41:47 ID:???
二人とも乙

短編氏ので爆笑しちまった
未だにコロコロコミック購読してるくらいだからな
ところで某氏って誰だ?
677名無しさん、君に決めた!:2007/03/25(日) 23:44:39 ID:???
>>676俺が仕事をとってしまったレッド・ヘアー氏だ
678677:2007/03/25(日) 23:45:32 ID:???
因みにプライバシーを考えて仮名で書いてある
679名無しさん、君に決めた!:2007/03/25(日) 23:48:15 ID:???
>>678
全然問題無いぜ
挑戦者氏の紹介文書いてあったと思うんだが
680 ◆OVcEruNBe6 :2007/03/25(日) 23:55:26 ID:???
>>678
ごめん、今、確認してみたら消えてた
わざとじゃないんだ、ミスなんだ
三回目の人気投票が終わったら更新するから許して

マジでごめん
681 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/25(日) 23:57:53 ID:???
>>680ぜ、ぜんぜん問題ないです。
そりゃもう書いてくれて幸いで……あれ何だこの目からこぼれる温かいのは
682にゃーす ◆rwwitCZFqY :2007/03/26(月) 14:43:15 ID:???
前の次回予告があまりにも醜かったのでもう一回書き直した
今から投下
683にゃーす ◆rwwitCZFqY :2007/03/26(月) 14:44:43 ID:???
―――襲いかかる謎の炎・・・

―――別れ始める人間とレプリロイドの絆・・・

『所詮、レプリロイドと人間は相容れない仲なんだよ!』


アメリカのバイオテクノロジー研究所から逃げ出した史上最強の合成生物

・・・Pokemon―――――――

アメリカに留学している出木杉の安否

のび太一行の目の前に現れたレプリロイドの集団

『ようこそ、レジスタンスベースへ』

ぼくが・・・ぼくが強くならなくちゃ・・・!

『頼んだぞ・・・英雄!』
684にゃーす ◆rwwitCZFqY :2007/03/26(月) 14:46:07 ID:???
pepusimanってとこ邪魔だから消した
あと本文投下するのはまだ時間がかかる
こういう話は芯がしっかりしてないといけないから大変だ・・・
685名無しさん、君に決めた!:2007/03/26(月) 14:52:17 ID:???
投下終了?
終了なら乙。
686短期連載 ◆h8RyxQKBOY :2007/03/26(月) 17:15:16 ID:???
ある時の思考。
(さて、最近気になるのはM氏のことだ)
(ま、待て!それだとばれる可能性が高い!今まで通り某氏でいいじゃないか!)
(いや、もう遅い。書いてしまった)
(とにかく、M氏だが前々から彼と俺は似通う点があった)
(確かに、俺も最初はリーグからにしようとしたし)
(スランプになったら短編に走り出すところも似てた)
(そう、おかげで俺は『挑戦者』を大幅に路線変更した)
(先も見えない状態だ)
(その上、先日M氏は次作のアイデアを大々的に発表しおった!)
(図られたな……あのように書けばネタがかぶる危険性は減る)
(くそ、だから早々にのび太たちを変身させちゃう物語を作ろうと俺は)
(もはや無駄だ。掲示板でいくら書いても負け組み決定だ)
(さて、『挑戦者』のほうの最終編をとりあえず考えてみたが)
(遠い道のりだな……早く取り掛かって奴を動かさねば)
(ノリで作ったキャラ消費も大変だぜ)

みなさん乙です。
投下します。
687短期連載 ◆h8RyxQKBOY :2007/03/26(月) 17:15:56 ID:???
チャンピオンの間――『結局僕が一番強くて凄くてチャンピオンなんだね』

僕は扉を開ける。
その部屋の中央に置かれた物体。
それは僕の目を釘付けにした。

頭でっかちな、青いフォルム。
あまりにも懐かしいその姿。 
そう、僕が壊したあの――
「……ドラえもん?」
僕は目を疑った。

まさか……そんな
ドラえもんは僕のピカチュウがショートさせてしまい
置き場所に困って廃棄処分に出したはず。
なんでここにあるんだ?

「やぁ、来てくれたかい」
ふと、部屋の奥から白衣の男が現れる。
出木杉だ。

出木杉は話してくれた。
この世界から出る方法を考えていたこと。
そのために、ドラえもんをなおしていたこと。
688短期連載 ◆h8RyxQKBOY :2007/03/26(月) 17:16:31 ID:???
「そしてもうすぐで、ドラえもんはなおるんだ!」
出木杉が力説する。
「その瞬間にみんなを集めたかったんだけど……そうか、スネ夫君は来てくれないか」
「?みんなって……僕は何も聞いてないぞ?」
「え……あ、ああ忘れてた!ははは」
この野郎。
「さあ、ドラえもん復活まであと10分!
 ちょっと待ってて――」
出木杉の言葉は、扉の破壊音で途切れた。

さっきの幹部二人だ!
こいつらは扉の開け方を知らないのか?
「――は!」
しずかが背中で目覚めた。
「のび太さん、あいつら幹部よ!!
 きっとあたしを追って」
ごめん、さっきも聞いたよ。しずちゃん。
「おい、お前ら!」
とりあえず僕は声を張り上げる。
「小池さんはどうなったんだ!?」
「ふふふ、あいつならパーやんに凶器攻撃してきて退場になったわ!
 とにかく、しずかを奪いに来たわよ!」
女の言葉の後、出木杉が不敵な笑みを漏らす。
「残念だったな!もうじき僕らは別の世界へ行くんだ!
 このロボットの力でなぁ!」
「なら、そのロボットごと破壊してあげるわ!」
「な、なんだってー!?」
出木杉……余計なことを
689短期連載 ◆h8RyxQKBOY :2007/03/26(月) 17:17:35 ID:???
襲ってきた幹部たち!
狙いはドラえもんの完全破壊!
絶体絶命、どうなる僕ら!
と、その時!

天井が破壊され、ボーマンダが現れた。
「な、なんやこれは!?」
「こいつら、まだ仲間がいたのか!」
幹部たちが慌てふためく中、僕は見た。
ボーマンダの背に乗る男を。
「あ、あれは!
 ガキ大将軍ジャイアンじゃないか!」
僕は歓喜のあまり叫んだ。
「えぇ!?15歳でまだガキ大将なの!?」
そこはつっこまないでよ、しずちゃん。
「よぉ、待たせたな出木杉!
 手紙の通り来てやったぜ!」
ジャイアンが振り向く。
「よく来てくれた、武君!
 とりあえず今からドラえもんを復活させようと思うんだが邪魔者が入った!
 そこのゴミ二人を抹消しろ!」
「まかされよぉ!」
ジャイアンの攻撃が始まる。
690短期連載 ◆h8RyxQKBOY :2007/03/26(月) 17:18:11 ID:???
僕の背後で凄まじいバトルが繰り広げられた。

「出木杉、まだなおんないのか?」
「まだだ、ドラえもんの左真ん中のひげが無い!」
「……おい、それ故障中だからいらないぞ」
「な、なに――!?」
「ピッピ、ピカチュウ、プリン、加勢してあげて!」
ビシャァァァ――ン!!!
ショォォー――!!!
ブジュゥゥ、ブジュゥゥ!!!
「しずちゃん、それのどこがピッピて――うわあぁぁ!!!」
激戦は続く。
「……やった、やったぞのび太君!
 ドラえもんの尻尾が見つかった!これで完成だ!」
「パトラッシュ、僕すごく眠いんだ……」
「ドラえもん、起動しろ――!!」
――タラララッタラ〜♪
「ぼくドラえもん〜」
ドラえもん、蘇生完了。
「ドラえもん、この世界から出たいんだ。なんとかしてくれ!」
出木杉は急いで、壊れた『ゲームの世界へ入れる道具』を取り出した。
「……よし、わかった!え〜と」
――タラララッタラ〜♪
「タイムふろしき〜。
 これでどんな道具もなおっちゃうよ〜」
……ちょっと待て出木杉。
ドラえもんが壊れてても四次元ポケットはなんともなかったんじゃ
「やった!なおったぞ!」
そのまま出木杉はスイッチを押した。
691短期連載 ◆h8RyxQKBOY :2007/03/26(月) 17:18:48 ID:???
ここはいつもの空き地。
もとの世界へ帰ってきた。
僕らの世界の住人だった人々も、みんな。
この場にいるのは、六人。
チャンピオン、僕、しずか、ガキ大将軍、そして焼け焦げた一角獣。
「ドラえもん、スネ夫が死体だよ!」
「タイムふろしき〜」

「れ、あれ?みんなどうしたの?」
みんなの間で、スネ夫がゾンビということは内緒になった。
「どうやらみんなはそれぞれの家に送られたようだね」
「ポケモンの世界も結構楽しかったのになあ」
「僕はもうこりごりだよ〜」
5年前のように、笑いの絶えない日常。
帰ってきたんだ!
僕らの生きるべき世界にね!

