1 :
本当にあった怖い名無し :
2007/07/24(火) 18:33:45 ID:EYNZ45HL0
2 :
本当にあった怖い名無し :2007/07/24(火) 18:35:29 ID:EYNZ45HL0
3 :
本当にあった怖い名無し :2007/07/24(火) 18:37:01 ID:EYNZ45HL0
4 :
本当にあった怖い名無し :2007/07/24(火) 18:37:01 ID:ueDwlD/RO
1000へと〜
5 :
本当にあった怖い名無し :2007/07/24(火) 18:37:59 ID:EYNZ45HL0
6 :
本当にあった怖い名無し :2007/07/24(火) 18:38:48 ID:EYNZ45HL0
4 非通知さん sage New! 2005/10/12(水) 23:10:43 ID:PXTxWYVr0 【スレのお約束】 1 基本的にsage進行でお願いします。 2 作品投稿のage・sageは、作者の判断にお任せします。 3 作品には感想をお願いします。感想についての批判は作者・読者ともに控えましょう。 「感想・意見・批評」と「誹謗中傷」は異なります。 よけいな争いごとを持ち込まぬよう、表現にはくれぐれも気をつけましょう。 4 煽り・荒らしは放置、反応なしでお願いします。 【マナー。その他】 1 連続投稿数は5〜10レスを目安にしましょう。 2 作品投稿は間隔に気をつけてください。場合に応じて間隔をあけましょう。 投稿前と投稿後に宣言すると、スレの流れがスムーズになります。 3 自分の意見に返事を期待する作者は、トリップを付けたほうがいいでしょう。 4 個人攻撃、的外れな批難の類は流したほうが無難です。 5 496KBで警告メッセージが出力されます。 512KBでスレッドが終了なので、950からか450KBを過ぎた時点で新スレッドへの 移行を話し合いしましょう。
おkですかね?
乙
…………
>>1 乙。
―――自分は面倒臭がりなので…有難う御座います。 ……、、、続きはこっちが良い………のでしょうか?
………これまでのあらすじ。 ―――…題は特にありませんが………付けるとしたら………無い。 日本では十年前に屍(俗に言うゾンビ)が発生し、今回も発生。 二回、東京は屍に襲われた。 『僕』は十年前に中学校屍襲撃を体験しており、十年経った今では自衛隊の分隊長に昇格していた僕は二回目の屍発生で出動、東京の生存者救出に全力を挙げる。 何度も四人の分隊員と共に屍達の群れと闘い、そして二人の犠牲者を出しながらも闘い続け、小隊長に昇格した。 その後も小隊員達と闘う。 そんな中不気味な化物と対峙する事となり、僕は頭を悩ます事となる。 化物とは円筒状の肉の塊(肉塊)であり、紫色の隆起した斑点が血の色の皮膚を下地に映えている。 その斑点は必要とあらば触手に変わり、屍を捕食する。 しかも肉塊に小銃弾は殆ど効かず、火砲のみが有効だった。 大隊長は確実に何かを知っているが、悟る事は出来ない。 ただ前線に火砲の使用を周知徹底させるだけだ。 ―――これから僕、、、我等小隊はどうなるかは判らない。 だが僕の第六感はひたすら危険だと叫び続けている。
>>1 乙 無反応氏投下乙
無反応氏に質問が。
ゾンビ現象は日本でのみ発生か?
戦力が少なすぎるのではないか?
(物語の展開に差し障る様ならスルーしてください)
>>12 ………日本のみ。 更に東京のみ。 東京で二回、屍発生。
戦力が少ない………自衛隊は細分化(だいたい一個大隊ぐらいに……?)され、全方位から東京中心に向けて進軍しています。
『僕』が闘っている持ち場では二個大隊が闘っています。
―――…確かに『僕』の身の回りの戦力を考えると小さいですが、東京全体を見渡すと、数個師団ぐらいが東京全体で闘っている、という感じですかね?
………何とも言えませんが。 今回は二年前の屍発生の教訓から対屍戦が効率良く出来る計算と…………。
……………適当に短編作って前スレ………埋葬します。
―――――……連レスすみません…… やっぱり向こうに、、、埋まるまで続編投下しとく事にしました。
ほ
も
アッー
電車さんいないね
ひかれたんじゃね
そりゃ大変だ
>>19-21 ―――――……去りし者、、、追わず。
昨日の夜……サイレンが五月蝿かったからゾンビが沸いたかと、、、思った。
…トリアーエズ―――、、、前スレ使いきりましょう……。
保守
保守
ほ
も
アッー
ラメェェェ…!
捕手
おつかれさま 本当にやるかよそんなことw
ほ
も
や
前スレは埋まったぞ!
すごい梅かただったな
……まだ微妙に埋まってない。 強制的に埋めさせる必要は無いけど。
一行も書き込めない状態だぜ?
加速
前スレはもう埋めきれません 空白打ち込んでも無理!
ちょうど新スレということで提案を 作品保管wikiを作りませんか? もとい、作ろうと思うのですがいかがでしょう? 保管だけでなく細かい修正をすぐさま行えるあたり、便利であると思います。
41 :
本当にあった怖い名無し :2007/08/10(金) 10:15:00 ID:6pZaT7JS0 BE:1488615078-2BP(0)
て
【ゴールデンレス】 ∩ ・∀・)∩∩ ´∀`)∩ このレスを見た人はコピペでもいいので 〉 _ノ 〉 _ノ10分以内に3つのスレへ貼り付けてください。 ノ ノ ノ ノ ノ ノそうすれば14日後好きな人から告白されるわ宝くじは当たるわ し´(_) し´(_) 出世しまくるわ体の悪い所全部治るわでえらい事です
>>40 ………おながいします。
作品投下はリアルが忙しく。。。
45 :
本当にあった怖い名無し :2007/08/10(金) 22:23:40 ID:K0ObmsbV0
緊急浮上!!
(
>>11 )+あらすじ。
「………お前は知り過ぎたんだよ。」という中隊長の言葉。
中尉に昇格され、喜びも束の間の左遷。 その後、米軍と行動を共にし、窮地を切り抜けた。
37
「自分が北海道行きですかッ?! 何でまた?」
またもやの左遷勧告………だろうか?
中隊長はそうだ、と頷いた。 だが中隊長の口から発せられた言葉は驚かざるおえなかった。
「露と戦争になった。 米軍は圧力を掛けているが(多分核とか? ミサイルとか?)交戦しようとしない。
すでに東京からは二個師団が抜け、北海道に向かった。」
露が北海道に………しかもこの緊迫感は。。。
もう上陸、なんて事は無いと思うが。
「それで、自分が、でありますか?」
その通り、と中隊長が頷いた。
「向こうに行ったら、一個小隊を指揮する事となる。 多分車両無しで84ミリで戦う事になるだろう。」
何となく、目の前が真っ暗になった気がした。
屍との闘いも飽きて来た所だが、、、車両無しで生身で露の車両群に突撃。。。
絶対、、、死ぬ――――――――……………。
まだ74式でも呉れるなら。。。
「大変辛い戦いになると思う。 制空権はもう取られかかっている。
不幸中の幸いは、米軍の圧力でミサイル攻撃が一切無い、という所だ。 勿論ロケット砲はボカb…」
もうこれ以上聞く気にはなれなかった。
上層部は何故、僕をここまで殺そうとするのか?
中隊長の「………お前は知り過ぎたんだよ。」
引っかかる。。。
えーと……なんでいきなりロシアと戦争しているのか状況説明を求める次第であります。
38 春で雪が融けたとはいえ、寒い。 冷たい空気を吸う。 「私の名前は…ああ、いい。 小隊長とでも呼んでくれ。」 僕は小隊員全員の前で自己紹介を行った。 「一週間前まで東京に居た。 化物と闘ってた。」 東京、という言葉に全員がどよめく。 東京=地獄。 という等式が自衛隊員の中にはある為だろう。 「我が小隊には車両が一切無く、84ミリで戦う事になる。 会ったばかりだが、これも何かの縁だ。 私を信じて戦って欲しい。」 状況は最悪だった。 露がいきなりの宣戦布告。 非常に不自然な戦争。 露の動機が予想出来ない。 米軍は圧力を掛けるだけで歩兵一人も送らない。 ―――――対外国債をチャラにするつもりか。。。 しかし海自、空自、陸自の戦いもオカシイのだ。(勿論新しい中隊長に聞いたのだが。 露を北海道に上陸させ、本州で決戦を望んでいるとしか思えない戦い方をしている。 既に敵は札幌目前まで迫っており、自衛隊が北海道から叩き出されるのも時間の問題。。。 制空権はもう取られており、陸自は遂に小隊単位でゲリラ戦法を取らざる終えなくなっている。 何でも中隊単位で動くと真っ先に的にされてしまうらしい。 民間人はもう避難が完了しており、そこだけ自衛隊の能力が評価出来る。 「挙句の果てには生身の特攻、か。。。」
>>48 ……肉塊から逃げ切り、またもや左遷させられた、と思って頂ければ……。
ま、相手が特大飛び道具が使えなくて民間人の避難が出来てるんなら 本州に呼び込んでゾンビ相手に消耗させるのが定石だろうな。 北海道勢は大隊規模で温存するか小隊、分隊単位でゲリラするか。
>>51 本州の東京まで後退ですかwwww
なによその本土決戦wwwww
ところで日本の軍備はどうなっているんだ。ゾンビ相手にゴタゴタしてるとは言え東京を隔離しただけだろ?
なんでそれがいきなりロシアに北海道をとられちまうまでに陸海空自が弱体化?
できれば詳しい設定頼みます
ぬるぽ
もはやオイルもレアメタルもある露が、わざわざ日本にくる理由が… 中韓朝ならまだわかるけど連中だって火中の栗拾い、好き好んでしないよなぁ…
>>54 >中韓朝ならまだわかるけど
ん〜ゾンビって結構、環境負荷はゼロに近いんだよなww それに比べてチョンチュンは、、、
いや、板違いスマソww
スクデッドでアメリカが中国と北朝鮮に核攻撃した時、 「なぜに!」と思った。 本当はアメリカは中国も北朝鮮も大して脅威に思ってないし、 あれは軍需産業を儲けさせる為や、国民に警戒心を植えつける目的で流してる情報なんだよな 中国の軍拡ったって、たかだか数年じゃアメリカどころか、 台湾や日本とのパワーバランスだって覆せるわけもないってのに…… それにゾンビ発生して国内グダグダなのに他国とドンパチやってどうすんだ? って言うのもあるし。
その話がどの視点から語られてるかにもよるかと。 主人公の視点から人生の一部のようなものを語ってるのなら "何故"は特に大きな問題ではないような気もするし、 ゾンビとの戦いがメインの話なら少し気になるところですけど。 ・・・と、素人の意見。
タネ明かしに繋がるが、、、とりあえず状況整理を置いとく。 更に混乱するかもしれないが。。。 僕、が何だか適当に屍と闘っている間に(米兵どもと色々やってる間?)露が宣戦布告した。 あとは僕、が語っている通り。 >ところで日本の軍備はどうなっているんだ。ゾンビ相手にゴタゴタしてるとは言え東京を隔離しただけだろ? >なんでそれがいきなりロシアに北海道をとられちまうまでに陸海空自が弱体化? 伏線。 謎。 久しぶりに張り巡らせた。 ヒントは何故北海道という限られた土地に露軍を充満させようとしているか? (凄まじいやる気の無さでもう札幌目前まで侵攻を許したか。 脳内では陸自がロケット砲、自走砲による砲撃をサボった。 てか陸自真面目に人員動かしてない。 虎の子の富士教導団回せよ。 海自がまともな戦闘をせず、南へ南へ。 稚内辺りに簡単に上陸させた。 ミサイルの一本も撃たずに敵前逃亡。 空自は米軍抜きで、組織的な面でも、個人的な面でもやる気無い。) そして自衛隊がさっさと民間人だけ本土に戻してしまったか? (民間人の本土避難だけは本気。) ………判ってしまうだろうが。。。 (判っても『判った』とだけ書き込んで、内容は伏せてくれ。。。) とりあえず『僕』が予想した開戦理由はコレとでもしておきます。 『僕が知らない間に北海道で新たな鉱石が見つかった?』(ロシアだけが察知、日本はまだ知らない。) 『アメリカが国債パァにする為にロシアと謀った。(米軍が動かない説明が付く。)』
無反応先生お疲れさまです。 wikiは明日帰省先から帰れますから、早速制作を開始できると思います。 いままで保管されていたものについてはどうすべきでしょう?
アメリカとロシアが組んでウィルスの拡大を防ぐためにジャップ皆殺し計画を立てた 北海道は本土制圧のための拠点 でもそれなら核使えばいい話
頭固いな
63 :
タケへ。。。。 :2007/08/14(火) 02:05:17 ID:tcQZm8Dk0
タケ、見てますか?米国留学厨の兄です。 もう国際電話切断状態なので、以前タケがこのスレを良く見ると聞いたのでコチラにカキコしました。 メールを何回か送ったのですが、返事が無い所を見ると届いてないと予想。 まずはゴメン。なんとか最後の日本逝き便に乗り込もうとしましたが、 諸事情で肝心のDC空港行きの便に乗り込む事が出来ず・・・今は元のホームスティ場所に引き篭もってます。 こちらは日本でも伝わってるニュースの通り全米各地でゾンビが湧いてて、この街でもゾンビ発生しましたが、 俺の住む旧市街とは川を隔てて向こう側の新市街での発生で、 二つある橋は自警団の手によって封鎖されてて安全です。 旧市街は水、電気と言ったライフラインも生きてますし、とりあえず食料も母さんが送ってくれた日本食がかなり余り状態?。 治安の方も昼間なら大丈夫だし、この建物も頑丈で安全です。 とにかく兄は元気です。父母祖父祖母、従姉弟のキヌちゃんに無事だと伝えてください。 また明日でもカキコします。
./""\ (´・A・`)b 兄、ゾンビが花火を見てるうちにダッシュで帰ってきて
>>59 なぜヤル気がないのか、とロシアの謎の侵攻が伏線なのですね!!111111
ロスケが欲しがるなら資源よりも技術だろうかなかなと呟いてみるテスト
>>62 分かったふりしてるアホに言われる筋合いも無いけどな
それとも作者か?どうでもいいけど
>>59 は小説として反則だろ
ストーリーの補完は小説内でしないとだめだし
67 :
本当にあった怖い名無し :2007/08/14(火) 18:01:16 ID:gAHaczsNO
>>63 なかなか良いですね。
続きが気になります。
…誤解してる。 自衛隊の動きが伏線で露が何故攻めてきたかは適当。(語るつもりも無い)
>>66 スマソ。 でも
>>62 は違う。 IP見てくれ。
39
車両が進入出来ない路地裏で僕は中隊長と通話していた。
中隊長の声が砲声と被る。
『撤退せよ。 札幌は放棄する。 蘭越まで撤退せよ!』
「ここで札幌を明け渡すのは北海道を明け渡すのと一緒です! まだ予備のファウストがあるのでそれを…」
『これは命令だ。』
携帯電話機の向こうで中隊長がただただ『撤退』を叫んでいる。
既に札幌市内は敵が充満し始めているが、市内では三個中隊が分散してゲリラ戦を敢行している。
我が小隊の所属する中隊もこの例に漏れない。
「まだ我が小隊はやれますッ!! 戦闘の継続を!」
小隊員の一人が叫んだ。 全員が戦闘意欲に満ちている。
肩には84ミリか、パンツァーファウスト。
「判った! 全員覚悟決めろ!!」
その時、ヘリの爆音が降って来た。 窓ガラスがカタカタ揺れる。
隊員達のおう、という返事を聞きながら僕は疑問に思った。
制空権を得ていない状態で何故、、、ヘリを。。。
更に空を眺めるとそのヘリが眼に入った。
―――――――………CH-47。 輸送ヘリ?
「いったいぜんたい何を輸送しようとしているのでしょうか? 上からは撤退まで命令されてるっていうのに。」
まだ対戦車ヘリなら納得出来ようが。。。
これをもっと気に留め、ヘリが何を輸送しているか考えていれば、と後悔する事になるのだが。。。
「よし、さっ●●大通りの付近に行こう。 敵車両がうじゃうじゃ居る筈だ!!」
無論、一撃喰らわせた後、機銃乱射を喰らえば全滅必至だろうが。 とっくのとうに死ぬ事は覚悟している。
東京に居て、屍の仲間入りするよりはマシだろう。
過去ログ読み終わった記念に何か書こうと思ってました。 でも、やってみると難しいものですね。 あらためて作者の方々の才能に嫉妬…いえ感服しました。 「食料調達やゾンビを倒すぐらいオレにもできるぜ」と避難所を飛び出したヘタレの気分です。 でも、なんとか無事に食料(作品)を持って戻れたらいいな──
40 「隊長、敵の動きがオカシイです。 退却していきますよ!!」 一人の隊員が鋭く叫んだ。 薄暗い裏路地から見る大通りの戦車隊の進路方向は南西では無く、北東を向いていた。 「どうやら、、、撤退する様だな。 一旦態勢を立て直し、再度突撃を敢行するつもりかもしれないが。。。 北東の中隊と通信を取ってくれ!!」 もしもこの機甲部隊が北東に撤退しているならば、北東に展開している部隊はとっくに退却してくる部隊を確認している筈だ。 暫しの沈黙が流れたが、すぐに報告。 「隊長、北東中隊と通信が繋がりません! 多分全滅したか混戦中かと………。。。」 「よし。。。 部隊を分隊単位に分散する。 一番高い建物を探し、敵部隊の動向を探れ!!」 一個分隊ごとに携帯電話機が支給されているので連絡も取れる。 こちらとしては情報が少しでも欲しいのだ。 僕達も、本部も。 ……… 「こちら●×小隊です。 敵機甲部隊が退却して行きます。 戻ってきて下さい!!」 『●×小隊長! 早くお前等も退却しろッ!! 今後の作戦の支障が出るぞ。 既に北東中隊は全滅だ。 もうすぐ航空自衛隊の作戦が始まる。 今は空自に花を持たせてやれ!』 僕は敵機甲部隊を眺めた。 敵はただひたすら退却している。 そして僕は遠くを眺めた。 だが僕の眼は機甲部隊では無く、空中の点に釘付けになった。 呆然、として声が出なくなる。 『おい、判ったか?! 兎に角偵察が完了したら戻って来い!!』 ピッ、と通信が切れた。 僕は各分隊に通信を繋いだ。 「全部隊、退却! 蘭越の中隊本部を目指せ! 対戦車用の兵器は全部捨てろ! 代わりに拳銃を何時でも撃てる様にしておけ!!」 大変な事になった―――――――――…………。 「どうしたんですか?!」 「最初から自衛隊は手を抜いてたんだよ。。。」 開戦理由はまだ判らないが自衛隊の戦略が全貌を現した。 そして、僕達は殆ど見捨てられた存在なのだ。 「は…どうい「わざと自衛隊は露軍をわざと北海道に上陸させた。 あれを見ろ!!」 僕は指を差した。 その先にはヘリがある。 そしてその下部からは、何かがボタボタ落ちていた。 「屍だよ。。。 北海道を屍の孤島にするつもりなんだよ、、、露軍を北海道に充満させといて、捨て身のヘリに乗せて、投下。 これで露軍は全滅だよ。」
wktk
投下乙。 ですが、東京にしか出現しなかった屍に、むざむざと北海道まで明け渡すことには意味が無いと思います。 露軍の上陸を海上で防いだ方がコストが掛からずに済むのでは?
明日くらいに投下してみます
>>72 海上兵力はアジア方面の押さえに必要じゃないか?
消耗はしたくないなら作戦として有効のような。
ただどういう状態で露軍に被害が及ぶのかわからんな 宿営地に夜中突然紛れ込んだんならわかるけど、空からボタボタ落としたんじゃ いくらゾンビさんでも全身骨折で動けないんじゃまいか
あ、無反応さん乙です wktk
77 :
72 :2007/08/16(木) 01:49:32 ID:G+IJNJ4F0
>>74 上陸されたらもっと酷い事になるのでは?
>>75 屍が存在するという事が世界に広まっている以上、露西亜軍の作戦に支障が生じる様な事は無いと思います。
さすがに作者の手抜きと思える内容、矛盾に指摘や批判や疑問が沸いてるな ワクテカできなくなってきてるしなぁ 風呂敷広げすぎてまとまりつかない内容でぐだぐだしてきてる気がする 綺麗にまとめてくれるであろう作者の今後に期待はする
確かになぁ…… 明らかにおかしいな? アメ公ならゾンビ発生したが東京に閉じ込める事が出来ているなら、サンプルとって封滅作戦とるわな?少なくとも世界に拡散させるような事はさせんわなぁ? 第一何の得にもならんし、ロシアがゾンビだらけになったらアメ公だって困る。 日本だってゾンビを拡散させていいことないだろ? 兵器転用するにしたって人道的見地で世界中からバッシングされるのはわかるだろうし。
プロの作家じゃないんだから少しくらい大目に見てやれよ
"普通ならこうする"みたいなこと言っても、読み手側の思い通り常に 事が進むのもどうかと思うけどな。 それに米や露も、もしかすると、この話の中では、「エスケープフロムLA」 みたいな設定になってるかもしれんし。
82 :
本当にあった怖い名無し :2007/08/16(木) 14:24:54 ID:JDK8P7vZO
>>69 さん、楽しみにしてますね。
でも無理はしないで、気が向いたら投稿してください。
>>81 > 普通ならこうする"みたいなこと言っても、読み手側の思い通り常に
> 事が進むのもどうかと思うけどな。
同感。でもやっぱリアリティ、、、っていうともめるから「もっともらしさ」、ってのも大事で
奇抜な展開するにせよ「なるほどな」って思わせてくれる理由も必要なんよ。
別に強引なこじつけでも構わないと思うよ、もっともらしかったらww
84 :
72 :2007/08/16(木) 23:21:50 ID:G+IJNJ4F0
>>81 > 普通ならこうする"みたいなこと言っても、読み手側の思い通り常に
> 事が進むのもどうかと思うけどな。
はい、そのとうりなのですが、
>>70 ではやはり何の意味も無いので無反応氏に「質問」しました。
>>83 同感です
>>83 これでどうよ
どういうわけか ゾンビが大量に出現し街が壊滅した
偶然 目の前に全滅した自衛隊のトラックが停まっていて自動小銃を手に入れた
たまたま 俺はモデルガンで銃の知識があったので使い方がわかった
運良く 映画で見たとおりに頭を狙ったらゾンビを倒すことができた
何故か 生き残りの自衛隊の救出チームが迎えに来てくれて助かった
案の定 救出チームに組み込まれて他の地域の生き残りを助け出しに行かされるはめになった
完
保守しとく
age
誰も書かなくなったな
92 :
72 :2007/08/19(日) 22:24:46 ID:gyx5XOnw0
そうだね。
忙しいんだよ、きっと
94 :
本当にあった怖い名無し :2007/08/20(月) 00:19:25 ID:OBDNvQJxO
>>84 とりあえず帰れ。もう君は読まなくていいよ
そうすりゃ色々と疑問を抱かなくてもすむぞ?
95 :
本当にあった怖い名無し :2007/08/20(月) 00:21:34 ID:OBDNvQJxO
>>85 おれも思いついた。
おれの住む町にゾンビ出現。町は壊滅状態。そこに自衛隊の新型兵器が放置状態。
おれは親父のパソコンで操作法知ってたのでそれ使いこなしてゾンビ壊滅した。
自衛隊の残存部隊に組み込まれ町を脱出する。そこに通常より3倍早いゾンビ出現。(もちろん赤い)
あとはお約束。
>>97 乙
>あとはお約束。
そこでそうくるとは思わなかった。
自分でも収拾つかなくなってきた。 いつも手伸ばしすぎて、グダグダになる。 何とか立て直して、書き続けてみる。(多分前なら投げ出してた。)
エライ
自衛隊の上層部が既に腐敗(てか政治家が自衛隊動かしてる)してて、物の数で勝ち負け判断する感じ。 上層部と偉い方々はどうせ北海道が取られるなら屍でも落せばいいんじゃね? という流れ。 他国になんか言われても『あれは自然発生だし!』(ヘリ内? 北海道?)と猛抗議。 何時も特定の国に猛抗議しないけど。 アメ公は露と組んでる。 何故か知らんけど。 アメ公も露も、屍との実戦経験殆ど無いという想定。 頭で屍がどういうモノか知ってても、実物見なきゃ(アメ公に至っては一兵も東京に派遣して無い。) ……というよりももう自棄だな。 最終兵器『夢オチ』使わないと駄目かもしれん。 もう『夢オチ』しかないならもっとトンデモ展開に………してみるか。
誰にも急かす権利はねぇよ。 だからよ、落ち着いて考えるんだ。 早とちりはよくねぇぜ?
こんなのはどうだ? つ 宇宙人の陰b(ry
105 :
72 :2007/08/20(月) 20:41:04 ID:PCymCjqa0
>>102 申し訳御座いません、ここまで大事になるとは考えていませんでした。
何の間の言っても、私は無反応氏の小説を楽しみにしています。
ですから、考え込まずに御自分のやり方でやって下さっていいのです。
作者さんガンガレ
やあ、俺は天才科学者だ。 今回のゾンビ禍、大変なことになったね。人類の滅びの時かもしれない。 それだけのことを人類は地球、自然に対し行ってきたのだから当然の結果だろう。 運命は運命として受け入れるつもりだ。 とはいえ俺も科学者、最後の最後まで抗ってみたい。 さすが天才だね、俺。いきなり発明しちまったよ。 本来死んだら動かなくなるはずの人間が動いて人を殺しだす。 そして脳を破壊されたら活動を停止する。 ということは脳がなんらかの力で死者の肉体をコントロールしているに違いない。 その信号を乗っ取れば死者を思うがままに動かすこともできるはず。 と、思ってSUICAのICチップを改造して死者の頭に埋め込んだら、、、出来ちゃったww リアルタイムにリモコン制御は無理だが書き込んだプログラムに従ってある程度は 自律的に行動する。 単純作業は簡単にこなせるし、家事なども出来る。探し物は結構得意みたいだし。 俺が俺の次に天才だと思う友達が「噛んでも感染しないワクチン」を開発したので 「絶対に他人を噛まない」という命令と合わせればほぼ安全。 でもさすがに身近なところで使うには物騒だしキモいから使い道を考えた。 そう、兵隊、、、これなら頭さえ守ってやればほぼ無敵だし武器の使い方や敵の識別を プログラムしてやれば五体バラバラになるまで戦い続ける。 メシや休憩いらないし給料払わなくていいし壊れたら新しく作ればいいし最強。 何かの間違いで相手に迷惑をかけてもやましくないし。多分感染はしないだろうけど その前に敵に近づいたり活動限界になったら自爆するよう頭に小型爆弾仕掛けてるし。 強力な本能のせいか、ゾンビ相手には攻撃しないのが目下の克服すべき問題点。 てなわけで自衛隊に売り込みに行ったらアニヲタっぽい野郎が出てきて「何それ?」 しょうがないからその場で「汎用人型決戦兵器」と名づけて説明したら即採用。 今ちょうどロシアに侵略されつつある北海道に投入してみるそうだ。 ヘリで運んで空からバラまくんだとww
108 :
85=107 :2007/08/20(月) 22:16:08 ID:h3/whWt30
あ、これで 完 ね。 >無反応さん 別におちょくったつもりはないけどww 別に金とって読ませてるわけじゃないんだから自分の好きなように。 荒唐無稽でもかまわないから気楽にネタ考えて続けてくださいね。
109 :
本当にあった怖い名無し :2007/08/20(月) 23:28:42 ID:4P8ID7Sn0
みんなの小説を読むためにこんな暑い夏をがんばってる オレがいる。まだまだがんばるぜぇ〜
>>100 投げ出さないという心意気。感動しました。
>>102 でも、急ぐことはないかと。
どういう結末にするにせよ、後悔しないことが一番と思います。
>>107 乙でした。
無反応氏がんばれ(^O^)/
僕の戦いはまだまだ続く・・・ 作者無反応氏の次回作に御期待下さい ありがとうございました みたいなジャンプの打ち切り的な終りかたはやめてねwww
「・・・・・・容疑者は‘自分は歩く屍から身を守るためにやむなく殺しただけだ。自分の行為は正当防衛だ‘と殺意を否定しています。 被害者は昨年末ごろから認知症の症状が悪化しており、警察は犯人が介護疲れから反抗に及んだと見て、捜査を続けています・・・」 ‘刑事さん、“人間の定義”ってなんだと思います?わたしは確かに自分の母親を手にかけました。 ・・・ええ、世間ではわたしを親殺しの鬼畜だと言うでしょうね。でもそれはね、実情を知らない部外者の勝手な物言いですよ’ ‘刑事さん、わたしの母はね、当時の女性にしては珍しく大学卒で、海外留学の経験もあるエリートだったんです。 知性と気品を兼ね備えた淑女でね、わたしもこの母から生まれたことを誇りに思ってた。だからボケが進んでもね、かつての美しさを失わないようにできる限りのことはしたんですよ’ ‘でもね刑事さん、母はね。本当に人ではなくなったんですよ。さっき言ったでしょ?人間の定義は何だ?ってね。 母はね、もうすでに母ではなくなってたんですよ’ ‘母はあれだけ大切にしていた大学の卒業メダルも、死んだ父との結婚写真も、母に家に代々伝わっていたお琴も、ぜんぶ自分の手でボロボロにぶち壊していたんですよ’ ‘それにね、わたしをね、腹を痛めて産んだわたしが誰かわからなくなっていたんですよ刑事さん。 ・・・母はね、わたしが焼き鳥にでも見えてたんでしょうね、わたしの腕に噛み付きましたよ。 ‘ええ、痛かったですよ、実際肉が少しちぎれましたからね。’ ‘いまでも痛みますよ、傷はね。でもね刑事さん。わたしは母を殺してはいませんよ。 あんな野獣が、理性も何もない、食欲だけで動いていたケモノが母なはずはないんです、絶対に・・・’ 「・・・実の母を殺害した容疑で逮捕された男が留置所で首を吊って自殺しました。 しかし、死亡が確認された後に再び動き出し現在同留置所に隔離されている件について警察は 『死亡の確認に間違いはなく、容疑者は蘇生したとはいえない』とコメントするに留まっています・・・」
>>113 痛すぎる、、じゃねえ、痛々しすぎる、こんなスレには重すぎる、、、
もうね、作品の出来のよさよりそっちのテーマに引きずられて、、、乙です。
>>113 乙です。
自殺後に動きだした時や、隔離する時に噛まれた人がいたら被害が広がっていくのですね…。
母親が何故そうなったのか?という謎もありますし、続きをwktkであります。
さっぱり作者がいなくなったな 寂しいな
非日常氏の小説にwktk
流れぶっ壊す。 41 何故か僕は椅子に縛られていた。 暗い部屋。 まるでドラマに出てくる監禁部屋である。 換気扇から日光が漏れて、暗闇を切り裂いている。 しかも繋がっていないのだ。 流れが。 最後の記憶が『裏路地で突然後頭部を殴られた』なら僕がここに居るのも頷ける。 しかし僕の最後の記憶は『艦に揺られて、内地に戻る途中』である。 「それとも……北海道は夢?」 だと思いたかった。 自衛隊が非人道的作戦を展開する訳が無い。 だが、そんな筈は無い。 あの光景は眼に焼きついている。 誰が僕を監禁しているのか? 『艦に揺られて…』からの流れなら自衛隊員の誰かに捕縛されているのだろう。 だがそれは有り得ない。 じゃぁ露の艦に吹き飛ばされて、海に落ちたところを捕虜として捕まった? 「それなら今は「親分! コイツです!!」 後ろで酷いだみ声がした。 同時に僕は悟った。 ヤクザですか。。。
「自衛官とはなァ………」 二人組が僕の視界に入ってくる。 片方は太っていて、いかにも『親分』だ。 もう片方は何て事無いが、腕っ節だけは強そうである。 で、どうすれば『艦に揺られて…』からヤクザ、という展開になるのか。 「アンタ、何処で何やってた?」 「こっちが聞きたい。 俺は何処で何やってた?」 親分の方が顔をしかめる。 もう片方がまた酷いダミ声で話す。 「アンタ、記憶喪失ってヤツか? ドザエモンが浜辺にうちあげられてるから拾って見たんだが。。。」 ―――――………まだ僕の扱いはドザエモン。。。 「助けてくれて有難う。」 取りあえず何かの拍子に艦から落ちたのか? それは有り得ない筈だが。。。 「もしかしたら、東京に居なかったか?」 親分、の方が期待を込めた声で聞いてくる。 コイツ等犯罪者には関係無いところだが、あんまり機嫌を損ねるのは嫌だ。 「生まれも育ちも東京。 自衛隊に入隊後、初実戦は東京。 その次北海道。」 今までの場面がフラッシュバック。 東京には嫌な思い出しかないような気がする。 「じゃぁ、使い物ですね。」 ダミ声が響いた。
寺脇とダミ声が被る。 42 「てかアンタ、死亡した事になってるケド?」 「は?」 僕は聞き返した。 「何か知らんけど、小銃で避難民数十人を蜂の巣にした後、崖から飛び降りた事になってるけど?」 は? 冗談だろ? 僕は確かに艦に乗った。 「馬鹿にするなよ。 これでもいっかいの自衛官だ。」 それとも何だ、気が狂って自分の記憶を……、、、 そんな筈は無い。 「新聞一面の見出しだよ。 取りあえずアンタは生活を送れない。 そんなアンタに一筋の希望がある。」 ダミ声を調子に乗ったマシンガントーク。 耳が痛くなりそうだが、今は一言も聞き漏らす訳にはいかない。 親分もダミ声に少々ムカついていたのだろう、彼を遮った。 「悪い仕事じゃない。 ウチの子達を率いて、屍どもを掻き分け、自衛隊が落とした銃器を手に入れてくれないか?」 いや、十分悪い仕事だ。 しかも、結構難しい仕事である。 勿論、断ればぶっ殺され、良くてもホームレス。 「確かに自衛隊は東京で数々の武器を失っている。 その武器を回収してどうする?」 ありきたりな質問。 自衛隊は確かに東京で数個部隊が全滅したりしているから武器はタンマリ落ちているだろう。 「金にする。 勿論受けてくれるかは自由だが……。」 親分、が微笑んだ。 結局僕は屍と縁が切れない様だ。 断れば八割で死亡だが。。。
wktk
43 さっきと同じ様な部屋に案内される。 違うのは幾つか棚がある事だ。 「これが武器だ。」 酷いダミ声。 のど飴でも舐めさせてやりたい。 寺田、と名乗ったダミ声は棚を指した。 確かに棚には拳銃やら物騒な物がある。 だが使い物になるか。。。 「この中から有効な武器を選んで欲しい。 アンタ、交戦経験あるんだろ?」 「ああ、嫌というほどやり合った。」 適当に棚から箱を引っ張り出し、その中の銃器を一つ一つ出してみる。 何やら知らない銃ばっかりである。 結局寺田に任せる事になりそうだ。 「デザートイーグルあるか?」 何となく聞きたくなってしまう。 自動拳銃の中では一、二を争う威力。 勿論だ、と寺田が頷いた。 「後は?」 「9ミリパラベラム弾を使う銃を使う。 三人に一人はデザートイーグルを持てる様にしてくれ。」 判った、と寺田がもう一回頷いた。 とにかくパラベラムは汎用性が高い。 多分東京でも補給出来るだろう。(制式拳銃が9ミリの為) … 「今日会った堅気を信用しろ、と言っても駄目かもしれないが、信用してやってくれ。」 寺田が人相の悪い連中に言った。 思いっきりへりくだってるじゃないか、子分に。 結局東京に行くのは十数人。 勿論自衛隊の東京包囲網に引っかからない様に東京に侵入しなければならないので少ない人数の方が良い。 どいつも屈強な奴等ばかり、とは聞いたが実際屍相手に何処までやれるか微妙だ。 「チャカならはじいた事ありやっせ。」 僕の不安な顔を察してか、額に傷がある男が言った。 しかしこの犯罪者達と何とかやれるのだろうか――――――…………。
つまんねーよ屑 そんなの誰でも書けるよ
>118様 待っててくださる方もいらっしゃるのですね。 なんか感激しちゃいました。・゚・(ノ∀`)・゚・。 スレ変わったので前回の分再掲載ということで置いておきます。 「西田、どういう事だよ!」 西田はぼりぼり頭を掻きながら説明を始めた。 「川本が銃を掴んで引き込んだだろう。 あれはダミーだったんだよ。 渡辺さんが仕掛けたトラップだったんだ」 渡辺という女性がダミーを手渡してきた。 「そして一眼レフに使うフラッシュを炊いて目眩ましした直後に川本はスタンガンで眠らされたんだ。 俺は目眩まし食らって、眼を押さえてる間に間合い詰められて倒された。 そして首筋にナイフ突き付けられて動けなかった。 そこで渡辺さんが俺って気が付いたんだよ。 まじ殺されると思った」 「まじかよ…」 女性なのに凄い…。 「ほんと申し訳ないです…」 「なんでオレ達がここに居るの分かったの?」 「私はここの向かいのマンションに住んでいるんです。 逃げようにもあの状態でしょ。 車も持ってませんでしたし。 退屈だったんでベランダからここを監視してたんですよ。 そうしたら車が一台現れて、やつらが集まりだして… もし車奪えるなら奪って逃げようかと思ってたんです」 「でもよくここまでたどり着いたな〜、さすが渡辺さんだよ」 西田は凄く嬉しそうだ。 なにかあるのか? 「だいぶ大回りをして来ました。 残弾少なかったんで無駄撃ちしたくなかったし」 「弾? 弾ってBB弾でしょ? 効果ないんじゃ…」 「射撃の競技に出てるんで… エアーライフル持ってきました」 ( ゚д゚)ポカーン 「ライフル射撃ですか…」
「とにかく仲間が増えてありがたい。 一気に片付けてここを出よう」 西田が俄然やる気になってきた。 渡辺さん… なにかあるな。 (・∀・)ニヤニヤ 「お待たせ♪」 森さんが事務所に入ってきた。 なにやらいい香りだ。 「挽き立てコーヒーですよ〜♪」 (´-`).。oO(やっぱ森さんべっぴんや) 「あ、川本さん目が覚めたんですね。 よかった〜 死んだのかと思いましたよ。 突然事務所で大きな物音がしたと思ったら、笑い声が聞こえて 慌てて事務所に入ったら川本さん倒れてて知らない女性と西田さんが笑ってた。 西田さんがおかしくなったのかと思いましたよ」 「そんな〜森さん。 ま、あの状況じゃそう思われても仕方ないか〜」 渡辺さん… オレなんかよりずっと戦力になりそうだな。 「チャージしたら上に行くぞ。 もうひと踏ん張りだ」 次の回で正面は片付いた。 あとは駐車場に疎らにいるだけだ。 「なんとかいけそうだな。」 「川本さん、さっきはすいませんでした」 渡辺さんが再度謝ってきた。 「んあ? あぁもういいですよ。 あの状況じゃ渡辺さんはああせざるを得なかったわけだしね」 「もうちょっと確認してからにすればよかった…」 「気にしない♪気にしない♪」 三人は事務所に戻り、今後の作戦を練った。
とりあえずの食料は確保した。 このまま此所に居るって手もあるけど やつらがこれ以上増えたら手の施しようがなくなる。 満場一致で脱出する事に決まった。 「とりあえず一度実家に戻るか」 「そうだな西田の実家なら塀も高いし、頑丈な門もあるしな」 「私たちはそこに居ていいんですか?」森さんと渡辺さんがハモった。 「もちろん」オレ達もハモった…orz 西田と渡辺さんは監視カメラの確認に向かった。 オレと森さんはルーフの荷物が落ちないようにシートを被せロープで固定した。 「無事に出られるかな…」 森さんは、とても不安そうな表情だ。 無理もないか。 オレも不安だし。 「大丈夫だよ! オレも頑張るし、西田も頑張るからさ」 「あ… はい、有り難う御座います」 オレ… 頑張るぞ!
「よし! 街から脱出だ!」 西田と渡辺さんが帰ってきた。 「いま屋上に上がって確認してきた。 元来た道はやつらが多数いる。 その先で何か燃えているようだ。 黒煙が上がっていた。 別の生存者かもしれんな。 どうする?」 「どうするって… 元来た道が一番早いんだろ?」 「ああ。 しかし別の生存者がいて事故した挙げ句、道塞いでいたら最悪だなと思ってな」 「元来た道にやつらが現れたって事は…」 「そう、生存者に引き寄せられている可能性がある」 もし生存者がいればやつらはそこに集まる… 此所と同じように… 「その生存者がこっちに向かってるとしたら?」 なんとなくオレは嫌な予感がした。 「非常にまずいな。 脱出する機会がなくなる。 それと武器と車を奪われる可能性もある」 西田も同じ考えのようだ。 一刻も早く脱出しなければ… 「オレ、シャッター開けるから皆は車に乗れ」 操作盤に駆け寄った。 エンジンに火が入る。 キュルルルブオン! 同時にシャッター上昇ボタンを押す。 ガウオン! ガラガラガラガラ 薄暗かった店内に光が差し込む。 光を遮る影が二本、四本と増える。 「ちっ! 思ってたより早く集まってるな。 川本! 早く乗れ!」 電動シャッターがもどかしい。 1mほど上がったところで下を潜って侵入してきた。
「きゃ〜!」 森さんは後部座席でうずくまった。 5人ほど侵入してきたようだ。 一人はボンネットに駆け上る。一気にバックし、ボンネットの乗っていた男を振り落とす。 次々と車に取り付いてくる。 シャッターが指定位置まで上がった。 取り付かれたまま発車。 ごぎ! ぼきん! ぐぎゃ! どん! 生々しい音が車内に響いてくる。 その度に車体は大きく揺れる。 正面入口を一気に抜ける。 出た先には信じられない光景が…。 やつらは数えられない程にまで増え駐車場に侵入してきていた。 先頭をトラックが猛スピードで走ってきた。 奴らもそれに引き寄せられて猛然と走ってくる。 「ぐあ! あぶねぇ!」 西田は急ハンドルを切る。 寸でのところで交わした。 どぉぉん!! トラックは宝くじ売り場の建物に衝突し止まった。安否を気遣う余裕はない。 何人か乗っているようだったが…。 無事にセンター内に入ってくれればな… 元来た道からはどんどん奴らが現れる。 「駄目だ。 あっちへは行けない!」 やはり予感は的中した。 奴らを避け大回りして幹線道路に出た。 来た道とは逆方向に向かう。 後ろを見ると人集りが出来ていた。 「余計なもん連れてきやがって!」 奴らを避けつつスピードを上げる。 「西田! やっぱ元来た道は駄目だ!」 「よっしゃ! 大学通りを抜けて、いろは坂へ向かう! そこから北へ向かえばなんとかなるだろう!」 「頼むぜ西田!」 オレ達はホームセンターから見た緑地公園避難所の側を駆け抜けていった。 やつらはエンジン音に引き寄せられるように道路に出てくる。 更にスピードを上げ、大学通りへ向かった… と、ここまでで第一部完です。 こんなに長編にするつもりなかったのですけどね。 ずるずると行かないように気を付けます。 ではまた(=゚ω゚)ノジャ、マタ!!
もういっぱい作ってしまったからこれ投下しきらないと止められない。 例え何と言われようが。 ………勿論、一日に少しずつ、だが(笑) 44 懐かしい腐臭。 まだ腐臭は薄いので屍の密度が低いところを移動しているのだろう。 こんな臭いが懐かしい、と感じるとは。。。 「こりゃ臭くてたまらねぇな………」 臭い、臭い、とヤクザどもが唸る。 屍の呻きに似ている。 「さっさと引き上げましょう。 親分!」 「勿論だ、で? どの辺に銃器が落ちてる?」 僕は急に話を振られた。 実際、あんまり考えていなかった。 基本的に自衛隊は屍の多い所に当初突撃していった。 そう考えると。。。 (無論、この『屍を掃討する』という方針から自衛隊は後に『生存者を救出する』という方針に転針する訳だが。) 「―――――………病院、かな。」 病院はトンデモ無く危ない。 屍が発生した直後は(十年前も数ヶ月前も)屍がごく稀に病院に運び込まれる事が多い。 知らぬ間に逃げ出し、病院の患者等に噛み付き、数を増やしていく。 自衛隊は見事に病院へ突撃し、よく返り討ちに遭った。 メリットとデメリットを比べると思い切りデメリットが大きい。 だが……… 「おい、グッドタイミングだ。 見ろ。」 ダミ声。 指が前方を指している。 向こう側には屍。 五、六体居る。 普通の屍なら良いのだが。。。 デザートイーグルの銃口を一番前の奴に向ける。
133 :
本当にあった怖い名無し :2007/08/24(金) 19:56:33 ID:xZSPeFfh0
>>124 ツンデレか。お前可愛いな。俺と突き合えよ。
,......,___ アッー! ___ 最初は痛いけどな・・・
{ r-}"''; (,- ,_'',; 力抜けよ
__ノYv"-ァ'=;} ,_、 Y' リ''ー
ヽー-ハ '、 / キ}、 {"ー {⌒
ト ハ } ,. -ー─-- 、___ / ハノ`{ {
! ! !__! ,-、_ ,,( ,  ̄`ー、 /"''ー;ー'"
|___|! !ー-ニー、;、;'""ノ';{ iー ヽ=ニ=),..- '"
K \ヽ !`ーニ'-、{ (e 人 |' ̄ ̄/`ー! | / /⌒
\ヽ !、ヽ, "")ー-'"| ! | | /! |___{,、 / /
\"'ヽ'ー-" _! || } ー─| | / ヽ/ /
ニ=ー- `!!!' ''''ー'"{ | | / /`ー|\/
ーーーー' _ | ./ ヽ__ / | !
三`'/
↑
>>124
>>124 仮に誰でも書けたとしても、貴方のような方にだけは書けないと思います。
ただ「つまらない」って言ってるうちはダメでしょう。
例えば「わざわざ弾薬を使って普通の銃器を取りに行く価値があるのか?」とか具体的に書いてくれてたら、私的には高評価だったのですけど。
ちなみに、上記のツッコミは無反応さんの作品が悪いという意味じゃないです。念のため。
138 :
本当にあった怖い名無し :2007/08/25(土) 12:41:40 ID:TUsHWQk50
のちに
>>124 がロメロの後継者として世界で絶賛されるのはずっと未来のお話・・・
>>124 面白いもの書けだぁ!?てめぇが書けよ!
え、いやちょ書けっていったわけでしゃぶれとイッタワケジャアッー
そういや書いてる途中に襲われるスレは落ちたんだよな……
「……軍は皆さんを見捨てません!!! 生存者は最寄りの基地にお越し下さい 安全と暖かい食事を御用意して皆さんをお待ちしています 軍は決して………」 男は放送の途中でラジオを切った 「暖かい食事…安全? 馬鹿言うなよ……… 何にもなかったじゃねぇか……ははは……」 男は虚無的に笑うと胸ポケットから煙草を取り出し 最後の一本に火を付けた 煙草の先から登る煙をじっと見つめる 机に置かれた電灯の光に煙が混ざり 何とも言えぬ美しさをかもしだす。 先程から扉の外がやかましい 窓の外からも沢山の目が男を見つめている 「食われておしまい 仲間入り♪…… 肉を食われて起き出した♪…」 窓の外を見ながら男は自作の歌を呟くように口ずさむ かろうじて男をこの世に止まるせてくれる気にさせていた煙草も酒ももう無い 「奴らの仲間にゃなりたくない♪…… 生きるつもりもさらさらない♪…… テメェでケリを付けましょう♪……」 自作の歌を呟きながら男は机の上にあったリボルバーをこめかみに当て 引き金を引いた 「カチン」 もう一度引き金を引くも弾は出ない 「……弾……が………」 さっきとはうってかわって男の様子は一変した 「嫌だ…食われるのは嫌だ…… 奴らに食われる…… 自分でケリを付けさせてくれよ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ食われるのは嫌だ」 まるで子供の様に怯えはじめたかと思うと 部屋のすみにうずくまり動かない ただガタガタと震えている 今、扉は少しづつ壊されようとしていた
>>140 乙、なかなかいいね
弾はあったと思うけど旧丼のラストを思い出した
wktk
「ウォルナー!!ウォルナー!!」 甲高い老人の呼び声に執事のウォルナーは作業を止め急いで声の元に向かった 悪趣味と形容していい豪華なベッドには老人が横たわっており そっとウォルナーを手招きする 「お呼びでしょうか旦那様?」 「ウォルナー…今日は何の日だか分かるか」 「確か旦那様の誕生日と記憶しておりますが」 老人の問いにウォルナーは淡々と答える 「そうだ…よく覚えていたな…嬉しいぞ… だがウォルナー 今日は後一つ大事な行事がある…… 誕生日と重なるとは私は運がいい…そう思わんか………」 「あっ………」 ウォルナーは老人の言葉に一瞬顔をしかめた そんなウォルナーの心を知ってか知らずか老人は続ける 「誕生日パーティーの余興に“それ”をやるとしよう…… 活きのいいのを用意しておけ……… 夜のパーティーに間に合うようにだ……」 「承知しました旦那様……では失礼致します…」 老人はベッド脇のボタンを押し 部屋中のカーテンを閉めた まだ昼間だというのにカーテンを閉めきられた部屋は漆黒に包まれる 老人は何かボソッと呟くと大声で笑い続けた まるで狂ったかのように 【続く】
今日邦画のサイレン見たんだけどあれに出てくる島民はゾンビでおk?
