1 :
名無しオンライン:
2 :
名無しオンライン:2007/02/15(木) 23:55:48.04 ID:kVx7RSPm
>>1 乙!
ダメなら俺がと控えていたが無用だったようだ…w
3 :
名無しオンライン:2007/02/15(木) 23:56:04.12 ID:dSKVJiO0
4 :
名無しオンライン:2007/02/15(木) 23:57:41.93 ID:dSKVJiO0
orz=3
5 :
名無しオンライン:2007/02/16(金) 00:00:20.26 ID:qsPh8l2t
ビス男「よもや本当に立つとは思わなかった・・・」
420「んじゃお祝いって事でこのチョコ貰うね〜もぎもぎ・・・ん〜美味しい♪」
ビス男「あ、こら!それは俺が貰ったもんだぞ返せ!」
420「もう食べちゃったからだめ〜、マスターには私があげたのがあるでしょ」
ビス男「うっ・・・あ、あれは・・・」
420「ふっふっふ・・・(妨害作戦成功〜♪」
ちなみに地味にテンプレも修正しておいた
と言ってもまとめサイトの誘導にWikiを追加しただけだが・・・w
6 :
名無しオンライン:2007/02/16(金) 00:03:47.02 ID:bNyKB2mq
スレ立て乙です!
いきなり長々と投下することに気まずさを覚えつつ…、投下いかせて頂きますっ
XX07/2/13 AM10:21
「どっこらしょっとぉおおおおおおおおおおおおおおおぉっ!」
ずどぉんっ! と、比喩抜きにマイルームが震撼するような勢いで、
私はそれをコタツの上に着陸させる! いや振り下ろした訳じゃないんですよ?
ただ、すんげー重かったんです。なんせ250Kgほどありますんで…。
あ、コタツの脚がギシギシ言ってる…、大丈夫か、コレ…?
「は…、はぅ…、はぅうううううううううう!?」
付けっぱなしのビジフォンを見る訳でもなく、コタツで一人、窓を見ていたご主人様は、
私がコタツに置いた「ソレ」を見るなり…、仰天する!
「こっ、これはっ!」
「そーです! ご覧下さいご主人様!」
ばっ! と、私は諸手を広げてアピールする!
コタツの上の「ソレ」を見て、口をぱくぱくさせていたご主人様は、やがて、
振り仰ぐように私に目を向けて、
「ほんまぐろさんなのです!」
「いぇえす!」
びしぃっ! と私はご主人様に親指を突き付けると、その手を優美に振り上げ、胸に当て…、
「荒波渦巻くニューディズ海産の極上ホンマグロでございます。
家族の為、己の誇りの為、不器用な愛情を胸に秘め、古来よりの漁法『イッポンヅリ』に
こだわる孤高のマグロハンター…。生ける伝説! テツ・ワタリヤ氏が釣り上げた、
名実ともにグラール星系最高の一品…! スーパーで売っている切り身の合成マグロなどでは
ごさいませぬっ!」
「はうはう! なんだかさっぱりわかりませんがものすごい気がしますです!」
ぎゅうっ! と握ったおててを胸元に当て、ご主人様もノってくる。
「いつしかご主人様のお口に運ぶ為…、と、不肖私GH-430、かねてよりこの幻の一品を
探しておりました! 通販詐欺に宅配詐欺! あまたの馬鹿どもにビームガンを突き付ける
こと三ヶ月! それが! 今日! ようやく手に入った次第でございます!」
…
「は、はう…? 今なんだかすごい怖いこと言いませんでしたか…?」
「申し訳ありません、ヒートアップしすぎてワケわからないこと申しました」
優雅に一礼してサラリと誤魔化す。…あぶね、自分でテンション上げすぎて余計なこと
言っちまったよ…。「狂犬」はご主人様の前では御法度なのに。
「はぅ…、はぅ、はうはう…、ほんまぐろさんなのです…。ほんまぐろさん…。
夢にまで見たほんまぐろさん…」
おめめうるうる、おみみぱたぱた、まさしくスイート・デス(甘美なる死 ※私が)
モードに突入なされたご主人様は、感極まったようにホンマグロにすがりいて頬擦りする。
ぬいぐるみにうずもれて遊ぶ子犬のようなそのお姿に、つぅっ、と鼻からオイルが垂れてくる…。
嗚呼、…ホンマグロになりてぇ…。
抱かれて撫でられて頬擦りされて、小さなお口をかぱぁっ、と開けられて…、
ああん…、役にも立ちそうにない八重歯可愛い…、キスして舌突っ込んで嘗め回してぇ…。
「ってご主人様ぁああああああああああああああああ!?」
「は、はうぅ!」
今まさに、活け締めされたホンマグロにダイレクトにかぶりつこうとしていたご主人様を慌てて制する!
「生でバリボリ行くおつもりですか!?」
「は、はぅ…! つい、実家の癖が! はしたないのです…! めっ、私っ!」
…ご主人様のご実家って…、結構ワイルドなんですね…。
モトゥブの極寒地域って言ってたっけ。ああ、確かに向こうは生食文化があったっけな…。
「お昼まで我慢してください。もー今日はお昼からお夕飯までマグロフルコースですよっ
お刺身! タタキ! ステーキ! 煮物! 焼き物! 荒汁にオスシ!」
「はぅはぅ…、想像するだけで頭の中が幸せでとろけそうなのです…」
くわんくわんと軽く頭を振りながら、ご主人様が夢うつつの声を漏らす。
…うん。
そうだ。こうでなくちゃ。ご主人様にはこうあっていて貰わなければ。
ご主人様が私たちを想って泣いてくれるのだから、
私はご主人様を想って笑顔を作って差し上げねば。
「とはいえ、これを解体して料理するとなると、道具が足りませんねぇ…。
ああ、近頃、ガーディアンズが開店したっていう評判のレストランがありましたっけ。
行って道具をお借りして来ましょう」
「はう? そういうのって、貸してくれるものなのでしょうか?」
「PMを大事にされる方のお店のようですし、頼めば何とかなるでしょう」
いざとなりゃぁ…、手加減してバースト一発威嚇射撃すりゃ貸し出してくれんだろ…。
「ちょちょいと行って参ります。借りてくるだけですからすぐ戻りますね」
「あ、私も行きますですよ」
慌ててコタツから出ようとするご主人様に、私はにっこりと微笑んで、
「ほんのお使いです。
それよりもご主人様にはホンマグロの警護を!
何しろ「生きた宝石」と言われるほど価値の高い物なのですから!」
笑顔を崩し、わざとらしく大真面目な顔を作って言う私に…、
「…はぅ。了解なのです! 身命を賭してほんまぐろさんを守るのです!
私の守るべきものはほんまぐろさんなのです!」
びっ、と、ガーディアンズ式の敬礼をして…、ご主人様も、笑ってくれる。
「じゃあ、ちょっと行って参りますね」
二人で顔を見合わせてひとしきり笑って…、笑顔の余韻のまま、部屋を出て行こうとする私の背に、
「430」
ご主人様の…、少しだけ、静かな声が届いた。
「…元気、出さないとですよね」
私は答えず、ただそっと、目を伏せて、ご主人様に深く一礼を送る。
だからどうか、笑ってください、ご主人様。
XX07/2/13 AM10:48
「…なるほどねェ。いや、大したもんさ、たかだか情報部の平社員にしちゃ上出来さね」
「一応、褒め言葉として受け取っておくよ、…『女帝』さん」
受け取った資料に一通り目を通し、息抜きついでに言ってやった言葉に、
向かいの席に座る男はにやりと笑った。皮肉の笑顔だろうが、嫌味は少ない。
なかなかどうして、こいつァ見た目以上に人生こなれてやがるねェ。
「ご主人サン、目ェ通しておいておくれ。どうにもこいつはヤバそうだ」
はらりと差し出した資料を無言で受け取り、ご主人サンは慣れた手付きで書類をめくり始める。
「…この、中央管制塔への不正アクセスに使われたプログラムの復旧は?」
「調査と平行してやっちゃいるが…、そこに書いてある通り、復元率は30%以下だ」
「十分です。コピーで構いませんので転送してください。…私なら八割強は復旧出来る。
そこから手を加えれば、オリジナルには劣るかも知れませんが似たシステムは構築出来ます」
「…出来るのか、そんなことが…?」
「出来ないことは申し上げません」
「…アタシのご主人サンをなめんじゃないよ。
情報技術なら、情報部職員が束になったってかないっこない。アタシのお墨付きさね」
「しかしな…、アレは一応、今回の事件の最重要情報であってだな…」
「アホタレ。豚が真珠飾って眺めてんじゃないよ。
アンタだって、表側の捜査だけじゃどうにもならんと知ってるから、
アタシのヤサにまでやってきたんだろう? つべこべ言うならこの場でおん出すよ」
「わかった、提供するよ。ったく、何で『技量を持った人間』てのは、
それを表側で役に立てようとしねぇのかね」
「役に立つ力、ってのはね、たいがい、表の世界じゃ役には立たんのさ」
はん、と、アタシはうんざりと息を吐く。説教は嫌いだ。
アタシは近くの引き出しから愛用のキセルを取り出し、唇にくわえる。
ここはアタシの部屋。インテリアも全部アタシの趣味。配置も全部アタシが決めた。
なのにどうしてか…、今日に限っては、嫌にこの部屋が落ち着かない。
アタシの心がざわついているせいかねェ…。
「GH-440を保有していたガーディアンズの連続怪死。
その「周期」はおよそ二ヶ月から三ヶ月。…そして今回の「怪死」は、
丁度その五回目に符合する」
『ゴミ捨て場』で出会ったこの男。何とも胡散臭い感じはしたが…、
まぁ、アタシに関わる輩なんてみんな胡散臭い。
だから私が判断する材料は…、目だ。裏社会暮らしも長いと、目を見ればだいたい
「どの程度腐っているか」は判るようになってくる。
「コロニー最下層で、その五回目に当たるガーディアンズが保有していたはずの
GH-440の遺体を発見した。…完全停止から二ヶ月が経過している。
『何者か』が、…彼女を殺し、彼女に、…成り代わっていた」
少なくとも、今、私の目の前にいる男は、まるで腐っていなかった。
悲惨にして不可解なこの猟奇事件を、まるで我が事の痛みのように話す態度に、偽りはない。
どうにも狸くさいが…、昨日出会った時、ちょいとそこが気に入った。
何、狸くささならアタシの方が格段に上だ。その辺は気にしない。
「まぁ、礼を言っとこうかね。アンタがくれたこの資料は随分役に立つ」
ふう…、と、アタシはタバコの煙を脇に吐き、
「さぁてェ…、こいつはどうしたもんかねェ…」
ここ数日の悪い予感は…、どうやら当たりも当たり、大当たりだったらしい。
昔からそうだ。アタシの悪い予感は外れた試しがない。
「今回の中央管制塔不正アクセスは…、恐らくそのGH-440の仕業に間違いない」
テーブルの上で組み合わせていた指に力を込めて言ってくる男を一瞥して、
アタシはタバコの煙ではなく、ため息を吐いた。
「ギブアンドテイクだ。今度は俺が色々と話を聞きたい」
「アタシからは最後に一つ。…お前サンは情報部の人間だったね?
GRM社、ヨウメイ社、テノラ・ワークス社、クバラ市、そこへの不正アクセスの記録はないかい?
おそらくは、今回死んだ、その、ハッカーまがいのガーディアンズの仕業でさ」
男はアタシの問い掛けに微かに眉を寄せたが、やがて視線を上向かせ、
いくらかの間、沈黙して…、
「…ある。どれも三週間ほど前のことだ。納入未定品の情報庫にアクセスをしていた。
映像化したデータをバラ撒かれて随分と苦労したもんだ。
今回の不正合成の件のことか? だが、あのアクセスで抜かれたのは画像データだけだぞ?」
「良いんだよ。『アクセス出来れば十分』なんだ、アイツにとっちゃァね」
「…どういう意味だ?」
詰み、だ。もう、間違えようもない。
「…全部後手だ。もう、事前に打てる手は何一つ無いねェ…」
タバコが不味い。アタシはくわえていたタバコを唇から離すと、まだ半ばも燃え残っている火種を
火鉢に落とし、キセルを引き出しの中に投げ入れる。
「待て、勝手に納得するな。…俺はまだ何も理解してない。
事前って何だ? これから何が起こるってんだ? おい」
「聞かない方が良い。聞いてどうなるもんでもないし、何より…」
すい、とアタシは横目の眼差しを細め、
「こっから先の話は、『表側』にいるアンタが聞けば、命取りになる」
何とも後味悪いだろうが、勘弁しとくれ。…関わった人間の死ってのは、アタシでも
未だに抵抗があるんだよ。
「命を懸けるような仕事なんざ無いんだよ。特に、ガーディアンズの仕事なんかにはね」
「…命なら、とっくに半分無くしてる」
噛み潰すような声音に…、意識を引っ張られるような気がした。
横目にではなく、真正面から、アタシは男を見る。
「警備部にいた頃に、俺はとっくに半身を無くしているんだよ。
知ってるか? 人間なんてな、半身がなくなりゃ死ぬしかないんだ。
後はいつ死ぬかを待つだけだった俺は…、救われたんだ」
不意に聞こえたぎゅうっという音は、男がテーブルの上の両手を握りしめる音だった。
「PMに救われた。半身があった頃にゃ気にも留めなかったPMに…、救われたんだ。
くたばるだけの半身を、あいつは一生懸命に支えて、「生きていろ」って言ってくれたんだ。
支えてやるから生きていろって、そう…言ってくれたんだよ」
「…お前サンが気に病むこっちゃない。PMなんて言うのは、みぃんなそういうモンさ。
アンタだけが特別だなんて思うんじゃないよ。アンタだけが、想われている主じゃあない」
PMは、皆、主を慕う。主を想い、主に尽くす。…主を見殺しになどしない。
誰一人の例外もなく。それがどんな主であったとしても。
「アンタらは皆愛される。例え気付いていなくても、アンタらは「かけがえのない主」なんだからね。
ノロケんじゃないよ。…当たり前のことなんだ。馬鹿馬鹿しい」
敢えて突き放すように言ったアタシの言葉に…、男は、
「でもよ。…こんな世の中に一人くらい、いたって良いとは思わねぇか?」
それは苦笑いのように見えて…、とても優しい笑顔だった。
「PMの為になら死んでも構わねぇって、本気でそう言い切る馬鹿が、一人くらいさ」
アタシは思い出していた。
最近アタシの元に来た近所のPMが言っていた言葉。
近頃、情報部のガーディアンズと、そのPMのGH-440が、『ガーディアンズと所有PMの相互関係と及ぼし合う影響』
という、奇妙な題目の調査をしている、という話。
「知りたいんだよ…、俺は…。
俺たちにとってのパートナーマシナリーってのが、何なのか…。
あんな事件を起こすGH-440ってのは、俺の大切なGH-440と、何がどう違うのか。
ガーディアンズとしての仕事なんかじゃない。あいつらの為でもない。
大義名分を振りかざすつもりなんざ毛頭ねぇ。俺が知りたいんだよ。
俺はもう…、自分の半身を…、無くすのも、傷付けるのも、悲しませるのも、…沢山だ」
…いたのか。こんなヤツが。
それも、よりにもよって、あのクソ食らえなガーディアンズに。
こんな人間、いやしないって、…ずっと、そう思っていたのに。
アタシは気付かないうちに…、俯いていたらしい。
善も悪もその形すら整っていなかった、ガーディアンズ創設期の、あの黎明の時代…
もしも、こんなヤツがいてくれて…、私たちを見守っていてくれたら…。
アタシや、「あの子ら」の今は、もっとずっと幸せな形をしていたのかねェ…。
「ここが死に場所になるのに悔いはないかい?」
「…冗談。俺は何があっても生き抜くぞ。もうちょっとアイツの世話になりたいからな」
「悪くない返事さね。…結構。アタシはアンタが気に入った」
そっと差し出した手に、ご主人サンがタバコの燻るキセルを乗せてくれる。
アタシはそれを唇にくわえ、ニヤリと壮絶に笑ってみせる。
「話してやるよ、今回の出来事の全部をね」
XX07/2/13 AM11:02
「ふむふむ…、そうか、刺身なんてのはぶった切れば良いと思ってたけど違うのか…」
ガーディアンズコロニーの2Fを、私は手の中のメモを読みながら歩いていく。
ガーディアンズのヒューマンが経営するレストランは、思ったよりあっさり道具を貸してくれた。
それどころか、事情―これからマイルームでマグロ解体ショー開催―を話したら、
調理のポイントを色々教えてくれた上に、メモまで持たせてくれた。
うむ。ヒューマンと言うとあの鉄面皮のクソヒューマンばっかり連想してたけど、
中には気の利くヒューマンもいたもんだ。アレはきっと良いヒューマンなんだろうな。
なかなか良いお店だった。あとでご主人様をお連れしよう。道具を返しに行くときで良いかな。
街中の賑わいは相変わらずだ。明日はいよいよバレンタインデー当日。
その前日にマグロ解体ショーってのもどうかと思うけど…、今は私たちが元気を取り戻すのが最優先だ。
明日の朝にはいつも通りに戻って…、うん、そしたら思う存分バレンタインデーを楽しもう。
早起きしてチョコ作らないとなー。どんなのが良いだろ。
私としてはあれだ。生チョコぶちまけたご主人様に絡み付いて延々とぺろぺろしたい。
ホワイト生チョコとかってないのかなー。ああっと手が滑ったー! とか、もう超ベタ
なマネをしてでもご主人様にぶっかけたいんですけど…。
そんな光景見たら私耐えられるかなー。無理だろうなー。絶対犯すよなー…。
でもその前に私が出オイル多量で死ぬかなー。
さらりととんでもない妄想を膨らませ、私は気軽な足取りでエスカレーターへと足を運ぶ。
…と。
「GH-430 識別番号GSS253-A5」
不意に掛けられた声に、ぎくりとする。…妄想に励んでいる間に、私の隣には一人の男が並んでいた。
ごく一般的なコロニー市民の格好をしているが…、私には、すぐ知れた。
「こちらは見ずに。平静を装って頂きたい」
さりげなく男が差し出してくるのは、ガーディアンズ登録証。…所属は、諜報部。
そりゃそうだ。こんな根暗な話しかけ方をするのは、他にいない。
買い物客で賑わう大型エスカレーター。
周囲は人でごった返し、絶えず会話の音に包まれていて…、ある意味、密談には打って付けだ。
「何の用? …不正合成なんてやってないわよ」
あくびをふりをする傍ら、私は低い声でそう告げる。
「任務依頼です」
それは…、過去からの声。閉ざされたように遠かったはずの…、言葉。
「今の私は警備部所属のガーディアンズのPMよ。諜報部の依頼なんて知ったこっちゃない」
「…知らぬふりをしても意味がありますまい?」
私は上向く。意味があったわけじゃない。…ただ何となく、天井付近に飾られたバレンタイン
オブジェクトが視界に入ったからだ。何故か…、随分と色彩に欠けて見える。
あんなに賑やかだったはずの会話の声が…、いつの間にか遠ざかっていた。
まるで、寝入る前に聞く言葉のように。閉ざされかけた心の中には、色も声も届かないように。
「貴方の諜報部退役には条件があった」
「…そうだったかしらね」
「緊急時においてのみ、諜報部管理官命において、貴方には任務依頼を出せる。
これは第一級優先事項と見なされ、貴方の所有者として登録された者の命令、
警備部から請け負った依頼、全てにおいて優先されることになる」
ただし、貴方の立場を尊重し、貴方の所有者にも警備部にもこの話は通してはいません。
貴方の了承を持ってのみ、この依頼の承諾と見なします」
「ノーと言えば?」
「その場合、別の適任者に依頼が回るでしょうね。
…恐らくは、諜報部戦闘部隊総動員の…、総力戦となる」
「はぁ…?」
思わず呆れて、私はぽかんと口を開ける。
「どっかに戦争でも仕掛ける気?」
「いいえ。あくまでターゲットは個人です」
エスカレーターの降り口が見えてくる。…ふと、私の目は、その場所に見慣れた姿を見付けるのだった。
「よーんさーんぜろー。みつけましたー。はうー、遅いから心配したですよー」
大仰に手を振っているのは…、ご主人様…。
声も聞こえていたけれど…、私はまだ、ご主人様に気付いていないふりを続けることにした…。
今の私は、狂犬。…ご主人様のPM、GH-430じゃあ…、ないから。
「任務内容は本日24:00、ビジフォンへと配信致します。…パスコードを設けますので、
彼女が中身を見ることはないでしょう。コードは貴方が諜報部にいた頃に使っていたものです。
憶えておいでですか?」
「…rabid dog(狂犬)」
「結構。任務を了承して頂けることを祈っています。…私たちとて、コロニーを戦場にはしたくない」
人が次々とエスカレーターを降りていく。混み合う人の中、自分の番を待ちながら…、私は最後に聞いた。
「教えろ。…お前ら、私に何をさせたいんだ」
「GH-440が、中央管制塔のメインCPUにアクセスしました。詳しくは、後ほど」
千の並木の葉擦れの音のように、
猛烈なノイズの音が、私の世界を埋め尽くす。
アイツ…、アイツ――、何て事を……!
「はう! 430! 430! どうかしましたですか?」
「あ…、いえ…、少しぼーっとして…」
私と共にエスカレーターを降りた男は、もう見えなくなっていた。
その言葉を聞いてしばらく、私は呆然としていたらしい。
…ご主人様が目の前までやってきていたことにも気付かないほど。
「遅かったのです。心配したのですよ?
あんまり心配で、ほんまぐろさんをお部屋に置きっぱなしなのです」
帰って無くなっていたら大変なのですよ? と、ご主人様はにこにこと笑っていた。
「さあ、帰りましょうです。430」
そう言って…、手を引いてくれるご主人様の手の温かさを、私はただ感じていた。
笑って会話したような気もするけれど、何を言っているのか自分で理解していない。
ただその手の温もりだけを、私は感じていた。
帰りましょう。
そのたった一言の言葉への問い掛けが、わんわんと私の頭の中に響いていた。
『何処へ?』 …と。
作中でやっと2/13が終了。「長い日」こと2/14が始まります。
ようやく色々どたばた出来る…。
まだもう少し続くお話ですが、お付き合い頂ければ幸いです。
…まぐろ食べたい…。
14 :
名無しオンライン:2007/02/16(金) 00:53:02.18 ID:9GjFX3Gt
中年ヒュマ「よぅ、
>>1。スレ立てご苦労さん。どうだ、そこらで一杯やらないか?」
440「酒は医者から止められているだろう。ただでさえ内臓弱いんだから」
中年ヒュマ「ぐ…。悪いな、そういう事だからまた今度このガキのいない時にな」
440「………」
中年ヒュマ「全く、仕事の後の一杯程楽しみなもんはないってのに………あ?おかしいな、煙草が…」
440「煙草も医者から止められているだろう。買い置きも含めて全て隠しておいた」
中年ヒュマ「………」
440「…その、なんだ…、おっさんには長生きして貰わないと(ゴニョゴニョ)」
中年ヒュマ「…へっへっへ、そうかそうか。そういう事は早く言ってくれ」
中年ヒュマ「さぁ、おじ様の胸に飛び込ぐぁっ」
440「馬鹿!」
中年ヒュマ「…長生きさせたいのか早死にさせたいのか、どっちかにしてくれ…(ガクッ)」
殴り書きした。反省はちょっとする
>>13 おっさんは小ビス子氏に大好きと言われて有頂天になってるらしいぜ
しかし毎回毎回ホントwktkさせてくれるな、小ビス子氏の作品は
もちろん次もwktkしてる
ワルキャスさん、前スレで質問に答えてくれてヌリガトウ
おっさんとワルキャスの気が合ったみたいで良かったぜ
ところでおっさんの容姿はあっさりスネークでほぼ決まりなのか?
自分で想像しながら小ビス子氏の作品読んだら格好良すぎてワロタw
15 :
名無しオンライン:2007/02/16(金) 01:04:34.26 ID:YPMC/Exj
>>13 問題の440はミスリードじゃなくて「不死身」で確定か…何を企んで居るんだろう。
というかこれで下準備だったのか…すでにwktkとドキドキで胸が張り裂けそうなんだぜ?
出来ることならおっさんに加勢したい位だ。
まぁ実際出来る事なんて、うちのリボンが留守番してるおっさんの440の話し相手になるぐらいの物だろうが。。。
>>14 あっさりめのスネークの筋肉を少し緩めて(内勤だし)、
顔を優しくしつつ少し年季を入れた感じを想像してる。
…自分で言ってて良く分からなくなってきた…w
16 :
名無しオンライン:2007/02/16(金) 01:54:22.51 ID:hestbYUD
17 :
名無しオンライン:2007/02/16(金) 02:56:30.23 ID:Rr5VmWDj
>>13 一体430は何をどうやってほんまぐろを手似れたんだか・・・w
>つい、実家の癖が!
どんな実家だ・・・w
しかし小ビス子は常にほんわかしてるようで感傷的なようでところどころ鋭そうで・・・
攻略するとしたら何気に一番難易度高いキャラだったりしそうだ・・・w
>>14 かなりモテモテな中年ヒュマ、小ビス子氏に大好きと言われたのは俺も羨ましいと思ってるぜ・・・w
ビス男「ちなみにうちの420にだけは酒のまさないようにしてくれ、もし飲ませたら・・・
あの悲劇(喜劇)は二度と繰り返したくないんだ・・・」
18 :
名無しオンライン:2007/02/16(金) 12:18:50.60 ID:YDltt+S5
420の言語中枢に意図的な障害を加え「ポコー」としか喋れなくなる改造を施す
19 :
名無しオンライン:2007/02/16(金) 12:54:08.24 ID:+eYIQYKK
>>小ビス子氏
相変わらず読ませるなぁ…。
つか執筆ペースすげぇw
何者だこの人w
>>17 そういや前、エロパロスレに「ヒュマ男×小ビス子」のリクエストが入ってたっけな。
ヒュマ男と小ビス子の性格的に無理だろう的なレスついてたけど。
小ビス子は誰にでも全力で優しそうだから、
特定の誰かに思いを寄せるってのはなかなかなさそうだしなあ。
むしろまだ430のが攻略難易度低いんでないか?
その場合、
フラグ立て失敗→猟奇殺人
な、ひぐらし系ゲームになりそうだが…。
>>18 のちの「420小動物化計画」である。
…かなり応援。
20 :
名無しオンライン:2007/02/16(金) 13:58:08.25 ID:YPMC/Exj
わんわんサンド達は攻略してみたいなぁ…突っ張ってても本音が可愛(真っ直ぐ)すぎるんだもの。
いや別に攻略という形でなくとも、心を癒してあげられる存在になりたい物だぜ…愚痴聞き役でも何でも。
21 :
名無しオンライン:2007/02/16(金) 16:05:19.61 ID:DTvRxCzj
支払われたのはフォトンの銃弾であった
22 :
名無しオンライン:2007/02/16(金) 16:08:40.28 ID:ZPw0w0OM
ショットガンの直撃にも耐えられるのが前提か
23 :
名無しオンライン:2007/02/16(金) 16:41:31.54 ID:nbFjR4Q+
撃たれるのは前提なのか。尋常じゃなく難儀だな…w
>>前スレ466
埋め乙!最後の一文がちょっと響いたわ…
>>19の意見に賛成
「420小動物化計画」支援
といっても再び勢いだけで書きましたが…orz
「またか…」
「ポコ?」
目の前に不思議そうに顔を傾けている自分のPMであるGH-420がいる。
いや、正確には目の前ではない。
「まったく何度言ったらわかるんだ?布団にもぐり込むなと言っただろ?」
「ポコ〜♪」
話を聞いているのか聞いていないのか腹に抱きつき幸せそうに頬を摺り寄せ
ている。
この420はなにやら言語プログラムや行動プログラムにバグがあったらしく
『ポコ』としか話すことができない上、妙に動物くさいところが多い。
赤い装甲のキャストの友人は鼻からオイルをたらしながら『GJ!』と叫んで
いたが全力で無視する。
とりあえず腹も減ったので朝食をとろうとベッドから降りる。
「ポッ!」
不意打ちを食らった420はベッドから転がり落ちる。
背伸びをし固まった体をほぐしていると床に打ち付けた頭をさすりながら頬
を膨らませている。
どうやらご不満らしい。
『毎日同じことを繰り返して飽きないな』と思いつつキッチンへと向かう。
「ポコッ!!」
420はそんな俺の態度が気にいらないのか鳴き声(?)をあげた瞬間、急に背中
から重みが加わった。
突如かかった重さに一瞬、バランスを崩しかけたが持ちこたえる。
「……」
重さの原因である方向を見ると案の定、背中に420がへばりついていた。
自分が顔を向けると満面の笑みを浮かべ頬を摺り寄せる。
ため息をつき420をへばりつかせたままキッチンへと向かった。
ちなみに朝食を用意している間ずっと頬を摺り寄せていたのは言うまでもない。
はいはい需要無視で投下需要無視で投下
−−−−
タマ「はははーーーーっ!」
タマの投げた小剣の刃がヴァーラの身を抉る。
まるでお手玉のように自在に両小剣を扱うタマ。
ヒュマ「……」
ポカーンとした顔で、俺は少し離れたところでタマの踊るような戦いを見ている。
ヒュマ「あいつ…つえーな…」
相変わらず俺は草原の支配者Cミッション(ソロ)をやっている。
パシリがいなかったせい(かどうかはわからないが)で、俺はまだレベル一桁。
ぶっちゃけ駆け出しである。
一方タマは……悲しいけどこれ二桁なのよね……
俺の与えるダメージといえば、最大でもせいぜい30ほど。
タマはその2倍を軽々とはじき出す。
そんなことを思いながら、タマの活躍を安全地帯からぽけーっと見ていると、
どうやらザコが片付いたらしく、とてとてっとこっちに駆けてくる。
何をするのかと思えば、片手を上げて
タマ「かるいもんよー!」
と勝利宣言。
フフフ可愛い奴め…そのポーズのまま固まって…… なんだ、俺の言葉を待ってるのか。
ぴこぴこと耳が動いている。相当機嫌がいいようだ。よしよし今褒めてやるからな。
ヒュマ「うむ、いい仕事だ。流石ラボとやらでの訓練は伊達じゃないな」
そういってタマの頭をくしゃくしゃと撫でる。
ところがタマはその言葉になにやら表情を曇らせた。
タマ「ふにぃ…… "らぼ"は関係ないよぅ……」
まずい、変なスイッチに触れちゃったのか。
ヒュマ「む、そ、そーだな。すまん。でもいい仕事してるぞ」
慌てて弁解する俺に、ちょっとはにかんで答えるタマ。
タマ「ふにぃ〜」
ヒュマ「さて、次はディ・ラガンか」
タマ「うん」
ヒュマ「そういやお前は初だっけ?」
タマ「んーん。前のご主人と一緒にいっぱい戦ったよ」
むっ、俺の知らないタマか…
別にそういうのは特に気にしてない。それはコイツを拾って俺のパシリにした時から理解している。
でもまあなんだ、俺も普通の人間だ。聖人君主じゃない。意味もなく嫉妬もしちゃうわけだ。
ヒュマ「ふむ、じゃあ別に俺の援護はいらないな」
ちょっと意地悪く言ってみる。
………………む……ここで元気よく『うんっ!』って言われたらどうしよう…
やばいな、俺軽く鬱になるかも…… 早まったか、俺!!
タマ「やーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
両手で握りこぶしを作って、頭を左右にぶんぶん振っておもっきり否定する。
その予想外の反応にちょっと驚く俺。
ヒュマ「ど、どーしたタマ」
タマ「やーーーーーーーー!!ご主人もいっしょにたたかうのーーーーーーー!!」
ヒュマ「あ、ああ。まあ、当然戦うが……」
タマの迫力に押され、ちょっと焦る俺。
タマ「あたし……パシリだもん……」
ヒュマ「そ、そうだな」
タマ「ひとりは……やだよ……」
うっ…………
タマの寂しそうな表情がぐさりとくる。
まずい、こういう雰囲気は苦手だ。兎に角コイツの機嫌を戻さねば。
俺はタマの襟首を掴みひょいっと持ち上げる。
そして顔の正面にタマの顔を近づける。
タマ「ふにゃ……?」
ヒュマ「バカタレ、ちょっと前はどうか知らんが、今は俺がいるだろうが」
タマ「にぃ……」
ヒュマ「とりあえず、今はこの止まり木に大人しく止まっとけ。わかったな?」
タマ「うん……」
どうやら納得したらしい。
まあ、いつか別れることもあるだろうが……今はコイツも俺も一人じゃないからな。
ヒュマ「んじゃ、ディ・ラガン行くぞ」
タマ「うん!」
そういってボスへのワープポイントへ突入する俺達。まあ、軽く一蹴してくるか。
タマ「あ、ご主人、PP回復してないよ?」
ヒュマ「………………あ゙」
ヒュマ「うわーーーーーっ!! 待った!ちょっと待っt」
ピュイン
…………それはもう死闘だった。
PPが残っていたのは、雑談中装備していたライホウ+0一本。しかも量はMAXの半分ほどときた。
俺はタマの影に隠れつつ、遠距離からポヒュンポヒュンと狙撃するだけ
タマが50前後やら100前後やらのダメージを繰り出す中、俺といえば、8とか……0とか……
ふっ………ディ・ラガン…………やっぱお前は強いぜ…………
ライバルの強さを再確認して、俺はもうしばらくここを周回することを決めていた。
おしまい
27 :
名無しオンライン:2007/02/16(金) 21:08:49.95 ID:zHyf0g9L
ここかぁ…?
(ポコ)祭りの場所は…
どうしても書きたくなりましたので、流れを無視して初投稿。どうかお許しくださいまし。
惑星パルム ミッション「狂う珍獣」にて
430「わあい、ちょうちょです〜」
ひらひらと舞う蝶々を、GH-430はひたむきに追いかけていた。
沼子「………」
蝶々しか目に入っておらず、どんどん戦線を離れてゆく430を沼子はじっと見つめていた。
430「まてまて〜……ア゛ッー」
小石に足を取られ、転ぶ430。涙目になって手を伸ばす430の目の前で、蝶々ははたはたと飛んでいった。
沼子「………」
そんな一連の様子を、木の陰から沼子が見守っていた。
430「はぁ……。あれ? ごしゅじんさま? ごしゅじんさまー!」
ようやく蝶々以外に意識を戻した430が、辺りを見回しながら叫び始めた。
沼子「………」
息をひとつ吐いて、430に歩み寄ろうとした沼子がふと足を止めた。
何かが、恐ろしい速度で近づいている。そんな気配があった。
430「ア゛ッー! ごじゅじんざばあ゛ぁああああ!」
泣き叫ぶ430に向かって、巨大な豚ゴルドルバが突進してきた。立ちすくんだまま、430は悲鳴を上げた。
沼子「!!!」
すかさず沼子は杖を振り上げ、ゴルドルバにフォイエの火球を三発叩き込んだ。直撃を受けたゴルドルバは派手に炎上した。
全身火だるまになりながらも、ゴルドルバは機敏に向きを変え、沼子のほうを向いて走り出した。
沼子「あなたの相手は、私です」
土煙が舞うほどの突進をかわし、沼子は再び杖を振り上げ、振り下ろした。
黒いフォトンの球体がゴルドルバの頭上に現れ、重力波を放つ。息つく暇も惜しんで、沼子は杖を振り上げ、下ろす。
何発ものラ・メギドを受け、ゴルドルバがふらついた。
沼子がとどめの一撃を繰り出そうとしたとき、一発の銃声が響いた。
430「やりましたっ」
いつのまにか立ち直った430の銃弾がとどめとなり、ゴルドルバは断末魔の雄叫びを上げながら横倒しにずしんと倒れた。
430「ごしゅじんさまぁああ!」
安堵の涙を流しながら駆け寄る430を、沼子が優しく抱き留める。たちまち、沼子の肩口が涙や色々なものでドロドロになった。
沼子「これからいい所へ連れて行ってあげるから、泣き止んで、ね? 430」
430「いいところ?」
きょとん、とした430が聞き返す。もう、涙は止まっていた。
沼子「そう。あなたの好きなものがたくさんある所よ」
430「わあい、ごしゅじんさま大好き!」
泣き止んだ430の笑顔に沼子も微笑み返しながら、ふたりは草原をあとにした。
惑星パルム ミッション「研究所奪還」
430「ア゛ッー! 散りましょー!」
沼子「よかった。気に入ってくれたのね。あなた、さっきのミッションで昆虫追いかけてたでしょ? きっと気に入ると思ったのよ」
ミズラにたかられて本気で泣いている430と、それを微笑ましく見守る沼子の姿があった。
430「違っ、だずげでぐだざい、ごじゅじんざばぁあ゛あああ」
沼子「泣くほど好きなのね、昆虫が。それじゃ先行ってるから、堪能したら追いかけていらっしゃい」
430「ア゛ッー!」
それが誤解であることを沼子が理解して、430が救助されたのはたっぷり一時間も経ってからのことだった。 END
29 :
名無しオンライン:2007/02/16(金) 22:08:32.84 ID:i96BOiM+
>>24 何と言うかほんとに猫そのものになってるな・・・w
>>26 タマの主人のヒュマ郎ってパシリ育成以外なにもやってなかったんだな・・・w
そりゃパシリの強さが圧倒的になるはずだw
>>28 430のちょうちょ追いかけて喜んでいる姿とミズラにたかられて涙流してる姿を想像して笑ったw
パシリもパシリなら主人も主人って訳だなこれはw
「おぅい、聞いたか?」
「ああ、今な。俺たちの『娘』の身請け先だろ?」
「ガーディアンズねぇ…、こないだ出来たばっかりの民間警備会社だろ?
あの、ガラクタの寄せ集めみたいなコロニー浮かべてる」
「まぁ良いんじゃねぇかよどこだって。…ともあれ、これで夏のボーナスは安泰だ。
他部門の連中に散々「ロリコン人形師」呼ばわりされてたのが報われたわけだしな」
「良かねーよ、大事な娘の嫁ぎ先じゃねーか。
大体連中判ってねーんだよ。老若男女問わずの生活支援なら幼女型が一番カド立たねぇし、
人間の為に設計された生活空間なら、人間型が一番理に叶ってるんだ」
「あーほらほら、そこ喧嘩しないの。今日はめでたい日じゃないの。
それで? 正式採用呼称は決まったの? 『人型汎用マシナリー』じゃ味気ないでしょ?」
「PM。『パートナーマシナリー』だそうです」
「うん、良いじゃない。そうかぁ…、私たちの娘は、ガーディアンズたちの
パートナーになるのねぇ…。なんだか嬉しいわねぇ」
「娘を嫁に出す気持ちってのはこんなんなんスかねぇ…」
「おーし、今日の帰りはこの主任サマが派手におごってあげちゃうわー。朝まで飲むわよー!」
「おーっす!」
「…んで…? お前さっきから何やってんの?」
「んあ? いや、意味はねーんだけどさ、ちょっとお遊び」
「お遊びぃ?」
「ん。こいつらに感情回路組み込んだら面白そうじゃね? 俺見てみてーよ」
「バッカお前、また人権問題とかうっせーんだぞ…」
「そんな大層なもんじゃねえよ。納入仕様書にも変更はしねーし、やったらすぐ削除するさ」
「何々? 面白そうなことやってんじゃない。見せてみなさいよ。
…アンタ、こんなヘタレたAI組み込んでんじゃないわよ、退きなさい。
どーせお遊びでやるからにゃあ、最先端感情回路組み込んでやるわー!」
「うわー、主任がもう缶ビール開けてるぞー!」
「パートナーマシナリーかぁ。そっかぁ…。うふふ。悪くない呼び名よねぇ。
アンタたちは私たち七人全員の娘だもの。幸せになんなさいよね…」
それは…、もう、二十年近くも昔の出来事。
GRMの生活支援部門研究職員たちの会話。
私たちPMが生まれた日の出来事。
だが、皮肉にも…。
この日の彼らの些細な「お遊び」が。…私たちPMの全てを、致命的に狂わせたのだった。
XX07/2/13 20:11
「…どーした、おっさん」
コップ一杯だけ許された酒を片手に、ぼんやりと440を見詰めていた俺は、その440当人に声を掛けられて我に返る。
「いや、…何でもない。お前、ほっぺたに食いカス付いてんぞ」
「む、気付かなかった」
「あーあー、だから袖で拭くな袖でー。洗濯大変だろうがー」
ごしごしとほっぺたを拭く440を見て、俺はたまらず声を上げる。
まったくコイツとの生活は、我が子と暮らす生活のようだ。
俺に娘はもういないし…、娘がこれくらい年の頃に、こんなやりとりをした記憶もないが…、
多分きっと、…こんなんだったんだろうな。
モギモギと美味しそうに食事を口に運ぶ440をまたぼんやりと見詰め…、俺は手の中の酒に一口だけ口を付ける。
――知ってるかい? アタシらPMってのはね、二十年前にガーディアンズに導入された時に、
――既に「完成」していたんだよ。もう、能力の伸びしろなんて残されていないくらいにね。
昼間、あの「女帝」が言っていた言葉を、俺は思い出していた。
――その時のアタシらには感情回路が組み込まれていなかった。
――アタシたちってのは実に良く出来た「道具」で、それ以上でもそれ以下でもなかった。
――言われたことを忠実に守り、命じられたことを忠実にこなし、
――出来ることにはイエスと答え、出来ないことにはノーと答え、
――部屋の片隅で命令を待つだけの、便利な置物だったのさ。
「…なぁ、440」
「なんだ?」
「…飯、美味いか?」
「なんだよ急に」
俺の言葉に、440はだいぶ困惑したらしい。
そりゃそうか、そんなのを聞いたこと、今まで一度だってなかったしな…。
440は何だかやたら難しい顔をして俺の顔を見て…、
「しょっぱい。おっさん、医者に塩分控えめって言われてんだぞ。自重しろ」
今日の食事当番は俺だ。全部俺が作った。…そうか、これしょっぱいのか…。
全然気付いてなかったぞ。やべーな俺の食生活…。
言うだけ言うと、440は目を閉じて食事を口にかっ込んで、
「…でも、不味くはない」
モギモギの間に、ぽつりとそう言った。
それが何だかやけに嬉しくて…、俺は、笑ってしまうのだった。
――ガーディアンズは急速に勢力を伸ばし、
――設立数年で、グラール星系最大の民間企業に成長した。
――GRMとしては最高の先物買いだったわけさね。
――PMはガーディアンズには欠かせない存在になっていたからね。
――だが、相手が金になるとわかればヨウメイもテノラも黙っちゃいない。
――PMに近しいモノを生産して、ガーディアンズに売り込みを始めたんだ。
――キャストの生産はGRMの専売特許だが…、PMは正確にはキャストじゃねェからねェ。
――焦ったのはGRMさ。言ったろ? PMは、既に納入決定段階で完成していたんだ。
――バージョンアップはするものの、せいぜいが動作の効率化。性能そのものが上がるわけでもない。
――噂じゃ、テノラの新型マシナリの導入を、ガーディアンズ本部は本気で検討していたらしい。
――そんな時に、GRMであるデータが見付かったんだ。
――データ保管庫に、分類もせずに突っ込まれていた、古いデータ。
――『PMに感情回路を設定した場合の動作性能記録』
――それがもたらした結果なんだよ。
――今あるPMの全ても…、アタシたちも…、これから起こるだろう、この事件も、ね。
「感情ってのは、何の為にあんだろうな?」
食事が終わり、俺はソファの上で身と腹を休めながら、ぽつりとそう言った。
そういやこんな風にのんびり休むのはどれくらいぶりだろう。この数日、走り回って調べ回って、
ろくに休んでいなかった気がする…。
独り言のつもりで呟いたのだが、どうやらキッチンで洗い物をしていた440の耳に届いたらしい。
流し台に手を伸ばす為の専用の踏み台からぴょんと飛び降りると、てくてくと俺の前に歩いてきて。
ぺた。
「何をする」
「おっさん最近働き過ぎだ。結構なことだが疲れてんじゃないのか?」
問答無用で、右手を俺のおでこに当ててきやがった。
「俺は正常だっ!」
呻いて、440の手を払いのける。ホント失敬なヤツだなお前は!
「泣いたり笑ったりする為のもんだろ、感情ってのは」
何を言ってんだ、と言わんばかりに、440は両手を腰に当てて言ってくる。
「じゃあ、だ」
俺はソファの背もたれから背を離し、少しだけ座を正すと、
「どうして泣いたり笑ったりしなきゃならん? 何か意味があると思うか?」
440が顔を引きつらせ、再び右手を差し出してくるが…、ぎろりと睨むと知らんぷりしてその手を引っ込めた。
「んー…、おっさんが何を言っているのか、正常な私にはわからんけど…」
こりこりと440は後頭部を掻きながら、
「その方が楽しいからじゃないのか? 泣くのはともかく…、笑えないってのはつまらないじゃないか」
「…そうだよな」
俺は再び…、ソファに背を埋める。…そう、だよな…。普通は、な…。
440は結局俺が何を言いたかったのか理解出来なかったらしい。
しきりに首を傾げながら、とことこと洗い場に戻っていく。
俺は学者じゃない。生物的な感情の役割なんてものはわからないし、興味もない。
ただ…、440の言うとおりだとは思う。感情のない生活なんて、つまらない…。
泣くのも怒るのも、俺たちが日常に飽きない為のスパイスだ。捨てたもんじゃない。
でも、
――アタシたちにとっての「感情」っていうモンはねェ、
――そういう為に設けられたものじゃァ、なかったのさ…。
「440、洗いモンは終わったかー?」
「もーちょい。おっさんが余計なこと言わなきゃ終わってた」
…そりゃ悪かったな。
「終わったらこっち来い。ちょっと大事な話がある」
XX07/2/13 23:55
くぅくぅと、ご主人様が幸せそうな寝息を立てている。
「はぅ…はぅ…、おなか…、いっぱぃ…」
ついでに、めちゃラブリーな寝言までつけて。
コタツで寝転がったまま寝入っているご主人様に、私はそっと毛布を掛けて差し上げる。
いっぱい食べましたものね。美味しかったですか? 楽しかったですか?
一生懸命料理しました。気に入って頂けましたか…?
私はそっと、ご主人様の綺麗な髪を撫で付ける。
それが気持ちよかったのだろうか。ご主人様はにへらぁと笑って、ころんと、私の方に寝返りを打つ。
まるで、もっと撫でて欲しいとねだる子犬のように。
そんなご主人様が可愛くて、可愛くて…、私は何度もその髪を撫でるのだった。
いつか言いましたよね、ご主人様。料理には二つの楽しみがある、って。
一つは、食べた料理が美味しかったこと。
もう一つは、自分が作った料理に、美味しいと言って貰えること。
私は今日、その二つを存分に楽しむことが出来ました。
ホンマグロ、とっても美味しかったです。
私が出す料理出す料理に、ご主人様は目一杯に美味しいと言ってくださいました。
嬉しかったです。楽しかったです。幸せでした。…本当に。
「私は、ずっと一人で食事をしてきました」
ぽつりと…、声が漏れる。
「ご飯が美味しいなんて思ったことありませんでした。
食事が楽しいなんて思ったことありませんでした。
でもそんな私にも、少しの間だけでしたが…、一緒にご飯を食べる人がいたんです」
あの灰色の…、冷たい部屋の中。ベッドとデスクだけの、牢屋のような部屋の中。
「ご飯はやっぱり美味しくなんかなかったけど…、
今にして思えば、一人で食べるよりは…、食事が楽しかった気がします」
アイツと一緒の生活は、随分とイライラの連発だったけど、一人で居たときは、そのイライラさえなかった。
少しくらい…、アイツと笑いあったこともあったと思う。
美味しくもない食事を、二人で向かい合わせに並べながら。
でもそれは…、
「短い間でした。長くは続きませんでした。なぜなら…」
――私を撃ちますか? 430。
――撃つ。…お前は…、イカレてる…。
「私が…、その人を撃ったからです。それで、私たち二人の食事は、おしまいでした」
私は今、懺悔をしているんだと思う。言いながら…、気付いた。
私たちに許しを請う神様なんていないけど、この人は、私にとって、神様なんかよりも、もっとずっと…、大切な人だから。
「私は…」
あの時彼女を撃ったことを。
あの時彼女を救ってやれなかったことを。
「貴方と出会い、貴方と暮らし、貴方から大切なことを学んでいくうちに…」
ぽたりと、ご主人様の髪の上に、私の頬を滑り落ちた涙が一粒、跳ねる。
「私があの時したことは…、間違いだったと、思うようになりました」
まるで、鏡を見るかのようにうり二つだった私たち。
同じモノを無くし、同じモノを欲しがって、同じ夢を見ていた私たち。
だからこそ…、
私はあの時、歪んでねじ切れてしまった彼女を目の前にすることに、耐えられなかった。
そこにいるのは…、私の「可能性」。
彼女がそうなってしまったのなら、私もいつか、そうなるのだろう、と。
私には、それが何より、…怖かった。
私は、そっと、ご主人様の髪を撫でていた手を離す。
きめ細やかな、真っ白な髪。
本当は、こんな手で撫でて良い髪じゃない。…私の手は、血で真っ赤だから。
でも、私は貴方が好きです。大好きです。言葉では言い表せない程に。
貴方が、こんな私を愛してくれて、こんな私の心を優しく満たしてくれるから。
私はご主人様の元を離れると、ルームランプを消し…、
音もなく降りてきた夜の暗闇の中、ビジフォンへと向かう。
新着メール一件、受信日時、2/13 24:00。
内容は、どこにでも送られてくるような通販案内。
けれど、メール最下部にパスワードの入力フォームが設置されている。
私はそこに、もう使うこともないと思っていたパスワードを打ち込んだ。
『rabid dog』
画面は即座に切り替わり…、ガーディアンズ諜報部からの依頼内容が表示されていく。
静まり返った暗闇の中、私はビジフォンの明かりを頼りに文章を読み、メモリに記憶すると、
受信したメールを削除し、…一人、部屋の出口へと歩いていく。
ご主人様は眠ったまま。部屋は暗くてもうその姿は見えないけれど、可愛らしい寝息は聞こえてくる。
コタツで寝るのって、ホントは良くないんですよね…。
ベッドまで運んで差し上げたいけど、起こしてしまうのは気が引ける。
風邪引かないかなぁ…、大丈夫かなぁ…。
部屋の出口で、そんなことを少し考えて、――私はふと、俯いて、笑った。
私はいつの間にか、随分とPMらしい考えをするようになったもんだ…。
「…お待ちしておりました」
マイルームを出れば…、そこには男が待っていた。昼間、私に話を持ちかけてきた諜報部職員。
「深夜に女性をエスコートするには、色気の無い格好ね」
陰鬱に笑う私に、諜報部職員は顔色一つ変えない。
諜報部職員に至急される黒のコート。胸から下げる職員章を隠してもいない。
この深夜に服装を偽装する必要はないと思ったのか、あるいは…、
同じく諜報部職員として任務を受諾する私に同行する為の、礼儀のつもりか。
「GH-430、識別番号GSS253-A5、…任務了解。これより行動を開始します」
「…2/14 00:06 任務受諾確認。これより諜報部本部へとお連れ致します」
私たちは、小さな足音を奏でながらコロニーの通路を歩いていく。
誰もいないロビーフロア。照明も落ち、非常灯だけが灯る暗い世界。
電飾の灯らないバレンタインオブジェが、影の中で眠りについていた。
「…今日は、バレンタインでしたね」
ふと…、男がそう言った。何のつもりだか。私はこんなヤツと世間話をする趣味はない。
私は答えず、…ただそっと、自分の胸元に手を伸ばす。
服の内側には、小さな箱のふくらみがある。
ご主人様。私ね、作ったんですよ、バレンタインチョコ。
マグロ料理の合間にですけど、一生懸命想いを込めて。
帰ってきたら、一番にお渡ししますから…、だから…、
――少しの間、行ってきます。…ご主人様。
XX07/2/14 00:29
ロックの掛かったマイルームのドアが、勝手に開くいた。
寝静まった暗闇の中、五人の男たちが一斉に部屋の中へと雪崩れ込んでくる。
滑るような速さで、足音一つ立てることもなく。
皆一様に、暗闇に同化する為の黒ずくめ。全員が手にはハンドガンを携えていた。
黒塗りの衣装に合わせるように、金属光沢までも塗りつぶした黒い銃。
彼らが暗視スコープが放つ小さな赤い光が、まるで滑らかな線を引くかのように淀みなく部屋の中へと広がっていく。
まるで獲物を探す獣の眼光のようなその光は、室内を隈無く巡り、やがて、やはり何一つの音も立てず、停止する。
「状況確認。室内は無人、ターゲット不在」
「ターゲットの情報にあったPMも不在」
「…感付かれて逃げられましたかね…? だとしたら、どこで気付かれたのか…」
「任務中の私語は慎め。次は隊から外す」
「…失礼しました」
「本部に状況を報告しろ。この場は撤収する。痕跡を残すな」
「了解」
それはまるで、音のない嵐のよう。
室内に侵入してきた時と同じ速さ、静かさで、部屋の中にいた五人の男が瞬く間にコロニーの通路へと走り去っていく。
唯一音を立てる入口のドアが閉まり…、微かな電子音を立ててロックを掛ける。
後はただ、何事もなかったかのように沈黙を歌う暗闇が部屋に戻ってきた。
それから、少しの時間が経って…、
「ぶはぁっ!」
部屋の片隅に置かれていた小さな箱の中から、たまりかねたように440が上半身を突き出した。
「おっさん! おっさん! 何なんだアイツら! ふつーじゃないぞ!?」
箱から身を出すなり、440は自分が潜んでいた箱の隣に並んでいた大きめの箱をばんばんと叩く。
「叩くな叩くな、中は音が響いてうるさい!」
ずぼむ、と、段ボール製の箱をやぶり…、男が姿を現した。
「盗聴器の類を設置してはいかなかったな。あくまで俺の身柄の確保が目的だったか…」
「変だぞ!? おかしいぞ!? 何でロックを勝手に破って入ってくるんだよ!?
何で銃なんか持ってるんだよ!?」
「晩飯の後に言ったろ。厄介な連中に目をつけられた、って」
男は気楽そうに440の頭を帽子ごと叩いて、
「…あの格好は諜報部だな…。いやまさか、ここまで仕事の速い連中だったとはねえ」
「諜報部って…、ガーディアンズだろ!? 何でガーディアンズがガーディアンズを襲うんだよオッサン!」
「人間というのは頭の悪い生き物なのだよ」
「わけわかんないこというなー!」
「全部事が済んだらわかりやすく教えてやる。…440、とりあえず俺のビジフォンにあるデータを、
ありったけお前のメモリに移せ。…どうやら本当にガーディアンズにはいられんらしい」
女帝の忠告を受けて一応用心はしていたが、まさかここまで形振り構わずに来るとは。
正直諜報部を侮っていた。あの様子では、連中は正真正銘の殺し屋だ。まともにやり合える手合いではない。
「あの事件なのか…? おっさんがここんとこずっと調べてる事件のせいなのか…?」
440が…、男を睨み付けていた。冗談で見せる半眼ではなく、本気で激怒の表情で。
これ以上ないほど歪めた目元に、涙を浮かべて。
男は答えない。…その沈黙を肯定と取ったのか、440は、
「やめちまえよそんな仕事!」
部屋に響き渡るほどの声でそう言って…、男の腕に縋り付く。
「なぁ! 今すぐやめようよ! そんな事件追いかけるのやめようよ!
危ないよ! おっさん…、おっさん…! ホントに殺されるかも知れない!」
「…そうはいかねぇ」
泣きじゃくって腕を引く440をそのままに、男は空いていた左手でタバコを取り出すと、火を付け、一息煙を吸い上げて…、
「何も知らないウチだったら大人しく白旗上げたろうけどな。…今となっちゃ、引けねぇ」
微かに紫がかった煙が、静かに天井へと線を描いていく。
「これは俺の、一番守りてぇモンの為の戦いだ。俺に出来ることなんざ微々たるもんだろうが…、
やることもやらずに白旗上げるくらいなら、…死んだ方がマシだ」
腕にしがみつく440を抱き寄せて、男はタバコの煙を吐く。…その眼差しは、射るほどに鋭かった。
「おっさんの一番守りたいモノって…、何だよ…」
服に顔を埋めて泣く440の背中を軽く叩いてあやしながら…、
「お前らだよ」
そのたった一言に全身全霊を込め、男はそう言い切った。
立ち上るタバコの煙の隙間に覗く、鷹のような鋭い眼差しが、部屋の片隅の置き時計を見る。
2/14 AM0:41 Valentine's Day
電光板が、暗闇の中、その文字を青く浮かび上がらせていた。
「さぁ…、バレンタインデーの始まりだ」
本日もまた長々と投下失礼致します…。
やっとあちこち派手に動かせるようになってきました。
おっさんがスネーク似、という書き込みがあったので、ちょっとお遊び。
私の中でおっさんがどんどんスネークに…。
あと今更ながら、名前が「小ビス子」でなく「子ビス子」になっていたことに気付きました…。
私これで何回投下してたんだろう…orz
37 :
名無しオンライン:2007/02/17(土) 02:31:18.06 ID:JT+imxmQ
XX07/2/14、後に『鮮血のバレンタイン』と呼ばれる日である
と言うのは置いといて、ダンボールに隠れる中年ヒュマに笑ったw
そろそろ潜入ミッションでも来そうだおっさんw
ちなみに子ビス子は九体目からの様子、まあこれだけでも11回投稿してる事になるようだが・・・
38 :
名無しオンライン:2007/02/17(土) 02:43:11.05 ID:jES4h2KP
>>36 誰よりも早くレス
深夜の投下お疲れさんなんだぜ
おっさんVS諜報部の構図にwktkが止まらないw
おっさんは自他共に認める立派なスネークだな。段ボールで危機回避するとはw
>>15 もう
>>16で想像した方が楽なんだぜ
いや、もうちょっとおっさん臭くてもいいか…
>>17 中年ヒュマ「『酒類を摂取する前後のPMの行動の変化』ってのも面白そうだな」
440「ヒュマ男さんトコの410ちゃんで悲惨な目にあったのにまだそんなことを…」
>>24,26
昨日から玄関先に段ボール置いてるんだが、420が来る気配が全くないんだ
拾うのにコツとかあるのか?
>>28 某430スレに投下されてた漫画を思い出した
にしても最近はスペックの高いPMが多いな…
39 :
名無しオンライン:2007/02/17(土) 02:44:50.68 ID:B4chPO0s
>>36 どうでもいいが、まとめてうpろだという選択肢を取らなかった理由を知りたい。
いくらなんでも長すぎだ
40 :
名無しオンライン:2007/02/17(土) 02:45:29.44 ID:jES4h2KP
誰よりも早くなかったorz
41 :
名無しオンライン:2007/02/17(土) 02:57:02.62 ID:jES4h2KP
連投ですまない
>>39 一気に10レスとか使ってるワケじゃないし、いいんじゃないか?
俺はもっぱらケータイだから今のままやってくれた方が嬉しいんだぜ
と、聞かれてもいないのに答えてみる
42 :
名無しオンライン:2007/02/17(土) 03:34:04.09 ID:qQzBzNrX
>>39 10レス程度なら問題ないと思うけどねぇ
書き込みを丸ごとコピペしてみたけど17KB弱だった
スレの最大サイズの5%にも満たない。やはり問題ないと思うぞ
43 :
名無しオンライン:2007/02/17(土) 04:45:46.30 ID:JT+imxmQ
>>42 長編の続き物なんだしこれくらい長くても気にならないけどな
個人的には一回に5~6レス程度にまとめて落とすのを何度か繰り返すのならどれだけ長くても問題ないと思ってる
以前にあった小ビス子氏のオハナミ編は一気に出来上がったからまとめてロダに上げてたんだと思う
んで今回のは出来上がったのを随時落としてるからこういう形になってるんだと思うんだが
それに極端な話をすれば現時点である多レスは全部続き物なんだしそれを纏めて上げろというのも無理がある
後
>>41みたいな意見もあるみたいだしな
まあ何が言いたいかというとここはそういう細かい事を気にする場所じゃないから倫理的におk
44 :
名無しオンライン:2007/02/17(土) 04:46:14.94 ID:JT+imxmQ
45 :
名無しオンライン:2007/02/17(土) 05:03:23.15 ID:4rPNF0aP
>>39はきっと一気に読みたかったんだろう
俺がそうだからわかる(・∀・)
でも自分で溜め込んでから読むとかは、意志が弱いからできないんだぜ?
俺がそうだからわかる(・∀・)
46 :
名無しオンライン:2007/02/17(土) 08:58:08.67 ID:SlZHF8uZ
GJすぐる。
しかし、個人的に今回の小ビス子と430のお話はクオリティ高杉だな。
本屋に並んでたら買ってでも読みたいと思う俺ガイル。
47 :
名無しオンライン:2007/02/17(土) 09:36:50.89 ID:xWBITkzz
小ビス子氏 GJ!
>>46さん
ここのやつは全部【小説orマンガ】にできたら全部買うつもりでいる私ガイル!
しかしどんな絵にすればいいかイメージはあるけど、絵がかけないという私ガイル・・・orz
48 :
小ビス子と430:2007/02/17(土) 10:51:58.95 ID:XcNkKTPX
>>39さん
自分でもこうも連続で長々とした話を投下しているのは気になっていたのですが…。
本当はもう少し短めの話にするのだったのと、
オハナミの話の時(うpろだ使用)、「ケータイだから見られない」という人がちらほらいたので…。
あとはやっぱり、書いているものにリアルタイムで感想が貰えるのは、
モチベーションがもの凄い上がるものですから。勝手で申し訳ありません。
まだ続く話ですし、何か手を考えます。
49 :
名無しオンライン:2007/02/17(土) 13:43:28.62 ID:4rPNF0aP
>>46 俺も俺も
小ビス子の人のだけは大事にとってあって何度も読んでるんだぜ
>>48 今のままがいいって人もいるし、今のままでいいって人もいる
正直他の人が投稿出来ないほどのペースでもないし構わないかと
まとめて読みたい人もいるかもしれないって意味で言わせて貰えば
最後に纏めたのをロダにでも上げれば充分じゃないだろうか?
俺が楽なだけですが
50 :
名無しオンライン:2007/02/17(土) 17:17:38.78 ID:3bHuTNgn
このスレの為だけに●の購入を検討してる
51 :
名無しオンライン:2007/02/17(土) 19:02:50.17 ID:7ScrUhob
>>50 そこまでこのスレを愛しているのか、流石だぜ・・・w
そういえば六体目以降は保存庫でもhtmlで見れないんだよな
一応俺は専ブラ使ってるん三体目のログだけは残ってるんだが・・・
惑星パルム ミッション「貨物列車救援」
430「ごじゅじんざばあ゛ぁあああ! 散゛り゛ま゛じょー!」
列車を襲撃したローグスと戦っているところへ、430の悲鳴が聞こえた。
振り向いた沼子の目に、三体のゴーマ・メスナにウィンウィンと囲まれて連れ去られる430の姿が映った。
沼子「!!!」
すかさず沼子はワンドをゴーマ・メスナに向けて振り下ろした。氷の柱が真っ直ぐな軌跡を描いてゴーマ・メスナをなぎ払う。
テクニックの発動と同時に駆け出した沼子が、スパークする敵の群れから430の腕を引っ張り出した。
沼子「430っ!」
430を引き離した直後、一体の爆風を右腕にもろに受けた沼子が吹き飛ばされた。
430「ア゛ッー! ごしゅじんさまぁあ!」
通路に背中を強打し、沼子は一瞬気が遠くなった。気力を振り絞り、駆け寄る430の背後にいたローグスを左手の銃で牽制する。
沼子「430、怪我はない? いま、レスタを……痛っ!」
430「ごじゅじんざばあ゛あ゛あ゛ぁ」
杖を振り上げかけた右腕に激痛が走り、沼子は思わず杖を取り落とした。
見ると、沼子の右腕は肘の辺りから変な角度に曲がっている。
430「ア゛ッー!」
沼子「あ、ちょっ、430っ」
その腕に飛びついて泣きじゃくる430。たちまち倍増する痛み。
沼子「ちょ、だ、大丈夫。大丈夫だから離しっ、430!」
430「ア゛ッー! ごべんな゛ざい゛ー!」
動転した430が、さらに強く腕を締め上げる。強すぎる刺激に、沼子の意識はあっさりと敗北した。
沼子「4…3…0…」
430「ごじゅじんざばあ゛あ゛あ゛ぁああああ」
ローグスが駆け回る貨物列車の車内に、430の悲鳴が響き渡った。 つづく
再び思いついたものを投下いたしました。
拙作にレスを下さった寛大な方々に、この場を借りて御礼申し上げます。
つづきものを書いてしまいましたが、よろしければお付き合いくださいw
54 :
名無しオンライン :2007/02/17(土) 20:12:47.41 ID:4cGyrx00
55 :
名無しオンライン:2007/02/17(土) 20:47:40.24 ID:7ScrUhob
>>54 三体目じゃなくて三体目以降のは、だった
別に初期から見てる俺は問題ないんだが最近見出した人は六、七のログが見れないんじゃないかなと思って
六七は既に過去ログに入ってるから●ないと見れないし
56 :
名無しオンライン:2007/02/17(土) 20:50:20.46 ID:7ScrUhob
>>52 折れてる腕に抱きつかれたら痛いどころじゃないだろなぁ・・・w
病院でも泣き付かれて悪化したりしないか心配だ・・・w
57 :
小ビス子と430:2007/02/17(土) 20:53:51.80 ID:XcNkKTPX
58 :
名無しオンライン:2007/02/17(土) 21:28:51.59 ID:IGtO/rwl
微妙に過疎り気味だから、このまま投下でも良い気がするのですよ
専ブラ開いた時の「スレ伸びてる」感がなんか好きなんです
59 :
名無しオンライン:2007/02/17(土) 21:37:43.50 ID:VduWcmMr
>>57 確認OK
オレのは問題なく読めた。
>>58の意見と同様に微妙に過疎気味だから普通に投下してもOKだと思うのだが、色々な人が居るからな。
小ビス子氏の配慮に感謝。
続きwktkしながら待ってるぜ!