それからの話を少々。
復活した古代文明は某国大統領のラジコンジェットに激突し、墜落したらしい。
どこかの超人たちが集まる大会で、テンパの新チャンピオンが誕生したとか。
また、どっかの戦隊がリーダーの急死により解散した。
そしてある発明家が遺したものが、騒動を巻き起こしたことも。
さらにオシシ仮面の後継者、オカメ仮面が……おっと、国家的秘密でこれ以上わからない。

僕たちはドラえもんの『コンピューターペンシル』を奪い、高校に入った。
みんな別々の高校だけど、心はいつも繋がっている。
いつまでも、友達さ!
692短期連載 ◆h8RyxQKBOY :2007/03/26(月) 17:19:34 ID:???
投下終わり。
それじゃ。
693 ◆NPxbYyE1hc :2007/03/26(月) 18:50:37 ID:???
実は俺も最初は挑戦者氏のことライバル視してたw
でも作風が全然違うし、何より投下スピードが……
だからまぁ何と言うか、俺は俺の作品に集中しようと思ったわけさ。
あとごめんね、アイディア被って
694名無しさん、君に決めた!:2007/03/26(月) 18:53:37 ID:???
そして愛が芽生えた
695DPその2 ◆Dy4EDQYuSY :2007/03/26(月) 21:55:34 ID:???
投下
696DPその2 ◆Dy4EDQYuSY :2007/03/26(月) 21:56:31 ID:???
キッサキシティからファイトエリアまでの海路を高速船は滑るように走っている。
ドラえもんとのびたは甲板にいた。
のび「速いなあ・・・・そういえばドラえもん、ぼくがジム戦に勝ってた間何してたの?」
のびたは自分がバッジを手にしたことがうれしくてたまらないらしく、
会話の中にしょっちゅう『勝つ』とか『バッジ』といった言葉を織り交ぜていた。
ドラ「キッサキ神殿に行ってたのさ。最深部には・・・・」
ドラえもんにはそこにあったものが信じられなかった。
あんな大きな像が動き出すなんて考えられない。
大きさもそうだが、六つの異常な輝きの目(の様なもの)や、
長い間そこにあったことを思わせるコケのような緑の葉。
頑丈な黄色い装甲。
そして、いかなるものも握りつぶしてしまいそうな指。
ドラえもんが震えるには十分の容姿だ。
のび「ふーん、ぼくがバッジを手にしてる間にそんなとこに行ってたの・・・・」
のびたもそれ以上は追求しない。
ドラ「………」
のび「………」
697DPその2 ◆Dy4EDQYuSY :2007/03/26(月) 21:57:58 ID:???
妙な沈黙を破るためにのびたは口を動かすことにした。
のび「ねえドラえもん、ちょっとバトルしない?」
今まではドラえもんが手加減しても絶対に勝つことは出来なかった。
だが、今は自分の手持ちは二匹進化したし、スネオから授かったポリゴンもいる。
ドラ「うん、いいけど。」
のび「よし、それじゃあ決まり!」
のびたは甲板のお客さんに場所を空けてもらうよう頼み、ドラえもんと距離を取った。
のび「持ってるポケモン全員参戦だからね!」
ドラえもんはぼくの四匹目を知らない。
だからドラえもんは四対三で有利だと考えているはず。
その盲点を突けば、ぼくだって・・・・・
ドラ「行けロトム!」
ドラえもんの一番手はロトムだった。
のび「フフフフフ・・・・行けエテボース!」
エイパムがジムで進化してエテボース。
そういえばドラえもんはこのポケモンも知らなかったな。
のび「おどろかすだ!」
698DPその2 ◆Dy4EDQYuSY :2007/03/26(月) 22:02:01 ID:???
テクニシャンでほぼタイプ一致の威力。そして効果抜群。
そんな技をいきなり受けたら伝説でもないロトムはひとたまりも無かった。
のび「まずは一匹。次はビーダルかな?ペラップかな?それともリーシャン?」
のびたはお前の手持ちなんて知ってるんだよという余裕をこめて挑発した。
だが、ドラえもんは追い詰められたというそぶりを見せない。
むしろ、今のうちに余裕こいてろと言っているようだった。
ドラ「じゃあ、ペラップ!」
ただなきごえがそのまんまの鳥だ。
初めてお目にかかるのびたはそう思った。
ドラ「おしゃべり!」
ペラ「ンッフッフー!このエテ公が!進化しても変わんねえじゃねえか!」
のび「!!!」
のびたは驚いて声も出なかった。
エテボースを見ると、その言葉にショックを受けている。
ペラ「腕は進化っつうより退化してるんじゃねえの?ってかその尻尾、エロ過ぎなんだよ!」
この言葉はドラえもんが吹き込んだのだろうか。本当にたちが悪い。
そして、容赦ない言葉を浴びせられてエテボースは自らボールに引っ込んでしまった。
699DPその2 ◆Dy4EDQYuSY :2007/03/26(月) 22:07:46 ID:???
のび「エテボース!君がいないと困るんだよ!相手の言うことなんか気にすんなよ!
別にエロくたっていいじゃない!その・・・・いつか役に立つよ!」
いつ役に立つと思ったのだろう。のびたの股間が盛り上がる。
周りにちらほらと集まっていたギャラリーもそれを見てざわつき始めた。
「ねえ、何かモッコリしてない?」
「思春期だな。好きな子でもいんのかねえ。」
「うっわー・・・・ビンビンだよ・・・恥ずかしw」
ドラ「早く終わらせようよ。何で人を集めてるんだよ。」
のび「ゴ・・・ゴメンドラえもん・・・早く出てきてよエテボース!」
だが、のびたはほめられることに慣れていないので、
エテボースをほめてボールから引きずり出すことは出来なかった。
結局エテボースはしばらくボールの中で引きこもった。
のび「じゃあ君だ!カラナクシ!」
ドラ「(ロトムがいればなー・・・・)おしゃべりだ!」
ペラップがカラナクシはタラコ唇だとかぐちょぐちょだとか罵る。
のび「そんなこと無いよ!カラナクシ、めざめるパワー!」
700DPその2 ◆Dy4EDQYuSY :2007/03/26(月) 22:09:36 ID:???
カラナクシのめざパは氷タイプ。
ペラップは弱点を疲れてやられた。
そして、内なる力を発揮したカラナクシはペラップの悪口から立ち直る。
ドラ「のびたくん、強くなったね。だけどまだぼくが上手だよ。」
そう言ってドラえもんはビーダルを出した。
のび(ビーダルか、リーシャンはまだ出さないのかな?)
ドラ「まるくなる!」
ビーダルは単純にまるくなる。
特性により能力は実質ぐーんと上がったに等しい。
のび「そんなことしてていいの?どろばくだんだ!」
カラナクシが特大の泥をビーダルに向かって吐き出す。
が、それはビーダルの1mほど手前で動かなくなった。
つまり、空中に浮いているのだ。
のび「なななな何で?」
のびたは間近でマジックなど見たことがなかったので
ただただ混乱するばかりだ。
その間にも泥の塊はカラナクシに向かってゆっくりと動いていた。
ドラえもんは思わずニヤッとする。
のびたはドラえもんが初めて猫型ロボットに見えた。
701DPその2 ◆Dy4EDQYuSY :2007/03/26(月) 22:12:11 ID:???
のび「あれ?」
ドラえもんのニヤニヤ顔を見ていたのびたが何かに気付いた。
いつものドラえもんと何かが違う・・・・

そんなことを考えている間に泥はカラナクシに近づき、
遂にはカラナクシの面前で破裂した。
のび「うわああああ!」
おびただしい量の泥が飛び散った。
カラナクシは当然瀕死だ。
のび「くそ・・・・何か、へんな技を使ったんだろ!」
のびたがいきり立った。
ドラえもんはそ知らぬ顔だ。
のび「エレブー!でんげきは!」
即座に出したエレブーが電撃を放つ。
だが、その電撃も何故か空中で止まり、エレブーに跳ね返ってきた。
のび「避けるんだ!」
エレブーは体が動かないようだ。
哀れなエレブーに電撃が直撃する。
702DPその2 ◆Dy4EDQYuSY :2007/03/26(月) 22:13:54 ID:???
のび「くっそーっ!!!エレブー!動くんだ!動け!」
エレブーは必死で主人の命令に応えようとする。
だが、わけの分からない力に拘束されたまま
エレブーはビーダルの転がるに倒れた。

