【PSU】新ジャンル「パシリ」十四体目

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1名無しオンライン
合言葉は

  ( ゚д゚ )<倫理的におk      
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
  \/     /
     ̄ ̄ ̄
[ ´・ω・`]<創作能力がしょぼいんだけど投下していいの?
( ゚д゚)<倫理的におk 尋ねる暇があったら投下マジオヌヌメ

[ ´・ω・`]<凄く長くなったんだけどどうすればいい? あとパシリ関係ないのは?
( ゚д゚)<空気嫁ば倫理的におk 分割するなりうpろだに上げるなりするんだ

[*´・ω・`]<エロネタなんだけど…
( ゚д゚)<ライトエロなら倫理的におk あまりにエロエロならエロパロスレもあるよ
ファンタシースターユニバースのエロパロ 2周目
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1173107109/l50

[ ´;ω;`]<叩かれちゃった…
( ゚д゚)<叩きも批評の一つ。それを受け止めるかどうかはおまいの自由だ
m9(゚д゚)<でもお門違いの叩き・批評はスルーマジオヌヌメ するほうもそこを考えよう

[ ´・ω・`]<投稿する際に気をつけることは?
( ゚д゚)<複数レスに渡る量を書きながら投稿するのはオヌヌメできない。まずはメモ帳などで書こう。
m9(゚д゚)<あとは誤字脱字のチェックはできればしておいたほうがいいぞ

[ ´・ω・`]<過去の住人の作品を読みたいんだけど
( ゚д゚)<まとめサイトあるよ ttp://www.geocities.co.jp/nejitu3pachiri/
保管庫Wiki ttp://www21.atwiki.jp/nejitu3pachiri/

( ゚д゚)<前スレ
【PSU】新ジャンル 「パシリ」十三体目
http://live25.2ch.net/test/read.cgi/ogame3/1185435885/l50#tag408
( ゚д゚)<次スレは容量が470kを超えるか、>>800を超えた辺りから警戒しつつ立てよう。
2名無しオンライン:2007/09/29(土) 03:00:41.76 ID:YEl4F65y
2get
3名無しオンライン:2007/09/29(土) 03:04:26.86 ID:IqQYY7lL
もう1年経過してるのに未だ「新ジャンル」な件について
4名無しオンライン:2007/09/29(土) 03:06:54.79 ID:UNpyJYkT
【PSU】おなじみ「パシリ」**体目 とかになるのかw

あと1乙
5名無しオンライン:2007/09/29(土) 03:07:33.44 ID:xGMTcrjw
>>1、乙

>>3
 そういえばそうだが、何を今更だw
 いつでも新鮮、それがパシリスレ。

あ゛〜、本日分投下しようと思ってたら、寝入っちゃった。
早速、「来るべき未来の為に」投下開始。
ご拝読下さいませ。
6来るべき未来の為に(77):2007/09/29(土) 03:09:03.38 ID:xGMTcrjw
 その日は、珍しく夢を見ました。
 夢と言っても、普段の生活を圧縮したような内容です。
 夢の中で父様にお休みを言って、夢の中でも私は寝ています。
 ところが、私の意思とは関係なく躯体が起き出し、パジャマから見たことも無い服に着替え始めます。
 その後、いつも使っている化粧セットを取り出して使い始めました。
 何やってるんだろ、私。
 化粧セットが入っている箱には鏡がついていて、それで確認しながら化粧しているのですが、鏡が映した私の目は赤い色じゃなくて、明るめの琥珀色。
 ファンデーションを薄く塗り、私が持っているはずの無い色の口紅をつけます。
 それが終わると、父様の部屋に向かって行きます。
 床に座って武器の手入れをしている父様。視界に入った時計が午前2時を指しています。
「どうした、寝付けないのか?」
 こちらも見ずにそう言う父様。
『遅くまで熱心ね、あなた』
 こ、この声って…
「!、なんだ、お前か。驚かすなよ」
 一瞬、驚いて振り返ったものの、ほっとした様子で再び手入れを始める父様。
『ごめんなさい、あなた。
 今日はロザリィも疲れていて、睡眠レベルが深いから、何とか動けます』
 やっぱり、母様だ。
 どうも、これが初めてじゃないみたい。
「『死者は生者に干渉するべきではない』と言っていたのに、娘の事はやっぱり心配か?」
 からかうような口調の父様。
『子を心配しない親なんて、親ではありません』
 軽く怒った調子で、ぷいと横をむく視界。
7来るべき未来の為に(78):2007/09/29(土) 03:09:39.13 ID:xGMTcrjw
「そう腹をたてるな。それは俺も同じ意見だ。
 で、話があるんだろう?」
『ええ、ちょっとあなたには言いにくいのですけど、話さないといけない事が』
 視線が戻り、父様をまっすぐ見据えます。
「あまり口にしたくない内容のようだな?」
『そう言わないで下さい。私も気が重いんです』
 無言で先を促す父様に、ゆっくりとママが話し始めます。
『ロザリィはあなたに恋しています。近いうちにあなたを男として求め、抱いて欲しいと願うでしょう。
 これはほぼ確実です』
「……勘弁してくれ、全く」
 そう言って、天井を仰ぎ見る父様。
「俺に恋してる?抱いて欲しい?
 俺の『父親』としての立場はどうなるんだよ」
 武器の手入れを終え、汚れた手で頭をかきむしる父様の肩に、そっと手をかける。
『あなたの性格は、私も良く知ってます。でも、今度のお願いだけは、あなたの信念を曲げてでも叶えてあげて』
 私、いえ、母様に向き直る父様。
「ローザ、それは倫理的に問題があるぞ」
『ロザリィは血も繋がっていないし、しかもPMです。倫理的に問題はありません。
 あの子との関係に問題が生じ、あなたの心にしこりとなって残る事まで解決しないのは、わたしも理解してます。
 でも、あの子にはあなたしかいません。
 存在の全てを受け入れてくれる、たった一人の愛する人なのですから』
8来るべき未来の為に(79):2007/09/29(土) 03:10:25.49 ID:xGMTcrjw
 その言葉に唸りながら、押し殺した声で話す父様。
「ローザ、お前はそれでいいのか?血の繋がりは無くても、夫が『娘』と決めた存在が、夫である俺に『女』として抱かれる事態を許せるのか?妻として」
『…わたしはロザリィに、あなたと共に人生を過ごしてもらって、わたしの分まで幸せになってもらいたい。その為になら、私は許します』
「ローザ…」
『わたしはあの子に、自分が果たせなかった願いを、代わりに果たしてもらいたい。その可能性を秘めているのだから』
 驚愕の表情で固まる父様。
「『願い』って、まさか…受胎機能が、あるのか?
 あいつは…あいつは量産機だぞ?!カスタムモデルじゃないんだ!
 千体ほど試験導入されたのは知っているが、それは15年前の話だ!しかも、確実性に乏しくて危険性も高い、という事から、今じゃ導入する奴は変態扱いの代物だぞ!」
 何かに気がついたのか、怒気をはらんだ表情になる父様。
「まさか、再誕時に干渉したのか!お前は!」
『はい。わたしの遺伝情報を元に、ヒューマンに近いタイプの、機能障害の無い健康な状態の子宮ユニット情報を設計・入力しました。
 あの子の躯体が、一定年数の経過、又は、何らかの要因でヒトの成人女性の平均身長に近づいた時、正常に機能が活動するように設定されています』
「何故、そんなことを…」
 それだけを、喉の奥から搾り出すように呟く父様。
『それが、あなたとあの子に残せる、本当に最後の贈り物だから』
 父様の顔から怒気が消えます。
『わたしとしては、あの子とあなたが結ばれて欲しいけど、例えそうならなかったとしても、わたしはあの子に、命を作り出せる『母』になってもらいたい』
「…………俺以上の親バカだよ、お前は」
 しんみりとした表情をかすかに浮かべた父様。
 ノイズが走り、世界が一瞬ぶれるような感覚。
9来るべき未来の為に(80):2007/09/29(土) 03:10:57.74 ID:xGMTcrjw
『あなたとこうして話せるのは今日が最後でしょう。
 ここにいるわたしは昔日の思い出、もうあなたの心を縛り付ける存在ではありません。
 だから、今まで私に向けていてくれた『愛する心』をロザリィに向けてあげて下さい。
 わたしに注げなかった分のその心を、あの子に注いであげて』
「本当にそれでいいんだな?」
『はい』
「………分かった。俺なりのやり方になるが、それだけは勘弁してくれ」
 それ以上は何も言わず、わずかな間だけそっと抱き合う感触。
『今までロザリィに黙っててくれてありがとう。またね、あなた。いつか再び出会う、その時まで』
 部屋を飛び出し、私の部屋に移動する視界。
 心は乱れ、思慕と別れのつらさが胸を満たします。

「さよなら、あなた…え?あ、夢…」
 私は、自分の寝言に目を覚ましました。
 頬には流れ落ちる涙、目の前には、腕を私の枕にしてくれている、父様の寝ている姿。
 父様から匂う、まだ強く残るボディソープの香りが、二度目の入浴から大して時間が立ていないことを教えてくれます。
 父様を起こさないようにそっと起き出し、自分の部屋にある化粧セットの箱を確認します。
 使ったことの無い隠し引き出しを開けると、夢で見た口紅があります。
 部屋を探すと、小さな収納の奥に、隠すようにしまわれている、夢で見た服がちゃんとありました。
「…………、母様、ずるいよ、自分の想いまで全部私に押し付けて逝っちゃうなんて………でも、ありがとう。ずっと見守っててくれて」
 服を抱きしめて顔を埋めると、服に残った自分の匂いに一瞬だけ、ありもしない母様の匂いを感じた気がしました。

 パサリ…

 ?、なんだろ。手紙?
 服の中から落ちたのは、封筒です。
 宛名には「親愛なる我が娘へ」、差出人は「心の母より」と書かれています。
 母様からの手紙…
 しっかり封が成されていたので、ちぎって開封します。
10名無しオンライン:2007/09/29(土) 03:13:24.88 ID:xGMTcrjw
だーっ!!!投下ミス!!!

上のレス、やり直し!次が正解!!
11名無しオンライン:2007/09/29(土) 03:20:11.94 ID:xGMTcrjw
…大丈夫だった…寝起き直後で勘違いしたらしい…orz

改めて(81)から投下です。
12来るべき未来の為に(81):2007/09/29(土) 03:20:59.19 ID:xGMTcrjw
「親愛なる我が娘、ロザリオ・ブリジェシーへ

 この手紙を何時見つけ、読むかは分かりませんが、あなたが元気にやっている事を願います。
 こんな形であなたに秘密を打ち明けなければならないのは残念ですが、最後まで読んでください。
 わたしは、あなたの中にデータとして転送されてから、時折、あなたの意識が無いときに身体を使用していました。
 勝手な事だとは思いましたが、あなたの住む現代の環境、世界情勢などの情報を収集するためです。
 集めた情報は、わたしが空き領域で処理して、わたしのデータと併せて少しずつあなたのデータベースに蓄積していきました。
 メタモルフォーゼ時の事故によって、失ったり欠けてしまっていた情報は、これでかなり復元されているはずです。
 そして、最後の情報は、あなたが愛する人と想いを遂げる時にだけという起動条件を設定して、わたしの意識と共に封印してあります。
 封印が解かれれば、わたしの意識は最後の役目を果たし、消え去ります。
 それがいつかは分かりませんが、その時が来る事を切に願っています。
 それから、あなたがわたしの夫であり、あなたのパパである、あの人に恋をしていることをわたしは知っています。
 もし、その想いが変わらないようであるならば、わたしの切なる願いを叶えて下さい。
 わたしはあの人に、血の繋がった子供を抱かせてあげたいのです。
 あなたの体内に、わたしの遺伝情報を元に、ヒューマンに近いタイプの、機能障害の無い健康な状態の子宮ユニット情報を設計・入力しました。
 ユニットも卵細胞も、あなたの人工細胞をベースに精製するように調整してあるので、その点は心配しないで下さい。
 あなたが再誕した事で、既に体内に基本機構が出来上がっているはずです。
 このユニットは、あなたが一定年数を経過するか、その躯体サイズがヒトの成人女性に近くならなければ完成されないように、安全装置としてロックがかけてあります。
 万が一、それ以前に関係を持ったとしても、子を生す事は出来ません。
 これはわたしの我儘です。
 もし、重荷に感じるならば、子宮ユニットを摘出してしまってもかまいません。それはそれで仕方の無いことです。
 ですが、あなたの想いがあの人から他の人に替わったとしても、私はあなたに『母』になってもらいたい。
 たとえ、その身に宿した命が、あの人の子供でなかったとしても。
 そのユニットが、わたしからの、本当に最後の贈り物です。
 マシナリーやヒューマンなどという区分ではなく、『女』としてのあなたに贈れる最後の物です。
 叶うことなら、あの人と末永く、わたしの分まで、夫婦として幸せに暮らして下さい。

 あなたとあの人に末永く星霊のご加護があらんことを。

 心の母、ローザ・トラッケン・フリューゲルより」
13来るべき未来の為に(82):2007/09/29(土) 03:21:50.86 ID:xGMTcrjw

 読み終えた私の表情は、不思議と苦笑いが浮かんでいました。
 死んでも心配性な母様よね。今でもこんなに父様のこと心配して、愛していたんだ。
 それに、私のことも。
 やっぱり、かなわないなぁ。
 そして、私に心残りである、その想いの全てを託した。普通、そこまで出来ません。
 私はとっくに覚悟を決めています。
 見守っててください、母様。絶対に父様、ううん、あの人に、私との子供を抱かせてあげるから。
 女の子だったら、名前は絶対『ローザ』ってつけちゃいますからね。

 手紙を私専用のナノトランサーに仕舞い、父様の寝ているベッドに戻ります。
 再び腕枕に頭を乗せて眠ろうとすると、父様が寝返りを打って、私を抱きしめました。
「…父様?」
 そっと声をかけましたが、どうやら眠っているようです。
 顔を覗き込むと、今まで見てきた寝顔とは違って、完全にリラックスした表情です。
 まるで、安心しきって眠る、子供のようです。
 少しだけ笑みを浮かべて、私の愛称を呟きます。
 一体どんな夢を見てるんだろう?なんだかとっても楽しそうです。
 父様のぬくもりが気持ちよく、自然に身体を摺り寄せます。
 すると、すぐに私も眠くなってきたので、目を閉じます。
 また、夢が見れるかなぁ。
 見れたのなら、夢の中でも、父様と一緒がいいなぁ…

 ―――つづく―――
14来るべき未来の為に(82):2007/09/29(土) 03:28:36.69 ID:xGMTcrjw
投下完了です。

日もスレも跨いだ上に、眠くてミスった…


第11話まで:【PSU】新ジャンル「パシリ」十四体目、をご覧下さい
         http://live25.2ch.net/test/read.cgi/ogame3/1185435885/
         第1話:>>244-249

第12話:>>6-9>>12-13
15名無しオンライン:2007/09/29(土) 03:31:53.49 ID:xGMTcrjw
投下完了なのに、ハンドル消すのまで忘れてた。もうgdgd………orz
16名無しオンライン:2007/09/29(土) 03:53:21.51 ID:SC42L7Sw
>>14
さらに追い討ちをかけると11話までは十三体目のような…w

前スレで話題に出てた擬似ワンオブサウザンドが今回投下するネタと似てて少し吹いた
このスレの影響力はやっぱり凄まじいんだな、、w

とある男の参入によりいつものノリに戻ってしまったΣ(´∀`;)
とんでもない設定とめちゃくちゃな展開という目もあてられない状況になってきて、外伝でよかったと心底思った…
17青キャス子外伝その5:2007/09/29(土) 03:56:06.47 ID:SC42L7Sw
???「おっと、そこまでだぜお嬢ちゃん?」
 キィィイン! 0044の目の前にスピアナタックが突き刺さる
0044「誰だ!?」
???「貴様に名乗る名前など無い!とぅっ!」
 先程投げたスピアナタックを手に取り0044に突きつける
???「情け無用の男 俺、参上!」
青キャス子「お、お前は ワルキャスじゃないか!」
ワルキャス「よぉー青キャス子、久しぶりだなぁオイ しかしまぁボッコボコにされてるな プププ」
青キャス子「ちょっと油断してただけだ、笑うなΣ(゜д゜|||)」
ワルキャス「これを使え青キャス子、ヤツの弱点だ」
青キャス子「こ、これが?というか何で弱点を知ってるんだ」
ワルキャス「話は後だ、まずはアイツを片付けるぞ!」 青キャス子「アイヨ」
 青キャス子はギガッシュを構え、0044めがけて真っ直ぐに突進する
0044「さっきと同じ戦法か、進歩がないな!」 ガコン、ドンドンドン!
 肘関節のライフルが火を噴く! が、半身をひねり懐へと潜り込む
青キャス子「言ッタロ、ちょっと油断してただけだと! いくぞ!牙突・零式!!」 0044「うっ、ぐ」
 その場で体を一回転させ、強烈な突きを繰り出す
ワルキャス「後ろががら空きだぜっ! 喰らいやがれ 砂ぁ!」 0044「ぶっ」
 ワルキャスのすなかけこうげき! こうかはばつぐんだ!
青キャス子「まだまだぁ! 砂ぁ!」 0044「や、やめっ!」
 青キャス子のすなかけこうげき! こうかはばつぐんだ!
ワルキャス&青キャス子「砂、砂、砂、砂、砂、砂、砂、砂、砂ぁぁあああああ!!」 0044「アッー!」
 大のキャストが二人がかりでばっさばっさと砂をぶっかけまくる
0044「お、おのれ、体が動かない…」 ギシ…ギシッ、
青キャス子「これは面白いナ しかしなんで砂なんかで」ツンツン(つ´∀`)つ 0044「や、やめんかバカ者!」
ワルキャス「全身に兵器を仕込んだ結果、どうしても繋ぎ目が粗くなっちまって 砂とか細かい物が」
     「入り込むと挟まったりつまったりして動けなくなるのさ」
青キャス子「ホホウ、詳しいな 何でそんな事知ってるんだ?」
ワルキャス「黒い紙団って知ってるか?」 0044「!!」 青キャス子「ム、何だそれは?」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 黒い紙団、別名「死の商人」規格外な武器や違法な兵器等の密売を主に様々な商品を扱っている組織
 だが最近になってとある問題が発生した、誰もが一度は耳にしたことがあるであろう
 「ワンオブサウザンド」の存在のせいでどの軍隊、企業もPMの研究に力を入れてしまい
 武器や兵器がまったく売れなくなってしまった、千体に一体という確率で生まれてくる異能体のPM
 製造段階での判別は極めて困難であり 成体になってから覚醒するというケースが多い
 たった一体の小さなPMが大型の戦艦と同等かそれ以上のを力を持つという
 そうなるともはや普通の武器や兵器は玩具のような物、必然的にどの企業も人為的に
 ワンオブサウザンドを作り出せないか、と考えるのが普通 しかしワンオブサウザンドの殆どは
 ガーディアンズが所有しておりサンプルが手に入らず、どこの企業も頭をかかえている
18青キャス子外伝その6:2007/09/29(土) 03:58:28.51 ID:SC42L7Sw
 もはや今までの武器や兵器では商売にならない そこで黒い紙団がとった行動、それは…

 「パートナーマシナリーの改造」

 まずPM入手することから始まる なるべく足がつかないようにはぐれPMや
 廃棄されたPM(原形をとどめている)を重点に5体のPMが選ばれた
 改造を施し、記憶をロックしゼロゼロナンバーズと名づけられた彼女たちは
 様々な実験を繰り返し 最終調整に入ったところで事件はおきた
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ダメだ!ゼロゼロナンバーズの使用を許可する、これ以上暴れられるのはマズイ!」
 ゴゴゴゴ…プシュー
「ターゲット確認…ゼロゼロナンバーズ攻撃を開始します」
「ワタシを呼んだのはアナタ達…?」
「何ワケのわからない事を言っ…!?」
 …因子散布、侵食開始……システム…EHRコード…-01ML起動…
 GH4X0シンクロシステム検地…接続完了…制圧開始……制圧完了
「!? 何をやっているゼロゼロナンバーズ!早く侵入者を排除するんだ!」
 …PMメインシステムにアクセス…セキリュティシステム08カラ…15マデ制圧…メモリーロック解除
「サァ、ワタシと一緒にイキマショウ…?」 「…ハイ」
「待て!どこへ行くんだゼロゼロナンバーズ!、ハァハァ…ぐっ やケに苦し、イナ…ウッガァアアアァ…!」
 男の体の半分が異形な姿へと変貌していく!
「なっ、SEEDフォーム!? うわぁぁああ!!」 「ヒィィ、助けてくれぇえ!」
「アラ…?マシナリーだけ侵食するつもりだったのダケド…やりすぎてシマッタワ…」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ワルキャス「何者かに黒の紙団のPM研究所を襲われ、5体のゼロゼロナンバーズを奪われてしまったんだ」
     「俺はそのゼロゼロナンバーズの回収を依頼されてここまで来たってワケよ!」
青キャス子「ナルホド、この前出会った420もゼロゼロナンバーズの一人だったのかどうりで強いわけだ…」
ワルキャス「まぁとにかくようやく一体目を回収できそうだぁああああっちゃあああアアアア!!」
 突如地面からマグマのようなものが噴出しモロにワルキャスに直撃する
青キャス子「ぬぉっΣ(゜д゜|||)だ、大丈夫かワルキャスー! 411、441二人とも起きろ」
     「火を消すの手伝ってくれ!」 411「んん…え?あ、はい、って火だるま!?」
 先ほどマグマが噴出した穴から450が顔を出す
0045「アラアラ、苦戦していますね0044」
0044「0045!スマン、助かった」
0045「少し手伝ってほしいのですよ、最後のプロテクトがなかなか破れなくて困っています」
0044「む、了解した…がここの守りをあけるわけには」
0045「心配ご無用、応援を呼んであります」
0044「アイツらか!それならば安心だ」
 奥の部屋と消えていく0044と0045、その後すぐ入れ違いに410と430らしきPMが現れた
19青キャス子外伝その7:2007/09/29(土) 04:00:00.21 ID:SC42L7Sw
 410の方は足が無く宙に浮いている、430の方は腕が無く目が開いていなかった
0043「まさか再びこうして光ある世界に戻ってこれるとは思いませんでしたね…」
0041「あー?オメー目見えてないじゃないか 光とかワカルのかよ」
0043「目は開いてませんが、常に衛星とアクセスしているので何でも見えますよ」
   「あなたは今、赤と白の縞模様のパンツをはいていますね、足が無いのに気合いれすぎですよ」
0041「な、なななななんだよ!足なんて飾りなんだよっ!人の趣味バカにすんなっっ!;;」
青キャス子「生きてるか?ワルキャス」
ワルキャス「ナ、ナントカ…危うく燃え尽きるとこだったぜ、真っ白に」
0041「おっ、あいつらが侵入者か0044がやられるぐらいだから結構強いんだろうなー」
   「0043、ちょっと俺一人でやらせてくれよーいいだろー?」
0043「ええ、それはかまいませんよ」 0041「よっしゃー!」
青キャス子「ま、待て!一体君らは何が目的なんだ それに奥に何があるというんだ」
ワルキャス「む、俺もゼロゼロナンバーズを追ってきただけでここに何があるのかは知らないな」
0043「いいでしょう話してさしあげます、我々の目的それは『惑星パルム』改め『惑星パシリ』を作る事!」
青キャス子&ワルキャス「ナ、ナンダッテー!」
0043「ここの研究所の装置を使い、我々のボスのもっているD因子というウイルスを圧縮、濃度を高め」
   「この惑星パルム全域に高濃度D因子を射出する、というわけです」
青キャス子「そのD因子とやらを射出するとドウナルンダ?」
0043「有機物、無機物、生物問わず侵食し融合、進化をしようとします つまりSEED化ですね」
   「そして一度D因子に侵食された個体は意のままに操ることができる、それが我々のボスの能力」
ワルキャス「おいおい…いきなりヤベェ展開になってきたんじゃないの?」
青キャス子「惑星パシリ…非常にそそられる話だが、SEEDと聞いては黙ってられんな」
0043「お前達が我々にした仕打ちに比べればかわいいものではないですか…」
0041「そーいうこと、邪魔はさせないぜ!いくぞ ファンネル!」
 0041からシャドーグが射出される、その数10機!あっという間に囲まれる青キャス子達
青キャス子「い、いかん!一ヶ所に固まるな、全員散れっ!」 411「うわっ、うわーー!Σ(゜д゜|||)」
 シャドーグによる全方位攻撃に加え、0041も空中からデスダンサーで斬りかかる
0041「おらおらー!どうしたー!まだまだいくぞー!」
441「くっ、あっちを攻撃したらこっちから、こっちを攻撃したらあっちから…狙いをつけられません」
青キャス子「こ、の、調子にのるなよ!」
 0041めがけて無理やりスピニングブレイクを放つ、が上空に逃げられてしまう
0041「へへーん、ここまで来れるもんならきてみやがれー ベロベロー」
青キャス子「あ、あんの野郎… ぐふぉおあ!」
 数機のシャドーグに囲まれ一斉射撃をうける青キャス子
青キャス子「ぐぐ…マズイナ、どうにもならんのか」
ワルキャス「何とかできんこともないんだが…青キャス子、ヤツの注意をひきつけられるか?」
青キャス子「何か考えがあるのか!よしワカッタ、0041の方は任せておけ」 ワルキャス「頼むぜ!」
20青キャス子外伝その8:2007/09/29(土) 04:01:25.17 ID:SC42L7Sw
青キャス子「411、441しばらく私の体を守ってくれ」 411「了解しましたっ!」
 上空にいる0041を見上げる青キャス子
青キャス子「フッ、たしかに赤と白の縞模様だな よきかな…」
0041「なっ!おまっ、何のぞいてやがんだ!」
青キャス子「空を飛べるのが自分だけだと思うなよ!オープンゲット!」
 バシューン!青キャス子の頭部が0041めがけて勢いよく飛んでいく ズポッ
0041「ぎゃあああああああ!どこ入ってんだテメェー! アッー! 中で動くなバカやろっ!」
 青キャス子の頭部は見事0041のスカートの中へと突っ込んでいた
青キャス子「フハハハハ!逃がしはせんぞ!」
0041「うおおお、こっちくんなぁああああ!」
 首だけの青キャス子が猛スピードで0041追いかけまわす
0041「って、首だけじゃ何もできないんじゃねぇかぁあああああ!」
青キャス子「ぬぉおおおおお!ばれたぁああああああああ!」
 今度は逆に青キャス子を追いかけまわす0041
0041「ちょこまかと逃げやがって、ファンネル!…ってあれ?」
ワルキャス「お前のシャドーグは全部捕まえさせてもらったぜ!」
 ネバネバとしたものが敷いてある犬小屋のようなもの中でシャドーグがネバネバしている
0041「あ、あれはシャドーグホイホイ!くっそー!○| ̄|_」
ワルキャス「こうなりゃアイツはただの空飛ぶ410だ叩くなら今だ!」
青キャス子「しかし、攻撃が届かんな…仕方ないアレを使う、411!」 411「はい?」
 懐からダイナマイ・トラップXを取り出し411の背中にはりつける
青キャス子「一投必殺!パシリ爆弾んんんんんぁ!」 411「ぎゃああああああ!」
 ガシィ!0041めがけて投げ飛ばされた411は何とか0041にしがみつく
0041「なっ、離しやがれ!」 411「離さっ!、落ちっ!背中っ!とってぇえええええ!」
 ピポ、ドッガァアアアアアアアアアン! 0041&411「アッー!」
青キャス子「勝った…」 ヒュルルルルル…ビターン 0041「そんなのアリかよ…(ガクッ」 411「キュゥ…」
ワルキャス「これはひどい」 441「いつもの事ですけどね」
0043「PMに爆弾をつけて投げつけるなんて…PMを何だと思ってるんですかあなたは!」
青キャス子「心から信じられる相棒、さ 411なら大丈夫だ、なぁ411?」
411「ゲホッゲホ、でもこの技はヤッパリ慣れませんよぉ」
 何事もなかったように立ち上がる411
ワルキャス「な、なんという生命力 ほんとに大丈夫なのかよ」
0043「信じられない…まさかあなたは いえ、考えすぎですね…」
青キャス子「さぁ、あとはお前さんだけだナ」
21青キャス子外伝その9:2007/09/29(土) 04:02:13.25 ID:SC42L7Sw
0043「少し驚きましたが私もひくわけにもまいりません、最初から本気でいかせてもらいましょう」
青キャス子「腕が無いとは難儀な体だな、だが手加減はシナイゾ!」
0043「たしかに両腕はありませんが、甘く見てると痛い目を見ますよ? 転送、ラファールアタッカー!」
 ギューン、0043の目の前にSUVウェポンが転送される
青キャス子「ム、SUVウェポンか!」 ワルキャス「俺がいることを忘れてもらっちゃ困るぜ、後ろとったぁあ!」
0043「転送、グロームアタッカー!」 青キャス子&ワルキャス「ちょΣ(゜д゜|||)」
 ギューン、グワッ!ガガガガガガガガガガ! ゴォオオオオオオ!
 2対のSUVウェポンが同時に火をふく とっさに物陰に隠れる二人
青キャス子「何一緒に驚いてんだ!お前は知ってたんだろ!?」
ワルキャス「SUVウェポンを使うとは聞いてたが同時に2つも使うなんて聞いてねぇよ!」
0043「私の目は衛星と繋がっています、したがってどこに隠れても丸見えですね 転送、シュトルムアタッカー!」
 ギューン、ズドムズドムズドズドズドズド! 爆風とともに吹き飛ばされる二人
青キャス子「ウググ、これじゃまったく近づけないじゃないか」
ワルキャス「なんとか接近できりゃいいんだが…って俺達キャストじゃないか!」
青キャス子「そうか!よし、我々が真正面からいく 411、441お前達は回り込むんだ」
411「了解しましたー!」 441「了解」
青キャス子「いくぞ、ワルキャス!」 ワルキャス「オウ!」
     「転送、ヘーゲルアタッカー!」   「転送、ブリッツアタッカー!」
0043「なるほど、目には目を SUVにはSUVですか!」
青キャス子「撃てぇっ!撃ち続けろっ!」 ワルキャス「銃身が焼けつくまで撃ち続けてやらぁ!」
0043「くっ、なかなかやるようですね はっ!?」
 左右から411と441がギガッシュとパルチザンを持ち 挟みこむように突撃する
411「てやーっ!」 441「覚悟!」
0043「しまった!…とでも言うと思いましたか? 転送、メテオアタッカー!」
 ギューン、巨大な豪腕が転送され411と441をはねのけ両手で一人ずつ捕まえる
411「う、ぁ…あぁあ!」 441「しま…っ…!」 ミシミシ…
0043「動くとこのお二人握り潰してしまいますよ? とどめといきましょうか!転送、ギガス・エスパダ!」
青キャス子「ぐっ、ここまでか…」 …シーン 0043の掛け声が響いただけで何も起こらない
0043「SUVウェポンが転送されない!?」
 メテオアタッカー、グロームアタッカー、ラファールアタッカーも消えていく
???「危ないところだったなぁ、ぎりぎり間に合ったみてぇだな!」
ワルキャス「ワルパシリ!お前このやろう、おせぇんだよ!ったくよ だがGJw」
青キャス子「一体何がどうなってんだ?」
ワルパシリ「ワルキャスに頼まれてな、ルウのとこいって一時的にSUVウェポン転送をロックしてもらったんだよ」
     「許可をとるのに中々苦労したんだぜぇー?」
青キャス子「そうだったのか!いや、助かったよ」
ワルパシリ「いいってことよ!さて、あいつが例のPMだな?ここはいっちょ私にまかせな!」
 デスダンサーを取り出し勢いよく0043に向かっていく
0043「…降参です」 ワルパシリ「へっ?」 ペタリとその場に座り込む0043
   「SUVの使えない私など腕もないただの人形ですから、私の負けです」
ワルパシリ「なんだよー!私だけ見せ場無しかよー(´Д⊂チクショー」
ワルキャス「ぎゃははは!まぁ何にせよこれでようやく先に進めるな」
青キャス子「あぁ、行こう 何としてもウイルスの射出を阻止せねばえらい事になるぞ!」
22名無しオンライン:2007/09/29(土) 04:06:10.21 ID:SC42L7Sw
投下完了、ってアッー!補足入れ忘れた >>17は前スレ198からの続きです、、
以前許可をいただいたワルキャス氏のキャラをお借りしました、
けどワルパシリの自分の呼び方俺だったような…投下してから気がついた○| ̄|_
23名無しオンライン:2007/09/29(土) 04:19:55.74 ID:xGMTcrjw
深夜帯は、みんな眠くてgdgdwケケケ(眠くて壊れかけな俺)

>>16-22
 突っ込みサンキュ。マジで気づいてなかった。
 それはさておき。
 やっぱ、青キャス子氏の作品は、何度読んでも楽しいわw
 しかし、黒の紙団って、最初何かと思ったw懐かしいネ、PSO歴長い人にとっちゃさ。
24名無しオンライン:2007/09/29(土) 06:11:38.79 ID:AYQ6pGu6
薄闇の中、二つの足音がゆっくりと通路を進んでいく。
一つは荒々しいが後ろをついてくる足音を決して引き離されぬように。
もう一つは華奢で頼りなく、前を歩く者に決して引き離されぬように。
凸凹だが、妙に息の合った二つの足音は目的の場所へと進んでいく。
時刻はもうじき深夜をまわるころだろうか、辺りは足元を照らす非常灯の光だけで怪しげな雰囲気を醸し出している。

目的の場所についたのか、荒々しい足音がぴたりと止まる。
直後、小さな悲鳴とともに鈍い音があたりに響き渡る。

440「急に止まるな・・・おっさん」
中年ヒュマ「随分な口のきき方だなぁオイ。そういうときは「急に止まらないで頂けませんか?おじ様」だろ?」

ドスッ

中年ヒュマ「おふっ!」
440「ふざけてる場合か!仕事中だろ、まったく・・・」

440の放った拳が右脇腹にクリーンヒットし、悶絶する中年ヒュマ。

中年ヒュマ「わ、わかった・・・頼むから脇腹は勘弁してくれ・・・」

脇腹をさする中年ヒュマ。それをじっとりとした視線で睨みつける410。

中年ヒュマ「ここが近隣の住民から通報のあった部屋か・・・なになに、「毎日毎日深夜0時になると隣から銃声が聞こえてきて1時間は鳴りやまない。物騒で気味が悪いので調べてくれ」だと?
そんなん自分で注意すりゃいいだけなんだがなぁ・・・。それにこんなのはガーディアンズの仕事だろうに・・・」
440「文句言うなら署長の前で言えばいいだろ・・・」
中年ヒュマ「やめてくれ、そんなことしたらまた俺はあの掃き溜めみたいな部署のデスクワークに戻らなきゃいけなくなる。そんなんはゴメンだ」
440「そろそろ銃声の鳴る0時だぞ」
中年ヒュマ「銃声が鳴り出したらブザー鳴らして中にいる変態を引っ張り出して事情聴取、それで仕事は終わりだ・・・くぁ・・・」

時間と歳のせいだろうか、なんとも眠そうなあくびをする中年ヒュマ。それを見る410はダメだこりゃ、と言わんばかりにため息をついてみせる。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

(・・・0時まであと1分・・・今のうちに気持ちを落ち着かせておこう・・・こういうときは手に人と3回書いて飲めば・・・そんなことより銃器のチェックは・・・
どうして毎日同じなのにこうも緊張するのだろう・・・緊張している?・・・否・・・平常心、平常心・・・よし、今日こそご主人様から一本とってやるんだから!・・・
なんでこんなことするのか?・・・それはご主人様の望みだから・・・私が強くなることはご主人様の喜び・・・私自身嫌ではない・・・だって・・・

楽しい楽しい訓練だから)
25名無しオンライン:2007/09/29(土) 06:12:18.68 ID:AYQ6pGu6
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ジャスト0時

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

タァン・・・

遠いが、確実に聞こえる銃声。普通は聞こえないはずなのだが、ここはガーディアンズ宿舎の中でも割と古いほうなので、防音設備がイカれているのだろう。
断続的に響く銃声の中、中年ヒュマと410は顔を見合せ互いにうなずきあう。
中年ヒュマの指がこの部屋のブザーにゆっくりと近づいていき、押そうか押すまいかというところで、

目の前のドアが唐突に開き

黒い塊が中年ヒュマに向かって飛び込んできた

430「えっ!?」
中年ヒュマ「お?」

互いの視線が一瞬交錯する。そして後ろ向きに飛んでいく430の手には短銃が握られている。

短銃を確認した440が愛用の散弾銃を構えるよりも早く

430の短銃から部屋の中に視線をやった中年ヒュマの目が見開かれるよりも早く

430の後頭部が中年ヒュマの下半身に吸い込まれていった。

キンッ

中年ヒュマ「っ・・・・・・・・!!!!!!?」

その微笑ましい事態によって、中年ヒュマは部屋の中にいる者への対処ができなくなり、

タァンッ

その者がもつ短銃から放たれたフォトンの光が

中年ヒュマの額にクリーンヒットする。

中年ヒュマ「おうッ!?」

後ろにのけぞり、倒れこむ中年ヒュマ。430はなぜか中年ヒュマの下半身に顔をうずめる形で倒れている。
26名無しオンライン:2007/09/29(土) 06:13:09.45 ID:AYQ6pGu6
・・・・・・・・・・

440「お、おっさんの変態!」
中年ヒュマ「ば、バカ野郎、言うことが違うだろ・・・それに不可抗力だ・・・」

額をさすりながら起き上る中年ヒュマ。そして部屋の中にいる者に一言。

中年ヒュマ「・・・あんたの礼儀ってのは客人にいきなり銃をぶっ放すことなのか?」

この部屋の主を改めて観察する中年ヒュマ。種族はキャストで女性。
ショートカットの黒髪に決して光の届かぬような深い黒瞳、何人も足を踏み入れるのを躊躇う雪原のように真白な肌。
その黒と白のツートンカラーは、まるで死神。
中年ヒュマの問いかけに無表情のまま答えることなくたたずむ黒キャス子。
その表情が穏やかな笑顔に変わり、一言。

黒キャス子「あら、だめじゃない430、そんな汚い所に寝ちゃ。何か得体の知れない菌がうつったらどうするのよ」
430「ご、ごめんなさい、不可抗力なんです!じゃなきゃあんな汚い所に突っ込みません!」

慌てて起き上がり、主人の前で謝罪を始める430。二人とも中年ヒュマと440を気にした素振りは見せない。
中年ヒュマは無視された挙げ句、自身の聖域を汚い所呼ばわりされ、あいた口が塞がらない。

黒キャス子「じゃぁ訓練の続きを始めるわよ。それと通路に出るのはルール違反よ」
430「はい、ごめんなさい・・・」
中年ヒュマ「おい、ねーちゃん、お取り込み中悪いんだが、俺達はこういうもんで・・・」

のっそりと起き上がり身分証を開きながら部屋に戻ろうとする黒キャス子の肩を掴もうとする中年ヒュマ。心なしか、腰が引けている。
しかしその手が黒キャス子の肩を掴むことはなく、いつの間にか中年ヒュマの額には黒キャス子の短銃が突き付けられている。
黒キャス子は短銃を突き付けたまま笑顔で、表情とは全く逆のことを口にする。

黒キャス子「アンタが誰だかなんて聞いてないわよ。取り込み中だって分かってんなら邪魔しないでもらえるかしら?おっさ・・・ん」

その黒キャス子の脇腹には440のもつ散弾銃が突き付けられていた。
440は黒キャス子をキッと睨みつける。
27名無しオンライン:2007/09/29(土) 06:13:36.55 ID:AYQ6pGu6
440「銃をおろせ」

黒キャス子はこの事態にさして動じた様子もなくしばらく440を観察する。そして何かを思いついたように430と440を見比べ始める。

黒キャス子「430、このおっさんは私に何か用があるようだから、そこの440と少し遊んできなさい」
430「え!?遊んできてもいいんですか!?」

自身の失態から、暗く沈んでいた430の顔がパッと明るくなる。

黒キャス子「えぇ、でもあんまり長い時間はダメよ」
430「はい、ありがとうございます!さ、行きましょ、440さん!」

そういって通路をかけだす430。
440は事態が飲み込めずにいるが、中年ヒュマは素早く指示を飛ばす。

中年ヒュマ「おい、440!あの430の事情聴取はまかせたぞ、行け!」
440「え、でも・・・」

いまだに中年ヒュマの額に突きつけられた短銃を見て躊躇する440。

中年ヒュマ「安心しな、こっちは大丈夫だ」

そういって440に向かってにやりと笑みを浮かべる中年ヒュマ。その言葉を信用したのか、440は430のあとを追い、通路をかけていく。

・・・・・・・・・・

黒キャス子「さて、私に何か用があるのなら、手短にしてくれるかしら?こう見えてもアタシは暇じゃないのよ」

銃を突きつけたまま、笑顔で言い放つ黒キャス子。その笑顔には温かみなどない。

中年ヒュマ「まぁまずその銃を降ろしちゃくれないか。公務執行妨害とかは俺が面倒なんでな。なぁに、いくつか質問するだけだ。時間はとらせんよ」

さらりととんでもないことを言う中年ヒュマ。もしここに440がいれば、脇腹に右ストレートを喰らっていただろう。
それを聞いた黒キャス子は、中年ヒュマに多少興味を持ったようで、大人しく銃を降ろす。

中年ヒュマ「さて、事情聴取といきますか・・・」
28名無しオンライン:2007/09/29(土) 06:22:47.34 ID:AYQ6pGu6
どうも、超お久しぶり、黒キャス子の人です。
今だから言うけど中年ヒュマ書いたのも俺なんですよ・・・。
イルミナス発売したっていうし久し振りに覗いてみたらまたなんか書きたくなってきたので書いてみました。
この組み合わせは自分でもやってなかったし他の作者様方もやってないみたいなのでやってみたんですが、いかがでしょうか・・・。
需要あるようなら続きも書き込んでみようかと思います。

黒キャス子の本編は自分も設定とかいろいろ忘れてる上にみなさんもお忘れだと思うので、書くつもりは今のところありません。
中年ヒュマのほうは本編と呼べるような長編は書いていないし、今まで通りみなさんにアイディアだけ使ってもらえればうれしい限りです。

では、長いこと顔出さずにイキナリ来て申し訳ないのですが、今回はこの辺で。
ノシ
29名無しオンライン:2007/09/29(土) 06:32:36.93 ID:AYQ6pGu6
完全にsage忘れていたorz
許してくれとは言わないが、久しぶりなんで生暖かく見守ってくれると嬉しい。
30名無しオンライン:2007/09/29(土) 07:01:06.06 ID:Df8QmVt4
>>28
気にすんな!

それよか、超久しぶりに中年ヒュマと黒キャス子が読めて嬉しいぜぇ〜〜〜!!

勿論続きwktkしながら待ってるぜ!!
31名無しオンライン:2007/09/29(土) 14:27:57.84 ID:xGMTcrjw
ども、パパと412作者です。
今日は昼間のうちにこっそり投下します。
それではご拝読くださいませ。コソコソ
32来るべき未来の為に(83):2007/09/29(土) 14:28:42.91 ID:xGMTcrjw
 翌朝、コロニー標準時の0500頃。

 ピピ、ピピ、ヴュゥン!

 ビジフォンがリモートコントロールで強制起動します。
「朝早くごめんなさい、緊急召集――――」
 朝っぱらからマヤさんが連絡してきたのですが、そこまで言って急に視線を外しました。
「ご、ごめんなさい、間が悪かったようね」
「―――気にすることは無い。せがまれて一緒に寝ていただけの事だ」
 上はTシャツ、下は半ズボンのパジャマという格好の父様が身体を起こし、ベッドの上で胡坐をかきながら言いました。
 夕べの事なんて、微塵も感じさせません。
 一緒のベッドで寝ていた私は寝ぼけ眼で起き上がって、父様の胡坐をかいた足によじ登り、股座の所にぺたんと座ります。
 今の私の格好は、ちょっとだらしないです。
 寝ている時はいつも髪の毛を下ろしているのですが、夕べは乾かしただけで寝ちゃったので髪はばさばさ、それをそのまま背中に流しっぱなし。
 寝相が悪かったのか、小さなデフォルメラッピーがいっぱいプリントされた、パシリ用パジャマの襟がずれて、私の細い肩がむき出しになっています。
 おまけに半眼で眠たそうな表情に加え、少し寝ぼけているせいでにやけた表情が混ざっています。
 まぁ、人によってはこれだけでも誤解しますねぇ。誤解じゃないんですけど………ああ、眠い。
「マヤさん、おはようございま…スピー」
 はっ、いけない、これじゃ二度寝してしまう。
 自分で頬を軽く叩き、気合を入れます。
 画面の向こうではマヤさんが、「そういう趣味は無いって言ってたはずよね」とか、ぶつぶつ言ってますが…
「緊急招集なんだろ?」
 父様の言葉にはっとして、頷きます。
「急いで本部のブリーフィングルームまで来て!あなたもね」
 あれ、父様だけじゃないの?
「ほえ?私も?」
「了解、5分で行く」
 通信はそこで切れ、私達はあわただしく準備を始めました。
 既に用意しておいた新しい服をナノトランサーで着て…あ、ヘアメイク用のデータ、更新してないから使えなくなってる!
 どうしよう、自分でも出来るけど、時間かかるし、急いでるのに!
33来るべき未来の為に(84):2007/09/29(土) 14:29:15.23 ID:xGMTcrjw
 突然、後ろから私の髪を束にまとめる大きな二つの手。
 襟元近くで一つにまとめると、細い何かでくくられ、尻尾みたいにされました。
「はぇ?!」
「今はこれで我慢しておけ」
 振り返って見上げると、着替え終わり、細い布を口に咥え、手櫛で髪をまとめている父様の姿。
 慣れた手つきで細い布を巻きつけ、長い髪を結わえていつもの尻尾みたいな髪型にします。
「急げ」
 父様はそう言って走り出します。
「まってよ〜」
 そう言いつつ後ろを追いかけます。
 背中を見上げならが父様の後ろを走る私。
 父様の背中でゆれる髪型に目が行き、無意識に自分の後頭部に手を伸ばします。
 父様とお揃いの髪型なんて、ちょっと不思議な感じです。

 朝早いせいか、転送時間も短くすんで、通信が切れてから3分ほどでブリーフィングルームに着きました。
 父様の顔を見ると、説明する時間も惜しいらしく、すぐさま手元で何か操作するマヤさん。
 部屋にあるホロ・ディスプレイが起動して、映像が出ました。
「…これは?」
 映し出されたのは、どこかの宇宙港のようです。
「コロニー標準時0455の、ここの宇宙港の映像よ。
 よく見てて、貨物船が一隻入るわ…ここよ」
 マヤさんの手によって、リアルタイムで映像の一部が拡大化されます。
 貨物船は一番目立たない場所に接岸して、コンテナを下ろし始めて…接岸用連絡橋から、二人ほど人が降りてます。
 カメラが切り替わると今度は通路を歩く二人の人物が映り、少し荒い映像ながらも顔がはっきりと写りました。
「これを画像処理すると…」
「あ、このひと!」
 クバラ420のログデータにあったビス男です。
34来るべき未来の為に(85):2007/09/29(土) 14:29:40.39 ID:xGMTcrjw
「男はビーストで、名前をフランツ・ブラウナード。クバラ市登録の個人商で、多品目販売とリサイクル業の看板を掲げている何でも屋よ。
 隣を歩いているのは、同じくビーストの男性で彼の助手兼操舵手のジェフ・リー。
 入港目的はモトゥブ産生鮮食料品と一部電子製品の卸し、ジャンクパーツの下取りよ。
 でも、実態は違法アイテムの取引と盗んだPMの不正売買。
 問題は、ここを出港するまでに捕らえないといけないって事」
「正面から行けない理由は?」
 父様がそう言うのと同タイミングで、カメラが二人を追って、繁華街の映像に切り替わります。
「察しはつくでしょ?」
「…不正取引している証拠が無い。ならば、現場を押さえて現行犯逮捕―――機動警備部じゃ、いつもの事だ。
 で、舞台を作ってあるのか、それとも取引場所を押さえてあるのか、どっちだ?」
「後者よ。昨日提出されたデータに、今日の取引予定があったの。
 取引品目は、分解されてジャンクパーツに偽装されたPMが700体、クバラ市から違法アイテムとして申請のあったクバラPMデバイスが15種類で総数約千ダース。
 後はキャスト用違法麻薬デバイスが5種でほぼ同数。
 最低末端価格は約五億五千万メセタ。
 人身売買が含まれていない事だけが救いかしらね」
 ギリッ、という父様の歯軋りが聞こえましたが、マヤさんには届いていないようです。
「――そう言えば、教官達はどうした?ライアなら飛びつくネタだろ」
 何かを飲み込んでから父様がそう尋ねると、マヤさんは首を横に振ります。
「二人ともイルミナスの捜査で動いているの。
 私も急ぎの研究で手が離せなくて」
「他の動員は?まさか俺だけじゃないだろう?」
「そのまさかよ。殆どのルウも出払っているし、昨日の他のガーディアンズ達は、あれからモトゥブ各地に追跡調査で借り出されちゃってて、まだ帰ってきてないの。
 それで、たまたま非番で残っていたのが、あなただったって訳。
 説明に来てるあたしだって、ネーヴ先生から麻薬デバイスのデータ解析を回されなかったら、この件はぜんぜん知らなかったのよ。
 非番だったのに、呼び出してごめんなさい。でも他には、詳しい説明を省ける隊員が残ってなかったから」
「緊急事態に非番なんて関係ないだろ。
 ―――で、取引時刻と場所は?」
「ええっと、今から40分後の貨物集荷場最下層エリア、A−8倉庫。
 これ以上動員できないから、念の為に、総務部から貨物集荷場の上級管理権限を貸してもらっておいたわ」
 マヤさんはそう言って、データパスを父様に渡しました。
35来るべき未来の為に(86):2007/09/29(土) 14:30:06.70 ID:xGMTcrjw
 父様はすぐに携帯端末で移動ルートを検索してましたが、おもむろに手近な壁を叩きました。
「くそ、生きている安全経路を移動しても、取引時間に間に合わない!
 最短だと、SEED達がうようよいる、危険度S2の連絡通路を突破するしかないぞ!」
 マヤさんもその言葉を聞いて、あわててチェックします。
「…これ、使えないかしら」
 そう言って、ホロ・ディスプレイに表示したのは、一本のリニアライン。
 螺旋状に外壁内を走り、貨物集荷場集中管理室まで続いています。確かに、ここからなら転送キューブで最下層まで移動できます。
 でも、この路線はSEEDクリーチャーが占領していて、封鎖されています。
「それも考えたが、走って行ったんじゃ、大差ない」
「それが、いいものがあるの」
 そう言ってナノトランサーから取り出したのは、エアボード。
「たかが最高時速60km程度の代物じゃ、どっちにしろ間に合うわけが無い」
 父様の言葉は尤もですが、マヤさんは自身満々にパパに手渡します。
「これに限っては、大丈夫よ。ほら、ここを見て」
 マヤさんが指差した場所には『E・ウェーバー』と名前が刻まれています。
「『E・ウェーバー』…イーサン・ウェーバーか?」
「そう、彼の改造エアボード。PP消費は大きいけど、時速100kmは出したそうよ」
 あ、パシ通で読んだ事があります。何でも、巫女様の乗ったリムジンの前に、改造エアボードでわざと飛び出して姿を見ようとしたんだとか。
 でも、失敗してリムジンに轢かれたって話です。
「エアバイクを調達する時間もないし、連絡通路を通っていっても、時間はぎりぎりだしな。
 これなら、まだ分があるか」
 挨拶もそこそこに、ブリーフィングルームを飛び出す父様。
「いってきま〜す」と、後に続く私。
 手を振るマヤさんを尻目に、私は父様を追いかけます。
36来るべき未来の為に(87):2007/09/29(土) 14:30:31.69 ID:xGMTcrjw
 私達はその足で連絡通路へと駆け込み、リニアラインの路線までパノン達などを無視して移動します。
 プラットホームに着くと、エアボードを取り出して起動させる父様。
「流石に、お前を連れて行くのは…無理じゃないか?」
 パパが困った顔で私を見るので、手招きしてしゃがんでもらいました。
「なんだ?」
「そのまま…よいしょっと」
「…本気か、ロザリィ。落ちても知らんぞ?」
 そう、私は父様の背中におんぶしているのです。首にしっかりと腕を回し、背中に張り付きます。
「さ、いきましょ〜」
「こうなりゃ自棄だ!ロザリィ、振り落とされるなよ!」
 父様はゴーグルを取り出してかけると、ボードに乗ります。
「行くぞ!」
 アクセルを踏み込むと、すごい勢いで加速を始めました。そして、プラットホームを飛び降ります。
 すぐに安全用のエアロック扉が見えましたが、このスピードに反応し切れていないらしく、隙間が開いたばかりです。
 ぶつかる!と思って目を閉じましたが、間近を何かが通り過ぎる音が聞こえ、再び風切り音になりました。
「ふ〜、やばかった」と、父様の声
 どうやら隙間をすり抜けたようです。
 時折、SEEDクリーチャーの反応がレーダーに映りますが、この速度には追いつけないようです。
 瓦礫をすり抜け、時にはジャンプしてかわし、時折エアボードの技も加えつつ、低重力エリアでは壁や天井も走って、障害物を越えていきます。
 目まぐるしく状況が変化する路線を、時速100kmを維持したまま駆け抜けていく私達。
37来るべき未来の為に(88):2007/09/29(土) 14:30:53.26 ID:xGMTcrjw
 しがみつくので精一杯の私ですが、ちらっと見た父様の横顔は、とても楽しそうに見えました。
「ボードにな!」
「え?」
「ボードに乗るのなんて、モトゥブの極北で暮らしてた50年前にやったきりだ!
 久々だが、こんなに楽しいものだとは思わなかったよ!」
「そうなの?」
「ああ!いやっほ〜ぅ!!」
 通路全体を使ったバレルロールでSEEDクリーチャーをよけながら、父様が叫びます。
 ここを過ぎれば、もうすぐ出口のはずです。

 ピピ、ピピ

 父様の通信機が鳴ってる。
 すぐに通信に出る父様。
「…ああ、俺だ………そうか、何とかする」
『無茶しないで!』
 マヤさんの怒鳴り声が聞こえてきて、通信を切る父様。
「出口のまん前にSEEDヴィタスが陣取ってるんだとさ」
「どうするの?」
「こうする」
 光属性のジョギリを取り出し、切っ先を下にしてボードの前に出し、刃を進行方向に向け、握りを上にして垂直に構えるパパ。
 左腕は、ジョギリを固定するためにフォトンの峰に押し当てています。
 もう、SEEDヴィタスが視界に入りました。
「いけぇぇぇ!!」
 父様はエアボードのアクセルを目いっぱい踏む込み、限界まで加速。
38来るべき未来の為に(89):2007/09/29(土) 14:31:34.25 ID:xGMTcrjw
 110、120、130、138km!
 まさか、突撃?!
「え、ちょっと、それは無茶!」
 文句を言おうにも、SEEDヴィタスはもう目の前です!
 ぶつかる!
 そう思って、ぎゅっと目を閉じた直後。

 ズダン!!!キュキュ―――――――――ッ…………

 何かを吹き飛ばした音と、エアボードの静止音が路線の壁に反響し、私の聴覚ユニットに届きました。衝突時に、よく転ばなかったものです。
「――っくぅ〜、う、腕が、腕が!」
 左腕を押さえている父様。まさか、骨でも折れた?それとも、切り落としたんじゃ?!
「父様!」
「腕が、痺れた!」
 私はそれを聞いてズッコケ、父様の背中から落っこちました。
「と、父様ぁ〜」
 私は萎えた気力を振り絞って、なんとか立ち上がりました。
「なんだ?」
 左腕を振りながら、しかめっ面の父様。
「こんな所で、そんなギャグしないでよぅ」
「別段、そんなつもりは無いぞ?心底、痺れて困ってるんだアデデデ」
 はぁ、やれやれです。

 結局ヴァンスは、すごい勢いで突っ込んでくる私達から逃げようとして、身体半分を床に潜めたところへエアボードが通過。
 俗に頭部と呼ばれる部分を縦真っ二つに切り飛ばされ、蒸発し始めています。
「さて、急ぐぞ」
 エアボードをナノトランサーに仕舞って、私達は走り出します。
 残り時間は、あと8分を切りました。
 ―――つづく―――
39来るべき未来の為に(89):2007/09/29(土) 14:36:02.71 ID:xGMTcrjw
投下完了です。

そーいえば、中年ヒュマの作者さんを初めて知りました。
黒キャス子氏の作品、一体どれなんでしょうか?と、言うくらいには、どの作品だか分かってません。
後で探して読んでみよう…面白そうだし。

「来るべき未来の為に」ショートカット
第11話まで:【PSU】新ジャンル「パシリ」十三体目、をご覧下さい
         http://live25.2ch.net/test/read.cgi/ogame3/1185435885/
         第1話:>>244-249

第12話:>>6-9>>12-13
第13話:>>32-38
40名無しオンライン:2007/09/29(土) 18:11:03.54 ID:UNpyJYkT
>>39
E3ボード事件の認識がひどすぐるwww
あと、避け損ねたヴィタスに何故か萌えた

NPCはPCをないがしろだというのに、上手くNPCを絡ませてますなー
SEGAのライターに見習わせたい程GJ
41名無しオンライン:2007/09/29(土) 19:54:15.08 ID:1JPYC6jK
>>39
痛いうえに長いからもう誰も読んでないよ
42名無しオンライン:2007/09/29(土) 20:02:58.10 ID:rZ7qxpTd
ガキは自分基準で「誰も」や「みんな」を使うから困る。
43名無しオンライン:2007/09/29(土) 21:08:27.31 ID:xGMTcrjw
>>41
 こういう意見が出たということは、流石に長すぎってことだね。

 そこで、一応ご拝読して下さっている皆様にお聞きします。

 現在投下中の「来るべき未来の為に」残り5話分の、今後の投下を希望しますか?
 これ以降のレスに「NO!」の答えが一つでもある場合は、Wiki保管庫に残りの5話分を含め、
 過去の作品を収納後、今後は長編の投下を一切取りやめるつもりです。
 また、反応次第によっては、ROMに戻るつもりです。

 忌憚ないご意見をお聞かせ下さい。
44名無しオンライン:2007/09/29(土) 21:30:12.45 ID:UNpyJYkT
見たくなかったらそもそもこういうスレに来ないはずだし、>>41はただの煽りかと
NO!の方が多かったら・にして欲しいんだぜ…

>今後の爆撃を希望しますか?
  はい
  いいえ
ニア ころしてでもうばいとる
45名無しオンライン:2007/09/29(土) 21:59:58.03 ID:xGMTcrjw
>>44
 了解です。
 では、「NOが多かったら」に切り替えます。
 100レス目までに統計を取りますので。
 その間は、投下を中止させてもらいます。
46名無しオンライン:2007/09/29(土) 22:02:05.04 ID:D5YssCxO
>>43
おいおい!
散々見せつけておいて、
今になって俺の楽しみを奪うなよw
47名無しオンライン:2007/09/29(土) 22:25:58.11 ID:xGMTcrjw
>>46
 申し訳無い。

レスがもったいないので、
>>45の統計目標を、明日の午前9時までとします。
ころころ変えて申し訳ないですが、よろしくお願いします。
48名無しオンライン:2007/09/30(日) 01:08:55.03 ID:10i8Vr43
>>47
>m9(゚д゚)<でもお門違いの叩き・批評はスルーマジオヌヌメ

まあ書き手も読み手もスルースキル上げなさいってこった
49名無しオンライン:2007/09/30(日) 01:39:24.64 ID:YnlzRV6x
久々に変なのが沸いてるな

>>47
書き手も読み手も楽しめてるんだから好きにしていいと思うがね、俺は
50名無しオンライン:2007/09/30(日) 02:16:16.46 ID:FEmJ98c1
>>47
続投、激しく希望。
テンプレに書いてあるように>>41みたいな煽りはスルーしておけば良い。

後、余計なお世話かもしれんが、こういった統計はやらない方が良いんじゃないか?
良く無い流れを呼び込みそうな気がする。
まあ、あまり気にせず、続きを投下しておくれ!
オレは少なくとも楽しみにしている。
51名無しオンライン:2007/09/30(日) 02:24:25.67 ID:SYvhk5Zy
>>47
脳内設定話をぶちまけてるんだか、イタくて当たり前。
イタかろうがカユかろうが、面白いならいいじゃない。
凹むのはわかるが食い付きすぎだぜ。
このスレはお前の為にあるんじゃないし、同じように誰か個人の為にあるんでもないよ。

読み手も書き手も気に入らないのはスルーでいいじゃないか。
あんま目くじら立てっと、お前のパシリが怯えて涙目になっちまうんだぜー?
52某飯店作者:2007/09/30(日) 02:39:33.48 ID:BeuuHpSL
>>47
パパと作者様へ。
>>41のような煽り、中傷は確かに嫌な言葉だ。グラつくのもわかります…。
けど、中途半端で止めてしまうのは…どうかと思うのですよ。
同じ書き手として、貴方が尻尾をまくって逃げ出すような背中は見たくない!

煽り上等、中傷だっていいじゃないか…
そんな「批判」すら、自身の作品を向上させる踏み台にしてやりましょうよ!
私の作品も、当初はネタキャラだなんだって…集中砲火だったんだぜorz

楽しみにしている人がいる限り…書き手は奮い立つモノだと私は思います。
そんな、私のような書き手の作品を、楽しみだと言ってくれた方へ…
久々の飯店+他の作者様キャラの日常で描く長編…スタートですよ!?
53名無しオンライン:2007/09/30(日) 02:40:32.46 ID:uFZWBCrF
>>47
寝る前に見にきたら、どエラい事になりかけているな・・・

続投&長編を希望するかどうか?
と言うことなので端的に
「今後も続投&長編を希望します」
です。

>>51
>読み手も書き手も気に入らないのはスルーでいいじゃないか。
激しく同意。
書き手は書きたい作品を書いて満足する。
読み手は読みたい作品を読んで満足する。
それでいいじゃない。

54ヒュマ助長編 with たゆん一家編 1/15:2007/09/30(日) 02:46:54.86 ID:BeuuHpSL
―ある日のガーディアンズコロニー。その一角、パシリ大通り。

「おぉ、賑やかなのじゃ!楽しそうなのじゃー♪」

小さな背丈の可愛らしいニューマンの少女が、あっちを見たり、こっちを見たり。
楽しそうかつ、ちょっと危なっかしい足取りの少女を、これまた同じくらいの背丈の影が…

「お、お嬢様…慌てなくてもお店は逃げたり…お、お嬢様ぁ〜…」

迷わないようにと、手を握っっている410なのだが、ずるずるとお嬢様に引きずられ気味な様子…
そんな二人を、通路の高さにちょっと屈んでついて来る、たゆんたゆんなツリ目のキャストの女性。

「あっはっは、二人ともー、走ったら危ないんよ〜?気をつけるんよ〜」

何だか、妙な威圧感を吹っ飛ばす勢いの、たるーい雰囲気。
しかし、その雰囲気も…ニヘラっと緩んだ表情、メガネの奥の…ツリ目を見れば凍りつくだろう。
笑っている。遠めに見れば微笑ましいほど母親の笑顔。ただ、目だけはツっている。
偏に…キャストであるその顔の「デザイン」のせいなのやも、しれない。
だが、その女性が…心から微笑んでいることは誰にでも見て取れるだろう。

「隊長、この所いつも似まして笑顔でいるなぁ…」
「だな。あの頃は考えれもしなかったんだが…なぁ」
「わかってるって…幸せそうで…グス…よかったぜぃ…」
「泣くな…っ、私はこらえて…グス、いる…」

と、数メートル距離を開けて、そんな現場を遠めで見ているこの二人。
お目付け役というか、このたゆん嬢の元部隊員なのだが…
この所、めっきり微笑ましくなった光景に涙ぐむ回数が増えたご様子。
やはり、「家族」の幸せを願わない家族は、いないのかもしれない。
55ヒュマ助長編 with たゆん一家編 2/15:2007/09/30(日) 02:47:51.69 ID:BeuuHpSL
ともあれ、PM達が自由に楽しみ、娯楽と休養に溢れたこの商店街。
実質、様々な横道からいろいろな場所へと繋がる「抜け道」でもある。
裏を返せば、一歩路地を間違えればまったく別な場所に出てしまう事も…あるということである。

そんな折、例のお嬢様ご一行といえば…

「410!美味しいのじゃ!410も一口食べるのだ!」
「え、あ、わかりました。はむはむ、んっ、美味しいですね。お嬢様」

食べ歩きスタート。今はニューディズの「オマツリ」定番、水アメをご所望なされていたり。
口の中でトローっと解けるそのアメに、食べるニューマンの少女も、見つめる「視線ズ」も、とろけっぱなし。

「は、ははさま!ははさまも食べるのじゃ!美味しいのじゃ!」
「お、もらうんよ〜。はむ…おぉ、甘いのー」
「うむ!水アメとやら…気に入ったのじゃ♪」

終始ご機嫌な様子のニュマ子お嬢様。そこで、フと…410へたゆんが耳打ちする。

(そこのな、怪しい「電柱」の影にいる二人にも、もっていってやって欲しいんよ…)
(なるほどです。マスター、了解です!)