60 :
名無しオンライン:2007/02/17(土) 21:43:40.39 ID:jES4h2KP
小ビス子氏はそこまで気にしなくてもいいんじゃないか?
みんなはあんたの作品を心待ちにしている訳だし、少し無理を通すくらい大丈夫だろう
携帯からの人達にも気を配って、専用のページまで作って
みんなあんたの優しさを肌で感じている
だから、スレに投下されるのが更新のお知らせだけだなんて
そんな寂しい事を言わないでくれ…
61 :
名無しオンライン:2007/02/18(日) 00:42:11.85 ID:h9Pz2XGv
小ビス子作者様が神過ぎる件。
自分の携帯からも問題なさそうでした。
62 :
小ビス子と430:2007/02/18(日) 00:58:05.69 ID:saSrXeOR
…投下していいのかどうか、もの凄く悩むところなのですが…。
本音を言えば、やっぱりここで書いていきたい、というのはあります。
自己顕示欲と言ってしまえばそれだけなのですが…orz
気になるようでしたら言ってください。
このスレが好きなので、場を悪くするようなことだけはしたくないので…。
今夜分、落とします。
XX07/2/14 02:15
諜報部のブリーフィングルームには、キャストのオペレーターが一人と、
「お久しぶりですね。…GH-430」
伏せた瞳で微笑む、一人の女性が既に待っていた。
歳はまだ三十になっていないと聞いたことがある。客観的に見て、絶世の美女だと…、私は思っていた。
黒いコート姿に、背へと長くのばした黒髪がこれ以上ない程に似合っている。それはさながら…、
死の番犬どもを率いる、狩猟の女神。
「ご無沙汰しております。…長官」
彼女―ガーディアンズ諜報部長官―に、私は暗い瞳で一礼を送る。
「元気そうで何より。警備部のガーディアンズとは仲良くやっていますか?」
返答の必要性を感じず、私はただ、一度伏せた眼差しを彼女へと向け直すだけ。
前任の長官が退職したのが二年前。…その職を引き継いだのが、この若すぎる女性だ。
就任直後は随分と周囲から冷や飯を食わされたことだろう。
この世界、出世で恨みを買うことなど日常茶飯事だ。
その若さで長官就任など、老獪な古参どもの格好の餌食になると思われたが…、
彼女は優秀だった。途轍もなく。ただ職にしがみついて来ただけの老人などより、圧倒的に。
彼女はガーディアンズ組織の中で、誰よりも「諜報部長官」という職が適任だったのだ。
穏和な笑顔を浮かべたまま、顔色一つ変えることなく、「障害」となるものを排除する。
例えそれが、同胞のガーディアンズであったとしても同じ事だ。
就任して一年で、彼女は名実共に諜報部を支配した。
根拠のない誹謗中傷、彼女を陥れる為の内部工作、それらを行う者は、その一年間で皆消えた。消された。
あまりにも容易く、呆気なく、ガーデニングに邪魔な雑草を刈り取るように。
「世間話が嫌いなところは変わっていませんね」
この人の微笑みは、苦手だ。…正直、怖い。私は今まで、この人以上に「怖い」と思う人間に出会ったことがない。
半年と少し前、私が諜報部を退役出来たのは、この人のお陰だ。
私を拘束して使役することしか頭に無かった前任の長官では、私の嘆願など聞く耳も無かったろう。
この人は理解している。「人を使う」ということを熟知している。
手中に収め、鎖でがんじがらめにすることが、「駒として手元に置く」最善の手段ではないことを…、知っているのだ、
「状況の説明を始めましょうか」
私に会話の意志がないと知ると、長官はあっさりと私に背を向け、ブリーフィングルーム
中央の立体モニタの前へと歩を進める。…私も、それに続く。
「ガーディアンズコロニーの立体地図を」
「はい」
モニタに表示されるのは、私たちガーディアンズが拠点とするコロニーの立体見取り図。
…数万の人口を抱える、グラール星系最大の居住衛星だ
緩やかに回転する見取り図の中、コロニーの中心を貫く柱が赤く点灯を繰り返していた。
「これがコロニーの枢軸。そしてその柱の頂上付近に設置されているのが…」
長官の言葉と共に、立体映像は拡大化され、やがて枢軸全体の発光は、一点に収束する。
「ガーディアンズコロニー中央管制塔。このコロニーの心臓部です」
心臓という言葉が比喩ではない。ガーディアンズコロニーの生活環境を管理するCPUは、
その大半がこの場所に集中している。スペースポートの管制塔に似た場所に設置されているから
そう呼ばれてはいるが、実質、コロニーの中枢制御室だ。
「ここに入るには厳重な立ち入り許可が必要であり、設置されているCPUには最高技術の
情報防壁が数枚に渡って張り巡らされていますが…」
「…ハッキングされた」
「その通り。2/10、23:55。ガーディアンズ居住区の一室から、ビジフォン経由で不正アクセスがありました。
使用ツールは不明。ビジフォンの所有者である警備部のガーディアンズは死亡。
アクセスの目的は不明。情報部が二回に渡り念入りなスキャンを行いましたが、
ハッキングされたCPUに異常は無し。情報部は最終的に「いたずら」と判断しました」
モニタには次々と長官の言葉を裏付ける情報が表示されていくが…、
私の目はそれを見ていても…、ほとんど理解はしていなかった。
これが…、ただ単純に「アクセス」が目的のハッキングだとすれば…。
「話は前後しますが…、数日前に、大規模な不正合成が行われたのを知っていますか?」
「…私も調査されましたから」
「あら、それはそれは…。公安部に貴方の所在を伝えておくべきだったかしら?
随分嫌な思いをしたでしょう?」
…どうでも良い話だ。不快な思いはしたが…、それはあらぬ濡れ衣を着せられたことじゃない。
――ご主人様は悪くないの! だから返して! ご主人様を返して!
あの時の、410の悲痛な叫び声が、まだ頭に残っている…。
「あの不正合成事件の三週間ほど前、今回不正アクセスを行ったガーディアンズの
ビジフォンから、GRM、ヨウメイ、テノラ、クバラ市へ、やはり不正アクセスがありました。
その際流失したのは単なる画像データだけでしたが…、
『アクセスされた』ことには違いありませんよね?」
くすりと、長官がしとやかに笑う。…どうしてそこで笑うのか…、私には理解出来ない。
「そして、くだんの警備部のガーディアンズですが、彼はGH-440を保有していた。
彼の死体はマイルームにて発見されましたが、GH-440は所在不明。
諜報部は昨日、コロニー最下層にて該当のGH-440の遺体を発見しましたが…、
調査の結果、どんな結果が出たと思います?」
「わかりません」
私の、そんな素っ気ない言葉を意にも介さず、長官はわざわざ私の方を向くと、
軽く握った拳で口元を隠し、ころころと笑い声を転がして、
「投棄されていた彼のGH-440はね、二ヶ月も前に全停止していたんですって」
ナンセンスなギャグに笑っているのか、オカルトを楽しんでいるのか、
あるいは別の何かか…、私には、やはりこの人の笑顔が、…理解出来ない。
「どれもこれもがあり得ない話ばかり。その理由も目的も全く判らない。
でもこう考えれば、それらの事件は全て、綺麗に収まりがつく」
そう、まるで、理解の出来ないパズルに、すっぽりとピースが収まるように。
「私が口にしたGH-440という言葉が、…GH-440、識別番号GSS015-S10、だったとしたら…?」
「状況証拠すらありません」
「今回の不正合成事件、あまりにも急だったと思いませんか?
画像データが流出したとは言え、合成時に使用されるマスターコードは無事だった。
ではマスターコードはいつ流失したのか?
GRMに問い合わせた所、面白い回答があったんです。
不正合成が発覚する二日前。…GRM社のCPUから、マスターコードが『勝手に転送された』んですって。
…これは状況証拠にはなりませんか? GH-430」
私は…、答えられなかった。ただ俯く私に…、
「GH-440、識別番号GSS015-S10。彼女の『能力』は? 答えなさい、GH-430」
背の支柱を鷲掴みにされるような…、ぞっとするほどに無機質な声が掛けられた。
長官はやはり微笑んでいる。…押し潰されるほどの威圧を眼差しに潜ませて。
「…『中枢へとアクセスしたCPUを、完全に支配する』…」
「ええ、そうね。良く憶えていましたね? GH-430」
長官は、すいと、私を見下ろしていた眼差しを立体モニタへと向け、
「GH-440。彼女は情報能力特化型のワンオブサウザンド。
彼女に中枢を触れられたCPUは、その瞬間から彼女の手足となる。全てが彼女の思うがまま。
スキャンなんて意味無いわ。だって「正常か?」という問い掛けに返答をするのは、他ならない彼女なんですもの。
…ガーディアンズコロニーの中央制御室は、実質今、彼女に支配されていると見て間違いないでしょう」
それはつまり…、コロニー全人口が、既に掌握されているということ!
「事実を公表し…、然るべき対策本部を設け…、一刻も早くコロニーの住人を避難させるべきです…!
状況は最悪だ! 後手も後手! ボードの上は、駒はおろか、ルールまで彼女の手の中だ!
「それは出来ません。この事件は何としてでも内々で処理しなければ」
ふう、と長官は細いため息を吐き…、前髪を掻き上げる。
「事が明るみに出れば原因を究明される。それはすなわち、ワンオブサウザンドという存在の露呈です。
それだけは困ります。何の為に私たち諜報部がワンオブサウザンドという存在を極秘扱いにし、
ガーディアンズ内においても都市伝説程度の噂話に済ませてきたことか」
「…同盟軍に対して、グラール教団に対して、ローグスに対して、不可視の切り札とする為…!」
ぎりぃッ! と、私の指の爪が、強く握り込んだ手のひらに抉り込む!
「そう。たかだか創立二十年程度の民間企業である私たちには、『貴方たち』が必要です。
貴方たちの生みの親でもある、GRM社と仲良くやっていく為にも、ね?」
絶望的な沈黙がブリーフィングルームに広がり…、
そして、外部からの通信受信を知らせる電子音が鳴る。
「長官。調査課二班班長より報告。例の情報部職員の確保に失敗したそうです。
突入時には既に逃走。現在一班、三班と連携して足取りを追跡中とのことです」
「余計な情報が外に漏れるのは面倒ね。火器戦闘と射殺を許可しなさい。
民間人の被害は五名まで。ガーディアンズなら十名まで。
情報漏洩防止が最優先よ」
「了解しました。通達致します」
知ってたことじゃないか。…ここが『地獄』だなんてこと。
ここでは世に知られた「ガーディアンズ」なんて他人事だ。
人殺しなんて、ゴミを捨てるのと同じくらいの意味でしかない。
ここでは人一人の命になんて、これっぽっちの価値もない。
知ってる。わかってる。私だって…、この場所にいたんだから…。
でも…!
ぶつり、と、八重歯を立てて噛み締めていた唇が避け、
私たちの体を流れる真っ黒な『血』がしたたり落ちる。
「…私たちは…」
「GH-430?」
彼女は、コロニーに住む数万の人間の安全よりも、私たちが大事だと言う。
私たちの秘密を守る為なら、人殺しさえ平然とやる。
「私たちは…、一体…、何なんですか…!?」
「…決まっているじゃありませんか」
長官は、私を優しく見下ろすと、
「とても大事で、とても可愛らしい、――『立派な道具』ですよ?」
そういって、…私の頭を撫でるのだった…。
「現在諜報部が全力でGH-440の所在を追っています。貴方は待機していて下さい。
本部にいる必要はありませんが、通信は可能な状況でお願いします。
所在が判明次第連絡を送りますので…」
ざぁっ、と、長官は長い黒髪を掻き上げ、手櫛を通すと、
「即座に現場に急行。GH-440を『拘束』あるいは『完全破壊』して下さい。
…このミッションを外部の目に触れずに完了するには、貴方の協力が不可欠なのですよ。
よろしくお願いしますね? GH-430」
ブーツの足音を響かせて、彼女はブリーフィングルームの出口へと歩き出す。
その場に取り残されるように立ち尽くす私に、もう、振り返ることもなく。
「それにしても…」
不意に、その長官が呟いた。
「中央管制塔へのアクセスが十日深夜。もう三日以上が経つというのに、
どうしてGH-440は何のアクションも起こしてこないのかしら…?」
足を止めるほどの疑問ではなかったのだろう。長官の足音は少しずつ遠ざかっていく。
しゅんっ、と、ブリーフィングルームのドアが開く音と同じくして、
「ああ、今日はバレンタインデーでしたね。…チョコでも渡したい相手でもいたのかしら」
そう言って…、彼女はおかしそうに笑うのだった。
66 :
小ビス子と430:2007/02/18(日) 01:04:32.70 ID:saSrXeOR
なんだか意見をうろうろしていてみっともないですが…、
次の投下の時には、きっちり方針を決めようと思います。
それでは、今夜はこれにて。
神様の後に投下する厚顔無恥な俺m9(^Д^)プギャー
====
165000メセタ
今俺の手に、あらゆるところから借りに借りにまくって作ったメセタがある。
そして、目の前にはGRM社の基盤屋。
イムフォトン10、バルカリン6、チコタイト9、パルエボン9。
俺のレベルには不相応の素材たち。
一つ深呼吸。
そして俺は店に入った。
―マイルーム
タマ「ふにゃあ……」
たいくつ。
ご主人がお買い物に言ってる間、あたしは部屋で一人きり。
サンフラワの花弁は全部抜いちゃった。
モトゥブカズウラに食べられるごっこも飽きちゃった。
あたしは今ぼ〜っと窓の外を見ている。
タマ「ふにゃあ……」
二度目のあくび。
ご主人、はやくかえってこないかなあ……
プシュー
あ、ご主人だ!
タマ「おかえりポコッ!!」
あたしはいつものようにご主人を迎える。
―マイルーム
タマ「おかえりポコッ!!」
ヒュマ「……」
タマ「……ふに? どしたの?ご主人??」
タマが深刻そうな俺を見て、首をかしげる。
ヒュマ「…………」(がばっ!)
感情を抑えきれず、唐突にタマを抱き締める俺。
タマ「に゙ゃっ!? に゙ゃああああああッ!?」
いきなりの抱擁にパニックに陥るタマ。
俺は、思いの丈をタマの耳に囁く。
ヒュマ「タマ………………愛してるぞ」
タマ「……ゔ……ゔにぃ」
なんだか妙な反応だ。
ヒュマ「だから…………やってくれるな?」
タマ「にゃ…………?」
ヒュマ「頼む!この基盤買って来たんだ!!素材もある!! 頼む!!成功させてくれ!!
俺の愛しのタマなら、絶対成功してくれるよな!!なっ!?」
タマ「……………………」
しばし、沈黙。
タマ「フカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!」
ん?なんだこの音?
タマ「ん゙に゙ゃあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っ!!」
怒りに燃えたタマ。俺よりレベルの高いタマ。お前…一体なんでそんなに……怒ってるんだ……
ああ、ガミサキが俺をガミサキってるぜ…… シンツキザシがツキザシってるぜ……
……頼む…………これを……俺のこの基盤をを…………成功させて…………くれ…………
そうして、俺の意識は闇の中に溶けていった。
>>合成結果編に続くかもしれない
ということで基盤つっこんでくるノシ
69 :
名無しオンライン:2007/02/18(日) 02:46:46.11 ID:Jzlev7Et
>>66 相変わらず早い、そして出来が良い・・・w
続きが気になって思わず投稿の手が止まるくらいだ・・・
いや執筆速度が遅いのを誤魔化してるわけじゃないぞ?w
しかしガーディアンズの存在がどんどんでかく、且つ裏がどんどん黒く・・・w
>本音を言えば、やっぱりここで書いていきたい、というのはあります。
>自己顕示欲と言ってしまえばそれだけなのですが…orz
投下してこそスレの意味があると言うもの
それに作者なんてみんなそんなもんさ!w
>>68 顔を爪で縦に引っかかれるヒュマ郎の顔が鮮明に浮かぶようだ・・・
しかしこの災難っぷり、他人事とは思えんな・・・w
70 :
名無しオンライン:2007/02/18(日) 02:54:37.32 ID:LlLj5bbj
>>66 以前の盛況だった時期ならば、このペースでもなんら問題なかったのでしょうが、
最近は過疎り気味なせいか、連投がどうしても目立ってしまうのでしょうね…
実際、あの頃は長文を毎日のように投下しても、批判的な意見が出る様なことはまず無かった気がします
妙な言い方になりますが、小ビス子の様にオロオロせず、自信を持って自分のやり方を貫いて欲しいところです
>>67 モトゥブカズウラに食べられるごっこも飽きちゃった。
やばい、これ超見てみたい!
71 :
名無しオンライン:2007/02/18(日) 03:34:26.04 ID:O/tS/8a9
>>66 昔から居る人だから知っているとは思うが、このスレは元々作者が
自己満足投下するための『オナニースレ』だったはずだから好きにすれば倫理的におk。
この手の意見はそれこそ
>>45のような解釈でスルーしちゃっても良いと思う。
因みに個人的な希望としては、今の形式での投稿でやってくれれば有り難い。
折角作ったサイトの方は、投下用じゃなくて
今までの作品全部載っけて個人ライブラリにするとみんな喜びそう。
72 :
名無しオンライン:2007/02/18(日) 06:02:42.86 ID:Jzlev7Et
こんな時間だが
>>68のモトゥブカズウラを見て思いついた殴り書き
落ちはいつもの如く無理矢理だが気にしない方向で
73 :
名無しオンライン:2007/02/18(日) 06:02:58.83 ID:Jzlev7Et
マスターはいつものようにミッションに出かけ今日は私はお留守番。
そしていつもと同じ時間にマイルームの自動ドアが開くと私はいつも通りにマスターに飛びつく。
420「マスターおかえりー、ね〜ね〜おみやげは〜?」
ビス男「お土産って言っても通過ミッションを少しやってきただけだから大したもんはないからなぁ・・・
あぁそうだ、途中でこんなの拾ったんだった」
そう言うとマスターはナノトランサーからあるものを取り出して部屋の片隅に置いた。
それは茶色の鉢に緑色で所々に棘がある植物、よく言うサボテンだった。
420「・・・?ねぇマスター、これってなに?」
ビス男「モトゥブ特産の植物でな、ムシクイサボテ、って言うんだが」
420「ふーん・・・」
期待はずれと言うか拍子抜けと言うか。
それでも物珍しさから私は指でツンツンとつついたり棘を引っ張ったりしてみる。
これは観葉植物にしては部屋には不釣合いなものかもしれないけどな部屋よりはいいかもしれない、
私が色々観察をしている間にマスターは夕飯の準備に取り掛かりに台所へと向かった。
420「ツンツン・・・ツンツン・・・むー、変なの」
観葉植物だけに当然ぴくりとも動かない。
本当のところもっと面白いおもちゃやおいしいお菓子のお土産を期待していた。
でもたまにはこういうのも仕方ないかなと思い他にやる事もないので私は観察を続けていた。
420「むー・・・あれ・・・?なんか甘い香りがする・・・」
はなを動かして香りを探る、はじめは台所で何か作ってるんじゃないかなと思ったけどそういうわけじゃないらしい。
香りの元はもっと近い、そして目の前のサボテンが目に入った。ひょっとして・・・これ?
まるで口のように開いた二枚の葉っぱ、その間から甘い香りが漂ってくる。
それはまるで極上のハチミツのようなとっても甘そうでとってもおいしそうな香り。
420「なんだろこれ・・・いいにおい・・・」
まるで花に誘われるミツバチのようにふらふらとその開いた葉っぱに手を伸ばしていった。
ビス男「あぁそう言えばあいつに言い忘れてたな、
420、そのサボテンの葉っぱには触れないほうがいいぞ、挟まれると痛いからな・・・って」
台所からひょっこりと顔を出した俺の目に飛び込んできたもの、それは・・・。
左手を挟まれながら右手にガミサキを持ち、顔には涙を浮かべながら泣きわめきながら部屋で暴れまわる420の姿だった。
なお、この後420の沈静化に成功し医者に診てもらったが420の手は一週間ほど腫れ上がり、
420と激闘を繰り広げたムシクイサボテは部屋の奥の奥へと隔離される事になったとさ。
52の続きを投下。
翌日 沼子のマイルーム
病院から戻ってくるなり、沼子はベッドに座り込んだ。
430「ご、じゅ、じん、ざま゛、ごべんな゛ざい゛」
沼子「泣かないで、430。きっと今日は星霊の加護がうすい日なの。だから、ね?」
ギプスで固定され、痛々しく吊られた沼子の右腕を、430が泣きながらさすっていた。
治療を受けた病院からずっと泣き通しなので、沼子はむしろ430のほうが心配だった。
沼子「……そうだ。どうせ腕もこんなだし、今日は外へ出ず大人しく家で合成でもしましょう」
沼子の提案に、430はぱっと表情を明るくした。
430「はいっ! 合成ならお任せくださいっ」
元気よく答える430に、沼子は微笑を向けた。
沼子「430ったら、よっぽど合成が好きなのね。さっきまであんなに泣いていたのに」
涙やら何やらでぐちゃぐちゃになった430の顔を拭いてやりながら、沼子は立ち上がった。
ナノトランサーから四枚の基板を取り出し、430の合成キットに差し込んでゆく。
430「ア゛ッー! ご、ごしゅじんさまぁ」
沼子「?」
430「こ、こここここれ、これ……」
沼子「ラッピー?」
430「違っ……ア゛ッー」
沼子が差し込もうとした基板を、430が震える指で押し止めた。
沼子「心配しなくても大丈夫。ちゃんと、由緒正しい基板よ」
430の手をそっと握って脇へよけ、沼子は基板を差し込んだ。
430「ごしゅじんさまぁ」
430が情けない声を出した。四枚の基板/ファントムがセットされ、沼子が倉庫から材料をピックアップしてゆく。
沼子「大丈夫。失敗しても、怒らないから。それじゃ、あとはお願いね」
合成指示を終え、ベッドに寝転がる沼子を430は涙目で見送り、つぶやいた。
430「ファントムなんて、作ったことないですよぉ……」
早くも寝息をたてている沼子の隣で、430はしばらく呆然と立ち尽くしていた。
昏々と眠り続ける沼子。その側で、430は必死に合成をしていた。
ふだん目にしないような高級素材をふんだんに使い、その分、時間もかける。
430「ごしゅじんさまは怒らないっていってたけど、もし、失敗なんかしちゃったら……」
パルム病院に治療費を払ったあと、沼子の資産は底を突きかけていた。
430「はさん……です……」
もはや430の顔色は、パルムの晴天よりも青かった。
430「わたし、がんばります! きっと、四丁とも成功させてみせますから!」
沼子「う…4…3…0…」
はっとして口を押さえ沼子の声に振り向くと、沼子は熟睡していた。どうやら寝言らしい。
すやすや眠る沼子の寝顔に誓いを立てて、430は合成を続けるのであった。 つづく
流れを無視し投下
理由?
バトルっぽい物を書きたくなったため(何
高速で移動するリニアトレインの中に飛び交う銃弾。
数は圧倒的にローグスが放つ銃弾の方が多い。
しかしその銃弾のほとんどは壁に当たり他のはドアの向こうに吸い込まれ彼らが狙う人物には当たることはなかった。
「…こちら黒キャス男。452進行状況は?」
通信を開きつつフォトンの銃弾の間をかいくぐり手に持っているハンドガンを発射。
叫び声を上げ何人かのローグスが倒れる。
『こちら452。現在最後の防壁に到着したところ。今からこの防壁を突破して完全に乗っ取るから約4分といったところ』
通信機越しに聞こえるのは彼のPMである452。
「了解した。それならこちらもラストスパートに移行する」
ハンドガンを名のとランサーにしまい、変わりにグレネードを構える。
『了解。BGMは?』
「…『我は化物』を」
『All light.』
「Let's――」
『Let's――』
――Music
聴覚センサーに重低音と激しくゆがんだギターの音が響く。
その心地よさに身をゆだね銃弾の雨の中へと躍り出る。
すぐさまグレネードを発射、そして駆け出すのと同時にハンドガンと片手剣に持ち換える。
放物線に飛んだグレネードの弾は寸分の狂いもなく密集しているところへ着弾。
爆発と共に吹き飛ぶローグス達。
爆発に巻き込まれなかった他の者は突然の爆発に混乱に陥っている。
その隙を突き、手に持ったハンドガンを寸分の狂いもなく被弾させる。
グレネードの爆発に続きハンドガンの応酬で完全に浮き足立っているが何人かはこちらへ剣で切りかかってくる。
短い呼吸音とともにハンドガンとは反対の手に持っている片手剣で相手の太刀筋をさばきハンドガンの弾を叩き込む。
『あと3分』
重低音のBGMの中聞こえるPMの声。
それを心の隅で心地いいなと思いつつ周囲の敵を片付けてゆく。
「撃ぇ!!」
後ろに控えていたのか頭でっかちな四脚マシナリーがロケット弾を放つ。
「―っ!」
体中のバネを使い横へと飛び回避。
次弾がこないうちに体勢を立て直しマシナリーの元へと駆け出す。
飛んでくる銃弾を最小の動きでかわし、体を沈め冷たい床へと力いっぱい手を突く。
『カチッ』と硬い音が響くのを聞きながら勢いのまま体を宙返りさせる。
回る背景。
自分を見上げる敵。
それらがスローに見える。
そして、着地と同時に跳ぶときに仕掛けたウィルストラップGが爆発。
あたりにウィルスが飛び散った。
「あと2分です」
452は主人が好きな重金属な音楽を聴きながらキーボードを打つ手を加速させる。
爆発音や叫び声が開きっぱなしの通信機越しに聞こえるがそれらのノイズは重低音を発しているBGMによりかき消される。
目の前にあらゆるウィンドウが開いては閉じを繰り返している。
それらを瞬間的に認識し対処、反撃を施す。
強固な防壁だが彼女にかかれば瞬く間に壁は削られてゆく。
「あと1分です」
BGMはラストスパートの加速に入った。
―こちらもラスト…。ウィルス『地獄の鉄槌』作動
Enterキーを押すと先程とは比べられないくらいの数のウィンドウが開きあっという間に画面を多い尽くし、圧倒的な情報量があっという間に防壁を崩していく。
そして
「OK。最終防壁を突破ついでにこの列車を統括しているコンピュータを完全に乗っ取ったわ」
『了解。こちらも丁度片付いたところだ』
「これでミッション終了かしら?」
『ああ、そのあとの処理は他の奴に任せればいい』
「わかったわ。…3分55秒。丁度、BGMも終わったわ。このまま上のカフェで休憩でもしましょ」
『了解』
淡白な声がしたと思ったらそのまま通信が切れた。
「はぁ…」
そんな主人の様子になんとなくため息と苦笑いが漏れ部屋を後にした。
78 :
名無しオンライン:2007/02/18(日) 22:52:32.37 ID:sPUv7Ht0
>>74 主人のニュマ子はところどころ抜けてるが凄いいい人だなぁ、
その抜けてるおかげで430が色々プレッシャー受けてるようだが・・・w
果たして430の合成は成功するのか・・・w
>>77 >バトルっぽい物を書きたくなったため
その気持ちはよくわかる、なぜなら俺もそんな理由で書いたことがあるから
しかしウィルスで列車のコントロールを乗っ取るってどっちがローグスか解らないくらいやる事が派手だw
79 :
名無しオンライン:2007/02/19(月) 01:54:01.27 ID:Qenfby7e
410…アカレンジャイ
420…キレンジャイ
430…アオレンジャイ
440…ミドレンジャイ
450…クロレンジャイ
以上、服の色準拠
5人揃ってパシレンジャイ
既出?シラネ
80 :
名無しオンライン:2007/02/19(月) 02:14:48.24 ID:aL4IOVdq
>>79 その1人1人のマイナーチェンジでさらに隊が作れるな
81 :
名無しオンライン:2007/02/19(月) 03:00:13.29 ID:O7HJaO8D
受付「グラールの未来を守るガーディアンズへようこそ!」
ヒュマ子「すみません、あのー…」
受付「あ、ガーディアンズ入隊希望の方ですね!それでは申込用紙を…」
ヒュマ子「あ、いえ、ちがうんですー。わたしー…」
「違いますーーー!御主人は立派なガーディアンズなんですーーー!!」
ヒュマ子の脇から小さなパートナーマシーナリーがとても大きな声を上げながら飛び出した。
受付「!そ、そうでしたか。失礼いたしました…」
ヒュマ子「422、大丈夫ですよー。ガーディアンズライセンスはもってますからっ。
ミッションはちゃんと請けれますよー。」
422「いえ、もちろんそれは分かってますよ!でも…」
分かってはいるんだ。この、受付とのやり取りはいつもの事だから。
というのも…御主人は、一見どこにでもいるヒューマンだ。
外見にあまり大きな特徴はなく、身長も平均よりほんの少し小柄なくらい。
雰囲気もなんというか…『のほー』とした感じで…
確かに、初見ではとてもガーディアンズにはみえない。
だけど…御主人様のレスタほど、正確であったかいものはないんだ。
ずうっっと一緒に冒険をしている私が、それを一番よく知っている。
だから…それを分かってもらえないというのが、とっても悔しい。
ヒュマ子「422〜」
遠くで御主人の声がした。どうやらかなり時間が経ってしまっていたらしい。うう、反省。
ヒュマ子「ミッション請けましたよっ。今日はモトゥブへ出張ですー。」
422「はい!了解しました!」
82 :
名無しオンライン:2007/02/19(月) 03:01:37.39 ID:O7HJaO8D
最初は私も、この『のほー』とした御主人が
どうしてガーディアンズになんて入ったんだろうと疑問に思った。
…似合うイメージがなかったから。
御主人には…普段は前髪に隠れて見えないけど
右上のおでこに、すこし大きめの傷があった。
よく「これじゃお嫁にいけないですよねー」と御主人は笑いながら言っているけど…
御主人、それは笑えないです。(汗)
御主人は小さな時に大きな事故にあった事があるらしく
その傷はその時にできた物らしい。
事故当時に瓦礫の中で意識も全く無く、もう助からないだろう…という状態だったが
それを、あるガーディアンズによって助けられ、一命を取り留めたという。
ヒュマ子「だから…わたしも、みんなを助けるお手伝いがしたかったんです。」
御主人はそう言っていた。
だから、ご主人のレスタは誰よりもあったかいんだとおもう。
『この人を助けたい』って思いがとても強いから。
422「その、助けてくれたガーディアンズってどんな方だったんですか?」
ヒュマ子「それがですねー…」
422「ふむふむ。(興味津々)」
ヒュマ子「実は、わからないんですよ。」
422「え゛!?そ、そうなんです…か…?」
ヒュマ子「ええ、そのときは意識も全く無くて、
あとで受付の方に聞いても、その日はたくさんのガーディアンズが出動していたから
それが誰だかわからないということで…」
422「そうだったんですか…」
ヒュマ子「だから、いつかそのガーディアンズさんに会って直接お礼がいいたいな、っていうのが
わたしがガーディアンズにいるもう1つの理由なんですよ。」
83 :
3/3:2007/02/19(月) 03:02:37.57 ID:O7HJaO8D
私の大好きな御主人様。
それを助けてくれたガーディアンズ。
私もお礼を言いたい。そのガーディアンズへ。
『御主人様を助けてくれてありがとう』って。
ヒュマ子「よーし、ミッションスタートですよ!頑張りましょうー!」
422「はいっ!頑張ります!」
だから、御主人と一緒に頑張るんだ。
たくさん頑張れば、きっといつか、その恩人のガーディアンズにも会えるはずだから。
いつか、私も御主人一緒に…お礼を言えますように。
「おや、お嬢ちゃん。ここはエネミーがいっぱい出るから危ないよ。ここは俺たちガーディアンズに任せなさい。」
ヒュマ子「あ、いえ、わたしー…」
422「違いますーーー!御主人は立派なガーディアンズなんですーーー!!」
ヒュマ子「422、大丈夫ですよー。ガーディアンズライセンスは…」
422「御主人はのほほん過ぎるんですーーーーーー(泣)」
…お礼をいえる日は、すこし遠いかもしれないけど。(汗)
84 :
名無しオンライン:2007/02/19(月) 03:10:49.00 ID:O7HJaO8D
こんばんは。
いつも見ていただけだったのですが、なんだか無性に文章が書きたくなったので
今回初めて投下していただきました。すごく緊張しています。
文章読みづらかったらすみません…
タイトルに「何分の何」と入れたら分かりやすいということには、最後の最後で気づきました。orz
あんまり細かい設定考えていないので、今後続きを書くかは未定です。
といいますか、こちらには個性の強い方がたくさんいらっしゃるので、私のキャラはとても印象が薄そうです…(苦笑)
85 :
名無しオンライン:2007/02/19(月) 03:19:05.79 ID:YAwnX0+X
いや、いいと思うw
86 :
名無しオンライン:2007/02/19(月) 08:08:52.63 ID:Esc8hfFk
87 :
名無しオンライン:2007/02/19(月) 16:46:21.27 ID:t1BrpIEg
今頃レス
>>66 おっさんがピンチw
先の読めない展開にワクドキが止まらないぜ
>>77 最近はバトル物がなかっただけにちょっと新鮮だった
次の作品も期待してるぜ
>>79 赤が三人で黄色二人にするとか
どうみてもごっつええ感じです。本当に(ry
>>84 この二人、なかなかの名コンビと見た
続きが気になるぜ
本当、最近は主人もパシリもスペックが高くて困るぜ
油断すると鼻からオイルが…
74の続きを投下です
沼子のマイルーム
たっぷり睡眠をとった沼子が目覚め、ベッドを下りた。ふと見ると、ベッドの縁にもたれかかるように眠る430の姿があった。
くすっと笑い、沼子はカップを二つ用意してホットミルクを注いだ。自分のものには何も入れず、430には砂糖を六杯。
ぐるぐるとかき混ぜたカップを、430の側へ置いた。
430「ん……あ……っ! ご、ごしゅじんさま!」
沼子「おはよう、430。よく眠れた?」
ばね仕掛けのように飛び起きる430に、沼子が微笑みかけた。
430「は、はいっ! あ、あの、その……」
沼子「合成に根を詰めすぎたのね。ほら、そこにあるの、あなたの分よ」
430にカップを示してみせ、沼子もホットミルクに口をつけた。
430「甘ぁい」
沼子「どう? おいしい?」
430「はい、すっごくおいしいです!」
極甘な液体を、430は笑顔ですすりこんだ。
沼子「よかった。それじゃ、それ飲みおわったら取り出しましょうか、ファントム」
緩んでいた430の顔に、緊張が戻った。それを見て沼子は苦笑を浮かべる。
沼子「きっと大丈夫よ。リラックスしていきましょう」
手早くカップの中身を飲み干して、食器洗浄装置へ乗せる。沼子に遅れまいとあわててカップを傾ける430を、沼子は手で制した。
沼子「ゆっくり飲まないと、ヤケドするわ。合成結果が楽しみなのはわかるけど、もう少し落ち着いて」
430「ッー!」
沼子の声は一足遅かったらしく、430は涙目になって胸を押さえていた。
沼子「それじゃあ、開けましょうか」
合成キットを前に、沼子が促した。
430「は、はい」
430の指は震え、顔はレイフォトンのように青白い。
沼子「寒い?」
心配そうに見守る沼子に、なんでもないとあわてて手を振る430。
430「い、いきます! ぱぱーん」
一品目の合成品が、430の小さな指で取り出された。
沼子「あら、ディメイトね」
430「ア゛ッー!」
沼子「大丈夫。まだ三つあるわ」
そして、二品目。少し焦りのある430の指先が、その物体をとらえた。
430「ぱ、ぱぱーん」
沼子「これは……アグタライド、かしら?」
430「ア゛ッー!!」
よりによって、沼子にはまったく縁のない代物だった。
沼子「いろいろな物が出てきて楽しいわね。次は何かしら」
他意のない沼子の言葉だったが、430はもう必死になって三品目の物品を取り出した。
430「ぱ、ぱーん」
沼子「メギスタライドね、これは」
430「ア゛ッー! ごべんな゛ざい゛ー!」
沼子「よ、430!?」
不意に泣きながら飛びついてくる430を片腕で支えようとして、沼子は見事に失敗した。そのまま430に押し倒される沼子。
沼子「4…3…0…」
ごつんと鈍い音がした。またも沼子の意識はすっと無くなった。
430「ごじゅじん゛ざばあ゛あ゛ぁあああ」
マイルームの壁が、430の悲鳴でびりびりと震える。昏倒した沼子の周りを、動転した430はおろおろぐるぐると回り続けていた。 つづく
89 :
名無しオンライン:2007/02/19(月) 19:53:39.39 ID:qx+JsB9L
>>84 これはなかなかスペックの高い主人・・・w
きっとガーディアンズライセンスとかの大事なものは無くさないように紐つけて首からぶら下げたりしてるんだろうなw
>>88 ニュマ子の不運っぷりに笑ったw
しかしまるで疫病神のような430だ・・・w
区切りの良いところで、と思って書いていたら随分と膨らんでしまったので、
今回はこちらにアップロードしました。
http://www.geocities.jp/littlebeast_gh430/ XX07/2/14の「05:58」「06:11」「07:55」が今回の更新分です。
ヒュマ男と410、ちょろっとお借りしました。事後にて申し訳ありません。
女帝の「ご主人サン」もちょっと動きます。…気分的には「最終話」なので、
キャラの設定は使い尽くしたいと思っています…、そしてまた広がる風呂敷…。
おっさん&440いんざゴミ箱。今回もスネーク気味ですゴメンナサイorz
…あとは…、がんばれ小ビス子、といったとこです…。
シナリオ上、キャラクターも揃い、関係図も出来上がったので、終盤戦です。
風呂敷をたたむ作業に入ります…、上手くたためるかな…orz
投下は、今まで通り3.4度で区切れるならばこちらで、
量がまとまってしまい、かなり一気に埋めてしまうようであればサイトへ、
という方法でやっていこうと思います。
もう少し続くこのお話、よろしければお付き合い下さいませ。
91 :
名無しオンライン:2007/02/20(火) 00:06:12.92 ID:O7HJaO8D
とりあえず気づいた分だけでも誤字修正。
>>83 御主人一緒に→御主人と一緒に
>>84 投下していただきました→投下させていただきました
84の誤字にいたっては完っ全に気が動転してます…ね…
何回も見直ししたのですが…お、おはずかしい。orz
このような未熟な作品でしたが、コメントいただけてとっても嬉しかったですー。
ど、どうしよう。設定本当にほっとんど考えていないんですよね…
つづき…つづきかぁー…うーん。
恩人って一体どんな方なんでしょう。私が知りt(終了)
>>90 わああー!投下待っておりましたっ。
小ビス子作者様の作品だいすきです…!
いよいよ物語も終盤ですね。
よ、440…(ふるり)
もう、これから何が起こるのか全く予想がつきません。すごくドキドキします…
92 :
名無しオンライン:2007/02/20(火) 00:14:55.62 ID:loTfyUBD
>>90 ラストこえぇぇぇぇ・・・
場数踏んでるおっさんと色々な場面に遭遇して動転している(中年の)440とかもいい味出してるなぁ
そしてシリアスだったおっさんと440がどんどんギャグになっていく・・・w
物語りも終盤に入って凄まじい展開に・・・
続きが凄い気になる・・・w
93 :
名無しオンライン:2007/02/20(火) 00:17:04.33 ID:unLmOW7R
ねれなくなったらどうしてくれますかGJ
いや、真面目に怖いよね。
94 :
名無しオンライン:2007/02/20(火) 00:43:14.43 ID:cicE9/B3
95 :
名無しオンライン:2007/02/20(火) 01:15:16.63 ID:46YPjFvA
>>70 (*゚ω゚*)<じゃあ、モトゥブカズウラに食べられるごっこのやりかたを教えるポコ!
( ゚ω゚)<マズは、マイルームに手ごろなモトゥブカズウラを用意するポコ
( ゚ω゚)<んでもって、手ごろなフクロを選ぶポコ
( ゚ω゚)<んでもって、フタを開けて、その中にモゾモゾと入るポコ
ヽ:(;゙゚ω゚`)ノ<アーレー!!タベラレルポコー!! ご主人タスケテポコー!! などとジタバタしながら叫ぶポコ!!
( ゚ω゚)b<ここを必死でやらないとダメポコ。面白くないポコ
(;゚ω゚)<あとは、消化される前に脱出するポコ!! もたもたしてると「ごっこ」じゃなくなるポコ!!
(*゚ω゚*)<これで説明は終わりポコ。さあアナタもレッツトライポコ!
96 :
名無しオンライン:2007/02/20(火) 01:20:04.34 ID:aXb23HlC
保管庫のパシリ暴行モノ読んだ後に
>>90 は来るなあ…w
つかもう普通に作品のクオリティに嫉妬ッッ!
>>94 これもeeeeeeeeee!!
でも落ち着いて一歩引いて見ると
普通の440もそんな顔して
隠れてA防具モギってんじゃねーかと思うw
97 :
名無しオンライン:2007/02/20(火) 01:42:10.36 ID:D3UeQEfv
>>90 GJ!かなり引き込まれる話だった
ただ小ビス子大好きな俺はこのままシリーズ完結が寂しくもあるんだぜ?
このスレの住人なら殆どそうだろうが、最初の投下から楽しく読ませて貰ってますので…
▼・ω・▼ はうぅ…
98 :
名無しオンライン:2007/02/20(火) 02:52:24.99 ID:s3UemVEM
99 :
1/7:2007/02/20(火) 14:50:19.88 ID:Ndb7lGc+
「今…何時だろう…」
手で枕元を探す。時計…時計……
―もにゅっ………
何だろう?妙に柔らかい手触りと、布の感触。弾力がある布の内側。
妙にその手触りが気持ちよくて、指先で何度か感触を味わう。
―むに…むに……
「あー…やわらかーぃ…」
ピトっと、急に手に触れる冷たい感触。
「ひゃっ!?」
途端、手を引っ込める。今の驚きで完全に寝ぼけも冷めた。
布団から顔を出す。ベッドの脇、目の前には小さな影。
「…………っ」
物凄いジト目でこちらを眺める、水差しを手にした白い服の少女。
「お、おはよう…451……」
目をこすりながら、私のPMであるGH451「ペパーミント」へ挨拶をする。
ペパーミント、は私がつけた名前なのだが…何故か呼ばせてくれない。
時折、ちゃんと振り向いてくれる。大抵は…呼ぶとそっぽをむかれる。
うん…もしかして私は嫌われているのかな…。
「…はぁ………」
ため息一つ。目の前の小さな人影は水差しからコップへ水を移していく。
「…どうぞ。着替えたら食事に。仕度は出来ています…」
そういって、冷たい水の入ったコップを私へ手渡す451。
「ありがと」
手渡された水を、一気に飲み干す。乾いた咽喉に心地よい潤いが流れ込む。
「それと……」
少々俯き加減に、私の手を取る451。
「寝ぼけていた様だから…この程度ですませますが…」
「え…?」
ゴキッ…!
「次に私の胸を私の確認無しで触るなら…切断します」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!?」
思いっきり、指を本来曲がるのと逆に曲げられた…。
100 :
2/7:2007/02/20(火) 14:50:49.50 ID:Ndb7lGc+
結局、今日も朝から451の機嫌を損ねてしまった…なさけない…。
曲げられた指がひりひりする…。でも仕方が無い。
「私のせいだし…クスン」
痛む指先で何時もの服へ袖を通す。洗い立ての匂い…
「いつも…いつのまにか洗濯してくれているんだよね…」
451は、私の考えが読めるのだろうか?
私が「コレがいい」「こうがいい」と思う、その前には既に451は手を打っている。
抜け目なく、それでいてこっそりと。気づけなかった事も何度もある。
今、隣のダイニングで朝食を並べてくれている451。
私は、あの子の主人として胸をはっていいのだろうか…?
席へ付くと、ハムエッグがフライパンから私の皿に盛られる。
コップにはコルトバミルク。美味しそうな料理が並べられる。
そして、対面の席に451が座る。そこで、初めて声を合わせる。
「頂きます」
「…召し上がれ」
うん、そっけない。食べている最中に話しかけると、「食事中です」とたしなめられる。
だから…
「美味しい」
「………」
この一言位しか言えない。この一言しか言わない。うん、いつもどおり。
俯く451。前に顔を覗こうとしたら思いっきり怒られた。だから最近は覗いてない。
でも、知っている。顔を真っ赤にしてる。
私の美味しいの一言に嬉しそうに微笑んでくれている。
今日も、会話は無いけど…暖かい朝食で、私は何だか満足している。
101 :
3/7:2007/02/20(火) 14:51:25.82 ID:Ndb7lGc+
朝ごはんも食べた。やる気も入った。さぁ…
今日も、仕事をしないと。私だってガーディアンズなのだから。
451が淡々と手続きをこなしてくれる。うん、451て頼りになるなぁ。
手続きも終わったのか、軽い会釈をする451。ミーナさん…私を見て笑ってる…
そ、そりゃ…手続き451に任せて欠伸してたけどさ…ひどいや。
「それじゃ、いこっか」
「御意」
一言、呟くと私の直ぐ傍に歩み寄り、私より決して前に出ない位置を保つ451。
うーん、出来れば並んで歩きたい。欲を言えば…
「手、つなぎたいのに…」
ゲシッ!!
「あいた…っ!?」
思いっきり、左足蹴られた…。うぅぅ…そこはかとなく痛い…膝の裏だし…
「何を馬鹿な事を。手等、好きな殿方と繋げばいいでしょう」
そういって、私を置いて歩き出す451。私は…
「ペパーと手を繋ぎたいのに………」
依頼現場に到着。矢次に出てくるエネミー達。私達はそれと対峙する。
何度目かの休憩。何度目かの交戦。本当に、討伐や突破は地獄です…クスン。
でも、文句は言っていられない。ペパーは、451は…文句を言わないから。
私がこの子の主人と認めてもらえるように、私は弱音なんて吐けない…
エリア内のエネミーの反応がなくなり、ゲートロックが外れた音がする。
あぁ、やっと終わった…。何とか今回も、451に無茶して叱られずにすんだ。
安堵のため息を吐く。直ぐ傍で、それをやれやれといった面持ちで見つめる451。
「お疲れ様、451。ありがと…助かったよ」
「……当然の事をしただけです」
そっけない態度。なんだか切ない。だから…
「あ……」
優しく、さらさらな髪へ手を伸ばす。驚いたようだが、嫌がりはしなかった。
何度も手串で髪を撫でる。頭を、優しく撫でてあげる。
「………」
あ、困った顔してる。物凄い勢いで照れている。でも、満更でもなさそう!
もう少しだけ…もう少しだけ…
結局、それから大分451の頭を撫でていた。
102 :
4/7:2007/02/20(火) 14:51:54.38 ID:Ndb7lGc+
結局、やりすぎて怒られるハメになった私。うぅ…喜んでくれたと思ったのに…
帰りの便でも、こっちを向いてくれない451。ごめん、ごめんてばぁ…
結局、会話も何時もより少なく我が家に到着。大分、うん…今切ないです…はい。
夕食は私が作る様にしているから、451は部屋でほかの事をしている。
のんびりテレビとか見てくれればいいのに、あの子は今頃…
「片付けは完了。ゴミは落ちていない。む…」
そういって、クッションを柔らかくポフポフと叩いて、綺麗に椅子へ置いていく。
「良し。主もこれなら寝転びたくなろう…」
最も、そんな無作法は咎めねば…と、呟き続ける451。
そこへ…
「出来ましたー。451、お待たせー」
「お待ちしておりました…主」
席へ付く451と私。テーブルに並べたのは今朝の451より貧相な私の手料理。
うん、手抜きは朝って言われているけど、朝の手抜きに負ける私の全力手料理。
お嫁さんの、貰い手いるかな…危ういなぁ…
そういいつつも、頂きますの挨拶をして箸を進める私。
心なしか、話しかけると今日は何時もより多く答えてくれる451。
食事中に話すな、って何時も言われるんだけどな…。ちょっと嬉しいかも。
何だか、帰り際はそっけなさMAXだったけど、機嫌直してくれたみたい。
「…、如何しました?主」
料理を食べずに451を見つめていた私へ、怪訝そうな顔をする451。
「美味しそうに、食べてくれるなぁ…て」
そういって、自分も少し箸を進める。451は驚いた顔をしている。
「可愛いなぁ…て」
いけない…別な意味で涎…。うん、可愛い…小さな451可愛い…じゅるり。
可愛いといわれた途端。、耳まで真っ赤にしてそっぽを向く451。
「お、おぉ…お戯れを…!」
照れてる照れてる…。可愛いなぁ…やっぱり。
うん。ツンツンした態度で時折デレるのが可愛いのはツンデレ。
なら、451はさしずめ普段プイっとそっけないけど、時折デレる可愛さのプイデレね!
プイデレ、いいわね…うん。プイデレ…うふふふ
照れて俯く451と別な意味で俯いて涎をすする私。
今夜の夕飯は、何時もより何倍も美味しかったなぁ…。
103 :
5/7:2007/02/20(火) 14:52:20.00 ID:Ndb7lGc+
お風呂上り、後は布団へ入って眠るだけなんだけど…
さっきの食事の時から妙に451が私をチラチラと見つめてくる。
目が合えばそっけなくそっぽ向くくせに、何度もこっちをチラ見してる。
素直じゃないなぁ…。プイデレさんは。そこが愛おしいけど。
「ちょっと、451…」
パジャマ姿で451を呼ぶ。451は一瞬ビクっとしたけど、大人しく傍へ来た。
「何か……」
「用事が無いと…ペパーを呼んじゃ駄目なの…?」
寂しげに、451に私がつけた名前で呼ぶ。うん、これで嫌がられたら本当に…
「いえ…でも、用事も無いのに呼ばれても何も出来ません…」
そういって、俯く451ことペパーミント。やったー…名前呼べた!
「用事、用事かぁ…うん、それじゃあ」
此処は攻め時かな?私は何時もは出来ない大胆なお願いを試みる事にする。
「今日は寒から…一緒に寝て下さい」
あくまで丁寧に。断りやすいように誘う。勝負です、ペパーミントさん…!
「い、一緒に…」
「嫌なら断って。でも…」
そういって、そっと見つめる。目をそらせないように、頬へそっと手を向けて。
「私は、ペパーと一緒がいいな…」
私に見つめられて、耳まで真っ赤にする451。抵抗も途端に大人しくなる。
肯定も否定も無いまま、顔を紅くした451と、見つめあう時間だけが過ぎる。
室内といえど、布団へ入らなかった私の身体は段々と湯の熱も冷めていく。
「くしゅん…っ!」
寒気に、くしゃみがでる。451へかからぬように、其処で初めて目をそらす。
「あ…」
急に、自分を見つめる視線が外れ、意識を取り戻したようにハっとする451。
「湯冷め…しっちゃったかも…ごめんね」
風邪を引かれては困ります。きっと、ソレが451がいう次の台詞。
「…主に、風邪を引かれては困ります」
ほーら…。うん。何時だってこの子は、私を案じてくれているもの。
口下手で、何時もそっけないけど…誰よりも…
「ですから…」
思いもよらない、対句。私の予想の先の先へと続く、接続詞…
「一緒に、寝屋を共にします…」
やったわ…。勝負は九回の裏まで解らないのよ?そして、逆転3ランなのよ…?
104 :
6/7:2007/02/20(火) 14:52:49.90 ID:Ndb7lGc+
私の横へ、ペパーが入れるように布団をめくり、スペースを作る。
おずおずと、その隙間へ細い足を滑り込ませる451。
だめよ…そのまま…あぁ、めくれて見えるうちもも…可愛い…
ゲシ…!!
「あいたっ…」
「失礼、主の鼻息に危険を感じました…」
ばれてた…。足を入れながら私のお腹に膝を…うぅぅ…私のモツが重症患者に…
うずくまるうちに、451は私の横へ入りこみ、そっとこちらを伺っている。
「加減した筈です…主、そ、そんなに痛かったのですか…」
そっと、蹴った辺りへ手を差し出す451。小さな手で、そっと撫でてくれる。
「大分…。でも、私のせいだし…。変な鼻息だしてごめん」
うん、鼻息とかばれそうな場合はちょっかい止めておこう。
下手して、モツやレバーが三途の向こうへプチ旅行決め込む事態になったら…
洒落に…ならないし。
二人で天井を見つめながら、川の字に。枕が一つしかないから451は私の腕枕で。
PMて機械の割りにとても軽い。うん、科学技術は素晴らしい進歩を遂げている。
何せ、こんな可愛くて支えてくれるパートナーを生み出したのだから。
「寒く…無いですか」
そういって、私の方を伺う451。ほんのり染まった頬が、何とも言えない可愛さ。
「少し、寒いから…」
向き直って、ぎゅっと抱き締める私。抵抗なく、私の腕の中にある451。
「こうするね…」
「…御意」
そういって、目を閉じ私の抱き枕へと甘んじてなる451。
「ペパー…」
「…はい」
瞳を開く事はなく。私の問いかけに答えるペパーミント。
「ありがとう」
私も、自分の素直な気持ちを、真っ直ぐな思いだけを口にして、目を閉じた。
「気に、なさらず…」
何時もの口調ではなく、ちょっとだけ照れた…素直な声。
そんなペパーの声が、聞こえた気がした…。
105 :
7/7:2007/02/20(火) 14:53:14.34 ID:Ndb7lGc+
朝…かな?
眠りから浅く目覚める瞬間。私は横へと寝転がる。
「わぷ…あ、主…!?」
あれ?何だか可愛い声が聞こえたよ?うん。大好きなペパーの声だ。
「ね、寝ぼけていますね…!?」
そんなことないよー…可愛いペパーの事、ちゃんと見てるよ…?
むちゅ〜〜〜〜……
「んん!?むぅ…んんっ!ん〜〜〜!!」
む、何だか唇に暖かくて柔らかいのが…。あ、これなんだか幸せ……
ドゲシッ!!
「がはっ…!?」
鋭いボディへの痛み。内側から響く衝撃に、肺から空気が吐き出される。
「はぁ…はぁ…あ、ぁぁ、主っ!!い、ぃぃ、幾ら寝ぼけたと言われても…!」
口元を押さえてこちらを睨む451。うぅぅ…痛烈なボディブローの犯人は君だね…?
「毎度毎度…!主っ!私を寝屋に誘ったのはコレが狙いですね!?」
ご、誤解だよぉ…。純粋に、ペパーを抱っこして寝たかっただけで…
「…その唇、切断します」
ちょ、ちょっと待って!?困る、かなり困ります!唇大事だし…!
…えと、指よりとかそんな事じゃなくて…うん。指も大事だよ?
「…ってそうじゃないってば私っ!?」
「主ぃぃぃぃ…(ギロリ」
「ひ、ひぇぇぇ…(涙」
結局、こってり今日も叱られちゃった…。うん。反省します…はい。
でも、何時になったらペパーと呼んで怒られなくなるだろう?
出来れば…
私が、お嫁さんに行ける前が、いいかな…うん。
気が付けば9スレ目に突入のパシリスレ。お久しぶりです。
ヒュマ助作者です。
今回は新ネタで…「懲りない主人とプイデレPM」という感じですね。
プイデレ、はい、勝手に書きました。でも、私の好物です。はい…。
それと、わんわんさんど430作者様作中にまであの甲斐性無しが…w
マグロのさばき方まで教えて、狂犬430ちゃんにちょっと見直される彼…
有難う御座います。皆様に使っていただけて幸せです…w
今回の主人は、ヒュマ子…と言うことにしておきます。
小さいもの、可愛いもの好きな主人。451は忠犬といった感じかも。
結婚、とかいっていますがロリ好き百合好きな変人変体ですので…
当分、無理かも…
最近、書き手の皆様のクオリティの高さに脱帽です…
ついていけるか危うい私ですが、精進します。
お目汚し致しました。では
〜聖地近郊〜
主「うおぉー、素材集めに夢中になりすぎたー!時間よ止まれ〜!星霊よしばしの猶予を〜!!」
・・・タタタタ・・・・ド〜〜〜〜〜ン!!
主「うわぁ〜!?」
突如何かにぶつかって弾きとばされた。
???「あら?ごめんなさい、大丈夫?」
・・・声をかけてきたのは、吸い込まれそうな漆黒の長髪・紅色のニューデイズ式?胴鎧を着込んだ、見上げるような体躯の女性だった。
・・・特徴的なのは閉じられたままの二つの眼と身の丈を超える巨大な薙刀だった・・・。
主「・・・(ボーーーーー)・・・。」
女武者「・・・?どうかしましたか?・・・眼が気になりますか?」
主「え?いや、あの・・・眼も気になりますが、それ以上にあなたが気になって・・・。」
女武者「私が?何故です?」
主「いや〜美人だな〜って。(俺より大きいのはちょっと・・・)」
女武者「・・・返答に困りますが・・・ありがとうございます。」
女武者「ところで、あなたは強者ですか?」
主「強者?まあ、Sランクミッションはできますが・・・。」
女武者「ひとつ手合わせ願えませんか?」
主「申し訳ない。今日は早く帰って合成をしたいのです。」
女武者「いつでもできるのでは?」
主「今日は超星霊、最高の幸運日です。この日を待っていたのです!(熱弁!)」
女武者「そ、そうですか・・・ではまたの機会に。・・・あなたがやって来た方向に強者はいましたか?」
主「聖地ですか?そうですねぇ・・・Sランクミッションに挑戦する連中は皆強者だと思いますよ。」
女武者「そうですか、では行ってみることにします。ありがとうございます。」
主「暗くなるのでお気をつけて。」
女武者「ありがとう、でも大丈夫です。眼以外は人並み以上ですから。」
〜マイルーム〜
主「ただいま〜。410、早速で悪いが合成を・・・。」
410「ご、ご主人様!?よくぞご無事で・・・!」
主「どうした?血相変えて。」
410「ニュースをご覧ください!」
主「ニュース?・・・!!」
リポーター「この凄惨な現場をご覧ください。散らばっている物はすべてヒトだった物です。しかもSランクに挑戦するほどの
腕利きのガーディアンばかりです。目撃者によりますと一人の女武者がやってきて勝負を申し込んだそうです。
しかし勝負というものではなく一方的な虐殺だったそうです。では目撃者のインタビューをご覧ください。」
小ビス子「はうはうはう、す、すごかったのです。血がぶわぁ〜ってぶわぁ〜・・・パタッ。(思い出して気絶)」
箱「あわわわわわわわわ・・・。(ひたすら震えてる)」
無口な子「((´;ω;`。)(。´;ω;`))フルフル (怯えてる?)」
ヒュマ男「フム、Sランクに挑戦していれば俺もミンチになっていただろうな。(冷静に分析)」
ヒュマ助「・・・しばらく肉禁止だね・・・orz(献立?)」
黒キャス子「・・・血・・・血・・・血・・・(・∀・)イイ!!(危ね!)」
「 」「美人に殺されるなら本望よ!」・・・ズギューン・・・バタッ
440「・・・失礼しました。・・・ズルズル・・・。」
主「・・・若干気になるのが何人かいるが・・・女武者ってまさかあの人?」
410「ご存知ですか?」
主「聖地からの帰りに女性に勝負を挑まれたんだよ。」
410「よく無事でしたね。」
主「合成するから帰るって言って断ったんだ。でも、まさかなぁ。」
翌日 〜オウトク・シティ〜
・・・ガヤガヤガヤガヤ・・・。
主「ん?ずいぶん人が集まってるな。」
410「何かイベントでもあるんでしょうか。」
男「君も討伐隊のメンバーかい?」
主「え?いや違いますが、討伐隊って何のですか?」
男「昨日のニュースを見たかね?」
主「・・・女武者のことですか?」
男「そう、その討伐隊が結成されたんだよ。何しろガーディアンが犠牲になったんだ、本部も黙っていられないというわけだ。」
隊長「よーし、出発するぞ。遅れるなー!」
410「ご主人様、どうします?」
主「後を追ってみよう。」
〜聖地近郊〜
主「ちょっと離されてしまったな。」
410「目的地は聖地だとおもいますから、あせらなくても良いと思います。」
主「まあ、そうだけど。・・・このあたりだったかな、出会ったのは・・・。」
410「・・・!!・・・ご主人様、何か感じませんか?」
主「何かって?・・・!!・・・血の臭い!?」
〜聖地〜
・・・割れた大地・抉られた木々・・・原型を留めていない肉塊・・・。
・・・どす黒く濁った赤絨毯の中で女武者が立っていた・・・。
女武者「・・・またお会いしましたね。」
・・・実に穏やかな言葉・・・だが、何故か背筋が寒くなる・・・。
主「会えてうれしいが、・・・この場で会いたくはなかったな。」
女武者「そうですか・・・合成はどうでしたか?」
主「ここであなたに出会ってしまった・・・という事で察してください。」
女武者「・・・それは残念でしたね。」
お互い無言で戦闘態勢に入っていった・・・。
女武者「では・・・、参ります!」
巨大な薙刀が振り落とされる!・・・十分な間合いを取って避けた・・・はず!?
主「うおぉー!?」
強烈な突風に巻き込まれて吹っ飛ばされる。所々切り裂かれて血が滲みだした・・・。
410「ご主人様、大丈夫ですか!?」
主「・・・今のはもしかしてカマイタチ?・・・まさかこの抉られた樹は!?」
410「どうしたんですか?」
主「・・・最悪の状況が浮かんだ。410、あの肉塊は元はガーディアンだよな?」
410「・・・おそらくは。」
主「何故ああなったと思う?」
410「それは攻撃を受けて・・・?変ですね、斬られたのなら塊にはならないはず・・・。」
主「振るっただけで切り裂く風を巻き起こす、その直撃を受ければシールドラインが機能しても・・・。」
410「防御フィールドごと潰される?で、でもよほどの事がない限りそんなことは・・・。」
主「単純に力、パワーが違うんだ。ポルティとディ・ラガンほどに・・・。」
・・・・・パアァァァァ・・・・・
主「悪いが強化させてもらった。防御できないと勝負にならないからな。」
女武者「構いませんよ。・・・ですが、私が倒した者の中に強化した者もいましたよ?」
主「・・・こんなに穏やかで恐ろしい死刑宣告は聞いた事が無いな・・・。」
・・・強化したとはいえ直撃は避けたい、そのせいかどうかわからないがずいぶんと時間が経っていた・・・。
主「・・・ハァハァ」
女武者「たいしたものです。これほどの長時間、戦っているなんて。」
主「そ、それはどうも。」
410「ははーい!」・・・意を決して410が飛び掛る!
女武者「ムッ!」・・・攻撃を受け止め、弾き返す!
410「キャア!?」
主「410!?」
女武者「余所見は死を招きますよ?」
主「しまった!?」
・・・薙ぎ払われる巨大な薙刀・・・避けきれない!・・・とっさに双手剣で受け止める!
主「グアァ!?」
ビル・デ・ビアに殴られたような衝撃が全身に走る!そのまま地面に叩きつけられた・・・。
主(・・・?か、身体が動かん!?)
女武者「・・・できるなら殺したくありませんが、これも勝負の定め。お覚悟を。」
・・・ゆっくりと薙刀が振り落とされ・・・!?
410「そうはさせません!!」
女武者「・・・!」
小さな閃光が女武者に向かって行く・・・さすがに後退せざるをえないようだ。
410「ご主人様、ご無事ですか!?」
主「た、助かった・・・。」
410「私が引き付けていますので、その間に態勢を整えてください。」
主「すまん、頼んだ。」
薬を頬張りながら返答する・・・頼もしいぞ410!
410「はーい!」
女武者「クゥッ!」
長剣を振り回して攻撃し続ける、女武者が反撃していないとはいえ・・・ちょっと怖いぞ410よ・・・。
女武者「・・・何故あの人を守るのです?」
410「私はパートナーマシナリー。主人を守るのは当然です!」
女武者「・・・疑問はないのですか?」
410「ありません!」
女武者「・・・主人を超える力、いつか危険視されるとは?」
410「それは・・・。・・・その時は主人の決定に従うだけです。」
女武者「・・・。」
主「離れろ410!フォイエ!!」
火球が女武者に向かって放たれる、避けるまでもないという風に手で受け止められた・・・。
女武者「小細工は効きませんよ?」
握り潰しながら静かに言葉を発する・・・何て威圧感だ・・・。
主「これならどうだ?ギ・ゾンデ!!」
巨大な雷球が現れ辺り一帯に放電する。
女武者「・・・なるほど、エネルギー体は破壊できない。しかし、耐えしのげばどうということはありません。」
410「やあぁー!!」
女武者「・・・!!」
頭上から410が襲い掛かる!防御で両手が塞がれ腹部に隙が出来た!