映画サイレンの島民はゾンビじゃなくイカれた女の被害妄想。
>>145 イカれた妄想で他人がゾンビに見える・・・・・
ゾンビかわいいよゾンビ(;´Д`)ハァハァ
147 :
本当にあった怖い名無し :2007/08/30(木) 17:24:35 ID:GAMHBN1T0
「ふんふんふ〜ん」 鼻歌を歌いながらコンビニ内を物色し、残っていた賞味期限前の菓子の袋を開けて中身を食べる。 「雨も降ってきそうだし、今日はここで寝るか」 外に置いてある自転車(盗品)をコンビニの中に運ぶ。 「おおおお〜・・・・・・」 一匹のゾンビがフラフラと近寄ってくる。 だが、無視。 自転車を押し、コンビニに入る。 とりあえずカウンターの内側に運ぶ。 外を見ればさっきのゾンビが徘徊している。 「さ〜て・・・・一応確認しますか」 レジの奥にある事務所へのドアを開ける。 「うおっ!?」 目の前にいた店員のゾンビ。 「びっくりさせるなよ・・・・心臓発作で死んだらどうするんだよ?」 店員ゾンビの手を引いて店外に連れ出し、蹴り飛ばす。 「ゾンビはゾンビらしく・・・・・外をうろついてな!」 悪態をつき、店内に引き返す。 自転車の荷物置きに置いてある必需品を詰めた箱を下ろす。
148 :
本当にあった怖い名無し :2007/08/30(木) 17:25:14 ID:GAMHBN1T0
「あ〜・・・・ガスボンベのガスが少ないや・・・・。ここに残ってないかな?」 店内をうろつき、目的のガスボンベを発見。 「やっぱお徳用の三缶セットでしょ」 残っているだけ買い物カゴに放り込み、ついでに冷蔵ケースから飲み物と水を適当に見繕ってカゴに入れる。 「おっ!ここレトルト食品残ってるじゃん!ラッキー!」 ありったけのレトルト食品を2つめのカゴに詰め込む。 ふと、店の入り口の脇にある新聞が目に入った。 何気なく広げてみる。 200X年10月14日(土曜日)の日付が目に入る。 見出しは見慣れたものだった。 『世界各地で暴動!!』 『死者が蘇る!』 「あ〜・・・・もう二週間近く経つのか・・・・」 自分の腕を擦る。
149 :
本当にあった怖い名無し :2007/08/30(木) 17:26:07 ID:GAMHBN1T0
はっきり言って初日にゾンビに噛まれた。 普通なら食い殺されるか、運良く逃げ延びても高熱で死に奴等の仲間入り。 でも、何故か自分はそうならなかった。 それどころかゾンビの餌として認識されていない、もしくは同類と見られているのか。 最初はもしかしたら理性と自我を保ったままゾンビ化したのかと思った。 しかし普通に腹は減るし髭は伸びる、トイレには行きたくなるし怪我をしたら血も流れる。 最初は戸惑ったが今では幸運だと思っている。 奴等の餌として認識されないと言うことは、逆に考えれば自由に行動できる。 だから自転車で食料をかき集めている。 車は路上の遺棄車両が邪魔で使えないしバイクは転んだら大怪我だし乗りこなす自信はないし音が大きい。 餌として認識されないが音を出せば近寄ってくる。 臭いし気持ち悪いし不快だ。 早くこんな東京から脱出したいがなかなか上手くは行かない。 なべの中の湯が沸騰したところでレトルト食品を入れる。
150 :
本当にあった怖い名無し :2007/08/30(木) 17:26:49 ID:GAMHBN1T0
騒動当初に築かれたバリケードや自衛隊の攻撃跡で道路が通れなかったり、ゾンビがたむろして道路を塞いでいたりと、 まぁ色々な事情がある。 取りあえずは、実家のある名古屋まで帰りたい。 その後はその時に決めるつもりだ。 時計を見ればまだ夕方の五時。 手荷物の中からポケットラジオをつけても相変わらずの頼りにならない緊急報道。 それでも、まだ生きている人間がいる事が確認できる。 食後に愛用の携帯ゲーム機のスイッチを入れ、時間を潰す。 念の為に事務所の鍵がかかっていることを確認し、寝袋に潜り込む。 「それでは、まだ生き残っている人類の皆さんおやすみなさ〜い・・・・」 ゾンビの呻き声が聞こえないように耳栓をして就寝。
151 :
本当にあった怖い名無し :2007/08/30(木) 17:28:29 ID:GAMHBN1T0
そして、起床。 翌日は雨だったのでコンビニに更に一泊する。 前日が嘘のような清清しい青空。 そしてその下を徘徊しているゾンビの皆さん。 登山用リュックサックに詰め込めるだけのペットボトル飲料水とカップラーメン、ついでにゲーム用に乾電池も頂戴、 盗んだ自転車で走り出す。 遺棄車両の間を縫って走り、ゾンビは集団なら気持ち悪いから迂回しまばらならその間を通り抜ける。 ブロロロロロロッ!! 「はい?」 突如爆音を響かせて前方から一台のRV車が現れた。 運転席には見るからにDQNな若い男女が二人。 「うおっ!?あぶねぇ!バカヤロー!轢き殺す気か!!」 案の定、遺棄車両に激突しRV車は横転した。 「あーあー、こんな派手に事故ちゃってもう。今は救急車なんか呼んでも来てくれないんだぞ?」 呻いている運転手に話しかける。 はっきり言って、女の方は死んでいる。 つーか、気のせいか噛み傷あるんですけど。 って、気のせいじゃないし。 女はゾンビ化している。
152 :
本当にあった怖い名無し :2007/08/30(木) 17:29:17 ID:GAMHBN1T0
「た、助けて!あんた助けてくれぇ!!」 「ん〜・・・・」 周囲をキョロキョロ見る。 事故の音で周囲のゾンビが集まってきている。 「助けてもいいんだけどさ・・・・・どうせゾンビに食われるよ?だったら彼女に喰われてやりなよ」 「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!」 「はー、やれやれ」 男の手を掴んで車外に引き擦り出す。 つーか・・・あんた足折れてるよ。 「それじゃあ、後はがんばってね。僕も奴等の集団は嫌いだし早くしないと通れなくなるから」 残念だが、今はそういう世界。 自転車に跨り走り出す。 背後で男の断末魔が聞こえたが今の世界じゃあよくあることなんだよね。
スマン、sage忘れてた・・・・・・
おおおおお………ひさしぶりの…作品……うま。 GJ…つづきwktk…。
噛まれてもゾンビにならない新人類ktkr かゆ、うま、な展開にwktk
>>147 お〜久々の快作!!
今の時点じゃ俺も主人公の人に憧れるな、ああいう状態最高かもなww
なわけでwktk、乙!!
157 :
本当にあった怖い名無し :2007/08/31(金) 04:09:25 ID:kmjLyy+F0
シャー・・・・・。 坂道は下りが楽だ。 こがなくてもスイスイ進むから。 適当にブレーキを掛けて速度を緩める。 万が一転んで大怪我しても誰も助けてくれないから。 今の世界でなってはいけない状態。 それは怪我、病気、虫歯だ。 医者や歯医者が生き残っていたとしても歯医者に至っては治療器具が無ければ何の意味も無い。 パンッ! 突如として思考を遮断する破裂音。 ガクガクガクッ! 車体が激しく揺れる。 急ブレーキで停車する。 「うわっちゃー・・・・・パンクかよ・・・・」 タイヤには割れたガラスが突き刺さっていた。 仕方なく自転車から降りて自転車を押しながら徒歩で移動。
158 :
本当にあった怖い名無し :2007/08/31(金) 04:12:14 ID:kmjLyy+F0
しばらく歩くと自転車屋を発見。 色々自転車があるから物色する。 マウンテンバイクがあったが現状では却下。 だって荷物を置く場所が無い。 無難に6段変速型でライトは乾電池式の後付け型ライトを取り付ける。 その日は自転車屋から数キロ先にあったコンビニで一泊した。 「えーと・・・・」 騒動初期にコンビニから頂いて来た地図を広げる。 「今、ここだから・・・・・」 とりあえず次の目的地を幾つか決める。 比較的海に向かうコースを取る。 レトルトのお粥を朝食にして薬局から頂戴してきた栄養ドリンクを飲み、栄養剤を飲み足に湿布を張る。 フッ・・・・。 店内がいきなり暗くなる。 とうとう発電所が機能を停止したようだ。 原発の事故じゃない事を祈る。 ともかく、電源の供給停止で移動に使える時間は限られる状態になった。 リュックサックの中から懐中電灯を出してチェック。 うん、ちゃんと動く。
159 :
本当にあった怖い名無し :2007/08/31(金) 04:13:07 ID:kmjLyy+F0
自転車のハンドルにぶら下げてあるポータブルCDプレイヤーのスイッチを入れる。 カゴの中のスピーカーから音楽が流れる。 もちろん、音量は低めにしてある。 その日の昼、とうとう東京から出た。 日が傾き始めた頃には横浜に入った。 「いたたたた・・・・・・」 連日の自転車こぎのせいか、足の筋肉痛が酷くなってきた。 近くにコンビニも見当たらず、手近な民家のドアを片っ端から引いてみる。 10も試さないうちに無施錠の家を発見する。 庭に自転車を止める。 懐中電灯を手に薄暗い屋内を探索する。 案の定、ゾンビが一匹居た。 しかしこのゾンビ、電源の通っていないパソコンの前に座って何してるんだ? 生前は引き篭もりかニートかネトゲ廃人か?
160 :
本当にあった怖い名無し :2007/08/31(金) 04:15:37 ID:kmjLyy+F0
カタカタカタカタ・・・・・。 キーボードを叩いているゾンビ。 うおっ、ゾンビの癖に生意気にブラインドタッチかよ!? ゾンビが入力し続けている文字を目で追ってみる。 「にかかいんらとに・・・・・・・?」 意味不明だ。 もう一度、今度はローマ字入力で見てみる。 「いってよし・・・・・?逝って良し・・・・・こいつ2ちゃんねらーか?」 肥満で引き篭もり、ニートでネトゲ廃人で2ちゃんねらーな上に部屋にはアニメやらゲームのフィギュア・・・、 エロゲーキャラのエロフィギュアにエロ抱き枕まである。 ・・・・・これでメガネかけていたら国士無双だ。 って、床に眼鏡落ちてるじゃん。 最強だ・・・・・・。 「えーい、ゾンビになってまでそんな暗い行動はやめい!」 ゾンビの襟首を引っつかみ、屋外に引きずり出す。 「健康的にお外で遊んできなさい!!」 ん? ゾンビって生物学的には死んでるんだったよな? じゃあ、健康的にって意味無いじゃん。 自分のさっきの台詞に苦笑しながら寝床に決めた家に入ると施錠する。 ゾンビや生存者の有無を確認後、自転車をリビングに運び込んで家の1階部分の雨戸と言う雨戸を閉め、 天井からLED懐中電灯を広範囲モードに切り替えて吊るす。
wktk
ま…また素でさげ忘れてる…
乙。引きこもりゾンビワロタw
マウンテンバイク置いてる自転車屋なら 荷物を大量積載できるキャンピングやランドナーが置いてんじゃ
>>165 君が物語の主人公ならそうすればいいと思うよ。
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>>165 君の住んでいる周りのマウンテンバイクを売っている自転車屋をみてごらん?
キャンピング売っていないところも必ずあるから。
169 :
本当にあった怖い名無し :2007/09/01(土) 08:25:54 ID:2UwpVlev0
学習能力の低い奴ばかりだ。
>>169 正直、どこらへんが「学習能力の低い奴ばかりだ。」になるのか分からない。
まぁ貴方自身の学習能力が低くて、知能も低いのなら何となく分かりますけれど。
結局、誤爆ですよね?
172 :
本当にあった怖い名無し :2007/09/01(土) 15:04:34 ID:nJTEx7EA0
>>169 おまえ・・・脳腐りかけたゾンビじゃね?
173 :
171 :2007/09/01(土) 17:01:45 ID:tO2TMyW/0
正直、スレのふいんき(なぜかry)を悪くする書き込みをしてしまった。 とりあえずで書いていた。今は反省している。 でもやっぱり、どこらへんが「学習能力の低い奴ばかりだ。」になるのかは分からない。 今回はツッコミの方が稚拙だと思うし、対するレスも強いものではなかったのでスレや作品への影響はなかったと思う。 しかし、このままスレが荒れれば指摘どおりになってしまうので、漏れが反省汁。 というわけで、作品wktk。
>>169 は池沼なのでスルーの方向で。
俺も次の作品にwktk
テスト
リュックの中からラジオを出しスイッチオン。 周波数を調整し放送している所を探す。 《つ、ついに放送局の放棄が決定しました!私達はこれから自衛隊と共に行動し一刻も早い放送再開を生存者の 皆様の為となるべく行う所存であるます!それでは、さようなら!幸運をお祈りします!》 後はノイズだけ。 他の局が放送していないか探す。 少し遠方の局なのか声が小さくノイズ交じりだが何とか聞こえる。 《ザ・・・政府は・・・ザザ・・・・連の事態・・・・ザザ・・・・ゾンビと断定。ザザザ・・・・・接触・・・・ なるべ・・・・・避け・・・・ザザ・・・ザザ・・ザ・・・・・・。負傷者は隔離・・・・ザザザ・・・・・》 他の局を探す。 出来ればもう少し聞きやすい所を。 《ひぃぃっ!く、来るな化け物!!ぎゃあああーーーー!!!痛い痛い痛いぃぃぃぃ!!助けてママーーーー!!》 「・・・・・・・・・・・・・・・」 他の局にしよう。 中年親父っぽい声の断末魔はもう十分堪能したし。 《東京ドームでは自衛隊が生存者を保護しています》 お、まともに聞ける局を発見! 《生存者は東京ドームへ集まってください。負傷者は適切な治療を・・・・・》 はい? 1週間ほど前の光景を思い出す。 ゾンビの大群に囲まれていた東京ドームを。 「どうやって入れっちゅうねん・・・・・」
乙ッス。 なにやら面白そうな展開…。 wktk
181 :
本当にあった怖い名無し :2007/09/03(月) 18:01:56 ID:BP9Vww7+0
キラキラ
+ +
| + +
|" ̄ ̄゛゛`∩ + キラキラ
| ヽ + + +
|● ● i'゛ ̄゛゛゛`''、+
| (_●_) ミ ヾつ +
| ヽノ ノ● ● i
{ヽ,__ )´(_●_) `,ミ
>>179
>>179 続きワクテカ
無反応さんの続きも気になる
ラジオを止める。 身体が痒い。 そう言えば最後に風呂入ってからもう2週間以上過ぎている。 さっき確認したときに確か・・・・・。 勝手口から外に出る。 門を閉めてあるからゾンビはまず入って来ない。 入ってきても追い出すだけだけど。 お、あったあった。 裏手にあるトタンの小屋。 古い家なのか、手動ポンプ式の井戸があった。 動かしてみると綺麗な水が出てくる。 となると後は・・・・。 バケツを探し出し、風呂桶を洗って水を張る。 旧式の循環式ガス湯沸かし器を動かし、水がゆっくりとお湯になって行く。 湯をかぶり、泡立てたタオルで身体を擦る。 「ををう!垢がこんなに・・・・・・」 ついでに頭を洗い、ゆっくりと湯に浸かる。 「はふぅ・・・・・生き返った・・・・死んでないけど」
風呂から上がり、台所を物色。 未開封の無洗米をゲット。 上手い具合にこの家はプロパンガスだ。 炊きたての白米をコンビニから頂戴してきたレトルトカレーで食べる。 「ウマーー!」 久々のカレーライスに思わず叫ぶ。 数日間の滞在後、足の痛みも引いたが運悪く季節外れの台風が関東を直撃した。 この台風でゾンビは一掃・・・・・ 「されるハズないよなぁ・・・・」 自転車を漕ぎながら相変わらず徘徊するゾンビの間を縫って走る。
「今日は俺達の番だぞ・・・・」 「わ・・・・分かってるわよ・・・・」 公民館のバリケード内部で囁き合う声。 答えた方の声はどこか震えている。 建物の裏手で騒ぐ大声や物音。 それらに釣られバリケードの外側にいたゾンビ達が裏に移動する。 外側にいるゾンビが激減した時点で2人の男女がバリケードを乗り越えて屋外へ飛び出す。 手に持ったバットやバールでゾンビを殴り倒し100メートル離れた場所にあるスーパーマーケットに向かう
ガコンッ! 自動販売機の取り出し口に冷えたコーラが吐き出される。 ジャラジャラと釣銭口に100円玉と10円玉、50円玉が落ちてくる。 水滴の付いた缶を素手で掴み出し、プルタブを開ける。 プシュッ!と小気味良い音がする。 一気に喉に流し込む。 「くーーーーー!美味い!!」 キンキンに冷えたコーラの炭酸が喉に刺激を与えながら流れ込んでいく。 「しっかし、発電所がやられたわけじゃなかったんだな・・・・」 送電線の断線が原因だったのか、この辺りにはまだ電気が通っていた。 店内は涼しく、食品も保存状態がいい。 なま物は除いてだが。 店内にもチラホラとゾンビが見える。 しばらくこのスーパーにいようかな? ポテチの袋を開け、中身を食べる。
ゾンビと間違えてやられる展開だな
>>184-
>>187 ヒャッホゥッ!
続きktkr
ありがとうございまする。
>>188 予想、乙
しかし、それを良い意味でどう裏切るか作者の腕の見せ所。
非常にwktk
ニートは時計を見ても今が昼なのか夜なのか 分からなかったがカーテンを開けると暗かったので 夜の二時だと推測した。それだともう二十時間も寝たことになる。 ニートは寝すぎで痛い頭でバファリンを飲もうと決めた。 確か冷蔵庫にアクエリアスが残っているはずだから、食事の前に飲んでおこうと。 すきっ腹にバファリンを飲むのは胃が荒れそうで嫌だったが ご飯も一緒に食べればそう問題ではあるまい。ニートは自分の考えに 満足すると部屋着のまま一階に降りていった。 夜の匂いがするのを不審に思ったのは玄関のドアが開いているからだった。 びっくりし次に急いでドアを閉めに玄関に急いだときニートが 思ったのは泥棒が来たという思いと 妹が酔って帰ってドアを閉めるのを忘れたのか?という二つのことだった。 その二つの思いは微妙なバランスをとって胸の中で浮かんでる。 なぜなら泥棒というのは考えたくなかったし家族はニート以外、みな しっかりした人間だったので酔って閉め忘れるなんてことは 考えられなかったからだ。冷たいドアノブに手をかけた時 後ろを振り返って、そこに泥棒がいないか確認した。 いきなり包丁で刺されたらたまったものではない。自分本位のニートは そう思ったが後ろには誰もいなかった。
191 :
本当にあった怖い名無し :2007/09/05(水) 14:46:55 ID:cixcAM/o0
ニートは風呂場とトイレに行って誰も隠れてないのを 確認するとキッチンのテーブルでご飯を食べながら 妹の部屋に行って玄関の事を聞いたほうがいいのか朝まで待ったほうが いいのか迷ったが妹とは、あまり仲が良くなかったので ドアが開いていたのはたいした事ないと結論つけることにした。 部屋が荒らされてる様子はないし家族の誰かが閉め忘れたのだろう。 冷たくなったから揚げの最後の一切れを口に放り込み ニートはお茶を飲むために立ち上がった。から揚げはニートの大好物だった その頃、ニートの住む町で生き残っているのはもう わずかで、ほとんどの人間がゾンビ化していた。 彼は二十時間寝たと自分で考えたいたが実際は六十八時間寝ていた。 睡眠薬を大量に飲むとそういうことがある。体がリズムをコントロール 出来ないのだ。 ニートはその三時間後、コンビニにおでんを買いに行こうとして ゾンビに食われたそうである。その方が彼にとって良かったのか 悪かったのか誰も知らない。
ゾンビのフリしながら店を出て施錠して去るw
再び自動販売機に行き、今度はコーヒーを買う。 「んぐっ・・・んぐっ・・・。ふう・・・・。今度は肉の冷凍庫でも見てこようかな?」 ポイッ。 カラーン!カラカラカラ・・・・。 コロコロと転がり、止まるスチール缶。 タタタタタッ・・・・。 近づいて来る足音。 グッ! 思いっきりスチール缶の上に乗る足。 ズルッ! 「うわぁ!?」 まるで漫画のような転び方だった。
「うおおっ・・・・・!まるで宝の山だ・・・・・」 内部から冷気が漏れる。 冷凍室の内部に入ってみる。 凍りついた大量の肉がある。 『10/15チラシ用』と書かれた物が多い。 騒動前にチラシ用に用意された品だろう。 「おお・・・・しゃぶしゃぶ用の肉か・・・・こっちはローストチキン・・・・・。これは・・・・南無・・・・」 仏教徒じゃないが、死者には手を合わせる。 白い作業服を着た髭面のオッサンを筆頭に5人の凍死体があった。 多分ここの店員だったのだろう。 スタッフの他に買い物に来た母親とまだ小学生にもなっていないと思われる女の子が このメーターがマイナス20度を指している空間で凍りつき息絶えていた。 おそらく、ゾンビから逃げてこの冷凍室に逃げ込んだはいいがそのまま外に出れずに哀れ凍死・・・・。 ゾンビに生きたまま食われるよりは遥かにマシな死だっただろうと勝手に思ってみる。
「・・・ゎぁ・・・」 カラン・・・。 冷凍室の冷凍装置の駆動音に混じって人間の悲鳴のような声がした。 「・・・・・・取りあえず・・・・・・・」 冷凍室のドアを閉め、護身用に精肉部で使われていたらしい大きな包丁をホルダーにしまって腰の後ろに隠す。 「この・・・・この・・・・」 女の必死な声がスーパーの入り口から聞こえる。 棚の影から双眼鏡でそうっと様子を伺う。 若い女が金属バットでゾンビを殴り続けている。 その足元では若い男が倒れていた。 男の足元には少し凹んださっきポイ捨てした缶コーヒーの空き缶が転がっていた。 「ちゃんと足元見ないと危ないよ」 小さく呟く。 既に自分の視界内だけでも10匹のゾンビが存在しており危険な状態だ。 女は少し膨らんだボストンバッグを担ぎ、ゾンビ達に背を向け脱出を試みようとする。 だが、意識朦朧状態の男が女の足にしがみ付いていた。 「た、助け・・・おいていかないで・・・・」 ゲシッ!
「わお・・・・・」 思わず小声で言ってしまう。 しがみ付き助けを求める男の顔を足で蹴り飛ばしている。 ゲシッ!ドガッ! 「放せ!放せつってんだよ!!」 思いっきり蹴ったらしい。 男の首が有り得ない向きにへし折れた。 力が抜け、男の手が離れる。 「おらぁ!邪魔なんだよ!!」 男顔負けの罵倒でゾンビを金属バットで殴り倒しスーパーの外へと消えてゆく。 ところで・・・・さっきから何かブロロロロッ・・・・ってエンジン音が聞こえている気がする。 あの二人が乗ってきたのか? いや、エンジン音は移動してどんどん近づいてきている。 他の生存者か?
「ぎゃあああああっ!!!」 その思考は先ほどの女の凄まじい悲鳴で中断された。 ガシャンッ!!と、白と黒の車が店に突っ込んできた。 その屋根には堂々とした赤色灯! 見紛う事無い国家権力と正義の車両。 それが、店に突っ込んできた。 ボンネットには先ほどの女が乗っかっていた。 あ、足が折れてらぁ。 パトカーは店内に突っ込み、レジの並んでいるエリアで衝突し停止した。 パトカーから降りてくる警官。 でも・・・・あれは・・・・・・ 「まともじゃぁないな・・・・」 何が可笑しいのかニタニタと笑い、涎をダラダラと垂れ流している。
「ひ・・・ひへへへへへ・・・・ひゃはははははは!!」 その警官は狂った笑い声を上げ拳銃を抜いてシリンダーに弾を込めている。 「は、犯罪者は処刑なんだなぁ・・・・。略奪者は射殺なんだなぁ・・・・」 まだ意識のある女の頭にゴリゴリと銃口を押し付ける。 「謝るんなら今のうちなんだなぁ!許してやらないけどなぁ!」 髪を掴み、頭を引っ張りあげるとその口に銃身をねじ込んだ。 うわっ・・・・・どう見ても歯が何本も折たよ・・・・・痛そうに・・・・。 「痛いかぁ!?助かりたいかぁ!?」 女は必死に頭を縦に振ってる。 「駄目なんだなぁ!!」
発砲音が3回響いた。 女の後頭部から弾丸に削られた肉と脳が飛び散る。 ビクンビクンと全身を痙攣させる女だったモノ。 「ん〜・・・・お前らも処刑なんだなぁ!!」 2回、発砲音が響いた。 ゾンビの胸部に着弾し、ゾンビがよろける。 だが、それだけ。 「ん〜・・・おかしいんだなぁ・・・故障なのかなぁ?」 正気でない警官は銃口を自分のこめかみに押し当てる。 「ひゃははははははははははっ!処刑なんだなぁ!!!」 パンッ! シリンダーに残っていた最後の弾丸が拳銃所有者のこめかみの皮膚を突き破り、頭蓋骨を破砕し脳を破壊する。 バタッ! 警官が倒れる。 再び静寂が戻った。 辺りにはゾンビの呻き声。 首の骨が折れた男がんのっそりと起き上がる。 その目は濁り、口から涎を垂らし生者の肉を求めかつて自分が立て篭もっていた建物に向かう。 その後ろにスーパーやその周囲を徘徊していたゾンビを引き連れて。
200 :
本当にあった怖い名無し :2007/09/06(木) 20:00:17 ID:zZVk0dx80
>>199 カオスwwwww
+ +
∧_∧ +
(0゚・∀・) ワクワクテカテカ
(0゚∪ ∪ +
と__)__) +
警官の持っているリボルバー式拳銃には五発しか入りませんが何か?
確認したわけではないけど、警察には押収した武器を保管する 保管庫みたいなものがあると思うぜ?
楽しく行こうぜ
>>201 あら・・・・・6発だと思ってますた・・・・・・。
ご指摘サンクス。
どんまい
お久しぶり。
>>129 のつづきいきます。
「くそ! ここも進めない!」
オレ達4人は郊外に抜ける為、大学通りを目指していた。
しかし、事故車両や放置車両が邪魔をして思うように進めない。
民家の窓から助けを呼ぶ者もいたが、その周辺には奴らが集っていた。
「自衛隊とか機動隊はどうなったんだ!?」 オレは思わず愚痴る。
「どうせ発砲許可下りずに仲間入りか撤退だろうな。 撤退できた部隊は運がいい方なんじゃないか?」
「ラジオでも生きてりゃな。 情報が無さす… んぁ!!」
「なんだよ、川本! びっくりさせんな!」
オレは自宅に無線機があるのを思い出した。
「西田! オレん家寄れっか!?」
エッ(゚Д゚≡゚Д゚)マヂ? 「ここからだと20分ぐらいか。 なにするんだ!?」
「無線機取りに行こうと思うんだ。 情報流れてるかもしれんだろ」
ъ(゚Д゚)グッジョブ!! 「それいいね!! とその前に…」
「なんだよ」
「ガソリンがない」
Σ(゚Д゚;エーッ! 「えー!!」 三人同時にびっくりした。
「西田君、本当にガソリン無いの?」 渡辺さんが聞き返した。
「ないよ。 ほら」 メーターを指さす。
給油ランプが煌々と輝いていた…orz
「さっきのセルフに寄るよ。 動いてるといいんだけどな」
そういうのは早めに言ってくれ…
さっき通り過ぎたセルフスタンドに着いた。 辺りには今のところ誰もいない。 スタンドにはドアが開いたままの車が止まっていた。 ボディには黒い染みが付いている。 此所でも惨劇があったのか… 給油口に一番近いオレが下りた。 前払い式の給油機だ。 モニタには電源が供給されているようだ。 「いけそうだぞ」 オレは財布から札を取り出し、給油機へ挿入する。 「ハイオク押して…」 がうん! うんうんうん… お! 動いた! カウンターが忙しなく回っている。 その時… 「兄ちゃん、 そこで何してんの〜」 !? 声の先に目をやった。 そこにはニヤニヤと笑みを浮かべたスーツ姿の男が2人いた。 いつから居たんだ? さっき確認した時は居なかったのに… 隠れていたのか? 手には鉄パイプ、バットを持っている。 抜かったな… 強盗か…
「ガソリンを入れているだけですが、何か?」 オレは平然を装って車内に目配せをした。 渡辺さんと西田は軽く頷いて準備を始めた。 「どこから来たのかな〜 で、その上の荷物なんなの〜」 やはりそう来たか。 「○×町から逃げてきた」 休まず給油する。 あと少し。 「へ〜 兄ちゃんさ その荷物下ろしていってくれねぇかなぁ〜。 俺達困ってるんだよね〜」 小太りの男はニヤニヤしながら少しずつ近づいてくる。 「後部座席に隠れてる姉ちゃんも下りてくれねぇかな〜。 俺達寂しがり屋なんだよね〜」 森さんがびくんと震える。 長身の男はくちゃくちゃとガムを噛みながら素振りを始めた。 やる気だ… 「今からさ、そっち行くから〜 前に乗ってる人も出てきなよ〜 楽しもうぜ。 ひひひ…」 「男は車から離れてくれるかな〜 前に乗ってる男も離れろよ!」 がくん! 給油完了! 給油キャップを閉める。 「おいおい兄ちゃん離れろって言っただろ! 前の奴もとっとと出てこい!! 痛い目に遭うぞ!!」 がちゃ… 渡辺さんが出てきた。 ライフルは持っていない。 「ひゅ〜♪ いい姉ちゃんじゃねぇか。 さっきのより全然いいぜ! あとで遊ぼうな!」 がちゃ… 西田が出てきた。 (;゚д゚)ァ.... 怒りモード100%だ… 知らねぇぞ… 「なんだぁ? その面は?」 小太りの男が凄む。 森さんがオレのライフルを用意してくれた。 やりたくないが… すたすたすた。 西田が前に出る。 ライフルを携えて。 「お… おい… なんだよお前…」 さっきまで威勢の良かった長身の男は後ずさった。 小太りの男が長身の男を押しのけ 「ふん! そんな玩具で何が出来るってんだ!」 馬鹿が! 猛然と突っ込んできた! ばす!ばす! ばす!ばす!
「ぐぎゃあぁ!!」 太ももと右腕に一発ずつ着弾。 男はもんどりうって倒れた。 オレは素早く森さんからライフルを受け取る。 長身の男は動けない。 「私達もこんな事したくないんです。 その人を連れて行ってください」 オレは生きた人に危害を加えたくない。 長身の男は慌てて小太りの男を抱え逃げていった。 西田は二人が路地に入るまでライフルを下ろさなかった。 「あんな奴、死ねばいいんだ!」 西田はまだ落ち着いていなかった。 オレも死ねばいいと思うけど、この手で殺すのは… 「あの人達、私を見て“さっきより全然いい”って言ってた…」 確かに言ってた… まさか… 渡辺さんには車に残ってもらった。 オレ達は店の中を探る。 そこには信じられない光景が… 女性が二人、机に縛られている。 顔は腫れ上がり体には暴行を受けた後があった… オレは静視出来なかった… あまりにも惨たらしい仕打ち… 生きた人が生きた人を陵辱する… 怒りと憤りを押さえられなかった。 そして後悔の念に包まれた… オレはなぜあいつらを逃がしてしまったんだろう… 西田は二人に歩み寄りロープを解く。 女性は涙を浮かべていた… オレ達を見て怯えている。 恐怖のあまり声を上げる事すら出来ないのだろう。 二人は自由になった。 その瞬間、わぁと泣いた… 着衣は破り捨てられ床に散らばっている。 奥に陳列棚に被せるシートがあった。 西田はそれを彼女たちに掛けてやった。 西田は怒りに打ち震えている。 こんな事があっていいのか? こんな状態だからこそ助け合うんじゃないのか? 「川本…」 オレは西田が考えている事が分かった。 いや、分かっていた。 オレも同じ考えだからなのだろう。 「お前だけ行かせないからな」 西田だけ行かせる訳にはいかない。 あいつらを放っておいたら犠牲者が増えるかもしれない。 正義を振り翳すつもりもないが黙認などできない。 「よし!」 早速準備に取りかかる。 車に戻り二人にやらなければならない事を話す。 二人の女性を保護し、街を出るよう伝えた。 今日はここまで (=゚ω゚)ノジャ、マタ!!
210 :
本当にあった怖い名無し :2007/09/07(金) 17:04:08 ID:meFRJxRA0
>>209 __,冖__ ,、 __冖__ / // ,. - ―- 、
`,-. -、'ヽ' └ァ --'、 〔/ / _/ ヽ
ヽ_'_ノ)_ノ `r=_ノ / / ,.フ^''''ー- j
__,冖__ ,、 ,へ / ,ィ / \
`,-. -、'ヽ' く <´ 7_// / _/^ 、`、
ヽ_'_ノ)_ノ \> / / / _ 、,.;j ヽ|
n 「 | /. | -'''" =-{_ヽ{
ll || .,ヘ / ,-、 | ,r' / ̄''''‐-..,フ!
ll ヽ二ノ__ { / ハ `l/ i' i _ `ヽ
l| _| ゙っ  ̄フ.rソ i' l r' ,..二''ァ ,ノ
|l (,・_,゙> / { ' ノ l /''"´ 〈/ /
ll __,冖__ ,、 > >-' ;: | ! i {
l| `,-. -、'ヽ' \ l l ;. l | | !
|l ヽ_'_ノ)_ノ トー-. !. ; |. | ,. -、,...、| :l
ll __,冖__ ,、 |\/ l ; l i i | l
ll `,-. -、'ヽ' iヾ l l ;: l | { j {
|l ヽ_'_ノ)_ノ { |. ゝ ;:i' `''''ー‐-' }
. n. n. n l | ::. \ ヽ、__ ノ
|! |! |! l | ::. `ー-`ニ''ブ
o o o ,へ l :. |
/ ヽ :..
>>209 前半 なかなかスカッとした
後半 がんがれ!!
というわけで乙。焦らずマイペースでよろしく
212 :
本当にあった怖い名無し :2007/09/07(金) 23:30:18 ID:KjG7ZTfm0
「うわ・・・・意外と重いな・・・・」 死んだ警官から拳銃を取る。 弾丸は撃ち尽くしたはずだが慎重に弄り回す。 拳銃には詳しくないが触ってるうちに排莢した。 取り合えず、死体を店外に運ぶ。 事務所から失敬した鍵束でシャッターを下ろす。 自動ドアの電源を切り、ゾンビを一体ずつ店外へ連れ出し最後のシャッターも閉じる。 レジに衝突しているパトカーのエンジンを切り忘れるところだった。 排ガスで中毒死なんてシャレにならないから。 エンジンが止る。 何気なく、後部座席を見る。 「うおいいぃぃぃぃ!?」 思わず叫んだ。 本気で驚いたから。 さっきの警官、階級は巡査長だったはず。 だって身分証で確認したから。 で、なんで一介の巡査長がこんなに武器持ってるんだよ!? 自動拳銃、弾丸の詰まった金属ケース、サブマシンガンに手榴弾からロケットランチャーまで・・・・・。 ・・・・・・きっと、自衛隊の放棄した装備を集めまくっていた武器マニアの警官なんだろう。 うん、そう言う事にしておこう。 こんな世界だ、こんな事もあるさ、うん。 深く考えたら負けかなと思っている。
乙です。 あと、どんまいッス!
>>213 乙!
いいねいいね、そのご都合主義ww
wktk
乙!!!続きにwktk
217 :
本当にあった怖い名無し :2007/09/08(土) 22:14:26 ID:/fS0tpJJ0
>>213 いいよいいよwww
マニュアル見て戦車動かせたとか
パワーゲインが10倍あって赤い戦車が通常の3倍(砲塔)あってとか
夢だった!!
そんな展開を期待しつつwktk
218 :
本当にあった怖い名無し :2007/09/08(土) 22:50:04 ID:PWsgU1b10
ウィンチェスターへいこう!!!
>>201 いちおうS&WのM10が未だに配備されてるということもあるにはあるらしい・・・
まあ、いいじゃん。そこまでつっこむこたあないぜ^^
グイッ! 最後のコンセントを引っこ抜く。 これで最後のレジスターが停止した。 これで取りあえず漏電の危機は去った。 火薬類が山ほど積載された車両に引火なんかしたら最悪だ。 あ、当然今後の事を考えてレジの中から紙幣は回収済み。 金庫もあったが頑丈なので却下。 一息つき、ジュースを飲む。 一通り散策してみる。 収穫は・・・・・・ 食料・たっぷり。 飲料・たっぷり。 魚・冷凍以外腐ってた。 肉・同上。 野菜・腹壊す覚悟が必要。 銃火器・過剰。 移動手段・店員が従業員用駐車場に乗り捨てていった4WD。 4WDに銃火器、食料、飲料、ガスボンベをいざと言う時のために積んでおく。
その夜、一人宴会気分を楽しんでいたら邪魔が入った。 シャッターが破られ、近辺に潜伏していたらしい飢えた暴徒が30人位殴りこんできた。 手にはバットやバールのような物、武器になりそうな物は何でも使っていた。 すかさず自動拳銃を構える。 はっきり言って撃ったこと無い。 練習もしていない。 「動くな!」 一応、警告はする。 だが相手は無視して近付いてくる。 ハッキリ言ってゾンビは怖くない。 生理的に気持ち悪いだけ。 そもそも、ゾンビの方がこっちを餌と認識しないんだから。 やっぱり、一番怖いのは人間だなぁ。 一発撃ってみる。 あらら・・・・やっぱり外れたか・・・・。 身を守るためだ、仕方がないよ、うん。 自分を納得させ、撃ちまくる。 あらら・・・・・やっぱ自分には射撃センス無いな。 一発も当たっていない。 うーん・・・・リロードの方法なんてまだ知らないぞ・・・・・。 うん、最終手段だ。 悪く思わないでね。
パトカーの中から見つけておいた機関拳銃を狙いも定めずに乱射する。 うわっ!? 反動すごっ! 下手な鉄砲数撃ちゃ当たる。 運良く?一発が暴徒のヤンキーの太ももに当たった。 「ごめんねー!怪我無かったー!?」 いや、あるだろう。 自分でツッコミを入れながらも暴徒が食料略奪に夢中になっている間にスーパーのバックヤードに走りこむ。 あらかじめ配置しておいたロッカーを倒して障害を作りながら逃走用車両に走りこむ。 キーを回し、エンジンをかける。 1ヶ月近く放置されていたためかなかなかエンジンが掛からなかったがそれでも両手で数えられる回数の間に エンジンが動き出した。 えーと・・・確かクラッチ踏みながらシフトレバーを・・・・・(無免許です) 試行錯誤の末、木製の門を突き破って逃走成功。 ある程度距離稼いだら速度を落として運転の練習をする。 「・・・・・・まだ学科しか教わって無かったのに・・・・・」 所有免許は原付のみ。 だからくどいようだが無免許です。 その日は高速道路上で停車し車内で夜を明かした。 翌朝、起きてから軽く運動をする。 エコノミークラス症候群対策には運動が一番。
高速を降り、一般道を走行する。 「うーん・・・・やっぱり通行不可だよなぁ?」 双眼鏡で前方を見る。 距離は約150メートル。 多重事故がかつてあったらしく道路が塞がれている。 戻るのは面倒臭い。 チラッと、後部座席の筒状の火器を見る。 やっぱり武器マニアだったあの警官の私物らしき本によると・・・・ 『110mm個人携帯対戦車弾』 と書いてあった。 よく分からん。 以下、ロケットランチャーと呼ぼう。 セットになっていたロケット弾を使うのか? 本を参考にセットアップ。 何事も経験あるのみ。
「どうだ!?」 「駄目だ!全く通れない!」 「何か食い物は!?」 ターゲット近辺の不幸な一行の会話だった。 「えーと・・・・これでいいのかな?・・・・・よし・・・重い・・・・・」 「何も無い!おっ・・・・?向こうに誰かいるぞ・・・!!おーい!!」 「よーく狙って・・・・・。あ、発射時に何か言ってみようかな・・・・?」 「な、何かあいつ構えてるぞ!?」 「てーーーっ!!」 カチッ・・・・・。 安定翼を展開した砲弾が一直線にスクラップの山に向かって行く。 「み、ミサイル!!?に、逃げろおおお!!!」 着弾。 発射側からは見えなかったプロパンガスを満載した軽トラックも爆発の洗礼を受ける。 「うわ・・・・・すげぇ・・・・・」 ガソリンタンクの爆発やらいろんな爆発で綺麗さっぱり・・・・とは行かないが通行可能になったらしい。
>>224 ムゴイ……けど、
そこにシビれるアコガれるぅ!
228 :
本当にあった怖い名無し :2007/09/09(日) 13:57:45 ID:XOiv2vO60
>>224 ノリがいいよ!!
面白いよ!
続きwktk
ん〜 かってのウォーターメロンだかを髣髴とさせる独りよがりのノリのよさだなw 最近真面目な作品が多かったから思い切って恥けてくれ wktk
230 :
本当にあった怖い名無し :2007/09/10(月) 16:24:47 ID:YMiHbL/E0
ゾンビば
231 :
本当にあった怖い名無し :2007/09/10(月) 16:26:11 ID:YMiHbL/E0
>>224 . ∩____∩゜.:+___∩: :.+
ワク. | ノ ヽノ ヽ+.:
:.ワク/ ● ● | ● ● | クマ
ミ '' ( _●_)''ミ'' ( _●_)''ミ クマ
. / ._ |_/__ノヽ__ |_/__ノヽ
-(___.)─(__)__.)─(__)─
233 :
本当にあった怖い名無し :2007/09/10(月) 22:43:34 ID:VYmjzoRaO
ホソュ
もうすぐ公開のロドリゲスの映画はゾンビ出るの?
黒焦げになったスクラップが燻り、未だ高熱を保っている。 爆発の爆音に建物の中から、路地からゾンビが姿を現す。 「・・・・・今のうちに通っておくか・・・・・」 アクセルを踏み、ゆっくりと爆発で吹き飛んだスクラップの間を通行する。 バラバラになった黒焦げ死体の次に背中に金属の突き刺さった死体を発見。 「全く・・・・誰に殺されたんだ?」 直にゾンビの餌となる遺体から視線を前方に移す。 ひっくり返った4WDがあった。 燃料タンクが爆発したのか車体はまだ燃えており、後部座席に2人の成人と1人の焼死体がある。 「なんまいだなんまいだ・・・・」 一応、死者に敬意を払う。 スクラップと残骸の間を通り抜け、その先は殆ど障害も無く走行した。
「・・・・・・・・・駄目だな」 翌日、自分の迂闊さに頭を抱えた。 「か〜!!ガス欠か・・・・・」 仕方が無く、4WDを捨てる。 運良く、乗り捨てられた軽自動車(しかも鍵付)をすぐに発見し荷物の取捨選択を行う。 ロケットランチャーは重過ぎるし砲弾が1つだけだったので放棄。 銃は機関拳銃2丁、自動拳銃2丁に手榴弾のみを持っていく。 マガジンは全部で6つ。 弾丸をマガジンに込める作業も意外と手間だ。 バラの弾が詰まった金属ケースを後部座席の床に置く。 銃の安全装置を施す。 カーラジオの情報から察するに、武力を持った市民(?)の集団が未だ略奪を繰り返している可能性が高い。 すぐ手の届く場所に機関拳銃を1丁配備し、残りは隠す。 アクセルを踏み、カーラジオのチャンネルを回す。 『・・・・て下さい。繰り返します。移動手段のある方々は速やかに安全な場所へ移動して下さい。 決して略奪や暴動など起こさず避難をしましょう』
237 :
本当にあった怖い名無し :2007/09/15(土) 09:42:44 ID:FwbvWMrEO
保守
保守
ち
240 :
sage :2007/09/17(月) 05:07:34 ID:CWVQo6+FO
久々の良スレ 保守
二日前からだれもいない民家にこもってます。 ゾンビーと暴徒が恐ろしくて外にでようとは思えません。 この家には武器になりそうなものはありません。包丁とか無い。 元住人が持っていった用です。 食べ物は少しありましたが、ホントに少量でつめて@2〜3食程度です。カップラーメンをおゆなしでばりばりくってます。 暴徒とゾンビこわいです。 生きていたらまた書き込むかもです。
242 :
本当にあった怖い名無し :2007/09/17(月) 23:54:54 ID:Eq8ufTqa0
あれ?庭に女がいる・・・?
じゃあ食おうぜ。最近生きてる人間なんて珍しいし
かゆが美味いです。 みんなもどうですか。
まぁ、確かに暴徒は厄介だ。 平時なら武器を持った奴が目撃されれば警察に通報が行く。 が、現状では武器は身を守る為の必要な物であり、日本中が混乱に包まれた直後の政府の公式発言でも 自衛隊や警察組織の保護下以外での一般市民の武装は許可されているし自身の身を守る為の殺人も正当防衛の 延長線上で適用されると言う放送を聞いた。 サクッ・・・・・。 スティック状のスナック菓子を食べ、缶ジュースをグビグビと飲む。 キィ・・・・・・。 ブレーキを踏み、車が停車する。 現在地は町から大きく離れた山の中。 日が沈み、暗くなってきた。 夜間の運転は苦手だ。 ライトを消す。 窓・フロント・リアガラスをカーテンで隠し天井からランタンタイプのLEDライトを吊るす。 DCからACへの変換機器で動かしているポットのお湯をカップラーメンに注ぎ数分待ち、ラーメンを食べる。
追い付いたwktk
今からゾンビ討伐オフ行ってくるわノシwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww 帰ったら報告するぜwwwwwwwww
『・・・・繰り返します。…手段のある方々は……かに安全な場所へ移動して下さい。 決して略奪や暴動など………ましょう』 壊れかけラジオです。 いつもならグルーブライーン聴きながらまだ仕事してる時間だな、、 どの時間もどの局もこれしか流してないのかな、、 相変わらず外では悲鳴とか奇声とかなんかよーわからん爆発音とか聞こえます。 不安でいっぱいです。 こんなときはデパス+ジン。これです。
自分は今家の二階にいます。 1階は雨戸を閉めて階段にはドレッサーとかタンスでバリケードをこさえてあいつらの侵入に備えていますが、 おかげで1階部分は真っ暗、もし何か居ても逃げるのが容易じゃないし、そう考えると下に降りるのが億劫だなと思うようになってしまいました。 今自分はデパスのおかげで気分が高揚しています。ばりばり噛み砕きながらジンをあおります。 なんか勇気でました。1階に降りて何かイイモノないかもう一度さがしてみることにします。 このままじっとしてても食べるもの無くなるし。うん。
人類破滅小説の最短記録達成記念作品!! 「番組を変更して臨時ニュースをお伝えします。世界各地で死者が蘇り・・・・」 っておい、これTV東京だろ・・・
缶ジュースが好きな地球最後の男 結末を楽しみにしてるぜ
>>245 + +
∧_∧ +
(0゚・∀・) ワクワクテカテカ
(0゚∪ ∪ +
と__)__) +
254 :
本当にあった怖い名無し :2007/09/19(水) 13:06:35 ID:MPRMv6G10
ゾンビよりは「鄙見沢症候群」ネタだな
宇宙人の攻撃だな
スペース・ゾンビ?