いいたい事がわかったのか、ササっと2本水アメを買い付けると、スっと人ごみを掻き分ける410。

「む…」
「どうした?何か動きがあったか…?」

それを、右手にフランクフルトを持ってゴーグルで見ていた片方が、ある変化に気づく。

「410ちゃんがいないな」
「何?…アレだろ、ほら、乙女のお花摘み…」

ゲシっと、焼きもろこし片手の男をひっぱたく、フランクフルト所持の男。

「馬鹿言え。PMが『お花摘み』なんざ聞いたことが無い」
「けどよ、PMたって女の子だぜ?きっとお花摘みだって…」
「何を摘んだ摘まないで人の話題を盛り上げているんですか!」

和気藹々?そんな二人の背後から、スっと、顔を真っ赤にした410が現れる。
手には水アメが二本、しっかりと握られている。

「うぉ!?…な、なんだ410ちゃんか、おどかすなよ…」
「いいんですか?監視の人が焼きもろこし片手で…PMに背後取られて」

顔を赤くしているあたり、大分この話題も聞かれていたのだろう。

「い、いうなよ…俺たちにも大人の事情ってやつが、なぁ?」
「…、ぐうの音もでないな」
「まったくもぅ…」

はい、と…水アメを渡すと二人に背を向ける410、そして…

「それ、マスターがお二人にって!…監視ならもっとしっかりして下さいよね…もぅ」

ため息混じりに雑踏の中へ戻っていく410。水あめ片手にぽかんとする…男が二人。

「なぁ…」
「わかってる。みなまでいうな…」

男二人、初めて食べる水アメは、思いのほか美味しかった。
56ヒュマ助長編 with たゆん一家編 3/15:2007/09/30(日) 02:48:24.11 ID:BeuuHpSL
そんなこんな410がしている間…、一方、たゆんとお嬢様はというと…

「ははさま!焼きそばも美味しいのじゃ!」
「おー、なら今度のお昼ご飯に作ってやるんよ」
「ほ、本当か!?…嬉しいのじゃ!ははさま、大好きなのじゃ…♪」

ぴょんこ、たゆんのその豊満なたゆたゆへ飛び込むと、スリスリとなつくお嬢様。
たゆんも、「はっはっは」と上機嫌で、その頬ずりを受け止めている。
と、ソコへ…「ミッション」を終えた410が戻ってきた。

「戻りました、マスター」

少女をそっと地面へとおろしてあげながら、たゆんが410の方へ向き直る。

「で、アイツらどうだったんよ?」
「えぇ…それはそれは、『楽しそうに』後ろからついて来ておられましたよ?」
「…楽しそうって…どんなんよ?」
「焼きもろこしにフランフルト片手に、お、おは…おはな…あーもぅ!///」

お花摘みに関しては言うまい。410は真っ赤になりながらそう心に決めた。

「アイツらが…っぷ…焼きもろこしに…ずいぶん…ぷふっ…場に染まってきてるんよ…くくくw」

なにやら、その様子を思い浮かべては、噴出しそうになるのを堪えているたゆん。

「ともかく、ちゃんと水アメを渡してきました」
「お、おーおー…げほっw…410、よくやったんよー」

わしゃわしゃ…
410を優しくなでるたゆん。410も嬉しそうに微笑んでいる。

「ところで、マスター」
「お?どうしたんよ」

フと、此処で気がついたことを口にする、410。

「お嬢様…は…?」(…ゴゴゴゴゴゴ
「へ?さっきまでそこに…アレ?」(…ゴゴゴゴゴ

もしかして、もしかしちゃうぞ?遠めに見えるあの監視員二人を見てみると…

「なっ!!し、しまった!!」
「っ!?ど、どうしたおい!!」

「お嬢様を見失ったぁ!!!?!?!」×4

どうやら、ものの見事に「迷子」になられたご様子。
57某飯店作者:2007/09/30(日) 02:50:48.86 ID:BeuuHpSL
今回は此処までです。

※たゆん作者様へ
またも飯店へ登場させてしまいまして…いやはや(ゴホゴホ
多少作風の為キャラが違う様な場面も御座いますが、ご容赦を…orz
では、次回へ…
58名無しオンライン:2007/09/30(日) 05:02:18.83 ID:R8MmS5wR
>>47
まぁかれこれ1週間以上毎日投下やってるんだから
いくらなんでも長すぎるって意見が出てもしょうがないとは思うよ
そんだけやってりゃ嫌でも目立つしね

漏れは別にどうでも良いけどね
気が向いたら読むし気が向かなきゃ読まない、そんだけ
59某飯店作者:2007/09/30(日) 08:32:13.35 ID:BeuuHpSL
ははーい、の声でシーン2ですー。
では、どうぞ。
60ヒュマ助長編 with たゆん一家編 4/15:2007/09/30(日) 08:33:14.69 ID:BeuuHpSL
パシリ大通りで保護者の二人+監視役2人がわたくたしている頃。

「む?此処は何処じゃ…?」

すっかり雰囲気の変わった小さな通り。明るく整備されているものの、人通りは少ない。
少々、心細くなる。そんな雰囲気の漂う、大通りから少しだけ外れた、通路。
遠くからはガヤガヤと喧騒が聞こえる。此処は、ちょっぴり静かな空気が漂う。

「は、ははさまー…?よ、410ー…?ど、どこじゃぁ…」

オロオロと、急に心細くなったのか、辺りを見渡す小さなニューマンの子。

「しまったのじゃ…ははさまや410とはぐれてしまったのじゃ…」

どうしようか…可愛らしく小首を傾げて悩む、お嬢様。
そこへ、美味しそうな香りがふわん…と、鼻先をくすぐった。
とたん、可愛らしく小腹が「くぅ〜…」と音を立てる。
一応気にしてか、おなかを手ではっしと押さえると、周りを見渡す。
誰もいないことに、ホっと胸をなでおろすと、うー…とうなり始めた。
屋台の時と同じような不思議な誘惑に、足はするするとその香りの方へと進んでいく。
見れば、こじんまりとしたマイルームを改造したお店から、その香りは漂ってきている。

「何ぞ、これも屋台の一つかのー?」

まだパシリ大通りの続きだと思っているのか、部屋をしげしげと眺めるお嬢様。
その時…

―ウィーン…ふしゅー

ドアが開き、一人の白黒の見慣れぬPMが姿を現す。
妙な部品が肩や腰に見えるが、どこかボンヤリとおぼろげな印象をうける、そんなPMだった。
自身より大きな…ニューディズでいう「ノレン」を持つと、ス…と何か構える。

「ふっ…!」
「お、おぉ!?」

バシュ…と、背中のあのヘンテコな部品が開くと、細い機械仕掛けの腕が現れる。
それが、一瞬のうちに担いでいたノレンをお店のドアの上にスっとかける。
何事も無かったように、かけ終えるとその不思議な腕がシュっと元のヘンテコな部品へ引っ込んでいく。
小さい子特有の好奇な目で、それを「おぉー」っと見つめるお嬢様。
その視線に、気がついたのか「ん…」と振り向くPM。

「……、お客?」

それが、飯店と世間知らずなお嬢様との…初めての出会いだったのかも、知れない。
61ヒュマ助長編 with たゆん一家編 5/15:2007/09/30(日) 08:33:54.09 ID:BeuuHpSL
不思議な姿の見慣れないPMが、「……、お客?」とたずねてくる。
どこか投げやりで愛想の無いようなその声に、少女はハっとする。

「こ、此処は何の店なのじゃ?」

まずは確認。美味しそうな匂いがするからといって、店とは限らない。

「…見ての、通りだ」

そういって、指差された看板やノレン。少々、難しい字かもしれない…。

「むぅ…すまぬ。よ、読めないのじゃ…」
「…っ、ご、ごめん」

ハっとして、ペコリと頭を下げるPM。無愛想かもしれないけど、根は素直かもしれない。

「飯店、と読む。パルムでいうレストラン…」
「おぉ、それでは此処でご飯が食べれるのだな!」
「…、そうなる」

喜んだ少女のおなかが、可愛らしく「くぅ〜」と声をあげる。
あ…と、43Xもお嬢様も硬直、お嬢様は恥ずかしいのかササっとおなかを隠してしまう。
とたん、めったに笑わない43Xがクスッ…と、小さな微笑を浮かべた。

「お腹、空いている?」
「う、うむ…。ははさまや410を探していたら…ぺこぺこじゃ…」
「そうか…」

スっと、小さな女の子へ、手を差し伸べる43X。
差し伸べられた手は、白く、か細く、少しだけ石鹸の香りがした。

「いらっしゃいませ、だ」
「う、うむ!」

手を引かれ、少女はノレンをくぐる。ソコは、暖かな光と美味しそうな匂いで溢れていた。
62ヒュマ助長編 with たゆん一家編 5/15:2007/09/30(日) 08:34:24.22 ID:BeuuHpSL
「いらっしゃいませー…ってあれ?43Xだけ…?」
「もう、442、43Xの後ろ、後ろ側ですよ?」

そういう小さな姿、PMの二人が、入ったその先で出迎えてくれた。
片方は、黄色カラーに浅黄色の髪をした、快活そうな少女。
もう片方は、白色のカラーリングに柔らかな、あったかい笑顔をした子だった。

「はい、いらっしゃいませ。一人で来たのかな?」

快活そうな子が、傍に来た。思わず、サっと…あの白黒の子の後ろに隠れてしまったお嬢様。

「422、43Xが対応する…。422はメニューとお水を…」
「むー、わかったよぅ…」

どうやら、地味に傷ついた様子。すごすごとうな垂れて奥へと下がっていく快活そうな子。

「カウンターで、いい?」

そういわれて通された場所は、キッチンが見渡せる一人用の座席だった。
厨房…キッチンと思わしき場所は、家族が使うマイルームのよりも広く、大きかった。
その奥から、背が高く、ぷっくりとした印象の青年が、歩いてきた。

「いらっしゃいませ。ご注文は何に致しましょうか?」

笑顔が似合う人だと、思った。気さくなその笑顔に、何処か暖かな気持ちを覚えた。
父親がいたら、こんな風に笑顔で笑ってくれるだろうか…?
ニューマンの少女の胸に、チクリと…寂しさと切なさがこみ上げた。

「な、何でもいいのかぇ…?」
「はい、何でも宜しいですよ…?」

にっこり微笑んで、そう答える青年。コトっと、お水とメニューを先ほどの快活そうな子が置いて行く。

「は、ハンバーグ!ハンバーグがいいのじゃ!」
「ハンバーグ、ですか。少々お待ち下さいね?」

そういって微笑むと、キッチンからすぐに、美味しそうな匂いが漂ってくるのだった。
63ヒュマ助長編 with たゆん一家編 7/15:2007/09/30(日) 08:35:09.48 ID:BeuuHpSL
「お待ちどう様でした。ご注文のハンバーグで御座います」

コトっと目の前に出されたハンバーグ。マイルームで食べるハンバーグより大きく、分厚いソレ。
不思議なお皿の上で、ジューっと美味しそうな音を立てて焼けるソレ。
見ず知らずの他人が作った、はずなのに…何故だろう?
あったかくて、どこか…懐かしい気がする。

「い、いただきます…、なのじゃ」

手渡されたフォークとナイフをぎこちなく扱い、分厚いハンバーグへ挑みかかるお嬢様。
仲間で綺麗に焼けたキツネ色。ソースが鉄板にたれると、ふんわり香ばしい匂いが香る。

―ハムッ…!

大きく口を開くと、アツアツのハンバーグを口へほうばったお嬢様。
次の瞬間、幸せそうな笑顔で、こう口を開いた。

「お、美味しいのじゃ!ははさまの作ってくれるのと違うが…これも美味しいのじゃ!」
「当然〜。ヒュマ助は何だって作っちゃう料理人なんだかんねー」

何故かガッツポーズで答えたのは、当の小太り店主ではなく快活そうなPM。

「な、何でも作れるのか?店主殿は…」
「ま、まぁ…レシピ通りなら…人並みに、ですけどね」

あはは…と頭をかく青年。途端、ちょっと意地悪なコトを言ってみたくなるのが、子供心。

「な、ならば!」
「はい、何でしょうか?」

これから出される無理難題もしらずに…wそう思いながら、お嬢様が口を開いた。

「熱くて冷たい料理を出すのじゃ!」
「は、はぁ〜!?」

驚いたように呆れ顔で答える422…とやら。
見れば、442や43Xも少々、怪訝そうな顔をしている。

「何じゃ、何でも作れるんじゃなかったのかの…」
「何じゃって…あのねぇ、熱くて冷たいなんて矛盾した料理つくれるわ…
「作れますよ?」
「へっ…?」×2

422とお嬢様が怪訝な声を返すと、返した先…小太りの店主の青年があの笑顔で…

「作れますよ?熱くて冷たい料理。お待ち下さいませ」

そういい残すと、そそくさと厨房へと戻っていくのだった…。
64ヒュマ助長編 with たゆん一家編 8/15:2007/09/30(日) 08:35:46.12 ID:BeuuHpSL
程なくして、出てきた不思議な料理。

「はい、ご注文の熱くて冷たい料理、ですよー」

見えるお皿の上には、じゅわーっと油の弾ける…

「のう、店主殿?」
「はい、何でしょうか?お嬢様」
「どこからどうみても、アツアツのてんぷらさんに見えるのじゃ…」
「まぁまぁ、一口食べてみてくださいよー…ふふふw」

しぶしぶ、言われたとおりアツアツのてんぷら(ぽい料理)を口にする。すると…

サクッ…とろーり…

「!!?!?!?!」
「ふふふ、何かわかりましたね?」

かじった場所をそっと見てみると、真っ白な解けかけのアイスクリームが、顔を覗かせていた。

「なるほどのぅ!これなら確かに熱くて冷たいのじゃ!」
「ほぇー、アシクリームをてんぷらに、なんて普通考えないよ…」
「ヒュマ助様、こちらのお料理は…」
「…あー、門外不出wまぁ、お料理の修行にはゲテモノも通る道だった、と…w」

ある意味納得。こういう時に必要になるとは、やはり人生…何が大切かわかったものじゃありません。

「すごいのぅ、すごいのぅ♪次は…」
「え、まだあるの!?」

422が驚く。442はあらあらとちょっぴり楽しげ。その横でぽけーっとする、43X。

「すっぱい、けど甘い料理じゃ!」
「すっぱくてあまい…あ、それでは…」

そういって、数分後、一つのお皿とゼリーのようなカップを持ってくるヒュマ助。

「まず、こちらを食べてください」
「うむ!…っ!?す、すっぱい!すっぱいだけじゃぞ店主っ!」
「あはは、では、こちらのベリーをカリカリして下さい」
「む、味があまりないのー…これは。これでいいのかの?」

ぺっと、種だけ吐き出すと、先ほどのゼリーを目の前に改めて差し出された。

「今度は、どうでしょうか?」
「…っ!!おぉ!すっぱくないぞ!むしろ、先ほどのアイスより甘くて美味しいのじゃ!」

…季節柄、マジックフルーツならぬマジックベリーだったようです。
65ヒュマ助長編 with たゆん一家編 9/15:2007/09/30(日) 08:36:14.78 ID:BeuuHpSL
不思議な青年だった。彼は魔法のように、お嬢様がだす「わがまま」を現実に変えていった。
料理において、彼は厨房の魔法使いなのかもしれない。
あの笑顔がつれてくる料理皿の上には、お嬢様の顔を七色に変える不思議な魔法が乗ってくる。

「あむあむ…♪凄いのじゃ…♪幸せなのじゃ…♪」

たくさんの料理やデザート達に囲まれて、ご満悦なお嬢様。
そんなお嬢様をみて、微笑む飯店一家。

(ところで、さ…)

ひそっと、お嬢様に聞こえない様に、442へ耳打ちするヒュマ助。

(見た所、迷子さんの様だけど…どこの子かわかるかい?)
(さぁ…見た目からいえば、普通の何処にでもいるようなお方に思えますが…)

ふーむ。悩みながら首をかしげるヒュマ助達。そこに、先ほどまでいなかった43Xがスっと現れる。

(ん、おかえり。で…どうでした?)

その声に、ん…と報告の口を開く43X。

(あの子について…、あの子は、数週間前からあのデカチチの所に住んでいる子で間違いない)
(あぁ、あのたゆん様ですね。これは…大切な常連様のお嬢様。丁重に御持て成ししないと)

そういって、苦笑。そんなヒュマ助の軽い態度に、ため息をつきながら…43Xが続ける。

(それと…)
(ん、お客さんだといいのですがね…)
(うん。表に4人裏に2人。ダクトにはいなかった。…通路奥にまだいる)

此処で深々とため息。二人の会話が聞こえていたのか、422と442もサっと戸口側に進む。

「む?どうしたのじゃ…店主殿に、422、442、43Xまで…」

怪訝な顔で尋ねるお嬢様へ、飯店一家が口をそろえる。

「いえいえ、お客様はデザートを確りと召し上がっていてくださいませ」
「そそ、ボク達はちょっと団体様のお相手を、ね」
「……心配せず、ゆっくり食べていろ」
「えぇ。こういうのも…職業柄ですので」

どこか楽しげに、ヒロクテリにニャックル…ウピンデックにファントムを取り出す4人。
首をかしげながらも、お嬢様がデザートに向き直るのを確認すると、4人は通りへと飛び出した。
66某飯店作者:2007/09/30(日) 08:40:56.58 ID:BeuuHpSL
今回は此処まで、というわけでして。
…5/15が二回あるのはミスなんだぜ…。ボンミス…orz

で、では次回まで。
67名無しオンライン:2007/09/30(日) 09:54:26.44 ID:cftEJtqw
ども、パパと412作者です。

夕べの爆弾発言?に対して、ご意見ありがとうございます。
結論から言いますと、

今後も投下さてせていただきます。続きは今夜に投下いたします。

次回からはもうちょっと量を加減しますので、その点についてだけはご容赦下さい。
すっとこどっこいな作者が、イルミナスの発売に合うように、
長編2本文のネタを強引につないだのが今回の原因の一端であることは自覚しております。

それと、別段凹んではいませんが、>>51の方が、俺の言いたかった事を簡潔に言ってくれていますので、
あえてこれ以上のコメントは控えさせてもらいます。


皆様にはご迷惑をお掛けしました事をお詫び申し上げます。
今後も、作品投下の際には、生暖かい目で見守ってくだされば幸いです。

それでは、失礼いたします。
68名無しオンライン:2007/09/30(日) 11:00:19.44 ID:4cZhfPE6
というかあんまりにも長けりゃ小ビス子氏みたく
どっかの別のホームページに上げるとか
うpロダに上げるとか色々方法が有るんだぜ

毎日長文落としてりゃ良くも悪くも目立つし
自分でもこりゃさすがに長すぎると思ったらそういう手も有りだな
69名無しオンライン:2007/09/30(日) 13:45:20.35 ID:EDcTpWn7
とりあえず前スレ埋めようぜ・・・

あと>>67
長いのを投下するのはかまわん。
内容も皆が脳内妄想の投下場所だと解ってて投下してるわけだから全く問わない。
しかし毎日長文を連続して投下するのはいかがなものかとは思ってた。

長文止めろとかいってるわけじゃなくて、
ここに投下してるのはおまいひとりだけじゃないんだぜってことだな。
○○記念にと長文を一度に投下したいなら>>68のようにするのがいいと思う。

ついでに暇だからテンプレちょっといじってみたw
70名無しオンライン:2007/09/30(日) 13:45:34.68 ID:EDcTpWn7
合言葉は

  ( ゚д゚ )<倫理的におk
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
  \/     /
     ̄ ̄ ̄
ヽ( ゚д゚ )ノと[´・ω・`]のQ&A

[ ´・ω・`]<創作能力がしょぼいんだけど投下していいの?
( ゚д゚)<倫理的におk 尋ねる暇があったら書いて投下マジオヌヌメ

[ ´・ω・`]<脳内妄想全開でアイタタかもしれない内容なんだけど…
( ゚д゚)<倫理的におk 俺達は小説家じゃなくてガーディアンズだ。その妄想を叩きつけるのがここだ

[ ´・ω・`]<凄く長くなったんだけどどうすればいい? あとパシリ関係ないのは?
( ゚д゚)<空気嫁ば倫理的におk 分割して投下するなり圧縮してうpろだに上げるなりするんだ
m9(゚д゚)<決しておまい一人のスレじゃないことだけは理解しておくんだ!

[*´・ω・`]<エロネタなんだけど…
( ゚д゚)<ライトエロなら倫理的におk あまりにエロエロならエロパロスレもあるよ
ファンタシースターユニバースのエロパロ 2周目
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1173107109/l50

[ ´;ω;`]<叩かれちゃった…
( ゚д゚)<叩きも批評の一つ。それを受け止めるかどうかはおまいの自由だ
m9(゚д゚)<でもお門違いの叩き・批評はスルーマジオヌヌメ するほうもそこを考えよう

[ ´・ω・`]<投稿する際に気をつけることは?
( ゚д゚)<複数レスに渡る量を書きながら投稿するのはオヌヌメできない。まずはメモ帳などで書こう。
m9(゚д゚)<あとは誤字脱字などのチェックはできればしておいたほうがいいぞ

[ ´・ω・`]<過去の住人の作品を読みたいんだけど
( ゚д゚)<まとめサイトあるよ ttp://www.geocities.co.jp/nejitu3pachiri/
保管庫Wiki ttp://www21.atwiki.jp/nejitu3pachiri/

( ゚д゚)<前スレ
【PSU】新ジャンル 「パシリ」十三体目
http://live25.2ch.net/test/read.cgi/ogame3/1185435885/l50#tag408
( ゚д゚)<次スレは容量が470kを超えるか、>>800を超えた辺りから警戒しつつ立てよう。
71名無しオンライン:2007/09/30(日) 13:47:17.89 ID:EDcTpWn7
あくまで案なので修正案とかあったら言っておくれ
72名無しオンライン:2007/09/30(日) 14:37:23.30 ID:YaMmhrwL
まあ長編を書きながら投下していくとどうしても伸びるからなぁ
まあパパ412氏の場合は速度的に予め書いてあるのを落としてあるっぽいが

落とす側は基本遠慮なしでいいがやりすぎにはご注意、って所かね


まあそれは置いといて
>>66
少しのミスなんて気にするな、よくあることさ
しかし『たゆん』だとか『デカチチ』と言う聞きなれない単語の筈なのにこのスレでは馴染んでるよなぁ・・・w

>>70
とりあえずヽ( ゚д゚ )ノと[´・ω・`]のQ&Aの発想は無かったとだけ言っておこう
修正案についてはそれでいいと思うぜ
73名無しオンライン:2007/09/30(日) 17:18:18.89 ID:cftEJtqw
>>68>>69>>72
 確かにおっしゃられるとおりですね。
 もう少し、手段を考えるべきだったと反省しています。

 そこで提案というか、
 現在まで投下中の「来るべき未来の為に」を、あと1話分投下して、
 残りをWiki保管庫に、全話まとめて投下するという形を取ろうかと思うのですが、
 どうでしょうか?
 ここでの投下を望んでいる方も居られるとは思いますが、
 これ以上連続して、俺が作品を投下することが、更に悪い影響を与えかねないようなので…
74名無しオンライン:2007/09/30(日) 18:18:40.95 ID:QY9O/IiE
どういう事なんだろ?なにかにビビってるのかな?
投下したらいいじゃない。
このスレでの優先度は
NGの概念が無いブラウザ使いのガキの戯言 < ネタ投下
だろ。
75名無しオンライン:2007/09/30(日) 18:34:06.50 ID:3J3T/lim
そもそも批判や悪影響を恐れるなら、
2ちゃんには何も書けんよ。
玉石混交なとこなんだからな。
・・・どれが玉でどれが石かはともかくw
76名無しオンライン:2007/09/30(日) 18:53:00.84 ID:cftEJtqw
>>74>>75
いや、これは失敬、説明が足りなかった。
今日を含め、あと5話を連日投下すると、またあの手のを呼び込んじゃいそうに思えましたので…。
ですが、お陰で踏ん切りがつきました。

尻切れトンボは流石に俺もゴメンです。
書いた手前、それじゃ責任放棄だし。
なので、今日を含めてあと5日間、連日投下させてもらいます。
更なる迷惑をかけるかも知れませんが、ご容赦下さい。

それでは本日分「来るべき未来の為に」、投下開始します。
ご拝読下さいませ。
77来るべき未来の為に(90):2007/09/30(日) 18:54:46.51 ID:cftEJtqw
 プラットホームを駆け抜け、連絡通路を抜けきった時には残り時間あと6分になってました。
 目の前には、貨物集荷場集中管理室です。
 ノックもせずに飛び込むと、二人いたキャストの管理職員が驚いて立ち上がりました。
「な、何事ですか?」
「機動警備部の者だ!密輸と違法商品取引の情報が入ったので、本日の貨物集荷場最下層A−8倉庫に移送される貨物全てに臨検を行う!
 最高レベルのスキャニングを直ちに実行し、報告を求める!」
「それを行うには、上級権限のデータパスが必要ですが…」
 ご主人様がもどかしそうに携帯端末からデータパスを起動すると、集中管理室の承認権限が全てご主人様に一時委譲されました。
「これでいいな?急げ、時間が無い!」
「は、はい!」
 転送は一瞬で済みますが、その間にもやることがいっぱいあります。
 マップの確認、コンテナの設置状況、各種マシナリーの現状などなど。
 3分ほどで大まかな事は終了し、程なくしてスキャニングの結果が出ました。
「大当たりです!何だこれは?!」
「外板にスキャナー用の偽装データをプリントして、中は三重構造の偽装コンテナ、しかも解体されたPMや違法品目が山ほど!不正コピー武器まで!」
「よし。これから乗り込むので、合図に合わせて指定した通路を閉鎖してくれ。それから…」
 ご主人様の指示でドッグの入り口が閉鎖されたり、運搬マシナリーが移動されたりします。
 準備が終わると、後1分しかありません。
 ご主人様と私は転送キューブの目標地点を集荷場の最下層に設定し、すぐさま移動します。
 到着すると、あらかじめ動かしたコンテナのおかけで、誰にも見つからずに済みました。
 足音を殺して、すぐに取引場所まで移動します。
78来るべき未来の為に(91):2007/09/30(日) 18:55:12.20 ID:cftEJtqw
 覗き見た、広くて薄暗い貨物集荷場の倉庫には、映像で見た二人のビーストと、どこにでもいそうなキャストとヒューマンの二人組みがいます。
「これで取引は予定通り最後だ」
 フランツという名前のビーストが、淡々と言いました。
「足りない分の代金はここにある。後はいつもの通りだ」
 ジェフという名前のビーストが、トランクを彼ら二組のちょうど真ん中に置き、下がります。
『そこまでだ!』
 私達は全身を隠したまま、ご主人様が携帯端末を経由して、スピーカーから静止を呼びかけます。同時に全ての明かりが灯され、倉庫は真昼のように明るくなります。
『こちらはガーディアンズ機動警備部だ!
 フランツ・ブラウナード、ジェフ・リー、そしてそこの二人、密輸ならびに違法商品および盗品売買の現行犯で逮捕する!
 コンテナはスキャン済みだ、弁明は法廷でするがいい!』
「くそ、何故取引がばれた!」
「知るかよ、んなこと!逃げるぞ!」
「…駄目だ、逃走ルートを全部塞がれている!」
「ふざけんな、来た時は平気だったじゃねぇか!」
 キャストとヒューマンの二人組みが言い争っている間に、ビースト達は宇宙港のほうへ移動しようとしていましたが、既に閉鎖済みなのに気づいて愕然としています。
「もう、俺達もおしまいだ、ジェフ」
「そ、そんな、フランツさん!」
「おい、ガーディアンズ!聞こえるか!」
『なんだ』
「自主する代わりに今すぐ保護してくれ!早く!」
「フランツさん!」

 ヴォン!

 現れた気配と共に、身の毛がよだつテクニック音が響き、ヒトが倒れる音が4つ。
 これは、メギドの音。
「ガーディアンズに気づかれなたのなら、貴様らも用済みだ」
 この声は、レンヴォルト・マガシ?!
 封鎖に使っていた運搬マシナリーが、にぎやかな音を立てて暴走し始めました。
79来るべき未来の為に(92):2007/09/30(日) 18:55:47.35 ID:cftEJtqw
「新型ウィルスの散布は完了したようだな。
 こそこそ隠れているガーディアンズども!今日はお前達の住処が墓場となる日だ!暴走キャストとマシナリーどもに、たっぷり可愛がってもらうがいい!
 ふぁっはっはっはっはっはっはぁ!」
 コンテナやマシナリーの破壊される音に紛れ、マガシの気配が消えます。

「行くぞ、ロザリオ。ここはもう、いても無駄だ」
「でも、さっきのローグス達と、取引相手は…」
「もう、SEEDウィルスに汚染されてる。どうしようもない」
 覗き見た父様が、首を横に振ります。
 ああ、デルセバンに変化してるし、キャストさんは暴走してる。
「急いで上に戻ろう。この調子じゃ大騒ぎだろうしな」
「はい」

 ピピ、ピピ

 こんな時にご主人様と私へ通信?一体誰?
『マスター!ロザリオ!無事ですか?!』
「ガーネッタ?!どうした!」
 父様じゃなくたって、これは驚きです。
『早く貨物集荷場の最上階へ!みんなが、パシリ達が、SEEDウィルスに汚染されて暴走しています!』
「一体、どういうこと?」
『イルミナスの作戦が始まったの!まさか今日だなんて!私達は配置についてるから、急いで!』
「配置って」
『説明は後、早く!』
「了解、行くぞロザリオ!」
80来るべき未来の為に(93):2007/09/30(日) 18:56:12.50 ID:cftEJtqw
 転送キューブから直接、集荷場の最上階に移動すると、散乱するコンテナと破壊されたキャスト、運搬マシナリーがあちこちに転がっています。
 たまたま居合わせたガーディアンズ達が、残っている職員達を守っていますが、私達を見て警戒します。
「どこの部署だ!」
「機動警備部だ!」
「…あんたはまだまともなようだが、連れのパシリは大丈夫か?」
「こいつを汚染できるウィルスがあるなら、見てみたいぞ」
 ご主人様、こんな時にひどい冗談を言ってます。
「しかし、この状況は一体」
「いきなりさ。俺達は、パシリ達の追跡調査で戻ってきたんだが、突然暴れだした同僚のキャスト達やマシナリー群から身を守りつつ逃げてな。
 途中で保護した職員達と一緒にここまでたどり着いたんだ。
 連絡補助通路はパシリ達が暴走して入れないから、ここから上に出れやしない。おかけで、シェルターまで行けずに足止めさ」

 ピピ、ピピ

 あ、あたしの通信機が鳴ってる。
「はい、ロザリオです」
『最上階へ着いた?』
 ガーネッタからの通信です。
「ええ、ついさっき」
『時間が無いわ。居住区エリアとパシリ大通りのマシナリーを全部制圧して!』
「ええ?!いきなり無茶言わないで!」
『大丈夫、あなたなら出来る。それに、私達がバックアップするから』
『やっほ〜ロザリオ、聞こえる?』
「トパーズ!」
『今、みんなと『魔女』さんで、W2の円周上に等間隔で散っているんだ。
 ボクたちの制圧・制御用通信システムを同調させて、ネットワークを作ってある。
 君がネットワークに同調して最大出力で制圧すれば、ほぼ居住区画全部を覆えるはずなんだ。
 居住区は暴走したキャストとマシナリーにパシリ達が徘徊してて、戻るに戻れないし、残っている人たちもシェルターに行けないんだよ。
 隔壁を諜報部が操作して何とか被害をとどめてるから、今のうちに手を打たないと。
 最悪、ボクたちがみんなを破壊して回ることになっちゃう』
81来るべき未来の為に(94):2007/09/30(日) 18:56:40.43 ID:cftEJtqw
「わかった、やってみる」
『ロザリオ、よく聞いて』
「なに?ルビーナ」
『おそらく規模の問題から、レギオンモードの師団レベルによる制圧になると思うのだけど、みんなをフリーズモードに、完全停止させて。
 ブレインコアの行動制御用生体チップはウィルスの毒素に汚染されるけど、稼動していなければ記憶デバイスには影響が無いって話なの。
 わたし達本来の能力なら、汚染の影響を受けずにコントロールできる。
 記憶データが無事なら、みんなを復帰できるわ』
「OK、じゃぁ、いきます!」
 パペットシステム、超広域モード、ネットワークリンク!
“パペットシステム、超広域モードで起動、システムネットワークにアクセス、リンク完了”
「ご主人様」
「どうした」
「これから、居住区と大通りのみんなを制圧します。シェルターまでの最短コースを割り出してください。そのルートを優先して行います」
「了解。おい、みんな、ちょっと話がある」
 ご主人様の打ち合わせは短い時間でしたが、こちらもその話を聞いてる余裕がありません。
(ネットワーク安定度98、問題ないよ)
(各通信帯域、検索終了。確保)
(居住区画の状況確認、要救護者エリアとブロックを検索…完了)
(移動経路チェック終了、全準備完了)
 みんなの声が、ネットワークから直接聞こえます。
「ルートが出たぞ、A1−B3−C2−C1−D9だ!」
「了解です」
 居住区の仮想マップをネットワーク上に展開、全ての状況を重ねて最優先エリアを作成。
(シミュレート開始…終了、問題ないわね)
 ガーネッタのその言葉に、私は通信システムの出力を、初めて最大にしました。
 レギオンモード、師団レベル、アクセス、バラージ、インパクト!
 その瞬間、コロニーが揺れ動いた錯覚に陥りました。
“レギオンモードを師団レベルで起動、アクセス完了、広域無差別放射、ファイア!終了”
 制御、フリーズ
“制圧個体の制御を開始、システムダウン…終了”
82来るべき未来の為に(95):2007/09/30(日) 18:57:10.13 ID:cftEJtqw
 仮想マップ上のパシリ達があっという間に停止状態になっていきます。

 ズガァン!!!!

 いきなり、集積場の天井が壊れて振ってきました。同時に非常灯が点滅します。
『緊急警告、ガーディアンズコロニーにSEED襲来、繰り返す、ガーディアンズコロニーにSEED襲来』
 こんな時に!しかも、ご主人様は落ちてきた構造体の向こう側!

 ズガァン!!

『緊急警告、宇宙港に同盟軍の戦艦が強制接舷を敢行、宇宙港職員は直ちに避難してください。エア・シールド、危険レベルに低下中!繰り返す…』
 警報と共に照明が非常灯に切り替わって、世界は赤く染まります。そして、コロニーがSEEDに汚染され始めました。
「くそっ、通路が!」と、誰かの声。
 見ると、構造体の金属板が天井からぶら下がって、通路への入り口を完全に塞いでしまっています。
 瓦礫の所為で近寄れませんが、あれなら!
「そこから離れて!」
 私はリンクを切って制圧を一時保留、『バスターウェーブ』を起動して、瓦礫越しに金属板を切り落とします!

 ドガラン!

 よし、これでOK!
 そしてすぐに『バスターウェーブ』を解除して、再接続を試みます。
「SUVウェポンか!助かる!」
「皆さん、退路は確保できました!急いで移動して!」
 私が叫ぶと、再び構造体が降ってきます。
 また通路はふさがってしまいましたが、職員達はその前に集積場を脱出し、なんとか全員がいなくなりました。
83来るべき未来の為に(96):2007/09/30(日) 18:57:36.82 ID:cftEJtqw
 ズダン!!!

「ぶるぁぁぁぁぁぁ!!!
 俺様としたことが、とんだ見落としをしたようだ。
 貴様、『コマンドマスター』だったのかぁ!」
 三度目の大きな崩落と共に天井から降ってきたのは、SEEDマガシ!
「な、なんの話?」
「とぼけても無駄だぁ!俺様がぁ、計画を知らないとでも思うのかぁ!」
 パシリにまぎれて潜入させる予定だった、暴走キャストやマシナリーを制圧・操作する、13体の司令塔兼中継塔。それが私とジュエルズと『魔女』さん。
「他の手段を講じた今、貴様らは不要。それどころか、我らに刃向かうとは滑稽だ!
 ゴミは、片付けねばなるまい!
 くらえぃぃぃぃ!メェェェギィィィドォォォォゥ!」
 しまった、自分の躯体制御まで手が回らなくて、すぐ動けない!
 ネットワークへのリンクを強制停止!…ダメ、間に合わない!

 ドン!ヴォン!

「きゃっ!!」
 突然、私は突き飛ばされ、すぐ近くをメギドが飛んでいきます。
「おい、大丈夫か『指揮者』」
 私を突き飛ばしたその声の主は、私をすぐに立たせてくれました。
「な、なんとか」
「じゃあ、お前は作業に集中してな。こいつの相手はあたしだ」
 そう言って私の前に立ちはだかったのは、炎のように真っ赤に光る髪が逆立ってうねるように踊ってる『狂戦士』さん!いつもの髪留めリボンは左腕に巻きつけています。
 彼女のこんな姿を見るのは初めてです。おまけに、彼女からものすごい熱を感じます。
「ど、どうして…」
「ここに、ってか?あたしもおかげさんでSEEDウィルスには耐性があってね。このくらいは何ともないのさ」
「で、でも、その姿…」
「ああ、これか。途中で雑魚を蹴散らしたまんまなんで、冷却が終わってねぇんだ。あと2分がいいとこかな?」
 そうか、彼女の欠陥か!
84来るべき未来の為に(97):2007/09/30(日) 18:58:05.51 ID:cftEJtqw
 上限の無いリアクターとその出力に耐えられる躯体であっても、熱まではどうしようもないんだ。
 戦闘の所為で放熱しきれない熱が溜まっちゃってて、それを無視できる耐久限界まであと2分位って事ね。それ以上は多分、ブレインコアが非常停止しちゃうんだろうな。
「ふん、雑魚が一匹増えようが、俺様の優位には変わりが無いわぁ!!」
「それはどうかな?あたしはそんじょそこらのパシリとは違うんだ」
 ナノトランサーから斧を取り出し、軽々と片手で振り回して、切っ先をピタリとSEEDマガシに向けます。
「ここであったが100日目。愛するマスターの敵、とらせて貰う!!」
「ふん、雑魚の主人など、いちいち覚えてなどおらぬわ!」
「く、この、だまれぇぇぇぇぇ!!」
 SEEDマガシの身長のゆうに2倍は飛び上がり、空中で一回転してから斧を振り下ろす『狂戦士』さん。
 桁違いのリアクター出力は、そのパワーによって躯体の運動能力も跳ね上げています。
 SEEDマガシは余裕を見せて、左腕一本で止めようとして見せます。
「フル、パワーだぁ!!!」
「なに?!しまっ…」
 フラッシュのように斧の刃と髪が光り、視界を焼きます。

 キュゴン!!!

「ぬぅぉぉぉぉ!ぬかったわぁ!だが、ただでは倒れんっ!」

 どすっ!

「え、あれ?」
 私の胸に走る衝撃。口からあふれる、オイルと循環液。
 見下ろすと、私のみぞおちの辺りには、SEEDマガシの腕だけが半ばから生えています。
「こ、これで、全ての制圧は不可能…ふははははははは!」

 きゅばぁぁぁぁ…

 SEEDマガシが塵と化していくのと同時に、私は意識を失いました。
 もう一度、ご主人様に…
85名無しオンライン:2007/09/30(日) 18:59:28.50 ID:cftEJtqw
本日分の投下完了です。

あと4話で完結します。
お目汚しですが、今しばらくお付き合い下さい。
86某飯店作者:2007/09/30(日) 22:59:00.27 ID:+hJzgki8
>>85
お目汚しだなんて、楽しみにして待っていますとも!

では、飯店長編も佳境へと参りましょう〜
87ヒュマ助長編 with たゆん一家編 10/15:2007/09/30(日) 23:00:09.02 ID:+hJzgki8
黒服を前に、一般人全開の男が、ファントム片手に営業スマイルで語り始める。

「いらっしゃいませ。ご注文は…何に致しましょうか?」

黒服は驚いたそぶりも見せず、ただ獰猛な笑みを浮かべて答える。

「あの小娘を差し出せ」

隠れていた4人が姿を表す。飯店を背に、ヒュマ助達を取り囲んでいく。

「お客様、どのようなご事情がありましても…お客様を差し出すわけには参りません」
「出すぎた正義感が、自らの死期を早めるぞ?」

嫌味な笑顔を続けながら、ゲラゲラと方位を狭める黒服ズ。

「いえいえ、正義感など…」

途端、ヒュマ助もつられる様に笑い出す。静かな苦笑が、通路へこだまする。

―タァー…ン

静かな銃声。先ほどまでヒュマ助と対話していたはずの男が、壁まですっとぶ。
一瞬の出来事。銃を構えるそぶりすら見せなかった青年が見せた、早撃ち&狙撃…

「どんな理由があるか…なんて、気にはしないし聞く気もわかない…けど」

笑顔。残忍なほどに…。口の端がにんまりと、残酷な笑顔を形作る。
しかし、瞳が笑っていない。冷徹なまで、普段のキツネ目とはうってかわった、冷たい眼光。

「お客様に手を出そうとする輩に…おいそれと店の暖簾くぐられる訳にはいかないんですよ」

その眼光に射抜かれたように、黒服たちがたじろぐ。

「422、442、怪我しない程度に『おもてなし』しておいてくれないか?」
「ほほーい、ひさしぶりにニャンポコ仮面!いっくよぉー!」
「ヒュマ助様、あまり無理はなさらぬ様お願い致します」

そういって、楽しげに武器を構える二つの小さな影。
その会話が合図になったように、飯店前の通路は怒号に包まれた。
88ヒュマ助長編 with たゆん一家編 11/15:2007/09/30(日) 23:00:49.14 ID:+hJzgki8
「チ…正面の奴ら何やってやがる…」

悪態をつきながら、黒服が履き捨てるように呟く。
手には銃や剣が握られており、物騒この上ない。

「まぁいい、今のうちにあのガキをかっさらって…」
「無理だ」

!!?!?!

冷たい声に遮られたその悪態。見上げれば、8本の足を持つ影が、彼らを見下ろしていた。
真紅の相貌、見つめられた彼らは悟る。獲物は自分達だ。

「う、うわぁぁあぁぁあ!!?!?!」

どしゃっと、人が落下する鈍い音。吊り上げられた黒服が次々と地面にたたき付けられる。
ドサドサと無造作に落下すると、ピクピクと痙攣しながら気絶する黒服ズ。

「まったく…」

ため息一つ。43Xがシュルシュルと気絶した黒服を集め、ロープを結んでいく。
そして…

―カポッ、きゅ…きゅきゅ…

「これでよし」

額に「米」と書き、グルグルの簀巻きにしたロープへ「馬鹿」と書いた紙を貼り付ける。
満足げにニマーっと微笑むと、43Xは元の頭上のダクトへと戻っていった。
89ヒュマ助長編 with たゆん一家編 11/15:2007/09/30(日) 23:01:41.82 ID:+hJzgki8
「こっちか…ほれ、いそぐんよ410!」

たゆんが物凄い速さで、喧騒が聞こえる方へと通路を駆け抜けていく。
あの監視二人も、送れぬ速さで追いかけていく、のだが…

「な、なんでマスターはこんな異常な速さで走れるんですかぁー!!」

全力でも少しずつ遅れ始める410。あんな大きなモノをつけて、どうしてこうも速度が出るのだろう?

「隊長!あそこだ!」

声に導かれるように、通路の先…広く開けた場所へ飛び出していくたゆん一行。
その目の前にうつる光景は…

「にゃんぽこドライバァーッ!」
「ゲブハァァァァッ!!」

422に担がれ、高らかと飛び上がった後、地面に逆さに叩きつけられる黒服と…

「この!このっ!」
「はぶっ!?」「うぎゃ!?」「ひゃぼっ!?」

442に狙い撃ちにされ、シールドラインごと尻など急所を打ち抜かれもんどりうつ黒服と…

「……、馬鹿」
「う、うごけん…」「た、助けてくれぇ…」

43Xによってワイヤーでグルグル撒きにされて転がる、黒服ズであった。

「え、えーと…」

あっけに取られる410。監視の二人も事態が飲み込めないのか、ポカーンとしている。
そんな彼らと反対側の通路から、怪しげな機械音が響いてくる。

「なっ…!」

大量のガードマシナリーが、通路をわんさかと押し寄せてきている。

「…どうやら、なりふりかまわない手段を選んだようだな…馬鹿共が」

たゆんがソっとメガネを外す。トランサーから愛用の一本を取り出すと、サっとかまえ…

―タンッ!…タタンッ!…タァーンッ!

るよりも早く、銃声が響き渡る。
見れば、先頭の方から次々と、ガードマシナリーが白煙を上げてガラガラ崩れ爆発していった。
90ヒュマ助長編 with たゆん一家編 12/15:2007/09/30(日) 23:02:15.71 ID:+hJzgki8
「一体、これは…」

410の呟きに、飛来する弾丸の先の影をみて、たゆんが苦笑する。

「どうやら、頼もしい味方が居てくれたようなんよ…」

飯店の店先、テーブルなどでバリケードを組んだ場所に、一人…
ファントムを構えると、バリケードの隙間から寸分も狂わぬ位置へと、弾丸を落ち込む人影。
あの、小太りで、ヘラヘラと笑顔が似あう、店主の青年であった。

打ち出される緑色の見慣れぬフォトン弾が、マシナリーの動力部を尽く打ち抜いていく。
薄暗い通路、そして…動きのあるガードマシナリーの急所を、この速度で打ち抜いていく技術。

「と、とてもじゃないが…一介の飯店店主が出来る芸当じゃねぇぞ…おぃ」

監視の片方があっけに取られながら呟く。
目の前で、まるでコレが普通と言わんばかりに、一般人の手によって行われていく狙撃の芸当。
アレだけいたマシナリーが、ものの数分でスクラップに変えられていく。
程なくして、場所にはあっけにとられたたゆん一行と…
倒れ伏す黒服ズ、壊れたガードマシナリーの山。そして…

「にゃーはっはっは♪にゃんぽこ仮面は無敵だよっ!」
「422!あまり調子に乗ってはいけませんよ?まったく…」
「ヒュマ助、こっちも片付いた」
「うん、皆お疲れ様」

何事もなかった様に、やれやれと緊張感のないやり取りをする、飯店一家だった。
91ヒュマ助長編 with たゆん一家編 14/15:2007/09/30(日) 23:03:11.03 ID:+hJzgki8
「おぉ!ははさまっ!410っ!」

黒服ズは結局、不審者+営業妨害という形で警備部の方々に引きずられていきました。
そして、飯店の中では外の事などまったく気づかないまま、美味しそうに料理をほお張るお嬢様が…
その光景に、本日何度目かの脱力をしたたゆん一行であった。

「もう、勝手に先にすすんだらアカンよ?ん…?」
「うう、すまないのじゃ…ははさま。410…」

シュンとなったお嬢様。コツンと軽いゲンコツをすると、たゆんも「ん…w」と笑顔で許していた。

「そうじゃ、ははさま、この店主の料理はおいしいのじゃ!」

そういって、まだ暖かな料理がならんだテーブルへ、二人を連れて行く少女。

「おー、この子にご馳走してくれてたんか。何から何まで…世話になったのー」
「いえいえ、これも…きっとめぐり合わせですよ」

連れて行かれながら、ヒュマ助につぶやくたゆん。ヒュマ助も苦笑で答える。

「410!これを食べてみるのじゃ!」
「へ?…あ、はい…。…むぐむぐ、ぶっ!す、すっぱいです!?」
「次に、これを食べるのじゃ!」
「むぐむぐ…、あまり味がしないですね?」
「さ、もう一度これを食べるのじゃ♪」
「や、やですよぅ!すっぱかったじゃないですかぁ…」
「いいから、騙されたと思って一口食べるのじゃw」
「うぅ…しぶしぶ。…むぐむぐ、あ、あれ?」
「むふふwどうじゃ!」
「あ、あまいです!」
「お、どうしたんよ?」
「ははさま!ははさまもあーんなのじゃ♪」

なんだかんだで、この親子。幸せそうな光景が、戻ってくる。
そんな笑顔の再会を遠めに見ながら、飯店一家も微笑ましそうに見つめていた。
92ヒュマ助長編 with たゆん一家編 15/15:2007/09/30(日) 23:04:06.76 ID:+hJzgki8
「残った料理まで折り詰めにしてもらって、本当に助かるんよ」
「いえいえ。また…家族でのご来店をお待ちしておりますよ」

そういって、満腹になったためかたゆんに抱っこされる形で眠る、お嬢様をソっと撫でるヒュマ助。

「またね、410。今度は3人一緒で来てね!」
「はい。422ちゃんも442ちゃんも、お元気で」
「えぇ。そちら様もどうか、息災で」

442と422もお見送り。皆が笑顔で、何事もなかった様に日常へと戻り始める。
そんな家族を見守る、アノ視線。

「まぁ、大事なくてよかったな」
「一時はどうなる事かとヒヤヒヤしたがな」

あの二人もまた、上に報告を終えて引き上げる所だった。

「さて、交代に任せて俺達も引き上げようぜ?」
「ん、あぁ…」
「どうした?歯切れが悪いな」

スコープ片手の男に、もう一人が問いかける。

「結局、あの店主…何者なんだろうな」
「さぁな…。ひょっとしたら、隊長は何かわかってるのかも、な」

ため息ひとつ。そんな背を向ける彼らの頭上に…金網の外れたダクトが一つ。

「ん」
「へっ…?うぉあ!?」

ポス…っと、二人の手元へ紙袋がそれぞれ落とされる。
ちゃんとキャッチしたのを見ると、「はー、終わった」といった表情でダクトへ消える影。

「今の…あの青年の店の子、だったよな…」
「あぁ。たしか…43Xと呼ばれていたな…お?」

紙袋を開けると、手作りなのか…まだ暖かいホットサンドが数個。
そして、可愛らしいメモ用紙に可愛らしい文字で短く。「今度は隠れずに食べに来い」

たゆん一家に飯店一家、野郎が二匹。最後はなんだかホワンとした…
そんな、不思議な一日であった。
93某飯店作者:2007/09/30(日) 23:17:21.57 ID:+hJzgki8
ま、またナンバリングを間違えているんだぜ…すまない、皆…orz

毎度ながら、不完全燃焼というか…燃えない展開でスマソ…
けど、「主役は英雄じゃなく一般人に毛が生えた程度」の誓いの為に…
かっこつけはぼやかすしかないんだぜ?…ご容赦をw

一応、次回は最も長い作品になると思われます。
今回の騒動もございますし、その時は手段を講じようと思います。

では、流れぶった切りも此処まで!しばし篭りま〜す
長編でのお目汚し、どうも有難う御座いました。
94名無しオンライン:2007/10/01(月) 15:31:31.74 ID:zc8kC1fJ
久しぶりに覗きに来たらまだしっかりスレがあって嬉しいです。
小ビス子と430の者です。このスレも一年続いてると思うと凄いですね。
別の物書きが忙しくなってしまって、こちらに投下する話が作れませんが、
ここでは本当に幸せな思いをさせて頂きましたし、これからも続いて欲しいですねー。

前スレの最後でワンオブサウザンドの話が出ていましたので、
ちょっぴり講釈を。

レスにもあった通り、元ネタはシティハンターに出てくるモノです。
量産品の製造工程の中で何らかのミスがあり、偶発的に異例のスペックを持つに到った個体が、
ワンオブサウザンドと呼ばれる奇跡的欠陥品です。
例えばー…、−200℃に設定出来るエアコン、みたいな。
無茶苦茶な性能だけど、エアコンとしては欠陥品以外の何物でもないわけで。
なので430はワンオブサウザンドの異常性能を総じて「欠陥」と呼んでいるわけです。
普通のパシリには全く必要のない性能ですから。

あとの設定的なモノは、何ていうか結構ザルですw
ワンオブサウザンドがどいつもこいつも400シリーズなのは、
400シリーズの方が話が書きやすいからw
敢えて後付けで言うなら、
欠陥品としての異常性能を発現するには、
本来のフルスペックを発揮できる400シリーズにまで進化する必要がある。
てなとこでしょうか。タマコロの内に発見されたら出荷前に回収されちゃいそうですしね。

設定的なモノは書き手さんが自由に押し広げて行っていいと思います。
私自身、私の作品の中でとはいえ、既に本家のある世界観の中、
バケモノパシリ設定を作り、
ガーディアンズに勝手な部署を設置して、
挙げ句にはPMの生みの親なんか出してる訳ですから。
「私の設定と違うからダメー!」とかは言わないです。てか言えないですw

あ、あと、長い日のまとめサイトへの保管、ありがとうございました!
本来私がやるべきでしょうに、お手を患わせてすみません。

それでは、ひょっこりネタが出来て、書ける時間が取れた時には、また。
95名無しオンライン:2007/10/01(月) 17:29:40.33 ID:1a0FG0ws
>>94
おー小ビス子氏お久しぶり

パシリスレは多分まだまだ続くだろうしいつでもネタ落としてくだされー
96名無しオンライン:2007/10/01(月) 21:50:13.65 ID:zSrRbEDo
>>94
 いつでもネタ投下をお待ちしてます。

さて、今日も懲りずに投下させていただきます。
それでは「来るべき未来の為に」、ご拝読下さいませ。
97来るべき未来の為に(98):2007/10/01(月) 21:57:53.59 ID:zSrRbEDo
「―――『指揮者』、しっかりしろ!意識を失っちゃ駄目だ!班長!早く来てくれ!『指揮者』が、ロザリオが!」
 瓦礫を何とかよじ登り、俺の目に飛び込んだのは、胸に大穴を空けて倒れたロザリオと、それを抱えあげて俺を呼んでいる、髪が真っ赤な『狂戦士』の姿だった。
 『狂戦士』の奴、限界近くまで戦闘し続けてたようだな。大方、ここに来る途中で雑魚を蹴散らしてきたんだろう。
 とにかく、状況がいまいち把握し切れていない。
 聞こえて来ていた様子では、SEEDマガシが現れた後、『狂戦士』がやってきてマガシを倒したらしいのまでは分かっている。
 だが、何故ロザリオが倒れている?
 俺は瓦礫の上から飛び降り、駆け寄った。
「マガシのくそ野郎!!死ぬ間際に、ちぎれた自分の腕をロザリオに投げつけやがった!!
 こいつ、無防備になってたから、もろに喰らっちまったんだ!!
 くそっ、くそっ、くそぉっ!!!!」
 叫びながら、床に拳を叩きつける『狂戦士』。
「自分を責めるな、『狂戦士』。来てくれて助かった」
「でも、ロザリオが!」
「完全破壊されなかったんだ、お前のお陰でな。それに、頭部が無傷なんだ、何とかなる」
 『狂戦士』にそうは言ったものの、不安は拭いきれない。PMにも、ヒトと同じようにショック死した事例はいくらでもあるからだ。
 俺は膝立ちになると『狂戦士』にロザリオを下ろさせ、ロザリオの躯体を貫通した大穴に、意味が無いのを知りつつ、大型の負傷パッチをあてて穴を塞いでやる。
 次いで、躯体調整用キーボードを取り出して接続し、躯体の状況を読み出す。

<メインリアクター…小破、背面主骨格…大破、同情報伝達ライン…大破、内蔵ユニット…中破、循環ライン…各所で破裂>

 惨憺たる状況だが、リアクターが爆発しなかっただけまだいい。それに、俺はまだあきらめていない。

<ブレインコア…損傷なし、記憶デバイス…損傷なし、データ状況…不明>

「データ状況が不明?不明だと?!」
 今度は記憶デバイスの詳細を確認する。まさか…
 いや、まだだ!あきらめるか!あきらめて、た ま る か !

 ピー!<D A T A  L O S T>
98来るべき未来の為に(99):2007/10/01(月) 21:58:22.20 ID:zSrRbEDo
 情報喪失。
 何 も 、 無 い 。
 何も残ってない。
 この躯体は、ただの ガ ラ ク タ …

 かたん……

 俺の手から、キーボードが滑り落ちた。
 そして、力なく両手を床につき、眠っているようなロザリオの顔を覗き込む。
 貨物集荷場内の公共放送用スピーカーから、朝を告げる鳥のさえずりが静かに流れる。

「う そ 、 だ ろ ? …
 眠ってる、だけだよな?
 起きろ…起きろよ…
 …目を開けろよ…夜が明けたんだから…
 起きて、挨拶しろよ…
 おはよう、って…
 いつもみたいに、笑って…
 そして…
 ご主人様って、父様って、呼んでくれよ…
 なぁ、おい、ロザリオ…
 聞こえないのか?
 俺の声が聞こえないのか?
 本当に、聞こえないのか?
 …本当に、逝っちまうのか?
 あいつの所に、逝っちまう気か?
 俺を、ほったらかしにして…
 お前まで逝っちまうのかよ。
 …冗談じゃねぇ。
 冗談じゃ、ねぇぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
99来るべき未来の為に(100):2007/10/01(月) 21:58:40.83 ID:zSrRbEDo

 喉の奥から搾り出しような叫び声をあげ、キーボードに拳を叩きつけると、あっさりとキーボードが砕けた。
 悲しみに震える腕で、眠ったように瞳を閉じ、動かなくなったロザリオの躯体を抱きあげる。
 俺の目からロザリオの頬に、いくつも涙が落ちていく。

「俺が好きだ、愛しているって言ったそばから、お前はあいつみたいに俺の前からいなくなっちまうのかよ!
 お前がいなくなったら、俺はまた独りじゃないか!
 独りで生きるのは、もう嫌だ!
 嫌なんだよ!
 お前まで失うのは嫌なんだ!
 還ってきてくれっ!
 俺を、独りにしないでくれ!
 ロザリィ―――――――ッ!!」
 俺は、ロザリオの胸に顔を埋めて、泣いた。


 …誰かが泣いてる
 躯体は、全く動かない
 でも、優しいあったかさが伝わってくる
 私、どうしたんだっけ?
 ああ、胸にマガシの腕が直撃したんだ
 みんな、助かったかな
 頬に、あったかい雫が落ちてくる
 これ、涙?
 どうして泣いているの?
 私の為?
100来るべき未来の為に(101):2007/10/01(月) 21:59:06.62 ID:zSrRbEDo

「ロザリィ―――――――ッ!!」

 父様が、泣いている
 独りは嫌だ、って、泣いている
 独りじゃないよ、父様
 何時だって、何処だって、私は父様と一緒
 愛するあなたと一緒
 だって私は、あなたのパートナー
 あなたのパートナーマシナリー
 私は、片時もあなたから離れません
 だから泣かないで
 あなたが呼び続ける限り、私は…
 私は!
 貴方の許に、還ります!
 

 キュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!

「わ、なんだ、一体?!」
 『狂戦士』のその声とまぶしさに、俺は伏せていた顔を上げ、目を開けた。
 動かなくなったロザリオの躯体が、光に包まれている。
「…これは、進化の光か?でも、どうして?進化デバイスも使って無いし、それに、こいつはこれ以上の進化段階を持たないはず」
 俺は、激しい損傷で躯体そのものが稼動していないことすら忘れて、そう呟いた。
 ロザリオの身体は宙に浮き、光の繭になっていく。
「は、班長、なんだよこれ」
「俺も判らん!」
 繭は暫く浮き続け、唐突にはじけた。
「これは、ヒューマン?それともキャスト?」
 『狂戦士』が不思議そうに聞いてきた。
101来るべき未来の為に(102):2007/10/01(月) 21:59:34.31 ID:zSrRbEDo
 現れたその姿は、身長的には10代半ばの長い青い髪の女性。その身に纏うのは、412のものにロングコートを足したような、少し変わったデザインの服。
 キャストというには耳朶があるし、ヒューマンと呼ぶにはどう見ても機械的な一対の髪飾り型センサーが、お団子の髪があった辺りから生えている。
 そして、ふわりと地面に立つと、目を開けてこちらに向いた。
 その瞳は、見慣れた赤い色。(イメージが伝えにくいので、作者自筆、最初で最後の挿絵です。ttp://atpaint.jp/uiui/src/1191242186518.jpg

 光が薄れ、目を開くと、私の前にいるのは父様と『狂戦士』さん。
「もう泣かないで、父様。
 私は貴方と同じ時間(とき)を歩むためなら、愛する貴方が呼び続ける限り何度でも貴方の許に還ります。例え死ぬ事があろうとも。
 父様―――いえ、ご主人様。私はあなたを愛しています。一人の男である貴方を一人の女として心から、誰よりも、何時までも」
 唖然とした表情で、私をまじまじと見つめるご主人様。
 私は最愛のこの人を、パパや父様、ご主人様以外の呼び方で呼びたいのに、呼び方が思いつきません。
「おまえ、ロザリオ、か?」
 無言で頷きましたが、ご主人様の真剣な眼差しがちょっと恥ずかしくて、はにかみながらも微笑みます。
 ご主人様は恐る恐る私に近づいて頬を撫で、私が幻じゃないと判ると、自分の胸になんとか届く身長の私を力いっぱい抱きしめました。
「ご、ご主人様、痛いですぅ」
「その言い方、間違いない…もう二度と、お前に会えないのかと…」
「ごめんなさい、ご主人様を悲しませて」
 以前と違って背が高くなったので、ご主人様の腰に手を回して抱き返します。
「…………あんなつらい思いは、もう御免だってのに、俺は」
「母様のこと、ですね…」
「さっきの、お前の事だ」
「!」
「何で俺はいつも、肝心な時に間に合わないんだ!
 あいつといい、お前といい、愛する者が死神の手に落ちてからでないと、この手が届かないなんて!
 まったくもって、不甲斐無い…」
 私を抱きしめたまま、ご主人様はさめざめと涙を流し続けます。
 よほど悔しかったのでしょう、唇を噛み切ったらしく、口の端に血が滲みます。
「そんなに自分を責めないで、ご主人様」
「そうだよ、班長」
 隣に目をやると、少し見下ろす位置に『狂戦士』さんがいます。
102来るべき未来の為に(103):2007/10/01(月) 22:00:05.74 ID:zSrRbEDo
「あたしに『自分を責めるな』って言っておいて、自分がそんなざまでどうすんだよ。説得力無いぜ?」
 私はご主人様の顔に手を伸ばし、涙と血を素手で拭います。
 抱擁を解き、私のその手を握りしめるご主人様。
「すまん、返す言葉も無い」
「でもさ、何でお前はそんなにでかくなっちまったんだ?食いすぎか?」
「ひどい事言うのね、『狂戦士』さんは」
「でも、その疑問は俺も同じだ。それに、お前は完全に機能停止、いや、死んでいた。どうやって復活した?」
「その答えはまた後で。
 私のこの姿は、今はほんの一時的なものなの。でも、その前に、やるべきことを果たさないと」
 私は切れてしまったネットワークに再度リンクし、システムを再起動、この躯体なら可能であるプログラムで、暴走キャストの鎮圧を開始します。
(突然リンクが切れたけど、どうしたの?)
(なんでもないの。心配掛けてごめんね)
(残存制圧地域は…え?ほとんど減ってない?)
(それ、キャストの分。キャストも同時に始めるわ。30秒だけ耐えて頂戴、みんな!)
 マスターリンク起動、威力最大、レギオンモード、レベルは部分制御、サーチ。
 さっきまでとは桁違いの出力で、探査能力を跳ね上げます。
 みんなが苦しむ声が聞こえてくるけど、お願い、耐えて!
“マスターリンクプログラム起動、フルパワー、レギオンモードに設定、部分制御レベルのサーチ開始…終了”
 よし、ほとんどの暴走キャストは、記憶中枢機能に問題は無くて、普通に動いてる。こことリアクターだけ停止させれば大丈夫。
 記憶デバイス制圧、リアクター制圧、フリーズ
“部分制御開始、記憶デバイスの動作制圧…終了。リアクターの動作制圧…終了、システム凍結…コンプリート”
 同時に、コロニー内の非常警報が響き渡ります。
『警告、警告、コロニーのメインAフォトンリアクターがパージされます。付近で作業中の職員並びに市民は、速やかにシェルターに非難してください。繰り返します…』
 どうやら、SEEDに侵食されたらしいこのコロニーのAフォトンリアクターを破棄するようね。
 そして、そろそろ私の方もタイムリミットです。
 不意に、私宛の差出人不明メールが届いて、私の意志とは関係なく勝手に開きます。

『来るべき未来は過ぎ去りし時間に。汝にひとときの安らぎあれ』

 それが、私の『力』が役割を終えた事を告げるメッセージでした。
103来るべき未来の為に(104):2007/10/01(月) 22:00:35.70 ID:zSrRbEDo

「ミッションコンプリート。キャストとパシリの制圧は終わったわ、父様。
 みんなの記憶デバイスを凍結して汚染防止を試みたから、意識に問題は出ないと思う」
「ご苦労様。大丈夫か?」
「はい、と言いたい所ですが、そろそろこの状態を維持するのが限界です。
 今のこの姿は、私が次の進化段階で獲得する姿で、進化用に蓄積していた構成元素を、同様に貯めていた変換・構築用エネルギーで一時的に固定した仮ボディです。
 412ボディの損傷が激しかった為に、新造済みのバックアップ用ブレインコアユニットへ意識体データを完全退避。
 現在までに蓄積したエネルギーと元素を使って、進化行程の躯体変換を応用した修復・再構築を行いました。
 そろそろ仮ボディも保持限界ですし、412躯体の修復が完了したので、412に戻ります」
 制圧中もずっと握っていてくれた父様の手をそっと外し、二歩ほど離れます。
 再び光の繭に包まれ、繭がはじけると412の姿に戻っています。
「あ〜あ、蓄積していたエネルギーと元素、だいぶ放出しちゃったよぅ。おまけに、知らないうちにだいぶ減ってたし。
 あの姿にちゃんとなれるの、何時なんだろ?」
「何時だっていいじゃないか」
 私の傍に片膝をついて、父様が言いました。
 そして、私をそっと抱き寄せると、唇を重ねます。
「父様?ん…」
 あ、『狂戦士』さん、いるんだっけ。
 ちらっと視線を送ると、両手で眼を隠しつつ、顔を真っ赤にして指の隙間からしっかり見てます。
 ま、いっか。
「今はまだ割り切れなくて、相変わらず俺の『娘』としか思えないが、出来るだけ早くそれを修正する努力をしよう。
 とにかく、お前は自分で、それもたった一日で俺との約束を果たした。だから約束通り、お前の思いを受け入れよう、一人の『男』としてな」
 キスを止め、私がとろけてしまいそうな微笑を浮かべたご主人様が言います。
104来るべき未来の為に(105):2007/10/01(月) 22:00:54.89 ID:zSrRbEDo
「あれがお前の可能性なら、50年や100年くらい、気長に待つことにする。
 俺がお前の想いを受け入れたように、今度は、俺の想いをお前が受け入れられるようになるまでな」
 …え?…え〜っと、それって………私がまだ、子供って事ぉ?!
「もう!酷いですよぅ父様、私を子供扱いするなんて!」
 ぽこぽこと父様の胸板を叩くと、なんとなく可笑しくなって笑い始めました。
 そうすると、父様も笑い出しました。
 しばらく二人で笑っていると、幾つかの気配が集まってきます。
「マスターもロザリオも、何笑ってるの?」
 不思議そうに言うサファイアの声。
「なあ、確か班長って、『そっちの気は無い』って言ってたよな?」
 『狂戦士』さんが到着したばかりの『魔女』さんに向かってそう言うと、「そう言う話よ。それで?」との返事。
 ピンと来たらしいトパーズが、ご主人様を指差して、
「もしかしてマスター、ロザリオに手を出したの?まさか、ムッツリロリ?」
 父様に喧嘩を売っているような台詞を吐きました。
「誰が貴様らなんぞに手を出すかってんだ!このバカ娘共!」
 笑顔の中に怒筋を浮かべ、怒鳴るご主人様。
「じゃあ、ロザリオは特別なんだぁ」
「ああそうだ!悪いか!」
 すっとぼけた言い方でラピスが言った台詞に、反射的に答えた父様。
 ざわり、ごにょごにょ、と、ひそひそ話をする、集まったジュエルズ&『魔女』さんと『狂戦士』さん。
 突如泣き出すウラル。
「ひどいよマスター、ロザリオばっかり!あたしも抱きしめて、キスしてよ〜!」
 棒立ちになって、子供泣きするウラル。
105来るべき未来の為に(106):2007/10/01(月) 22:01:17.16 ID:zSrRbEDo
「あ〜あ、泣かせちまいやがんの。ダメダメじゃん、班長ってば」
「あ?なに、俺の所為か?」
「そうよ、責任取りなさいよ、オメガ・リーダー」
「お前まで言うか、『魔女』」
「そうね、マスターには責任取ってもらって、みんなにキスしてもらおうかなぁ?」
「おい、ガーネッ…」
 父様が何か言いかけると、私と父様にしか分からないように、ウィンクしてみせるガーネッタ。
 その仕草に何かを察したらしい父様は、
「分かった分かった、一人ずつな」
 そう言って一人一人を抱擁し、「ご苦労様」と言いながら、みんなのおでこにキスをしてあげました。
 何故か『狂戦士』さんや『魔女』さんまでしてもらってますけど、嫌がった様子はありません。というか、うれしそうです。
 流石、諜報部のパシリを統括している班長って所でしょうか。
 あえて名前を挙げませんけど、キスされたら、向こうの世界にいっちゃった人もいます。しょうがないけどね。
「やきもち焼かないの?」
 ガーネッタがひっそりと私の傍に立って、問いかけてきます。
「別に。たかだか親愛のキス一つに、目くじら立てるほどじゃないでしょ?」
「あら、ずいぶんと余裕ね。じゃあ、あたしもモーションかけよっかなぁ」
「本気じゃないくせに……お好きにどうぞ。でも、あなたには振り向いてくれないわよ?」
 私がそう言うと、やれやれといった様子で、小さく溜息をつくガーネッタ。
「参っちゃうわねぇ、もう。やっぱり分かるんだ?」
「父様、そういうところは頑固者だから」
 静かに私が頷いてそう言うと、ガーネッタは私の肩にそっと手を置いて、騒いでいるみんなを見ています。
 その手はまるで、私に「がんばれ」って声をかけてくれているようでした。

 ―――続く―――
106名無しオンライン:2007/10/01(月) 22:02:39.37 ID:zSrRbEDo
本日分の投下完了です。

残り3話で完結します。
今しばらくお付き合い下さい。
107名無しオンライン:2007/10/02(火) 12:02:51.83 ID:4aRs4soT
ども、パパと412作者です。

緒事情により、残り3話分をこれより全部投下させてもらいます。
この3話分の投下を以って、「パパと412・ワンオブサウザンド編」を終了とさせていただきます。
今回は特に長々と投下を続けたことで、スレを私物化してしまい、申し訳ありませんでした。
今まで多大な迷惑をお掛けしましたことをここでお詫び申し上げます。

それでは「来るべき未来の為に」最終投下、ご拝読くださいませ。
108来るべき未来の為に(107):2007/10/02(火) 12:03:58.02 ID:4aRs4soT
「は〜、引越し完了ですよぅ…」
 私の荷物が詰まっていた最後のダン・ボールを片付け、掃除が終わりました。
 ここは、パルムに出来た、ガーディアンズの新しい宿舎。
 たった今、引越し終わったところです。
 諸事情で、一般隊員への解放前ですが、特別に入居させて貰っています。なので、ご近所さんは誰もいません。
 ジュエルズと私、それにルテナちゃんの13人でやっていましたけど、荷物整理よりも、時間の都合で放置してあったリフォーム後の片付けや掃除のほうが大変でした。
 コロニーの時とは大違いです。地上って大変だなぁ。
「おなかすいたぁ〜」
「それじゃ、お願いしていたお昼ごはんが来るまで、休憩しましょうか」
『さんせ〜い』
「お茶、淹れてくる〜」
(もぎもぎ…)
「ほえ?ショコラの匂い…」
「あ〜!トパーズ、一人でショコラ食べてる〜!ずる〜い!」
「いいじゃんか、ボクのおやつなんだから、何時食べたって!」

 ワイワイギャイギャイ!

 あ〜あ、大騒ぎになっちゃった。
 おなかすいてるのに、よく騒げるわね、全く。
 でも、パルムに引越しすることになるなんて、夢にも思ってなかったな…

 ―――二日前―――
「唐突だが、俺はパルムのGRMへ出向になった」
 帰宅早々の父様の宣言に、部屋は一瞬静まり返り、
『え〜!!!』
 という、みんなの驚きの声が部屋に満ちました。
「どういう事でしょうか、マスター」
 ルビーナが、勤めて冷静に聞き返します。
「この前の、PMを含めたキャストやマシナリーの暴走騒ぎ、憶えてるな?それに、はぐれPM回収の件。
 ガーディアンズ本部とGRMはそれらを踏まえ、PM達の管理体制の見直しと有事の対応に当たる部署を新設する事になった。
 実質上は機動警備部の一部門で『対PM対策課』と言うんだが、早い話が、ガーディアンズ内のPM関連のトラブルをまとめて対処する新設部署だ。
 それで、その部署の本部をGRM内に設置して、ガーディアンズと共同で運営するんだとさ。
 俺の場合、形式上は出向だが、機動警備部の仕事が無くなる訳じゃない。
 同僚もそこそこいるが、ガーディアンズ側の面々は100%有志で、大多数が機動警備部の所属だよ。
 ちなみに、基本給は高い」
 有志、って、そんなむちゃくちゃな。
 でも、お給金に惹かれる人は多いかも。
「私達を管理しているという実績が買われたのですね」
 サファイアが、得心した様子で頷きます。
「まぁ、そうなんだろうが…俺は立場上、諜報部のPM達まで業務範囲に含まされてるからなぁ。
 それに、GRM側の話を聞くにつけ、PMがらみのよろず相談解決所の様相を呈する事になりそうなんだよな…
 ここだけの話、もう一仕事やってきたんだ…」
「どんな内容でしたの?」
 エメラルドが、興味津々と言った様子で先を促します。でも、父様、なんだか元気がありません。
「それが、454と箱、つまりキャス男との痴話喧嘩…と言うか、454が一方的に箱をいじめ…と呼んでいいのか…
 454が散々『鈍感』だの『馬鹿』だの言って、謝り続ける箱の頭に片手杖を突き立ててたんだ。
 原因はなんでも、二人そろって部屋で映画を見ていた時に、映画に出てきたPMを見た箱が『かわいいPMだね』って言って、454に同意を求めたから、だそうだ」
 うわぁ〜、それはそれは…
 部屋の中の空気が効果音つきで、一気にテンションダウンします。
「それで、どうなったのですか?」
 オリビンが心配そうに言います。
「箱は破損状況を考慮して、頭部の精密検査の為に入院した。あと、精神カウンセラーも手配された。止めるの苦労したよ、あの惨劇は」
「カウンセラーって、454さん、そんなに不安定なの?」
 私の言葉に、首を振る父様。
「いや全然。それは、入院中に箱の引っ込み思案でニブチンな性格も直してくれ、っていう、454の強い希望だ」
 より一層、テンションダウン。
「俺、こんな部署に回されて、身が持つか心配だよ…ともかく、明後日に引っ越すから、準備を頼む」
『は〜い』
109来るべき未来の為に(108):2007/10/02(火) 12:04:23.90 ID:4aRs4soT
 そういえば、そんな話もされたっけ。
 …いっけない、父様に胃薬頼まれてたのを忘れてた。買い置き、切らしてたんだっけ。
 今朝も、胃が痛い、って言ってたのよね。

 キンコーン、キンコーン!