ドラ「のびたくんのポケモンはこれで全滅だね。
いやー・・・でものびたくんは頑張ったよ。
今度はもう一匹ポケモンを増やしてぼくに挑んで・・・・」
ドラえもんは言葉を止めた。
のびたは『ドラえもんの何かおかしいところ』を見抜き、
その場所を指差していたのだ。
ドラえもんの首輪。
普段は鮮やかな赤だが、
この勝負が始まってから紅白の縞々の首輪に変わっていた。
のび「そいつは・・・・・リーシャンだよね?」
そのとおりだった。ドラえもんは自分の首に普段鈴がついているのを利用して
リーシャンにその鈴の代わりをさせたのだ。
703DPその2 ◆Dy4EDQYuSY :2007/03/26(月) 22:16:15 ID:???
鈍いのびたはバトル中もそれに気付かなかった。
今思えばカラナクシのどろばくだんやエレブーのでんげきはが跳ね返ったのも
リーシャンのねんりきの所為だったのだ。
ドラ「やっと気付いたね。
この勝負は二匹目のポケモンが紛れ込んでいたのが
分からなかったのびたくんの負けだよ。」
今度はのびたが笑う番だった。
のび「『のびたくんのポケモンはこれで全滅だね』・・・・・?
ドラえもん、何か勘違いしてない?」
のびたはゆっくりとポリゴンのボールを出した。
のび「(スネオ・・・・・ありがとう)ポリゴン!こうそくいどう!」
のびたのボールが開かれると同時に、
ポリゴンは辺りを凄まじい速度で旋回し始めた。
ドラ「ポリゴン!?え、だって・・・・・そんなポケモンどこで・・・・」
のび「テクスチャー!」
ポリゴンが自身のプログラムの中からひとつを選び出し、
それを体にダウンロードした。これでポリゴンは虫タイプだ。
704DPその2 ◆Dy4EDQYuSY :2007/03/26(月) 22:20:45 ID:???
ドラ「ビーダル!ころがるで倒せ!」
ビーダルがポリゴンに転がってきた。
だが、まるくなるの効果はとっくに無くなっている。
のび「ビーダルなんか狙ってないよ。
狙ってるのは・・・・・・」
ポリゴンがリーシャンに向き直った。
のび「シグナルビーム!!」
虹色の光を伴ってビームが放たれた。
それはリーシャンを直撃し、
それを巻いていたドラえもんもひとたまりもなかった。

群集がいなくなっていた。
のびたはビーダルに「起きたらごめんって伝えて」
とだけ言い残し、そこを去った。

リーシャンを狙ったとはいえ、
ドラえもんに向かってシグナルビームを放ってしまった。
そこで、冒険の始まりから考えていた、
ドラえもんと別々に行動することに踏み切ったのだった。
ドラえもんに笑顔でビーム放つような奴はそばにいないほうがいい。

そしてのびたはファイトエリアに降り立った。
705DPその2 ◆Dy4EDQYuSY :2007/03/26(月) 22:22:23 ID:???
今の状況

のびた  エテボース カラナクシ エレブー ポリゴン2 (現在地・・・ファイトエリア)
 ドラえもんとの別れ際に通信でポリゴンを進化させた。
 その際にオーキドの手紙の中に入っていたアップグレードを消費した。
ドラえもん  ビーダル ペラップ ロトム リーシャン (現在地・・・高速船の上)
 のびたと別々に旅をすることになる。
しずか  ハヤシガメ ブニャット 【ダークライ、タマゴ】(現在地・・・・206番道路沖)
 ブニャットに乗って海を渡っている。ゲンからポケモンの卵をもらった。
ジャイアン  モウカザル カブト ドーミラー 【かなめいし】(現在地・・・ノモセシティ)
 ノモセの風呂でのぼせている。かなめいしのことは忘却のかなた。
スネオ  ポッタイシ ムクバード キルリア ビークイン ゴンベ【GBAの伝説など】(現在地・・・221番道路)
 未だに進む気配なし。ポケモン育成に飽きて早々とこの日のゲームをやめた。
706DPその2 ◆Dy4EDQYuSY :2007/03/26(月) 22:25:32 ID:???
等価終わり
ファイトエリアが登場したのは初めてですかね
707名無しさん、君に決めた!:2007/03/26(月) 22:29:27 ID:???
乙えもん
708短期連載 ◆h8RyxQKBOY :2007/03/27(火) 00:18:26 ID:???
ある時の思考
(……おい、まだ続けるのか。これ)
(仕方ない。ラジオ体操みたいなものだ)
(しかし俺夕方も来たのか……『バーチャルメモリー』に売ったような)
(テレビの見すぎだ。恐らくあの番組見てたから忘れていたのだろう)
(そうか。ところで最近あの人が俺のことをお気に入りと言ってたな)
(投下スピードが速いからだがなww読まれてないし)
(いや、大概の作者はそうなのだろう。実際俺もそうだった)
(それが……確か誰かの作品を読んでみたことが始まりだったな)
(ああ、それで一気読みが始まった。といってもそのころは扉。氏までしかいなかったが)
(はてさてそれは誰か――次回へ続く)
(やっちまったよ。さ〜て、書くか)

みんな乙。
投下開始。
709短期連載 ◆h8RyxQKBOY :2007/03/27(火) 00:19:32 ID:???
「行け、チルット!」
スネ夫はポケモンを繰り出す。
雲のような翼が、光と共に現れた。
(確立は50%……当たってくれよ)
スネ夫はカラのパチリスから目を離さなかった。

「パチリス、メロメロ!」
(来た!)
パチリスのアピールが、チルットの目を釘付けにする。
(チルットがメスなら『うたう』で粘るしかない。
 でもオスなら……)
すると、チルットは目つきを変えた。
明らかに好意的な目で、パチリスを見ている。
(当たった!チルットはオスだ)
「オウムがえし!」
ここで技が出せる確立は50%。
一瞬の間――そして
チルットのアピールが始まった。
「!!く、これは」
カラが舌打ちする間に、パチリスは『メロメロ』にかかる。
(これであいつのお得意の『メロメロ』戦法を封じたわけだ。
 元来パチリスは攻撃型のポケモンじゃない。
 大方、『メロメロ』で相手の自由を奪い、その後しどろもどろしている内に
 技を繰り出し、『とっておき』でしめる手筈だったのだろう。
 でも、それもパチリス自身が自由を奪われたことで台無しだ!)
スネ夫がにやついてるうちに、カラがパチリスをボールにしまう。
「ふん、いやな顔してるね……でもすぐに――」
カラの台詞は、二人の間に人物が飛んできたことによって遮られた。
710短期連載 ◆h8RyxQKBOY :2007/03/27(火) 00:20:22 ID:???
「ミ、ミングじゃないか!」
スネ夫は駆け寄り、確認した。
「ああ、すまん。負けてしまった……」
ミングは情けなく呟いた。
「カラ―!メダルゲットしたよー!」
と、サエが明るく言っている。
「ミング、お前……」
(強いんじゃねーのかよ!こんなに早く帰ってきたからてっきり)
「さ〜て、次はそっちだな!」
心で悪態をついてたスネ夫も、カラの言葉で息を呑む。
「ま、待ってくれ!
 僕はメダルを持ってないんだ!」
スネ夫は必死で弁明するスネ夫。
「え?でもそいつと仲間なんじゃ」
「仲間?しらねーよこんな奴!」
スネ夫はミングを足蹴にする。
「お前らと同じだよ!
 ここに来た奴らのメダルを取ろうとしたんだ!!」

(くそぅ、なんでこうなるんだ……)
スネ夫はカラと一緒にテンセイやまへ走っていた。
「いいか、まず見つけたら僕んだからな!」
「何言ってんだい。
 先に取ったモン勝ちに決まってる!」
言い合いながら、二人は駆けて行く。

その隣の道で、ユリがドームへ向かって駆けていた。
711短期連載 ◆h8RyxQKBOY :2007/03/27(火) 00:20:57 ID:???
「――これで足りるわね」
山中で、トレーナーからメダルをもぎ取る少女が一人。
源静香――たった今手に入れたのは五枚目のメダル。
「くそ、覚えてやがれ!」
典型的な敗者の台詞を吐きながら、相手が駆けていった。
(ふふ、勝手に帰ってくれた。
 ねむりごなをかける手間が省けたわね)
しずかは振り向き、彼らの元へ向かおうとする。

「どろぼう!」
どこかから聞こえてくる指示。
枯れ草を連踏する音。
「キレイハナ、くさむすび!」
足元で、キレイハナが地面に手を添える。
背後で何かが倒れた。
振り返るしずか。
目に映ったのは息を切らせたグラエナだ。
(人のポケモンね)
しずかはそれを確認し、キレイハナに指示を出す。
「あまいかおりよ」
空気が花の匂いで満たされていく。
動物なら誰でも寄ってみたくなる匂い。
ただ、この後起こることは、しずかにも予想外だった。
712挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/27(火) 00:21:47 ID:???
「あう〜、何かおいしそう〜」
「ば、馬鹿兄貴、顔出すな!」
右の茂みから騒動が聞こえてくる。
咄嗟に振り向くしずか。
同時に茂みから人物が出てきた。
(に、人間?)
しかも最初の太目の少年に続いて、もう二人。
ボサボサ頭の少年と、メガネの少年だ。
(な、何この三人組……)
多少引くしずかを尻目に、三人はゆっくり起き上がって――

ところ変わって、リーグ本部――
ドラえもんは裏口を開ける。
「開いたね……ここが本部で合ってるよね?」
ドラえもんは密告者に確認した。
「ああ、その通り」
「あたしが覚えている通りだと、ここが本部よ。
 ギンガ団のね」
密告者は二人。
「そう……なんでリーグ開催してるのかは後にして
 入ってみるよ。
 スネツグ。ジャイ子」
ドラえもんの後ろで、二人は頷く。
「へへ、有難いよ。これであいつをぎゃふんと言わせてやれる」
「死んだ茂手夫さまのためにも、絶対出木杉を見つけてやるわ」
ドラえもんは安心した。
やっぱりこいつらを連れてきて正解だった――と。
713挑戦者 ◆QdjHBvZg5s :2007/03/27(火) 00:23:01 ID:???
投下終了。
途中まで短期連載のままだったが問題ない。
『V』を消しただけだったが、問題ない。
では。
714名無しさん、君に決めた!:2007/03/27(火) 10:04:36 ID:???
乙乙乙
715ドラAAモン ◆0oe33Tyq22 :2007/03/27(火) 13:16:24 ID:???
これから投下
派手におかしいが気にしないでくれ。
716ドラAAモン ◆0oe33Tyq22 :2007/03/27(火) 13:17:55 ID:???
今日は人気投票最終日。
つまり、今回はそれを記念した作品だから!何もかも思い通り!