主「隙あり!トルネードブレイク!!」
がら空きのボディに渾身の一撃を叩き込む!オンマゴウグもただではすまんだろう。
樹木を倒しながら吹っ飛んでいく女武者。そしてしばしの間静寂に包まれる・・・。
主「やったか?」
女武者「・・・見事な連携ですね。」
・・・感心したように頷きながら姿を現す・・・。
410「効いて・・・ない?」
女武者「いえ、少し赤くなっているかもしれません。」
主「・・・自然と闘うっていうのは、こんな感覚なんだろうか・・・。」
・・・ザッザッザッザッザッ・・・
主「・・・?足音?」
???「いたぞ、こっちだー!」
410「あれは・・・、同盟軍?」
兵士「お前はガーディアンズか?」
主「ああ、そうだけど?」
兵士「その女の討伐は同盟軍が引き受ける事になった。巻き添えになりたくなければさっさと立ち去れ!」
主「何でだ?犠牲者はガーディアン・・・。」
兵士「さっさと行け!死にたいのか!?」
追い出されるようにその場を去る。さすがは同盟軍、マシナリーが喜びそうな銃火器だらけだ。
隊長「よーし。構えー!」
・・・号令とともに爆音が響いた・・・。
410「・・・どうなったでしょうか?」
主「・・・戦艦でも撃ち落しそうな装備だったぞ、普通に考えれば・・・。」
410「・・・!!何かこっちに来ます!」
主「数は?」
410「・・・一体です・・・。」
・・・薄暗い森の奥から姿を現したのは・・・右腕を失った女武者だった・・・。
女武者「・・・お待たせしました。」
主「・・・ヒューマンとは思えなかったが、キャストだったのか・・・。」
女武者「落胆しましたか?・・・造られた存在で・・・。」
主「そんなことはない!腐っても鯛だ!!」
410(・・・その例えは違うような・・・。)
女武者「フフ・・・。では、続きといきましょうか・・・。」
片腕になったとはいえ威力は健在。だが、死角が出来た分こちらが有利になった。
主(有利になったとはいえ体力面では不利のまま。・・・こっちの攻撃はほとんど効いてなさそうだし・・・。)
410(私が引き付けますので、その隙に・・・。)
主(・・・それでも有効打になるとは・・・?まてよ、内側ならひょっとして・・・410ちょっと・・・。)
410(・・・?・・・!わかりました。)
主「ギ・フォイエ!!」
女武者「・・・!?」
女武者の足元から火柱が噴きあがる。少し体勢が崩れた!
410「アサルトクラッシュ!!」
女武者「グッ!」
火柱を突き破って410が突進する。間一髪で防御が間に合う。
女武者「・・・足元に注意を向けて突撃、そして死角からの攻撃!読めてますよ!!」
410を押し返し、右後方を振り向く・・・。
女武者「いない!?」
主「・・・死角など狙っていない。最初からあなたの前にいる!」
女武者「・・・!?」
主「・・・零距離、ボッガ・ズッバ!!」
密着するほどの距離からボッガ・ズッバを放つ。土煙をあげて吹っ飛んでいく女武者。
女武者「・・・足元に気を引かせたのは、パートナーの後方からくるあなたを気付かせないためでしたか・・・。」
・・・何事もなかったかのように、ゆっくりとこちらにやってくる・・・。
女武者「でも、致命傷を与えるほどではなかったようですね・・・!?」
・・・ガクンッ・・・ドサッ・・・
女武者「・・・これ・・・は・・・!?」
主「本来ならエネルギーを纏った拳を打ち付けるんだが、それだとあなたには微々たるダメージしか与えられない・・・。」
女武者「・・・?」
主「そこで、拳を当てた後にエネルギーを開放したんだ。・・・内部に伝わるように両の拳で身体を挟むようにしてね。」
女武者「・・・考えましたね、内部を破壊されては動けない・・・。・・・私の負けです。」
主「・・・初めて会った時に「強者か?」と聴いて来たが、理由があるのか?」
女武者「・・・私は奴隷用キャストでした。・・・この眼は必要ないと言う理由で主人に潰されました・・・。」
410「そんな、ひどい・・・。」
主「・・・おかしいぞ?奴隷なら仕事させるのに眼が必要だろう?」
女武者「・・・世の中には「奉仕するだけ」の奴隷もいまして・・・。」
主「・・・!!すまん!愚問だった・・・。」
女武者「・・・良いのです。そのために造られたのですから・・・。
そういった生活に飽きたのか、主人は私を闘技賭博に参加させました・・・。」
410「闘技賭博?」
主「・・・金持ち連中がキャスト同士を戦わせる賭け事だ。たいていヒューマンなんだよな、こういう連中は・・・。」
女武者「・・・私は戦闘用に改造され試合にでました。が、眼が見えません。試合は一方的でした・・・。」
主「まぁ、当然だな。」
女武者「・・・ですが倒れることはありませんでした。改造によって私の身体は耐久力に特化していました。
傷つきながらも決して倒れず、戦い続ける姿を主人は楽しんでいるようでした・・・。」
主「・・・悪趣味だな・・・。」
女武者「・・・試合ごとに改造され戦い続けました。ある日、私の身体に変化が起こりました・・・。」
410「変化?」
女武者「・・・見えないはずの相手が「判る」ようになったのです・・・。」
主「・・・超感覚ってやつか。倒れないとはいえ、ハンデをかかえた身で死がつきまとう実戦を生き抜いたせいか・・・。」
女武者「・・・それからは苦も無く戦えるようになりました。そんなある日、突然同盟軍に襲撃されたのです・・・。」
410「同盟軍に?」
女武者「・・・どこからか情報が漏れたのでしょう。キャスト至上主義を掲げる彼らにとって許されざることですから・・・。
私は主人を逃がすため同盟軍と戦いました。・・・闘技場の地面が兵士の死体で山になるほどに・・・。
・・・その状況を見ていたのでしょう。主人の私を見る眼が変わったのを感じました・・・。」
主(一人2mとして・・・地面が100m×100mとして・・・山だからえ〜と・・・3桁は軽く超えるな。・・・千超えるかも・・・?)
主「・・・ん?じゃあさっき乱入してきた同盟軍は?」
女武者「・・・私との交戦記録が残っていたのでしょう。汚点を削ぐためにきたのでは・・・?」
主「・・・プライド高いからなあ、同盟軍って。」
女武者「・・・ある日主人に呼ばれました。・・・そこで待っていたのは主人と・・・重武装した兵士でした・・・。
私は主人にとって不要な存在になっていたのです・・・。」
410「何故です?どうしてですか!?」
主「・・・擁護するわけではないが、ヒューマンとはそんなもんだ。脅威を感じる物は排除しようとする・・・。」
女武者「・・・私は主人の選択に従うことにしました。それしか思いつかないからです・・・。
一斉に砲火が始まりました・・・でも、死にませんでした。効かないのです・・・。
私の身体は当時の武器では無効になってしまうほど強靭になっていました・・・。」
主「・・・。(どん引き状態)」
女武者「・・・私を指差し、奇声を発する主人。・・・止め処なく涙が溢れました・・・。
・・・そして・・・すべてを破壊してしまいました・・・。」
主「・・・。(顔、真っ青)」
女武者「・・・帰る場所のない私はさ迷い歩いていました。そしてふと「戦いたい」という思いが湧いてきました・・・。
それから各地の戦場で戦い続けました。しかし、戦場での戦いは何かが違うと感じました。
そこで名の知れた方々に試合を申し込む事にしたのです。・・・結果は試合とは言えない状態でしたが・・・。」
主「・・・。(そろそろヤバイ)」
女武者「・・・「強い者と戦いたい」それが私の目的になりました。そしてあなたに敗れた今、理由が解りました。
私は・・・主人を求めていたのです。私を受け入れてくれる強い主人を!!」
・・・ガシッ!・・・
主「・・・!!(ヒィーーーーーーー!?)」
女武者「・・・あなたに頼みがあるのですが・・・聴いてもらえますか?・・・。」
主「コクコクコクコクコクコクコク。(啄木鳥の如く頷く)」
女武者「・・・名前を付けてほしいのです・・・。」
主「・・・え?名前?」
女武者「・・・私には名前がありません・・・。あなたに付けてほしいのです・・・。」
主「名前ですか・・・う〜ん・・・!「トモエ」でどうかな?」
トモエ「・・・トモエ・・・私の名前・・・うれしい・・・な・・・。」
主「・・・?おい、もしもし?」
410「・・・機能停止・・・確認しました・・・。」
主「・・・死んだのか?」
410「いえ、でもこのまま放って置くとそうなります。どうしますか?」
主「・・・ガーディアン及び同盟軍兵殺害の犯人だ、本部へ連れて行こう。・・・ヨイショ!?(ぐぉ!?お、重!!)」
410「大丈夫ですか?ふらついてますけど・・・?」
主「何のこれしき!ビル・デ・ビアに踏まれたと思えば軽い軽い!!・・・ヨロヨロ。」
410(本部に連絡すれば良いのに・・・。)
410「・・・あの、ご主人様?」
主「ゼェゼェ・・・何だ?」
410「あ、何でもないです・・・。」
410「・・・あの、ご主人様?」
主「ハァハァ・・・何?」
410「いえ、何でも・・・。」
主「フゥフゥ・・・言いたい事は・・・はっきり言ってくれ・・・。」
410「は、はい。・・・もし私がご主人様より強かったら、どう思われますか?」
主「・・・?既に俺より強いだろ?」
410「いえ、その・・・トモエさんのように強かったらと・・・。」
主「良いんじゃないの?」
410「・・・怖くないですか?従者が主人より強いことが・・・。」
主「・・・裏切られるのが・・・か?」
410「・・・はい。」
主「従者は主人に従うもんだよな?」
410「そうですよ?」
主「その従者に裏切られるってことは、殺されても文句言えないような事をしたってことじゃないか?」
410「で、でも・・・。」
主「それにな・・・。」
410「・・・?」
主「裏切られても良いから信じるんだよ。・・・410?」
410「・・・ご主人様。」
・・・ポタッ・・・
主「冷て!?」
410「どうしました?」
主「何か冷たいものが首筋に!」
・・・ポッポツポツ・・・ポツポツポッ・・・
410「あ、降ってきました!」
主「やれやれ・・・。山の雨は冷える、急いで帰ろう。」
トモエ「・・・。」
〜マイルーム〜
主「う〜んう〜ん・・・腰が痛いよ〜。」
410「痛めるほど我慢するからですよ。」
主「あんなに重いとは思わなかったんだよ〜。」
410「ヒューマンなら2m超えても2桁でしょうがトモエさんはキャスト、しかも改造されてますので・・・ゴニョゴニョ。」
・・・ピピピッ・・・ピピピッ・・・
主「お?ビジフォンか。410、見てくれ。」
410「はい。・・・本部からの連絡のようです。」
主「本部から?何だろ。」
先の件はご苦労さまでした。その功績に対し特別報酬を与える事が決定されました。
特例として追加パートナーを支給します。
・・・後はよろしく。
本部より
主「・・・何だこのひっかかる部分は?」
410「マシナリーが支給されるのでしょうか?」
主「丸いのが来るのか?・・・餌集めの日々がよみがえってくるな。」
・・・ピンポーン・・・
410「はーい、少々お待ちください・・・タタタタ・・・あっ!?」
主「どうした?」
???「・・・お邪魔いたします・・・。」
主「・・・!!なっ?えっ?ちょー・・・おま!?」
410「ご、ご主人様、落ち着いて!」
主「な、何で?生きてるの?」
トモエ「死んでませんので。」
主「で、でも機能停止って・・・。」
トモエ「はい、停止しただけです。」
主「???ど、どういう・・・?」
トモエ「停止した私を破壊しませんでしたね?」
主「そんなことしませんよ。」
410「もしかして・・・自己修復?」
トモエ「そうです。本部に着くころにはほぼ完了していました。」
主「腕も再生できるのか?」
トモエ「あ、これは本部の方からいただいたものです・・・クスッ。」
主&410(ヒィ〜!)
主「それで・・・ここへは何の用で?・・・もしかして、リベンジ?」
トモエ「そうですね・・・ニヤリ。」
主「・・・ビクッ!」
トモエ「ウフフ・・・本部から連絡があったはずですが?」
410「連絡ってこの事ですか?・・・!まさかパートナーって?」
トモエ「私のことです。」
主&410「エェーーー!?」
主「しかし、本部があなたを許すとは・・・?」
トモエ「私と勝負しましょう、と言ったらガーディアンズに協力するという条件で・・・。」
主「・・・!?ど、同盟軍が黙っているとは・・・?」
トモエ「記録を消すように言ったら断られたので、私が消しに行くと言ったらあっさりと・・・。」
主「・・・。(言葉がでない)」
410「で、でもトモエさんはキャストですからご主人様に仕えなくても・・・。」
トモエ「家事全般は得意ですよ?」
410「それは私だってできます。」
トモエ「高い所にも届きますし・・・。」
410「道具を使えば私だって・・・。」
トモエ「・・・!○○○ができます。○○○○○は得意ですよ。」
410「ご、ご主人様はそのような事・・・!(未遂があった・・・)」
トモエ「・・・?男性なら喜ぶと思いますが・・・?」
・・・コソコソコソ・・・
410「ご主人様、何とか言ってください!」
トモエ「主様、お仕えさせてくださいませ!」
・・・ダダダダダダダダダダダダダダダダダダッ!!
410&トモエ「アッ!?」
・・・その日コロニー内を逃げ回るヒューマンの男と、追いかけるパートナーマシナリーと女性の姿があちこちで見られたという。
投下すること風の如く
ROMること林のごとく
妄想すること火のごとく
批判を聴かぬこと山の如し。
>>119 じゃあ批判ならぬ感想はどうだろう。
結構難しい問題を含んでるけど分かりやすく書かれてて読みやすくて良かったよ。
トモエが気に入ってしまったので今後の登場にも期待w(ネタっぽく振ってるけど本心です)
一個だけ無粋に突っ込むなら…俺はテクとソードを併用してるこの主人が超羨ましいよ…orz
にしても久しぶりだな…思わずまとめサイトで読み返してしまったよ。
たった一日で長文が二つも・・・
実に読み甲斐があったぜ
>>106 45xシリーズは世話焼きだが照れると主人を平気で殴るってのが基本なんだろうかな・・・w
パシリに頼りっぱなしでロリ好き百合好きな変人変態で料理も出来ないなら嫁の貰い手は当分ないんだろうなぁw
>>119 話の途中見ててターミネーターかと思ったが目撃者のラインナップとか最後のやり取りとかが実に面白かった
後本部のメールの最後が割りと投げやりなところとかもよかったw
需要も空気も知らないっ!( ゚∀゚)
もはや日記モドキの
>>68の続きを投下逃げ
===
ヒュマ「タマぁぁぁぁぁぁ、頼む!頼むぞぉ!」
タマ「うにゃあ…… あんま期待しすぎないでほしー……」
俺の煌めく満面の笑みに、ちょっと腰が引けるタマ。
いや、ヒいているんじゃないぞ!腰が引けてるだけだ!
ヒュマ「これが最後の1回なんだ、今までのファントムメイトは忘れろ!未来さえ見てればどーとでもなる!」
タマ「だ、だってぇ……」
これまでの2度の失敗からか、タマは結果を見るのが相当怖いようだ。
しかし、しかしな!やってみなけりゃ解らない。それがチャレンジャーってもんだろ!?
だから俺はタマに言う。
ヒュマ「いいかタマ、過去の失敗は未来への布石だ。お前もいきなりファントム合成は酷だっただろう。
しかし、しかしだタマ! 今までの失敗は次の成功の為の準備なんだ!大丈夫だ!成功する!」
うひょー、この台詞カッコいいんじゃね?よし、今度チャンスがあったらまた使おう!
でも、でもだ、タマは相変わらず曇った表情だ。
タマ「でも…………」
ヒュマ「でも?」
タマ「でもぉ……もし、失敗したら…………」
ヒュマ「大丈夫だって!気にするな! ……俺は確実に樹海コースだがな」
タマ「ふに゙ゃ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ぁ゙!!」
いきなりすンごい声で泣くタマ。
ガキのようにわんわんと泣く。いや、猫っぽいからにゃーにゃーか?
ヒュマ「あ、いや、冗談だ!むしろ明日のために樹海をまっすぐ歩きつづけるというか!!」
タマ「ぞれ゙でも゙死゙ぬ゙よ゙ゔゔゔゔゔぅぅぅ」
いかん、不用意に樹海はやっぱり不味かったか。反省しよう。反省。
しかしこのままでは最後の一個の成否が気になる。
樹海に行こうが夜逃げしようが、せめてこの結果を知ってから首を吊りたいものだ。
ヒュマ「わかった。わかったから。樹海はやめておく」
タマ「ふに゙っ ひぐっ ほ、ほんと?」
ヒュマ「ああ。借金もあるしな。まだまだミッドナイト・ランの世話になるわけにはいかんし」
タマ「ゔ、ゔん゙」
どうやら納得したようだ。多分。
よしタマ、早速取り出そうじゃないか!結果を!お前のスペックを見せてくれ!!
ヒュマ「じゃあ、取り出してくれるな?」
タマ「ゔん゙」
タマ「……」
ヒュマ「ゴクリ」
タマ「ぱ、ぱぱーん!ぱぱーん!」
ヒュマ「きたか!」
タマ「うーーーーん!!」
満面の笑みで頷き、手に持ったファントムを差し出すタマ。
ヒュマ「や、やったな!タマ、偉いぞ!!愛してるぞおおおおおおおおお!!今度一緒にPMナンパに行こうなああああ!!」
タマ「ふにいいいいいいいいいいいい!!」
タマを力いっぱい抱擁して、頭をくしゃくしゃに撫でまわす。
タマは目尻に涙を浮かべながら、凄く嬉しそうだ。
ヒュマ「よし、これさえあれば、ディ・ラガンなどザコよ!」
タマ「うん!! でも、これご主人装備できないよ?」
ヒュマ「………………………………はい?」
タマ「だって、ご主人レンジャーでしょ?レベル12でしょ?」
ヒュマ「………………………………………………………………あ゙」
タマ「………………………………………………………………に゙ゃ」
ヒュマ「………………よし!樹海にいこう!」
タマ「だめ゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙!!」
真っ白になりながら自動歩行で樹海に向かう俺をズボンの裾を引っ張って必死で止めるタマ。
ああ、駄目だよタマぁ、樹海だぜー、木の海だぜー お前泳げるのかー おぼれちゃうぞー。
……ヒュマ郎がファントムを使えるようになるのは何時なんだろうか……
オシマイ
>>90 マザーグース歌いながらドアこじ開ける440テラコワス…。
94の絵で破壊力更にアップ…。
下手な感想を述べるまでもなく続きwktk!!
>>100 プイデレか…、プイデレときたか…、憶えておくぜ…。
45Xシリーズは○○デレの宝庫だな…。
何かと切断好きなペパーまた見たいぜ、頼むぜ。
>>107 投下後の風林火山の潔さにフイタw
105ってあるから何かと思ったら、
前スレでプロキシ規制食らってたのね…。
楽しかったよ、また書いて欲しい。
>>123 オチに吹いたwwww
ファントムファントム言ってるのにLv12とはwwww
書いてたらポコきてたw
今日は投下が多くて嬉しいよー。
この作家さんも相変わらずスペック高ぇなぁ…。
樹海はきっと寒いぜ…、気を付けてな…。
帰ってきてまた続き書いてくれよな…。
>>123 実話とリンクしてるんだっけ…?どちらにせよ完成おめでとうヒュマ郎!
樹海に行く暇があったら不眠不休でレベル上げするのが倫理的におkなんだぜ。
>>123 とりあえずRAな時点でファントムは無理だわなぁ・・・w
とりあえず樹海なんていわずに頑張れヒュマ郎!w
88の続きを投下です。なんだか周り名作ばかりで気が引けますが……
沼子のマイルーム
ベッドに腰掛ける沼子の膝に、430が取りすがって泣いていた。
430「ごべんな゛ざい゛、ごじゅじんざま゛」
膝の上の頭を、沼子はずっと撫で続けていた。
沼子「いいのよ、430。さっきのは、私が受身を取れなかったのが悪いの。こんなことじゃ、ガーディアンズ失格ね」
430「違い゛ま゛ずッ」
泣き声で言いながら、430は顔を上げた。
430「合成……うまく、いってなくて、それで、わ、わたしのせいで、はさんっ、して、どうしようも、なくて、
ごしゅじんさまに、飛びついたり、して……」
たどたどしく口を動かす430の涙や鼻水を、沼子はハンカチで丁寧に拭った。
沼子「破産? ……そういえば、お金が無くなっていたわね。パルムの病院、検査が多くて治療費がかかるから」
430「ごべん゛な゛ざい゛ー!!!」
いきなり叫ぶ430の迫力に、沼子は少したじろいだ。
沼子「!? ど、どうしたの430」
430「わたしのせいで怪我してごべんなざい゛、わたしのせいで病院にお金かかってごべんなざい゛、わたしのせいで
合成失敗してごべんなざい゛、わたしのせいで頭打ってごべんなざい゛、わたしのせいではさんしてごべんなざい゛、
ろ゛り゛ぬ゛ま゛やさんにみうりさせてごべん゛な゛ざい゛、ア゛ッー!!!」
沼子「ちょ、お、落ち着いて430! それに、どこからそんな知識仕入れてきたの!?」
430「ア゛ッー!!!」
ますます泣き叫ぶ430を、沼子はぎゅっと抱きしめた。
沼子「430、430……、泣かないで。ね? いい子だから」
温かい口調で沼子はささやき、トン、トン、と430の背を優しく叩いた。やがて430の嗚咽がおさまってゆき、激しく
上下していた背中の動きが緩やかになってゆく。
430「ごしゅじん、さま……」
沼子「430、今のあなたにはわからないかも知れないけど、聞いてくれる? 私はずっと、あなたに助けられてきたの。
合成とか戦闘とか、そんなことじゃなく、あなたの笑顔に。あなたが笑ってくれるだけで、私はどんなに辛いことにも
耐えられるの」
見上げてくる430の瞳に、沼子はそっと笑いかけた。
沼子「怪我をしたのは、私のミスなのよ。慎重さが足りなかった。治療費がかかっちゃったのは、あの病院がぼったくりだったから。
合成は……失敗してもいいの。あなたが、合成を楽しんでくれれば、それで。頭を打ったのは、さっきも言ったけど私の不覚。
お金なんか、手元に少しだけあれば充分よ。あとは……聞かなかったことにしておくわ」
430「で、でも……」
沼子「それより、430? ファントムって、たしか四丁仕込んでいたわね?」
430「は、はいっ」
ぴょこん、と430が立ち上がった。
沼子「見せてもらえるかしら? 最後のひとつ」
430「はいっ! ごしゅじんさま」
気負った顔になる430の頭に、沼子は左のてのひらを乗せた。
沼子「言ったでしょう? 楽しくできればそれでいいの」
430の表情から、少し険が取れた。
430「はい……。でも、何だかどきどきします」
沼子「あわてず、ゆっくり開けてみなさい」
優しい声にうなずいて、430は合成キットの中へ指を入れた。成功でも失敗でも、元気よく「ぱぱーん」を。
決意とともに、430は四品目を取り出した。 つづく
XX07/2/14 08:37
…その部屋は、もう、私の見慣れた部屋ではなくなっていた。
一体どんな力が加わったのか、ロックを無視してこじ開けられたドアは完全に崩壊し、もはやぴくりとも動かない。
その開けっ放しのドアの向こうは、ルームグッツのフロア。
ご主人様が一生懸命に集められた11本のオハナミ。
訪れる人をして感嘆のため息をもらす桜の杜は…、見るも無惨なものだった。
開花環境を保つ為の保護ガラスは根刮ぎ割り砕かれ、床は一面、桜の花びらとガラスの欠片だらけだ…。
「すげぇ音がしたんだよ…、誰かが滅茶苦茶に暴れてるみたいな…」
「なら見に来て止めれば良かっただろ…、どうすんだこれ…」
「来られるかよ…。なんか、おかしかった、変だったんだ、…誰かが、ぶっ壊れたみたいに笑ってた…」
ハリケーンの直撃でも食らったかのようなマイルームの入口近くには、近隣のガーディアンズたちが集まっていた。
近所付き合いをしている連中だ…、見知った顔も多い。
「…あ、おい――」
人垣の外から、ふらふらと…、まるで吸い込まれるかのように部屋の中へと歩いていく私に気付いたのか、
人混みの中の誰かが声を掛け、私に手を伸ばしてきたが…、
「…退けよ」
呆然と呟いた私の言葉に、その手は凍り付いた。動かなくなったその手の下を通り抜け、
私は、誰もがその異質な光景に怯えて立ち入ろうとしないマイルームのドアをくぐる。
ぱき…、ん。
部屋に踏み込んだ一歩が、足下のガラスの欠片を割り砕く。
嫌な予感がした。…虫の知らせとでも言うのだろうか。
この事件が終わるまで、私は「ご主人様のPM」であることを捨てたつもりだったけど…、
どうしても心配になって、…見に来たんだ。
寝坊はしていないだろうか。朝ご飯はちゃんと食べただろうか。…私が突然いなくなって、狼狽えていないだろうか。
この一度だけ確認したらもうここには近付くまいと、女々しい考えに苦笑しながらここまで歩いてきて…、
私が見たものは、惨劇に集まった人垣と、その隙間から見えた…、この光景。
「…どう、して…」
私は一人、マイルームの真ん中で立ち尽くす。
部屋の中には私だけ。私以外誰も部屋には立ち入らない。
…そして…、ご主人様もいない。
真二つに割り砕かれたコタツ。ずたずたに裂かれた壁、天井。ご主人様がささやかなお小遣いを
貯めて集められたニューデイズの置物も、皆容赦なく叩き壊されていた。
まるで…、この部屋が私たちの部屋である為の条件を…、根刮ぎ奪い去るかのように。
ガラスの破片と、置物やコタツの木材と、壁や天井の残骸とを踏み締めて、私は歩く。
ご主人様のデスク。その上に、写真立てが一つ転がっていた。
知ってる。…二人でミズラギの観光地に遊びに行った時に撮った写真。
カメラを向けられたご主人様はカチコチに緊張していて、私は、そんなご主人様の
腕にしがみつきながら、満面の笑顔でピースサインをしている…、そんな写真。
二人の後ろに広がる真っ赤な紅葉が、とても綺麗で…。私とご主人様の、お気に入りの一枚。
写真立てを手に取るなり…、割り砕かれていたガラスがぱらぱらと足下に散らばった。
フレームはガタガタ。立てる為の足も砕けていて、もう写真立てとしての価値を失っている。
でも…、写真は無事だった。
あの日に撮った幸せな景色が…、ズタボロにされた写真立ての中に収まっている。
…感情が…、出てこない。
涙も出ない。声も出ない。今自分が何を思っているのかもわからない。
ただ…、ずきん、ずきん、と、…私の小さな体の、その一番奥が、猛烈に痛い…。
「…ガーディアンズ諜報部だ。この件については諜報部の預かりとなる。各自自室に戻れ。
なおこの件を口外することは許されない。秘匿事項であることを通達する」
部屋の外から、そんな声が聞こえた。
本部に通報した物が野次馬にいたか…。通報対象場所を知った諜報部が出てきたんだろう。
ガーディアンズ一の嫌われ者を前にして、野次馬どもが何か遠慮がちな文句を言っているのが聞こえる。
せいぜいそんなもんだろう。…本気で食って掛かれば明日には免職になる。
諜報部の権限は絶大だ。…殺し屋ども風情が、分不相応にも。
数人の諜報部員が断りもなくマイルームに入ってくるのを背に感じながら…、
私の目は、ふと、近くのビジフォンを見る。
これだけ念入りに、呆れるほど周到に破壊された部屋の中、全くに無傷のビジフォン…。
そこには、私宛のメッセージがあった。
チョコレートを贈りましょう。誰かの手から、誰かの手へ。
焼け付くほど甘いチョコレートを鋼鉄のラッピングで飾って贈りましょう。
今日はバレンタインデー。
だから、私の手から、私たちの世界へ。
とても素敵なショーをご用意しております。お越しになりませんか?
貴方好みの素敵なスイーツもご用意しております。お越しになりませんか?
本日18:00。オロール展望台にてお待ちしております。
「GH-430、現場の確保をする。退室しろ。気が焦るのはわかるが今は――」
諜報部の男が、ビジフォンの前から動かない私の肩に手を掛けた。
私は、す…っ、と右手を振り上げると、
――ドガァッ!!
これ以上ない程固めた拳を、鉄槌の如く、ビジフォンへと振り下ろした。
猛烈な音と共に火花が爆ぜ、モニタはただの板屑に変わる。
「――430!」
「触るな」
私はゆぅらりと振り返る。
私の背中を囲んでいた諜報部の連中が、顔色を失って一歩踏み下がるのが見えた。
「私の体に触るな。私の名を呼ぶな。私に物を言うな。――殺すぞ」
ぞくぞくと、耐え難いほどの怖気が腹から背中へと駆け抜ける。
焼けるほどの寒さ、凍えるほどの熱さ、その二つに、私の、感情という感情が死んでいく。
砂となって崩れる感情が、私の手の中からさらさらとこぼれていく。
何も残らない。でもそれでいい。邪魔なだけだ、コンナモノ。
諜報部としての任務を受けて、色々な物を捨てたつもりだったけど…、
全然足りていなかった。私は馬鹿らしい程に甘かった。そう、まるでチョコレートのように。
大体にして…、捨てる覚悟なんか無かったじゃないか。
終わったら全て元通りにしようなんて…、甘さ以前の問題だ。吐き気がする。
私は多くを持ち過ぎていた。
「殺せ」という、たった一言の命令文があれば良かったんだ。
他の全てはみんな邪魔。無駄なだけ。こんなものは必要ない。
そうだ、そんなもの、全部シンデシマエ。
私は歩き出す。怯えて道をあける諜報部員どもには目もくれず。
机の上、たった一枚無事だった私たちの写真。
ああ、私は、せめてこれだけでも大事に持って行こうと思っていたはずなのに…、
今はもう、…「そんなこと」には興味がなかった。
殺す。殺す、殺す、殺す。殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!
殺してやる――、GH-440!!
区切りで言えば昨日の段階でここまででした…、ちょっと失敗。
ドアを無理矢理こじ開ける、というホラー演出はまたどこかでやりたいと思ってたので、
今回やれて良かったです。…440がやることになるとは思ってませんでしたが…。
>>96さん
保管庫のパシリ暴行モノというのは、置き去りになったパシリのとこに、
ロックのパスワードを無理矢理破って暴行犯がやってくる…、というのでしょうか。
ちょっとぎくりとしてしまいましたw
小ビス子シリーズを書き始める前に、私が単発で落としたものだったので…。
違っていたら恥ずかしい限りですがw
>>132 あの暴行犯のって小ビス子氏のだったのか・・・どーりで見覚えのあるような描写だったわけだ・・・w
しかし440は何のために小ビス子をさらったんだろう・・・
さて人気作家の後だろうがなんだろうが、今日二度目の投下逃げ。
マシンガックを4回中3個も成功してくれました。タマカワイス( ´∀`)
===
前回のあらすじ
〜ファントムは知り合いのfGに20万で引き取ってもらえました。
ヒュマ「ふぃー、ファントムは勿体無かったが、使わなくなったら後でくれるっていうし、借金返済も終わって助かったぜ…」
ヒュマ「さてと、この10万で……」
なーにをかおうっかなーときょろきょろしてる俺。
ふと、ルームグッズ屋が目に止まる。
ヒュマ「……タマを進化させてみるか……」
なんでも422タイプはクソ可愛いらしい。しゅわーちらしい。
俺はルームグッズ屋の扉をくぐった。
〜マイルーム
ヒュマ「ただいまー」
タマ「おかえりポコ〜」
何時ものように出迎えつつ俺に抱きつくタマ。
ヒュマ「よーしよし。今日は土産だぞ」
タマ「ふにゃ?」
ヒュマ「ほれ、これ。デバイス422だ」
タマ「ふに?」
顔の前に差し出されたデバイスを、くんくんと嗅ぎ、指でちょんちょんとつつくタマ。
ヒュマ「ファントムを売って懐が暖まったからな。たまにはお前も気分転換したいだろ?」
タマ「うん……でもこれ……だいじょーぶなの?」
ヒュマ「まあ、大丈夫なんじゃね? そんな深刻なものでもないだろ。まだ5万あるから元に戻れるデバイス買えるしな」
タマ「ふにぃ…… ご主人は食べたほうがいいの?」
抱きついたまま俺に上目遣いで尋ねるタマ。
ヒュマ「まあ、そーだな。お前がもっとカワユクなりそうだしな……うへへへへへ」
タマ「にぅ………………じゃあ、たべる」
ヒュマ「うむ。よし、喰え」
タマにデバイスを差し出すと、ちょっと悩んでからモギりはじめた。
タマ「モギモギ……」
ヒュマ「……ワクテカ……ワクテカ……」
タマ「うに…………」
ヒュマ「ん?」
タマ「ぅにゃぁぁぁぁ…………」
ヒュマ「お、おい、大丈b……」
手を伸ばしかけた時突然タマが輝いた。
ぺかーーーーーーーーーーーーーーっ!
ヒュマ「うおおおおおおう!? 目が!目がーーーーーー!!」
まばゆい閃光に目をやられ苦しむ俺。
暫らくして、目をこする俺の耳に声が聞こえた。
???「ふー、やっとなれた〜 もー、この服キツイわねぇ……」
徐々に慣れる目でタマを見ると…
そこには見知らぬ女性が立っていた。
身長は俺より少し低いくらい。胸はばいーん。締まる所は締まって、出るところは出る。
うーん、いいスタイルじゃのう…
そんな感じでヨダレを垂らしつつポカーンとしてる俺に、その女性が近寄ってくる。
???「あ、ごしゅじーん。どう?すっごいでしょー?」
なぬ、この声はもしかして…
ヒュマ「お、お前もしかして……タマしゃん?」
タマ「あったりー どお?せくしぃでしょー?」
俺は首を上下にブンブン振る。いやー、まさかここまで化けるとは…
これが422デバイスの威力か……すげえな……
タマ「んふふー でねーーーーーー」
タマがしなを作りながら俺に擦り寄ってくる。
ヒュマ「な、なんでぃ」
タマ「おっきくなったしぃ…………いつもの…………しかえしー!」
ヒュマ「おぶぁ!?」
突然タマが俺の頭を抱き締めて、頭をくしゃくしゃ撫でまくる。
うお、なんだこの力! 抵抗できないじゃないか! 流石レベル23というわけなのか!?
いや、違う!違うぞ!! 力だけじゃない! こ、これはッ!!
タマ「んふふふ〜 どお?なでなでされるのきもちいいっしょー?」
ヒュマ「もが!もがもがもが!」
いやタマしゃん、やわからいんですよ、やわらかいんですよええ!
撫でられるのよりも、そっちがアレでナニなんですよ!!!
ふかふか…しあわせ… ああ至福! 普段から撫でまくっておいてよかった!!
ああ、鼻から赤い液体だ止まりませんよ。ぽわーんとしていきますよ。
なるほど、これが天にも昇る気分ってやつでしか…………
タマ「うにゃ? どしたのご主人? ……ごしゅじん?ごしゅじーーーん!」
ガリッ
ヒュマ「んぎゃああああああああああああああああああああ!!」
タマ「あ、おひた」
ヒュマ「な、なんだ!?なにごと!?」
頭がジンジンする。なんだこれ、超痛い。
鏡を見る。そこには、俺の頭にかぶりつくちんまりしたタマの姿。
ヒュマ「おい、タマ、お前なにやっとるんだ」
タマ「ごしゅひんがひかりにおどろいてこけて、きぜつしちゃったから、おこしたの」
ヒュマ「それで、なかなか起きないから頭をかぷっといったわけか」
タマ「うん!」
嬉しそうに微笑むタマ。いや、なんだ、うん……
ヒュマ「やり方はあとで抗議するとして、とりあえず礼はいっておく。まずは離れてくれまいか」
タマ「うん」
すたっと床に下りるタマ。
あー、頭イテェ……
ふとタマを見ると、服装がちょっと変わってる。でもまー、雰囲気はいつものタマのようだ。
ヒュマ「で、どうだ、身体の調子は」
タマ「うーん、たぶんふつー」
ヒュマ「ふつーか。んじゃ、ディ・ラガンでもいって試してみるか」
タマ「うん」
こうして俺は新生タマを連れて、パルムへと向かうのだった。
……惜しかったなあ……ばいーんなタマ……
タマ「うに?どしたの?」
ヒュマ「なんでもないです……エグエグ」
オシマイ
>>137と138
絵カワユスw
執筆速度が遅い自分として周りの速度は驚異的…
>>136 でかくなった420とか俺の至高の夢をw
ばいーんな420、憧れる・・・w
>>137 食われた、そして増えた・・・w
これは一種のホラーだわ、小ビス子氏のあれとは別の方向でw
>>138 和むなぁこれ・・・w
こうしてみると両方子供だがw
>>139 俺もこの周りの速度には憧れるものがある、俺も練ってる作品は執筆速度遅いし・・・orz
あらすじを大まかに記載しとくといいんだろけどなぁ・・・
さて、またもや捨てポコ氏のネタに感化されての殴り書きを投下
ついでに中年と440もお借りしました
それはある日の買い物帰りの事だった。
店主「あーい、やーすいよやすいよー。お、そこのあんちゃんちょっとみてかねぇか?」
ビス男「ん・・・俺の事か?」
店主「おうよ!兄ちゃん見たところガーディアンズみたいだな、てーことはパシリも居たりするねぇ?」
ビス男「あ、あぁ・・・420が居るが・・・」
ショップではなく路上に直接商品を広げている商人のような男が威勢のいい声をかけてくる。
突然話しかけられたのとその勢いとに俺はタジタジだった。
店主「420かぁ、中々渋いねぇ・・・じゃあそんなあんちゃんには、これなんかどうだっ!」
そう言って商人が差し出したもの、それは
ビス男「これは・・・パシリ用の進化デバイス、か?」
店主「おうよ!それもただの進化デバイスじゃぁねぇ。こいつはとあるルートから仕入れた代物でな。
炊事洗濯掃除に買い物は勿論、身長もでっかくなって戦闘のお供に夜のお供まで何でもこなすパーフェクトパシリになるぜ!」
ビス男「ぱ、パーフェクトパシリ・・・」
420「ねぇねぇマスター、どお?おいしい?」
ビス男「あぁ、流石420だな、他じゃこうはいかない」
420「やった〜♪それじゃね、これも美味しいんだよ、はい、あ〜ん」
ビス男「くそっ、こいつ手ごわいな・・・」
420「レスタッ!マスター、ここは私に任せて!シュワーッチ!」
ビス男「と、飛んだ・・・!」
ビス男「はぁ・・・今日も疲れたし早いとこ寝るか・・・」
420「・・・ねぇマスター、一緒に寝て・・・いい?」
店主「んで、どーよあんちゃん、中々欲しくなって来ただろ!?」
商人の威勢のいい掛け声により淡い妄想から一気に引き戻される。
あれは一種の催眠術?いやそれともあれは俺が望んでいる事なのか・・・。
店主「そうさなぁ・・・本当なら十万と行きたい所だがあんちゃんになら五万、いやおおまけで三万でどうだっ!?」
ビス男「三万・・・」
手持ちのメセタカードを見る、残金は・・・三万とちょっとだ。
店主「お、その顔、欲しい欲しいって言ってる顔だねぇ。
パシリだって主人の役に立ちたいって望んでるはず、ならこのデバイスを是非とも食わせるべきだ!」
ビス男「いや、だが・・・」
店主「あー解った!じゃあこうしよう、あんちゃんの幸せの為だ俺も腹を括ろう!一万、一万でどうだっ!」
ビス男「い、一万・・・かっ」
買った、そう言おうとした瞬間、俺の背後から声がした。
振り向くと遠くにいつぞやの中年のヒューマンと連れの440の姿が見える、何かを大声で叫びながらこっちへと走ってくるようだ。
440「おいおっさん見つけたぞ!あいつだ、あそこに居る!」
中年「でかした、後であたまなでなでしてやるぞぐぁっ・・・」
440「馬鹿ッ!ふざけてる場合か、逃げられちまうだろうが!」
店主「ゲッ、しつこい奴等だな。けどそう簡単には捕まってやらねぇよ!」
商人は並べていた商品を乱暴にかき集めてナノトランサーへと突っ込む。
二人が到着する頃には商人は遠くへと走り去った後だった。
440「あーもうおっさんがとろとろしてるからまた逃がしちまったじゃねぇか・・・」
ビス男「なんだったんだあれは・・・」
中年「おぉ、アンタか久しぶりだな。いやぁ最近追いかけてる詐欺グループの主犯格が居てなぁ、
クバラ品だとか違法なデバイスだとかを売りさばいてるって垂れ込みがあったんで張ってたんだが」
440「おっさんがドジだから逃がした、ちなみに二度目だ」
中年「まあそう言うな、ところでアンタこんなとこで何してたんだ?」
ビス男「いや・・・まあその、買い物の帰りだが」
中年「そうか、まあ最近は変な奴が多いからアンタも気をつけてな。んじゃ420ちゃんにもよろしくな」
440「んじゃ暇な時にも遊びに来いって420に伝えといてくれ」
二人はそういい残すと去っていった。
そしてその場にはポツンと俺だけが残されて居た。
>>132 殺意以外全部捨てちゃった430がイタイ…。
なあ、この話、最後はハッピーに終わるんだよな…?
小ビス子に萌えた430が鼻オイル吹く日常が帰ってくるよな…?
今まで何度かシリアスやってたけど、最後は幸せに終わってるもんな…?
頼む、そうあってくれ…orz
>>136 誰の後でも気にせず投下したもん勝ちなんだぜ。
楽しみにしてる人間もいるんだからな。
とりあえず樹海に行かなくて済んだのか…。
頭にかぶりついてるタマに萌えた。すげーがっぷりいってんだろなw
>>142 クバラデバイスはロクなことないからな…。
実際食わせてたらどうなってたんだろ。
やっぱりロクなことにならないんだろうけど、一万なら買ってしまいそうだw
夢を買うような気持ちでw
145 :
2/13の裏側:2007/02/21(水) 13:47:24.09 ID:GXQU72d1
「うーん、あの子一体何を…」
いつもの飯店。ヒュマ助は少し悩んでいる様子。
「どしたの、ヒュマ助?」
後ろから怪訝そうな顔で歩み寄る422。手には提げる途中なのか食器の山。
「いや、さっき魚をさばく道具を借りに来た430ちゃんがね…」
「あぁ、あの妙に目つき鋭い…」
思い出して少々怖かったのだろうか、ちょっと怯えた様子で答える422。
「でも、あの子がどうしたの…?」
「んと、魚さばくって聞いたからてっきり刺身包丁とか使うと思ったんだ…」
そういって、またうーん…と考え出すヒュマ助。
「何よー、何が不思議なの?教えてよー!」
食器は近くに置いて、ヒュマ助の首へじゃれ付く422。少々不満そうな顔になる。
「それがさ、大きさがキロ単位だっていうからさ…」
「キロ単位って、魚の大きいの2〜3キロになるよ?」
そういって、最近見につけた料理知識で答える422。
「いや、それがね…?」
「だから、何よー?」
「『250kgだ』…って言ったんだよ…あの子」
「に、250………」
「うん…あの子、ジョギリサイズのが欲しいっていって…」
絶句、ギロチンサイズの刃で…
「一体、何をさばくつもりなんだろ…」
「く、クジラ…じゃない?」
飯店に、ヒュマ助と422の悩む声が吸い込まれていった。
どうも。ワンサウの最後がハッピーエンドであってほしいヒュマ助作者です。
マグロ解体ショーの日、道具を借りていった後の飯店の様子ネタですw
いつか、私も長編を書きたいような…ワンサウ様のを見ていると
自分が書いて果たして皆様の目にかなうかが、怪しまれます。
公開できる作品を、書ければいいですね…。
それでは。また
ニューデイズの辺境トトウリに細々と伝わる伝統行事を基とし
妙な曲解と融合を経て出来上がったイベント、”パシリ送り”
推進力を持たない人工衛星にPMだけを乗せ
宇宙空間を彷徨わせるといったものである
本来は、ルームに飾るグッズの一つであるヒナドールに
一年間の全ての不浄を込めて川に流し浄化するとともに
息災を願うというような意味合いであるが
ヒナドールを飾る習慣もないとあるガーディアンが
ショウガツ明けで気の緩んでるPMの折檻として行った行為が由来という説もある
因みに、現在では本当にPMを乗せるのではなくPMを模した人形を乗せる事で
PM愛護団体の非難と人工衛星のコストダウンを図っている
今は実際にPMを流すガーディアンはいない・・・・・・はずである
ぱぱーん、バットエンドです→数日後→実はこっちが正規の話ですw
とかやっちゃったりしてくれたら俺は失神する(゚∀゚)
129の続きを投下です。
沼子のマイルーム
430「ぱぱーんっ!」
気合一閃、430は中身を引き抜いた。指に触れた感触から、430はすでに中身が何であるかを知っていた。
Aライフルの最高峰、ファントムである。たった一丁だけれど、完成したのだ。引き出し、掲げる指に力が篭る。
瞬間、ドゥッと、くぐもった音が鳴った。間を置かず、沼子の背後にある共有ボックスにフォトンが着弾、大きな穴が開いた。
430「ア゛ッー!」
手に力を入れすぎた。銃把を握る指が、トリガーを引いていた。
真っ白になりかける430の視界の中で、沼子がゆっくり前のめりに倒れてくる。
430「ごしゅじんさま!」
完成したファントムを放り出し、沼子の身体を何とか支える430。
二発目の銃声は、その直後に響いた。
取り落とした拍子に、暴発してしまったらしい。フォトンの銃弾は、まるで狙ったように先ほど開いた共有ボックスの穴に飛び込んだ。
430「ア゛ッー!」
共有ボックスが爆発し、派手に炎を吹き出した。紅蓮の炎は沼子のマイルームをひと舐めにして、あっという間に拡がっていった。
衝撃で倒れた430だったが、痛みはそれほど感じなかった。支えていた沼子の身体も一緒に倒れて、430に覆いかかっていた。
430「ごしゅじんさま……?」
背に回した手に、べっとりと沼子の血が付いていた。
430「ア゛ッー! ごしゅじんさまー!」
パニックに陥る430の頭を静めたのは、三度目の爆発だった。
共有ボックスに収納してあったバーントラップGが、熱風のあおりを受けて誤作動したのだ。もはや、爆心地は見る影も無い。
430「に、にげなきゃ……」
沼子の下から脱出し、430は立ち上がる。室温が、危険域を超えてさらに上昇していた。
430「失礼します、ごしゅじんさま」
沼子を仰向けに寝かせて、抱き上げた430は駆け出した。玄関を出ると同時に、炎が勢いを増した。
通行人A「な、何だ? 燃えてる…火事だ、火事だアッー!」
通行人B「ひ、人が倒れているぞ! メディーック、メディーック!」
轟音に驚いた野次馬が集まってくるのをよそに、430は沼子の身体をチェックし始めた。
どうやら一発目の銃弾は沼子の長い耳の下をわずかに逸れ、黒いおかっぱ髪の端をわずかに焦がしただけのようだった。雪のように白い肌には傷一つなく、
430はほうっと息を吐き出した。
430「よかった……」
つぶやき、430は固まった。そっとうしろを振り向く。
430「ア゛ッ……」
無残に焼け落ちる、ラッピーのオブジェ。お気に入りの場所も何もかもが、全て灰になってゆく。
430「ご、ごじゅじ……ア゛ッ……」
いつもの癖で泣きつこうとして沼子を見ると、苦しそうな顔で横たわっている。
衛生兵「けが人、確保!これより医務室へ搬送する!」
430「ア゛ッー! ごしゅじんさまー!」
男「おっと、きみはこっちだ」
後を追おうとした430の肩を、見知らぬ男がぐいとつかんだ。
男「きみは、彼女のパートナーマシナリーだね? 話を聞かせてもらおうか。なに、大人しく喋れば、すぐにご主人様に会える」
半ば放心状態の430は、なすすべもなく男に引きずられていった。 つづく
なんてドジを(つД`)
>>149 ここまでくるともはやドジと言うより全自動災害発生装置・・・w
たまらん!
>>137の絵がたまらん!w
そして今日も需要があろうがなかろうがネタの続く限り投下逃げ( ゚∀゚)ノシ
今回はあるボス戦で実際に起こった奇跡を元にしました。
信じる信じないはあなたの自由!w
===
〜前回のあらすじ〜
ヒュマ「乳を返せ!!( ゚Д゚)ノ」
タマ「かえせー!( ゚ω゚)ノ」
そんなこんなでおなじみとなった草原の支配者ミッション(C)。
相変わらず近寄ってくる敵に手付をする俺。
そして
腕のナックルをくるくる回してチャージ。そして放つ。
タマ「しゅしゅっ!」
一撃で吹っ飛ばされ、粉砕されるヴァーラやコルドバ。
すげえ、前にもましてパワーが上がってやがる……
俺にできるのはタマに近づく敵をライフルで足止めするくらい。
タマ「どおご主人? あたしつよいっしょー?」
ヒュマ「いやー、驚きだな。まさかここまでハイスペックになるとは……」
タマ「んふふー、ほめてほめてー」
ヒュマ「うむ、凄いぞタマ!」
頭をくしゃくしゃと撫でまくる。
タマ「うにー えへへー」
ヒュマ「よし、いくぞディ・ラガン戦だ!」
タマ「PP回復した?」
ヒュマ「当たり前だ!」
タマ「んじゃれっつごー!!」
ヒュマ「おー!」
あれ?どっちが主人ですか?
そうして始まったディラガン戦。
いつもようにタマが近接で殴り、俺が遠距離から弱点を狙撃する。
しかし、今日のラガンは違っていた。
今度の木曜になれば、しばらくラガンは自宅で謹慎。
ソニ…じゃない、大いなる自然の営みから、導き出された「1ヶ月自宅謹慎」という非情な答え。
彼が悪いんじゃない。ちょっと、ドロップとかがウマーだっただけなんだ。
そう、彼は怒っていた。
何時もより激しいラガンの猛攻に押される俺とタマ。
スタアトを忘れてきたのが痛すぎた。
衝撃波を放ち、倒れるタマに駆け寄る俺。するとラガンが飛び立つ。
ラガン「しゃがーーーーーーーー!!」
ヒュマ「ぬおおおう!?」
降りかかるラガンの炎のブレス。
ヒュマ「あぢ!!あぢぢぢ!!」
タマ「!!ごしゅじん!!上!!うえーーーーーーー!」
ヒュマ「あ?」
上空から降ってくる巨躯。 しまった!メイトが間に合わない!?
どっっすーーーーーーーーーーーーーん
ヒュマ「ぎゃああああああああああああああああああああ!!!」
タマ「ご、ごしゅじーーーーーーん!!」
ヒュマ「あ…あとは……頼んだ……ぞっ!」(がくっ)
地に伏せる俺(死んだふり)。いつもならすぐにロビーに戻るのだが、
再びラガンと戦って勝てる保証はない…っていうか、ラガン物凄く怒り狂ってるじゃんか……
とりあえずここはタマに任せてみよう。こいつでも駄目ならきっぱり諦めるさ…
タマ「フーーーーーーーッ!! よくもご主人をーーーーーーーっ!!」
あ、怒ってる。嬉しいなあ、俺のために怒ってくれるのかタマ。可愛いぞ!健気だぞ!
ラガンの猛攻を、奴の横腹に張り付きつつナックルで攻めるタマ。
しかしラガンはびくともしない。やっぱり俺がやられるのが早すぎたか…すまんタマ。
すぐに黄色くなるタマのゲージ。すぐさまタマが杖に持ち替えて回復。
すげーな。お前本当にPMなのか? 的確に戦闘をこなしすぎるぞ…
タマ「よ゙ぐも゙ーー!! えっぐ! ごの゙ーーーー!! ひっく! バカラガンーーーーー!!」
あ、タマが泣いてる… むう、これはちょっと可哀想だったかもしれないなあ…
俺一人でも結構大変なラガンにタマ一人で戦わせたわけだが…
うーむ、すまんタマ。お前の主人は酷い奴でした… あとでB武器食わせてあげるよ……
ラガン「ガオーーーーーーーーー!!」
横腹に位置取るタマに灼熱のブレス。
タマ「あうううううう!!」
真っ赤に燃やされるタマ。スリップダメージがタマのHPを削っていく。その残量、残り1!
トドメとばかりにラガンが巨躯をはいずらせ、タマを押しつぶそうとする。
ああ、駄目だこりゃ… よし、一緒にロビーに帰ろうな……
と、その時だった。
タマ「ゔに゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙ これがあれば、負けないポコーーーーーーーーー!!」
ラガンの身体がタマをすり抜ける。タマの頭上には空間の渦。そしてそこから現われるシュトゥルムバスター。
タマ「いっけーーーーーーーーーーー!!」
飛び交うミサイル。炸裂する爆風。
ラガン「GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA」
轟音と共に崩れ落ちるラガンの巨躯。
俺は、呆然と赤く染まったその光景を見ていたのだった。
タマ「フー フー」
肩で息をするタマが、レスタで回復をする。
そして、倒れる俺の傍に走ってきた。
タマ「ゔぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ん゙!! ごじゅじーん゙!ごじゅじーん゙!!」
涙と鼻水でぐしゃぐしゃの顔のタマ。うーむ、いやすまん。今すぐロビーに戻るからな。
―野営基地
タマ「ゔあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ん゙!!」
顔から液体をいろいろ出しながら俺にしがみ付くタマ。
ヒュマ「いや、悪かったって。それにしてもよく一人で頑張ったな。偉いぞ」
うーむ、罪悪感……
タマ「え゙ら゙ぐな゙ん゙でな゙い゙も゙お゙お゙お゙お゙ん゙ あ゙だじ、びどり゙でだだがっ゙でも゙
ぜん゙ぜん゙え゙ら゙ぐな゙ん゙でな゙い゙も゙お゙お゙お゙お゙ん゙!!」
ヒュマ「ど、どーしてだよ、一人でディ・ラガン倒せたんだぞ? 偉いじゃないか、凄いじゃないか!」
しかし泣き止まないタマ。一体なんだってんだ。
タマ「だっ゙で、だっ゙で、パジリ゙ばびどり゙でづよ゙ぐだっ゙でい゙み゙な゙い゙も゙ん゙」
ヒュマ「はあ?」
さっぱりわからん。
タマ「パ…パジリ゙ばね゙、ごじゅ゙じん゙どい゙っ゙じょ゙でづよ゙ぐな゙い゙どだめ゙な゙の゙。だがら゙だめ゙な゙の゙ーーーー!!」
む……そういうことか……
パシリはあくまで主人をサポートするものであって、
パシリ一人で自立できるくらいの力を持っていても、なんの意味もないってことか……
こいつが、雨の中あの路地裏で、新しい主人をじっと待っていたのはこれか。
タマにはタマなりの、「パシリの定義」みたいなのがあって、こいつはそれを遵守したいわけか。
ヒュマ「よしよし、わかった。もう一人で戦わせたりしないから、な? だからもう泣き止め」
タマ「うぐっ えぐ ひぐっ ゔ、ゔん゙」
ヒュマ「よーしよし。じゃあ、プリン喰いにいこう。5つくらいは喰っていいぞ」
タマ「うん…ひっく… ねえ、ご主人……」
そろそろ収束に向かい始めたタマが、唐突に尋ねてくる。
ヒュマ「なんだ?」
タマ「あたし…………ひとりは、やだからね? えっく……」
まったく……可愛いのはいいんだが、難しいな、パシリってのは……
ヒュマ「ああ、大丈夫だって。ほれ、いくぞ」
タマをおぶってシティへの道を行く。
タマは、いつのまには背中で眠りに落ちていた。
ふぅ、ガーディアンズってのも大変だな……
俺は溜息を一つ、赤く彩られた大空に放つ。
とりあえず、俺の目標はタマのレベルを超えることだな。
……それがPMシステム的に馬鹿な目標だということを俺が知るのは、もう少し後のことだった。
オシマイ
我輩はPMである。名前はタロウ。
カウンターの前で変化した我輩を前に、このやろうは口をあけたまま固まりやがった。
おい、何とかいったらどうだこのやろう。
なんならもう一度チュートリアルを受けさせてやろうか。
頭に伸ばしてきたこのやろうの手を払いのけながら、我輩は真面目に説明を続けた。
右に左にうろうろ歩き回るこのやろうが鬱陶しい。あつかいに困ってるのか、ざまをみろ。
やおら目の前に座ったこのやろうが首をもたげ、我輩はようやく理解した。
なるほど、いろんな角度から見ていたわけだなこのやろう。
我輩はたったいま、戦闘に参加できると説明したばかりなのだがな。
生えた足は飾りなんかではないことを、その身に教えてやるぞ。
む、なぜ天井が正面にあるのだ。
我輩は不思議に思ったが、頭とボディの背面を床に打ち付けて状況を把握した。
このやろうの顔面に膝を叩き込もうとした我輩だったが、簡単に言えば転んだらしい。
慣らし運転は必要だったか。いや、それ以前に浮いてられないのかこのボディは。
なんという退化だ。
後ろ手を付いて呆然としているこのやろうとは目を合わせたくない。
我輩は急いで立ち上がると居住まいをただした。
文句あるのかこのやろう。
このセットしてある基板をモノメイト専用にしてやろうか。
このやろうは名前をつけなおそうとしたが、我輩は全力で拒否してやった。
我輩はPMである。名前はタロウ。
このやろう、さっき我輩のを見てなかっただろうな。
--------------
以上であります。
パシリメインの超短編、ニヤリとしていただけたなら幸いです。
>>156 ツンデレに見えてしまった俺は病気。
しかし良いネタだ、GJw
ツンボケGJw
ニヤリどころか口角が戻らないぞこのやろう。
…は!この状態で接客すれば、作り笑顔が苦手な俺もハイパーなんじゃ?
流れを無視し投下
「そのまま進んめばコントロールルームです」
『了解』
近くの岩場の穴に452の声が響く。
その声は周囲には荒野以外何もないため通信機越しの主人以外誰も聞くものはいない。
携帯ビジフォンに映るマップの光点を確認しながら主人の周りにあるカメラなどの機器をハックし麻痺させる。
有線タイプはできないが無線タイプは送受信の電波に紛れ込めば何とかなるためそれをを見つけては無効化させる。
『…到着した』
「了解。ではそこにある――」
『だがここは本当にコントロールルームか?』
452の指示を疑問の声がさえぎる。
「なにかトラブルでも?」
『ああ。ここはどう見たってただの倉庫にしか見えん』
「……どうやら支給されたマップデーターが古いか間違っていたかしたようね」
箱を開ける音や中身をあさる音を聞きながらため息をつき頭を抑える。
『そのようだな。ではコントロールセンターを自力で見つけるしかないか…』
452はある案を思いついたがこの方法は個人的にあまり好きではなかった。
時計を見るとあまり時間がない。
「近くに敵キャストかマシナリーはいる?」
『さっき倒した奴ならいるが?』
「わかったわ。それならこれから指示を出すからそれにしたがってやって頂戴」
『了解』の返事を聞くとその案を実行するために主人に指示を出した。
『――これでいいのか?』
「えぇ、ちょっと待ってて……」
そして目を携帯用のビジフォンを経由して主人の下へと意識を飛ばした。
黒キャス男は通路の気配を探りながら先程倒した女キャストを見る。
頭からはコードが延びておりそのコードは小さな四角い箱につながっていた。
「…!」
すると完全に機能停止したはずの女キャストが動き出した。
すぐさま体が反応しおかしな行動を起こしたらすぐに打てるようにする銃を構える。
「まって、私よ。体の反応が遅いから戦闘には参加できないけど敵に怪しまれず探索ぐらいはできるわ」
女キャストは両手を挙げる。
声は違うが雰囲気が自分のよく知っているものだと気づくと構えを解いた。
「……はじめからはやらなかったんだな」
「あまりこれは好きじゃないの。電波が届くところ限定だし、体の反応も遅いしね…。それに下手に攻撃を受ければフィードバックで元の方がダメージを受けかねないの」
「……そうか」
452はため息をつき体の反応を確かめるかのように腕や手を開いたり閉じたりする。
本人の言うとおり好きではないのかあまり気乗りしないといった感じであった。
「……」
「……」
ふと二人はなんとなく目が合いそのまま見詰め合っていた。
互いにフルフェイスのヘッドタイプのため表情は読むことはできないがどことなく気まずい空気があたりに漂う。
「と、とにかくいきましょう」
「了解」
まるで恥ずかしいことをごまかすかのように声を上げ、目的の場所があるところへと進んだ。
流れを無視して投下しました…
>77の続き
というか第二話みたいな感じ
452が思いっきりゴース○ハックまがいな事をやっていますが
そこはあえて言及せずにお願ぇしますお代官様(誰
次はバトルを書けたらいいなぁ…
161 :
名無しオンライン:2007/02/22(木) 01:43:08.42 ID:58DjtgnV
158「いらっさーいませ!(・∀・)ニヤニヤ」
客 「えっと…、何にしようかな。」
158「(・∀・)ニヤニヤ」
客 「…?」
158「いえ、お気になさらずにごゆっくりどうぞw(・∀・)ニヤニヤ」
客 「は…はぁ…、じゃあこのスケドで。」
158「分かりました、スケープドールですね(・∀・)ニヤニヤ」
客 「は…はい…。」
158「(・∀・)ニヤニヤ」
客 「………。」
158「(・∀・)ニヤニヤ」
客 「え…っと……」
158「?(・∀・)ニヤニヤ」
客 「このメセタ…」
158「?(・∀・)ニヤニヤ」
客 「あ…、あー……そ、そこにいるPM、か、可愛いですね。」
158「どうもw(・∀・)ニヤニヤ」
客 「それでえっと…、スケドを…」
158「?w(・∀・)ニヤニヤ」
440「おっさんにはGRM製を用意しておいたぞ」
そう言って一丁の短銃を差し出す440。
中年ヒュマ「パイソン!生きていたのか!…じゃなかった…パイソンか」
持っていた煙草を口にくわえ、それを受け取る中年ヒュマ。
中年ヒュマ「おっ…これは……」
440「どうだ?」
中年ヒュマ「鏡のように磨き上げたフォトンケージ…強化リアクターだ」
中年ヒュマ「更に本体との接続をタイトにして威力を上げてある」
中年ヒュマ「サイトシステムもオリジナル、サムセイフティも指を掛け易く延長してある…」
中年ヒュマ「トリガーも滑り止めグルーブの付いたロングタイプだ」
中年ヒュマ「グラインダー強化に…ハイグリップ用に付け根を削りこんだトリガーガード」
中年ヒュマ「それだけじゃない。ほぼ全てのパーツが入念に吟味されカスタム化されている」
その短銃の素晴らしさに感嘆し、賛辞を送る中年ヒュマ。
チャキッ
部屋に設置された射撃用簡易ターゲットに向かって銃を構え、引き金を引く。
カチッ
ボッ
しかし、銃口から出たのはフォトンの弾ではなく、バンフォトンの火。
銃口から可愛く飛び出した火で440が口にくわえた煙草に火を付ける。
440「げほっ!げほっ!…けふっ…おぇっ…まっずぅ………気に入ったか?」
中年ヒュマ「………」
すまない、MGSネタなんだ
MGS3の公式にあるおまけムービーの「アメリカ製」を見ると幸せになれる…か?
>>90>>132 いよいよ物語も終盤戦に突入か
しかし中年ヒュマがどんどんスネークのように…w
MGSファンとしては嬉しい事態なんだぜ?
>>106 このほんわかした雰囲気はヒュマ助作者様に似てるな、と思ったら本当にそうだった
この主人のスペックの高さにやられたぜ
>>140 もう少しで誘惑に負けそうだったビス男にフイタ
…最近どうも酒を酌み交わすおっさんとビス男の画が脳内に浮かんでくる
そんな訳でいつか借りるかもしれないんだぜ
>>149 これはもはや兵器
>>155 422は単騎でラガン倒すなどとそんなまさか・・・いや420の進化系ならあるいは・・・?w
>>156 膝蹴りかまそうとして仰向けに倒れるとは器用な
人型に進化したばっかりだとやっぱみんなそうなったりすんのかなぁ・・・w
>>159 小さな四角い箱を読んで[´・ω・`]←これを思い浮かべてしまった・・・w
>>163 このネタ好きだったなぁ・・・w
しかし何気にMGSだけじゃなくMGPのネタも混ざってるのが細かいな・・・w
亀レスですが
>>138カワイー
私こういう絵大好きです
和んだわー
>>156 こういう味のある単発ネタは大好き
と言うか自分的に目指したいネタの道ですわw
イベント開催で盛り上がってくる前に、出し逃していた分を投下。
色々あってタイミングを逃したけど、微妙にバレンタインシーズンネタです。
たまには重くない話を書こうと思ったのに、内容はともかくまた文字ばっかりになってしまった。。。
169 :
1/7:2007/02/22(木) 14:33:48.46 ID:wDHhhi2Q
※このSSは必要に応じてPSU-WikiのGH44xの台詞一覧などを併用しつつご覧下さい。
ttp://psu.fei-yen.jp/wiki/html/DB2FA5D1A1BCA5C8A5CAA1BCA5DEA5B7A5CAA5EAA1BC2FGH44X.html 「あ〜ら 弱そうですね〜」
二月上旬、冬とは言え昼下がりなら割と暖かい。
私とご主人様はラフォン草原で凶暴化した原生生物を鎮圧して回っていた。
「……」
「あら 痛かったかしら」
ツイングラブターの直撃を受けたポルティが倒れた。
「…随分変わったなぁ」
不意にご主人様の声が聞こえて、振り向く。
ご主人様はクレアソードでポルティの群を凪ぎ払っていた。
4体のエネミーを意識してまとめて斬る事で剣の修行になる、ということらしい。
ガーディアンズがトルネードブレイクの4体当てを認可してくれればあの武器ももっと役に立つのに…
そんな事を思いつつ、ご主人様の援護に駆けつける。
「私のほうが可愛いですから」
また一匹、ポルティを沈める。
「いやまぁ、ポルティと比較してもな…」
ご主人様が軽く苦笑しながら残りのポルティを一掃した。
「お見事です。えーと、今何かおっしゃってました?」
「あ、いや、お前も随分変わったなぁ、と思ってな」
ひとまず付近のエネミーも居なくなったので、武器を降ろす。
「そうですか?」
「ああ、戦闘能力も随分上がったし、後はやっぱり発言が随分強気になったというか何というか」
「ありがとうございます、でも後半は言語辞書の問題ですので…別に本質的に変わったわけではありませんよ」
戦闘能力について褒められるのは素直に嬉しい。ご主人様の役に立てていると言うことなのだから。
170 :
2/7:2007/02/22(木) 14:34:16.81 ID:wDHhhi2Q
「はは……まぁお前自身が満足しているなら問題ない。ちょっと泣き損だったな」
「なっ…!みなさん どんどんいきましょ」
自分の顔が熱を持つのを感じ、強引に誤魔化して前に進む。
パートナーマシナリーの進化デバイスは性格まで変える。
カタログの類にはそう書かれていて、私は自分が自分でなくなるのではないかと随分気にした。
というか、怖くなって泣いてしまった。でも、ご主人様の優しさに包まれ、元気を取り戻した。
……という感動的なエピソードがあったというのに、
結局変化したのは武器、PA、服装、それに声帯データと対になった発言辞書のデータセットだけだった。
別に人格に変化があるわけではない。
確かに端から見れば声と発言が違えば性格が変わったように見えるかも知れないが…まやかしだ。
ご主人様も分かっていて冗談半分で言っているのだ。もうっ、GRMめっ。
…とはいえ、GH440からGH441に進化したのは良かったと思っている。
やはり大きいのは武器だ。
いや、武器自体は、ネックだったショットガンも土壇場でシッガ・ボマが配布されていたので
GH440時代と比べて大きな差はない。
武器に装填されているバレットの変化が大きかった。
GH441型のショットガンに装填されているのは『バラタ・チャンムガ』。
ガーディアンズ研究開発部で新たに開発されたバレットで、まだ一般ガーディアンズには解放されていない。
装備に最適化されて設計されているPMは安定性が高いためか、
我々はこういった未解放PAやら新型武器やらを結構先行投入されている。
一部、主人にPA教えろとか武器貸せとか言われて困っているPMも居るようだけど…。
さて、この『バラタ・チャンムガ』、他のPAにはない『魅了』という特殊効果を持っている。
この効果にかかった者は一定時間の間攻撃者に言葉の通り魅了され、他の物が目に入らなくなる。
手当たり次第に近くの物を攻撃し始める『混乱』とはまた少し違った効果だ。
まずはショットガンの5発の弾丸を敵の群にばらまき、魅了効果にかけ、
まるで…というか実際にハートを振りまいて私に寄ってくるモンスター達を、
ショットガンやツインハンドガン、時には槍で仕留めていく。
攻撃しやすいし、それに、敵を引き付けることでご主人様の負担を大きく減らせる。
これで、この間みたいに私がまごついている間にご主人様が傷つくなんて事が少しでも減ってくれれば…。
…。
……誘惑してはトドメを指すって、私って『悪い女』って奴なのかしら?