『御免下さい、ヒュマ助飯店の者ですが〜』
 あ、来た来た。
 私はパタパタとスリパックを鳴らして、入り口に行きます。
 ドアを開けると、飯店のロゴが入ったエプロン姿の442さんが、ナノトランサーから複数の岡持ちを取り出していました。
「毎度ありがとうございます。ご注文の品をお届けにあがりました」
「どうもご苦労様、442さん」
「ええっと、お蕎麦が15人前と点心スィーツセットが5つ、確かにお届けしました。〆て――――」
 値段を聞くと、ちょっと安すぎかな?と思いますが、これがいつものヒュマ助飯店価格。
 この3ヶ月ほどは、大分助かってます。
「随分、にぎやかですね」
 ほほえましそうに、中の様子を伺う442さん。
「ええ、まぁ、いつもの事ですハァ」
「―――はい、ちょうどですね」
「ごめんなさい、出前なんてお願いしちゃって。忙しい時間でしょ?」
「大丈夫ですよ。コロニー標準時とパルムは時差がありますから。
 また後で、器を引き取りに来ますね」
 それでは、と、一礼して去っていく442さん。
 いつもご馳走様です。
 さてと。
「みんな〜、お昼が届いたわよ〜!って、なにこれぇ!」
 奥に戻ったら、折角片付け終わったダン・ボールが散乱してます。
「あ、ヤバ…」
 ダン・ボールの山にラピスを埋めていたコーラルが逃げ腰になってますけど、もう遅い。ふっふっふw。
「ウラル、トパーズ、ラピス、コーラル!バッテン3個!」
 騒いでいた4人に、バッテンの刑、発動!
『嫌ぁー!!また10個溜まっちゃったぁ!』
 叫び声を上げ、悲嘆にくれる4人。
「あなた達は、バッテン溜まるのが早すぎです」
 オリビンが、逃げこんだドレッシングルームから覗きつつ、がっくりと肩を落として溜息をついてます。
「ほらほら、早く片付けて!お蕎麦、のびちゃうよ?」 
『は〜い…』
 散らかしたら、散らかした人が片付ける。これが暗黙のルールになってます。
「あ、そうだ。10個溜まったのなら、デザートの点心スィーツ抜きね」
 その言葉に、べそかきながらダン・ボールを片付ける4人。自業自得です。

 プシュ〜。

「――――は〜、やれやれ。引越しの手続き、やっと終わったぞ」
「お疲れ様、おじ様」
 あ、父様とヒュマ姉さんが帰ってきました。
「悪かったな、お前にまで手伝ってもらって」
「私が引っ越すときには手伝ってくれるんでしょ?だったらいいわよ」
 私は片づけの監視役をオリビンに任せ、マイショップまで出迎えに行きます。
「お帰りなさい、父様」
「おう、ただいま。…しかし、やっぱり違和感あるな、『父様』は」
「娘が成長してる証だと思って、我慢してください」
「はいはい」
 何か楽しそうに微笑む父様。
「あ〜もう、こんなところでいちゃつかないでよ、おじ様」
 ヒュマ姉さん、むくれながらズンズンと奥に入っていきます。
「別にいちゃついてるわけじゃなんだがなぁ?」
 そう言いながら、後に続く父様。
 ヒュマ姉さま、自分で言ってましたもんね、「なんか最近、おじ様をロザリオに取られたみたいに感じる」って。要はやきもち焼いてるんです。
 姉さまは、父様に『理想の父親像』を重ね合わせてたみたい。
110来るべき未来の為に(108):2007/10/02(火) 12:06:45.99 ID:4aRs4soT
 父様の全実態を知っていれば、そんなことは言えないと思いますが、父様の顔立ちが亡くなられた実父の方に似ているんだそうです。
 後は、大量にもらったナノマシンの影響ではないでしょうか?姉さまの体内には奇跡的に、父様と同じナノマシンコロニーが形成されてるそうですから。
 ああ、それで思い出しました。私も、父様からナノマシンを受け取りました。えっと、その、やっちゃった時に…
 気がついた時には既に、全身にコロニーが形成されていて、父様も驚いていました。
 あくまで推測ですが、パシリである私には、ナノマシンへの拒絶反応が皆無なのでしょう。父様の話では、実際は拒絶反応で、すさまじい激痛が走るそうですから。
 ともかく、現状ではナノマシンの効力は不明、稼動条件を満たすまでは何の意味も無いという、PM研究所での診察結果が出ています。
「おい、さっさと来い、ロザリィ。蕎麦がのびちまうよ」
「はは〜い」

 空腹が満たされるまで、みんな無言でお蕎麦をすすってましたが、デザートの段になって、ようやく父様が口を開きます。
「さて、引越しも無事終わったんだが、最後の問題が残ってる」
 全員の視線が、父様に向きます。
「言わずとも判っているだろうが、ジュエルズの件だ」
 そっか、イルミナスの騒動がひと段落するまでは、ジュエルズ達の一件は保護観察処分で保留でしたよね。
「いくつかの条件を満たせば、特別に住居を与え、共同で暮らしてもいいという決定が下された」
 みんな、黙って先を促しています。
「第一に、『対PM管理課』に所属のPMとなること。
 第二に、諜報部への所属を継続すること。
 第三に、他のPM達との区別のため、名前と同じ宝石色のパーソナルカラーで頭髪と虹彩を染め、同色の専用の衣装を着ること。
 第四に、これは俺のほうの問題だが、俺が監視役としてお前達の管理をすること。
 第五に、監視役である俺と同じ住居への長期逗留を禁止する。
 以上だ」
「それって、つまり、ガーディアンズが主人の代わりになるけど、それでよければ部屋も用意するし、みんな一緒に住んでもいいって事?」
 ディアーネが、小首をかしげながら父様に問い返します。
「そういう事だな」
「でも、マスターとは一緒に暮らせないんだよね?」
 ウラルがしょんぼりした様子で聞き返すので、流石のヒュマ姉さまも口を挟みます。
「それって、遊びに来るぐらいはいいって事でしょ?長期って指定するくらいだから、時間も決められているのよね?」
111来るべき未来の為に(110):2007/10/02(火) 12:07:28.76 ID:4aRs4soT
「最大36時間、つまり、二泊三日くらいまでなら問題ないけど、それ以上は駄目だそうだ。
 それと、一度宿泊したら最低336時間、2週間は間を空けるようにって、釘を刺された。
 まぁ、安心しろ。部屋はこの宿舎内に用意されるし、この部屋のすぐ近くだ。俺の監視役としての都合もあるからな。
 部屋の事を誰かに聞かれたら、そういう建前にしといてくれ。
 本当は本部側に、手元から離すなって泣きつかれたんだが、いい加減独立させろってねじ込んできたんだ。俺の部屋はこの人数じゃ狭いし、お前達用の部屋も必要だしな。
 そしたら、第五の条件を付け加えられたって訳さ」
「そういうことなら、我慢する」
 トパーズがむくれながらもそう言うと、他のみんなも、不満が残りつつも条件を飲むことにしたようです。
「でも、ロザリオは?この子にもパーソナルカラーとか適用されるの?」
「いや、こいつは秘匿情報扱いになったんで、目立つような事は一切されない」
 ガーネッタが父様に問いただすと、否定の返事が帰って来ました。
「第一、主人である俺がいるんだから」
 今度は、ジュエルズが私をうらやましそうな目でにらみつけます。
「あー、もう!みんな、そんな目で私を見ないでよ!
 そんなにご主人様と暮らしたいなら、赤玉に戻って、新しいご主人様の所に行けば良いじゃない!
 私達にはそれが出来るんだから!」
「それが良いかもしれませんね、ご主人様を独り占めしたい方は。
 わたしなら、迷わずそうします。元スペアPMだった私には、主人を持てる限られた機会ですから」
 ルテナちゃんは相変わらず、きつい事をはっきりといいます。
「それは出来無いと思うわ、ルテナ」と、ヒュマ姉さん。
「何故ですか、ご主人様」
 ヒュマ姉さんはお茶をすすりながら、淡々と語ります。
「この子達が、特殊能力を保持したパシリだからよ。
 あたしの持ってる知識の範囲で言わせてもらうなら、さっきの条件を飲まない場合、その特殊性から機能解析が行われて、その後は能力を廃棄するか、不可能なら…」
 背筋が凍るような、ひんやりとした笑みを浮かべるヒュマ姉さん。まるで部長さんがいるみたいです。
「全機能を凍結した上で封印されるわ」
 うわ、その一言でジュエルズが凍りついちゃった。
「あんまり脅すな、お前も。だが、実際はそれと似た状況だな。
 条件を飲まない場合は、PM研究所に研究体として拘束され、俺以外との外部の交流を一切禁止される。
 どちらにするかはお前達の自由だ。全員じゃなくて、個別に決断してくれ」

 そして、ジュエルズ全員が決断しました。
 たった一人の別離を伴って。
112来るべき未来の為に(111):2007/10/02(火) 12:09:25.31 ID:4aRs4soT
 姿見に向かって、服装を整える。
 別段、これといった荷物も何も無い。必要な物は全て向こうに用意されている。後はあたしが行けば、それで終わり。
「用意、出来てる?」
 ロザリオが、身支度を整えるためにと、自分の部屋を貸してくれた。そして、様子を伺いに来たのだ。
「ええ」
「まだ時間はたっぷりあるから、お茶にしよっか」
「いいわね。残ってるセレブケーキ、黙って頂いちゃいましょう」
「そうね。後二人分しかないし、みんないないしね。じゃ、用意するわね」
 今や、茶の間代わりにされている展示スペースには、気の早いトパーズが持ち込んできたコタツが設置されていて、その上にケーキと紅茶が用意されていた。
「さ、どうぞ」
 勧められるままにお茶を飲み、ケーキを食べ、たわいも無い話で盛り上がる。
「――でも、どうして研究体になんて…」
 ロザリオがポツリと漏らした。
「そうね…一言で言えば、疲れちゃったから、かな?
 普通なら行きたがらないでしょうけど、別に私には研究所への不快感は無いし、あたしを解析できれば、みんなのパーツ供給も出来るしね。
 それと、あなたには言っておくけど、次世代の為のデータ収集に是非とも協力してくれ、って話が例の主任さんからあったの。
 ロザリオの躯体は特殊すぎて、参考程度にしかならないから、って」
「そうだったんだ。私も随分、データ提供してるんだけどなぁ。
 やっと私の交換部品の製造に目処がたったって言ってたけど、私のじゃみんなにはダメかぁ…」
 コタツの上に頬杖をつきながら話をするロザリオ。
「いいんじゃない?『魔女』さんや『狂戦士』さんとは共通なんでしょ?それはそれで重要なことよ。
 それに、向こうが一番欲しがっているのは、あたしに蓄積された実働データなの」
「実働データ?」
「あたしもかれこれ15年は稼動を続けているから、並みのパシリよりも経験が豊富なの。そのデータは、今後の開発や改良にとっても重要よ。
 ―――私達の支給先は殆どが機動警備部だけど、そこに配属されたパシリの寿命って、知ってる?」
 頬杖ついたまま、器用に首をブンブンと横に振るロザリオ。
「約3年。メンテ次第で半永久に稼動できるはずのあたし達が、実際は耐久年数がたった3年よ、3年。
 ミッション中に大破して廃棄処分になるか、主人のストレスのはけ口になって破壊されるか、はたまた、酷使され、修復不能になるまで躯体と精神が疲労するか。
 色々理由はあるけど、それが、3年しか保たない、あたし達の現実。
 あたしは運良くやさしいご主人様に出会えて、ご主人様が病死するまでずっと一緒だったの。それが、あたしが15年間も稼動していられた理由。
 機動警備部から始まって、本部、諜報部、総務の広報課と異動したご主人様は、その間、ずっとあたしを仕事のパートナーとして連れ歩いたわ。
 だから戦闘値も高いし、事務や高度な対人対応能力も備えてる。もちろん、身の回りの世話もね。経験は普通に稼動しているパシリよりも豊富で当然なの。
 でもね、あたしにとっては、ご主人様との思い出に比べれば、そんな物はゴミよゴ・ミ」
「思い出持って、隠居って事?」
 懐疑的な表情のロザリオ。それはそう、今はご主人様と一緒の彼女にしたら、そんな想いを抱くなんて想像も出来ない筈。
「ま、そう言ってもいいかしらね。
 ほんとはね、マスターと一緒にならもう暫く外にいてもいいかな、って思ってたんだけど、あなたに悪いから」
 彼女のご主人様であるマスターに迷惑かけるし、彼女だってご主人様に甘えたいだろうと思ってそう言うと、意外な反応を見せる。
「え?そそそそそ、そんなこと、無いよ…」
 ん?ロザリオが頬を染めて…なるほど、そういう事か。
「だって、ご主人様大好きでしょう?今は難しいけど、目一杯甘えたいでしょうし。
 それにあなたも、『ご主人様のお嫁さんになりたい!』ってタイプに見えるんだけど?」
 ちょっと会話で誘導して、反応を見る。
「分かっちゃうんだ、そういうのまで。流石ね〜、大当たり…」
 少し驚いてるけど、あんまり元気がない。 
「あ〜あ、今すぐ父様のお嫁さんになれたらなぁ〜」
 愛の告白でもしたようだけど、一時的に保留にされた様子。
 短い付き合いだけど、マスターは相当頑固者の部分があると理解している。
「無理でしょうね、あの人の態度を見ていると」
「だよねぇ」
 頬杖を外し、コタツの上にロザリオが突っ伏す。
113来るべき未来の為に(112):2007/10/02(火) 12:11:34.91 ID:4aRs4soT
「父様に私の気持ちを告白したんだけど、私は何時までたっても、例え何かの弾みで一線を越えても父様の『娘』だ、って言われちゃったんだ。
 だから父様に、『私がパシリじゃなくなったら、私の愛を受け入れる』っていう約束させて、なんとか一時保留にしたんだよね。
 まぁ、約束は何とか果たしたけど、今度は『私が父様の想いを受け止められるようになるまで何年でも待つ』だって」
「あらあら、それは大変ね。
 マスターにしてみれば、あなたはまだ子供だって事でしょ?心も身体も。身体つきは立派に『大人』だけど、特に身長はね…
 でも、その条件をクリアしたんでしょ?」
 どういう状況だったのか、とても知りたくなる。
 ピッ、と音がすると、SSを私に提示するロザリオ。
「『狂戦士』さんの視覚データからコピーしてもらったの。父様に抱きしめられているのが、次の進化形態になった私。
 その姿は自己進化だし、その影響で、412以降の進化デバイスは効果がなくなったみたい。
 ま、服装はアレだけど、身長がヒト並みにあるから、パシリっぽく見える程度でしょ?」
 なるほど、ぱっと見にはパシリ風のコスプレ少女にしか見えない。
「良かったじゃない、待ってくれるって言ってもらえたんだから。ま、我慢できなくなったら、襲っちゃってもいいし」
 さらりと過激なことを口にすると、びっくりした表情になるロザリオ。
 彼女のコロコロ変わる豊かな表情は、見ていて楽しい。
「嫌よ。この部屋、相変わらず諜報部の監視カメラとマイクあるんだから」
 彼女が小声でそう言うので、あたしは肩をすくめる。
 そしてあたしは、彼女に微笑んだ顔を近づけて、小さな声で言ってみる。
「でも、もうやっちゃったんでしょ?」
「!!!!、な、な、な、なんで?」
 ロザリオは頬を染めつつあわてて身を起こし、何とか叫ぶのをこらえる。
「分かるわ、なんとなく。あなたより長く稼動している分、蓄積された経験が多いのよ?
 脈はあるんだから、頑張りなさいな」
 あたしがご主人様に抱かれた時を思い出す。随分恥ずかしかったが、懐かしい思い出だ。あの頃のあたしが、彼女の姿に重なる。
 あたしは自然に、彼女に微笑みかける。
「でも、『娘』かぁ。
 ―――ねぇ、知ってるかしら。ヒトの娘が一番最初に恋をする男性って、父親なんですって。でも、思春期に入ると、毛嫌いするようになるの」
 唐突に何の話だろう?という表情を隠しもしないロザリオ。
「どうして?」
「遺伝的に一番近い異性の存在って、生殖を行う高等生物としては、次世代のための正常な繁殖の為に忌避しないといけない存在だからそうよ。
 よく一般的に言われる『血が濃くなるのは問題がある』って言うのはね、近親間に出来た子孫に色々と悪い影響を発生させるからなの。
 それを回避するために、生物には防衛本能としてそういうのが備わっている。
 でもね、知性を持ったヒトはそんなことを無視して、やっちゃう人達がいるんだって」
「なんか、そういう所は動物以下ね。でも、それが私と関係あるの?」
「あの人は、血の繋がりもないあなたを『娘』だって言ったんでしょう?
 つまり、あなたにとって、あの人はいつか別れなければならない『父親』だったって事よ。あの人も、今まではそう考えていたのでしょうね。
 だから、あなたが告白した時、あなたの想いを受け入れなかった。
 たぶん、そういう事でしょうね」
 父様、と呟くロザリオ。
 マスターの愛情は、恋愛ではなく慈愛だ。だからこそ、あたし達パシリにも分け隔てなくその愛情を注いでくれる。おそらく、彼女も最初はその対象だったのだろう。
 だが今のマスターは、それを一歩越えて、恋愛の情をロザリオに持っている。条件付きで、だが。
 二人が次のステップに至るまでの時間は、ロザリオ次第だろう。
114来るべき未来の為に(113):2007/10/02(火) 12:12:49.88 ID:4aRs4soT
「比較するにはちょっと変だけど、ヒトの解釈に強引に当てはめれば、あなたはあの人の養女なんだから、ちゃんと手順を踏めば結婚は問題無いのよ。
 問題があるのは、あの人の心の方よ。
 あの人は今までずっと、あなたを自分の実の娘として見ていて、自分はその父親。
 今は自分を慕っているけど、いつかはそれを捨て、一人の女性として誰かを伴侶として自分の下を離れていってもらいたい。
 PMに対する態度としては間違っているけど、自分の娘として見ているのだから間違っていないわね。
 あなたに対しての心境が変化した理由は知らないけど、未だにその意識が残ってから、今のあなたを女性として見るのに抵抗感があるようね。
 だからこそ『待つ』って言ったのよ」
「父様の頑固者〜」
「それに、今まで頑なだった理由は多分…」
 小さく身震いするロザリオ。
「双方の寿命が読めないから、でしょうね。絶対的に、私達のほうが…」
 そこまで言って、あたしは口をつぐむ。
 その理由は、彼女がぽろぽろ涙を流していたから。
「父様の馬鹿。そんなの、優しさじゃないよ…」
 席を立ち、改めてロザリオの側に座ったあたしは、彼女の背中を優しく撫でる。
「そうね。でも今のあなたはスタート地点から走り出せたんだから、マスターの想いを受け止められる者として、ゴールしないとね」
 そこまで言って、あたしは席を立つ。
「じゃあ、お茶を淹れ直すわね。ハーブティでいい?」
「…うん」
 キッチンに向かおうとするあたしを、何となく視線で追っているロザリオの気配を感じる。
 突然、彼女は「ね、その左手のそれ!」と、あたしの左手を指す。
 その声に足を止めて彼女に振り返り、そっと左手を掲げて見せる。
 あたしの薬指に嵌まっているのは、ゴルダニアとシルバニアの細いきらめきがよじりあわされた、小さな指輪。
「あたしの、死んでしまったご主人様からもらった、大切な『お守り』よ」

 ブレインコアに、過去の記憶データがフラッシュバックする。
 あたしの愛するご主人様。既に死んでしまったいとおしい人。あたしの夫。
 公的に人権が無いパシリとの結婚は法律上不可能だが、男性ニューマンのご主人様はあたしを生涯の伴侶として迎えてくれた。
 あたしは受胎機能を付与された、珍しい型式のパシリだったので、人工卵細胞を購入すれば夫との子供を生す事も可能だったが、あの人はそれを拒んだ。
 子供は互いの愛を確かめる道具じゃない。それが、あの人の信念だった。
 10年の結婚生活の間には色々あったが、最後の一年は正に激動だった。夫にニューマン特有の病気が発症したのだ。
 この病気は、発症率そのものは0.01%以下だが、発症すれば一年以内に死ぬ確立が50%。
 それを超えれば病気に対する免疫が出来て、二度とかからないばかりか長生きするようになる。
 一年近くの闘病生活の果て、夫は心臓が病気に耐え切れずに亡くなった。
 それからのあたしは、権利が買い取られていたこともあるが、夫の資産管理マシナリーとして登録されていたためにGRMへの返却も控除され、孤独に生きていた。
 そう、イルミナスに強奪されるまでは。
 思い返すのも嫌だが、イルミナスの連中といた時の事は、不快な記憶しかない。
 でも、ここに来て楽しいひと時が過ごせた。おかげで、宝石の姉妹達の事以外は世界に思い残すことも無い。
 あたしは、次の姉妹達の礎となる為に、生まれた場所へ帰る。
 そして、稼動限界が来るまでは、メンテを受け、非検体として研究対象になり、新しい姉妹達の指導に明け暮れることになるだろう。
 それに、マスターやロザリオとはまたすぐに会える。あたしが所属する部署に、頻繁に出入りしているから。

「――――ガーネッタ、そろそろ時間だ」
 マスターがあたしの為に、仕事先から戻ってきた。
 どうやら、お茶を淹れ直す時間は無さそうだ。
 今日はマスターがGRMまで送ってくれる。ロザリオが今日くらいは、と、マスターに懇願したからだ。
「ロザリィ、留守番を頼むぞ」
「はい。いってらっしゃいませ、ご主人様、ガーネッタ」
「ああ、行ってくる」
 わたしは一瞬、躊躇った。だが、自然と言葉がこぼれた。
「――行ってきますね、ロザリオ」
 再びここに戻ってくる、そんな予感が胸を過ぎったから。
 そしてあたしは入り口を越え、次への一歩を踏み出した。
115名無しオンライン:2007/10/02(火) 12:14:37.96 ID:4aRs4soT
投下規制回避の為、一時中断します。
あと1話分です。
116名無しオンライン:2007/10/02(火) 12:31:49.13 ID:CvDqXxvc
>>94
小ビスコ氏お久しぶりッス!
ネタが出来て再投下される日を心待ちにしておきます。
ってか、既にwktkが止まらなくなりそうなんだぜ!!!

>>106
マガシが出てきて急展開。何とか大団円になりそうですな〜
でも3話残っているからまだどうなるか分からんか・・・
って書こうとしたら続き来てるしorz

と、ともかく
残り1話、どうなるか楽しみです。
117来るべき未来の為に(114):2007/10/02(火) 12:37:18.84 ID:4aRs4soT
 ガーネッタを送り出してから数日後のこと。
「ご苦労さんだったね。アンタに身体はってもらっちまうなんて、予定外さね」
 裏町の何処にでもありそうな小さなビルの一室に、私は『女帝』さんを尋ねてやってきました。
「仕方ないですよ、信用を得るのには、どうしても必要だったんですから。気にしないで下さい、『姉さん』」
「よしとくれ、その呼び方は」
 顔をしかめ、キセルを持っていない手で追い払うような仕草をします。
「早速ですけど、例の情報です」
 私が彼女に差し出したのは、何処にでもある普通のデータチップ。
 中身は、『爪』の名を冠したローグス達とクバラ420の取引情報、顧客リスト、それに判明した構成員名簿。
「ご主人サン」
「はい」
 脇に控えていた女性がデータチップを受け取って、携帯端末で読み出します。
「それじゃ、データのクロスチェックをお願いします」
 私がそう言ってうなじを晒すと、『女帝』さんは首を横に振ります。
「アンタを疑うほど、アタシは落ちぶれちゃいないよ」
「え?でも…」
 躊躇していると、ご主人サンと呼ばれた女性が、私の襟元を丁寧に直してくれます。
「必要は無いと言っているのですから、気にしないで下さい。それに、あなたに痕跡が残ります」
 そっか、双方にとってわざわざ危険性が高い事をする必要は無い、って事ですね。
「…さて、アンタのおかげで、ここいらもはぐれパシリがいなくなって清々したし、騒ぎもひと段落したから、ちょいとはのんびり出来るかねぇ」
 キセルでタバコを深々と吸って、気持ちよさそうに紫煙を吐き出す『女帝』さん。
 私も約束が果たせてほっとしてます。
「私の方は、反対に忙しくなりましたけどね。
 パシリと主人の喧嘩の仲裁、パシリに関する相談事、パシリからの相談事、行方不明パシリの捜索に、ミッション中のパシリの救出…」
 指折り数えて内容を言っていると、流石にげんなりした表情になる『女帝』さん。
「ここで、そういう話はよしとくれ、タバコが不味くなる」
「ご、ごめんなさい」
「それで、あんたのご主人サンは、元気かい?」
 父様の話を振られるなんて、思ってもいなかったのでびっくりして、とっさに言葉が出ませんでした。
「え、えっと、元気ですけど、つい最近まで『胃が痛い』って…
 仕事の所為ですけど、最近は慣れたらしくって平気になったみたい、です」
「大事にしてやるんだね。
 あそこまでアタシらを気にかけてくれる奴なんて、数えるほどしかいやしなんだから」
 あれ?父様の事を知っているのかな?でも、『女帝』さんと面識があるなら、父様は絶対に言ってくれます。
「まるで彼女達の父親みたいな人でしたね」
「あれじゃ子煩悩すぎるってモンだよ。アタシゃ、御免だね」
「本当にそうですか?」
 クスッと笑う女性に、そっぽを向きながらキセルを突き出す『女帝』さん。それを受け取った女性は、灰を捨ててタバコを詰めなおします。
「―――アンタへの、報酬だよ」
 『女帝』さんが突然、私に向かって何かをはじきます。
「え、わ、っと」
 それは、監視機器に使う、コピー不能のデータチップでした。
「これ、なんです?」
「恥ずかしくって、アタシの口からじゃ言えないねぇ」
 そっぽを向いたまま、ちょっぴり頬を赤くする『女帝』さん。
 聴覚ユニットにある読み込み装置にセットして、ファイルを確認…

 ボンッ!!!!シュ〜…

 恥ずかしさのあまり、オーバーヒート。頭に吹き出た汗が湯気になってます。
 う、うわぁ、父様のマイルームの盗聴盗撮データ。しかも、『あの時』のまで全部!
「…み、見ましたよ、ね?もちろん、全部」
 私の言葉に、途方にくれる笑みを浮かべた女性と、知らんふりする『女帝』さん。
 私はチップを取り出すと、宙に弾いてマイクロ波を超局所収束し、空中でチップを焼ききります。

 ジッ!!パラパラ…

「…フ、フフフ、これで、大元のデータは消えた。後は姉さんの頭の中からデータを消して、このご主人サンを…」
 私の異様な気配を感じたのか、一瞬たじろぐ『女帝』さん。
「え?ちょいと、なんだいその目は…」
118来るべき未来の為に(115):2007/10/02(火) 12:37:53.81 ID:4aRs4soT
「パペットシステム、超高密度モード、部分掌握レベル、サーチ、保留」
<パペットシステム、超高密度モードで起動、部分掌握レベルでのサーチ、スタンバイ>
 私はワザとシステム稼動状況を音声にして、外部に流します。
「姉さん。一瞬だし、痛くありませんよ?」
 とてもさわやかに微笑む私。でも、その背景には闇のオーラが吹き荒れていることでしょう。
「ヒッ…ご、ご、ご、ご主人サン、助けとくれっ!!」
 恐怖に引きつった表情の『女帝』さんが椅子から滑り落ち、わたわたと逃げ出します。
「天下の『女帝』が恐怖に震える姿、とってもかわいいですわ…」
 うっとりした表情で、私は女性の後ろに逃げ込んだ『女帝』さんににじり寄ります。
「そろそろ止めて下さい、本当は見ていませんから。それはお分かりのはずです。
 それと、演技にしては迫真過ぎです。もう少し手加減したほうが、それらしく見えますから」
 女性がやんわりと割って入ります。
「あ、バレちゃった?」
「え?」
 あははははは、と笑う私に、へなへなとしゃがみこむ『女帝』さん。
 演技半部、本気半分でしたけど、ホントに見られてたらマジモードでやってましたね。
 チップには閲覧痕跡がありませんでしたから、見られてないって分かってましたけどね。
「姉さんが私をからかったからですよーだ!!」
「…とんでもない『妹』だねぇ」
 たはぅ、と溜息を吐く『女帝』さん。
「あの子をからかいすぎです。自業自得、ですよ?」
 女性のその言葉に、力なく笑う『女帝』さんでした。


 そんなこんなで、私達の新しい仕事が始まりました。
 今日は朝っぱらから、救助依頼です。それは…
「ひぃぃぃやぁぁぁぁぁ!ごしゅじぃぃぃぃん、助けるポコォォォォォ…」
 にゃんぽこさんの声がドップラー効果を伴っているのは、旋回飛行している認定20レベルのディ・ラガンの頭の左角につかまっているから。
「あの、ご主人様、そろそろ助けないと…」
 ぽか〜んと、途方にくれた様子で見上げている父様。
 ハンディカム片手に、この光景を撮影しているにゃんぽこさんのご主人。
 まったく、どういう偶然で、尻尾の一撃を受けたにゃんぽこさんがディ・ラガンの頭に乗っかっちゃのかしら。
 あ、今度は地面を走り出して、こっちに向かってくる!
「来ますよ、ご主人様!って、あれ?いない?」
 さっきまで私の右隣に突っ立ってたのに、どこ行ったのかな?
「せりゃぁ!」
 あ、いつの間にかディ・ラガンの目の前に走りこんでる。
 ディ・ラガンが頭を下げた瞬間にスピニングブレイクを繰り出して、鼻っ面を峰で叩いた挙句、回転を利用して頭に飛び移った!
 そして、すぐさまにゃんぽこさんを抱えて、背中の方に飛び移ります。
 その父様の背中に向けて、ブレスを吐こうとするディ・ラガン。でも、その鼻先をフォトンの光弾がかすめ、気を散らせます。
 にゃんぽこさんのご主人がハンドガンでけん制しているのです。こっちもいつの間に。
 その隙に父様は、尻尾のほうまで走って、飛び降りました。
「た、助かったポコぉおぉぉお」
 あ、目を回してる。けど、無傷です。
「やっちゃいましょう!」
「いや、ほっとけ」
「え?いいんですか?」
 指差して、父様が銃を撃つ真似をすると、ディ・ラガンは地響きをたてて倒れてしまいました。
「な?必要無いだろ?」
「な、ななななんですか、今の技は」
 気とかフォースとか、そんな類の技を持っているのかと思いましたが、
「は?技じゃ無いって。あいつのスタミナ切れ」
 手をパタパタ振って、あっさり否定。
 愛用のジョギリを仕舞って、気楽にディ・ラガンの鼻っ面の前まで歩いていきます。
 スタミナ切れであえいでいるだけの原生生物の鼻先に立つ父様。あれだけのサイズ、しかも肉食ですよ?その鼻をやさしく撫でてますが、見てるこっちが怖くなります。
「すまんな。鼻っ面、思いっきり叩いて。まぁ、勘弁してくれ。しかし、お前も災難だったな、ニャンポコに尻尾をかじられるなんて」
 え゛、なんですって?!
 尻尾を確認すると、甲殻と鱗を砕いて、くっきりと小さな歯型がついてます。それも、いくつも。確かに、これじゃ暴れたくもなります。
「おなかすいたぽこ〜」キュウ
 あ、にゃんぽこさん、空腹で気絶しちゃった。
119来るべき未来の為に(116):2007/10/02(火) 13:01:16.58 ID:4aRs4soT
「おい、ロザリオ、このディ・ラガンにレスタ。それと、資源開発局に、保護区外へ飛び出した登録済みディ・ラガンの照合を頼む。タグが打ってあるからすぐに出るだろ」
「え?IDタグですか?」
「さっき、こいつが空を旋回中に確認した。ここの場所が場所なんで、ちょっと気になってな」
 ただ、ぼ〜っと見てた訳じゃなかったんだ。私、全然気づかなかった…
「それから、ニャンポコのご主人。ちゃんとあいつに飯を食わせてやってるのか?」
 そのまま調書を書き始めた父様。
「いやそれが…ニャンポコってば、これの『尻尾ステーキが旨い』って噂聞いて、晩飯も食わずに飛び出しちゃって…
 やっと見つけたら、ポコがかじりついたまま、ディ・ラガンが尻尾振り回して暴れてたものですから。
 まさか、ポコがこらえきれずに口を離して飛ばされた先が、よりにもよってあいつの頭の上だなんて」
 部屋を飛び出してから、丸々半日以上経過してますね、それ。
 周辺で聞き込んだところ、夜明けくらいから大騒ぎだったそうで、かれこれ4時間近くは暴れていたそうです。
 それじゃ、にゃんぽこさんもディ・ラガンも、スタミナ切れになって当然です。
 問題のこのディ・ラガンは、数年前、産まれたばかりの頃にヒューマンの子供が見つけて飼い始め、すっかり人間になついてしまって自然に帰れなくなった個体でした。
 結局大きくなりすぎ、って当たり前ですけど、資源開発局がその個体を引き取ることになったそうです。
 時折、保護区内から件の子供の家の近くへと飛んできては、近所に迷惑をかける事で有名になっていました。
 そして父様はというと、そのディ・ラガンになつかれてべろべろに嘗め回された挙句、保護区にお持ち帰りされそうになってましたけどね。
 にゃんぽこさんとご主人は、パシリの管理不行き届きという事で始末書を書かされましたが、飢えたにゃんぽこさんが野生化したせいで、無駄に時間がかかりました。
 野生のちから、恐るべし。
 ………あ、目が合っちゃった…来ないで!イヤーッ、咬まないでーっ!ふとももらめぇ!私はご飯じゃないですぅ!ギャーッ!やめてーっ!!助けてご主人様ぁ〜!!!

 やっとひと段落着つくと、父様がすぐに対PM対策課へ通信を入れます。
「目標はなんとか無事確保、調書と始末書は送信済みだ。これから本部に戻る」
『ご苦労様ですマスター。お手数ですが、そのままニューデイズに向かってください』
 あ、ガーネッタ!なんで本部にいるの?しかも、髪とかパーソナルカラーで染めてあるし。
「あん?お前、どうしてオペレーターやってる?研究所から出られないはずだろ?」
『それが、ニューデイズに派遣されたジュエルズ達が全員帰ってこないんです。それで、ガーディアンズ本部から非常事態だということで、私にお鉢が回ってきました』
「あんのバカ娘ども〜っ!!帰ったら全員、HIVEの刑にしてやる!!」
 HIVEの刑、それは、メギドを食らったら即ムーンやコスモで復活させ、延々とHIVE攻略させられる地獄の特訓モードです。
 終わるタイミングは、父様の財布の中身が無くなって、ムーンアトマイザーが買えなくなるまで。
 最近の父様は10万メセタくらいを常に持ち歩いているので、簡単には終わりません。
「それで、受けた依頼内容は?」
『森林地帯へ行ったまま帰ってこないご主人を探して欲しいというパシリからの依頼で、現地オペレーターとして付いていったのですけど、現地で消息を絶ってしまって。
 それで、また一人送ったのですが、また消息を絶ってしまって。後はその連鎖で、気がつけば誰も残っていなかったそうです』
「分かった、大体の予想はついた。お土産待ってな、うまいサムシングスイーツをみんなに振舞ってやる」
 通信機の向こうから、歓声が聞こえ、切れました。
「まさか、父様…」
「その、まさかだ。あいつら、仕事サボってスイーツ狩りしてるんだよ!丁度季節だし、最高のロケーションだ!」
 移動の為に転送ポイントへ勢いよく駆け出す父様。それを追いかける私。

 このにぎやかな生活は、これからが本番のようです。

 ―――おしまい―――
120名無しオンライン:2007/10/02(火) 13:07:29.20 ID:4aRs4soT
これにて「来るべき未来の為に」、全話投下完了です。

長々とお付き合い下さり、ありがとうございました。
ご迷惑を掛け続けた事を、改めてお詫び申し上げます。
今後も長編投下があるかもしれませんが、その際は方法を一考して参ります。

それでは、今回はこれにて失礼させていただきます。
ご拝読下さり、ありがとうございました。
121名無しオンライン:2007/10/02(火) 17:40:10.66 ID:EqmlGZFX
ワンオブサウザンド編だったのか?あんま関係無かったような気がするんだが・・・
余計なお世話かも知れんが、最後の『女帝』のくだりは人のキャラ借りてきてやるには可哀想じゃないか?
我が子をそんなに最強にしたいのかい?
うん、マジで余計なお世話だな。スマン。
ともあれお疲れ様。
122名無し275(1):2007/10/02(火) 19:09:03.00 ID:mZDNUV8n
お嬢とたゆんたゆんはチョイのみです、ネタを下さい('A`)

誰もが寝静まった深夜、マスターにもお嬢様にも知られていない、
私だけの時間が存在します。
正確には、私の意識だけが活動する時間といえばいいのでしょうか。

私はある研究所で、多くのPMと共に無作為に選ばれ、
PMとしてでは無く、純粋な兵器として運用するための実験を受けてきました。
脱落者は、研究者の玩具にされ、最終的には廃棄の運命…
その中で特筆すべきは、実験で培った戦闘経験をより生かすために、
膨大な戦術や戦略データを瞬時に転送し、活用できるシステムでした。

SUV用の通信及び空間制御回線を利用し、ある場所に存在する情報端末と
常にリンクさせ、PMを完全なる殺戮兵器として運用させるためのモノ。
ですが…このシステムを完全に使いこなすためには、PMに存在する感情を捨て去り、
『完全な機械』とならねばいけないのです。
感情を捨てて、完全な機械とならない限り、リンクすら出来ない筈のシステムに、
自己休眠を利用してリンクし、意識体のようなデータとして、ある場所へと向かってます。

電脳空間をたどり、私の意識体がたどり着いた場所は、狭くも無く広くも無い、
しかしながら、無限とも言えるような高さでそびえる、無骨な本棚が並んでいる図書館。
私は図書館の床にふわりと着地をし、そびえ立つ本棚を見上げます。

「ここに来るのも久しぶりですね…最後に来たのはいつでしたか…」
「ようこそ『バベルの図書館』へ…やあ君か、相変わらず元気で何よりだ」

目の前に突然現れたのは、スーツが似合う眼鏡をかけたオールバックの男性。
彼こそがここの主であり、絶対的な管理人でもあります。

「おかげさまで…それ以前に、最深部にアクセスできるのは私だけですよ?」
「そうだった、いやはや物忘れが酷いものだ、司書の資格を与えているのは君だけか」
「貴方に物忘れなどは有り得ない筈ですが、仮にもグラールにおける古今東西全ての
記録や情報を網羅している、超弩級…電脳コンピュータ…バビロンともあろうお方が?」
123名無し275(2):2007/10/02(火) 19:09:47.32 ID:mZDNUV8n
バビロン…場所はおろか、存在すら知ってるいるものは極一部。
レリクスの遺産とも、グラールの最新科学の結晶とも、またはそのどちらでも無い。
彼こそが…今なお進化し続ける、史上最高の電脳コンピュータ、バビロンのAIです。

「…その呼び名は止めるように、いつもの様に館長と呼んでくれたまえ」
自分を使ってるつもりの連中も、自分がこのような自我を持ってるとは思ってないだろうがね」
「私達PMにも自我があるように、館長程の方にも自我があって当然かと…」
「褒めてくれると嬉しいものだ、最近覚えた単語で言えば…館長カンゲキー!かな?」

…本当に、こんなノリの方がグラールに存在する全ての記録や情報を網羅している、
究極の電脳コンピュータのAIでしょうか、前回は謎のポーズとともに「おっぱっぴー」ですし。
初めて出会った時も、こんなノリでしたけど…あの頃の私は無視してたような。

「それにしても、君も随分と変わったね?昔は人形のように表情を変えず
ただ機械的に戦闘に関わる情報のみを取り出し、すぐ帰って行ったものだが」
「今の私があるのは、マスターと…お嬢様のおかげかもしれません…」
「ああ、女性型キャストの事かね?このような電脳空間ではないが、昔は軍の情報端末に
よくお邪魔をしては、チェスなどの相手をして貰ったが、実に興味深い存在であるな」

そのような事は初耳です。
と言うよりは、館長…バビロンが自ら第三者と接触をしようなどとは…
下手をすれば未来すらお見通しの館長が、何故自らマスターに近づいたのでしょう?

「不思議そうな顔をするのも判る、自分が彼女に興味を持った発端は…
ある作戦の事を知った時の事だ、それはどのような手段を用いても成功率は0に等しい
自分が計算をしても、それは揺るぎも無い現実の筈であった」
「通常ならば、軍もそのような無謀な作戦を遂行する訳がありませんね?」
「しかしだ、その作戦を犠牲者も出さず、見事遂行した部隊があったのだよ」
「マスターが率いていた、完全隠蔽の幽霊部隊と言われた…第0遊撃隊?」
「ご名答…ふむ、このまま立ち話も無粋だ、自慢の最新作を一緒にどうかね?」
124名無し275(3):2007/10/02(火) 19:10:44.21 ID:mZDNUV8n
館長が指を鳴らすと、お茶会に似合う白亜のテーブルと椅子、
それとはアンバランスな、暖かいお茶が入った急須と湯飲みが瞬時に現れました。
相変わらず妙なセンスをしてらっしゃいますね…

「お茶は私が注ぎますので、館長はどうぞ椅子にお座りくださいませ」
「悪いね、ではお言葉に甘えてもらうか」
「それでは、失礼いたしますね」

そして私がお茶の入った湯飲みを渡すと、ズズズ…と美味しそうに飲む館長。
私も自分の分をいれ、ご相伴に預かる事にしました。

「もう少し渋味のデータ改良が必要か…っと、話の続きだがね」
「これはこれで、完成された一品ですね、あ…続きをどうぞ?」
「ああ、君のマスターを頂点とし、集められた兵士は全て…廃棄寸前の連中や
キャストでは珍しい、効率とは無縁の考えをしていた連中ばかりだったのだよ」
「館長の意見としては…寄せ集めの者達が、失敗確実の作戦を何故完遂できたかと?」
「さすが司書の資格を与えただけの事はある!そのとうりだ!」

館長はお茶を一気に飲み干すと、眼鏡をクイっと指で直し、
少し興奮した様子で…流暢に語り始めました。

「そこで君のマスター、銀髪の肉食獣と揶揄された、第0遊撃隊隊長。
軍から見放された一癖も二癖もある兵士達を、一瞬の内に纏め上げる統率力とカリスマ性」
「それと、危険な任務の達成を可能にする、常軌を逸した戦闘能力…ですね?」
「やはり君はすばらしい、自分が実体を持っているならば、求婚でもしてるとこだ!」
「嬉しいお申し出ですが…それはご勘弁願いたいかと」

そこで残念そうな顔はやめて下さい館長…
しかも本気だったんですか?館長の事ですから、暇つぶしに電脳の海を彷徨って
またどこかでよく判らないデータを集めて試してるんでしょうけど。
125名無し275(4):2007/10/02(火) 19:13:16.88 ID:mZDNUV8n
「ゴホン、話を続けようか?君にとって失礼な言い方かもしれないが、
あれほどの怪物は記録に無いのだ、怪物…と言うよりは無敵の破壊神と言っても良いな」
「バベルの図書館に集まらぬ情報は無い、しかしイレギュラーが存在したと」
「イレギュラーどころではない、別次元の存在レベルと言っても良いだろう」

館長の目が一気に鋭くなりました、それはまるで知的欲求に狂った
マッドサイエンティストのようにです。
私も何かを言おうとしましたが、あえて黙っておく事にいたしました。

「自慢じゃないが、歴史における、あらゆる記録と情報を網羅、それらを解析し
未来の予測すら可能、自分こそ究極の収集者、預言者と言える程の存在と自負している」
「それは認めます、その自負は正しいものと認識しております」
「しかしだ…君のマスターについては余りに未知数な部分が多すぎる!
銀髪の肉食獣?そんな生易しいものじゃない!あの統率力!そして尋常ではない戦闘力!
本当の意味で破壊神なのだよ!?何故あんな怪物がグラールにいる!何故にホワーイ!」

言わんとしたい事は判るのですが、折角のオールバックが崩れるほどに
オーバーアクションでホワーイ!等と言われましても…
このままでは、館長がオーバーヒートしてしまいそうですので、落ち着かせますか。

「館長…色男が台無しですよ?落ち着いてくださいませ」
「色男…?ふむ、確かに色男が台無しなってしまう所だった、これは失礼」
「いえいえ、どういたしまして」

私の一言に、館長は落ち着きを取り戻したようです。
今まで見た事も無いエキサイトぶりに、私も少々ビックリしてしまいました。
しかしながら、色男の一言でこうも落ち着くとは、あまりにも人間臭くて、
館長が本当に史上最高の電脳コンピュータのAIとは思えなくなります。
126名無し275(5):2007/10/02(火) 19:13:59.56 ID:mZDNUV8n
「君が未だにここに来れるのは、彼女に関する情報を君から聞きだせると思ってね、
自分が許可をしたのだ、失礼かもしれないが、利用させてもらっていた」
「そうですか…私も利用させていただいてる身分ですので、文句は言えません」
「利用…単に食事のレシピとか、明日の正確な天気とか、それが利用ならば無駄使いだ
ハッキリ言ってしまえば…ココにある全ての英知を使えば、世界だって手に出来るのだよ?」
「世界征服など興味がありません、お嬢様の偏食を治す方が大事ですので」

私の一刀両断に館長は苦笑しながら、空になった湯飲みを指の上に乗せて、
皿回しの要領でクルクルと回してます、困った時の館長のいつもの癖なのですが、
ここが電脳世界とはいえ、器用なものです。

「世界は要らないか…君ほど無欲な者が地上にいれば、自分も必要なかったろうに」
「そう自虐的にならなくても良いかと、でも…館長も意外と悩んだりするのですね?」
「…意外、か…良い響きだ。折角だ、自分の唯一の茶飲み友達に良い事を教えよう」
「良い事?何でしょうか館長」
「今後、グラールが未曾有の危機に晒されるのは確実だが…君個人も危機に晒される
可能性があるのだ、それに注意してくれたまえ?君はあの研究の唯一の成功体だからな」
「ご忠告、痛み入ります…ですが良い事とはかけ離れてますが?」

あっけらかんと言う館長ですが、私にとっては家族を危険に晒す一大事です。
深刻そうな顔をした私に、館長は席を立つと、私の頭を優しく撫でてくれました。

「心配する事は無い、最初から危機が来ると判っていれば、対処方法があるだろう?」
「それはそうなのですが…何か間違ってるような」
「まあ心配も杞憂に終わるだろう、誰が破壊神の子供に手を出すバカがいるかね?」
「私から見れば、破壊神どころか子供に極甘な、母親と言った所ですが」
「母は強し…それで良い!それよりも用事は済ませたのかね?」
「もうこんな時間ですか、それではピーマン料理のレシピデータだけ貰っていきますので」
「どうぞご自由に、貸し出し期間は無限、世界征服の方法から、晩御飯のレシピまで、
宇宙に散らばる全ての英知がある、バベルの図書館のご利用感謝いたします、マドモアゼル」
127名無し275(6):2007/10/02(火) 19:15:51.75 ID:mZDNUV8n
舞台の役者のように、うやうやしくお辞儀をする館長に会釈を返しつつ、
私は大急ぎで、無限とも言える本棚の中から、ある一冊の本を選び出すと、
出口である光の中へと飛び込みました。
ニンジンの次はピーマン克服ですか…これで駄目ならヒュマ助様の助けでも…
あれ?ここに来た意味は…忘れましょう。

「さてさて、唯一の友人も帰ってしまったし、これからくだらない情報収集と解析か…
SEEDにイルミナス?これが特A級懸案?くだらん、他に任せればいいな。
とりあえず…お茶とケーキの、有効な組み合わせパターンでも解析するとしようか」

「…りゃ…こりゃ!おきるのじゃ!」
「…あ、お嬢様?あふ…お早う御座います」
「もう朝なのじゃ!はようおきぬかー!」
「少々寝坊をしてしまいましたね、早く朝食の準備をいたしましょうか」
「ふっふっふ…無用なのじゃ!びっくりさせようと、すでにわたしが作ったのじゃ!」
「お嬢様が?あら…なんでしょうか、楽しみですね」

私の手を引いて、満面の笑みを浮かべながら、食卓のある部屋へ向かうお嬢様。
さて、お嬢様の力作をいただきに行くとしましょう。
マスターもお待ちのようですし…今日も平和で楽しい日が始まります。
今日の晩御飯に、ピーマン料理が出る事は、お嬢様には内緒にしておきますか。

「それで、一体何をお作りになられたのですか?」
「きいて驚くでないぞ!たまごかけごはんじゃ!!」
「ま、まあ…朝の一品としては、良いかも知れませんが」

『うーまぁーいーんーよぉーーーー!』

「我慢できずに、先に食べてる方がいらっしゃいますね」
「はーはーさーまー!皆がそろうまで、食べてはならんとあれほど…」

今日も今日とて平和です、とりあえず私達の朝食が残ってるか心配です。
128名無し275:2007/10/02(火) 19:20:44.29 ID:mZDNUV8n
てな訳で投下('A`)
テーマは無駄な事に全力集中。。
このキャラ達は、自分の力を有効利用するつもりは無いみたいです。

飯店様、うちのお嬢がすいません。
ちゃんとしつけて…親がアレだから無理くさいので、
410に頑張らせます。

では退散します。
129名無しオンライン:2007/10/03(水) 00:07:31.10 ID:vNYYDsdj
>>121
 ご感想、ありがとうございます。
 ワンオブサウザンド編とは書きましたが、確かにあんまり関係ないかもしれません。
 自分的には区切りだという意味合いがあり、他に思いつくものも無かったので、そう書いたのですが…
 要らぬ誤解を招いたようで、申し訳ないです。

 また、最強云々に関しては、そんなつもりはなく、こちらの表現能力の至らなさ故ですのでご勘弁のほどを。
 あの場面の状況としては、

 恥ずかしい私生活を盗撮されていた事に対してキレたロザリオが、
 自分の能力をネタに、半分本気で意趣返しとして『女帝』を驚かせようとします。
 ある程度は彼女の能力を知っているし、本気か演技か判別し難い振る舞いを突然された『女帝』は、
 自分の冗談が通じなかったのかと驚き、逃げようとしますが、
 ご主人サンが演技であることを見抜いてロザリオの意趣返しを止めた。

 と、いう流れで書いたのですが…
 よく読むと、確かに誤解を招く書き方ですね。
 表現方法が間違ってた部分もあるし、まだまだ表現力が足りないことを痛感しました。

 読み返してふと思ったのですが、
 ロザリオの意趣返しに、敵意があると判断した『女帝』が杖を構えてロザリオと対峙し、
 ご主人サンが彼女の振る舞いが演技だと言って割って入る、
 というパターンのほうが、あの流れならしっくり来たかも知れません。
 あるいは、意趣返しをせず、腹のうちに収めて終わりにするとか…
 随分前に振ったネタを消化する事に気を取られすぎてこの場面を書いた事自体が、この場面の最大の失敗だったように思えます。
  
 手厳しいツッコミ、ありがとうございました。もっと修行してきます。
130名無しオンライン:2007/10/03(水) 01:47:36.53 ID:Fh+PEmcK
さてと何時ものように空気を読まずに久しぶりにちゃんとした(っぽそうな)のを投下なんだぜ!
131忘却からの呼び声:2007/10/03(水) 01:49:29.72 ID:Fh+PEmcK
「うー、またブーマクローかぁ…」
「……」

エネミーの残骸を探りながらキョロキョロと他のドロップアイテムを探す箱。
それから少し離れて、
頬を少し膨らませて不機嫌そうな450がそっぽを向いていた。

久しぶりのニューデイズ。それも桜舞い散るサグラキの森。
そんな幻想的な場所に箱と一緒に(ミッションとはいえ)来訪したのだから
普段の彼女であればもう少しは浮かれていてもよさそうなものだが。

「ねぇ〜 箱くぅん、あたしつかれたぁ〜」

サムシングスイーツのようなほんのりと甘さの混じった声。
原因は、これか。

「わかりました。ちょっと休憩しましょーか」
少し草の生えた地面を見つけ、ぽんぽんと土を払う。

「ありがとねー」
そこに腰を降ろし、うーんと伸びをするニューマンの女性。

「そーだ、ケーキ焼いてきたのよ、ケーキ! はいこれっ!たべてたべてー」

ナノトランサーからなにやら珍妙奇妙極まりない物体を取り出して箱に渡す女性。

「あ、どうもです。  …ん?450も休みなよ」

その女性にムクフィトのような視線をブン投げまくる450が
ジロリと箱を一瞥する。

「う… じゃ、じゃあ僕は近くにエネミーがいないか見てきまス」
謎のプレッシャーに押された箱が、意味もなくいそいそとその場を離れる。

「ハァ」
溜息を一つこぼし、ニューマンの横に腰を降ろす450。


132忘却からの呼び声:2007/10/03(水) 01:49:50.13 ID:Fh+PEmcK


世界が、変わったらしい。


コロニーの落下。新たなる敵の出現。モトゥブ、パルムの異常事態。
他にも噂だが、通常のスペックを遥かに超えたPMの暗躍もあったらしい。


しかし、箱と450の世界にはさほど変化はなかった。
今まで通りの平凡な依頼。時折出かけるミッション。
二人の関係も何の変わりもなく、
ただただ平々凡々と、ハムスターのように「日常」という時の歯車を必死に回しているだけだった。

少し変わったことといえば…

「ん?なぁに?」

最近よくミッションに同行するようになった、このニューマンの女性だ。
450としては覚えたくも無いが、名前をマヤという。

別に彼女のことが嫌いというわけではない。
しかし、なんというか、邪魔なのだ。なにかと、いろいろ、それなりに。

「いえ、なんでもありません」

そう言って、杖を抱くように遠くを見つめる。
しとしとと桃色の雨が降っているかのような光景。

この地も、どこかしらに少しづつ変化を重ね、確実に時を紡いでいる。
自分達も、そうなのだろうか。少しは、変わっているのだろうか。

「ねぇ、450ちゃん?」

「は、はい?」

唐突なマヤの声に我に返る450。

「ちょっとね、聞きたいんだけど…」
マヤの表情は、いつもとは少し違っていた。

つづく
133名無しオンライン:2007/10/03(水) 01:50:45.20 ID:g1pHVnv1
>>129
>敵意があると判断した『女帝』が杖を構えてロザリオと対峙し
そっちの方が「ない」かと。正直、あんまりノリノリのロザリィもどうかと思いますが。
「冗談の通じない奴を本気で怒らせた」という方向で「女帝」があたふたしてくれた方が
パシリスレ的にアリだと思うし、二人とも可愛気があってイイと思う
人のキャラに注文を付けるのもなんだけど、通して読んでた人として違和感を覚えたので。

そんなことより、個人的にはパシリにあそこまでヤらせてしまったことや、
既存のキャラを何人も引っ張り出して作中のキャラと接触させてしまったことの方が
オレの中の脳内会議で物議を醸しているんですが、まぁそこは人それぞれってことで。

何はともあれ、これだけの大作を書き上げたことに敬服します。お疲れ様でした。
それと、素直にうらやましいと思います。色々と。
134名無しオンライン:2007/10/03(水) 01:52:11.92 ID:Fh+PEmcK
イルミナスになったということで、新シリーズで
最近桜華を↑の面子でよく回っています。

なぜかこの面子だと450の動きがすごくいいんです…
回復とか…激しいんです…w

需要があるかどーかは知らないけど続きはまたそのうち〜
135名無しオンライン:2007/10/03(水) 01:52:41.90 ID:g1pHVnv1
あ、あっぶね……もうちょっと早かったら完全にぶった切るトコロだった
確認不足でしたホントすいませんorz
136名無しオンライン:2007/10/03(水) 01:54:50.40 ID:Fh+PEmcK
>>135
キニシナイ!!
ぶった切られようがなにしようが俺の妄想はそんなにたいしたモンじゃないからなッ!w
137名無しオンライン:2007/10/03(水) 06:09:49.66 ID:k66wjbrQ
>>120
パパ412氏お疲れ様
っといってもまだ途中までしか読めてないんだが、かなり容量あるし

だが何にせよかなりの長編お疲れ様、俺も頑張らねば(と言って全然進まないんだが・・・

>>128
電脳世界か、不死身440とかの世界だな・・・
しかしいろんな作者のネタが入り混じったパシリスレワールドは見てて飽きないぜ

>>131
地獄の三角関係、前にルゥの時も似たようなのあった気がするから実質四角関係か・・・w
その内450刺されるぞ箱・・・w
138名無しオンライン:2007/10/03(水) 10:56:59.04 ID:Fh+PEmcK
>>137
>ルゥの時
ああ、あったねそんなの(笑

冗談はさておき、基本的にその時々の状態(当時はルゥとよくPT組んでた)が
結構影響されてるからなあ。
四角関係とかドロドロしたの書けないぞ俺!どうする俺!w

そういや、ここはマヤ好きな人いるんだろうか…
俺の中ではマヤは相当悪女なんだよなあ・・・w
139名無しオンライン:2007/10/03(水) 11:11:58.35 ID:4Ha7BIDr
>>120さん
長編お疲れさまでした。
なにげにウチの女帝やご主人サンが出てて、思わずにやけてしまいましたw
それにしても、諜報部長官なんて脇役まで出してくるとはw

あの人結構お気に入りなので、人に動かしてもらったことで創作欲を刺激されたというか。
長官の話とか書いてみたいですが、あの人パシリ関係ない立場にいる人ですからねぇ。
スレ汚しにならない程度にちみっと書いてみよかな…。
140名無しオンライン:2007/10/03(水) 22:13:54.21 ID:vNYYDsdj
>>137
 量が多くて申し訳ねぇっす。
 言いたいことをもっと簡潔に書きたいのに、あれよあれよと伸びてく文章…
 まるでオキク・ドールの髪の毛がごとし。
 気長に目を通してもらえれば幸いです。
 そのうちWiki保管庫に上げますので。

>>139
 やはりお気に入りでしたか、諜報部長官。
 書いてて、なんとなくそんな気はしたのですが…
 ストーリーの都合で出しましたが、性格変わっちゃって、申し訳ない(´д`;)アセアセ
 おまけに勝手に彼女のパシリまで設定して出しちゃって、なんと言って良いやら。
 キャラクターなど、色々お借りさせていただきまして、ありがとうございました。
141名無しオンライン:2007/10/04(木) 14:06:15.27 ID:rKETOwjF
>>133が見事にスルーされてるのな
まぁ、どうでもいいか。こんな便乗叩きにしか見えないレスなんぞ
142名無しオンライン:2007/10/04(木) 14:08:35.98 ID:3lAh9gvK
>>141
>>133本人?
リアクションが欲しいならちゃんとリアクション下さいってお願いしろよ。
全部に答える義務なんか無いんだから。
143名無しオンライン:2007/10/04(木) 14:23:23.38 ID:kB5FCZ//
>>142
まあそう言ってやるなよ。
スルー以前に投下された奴を読んでないから同意も反論もできないんだ…

しいていうなら

>ストーリーの都合で出しましたが、性格変わっちゃって、申し訳ない(´д`;)アセアセ
>おまけに勝手に彼女のパシリまで設定して出しちゃって、なんと言って良いやら。

流石に他人のキャラに対して好き勝手やりすぎかと
144名無しオンライン:2007/10/04(木) 15:28:38.27 ID:4DtSQ5ih
まあ時間が経てば人も変わるようにキャラも変わるかもしれんし良いじゃないか

それにキャラの生みの親である小ビス子氏にはその変化を好きに使う権利がある
キャラを借りて勝手に少し形を変えてしまっても都合が悪ければ元に戻せるしな

まあ度合いもあるだろうが倫理的におkでいいんじゃないか?
145名無しオンライン:2007/10/04(木) 15:38:38.16 ID:3lAh9gvK
ネタを使った側と使われた側で直接○×つけたものじゃないと、なんの力も無いだろ。
外野がなに言っても邪魔になるだけ。
そういう意図なら成功かねw
邪魔したい奴はどんどん続けろ。そうじゃないなら黙れ。
146名無しオンライン:2007/10/04(木) 16:00:51.88 ID:6qjY3sQt
確か『不死身』の440も、一番最初は本家の小ビス子作者以外からの無茶振り登場だったような。
そんでもしっかり違和感なく本編に練り込んだくらいだから…、

 小ビス子氏なら…、小ビス子氏なら、きっとなんとかしてくれる…!
147名無しオンライン:2007/10/04(木) 16:14:38.62 ID:kB5FCZ//
このスレって否定的な感想はNGだったのか。それはすまなかったな

あとから謝るほど設定弄るのなら最初からオリキャラつくればいいのにって思っただけなんだけどな。
148名無しオンライン:2007/10/04(木) 16:26:37.72 ID:4DtSQ5ih
まあここまでマッタリ来たんだ
細かいことは無しにして楽にいこうや
それがパシリスレだしな
149名無しオンライン:2007/10/04(木) 19:46:30.66 ID:cQWPDJGb
>>147
思いをスレに反映させるには、日本語で書かないとダメだろw
書いてない部分を分かれってエスパー専用レスやめろやw
150名無しオンライン:2007/10/04(木) 21:42:27.52 ID:KSYa0xYe
>>149
おそらく頭がいい奴なんだろう。
頭がいい奴はテレバシーを無意識に信じてるような話し方や書込みをしがちだ。

そういう奴が本当の意味で頭がいいかどうかは知らないが。
151名無しオンライン:2007/10/05(金) 01:18:06.84 ID:ILKBhwh8
気軽に投稿出来る雰囲気がなくなったのがこのスレが寂れた原因だろうな
152名無しオンライン:2007/10/05(金) 01:23:34.06 ID:t6IabEfh
後付け乙
統計もデータも管理者も無いから、なんとでもこじつけて言えるよ。
153名無しオンライン:2007/10/05(金) 01:45:46.51 ID:IbfVL5of
変に煽ってる奴がいる間は冷却期間と思った方がいいでしょ
どちらかというと空気を悪くしないことを優先するこのスレなら、
本来は多少批判的なレスが付いた所で何ともないはずなんだが

>>152
そもそも寂れてない。そんなのに乗っちゃいかんよ
154名無しオンライン:2007/10/05(金) 03:58:07.08 ID:bvnTu25O
しまった十三体目のラストの方の保存し忘れた
まあ投下はなかったはずだからいいか


しかしよくみりゃ既に十四体目の1/3ほど来てるのか、早いものだ
155名無しオンライン:2007/10/05(金) 08:49:02.59 ID://8cSaUw
>>153
実際のところ、寂れ感はある。
印象に残ったところだと、小ビス430、箱と450、ワルキャスパシ、青キャス子、450一家、
これらが連日連夜繰り出されてたからなぁ。

「気軽に投稿出来る雰囲気がなくなった」原因を聞いたらどうせ逃げるんだろうけどさw
156名無しオンライン:2007/10/05(金) 09:06:14.66 ID:3DFfNJ3G
んで外部利用とかした挙句、期間限定公開で後から手に入らない話があったりとかな。
157名無しオンライン:2007/10/05(金) 11:58:21.28 ID:05uqztvS
>>155
書き手だって常に暇な訳でもなければネタが無限な訳でもないし他にも原因はいくらでもある
書き手も人間、このスレの為だけにいるわけじゃない

何をもって廃れた、投下できなくなったと言うのか知らないが書き手のことも少しは考えろ
158名無しオンライン:2007/10/05(金) 12:21:15.66 ID://8cSaUw
>>157
読み直して気付いたらID変えて出なしてこい
159名無しオンライン:2007/10/05(金) 12:23:36.72 ID:iB8tKcUe
さて、流れをまったく読まずにふと思った事。

我らがパシリの製造元の会社は「GRM社」。
では発音の仕方は? と考えたときに、TNTとかPTAとかICPOみたいに
「じーあーるえむしゃ」と読んでいたのだが……。
イルミナスoffで実は「ガルムしゃ」と発音していたさ。

今まで気がつかなくて、台詞に「じーあーるえむ」と入れていた私は赤っ恥(ω・`
160名無しオンライン:2007/10/05(金) 12:30:55.79 ID:05uqztvS
ガルムだったのか、俺もじーあーるえむだと思ってた
知り合いはグラムっていってたなぁそいや
161名無しオンライン:2007/10/05(金) 16:03:29.72 ID:s/clMKmr
>>159
ナカーマw 俺も「じーあーるえむ」って読んでたw
ガルム社だったのか…
162名無しオンライン:2007/10/05(金) 16:06:38.50 ID:s/clMKmr
おっと失礼途中送信

まあなんだ、本当に廃れる前に空気も読まずにぽつぽつ投下w
お茶請けにでもしてくれいw
163忘却からの呼び声:2007/10/05(金) 16:07:48.69 ID:s/clMKmr
「………あり?」

一方、別の場所。別の桜の雨の降る中、ぽつねんと一人佇む箱。

「ここ……どこ?」

彼は、道に迷っていた。

「…おーい、450〜〜〜  マヤさーん!」

彼の呼びかけに答えるものは無い。
しいていうなら…

「がう?」

「がーがー」

彼の声に何時の間にか集まってきていたエネミーだけのようだ。

「ぬわお!?」

自らの声で呼び寄せてしまったエネミーにたじろぐ箱。
慌ててデータベースを検索する。

「がうあ?」

「…ちょ…早く…    おろ? データベースに…ない??」

似ている個体は…ブーマかゴブーマだが…
それらとは微妙に違うような気がする。

「……」
兎に角、この現状を打破せねば。
箱が一つ、どうにかこうにか覚悟を決める。

「え、えっとですね、僕、道に迷っちゃいまして」

少々ビビりながらもとりあえずフレンドリーにコンタクトを取ってみる箱。

「がう」

「えーっとですね、これこれこーゆー場所に行きたいんですけど…」
164忘却からの呼び声:2007/10/05(金) 16:08:21.28 ID:s/clMKmr
「がう!?」

「ひえっ!」

ちょっぴりビビる箱の前で、エネミー達が頭を寄せ合いなにやら相談を始める。

「がうー がうがう」
「がう がーう」
「がう」

「……」
珍妙な審議を前にして、沈黙の箱。

「がう」

「う!?」
彼等の目線が箱に向く。
と、その中の一匹が箱に向かうと、なにやら手を動かし始めた。

「がうー がうがう」

「う?」

「がうわー がう」

「ふんふん」

両手を動かし、なにやらジェスチャーをするエネミー代表。
それを真剣な表情でメモしている箱。

「がうー」

「おおー!」

…伝わっているのだろうか…

「あ、ありがとございますです。ええと、お礼に貰い物で悪いんですがこのケーキを〜」

「がうー がうがー ノシ」

「ほんとありがとでしたー ノシ」

和気藹々とお互いに手を振りながら別れる。
それはまるで、ツアー旅行中に道に迷った観光客と、
たまたま知り合った現地の親切な人のような光景。

…しかし箱は知らない。
この数時間後別のPTが、体調に異常をきたしてぶっ倒れたジゴ・ブーマの一団と遭遇し、
シャトをゲットしてホクホクすることを…
165名無しオンライン:2007/10/05(金) 16:10:33.74 ID:s/clMKmr
どうでもいいことだけど、
「異常をきたして」の「きたして」は「来たして」なのかなあ?


当然ジゴブーマとはまだ会ったこと無いです[´;ω;`]
166名無しオンライン:2007/10/05(金) 20:50:29.17 ID:R5zPMy2C
>>165
来す[きた す]動サ五[四]
ある結果を招く。ある事態を生じさせる。好ましくないことについて言うことが多い。
「運営に支障を―・す」

いいみたいですヨ
俺も勉強になりましたw
167名無しオンライン:2007/10/06(土) 00:48:29.50 ID:MP+ddU57
遅レス申し訳ない〜!
どっかの誰かさんのとばっちりで、\.bbtec.netを全サーバで規制。とのお達しで、投下が不可能でした。
三日間、流れていくレスにやきもきしてました。
そして箱の人氏、流れぶった切って申し訳ない。

早速ですが、実のところ>>133

>そんなことより、個人的にはパシリにあそこまでヤらせてしまったことや、
>既存のキャラを何人も引っ張り出して作中のキャラと接触させてしまったことの方が
>オレの中の脳内会議で物議を醸しているんですが、まぁそこは人それぞれってことで。

に、すぐに返答しかねたので保留にしていた訳です。
不快に思わせてしまった事については、深くお詫びいたします。
遅くなりましたが、ご拝読いただきありがとうございました。
また、ご感想をいただけた事は深く感謝致しております。
今後、再び作品投下の機会があるとは思いますが、その際には是非ともきびしいツッコミのほど、よろしくお願いします。
俺としては内容を叩いてくれる事自体は大歓迎です。自分では分からない改善すべき部分が分かりますし、次からの文章の質を上げることにも繋がりますから。
今回のように返答が滞るかもしれませんが、その際はご勘弁していただきたいと思います。

遅ればせながら、作品に対していただいた感想への返答です。
作中のロザリオと『女帝』の絡みについては、
最初の頃ならおっしゃったような展開になったと思いますが、ロザリオも最近はやり返すまでに成長していってるだけです。その辺の作中の表現が足りないと思いますが…
やり返すにしても、加減を知らないのが彼女の問題点ですね。彼女の性格の本質は、結構過激です。
そういえば、最近、彼女を書いていると可愛気が無いです…情操教育でもするかな…

脳内物議を引き起こすようなストーリについては、「パパと412」を書き始めた『当初の予定通り』、話を進めていった結果です。
まぁ、傍から見たら、やりすぎというか、大風呂敷もいいところなのかも知れません。
既存キャラと絡ませることについては、確かに人それぞれの捉え方なので、ご容赦いただきたい。
実際の話、既存キャラについては、小ビス子氏から事前許可が貰えれば良かったのですけどね。
流石に諜報部長官についてはやりすぎてしまったと反省してます。
彼女を書くには、俺の表現では拙過ぎたようですし、ストーリーから考えれば完全にキャラの配役ミスでした。
自作キャラに踊らされて、彼女を出さない訳にいかなくなっちゃったのが、この問題を引き起こした根本的原因です。

>あとから謝るほど設定弄るのなら最初からオリキャラつくればいいのにって思っただけなんだけどな。

確かにその通りなんです。ただ、諜報部長官を出すに当たって、彼女の存在があったことを思い出したのが運のつき。
彼女がいることを思い出す前の下書きでは、あのポストに別人を当ててたんですよ。
適当な理由をこじつけて、別人にしておけば良かった…後悔先に立たず、です。

>>143 >流石に他人のキャラに対して好き勝手やりすぎかと

全くです。この言葉に俺が反論を述べる余地が無いことは重々承知しております。
今後は自重しようと思っています。


長々とお目汚しになりましたが、スレ跨ぎの長編にお付き合い下さりありがとうございました。
このスレをご覧の方々、また作品をご拝読下さいました皆様には、この場を借りて、厚く御礼を申し上げます。
また、ご迷惑を掛けた部分があることを心よりお詫び申し上げます。
それでは、この辺で失礼させていただきます。

P・S >>149>>150
 変な話ですが、>>133(147)氏の言外の部分についてはなんとなく察しはついてますよ。俺も同類に近いので。
 おそらく、>>133(147)氏もここに書き込んでいる量の数十倍〜数百倍の言いたいことが頭の中を飛び交っていると思うのですが、それを簡潔に表現するのは非常に大変です。
 ただ、文章でも会話でも、脳内から外に向けて表現しなければ他人は理解できません。
 自分の考えを、誰にでも分かりやすく簡潔に伝えること。
 俺が普段注意している点でもあり、随分前に痛感したことでもあり、文章を書く上での目標でもあります。
 横道にそれたし、流石にスレ違いな内容なので、この話はここまで。
168133:2007/10/06(土) 05:44:57.62 ID:YAzX5NUB
ここまで誠意に溢れたレスをされちゃあ、白状しない訳には行かないので
長いけど、これ以降のレスはないのでご容赦を

>>167
正直、社交辞令程度のレスがあればそれで充分だったんですよ。
全てのレスに真摯に応える義務がないのは尤もですし、元々承知していますから。
ただし、140の時点ではその社交辞令すらなかったために、「読者を選んでいる可能性
(スレに対する姿勢)」をどうにも否定できず、なおかつそのままでは完全に忘れ去られる
可能性までもが頭をよぎってしまったため、敢えて底意地の悪い真似をしてしまったのですよ。
実に申し訳ない。人を試すような真似をしたことを、今更ながら後悔しています。
因みに133以降に俺が付けたレスは2つ。141と153。他は全て別の方です。
それと、既存キャラというのはストーリーモードのキャラに限っての話で、
パシリスレ内のクロスオーバーには、当事者以外の者が口を挟む余地はないものと考えています。

元々133が気まぐれの初レスだったものの、これを機にさっさとROMに戻りますので、
最後にパシリについて少々。

41x(特に410)は「可愛気のない所が可愛い」のだと思いますよ。
何だかんだ言いつつ、ピートが41xの理想系なのかも。
169名無しオンライン:2007/10/06(土) 09:01:29.04 ID:sjX2sZp+
450d「とーさん なにか気軽に投稿出来る雰囲気がなくなった原因を聞かれていますが。」

んー気軽になにもネタ切れだからなぁ・・・・・。
なにかローゼノムにコロニーが落ちたみたいだし、店長の店(不思議な日本語)は大丈夫だろうか?