600人位が見物に来て気分を悪くして何人かが病院にいったらしい アホスw 死=ゾンビ だと虫とか気になる…
アンデッドという映画があってだな…
翌日。 遂に静岡県内に進入。 「これまた厄介な・・・・・」 思わず溜め息をつく。 港から出る船で逃げる為に車で移動したは良いがあちこちで渋滞が起こり結果として大量の遺棄車両で殆どの道路が 自動車での通行が不可能になってしまっていた。 仕方なく、持てるだけの物を持つ。 数十分歩いた所で遺棄されたママチャリを見つけた。 「・・・・・・・・あらま・・・・・」 ママチャリは倒れている状態だった。 それだけなら別に気にも留める必要は無い。 だが・・・・その荷台に取り付けられた子供を乗せる座席に問題があった。 「・・・・・・母親に捨てられたか?」 幼稚園の園児服を着た子供が座席に転落防止のベルトで固定されていた。 身体のあちこちが食い千切られ肉が異臭を放っている。 間違いようも無く、ゾンビだ。 「可哀想に・・・・・・」 ターンッ! 拳銃の発砲音と共に射出された弾が幼稚園児ゾンビの頭部を貫通する。 脳を破壊され活動を停止したゾンビは完全な死体と化した。 子供用の座席を取り外し、荷物を載せ荷紐で縛りつけ先に進む。
『次のニュースです』 ハンドルからぶら下げた携帯ラジオのスピーカーからニュースが流れる。 『本日、アメリカ合衆国政府との連絡が途絶したと自衛隊による臨時政府から発表がありました。 合衆国大統領及び政府要人の安否が気遣われます。 では、次のニュース・・・・おい・・・・これは本当なのか? ・・・・・そうか・・・・。し、失礼しました。 ロシア軍の偵察衛星が中国の北京及び上海にて熱核爆発を感知したとの事です。 詳しいことはまだ分かりませんが、中国国内のミサイル発射施設から北京、 上海へ核ミサイルが発射された模様です。 なお、未確認情報ですが中国人民解放戦線と名乗る軍のクーデターとの説もあります。 詳しい状況が分かり次第、次のニュースをお送りします』 「・・・・・・放射能・・・・・来るか・・・・・?」 思わず背筋に寒気が走った。
ここで一休みして設定などをば・・・・・・。 設定。 ゾンビの基本はロメロゾンビ。 生前の習慣を基本行動としている。 自然死・自殺の場合でも脳に損傷が無い限りゾンビと化す。 噛まれた場合は高熱でうなされた末にゾンビ化。 ゾンビは世界同時多発。 初期はチラホラ発生していたが警察や各国の軍に暴徒として処理されていた。 しかし次第に警察や軍の対応から漏れ出し大量発生となった。 こんな所です。
面白かったッス。
一階を再捜索してみると、いくつかこれからの為になりそうなものを見付けることができました。 ウィンブルドンのボストンバックと、タオルと少しの衣類と、HA☆KA☆TA☆NO塩です。 食料が底をついて数日経ちましたが、空腹で段々体に力が入らなくなってきているのを感じます。 このままでは餓死とかしちゃうんじゃないのか、それなら動けるうちに動かねばと思いこの家をでることにしました。 準備を済ませ、周りに注意しながら外へ出ます。 約一週間ぶりの外の空気は、なんだか乾燥しているように思えます。
これって誰でも書いていいのかなぁ。
>>267 とりあえず時間はかかっても最後まで書ききる奴限定
何も考えないで書きなよ。途中でやめてもいいからやってみるといいよ。 伸びないほうがつまらない。
メモ腸に作品書ききってからチビチビ投稿してみたらいいかゆうま
私の名前は宮本新二。陸上自衛隊員だ。あの日から私の運命は決まっていたのかもしれない。そう、あの日から・・・ 2010年9月12日以来日本は国として機能しなくなった。その原因は9月の初めに起きていた。最初は殺人事件として取り上げられていたが、日がたつにつれ同じケースの殺人事件が増えていった。 9月11日、私は久しぶりに家でゆっくりとテレビを見ていた。ニュースの特集で謎の殺人事件といったものがやっていた。 「今日は専門家のOOさんにスタジオにお越しいただきました。OOさん、この殺人事件は一体どういった人が犯人なんでしょうね? 死体には必ず噛み跡がありますよね。これは一体なんなのですか?」 「詳しいことはまだはっきりとはわかりませんが、私の考えではこの犯人は麻薬中毒者だと思います。おそらく今までに無い新しい麻薬による中毒だと思います。」 私はその放送を聞いて(麻薬中毒・・・にしてはたちが悪くないか?・・・)と思っていた。 その放送を聞いてから私は近くのコンビニに買い物に出かけた。ニュースの放送のせいか、人が歩いていなかった。私はコンビニについてからタバコと酒を買って帰った。
続き投下させていただきます。 9月12日、私は朝8時に起きてすぐに駐屯地の同僚の谷口から電話が来た。 「おい、宮本急いで駐屯地に来い。いいなすぐ来い。理由は後で話すいいな。」 そういって一方的に電話を切られた。私には一体何が起きたのかわからなかった。しかし、あの冷静な谷口があわてて電話をしてきたのだからただ事ではないのだと思った。 急いで服を着替え、車を止めてある駐車場に行った。不思議なことにこの時間帯なら人がいてもおかしくないのに誰一人もいなかった。そして車に乗って10分ぐらいで駐屯地の入り口まで付いた。 珍しく入り口の前の警備の人数か多かった。しかしすぐに中に入って自分の着替えのあるところに行き着替えて谷口のいる場所に向かった。確か谷口は食堂にいるって言ってたのですぐに行った。 建物の中はあわただしく誰もがあわてていた。食堂で谷口に会って説明を聞こうとしたらテレビからある放送が聞こえてきた。 「午前7時に政府から非常事態宣言が出されました。それ以来、首相官邸にはあわただしい雰囲気がただよっています。政府の発表声明は日本各地で起きた暴動が起きたためです。非常事態宣言が出された後の政府からの回答はまだありません。」 とテレビから同じ放送が流れていた。私は何がなんだかわからなかった。(非常事態宣言?・・・なんで政府が・・・ただの暴動じゃないな・・・)私のどこかがそう思わせていた。 「谷口、上官からの命令は何かないのか?」「いや、現状のまま待機していろだそうだ・・・なあ、宮本この暴動どう思う?俺はただの暴動じゃないと思うんだが・・・」 「ああ・・・そうだな・・・」それからすぐに自分の上官に第2会議室に集まるように言われた。 「君達に集まってもらったのは他でもない暴動鎮圧のためだ。今回起きた暴動は非常に危険なため武器の携帯が許可された。」
すいません長くなったので分けて投下させていただきます。 それを聞いた私達は驚いた。そもそもこの日本で暴動などありえないのに、さらに政府が武装許可を出すなんておかしい。そう思いながら私達は隣の者たちと話していた。 「落ち着け。これより私達は県警の機動隊と暴動鎮圧を行う。30分で装備を終わらせろ。いいな、解散。」 それを聞いた私達はすぐに武器庫に行った。行く途中私は谷口と話していた。 「俺の言ったとうりだろ。絶対やばいってこの暴動鎮圧。そもそも俺達自衛隊員が武器を持っていくのがおかしいだろ。」 「ああ、そうだな。確かにそうだけど、私達は自衛隊員なんだ。国を守るためにしなくてはならないことなんだろ。今回の暴動は。」 そう言い合いながら武器庫に着いた。中は人が多く入っていた。私は89式小銃を持った。訓練で使ったことがあるのに今は訓練のとき以上に重く感じられる。武器を持って集合場所に行った。 「よし、全員そろったな。各員車に乗れ。」 私のいる隊はそれを聞きすぐにトラック、軽装甲機動車に次々に搭乗していった。
これで最後です。 そして暴動鎮圧のために大通りにすでにいる機動隊たちと合流した。それから5分もたたないうちに暴徒が現れた。その数、約500。指揮官が拡声器で叫んだ。 「皆さん、すぐに暴動をやめなさい。我々は陸上自衛隊です。すぐに暴動をやめなさい。我々には発砲も許可されている。速やかに暴動をやめなさい。」 しかしそれを聞いても暴徒は解散しなかった。しかし、変に思えた。やつら怪我をしているように見えた。それからまた指揮官が言った。 「全員、威嚇射撃用意・・・構え・・・撃て。」パン、パンパンパン、パン・・・・ しかし暴徒はとまらずこっちにやって来た。それを見た私は目を疑った・・・腕がないものや、骨が見えているのがいたのだ。 「う・・・うあーーーー」そう発狂しながら自衛隊員の一人が銃を撃ち始めた。パパパパパパパパパ・・・ それをきっかけに発砲命令が出ていないのにほとんどのものが撃ち始めた。なんてことだ・・・「おい、まだ撃つな、撃つんじゃない。」指揮官が必死に言っているが、聞こえていない。 先頭にいた機動隊員が暴徒に捕まれのど元を食いちぎられた。「ぎゃーーー」機動隊員の断末魔が聞こえた。「くそ、何で倒れないんだ・・・弾が・弾が・・うわーーー」次々と暴徒に機動隊、自衛隊員が殺されていった。 「おい、谷口一旦逃げよう。このままじゃ全滅だ。」「何いってるんだ、仲間がやられてるんだぞ、黙って逃げれるかよ。」 そういった瞬間、谷口に暴徒が襲い掛かった。「うあーー助けてくれ宮本、助けうあーーーーー」私はその光景を見てすぐ逃げ出した。友を見捨ててでも助かりたかった。 そして何とか逃げて今はこの倉庫の中にいる。しかしここも見つかったようだ最後にタバコを吸って、けん銃を頭に突きつけた。 「すまないな、谷口。先に一人に逝かせちまって・・・でも俺もすぐ逝くからな。」パン・・・
投下させてもらいました。誤字脱字、文法的用法が間違ってるかもしれないのですいません。
稚拙な文章だなぁと思ったけどじゃあお前が書けとか言われると困るから黙っていよう)Oo。.(´-`)
>>276 じゃあ、お前が書け!
えっ!?ちょ……書けって言っただけで誰もしゃぶれって……うっ……
アァーー……カユウマ……
「今日はここに泊まるかな?」 久々に定番のコンビニ事務所宿泊と決定。 店内を見回すがめぼしい食料や飲料水は無くなっていた。 「まぁいいや。おじゃましまー・・・・・」 チャ・・・・・。 ドアを開けた所で凍りついた。 顔面に向かって散弾銃の銃口が突きつけられたからだ。 「な、なななな・・・・?」 散弾銃を持ってるのは初老のスーツ姿の男だった。 「出て行け・・・・!人間は撃ちたくない・・・・・」 「あ・・・あんた・・・・あれは・・・・・」 事務所の奥の二人の人影に気付いた。 初老の女と10代後半の女子学生が両手足を縛られ床に転がっていた。 紛れも無い拘束状態だ。 人間として許されない行為だ。
・・・・・・・・・その二人が人間ならば・・・・。 室内に漂う腐臭。 換気扇が臭いを室外に排出してるとは言っても臭う。 「なんで、殺してないんだ?」 「30年連れ添った妻とやっと出来た私の娘だ・・・・・。二人は私が守る・・・・!!」 「・・・・・・・・・・わかった。でも、後ろからズドンはやめてくれよ?」 「いいから行け・・・・」 当てが外れコンビニから追い出され仕方なく再び自転車をこぎ始める。 「やれやれ・・・・・」 数キロの移動後に別のコンビニを発見、宿泊を決め込む。 レトルトおでんを発見、スタッフじゃないがその後に美味しく頂いた。 パキッ・・ペリペリ・・・・。 パッケージを開け、歯ブラシを取り出す。 歯磨き剤をチューブからひり出し、歯を磨く。 虫歯になっても歯医者はもういないから。 それ以前に医者自体いないだろうから病気になったらおしまいだ。 もうすぐ冬だ。 明日はドラッグストアでも探そうかな?
キコキコキコキコ・・・・・・。 自転車をこぎながら辺りを見回す。 「お・・・・・量販店だ・・・・・ちょっと覗いてみるかな?」 中は殆ど汚れていない。 暴徒や生存者が付近にいたとしてもその目的は武器や食料。 家電製品には目もくれないはずだ。 まぁ、レジの中の金は奪われてるが。 展示されているテレビはどれも同じ映像を映している。 隔離されている比較的安全な場所からの放送なのだろう。 地上波アナログ・衛星・ケーブル放送はまだ生きている。 そう言えば、結局あれから5年以上経つけど完全地デジ化はやっぱり無理だったか。 相変わらず、非地デジテレビが生産されていたし・・・・・。 相も変わらず誰も責任を取らない失政だったな。 『生存者の方々は集団で行動し、決してゾンビとの肉体的接触は避けるようにしてください』 既に、何処に逃げれば安全かは言っていない。 自衛隊が生存者救出部隊を作ったといっているが効果は疑問だ。
「お、これいただき」 倉庫で最新式のノートパソコンをゲット。 コンセントでバッテリーを充電しながらセットアップを進める。 OSのアクティブ化もインターネット経由で成功する。 つーか、こんな状態でもアクティブ化が成功するなんて・・・・・・ある意味すげぇよ。 衛星インターネットのセットも頂戴しておく。 さて、次はドラッグストアだ。 栄養剤、風邪薬、胃腸薬、傷薬、消毒液をリュックに詰める。 処方箋コーナーにも行き、抗生物質をいただく。 っと、あまり欲張らないようにしておこう。 足はチャリなんだし・・・・・。 タタタタタタッ・・・・・・。 そんな音が聞こえた。 次に爆発音。 見れば自衛隊のヘリがまるで逃げるように急上昇しその姿を小さくする。 だが、まだ発砲音は続いている。 周囲を警戒しながら音源を捜す。
あっさりと見つかった。 一台の戦車。 その上で機関銃とライフルを撃つ自衛隊員。 「うわ!?は、離せこのお・・・!ぎゃああああ!いだいいだいいだい!!!!!」 ライフルに弾丸を再装填していた自衛隊員がゾンビに引き摺り下ろされあっという間にその姿を消す。 「ちっくしょおおおぉぉぉぉぉ!!!」 機関銃を撃ちまくる最後の自衛隊員。 「・・・・・・ここで見捨てるワケには行かないでしょ」 機関拳銃の安全装置を解除し、目標も定めずにトリガーを引く。 スプラッター映画顔負けの惨状と生臭い臭いが鼻をつく。 ゾンビを掃討し自衛隊員の所に駆け寄る。 「ちっ・・・・・まさか民間人に助けられるなんて・・・・・。 でも・・・・残念ながら俺はもう噛まれちまってたんだ・・・・・。 お前に、コレやるよ」 そう言って親指で示したのは・・・・・。
そういって親指で示したのは・・・・・。 「は・・・・?せ、戦車・・・・!?いや、そんな簡単にやるよって言われても・・・・・・」 「燃料はまだたっぷりある。TK−X戦車だ・・・・運転が心配か?ぶつけた程度じゃ壊れんよ・・・・・。 暴徒に奪われたら事だ・・・・・・。ま、あんたがそうじゃないって保証は無いが・・・・・生きてる奴に 使ってもらいたいしな・・・・・」 (補足・TK−Xは2010年装備予定の戦車) 「・・・・・・戦車か・・・・・」 確かにこれがあればチャリより早いだろう。 遺棄車両の心配もする必要も無い。 よし、もらおう。 貰える物は貰う主義だ。 まぁ・・・・この自衛官の兵器を民間人に譲ろうという意識は問題あると思うが。 ターンッ! あ・・・・この人勝手に自己完結して自殺しちゃったよ・・・・・・・。 まぁ、いいか。 よし、この戦車貰おう。 一度乗ってみたかったんだよなぁ・・・・・戦車とドリルは男の浪漫だ。 うん、そう言う事にしておこう。
いいねえ、ご都合主義まみれの作者の自己中っぷりwwww 批判じゃないよ、賞賛だよ。 これからも好き勝手に話を進めていってください。
まぁまぁそうやっきになることはありませんよ 完結させる事ってむつかしいよね。 書く時はトリップ必須ですよね?
>>283 普通におもしろいよwww
続きwktk
288 :
本当にあった怖い名無し :2007/09/24(月) 20:21:57 ID:aOtkdogC0
うん 俺も好きだw 単なるご都合主義じゃなくてツボをしっかりと押さえているからなのかなぁ? 無理のある展開が何故だか受け入れられるのがふしぎw
289 :
本当にあった怖い名無し :2007/09/24(月) 21:32:29 ID:rjksbYewO
何気に面白い
面白いよ 続きに期待
90式戦車の燃費は異常に悪いけど新型は燃費も向上したという設定ですね><
293 :
本当にあった怖い名無し :2007/09/26(水) 03:56:48 ID:LGV5VUCCO
何で陸士が自宅から通勤してんだよ
ガチャッ! ハッチを閉め、内部からロックする。 内部は意外と居住性に優れている。 「えーと・・・・ここかな?」 運転席と思われる場所に座る。 「・・・・・・エンジン、どうやってかけるんだ?」 素朴な疑問が頭に浮かぶ。 「・・・・・マニュアル・・・マニュアルは無いかな・・・・・?」 車内を見回し、ファイル等が収納されたケースを見つける。 「えーと・・・・トラブル対処法・・・・・戦闘法規・・・・・TK−Xマニュアル・・・・。 げっ・・・・専門用語ばっかりだ・・・・パス。・・・・・猿でも分かるTK−X改良型基本読本、これだ!」 タイトルに疑問が残るが本を開く。 ・・・・・・・・中身は萌え本かよ・・・・・自衛隊大丈夫なのか? 萌えキャラが解説してるよ・・・・・。 まぁ・・・・いいか。 マニュアルに従い、エンジンを始動。 意外と振動があるな・・・・・。 エンジンを停止させ、昼飯を食べながら萌えキャラ解説本で基礎を知りマニュアルを見て理解する。
TK−X改良型。 201×年に制定された恒久的テロ対策法に基づき、長期活動が可能な設計。 従来型と比較し大型化。 操縦席は折りたたみ可能。 収納型ベッド1。 シガーソケット1。 無線装置1。 トイレ1。 etcetc・・・・・・・。 何で戦車にシガーソケットやトイレがあるのかはよく分からんが・・・・・。 「無線機・・・・・・これか・・・・・」 動かしてみる。 「受信は可能だけど送信部分が壊れてるか・・・・・」 下手に手は出さないでおこう。 受信だけでも十分助けになる。 基本操作を頭に叩き込み実践に移す。 エンジンが唸りを上げ、片輪を動かし方向を変える。 一度停止させ、今度は同時に前方へ動かす。 キャタピラがアスファルトを削り、10t以上ある車体が前方へ動き出す。 覗き窓から前方を見る。 ゾンビが数体と横転した車が道を塞いでいる。 「試し運転試し運転・・・・・」 速度を上げ、ゾンビをひき潰し横転車両に突撃する。 衝撃と共に車両を弾き飛ばす。
ガンッ! 「いってーーーーーっ!!!」 頭をぶつけた。 「あたたたたた・・・・!!」 某世紀末救世主ではないがぶつけた場所を押さえる。 「ヘルメット・・・・・かぶらないとな・・・・・」 車内にあったヘルメットをかぶる。 「シートベルト、シートベルト・・・・・」 カチャ・・・・・。 ベルトも締め、メットも被った。 邪魔な車両を弾き飛ばし、一路名古屋へ寄り道しながら向かう。 最初に立ち寄ったのは金物屋。 頑丈なチェーンと大きな南京錠をいくつか車内に運び込む。 戦車から離れる場合、盗まれたら大変だ。 防犯の基本は鍵を複数が基本。 おっと、対人接近戦が無いとも限らない。 武器は・・・・・この鉈にしよう。 別にセミの一種はなかないが。 そう言えば、まだ自分が幼稚園ぐらいの時に斧で父親を殺した女がいたっけなぁ。 それが原因でいくつかアニメが放送中止になったとかの話を後で聞いたような覚えがある。 歳の離れた兄貴が泣いて嘆いていた記憶がある。 何で斧が原因でヒロインが鉈持ってるだけのアニメが中止になったのか理解に苦しむ。 大きくなってからネットにUPされていた映像をいくつかダウンロードして見たが、ある報道番組なんか 主人公とヒロインの一人を間違えてたなぁ。 しかも使ってるのは斧だとか言ってたが本当は鉈だし。
ひぐらしとスクデイktkr
またまた乙 ・戦車って満タンだとしてどれくらい走れるの? まさかセルフのスタンドで給油? ・ふぐらし、地域によっては放送してるよ
長期運用型なので当然のごとく太陽電池です
>>209 の続きです。
「イヤです!」 森さんは怒りの眼差しでオレを睨む。
「森さん… オレ達我慢出来ないんですよ… 許せないんです」
「でも、ここで分かれたらもう会えないかもしれないじゃないですか!」
「… 大丈夫。 きっと会えるよ」
「イヤ! 絶対に行かない!」 森さんは座り込んでしまった。 困った…
「逃げてください。 オレ達はどうにかして後を追いますから」 なんとか説得を試みるが…
「絶対イヤ!!」 頑として動かない。
(;´д`)トホホ… 参ったな…
「仕方ないか… ちょっと待ってて」 西田は向かいの酒屋を見に行った。
「お、おい。 一人で行くなよ。 危ないだろう」 オレも後を追う。
一通り酒屋を確認したが暴徒も住人も居ないようだ。
「よっぽど慌てて逃げたんだな。 鍵掛かってないよ」 裏の勝手口が開いていた。
内部も荒らされた形跡はない。 一番奥まった位置に勝手口があったのが幸いしたんだろう。
店内は異常なしと。 二階はどうだろう。 「二階も誰も居ない。 そっちはどうだ?」
「こっちもOKだ」 二階から西田が下りてきた。 「川本、森さんといい感じじゃん」 (・∀・)ニヤニヤ
「オレぇ? 違うだろ〜。 置いて行かれるのが怖いんじゃね? そういうお前は渡辺さんとどうなんだよ」
「ん? はは… まぁ… な。 その… 全然…」 うは! 顔が真っ赤だ。 西田君純情なんだ。
「はははははは」 苦笑しながらオレ達はガソリンスタンドに戻った。
「とりあえず酒屋に隠れていてください。 誰もいませんから」 二人を車に押し込む。 スタンドの店先に車を駐める。 「二人を連れてきます」 渡辺さんが店内の二人を連れて出てきた。 二人は大分落ち着いたようだ。 酒屋のガレージに向かう。 「じゃ、暫く酒屋の店内で隠れていてください」 静かにシャッターを下ろし、4人を裏口から店内へ。 「二階に服有ります。 動きやすいの選んでおいて」 「あ、ありがとう…」 「礼なんていいよ♪ しっかり逃げる準備しておいて」 西田が笑顔で答えた。 その笑顔で二人の表情も少し和らいだ。 「じゃ、行ってきます。 外から見えない位置に居てくださいね」 オレと西田は足早にあいつらの後を追う。 足に怪我をしているから遠くへは行かないだろう。 振り返ると森さんが店内からこっちを見ていた。 まさかね…
オレ達は周囲を警戒しながらあいつらの痕跡を追う。 足に着弾している為か血痕が続いている。 割と早く見つかりそうだ。 「しかし、この血の量だとオレ達が鉄槌を下す前にくたばってるかもしれんな」 「ああ、あの時撃ち殺しておけばよかったよ」 確かに… 「あそこの家に入ったのか?」 玄関先まで血痕は続いていた。 庭先に侵入。 リビングのようだ。 何か話し声が聞こえる。 声が小さくて聞こえない。 「イマイチ聞こえないな。 台所側に行ってくる」 西田は台所へ回った。 オレは暫く様子を伺っていた。 その時、塀の向こうに何かの気配を感じた。 何かいる… 西田に伝えなくては… その時台所に行っていた西田が帰ってきた。 様子がおかしい。 「お、おい。 この向こうにやつらがいるぞ」 (;・∀・)ハッ? 台所側にもいる!? 「ちょっ、ちょっと待てよ… こっちにも気配があるんだが…」 (;゚д゚)(゚д゚;) 二人は見合わせたまま固まった… 「まずいじゃん… あいつらどうのこうの言ってる場合じゃないな…」 衝動的に行動に出たが裏目に出たか。 「とにかく一旦離れよう」 オレ達は一旦敷地からでた。 向かいの家のガレージ内に侵入。 作戦を練る事に。
「向こうにも居たって何人いたんだ?」 「分からんが… 足音からすると4・5人は居たんじゃないかな?」 西田は記憶の中の足音を数えた。 「まじかよ!? 多分だけど塀の向こうにも数人いるな。 足音が複数聞こえた」 こんなところで追われると逃げられないな… 「…うまくやつら誘導できないかな?」 ゆ、誘導って… 「なに言ってるんだよ。 言う事聞くと思うか?」 「まぁ聞けよ。 プランはこうだ… …で、どうだ?」 西田君の素晴らしいプランに感動した。 「まずは狙撃ポイントだな。 この上って上れるのかな。 梯子があったみたいだったけど」 オレ達はガレージの上に上がった。 そこは物干しが置いてあり少しばかりのガーデニングが楽しめるスペースになっていた。 「おぉ! 絶好のポイントじゃんか。 リビングの掃き出しも見えるし扉もばっちしだ」 「いくぞ!」 オレは塀に取り付けてある扉の蝶番に狙いを定めた。 西田はリビングの掃き出しのガラスを狙う。 まずは西田から。 ぱす! びし! 見事ガラスに着弾。 大きなヒビが走った。 次はオレだ。 ぱす! がつん! 錆びた蝶番に着弾。 上側の蝶番は外れた。 第二射。 ぱす! がっ!ぱりん! 中間の蝶番には着弾せず。 しかし跳弾が庭の鉢植えに当たったようだ。 その音を聞いてスーツの男が窓際にやって来た。 庭の様子を確認しているようだ。 オレと西田は同時に扉の蝶番を狙う。 その時、扉が激しく揺すられた。 「来た!」 ぱす! がつん! 蝶番が弾け飛ぶ。 すぐさまリビングのガラスに向け発射。 スーツの男は扉の異変に気付いたようだ。 しかし、時既に遅し。 リビングのガラスは砕け散った。 同時ぐらいに塀の扉も耐えきれず開け放たれる。 スーツの男は部屋の奥に逃げたようだが、奴らはそれに気が付いたのか部屋に向かった。
三人の男性と女性が一人、入ってきた。 二人の男性が部屋に駆け込んでいく。 残りの二人はよたよたと歩いて表に向かった。 「ん? あとの二人は動き遅いな」 西田がなにげに呟いた。 「や! やめろ!! ぐぎゃぁぁ〜!!!」断末魔の叫び声が聞こえた。 玄関が勢いよく開く。 スーツの男が飛び出してきた。 ちょうどそこには残りの二人が居た。 激しくぶつかる。 スーツの男はもんどりうって倒れた。 そこに後ろから中に入ったうちの一人が飛び出してきた。 「終わったな」 西田は目を背けずじっと成り行きを見ていた。 「ま、待て! ぐぁ! ぎゃぁぁぁぁ! たすげ…でぇぇ…ぇぇぇ……」 ぐちゃ ぐちゅ ぐちゅ 貪り喰う音がする。 「罰が当たったんだよ」 西田は吐き捨てるように言った。 そして貪り食う奴らの頭を射抜いた。 中にはもう一人いるはず。 ガレージから下り慎重にスーツの男に歩み寄る。 内蔵から喰われたようだ。 大量の血液が流れ出ている。 脳にはダメージがなさそうなので放置すれば復活するのだろう。 西田はとどめとして二発撃ち込んだ。 淡々と作業している。 余程腹に据えかねたんだろうな。 弾を補充しエアゲージを確認、中の様子を伺った。 玄関からだと逃げるとき危険なので庭から回った。 掃き出しの奥で何か音がする。 お食事の真っ最中のようだ。 こちらに気付く様子はない。 危険を冒す必要もないのでオレ達は、その場を後にした。
道路に出るとき、背後から木の板が割れる音がした。 「まずい! 向こうの奴らだ」 西田が言っていた奴らか! 「走れ!」 掛け声と同時にオレは大通りに向けて走った。 バァン!! 振り返ると騒動のあった隣の民家から飛び出す奴らが見えた。 走る奴らか! 「西田! このまま酒屋へは行けない! どうする!」 西田はオレの少し後を走っていた。 「少し北に上がろう! 少しでも酒屋から遠ざかるんだ!」 オレは全速力で大通りを北上した。 まだ着いてくる。 僅かずつだが距離が縮まっている。 「くそ…」 足が上がらなくなってきた。 走る速度がみるみる落ちていく。 急激に距離が縮まる。 「がんばれ! 川本!」 西田に追いつかれ追い越された。 日頃からジョギングしてるだけに速い。 走っても走っても着いてくる。 何分走ったんだろう… オレ… もう無理だ。 これ以上走れないよ。 吸っても吸っても空気が入ってこない。 「何へこたれてんだよ! 森さん待ってんだぞ!」 森さん? 森さんか… 何歳なんだろ? そういえば聞いてないな。 少し年上っぽいな。 オレ何やってんだろ。 なんで走ってるんだろ。 止まったら楽になれる。 目の前が白くなってきた。 あぁ… 森さん… 今日はここまで(=゚ω゚)ノジャ、マタ!!
306 :
本当にあった怖い名無し :2007/09/26(水) 17:03:52 ID:LGV5VUCCO
90式戦車で350km
侵攻してきたロシア軍が遺棄したT90を鹵獲して・・3日目。 ゾンビどもから守ってもらって来たが、もう燃料が乏しい。 ん?前方にTK−X???味方なのか?もしかしたら、自衛隊がゾンビ化しちまったのか? 戦車の動きは・・・そこら辺りにぶつけながら たどたどしい動きだな。やはり、ゾンビか。 T90が生きているうちに、面倒なものは破壊しないと。 距離800、当たれよ・・・発射 ドスン!発射の振動がT90を揺らす。
次にカー用品店に向かい、戦車のシガーソケットで使うための変換機を調達。 電化製品屋でポットを調達。 ・・・・・最近寒くなってきたし、毛布も調達しておこう。 一通り調達していたら日が暮れてきた。 仕方が無い、今日は路上駐車して寝よう。 寝て、起きた。 「う”ーーーーー・・・・・・・39.8・・・・・死んだ・・・・・」 朝起きて妙に寒かった。 体温計で計測したら39.8度もあった。 風邪だ・・・・・。 新型インフルエンザではないことを祈りながら風邪薬と抗生物質を飲む。 カップラーメンをすすりながら簡易ベッドの上でゴロゴロする。 ふぁ・・・・ねむ・・・・。 ぼそ・・・・ぼそぼそ・・・・・・。 「ん・・・・・・・」 ぼそ・・・・ぼそ・・・・。 「何だ・・・・?」 外から人の声がした。 気配は複数。 残念ながら装甲の厚さで殆ど聞き取れない。 身体の調子はいい。 体温計で体温を測定しつつLEDライトを点灯させる。 腕時計を見れば時間は深夜2時過ぎ。 音を立てないように簡易ベッドを片付ける。 体温測定が完了。 36.8で平熱だ。 シートを立ち上げ、座る。
ガチャッ! ハッチが外部から開けられそうになるが内部からのロックで開くことはない。 覗き窓は外部からは見ることが出来ない。 もっとも、こっちから見ても暗くて分からないが。 萌えマニュアルを開く。 装備しているシステムをチェックする。 ええと・・・・基本システムの電源は燃料電池・・・・・・エンジン未稼動時もシステムの利用は可能か。 マニュアルに従って機器を立ち上げる。 液晶ディスプレイに幾つかのメニューが現れる。 OSは・・・・・ミクロソフトのかよ・・・・・・。 まぁ、その方が分かりやすい。 マニュアルと液晶ディスプレイを見比べる。 「・・・・・・動体探知機・・・・」 実行する。 戦車を中心に周囲の動体反応が現れる。 範囲は市街地だからそれほど広くないか。 戦車の周囲には4つの胴体反応があった。 次に暗視システムで戦車の幾つかの場所のカメラを動かす。 男が3人、女が1人居る。 「・・・・・・」 男の1人は戦車の上部に上ってハッチを開けようと試みているらしい。 「ええと・・・外部音声?」 選ぶと、スピーカーから外部の音声が聞こえた。 こちらの音声は聞こえない様だ。
「ねぇ、まだなのぉ?」 「うるせぇな!このハッチ・・・全然うごかねぇ!」 「銃で撃ってみたらどうだ?」 「跳弾があぶねぇだろうが!!そもそも、戦車に銃が効くかよ!」 「はやくしてよぉ・・・・・。ゾンビに食い殺されるのなんて真っ平ゴメンよぉ」 「あー、てめぇは少し黙ってろ!!」 ピン・・・・。 動体探知システムが別の動体を感知した。 ・・・・・・・・動体反応の方向のカメラをズームする。 ゾンビだ。 それも複数。 この中に居れば精神衛生的に安心だ。 でも眠くない。 暗視システムで周囲はよく見える。 ドドドドドドドドッ!! エンジンが稼動し、車体が揺れる。 「う、動いたぞ!やっぱり中に誰か居るぞ!!」 「乗せろ!俺を乗せろぉ!!」 んーーー・・・・。 後ろを見る。 生活必需品でごっちゃり。 結論、無理。 前方のライトを点灯させる。 「や・・・・いやああああぁぁ!!ゾンビよぉぉぉ!!」
「れっつらごー!!」 車体を前進させる。 ・・・・・・あ・・・・・。 しまった・・・・。 前方には女が居たんだっけ。 「ひぎいいいぃぃぃぃぃーーーーっ!!」 ポチッ。 外部音声を切る。 「あー・・・・ゴメンね」 一応謝るが既に戦車は数メートル前進していた。 ゾンビ海を押しのけ、戦車は深夜の街を一路名古屋への帰路へ。 「んーーーー・・・・いろいろなシステムがあるなぁ・・・これなんてリモート銃撃システムか」 ハッチ付近の機銃を内部から操作できる。 ちゃんと暗視カメラ付きだ。 「あ・・・、こいつまだ居るよ・・・・邪魔」 ドドドドドッ!! 据付型の機銃だからか威力も強いようだ。 バラバラになった男の死体が吹っ飛んでいった。
ちょw ヒドスwww おつつー
これなんてGTA?
コンコンコン。 指で燃料メーターを叩く。 この戦車の燃料タンクと燃費がどれ位なのか気にするのを忘れていた。 メーターは残り4分の1だ。 マニュアルには市街地での緊急給油がガソリンスタンドでも可能と書いてある。 地図を広げる。 「・・・・20キロ先にガソリンスタンド・・・・か」 ハッチを開けて外を見回す。 「綺麗な海だな・・・・」 ちょっと浸ってみたがここは過疎地だ。 しかも道路を走るのは遺棄車両の大群でキツイので田や畑の中を強行突破しているのだ。 流石に乗り物酔いする。 一息つき、ハッチをロックし再び前進する。 「やっぱり吐きそうだ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」 念の為にエチケット袋を用意しておく。 携帯ラジオのスイッチを入れて気を紛らわせよう。
『現在、自衛隊が必死の生存者救出作戦を行っていますが要救助者の多さと ゾンビによる障害の為に救出行動は難航しています。 また、一部市民団体によるゾンビへの攻撃に対する妨害行為も問題になっており・・・・』 一体、何のつもりだよ市民団体。 狂ってるんじゃないのか? チャンネルを変える。 『現在、有事改正法と超法規的処置により自衛隊の妨害は外患誘致罪と判断され即処刑の対象となります。 身の回りの不穏な市民団体活動に留意し、自己の身を守ってください』 またチャンネルを変える。 『インターネット及び携帯電話の通信が可能な地域からの救助要請が殺到し、大多数のコミュニティでは 食糧難による内部崩壊の危険が・・・・・』 『もし、食料調達による外出の際は自己責任で・・・・・』 『可能な限り複数人数で行動し、ゾンビとの接触は絶対に・・・・』 『このような状況では身勝手な行動が全体の危険を招きます。 では、次のニュースです。先日中国で発生した核爆発について、 日本も放射性物質を含んだ風の到来の可能性が高まっています。 また、中国は共産党政権と反共産勢力、クーデター軍による内戦状態へ 突入したとロシア政府の発表がありました。現在ロシアは厳重な戒厳令下と 軍による民間人宅への人海戦術による訪問によりゾンビの大量発生を阻止することに成功した模様です。 また、韓国内のゾンビが北朝鮮へ向かい、北朝鮮軍による国境の防衛線は実質的最終防衛ラインであるとの見方が・・・・・・』 そんなニュースを尻目に、エチケット袋に顔を突っ込んでいる自分が居た。 ちょっと凹む。
「・・・・・・う”〜〜〜〜・・・やっと道が・・・・・」 ハンドルを回して戦車の進行方向を変え、舗装されたアスファルト道路に戻る。 地図を再確認。 道なりに進めばいいのか・・・・・。 30分程かけて視界にガソリンスタンドが見える。 「・・・・セルフスタンドか・・・・・」 セルフは簡単に給油が可能な分、暴徒が居座り決死の脱出をする生存者の天敵となっている。 「バリケードか?」 何台もの自動車が横向きに引っくり返され並んでいる。 「へへへ・・・・・みろよ、この財布を!万札で折り曲げられねぇぜ!」 「馬鹿かてめぇ、こんな状況で金が何の役に立つってんだよ?それより、この死体片付けちまおうぜ。 次のカモがこれを見て警戒するかも知れねぇだろ?」 「へぃへぃ。あー、女抱きてぇなぁ。こんなババァじゃ勃たねぇぜ」 頭に風穴の開いた初老の夫婦の遺体が男達の前に転がっている。 「食料調達係は後どれぐらい掛かるって?」 「たんまり食い物を隠し持ってた連中を見つけて若くてイイ女以外皆殺しにしたってよ。こっちの被害は1人死んだぐらいだ」 「運のねぇ奴だな」 「車に詰め込んでるから、後1時間は掛かるってよ」 「ハハハハハハッ!笑いがとまらねぇや!」 「ギャーハハハハハハッ!借金地獄でヒィヒィ言ってた頃が嘘みてぇだぜ!!」
グシャァッ!! 轟音と共にバリケードにしていた車が倒れる。 「ハハハハ・・・・ハァッ!?」 ガガガガガガガッ! キャタピラが車のパーツを削り、踏み潰し乗り越える。 ギュラギュラギュラギュラギュラッ! キャタピラの金属音が死神の足音のように聞こえただろう。 「な、なななななぁっ!!?」 キュイイィィィィ・・・ンッ。 砲塔が二人を捕らえた。 ん〜・・・・・・機銃で脅しておこうか。 遠隔システムを起動させる。 「は・・・は・・・・ブワックショイッ!!」 ポチッ。 「・・・・あ・・・・」 間違えた。
ズドンッ!! 砲塔が炎を吹き、スタンドの事務所が吹き飛んだ。 「あ・・・あああ・・・・・」 ジョオオオオォォォ〜〜〜・・・・・・。 二人の股間から下が失禁で濡れる。 「た・・・・たすけ・・・・・」 ギィィィィ・・・・・・ズーンッ!! 石油会社の広告塔が倒れ、哀れ暴徒2人はその下敷きに。 「うわ・・・・グロッ・・・・」 取りあえず急いで給油しよう・・・・・。 給油機壊れてた・・・・・・ガックシ・・・・・。 仕方がない、急いで次のスタンドを探そう。 戦車に乗り込み、アクセルを踏み前進する。 道路に戻り数百メートル先に別のスタンドを発見。 バリケードも無く無人だ。 セルフではないがこの型の給油装置は昔バイトしてた時に使った事がある。 ディーゼル燃料だったな。 マニュアルに従って給油口を探し当て、給油する。 給油中の暇な時間に事務所を物色。 ジェリ缶を20個発見。 ジェリ缶にも給油し、チェーンで車体上部に括り付ける。
日が暮れる。 遂に静岡県を抜け愛知県に入る。 道路脇に停車しエンジンを止める。 今日はここで寝よう・・・・。 ハッチを開け、車体の上で身体を軽く動かす。 カッ! 「へ?」 背後・・・・方角的には東京方面が真昼のように明るくなった。 「・・・・・やばいかも!」 慌てて車内に逃げ込み、ハッチを閉める。 あっという間に周囲が暗くなる。 ・・・・・・・・移動しよう。 エンジンを稼動させ、アクセルを踏み移動を開始する。 ラジオや無線機のスイッチを入れるが電波干渉が激しいのか雑音しか聞こえない。 暗視カメラ越しの東京方面の映像を見て凍りついた。 巨大なキノコ雲・・・・・熱核爆発!?
そこまで都合よく展開するんだから諸情報満載のカーナビくらいは積んでいて欲しかったな。 どこでも走っちゃうからルート検索なんて必要ないだろうけど。 とにかくwktk
しかしなんでその戦車に乗ってた自営隊員はわざわざ外に出たんだ?
322 :
本当にあった怖い名無し :2007/09/27(木) 22:53:51 ID:TsBdanvO0
>現在ロシアは厳重な戒厳令下と 軍による民間人宅への人海戦術による訪問によりゾンビの大量発生を阻止することに成功した模様です。 本当にやりそうだなw
都合のいい展開とイベントと 普通に楽しめる内容wwwwww この調子でお願いwww 続きwktk
ちょっと番外編を作ってみました。 タイトルは『外伝・ある陸上自衛官の物語』でつ。 今日も訓練が終わった。 基地の近所のコンビニで弁当を買い、宿舎に戻る 自分の部屋に戻る前に隣の部屋のドアをノックする。 「どなた?」 中からする女性の声。 「立川です」 「ああ、しばらくお待ちを」 人の気配がし、ドアが開く。 「お帰りなさいパパー!」 息子がはしゃぎながら足に抱きついてきた。 「こらこら。井出さん、いつもすみませんねぇ」 「困った時はお互い様ですよ。奥さんの様態は?」 「ええ、まだ熱が引かないようで・・・・・」 「でも、大変ですねぇ。暴徒に襲われるなんて・・・・・」 「ええ・・・・・。何か、最近はあちこちで暴動が起きてるみたいで・・・・・」 「夫が鎮圧に向かってまだ1日ですが、やはり大変なようで・・・・」 「ええ・・・・私の部隊も待機命令が下って・・・・」 「パパー、おなかすいたー」 「あ、スマンスマン。それでは、失礼します」 「はい。義明君もバイバイ」 「うん、バイバイお姉ちゃん」
部屋に戻り、息子とコンビニ弁当を食べる。 「パパー。ママはいつ帰ってくるの?」 「きっとすぐに帰ってくるさ。こら、好き嫌いするなよ」 「・・・はーい」 翌日。 仲間と昼食を食べていた時にテレビが緊急放送に変わった。 テレビには首相が出ている。 「首相自らの緊急放送・・・・?」」 『現在我が国及び世界各国で多発している暴動についての政府の正式公表を行います』 首相が一息吐く。 『えー、暴徒に関してですが、拘束された暴徒はその全ての人物の生命活動の停止が確認されました』 「は?生命活動停止の暴徒?」 同僚の大田がポカンとしながら呟く。 食堂内は静まり返り、テレビの首相の声だけが唯一の声だった。 『日本政府は暴徒を生ける屍・・・・”ゾンビ”と確定します』 ゾンビだぁ? 俺は悪い夢でも見てるのか? 『ゾンビに噛まれた人間は直ちに隔離の必用があります。感染が確認されており・・・・』 ・・・・おい・・・・。 じゃあ・・・・・俺の妻は・・・・・? ゾンビになっちまうのか・・・・・・? 基地内のスピーカーがけたたましい音をたてる。 全員が食事を放りだし、駆け足で部隊に戻る。 俺も・・・・行かないとな。
ドドドドドドッ!! 凄まじい音が耳に響く。 俺は戦車の上部からゾンビに機銃掃射の洗礼を浴びせる。 既に日本は国家としての機能を停止させている。 既に息子の安否も分からない。 「おーい!!ここだーーー!!!」 生存者達が立て篭もった建物の窓から希望に満ちた目で俺達を見ている。 「停車してくれ!要救助者を確認!」 操縦士に伝える。 「私達は陸上自衛隊の者です!そちらは何名居ますか!?」 「は、8人だーー!!!」 「そのまま待機していてくださーーい!!」 無線でヘリを要請。 爆音を轟かせ、輸送ヘリが上空に現れる。 順調だ。 生存者達はヘリに乗り移っていく。 「本部へ。こちら21号車。生存者の救出を確認。送れ」 『こちら本部。ご苦労だった。直ちに帰投せよ。送れ』 「了解」
「2時の方向!ゾンビの集団!距離200!」 車長がゾンビを発見し、距離を砲手に伝える。 砲手が手動で砲塔を操作し、砲撃。 車体に走る振動。 爆発し吹き飛ぶゾンビの集団。 「今のうちに移動するぞ!」 車長の命令後、戦車のキャタピラが動き出し進行方向を変える。 バキンッ!! え・・・・・? 何だ・・・・・・今の音・・・・・・? 恐る恐る音のした方向を見る。 なんてこった・・・・・。 キャタピラが・・・・・・壊れてる・・・・・・!! 原因は・・・・? ここに来るまでに何十、何百台もの遺棄車両を踏み潰してきた・・・・・。 金属疲労か・・・・・? この2週間、ろくな整備も出来てなかった・・・・・。 「停止ー!止まれ!履帯破損だ!!」 戦車が停止する。 「本部へ、21号車は履帯破損!送れ!」 『予備と取り替えるんだ。ゾンビには注意せよ、送れ』 「了解!送れ!」 『ヘリは先に帰投させる』
ヘリが上昇し基地へと帰投していく。 ここにはもう、副操縦士の俺と操縦士と車長と砲手の4名しか居ない。 ゾンビが来る前にこのTK−Xの履帯を取り替えないと・・・・・。 予備の履帯を全員で降ろす。 「後方にゾンビ複数!」 「お前達は早く取り替えろ!俺が食い止める!!」 車長が軽機関銃を持って応戦に向かう。 タタタタタタッ!! 軽機関銃の銃声が響く。 急いで正確に取り替える。 取替えが終わる。 「ぎゃあああ!!だ、だずげでぐれーーーーー!!」 車長が背後からゾンビ数体に身体を喰い付かれていた。 「車長ーーー!!」 砲手が拳銃を撃ちながら救助に向かう。 「うわああああ!!!!!」 路地から、ゾンビの大群が現れる。 「助けて!誰か助けてくれーーーー!!!!」 弾丸を撃ちつくした拳銃を空しくトリガーを引き続けながら砲手が大量のゾンビの中に姿を消す。 「ひぎゃあああああああああああああ!!!いでぇよおおおおおーーーー!!!」 砲手の断末魔の悲鳴が空しく響く。 これで残ったのは俺と操縦士だけだ畜生。
「来るなら来やがれ化け物!!」 操縦士が車体によじ登り、ライフルを撃つ。 ド畜生が・・・・・囲まれてる・・・・!! そいつと同じように車体によじ登り、機関銃を撃つ。 ゾンビは車体の周りに到達していた。 「畜生!弾が・・・再装填する!!」 操縦士がライフルの弾をリロードする。 「それより、早く発進して逃げ出そう!」 「うわ!?は、離せこのお・・・!ぎゃああああ!いだいいだいいだい!!!!!」 突然の悲鳴。 操縦士がゾンビに引き摺り降ろされ、肉を食い千切られていく。 「ちっくしょおおおぉぉぉぉぉ!!!」 もう俺だけになっちまった! 機関銃を乱射する。 逃げよう。 こんな地獄に居てたまるか!! 逃げると決めた直後。 タタタタタタタタタッ!! 軽快な銃声が響いた。 一人の大きなリュックサックを背負った若い男が歩きながらゾンビに機関拳銃で銃弾を撃ち込んでいる。 民間人を残して逃げるわけに行くかよ・・・・。 こいつも連れて帰ろう。
二人で協力しゾンビを始末して行く。 あらかた始末し、車体から降りる。 「なぁ・・・・!!?ぐぎゃ・・・・!!」 馬鹿な・・・・・・・。 ゾンビが・・・戦車の下を・・・・這って来ただと・・・・・? 脹脛が食い千切られる。 「このぉっ!!」 ゾンビの頭に銃口を押し当て、弾丸をお見舞いする。 もう、俺は駄目だ・・・・・。 ゾンビになっちまう。 連中の仲間入りは嫌だ・・・・・。 でも、こいつだけは助けたい気がする・・・・。 戦車は・・・・・覚えれば簡単に操縦できるだろう。 若い者向けの、萌えマニュアルもあったはずだ・・・・。 「ちっ・・・・・まさか民間人に助けられるなんて・・・・・。 でも・・・・残念ながら俺はもう噛まれちまってたんだ・・・・・。 お前に、コレやるよ」 そういって親指で戦車を示す。
「は・・・・?せ、戦車・・・・!?いや、そんな簡単にやるよって言われても・・・・・・」 若い男は唖然としながら目をパチクリさせてる。 「燃料はまだたっぷりある。TK−X戦車だ・・・・運転が心配か?ぶつけた程度じゃ壊れんよ・・・・・。 暴徒に奪われたら事だ・・・・・・。ま、あんたがそうじゃないって保証は無いが・・・・・生きてる奴に 使ってもらいたいしな・・・・・」 事実、ここにたどり着く少し前に給油を行っている。 「・・・・・・戦車か・・・・・」 若い男は考え込んでいる。 さてと・・・・・俺は自分の始末をつけようか。 拳銃をホルダーから取り出す。 銃弾はある。 安全装置を解除する。 義明・・・・お前は生きていてくれ・・・・・・。 妻は・・・・・ゾンビと化した。 俺がこの手で始末した。 銃身を口で咥える。 ・・・・・・・・・・・じゃあな、若いの・・・・。 トリガーを引き、凄まじい熱と衝撃が頭部を貫いた。 終。
全米が泣いた。
俺こーゆーの大好きw 「その時何が起きていたのか?」 を後から説明してくれるの ◆UgSdP/EPQk氏 これからも楽しませて下せぇ
普段設定や描写には大雑把な俺だが一言言わせてくれ。 履帯ってそんな簡単に取り外したり修理できたっけ……orz
>◆UgSdP/EPQk
お前さあ、、、いつもみたく御都合主義で息子と再会、ハッピーエンド、、、
ったくさあ楽しい週末だ、って思ってる先から泣かすんじゃねーよ、この野郎!!