ごめんなさいね〜♪
なんて呟いてみたりして。いや決してノリノリだったわけでは。
171 :
3/7:2007/02/22(木) 14:34:39.71 ID:wDHhhi2Q
…それにしても、モンスターの愛情表現はどうやら『攻撃』らしいのが困りものだ。
コルトバみたいに―痛っ―体当たりならまだ―痛っ―分かるが、
今戦って―いたっ―いるヴァーラの場合は―イタっ―、こんな風に爪を振り上げ
だから痛いってばッ!
どしゅん!う゛ぁー…
ショットガンのゼロ距離射撃を下腹部に受けたヴァーラが悶えながら沈む。
ふう。
いくらモテても、ヴァーラじゃ願い下げね。顔、コワいし。
この他にも、パルチザンで接近戦も出来るようになったし、レスタの回復量も引き上げられた。
HP/リストレイトのおかげでご主人様に回復して貰う頻度も減ったし、進化して良かったと思う。
それに台詞に関しても、ちょっと高飛車な感があるのを除けば不満があるわけではない。
(……今何か、赤い殺気を感じたような…)
というか、所詮こんな物は『標準設定』というだけなので、
その気になれば使わないことも可能だ。普段から自由な言葉遣いで会話しているわけだし。
ただ、データセットを使う方がCPUの負担を軽く出来るので、戦闘中はこちらを使うことにしている。
その上で、440時代のデータセットはちょっと落ち着きがない感があるから新しい方。
441版だと声帯データが大人っぽくなるのは素直に嬉しいし…
「これがパートナーの実力よっ」
何より、この台詞が大好きだ。あの時ご主人様が言ってくれた、
『無理に変わる必要なんか無い。…お前は俺の大切なパートナーだよ』
という言葉をつい思い出してしまう。
「441、どうした、にやにやして」
「なっ…!みなさん どんどんいきましょ」
あ、これ二回目だった。
172 :
4/7:2007/02/22(木) 14:34:56.33 ID:wDHhhi2Q
……
「お、ラッピーか」
不意に行く手の茂みから、希少種であるラッピーが飛び出してきた。
その数の少なさからガーディアンズでは殺すことを避けるよう指示されている一方、
会えるのは幸運の証として『幸せの鳥』等と呼ばれていたりもする。
で、普段のラッピーは黄色い鳥だが、今回はピンク色で全身ハートマークに彩られていた。
何かイベントと関係があるらしいが私は良く知らない。
ていうか、これは…
「かっ …私のほうが可愛いですから」
「今日は運が良いのかも知れないな…ん?今何か言いかけたか?」
「何でもありませんッ」
危ない危ない、思わず台詞を間違えそうになってしまった。アレ子供っぽいからなぁ。
とりあえず手近なラッピーを一体見定め、一定距離を保ったままで周りを回る。
綺麗なピンクだなぁ…ふかふかだし、ハートも相まって顔もいつもよりも可愛く見える。
可愛い……。
きゅいっ
と、ここで横からの鳴き声に視線を向けると、他のラッピーが横に立つご主人様を突っついている。
「ふむ、残念ながら敵は敵、か」
ご主人様が再びクレアソードを構える。
そうだ、ぼーっとしている場合じゃなかった。
ラッピーと言えど凶暴化している以上、戦わないと。
ばしゅん
間近なラッピーにショットガンを放つ。流れ弾が奥のラッピーにも当たったようだ。
あ、一発で魅了効果が入った。ハートばらまいてる。
……。
あの……。
ピンク色のラッピーが…ハートをばらまきながら寄ってくるんです……。
しかも複数なんです……二匹です……。
……これは……。
173 :
5/7:2007/02/22(木) 14:35:15.92 ID:wDHhhi2Q
「かっ かわいい!!」
思わず叫ぶ私にご主人様が反応する。
そして冷静な突っ込み。
「…441、台詞が戻ってるぞ」
あ。
「可愛いけど 敵は敵! 容赦しないで下さい」
「それはもっと違うだろ…」
「えー、あう…」
「まぁ、遊ぶなら程々にな」
ご主人様はやれやれと言った感じで笑っている。
だって可愛いんだもの……だって……許可がでたから、暫く遊ぼう。
言い訳しようかと思ったが、すでに私のメインCPUはほぼ全ての処理能力をラッピーに傾けていた。
その場に座り込み、ラッピーのお相手。
きゅいきゅい、きゅいきゅい、ぴーぴー
拝啓、星霊様。今日もラフォン草原は平和です。私は幸せです。
174 :
6/7:2007/02/22(木) 14:35:40.32 ID:wDHhhi2Q
……
『チカラをお貸しください〜』と自動反応しかけて、ふと我に返る。
15分ぐらい経ったのだろうか。
いくら防御型で自己修復機能搭載でも、二体のエネミーに突つかれ続けては回復が追いつかないのか、
私の耐久値はイエローゾーンまで落ち込んでいた。
気が付いてみれば髪の毛もめちゃくちゃだ。シールドラインがなかったら服やリボンも酷かったんだろうなぁ…。
潮時、かな。
とりあえず立ち上がってセプタラを取り出し、3回レスタ。良しOK。
さて、後は今もなお突っついてくるこのラッピー達……
うーん、どうしよう、魅了効果とは関係なく、敵は敵なんだよなぁ…。
私もガーディアンズだから、仕事は果たさないといけないし…。
ぱんぱん
「やっちゃいましたっ」
仕方なくバレットマスターで一撃加えると、ラッピーは一瞬倒れ、地面に逃げていった。
動けるみたいで良かった…ごめんね〜。
それにしても可愛かったなぁ。ミッションでラッピーに会えると本当に幸せだ。
ご主人様にそれとなく伝えてみたらラッピーに会えるミッション増やしてくれるだろうか。
……てっ!そういえばご主人様は?!
ご主人様! どちらにおられますか〜
振り向いてみると、ご主人様は道端の大きな岩に寄りかかって座り、こっちを見ていた。
私が気が付いたのを見ると、軽く手を振ってくれる。
どうやらずっと眺めていたらしい。う、うーん…なんか恥ずかしい。。。
175 :
7/7:2007/02/22(木) 14:35:59.48 ID:wDHhhi2Q
駆け寄ろうとして、足下で何かが動いたのが目に入る。
足下にあったのは、ラッピーの羽根。
ふわふわで触り心地も良いし、色も綺麗だ…
ピンクのラッピーなのに何で黄色いのかちょっと気になるけど、持って帰ろうかな。
これ持ってたら、いつかまた会えるかなぁ……。
...
..
.
.
……
ラッピー・アムレ「絶対また会ってやるっぴ!」
ラッピー・ドクタ「こらこら、大声出すと傷に障るっぴ」
ラッピー・アムレ「そんな事言われても、あんなに美味しそうな物は初めて見たのだっぴ!」
ラッピー・ドクタ「美味しそうって…いくら何でもお腹こわすっぴよ……」
ラッピー・アムレ「それも本望だっぴ!絶対あのパシリを見つけだすのだっぴ!」
ラッピー・ドクタ「分かった分かった……とにかく今は大人しく寝てろっぴ…」
ラッピー・アムレ「誰がなんと言おうと、僕は絶対あのショットガンを奪って食べてやるのだっぴぃぃぃ〜〜〜!!」
おしまい。
…と言う訳で前々スレ
>>508のエピローグ+αでした、と(うは、一ヶ月前…)。
台詞ネタは440・441が戦ってるのを見たことないと分かり難くて申し訳ない。
にしても、進化後の事なんて知らないであの話書いたのに、
いざ進化してみたらエピローグに使えそうな要素満載でびびったのぜ…。
でもやっぱり、結局中身は440。
自分で書いてるから当たり前かも知れないけど、ラッピー・ドクタ(医者)が凄い頭に浮かんで困る…
149の続きを投下です。
クライズ・シティ1F ロビー
ガーディアンズ宿舎に続く扉が開き、一人の男が一体のパシリを引きずりながら現れた。引きずられるGH-430には、どこか生気がない。
しっかりした足取りで、男はエレベーターホールへ歩いてゆく。その様子をちらと眺めた一人の沼男が、自然な足取りで後を追い始めた。
男「さっさと歩け」
430をせきたてる声には、一片のいたわりもない。エレベーターに入る二人のすぐ後に、沼男は身を滑り込ませた。
男「何だ、貴様は」
沼男「通りすがりのニューマンプロトランザー。略して沼虎さまだ」
にやりと笑う沼虎。何かを言おうとした男の身体が、そのままの姿勢で凍りついた。
沼虎「事情は知らねえけどよ、よくないと思うぜ? 他人んトコのパシリを勝手に連れ歩くってのは」
4Fに着いたエレベーターの中から、沼虎が430の手を引いて駆け出した。
男「ま、待て…」
氷漬けから解放された男がドアに手をかけたところで、再び凍結した。
沼虎のマイルーム
沼虎のパートナーマシナリー、GH420は不機嫌だった。散々クバラ散弾銃を合成させられて、その上に斧の合成まですることになった。
それだけならまだしも、肝心の沼虎は「じゃ、たのむわ」とだけ言い残しダグオラ・シティの酒場へ行ってしまった。
420「あの甲斐性なしのバカ虎っ……帰ってきたら、文句のひとつでも言ってやるんだから!」
そんな420が待ち受けているところへ、ぐったりした430を抱えた沼虎が帰ってきた。
420「ちょっと、こんな時間まで何やってたのよバカ虎っ! しかも、女の子のお持ち帰り!? まったく、ヒトに合成頼んどいて
どーいう神経してんのよ!」
沼虎「ああ、悪い悪い。そう怒んなよ。ホレ、土産も買ってきたことだし」
わめき散らす420の口に、沼虎が何かを突っ込んだ。
420「なっ……もぎ……もぎ……っっっ!!」
言いかけた420が、口から火を吹き出した。
沼虎「バーニング・スパイシアってんだ。スパイシアを極カラにしたやつ。どーだ、うまいだろ」
420「なんっっっっっっってことすんのよバカ虎!!!」
軽く飛翔刃連斬を叩き込み、沼虎の落下に合わせて閃転貫斬牙を食らわせる。転がって悶絶する沼虎の襟首を捕まえ、さらに容赦ないコンボをぶちまける420。
一分ともたず、沼虎はK.Oされた。
420「さっさとそこの娘を、お店に帰してきなさい!!」
ボロ雑巾のようになった沼虎を蹴り出しながら、420が叫ぶ。あまりの大音量に、430がびくっと身を震わせた。
420「なによ、あんたも素直に着いて来てんじゃないわよ! 沼虎には、あたしっていうパートナーがちゃんといるんだから! あんたなんか、
お遊びの、気まぐれのお持ち帰りなんだから!」
430を怒鳴りつけた直後、420は後悔していた。この子に怒っても、どうしようもない。悪いのは、全部あのバカ虎なのだから。
420「あ……」
430「ア゛ッー! ごべんな゛ざい゛ー!」
やつあたりしてしまったことを謝ろうとした矢先、目の前の430がいきなり泣き始めた。
沼虎「おいおい、ダメじゃねえか。こんなチビを泣かしちゃ」
420「誰・の・せ・い・だ! このバカ虎あぁっっ!!」
さっきのよりもさらに凄絶なコンボを叩き込む420。肉を乱打する鈍い音と430の泣き叫ぶ声が、マイルームに響き渡る。
沼虎のマイルームに静寂が訪れるのは、当分先のことになりそうだった。 つづく
乱打される沼虎ワラタw
「…私は、PMに感情を与えるのは反対です」
「反対する理由を聞こうか。…主任」
「彼女たちはマシナリです! キャストではないんですよ!
未だ生存に権利のない彼女たちに「感情」とはあまりに酷過ぎる!」
「まさしく感情論だね。…君はそれでも技術者の端くれか?
『感情効果による性能向上』。現実を見たまえ。この数値は無視出来る値かね?」
「しかしながら…ッ」
「テノラ社が開発したマシナリは、我が社のPMの性能の上を行く。
PMの性能向上はこの数年頭打ちだ。…動作の効率化だけではもうどうにもならん。
このままでは確実にシェアを奪われるぞ?
そうなれば、現在ガーディアンズに配備されているPMと、今なお生産ラインを埋めるPMと、
併せて一万体を超える『君たちの娘』は、どうなるね?
感情論を振りかざすのであれば、…物言わぬ『彼女たち』へも感情を向けてはどうかね?」
「…私たちが…、現行のPMに、テノラ社製マシナリを越える性能を与えることが出来れば…、
感情機能による性能向上に頼る必要はないでしょう…?」
「無論だ。――それが可能であるのならね」
「半年です。…半年猶予を下さい…。必ず…、越えてみせますから…!」
「長すぎる。三ヶ月だ」
「そんな――!」
「主任。君は優秀な技術者だが、まずは企業人としての常識を身に付けるべきだな。
話は以上だ。…三ヶ月後の報告に期待しているよ」
「感情効果による性能向上ですって…!?
泣いたり、怒ったり、笑ったりするということが…、そんなくだらないことに使われてたまるか…!
そんなことの為に心を与えるなんて、私には出来ない! そんなことは許さない!」
「私は…! 私の『娘たち』に、そんなことの為に笑って欲しいなんて思わない!」
私の母親の記憶は…、おおむねこの頃に縛られる。
もっともっと以前からの記憶もあるだろうに、…それがあまりにも、焼き付いてしまったからだろう。
母はラボに籠もりきりとなり、滅多に家には帰ってこなくなった。
時折ふらりと帰ってきては、やはり寝る間も惜しんで研究に没頭していた。
声を掛けようにも…、やつれきった母の顔は、まるで鬼のように歪んでいて…、
私は怖くて、母に何も言葉を掛けることが出来なかった…。
「強度計算からやり直させなさい…、こんな数値では駄目よ…」
「しかし主任…! この数値でさえ、現在のGRMの最高水準の二ランクも上なんです!
これ以上の数値はどう足掻いても見込めません!」
「…なら、その強度計算の資料を全部私に寄越しなさい。…私が引き継ぐわ」
「無茶を言わんでください主任! いくら貴方でも…!」
「貴方たちが出来ないというから私がやるの!」
父は早くに死んだ。
私の家は、私と母の二人きり。…母はGRMの技術主任を務めており、それなりに裕福な家だったと思う。
母の仕事は忙しく、長く家を空けることもあったが、仕事を終えて帰ってくる母は、
とても優しく、明るく、ユーモアに溢れ、――私は母が大好きだった。
スクールのテストでとった100点を見せるたび、顔をくしゃくしゃにして喜んでくれる母を見るのが大好きで、
私は遮二無二勉強に打ち込んだ。…母が笑ってくれるからだ。
私の家は幸せだった。何事も上手くいっていた。…幸せだったんだ。
母が変わったのは、PM研究についてからしばらく経った後だった。
順風満帆に思えたPM研究は、性能向上が頭打ちになっていたこともあり、随分前から暗礁に乗り上げたのだ。
それに追い打ちを掛けるかのように感情回路導入の問題が持ち上がり、…母の顔からは明るさと余裕が消えた。
当時の私は十六歳。…物を思うにはあまりにも幼すぎた。
私がこの歳に至るまで、仕事と家庭と、その危ういバランスを必死で保ち、
私という存在に母がどれだけ腐心していてくれたか。
そのことに気付けなかった私は…、
次第に、私という存在を無視して仕事に没頭する母に…、寂しさと悲しさと、憎悪を覚えるようになっていった。
「どういうことよ…! どういうこと…! どうしてテノラに出来ることがGRMに出来ないの!?」
「落ち着いてください主任!」
「一から設計を組み直すわよ。どこかに何か原因があるに決まってる…!」
「…感情回路の導入を…、するべきです…」
「――何て言ったの…?」
「感情回路の導入をするべきです! PMが現状を超える方法は他にはない!
主任! 貴方以外の全員が、もうそれに気付いているんですよ!」
「言ったはずよ! 私は性能向上を目的とした感情回路の導入なんて認めない!」
帰宅したときの母の生活は、日に日にすさんでいった。
取り憑かれたように仕事をする傍らで…、浴びるほどに酒を飲む。
肌は土色に染まり、目は虚ろで、――もう、私など見えてはいないようだった。
家の中ですれ違っても目も合わせない。当然会話なんて無い。
私の家は…、二人で住む、独りぼっちの空間になっていた。
私は知っていた。
母が、PMを「娘」と呼んで、その研究に全てを費やしていることを。
母さん…、母さん…、ここにいるよ…?
母さんの娘は、ここにいるんだよ…?
どうして私を見てくれないの…? どうして何も言ってくれないの…?
母さん、母さん。…私ね、スクールで一番優秀になったのよ…?
先生方も皆仰って下さるの。このスクールから貴方のような天才を輩出することは、この上ない誉れだ、って。
私ね、母さんみたいな優秀な技術者になりたかった。
誰もがその才能に憧れて、誰もがその才能に敬服する、貴方のような技術者に。
そう、「なりたかった」。
今はもう違う。
『私は、お前のような奴にだけは、…なりたくない』
「どうしたの! どうしてラインが止まっているの!」
「…もう、限界なんですよ…!」
「何を言っているの…? ああ、それよりこれを見て! 夕べ家で仕上げてきたの!
この計算式でなら、PMの出力を…」
「もう限界だっつってんのがわかんねェのかよアンタはァッ!
今のこのラインから生まれてくるPMを見たか!?
過剰出力に耐えきれず、起動二分で自壊してしまうPM!
テクニックの制御が効かず、自らをも標的として自爆してしまうPM!
情報処理能力の欠陥から、接触したCPUの全てを破壊してしまうPM!
そんなのが十体に一体は生まれてくるんだ!
10%だぞ!? 総数の10%が欠陥品だなんて、誰がどう見たって異常だろう!」
「…だ、だから、この計算式でなら…」
「誰もがアンタが好きだった! 誰もがアンタに憧れてた!
だから誰も言わなかった! 言えなかったんだ! あんまりにも悲し過ぎて!」
「何、を…」
「アンタが持ってくる…、計算式も…! 図面も…!
もうずっと前から…、狂ってんですよ…!
滅茶苦茶だ…、ガキが見たって値がズレてるのがわかるくらいだ…!
主任…、主任…!
何でこんなことになっちまったんですか!?
俺たちは大事な娘を育てていたんじゃないんですか!?
もう見てらんねぇんですよ!
イカレちまったアンタも! イカレて生まれてくる俺たちの娘も!
どうにかしてくださいよ…、頼むから…どうにか…、してくださいよ…」
そう。
母は、極度のストレスと過度の過労から…、とうに精神を患っていた。
数ヶ月ぶりに母は帰ってきた。
仕事の合間にではなく…、数ヶ月ぶりに、休む為に。
でももう、その数ヶ月で、私の家は滅茶苦茶だった。――私たち親子の関係は。
母は日がな一日、窓から空を眺めていて…、
時折、思い出したかのように、腕に抱いたスケッチブックにペンを走らせる。
食事を運ぶ為に部屋を訪れた私は、ある時、ふと、そのスケッチブックを目にした。
そのスケッチブックに描かれるのは…、壊れた心で母が夢見る娘の姿。
そう。それは私ではなく…、PMの姿。
母の前に食事を置く手が震えていた。
心が片端から重く冷たく凍り付いていく。
まだどうにか頑張っていける、と、根拠もなしに信じていた気持ちが、音を立てて崩れ落ちた瞬間だった。
…こんな母親、…いなくなってしまえばいい。
…母が作ったパートナーマシナリーなんて、…みんな地獄に堕ちたらいい。
心には、力がある。
PMが期待値以上の性能を発揮するように。
――数ヶ月後、私はそれを思い知った。
その日、たまたまふらりと外出した母は…、交通事故で死んだ。
即死だったらしい。あまりにもあっけなく、母はいなくなった。
「いなくなってしまえばいい」と望んだ私の願いを叶えるように。
研究チームにおいて、唯一の「感情回路導入否定派」だった母がいなくなり、
GRMはすんなりとPMへの感情回路導入を決定した。
その決定がPMを、まさしく地獄に突き落としたのだと知ったのは、私が二十五になった時。
何の因果か…、GRMのPM開発部門に携わることになった私は…、
そこで地獄を見た。
心は感情を生み、感情は力になる。PMは格段の進化を遂げたが、GRMはそれより更に上を要求した。
その要求がもたらしたものは、より強い感情を生む為の、実験だ。
偽りの優しさ、偽りの愛情、偽りの思慕。…見ている者の心を磨り潰すような、人外の実験。
それだけじゃない。感情とは負に傾いても力を発揮するものだから。
拷問、虐待、陵辱、…ありとあらゆる肉体的、精神的暴行。
そして、度を超したそれらによって破壊されたPMの…、あまりにも粗末な破棄…。
彼女らは心と体を絞り尽くされて感情を吐き出し、
その「データ」は解析されて、新しく生まれる彼女らの血肉となって、
PMは、ガーディアンズという「実地実験場」へと納品されていく。
GRMはもう、PMを「生活支援マシナリ」して見てはいなかった。
GRMは、極秘ながら、PMに「人型兵器」としての完成を望んでいることを、…知った。
――私が望んだからだ。
――私が、母さんなんかいなくなればいいと、そう望んだからだ…。
――私が、PMなんか地獄に堕ちたらいいと、そう望んだからだ…。
「ねぇ?」
「なぁに、おかあさん」
「妹がいたら、嬉しい?」
「いもぉと? うん。あたしいもぉとほしい。いたらすごいうれしい。
えへへ、あたしおねぇちゃん」
「母さんね。いつかね、新しいマシナリを作ろうと思うの。
それは何でも出来るマシナリだけれど…、私は、人の側にあってこそのマシナリにしたい。
今はまだまだ私の想像の中だけでね、何一つ形になんかなってないけれど…、
一緒にご飯を食べたり、一緒に本を読んだり、一緒に笑ったり出来るマシナリよ。
何でも出来るけど…、それは別にすごいことじゃなくて、それはすごく、当たり前のことで…。
家族のようなマシナリなの」
「うむぅ…、よくわかんない」
「あはは! そうか、よくわからんかぁ…。
母さんねぇ…、思うんだ。人の心は人が癒してくれる。
父さんはいなくなってしまったけど、私には貴方がいてくれた。
でも世の中には…、全て無くしてしまう人だって大勢いるのよ。
そんな人の心を一生懸命癒してくれて…、それでいて、自分も幸せを感じられる。
そんな、家族のような…、私にとって貴方のような、そんなマシナリがいたら、
きっと幸せなことだと思うんだ…」
「うむぅ…、やっぱりよくわかんない」
「よぉし、ならわかりやすく言ってあげよう。
そりゃあもー、可愛くて可愛くて仕方ない妹を生んであげる!
だから貴方はりーーーーーーっぱなお姉ちゃんになりなさい!」
「うんー! あたし、りっぱなおねぇちゃんになるー!」
「あははははははははははははははははははははははっ!」
忘れていた言葉を思い出すのは、いつだってこんな時だ。もう全部手遅れになった後だ…。
母は、優秀なマシナリが作りたかったんじゃない…。
その為に、病んでまで研究に没頭していたんじゃない…。
母は、最後まで、PMの心を「兵器」に売り渡したくなかったんだ…。
母の遺品で、たった一つだけ処分出来なかったスケッチブック。
怖くて怖くて…、ただの一度もめくったことのなかったその全てを、私はその日、初めて見た。
数式や文字、細部設計の図面、PMの外観デザイン。
それらが書き連ねられたスケッチブックの最後のページには…、
母が理想として夢に描いたPMと遊ぶ…、幼い頃の私の笑顔と…、
それを笑ってで見守る母の姿が…、描かれていた…。
母がPMを「娘」と呼ぶのは当然だったんだ。
…だってそれは、私の妹だったから。
母は、ずっと私への罪悪感に苛まれていたんだ。
…幼い私と約束したこの夢の絵を、現実にすることが出来ないと知ったから。
ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。
おかあさん、ごめんなさい。おかあさん、おかあさん、おかあさん!
スケッチブックにぽたぽたと涙を落としながら、
どれだけ謝っても、どれだけおかあさんと繰り返しても…、
もうこの部屋には、…私以外の誰もいなかった…。
…ストミの影響でしょうか、私はかなりGRMに「悪役」を求めているようです…。
その結果が生み出してしまったのが今回の話…、という流れです。
かなりしんどい話ですが、あくまで「小ビス子ワールド」の出来事です。
PSUの裏が実際にはこんなんでないことを、切に祈ります…。
俺の目に迸る文才が光の早さでうぉっまぶしっ
悲しすぎるぜ…(´;ω;`)ブワッ
小ビス子氏スゲーーーな!!
何か読んでて吸い込まれる感じだ。
そして、脳内で文章に対する景色が浮かんでくる。
何か幼稚な感想でスマナイが素直な感想。
続き超wktk!!
>>177 この430にはある種の人をひきつける能力があるようだ・・・
ただよってきた人間が片端から不幸になっていくが・・・w
>>183 実際のところGRMはストーリーで怪しいとこがある+ソニチの影響で自然と敵になるんだよなぁ・・・w
この辺のストーリーは小ビス子ワールドの話と言わずに似たような構図はほかのみんなにもあるかも
187 :
1/3:2007/02/23(金) 01:40:16.48 ID:l4dUkEkb
空中に紫色の不気味な光を帯びたオンマゴウグが1体。
「雷が来るぞ!気をつけろ!!」
1人のガーディアンズの声が響く。
その瞬間、轟く雷鳴。
「うわあ!!」 「レスタっ!」
1人のキャストが逃げ遅れ、雷が直撃した。
…が、傷はほとんど無い。
落雷の直後、即座に唱えられた、ある者のレスタのおかげだ。
「た、助かった!…って、うわああ!!」
安堵したのも束の間、キャストは再び驚きの声を上げる。
いつの間にか地面に降りていた、オンマゴウグの左手が
今まさに、キャストに向かって一直線で振り下ろされようとしていた。
「ふせてくださいー!」
響くのは、先ほどレスタを唱えた者の、まっすぐな声。そして。
―――――――― 一閃。
鋭い光の矢が、オンマゴウグの左手ど真ん中を貫いた。
もちろん、正確に当たったとしても「矢」だから、威力はあまり無い。
オンマゴウグが怯んで動きが一瞬止まった。それだけ。
――――――――――― だけど 私にはそれだけで十分。
422「しゅわーーーーーーーーーーーーーっち!!!」
勢い良く助走をつけて飛び込んだ私は、自分の何倍も大きいオンマゴウグに
最っ大のパワーをこめた『拳』を叩き込んだ。
…クリティカルヒット。
オンマゴウグは悔しそうな声を上げながら、崩れ去った。
その声が、ミッションの終了を告げた。
188 :
2/3:2007/02/23(金) 01:41:44.03 ID:l4dUkEkb
「お疲れ様!」「お疲れー」
皆で声を掛け合う。そして。
422「御主人ーー!お疲れ様です!」
私は、まだ弓をかかえたままの御主人の所へダッシュした。
そう。さっきの矢を放ったのは、他でもない私の御主人だ。
ヒュマ子「おつかれさまですー。すごかったですよ、422っ。」
私の身長にあわせてしゃがんでくれた御主人は、私の頭をやさしく撫でてくれた。
緩んだ顔のまま、御主人を見あげる。
…さっきまでの御主人とおんなじ人とは思えないなぁー。
御主人は2つの顔を持っている。…いや、人格がかわる、とかではなく。
1つは普段の顔。もう1つは…ガーディアンズの顔。
普段はのほほーんとして、とてもおとなしそうな御主人だけど
おしごとをしている時の御主人は、すごくまっすぐで的確にうごいて…
そう、カッコイイんです。
初めて御主人と一緒にミッションをするガーディアンズは、たいていその意外性に驚きます。
…けど、ミッションが終わると、やっぱりいつもののほほん御主人なんだよね。ふしぎ。
「…おい。」
突然回りが影で暗くなった。
御主人のさらに上を見上げると、そこには先ほどのキャスト。
むぅ。このキャスト、ミッション前に
「こんな奴がいたら、ミッションクリアランクが下がるだろ!」と
御主人を追い出そうとしたキャスト。
…まだ何か文句あるんですか。そしたら今度は大声だけじゃなくて手ぇ出しますよ?
ナックルをキュっと構える。
…が、その後続いたキャストの言葉に、私はナックルを下ろした。
「…悪かったよ。見た目で判断して。あんた、すごいんだな。」
ヒュマ子「いえいえっ。お役にたてたのでしたら幸いですよー。」
「もし、また危険なミッションに当たったら、あんたを頼りにさせてもらうよ。
だから、もしあんたも助けが必要な時は、遠慮なく呼んでくれ。」
ヒュマ子「はいい、ありがとうございますー!
わたしでよろしければ、いつでもお手伝いさせていただきますよっ。」
…実は、これも良くあるやり取り。
最初は御主人を認めてくれなかった人も、最後はちゃんと認めてくれるようになるんだよね。
こういう縁がきっかけで、御主人の所にはたびたびヘルプの声がかかる。
あまり表立ってはいないけど、実は御主人、かなりの人の信頼を得ているんだよね。
きっと御主人は意識はしていないと思うんだけど。これはたぶん人徳ってやつ?なんだろうなぁ。
…ただ、最近知らない間に人脈が広がっている事も多いんだよね。
変なお友達がふえていないか、422はすこーし心配なのですよ?
…ま、こうやって御主人が認められることは
マシーナリー…少なくとも私にとっては、なによりも1番嬉しい事なんだよね。
えへへ。
189 :
3/3:2007/02/23(金) 01:42:58.05 ID:l4dUkEkb
422「疲れましたねー。」
ヒュマ子「ですねー。本当におつかれですよー。
じゃあ、おしごともおわりましたし、どこかのカフェで休憩しましょうかっ。」
422「やったあ!賛成で…」
ピピピピピピ
私の言葉をさえぎって、通信機の呼び出し音がなった。
422「…ヘルプですね。」
ヒュマ子「…ヘルプですねー…
422、ごめんです。お茶はもうすこしだけがまんしてくださいー…」
422「問題ないですよ、お仕事ですから。それよりも急ぎましょう!」
ヒュマ子「ありがとうですよー!そですね、いそぎましょうっ。」
ヒュマ子「おまたせさまですー!」
「ようー、助かるぜ!
紹介するよ。これが今話していた例のヒュマ子とそのマシーナリー。」
ヒュマ子「どもも、はじめまし…」
422「誰が『これ』ですかーー!」
「……ごめんなさい。失礼だけど、あなた本当にガーディアンズなの…?」
ヒュマ子「ええ、一応そうなんですよー。」
422「御主人はれっきとしたガーディアンズですっ!」
男の人が御主人の頭の上にぽん、と手を置いた。
「そうなんだよー。こいつ、見た目はこんなんだけど、実力は俺の保障済みだぜ!」
422「誰が『こいつ』ですか!!
誰がっ!『見た目はこんなん』なんですかーーー!!」
ヒュマ子「422ー、今のはほめらたんですよっ。うれしいことじゃないですか〜。」
422「ほめ方がなってないんですーーーーーーーーーーーーーー!!!」
ごめすっ。
「いでええぇぇ!!」
ボディに一撃、拳をねじ込みました。
天 誅 で す 。
まぁ、御主人のレスタでばっちり治りますから。ご安心をー。
いつもあまり代わり映えしない毎日。
だけど、その変わらない毎日が…いまはそれなりに楽しかったりもする。
これって「幸せ」っていうんだよね。きっと。
>>183 「お前は私の子などではない、科学の子なのだ!」
とか
「人間の生み出したくだらないもの全てを、越えて飛べ!」
とか言い出しそうな良い母親ですねっ。
GBAアトム終わったとこだったからマジ泣きしちゃったんだぜ…
191 :
3/3+1:2007/02/23(金) 01:52:30.29 ID:l4dUkEkb
どもも、84こと138です。
「和んだ」のお言葉が凄くうれしかったです。ありがとうございます〜!
思わず舞い上がって再び作品投下。
庶民派ガーディアンズとそのマシーナリーのおはなし。
最近はとてもかわいい422が多い中で
私の作品ではいまいちかわいく書くことができていない422…ごめんね。orz
「あー!また私のおやつ勝手に食べた!」
「こんなミッションへっちゃらですよ!」
「あとちょっとで夕飯できますよー」
「ご主人様ってなんか…良いにおい…」
「このデバイス食べても私は私のままですよね…?」
「無茶しないでよっ!私がどれだけ心配したと思ってるのよ!!」
「明日も、来年も、十年先も…ずっと隣にいますから…」
俺とこいつは確かな何かで結ばれていると信じていた。
だが、その確信は何気ない会話で蝕まれてゆく。
――――――――――
数日前
「なぁ、もしもだ。もしも俺達のPMの感情が偽りの物だとしたらどうする?」
ホルテスシティのカフェで、馴染みのキャストが俺に問いかける。
「…どういう意味だ?」
「だから、PMが日頃から笑ったり、泣いたり、ドジ踏んだり、
そういう行動が全部、そうなるように造られていたとしたらどうする、って聞いたんだ」
言葉の意味をゆっくりと理解しながら、自分のPMに当てはめて考えてみる。
「…もし、そうだとしたらPMを造ったヤツは天才だな」
あまりイメージがわかず、適当に流す。
コイツはキャストのくせに、よく感情だとか存在意義だとか、精神的な物についての考察をよくしたがるのだ。
「ハァ…俺はいたって真面目に聞いてるつもりなんだがな」
息が出る口もないのに、溜め息をつくふりの動作がやけにヒューマンくさい。
「いいか?俺が見たところ、主人を嫌っているPMは皆無だ」
お前が見たところだけかもしれんぞ。
「『好き』のレベルの違いはあっても、好いていることには変わりないよな」
そう言われて、俺はPMとの食卓での出来事を思い出す。
ほっぺたについたご飯粒とってやったら、やけに顔赤くしてやんの。
…そういえば、俺はどのくらいPMに好かれて…
「だが、その『好き』があらかじめ設定されているものだとしたら。
主人を好きになるようにプログラムされているとしたら。
生産ラインで腕や足を接続するのと同じレベルで、感情が組み込まれているとしたら」
………。
………。
………。
「この、オカルト好きめ」
「やっぱりそうなるか…。信じらんないよなぁ、あんな幸せそうに笑ってんのが造られた感情だなんて」
GRM本社から出てくるガーディアンズとPMのカップル。食用の武器でも買って貰ったんだろうか。
PMは、見ているこっちまで微笑みたくなるような、満面の笑みだ。
――――――――――
「ただいまー」
「おかえりなさーい。今日はどうでした?」
いつも通りのやり取り。いつも通りの会話。
しかし、今日はあの話を聞いた影響か、会話にちょっとした非日常を入れてみることにした。
「なぁ…」
俺はPMの両肩に手を置き、目の高さを合わせ、真剣な眼差しで問う。多分真剣に見えてるはずだ。
「お前、俺の事、好き?」
………。
「な、ななな、いきな、いきなり何をっっっ」
少しの間をおいてから、真っ赤に染まるPMの顔。かわいぃなオイ。
尚も真剣に見つめる俺。PMは顔を真っ赤にしながらも、しょうがなく口を開く。
「そ、そりゃぁ……好き…です………よ」
まぁ、そうだろうな。
「その『好き』は、どのくらいの『好き』なんだ?」
「えぇ………」
顔がバンフォトン光のように赤くなり、困り果てた様子のPM。もう泣きそうだ。うーん、たまらん。
『偽りの物だとしたら』
「愛して……いますよ」
『プログラムされているとしたら』
「…そうか」
俺はそれを聞くとあっさり手を離し、着替えに行く。恋人同士ならキスに繋がりそうな雰囲気だったけどな。
「えっ?…えっ?」
後ろを見てないので、PMの表情は分からない。
だがきっと、それだけかよ、という顔をしてるに違いない。あぁ、それだけなんだよ。
…俺の中で、PMを見る目が少しずつ変わり始める。
中年ヒュマの作者が小ビス子氏の作品に影響を受けて単発を書くとこうなるんだぜ
急に書きたくなって書いたもんだから、色々おかしいところがあるかもしれない、と先に言い訳
>>164 リンク貼りヌリガトウ
笑ってくれた人がいて良かったぜ
>>165 MPOネタに気付いてくれるとは!
いや、本当ネタの宝庫なんだ、MGSは
セリフに魅力がありすぎるんだぜ
>>183 サブストーリーなのに読み応えが半端じゃない件
本当に細部まで設定が行き届いていて素晴らしいんだぜ
文章から見るに、主任が限界に挑戦したときの失敗作が、万に一つ失敗しなかったものがワンオブサウザンドなのか
そこに感情が組み込まれてしまったがために…
勝手な解釈なんで違ってたら恥ずかしいんだぜ
うおおおお!!!?
なんかすげえ勢いで増えてるじゃねえか!!
…読みたいけど明日も仕事だから寝るよママン…。
感情age
>>191 車に乗ると人格が変わる人みたいだ・・・w
そのギャップがある種のカリスマになってるんかなw
>>194 >顔がバンフォトン光のように赤くなり、困り果てた様子のPM。もう泣きそうだ。うーん、たまらん。
想像してかわえぇなぁと思った・・・w
パシリの感情が全て操作されたものだとしたらパシリが可哀想だよなぁ
でも傾向こそ決められててもそこからの感情が自由ならパシリにとって主人と一緒に居るのは幸せな事だろうな
さて昨日から始まったばかりだが炎の絶対防衛線ネタを適当に殴り書きしたので投下
と言ってもミッションには全くと言って関係の無い話だが・・・w
封印装置の一斉起動による合の時の後、それまで消極的だったSEEDの活動が急激に活発化。
結果、パルム、ニューデイズ、モトゥブの三惑星は僅か一夜にして惑星の半分近くを掌握され大規模な炎侵食が広まった。
何故このことをもっと早く予見できなかったのかというマスコミに対し、ガーディアンズ上層部は現在究明中と答えたが各地の被害続出でもはやそれどころではなかった。
惑星全体を覆う巨大な侵食に対しては同盟軍の爆撃も効果を成さず、このグラールの危機ともいえる大規模侵食の浄化はガーディアンズが請け負う事となる。
太陽系同盟会議の末ガーディアンズのオーベル・ダルカン総裁は2/22日時点の侵食状況を最終防衛ラインと決定、ミッション名を『炎の絶対防衛線』と名付けた。
『―――ニューデイズの浄化率は現在二十%に達しており現在各惑星でもガーディアンズによる浄化作業を進めています。
今日のグラールチャンネル5、ヘッドラインニュースはここまで。ニュースキャスターはハルでした、バイバ〜イ』
グラールチャンネル5で定期的に浄化ミッションの報告が行われている。
これによると現在パルムの浄化作業が遅れているとのことだがあそこの侵食状況は凄まじい、数人掛りで当たらない事には難しいだろう。
俺はモトゥブが故郷と言うこともありモトゥブのミッションを重点的にこなしていた。
420もただ敵を殲滅すると言うだけの単純なミッションなので嬉しそうに戦っている。
420「とりゃとりゃとりゃー!ふー、ざっとこんなもんね」
ビス男「・・・決めてるとこ悪いが足元気をつけろよ?」
420「え?・・・あ、服がっ!あついあついあつい、マスター助けて〜!!」
ビス男「全く、だから注意してやったのに・・・」
グラール系の危機だというのに危機感が湧かないのは一概にこいつのせいなのかもしれない・・・。
ビス男「さてと、俺は報告があるから先帰っててくれ」
420「は〜い、お土産忘れないでね」
ビス男「・・・報告だって言ってるだろ」
420は足早に帰っていった。当然俺の言葉なんて聞こえてないんだろうな・・・。
ガーディアンズ本部には報告のほかにもう一つ用事があった、バンフォトンの交換だ。
なんでも対炎侵食SEEDの研究の為に大量に使う為に集めているらしい、
ただし無償でと言うわけではなく個数に応じて様々なアイテムと交換してもらえる。
まあかくいう俺も置物を一つ交換してもらって部屋に置いているわけだが。
俺はミッション報酬で420の為のおやつを片手に部屋に戻った。
だが扉を開けてみるも店番をしているはずの420の姿は無い。先に戻っているように言った筈だが妙だな・・・。
隣の部屋の扉を開けてみる目に飛び込んであるのは交換してもらった置物。
昔人気のあったバーニングレンジャーと言うゲームのポスターらしい、このゲームのテーマ歌は俺も気に入っている。
っとそうだ、420を探さないと・・・。と部屋に入った瞬間聞こえてきたのは420の歌声だった。
420「こだい〜か〜らうけつ〜いだ〜、しんか〜にきらめくまち〜へダ〜イブ、ぼうちょ〜しつづけるデ〜タのうみおよ〜いで〜♪」
声のする方向にあるのはバーニングレンジャーのポスター。
何気なく横に回りこんでみる。あ、居た・・・。
ビス男「・・・何してんだ?」
420「あ、マスターおかえり〜」
三角に立てられたバーニングレンジャーのポスター、その隙間に入り込んで420はくつろいでいた。
雑誌にお菓子、お気に入りのクッションまで持ち込んでいる、昼寝するならベッドがあると言うのに。と言うかそもそも店番サボってるんだが・・・。
ビス男「全く、よくそんな子供みたいな真似出来るな・・・ただの隙間じゃないかそれ」
420「そんなこと言って羨ましいんでしょ〜、なんならマスターも入る?結構落ち着くんだよ〜」
ビス男「ふっ、俺がそんな子供っぽい真似する訳が・・・」
・・・
ビス男「おー・・・こ、これは・・・」
420「ねー・・・いーでしょ?」
ビス男「・・・まるでテントの様な程よい狭さにカマクラのような安心感、そしてコタツのような暖かさまである。これは確かに落ち着くな・・・」
と、そんな事をしていると。
プシュー、扉の開く音が聞こえた。
ワルキャス「おーっす・・・ってなにやってんだ?」
ビス男「よぉ、一緒に入るか?結構落ち着くぞ」
・・・・・・
ワルキャス「あー・・・」
ビス男「いー・・・」
420「うー・・・」
こんな時でもグラールは案外平和なのかもしれない。
ポスターの中への入り方
1.まずポスターを置く場所の位置に立つ(方向と位置の調整を忘れずに)
2.ポスターを置く
3.ポスターが置かれる前に座る
4.色々な視点から見て出来上がり[`・ω・]b
後ラストのワルキャス氏の登場は実話から引っ張ってきたものだったり・・・w
177の続きを投下です。
沼虎のマイルーム
ベッドの上には、泣き疲れた430と殴り疲れた420が、仲良く肩を並べて眠っていた。
暗い室内に、ビジフォンの明りがほのかに点る。浮かび上がるのは、満身創痍の沼虎の顔だった。
沼虎「いてて……、ったく、マイルームでパシリに殴り倒されて意識不明とか、ガーディアンズとしてありえねえよな……」
冗談のような口調でつぶやきながら、沼虎はビジフォンの操作を続ける。
420「ん……んん……」
かすかな明りとキーを叩く電子音に、420はうっすらと目を開いた。
沼虎「あ、起こしちまったか。悪い」
420「むぅ……バカ虎ぁ、こんな夜中に何見てんのよ……。また、いかがわしい映像とかじゃないでしょうね?」
目をこすりながら訊ねる420に、沼虎は振り返ってにやりと笑う。
沼虎「それは、もう十分も前に終わった。今やってんのは、ハッキング」
あっさりと言う沼虎に、420も笑顔で答える。
420「その画像全部消去するか、三途の川を渡るか好きなほうを選んで?」
沼虎「おいおい、目がマジだぞ420? 安心しろ、半分は冗談だ」
420「それで? どこにハッキングしてんのよ。そういうの、犯罪行為よ?」
沼虎「そこの430な、実はちょいとワケありっぽいんだ」
420「訳あり? あんたがいかがわしい店から連れてきたんじゃないの?」
沼虎「俺も、そこまでバカじゃねえよ。かわいこちゃんとよろしーくやる時にゃ、お前の見えないところでだ」
みなまで言う前に、420の鉄拳が沼虎のわき腹にえぐり込むようにヒット。ビジフォンに集中していた沼虎はもんどりうって悶絶した。
420「そーいうことは、隠れてやってもダメ!!!」
沼虎「ぐおお! か、可愛げのある妄想じゃねえか! どこがいけねえ」
420「あんたが言うと、ウソに聞こえないの。それで?」
沼虎「え? あ、ああ。そこの430がな? 見るからに危ねえ男に連れ去られそうになってたところを、通りかかった俺が華麗なトラップさばきで」
420「余計な脚色しないでいーの。それで、この子助けたのとハッキングするのと、どういう関係があるのよ」
沼虎「その男が何者で、どういう目的があるのか。そいつを調べるために本部のデータベースをちょいと拝借させてもらおうってわけだ」
420「…ガーディアンズ本部にハッキング? 正気? まさか、さっきのコンボが変なとこに入って頭が……可哀想なことに……?」
哀れみの視線を向けてくる420に、沼虎は軽いでこピンをぶつけた。
沼虎「おいおい、俺を誰だと思ってる? この沼虎さまにかかれば、ガーディアンズ公安部のホストコンピュータなんぞあっという間に……」
ビジフォンに向き直り、操作を再開した沼虎の動きが止まった。
420「どうしたの? 公安に、お下劣な絵でも置いてあったの?」
沼虎「いや、見つかった。今さっき、逆探知されちまったとこだな。きっと殴り飛ばされてた間にやられたらしい。ハハハ」
420「見つかった……って、どーすんのよこのバカ虎!」
420が沼虎の首を締め上げた時、玄関のドアが勢いよく音を立てた。
男「開けろ! 公安課だ! ハッキング容疑で、貴様の身を拘束する!」
420「あ゛あああ、どうしよう」
頭を抱えてへたり込む420。その横で、思案のポーズを取りながらニヤニヤしている沼虎。そして、
430「すぅ…すぅ…ごしゅじん、さま…ア゛ッ……」
ベッドの上では、430がかわいらしい寝返りをうっていた。 つづく
ちょwハッキングとか、沼虎すげぇーwwww
すぐに人を殴る420もイイネ
期待age
>>201 既に430がいてもいなくてもどっちでもよくなってる件
1
「ん…んん〜……」
目覚め。まどろむ意識。ぼんやりとした視界。
私は無意識に、手を伸ばす。あるはずの時計の辺りへ…
サリッ………
サラサラと妙に手触りの良い何かが指先へふれる。
あまりの優しい手触りに、何かをそっと撫でてみる。
「ぁ……ぅ………」
掠れる声。照れたような、可愛い音色。
私の好きな、ペパーの声………
意識が覚醒する。視界は段々と定まり、見上げる天井は何時もの白。
むくりと上半身を起こす。伸ばした手のほうを見る。
「…………っ」
私の手の下で、俯く451。頭に添えられた私の手が、今もそっと撫で続ける。
「おはよう…ペパー」
撫でたまま、笑顔で私のPMへ挨拶を送る。
その声に、ハっとしたように私から飛びのく451。
顔は真っ赤に染まり、私を震える目で見つめている。
「ど、どうしたの……?」
あまりの驚愕ぶりに、今度は私が慌てる。
「……な、何でも…」
「ははーん、もしかして…」
私の言葉に、一瞬ビクリとする451。
「撫でられて嬉しかったんでしょ?でしょ?」
「○☆×□△!!!?」
言葉にならない声。耳までさくらんぼのように紅く染まる。可愛いなぁ…w
「もー、可愛いなぁwそうならそうと言ってよーwほら、もう一回撫で…」
―ゴキッ!!
「〜〜〜〜〜〜〜!!?!?」
私の手首が逆間接……。今朝も、うん。いつもどおりの朝ね!
うぅ、痛いなぁ…もぅ。
まだ痛む手首を擦りながら、朝食の為に部屋を出る。
キッチンでは、エプロン姿で朝食の準備をする451の姿。
心なしか、まだほっぺたが赤い…かも。
「おはよう、451」
改めて、もう一度ちゃんと挨拶をする。
「…っ、お、お早う御座います」
あー、もう、やっぱり照れてるみたい。うん、可愛いよねぇ…うふふふ
席について、配膳された朝食に目をやる。
そこで、いつもと違うその内容に気が付く。
「あれ…?目玉焼きが目玉二つ…?」
サイズも少し大きい。二つ分使ったのかな…?
「食事中です。黙って食べて下さい」
そっけない。相変わらずの態度で私の方を見ることなく私を注意する451。
「でも、私だけおっきいの食べるのはちょっと…」
―ガスッ!!
「みぎゃぁぁぁ!!!!?」
「黙って食べて下さい…」
脛蹴られた!!テーブルの下で的確な角度のロー!まさに死角からの強襲!!
痛い、なんか食事中断出来る位痛い…痣残るかと思うくらい痛い…
私がうずくまって脛を抱えている間にも、黙々と食事を続ける451。
あれ…?でも、なんかほっぺの赤いのが広がってる?
「うぅぅぅ…」
「唸ってないで、さっさと食事を済ませて下さい」
あれ?恥ずかしいのかな?妙な早口。そしてそっぽ。
「ふふふ、あはははw」
何故だろう?この子なりな優しさと嬉しさの表現を、垣間見た感じがする。
「な、何を笑って…食事中ですよ!?」
口の端に卵の黄身くっつけて、そんな風に怒っても怖くないですよーだ…w
そう思い、451の唇に指を伸ばす。
指先でスっと黄身を拭くと、それを私の口へ持っていく。
「な、ちょ…!?」
―チュッ………
「ん、美味しい♪」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!?!?///////」
―ゴスッ!!!!
「はぶっ!?」
鋭利な角度からのストレート。私の鳩尾に、綺麗に腕が吸い込まれる。
肺から空気が一気に抜ける。競りあがる嘔吐感。うん、確実に決まった……
「ごめ…ペパ……」
―バタン……
「あ、主!?ちょ、大丈夫ですか!?主っ!!主ぃぃぃぃぃ!?」
霞む意識の中で、451のあせる声が聞こえた気がした。
…手首に続いてお腹も痛い。
結局、朝ごはんも痛みのせいで味も解らないまま終わる。
心残りといえば…あの特性二目焼きの味だけは、ちゃんと味わいたかった…
「………、………」
451といえばシュンと萎んじゃっている。
何時もそっけないあの子が、今日は輪をかけてそっけない。
話しかけても答えないどころか、妙に離れる。
「手、繋ぎたいのに…」
―ドゲシッ!!
「あぃたっ!?」
「………っ、……」
前言撤回。また膝の裏を蹴る…(涙。こういうことに関して至近距離。
でも今日は直ぐに遠ざかるヒット&アウェイ。うん、ちょっと切ない…
結局、こうしてミッションの終了まで口も聞いてくれないまま。
うん、私頑張れ…。全力の遠ざかりっぷりに本気で涙でそうだけど、頑張れ…
「いい天気ねー…」
そういって、ミッション終了エリア付近の草むらに腰掛ける。
451も、おずおずといつもより数歩下がった位置まで近づいてくる。
「休憩しましょ?451もつかれちゃったでしょうし」
「…いえ、私は……」
「じゃぁ、私が疲れたの。ほら…、一緒に座って」
しぶしぶ、といった感じで私よりちょっと離れたいいちに腰掛ける451。
私が話しかけようとしているのが解るのか、そうそうに胸元から本を一冊。
ささっと本を開き、続きを読み始めてしまう451。
あぅ…此処までされるなんて…そ、そんなに話しかけて欲しくないの…?
静かに時間が流れる。音もなく、いい天気。風も優しく吹いてくる。
頭上に見える流れていく雲を見つめながら、私はため息をつく。
隣を見れば、そっけない姿勢は崩さず、読書にふけるペパーミントの姿。
「ねぇ…ペパー…」
「すみません、静かにして頂けませんか…?」
「あぅ…ご、ごめんね…」
うー…やっぱり何時もと同じかそれ以上のそっぽ向き。
「本当に…ごめんね…」
トサっと四肢を投げ出して、草むらに寝転がり、空を見つめた。
切れることなく続く、雲の群れ。私は、目を閉じる。
「ねぇ…ペパー…」
451の方は向かないで、横になった姿勢でそのまま続ける。
「私…貴方の主人失格かな…」
「……っ!?な……」
今、あの子はそっけなくそっぽ向いているのかもしれない。きっとそうだ…
「私、いっつも貴方を怒らせてばかりだもの…」
嫌われても仕方ないよね…と、呟いて思う。
本当に嫌われていて、あの子に主従だからとムリを聞かせてはいないか?…と。
「ごめんね…ごめんね…」
何だか、無性に悲しかった。私は今、泣いてしまっているのかもしれない。
「それでもね…」
ずっと言いたかった。言わずにおいた言葉が、自然と口にされる。
「貴方が傍にいてくれて…ペパーと一緒にいれて…良かった」
段々と、意識が薄くなる。風の音、草の香り、心地よい日差し。
静かに閉じた瞳が、重く閉ざされた感じに変わる。全身に広がっていく、疲労感。
そうだ、一眠りしよう。たとえ、目を覚ました時…隣に誰もいなくても…。
どれだけ眠ってしまったのだろう?
少しだけ冷たさをはらむ風に、頬を撫でられている。
薄めに写る空は、既に西日の紅に染まり、大分時間がたった事を私に悟らせる。
「ん………?」
不思議な感覚。背中は地面の冷たい感触なのに、首は優しく支えられている。
頬に感じる暖かな感覚。柔らかく、弾力のある下地。何より…
「ペパー…?」
あの子の匂いがする、気がした。
―パチリ……
目を開けると、目の前に本を片手にした451の姿が見える。
でも、いつもと違う。何が違うのか…?
―あぁ、そうだ。距離…。
「目が覚めましたか?主」
別段、振り向くことなく…本に視線を向けながら、そっけなく呟く。
いつもどおりの451。でも、いつもよりちょっとだけ近い二人の距離。
「あ…お、おはよう…」
私は言葉を返す。そうか、首筋に感じるこれは…451の膝枕…
「今はもう夕刻です」
そういって、本をパタンと閉じる451。
「気持ち良さそうに、お休みになられていましたね」
あ…、俯いた。多分、顔が赤いのを私に見せないようにする為。
「勝手ながら、そのままでは首を痛めてしまいそうでしたので…」
そういって、そっと私の頬に手を添える。
「…迷惑、でしたか?」
俯かず、恥ずかしそうな眼差しで、見つめ返された。
「そ、そんな事…無い」
今度は私が、顔をそらす番かも、しれない。
「主、そろそろ…」
見れば、夕闇が迫ってきている。大分眠ってしまったのだろう。
―だけど……
「もすこしだけ…」
「主…」
子供を見つめるような、優しい眼差し。そこでもたげる私の意地悪な心。
「ふともも、気持ちいいし…」
―スリスリ…
「なっ…!?」
「いいにおいー……」
顔を足の間へ挟まるように向きを変えようとする、しかし…
―サッ…
「はぶっ…!?」
咄嗟に立ち上がられてしまう。向きを変えたせいで、鼻から地面に落ちる。
痛い…地味に鼻が潰れそう…。鼻血出てない?出てない…?私?
「全く…」
呆れたようなため息。そして、私の傍まで歩み寄ってくる。
「あいたたたた…」
鼻を押さえて顔を上げる私。そんな私の傍まで歩み来る451。
追撃かもしれない。私は、ハッっと顔を上げる。しかし…
「大丈夫ですか…?主」
そこにあったのは、追撃のパンチでも、攻撃のキックでもない…
呆れた笑顔の、451の手。
そっと、その手に私の手を重ねる。スっと立ち上がらせてくれる451。
「帰りますよ」
そっけなく、振り返って歩き出す451。だけど…
―手は決して…離してくれなかった。
結局、仲直りも出来た…のかな?
私の作った夕飯を食べて、一緒にお風呂は要ろうとして…蹴られて。
そして、こうして隣で一緒に眠る。何時もの夜だ。
「ペパー」
「何ですか?主」
怪訝そうに、私に抱き締められた形で語る451。
絶対向き合って眠ってくれないのは、この間の唇事件が原因かも…
「明日も、頑張ろうね…」
呟いて、瞳を閉じる。睡魔は直ぐ私の四肢を絡めとり、心を夢心地へと誘う。
「御意…」
そっと、抱きとめる私の手に、あの子の手が添えられる。
私は、きっと幸せ者なのだ。
こうして、呼べば答えてくれる子が、ずっと傍に居てくれるのだから…。
目を覚ませば、もう朝というモノ。
夢を見たのかさえ、定かではない。むしろ、今が夢なのかも解らない。
解るのは、この両の手のひらに感じる、マシュマロのような感触。
「あはー……柔らかー………」
―ボギッ…
「いぃぃぃぃだだだだっ!?」
思いっきり、両手の指の全てを逆方向に捻られる。
「主…」
う、しまった…また寝ぼけてペパーに粗相を…
と、そこで、ふいに痛みが消える。
「全く、毎度毎度、飽きない人ですね…」
そういって、キまっていた指を緩める451。私のほうへ向き直り、一言。
「お早う御座います」
「ぇ、あ…お、おはよう!」
慌てて挨拶を返すと、「はい、お早う御座います」を改めて挨拶される。
何時もと同じ朝。だけど、これからは少しだけ、前と違うかもしれない。
はにかむペパーの笑顔だけは、相変わらずの可愛らしさだけど。
変わり者主人とPMネタ、2回目です。
相変わらずの変人奇人ぷりの主人と、急所狙い全開の451。
如何だったでしょうか?甘くないですよね…!…多分。
ヒュマ助ネタは現在製作中です。
もしかしたら、この主人と飯店メンバーが出会うこともある…かも?
このアホ430作者様の作品も、かなりPMさんが可愛いですね。
430に続いて420。ちょっと暴力的なのは愛嬌として魅力に数えましょうw
では、チラシ裏でした。
>>202 沼虎がこっからどうするのか楽しみだ
420は直感で動くタイプなんだろうな、だから口より先に手が出る・・・w
>>212 これは最終的に451が折れるのが先か主人が懲りるのが先か、ってとこだな
どっちも簡単には崩れなさそうだが今のとこ主人が優勢か?w
しかしまあタフな主人だなぁ・・・普通なら病院にいくような怪我しても普通にしてるしw
魂の限り叫びたい。ペパー可愛い!!! さて、201の続きを投下です。
沼虎のマイルーム
420「どーすんのよ!?」
沼虎「まあ待て……」
420「何ストーリーモードのピンク頭みたいなこと言ってんのよ! ああ、もうおしまいだー」
男「こら、無駄な抵抗はやめて、ここから出て来い!」
沼虎「心配ねえって。こんなこともあろうかと、買ってきたんだよ、コレを」
そう言って沼虎が取り出したのは、一枚のコンフューズトラップだった。
420「ちょっと、トラップ使ってどーすんのよ! 攻撃仕掛けたら指名手配されても文句言えないのよ!?」
沼虎「まあ聞けって。コイツは一見何の変哲もないコンフューズトラップだが、実はクバラ品だ。ダメージはねえんだが、
相手の記憶を二、三日ぶん吹っ飛ばすってえ代物なんだぜ」
弾んだ口調で説明しながら、沼虎が嬉々としてトラップを仕掛ける。
420「あのね、バカ虎。外のうるさいおじさんがどーにかなったところで、ハッキング失敗の記録とかはバッチリ残るんじゃないの?」
沼虎「記録の改ざんくらい、ワケねーよ。もともと誰かさんに殴られなきゃ、見つかることもなかったんだがな……よし、完成だ」
立ち上がった沼虎が、420の肩に手を置いた。
沼虎「おら、ちょっと下がってろ。結構広範囲に威力あるらしいからな」
男「居るのはわかってるんだ! 早く開けないと、強行突破するぞ!」
沼虎「はいはいっと。あんま事を急ぎすぎると、若い娘にもてないぜ、あんた」
軽口を叩きながら、沼虎がルームのロックを解いた。プシューと音を立てて、玄関のドアが開く。そこへ立っていたのは、昼間にトラップで
氷漬けにしたあの男だった。
男「あ、貴様は……」
入り口に突っ立って叫ぶなり、なぜか男は横ざまに吹っ飛んでいった。
沼虎「……あり? どーなってんだ?」
420「あんたのトラップじゃないの?」
問いかける420に答えを返そうとして、沼虎は表情を引き締めた。
沼虎「やべえ気配だ……何か来るぞ!」
声と同時に、沼虎はナノトランサーからハンドガンを引き抜いた。入り口に照準を合わせ、トリガーを三度引いた。
??「!!!」
ちらりと見えた人影が、正面玄関から飛びのいた。その隙に沼虎はドアを閉め、さらにロックを掛けた。
420「ちょっと、何なのよ今の……」
沼虎「さあな、わからん。何だか、とてつもない殺気だったが……公安のおっさんは、大丈夫かな?」
420「っ! 沼虎!」
緊迫した声で420が叫んだ。沼虎も、はっと息をのんだ。
420「ドアが……溶けてく!」
硬質な素材でできたドアが、まるで飴細工のように溶け落ちる。ひたひたと足音を立てて、何者かが近づいてくる。
侵入者の姿を見たとき、沼虎と420は完全にパニクった。
沼虎「う、うわ! オルトトルとオキクドールを構えたスタアラが入ってきた!」
420「何言ってんのよバカ虎! スタアラとオキク持ったオルトトル……あれ?」
??「ふたりとも、不正解ね。……そんなことはどうでもいいわ」
灰色の着物に黒のおかっぱ頭の女が、おどろおどろしい声で問いかけてくる。
??「あなたたち……このPMを知っているわね?」
単衣の胸元から、女は一枚の写真を取り出しふたりに突き出した。 つづく
新展開ktnkr!