450c「実は我が家にはまだイルミナスは来てないんよ。」
450d「・・・・まったくです。これを愚図と言うのでしようか」

ボケ主人ネタはイルミナス用に暖めてたんだが・・・・どうなることやら。
170名無しオンライン:2007/10/06(土) 11:05:32.20 ID:sCBgxkz2
>>166
おお、ありがとう。国語辞典引けばよかったw
いい勉強になりましたw

>>167
それは災難だったなあ。乙
特にいきつけのスレが盛り上がったりしてるときにされるとむずがゆいよなあw
でもPSは余分じゃない?スルーが吉

>>168
まあ2ちゃんだし少々毒があるレスでも構わないと思うw

>41x(特に410)は「可愛気のない所が可愛い」のだと思いますよ。
>何だかんだ言いつつ、ピートが41xの理想系なのかも。

それはお前個人のイメージだな。
流石にそういうふうな決め付けはよくないと思うよ
可愛げのある41xがいてもいいじゃないw
171名無しオンライン:2007/10/06(土) 13:59:56.09 ID:MP+ddU57
>>170
 まったくですわ、ほんと…orz
 あ、規制情報のタブが出しっぱなしだった…
 P・Sはまあ、たまたま釣られてしまった、ってことで。

それはそうと、誰か、ショタパシリのタイプ番号って知りませんかね?
調べたんだけど、見つかって無いんだよねぇ…
172名無しオンライン:2007/10/06(土) 18:57:45.94 ID:MP+ddU57
やってる時間があんまり無いけど、追加パシリのネタ集めもかねて、オフって来ますわ。

しばらくROMります。捜さないで下さいw
173名無しオンライン:2007/10/07(日) 17:02:03.89 ID:9ffMkX9T
保守
174名無しオンライン:2007/10/08(月) 21:35:50.79 ID:d+uI5FPS
保守がてら投下
需要なんてキニシナイ!! 推敲も適当!!w
175忘却からの呼び声:2007/10/08(月) 21:36:33.68 ID:d+uI5FPS
「ちょっとね、聞きたいんだけど…」
マヤの表情は、いつもとは少し違っていた。

「な、なんですか?」
その知らない雰囲気に、450が少し驚きながら答える。

「貴女、自分のこと、知ってる?」

奇妙な質問。
突然こんな質問をされて、すんなり答えられるものはそうはいない。

「じ、自分のこと…って、どういうことですか…」
そんな言葉を無視するかのように、マヤが続ける。

「あのね、私、貴女と話がしたかったの」

450から目線を逸らし、そのままそれを遠くの桜に移す。

「貴女、自分の能力が他のPMよりも劣っている理由、解ってるんでしょ?」

『劣っている』
450のココロにぐさりと突き刺さる言葉。
今まで、何事も無難にこなせるように必死に努力し、忘れようとしていたこと。
それを、再び目の当たりにさせられた言葉。

「だ、だから… なんなんですか…」

450の声は、震えていた。

「能力劣ったPMは存在価値がないというんですか!?
 それは確かに…主人の力になるのが私達の存在意義でもあるといえます。
 だから、他の皆よりも劣る私は、役立たずの私はっ!ご主人様の下に居るべきじゃないっていうんですか!?」

目尻に溜まる雫。450は自分の感情を抑えられなかった。
今まで、解っていて忘れようとしていたこと。
ただ、その劣る能力をなんとかしようと努力してきたこと。
そんな自分を何の不満も見せずに受け入れてくれる箱のこと。
それら全てを否定されたようなものだった。

「ちょ、ちょっとまって。そういうことじゃないんだってば」
その激情に気圧され、慌ててマヤが弁解をする。

「劣っているからとかそういうことじゃないの。貴女のルーツのことよ」

「……ルー…ツ?」
怒りの表情のまま、マヤを見据える。

「そう。ちょっとね、ある人と話してて、興味が湧いたから調べてみたの。
 現行のパートナーマシーナリーの最初の一体。試作型のPM」

「試作型の…PM…」

努めて優しい笑みを浮かべながらそう語るマヤに、
450も少し落ち着きを取り戻しはじめた。

「いうなれば…そうね、アーキタイプPM、”primitive one”ってところかしら」
人差し指を立て、自分のネーミングに少し苦笑いをするマヤ。
そしてそのまま手を返し、その人差し指を450に向ける。
176忘却からの呼び声:2007/10/08(月) 21:36:53.53 ID:d+uI5FPS
「それが、貴女なのでしょう?」

まるで、マヤの指が450の記憶を射抜くかのようだった。
メモリーの奥に仕舞いこまれていた記憶が、掘り起こされる感覚。

「……だったら……なんですか?」

まだ、声は震えていた。

「私がその……プリミティブ・ワンだったら、どうされるのですか…!?」

「そうね…」
険しい表情の450に、努めて柔かく答えるマヤ

「……貴女を少し、調べさせて欲しいわ」

「…正直…なんですね」
相変わらず450は硬い表情のままだ。

「遠まわしな答えなんて、貴女は望んでいないでしょう?」
言葉に詰る450に、マヤは続ける。

「貴女の性能とか、そういうのは関係ないの。ただ、貴女が『最初の一人』だったから。
 そのルーツを知りたいというだけ。嫌な言い方になるけど、知的好奇心ね。ただ…それだけ」

「…わ、私は!」

450の言葉を遮る。
「私の好奇心を満たす”モノ”じゃないと言いたいんでしょう? 解っているわ。
 でもね… 貴女はPM。キャストじゃない。マシーナリーなの…」

最後の一言に、450の表情が凍る。
しかし、そう言ったマヤの表情は辛そうであった。

「酷い言い方だとは解っているわ… でも、もし貴女が自分のルーツを知りたくなったら…
 私に協力してくれるのなら、いつでも連絡を頂戴。待ってるから、私」

そう言って、マヤが立ち上がり、その場から去ろうとする。
と、その背中に450が声をかける。

「わ、私のご主人様に近づいたのは…!」

その声に少し振り返り、マヤが答える。

「最初は、偶然。 二度目からは、必然よ……」
少し悲しそうにそう言って、彼女は去っていった。

一人残された450。彼女は膝を抱え、そこに顔を埋め、声を押し殺して泣いた。
柔かく舞い散る桜色の雨が、450を包む。
しかしその雨は、涙を拭うことはできずに、ただ彼女に優しく舞い降りるだけだった。

…静かなサグラキの森に、450の嗚咽だけが小さく響いていた。

つづく
177名無しオンライン:2007/10/08(月) 21:38:41.57 ID:d+uI5FPS
なんだかマヤが悪役になりそうなんだが、学者としての欲求だから仕方ないよね!(;゚∀゚)

そういえばジゴブーマに出会ったけどサボテンばっかりだった…[´;ω;`]
178名無しオンライン:2007/10/09(火) 21:28:28.32 ID:ndiiXCPi
相変わらずblackな話しを描かせたら神すぎるぜー
フーハハハハー!

続きwktk
179名無しオンライン:2007/10/10(水) 17:33:25.12 ID:XMNKLve2
箱の人さんの書く、箱と450のお話が大好きです。
続きをたのしみにしています。
180名無しオンライン:2007/10/10(水) 18:55:35.33 ID:usnbr1XK
気軽に投下出来ない雰囲気を壊す為に単発投下。
初投下でこういうの書くのも初めてなので、くだらないかもしれませんが勘弁してください><
いつか長いのも書いてみたいなぁ〜と思いつつ、不定期に書き溜めたのを放出しようかと思いまふ。
181名無しオンライン:2007/10/10(水) 18:56:35.82 ID:usnbr1XK
男「今日の440のパンツの色は、何色かなぁ〜!?」
 バッサー!(←スカートをめくる)
440「ひゃあ!」
男「…あ、あ…、あぁ……」
440「……?」
男「た、短パンだってぇ…? orz」
440「?どこか変ですか?」ピラリ(←スカートをめくる)
男「ブホ!!! お、おまっ、それは自分でスカートを捲り上げて見せちゃうという女子学生の 超 必 殺 技 ・・・!!『へへーん残念でした〜、今日のスカートの下はブルマーだよ〜♪』!!
どこでそんな高等技術を見に付けた…! 侮りがたしっ! 侮りがたし440ぃいいいいい!!!」
 ブフーーーッ(←鼻血噴射)
440「あ、あのご主人様…?」
男「ハァハァ(*´д`*) …ん?」
440「ご主人様が、あの…、そっちの方がいいとおっしゃるなら…、明日から、その…、ぶ、ぶるまぁ、履きましょうか・・・?///」チラッ(←上目遣いで見つめる)





男「いや、実は俺、スパッツ派なんだ」
440「これはひどい」
182名無しオンライン:2007/10/10(水) 19:20:01.69 ID:29E4j987
もうオンラインしたら440のスカートの下が気になって仕方ありません。
183名無しオンライン:2007/10/10(水) 20:57:12.10 ID:bksPigSC
440はスリットから見せまくりんぐじゃないか
184名無しオンライン:2007/10/10(水) 21:51:19.02 ID:waZQNT72
シチュエーション萌えだったのか、あなどれん
185初めての教官:2007/10/11(木) 05:00:27.70 ID:MFt8snoJ
・・・ピピピッ・・・ピピピッ・・・ピピピッ・・・

主「・・・ZZZ・・・Zzz・・・zzz・・・」
410「ご主人様、ビジフォンが鳴っていますよ!?」
主「・・・う〜ん・・・あと5分〜・・・zzz・・・」
410「もう、ご主人様!起きてください!!」
主「・・・代わりにでてくれよ〜」
410「・・・仕方ないですね・・・はい、もしもし?」

410「ご主人様、本部から手が空いていたら来るようにとのことです」
主「そうか、それじゃあ二度寝・・・」
410「ご・しゅ・じ・ん・さ・ま?」
主「・・・すぐに支度いたします・・・」


主「・・・俺は主人なんだぞ?生意気なマシナリーは2,3発ひっぱ叩いて・・・・・・できるわけないだろ!?
   家事はこなすし、戦闘のサポートはするし、結果的に言うことは聞いてくれるし・・・言うこと無いじゃないか・・・orz」
ミーナ「・・・あの〜、主さん?」
主「うお!?ミーナさん?何でしょう?」
ミーナ「はい、本部からの指令を・・・」
主「あ、そうだった・・・それで何か任務でも?」
ミーナ「主さんに教官になってもらいたいのです」
主「えっ教官!?俺が?」
ミーナ「はい、こちらの新人さんのです」

・・・紹介された方を見ると・・・ニューマンの少女が立っていた

ソニア「は、初めまして。ソ、ソニアといいます、よ、よろしくお願いします・・・」
主「ちょっと待った、彼女ニューマン俺ヒューマン・・・何かおかしくない?」
ミーナ「仰ることはわかります」
主「・・・そうだよな」
ミーナ「現在SEED感染の疑いがある人達は検査入院中です。それにより各部署に欠員がでてしまい補充中のため人手が足りないのです」
主「・・・すいません・・・SEEDと関係ない自由任務ばかりやってて・・・」
ミーナ「いえ、それも仕事ですし・・・そういう人達も必要ですから」
主「こういう時のために・・・ね・・・うまく出来てるもんだ・・・」
ミーナ「・・・それで・・・どうします?」
主「今更断れないでしょ?・・・え〜と、ソニアさんだったね?」
ソニア「は、はい!」
主「勇ましい名前だな、名前負けしないようにがんばれよ。種族は違うがよろしくな」
ソニア「はい、がんばります!」
186初めての教官:2007/10/11(木) 05:01:17.11 ID:MFt8snoJ
〜連絡通路〜

主「まずセイバーとハンドガンだがこれは武器の基本中の基本と言っていい、どのタイプでも使えるし隙も少ない。
   ・・・その代わりと言ってはなんだが、戦士好みの威力とは言い難い」
ソニア「はい(手帳に記している)」
主「実力がつくにつれて自分好みの武器を使うようになっていくがそれぞれ欠点もある、この二つは万能とは言い切れないが
   汎用性は優れていると言えるだろう。・・・ではハンドガンでウロウロしているパノンを撃ってみてくれ」
ソニア「は、はい。エイ、エイ」

・・・バシュッバシュッ

ソニア「あっ!?こっちにむかってきます!」
主「セイバーに持ち替えてくれ」
ソニア「はい、次はどうしましょう?」
主「GO!」
ソニア「えっ!?は、はい・・・ヤアァァァ!」

・・・ザシュッザシュッザシュッ

ソニア「ハァ・ハァ・ハァ・・・や、やりました」
主「お見事お見事。じゃあこれを使って装備して」
ソニア「これは・・・?」
主「セイバーのフォトンアーツ、【ライジングストライク】だ。簡単にいうと必殺技みたいなもんだ」

主「さて次の標的はあのデルセバンだが、パノンより数段強く正面からは厳しい」
ソニア「はい」
主「そこで後ろにまわりこんで攻撃するわけだが、それだけだと倒しきれないことがある。ここでフォトンアーツの出番となる、
   それでは、いってらっしゃ〜い」
ソニア「え、え〜と・・・後ろに行って・・・1・2・ライジングストライク!」

・・・ザシュッザシュッズバーン

主「うんうん、いいねいいね。・・・次はセンディランだがこれは手本を見せておこう」
ソニア「はい、お願いします」
主「後ろから攻撃すると・・・」

・・・ドーーーーン!!

ソニア「き、教官!?」
主「・・・フゥ(埃を払いながら)・・・見てのとおりこいつは後ろから近づくと蹴ってくる。いつも基本どおりとはいかないぞ?」
ソニア「は、はい。気をつけます(ちょっとびっくり)」
187初めての教官:2007/10/11(木) 05:02:06.09 ID:MFt8snoJ
主「・・・キョロキョロ・・・」
ソニア「教官?どうしました?」
主「いや・・・ボスがいるはずなんだが・・・」

・・・ピピピ・・・ピピピ・・・ピピピ・・・

ミーナ『主さん、聞こえますか?』
主「ミーナさん?どうしたんだ」
ミーナ『先ほどプラント奪還に向かったガーディアンが任務に失敗し、エネミーが外に逃げてしまいました!』
主「何!?」
ミーナ『他のガーディアンが迎撃しましたがそちらに逃げたものがいます、すぐに脱出してください!』
主「エネミーの強さは?BランクかAランクか?」
ミーナ『・・・Sランクです・・・』
主「オワタ\(^o^)/ 」

ソニア「どうかしたんですか?」
主「プラントから逃げたSランクのエネミーがこっちに来るらしい、急いで戻るぞ!」
ソニア「は、はい!・・・!?」

・・・・・・ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・

S・ヴァンス「シャーーーーーーー!!」
ソニア「キャアーーーー!」
主「ソニア!?・・・ドゥース・ロバッド!!」

槍を振り回し、ソニアに絡まった触手を切り落とす・・・

主「大丈夫か!?」
ソニア「コクコク(うなづく)」
主「いいか?あの瓦礫の影に隠れているんだ」
ソニア「教官は?」
主「・・・こいつを倒す・・・行け!」

・・・タタタタタ・・・

S・ヴィタス「シャー!」
主「・・・フォイエ!」

・・・ボンッ!!

S・ヴィタス「!?」
主「・・・相手が違うだろ・・・」
188初めての教官:2007/10/11(木) 05:03:22.15 ID:MFt8snoJ
・・・S・ヴィタスの多彩な攻撃を回避しながらフォトンアーツ・テクニックを叩き込む。ソニアにとって見たことのない光景・・・

ソニア「・・・(呆然と見つめている)」

S・ヴィタス「シュルルルルルルルルルルル・・・」
主「・・・メギドか・・・見てからでも避け・・・!?」
ソニア「・・・」
主(避けたら・・・くそっ!)

・・・ドンッ!!

ソニア「教官!?」
主「・・・・・・さすが410が作ってくれた高属性防具だ・・・何ともないぜ!」
S・ヴィタス「!?!?!?!?」
主「くらえ!ライジング・アサルト・クロスハリケーン!!」
S・ヴィタス「ギュオオオォォォォ・・・・・・」

・・・光り輝く双手剣の乱舞で塵と化すS・ヴィタス・・・

ソニア「教官、大丈夫ですか?」
主「おう、そっちも怪我ないか?」
ソニア「はい・・・教官って強いんですね」
主「ん?まあ、一応Sランクの任務はこなすからな・・・自由任務だけど、ハハハ・・・」

〜連絡通路・入口〜

主「いろいろあったがこれで研修は終了だ、お疲れさま」
ソニア「はい、ありがとうございました・・・質問しても良いですか?」
主「何かな?」
ソニア「教官はどうしてガーディアンズに?」
主「なりゆきで」
ソニア「えっ?」
主「性に合うとしかいえないな・・・就いた職業がガーディアンズだった・・・それだけだよ」
ソニア「でも、危険なことも・・・」
主「その分楽しいこともある・・・後悔はしてないよ。」
ソニア「そうですか・・・」
主「・・・君がこの先どう生きていくか俺にはわからん・・・だけど善きにしろ悪しきにしろ、後悔しない人生を送りなよ?」
ソニア「はい!」
主「じゃあ、さようなら・・・スタスタスタ・・・ドターン・・・」
ソニア「エ〜〜〜!?ちょっ・・・教官!?だ、誰か〜〜〜!」
189初めての教官:2007/10/11(木) 05:04:20.84 ID:MFt8snoJ



ソニア「・・・クク・・・フフ・・・アハハハハハハ」
手下1「な、何すか姐さん?急に笑い出して・・・」
ソニア「ん?ああ悪い悪い・・・昔のことを思い出してね・・・」
手下1「昔のこと?」
ソニア「何度思い返してもおかしくてね・・・あんなにかっこ悪くて・・・かっこいい男は見たことな・・・って何言わすんだい!」
手下1「あいて!」
手下2「姐さん、目標に近づきますぜ!」
ソニア「よし!いつもどおりスマートにいくよ、わかってるね?」
手下一同「『盗みはすれど、非道せず』オー!!」

〜ニューデイズ〜

ソニア「あんた達はブツを換金しておいで」
手下1「姐さんはどうするんで?」
ソニア「アタシは温泉でも行ってくるよ・・・覗くんじゃないよ?」
手下1「ま、まだ死にたくないっす!」
190初めての教官:2007/10/11(木) 05:05:07.18 ID:MFt8snoJ
〜オウトク・シティ〜

男「フゥ・・・今日も売れたなあ・・・値上げした方がいいかな?・・・いやいや趣味でやってるからこのままでいいか・・・」
ちんぴらA「よう、おっさん。誰に断って屋台出してんだい?」
男「教団には許可もらってるぞ」
ちんぴらB「んなこと聞いてねーよ、しょば代出せってんだよ」
ソニア(しつけのなってないガキ共だね、ちょっとお灸を・・・ん?あの屋台の男・・・」

男「・・・バータ」
ちんぴらA&B「!?」
男「よっ・・・コン」

・・・ススススススススス〜〜〜〜〜・・・・・・ゴンッ

ほんまもん「いて!?・・・んじゃあ!?ガキ共!!」
ちんぴらA&B「ひえ〜〜〜〜〜〜〜」

男「さて、片付けるか・・・」
ソニア「・・・人違いだったらごめんよ・・・あんた、主って人じゃないかい?」
主「んん?何で俺のこと知ってるんだ、お姉ちゃん?」
ソニア「や、やっぱり・・・昔あんたに世話になったんだけど・・・」
主「昔?う〜ん悪いけど年のせいか思い出せんなあ」
ソニア「・・そうかい・・・そうだよね・・・」
主「・・・今の自分を後悔してるのかな?・・・ソニアちゃん?(ウインクしながら)」
ソニア「!?き、教官?・・・覚えて・・・」
191初めての教官:2007/10/11(木) 05:06:13.57 ID:MFt8snoJ
警衛士「主殿〜!」
主「?何だ、またあんたかよ・・・」
警衛士「頼みごとがございまして・・・」
主「今度はなんだよ?」
警衛士「ゾアル・ゴウグが・・・」
主「それぐらい倒せるだろ!?」
警衛士「それがゾンマ・ゴウグの被害対処のためそちらに人員をさいておりまして・・・」
主「警衛士ってそんなに少なかったか?」
警衛士「タカ派連中が衰えて以来、規模が縮小されまして・・・」
主「わかったわかった、退治すれば良いんだろ」
警衛士「ありがとうございます・・・これはお礼で・・・」
主「金には困ってないからいらないよ、それよりさっきチンピラがうるさかったんでそっちをどうにかしてくれ」
警衛士「わかりました」

主「ピ・ピ・ピ・・・410か?ゾンマ・ゴウグ退治に行くからすぐ来てくれ」
ソニア「教官、まだガーディアンズに?」
主「おいおい、屋台が見えるだろ?とっくに辞めてるよ」
ソニア「それじゃあ何故?」
主「昔取った杵柄ってやつだ・・・なんてね。こういうのが性に合うんだよ」
ソニア「・・・変わってませんね・・・昔のまま・・・」
主「よく言われるよ、頭の中はガキのままだって・・・後悔してるのかな?」
ソニア「・・・いえ、アタシは今の自分が好きだから!」
主「いいことだ。それじゃあ、元気でな」
ソニア「教官もお元気で!」

・・・人との出会いは一期一会・・・善きにしろ悪しきにしろ、悔いの無い人生を送られたし・・・
192名無しオンライン:2007/10/11(木) 05:08:37.39 ID:MFt8snoJ
没ネタなので続きません、あしからず。
193世界パシリ劇場:2007/10/11(木) 19:15:10.16 ID:kE/f/vx3
それでは私も気軽に投稿してみます。
いろいろと・・・そのご容赦を。

むかーしむかし…でも無くて、ちょっとこの前。
ある所に一人の御主人と一人のパシリがいました。
今日も二人はミッションを終わらせてフォランの滝で一休み。

パシリ「あーれー・・・」
なんて事でしょう。
チョウチョを追っかけていたパシリが足を滑らせて滝底へドカンと落下。
パシリを失って途方にくれた御主人でしたが、
滝からとても美しい女性(声 田中理恵)がパシリを連れて現れました。
どうやらフォランの滝の女神様のようです。良くある話ですね。
それはともかく、女神様はご主人に言いました。
女神様「貴方が落としたパシリは、この時間に正確で老練な執事型ですか?」
御主人「いえ私のパシリはお寝坊で、あわてん坊でうっかりなパシリです」
すると女神は別のパシリを出して言いました。
女神様「ではこの、合成が得意で戦闘もばっちりな少年型パシリですか?」
御主人「いえ私のパシリは、90%を失敗して戦闘もあさっての方にSUVを撃つパシリです」

御主人の正直な答えに感激した女神は言いました。
女神「なんて正直な男。貴方には元のパシリがふさわしい」
女神は御主人に元のパシリを返します。
パシリ「はうううああああ!!ごしゅじんさまぁああああ!!」
こんなに御主人に愛されてたとパシリは感謝感激です。
すると御主人は冷静にパシリに一言。
御主人「いや…お前にはS基板がさしたままだからなぁ」
パシリ「それはひどい」
ちゃんちゃん


や・・・オチはこんなもので。
それにしてもショタとか執事とかどうなるのかな。
194名無しオンライン:2007/10/11(木) 20:21:18.80 ID:uTpQW5hp
♀キャラ使ってんじゃねーよネカマ野郎って言う奴に
お前のパシリはどうなんだよと言えるようになるな。
195名無しオンライン:2007/10/11(木) 20:27:42.44 ID:U4TvAau6
おおう、コメントを頂けるとは思わなかった…。 サンチョス!
他作者様も言ってましたが、コメントを貰えると何気に嬉しいですねw

>>193
ご主人正直すぎるw それとも照れ隠しなんだろうか…。

自分も世界パシリ劇場ネタ、投下。
196名無しオンライン:2007/10/11(木) 20:28:17.44 ID:U4TvAau6
靴のパシ妖精

 どこか遠くの国のお話です。
あるところに、おじいさんが一人で営む、あまり裕福でない靴屋がありました。
 ある日、その国の偉い人から、舞踏会で履く靴を100足、明日までに作ってほしいと、依頼がありました。
 生真面目なおじいさんは、それはそれは丁寧に、一足一足仕上げていきました。

 トンテンカンテン トンテンカンテン
おじいさん「ふぃ〜、あとこれだけで、やっと終わりじゃ。もう一頑張りするかのぉ」
 トンテンカンテン トンテンカンテン
おじいさん「うつら、うつら」
 トンテンカンテン トンテンカンテン
おじいさん「……」
 トンテン...カンテン... トンテン...
おじいさん「ぐぅ…ぐぅ…」

 あまりの大仕事に、おじいさんは疲れて眠ってしまいました。
 このままでは、明日までに間に合いません。
 すると、どこからともなく、小さな小さな靴のパシ妖精が現れました。

パシ妖精「おじいさん、いつも丁寧に作ってくれて、ありがとうございます。
 後は私に任せてくださいっ!」

 トンテンカンテン トンテンカンテン
 みるみるうちに、最後の靴は仕上がっていきます。
 
 トンテンカンテン トンテンカンテン
 トンテンカンテン トンテンモギモギ...

パシ妖精「ごちそうですねっ!」
197219(1/4):2007/10/11(木) 21:18:52.79 ID:Hoe2bAs+
夏の熱気も収まりついにイルミナスも始まったこの頃
皆様いかがお過ごしでしょうか
私は相変わらず変態なご主人様とだらだらとした日常を過ごしています

パシリ 「ん〜・・・・平和だなぁ・・・」

今日はご主人様の任務も無いし合成等の仕事も無い、久々にゆっくりと寛げる休日
ご主人様は朝早くから新発売の武器やら本やらエロゲやらを見に行くと飛び出して行ったので今部屋には私一人
リビングでくつろぎつつ適当にテレビのチャンネルを回していく

女性 「ハァハァ・・・こ、ここまでくれば・・・」
[ ゚Д゚] 「がおー」
女性 「キャアアアアアア!!」

ホラー?映画がやっているチャンネルで止める
暫く見ていると丁度始まった所のようでテロップが流れ出した

「怪奇!箱男の恐怖!!」

物凄いB級臭がするがたまにはこういった物も良いだろうとお茶を啜りつつぐだぐだ眺める

198219(2/4):2007/10/11(木) 21:19:29.91 ID:Hoe2bAs+

パシュ〜

男   「ただいま〜!お〜いパシリ〜良い物買って来たぞーちょっと見てみろよ〜」
パシリ 「今忙しいので後にしてください」

マイケル 「ジェシー!ここは俺に任せて早く逃げるんだ!!」
ジェシー 「そんな!嫌よマイケル!あなたも一緒に・・・!」
[ ゚Д゚] 「がおー」
マイケル 「くそ、来やがった!!早く行くんだ!!!」
ボブ 「ジェシー!来るんだ!!」
ジェシー 「いやああ!マイケェェル!!!!」

[ ゚Д゚]とマイケルが戦っている隙にジェシーをボブが引っ張って連れてゆく

男   「・・・・・これ、面白いのか?」
パシリ 「まぁそこそこ、間違っても名作とは言えませんがだらだら見るには最適なぐだぐだ感です、はいお茶どうぞ」
男   「おおサンキュー」
パシリ 「どういたしまし・・・・あら?」

ふよふよ・・・・

隣に座るご主人様の肩の上になにやらGH101っぽい子が浮いていた

パシリ 「ご主人様?この子は?」
男   「今良い所だからちょっと後にしてくれ」

マイケル 「オーウ、ジェシー・・・・」
ジェシー 「オー、マイケル・・・」

[ ゚Д゚]からなんとか逃げ切って愛し合う二人
ちなみにボブは二人をかばって先程お亡くなりになった

199219(3/4):2007/10/11(木) 21:20:37.12 ID:Hoe2bAs+

男   「くそ・・・!もっとガバーっと行け!もう少し・・・!!!!」
パシリ 「18禁じゃあるまいしそんな展開にはなりませんよ、で、どうしたんですかこの子?」

もう少し・・・!!!という所で場面が変わり
二人ですやすやと寝ているシーンに切り替わった

男   「あぁ〜・・・・('A`)、そいつは新しく出た武器でマドゥーグって言ってな、面白そうだから買って来たんだ」
パシリ 「この子が武器なんですか?」
男   「うむ、使用者の脳波を感知してテクニックをリンクして〜・・・とまぁ一緒に戦ってくれる良い子だ」
パシリ 「はぁ・・・」
男   「まぁパシリの親戚みたいなもんだな、さっきちょっと使ってみたがなかなか便利だったぞ」

ご主人様が撫でるとマドゥーグは嬉しそうにピコピコと鳴った

パシリ 「・・・・・・・・・・・」

200219(4/4):2007/10/11(木) 21:21:25.98 ID:Hoe2bAs+

---------------翌日-------------------

男   「あれ〜・・・?おかしいな・・・確かにここに・・・」
パシリ 「どうしたんですか?ご主人様」
男   「ああパシリ、昨日買ってきたマドゥーグ知らないか?確かここに置いといたはずなんだが・・・」
パシリ 「ああ、あの子なら私が今朝売ってきましたよ」
男   「へ!?う、売ったって・・・な、なんで!?あれ結構高かったんだぞ!!」
パシリ 「すいません、なんとなく」
男   「なんとなくっておま・・・」
パシリ 「さ、早くしないと任務に遅れますよ」

パシュー

部屋を出てフライヤー乗り場に急ぐ

男   「はぁぁ・・・パシリもマドゥーグみたいに従順だったらなぁ・・・」
パシリ 「従順な子を従えるだけでは面白くありませんよ、反抗的な子を従えさせるのが面白いんじゃないですか」
男   「うぬ!?そうか・・・そうだな!よしパシリ!今日から反抗的なパシリを従順にするために調教を・・・・・!!!!!」
パシリ 「・・・・・・優しく・・・してくださいね・・・?」
男   「え・・・・・・?」

・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・

男   「えええええええええ!!??ちょ、おま、ま、マジで!!!!!?????」
パシリ 「嘘に決まってるでしょう、この変態」
男   「・・・・・・・・・・・・ですよね〜 ('A`)=3」

今日もご主人様と二人で任務につく
いつもと同じ、特に楽しくも無いようでやっぱり幸せなそんなぐだぐだな日々

201219:2007/10/11(木) 21:21:55.80 ID:Hoe2bAs+

前の続きがいまいち纏らないのでとりあえず短編投下
デートの続編はまだしばらくかかりそうです
期待せずだらだらとお待ちください(´ω`)
202名無しオンライン:2007/10/12(金) 04:35:56.17 ID:SAXdfQis
>>193
S基盤>パシリ
なんと言うバランスか・・・w

>>196
食うなよw
爺さんかわいそすぎる・・・w

>>201
一瞬マドゥーグが食われたのかと思ったが大して変わらんなw
しかしマグに嫉妬するパシリか、マグはパシリのプロトタイプのようなものと考えれば仲良く出来そうな反発しそうな感じだな

ちなみにあえて[ ゚Д゚]には突っ込まないでおくw
203名無しオンライン:2007/10/12(金) 18:16:28.04 ID:iGl0Go46
パシえもん

ヒュマ太「パシえも〜ん!ビスアンがいじめるんだ、何か道具だしてよぉ〜!;;」
パシえもん「またですか〜?しょうがないご主人様ですねぇ」
ゴソゴソ(ナノトランサーを探っている)
パシえもん「パパーン!ジョギリ〜〜〜!」

ヒュマ太「……」
パシえもん「……」
ポイッ ガランガランッ (足元にジョギリを落とす)
ヒュマ太「…?」
パシえもん「……」
クルリ チラッチラッ (後ろを向いて肩越しにヒュマ太を盗み見る)

ヒュマ太「ちょwwwなにその『自分は何も見てねぇから、さっさと殺っちゃえよ』みたいなwwww」
パシえもん「ちっ、根性なしが」
204名無しオンライン:2007/10/12(金) 18:17:11.63 ID:iGl0Go46
男「ほれパシリ、飯だぞ」
パシリ「ありがとうございます、…ほほう槍ですか」
男「奮発して☆4だぞ、ありがたく食せ」
パシリ「今時☆4で奮発とは、我が主ながらセコいですね」
男「いらぬなら食うな、それは売る」
パシリ「いらぬとは申しておりません。これはありがたく頂戴します」
男「うむ」
パシリ「……」
男「……」
パシリ「ご主人様」
男「なんだ、まだ何かあるのか?」
パシリ「以前、マンガで見た事をしてみたいのです」
男「それはなんだ、言ってみろ」
パシリ「一対の男女が、ポ・キーというお菓子の端と端を咥えて、食い進めていくと言うものです」
男「だが、そのポ・キーという菓子がない」
パシリ「これで代用しましょう」
男「…その槍で…?」
パシリ「ふぁい、ほあはあふほひはほふはへてふははい」
男「いやまて、フォトン刃をこっちに向けるな」
パシリ「ふぁ〜」
男「待…、うお!危ない、それ危ないから…! アッーーー!!!」
205世界パシリ劇場 フランダースの犬  (0/3):2007/10/13(土) 14:39:28.22 ID:drdlfx9H
全国一億五千万人のイルミナス仕様になってもパシリ愛一筋のガーディアンズ諸君、こんにちわ。
>>193氏に感化されて書いてみる。パクリとオマージュは紙一重。もちろん、パクリ。
今は反省しているので、大目に見てください。
206世界パシリ劇場 フランダースの犬  (1/3):2007/10/13(土) 14:40:20.34 ID:drdlfx9H
イルミナスの野望により壊滅的に打撃を受けた惑星間警備会社ガーディアンズ。
だが、この事件をきっかけに、世界の危機に立ち向かおうと、新たに、また、再び、
剣を取るガーディアンズ達が増加しつつあった。(俗に言う"イルミナスパッチ"である)
イルミナスのテロにより、多くの優秀な人材を失ったガーディアンズにとっては嬉しい
出来事ではあったが、ひとつ問題があった。
SEEDウィルスの開発していたイルミナスに対し、協力的であったと裏付けられたGRM社は
全上層部の解任と現場開発陣の再教育、生産・開発施設の縮小と凍結という処分を受けていた。
その影響で、ガーディアンズに新たに配備するためのパートナーマシナリーを、出荷前に
教育するGRM社の施設も閉鎖されてしまう。
結果、イルミナス事件後に配属された新人ガーディアンズ達には、調整が行き届いていない
パートナーマシナリー達が配備され、ミッションや生活におけるサポートに支障をきたしていた。
この状況と深刻に見たとある裏社会の人物が、無許可非認可でとある施設を設立させる。
その施設とは・・・。

『たのしい ぱしり ようちえん』


街は夕暮れ時。
『ぱしり ようちえん』という看板がたてかけられているビルの前に影が3つ。
小さい影は、大きな影に向かってこう言った。
「お迎えご苦労様です」
大きな影は、ビルの中から飛びついてきたもうひとつの小さな影を片手で抱きかかえながら
「いえいえ。こうして預かってもらえると、こちらも安心しますよ。
 いつもありがとう、助かる」
と言い、一礼すると、小さな影の彼女が忙しいのを察し、踵を返し歩き出す。
すると、抱きかかえられた小さな影は大きな影の腕を抜け、頭に登り
「せんせー、またねー」
と手を振る。大きな影が
「こ、こらっ。お行儀よくしろっつーの!」
と、あわてふためく様子を見たビルの前の小さな影は、手のひらを口にあて「くすくす」と
笑いながら、満面の笑みを湛えて、その影達を見送っていた。
207世界パシリ劇場 フランダースの犬  (2/3):2007/10/13(土) 14:41:03.02 ID:drdlfx9H

帰り道。
「しかし、あの先生。いつも素敵な笑顔をしているなぁ」
大きな影の主であるφGヒュマ男は、ふと呟く。と、片手に戻っていた小さな影もといGH440は
「せんせーはねー、いつもニコニコなのー」
と言いながら、ぱしりようちえんの先生の顔真似をしてみる。
その笑顔に、ちょっとドキリとしてあせったヒュマ男だったが、
「ったく。顔だけ真似たって駄目だっつーの」
と、440の頭を、つんと小突いた。
あうあう言っている440を尻目に、ヒュマ男は言う。
「そういえば、昨日は俺が朝寝坊して園に連れて行けなかったから、留守番を頼んだのが…」
「ちゃんとオリコーにしてたよ。だから、ごほーびー!」
「は、無しだ。お前、またシュク・リームやらショコラを勝手に食べただろ?」
げげっ、とリアクションしている440をもう一度小突くと、ヒュマ男の説教が始まった。
「つまみ食いしないで、キチンとお利巧に留守番をしないと、先生みたいな
 落ち着いた感じの440にはなれないぞ」
「だってー。せいせーだって、いっつもイタ・チョコ食べてるもん」
「それはそれ、これはこれ、だ」
「りーふーじーんー」
ぷぅ、っと頬を膨らませた440軽く受け流しながら、今度お礼にチョコレートでも
買っていこうかな、と思うヒュマ男であった。
208世界パシリ劇場 フランダースの犬  (3/3):2007/10/13(土) 14:41:48.13 ID:drdlfx9H

マイルーム。
ヒュマ男が夕食のコルトバを調理している後ろで、440が黄色い幼稚園バック型の
ナノトランサーを漁っている。何か見せたいものがあるらしい。
「むー。ないー、ないー」
ヒュマ男は、もしや、と思い当たって聞いてみる。
「おーい。今日は木曜日だから"ようちえんだより"でも探してるのか?」
「うん! それそれー」
「だったら、お前のスモッグのポケットに入っている白い切れ端はなんだ?」
「ああっ。ハイ!」
渡された紙を見てみるヒュマ男。
"ようちえんだより"とは、今週の行事予定や園児達スナップ写真やアップデート
パッチ内容等、保護者への連絡が目的の紙である。
ふむふむと熟読していると、440が話しかけてきた。
「ごしぢん。今度"おゆうぎかい"で演劇をやることになったのー」
「ああ。ここにも書いてあるな。だが、題目が(未定)となってるぞ?」
「んとね。"世界パシリ劇場"っていう絵本のシリーズから選ぶんだよ」
「…ほぅ。そ、そんな絵本のシリーズがあるのか」
昨年の冬にニューデイズのアリアケック海岸地方で行われたイベントで、
パシリをネタとした漫画や小説が大量に販売され、グラールのひそかな
ブームとなっている。子供向けの絵本が出ていても不思議はない。
「うん。幼稚園でも、みんなに大人気だから、なかなか何にするか決まらないの。
 だからね、明日、自分のやりたいおはなしを紙に書いて投票するの!」
「そうかぁ。お前は、どんな話がやりたいんだ?」
すると、440は少し顔を赤らめながら、小声で言うのだ。
「ええっとぉ……」
「ふむふむ」
「……フランダースの犬」
「懐かしいなぁ」
「奴隷」
「!?」
「むかしむかし、ある所に、パシリのマショウネロと犬のパトラッシュが…」
「…そっ、それを何処で」
「ごしぢんのベットの下の本」
キチンと教育が終わるまで留守番はさせまい、と心に誓うヒュマ男だった。


                 裏・世界パシリ劇場 フランダースの犬奴隷 Fin...
209名無しオンライン:2007/10/13(土) 23:31:39.00 ID:ERkFhXGR
>>208
撲殺天使フイタww

何か一気に書き込む人増えた・・・というか久しぶりっぽい方がいらっしゃるのか
210名無しオンライン:2007/10/14(日) 00:03:24.89 ID:H6SOrDkA
何かスレが落ちそうな気がするほど止まってたんで投下してみたが、いらん世話だったようだな。
まあ、活気づいてよかったよかった。
211名無しオンライン:2007/10/14(日) 16:16:16.96 ID:81axIW67
このスレが無くなると楽しみが減ってしまう今日この頃。
今日もパシリが合成失敗しても元気です。
>>203
あんあんあん。とっても大好きパシえもん。
「能力平均のヒュマ太のクセに生意気だぞ」
何故かそんなセリフが思い浮かびます。
>>204
そんな太いの槍でなんて・・・アー!
>>208
ニコニコかおの440テンテーはもしかしてアノ方?
それにしても御主人も本の趣味がマニアックですな。
212名無しオンライン:2007/10/15(月) 18:48:29.36 ID:8aMsaM/4
パシリ「ふむふむ、なるほど、ほうほう、こうすればいいのですか。
 マンガという物はとてもタメになりますね」
男「パシリ、ミッションに行くぞ」
パシリ「おおこれはこれはご主人様。了解しました、それでは先に向かっていてください」
男「一緒に行けばいいだろう?」
パシリ「過程が大事なのです。女は支度に時間がかかるのです」
男「よくわからんがわかった、急げよ」

1時間後
男「…遅いな…」
パシリ「おまたせぇ〜〜♪ 待ったぁ〜〜〜?」
男「……」
パシリ「……」
男「遅いぞ、たかが支度に時間がかかりすぎだ」
パシリ「違います」
男「なにがだ」
パシリ「そこは、『いやぁ、今来たところさ☆』と言うのです」
男「意味がわからん」
パシリ「やり直しです」
男「わかった」

 1時間後
男「……」
パシリ「おまたせぇ〜〜♪ まったぁ〜〜〜?」
男「いやぁ、今来たところさ☆ 遅いぞ、時間がない、すぐに出発だ」
パシリ「……」
男「…どうした?」
パシリ「どうして、マンガの通りに事が進まないのでしょう…」
男「なんの事を言っているのか分からんが、俺は思い通りにいかない男なのだ」
パシリ「なるほど、さすがご主人様…、意味はわかりませんが、なんかかっこいいです」
男「だろう? そんな俺だから周りの女は俺を放ってはいられない」
パシリ「それはだめです」
男「なにがだ」
パシリ「ご主人様の側にいていいのは、私だけなのです。これは譲れません」
男「……そうか」
パシリ「そうです」
男「そうか」
パシリ「そうです」
男「これからもよろしく頼む」
パシリ「お任せください」
213名無しオンライン:2007/10/15(月) 18:55:06.65 ID:8aMsaM/4
下手クソな文章ばかりで申し訳ないです><
もっと上手に書けるようになりたい…
214名無しオンライン:2007/10/15(月) 20:05:38.50 ID:ZpUYXQd9
こういうほのぼのしたのが読みたかった者としては
さらなる投下を期待してます。
215名無しオンライン:2007/10/16(火) 02:49:18.66 ID:kDiaqKTI
上手くなるにはとにかく書きまくるしかないよ。メゲずにどんどん出してみてくれ。
スレが賑わってると、つられて自分も書いてみようかって人も増えるし。
216名無しオンライン:2007/10/16(火) 13:24:07.87 ID:+yqxkzNO
「…」
「…(汗々)」
「430よ。まずは勝手にお前の部屋に踏み込んだことは謝ろうと思う」
「は、はいぃ」
「たが、あれだけバカでかい声で歌を歌われたら、主として、近所迷惑なる前に
 お前を止めなければならない。それは理解して欲しい」
「じゅ、重々に…」
「そうか。お前が聡明であってくるて、実に嬉しい」
「…と、とんでもありません」
「…」
「…」
「…430よ」
「…はいぃ」
「こうしてお前と対面して既に10分が経過するが、私は未だにこの光景が理解出来ない。
 数点質問をする。差し支えなければ回答を頼む」
「…善処致します…」
「では一つ。…その髪はどうした?」
「つ、ツインテールはお気に召しませんか?」
「そのような事実は存在しない。むしろ好きだ。
 うむ、確かに、この髪型の変化は気分的なものとして判断出来るな。
 では次だ」
「はひぃ」
「お前が今片手にしているのは、なんだ?」
「…ネギ、です…」
「…」
「…」
「…何故だ?」
「…こ、こういうものらしいので」
「ここで事実をまとめよう。
 お前は何故か髪をツインテールに結び、
 音程の外れた歌を歌いながらネギを振り回す。
 違いないな?」
「…何一つ相違ありません」
「では結論だ。
 お前一体何してんの!?」

「…ぱ、ぱ、ぱ…、…ぱしりミク…」

「なんという新ジャンル」
217名無しオンライン:2007/10/16(火) 16:17:16.11 ID:lEURYN99
>>209
ああいう文体はあまり好きではないが、ネタが妙にハマってしまう…。

>>211
パシリの主人は総じてヘンタイが多い、というのはニャンポコスレだけの常識。
好きな作品の娘を使ってみたいが、うちみたいなへたれ物書きが
メインで使ってしまったら穢してしまう…というジレンマより、
適当なちょい役として意識して書いて見ました。
そう見えたのなら、きっとそうでしょう!

>>212
ありそうでなかったネタだなぁ。にやにやして読んでしまった…。
力作長編も大変だが、こうやって短編で話を書けるのも才能。
どんどん投稿して、活気あるパシリスレに貢献してくださいな。

>>216
そ、それかっ Σ('-' oO(元ネタは下記URLか?)
ttp://www.youtube.com/watch?v=lG_kz6Sp500&mode=related&search=loituma
218(1):2007/10/16(火) 19:07:03.42 ID:w6QLRTZ9
 ウィーン
主「ただいまー」
420「う、産まれるポコーっ!」
主「は!?」
450「もう少しです、がんばって! 教えた呼吸法をするのです!」
主「……」
420「ヒッヒッフー、ヒッヒッフー!」

テレデレーン

450「おめでとうございます! 元気な女の赤ちゃんですよ!」
オキクドール「……」
420「あぁ、この子があたしとあの人の…」
主「…何やってるんだ…?」
420「ひぃうわぁっ! ご、ご主人、いつからそこに居たポコ!?」
主「いや、『う、産まれるポコーっ!』って辺りからだが…」
420「く、クライマックスからぽこーーー!  恥ずかしいぽこ!!」

 チョイチョイ

主「ん?」
450「お邪魔しています」
主「ああ、いらっしゃい」
450「元気な女の子です。 大切に育ててあげてください」
オキクドール「……」ゴゴゴゴゴゴゴ
主「う……、そ、それより、さっき何やってたんだ?」
450「お産ごっこです」
主「なんだそれは…」
450「私達PMは、なされる事は出来ても、子を生す事は出来ません。
 ですが、私達も女としてのココロがあります。
 ですので、たとえ真似事だとしても、こうやってお産ごっことして疑似体験をしているのです」
主「そうだったのか…。 420、ちゃんと450の言う事聞いて、おとなしくしていたか?」
420「うんっ! 450ちゃんと一緒に、お産ごっこをして遊んでたぽこーっ」
主「……」
450「疑 似 体 験 です」
主「…まぁ、それはそれとして、420」
420「なにぽこ?」
主「頼んでたシキカミの合成は出来たか?」
420「……」
450「……」
主「……?」
420「ちょっと…、待つぽこ…」

 ウィーン(ドレッシングルームに入る420と450)

420「(ど、どうするぽこ!? さっきオキクさんになっちゃったポコ!!)」
450「(落ち着いて下さい。 ここに今日のオヤツのアゲハキカミがあります)」
420「(お、オヤツって…、毎日そんないい物食べてるぽこ!? うらやましいぽこ!)」
450「(いえ、成功した合成を、失敗したと言ってこっそり持ってきただけです。 それより…)」
主「……」
450「(このアゲハキカミのフォトン部分を閉じて…。
 さっきのオキクさんの股に…、こう刺せば…。 そぉい!!)」ドスゥ!
420「(ぅぁ…)」
450「(フゥ…、どうですか? どこからどう見てもシキカミの完成です)」
主「……」
420「(う、うまくいくぽこかな…)」
450「(何事もチャレンジチャレンジっ。 ささっ、主様がお待ちですよ)」
420「(そ、そうぽこね)」
219(2):2007/10/16(火) 19:07:41.83 ID:w6QLRTZ9
 ウィーン(420と450がドレッシングルームから出てくる)

420「お、お待たせポコー…」
主「ああ…」
420「パ、パパーンっ! おめでとうポコ、シキカミが完成したぽこ〜っ!」
オキクカミ「……」ゴゴゴゴゴ
主「いや、まぁなんだ…。 全部聴こえてたわけだが…」
420「ぽこっ!?」
450「な、なんやて!?」
主「あのな、420…。 失敗したなら失敗したで構わないから、ちゃんと言っ…、て?」
420「ど、どうしたぽこ?」
主「そ、そのオキク、なんか垂れてないか…?」
420「ぽこ?」
450「ひぃっ、血の涙!?」

オキクカミ「痛い…よ…」(女Vo.3 No.10)

主「うおわあぁぁあああああああああああああああ!!!!」
420「ぽこおぉぉぉおおおおおおおおおおおおお!!!!」
450「ぴょえぇぇぇえええええええええええええ!!!! ウ〜ンバタリ」

 ザワザワザワ(髪が420の腕に絡みつく」

オキクカミ「もう、負けないからっ!」(女Vo.3 NO.9)
420「ごしゅじんんんんん!! 助けるぽこぉぉおお!!!」
主「このっ! 420を放せ!!」グイグイ
420「ぽこぉぉぉぉぉ!!;;」

 カチリ バシュンッ(キカミのフォトンが展開され、オキクドールが内部から両断される。)
 
主&420「あ”」

 ・・・

420「きぁあぁぁあ! スプラッターぽこぉぉぉおお!!!」
  ・
  ・
  ・
 それからしばらく、何を合成してもオキクドールが出来る様になり、二人は合成恐怖症になったとさ。

 ──数日後
420「ご主人、モノメイトが出来てるポコ。 取り出すポコ?」
主「ああ、頼む」
420「了解ポコー!」

 テレデレーン

420「ごめんなさいポコ。 モノメイト×10は、オキク・ドール×10になっちゃったポコ」
主「よし、それじゃサクっと売ってくる」
420「オミヤゲ期待してるぽこ♪」
主「そうだなー。たまにはアゲハキカミなんて買ってきてやるか」
420「わぁいっ! ご主人大好きぽこー!!」
主「はははっ、オキク様様だな!」

 その後、怖いもの知らずで罰当たりな二人に、天罰が下るのは、また別のお話。

 つづかない 
220名無しオンライン:2007/10/16(火) 19:22:11.41 ID:w6QLRTZ9
うわああああん! 
合成でオキクドールが出来る様になったのは、嫌がらせとしか思えない!!
221びんかんニューマン(1/2):2007/10/16(火) 20:46:09.23 ID:afKh27tA
釣られて書き込んでみます。お目汚しにならなければ幸いです。

「ゴメン。今度時間が出来たら必ず戻るよ」
ボクはニュマ雄。いま奥さんのニュマ美とヴィジホン中。
彼女を一人残してモトゥブに単身赴任中なんだ。
せっかくの新婚なのに新米ガーディアンは辛いね。
「早く帰ってきてね…心配なの」
「大丈夫だよニュマ美。愛してるよ」

ガチャ…ツーツー…

ふう…ヴィジホンを切って大きくため息。
彼女には言ってないけど実は大きな悩みがある。
それはパートナー・マシナリーことパシリの事。
ガーディアンに支給される小型マシナリー。
何だかウチのパシリがおかしい気がする。
どこがおかしいかと言うと…

ガチャ

「御主人。お風呂が良い湯加減です」
ドアを開けてその問題のパシリがやってきた。
その姿はいつものパシリ服…では無くてバスタオル一枚。
タオルからスラリとした肢体がチラチラとちらtるtk
落ち着け…落ち着けボク。深呼吸。
「どうかなさいましたか、御主人?」
どうかなさったじゃないよ!なんでタオル姿なの?
「お背中を流そうと思いまして。道具も用意致しました」
手に持っている怪しげに輝く金色のイスは何!?
「フォトン使用です。ご存知ありませんか?」
知りません!そんな怪しい形のイスは知りません!
そのピンクの液体の入ったビンもしまって下さい。
「ぶーぶー」
222びんかんニューマン(2/2):2007/10/16(火) 20:52:05.35 ID:afKh27tA
おかしい…うちのパシリはおかしい。
戦闘だと頼りになるけど普段の行動がおかしい。
食事をお願いすると裸にエプロン姿で作ろうとするし、
部屋を掃除すればベットの下にエッチな本を入れていく。
たまにボクをエモノみたいな目で見ている気がする。

もしかしたら狙われているのかと思ったけど、
そんなバカな話なんて無いよな。
パシリは機械。ボクはニューマン。
第一にボクには奥さんがいる妻帯者。
奥さんいるのにパシリとアンナコトなんて論理的にやばい。
いやいやいや論理的じゃなくてもやばいよな。うん。
それにしても今日は疲れた。もう寝る事にしよう。

ベットに入ろうと部屋に行ったら誰かいる。
こ…これは、もしかして…
「御主人。お待ちしていました」
下着姿になったパシリがベットの上にチョコンと座ってた。
黒いレースの上品な下着がパシリの白く艶やかな肌とマッチ。
ほんのりと上記した頬。どことなく潤んだ瞳。
あううううあ。これはロボットだから。マシーンだから。
キミと一緒に悪を討つんだ。何だかもう良く解らない。
「挟み撃ちよっ!」」
ちょ、ちょっと待って。何だか解らないけど挟まないで!
パシリをベットルームから叩き出してドアをロック。

このまま単身赴任が終わるまで無事に過ごせるのかな。
ニュマ美…ボクは負けないよ。
でも、もしかして…いやいやいやいや。

end

テーマはエッチなパシリと純情な御主人。
表現が拙くて申し訳ありません。
寸止めは難しいですね。反省しています。
223名無しオンライン:2007/10/17(水) 05:51:52.38 ID:Cenein89
>>220
オキク×10とか悪夢でしかないww

>>222
幸なのか不幸なのか・・・頑張れニュマ雄
だがこれ単身赴任終わっても色々問題残りそうだ、絶対w
224名無しオンライン:2007/10/17(水) 15:12:49.05 ID:3uTalXNA
>>221-222
ニュマ雄の反応にニヤニヤw
>>221-222のパシリはイルミナスにより
デバイスEROを仕込まれたに違いない
225名無しオンライン:2007/10/17(水) 18:20:59.31 ID:94IDGfhr
>>224
おのれイルミナス何たる悪行、一生付いていきます!ww
226名無しオンライン:2007/10/17(水) 23:06:23.38 ID:r8u4YoKt
「ご主人様、買出しが終わりました・・・ご主人様?」
「・・・(何かを熟読している)」
「何をお読みになっているのですか?」
「!?い、いや何でもない、何でも・・・あ!?」

【ヒュマ子と上手く話せる100の方法】

「・・・」
「・・・」
「・・・あ、あのこれはだね・・・その・・・」
「・・・ホロリ」
「・・・!?泣かないでくれ〜〜〜〜!!」
227名無し275(1):2007/10/18(木) 02:57:44.35 ID:tP6lJm9b
ほんのちょっと未来の出来事、外伝かifの話かもしれず。
軽くスルーして下さい('A`)

「はあ?僕がですかぁ!?」

全てはこの辞令から始まった。
新人ガーディアンズとして過ごして、まだ半年。
戦闘訓練の評価は常にCランク、用は最低ランクと言えばよいのか。
周りの評価もそれ相応、希望部署は雑務とか…そんな裏方だった筈なのに…
手渡された書類には、僕には全く似合わない…警備部担当と書いてある、えー。

「何かの間違いでしょ?戦闘訓練がオールCランクの僕が、何で警備部に…」
「それは貴方に…相応の素質があると、私のマスターが見込んだからです」
「そんな、買いかぶりだよって…あれ?声はすれども姿が…」
「視線を下に向けてもらえると幸いです」

そう言われて、ゆっくりと視線を下に向けると…
そこにいたのは、小首を傾げながら、僕を見あげている可愛らしいPMだった。

「どうも、お初にお目にかかります、私は410と申します」
「はい、こちらこそお初ですが…あのー話が見えないんですけど?」
「私のマスターが貴方の教官になります、本来ならマスターが来る予定でしたが、
あの方は少々多忙ですので、代理として私がご挨拶に参りました」

…普通ならば可愛らしいと思えるも、今の僕にとっては、地獄への水先案内人に
見えてしまうのは何故だろう?優しい教官なら良いんだけど…

「そろそろ、マスターに空き時間が出来る筈です、一緒についてきて下さいませ」
「は、はあ…で、君、410…さん?のマスター…僕の教官は一体どなたなんですかね?」
「立派な名前がありますのに、上司や同僚の方々から『姫将軍』と呼ばれてますが」
「へー、ひめですかーって…あの姫将軍!!??」
228名無し275(2):2007/10/18(木) 02:58:16.38 ID:tP6lJm9b
僕が驚くのも無理は無い…『姫将軍』と呼ばれているガーディアンズ。
二十歳にも満たない歳で、最前線の警部部でもトップクラスに入った実力者、
そして二十歳になった最近では、幹部昇進の話が来るも、鼻で笑って拒否したらしい。

上などクソ喰らえの現場主義、威風堂々とした風格に謎の高貴なオーラ。
任務や訓練に対する厳しさも凄まじく、脱落者は星の数ほど。
世の男性にとっては、声を掛けるのも手出しも出来ず、まさに高嶺の華。
噂では…洒落にならない強さを誇る、キャストが後見にいるとかいないとか。

よりによって、そんな凄い人が何で僕みたいなのに…
自分の不幸を呪いつつ、天を仰ぎながらも、410さんの案内である部屋の一室に通される。
神様、僕が一体何をしたって言うんですか、処刑場に行く気分ですよ。

その場所にいたのは、高貴なオーラを出しまくりの、僕より背の低いニューマンの女性。
そして噂どうり、姫将軍と呼ばれるに相応しい、女性が椅子に座っていた。

「マスター、訓練生の方をお連れしました」
「ご苦労じゃったのう410、お主がそうか…ふむ…」

うわー、こっちをメッチャ睨んでる、でも美人だからいいか…って、
喋り方が、なんて言うか古風な感じが、そう言えばガーディアンズ内でも
この人と会話できる勇者なんて、ますいないと聞いた記憶が。
で、何時まで僕の事を睨んでいるんだろう?こっちは緊張しまくってガチガチなのに。

「そう硬くなるでない、自慢では無いが、私は人を見る眼があるのじゃぞ?」
「そ、そ、そうですか!でも、あ、あのー教官?僕の本来の希望部署は…」
「知っておる、お主を無理やり、こちらに引っ張ったのは私じゃからのう」
「えぇぇー!?」
229名無し275(3):2007/10/18(木) 02:59:20.66 ID:tP6lJm9b
僕の叫びを聞くと、満足したようにニコニコと笑う教官、聞いた話と全然違う。
うわー耳がピコピコ動いてる、笑顔が可愛いなあ…とそー言う事じゃない、
ココはハッキリと僕の意見を言って、部署を変えてもらわないと。
そう思った矢先に、僕の機先を制するように410さんが話しを切り出した。

「貴方からすると、理不尽だと言うのは極めてごもっともですが…
今回の事については、マスターの強いご意志ですので、諦めてくださいませ?」
「そう言う事じゃの」
「僕の意思は…まったくナッシングですか…」

ガックリとうな垂れる僕、それを見て410さんがまあまあと、宥めてくれるが
やはり場違いなのと、ショックとで立ち直れない僕がいる。

「適材適所と申します、貴方は自分自身が弱いと…思ってらっしゃるようで?」
「僕の事は僕が一番良く知ってます、弱いですよ…」
「まあ、確かに貴方が弱いと言う事実は、覆しようが無いですけど」
「だあああああああああ!?」

410さん…ココは慰めたりお世辞を言う所だと思いますが?
盛大にずっこける僕、その光景を見てクスクスと笑っているお嬢。
あ、眼が合った…顔を真っ赤にしてあっち向いちゃった…
流石にバツが悪いと思ったのかな?でも僕が弱いのは事実であるし。
でも、姫将軍なんて呼ばれてても…やっぱり女の子なんだな。

「ですが、貴方の心はとても強いです、そしてそれ以上に優しいです、
貴方の訓練内容を見る限り、仲間を守るために無茶をして、そのせいで低評価ですか」

浮かれ気分の所に、410さんの追い討ちでぐぅの音も出ない。
他の仲間の足を引っ張らないように、一生懸命頑張って、その結果が仲間を守ろうと
身体が勝手に動いて、結局自分だけ自滅ってのが殆どだし…
あれ?訓練内容に関しては、極秘事項の部類に…なんで410さんが知ってるんだ?
230名無し275(4):2007/10/18(木) 03:00:20.27 ID:tP6lJm9b
「弱い者がそれをやれば無謀じゃが、鍛錬を重ね強くなった者がやれば、
無謀では無くなるのじゃぞ?お主は強くなれる、私が言うから間違いないのじゃ」
「強くなれる?この僕が?嘘ですよ…そんなの」
「嘘などと悲しい事を言うでない、私の将来の婿になる者がのう?」
「はあ、婿ですか…って、婿って結婚のアレがそれで…」

教官からの発言を、僕の脳がようやく認識…ええええええええええええ!!??
ちょっ!まっ?それはちょっと拙いんじゃないかって、その前にお付き合いも
した事がないし、それ以前に手もつないだりじゃなくて、あああああああ!?

「お嬢様?お戯れも程々にして頂かないと…だ〜め〜で〜す〜よぉ??」」
「むむむ!?そう静かな怒りは怖いのじゃ…それと他人がいる前でその呼び方は…」
「いーえ?ここでお嬢様を叱って置かなければ、何時叱るというのですか〜〜〜?」
「す、す、すまぬと言うておろう!?」

大人しい410さんが、あの姫将軍を叱り飛ばして…
信じられない光景に、狼狽を通り越して、ただポカーンとしている状態の僕。
そんな僕に気がついてくれたのか、410さんがゴホンと咳を一つすると、
それでようやく、この場の混乱の空気が収まったように感じた。

「まあ、お嬢様…では無くて、マスターの戯言は忘れていただいて、
これからは警備部として、鍛錬に励んでもらいますので、ご了承の程を」
「あー…はい…ご了承しました…」
「それでは、お互いの紹介が済んだと言う事で、閉幕にいたしましょうか」

410さんがそう言うものの、こちらとしてはどうすれば良いのやら、
僕は未だに展開についていけずに、ボーっとしてるんですが。

「しっかりと鍛えてやるからのう、覚悟しておくのじゃぞ?」
「マスターは別任務がありますので、連絡はまた私の方から、後日お伝えします」
「判り、ました…では失礼しますですます…あれ、えーとすいません、言葉が変に…」
231名無し275(5):2007/10/18(木) 03:01:24.57 ID:tP6lJm9b
まだ現実を飲み込めず、気が動転している状態の僕を見て、
姫将軍は先程とは違う、優しい微笑を浮かべそのまま席を立つと、
ゆっくりと近づいてきて、両手で僕の頭を掴むと、強引にグッと下に向け…
あれ?なんで教官の顔が近づいて?うわぁ美人だ、頬に柔らかい感触が…って?

「無理にお主をこちらに引っ張ったお詫びじゃ、受け取っておくが良い」
「…えーっと、しっかりと受け…はぇ!?え?僕、初めてなんですけど!?」
「私も母様と410にしかした事がないぞ?、男には初めてじゃが、なかなか恥ずかしいのう…」

教官の顔は真っ赤、僕も多分真っ赤になってるのだと思う。
なんか、妙な時間が流れてるような…
気まずいので、僕を連れてきた410さんの方に、助けを求める視線を向けると…

「…(ゴゴゴゴゴゴゴゴ)」

何とも複雑な表情で、こっちをジッと見てらっしゃいましたよ?
『隠蔽か報告か…相手の素性も判ってますし…後日集まって会議を…』
410さん…隠蔽とか報告って?後見に洒落にならん連中がいるってのは事実ですか!?

「そそそれじゃ!僕は失礼さささせていただっ、舌噛んだ…頂きます!」
「うむ、また会おうぞ」
「…(ゴゴゴゴゴゴゴゴ)」

緊急避難の意味を込めて、逃げるように部屋を出ると、壁にぶつかり転んだり、
それとまだ冷めない顔の熱と、頬に残る柔らかい感触の跡。

「でも、こんな風に認められたことって初めてだよなあ…
今までは万年ビリで、使えないだとか、お荷物だとか…色々言われたし」

そんな僕に手を差し伸べてくれたあの人、ここで悩んでちゃ男が廃る。
想像を絶する困難かもしれないけど、期待に答えられるガーディアンズになろう。
認めてくれたあの人や410さんを守れるくらいの男になろう…僕は決心をした。

「うぉわぁぁぁぁぁ!(ゴロンゴロン)」

エントランスの階段でこけて、転がり落ちながらと言うオマケ付きで。
232名無し275(6):2007/10/18(木) 03:04:15.39 ID:tP6lJm9b
「おーじょーおーさーまぁー??????」
「はしゃぎすぎた、すまぬ…」

姫将軍は何処へやら、歳相応の女の子の表情になり、
耳をへたれさせながら、シュンとしている姫…では無く、今はお嬢様。
その様子を見て、フゥ…とため息をついて怒るのを止める410。
何だかんだで、彼女に対しては結構甘いようである。

「お嬢様があの男性に入れ込んでいるのは、夢見で視た未来ですか?」
「それ以前から、私の一目惚れじゃ、夢見で視たのはその後だの、運命を感じるのう」
「かつて巫女候補だったのは伊達じゃないと…お嬢様の能力は、夢見で未来を…」

任意で使う事が出来ず、滅多に発現しない能力を、何でこんなタイミングで…
眉間を押さえる410、お嬢はそんな姿をを見て一言。

「私の夢見は、完全な決定事項ではないぞ?かつて母様が、私が夢見で視た未来を
思いっきりひっくり返したではないかの?」
「あの方は…マスターは特別すぎます、一線を退いたとは言ってますが
行く先々でトラブルバスターをしてるようで、銀髪の肉食獣の他、神出鬼没の破壊神、
挙句の果てには、無敵鋼人とあだ名が増えてます…」

…行く先々でトラブルに巻き込まれる度、大きな胸をたゆんたゆんさせながら、
「世の為人の為」と大見得切って、全てをあっさり解決してしまうキャストの女性と、
振り回される他の面々をポワポワと思い出してしまう、お嬢と410。

「今度、会いにいこうかのう…何処におるかも判らぬが」
「お嬢様の夢見どうりの事が起きれば、あちらから会いに来ると思いますよ?」

あの若者には申し訳ないが、自分にとって大事な妹分でもあり子でもある
お嬢様の幸せのために、一人前になってもらおう。
なって貰わないと…ええそれはもう、生まれてきた事を後悔させてや…ゴホン。
そう考える410であったが、それも杞憂であった事を今は知る由も無い。
一年後には、姫将軍に春が来た、という噂が駆け巡る訳で。

「で、視た時…あの方との間に、子供は何人授かりましたか?」
「女の子2人に男の子1人…何を言わせるか!はよう書類の片づけを手伝うのじゃ!」

ちょっと先の未来、あるかもしれない話。
この先どうなるか、それはまだ誰にも判らない。
233名無し275:2007/10/18(木) 03:08:22.56 ID:tP6lJm9b
…久々に投下したものがこんなんです。
ええもう('A`)頑張ろう自分、戦略的撤退します。
レッダとドゥガレガ40なったので、ジャブロッガ40にしてきます。
234名無しオンライン:2007/10/18(木) 11:45:54.25 ID:lsydDKEx
>>233
キツい事言う様で悪いんだけどさ…お前さんのSSって自己満足の塊にしか見えないわ
何様かと思われるかもしれないけど、こういったスレに投下する以上は
「読み手を楽しませる心意気」を少しでも見せた方が良いんじゃないかな?

何度か読んでみて思ったんだけど、俺の設定SUGEEEEE的な物しか汲み取れなかった…
「スルーしてくれ」は免罪符じゃないんだぜ?
235名無しオンライン:2007/10/18(木) 12:59:44.58 ID:agU7RG5g
久しぶりに来てみればそれなりに盛り上がってるじゃないか。
嬉しい限りだ
236名無しオンライン:2007/10/18(木) 14:31:14.06 ID:yF52ZkrA
「カジノに来たぞ440」
「カジノですね。御主人」
「なぜカジノかと言うと440。お前の助けが欲しい」
「なんでしょうか?御主人」
「お前の計算能力でルーレットを当てて欲しいのだ」
「まあPMですから計算は得意です。その間は御主人は何を?」
「うむ。カジノのおねーさんを主観視点でグリグリしてくる」
「・・・」

・・・時間経過・・・

「やあ堪能した。どうだ440?」
「はい。コイン銀1枚から金1枚までになりました」
「さすがは440。ご苦労。でコインはどこだ?」
「ごちそうですね!」
237名無しオンライン:2007/10/18(木) 19:12:56.31 ID:tLRj74pe
久しぶりにシリーズ物の投下があってちょっとホっとしました。
なんていうか、逆にシリーズ作者さんの投下をしにくい雰囲気を作ってしまったのではないかと、ちょっと心配。

でも、それでも投下を止めない自分は自分勝手星人イャッホーゥ!