乙です。本編のほうもwktk
>>334 ま、そのな、通りすがりの民間人が戦車もらえる世界だからww
そんなか細い神経で◆UgSdP/EPQkさんの作品読んでたら気が狂うぞww
TK−Xは次期戦車という意味で名前ではありませんよ。
投稿します。 「クソっ…」 足に巻いた包帯が真っ赤に染まっているのは、懐中電灯なんか使わなくても明らかだった。 と、俺の前の棚の陰から、またヒタ…ヒタ…と、人の形をしたものがゆっくりと現れる。 「チクショウ…」 俺は手元の金属パイプを握りしめると、こちらに気がついて両手を伸ばす人影を睨み付けた。そして大きく息を吸い、足の苦痛を無視して目を開く。 「うおぉっ!」 ガン!と、パイプを人影にぶつけると、そいつの腕が鈍い音を立てて落ちる。人影がバランスを崩したところを、足を庇って膝を床に付けながらパイプで薙ぎ倒す。 棚に首を挟む様に倒れた人影は、呻く様な声を上げながら足をズリズリと動かしている。そこを更に上から叩くと、そいつの首と胴体が離ればなれになった。 「ここもダメかよ…」 人影が動かなくなり、辺りに静寂が戻ると、俺は足を引きずる様にレジの奥へと身を寄せた。 壁にもたれると、「〇〇薬局」と書かれたレジ袋が頬に当たる。 俺はその奥から、夜になる前にかき集めておいた医療キットの中の消毒薬を取り出し、足首の包帯をゆっくりと剥がした。 「つっ…」 同時に固まった血が剥がれたのか、傷口に激痛が走る。 それを我慢し、消毒薬を一気に振り掛けると、痛みが更に強くなった。 押さえ込む様に、脱脂綿を押し付けて上から包帯でぐるぐると巻き、ゴムの留め具を二つ三つ付ける。すると痛みが少しばかり和らいだ。 「明日にはここを出ないといけないかな…。」 俺はゆっくりと立ち上がり、バリケード代わりに棚を引きずってレジの入り口に立てる。 疲れた。 そう思い、枕の代わりにレジ袋の詰まったものを敷いて寝転がる。 ため息か息切れか、荒い息は憂鬱を誘って、無音な辺りを見ると寂しさが込み上げてきた。
俺はいつしか携帯ラジオの電源を入れていた。 『午前2時現在、自衛隊は生存者を15名、総計1200名を救出しています。国民の皆様、黄色い旗を示した自衛隊を見たらすぐに合図をして下さい』 「おかしくなってから一週間で1200人かよ…。」 ラジオからは録音テープの様な声が響き、更に男性がなにかを言っている。 「えー、暴走した人間…ゾンビは、現在扇動作戦により南下しています。住民の皆様は集団でバリケードや建物に、自衛隊のキャンプ内の方は指示に従って避難して下さい。」 『続いて気象情報です…』 「また、妥協策か…」 ここは北の方にあるが、南下した先にいる人々はどうなるのだろう。尤も今はそんなことを考えている暇は無い。ゾンビに襲われない事を祈りながら、俺は目を閉じた。 すぐに眠ってしまおう。息が詰まる程に怖いし、暗い。俺はケガの痛みを感じながら、しかし疲れもあり、すぐに眠りにつく事が出来た。 …コツン。 何か硬い物が、俺の身体に触れる。 「…?」 眠気に耐えながら目を開くと、そこには人がいた。 「だ、誰だ?」 びっくりして後ろに下がる。見ると、全身黒い服を着た不思議な感じの女が、長い柄の鎌を持ち、こちらを見つめている。 「…。」 どうやらゾンビではないらしい。相手の鎌のアルミの柄には血がべったりとくっついている。 「もしかして、生き残りか?」 俺がそう聞くと、彼女はコクリと頷いた。後から考えれば言うまでもないのだが。
「そうか…もう誰もいないと思ったよ。」 俺はレジにあった段ボールから缶コーヒーを出すと、一本をその娘に渡した。 彼女はそれをしばらく眺めると、缶を開けてコクコクと飲み始める。 俺も同じ様に飲みつつ、 「名前は?」 と彼女に聞いた。 だが彼女は答えようとはしない。代わりに俯くと、黒いロングヘアーがその目を覆い隠した。 「…まぁいい。今まで一人で?」 俺が再び問い掛けると、彼女はまたコクリと頷く。 「そうか…そうだよな。」 彼女が立てかけた鎌の先端には、やはり明らかに血がついている。年齢的に高校生辺りだろうが、服装からして何やら暗い感じだ。 と、彼女が包帯の巻かれた俺の足に触った。 「ああ、奴らに噛まれたんだよ。…五日くらい前に。大分よくなってきたんだがな。」 彼女は何やら神妙な顔付きをしたが、俺はこの時、ゾンビに噛まれたりすればたちまち噛まれた者はゾンビになる…事をまだ知らなかった。 そして俺は本来なら既にゾンビ化している筈だ。ということも。 「君に…ケガは無いみたいだな。」 俺は足を引っ込め、彼女を見た。黒い服、黒いワイシャツ、黒いズボン、黒い靴下に革靴。流行りだろうか。 「とりあえずここも夜になればゾンビが来る筈だ。ラジオが言うには北に逃げれば安全らしい。外に出ようか。」 傍らにある安いリュックサックに、医療キットと固形食品を入れて背負うと、パイプを杖代わりに立ち上がった。 痛みはやられた時ほどには無いが、やはり歩き回るのは傷に障る。 彼女も静かに立つと、鎌を持って俺の後をついて来た。
投稿させて頂きます。 俺は今朝のニュースで奇妙な殺人事件が多発している事を知った。自分には絶対関係がないと思っていつものように流して聞いていた。そして仕事の終わり際に同僚の山田と話してた。 「あ〜なんかだるいな」「まったくだな。仕事終わったら一杯やりに行かないか」と、同僚の山田と話していた。 「ああ、いいよ。」俺はそう答えた。警備の仕事は何もないのになぜか疲れてしまう。まあ、それはともかく同僚の山田と居酒屋に向かってた。 いつものように繁華街は人がたくさん行き来していた。なんでも山田がいい店を見つけたらしくそこに行くことになっていた。しかしその途中、ある店の中から悲鳴が聞こえた。 「うあーー」「助けてーー」俺はそれを聞いたとき殺人事件か何かと思った。店から血だらけの人が出てきた。犯人から逃げてきたのかわからなかった。しかしその怪我は酷かった。 俺はその人に近寄ろうしたとき山田が止めようとしたのを振りほどき近寄った。「大丈夫ですか・・・これ使ってください」ハンカチを渡そうとしたとき、そのけが人は私の腕に噛み付いた。 「うわーーー痛い痛い、助けてくれーー」俺は必死にその手を振り解いた。そして近くにあったビール瓶でそいつの頭を叩いた。ガシャン・・・その一撃が効いたのかそのけが人は倒れた。 俺はなんて事をしてしまったんだ。「お・・大・夫か」山田がすぐ寄ってきてハンカチで傷口を押さえてくれたが意識が途切れかかって山田が何を言っているかもわからなかった。 俺、ここで死ぬのかな。ニュースで言っていたことに耳を傾けなかった自分を悔やんだ。
どの作品も続きwktk。
>>340 さんは、
>>271-275 と同じ人ですか?
改行に気をつけると、読んだときの印象が違うものになると思うのですが。
せっかくの作品がもったいないです。
念の為にヨード剤を服用する。 しばらくし、放送が回復した。 『現在、一部の地域の自衛隊が運営するコミュニティとの連絡がつかなくなり・・・・』 『大規模な通信障害が発生し、現在原因究明の・・・・』 『原因は不明ですが、東京にてなんらかの・・・・』 無線機も情報が飛び交い混乱している状況がよく分かる。 3時間もした頃だろうか、ようやく通信関係も落ち着いてきたらしい。 『ロシアの偵察衛星が北朝鮮のミサイル発射施設にて弾道ミサイルの発射を確認し・・・・』 『核弾頭搭載のテポドン3と思われ・・・・・』 『東京にて核爆発が確認され・・・・』 『威力は水爆級との推測が・・・・』 『北朝鮮の防衛ラインは壊滅し、ゾンビの集団は平壌へ・・・・』 『核ミサイルは複数発射したと見られ・・・・・』 『重慶が核攻撃され、中国人民解放戦線は平壌に対し核による報復攻撃を実行したと発表し・・・・』 『モスクワは壊滅状態となり、平壌に核ミサイルを使用したと発表が・・・・』 『この混乱に乗じ、中国共産党政権軍はワシントンに核攻撃を行ったと発表。アメリカの自動報復システムにより、 香港、武漢が核攻撃され・・・・・』 『イギリス、フランスも北朝鮮の核攻撃により・・・・・』 防衛線をゾンビに突破され、北朝鮮の指導者が発狂でもして核ミサイル撃ちまくったのか・・・・!? 世界中を道連れに死のうとしたんだろうか? あいつならやりかねないと思った。 しかし・・・・世界中がゾンビで大変な時に核戦争でドンパチやらかすなんて・・・・・・・・。
343 :
本当にあった怖い名無し :2007/09/29(土) 18:54:09 ID:lVnBHliuO
詰みじゃん
ガタン。 開けた入り口のガラスの扉は、片方が砕けて枠だけになっていた。 「昨日の奴はここから入ってきやがったのか…。」 狭い駐車場から周りを見回すが、人はおろかゾンビすらいなかった。 腕時計を見ると朝の10時だ。最近分かった事だが、ゾンビは日光を嫌う様だ。 だから俺は昼間の内に出来る事はやり、夜は身を守る事にしている。 黒服の女の子は絶えず辺りをキョロキョロと見回し、鎌を不安そうに抱いている。 確かに油断はできない。俺の足のケガも、昼間に後ろから噛まれたものなのだ。 俺はその辺に倒れた原付を起こし、エンジンを入れた…が、動かない。 「ガス欠か…。」 後ろから女の子が覗き込む。 「ガソリンスタンドも近くには無いみたいだな…。」 俺は肩をすくめた。昼間の行動が遅くなるのは非常に辛い。 しかし悩んでいる時間もない。俺はエンジンを切り、原付を押して歩き始めた。 「悪いがゾンビや人を見たらすぐに教えてくれよ。」 女の子はコクンと頷く。薬局の前は住宅街になっており、意外と視界が悪い。ゾンビ化した住民から離れる為に、自然と道路の真ん中を歩く。 と、女の子が私の服を引っ張った。 「ゾンビか?」 彼女の指差す先の家の陰から数体のゾンビが姿を現す。 その足元にゴロリと、犠牲者であろう人間の喰われた残骸が転がった。同時に木の棒がカランと音を立てる。 「まだ気付いてない。隠れよう。」 俺は静かに原付の陰にしゃがみ、脇に挟んでおいたパイプを握った。
今日はここで寝よう。 先程の場所から20キロ程離れた建物の影に戦車を駐車させ、簡易ベッドを引っ張り出し毛布の中にもぐりこむ。 ザアアァァァァァッ・・・・!! 雨か・・・・・。 眠い目を擦りながら時計を見る。 朝の7時。 システムを起動させ、カメラで周囲の状況を確認する。 なあっ・・・・!? 思わず目を擦りながら再び液晶ディスプレイを見る。 外は土砂降りだ。 だが、その雨自体が問題だった。 黒い。 雨の水滴自体が黒かった。 ノートパソコンを立ち上げ、設置しておいた衛星インターネット回線と携帯電話回線を接続する。 ポータルサイトのニュース欄は自衛隊の発表で埋め尽くされている。 テレビもつける。 避難に成功した初老の学者らしき人物がアナウンサーの質問に答えている。 『この黒い雨の正体は昨夜東京で起きた北朝鮮による核攻撃で上空に巻き上げられた土砂や粉塵です。 更には放射性物質も含まれている危険性が極めて大きく、雨が降っている地域の生存者の方は決して外出せず、 雨に濡れないように注意してください。ましてや、この雨水を飲むなんて自殺行為にも等しいです』 チャンネルを変える。
『世界各地ではゾンビに加え国家間の対立や民族間の対立が発生し・・・・』 『昨日だけでいくつの国や都市が核攻撃を受けたのか、未だ全容は分かっておりません。 東京湾の洋上都市計画を利用していたメガフロートコミュニティは壊滅し、 自衛隊員1万名、生存者5200人は死亡したと推測され・・・・』 『大規模コミュニティでは在日外国人に対する市民の報復制裁が多発し・・・・・・』 「・・・・・・・・・」 カリッ・・・・。 高機能固形栄養食品を齧る。 ペットボトルの中の水を一口飲み、食品を胃に流し込む。 一応、今の備蓄をチェックしておこう・・・・。 メモ帳を取り出し、日付と食料備蓄量を書き込む。 飲料水・ペットボトル10本。 食料・カップ麺類16食分。 高機能固形栄養食品5食分。 しばらく車内から動かないし、十分だろう。 相変わらず、モニターには黒い雨が映されている。 そして放射能を含んでいる危険の高い雨の中をゾンビ達は我が物顔で徘徊していた。 簡易ベッドでゴロゴロし、漫画を読んだりノートパソコンで映画のディスクを再生して暇を潰す。
雨は2日目も降り続き、3日目の雨はようやく本来の色を取り戻していた。 このまま放射性物質が洗い流されてくれればいいんだが・・・・。 4日目。 ようやく雨があがり、雲一つない青空が広がっていた。 数日ぶりに戦車のエンジンに火が入り、排気ガスを吐き出しながら移動を開始する。 名古屋まではまだ少し距離がある。 食料を確保したほうが良さそうだ・・・・・・。 戦車のGPSシステムと地図をチェックする。 どうやら、この戦車の識別信号発信装置が何らかの原因で停止してしまい自衛隊の管理から外れているらしい。 その証拠かどうかは分からないが、無線の軍事通信からはこの戦車への帰還命令は一切来ていない。 ここから10キロ程名古屋方面に移動した場所に食品会社の倉庫があるらしい。 そこをあたってみようか。
ターンッ! タターンッ! 銃声の後にゾンビが倒れる。 陽動が成功し、食品会社の倉庫までの間のゾンビは数える程だ。 避難所に使用していた学校の備蓄が底を尽きかけ、この食品倉庫に立て篭もっている生存者に 食料を分けてくれるよう依頼したのは数日前・・・・黒い雨が降る前だった。 立て篭もっている連中はせいぜい10名以下。 だが、学校には200名近い生存者がいる。 当初は近辺のスーパーやコンビニ、ディスカウントショップに数十人単位で押し掛け、 数名の犠牲を払いながらも食料を確保した。 だが自衛隊からの救助は無く、停電で通信手段も失っている。 依頼に行った前リーダーは・・・・・死体になって帰ってきた。 銃弾で蜂の巣にされていた。 食品倉庫に立て篭もっているのがヤクザでなければ、もしかしたら交渉は成功していたかもしれない。 だからこそ、こんな1キロ近くも離れた食品倉庫に100名近くの集団で押し掛けている。 生きるか死ぬか・・・・確立は半々。 何かがおかしい。 なんでヤクザどもは攻撃してこないんだ? 食品倉庫の門まで後20メートル。 門の周囲は高い塀で阻まれている。 だからこそ、唯一侵入可能な門へ向かう。
足の速い奴が門に辿り着き、叫ぶ。 「鍵が掛かってないぞ!!」 数人がかりで門が開けられ、一気に10人近い集団が先行する。 目に工事用の木製バリケード入る。 ここ・・・・・工事中だったのか・・・・・・? 積み上げられたセメント袋や鉄パイプが目に入った。 「うわぁあああ!!?ぎゃああああっ!!」 先頭集団が消えた。 いや・・・・・落とし穴!? 門を取り囲むように落とし穴が掘られていた。 飛び越えられない距離だ。 しかも・・・・。 「ぐ・・・がぁ・・・げはっ!!」 落とし穴の底には先を尖らせた鉄パイプが垂直に突き立てられている。 串刺しになり、それでも何名かはまだ生きていた。 「ドロボウ避けに作ったんやが・・・・大成功やな」 銃や日本刀で武装したヤクザの集団が笑いながら姿を現す。 リーダー格の関西弁ヤクザが落とし穴の中を見下ろしながら言う。 「・・・・・・・・・・」 「で?あんたら、何の用や?」 「た、食べ物を分けて欲しい」 「あかんあかん!この世界、頼れるのは自分達だけや。赤の他人に貴重な食い物、やれるはずないやろドアホが!」
それも正論だ。 自分達が生き抜くには他人を犠牲にすることも必要だ。 「頼む!こっちは200人も居るんだ!」 「そうやなぁ・・・・じゃあ、売ってやってもええで」 「売る?」 「そうや。カップ麺1ケース、100万や。楽なもんやろ?無人の銀行襲えばええねん。それか・・・・」 「それか?」 「200人居るんやったな?ほな、10ケース譲ってやってもええで。女と引き換えにな」 「な、なんだって・・・・?」 「見てのとおり、ここには男だけや。女の警備員が最初はいたんやが、輪姦し過ぎて狂い死にしてしまいよってな」 「・・・・・外道が・・・・・」 「嫌なら帰りぃな。こっちは全然困らんからに・・・・」 ドオンッ!! ヤクザから少し離れた塀が吹き飛んだ。 「な、なんや!?」 「なんだ!?」 声がはもった。 ギュラギュラギュラ!! 砕けたコンクリートを踏み砕きながらその鉄の塊は姿を現した。 「せ、戦車やと!?」
「うわー・・・・すごい土煙だ・・・・前がよく見えないし・・・・」 砲塔の残り残弾数は6発と表示されている。 やっと食品倉庫に辿り着いた。 面倒くさくて塀を砲撃したけど。 モニターを見れば戦車の音に反応したゾンビが後から後から敷地内に入ってきている。 タタタタッ! ゾンビの数体が倒れる。 銃や日本刀で武装した明らかに堅気ではない親切そうな人達が見えた。 「・・・・・・・・・ま、いいや」 遠隔銃撃システムを起動。 モニター越しにターゲットを捕らえ、機銃をお見舞いする。 拳銃・機関銃・日本刀VS戦車大決戦の幕が切って落とされすぐ終わった。 詰め込めるだけの食料と飲料水を戦車に搭載し、残りを近くに居た生存者に分け与え再び目的地に向かう。
無限弾?
ちょw展開早過ぎww ヤクザが可哀相だよww
放射能障害防ぎたいんならせめて一週間は篭ろうなんだぜ……?
>拳銃・機関銃・日本刀VS戦車大決戦の幕が切って落とされすぐ終わった 「すぐ終わった」ってwwww 糞ワロタwwww こんなゲームやりてぇwwwwww 一方的殺戮wwww
名前変更テスト
翌日。 ギィ・・・・・。 キャタピラが止まる。 住宅街でエンジンを切り、ハッチを開け外に出る。 もちろんハッチに外部ロックは忘れない。 目の前のドアが破れた家を見据える。 「・・・・・・3年ぶり・・・・か」 懐かしの我が家の中に足を踏み入れる。 一階には誰も居ない。 だが、二階へ続く階段のバリケードは頑丈で崩れていない。 「・・・・・・・・・誰か居るのか?」 返事はない。 意を決し、懐中電灯を手にバリケードを崩し中に入る。 食べ終えたカップラーメンの容器や菓子の袋、ジュースのペットボトルが散乱している。 「・・・・・・・・」 自分の部屋は無人だった。 とは言え、何かを探したかのように荒れてはいる。 別の部屋・・・・・兄貴の部屋のドアを開ける。 ギィ・・・・。 軋んだ音を立てて開くドア。 同時に腐臭を含んだ空気が鼻を突く。
ギィ・・・ギィ・・・・。 閉め切られ真っ暗な部屋、何かが軋む音に懐中電灯を向ける。 「・・・・・・・兄貴・・・・・・・」 歳の離れた兄の身体が宙に浮いていた。 足元には椅子が倒れている。 テレビの同軸ケーブルを輪にし、首を吊っている。 「・・・・・ぐ・・・ぎ・・・・」 自殺した後にゾンビ化したんだな・・・・・・。 「・・・・・・・・・・・大丈夫だよ。今、楽にしてあげるから・・・・・・」 拳銃の弾を確認し、至近距離で一発。 銃声の後、兄は二度と動かなくなった。 机の上にはノートが一冊。 遺品として持ち出し、戦車の中に戻る。 両親は居なかった。 ノートを見てみる。 ゲーマーでアニメ好きだった兄らしく、アニメの放送予定チェックやらゲームの攻略ややりこみの書き込みが 並んでいる。 日付がゾンビ騒動の起きた日からは書き込みの内容が一変していた。
1日目。 会社に行こうとしたら電車の運行が停止していた。 駅員の説明だと、暴動が起き線路が使えないとの事だ。 タクシーもバスも走ってなく、会社に休むと連絡しようとしたが回線が繋がらない。 今日は給料日だというのに、銀行も臨時休業だ。 明日は新作の美少女フィギュアが届くというのに・・・・・・。 2日目。 新作フィギュアどころじゃなくなった。 ゾンビだと? 悪い夢でも見てるのか? 親父とお袋は我先にと逃げ出したのか昨日から帰ってこない。 まぁ、ろくでもない親だし放っておこう。 食い物と飲み物を全て二階に上げ、階段にバリケードを作った。 3日目。 昨日、遠くから爆発音が聞こえて電気がストップした。 情報はラジオだけ、ポットも使えなくなった。 ペラペラとページをめくる。
11日目。 腹が減った・・・・・。 食い物はもう食い尽くした・・・・・。 ドアが破られ、バリケードが連中から俺を守ってくれている。 俺が居るのが分かるのか、家の周りはゾンビだらけで窓から逃げ出すことも出来ない。 バリケードを頑丈にしておいて良かった・・・・・。 15日目。 水ももうない。 あまりの喉の渇きに自分の小便を飲む事になるとは・・・・・。 16日目。 ちくしょう・・・・。 もう限界だ・・・・・。 ゾンビの海にダイブして食い尽くされようか? ・・・・・いや、首吊りにしようか・・・・。 どっちでもいい。 あばよ、最愛の弟。 借りてた5万円、返せなくてゴメンな。 ノートをしまい、再びエンジンに火を入れる。 もう少しこの辺りを探索してみよう。
街の懐かしさに、いつの間にかかつて通っていた高校へ向かっていた。 門は壊れている。 車が突っ込んで壊れている。 構わず、突っ込む。 あまりいい思い出のない学校だ、少しくらい壊しても問題ないだろう。 「おーい!!助けてくれーーーー!!」 戦車の姿に助けを求め駆け寄ってくる生存者が二人いた。 両方とも見知った顔だ。 かつての同級生だ。 ズームして顔を確認するが間違いない。 キュイィィンッ・・・・ 砲塔を動かし、その二人を捕らえる。 残弾は砲塔2、機関銃21発。 外部スピーカーのマイクのスイッチを入れる。 「バイト代10万の恨み、今ここで晴らす!!」 ぽちっとな。
ドォンッ! 車体の振動の直後、地面が爆発で抉れた。 バラバラになった血と肉の塊と臓物がベチャベチャと降り注ぐ。 はぁ・・・・スッキリした。 積年の恨みをやっと晴らした。 あいつらには散々いじめられたからな・・・・・。 カツアゲもされた恨みを今晴らせた。 さぁ、もう行こうか。 行く当てもないが。 テレビをつけてみた。 ニュースが流れている
『東京メガフロートコミュニティの全滅が確実視され、 自衛隊が主導となり臨時政府が設立されました。 東京メガフロートコミュニティには首相を始めとした全閣僚が避難していた為に、 現在生存が確認されている国会議員が皆無になった為です。 これより先は各コミュニティの指導者による合議で行動指針が決定されます。 また・・・・行事の為に東京入りしていた天皇陛下一族はメガフロートコミュニティに避難していた為に・・・・・』 『大規模コミュニティの存在する四国臨時政府は瀬戸大橋を始めとする本州との連絡橋を全て爆破しゾンビの侵攻を・・・・・』 『北海道臨時政府も海底トンネルを全て爆破し本州からのゾンビの侵攻を遮断・・・・・』 『本州の自衛隊コミュニティは生存者を北海道、四国、沖縄のコミュニティに空輸後に本州から事実上の撤退を宣言し・・・・』 「本州、見捨てられたか・・・・・・」 陸路は無し。 本州をさまようとしますか・・・・・。 アクセルを踏み、次の目的地を新潟辺りに決め向かう。 ・・・・・・寒いな。 燃料を補給し、一路内陸部へ。 ニュースの電波も届かないが、最後に聞いたニュースは第三次世界大戦の勃発を伝えていた。
行動原理が単純ですごくいいw 偽善的な行動がゼロだなwww
ゾンビと思われる連中は、のろのろと各自散り散りに歩いて行く。 「まずいな、一匹こっちに来るか…」 虚ろな眼差しとぽっかりと開いた口。何かに動かされているかのような動きはそれに違いない。 …恐らく、向こうもこっちに気付いている可能性は高い。 と、俺の後ろから黒服の女の子が勢いよく飛び出した。 「何をするつもりだ?」 ゾンビはその姿を垣間見ると、直ぐさま今までの動きを変えて一直線に彼女へと向かって行く。 「危ないぞ、戻って来い!」 足の痛みも構わず俺も飛び出し、パイプを握ってゾンビに向かって行った。 が、つかの間の内に彼女は鎌を振り上げると、一気に斜めに振り下ろす。 鈍い音と共に、ゾンビが首から道路にたたき付けられ、彼女は鎌を捻るとその首が簡単に外れ、地面へと転がった。 「…」 彼女は更に、無言のまま、まだぴくぴくと動くゾンビの首根っこから腹にかけてを切り裂き、何事もなかったかのように歩いて戻って来た。 鎌から血が滴った後が点々と道路に残っている。俺は何も言えなかった。 死骸は無惨な血飛沫と腐乱した臭いを漂わせている。 (なんなんだ、この女は…) 俺は彼女の淡々とした表情を横目で見ながら、原付きに手をかけた。
(仮名) ◆3zzOBQMRy6氏消えた?
ブロロロロロロロ・・・・・。 のどかな風景の中、排気ガスを吐き出す軽トラックで目的地に到着した。 「これだけあれば十分かな?」 資材を管理してる中年の男が軽トラックの荷台の荷物を見る。 「ああ、十分だ。いつもすまないな」 車を止め、荷物を降ろす仲間を見ながら錆びた戦車の車体に腰掛け、 冷たい湧き水で冷えた缶ジュースを飲む。 3年前にこの山間部の小さな村に辿りつき、そこで戦車が壊れた。 当初の目的地に設定した新潟からは遠く離れた場所だが、別段構わない。 都市部から大きく離れ小さな過疎化した村が幸いし、 この小さな村はゾンビの脅威から免れていた。 最初は警戒されたがゾンビに襲われない能力を生かし、 廃墟と化した街や都市から資材を運び込むのが仕事になった。 村の周り、周囲数キロにわたってフェンスや有刺鉄線を張り巡らせ、 その内側に幅の広い深い穴を掘り万が一のゾンビに備えている。 米や野菜を、家畜の肉を村人が自給自足し、 自分が資材調達し食料と寝床の提供を受けるという関係は当分続きそうだ。 終わり。
中二病作家氏乙です ラストまで唐突な展開かwww ジャンプの打ち切りみたいな収束の早さが素敵w でも斬新な展開が大好きだったんでいつか新作を宜しくお願いします 楽しませてくれてありがとー
中二病作家氏乙でした
乙です
>>367 乙です
今まで楽しませてもらいました
これからも頑張ってください
中二病さん、乙です。 でもなんかもったいないなぁ、、、もうちょい引っ張って欲しかった、、、
「まいどありー」 行きつけのラーメン屋の親父の声を背に店を出る。 空からは雪がちらほらと降っている。 アパートへの帰り道にコンビニで新聞を買う。 日付は2157年12月08日。 新聞の見出しは記事はポピュラーだ。 『北アメリカ連合と南アメリカ連邦の戦闘は泥沼化』 『中華人民共和国・人民解放連邦が連名で新国連に食料支援要請するも門前払いされる』 『中国大陸・朝鮮半島の放射能汚染は未だ深刻』 『日本海軍は密入国船を撃沈』 『首都京都にて遷都100周年記念式典の準備進む』 『世界の総人口、15億までに回復。未だ残る第三次世界大戦の傷跡』 『日本軍佐渡島基地に核兵器の配備完了。特定アジアエリアからの恫喝への対抗手段整う』 『第三次世界大戦勃発時のゾンビ説、学会で一蹴される』 『人類文明、21世紀初頭レベルまで回復する』 記事を読んでいるうちにアパートに着いた。 部屋に入り、ストーブとテレビを付ける。
『明日は全国的に晴れの見込みです。さて、次のニュース。 本日未明、旧首都東京に過激派が乗り込もうとし軍に拘束されました。 旧首都東京は第三次世界大戦前時の旧北朝鮮による核攻撃により壊滅し、 未だ残留放射能は危険値で・・・・』 面白くない。 チャンネルを変える。 『記念すべき、2000万人目の日本人が先程誕生しました。女の子で名前は・・・・』 スイッチをオフにし、布団に潜り込む。 日曜日、昼頃に起きて書店に向かう。 オカルトコーナーには相変わらず、第三次世界大戦の引き金になったのはゾンビだと 主張する三流本が並んでいる。 その横にはゾンビ説を否定する著書が並んでいる。 反ゾンビ論者の主張は“ならば現在ゾンビが一体も居ないのは何故だ?”で必ず締めくくられる。 そもそも、死んだ人間が生き返るなんて非科学的なことなど有り得ない。 人間を凶暴化させるウィルスなら存在するが、感染しても発症率は極端に低くすぐに鎮圧できるはずだ。
オカルトコーナーを通り過ぎ、田舎を取り上げた旅行雑誌コーナーに来た。 何気に故郷の村が懐かしくなる。 村の片隅にあった錆びてボロボロになった戦車でよく遊んだっけなぁ・・・・。 噂だと、僕の曾々爺さんは第三次世界大戦で壊滅した日本をその戦車で村まで来てそこで定住したとか。 子供の頃は信じてたが、大きくなるに従って眉唾物だと片付けた。 何冊か漫画本を買い、帰宅する。 明日は朝一の講義を受講しないと単位がやばい。 親からは次留年したら仕送りを止めると釘を刺されている。 どっちみち、卒業しようがしまいが家業の農家を継ぐんだが大学は卒業したい。 「あいつら、何してんだ?」 昼飯を食いながら構内に一角で作業している連中が気になった。 「ああ、あれは東京調査の連中だよ」 同じ講義を受講している友人の立川が教えてくれた。 「東京?放射能きつくて防護服でも1時間以上はやばいのにか?」 「工業連合が作った放射能除去装置の試作機のテストだよ」 「ああ・・・・アレか」
放射能除去装置で思い出した。 国内の工業メーカーの連合が試作した放射能を無害化する 遺伝子操作したバクテリアを散布するとか 言う、怪しい機械だ。 こんな物に何億もかける価値あるのか? 東京なんて溶けた高層ビルの柱が林立するだけの廃墟なのに。 中国あたりは欲しがるかもしれない。 なんせ大戦前と比べて国土を九割も失い、 その残った狭い国土も大半が放射能に汚染されている。 地図を見れば一目瞭然だ。 小国も含めれば50近い国家に分裂した旧中国時代の栄光を未だ引きずり、 中国は一つの中国という大義を掲げ近隣諸国に戦争を吹っかけたがっているが 戦争で手に入れるのは放射能汚染された領土と放射能から逃れようとする難民達だ。 「で、立川。お前、単位は?」 「ヤバヤバ。次留年したら即軍に入隊させるって親父が脅してきたよ」 「ふ〜ん。どうせ大学でたら徴兵されるのになぁ」 「ああ。軍人の家系なんて難儀なもんだよ。ったく、えーと・・・じいさんのじいさん?だったかが、 大戦時にMIAになった親父を探すんだとか言って軍人になったもんだから・・・・・」 溜め息をつき、立川はコーヒーを飲む。 「その時代はまだ自衛隊だろ?」 「同じようなもんだって」
>>376 訂正
×→50近い国家に分裂した旧中国時代の栄光を未だ引きずり
○→50近い国家に分裂する前の旧中国時代の栄光を未だ引きずり
もうちょっとだけ続くんじゃよ?!!!
>>378 続編みたいな物です。
設定。
前作から約120〜130年後。
第三次世界大戦は様々な国家で起きた戦争の総称で30年近く続いた。
(一部の国家は紛争の火種が未だ消えておらず)
人口を減らし戦争で文明を破壊した人類は復興に全力を注ぎようやく21世紀初頭段階まで復興。
ゾンビは駆逐され、存在を知らない世代が代を重ね存在を否定されている。
(自然死後のゾンビ化はある日突然終息。日本は民間人をも投入し本土奪還に成功)
極一部の学者がゾンビの存在を主張するもトンデモ学説として片付けられている。
日本は核武装した独立国家。
人口は約2000万人。
首都は京都。
軍は男女問わず徴兵制度。
高校在学時に卒業後に進学か兵役か選択。
こんな所です。
おまけ。
主人公は前作主人公の子孫。
友人の立川は番外編の(ry
ぼうや、助かったんだ、、、よかった、、、、wktk
いや高三病作家になるまで続けてくれ。 単独で専用スレ立ててもいいよ。グレイとだよ。
エピローグかと思いきや続編とは凄く嬉しいです wktk
今回も楽しく読ませてもらってます 応援してますので是非完結まで頑張って下さい
>>379 お疲れ様!設定書かなくても、本文から十分読み取れましたよ。
感染しながらゾンビ化しない男の子孫…
前作からの布石が繋がる…?
電車さん消えたね…………
MIAってどういう意味?」
ググれよ、ゆとり といったところで答えるDQNがいるから先に答えとく Missing In Action (作戦中行方不明)
核兵器の放射能汚染って100年以上経っても人が死ぬレベルなん?
>>388 実は東京はまだゾンビの巣なんじゃないかなー、と予想してたり。
いや、その放射線がゾンビ発生を抑えていて、 放射線除去によりまたゾンビ発生と見たね
みんな余計なこと言うな、話に影響するぞ。無反応さんそれで消えただろ あたたかく見守るんだ。
「今何時かな?」 立川が聞いてきた。 「ん〜2時半だ。次の講義には間に合うだろ」 「そうか」 立川は購買で買ってきたサンドイッチを頬張る。 そして自分の腕を見て真っ青になった。 「おい・・・・お前の時計・・・・止まってないか・・・?」 「へ?」 「・・・・・・2時55分だぞ・・・・・」 「・・・・・・・・・・」 「次の講義・・・・3時からだったよな・・・・?」 「・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・」 無言で顔を見合わせる。 「「急げ〜!!」」 ドダダダダダダダッ! 廊下を全力疾走する。 ガララララッ! ドアを開ける。 立川と二人、肩で息をして教授を見る。 ああ・・・・呆れるような哀れむような目で見ないで〜。 「そこの二人、いいから早く席に着きなさい」 教授は溜め息をつき、温情判決が下った。
旧首都東京隔離ライン。 このラインから数キロ先からは放射能の低レベル残留エリアになる。 バラバラバラバラッ!! 複数の軍用ヘリが上空を飛び交い、計測装置で上空の放射能値を測定する。 放射能防御輸送車に除去装置が積み込まれ、防護服を着用したエンジニアや関係者達が乗り込む。 『第一次部隊、前進せよ』 無線機の通信を受け輸送車がエンジン音を轟かせゆっくりと前進する。 「外部の放射能値25シーベルト。作戦予定ポイントに到達。送れ」 『作戦司令部了解。装置を設置せよ。送れ』 「了解。装置の設置に取り掛かる」 エンジニア達が動きづらい防護服を着ながら装置をなんとか設置する。 「もうすぐ限界時間です」 輸送車の運転手が不安そうに言う。 「大丈夫だ、設置は終わった。タイマーは15分後にセット。ここから離れよう」 輸送車に全員が乗り込み、廃墟の町並みの中を引き返して行く。 「山口博士!測定値が少しですが下がってきました!」 「予定通りだな。しかし、相変わらず凄い臭いだ・・・・」 「ええ・・・・臭いです・・・・」 周りを見れば酸素マスクを着用し始める面々。 「バクテリアが放射性物質を分解する時の分泌物のこの臭い・・・・相変わらず凄いですね・・・・」 「当然だ。何せ、装置の周囲に人間が居たとしたら余りの臭気にショック死してしまうだろうな・・・・。 さぁ、君。私たちも酸素マスクをしようじゃないか」 「はい・・・」
12月31日。 ギュッ!っと雑誌を縛り、収集場所に捨てに行く。 ピロロロロロッ! 携帯電話が鳴る。 立川からだ。 「よう、立川。そっちは?」 『2時間ほどで終わる。買い物して行くから下準備頼むぜ』 「おう。任せとけ。実家から送ってきた野菜が沢山あるからな。 じゃあ、切るぞ」 携帯を切り、アパートに戻る。 バケツに水を溜め、濡れ雑巾で畳を拭く。 午後7時、大掃除も終わっている。 グツグツグツ・・・・。 炬燵の上で携帯コンロに載った土鍋が野菜を煮込んでいる。 キノコも入れ、うどんも投入する。 トントンッ。 「おーい、早く入れてくれ〜。凍死する〜」 立川の声にドアを開けると立川が部屋に入ってくる。 「あったけ〜。生き返った〜」 「ゾンビかよ」 コントみたいなやり取りを早々に切り上げ、立川が買ってきた豚肉を鍋の中に投入。 酒をちびちび飲みながら鍋をつつく。 テレビの中では年末特番をやっている。 街のカップル達が取材を受けている生放送だ。 「ほー、彼女かいいねぇ。俺達は野郎二人で侘しい年越しだってのに」 立川がテレビに突っ込む。 「嘆くな嘆くな」 笑いながら更にそれに突っ込む。
この静寂は、普段人のいないところの無い大通りにも広がっていた。 「…酷い有様だな…。」 見通しが良い為に何かがあればすぐに目に入る筈だが、ガソリンスタンドはそこにはなかった。 道の両端には飲食店、コンビニエンスストア、そして花屋に酒屋に工務店に郵便局、そして銀行がある。 だが殆ど、窓や扉が破られていた。唯一花屋や工務店の状態はよかったが。 「朝飯が欲しいな。そうは思わないか?」 俺は後ろからついてくる女の子に顔を向けた。彼女はコクリと頷いて、ふと一方を指差した。 「ん?…ピザ屋か?…おっ。」 彼女が指差す先には、チェーン店で有名なピザ屋があった。だがそれよりも目に入ったのは、チョコンと置かれたピザ配達用のバイクだ。 そして真横には工務店。やることは決まっている。 「ちょっと見張っていてくれ。」 俺は工務店に用事深く足を踏み入れた。中は見通しがよくはないが、ゾンビはいない。 中は誰かに既に入られた後だった。だが、バールと、石油用の手押しポンプ、そして若干の針金と並べられたラジオペンチ、そして金属ヤスリは手に入れられた。 「こいつは大漁だ。」 バールを片手に外に出ると、彼女が袖を引っ張る。 「そう急かすな。」 ピザ屋の前に原付きを止め、配達バイクのガソリンタンクの蓋をこじ開けた。 「よし、こいつを拝借しよう。」 中に先程のポンプの片端を入れ、原付に繋ぐ。そして頭を手でへこませると、ガソリンが原付へと流れ始めた。
「東京都内の放射能、安全レベルに回復しました」 報告書を持ってくる軍人の報告を聞くプロジェクトリーダーの山口博士。 「ご苦労様。予定通りだね?」 「はっ!2157年12月31日、フタフタゴオマルを持って現プロジェクトは終了。 2158年1月7日、マルハチマルマルに次の段階に移行します。博士、ご苦労様でした!」 敬礼をする軍人に返礼する博士。 「いやいや。ようやく肩の重荷が降りたよ」 2158年1月8日、10時。 東京都内には総数3000名を越す複数の調査チームが在住していた。 軍は一部を除き撤退している。 「主任。予定地に爆薬の設置を完了しました」 「よし。やるか」 設置されたスピーカーから警報が鳴り響く。 「爆破1分前!爆破1分前!」 警報と一緒にスピーカーから事前に録音しておいた音声が流れる。
ドォンッ!! 振動と共に粉塵が巻き上がる。 「爆破成功!」 粉塵防御のゴーグルと防塵マスクをした調査員が爆破した場所に向かう。 瓦礫や砕けた溶けてガラス上になった土砂やコンクリを取り除く。 その穴の中に防塵マスクをしたまま侵入する一行。 懐中電灯に照らされた地下空間は人工の空間である。 ボロボロになったプレートには地下鉄の駅名が書かれている。 床に積もった埃を踏みしめ、進んでいく一行。 核爆発以降、1世紀以上外界と遮断されていた地下空間。 「さ、寒いですね主任」 「ああ・・・・・気温は・・・・摂氏2度。強めの冷蔵庫の中にいるようなものだな」 「・・・・・・おおおぉぉぉ・・・・ん・・・・・・」 「今のは?」 「今のって?」 「なんか変な音が・・・・」 「他の調査チームの爆破じゃないか?当然ながら地下鉄は繋がってるからな」 「・・・・・そうですよね・・・・」 調査チームは更に奥へと進む。
すげぇ! 今度の未来編が俺の脳内では大友克洋の絵柄で再生されてますw 合いそうじゃね?
1世紀経ってんじゃ冷蔵庫内でも流石に朽ちてんじゃね? 動き出した途端に腐って崩れるとか。
ブロロロロロロ・・・・。 立川と二人、バスに揺られている。 『え〜、次は静岡陸軍基地〜静岡陸軍基地〜。お降りの方はボタンを押してください』 アナウンスに立川がボタンを押す。 大学がありアパートのある神奈川から電車・バスを乗り継ぎ静岡市にある陸軍基地に向かっていた。 バスを降りる。 「はえ〜・・・・」 でかい。 そりゃあ、戦車やら自走砲やらをも装備してるから当然か。 バス停から軍基地の入り口に向かう。 「何か当施設に御用ですか?」 警備兵が声をかけてきた。 うう・・・・軍施設って初めてだから緊張するなぁ・・・・・。 「立川ですが、射撃をしに来ました」 立川は落ち着き払い、身分証明書を見せる。 職業軍人の身内が持つことを許される特殊な身分証だ。 「拝見します」 警備兵がハンドコンピューターで身分証の下に印字されているバーコードをスキャンする。 「・・・・立川 隆一さんですね。立川大佐のご子息・・・確認しました。そちらの方は?」 「連れです」 「では、あちらでボディチェックを。窮屈に感じられるかもしれませんが、規則ですので」 警備兵に連れられボディチェックを受けるエリアで警備兵と共に待機する。 「やっぱ、かなり厳重な監視なんだな」 「当たり前だろ。いくら職業軍人の子だからってフリーパスってワケには行かないさ。 武器の持ち出しを防ぐ意味もあるしな」 「やっぱ、あるのか?」 「当然。職業軍人の息子娘を過激派とか武装左翼が洗脳したり取り入れて武器を手に入れようとしてるからな」 う〜ん・・・・・軍人の世界って複雑なんだなぁ・・・・・。
金属探知機を通った後、パンツ1枚になるまで脱がされ施設内へやっと入る。 「うへぇ・・・・疲れた」 「帰りもあるんだぜ、これ。しかももっと厳しいの」 「死ぬぅ・・・・」 ダダダダダッ! 「うおっ!この反動すげっ!!」 「今標準武装の一五○式軽機関銃だ!」 立川が大声で説明してくる。 大声じゃないと発砲音で殆ど会話にならないからだ。 民間人が徴兵前に銃を撃てる訳がない。 立川の親が職業軍人である事がそれを可能にしていた。 徴兵制度を採っているが、兵役が満了して軍に残る選択をするのは全体の僅か数%。 そこで軍が着目したのが職業軍人の身内へのある種の特権。 一定年齢に達すればその身分証が軍から発行され一部の軍施設への入場許可証になる。 本人とその友人までが有効範囲で本人とその親しい知人に軍の一部を体験させ 軍に対する意識のハードルを下げようとする試みだ。 「撃ち方やめ!」 監視兵の声に銃撃を終える。 指示に従い安全装置をロックしマガジンを外し回収係に渡す。 「次はグレネードランチャーだが・・・やるかね?」 「もちろんです」 立川が答える。 ここでの行動決定権は立川にあるからそれに従う。
PXに行き、部外者用の食堂で食券を買う。 「はいよ、レバニラ定食2丁お待ち!」 食欲をそそるいい匂いだ。 席に着き、食事を始めてしばらくたった時だった。 立川の動きが止まった。 視線は自分の背後にある入り口の方を見ている。 ゴクン。 立川が口に入っていた分を飲み込む。 「げ・・・・・親父だ・・・・・」 後ろを見てみる。 うわ・・・・バリバリの軍人だ・・・・当たり前だけど。 「隆一、来ていたなら顔ぐらい見せんか」 「は、はははは・・・・。連れが一緒だから恥ずかしくて・・・・・」 「連れ・・・・?ほう、君が・・・・」 えーと・・・・なんかじろじろ見られてるんですが・・・・・。 「食事中にすまんが、ちょっと立ってくれるかね?」 特に断る必要も無く、立ち上がる。 あ、ちょっと・・・なんで身体触ってくるんだろう・・・・? ま、まさか・・・・・ホ○・・・・? ガシッ! 思いっきり肩を叩かれる。 いたたた・・・・! す、凄い力だ。 「君、陸軍に入隊しないかね!?」 うわ・・・・・・これまたベタな・・・・・。
バンッ! テーブルに一枚の書類を叩きつける。 「さぁ!これにサインすれば君も今日から軍人だ!さぁ!さぁさぁさぁ!!」 ジャバーーー。 大佐の頭から水が流れてる? 「少しは落ち着いたか?馬鹿親父」 ・・・・・・うわ、コップの中の水を頭からかけたのか・・・・・。 「何をするんだ」 え・・・? 落ち着いてる・・・・・。 普通激怒しないか? 「親父・・・・こいつまだ大学生なんだって・・・・」 「そんな物、退学手続きを取ればいいではないか」 「何人の人生の舵を奪おうとしてるんだっての!」 「ふむ・・・・。惜しいな。鍛えればかなりの使い物になるんだが・・・・。 まぁ、いい。ははははは。私は決して諦めないぞぉ!よし、訓練に戻るぞ!」 「「「はい!大佐殿!!」」」 連れてきていた部下三人が同じタイミング、同じ動きで発言・行動する。 なんか、ロボットみたいな部下だな・・・・。 部下を連れ、食堂から出て行く立川の父親。 かなりテンション高い人だ・・・・・。 席に着き、食事を再開。 「はぁ・・・・親父に見込まれちまったな」 「でも、陸・海・空どれに配属されるかは徴兵後の適正訓練しだいじゃないか。 陸軍って決まったわけじゃ」 「いや・・・・100%陸軍だ。しかも、親父の管轄部隊だ」 「へ?」 「きっと、今頃他の部下にお前の身辺調査させてるぞ。で、コネ使いまくっていろいろ手回しして・・・・・。 親父に付いていた三人の軍人いただろ?・・・・・四人目決定だな」 えー?アレになるの僕? 不安全開の未来だ・・・・。
w
流れ切ってスマン。ゾンビって人肉食欲求しかないんだよな?どっかのサファリパークで、猛獣に襲われた奴の音声思い出した。悲鳴より、痛いよ〜。って声の方が、恐い。
連投、スマン。おいらも、仕事柄、危険動物の飼育したんだけど、運悪く、顔の肉をえぐり取られたのよ。正直、痛いって叫んだよ。ゾンビが現実にいたら、ガチで恐い。実際、目の前で肉食われる、飲み込まれると、痛いの死ぬの嫌って思うよ。
普通に続編のクオリティが上がってるっ ドキドキですなぁ
ゾンビにwktk
地獄の釜の蓋をあけちゃったんだね 発破で
>>406 それが分からないところなんでつ。
新ドーンのゾンビは犬に興味払ってなかったけど、ロメロ三部作はどうなんだろ?