これは………wktk
イベントがあまりにも糞なので暇だ
だから小説書く
214の続きを投下です。
沼虎のマイルーム
抱き合ってふるえる二人の目の前に突き出された写真。
沼虎「悪霊退散、悪霊退散、怨霊もののけ困ったときは……ああ、やっぱこないだのパシリ送りん時に、オキク詰め込んだのが
マズかったんだ……」
420「だ、だからあたしはやめときなさいって言ったのよ! だのにあんたは『可愛いオキクにゃ旅させろって、故郷のコトワザがある』
とか訳のわかんないこと言って! どーまんせーまんどーまんせーまん……え? ちょっと、沼虎」
至近距離からショートアッパーをぶちかまし、420が沼虎を引き剥がした。
沼虎「ぐあ……420、シャレにならねえ、ソコは……」
420「ちょっと、悶絶してないで見てみなさいよ! コレってもしかして、あの子のことじゃない?」
転げまわる沼虎をけたぐり、首をつかんでオキクモドキの持つ写真の前に引っ張り上げる。
沼虎「あん? ……お、こりゃたしかにあのチビだ」
満面に笑顔をたたえて蝶々を追いかける430。その被写体は、沼虎が連れて来たあの430だった。
沼虎「この写真の430って、もしかして……」
口を開きかけた沼虎の背後から声が上がった。
430「ごしゅじんさまッ!」
??「!! 430!」
スタアラとオルトトルが、沼子の手からガチャリと落ちた。沼虎の横を駆け抜けた430が、沼子に飛びつく。430に押し倒され、
沼子が尻餅をついた。
430「ごじゅじんざばあ゛ぁあああ!」
沼子「430……」
うれし泣きに泣きぬれるふたりの足元で、カチリと何かが音を立てた。
沼虎&420「ア゛ッー!」
コンフューズトラップックが発動し、爆発とともにドドメ色の煙があたりにたちこめる。
沼子「4…3…0…」
430「ご、しゅじん、さま……」
爆心地にいたふたりが倒れ、
420「この、バカ虎ぁ……」
沼子に近づいていた420もしっかりと巻き込まれて倒れた。
沼虎「コンフューズっつーか、どっちかってえとスリープトラップに近いモンがあるな、こりゃ。ま、そーいったアバウトさが、クバラ品なんだろうけどな」
一人だけちゃっかりとガスマスクを装着した沼虎が、くぐもった声で言って肩をすくめた。
沼虎「……もしかして、やっかいなことになりそうかもなぁ」
倒れたまま熟睡する三人を見下ろし、沼虎はわりと気楽な口調でつぶやいた。 つづく
おまけ 沼子のマイルーム
ライア「ここだね、爆発のあったガーディアンズ宿舎は」
入り口から中を覗き込むライア。その背後に、影のように立つPC。
ライア「いったい、誰がやったんだ……見てみな、部屋の中が滅茶苦茶だよ」
てくてくと不用意に部屋に入るライア。すぐ後を、PCが早足で追う。
ライア「ん? これは……」
ベッドがあったと思われる場所の近くに落ちていたものに、ライアは無用心に手を伸ばした。
ライア「この長銃……ファントムだね。まだ使える」
落ちていたファントムを、ライアは無造作に自分のナノトランサーへと収納した。
ライア「この部屋の手がかりは、こんなもんだね。よし、本部へ戻るよ、PC」
ろくに調べもせず宣言するライア。
お辞儀をするPCを従えて、ライアは部屋を出て行った。
記憶は消えたけど、430(と430の作ったファントム)が一応無事でこの沼子的には万々歳だろうか。
にしてもストミわらたw
間が結構開いちゃいましたが久々に投下します。
ネタが思いついたときしか書けないので、みなさまの執筆速度には驚かされるばかりです。
ついつい読み手にまわってしまい、ますます自分が書くのが遅れますw
221 :
(1/3):2007/02/25(日) 18:56:30.16 ID:XjgW6IHK
モギモギ。
お茶請けのダンゴモチがおいしい春、を一気に通り越して炎侵食がやってきました。
ずずっ…ぷはぁ。
まぁどんな季節でもダンゴモチ+お茶は最高の組み合わせなんですけどね。
「コジロー、ちょっといい?」
「どうしたんですか?ご主人様。」
「いや、先日もらった資料を探してるんだけどね…見つからなくって。
たぶんこの箱の中に入れたんだと思うんだけど…」
目の前には冊子が大量に詰め込まれた箱。
ご主人様、この世界で紙資料使ってるんですか…。
「しょうがないですね、一緒に探しますよ。どんなものなんですか?」
「えっと、『春直前!肌の露出に備えるダイエット特集!』っていうやつ。」
「…いやそれ、資料なんですか。」
座り込んで箱の中身をひっくり返しはじめます。
「無いですね…ほんとにこの箱に入れ…どうしたんですか?」
資料を探すでもなく、いつになく真面目な表情になってわたしを見つめているご主人様。
「そ、そんなに見つめられると照れちゃいますよ…」
「…」
「や、やめてくださいってば。」
「…コジロー、あなた太った?」
ゴガアァン!!
どこからともなく現れた「カナダライ(金)」の直撃が。
「ひどいです!ご主人様だって…。」
同じくらい食べてるんですか…ら?
「私は変わってないわよ。」
ゴガァァーン!!
もう一つ「カナダライ(銀)」が落ちてきました。
「ずるいです!あれだけ食べていながら片方は変わらず、
片方は太るなんて、天はなぜこんな不平等に人間を作ったのですか!」
「文句はGRMに言った方が良さそうだけどね。」
…冷静に突っ込まれました…。
「うん、かわいいコジローのため。ここはダイエット手伝ってあげるわよ。」
222 :
(2/3):2007/02/25(日) 18:57:18.94 ID:XjgW6IHK
ダイエットの基本はやはり運動!とのことでわたし達はパルムへやってきました。
「動きやすいようにこの体操服に着替えて!ほら、こっちに更衣室あるから!さぁさぁ!」
「な、なんか怖いですご主人様。」
…まぁ折角用意してくれたのなら…着替えることにします。
ゴソゴソ…(着替え中…)
「…ご主人様?なんかこの上着ちょっと短いような気がするんですけど。」
「それはお腹がチラリと見えるようによ。」
「…ご主人様?この短パン、男子用のような気がするんですけど。」
「それは私の趣味よ。」
「…帰ります。」
「ごめんコジロー!ブルマーが良かったのね!?(違」
…
結局上はそのまま、下はハーフパンツに替えてもらいました。
「ちえっ。(・ε・)」
ご主人様は全く懲りてない様子です…はぁ。
「それで、一体何をすればいいんですか?」
「ミッションをS評価とれるよう2分30秒で周るのよ、そして休憩30秒、そしたらまた1周ね。
報酬がもらえてパルムの浄化もできてダイエットもできる。こんな良い方法はないでしょ!?」
「題して『これが(脂肪の)完全燃焼です!炎侵食に負けないパルム浄化ランニング〜』よ。」
ただ運動するだけでも暑いのに、炎侵食の中でやるなんていったいなんのイジメですか。
「それって結構きつくないですか?もうちょっと楽に…」
「ダメ!そんな甘い意思ではダイエットなんて不可能よ!」
ガーメントオーラを装備してるわけでもないのに、ご主人様が燃えています。
この決定を覆すのは無理なようです…。
223 :
(3/3):2007/02/25(日) 18:57:58.06 ID:XjgW6IHK
…
「…はぁ、やっと5周終わりましたね。」
「じゃあちょっと休憩いれましょうか。」
ご主人様は一人だけコルトバジュースを飲んで一息ついています。ずるい。
「…コジロー、次の周から一人でまわってね。」
「え!なんでですか!?」
「だって私飽き…じゃなくてっ…ダイエットの効率アップのためよ!うん。」
「今飽きたって言いませんでしたか?」
じとーっと恨めしげに見つめます。
「言ってない!そのくらいやらないとダイエットなんて不可能よ!」
またご主人様が燃えてますが、ほんとはガーメントオーラのような気がしてきました。
「それじゃ私はカフェで待ってるから!10周したらきてね。」
それだけ言うとさっさとカフェに向かってしまいました。
この人は本当にPM一人に浄化させるつもりです…。
体操服のGH450が一人、浄化ミッションを請ける。
地形も炎、敵も炎、私のテクも炎。暑苦しいことこの上ないです。
汗だくになってミッションをこなします。
これでダイエットの効果がでてなかったらご主人様も炎まみれにせん、とわたしの心にも火がつきます。
「…お、終わり…ました。」
「おつかれさま、よくがんばったわね。」
疲れ果てた私はそのままご主人様に倒れこみ、抱きしめられます。
あぁ、わたしやったんですね。ダイエットできたような気がします。
…。
あれ…?
…むにむに。
テーブルの上には大量の皿とカップ。
「ご主人様…お腹でてます…?」
ゴガアァン!
ご主人様にヒットする「カナダライ(銅)」。
ここ屋外なのに…。
ガーディアンズの皆様。
パルムの浄化は遅れていますが、ニューマンの女性が体操服で浄化に当たっていたら
ダイエットの妨げになるので手を貸さないようにお願いいたします。
そのくらいやらないとダイエットなんて不可能ですから!
>>218 こうして二人の記憶が飛んだ、と
しかし結局沼虎とその420はなんだったんだろうな・・・w
なんか新手のコンビ漫才師に見えたぞ・・・w
>>223 こうして片方が休んでいる間にまた片方が・・・のエンドレスゲームと言うわけか・・・
しかしPMに体操服とはいい趣味を・・・w
つらつらと書いていたらもの凄い量になってしまったので、例の如くこちらへ
http://www.geocities.jp/littlebeast_gh430/ 14:11 14:29 14:38 14:51 15:55 が今回更新分です。
どんだけ長いんだ14時台…orz 考え無しなのがモロバレな感じです…。
おっさんと440作者様、今回かなり無茶な設定で書かせて頂きました…。
やりたいなあ、と思ったおっさんの戦闘シーン、我慢出来ずに書いてしまいました…。
気にせずさらりと流して頂ければ幸いでございますorz
ただものでない、という風にしたかったのですが、これは少々やりすぎか、と。
…書いていてえらい440が可愛くて。うちの狂犬とはすごい差を感じます…。
それでは、失礼します。
英雄って言う肩書きでも連想されるけど、
色んな騒ぎへの巻き込まれっぷりがPSOのPCみたいだなぁ、おっさん…諜報部員はブレイクか。
ストミスレ住人としては『英雄はお前じゃない』なストミに憤慨していたけど、
パシリスレ住人としては『平凡な一ガーディアンズ』も悪くない気がした、何となく…。
>>225 ダンディーなおじ様を書いたり読んだりするのが好きなだけだから、強さとか経歴とかはあんまり気にしてなかったぜ
しかしギャグといい、戦闘といい、440の可愛さといい…おっさんと440を使いこなしているw
おっさんの息子とか男達が戦場で戦友(とも)になったりとか面白かったぜ!
つ基盤/ワクテカ・リッパ
下のは殴り書き
中年ヒュマ「お゛…」
440「うわっ…。お、おっさん、頼むから口から変な物出すなよ?」
中年ヒュマ「誰が…出すか…、う゛」
440「ひっ…」
中年ヒュマ「…ハァ…ハァ、ダンディーなおじ様の(省略されました)はブラックコーヒーなんだぞ?知らなかったか?」
440「ハイハイ。そこに丁度良いソファがあるぞ」
中年ヒュマ「いつの間にスカし芸を…(ガクッ)」
おっさんすげぇ、440かわえぇ、女帝渋い、不死身こえぇ・・・w
440の目的もわかって果たしてみんなは間に合うのか・・・
しかし小ビス子氏は場面描写が上手いなあ、特に戦闘シーン
一人称と三人称視点の使い分けもあるが表現の仕方がうまい
俺も精進しよう・・・orz
相変わらずこのスレは神の住まうスレだのう。
そんななか横槍を突き刺す俺、参上。
それはワルいキャストとワルいパシリの物語。
前回のあらすじ!
ワルキャスの姉が来たぁ!
〜お知らせ〜
歪んだバレンタイン講座は諸事情により破壊されました。
サーセンwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
「「「………」」」
一つの円卓に3人。
ミイラ男のような包帯巻きで座り込むワルキャス。
不機嫌そうに胡坐をかくワルパシリ。
何食わぬ顔でお茶をすするワルキャスの姉ことニュマ姉。
ワルキャスは場が悪そうに頭をかき、二人に背を向けた。
「何この空気?」
ワルキャスとワルパシリ〜天敵編・中篇〜
「…で、弟って言ってたけど…」
初手はワルパシリ。ニュマ姉に睨みを効かせながら当然の質問。
「このバキャストとアンタ、一体どんな関係なんだ?」
「………」
お茶を飲み終え、軽く息を吐くニュマ姉はその視線を物ともしない。
よどんだ空気に耐えられず、やや大げさに解説を始めようとするワルキャス。
「ああ、それはなっ! 実は俺が元いた…」
会話を遮るかのように、ニュマ姉はチャブダイックに湯飲みを置いた。
明らかに侮蔑した目でワルパシリを見据え、ため息と共に吐き捨てる。
「ただの支給品が、夫を守る新妻気取りか…」
「んだと…てめぇ!」
ニュマ姉の額に突きつけられるデスダンサー。
相対するかのように、ダイガミサキの刃先が410の喉元に当てられた。
「言葉より手が早いとは…躾がなってないぞワルキャス」
「ケンカなら即買ってやるぜ…このアマ!」
「おいおい勘弁してくれよぉ…ほら、剣を引けこのバカパシリがッ」
頭を抱えたワルキャスはワルパシリの方を取り押さえ、距離を置く。
自分の方が押さえ込まれた悔しさにシダバタするワルパシリ。
ニュマ姉は410が暴れる様を軽く頬を吊り上げて楽しんでいる。
「こらっ! あばれるんじゃねぇ!」
「んなーっ! てめえっ! この女の肩も持ちやがって、どういう了見だ!」
「あーもうっ! この人はな、昔世話になった所での姉貴分だっ!」
「ギシャアア! 嘘だっっっっ! ぜってー愛人か何かだ!」
「人の話を少しは聞ブハアアアッ!」
ワルパシリの様子を楽しんだ後、ニュマ姉が口を開く。
今度は、侮蔑というより己の誇りに胸を張っているように感じられる。
当然ながら、豊かな胸元も強調されている所がまったくもってけしからん。
「モトゥブ通商連合のメティア・グランブル…
関係はワルキャスの言うとおりだ。名前はニュマ姉とでもなんとでも言ってくれ」
モトゥブ通商連合…テノラ・ワークスを中心としたモトゥブを支える表の顔。
その裏は、モトゥブ内で最有力のローグス・テノラという一面もある。
ローグスとは宇宙海賊の総称…かのタイラーのような義賊もローグスであり、
先にワルキャスと対峙したフローリンのような畜生もローグスである。
その中で、ローグス・テノラ…テノラ宇宙海賊団とは複数の海賊団の集合体。
表の事業を成功させている傍ら、裏では妨害工作や違法商品の流通管理を行っている。
牙を剥くワルパシリに歩み寄り、興味深げに顔をよせながらつぶやく。
「隠しても意味は無いから言っておこう、私はテノラ五雄角が一角…ローグス・グランブルの副船長。
ワルキャスはかつてローグス・グランブルで共にいた仲間というわけだ」
「おめぇはしらねぇと思うが、テノラ五雄角ってのは、ローグス・テノラの上位集団のみ与えられる、
とってもえらーい称号なんだぞ?」
「ふぅーん…ってそんなんしるかっ! つかいい加減離せボユゲッ!」
「カカオッ!」
感心した素振りを見せるが、他所の女の説明を嬉々としてする様が気に入らない。
そんなワルパシリは押さえ込まれたまま、後ろのワルキャス目掛けて後頭部ヘッドバット。
鼻部分をめり込ませながら、床に倒れるワルキャスであった。
倒れた主人の上にすたっと降り立つ410は腕を組んで再びニュマ姉を睨む。
「で…そのローグスのお偉いさんがどーしてこんな男にチョコやってんだ?」
「仮にも主であるワルキャスを踏みつけとは…なかなか興味深いPMだな」
「PMじゃねぇワルパシリだ」
腕を組み、自身の顎下をなぞるニュマ姉は冷たい視線を向けながらも、ワルパシリをからかう。
氷の女が新たな遊具を前に軽く頬を緩めた。
「ほう…ではワルパシリ、昔の男にチョコをやって何が悪い?」
「むっ! 昔のオトコだああああ!? どりゃああ!」
「ゴディバアアアッ!! ポリフェノー…ル…」
ワルパシリ、怒りのスピンキックがワルキャスの腹に。
本来なら、叫び声の後に再起するはずが…返事がない。
「…あら?」
「お前の一撃がトドメになったのではないか?」
「まっマジかよ! おいワルキャス! ワルキャス!」
すぐさまワルキャスの胸板にしがみつき、ブンブン振り回すワルパシリ。
その姿を冷静に見つめるニュマ姉は410の目尻に涙がたまりかけたところで、
ワルキャス昏倒の答えを与える。
「まあ、私がチョコに盛った睡眠薬が効いたのだろう…後半日は眠ったままだ」
「あーなるほどー♪ よかったーって、よかねぇよ! …てめぇ、ふざけんじゃねぇぞ」
さきほどの睨み付けとは比べにならないワルパシリが放つ殺意の視線。
ニュマ姉は多少感心するように目を開き、再び細めた。
「なぁに…大した事ではない…そう、むしろあって然るべき…と言った所だな」
***
既に廃墟エリアとなったコロニーの一区画。
『お前も知っていよう…ガーディアンズのずさんな体制を』
『…まあな』
非常灯のさびしく光るその広場には。
『奴は私の大切な弟分だ。クバラで廃棄寸前だった奴を拾ってから、
ローグスとしての才を見出し、闘い方や女の悦ばせ方まで教えてやった』
『………』
すでに水が止められ、ヒビが入る噴水。
『そんな大切な弟をこんなくだらない所に置いておく道理はない』
『奴の…ワルキャスの意思は?』
一時期SEEDフォームに侵食されたのか、乾ききった紫の血痕が点々と。
『くだらん意地など関係ない。是が非でも連れてゆく』
『俺が…ワルキャスが許すと思うか?』
残っているのは二つの人影。
『憎むなら憎め…なんなら、力づくで止めてみろ』
『上等ッ…その喧嘩買ってやるよ!』
一人の男を賭け、二人の女が武と武を交える。
***
「ん〜…むにゃむにゃ〜…もうバインバインだよぉ〜グヘヘヘヘ」
肝心のワルキャスは現在絶賛爆眠中。
それはワルいキャストとワルいパシリの物語。
ここまで。GRMは小ビス子と430氏がイロイロ設定を加えてるので、
こっちはローグスの俺設定を爆発してみた。反省はしていない。
ワルパシリwwww
ニュマ姉カコイイ
ここ見てるて、ガーディアンズもGRMもテノラも信用出来なくなるなw
特にガーディアンズがひでぇw
=ソニチ、ってのがやっぱりあるんだろうなー。
ヨウメイは! ヨウメイは大丈夫だよね!?
ヨウメイはストーリーモードの時点ですでにw
人様の武器を強くするって言って、
平然と叩き割る武器会社なんて信用できません><
名作の中に駄作(&空気の流れをぶった切って)投下
こんにちは、ガーディアンズに所属している沼雄です。
最近…、いえ以前からちょっと頭が痛いことがあります。
それは――
「……ハァハァハァハァ」
後ろからから体中を舐めまわすかのようなねっとりとした視線。
「ハァハァハァ、ご主人様ぁ」
無駄に荒い息遣い。
そしてうっとりとした甘い声。
それらの主は自分のPMであるGH-451。
なにやら彼女はストーカーの気があるのか常に自分を視界に納めようと行動する。
ミッションのときは木の陰や廃棄ダクトの影に隠れてたり。
部屋にいるときは今のように扉の隙間などから半分顔をのぞかせてみている。
なんだかここ最近は度が過ぎている。
最近では風呂まで覗こうとしている始末。
このままではとって喰われかねない…。
「……はぁ、ちょっときつめに注意したほうがいいのかねぇ」
はじめのころは注意をしたのだが注意したら注意したで目が妖しくなる。
はっきり言ってその妖しい視線はいろんな意味で怖いのだが自分の身を守るためには仕方がない。
「451、ちょっとこい」
「はい!なんでしょう!!」
こいつは空間転移できるのではないかというぐらいの速度で自分の前まで来た。
満面の笑みを浮かべているがその目がはっきり言って怖い。
そのままとって喰われそうだ。
とりあえず我慢しなければ…。
「ちょっと話がある。ここ最近、ちょっと行動が行き過ぎてないか?――」
最近の451の行動に関して注意をする。
はじめは目を合わせて聞いていたがそのうち451は顔をうつむかせていた。
ちょっと言い過ぎたかな?
「…わかったか?俺にくっつくのはかまわないが弁をわきまえてくれ」
「……」
長い前髪で顔の様子は伺うことはできないが落ち込んでいることはわかる。
「ま、とりあえずここまで。今後そういうことをしなければいいから」
「……はい」
最後に頭をなでてやり話しを切り上げた。
451は暗い声を出しドレッシングルームを改造した自分の部屋に帰っていった。
「……やっぱり言い過ぎたかなぁ」
しまっている扉は何も語らない。
その扉の向こうで451は泣いているのか。
それを想像して罪悪感を感じる。
「……」
キッチンにある冷蔵庫からとっておきのケーキを取り出す。
近いうちに一緒に食べようと思って買っていたものだ。
物で励ますというのもアレだが自分に思いつくことはこれぐらいしかない。
「45…」
扉をノックしようとするとなにやら声が聞こえる。
泣き声かと思ったがどうもそういう感じではない。
耳を近づけその声を聞こうとする。
「フ、ウフフフフ。怒られちゃった♪アアン、ご主人様ったらご主人様ったら、モウ♪」
妖しい声が聞こえる。
「…」
「怒ったご主人様の顔……。イヤンイヤン」
今度はクッションか何かやわらかいものをバフバフとたたく音。
「……」
「このままいけば私を食べて……、アアアン♪」
部屋内で何かが転がる音。
「………」
これらを聞いて泣いているとは思わないだろう。
もしかしてヤブヘビ?
俺は先ほどの音を聞かなかったことにして自分の部屋に戻った。
俺が泣きそう…
>>238 なぜか浦安鉄筋家族の小鉄の兄ちゃんと宮崎キキの関係を思い出したぜ
218の続きを投下です。
沼虎のマイルーム
沼子が目を開けると、見知らぬ風景が広がっていた。
沼虎「よお、目ぇ覚めたか」
どこか軽薄そうな男の声に、沼子はさっと身を起こす。どうやらここは誰かのマイルームらしい。ベッド脇の棚を見て、
沼子はそう確信した。立ち上がるとめまいを感じたが、なんとかこらえて男のほうを向く沼子。
沼子「あなた……誰?」
沼虎「あなた……車、売る? あ、いや、冗談だ。気にすんな。俺は、ニューマンのプロトランザー、略して沼虎さまだ。
グレート沼虎様、と呼んでくれ」
びしっとポーズを決める沼虎に、沼子は少し首をかしげた。
沼子「長いわね。『グレ沼』でいいかしら?」
沼虎「いいや、やっぱ沼虎でいい。それよか、気分はどうだ?」
言われてみて、沼子は妙に頭がすっきりしていることに気付いた。
沼子「何だか、さわやかな気分だわ。丸一日熟睡したような、そんな気分よ」
沼虎「ああ。ホントに寝てたからな、丸一日」
沼子「ここは、あなたの部屋?」
沼虎「そーだよ。俺ともう一人、ちっこい同居人が使ってる」
沼虎がベッドのほうをあごで示した。見ると、ベッドの端に折り重なって420と430が眠っている。
沼子「430……」
いとおしげにつぶやく沼子。その様子を、沼虎は怪訝な表情になって見ていた。沼子が乗り込んできたときの禍々しいオーラが、
かけらも残さず消えている。のみならず、今の沼子からはふんわりと芳香のような雰囲気すらただよっていた。
沼虎「なあ、あんた」
沼虎が何かを言いかけたとき、ビジフォンのスイッチが入った。目覚まし代わりにセットしたものらしく、ニュース番組が流れ始める。
ハル『ハーイ、グラールチャンネル5、朝のニュースの時間でーす! コロニーの皆さん、おはようございまーす!』
ベッドの縁に腰掛ける沼虎に続いて、沼子も座った。
ハル『今日は、朝から少ぉしショッキングなニュースです。ガーディアンズ宿舎、通称マイルームが、な、なんと、爆破テロを
受けちゃったんです! 被害を受けた部屋の住人は、フォルテクターの沼子さん(年齢不詳)。犯行の手口は複数の
バーントラップを使っての焼き討ち。いちおう、死傷者はゼロみたいなんですけどねー』
ニュースを見る二人の目が、驚きに見開かれた。
ハル『現場の話によると、沼子さんを抱えて部屋を脱出したPMの姿が目撃されているそーです。ちなみに、沼子さんとそのPMは、
現在行方不明となっているらしく、ガーディアンズ本部はこの事件を、誘拐などさまざまな方面から……』
沼虎がビジフォンのスイッチを切り、沼子に顔を向けた。
沼虎「なあ、アレってあんたの部屋だよな? あんた、一体何に狙われてる?」
口調にも表情にも、先ほどまでの軽薄さはもうない。
沼子「わからない……わ」
右手で額を押さえ、沼子は考え込んだ。
沼虎「心当たりとか、なんかそーいうの、ねえのかよ?」
しばし黙考する沼子。
沼子「ダメね。心当たりが多くって、絞り込めない」
沼虎「おいおい」
沼子「でも……さっきのニュースでひとつだけ、わかったことがあるわ」
ベッドの上へ、視線を向ける沼子。沼虎も、つられて同じところを見る。あどけない寝顔がふたつ、すやすやと並んでいる。
沼子「430、あなた、私の命の恩人ね」
沼子の声が夢の中まで届いたのか、430がにへらぁ、と笑顔を浮かべる。
430「えへへ、ごしゅじん、さまぁ」
舌ったらずの寝言が430の口から漏れた。耳元で聞こえた声に、隣で寝ていた420が目を開ける。
沼虎「よお、オハヨ」
420「あ、オハヨ……ってバカ虎! あたしに合成やらしといて何オンナ連れ込んでんのよ!」
跳ね起きるなり放った420のアッパーが、沼虎のあごに綺麗に入った。
420「今日という今日は、絶対、ゆ・る・さ・な・い! 覚悟しなさいっ!」
激昂する420の手元で、鋼爪の刃がキラリと光った。 つづく
>>232 PSUの世界は悪人だらけ、って感じだなあ、まあそれぞれ行動理念があってのことなんだろうが・・・w
ところでワルパシリがいなかったら眠らされたワルキャスは・・・
1、知らない間に誘拐
2、抵抗できないとこを倫理的おk
3、実はいたずら
>>238 イヤンイヤンの方向性が違うとここまで狂暴化(変態化)すんだなぁ・・・w
451恐ろしい子ッ・・・
>>225 長いところ(--:--や15:15等)が携帯からデカすぎて開けません
もし気が向いたら分割して貰えるとすごく嬉しいです
(´・ω・)
>>242 俺の携帯からは大丈夫だったから、携帯によって開けるページの容量が違うんだな
にしても、おっさんの勇姿を見れないとは…
イェーイみんなクオリティたけええーい
そんなボクは妄想だけでもう頭がパンパンだぜ…
うまく一発ネタにまとめる力を分けてくれ
>>244 まずはまとまらなくても書き殴って(誤字脱字だけ直して)投下しる。話はそれからだ。
なんとなく451ネタ再投下
バイオリンの音を発している目覚ましが寝ている意識を起こす。
目覚ましを止めようと布団から手を出す。
顔を出していないため完全に手探りである。
するとなにか手をやさしくつかまれどこかへ導くかのように引っ張る。
――ムニュ
するとなにやらやわらかいものをつかむ。
「アアン♪」
ついでに妙な喘ぎ声も…。
何かいやな予感がし布団から顔を出す。
「ご主人様ったら朝らか積極的ですわぁ♪」
「……」
なにやら頬を赤らめた451が尻をこちらに向けていた。
「何をやっている…」
やわらかい尻から手を離し起き上がる。
「いやですわぁ。ご主人様が朝から私を食べて下さろうとしてたと
ころじゃないですかぁ」
451は手を赤くなっている頬に沿えイヤンイヤンする。
先日ちょっとしかったおかげかストーカーみたいに覗いたりするこ
とはなくなったが、今度は妙な方向へ走ってしまった。
覗いたりせず突然風呂に入ってきたりしようとするのだ。
本人曰く
『覗いたりご主人様のパンツを引っ張り出したりする卑怯なことは
もうしません!今度からは堂々と観察したり、一緒に(自主規制)し
たり、(自主規制)したりします!!』
と高々と宣言されてしまった。
そんなことをのたまったので釘を刺しておいたが案の定無駄だった。
「………飯にするか」
イヤンイヤンしている451を無視。
とりあえず先ほどずっとなっている目覚まし時計「ローブを着たゆ
れるバイオリンひき『ヒッタ君』」を止め台所へ向かう。
「さぁ、私は準備オォケェィですから存分にご堪能くださ……、っ
てあれ?ご主人様どこにいらっしゃいますか?無視は酷いですよぉ。
はっ!もしや放置プレイ!?そういうのがお好みなら言ってくださ
ればいいのに♪」
いろいろと突っ込みたいが、そういったことより前に頭痛がしてきた。
頭痛薬まだあったかな…。
240の続きを投下です。
惑星ニューデイズ ミッション「緑林突破」
420「違うなら違うって、どーしてはじめから言わないのよ!」
沼虎「問答無用っつって弁解する暇与えなかったのはお前だろ……イテテ」
沼子「普段のあなたの素行、よっぽど問題があるのね。420ちゃんが不安になるのも無理ないわ」
430「ごしゅじんさま、ちょうちょですよー」
ゲートを通過して、四人は緑林へと足を踏み入れた。
沼虎「ハイハイ、どーせ俺は普段からいい加減ですよっと。それより沼子、本当にここで間違いないのか?」
沼子「ええ。ここを抜けた先に、テロ組織『狂信者』のアジトがあるわ」
沼虎のマイルームで拷問じみた暴力沙汰が続く中で、沼子がピックアップした有力なテロ組織のひとつである。
420「それで? 何であたしたちまでこんなトコいるのよ? 狙われてるのは、そっちの沼子……様と430なんでしょ?」
沼子「様は付けなくていいわ。私も聞きたい。戦力が増えるのは正直ありがたいところだけれど、沼虎、どうしてあなた、
付いてくるなんて言い出したのかしら?」
420と沼子の問いに、沼虎は大きくうなずいてみせた。
沼虎「不思議か? そりゃ、そうだろうな。俺とコイツにしてみりゃ、あんたら追い出して知らん顔してたほうが、よっぽど
安全だからな」
ちらりと沼虎が420を見て言った。420が頬をふくらませるのに構わず、沼虎は続ける。
沼虎「だが、俺もガーディアンズの端くれだ。危ねえ組織に追われてるイイ女、放っとけるワケねえだろ?」
沼子「………」
にこやかな沼虎の声に、沼子はうつむいた。
420「ぬ〜ま〜と〜ら〜! けっきょく、その女のためなんじゃない! あたしというものがありながら、この、このっこのっ!」
ミッション開始直後からボコボコになる沼虎。沼子はため息を吐き、ふとあたりを見渡した。
沼子「……あら? 430はどこへ行ったのかしら……。 430、430?」
沼子の呼び声に応えるように、430が遠くから駆け戻ってくる。オルアカ三匹が、すぐ背後を追っていた。
430「ごじゅじんざばあ゛ぁあああ」
沼子「!!」
右手の杖を振り上げ、そのまま沼子は動きを止めた。再起不能一歩手前になった沼虎にレスタをかけ続けていた420も、
突進してくるオルアカに気付いた。
420「ねえ、沼子。あんたのトコの430、何で泣きながら走って逃げてんのよ? あれっくらい、普通なら瞬殺でしょ?」
沼子が返事をする前に、430が沼子のわずか手前で転んだ。右足が左足にからまったらしい。倒れた430に、オルアカが殺到する。
沼子「!!!」
沼子がオルアカに向かって杖をかざした。何本もの氷柱が、地面から430を綺麗に避けて突き立っていく。
集まっていたオルアカたちは、皆凍りついた。
沼子「大丈夫? 430」
転んだ拍子にすりむいたらしく、430のおでこが少し赤くなっている。
430「ア゛ッー! ごじゅじんざばあ゛ぁあ」
泣き出した430の頭を優しく抱き、沼子はスターアトマイザーを使用した。
沼子「痛いの痛いの、飛んでいけー。ね? もう痛くないでしょう?」
430「ごしゅじんさまぁ」
にっこりと笑うふたり。ぼんやりとそれを見つめる沼虎。
420「和んでないで、さっさと戦いなさい!」
凍結したオルアカを叩き斬りざま、420は器用に沼虎を蹴り倒して叫んだ。
木々に包まれた鬱蒼とした林間から、小鳥が一斉に飛び立った。 つづく
>>246 付ける薬もない、ってのはこういうのを言うんだろな・・・
まあこれはこれで楽しそうだが・・・w
>>247 殴った沼虎を律儀に回復してる420が可愛かった
これもある種の愛情か・・・
250 :
242:2007/02/28(水) 13:59:33.91 ID:I9VZo4SX
>>249 無事見る事ができました
おっさんカッコ(・∀・)イイ!
対応ありがとです
他の見れないとこはまた後ほど書き込みさせて頂きます
247の続きを投下です。
惑星ニューデイズ ミッション「緑林突破」
沼虎「第一回種族対抗エネミー討伐選手権大会ー!」
オルアカを全て片付けて一息ついたところで、いきなり沼虎が叫んだ。
420「な、なによ、唐突に」
沼子「420ちゃん、あなた、さっき変なところ叩いたりした?」
420「べ、べつにいつも通りの地獄逝き一歩手前のコースだったけど……」
沼虎「いいから聞け! あと430、蝶追っかけんのもやめろ」
妙にハイテンションな沼虎の得体の知れない迫力に、一同は静かになった。
沼虎「つまり、俺と沼子、420と430で組になって、どっちがより多くのエネミーを狩ることができるか競争しつつ
ミッションを進める。そういう提案だ」
420「ちょっと待ちなさいよ! 何でその組み合わせなの? あんた、この沼子と二人きりになってよからぬコト……」
沼虎「なお、負けたチームは勝ったチームの言うことを一つ、何でも聞く。という罰ゲーム付きの勝負だ」
420「やる!!」
沼子「即答ね……」
あまりの変わり身の早さにため息をついて、沼子は430を見やった。
沼子「430は、どうしたい?」
430「やりますッ!」
420に負けず劣らず瞳を燃やし、430は力強くうなずいた。
沼子「430がそう言うのなら、私もそれでいいわ」
最後に沼子も同意して、沼虎は満足げにうなずいた。
沼虎「よし、じゃ今からスタートな」
言うが早く、沼虎は全力疾走した。あっというまに、沼虎の姿が遠ざかる。
あっけに取られてぽかんとしていた420が、我に返った。
420「あ、コラ待ちなさいよバカ虎! 卑怯者! さあ、追いかけるわよ430!」
側に立つ430に呼びかけるが、姿がない。
つんつん、と肩を叩かれ、振り向くと沼子が前方を指差していた。
430「わあい、ちょうちょですー」
疾走する沼虎を追い越し、一心不乱に蝶々を追う430。
沼子「あの子のこと、お願いね。420ちゃん」
沼子のお願いに、420はそっぽを向いた。
420「ふ、ふん! べつにあんたに言われなくっても、ちゃんと守るわよ! バカ虎とあんたのコンビ相手なら、むしろ
ちょうどいいハンデなんだから!」
にっこり微笑む沼子を残し、420も走り始めた。
沼虎「お、おい! なにやってんだ沼子! 早くしないと俺が危ねえ……じゃなくて、置いてくぞ!」
遠くのほうで、沼虎が悲痛な声で叫んでいる。
420「あんたはそーやって、アギータと遊んでいるのがお似合いよ! コラ、430! まちなさーい!」
アギータ数体に囲まれた沼虎を置いて、あっさりと駆け去る420。
沼虎「おい、早く来てくれ! 毒が、毒がアッー!」
槍を振り回しながら悲鳴を上げる沼虎に苦笑しつつ、沼子も駆け出した。 つづく
>>249 あと見れなかったのは
2/12 18:46 20:30 の2箇所です
お暇な時で結構なのでよろしくです
>>251 なんというでこぼこチーム*2・・・w
猪突猛進+能天気&猪突猛進+冷静沈着のチームなら沼子チームのがつよいんかなこれw
254 :
とある一日 1:2007/03/01(木) 16:52:23.15 ID:aDB8sx1W
〜ラフォン草原〜
主「・・・ズズズッズズッ・・・ホゥ〜。」
410「ご主人様、ダンゴモチをどうぞ。」
主「お、ありがとう。・・・モグモグ。」
・・・何してるのかって?ディ・ラガン退治にきてんだよ。
・・・戦ってないって?戦ってるだろ・・・一人・・・。
トモエ「ハアーッ!」
ディ・ラガン「ガアァ!!」
・・・ズザザザザザーーーーッ!!
・・・いや〜すごいね〜。ディ・ラガンが殴り倒されてるの初めて見たよ・・・。
トモエ「・・・っせ〜のっ!!」
ディ・ラガン「・・・!?」
シンジラレナ〜イといった風な顔して目をシロクロさせてる。・・・当然だろう、自分の身体が浮き上がってるんだから。
・・・ブンッブンッブンブンブンブンブンブンブン・・・ブオォンッ!!
ディ・ラガン「!?!?!?」
・・・ドドーーーーン!!
ジャイアントスイングされて飛んでいくディ・ラガン。・・・そのまま仰向けに落ちていった・・・。
トモエ「とどめです!」
主「・・・?わ〜!?待った待った、トモエさんストーップ!」
気絶しているディ・ラガンの首をもぎ取ろうとしているトモエさんをあわてて止める。
トモエ「主様?どうされました?」
主「追い払えば良いんだ、殺す必要はないんだよ。」
トモエ「でも、また暴れますよ?」
主「オンマゴウグのように人を襲うのなら放っとく訳にはいかないが、コイツは巣に近づかなければそこまで危険じゃない。」
トモエ「殺さないと首が取れませんが・・・?」
主「・・・何で首を取るんだ?」
トモエ「ディ・ラガンヘッドはオブジェになると聞きましたので・・・。」
主「あれは作り物です!」
255 :
とある一日 2:2007/03/01(木) 16:54:25.01 ID:aDB8sx1W
〜カフェ〜
トモエ「ニコニコ。」
主「嬉しそうだね?」
トモエ「はい、嬉しいです。・・・ニコニコ。」
主「・・・?何が?」
トモエ「いえいえ、お気になさらずに・・・ニコニコ。」
主「???(天然?)」
ガシャーン!!
チンピラA「オウッ!ねーちゃん。妙な触角が入ってるぜ?」
店員「エ!?すみません、すぐに代わりを・・・。」
チンピラB「もう飲んじまったよ!・・・こりゃ入院だなあ。」
店員「も、申し訳ありません・・・。」
主「・・・変だな、パルムにはあの手のヒューマンはいないはずだが・・・。」
410「最近のガーディアンズにおけるヒューマンの活躍で規制が緩んだのでは?」
主「だとしたら放っておけんな。おい、お前等・・・!?」
・・・ヒョイッヒョイッ・・・
チンピラAB「・・・?」
トモエ「・・・迷惑ですよ・・・。」
・・・ブンッ!!
チンピラAB「なあぁ〜〜〜〜〜〜〜!?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・バシャーーーーン!!
主「・・・気のせいかな?中央区から音が聞こえたような・・・。」
410「・・・正常だと思います。私も聞こえましたから・・・。」
主「軽く食べたら余計に腹がへったな〜。」
410「少し早いですが夕食にしましょう。」
トモエ「あ、私が作ります!」
主「トモエさん料理できるの?(以前、聴いてなかった)」
トモエ「はい、得意です。」
主「じゃあ頼もうか。」
トモエ「お任せください。では、材料を買ってきますので・・・。」
主「頼んだよ〜。」
〜市場〜
トモエ「オルアカ&ディストバのバラ肉・デイズ野菜の詰め合わせ・コンニャックとトウフックをください。」
店員「毎度あり〜!」
チンピラA「・・・!おい、あれ見ろ!!」
チンピラB「モグモグ・・・何だよ?・・・あ、あの女!?」
256 :
とある一日 3:2007/03/01(木) 16:56:08.24 ID:aDB8sx1W
・・・
・・・
・・・ゴンッ!!
トモエ「・・・!?」
リーダー「ぼやぼやすんな!さっさと連れて行け!」
トモエ「・・・痛いですね・・・何をなさるのです?」
リーダー「・・・!!馬鹿っ、誰が手加減しろって言った!?」
チンピラA「してねぇっすよ、コイツでおもいっきり・・・ウェ!?」
・・・見たことないほどひん曲がった杖を見て絶句する。
チンピラB「こうなりゃ力ずくで・・・。」
トモエ「力ずく?・・・私を?」
・・・グイッ・・・ガクン!!
チンピラB「・・・エ?」
トモエ「・・・動きませんね?」
・・・ヒョイ・・・
チンピラB「えっ?えっ?」
トモエ「・・・こうやるんですよ。」
・・・ブンッ!!・・・ガラガラガシャーン!!
トモエ「・・・何ですか、あなた方は?」
リーダー「うちのが世話になったようだな。」
トモエ「何のことでしょう?」
チンピラA「忘れたとは言わせねーぞ!!」
リーダー「・・・素人になめられる訳にはいかねーんだよ!」
チンピラども「オオー!!」
トモエ「・・・仕方ないですね・・・。」
・・・ポイッポイッポイッポイッポイッポイッポイッ・・・
・・・ドサッドサッドサッドサッドサッドサッドサッ・・・
チンピラども「や・ら・れ・た・〜・・・。」
トモエ「主様がお腹をすかせて待ってるんです。失礼いたします・・・。」
リーダー「ふ、ふざけんな!この野郎!!」
トモエ「・・・フゥ。」
短刀を手にして襲ってくる・・・が、リーチの差で余裕で首をつかまれ吊るし上げにされる。
リーダー「カッ・・・ハッ、息が・・・。」
トモエ「・・・死にたいの?・・・ニコッ。」
リーダー「・・・!!(ゾクッ)」
・・・ドサッ・・・
リーダー「・・・ゲホッ・・・ゲホッ・・・。」
チンピラA「・・・つぅ〜・・・ま、待ちやがれ・・・。」
リーダー「待て!手をだすんじゃねえ!!」
チンピラA「な、何で!?」
リーダー「・・・あの女は本物だ、その気になれば人を殺すのに何のためらいもない・・・。」
チンピラA「とてもそんな風には・・・。」
リーダー「・・・必要がないのか隠しているのかわからないが、住む世界が違うんだよ・・・街で好き勝手やってる俺等とは・・・。」
257 :
とある一日 4:2007/03/01(木) 16:57:24.91 ID:aDB8sx1W
〜マイルーム〜
主「・・・腹・・・へった・・・。」
410「トモエさん遅いですね・・・。」
主「・・・グールグルまわ〜る・・・グールグルまわ〜る・・・。」
410「・・・何かの呪文ですか?」
・・・プシュー・・・
トモエ「遅くなって申し訳ありません。」
主「飯マダ〜?(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン 」
410「ご主人様、お行儀悪いですよ。」
トモエ「ウフフ。すぐ用意しますので、待ってくださいね?」
主&410「ハ〜イ。」
あるガーディアンの日常、とある日のお話。
批判?感想?まとめてこいよ。 ボコボコにしてやんよ。
∧_∧
( ・ω・)=つ≡つ
(っ ≡つ=つ
./ ) ババババ
( / ̄∪
+ .. . .. . +..
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_,_,_,_,,〜(,, );;;;:;:;;;;:::ヽ,、
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"" ,,, """ ""/:;;
"" ,,""""" /;;;::;;
主「楽しかったぜ・・・作者さんよ・・・。」
読む度引き込まれてしまう、小ビス子ワールド。
爆笑させてくれる、全自動災害発生装置の430シリーズ。
和やか雰囲気に癒される、ヒュマ助飯店モノ。etc etc……
そんな、たくさんの作品に触発され自分も、と思いネタを綴ったのですが、
書いた当初、さすがにここに投下する度胸もなくw
止むなく自分のブログにアップという方法を取っていました。
ブログにアップしたはいいけど、反応なくてションボリしていますがねw
リンクを貼ろうにも、ゲーム内の使用キャラの名前を、そのまま使っていることもあって、
気が引けています^^;
そこで質問なのですが、公開している文章、キャラ名をこのスレ用に変更して投下するのはありなのでしょうか?
もしおkならその作業に入ります(書いている以上は反応が欲しいなって欲求がw)
・公開されている文章が、
>>259と同一人物によるものである証明(ブログ側での証明)
・公開されている文章が、他者への寄贈を行われていない、商用として使われていない等の前提
この二つがあればおkじゃね?
ブログのアドレスを晒す訳にもいかんだろうし、こちら側での確認は出来んかもしれんが
まぁ、その事情(ブログで出していた物のリメイクです)を毎回頭に添えれば良いんじゃないかね。
それでもなお疑われることがあればブログの方で本人証明すれば良い。
流れを読まずに、251の続きを投下です。
惑星ニューデイズ ミッション「第一回種族対抗エネミー討伐選手権大会 in 緑林」
430「ア゛ッー! だずげでぐだざーい゛! 420ぢゃーん゛」
蝶を追っていた430が、泣きながら420のもとへ戻ってくる。背後からズモモと迫るのは、四体のゴウシンだ。
待ち構えていた420が、すり抜けざまに二体を仕留め返す爪で残りを両断する。
420「よしっ、ゴウシン四体撃破! この調子なら、バカ虎たちももう追いつけないわね」
ガッツポーズをとる420に、430がひしと抱きついた。
430「ごわ゛がっだでずー」
泣きつく430の背中をぽんぽんと叩いてあやす420。
420「もう、これくらいで泣くんじゃないの。……ね、430。あれ見て、ホラ、黄色いちょうちょ!」
430「え? あ、わぁい、ちょうちょですー」
蝶々を追っていく430を見送って、420はにんまりと笑みを浮かべた。
420「ああやってちょうちょ追いかけて、しばらくするとエネミーたくさん連れて戻ってくる。そこを、あたしが叩く!
これぞ、ニューデイズの伝統的戦術「釣り野伏せり」よ!」
握りこぶしを固め、会心の表情で430を、そして敵を待つ。作戦は、当たりに当たっていた。
430「ア゛ッー!」
駆け戻る430、その背後からのしのしとオルゴーモンが迫り来る。
420「オルゴーモン三体っ! 大漁大漁っと」
あっというまにオルゴーモンの首が三つ、宙へ飛ばされた。
430「わあ、420ちゃん、すごいですー!」
420「え? あ、いや、それほどでも、ないわよ?」
430「こわいのぜーんぶやっつけてくれるし、ちょうちょもたくさん見つけてくれるし……420ちゃん、だーい好き!」
ぎゅっと抱きついてくる感触に、420は嬉しさと戸惑いを半分ずつ感じた。
一瞬、相好が崩れかかる。しかし、420はすぐに顔を引き締めた。今は、あの沼虎との勝負の最中なのである。自分を
姉のように慕ってくれる430の気持ちは嬉しいが、ここは冷静にコトを進めなければいけない。
420「あ、430。あそこ、青くてきれいなのが二匹もいるわよ」
430「わぁい、ちょうちょ、ちょうちょー!」
駆けて行く背中を、420は複雑な気分で見送った。
420「いいなあ……。あたしも、あんなふうに素直になれたら……」
思わずつぶやいて、じっと手を見る。誕生してからほとんどを、沼虎を殴ることに使ってきた両手。だけど本当は、手を
つないだり、430みたく抱きついてみたり、してみたい。もしも素直にそれができたら、沼虎は喜んでくれるのだろうか……。
あらぬ想像をして、420はほんのり頬を染めた。
430「ア゛ッー! 420ちゃーん!」
430の悲鳴に、不意に現実に引き戻された。
420「…そのためにも、まず、たくさん狩らなきゃ! 430、次はなに?」
駆け戻ってくる430の後ろを見て、420は唖然とした。
420「カマトウズが……虫アミ持ってる!?」
巨体にあつらえて作ったような長柄の虫アミを振り回し、カマトウズが疾駆する。その先には、一匹の蝶を手に乗せ必死に逃げる
430がいる。
430「420ちゃん! あれはきっと、わるいカマトウズですッ!」
420「……良いとか悪いとか、あるの?」
430「だって、怪我して動けないこの子を、アミで捕まえようとしたんですよー!」
ちょっとした頭痛を覚えたが、420は首を振って払った。
420「わかった。あんたはその蝶といっしょに下がってなさい」
430「了解ですッ! この子を安全な場所に逃がしたら、すぐに戻ってきますからッ!」
駆け去る430に、片腕を上げて返事をする。それから、420は鋼爪を構えなおしカマトウズを睨みつけた。
420「大丈夫。あんたが戻ってくるまえに、片をつけてあげるんだからっ!」
叫びざまに、420はカマトウズの頭部めがけて跳躍した。 つづく
イヤンな451、ミッション編投下
今回もお約束モッサリで
朝のやり取りを半ば強引に頭から消し去り友人とともに地底湖の坑道へ来ていたのだが…。
「あれはやはり、お前の…」
「頼む、それ以上言わないでくれ…」
友人であるFFの獣雄は後方のある一点を指差している。
その指が差す先には箱があった。
坑道内にある円柱状の箱なのだが場所がおかしかった。
「他の箱の中にまぎれるならともかく、なんで通り道のど真ん中で隠れているんだ…?おまけになんか羽までついてるし」
「知らん。451の考えていることなんて俺にはわからん。というか分かりたくもない」
とりあえず羽根付き箱は無視し先へ進む。
するとゴトゴトと賑やかな音を立て箱が動き出す。
「……」
「……」
いったん止まりもう一度箱のほうを見る。
進む
――ゴトゴト
止まる
――ピタ
進む
――ゴトゴト
止まる
――ピタ
進むと見せかけて動かない
「フムォ!?」
なにやらくぐもった声とともに箱が横倒しになった。
あれでは一度出ないと元に戻ることはできないだろう。
「……お約束の展開だな」
「………」
否定できないところがいやだ。
このまま放っておくわけにもいかないだろう。
痛む頭を抑えつつ箱へと近づく。
どこかぶつけたのかそれとも未だ隠れているつもりなのか動く気配はない。
箱を持ち上げると案の定451がいた。
しかもなぜか頬を赤らめうるんだ瞳をこちらへ向けていた。
「とりあえず聞いておく。なぜここにいる?店番はどうした?」
「やだ、ご主人黙ったらこんなところでなんて大胆…。人の見ている前はさすがの私でも恥ずかしいですわ……」
「聞けよ」
「私もう我慢できませんわ。ささ、ご主人様行きましょ♪」
「どこへだよ…」
「そりゃあ、もちろんマイルームのベ『わかった、もういい何も言うな』――そんな恥ずかしがらなくても。おねぇさんがお優しく教えてあげるから♪」
「………」
「せっかくだし、とりあえず連れて行けばいいんじゃね?」
「はぁ、すまんな」
「さすがご主人様のご友人ですわ」
ため息をつく横で小躍りする451。
「とりあえず今度の昼食な」
「……了解」
どうにかその日のミッションはクリアすることはできた。
しかし、451がダメージを食らった自分を治療と称して体中を嘗め回そうとしたりで疲れることこの上なかった。
おまけ
「で、本当に店番はどうした?」
「ルームグッツのお菊さんに任せてきました♪店番をやってみるのも悪くないって言ってましたし」
「……ぇ?」
>>259です。
>>260さん
>>261さん
レスサンクスです。
本人だという証明ってなかなか難しいものがあるので、
>>261さんの方法を取りつつ、パクリと言われる・キャラの本名が晒されるかしたら、
それ以降の投下を中止し、ブログを閉鎖するようにしたいと思います。
それでは流れをぶった切っての初投下 駄文でスミマセンorz
ブログで出していた物のリメイクです
「それではいざ!」
《警告。油圧上昇》
人間で言うならば、正に心臓が早鐘を打っている状態です。
お、落ち着いて……ここからは壊さないように慎重に……
ボフン!
エントリーしていた、★1のソードの基板が、すごい音を立てて、黒い煙を吐き出しま
した……
あうぅ
また失敗してしまいました……
あ、皆さん初めまして。
わたしは、あるご主人様にお仕えしている、パートナーマシナリー形式bfH410と
申します。
わたし、いつになったら合成を成功させることができるんでしょうか……
ピッピッピッピッ
施錠が解除されて、小気味のいい音とともにドアが開く。
「ただいま、410」
凛と鈴が鳴るような声で、そう言って入って来たのは、1人の少女。
この部屋の主、名前はニュエ娘。
16、7歳くらいだろうか。
整った顔立ちをして、サファイアのような、アメジストのような色をした腰まである髪
と同じ色の瞳。
そして、エルフのように長く尖った耳。
身長はやや小柄な方で「おとぎ話の絵に出てくるような女の子」と言った感じだ。
「あ、お帰りなさいませ……」
410は力無く答える。
「? どうした?」
なにかあったのか? そう続けようと410の方を見て、慌てて駆け寄る。
「顔がすすだらけになってる」
そう言いながら、ニュエ娘はタオルを取り出して、410の顔を優しく拭く。
「はうぅ……またやってしまいました……」
410は涙目で合成の失敗を告げ、残骸と成り果てた基板を、ニュエ娘におずおずと差
し出した。
「気にしてない。また次がある」
ご主人様はああ言ってくださるけど、「また失敗か」って表情が見て取れます。
わたしだって好きで失敗してるわけじゃないんです。
でもなぜか合成すると、新品の基板がさっきみたいに、一回でダメになっちゃうんです。
失敗モノメイトすら、精製を許してはくれません。
合成の失敗は、50を超えたところで、数えるのを辞めてしまいました。
「410なのに、ソードすらまともに作れなくてごめんなさい」
わたしの目からポロポロと涙が零れるのが解ります。
それを見たご主人様は少し困った顔をして、
「失敗したのは410のせいじゃない。
わたしは気にしていないし、次に成功すればいい。
それに……
あまり泣いてると、折角可愛い410の顔が台無しだ」
そう優しい声で諭して下さいました。
その顔をとても見ていられなくて、わたしはタオルに顔を埋めて、
「次こそは必ず成功させますから」
それしか言えませんでした。
ピコッ
リストバンド型携帯用小型コンソール特有の電子メールの着信音。
ニュエ娘はそれを操作して、着信したメールを開いた。
内容を確認して「了解」と簡潔な返事を送信する。
「410、少しは落ち着いた?」
「え? あ、はい」
410のその声を聞いて「そうか」と微笑んだニュエ娘はキッチンに入っていく。
「え? あの……ご主人様?
今日の食事当番はわたしですから」
410は慌てて彼女の後を追うものの、
「今日はわたしがやる。それよりも410は出かける支度をしてて」
「ふぇ? これからですか?」
410がそう聞くのも無理はない。
彼女の脳内時計は午後10:30を指していたからだ。
「そう、これから。
これからだからいいんだ」
410の頭の中に?が幾つも浮かんでは消えるのだった。
──クゴ温泉──
ニュエ娘は空に浮かぶ満月と、満天に瞬く星々を眺めながら、
「こういうとこで食事というのもいいものだね」
誰に言うわけでもなく呟いて、湯船に浮かべたお盆から、最後のおむすびを手に取って
口に運ぶ。
「そうですね」
410もまた、同じように呟いた。
「それにしても毎回思うけど、410って普段と戦闘のギャップがすごいな」
410は「あぅあぅ……」と意味不明な声を漏らしたあと、
「それは言わないお約束ですぅ」
そう言ってぶくぶくと頭まで沈んで行く。
その仕草を見てクスッっと微笑むと、410を抱えて膝の上に乗せる。
「すまない。でも、戦闘はホントに助かってる」
「そろそろ上がろうか……
いつまでも漬かっていると湯中りしてしまう」
ご主人様のその声に元気よく
「はいっ♪」と、わたしは答えるのです。
明日もいい一日になりそうです。
──ガーディアンズ宿舎 ニュエ娘のマイルーム──
ピピピッピピピッピピピッ
マイルームに、けたたましい電子音が響き渡っています。
「うみゅ〜……あと5分ですぅ……」
わたしは無意識に脳内時計を操作して、アラームを……
「うみゅ?」
(アラームは……切れてますぅ……じゃ、この音はどこから……?)
《システム通常起動。コンディションチェック……完了
システムオールグリーン。スリープモードを強制解除》
眠気を強制的に追い出して、音源を探します。
音源はビジフォンからです。
「ご主人様、メールが着てますよ?」
声をかけてみましたが、返事がありません。
ルームの中を見渡しても、ご主人様の気配がありません。
(う〜……どうしましょう……)
しばらく考え込みます。
(すみませんご主人様)
心の中でご主人様に謝ってから、ビジフォンを操作します。
『410へ
ぐっすり寝ていたから起こさなかった
急用があって出かける
危険を伴うので410を連れて行くことはできない
2、3日で戻る
その間の410の食事は倉庫の中に保管している
ちゃんと考えて食べるように
ニュエ娘』
漠然とした不安がよぎりました。
逆アセンブルをかけて、メールの送信元を確認します。
結果は……
(このビジフォンから……ですか?)
どういうことでしょうか……いつもはわたしに直接メールを下さるのに……
とにかく3日の辛抱です。
3日経てばご主人様はちゃんと帰ってくるのですから……)
わたしはよぎった不安を振り払うように、ぶんぶんと頭を振ったのです。
だけど……
ご主人様は約束の3日を過ぎても、帰ってはきませんでした……
(いくらなんでも変です……)
ニュエ娘が外出してから5日目、410はようやくその異変に思い至った。
確かにこれまでにも、予定の時間をオーバーすることは、幾度もあった。
しかしその時は必ず、事前に『遅くなるから』という連絡があったのだ。
しかも遅くなるにしても、丸1日以上遅くなったためしもない。
それが今回はどうだろうか……
丸2日以上部屋を空けたまま、遅くなるとの連絡すらない。
(もしかしてご主人様になにかあったんじゃ……)
いてもたってもいられなくなった410は、ニュエ娘にメールを送信する。
そして、即座に返ってきた来たメールを表示して……
『メールの送信に失敗しました』
!? どういうことですか?
『以下のことが考えられます
・送信先が間違っています』
そんなはずはないです。
いつも使っているアドレスだから、間違うはずがありません。
『・受信者が受信できる場所にいません』
これもないです……
例え受信できる場所にいなくても、メールの保存機構があるのですから、送信だけはで
きるはずです。
『・受信者があなたのアドレスからの受信を拒否しています』
…………
拒否? ご主人様がわたしを……?
気がつくと410は、力なく床にぺたんと座り込んでいた。
「そんなことあるわけないです」
そう呟く声は、語尾が近づくにつれ、段々と弱くなって行く。
(嫌われてしまい……ましたか?)
ぶんぶんと勢いよく頭を振って、それでもその思いが引き剥がせない。
4段階目になった今でも、武器の合成を1度も成功させたことのないマシナリーなんて
前代未聞だ。
そのコンプレックスが、嫌われているのかもという思いに、より一層現実味を帯びさせ、
410の目尻に、涙が玉を作って頬を流れ落ちる。
『410の食事』と書いてある最後のバスターを頬張る。
モギモギ
システムに組み込まれた味覚センサーが反応して、条件反射でそれが口をついて出た。
「なんか……微妙な味」
けれど、その最後のバスターは少ししょっぱい味がした。
ピピピピッピピピピッピピピピッ
《脳内時計、コロニー標準時間午前8時を打刻。
システム通常起動。コンディションチェック……完了
システムオールグリーン。スリープモードを解除》
どうやら考え事をしてる間に、寝てしまったようです。
……よくは眠れませんでしたけど……
とにかく昨日まとめた結論は、
「ご主人様に会って、直接その真意を聞こう」ということにしたのです。
ご主人様が、一目でわたしと判るように、羽をあしらったヘアピンをカチューシャの右
の先端に刺して……っと。
そうです。ご主人様から頂いた、ブローチも付けていきましょう。
身支度はこれで完了です。
あとは、偏光迷彩を施したロングコートを上から羽織って出発です。
410が丸一日をかけて、全ての場所を探し終わってもなお、ニュエ娘を見つけること
はできなかった。
「ご主人様……一体何処に行ってしまわれたんですか……?」
410の呟きは、誰にも届かなかった……
>>265 >それ以降の投下を中止し、ブログを閉鎖するようにしたいと思います。
そこまで言うくらいだったら、元のブログにある文の名前を全部修正するとか、
ブログで書くのを止めてここに投下のみにするとか、
ここに投下をやめてこのままブログでのみ続けるかどれかにすればいいんじゃね?
反応ないと書く気がしないのは解るが、かといってブログで反応なかったからといって、
反応を求めてこのスレに投下するのはなんかおかしくないか?
既に完結済みの話だろ
変に顔色伺いつつ小出しとかやらず、一気に9話まで全投下とかしちゃったらどうよ
本人証明云々は、要するに無断転載どうこうで騒ぎになるのを避ける為
自分のとこのHPなり掲示板なりの隅にでも、投下した時のIDとか載せときゃ良いんじゃね?
今回分の投下です。…やっぱり収まらなかったので、例によってサイトへ。
http://www.geocities.jp/littlebeast_gh430/ 閑話『私たちが夢見た世界』
440が語る、文字通り彼女にとっての閑話です。
1ページ1ページは短く区切ったつもりですが、表示しきれない時は言ってください。
残るは最後のドタバタとその結末です。
…今週末くらいにはケリを付けたいですね…、もうバレンタインとかとっくに終わってますしorz
書き忘れorz
>>252さん
2/12 18:46 20:30を分割しました。
閑話の6が割と長いので、それが表示出来るかどうかちょっと不安です。
>>272 この設定の救いようのなさはガチ
ドラッグオンドラグーンが大好きな俺が言うんだ。間違いない
そしてその救いようのない設定が大好きだ
一度は快方に向かった440の精神が、現実を知り闇の底へ突き落とされて行く
その過程を読み手の脳に容赦なく叩き込むかのような描写は、読んでいて泣きそうになった
批評とかまともにやった事ないが、軽い衝撃を受けたので書いてみた
要するにGJ!!ラストwktk!!
275 :
252:2007/03/02(金) 02:27:21.04 ID:5YtstQ4v
>>273 全部読めました。感謝感謝です
しかし今回の閑話は救われない話だね
440は最後幸せになれるんだろうか?
410の時のような物悲しい、でも少し救いのあるハッピーエンドになるんだろうか?
こんなシリアスな場面でも鼻オイルブーはあるのだろうか?
ますます目が離せません
(´・ω・)
一斉にわーっと増えたなぁ、コメントするのが大変だが皆良作揃いなんで頑張ったぜ!
>>258 なんか人間と人造キャストの組み合わせを見ているとクリリンと18号の関係を思い出す
そういえば三角関係だっけかこの三人って、いつ波乱がおこんのかなぁ・・・w
>>262 生餌を使うとはなかなか高度な技を・・・w
しかしこれ420の強さも凄いが何処かに行く度に敵に集られてなおかつ無事に生還する430も凄いのなw
>>264 無視するかと思いきやちゃんと相手してあげる沼雄の優しさが451の暴走を助長してるんじゃないかと思えてきたw
>>269 主人が失踪する系のお話か、こういうの見ると引退って言う考えをしたくなくなるから困る・・・w
とりあえずブログからの転載云々に関しては俺らとしては意見は出しにくいと思う
まあ誰かに見てほしくてここに投下するってのは同じ作者としてよくわかるし自分自身で責任持てるならその辺に関しては自分の意思で進めて良いんじゃないかと
こういう言い方もなんだがキャラの名前入りの方をわざわざブログ使って出してるのにキャラの名前が別の場所で出る事がそんなに気になるもんかね?
ゲーム中でその名前使ってると言わなければ架空のキャラだと思う人が大半だし(実際そういう作者も居ると思うが)、同名のキャラで他人が使ってるのだって居るだろうに
パクリ云々に関しては証明し辛いだろうけど他人のSSをそのまま流用とかする人も滅多に居ないだろし
>>261みたいに投下する旨をブログに記載すればおk
んまあ早い話が細かいこといちいち気にしてたらSSなんて書けないぞ、って事で
後ブログの方を他人に見てほしいと思うならPSU!さーちとかの検索エンジンに登録を推奨
既にどっかに登録してるのかもしれないけどもしてないのに他人に見てほしいと思うのは少々厳しい(そもそも見つけれないと話にならんし)
だから登録してる場所増やせばそれだけ他人の目に止まりやすいと思う(個人的には某氏みたいに検索ワードをこっそり忍ばせて置いて気が向いたら検索出来るのがありがたい)
>>273 なんとまあ悲しみしかない話だ・・・
PMを生み出して感情を与えたのがGRMならその感情を利用してワンオブサウザンドを生み出したのもGRM
そして440が狂う原因になってしまったのもGRMという訳か・・・
もうじき終わると思うと勿体無いがラストの結末も期待!
箱に収められるはずだった最後の希望は・・・
なーんて妄想をしてみたけど、考えすぎかな
繋がっていた以上はそこに意味があれば素敵だなーという願望
名作age
ええぃ!
ヨウメイ社にキャスト製造許可はまだ下りんのか!
GRM製ばっかで飽きたぜ
オキクがいるじゃない…
未知のエネルギーで動くあの子がいるじゃない…
>>279 ヨウメイパシリは着物タイプとチャイナドレスタイプ、間違いない。
斜め上を行って戦国鎧甲冑
助手兼掃除番のチョンマゲロボット
キャーピストル大名サーン
ここで腹黒ですよ。
ア、アカルイミライヲ-
262の続きを投下です。
惑星ニューデイズ ミッション「第一回種族対抗エネミー討伐選手権大会 in 緑林」
刃を交えれば交えるほど、420の爪は鋭くなってゆく。いつもより、心なしか身体の動きも軽い。巨体を相手に
怯むことなく、軽やかに舞いつつ斬撃を叩き込む。
だが、このカマトウズは難敵だった。どれほど速く打ち込んでも、切り裂いても、突きかかっても、虫アミの柄で
軽くいなされてしまう。それどころか、一瞬でも隙を見せようものなら強烈な反撃が繰り出されるのだ。
420は、焦っていた。早くしなければ、あの430が戻ってきてしまう。自分ひとりでもこんなにてこずっている
相手だ。あの子を守りながらなんて、到底戦いにならないだろう。
ごうごうと耳に聞こえるのは、420自身の荒い息遣いだった。呼吸が乱れ、疲労が蓄積してゆく。それでも、足を
止めてしまうわけにはいかない。動きを止めたら、そして、あの一撃を受けてしまったら、それで終わりだ。
爪を振り上げ、斬り下げつつ突きへと変化させる。かわされた。直後、420の身体が宙へ飛んだ。強烈な足払いが、
ついに420を捉えていた。視界のなかで空が見え、それが地面に切り替わった。
うつぶせに倒れたまま顔を上げると、カマトウズが虫アミを振りかぶっていた。
420「避け……なきゃ」
かすれた声が、420の口から漏れた。立ち上がろうとして両手を地面に突いた。左足に、ひどい痛みを感じた。
うめく420の頭上に、虫アミが唸りをあげて迫ってくる。420は、目を閉じた。
永遠とも思える、たった十秒が流れた。だが、待てども叩きつける衝撃はやってこない。おそるおそる、420は
目を開いた。
420「!? 凍ってる……?」
頭上スレスレで止まっている虫アミがあった。そして、その先にひんやりと佇むカマトウズ。
430「420ちゃん、大丈夫ですか?」
すぐうしろで、430の声がした。
420「え? なに、どーいうコト?」
430「ア゛ッ、足を、怪我したんですね」
カマトウズと430をせわしく見比べる420。その左足に、レスタが数回かけられた。足の痛みもなくなり、420は
すっと立ち上がった。
420「あ、ありがと。……あんたがやったの? コレ」
親指でカマトウズを指す420に、430はにっこりうなずいた。
430「わるいカマトウズは、ちょっと凍ってもらいましたッ!」
420「こ、凍ってもらったって……盾付きよ? コイツ……」
にこにこしている430に言いながら、420は治った足で大きく飛び上がった。
420「とりあえず、さっさと倒れなさいっ!」
振り下ろされる鋼爪が、凍ったカマトウズの肉体を真っ二つに切り裂いた。
430「やりましたッ! 420ちゃん!」
420「430! あなたもなかなかやるじゃない!」
ズシンと倒れたカマトウズの前で、二人は抱き合って喜んだ。
430「射撃には、ちょっと自信があります」
420「ちょっとどころか、大したモノよ。……それにしてもバカ虎、遅いわね」
430「ちょうちょさん、よかったですねー」
420「あ、コラ、勝手に進まない!」
蝶を追う形で、二人が走り出す。いくらも進まぬうちに、辺り一帯がぐらぐらと揺れ始めた。
420「な、何? 地震!?」
430「!! 420ちゃん、あ、あれ!」
430が指差した方向に見えたのは、先ほど苦戦したカマトウズだった。
420「そ、そんな……」
はためく虫アミ。その数、四つ。
420「あんなのが、四体も出てくるなんて……ううん、大丈夫。きっとやれる。だって、今日はあたしとあんた、ダブルパシリ
なんだから!」
430に呼びかける420。
430「ちょうちょさん、逃げてくださいー。あっちから、わるいカマトウズがたくさん来ますよー」
こんな時にまでほややんとしている430に、420は言い知れぬ不安を感じるのであった。 つづく
>>272,288
逆に考えるんだ
「ホワイトデーまでに終わればいいさ」
と考えるんだ
あと、288氏の足元にも及ばん駄作を書いてみている。
ガーディアンズ主体でパシリが申し訳レベルで、しかも戦闘でなく日常風景なんだが。
現在の各スレの状況。
〜ニャンポコスレの主人〜
(´・ω・`)
(====)
______( ⌒) )
/\  ̄`J ̄ ̄ ̄\
 ̄ ̄ ̄| | ̄ ̄ ̄ ̄
| |
_| |_
〜440スレの主人〜
__
| ヽ ノ||
|__Y_|| -─-ヽ.