というわけで、バッチください
「いいぞ」
わーいわーい
「ついでにわしのペリッパーを使って全国のジムに行ってやるぞ」
うっへへーい

まずはクロガネジム。
バッチください
「はい、第二バッチあげる」
ぐへへへへへ
「あと、何か女子達が騒ぐからジムを閉鎖するんだ。
だから、僕の一押しポケモンのラムパルドをあげるよ」
ショウヘイヘーイ

次はハクタイジム。
バッチとあなたをください
「いいわよ」
一晩過ごしたわーいわーい
717ドラAAモン ◆0oe33Tyq22 :2007/03/27(火) 13:19:01 ID:???
勢いで次のジムだー
トバリジムだー
「バッチと私をあげるわよ」
幼女はお断りだバッチだけください
「あんたも十分子供じゃない」
気にするな。

さーて次はヨスガジムかー
「私をあg」
おばさんはお断りですーバッチをくださいー
「バッチをもらうなら私ももらいなさいそれが交換条件よ」
ギャース!

うっぷ…次はミオシティか
「ほれバッチだ」
久しぶりに男だツマンネ

寒い……ここはキッサキシティか。
「はい、バッチよ」
好みのタイプキター
あなたもください
「お断りです」
718ドラAAモン ◆0oe33Tyq22 :2007/03/27(火) 13:20:04 ID:???
…… ……ナギサシティね。
「はい、バッチ……インフルエンザがうつるよ、気をつけて。
タミフル飲んだからもう安心だとは思うけど。」
その後、デンジの姿を見たものはいない……



とりあえず全ジムバッチゲットだわーいわーい
「ついでだし四天王の場所までおくっていくぞ」
ありがとう変態仮面
「どういたしまして」

四天王一人目だー。相手は出木杉だー。
「くそっくそっくそっ!何でこの僕が一人目なんだ!」
残念実力不足です。軽く僕のギラティナのシャデーダイブでふっとびな。

さて、出木杉も吹っ飛ばしたところで二人目だ。
相手はジャイアンか。
「おうのび太!お前がここまでこれるなんてめずらsギャース!」
ラムパルドの地震で死ねこのゴリラ。
719ドラAAモン ◆0oe33Tyq22 :2007/03/27(火) 13:20:55 ID:???
次だー……オーバ!?
「やらないか」
アッー!

チリーンのサイコキネシスでオーバの頭を吹っ飛ばしたところで四人目だー。
黒服の女の人だー好みだー



むふふな事は中略していよいよチャンピオンだー!

……お、お前は……


―――おい、寝るな!おい、おきろ!―――

ふと目が覚めた。チャンピオンの姿までは見えなかったが、どうやら夢だったようだ。
いい夢だったのか悪い夢だったのか。


で、これから作者と僕のダブル生き地獄が始まるわけで。
それはまた今度。
720ドラAAモン ◆0oe33Tyq22 :2007/03/27(火) 13:21:54 ID:???
投下終了。
正直すまなかった反省している
721名無しさん、君に決めた!:2007/03/27(火) 16:14:35 ID:???
トゥルルルルルル トゥルルルルル トゥルルルルル トゥルルルルル
トゥル トゥル トゥル トゥル
トゥルルルルルルルルルルルルルルルルルル ッチャンチャン

まぁともかく乙
722ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/27(火) 18:44:11 ID:???
今日は人気投票最終日か……
投下します
723ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/27(火) 18:44:43 ID:???
ドーム観客席。
皆が待っている中、颯爽と走ってきたのは出木杉だった。
「遅れてごめん。何とか勝ったよ」
激戦の後だというのに、何事もなかったかのような表情で話す出木杉。
「これで僕とのび太と出木杉の準決勝進出が決まったわけだね」
スネ夫が言う。
その後も暫く会話が続いたが、それはアナウンスの言葉によって途切れる。
「準々決勝最終試合、ダイゴ選手とリン選手、闘技場へ」
のび太達は仲間の戦いに見入っていてすっかり忘れていたが、次はダイゴVSリン。
一同は気が気でなかった。

「ワー!ワー!ワー!ワー!」
右サイドからダイゴが、左サイドからリンが入場する。
「どうしよう……ダイゴさん、勝てるのかな?」
不安気な顔をするのび太。
いくら元リーグチャンピオンといえど、相手はあのリンだ。
勝てる確率よりも負ける確率のほうが高いかもしれない。
「今は黙って試合を見ようよ、のび太。僕達は見ることしかできないんだ」
真剣な眼差しで闘技場を見つめるスネ夫。
そんな緊迫した雰囲気の中、ついに試合が開始される。
「準々決勝最終試合、始め!」
724ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/27(火) 18:45:33 ID:???
ダイゴとリン、二人が同時にボールを放つ。
「エアームド!」
「ファイヤー!」
リンのポケモンを見た瞬間、ダイゴは舌打ちをする。
『チッ、相手が悪いか……』
エアームドは火炎放射一発で葬られてしまった。

「次は……ボスゴドラッ!」
鋼の鎧を纏い、どっしりと構えるボスゴドラ。
だが、リンは臆することなく攻撃命令を降す。
「ファイヤー、火炎放射」
ファイヤーから放たれる灼熱の業火。
だが、それはボスゴドラの体力の半分も奪えなかった。
「甘いよ……岩石封じ!」
体中に岩がヒットし、悲痛の叫びをあげるファイヤー。
その燃え盛る両翼は羽ばたくのを止め、力無く落ちていった。
725ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/27(火) 18:46:09 ID:???
「いきなさい、サンダー」
リンが次に繰り出してきたのは、伝説の鳥ポケモン、サンダー。
「雷よ」
雷鳴が轟き、ボスゴドラの巨体をとらえる。
そして、それに直撃したボスゴドラはひとたまりもなかった。
「くそ、次は……ネンドールだ!」
土偶、ネンドールが姿を現す。

ドーム観客席。
「リン……あいつは伝説の鳥ポケモンを持っているのか……」
口元を押さえながら呟くスネ夫。
「おそらく、フリーザーも持っているだろうね。ダイゴさんは勝てるのかな」
出木杉が言った。
他の皆も、不安そうな顔をして闘技場を見つめている。
「大丈夫だよ、出木杉。勝負はまだ始まったばかりなんだからさ!」
無理に明るい顔を作り、皆を元気付けようとするのび太。
当然、彼も内心では緊張していた。
『絶対に勝ってね。ダイゴさん……』
726ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/27(火) 18:47:06 ID:???
「原始の力だっ!」
三撃目を食らい、倒れるサンダー。
ここまでダイゴは互角の戦いを見せていた。
『元はといえば、僕がコイツを止められなかったのが原因なんだ。僕がやらないとダメなんだ……』

数日前――
この日、チャンピオンリーグ前日に、ダイゴはある人物を呼び出していた。
「あら、久しぶりね……御曹司さん」
長いオレンジ色の髪をなびかせながら、一人の少女が歩いてくる。
「ああ、久しぶりだな……リン」
ダイゴはリンを先導し、砂浜を歩く。
「で、何の用?」
面倒くさそうに聞くリン。
だが、その顔はすぐに青ざめた。
「教えてやろうか?それはな……こういうことだよっ!」
ダイゴがナイフを振りかざし、それはリンをとらえ――
727ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/27(火) 18:48:02 ID:???
「あら、御曹司にしては危ないことするのね」
ナイフはリンの手によって止められていた。
必死に切りつけようとするダイゴだったが、ナイフは動かない。
「……で、何?父の仇とでも言いたいわけ?」
ダイゴの手をナイフから離し、海のほうへ放り投げるリン。
すると、ダイゴは口を開いた。
「やめてくれ。もう……」
「チャンピオン・リーグのこと?なら、あなたが私に勝てばいい話じゃない」
冷たく言い放つリン。
「もう……変な考えを持つのはやめてくれ……」
うつむきながら言うダイゴ。
「嫌よ」
そう言うと、リンは立ち尽くすダイゴを他所に砂浜を去っていった。