ゾンビ映画をBGM代わりにしている漏れも分からないのでどうしようか悩んでる。
バタリアン系はトライオキシン汚染だしバイオハザードシリーズはウィルス・・・・。
やっぱ、人間以外には手を出さないんだろうか・・・・?
デイオブ〜でもワニが序盤に徘徊してたけど・・・・・・
>>413 気持ちはわかる
四男は嫡子として認めたくないんじゃね?w
嫡出児だろ 嫡子は基本的に長男か正室腹
あ、そーだったんだ 間違えて覚えてたw指摘さんくす
>>408 いえ、ワニです。同じようにトカゲに、食われた人いるんですか?その人なら、わかってくれるかも。
クロコダイルダンディーですか?
あ〜あ、疲れた・・・ こいつらの仲間になるのもいいかもな・・・ 窓越しに手を伸ばす・・・ 痛っ!
>>419 ∩___∩
| ノ ヽ
/ ● ● | 奴らの仲間になる前に俺が始末するクマー
| ( _●_) ミ
彡、 |∪| 、`\
/ ゙ヽ  ̄、::::: ゙l,
|;/"⌒ヽ, \ ヽ: _l_ ri ri
l l ヽr‐─ヽ_|_⊂////;`ゞ--―─-r| | / |
゙l゙l, l,|`゙゙゙''―ll___l,,l,|,iノ二二二二│`""""""""""""|二;;二二;;二二二i≡二三三l
| ヽ ヽ _|_ _ "l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |二;;二二;;二=''''''''''' ̄ノ
/"ヽ 'j_/ヽヽ, ̄ ,,,/"''''''''''''⊃r‐l'二二二T ̄ ̄ ̄ [i゙''''''''''''''''"゙゙゙ ̄`"
/ ヽ ー──''''''""(;;) `゙,j" | | |
「8体目か」 目の前に並べられた死体の数は8体目だ。 ボロボロになった服を身に纏っている。 どの死体にも共通点があった。 死因は放射能ではない。 発見された死体はすべて頭部に重大な損傷が外部からの攻撃で加えられたように見える。 「・・・・・脳を破壊されて死亡か・・・・?いや・・・、 こっちの死体は蜂の巣になってるが致命傷は銃じゃない・・・・・」 調べれば調べるほどに奇妙だ。 全面核戦争と言っても過言ではない第三次世界大戦初期に核ミサイルを撃ち込まれた東京。 いや・・・・・・そもそも・・・・・・この深度なら放射能はコンクリートに妨害されて到達しない・・・・。 駅か換気口、他の入り口から流れ込んだか? ・・・・・いや、それらは核爆発の衝撃や超高熱で溶けて塞がった・・・・。 核の直撃を受けた東京で生存者同士が争った? 食料や水が大量にあるわけじゃない・・・・・。 食べ物を奪い合い・・・・・いや、ならば相手を行動不能にすればいいだけだ。 しかも・・・・殆どの死体に噛み傷があるのが気になる・・・・・。 共食い・・・・・? いや・・・・それにしては不自然すぎる・・・。
「う・・・うう・・・・・」 片足を引きずりながら調査員の1グループの班長・・・・秋岡班長が青木調査員の肩を借りて戻ってきた。 「どうした?」 「主任、秋岡班長が負傷しました!」 「なんだって・・・・!?・・・・うわ・・・・ひどいな・・・・・」 脹脛の肉が抉られている。 止血等の応急処置をしてあるが本格的な治療が必要だ。 「盛岡衛生員、担架で秋岡をベースキャンプまで移送しろ」 「はい!」 他の衛生隊員も手を貸し、負傷者を搬送する。 「青木、秋岡の負傷時の様子を話せ。記録を取っておく必用がある」 「はい。調査休憩時でした。秋岡班長はホームに座って線路側に足を下ろして弁当を食べていたんです。 他のみんなも好きな場所で。そうしていたら、突然秋岡班長の悲鳴が聞こえて・・・・・」 「ホームに何か居たか?」 「わかりません。暗すぎて・・・・」 「急患です!脚部負傷!」 ベースキャンプの一つの医療所に秋岡を搬送する衛生隊員。 そこで信じられない物を見た。 負傷者は20名を越えている。 多すぎる・・・・。 「その簡易ベッドに寝かせてくれ。他のキャンプも負傷者が出ているそうだ」 「医療主任!もうすぐ輸送ヘリが来ます!」 「分かった!君達、すまないがしばらくここに居てくれ!ヘリに患者を乗せる人手が欲しい」 「分かりました」 「う・・・うう・・・化け物だ・・・・・・・・」 負傷者の一人が呻きながら呟いた。 だが、他の負傷者の呻き声や医療要員の声に掻き消されてしまった。
復活おめ〜
424 :
本当にあった怖い名無し :2007/10/08(月) 02:09:19 ID:2XnU0eXzO
hobby9全滅だったなw
先が気になります どのように崩壊するのか どのように生き残るのか楽しみです 作家様是非頑張って下さい
「全ベースキャンプで負傷者は200名を越えました」 夜、中央ベースキャンプの報告会議が行われている。 「内、発破時の事故が1名、崩れたコンクリートで8名、足を踏み外して捻挫したのが2名。残りは不明です」 「不明?不明とはどういうことかね?」 「はい。何らかの地下生物の襲撃だと思われます。恐らくは大戦時の死体を餌にしていたのかも。地下の平均気温は 1度ですから」 「そうか。で、負傷者の処置は?」 「はい。重傷者が多いのでヘリ等により各都市の大病院へ搬送されました」 「ふむ・・・・。とにかく、京都の本部委員会に人員補充の申請をしようと思うが・・・・諸君の意見は?」 「異議無し」 「異議無し」 「異議無し」 ・・・・・・・・・・その後も「異議無し」は続き、満場一致で増援要請を行う事が決定した。 「・・・・ふわ・・ぁぁぁ・・・・・」 大きな欠伸をする地下調査口(旧地下鉄入り口)見張り番の調査員の一人。 時刻は真夜中だ。 ズル・・・・ズル・・・・ズル・・・・。 微かな音が地下から近付いていることに彼は気付いていない。
「お弁当温めますか?」 「お願いします」 「はい。以上5点で1541円になります」 代金を支払い、温まった弁当他を受け取りコンビニを出る。 何気なく携帯を見る。 液晶画面には東京調査隊の怪我人続出に関するニュースが流れていた。 携帯をポケットにしまい、カゴに買い物袋を入れ自転車でアパートへ帰る。 「先生、患者の様態が急変しました!!」 大部屋の病室が緊迫する。 ベッドの上の患者は東京調査隊員の一人だ。 全身をガタガタと痙攣させ、高熱で白目を剥き泡を吹いている。 「体温は!?」 「41.7度です!」 「解熱剤と鎮静剤を!!」 「はい!!」
ピーーー・・・・・。 心電図が平らになる。 電気ショックも心臓マッサージも効果ない。 「・・・・・・・02時50分、死亡」 担当医が力無く言う。 「先生、死んでませんよ?」 「何を言ってる、心臓が動いてないんだぞ・・・・」 「でも・・・・こっちを見てますよ?」 「何・・・?・・・馬鹿な・・・・!機械の故障か?」 聴診器を胸に当てようと手を伸ばす。 ガリッ・・・・・。 「ぐぎぃ!?があぁぁぁぁ!!は、放せ!だ、誰かこいつを放してくれ!」 腕に噛み付かれ、医師の悲鳴があがる。 看護士達が総出で患者を引き剥がす。 その際に何名かの看護士も噛まれたりした。
ヤベェ…面白ぇ… 前作はなんでもありの面白さだったが、今回はクオリティ高い!
是非子孫も自己中まっしぐらで逝って欲しいww
431 :
本当にあった怖い名無し :2007/10/08(月) 13:57:38 ID:GZtvSsoZ0
うん
今回は王道
さらに緻密な設定って感じ
ここまで作風変えれる中二さんすげぇ
でも正直
>>430 ルートも期待している俺がいるw
キキィ・・・・・。 ブレーキの制動でトラックが停車する。 見事に一列に並んだトラックの総数は100車両以上。 トラック以外にも装甲車やら戦車やら自走砲が何十台も並んでいる。 時刻は朝の4時少し前。 トラックからバラバラと降りてきた数千名もの歩兵が部隊ごとに整列する。 暗闇で見えないが、上空では数十機の輸送航空機が旋回し作戦開始時刻を待っている。 沖には同じく数十隻の、それこそ民間からも徴用した輸送船やタンカーが待機している。 その中には国際協力として友好国である台湾の船舶も何隻か混ざっている。 作戦指揮官は日本国大統領名の指令書を最終確認する。 現在地は旧山口県。 大統領指令は不法滞在者の武力を持っての強制送還。 京都に遷都した時、当時の初代日本大統領は在日外国人に帰化するか国に帰るかの選択肢を与えた。 帰化した者、帰国した者は大勢いた。 だが、当時内戦・戦闘継続中だった中国大陸方面の者達で帰化を拒んだ者達は 戦時難民として戦争終結までの間の特別居住権を与えた。 中国の内戦全てが終結し50年以上が過ぎている。 日本は復興・都市再開発に国力を全て注ぎこんだ。 難民は後回しにしていた。 そんな中、鹿児島方面への民間の輸送車両が相次いで不法滞在難民に襲撃されるという事件が立て続けに発生。 帰国をなおも拒み日本政府からの支援はとっくの昔に全て途絶えている難民達の自治区が暴れだした。 帰化した諜報員を潜り込ませ、大陸側のマフィアが不法入国に成功し難民街を牛耳った事が判明。 急遽日本軍による強制送還が極秘裏に決定した。 4時になる。 日本軍は音も無く不法難民自治区へ進み出す。
グルグルグル・・・・。 噛まれた場所を消毒し、包帯を巻く。 引継ぎも終わっている。 「先生、必用書類一式を確認しました」 「ご苦労。あいたたたた・・・。航空チケットは?」 「こちらに。たった今、タクシーが到着しました」 「分かった。それじゃあ、後のことは頼むよ?」 「はい。北アメリカ連合での学会の無事成功を」 医師はタクシーに乗り込み、一路空港へ向かう。
4時19分40秒。 日本軍が緊張に包まれる。 作戦決行まで、後20秒。 ドドドドドドドドドッ!! 轟音を轟かせ、戦車の大群が先陣を切る。 ドォンッ! ドォンッ! ドォンッ! その後に続く自走砲が立て続けに催涙ガス弾を自治区に撃ち込む。 タタタタタタタタッ! 対人用ゴム弾が騒ぎに飛び出してきた難民達に襲い掛かり、動けなくなった所を網で捕獲し連行する。 ドォンッ! 戦車の砲塔が一斉に炎を吹き、マフィアが根城にしているビルで炸裂する。 ターンッ! 鉛の銃弾に被弾した日本兵が倒れる。 「銃撃ーー!!」 一斉にゴム弾のマガジンから実弾のマガジンへ交換。 マフィアに一斉射撃をしその隙に被弾し流血している兵士の襟首を掴み安全な場所まで引き摺り衛生兵が 救命設備の整った装甲車に搬送する。
戦車やら自走砲持ち出しながらわざわざゴム弾使うぐらいなら普通に焼野原にしちまった方が(ry ま、政治でゴタゴタしてるのかも知れないけど。 あと自走砲は突撃させるんじゃなくてアウトレンジから弾撃ち込むもんだったり。
「止住!」 「哀号!」 難民をコンテナに詰め込む。 『早くしろ!早く”荷物”を”出荷”するんだ!!』 輸送ヘリから垂れ下がるワイヤーをコンテナとロックさせる。 「”荷物”の”出荷”準備完了!繰り返す!”荷物”の”出荷”準備完了!」 ヘリは次々とコンテナを海上の輸送船に送り込む。 『突入部隊へ。”物体”の捜索を最優先せよ。射殺許可は出ている。”物体”を急いで探し出せ』 「エコー1了解!」 『エコー2了解!』 『デルタ1了解!』 マフィアの銃撃に部下が応戦している。 「閃光音響弾!」 部下の叫び声の後に凄まじい閃光と音がする。 その後に続いて一斉射撃の銃声。 「エコー1、地下5階を制圧。”物体”の捜索に移る」 『デルタ1だ。悪いなエコー1。賭けは俺達の勝ちだ』 その声に部下が溜め息をつく。 制圧したビルの地下から搬出される”物体”は頑丈な金属ケースに入っていた。 「”物体”・・・・原子炉の炉心・・・・か」 旧島根県原発から略奪された核物質。 ダーティー・ボムに使われない内に確保は成功した。
空は既に明るくなり、時間は朝の7時になっている。 『対馬基地から連絡。”荷物”の”配達”は順調。”荷物”の”配達”は順調』 中国大陸海岸線の国家には既に”料金”は支払ってある。 ”受け取り拒否”なんて言う行動にはまず移らないだろう。 テレビは旧山口の不法難民の排除を報道している。 一人の自称人権派コメンテーターがそれを批判する。 すぐにテレビの画面はお花畑になりクラッシック音楽が流れる。 三十秒もしないうちに画面は元に戻ったが人権派コメンテーターの座っていた席には テレビ局のマスコット人形がチョコンと座っていた。 あーあ・・・・・・・。 すぐにテレビから目を離す。 トントントントン・・・・・・。 炬燵の天板の上の白い粉末を定規で丁寧に集める。 それに金属製のストローを近付け、一気に鼻で吸い込む。 「くうううう・・・・効くなぁ〜・・・・・・」 金属製のストローをティッシュで拭き、紙袋に戻す。 その中には同じ粉末の入った小袋がまだいくつも入っている。 袋には病院の名前が書かれている。 この鼻炎の薬、効くんだけど座薬・・・・じゃなかった、麻薬と間違えられそうだよなぁ・・・・・。
438 :
本当にあった怖い名無し :2007/10/09(火) 18:36:22 ID:tFoen7ITO
俺だったらMOB落として消毒するな
冷蔵庫から缶ジュースを出し飲む。 もうすぐ昼飯だなぁ・・・・・何食べようか? 窓には近付くなと数分前に部屋に来た警官が警告をしてきた。 理由には心当たりがある。 パソコンの電源を入れインターネットに接続する。 専用ブラウザを立ち上げ160年以上昔から存在する超老舗巨大掲示板群、《2ちゃんねる》にアクセス。 地域別の実況板を読み込む。 ”今、俺の家に警官が来て外出禁止令出していった(874)” それを読み込む。 うん、状況は酷似している。 窓の外から微かに銃声がする。 うはwww警官がヤクザの屋敷に突入してったwwwww おおっ!ヤクザが引きずり出されて脳天ぶち抜かれたwwwwww リロードする度にリアルな実況が続く。 テレビのローカル局はこの近所にあるヤクザの屋敷に警察の特殊部隊が突入した事を報道している。
ピロロロロロッ! 携帯が鳴る。 ディスプレイに表示された発信者は立川だ。 「立川か、どうしたんだ?」 『いやー、ヒマでヒマで。今から遊びにいかねぇか?』 「無理」 『即答かよ!?』 「外出禁止令出てるんだよ、こっち。ヤクザの事務所に警官が踏み込んでさ・・・・・」 『そうかぁ・・・・。じゃ、終わったら教えてくれ』 「ああ、終わったら連絡する」 携帯を切り、テレビの国営放送チャンネルJHKにチャンネルを切り替える。 外の銃声をBGMに缶ジュースを飲みニュースを見る。 『東京調査隊の怪我人続出を受け、委員会本部は怪我人総数よりも多い500名を即日増援として派遣すると発表、 増援調査隊は本日の午後1時に東京入りする予定です。では、次のニュース。 昨日深夜、連続殺人で指名手配されていた柳沢 薫容疑者(31)が逮捕されました。 容疑者は今朝方起訴され、被告となり今朝10時に裁判が開廷。 判決は死刑が言い渡されました。死刑執行は今夜6時に生中継の予定です』 ふーん・・・・・あいつ捕まったんだ・・・・・。 見逃さないようにしないと。 パソコンのテレビ録画ソフトに予約を入れる。
文章からその状況が頭の中で描写出来楽しく見ています また作家様の想像をかきたてる文章が非常に面白いです 今後の展開が気になりますので途中で終わらず是非今回も 完走して下さい 心より応援申し上げます
「瑞樹ーー!!どこにいるんだーーー!?」 廃墟都市東京に声が響く。 『状況は?』 「瑞樹調査員は未だ発見できません。調査対象を広げますか?」 『よかろう。崩壊の危険の少ない建造物内の捜索を許可する』 「了解!」 その指示に隊員達は2人1組で手当たり次第に建物の内部を捜索開始する。 軍に応援を依頼したいが旧山口県での難民強制送還作戦でこっちに人手を割くことは難しいらしい。 他の者を見習い、自分達も建物の中に入る。 積もった埃やら何やらで歩く度に粉塵が舞い上がるから防塵マスクとアイゴーグルは必需品だ。 懐中電灯の光を頼りに階段を上る。 当然ながら1世紀前のエレベーターなんて使えるはずもない。 2階は廊下が崩れた構造物で通行不能。 3階の廊下は崩れて階下に落ちている。 4階でやっと捜索が可能になった。 戦前は何かの会社だったのか錆びたスチール机やら会議用の折り畳まれた机が朽ちている。 懐中電灯の光が部屋のプレートを照らす。 社長室と。 中に入る。 思ったより保存状態がいい。 窓の向きは爆心地を背にしている。 かつては豪華だっただろう机の上の紙の束を発見する。 風化でボロボロになっているが新聞だと分かった。
シャカシャカシャカッ! エアースプレーをよく振る。 シュッ! 少し離れた場所からひと吹き。 もうもうと粉塵が舞い、重力に引かれ床に落ちてゆく。 「20・・・・年・・・・虫食いか?・・・10月・・・・」 世界大戦が勃発されるとする月より1月ほど前みたいだ・・・・。 「・・・・死者が・・・・歩く・・・?」 かろうじて読み取る文字は死者が歩くだの人間を食うだの・・・・。 「・・・・ただのタブロイド紙か?」 ページをめくろうと手に取ろうとしたが触れた途端にボロボロ崩れ去ってしまった。 『各員に通達。増援が到着した。引き続き捜索を続行せよ』 ズズズズズ・・・・・。 うどんをすする。 まだ外出禁止令は解除されていない。 警察もヤクザの予想以上の抵抗に苦戦しているみたいだ。 窓越しに外を見る。 あ・・・・真っ黒な煙だ・・・・。 パソコンの専用ブラウザでスレッド一覧を再読み込みし最新のスレッドを読み込む。
警察、火炎放射器まで持ち出したwwwwww 今テレビで中継してるがすげぇ!! 迷わずテレビを付ける。 マスコミへの報道規制が緩和されたらしくヘリからの映像が生中継されている。 警官隊が四方八方からヤクザの屋敷に火を放っている。 うーん・・・周囲が空き地だけだから出来る荒業だな。 テレビからの報道だと、軍にミサイル一発撃ってもらう案もあったらしいが却下されたらしい。 あ、火達磨のヤクザが数人飛び出してきて地面を転げまわってる。 おっ!警官隊に射殺された。 屋敷の構造体が限界に達したのか崩壊した。 それと同時に待機していた消防車が消火活動に入った様子だ。 更に1時間後、ようやく外出禁止令が解除され立川に電話をかける。
ジャラ・・・・。 手にアスピリンを何錠か取る。 頭が痛い・・・・熱っぽい・・・・。 客室乗務員に頼んだ水が来るとアスピリンの錠剤と共に流し込む。 「ふう・・・・・」 座席シートを後ろに傾ける。 ここがファーストクラスでよかった・・・・・。 アイマスクを着用し毛布を被り身体を休める。 テロ対策やらで客室とコクピットは完全に遮断されているから客室乗務員がコクピットに行く ためにここを通る事等ない。 パイロットに何かあっても自動操縦は着陸まで制御可能だから安心だ。 だからゆっくり寝よう。 ファーストクラスにはたったの4人しかいないし他の客も寝ているか音楽に浸って大人しい。 目的地の北アメリカ連合アトランタ空港までまだ半分の距離がある・・・・・。 ・・・・・・物凄く眠い・・・・・・・・。 ギッ・・・ギッ・・・ギッ・・・。 その足音に客室乗務員はファーストクラスのある2階から降りてくる人物に気が付いた。 「お客様?お体の具合はよろしいのですか?」 その客の口元に赤い液体が付いている事に気付いた時には既に手遅れだった。 航空機内が阿鼻叫喚の地獄となるのにそう時間は掛からなかった。
すげぇ混沌とした世の中wwww もしかして、前作はこの世界観を作るための布石か…?
447 :
本当にあった怖い名無し :2007/10/10(水) 16:25:50 ID:DLtwYE2C0
ここからデッドフライト開始?w
デットフライト>スネークフライト これだけはガチ つか中二病さんの展開が普通におもしれ〜
シャー・・・・・。 自転車をこいで一路大学へ向かう。 門の入り口で構内に自転車で入ってゆく立川と合流した。 「おーし、きたなー」 構内の片隅にあるコンクリートブロックを積み重ねただけの簡単な建物の前に自転車を止めると 中からアメリカ系日本人のエドワード教諭が出てくる。 「んじゃ、これが予定表な。中に作業手順の書いた書類があるから目を通して作業をすること。 後、もう一度言っておくが時間給じゃないからな。早く完成させても期限ギリギリでもバイト代は変わらないぞ。 分からない事や作業が終わったら俺の携帯に電話しろよな?」 「うーっす」 「うぃっす」 大学主催のイベントの小道具作りのバイトに応募した立川と自分で見事に採用され、今日から作業開始だ。 「うーん・・・・・殺風景だな」 立川が呟く。 「そりゃあ、倉庫だからな」 地面は打ちっ放しのコンクリで建物に窓はほんの少し。 一応、照明とコンセントはある。 エドワード教諭がよかったら使えとワンドアの冷蔵庫とポットを設置してくれてある。 飲料水とコンビニのおにぎりやサンドイッチを中に詰め込みむ。 えーと・・・・・釘撃ち銃は・・・・2つともバッテリー充電済みか。 ペンキ缶も十分ある。 作業手順の書類を読み作業を開始。 早く終わらせて講義開始日まで遊びたいし、二人で泊り込みの許可を貰ったから二人とも寝袋持参だ。
ピッ・・・ピッ・・・ピッ・・・。 規則正しい電子音。 「ひぃー・・・ひぃー・・・ひぃー・・・」 切迫した苦しげな荒い息。 ピーッ! 電子音が甲高くなる。 「はい、息んで!!」 「うぐうううううぅぅぅぅぅぅーーーーーーっ!!」 ピッ・・・ピッ・・・ピッ・・・。 再び電子音が規則性を取り戻す。 医師や看護師に囲まれた分娩台の上で妊婦が出産の時を迎えていた。 妊婦の胸元には患者用のIDカードと出産許可証が息をするたびにプラプラと揺れる。 「・・・・・ぁぁぁぁぁ・・・・・!!」 さっきから外が五月蝿い。 医師はドアを睨みつけ、手近な場所に居る看護士に外で騒いでいる人間に注意して来いと指示を出す。 頷き、看護士は分娩室のドアの内部ロックを解除した。 途端、ガチャッ!っとドアが乱暴に開けられ一人の患者服を着た男が部屋の中に駆け込んできた。 「おい!関係者以外は立ち入り禁止だ!早くこいつをつまみ出せ!!」 医師が怒声を上げ看護師数人がそれに従う。 「あああああああああっ!!嫌だ!!嫌だ嫌だ!!外に・・・・外に追い出さないでくれええぇぇ!!」 二人掛りで男を両側から抱え、別の一人が再びドアを開けた。
「ぎゃああああああああああああああああ!!!!」 叫んだのは、部屋に乱入した男でもなく、妊婦でもなく、ドアを開けた看護士だった。 喉笛を患者服を着た別の男に食い千切られ、更に他の患者が看護師に暗い付く。 次々と部屋に入ってくる患者、医師、看護士、通院患者達。 彼らに共通するのは唯一つ。 全員が致命傷を負っているにもかかわらず動いている。 次々と入ってくる侵入者に医師、看護士、乱入した男、出産中の妊婦までもが襲われて行く。 「あああああああああああああああああああああ!!」 ズルッ!! 驚きのショックのあまり、胎児が産道を一気に通り抜け分娩台に排出された。 それに続き胎盤も排出される。 羊水で濡れた新生児は産声をあげる間も無く、動く死者達により母親の目の前でその柔らかい肉を食い千切られ 咀嚼し飲み込む姿を見せ付けられる。 「ひぎゃあああ!!」 「いでぇ!いでぇよおおっ!!」 「あ・・・赤ちゃんが・・・・私の赤ちゃんがああ!!ぐえっ!!!」 分娩台にまで到達したゾンビがその手を産道に突き入れ子宮を引き摺りだす。 「あががあああがががーーーー!!!」 雄叫びの様な悲鳴は更に他のゾンビを引き寄せ、その全身を次々にゾンビ達に食われて行く。 「ごぼっ!ごぼ・・・・・」 血を吐きながらその部屋の最後の命は消えた。
452 :
本当にあった怖い名無し :2007/10/11(木) 20:18:34 ID:xC0dZkgnO
>>449 作業の合間に息抜きとして遊ぶのにボウリングの球も必要だと思う
453 :
本当にあった怖い名無し :2007/10/11(木) 20:36:03 ID:fdVa89GgO
リレー形式にしないの? かゆい うま
昨日本屋を覗いたらハイスクールオブザデッドってタイトルの漫画があった。 ゾンビ物好きなおいらとしては当然まとめ買いしますた。 内容は・・・・うーん・・・・・個人的には面白くなかった・・・・・・・・・・・・。
トランク、配膳台、その他諸々。 航空機内部で生存者とゾンビを隔てる、余りにも頼りないバリケード。 既にゾンビの数は生存者の三倍近い数に膨れ上がっている。 客室乗務員も全員がゾンビになっている。 「頼むから誰か出てくれーーーー!!!」 機内後部の機内電話。 コクピットの機長達と会話する為の物だが故障しているのか音すらしない。 「ちくしょう!こっち側が崩れそうだ!誰か手伝ってくれ!!」 ゾンビが押し寄せ、バリケードが歪み始める。 「頼む!持ちこたえてくれ!」 何人かが駆け寄り、押さえ込む。 ギシギシと機内持ち込み可能だったトランクが擦れ合い、嫌な音を立てる。 隙間からゾンビの姿が垣間見え、ゾンビ側からは隙間から新鮮ピチピチの人肉が見えている。 ゾンビの圧倒的な物量に生存者達は絶望しながらも足掻き続ける。 「何でだ!何で機長と話が出来ないんだよぉ!?」 何度も通話を試みていた男が叫ぶ。 「食われてたまるか!ここから逃げたら彼女と結婚するんだ!」 「ば、馬鹿野郎!典型的な死亡フラグ立ちまくりの台詞吐くな!縁起が悪いだろうが!!」
「うううううううっ・・・・・・!!!」 怒声の中、冷たくなった我が子を抱き締める母親の姿があった。 「マイク・・・・マイクゥ・・・・・」 「おい!早くそいつの脳を破壊しやがれ!化け物になっちまうだろうが!!」 「化け物なんかじゃないわ!マイクは・・・・マイクは優しい子なのよ!あなたにマイクの何がわか・・・・ごぶっ!?」 「だ、だから言ったんだ!!おい!誰かあの二人を始末してくれ!!」 「わ、わかったぁ!」 「ば、馬鹿!持ち場を離れ・・・・・」 ドザァッ! 倒れこんだゾンビと共にバリケードの一箇所が決壊した。 『ご乗客の皆様にお知らせします。当機は間も無く着陸態勢に入ります。 ご着席の上、シートベルトをご着用下さい』 場違いな機長のアナウンスが流れる。 「ひっ、ひいいいぃぃぃぃぃっ!!」 ギュッ! タイヤが路面と接触し、激しく軋む。 徐々に減速し、航空機はターミナルに近付く。 通路がせり出し、航空機のドアへの通路が出来上がった。 コクピットからの遠隔操作でドアが開く。 人々で溢れたターミナルに・・・・・・・。
「瑞樹調査員は未だ発見できず」 『分かった。日も暮れてきた。調査を切り上げ、全員ベースキャンプに帰還せよ』 一体、瑞樹調査員は何処に消えたんだ? そんな事を考えながらベースキャンプで晩飯の配給を受け宿泊テントの外で食べる。 「・・・・・・ん?」 一人の調査員が同じくテントの外で食べようとしたまま硬直していた。 「どうした?」 「・・・・・・瑞樹だ」 「本当か!?」 視線の方向を見る。 交差点を横切りながらノソノソ歩く瑞樹の姿がそこにあった。 「瑞樹だ!瑞樹が居たぞーーーー!!」 最初に発見した調査員が叫びながら駆け寄る。 何人かがテントから出てきて更にそのうち何人かが駆け寄る。 「ひっ、酷い怪我だ!!衛生隊員を急がせろーーーー!!」 双眼鏡越しに瑞樹の姿を見る。 「酷い怪我・・・・・・?ど、どうみても・・・あれは・・・・・」 致命傷だ。 喉笛の肉が裂けている。 頚動脈もやられていておかしくない。 片腕もない・・・・・。 「!?」 何かが動いた。 双眼鏡越しに無数の人々が何処からとも無く現れた。 だが、頭蓋骨が露出している者、眼球がない者、腹部から内臓が垂れ下がっている者・・・・・ 数十・・・いや、数百人は・・・・・いる!!
段々崩壊が世界に浸食していくさまが実に 克明に描写されておりその情景が浮かんできます いつもいいとこで終わるので先が気になりいつも開いてます すごく面白いですね 今後もすごく楽しみにしています
いいですね日本とアメリカの両方から広まるんですね 楽しみです
「あ・・・あああ・・・・ぞ・・・ゾンビだ・・・・・」 一人の調査員が呟く。 馬鹿な・・・・ゾンビなんて・・・・・廃墟からたまに発見されて復刻される 旧時代のDVDじゃあるまいし・・・・・・。 でも、じゃあ目の前にいるあいつらは何なんだ・・・・・? 先日瑞樹調査員を捜索中に見かけた新聞の記事を思い出す。 あれは・・・・・事実だったのか・・・・? じゃあ・・・・・前大戦勃発時のゾンビ原因説は・・・・・・。 瑞樹調査員だったものは自分に駆け寄ってきた調査員を食い殺した。 途端、我先にと調査員達が逃げ出す。 パニックに陥ったベースキャンプから蜘蛛の子を散らすように逃げ出す調査員達。 だが、逃げようとし顔面蒼白になる。 ・・・・・囲まれた。 反対側の道路からもゾンビは押し寄せ、挟み撃ちになる。 まさに悪夢だ。 発狂し、自ら命を絶つ者。 死中に活路を見出すつもりなのか、武器になる物を持ってゾンビの中に突っ込んで行く者。 ただただ呆然とする者。 恐怖の余り失禁し、泣き叫ぶ者。
いつの間にかベースキャンプ近くの廃ビルに駆け込んでいた。 粉塵を巻き上げ階段を駆け上り、息を切らせ心臓が破裂しそうな程に苦しい。 朽ちた金属のドアを押し開ける。 ドアの取っ手に落ちていた金属パイプを挟むが効果はあるか・・・・・。 梯子を上り、かつて給水タンクがあったと思われるそのビルで一番高い場所に上る。 ・・・・・・・・・・・・・。 見なくても分かるが、自然に身体が双眼鏡を構え地上の様子を見ていた。 見える範囲全てのベースキャンプが襲われている。 見える範囲だけでもゾンビの数は少なくとも数万・・・・・。 一体、何処に潜んでいた・・・・・? 何故、今になって一気に姿を現したんだ・・・・? ゾンビの存在を疑う事も無く、何故かこれだけの数のゾンビが今まで何処に潜んでいたかに興味が移っていた。 東京の地下には国ですら把握できないほどに巨大な人工の空間が広がっている。 昔見た大戦前の書籍の復刻版の内容を思い出した。 確か、巨大な地下鉄網以外にも東京中の雨水を処理する為の排水施設の一部が存在するとも・・・・。 ゾンビ達はその空間に潜み、今まで活動してきたのか・・・・・?
462 :
本当にあった怖い名無し :2007/10/13(土) 15:45:33 ID:RM33xUyn0
すげぇ 将来俺が油田掘り当てたら映画化するわ
ゾンビめ!あいつは不死身だ! いったい、ゾンビ達とは? もはや、ゾンビ達は人ではない いや―― 人が長きにわたって創り出した、この世の規範だ この世の成り立ちだ。
>>中二病さん 作中のゾンビについて質問が・・・ 作中に出てくるゾンビは旧ドーンオブザデッドのような単体戦闘力ゾンビ<<人間タイプですか? それとも新ドーンオブザデッドのような単体戦闘力ゾンビ>>人間な超人タイプですか? 行間読めと言われそうだけど、マジ読解力なくてすみません。 そこの設定がはっきりすると俺的には更に作品にのめりこめるんで。 最後になりましたが、 あなたの作品本当に面白いです。 途中で妙な煽りなどあるかもしれませんが、気にせず是非ラストまで読ませてください。
>>464 前作と同じく旧ドーンタイプのロメロゾンビです。
ありがとうございます。
過去にオカルト板のバタリアンスレで投稿していた過去があるのですが、
当時は昔のパソコンの不調やら現実での体調不良やらで結局完結させられないうちに
”スレッドが見つかりません”状態で悔しい思いをしたので完結を目標に頑張らせて頂きます。
466 :
463 :2007/10/14(日) 11:47:19 ID:6e2QJSiE0
>>465 レス感謝です。
これで完全に頭の中に「絵」を描きながら読めます。
今後とも頑張ってください。
467 :
本当にあった怖い名無し :2007/10/14(日) 14:15:17 ID:L6O9Oe+O0
>>467 うおっ!
これこれ!
これですよ!
懐かしいなぁ・・・・・。
おお! そりゃ今作も面白いはずだw 無理は言いませんがいつかお時間の空いた時が有りましたら バタリアン小説の続きも是非お願いします><
470 :
本当にあった怖い名無し :2007/10/14(日) 18:08:41 ID:ZSOAfQVr0
中二氏は、あのバタリアンスレの人でしたか どこまで読んだか忘れたけどwktkしてたの思いだした
>>469 ええと・・・・・善処します。
政治家的灰色発言ですみません。
あの作品からかなり時間がたってるのと当方から
作品データが失われているので続けるにしても
まとめサイトの作品を読み直してから作ると思うので・・・・。
アトランタ空港は重装備の軍隊に包囲されていた。 公式発表は南アメリカ連邦側テロリストの占拠。 マスコミも一切遮断され、内部からの映像は一切無い。 だが、その内部では・・・・・・。 「クリア!」 「クリア!」 銃弾によってゾンビは次々と駆逐されて行く。 そして安全が確認された場所に次々と爆薬がセットされる。 重武装の特殊部隊が惜しげもなく投入され、戦闘開始から数十分で空港内は静寂を取り戻した。 ドンドンドンッ! 次々と仕掛けられた爆薬が起爆を始め、アトランタ空港は一瞬で瓦礫の山と化す。 北アメリカ連合政府の公式発表は追い詰められたテロリストが自爆し人質となった人々は 特殊部隊員共に全員死亡という大惨事と発表され同時に南アメリカ連邦に対する非難声明を 発表した。 「カバーストーリーとしては上々だな」 北アメリカ連合大統領官邸。 大統領を始めとする軍事関係者がその一室に集まっていた。 妨害電波発生装置が働いているため、この部屋の会話の盗聴は事実上不可能。 「ゾンビの死体及び感染者は厳重な監視下で機密施設に移送中です」 「研究主任が喜んでいましたよ。新鮮なゾンビが手に入るって」 「・・・・・・外部への情報漏れは?特に、これが南アメリカ連邦の スパイ共に嗅ぎ付けられるようなヘマはしてないだろうな?」 「ご安心を。泳がせている連中のスパイ網に護送情報を紛れ込ませました」 「・・・・・・・・ゾンビ・・・か」 北アメリカ連合大統領が笑う。 「これこそ、神からの栄光ある北アメリカ連合への贈り物だ」 「カバーストーリーで当局への批判が高まっています」 「・・・・・・構わんよ。些細な事だ」
タンッ! タンッ! タンッ! 気持ち良い位に釘が小道具に打ち込まれる。 ギュインッ! ドリルが板に穴を穿ち、その穴にケーブルを通す。 「おー・・・・外もう真っ暗だ」 立川が外を見ながら言う。 確かに真っ暗だ。 と言うか、むしろ寒い。 ストーブの出力を上げ、道具を片付け機器のバッテリーを充電し始める。 暇潰し用のラジオをBGMに冷蔵庫からおにぎりを出し、カップラーメンにお湯を注ぐ。 『北アメリカ連合アトランタ空港で大規模なテロが行われ、アトランタ空港は壊滅しました。 これに対し、北アメリカ連合は南アメリカ連邦側のテロリストによる暴挙だと断言、連邦に対し非難声明を発表。 南アメリカ連邦側は北アメリカ連合による言い掛かりだと声明を出し、両国間の緊張状態が更に高まる恐れがあります。 では、次は国内ニュース。本日、日本各地で大事故や暴動が頻発しています。現在は各地の警察が対処していますが、 日本大統領は状況の改善が見られない場合は軍の投入も検討すると発表しています。 暴動が近辺で起きている方々は自宅からの外出は出来るだけ控えてください』 なんか大変な事が起きてるなぁ・・・・・って! 「ちょ!そのツナマヨは俺が目をつけてた・・・!!」 「へへーん。早い者勝ち早い者勝ち。あむ・・・んーー、うめぇ!」 「お・・・、おにょれ・・・・・。ならば!」 「むご!そ、それは・・・・・俺の大好物の・・・・・」 「早い者勝ち早い者勝ち」 好物争奪戦はしばらく続いた。 「・・・・・うう・・・・・伸びてる・・・・」 「言うな・・・・・ズズズ・・・・」 伸びたラーメンは少し歯応えが無かった。
475 :
469 :2007/10/15(月) 16:03:50 ID:jvCgBO/s0
>>472 中二さん
ご検討ありがとうございます><
ご無理はなさらずにお手隙の時で結構ですんで宜しくお願い致します><
で、北アメリカ大統領の腹黒さにワロタw
日本陸軍静岡基地。 「立川大佐、ご報告があります」 「何だ?」 書類に目を通していた大佐が部下を見る。 「東京方面の警戒に当たっていた連中からの定時連絡が無い?」 「はい。定時より1時間程過ぎた頃にこちらからコンタクトを試みましたが・・・・・」 「連絡が取れなかった・・・・と」 「それだけではありません。東京調査隊の全ベースキャンプと連絡が一切取れない状況が続いておりまして・・・・」 「・・・・・・・・・・・ヘリを偵察に向かわせろ。・・・・・ただの電波障害であればいいが・・・・・。 まさか太平洋側から中共が攻めて来る可能性など・・・いや、あの国は内陸部だから有り得ぬか・・・・」
時計を見る。 時間はもうすぐ夜中の12時だ。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 ゾンビ達は俺がこの廃ビルに逃げ込んだのを目撃しなかったようだ。 扉からは音がしないし、ゾンビ達はベースキャンプの連中を仲間にし散っていった。 携帯無線機をベースキャンプで飯を食う時に置いて来てしまったのが悔やまれるが地上に降りたくは無い。 まだ数体、ゾンビがチラホラと徘徊している。 唯一の救いは逃げる時に無我夢中で何故か手付かずの弁当とペットボトルを持ってきていた事だが、 弁当は1食分。 ペットボトルの水は節約すれば3日は持ちそうだ・・・・。 人間は水だけでしばらくは生きられると聞いたことがある。 問題は、ここから動けない事だ。 何か方法は無いか・・・・? 何か・・・何か・・・・・。 ポタ・・・ポタ・・・。 雨が降ってきた。 一部が崩れた軒下で雨宿りをしながら壁に背をつける。 「いて・・・・・・」 ズボンの尻側のポケットに入ってる物があった。 「!!」 これだ! 着替えずによかった!! ポケットからその筒状の物体を取り出す。 筒の両端を掴み、引っ張る。 そして捻る。 ガチリと言う音と共に赤い光が点滅する。
死亡フラグktkr
小雨の振る中、廃墟の上空をヘリが飛んでいる。 「本部へ。現在東京上空に到着しました・・・・・。ベースキャンプの照明は全て消えています・・・・。 緊急ビーコンの信号をキャッチ!送れ」 『調査せよ。送れ』 「了解。信号発信地に向かいます」 進路を変え、信号発信地に向かう。 やがて一つのビルの屋上にビーコンの点滅を確認する。 屋上で点滅するビーコンを振り存在をアピールする調査員。 調査員を救助後、ヘリは一路静岡基地に引き返す。 「あいつ等か?」 「・・・・らしいな」 ラジオからはゾンビが全国規模で出現し日本中が大混乱に陥っていると言うニュースがひっきりなしに流れている。 作業を行っていた倉庫の扉を中から掛け、覗き窓から外を見ている。 東京から数十万体ものゾンビが周囲に散らばっていた他、東京で負傷した調査員達が次々とゾンビと化し、 さらに彼等が病院で他の患者を襲った事で爆発的に急増してしまったらしい。 ここから見える構内にも十数体いる。 ・・・・・・・まさかゾンビが本当に存在するとは・・・・。 試しに頬を抓ってみる。 「いててて・・!じ、自分の頬を抓れよ・・・・・!」 抗議の声を上げる立川。 「悪い悪い・・・・。ん?あいつらは・・・・・普通だな」 見れば男2人、女2人の集団がゾンビから逃げ、こっちに向かってくる。 「開けてくれ!頼む!中に入れてくれ!!」 特に断る理由も無く、ドアを開け4人が入ると大急ぎでドアを閉める。
主人公の緊張感の無さはご先祖譲りwwww
崩壊がはじまりましたね 救助された調査員がのちのちどう関わってくるんだろうとか 4人がこれからどうなるんだろうとか頭の中で色々な創造をし 先を待ち望んでいます 無理はせずに執筆のほう頑張ってください
「あ・・・、ありがとう・・・・」 肩で息をしながら、一人の男・・・・男Aが礼を述べてきた。 「さて・・・・」 立川が顎に手を当てながら思案する。 「すまないんだが、また走ってもらうことになる」 「ど、どういうこと!?私達を追い出すの!?」 女Aが抗議する。 「・・・・・いや、走るのはここに居る全員だ。・・・・・俺達も含めて」 「何でだ?ここに居れば安心じゃないか?」 男Bが理解できないと言うような目で見る。 「・・・・・・・ここに居たら、確かに連中に襲われない。それは事実だ」 「じゃ、じゃあ!?」 ここから出て行くことに納得できない女Bが抗議する。 「・・・・・そうか・・・・。なるほど・・・・確かに・・・・・」 立川の言いたい事を理解できた男Aが納得の声を出す。 「な、なんでよ!?」 「落ち着け!・・・・・・・あんたの言いたい事は・・・・・」 「ああ。ここに居たら全員、餓死か脱水症状で死ぬかだ・・・・・・。 実は俺達も、ここから出て何処に行くか相談してたんだ」 「あ・・・・・」 他の面々もその現実味のある言葉に理解したらしい。 外部の情報を多少入手した後に彼らの名前が分かった。 男Aは神崎と言い、警察への就職が決まったばかりらしい。 女Aは花岡と言い、男Aの家の近所の住人。 男Aと女Bは共に佐々木と言い、男は勝一、女は好美。結婚してまだ1月も経っていないらしい。
キュイィィン・・・・。 立川のノートパソコンが起動する。 液晶画面に簡単な手書きの地図が表示される。 「目的地はここだ。この大学構内にあるこの建物。被災時の小規模避難施設で中には水も保存食もある」 「・・・・・距離は?」 神崎がそれを覗き込みながら言う。 「・・・・・・約1キロはある。俺達は自分の自転車を使う。あんた達はアレを使ってくれ」 その立川の言葉に、待っていましたとばかりに作業所兼倉庫の奥にある埃の被ったブルーシートを剥がす。 その中には数台の備品の自転車があった。 「まぁ・・・・問題は・・・・・・」 今度は自分が説明役に回ろう。 「連中をどうするか・・・・だ。20体はいるぞ。しかもドアに集まって・・・・・」 「その点は大丈夫だ」 立川が嬉しそうに自分のバッグを開ける。 「お前にもまだ言ってなかったが、実はこんな物があるんだ」 そう言いながら立川がバッグから取り出したのは・・・・・圧縮空気銃だった。 護身用の圧縮空気銃。 所持するにも許可が必要で悪用厳禁な道具だ。 動力はバッテリーで小型のコンプレッサーが内部のタンクに空気を圧縮し、 指向性を持たせた衝撃波を発せられる。 問題はタンクの容量で、最大出力だと何人も同時に吹き飛ばせるが次に発射可能になるまで数分掛かる。 おまけに反動も凄く、下手に撃てば自分が後方に吹っ飛ぶ。 自転車の駆動部にオイルを垂らし、動くか確認する。 最後のペットボトルを回し飲みし、立川が圧縮空気銃を構えドアの前に立つ。
「頼むから、照準間違えて・・・・・」 「安心しろ。お前を吹き飛ばすようヘマはしないさ」 そう笑う立川。 他の4人は自転車にすぐ乗れる体勢で、攻撃に失敗した場合に備えて鉄パイプやら武器になりそうなものを構えている。 自分と立川の主要武装は安全装置を外し、充電も完了した釘撃ち銃と代えの釘が詰まったカートリッジだ。 まずはゾンビの注意を逸らさないとドアすら開けられない。 釘撃ち銃を構え、ゾンビからは死角になっている覗き窓から倉庫から少し離れた場所にあるドラム缶を撃つ。 カーンッ!! 甲高い音にゾンビがそれに連れられ、ドアから離れた。 「・・・・・・・今だ・・・・!!」 小声で立川が言い、自分がドアを開ける。 直後、立川以外が耳を塞ぐ。 ドォンッ!! 凄まじい大音量と共にゾンビが数メートル吹き飛び倒れる。 う、うわ〜・・・・・耳塞いでたのに鼓膜が、鼓膜が〜・・・。
保守
487 :
本当にあった怖い名無し :2007/10/21(日) 05:12:50 ID:kUDnCNOqO
精神疲労で倒れたジジババより足元に無数に埋まってる物のが危ねーだろ
70MB IE 70メガバイトのIEって何だろう? (; ・∀・) え? 70メガバイトのインターネットエクスプローラー? とか一瞬思った漏れは もう逝っていいよね。
そんな事を気にしている場合じゃない。 音が変に聞こえるが行動を起こさないと殺される。 釘撃ち銃を構えて地面に転がっているゾンビの頭部を狙って撃つ。 射出された釘がゾンビの動きを封じている隙に中の4人は自転車を担いでゾンビの間を走り抜け、 安全な場所で自転車を地面に下ろし次々と目的地に向かって走り出す。 こっちも遅れないようにしないと。 急いで自転車の鍵を開錠し走り出す。 距離にしてたった1キロだが今は障害が多すぎる。 外部から流入してきたゾンビが道を塞いでいたりと、思うように移動が出来ない。 「こっちだ!ついて来い!!」 立川の先行で回り道をすることになる。 だが、その分遠回りで距離が増え、優に3キロ近くあるルートだ。 3分の1程移動した時、悲劇は起きた。 場所は狭い道と言う悪条件が影響した。 佐々木 好美がゾンビを避けそこない、転倒してしまった。 「や、いやあああああーーーー!!!!」 たちまちぶつかったゾンビは彼女の足の肉を喰らい始めた。 「こ、この!離れろ!この!このぉ!!」 夫の勝一が金属製のパイプでゾンビを殴る。 その叫び声が更に周囲のゾンビを呼ぶ。 「ここ!この!・・・・・!?わあああああ!助けて!助けてぇっ!!」 彼もまた、ゾンビに食われてしまった。
地獄だな・・・・・
だって地獄の釜の蓋が開いたんだから
「・・・あ・・・・あああああ・・・・・」 絶体絶命大ピンチだ。 自分は最後尾に居た。 順番は立川・神崎・花岡・佐々木夫婦・自分と・・・・・・。 前方の道は佐々木夫婦が現在進行形で食われ通行不可能。 避けて通ろうにも、ゾンビが多すぎる。 突っ切るのは不可能な数だ。 試みたら確実に連中の仲間入り。 目の前のゾンビは食事に夢中だ。 「くそ!」 「も、もう無理だ!とても助けられない!!」 「は、早くしないと・・・・私達まで・・・・・」 ゾンビ達の向こう側で立川達が立ち止まっている。 「行けーー!止まるな!振り返るな!こっちは何とかしてみる!!」 自分の命と3人の命のどちらを優先させるか。 正直、今すぐ助けて欲しい。 ここで醜く泣き叫んで助けを求めたい気分になってきたが逃げ道が無いわけじゃない。 グズグズしてたら4人とも連中の仲間入りだ。 携帯電話のミュージックプレイヤーを起動させ激しくテンポの速い曲を最大音量で再生する。 よし・・・・立川達を狙っていたゾンビの注意がこっちに向いた。 「ほらほら、ここに美味いかどうか分からんが60キロの血肉の塊があるぞ!!」 更に大声で注意を引く。 「どうした化け物!喰いたくないのか!?喰いっぱぐれても知らないぞーー!!」 派手に手を振り、ゾンビをおびき寄せる。 そして撤退開始。 「ほらほらこっちこっち!!」 ゾンビ達はついてくる。
「・・・・・・あいつ・・・・自分が囮に・・・・」 「行こう・・・・・。彼の犠牲を無駄にしないためにも・・・・」 「勝手に殺すんじゃねぇ・・・・・・!!」 立川は神崎を睨む。 「あう・・・、す、すまなかった・・・・・」 読みが甘かった。 ゾンビは動きが遅いから逃げ切れると思ってた。 あの数なら・・・・・。 囮だから大騒ぎする必用があった。 でも、騒ぎすぎたかな・・・・? 完全に囲まれた。 360度全てがゾンビだ。 数は・・・・・数えるのも嫌だ。 釘撃ち銃はバッテリー切れだしそもそも、全てのカートリッジを使い果たした。 立川達が無事なのを祈るのみだ。 どうやら、ここでお終いかな? 喰われてこいつらの仲間になって今度は立川達を襲う番になるんだなぁ・・・・・。 「あー、一度でいいから彼女欲しかったなぁ・・・・・・」 最寄のゾンビまでの距離は5メートルもない。 手を伸ばしてこっちに向かってくる。 肉を食う口は見たくも無い。 目を閉じる。 さっさと喰えよ・・・・・・。 最期は醜く叫んでみようかな? ゾンビの気配が1メートル以内にある。 あ・・・・冷たい手で掴まれた。 「立川・・・・もし連中に成り果ててたら・・・・・殺してくれよ・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・。・・・・・・・・・・・・・・。・・・・・・・・?」 目を開ける。 目の前にゾンビが居る。 何体ものゾンビが身体に触れている。 「・・・・・・・・・・・・・・???」 なんで・・・・喰わない? ピピピピピピピッ!! 携帯のバッテリー残量警告音が鳴り、音楽が停止する。 「あ・・・・・あれ・・・・・?」 まるで興味をなくしたかのようにゾンビは離れて行く。 「・・・・・・・・え?え?え?」 バックパックから金属製のペンケースを取り出し、放り投げる。 地面に落ち金属音を立てる。 一瞬、その音にゾンビ達は音源を見る。 こっちを見ているはずだが、興味がないとでも言う感じに去って行く。 「・・・・・えーと・・・・・・助かった?」 覚悟を決め、一体のゾンビを掴むとその顔の前に剥き出しにした腕を突きつける。 だが、呻いてるのみだ。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・よし、行くか」 襲われない理由は分からないが脅威じゃないのなら、当初の目的地に向かおう。 乗り捨てた自転車を回収する。 佐々木夫婦のゾンビが居たがやはりこっちに興味を示さない。
なるほど〜上手いなぁ〜
ktkr
ゾンビに襲われない男&自転車…復活ッッ なんてワクワクする展開なんだ。しかし、ご先祖と違って他人を大事にする主人公ですな。
面白すぎるよ中二さんw いつもご苦労様です
wktk
wktk
保守
保守
ゾンビ達の間を自転車で通り抜けながら目的地の建物に辿り付く。 3台の自転車が乗り捨てられている状況から少なくとも3人はここに辿り付いたのだろう。 ゾンビ達が建物の入り口や壁を叩いている。 ゾンビの群れに混じってドアを叩くが反応は無い。 建物の横にまわって窓を見るが窓と言う窓は全て塞がれている。 恐らく入り口も塞がっていると思われる。 そりゃあ当然か。 安全な場所に逃げ込んで第一にする事はゾンビの侵入を物理的に不可能にする方法だ。 中には食料もあるが資材もたっぷりあった筈だ。 おまけに立川の所有している釘撃ち銃で打ち付けた可能性も極めて高い。 携帯もバッテリー切れだ。 さて・・・・どうしようか。 地面を見る。 マンホールがあるが照明器具なんか持っていない。 と、なると・・・・・・・・・。 視線は隣の校舎に移った。 避難目的の建物の屋上と建物の距離は・・・・・・OK。 校舎に入り、資材置き場から目的の物をゲット。 重い。 ゾンビの徘徊する校舎内を移動し目的の場所に着く。 避難場所の屋上と現在地の窓の高さの差は1メートル程度だ。 目的の物・・・・・長脚立を伸ばし梯子状態にして金具をロックする。
ガシャッ!ガシャ・・・ガシャ・・・・。 何度か落としそうになりながらも窓と屋上に梯子を掛ける。 うお〜・・・・こええ・・・・・・・。 高所恐怖症でもないがやっぱり怖い。 ガシャガシャとゆっくり梯子の上を這い、やっと屋上に辿り付いた。 後ろを見れば音に引き寄せられたゾンビが梯子の上を這って来ている。 ・・・・・・・・・・よいしょと。 梯子を力一杯ひっくり返す。 ゾンビが地上に転落する。 梯子を屋上に横たわらせ、屋上の扉の窓を上着でグルグル巻きにした拳で殴る。 「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・痛い。 窓は割れていない。 扉の前で拳を摩りながら蹲る自分がそこに居た。 痛さを紛らわすためにドアノブを握った。 キィ・・・・・。 扉が開いた。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 ・・・・・・・・・・・おい・・・・・・・。 この拳の痛みは無駄だったのかよ・・・・・。
wktk つかご都合主義ベースだから問題ないんだろうけどこんな状況下じゃ 背中に「私は生きている人間です」なんてのぼり旗でもつけとかないと 仲間から狙撃されないか?