,´ノノノヽ)))┃>∫∫
W@リ゚ ヮ゚ノl!つ グツグツ
( (i/wkつノ┃( `Д´) ←>>ご主人
`/ / !_i_〉l 〈≡≡≡≡〉
く_/_,ルノノ / ヾ
||ニニニニ||(____,,)
|| || 从从从从
こりゃひでぇwww
何か色々読んで寝たら、ガーディアンズコロニーが終わる瞬間みたいな夢を見たぜ…
隔壁みたいなのがどんどん閉じて、でも凄い綺麗な音楽が流れてて、
色んな作品の主人やパシリ、あと何も関係なさそうなキャラがちょっとずつ見えて…自然に涙が…
毒されすぎ妄想癖の俺キモス。
PSUもこのスレも終わりなど来ないで続いて欲しい。。。
>>290 これはひどいwつかニャンポコいつのまにそんな性格に・・w
ニャンポコ主人は自主的にだけどなw
「変態だー!」のAAに恥じない魔窟と化しているぜ…
小ビス子ワールドじゃ、エンドラムやイルミナス並に
ガーディアンズ諜報部がやばいのね…。
長官さんは440と正反対の恐さがあるなぁ。
色々と結末を想像しながらwktk!
294 :
ヒナマツリ 1:2007/03/03(土) 18:20:26.60 ID:FMgCmAtC
・・・ボンボリボンボリボンボリボンボリボンボリボンボリボンボリ・・・
主「・・・何、これ?」
410「今日はヒナマツリだそうです。」
トモエ「ですのでボンボリを飾ってみました。」
主「それはわかるがこうもボンボリボンボリしてると違和感が・・・。」
織姫「ヒナアラレもらうぞよ?・・・ポリポリ。」
主「・・・!!ナニカイター!?」
織姫「何かとは何じゃ!・・・せっかく遊びにきてやったというに・・・。」
主「だから突然現れるのはやめてくださいよ・・・。」
トモエ「主様、こちらの方は?」
織姫「何じゃ?・・・そなた妾をもったのか・・・やるのう!」
主「違いますよ!妾ではなくて・・・。」
トモエ「セフレです!」
主「トモエさーーーーーーん!?」
織姫「ほほう、そのような事が・・・。さすがわらわの見込んだ男じゃ。」
トモエ「そうですか、主様は以前にもそのようなご活躍を・・・。」
主「・・・グッタリ・・・。」
410「・・・ところで織姫様、今日はどういったご用件で?」
織姫「おお、そうであった。土産を持って来たのじゃ。」
410「土産ですか?」
織姫「コレじゃ!『銘酒 人殺し』」
主「・・・なんて不吉な銘柄!」
織姫「細かいことは気にするな!ささ、グッと・・・。」
主「はあ・・・グビッ・・・!?!?!?・・・カッ〜〜〜〜〜〜!?」
ドダダダダダダダダダダダダダッ!!・・・バタンッ!
織姫「・・・何じゃ、下戸だったのか?」
410「・・・織姫様、コレ度数70と書いてますが・・・。」
織姫「ありゃ?7だと思ってたが・・・まあ、そなた等はヒューマンではないから平気じゃろ?」
トモエ「はあ・・・では。」
410「いただきます。」
295 :
ヒナマツリ 2:2007/03/03(土) 18:22:03.75 ID:FMgCmAtC
主「・・・あ〜〜〜、えらい目にあった・・・。ん?」
織姫「・・・だからベッドに入って誘ってるのに腰を引かして逃げるとは何事かと!!腰は引くもんじゃなく突くもんじゃろ!?」
トモエ「そ〜ですね〜。私ならいつでもピーでもズギューンでもパオーンでもしてさしあげるんですけどね〜・・・ケラケラ・・・。」
410「キャハハハ!無理無理、ス○タやった時も三こすりだったから。キャハハハ・・・。」
主(・・・だからあの時はエサ集めに必死で・・・必然的に○ナ禁状態だったんだって・・・。)
410「あ、そうだ!」
トモエ「410ちゃん、ど〜したの〜?」
410「ご主人様を・・・犯っちゃいましょう!!」
一同「さんせ〜!」
主「・・・!!」
緊急ミッション【主の絶対防衛戦!!】
エネミーの撃退、もしくは制限時間(酔いがさめる)まで逃げ延びろ!
「エネミーデーター」
GH410・・・主+レベル10の強敵、頭で勝負しろ!
トモエ・・・常識を超えたパワーとタフネスを誇る超強敵。チートを使わぬ限り主に勝ち目無し!
織姫・・・神様。チェーンソーがあれば・・・?
主「クリアできるか〜〜〜〜〜!!」
410「あっ!?ご主人様発見!!」
主「げぇっ410!?」
>>295 これは難易度が高いな。クリア報酬も高いんだろうな。
このノリだときっと食べ放題とか…あれ?
というか、織姫の人でしかもぐっすんおよよの人だったのかwww
287の続きを投下です。
惑星ニューデイズ ミッション「第一回種族対抗(ry」
430「突っ込みますッ! 援護をお願いいたします!」
420「待てーい!」
バースト担いで特攻しかけた430の肩を、420が渾身の力をこめて引き戻した。
420「ライフル持って突っ込んでどーすんのよ!?」
430「じゃあ、ハンドガンにしますねー」
420「そーじゃなくて!!」
430「420ちゃん。アレもダメコレもダメって言ってたら大きくなれませんよー?」
困った顔で人差し指をちっちと振る430の襟首を掴み、ぶんぶん振り回しながら420が怒鳴る。
420「好き嫌いの話でもなーい!」
ぷう、と頬をふくらませる430。不毛なやりとりに、420は心底疲れた。
430「420ちゃん、あんまり怒ると油圧が上がりますよー」
420「誰のせいだっ!」
430「ア゛ッー! 散りましょー!」
それまで二人を静観していたカマトウズが、一斉に突撃体勢へ移行した。虫アミを振り回し、地響きを立てて近づいてくる。
直感に従い、420は地面を転がった。間一髪、カマトウズの下の奴の足がすぐ横をかすめて通り過ぎた。
430「420ちゃーん!」
声とともに、四つの銃声が響いた。430の狙いは正確で、四発の銃弾はすべてカマトウズの顔にヒットした。だが、
420「!! 凍らない……! 430、逃げて!」
攻撃した相手に向かい、カマトウズたちが疾駆する。
430「ア゛ッー!」
身を翻し、逃走する430。しかし、走力ではカマトウズに分があるらしく、どんどんと差は縮まってゆく。
割って入るには遠すぎて、420は絶望的に見守るしかなかった。
420「430っ! ああもう、こんな時になんで側にいないのよ! バカ虎あああーっ!」
沼虎「呼んだか?」
叫んだ直後に耳元で聞こえた声に、反射運動でアッパーカットを叩き込む。
420「今までナニしてたのよ!? あ、それより430が! ちょっと、倒れてないでとっとと助け……」
沼虎「落ち着けって」
ぽん、と頭に温かいてのひらが置かれる。それだけで、420から焦りがすっと消えた。
沼子がロドウを振り上げ、振り下ろす。火球の直撃を受けて、430を追っていたカマトウズが次々と炭化してゆく。
430「ア゛ッー! ごじゅじんざばあ゛ぁああ!」
沼子「430……。よく、頑張ったわね」
駆け寄る430を、しっかと抱き留める沼子。その後ろに、顔が半分焦げたカマトウズが肉薄する。
420「沼子!」
沼虎「まあ、見てろって。あいつなら大丈夫だ」
背後から最後の力を振り絞って襲い掛かるカマトウズの首元に、沼子のロドウが突き立った。430を抱いたまま、沼子は
振り返りもせずつぶやいた。
沼子「長いロドウには、こういう使い方もハルバナアタ……」
420「何故にヨウメイ語!?」
ロッドの先から、勢いよく火炎が噴出した。断末魔の悲鳴をあげて、生き残ったカマトウズが崩れ去った。
沼虎「な? ったく、アレじゃどっちが化け物なんだかわかりゃしねえ」
沼子「沼虎。聞こえているわよ」
沼虎「地獄耳め……。ん? どーした420」
420「っ……なんでもないわよ」
沼子と沼虎の、ほんの些細なやりとりにまでやきもきしてしまう。
沼虎「ぐ、ぐは……何で殴る……」
思わず沼虎のボディを強打してしまう、複雑な420だった。 つづく
>>295 酔っ払った彼女等は何よりも凶暴なんだろうね、南無(−人−)
読んでてニヤニヤが止まりませんでしたがw
>>297 420って究極のツンデレ・・・・かわゆいw
沼虎には某変態氏の様に銃弾耐性もとい物理耐性が付いてそうでw
んで、皆様に影響されて久しぶりに何か書いて見ました。
相変わらず無駄に文を長くしてしまう癖は抜けておりませぬな。
今回パシリはほとんど出番ありませぬがご容赦を。
「やほぅ♪」
ドアを開いた先に小柄なニューマンの少女が立っていた。
間違えようの無いその新緑の長い髪。無邪気に笑う幼い顔立ち。
少女はその琥珀色の瞳を細め懐かしそうに自分を見上げている。
俺は彼女を暫し眺めて右手を伸ばしてスイッチを押してドアを閉めた。
沈黙が数秒続く。
ぴんぽ〜ん♪
ドアホンが鳴った。
俺はそのまま踵を返すとリビングに戻りソファに座る。
ぴんぽ〜ん♪ぴんぽ〜ん♪
テーブルに置かれた読みかけの本を取って読書を再開する。
まったく、ガーディアンズをやめてまで彼女に振り回されるのはごめんなのだ。
ぴぴぴぴんぽ〜ん♪ぴぴぴぴぴんぽ〜ん♪
連打すな!
ぴぴぴぴぴぴぴぴぴんぽ〜ん♪ぴっぴぴぴっぴぴぴんぽ〜ん♪
奇妙なリズムを乗せるな!
ぴんぽ〜ん♪
しつこい!
無視する事、数十分。ドアホンがやんだ。
いい加減に帰ったか。
もう本は読み終わってしまった。
首を回し肩のコリをほぐしてから立ち上がろうとして・・・
チャキッ
首元にフォトンの刃が突きつけられた。
「やほぅ♪」
先ほどと同じ声が掛けられた。
「実はさ、お願いがあって♪」
「断ればどうなります?」
「うっかり手が滑っちゃうかも♪」
変わらない。この女は変わらない。
新米だった俺をチュートリアルミッションと偽ってディ・ラガンの前に放置したり。
実践訓練と称して多数の女性ガーディアンズが使用中の着替え室へと叩き込まれたり。
良い子だったパートナーマシーナリーを俺の為にと色情魔モドキに変えてしまったり。
まあ、他にも数え切れない悪行で俺を鍛えてくれた愛すべき俺の教官殿。
「はぁ・・・・」
思わず出る溜息。
フォトンの刃が引かれる。
振り返って改めて彼女を見た。
身長はソファに腰掛けた自分と丁度目が合うほどに低い。
まるで子供にしか見えないがこれでも俺より年上。れっきとした成人だ。
本人曰く「小ニューマン」だそうだがそんな種族は存在しない。
「どうやって入ってきました?」
「ドアが駄目なら窓があるじゃない♪」
得意げに無い胸を張り教官殿は何故か誇らしげだ。
「そうか」
またも溜息。
ここはニューデイズの実家。
腕利きのガーディアンにとって進入するのはSEEDを一匹倒すよりたやすいだろう。
その時になってはじめて俺は教官殿の他にもう一人、人影がある事に気がついた。
パートナーマシーナリー420型。通称ニャンポコなどと呼ばれている機体だ。
「彼女は?」
「うん、お願いというのはね」
教官殿はにこりっと邪気の無い笑顔を浮かべる。
「この子のマスターになってほしいの」
420型が反応して此方を向いた。
「よろしくおねがいします」
抑揚の無い声で彼女は言った。
「それでね、て聞いてるの青ちん?♪」
教官殿がずびずびと茶をすすりながら俺を指差した。
茶を飲んで喋りながら俺を指差すなど器用な事だ。
「聞いてますよ」
青ちん、というのは自分の名前。
性格には教官殿に付けられたニックネームだ。
ディ・ラガンに睨まれて真っ青で震えていた俺を見てこの教官は・・・
「あはは♪真っ青だね、よし、君は今日から青ちんだ♪」
・・・・本当、思い出したくも無い。
「それにしても教官よりはやくやめるなんてこの親不孝モノが♪」
誰が親だ。まあ、突っ込んでもしょうがないが。
この教官の無駄話が続いる間に俺はその隣に腰掛ける420に視線を移す。
大人しく座っている。
一般的な420型だ。それ以下でもそれ以上でも無い。
ただ注意を引く部分があった。それは瞳だ。
虚ろなのだ。目の焦点が合っていないというか、どこを見ているのか分からないというか・・・
「ああ、忘れる所だった♪」
教官殿は世間話を終えて当初の目的を思い出したようだ。
「この子のマスターになって♪」
「いやです」
「却下♪」
却下するな、というかその権利はこっちにあるんじゃ無いだろうか・・・
「俺がパートナーマシーナリーを苦手なのは知ってるでしょう?」
「ショック療法って知ってる?♪」
「あのですね・・・」
この教官殿は俺のマシーナリー嫌いを直すために420型をつれてきたのだろうか・・・
困った事に思いつきで行動する彼女は全て自分が正しいと信じて疑わない。
「冗談♪」
「はぁ・・・」
「この子は実は訳ありなのよ♪」
そんなの見れば分かる。
通常420型といえば活発な性格というのが一般的だ。
ところがこの420型は酷くおとなしくおまけに瞳が虚ろだ。
「だからマスターになってあげて♪」
「訳分かりませんて・・・」
「むう、じゃあ預かるだけでもいいから♪」
「自分で世話すればいいじゃないですか」
「そう言うわけにもいかなくて♪」
教官殿はこの訳有り420型を絶対俺に押し付けるつもりだ。
平穏を乱されてたまるか!
「ホントに嫌?♪」
「嫌です!」
黙って聞いている420型は眉一つ動かさない。
「しかたないな、じゃあとっておきでいってみよう♪」
そういうと彼女はソファから立ち上がって此方へと寄って来る。
何を考えたのか俺の膝の上に乗って俺の顔を潤んだ瞳で見上げながらこう言った。
「お兄ちゃん♪助けへぶっ!?」
おもわず額にチョップを見舞ってしまった。
膝から転げ落ち頭を抑えて蹲る教官殿、それを無表情で見つめる420型。
やがて少し涙目で教官殿は俺を見上げた。
「なんでか弱い妹作戦が通用しないの!?」
本当にショックを受けたように教官が喚き散らす・・・頭痛くなってきた。
420型に頭を撫でられながらなおも泣きそうな顔で俺を見上げる教官殿、俺が泣きそうだよ。
「訳ありってどういうわけなんです?」
よせばいいのにそう聞いてしまっていた。
昔からそうだ。俺はなぜかこの人のマジ涙に弱い。
「この子はね・・・」
神妙な口調で教官殿は言う。
「ローグスから保護してきたのよ。本来のマスターは死んだわ」
「そう、ですか」
よせばよかった。
本当に聞かなければ良かった。
「彼女自身も酷い扱いを受けてね・・・」
420型を見る。丁度此方を向いていた彼女の虚ろな瞳と目が合った。
その、瞳の虚ろは破壊されたからか?
大切な主人を。
楽しい記憶を。
築き上げてきた自我を。
俺はそうなってしまったマシーナリーを知っている。
かつて救いきれなかったマシーナリーを。
「危険は無いですか?」
俺の言葉に教官殿は目元をぬぐいいつもの調子でこういった。
「ないよ♪この子をいじめた奴等はもういないから♪」
「俺が断ったらどうなるんですか?」
教官殿が悲しそうな表情を浮かべた。
そんな事聞かずとも分かる。主を失ったマシーナリーの末路は決まっている。
だから教官殿はかつての教え子である俺の元にやってきたのだ。
「もう少しなのよ♪その子を買い取るお金が溜まるまでに♪」
まだガーディアンズライセンスの残る俺の元に。
俺のパートナーマシナリーとして登録すればひとまず彼女の安全は保障される。
教官殿にはすでに成長しきったマシーナリーが存在している、そして俺にはもうマシーナリーはいない。
簡単な事なのだ。俺さえ頷けばいい。
「駄目かな?」
だから頷いた。
教官殿が嬉しそうに笑顔を浮かべる。
420型がただ俺を見つめた。
パートナーマシーナリーは早く言えば単なる物だ。各ガーディアンズに支給される物に過ぎない。
それでも教官殿はこの不幸な物を見捨てられなかった。
俺も見捨てられなかった。ただ、それだけの事。
「ありがと♪さすが青ちん♪」
本当に嬉しそうに教官殿が喜んでそれから再び俺の膝上によじ登る。
「抱かれてもいい♪おにいちゃへぶっ!?」
ごめんなさい、俺はロリコンでは有りませんから・・・・
これまで・・・・続くとつけわすれたorz
とりあえずしばらくお邪魔させていただきます(・Δ・)ゝ
全く、パシリスレはいつきても潤ってるな、これはある種PSUの遺産とでも言うべきか・・・w
前スレ
>>230の実況ネタが割と人気あったと言うことで今更ながらの続き(?)
ただしグッダ・グッダなのは相変わらずで
誰かの意図(趣味)によって(無作為に)厳選され選出したパシリ達。
これは彼女達の熱き戦い、の手前を描いた物語である。
ここまでのあらすじ
「アカレンジャイ!」
「キレンジャイ!」
「アカレンジャイ!」
「アカレンジャイ!」
「キレンジャイ!!」
「五人揃ってぇ!」
ビス男「っと、チャンネル間違えた。ガチャガチャっと・・・」
あらすじ
実況「さあついに揃った五体・・・いや五人のパシリ、正五角形の変則リングに張り巡らされた有刺鉄線の檻の中、
己の欲望に忠実な獣達が牙を剥く!」
ここからの放送は『揺り篭から墓場まで、グラールの未来を創るGRM』
『君の守るべきものはなんだ、ガーディアンズ』と、ごらんのスポンサーの提供でお送りします。
(『ヒュマ男ファン倶楽部』『世界美味いもの協会』『小ビス子を愛でる会』『変態の友』『箱と一緒』)
実況「では改めまして実況はこの私と、解説にヒューガさんをお招きしています」
解説「この世のd」
実況「さてリング上では言わずと知れた猛者達が揃い試合の開始を今か今かと待ち望んでいる!
勝つのは誰だ!生き残るのは誰だ!
そして、勝利の栄冠と幸せを掴むのは一体誰なのかぁ!」
解説「とりあえず怪我だけはしないでほしいものです、彼女達との出会いもまた星霊のお導きなのですから」
実況「言ってる事は普通ですがこの人が言うと何やら妙な下心が感じられる気がするのは私だけでしょうか!
さあ今リングサイドに置かれたリアクターから観客席を守る為のシールドが展開される!
この激しい戦いから我々を守るのがこの薄いシールド一枚と言うのには少々不安が残るところですが!」
解説「あのシールドにはストライカーの砲撃にも耐えれる設計を施していますから心配することは――」
実況「おぉっと、430、おもむろにバーストを取り出して撃ったぁ!放たれた弾丸はシールドに命中、そのまま掻き消える!
えー、報告によるとこの攻撃による被害は特に無い模様です、観客席の方々は落ち着いて席にお戻りください
さて当の430はこの混乱を余所にして口元には笑み!
『なるほど、これなら全力でやっても問題なさそうね』と言わんばかりの表情を浮かべおります!
先ほどのヒューガさんの言葉どおりシールドはかなり頑丈なようです!」
解説「・・・まあ美しいバラに棘はつき物ですから、えーあー、はい・・・」
実況「もはや何を言っているのか解りません、なにをそんなに動揺しているんでしょうか!
さてそうこうしている間にも選手間の緊張の糸が張り詰めていく、心なしか会場の温度が上がった気もします!
一瞬の静寂、選手も観客も皆息を飲んでゴングが鳴るのをじっと待ち望んでいる・・・!」
そしてゴングの無機質な音が鳴り響く、止まっていた会場の刻が動き出す。
実況「今、無常な鐘の音が鳴ったぁ!
これは勝者に微笑む天使のベルなのかはたまた敗者を地獄へと突き落とす死神のノックなのか!
おぉっと、開幕と同時に動き出したのは狂犬430、勿論狙いは自らの因縁、410!
そしてその反対では440と450の熱い牽制が始まっている!
さてここで改めてルールの説明ですが、時間無制限の完全一本勝負、インターバル無しで最後の一人になるまで戦うデスマッチ方式。
またロープの変わりに張られた有刺鉄線に流れる電流とリングを囲うシールドによるランバージャック形式、これにより彼女達に逃げ場は全くありません!」
解説「正直なところこんな試合は辞めさせてあの五人と夜明けのコーヒーdうわぁ、か、顔だけはッ!」
実況「えー、流石のヒューガさんも四人同時の攻撃を受けると沈む模様です、まさに口は災いの元!
では一旦ここでCM入ります」
『新発売フォトンボール!これで君も今日からバインバイン♪あそれバインバイ〜ン♪もういっちょおまけにb』
420「マスターいつまでテレビみてんのさ、早くしないとシャトル乗り遅れるって言ってるでしょ〜」
ビス男「あぁ、もうそんな時間か。んじゃ行くか、まだモトゥブの浄化も済んでないしな」
420「よーしマスター、倒した敵の数で勝負しよっ!私が勝ったらヒュマ堂シュク・リーム、負けたら何も無し!」
ビス男「・・・俺のが圧倒的に分が悪いんだが」
420「気のせい気のせい♪」
ビス男「全く・・・まあ負けなきゃいいか」
この日、ヒュマ堂のシュク・リームが全品売り切れた理由を知るものは居ない。
ある者は主人との二人っきりのデートの為に。
ある者は食べ放題飲み放題の為に。
ある者は主人との密室であれやこれやの作戦の為に。
ある者は実は好きな主人と出かける口実の為に。
ある者は主人の夢を叶える軍資金を得る為に。
とまあ続きと言いつつ微妙に変わってたりするのはご愛嬌
そして相変わらず半端な部分で無理矢理なぶった切りと言う暴挙
後ゴング後実は420が動いてないと言うのがありますが
実は一歩引いた位置で柱に乗って腕を組み、口元に笑みを浮かべつつ残り四人の戦う姿を眺めていた
と言う方向でここは一つ・・・w
早朝に投下があって、ついでに早朝にコメントが付いたりするPSUスレはもう残り少ないだろうなぁ…
>>303 悲しい過去と…暖かい未来の予感。続き楽しみにしてるよ。
>>307 420は傍観してたのかw
あえて触れないから、コーヒー(と一緒に出るであろうケーキ)のために
ヒューガの援護に回っているという落ちでも付くのかと勝手に想像してしまってたぜ…w
そういえば炎侵食イベントネタって出てないよね?
ってことで久しぶりに投下。 なんだか最近書き欲が沸かない今日この頃でございます[´・ω・`]
〜ニューデイズ
箱「……これで幾つ目だっけ?」
450「……100以降……数えてません……」
熱い…超熱い。
今回大規模な炎侵食が発生して、ガーディアンズ全員に浄化指令が下された。
最初ご主人様は、浄化作業が面倒らしく、非情に乗り気じゃなかったんだけど、
私が超お願いしたら(杖とかは使ってません。念のため)どうにか参加してくれることになりました。
それにしても、超熱いです。PMの私ですら汗だくです。
ご主人様は… どうして平気なんでしょう…
さっきから平気な顔しててくてくと歩いて…
…あ゙……倒れてる!?
450「ご、ご主人様!!大丈夫ですか!?」
箱「ポペー」
450「ど、どうしよう!? そ、そうだ、水で冷やせば!!」
よいしょ、よいしょ。
私は熱暴走寸前のご主人様を引きずって、フライヤーベース横の運河(?)の傍に連れて行く。
450「…そぉい!!」
ざっぱーーーーーん ブシューーーーーーーーーー
凄まじい湯気が沸き立ち、回りの人たちが何事かと水中のご主人様を覗く。
箱「……………………あり?」
どうやら元に戻ったらしいです。なんとか一安心。
450「ご主人様、大丈夫ですか?」
箱「うん。僕、なんでここにいるの?」
450「ご主人様のボディが熱で紫色になってきてたので応急処置を… 荒っぽくて申し訳ありません…」
正直滅茶苦茶な方法をとったのは反省しています。
しかし一番手っ取り早いのがこれでしたから…
箱「あーそうなの?ありがとー いやあ、何時の間にか意識がぶっとんでてさあ」
ご主人様はアハハと笑います。
本当に大丈夫なのでしょうかご主人様……
箱「じゃあ、次いこっかー」
うっ、まだやる気ですこの人は…
私の我侭に付き合ってくれるのは嬉しいんですけど、
今日はこれくらいにしておかないと、ご主人様のお身体が心配…
450「いえ、今日はこれくらいにしましょう。私も疲れましたし…」
箱「あ、そーなの? それじゃあ、帰ろうかー」
450「はい」
今回の私の浄化ミッションの目的は、実は浄化そのものではありません。
目的は…戦闘値の上昇。
普段私がついていくと、よく戦闘不能になり、ランクを何時もより下げてしまいます。
しかし今回の浄化作業は少々戦闘不能になってもランクは下がりません。
これはチャンスです。事件前に3だった私の戦闘値は、今では47に……(事実)
もっともっと戦闘値が上がれば、きっとご主人様とあんなことやこんなことを…ウフフー
箱「どーしたの?ぼーっとして」
450「あっ!? い、いえ、な、なんでもありません」
箱「浄化作業で疲れたの?すっごく熱いからねえ… ああそうだ、今日は家事、僕がするよ」
唐突なご主人様の提案。
450「そ、そんな!そういうことをご主人様にさせるわけには…」
でも、ちょっと嬉しい。
箱「いいよいいよー。たまには僕がやるから。こう見えても家事は人並みにできるんだよ」
450「で、でも…」
箱「たまには休んでよ。450が倒れたらどうするの」
ああ… ご主人様……私のコト、心配してくださるのですね…
箱「いつもお手伝いに行ってる保育園の子供達が泣いちゃうよ?」
……………………ウガーーーーーーーーーーーーー!!
ご主人様らしいといえばらしいんですが……ハァ……
私の溜息が休まる時は来るのでしょうか……
450「わかりました。今日はご主人様にお願いします」
箱「おうー、まかせろー」
まったくもう……
頼りになるんだか、ならないんだか…… ふふ。
〜マイルーム
450「ふんふ〜ん ふふふ〜ん」
ご主人様は夕食のお買い物。その間に私は先にシャワーをいただいています。
……炎の熱で、すこしボディ表面が焼けてるような。
事件が収束したら一度メンテナンスに行かないと。
そう思いながら、脱衣所で身体を拭いて、バスタオルを巻いてドレッシングルームに。
まだまだ事件の収束には時間がかかりそうですし、
ここのところずっとご主人様に無理を言ってましたから、明日から暫らく休んでいただこうかな…
そう思いながら、お気に入りのネコ柄のパジャマを身に付ける。
今日はもう寝るだけだし、ちょっと早いけど。
そして、何時もは三つ編みにする髪は、気分転換ってわけじゃないけどポニーテールにしてみる。
いつもとちょっと違った私が鏡に映る。
たまには、こういうのもいいかな?
箱「ただいまー」
ご主人様の声。
鏡の前でぽけっとしてた私は、慌ててご主人様をお迎えにドレッシングルームを出る。
450「あ、お帰りなさいませ」
箱「ただいまー。 シャワー終わったの?」
450「はい。お先に頂きました」
箱「じゃあ、洗濯するねー」
450「はい」
相変わらず素直というかなんというか…
きっといいお婿さんになれますよご主人様……
私の電脳内で、もわもわと浮かび上がる虚像。
……………………ん?
突然何かがひっかかります。
なんだか……凄く肝心なことが…………
ふと、私の中のそのひっかかりが、徐々に膨らみ、一つの予想となる。
ま、まさか!!!
ダダッ!
慌てて洗濯機のある部屋に駆け込む私。
まさか!まさかまさかまさか!!
箱「ん? どしたの?」
ご主人様の手には、見覚えのある小さな白い布きれが……
よく考えれば、洗濯する服って私の着ているものばかり……
箱「ああ、これ?いまから君のぱん…」
450「っわーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」
ゴズッ!! メゴッ!! ブスッ!!
箱「ぎゃあああああああああああああああああ!!!」
450「ばかばかばかばかばかーーーーーーーーー!!」
箱「何!?何!? なんなのーーーーーーーーーー!?」
明日から……しばらくは休暇です。
ご主人様のメンテナンス……しなくちゃ……はうぅ
おしまい
ってな感じで珍しく450視点で書いてみました[ ´ω`]
297の続きを投下です。
惑星ニューデイズ ミッション終了後
沼虎「第一回種族対抗エネミー討伐選手権大会、結果発表ー!」
420「またムダにテンション高いわね……」
沼子「420ちゃん、正中線は外して殴らないとダメよ?」
沼虎「コラそこ! 私語すんじゃねえ! あと430も……あ?」
430の周囲に、大量の蝶が群がっていた。
430「わあい、わあい! ちょうちょさんがたくさん……ア゛ッ! い、息が……」
もはや蝶のカタマリと化した430の声が途切れた。
420「430ーっ!」
沼子「よかったわね。……息が詰まるほど、嬉しいのね」
沼虎「いや、どー見ても息できなくて困ってるだろアレは」
助けに入った420も、群がる蝶を打ち払うこともできず、一緒にカタマリにされてしまう。
沼子「……平和ね」
沼虎「……そーだな」
二つのカタマリの周囲を、吹雪のようになって飛び回る蝶々。だが、沼子と沼虎の周りにだけは、一匹もいない。
沼子「……それで」
沼虎「あ?」
沼子「言うの? あの子たちに、あのことを」
沼虎「言わねえ。ここは普通の緑林突破ミッションで、最後にちょいと風変わりなカマトウズが出てきた。それでいいだろ?」
蝶の群れを見つめたまま、沼虎が言った。
沼子「異存はないわ」
同じく蝶を見ながら、沼子がうなずく。
沼虎「さて、と。そろそろあいつら助けてやるか。……出口はすぐそこだしな」
沼子「そうね。中継地点まで行けば、一息つけるわね」
うなずきあって、沼子と沼虎は蝶人形となった二人に歩み寄る。とたんに、ちりぢりになって蝶が離れていった。
430「ア゛ッー! ちょうちょさんー」
420「コラ。勝手にどっか行かないの」
沼子「それじゃあ、中継地点でお茶でもしながら、結果を聞きましょう」
沼虎「そりゃいいな。久しぶりに動いたから、もう喉カラカラだぜ」
430の手を沼子が引いて、出口へと歩き出す。
沼虎「ホレ、行くぞ」
沼子と430をぼうっと見送っていた420の手を、沼虎が引っ張った。
420「ちょ、ちょっと!」
沼虎「話は後だ。俺は腹も減ったし、喉も渇いた。だから、急ぐぞ」
ずんずん歩く沼虎の歩調にあわせ、小走りになって420は付いてゆく。
420「……手、つないじゃった……」
沼虎「あ? 何か言ったか」
420「な、何でもないわよ! それより、もう少しゆっくり歩きなさいよバカ虎っ!」
つないだ手をひねり上げる420。
沼虎「イデ、イデデ!……わ、わかった! ゆっくり歩く、歩く! ギブ、ギブ! ア゛ッー!」
ほのぼのとした緑林を後にして、四人の姿が出口へと消えた。 つづく
ネタのタイムスタンプがバレンタインで止まっててごめんね><
だが横合いから叩きつける。
それはワルいキャストとワルいパシリの物語。
前回までのあらすじ!
「私のものは私のもの。ワルキャスは私のもの」
「ちょっとまてえええええ!」
「んぅ…間違ったかな? まあいい、気にするな」
「気にするっつうの!」
ワルキャスの姉・ニュマ姉VSワルキャスのPM・ワルパシリ
〜勃発〜
死の踊り子が双剣を振るう。
氷結の片手爪が竜巻を起こす。
「砕け散れ」
「ウオオオオオオオオオッ!」
ワルキャスとワルパシリ〜天敵編・後編〜
ワルパシリとニュマ姉はコロニーの廃区画を戦いの場として選んだ。
誰も邪魔も入らないその場所で…
ワルパシリのデスダンサーが、ニュマ姉のダイガミサキが、綺麗で鋭い音色で歌い踊る。
「なかなかどうして…強いじゃないかPM」
「PMじゃねぇ! ワルパシリだっ!」
強烈な斬撃の後、半歩パックステップ…ニュマ姉に敵意を向け、ワルパシリが加速する。
「殺ッたあああああッ!」
ワルパシリ、猪突猛進のアサルトクラッシュ。
溜め込んだ衝撃を一点に向ける突進技で喰らった者は空を舞い、地に伏せる。
臆する様子が無いニュマ姉はあろう事かダイガミサキに左手を沿え、防御する構え。
「…甘いな」
ニュマ姉が息を洩らす。
瞬間…突撃・接触・回転・回避…そして激突。
「ンギャアアアアアッ!」
ダイガミサキとデスダンサーが触れ合った瞬間、舞姫かのごとくに回転し、攻撃をいなしたニュマ姉。
力の矛先を失ったワルパシリは彼女の背後にあった噴水台に激突した。
「ふっ…」
ニュマ姉はだらしなくショートパンツ丸出しにした410の姿に、思わず苦笑を洩らす。
煙と瓦礫を撒き散らしならブルブル頭を振り、デスダンサーを振り回すワルパシリ。
「ブヘエっ…ペペペッ! てめぇ、必殺技ってのは受けるのが礼儀だろうが!」
「悪いな、お前のように私は頑丈ではない…クククッ、それもワルキャスからの教えか?」
「おっ…おうよ…」
ニュマ姉は嬉しそうな顔を見せた後、先ほどの衝撃で出来た微かな傷を指でなぞり、血を舐める。
次の瞬間、彼女の視線がワルパシリを貫いた。
「では…私も本気で闘うのが礼儀というものだな…」
ナノトランサーにダイガミサキを仕舞い込んだニュマ姉は誰も見たことが無い得物を取り出してきた。
「な…なんだよそれ…」
「これはまだトライアルにさえかけてない試作品だが…」
ピャウッ!
「ッ!」
空を切る光刃鞭が410の頬を切る。
ニュマ姉の手に持つのはフォトンを鞭状にしたフォトンウィップ・ヴィシ。
ローグスであり、モ通連だからこそありえる未知のフォトン兵装である。
「この得物…中々に強いぞ?」
***
ぼやけた意識。
だが、燃え盛る炎はあの始原祭を思い出させる。
そうだ…テノラ社の屋上、秘密の特等席で…花火を見ながらニュマ姉の酒に付き合う。
毎年の恒例行事だった…
『ほら、口をあけろ』
『ううっ…いいってニュマ姉…』
『いいから食え。それとも姉の施しを受けられないと?』
『くうう…はむっ…うまい…』
『ふふふふっ…』
姉貴は美人なくせに嫁ぐとかそういった事を拒む。
親父や兄貴たちも悩む反面、仕事ができるからないないにしてる。
お互い、酒は半々残りながらの世間話はいつもの事だ。
『…行くのか?』
『あぁ…俺の欲しい物があるかもんしんねぇ…ガーディアンズにはな』
『…ローグスじゃ、ダメなのか?』
ニュマ姉がブルーフィーターを飲み干し、俺の胸に背中を預けてきた。
顔は見えない…だが、いつもの尊敬する姉とは違う、
一人の女としてのニュマ姉がそこにいた。
『獲るのも悪くねぇ…だが、守るのも悪くネェ…ってな…』
『ほう…いっちょまえに言う様になったではないか』
『おっ…おい、ニュマ姉…』
俺の手をとり、ニュマ姉は自分の胸にあてがった。
酒のせいか別のせいか、熱い高鳴りを感じる。
『お前の融通の利かなさは私譲りか…やらしい弟め…』
『ニュマ姉…』
『…今夜は…今夜だけは私を守れ…私だけを…な…』
夜のせいでわからなかった。
花火が照らしたニュマ姉の頬には輝く何かが流れていた事を。
そう…忘れちゃいけない思い出。
ガーディアンズ試験のために旅立つ前のローグスとして最後の夜。
***
「ほらどうしたPM。射程外では対処方も浮かばないか」
「くっ! うっせえっ!」
追尾性能を持つヴィシをデスダンサーで払いつつも、距離を置かれてしまうワルパシリ。
ニューマンとは思えない俊敏な動きで光刃鞭を扱うニュマ姉。
顎下に指を添え、嫌味たらしく410を見下している。
「ふむ…主がいなくなる事で自分の存在意義が消える事がそんなに不満か?」
彼女にとってもは些細な嫌味。
だがそれは、ワルパシリの逆鱗に触れる行為だった。
「ふざけんじゃねぇ!」
「…ほう」
私情的なモノとは別の怒りに、ニュマ姉は軽く驚く。
デスダンサーを仕舞い、ジョギリに持ち替えたワルパシリは吼えた。
「俺なんかどーだっていいんだよ!
だがなぁ…おめぇがワルキャスの仲間だかなんだかしらねぇが、
アイツの意思に関係なく連れ出す根性が許せネェ!」
ジョギリを地面に叩きつけ、芯の通った睨みをきかせるワルパシリ。
「それに…連れ出したところで、ほいほい従うタマじゃネェって解るだろうが!」
***
『きめたっ! お前の名前は玉さく!』
『はあああああっ!? いえ、わかりました、ご主人様』
それが奴とのワルパシリの最初の出会い。
『うわっ…どうしたんですかご主人様?!』
『ん? ああぁたいしたことねぇよちょっとケンカしただけだ』
『まったく…なにやってんだか…』
『へへへっ、わりぃちょっと手伝えや』
『へいへい…わかりましたよぉ』
玉っころのくせにやけに面倒よかったよなぁ…。
『おらっ! くらいやがれ!』
『おおおおおおおおおっ! 闇44%! やるじゃねぇか!』
『へへっ! 俺様もなかなかやるだろう?』
『おうおう見直したぜええ!』
『ばかっ! くるしっ…くるしいいってウラアアッ!』
『マッハアアアッ!』
知らんうちに俺に似てきやがって。
今はちったぁいい女にはなったが、まだまだだ。
憎たらしいやつだが…それでこそ俺の相棒。
今も刻まれる…ワルキャスとワルパシリの記憶。
***
「…フフフッ…フハハハハハハッ!」
410の眼光を眺め、ニュマ姉は思わす笑い声を上げる。
「私からワルキャスを奪っておいて生意気な口を開くな」
獣の瞳、殺意の眼光。
ニュマ姉の片腕がかき消えた瞬間、410のカラダは中空を舞っていた。
「なっ!?」
「妖飛瞬転尾(ヨウヒシュンテンビ)!」
駿足で放たれたヴィシがジョギリを持つワルパシリを捕らえ、易々と放り上げる。
体勢を崩したままワルパシリは頭から地面に激突する。
「グワアアアアアアッ!」
「…これもトライアルに出していないPAだ。光栄に思うんだな…」
ヴィシを仕舞い、背を向けるニュマ姉。
微かに動きを止めるが、すぐさま歩み始める。
だが、後方からかけられるワルパシリのうめき声。
「…待て…や…こなくそ…」
声を聞くや、嬉しそうに頬を吊り上げた。
冷たい顔のまま振り向き、ヴィシを再び構えて言い放つ。
「何がガーディアンズだ…オトコの一人も守れんのに…」
「言ってろ…この糞ローグス女が…」
ジョギリを構えるワルパシリ。
にらみ合う両雄。
「シィッ!」
「無駄!」
ニュマ姉の放つヴィシが再び410を捕らえようとする。
だが、ワルパシリの持つのは縦にもなる巨剣ジョギリ。
自分の立っていた位置に突き刺し、スケープドールとする410。
「…なにっ!」
宙に舞うジョギリ。
隙を見せたニュマ姉に飛び込み、ワルパシリの必殺の一撃が放たれる。
「アサルトオオオオオッ! クラアアアアアアシュッ!」
それはワルいキャストとワルいパシリの物語。
ここまで。やっぱ締めが伸びちまったぜ!
フォトンウィップのあれってテノラ製風の名前だったので採用。
PAは即興! 技をキメた時のイメージ絵は車田先生風だぜ!
一気に投下されてる作品が多すぐるぜ!すごいぜこれは!!
ダメだ、今はまともなレスがつけれねぇ…⊂、⌒⊃ 。Д。)⊃ グハッ
俺自身何言ってるかわかんねーなこりゃ。訂正、
今見たらいろんな作品が投下されてる、すげぇw多すぎるぜ!すごいぜこれは!!
ダメだ、今はまともなレスがつけれねぇ…⊂、⌒⊃ 。Д。)⊃ グハッ
もう⊂、⌒⊃ 。Д。)⊃ グハッだけで良いんじゃね
確かに(笑)
324 :
名無しオンライン:2007/03/05(月) 19:28:27.18 ID:KZhyTIRl
ウホッ
いい
箱[゚Д゚]
312の続きを投下です。
惑星ニューデイズ シコン諸島:タンゼ巡礼路
沼虎「と、いうわけでだ。沼チーム二十体、ダブルパシリチームがなんと四十七体! よって、第一回種族対抗エネミー討伐選手権大会
勝者は、パシリチーム!」
沼虎の高らかな宣言に、周囲から一斉に拍手が巻き起こる。暇なガーディアンズたちが数人、集まっていた。
男1「おめでとうございます、420さん。勝因を、お聞かせ願えますか?」
420「やっぱり、ブロック1の掃討をバカ虎に押し付けて、さっさとブロック2まで行ったのがよかったんだと思います」
男2「負けたチームに何をやらせるか、もう決めてあるんですか?」
420「それは……バカ虎に直接言うつもり……です」
男3「430さん、420さんのコンビはどうでしたか?」
430「はいッ! ちょうちょさんをたくさん見れてよかったですー!」
沼子「……あなたって、意外と人脈あるのね」
数人のガーディアンズにインタビューされている二人を、沼子はぼんやり眺めていた。
沼虎「何のことだよ」
沼子のテーブルに、山盛りになったオルアカロールの皿がどん、と置かれた。沼虎が、沼子の隣に腰掛ける。
沼子「アレ、みんなあなたのお友達でしょう?」
沼虎「いんや、俺が声かけたのはほんの二、三人くらいだ。あとはまあ、その場のノリってやつで集まってんだろ」
沼子「……ガーディアンズって、人手が余っているのかしら」
沼虎「娯楽に飢えてるんだろーな。っと、記者会見が終わったみてえだ」
おつかれー、と声をかけあい、ガーディアンズたちはミッションカウンターへと消えていった。
430「ごしゅじんさまー!」
ぱたぱたと寄ってくる430の口に、沼子がオルアカロールを放り込む。
430「もぎ、もぎ」
沼虎「ア゛ッー! てめえ沼子、そりゃ俺のだ!」
沼子「ひとつくらい、いいでしょう? 430、ゆっくり食べなさい」
のどを詰まらせる430に、すっとコルトバジュースを差し出す。
沼虎「ったく……。ん? どーした420。お前も食べろよ。うめえぞ」
沼虎の側に立つ420は、動かない。
沼虎「何だ? まさか、430みたく食わせて欲しいのか?」
420「……大事な話が、あるの。もぎ、もぎ……って、勝手に口に入れないでよ!」
しっかりとオルアカロールを飲み込んでから、420は沼虎の脛へローキック。
だが、その威力はいつもの二割程度しかなく、赤黒い痣もできない。
沼虎「お、おい、具合でも悪いのか!? いつもなら、こう、もっとドグァァッ!! と……」
420「人の蹴りで健康診断すなっ! それより、その……話が、あるんだけど」
ちらと、420が沼子と430を見やった。
420「ちょっと、外していてくれない?」
沼虎「お、おい420」
沼子「わかったわ。430、あっちのお土産コーナー、行ってみましょ?」
430「はいッ! 巡礼ペナントと巡礼まんじゅう買いましょー!」
つないだ手を引きずるくらいのスピードで、430が沼子を引っ張っていった。テーブルの上に、沈黙が流れる。風が木の葉を揺らす音が、
やけに大きく感じられた。
沼虎「んで? 話ってな、何だ」
いつもの軽薄口調ではない、沼虎の声。聞いただけで420の心臓がドキリと鳴った。
420「あ、あの、あのね?」
顔が熱い。ドキドキがどんどん速くなる。落ち着け、落ち着くのよ! 自分に言い聞かせ、420は大きく息を吸い込んだ。
420「話……っていうか、その、例の罰ゲームのことなんだけど」
しっかりと沼虎の瞳を見据えて、420は口を開いた。 つづく
目覚ましが鳴る。
という事は時刻は早朝6:00なのだろう。
このまま30分ほどベットの上でぼんやりしてから起きるのが日課だ。
だが、今日はそうはいかなかった。
気配がする。
眠っている自分の横に誰かがいるようだ。
咄嗟になにか武器になりそうなものは無いか視線を巡らすが手の届く場所には無い。
その時だ。横にいる誰かが僅かに息を吸い、俺の耳たぶを持って・・・・
ふ〜〜〜〜
ゾクゾクゾク!!!!
思わず飛び起きた!!
「な、な、なぁ?」
視線の先にはさっきまで俺の居た場所の横に寝転がっている420型。
「おはようございます」
彼女は視線だけを此方に向けてそう言ってきた。
「いや、おはよう」
420型が身を起こす。
そのままベットから降りると俺をじっと見つめた。
「あの・・・なんでこんな事を?」
耳元を抑えたまま問う。
「こんなこと、とは?」
光宿らぬ虚ろな瞳。
「耳に息を吹きかけたのはどうして?」
昨日、教官殿が置いて行った訳有りのマシーナリーだ。
「きょうかんさまがあおさまのおこしかたとおしえてくださったのです」
「教官殿が・・・」
「あおさまがとてもおよろこびになるとおっしゃっておりましたが・・・」
420型は少しだけ首を傾げた。
「なにかてじゅんにまちがいでもありましたか?」
「いや、ね・・・」
本日一度目の溜息。
何を教えているんですか教官殿。
この子も色情魔もどきにするつもりですか・・・・・
「ちょうしょくのじゅんびができております」
俺の不安などよそに相変わらず抑揚の無い声で彼女が言った。
テーブルの上にはまだ作り立てと思われるオルアカロールが湯気を立てている。
オルアカの薄皮をこんがりとなるまで強火で焼いて季節ごとの野菜を巻くのだ。
席に着くと420型がご飯をお茶碗に盛り付けて持ってくる。
「どうぞ」
差し出された茶碗を取り箸でオルアカロールを口に運ぶ。
ぱりぱりとした触感。噛み込むと肉汁が口の中へと広がる。
うん、中の野菜にも程よく火が通っていて柔らかい。
420型は俺が食べる様子をただじっと見ている。
「うまいよ」
「ありがとうございます」
うん、420型は料理合成が苦手と聞いたけど随分いけるものだ。
と、合成・・・・
「基盤、どうしたの?」
ふとした疑問。料理を合成する大前提の基盤。
そんなものは家には無い。
対して420型の答えは簡潔だった。
「じぶんでつくりました」
「ああ」
なければ自分で作ればいいだけか。
「料理得意なのか」
「じょうほうがいんぷっとされていますから。
てのらりょうり、にゅーでいずりょうり、ぱるむりょうり、どれでもつくることができます」
当たり前の様に言うがあの子は料理がヘタだったんだがな・・・・
「ましーなりーによってこたいさはありますけれど」
疑問が顔に出ていたのか420型が付け加えるように言った。
なるほど、マシーナリーでも個体差なんてものがあるのか。
「ごまんぞくいただけてさいわいです」
相変わらず無表情。焦点を結ばない瞳。
喜んでいるのかどうか分からない。
「そういえばさ」
「はい」
大事な事を忘れていた。
「君の名前、聞いてなかった、よね・・」
「なまえ、ですか?」
「うん、名前」
普通は一番はじめに聞くべき事なのだが・・・・
あの後、教官殿が私の色気はミジンコ以下か!とか訳の分からない事で騒ぎ出したのだ。
宥めて帰ってもらうのに疲れ果ててしまいそのままベットに倒れこむように眠ってしまった。
420型を見る。
彼女はただ中空へと視線を送りぼんやりとしている。
「わたしのなまえは」
「うん」
俺の視線に気が付いたのか此方を向いた。
「よに、です。420がたなのでよに、です」
「ヨニか、よろしくな。俺の名前は・・・・」
「あおさまですよね?」
「あ、ああ、それでいい」
420型だからヨニか。名付け親は随分、単純な名前を着けたものだ。
まあ、俺も人の事いえないような名前をかつてのマシーナリーに付けていたが。
自分の本名は・・・まあいい。どうせしばらく預かるだけなのだ。
ヘタに深く関わると情が移ってしまいかねない。渾名のままで十分だろう。
食事を再開する。
絶妙な火加減で焼かれたオルアカロールをおかずにご飯を食べる。
ヨニはしばらく俺が食べるのを眺めていたがやがて小さなオルアカロールを取り出すと口に運んだ。
無言の朝食、それでも、悪い気はしなかった。
続く
>>311 箱のメンテナンスってのも450が言うとなんかイメージが違って見えてしまうな
なんというか黒い方の450が出てきそうで・・・w
>>319 フォトンウィップは名前的にはテノラかGRMって感じだよなぁ
つーか昔の都市伝説を形にするってのも凄い話だと思う・・・w
鞭はfFでも使えるならぜひ使ってみたいもんだぜ
>>327 なんというツンデレ
420は一体なんとお願いするのやら・・・w
>>329 料理上手な420、大人しい420
こういう420もまた華があっていいなぁ・・・w
450と430とユーザーのやり取り。強敵に襲われたユーザー。
「落ち着け。まだ傷すら負ってないのにレスタはまだ早い。・・・チョット待て。なんだその恍惚そうな表情は。」
敵が近寄ってすらないのに、必死にレスタ.役に立ったと勘違いして頬を染める450.
「待て!それは敵だ!お前の主人はこっちだ!帰って来い!。どちらにおられますかって、右だ右!違う!そっちは左だ!
ええい・・・(430を探しています。お待ちください」
敵を10秒程見つめた後、主人ではないのに気が付き半ベソでおろおろしながら、駆け寄ってきた主人の足にしがみ付く430.
合成に失敗した場合。
「・・・まぁ仕方ないな。こういう時もあっ・・・ん・・・?待て!脱ぎだすんじゃないッ!
残念そうにしながら首のヒモに手をかけるんじゃあないッ!何故頬を染める!
だいたい・・・ズボンにも手をかけるな!何故下から脱がすんだ!」
失敗して何かを勘違いしている450.
「またモノメイトか・・・・」首をかしげる430.
「俺はだな。このファントムラインが欲しいんだ。乗ってるだろこの雑誌に。」ニコニコしながら見る430
「そうそう。それだ。俺が何を言いたいのか分かるな?」430(くきゅるるる←お腹が減った音
「なんだ、お腹が空いてるのか。このモノメイトでも食べるか?ん?美味い?よしよし、味わって食べろよ?
口当たりがぼそぼそする?ほら、ミックスジュースでも飲め。幸せ?それはいいことだ。いいか?幸せってのは・・・」
失敗して合成のなんたるかを説明しているうちに、違う方向へと盛大に突っ走る主人。
PMデバイス0を間違って買ってきて、それを持って部屋に入った時。
「ん?どうした?あぁ、これかこれは間違っ・・・何故お前がライフルを持ってるッ」銃口が頭の辺りに上がっていく。
「OKOK・・・.落ち着こう落ち着こう。よぉ〜しイイコだ・・・深呼吸だ!深呼吸!待て!ライフルを持ったままするんじゃあないッ!
うおっ!ああっ怒ってない怒ってないぞ!ほら、目を見ろ!この目を見てくれ!殺し合い?違う!それは違うぞ450!
話し合いだ、話し合い!話せば分かる。・・・な?」
生命の危険を感じた主人。
「うをっ!それは食べ物じゃないぞ430!何?美味しそう?これはな、そう・・・アレだ。苦いんだ苦い!
そうだ。苦いんだぞ?食べたら舌が麻痺して、頭がグルグルしてとっても不味いんだ。
分かったか?そーかそーか。それじゃそれをこっちに・・・一口だけ?ああっおまっ!こっちのセレブケーキのが・・・」
PMデバイスを放置しておいたら口にしそうな430に焦る主人
買い物に出かけた時。
「こっちに掘り出し物のライフルがあります?とりあえず見てみるk・・・だんだんと下着売り場に近づいてる気がするんだが・・・?
気のせい?なら構わんが・・・って明らかに下着売り場だろうが!って、もう下着を手に持ってるッ!?動きが早すっ・・・・
試着室はこちらでございます?おい!定員ッ余計なコトを口走るんじゃない!殺すぞ!
とっとと行くぞ450・・・っていねぇっ!とてもお似合いです?定員は客に優しいんだよ!騙されるな!
ん・・・?俺の財布・・・ちょっ・・・ぁぁぁぁ・・・・」
買い物に出かけて10分で80万メセタ消費しながら痛い視線を浴びる主人。
「あー。悪かった悪かった。後で何か買ってやるからもう泣くんじゃない。その風船はなんだ?お姉さんに貰った?
仕方のないヤツだな・・・でも次来る時は、迷子広場じゃなくて、自分で俺を見つけような?。」
インターホンで呼び出された。
一日が終わってベッドに入って就寝。
「さて、電気を消すか・・・・なんだこの蛍光ライトは・・・消したらムードが出ない?まぁ確かにそうだな・・・って!
何故お前がここに・・・アッ・・・やめ・・・ちょ・・・・アッー!。」
俺はパシリの選択を間違えたようだ
「全部電気も消したし、寝るとするか・・・ん?あの明かりは?・・・あのな。食べたいなら食べたいで言えばいいんだよ。
じゃあこれもいい?待て待て。そんなに食べたら虫歯ができるぞ?ああ、そうだ。痛いぞー歯医者さんは・・・
キュイーンガリガリって・・・
冷蔵庫を開けて、ブリザードアイスを頬張る430.
定員→店員orz
飽きずに投下
今回は風呂編で
どうも451の主人の沼雄です。
あれからどうにかミッションを終え部屋に帰ってきました。
そこまではよかったです。
まぁ、それまでに451は例によって例のごとくアレでしたが…。
いつもなら無視するのですが今ばかりはそうともいきません。
なぜなら…
「いいじゃないですかぁ!」
「よくない!」
シャワールームと脱衣所を区切っている扉がガタガタと音を立てている。
片や開けるまいとし
片や開けようとし戦っている。
この防衛線を超えられたら何されるかわかったものではない。
普通なら一緒にお風呂でムフフな展開なのだろうが451に限ってはそうもいかない。
「以前やろうとしたことを思い出せ!あんなことされたら誰だって嫌がるわい!」
「以前?……ハァハァハァハァハァ」
以前、451が血迷ってやったことを思い出し急に息を荒げる。
いかん、ヤブヘビだったか。
「もう一回ぐらいやりましょうよぉ…ハァハァ」
「断る!」
先ほどよりも強い力が加わる。
これが欲望の力というものか…。
「もう一回だけ『ご主人様のあらゆるところをを隅々まで洗おう』をやりましょうよぉ…ハァハァハァ」
「断るといってるだろ!それにあれは未遂だ!」
前回は油断して451の乱入を許してしまった。
そのおかげで男として大切な何かを失うところだった。
「今度こそ完遂しますからぁ」
「せんでいい!」
だいぶ腰にタオルを巻いた状態でこの攻防をやっているのでいい加減体が冷えてきた。
その上、手がしびれてきており限界が近づいてきた。
「ハァハァハァハァハァ」
向こうは別の意味で限界のようだが…。
すると
「……そうですかご主人様は私が嫌いなのですね」
突如、扉にかかる力が抜けたと思ったら悲しげな声が聞こえた。
「え?」
いきなりの事にうまく反応できない。
「いっつもつれない言葉でしか返してくれないじゃないですか。私がこんなに慕っているというのに…」
一瞬『やり方が間違っているだろ』と思ったがすすり泣く声でその思いも吹き飛んだ。
「い、いや。そういうわけではなくてだな…」
「じゃあ、なんなんですの?私が嫌いならこのようなことはしないはずじゃありませんの?」
「た、確かに451に冷たかったかなと思うときもあるよ。なんていうか、いろいろともう少しおとなしく…ね」
自分でもいいわけじみてると思っているがすすり泣く声で言葉が続かない。
「わかったよ。今回だけだからな…」
先ほどまで開けまいとしていた扉を開く。
そこには背中を向け床に『の』の字を書いている水着姿の451がいた。
「451…」
「……はい」
涙目の顔を上げ暗い返事をする。
「今回だけだからな?」
「…いいんですか?」
「何もしなければな。それとその水着は脱ぐなよ」
「はい!」
涙でぬれた顔を手でこすり笑顔を向ける。
その笑顔を見てこんな顔もできるんだなと思った。
そう思いつつ二人でシャワールームへ入った。
「……ッフ」
なにか背筋に氷を当てられたかのように悪寒が走る。
「どうかしました?」
振り返るとキョトンとした顔をこちらに向けていた。
「い、いやなんでもない」
「これでご主人様と…イヤンイヤンイヤン」
後ろで小さくつぶやく声に地雷を踏んでしまったと思った。
しかし、今更なかったことにするわけにもいかない。
「さぁ、ご主人さまぁ。お体を洗いましょうねぇ」
いつの間に用意したのか泡だったスポンジを持ってこちらへ迫ってくる。
そんなこちらの考えを知ってかしらずかスポンジを持った手と反対の手をワキワキさせながらにじり寄ってくる。
こころなしか口からよだれがたれているように見える。
「え、あ、ちょっと待っ。ア"ーーーーー」
何とか最終防衛線は守ったが他の部分をこれ以上とないくらい現れたことを記しておく。
訂正:現れた→洗われた
誤字脱字ありすぎや自分…(´д`;)
引き金を絞る。銃口から発射される弾丸。矢次に飛ぶそれを、打ち込む。
その弾丸をかいくぐる影。小柄ながら、両手に大きな塊を備え付けた、少女。
弾丸を撃ち込むのは、少々小太りのヒューマンの青年。
決して美形ではないが、妙に愛嬌のある優しい顔付きに伺える。
そんな青年が、銃口を向ける先、少女がまるで風のように踊る。
少しずつ近づく距離。かすれども当たらない弾丸。そして…
「しゅわーっち!」
「くっ…」
青年の足元に、少女の拳が突き刺さり、地面がえぐれる。
飛びずさった青年は弾丸を飛ばす。少女は両の拳でそれを弾き落とす。
距離が開く、そしてつまるの繰り返し。
まるでソレは、熟練した舞踊の様にも、打ち合わせがあった寸劇にも見える。
「しゅっ…しゅっ!」
少女の拳は鋭く、間合いをつめて銃を撃たせないようにけん制している。
青年が押され始める。銃身を使い少女の拳を防ぐので精一杯の様子だ。
そして…
「もらったーっ!」
少女の渾身の一撃が繰り出される。青年は体制を崩しており、交わせない…
ハズだった。
「………!」
青年の姿が、スっと消えた。いや、消えたのではない。
見れば、姿は地面スレスレまで低く構えられており、こちら側に向かってくる。
スライディング…体制を崩した場面での咄嗟の機転。
少女の拳が空を切る。そして、がら空きの顔面へ銃口が向けられ…
「とーっ!」
「へぶっ!?」
銃口が火を噴く前に、少女のもう一方の腕が、すべり来る青年の顔を軽く小突いた。
「もー、ヒュマ助!何でこんなに戦闘弱いのさー」
442からタオルとボトルの水を受け取った422が、汗を拭きながら言う。
「だって…僕はフォルテガンナーだよ?近接攻撃はあまり…」
「何いってるのよ!現場でそんな生易しい事言ってらんないわよ!」
ぺちっ、とでこピンを見舞う422。あいたっ…という声を上げるヒュマ助。
コロニーの一角。トレーニングセンターの様な施設。
今日は、422とヒュマ助が組み手と言う形で模擬戦を繰り広げていた。
「ま、ヒュマ助の負けは負けだし、今晩はボクの大好物いーっぱい作ってよね!」
「う、解ったよ。カニ玉でも春巻きでも、作りますよぅ…」
「にへ…wやったー!w」
どうやら、賭け事もあった様子。最も、内容はたわいの無い事の様だが。
「お疲れ様です、ヒュマ助様」
422に渡したのと同じ、ボトルの水とタオルを小脇に抱えて、442が歩み寄る。
どうぞ、と手渡された水を一口飲んで、ほっと息を吐くヒュマ助。
「422はアレはアレでヒュマ助様を心配しておりますので…」
「解ってるよ。でも、筋力ないからガンナーの道を選んだんだけどなぁ…」
「少し、鍛えてみてはどうですか?」
「うぅ…筋トレとか辛い運動は苦手なんだよね…」
床にぱたりと四肢を投げ出すヒュマ助。そこに飛び込んでくる422。
「だーらしないなぁ!ほら、ボクが何本でも付き合うから!」
襟元を持って引っ張る422。ズルズルと引きづられるヒュマ助。
顔はちょっと苦笑い。勘弁してー…と小さく聞こえてくる。
「頑張って下さいね、ヒュマ助様?」
それを、少し微笑んで見送る、442であった。
結局、何十本と繰り返された模擬戦で、ヒュマ助は一本も422から勝ちを取れなかった。
少々ぐったりとした様子で、帰りの道を歩くヒュマ助。
「もー、本当に体力ないよねー…ヒュマ助って」
「いうなよぉ…地味に気にしているんだぞ?僕だって…」
「仕方がありませんよ。ヒュマ助様は人間、私達は機械ですよ?422」
「そーだけどさー…ボクらが見てきた他のガーディアンズの人だってさー」
「他は、他。ヒュマ助様はヒュマ助様です。ですよね?ヒュマ助様」
「そ、それはそうだけど…」
442に言いくるめられる422。ソレ見て微笑むヒュマ助。
「とにかく、ボクの全勝なんだから、今夜はご馳走ね?」
「はいはい。そうだね…鳥一匹丸ごとフルコースにする?」
「うわぁ…一匹分全部食べていいの?いいの?」
「ふふ、422は本当に一匹丸ごと食べれそうですものね」
和気藹々。仲良く帰宅の道を辿る飯店一家。
「そうだ、ちょっとショッピングモールで材料を買い足さないと…」
「はいはーぃ、ボク荷物持つよ!持つよ!」
「あはは、ありがとう422」
「だからね、だからね(ジュルリ」
「ふふ、422?アイスが食べたいんでしょう?」
「ピンポーン!」
はしゃぐ422、上手に手綱を操る442。本当に、姉妹の様な二人。
ソレを見て、心から安堵の気持ちに浸るヒュマ助。
「それじゃぁ、手早く買い物を済ませて家に…」
―ズダー…ン……
一発の銃声に、ヒュマ助の声はかき消された。
「銃声…!?」
「モールの方からでしたね」
「何か、事件かな…」
銃声に続いて、少々離れた場所から上がる悲鳴や喧騒。ザワザワとした音響。
3人は、そんな人だかりが出来た場所へと足を進める。
コロニー区域では基本的に武器の所持は出来てもトランサーから出してはならない。
禁止されているはずのコロニー内で、其処にいた男達は手に手に武器を構えている。
「見せモンじゃねぇぞ!」
「散れよ!殺されてぇのか?あぁ?」
店の中、店員と思われる少女へ銃を突きつけて、喚く一団。
どうやら、強盗などの類の様子。
「あいつらー…店員さんを人質にとって」
「何と言う外道。良心もプライドも無いのでしょうか?」
思い思いの感想を漏らす野次馬と化した442&422。
そんな二人をよそに、あっ…と息を呑むヒュマ助。
「どうかしたのですか?ヒュマ助…」
怪訝そうに聞く442。ヒュマ助の顔は少々困った様子になっている。
「あの店員さん…知り合いかも。よく、お店に来てくれる常連さん…」
見れば、ジタバタするヒューマンの少女は、頻繁に店へ来てくれている…気がする。
「うーん、見てみぬフリってのも…薄情だよねぇ」
「そうですか…?」
「いや、首を突っ込むのは危険だけど、知り合いだし…」
助けたいけど危険な目に合いたくない&合わせたくない。そんな考えが脳裏を過ぎる。
ちょっと迷っている様な表情で、事の成り行きを見守る飯店一行。
しかし、その膠着を動かす動きがあった…
「ちょーっと待ったーっ!」
人垣の先、其処に、堂々と絶ち構える影が一つ。
「暴漢めっ!人質とって脅迫とは悪の風上にも置けないゲロー!」
「あぁん?何だてめぇ!」
下郎、といいたかっただろうか?妙にカエルの鳴き声っぽい可愛い響きだったけど。
「正義のナックルマスター、にゃんぽこ仮面、推参!!」
猫顔帽子で目元まで隠した、小柄な背丈の少女が一人。ていうか…
「ヒュマ助様、もしかしてあれ…」
「うん、もしかしなくても422だと思う…」
面倒ごとになった…とため息をつく442。苦笑いで答えるヒュマ助。
「今すぐその人質さんを離せっ!さもないと…」
―ドゴン…!