舞台は戻る。
『だから……コイツは僕が絶対に倒す!』
決意を固めるダイゴ。
リンはサンダーをボールに戻し、次のボールを放った。
「フリーザー!」
繰り出されたのは三匹目の伝説の鳥、フリーザー。
728ルビー ◆ChfQmyJ5GM :2007/03/27(火) 18:49:20 ID:???
投下終わり。
ホント俺の小説って意味わかんないとこ多いよなぁ……行き当たりばったりで書くんじゃなかったわ
729名無しさん、君に決めた!:2007/03/27(火) 18:51:31 ID:???
おつ
730名無しさん、君に決めた!:2007/03/27(火) 19:16:36 ID:???
乙だ
731出木杉の未来大冒険 ◆dqVzDvT5pM :2007/03/27(火) 21:36:44 ID:???
ルビー氏乙。
今から投下します。
732出木杉の未来大冒険 ◆dqVzDvT5pM :2007/03/27(火) 21:38:10 ID:???
>>554の続き

 ヤマブキジムの戦いに勝利し、一休み・・・と行きたい所だが、そんな余裕は無い。
僕は早速、次のジムがあるセキチクシティに向かうことにした。
あそこのジムリーダーの実力はヤマブキのジムリーダーとほとんど変わらないはずだから、レベル上げをする必要は無いだろう。
僕は再びシオンタウンを経由してセキチクシティ向かおうとした。
だがシオンタウンのポケモンセンターに着いた瞬間、どっと疲れが押し寄せて来た。
思えばこの世界に来てから、僕は殆どろくに休んでない上に、死体を見たショックなどよる精神的疲労にも苦しめられた。
昨夜もレベル上げで殆ど寝てない僕は、まだ午後6時だというのにセンターの宿泊施設で熟睡してしまった。

 外のポッポが鳴く声で、僕は慌てて目を覚ました。
急いで時計を見てみると、そこにはAM06:00と示されていた。
何と、僕は半日も寝ていたことになる。
慌ててセンターの食堂に朝食を済ましに行った、一刻も早くここを出発しなければ!
しかし食堂のトレーナーたちは皆、建物の中にあるテレビの前に群がっている。
そのただ事ではない様子が気になり、僕も群集を掻き分けてテレビの前に言ってみた。
モニターに映ったニュースキャスターが読み上げた内容は、まさに衝撃的なものだった。
「えー、先程の内容をもう一度読み上げます。
 今日の午前2時から3時ごろにかけて大規模な停電が発生し、カントー地方の全ての電力がストップしました。
 更に同時刻頃、10番道路の発電所の職員及び警備員合わせて6人が何者かによって殺害されました。
 恐らく何者かが発電所を乗っ取り、全国の電気をストップさせたものと思われます。
 警察ではこれを複数のロケット団信者による犯罪の可能性が高いと見て操作しています。」
昨日僕が寝ている間にこんな事が・・・
僕の知っている今までの信者の反抗は、お月見山で暴れていた事、のび太を誘拐した事、タマムシシティのゲームセンターを乗っ取ったことだ。
どれも悪質な犯行だが、今回はそのレベルが違う。
目的こそ不明だが、何せ人を殺害し、全国を巻き込んだ騒動を起こしたのだから・・・
僕は朝食を食べることも忘れてセンターを飛び出した。
一刻も早くバッジを集めなければならないと感じたからだ。
733出木杉の未来大冒険 ◆dqVzDvT5pM :2007/03/27(火) 21:41:16 ID:???
 猛スピードでセキチクシティに着いた僕は早速ジム戦をする為、ポケモンセンターで回復を済ませた。
いよいよジム戦・・・と行きたい所だが、この先の計画をまず立てることにした。
バッジを取ったら早速グレン島へ行って次のバッジを、そしてトキワで最後のバッジを・・・ん?グレン島・・・
僕は思い出した・・・七つ目のバッジあるグレン島に行くには波乗りが必要なことを。
僕は波乗りができるポケモン、そして波乗りの秘伝マシンすらも持ってないのだ。
とりあえずジム戦は後回しにして、サファリパークに行ってみることにした。
狙うは波乗りの秘伝マシン、そして波乗りを使えて強いポケモンだ。

 500円を払って入園し、サファリボール30個とエサ、石を受け取った。
まずは波乗りの秘伝マシンを取りたかったので、僕は野生のポケモンには目もくれず奥にあるキャンペーン小屋へ向かった。(実は途中で一度、ケンタロスに逃げられたのだが・・・)
息を切らして小屋に入ってきた僕を見て中の職員は驚いていた。
「時間制限があるからってそんなに焦らなくても・・・はい、これが秘伝マシンです。」
「ありがとうございます。では・・・」
僕は職員に一言お礼の言葉を述べると、すぐに小屋を出て行った。
次は波乗りを使えるポケモンを捕まえなければ!
ここに来る前に民家で貰っておいたいい釣竿を握り締め、湖の前で釣りを開始する。
狙うのは陸地からでもその存在が確認出来る巨大な水ポケモン、ギャラドスだ。
はたして、僕にあの巨大なポケモンを釣り上げる事が出来るかどうか・・・
2分ほど待つと、ついにギャラドスが釣竿にかかった!
ここから長い格闘が続き、最初は強力だったギャラドスの力が弱まってくる。
いける!そう確信した僕がギャラドスを釣り上げようとしたまさにその瞬間だった、あのアナウンスが聞こえたのは・・・
734出木杉の未来大冒険 ◆dqVzDvT5pM :2007/03/27(火) 21:43:35 ID:???
「いまからここは我々、ロケット団が支配した。
 園内にいる奴ら!死にたくなければさっさと出て来い!」
僕はビックリして思わず竿を放してしまい、竿はギャラドスに水中へと引きずり込まれていった。
いや、大事なのは竿のことなどではない、信者がここを乗っ取ったということだ。
よく見ると、周りの客や職員、そしてポケモンまでもが慌てながら避難している。
そして彼らの前に立っていたのは、ロケット団の制服を着た長身の男、セイジだった。
逃げ惑う群集の中、1人だけその場に立ち尽くしている僕にセイジはすぐ気付いたようだ。
「き、貴様はあのタマムシの時の・・・」
タマムシの時、ドラえもんが歯が立たなかったというセイジ、恐らくかなりの強敵だろう。
だが、僕は逃げる気は無い。
これ以上信者の悪行を見逃すわけには行かないから・・・

 
735出木杉の未来大冒険 ◆dqVzDvT5pM :2007/03/27(火) 21:44:42 ID:???
 僕がボールを構えて戦闘態勢に移ろうとしたその時、僕の名を呼ぶ二つの声があった。
「出木杉!」
「出木杉さん!」
声の主は僕と共に旅立った仲間、のび太と静香だった。
恐らくこの2人もポケモンを取りにここへ来ていたのだろう。
「い、いったいどういうことなの?」
今、のび太の疑問に答えている暇は無い。
「説明している暇はない。君たちも協力してくれないか?」
一瞬ためらう様子を見せたが、2人とも首を縦に振ってくれた。
「・・・3対1はさすがにキツイな・・・おい、お前ら!」
セイジに呼ばれた2人の男が出てきた、2人ともかなりゴツイ男だ。
「そこにいる2人のガキと別のエリアで相手をしてやれ。そこにいる奴は俺がやる!」
セイジが僕を指差しながら言う。
命令されたゴツイ2人組はのび太と静香を連れて何処かへ行ってしまった。
そして、このエリアには僕とセイジだけが残った。
「貴様、俺と戦う気か?」
セイジの問いに僕は無言で頷く。
「なら、無駄話は嫌いだからさっさと始めようか。」
セイジは早速モンスターボールを取り出してきた。
僕もモンスターボールを1つ選び、その場に投げる。
すっかり野生のポケモンが逃げ切ってしまったフィールドにサンダースとガラガラが姿を現した。
 