・・・・・・・・・・よいしょと。 この冷静なところがいいな
ワクテカ
乙です
「なぁ・・・・何か食べないと・・・・・」 二階の一室で蹲る立川に神崎が被災者用の保存弁当を渡そうとする。 「食欲が無いんだ・・・・・・」 「・・・・・・・」 「で、でも、まだ死んだって決まったわけじゃ・・・・」 花岡が何とか励まそうとする。 「・・・・・・・・・外の状況知ってるだろ?単独行動で生き残れる確立なんて・・・・・」 ひょいっ。 物陰から伸びてきた手が神崎の手から弁当をひったくる。 「食べないんなら代わりに食ってやるよ」 その声の主が物陰から姿を現す。 「よっ、数時間ぶり」 「おっ、おまっ!生きてたのか!?」 「勝手に殺すなよ」 「ど、何処から入ったの・・・・!?」 花岡が聞いてくる。 「梯子で隣の校舎から渡ってきた。怖かったなぁ・・・・・」 弁当を開け、水で乾燥食品を食べられる状態に戻す。 「ゾンビの群れの中を・・・・どうやって逃げてきたんだ?」 今度は神崎。 「いや〜・・・・それがよく分からないんだけど、襲われなかったんだ。 携帯の音楽が止まったらまるで興味なさそうに去っていって・・・・・うおっ!?べ、弁当が落ちる!」 「こ、この!心配させやがってこの!この!」 「う〜!ぎ、ギブギブッ!!」 「どんなに心配したと思ってるんだ!!?」 「・・・ま・・・、マジで・・・・落ち・・・・・カクッ・・・・」 「ん?うおっ、しまった!!」
ドンドンドンッ! ゾンビ数体が強化ガラスの隔離窓を叩く。 コンコンッ・・・。 ボールペンの頭でガラスを叩く白衣を着た男。 「バズーカの直撃でもヒビすら入らない強化ガラスがお前らごときに破れるかよバーカ」 「博士、開始しますか?」 「ああ、やってくれ」 シュッ。 圧縮空気の音と共にエアロックが開く。 防疫服を着た兵士が数人内部に入る。 手にはサブマシンガンを持っている。 「構わん、そいつらを行動不能にしろ」 一斉に銃口が向けられ、迫り来るゾンビ達が掃討される。 完全に死んだゾンビ、まだ活動しているが脅威の無くなったゾンビがベッドに拘束される。 ベッドにはチューブが繋がっており、ゾンビから流れ出す体液が集められる。 シュイイイイイインッ!! 回転ノコギリで四肢を解体され、更に血液を集める。 「それぐらいでいいぞ。ゾンビを捨てて汚染除去をするんだ」 強化ガラス越しに防疫服を着た兵士達が頷き、淡々とゾンビを部屋の壁にあるハッチから中に投げ捨てる。 ハッチを閉め、赤く点灯していたライトが緑に変わる。 ゾンビを廃棄した部屋の壁の穴と言う穴から炎が噴出し、ゾンビを焼却する。 兵士達はハッチの先にあるシャワーで防疫服ごと浴び、 防疫服は焼却炉に直行のダストシュートに捨てられ更に生身で一人一人シャワーを浴びる。 「主任、実験用の死刑囚が到着しました」 「分かった。私が呼ぶまで隔離しておけ」 隔離されたガラス越しにマニュピレーター機器を操作しゾンビの体液を気化させる。
電力は現在の所は正常に供給されている。 ラジオの放送では避難に間に合わずゾンビの徘徊する都市や町で取り残された人々の為に 軍が発電施設を防衛しているとの報道があった。 携帯電話は回線が混雑していてまともに使えない。 「まいったな・・・・・」 携帯電話をしまいながら神崎が呟く。 『京都の大統領官邸において大統領が日本全国において憲法第9条の発動を決定しました』 ラジオの声に全員が顔を見合わせる。 ・・・・・・・憲法第9条が発動したか・・・・・・かなり危機的な状況って事か・・・・・。 憲法第9条・・・・・旧時代においては日本の戦争放棄だとか軍を保有しないだとかでプロ市民とか言う人種が 自衛隊の存在は憲法違反だとかで大騒ぎして無防備都市宣言とかの活動を日本各地で行ったとか歴史の授業で習った。 大戦直前もプロ市民が自衛隊の妨害をして結果的に日本の被害が増大したとの説もある。 大戦後に憲法は大幅に改正され、日本は軍と核兵器の保有を明確に宣言した。 大幅に改正された中でも一番改正されたのはこの憲法第9条だ。 現在の憲法第9条は・・・・・ 日本国の緊急事態宣言に基く適正年齢者の緊急徴兵。 文民の完全な軍事統制。 軍の作戦及び行動を妨害する非国民の殺傷許可。 と、こんな所だ。
カチッ。 立川が携帯電話のカバーを開け、バッテリーを取り外していた。 「何してるんだ?」 思わず聞いてみる。 「いや、憲法9条が発動しただろ?」 「ああ」 「だから、それに従ってる」 立川は携帯電話の制御チップを取り外しその横にはめ込まれていたチップと入れ替える。 バッテリーを戻し、電源を入れる。 あれ・・・・・? いつもの待ち受け画面じゃない・・・・・。 画面には日本軍のマークが表示されている。 アドレスから電話番号を選択し・・・・・発信した。 「つ、繋がるのか?」 「私も何十回も試したけど・・・・・駄目だった・・・・」 「民間回線ならな」 立川がそれに答える。 「軍事回線なら別だ」 「ぐっ・・・・、軍事回線!?」 神崎と花岡が驚いている。 ああ・・・そう言えばこの二人は立川の事を知らなかったから当然か。 自分だって立川の携帯の別制御チップや軍事回線の事なんて知らなかった位だ・・・・・。 「親父か?ああ・・・・・取りあえず無事さ。俺を入れて4人・・・・・。え?分かった」 携帯の通話モードをテレビ電話モードに切り替えてカメラで全員を写す。 「こんな所さ。え?変われって?・・・・・・分かった」 立川がこっちに携帯を差し出してきた。 「お前と話したいってさ」 え? な、なぁ〜んか嫌な予感が・・・・・・・。
ホーホッホッホッ
携帯電話のディスプレイには軍の施設内と思われる部屋にいる大佐が写っていた。 背後には例の軍人三人組が待機している。 「お、お久しぶりです〜・・・・・」 『うむ!君も元気そうで何よりだ!』 「え〜と・・・・私に何の御用でしょうか・・・・?」 思わず敬語になってしまった。 『君!私の部下になりたまえ!』 うわーお・・・・・。 予想的中・・・・・。 「えーと・・・・、私は今そこからは遠く離れた地で隠れている身なんですが〜・・・・・」 『いやいや、構わん構わん。いつか君と合流できた時に徴用するからな。取りあえず、 形式上は私の部下として登録しておこう。いつか会える時を楽しみにしているよ、軍曹』 「ぐ、軍曹!?」 『うむ、取りあえず階級を与えておこうと思ってな。そうそう、隆一は少尉って事を伝えてくれるかね?』 「は、はい・・・・。でも・・・・全然訓練してないのに・・・・」 『安心したまえ。今の軍の混乱中のドサクサに紛れて登録しておいた。部隊名は決まったらメールしよう』 「は、はい・・・・・・・」 『息子に代わってくれるかね?』 「わかりました・・・・」 ドサクサに紛れて登録って・・・・それで良いのか軍隊?
その部屋には三人の囚人がベッドに拘束されていた。 一人は拘束服のまま、もう一人は簡易マスク、最後の一人は軍用の防疫服に標準装備のガスマスクを身につけている。 何か喚いているが強化ガラス越しなので気にならない。 「博士、実験開始から約10時間が経ちました」 「室内への”気体”濃度は?」 「濃度は想定範囲内を維持」 「実験体の様子は?」 「えーと・・・・、Aは体温が40度に上昇。意識混濁、大量の発汗が見られ心拍数が弱まっています。 Bは心拍数上昇、微熱状態が継続中。そしてCには異常が見られません」 「ふむ・・・・Cは異常無し・・・・か。・・・・・・・・君、腹が減ってきてないか?」 「は?はぁ・・・、時間が時間ですし・・・・」 「私には戻ってくる時にサンドイッチとコーヒーを頼む」 「分かりました。それでは、一足先に食事をさせてもらいます」 「君達も行きなさい。何か変化があって人手が必用な時は呼ぶから」 その言葉に他の研究員は次々と部屋を退出し、彼一人となった。 内部からドアロックを掛け、何もない壁に取り付けられている機器にカードキーを通す。 壁の一部がスライドし、真っ赤な電話機が姿を現した。 「大統領に繋いでくれたまえ」 受話器を手にとっての第一声がそれだった。
カタカタカタ・・・・。 立川はノートパソコンで食料・飲料水の備蓄を計算している。 「まずいな・・・・・」 何度行っても同じ計算結果に表情が曇る。 黙っているわけにはいかない。 「食料に問題がある?」 神崎が立川の言葉に信じられないと言う表情をする。 備蓄状況は100人分が4日間分ある。 この人数なら3ヶ月以上大丈夫なはずだ。 「ここの保存食料は短期間用だった。被災時に本格的な救援活動が始まるまでの繋ぎ・・・・・さ。 その間に腹を満たす量と最低限のカロリーがある」 「なら、問題ないんじゃ・・・・?」 花岡が理解できていないと言うような表情で立川を見る。 「問題があるのは、栄養素の方さ。短期間腹を満たすことだけを目的に作られているから・・・・・ 決定的に足りない。栄養失調で動けなくなったり病気になる前に移動した方がいいか・・・・」
ピピピッ。 ノートパソコンから電子音がする。 ディスプレイを開き、そして更に表情が曇った。 「どうやら、食料よりも深刻な状況が出来た・・・・」 「何だ?その深刻な状況って?」 思わず自分も聞いてしまう。 「この大学構内全域が・・・・・軍の空爆エリアに含まれている」 「なっ!?く、空爆!?」 「空軍の決定事項だからな。流石の親父も手が出せなかったようだ。 急いでコース内のエリアから脱出しろってメール送ってきた」 「早速使う時が来たか・・・・・」 先の尖った金属パイプを拾い、握る。 立川達がロープで縛り回収可能にした金属パイプを屋上から投げ、ゾンビを串刺しにする。 正面は自分の受け持ちだ。 と言うか、正面の道は舗装道路だから金属パイプが外れた時の音が他のゾンビを誘き寄せてしまう。 ゾンビに襲われないと言う体質だか能力を利用し、至近距離からゾンビを始末していく。 問題は・・・・返り血が気持ち悪いのと動いているとはいえ死体だから死臭で苦しめられている。
う〜ん、最近スレの過疎化が加速してる気がする(´Д⊂
乙ですじゃ
乙です。いつも楽しく読ませていただいています。
毎日読んでるぜ
必ずチェックしてますよ。 楽しみです!かなりの人が読んでるのではないでしょうか?
楽しく読ませていただいてる一人です 最近他の以前いた作家さん達や新規作家がいないのが 寂しいかぎりですね。戻って来たらすごく嬉しいのにと思います。
>>518 俺も毎日wktkしながらチェックしてるぜ。
投下のたびに「乙」だの「wktk」だのだけのレスするのも間抜けなんで
具体的な感想や意見がない限りレスしてないけどな。
そんな人がかなりいると思うから安心して続けてくれ、カチカチ
ああ、カチカチ
ここにも毎日チェックしてるヤツいます。 邪魔しないように余計なレスしないだけで、読んでる人は結構いると思う。 今後も寂しくなったら、呼びかけてくれればレスしますよ(´・ω・`)
ここにもいます。毎日チェックしてます。
>>518 毎日チェックしてるよ。何言ってんのさ。
WKTK
531 :
シベリア便り :2007/10/31(水) 22:31:44 ID:y1mdy62y0
楽しく拝読させて頂いております。
毎日wktk
俺今出張中だからあんまり書き込めないけど 毎日楽しませてもらってますよん 中二さんこれからも宜しくです
534 :
本当にあった怖い名無し :2007/10/31(水) 23:49:14 ID:eRb0a9nzO
昔からこのゾンビ小説スレは、賑わったり過疎ったりの繰り返し。 焦らずにマターリ。
だがマターリしすぎるとまた落ちちゃうぞw というわけでここにも読者が一人。 結構見てる人多いのね。
中二氏楽しみにしてるぜ 起きて準備したらスレ開いてるw 体を壊さずに続けて下さい
過疎・・・書く側の人が、ってことかな?
>>537 うん。
昔にROMってた時はいろんな作家さんがいてそれに触発されてました。
またあの時のように沢山の作家さんに戻ってきて欲しいっす。
皆様、いつも読んでくれてありがとうございます。
拙い作品ですが最後までお付き合いしていただければ幸いです。
今、逆にROMってる以前の作家さん達が居ると思います。 今度は逆に中二病作家様に触発されて戻ってきてくれたら嬉しいですね。 完結まで私を含め沢山の方が望んでおられると思いますので是非とも執筆頑張って 下さい。 応援しております。
単純作業の繰り返しだった。 自分が先行し周囲のゾンビを減らし、後続の3人が残ったゾンビを掻い潜る。 遺棄車両の多いエリアでは自転車が最高の移動手段だ。 問題はゾンビに囲まれたらお終いと言う究極の問題だった。 時計を見る。 空爆開始時刻は明日の昼。 現在時刻は16時24分。 空はうっすらと暗くなり始めている。 ゾンビは生存者の立て篭もり先や逃げた人々を追っていった為か比較的少ない。 「立川、この辺で一泊するか?」 「そうだな・・・・。明日の8時に出発するとして・・・・・ 目的の避難場所までゾンビの妨害が無いとして大体10時に到着・・・・・・・。そうだな、ここで休もうか」 住民が避難したかゾンビにやられたかで無人の雑居ビルの一室。 窓のブラインドを下ろし、部屋の中央に持ち出した携帯コンロを置く。 何しろ冬だから寒い。 おまけに会社の事務所として使われていた部屋のために居住性には乏しい。 カイロと他の部屋から見つけた仮眠用の毛布に包まり、非常食を食べる。
モニターに表示されているのは真っ直ぐな線。 機械からはピーッと言う電子音が流れ続けている。 心臓は停止している。 だが、その遺体は動いている。 拘束具がギシギシと音を上げる。 「Aはゾンビ化から8時間経過。Bは・・・・」 Bに接続された機械も電子音を立てている。 「死亡から2時間。丁度今、ゾンビ化した。Cは極度の興奮状態。だが、生命反応に異常はない。 おそらく、隣の2名がゾンビ化した事で恐怖しているためだろう。結論、気化血液でのゾンビ感染力は空気感染の疫病レベル」 発言を助手が記録して行く。 「これまでの記録をレベル7の暗号化データで軍部に提出。こちらのデータはレベル10の閲覧制限をかけ、 物理的データは全て破棄。ゾンビは10体を除き処分してくれ」 「はい。実験体Cの処置は?」 「・・・・・・・注射器でゾンビの血液を10cc、直接注入してゾンビにしろ」 「分かりました」
日本陸軍静岡基地。 施設の周囲を完全にゾンビに囲まれ、フェンスの後方に大急ぎでコンテナのバリケードが築かれていた。 「立川大佐、バリケードの構築を完了し、徴兵した兵士に銃を与えました」 「避難民は?」 「基地内の倉庫内部にテントを張り、休ませています」 「何体ぐらい居ると思う?」 「そうですね・・・・・最低でも、2万体は・・・・・・・」 「20メートル間隔で火炎放射器を装備させた兵を配備。1体でも多く焼き殺せ。それと、プランAで行く」 「了解!」 大佐の指示の元、兵士が配備される。 非常時の指示系統の統一とかで立川大佐に基地が任され、上官達はヘリで京都に向かった。 現在は島全体が軍需工場と軍施設化している佐渡島の兵器工場が24時間フル稼働で銃火器や弾薬を生産しているだろう。 指示の元、一斉に火炎放射器が炎を吹く。 フェンスを破壊する寸前のゾンビ達が灼熱の炎に包まれる。 ボンボンボンッ!! バリケードから十数メートルの場所が次々と爆発する。 火炎放射部隊からグレネードランチャー部隊に攻撃がバトンタッチされ、ゾンビの群れの中で次々と爆発が起きる。
ほーしゅ
保守
待ち
ザシュッ! 尖ったパイプがゾンビの頭部に突き刺さる。 後2時間で空爆が開始される。 ゾンビを排除しながら既に3時間の行軍をしている。 数百メートル先に目的地がある。 ちらほらと徘徊しているゾンビを倒して進む。 あいつが大音量で音楽を再生しながらゾンビを陽動してくれているおかげで俺を含め 3人が比較的安全に移動できる。 「あった・・・!!」 目的地の目印、他のとは違う色のマンホールの蓋。 「陽動はもういいぞ。急いでくれ」 『分かった。すぐ戻る』 トランシーバーで避難場所到着を知らせる。 やがてあいつの影が見えてきた。 ガコンッ! マンホールの蓋を引っ張り上げ、横にずらす。 神崎、花岡を先に潜らせ、あいつが連れて戻ってきたと同時に俺も潜って内側から蓋をロックする。 梯子を数十メートル降り、通路に辿り付く。 大戦後に地下に建造された防空壕だ。 通路で複数の防空壕と隔壁板越しに繋がっている巨大な防空壕網。
複数あるコンクリートの小部屋の一つに駆け込み、内側からハッチをロックする。 光源は天井の赤い非常灯のみ。 しばらくの静寂の後、細かい振動が断続的に響いてきた。 だんだんと振動が激しくなり、非常灯がチカチカと点滅する。 「波状爆撃だから何回か続くぞ・・・・」 立川の声も不安を隠しきれて居ない。 振動が遠ざかって行き、静寂が戻ってくる。 「そ、そろそろ大丈夫かな・・・・?外に出てみようぜ?」 神崎がハッチに手をかけるがそれを立川が制止する。 「まだ出ないほうがいい」 「何故だ?」 「敵はゾンビなんだ。空爆の総仕上げはナパームで焼き尽くすはずだ。・・・・地上に出た途端、 ナパームの火災で黒焦げになるのがオチだ。・・・・・・今日はここで過ごし、明日になったら 他の・・・ここから離れた別のところから外に出よう」 食糧を平らげ、その部屋で睡眠を取る。 翌朝、防空壕網の地図を参照に一番遠い出口に向かう。 もしナパームでもゾンビが全て焼き尽くせていなければ、隠れる場所のない地上に出るのは自殺行為だ。 百メートル間隔で存在する隔壁板を手動の回転式ハンドルで開けながらは手間で思ったより進みが遅いが、 安全に移動が出来る。 食糧は手持ちの物と防空壕網の貯蔵が十二分にある。 おまけに防空壕網の貯蔵には医薬品や栄養剤も豊富に保存されている。 今までの移動で減った非常食や飲料水を補充し、更に移動を続ける。
数日がかりの大移動も半ばに達した。 「誰かこの近くに居るな」 そのエリアの貯蔵室に向かってすぐに気付いた。 食料がごそっと減っている。 そして、エリア内の小部屋の一つが内側からロックされていた。 「誰か居るのか!?」 ガンガンガンッ! ハッチをバールで叩いてみる。 しばらくし、内側からハッチを2回叩く音がする。 「こっちも2回叩いてみよう・・・・」 ガンガンッ! 内側からのそんな音のやり取りを何回か繰り返し、相手の警戒心が緩んで内部ロックが解除された。 出てきたのは東京調査隊のロゴの入った調査員服を着た男が出てきた。 「良かった・・・・生きている人間だ・・・・・」 安心しきったかのように男は大きく息を吐いた。 「あんた・・・・東京の・・・・・?」 「あ・・・、ああ・・・・・。取りあえず・・・・中に入れよ・・・・・」 相手に促され、小部屋に入る。 男の名は太田と言うらしい。 東京調査隊の生存者でゾンビの徘徊する東京から軍のヘリに助けられたらしい。 だが、この近辺でヘリがエンジントラブルを起こし墜落。 搭乗員は彼を残しみんな死ぬかゾンビの仲間入りになってしまったらしい。 必死に逃げ、この防空壕に逃げ込んだらしい。
「言うなれば敵復活体の原種と呼ぶべきでしょうかな、それは中央アフリカで発生したと考えられます。」 暗い会議室の中心にに巨大なプロジェクターが設置されている、一方には弧を描くようなテーブルに何人もの人が座り。 もう一方にはスクリーンの前に一人の白衣を着た眼鏡の科学者らしき人影があった。 「彼らはその発生以来、哺乳類に接触し、感染させ、爆発的に仲間を増やしているのは周知の通りです。」 スクリーンに映るものが次々に移り変わっていく、感染地域の衛星写真から始まって、何種類ものグラフまで。 感染者数を示すグラフは、確かに爆発的な増え方をしていたのだ。 まさに鼠算式に増えている、それは人間に限らず犬猫や果てはライオンやキリンなどの野生動物まで及ぶ。 「彼らのこれまでの戦術行動から、パターンを解析し、行動原理を把握する。 さらに勢力図と研究結果、衛星からの観測結果その他諸々を組み合わせれば彼らの真の目的がわかりました。」 そこで一度言葉を途切れさせた科学者は、間を持たせるかのように人差し指で眼鏡を押し上げた。 プロジェクターの光がレンズに反射し、その表情が窺えなくなる。 「人類です。」
「哺乳類、ではないのかね。」 居並ぶ10名程度の軍服姿の人々のうち、一人が顔を上げる。 歳の割に若々しさを与える黒々とした髪を持った壮年、階級章は中将。 「奴等は哺乳類であれば見境なく襲い掛かり、感染させるのだろう?」 「彼らにとって、人類以外の哺乳類は単なる寄生対象でしかありません。 本当の目的は……人類そのものを殲滅させる事にあります。」 「要するに。」 科学者が右手を掲げ、新しいスイッチらしきものに手をかけボタンを押す。 たちまちスクリーンに映し出される映像に変化が現れ、次に映し出されたのは捕獲されたゾンビとその解剖図だった。 もちろん犬や猫、猿等の他の哺乳類の図も含まれている。 「我々が地球という惑星に沸いたバクテリアだとすれば。 彼らは人類の存在を許容できなくなったこの星が生み出した免疫抗体のようなものでしょう。」 「……有り得ん……!」
それまで小さな話し声と、ペンが紙を走る音くらいしか聞こえなかった会議室に大きな音が響き渡る。 軍人らしき先ほどの一人が、片手をテーブルに叩き付けたのだ。 「そうでしょうか。」 それに動揺した様子も無く、科学者は右手を白衣のポケットに突っ込むと目を細める。 「地球にとってみれば、人間の活動による恩恵など殆ど無いに等しいのですよ。」 声に嘲る様子さえ含まれていた、この場合はむしろ自嘲と言ったほうが正確ではあるが。 「例えるなら、我々人類は地球の表面に転がる……」 「ゴミです。」
事の始まりは21世紀の始まりと共に起こっていたのだろう。 丁度その頃ルワンダ国内のとある集落で、一夜にして忽然と住民の姿が消えるという事件があった。 翌日軍と警察の共同捜査により集落近くの小高い山で全員が死体となって発見された。 土葬された遺体は、しかしすぐにまた忽然と消滅したが、集落が地図から消えてしばらくの事。 やがて時間の流れに消えていった。 そして2007年も終わりを告げようとする頃、7年間の沈黙を破って悪魔は唐突に本性を表した。 「9月頃から一部で囁かれているゾンビと称される謎の奇病ですが、 12月に入ってからルワンダ国内で発生報告が多数寄せられているとの事です。 ルワンダ政府は本日12月15日正午を持って全土に戒厳令を敷き、 事態の鎮圧を急いでいますが現在までのところ収束に向かう気配も無く、 被害は拡大を続けているとの報が入っています。 ルワンダ共和国首都キガリの国民議会前よりBBCのハリー・オコーネルがお伝えしました。」
「ハッピーニューイヤー。 新年最初のニュースでこのような事をお伝えしなければならないのは 大変心苦しいのですが、ルワンダ共和国から続報です。 以前お伝えした謎の奇病ですが、WHOは本日現地ではゾンビ病などと称されているものを正式に感染症と認定しました。 ACARS、急性細胞異常活性症候群です。 この感染症は現在まで確認されているところ、噛まれるなどによって体液が傷口に触れることによって伝染。 感染後24時間から72時間以内に発症し、死亡率は推定93パーセントとの事です。 死亡後同じく24時間から72時間以内に、肉体が死亡したまま行動を再開し、無差別に生物を襲う。 これが現在までわかっているACARSの情報全てです、これ以上の被害を防ぐ各関係機関の迅速な対応を期待します。 タンザニア連合共和国よりBBCのハリー・オコーネルがお伝えしました。」 「……こんばんは、1月18日、7時のニュースです。 政府は本日アフリカ大陸全土への渡航自粛、並びに複数の国家よりの退避勧告を発表しました。 退避勧告が発せられたのは次の国家です。 コンゴ民主共和国、ルワンダ、ブルンジ、ウガンダ、ケニア、タンザニア、ザンビア……」 「―1月21日、スイス・ジュネーヴ発AP WHOはACARSの世界規模での大流行の可能性を示唆。 ブルンジで犬から人への感染を確認したと発表。」
「―1月30日、読売新聞朝刊 『ゾンビ病』大流行か 在タンザニアの特派員によると、ルワンダ、ブルンジの両国は事実上の無政府状態へ突入。 各地で武装組織や感染症患者などによる暴行や略奪などが発生しているとの事。 周辺各国が軍事力を以って介入を試みるも押さえが利かず、 逆に軍が壊滅に追い込まれるケースが続発し、感染の拡大は留まる所を知らない。 政府はこの事態に対し、アフリカ大陸全土からの在留邦人の退避を勧告すると共に、 万が一に対応する為に各国関係機関等と協力して早急な研究を進めるとコメント。」 「―2月15日 皆さんもご存知の通りACARSの拡大はもはや止めようが無いところまで来ています。 ルワンダ、ブルンジに続きウガンダ、ザンビアが無政府状態に、 コンゴは内戦が勃発し軍と警察はゾンビと武装組織、そして暴徒へと三正面作戦を強いられています。 このタンザニアも既に国土の三分の一は飲み込まれてしまいました。 国連安全保障理事会へと提出されたPKF派遣提案はアメリカの謎の拒否権発動により先送り、 この事態に際してアフリカ各国はUAA、統一アフリカ軍を形成し対処すると宣言しました。 しかし、いまだ各国の利害が交錯し先行き不透明な現状で、その効果の程は疑問視されています。 私、ハリー・オコーネルはこの放送を以って交代しますが、BBCはこのまま報道を続けます。 今までありがとうございました、タンザニア共和国サンジバルよりハリー・オコーネルがお伝えしました。」
その数ヵ月後の2008年7月10日、太陽は高く上りもうすぐ正午かという時間帯。 南アフリカ共和国ケープタウンの市街地を疾走する一台のランドローバー・ディフェンダーがあった。 ここまででプロローグの投下終わり、前半はもちろん、、。
今後の展開が気になりますね 是非最後まで頑張ってください
うまいな、アフリカでのウィルス発生ってのもリアルだし。 あと行間の擬音表現が無いのもいい。
ワクワクしますな。
新規投稿させていただきます。 乱筆、乱文ご容赦下さい。
Z症 『Z症についてのお知らせ』 最近、市内全域において”Z症”なる疾患が流行しているという流言が 飛び交っている模様ですが、これは全く無根拠な噂に過ぎません。 心身の不調を訴え、ご自分がZ症ではないかとご心配なさる方々が、 急激に増えている現状を鑑みて、当市役所が調査、確認したかぎりでは、 流行性感冒(いわゆる風邪のことです)や心因性の無気力症を勘違いなされ ていると思われるものが全てであり、Z症とは架空の病気であるという 結論に達しました。 そもそもZ症なる疾患に関して伝え聞く諸症状は、荒唐無稽で甚だ存在を 認めがたく、その流言は一部心身症患者に対する、ひいては当市民全員に 対する悪意ある嫌がらせに他なりません。 当市役所といたしましても、当問題につきましては引き続き調査し、 事態の収拾に尽力させていただく所存ですが、市民の皆様方におかれましても、 十分にご留意いただき、ご家族、ご近所の方々の不安感を悪戯に煽る事が ございませんよう、何卒ご協力お願い申し上げます。 地方紙『水無瀬新聞』折込 水無瀬市役所発行『水無瀬だより』より抜粋
1 暑い日だった。 信号待ちで立ち止まった大通りの十字路の空気は、立ち上る熱気によって 揺らめいていた。 4車線ある車道の両脇に植えられた、背の高い木々の影も、正午を1時間ばかり 過ぎただけの今、薄く、小さく、歩道を歩く人々の脇に落ちるのみで、頭上から 降り注ぐ強烈な日差しから、僕達を守る余裕なんて、とても無さそうに見えた。 僕、新田賢一(にったけんいち)は、来年春に高校受験を控えた受験生で、 中学最後の夏休みをの一日を、不本意ながらも勉学に捧げるべく、市の中心部にある、 『水無瀬中央図書館』へと向かっていた。 東の一部を太平洋に面し、他方を峻険たる山々に囲まれた僕らの町『水無瀬市』は、 いわゆる盆地で、熱気が内にこもり易い地形をしている。海風が吹けば、いくらか 凌ぎ易くはなるものの、今日のような風の無い夏の日の苛烈さは、筆舌に尽くしがたい ものがあった。 額から流れ顎を伝う汗を、半袖シャツの袖口で拭う。それでもすぐそばから、 額に新たな汗の珠が浮いてくる。 早く冷房の効いた屋内に逃げ込みたい。 その一心で、十字路の向こうに見えている図書館の入り口を見つめた。 あそこまでたどり着けば、この暑さともさよならだ。 その時、ふと視界の隅に、見覚えのある顔が見えた気がした。 吸い寄せられるようにそちらを向いた途端、僕の心臓が跳ね上がった。
━━━彼女、だ。 夏の日差しのせいではない熱で頭に血が昇る。十分過ぎる程の発汗が、まだ足りないと ばかりに勢いを増す。 僕が渡ろうとしている横断歩道と平行しているもう一方の横断歩道で、彼女は 同じように信号待ちをしていた。 向かう方向は同じ━━━もしかしたら彼女も図書館に行くのかもしれない。 そう思うと心が躍った。 そうであれば図書館の入り口あたりで、丁度鉢合わせになる。 急に自分の格好が気になりだす。 シャツが汗のせいでぴったりと背中に張り付いている。頭の天辺からつま先まで 汗まみれだ。 まずい━━━清潔感ゼロ。 カンカンと照り付けている太陽が恨めしいが、夏の暑さを呪っても始まらない。 とにかくこの汗をなんとかしないと・・・ 僕は急いで自分のリュックの中を探って、スポーツタオルを見つけ出した。 これでさっと汗を拭いてしまおう。 おもむろに取り出そうとして、そのことにはたと気づき、手を止める。 ちょっと待て、突然人前でタオルで体を拭きだしたら、おかしくないか? ・・・おかしい━━━と思う。 ちらりと周りを見ると、僕のそばにいるのは4、5人ほど。信号を渡った向かい側 には、幸運にも一人もいない。
チャンスだ。 僕はさりげなく最後尾に後退した。これで大丈夫。素早く済ませれば誰も 気づかないだろう。 念のため、向こうの信号で待っている彼女の方を確認すると━━━ 目が合ってしまった。それも、ガツンと頭の中で音がする程に。 彼女との距離は十数mほどだろうか。それでも視線が交錯したことは、はっきりと分かった。 彼女はすぐに視線を前に戻したが、きっと向こうも僕を見つけたはずだ。 ・・・まあ・・・ただの自意識過剰かもしれないけれど。 はっと自分の不自然な格好に思い至る。 スポーツタオルを握り締めてぼんやり立っている中学生男子。 やってしまった・・・ちょっと格好悪い。 僕は彼女の方を意識しながら、タオルで顔の汗を拭った。とりあえず第一段階終了。 ・・・一体何をやってるんだろう。 彼女の姿を見て、完全に浮き足だっている自分に辟易して、目を閉じて溜息をつく。 瞼の裏に、彼女の姿が浮かんだ。
━━━彼女を初めて見たのは、中学一年の夏休みだった。 今から丁度二年前のこと。 その時の光景は、いまでもはっきりと思い出すことができる。 やはりこうして図書館に通う途中だった。 その日は今日のように暑い日で、体が溶け出してしまいそうな炎天下、僕は堪らず 大通りのファーストフード店に飛び込んだ。 鼻腔を通り抜ける、冷たい店内の空気にホッと息をつき、炭酸飲料を注文して、 一階の窓際の席に着く。 微かな優越感とともにボンヤリと通りを眺めながら、冷たい炭酸飲料をストローで 喉に流し込む。 炭酸が弾ける爽快感に力が抜けて、深く背もたれに体を預けた瞬間、その姿勢のまま、 僕は固まってしまった。 全てが熱せられ、歪んで見える通りを、まるで温度を感じていないのかと思うほど 涼しげに━━━
彼女が歩いていた。 白い、ただ白く光るワンピースの裾を、やわらかくなびかせて。 長く癖の無い黒髪が、歩を進める度に背中で弾み、たっぷりと含んだ太陽の光を 辺りに散らす。 手足がしなやかに交差していく。 挑むように陽光を透かし見る、細められた双眸。長く伸びた睫毛が、すっきりとした 下瞼に影を落としていた。 彼女が通った後の空間が、透き通っていくような不思議な感覚。 日傘もぼうしも無く、火そのもののような日差しも、煮えたぎる湯のような湿気を 含んだ空気もなにもかも、自分を害することはないのだとでもいう歩き方。 その姿を目にして、得体のしれない衝動が湧き上がった。 目の奥で火花が散ったようだった。 強烈な、抑えがたい心の躍動。 息をするのも忘れて、僕は彼女を見つめ続けた。 時間にすれば、それこそほんの数秒のことだったろうと思う。 けれどその数秒は、僕の中に決して消えない光景として残ることになった。 ━━━その後、理解不能な混乱を収めるため、僕は食べたくも無いハンバーガーを、二つも 胃の中に詰め込んだ。
これはまた、中二病さんとは違うアプローチ。 男子の微細な心情を盛り込んだ、情感タップリな入りですな。 そして、都市伝説的なZ病…楽しみが増えました。
>>549 新作ワォ!! とにかくコテハン作ってくれ、話はそれからだ。
といいながらも、、、
地球対人類の構図はかねがね思っていたことなので共感、wktk
ルワンダは実名出されて迷惑だろうが「ルワンダ」って出ただけで信憑性、説得力が高まるんだな。
ルワンダがどのへんにあるのか知らないけど。
ノベルスレ残党116さん
乙です。スロースターターっぽいけど今後に期待。
情景描写及び心理が明確に文章に表されてるので想像をかきたてられる 文章ですね。 プロローグというのか始まりが推理小説みたくこれまた 先が気になりますね。 作家様達が訪れ小説を投下してくれ少しでも多く文章が読めるのが とても嬉しい限りです。ゆえに多種多様な文章表現を今後も楽しませていただきます。 是非今後とも頑張って下さい。 マジレスwwキモくてすいません。ww乙です
皆様感想ありがとう!とても励みになります。 では、続きです。
後日それとなくそのことを話した友人は、いとも簡単にそれを断定した。 「その子のこと、好きになったんだろ」と。 なるほど、と思うと同時に、僕は慌てた。平静を装って、その友人には「そうなのかな」 と返したが、心臓はこれまでにないほど鼓動を早めていた。 頬が紅潮して、胸が高鳴った。きっとうまくごまかせていなかっただろう。 そして思った―――これが、人を好きになる、ということなのだと。 恥ずかしながらも、僕はその時まで、恋愛という感情を持ったことが、 自覚したことがなかった。 僕が彼女を見たときの、あの激しい感情のざわめきは、いわゆる恋愛感情と呼ばれる ものだったのか。 そう考えると自分が陥った収集不能な混乱も、確かに納得がいった。 なにかがすっきりとどこかに収まったように、僕の気分は晴れ渡った。 その感覚を、どこかで良く知っているはずなのに、自覚できずに苦しんだことが、まるで嘘のように。
全くどこの誰なのかも分からない女の子。 僕はその女の子を一目見て、そして恋をした。 これだけなら、どこにでもあるいわゆる「青春」の一コマだったのだろう。 やがてはそんな女の子を見たことも忘れて、また別の恋が始まる。 大抵の「一目惚れ」というものは、そんな終わり方をするものらしい。 僕のこれも、その程度のことだったはずだった。 しかし、僕のこの恋は、そのまま消えることはなかった。 僕は、程なくして彼女と再会することになった。 再会の場所は、僕の通う学校の廊下で、だった。 僕と同じ学校の制服を着て歩く彼女の姿を見たとき、僕は心臓が止まりそうなほどに 驚いた。 こんな偶然が、本当にあるなんて。 実は彼女が、僕と同学年で、二つとなりのクラスの女生徒だと知って、何か運命めいたものを 感じずにはいられなかった。 そんなばかな、と笑われるかも知れないが、その時は本当にそう感じたのだ。 それから僕の視線は、知らず知らずのうちに、彼女の姿を探すようになっていた。 運動場で、食堂で、廊下で。 クラスの違う僕と彼女の接点は、多いとはいえなかったが、僕は彼女の姿を見つけるたびに、 涼やかな、けれどしかし、決して弱々しさを感じさせないその姿に見入った。
彼女の名前は「若宮 加奈」(わかみや かな)成績は優秀。運動は普通。容姿は、 ごく個人的には、文句なし。 性格はといえば、物の言い方がストレートで、人によって評価が分かれていた。 冷たいという者もいれば、裏表がなくていいという者もいた。 有体にいってしまえば、女子よりも男子の人気の方が高いタイプ。 それが今までに僕が知り得た、彼女に関する情報の全てだ。 今まで彼女とは、挨拶もしたことが・・・ない。 時折目線が合うような気がする程度。それもきっと僕の思い過ごしに違いない。 自分でもなんだかどうしようもないと思うけど、僕には、彼女に話しかける勇気が、 どうしても持てなかった。 「何が不安なんだよ?知り合いでもない状態から悪くなる関係なんてないだろ」 そう友人は言う。 僕もそう思う。 ではなぜ話しかけることが出来ないのかと考えてみればそう―――多分、怖いのだ。 友人が恋愛だといいきったあの感情を完全に受け入れたら、その流れに押し流されて しまいそうなことが、なぜか―――怖い。 彼女に話かけてしまえば、いやでもその感情の濁流に飲み込まれ、自分が今の自分とは 違うものになってしまいそうで―――怖い。 だからといって彼女に対する感情の全てを、自ら放棄してしまう勇気もない。 弱い人間なのだと、自分でも思う。 そして、そんな自分でい続けたくないとも、強く思っていた。
目を凝らさなければ信号の色すら分からない程の日差しを、手のひらで遮りながら思う。 今が、もしかしたら初めて彼女に話しかける、最大のチャンスなのかもしれない。 たった十数メートル向こうで、僕と同じように信号待ちをしている彼女を意識する。 中学生最後の夏。卒業まで、あと半年を残すばかり。 長いようで、きっと短いだろう半年。 それが過ぎれば、僕と彼女は、学校を卒業する。 彼女の今後の進路を僕は知らないが、きっともう会う機会も無くなることだろう。 それまで僕は、彼女と一言も言葉を交わさないまま、この気持ちを持て余しながら、 過ごしていくことになるのだろうか? それが過ぎた後、僕はそうやって最後の半年を過ごしたことを、 後になって後悔したりはしないだろうか? 「こんにちは、もしかして中央中の人ですよね?」「こんにちは、僕、中央中の新田です。 はじめまして」なんでもいい、話しかけさえすれば、とにかく何らかの変化が、僕と彼女の 間に起こるはずだ。 その後にどうなるのかなんてわからないけど。 けれどこのまま過ごしていくよりは、きっといいはずだ。 ―――よし、決めた。 もし彼女の目的地が、僕と同じ図書館だったなら――― 思いきって、話しかけてみることにしよう。
ふと見上げれば、信号はすでに青に変わっていた。 結局体を拭くことはできなかったな、と思いながら、僕は慌てて横断歩道に足を踏み出した。 唐突に、甲高い、耳障りなブレーキ音が、交差点に響き渡った。 鼓膜を破らんばかりの大音響のクラクションに、体が硬直する。 反射的に音源を探して、筋肉の引き攣った首をギリギリと廻らす。 皮の弛んだ太鼓を叩くような鈍い音が、間髪入れずに続いた。 背筋のゾッとするような、嫌な音だった。 交差点の中央に、大型のトラックが、車体を斜めにして止まっていた。 夏の日差しを照り返すアスファルトに残った、黒々としたブレーキ痕が、やけに目につく。 それは、右に左に蛇行しながら、向こうの横断歩道のほぼ中央を突っ切っていた。 先程のクラクションに負けない程の大きな悲鳴が、辺りに響く。 あまりの突然の出来事にボンヤリと眺めた向こうの横断歩道の様子は、今自分が立っている 場所から然程離れてはいないというのに、まるで映画のワンシーンか何かのように、 どこか遠く、作り物めいて見えた。 頭を抱えて悲鳴を上げている人。 腰を抜かして座り込んでいる人。 そしてある人は、こちらの横断歩道を指差していた。
しかし、それは違っていた。 その人が指を差していたのは、僕のいるこちらの横断歩道ではなかった。 その指先はもっと、上を向いていた。 周囲に何かを撒き散らしながら飛んでくる、黒い影があった。 投げやりな放物線を描いた”それ”は、べちゃりと水っぽい音を立てて地面に落ちると、 2度程低くバウンドして、僕のすぐ目の前まで転がって、止まった。 ゆっくりと視線を下げて、”それ”に焦点を合わせる。 膝から急激に力が抜けた。 誰かの悲鳴も、怒声も、いらだったような車のクラクションも、全てが――― 目の前の異常な光景に溶けた。 それを見て最初に頭に浮かんだのは、糸の切れた操り人形だった。 手も、足も、てんでバラバラにでたらめな方向を向いている。 くたり、と崩れ落ちた、あやつり人形に似ていた。 違っているのはそれが、本物の人間の体であるということだった。 小さく纏まった人間の体で作られた小山。 その裾野から、湧き出す泉のように、血溜まりが広がっていく。 へたり込んだ僕の視線より尚低い場所、小山の頂点には―――彼女の顔があった。
>ノベルスレ残党116さん 中学のとき、俺は男子校だったので女子と日ごろ接する機会はなかった。 電車通学だったがある日たまたま気分で近所のバス停からバスに乗ったら彼女がいた。 一発で惚れたね。 なんとなく顔は覚えてる。小学校のとき別のクラスにいた子だ。名前もろくに知らない。 制服からとある私立の女子校だとわかった。 自分のクラスから同じ学校にいった近所の子にわざとらしく接触して世間話をしたりする。 「お前の学校の子で○○のバス停から乗ってくるのがいるけどあれうちの小学校だったよね、 誰だったっけ?」 でも、この一言、何度も練習して「今日こそは」と気合入れたけどついに言えなかったorz 彼女の乗ってるバスだと俺の学校の始業に間に合わない。 でも定期を買ってそのバスで通学したね。出欠とるタイミングが遅い先生が1限の日を選んでバス。 彼女が降りた次のバス停で降りて走って電車に乗り換え。何やってんだ、俺、、 そのときに妄想してたのが(当時はゾンビの概念がなかったけど)パニックワールドに陥って ピンチの彼女を俺が助けて二人で逃げのびよう、、、 ほんと、学校行ってもそんなことばかり考えてた。その頃からおかしかったんだなww もうね、心が純情すぎてオナニーのネタにするのすら汚らわしかった、、、 その後、数ヶ月でバスの路線が変わって彼女を見ることはなくなった。 結局見てただけで終わった。 こんなことずっと忘れてた。 心の片隅に閉じ込めた少年時代の淡い想いを思い出させやがって、このやろう!!