地面に拳がめり込み、穴が開く。暴漢が一瞬たじろぐ。
「お前達の顔とかお腹とか大事な場所が、大変な事になるぞ!」
そういって構える422…こと、にゃんぽこ仮面。暴漢たちも間合いをつめる。
そして…
「このクソガキぃぃぃぃ!」
「にゃんぽこ仮面って言ってるだろ!あほちーーーん!」
派手な乱闘が始まる。422の動きはすばやく、暴漢達が束になっても捕まらない。
逆に、隙を見せた暴漢が、次々と422の拳によって伸されていく。
瞬く間に、地面にのた打ち回る暴漢と、中央で勝ち誇る422が残った。
「この程度かっ!」
キメポーズつきで、挑発よろしく言葉をふっかける422。
―ギリッ…
歯軋り一つ。人質の傍にいたリーダー格の男が、合図を送る。
「な、ちょ…」
422を一度はのされた連中が、手に手に銃器を持って422を再度包囲する。
「ちょっと悪ふざけが過ぎたな、ガキ…」
「…っ」
「蜂の巣にしてやれっ!」
銃口が一斉に422へ向けられる。
(くっ…この数じゃ…捌ききれない…)
直撃やダメージ覚悟で、ナックルを構える422。後ろの野次馬が暴漢をなじる。
「汚ぇぞ!」
「最低!」
「社会のクズー!」
「うるせぇっ!!」
―スダダダダダ…!
天井へ打たれたマシンガンの音に、場が静まり返る。
「次騒ぎやがったらそいつから撃ち殺すぞ…!」
野次馬は完全に沈黙する。そして…
「ガキ…ヒーローごっこは他所でするんだったな…」
引き金に指がかけられる。号令一つで、無数の銃弾が422を襲うだろう。
まさに、引き金が絞られる瞬間…
―ター…ン…
乾いた銃声が響いた。
カラン…カラン…
リーダー格の男の手から、銃が落ち床に音を立てて転がる。
「ぐぁっ…くぅ…」
―ター…ン…ター…ン…
「ぐはっ…!?」
「ぐぉっ…!?」
続く銃声に、422を囲んでいた暴漢も、次々と手から銃を落とす。
野次馬がざわつく。銃弾は静かに、だが確実に暴漢の銃を弾き飛ばしていく。
「く、くそっ!一体何がおこっていやがる!?」
人質を取っていた男が身を乗り出す。
目の前では、仲間達が次々と銃を手から落とし、腕を押さえてうずくまっている。
そこに…
―ズダー…ン!
「うぎゃっ…!?」
銃弾が飛び込み、人質を抑える腕…その先の拳銃を打ち落とす。
「ぐぉっ…い、一体…」
「やっと、顔を出してくれてよかった…」
声の方向へ振り返る。そこに…
「今のは威嚇かな…。次は外さないよ」
暴漢の眉間に合わせてハルゴウホウを突きつける、ヒュマ助がいた。
「あ、あの距離から狙って撃ちやがったのか…!?」
「嘘でしょう…?」
「すげぇ…一瞬だったな…」
野次馬達が口々に語りだす。ざわめきは一気に大きな音になり、喧騒と化した。
「で…」
ハルゴウホウを突きつけながら、冷たい笑顔で近づくヒュマ助。
「く、くるんじゃねぇ!!」
人質を盾に、後ずさる暴漢。
「懲りないなぁ。外みてよ?」
言われて、外をチラっと向いた暴漢は、唖然とした。
銃器を手から吹っ飛ばされた暴漢の仲間は、全員地面に倒れて唸っている。
その敗北者の山の上で、二度目の勝ち鬨をあげる422。
その奥の通路から、自警団や警備部の連中が向かってきている。
「さて、どうするの?」
相変わらずのニヤニヤ。しかし、口元は柔らかな笑みを浮かべても、目は…
「く、くそぉぉぉぉぉ!」
腰から予備のハンドガンを引き抜く。迷わず、狙いはヒュマ助の…
―ズダ…ーン…………
響く銃声。人間が倒れ、崩れ落ちる音。そして…
「牢屋で、ちゃーんと反省する事。いいね?」
場に、歓声があがる。安堵の声や賛辞が、止め処なくうまれていく。
その中央には、笑顔で勝ち誇る422と、呆れ顔の442。
そして、人質にされた子に抱きつかれている少々小太りな青年がいた。
「はぅぅぅ…」
「うぅぅ…。ひどい目にあったね…422」
「全く。二人とも、アレくらいですんで良かった位ですよ?」
完全にクタクタの422&ヒュマ助。その前には、呆れた表情の442。
結局、暴漢達は駆けつけた警備担当者に捕まった。
ヒュマ助達は…といえば、勝手な事をするな!と婦警ヒュマ子にこっ酷く絞られた。
実に数時間お小言を食らい反省文を書かされて、要約解放された所だ。
「コレに懲りて、422は勝手な事は控えるように。いいですね?」
「えー、で、でも…」
「でももへちまもありません!全く…ヒーローごっこじゃないんですからね?」
続いて442のお小言も始まろうとしている。うんざりな顔をする422。
それを見て、やれやれ…と苦笑するヒュマ助。そこに…
「ヒュマ助…さん」
「え…?」
声の方へ振り返ると、あの時人質になっていた子が佇んでいる。
「助けてくれて…有難う御座いました…!」
「え…ぁ…う、うん。無事で、良かったよ」
気まずいムード。後ろでは、ギャアギャアと442のお小言と422の口答えが聞こえる。
「怪我とか、無い?」
「お陰様で。その、…な、何ともないです」
何か話さないと…。焦るヒュマ助。しどろもどろな二人。
時間だけが、過ぎて行くかのようだった…。
「あ、あの…コレを…」
少女が差し出したそれは、カードだった。
手渡されたカードは、ガーディアンズなら誰でも見たことがある、馴染み深い一枚。
パートナーカード…だった。
「えと…一体」
いいかけて、ヒュマ助は口を少女の小さな指で塞がれる。
耳まで赤くなりながら、かすれた声で答える少女。
「今度、その…ヒュマ助さんに何かあったら、私が助けます!」
「え…ぁ、ありがと…?」
ちゃんと言えたのが余程嬉しかったのか、大きく息をつく少女。
にへ…っと微笑んで顔をあげたその姿に、胸をくすぐられる思いがする。
人助けというものも、満更でも無いかもしれない…。
「ま、またお店に行きますから!」
そういって、深々と頭を下げた少女は、そそくさと背を向ける。
「あ、ちょ、ちょっと…」
「私、何時でも暇してますから…あの、呼んで下さいねっ!」
手を振り、走り去る背中を見つめ…ヒュマ助は一つ、苦笑した。
「今の方…」
「うわっ!?び、びっくりした…」
突然耳元で聞こえた声に、驚いて振り返るヒュマ助。
見れば、近くの手すりの上にたって、身長をあわせた位置に442がいた。
「妙にヒュマ助様に優しいんですねぇ…」
「え、そ、そうかなぁ…?」
「告白するかの様でしたよ?見ていて」
「ぶっ!?ち、ちょ、全部見てたの!?」
そう言って、顔を赤らめる主人。その主人をジローっと眺める422。
「まぁ、ヒュマ助様がデレデレとパトカを頂く辺りから、ですね」
「そ、それって殆ど全部じゃないかな…」
「デレデレしていたのは、否定しないんですねぇ…」
「よ、442〜…(涙」
ちょっと意地悪な442に、ほとほと申し訳なさそうにするヒュマ助。
「ふふふ。冗談ですよ、ヒュマ助。ちょっと意地悪したくなっただけです」
「うぅぅ…、本当に意地悪だったよ…」
ため息をついて、フと、気が付いたことを口にするヒュマ助。
「あれ、422は…?」
「あぁ、反省させる意味も込めて、買い物の続きを一人で行かせました」
「うわー…、相変わらずの上手な手綱捌きで」
「この程度、ヒュマ助様に比べればそれ程でも御座いませんよ?」
「え、僕…?」
そういって白々しくとぼけるヒュマ助。目が泳いでる泳いでる…
苦笑しながら、442は手すりを飛び降りた。
「昼間の模擬戦、ずーっと手加減していらっしゃったでしょう?」
「あら、バレちゃってた?」
「えぇ。422は気づいて無いようでしたけど。はっきりと」
暴漢の手元にある銃を狙って弾き落とす腕を持つヒュマ助だ。
422に接近される前に422へ銃弾を当てる事は、大した事ではない。
加えて、回避しやすい位置ばかり狙ったり、弾き落とせる数に発砲を抑えたり…
案外、ヒュマ助は本当は近接も出来るのでは…?と、442は思う。
「あちゃー…、内緒ね?」
「勿論です。ですが…」
「解ってるよぅ。何でも言う事聞きますから…」
「そうですか、それでは…」
いうなり、ぴょい…とヒュマ助の首へ抱きつき、膝と背中を抱きかかえさせる。
所謂、「お姫様抱っこ」の姿勢だ。
「422が買い物から戻ってくるまで、このままですからね?」
「う…わ、わかりました…お姫様」
「よろしい…w」
今日は大変だったなぁ…。そう頭の片隅で考え、苦笑するヒュマ助。
結果として、今日一日で一体誰が一番得したのだろうか…?
そう考えて、ヒュマ助は腕の中で満足そうに笑う少女が、一番と思うのだった。
長編(そ、そんなに長くは無いけど…)に挑戦致しました。
久しぶりのヒュマ助作者です。ご無沙汰しておりました。
ちょっと、人助けしつつヒュマ助の地味ーな格好良さを表現したく…
ある意味、gdgdな内容ですが此処はあえてご容赦下さい。
ほら、ニャンポコ仮面もいますし、ね!?ね!?(汗
それこそ、英雄の様な格好良さは無いにしろ
こういう地味な活躍の方が、作者もヒュマ助にもぴったりだと思います。
はい、最近魅力的な作品が増えてきた事に刺激を受けて…
次回作も頑張りたいと思います。それでは〜
いつぞやに書いた420とキャスト男の話。
「炎浄化!炎浄化!ご主人様早く行きましょう!母性のパルムが特に大変なことに!」
キャスト男の周りをぴょんぴょんと跳ね回り、何故か嬉しそうにねだってくる420。
「あぁ、総裁から「炎の絶対防衛線」の説明があったばかりだしな。ところで・・」
420の服(パーツ)をむんずと掴み、お互いに目を――男の方はモノアイなのだが――あわせる。
「暑いからってサウナみたいには痩せないぞ?」
「がびーん!!」
数十年ぐらい前の古臭い効果音を口で言い放ってその場に倒れこむ420。
実は以前ニューデイズ産の「餅」を正月に多量に食べたのだが、それ以来体重を気にしてるようなのだ。
「な、なぜ・・なぜそれを?ご主人様まさか、私のプライバシーを侵害・・」
「任務から帰ってくるたびに部屋で「痩せるぞー!」っていいながらなにかしてるだろ。お前。」
図星だったのか黙り込む420。
「じゃ、じゃあニューデイズの浄化に・・」
「浄化はもう完了してるし、温泉には行かないからな。しかもサウナないし。」
「がちょーん!!?」
数十年ぐらい(略)でまた倒れこむ420。
「も、もういいですよぅ!合成も店番もなにもしませんからね!」
そっぽを向いてドレッシングルームに立て篭もる420。なんだか馬鹿らしくなって来た。
―――数十分後。
「ふぅ、いやいや知り合いからセレブショコラを貰ってしまったよ。」
聞こえるようにわざと大きな声で言ってみるキャスト男。
「うむ、キャストだから口に合うかとは思ったが旨さは格別だな。うまい。」
ドレッシングルームで物音がしたような気がするが気にしない。
「ミックスジュースもあったかな。久しぶりに優雅な時間だ。」
少し視線を感じるが気にしない。
「そうだ、可哀想だからわけてあげようかな。」
「知り合いに。」
「うがーーー!!!」
ドレッシングルームに立て篭もっていた420が突然襲い掛かってきた。
「見せしめですか!?卑怯ですよぅ!!」
「お前が変に意地を張るからいけないんだよ!」
結局どっちもどっちなのであった。
410「・・・その後20年もの間、ご主人様はガーディアンとして活動なさいました。
公式には目立った活躍はなさってませんが、確実に仕事をこなすことで名も知れていき直接ご主人様に依頼する人も増えました。」
ヒュマ少年「へ〜、すごいなー父さん。」
ニュマ少女「パパ、すご〜い。」
ビス少年「でもよー、なんか地味だな〜。男は目立ってナンボだろ?」
主「・・・地味で悪かったな、このガキャ?・・・グリグリ・・・。」
ビス少年「イデデデデ!?あ、親父!?」
410「ご主人様、お帰りなさいませ。」
ヒュマ少年「父さん、お帰りー。」
ニュマ少女「パパ、おかえり〜。」
主「おう、ただいまー。」
ご主人様は引退後私とトモエさんを引き取り、気に入っていたニューデイズへ移り住みました。
元々散財しない方なので貯金も十分あるのですが、「暇だ。」という事でタコヤキの屋台を始められました。
趣味でやっているようなものなので採算は度外視ですが、評判は良いようです。
・・・子供達はご主人様の実子ではありません、屋台に盗みに入ったのを捕まえたそうです。
孤児だったので教団の施設に連れて行こうとしたら、嫌がって暴れるため連れて帰ったそうです。
・・・驚きましたよ、突然子供を連れてきて「うちの子にする!」ですから・・・。
ビス少年「・・・痛〜〜〜・・・覚えてろよ!大きくなったらボッコボコにしてやるからな!」
主「ハッハッハ、そのころ俺はヨボヨボのじーさんだ。」
ビス少年「・・・!!だ、だめだ!今のままでいてくれないと・・・。」
主「無理言うな。俺は50だぞ?いつ死んでもおかしくない。」
ヒュマ少年「父さん・・・。」
ニュマ少女「パパしんじゃうの?」
主「・・・まだ死ねないな、孫の顔みるまでは。」
トモエ「みなさん、食事の用意ができましたよ。」
子供達「ハ〜イ。」
主「・・・食う時は素直だな・・・。」
トモエ「主様、お帰りなさいませ。さ、主様もどうぞ。」
主「ああ、すぐ行くよ。」
主「・・・寝たか?」
トモエ「はい、ぐっすりと・・・。」
主「よく食べよく寝る・・・やんちゃにもなるわな・・・。」
410「でも三人ともずいぶん明るくなりましたよ。」
主「そうか?俺は何かした覚えはないがなあ・・・。」
トモエ「そうですか?・・・フフ。」
・・・コンコンコン・・・
主「どうぞ。」
教団警護士「おお、主殿ご在宅でしたか。」
主「ん?教団の者が何かよう用か?俺は信者じゃねーぞ。」
警護士「主殿に頼みたい事がございまして・・・。」
主「頼みごと?」
警護士「・・・実はシティ付近でカガジバリが大量に発生しておりまして・・・。」
主「倒せばいいだろ。」
警護士「それがテクニックが通用しないとなると我々としては厳しく・・・。」
主「おいおい、何十年経つと思ってんだ。対応策ぐらい出来てるだろ?」
警護士「仰るとおりなのですが、ニューマンとはどうしてもテクニックに頼ってしまうものでして・・・。」
主「それじゃガーディアンズか同盟軍に頼んだらどうだ?」
警護士「ガーディアンズは人手不足らしく人員が割けないそうです、同盟軍は自然ごと破壊するため頼みません。」
主「だったらタコヤキ屋の親父がどうこうできるわけないだろ。」
ご主人様はこう言っておられますが実際は毎日鍛錬しておられます。
その証拠に50歳とは思えない精悍な体格をしておられます。
理由はひとつ、ただ「守るため」に。
警護士「そこを何とかお願いいたします。主殿の技量・経験、お貸し願いたい。」
主「・・・フゥ、対応部隊はあるのか?」
警護士「少数ですが存在します、ですが近接戦闘に長けた者は・・・。」
主「長けて無くても良い、要はやる気だ。」
警護士「では!?」
主「シティに来られたら困るだろ。」
主「さ〜て、久しぶりに暴れるか・・・ティア!トモエ!行くぞ!!」
ティア&トモエ「ハイ、ジンベエ様!!」
・・・これは遠い世界、グラール太陽系のお話。あるヒューマンの物語。
4月から忙しくなるためかきこむのは無理っぽいので無理やり完結させました。
主と410の名前はマイキャラだったので今まで伏せてました。
3スレ目よりかきこませていただきSSなるものを初めて書いたド素人ですが、
ご静読ありがとうございました。
327の続きを投下です。
惑星ニューデイズ シコン諸島:タンゼ巡礼路
420「あたしをっ……温泉に連れてって!」
沼虎「ああ、いいぜ」
なんだそんなことか、と沼虎は二つ返事で答えた。最近、合成ばかりさせて外へ出したことがなかった。たまには、
温泉へ行きたいと言い出すのも無理のない話だ。喜ぶ420を見て、うんうんとうなずく沼虎。
沼虎と一緒に、クゴ温泉へ行く。420にとって、これは大変な事件であった。
ふわりと漂う白い湯気、はらりはらりと散る紅葉、夕日にけぶる、深き山々……。
420『あ、あんまり見ないでよ、バカ虎……』
沼虎『なんで? 綺麗だぜ、420。ホラ、恥ずかしがってないで、こっち、来いよ』
420『やっ……あ……』
華奢だが決して貧相ではない、沼虎の白い肌。引き寄せられるままに、その胸へ頬をくっつける。聞こえてくるのは、
ちょっと速めの心音と、そして……
沼虎『どきどきしてるの、聞こえるか?』
いつもより低めの沼虎の声が、頬を紅潮させる420の耳朶に甘く響く。
420『ね、ねえ、沼虎……。あ、あたしの音も、き、聞いてっ!』
死ぬほど恥ずかしいけれど、沼虎の前へ、肌を晒す。優しく微笑んで、沼虎はその胸へと唇を寄せた。
420『ひゃっ……ぬま、とらぁ』
倫理的におkな光景が、次々と脳裏に浮かび上がる。
妄想に身悶えしかねない420の脳天に冷水をぶっかけるような言葉が、沼虎の口からポロリと出た。
沼虎「んじゃ、とっととテロ組織ぶっつぶして、沼子たち誘って皆で行くか、温泉!」
桃色のカビでも生えていそうな420の脳細胞が、一気に絶対零度に凍りつく。
420「……バ、バカ虎……? いま、何て言ったの」
420の変化に気付くこともなく、沼虎が軽薄な調子で続ける。
沼虎「ん? いやホレ、テロ組織撲滅の打ち上げも兼ねて、温泉行こうって話だろ?」
420「〜〜〜っ!! 沼虎の、ばかぁーー!!!」
バチン、と乾いた音が響いた。すぐ後に、420があらぬ方向へ駆け出してゆく。
沼虎「イッテェー! お、おい420! どーしちまったんだ……あらら?」
かなりイイ所へ平手が入ったらしく、追いかけようとした沼虎の腰が崩れた。
落ちかかる意識を、なんとか抑えてテーブルにしがみつく。さっと430が寄って沼虎を支える。
430「沼虎さま、だいじょぶですか?」
沼虎「ああ、何とかな。…それよか、420は!?」
430「420ちゃんなら、じんじょーではない様子で走っていったから、ごしゅじんさまがついせきしてます」
沼虎「そっか……。沼子が一緒なら、危ねえコトはないな」
ふうと息を吐いて、沼虎はその場にへたり込んだ。
430「沼虎さま、420ちゃんにひどいこといったですか?」
沼虎「イヤそれがな、さっぱりわからねえんだ。温泉行くかーっつー話になっただけで……」
沼虎が、先ほどの会話をかいつまんで430に説明する。
430「……沼虎さまは、かなりどんかんなのですねー」
しみじみと、430はつぶやいた。
沼虎「あん?」
430「420ちゃんは、わたしがちょうちょさんを好きなのと同じくらい、沼虎さまが好きなんですよー」
沼虎「イヤ、それと比べるようなことじゃねえだろ……。それに、あいつたぶん、俺のこと嫌いだぞ? やたら殴ってくるし」
430「……ふたりとも、もーすこしおとなになったほうがいーです」
沼虎「お前さんに言われちゃ、おしまいだ。ホレ」
こっくりとうなずく430の口に、沼虎がオルアカロールを突っ込む。
430「もぎ、もぎ」
一心不乱にほおばる430と取り残された沼虎の間に、乾いた風が通り過ぎていった。 つづく
420可愛い(*´Д`)
電車中で読んでて、思わず顔がニヤニヤしてしまったorz
>>331 主人の言葉とナレーションだけでも場面とパシリの感情が鮮明に浮かぶな
割と変態チックな450と頭の悪い430、これは主人も苦労する・・・w
>>334 >「……ッフ」
沼雄の後ろで口元に笑顔を浮かべている450の姿を想像して凄まじく吹いたw
そのうち寝てる間に逆レイプくらいするんじゃいのかこの450・・・w
>>348 長編書き上げお疲れ様、何気にかっこいいヒュマ助がいいな
そして何よりニャンポコ仮面、これに尽きるw
正体隠してるようで口調は全く変わってない辺りがやはり420タイプって感じだなぁw
>>349 浄化ミッションに関係あるのかと思ったら全く関係なかったのか・・・w
しかし『がびーん!!』は効果音だが『がちょーん!!』は効果音じゃない気がするw
>>352 GJ&お疲れ様!
この三人+αのグダグダっぷりは結構好きだっただけに完結は惜しいが仕方ない
また機会があったらアナザーストーリーとかも書いて欲しいもんだ
>>353 なんという倫理的におk・・・w
沼虎も勿体無い場面を逃すなぁ・・・w
353の続きを投下です。
惑星ニューデイズ 巡礼路の外れの林
420「どーして、追いかけて来ないのよ……バカ虎」
走り疲れた420が、腰を下ろした切り株へため息をついた。それから、うつむいたまま首を横へぶんぶんと振る。
ちがう。バカなのは沼虎じゃなくて、あたしだ。あいつの返事に浮かれて、変な妄想して、あげくに平手打ちで叩きのめし、
走って逃げた。
420「何、やってんだろ……あたし」
情けなくて、恥ずかしくて、涙がぽろぽろ流れ落ちた。
さっきのことは、言葉が少足りなかったのかもしれない。『二人で』って、きちんと言えばよかったのかもしれない。でも、
沼虎がきちんと女として意識していてくれたなら、もう少し違ったことを言っていたはずだ。
420「やっぱり……あたしじゃ、ダメなのかな……。沼虎の、側にいていいのは、……あたしじゃないのかな」
口にすると、涙がどんどんあふれてきた。ひざの上に置いた握りこぶしに、ぽたぽたと落ちてゆく。
涙を振り払うように、420は首を振った。
420「でも……好きなのよ、沼虎」
沼子「沼虎も幸せ者ね。420ちゃんに、こんなにも想われていて」
いきなり背後から聞こえた声に、ぎょっとなって420は伏せていた顔を上げ振り向いた。
420「沼子! ……あんた、も、もしかして、今の、聞いて……」
沼子「もちろん。全部聞いていたわ」
にっこりうなずく沼子。
420「な、何よ! みじめで恥ずかしいあたしを笑いにきたの? 大体、こーいう時は『何も聞いていない』って、言ってくれても
いいじゃない!!」
やり場のない怒りが、420の小さな体から溢れ出した。なだれ落ちる滝のような感情の奔流に、420はもはや何も考えられず、
ただただ沼子に激しく言葉をぶつけてゆく。
420「だ、大体あんた、何なのよ! 何であたしと沼虎の間に入ってくんのよ! あんたがいなけりゃ、今頃あたしたちは……」
合成を任され、遅い帰宅に文句を言い殴りかかる。浮かんだ日常に、ほんの少し言葉が詰まる。
420「沼虎だって、あんたを頼ってる。あんたの力を認めて、敬意を払ってる。それも、あたしは気に入らない! 何も、何も
知らないくせに、あたしから沼虎を取らないでよ! 勝手に危険な場所に連れ出さないでよ! 沼虎は、沼虎はっ……
あたしのなんだからーっ!!」
木々が震えるほどの叫びを終えて、420は崩れるようにその場へ座り込んだ。
何を、言っていたのだろう……? ぼんやりと、思考がまとまらない。
沼子が、こちらを見ている。悲しそうな瞳だ。すたすたと、近づいてくる。何を言い返すこともなく。怒っているのだろうか。だって、
さっきからあたしが言っているのは、完全なやつあたりで、この人は何も悪くない。……悪いのは、沼虎に想いを伝えられない、自分自身で……。
すっと温かいものに包まれて、420の思考が止まった。沼子のあごが、頭の上に乗っている。背中を、ゆっくりとしたリズムで撫でている手。
沼子「苦しかったのね、420ちゃん」
耳元でそっとささやく声には、不平も、怒りも、みじんたりとも込められていなかった。
沼子「ほら、落ち着いて。言いたいこと、全部聞いてあげるから」
420「沼……子……?」
420の胸の奥から、何かがこみ上げてきた。
420「っうっ、あっ……うあーん!!!」
沼子の胸へ顔を押し付け泣き出した420の背を、沼子はそっと撫で続けた。
沼虎「遅えな、二人とも」
430「きっと、女どーしのつもる話があるのですよー」
テーブルの上の空になった皿を片付け、沼虎と430はグラール軍人将棋に興じていた。
沼虎「積もる話? んなもん、あるわきゃねーだろ。知り合ったばっかで。……よし、本陣へ乗り込めビースト!」
430「おともだちになるのに、じかんはかんけーないです。わたしと420ちゃんは、もう親友なのですッ! ハイ、本陣にきたびーすとさんは
負けましたー」
沼虎「んなっ!? そこにいたのかマガス・マッガーナ!」
430「しゅびにはさいてきなのですよー。それじゃ、わたしはごしゅじんさまを本陣へー」
沼虎「ま、待ったー!」
430「ナシです」
沼虎の本陣が、陥落した。 つづく
便乗で感想にチャレンジ!
>>331 430がなごみんぐw可愛いなぁw
>>334 なんかこういう話が壷な自分w
何気に確信犯な451にニヤニヤしてしまうw
>>348 ひゅま助は脳ある鷹は〜タイプなのねw
>>349 日常の光景ほのぼの〜w
>>352 貴方の作品は結構好きだった、お疲れ様。
またのご来店をお待ちしております、なんてw
>>353 430に悟られてるのに気付かない沼虎に微笑ましさを感じたw
感想ってどのタイミングで入れていいか分からないのが悩み物・・・・
鬱蒼と生い茂った木々が空からの光を遮っている。
オウトク・シティよりやや外れた場所にある緑林道だ。
踏み込めば僅かに土が沈みどちらかというと道より湿地に近い。
家に篭りっきりだと気が滅入ってしまうと考えてはじめた散歩だがこれがなかなか悪くない。
ガーディアンズのミッションのように時間に追われる事無くのんびりと気ままに散策できる。
それだけの事なのだが随分とリラックスできる。
「あぎーたのむれをはっけんしました」
今日は連れがいるわけだが。
ヨニの言葉に辺りを見回すとなるほど確かに10程のアギータの群れが見える。
「刺激しなければ大丈夫だよ」
ガーディアンズの頃は問答無用で駆逐していた野生動物だが彼らはテリトリーさえ犯さなければ何もしてこない。
彼らは此方に攻撃の意思が無いと悟ると様子を伺いはするが好んで戦闘は仕掛けてこないのだ。
まあ、攻撃の意思がなくとも襲ってくるゴーモンの様な獣人達もいるわけだが。
一応身を守るための武器は持ってきているが気を付ければ戦闘になるような事はほとんど無い。
近くの木の根を椅子代わりにして腰をおろす。もう歩いて一時間ほどが経過したわけで、一休み。
ヨニも相変わらずの虚ろな表情で隣へと座る。
アギータの群れを眺める。仲間同士でじゃれあったり会話するように鳴声をあげたり意外と微笑ましい。
暫しの休息。終えたら聖地エガムを経由して引き返してくる。
「あおさま」
アギータの群れを眺めているとヨニに呼ばれた。
「せんさーにはんのうがありました」
「え?」
「なにかおおきなものがきます」
言葉と共に目の前のアギータの群れに何かが落下した。
数対のアギータを踏み潰し低い唸り声を上げる人型の異形。
「何でこんな所に?」
立ち上がる。
目の前に現れたのはカガジバリという原生生物だ。
形状は人間に近い。だがその異様に大きい腕と胸元は宝石の様な硬質な皮膚に覆われている。
おそらく身長は四メートル程。
「いかがいたしましょうか?」
カガジバリはあっという間に不幸なアギータの群れを蹴散らしていく。
普段、こんな街に近い場所で出現するような生物ではない。
「足止めだけでもしておくか」
携帯端末を取り出してガーディアンズとグラール教団に連絡を入れる。
あんなものを街にでも入れたらどうなるか火を見るより明らかだった。
ナノトランサーに収納されている武器は僅かだ。
狙撃用のヴァルズアイ、近接用のデュアルビートガン、回復法術用にバトナラ。
各一本ずつ。当然フォトンチャージや回復アイテムなど持って来ていない。
ついでにシールドラインすら装備していない。一度攻撃を貰ったら終わりだ。
「でーたしょうごうふか。しんしゅのかのうせいがあります」
「新種だって?」
ヨニに言葉を聞きながらアギータを蹴散らしているカガジバリを見る。
残り三体まで数を減らしたアギータはカガジバリを囲むように展開し一斉に冷気のブレスを吐きかけた。
ブレスを受けカガジバリを覆う硬質な皮膚が冷気に染まるように水色へと変化する。
次の瞬間だ。
カガジバリの周囲に鋭利な氷柱が地面から立ち上り三体のアギータを貫き絶命させる。
「てくにっく、ぎ・ばーたとかくにん」
「本当に新種か!」
カガジバリの特徴として受けた属性攻撃をそのまま返すというものがある。
だがそれは主に基本のテクニックに限られるはずだ。ギ系を使うなど聞いたことが無い。
群れを全滅させたカガジバリの視線が此方を向いた。
「ヨニ、戦えるか?」
「かのうです。せんとうたいせいにはいります」
ヨニの右手に闇色を宿した片手爪ガミサキが具現化する。
俺は武器の中からヴァルズアイを選択しバーニングシュートをセットした。
カガジバリが低く唸り移動を開始する。
ヨニが姿勢を低くしてカガジバリに一直線に突撃する。
ライフルを構え、3連射。狙いはそれぞれ頭、胸、腹だ。
図体がデカイ分狙いを外す事はありえない。
「ちっ」
直撃したフォトン弾はどこもカガジバリの表面を僅かに削るだけで消滅した。
硬質の皮膚に覆われている所いない所で耐久力の変化は無いようだ。
威力重視のライフルでこれだ。それはデュアルビートガンが聞かないことを意味する。
ヨニがカガジバリへと接近する。
絶望的な身長差だ。だがヨニは振り回される腕を巧みによけるとなんとカガジバリを登った。
左手と両足を器用に使い登っていく。
振り回される腕を狙い打つ。ヨニを狙う腕はフォトン弾を受け有らぬ方向へと振り回された。
ヨニは既にカガジバリの肩に手をかけている。そこで初めて右手を振りかぶった。
振り下ろされるガミサキ。それはまともにカガジバリの頭に食い込んで赤い血をしぶかせる。
いけるか?
ライフルの狙いを定める。そのときカガジバリが低い唸り声を上げた。
ヨニを閉じ込めるかのようにカガジバリの目の前に巨大な氷塊が出現する。
事前に何かを察知したのかヨニは氷塊から逃れるように飛び上がるとトンボを切って着地し距離をとった。
「デム系まで使うのか!」
「てくにっくれべるは30とかくにん」
ヨニが傷つけた頭を狙って撃つ。直撃。更に血がしぶいた。
そして・・・カガジバリの皮膚の色が再び変わった。燃えるような赤い色へと。
「あおさま!」
ヨニの声。
カガジバリの放った巨大な火球が迫るのを感じ横に身を投げ出して避ける。
灼熱の塊が横を抜けていく。速度が速い。
次々と打ち出される火球を走りながら避ける。
次弾までの感覚が異様に短い。ライフルの狙いを定める暇も無い。
「くそっ!フォトンアーツまで食うのか・・・」
息が上がる。もともと体力のある方ではない。
さらに最近訓練を怠っていたのも響いている。
火球は的確に自分を狙っている。僅かでも立ち止まれば火球の餌食になるのは間違いない。
ヨニが気を引こうと背後から攻撃を仕掛けるが瞬時に立ち上る炎の壁・・ギ・フォイエに阻まれている。
ジリ貧だ。ろくに狙いを定めず打ったフォトン弾は皮膚で弾かれダメージにならず。
ヨニは近接攻撃を仕掛けることさえ出来ない。
まだか、まだ、援軍は来ないのか!?
連絡は届いたはずだ!ガーディアンズでもグラール教団でも早く援軍を!
足がもつれて前方へと倒れこむ。真後ろの地面で火球が炸裂し爆ぜる大地と共に体が浮いた。
「がぁっ!」
地面へと受身も取れぬまま激突する。激痛・・・意識が飛びかけた。
手放してしまったヴァルズアイが地面を滑っていく。
カガジバリが見える。此方に火球を放とうとしているのが分かる。
ヨニが攻撃を仕掛けようとして炎の壁に阻まれる。
「これまでか・・・」
余りにあっけない最後だ。
そうとも、なさけないことに俺は諦めた。だが・・・ヨニは諦めていなかった。
彼女は立ち上った炎の壁に、両手を顔の前に交差させ何の躊躇もなく突っ込んだ!
「・・・・っ!」
火球は飛んでこなかった。炎の壁が晴れていく。
カガジバリが此方に腕を突き出した姿勢で止まっている。
その頭にはヨニが取り付いてガミサキを根元まで突き刺している。
カガジバリが揺らぎ倒れ、投げ出されるようにヨニが落下する。
体制を立て直すそぶりは見えない。意識を失っているのか!
痛む体に鞭打って駆け出す。なんとかヨニを受け止めた。
そのまま膝を突きヨニを見る。酷いとしかいえない。
露出している部分の人工皮膚はほぼ焼け焦げている。
ただ、顔だけは庇った成果か火傷はほぼ無い。
バトナラを取り出しレスタをかける。
5度目のレスタで彼女はうっすらと目を開いた。
虚ろな瞳。彼女はこんな時でも表情一つ変えない。
「あおさま・・・ごぶじですか?」
「ああ・・・でもなんて無茶を・・・」
「わたしのからだはだめーじにたえきれるけいさんでした」
「それでも、破壊されていたかもしれないんだぞ!」
「じぶんがためらっていたらあおさまがやられていました」
「くっ」
「もんだいありません。さいせいかのうなはんいのそんしょうですから」
マシーナリーの思考回路は単純だ。
自分の命より優先するのは主人の命。だが・・・
昨日かりそめの契約をしただけの自分にどうしてこうも命をかけたのか。
彼女等は、マシーナリー達にも感情や痛みはあるというのに。
マシーナリーとて死は恐いと、あの子は言っていたのに。
「なにかきます。げんざいじぶんはほこうふかのうです」
ヨニがそういった。
「わたしをおいてにげてください」
「出来るか!」
デュアルビートガンを取り出す。
ヴァルズアイを取りにいく暇は無い。
命をかけてくれた恩義には命をかけて、だ。
それはたとえパートナーマシーナリー相手でも変わらない。
そして・・・それが姿を現した。
「たーすーけーにー♪」
豪速回転するダブルセイバーに少女がへばりついている。
凄まじいといえる勢いで此方に突っ込んでくる。
「きーたーぞー♪」
元気な明るい声。新緑の髪が揺れている。
ああ、教官殿・・・・なんでシリアスな俺の覚悟を打ち砕いてくれますか・・・
そりゃあ敵がくるよりはよいんですけどね・・・
教官殿は少し離れた場所で回転を止めると勢いを殺すように両足で地面を踏んだ。
「あり?」
その足が滑ったように折れて・・・・
ずぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞっ!!
馬鹿みたいな派手な音を立てて、土煙を上げて。
うつぶせのまま、数メートル猛烈な勢いですべって停止する。
気まずい沈黙が瞬時に辺りを支配した。
倒れたまま教官殿は動かない。
・・・・・どう反応しろと・・・・・
あまりの事態にヨニでさえ呆然としているような気がする。
風が吹いて落ち葉が舞っていく・・・・
遠くの方でオルアカが鳴いている・・・・
ああ、平和だな〜
「ぷはっ♪」
沈黙を破り教官殿が仰向けに転がった。ぎぎぎっと音でもなりそうな緩慢な動作で顔を上げる。
まるで激戦を繰り広げたような血まみれの顔に極上の素敵な笑顔を浮かべて彼女は言った。
「ごめん、助けにきて。動けないの♪」
あんた何しに来たんですか・・・・・・ 続く
短くまとめる力が欲しい・・・読んでくれた方、長々とありがとうm(_ _)m
この流れ手に乗って、テックセッタアアアア! と一気に締めを叩きつけるぜ!
それはワルいキャストとワルいパシリの物語。
前回のあらすじ!
「ホーッホッホッホッ! お姉様とお呼び!」
「シャーッ! ガルルルルル!」
「むにゃむにゃバインバイーン…」
ニュマ姉VSワルパシリ、佳境に突入。
ワルキャスいまだに爆眠(回想)中。
「アサルトオオオオオオッ! クラアアアアアアシュッ!」
「………」
ワルパシリ必殺の突進攻撃。
フォトンウィップは囮であるジョギリを捕らえてしまい使い物にならない。
ニュマ姉は頬を吊り上げ、ヴィシを手から離した。
そのまま両手を開き、まるで受け止めるようにして。
ワルキャスとワルパシリ〜天敵編・完結〜
衝撃波をまともに受け、きりもみ上に吹き飛ばされるニュマ姉。
縦回転を繰り返し、床に叩きつけられた。
「カハアッ!」
***
コロニー内、星間通信室の一コマ。
『それでよぉうちのバカパシリときたら…』
『ふふふっ…割と楽しんでいるようだな…』
『あぁーまあな…』
ニュマ姉からくる久方ぶりの電話では、些細で楽しい世間話がしばしば。
『PMというのはあのGRMのマシーナリーだろう?』
『ん? ああ…あれを育てるのが一苦労でよぉ〜』
『データを見れば幼女になるそうだが…』
『あぁ〜…たしかにな。でもま、ニュマ姉には遠くおよばネェナ』
『ほう…私とそいつは天秤にかけられてたか…』
『ばっ! そんなんじゃねぇよあんなチンチクリン比べるまでもねぇ!
ただよぉ…ガーディアンズでも相棒がいるってのは…なんか良いもんだぜ?』
『ふぅん…』
『…ニュマ姉?』
『あぁ…なんでもない…』
***
「へへへっ…くぅ…」
ワルパシリは勝利の余韻に浸ろうとするも、先ほどの攻撃が応えたようだ。
結っていたお下げのゴムが切れ、ばら蹴る長髪。
相手の姿を確認することも無く、ワルパシリは地面に倒れこむ。
ニュマ姉 △―△ ワルパシリ
決着は両者ダウンによる引き分けとなった。
***
『まったく…お前はなっちゃいねぇなぁ…』
『んだとこの野郎!』
『ITEッ!』
マイルームでの1コマ。
『イイ女ってのはもっとクールじゃなくちゃいけねぇ。
かつセクシーならなおのことだ! ソレに比べてお前はもう…』
『うっせバーロー! うりゃうりゃうりゃうりゃ!』
『救命阿ーッ!』
女らしさにかけるワルキャスの410…軽いお小言は重い一撃になる何時もの会話。
『じゃあよ、お前は知ってるのか? 本当にイイ女ってのを』
『当たり前だっての…退かず・媚びず・省みず!
本当にイイ女ってのはそういうもんだっ…テテテテ!』
『ふぅん…』
『納得してネェで早く4の字解けやあああっ!』
***
「…はうあっ!」
「…ようやく起きたか“ワルパシリ"め」
気がつけば元いたワルキャスの部屋。
ベットに腰を下ろしたニュマ姉に膝枕をされながら410は目を覚ます。
身体には数本の針が身体に打たれ、身動きが封じられていた。
ワルキャスは相変わらず床で爆眠している。
「んあっ! てめ…」
「じっとしてろ…これはニューデイズの民間治療法だ。
人間、キャストに必ず存在する経絡いわゆる循環経路…
それを針で刺激する事で回復力を促す治療法だ…」
「ううう…」
「本来なら経絡を封じることで相手の所作を封じ仕留める暗殺術…
今はこういった形で民間利用されている…ふむ、少し話が逸れたな」
今にでも飛びつきたかったワルパシリであるが、実際に身動きを封じられ、唸り声しか出せない。
まだ敵意を見せる410の頭を優しく撫でるニュマ姉。
「すまん…」
「んぅ…?」
「ワルキャスがお前の事ばかり自慢するんでな…少々焼かせてもらった」
「………」
「お前が只のPMであったのなら…本当に連れ帰るつもりであったが…気が変わった」
まるでワルキャスのようにニヤリと笑ったニュマ姉はワルパシリの凸をデコピンする。
「ぁうあっ、てめっ…」
「フフフッ…中々どうして…よくできた"相棒"だ。だから、奴を連れ帰るのは止めだ」
「………?」
ニュマ姉の言葉をあまり理解できていないワルパシリ。
そんな彼女の体から針を引き抜き、小包を渡すニュマ姉。
「ほら、ワルキャスに渡すモノであろう? 拾っておいてやった」
「お…おう…わりぃ…ニュマ姉…さん…」
「さんはいらん」
「じゃぁ…ニュマ姉…ありがとよ…」
「フフフフッ…」
はっしと小包を受け取り、微かに顔を赤くする410にニュマ姉は微笑んだ。
ゆっくり状態を起こした410に、ニュマ姉はおもむろに天井を指差し、諭しだした。
「だが…」
「んぅ?」
「このままではダメだ」
「なっなんだって(ry」
「@#!(ry」
「!!?(ry」
「#%…」
「&!…」
オトコ一人眠る中、オンナ二人の会議はワルキャスが覚醒する10分前まで行われた。
***
「ぁー…えふんっ…お、おいワルキャス…」
微妙にうわずってはいるが凛とした声。胸板にかかる柔らかな感触。
ぼやけたカメラの前にはロングの女性とおもわれる姿。
「ん…んあ…にゅまねぇ?」
「………んっ」
「んうっ……」
ワルキャスがシステム立ち上げ中でまだ正常な認識ができないままで、女性が唇を奪う。
微かなフレンチキスであるが、女性の心音の高鳴りが胸板から伝わる。
「ううううう…いつまでも寝てるんじゃねぇこのエロキャスト!」
「バレンタイイイイイイイインッ!!」
「…はぁ」
次に支払われたのは410の鉄拳であった。
後方から呆れて頭を抱えるニュマ姉の声がもれる。
激痛に思わず上体を起こし、覚醒を終えるワルキャス。
「いてーじゃねぇかこのっ! このぉ…?」
言葉に困るワルキャス。
眼前には胸元を微かにはだけさせ、髪をといた410。
我が家のワルパシリ…ワルパシリ? がいた。
ワルキャスが微かに生唾を飲み、言葉を失った。
ちょっと恥ずかしげにするワルパシリがその視線に目線をそらす。
「じろじろ見んな…このボユゲっ…」
「フフフッ…お前はこういったのが好みであろう?」
「にゅ、ニュマ姉ぇ!」
そこにはワルパシリの頭をポンと叩きつつ、ニヤニヤとするニュマ姉の姿。
ワルパシリはニュマ姉に頭をなでられると猫みたいに目を細めた。
寝る前は犬猿の仲であったのに、起きたら仲良し姉妹に…謎の展開がワルキャスを混乱させる。
「お前が倒れたおかげで、こちらはすっかり仲良くなってしまった」
「おうよ〜ニュマ姉〜♪」
「えー? あ、あら? 二人とも喧嘩してたんじゃ…」
「うむ…強いて言うなら雨降って地固まる…といった所だな」
「だなっ!」
「はぁ…」
眼光を鋭く光らせる二人はポカーンとしたワルキャスに追加攻撃。
「ふっ…いまだ」
瞬間、ワルキャスの空いた口めがけて410の買った槍型チョコを突っ込む。
「ソォイ!」
「フゴオオオオオオオッ! フゴッ! フゴ…あ、甘い」
「俺の分だ! たっぷり食らいやがれ!」
「たっぷり味わえよ?」
もぎもぎするワルキャスは事態がつかめず首を縦に振るのだった。
「アハハハッ」
「フフフフッ」
すっかり姉妹になった二人はワルキャスを見ながら嬉しそうに笑うのだった。
***
ガーディアンズコロニー、本日のモトゥブ行き最終便。
コロニーで買ったお土産をもつニュマ姉を見送る二人。
「楽しかったぞ二人とも」
「なぁに、またあれば遊びに来てくれよ」
「うむ」
「………」
うつむいてばかりのワルパシリの頭をぽんと叩くニュマ姉。
「しょげるな…出会いがあればそれに等しく別れもある」
「うう…ニュマ姉…」
顔を上げた410の目頭には心の汗がたまっていた。
あまり見せない泣き顔にニュマ姉は懐からあるものを取り出して、
ワルパシリの口に押し込む。
「ほら、これでも食って元気を出せ」
「そうだぞって…ちょwwwwそれwwwww」
「んっ? モモガッ! モモタロスッッ!!」
Level Up!
ニュマ姉が与えたのは進化デバイス。
金髪の髪に、前より心なしかバストアップに成功している。
410であったワルパシリは411に進化した。
驚きが隠せないワルパシリであったが胸の増強のほうが嬉しい様子。
「おおおお〜…ないすグラマー…」
「帰りの駄賃だ。これでしっかり奴を守ってくれよ?」
「お、おおお…おうよっ!」
突然の進化、というか勝手に自分のPMを進化させられ、
ワルキャスが間に入ろうとするが、ニュマ姉は目を細める。
「っておいおい! ニュマ姉なにやっんぶぅ!」
「んぅ…はむっ…」
「あああああああああああああっ!!」
返されたのは接吻であった。
しかも相当に激しいベロチュー。
その様に今度はワルパシリが驚きを隠せない。
そして鳴り響く出発のアラーム。
「ぷふっ…はふぅ」
「んぅ…うむ…帰りの駄賃にしては重畳だ」
「ニュマ姉てめええええええっ!」
唇を離され、力が抜けるワルキャス。
進化させてくれたお礼はなんのその…吼える411にニュマ姉はニヤリと笑うのみ。
彼女はすぐさまシャトルに飛び乗り、背中を向けながら手を振るのであった。
コロニー側のシャトルホームでは出発したモトゥブ行き最終シャトルに吠え立てる411と…
しばし放心状態のキャストがいたそうな。
「ちきしょおおおおおおっ! やっぱあのアマおぼえてろオオオオッ!」
それはワルいキャストとワルいパシリの物語。
と、やっぱ後半グダってるがキニシナーイキニシナーイ!
続けてボルテッカアアアアア!!と垂れ流すぜ!
「いらっしゃいませ」
そういう店員の笑いを堪えている目線は、相変わらず俺の頭の上へと伸びている。
俺の頭の上では、今日もタマが和んでいる。
昨日ふと鏡を覗き込んだら、俺の首が少し太くなっているような気がした。
「ひょろひょろだった僕も、にゃんぽこを頭に乗せてたら、筋肉ムキムキでモテモテになりました><」
そんな通販広告が頭をよぎる。
そういえばタマのおかげで足も速くなったし…無駄な肉も取れた。
……パシリすげえ!! まさにガーディアンズ養成マッシーンだなおい!
「あのう、今日は何の御用で?」
訝しげそうな店員の声で正気に返る俺。
ヒュマ「ああ、基盤/ファントム2つ」
そう言うと俺は、340000メセタをカウンターに置く。
「……あの、当店としては儲けられてありがたいのですが、お客様…」
ヒュマ「10万13レベルだ」
「はい?」
俺の返答にポカーンとする店員。
ヒュマ「だから、一見レベル13に見えるが、実はレベル10万13なんだ。レベル13じゃない。
レベル13じゃあファントム装備できませんよって言いたいんだろ?
でも、俺は10万13レベルだから楽勝で装備できるんだぜ」
「……はぁ。 ではこれです」
あと数回もくれば諦めてレベルのことは触れなくなるような表情で、
基盤を袋に包んで差し出す店員。
それを受け取り、店を出る俺。さて、あとはタマの仕事だ。
話を戻そう。
今グラールは炎侵食で大騒動となっている。街に居ればさっぱり解らないが、
3つの惑星がそれはもうすごいことになっているらしい。
因みに俺はその事件には関わっていない。
タマが熱いのを嫌がってついてきてくれないからだ。
でだ、この騒動の中、バンフォトンが異常な高騰をみせていた。
この騒動が始まる前から、無駄に属性フォトンを集めていた俺は、
ここぞとばかりにそれなりな値段をつけてショップにバンフォトンを並べた。
そして、3日で俺の手には大金が転がり込んだんだ。
大金があれば俺のやることは一つ。
フ ァ ン ト ム 合 成
意味なんてない。そこにファントム基盤があるからファントムを作る。
そういうわけで久しぶりにファントム合成をする事と…
タマ「ねー、ごしゅじーん」
ヒュマ「あ? どしたぃ」
タマ「どうして最近ミッションに出かけないの?」
タマが至極当然な質問を投げかけてくる。
そう、俺はここのところ全くミッションをこなしていない。
なんというか、心にぽっかり穴があいたというか。
ヒュマ「そうさな… やっぱり、強敵が居ないとな…」
タマ「えー、いっぱいいるじゃないー ディマゴラスとかー、オンマゴウグとかー」
ヒュマ「いや、そういうんじゃないんだな。ライバルというか、ディ・ラガンというか」
そう、奴が、ディ・ラガンが自宅謹慎を喰らい、まるで姿を見せない。
奴と戦いたい… 紅の巨獣ではなく、草原の支配者である奴と…
ヒュマ「女には、解らんさ… フッ」
タマ「むー」
ちょっとカッコつけてみる。まあ、これも男の浪漫には違いない。
そんな意味不明な理論に納得行かないのか、タマが頭の上でスネる。
タマ「ねー」
ヒュマ「今度はなんだ」
タマ「プリンたべたいー」
そう言って指差した方向には、何時ものオープンカフェがある。
何時もの店員の女の子が、俺達に気付き身構えている。
チッ、先手を取られたか…
ヒュマ「今日は帰るぞー」
タマ「えーーーーーー!!」
頭の上でじたばたと暴れて抗議するタマ。
ヒュマ「とっとと帰ってファントム合成するんだ。成功率が5割超えたらプリンを10個食わせてやる」
タマ「ほんと!?」
ヒュマ「ああ」
タマ「うーん! がんばるー!」
と、ふと俺の頭に一つの疑念が浮かぶ。
ヒュマ「……なあ、タマよ」
タマ「なにー?」
相変わらず頭越しに覗き込んでくるタマ。うむ、たまらんな。
ヒュマ「お前、合成ってどうやってしてるんだ?」
タマ「……………………」
なんだかよくわからないが、珍しくタマの頬が紅く染まる。
な、なんだオイ。どんな反応だよ! ちょっと待てよ!想像してないぞそんな反応!!
ヒュマ「な、なんだよ、教えろよ」
タマ「……………………やぁ〜」
視線を外し、ぼそりと呟く。
ちょっと待て、なんですかその反応は! 何?恥ずかしいようなことなの!?
余計に聞きたくなっちゃうじゃないか!! 期待しちゃうじゃないか!!
ヒュマ「ほら、とっとと教えなさい」
タマ「………………………やーーーーー!」
そう言ってすたっと音もなく道路に降り立ち、しゅたたと逃げ出すタマ。
ヒュマ「ちょ、ちょっと待てィ!! 教えろ!教えなさい!!先生怒んないから正直に言いなさい!!」
タマ「やーーーーーーーーーー!!」
ホルテス西地区の一角。
逃げる422を追いかけるヒューマンという怪しい構図を見かけた一般人が
ガーディアンズに通報したのは不思議ではなかったらしい。
そして、そんな二人に向けられる視線。
ヒュマ郎もタマも気付くことなく西地区を走り去る。その視線に気付くこともなく。
おしまい
続きそうな終わり方だけど多分続きません(;゚∀゚)
「いらっしゃいませー!」
今日も、連日の賑わいを見せる飯店。
看板娘のダブルPM、家庭的かつ本格的な味を提供するヒュマ助の料理の腕。
何より、この間の立てこもり鎮圧の噂が、店の評判へ拍車をかけた。
それこそ、物珍しさの一見さんから馴染みの常連さんまで…
今日も、厨房とフロアは賑わいと忙しい喧騒に包まれている。
「3番の天津丼と4番のランチセットBお待たせー」
「はーぃ、ただいまー!」
厨房からは美味しそうな香りが立ち込め、フロアへは出来上がった料理が次々に運ばれる。
小さな身体でちょろちょろとフロアを元気そうに走り回る422。
厨房で、ヒュマ助の手伝いをしながら、オーダーを取る442。
そして、あくせくまな板や鍋、フライパンへ向かう小太りの青年。ヒュマ助である。
「いらっしゃいませー」
422の快活そうな声が響く。新しいお客さんの来店、それを知らせる声。
そして、店に入ってきた二人連れ。それは…
「うーん、ペパーとこうしてレストランに来るのは初めてね」
「…そうですね」
すらりとした体躯。フレーム無しネガネの理知的な印象を受けるヒューマンの女性と…
そのPMであろう、ちょっと無愛想な印象のGH451であった。
「いらっしゃいませ、お客様」
ぺこりとお辞儀をして、テーブルに着いた二人にメニューを手渡す442。
「ご注文が決まりましたら、私共へ声をお掛け下さいませ」
丁寧に対応して、厨房の方へ下がる442。メニューを開く451。
ふと、451が主人の方を見ると、…厨房の方を見つめて妙にニマニマしている。
「主…」
「あはー…442も可愛いなぁ…♪」
無言で一撃。テーブルの下の足に力を込めて、思いっきり振り上げる。
―ゴスン!!
鈍い骨に響く打撃音の後、声にならない悲鳴を上げてテーブルへ突っ伏す主人。
「店員さんに鼻の下伸ばすのもいい加減にして下さい」
「だ、だってぇ…礼儀正しくて…ちっちゃくて…」
ふぅ…とため息。涙目で脛を擦る主人の事は何時もの事なので、仕方が無いと諦める。
とりあえず、注文をしよう。そう思い、テーブルに備え付けてある小さい鈴を鳴らす。
音に気づいたのか、小走りで快活そうな小さな影が歩み寄ってきた。
「はいはい〜。ご注文はお決まりでしょうか?」
「えっと、422ちゃんをテイク…」
―ドスッ!!
「アゥッ!?!!?」
「お、お客様…?」
「この方にはケーキセットを。私には珈琲だけで結構」
「…?…、か、畏まりました」
訝しげな目で見られたが、仕方が無い。またこの人の悪い癖なんだ…とため息。
当人といえば、私に踏まれた足の小指を押さえて、脂汗を流していた。
「お待たせ致しました。ご注文は以上で宜しいでしょうか?」
お運びの422&442が手に数種類のケーキと紅茶、それと珈琲を持って席まで来る。
テーブルに並べれたスイーツは、なるほど…美味しそうに見える。
心なしか、紅茶や珈琲も本格的に思えた。
「えぇ、有難う御座います」
「では、ごゆっくりどうぞ」
「何かあったら、遠慮なく呼んでね?」
PM同士互いに会釈をすると、二人はまた接客と厨房の手伝いへと戻っていく。
「うわぁ…美味しそう…(じゅるり」
「主、涎を拭いてください」
「だ、だってぇ…w」
そう、この人は甘いものに目が無い。変わり者だが、「女の子」らしい一面もあるのだ。
フォークで口へ運び、至福の表情を浮かべる主人。
それを、微笑で眺めながら、珈琲を口に運ぶ451。
そんな451へ目を向けて、主人がフとケーキを食べる手を止めた。
「そんなにじーっと見つめて…ペパーも食べたいの?」
「いいえ。私は甘いものはあまり…」
いって、顔を背ける。甘いものが苦手ではない。むしろ、甘いものは好きだ。
けれど、主人の財布で自分の道楽の為に注文はしたくは無い。
この珈琲だって、私だけ注文しないのに嫌な思いをされたくは無いからだった。
「そーんな、見栄を張っちゃって…w」
また、私を見る目がニヤニヤと小ばかにするような不適なモノへと変わる。
これだ。この視線が…その、嫌…ではないけれど、なんだかむず痒い…
私はまた、そっぽを向く。これ以上、この人のこのニヤニヤを直視するのは癪だから。
「別に。見栄など…」
「いいのいいのwプイデレなんだからwほら…」
そういって、セレブショコラを一口分フォークで差し出す主。
これを食べれば、この人の思う壺だ。しかし、食べなければもっと五月蝿いだろう…
仕方ない、そう…これは仕方ないのだ。あくまで…なのだ……
「あ〜ん♪」
「ぁ…、あー…」
差し出されたフォークが、口のところまで来る。私は、しぶしぶと口を閉じる。
「んっ…」
「どう?このケーキ、美味しいよね?」
「…そうですね」
そっけなく、あくまでそっけなく対応して、私は珈琲を口にする。
砂糖は入れない。ミルクも。この苦味と香りが私の好きなものだから。
それでも…何故だろう。
何時もの一口より、この「あーん」の後の一口は、格別な味に思える…。
「じゃ、次は私の番よね?w」
そういって、ケーキとフォークが私の前に差し出される。
「あ〜ん…♪」
嬉しそうに口をあけてまつ主。そこに…
―プスッ…
「い、いにゃぁぁぁぁ?!」
つい、恥ずかしさのあまり…私はケーキをささないままでフォークを差し入れた。
とりあえず、忙しい時間は終わり、店内のお客さんはちらほらといった程度だ。
追加の注文も一区切り。厨房にこもっていたヒュマ助はふぅ、と一息つく。
フロアへ出て、いつもどおりに常連さんが話しかけてくる。
笑いあい、フと…窓際の座席に目をやると…
「PMと主人の二人連れ、かぁ」
和気藹々、といった様子でケーキを食べながら語り合っている二人組み。
PMの方が若干素っ気無い様に感じるけど、きっとそういう性格なのだろう。
ヒュマ助は、お客とのふれあいを…と思い、席へと歩んでいった。
「うーん、美味しい♪」
主人はといえば、ケーキの味に上機嫌な様だ。ニコニコと微笑んでいる。
そんな主人の機嫌を見て、451も満更でもないのか顔を綻ばせている。
「んー♪こんな美味しいケーキ作れる人って、どんな人なんだろ?」
「さぁ…?噂では気立てのいい青年だそうですよ?」
「本当?うわぁ…どんな人なのかなぁ…」
後ろからゆっくりと歩み寄ってくる影には気づかず、会話は進んでいく。
「なら、『店長を呼べ』…とでも言えばいいじゃないですか」
「そ、そこまで大げさではないでしょう…?」
「どうせ、『いい人そうなら私をお嫁に…』…なのでしょう?」
「そうなのよ…。こんな私でもお嫁に貰ってくれないかしらねぇ…」
はー…とため息をついて机に頬杖を付く主人。そこに…
「僕でよろしければ…お嫁に来て欲しいですね」
「ふぇっ!?」
「ぶふっ…!?」
噂にしていた相手が、本当に立っているとは、二人は思わなかった。
盛大に珈琲を噴出した451。驚きのあまり硬直した主人。
それを、あれ?と間の抜けた笑顔で見比べるヒュマ助。
「えーと、そういうお話ではなかったの…ですか?」
コクコクと、壊れた人形の様な動きで頷く主人。唖然としながら、二人を見つめる451。
「まぁ、僕は構いませんので…とりあえず、お騒がせしました」
ぺこりと一礼すると、他のテーブルへと歩んでいく小太りの青年。
常連客の子なのか、そのテーブルの少女と笑顔で会話している。
時折、大き目の笑い声が聞こえる。よほど、常連に気に入られているのだろう。
「えーと…主、大丈夫ですか?」
惚けている主人をゆすって、確かめる451。
「あ、うん…ら、らいじょうぶぅ…」
「…これは駄目そうですね」
ヒュマ助が先ほどたっていた辺りを見つめて、ぽやーんとしている主人。
それにしても、と思い出してまだ信じられない事だと思う451。
散々、主人の知り合いに紹介された男性に
「ちょっと、趣味がついていけない…」
「そういう子には見えなかったな…」
「恋愛対象には見れないよ…」
と、フラれにフラれ続ける事、現在までの主人が…
(恋人等を通り越して、お嫁に貰ってもいい…とは)
あの青年、大分変わっている様子。主人とはまた違うが、変わり者だ。
もしかしたら…と、451は驚きでぼんやりした頭で考えるのだった。
「有難う御座いました」
「また、来てね〜!」
442と422の可愛い二枚看板に見送られ、店を後にする二人。
値段も味も満足いく内容であったし、何よりまた来ようと思える雰囲気があった。
そして…
「えへへぇ…♪」
隣で蕩けた表情で歩む主人。その手には一枚のカード。
あの青年店主のパートナーカードだそうだ。
まさか、こうも簡単に…
(わ、私と…ぱ、ぱぱ、ぱ…)
(…ぱ?)
(ぱ、パートナーカード…っ…こ、交換してくれませんかっ!?)
(はい、僕で宜しければ…是非)
そういって、にっこり笑顔で二つ返事のパトカ交換をした、主人と青年。
本当に底なしのお人よしな様で、主人が美味しそうに食べていたケーキを…
「まさか、おみやとして下さるなんて…」
私の腕の中でゆれる可愛いラッピングされた小箱。
甘い匂いは、あのケーキだとすれば…作った人があの青年だとすれば…
「大事に食べようねぇ?んふふ…♪」
あぁ、もう知るものか。なんだろう、このモヤモヤな気持ちは。
「また来ようね…w」なんて、主が言っている。けど、その時は断ろうか…?
そうだ、こっそりこのケーキは私が食べてしまおう。
あの青年には、負けられない…。そんな気がするから。
はい、短編掲載です。
ついにヒュマ助と変わり者主人が接点を持ちました。
ていうか、ヒュマ助大分変わり者なので、私的には今後…(ごにょごにょ
とりあえず、ペパーさんことプイデレちゃんを今回も書いてます。
ツンデレのような喧しさではなく、あえて内側での天邪鬼!
あぁ、プイデレは新ジャンルになりませんか…?なって欲しい…
>>370 ワルキャス、クールに決めれば二枚目なのに…
普段や姉さんの前では、どう見ても「悪がき」レベル…w
応援しています!今後もwktk!
>>373 捨てポコ、可愛いですよね!タマちゃん、好きですw
でも、本当にPM達ってどういう風に合成しているんだろう?
合成頼んでる最中でも、戦闘に連れ出せるし…何時の間に?