736出木杉の未来大冒険 ◆dqVzDvT5pM :2007/03/27(火) 21:46:11 ID:???
 両者がポケモンを出してから動かない・・・最初に仕掛けたのは僕だ。
「サンダース、影分身だ。」
僕の命令を聞いたサンダースの姿が増え始める。
相手が地面タイプなので自慢の電気技が使えない上、敵の攻撃は効果抜群なのでかなりのダメージを受けてしまう。
相性が不利な敵にサンダースが勝つためには、自慢のスピードで敵を翻弄するのが一番だ。
僕の予想通り、鈍足のガラガラはサンダースにまったく付いてこられないし、攻撃も全て分身に当ててしまっている。
「いいぞサンダース、もっと回避率を上げろ!」
「ホネブーメランだ・・・何度外れても繰り返せ。」
敵は懲りずにホネブーメランで攻撃しているが、今のサンダースに当てるのはかなり至難の業だ。
もう回避率は限界まで上昇した、そろそろ攻撃に転じよう。
敵のホネブーメランが外れたところで、僕はサンダースにシャドーボールを命じた。
だがシャドーボールが命中すると同時に、サンダースにも敵のホネブーメランが命中した。
「何故だ?ホネブーメランは完璧に回避したはず・・・」
僕の疑問にセイジは冷静に答えた。
「ホネブーメランは2回攻撃だ。貴様は一発目を避けた時点でもう攻撃は来ないと誤解したのだろう。」
「こんな馬鹿みたいなミスを犯すなんて・・・行くぞサンダース、もう一度仕切りなおしだ!」
だがサンダースは倒れたまま立ち上がらない・・・嫌な胸騒ぎがしたので図鑑を見てみた。
案の定、そこには瀕死状態と記載されていた。
たった一発のホネブーメランで倒されるとは、なんと言う攻撃力だ・・・まあ、その理由は見当が付くのだが。
「この異常な攻撃力の高さから察するに、太い骨でも持たせているのかい?」
セイジは何も言わなかったが、恐らく間違いないだろう。
だが、原因が分かったところで何かしらの対策を立てることも出来ない。
結局ガラガラはサーナイトの力押しで同士討ちとなって倒れた。
最初の一匹に2匹の犠牲を払うことになるとは・・・やはりこの男、かなり強い。
737出木杉の未来大冒険 ◆dqVzDvT5pM :2007/03/27(火) 21:46:50 ID:???
 次の僕のポケモンはポリゴン2、敵はガルーラだ。
残念なことにレベルの差が大きかったようで、ポリゴン2はあっさり倒されてしまった。
僕は遂に最後の一匹まで追い詰められてしまったのだ。
だがまだ闘志は燃え尽きていない、切り札リザードンに全ての希望を託す。
「敵はノーマルタイプか、なら瓦割りだ!」
タマムシデパートの技マシンで覚えさせた格闘技、瓦割りで確実に体力を削る。
「悪いがもう終わらせてもらうぞ、岩雪崩だ。」
敵はリザードンがもっとも苦手とする岩タイプの技を使ってきた。
あれをくらったら確実に終わっていた・・・だが、運よく岩雪崩は外れてくれた。
神も僕に味方しているようだ、そして次の瓦割りでガルーラを撃破した。

「まさか久しぶりに俺を追い詰めたのがこんな餓鬼とは・・・ベトベトン、出て来い。」
追い詰められた、と言う割にはその顔は楽しそうだ。
この状況で勝負を楽しんでいられるとは、それだけこのベトベトンに自信があるという事か。
「リザードン、火炎放射だ。」
リザードンの口から激しい炎が放たれる。
いくら耐久力に定評のあるベトベトンでも、これはかなり堪えるはずだ。
「・・・どくどくだ。」
リザードンは猛毒状態になってしまった・・・が、そんな事はどうでもいい。
毒によるダメージが強まる前に勝負を終わらせてしまえばいいのだから。
2度目の火炎放射をくらったベトベトンが次に取った行動は、なんと小さくなるだった。
どうやら攻撃してくる気はないようだ・・・この勝負、もらった。
だがその考えが甘かった、小さくなるを繰り返すベトベトンに火炎放射が全く当たらないのだ。
遂にベトベトンは肉眼で確認するのが不可能な大きさになってしまった。
おまけにリザードンの体力も毒によってかなり削られている。
急いで攻撃をしなければ負ける、しかし肝心の攻撃を当てることが出来ない・・・僕は見事に敵の術中にはまってしまったようだ。
リザードンが倒れるまでの少ない時間が僕を焦らせる・・・落ち着け、落ち着くんだ!
目に見えないほど小さい敵に攻撃を当てる方法は・・・1つだけある。
成功するかは分からないが、やるだけの価値はあるだろう。
残されたわずかな時間で、僕は最後の賭けに出た。
「リザードン、周辺の地面に火炎放射だ!」
738出木杉の未来大冒険 ◆dqVzDvT5pM :2007/03/27(火) 21:47:26 ID:???
リザードンの攻撃によって地面が炎上し、草木が1つ残らず燃やし尽くされる。
そして火が消えたとき、そこには通常サイズに戻って倒れているベトベトンの姿があった。
目に見えない敵に攻撃をあてる唯一の方法・・・それは敵がいる可能性がある全ての場所に攻撃をする事だ。
「俺の負けだ。バトルに負けるなんて、いつ以来だろうか・・・」
ベトベトンをボールに戻したセイジは自らの負けを宣言した。
そしてその懐から何かを取り出した、その物体は先端から鈍い光を放っている。
あれは・・・ナイフだ!
まさか、バトルに負けたので力ずくと言う事か?
セイジがナイフを振り上げる、足が震えて動けない僕は思わず目を伏せる。
・・・あれ、どこも痛くない・・・というか、何も当たっていない?という事は、もしかして・・・
僕が恐る恐る目を開けると、そこには予想通り、自らの体にナイフを突き刺しているセイジの姿があった。
僕は彼が敵と言うことも忘れて駆け寄っていく。
彼は呻きながら辛うじて話し出す。
「助けようだなんて思うな・・・どのみち俺はあの方に殺される、“敗者には死あるのみ”それがあの方の考えだから・・・」
彼はもう死を覚悟しているようだ、僕にはそれを止めることはできなかった。
そして気になることが1つ、彼が言った“あの方”の事だ。
「あの方とはサカキじゃなくて、僕と共に旅立った仲間の事だろう?」
僕の思い切った問いにセイジは首を縦に振った。
「その通りだ・・・あの方のような人物がお前たちと仲間だったなど、俺には信じがたいがな。」
やはりそうか・・・だがそれだと、もう1つ引っかかることがある。
「君たちは何故、“あの方”に従っているんだい?君たちはサカキに惹かれてロケット団に入ったんじゃないのか?」
この後のセイジの答えは衝撃的なものだった。
「サカキ様があの方を正式な後継者と認めたからだ。
 サカキ様が認めた人物こそ、サカキ様の後を継いで俺たちを束ねるに相応しい。」
サカキが裏切り者を後継者として認めた・・・そんな事はあり得ない。
僕たちがこの世界に来た時点ではサカキは既に行方不明となって誰にも何処にいるか分からないのだから。
僕が次の質問をしようとセイジを見たとき、彼はもう息をしていなかった。
739出木杉の未来大冒険 ◆dqVzDvT5pM :2007/03/27(火) 21:47:56 ID:???
 セイジの死体を呆然と眺める僕の耳に、自分の名を呼ぶ声が聞こえた。
声の主は静香、その顔は蒼白だ。
よくない知らせだと一発で分かったので恐る恐る聞いてみると、やはりよくない知らせ、しかも想像をはるかに絶するものだった。
「のび太さんが、信者に誘拐されちゃったの。」
話の経緯はこうだ。
2人は信者に連れられて別エリアに移動した後、早速バトルをする事になった。
苦戦したが2人ともなんとか勝利を収めたのだが、のび太の相手は突然暴れだし、その後のび太を連れて何処かに飛びたって行ったのだという。
まさかのび太がまたもや誘拐されるとは、最悪の事態だ。

しばらくすると、そこにサファリパークの職員達も駆け寄ってきた。
僕たちは事務所に連れて行かれ、先程までの経緯を説明した。
一応、のび太が誘拐されたことは伏せておいた
特にセイジの死体については、説明するのが大変だった。
静香は先程死体に気付いていなかったので(というか、僕が見せないようにしていた)その話を聞いて驚いていた。
一通りの話を終えた後、僕は早速園長達職員一同に頭を下げた。
バトルの最中に園内の草木を焼き払い、ポケモンが住みづらい環境にしてしまった事だ。
だが園長からは意外な返答が帰ってきた。
「構わないよ・・・そんなな事、君たちが信者を追い払ってくれたことに比べれば大したことじゃないよ。
君たちのおかげで被害も少なかったしね。
どうせしばらく閉園にするつもりだから、その間にまた草も生えてくるさ。」
地面を焼き払った罪悪感が、園長の優しい言葉でいっきに軽くなった。
さらに彼は思わぬサプライズプレゼントを用意してくれた。
「これは君たちへのお礼の気持ちだ。
どちらもこの地方では捕まえることが出来ない貴重なポケモンなんだよ。
園長はそう言うと、僕にタマザラシ、静香にロゼリアを渡した。
波乗りが出来るポケモンを探していた僕にとっては、嬉しいサプライズとなった。
僕は何度も園長にお礼を言った後、やはり何度も頭を下げながら事務所を後にした。
740出木杉の未来大冒険 ◆dqVzDvT5pM :2007/03/27(火) 21:51:11 ID:???
     現在の状況
       セキチクシティ
    手持ち リザードンLV38、サーナイトLV36、ポリゴン2LV31、サンダースLV34、タマザラシLV28
    バッジ 5個