577 :
576 :2007/11/06(火) 04:21:25 ID:23AM9Hi00
後日談 そんなこんなで大学に入って文科系だがサークル活動に熱中してたら進入部員を見て 「あ、あれは、、、」 もちろん、別人の田舎娘。 ただ第一印象に彼女の面影を見ただけで全然似ても似つかなかったね。 でもその初回接近遭遇で俺の中の何かがブチ切れた。全力アタック!! 以降ついたり離れたりを繰り返した結果、今は俺んちでゴロゴロ威張り散らしてる俺の嫁。 あのバス停で「キラリーーン」(アムロのニュータイプ音ね)、大学の部室で「キラリーーン」 これさえなかったら俺の人生はもっと健全に俺にふさわしい女性と結ばれたはずorz
ノベルスレ残党116さん、お疲れです。
じっくりと時間をかけた少年の心情描写…これが、少女の事故との落差を大きくし、読み手に衝撃を与える。上手い。
うは、オイラ偉そう。
>>576 そこであなたもゾンビ小説投下ですよ。
中二病さん、アフリカのストーリーの方、残党116さん、楽しみが沢山でうれしい限りです。
ヴィー!ヴィー!ヴィー! 耳障りな音と共に施設内の警告灯が点滅を繰り返す。 円筒状の金属の塊がフォークリフトで運ばれ、発射装置に送り込まれる。 筒状物体には動力は一切存在しない。 更に表面にはステルス塗料が塗られている。 発射装置がロックされる。 「電力安定。ターゲットの天候は降雨状態。いつでも発射可能です」 施設の司令官が赤電話での大統領の最終指令を待つ。 赤電話が鳴り、即座に受話器を取る。 「はい。分かりました」 受話器を置き、オペレータに発射シークエンスの最終段階への以降を命令する。 電力がレールガンの磁力を発生させ、必要レベルにまで高める。 「邪悪なる南アメリカ連邦に神の裁きを!Z弾発射せよ!!」 ドンッ! 衝撃波を残し、弾頭は南アメリカ連邦の中央部に向かい滑空して行く。 弾頭は連邦の領土中央部の田舎上空で自爆しゾンビの気化血液の粒子を撒き散らす。 気化血液の粒子はその時点で南アメリカに降り注いでいた雨に混じり地表へと降下して行く。 「タクシー!」 一人の男がその雨に打たれながらタクシーを止める。 「チップははずむ!大急ぎで空港までやってくれ!」 ゾンビが再び世界中に蔓延する事象の引き金が今引かれた。
カランッ・・・・・! ハッチの上に転がっていた金属の破片が転がり落ちる。 地上は焼け野原で数百メートル先に無人の町並みが見える。 「ゾンビは・・・・いないみたいだな。上がって来いよ」 自分が先行し周囲を確認し、全員を呼ぶ。 「あの街は・・・・・・大戦後の廃墟郡か・・・・」 立川が呟く。 廃墟郡。 かつて大戦前に1億数千万人いた日本人は帰化人をも含めてゾンビ騒動前でも2500万人に減っている。 遺伝子的に純粋な日本人に至っては2000万人目が確か去年生まれたはずだ。 1億数千万の人口を抱えていた戦前の日本は内陸部の奥地等の田舎を除いてその殆どが人口過密状態。 戦後の復興は日本に点在する大都市を軸に復旧した為に未だ解体されていない大戦前の廃墟が現存している。 廃墟の街中は殆ど手付かずで放置されていた為に錆びた自動車の残骸などが平気で放置されていたりする。 逆に考えれば逃げていった生存者達の殆どは復興された街を軸に逃げて行き、ゾンビはそれを追いかけていった。 だから比較的安全なのは廃墟郡の中だろう。 だが、廃墟郡は手配された犯罪者や密入国者が隠れていたりする場所にもなりうる。 しかし、比較的安全なのだからして廃墟郡の道路を徒歩で移動する。
思ったとおりだ。 1世紀もの間放置されて来た道路は自動車等で逃げるには状態が悪く、誰も通っていないのかゾンビに遭遇しない。 だが万が一と言うこともある。 警戒を怠らず、だが確実に徒歩で移動して行く。 順調だった。 主要道路より遠回り気味だが、その間に遭遇したゾンビは僅か数体。 時折上空を行き交う戦闘機が軍の健在を証明していた。 いよいよ明日は静岡軍基地に到着する。 今日はあの雑居ビルにでも宿泊しよう。 目の前には無数に並べられたかのように横倒しになった錆びきった自動車がある。 そのうち2台ぐらいがまるで戦車に踏み潰されたかのようになっており、その先にある旧時代の主力燃料供給所の ガソリンスタンドは事務所が全壊していた。 折れた鉄柱と燃料会社の看板で潰されて死んだのか2人分の骨が転がっていた。
>576 なんという勝ち組。 では、続きです。
―――意味が分からない。なぜ、彼女の顔が、ここに、僕の目の前に、あるのか。 彼女は確か、向こう側の、今、何人かの人が泣いたり叫んだりしている、あっちの信号を 渡っていたはずだ。 それに変だ。 彼女の顔の下についている体は、こんな形をしていない。 夥しい血に塗れた、元がどうだったかもわからない様な体。 そんな人間はいない。 こんな状態では、人間は生きていられない。 ―――生きていられない? 早く輸血とかをした方がいいんじゃないかな? だってこんなに沢山、血が出ちゃっているんだし。 鳩尾の辺りがヒクリと脈打つ。 信号無視の大型トラック。 のたうつ蛇のようなブレーキ痕。 横断歩道を渡っていたはずの彼女。 ―――思考が、うまく繋がらない。 腹筋が痙攣しているのが分かる。 それが吐き気でないことが分かり、全身に鳥肌がたった。 笑いの気配が迫っていた。大きな大きな笑いの気配。 だめだ。 がたがたと体が振るえだす。短い笛のような呼吸を繰り返す。 今はだめだ。 僕の心の中のどこかで、警鐘が聞こえていた。 そうだ、きっと今笑ったら、もう”戻って”来られなくなる。 感覚の鈍い唇をきつく噛んで、その衝動をやり過ごす。 頭が真っ白になってなにも考えられないのに、見えている光景だけは、 鮮明に網膜に焼きついた。 目を逸らすことも、叫ぶこともできず、僕はただ、変わり果てた彼女の姿を 見つめ続けた。
体は、その部分がかろうじて判断できるといった程に崩れてしまっているのに ―――なぜか顔には、傷一つなかった。 だから僕は、この無残な肉塊が彼女だとわかったのだ。 小さく開いた口の端から溢れ出す血の泡と、乱れて絡みついた髪の毛以外、 先程ちらりと遠めに見た彼女と、なにも変わったところはない。 顔の表情は安らいでいて、微笑みを浮かべているように見えた。 こんなにも柔らかな彼女の表情を、僕は見たことがなかった。 僕が見た中で、きっと、もっとも自然な、彼女の表情。 その中で瞳の輝きだけは、失われていた。 本当は一目でわかっていた。 ―――彼女は、死んでしまったのだ。 信号無視をしたトラックに跳ね飛ばされて、彼女は死んでしまった。 彼女の顔を、改めて見つめる。 最後の瞬間、彼女は何を見て、何を思っていたのだろう。 きっと自分の身になにが起きたのか、少しも分からなかったに違いない。 ―――信号を渡り終えたなら、話をしてみようかと。 そんな言葉が頭の中に浮かんできた。 先程まで僕が抱いていたその夢想は、もう叶わない。 むせ返るような血の匂いに混じって漂ってくるゴムタイヤの焼けた匂い。 何故かそれが、これが今実際に起こった現実の出来事なのだということを、 強く僕に意識させた。
それからどうやって家に帰りついたのか、余り覚えていない。 相当自分を見失ってしまっていたのか、事故現場に到着した救急隊員に引き起こされる まで、僕は彼女を見つめ続けていたようだった。 しきりにこのまま車に乗って病院へ行くよう勧められたのは覚えているが、 とてもそんな気にはなれなかった。 何も考えられなかった。鉛を詰められたように全身が重くて、とにかく早く眠りたい。 その時はただそれだけだった。 それに、おそらく彼女も運ばれるのだろう同じ病院に、自分も”生きて”運ばれることに、 どこか罪悪感のようなものを感じもした。 現場は相当混乱していたようで、ふらふらと覚束ない足取りでその場を後にする僕を 呼び止める者は他にいなかった。
それから2日間、僕は眠り続けた。 後から聞いた母の話では、ご飯の用意が出来たといってもベッドの中から生返事を 返すだけで、一歩も部屋から出てくることはなかったという。 何かの病気ではないかと病院に連れて行こうともしたのだが、僕は頑なにそれを拒んだそうだ。 全然そんな記憶はない。が、そういわれてみれば、そんなことがあったようにも思う。 とにかく僕の中からは、事故の後二日間の記憶は、すっぽりと抜け落ちてしまっていた。 そして3日目の朝、僕は目を覚ました。 「あら、起きてきたのね」 二階の自分の部屋からダイニングに降りてきた僕を見て、母は妙に弾んだ声と、 満面の笑みで僕を出迎えた。 母のその笑顔の理由はその時はわからなかったが、その話を聞いた後では納得できる。 相当、心配をかけたのだろう。 僕に変わりがないことを確認すると、ここ2日間眠り続けていたことに対して、 みっちりと小言を聞かされた。 それに関しては、本当に申し訳ないことをしたと思う。 話の途中何度かその”理由”について聞かれたが、僕は「なんでもない」で押し通した。 その席には父もいたが、普段から寡黙な父は「体の調子は本当に心配ないんだな?」 と念を押したきり、他に僕に何かを聞くようなことはなかった。 その内、僕がどうあっても理由を話さないことが分かったのか、母もそれ以上この件について 追求することを諦めたようだ。 「ご飯の前にコウちゃんに挨拶してきなさい。二日もサボったんだから、ちゃんと挨拶するのよ」 そう言い残してキッチンに入っていった。 僕は無言で頷くと、仏間へと向かった。
>588 自分には相応しいかと。 では、続きです。
仏壇の正面に据えられた座布団に正座すると、手を合わせ、線香を立てる。 開かれた仏壇の中央で、止まってしまった年齢と同じく小さな遺影が、 僕をいつもと同じ笑顔で出迎えた。 小脇に置かれた位牌の、小難しい、僕には読むこともできない戒名は、かつて「コウちゃん」 と呼ばれた少年の、現在の名前だ。 コウちゃん―――僕の双子の弟は、今から11年前に野犬に襲われて、死んだ。 活発で、外で遊ぶことが大好きだったコウちゃんは、その日も幼稚園から戻ると、 玄関先に、通園用の当時子供に人気だったキャラクターのプリントされた 小さなバックを投げ置いて、近くの児童公園へ向かったきり、戻ってこなかった。 その日のことも、僕は、ハッキリと覚えている。 小さな頃病気がちだった僕は、その日も幼稚園で軽い発熱を起こしてしまい、保健室で寝ていたため、 帰るのが遅れたのだ。 迎えに来た母に連れられて帰り着いた玄関に、ポツンとおかれたバックを見て、 僕は憤慨したものだった。 またコウちゃんは、僕をおいて遊びに行ってしまった、と。 本気で怒っていたわけではない。きっとおいていかれた事が寂しくて拗ねていたのだと思う。 苦々しげに。そのバックを一瞥して、僕はコウちゃんと共用のこども部屋に駆け込んだ。 ふてくされて頬を膨らませながら、お気に入りの絵本を読み返していると母がやってきて言った。 「そんなに拗ねないで、帰ってきたのがこんな時間なんだからしょうがないでしょう? もう暗くなるし、コウちゃんを迎えにいったら、すぐご飯にするからね」
いつでもべったりとしているほど、仲の良い兄弟だったのかと聞かれれば、自信はない。 コウちゃんはいつも外で遊んでいたけれど、病弱だった僕は、家にいることの方が多かった。 けれど、決して悪かったわけでもない。 僕の調子が良いときは、手を引っ張るようにして公園に連れ出して、引っ込み事案の僕に 新しい友達を紹介してくれたり、悪いときにも、自分が外で遊びたいのを曲げて、僕と一緒に 一冊の絵本を、読んでくれたりもした。 幼稚園の先生にはいつも「コウちゃんの方がお兄さんみたいね」と言われていた。 そんなコウちゃんを、僕は好きだった。 憧れていたと言ったほうがいいかもしれない。 両親は僕たち二人に分け隔てなくやさしく接してくれたから、どちらかがどちらかを羨んだり することがなかった。 だからこそだと思う。 僕は、元気で運動の良くできる、わがまま放題の年齢の男の子にしては、世話好きと言えただろう コウちゃんを、劣等感を持つことなく、素直に自分に無い才能を持つ者として、好きでいることができた。 先を走るコウちゃんに、ついていく僕。 そうやって、二人で成長していくはずだった。 ―――遺体の損傷が激しいから、と、最後のお別れは、させて貰えなかった。 そんな理屈が子供だった僕に分かるはずもない。 僕は大泣きして、両親や周りにいた人達を困らせた。
その時に僕は教えられた。 そういった理不尽な別れ方が、この世界にはあるのだと。 先日の事故の様子をふと思い出す。 2日も寝続けていたせいで頭がまだ働いていないのか、あれが夢の中の出来事だったようにも思える。 はっきりとその光景が脳裏に浮かぶにつれ、キリキリと頭が痛み出し、僕はそれ以上 そのことを思い出そうとするのを止めた。 同じ時間に生まれ、同じ幼稚園に通っていた、僕と同じ姿をした少年。 彼は死に、僕は、こうして生きている。 同じ時間に、同じ交差点に立ち、もしかしたら同じ場所へ向かっていたのかも知れない少女。 彼女は死に、僕は、まだこうして生きている。 僕は知っていたはずだ。 ―――突然に人はいなくなるのだ、と。 ある日突然に、お別れの言葉もなく。 そこに予感はない。条件もない。 向かい会って話している人物が、次の瞬間にいなくなっていることだって、あるかも知れない。 そう知っていたはずだ。 この胸のもやもやとしたものは、後悔なのだろう。 もっとちゃんと出来たはずなのだ。それだけの時間は、十分にあった。 それなのに、僕は――― コウちゃん――― 遺影に向き直ると、僕は、心の中でコウちゃんに語りかけた。
コウちゃん。 お願いがあります。 どうか―――このお願いを聞いてください。 そっちに女の子が一人、行きます。 名前は「わかみや かな」 とても可愛らしい、素敵な女の子です。 彼女は2日前、交通事故に会って、そっちに行くことになりました。 突然のことだったから、そっちについても、きっと右も左も分からずに、困ってしまうはずです。 見つけたら、親切にしてあげてください。 恥ずかしいけれど、コウちゃんには伝えておきます。 その女の子は、僕が好きだった女の子です。 僕は女の子を好きになったことがなかったので、どのくらいかはわかりません。 でも、自分の中では一番だったと思っています。 けれど僕は、それなのに―――話をしたこともないので、僕の名前を出してもわからないと思います。 だから、もし彼女と会うことができたとしても、僕の名前は出さずにいてください。 彼女は気の強そうな子なので、小さなコウちゃんには、怖く見えるかもしれません。 でも、いじわるな子ではないと思うので、大丈夫です。 こっちでは僕は―――彼女に親切にしてあげられませんでした。 だから、その分もどうか―――コウちゃん。 どうか――― ―――悔しかった。 どうしようもなく、悔しかった。 合わせていたはずの手のひらは、いつの間にか正座の上で握りこぶしになっていた。 知らず知らずの内に、涙がこぼれていた。 何をいまさらと、自分が馬鹿みたいに思えた。 だって僕は、知っていたはずなのだ。 ―――いなくなった人間は、決して帰ってはこないのだ、ということも。
ゾンビの中心で愛を叫ぶ
「ああ?かなちゃんなら今、俺の腕の中で寝てるよ、、ちっ、起きちまっただろが」 (ウソだ!) 「あら、私、貴方のことが好きだったのよ、でも今は貴方そっくりでもっと活発なコウちゃんがいるから」 (ウソだ!ウソだ!) 「迷ってないでさっさと外へ一歩踏み出そうよ、って何度もいっただろ。気づいてないの?お前っていい奴だよ」 (ウソだ!ウソだ!ウソだ!) 「そうよ、あの時だって私、貴方を見つけて嬉しくて駆け寄ろうとしたのよ」 (ウソだ!ウソだ!ウソだ!ウソだ!) 「こんな奴、放っておいて一緒に行こう。こっちの世界を案内してあげるよ」 「ええ、お願い」 ウソだ!ウソだ!ウソだ!ウソだ!ウソだ!ウソだ!ウソだ!ウソだ!くぁwセdrftgyふじこlp;@:亜zxscdvfbgんhmj、k。 茶化してゴメン。なんか創作意欲、までいかなくても何か想像が膨らむ作品なんだよね。 この際、ゾンビなんて出てこなくていいからせつない話よろ!
596 :
本当にあった怖い名無し :2007/11/07(水) 06:26:11 ID:ZPzGclxH0
お前のそういった書き込みが他の人の創作意欲を削いでいることを いい加減に学習しろよ
嫉妬カコワルイ。
カタカタカタカタ・・・・。 油汗を掻きながら全身を細かく振るわせる男。 『当機は間も無く、イギリス領空に入ります。着陸までの所要時間は約30分です』 機内アナウンスが終わる。 客室乗務員に渡された毛布で全身を包み、なおもガタガタと振るえる。 「お客様、空港で救急車が待機しています。当機の着陸の優先許可を取りましたので今しばらくご辛抱ください」 「う・・ううう・・・・あ、ありがとう・・・・・。な、何なんだ・・・・この苦しさは・・・・・・。 ゴホッ!ゲホッ!ゲホッ!!」 ギギギギギギギ・・・・・。 コンテナが数箇所動き、ゾンビが一斉に静岡基地内になだれ込む。 生存者達の悲鳴があちこちから響く。 その悲鳴に興奮したのかゾンビ達は次々に移動をし、ほぼ全てのゾンビが施設内に移動し終わっていた。。 「キャーーーー!!」 「うわ、来るな!来るなあぁぁぁ!!!」 「ママーーーー!!」
多種多様な悲鳴。 だが、悲鳴の元に辿り付いたゾンビ達はもし生きている人間だったら拍子抜けして全身の力が抜けるだろう。 悲鳴を発している物。 それは基地にランダム配置されたスピーカーから流れていた。 施設に生きている人間は一人も見つからない。 ガガガガガッ!! 重機のエンジン音が轟き、一斉に移動したコンテナが元の位置に戻る。 「野郎ども!遠慮せずにぶっぱなせぇ!!!」 立川大佐の指揮がスピーカーから響く。 コンテナ内部に隠れていた兵士達が次々とコンテナの天井部分の穴から這い出てくる。 施設内に配置されたセントリーガンがアクティブモードに切り替わり、動く物全てに容赦なく鉛玉を浴びせる。 兵士はセントリーガンが撃ち漏らしたゾンビを始末する。 次々と基地の灯りに誘われて集まってくる周囲のゾンビを全て排除するのは不可能と判断した立川大佐の苦肉の策が これだった。 コンテナ内部や隔離可能な施設に生存者を隠し、わざと施設にゾンビを侵入させ退路を絶ち、始末する。
>>597 >>595 に嫉妬なんかしてないんだけどね。
まぁ、いいや。これからはROMるだけにするわ。
みなさまの感想には、とても感謝しております。 では、続きです。
一度、洗面所によってから、僕はキッチンへと入った。 「今、賢一の分準備するから、座ってて」 テーブルの、自分の定位置につくと、母がにこやかに話しかけてきた。 先程までの、少しその場に居辛いような両親の雰囲気は、もうない。いつもと変わらぬ母の 振る舞いにほっとする。 すぐ横には、いつもと同じように日課の新聞を読んでいる、父の姿もあった。 僕の日常が、確かにここにはあった。 目の前で同じ学校の生徒が轢き殺されてしまうような、非日常からは、ここは大きく 隔たった所にあるのだと、安心する。 穏やかな表情で、かいがいしく家族の食事を用意する、若作りの母。 この母に3日前の出来事の、一部始終を話したなら、一体どんな顔をするだろうか? きっと何事もないように、僕を励ますだろう。なんともない顔をして。 けれど心の中ではショックを受けるに違いない。きっと傷つく。 ―――あの時のことを、きっと思い出してしまうに違いない。 平和な食卓の様子を眺めながら、ほっと一人息をつく。 やはり事故の事を話さないで良かったと、僕は思った。
家族3人での食事を終え、父が会社に出社していくと、家の中は一層のんびりとした 空気になった。 母の入れてくれたお茶を飲みながら、居間でテレビを見つつ、他愛ない話をしていると、 随分気持ちがやわらいだ。 実は、先日の事故のニュースが流れないかと、内心戦々恐々ともしていたのだが、 結局そんなことはなかった。 3日前の事故など、目まぐるしく移り変わるこの世界では、すでに風化してしまった 出来事なのだろうか? そう思うと、逆に事故の関連ニュースを、意識的に探してしまっている自分に気付いた。 一度気になりだすと、どうしてもそのことが頭から離れない。 座りの悪いもどかしさに、ついに僕は、テレビでやらないならと、新聞をめくりだした。 そうしながらも、どこかでその記事を見つけたくないと思っている自分もいた。 矛盾する感情に戸惑いながらも、目は忙しなく紙面の上を滑り、事故の記事を探している。 新聞にも、事故の記事は載っていなかった。 全国版だからかと思い、それとは別にとっている地方紙「水無瀬新聞」にも 目を通してみることにした。 こちらの方は、父は読んでいかなかったようだ。折り込みチラシの類をゴミ箱に捨てるのも もどかしく、僕は新聞をめくりだした。
こちらの方は、父は読んでいかなかったようだ。折り込みチラシの類をゴミ箱に捨てるのも もどかしく、僕は新聞をめくりだした。 こちらの新聞にも、交通事故の記事は載っていないようだ。もっとも大きな記事は、 若者の乗る自転車がお年寄りと接触したが、謝りもせずに走り去ったということだった。 「どうしたの?賢一。何か、気になることでもあるの?」 食い入るように新聞に見入る僕に、母が声をかけた。 普段、新聞など読まない僕の行動を見て、母は首をかしげている。 「ああ、うん、ちょっと・・・」 僕の歯切れの悪い受け答えに、母は益々不思議そうな顔になった。その目に微かに、なにかを 探るような色が混じっている。 外見だけに止まらず、気も若く、僕と友人ででもあるかのように振る舞いたがる母は、 これ以上僕の言動におかしなところがあれば、あれこれと聞き始めるに違いない。 それは、避けたかった。 仕方なく新聞を閉じようとしかけたとき、僕の目に、一つの記事が飛び込んできた。 『市内中央交差点、ガス漏れ事故続報』 去る○月×日、午後一時頃、水無瀬市中央2丁目交差点において起きた、ガス事故の 詳細が分かった。 事故の原因は、広く水無瀬市地下に分布する、地下ガス溜まり処理のためのパイプの 一部破損であったことが、市当局の調査により判明した。 この事故は、多量に吸い込むと幻覚症状等、意識を混濁させる性質の認められる 地下ガスが、一時地上に噴出したというものだ。 事故発生当時、付近を通行中の市民数名が、気分が悪いなどの症状を訴え通報、病院に運ばれた。 問題のパイプの破損箇所の修復工事はすでに完了し、市役所当該担当員の話では、 同箇所の再度のガス漏れの危険性は当面ないとしているが、近年老朽化の叫ばれる、 パイプ管等地下設備の全面的な点検、補修見直しも含め、市の今後の的確な対処姿勢が問われる。
僕は慌てて手を止め、もう一度その記事を読み直した。 日時は僕が目撃した、交通事故の起きた時間と一致していた。 場所も写真付で紹介されているが、間違いない。あの事故の起きた交差点だ。 写真の中には、その日僕が行こうとしていた図書館が、はっきりと写っている。 これは―――3日前、あの交差点で―――二度、事故が起きたのか。 1つは僕の見た交通事故。そしてもう1つ、ほぼ同時刻、同じ場所で起きたガス漏れ事故。 ―――そんな事があるのか。 あるのかもなにも、こうして実際に起きているのだ。 嫌な偶然―――ということなのだろうか。 「賢一?ちょっとどうしたの?酷い顔色じゃないの」 視界が、揺れていた。 「うん、風邪・・・かな。ちょっと寒気がする」 「夏風邪?大丈夫?病院にいった方がいいんじゃないかしら。あなた体弱いんだから」 「母さん、それ子供の頃の話じゃない。大丈夫、ちょっと横になれば、すぐ良くなるから」 なんとか笑顔を作ると、僕は話を切り上げて、部屋に戻ることにした。 階下から聞こえる、心配そうな母の声を振り切るように、僕は階段を上がると、 後ろ手に自室のドアを閉め、逃げ込むようにベッドに潜り込んだ。 ―――何故か、恐ろしかった。 毛布を頭から被り、新聞の記事を思い出す。 『市内中央交差点、ガス漏れ事故続報』 別に僕が怖がる理由など、これっぽっちもないはずの事故。 怖いのは―――事故そのものではない。 事故の記事を読んだ時に、僕は違和感を感じた。 その違和感の正体がなんなのか、僕には分からない。 それを確認することが、怖かった。
606 :
597 :2007/11/07(水) 13:09:49 ID:zT8/vbr20
「おー・・・・凄い光景だな〜・・・・」 壮絶な巨大火葬場を頭に思い浮かべつつも白い布を結び付けた旗を大きく振り生存をアピールしながら基地へ向かう。 間違って全員射殺なんてオチは絶対に嫌だ。 ジャーーー!! 消火栓からの放水で施設内の地面の肉片やら血が洗い流されて行く中を基地の建物へ向かってゆく。 軍に混乱は見られないが次のゾンビの襲撃に備え職員が忙しそうに動き回っている。 数ヶ月ぶりに立川の父親である大佐と直接会う事になった。 自分がゾンビに襲われない体質と聞いた大佐は少し驚いていた。 だが、自分以外にも何人かゾンビに襲われない体質の人間が居ることを知らされた。 現在把握されているだけだが日本国内でも自分を含め20人程が確認されて居るらしい。 だが、ゾンビに襲われない体質のうち4人が自分の身内・・・・祖母に親父に姉貴に弟という点は大佐も首を捻っていた。 更に自分を含めたその4人だけが先天性の体質で、残りはゾンビに襲われゾンビ化の過程で正常な状態に戻ったそうだ。
潜在的に大人数が対ゾンビ因子を持っているかもしれないと軍の生物学者が興味を持ったらしいが まさかそれを確かめるわけにも行かない。 ゾンビに襲われて正常に戻るプロセスには時間が掛かり、その前に喰い殺された人も居るだろう。 ゾンビ化の原因はいまだ特定されていないが、何らかのレトロウィルスが原因ならば祖先が対ゾンビ因子保有者で 子孫に遺伝として伝わってきたのだろうと仮説が立てられた。 だが、もしそうだとしても現在の因子保有者の子孫が増えるまで待っていたら日本は崩壊してしまう。 軍の結論としては、戦闘可能な因子保有者を軸にした部隊の設立を考えているらしい。 「で、だ」 一呼吸置き、大佐が自分を見た。 な、なぁ〜んか滅茶苦茶嫌な予感が・・・・・・・。 「ようこそ、我がケルベロス部隊へ!我々は君を歓迎しよう!!」 は!? な、なんだそのケルベロス部隊ってラノベに出てきそうな部隊名は? 「ははは!遠慮しなくていいのだよ!君はもう家族同然だ!!」 い〜や〜〜〜〜!! おかあさーーーん!!!! 立川を見ると、哀れむような目でこっちを見ていた。 終わり。
ええと・・・・終わりです。 長い間お付き合いいただきありがとうございました。 思い付きで書いている為に多々変なところがありましたが・・・・・。 ふとフォルダを見れば、前作が52KB、今作が70KBでした。 次回作・・・・・できるといいなぁ・・・・。 それでは、また会う日(書き込みする日かな?)まで皆様お元気で。
あぁ…、数少ない楽しみが終わってしまった… ありがとう中二さん。とても楽しく読まして戴きました。 次回作を楽しみにしております。本当にお疲れ様でした
終わり!?終わり!?
頑張れノベルスレ残党116さん! お疲れ中二病作家さん!次回作頼みます。
え、終わり?!寂しいなあ… 楽しませてもらいました、お疲れ様!!
中二病作家さん乙 どうせまたすぐに新作書いてくれるんだろうけど とwktkプレッシャー
中二病作家さんお疲れ様でした。 次回作も期待してます。 ケルベロスと聞くと「鏖の雄叫びを上げ戦いの犬を野にはなて」(W・シェイクスピア)を思い出してしまう・・・w
>中二病作家さん 本当におつかれさまでした。そしてありがとうございます。 自分自身、今回の物語を書く、最後のきっかけとなったのは、 中二病作家さん初め他作家さんのの作品や、このスレッドの 住人の方々の書き込みに触発されてのことでした。 またのご活躍、期待させていただきます。 できれば、自分の書いている間に戻ってきていただけると嬉しいです。 ただ作品の終わった今は、十分にご休養ください。 本当にありがとうございました。 では、続きです。
どうやら僕は、毛布にくるまったまま、いつの間にか眠ってしまっていたようだ。 寝ぼけ眼で枕元の時計を見ると、もう午後になっている。 突然、僕が起きるのを見計らったかのように、部屋のドアがノックされた。 「賢一、寝てるの?」 ドアの向こうから問いかける母の声に、上体を起こす。 「ううん、今起きた。大丈夫、体ならなんともないから」 「そう・・・良かった。それでね、賢一。賢一にお客様が見えてるのよ」 「ん・・・誰?」 「何でもね、市役所の方らしいんだけど。ちょっと賢一に話があるらしいの」 市役所―――なんだろう? 起きぬけの頭で、ぼうとそんなことを思ったが、続く母の言葉にぎょっとした。 「賢一、あなた―――3日前の昼頃、大通りの交差点に、いた?」 眠気は一瞬で吹き飛んでいた。 「その事でね、お話があるんだって。ねえ・・・賢一、聞いてる?」 じっとりとした汗が背筋をつたう。 「・・・うん・・・聞いてる」 返す声は、かすれていた。喉がカラカラに渇いていて、うまくしゃべることができない。 「何かあったの?」 母は鋭いほうではないものの、先日僕に何かが起きて、様子がおかしいのだ ということぐらいは、薄々勘付いているだろう。 悪いことなど何もしていないが、隠し事をしているのには違いない。 ―――少し胸が痛んだ。 「なんでもない。大丈夫だよ」 半ば自分に言い聞かせるように言う。 「着替えてすぐ行くから、悪いんだけど、少し待っててもらって」 わかったわ、と答えて、母の足音は遠ざかっていった。
僕はそれからしばらく呆然として、一人部屋に佇んだ。 ぐっしょりと、汗で濡れたシャツを着替えながら考える。 市役所の人間が、一体なんの用事だろう? そんなの決まってる。3日前の、あの事故のことだ。 でも、おかしい。 それなら話を聞きに来るのは、市役所ではなくて、警察のはずだ。 もしかしたら――― 脳裏に、今朝みた新聞の記事がよぎる。 『市内中央交差点、ガス漏れ事故続報』 その事故の事だろうか? 十分有り得るように思える。場所も同じ、時間もほぼ同じ、そんな事故なのだから、 事情を聞きに来ることもあるのかもしれない。 それにしたって、分からないこともある。 まず、理由。 原因も分かっている、対処も済んでいる事故の、何を聞きたいのか? そして―――よりこちらの疑問の方が大きいのだけど―――どうして、 僕があの交差点にいたことを知っているのか? 何にしろ、名指しで自宅に押しかけてくるぐらいだから、只事ではなさそうだ。 僕は着替え終わると、憂鬱な気分で、重い足を引き摺るように階下に下りた。
居間に入ると、ソファーに姿勢を正して座っている、20代半ばくらいと思しき男性がいた。 黒髪をきっちりと七三に分け、銀フレームの眼鏡をかけて、濃紺のスーツを着た、 いかにも公務員然とした男性だった。 しかし見た目から受ける印象とは違い、物腰はやわらかで、話し方にも安心感があった。 公務員というと、事務的で冷たいといった印象が先に立つが、この男性にはそういった、 他人を拒絶するような壁は感じなかった。 僕を呼びに来た時には、不安そうな硬い声を出していた母は、高級そうな菓子折り の置かれたテーブルをはさんで男性と向かい合い、口元に手を当てて笑っている。 その姿から、緊張は微塵も感じられない。 「ああ、賢一さんですね?新田賢一さん。私、水無瀬市役所の環境課の係りの者で、 菊池と申します」 僕の姿をみとめて、菊池と名乗った男性は立ち上がり、深々と一礼をした後、 両手で名刺を差し出した。 つられて僕もおどおどとお辞儀を返しながら、それを受け取る。 見ると『水無瀬市役所環境課 菊池 忠正(きくち ただまさ)』とあり、 市役所の電話番号、内線番号とともに、携帯の電話番号が書いてあった。 僕が母の隣に座るのを確認して、菊池さんも腰を下ろす。 「いやはや、突然お邪魔してしまってすみません。ところで、不躾ですみませんが賢一さん。 お体の調子、如何ですか?どこか具合が悪いところはないでしょうか?」 「いえ・・・特には・・・」 「そうですか・・・それは良かった。でも少し顔色が優れないようにも見えますけど、 本当に大丈夫でしょうか?もしやなにか、気をつかわれてはいませんか?」 「いえ・・・ご心配ありがとうございます。大丈夫です」 僕は内心面食らっていた。いきなり市役所からやってきて、体の調子はどうか?などと聞く 菊池さんの考えが分からなかった。
「いや、それなら良かった!ほっとしました。ああ申し訳ないです、肝心なことを 申し上げておりませんで・・・今回は大変ご迷惑をおかけ致しまして、真に申し訳ありませんでした! 何卒ご容赦いただけますよう、陳謝いたします!」 おもむろに立ち上がると、菊池さんは僕たち二人に向かって、ほとんど体を折るように、 深くお辞儀をした。 僕は、もちろん母も、分けもわからず、ただぽかんと、すみませんでしたと繰り返す菊池さんの 姿を見ていた。 「今後はこのようなことが無いよう、当市役所としましても鋭意努力していきます 所存ですのでどうか今回のことはお許しください!」 そのまま放っておいたら土下座までしかねない菊池さんの様子に、僕は慌てて立ち上がった。 「菊池さん。もういいです・・・あの、別にあなたにそんなに謝られる筋合いの話でもないですし、 顔を上げてください」 母は何か言いたそうな顔をしていたが、やはり僕と同じように状況がつかみきれないのか、 黙って僕と菊池さんのやりとりを聞いていた。 「とにかく腰を下ろしてください。謝罪の気持ちは十分に伝わりましたから。」 そもそも僕は、菊池さんにこんなにもお詫びされるような目には、なにもあっていないのだ。 ようやく腰を下ろした菊池さんは、心底ほっとしたように肩の力を抜いて、 満面の笑みを浮かべて僕を見た。 「ありがとうございます。そう言っていただけると、本当にありがたいです。 なにしろ今も入院なさっている方もいらっしゃるものですから・・・ 心配しましたよ。賢一さんのこと」 事故を目撃した人の中には、そういう人もいただろう。確かにあれは・・・凄惨な事故だった。
今日の用事というのは、そういった事故を目の当たりにした人間への、心のケアのような、 そんなものなのだろうか? 入院という不穏当な単語を聞いて、母が眉根を寄せ、どういうことなのかという視線を、 僕に向けた。 僕は大丈夫という風に母に頷き返して、菊池さんに言った。 「あの、菊池さん。わざわざ市役所からお越しいただいて感謝しますが、僕なら大丈夫です。 なにも心配していただくことはありません。」 僕の言葉に菊池さんは大きく頷いた。 「なるほど、ご本人がそうおっしゃるのでしたら、本当に何の問題もないのでしょう。 安心しました」 ふうと大きく息を吐き出しながら菊池さんは続けた。 「何分結構大きな事故でしたからね、当方といたしましても調査が難航しまして。 賢一さんのように事故に巻き込まれた方も、完全には把握しきれていない状態でして。 こうしてお詫びさせていただくのが遅れました。言い訳にもなりませんが・・・」 「え!?事故って・・・どういうことよ!賢一!?」 今まで黙っていた母が、弾かれたように僕の方を向く。 まずい・・・僕は言葉を失って黙り込んだ。 「ねえ賢一!事故って・・・巻き込まれたってどういうことなの?母さんそんな話、 一言も聞いてないわよ!?」 何も答えない僕の二の腕を掴む。予想外の力の強さに、僕はビクリと体を振るわせた。 突然豹変した母の様子に、菊池さんは慌てて腰を浮かせた。 「お母さん、落ち着いて下さい。まいったな・・・先程ちゃんと説明しておくんだった・・・ すみません、ちゃんとお話しますから、聞いていただけませんか?」
新作を思いついて書き始めたので投下します。 2007年8月15日。 PM4時。 高速のサービスエリアの食堂で食事をしていた。 携帯電話を片手で弄りながら2ちゃんねるやら色々なサイトにアクセスし時間を潰す。 PM5時。 再び車に乗り高速道路に戻る。 乗っている自動車はワンボックスカーで自分を含めた大学のオカルトサークル仲間5人とサークル仲間の友人の計6人で 折角の夏休だからキャンプをする為に富士山方面へ向かっている。 ラジオからは相変わらず退屈なニュースしか流れてこないからMDを再生させている。 運転手をサービスエリアで時々交代しながら目的地へ近付く。 8月16日、AM1時。 この時間になると輸送トラックの数が増えてくる。 それでも夏休みの為か自家用車は多い。 「なぁ、次のサービスエリアでしばらく仮眠取らないか?」 俺の提案にみんなが頷く。 助手席のサークル仲間が連れてきた彼の友人・・・・・橘 慎也が地図を見る。 「ええと・・・次のサービスエリアまで10キロぐらいだな。しばらく行くと長いトンネルがあるから、 それを過ぎて2キロほどの場所に」 「そうかぁ・・・・。わかった、サンキュ」 返事をし、運転に集中する。 やがて彼の言った全長2キロ程の長いトンネルに入った。 トンネル内の標識で半分近く進んだことがわかる。 後半分でトンネルは終わる。
グラァッ! 「・・・え?」 は、ハンドルが取られる!? じ、地震!? か、かなりでかい!! ハンドルと前方の車に意識を集中し、ブレーキを踏む。 停車と激しい横揺れでうとうとしていた後部座席のメンバーが悲鳴を上げる。 揺れは1分近く続いたかのような気がした。 「うわ・・・真っ暗だ・・・・?」 トンネル内の水銀灯が全て消え、灯りはトンネル内の車の前照灯だけだ。 目の前のトラックが道路を斜めに塞ぐ形で止まっていた。 「ちょっと、様子を見てくる」 車を降り、トラックの窓を叩く。 「大丈夫ですか!?」 すぐに中年の運転手が顔を上げる。 「あ、ああ・・・地震・・・・収まったのか・・・・・?」 窓を開けながら聞いてくる。 「そうみたいですけど・・・・それよりも・・・・・」 「あ、ああ!す、すまない!通行の邪魔だな。すぐに移動するよ」 トラックのエンジンが唸り、進路を真っ直ぐに戻し去っていく。 早く俺も車を移動させよう。 後続車に突っ込まれて俺だけ生存になったら後味悪いし。
相変わらず、トンネル内の照明は消えたままだ。 停電でも起きたのだろうか? 安全の為に前照灯をハイビーム状態にし走り出す。 「あれ・・・?おかしいわね・・・・・・」 運転席の真後ろに座っている俺の恋人でサークル仲間のキャサリンが呟いた。 「キャシー、どうかしたのか?」 「う〜ん・・・・ボクの携帯、圏外になっちゃってる・・・・」 「トンネルの中だからじゃないのか?」 「だといいんだけど・・・・・・」 トンネルの出口を出た。 「あれ・・・・?」 数百メートル先でさっきのトラックの運転手が非常信号灯を持った手を大きく振っている。 ブレーキを踏み、トラックの真後ろに停車する。 「どうかしたんですか?」 車を降りて運転手のおじさんに聞く。 「どうしたも何も・・・・・この先で道路が落ちてるんだよ!!」 「え!?ま、まさかさっきの地震で・・・・・?」 「分からんが、多分な・・・・・・」 道路が落ちた方を見る。 確かに道路が無くなっている。 ・・・・・・あれ? 灯りが全くない・・・・。 大停電でも起きたんだろうか? 一瞬、阪神淡路大震災が頭に浮かんだ。
フォォォォォォ・・・ンッ・・・・。 トンネルの奥から灯りが急速に接近してきた。 うわ・・・・もろにスピード違反だぞアレ・・・・。 どう見ても100キロ以上だ。 「止まれーー!!おーい!止まるんだーーーー!!!」 トラックのおじさんが叫びながら非常信号灯を大きく振る。 だが、ブレーキを全く掛けないままスポーツカーが別の車線を突っ切っていく。 風圧で思わずよろける。 キキーーーッ!!!! 急ブレーキの音がするがもう遅い。 スポーツカーは道路から地上に猛スピードで落下・激突し爆発・炎上した。 「なんてこった・・・・・!!」 おじさんが頭を抱える。 ・・・警察! 警察に電話しなきゃ! 携帯を取り出し、110番しようとするが液晶画面には圏外の文字が表示されていた。 おじさんの携帯も仲間の携帯も他の人たちの携帯も全て圏外だ。
メンバー紹介、その1。 佐伯 祐二 20歳。男性。主人公・オカルト研究会所属。 相沢 龍二 21歳。男性。主人公の友人・オカルト研究会所属。 キャサリン=ニコール=ジョンソン 22歳。18歳の時に親の仕事の都合で日本に来たアメリカ人女性。 日本語は堪能だが語学学習中に何を間違えたのか自分の事を”ボク”と 覚えてしまったボクっ娘。オカルト研究会所属。 主人公とは恋人関係。オカルト研究会所属。 泉 孝一 22歳。男性・オカルト研究会の会長。メガネっ漢。 伊藤 葉子 18歳。女性・オカルト研究会所属。怪我でキャンプ不参加者に恋人が居る。 橘 慎也 22歳。男性。泉 孝一の友人でSF研究会所属。 大柄で体育会系と間違えられやすい。 高田 一 38歳。男性。運送会社員。
メンバー紹介、その2。 大木 洋一 25歳。男性。典型的なDQNで闇金業者で警察に追われている。 髪を一家揃って金髪に染めている。 何人もの人間を自殺に追い込んだ外道。 大木 愛羅 23歳。女性で洋一の妻。 現在もレディースと言う夫に負けず劣らずなDQN。 最近になって急速に社会に名前を知られ始めたモンスターペアレントと言う 名前を横文字でカッコイイと思っている馬鹿。 幼稚園の保育料や給食費を踏み倒したことを自慢しているクズ女。 大木 愛人(あいと) 8歳。男性。DQNとDQNの遺伝子が掛け合わされ、 更にブーストが掛かったDQNスパイラルの見本のような子供。 まともな躾もされずに育ったクソガキ。 超自己中で親を”テメェ”と呼ぶ。 父親が警察に追われ始めたために学校にすら行っていない。
メンバー紹介、その3。 本間 和樹 32歳。男性。 逮捕状を持ち大木洋一を逮捕しようとしている刑事。 今岡 健二 52歳。男性。親から継いだ会社の社長と言うことを自慢ばかりしている無能。 武田 左近 32歳。男性。今岡 健二の会社の社員。 典型的なイエスマンを装っているが野心家で今岡の失脚を画策している。 その他 20人程の有象無象。
629 :
614 :2007/11/08(木) 10:07:08 ID:/etfVVKI0
いきなり来たか・・・ >ノベルスレ残党116さん いつもありがとう。 しかしなんか苛つく主人公だなw、、、「しむら、うしろ!」
>中二病作家さん 矢継ぎ早の投稿、おつかれさまです。 続き、楽しみにしております。 では、続きです。
事故の事は、できれば黙って起きたかった・・・けれどもう、こうなってしまっては無理だろう。 「大丈夫。母さん、僕はなんともないから」 僕の言葉をこれ幸いと、菊池さんが言葉を続ける。 「ええ、そうですよ、賢一さんの言うとおりです!今日私がこちらにお邪魔させて いただいたのも、”万が一”の事を考えてのことで、ご本人がこんなにしっかりと なさっているのだから、私が言うのもなんですが、何も心配する必要はないと思います。 お話から察するに、お母さんは事故のことをお知りになっていなかったようで・・・ 賢一さんがおそらく事故の話をしているだろうと、勝手に思い込んでいた僕が軽率でした。 結果として驚かせてしまって、申し訳ありません」 柔らかく諭すような声でいって、菊池さんはまた、テーブルに手を着いて頭を下げた。 それを見た母は、納得がいかない顔をしながらも、とりあえず口をつぐんで、菊池さんの方に 向き直った。 「わかりました。お話を聞かせてください。それと・・・取り乱してしまって・・・ お恥ずかしいところをお見せしました、すみません」 「お母さんがお謝りになるなんてとんでもない!知らなければ当然のことです。 いきなり息子さんが事故に巻き込まれたなんて聞いたら、だれでもそうなります。 ご説明することをお許しいただけたこと、感謝いたします。ご理解いただけるよう、 順を追って説明させていただきます。といっても、さして複雑な話でもありませんから、 すぐに把握していただけると思います」 菊池さんは、あくまでゆっくりと、落ち着いた声でいった。 はい、お願いします、と小さく頷く母をみて、菊池さんはおもむろに話しはじめる。 「それでは、ご説明させていただきます。問題の事故が起きたのは、今から3日前 になります。時間は13時20分頃、場所は中央2丁目の交差点です。信号を横断中の 通行人が、交差点中央に位置するマンホールから、白い蒸気のようなものが噴出しているのを 発見しました」 やはりそうだ。菊池さんは、勘違いをしている。
「その直後、交差点を吹く風に撒き散らされた白い蒸気―――実際には、 この水無瀬市直下に所々広がっているガス溜まりを処理している、ガス管の破損箇所 から漏れ出した、地下ガスだったのですが―――それを吸い込んだ人々が、頭痛や眩暈、 吐き気の症状などを訴え、その場に座り込むなどして、その内の数人が119番通報をしました。 その通報を受けて、最寄の市中心部にある水無瀬中央総合病院より救急車、及び消防署からは 消防車が出動、それから30分の間に十数件の救急通報がその交差点を中心とする、 半径100m程のほぼ円形内の各所から相次ぎ、警察、消防、救急ともに、被害者の保護、 救命措置活動を行いました」 間違いない。菊池さんは僕の事を、僕が目撃した交通事故の直前、もしくは直後に起きた 別の事故、つまりはガス漏れ事故の被害者であると、どういう分けか勘違いしているのだ。 「こんなご時世ですから、一時はテロなどの最悪の事態も懸念されましたが、原因はすぐに 排ガス管の破損と判明しました。しかし当初の混乱が尾を引いて、修理完了までに二時間 という時間を要しまして、その間、付近一帯には、外出の禁止する放送が流れました。 不幸中の幸いというべきか、ガス漏れ事故の被害者は最終的に、その通報区域の広さから見て少なく、 事故発生直後にガスを吸い込んでしまった20名ほどに止まり、その被害自体も、 頭痛、眩暈以上のものは、確認されておりません。ただ、賢一さんのようにこちらで 把握しきれていない方の数を含めると、もっと増える可能性はあるとは思いますが・・・」 「でも、被害のことですが・・・先程まだ入院されている方がいらっしゃると、おっしゃって いませんでしたか?それに・・・その地下ガスですか・・・その・・・後遺症とかそういう 心配はないんでしょうか?」