では、次回にー
プリンと10回言ってみて
>>356 420の想い大暴走、って感じだなぁ
てか430ってこういうとこは妙に鋭いんだな・・・w
>>357 感想はあった方が作者も嬉しいし何よりちゃんと読んでるってのが伝わるからこちらとしても気分がいい
感想のタイミングは読みおわった時にやるくらいで良いかも、最近投下も多いし溜まりすぎるとレスしにくくなるから
>>361 教官何の為に来たのかわかんないな・・・w
ちなみにカガジバリは普通のでもギバやギフォは使うはず(さすがにダムは使わないが)
>>370 ニュマ姉の勝手っぷりは凄まじいな・・・w
しかしワルパシリにニュマ姉にと、ワルキャスは結構幸せもんだな
>>373 >ヒュマ「10万13レベルだ」その発想は無かったわ・・・w
しかし合成は相変わらず謎だよなあ、そもそも基板は何処に刺してどうやってあの素材を合成するのか
そして失敗したら何故モノメイトなのか(ここは合成獣モノメイトとかなってそうだが
>>381 この二人がどう絡むのかと思えばペパーの主人の一目惚れと来たか
てかヒュマ助もかなりもてるなぁ・・・w
>>356 420可愛いのぅw
想いを伝えられたら沼虎どうすんだろw
>>370 ワルキャスって遊びなれてるようで実は純情ぽいw
>>373 ぽこを誘拐したいくらいだw
>>381 ひゅま助VSペパーかw
ひゅま助の方が思いに気がつかなそうだけどw
>>383 アドバイスありがとう。見れたとき適当に感想つけるようにするよ。
それにしても普通にギ系とか使ったのか・・・・調べ不足だったw
どうも自分は長々と前置きしてしまう癖があるらしく・・・
書きたいことかけるまでだらだらしそうなんでヨニの奴はもう辞めときますわw
(パシリ関係無い場面も意外とあるんでw)
ただの読み手に戻ります。読んでくれてありがとう。
あ、357-361です。なんかID違うけどね。
これはいい450ですな
>>156です。
単発で終わらせた方が良い気はしましたが、書きたくなったので投下します。
超短編としてもっと文を削って短くしたいのですが、難しいものですね。
合成方法で新説出してる場合じゃなかったわ。
------------
我輩はPMである。名前はタロウ。
このやろうが基板をセットしたので、我輩は材料が足らないことを教えてやった。
いまさら驚いているのか、うかつなやつめ。
落ち着いたのを見計らって合成確率を教えてやると、このやろうは呻き声を漏らした。
ははは、いいぞこのやろう。もっと我輩を喜ばせろ。
じつは我輩も内心この素材数や合成確率はないだろうと思ってはいる。
しかし上の決めたことだ、仕方ないだろ。変更を申し入れる立場でもないしな。
足らない素材を買い足させ、ようやく我輩一人。合成の時間だ。
我輩もPMのはしくれ、合成は頑張っている。
合成は好きだ。この消費や破壊だらけの生活の中にある唯一の創造性。
この手で品物が仕上がっていく事に喜びを感じる。
だが難しいものは、これは機密事項ではあるが、コロニーの支店や各惑星の本店に依頼している。
当たり前だろ、難しすぎだって。我輩は失敗を楽しむほどマゾくはない。
合成に時間がかかるのは、半分は輸送時間が関係している。
成功すれば工場から合成品が届き、失敗すればお詫びの粗品が届く仕組みだ。
あのやろうは我輩が作っていると思っているようだが、そんな何時間も手作業してられるか。
店番もあるし、複数同時合成だってある。戦闘支援にもいく。考えたらわかるだろ。
いや、夢を壊してすまない。機密事項だ、忘れてくれたまえ。
完成時間に合わせて戻ってきたこのやろうが、合成結果を尋ねてきた。
宅配業者はまだ来ていない。
こっちにも都合ってもんがあるんだ。少しは残業して帰って来いこのやろう。
我輩は精一杯のスマイルを添えて、モノメイトを差し出した。
そんな複雑な顔されても困るんだがな。我輩ちっとも悪くないんだぞ。
それよりさっさと今日の獲物をよこせ。
我輩はPMである。名前はタロウ。
遅れて届いたこの完成品、売ってスケープドールくらい用意しておくか。
356の続きを投下です。
430の耳元で、通信機が鳴った。
430「はい、はい。わかりましたッ! かならず、つれてきますねー」
通信を終えた430が、フォトン式将棋盤を前にさめざめと泣く沼虎の肩を叩く。
430「それじゃあ、いきましょー!」
沼虎「もう……どうにでもしてくれぇ」
430に手を引かれるままに、沼虎はふらふらと歩き始める。その頭の中にあるのは、賭けのレートを下げておくべきだった、
という後悔のみだった。
なんとなれば、十戦全敗、損失十万メセタである。
沼虎「くそ……罠使いの俺さまともあろう者が、とんだ誤算を……」
430「沼虎さまは、かけごとむいてないとおもいます」
すっぱり言われ、沼虎はさらに落ち込んだ。うつむいたままずるずると、林の奥深くへ足を踏み入れてゆく。
沼虎「……にしても、だ。一体どこへ連れて行こうってんだ?」
430「ついてからの、おたのしみです。もうすぐですよー」
けもの道に近い道のりを、430がずんちゃか歩いていく。その足取りは、しっかりしたものだった。
430「あ、ちょうちょ!」
沼虎「コラ」
さっと向きを変える430を押さえ、なだめすかす沼虎の努力の賜物である。
430「沼虎さま」
もうすぐと言いつつ結構歩いたな、と沼虎が思ったころに、430が声をかけてきた。
沼虎「ん、何だ?」
430「420ちゃんのいうこと、ちゃんときいてあげてくださいね。わらったり、ごまかしたりするのはダメですよ?」
沼虎「……わあってるよ、んなコト」
それで満足したらしく、430はいきなり沼虎の手を放して駆け出した。
沼虎「お、おい!」
そのまま坂道を登ってゆく430を、沼虎は慌てて追った。
430「ごしゅじんさまー!」
坂を登りきったところで、430が呼びかける。
沼子「430!」
飛び込んでくる430を、沼子が抱き留める。だが、沼虎の意識は別の光景に支配されていた。
沼虎「4…2…0……なのか?」
月と星の光を浴びて、小柄な少女が立っていた。くりくりした瞳に、しなやかな肢体。いつも見慣れているはずなのに、
月下の420は壮麗な絵画のように、沼虎の心を打った。
420「沼虎……」
どこか儚げな風情さえ漂わせて、沼虎を見つめる420。目が合うだけで、沼虎の心臓に痛みのようなものが走った。
420「さっきは、ひっぱたいちゃって、ごめん」
沼虎「あ、ああ……。いつものコトだろ? 慣れてるよ」
どぎまぎしながら、何とか言葉を返した。一体、どうしちまったんだろうか。ぼんやりと考えながらも、420から目が離せない。
420「それから……聞いてくれる? あたしの、ほんとうの気持ちを」
のどがひりつくように渇いていて、もはや声も出ない。沼虎は、黙ってうなずいた。
420「あなたが、好きです……」
沼虎「420……!」
離れていたふたりの影が寄り合い、重なり合った。視界の端でそれを確認して、沼子は微笑した。
沼子「よかったわね、420ちゃん……」
ぐるぐると目まぐるしく回る風景。腕の中にいる430を見やると、
430「ご、ごじゅじんざばあ゛ぁああああ」
沼子「430、離れちゃダメよ」
ごろごろと坂道を転げ落ちながら、沼子はしっかと430を抱きなおした。
沼子「……やっぱり、少しは体を鍛えないとダメね」
飛びつかれた勢いで坂道を転げ続ける沼子が、そっと息を吐いた。 つづく
>>386 続きが気になるなんていわれたら書きたくなってしまうw
感じ悪いのを承知で前言撤回させていただきます。すいません・・・
>>388 タロウの語り口好きだw
何故かにやりとしてしまうw
>>389 沼虎と420おめでとうw
あと沼子冷静だね、もう不幸になれちゃったのかなw
とある420の話4
ミズラキ保護区クゴ温泉。
俺達が向かっている場所だ。
「るんるるんる〜ん♪」
隣で鼻歌を歌っている自称小ニューマン教官殿の提案で湯治に行くことになったのだ。
曰くヨニと俺の親睦を深めるため、だそうだ。
カガジバリを倒したその足でというのはいささか急だがもともと教官殿は俺達を誘うつもりで近くまで来ていたらしい。
家へ訪ねようとニューデイズまで来た所でガーディアンズからの知らせを受けたとの事。
何故この人だったのか・・・まあ、こう見えても腕は立つしなにより俺の教官だった人なわけで・・・。
現在は駆けつけたグラール教団兵にカガジバリの死体を任せてミズラキ保護区の紅葉舞う山道を歩いている。
「ほこうきのうがかいふくしました。もうおろしていただいてだいじょうぶです」
背中から声が聞こえる。
戻る暇も惜しんだ教官殿の提案で動けないヨニを此処まで背負ってきたのだ。
「無理はしないでくれよ?」
しゃがみこんでヨニを地面に降ろす。
「ごめいわくをおかけしました」
深々と頭を上げるヨニ。
驚いたことにあれほど酷かった火傷がほぼすっかり治っている。
「自動修復ってのもたいしたもんだ」
「いや、青ちん、いまさら何言ってるの♪マルちゃんが居たじゃない♪」
「あんな大怪我させた事なんて有りませんでしたから」
マル。初めて会った時に球状だったから着けた名前。
人型になって名前を変えようとしたら却下された名前。
もう居ない俺のかつてのパートナーマシーナリー。
正直、思い出すのは辛い。が、変に気を使われるのも辛い。
この教官殿はあの時、塞ぎこみ忘れようとした俺に何の気使いもなくマルの話を持ちかけた。
嫌がる俺に彼女は言ったのだ。忘れないであげてと。覚えていてあげてと。
貴方の為に生きていたマシーナリーを覚えていてあげてと。忘れるなんて残酷な事しないでと。
だから、俺はまだ覚えている。マルは確かに存在したのだと。
覚えているが故に居なくなってしまった事を感じどうしようもないも無い気持ちになる事もある。
マルは家族だったから。天涯孤独だった俺に出来た初めての家族だったから。
だからそれを失って俺は逃げるようにガーディアンズをやめようとしたのだ。
「あおさま?」
いつの間にか立ち止まっていたらしい。
なんでもないと返事をして俺は歩みを再開した。
貸切という言葉が相応しい。広い温泉に三人だけ。
紅葉舞うクゴ温泉から見える景色は絶景かな。
「はぁ〜ビバノンノ♪」
訳の分からない事を教官殿が言っている。
緑青のビキニに同色のパレオ着用。
なんていうかまるっきり子供にしか見えない訳で。
ヨニの方は教官殿が用意した水着を着ている。
紺色のワンピースタイプで胸元にヨニと名前入りの布が縫い付けられている。
彼女等は背が低いので浅めの場所で座って温泉を堪能していた。
教官殿は上機嫌で、ヨニはどこかぼうっとしているように見える。
「こら〜♪」
そんな事を思っていると教官殿が泳いでやってきた。
「女性二人を放って置いて一人で居るのは何事だ♪」
「そんな事いってもあそこだと肩まで疲れないんですよ」
蛙の様に泳ぎ、座る自分の横で立ち上がる。
丁度胸が目の前に来るが薄い。
「えっと♪」
教官殿の視線が俺に注がれて・・・・僅かに落胆したような溜息を吐く。
あんた今どこを確認したのですか・・・
「ヨニと仲良くなるチャンスなのよ♪」
ヨニは相変わらず浅瀬でボーっとしている。心なしか頬が赤い。
同じ無表情でも多少柔らかい感じを受ける。
「ハンターライセンスはあと半月で切れますけど・・・」
「ずっと引き取ってくれるんじゃないの?♪」
「あのですね・・・・」
自分はライセンスが残っている間だけ預かるつもりだったのだが。
どうやら教官殿はずっとあずかってくれると思っていたらしい。
「いいじゃん♪あんな怪我負うほどがんばってくれたんだし♪」
そうだ、カカジバリとの戦闘。
彼女は自分が破壊される危険を負ってまで俺を助けてくれた。
「教官殿。ヨニは命がけで俺を助けてくれました」
「うん♪」
「彼女の主人は死んだと言いましたよね」
はじめてヨニを連れて来たときに確かにそういった。
ローグスに殺されたのだと。ヨニ自身酷い扱いを受けたと。
「彼女は・・・主人の下に行きたがってるんじゃないですか?」
だから俺の元へと来たのだ。
ガーディアンズに戻って初期化されないように、確実に破壊されるために。
破壊される事が目的ならば見知らぬ他人に簡単に命をかけられる。
「私が彼女を連れてきたのはね♪」
だけど、教官殿の答えは違うものだった。
「ヨニ自身が生きたいと望んだからよ。
必死でローグスから逃げ出してきて死にたくないって懇願されたからよ」
「それは・・・・」
「おかしいかな?
マシーナリーは主人があってはじめて存在できるものね。
ほとんどのマシーナリーは主人の死を確認すると自己停止してしまうわ」
「彼女の主人はひどい人間だったのでしょうか?」
「ううん、とても優しい人よ。ヨニの事を本当の娘の様に可愛がっていた」
目を細めて、教官殿は言う。
その表情はとても優しくてとても寂しそうで・・・。
「知り合いだったんですか?」
「うん。でもこの話は別にいいよね。
何故、主人を失った彼女が生きたいと望んだのか知りたい?」
少しだけ意地悪な表情を浮かべて教官殿は言う。
「初めて出来た家族を失っちゃった誰かさんはとても気になっちゃった?♪」
「俺は・・・・」
「本人にきいてみなさいな♪考えが変わるかもしれないよ♪」
そう言って教官殿はヨニに視線を向ける。
釣られて俺もそちらに視線を向けて・・・
「あら♪」
ヨニが真っ赤に湯だって仰向けに浮いていた。
そんな状態でも無表情で・・・
いや、恐いから。死体にしか見えないから・・・・ 続く
張り逃げご免!
熱い・・・熱すぎる展開だ・・・心の底からGJと言わせてもらおうっ!!
>>392 教官、とぼけてるけど大切なところではしっかり教官してるなぁ…
しかしヨニが気になりすぎる俺。過去も意思も気になるし、勿論この先にもwktk
>>393 ついにクライマックスか…
『シリーズ最終話の位置付け』と言ってた気がするが、まさにそんな感じの熱い展開に…
終わったら小ビス子さんのガーディアンズ入隊のきっかけや430との出会い編もよろしく
人気作家に休息は…無い
いやお願いしますヘコヘコ
スキヤキとかも最高でしたし応援しております
389の続きを投下です。
惑星ニューデイズ 狂信者の杜のそば
テロ組織「狂信者」のアジトである、荘厳な造りの廃寺院。その周囲は険しい崖に囲まれていて、ガーディアンズも
おいそれとは手が出せない場所だった。
その入り口から、二人の人間が出てきた。教団の仮面を着用しており顔はわからないが、体つきを見るとどうやら男女のようである。
女「ダグ夫さん……本当に、私でいいの? 顔も見たこともないのに」
ダグ夫「ウホッ。オズ美さん。自分は、オズ美さんがいいのであります」
オズ美「ダグ夫さんっ」
ダグ夫「ウホッ……」
どちらからともなく、愛の抱擁がおっ始まった。規律で仮面は取れないが、それでも、二人は出会い、愛し合っていた。強く、そして熱く。
二人が抱き合ったままごそごそとけしからんことをやり始めたとき、ひゅるると頭上へ何かが落ちてきた。
ゴン、と鈍い音。頭に強い衝撃を受けて、まもなく二人は意識を失った。
オズ美「ダグ夫……さん……」
ダグ夫「ウ、ウホッ……」
意識を失いながら、それでも二人は手を握り合っていた。
沼子が目を開けると、まず見えたのは屋根の一部だった。ニューデイズ風の雅な屋根だ。重々しくも派手なデザインに、沼子は
見覚えがあった。
沼子「ここは……『狂信者』の杜ね。転がり落ちているうちに、とんでもない所へ着いたようね」
起き上がろうと下に手をやると、奇妙な感触がある。見ると、沼子の下敷きになって、教団警衛士ダグバが倒れている。
沼子「死んでいる? ……いえ、どうやら気絶しているようね」
つぶやき、倒れている教団警衛士ダグバから離れて上を見る。遥か上方に、崖の縁が見えた。
沼子「……あそこから落ちたのかしら……? よく、命があったものね」
戦慄に身を震わせながら、きょときょとと首を巡らせる。
沼子「!! 430!」
すぐ側に、教団警衛士オズナに重なるように倒れている430の姿があった。
沼子「430! しっかりして!」
すかさずスターアトマイザーを使用した。430の固く閉じられたまぶたが、ぴくっと動いた。
430「……あ、ごしゅじんさまぁ」
沼子「おはよう、430。気分はどう? 痛いところはない?」
430「なんだかぐるぐるしますけど、いいおめざめですよー」
ぐぐっと背伸びをする430。足元にいるオズナに気付いて、慌てて飛びのいた。
430「ア゛ッー! ご、ごめんなさいッ! ごしゅじんさま、お、おしりあいのかたですか?」
沼子「いいえ? 全く知らない人よ。たぶん、人の下に入って眠る趣味でもあるんでしょう。気にしてはダメよ」
しれっと言い放ち、沼子は430を抱き上げ頬をすりよせる。430はちょっとくすぐったそうにしたが、すぐに沼子に身を委ねた。
沼子「430、あなたは幸運の女神さまかも知れないわね」
430「?? ごしゅじんさま、どーいうことですか?」
そのままの態勢で、器用に430が首を傾げる。
沼子「上を見て。私たち、あんなに高いところから落ちたというのに、怪我ひとつ負っていないのよ? たぶん、あなたを抱えて丸くなっていた
のが、受身になったのよ。それから……」
満足するまで頬ずりして、430を離した沼子は倒れている教団警衛士オズナの服を剥ぎ取った。控えめに言って『とてもふくよかな』インナー一枚の体が、
ぶよんとあらわになった。仮面も取ると、そこに横たわるのはゴルドルバ顔負けの巨体だった。
430「……このひと、どーやってこのふくきてたんでしょーね?」
沼子「そういうふうに出来ているのよ。深いことを考えてはいけないわ」
沼子もさっと服を脱ぎ、教団警衛士の制服に身を包んだ。サイズは、なぜかぴったりだった。
沼子「私のぶんは、これでいいわね。あとは430のだけれど……さすがにダグバに仕立てるには、無理があるわね……」
しばし考え、何かを思いついた沼子は430に、
「ちょっと待っていて」
とだけ言い残し、杜の中へ入っていった。
430「あ、ちょうちょですー」
横たわる二人と沼子の言葉を放り出し、430は蝶を追いかけ始める。戻ってきた沼子が彼女を見つけて連れ戻すのは、もう少し後のことになる。 つづく
このスレを見てるだけで幸せな俺が居る
あぁ俺も書かないとダメなのに・・・w
>>388 この捻くれたもタロウの語りが好きだ
なんというかほんとにこういうパシリがいそうで・・・w
>>392 教官って変なようでちゃんと教官な部分もあるんだなぁ・・・w
>>393 430が小ビス子と再開した時どんな反応するのか気になるな
しかしついに終局か・・・どうなるのか楽しみだ
>>397 崖から落ちて下に人が居た、ってのも凄い話だw
ニュマ子が430と一緒に居れるのはものすごい強運の持ち主だから、なのかもしれないな・・・w
>>398 GJ、照れつつ駄洒落を言う450が可愛いよ・・・w
>>393 「忘れないどくれよ! アタシらの見る夢は、いつだって本物なんだッ!」
痺れた!展開も熱いし台詞もかっこいいね!次回が凄い楽しみだね!
>>397 大筋とは関係ないけど起きたダグ夫さんはどんな反応するんだろw
>>398 ベタだ・・・。
だがそれがいいwww
とある420の話5
地面に寝かされたヨニの目がゆっくりと開く。
真っ赤に茹っていた肌は覚めて元の白さを取り戻しかけている。
それでもまだ赤み帯びているが。
「・・・ぱぱ・・・・」
本当にかすかな呟きがヨニの唇から漏れる。
光差さぬ虚ろな空色の瞳。それが俺を確認するように向けられる。
「あおさま?」
初めて横に座る俺に気が付いたようだ。
「わたしはいったい?」
「のぼせて気を失っていたみたいだ」
マシーナリーというのは分類上キャストなわけで。
気を失うというよりは熱という負荷によって機能が停止したと考えるのが普通だろう。
まあ、どうでもいい事だけど。
「ごめいわくをおかけしました」
抑揚の無い淡々とした発音で彼女は言う。
「いいけど。気を失うまで入るなんて随分無茶したな」
「けいさんではもんだいないはずでしたが」
横たわったままヨニが此方を見上げている。
「計算だって100%じゃないだろ?」
それを見返しながら言葉を続ける。
「カガジバリの時だってそうだ、どうして無茶ばかりするんだ?」
ヨニが俺を見ている。
何かを言いかけて止まる。
俺は何も言わない。ヨニが話してくれるのを待とう。
「わたしが・・・」
やがて紡がれる声。
「わたしがむちゃをしていれば、ぱぱはこわれないですみました」
ぱぱというのが恐らくヨニのマスターだろう。
教官殿はヨニを娘の様に可愛がっていたと言っていた。
「さらわれたわたしをぱぱはこわいひとからたすけてくれました」
一時期、ローグス過激派によってガーディアンズのパートナーマシーナリーが狙われる事件が頻発した事があった。
彼らによってけっして少なくない数のマシーナリーが誘拐されてそのほとんどが帰ってこなかった。
「でもわたしはぱぱをたすけることができませんでした」
ヨニが誘拐された事を悟った彼女の主人は、当然の様に彼女を助けるためにローグスに乗り込んだ。
「あのときわたしがたてになっていれば、ぱぱはしにませんでした」
ヨニの救出には成功したのであろう。だが、恐らくは・・・
「ばくはつしてばらばらになってしまったぱぱをわたしはひっしでかきあつめました」
逃走の途中にヨニの目の前で殺されてしまった。
「でもぱぱは、なおってくれませんでした」
淡々と語るヨニの瞳は何も移していないように見える。
「すぐにあとをおいたかったのですが、ぱぱはこわれるまえにわたしにめいれいをしました」
「どんな、命令かな?」
「いきのびて、しあわせになってくれ、です」
そこに移るべきだった感情と心を置いてきてしまったのだと思う
彼女の主人が死んでしまった場所で彼女は、ヨニという心を置いてきてしまった。
「めいれいどおりわたしはろーぐすとたたかいいきのびました。
にげのびてきょうかんさまにたすけていただきました。あとは・・・」
ここにいるのは、その残滓。
大好きだった主人の最後の願いを、命令と受け取ってしまったヨニだったものの残滓。
「あおさま、おしえてほしいのです」
少しだけ困ったように首をかしげてヨニが言う。
「わたしはどうすればしあわせになれますか?」
空っぽの心では理解できない感情を求める存在。
「どうすればめいれいをかんすいしてぱぱのところにいけますか?」
彼女をこの世に繋ぎとめているのは亡き主からの命令だ。
生き延びて、幸せになってくれ。その言葉が彼女に機能停止を許さない。
命令を受けたから必死でローグスから逃げてきて、命令を受けたから教官殿に懇願した。
悲しくて寂しくて本当はすぐにでも死んで傍に行きたかったのに、大好きな人の願いだから行けなくて・・・
「分からない」
「そうですか・・」
彼女はただ俺を見つめている。
「幸せなんてものは自分で探して見つけるしかないんだと思う」
「わかりました」
俺は・・・誘拐事件でマルを失った時。
傍にはガーディアンズの仲間がいて慰めてくれた、いまでも連絡を取り会う仲だ。
少しだったけれどマル以外のものも傍にあったから命を絶つこともなかった。
でもヨニにあったのは・・・残酷で優しい命令だけ。
幸せから奈落に叩き落されて、一人で見つからない目的を探して彷徨うだけの地獄だ。
「なあ、ヨニ・・」
「はい、なんでしょう」
そんなのはあんまりではないか。
彼女の地獄は俺よりずっと深い。
「辛かったな」
ヨニの頭を撫でる。
落ち込んでいたマルはこうしてやるとくすぐったそうに目を細めて笑ったから。
ヨニは何も言わずに俺の手に、小さな両手を添えて無言だった。
マシーナリーを失った主人と、主人を失ったマシーナリー。
似たもの同士、この気持ちは同情か慰めか・・・・どっちでもいい。
俺のやれるべきことは・・・・・・
ふと視線の先に教官殿が映る。
彼女はこれ以上無い、いじわるな、優しい笑みを浮かべて此方を見ていた。
まったく・・・・教官殿に振り回されてばかりだ。 続く
397の続きを投下です。
惑星ニューデイズ ミッション「潜入! となりの狂信者」
沼子「ねえ、430。青と緑どっちが好き?」
430「あおですーッ!」
沼子「そうだと思ったわ。ハイ、これ」
元気よく答えた430の目の前に沼子が置いたのは、ガードマシーナリー・バイシャ乙32型だった。
430「これを、どーするですか?」
沼子「着るのよ。ほら、ちゃんと中身をくりぬいておいたのよ」
430「わあい」
あっというまに、足が余分にあるバイシャ乙32型が完成した。
沼子「それじゃあ、行きましょうか」
430「はーい」
430のくぐもった声を聞きながら、沼子は仮面をつけた。
教団警衛士オズナのうしろを、ひょこひょことバイシャ乙32型がゆく。一見それは、パトロールの風景に見えなくもなかった。
430「うわあ、天井があんなに高いですー」
沼子「430はお寺に来るの、初めてだったかしら? 見るもの何でも珍しいのね」
たまにはしゃいだ声をあげるバイシャ乙32型を、すれ違う教団警衛士オズナやダグバが怪訝そうに見つめていた。
その頃の沼虎と420
沼虎「ひい、はあ、い、急げー、420」
420「コレくらいの道で息切らしてるんじゃないわよ、情けないわね」
林の中の下り坂を、疾駆するふたりの姿があった。
沼虎「仕方ねえだろ。寝不足なんだ。……誰かさんのせいでな」
420「っなっ、なによ! それこそ、仕方ないじゃない! その、……初めて、なんだから」
耳まで真っ赤に染まる420を、ニヤニヤしながら沼虎が見つめる。
沼虎「イヤ初めてっつーか、アレはどーかと思うぞ?」
420「そんなコト言われても……バ、バカ虎、あんただって、悪いんだからね!?」
沼虎「俺が? 何で?」
聞き返されて、420は言葉に詰まった。沼虎が笑みを深くして、さらに続ける。
沼虎「お前が『愛してる』って言って、俺も『ああ、俺も愛してるぜ』と言った。んでもってちょいと濃い目のキス。そっからいよいよ……
って時に、失神しちまったのは誰だ?」
420「言わないでよっ!」
走りながら器用に飛びあがり、420が沼虎の頭に拳骨を落とした。
420「だ、だって、み、耳元であんなコト言われて、その、し、舌とか……ああっ」
沼虎「おいおい、しっかりしてくれよ?」
ふらりとよろける420を、沼虎が支える。ついでに抱き寄せて、胸元に口をつけて軽く吸う。
420「何でブルース口調なのよ!」
すかさず肘をぶち込み、420は立ち直った。
沼虎「っててて……、相変わらず凶暴なのな。ベッドの上以外で、だが」
420「〜っ! と、とにかく、沼子たちを追いかけるわよ!」
再び走り出す420の腕を、沼虎が掴んで引き寄せる。
420「だからっ! 今はそーいうコトしてる場合じゃなくて!」
沼虎「落ち着け。ソレは後でたっぷりするから、今は前を見ろ」
沼虎に促され420が前方に目を向けると、木々の間、遥か下方に寺院が見えた。
沼虎「ご覧の通り、ここから先は崖だ。俺を残していきなり死ぬ気か?」
420「あ……ありがと。それから……」
沼虎「ごめんってのは、ナシだ」
ぽん、と420の頭に手をのせて、沼虎は微笑んだ。ふたりは見つめあい、そして、420が目を閉じる。
沼虎「……通信機がつながらねえな。沼子のやつ、無事だといいが……」
420「……この、バカ虎ぁっ!」
見事に先走った420が、沼虎にショートアッパーを叩き込んだ。 つづく
さて空気読まずに需要なさそうだが投下w
なんとかだらだら長くならないように努力はしてるのでご勘弁を[´・ω・`]
406 :
炎の追憶 13:2007/03/11(日) 01:38:04.72 ID:j9SUpCIG
「く、くそが………」
地面に伏したヒューマンが、恨みを込めて目前に立つキャストに吐く。
「……」
答えは無い。
キャストが自分をどう見ているのかはわからない。もしかしたら興味すらないのかもしれない。
「き、貴様ら……キャストどもが……いくら抵抗して……も…… ゴブッ」
血反吐が地面に落ちる。
そのヒューマンの腰から下はない。
立っているキャストにやられたのだろうか。
彼の残りの命は流れ出る赤い液体と共に、徐々に消えていく。
ただ、怨敵に言葉をぶつけるだけ。
「じゆう……など…… きかい にんぎょうに…… じゆう……など」
ゴリッ
側頭部に押し付けられるキャストの足裏。
その冷たく硬い感触に、そして感じる力にヒューマンが慄く。
「ひ…………ひぃい…………や、やめ…………」
ぐしゃっ
奇妙な音と共に、彼の脳漿が、眼球が、頭部に詰め込まれていた器官があたりに飛び散った。
「……次だ」
キャストが、その紅いキャストが回りに立つヒューマン兵を見渡す。
「お、おのれ… ならば!」
一斉に後退するヒューマン兵。そして基地の影からの発砲音。
放たれた銃弾は地面を穿ち、退き遅れたヒューマン兵が壁もろともソードに貫かれる。
「ひハァ!?」
奇妙な声をあげ、まるでピンを刺された虫のように手足をじたばたさせる。
「な!?」
状況を理解させる前に、紅いキャストは壁に刺さったソードから手を離し、
その手で傍にいた別の兵士の頭を掴み、勢いよく壁に叩きつけた。
壁にへばりついた赤い血のスタンプを残し、地面に落ちる首から下の兵士。
「……残り8人」
絶命した壁に貼り付けられた兵士からソードを抜き、
降らされる銃弾の雨から逃れつつ、間合いをじわじわと詰めていく紅いキャスト。
刹那
「ぬおおおおおおおおっ!!」
掛け声と共に襲い掛かるツインセイバー。
「ぬッ!?」
ヴォォォォン!!
襲い掛かるその牙を、片方のソードで受け止め、もう片方のソードで薙ぐ。
その切っ先を見切った掛け声の主が、身体を後ろに反らし、バク転で間合いを広げる。
「ちッ……もうすこしだったものを…」
悪態をついて、ゆらりと立ち上がる…彼はヒューマン男性だった。
その男に向かって、ヒューマン兵が声を上げる。
「た、隊長!」
「遅れて済まなかったな。ここは俺がやる。おめーらは下がってろ」
どうやら紅いキャストが戦っていた部隊の隊長のようだ。
紅いキャストに殺気を向ける男を残し、兵士達は少し振り返りながらその場を後にする。
407 :
炎の追憶 14:2007/03/11(日) 01:38:57.26 ID:j9SUpCIG
「ったく、流石噂のブラッドリィというわけか… ぬお!?」
ブォン!!
紅いキャストが開いた間合いを一気に詰め、ソードを薙ぎ払う。
しかし男はバックステップでその猛襲から逃れる。
「おいおいィ… 味気もへったくれもないな…」
地面に唾を吐き、ギロリと紅いキャストを睨む男。
その視線を向けられてなお、何の感慨もなく隙を伺う紅いキャスト。
「くだらん… 殺し合いに味気もなにもなかろう」
そんな彼の言葉に、男は不快感を覚えた。
機械的なブラッドリィの反応に、嫌悪感を孕まされたのか。
「機械には、解らんってか!?」
「そうだ」
そのやりとりが合図となったかのように、今度は男が先手を取る。
まるで浴びせ掛けられる斬撃のような攻撃。
「ハッ!そのクソでかい武器が仇になったな!」
降りかかる二本のセイバーの攻撃を、ソードを盾のようにして凌ぐ紅いキャスト。
「……」
防戦。今彼にできるのはそれだけだった。
攻撃に転じようにも、敵の手数の多さがそれを邪魔する。
久しぶりのままならぬ戦い。しかし彼は冷静であった。
キャストだからか、それとも「彼」だからなのか。
二つのフォトンの動きの隙間を探す。そして
「ぬんッ!!」
ソードを振り下ろす。
ギァン!!
穿たれる地面。そこに男はいなかった。
「あっぶねえな。あの状態からソードを放てるのかよ…」
ギリリと歯軋りが聞こえてきそうな苦笑いを浮かべ、男が呟く。
その呟きを無視して、紅いキャストが更に詰めた。
「……」
ブオン ブオンと、円運動を柱にして次々と襲い掛かる重い斬撃。
まるで空間を削るかの如く、迸るフォトンブレードの振られる音。
「ちいぃッ!!」
攻守が逆転し、回避に専念せざるおえなくなった男。
紅いキャストが放つ重い攻撃を、彼のように武器で受けることはできず、
切っ先の軌道を見極めつつそれを避けることしかできない。
迂闊に手を出せば、シールドラインごと身体にダメージを受けるだろう。
一見しただけでもそれがわかるほど、紅いキャストの攻撃力は凄まじかった。
408 :
炎の追憶 15:2007/03/11(日) 01:40:26.87 ID:j9SUpCIG
「だ、伊達に有名人じゃないってわけか! サインでも貰ってやろうか? あァん!?」
そんな男の軽口に耳を傾けず、無言で次々と攻撃を重ねる紅いキャスト。
しかし男もその猛攻を二本のセイバーと、身軽な体術で凌ぐ。
力で攻める紅いキャストに対し、技術で対抗する男。その力、拮抗とでもいうべきか。
しかし決定的な差が、徐々に露になる。
「ハァ…ハァ… 野郎…」
荒い息を整え、紅いキャストの攻撃を避ける男。
それはスタミナ。延々と戦う中でそれは致命的なほころびとなりつつあった。
「チッ、キャストってのは便利なもんだな…」
「……そうでもない」
吐き捨てるような台詞に、珍しく紅いキャストが答える。
「よく言うぜ… しかしな、俺たちヒューマンもテメエらに無いものをもってんだよ!」
ザィィン!!
ツインセイバーが息を吹き返したように再び光跡を残し翻る。
「お前に見せてやるぜ! ヒューマンの誇り…魂って奴をな!」
「ぬッ!?これは…ッ!」
ヒューマンの動きに生気が戻る。
紅いキャストは、その理解できない力の漲りに呑まれつつあった。
「テメエには解るまいさ!ただ命令されるままに戦うだけの戦闘マシンにはなぁッ!!うおおおおおおおおおおおッ!! 」
戦闘力自体は変わってはいない筈。しかし、今までの男とは何かが違う。
振り下ろされるセイバーは、今までとは違う重さ…力がそこにあった。
豪雨のように降り注ぐその斬撃が、紅いキャストの動きを押し止める。
ガギィン!!
遂に二本のセイバーの一撃で、左右に振り払われる両手のソード。
「ぐっ!?」
「迂闊だったな…受けてばかりでは……こうもなる」
刹那、うめく紅いキャスト。がら空きになった胴を護るものはシールドラインのみ。
「もらったッ!!」
―太陽が、沈んでいた。
つづく
箱の人の続編ktkr!!
需要ないどころかずっと待ってたんだぜ?
続き、楽しみに待ってます。
450「ご主人様、以前仰いませんでしたか?」
[ ´・ω・`]<?
450「”おえない”でなく”を得ない”だと・・・」
[ ´・ω・`;]<エートソノ
450「別にご主人様がヒトに馬鹿にされるのは勝手ですが」
450「私まで同じ様に見られるのは御免です」
[ ´・ω・`]<ゴメンネ
[ `・ω・´]<ツギカラキオツケルヨ!
450「”を”!!!」
[ ´;ω;`]
404の続きを投下です。
惑星ニューデイズ 狂信者の杜を見下ろす崖の上
沼虎「どうやら、ココから落ちたみてえだな……。ったく沼子のやつ、とことんツイてねーな」
420「そ、そんな……。430ーっ! 沼子ーっ!」
沼虎「だから、落ち着けって。ここで叫んでも、どーにもなんねえだろうが」
420「だ、だったらどーすんのよ!」
沼虎「まずは、現場の確認だ。ホレ、乗っかれ」
背を向けて屈みこむ沼虎に、おぶさる形で420が乗った。
沼虎「……コレもまた、イイな。こう、ダイレクトにふんわりと、いや、むにゅっとか……」
420「しみじみと妙なこと口走るなあっ!」
沼虎「ぐ、おおおおぉぅ! ウメボシはやめろ! こ、こめかみがアッー!」
しばし悶絶した後、ウメボシから解放された沼虎が立ち上がり、まっすぐ崖の縁へと歩いてゆく。
420「ちょ、ちょっと、バカ虎!?」
沼虎「しばらく黙ってろ。あと、下はあんま見んな。怖かったら、目ぇつぶって首絞めない程度にしがみついとけ」
背中の420に声をかけて、沼虎はゆっくりと崖に手をかけ、張り付くように下り始めた。
指の力だけで岩の僅かな凹凸につかまり、移動する。沼虎の腕や肩に尋常でない負担が掛かっているのが、しがみつく420には感じられた。
420「ぬ、沼虎ぁ……」
視界に遠く見える大地への恐怖もあいまって、420が情けない声を出した。
沼虎「黙ってろって。けっこう、神経と体力使うんだぜ? そーいうイイ声は、今夜じっくりベッドの上でだな」
420「だから、そーいうこと言うなって言ってるでしょ!」
420の肘が、ガツンと沼虎の頭頂へクリティカル。
沼虎「ぬあ……」
沼虎の体から、力が抜ける。ふわりと、ふたりの身体が宙へと浮かび、落ちた。
420「きゃぁぁあああ! 沼虎あーっ!」
首を絞めんばかりに力を込めた420の悲鳴で、抜けかけていた沼虎の意識がなんとか覚醒した。
沼虎「くっ……んなろー!」
ナノトランサーから取り出したベアスタラ(氷48%)を、すかさず岩壁に突き立てる。一瞬、落下が止まる。だが、次の瞬間、
沼虎「……ウソだろ?」
沼虎の手が滑り、再び落下が始まった。地面が、恐ろしいスピードで迫ってくる。
沼虎「なら、こいつでどーだ!」
続いてナノトランサーから引っ張り出されたのは、ソードック(炎12%)だった。
沼虎「420! しっかりつかまってろよ!」
返事はない。だが、首のあたりに強い圧力があった。たぶん、絞めつけたまま失神でもしているのだろう。
沼虎「行っ……くぜぃ!」
宣言して、沼虎はソードックに両足を乗せてサーフィンの要領で崖を滑り始めた。足の下で、ガリガリと岩が削り落とされてゆく。
沼虎「飛び出せ青春ー!」
叫びざま、ソードックの柄を蹴った。岩壁から離れ、空中でループを一回、二回と決めて地面へ刃先を滑らせる。長い制動距離をもって、
ようやく動きが止まった。
ふぃぃ、と大きく息を吐いて、それから首を絞める420の手を離し、背中からおろした。
沼虎「……どーやら、目ぇまわしてるだけみてえだな。やれやれだぜ」
ぐったりした420を横たえ、沼虎は滑り落ちてきた崖を見上げた。
沼虎「よくもまあ、助かったもんだ……。にしても、まさかあの状況でヤられるとはなあ」
寝ている420に顔を向ける沼虎の頬に、苦笑が浮かんだ。
沼虎「前途多難、ってやつだな。こりゃ」
苦い口調でつぶやいたとき、沼虎の耳にケダモノの咆哮のようなものが聞こえてきた。
沼虎「……寝かしとくワケにゃいかねえ、か。オイ、起きろ420」
420「う…ん…ぬまとらぁ……」
うとうと愛くるしく名を呼ぶ420に、沼虎はしばらくふぬけになった。 つづく
>>419 Σ[ ゚∀゚]
長いこと筆が進まなかったので忘れられてると思ってたw
通しナンバー20までに決着つけたいなあ…
>>410 またやっちまった…orz
長年の癖はなかなか抜けないものだな。
またやらかしたら注意しておくれ。今回みたいに[*´・ω・`]
413 :
名無しオンライン:2007/03/11(日) 15:18:31.09 ID:WEnuw6pH
お、続きがきましたか。
願わくば完結までいっきに読みたいもんだ。
他にも途中で終わってる話が気になるなあ。
書くのはやめたけどまだ見てるから。
あげてしまった・・・すまん。
ドタバタした風呂から上がり、いろいろと悶えていた451を部屋に押し込み外からロックをかけ、一息つく。
このあとゆっくりしてもいいのだが体が今日はいろいろあってもう疲れた。
誰が原因で疲れたかはあえて言わないが…。
目覚ましがセットされていることを確認しベッドにもぐろうとする。
「……」
無言でベッドから出る。
そして布団をめくり上げる。
「……」
「……イヤン」
部屋に閉じ込めたはずの451がなぜかいた。
しかもPM用の小さなバスローブを着て口元に手をあてている。
「おまえいつの間に部屋を出た。ロックしたはずだぞ」
「そんなもの私のご主人様への愛に比べればないも同然ですわ。ささ、そのようなことは捨て置いてこちらへ――って、ほへ?」
ベッドへと誘い込もうとする451の頬をはさむ。
やわらかい感触がするがこの際無視。
「もう少しおとなしくなれ。確かにストーカーまがいなことはするなとは言った。だが、そこまで積極的になれとは言ってない。普通にできんのか普通に」
半ば早口でまくし立てながら頬をムニムニとこねくり回す。
「ほひゅしんふぁふぁ〜」
こねくり回されている顔は面白いくらい変形している。
だがその目がなぜか幸せそうにしている。
心なしか口がタコチューである『3』の形になっている。
「ん〜〜〜〜」
なんとなく止めてみると目をつぶり思いっきり唇を突き出している。
「…………」
――ムチュ
枕元にあった週間マガシを顔面に当てる。
――ムチュゥゥァァァァ
どこにそんな力があるのか思いっきり雑誌を吸い上げる。
同時に獲物(?)を両手で確保。
――ピチャピチャピチャ
今度は舐める。
そこまでやってなぜ気がつかないのだろう…。
いろいろと疑問に思ったがだいぶ遅い時間になってきた。
このままほっといてもいいのだがそれもかわいそうだ。
「451〜。4・5・1〜」
「ご主人様ぁ?って、ご主人様が薄っぺらいよれよれマガシにぃぃぃ!」
「違う!俺はこっちだ!」
「あっ、ご主人様こちらでしたか〜。でもひどいですよぉ。せっかく私の熱いベーゼを差し上げようと思いましたのに…」
「んなことはいいから寝ろ」
あんなのをされたらいろんな意味で俺がもちそうに無い。
「うぅ…。御主人様のいけずぅ」
唾液でびしょびしょになった週間マガシをゴミ箱に突っ込んで落胆の涙を流しながら寂しそうに部屋へと帰っていく。
「待て、俺の枕は置いていけ」
「…ッチ」
――深夜
「ふふ、雑誌とはいえあんな親父くさいキャストにキスをさせた御主人様にオシオキです」
不適に笑いながら沼雄の部屋のロックをはずす451。
心なしか口元からよだれがたれている。
「さぁ、もうすぐですよぉ…」
足音を立てずに忍び脚でベッドへ近づく。
「―――」
沼雄はこちらに背を向け気持ちよさそうに寝ている。
頬を突っついたりして熟睡しているか確認をする。
「……イヤンイヤン」
完全に夢の世界に行っていることを確認すると己の体を抱きながらクネクネともだえる。
息もだんだん荒くなってきいる。
「さぁ、御主人様へGOです」
ウキウキ気分でもぞもぞと布団へもぐりこむ。
それだけでこれ以上と無いくらい幸せそうな顔をしている。
――上から行くか
――下から行くか
どちらか迷ったがメインディッシュは後からじっくりと楽しむことにしようと思い上のほうへ体を向けた。
「―プハ」
布団から顔を出すと目の前には主人の後頭部。
「――ハァハァハァハァハァ」
もう我慢ならねぇ、といわんばかりに首筋に顔を埋める。
「――スーハースーハースーハースーハ-」
思いっきり深呼吸。
それだけで体のブレーカーが落ちそうなくらい興奮する。
「…………」
ふと顔を上げるとニューマン特有の長い耳が目に入った。
体を少し上にずらし目の前に耳が来るようにする。
しばらく観察したり耳に息を吹きかけた時のリアクションを見たりしてもだえていたが突然、何かを思いついたかのような顔をする。
そして――
「――ハム」
耳をくわえた。
「――ハムハムハム」
甘噛みをしたり
「――チュルルルルル」
吸ったり
「――ピチャピチャピチャ」
なめたりする。
いろいろとするたびに沼雄が嫌そうに顔をしかめたり体を動かしたりするのがたまらないのかますます勢いを増してくる。
すると突如目の前が真っ暗になった。
同時に頭に圧迫感も感じる。
「451、何をやっている…」
聞きなれた声も聞こえた。
「……テヘ」
「『テヘ』じゃないだろ…。なんで部屋に入ってきた挙句、俺の耳をしゃぶっている」
沼雄が起き上がりこちらへ向く。
「いや、新ジャンルの開拓でも」
「せんでいい!」
「え〜」
「『え〜』も『ブモ〜』もいい。とにかく部屋に帰れ…」
「いいじゃないですか〜」
「よくない。お前と寝ると何されるか分かったものじゃない」
「いやですわ〜。私はそのようなことしませんわ〜」
「……さっきの行動をした後でよくその台詞が出てくるな」
主人はよだれまみれの耳を拭きながらつぶやく。
「ささっ、ご主人様お休みになりましょう」
しわくちゃになったシーツを直し、布団を引き寄せてとなりをポムポムとたたく。
「……どうしても部屋に帰らないのか?」
「ご主人様のためならエンヤコラです!」
なにやら訳の分からない宣言をする。
「はぁ、今回だけだからな…。いいか?絶対におかしなことはするなよ」
451が全く引く気が無いのと寝るのが遅くなると起きるときに支障がでる。
「はいです!」
満面の笑みを浮かべる451。
『おとなしくしてればかわいいんだがな…』と小さくつぶやき沼男も布団に潜る。
「お休みなさいませ御主人様♪」
「おやすみ451」
そして二人は目を閉じた。
「――ハァハァハァハァ」
「やっぱお前部屋に帰れ」
「え〜」
わっふるわっふる
419 :
名無しオンライン:2007/03/11(日) 20:01:16.71 ID:LaBNzJis
>>408 久しぶりに続編ktkr
もう来ないんじゃないかと心配してたぜ
ヒューマンの台詞が
「おれが最期にみせるのは代々受け継いだ未来に託すヒューマンの魂だ! 人間の魂だ!」
に見えてしまった俺は色々脳をやられているようだ
>>411 非常時でも普段と変わらず行動できるってのはある種尊敬に値するとこだが・・・
なんというかボケと突っ込みに命掛けてるなこの二人・・・w
>>417 どんどん450の行動が犯罪染みていくな、まあ前からか・・・w
411の続きを投下です。
惑星ニューデイズ ミッション「潜入! となりの狂信者」
オズナ「これより先、ブロック3は、教主様とその側近以外、立ち入り禁止です。どうぞお引取りを」
ブロック2の最奥で、沼子は思わぬ足止めを受けていた。
沼子「そう、仕方ないわね。……教主様の耳へ、どうしても届けなければならない報告があるのだけれど」
オズナ「それでは、通行証を提示してください。教主様に仕える方々ならば、必ずお持ちのはずですが」
沼子「事は一刻を争うのよ。……どうしても、ダメかしら」
オズナ「何と言われようと、規則は規則ですから」
沼子「そう……それなら本当に、仕方ないわね」
沼子が、すっと周囲に視線を走らせた。幸い、歩哨の教団警衛士ダグバは近くにいない。自然な動作でナノトランサーから
スタアラを取り出し、先端を教団警衛士オズナの腹に当てる。
オズナ「なっ……」
沼子「眠りなさい。しばらくといわず、ずっと」
杖から闇色のフォトン流が噴出し、間を置かず教団警衛士オズナの身体が前のめりに倒れた。
沼子「あら、寝不足かしら。門番なのに、いけない子ね」
動かなくなったオズナの身体を物陰に隠し、沼子はブロック3へ足を踏み入れた。
沼子「少々、時間をかけてしまったわね……。先行した430が、無事でいると良いのだけれど」
沼子が430とはぐれたのは、少し前のことになる。ブロック2の出口で、いきなり430が駆け出したのだ。
門番はガードマシナリーに扮した430は素通りさせて、沼子を止めた。そして、現在に至る。
ブロック3の入り口から少し歩き、下りの階段へさしかかったところで、足が余分にあるバイシャ乙32型は見つかった。
どうやら、階段から転げ落ちたらしくさかさまになって足をばたつかせている。
沼子「!! 430」
バイシャ乙32型のボディは、中身をくり抜いてあるとはいえ重かった。
430「ア゛ッー! ごしゅじんさまぁー!」
なんとか引き起こすことに成功した沼子の身体に、バイシャ乙32型が激しく体当たりを敢行した。ボディの重さに比例して威力は絶大で、
沼子は軽々と吹き飛び背中から壁に叩きつけられた。
沼子「かはッ! 430……」
430「ア゛ッー!」
倒れた沼子に430がすがりつく。だが、傍目から見ればそれは教団警衛士オズナにのしかかるバイシャ乙32型に他ならない。
ダグバ1「ウホッ、何事だ! アッー!」
ダグバ2「ウホッ! 教団警衛士オズナがガードマシナリーに襲われているぞ!」
物音に駆けつけたダグバたちが騒ぎ立てる。
ダグバ1「ウホッ! しかしあのオズナ、このフロアでは見かけん仮面だ……」
ダグバ2「ウホッ! そんなことはどうでもいい! ガードマシナリーの暴走だ! 取り押さえるぞ!」
ウホウホ言いながら迫り来るアヤシイ二人組に、430はパニックになりかけた。
430「ア゛ッー! こ、こっちにこないでくださいッ!」
バイシャ乙32型の頭部がパカリと割れ、バーストを構えた430が現れる。
ダグバ1「ウ、ウホッ……いい、氷バレット……」
ダグバ2「や ら な い ……か」
二発の銃声とともに、二人組は凍りついた。
沼子「よく……やったわ、430」
顔をしかめつつ起き上がる沼子に、今度はちゃんとバイシャ乙を脱ぎ捨てて430は抱きついた。
430「ごじゅじんざばあ゛ぁあああ!!!」
430の叫びに応えるように、警報が鳴り始めた。
430「ア゛ッー! ご、ごごごごごごご」
沼子「地響き?」
430「ごしゅじんさまッ! 見つかっちゃいましたッ!」
沼子「そうね。……それなら、もうコレはいらないわね」
仮面を投げ捨て、前方の廊下を見据える沼子。杖を構え、走り出そうとしたその腰が、グキリといやな音をたてた。
沼子「……ア゛ッ」
430「ご、ごしゅじんさま!?」
沼子「し、心配ないわ、ないわよ? ちょっと、さっきのダメージが残っていただけ……」
ナノトランサーからトリメイトを取り出し、患部に塗る沼子。そして、
沼子「ア゛ッー!」
腰を押さえうめく沼子に、ガードマシナリーたちが殺到した。 つづく
前から思ってたんだけどアホの子の作者氏は
430スレにマシナリーにさらわれる430を投下した方と同一人物?
>>422 その人とは別人ですね。ただ、ネタは参考にさせていただきましたw
421の続きを投下です。
惑星ニューデイズ ミッション「潜入! となりの狂信者 沼虎サイド」
気絶したままの420を背負い、沼虎は走っていた。隣には、なぜか教団警衛士ダグバも一緒に走っている。
走る二人を追っているのは、ゴル・ドルバらしきものである。凄まじい勢いで突進しながら、咆哮をあげる。
ゴル・ドルバ?「ま゛でー! じょうだい゛を゛見られだがらに゛ば、い゛がじでばお゛げな゛い゛ー!」
沼虎「……気のせいか、なんかヒトの言葉に聞こえるな。新種か?」
ダグ夫「ウホッ、この声、どこかで……!! アッー! もしかして、オズ美さんでありますかッー!?」
ダグ夫の呼びかけに、ゴル・ドルバの動きが止まった。
オズ美「ダグ夫ざん゛……」
沼虎「何だ? このゴル・ドルバ、喋れるのか」
ダグ夫「ウホッ、いいえこれは、彼女は、自分の恋人であります。ゴル・ドルバのように見えますが、れっきとしたニューマンであります!」
叫ぶなり、オズ美に駆け寄るダグ夫。だが、寄ってきたダグ夫をオズ美は跳ね飛ばした。
ダグ夫「ア゛ッー!」
沼虎「お、おい! オズ美っていったか? あんた、何してんだ! そいつは恋人なんだろ!?」
オズ美「が、彼゛だげにば、ごんな゛姿゛、見゛られだぐながっだ……」
うぉぉぉん、と大音量で泣き出すオズ美。その悲しみの声に応えるように、ダグ夫が起き上がる。
ダグ夫「ウホッ……オ、オズ美さん、じ、自分はッ」
ダグ夫が、ゆっくりとオズ美に近づいてゆく。
ダグ夫「じ、自分は、たとえどんな姿をしていようともッ! あ、あなたをッ! ……愛しているのでありますッ!!」
オズ美「ダ、ダグ夫ざぁーん!」
ゴル・ドルバ級の突進に、またも吹っ飛ぶダグ夫。
オズ美「ア゛ッー!」
沼虎「……やれやれ、仕方ねえな」
420を下ろした沼虎が、舌打ちしつつオズ美へ近づいてゆく。
沼虎「動くんじゃあねえぞ」
オズ美「!!!」
オズ美の足元に、沼虎がトラップを設置する。
ダグ夫「な、何をするだァーッ!」
沼虎「イイから、黙って見てろ」
殴りかかってきたダグ夫をいなし、沼虎はスイッチを押した。
オズ美「GYAAAAAAAAAH!」
ダグ夫「オズ美さーーん!!!」
盛大な炎が上がり、オズ美の全身を包み込んだ。
ダグ夫「ウホッ! いいい今すぐ、あの火を消してください! 彼女が死んでしまったら、自分は、自分はアッー!」
沼虎「まあ、待て……」
脂のせいかよく燃えるオズ美を、沼虎は自信たっぷりに見守っている。
420「この、バカ虎!」
覚醒した420の真空飛び膝蹴りが、沼虎の後頭部へ綺麗に決まった。
420「人燃やして、なに悦に浸ってんのよ! 火、とっとと消しなさいっ!」
襟首を掴み上げる420の手を、沼虎がやんわりとどけた。
沼虎「安心しろ。もう火は消える」
沼虎が指をさす方に、白い煙に包まれた人影が見えた。そよ風が、煙を晴らしてゆく。不安そうに見守っていたダグ夫が、目を見開いた。
沼虎「『バーントラップックG』…通称、ダイエットトラップだ。余分な脂肪分だけを燃焼させる、スグレモンだぜ?」
すっかりグラマラスボディになったオズ美に、沼虎が笑いかける。
420「……なんだかよくわかんないけど、ひとつだけ、言わせて?」
沼虎の肩に手をかけ、420が静かに言った。
420「あたしがいるのに、他の女にデレデレしてんじゃないわよっ! このバカ虎!」
跳躍した420の両足が、沼虎の顔面をモロにとらえた。だが、ひしと抱き合う恋人同士には、その光景も見えないようだった。 つづく
さりげなく沼虎良い奴だなぁ…w
420と正式にくっついたから読んでてスッキリするし、この先も楽しみだ。
気が付いたら489KBじゃないか。
次スレ挑戦してくる。
レッツ! ゲキガイイイイインッ!
埋めついでにwikiに軽くワルキャスとワルパシリの設定をチョビチョビかかせてもらったぜー。
他登場人物は追々でヨロ。
ワルキャス「いいねぇー浄化ミッションは…」
ワルパシリ「はぁ?」
ワルキャス「ほら真面目な子とか一生懸命にやってる所に…
『人手が足りないなら手を貸すぜ!』とか言っちゃえばもうっ!
真面目ッ子は押しに弱いからな〜アレやコレやソレを手取り足取り体取りだなぁ!」
ワルパシリ「ふぅーん…」
パキィ!
ワルキャス「ギャアアアアアッ! 俺の氷ガミサキがああああっ!」
ワルパシリ「ぺっ!」
合成中、ワルパシリの前で他の女子の話しをする事は禁句である。
423の続きを投下です。
惑星ニューデイズ ミッション「潜入! となりの狂信者」
ダグ夫「ウホッ。沼虎さん、このご恩は一生忘れないでありますッ!」
オズ美「私たち、テロリストなんかやめてきっと幸せになります!」
頭を下げる二人に、沼虎はひらひらと手を振ってみせた。
沼虎「礼なんかいらねえよ。コイツを貰ったし、ギブアンドテイクってやつだ」
身に着けた教団警衛士ダグバの服をバンと叩き、沼虎が微笑で応じた。
420「バカ虎! 何やってんのよ! こっち、手伝いなさいよ!」
沼虎「ああ、今行く! 相変わらず、せっかちだな全く。……それじゃあおふたりさん、達者で暮らせよ!」
オズ美「はい。あなたたちも、お幸せにー!」
ダグ夫「ウホッ! 武運長久を祈っているでありますッ!」
寄り添って手を振るふたりに背を向けて、沼虎は420の待つ杜の入り口へと向かった。
420「もう、遅いじゃないバカ虎」
沼虎「ああ、悪い悪い。しっぽりとした別れのシーンってやつを楽しんでたもんでな。んで? 何やってんだ」
見ると、420はどうやらバイシャ甲21型の抜け殻を着るのに悪戦苦闘しているらしい。
420「コレ……ちょっとウエストきついのよ」
沼虎「ん? ああ。こりゃたぶん、沼子の奴が430用に中身くり抜いたモンだな。……420、ドコがきついんだっけ?」
420「こ、このバカ虎ぁっ!」
バイシャ甲21型の前肢が、沼虎のあごを激しく殴打した。
沼虎「ぐあ……。か、下半身は、相性抜群だな?」
420「まだ言うかあっ!」
バイシャ甲21型の後肢が沼虎の腹を押さえつけ、前肢がマウントポジションからのストンピングを連打する。それは、容赦のないコンボだった。
沼虎「ぐ、うげ、ま、待て! ……ともかく、だ。いったん脱げ。話はそれからだ」
420「え? ぬ、脱ぐって、こ、こんなトコでダメよ…沼虎ぁ……」
沼虎「違う。バイシャ甲21型のボディを脱げっつってんだ」
420「っ〜〜〜〜〜っ!」
420操るバイシャ21型によるストンピングが再開された。沼虎の意識はひょいと旅立ち、バイシャ甲21型のサイズ直しは、少し後回しとなった。
430「ご、ごじゅじんざばあ゛ー!」
沼子「ア゛ッ……、430、そこ、ダメよ」
しがみついてきた部分に激痛が走り、沼子がうめく。苦悶の表情を浮かべ、それでも沼子の杖からは氷の柱が噴出してゆく。
430「ご、ごべんな゛ざい゛ー!」
沼子「い゛、い゛い゛のよ430……ただ、少し力をゆるめてほしいの」
三体のバイシャ乙32型が、沼子の杖の一振りで焼却された。
430「ご、ごじゅじんざば、い、いたいですか!? ここですか!?」
沼子「ア゛ッー! ぞご、お゛ねがい、そっとしておいて……」
放った火球が、バイシャ甲21型をかすめて壁を焦がした。
430「レスタ、レスタレスタレスタレスタアッー!」
沼子「き、気持ちは嬉しいけど、430、杖で叩くのは……ア゛ッ」
よろけた沼子に、バイシャ甲21型が雷球を射出。さらに別の機体が三機、次々に沼子へ迫り来る。
430「ア゛ッー! 散りましょー!」
バーストの連射で、バイシャ甲21型の動きは止まった。だが、後続のマシナリーたちに押され、凍ったままの機体がふたりを圧し包む。
430「ア゛ッー! ごしゅじんさまぁー!」
沼子「!!」
沼子の周囲に、炎が噴き上がる。周りにいたガードマシナリー数機が、一気にどろりと溶けた。
沼子「このままでは、まずいわね……」
通路の奥からわさわさ出てくるマシナリーに、沼子が顔をしかめた。
430「ごしゅじんさま、横ッ!」
溶けた残骸の中から、生き残ったバイシャ甲21型が体当たりをした。モロに受けて、壁に叩きつけられる沼子。全身を走る激痛に、涙がにじんだ。
沼子「4…3…0…に、逃げなさい……」
430「ごしゅじんさまー!」
とどめの一撃を放とうと身構えたバイシャ甲21型に、一本の矢が突き立った。それだけで、あっさりと爆散した。
沼虎「よお。苦戦してるみてえだな」
420「沼子! 助けに来たわよ!」
涙でにじむ沼子の視界に、近づいてくる教団警衛士ダグバとバイシャ甲21型が見えた。 つづく
>>427 合成中は人質ならぬ物質取られてるわけだな、明日は我が身ってか・・・w
>>428 420と沼虎の掛け合いがなんか好きだなぁ・・・w
反応見てる限りこの420も結構妄想が過ぎる様だ・・・w
このスレは俺が守る!
ほしゅ
431 :
出会い 1:2007/03/16(金) 18:26:35.79 ID:WAaCJnpJ
・・・累々と続く兵士の屍・・・その中に女が一人たたずんでいた・・・
女(・・・違う・・・私の求めているものとは違う・・・)
ローグス兵1「・・・おい、何だあの女は?」
ローグス兵2「わからん・・・同盟軍を迎え撃つって時に突然「参加させてください」って来たんだ・・・」
ローグス兵1「あ、おい・・・どこ行くんだ?」
女「・・・ここでの用は終わったので別の場所に行きます・・・」
ローグス兵2「そ、そうか・・・世話になったな」
〜酒場〜
店主「いらっしゃい・・・」
酔っ払い「お!べっぴんさんだね〜。一杯つきあってくんねえかい?」
女「・・・失礼ですが、弱い方に興味ないのです・・・」
酔っ払い「言ってくれるね〜。だが、喧嘩で負けた事はね〜ぜ?」
女「・・・そうですか・・・」
・・・手近な空き瓶を手に取り・・・そして・・・
・・・バキッ!グシャ・・・・・・パラパラ・・・
酔っ払い「!?ひ、ひゃー!」
店主「・・・たいしたもんだな」
女「・・・お恥ずかしいかぎりです・・・尋ねたい事があるのですが、よろしいですか?」
店主「何でも聞いてくれ」
女「・・・強い人を探しています・・・数や武具に頼らず、自身の能力が強い方を・・・」
店主「・・・ローグスにはいないだろうな・・・奴らは集団で行動するのが普通だからな。
・・・仮にいたとしてもそういった連中はあちこち飛び回ってる・・・見つけるのは難しいな・・・」
女「・・・そうですか・・・」
店主「同盟軍は個人に会うまでがめんどうだし・・・ガーディアンズはどうだ?」
女「ガーディアンズ?」
店主「奴らは主に個人で仕事をする・・・中には英雄と呼ばれる程、強力な人物もいるそうだ」
女「・・・ガーディアンズ・・・」
432 :
出会い 2:2007/03/16(金) 18:28:37.22 ID:WAaCJnpJ
男1「おい、聞いたか?」
男2「ああ、もう何人目だ?」
男1「わからんが・・・引退したとはいえ、名をはせた人ばかりだぞ?」
男2「・・・全員見る影もないそうだ・・・」
女(・・・心・技・体、共に申し分ない・・・でも・・・勝負にならない・・・。
・・・何故強くなったのでしょう?・・・何のために使えば良いのでしょう?)
・・・山中をさまよう女・・・その後には原型を留めていない生物の屍が点在していた・・・
女(・・・私は何がしたいのでしょう?・・・何をすれば良いのでしょう?)
・・・ガサガサガサッ・・・
女「・・・?」
・・・・・・・ド〜〜〜〜〜ン!!
女「・・・!?」
???「うわぁ〜!?」
女(・・・ヒューマン?)
ヒューマン男「イタタタ・・・な、何だ!?ゴーモンか、オルアカか?」
女「あら、ごめんなさい。大丈夫?」
『運命のなかに偶然はない。
人間はある運命に出会う以前に、自分がそれを作っているのだ』
【トーマス・ウッドロー・ウィルソン 】
ボコボコボコボコ∧_∧ ∧_∧∧_∧ボコボコボコボコ
ボコボコ∧_∧´・ω・)(´・ω・`)・ω・`∧_∧ボコボコ 涙「ここはパシリスレですよ!」
ホコボコ(´・ω・)∧_,∧lll ∪)∧_∧・ω・`)ボコボコ 琴座「もそっと出させよ!」
ボコボコ∧_∧ ´・ω∧∪∧(・ω・∧_∧⊂)ボコボコ
コボコ(´・ω・)≡つ);;)ω(;;(⊂≡(・ω・`)___\ボコボコ 子供三人「名前付けろ!」
ボコボ(っ つ=つ(作者)⊂=⊂≡ ⊂) \ )ボコボコ
ボコボコ/∧_∧∧_∧ ∧ ∧_∧∧_∧\ボコボコ
ボコボ( ( ´・ω)( ´・)( )` )(ω・` ) )ボコボコ 没キャラ「書けよ!」
コボコ(っ つ/ )( ) \ ⊂)ボコボコ
ボコボ/ )`u-u'. バ∪ ̄∪バ`u-u' \ボコボコ
ボコ( / ̄∪ボコボコボコボコボコボコボコ∪ ̄\ )ボコボコ
コボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコ 大鮫&女丈夫「・・・(最後に出たので何とも言えない)」
後2KBってw
埋まらなかったらゴメンね >-<
ん〜適当に埋めましょうかねw
〜とある宿舎の1部屋にて〜
ぱっとしない一室。ここはガーディアンズの宿舎である。
しばらく使われていない感じであり、そこにPMが1体横たわっている。
リボンを硬く手に握り締めながら・・・
すべてを諦めたような顔・・・
れんらくの来る事がもう無いと知ってしまっているPM、もう大好きなご主人様に会う事が出来ない悲しいPM。
おわり。
[´・ω・]<ウメルヨー
( ゚-゚)<埋めますよ
( ゚-゚)<そういえばライセンス切れましたね
[´・ω・]<そうですねー
( ゚-゚)<早く課金しないとイベント終わりますよ
[´・ω・]<そうですねー
( ゚-゚)<… 課金しないつもりですか?
[´・ω・]<そうですねー
( ゚-゚)<森田一義アワーじゃないんですよ
[´・ω・]<そうですねー
( ゚-゚)<……
これで埋まったら
イルミナスは神ゲー化して、さらにPSUユーザーには無料配布
埋まった?
まだだったのね
(´・ω・)
/ ノ \
| ( ・)(・)
| (_人)
ヽ ノ\ \
/ \ \ \
| |ヽニつ \ \
_
ヽ  ̄'ヽ..,' ○ ○ ヽ/ ̄ ̄く"
..く ̄ ̄)l /// ┌―┐ /// i(_ ̄"ノ
. ゝ-―l | | l( "'ーく
∠,,ーン ',_ r―−┐ ./_ヽ,__,ゝ