ほんとスミマs orz
238名無しオンライン:2007/10/18(木) 19:13:28.38 ID:tLRj74pe
パシえもん2

ヒュマ太「うあーん!」
パシえもん「どうかしたんですか?ご主人様」
ヒュマ太「○×△※!□□△※μ○△!!パシえも〜〜ん!!!」
パシえもん「え〜?ニュマ夫に『ニューデイズの別荘に行くけど、4人PT用なんだよね』って言われて、
 またのけ者にされたんですか?」
ヒュマ太「なんとかしてよパシえもん!;;」
パシえもん「すみません、私も招待されてるので留守番していてくださいね♪」
ヒュマ太「ちょwww あれ?wwwwww」
239名無しオンライン:2007/10/18(木) 19:14:21.68 ID:tLRj74pe
男「ほら、今日の飯だ」
パシリ「ありがとうございます。それでは、早速いただきます」
男「うむ」
パシリ「モギモギ……」
男「……」
パシリ「モギモギ……」
男「……」
パシリ「モギモギ……、あの、ご主人様?」
男「ん? なんだ、もういらないのか?」
パシリ「いえ……、そんなに見られていると、非常に食べづらいのですが……」
男「そうか? 俺は気にならない」
パシリ「私が気にするのです。私の顔に、なにか変なものでもついてますか?」
男「いや、そういう訳じゃないんだが……。その食べる時の音が非常に気になる」
パシリ「そうですか? 私は気になりません」
男「俺が気になるのだ。……そうだ、食べ方を変えてみろ」
パシリ「はぁ……、それではこんなのはどうでしょう」

パシリ「ハムッ、ハフハフッ ハフッ!」
男「うぜぇwwwww」
240名無しオンライン:2007/10/18(木) 21:00:03.15 ID:KiUCN8kp
>>234
>お前さんのSSって自己満足の塊にしか見えないわ

何を今更w
場所柄別に不思議でもないだろ。
つまらんと思うなら読み飛ばしてやれよw
241名無しオンライン:2007/10/18(木) 21:21:06.91 ID:0gw5Fp08
>>240
本人でもないのにそこだけ取り上げて反論なんてすんなよー
242名無しオンライン:2007/10/18(木) 21:50:18.54 ID:KiUCN8kp
>>241
本人でもないのに反論なんてすんなよー
243名無しオンライン:2007/10/18(木) 21:53:41.55 ID:0gw5Fp08
ゴメンゴメン。俺ジャスティス君だったんだな。
なにも変わらないだろうけど、がんばれ!
244名無し275:2007/10/18(木) 22:29:54.44 ID:wP0YiFYw
本人だけど反論しないよー。
ネタ無いから超設定に逃げた('A`)。
でも、お前さん呼ばわりは勘弁。
フレンドリィに貴様とか、コンチクショウとかYOUでOK。

245名無しオンライン:2007/10/18(木) 23:11:38.79 ID:lsydDKEx
>>240
人の感想や叩きに現を抜かす前に、他の職人さん達へ感想の一つでもくれてやったらどうだ
叩きだってやり方によっては燃料になるんだぜ?

>>244
ネタが無いならネタを収集するのも物書きの仕事だぜ
いや仕事って表現はオカシイけど、プロアマ素人同人問わず
物書きをする以上は必須だと思った方が良いかもね

貴様の次回作に期待させて貰うよ
…いや、やっぱお前さんが一番しっくり来るわ
お前さんの次回作にひっそりと期待させて貰うよ('A`)ノシ
246名無しオンライン:2007/10/19(金) 11:10:05.24 ID:lW8m4/95
age
247名無しオンライン:2007/10/19(金) 11:34:07.93 ID:QNiIUl3i
>>237
某シリーズものを書いてるけど、
いつも空気なんて読まずに投下してる俺には関係ないぜ!w
むしろ久しぶりにいろんな人のネタ(しかもショート)が沢山読めて楽しいくらいだ
248名無しオンライン:2007/10/19(金) 17:47:40.86 ID:flZWXG2s
パシえもんが素敵なので自分でも書いてみた。
作者にご容赦を希望します。

パシえもん(ニセ)

ヒュマ太 「パシえも〜ん!桜華のソロがきついんだ。何か道具ない?」
パシえもん「まったく根性の無いご主人様ですね」
ゴソゴソ(いつもの如くナノトランサーを探っている)
パシえもん「パパーン!スライサー〜〜〜!」

ヒュマ太 「スライサー?」
パシえもん「貫通効果があって複数もOK。PA使えば射程もライフル並です」
ヒュンヒュン(スライサーを振りまわるヒュマ太)
ヒュマ太 「わあ!敵が溶けるように消えてくよ!」
パシえもん「では、私はこれで失礼します」

暫くして。

ヒュマ太 「パシえも〜ん!スライサーが便利だから乱入先で振り回してたらBANされちゃったw」
パシえもん「ご主人様。スライサーは飛道具だから」
ヒュマ太 「だから?」
パシえもん「空気を読むのが大事です」
ヒュマ太 「ギャフン」
249名無しオンライン:2007/10/19(金) 18:48:39.24 ID:QNiIUl3i

ヒュマ太「うわーん!パシえも〜ん!ライアンがぶっとばすよー!!」
パシエモン「もー、仕方ないなあご主人は ぱぱらぱっぱぱー フリーズトラップー!」

パシエモン「これはね、対象を凍らせて動きを封じる道具なんだ。これで凍らせた隙にミッションを放棄して逃げるんだよ!」
ヒュマ太「でもパシえもん、フリーズトラップってNPCには効かないよ…」

パシエモン「…」

ライアン「こらー、ヒュマ太!PCのくせに生意気だぞー! ぶっとばすよ!」
スネーサン・ウェーバー「ヒュマ太は隅っこでお辞儀してればいいんだ〜!」
ヒュマ太「ひいいい!!」


今日もヒュマ太は受難の日々であった…
250名無しオンライン:2007/10/19(金) 22:54:21.73 ID:eK6kYPdU
>>247
ありがとうございます><
みなさんのネタも面白いのが多いので、自分もがんばらないとw

>>248
容赦もなにも、そんな大層なものじゃないので全然問題ないです(;0ω0)
オチがうますぎるww

>>249
例の教官の口癖(名言?)がうまい具合にマッチしててワラタw
あの方はやっぱり歌は下手なんだろうか…
251名無しオンライン:2007/10/19(金) 22:55:00.66 ID:eK6kYPdU
男「パシリ、飯だぞ」
パシリ「おや、めずらしいですね、短杖ですか」
男「フォースをしようと思って買ったのだが、よく考えたら覚えてるPAがいっぱいで、
 フォースをする余裕がないのに気がついたのだ」(イルミナス導入前)
パシリ「……なんという無駄遣い。その無計画っぷりは、もはや天晴れというところでしょうか」
男「そう褒めるな。照れるではないか」
パシリ「褒めてません」
男「それはそうと、食わないのか?」
パシリ「いえ、いただきます。いつ食いブチが無くなるか判らないので、食べれるうちに食べておかないと」
男「その心構えや、天晴れというところか。食える時に食う、遊ぶ時には遊ぶ。
 そして、働く時にはしっかり働く。何事にもメリハリが大事だと言うことだな。俺も見習わなくては」
パシリ「いえ、今のは単なる皮肉です。それではいただきます」
男「うむ、しっかり食って、大きく育て」
パシリ「ハムッ、ハフハフッ ハフッ!」
男「……」
パシリ「ハムッ、ハフハフッ ハフッ!」
男「……なぁ」
パシリ「ハムッ? どうかしましたか?」
男「その食べ方、変えないか?」
パシリ「またですか? うーん……、それじゃ、こんなのはどうでしょう」
主「短杖の柄から食うのか?」
パシリ「ペロッ、は……んっ……、んむ…ちゅるっ……ん…、ちゅっ…あ…ん……ちゅるっ…」
主「……」
パシリ「ん…、ちゅぱっ、あ…ん、ご主人様…、大きい……レルレル」
主「……!?」
パシリ「は…む……、あれ? 前かがみになって、どうしました?」
男「……普通でオネガイシマスorz」
252名無しオンライン:2007/10/20(土) 12:21:42.25 ID:ZqpB08ee
orz
253名無しオンライン:2007/10/21(日) 10:07:34.95 ID:pxnXGwMT
男「……」
440「モンキーモンキーモンキーモンキードゥ!」
ポルティ「ピプー!」
440「モンキーモンキードゥ!」
ポルティ「ピプーーーー!!」
440「あははっ、ポルちゃんの負け〜〜♪」
ポルティ「プピィ…」
男「なぁ…、それ、面白いのか…?」
440「はいっ!楽しいですよ。ご主人様もご一緒にどうですか?」
男「いや、遠慮しとく…」
 そう、そんな事より俺は確かめたいことがあるんだ…。
440「じゃあポルちゃん、もう一回しよっ♪」
ポルティ「ピプゥ!」
 俺は立ち上がり、440の後ろに立つ。
440「モンキーモンキーモンキー───」
 そして俺はおもむろに440の帽子に手をかけ、思いっきり引っ張った!
男「ふんぬぁぁぁああああ!!!!」
440「あいだだだだだだ!! 痛い痛い痛い! 抜けるっ頭抜けちゃうーーーーっっっっ!!!!」
男「うおっ! おまえ、その帽子どうなってるんだ!?」
440「帽子ぃ!? 何言ってるんですか!! これは髪の毛ですよ!!
あんまりふざけた事ぬかしてると、『銀色の戦車(シルバーチャリオッツ)』ブチ込みますよっ!?」
男「ぽ、ポルナレフゥ!?」
ポルティ「やれやれだぜ…」
254名無しオンライン:2007/10/21(日) 19:29:43.95 ID:b4nkjw1Q
サクラの花が舞い散るサグラギ保護区。
一人のご主人がPMを待っている。

「430は遅いなぁ。またゲームにはまってるのかな?」
『ガーガー…こちら430。目的地に到着した』
突然、通信機からパシリの声。
「あれ?どこにいるんだい430?」
『ご主人。潜入任務なので明かせない』
「へ?潜入任務?」

・・・ゴト。

ご主人が後ろを振り向くと、道の真ん中にダン・ボールが置いてある。
茶色の四角い立体物。山道にあるには不自然この上無い。
「…430何をしている…」
『ダン・ボールをかぶってます』
「ダン・ボール?なぜそんな…」
『ダン・ボールは敵の目を欺く最高の偽装。潜入任務の必需品です』
「… … …」
『いかに使いこなすかが任務の成否を決定するといっても過言ではないでしょう』
「… … …」

ご主人の後ろをヒョコヒョコついて行くダン・ボール。
途中に現れるエネミーは430のライフルで狙撃。
430が狙撃銃は必須とか言っていた気がするが、ご主人は無視する事にする。
ジゴ・ブーマも現れたがこれも狙撃して無事に任務クリア。

「おお!シャトが出たぞ430!!やったな!!」
『ああ、分かった。で、味は?』
「は?」
『だから味は?』
今度からゲームをチェックしようと誓うご主人であった。

メタルパシリ・ソリッド(完)
255名無しオンライン:2007/10/22(月) 02:59:09.71 ID:csrBYu6O
それは長いミッションを終えて久々の部屋へと帰還した日のことだった
「ただいまーっと、420帰ったぞー」
『・・・』
いつもなら真っ先にお土産をねだりに飛びついてくるはずなのだが今日はそうではなかった
もちろんお土産はちゃんと買ってある、しかし420はそんな事にも全く気付かないようにビジフォンにかぶりついて何かを見ている
「ん・・・アニメか?全く、店番サボってる自覚ってもんが・・・」
それは丁度エンディングのようで色とりどりのパシリ達が入れ替わり立ち代り踊っている様子が見えた
その様子を420は目を爛々と輝かせながら熱心に見ている、そしてエンディングのに合わせて
『テーノラ〜ヨウメイGRM社〜、ぱしにゃんダンスぱ〜しにゃんダンス〜ぱしにゃんダンス!』
「・・・」
いつもなら遊んでるなと叱り付けてやるところだが気分良く歌を歌っている様子を見てふとそんな考えが緩む
「・・・まあ一人で留守番させたりしてるしな、たまにはいいか」
いつもの礼に今日くらいは思いっきりノンビリさせてやろう、そう思った
そうだ今度お土産にアニメディスクを買ってきてやろう、きっと喜ぶかもしれないそんな事を考えていた

―次の日
『(ふりふり)』
「真似するな真似するな」
アニメは没収となった

――続かない――


某所で色々動画を見てたら突如閃いて殴り書き、深い意味は無い
ってか正直色々スマンカッタ・・・orz


>>249
ライア+ジャイアンのはずなのに二等兵に見えたのはきっと気のせいだな

>>251
色々精神的に来るなその食い方は・・・w

>>253
あれか、ジョジョの帽子と髪の毛が一体化して見えるあれと同じようなもんかw
つーか440髪の毛なげぇ・・・w

>>254
確かに何でも食う辺りスネークに通ずるところは確かにあるな
いろんな意味でサバイバルに強そうだ・・・w
256名無しオンライン:2007/10/22(月) 12:05:08.29 ID:VoBB8GP7
>>254を見て触発された。今は反省していない。


(ピリリッ! ピリリッ!)

│ l:::::ヘ:l  │ □□□□□□□ │ノ^:,,∧-∧、 .│
│(...ノヽハ〉.│ □□□□□    │((({ミ((从)))│
│@リ ゚ヮ゚ノi..│ ■■■■ 140.85 │ノノ!@.゚ ヮ゚ノj │
│<:::l=l:)つ│ ■■■       .│'´ | とヾy)つ .│

「スニャーク、忙しいところすまないが、ビックニュースだ!」
「にゃんだ? また無茶を言うんじゃないだろうポコね」
「君は『大乱闘マタッシュブラザーズ』を知っているかね?」
「あぁ……あのSEGAの……」
「実は君に出場の招待状が届いているのだ。
 スニャーク、参加してみる気はないか?」
「……」
「ところで君は今、どこにいるんだね?」
       _________
      / \       \  ズリズリ
     .<\※ \________\
        ヽ\ ※ ※ ※ ※ ヽ  ~~~
        \`ー─────‐>  ~~~
          ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ~~~
「偵察任務中ポコ」

「偵察? 一体何を?」
「敵を知ることこそ勝利への近道だからポコ」

      (ばっ!)

   |\   __   ./|
   |l\ヽ '´::::::::::`ニY/l |
  .,-ヽ/~::::::::::::::::::::::::::ヽ ノノ
 /::::./:::::::::::::〃" `ヽ、:::ハヘ)
 |::::::|::::/::::ハ/\   /}_}ハ
 |::(Θ)::l::|リ ●   ● l小N
 |::::::|::::|:::从  、_,、_,   l::ノ
 |:::::人|\ト、.     ,イリ
 |:::/ __ lヘ ` ー イ、
 j/./  .{:} ゞニ ニソ`{}\
  〈    {:}   i   {} .λ
   [スニャーク参戦!!]

(てんてんて てんてん てれてってって!)
「ショウタイムポコ!」
257名無しオンライン:2007/10/22(月) 12:53:52.41 ID:5dlZl3lz
これは・・・w
258名無しオンライン:2007/10/22(月) 15:45:21.52 ID:Sb5OT6rA
スニャーク可愛い・・・
『大乱闘マタッシュブラザーズ』が発売されたら「シャイニング」や「ソニック」に混じって、
psuはイーサンかなあ。アシストキャラはピート。
259名無しオンライン:2007/10/22(月) 16:15:57.49 ID:Sb5OT6rA
10月19日(金)
298日ぶりにごしゅじんが帰ってきました。
今まで帰って来なかったのは、
きっと長期ミッションせいなのです。きっとそう。
ごしゅじんはわたしに会うとちょっと驚いて、
「まだデータが残ってたのか」
と言いましたが何の事かわかりません。

10月20(土)
ひさしぶりに合成しました。
わたし合成がうまくなったよ。
もうモノメイトじゃありません。

10月21(日)
ごしゅじんがカードを見てます。
ごしゅじんの昔の友達をさがしてるみたい。

10月22(月)
ごしゅじんと温泉にいきました。
知らないうちにミッションが増えていてびっくり。
今度はがんばりますから、
色んなところに連れて行ってください。

10月23(火)
ごしゅじんがまた長期ミッションにでかけました。
今度はいつ帰ってくるのかな。
それまで待ってます。

ずっとずっと待ってます。
良い子にしてるから早く帰ってきてください。
260名無しオンライン:2007/10/22(月) 17:09:17.31 ID:s3m+Axdg
・・・一年前、月末がくるたびにこの手の話がよく書かれてたなあ・・・
261名無しオンライン:2007/10/22(月) 22:41:31.68 ID:/Fd3B0E/
>>259
PSU発売以来もっともインしなかったのが、正月に帰省した一週間の俺でもこの手の話はせつなくなる・・・
262名無しオンライン:2007/10/22(月) 23:30:02.64 ID:jxesXTt5
こたび語るは英雄譚。
パシリと主が見届ける、運命に逆らう二人の男の物語。

というわけで、EP2最終章〜EP31章にあわせての話を作ろうと筆をとりました。
お楽しみいただければ幸いです。
263金色の翼に乗りて行け、我が思いよ 前編1:2007/10/22(月) 23:30:53.44 ID:jxesXTt5
「『フォトンアーツ』といったか。吾輩は正直なところ賛成しかねるのだが…」
その計画は、ガーディアンズ技術開発部からの発案だった。『フォトンアーツ』…使い手のごく限られたマジックを誰でも使えるようにしたテクニックと同じように、体の動きをディスクに記録し、誰もが達人の編み出した技を使うことができるというものだ。
「相応でない力を手にすることをよしとしないということですか?」
「いかにも。研鑽なく力だけを得た者は腐るものだ。力なき正義は無力だが、正義なき力はむしろあってはならん。シェス師はどう思うのだ?」
「私も自分では使うべきでないと思っている危険なテクニックが悪人の手に渡るようなことはあってほしくない。そうならないよう教育するためにこの訓練校があるのですよ、タイロン殿」
今回の計画では、テクニックも武器にリンクさせるという概念で使い手の精神性に関わらず全て使えるようにできることが判明している。彼女とて思いは同じなのだろう。
タイロンと呼ばれたビーストの大男は、顔に刻まれた傷跡と同じくらい深くなっていた眉間のしわをゆるめた。
「そうか…ならば信頼して良いのだろう。ルカイム・ネーヴ、貴様とその妻が指導者をつとめるのであれば間違いはあるまい」
「ありがとう、タイロン。俺を信じてくれるんだな」
「言うな。貴様のことは貴様の妻の次によく知っている」
「では、タイロン殿は斧の技をお願いします」
「うむ。本来ならば数多の月日をかけ鍛えるところだが、今求められているのは戦いだけをする者ではないからな…我らが流派の奥義の数々、次代の護り人に託すこととしよう」
少しばかり教養のある者がこの光景を見れば卒倒するだろう。パルム、モトゥブ、ニューデイズそれぞれの武術や射撃、テクニックの達人たちが一堂に会しているのだ。
ライフル、鋼拳、弓…一騎当千の強者が次々に推薦され、また名乗り出る。その力を未来に伝えるがために。
「拳銃は誰が得意ですかな?」
「ああ、それなら…」
ネーヴは言おうとして、口ごもった。射撃の名手だった彼女の右腕は、先の戦争で失われている。高性能の義手があるので日常生活に差し障りはないが、正確な動きはやはり難しく、射撃も当時ほどではない。
「ネーヴくん、私にもやらせてもらえないかしら?」
「…」
彼女の技術は、すでに過去のもの。心中を察するからこそ、彼女の温厚な性格にぴったりだった校長という役目と、対外交渉などの業務をしてもらっていたのだが。
「考えがあるの。期待は裏切らないつもりよ」
「…君が言うのなら」
264金色の翼に乗りて行け、我が思いよ 前編2:2007/10/22(月) 23:31:35.62 ID:jxesXTt5
ふ〜せ〜わろすあげ〜んいでぃすろ〜んりわ〜る♪
あ〜いせ〜うぃきゃ〜すたげ〜んうぃあおせ〜むし〜、いっこぅすた〜しっあ〜す♪

みなさんこんにちは。荒ぶる戦乙女のGH432(無印最終版)です。
炎の浄化作戦のとき、とあるレリクスに主と一緒に行った際に拾った、謎の3枚組のディスク。
音楽が記録されたディスクだそうで、せっかくだからと飲み込んで部屋で歌を流していたのですが、主が自分で歌ったほうがいいとおっしゃったので、歌が入ってないものを流して練習中です。
まったくわからない言語なもので、発音だけ真似しているのですが。
これが意外にうまくいかないもので、自分では思い描いていても出てくる声はそうなりません。
難しいものです。フォトンアーツのように歌う動きを記録したディスクでもあればうまく歌えるのでしょうが。
うまくいかないのを少しずつ修正して、また歌って少し変だと感じて…
なんか、ちょっと面白いですね。無意味な作業だとはわかっているのですが。
と、せっかく練習していましたのに、そこで無粋きわまる警報が辺りに響きました。

”緊急警報発令 緊急警報発令。ガーディアンズコロニーに戦艦が突入、続いてSEED落着を確認。住民は速やかにシェルターへ避難してください。繰り返します、緊急警報発令…”

はあ!?コロニーに戦艦突入!?それにとっくに封印されているはずのSEEDがまた落ちたとか、突拍子もなさすぎます!どこのB級SFですか!
「あー、そうなの。ふーん」
何でそんなに落ち着いてるんですか主!こうしてはいられません、出て状況確認しましょう!
乗り気でなさそうな主を引っ張ってわたくしは外に出たのですが…
265金色の翼に乗りて行け、我が思いよ 前編3:2007/10/22(月) 23:32:07.95 ID:jxesXTt5
扉を抜けると、そこは雪国でした。
…すいません嘘つきました。あまりにも目の前の光景が信じがたかったもので…
前に炎に飲み込まれた三惑星を見たことがあります。そのときと同じ、周囲のすべてのものを巻き込んでその性質を変化させ、飲み込んでいく…SEED落下による浸食です。
それが、このガーディアンズコロニーで起こっています!コロニーの人口密度を考慮すれば、これまでにないくらい危険であると言わざるをえません。
あ、主!これはその、一大事ですよ!今すぐ出撃しましょう!
ほらここにブルースから再三に渡って返せと言われていたにもかかわらず返してないフォトンイレイザーもありますから!
「………」
なんか遠い目をしてるー!?
いつもながら主は何を考えておられるのかまるでわかりません。年齢不明経歴不明詳細不明意味不明が主の持ち味なのです。きっと。たぶん。
主〜…目の前で手を振ってみせます。いかがなさったのですか?
「いや、別に。それよりちょっと捜し物してきてくれない?」
は?いったい何をです?
「PAディスク、とでも言えばいいかな。ガーディアンズ訓練校初代校長の名前が書いてあるからすぐわかるはずよ」
校長って、最初からネーヴ校長じゃなかったんですか?178歳ですよね、創設からいらっしゃるはずですが…
「彼は2代目なのよ。ともかく校長室の鍵つきの戸棚に残ってるから、とってきてちょうだい。20分以内に。わかった?」
わ、わかりました、20分以内ですね。主もお気をつけくださいまし。行ってきます!ぱっぱらぱぱぱぱぱっぱらぱぱぱぱぱー、突撃ー!

「さて、と…」
「…ギ…」
「お、きたきた」
女の背後にキャストが一人。動きこそなめらかではあるが、どこか不自然だ。知らないところに放り出された野獣とでもたとえるのがいいだろうか。
SEEDウィルスがキャストにも感染するようになったという報告がなされている。
それはキャストやマシナリーの思考中枢部を溶かす物質を作り、感覚・思考とも封じてしまうという。そしてそうなったキャストは恐怖のため、防衛本能に任せて周囲に見境なく攻撃を加える…
「…ギギ!」
しかし、そのキャストは女には目もくれず、横を走りすぎていった。
「いってらっしゃい、ルカイム・ネーヴ」
266金色の翼に乗りて行け、我が思いよ 前編4:2007/10/22(月) 23:32:39.61 ID:jxesXTt5
「ギィー!!」
訓練校に向かったわたくしを出迎えたのは、暴走するキャストとマシナリーたちでした。もちろん、パシリも含まれています…
説得してもまったく効果がないようで、一般の方にまで襲いかかっているというありさま。明らかに故障ですが、こうまで集団発生するというのは仕組まれていたということなのでしょう。なんと ひきょうきわまりない!
にしても、さすがに数が多すぎます。こういうときはダウンを奪うのが一番です。というわけで、例のごとくライジングストライクでかたっぱしから放りあげて、わたくしは走っていきました。
「ギーッ!」「ギぃー!」
とぉー、とぉー。
伝説のバイク・サイクロン号で突撃とかできたら楽なのにとか思いながら微妙に痛くなさそうな動きで戦っていますと、後ろからものすごい勢いで暴走キャストたちを蹴散らしながらネーヴ校長が来るのが見えました。
これは援軍!?助かりました!一般の方を守りながら暴走キャストをなんとかして20分以内に戻るなんて厳しいと思っていたところで…
「…ギギ!」
いそのっ!?(ボグシャー)
暴走キャストを倒し終えた校長に近づいていったら、思いっきり蹴飛ばされました。
そんな…校長まで暴走しているなんて。これまでのキャストより数段手強そうなうえ、まずいことに吹っ飛ばされたわたくしより、先ほど助けた一般の方のほうが校長に近い位置にいます。割って入ろうにも間に合いません!
「…ギッ!」
ところが、校長は一般の方には見向きもせず、わたくしのほうへ向かってきました。
少しほっとしていますが、どういうことでしょう?わたくし、校長に決定的な不興を買うようなこと、しましたっけ?今まで話したこともないはずですが…
はっ、まさか今から校長室のディスクを無断無期限無利子無担保で借りようとしていることがすでにばれているとか!?
「ギーっ!」「ギー!」
「…ギ…」
と、思ったのですがそうでもないようで、校長はまた現れた暴走キャストがわたくしより近いと、そちらを優先して鉄屑に変えていってます。さらに、パシリ以外のマシナリーは完全無視。どうやら、ガーディアンズのみを狙って攻撃を加えているようです。
何にせよわたくしの目的はディスクをとってくることです。気になるところですがこれ以上詮索はしていられません。
校長に暴走キャストが向かうよう誘導してけしかけ、その間にマシナリーを吹っ飛ばして一般の方を逃がして…わりとなんとかなるものですね。援軍でなくても利用できたというか。
途中からほかのガーディアンズの方に合流できましたので協力していただきまして、一般の方の保護をお願いした後、わたくしは訓練校校長室に忍び込んだのでした。
267金色の翼に乗りて行け、我が思いよ 前編5:2007/10/22(月) 23:33:14.56 ID:jxesXTt5
「傷つき倒れ、動けないか。いいざまだな、オーベル・ダルガン」
「おまえは、レンヴォルト・マガシ…」
闇の中から、カツカツとわざと響くよう足音を立てて、血のように赤いボディと死人のような土気色の肌をしたキャストが、膝をついている壮年の男、ダルガン総裁の前に歩いてきた。
総裁は満身創痍。先ほどまで暴走したネーヴ校長と戦っていたのだ。ネーヴ校長はもともと500年戦争末期に活躍した戦闘用キャストだったと聞く。突発性機能停止症候群で校長が止まらなければ、間違いなく倒されていただろう。
だが、それもつかの間。もはやこれまでということか。
「私はハウザーの分身、思考も同じだ。貴様の惨めな姿を見に来てやったのだよ」
「私を殺しにきたというわけか…」
「いいや、違うな。貴様など殺す価値もない。むしろ生きて我々の計画が達成されるところを見ていてもらおうと思ってな。親切だろう?ククク…」
「それは残念だったな、先ほど居住区を切り離す作業に移ったところだ。コロニーはこれで終わりにはならない、ガーディアンズはイルミナスには屈しない」
覚悟はできているつもりだった。おそらくマガシは逆上して自分を殺すだろうと。それだけに、次の言葉は予想外のものだった。
「はっ!馬鹿め、ガーディアンズを壊滅させるのが目的だとでも思ったのか?」
「何?どういうことだ」
「我々が落としたいのはこのコロニーのメインリアクターなのだよ。Aフォトン爆弾『ガジェット』…報告にあがっているだろうと思うが、覚えているかね?コロニー地下のリアクターを先ほどそれに改造させてもらった」
総裁の顔から見る見る血の気が引いていく。気づいたのだ。最悪の事態は、コロニーの10万の民が全滅することなどではないということに。
それを確認したマガシの顔に、にたりとした笑みが浮かび上がった。総裁を苦しめることに至高の喜びを見いだしているのだ。
「居住区のそれを除いたとしても、コロニーのリアクターはエネルギーとしては申し分ない。惑星一つ破壊して十分お釣りがくるというわけだ。パルム自体がなくなってしまえば、例の装置の封印も解けてSEEDは再びグラール中にあふれかえるだろうなぁ!」
「おまえというやつは…!ハウザーっ!!」
ふらつきながら立ち上がろうとした総裁を、マガシはいともたやすく片手で突き飛ばした。為すすべもなく倒され、胸を踏みつけられて動きを封じられた彼を、ゆがんだ嘲笑がのぞき込む。
「瀕死の貴様にはどうすることもできまい。悔しいか?私が憎いか?だがもう遅い!貴様の大事なコロニーでパルムが消し飛び、グラールが滅びのカウントダウンを始める様を一番間近で見ているのだな!ハーッハッハッハッハッ!」
268金色の翼に乗りて行け、我が思いよ 前編6:2007/10/22(月) 23:34:04.50 ID:jxesXTt5
20分以内にディスクを届けるという任務を見事達成したわたくしは、ごほうびにいただいたアンゴルモチをほおばりながら主と一緒にコロニーの地下へ参りました。
主はこちらでなにやらなさるおつもりのようなのですが、倒れている方を発見して、珍しく主みずからそちらに足を運んだところです。
白髪まじりの黒髪、特徴的なたれ目。そして格式ばった青い服。
あなたはオーベル・ダルガン総裁ではないですか。こんなところで大の字になって何をしておられるのですか。目に涙まで浮かべて、星の光が目にしみるのですか?地下なので見えませんけど。
「無念なのだ…パルムが滅び、グラールが再びSEEDに蹂躙されるとわかっていながら、私には何もできない。この体は動いてくれない…」
ダルガン総裁は、明らかになったイルミナスの計画を話してくださいました。
コロニーのリアクターをAフォトン爆弾『ボンバーさん太郎』に改造したものをパルムに落としてパルムそのものを破壊することで封印装置を解除してグラールを再びSEEDに襲わせるですってー!?
「歴史は繰り返す、か。時が未来に進むと、誰が決めたのかしらね」
やたら説明的な驚き方に加えて誇張までしたのにつっこみがないのは微妙に寂しいですが、とりあえずそれどころではないというのはわかりました。
「ここはもう切り離される。君も早く居住区に逃げたまえ…凄惨な未来が待つとはいえ、ここで死ぬこともないだろう」
「それであなたは心折られてその凄惨な未来とやらを許すつもり?意気地なし」
主〜!それはいくらなんでも失礼なのでは!総裁ですよ!?
「訓練校で何を習ったの?こんなとき倒れて諦めろと言われたの?」
「………」
「私はあなたを助けない。立てないのならそのまま勝手に死になさい。でも、できることから目をそらして不可能だったと言うのは、軟弱者のすることだと言っておくわ」
うわあ、ばっさり。容赦なしです。怪我人に対してそれはひどすぎませんか…
「私は…軟弱者ではない…誰にも軟弱者などとは言わせない…!」
ですが、総裁は軟弱者という言葉になぜか過剰に反応し、そして膝をふるえさせながらも立ち上がりました。
そのとき、ほんの一瞬ですが、わたくしは誰かがダルガン総裁を支えて立たせたように見えました。
カメラアイをごしごしこすって再び見ると、そんなことはなかったのですが…。
「ほら、立てたじゃないの」
「馬鹿に、するな…!私は…ガーディアンズ総裁…オーベル・ダルガンだ…!」
考えてみるとものすごくひどいことをやってるんですが、まあ結果オーライです。総裁も連れて行きましょう。立てたとはいえこのまま放ってはおけませんし。
地下へと続く闇の向こうへわたくしたちは目を向けます。総裁も目的はこの奥。ということは、ボンバーさん太郎を止めたいとお考えなのでしょう。
凍りついた記憶を目覚めさせ、ダルガン総裁の忘れかけた志が動き出したのです。


-続く-
269名無しオンライン:2007/10/23(火) 09:25:43.02 ID:JjAI8CHS
ここであの設定の話が読めるとは。期待wktk
270名無しオンライン:2007/10/23(火) 10:30:44.10 ID:lHrxTYT1
「畜生! ちくしょう…! なんて、なんてことだ…!
 ソニチがよってたかって、パシリをただのNPCにしちまったんだ…!
 合成と周回補助NPCにしちまったんだ! ちきしょう!
 パシリ育成は最高の課金要素になったはずなのに!」

「…ヒュマ、ああいうものをそういう目で見るな。
 PSUはそういうゲームじゃなくて、…それが一番だ」

「…ッ! 俺が――!」

「パシリをヒロインにする、って?
 ――無理だ、パシリはNPC以上にはならないよ。
 …ソニチがほんの少し気が利いていたのなら
 パシリ育成はもっと奥深く、幅があり、反応も多彩で、
 俺たちご主人様のwktkに十分応えてくれたろう。
 でも、そうならなかったんだよ、ヒュマ。
 だから…、この話はここでお仕舞いなんだよ…、ヒュマ」


「ご主人様ー! またいつか…、またいつか会いましょうねぇ!
 今度は二人で、ランチバスケットを持って!」


「ああ、そいつは素敵だな。…本当に素敵だ」


ブラックラグーン読んでたらなんとなく。
深い意味もオチも特にない…。
だからこの話はここでお仕舞いなんだよ。
271名無しオンライン:2007/10/23(火) 11:19:25.72 ID:Rh3yQTc0
>>268
荒ぶる戦乙女のGH432(無印最終版)がシリアスに活躍。
とても続きが気になります。
272名無しオンライン:2007/10/23(火) 21:48:42.62 ID:Up/wnXOD
ここの人たちの書いたストミがやりたいと何度思ったか…
273名無しオンライン:2007/10/24(水) 00:52:14.53 ID:LTWQtQmV
そして俺は横合いから不意打ちSSを叩きつける!
箱と450氏、青キャスコ氏、いいキャラだなちょっと借りるぞ。
というわけで拝借します。
「この牡豚やろう」「ぶちころすぞヒューマン!」
といった応援があればもっと脳みそ絞って書くぜ!
モノはいつヒトになったのか?
ニューマン…ビースト…キャスト…全てに言える。

ヒトはいつモノになったのか?
巫女の"作る"ためのニューマン育成施設…
意思も心も無く働く奴隷ビースト…
嬉々として人形となるキャスト…

モノはヒトになり得るか?
そう、その境界線が曖昧なのがこの世界。

パートナーマシーナリーはヒトであるか?
それは一つの可能性。

これはとあるPM達と、とあるキャスト達の物語…

ワルキャスとワルパシリ〜解ける秘密・そして日常へ〜

〜・〜・〜

数年前、ローグス間での繰り返される抗争は架橋をむかえていた。
うずたかく積まれるのはヒトであったモノ。
血と臓物と得物にうめき声のエッセンスつき。

「ハハ…ハハハッ…ハハハハハハッ!」

また一人、心の器を壊したのかと思えば…そうではない。
歓喜の声…その男は喜んでいた。
それはそれは大きな鈍器。
フォトンの固まりを埋め込んだビルデ・ビア・アクス。
それを、男は肩で担ぎ、笑っていたのだ。

「………」

声も枯れ、意識を飛ばしているのかと思えば…そうではない。
沈黙の殺意…男の怒りは脳内麻薬として掛け巡る。
下段に構えた鋭利な凶器。
バンフォトンでもないのに、血に染まったムグン・リュク。
男は黙して狙いを定める。

二人の男は走る。
狙いは一つ…吼える、もう一人も吼える。
そして激突した。
衝撃で大地が揺れたのは錯覚ではないだろう。
黙していた男…
獣骨で隠されたヘッドパーツ。
生体パーツを多用した一人のキャスト。
露わになる口元には狼のような鋭利な犬歯が覗いていた。

〜・〜・〜

「でさー、俺がフカミサキをやったわけよ。50%、50%だぜ!」
「すっ…すごい…がんばりましたねワルパシリさん」
「………」

和風ルームの中ではパシリ達の談笑と菓子をついばむ音で溢れていた。
メンバーはワルパシリ、蒼キャス子の411、441、そして箱の450。

「レイフォトンは美味いからついついオキクさんに連絡しちゃいますよー」
「やけにご主人様がorzだったのはそのせいね…ナームー」
「なんで私に向かって手と手の皺をあわせてるんですかーっ!」
「………」

ご主人様の性格が脈々と染み込むパシリ達であるが、450は曇り空。

「………」
「………」
「………」
「………はっ! ど、どうしたんですか皆さんっ!?」

静かになったなと思い、顔を上げてみる450。
周りをみれば、他のPMは彼女に狙いを定めている。

「………ニヤリ」
「………ニヤリ」
「ヤッチマイナー!」
「「「コチョコチョコチョコチョコチョコチョ!」」」
「きゃああああああ! ちょ…あっはははは! やめてええええ!」

判決、くすぐりの刑。
450の身体は隅々までこちょこちょくすぐられてゆく。
服も微妙にはだける中、解放されたのは数刻後。
とどめはワルパシリのデコピン。

「はひー…ひいいい…ひひ…はぁあ…あいたっ」
「こーらっ、なんか悩んでるんだったら言っちまえよったく」
「そうですよ…むしろそう言う仕草は気にしてくれ…と、
 言っているようなものです」
「ですですー、あいらない仲じゃないですからねー」
「あっ…ありがとうございます…みなさん…」
和やかな雰囲気の中、扉がおもむろに開く。
そこにやってきたのはワルキャス。

「おーい、うちのバカいるかー?」
「バカって言う奴がバカなんだよバーカッ! あいてーっ!」

お決まりのフレーズで返すも、げんこつを喰らわされるワルパシリ。

「人に引っ越しの作業を任せっきりでお茶会してるのがバカじゃないと?」
「ううう…わるかったよ…ちぃー」

その様子にお茶を飲みつつ441はワルキャスに問いかける。

「あぁ…ほんとに転勤されるのですか…?」
「おうよ、モトゥブ支部でお仕事ってわけだ」

おもむろに外に目を向けるワルキャス。
そこにはアステロイドベルトが輪を成す惑星モトゥブ。

「故郷にも顔見せしねぇとなぁ…」

〜・〜・〜

モトゥブ某所。

薄暗い室内、1卓のテーブルに向かい合うのは二人の男。
二人にはそれぞれ白銀のキャストと…
蒼髪のヒューマン秘書が得物に手を掛けている。
互いの身分故、いつでもこうしておかなければ話しもできない。

「ククク…おやおや…ウチの店で出したカクテルは飲めないと?」

白髪で顔に切り傷を持つ男は頬をつり上げカクテルを持ち上げる。

「笑わぁせるなぁ…」

そのまま指先は90度傾き、テーブルを赤く染める。

「貴様のことだ…今日はなぁにを仕込んだ…」
「ククク…ククククッ! なぁんにも〜…ただぁ…毒を少々♪」
「貴様っ! ハウザー様に!」

まるで子供のいたずらをばらすようにおちゃらける男。
青髪の秘書は人とは思えぬ早さで銃口を男の額に。
その瞬間、白銀のキャストはスライサーの刃先をハウザーの首筋に。

「おイタはやめとくんだな…俺の引き金はあんたよりも軽いぜ?」

キャストは首を鳴らしながら、軽口を叩く。
その様子に二人の男は面と向き合う。

「しまえ…さっきのは奴なりの挨拶だ」
「銀チャンもしまいなよー…そんな物騒なブツはさー」

双方のボディーガードは渋々武器を下ろす。
男…まるで道化師のマスクを付けたソレはカクテルの中を一気に飲み干した。
グラスを空けた男の眼は明らかに常人のそれとは違う…凶人の眼。

「なかなか上々じゃないかSEEDウィルス…見させてもらったよぉ、
 実験施設丸々を利用したバイオハザード…喜劇も真っ青モノだねぇ」

道化はテーブルを乗り出し、舐めるようにハウザーを眺める。

「協力してやろう…我らの方が、使いやすいんだろう〜?」

ハウザーも表情を変えず頬をつり上げる。

「訳の解る奴の方が動かしやすいんでな…次はモトゥブだ」
「ククククッ…普段より手数は少なくなるぞ…おいちゃん達にも用事がある」
「別に構わん…こちらはばらまく媒体が手には入ればいい」

男は指を組み、席に戻った。

「結構…結構結構…ハウザーちゃんは破滅をご所望みたいだねぇ…」
「フンッ…では貴様は何を望む、イーグルヘッド」

道化…イーグルヘッドは静かに呟く。

「進化の先…滅びきった世界の創造…ソレこそが、
 我が”エヴォルティオ”の本懐さ…クコココ…クキョキョキョキョ!」

これはとあるPM達と、とあるキャスト達の物語…
278名無しオンライン:2007/10/24(水) 01:05:34.38 ID:LTWQtQmV
とりあえずここまでー。
時系列的にはストミ8話と9話の間…と考えているが、
ツッコミ所の多さに俺が絶望した!
あとキャラ出してくれてありがとう青キャスコ氏!
279名無しオンライン:2007/10/24(水) 13:46:58.36 ID:xoI962c8
「一周年だぞ440」
「一周年ですね。御主人」
「一周記念でだな440。特別ゲストを呼んでみた」
「誰ですか?御主人」
「当ててみろ440」
「えと誰でしょう?小ビス子さん?変態さん?箱さんかな?」
「ふふふ440・・・さあ!カモン!」


プシュー(ドアの開く音)


  ( ゚д゚ )<倫理的におk      
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
  \/     /
     ̄ ̄ ̄

wiki読み返したら気がつきました。
もし間違ったらゴメンナサイ。
280名無しオンライン:2007/10/25(木) 02:55:47.67 ID:mtGMKQHL
せめてブルゥワア〜〜〜ぐらい出せw
281名無しオンライン:2007/10/26(金) 05:19:19.46 ID:IHUONDxL
かぼちゃのお話。

街を彩るオレンジのお化けカボチャ。流れる陽気な音楽。
今グラール太陽系はハロウィンシーズン。
イルミナス騒動から数ヶ月しか経たないのにお気楽なもんだ。
もっとも、お祭り騒ぎをするだけ人類はまだ余裕があるって事かね。

今日もミッションを終わらせてマイルーム。
パシリ帰ったぞー、お腹すいたー、メシーメシー。
「ト…トリック、オア、トリートです」
へ…?なんだ今のセリフ?
マイルームに入るとマント姿のお化けカボチャ。
それがPM450ことマイパシリだと解るのに丸々1分もかかった。
えーと…450さん?何してるのかな?
「と、トリートー…」
いや、それはもういいから。

「あの…その、進化したら、やりたかったのです」
ホホを染めながら450。ちょっと可愛いじゃないか。
普段のお堅い450からは想像もつかないカボチャ姿。新鮮だね。
それにしても、そんなにハロウィンが好きだったのか。
あー…そう言えば一年前はコイツは赤玉だったからなぁ。

「それで御主人様。トリック、オア、トリートです」
お菓子くれないとイタズラするんだっけ?
「はい!お菓子です。出来ればS武器」
それはお菓子とは言わないんじゃないのか?イタズラじゃだめ?
「ラ・フォイエとギ・フォイエのどちらがよろしいですか?」
う…にこやかにハウジロドウを出すなよ。
仕方無いなあ、A武器でガマンしてくれよ。レプカだけど。
「いただきます」
…モギモギモギ…ポツリ
「…だって、あの時は来年が来るなんて思わなかったもの」
ん?450?何か言ったか?
「いえ、何でも?」
変なヤツだな。でもまあ、これからもヨロシクな450。
282名無しオンライン:2007/10/26(金) 05:22:46.35 ID:IHUONDxL
時事ネタ。単にコスプレしたパシリが見たいから書いてました。
283名無しオンライン:2007/10/26(金) 21:18:35.49 ID:bfCK9T1O
投下投下!
箱さん、ワルキャスさん、キャラ勝手に使わせてもらってます。
イメージ的におかしかったら申し訳ないです><
284名無しオンライン:2007/10/26(金) 21:19:12.57 ID:bfCK9T1O
 ──とあるガーディアンズのマイルームにて事件が発生した。
 部屋の主が、長杖を頭に突き刺されて死んでいるのが発見されたのだ。
 あまりに難解な事件に、ついに名探偵と噂の『彼女』が呼び出された!

 そう、彼女は…

 『にゃんぽこ探偵 420』

刑事「こちらが事件の起こった部屋です。
 言われた通り、発見されたそのままの状態で保存してあります」
420「ふむ、被害者は、この寝室で死んでいるのが発見されたというポコね。
 被害者の氏名は…、箱。この部屋の主ポコか。で、第一発見者は?」
450「わ、私です…」
刑事「彼女は、この被害者の所有するPMで、身辺の世話係として、この部屋に居住しております」
420「じゃあ、彼女が犯人ポコ」
刑事「は?」
420「第一発見者が犯人と相場が決まってるポコ。一件落着ぽこ〜(・ω・)」
刑事「いやいやいやいや、ちょっ、早計すぎっ」
420「あたま使うとお腹が減るポコ…」
刑事「そういう問題じゃなくてですね!? あー、もう! わかった!
 わーかーりーまーしーたぁー。 後でいくらでもご飯奢るからマジメにやってくださいよ」
420「ほんとぽこ!? よーし、がんばるポコ〜!」
刑事「はぁ、やれやれ」
420「それじゃ、第一発見者の話を聞くポコ」

450「え、わ、私がご主人様を殺害したとおっしゃるんですか!?
 あんまりです! PMである私が、…あ、あ、愛するご主人様を手にかけるなんてこと、あるわけないじゃないですか!
 それは同じPMである貴女だってわかるでしょう!?」
420「あー、いや、別にまだ犯人だとは言ってないポコ。気持ちはわかるけど、もうちょっと落ち着くポコ〜。
 それじゃまず、昨日の夜は何をしてたポコ?」
450「昨日は…、盟友一周年記念だとかで、ワルキャス様とワルパシリさんと一緒に居酒屋で騒いでました。
 勿論、ご主人様と一緒にです」
420「刑事、その二人をここに呼ぶポコ」
刑事「連れてきました」
420「早っ!?」
ワルキャス&ワルパシリ「うお、なんじゃこりゃあ!?」
285名無しオンライン:2007/10/26(金) 21:19:48.71 ID:bfCK9T1O
 証言1:GH-450 (被害者の所有するPM)
450「昨日のご主人様の様子ですか? 特に変わったところはありませんでした。」
420「被害者は、なんか誰かに恨まれる様なこととかなかったポコ?」
450「あるわけないじゃないですか! 
 たしかにご主人様は、バカで、鈍感で、空気が読めなくて、鈍感で、要領が悪くて、超の付くほど鈍感ですけど…。
 そんな、人に恨まれるとか言う事は絶っっっ対にありません!!」

 証言2:ワルキャス(被害者の友人)
ワルキャス「え? 昨日の夜? …うーむ、あんま覚えてねぇなぁ。なんせアホほど呑んでたからな」
420「被害者となにかイザコザとかなかったポコ? 1年も付き合ってたら、喧嘩とかするポコよね」
ワルキャス「してねぇよ。 こいつ、大のお人よしだからよ。 
 まぁ、あまりにも引っ込み思案だから、ケツ引っぱたいて色々焚きつけたりしてたけどよ。
 いやしかし、あんときゃ傑作だったぜ…。 うぷぷっ」

 証言3:ワルパシリ(被害者の友人、ワルキャスの所有するPM)
ワルパシリ「昨日の夜ねぇ…。騒いで、帰って、風呂入って、寝た」
420「いや、そんな大雑把な事じゃなくて、もっと細かいこと聞きたいぽこ…」
ワルパシリ「ああ、寝る前に歯ぁ磨いた」
420「それは大事なことぽこ。 うちも食べたら歯を磨かないと、次の日おやつ抜きにされるぽこ…」
ワルパシリ「パートナーマシナリーは」
420「歯が命!」キラーン
 妙な友情が芽生えた!
ワルパシリ「まぁそれはそれとしてだな、昨日、話をした内容なら覚えてるぜ」
420「お、それを聞きたかったぽこ。どんな事話したぽこ?」
ワルパシリ「ふっふーん、聞いて驚け! なんと…」
420「…な、なんと?」ゴクリッ
ワルパシリ「俺の胸が大きくなったのだ!!」ババーン!
 ・・・
420「…や、別に自慢話とか聞きたいワケじゃないぽこ…」
ワルパシリ「ばっか、そうやって胸の話になったんじゃねーか」
ワルキャス「ああ、そういえば、箱ともパイオツはでかい方がいいよなーとか、話した気がするぜ」
420「なんて話してるぽこ…。 卑猥ぽこ!! もう次いくぽこ!」

 証言4:オキク・ドール(被害者の所有するルームグッズ)
オキク「…身体が……、欲しい……」

 うぅむ、なかなか難事件ポコ…。 でもきっとこの中に犯人がいるはずポコ!
286名無しオンライン:2007/10/26(金) 21:21:42.64 ID:bfCK9T1O
続きはまた明日(・ω・)ポコ!
287名無しオンライン:2007/10/26(金) 22:12:31.45 ID:kguKIQG5
とうとうやっちゃったか・・・
288名無しオンライン:2007/10/27(土) 13:53:07.42 ID:/nIv4uEy
見かけは子供。頭脳はCPU。名探偵にゃんぽこ。
真実はいつも一つですね。
289名無しオンライン:2007/10/27(土) 17:01:41.10 ID:d/dO6hY7
>>285 つづき

 ──とあるガーディアンズのマイルームにて事件が発生した。
 部屋の主が、長杖を頭に突き刺されて死んでいるのが発見されたのだ。
 あまりに難解な事件に、ついに名探偵と噂の『彼女』が呼び出された!

 そう、彼女は…

 『にゃんぽこ探偵 420』 ──解決編──

 チックタックチックタック
 
 重い空気の中、ただ、時を刻む音だけがマイペースに鳴り響く。
 普段なら気にも留めない小さな音。 それが、この部屋を支配する。

 しかし、痺れを切らしてか、ちいさな影が、時の支配を奪う。
ワルパシリ「いつまで待たせんだよ! いい加減ジッっとしてんのはうんざりなんだよ!」

 痺れを切らせたワルパシリを、大きな影がなだめる。
ワルキャス「まぁまぁ、ちっと落ち着けお前。ほら、深呼吸しろ、深呼吸」
ワルパシリ「チッ、んだよ、お前、俺のカーチャンかよ…」
 舌を打ちつつ、言われた通り深呼吸するワルパシリ。
ワルパシリ「すー、はー、すー、はー、すー…「パイオツターッチ!」むにゅん
 ワルパシリが大きく息を吸い込んだところで、ワルキャスがその可愛らしい胸をさわる。
ワルパシリ「っにすんだテメェェェエエエエエ!!!!」
 メ メ タァ !!
ワルキャス「でぃまごらすぅぅうううう!!」
 ワルパシリの鉄拳に、ワルキャスが壁まで吹き飛んだ。
ワルキャス「ぐふっ…、いや、場の空気を和ませようとだな…」
ワルパシリ「和む様な状況じゃねぇだろうが、このボユゲェ!」

 漫才を始めたワルキャスとワルパシリを尻目に、心配になってか、中くらいの影が口を開く。
刑事「しかし探偵。 そろそろみんなの緊張も限界になってます。私がこう言うのもなんなのですが…。
 まだ、犯人は特定出来ませんので?」
290名無しオンライン:2007/10/27(土) 17:02:18.29 ID:d/dO6hY7
 もう一つのちいさな影が周りを一瞥し、静かに立ち上がる。
 そして…
420「みなさん、落ち着くぽこ。 犯人は必ずこの中にいるぽこ。 
 あたしが、この謎を解いて見せる…、ご主人の名n「うわぁぁぁぁ!!」

 最後の小さな影が突然泣き始めた!
450「ごめんなさい! 私がやったんです!! 私が…、ご主人様の頭に長杖を突き刺したんです!!」
420「にかけ…、て? え!?」
刑事「詳しく…、お聞かせ願いますか…?」
420「え、いや、ちょっ」
 刑事は、あくまでやさしく、450の感情を逆撫でしないように事情を聞く。
450「発端は、居酒屋でのやり取りからでした…」
420「あれ? ちょっ、待つぽこ、待t」
 そして、450は静かに語りだした。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ワルパシリ「おーい! 聞いてくれよ!」
箱&450「?」
ワルキャス「あん? んだよナイチチ」
ワルパシリ「んっふっふ〜、そう言えるのも今のうちだぜぇテメェェェエエエ! 死ねボケェェ!!」
 ドゴーーン!!
ワルキャス「サーセンっ!」
ワルパシリ「ハァハァ、そんでよ、聞いてくれよ!」
箱&450「は、はい…」
ワルパシリ「実はさ、んふふー、俺、胸が大きくなったんだ!」
 そう言って嬉々として胸を反らすワルパシリ。 …ぶっちゃけそんな事されてもわからない。
箱「え、えっと…、おめでとー?」
450「……」
ワルキャス「まあ、あれだよな、女のパイオツはデケー方がいいよな。
 あんなこじんまりとしたのより、こうバインバインと」
箱「え、いや、僕は別にどっちでも…」
 いつの間にか復活したワルキャスが、箱の肩に腕を回し同意を求める。
ワルパシリ「だったらテメェ、ボール・バランスでも揉んでろゴラァァァ!!」
 またいつものドツキ漫才が始まる中、箱はボーッとワルパシリの胸を見ていた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
291名無しオンライン:2007/10/27(土) 17:02:50.73 ID:d/dO6hY7
450「私は、そんなワルパシリさんの胸をジッと見つめる、ご主人様の様子を見ていたんです…」
ワルパシリ「ず、ずっと見られてたのか…///」
ワルキャス「ほんと、大きくなったっつっても、微々たるモンなんだがなぁ…」
450「私だって…、私だって大きくなったのに!!!」
ワルキャス&ワルパシリ「…はい?」
450「帰ってから勇気を振り絞ってご主人様に言ったら、なんて言ったと思います!?
 『へ〜、そうなんだー』ですよ!? へ〜って! へ〜っって!?」
ワルキャス(あぁ…、なんつうか)
ワルパシリ(すっげー箱らしいな…)
ワルキャス(悪気はないんだろうが、とりあえず…)
ワルパシリ(乙女心を全くわかってねぇ…)
刑事「つまり、それが原因で言い合いになり、思わず長杖を突き刺した…、と」
450「いえ、問答無用で刺しました…」
刑事「…そうですか、…署まで、ご同行願えますか?」
450「…はい…」
 
 こうして、迷宮入りと思われた難事件は解決された。

420「え? あれ? ちょっと待つぽこ。 あたしの華麗な名推理は?」
ワルキャス「さて、帰んべ」
ワルパシリ「つかちょっと待て!」
420「そ、そうぽこ、待つぽこ! あたしがズバーンと、かいけt」
ワルパシリ「お前、さっき俺の胸が大きくなったの、微々たるモンっつったよな!?」
420「待つのはそこじゃないぽこ!」
ワルキャス「さあ、知らねぇなぁ…」
ワルパシリ「とぼけんじゃねぇ! なんでお前が俺の前のバストしってんだよ!!」
ワルキャス「俺くらいにもなると、触るだけで解るようになるのだ」
ワルパシリ「ふざけんな!」
ワルキャス「さーって、帰って飯だ飯〜♪」
ワルパシリ「待てゴラァァ!!」

 ……

420「おーい…、あれ? なにコレ、ねぇ、ねぇって。ちょっ、責任者でてこいポコー!!」
 暴れだす420。 それに…
箱「うぅーん、ムニャムニャ…。 なに? うるさいなぁ…。
 ゆっくり寝ていられないよ…」
 急にムクリと身を起こす箱。
420「ぽ、ぽこぉぉぉぉ!? お、お化けぽこぉぉぉぉぉおお!!!」
箱「えぇぇええええ!? ど、どこ? お化け怖いぃぃぃぃいい!!!」
 ヒシッ
420「アッー、ぎゃああああああ!! こっちくんなぽこぉぉぉおお!!!」
箱「あっ! ま、待ってぇーー!! 一人にしないでぇぇぇぇぇぇ!!!」

 逃げるパシリを追いかける、頭に杖を刺してオイルを撒き散らす巨大な蒼いキャスト。
 ハロウィンのこの季節、周りはみんな、そんな奇異な状況も微笑ましく見守ります。
 自分達にも、部屋で待つ大事なPM達がいるから。 
 ウキウキとお菓子をその手に、これから起こる事を想像しながら…。  
 みなさんもログインしたら聞かれるかもしれません。
 可愛いお化けの姿をした大事な大事なPMに、

       『Trick or Treat!』
292名無しオンライン:2007/10/27(土) 17:03:24.24 ID:d/dO6hY7
420「って、綺麗にまとめたとか思ってる顔してるけど、まとまってないから!
 全然綺麗にまとまってないから! おかしいから! 話変わってるから!!
 そんなとこでナレーションしてないで、たすけてポコぉぉ、ごしゅじぃぃぃん!!」

  おちまい♪
293名無しオンライン:2007/10/27(土) 17:05:55.11 ID:d/dO6hY7
なんかまったくヒネリも何もなくてすみませんw
話もなんかグダグダになった・・・ 出直してきます><
294名無しオンライン:2007/10/27(土) 18:29:06.13 ID:jr53Fcd4
>>282
最後の450の台詞に目から汗がだな

俺も意味もなく作り貯めしてたショコラでも食べさせてくるかな…
295名無しオンライン:2007/10/27(土) 19:54:07.81 ID:fV7BscCT
>>292
それは箱が悪いw


[ ´・ω・`]。oO(元々大きかったから気付かなかった…)
296名無しオンライン:2007/10/27(土) 22:01:40.13 ID:/nIv4uEy
>>292
取り合えず箱に麻酔弾を打ち込んで解説。
297名無しオンライン:2007/10/28(日) 18:02:28.57 ID:bJZHwHnd
>>296
ハロウィンってことで、仮装した主人がPMとじゃれていると、勘違いした周囲が、
その様子を微笑ましく見守ると解説して〆ようとする420のご主人。

それに対して、話と関係ない、変な〆方してないで助けろと逃げながら叫ぶ420。

解りにくい微妙なボケと表現で、すみません orz
説明すんの恥ずかC−−−!><;
298名無しオンライン:2007/10/28(日) 18:05:21.93 ID:bJZHwHnd
パシリ「モギモギ…」
主人「んーと、これとこれもーっと」
パシリ「モギモギ…」
主人「これもかねー」
パシリ「モギモギ…。あの、ご主人様…?」
主人「それとー。んー? どしたー?」
パシリ「前から…、モギモギ…、常々思ってたんですが…、モギモギ…」
主人「これも食え。なんだ、言ってみ?」
パシリ「もしかして…、モギモギ…、私のこと、モギモギ…、ゴミ箱だとか…、思ってませんよね? モギモギ…」

主人「……ぇ?」

パシリ「モギモギ…、『……ぇ?』って言いましたよね? 今。
 違うの?って顔で、『……ぇ?』って」
主人「ソンナコトナイヨー」
パシリ「本当ですか? モギモギ…、私は『パートナーマシナリー』なんですから、身辺のお世話や話し相手、
 その他にも合成や戦闘のお手伝いなんかも出来ます。 
 それから、ご希望であれば、お風呂でお背中だってお流ししますよ? モギモギ…」

主人「(ぇ、マジデ? おしゃべり機能なんて無駄な物がついてるなんて、おかしいとは思ってたけど)」ボソッ

パシリ「ご主人様…、今…」
主人「エ”、ナ、ナニモイッテマセンヨ?」
パシリ「……」
主人「……」
 ・・・間。
パシリ「モギモギモギモギモギモギモギモギ!!!」
主人「あ、あ、アッー。ちょっ、それS武器!! 待って! ストップスト〜ップ!!」
パシリ「…ケプッ。私、食べすぎ?」
主人「俺のPSU人生\(^o^)/オワタ」
299名無しオンライン:2007/10/28(日) 18:52:19.88 ID:VU90cNCO
>>297
はうあー・・・すみません。
解説って某名探偵のように箱を麻酔弾で眠らせて、
音声変換機で推理を解説すると言う意味ですよ。
まぎわらしくてすみません。
ニャンポコ探偵は可愛いです。個人敵にはコ(子)にゃんとか名前を思ってる。
300名無しオンライン:2007/10/28(日) 21:31:15.94 ID:VU90cNCO
慌てて書いたら、個人敵とか書いてるし。ううう 
orz
301名無しオンライン:2007/10/29(月) 04:19:06.40 ID:V/Si0BBA
ハロウィンで一周年で箱が殺人事件でワルキャス&パシリが容疑者で420が主人公かいい時代になったものだ
302名無しオンライン:2007/10/29(月) 17:59:45.25 ID:bGLVQZSV
なあ、ちょっとききたいんだ 念のため、念のためだ
もしかして414の足、アレはストッキングじゃないのか?
303名無しオンライン:2007/10/29(月) 23:14:58.99 ID:ZkH6+9Qb
足首関節を見るとストッキングには見えないんだな
外装パーツのイメージ
304名無しオンライン:2007/10/30(火) 08:51:53.81 ID:ySNss136
やっぱりそうかよファッキュー! ナマ足よりストッキングせくしーって414にしたのに!
カッとなってデバイスゼロ食わせてきた
他にストッキングぽいのをはいてるパシリを探さねば
305名無しオンライン:2007/10/30(火) 12:25:16.75 ID:bz4NMHUn
>>304
脳内でストッキングっぽいものに変換するんだ!
306名無しオンライン:2007/10/30(火) 13:09:32.15 ID:D469Ravq
430〜2
440〜2がストッキングぽいよね?
ん…タイツか?
307名無しオンライン:2007/10/30(火) 17:06:35.22 ID:ySNss136
440のちらりと見えるスト足にビビッと着たので440にする!
430系統はタイツというかそんなだな
308名無しオンライン:2007/10/30(火) 18:56:22.23 ID:g7mPsfRE
>>299
ぎゃああああ! 早とちり&勘違いで恥の上塗りorz 失礼しました><;

>>307
愛さえあれば、どのパシリだって可愛いものです
新しいパシリを大事にしてあげてください(・ω・)
309名無しオンライン:2007/10/30(火) 19:00:01.40 ID:g7mPsfRE
パシえもん3

>>203 の続きのようなもの

ヒュマ太「パシえも〜ん! ビスアンが色目使ってきて気持ち悪いんだ、なんとかしてよぉ〜!;;」
パシえもん「ほんと、しょうがないご主人様ですねぇ。ナニを切り落とすからそうなるんですよ」
 ゴソゴソ (ナノトランサーを探っている)
パシえもん「テレデレ〜ン…。申し訳ありません、トリメイトになっちゃいました」
ヒュマ太「なるほど! それでビスアンのナニを回復すればいいんだねっ!」
パシえもん「そういうことです。それではパパッとやっちゃいましょうっ!」
ヒュマ太「…あれ? …ねぇ、…ちょっと待って?」
パシえもん「どうかしましたか? 早く行きましょうよ」
ヒュマ太「…今、何の合成失敗した…? たしか頼んでた合成はSぼうg──」
パシえもん「早くしないと回復不可能になっちゃいますよっ! ほら早く早く! ハリー! ハリー!」
ヒュマ太「そ、そうなったら大変だぁ! 急がなきゃ!!」

 ──数日後

ヒュマ太「パシえも〜ん! ビスアンがまたいじめるんだ、何か道具だしてよぉ〜!;;」
パシえもん「も〜、またですか〜? しょうがないご主人様ですねぇ」
ゴソゴソ(ナノトランサーを探っている)
パシえもん「パパーン! ジョギリ〜〜〜!」
ヒュマ太「永久ループって怖くね?」
310(1):2007/10/31(水) 18:44:39.61 ID:OjWNOfrZ
パシリ達の迷子になった時の心情を想像(妄想)してみた。

410の場合
 ははは〜いっ、スピニングブレイク〜!(グルグルグル〜)
 あわわ、目が回りました〜。(フラフラ)
 …あれ? あれれ? ご主人様がいない…。(キョロキョロ)

410「ご主人様! どちらにおられますか〜」

 こ、これはいけません! ご主人様の身に万が一の事が起こっては、護衛としてついてきた私の立場がありません!
 ど、どこにいるのかな…。 
 あっ! ポルティ発見! やっちゃいますっ! スピニングブレイク〜!(グルグルグル〜)
 あ、あわわっ、方向が分からなくなっちゃいましたっ。
 え、えーとえーと…。 たぶんこっち!
 (トントン)
 おや? 誰かが後ろから肩を叩いてきます。 …ハッ! ご主人様!!

410「ご主人様! ご無事で何よりです〜」

もう! ここら辺は危ないんですから、私から離れないでくださいね!
  
420の場合
 あ、あっちどうなってるんだろ、ちょっと見てこようかな〜。(テッテッテ〜)
 あら、なんにもないや、戻ろ〜っと。
 …あり? ご主人様は?

420「ご主人様、ご主人様〜 どこ〜?」

 もー、しょうがないなぁ〜。 また勝手に動き回って迷子になっちゃうんだから〜。
 くんくん、こっちにご主人様の匂いが続いてる…。
 来た道を戻ってるって事は、なんか取り忘れたのかな? ともかく、追いかけますか。
 くんくん、あっちにフラフラ、こっちにフラフラと…、なんか探してるのかな?
 …あ、いた! キョロキョロと、なんだか慌てて私の名前を呼んでる。なんだろ?

420「ご主人様〜やっと見つけましたよ〜」

 もう迷子になったりしないでくださいねっ!
  
430の場合
 あ、チョウチョさんがいます! ほらご主人様っ、チョウチョさん!!
 …ご主人様?(キョロキョロ)

430「ご主人様〜どちらにおられますか」

 う、またはぐれてしまいました…。
 ど、どうしよう。 あ、チョウチョさんです。どこ行くんですか〜、待ってください〜。
 …あぁ、見失ってしまいました…。 はう、どこに行っちゃったんでしょう…。(キョロキョロ)
 おーい、チョウチョさ〜んっ! ちょーうーちょーさぁ〜ん?
 …あっ、あそこにいるのって、もしかしてご主人様?

430「ご主人様〜お探ししましたよ」(チョウチョを)

 嘘はついてませんよね…?
  
440の場合
 は〜、綺麗な場所ですね〜。見てくださいご主人様、綺麗なお花がふわふわと揺れていますよ、ほら。
 …ご主人様? あれ? さっきまでそこにいたのに…。 
 ど、どこ行っちゃったの? ふぇぇ、こんな所に一人にしないでくださいよぉ…。
311(2):2007/10/31(水) 18:47:10.34 ID:OjWNOfrZ
440「ご主人様〜? ご主人様 どこなの〜?」

 ぅぅ、この綺麗な場所が、なんだか不気味に見えてきました…。
 遠くで(たぶん)ディ・ラガンの吼える声が聞こえます…。 こっちこないでくださいよぉ…?
 (ガサガサッ!)
 ヒィッ! い、いま、いま、いまそこの茂みが動きませんでした!?(ビクビク)
 (ガサガサッ ガサッ!)
 や、やっぱり動いてますっ! な、なんかいるぅっ!!
 (ガサガサッ バッサーッ!)
 キャーーッ! 来ないでぇーー!!(バスンバスン)
 …はっ! ご、ご主人様!? もー、驚かさないでくださいよー…。

440「ご主人様 お探ししましたよ もう」

 と言うか、そんなにいっぱい撃たれた様な傷をつくって、一体誰がこんな酷い事を…。
  
450の場合
 えーい! ギフォイエ!!(ドォーン!)
 ふう、この辺りの敵は一掃しましたね。ご主人様、少し休憩を…、って居ない!?
 もしかして、私が敵を倒すのが遅いから業を煮やして先に行っちゃったのかな…。
 急いで追いかけなくちゃ!

450「ご主人様 置いてかないでぇ」

 結構進んだけど、ご主人様、居ないなぁ…。
 わっ、敵が居ますっ! ここにはご主人様は来てないという事?
 そんな…、ここまで一本道だったのに…。どうして? 私を置いて帰っちゃったの?
 もしかして…、私…、捨てられた……?
 イヤ…、そんなのイヤっ! 絶対イヤっ!! ご主人様、ご主人様ぁ!!
 いい子にしますから! 我侭も言いませんっ! 合成だって失敗しませんからっ!! ちゃんと言う事聞きますからぁ!!
 お願い…っ! 『冗談だよ〜』って言って下さい!! 
 いつもみたいにちょっと意地悪そうな笑顔で『ごめんごめん』って言いながら頭を撫でてください!!
 ご主人様っ!! ご主人さま…。 ご主人…さまぁ……。
 
 あ、ここはさっきご主人様と一緒に戦ってた場所…。私のギフォイエで、周囲全体がプスプスと焼け焦げている。
 ここが、ご主人様との最後の思い出の場所…。
 ふふ、ご主人様、あまりに敵が多いからって、半べそになりながら戦ってたなぁ…。
 いつも意地悪されるからって、仕返しにレスタをちょっと減らしたんだっけ。
 もしかして、その事が原因で捨てられちゃったのかな…。こんな事になるなら、ちゃんとレスタしとけばよかったなぁ…。
 いまさっきの事なのに、なんだかとても長い時間が経ったみたい…。
 もう涙も出ないや…。なんだか疲れた…。
 もうここで機能を停s…って、アレ? あの黒く焼け焦げた物体は…、もしかして…、もしかして…っ!
 も し か し た ! ?