     出木杉メモ
  名前     手持ち
  のび太    ヤルキモノ、キノガッサ、ディグダ(クチバシティ時)
  ドラえもん  フシギソウ、ピジョン、ビリリダマ(タマムシシティ時)
  静香     ロゼリア、他不明(セキチクシティ時)
  ジャイアン  エビワラー、ニドキング(シオンタウン時)

投下終了です。
途中で投下が遅くなったのは、「文章が長すぎます」と「改行が多すぎます」に苦しめられていたから。
おかげで>>734がかなり短くなってしまった。>>735とあわせて1つのまとまりになっていたのに・・・

741名無しさん、君に決めた!:2007/03/27(火) 21:57:28 ID:???
乙、乙、だから乙だって!
742名無しさん、君に決めた!:2007/03/27(火) 22:05:44 ID:???
乙です
743名無しさん、君に決めた!:2007/03/27(火) 22:08:56 ID:???
正直、乙だろ
744名無しさん、君に決めた!:2007/03/27(火) 22:16:32 ID:???
乙ー
745ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/03/27(火) 22:36:37 ID:???
挑戦者氏、ドラAAモン氏、ルビー氏、出木杉未来氏乙

俺、もう少し投下頻度を上げることにした
746ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/03/27(火) 22:38:04 ID:???
肝心なこと言い忘れた、これから投下する
前のは>>595-605

747ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/03/27(火) 22:38:57 ID:???
予定より早く、ズイタウンに入ることができた。
のどかな町で空には、ムックルやポッポが飛び交っている。
途中大きな塔があり、上ってみようかと思ったが時間も無いのでやめた。
ズイタウンは寒い、シンオウ地方の中では暖かい土地だった。
のどかなズイの町を歩いていると、突然大柄な男が俺の前に立ちふさがった。

『お前がギンガ団だな……ぶっ殺してやる!!』

突然俺に殴りかかってきた、不意打ちだったため、腹に突きが命中し地面に体を打ち付けられた。
「な、なんだお前は!?」
「……そうか…俺みたいな奴のことは記憶にすらねぇのか
 ヒロトだ……お前らギンガ団にポケモン殺されたんだよ!ケンタロスあいつを殺してやれぇ!」
ケンタロスが突進してくる、リオルを出し、それに対抗した。
「そいつがお前のポケモンか……俺のピィと同じ目にあわせてやる!」

バトルは俺の圧勝だった。
ノーマルタイプと悪ライプの技しかないケンタロスは、格闘タイプのリオルにとって敵では無かった。
『くそぉぉぉぉぉぉぉぉお……なぜだ!なぜ勝てないんだぁ!?』
「お前のケンタロスがせめてLv29まで育ってたら勝てたかもな……」
ケンタロスはLv29になると、思念の頭突きを覚える。
「くそ…ギンガ団のくせに……ギンガ団のくせに……」
「そもそも俺はギンガ団では無い、なんなんだお前は?」
俺の方をジロジロと見てきた、すると突然立ち上がった。
「……どうやら俺はとんでも無い勘違いをしていたようだな
 俺がおごるからカフェやまごやにでも着いて来てくれ」
なにやら急にこの男……ヒロトはおとなしくなった、しかし先ほどのピィの話は気になる。
俺はヒロトと一緒に、カフェやまごやに行った。
748ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/03/27(火) 22:40:06 ID:???
「勝負のあとはおいしいモーモーミルクごっくんしてください」
俺とヒロトは、カフェやまごやに来ている
「突然すまないな……じゃあ早速だが俺の話を聞いてくれないか?」
ヒロトの話は昔……といっても数ヶ月前だが、ギンガ団に突然喧嘩を売られ、戦ったが敗北
そして手持ちのピィを奪われたが、弱いと言われ目の前で殺されたという話だった……
その話を聞き、目が熱くなってくる。
「俺もなるべく忘れようとはしてるんだがな、毎日墓参りに行っちまうんだよ……」

「俺から一つ質問がある、なぜ俺をギンガ団だと言ったんだ
 今日俺達は初めて会った、それに俺はどこからどう見てもギンガ団員には見えない」
「ああ、それがな……今日も墓参りに行ったんだがその時に
 "青い髪で青いリュック"を持った奴が、今日ここに来るそいつはギンガ団だと言われたんだ」
誰だそいつは?俺は人に恨み言を買った覚えは無いぞ……どんな奴だ?
「それがな……よく覚えていないんだ、それを聞いた瞬間怒りで何も分からなくなっちまった」
「分かった……俺もそろそろトバリシティに行きたいんだ、もういいか?」
「ああ……話を聞いてくれてありがとうな、
 俺がこんなんじゃいつまでもあいつは成仏できなぇなぁ……」

カフェやまごやを出て、ロストタワーに行きピィのお墓参りをした。
そして俺は再び歩き出す、トバリシティを目指して……
749ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/03/27(火) 22:40:53 ID:???
―――――某所某時刻
高層ビルの最上階のデスクには、一人の男が座っている。
そしてその前には三人の人間がいた。
左からギンガ団の幹部……マーズ、ジュピター、サターンである。
「そろそろ教えていただけませんか?なぜあの少年を倒せば………の………になれるかを」」
マーズがデスクに座っている男に尋ねる。
「………もうあいつがここの町に来るころか、そろそろ話しておくべきか」
幹部三人の間に緊張が走る

「そ、そうだったのですか!?」
「すまなかったな今まで隠していて、あいつは数年前に――」
幹部達はデスクに座っている男の話を、身動き一つとらず聞いていた
「ここに来たときは手厚く迎えてやれ……」
「「「……分かりました…アカギさま……」」」
三人の幹部は去っていった。

ナナシ
リオルLv27ゴルバットLv25ロトムLv24
750ギンガ ◆pXSMZkovvI :2007/03/27(火) 22:43:31 ID:???
投下終了
この話はいつか重要な話となる

前の投下も、今回の投下も
句点を増やしたつもりなんだが、まだ足りないかな?
751名無しさん、君に決めた!:2007/03/27(火) 22:55:24 ID:???

こんなかんじでいいよ
752 ◆xqjbtxNofI :2007/03/27(火) 22:59:56 ID:???
投下いたす
753ドラーモン作大長編 ◆xqjbtxNofI :2007/03/27(火) 23:01:21 ID:???
ポケモンリーグ、第2の間。

ジャイアンのボーマンダがアスナのバシャーモを威嚇し、脅えさせた。
「いくぜ、すてみタックル!」
ボーマンダの巨体が急降下し、自らが傷つくことも顧みずにバシャーモに襲いかかる。
その質量を体に受けたバシャーモがたまらず吹き飛ばされた。
「さすがにあの攻撃力は脅威ね……」
アスナの顔も曇るが、バシャーモをここで下げるわけにはいかない。
『ここはひとつ、タケシの知識の少なさを利用させてもらうわ』
出木杉様が言うには、タケシはスネ夫というブレインがいなければタダの粗暴な少年だということ。
腕をクロスさせ防御態勢をとるバシャーモに、ジャイアンはここぞとばかりに追い討ちをかける。
「よっしゃ、次はドラゴンクロー!」
捨て身タックルによる反動を嫌ったジャイアンがドラゴンクローを命令すると、ボーマンダはバシャーモにその爪を振るう。
「ビルドアップ!」
バシャーモは攻撃を受けながらも、自らの能力を上昇させてきた。
「そんな状態で今更どうするってんだよ!」
「今の攻撃で倒せなかった事、後悔するわよ」
追い詰められているにも関わらず、アスナの自信は揺るがない。
754ドラーモン作大長編 ◆xqjbtxNofI :2007/03/27(火) 23:03:05 ID:???
「何か企んでるんだろうが、コイツでおしまいだぁっ!」
ボーマンダが再びドラゴンクローで攻撃する。
「こらえなさい、バシャーモ!」
バシャーモは身構え、その爪を真っ向から受け止めた。
その迫力にジャイアンが思わず後ずさる。
「こ、こらえるかよ……バシャーモってそんな技使えるんだ……」
だが、自分の優位は変わらない。
そう思っていた。

「ヒッ……!」

ジャイアンは思わず声を上げる。
バシャーモの体から炎のオーラのようなものが吹き出しているのだ。
バシャーモが視界から消える。
「つじぎり!」
バシャーモの爪がボーマンダの背中にヒットし、その身を地に叩き伏せる。
一撃でかなりのダメージを受けてしまうボーマンダ。
「あり得ない、あんなダメージあり得ない……しかもスピードまで上回って……」
アスナがニヤリと笑う。
「あんたも最初に貰ったポケモン達の特性は覚えておくことね」
そう言われてジャイアンがハッとなる。
『そういや滅多にピンチにならないから忘れてたけど……』
確か、最初に貰える三匹はHPが減少すると強くなる特性があったはずだ。
「猛火……なのか」
755ドラーモン作大長編 ◆xqjbtxNofI :2007/03/27(火) 23:04:47 ID:???
「ボーマンダ、ねむるんだ!」
著しく奪われた体力を回復するため、ボーマンダは眠りにつく。
その様子を見て、アスナはほくそ笑んだ。
『やはりひとりではあの程度のようね、すっかりビクついている』
バシャーモの猛火は、炎タイプの技しか強化されない。
相手より素早くなったのはカムラの実の効果であり、猛火ではないのだ。
『つじぎりが急所にヒットして、すっかり誤解したってわけね』
辻斬りの急所ヒット率の高さに賭けたが、どうやら誤解を誘導する作戦は成功のようだ。
「ビルドアップ!」
バシャーモがさらに戦闘力を上げていく。
目を醒ましたボーマンダより先に、バシャーモが再び辻斬りを炸裂させた。
再び急所に直撃し、何も出来ずに戦闘不能にされるボーマンダ。
「そ、そんな……一撃で……」
「さて、次はどうするのかしら?」
ジャイアンはエースであるボーマンダを失い、すっかり動転してしまっている。