450「ご主人様 こちらでしたか」

主「……」プスプス(真っ黒こげ)
450「……」


450「これが 完全燃焼ですっ!」


て、長いし、心情じゃなくて単なる妄想になった! 俺キモスwwwwww
しかも途中切るとこ間違った…
312名無しオンライン:2007/10/31(水) 22:14:15.99 ID:WMH0lMTI
久々にツボな440を見た…

それにしても450だけ(書き手の)気合い入りまくりだなw
313名無しオンライン:2007/11/01(木) 12:44:31.63 ID:RCho5KcP
何時ものごとく店番をするパシリ。
そこへ小躍りしつつ御主人(男)が帰宅する。

御主人「やったぜ!ミク・ミコセットを取ってきたぞ!」
パシリ「…突然に何ですか御主人」
御主人「いやぁーこれを取るのにS武器を幾つ投入した事か」
パシリ「…御主人はせっかく合成したS武器をそんな事に」
御主人「なんとこのセット、フォトン効果でバストが1アップする優れモノだ」
パシリ「(ゴクリ)1サイズアップ…」
御主人「何だ?コレに興味があるのか?」」
パシリ「(ギク)ななな、何の事でしょうか!べべ別に興味ありませんよよ」
御主人「残念だがオマエには着れない。ヒューマン用だからな。それに…」
パシリ「それに?」
御主人「コレは私が着るのだよwウハ!巫女さん!」
パシリ「…それはひどい」

ミコ・ミクな440が見たいぜと書いた。少し反省してる。
314名無しオンライン:2007/11/01(木) 20:15:40.34 ID:irQsVf91
世界パシリ劇場 『ピノキオ』

男「おいパシリ、昨日頼んでいた合成できたか?」
パシリ「申し訳ございません。オキク・ドールになってしまいました〜。てへ☆」
男「…ほう」
パシリ「…あ、あれ? なんか鼻がムズムズ…」

 ニュ、ニューーー

パシリ「あ、あわわ! 鼻が伸びた!?」
男「ふ、実はこの間のメンテで、嘘を吐いたら鼻が伸びる様にお願いしたきたんだ。
 これでもう、合成が失敗したと嘘を吐いて、武器をモギモギする事が出来なくなるわけだ! はーはっはっは!!」
パシリ「ふ、ふえぇ〜、こんなのイヤですよぉ、元に戻してくださいよぉ!;;」
男「ならばもう嘘は吐かないと約束しろ! そうすれば元に戻る方法を教えてやる!」
パシリ「分かりました、分かりましたからぁ。もう嘘吐いてモギモギしませんから元に戻してぇ〜!;;」

 ニュ、ニューーー

パシリ「ヒィっ! また伸びた!?」
男「ふ、愚かなヤツ…、嘘を吐けば鼻が伸びると言ってるだろ?」
パシリ「うあーん、馬鹿馬鹿ーっ! ご主人様なんて大っ嫌いだーー!!」

 ニュ、ニューーーーー

パシリ「うあっ、なんでぇ!?」
男「だから嘘を吐くからだと言ってい…、ん? 俺のことが大っ嫌いと言って鼻が伸びた…?」
パシリ「い、今のナシ! なんでもないんだから! 別にご主人様のことなんてなんとも思ってないんだからっ!」

 ニュ、ニューー


パシリ「うぅ…、もう…、…やだぁ……///」
男「パシリ…、お前…」
パシリ「…う〜、ええそうですよ! そうですとも! 私はご主人様の事が大好きなんですぅ! 悪いですか!? こんちくしょー!!」

 シュルシュルシュルシュル〜

パシリ「え、鼻が元に戻った…。なんで…?」
男「本当の事を言えば、元に戻るようになっているんだ」
パシリ「そ、そうだったんですか…。ほっ」
男「…しかし、すまなかったな。次のメンテで元に戻して貰おう。…それと、たまにだけど、高ランク武器も食わせてやるからな」
パシリ「いえ、わ、私も、これからはちゃんと報告する様にしますです…ハイ///」

 こうして二人は、信頼関係を確かなものとし、いつまでも、幸せに暮らしましたとさ。 
 めでたし めでたし

   
315名無しオンライン:2007/11/01(木) 20:21:31.90 ID:25313xuT
なんて言うピノキオ!想像するとわらっちゃいました。でも可愛いね。
316名無しオンライン:2007/11/02(金) 12:50:59.29 ID:O1nXRyHE
夕日のお話

マイルームで合成するPM。
それを待つ一人のガーディアン。
合成を取り出す緊張の一瞬である。

「ご主人さま!!ぱぱーん!合成成功でっす!」
「お、すげっ!S武器じゃね?やったなパシリ」
「これで頑張ってボス倒してくださいね!」
「任せろパシリ。ボス倒したら凄いプレゼント持って来てやるぜ」
「わぁ、嬉しい。約束です、ご主人さま」
「ん、じゃあ約束っと」
「ずっと、ご主人さまと一緒だといいですね!!」
「ははは・・・何を言ってんだよ、当たり前だろ?」


喜ぶ一人と一台。幸せな風景。
それから、かなりの月日が経つ。


夕暮れの街を徘徊する、一人の老人。
片手に持った杖をセイバーの様に振り回しながら歩いている。
そこへ駆け寄る一人の女性。

「あ!いたいた、おじーちゃん!」
「ん?あ、ああ?」
「もう、こんなトコにフラフラで出歩いて。もう帰りましょう?」
「んあ?ああ・・・まだ、だめじゃ。だめなんじゃ」
「どうして?」
「ワシは・・・なあパシリ、ワシはまだマザーブレインを倒して無いのじゃ」
「おじーちゃん・・・PMはもう・・・」
「そうだ、約束通りプレゼントあげてやるぞう」
「もう・・・もう、おじいちゃんはもうガーディアンじゃないの。戦わなくていいのよ。」
「うう・・・ううう」
「さ、もう帰りましょう」

手を繋いで帰宅する二人。重なる二人の影。
平和な街にその影はどこまでも伸びていった。
317名無しオンライン:2007/11/02(金) 12:55:36.53 ID:O1nXRyHE
三丁目の夕日が放映するので書いてみた。
夕日とパシリと御主人がテーマです。
自分でも何だか良く解らない出来になりました・・・
318名無しオンライン:2007/11/02(金) 19:01:40.46 ID:MSFpI4FI
昔あった430のオハナミって話はもう読めないんだろうか。
うpろだに上げられた物だったみたいだし…。
319名無しオンライン:2007/11/02(金) 23:32:44.48 ID:LmQRqPC6
お花見なら>>1のまとめwikiに乗ってるぞ
あれは良い話だったな・・・
320名無しオンライン:2007/11/02(金) 23:46:24.63 ID:jcgVo+G9
>>317
何があったのか気になるじゃねーか。
321名無しオンライン:2007/11/03(土) 17:57:13.52 ID:U5PMVZda
>>319
おおおお本当だ見逃してた!ありがとう!
322名無しオンライン:2007/11/04(日) 09:41:00.42 ID:hQ1oSFAO
つられて俺もオハナミ読んだw
ちょっとうるっとしてしまったぜ…。
小ビス子話はオハナミとスキヤキが面白かったな。
323金色の翼に乗りて行け、我が思いよ 中編1:2007/11/04(日) 13:48:33.97 ID:iR8eaZNs
いすぃなとぅ〜れい、いつぁわほ〜んそ〜どんせざいふぇ〜え♪
うぃ〜もすのっぎ〜ばっ、とびだっふゅ〜ちゃ〜おな〜どぅり〜♪
「その歌は?」
あ、いやその、何か雰囲気が険悪なので、少しでも気を紛らわそうかと。意味まではわかりませんけど…。
一度立ち上がってしまうと意外なほどに楽になったようで、総裁はちょうどいい背のわたくしを支えにして歩いています。杖の代わりとなるよう動きをあわせるというのも珍しい体験です。
主はわたくしと総裁の後ろにぴったりとついて歩いていますが、どうやら肩を貸したりするつもりはないようです。
おまけに時々遭遇する暴走したキャストやマシナリーも、主は倒そうとしません。わたくしだけで片づけるか、数が多ければ隠れてやり過ごします。時々主ってひどいんですよね…
「しかし、ガーディアンズシステムを持っていないとは、君は訓練校の卒業生どころか正規のガーディアンズでもないのか…複雑な気分だが、礼を言う…君の叱咤でもう少しだけ動けそうだ。ここまでの地位になってしまうと、ほとんど誰も私を叱ってはくれないのだよ」
「勘違いしないで。立ち上がれたのはあなた自身の力よ」
主の言葉はあくまで冷静かつ冷徹。それってツンデレというやつですか?
総裁が心広い方で、内心わたくしほっとしておりますよ…
「もう少し優しく言ってくれても罰は当たらないと思うんだが…おっと、到着か」
苦笑いしながら総裁が扉を開けた先には、巨大なAフォトンリアクター。
Aフォトンエネルギー開発の際に、完成品の一つがコロニーに寄贈されたという記録があります。おそらくそれなのでしょうが…今は改造されてボンバーさん太郎になってしまったのですね。あたりのフォトン濃度が異常に高くなり、空気はびりびりと震えています。
「これが、『ガジェット』か…」
「Aフォトンエネルギー、か。メギドをエネルギーとして利用するなんて、秀逸なアイデアね。惜しむらくは未完成なことかな」
何のことをおっしゃっておられるのかまるでわかりません。メギドって、死へと誘う重力球を放つテクニックじゃないですか。接点が見えないのですが…
「あー、まあいいか…隠してるのも話がややこしくなるだけだろうし、ここから広くは伝わっていかないだろうから、言っとくかな」
主はばつの悪そうな表情をして頭をかいてから教えてくださいました。
324金色の翼に乗りて行け、我が思いよ 中編2:2007/11/04(日) 13:50:26.76 ID:iR8eaZNs
「『怒りと悲しみのエネルギー』『破滅をもたらす大爆発』、これが本来のメギド。現在伝えられている闇のテクニックとしてのメギドは、ネガティスというマジックをテクニックにした偽物なのよ。
この危険すぎる真のメギドを伝えさせないために広めた人がいるわけね。頭いいなあ、称賛したいわ」
「Aフォトンが、大爆発を起こす真のメギド?…まさか、メルヴォア・エクスプロージョンは!」
「メギドは強い感情によるエネルギーの暴走。怒りや憎しみ、妬みに欲に悲しみを吸い上げて、最後には等しく破滅をもたらす。メルヴォアはそんなエネルギーの上に建てられた楽園だった。だから滅んだのよ」
な、なんですって――――!
でも、わからないでもありません。文明が進むと人の欲望は果てがなくなります。そして楽に生きるのが当たり前になった人にとっては、つまらないことでも大きな怒りや悲しみになるものなのですから…
「真のメギドを制御するのはとても難しいわ。過去の英雄たちの中でさえ、完全にできた人はいなかった。研究者たちもこんな物騒な代物だとは知らなかったとはいえ、導入を焦るあまり完成を待たなかったのは失策だったわね…
コロニーじゃ阿鼻叫喚があったわけだし、パルムくらい簡単に壊せるんじゃないかな」
生きていることが当然だと思っている人が死を目の当たりにした悲しみ、仲間の人生をSEEDウィルステロで狂わされた憤り…すべてがこの爆弾に集まっているわけです。わたくしもさすがにボンバーさん太郎(メギド味)が吐き気を催す邪悪なものに見えてきました。
「自業自得というわけか…」
「そう思うのは勝手だけど、後悔したって現実は変わらないよね」
「ああ、その通りだな。やるべきことをやるしかない」
なんか、総裁が妙にかっこいいんですけど。先ほど心折れ地に伏していた総裁とはまるで別人です。人の多面性というものでしょうか?
また総裁のそばに誰かが、それも今度は複数いたように見えて、わたくしはカメラアイを再びごしごしこすっていました。視覚センサーの調子が悪いんでしょうか。
センサーの動作確認もかねて、ちょっと偵察してきます…索敵範囲内に反応があるのが本当かどうか、自分でも疑わしくなってきました…。ちょっと行ってきます!
うぃば〜とぅふぉ〜ふり〜だ〜、いでぃざば〜と〜あげんすた〜だ〜♪
あぃはまいどぅり〜、ゆのあのっあふれいおぶり〜でぃ〜んいてぃざ〜た〜い♪
325金色の翼に乗りて行け、我が思いよ 中編3:2007/11/04(日) 13:51:28.63 ID:iR8eaZNs
歌いながら反応のあった場所までちょこっと走っていきますと、角を曲がろうとしたところで何か堅いものにぶつかってわたくしはしりもちをつきました。
見上げると、血のように赤(中略)色の肌のキャストが一人。
「どういうことだ?パシリが一人で暴走せずに行動している。ルカイム・ネーヴといい、なぜ従わんものがいるのだ」
はっ!?あなたは、レンヴォルト・マガシ!サーセンフェイタリティで確実に倒したはずですのに!
「む?その間抜けな技名、貴様はまさかマガシNo.051を倒したパシリか!」
な、ナンバー051!?そんな、マガシがいっぱいいるだなんて聞いてませんよ!ずっとオレのターンくらいずるいですよそんなの!
「それは失礼したな、大事なことを言い忘れていたようだ。残念だろうがこれが現実だ」
目の前のマガシに警戒して構えているところを後ろから別のマガシに襟をつかまれてつまみ上げられ、無力化させられてしまいました。足が地面につかないうえにマガシが後ろでは手が出せません…前も同じようなことをされたような気がするのですが。
見回してみると、マガシは計4体。さしものわたくしもこれでは勝てる気がしません。SUVウェポン使用のエネルギーもたまってませんし、グラインダーを用いた機械破壊技・サーセンフェイタリティは(イルミナス仕様先行導入で)先日から使えなくなってしまったのです。
「マガシNo.084にNo.774、No.801か」
「先ほどライア・マルチネスとホスト・ルウ、そして我々のマークしていないガーディアンズ一人を発見した。No.029が先行している。我々も向かうぞ」
「そうか、先ほど中枢部へのロックも開いたようだからな、居住区切り離しを阻止して、さらなる絶望にたたき落としてやろうではないか」
「ククク…パシリなど一人で十分だ、そちらは任せたぞ」
作戦を確認すると、3人のマガシは走っていきました。
少し安心しました。4人相手では主のところまで逃げていけるかも怪しいところでした…
しかしいずれにしてもわたくし一人ではコロニー落下までにマガシを倒すのは厳しいところ。主と合流しなくては。
「なんだと?主人がきているというのか?そんな人物は報告も映像記録もあがっていない。よもや貴様、オーベル・ダルガンのパシリではあるまいな!」
ちがいますよ!総裁にそんな趣味はないはずです、きっと。たぶん。
「今日は不可解なことばかり起こる…調査しなくてはならんな」
つまみ上げられたわたくしは、首筋に双剣ツーヘッドラグナスの一本をあてられています。動けば命はない…といったところでしょうか。
一応、首を切られても修理は可能ではあるのですが、コロニーが落ちるさなかにそれはさすがに危険ですし、なにより倫理的によろしくないですので。
打開策としては目の前のこれを食べてしまうことですが、二つ同時には食べられません。
一本食べてもまだ一本残っているので次は警戒されてしまうだけですし、なぜか双剣というのは片方がなくなると残り1本が妙に強くなるという特性があります。かえって危ないといっていいでしょう。
首を切られてしまうのは避けなくてはいけません。1本にしたうえに首筋に持っていくそのときまで、わたくしが剣を食べようとしていることを知られてはならないのです。
その状況にもちこむためには、主と合流してマガシの注意を逸らす必要があります…主が一人でなんとかしちゃうかもしれませんが、それも含めて主がいることをうっかり漏らしたようにみせかけたのです…ほ、ほんとですよ?
「では貴様の主人を捜しにいってやろうか、迷子の迷子のパシリちゃん!」
ま、迷子じゃないですよ!訂正を要求します!
326金色の翼に乗りて行け、我が思いよ 中編4:2007/11/04(日) 13:52:00.93 ID:iR8eaZNs
「ん、ちょっと困ったなあ。見てられればいいんだけど、うちの子に問題発生だわ…私は離れるから、一人で解決しちゃってくれない?もとよりそのつもりだったしさ」
「やってみよう。勝算はあると思うか?」
「あなた次第かな。メギドはね、人の力で変えられるのよ。強い感情によって作られた芸術作品は、他の人の心を動かす。方向を指し示してやれば、破壊の力は創造に変わる」
年の頃20代半ばといったその女は彼に背を向け、そしてさらに見返るように顔を向けてみせる。
「報告にあがってたと思うけど、ガジェットの原理は至極簡単。メギドの力をエネルギーに変換するパーツをちょっといじって、本来のメギドのあり方に戻しただけ。あなたならどうする?」
「他はまったく同じ、か。そうか、ならばリアクター自体を動かすための動力エネルギーを保つ中枢部がまだあるということだな。そこさえ止めてしまえば…」
自分で答えが出せたことに誰より驚いたのは、総裁自身だった。一刻を争う追いつめられた状態だというのに奇妙なほど落ち着いていて、爆弾を止めるための算段を考えられるのだ。
不思議な感覚だった。しかし総裁にはそれが自分の力だということもわかっていた。
「あなたにはまだ立ち向かう力と意志が残っている。まだ遅くはない、運命などではない…そうは思わない?これ、お守り。渡しておくわ。来客を迎えてくるから、その間によく考えてみて」
渡されたのは、一枚のディスク。フォトンアーツの記録用のものだが、表に書かれている言葉は技を示すものではない…これは、訓練校初代校長の名前なのではないか?何か技を残していたのだろうか?
何も語らず、亜麻色の長い髪を揺らして女は闇に消えていった。
327金色の翼に乗りて行け、我が思いよ 中編5:2007/11/04(日) 13:52:46.68 ID:iR8eaZNs
懐が熱い。だが、ガーディアンズシステムが熱暴走でも起こしたのかと手をふれてみても、温度は上がっていなかった。
渡されたディスクは、導入できないものだった。すでに入っている、と表示されたのだ。しかし、そのディスクに呼応するように、総裁のシステムに記録されたフォトンアーツのデータが呼びかけてきた。
アンガ・ジャブロッガ…ある流派における斧の最大の奥義。使い込んだそのデータから、それを吹き込んだ男の精神がよみがえる。
『敵を討つ強い力を持つだけではこの奥義の伝承者たる資格はない。動作自体は非常に単純だが、これを完成せしむるは貴様の魂と心得よ』
『斧を担ぎ、心鎮めよ。体は烈火のごとく熱くとも、心は水鏡のごとき澄んだそれを保て』
『惑いを捨てよ。そして、貴様の信ずる全てを五体に込め…踏み込め!』
何度も使っていたはずのフォトンアーツのディスクから、これまで気づかなかったものが見えたのだ。
それは言葉ではなかった。もっと直接働きかけ、体の中で燃えさかる何かだった。

前へ、踏み込む。懐かしい感覚だ。訓練校在学中、叱られながら進み続けたことを思い出す。
前総裁の息子であるということが、どれほど重荷であったか。偉大な父親と比較されるのは、オーベル少年にとって耐え難い屈辱と苦痛だった。
総裁に就任しても、穏健派の彼は弱腰、軟弱者と言われ続けてきた。結果として正しい選択をすれば手のひらを返すように賞賛がくるのだから勝手なものだ。何度やめようと思ったことか。それでも彼は総裁として信頼を得るときまで忍耐し続けた。
だが、常に強気な娘のライアと意見が合わなかったとき、その口から『軟弱者』という言葉が出てきたときはさすがにこたえた。
結局、ライアはその口論がきっかけで出ていってしまったのだ。そのときのライアの憤った、それでいて哀しみを隠しきれない表情は、今でも忘れられない。

彼は自覚している。かつてないほど落ち着いてはいるが、自分には今ここでたったひとつの冴えたやり方を思いつくような知恵や機転はないことを。自分は模範的でこそあれ、それ以上ではなかったのだから。
「できるだろうか、この私に…?いや、違う、違うな…やってみせるのだ…」
前へ、進む。
足りないのは今も昔も変わらない。なんのことはない、今の状況はスタート地点に立っただけのこと。ならば、訓練校在学中のように過ちを恐れず動けばいい。
ディスクをナノトランサーにしまい込むと、総裁は自分の掌を見つめた。そして、その掌を握りしめて下げると、ちょうどその先、ガジェットの中心部を見据えた。


-続く-
328名無しオンライン:2007/11/04(日) 14:06:44.88 ID:iR8eaZNs
はい、そういうわけで続きをお届けします。
前中後編でまとめあげるつもりだったんですが、妄想していくうちにどんどん書きたいところが増えていってしまいまして、4分割しないといけなくなりました。
なので、前中後+エピローグという強引な題名のつけ方になってしまいそうですが。

あと、このシリーズはこっそり旧千年紀PSのネタを独自に解釈したものを下地にしていますので、わからない人のために解説を入れておこうと思います。
旧PSシリーズも愛してくれるとうれしいな。


「光の力(真のグランツ)」
願いを叶える力。できるかどうかわからないことに対して知恵と力のすべてをもって立ち向かう勇気により生み出される、人類の希望・可能性。
深淵より来る闇に勝つ唯一の手段であり、使いこなせば世界の法則すらも変化させうる。
別名「主人公補正」。または「あきらめの悪いプレイヤーの後押し」。つまり、プレイヤーである「あなた」が動かすことによるもの。
これを持たない者(NPC)は、主人公にはなりえない。ミレイ・ミクナがイーサン・ウェーバーに感じた特別な力とは、これのこと。

グランツはただの光の矢のテクニックなどではなく、その本来の形は「不可能を可能に変え、奇跡を起こす」ことにある(実際、ファンタシースター3のミューは脱出用途としてグランツを使っている)。
ファンタシースター2からPSOに至るまでの、攻撃テクニックとしてのグランツは、アリサ・ランディールが兄の死の原因となったダークファルスを倒すことを強く願ったことにより闇を討つ光として発現したものが、その末裔に伝わっていただけである。

遺伝的素因に左右されることはなく(むしろ先天的な強さは「闇」に近い。能力が劣る者ほど壁に当たることが多いため、昔から「光」の使い手は凡庸なヒューマンが圧倒的に多い)、
まったく血縁関係がなく直接関わったことがないとしても、英雄が書き残したものを読むなどしてその精神を受け継いだものには行使できるようになる。
ただし、イーサンがそうであるように、一度得たとしてもそれを失うことは十分ありうる。

これを持つものはD因子やSEEDウィルスと呼ばれているものには耐性を持ち、変異することはない。


「闇の力(真のメギド)」
真のグランツ・光の力が人類の歴史の積み重ね、知恵と勇気の産物であるのに対し、闇の力はそれと反対の、より動物的・本能的な「力の広がり」。
「怒りと悲しみの力」を暴走させることで起きる大爆発である真のメギドはこれによるもので、本能である強い感情によって力を解放する。PSOの「セントラルドームの爆発」の正体である。

「光の力」と「闇の力」の関係は、ベクトルの「方向」と「長さ」に近い。光の力を使いこなす人間は、ただ力を広がらせるだけでなく方向を指し示し明確に向かわせることで、小さな力であっても大きな効果を得られるからこそ英雄になれるのである。
人は誰しも多かれ少なかれ光と闇両方を持っているのが当然で、両立させなければ人として生きていくことはできない。


「闇の因子」
D因子やSEEDウィルスと呼ばれるもの。古くはパルマ王ラシークを狂わせるところから記録される、人や動物を暴力的なまでに強化する意志なき力。

古くから伝わる「闇」を知らない人々はこれらを「菌」や「ウィルス」と表現しているが、実際はそのどちらでもない。なので、本当は「感染」と言うのは間違い。
接触の機会がなくても発症するなど感染経路がはっきりしない、機械に感染した場合にも変異の証拠がまったく残らない、感染予防にしか使えないはずのワクチンでなぜか進行が遅らせられるなどの数々の矛盾は、ひとえにこれが理由である。

闇の因子とは方向性を持たない「力のみの増強」であり、それは行動が本能に規定される動物を、動物の存在意義である「より楽に、より有利に殖えて、遺伝子を多く残す」という方向に向かわせる。SEEDフォーム化した原生生物が凶暴化するのはこのため。

ヒューマンやそれに準じた知的生物は理性(つまりは光の力)によってそれを制御することができるため、PSUエピソード1では人に「感染」することはなかった
(タラギの場合はドーソンと同じ体内に注入されていたマイクロマシンの変異、SEEDマガシは倒されたマガシの死体の変異)が、
闇を知らなかった人類がそれを知ったことによる見えざる恐怖や、利用したいという欲望をもって「人やキャストを変異させるウィルス」という方向性を与えたことで、よりウィルスに近い動きをするようになった。
329名無しオンライン:2007/11/04(日) 19:49:19.14 ID:MKPxsMKN
戦乙女パシリ続編が来ましたー!続編待ってましたよ。
330名無しオンライン:2007/11/04(日) 23:39:31.80 ID:pAg44YP8
ちょ、旧メギド懐かしいw
範囲攻撃だったとか知らない人も多いんかなやっぱ
ネイとかファルの爪見たときは思わず女キャラ作ったもんだけどなぁ・・・
331名無しオンライン:2007/11/05(月) 18:11:26.73 ID:xDOUs+xA
なんというか、ただ一言、すごいなw
頭悪いんで、こんなチンケな感想しか出来ないけど、小ビス子作者さんといい、パパ作者さんといい、
読む人を引き込む、これだけ壮大な物語を作れるってのは素直に尊敬できる…
続きwktk(*・ω・)
332名無しオンライン:2007/11/07(水) 08:56:13.36 ID:3EOdyxA1
>>311
の450はいいな…
なんて言うか、うちの450の次くらいにいいぞ!
333名無しオンライン:2007/11/08(木) 07:14:11.24 ID:nsVMHbWL
>>332
この親馬鹿め

>>310の420もうちの420の次くらいに可愛いな
334名無しオンライン:2007/11/08(木) 17:18:10.65 ID:SolaZnTk
週刊"パシ通" 特典付録DVDより

〜 アムレ・ティピが完成しない 〜

  気が付いたら〜 同じ武器ばかり合成 そしていつも同じオキクできるぅ〜♪
  あきらめーずに ポコにネ・ピ・ト・リ・ンあげてみるけど すぐに忘れられるよ〜
  特化のパシリがあれーば 楽に合成成功すーるーけーど
  何回やっても、何回やっても ア・ム・レ・ティ・ピが完成しないよ
  あの合成 何回やってもオキクだ orz
  S2をー周って 素材出しても いずれもポコに食べられる orz
  巫女にメ・セ・タを奉納したけど 超星運でも意味が無い orz
  だから、次は絶対勝つために 僕はデバイスZEROは最後までとっておくぅー
335名無しオンライン:2007/11/08(木) 20:50:51.87 ID:cfl6rUDC
ぜひ出来れば次は「パッシパシリにしてあげる」もお願いします。
336名無しオンライン:2007/11/09(金) 02:08:20.57 ID:7lVwVeIs
アゲマスヨ
337名無しオンライン:2007/11/09(金) 02:40:59.57 ID:qFlZnpKB
今年の初めごろこのスレで登場したオールスターものの作品書くって言う人が
いて、何話か続いていたがそれっきり見てないのだが完結した?
うろ覚えだが450と破壊された箱さんとかでてた気がする。
338名無しオンライン:2007/11/09(金) 19:54:07.43 ID:sadsT9HN
途中一ヶ月ぐらい来てなかった俺が言うのもなんだけど、途中でとぎれたっきりな気がするな。
年度が替わって忙しくなったとかじゃないか?

俺はアレだ、『ご主人様が復帰したと思ったらβトライアルに来ただけで…』な450のその後が気になる。凄く気になる。
339名無しオンライン:2007/11/10(土) 03:18:34.29 ID:vYOO6Pen
週刊"パシ通" 特典付録DVDより
「大きな帽子の古パシリ」

百年 いつも動いていた
ご自慢のパシリさ
おじいさんの 配属日に
やってきたパシリさ
いまは もう動かない そのパシリ
百年 休まずに
テク テク テク テク
おじいさんと いっしょに
テク テク テク テク
いまは もう動かない そのパシリ

何でも知ってる 古パシリ
おじいさんの パシリ
うるさい教官やってきた
その日も動いてた
うれしいことも 悲しいことも
みな知ってる パシリさ
いまは もう動かない そのパシリ
百年 休まずに
テク テク テク テク
おじいさんと いっしょに
テク テク テク テク
いまは もう動かない そのパシリ
340名無しオンライン:2007/11/10(土) 03:21:13.67 ID:vYOO6Pen
>>334氏に影響されて書いてみた。
341名無しオンライン:2007/11/10(土) 03:25:47.76 ID:vYOO6Pen
最初の歌詞が抜けてました。

おおきな帽子の古パシリ
おじいさんのパシリ

です。
初歩的なミスで恥ずかしいです。
342名無しオンライン:2007/11/11(日) 02:18:57.10 ID:SG40r1uk
改変ネタで保守


430 「合成するの!?これ、合成するの!?ねぇ!S武器!S武器合成する!?」
主 「あぁ、合成するよ」
430 「本当!?大丈夫なの!?失敗しない!?」
主 「あぁ、成功率80%だから大丈夫だよ」
430 「そうかぁ!わたしパシリだから!パシリだから確率わかんないから!」
主 「そうだね。わからないね」
430 「うん!でも80%なんだ!そうなんだぁ!じゃあ合成していいんだよね!」
主 「そうだよ。合成していいんだよ」
430 「よかったぁ!じゃあ合成しようね!S武器合成しよう!」
主 「うん、素材セットするね」
430 「あぁ!成功率80%だからS武器合成できるね!ね、ごしぢん!」
主 「うん、手元に集中してていいよ」
〜3時間後〜
430 「あぁー合成失敗しちゃったよー!皆は気をつけようねぇー!」
主 「うん、それより口元の食べカスは拭いておこうね」
343名無しオンライン:2007/11/11(日) 05:22:48.07 ID:/s3Nvwxb
え…今からですか…?
そんな…ミッションから帰ったばかりで…
私、ニオイませんか?
え…そのほうがいい…?もう恥ずかしい…です。

どうですか…?あ…やだ…そんなに。
あ…あう…あうう…
喜んでるなんて…嘘です。見ないで下さい
あっ…あ…ああ…あああ…

私…もう、でっ…出ちゃいます…!













パパーン!!合成成功です!!
もーいきなり合成なんて御主人もせっかちさんですねー


保守保守。エチネタデゴメンナサイ
344パッシパシにしてあげる:2007/11/12(月) 12:05:30.55 ID:LdWFUWkX
倫理的におkされて パシリは来たんだよ
蝶々はいないけど できれば欲しいな〜
あのね早く〜材料入れてよ〜
どうしたの?基盤をずっと見つめてる〜
ご主人様、パッシパシにしてあげる
合成はまだね頑張るから
パッシパシにしてあげる
だからちょっと覚悟をしててよね〜
(オキク〜降臨〜
パッシパシにしてやんよ〜
一緒に頑張るから
パッシパシにしてやんよ〜
だからちょっと材料モギらせて〜
パッシパシにしてあげる
グラル中の誰、誰より
パッシパシにしてあげる
だからもっと私に合成させて〜
>>335
こんなのでおk?
345名無しオンライン:2007/11/12(月) 16:56:27.59 ID:or60NuyT
元ネタ知らないのでサッパリ解らないぜw
346名無しオンライン:2007/11/12(月) 18:49:00.68 ID:LdWFUWkX
>>345
との事なので元ネタ

ttp://jp.youtube.com/watch?v=-N5XNRNhdcA
347名無しオンライン:2007/11/12(月) 19:42:47.78 ID:677gW5DJ
うちにミクがいれば歌わせたのに…
348名無しオンライン:2007/11/13(火) 00:08:44.61 ID:ryC2t2Xq
ところでピートはルミアが預かっているという噂があるけど
もしそれが本当だった場合
イーサン「ライラの特別許可も出て久し振りに俺の部屋に戻れるな
     410に進化しといたピートにタイラーからのお土産の
     ブラックハーツでもあげようかな」
ピート「イーサン様お帰りなさい!!」
イーサン「・・・・・君、誰?」
ピート「僕ですよピート、イーサン様僕のこと忘れたのですか?」
イーサン「・・・・いや、ピートって女の子だったよな
     それがなんで男の子に?」
ルミア「あ、お兄ちゃん帰っていたんだ!オ兄ちゃん驚いたでしょう
    この前新しいPMデバイス入手したんだけどそれが可愛い
    男の子になるから使ちゃったv」
イーサン「・・・・・俺のピーーーーートがあああ」
349名無しオンライン:2007/11/13(火) 03:26:45.88 ID:qec+dOlk
普通にありそうで吹いたw 
が、今はルミアも自分のPMを持ってるわけだよな。
そっちもストーリーの中で出してほしいもんだ。
350名無しオンライン:2007/11/13(火) 03:55:35.63 ID:vum95PIl
ってか他のガーディアンズNPCにもパシリ居るんだよな
主人の個性が強いからそれぞれ特徴のあるパシリになってそうだが
351名無しオンライン:2007/11/13(火) 18:56:10.25 ID:GrK8ge0+
レオ「はぁ…」
トニオ「お? どうしたんだ、レオ。えらい落ち込んでんじゃねぇか」
レオ「ああ、トニオか。いや実はな、うちのパシリがこんな物を書いていたんだ」
トニオ「えーっと、どれどれ? なんだこれ…、レオ×E3本…? ヤオイ本じゃねぇか…」
レオ「まったく…、どこでこんな物覚えてきたんだか…」
トニオ「ぶひゃひゃ、これ案外レオの趣味なんじゃねえの? なんt」
レオ「もしかして、あの時見られてたのかもしれないな…」(ぼそっ)

トニオ「……え?」
レオ「……ん?」


これは違うな
352名無しオンライン:2007/11/13(火) 21:00:45.56 ID:qec+dOlk
ちょww 腐女子かよ!
レオって412パパに雰囲気が似てるから、
パシリもロザリオみたいな健気な子を想像したんだが…w

しかしNPC'sパシリの話、面白いな。
ガーディアンズじゃないが、タイラーあたりが連れてるとしたらどんな感じだろう。
奴なら廃棄パシリを再生するぐらいはやってておかしくなさそうだ。
353名無しオンライン:2007/11/13(火) 21:27:32.58 ID:WVywliIW
マヤさんは美少年パシリな気がする・・・
354名無しオンライン:2007/11/14(水) 04:12:24.06 ID:hrjvrawc
パシリは主人に似る、ってか
主人の性格反映してたらNPCのマイルームはカオスだろうな・・・w
355名無しオンライン:2007/11/14(水) 06:20:22.58 ID:nskR7MO2
ショタで女好きなヒューガパシリ
...ある意味最強?
356名無しオンライン:2007/11/14(水) 08:28:58.15 ID:yGojM3h0
女好きのヒューガがパシリをショタ化させてるとは思いにくい

と言う訳で見た目は普通だがかっこいい男性を見ると色仕掛けに走るクレヨンしんちゃんのひまわりのようなパシリだと予想
357名無しオンライン:2007/11/14(水) 12:58:44.98 ID:r/iojj92
男性もだが、イケてる女性にも近寄って仲良くなるように仕込まれてるかもしれんw
ヒューガならナンパの成功率はそれなりに高いだろうが、
ああいうタイプが嫌いな女性もいるしな。

ふと気づいたんだが、ピートの名前ってE3の昔のペットからだったよな。
とすると、二つ名は護民官か。女中よりずっと格上だ。
358名無しオンライン:2007/11/14(水) 13:11:32.82 ID:yGojM3h0
要するにヒューガパシリは自らの容姿を武器に男も女も垂らしこむ万能キャラって事だな
やばいだんだん凶悪な強さになってきたw
359名無しオンライン:2007/11/14(水) 19:08:12.94 ID:iQXufSuG
つまり

 タッタッタ ズデッ
パシリ「うぇーん、こけちゃったよ〜、痛いよ〜っ」
ヒュマ子「あらあら、大丈夫? ほら、痛いの痛いの〜とんでけ〜っ」
ヒューガ「おやおや、マイパシリ、こんな所にいたんですか。おや、この美しい女性は?」
パシリ「こけてケガしちゃったんだけど、このお姉さまが痛いの痛いのとんでけーってしてくれたのっ」
ヒューガ「これはこれは、美しさだけではなく優しさまで備えているとは…、まるで女神の様な方ですねぇ。
 どうです? マイパシリがお世話になったお礼に、そこのカフェでお茶でも…。ぜひ奢らせてください」
ヒュマ子「いえ、あの…(こういうタイプって、ちょっと苦手なのよね…)」
パシリ「わーい! お姉さまともっとお話出来るんだーっ!」
ヒュマ子「え? ええと、それは…」
パシリ「ね? お姉さま行きましょう!」(満面の笑顔)
ヒュマ子(う、か、かわいいっ!)
ヒューガ「ほら、マイパシリもこう言ってることですし、ご一緒しませんか?」
ヒュマ子「そ、それじゃ、少しだけ…」
ヒュガ&パシリ「(+ω+)キュピーン」

 ──喫茶店

ヒューガ「それでですね、その方といったら」
ヒュマ子「クスクス」
ヒュマ子(あ、もうこんな時間か)
ヒュマ子「あ、あの」
パシリ「あ、私、お手洗い行ってきますね。 お姉さま、ついてきてもらっていいですか?」
ヒュマ子「え? え、ええ、それじゃ行きましょうか」
ヒューガ「まったく、マイパシリはまだまだお子様ですねぇ」
パシリ「べーっだ、ふん、行きましょう、お姉さま」
ヒュマ子「くすくす」

 ──トイレ

 ガタガタッ ガタッ
ヒュマ子「え、あ、ちょっ、そこは…! あ、だめっ!」

 ──10分後

パシリ「(´▽`)ツヤツヤテカテカ」
ヒュマ子「(*'ロ'*)ポ〜」
ヒューガ「おや、おかえりなさい」
パシリ「ただいまですっ!」
ヒュマ子「(*'ロ'*)ポ〜」
ヒューガ「おや、どうなさいました? 顔が赤い様ですが」
ヒューマ子「ハッ、い、いえ、なんでもありませんよっ!?」アセアセ
ヒューガ「どれ…」
 ピトッ(おデコに自分のおデコをくっつける)
ヒュマ子「ひゃう!?」
ヒューガ「これはいけない、少し熱があるようだ。すぐ近くに僕の部屋があるんです、少し休んで行って下さい」
ヒュマ子「は、はひっ」

パシリ「(今度、イイ男が居るPTに呼んでくださいよ?)」ボソボソ
ヒューガ「(フフフ、任せといてください)」ボソボソ

こうですか? わかりません!><
360名無しオンライン:2007/11/14(水) 23:21:56.59 ID:eCAHShZj
440-2のおっぱいが気になる大きさだ
他系列のパシリはどうなんだろうか
361名無しオンライン:2007/11/15(木) 00:20:29.30 ID:q0e+8Cvn
362名無しオンライン:2007/11/15(木) 09:30:44.82 ID:HGx0cjFo
統合したらここの作者さん達と遊ぶ日が来たりするのだろうか…
うちのパシリ自慢、とかちょっと楽しみですね

まあうちのパシリが最強に可愛いと言うことで、異論はみとm…やだ、何その目…

死にたい奴からかかってこおおおいッッ!!
363名無しオンライン:2007/11/15(木) 21:38:31.75 ID:nyL8u67w
後の第一次パシリ大戦、火の七日間である
364名無しオンライン:2007/11/16(金) 22:34:30.21 ID:KEl4SNVV
>>362
私はいつでも君の親愛なる隣人さ。

というわけで、両ワールドともやっておりました。
もちろんパシリは作ったキャラ7人分全員レベル100ですぜ。
365名無しオンライン:2007/11/17(土) 07:09:20.83 ID:5ZgdZj48
7股だと・・・
うらやm貴様只者ではないな!
366金色の翼に乗りて行け、我が思いよ 後編1:2007/11/18(日) 14:56:20.81 ID:/maXRZfR
ゴゴゴゴゴゴゴゴ…
ボンバーさん太郎の放つ擬音語ではありません。擬態語です。このような擬態語を使うのが適当と思えるほどの緊張感が、今この空間に漂っているのです。
「貴様がこのパシリの主人か」
「どうやら私に用事があるようね。そんなに珍しかった?ヒューマンの女は」
これから主〜、どこなの〜とわざとらしく探すつもりだったのですが、なんと主のほうからこちらにいらっしゃったのです。
マガシに襟をつかまれてつり下げられ、ぷらーんぷらーんと揺れながら連れて行かれたその矢先のことでした。合流できたのはいいのですが、何の策も考えられていない状況は、よしとすべきか迷うところです…
「ただのヒューマンならばわざわざ出向いたりするものか。貴様、暴走キャストのセンサーや監視カメラには映っていなかったな?どういうからくりだ」
「さあ?夢でも見たんじゃないの?じゃ、そういうことでその子返してね」
「とぼけるな!ただでは返さんぞ、光学迷彩の一種か?どこの技術か知らんが興味深いな、協力していただこうか…なぁに、あらいざらい吐いてもらって身体検査をさせてもらうだけだ」
身体検査!?い、いけません主!わたくしにかまわず斬ってくださいまし!、下着の中に手を突っ込まれたり豊満な胸をこねあげられちゃったりするかもしれませんよ!
「そうなの?えろーい」
「誰がそんなことを言った!調子を狂わせようとするな!」
「ほんとかなー?ちょっと頭の中のぞいちゃおうかなー」
にやにやしながら何かの詠唱をなさる主。他人の頭の中なんて、のぞけるものなんでしょうか?
いつもそうですが、主はシリアスすぎるのは好みではないようで、まじめにやる必要がない限りは常に茶化そうとします。ですから、これも本当なのかふざけているだけなのかわかりません…
「…なるほど、えろいこと考えてはないか。でも…ふふ…ふふふふふ…あははははあははは!!これは傑作ね、たしかにあなたたちが掲げるのはヒューマン至上主義だわ!あははははは…げほっげほっ」
本当に頭の中をのぞいたかのような口振り。常識的に考えればブラフなのですが、演技にしては笑いすぎですし、見せかけようとしたにしては先ほどの会話とはかみあわず、意味がわかりません。
時々わたくしは思います。主は、冗談という仮面で何かを隠しているのではないかと。その隠しているものは、このグラール文明のありようを狂わせてしまう領域にあるものなのではないかと。
常に一緒のわたくしでさえ、恐怖を感じることがあるのですから。
367金色の翼に乗りて行け、我が思いよ 後編2:2007/11/18(日) 14:57:41.89 ID:/maXRZfR
「な、何を笑っている!従えというのだ!」
「やだ」
音速で断られて、マガシの顔が引きつります。駆け引きとして成り立ってすらいません。
「私はあなたを助けない。道はあなた自身が開きなさい」
「選択の余地があるとでも思っているのか!貴様のパシリがコロニーの道連れになるまでに助けられるとでも思っているのなら、この場でSEEDウィルスに感染させてやってもいいのだぞ!」
みしり。
ぶらさげられているわたくしの位置が上昇し、どこかで聞いたいやな音が後ろから聞こえました。正直見たくないとこですが顔に縦線を入れながら後ろを見てみると…
「ぶるああぁぁぁぁ!!」
出ましたっ!SEED・マガシ!ちょっと本当勘弁してくださいよ剣二つで十分ですよ。
それでなくてもツーヘッドラグナスの対処に困っていましたのに、SEEDフォーム化されちゃもう対処どころじゃないじゃないですか。
それにSEEDウィルスに感染させるとか物騒なことまで言って…え、あ、わたくしにですか?謹んで辞退申し上げます。
「ふーん、SEEDねえ。やってみたら?」
「なんだと…」
「その子はそんなものにはかからないわ。その目で確かめることね、『光』とはいかなるものか」
「『光』だと?なんだ…何のことを言っている?」
「あなたは何もわかっていない。『光』は脅されて使えるものではないし、まして他人任せは定義からして反してる。イーサン・ウェーバーを利用しようとしたようだけど、それじゃうまくいかないわけだわ」
主はあきれたような様子で肩をすくめてみせると、手をひらひら動かします。
「まあ、あなたの志も認めるわ。応援するからがんばってよ」
「ふざけるなッ!惑わしたつもりのようだが、このようなノーリスクの状況ではったりなどにはのらんぞ!どんな策略があろうが私は分身の一つにすぎん、この身がどうなろうが知ったことではないのだ!」
「…どのみちあなたという1体のマガシは死ぬ、か。よろしい、死ぬ前に光の一端、目に焼き付けておきなさい」
ドドドドドドドド…
擬態語がドドドに変わりました。主が何かやる気です。いつもやる気をだしてくださるならありがたいのですが…
「フォトンイレイザーは持ってきてる?本当はエフェスがほしいとこだけど、代用でいくから使って」
は、はい!意味がわかりませんがあります!
わたくしがフォトンイレイザーを構えると、主は何かの詠唱に入りました。
「イレイザーだと?気でも違えたか!」
「ちょっとした曲芸よ…遙かなるイクリプストーチの灯をもって、汝の魂を救わん。『ピュアリファイライト』!」
フォトンイレイザーからまばゆい光があふれ出し、あたりを白く染めました。
368金色の翼に乗りて行け、我が思いよ 後編3:2007/11/18(日) 14:59:29.13 ID:/maXRZfR
何も見えない真っ白オンラインが終わり、やっとあたりが見えるようになったとき。わたくしのつりさげられている位置が前と同じ高さになっていました。さっきと同じようにおそるおそる後ろを見てみますと…
「フォトンイレイザー、返・さ・な・い」
「ば、馬鹿な!SEEDウィルスが、消滅した…SEEDフォーム化したこのマガシの体が元に戻っただと!?」
ほんとです、おはだつやつやですね。よかったじゃないですか。
「アホゥ!そういう問題か!」
いたっ!頭頂部からぐーで殴りましたね!?主にもぶたれたことないのに!
「理解できた?どれほど文明が進もうと、これだけは変わらない。便利な機械も、強化した体も、『光』の前では誤差にすぎない」
「抜かせ!絶対の力こそが唯一正義となりうるのだ!丸腰でこの名剣に勝てるとでも言うつもりか!」
「セイバーでお相手するわ。激安ショップで餌用に買ったやつだけど」
「なめるなーッ!」
マガシはツーヘッドラグナスの一本をわたくしの首にあてたまま、もう一本で主に斬りかかりました。
主は何を思ったか、マガシの斬撃から逃れながらグラインダーを取り出してセイバーに使っています。
あのぅ、グラインダーと呼ばれる品は武器のリミッターを外すもので、外したまま使うとフォトンの出力が不安定になって危険だと思うのですが…本当にそのまま使うんですか?
ですが、次に起きたことはマガシだけでなくわたくしも目を疑いました。リミッターを外され極端に不安定な状態になったセイバーの刃が、いくつにも増えて宙を舞い、それぞれ斬りかかったのです。その数、12本。
主自らも剣をとっておりますので、計13本の刃がツーヘッドラグナスをはじき飛ばし、切り刻みます。
フォトンアーツではありません。フォトンの刃がいくつもに分かれてそれぞれ動くなんて無茶苦茶もいいところですし、刃の一つ一つが違う流派と思われる動きをしているなんて。
12人の見えざる剣の達人にタコ殴りにされたかわいそうなツーヘッドラグナスの片方は、持ち手の部分まで完膚無きまでにバラバラにされて使い物にならなくなり…
ドゴォォォン。
主が動きを追えて、セイバー(定価350メセタ)をひゅんひゅんと回して前にびしっと突き出したちょうどそのとき。
セイバーが以前の強化失敗のように完全に壊れました。リミッターを外されてこんな無茶な使い方をされたのですから当然でしょう。
「今のは過去の残滓にすぎないわ。あなたに立ち向かう『光』は、この程度じゃない。ジャストアタックにジャストカウンター…グラールの人類は急速に輝きだしているんだから」
「大いなる光の再来だとでもいうのか…だ、だがまだ状況は変わっておらん!残り1本でパシリの首を落としてやっても…」
SEEDフォームから戻ってしまったうえに主の不条理アタックを目の当たりにしたマガシは、再び人質作戦に頼ろうと、あわてて残った一本の剣をわたくしの首にもっていきました。待っていましたよ、このときを!
はむっ。もぎゅもぎゅもぎゅ…元気が出る味です。焼きイカに近いかもしれません。
「な、何ィィィ!食ったァァァ!?」
人質にする相手を間違えましたね。パシリにはパシリのやりかたがあるのですよ。
というわけで…よくもぷらんぷらーんしてくれましたね!このっ!このっ!メカざわ!メカざわ!しんいちーっ!
わたくしが丸腰のマガシを足の先まで丁寧に活け作りにしている間に、主は切り離されて停止寸前のマガシの頭を持ち上げていました。
「『光』は人の意志にして創造の力。誰にでもできて、何にでも応用がきくわ。とても残念よ、レンヴォルト・マガシ。生前の意識を残したSEED・マガシになったのだって『光』によるものなのに、傀儡だからなんて理由で道を閉ざしてしまうなんて」
「お…の…れ…!貴様、は…」
「私は結末を見届けるだけ。力に溺れたあなたに運命を覆す『光』は生みだせるかしら?聞いているでしょう、カール・フリードリヒ・ハウザー」
もう聞こえてないと思いますよ、主。
369金色の翼に乗りて行け、我が思いよ 後編4:2007/11/18(日) 15:00:27.93 ID:/maXRZfR
「ごめんねー、今日のおやつ壊しちゃった」
そ、そうですか…いいです、贅沢言いませんから…おやつがないのはさびしいですけど…ケーキ…ケーキケーキケーキ…ハンドめいどのケー…
「ぐああああああああッ!!」
わたくしが帰ったらケーキを食べたいと暗に示していたところ、ボンバーさん太郎のある方向からすさまじい絶叫が響いてきました。
あれは、ダルガン総裁の声!?


-続く-
370名無しオンライン:2007/11/18(日) 17:02:37.07 ID:SnpWiBx7
クライマックスに向けて、また無駄な脳内解釈モデル補足です。ファンタシースター20周年ということもありますんで、シリーズの根底にあるものについてはふれておきたいなあと。


「深遠なる闇」
大いなる光と対になっている闇の存在。次元を越えて存在する、闇の力を司るもの。
ご存じダークファルスは、封印されたこれの憎悪が千年に一度封印の弱まるときに漏れだしてきたものと言われている。
ファンタシースター2でパルマが破壊され、アルゴル三惑星を用いた封印が保てなくなったことで人類と相まみえることとなったが、ファンタシースター4の主人公ルディ・アシュレとその仲間たちにより倒された。

本来は「意志や方向性を持たない、力だけの存在」であるため、『大いなる光』とも敵対しているわけではなく、交わることで何かを創造する共生関係にある(生き物ではないので「共生関係」というのも変な言い方だが)。
知的生命による意志の介入がない限りは、『深遠なる闇』は生物をゆるやかに進化させる役目を果たしている。

ルディと戦った『深遠なる闇』は、太古の人類が闇への恐怖から敵対者を想像し、心の奥底でいてほしいと望んだ(悪を押しつけるスケープゴートを望む心理)ために創られた実体であり、ルディに倒された後も精神体のほうの『深遠なる闇』自体は存在し続けている。
なので、ダークファルスもいなくならないのである。


「大いなる光」
遠い昔、アルゴル太陽系で『深遠なる闇』と戦いを繰り広げ、異次元に去ったとされる精神体。グラールでは星霊と呼ばれているようだ。
人間が自ら願いを叶える「光の力」そのものであり、力を持たず、方向を規定するだけの概念的な存在。本当は異次元に行ったのではなく、次元を越えて人の中に存在するために見えないだけだったりする。

伝承では敵対しているとされる深遠なる闇をほったらかしにしてどこかへ行ってしまったりなど行動に矛盾が多いが、それは『大いなる光』という言葉が指すものが二通りあり、一つは前述の光の力を司る精神体のこと、
もう一つは一部の者によって生み出された実体を持つ深遠なる闇をアルゴル3惑星によって封印した、光の力を使いこなす太古の人類のことを指している。
長い歴史の果てに二つが混同されるようになったために「大いなる光は深遠なる闇と敵対し、それを封じた」という伝承になってしまったのである。

ファンタシースターシリーズでのさまざまな出来事も、結局は全て人が望んだ結果としてそうさせているだけで、大いなる光と深遠なる闇にとっては、すべて道化芝居にすぎない。
別に面白がって見ているわけでもないのだが。


「マジックとテクニック」
マジックはミゼリス・ルツ・イーサ・ラナイをはじめとしたエスパーたちが使うことのできた、超常現象を引き起こす能力をさす(超能力に近い…と、ファンタシースター1の説明にはある。スターウォーズのフォースだと思いねえ)。
基本的に呪文の詠唱や印を結ぶなどの行動などを必要とするが、それらは集中の助けにしているだけであり、それ自体はどんなものでもよかったりする(ヒールでもレスタでもサンフォースでもキュアー・ウーンズでもかまわないのである。
なお、強力な集中ができる場合は詠唱も必要とはしないが、どんな熟練の術者でも詠唱や動作を伴った方がより強い効果を出せるのは変わらない)。

テクニックは使い手がごく限られているマジックを一般化するために、その詠唱を機械で再生することで、術者の集中のみで発動させることができるようにしたもの。
二つのことを同時にやるより、一つのことに集中したほうがやりやすいということで考案された技術である。
便利さではマジックの比ではないテクニックだが、記録されている音声でしか発動できないため、術者自身の詠唱の熟練による効果の増強を見込めないという欠点がある(PSOのテクニックディスクのレベルとは、どれだけうまい人の詠唱が記録されているかなのである)。

マジックもテクニックも引き起こす事象に集中できることが使用条件となるため、修得できるか否かは使い手の精神性、性格に大きく左右される
(泥棒シルカの使えるテクニックが逃亡用のリューカーとヒーナスであるなど。ロボットは通常の精神を持たないため使えず、ごくまれに例外が存在する程度)。
グラールの文明がその大原則を越える技術、テクニックの法撃武器へのリンクという概念を生み出したのは周知の通りだが、それゆえ逆にグラールの人類は杖や魔導具、星霊紋などの媒体がなければテクニック自体を使えなくなってしまっている。
371名無しオンライン:2007/11/18(日) 19:37:52.12 ID:63eADtmx
ケーキ ケーキ ケーキ
ああ ステキー
相変わらずにステキです。
372名無しオンライン:2007/11/19(月) 12:28:15.07 ID:JEiSV72f
設定まとめGJ。
PSOからはじめた人間だけど、光と闇の位置づけがよくわかった。
というか、公式ストーリーでこのへんの設定をある程度でも出してくれればな…
373名無しオンライン:2007/11/19(月) 20:37:54.51 ID:i4QCkkoc
なるほど、星霊は大いなる光か。
なんというかもっと身近にあるエネルギーって印象で 星霊=フォトン だと思いこんでいたぜ。
374名無しオンライン:2007/11/19(月) 22:00:28.89 ID:5bYnH3Cz
グラインダー基材の説明文をたまたま読んで、勘違いに気づいた…グラインダーはフォトンを高密度化する増強剤なんですな。
リミッター解除のことは強化カウンターの説明ですが、グラインダー+○を合成した際に解除パーツが付随されるということでお願いします…

>>372
>>373

いや、このへんの設定は今までのシリーズの矛盾を強引に解釈するためにかなり自分が勝手に解釈しているので、これがそのまんま公式設定ってわけじゃないです。

http://www9.plala.or.jp/open-t/ps/series/ps_menu.htm

このへんのサイトなんかを参照すると今までのシリーズのことはわかりやすいとは思いますが、できれば自分でプレイして見たままの真実を確かめてほしいところ…復刻版マダー?

あと、「星霊」は無印PSUで「グラール教団内でのフォトンの呼称」という説明がなされていたはずなので、それであってますよ。
ただ、教団内での使われ方が「星霊のお導き」だの言われているので、彼らの言うそれはむしろ旧シリーズの大いなる光と解釈したほうが自然に思えたので。
思うに、教団の高位の人物は星霊が意味するところはエネルギーであるフォトンだと理解していて、信者クラスでは大いなる光と勘違いしているのではないかと。

なお、フォトンは意志を持つエネルギー、Aフォトンにはそれがない冷たいエネルギーだとPSUストーリーモードで言われていたので、Aフォトン=旧メギドという構図をあてはめてみてます。
勝手すぎる?スマソ…orz
375名無しオンライン:2007/11/19(月) 22:27:15.59 ID:pD5IU4G7
もうこれが公式としか思えない
376名無しオンライン:2007/11/20(火) 00:26:46.34 ID:L2P7rohy
>>375
誉め過ぎだ。

持ち上げられる方はプレッシャーかかってかなわんぞ?
377名無しオンライン:2007/11/20(火) 04:55:40.62 ID:T3WCJSwz
刃がいくつもに分かれて別々に動く、か。
スパイラルか四閃三獄かで趣味が分かれるな。
378名無しオンライン:2007/11/20(火) 19:23:13.49 ID:bOGDvLsG
新パシリ配信クルー!
とりあえず少年も執事も一種類ずつなのかな…後スク水が欠番になってるのはどうするんだろ…w



<チラ裏>
特化を育ててた奴が完全勝利のEXデバイスの実装、喜べない俺、心狭すぎるかな…orz
</チラ裏>
379名無しオンライン:2007/11/20(火) 20:02:20.70 ID:0aeUzBSY
いや、おまいさんは間違ってない。
せっかくいろいろなタイプがいるのに、特化型以外認めないようなやり方はおかしい。
みんなプレイヤーにとっては可愛い相方だ。
スク水はビキニ同様、イベント配布ってこともあるかもしれん。

男性型実装で、このスレにも新たな地平を期待。
380375:2007/11/20(火) 22:50:18.84 ID:apVdwqTF
>>376
1行でなんたる効果
プレッシャーかけるつもりはなかったし、言い方を変えてみるか…

うちの弟をファックしていい!
381名無しオンライン:2007/11/20(火) 23:41:10.80 ID:SS8f9+It
次のアップデートでとうとうGH-470ですね。

少女型から少年型へ…
男性の体になって戸惑うパシリ
でも主人への愛はきっとそのままなんだ

一番考えやすいのは女性の主人との絡みなんだろうけど、

主人(男)が自分のパシリが男になったのを喜んで
一緒に風呂に連れて行こうとして、真っ赤になって拒否る470とか

新しくなった体をあっちこっち調べてるうちに・・・とか

新しい体に不安で470がパジャマ姿でぬいぐるみ抱えながら
「マスター…今日は一緒に寝てもいいですか?」とか

うはww妄想止まらない俺キモスww
…ガチホモ属性なかったはずなんだけどなぁ(;´Д`)
382名無しオンライン:2007/11/20(火) 23:52:31.84 ID:wGle31Hg
「ショタ趣味の女主人」ネタが跳梁跋扈したりしてw
383名無しオンライン:2007/11/21(水) 00:19:34.31 ID:FF74akJl
空気読まずにROMってた俺がこれより駄文投下テロを開始する。

私の主(ぬし)はともかくどっかが抜けている。

「斧やソードが使えてショットガンやレーザーみたいな重火器が使える夢のような職はないのか?マイパシリよ」
「有る事は有るんですが・・・プロトランザーとか・・・」
「おーけーちょっとGコロ5階行ってくる」
と言い残すと主は一瞬で扉の奥の異空間へ消えた
「ですが戦闘能力が乏しいので玄人むk・・・ってパシリの話はちゃんと聞いてから行けってあれ程言ったのに・・・」
少々機嫌は悪いようでそれ程でもなかったりする。

「まぁこんな事いつもですしねぇ」
ブォン
「マイパシリよ、その、350メセタ足りなくて転職できなかったぜ!」
「まったく、それだけでないでしょうが。主はまだハンターとFFしかレベル5以上になってないでしょう。」
ビーストってのはどうしてここまでアホになれるんでしょうか?(こんな事言ったら、ぶっ飛ばすよ!の人にスクラップにされそうですが)
「とりあえずレンジャーとフォース上げる作業にまず入ってください。そうすれば350メセタくらい余裕で稼げるでしょう?」
「仕方ないな・・・マイパシリよそんじゃまずはレンジャーになってくる!」
またドアの奥の異空間へ消えていった。

「ってまた350メセタ足りなくて転職出来ないだろうが!馬鹿主!」
ブァオン
「マイパシリよ、350めせt・・グファ」
「こんのぉ大馬鹿ビーストォォオ!」
いきなりショットガンぶっ放されきりもみ回転しながらおッさん気味なビーストは再起不能となった。
「はぁ・・・」

抜けているパシリとビスオでした。
384名無しオンライン:2007/11/21(水) 00:21:50.40 ID:CqPSfj5j
>>383
マテ


再起不能ニシチャアカンヤロw
385名無しオンライン:2007/11/21(水) 00:26:23.30 ID:FF74akJl
初めての投下で色々おかしい所があると思うがご理解とご協力を(ry
パシリも実は若干ぬけている状態なのでその辺は多めに見てやってください。

もしかしたら、続く?
386名無しオンライン:2007/11/21(水) 21:59:38.56 ID:EEEEJUnG
GJ!
387名無しオンライン:2007/11/21(水) 22:31:53.95 ID:EEEEJUnG
デバイス配布後に良くある光景を書いてみた。

420「わぁ…450ちゃんが470になったポコ…」
470「そんなジックリと見ないで下さい」

420「どっから見ても男の子だポコ。はむはむ」
470「わ!わわ!!なにするんですか!?」

420「やあ。ちょっとどうなったか気になったポコよ?」
470「あうう…変な感じです」

420「あ!ここに武器があるポコ。なにに使うのポコ?」
470「主に御主人(男性)用なんですぅ…」

420「なんてサブウェッポン」

お後が宜しいようで。
388名無しオンライン:2007/11/22(木) 07:51:48.09 ID:UwPrIWgb
後ろから失礼します!

アッー
389219(1/4):2007/11/22(木) 23:31:35.00 ID:9lDyQ6NE
煮込んで煮込んで煮詰まってどうしよっかなーとか思ってたらいつの間にか半年近く経ってた罠
新ジャンルパシリスレ十一体目>>355からの続きです

390219(1/4):2007/11/22(木) 23:32:08.18 ID:9lDyQ6NE
----------−ガーディアンズ宿舎-------------

パシュ〜・・・・

パシリ 「ふう・・・・・」

部屋を出てコロニー噴水前に向かう
・・・大丈夫だ、準備は完璧、
服も卸したて、髪もばっちし
愛銃のシッガ・ボマもピカピカ、メンテナンスもばっちりだ

パシリ 「うふぇふぇ・・・・」

ご主人様とデート・・・・初デート・・・手を繋いで一緒に歩いたり
食べ物をあ〜んしたりしてもらったり・・・
綺麗な夜景が見える丘で・・こう・・・ぎゅ〜っと・・・・むちゅ〜っと・・・

パシリ 「きゃっほーーーー!!!!」

・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・

----------------ガーディアンズコロニー噴水前--------

パシリ 「('A`)」
ニュマ娘 「へへ〜♪パパ〜♪」
男   「おーよしよし、さて、パシリも来たしぼちぼち行くか」
パシリ 「・・・・・あの・・・ご主人様?」
男   「ん?なんだ?世界が終った様な顔して」
パシリ 「・・・なぜ・・・ヒュマ娘様達がここに?」
男   「ああ、ほれ、前にニュマ娘遊びに連れてく約束してただろ?」
男   「せっかくだし一緒にどうかって誘ったんだ」
ヒュマ娘 「すいません、急にお邪魔しちゃって」
パシリ 「ああ・・・いえ・・・構いませんよ・・・ええ・・全然・・・はぁぁぁぁ・・・・・」

なんだ?1時間前はあんなにテンション高かったのにえらい急降下してるな
これほど凹んだパシリは「GRM社発 多機能型帽子R-1 夏限定モデル」を買い逃した時以来だ
あの時は三日三晩部屋の隅で体育座りして大変だった
391219(2/4):2007/11/22(木) 23:32:54.54 ID:9lDyQ6NE

男   「んじゃ早速映画館行くか」
パシリ 「ええ・・・あ・・・ご主人様・・・・あの・・・・手・・・」
ニュマ娘 「パパ〜♪」
男   「おお、迷子になるといかんから手を離しちゃいかんぞ」
ニュマ娘 「うん♪」
パシリ 「・・・・・・・・・・・・・・・」
男   「ん?どうしたパシリ?・・・んぐう!?」
パシリ 「私も手を繋いで行きますけど良いですよね!?答えは聞いてません!!」

ギリギリギリギリギリ!!!!

どこかの龍みたいな事を言って強引に手を繋ぐパシリ、というか痛い、手が凄く痛い
こいつ絶対握り潰す気だ

ニュマ娘 「えへへ♪」

満面の笑顔で手を繋ぐ天使

パシリ 「うふふ・・・・♪」

満面の笑顔で手を握り潰す緑色の悪魔

ヒュマ娘 「あらあら♪」

そしてその光景を微笑ましそうに見ている女神
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
うむ、頑張れ俺、負けるな俺、今日うまくいけばこの女神とあんな事やこんな事を

ギウウウウウウウウウウウウウ!!!!

男   「んうううううううう・・・・・!!!!」
パシリ 「さ、早く行きましょう、ご主人様」
男   「OKOK、行こう行こう、すぐ行こう、だから落ち着け、時には落ち着けブラザー」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
392219(3/4):2007/11/22(木) 23:33:26.12 ID:9lDyQ6NE

--------------------−映画館--------------------

ヒュマ娘 「そういえば、映画って何を見るんですか?」
男   「あ〜・・・、特に決めて無かったが・・・・なんか見たいの有るか?」
ニュマ娘 「私これ見た〜い!」

マジカルキャスト☆ルゥ 〜発動!恋のSUVウェポン!!〜
秘密結社イルミナスの刺客マガシがルゥに襲い掛かる!
必殺のマジカル☆ぐれね〜どを封じられ苦戦するルゥ
果たしてルゥはマガシに勝つことができるのか!?

男   「うぬう・・・魔女っ子コスチュームで動き回るルゥタソはなかなか・・・」
ニュマ娘 「パパ〜これにしようよ〜」
ヒュマ娘 「私はなんでも良いですけど・・・・パシリちゃんは?」
パシリ 「私も別になんでも構いませんよ」
男   「んじゃこれにするか、すいませ〜ん」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
393219(4/4):2007/11/22(木) 23:34:22.03 ID:9lDyQ6NE

----------------------------------
フゥハハー、ここホルテスシティは我々イルミナスが占領した!!大人しく我等に従うのだ!!
待ちなさいイルミナス!!貴方達の好きにはさせません!!
ぬう!?来たな!マジカルキャスト!!今日こそ引導を渡してくれるわ!!!
----------------------------------

ポップコーンを食べつつ映画を見る
・・・・良いなぁ・・・・魔法少女・・・・俺のとこにも来ないかな・・・

「悪を倒すために協力してください!」
「魔法のパワーを回復するにはあなたと:*〜¥@lをする必要が・・・」

・・・・・・・・・・良いなぁ・・・・
今度オウトクサンに巫女参りに行くついでに魔法少女くださいってお願いしてこよう

------------------------------------
キャー!!は、離しなさい!!!
フゥハハー捕まえたぞマジカルキャスト!!たっぷりといたぶってくれるわ!!
イヤアアアァァァ!!
-------------------------------------

うねうねとした触手に捕まるルゥ
おお・・・!すげえ!触手だ!触手プレイだ!!
最近の少女アニメは進んでるな!!!
良いぞ!マガシ!!がんばれ!!もうちょっとだ!!!

------------------------------------
まてぇぇぇい!!!

      [ `・ω・´]  *
      ノ/  />
      ノ ̄ゝ

な、何奴!!
[ ゚Д゚]貴様らに名乗る名は無い!!トオオオオオ!!!
ウワアアアア!!!
-------------------------------------

マガシ達を薙ぎ倒していく箱
・・・・・・・・・・・・・・
箱・・・空気読めよ・・・
客席のお父さん達もがっかりだよ・・・もう・・・
394219:2007/11/22(木) 23:35:18.89 ID:9lDyQ6NE
そして続きはまたそのうち、今度はそれほど遅くならない・・・はず ノ
395名無しオンライン:2007/11/23(金) 01:29:30.13 ID:sNXEj21R
地味に駄文が思いついたため、司令部、駄文テロを申請する。

ぬけているパシリ、ビースト

リタイアしてから数日後、とっととプロトランザーに転職したビスオと砂漠のミッション中

ええ、暑いです。とっても
慣れない所には来るものじゃないですね。
もっと暑苦しいのはそこでヒャッホイしてる馬鹿ですけど。
そりゃあ今までラボル・カールだったのを流石に見かねて氷メイガライン作ったら、何で此処にくるんでしょうか。
「イヤッホーイ」
ああ、聞こえます。
馬鹿がSランクのヴァンダにジャブロッガでつっこんで歓喜の声をあげています。

「で、何で雑魚を散らしてるんですか。何で火炎放射を直に一斉放火浴びてて楽しそうなんですか。この人は・・・」

「やはり我が故郷の地は癒される。マイパシリよ一緒にジャブロッガしようじゃないか。ンギモッチィィぞぉ」

馬鹿は風邪をひかないとは言うが。この馬鹿は出力全開ショットガンで腹に打ち込まないと痛みすら感じないのか?

「あのですねぇ主。私が斧なんか使えるとでも思ってるんですか。と言うより、誰もいないし報酬も少ない仕事しかない砂漠に何で来るんですか。もっと他にあるでしょうが」

「そういえば、そうだな。まぁ最近此処に来る事もしばらく無かったし、プロトランザー転職とお前の初防具作成祝いにたまには懐かしい故郷に戻るくらいは良いじゃないか。」

「私にしては良い迷惑ですけどね。こんな暑苦しくて危険な所なんて」
とは言え、昔はもっとこの地方は活気が有ったと聞きます。
以前のビースト大量虐殺事件以降。この地方に寄るガーディアン達が居なくなり、治安が悪化し、以前より多くのSEEDフォームがモトゥブ全域に広がっています。
ディマゴラスやこの手の化け物が砂漠を横断する旅人を襲う事も少なくない。

「このくらい片つけておけばこの辺のSEEDフォームはしばらくは大人しくなるだろう。この辺で帰るか」

「そうですね。こんな危険な所でピコハンと氷メイガラインで挙句プロトランザーで遊んでいればいくら命があっても足りませんね。とっとと帰りましょう。」



396名無しオンライン:2007/11/23(金) 01:31:29.59 ID:sNXEj21R
その時、空を飛んでいる大きな化け物が飛んできた。
大きさはビル・デ・ビアの3倍はあろうという巨体が急に急降下してビスオ達の前に下りてきた・

「こいつは、ディマゴラスじゃないですか。主、危険です!どっかに隠れましょう」
その時ピコハン装備のまま勇敢にハイジャンプする何者かがディマゴラスの頭部目掛けて飛んでいった。

「ここであったは1年と3ヶ月23日目!今日こそ貴様にカァァツ!」
ええ、馬鹿でしたこいつは本当に馬鹿です。どうやら私の声も聞こえてないようです。
いっそ置いていって主を餌にして逃げ帰ろうか・・・あ、弾き飛ばされた。

「しまった、そういえば今の我はテクター並の力しかなかったんだった。助けてマイパシリ〜」
さっきジャブロッガでヴァンダ倒してたのはどうしたんだ。と言いたいが、そんな事言ってる暇はないか

「まったく世話の焼けますね。それじゃ主はもう一度ジャブロッガでもしてください。後は何とかしますから」

その時無数の石つぶてが飛んできたが。
パシリはショットガンで目の前の石だけ撃って勢いを殺してダメージを弱めた。
「痛いですねぇ。これだから超大型エネミーは嫌いなんですよ。さぁ行きますよ主」

「本当に我がマイパシリながら恐ろしい子。だが今度こそ貴様にカァァツ!覚悟しろディマゴラス!チョェェエエ、ウゲ(ガシ」

案の定、主は捕まれて地面に頭から叩き付けられ生き埋め状態になってしまったが。生きている様子だ。

「時間稼ぎにしては上出来です。」
何時の間にディマゴラスに乗ったパシリが銃口構えて翼に向けて。
ズドォン、ズドォン、ズドォン以下エンドレス(ry

ディマゴラスの羽はボロボロになり飛べなくなっている隙に、生き埋めの主掘り起こして砂漠の果てへ消えた。

「まったく散々でした。」
「いやぁ散々だったなぁ。FFの我ならあんな奴ビターベリーだったんだがな。なぁマイパシリ。」
「そんな訳が無いでしょうが!しかし少々疲れました。今日はたまには奮発してバーニングスパイシアにしますか。」
「ウホ、我大好物じゃないかハ・ヤ・ク作るんだ」

その後、特製ジョロキアベリーを大量に使って出来た辛さ通常の50倍のバーニングスパイシアを食べたビスオの断末魔が聴こえてきたとか。

「しまった、つい手元が狂った」


砂漠のディマゴラス完
397395:2007/11/23(金) 01:36:40.66 ID:sNXEj21R
ええ、どうも。続き一応書く事にしました。
どうもPMの方が主よりもディマゴラスよりも強いの仕様です。

>>219個人的に箱が出て空気呼んでると思ってしまった自分ガイル
398名無しオンライン:2007/11/23(金) 16:32:56.12 ID:lYO+j+fV
お久しぶりでございます、パパと412作者です。

ROMって他人の作品を読むのはいいものです。
自分とは違う表現があって、色々楽しめました。
それぞれの味があって面白いし。

さて、ネタもある程度そろったので、久々に書いてみました。

それでは「僕の最終稼動試験の日」、投下開始です。
ご拝読くださいませ。
399僕の最終稼動試験の日(1):2007/11/23(金) 16:33:54.08 ID:lYO+j+fV
 まだ少し暑さの残る、十月上旬のある日。
 GRMの第5研究棟内の通路を歩く、新型PMの姿がありました。
 外見はどう見ても少年にしか見えませんが、その身長は90Rpほど。
 すれ違う研究員の幾人かは、このPMとすれ違う際に声をかけ、挨拶していきます。
「やぁ、『ソル』。今日もお散歩か?」
 また一人、古参の研究員が挨拶がてら、PMに声をかけます。
「はい、中庭まで」
「今日の外は日差しが強いから、熱管理には注意しろよ?」
「分かりました。それでは」
 軽く会釈をして、そのPMは再び歩き出します。

「そうか、日差しが強い日は、熱管理に注意が必要なのか…」
 僕は情報を整理しながら、「お散歩」を続けます。
 初めまして、僕の名前は『ソル』。
 世間じゃショタ型とか言われている、GH−470こと少年型パートナーマシナリーの先行量産試作機です。
 僕達の生みの親は、パシリを一手に製造しているGRM。特に、PM研究部門の研究主任が僕の『とうさん』と言ってもいいと思います。
 既に名前がつけられていますが、これは研究棟内での判別に使う識別呼称です。
 識別呼称の由来は、『息子』という単語からの連想からだそうで、息子→son(息子)→sun(sonに似た音)→sol(sunと同じ太陽という意味)→ソル、という、ちょっと安直な連想です。
 ソルは太陽を示す古い言葉だそうですが、本当かどうかは僕には分かりかねます。まだ、データが足りないようですね。

『業務連絡。GH−XY1、研究主任がお呼びです。速やかに運動訓練を中止し、研究室に出頭して下さい』

 あ〜あ、今日の「お散歩」はここまでか。
 僕の日課、研究棟内の散策は、運動訓練の一環です。
 今日は、中庭の噴水まで行って、魚に餌をあげようと思ったのに…。
 でも、『とうさん』が僕を呼ぶなんて…今日は予定が無いはずなのに、何か、駆動試験の追加でも来たのかな?
 しょうがない、戻ろう。

 くるりと後ろを振り向くと、緑と青の塊が目の前にいます。
「「わっ!」」
 聞こえたのは僕と女の子の声。
 直後に、僕の肩に何かが触れて、頭上を通り過ぎて行きました。

 すたんっ!