数日前━━

「スネ夫、お前のパーティーってチマチマした攻撃しかしないよな」
ジャイアンがバカにしたようにスネ夫を笑う。
だが、スネ夫は全く気にもせずに返した。
「ジャイアン、継続ダメージを馬鹿にするなよ」
756ドラーモン作大長編 ◆xqjbtxNofI :2007/03/27(火) 23:06:56 ID:???
「毒とか火傷とか食らっても、先に倒せばいいじゃん」
ジャイアンの軽率な考えに、スネ夫がやれやれと首をすくめる。
「まあジャイアンの持つアイツ、使ってみなよ。継続ダメージのありがたみがわかるからさ」
「そんな事ねえって」
ジャイアンはガハハと笑った。

そして舞台は戻る。

「相手HPは1。敵より先に、わずかでもダメージを……そうか、コイツで!」
ジャイアンは戦闘不能のボーマンダを収め、代わりに新たなポケモンを繰り出した。
「いけえっ、バンギラス!」
バンギラスの巨体が姿を現すとその周囲の砂が巻き上げられ、竜巻を形作る。
その砂嵐を身に受けたバシャーモは、ゆっくりと崩れ落ちた。
「やはりバンギラスを持っていたのね。以外と知恵が回る……」
バンギラスの特性、砂起こしによる砂嵐の継続ダメージは厄介だ。
だが……
「アンタがバンギラスを使うだろうことも、アタシはお見通しだよ!」
アスナは4体目となるポケモンを繰り出した。
「いけっ、グライガー!」
現れたのは意外な伏兵、グライガー。
「グライガー、だって?」
進化ポケモンでもないグライガーを出してくる意味が分からない。
757ドラーモン作大長編 ◆xqjbtxNofI :2007/03/27(火) 23:08:07 ID:???
「グライガー、かげぶんしん!」
グライガーの姿がぶれ、その回避率を上昇させる。
「一回積んだくらいで調子に乗るなよ、バンギラス!」
バンギラスのストーンエッジがグライガーに襲いかかるが、ただでさえ命中率の悪いストーンエッジは命中しない。
「くそっ!」
悔しがるジャイアンを冷静に見つめるアスナ。
『やはりグライガーの特性も知らないようね』
グライガーの特性、それは砂隠れ。
バンギラスの砂嵐を逆に利用したアスナの戦術なのだ。
バンギラスは次々と技をくりだすが、グライガーには当たらない。
たまに命中してもグライガーは羽休めで体力を回復してしまう。
「ど、どうなってんだ……」
ジャイアンは自分の攻撃が当たらない事に苛立ちを隠せない。
「影分身は限界まで積んだわ、次はつるぎのまい!」
次にグライガーは攻撃力を増強していく。
バンギラスはストーンエッジや逆鱗で攻めるが攻撃は当たらず、逆に混乱して自らの体力を削ってしまった。
「そろそろいいようね……」
限界まで攻撃と回避を上昇させたグライガーは、アスナの命令を受けてボールに戻ってしまった。
758ドラーモン作大長編 ◆xqjbtxNofI :2007/03/27(火) 23:09:24 ID:???
「せっかく積んだ補助効果を……意味がわかんねぇ」
ポケモンを戻してしまっては、補助効果はリセットされてしまう。
全てが無駄になってしまったのだ。
ジャイアンが首を傾げるが、理由はすぐに判明する。
「グラードン、バトンタッチを受けて出てきなさい!」

アスナがボールを投げると、満を辞して現れる伝説のポケモン。
グラードンはその巨大な身体をゆっくりと動かす。

「グラードン、じしんっ!」
アスナが叫ぶと、グラードンは自らの右足を思いっきり踏み込んだ。
衝撃波が発生し、バンギラスを激しい揺れが襲う。
そのダメージはジャイアンが予想するより遥かに高く、一撃でその体力を奪ってしまった。
「つ、強すぎるっ!!」
バトンタッチによる補助効果受け継ぎで攻撃力が限界まで上がっているのだ。
しかも、このグラードンは回避率も限界まで積まれている。
「これじゃ、弱点ないじゃんかよ……」
ジャイアンには目の前の赤い巨獣が絶望の壁に見えていた。
アスナが笑う。
「さあタケシ、次の生け贄を出しな……」
「くっ……」
759ドラーモン作大長編 ◆xqjbtxNofI :2007/03/27(火) 23:10:17 ID:???
ちと少なめだが投下終わり。
760名無しさん、君に決めた!:2007/03/27(火) 23:10:54 ID:???
べ、べつにあんたのために言うんじゃないんだからね!?

761名無しさん、君に決めた!:2007/03/27(火) 23:11:11 ID:???
激乙
762名無しさん、君に決めた!:2007/03/27(火) 23:11:45 ID:???

逆鱗の攻撃は相手に当たらない限りは混乱しないのだが
どうなんだろう
763名無しさん、君に決めた!:2007/03/27(火) 23:13:46 ID:???

あのスレの連載はどうなってる?
764名無しさん、君に決めた!:2007/03/27(火) 23:14:24 ID:???
>>バンギラスは次々と技をくりだすが、グライガーには当たらない。
>>たまに命中してもグライガーは羽休めで体力を回復してしまう。

ストーンエッジや逆鱗がたまに命中してるわけだからいいと思う
765名無しさん、君に決めた!:2007/03/27(火) 23:14:38 ID:???
たまに当たってるからいいんじゃない?
766名無しさん、君に決めた!:2007/03/27(火) 23:15:50 ID:???
>>764
ごめん、よく見てなかった
767ドラAAモン ◆0oe33Tyq22 :2007/03/27(火) 23:18:01 ID:???
たぶん人気投票最下位記念というわけで投下したかったわけだが、
容量が足りないな。
新スレ作るか?
768名無しさん、君に決めた!:2007/03/27(火) 23:18:02 ID:???
逆鱗は最初の一発が当たれば次が外れようと混乱するはず
769名無しさん、君に決めた!:2007/03/27(火) 23:20:11 ID:???
新スレ立てについては、バーボンスレにて立候補
770名無しさん、君に決めた!:2007/03/27(火) 23:20:51 ID:???
それにしてもドラーモン氏のバトルは毎回多彩だな
771名無しさん、君に決めた!:2007/03/27(火) 23:21:15 ID:???
>>768
うん、ガブリアス使ってるからよく分かる
ちゃんと小説も見ずに、質問してすまんかった
772名無しさん、君に決めた!:2007/03/27(火) 23:32:39 ID:???
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/poke/1175005806/

スレ誘導
後は埋めるなり何なりしてください
773名無しさん、君に決めた!:2007/03/27(火) 23:37:39 ID:???
         ___                _
       / ____ヽ           /  ̄   ̄ \
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   , ―-、 (6  _ー っ-´、}         q -´ 二 ヽ      |
   | -⊂) \ ヽ_  ̄ ̄ノノ          ノ_ ー  |     |
    | ̄ ̄|/ (_ ∧ ̄ / 、 \        \. ̄`  |      /
    ヽ  ` ,.|     ̄  |  |         O===== |
      `− ´ |       | _|        /          |
         |       (t  )       /    /      |
 「500kbゲットだぜ!」
                         「暇な奴だな」
774名無しさん、君に決めた!:2007/03/27(火) 23:38:56 ID:???
ごめんまだだった
反省してる
もうやらない
775 ◆0oe33Tyq22 :2007/03/27(火) 23:39:05 ID:???
         ___                _
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   , ―-、 (6  _ー っ-´、}         q -´ 二 ヽ      |
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    | ̄ ̄|/ (_ ∧ ̄ / 、 \        \. ̄`  |      /
    ヽ  ` ,.|     ̄  |  |         O===== |
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 「>>773どんまい」
                         「かといってこっちも取れる自信ないけどね」
776名無しさん、君に決めた!:2007/03/27(火) 23:40:03 ID:???
埋め
777名無しさん、君に決めた!
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   , ―-、 (6  _ー っ-´、}         q -´ 二 ヽ      |
   | -⊂) \ ヽ_  ̄ ̄ノノ          ノ_ ー  |     |
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    ヽ  ` ,.|     ̄  |  |         O===== |
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 「俺・・・この戦争が終わったら死ぬ」
                         「それはよかった」