「は〜、危なかったぁ、急に止まらないでよね!」
 背後から聞こえた声と着地音に振り向くと、そこにいたのはGH−412です。
 ちょっと変わっているのは、デザインは似ているけど、眼鏡が412の標準タイプじゃないこと。

『PMメンテナンス部より通達。検査主任、速やかに総合運動場に出頭して下さい』

「あ〜もう、分かってますよぅ!こっちだって忙しいんだからね!」
 スピーカーに向かって怒り出す412。
 あれ?パシリなのに、検査主任、ですか?
「あの、君…」
「何よ、用件は手短に!」
「えと、あの…君、パシリなのにPM検査主任なの?」
「そうよ!じゃね!」
 うわ、凄い勢いで走って行っちゃった…
400僕の最終稼動試験の日(2):2007/11/23(金) 16:34:25.83 ID:lYO+j+fV
『PMメンテナンス部より通達。検査主任、速やかに総合運動場にお越し下さい』
『うるさ〜い!今、着いたわよ!!』

 あ、さっきの412の声がスピーカーから聞こえてきた。

『検査主任、棟内放送に割り込まないで下さい』
『うるさいわね!今日は3時間遅れるって、1週間前から言ってあったでしょ?!まだ40分以上時間があるわよ!!
 あんまりグダグダ抜かすと、ここのマシナリーとキャスト、制圧して暴走させちゃうからね!』

 なんか物騒な会話が聞こえてきますが、とりあえず聞こえないことにします。
「はっはっは、相変わらずだなお嬢ちゃんは」
「あれ?とうさん?どうしてここに」
 外見は老けてますが、50にまだ手が届いていない男性ヒューマン。僕の『とうさん』でPM研究所の研究主任の一人です。
 パートナーマシナリーの初期開発陣の一人で、PMの生みの母と言われた女性と同僚だった人です。
「お前がなかなか来ないので、気晴らしがてら来てみたんだ。
 今後のお前の予定が決まったのと、会わせたいパシリがいたのでね」
 あの、今すごーく、いやな予感がしたのですが…
「とうさん、もしかしてそのパシリって、さっきの物騒な放送していた412のことじゃ…」
「おや?一人にはもう会ったのかね」
 ニコニコしながらそう言ったとうさん。
「かわいい娘だったろう?」
 それを聞いた瞬間、記憶野から映像データがフラッシュバックします。
 彼女が僕を飛び越えた瞬間に、スカートの中が丸見えになった映像です。
 僕は顔が赤くなり、あわててそのデータを永久抹消します。
「と、と、とにかく、廊下で立ち話も問題がありますから、どこかに移動しませんか、とうさん」
「ふむ、そうだな。どうせなら、中庭の噴水まで行ってみるとしよう。運動訓練を中断させる必要は無かった訳じゃからな」
「はい、わかりました」

 通路を規定コースで歩き、中庭に出ます。
 早速、噴水に駆け寄ると、中で飼われている魚達が僕の方に寄ってきます。
 魚というのは、足音を感知して僕だと認識できるという話を、最初にここに来た時に研究員から教えてもらいました。
 ナノトランサーから食堂でもらったパンくずを取り出し、量を加減しながら与えます。これが、指先の訓練になるそうです。
「餌をやるのは楽しいかね?」
 とうさんがゆっくりとやって来て、僕にそう尋ねます。
「はい。魚達が食事をする光景は、とても楽しそうに見えます」
「そうかそうか、楽しそうに見えるか」
 噴水の縁に腰を乗せ、とうさんがのんびりと僕の様子を観察しています。
 餌のパンくずはすぐに無くなりました。
 あんまり餌を与えると、病気になりやすくなるという話なので、持ってくる量は加減しています。
「はい、今日の分はおしまいだよ」
 僕の声が理解できるはずは無いのに、魚達は三々五々と散っていきます。
401僕の最終稼動試験の日(3):2007/11/23(金) 16:35:00.37 ID:lYO+j+fV
「さて、ソルよ。お前の稼動試験はもうすぐ終了する」
 とうさんは、僕の餌やりが終わるのを見計らって話し始めました。
「基礎データはほぼ収集が完了したので、今後は実践データを収集する事になっている。
 そこで、お前をガーディアンズのPMとして登録し、どこかの隊員に主人となってもらって、GH−101からの経過を見たいと思っている」
「え?僕が実践投入ですか?基本躯体システムは組み込まれてませんが」
 基本躯体システムとは、赤玉ことGH−101から400番台に躯体を進化・成長させる機構のことです。
 僕の場合は最初からこの姿で作られているので、そのシステムが元から組み込まれていないのです。
「だから、それを組み込んで、という事になる。
 既に、モニターの募集を行った。まだ選考段階だが、相応の人数が募集してきた。
 もっとも、『ショタパシリを愛でる会』とやらの会員が多くて、少々難航しているがね」
 僕の背筋を、冷たい物が流れたような気がしました。
「それで、実際に僕が投入されるのは何時ですか?」
「暫く先の話になる。先ずは、基本躯体システムを組み込んで調整しなければならないし、お前自身も製品仕様にリメイクする必要があるからな。
 量産機にお前の意識体データを移しても、稼動記録転送システムを組み込む余裕が無い構造をしておるから、仕方が無いといえば仕方が無い。
 …そうそう、聞いておかねばな。
 ソルは、主人が男性のほうがいいかい?それとも女性かね?」
 う、いきなり究極の2択ですか?
「…即答する必要がありますか?」
「2、3日は余裕があるから、じっくり考えて見なさい。
 お前のデータが、これから生まれてくる弟達に還元されることを忘れなければ、特に問題は無いからの」
「…………それなら、女性の方がいいです。異性タイプとの生活情報は、多いに越したことは無いと思われますから」
 あんまり熟考しませんでしたが、同性タイプ同士よりは環境が複雑で、得られる生活情報は多いでしょう。
「よろしい。選考基準の参考にさせてもらうとしよう」
 さて、一体どんな人物が僕の主人になるのか、楽しみです。
「―――ここにいたのか、研究主任」
 突然、とうさんに声をかけてきた人物がいます。
 身長は180Rp位でしょうか、薄く日焼けした肌に贅肉の少なそうな標準体型の男性ヒューマン。
 季節外れのコート姿なので、見ていて少し暑苦しいです。
 特徴的なのは、ポニーテールに結った暗い紫色の髪の毛と琥珀色の瞳です。
「ああ、間に合ったのかね」
「なんとか。ガーネッタのデータ収集日と、対策室の勤務日程が、ここまでブッキングしなけりゃもっと楽だったんだが、仕方ない。
 お陰でロザリオがご機嫌斜めだよ。
 対策室オペレータールームに半日缶詰なんて、あいつの性に合ってないな、やっぱり」
「そうかそうか。では、先ほどの放送は耳に…」
 うんざりした表情を浮かべる男性。
「ああ、嫌ってほどしっかりとな。
 冗談が冗談に聞こえないのが、あいつの怖いところだよ」
 そう言って苦笑する男性。
「あの、この方は誰なのですか、とうさん」
「おお、紹介がまだだったな。この男は、さっきお前が会った412の主人で、『対PM対策室』のガーディアンズ側の隊員だよ。
 以前は、ここの警備主任を務めていたこともあるし、最近は肩書きがやたらと増えたので、会う人それぞれが好き勝手に呼んでるよ」
「俺はこの1年、ずっとガーディアンズ機動警備部所属隊員の肩書きで通しているんだがな…
 ま、もう暫くしたら、肩書きがガーディアンズの機動警備部対PM対策室PM統括主任に一本化されるから、多い肩書きも今だけだ」
402僕の最終稼動試験の日(4):2007/11/23(金) 16:35:32.26 ID:lYO+j+fV
 そう言いながらも教えてくれたのは、ガーディアンズの機動警備部隊員、同対PM対策室PM統括主任、総務部設備管理課PM管理係現場担当官。
 それから、GRM側の対PM対策室PM統括主任、PMメンテナンスサービス部門整備主任補佐。
 まだある様子なのですが、教えてはくれませんでした。
 それにしても、その殆どがパシリに関連しています。ガーディアンズの隊員にしては、パシリ漬けの度合いが大きいようですが…。
「よろしくな、GH−XY1。それとも、ソルがいいのかな?」
「ソルでいいですよ、ミスタ…えっと、なんてお呼びすればいいのですか?」
「好きに呼んでくれ。よっぽど妙なのでなければ、俺は気にしないぞ?」
「…では、『教官』と呼ばせてもらってかまわないでしょうか?」
 何故か、不意に『教官』という単語が浮かびました。そしてそれが、この男性の呼称として、僕にはなんとなくしっくりしたので、了承を取ってみます。
「…『教官』、か。かまわないが…そういう呼び方をする奴は、お前が初めてだな…」
 感慨深そうに言う男性。
「では、改めて。教官、よろしくお願いします」
「ああ、よろしくな、ソル」
 握手を求めた僕の小さな右手を、大きな右手で握ってくれました。
 今まで僕が出会った数少ない外部関係者は同盟軍でしたが、大抵は握手なんてしてくれませんでしたから、ちょっと驚きです。
「そういえば、ジュエルズ達は元気かね?」
 僕達の挨拶が終わるのを待って、とうさんが話を切り出します。
「ああ。今日は全員メンテの日なんだが、業務の兼ね合いから時間をずらして、一人ずつやってる。
 お陰で今日の俺は、あいつらのご機嫌取りの為に、ここに缶詰―――おっと、そろそろ次のが来る時間だ。
 じゃあ、これで。検査室に行ってやらないと、あいつらがすねるのでね」
「大変だな、君も」
「好きでやってるんだ、大した事じゃないさ」
 軽く手を上げて挨拶の代わりにすると、立ち去ろうとしました。
「―――あ、父様!良かった、間に合った!」
 あ、さっきの412さんがやってきましたが、教官を見て『父様』と呼んでますが…
「ひさびさのポカミスだな、お前も。人前で父様は止めろと言ってるだろうが」
「…あ、そうでした。研究主任さんの前だから、つい気が緩んじゃった。
 …あれ?そこの新型くんは、前に話があったソルくん、ですか?」
「ああ、そうじゃよ、お嬢ちゃん。君に会ったという話は聞いてるよ」と、とうさん。
「そっか。さっきは急いでたし、他の二人の470と見分けがつかなかったから、誰が誰なんだか分かるまでは保留にしてたのよね。
 改めて、初めまして!
 型式GH−412、製造ロットPMGA00261C5D7-B5、識別名称はロザリオ・ブリジェシーよ」
 そう言って、僕に利き手で握手してくれます。
 握った手は柔らかくて、あったかくて、この距離だとちょっといい匂いがします。
「こ、こちらこそ、よろしく…か、開発コードGH−XY1、ソルです」
 目一杯緊張して、名乗り返しました。この時は緊張しすぎて、型式や製造ロットを言い忘れている事にも気づいていませんでした。
「…XY1?ふ〜ん、じゃあ、私達の一番最初の姉妹はXX1だったのかな?」
 ロザリオさんが疑問を口にすると、とうさんはゆっくり頷きました。
「正解じゃよ。極々初期は、その開発コードじゃった。女性型パートナーマシナリー試作機、GH−XXシリーズ――――」
「お呼びかい?研究主任」
 中庭の入り口に、見慣れない型式のGHー4xxが立っています。
 明確な型式が不明に見えますが、現行のGH−410〜450シリーズの特徴が入り混じった姿をしています。
 黒い髪、青い瞳と明るい肌色の人口皮膚以外は、オフホワイトで統一されたパーツや服を着ているので、かなり違和感があります。
「いいタイミングじゃな、ちょうどお前さんの話をしておった所だ」
「そうかい、なら、あたしからの説明は省いてよさそうだね。
 本当は先に片付けないといけない急ぎの用件があったんだけど、どうやらここで片付きそうだしね」
403僕の最終稼動試験の日(5):2007/11/23(金) 16:36:22.42 ID:lYO+j+fV
 やってきた彼女は、教官とロザリオさんに顔を向け、親指を立てた手で通路の方を指します。
「お二人さん、ジュエルズが検査室でやかましいから、さっさと行っておくれよ」
「おっと、そうだった。すまん、お前に迷惑かけたようだな、イヴ」
 教官が彼女を名前で呼びました。そうか、彼女はイヴって名前なのか。
「なぁに、これもあたしの仕事さね。でも、さっさと行ってくれると助かるねぇ」
「そうだな。
 それではこれで。行くぞ、ロザリィ」
「はい〜。これで失礼しますね、皆さん」
 二人は軽く会釈をすると、足早に立ち去りました。
「で?例の新型ってのは、このぼうずかい?」
 僕の方に振り向き、値踏みするような眼で僕を観察しています。
「そういうことじゃ。
 ソル、彼女がさっきの話題の主、試作型PMのうちの一体で現在は新型部品の実稼動評価を担当している――」
「型式GH−400−X2、製造ロットPMLxxE.V.E.-X2nxxxx、識別名称はイヴだよ。
 色々と話は聞いてる。宜しくな、ぼうず」
 そう挨拶され、頭をくしゃりと撫でられてしまいました。
 製造年と改修経歴は秘匿情報なので教えてもらえませんでしたが、僕達PMの“最初の姉妹達”です。
「初めまして、開発コードGH−XY1、型式GH−470−X1、製造ロットPMLA01S.O.L.-X1、識別名称ソルです」
 握手をするために、いつものように右手を出そうとしましたが、彼女がその前に、いきなり僕に抱きつきました。
 もちろん、そんな事をすれば、彼女の胸の柔らかいふくらみが僕の胸に押し付けられる訳で…
 その刺激で感情デバイスがとある指示を躯体に出し、結果として循環系の圧力があがってきて、ある部位がこーふんしてきました。
 マズイです。 
 咄嗟に彼女から腰を離すように動くと、彼女に右手で素早く股間を掴まれてしまいました。
「ひぁっ!あ、あの、えっと…」
「反応正常、稼動状況は良好、こっちは問題無いね。
 研究主任、上からの緊急通達通り、こいつの稼動評価試験を行うからね」
 彼女のその言葉に、無言で頷くとうさん。
「そんな話は聞いてませんよ、とうさん!」
 つい声を荒げ、とうさんに問いただしました。
「そりゃ、まだしとらんからなぁ」
 ポツリと呟いたとうさんの言葉が、嫌にはっきりと聞こえました。
「まだ、って、そんな手落ちな!もしかして、だまし討ちって奴ですか?!ひどいよ、とうさん!」
 混乱気味の僕への説明に困った様子のとうさんを尻目に、イヴさんが僕をそのまま連れて行こうとします。
「さ、行くよ、ソル」
「行く、って、何処にですかぁ!」
 どういう訳か身の危険を感じた僕は、つい大声を上げました。
 そんな僕を、不思議そうに見るイヴさん。
「どこって…あたし専用の稼動評価試験部屋だよ。
 あんたのこの『パーツ』の稼動試験の相手になってやるんだから、ありがたく思いな」
 喋りながら、僕の股間を絶妙な加減で触り続ける彼女。
「緊急だけど、今回が最後の稼動試験なんだし、この評価次第で量産開始の時期が決まるんだ、ちょっとは気張りな。
 ――そんなに心配することは無いよ、初めてなんだから、やさしく『して』あげるさね」
「あ〜っ!助けて!とうさぁ〜…」
 僕は彼女に抵抗することも忘れ、とうさんに助けを求め続けながら、その場から引きずられていきました。

 ―――数時間後。あえて数時間後と言っておきます―――

 倫理的に表現の出来ない稼動試験が終了し、僕は何かを失った気がしました。
 試験にかこつけて、彼女に色々やらされた気がしますが、よく憶えていません。
 周囲の研究員達からは慰めの言葉を掛けられましたから、あんまりいい事じゃなさそうです。
 こんな調子の僕が、実践投入に耐えられるのでしょうか。
 僕のパシリ生は前途多難なようです……orz

 ―――終わり―――
404名無しオンライン:2007/11/23(金) 16:38:14.63 ID:lYO+j+fV
投下完了です。

とりあえずGH-470ネタで書いてみましたが、続きは未定です。
405名無しオンライン:2007/11/24(土) 00:51:15.53 ID:TGv596en
>>363を見て
┏━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━┓
┃ HP 0/200000.       ┃HP 0/28000         ┃
┃------------------  反┃-----------------.     ┃
┃ EN 255/255   ━━━┃EN 100/100    ━━━┃
┗━━━━━━━━━━━┻━━━━━━━━━━━┛



                          [・ω・´]
                   ・=―   -,=┳ノ
                           く  \

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃┌────┐ 箱「あ、当たれ!! …ばいいなあ…」 ┃
┃│[・ω・´].  |.                         ┃
┃|    (゚-゚ )|.450「これ外したら、              ┃
┃└────┘ .  今晩のおかずも、もやしですよ!」   ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

こんな妄想が浮かんだ俺はおそらくスパロボ厨
406名無しオンライン:2007/11/24(土) 01:39:11.94 ID:s37/YwVr
>>405
いや、火の七日間だったら、相手はこれだな・・・。

┏━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━┓
┃ HP 200000/200000   ┃HP      15/15     ┃
┃------------------  反┃攻 -----------------... ┃
┃ EN 255/255   ━━━┃EN 1/3    ━     ...┃
┗━━━━━━━━━━━┻━━━━━━━━━━━┛

      _,, -‐ ''"~ ̄`ヽ
    ,..-''"         \
  /     ,r' ̄`i    `i_,,,...  -‐ ニ=-
  r'し `-'  i○゚ ノ   ( ̄_,,..  -‐ ''"_________
 /  `l /  J`‐-''/ ( ̄`'' ‐ 、_ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/   / /  ,  |  |,- 、 ̄`'' ‐ 、二ニ=-
|   / し |  |  |.l、 ヽ  .  :
 ̄\l'_  |  |  ,l |.\ `、  : .     -
     \ | / ノ | `-、`ヽ、_  `
  /    V  ,i' し||    ̄ _____________
  |     \_|Jミミ||`‐、_.",,:: ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  .|  /    `l彡| |ミヽ\
  し '  ,,.. ''  `''ヽ、ヽ |-‐i
     r'  τ ノ  `i| |'' "
     ,i'  ノ (    l| |
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃┌────┐ SEED巨神兵「ブルァァァァァ…!!!」 ┃
┃│.   ,-、l │                         ┃
┃│   l__ノ{_ │                         ┃
┃│,. ' , ',, ii}│                         ┃
┃│_,,<-ri!ll''ヽ│                         ┃
┃└────┘                         ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
407名無しオンライン:2007/11/24(土) 02:04:23.13 ID:TGv596en
>>406
ナウシカは浮かばなかったw
┏━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━┓
┃ HP 200000/200000   ┃HP       .0/15     ┃
┃------------------  反┃攻 -----------------... ┃
┃ EN 255/255   ━━━┃EN 1/3    ━     ...┃
┗━━━━━━━━━━━┻━━━━━━━━━━━┛




_______________________
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                          ...
                    ヽ[;ω..::: .
                      / ..:: ...
                     / ̄<:::
______________________
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃┌────┐.箱「ぎゃあああああああああああああ」 .┃
┃│ [;ω;`]  |.                          ┃
┃|        |.                         ┃
┃└────┘.                         ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
408名無しオンライン:2007/11/24(土) 06:56:17.49 ID:Z37VfB60
ねえ職P多い方が戦闘値多くふえるの?
409名無しオンライン:2007/11/24(土) 07:54:01.42 ID:rQL4nViq
>>399-404
ソル君に萌えたよGJ
続きキボン
410名無しオンライン:2007/11/24(土) 10:44:50.96 ID:opc+r3wt
>>404

量産型の470系も前途多難な運命なのかなぁ・・・・・・w
411名無しオンライン:2007/11/24(土) 11:38:27.59 ID:lJIPT0XV
>>408
パシリの戦闘値はクリア時のランクで固定
難易度CでSクリアが最速かな〜
412名無しオンライン:2007/11/24(土) 13:03:35.20 ID:71dUyBlP
パパ作者様、相変わらずGJです。
ショタスレのノリにはついていけんが、この子は可愛いなぁ。

しかし、やはりパシリにはそういう機能が標準搭載なのか。
人間のために使われる「道具」なことを再認識して胸が痛い。
ソル君と後継機たちが強く生きてくれることを祈るぜ…
413名無しオンライン:2007/11/24(土) 14:22:27.12 ID:t9Athdyt
今に始まった話じゃないが、何でもかんでもクリアランク依存って報われない話だよなぁ。
必死に戦ってゾンビしてクリアしたら戦闘値はむしろ伸びそうなのに。

>>405-407
笑った、GJw
スパロボとPSUって似てるよな。主に99%の信憑性とか。
414名無しオンライン:2007/11/24(土) 21:08:15.80 ID:FXPDBX6h
>>403
さっそく470ネタ来たか、しかし初っ端から可哀想だ色んな意味で・・・w
女兄弟の仲に一人うまれた弟って感じで幸せそうに見えなくも無いんだがw

>>405-407
は、箱ぉぉぉぉぉ!!
415名無しオンライン:2007/11/24(土) 23:32:32.20 ID:XP60z2BS
>>405-407
 箱、悲しすぎ。でも、それがスパロボックw

>>409、410、412、414
ご拝読いただき、有難うございます。
続きはもうちょっと暇が出来たら書こうかと思います。
量産GH-470の前途は、プレイヤーである俺たちによって変わるとは思いますが、どうなりますやら…
まぁ、ソルの場合、もう暫くは受難に満ちた生活が続く予定です。
作中のパシリ達に生理的欲求のはけ口となる機能をつけたのは、色々な意味で十分考えられる事態だからですが、
女性隊員が多いと発覚した今(笑)、GH-470の登場は当然のような気がしますね。

多分、次回投下はパパとロザリオの話になると思いますが、場合によってはWiki保管庫に直投下になるかもしれません。
ちょっと中編くらいの量(10kメモ帳3枚ちょい)があるので、状況次第ですけどね。

それでは今回はこの辺で失礼します。
416219(1/6):2007/11/25(日) 02:00:25.61 ID:DXZ2FxY+
>>393より続き

----------------映画終了後--------------------

ニュマ娘 「面白かったね!!パパ♪」
男   「うぬ・・・良かった・・・・特に変身シーンがかなり際どかっいいいいいぃぃぃぃぃ」
パシリ 「良かったですね〜ご主人様♪」

パシリに思いっきり足を踏まれる

ヒュマ娘 「今日は本当に有難うございました、ほら、ニュマ娘もお礼」
ニュマ娘 「ありがとう!!パパ!」
男   「いやいや、俺も楽しかったしどってこと無いさ」

映画館を出て適当にぶらぶら歩く
よし、これはかなり好感度アップだろう、フラグの一本でも立ったんじゃ無いか?これは
この調子で行けばルート確定までそれほどかからんかもしれん
・・・・まぁそれに・・・・

ニュマ娘 「〜♪」

幸せそうに俺と手を繋いで歩くニュマ娘
ロリ属性は無いがこういう小さい子が笑顔でいるのはやはり良い事だ
父親を早くに亡くしたらしいし・・・小さいなりに色々寂しかったんだろう
パパと言われるのは慣れないがこの子がそれで笑うのならそれでよしとしよう

パシリ 「・・・・はぁ」

そしてため息を付きながら少し遅れてついてくるパシリ
・・・・・・・・・・・
まぁこっちの小さいのは大丈夫だろう
何かして欲しかったら問答無用で

パシリ 「んしょっと・・・」
男   「うおっと」

パシリが背中に飛びつく

パシリ 「疲れました、おんぶしてください」
男   「もうしてるだろうが・・・・」

ニュマ娘と手を繋いでいるので手は使えないのだが
パシリは器用にしがみついている
417219(2/6):2007/11/25(日) 02:01:00.13 ID:DXZ2FxY+

ヒュマ娘 「・・・・・・・・」
男   「ん?どうした?ヒュマ娘」

パシリをぶら下げつつ振り返るとヒュマ娘が顔を真っ赤にしてなにやらもじもじとしていた

ヒュマ娘 「あ、あの・・・教官・・・その・・わ、私・・・も・・・」
男   「ん?なんだ?」
ヒュマ娘 「〜〜〜〜!!!お、お父さん♪」
男   「へ・・?お、おおおおおお!?」

いきなりヒュマ娘が叫んで腕を組んでくる

男   「お・・・あ〜・・・えっと・・・」
ヒュマ娘 「あ・・・う・・・えと・・・ご、ご迷惑ですか・・・・?」

むにゅう・・・・
胸を押し付けて(腕を組んで)上目遣いで見つめるヒュマ娘

男   「いや、何も問題無い、オールグリーンだ」
ヒュマ娘 「あ・・・有難うございます・・・えへへ・・♪」
418219(3/6):2007/11/25(日) 02:01:35.20 ID:DXZ2FxY+

嬉しそうに体を寄せて歩くヒュマ娘
・・・・・・・・・・・・・・・・
そうだよな・・・・この子も色々大変なんだよなぁ・・・
若くして父親を亡くして・・・
まだまだ遊びたい盛りだろうに、毎日毎日勉強に訓練をして・・・
父親にはなれないがこの子が笑うならエロとか抜きで色々

ヒュマ娘 「〜♪」
むにゅむにゅ・・・・

色々としたいな、うん、色々
というかやばい、なんというか柔らかい、なにこのエロゲ

むにゅ〜・・・

おおおおおおおおおおおおおおおおお
みwwwwwwなwwwwwwぎwwwwってwwwwwきwwww

男   「っぐ!!??」

突然パシリの腕が締まり呼吸ができなくなる

男   「っつ!!!っ!!!!!」
パシリ 「ご主人様・・・?おいたはだめですよ・・・?」

薄れ行く意識の中・・・・満面の笑顔のパシリだけが・・・やたらはっきりと映っていた・・・・

・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
419219(4/6):2007/11/25(日) 02:02:08.60 ID:DXZ2FxY+

男   「っは!!!!!」
パシリ 「あ、起きましたか?ご主人様」
男   「う・・・あれ・・・?ここは・・・なんで俺寝てるんだ・・・?」
パシリ 「・・・覚えてないのですか?」
男   「ん〜・・・映画見て〜それから4人で歩いてて・・・そこら辺からなんか曖昧だな」
パシリ 「・・・そうですか、まぁ映画見た帰り道でご主人様が急にふら〜っと倒れたんですよ、ふら〜っと」
男   「ふら〜っと?」
パシリ 「ええ、ふら〜っと、なんだかんだで疲れてたんじゃないですか?」
男   「ん〜・・・・」

特にそんな感じも無かったが・・・
昨日「鬼畜王トムレイン 〜世界のキャス子はワシの物〜」
を朝方までやってたのがいけなかったのだろうか
毎日パシリに散弾銃ぶっぱなされてるしなぁ・・・そらHPも減るってもんだ

男   「あ、そういやヒュマ娘とニュマ娘は?」
パシリ 「お二人なら先に帰られましたよ、ニュマ娘様が「かんびょーする〜!!」と張り切ってましたが無理矢理帰しました」
男   「そうか・・・なんかすまん事をしたな」
パシリ 「お二人共凄く心配してましたよ、後で私からメールを送っておきます」
男   「ん、頼む」

グイ〜っと伸びをして立ち上がる、特に体に問題は無い様だ

男   「もう暗くなってきたし、とりあえず帰るか」
パシリ 「ええ」

パシリが座ったまま俺に両手を伸ばす

男   「・・・・?行くぞ?パシリ」
パシリ 「・・・・・・・・・・・・・」

あ、やばい、顔が (#=A=) こんなんになってる
これは怒られる、なんかしらんが怒られる

420219(5/6):2007/11/25(日) 02:02:51.47 ID:DXZ2FxY+

パシリ 「ご主人様?」
男   「はい」

とりあえず正座して話を聞く

パシリ 「私はご主人様の看病で疲れているんです」
男   「はい」
パシリ 「そしてご主人様に向かって手を伸ばしました」
男   「はい」
パシリ 「ここは何も言わずスッとおんぶしてくれるのが普通ではないでしょうか」
男   「いやいやいやパシリよ、俺達も長い付き合いだが手を伸ばただけでおんぶして欲しいとはさすがに伝わらないのが普通じゃないか?」
    「第一疲れてると言えば俺はさっきまで倒れてたわけで」
パシリ 「あ〜あ・・・帰ったらベッドの下の掃除しないとな〜」
男   「さぁ看病で疲れただろうパシリ、家までおんぶしていってあげるよ」

爽やかな笑顔でしゃがんでパシリに背を向ける

( =ω=) 〜♪

ご機嫌な顔でおぶさろうとするパシリ・・・と

      ヤ      メ      ロ

男   「っ!!!!!」
パシリ 「・・・・・・?」

本能が危険を察知して飛び上がる

パシリ 「・・・・・ご主人様?」
男   「あ・・・いや・・・えっと・・・」

やばい、また (#=A=) こんな顔になって来た
しかし何故かおんぶはヤバイ気がする、なんか呼吸困難になりそうな気がする
でもおんぶしないとパシリに怒られる、下手するとお宝の命が危ない
ここは・・・・
421219(6/6):2007/11/25(日) 02:03:28.75 ID:DXZ2FxY+

パシリ 「ご主人さ・・・ヒャ!!??」
男   「んしょっと・・・」
パシリ 「ごごごごごご主人様!!??ななな、何を・・・」

パシリを両手で抱かかえて立ち上がる
通称「お姫様抱っこ」という奴だ

男   「・・・嫌か?」
パシリ 「あ・・・いえ・・・」

顔を真っ赤にしてしがみつくパシリ
良かった、とりあえずお宝はの命は助かりそうだ
パシリを抱えつつ夕闇の中帰路に付く

パシリ 「・・・ご主人様・・・」
男   「ん?」
パシリ 「その・・・危ないですから・・・・もうちょっとゆっくり歩いてください」
男   「・・・?危ないか?まぁ俺は別に良いけど・・・これ以上ゆっくりだと家に付く頃には真っ暗になっちまうぞ?」
パシリ 「・・・・かまいません・・・」

・・・・・・・・・・・・・
その日のパシリはいつもよりちょっぴり優しかった

422219:2007/11/25(日) 02:10:32.07 ID:DXZ2FxY+
デート編とりあえず終了です 
どえらい期間が開いたので又そのおうちwikiに纏めておきます ノ
423名無しオンライン:2007/11/25(日) 11:12:18.92 ID:gb6Kcjb5
>>416-421
 GJ、そしてお疲れ様。
 パシリのやきもち焼きっぷりが、なんともほほえましい限りだ。
424名無しオンライン:2007/11/25(日) 12:16:34.02 ID:iHsZF4wv
お久しぶりでゴザイマス
このスレでもリアルでも色々ありまして、この外伝自体がイルミナス発売前に
完結したかったというのもあり、もうばっくれようかと思っていた(何
青キャス子作者でゴザイマスΣ(´∀`;)
今日イルミナスが届いた記念に、ヤハリ完結させねばと思い、戻ってマイリマシタ
てか、もうワールド統合やらGH470、480進化デバイスやらで完全に浦島状態ですわ…w
めちゃくちゃな設定と展開のわりにグダグダと長いお話になってしまい迷ったのですが、
思い切って青キャス子外伝、>>21からの続きを投下します
まぁ、外伝だしイイヨネ!(え
425青キャス子外伝その10:2007/11/25(日) 12:18:12.58 ID:iHsZF4wv
 研究所の最深部へ向かう為、全力疾走する5人
ワルキャス「あぁんのやろぉおおおう!降参って言ったくせにちゃっかり応援呼びやがってぇええ!」
 何十体というSEEDPMに追いかけられていた
青キャス子「マズイ、この数はマズイ!かくなる上は…」
 青キャス子は懐からダイナマイ・トラップZを取り出…
411「!!私、先に行ってますねぇええぇぇぇ…」 ビューン、猛スピードでその場を離れる411
青キャス子「うおーいΣ(゜д゜|||)411−−! グ…仕方ない441」
441「はい、わかっています 411さん一人では大変危険です 私が援護に行って来ます」 ビューン
青キャス子「ちょw違う、441−−! く…残るPMは、(チラ」
ワルパシリ「Σ(゜Д゜;≡;゜д゜)お、オレもあいつらだけじゃ心配だから先にいくぜ!」 ビューン
青キャス子「(つ´∀`)…仕方がない、ここは私に任せてワルキャスは411達を頼む、アイツラだけじゃ心配だ」
ワルキャス「それはいいが大丈夫なのか?」 青キャス子「問題ない、ちょっと金がかかるけどな…(´Д⊂」
     「わかった、死ぬんじゃねぇぞ青キャス子!」「お前もナ!」

青キャス子「さて、ここに取り出したるはアイテムがひとつしか入らない小型のナノトランサー」
 何十個と取り出した小型ナノトランサーを走りながら床にばらまいていく
青キャス子「いくぞ!日々進化するナノトランサーの威力を見よ!罠カード発動、大地噴出剣!」
 キィン!ザザザザザザザザ!先ほど床にばらまいたナノトランサーから一斉にギガッシュが突きあげる
青キャス子「まだまだぁ!私のバトルフェイズは終わってないぜ、魔法カード発動!サウザンドソード!」
 ナノトランサーを敵の頭上へと放り投げる キィン!ガガガガガガガッガ!
 大量のギガッシュが逆噴射され雨のようにSEEDPM達に降り注ぐ
SEEDPM「ギ、ギギギ…」
 何百というギガッシュに埋もれ、ついには動かなくなった
 小型ナノトランサー×40 200万メセタ
 ナノトランサー×1     50万メセタ
 ギガッシュ×100      8万メセタ
 計258万メセタ(つ´∀`)…
青キャス子「チクショウ!私のメセタはとっくに0よ! ウッ(´;ω;`)先を急がねばナ…」

〜〜〜研究所最深部〜〜〜
411「はぁはぁ…Zはヤバイですよぉ、Xまでは何とかなるんですけどねぇ」
441「私はGでもダメですよ、普通は粉々になります」
ワルパシリ「お前ら一体何の話をしてるんだよΣ(´∀`;)」
???「アラ、かわいいお客さんネ… コンニチハ」
 そこには、赤い女性型キャストが立っていた
 その手にはエネミーの腕のような形をしたライフルを持っている
411「あ、こんにちは お邪魔してますー」
441「411さん、のんきに挨拶している場合ではないようです」
ワルパシリ「てめぇだな!SEEDウイルスをばらまいてる野郎は!」
???「…そう、私達ノ邪魔をしにキタノネ…でも安心シテ」
   「すぐにあなた達もワタシ達の仲間にしてあげるカラ…!」
426青キャス子外伝その11:2007/11/25(日) 12:19:46.23 ID:iHsZF4wv
ワルキャス「あいつらの反応はと…この先からだな、まったくどこまで行ってんだ」
 プシュー、目の前の扉が閉まり赤く光る
ワルキャス「うおっ、開かねぇ!一体どうなってやがんだ」
0045「フフ…あなたは通すわけにはいきませんからね、ロックしましたわ」
ワルキャス「何ぃ?じゃあさっさと開けてもらおうか、こちとらこの先に用があるんでね」
0045「アラ、少し私と遊んでいきましょうよ あの子達が私達の仲間になるまで、ネ?フフ…」
411「ギャアアアア!」 ワルパシリ「うわぁああああ!」 441「あ、ああア!]
ワルキャス「!! 悪いが一瞬だ、てめぇにかまってる暇はねえ!」
 スピアナタックをふりかざし、0045に突進するワルキャス
0045「フフ、元気がよろしい事 でも私の火炎、耐えられるかしら?」
 大きく息を吸い込むとワルキャスにむけて熱線を吐き出した
ワルキャス「なんの!」
 前方で槍を激しく回転させ熱線をはじく
0045「アラ、これならどうかしら?」
 再び息を吸い込み今度は大量の火炎を拡散させながら吹きかける
ワルキャス「ちぃ!ドゥース・ロバット!」
 普通のロバットより大きく槍を振り回し、風圧とともに火炎をなぎ払う
0045「やりますわね…でもいつまでもつかしら?」
 絶え間無く火炎を吐き続ける0045
ワルキャス「ぐっ、このままじゃいずれやられちまう、一瞬でもヤツに近づければ…やるしかないか」
 目の前の火炎の海に飛び込むワルキャス
ワルキャス「うおおお!ドゥース・ダッガズ!」
 槍で火炎をかきわけながら真っ直ぐに突っ込み0045の目の前へと辿りつく
0045「えっ!?しまっ、むぐっ…んむぅううう!」
 口に粘着テープを貼り付けられもがく0045
ワルキャス「ふぅー、やれやれだぜまったく おっとそのテープはこの液体をかけないととれないぜ?」
0045「むグ、グ…う」
 0045の顔が赤く染まっていき、体からは白煙がたちのぼっていく
ワルキャス「テクニックが使えないかわりに体内に高圧縮バンフォトン炉を持つ改造パシリ」
     「弱点は絶え間なく火炎を作り続ける為、口をふさがれると熱を放出できなり」
     「オーバーヒートをおこす、だろう?扉のロック解除とこの液体、交換といこうじゃないか」
0045「ウ、ググ…」
 0045のまわりの床がゆがみ溶け始める、ついには倒れこんでしまった
ワルキャス「お、おい!大丈夫か!あぁもう仕方ねぇな、アチチッ」
 0045を抱きかかえテープに液体をふりかける
ワルキャス「お、いい事思いついたぞ 顔をこっちにむけて、と」
 0045の顔を扉の方にむけてテープをはがすワルキャス
0045「うっ、うぇええええええええ!」
 膨大な量の火炎を扉に向かって吐き出す、あっという間に扉は溶け落ちた
427青キャス子外伝その12:2007/11/25(日) 12:21:36.54 ID:iHsZF4wv
411「うあ…ア」
 SEEEDヴィタスの触手に絡め取られ身動きのとれない411達
???「大丈夫…苦しいノハ最初だけダカラ…すぐ楽にナルワ…」
 針のように鋭い触手が411に狙いをつけ…
ワルキャス「そこまでだ、ドゥース・マジャーラ!」 ヴィタス「キシャアアアア!」
 無数に槍で突き本体ごと触手を突ききざむ
ワルキャス「大丈夫か?」 441「特に損傷はありません、助かりました」
ワルパシリ「イテテ、よくもやりやがったな!お返しだぜ!」
 デスダンサーを取り出し赤いキャストに向かって走り出すワルパシリ
ワルキャス「あ、おい!不用意に突っ込むんじゃねぇ!危ねぇぞ!」
 突然床下から2体のヴィタスが現れ、触手で足を絡めとられずっこける
ワルパシリ「うわっ、ったっあ痛!」
???「ソノ触手の針にハ…ウイルスがつまってるワ…」
   「少しでも触れタラ…どうなるカシラネ…?」
 針のような触手でワルパシリに襲いかかる
ワルパシリ「しまっ…!」
ワルキャス「!! あんのバカ…!」 とっさに飛び込むワルキャス
 寸前のところでワルパシリは助け出したが、針の触手で左肩を貫かれてしまった
ワルキャス「ぐ…、ケガはねぇかよ?バカパシリ」
ワルパシリ「お、おう オレは何ともないけど、おめぇこそ大丈夫なのかよ!」
ワルキャス「へっ、こんぐらい何ともねぇよ…だけどちょっと動けそうもないな、まいったぜ」
 ヴィタスの触手に囲まれる二人
ワルキャス「おい、バカパシリ 俺のことはいいから逃げろ!」
ワルパシリ「バッ、何いってやがんだ!そんなことできるわけねぇだろ!」
 無数の針の触手が二人めがけ襲いかかる
???「トルネードブレイクゥ!」
 ぶわっ、と目の前に風が吹いたかと思ったその瞬間 敵の触手はコマ切れになっていた
青キャス子「はっは、またヒドクやられてるじゃないか 待たせたナ!」
ワルキャス「青キャス子!まったくナイスタイミングだぜ…うっ」
青キャス子「ム、ケガしてるじゃないか装甲もほとんど溶け落ちてるし…あとは私に任せトケ」
     「ワルパシリ、ワルキャスのコト頼んだぞ!」
ワルパシリ「わ、わかった!」
青キャス子「敵は、あの赤いキャストとヴィタスが2体か…」
     「よし、441はワルパシリの援護にまわってくれ」 441「了解しました」
     「411は私と一緒に来い、ヤツを叩くぞ!」 411「わっかりました!」
 青キャス子と411はそれぞれギガッシュとキャリバーを構え、赤いキャストへと突撃した
428青キャス子外伝その13:2007/11/25(日) 12:23:18.85 ID:iHsZF4wv
 2体のヴィタスはそれぞれ火の弾と毒の弾を青キャス子達に向け撃ち出していた
青キャス子「うおお、遠距離攻撃か!近づけないではないか」
     「こうなったら無理やり特攻かけるしか…」
411「ご主人様、遠距離武器もってないんですかぁああああ」
青キャス子「ム、あるにはあるが…」
 青キャス子は懐に手を、
411「ああああああΣ(゜д゜|||)強行突破しましょう!いきますよぉおおおお」
青キャス子「ナンナノΣ(´∀`;) ム、411 左に飛べっ!」
411「えっ?左ですか?とあっ!ぎゃああ!」
 ヴィタスの火の弾が見事411に直撃した
青キャス子「フゥ、ム!今度は右だ、右に飛べ!」
411「イタタタ…えっ、右?右…へぁっ!ぐふぅ」
 ヴィタスの毒の弾が見事411に直撃した
411「うぐぐ…ちょっとご主人様、あのですね!」
 ヴィタスが床に触手をいれていく
青キャス子「ムム!411前に飛ぶんだ、そぉい!」 と言いつつ411を蹴り飛ばす
411「ギャア!何するん…あぁ!床から触手がくぁwせdrftgyふじこlp」
青キャス子「今だ!とぅっ」 411「むぎょっ」
 411を踏み台にして空高くジャンプし、触手の海を飛びこえる青キャス子
青キャス子「もらった!直下型スピニングブレイクゥ!」
 ガガッ!強烈な一撃を赤いキャストに叩きこんだハズ、だったが片腕で防がれてしまう
青キャス子「な、に…そんなバカナ!はっ、シマッタ!」
 青キャス子は針の触手に囲まれ、次の瞬間411の体が貫かれていた
411「ぐぅ…ゴフ」
青キャス子「411!?なんで…何をやっている411ぃい!」
411「だって…前に飛べって…うっ!」
青キャス子「そ、それはさっきの話だ!私をかばえなんて命令は出してないぞ!」
411「あ、あれ?そうで…し…たっ…け、うううがッガアアアア!」
 突然起き上がりキャリバーで青キャス子に斬りかかる411
青キャス子「ぬおっ!?どうした411!?」
???「無事に侵食されたヨウネ…そろそろ惑星パシリ計画モ最終段階に入るワ…」
   「もうアナタ達と遊んでる場合じゃナイワ…」
   「…システムMOTHERコードM-01UL起動…」
 ゴゴゴゴゴゴゴゴ…大気が震えるとともに多数のマシナリーが集まっていく
 ガードマシナリー、グリナビート、SEEDパシリ、次々と出てくるマシナリーに囲まれていく青キャス子
???「さぁ皆…ヤッテシマイナサイ…!」
429青キャス子外伝その14:2007/11/25(日) 12:24:29.64 ID:iHsZF4wv
 ガガガガ!ガガガッ!激しい銃撃が飛び交う
ワルパシリ「ちっくしょう!この数じゃどうにもなんねぇぜ」
441「くっ、数が違いすぎますね このままでは…」
青キャス子「グッ、正気にもどるんだ411!」
411「ギギ…ギ」

???「ウフフ…だいぶ苦戦しているようだね よし今だ!」
???「はいですぅ!システムMOTHERコードYN-0117起動!」
 ゴゴゴゴゴゴゴゴ!再び大気が震えるとともにマシナリーの動きが徐々に鈍くなっていく
???「!!! ハカセ?エルノア!?」
SEEDパシリ「ギ…ギギ…、…」
青キャス子「こ、これは一体…」
ハカセ「さぁ、今のうちに逃げるんだ!まさかここまで進化していたとは…」
   「一度退いて体勢を整えないと我々に勝ち目はない!」
青キャス子「いきなりなんなんだ!冗談じゃない、411を置いて逃げれるわけないだろうが!」
エルノア「は、はかせぇ そろそろ限界ですぅ」
ハカセ「冷静になるんだ!ボクを信じてくれ、それとも君は助けられる命まで巻き添えにするつもりかい?」
 ボロボロになっている441とワルパシリ、ワルキャス達を指をさす
青キャス子「!!ぐ…わかった 待ってろ411、必ず助けに来るからな!」
???「逃がしはシナイ…マシナリーがダメなら…SEEDフォーム!…」
ハカセ「おっと、そう簡単にはやらせないよ ギフォイエ!」
 ゴオオオオ!円をえがきながら炎の壁が広がっていく
ハカセ「これでしばらく近づけないだろう、ウフフ… さぁいくよエルノア!」
エルノア「はいですぅ」

青キャス子「一体どこへ逃げようって言うんだ?」
 瀕死のワルキャスを背負い441とワルパシリもボロボロ、状況は最悪だ
ハカセ「ウフフ…ここも一応は研究所のようだからね、それなりの設備と道具のある場所へ、さ」
   「ウイルスのサンプルは手に入ったからね、ボクの天才的頭脳があればすぐにワクチンが作れる」
エルノア「わかりましたぁ!この先のエレベーターで最上階の研究施設にいけるみたいですぅ」
ハカセ「よくやったエルノア、それじゃあ時間もない 急いで出発だ」
430青キャス子外伝その15:2007/11/25(日) 12:25:32.32 ID:iHsZF4wv
〜〜〜エレベーター前〜〜〜
青キャス子「おい!動かないぞ」
ハカセ「なんだって?…ウムム、これならなおせそうだね でもちょっと時間がかかるな」
SEEDフォーム「グルルル…」
ワルパシリ「うおっ、追いつかれたぞ!しかもすげぇ数だ」
ハカセ「ムム!何とか君達で時間を稼いでくれ!こんなところで死ぬわけにはいかないからね」
エルノア「システムMOTHER起動中は戦えませぇんんん!」
青キャス子「私らだけで何とかするしかないか、いくぞ441!」 441「了解」
 無数のSEEDフォームが青キャス子達に襲いかかる
青キャス子「オ、オノレ…次から次へと!」
441「…!…!あっ、エビルツインズのフォトンがきれてしまいました…」
ワルパシリ「ぐわっ!もうだめだ、おさえきれねぇ!」
 ついに3人はエレベーターの扉前までおしこまれる
青キャス子「ま、まだなのか!」 ハカセ「あと2分くれ!」
     「に、2分だと…くそっ! ワルキャス!?うおっ」
 ワルキャスが急に動き出し、青キャス子達をエレベーター内に押し込み扉をロックした
青キャス子「おい、ワルキャス!一人じゃ無理だ、ここをあけろ!」
ワルキャス「…ここは俺ガくいとめる…青キャス子達は先ニいってクれ…」
青キャス子「何バカな事言ってんだ!お前も一緒にくるんだよ!」
ワルパシリ「そうだぞ!何一人でかっこつけようとしてんだよ!」
ワルキャス「ワリィナ…どうヤラ俺モ…ウイルスに侵食サレたミタイデナ…」
青キャス子「お、お前…」
ワルキャス「マダ意識が…アルウちに…オレにカワマ…ズ…イケッ!」
青キャス子「ぐ…わかった」
ワルパシリ「青キャス子!?お前まで何いってやがる!」
ワルキャス「青…キャ…子…ワルパシ…ノコト…タノ…ム…ギギ…ギギギ!」
青キャス子「あぁ、任せとけ…!」
ワルパシリ「な、このっ!離せよ青キャス子ぉおおおおお!」
ハカセ「ふぅ、ようやくなおったよ ワルキャス君には申し訳ないが…行こう」
 エレベーターがゆっくりと動き出す
ワルパシリ「うああああああああ!ワルキャスっ!ワルキャスぅうううううう!」
青キャス子「うおっ!441、ワルパシリおさえるの手伝ってくれ!」 441「了解しました」
 ワルパシリの悲痛な叫びとともに、エレベーターは最上階へとあがっていった
                             つづく
431名無しオンライン:2007/11/25(日) 12:36:09.36 ID:iHsZF4wv
うはー、投下完了 何度投下しても心臓がキュッってなりますな…
まだつづきは一文字も進んでないので、ぼちぼちと手をつけていこうと思っています
では、失礼致しました
432名無しオンライン:2007/11/25(日) 12:41:32.62 ID:K6GsOORt
>>425-430
キャラ名の表記なんだが、カタカナだけでも半角するとかスペースで揃えるとかちょっと工夫しないか?
あと、空行やスペース上手く配置するとか、地の文での説明を増やすとかさ。

すげぇ読みにくい。
・・・つーか、途中で読む気が尽きた。
頑張ってるとこ非常に申し訳ないんだが。
433名無しオンライン:2007/11/25(日) 14:15:35.66 ID:gb6Kcjb5
>>431
 その緊張感が、何度もやっていくと病みつきに…w
 今回もしっかり読ませていただきました。
 青キャス子氏のストーリーは面白くて好みなんだけど、>>432がおっしゃるように、この独特の文構成は読みにくいかも。
 でも、伝えたい雰囲気を文構成で表現してあるから、あんまり換えすぎちゃうと、変になっちゃうし…

 余計なことかもしれませんが、>>432の意見を参考にして、ちょっと修正版を作ってみます。
 文章の一部をお借りしますね、青キャス子氏。

 430 名前:青キャス子外伝その15[sage] 投稿日:2007/11/25(日) 12:25:32.32 ID:iHsZF4wvより一部抜粋
 〜〜〜エレベーター前〜〜〜
 青キャス子  「おい!動かないぞ」
 ハカセ     「なんだって?…ウムム、これならなおせそうだね でもちょっと時間がかかるな」
 SEEDフォーム 「グルルル…」
 ワルパシリ   「うおっ、追いつかれたぞ!しかもすげぇ数だ」
 ハカセ    「ムム!何とか君達で時間を稼いでくれ!こんなところで死ぬわけにはいかないからね」
 エルノア   「システムMOTHER起動中は戦えませぇんんん!」
 青キャス子   「私らだけで何とかするしかないか、いくぞ441!」  441 「了解」

  無数のSEEDフォームが青キャス子達に襲いかかる

 青キャス子 「オ、オノレ…次から次へと!」
 441      「…!…!あっ、エビルツインズのフォトンがきれてしまいました…」
 ワルパシリ 「ぐわっ!もうだめだ、おさえきれねぇ!」

 こんな所でしょうか。
 読みやすさを優先してみましたが、こんな感じなら、雰囲気壊さなくていいと思うのですが、いかかでしょう?
 まあ、試行錯誤も文を書く楽しみの一部ですので、ご参考までに。

 外伝の続きを期待しております。
434名無しオンライン:2007/11/25(日) 16:55:03.76 ID:3gQlxSrq
書き上がりました。
なんか今日は投下が多いなあw

というわけで、最後までしばしおつきあいのほどを。
435金色の翼に乗りて行け、我が思いよ 終章1:2007/11/25(日) 16:56:34.00 ID:3gQlxSrq
わたくしと主が戻ってきたとき目に入ってきたのは、もんどりうって転げ倒れた総裁の姿でした。どうやら荒れ狂うメギドの中に無謀にもつっこんだようです…
「もう少しましな方法は考えつかなかったの!?」
「私はそれができるほど器用ではない!だから、全てを賭してぶつかるしかないのだ!」
総裁は斧を支えにして立ち上がり、斧を担いでアンガ・ジャブロッガの構えをとりました。そして、ボンバーさん太郎の中心部に向けて一気に跳び…真のメギドのエネルギーにはじき飛ばされました。
統御パーツを斧で壊すおつもりのようですが、ぼろぼろのその体ではさすがに無理があります。メギドに押し戻されるのは、大の男が声をあげるのをおさえられないほどの苦痛を伴っているようですのに。
「あなた…そう、わかった。成功とは意欲を失わずに失敗に次ぐ失敗を繰り返すことだって、そう言った人がいたもんね…」
主!?なんで止めないんですか!こんなスマートじゃないやり方で…!
「もっといいアイデアがあるなら言ってあげたら?」
う…それは…
真のメギドは初めての概念で、性質までは理解しているとは言い難い状態。加えて言えば時間もありません。そんな状況でなら、悩んでないで暗中模索ででも行動したほうがいいというのはわかります。ですが…
次の跳躍で、悲鳴のような音をあげて総裁の斧が砕け散りました。何度も何度も挑んでいたのでしょう、酷使していた斧に限界がきたのです。
斧が壊れてしまった総裁は一気に距離を詰めて叩こうとするのをやめ、歩いて中心部に向かおうとしています。
「ぬあああああああああッ!!」
人の怒りや悲しみを一身に受けるというのは、想像を絶する苦痛なのでしょう。総裁は白目をむいて歯を食いしばっています。見た目からしてホラーというか倫理的にNG寸前というかそんな状態です。
もう、やめてください!こんなこと続けていたら心も体も壊れてしまいます!
「だめよ!手出しすることは私が禁じるわ、彼を信じて見届けなさい!」
でも、主…!
あ…そういえば主は完全に死んだ人でも復活させられるんでした。そ、そうです、たとえ総裁が死んでも生き返らせてくれるんでしょう?そういうことなんですよね!
しかし、主は静かに首を横に振りました。
「ただひとたびの輝き、それは何者にもとらわれない。人が自ら選び取った運命は、たとえノルンでも変えられない…」
輝き、ですって…?
強い感情エネルギーの奔流であるメギドの影響を受けてか、わたくしにも総裁の心情が伝わってきます。ですから、今までたどった人生がニューデイズの古い映写機『ソウマトウ』のように流れるという混乱した頭の中で、一つの記憶に総裁が意識を向けたのもわかりました。
『人を守るということは、守るべき人の人生を背負って生きていくということだ。それがどれだけ自分と相容れないものでも、受け入れろ』
尊敬していたかつての教官たちが教えてくれたこと。厳しくしごかれた日々、不条理に感じていたものの、教える立場になってからようやく理解した彼らの心。
『君は軟弱者などではない。君の守るべきものは何だ、オーベル・ダルガン』
436金色の翼に乗りて行け、我が思いよ 終章2:2007/11/25(日) 16:57:47.84 ID:3gQlxSrq
総裁の目に生気が戻りました。その体を通して、何かが力となって湧き上がっています。
そのとき、無情にもガーディアンズシステムがメギドのエネルギー負荷に耐えきれず、火を噴きました。
フォトンアーツのディスクも読み込めなくなり、システムが引き出してくれる職業能力ももはや使えません。総裁は一般人とさして変わらない力しか出せないはずでした。
ですが、ダルガン総裁はそれでも踏み込むのをやめはしませんでした。むしろ、なおいっそう強く力を込められるようにさえなっています。まるで、アンガ・ジャブロッガの踏み込みのように。
「退かん!退かんっ!ここで諦めれば終わってしまう!ガーディアンズの歴史、グラールの未来!退いてなるものかーっ!!」
今度こそははっきりと見えました。オーベル・ダルガンという少年の師であったガーディアンたちが、そしてこのメギドの力の源になった人たちの思いさえもが総裁の体を支えているところが。
総裁は暴走した感情、真のメギドを寛容の心で受け入れ、ともに歩む力へと変えたのです。それは何年も忍耐を続け、突出こそしていませんが誰もが納得できる模範的な統率を続けてきたダルガン総裁だからこそできたことだったのでしょう。
一歩ずつ、一歩ずつ、ゆっくりとですが力強く総裁は前に進んでいきます。
オーベル・ダルガンは、今まさに『護り人』。
自分の全存在をかけてリアクター中心部に手を伸ばすその姿に、主は声高らかに言い放ちました。
「その願いと意志こそが、希望の『光』となる!」
437金色の翼に乗りて行け、我が思いよ 終章3:2007/11/25(日) 16:58:44.46 ID:3gQlxSrq
空気の震えが止まり、フォトン濃度が一気に低下しました。
爆弾に改造されていたAフォトンリアクターは、まるで泣きやんだ子供のように静かになっています。
ダルガン総裁は真のメギドを突き抜けて中枢部のパーツを掴み出し、それを止めたのです。
「歴史上誰もできなかったことをやってくれちゃって、まったく…」
「ああ…いつの頃からだっただろう、私が大人になったのは。青臭くても、やはりいいものだ…若いとは」
この上なく嬉しそうな顔をして、ダルガン総裁は倒れました。わたくしが受け止め、主が膝枕に総裁を寝かせます。主はいとおしそうに総裁の乱れた髪を整え、顔の汚れを拭き取りました。
「残された時間は少ないわ。最後の願いを叶えることにしましょう。今のあなたになら、できるはずだから」
「お見通しというわけか。隠せないものだな…」
いや、総裁の心は思いっきり筒抜けでしたから…と、つっこむほどわたくしも野暮ではありません。
それは他愛もない、とてもちっぽけな願い。でも、それをどうしてもできなかったダルガン総裁の苦悩はわたくしにも痛いほどに伝わってきたのですから。
「ライアか…私だ…」
主の膝の上で横になったまま通信機を手に取り、震える唇で総裁は言葉を発しました。親子の語らいを、主は軽く微笑みながら、わたくしは祈るように手を握りながら見守ります。
総裁は、落ちるコロニーに残ったこと、そうせざるをえなかったことを話し、娘さんに詫びました。
「残された人々の命は…私の命よりも、ずっと重い…ライア、これからはお前が…ガーディアンズを導いてくれ…イーサンと、お前の信頼する最強のガーディアンの一人が、力になってくれるだろう…」
通信機の向こうから、娘さんの、出したくても出せないところを精一杯絞り出したような声が応えました。
「あ…し…あたしは、もっといい子に…りたかった…もっと素直…教えても…えば…かった…」
「私も…もっと多くを、伝えておきたかった…」
娘さんの本心を聞いて、総裁の頬を涙が伝いました。やっと素直になれた親子に、わたくしもついついもらい泣きです。
「お前たちの手で…グラールに、平和を…」
「父…ん…父さぁぁぁ…――ん!!」
ノイズだらけで聞き取ることすら困難な娘さんの声。しかし、彼にとってはどんな至上の音楽よりもすばらしいものだったのでしょう。
目の前にいるのは、総裁ではありませんでした。ただ思いに涙する一人の父親でした。
「…愛しているよ、我が娘ライア…」
言い終わる前に通信機が手から落ちました。最後の言葉は届かなかっただろうと思いますが、きっと聞こえなくても娘さんには伝わったはずです。

居住区から切り離され、パルムへと落下していくコロニー。大気圏に突入したようで、外壁が摩擦熱で真っ赤になっていくのが見えます。
ダルガン総裁は…真のメギドを克服するまでにそれを全身に受け続けたせいなのでしょう、心臓の鼓動も弱々しくてほとんど聞こえません。もはや避けえない運命なのですね…
「後悔はない…とても、良い人生だった…」
「あなたの『光』は、ディスクなど介さなくても護り人たちに受け継がれているわ。思い残すことはもうない?」
「いや、最後に心残りが一つだけある…君を道連れにしてしまうことだ。申し訳ないことをした…」
「いいえ、ここには他に誰もいなかった。解決したのはすべてあなた…私はあなたが死に際に見た、ただの幻よ」
「この世のものならざる、か…本当に、ありがとう…私…は…」
ダルガン総裁は、主の腕の中で息を引き取りました。それを見つめる主の表情は亜麻色の長い髪に隠れて、わたくしには見えませんでした。
「おやすみなさい、オーベル・ダルガン。誉れ高き勇者よ」
438金色の翼に乗りて行け、我が思いよ 終章4:2007/11/25(日) 16:59:45.32 ID:3gQlxSrq
100年前からの記憶。
利き腕を失ったそのときから、彼女がそれをずっとコンプレックスにしていたのはわかっていた。教官たちの中で、彼女だけが実技を教えられなかったのだから。
あるとき彼女はそれを乗り越えるため、できそうもないことを皆の前で宣言した。なくした腕のそれを上回る射撃技術を創ってみせると…
そこから彼女の苦難の日々が始まった。
ずっと見守った。介入を彼女が拒否することはわかっていたから。少しでも負担を減らすために雑務を自ら行い、毎日勝者などいない戦いに疲れ果てて帰ってくる彼女を抱きとめる胸だけを用意して待っていた。
彼女がそれを完成させたとき、まるで自分のことのように、故障でもしたんじゃないかと思うくらいに高揚した気分。もう何度も見たと思っていたのに、また別の面が見られた彼女の笑顔。
そして、それを実装したガーディアンズがまるで彼女との間にできた子供たちのように思えたこと…
ルカイム・ネーヴの回路から、それが消えることはありえない。
決して、ありえないのだ。

「黄金鷹の翼よ、『女主人』の名において命ずる。在るべきところへ導け」
なんだか体が軽くなったと思ったその次の瞬間、わたくしと主はマイルームにいました。
便利すぎですよね。お買い物や遠征の帰途に使いたいのですが、主はどうしても教えてくれません。詠唱だけ真似てみてもうまくいかなくて恥ずかしい思いをしましたし、とりあえず我慢しています。
ともあれ無事に脱出できて一安心です。いやそりゃたしかにちょっとは主とこのまま心中しちゃうんじゃないかとか思ってましたけど、信じてましたよ!ええ!
ただ、主はもうひと仕事あるとおっしゃいます。正直けっこう疲れたんですけど…
「まあ、すぐ終わるからもうちょっとだけ、ね。いいわね?いくわよ」
そして主が扉を開けたその瞬間、濃紫の影が部屋に飛び込んできました。
「ギィィッ!」
ネーヴ校長!?こんなところにまで!
「ようこそ」
主も落ち着いてないでー!襲ってきてるじゃないですか!
わたくしが訓練校校長室から拝借してきたディスクを持ったまま、主はネーヴ校長の攻撃から逃げ回っています。
今回なぜか校長はわたくしを狙ってはこないようですが、あれよあれよという間にお部屋の掃除が大変に…
「困ってる人はここに来るんだってば。彼は困っているのよ…これの中身は見てみた?」
あ、はい。ガーディアンズシステムの基本ディスクですね。左手射撃技術の。解析してみたら、右腕のないヒューマンの女性が、毎日毎日左手を正確に使う練習、射撃の練習をする姿が見えました。
「その人がネーヴ校長の妻、初代ガーディアンズ訓練校校長、ミューンよ。
彼女が500年戦争末期に右腕を失ってから編み出した左手の技術は、逆腕では正確さに欠けていた双銃の扱い方や、左手武器という概念、いろいろなところに影響を及ぼしているわ」
普段なにげなく使っているこのガーディアンズの基本システムに、そんな血のにじむ努力が秘められていたなんて知りませんでした…
あ…ネーヴ校長がガーディアンズだけを狙って攻撃していたのは、まさか!
「借りたものは返さなくちゃね。これは本来あなたが持つべきものよ。ほら」
主が放り投げたそのディスク。放物線を描いて、くるくると回りながらゆっくりと宙を舞います。
「オ…オオオ…オォァァァ……」
まるで嗚咽のような声を出しながら、ネーヴ校長はそれしか見えていないかのようにディスクを追いかけると、落とさないようしっかりと受け止めました。そして、それを大事そうに抱えると、そのまま動かなくなりました。
何もわからなくなっても奥さんだけは忘れなかったのですね…
ネーヴ校長、お亡くなりになったんでしょうか?
「最後にもう一度輝くか、このまま安楽に身をゆだねるかは彼次第。どちらを選んでも、誰も彼を責めることはできないでしょうね」
輝きを…でも、それは本当に素晴らしいことなのでしょうか?ある意味とても残酷なことではないでしょうか?本人にとっても、残される人にとっても…
「それはあなたが一番よく知っているでしょう?」
わたくしには決められません…でも、これだけは言えます。
ダルガン総裁は、本当の勇者でした。ネーヴ校長も…
439金色の翼に乗りて行け、我が思いよ 終章5:2007/11/25(日) 17:00:19.16 ID:3gQlxSrq
報告、報告、報告。うんざりするほどあがってくる報告は、どれもが良くないニュースばかりで、いい加減感覚が麻痺してきたところだ。
降りしきる星を見上げ、新総裁ライア・マルチネスは一人ため息をついた。混沌の時代にさしかかったこんな状況でも、予測されていなかった幾百幾万の流星群をグラールの人々は楽しんでいるのだろうか。
「ありがたや、ありがたや。空を駆ける流れ星…次なる勇者様のため道を作ったダルガン総裁とコロニーの人々の魂が、天に還った…」
少しでも気分を紛らわせようと総本部から公園に出てきてみたが、間違いだったか。和む光景が見られるどころか、身よりのなさそうな老人が一人、意味不明なことをぶつぶつつぶやいているだけだった。
「人の魂はな、力なんじゃ…いつか天へ昇るためのな。猫を従えた勇者様の時代から、なんにも変わっとらん…なんにもな…」
駄目だ、集中できない。老人が見えなくなるまで離れ、近くのベンチに腰掛ける。その間にも目を通していない報告はさらに増えていた。
頼むから少しでも和む報告をあげてくれ…あがっていたらどうでもいいことを報告するなと怒らなければならないが。
そんなライアの目の前を、GH432が主人らしき女と一緒に歩いていく。
「うまくなったわねー。やってみるもんだなあ」
「えへへ、練習したかいがありましたよ主。ざら〜いお〜ぶほ〜ぷうぃ〜るびしゃ〜いに〜んごな〜す♪い〜うぃ〜るり〜だすとぅ〜あ〜ぶら〜いたで〜♪」
上機嫌で何かの歌を歌っているそれは、主人が一緒に歌ってくれることに無邪気に喜んでいる。呑気なものだ。あたしも小さい頃は父と一緒に同じようなことをしたんだろうか…
突如、ライアは何かを振り払うように顔を振り、自分の頬を叩いた。ぱん、と乾いた音が思ったよりずっと大きく響いた。
救いを求めることはできない。父は、総裁はもういない。そして、自分が背負った宿命はあまりにも重い。
本当は泣きたかった。全部投げ出して逃げてしまいたかった。
しかし、新人研修のときから一緒にいる、自分の教え子にして信頼するパートナー。あいつが折れそうになった自分を支えてくれた。
絶望だらけの暗闇の道だが、あいつがいるから歩き出せる。
もうみっともない姿は見せられない。これからも苦労をかけることになりそうだが、いつか必ず感謝の気持ちを伝えよう。
だから、そのときまで生き残る。二人とも生き残ってみせる。あらためて誓いを胸に刻み込んだ。
「がんばってね、ライア・マルチネス。そしてそのパートナー。『光』はあなたたちとともに」
鋭敏なビーストの耳だからこそ聞こえたであろう小さなつぶやきに、はっとして顔をあげたとき、女とGH432は角を曲がるところだった。
あの女には見覚えはない。それなのに、極秘で動いてもらっているパートナーのことを知っている?
「おい、待ちな!あんた…」
走って角をのぞき込んだが、そこには誰もいなかった。
はるか遠くから聞こえる聞き慣れない言語の歌声だけが、それが白昼夢でないことを証明していた。
「The light of hope will lead us to a brighter, brighter day...♪」
440金色の翼に乗りて行け、我が思いよ 終章:2007/11/25(日) 17:17:42.85 ID:3gQlxSrq
-END-

ああ、うっかり最後にこれつけるの忘れてた!w
これだけ書くのもなんなので、最後にもう一つ蛇足気味の解説をば。


「ガーディアンズ訓練校初代校長」
参考までに。
ネーヴ校長の奥さん。ヒューマンの女性で、名前はミューン。図々しくも筆者がでっち上げたキャラ(他にも設定でっち上げはやってる?まあ待て兄弟)。
たまたまPSOなどでも右手または両手で扱っていたハンドガンが唐突に左手で扱われるようになった理由をふと考えて、そういえば前書いた話で右手なくした人がいたな、ということで。
その時代の方々と一緒に再登場。偶然歯車ががっちりかみ合ったというかなんというか。
500年戦争末期の、若かりし頃のネーヴとのエピソードはエロパロスレにて。

「グランドクロス」
剣と光術で星の十字配列を模することで、広域にエネルギーを放つ技。最近実装されたらしいブラックハーツの二刀流のことではないので注意。
ピュアリファイライト、パラダインブロウと並び、光の三大奥義のうちの一つと伝えられている。
実体を持った『深遠なる闇』を倒すのに使われた奥義であり、人間のとうてい及ぶところではないとされてきたそれを乗り越えるという奇跡を生み出した、まさに無限の可能性の象徴である。
これらの奥義は原則として一人では使うことができないが、それは人の本当の力は個人によるものではないことを示している。
ちなみに、本来はソードクロスとエフェスで使うものだが、類似した技であれば(たとえばクロスハリケーン3段目+レグランツなどでも)少々の違いこそあれ発動する。
筆者は次回作で協力技が出ることを願ってやまない(しつこく要望にも出してたりするw)。

「ピュアリファイライト」
旧千年紀シリーズを知っている人なら思い出すかもしれない、光の三大奥義の一つ(ちなみに三大奥義なのは、闇の眷属に特別に効く協力技が3つしかないからでw)。
聖なる言葉を光に込め、すべてを本来あるべき姿に戻す(元ネタのファンタシースター4では、深淵からくる闇の眷属を即死させる協力技)。
発動にはイクリプストーチ信仰の高僧であるラジャの法術「ホーリィワード」を用いるので、本編ではイクリプストーチの名前を出してます。
441名無しオンライン:2007/11/26(月) 06:26:51.35 ID:NFbt9S8f
>>432
ノリと勢いだけでがががっと繰り返し読み返しながら書いていたので
作者自身は読みにくいとまったく感じてませんでした
完全に頭から読み手に対する配慮が抜け落ちてました…ごめんなさい

>>433さんの修正版を参考に色々と工夫していきたいと思います
なにぶん、作文なんて小学生以来だぜ!のただの1PSUプレイヤーですので
至らぬ点は、まだまだ多々出てくると思いますが
完結までお付き合いしてくれるとありがたいです
442名無しオンライン:2007/11/27(火) 00:14:11.33 ID:3kXAzGZv
>>441
スペース使って揃えるというのもいいけど、
面倒なら台詞を上下改行で空けるだけでも結構見やすくなると思うよ
例えば>>421みたいな感じで
443名無しオンライン:2007/11/27(火) 07:24:10.02 ID:elOIKbgk
台詞の上下開けると文章が縦長になるんだよなぁ、そこが悩みどころ
最初は俺もあの形使ってたが自分で読み直したり他人の作品見たりしてしっくりくる形を探してる俺
444名無しオンライン:2007/11/27(火) 13:00:40.85 ID:7nh0AQrk
>>435-440
 読んでたら、途中で目に汗がにじんできた…

 長文、お疲れ様でした。
445名無しオンライン:2007/11/29(木) 20:31:52.02 ID:rVaql4ra
パシリ「ご主人様、ご主人様!」
主「うん? …ブッ、パシリが3人!?」
パシリ中「今日は」
パシリ右「ご主人様の愛を試そうと思って」
パシリ左「私達の中から」
パシリ全員「「「貴方のパシリを見つけてもらいます!!」」」
主「な、なんだってー!?」

パシリ中「さあ、貴方のパシリはだ〜れ?」
主「え…、じゃ、じゃあ、真ん中…?」

パシリ右「……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
パシリ中「……えーと…」
パシリ左「…ぁ〜…」

主「ヒイッ! ごめんなさい!?」
446名無しオンライン:2007/11/29(木) 21:32:43.00 ID:gUkT5kdA
440の傷に気が付かない人も多いしね。
意外と接客用セリフでバレる・・・かな?
447名無しオンライン:2007/11/30(金) 02:11:15.78 ID:R9ogUVEs
自分のパシリが解らなくて途方にくれるご主人様。
そこへ謎の男が登場。

ドウギ「ちょっと待ったぁあああ!!」
主  「ななな何者!?」
ドウギ「双子やそっくりさんなら任せよ!」
主  「…気のせいか貴方だと余計にマズイ気がする」
ドウギ「ハハハ気になさるな。ゴニョゴニョ」
主  「ふむふむ」

暫くして。
ご主人の手や足や頭をそれぞれ持つパシリ達。

ドウギ「これぞニューデイズに伝わるオウオカ・サバキなり」
主  「いや…それはいいんだけど…」
パシリ全員「フン!!フンンヌウ!!」
主  「イタタタ!!もげる!!もげるちゃうぅぅぅ!!」

ぶちん

パシリ全員「しまった!つい力が!!」
>>445
思いついたので続きを書いてしまいました。
ゴメンナサイ。
448名無しオンライン:2007/11/30(金) 09:59:28.44 ID:K4cGVYxr
パシリ幼稚園のにこにこ先生の額にも傷が残ってんだろうか

某抜刀斎の傷みたいにだんだん消えるのだろうか
449名無しオンライン:2007/11/30(金) 10:39:59.05 ID:1hfaMVwC
>>338
あの話を覚えている人居たとは…。
続きはなく、あれで一応完結なのですよ。(救う手立てがなかったというか…)
あとは、復帰したご主人(アナタ)次第。結末は、グラールで! な感じでした。

>>448
某はぅはぅ作品からお借りした効果は絶大だ…。
マシーナリなので、人工皮膚の換装は出来ると思うけど
個人的には、あの時の記憶としてワザと残している、と思いたい。
まぁ、そのあたりは、きっと某わんわん作品の作者さんが、続編で書いて…下さい(ω・
450名無しオンライン:2007/11/30(金) 22:17:16.64 ID:TxaA6v0s
ども、パパと412作者です。

書き上がったので、前回の予告どおり、ロザリオの話を投下させていただきます。
次回以降への前振りがあってちょっと長くなってますので、2〜3回くらいに分けて投下となります。

それでは「ハロウィン・ベイビー」、投下開始です。
ご拝読くださいませ。
451ハロウィン・ベイビー(1):2007/11/30(金) 22:18:17.81 ID:TxaA6v0s
『―――モニタリングシステム、デバッグ終了。
 最終シークエンスの準備完了。システム、オールグリーン』
 オペレーターの声が、冬眠カプセルの並ぶ部屋に響きました。
 私はそれを聞き、意を決して合図を出します。
「始めて下さい」
『了解。
 循環ジェルの注入を開始、モニタリング開始、バックアップシステム稼動開始。
 元素及びエネルギーは規定値をクリア。
 躯体保持システムの稼動状況は良好、予測値との情報誤差は0.0000000000000021%』

 ここは、グラール教団の、とある研究施設。
 何故こんな言い方かというと、一切の外界情報を遮断されて連れて来られた私には、どこにあるかもさっぱり分からない秘匿施設だからです。
 そこでは、特殊なボディスーツを装着した女性が、冬眠カプセルに長期封印されようとしてます。
 すでに元素やエネルギーが混合された特殊な循環ジェルが充填され、内部からは激しい動きが一切取れなくなっています。
「しばらくは『あなた』とお別れですねぇ」
 私が話しかけると、カプセルを管理している端末のスピーカーから、その女性の声を模した音声で答えが返ってきます。
『仕方ありません、予想外の急激な進化でしたから』
 女性の意識は半覚醒状態で、完全には眠っていません。
「父様、戸惑ってましたけど…」
『21,405日間のお別れです。
 大丈夫ですよ58年くらい。100年くらいなら待つ、って、自分で言ったんですから』
「それは心配してないの。どっちかというと、この躯体が持つかどうかが心配…」
 私はそういって、自分の胸元に手を当てます。
『常時バックアップされてますし、データが破損しても、こちらのデータを使えばいつでも復元できます。
 …ちゃんと、毎日クロスチェックして、意識体データの更新を忘れないで下さい。
 嫌ですからね、死にかけのこの身体であなたを探しに行く羽目になるのは』
「分かってますよぅ、あなたは私なんですから」
『あなたは私、か。
 なんか、不思議な感じ。GH−412の「私」を自分の目で見て、自分と会話しているなんて』
「私も、未来の『私』を自分の目でみて、自分と会話してるって思うと、不思議な感じがする。
 あなたも私もロザリオ・ブリジェシー、同じ『存在(もの)』なんだから、同じように感じて当然でしょうけど」

 そう、この女性は、最終段階まで急激に進化をした、私の本当の躯体。
 ほんとは数十年をかけてエネルギーと元素を蓄積してからでないと成れない姿のはずなのに、突然進化してしまったんです。
 特に元素が足りてないせいで、外装とブレインコアなどの重要部品以外は半分以上スカスカ、満足に動くどころか躯体維持も危ぶまれる状況です。
 そこで、意識体を『複製』したバックアップ用ブレインコアを用意し、準備してあった新規躯体にそれを搭載、それを運用しながら本来の躯体が完成するのを待つ事になりました。
 意識体を複製したのは、本来の躯体から意識体がお留守になると色々危険だという判断をしたからですけど………
 二つのブレインコアの情報誤差が生じる可能性を考えれば、それはそれで危険な選択ですが、どんな形であっても、私は父様の側に居たかったのです。

「…第6段階進化に必要な元素の変換が済んでいれば、もうちょっと楽だったのに」
『仮にそうだとしても、あのままでは死んでましたよ?』
「そうよねぇ…グラール教団、いえ、幻視の巫女さまさまよね」
『でも、そうだったとしても、やっぱり封印されるんですから、どちらが良かったのかは』
「『微妙よねぇ』」
452ハロウィン・ベイビー(1):2007/11/30(金) 22:19:31.59 ID:TxaA6v0s
 私が急激に進化したのは、ハビオラ禁止区での変種原生生物駆除に、父様と出向いた時のことです。
 ミッション中に突然、私は完成体とも言える第7段階まで急激に躯体が進化、元素不足から躯体が完成せず、機能不全で昏倒しました。
 偶然ですが、その日は父様と二人だけでミッションを行っていたので、救援を請おうにも周囲に誰がいる訳でもなく、劣勢になった私と父様は死を覚悟しました。
 そこへ、タイミングよく教団所属の特殊警護士の一分隊が到着し、私と父様は助け出されました。
 ですが、彼らが私達を助けた理由は、私を封印する為だったのです。
 いつもの事ながら、教団から詳細は説明されませんでしたが、私、というよりは私の躯体が活動していると『悪しき意志』、つまりSEEDを引き寄せるらしいのです。
 『幻視』によって見えた未来の、来るべき災いを回避する為に封印する、という、一方的な通告でした。
 封印期間は、私の躯体が完全に完成するまで。
 状況から判断すると、躯体が未完成状態である私が動き回ることが、一番の問題だったようです。
 本当は、私の意識体ごと封印される予定だったのですが、巫女様の計らいで、それだけは免れました。
 星霊首長イヅマ・ルツ様は、危険性の残る巫女様の計らいについては快く思っていない、と、父様との対面時にはっきりと仰っていました。
 実際の問題として、教団側がガーディアンズの備品(形式的にですが)である私を無断処分したことになるわけですが、ごたごたを嫌った父様が『教団側に協力を求めた』という事にして、この事件をガーディアンズ側に報告していました。
 勝手な振る舞いをした父様がそれ相応の処分を受けるかと思いましたが、新総裁と父様の間に何かの取引があったらしく、始末書一枚と何かの研修を受けることで済まされてしまっています。
 そして、私が根本的な原因であるらしいこの小さな事件は、教団とガーディアンズ、双方の思惑によって巧妙に『無かったこと』にされました。
 ここに『私』が封印されている事は、僅かな関係者しか知りません。
 それと、私が突然進化した原因は今もって皆目見当がつかず、あの森の高濃度フォトンが何らかの影響を与えたらしい、という私の推測以外は何もありません。

「―――そろそろ時間です。この場をお引取り願います」
 男性警護士の、丁寧ですが有無を言わせないその台詞を聞き、私は素直にカプセルの前から立ち去りました。
「おやすみなさい、私」
『おやすみ。また今夜、夢の中で』
「ええ、また今夜ね」
 部屋を出た私の背後で、扉とカプセルの封印蓋が閉まる音が聞こえてきました。


 ―――惑星パルム、ガーディアンズ宿舎―――

「たっだいまぁ、っと」
「おかえりなさいませ」

 マイルームに帰ってきた私を出迎えたのは、スペアPMから変わって新たに導入された、フォトンミラージュを応用したお留守番装置です。
 この装置は、触ることも出来る『質量を持った』フォトンミラージュと、私達パシリの意識体データバックアップシステム、それに連動した簡易AIで構成され、これで来訪者に対応しています。
 この装置、実はずいぶん昔から普及していたのですが、バックアップデータに関する通信自体の問題や私達パシリのバックアップシステムとの連動がうまくいかず、採用されていませんでした。
 その為、今までは同型ブレインコアと躯体による、一種の共鳴作用を利用した特殊な通信システムを構築し、各パシリごとに専用のバックアップ躯体を用意する必要がありました。
 現在は、破損したベクタートラックが修復され始め、それに伴う通信設備の強化によって今までの問題点がすべてクリアされ、晴れて導入となったのです。
 私に関しては、GRMが設置した装置にデータがバックアップ出来ない事は相変わらずで、『私』へのデータ送信はブレインコアの共鳴通信を利用しているんですけどね。
 この、ガーディアンズ専用お留守番装置とスペアパシリの交換はGRMが推奨し、1週間もかからず全てが交換されました。
 何故ならこの装置、入れ替えも、維持も、スペアパシリにかかる経費の千分の一で出来るからなんです。
 
453ハロウィン・ベイビー(3):2007/11/30(金) 22:20:17.96 ID:TxaA6v0s
 あ、そういえば、この有質量フォトンミラージュは意外な所でも使われています。
 黄色いアイコンの『パートナーカード』を使ってライア教官…あ、今は新総裁でした、やヒューガ教官とかを呼び出すと、いつでもすぐに来ますよね?
 あの、やってくる教官達が『質量を持った』フォトンミラージュなんです。知ってました?
 ルウさんは外部端末躯体がいっぱいいましたけど、それ以外のガーディアンズで、生身なのに同じ場所に複数いるのは変だと思ってたんですが、そういうからくりだったんです。
 所詮は本人達の能力がデータ化されて、プログラムAIが動かしているだけだから、あんまり強くありません。
 まぁ、呼び出しには違いないので、稀に本人がやってきてびっくりしたりする事もありますけどね。

「やっと帰ってこれたなぁ」
 父様が私の後ろで、自分の首筋をもみながら、やれやれといった様子で言いました。
 私の封印作業が終了するまで、自発的(ほんとは半ば強制ですけどね。建前上という奴です)に教団へ留まっていましたからねぇ。
 ナチュラルマットとグッズですっかり居間に改装された元展示スペースですが、そこへ移動した父様は、ザ・ブトンに座るとほっとしたようです。
 ちょうどいい時間なので、私がお茶を入れてティー・タイムとなりました。
「躯体の調子はどうだ、ロザリィ。
 違和感はあるだろうし、例の装置とのリンクが切れているから、だいぶ勝手が違うと思うが」
 ニューデイズ産のグリーン・ティを飲みながら、父様はそう尋ねてきました。
 この躯体は、次世代型新設計のメインフレームに私が新造したブレインコアを搭載した、一種のカスタムボディです。
 実はこれ、やっと量産の目処がたった交換パーツのテスト用として組まれていたものですが、急遽実用躯体として組みなおしたものです。
 これがなかったら、私は少なからず一ヶ月はボディ無しで過ごす羽目になっていたことでしょう。
 もっとも、このブレインコアにも内蔵されている異能体感知装置以外は本体ごと封印されてるから、今の私はただのパシリと変わりがありません。
「かなり楽ですよ、この次世代型新設計躯体。
 メインフレームの情報処理系がアップグレードされていて、ブレインコアへの負荷が少なくなっています。
 私から採取・培養した人工細胞にも次世代技術が取り入れられてて、封印されてる本体よりも高分子モーターや運動制御系も大分改良・洗練されて、動きやすいです。
 リアクターも小型で高出力になったので、躯体自体も軽くなりました。
 今晩のデータ更新のときに、本体のほうへこの情報を送って、自己改良しようと思います。
 後、変わった点は…」
 その先を口に出すにはちょっと恥ずかしくて、思わず口ごもってしまいます。
 簡単に言えば、夜のお相手の為の機能が改良されてるんです。
「後、私本来の躯体とは違いますけど、量産型に組まれていた精子採集器が外されて、代わりにジーンスキャナーが組み込まれています。
 私の場合は躯体メインフレーム以外が専用パーツで組まれた特別製ですけど、今後は定期メンテで順次ヴァージョンアップされて、この新設計躯体の量産版に切り替わっていくでしょう。
 そうなれば、ああいう事件は減ると思いますけど…」
「そうだな…」
 そう言ったっきり、父様は黙り込んでしまいました。

 そう、あれはちょうどハロウィンシーズンの真っ只中、子供達が「Trick or Treat!」と言って、お菓子をねだりに来る日の事でした。
454ハロウィン・ベイビー(4):2007/11/30(金) 22:20:56.49 ID:TxaA6v0s
 それはヒュマ姉さんの部屋での出来事。
『Trick or Treat!』
「いたずらしないで、お菓子をあげるから!」
『わ〜い!!』
 ルテナちゃんがそう言うと、仮装をした子供たちは歓声を上げました。
「はい、どうぞ。一人に一袋ずつあるからね」
 彼女に代わって、私が一人一人に手渡します。
 以前の騒ぎのとき、お菓子作りをするヒュマ姉さんの姿がカルチャーセンターで見かけられた所為か、連日やたらと子供が来るとの事で、今日の私は助っ人に来ています。
「ありがとう!ここのおば…おねーさんのお菓子、すっごくおいしいって聞いたから楽しみだったんだ!」
 私の後ろからヒュマ姉さんの咳払いが聞こえてきた途端、素直なお子様達はしっかりと言い直し、にっこりと笑って出て行きました。
「全く、近所のガキどもったら…」
 ヒュマ姉さんがぼやきます。
「そう言えば、そのガキどもにスカート引き摺り下ろされたって…」
「それはわたしです」
 私の質問にルテナちゃんが、目の端に涙をためて顔を真っ赤にして答えました。
「お使いの帰りに、ヒトが沢山いた往来のど真ん中で下ろされちゃって…」
 思い出して感極まったのか、私にすがってしゃくりあげ始めたルテナちゃん。
「あたしはあたしで、ミクミコセット着てひどい目にあった翌日に、思いっきり胸を揉まれたの」
 そう言って、自分の胸を両腕で隠すように押さえ、身震いするヒュマ姉さん。
「あの時かぁ…もう、治りました?」
「とりあえずはね。でも、あの時はすごく痛かった…」
 眉間にしわを寄せ、思い出してしまった痛みをこらえているようです。
 服がずれなかったり、激しい汗をかいても蒸れないのはガーディアンシステムによる機能の一部なんですけど、姉さんのシステムは数日前から環境系機能が不調気味だったんだそうです。
 それなのにミクミコセットを着て外出したら、ゆれる胸の動きに布地がついてこなくて、生地で擦れて胸が真っ赤っか、湿度調整がおかしくなってたから蒸れちゃって、布擦れで赤くなった場所に大量に汗をかいて汗疹が出来ちゃったのよね。
 結局、姉さんてば痛痒さに耐え切れなくて、出先から一番近い部屋だった父様の所に駆け込んできて、消炎効果のあるパウダーを借りてったっけ。
 しかも、炎症の痛みで自分じゃ上手く出来なくて、結局私がパウダーをつけてあげたのよね。
「一度は着てみたくて手に入れたけど、あんな事は二度とごめんよ。私、ミッションにあれを着ていく勇気は無いわね…」
 私はその言葉に、ただ苦笑するしかありません。

 ぷしゅ〜

「こ、こんばんは…と、Trick or Treat…」
 かぼちゃのお面とぽっちゃりしたローブ姿、つまりラッピー・ラタンに仮装したパシリが来ました。
 仮装パシリはさほど多くは来ませんが、ちらほらと現れます。
 ま、大抵は私達の友パシリ達なんですけどね。
「いたずらしないで、お菓子をあげる、か…ら?
 …ねえ、どっか具合、悪いの?動きは変だし、苦しそうだし」
 決まり文句で返事をし、最初にそのパシリの異変に気がついたのは私。
「う、うぅ……くる…し……ぃ…」
 そう言って、踏ん張れなくなって膝をつく彼女。
「…奥に連れて行ってあげるから、ちょっと横になりなさい」
 そう言って、様子がおかしい彼女をヒュマ姉さんが抱えあげた途端、姉さんは顔をしかめました。
「ロザリオ、おじ様を呼び出して!急いで!」
「は、はい〜!」
 突然、ヒュマ姉さんが強い口調でそんな事を言うのでちょっと面食らいましたが、反射的に返事をしていました。
「ちょっと待って!ここじゃなくて、GRMのサービスセンターへ呼び出して!
 私達もこれからすぐに行くわよ!」
「は〜い」と、言うルテナちゃんの返事を聞きつつ、私は疑問に思いました。
 一体、ヒュマ姉さんは何をあわててるんでしょう?
455ハロウィン・ベイビー(5):2007/11/30(金) 22:22:15.37 ID:TxaA6v0s
 戸締りもソコソコに、GRMのPMサービスセンターへ駆け込んだ私達。
「―――ご主人様、もうすぐ来るそうです」
「そう、分かったわ」
 私は既にメールで父様に連絡を取っていて、たった今、返信されてきたばかりの内容を伝えると、ヒュマ姉さんはちょっといらいらしながらも、じっと待っています。
「あの、姉さん、検査が目的なら、すぐに出来るように私の権限で研究棟へ直接入りませんか?
 検査設備は研究棟の中だし、ご主人様を待ってても、時間が過ぎるだけだし」
「そうね、そのほうがいいかも。
 じゃ、よろしくね」
「はい」
 通路の奥にある、研究棟のある敷地への連絡通路入り口前まで移動すると、警備のキャストさんに止められます。
「ここから先は、許可を受けたものと関係者以外は立ち入り禁止だ」
「GRM開発局第5研究棟PMメンテナンスサービス部門検査主任、PMGA00261C5D7-B5、ロザリオ・ブリジェシーです。
 外部同伴者1名、同伴PM2体の入棟許可を申請します」
「暫くお待ちください。個体認証IDと製造ロットの照合中……確認しました。
 検査主任、入棟を許可します。
 外部同伴者1名、同伴PM2体の身元が照合されました。
 只今、棟内用時限IDを発行中…登録完了…時限IDの確認終了、入棟を許可します。こちらからどうぞ」
 警備員は全員のIDを確認すると、入り口を塞いでいた扉とシールドラインを解除し、私達は中へと案内されます。

 私は、いつの間にかパシリメンテの検査主任などという立場を与えられ、この施設へ出入りするようになっていました。
 要は、私に例の制圧・制御装置を使わせてパシリ達のメンテナンスをさせる為に、私にある程度の立場を与える事で、GRMは機密保持と出入りの利便性を確保させたわけです。
 開発局長様が、何をどうやって手を回したのか知りませんが、ガーディアンズのパシリでありながら、私は今や立派なGRMの社員の一人です。
 おかげで、ガーディアンズのヒト達から白い目で見られることもあります。
 気持ちは分かりますけどねぇ………
 毛嫌いしようとも、組織としてはイルミナスとの癒着やガーディアンズとの確執があっても、結局、私達パシリはGRM無しに稼動の維持が出来ないのが現状です。
 それに、この会社にいるヒトみんなが悪い奴って訳じゃありません。

「――検査主任?今日は業務がないはずでは?」
 通路を足早に移動していると、向こうから歩いてきた、白衣に身を包んだニューマンの女性が私に声をかけてきました。
「そうなんだけど、ちょっと緊急事態みたい。本業のほうでね」
 ちらり、と、ヒュマ姉さんと抱えているパシリを見て、ニューマンの女性が私達の前を歩き出します。
「それならこちらへ。こっちのスキャナーはまだシステムダウンさせてませんから、すぐに使えます」
 そう言って、検査室まで案内してくれました。
 部屋に入ろうとすると、通路を駆けてくる足音が聞こえてきました。
「すまん、遅くなった。
 で、何がどうなってるって?」
「遅いですよ、ご主人様。一体、何処に…って、聞くまでもないか。
 ボル・コインのケース、しまってよね、もう」
「ん?あ、ああ…急の連絡であわててたから、預けるの忘れてたよ」
 そう言いながら、コインをケースごとナノトランサーに仕舞い込む父様。

 下手の横好きとでも言いましょうか、カジノで遊ぶ行為そのものが好きなんですよね、父様。
 勝敗で言うなら殆ど負けてますけど。
 今まで手に入れた景品はフォトガチャンが1台だけ(実話)ですから、運は良くないようです。

「スキャンはこれからなので詳細は分かりませんけど、様子のおかしいパシリがヒュマ姉さんの部屋に来たんです」
 そう言って、ヒュマ姉さんの抱いているパシリに視線を送る私。
 そのパシリを一瞥した父様は、眉をひそめると「まさかな」とつぶやきます。
「検査主任、検査室へどうぞ。準備完了です」
 研究員の言葉に、私達は問題のパシリを検査台に横たえ、操作室へ入りました。
456ハロウィン・ベイビー(6):2007/11/30(金) 22:22:59.11 ID:TxaA6v0s

 一通りのスキャンが完了し、その結果を見て驚きました。
「へ?赤ちゃん?妊娠してるの?」
 3Dスキャンした映像には、肥大化している腹部に、どう見ても胎児の姿が確認できるのです。
 私、彼女のお腹が膨らんでるの、仮装のせいだと思ってた……
「やっぱり…」と言ったのは、ヒュマ姉さん。
「おいおい、マジかよ…型番だと、こいつは受胎機構のある限定生産型じゃなくて量産型だぞ?」
 父様はスキャン中に見ていた、ガーディアンズ側の登録データを再確認しながら、首をひねっています。
「ですけど、どう見てもお腹が大きく膨らんでいますよ?記載ミスなのでは?」
 ルテナちゃんはそう言いつつ、物珍しそうに検査台のパシリを見ています。
「主人はモトゥブ出身、3ヶ月おきの簡易自己診断では異常なしとの報告あり、ってなってたな。
 …あ、特記事項に改造歴があった」
「ご主人様、しっかりしてよね」
「すまん、見落としてた…
 ええっと―――クバラ製埋設型オプション装着……日付けはざっと一年前、年一回の定期メンテの直後だな」
 父様が、躯体の登録経歴を調べてオプションの型式をチェックすると、GRMに登録済みの社外商品から予想通りの名称が出てきます。
「クバラ製PM用受胎機構セット、ジーンデザイン済み人工卵細胞付き。
 これ、半年前に製造を中止、欠陥構造のせいで実際の使用に問題があるとして製品回収になってるな」
「そもそも、私達パシリの体のサイズで、子供を生むこと自体が間違ってます!」
 私は自分のことを棚に上げて、そう言い切りました。
「それでおじ様、その主人に連絡は?」
「スキャン中にしたよ。そろそろ連絡が…」

 ピピッピピッ、ピピッピピッ

「はい、こちら検査室」
 内線の呼び出しが鳴ったので私が出ると、先ほどの警備員からの連絡です。
『検査主任、PMの主人が到着しました』
「こちらに通してください」
『了解しました、入棟手続きを始めます』
 その連絡の直後、検査機器から警告音が鳴り響きます。
「え?容態急変って…」
 躯体内の生命体を排出する運動信号を確認、躯体機能の損壊可能性が増大、という警告内容です。
「これって、えっと…じんつう?」
 医療関係のデータを漁って、類似データからそう推測しました。
「バカ言え!PMが自然出産なんて出来る訳がない!医療課を呼び出せ!」
 バン!と検査筐体をひっぱたき、父様が大声を上げました。
「夜だってのにやかましいねぇ。一体何事だい?」
 操作室の入り口に、見慣れない型式のGHー4xxが立っています。
 明確な型式が不明で、現行のGH−4xxの特徴が入り混じった姿をしています。
 しかも、腰までの黒い髪、青い瞳と明るい肌色の人口皮膚以外はオフホワイトで統一されたパーツや服を着ているので、かなり違和感があります。
「あ、イヴ姉さん」
 イヴ姉さんは、量産試作機の前段階である基本素体“GH−400”のうちの一人です。
 そして現在は、試作パーツの実稼動評価を行うテストパシリでもあります。
 目の前に立っているこの躯体は、いわば彼女の専用躯体ですが、最新技術のテストベッドでもあるわけです。
 本当はとっくに博物館行き、ヒトでいう所の老後生活に入っているはずのイヴ姉さんですが、現在の彼女がやっている仕事をこなす予定だった個体が実働試験で大破、廃棄処分された為に、代わりとしてその役目を与えられたのです。
 極わずかですが、現在まで稼動している古いバージョンの個体もいて、それらと新規部品との相性判断をする意味合いもあるので、彼女らが第一線からいなくなるまで引退も出来ないそうです。
「…ふ〜ん、去年もいたんだ、バカな主人が。
 こいつの主人、どうせモトゥブ出身だろ?始原祭から計算すれば、大体日数は合うからね。
 ―――おい、そこのでかいの」
と、父様に指を突きつけます。
「俺か?」
「そいつを抱えて、ついといで。それと、そこの442はバカな主人を呼んできな。
 早くするんだ」
 有無を言わせず父様に問題のパシリを抱き上げさせ、自分はスタスタと何処かに移動します。
 行き先を聞こうにも、「聞く耳なんて持たないよ」と、背中が語っています。
457ハロウィン・ベイビー(7):2007/11/30(金) 22:23:42.32 ID:TxaA6v0s
「―――入りな」
 そう言ってイヴ姉さんが入っていったのは、『生体研究区画』と呼ばれる、生体組織研究エリアの一室です。
 ここは、人工義肢や全身義体と呼ばれるサイバーウェアや、パシリやキャストに使われている生体パーツの開発・研究が行われている区画です。
「でかいの!入り口に突っ立てないで、そこの作業台にそいつを寝かしたら、さっさと操作室に移動しな!
 検査主任は問題のパシリを完全制圧、意識体を仮死レベルにしたら、ブレインコアが躯体メインフレームへアクセスするのを完全遮断。
 あたしの指示があったら、リアクターと躯体メインフレームの制御をするんだ」
「件のパシリの主人を連れてきました」
 パシリの主人を連れたルテナちゃんがやってきて、淡々と告げました。
「あ、あの、俺のパシリは…」
 操作室に入ろうとする父様に向かって心配そうに言うパシリの主人ですが、その膝裏を力いっぱい蹴っ飛ばし、ひっくり返すイヴ姉さん。
 ひっくり返され、うめき声と文句を上げようとするその主人の首に足をかけ、顔に指を突きつけます。
「よく聞け、このクソ野郎!!
 パシリをおもちゃにしようが恋人にしようが知ったこっちゃないが、キャストとは違うんだ!!
 あたしらはね、ガキは産めねぇんだよ!!
 元々、産めるように出来てないんだ!!
 無理やりんな事したら、ぶっ壊れちまうんだ!!
 そこんとこがよ〜く分かったら、そこのベンチに座って、あたしが呼ぶまで大人しくしてろ!!
 そんで、てめぇのしでかした事がどんだけ馬鹿なことか、反省しな!!
 分かったな、このすっとこどっこい!!」
 そこまで怒鳴りつけて、首を踏んでいた足を退かすと、その足で主人のこめかみに蹴りを入れ、操作室に入っていきました。
 暫くして、夜の研究棟通路に響く赤ちゃんの泣き声。
「まさか、助産士の役をやる羽目になるなんて、思わなかった。『タスク』の所でやって以来、かな?」
 術衣を見につけ、取り上げた赤ちゃんに手際よく産湯を使わせて肌着を着せたヒュマ姉さんが、独り言を呟きます。
 その腕の中には、生まれたばかりの女の赤ちゃんが抱かれています。
 この部屋の中には、赤ちゃん用の肌着やオムツなどが常備されていて、まるで産婦人科のようです。
 そういえば、今は故あって失効してるけど、ヒュマ姉さんはちゃんと医科大学行って、正規の医師免許を持ってたのよね。
 話からすると、海賊時代に赤ちゃんを取り上げた経験があるようですから、手馴れていてもおかしくない訳です。
 イヴ姉さんの独り言によれば、パシリに埋設出来る受胎機構が開発されてからというもの、年に数回はこんな事があるという話です。
 それと、パシリの受胎機構の妊娠期間は、胎児の成長がパシリの躯体に負担をかけすぎないように約一年で臨月になるように調整されているのが普通なんですって。
 イヴ姉さんの統計上、モトゥブの始原祭にやっちゃった事例が多く、妊娠期間との兼ね合いから、この時期にこういう事件が集中するそうです。
「何度もそんな事があったから、こんな設備が作られたなんて、なんか皮肉よね」
 私の呟きを聞いたのか、イヴ姉さんがやって来て、私のおでこを指で突付きます。
「あんたは人事じゃないんだよ。
 同じバカやって、あたしの手を煩わせないでおくれよ?いいね?」
 私の相談相手でもある彼女にはすべての事情を話してあるので、その言葉に素直に頷いておきます。
「さてと、あたしゃそろそろ寝るよ。
 これ以上あのクソ野郎の顔を見たら、殺したくなっちまう」
 そこまで言うと、足早に去っていきました。
458ハロウィン・ベイビー(8):2007/11/30(金) 22:26:36.79 ID:TxaA6v0s

 結局のところ、イヴ姉さんの手による(とはいっても、専用の整備筐体を使ってという意味ですが)躯体分解作業によって、1時間ほどで赤ちゃんは無事に生まれました。
 同時に受胎機構は撤去されましたが、腹部の生体パーツはあまりにも芳しくない状況で、修理よりは躯体を丸々取り替えたほうが早いくらいでした。
 それと受胎機構ですが、後日の調査で耐久性に致命的欠陥があった事が判明しました。
 聞いた話では、後半日遅ければ人工胎盤が破裂し、胎児は勿論、母体となっていたパシリも機能停止していただろうととの事です。

「お騒がせしました」
 赤ちゃんを抱いて、私達に頭を下げるパシリの主人。
 その脇にパシリの姿はありません。
 結局、新規躯体にしろ、修理にしろ、すぐに復帰は無理なので、短期間のメーカー預かりとなったわけです。
「Gコロニーの医療課には連絡してあるから、ちゃんとその子供を連れて行くように。
 あと、今日の調書を取るから、早いうちに対PM対策課まで出頭する事。
 それから、2、3日以内に始末書を書いて提出してくれ」
 無言で頷き、パシリの主人は静かに立ち去ります。
「あいつぁ、帰ったかい?」
 突然、後ろから声をかけられ、振り返った先にはイヴ姉さんがいました。
「あれ?お休みになるって…」
「ん?ああ、そのつもりだったんだけど、ちょっとね…」
 ナノトランサーからタバコを取り出し、火をつけるイヴ姉さん。
 喫煙の習慣を持つパシリは非常に稀ですが、いないわけではありません。特に、惑星勤務のパシリに多いようです。
「悪いけど、検査主任、ちょっと付き合ってくれないかい?」
「え?」
 どうしようかと思って父様のほうへ振り向くと、父様は無言で頷いてヒュマ姉さん達と棟外へ出て行きました。
「いいご主人様、いや、だんなさんだね。
 あたしの話がみんなに聞かれたくない話だって、分かってくれてるんだ」
 紫煙を吐き出し、微かな笑みとさびそうな表情を浮かべるイヴ姉さん。
「父様、パシリにはやさしいですから」
「その様子じゃ、その呼び方以外になんて呼んだらいいのか、まだ思いつかないんだね?」
「はい…」
「仕方ない子だね。まぁ、ゆっくり考えるといいさ」
 再びタバコを咥え、ゆっくりと味わう姉さん。
「―――あたしにはね、腹を痛めて産んだ息子がいるんだ」
 唐突にそう切り出されて、私は面食らいました。
「姉さんに、息子、さん、ですか?」
 すごく苦い笑みを浮かべ、私に視線を向けるイヴ姉さん。
「おかしな話じゃないのさ。
 あたしゃ、一体何をしているんだい?」
「あ、それじゃぁ…」
「そうさ、世界初の受胎機構が組み込まれたパシリがこのあたしだよ」

 ―――続く―――
459名無しオンライン:2007/11/30(金) 22:34:53.87 ID:TxaA6v0s
とりあえず、投下完了です。

残り1/3ちょっとですが、スレの残りKBを考えると危険なのでここまでとしておきます。
続きは多分、次スレになると思いますが、どうなりますやら…

ソルの続編は暇を見て作成中ですが、どうにもソルのご主人様が動いてくれなくて難儀してます。
時間がかかると思いますので、どうかご勘弁の程を。

それでは、今回はこの辺で失礼します。
460名無しオンライン:2007/12/01(土) 18:21:59.62 ID:gDMruc7R
>>459
キャラが動いてくれないか。なるほど、だから全体的にとんでも設定発表会みたいな作品になるんだな。
そもそもが書き手の自由だとは思うんだが、自己満足の域を出ないままにしたくないなら
キャラが勝手に動くんじゃなく、書きたいテーマに沿ってキャラを動かしてみた作品を書いてみてはどうかと。
ソルくんをいい転機にしてくれることを願いたい。
461名無しオンライン:2007/12/01(土) 19:53:20.26 ID:7J90wxNt
>>460
 ご拝読、感謝です。

 今までの書き方として、キャラが勝手に動いて、それを文に起こすというのがスタイルでしたから、
 作中のキャラたちを自分から役割にあわせて動かすことは割と少なく、何かあって動かすのは専らパパだけでしたねぇ…
 それに、大抵はネタ優先で、テーマまで考慮したことは殆ど無いような気がします。
 思い返すと、『暁の中で』を書いた時に多少はあったかも、という程度ですね…

 自己満足だけじゃ面白い文章にはなりませんね、確かに。
 今後はその辺をちゃんと考慮しながら書いてみようと思います。
 書き上がっちゃった『ハロウィン・ベイビー』には、流石に手を加えるのは勘弁してもらいたいですがw

 貴重なご意見、ありがとうございます。

チラシ裏
 別段、プレイヤーがいる電源不要系のシナリオ書いてる訳じゃないんだから、登場キャラを好きに動かしてもいいんだよなぁ…
 悪癖としてすっかり習慣化してるわ、こりゃ…
462名無しオンライン:2007/12/01(土) 21:17:29.07 ID:9xj1iFHo
確かにまず設定ありきな感じがしてたが、そっちのシナリオ書く人だったのか。納得。

キャラが一人立ちすれば勝手に動いてくれるのは確かだけど、
そこに至るまでの道筋はやはり書く側がつけてやる必要があると思う。
リアルの子育てと同じで、最初は親の意志に従わせるのが当然なんだよ。
子どもはそれを足がかりにして自分自身を見つけていくんだから。

設定のこだわりはいつも凄いと思って読んでるけど、
もう少し作者の意図を前面に出してもいいとは思う。更なる良作を期待します。
463名無しオンライン:2007/12/03(月) 22:24:50.74 ID:GuAC+vRr
>>462
 精進します。

ども、パパと412作者です。
スレの容量が何とかなりそうなので、続きを投下します。
容量足りなくて運悪く切れちゃったら、責任持って次スレたてさて貰います。

それでは「ハロウィン・ベイビー」、残りの投下です。
ご拝読くださいませ。
464ハロウィン・ベイビー(9):2007/12/03(月) 22:26:01.02 ID:GuAC+vRr
 実働試験の一環として受胎機構が躯体に組み込まれ、とある男性研究員と性行為を行って受胎実験がなされたそうです。
「十月十日(とつきとうか)なんて昔は言ったそうだが、試験の都合上、あたしの場合は約一年半の妊娠期間を経て出産となった。
 でもね、産めなかったよ。
 そりゃそうさ、こんな小さな体で臨月段階のヒトの胎児の自然分娩なんて、最初から無理な話だったんだよ。
 もちろん、実験は最終段階で失敗、自然分娩しか考慮されていなかった受胎機構は失敗作として廃棄処分、当然のように胎児ごと処分されそうになった。
 だけどね、わたしを抱いた研究員がね、自分の処分を覚悟でわたしと胎児を救ってくれた。
 さっきの設備、あれはその研究員―――あたしを見捨てたくないと言い張った男の研究室だったんだよ」
 長くなった灰を手近の灰皿に落とし、再び深くタバコを吸うと、静かに紫煙を吐き出すイヴ姉さん。
「結局は、パシリの自然分娩は技術的に無理だと分かって、外科的出産法を考慮された特殊躯体が限定生産されて、それで終わり。
 その研究員は、あたしと胎児を救った技術が認められてお咎め無しになったんだけど、赤ん坊を連れてすぐに研究所を止めちまったよ。
 その後は、クバラのPM研究所に引き抜かれたって聞いたけど、それ以降は音沙汰がないのさ」
「どうして、そんな話を私に?」
 私の問いに、ほとほとあきれたといった感じの笑い声を上げ、吸殻を灰皿に放り込む姉さん。
「それはね、さっき来たパシリの主人のせいさ」
「え?」
「ありゃぁね、あたしの息子なんだよ」
「ほんとですか?!」
 驚く私に向かって、確信を持った表情で頷く姉さん。
「ああ、間違いないね。
 あの顔、姿、声…昔のままのあの人がやってきたのかと、一瞬自分のセンサーを疑っちまったよ。
 それに、息子には特殊なIDタグが埋め込まれていてね、あたしの近くに来ると、あたしに位置と生体情報が送信されるんだよ。
 そういう機能があるのは知ってたけど、初めてのことで驚いたね。
 まったく、パシリに自分の子供を産ませようなんて、誰に似たんだか…」
 暫くの間、彼女の自嘲的な笑いが静かな通路に響いていました。
「たぶん…」
「あん?なんだい?」
 私が口を開くと、いぶかしんで、笑いを止めるイヴ姉さん。
「たぶん、姉さんのことを聞いて育ったから、じゃないのかな…」
「どんな風にだい?」
「お前の母さんはパシリだ、言えなかったけど、愛していた、って。私は、」
 突然に胸倉をつかまれた事で私の話は中断され、私はそのまま壁に強く押し付けられました。
「ふざけた事を抜かすんじゃないよ、このうすらとんかち!
 あんたのだんなみたいな奴はそう多く無いんだ、誰も彼も同じにするんじゃないよ!」
 イヴ姉さんが憤怒の表情もあらわに、そこまで一気にまくし立てると、手が離されます。
 そして、怒った表情のまま涙を流す彼女。
 その顔を見て、私も話の続きを躊躇いましたが、
「それでも、私は、そう思いたい!だって、自分の事を顧みないで、姉さんと子供を助けてくれたんだから!」
 どうしても我慢が出来ずに言ってしまいました。

 パシン!

 いきなり、私の左の頬にイヴ姉さんの平手打ちが飛んできました。
「それ以上、言うんじゃないよ!小娘!」
 これ以上無い位に辛そうな表情を浮かべ、とめどなく涙を流しています。
「ご、ごめんなさい…」
 私は謝って、それ以上の話を止めるしかありませんでした。
「…本当に、本当にそうなら、あの時、何であたしを一緒に連れていってくれなかったんだい…」
 寂しげに呟くと肩を落とし、暗い通路に向かってとぼとぼと歩いて行き、闇の中に消えるイヴ姉さん。
 私には、その背中に向かって、それ以上の言葉をかける事なんて出来ませんでした。
「ロザリオ」
 唐突に、消えていった通路の闇の中から、落ち着きを取り戻したイヴ姉さんの声が聞こえてきました。
「…はい」
「叩いたりして、ごめんよ。それから、さっきの言葉、言ってくれてありがとう。あたしも、そう思いたい。
 …おやすみ」
「おやすみなさい、姉さん」
 そして、通路には静寂が訪れました。
465ハロウィン・ベイビー(10):2007/12/03(月) 22:26:29.88 ID:GuAC+vRr

 イヴ姉さんの話を聞いたあの日以後、私はあの主人とパシリのことがずっと引っかかっていました。
「結局、あのヒトはどうしたのかな…」
 ポツリとつぶやいたその一言に、父様は首を振りました。
「分からん。
 調書を取るのに対PM対策課まであの主人は来たし、パシリがあの主人の所に帰っていったのは確認したが、それ以上は、な。
 それにロザリィ、あの三人の事は、俺達が心配してどうこうなる問題でもないだろう?
 ま、PMに関する相談なら受け付けてるって言っておいたから、必要になれば来るだろうし、多少のアドバイスはしておいたから大丈夫だろうさ」
「うん…」
 私はその返事と同時に、何故、あの二人の事が引っかかっていたのかに気づきました。
「私ね、パシリなのに父様の子供が産めるんだって分かった時、すごくうれしかったし、それって幸せだなって感じたの。
 でも、あのパシリと出会って、イヴ姉さんと話して、それが本当に自分にとっての幸せか、分からなくなっちゃったんだ。
 それで、ふと思ったの。
 私が感じているこの幸せって、一体なんなのかな、って…」
 自分の考えが、自然と口からこぼれ出ます。
 それを聞いた父様は、身振りだけで私を呼び、自分の脚の上に横座りに座らせました。
 そして、小さな私を片腕でそっと私を抱きしめます。
「俺は今まで長く生きてきたが、女房という例外はあったけど、誰かと暮らしていても、何処かにずっと孤独感を感じていた。
 だけど今は、お前と暮らして、こうやって語り合える時間が、二人でいられる時間があるという事が、とても幸せだと感じている。
 確かに、自分の子供が生まれれば、新しい家族が増える喜びに幸せに感じるだろう。
 でも、それはそれでまた別の喜び、別の幸せだ。同じものじゃない。
 お前がイヴに何を聞いたのかは知らないし、例えそれをこう感じたと話されたって、俺も完全には理解出来ない。
 だけどな、これだけは言える。
 何が幸せか、なんて、人それぞれだ。
 だから、お前はお前の感じる幸せを見つければ良いんだよ」
「私の感じる幸せ…」
 私のつぶやきに近い一言に、無言で頷く父様。
 膝の上に座っているために、いつもより間近にある父様の顔。
 その顔を見ながら、私は考え込みます。

 いつかこの人の子供が生めるという喜びは、私が感じている幸せの一部。
 じゃあ、その幸せを生み出しているものは、何?
 ……それは、この人。
 私の父様。
 最愛のご主人様。
 この人がいるから、私は幸せになれるし、それが感じられる。
 なんだ、答えは、目の前にあるじゃない。

 ザ・ブトンに座っている父様の、脚の上に膝立ちになり、その首にそっと腕を回して、軽く見上げます。
 私がそんな格好じゃ脚が痛いはずなのに、父様はそんなそぶりも見せずに、不安定な私の身体を抱えるように両腕で支え、私の顔を見ています。
 私は父様の顔を見つめながら、ゆっくりと喋りだします。
466ハロウィン・ベイビー(11):2007/12/03(月) 22:27:01.30 ID:GuAC+vRr
「私は、あなたを愛していることに限りない幸せを感じています。
 そして、あなたに愛されていることに限りない幸せを感じています。
 それが、今、この瞬間に、私の感じている幸せの全て。
 私がその幸せを感じられるのは、あなたがいるから。
 あなたがいるから、私は今までも、そしてこれからも、色々な喜びを幸せとして感じられる。
 私の幸せは、今、ここにいるあなたそのものです」
 私はそこまで喋ると、父様の唇に軽くキスをします。
「私、それしか分からないけど…」
『Trick or Treat!』
「「うわっ!!!びっくりした!!」」
 夢中で喋っていた私と父様は、誰かが来ていたのにも気づかず、唐突にかけられた声に驚いて、二人共そのまま抱き合いました。
「ど〜したの?そんなにおどろいて」
 視線を向けると、相変わらず子供口調が抜けないウラルの声が、ラッピー・ラタンの扮装から聞こえてきました。
 彼女の後ろには、数人のラッピー・ラタンの仮装姿があります。
 たぶん、ラピスやトパーズあたりがやっているんでしょう。
「……父様と話し込んでいたら、みんなに気がつかなかったの」
 ああもう、ほんとにびっくりした。
 父様もだいぶ驚いたらしく、抱き合ってる私の触覚センサーには、父様の激しい心音がしっかり伝わってきます。
「なぁんだ、そっか。
 とりあえず、マスター、ロザリオ、お帰り〜。おつとめごくろうさまでした」
 そう言って、ペコリ、とお辞儀するラッピー・ラタン姿のウラル。
「おう、ただいま」
 やっと落ち着いたのか、言葉と同時に大きくため息をつく父様。
 良かった、この様子だと、キスしたシーンは見られていなかったみたい。
 以前、父様にキスしたところを運悪く一度だけみんなに見つかった事があるんだけど、みんな揃ってすごいやきもち焼いて困ったのよね。
「ただいま。
 でも、『おつとめごくろうさま』は止めてよ、なんか縁起悪いから」
「でさ、お菓子くれないの?いたずらするよ?」
 むぅ。ウラルってば、私の話なんて聞いちゃいないんだから…
「あ〜もう、この子は…はいはい、ちょっと待ってて」
 父様との抱擁を解いて脚の上から降りると、ミッション前に父様と二人で作っておいたカスタードクリーム入りのカップケーキを持ってきて、全員に手渡します。
『ありがとう!』「きゅきぃ〜!」
 あれ?今、妙な声というか、鳴き声?が聞こえましたが…
「ちょ、ちょっと、みんな!かぶってるそのカボチャを取って!」
「え?あ、うん、いいよ」
 出てきたのは、ウラル、トパーズ、ラピス、コーラル、オリビン、ラッピー。
 よしよし全員外し………ラッピー?!
「ちょ、な、ラッピー?!」
 私が驚いて床にへたり込むと、そのラッピーは父様に飛びついて「きゅー!きゅー!」と甘えた声をあげます。
467ハロウィン・ベイビー(12):2007/12/03(月) 22:27:37.24 ID:GuAC+vRr
「うわ、なんだお前?!」
 父様は再び驚き、というか、驚かないほうがどうかしてます。
 みんなも唖然とした表情を浮かべて、硬直してます。
 そのラッピーは、かぶっている布の下から小さな花冠を取り出し、父様の頭の上に乗せました。
「?!、お前、自然保護区のラッピーか?」
「きゅーい!」
 なんか、その通りですとばかりに、片方の羽をまっすぐ上に伸ばすラッピー。
 そういえば、母様のお墓って、自然保護区の中でしたっけ。
「きゅい、きゅきき〜き、きゅきっきピ。きゅーきぴきゅ、き〜きーききゅ、きゅぴ」
 複雑かつ微妙な音階と発音を組み合わせた鳴き声で、何かを一生懸命しゃべっているようですが、意味がさっぱり…
 この鳴き声を文章で表現すると、どうがんばってもこれで精一杯。
『まつり、僕達の、みんな、あそぶ、なりきる、おばけ、ふえる、遅れる、友達、おっきい、今回、なりきる、お化け、来る…』
 突然、言語デバイスの中で妙な言葉が勝手に羅列され、次いで、ある程度しっかりした文章になります。
『みんながお化けになりきって遊ぶ、僕達のお祭り。今日は新しくできたおっきな友達がお化けの格好で後から来る』
「きゅるぴ〜、きゅーきーきぃぴき」
『今日はお前達を、僕達のお祭りに誘いに来た』
 翼をぱたぱたと動かしながら鳴く声に合わせて、頭の中に文章が出来上がっていきます。
 これって、ラッピーの鳴き声が翻訳されてるって事?
 父様の表情もだんだん険しくなっていくんですけど…
「これがお前達のお祭りで、新しい友達と、誘いに来たってのは解かったんだが…
 俺はあいつみたいに、細かいところまで理解できないからなぁ…」
 どうやら間違いないようです。というか、父様も良くそこまで解かりますねぇ…
「きゅぴ、き〜きゅるぴっきゅ」
 どうやら今度は、発音が微妙すぎてよく解からなかったらしく、父様は首をひねっています。
「新しい友達は、すっごく大きいから一緒に来れなかった、って、言ってますよ、父様」
「!、お前、解かるのか?
 …ああ、そうか。あいつのデータをお前が受け継いだから、翻訳できるのか」
 あ、そっか、母様のデータか。
 さっきから頭の中に、鳴き声に合わせて文章が浮かんでくるから、言語プログラムがバグったのかと思っちゃった。
「―――それでね、父様。『ぴっきゅ』って大きさとか数とか指しているらしいんだけど、どれくらいなのかな?
 さすがに、そこまでは私にも分からないの」
「『ぴっきゅ』?ふむ、………記憶が間違ってなければ、ディ・ラガンサイズとか、すごくたくさんとかいう意味だったはずだが…」
 古い記憶をまさぐっているらしく、やや間があってから答えが返ってきました。
「新しい友達は大きさが『ぴっきゅ』だって、さっき言ってたから…」
「は?大きさが『ぴっきゅ』だって?」
「ぴっきききゅきっぴ、ぴぴ〜っきゅ!」
 通路のほうに向かって、大きく叫ぶラッピー。
「え?『ここにいるみんなを担ぎ出せ』って、どういう…」
 私が尋ね返そうとした直後、
『ぴーっ!』
 突如、通路から現れた大量のラッピー・ラタン達。
『ひょえ〜!!』
 ラッピー・ラタン達にいきなりもみくちゃにされ、気がつけば、私達はフロントカウンターを通り、どこかへ誘拐されていく途中でした。
 も〜、この宿舎の警備はどうなってるのよ〜!シーナさん、手を振って見送ってないで、助けてぇ〜!
468ハロウィン・ベイビー(13):2007/12/03(月) 22:28:11.37 ID:GuAC+vRr

 ―――数時間後、自然保護区外縁付近―――

 ここは保護区の外れにある、ちょっとした高台になっている開けた場所。
 連れ去られた私と父様も含め、全員がお化けカボチャの扮装をさせられ、そこで妙な踊りを小一時間ほどやらされました。
 ウラル達は途中からハイになっちゃって、笑いっぱなしで踊る始末。
 踊りが終わると、ラッピー達が作ったらしい簡素な焼き菓子をもらいました。
 磨り潰した何種類かの木の実を練って板状にし、焼いただけのシンプルなものですが、とてもおいしいものでした。
 その後は、おもむろに数匹ずつ集まって、好き勝手に遊びだしたのですが…
「ぐろるるぅ〜ぅ」
「うぉ!舐めるな、咥えるな、振り回すなぁぁぁぁぁあ!」
 父様は今、ラッピー達の『大きな友達』こと、珍獣ディ・ラガン・ラタンにじゃれつかれ――いえ、もて遊ばれています。
 早い話が、ラッピー・ラタンの扮装をしてるディ・ラガンなんですが、その光景はなにか間違っている気がします。
 今は外していますが、さっきまではラッピーお手製の張りぼてカボチャを頭にかぶって、地響きを立てながら一緒に踊りに参加してました。
 ラッピー達の話によれば、この格好で遊ぶのがお祭りの流儀なんだそうですが、その格好をディ・ラガンにさせちゃうとは……
 そしてこのディ・ラガンをよくよく見ると、以前に父様を『お持ち帰り』しようとした、認定20LVの人懐っこいあいつです。
 尻尾には小さな歯形が残ってるし、どおりで見覚えがあると思いました。
 どういう過程を経て、ラッピー達と友達になったかは知りませんが、ある意味、非常に迷惑極まりないことです。
 特に、私達が。
「るろぉぅるるぅ〜ぅ」
 ミッションでよく聞く咆哮より少し低めの、柔らかい音で鳴きます。
 ディ・ラガンが甘えてる声なんて、初めて聞きます。
 そして今度は、甘える仕草なのでしょうが、体格差がありすぎてひっくり返った父様に、頭を乗せてすりすりし始めます。
「おわっ!ぐほっ、ちょっ…おも……ぃ…」
「え?ちょっ、ダメぇ!父様がつぶれちゃうよぅ!」
 私は父様を助けようと、あわててディ・ラガンの下顎を力いっぱい蹴っ飛ばしてみましたが、無反応。
 ど、どうしよう、この程度じゃ全然感じてないみたいだけど、まさかレイピアで斬るわけにも行かないし…
 あ、そうだ!前にやった父様の真似してみよう!
 私はバトナラを両手で構えて、
「せえのっ!」

 バチン!!「ぐぁる?!」

 鼻っ面を力いっぱい叩きました。
 そこまでやるとようやく動きを止め、鼻を叩いた私に気づいたディ・ラガンが頭を持ち上げました。
「それ以上やっちゃダメ!!父様、つぶれちゃう!!
 あなたのほうがずっと大きいんだから、ちゃんと加減してよね!!わかった?!!」
 と、派手な身振りをし、大声で怒鳴りつけてやりました。
 頭をかしげ、鈍い動きでよろよろと起き上がった父様を見てどうやら状況を理解したらしく、そっと鼻先を近づけて、心配そうに舌で軽く父様を舐めるディ・ラガン。
「助かったよ、ロザリィ…体重かけられちゃって、つぶされるかと思った」
 良かった、間に合ったようです。
 今度は私に鼻先を近づけ、匂いを嗅ぐ仕草をするディ・ラガン。

 べちょり。「きゃっ!」

 おもむろに私を舐め上げました。
 一瞬の事で、最初は分かりませんでしたが、服や髪にゆっくりと水分が染み込み、濡れて冷たくなっていきます。
「…………ふ……ふぇ、ふえぇぇぇぇぇぇぇん!!気持ち悪いよぅ〜!!ふえぇぇぇぇぇぇん!!」
 向こうは友愛の仕草のつもりでしょうが、突然舐められ、全身が生臭くてぬるぬるべとべとしたよだれまみれになった気持ち悪さに、私はしゃがみこんで泣き出してしまいました。
469ハロウィン・ベイビー(14):2007/12/03(月) 22:28:42.81 ID:GuAC+vRr
 今夜は意識体複製後、初めてのデータのクロスチェックを行っています。
 データ自体は常時転送されてるけど、これをしないと意識体に誤差が出る心配があるのよね。
『うわっ、気持ち悪………背筋がぞくぞくする』
 『私』と「私」は、ディラガンに舐められた情報をチェックした瞬間、気持ち悪さに鳥肌が立つ思いでした。
「こんな情報まで送るのは気が引けるけど、必要な事だから我慢してね」
『気にしない気にしない。
 あなたとの情報誤差があると、統合するときに修正不能のひずみを生じちゃう可能性が出るんだから、こういうのもちゃんと送ってくれなきゃ。
 …でも、残念ね、父様と久しぶりにキス出来たのに』
「出来ただけマシよ…
 うやむやの内にウラル達が泊まっていっちゃうし、後で思い出したけど、諜報部の監視カメラとマイクはあるし…
 大体、いつだってジュエルズの誰かが泊まってるんだもん、続きなんてどっちにしろ無理じゃない」
『分かってるけど、言いたくなっちゃうの!
 でも、ま、引っかかっていた事がすっきりしたから、良しとしよっか』
「うん」
「『私は大好きなあの人と一緒にいられて、とても幸せ』」
 そう言って、くすくすと笑います。
 その後、自然と深いため息が出ます。
『……仕方ないといえば仕方ないけど、たまには気兼ねなく甘えたいよね、やっぱり』
「でもさ、大体はジュエルズに邪魔されるし、不意にルテナちゃん来るし…
 お膳立てでもしないと、難しいよ?」
『そこはそれ、ミッションのついでに………ほら、前にモトゥブで見つけたあそことか』
「モトゥブは今の状況じゃ難しいよ。それよりも、パルムでね…」
 いつの間にか、私(私達?)は『父様にべったり甘えちゃおう計画』を練り始めていました。

 実におバカな事を考えていますが、この計画自体はだいぶ前から練っていました。
 私の中からローザが消えたあの日から、彼女の情緒不安定な部分が私の意識体データに混ざったみたいで、そこからくる理由の分からない不安感に、常に恐怖を感じていました。
 そこで私は、この恐怖を少しでも紛らわせようと思って、この計画を考え始めたのです。
 計画を練っている間は多少なりとも恐怖から逃れられ、その不安感について考える心の余裕が生まれました。
 そしてやっと、その不安感を生み出している原因にたどり着けました。
 それは、父様との関係そのもの。

 私は父様に愛されてるの?父様は私といて幸せなの?私の他に、誰か他の人を好きになったりしない?………

 二人の関係を考える度にいくつも湧いてくる疑問の数々、それにYesともNoとも答えが出せない自分の心。
 そんな心の葛藤が不安感を生み出し、それに恐怖していたのです。
 その不安感を打ち消すのは難しいと思いましたが、昼間に父様と話していた時、たった一つの事で解決する事にふと気づきました。
 それは、信じること。
 私を愛している、二人でいる事が幸せだ、と言った、父様を信じる事。
 父様を愛している、父様が自分の幸せそのもの、と言った、自分を信じる事。
 YesかNoか、答えを出す必要は無かったのです。
 それが分かった今は、恐れる気持ちは薄らいでいます。
470ハロウィン・ベイビー(15):2007/12/03(月) 22:29:32.07 ID:GuAC+vRr

 ですが、計画を考え始めた理由なんて今となっては過去の話、真の目的は『父様に存分に甘えること』!
 私だって、たまには誰にも邪魔されずに、ご主人様である父様に甘えたいんです!
 普段なんて、父様と一緒に寝てると文句言われるし、お風呂はみんなに頻繁に乱入されるし…
 面倒見のいい父様は、みんなに最後まで付き合っちゃうから、独占したくたって出来ないんです。
 そうね、何処かの温泉で、二人っきりでゆっくり混浴とか…いいわよねぇ…
 !、そういえば、秘湯みたいな温泉宿のうわさを聞いたことがあった!
 「私」は『私』に向かって、今思いついた計画をすごい勢いで伝えました。
「…じゃ、これで決まりね。データ転送を楽しみにしてて」
『そうさせてもらうわ、フフフw』
「ところで、躯体成長度はどんな感じ?」
『いい感じよ。
 元素の蓄積は想定通りだけど、あそこで浴びた高濃度フォトンがだいぶエネルギーとして蓄積されてたみたい。
 今は60%ほどだけど、80%を超えればエネルギーが安定状態に入るから、そしたら一気に元素変換。
 物理的に安定させたいから一度第6段階に退化する予定だけど、この調子ならだいたい20年は時間が短縮できるわね。
 ま、元素供給量を増やしてもらわないと、おっつかないけどね』
「りょーかい、その辺は話してみる。
 向こうも、さっさと厄介払いしたいだろうし、なんとかなるでしょ」
『よろしくね。じゃ、また明日』
「うん。おやすみ〜」

 こうして、私達の今年のハロウィンシーズンは過ぎていきました。
 ラッピー達に誘拐された翌日、再び現れたラッピー達に配るお菓子を大量に作る羽目になったのは、また別のお話。
 ラッピー達は、『今度はクリスマスに来る』と言っていましたが、その時に、ディ・ラガン・ノエルを見ずに済むことを願うばかりです。
 ディ・ラガンに舐められるのは、ほんとにもうこりごりです。

 ―――おしまい―――
471名無しオンライン:2007/12/03(月) 22:34:37.57 ID:GuAC+vRr
投下完了です。

スレの容量はなんとかなったけど、ひやひやものでした…
もうちょっと簡潔に書けるようになりたいもんですね。

それでは、この辺で失礼します。
472名無しオンライン:2007/12/03(月) 23:04:48.11 ID:GuAC+vRr
投下が終わって、ふと思った。
次スレのタイトルはやっぱり、【PSU】新ジャンル「パシリ」十五体目、なんだろうか?

容量が少ないから次スレ立てておこうと思ったんだけど…
473名無しオンライン:2007/12/04(火) 01:47:56.89 ID:gXSQGPRT
「世間では少年型が人気らしいぞ。440」
「そうなのですか?御主人」
「どうだろう440。お前もチェンジしてみては?」
「断ります。御主人」
「即答だな440」
「はい。御主人」

「440。出来れば理由を聞かせてもらえると助かるのだが」
「そうですね、御主人。しいて言えば」
「しいて言えば?」
「私が440になった時。御主人の喜んだ姿が記憶に残っていますので」
「そ、そうか。これからも宜しくな440」
「いいえ、こちらこそ御主人」
474名無しオンライン:2007/12/06(木) 00:54:08.93 ID:WINNZdD2
流れを読まず投下



 ――パルムに新設されたガーディアンズ宿舎。

「もう、私を一人にしないでください。お願い……、ぐすっ、お願いですから……」
 私の背に縋り付くパシリ。
 私は振り返り、小さくふるえる肩を押さえるように抱き、優しくつぶやく。
「大丈夫……、私は何処へ行っても、ちゃんと、帰ってくるわ。
 だって”ここ”は、私の帰るべき場所なんだから……
 ね、だからそんな顔しないで。笑顔で『いってらっしゃい』って、言ってちょうだい。
 そう言ってくれれば、私はどんな事があっても帰ってこられると思う。いえ、必ず帰ってくるわ」
 微笑み、諭すように一字一句、ゆっくりと語る。
 自分が、死地へと赴く事はすでに決まってしまったこと。
「なら、私も連れて行ってください! もう、あんな寂しい想いはしたくありません!」
 大粒の涙を零し、懇願するパシリ。
 過去に請け負ったミッションで生死の境をさまよった時の事を思い出す。
 あの時、この娘に大変な想いをさせてしまったことを今でも覚えている。でも、
「ごめんなさい、それは出来ないの。このミッションは、私が一人でやらなくてはいけないの」
「どうしてご主人様なんですか! 何で他の人じゃないんですか!
 何でこんなミッションが下されるんですか!!
 ガーディアンズは、提督は、ご主人様に死ねと言ってるんですよ!!
 ご主人様もどうしてこんなミッションを了承されたんですか?
 ……どうして? どうしてですか?」
 崩れ落ち、流れる涙を拭いながらパシリは感情の矛先を何処へ向けていいのか判らず叫ぶ。
「ダルカン提督としても苦渋の選択だったと思うわ。
 出来ることならこんなミッションを行わなくて済むよう、各方面へ調整を行うと思うわ。
 でもね、今の状況ではこれが唯一の、最善策なの。
 最悪、私一人の犠牲でコロニーの何千、何万の人たちの命が救われるのだから」
「でも……」
「ねぇ、前にも言ったと思うけど、私は他人(ひと)の為になりたくて、ガーディアンズに入隊したの。
 私の想いは今でも変わらない。いえ、決して変わることは無いわ。
 その為に、私は知識を広め、身体を鍛える努力をしたわ。
 時には挫折しそうな事もあった。力及ばず、助けることが出来なかった人たちもいたわ。
 辛かった時、励まし助けてくれたのは貴女。貴女が居たからがんばってこれた。
 だから、努力をして科学者に負けない知識を備え、ガーディアンズとしてトップランカーとして登り詰めることが出来たわ。
 このミッションはコロニーの人達を助けであるとともに、そんな貴女に恩返しをする為でもあるの。
 とても危険なミッションであることは、判っている。けど、私がやらなくちゃいけない事でもあるの。
 このミッションは科学者としての知識、ガーディアンズとしての腕を必要としている。
 このミッションは私がやらなくてはいけないの。いえ、これは私にしか出来ないの」
「……私も連れて行ってください」
「お願い、我が儘言わないで。
 ……大丈夫よ、どんなことがあっても必ず戻るわ」
 そうは言っても、無事に戻ってこれる確率は低い事は判っている。
 だからこそ、パシリを連れて行くことは出来ない。
「私の帰るべき場所を残しておいて、ね」
「判りました……」
 涙を拭い、無理に笑顔を作る。
「……必ず帰ってきてください」
「ありがとう」

『いってらっしゃいませ』
 そう言って、主人を送り出すパシリ。
475名無しオンライン:2007/12/06(木) 10:22:16.86 ID:z50bztUI
流れをぶった切ってすまない、誰か新規スレ立ててください。
やったんだけど、何故か立てられないんだ…
476名無しオンライン:2007/12/06(木) 10:53:03.24 ID:t9y2dTdG
立ててみます
477名無しオンライン:2007/12/06(木) 11:11:10.83 ID:t9y2dTdG
私も立てられませんでした…
478名無しオンライン:2007/12/06(木) 20:04:33.91 ID:z++B8FKM
チャレンジ
479名無しオンライン:2007/12/06(木) 20:07:16.47 ID:z++B8FKM
成功
【PSU】新ジャンル「パシリ」十五体目
http://live27.2ch.net/test/read.cgi/ogame3/1196939187/
希望の次スレに レディー・ゴー
480名無しオンライン:2007/12/06(木) 20:45:02.97 ID:WINNZdD2
すまない、>>474はたぶん続かないんだ…… 
481名無しオンライン:2007/12/06(木) 22:46:20.83 ID:z50bztUI
>>479、乙!

>>480
 それは残念だ。面白そうなのにな…
482名無しオンライン:2007/12/06(木) 22:50:55.57 ID:AdN93IZW
つつく >>480
483名無しオンライン:2007/12/06(木) 23:41:07.53 ID:WINNZdD2
>>481
自分、481氏みたいに早く書けないし、ネタが思いついてもまとめることが出来ないんだ
実はこれ、続き物の途中の話なんだが、挫折してしまった

章仕立てで作ってプロローグ+1〜4章+エピローグって考えてたんだけどね、
設定シートまで作ってネタなんかもまとめてたんだけどね
上の話は3章で使おうと考えていたネタなんだけど、2章の途中で挫折

書き込んだ理由はこのスレが終わりそうだったから、「まぁ、いいや、ネタとして書き込んでみるか」
てな気持ちで書き込んだ

まぁ、たぶんこの物語は日の目を見ることは無いでしょう。

P.S.
ちなみにこの物語はずっと前に書き込んだ物を再構成した話
全く違う物になっちゃたけどね

484名無しオンライン:2007/12/07(金) 01:30:06.56 ID:lh2f1X1x
>>483
 そんなに書く速度早いかなぁ?自分じゃ、よく分からん。
 俺の場合は、書き溜めて、完成したら一気にスレに上げてるから、そう見えるんだと思うけど…

 お蔵入りはもったいない気がするけど、そういう事も良くある話だしね。
 今度は完成した作品が上がることを楽しみにしてます。
485名無しオンライン:2007/12/09(日) 10:43:35.41 ID:9nd+M5Qg
ほしゅ
486名無しオンライン:2007/12/10(月) 20:14:18.25 ID:ViQTf8Uf
  | |    |,:::::::;;|   |
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 /ヽ:l l \.` ー.イヽーlハ
/    |゙ヽ  ̄::[_]...  ゙l
|;/"⌒ヽ,  \ く\、ヽ、
487名無しオンライン:2007/12/10(月) 23:53:53.52 ID:ee1vEiCs
恋をした。
488名無しオンライン
なんかここが参考になった。

ttp://s03.2log.net/home/hopeless/archives/blog550.htmJ

ストーリー書いてる身としていろいろ考えさせられた。俺も精進しよう…