「ああ・・・お母さん、ご心配はごもっともですが、そんな顔をなされなくても 大丈夫ですよ。まずガス吸引後の、後遺症についてですが、これは心配ありません。 地下ガスについては化学的分析が済んでいるのですが、長時間―――この場合数時間程度 という意味ですが―――密閉された空間で、持続的に吸い込み続けなければ、 心身ともに、後遺症が残る、などということはないことが、研究によって究明されています。 事故当時ガスが漏れていた時間は二時間ですが、場所は風通しの良い交差点ですし、 事故現場の被害者の方の救命に関しては、発生から1時間後には、完全に終了していました。 これは、どちらの条件にも当てはまりません。ああ・・・そうそう・・・私、ガスに関して 書いてある広報紙を持っています。ええと・・・」 菊池さんは自分の足元に置かれた黒いカバンを、膝の上に引き上げ、ごそごそと 中を探り始めた。 「あった・・・これです」 そう言って見開き一枚の、市の広報紙を取り出すと、テーブルの上に置いたそれの一角を、 菊池さんは指差した。 『水無瀬だより』と銘打たれた新聞風の作りの広報紙だ。 「地方紙にも定期的に折り込まれていますので、ごらんになったこともあるかも 知れません」 菊池さんの指の置かれた場所には、『水無瀬の地下ガスは、オレが処理する!』と、やけに 強気なセリフを書かれた、顔の角ばった、ごつい体をしたマスコットキャラクター?が 描かれていた。鼻に絆創膏をつけたガキ大将風のそのキャラクターは、なぜかサッカーボール を抱えている。 「ガスコイン君です」 菊池さんは、訪ねもしないのにそのキャラクターの名前を教えてくれた。 「・・・はぁ」 その後に続く記事は、そのガスコイン君が、地下ガスの性質について説明する、といった 内容のものだった。 「差し上げます。ご興味がおありでしたら、ご一読ください。それともし、もっと詳しく お知りにないたいようであれば、市のホームページに、更に詳細なガスに関しての 説明があります。そちらもご参照ください。もし閲覧環境に問題があれば、市役所にも、 同内容の書かれた数ページ程の書籍もございます」 誰だ・・・このキャラにゴーサインを出したのは・・・
「話を続けさせていただきますね」と菊池さんはさらりと言った。 「ご入院されている、被害にあわれた方のことでしたね・・・プライバシーに関係するため、 詳しい説明はいたしかねますが、今回の事故で病院にご入院なさっているのは、この方 一名だけです。その方は運悪く、短時間ながらも、多くガスを吸い込んでしまったようで、 記憶に若干の混乱が見られるとのことで、念のため、市の方から申し入れて検査入院を していただいております。けれど体の調子には、全く問題ありません。健康そのものです。 記憶の混乱も、事故からの時間の経過で、すでにほぼ正常にもどっているようです。 ただガスの被害というのは、直接目に見えるものではないので、あくまで”念のため” ”万が一”のことを考えて、病院に留まっていただいているに過ぎません」 「本当に・・・大丈夫なんですか?」 母が心配そうな声で、改めて訪ねた。けれどその声色は、落ち着きを取り戻しつつある。 「はい、もちろんです。僕自身先方―――今回の事故の一番の被害者と言えるでしょう――― その入院している方にお会いしてきました。いやぁ、ピンピンしていらっしゃいましたよ。 早く病院から退院したくて仕方ない様子でした。ちゃんとした検査の終わる2日後までは、 なんとか我慢してくださいと宥めるのが大変だったくらいです。とにかくご自身のお体のため、 ということで、ご納得していただきましたが・・・」 なるほど、ガス事故に関しては良く分かった。やはりこれは、僕には無関係な事故だ。 ―――しかし。菊池さんの話を聞くにつれ、僕の中であの、新聞の事故続報を見たときに 感じた違和感が、膨らんできていた。
3日前の午後一時過ぎ、確かに僕はあの交差点にいた。 そして―――思い出したくもない、あの―――交通事故を目撃した。 おそらく、菊池さんの語るガス事故が起きたのは、その直後の事だったのだろう。 菊池さんは、ガス事故の救命復旧作業には、2時間かかったと言っていた。僕があの交差点に 着いたときには、そんな様子はなかった。もし交通事故より前に、ガス事故が起きていたなら、 その警察、消防、救命等関係者が、僕が交差点に着いた時点ですでに作業を開始してていたはずだ。 そんな人間は、あの時交差点にはいなかったし、外出をひかえる旨の放送が流れたそうだが、 それも聞こえなかった。 僕だけじゃない。信号待ちをしていた人達にも、そんな様子は見受けられなかった。 それにもし―――こんな考え方は・・・嫌いだけど―――もしガス事故が先に起きていたなら、 あんな事故は起きなかったに違いない。信号無視をしたトラックは、事故現場の侵入規制を敷いた 検問かなにかで、止められていただろう。 そこまで想像して、はたと気付く。 ―――おかしいじゃないか。 この2つの事故は、ほぼ同時刻に、全く同じ場所で起きているのだ。 僕が見た交通事故の前にガス漏れ事故があったことは、やはり考えられない。 交通事故前の交差点は、平静そのものだった。ガス事故作業関係者の姿はおろか、交通整理の 人間一人の姿だって見かけられなかったのだ。 ―――でも。 交通事故がガス事故の前に起きたのだと考えても、同様の疑問が残る。 ほぼ同時刻、同場所で起こった2つの事故。 ―――すっと、視界が遠のいていく感覚。
どちらの事故が先だったにしろ。 先にあった事故の関係者は、後に起こった事故の現場に、必ず、いたはずなのだ。 ガス事故が先なら、救命作業、原因調査、復旧作業の人間が。 交通事故が先なら、やはり救命作業、消防、そして現場保存、検証のための警察関係者が。 仮に僕の考えが正しい―――つまり交通事故の方が先に起きた―――と仮定して考えてみよう。 交通事故が起き、その後ほどなくしてガス事故が起きた。 ならば―――ガス事故発生当時、現場には、十数人ではすまない数の人間がいたはずだ。 大型トラックが交差点中央付近に止まり。 現場検証にあたる監察官。ドライバーからの事情聴取にあたる捜査員。トラックからの出火に 備える消防車。 僕が現場を去った時にはちらほらだった気がする野次馬もだって、いくら人口の少ない地方都市 だからといって、どんどん増えただろうし。それを押し留める警察官。二次的な事故を防ぐための 交通規制。そして被害者救命のための救急車――― 後に起きたと仮定した、ガス事故の被害者は、緊急通報をする必要など、全くなかっただろう。 だって、事故が起きたその瞬間、その場にはなんという偶然か、呼ぶべき緊急車両や人員が、 すでに勢ぞろいしていたのだから。 「―――それを吸い込んだ人々が、頭痛や眩暈、吐き気の症状などを訴え、その場に 座り込むなどして、その内の数人が119番通報をしました。」 菊池さんの言葉が頭に甦る。 ―――ありえないのだ。それは。 一日の内に、二つの事故を経験した人間は、必ずいなくてはいけない。 いやむしろ――― 僕は、交通事故の現場で、彼女の・・・変わり果てた姿を前にして、どれほどの時間を過ごした? 目の前で事故が起きて、はいそうですか、と通り過ぎる人間が何人いる? 大抵の人間は、ショックで、興味本位で、動機は様々だろうが、その場に留まるのではないか? むしろ―――あの時間に交差点にいて、2つの事故を経験しない人間の方が――― 少ないのかもしれない? ―――世界が、時間が、ねじれてしまっているかのようだ。 そうだ、これではまるで―――
更におかしい事がある事が分かった。 もう30分近くここに居るのだが、自分達以降数分以内に来た自動車以外に数台しか車が来ていない。 ラジオ局も全て全滅している。 大震災だったとしても地上を走る車や火事の炎による灯り位ありそうな物だ。 地上で唯一の灯りと言えば、さっき転落して燃えている車だろう。 トンネルが崩落したのかと思いトラックのおじさん・・・・・高田 一・・・・・が様子を見に行って戻ってきた がトンネルは崩れていないと言うことだ。 後続車どころか下り車線側にも車が一台も来ていない。 意を決し、集団で高速道路を逆送し一番近いインターチェンジから地上に降りる。 やっぱり誰も居ない・・・・・・。 ついさっき・・・・1時間も経っていない時に高速道路から見えたのは普通の町の灯りだ。 突然の異常現象に思わずオカルト研究会の血が騒ぐが自重する。 取りあえずだがインターチェンジ近くの家電量販店の駐車場に入らせてもらい夜を明かすことにした。 何台か車が駐車してあるが誰も乗っていない。
夜が明け、日が昇ってきた。 時計を見れば朝の6時だ。 「兄ちゃん、起きたかい?」 トラックのおじさんが挨拶をしてくる。 「あ、おはようございます」 「ああ、おはよう。・・・・なぁ・・・・アレをどう思う・・・・・?」 トラックのおじさんが指差した先・・・・・それは家電量販店の店舗だった。 ・・・・・・おかしいのは、まだ早朝なのに倉庫のシャッターや客の入り口が開けっ放しになっていることだ。 駐車場にはゴミが散乱している。 「おかしい・・・・・ですよね?」 「ああ・・・・・・・」 「・・・・・・・・人は?」 「まだ入っていないんだ・・・・・。これから調べに行くんだが・・・・来るか?」 「俺も行く」 いつの間にか起きたのか橘が付いて行くと言い出す。 断る理由も無く、キャサリン達を残して店舗に入る。
「祝・最新OS、Windows95発売・・・・搭載パソコン大特価歳末セール!!?」 橘が大声で驚きの声を上げる。 「は・・・ははは・・・」 思わず俺も笑ってしまう。 なんでWindows95何だ? 今はもう、Vistaが発売されているってのに・・・・・・。 「量子物理学の世界じゃあ・・・・・」 橘が震えながら呟く。 その声ははっきりと俺とおじさんの耳に届いている。 「平行世界の存在が肯定されているんだ・・・・:・」 「平行世界・・・・・?なんだそれ?」 おじさんが聞き返す。 「並列宇宙、パラレルワールド・・・・言い方はいろいろあるけど・・・・早い話が、 僕達が住んでいる世界は無限に存在する世界の一つを認識しているだけに過ぎなくて・・・・・、 他にもいくつもの可能性の世界が存在しているって説なんだ・・・・。 たとえば、僕達の世界では太平洋戦争で日本は負けたけど、逆に勝っている世界もあれば、太平洋戦争そのものが 回避され戦争が起きなかった世界とかも・・・・・・」 「じゃあ・・・・この世界は・・・・?」 思わず聞き返す。 「わからない・・・・。でも、これを見る限りではこの世界では、 Windows95が発売された年に何かが起きたんだと思う・・・・・」
>>638 と
>>639 の間を一つ飛ばしてしまってました・・・・。
本来はこれがその間に入ります。
「誰か居ませんかーーーー!?」
大声を出すが反応は無い。
店舗の中を進む。
テレビコーナーに差し掛かり違和感に気付く。
何かがおかしい・・・・。
「・・・・・全部・・・・ブラウン管テレビだ・・・・?」
橘の発言で違和感の正体に気付いた。
展示されているテレビが全てブラウン管型だ。
各メーカーが前面に押し出している地デジの文字どころか液晶・プラズマテレビなんか1台もない。
「・・・・・・・おい・・・・・」
2階に上って最初に目に付いた物に思わず声を漏らした。
2階はパソコンコーナーだ。
パソコン何かどうでも良かった。
目に付いたのは色あせた巨大なPOPだ。
内容に思わず声を上げたのだ。
いままでは、パニックホラー的な作品が多かったけど、お二人ともミステリーな導入部… ゴクリ…楽しみです…
中二氏の新作がサイレントヒルっぽく感じたのは俺だけ? まぁそれだけなんだけどさ
>>中二病作家さん 主人公のネーミングは偶然でしょうか?汗 ちょっとおでれーた・・・
頭の中で今の状況を整理しながら店外へ出る。 もしも本当に平行世界ならば12年間もの間に日本は・・・・・世界はどうなってしまったのだろうか? 何気なく駐車してある車を見た。 あれ・・・・・? 一台足りない? 辺りを見回せば、その一台は近くのコンビニの駐車場に車を止め、お菓子やらジュースやらカップラーメンやらを ドカドカとそのワゴン車に積み込んでいる。 一家全員、小学生ぐらいの子供まで金髪に染めてるよ・・・・・・。 しばらくし、そのワゴン車が戻ってくる。 「へへへ!見ろよこの食い物の量を!あ、言っておくがテメェらにはひとかけらもやらねーからな!!!」 「ぎゃはははっ!欲しかったらカップ麺一つ百万円で売ってやるよ!」 知性のかけらもない男女だな。 まるで見せびらかすかのようにペットボトルのキャップを開ける。 ん? 待てよ・・・・・・? 12年間・・・・・? もし、12年間放置されてたら・・・・・・? もしも電力の供給があったとしても・・・・・・。 「やめろ!飲むな!!」 思わず叫ぶ。 「うるせーよ!!!!」 グイッ! その一家三人は同時にペットボトルをラッパ飲みする。
>中二病作家さん 量子力学・・・面白いですよね。 続き、楽しみにしております。 自分は、自分の物語を収束させるため、観測を続けます。 では、続きです。
「菊池さん・・・」 堪らず、僕は喘ぐように口を開いた。 「はい、何でしょう?」 菊池さんは、母がまた、元の平静を取り戻しつつあることに安堵したのか、笑顔で僕に答えた。 「菊池さんは・・・その、言いにくいんですけど・・・話の腰を折ってしまってすみません」 「何です?いいですよ。おっしゃって下さい」 僕の唐突な言葉にも、菊池さんの柔らかな表情は崩れない。 「あの・・・菊池さんは、何か勘違いしてはいませんか?」 「はい?」 微かに上がる語尾。菊池さんの笑顔の中で、眉だけがひそめられる。 「僕、確かに3日前の1時頃、その交差点に居ました。渡ったすぐ先に、中央図書館がある 交差点です。そうですよね?」 「ええ、ありますね、図書館。僕も調べ物がある時は、よく利用させて貰って・・・」 「そこで・・・確かに事故はありましたし、その現場に僕が居合わせたのも間違いありません。 家族には、余計な心配をかけたくなかったし、僕自身はかすり傷一つ負わなかった訳です から、話さなくてもいいだろうと思って、黙っていたのですが・・・」 「賢一・・・」 不服そうに口を開きかける母を、手で制して続ける。 「菊池さんのお話が、僕が見た事故の事実と、ちょっと食い違ってるみたいなんで・・・ 菊池さんは、勘違いしてますよ。僕が居合わせたのは・・・ガス事故ではありません。 菊池さんのご説明なさったガス事故の・・・少し前にあったのだと、僕は思って いるんですけど・・・僕が見たのは、交通事故です。 酷い・・・事故でした。それでショックを受けた僕は、多分すぐにその場を離れて、 家に帰って来たんです。事故の後、到着した救急車の隊員さんに、すぐ病院に 行くよう勧められた気はするんですけど、それも断って帰ってきました。 とにかく、いろいろとショックで・・・なにも考えられなくて・・・そんなものですから、 ガス事故が起きた時には、僕はそこに居ませんでした。 とても近い時間に2つの事故は起きているようなので、それで菊池さんが、僕をガス事故の 被害者だと、勘違いされているのだと思います。こんな、謝ったり説明したりしていただいた 後で言うのもなんですが、僕は菊池さんの言うガス事故とは、全くの無関係なんです」
頭の中に渦巻く疑念を払拭したくて、僕は一気に捲くし立てた。 「え?」 その話を聞いて菊池さんは、何とも言えないような、奇妙な表情になった。 「だって賢一さん・・・新田・・・賢一さんですよね?」 とんちんかんな質問をする。 「・・・ちょっと待ってください。混乱・・・してます」 銀縁の眼鏡を外して、胸ポケットから眼鏡拭きを取り出した菊池さんは、少しも 曇っていないレンズを拭き始めた。ぶつぶつと、なにかを呟きながら、眼鏡を拭き続ける。 考え事をするときのクセなのかもしれない。 「そうです、賢一さんのおっしゃるとおり。私がこちらのお宅にお邪魔させていただいたのは、 賢一さんが3日前のガス事故で、お体に変調をきたしていないかを、確認させていただく ためでした。―――それはもう、問題なく果たせました。賢一さんは、健康そのもので いらっしゃる―――」 眼鏡の下にあった菊池さんの眼は、一見軽薄そうにも感じられる話し方から受ける印象 とは違い、深い、思慮の色を湛えていた。さりとてそれは、人を追い詰めるような類のもの ではなく、未発見の何かを求める、研究者のような眼差しだった。 「整理させてください」 その瞳のまま僕を見つめる菊池さんに、僕は無言で頷いた。 「3日前、交差点であったガス事故の現場に、賢一さんはいなかった。」 更に頷く。 「けれど、ほぼ同時刻、同所で別の事故が起きていた。その別の事故とは交通事故であり、 おそらくガス事故の直前に起きたと思われるものである。」 頷く。―――矛盾もあるが、そうとしか、考えられない。 「そして賢一さんは、その交通事故の現場に居合わせた。だが、事故を目撃したことによる ショックが大きく、とてもその場に留まることはできなかった。だから到着した救急隊員の 病院へ行ったらどうかという勧めも断り、すぐさまその場を後にし、帰路についた」 ―――記憶の通りだ。 「故に、その後に起こったと推察されるガス事故の現場にいることは有り得ない。と、 こういう事ですね」 なんだ?―――
「なるほど―――」 そう言った後、菊池さんは、外していた眼鏡を掛けなおし、あの、人を安心させる明け透け な笑顔を僕に向けた。 「賢一さんのおっしゃっていること、良く理解できました」 「そう・・・ですか」 「その上で、これは極々個人的な質問なのですが・・・あ、お答えいただきたくなければ、 結構ですので、そうおっしゃってくださいね?」 「どんな質問ですか?」 「賢一さんが目撃されたという事故。交通事故ということでしたが、それは、大きな事故 だったのでしょうか?」 菊池さんは―――事故のことを知らないのか。 「そうだったと、僕は思います」 「沢山の方が、被害に遭われたのですか?」 「いえ・・・そうではありません。僕の知る限り被害者は―――1人だけで・・・その意味では ありふれた事故と言えるのかも・・・知れません。でも―――」 菊池さんは、僕が口ごもるのを見ても、穏やかな表情を崩さず、我慢強くじっと、僕が 再び口を開くのを待っていた。 「僕にとっては―――」 僕は、菊池さんには、知っておいて欲しかったのかも知れない。 彼女に何が起きたのかを。 ―――いや、ごまかすべきではないだろう。 僕は、耐えられなかった。話がここに至るに、僕は彼女の事故を、黙って抱え込むことに 耐えられなかった。 「本当に酷い事故でした」 これは、彼女の死を、汚す行為なのだろうか?
「お聞きしても?」 「事故の被害者は、中学生の女の子でした。事故は・・・僕の目の前で起きました。即死、 だったと思います。彼女は―――僕と同じ中学校に通う、同学年の女の子でした」 「・・・ああ・・・それは・・・さぞかし御辛かったでしょう・・・」 菊池さんの眉が、ぎゅっとひそめられた。演技には、見えなかった。本当に辛そうだ。 「親しい方、だったのですか?」 「いえ・・・話したこともありません」 ―――思い焦がれていた。 「だけど・・・とても印象的な、女の子でした」 ―――特別だった。 その場に重い沈黙が下りた。 菊池さんも、さっきから口を開きたくてしょうがない素振りだった母さんも、押し黙ったまま、 搾り出すように言って俯いた僕を見つめていた。 「賢一さん」 その空気を振り払うように、菊池さんが、何かを決意した口調で、僕に問いかけてきた。 「はい」 「そんな、お辛いだろう話をしていただいて、ありがとうございます。良く分かりました。 それで、最後に一つだけ、お聞きしたいことがあります」 「なんでしょうか?」
「事故の被害者の方、同学年の方だとおっしゃいましたね。その方の―――お名前は? 賢一さん、知っていますか?」 「なぜ―――」 そんなことを聞く。 「知っているのならぜひ、教えてください。もしかしたら―――本当にもしかしたら、ですけど。 私の知っている方かも知れません」 菊池さんが彼女の知り合い?そうなのか? だとしたら、どんな関係なのだろう? 「はい・・・彼女の名前は「若宮 加奈」と言います。・・・知ってるんですか?」 その名前を聞いて、菊池さんはぎゅっと目を閉じ、眼鏡をずらして、眉間を揉み解した。 「それは・・・まいったな・・・困った・・・」 知っているんだ。 「菊池さんのご親戚、とかですか?もしかして」 「いいえ・・・その・・・何と言ったらいいか・・・」 菊池さんは言い辛そうに口ごもり、何かを熟考するように、しきりに小さく唸ったり、 軽く首を捻ったりした後――― 「賢一さんにとって、良い知らせだと信じます」 そう言った。 「今から私が話すことは、紛れもない事実です。賢一さんは混乱するかも知れませんが、 冷静に聞いてください」 ―――漠然とした不安。僕の中で、違和感が急激に膨らんでいく。 「賢一さんが、事故に遭って亡くなったとおっしゃってる若宮さん。「若宮 加奈」さん。 彼女ね―――生きてます」
「うげぇぇぇぇえええええ!!!!」 「げぼっ!!!がはっ!がはっ!!」 「ヴォルルルルルロロォッ!!」 凄まじい声と嘔吐音を立てて地面に胃の内容物を路面に撒き散らす。 ペットボトルの一つを手に取る。 やっぱり・・・・・・。 「よく見るんだ、賞味期限が10年も前に切れてる」 賞味期限の刻印を男に見せる。 「う、うるせぇ!!ちきしょう!これ全部役立たずかよ!!!責任者を呼べ!!!」 こいつ・・・・・救いようのない馬鹿だ。 もし警察が機能していてここに来たとしても窃盗罪で自分達が逮捕されるのに・・・・・。 ん? あの人・・・・ずっと遠くからこっちを見てただけなのに・・・・・・近付いてくる? 一人の男がスタスタとまだ吐き続けている金髪の男の前に歩いてきた。 「惨めだな、大木 洋一」 「てめぇ、何で俺の名前を・・・・!?ちっ!まさか・・・・!!」 「出資法違反容疑で逮捕する!」 ガチャッ! 男の手に手錠が掛けられ、反対側を車の窓のフレームに掛ける。 「ちきしょう!ポリ公か!!」 慣例に則っているのか、逮捕令状を周囲に聞こえるような声で読みあげる。
しかし、マジに食べ物の問題が頭から離れない。 「・・・・・俺達の食い物を分けたとしても、1食分程度か・・・・・」 騒ぎを聞きつけて車から降りてきたキャサリンが心配そうな目で俺を見る。 うう・・・・頼りなくてごめんよぉ・・・・・。 「こんな状況じゃ、仕方が無いか・・・・・」 トラックのおじさんが苦笑しながらトラックに向かう。 「高田さん、どうかしたんですか?」 「ああ、兄ちゃんも手伝ってくれ」 おじさんは荷台の鍵を開錠すると中に上る。 うわ・・・・・凄いギッシリ積み込んでるな・・・・・。 手に持ってきたダンボール箱を受け取る。 重ッ!? かなりの重量がある。 「開けてみな」
おじさんがカッターを手渡してきた。 言われるがままに梱包を解く。 「・・・・・水だ・・・・」 水の入った500mペットボトルがギッシリと詰め込まれている。 「他にもカップラーメンとカンパンがあるからな。非常時だ、仕方が無いからこれでなんとかしよう」 「・・・・・いいんですか?」 「まぁな。実はな、俺は阪神大震災で被災したクチでな。家は潰れて避難所も遠くて途方にくれてた時、 近くで立ち往生していたトラックの運ちゃんが回りの人達に積荷の食い物を分けてくれたのを貰った事があってな。 なに、会社に文句言われても非常時だ、緊急避難さ」 笑いながら言う。 「食い物は先に兄ちゃん達のを食っちまおう」 「そうですね・・・・肉とかですから・・・・」 バーベキューの器具を取り出し、肉やとうもろこしを焼き始める。 予想通り、ここに居るみんなの食糧を持ち寄ってなんとか一食分だった。 おじさんが居なければ今頃食べ物の奪い合いだっただろう。 「祐二、アレ見て!!」 キャサリンが空を指差して声を上げた? 「ん?」 幾つかの黒い点が大空に見える。 ゴォォォォォォ・・・・・。 人工的な音が静寂に包まれた地上にも届く。 間違いない、飛行機だ。 「ひ、飛行機だ!!おーい!おーーい!!!」 何人かが大声を上げて手を振る。 「・・・・・・いや、あの高さからじゃ見えないだろ・・・・・・、常識的に考えて・・・・・」 こめかみを押さえながら龍二が呟いた。
今までの作品とは雰囲気が違うなw
しかし芸風の広いお方だw ktk
スッ・・・・ んっ? なんか今、人影っぽいのがチラッと見えたような・・・・・・気のせいか? そう思いながら、数百メートル離れた廃墟ビル群の間を双眼鏡で見る。 人だ! それも何十人も居る!! 俺が双眼鏡で見ている方向に気付いた一家四人の親子連れも彼らに気付いた。 「人だ!人が居るぞ!!」 自分達以外の人間の存在に安堵したのか彼らを筆頭に10人ばかりが彼等の元に駆け寄って行く。 やれやれ・・・・・あんなに走ったって彼らは逃げやしないのに・・・・・。 「やばいぞ・・・・・・・」 オカルト研究会会長の泉 孝一が呟く。 「泉さん、どうかしたんスか?」 彼の持っているのは望遠鏡だ。 双眼鏡よりも倍率がある。 「見てみろよ・・・・・・」 信じられない物を見たとでも言うような表情で望遠鏡を覗かせてくれた。 「なっ!?」
望遠鏡で数メートル先に居るかのように拡大された”彼ら”。 服はボロボロで髪もボサボサだ。 そこまではいい。 被災したのならば納得できる。 だが・・・・・・問題なのは・・・・・・。 「・・・・・・・・・・」 腕が千切れているのや腹に大穴が開いている者も居る。 「ははは・・・・・まさか・・・・ゾンビ・・・・・?そんな馬鹿な・・・・・」 そう言いながらも足は自然に自分達の車に向かっていた。 おじさんも何かの異常を察したのかトラックに戻り始めた。 「祐二、どうかしたの?」 キャサリンが甘えるような声で後ろからハグしてきた。 「みんな・・・・聞いてくれ・・・・・・」 俺の言葉にキャサリンも今がふざけている場合ではないと察し座席に戻る。 「ゾンビだ・・・・・・」 泉先輩が呟いた。 一瞬の静寂の後、車内には笑い声が発生した。 「嘘じゃない!佐伯、お前も見ただろ!?」 「み、見た・・・・・・・・」 外を見れば先ほど駆け寄った人達が何人かゾンビと接触し襲われ始めた。 悲鳴がする。 怖い・・・・・。 オカルト研究会で非日常の空想やもしゾンビが発生したらどうするか議論するのは大好きだ。 だが、想像上と実際に体験するのは別だ。 今すぐ泣き叫びたい気分だ。
今回の作品の概要は、12年前にゾンビが大量発生し崩壊した平行世界に突然放り込まれた人々のお話と言う感じです。
おつかれさまです! ゲームのSIRENみたいな感じですね、楽しみにしてます。
>中二病作家さん おつかれさまです。 引き出しが多くて、うらやましい限りです。 では、続きです。
後頭部を、いきなり思い切り殴られたようだった。 まるでそこにあるかのように、事故の光景が脳裏に映し出される。 血と骨と、こびりついた肉の山。 ジリジリと全身を焼く、夏の日差し。 誰かの悲鳴。 流れ出した血液と、焦げたゴムの匂い。 小山の山頂に、捧げられるように置かれた、見たこともない程優しげに微笑む――― 彼女の顔。 口の端から血の泡を滴らせた・・・顔。 ―――”アレ”で、生きていたと言うのか!? 「ひど・・・」 吐き気がこみ上げて、僕は体をくの字に折り曲げた。 「賢一!?」 悲痛な母の叫び。背中に当てられた手が、がくがくと震えていた。 「大丈夫です、賢一さん。落ち着いて」 「何を言ってるんですか!大丈夫なわけないでしょう!?」 母の一喝に、菊池さんは一瞬怯んだようだったが、すぐさま言葉を続けた。 「お母さんも落ち着いてください。大事なことなんです」 「菊池さん!」 尚も続けようとする菊池さんを咎める母。 「いいから、お聞きなさい!」 終始柔らかな口調だった菊池さんの鋭い一言に、母も一瞬押し黙った。
その機を逃さず、菊池さんは話続ける。 ふいに―――違和感の正体が、僕の頭の中で明文化された。 「いいですか賢一さん。3日前、交差点で起きた事故はガス事故です」 まるで――― 「その前にも後にも、賢一さんがおっしゃるような交通事故など、起きてはいないんです」 そうだ、まるで、交通事故なんて起きていないみたいじゃないか。テレビも、新聞も、 みんな――― 母は、何かを言おうとしたままの姿勢で、固まっている。 「私がその交通事故のことを知らないだけだと思われるかもしれませんが、それは違います。 交通事故など起きなかったという決定的な裏づけがあるのです。賢一さんのお話を聞いて、 確信しました。 賢一さんが事故に遭われたという若宮さん。彼女は交通事故になど遭ってはいません。 事故に遭って即死どころか、外傷はかすり傷一つない」 吐き気を堪えながら、僕は息をするのも忘れて、菊池さんの話に聞き入った。 「確かに若宮さんは事故に遭われた。しかしそれは交通事故などではない。私が先ほどから 説明している”ガス事故”の被害に遭われたのです。私、先ほど話しましたよね? ガス事故に遭われて、しぶしぶ検査入院されてる元気な方の話。その方の名前が「若宮 加奈」 なんです。同姓同名の別人という可能性が無いわけではありませんが、それはほとんど 考えられないのです。なぜなら私が、若宮さんの所に、入院の詳しいご説明を兼ねたお見舞いに 行って来たのは、ほんのついさっきのことで、そしてその病室で、彼女はこう言ったのです。 ガス事故の現場で、「新田 賢一」という同じ学校の生徒を見たが、彼は無事なのか?と」 「彼女が・・・生きている」
彼女が僕の名前を知っていた? こんな状況でなければ、飛び上がって喜んでいたことだろう。けれど僕には、重くのしかかる 別の不安があった。 じゃあ、僕が見たのは、一体――― 「はい、それはもう、お元気でらっしゃいます。私どもの方では、賢一さんが事故被害に遭われたか どうか未確認でしたので、それで早速伺わせていただいた次第なのです。若宮さんから、賢一さんの 名前を聞いていなかったら、私は今、こちらに居ないでしょう」 交通事故は無かった?彼女は傷一つなく、無事に―――生きている。 「若宮さんの検査はあと2日続きますが、きっとどこにも異常は認められないでしょう。 若宮さんが健康に問題があると言うなら、私の働く部署には、生ける屍が溢れ返っている ということになりますね」 菊池さんが冗談めかして笑うと、緊張していた場の雰囲気が、僅かにやわらいだ。 彼女は生きている―――良かった。 「そこで、私から、ご提案があるのですが」 菊池さんの声は、すっかりもとの柔らかさを取り戻していた。 「賢一さんと若宮さんは、お知り合いのようだし。ついでと言ってはなんですが・・・どうです、 賢一さんも、若宮さんのお見舞いがてら、病院でちょっとした検査を受けてみては」 無意識に表情をゆがめてしまっていたのだろう。僕の表情に、菊池さんは、とりなすように 言葉を続けた。
「いやいや、検査に関しては、別に強制という訳ではありません。ご安心ください。 只、落ち着いて考えてみてくださいませんか。若宮さんは、ガス事故に遭われた。当然、 その現場にいらっしゃった賢一さんも、同じように、ガス事故の被害に遭われているはずです。 おそらく、その時に多くのガスを吸い込まれたのでしょう・・・言いにくいことですが、 ありもしない交通事故の幻覚を・・・見てしまう程にです。 交通事故のお話をする賢一さんのお姿、本当にお辛そうでした。きっと詳細にその光景を 覚えておいでになるのでしょう・・・けれど、ご自分でも少し調べれば分かることでしょうが、 交通事故は、現実にはありませんでした。賢一さんの記憶に残る交通事故の光景は、 すべて、ガス事故に遭い、期せずしてガスを吸い込んでしまった結果、意図せず見てしまった ・・・幻覚にすぎません。なにも、賢一さんがおかしなことを言っている、とは思いません。 噴出した地下ガスというのは、そういった幻覚を、吸い込んだものに見せてしまう性質を、 確かにもっているのですから。 ―――脅かすつもりはありません。ですけど、体の調子に異変がなかったとしても、 無自覚なところに、なにか問題が発生していないとも限らない」 例えば―――頭の中、とか。 菊池さんの心配そうな言葉の中に、僕は底意地悪くも、言外のニュアンスを感じていた。 そうしてしまう心境の裏には、苛立ちがあった。 ―――うまく線引きができない。 幻覚、だったのだろうか?菊池さんは嘘をついているようには思えない。そもそも、 僕にそんな嘘をついて、菊池さんが得をすることは、なにもない。 本当のこと、なのだろう。
それでも、頭の中では菊池さんの話を十分に理解しながらも、とてもすぐに納得できること ではなかった。 あの信号待ちの人々も、黒々とタイヤ痕を残して停止したトラックも、無残な――― 彼女の姿も。 全てが幻覚だったというのか? いや、部分的には、現実に起きたことも含まれているはずだ。実際彼女は、菊池さんの話 では、事故現場にいて僕を見たと言っているのだ。 僕も確かに、彼女があの場に居たことを知っている。 ならどこまでが現実で―――どこからが幻覚なのか。 その線引きができない。とても区別できそうにない。 僕の中では、僕の見た全てが現実に思えて、幻覚との境目など見当もつかない。 けれど、交通事故にあったあの彼女の姿だけは、彼女が怪我一つないという話を信じる 以上、絶対に幻覚であるのだ。 幻覚と言われる僕の記憶のなかで、一際鮮明に残っている光景なのに、それが幻覚だなんて――― 「今すぐこの場でどうするかを決めることはありませんけど、真面目に考えてみてください。 それも、できることならなるべく早い方が賢一さんのためだと思います。費用に関しては、 市から全面的に出ますから、心配いりませんよ。 あと、老婆心ながら一つ助言させていただくと、賢一さんが検査を受けるにしろ、受けない にしろ、若宮さんのお見舞いには、ぜひ一度は行くべきだと思いますけどね。相当心配して らっしゃいましたよ?賢一さんのこと。いいなぁ・・・綺麗な子じゃないですか、彼女」 「そんな―――」 ―――たい。会いたい。 彼女は、生きている。彼女と話が、できる。 僕の記憶が幻覚だろうがなかろうが、そんなことはどうでもいいことじゃないか。
とにかく彼女が無事で―――良かった。それだけで十分だろう。 あの、以前から僕を捕らえ続けている衝動が、会いたいと思った瞬間に、間欠泉のように 湧き上がり、思考を占拠した。 それにあの時、横断歩道の信号待ちをしているときに、彼女が僕に気付いたと感じたのは、 幻覚なんかじゃなかった。 その上僕の名前を知っていて、体の心配までしてくれていたなんて。 検査を受けるつもりはないけど・・・病院に行ってみよう。 彼女と会って・・・話をしよう。 なかったはずの―――もう一度。 言えるはずのなかった言葉が・・・言えるのだ。 「はじめまして、こんにちは」 こんなに嬉しいことは、ないじゃないか。 自分の記憶が幻覚であったことに、僕は、逆に感謝するべきだ。 「あの、病室は・・・」 勢い込んだ内心とは裏腹に、問いかける声は何故か小さくなった。 「はい?」 聞き取れなかったのか、菊池さんがこちらに身を乗り出す。僕は逆になんだか身を引いてしまった。 「若宮さんの、病室・・・です。番号とかそういうの、あるんですよね?」 「ああ―――」 ぽんと一つ膝を打って、菊池さんは、何が嬉しいのか満面の笑顔になった。 「ああ―――内科の入院患者用病棟で28号室です。面会時間は午前11〜午後4時まで。 市も奮発したもんで個室ですから、他の患者さんを気にせずにゆっくり話せますよ。おっと――― 奮発云々は聞かなかったことにしてください。余計なことでした。これだからいつも・・・ 叱られるんだよなぁ・・・」 頭を掻きながら首を竦める菊池さんの様子に、僕も母も小さく笑った。 「でも、今日はもう時間に余裕がなさそうですね・・・突然だと先方も驚かれるかもしれませんから、 僕がそれとなく伝えておきますよ。明日、明後日あたり、賢一さんが見えられるかも・・・ってね。 この後まだ、病院に出向く用件もありますから。」 そう言って「今日は色々と失礼しました」と何度も頭を下げながら、菊池さんは我が家を後にした。
中二病作家さん、不気味な展開に引き込まれます。 ノベルスレ残党116さん、今後の展開が本当に気になります。菊池さん、GJですなぁ。
『に、兄ちゃん、逃げたほうが良さそうだ!』 トランシーバーからトラックのおじさんの声がする。 トランシーバーはキャンプに持っていく予定だった物で6個あったから6台の車に分けておいた。 全部の車に行き渡らないが仕方が無かった。 まさかゾンビの襲撃を受けるなど夢にも思っていなかった。 「あっちの出口よ!あっちにはゾンビが居ないわ!!」 今まで表立っていなかった伊藤 葉子が指差す方向は別の出口だ。 「行こう!!」 アクセルを踏み、出口に向かう。 見ればトラックのおじさん達も、逃げることに成功した車も後から付いて来る。 「助けて!乗せて!乗せてくれ!!」 車に乗り遅れた一人が駆け寄ってくるが乗せる余裕は無い。 『俺に任せろ!』 トラックが加速し、横を並走する。 「こっちの車は定員オーバーだ!あっちのトラックに!!」 「わ、わかった!ありがとう!!」 減速したトラックにしがみつき、彼は助手席によじ登る。 「おじさん、その人に怪我は!?」 『待ってくれ!・・・・無い。だがどうしてだ?』 「あれがゾンビなら・・・・・・」 『映画で見たアレか?噛まれて感染って・・・・?』 「実際にどうなるのかは分からないけど」 『割り込むぞ。こちらは警察の本間だ。ゾンビなんか信じたくないが・・・・・これからどうする?』 「取りあえず、さっきの飛行機が飛んでいった方向に。飛行機を飛ばすことが出来る人が残ってる証拠だと思う」 『俺は異存ない』 『俺達もだ兄ちゃん』
反論はほぼ無かった。 と言うのは、一人反論してきたのが居た。 夫を逮捕されたDQN妻子だ。 だが、代案があるはずも無くしぶしぶ付いて来ている。 「・・・・・・おかしいな・・・・・」 泉先輩が呟く。 「おかしい事だらけですよ!」 思わず大声を出す。 「いや・・・・・遺棄車両が・・・・殆ど無い・・・・・」 「あ・・・・・」 そう言えばそうだ。 先ほどからゾンビはちらほらと徘徊しているのが見える。 道端には活動を停止したゾンビの腐乱死体や人間の白骨死体が転がっている。 だが、おじさんの中型トラックが余裕で通れている。 キャサリンは地図とコンパスで既に姿を消した飛行機の行き先を予測している。 「祐二、あのコースの直線状に静岡と千葉があるわ」 「・・・・静岡に空港は無い・・・・だとすると、千葉の成田空港か・・・・?」 取りあえず、当面の目的地は千葉に決まった。 夕方。 今までの移動で静岡の用宗海岸近くで夜を明かすことにした。 運転疲れで車の外に出て背伸びをする。 辺りが暗くなる。 「ん?」 背伸びをしたまま、それは目に飛び込んできた。 人工の灯り・・・・街の灯りがあった。 「ま、街だ!人の居る街だ!!」 思わず叫ぶ。
「あそこは・・・・伊豆半島だ・・・・!!」 トラックのおじさんも興奮して叫ぶ。 「き、来たぞ!ゾンビだ!!」 その声に、ゾンビ達が辺りからわらわらと集まってきているのが見えた。 「休む暇も無しかよ!!」 大急ぎで車に乗る。 運転は自分ではなく、橘が代わった。 ゾンビがあちこちから現れすぎる。 あそこまで立て篭もれそうな場所も見当たらない。 運転を代わりながら逃げるしかないのか? 余りスピードも出せず、真夜中にようやく静岡市内の国道を走行している状態だ。 ガクンッ! 「え・・・・・・?クソ・・・ガス欠!?」 橘が叫ぶ。 絶体絶命だ。 「屋根によじ登れ!!」 おじさんの声にトラックの屋根によじ登る。 「くそ!またゾンビが来たぞ!!」 ババババババババババッ!! 爆音が響いた。 「え・・・・?」 ヘリ・・・・? 軍用ヘリだ!! あれは・・・・在日米軍の・・・・・? 2機のヘリがライトでライトでこっちを照らしながら旋回している。 ヘリは急速に上昇し、ゾンビの群れを照らし始めた。
ズシャァァァッ!! 「うおおお!?」 ゾンビの群れを何かがなぎ倒した。 あれは・・・・・・杭? 大きな杭がゾンビを何匹も貫通し、さらに串刺しにしていた。 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ・・・・・・。 地響き。 この場に居るどの自動車ともヘリのエンジン音とも違う音だ。 その地響きの原因が姿を見せた。 トレーラーだった。 だが、あんなトレーラーは見たことが無い。 装甲車のような感じだが、その後にはまるで電車のように他の車体がいくつも連結されている。 頭の中に浮かんだのは、ロメロの最新作だったランド・オブ・ザ・デッドに登場したデッド・リコニング号だった。 ヘリが周囲を照らし、巨大装甲トレーラーが杭を撃ち出しゾンビを攻撃している。
静岡県民が通りますよっと。 中二病作家氏の話の中に静岡が出てきてニヤリとしつつ、 主人公たちが元の世界に戻れるのかとハラハラしてます。 ノベルスレ残党116氏の話では、事故の真実とは何なのか、 菊池さんが何を考えているのか、かなり気になるところですね。
>>672 何故私の作品に静岡県がよく出てくるのかと言えば・・・・・
私も静岡県民だから使いやすいのでつ。
誰も突っ込んでないけどノベルさんの ガスコイン唐突過ぎて吹いたwww そうか(´・ω・`) もうオーウェン、ルーニーと二世代以上前か 中国で引退だっけか・・・
もう忘れ去られているかもしれませんが、>305の続きです。 突然腕を掴まれた。 「馬鹿野郎! 一人で逝くな!!」 物凄い力で引っ張られる。 ここは? まだ走ってる? 「あそこに入るぞ!」 入ると同時に西田はドアを閉めた。 そのドアは上から下まで金属製だ。 「はぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁ…」 西田は大きく肩で息をしていた。 どん!どん!どん!どん! ドアを激しく叩く。 「ここも持たないか」 西田はオレを無理矢理立たせ引きずるように奥へ進んだ。 薄暗い通路。 非常灯が眩しい… 電気は供給されているのか… オレ… 「…生きてるのか…」 「生きてるよ! 生きて森さんのところに戻ろう! 頑張れ!」 森さん… そうだ一緒に逃げるんだ。 ( ゚д゚)ハッ! 「すまん! オレ寝てた!?」 「寝てたも何もねぇよ! 勝手に燃え尽きんな!」 「奴らは!」 「あと三人だ。 まけなかったよ。 かなりぐるぐる回ったんだけどな」 西田は肩で息をしながら状況を教えてくれた。 「死に損ないのくせに、利口な奴もいるのか」 がしゃん!! 通路の奥でガラスが割れる音がした。 「入ってきたのか?!」 オレは咄嗟に銃をにぎる。 ドタドタドタドタドタ… 「もう逃げられんか…。 ここで持ちこたえるしかないな…」 しかし二人とも息が上がっているので狙いが定まらない。 それどころか構えるのもやっとだ。 「こんな銃じゃ三人も相手出来ない。 どうする?」 西田に問いかけた。 「しっ! …足音が遠ざかる… なんでだ?」 さっきまで明瞭に聞こえていた足音が遠ざかっていく。 「オレ達まだ見つかって…ぉ、おい」 最後まで言い切る前に西田は行動を開始した。
「お、おい。 どうするんだよ」 「俺達以外に誰かいるはずだ」 「え!? まじかよ?」 「あれだけ執拗に追われたんだぞ。 遠ざかったという事は別のターゲットが見つかったって事だろ?」 「そ、そうかな… じゃ、この隙に逃げよう!」 「馬鹿! 見殺しにできっかよ!」 西田… いい奴なんだか、馬鹿なんだか分からなくなってきた。 オレ達が侵入した建物はどうやら駅裏にあるビルのようだ。 外から眺めた事はあったが中に入るのは初めてだ。 セキュリティが厳重で一般人は立ち入れないビルだ。 「西田、このビルって…」 「ああ、そうみたいだな。 さっきのロビーで気が付いた」 その割にはすんなり入れたし、奴らがガラス割って侵入したわりにはセキュリティが作動しなかった。 ダミーのセキュリティか、それとも破壊されて機能していないか… 注意深く進むと窓ガラスが割れた場所があった。 「ここからの侵入か」 内側にガラスの破片が拡がっていた。 オレ達が居た場所とは反対に向かったようだ。 上の階でバタバタと走る音が聞こえた。
「上の階か!? 階段はどこだ!?」 右往左往している間に足音が大きくなる。 やばいのか!? 「ぐぎゃぁぁぁぁ!!」 パン!パン!パン! 「この野郎! そっち行ったぞ!」 パン!パン! 「うわ! やめ! やめろ!」 パン! パン! 「ぎゃあぁぁぁ! 放せ! 放してぇぇぇ…」パン!パン! 「来るな! 来るな〜!」 パン!パン!パン! 「ぎゃーあああぁああぁぁぁあっぁあぁっぁぁぁぁ!!」 オレ達は息を飲んだ。 すぐ先の階段で事が起こっている。 しかもこの音は実銃の発砲音だ。 叫び声の後、急に静かになった。 ライフルを構え恐る恐る覗き込む。 むわっと血の臭いが漂ってきた。 恐らくは侵入してきた三人なのだろう。 無心で目の前に横たわっている男達を貪っていた。 オレ達がすぐ側に居るにもかかわらず 食事をやめる様子はない。 今が逃げるチャンスだ。
「行こう。 今しかないよ」 西田の腕を引っ張った。 「ホローポイント弾に変えろ」 え? なんだって? 「ちょ…」 「ホローポイントに変えろと言ったんだ」 すぐに西田は装填し直した。 オレも続けて装填し直す。 「夢中になっている今が殺るチャンスだ」 そう言いながら狙いを定める。 こうなったら何を言っても聞かないか… そう思いオレも奴らの頭部を狙う。 数秒後、動かなくなった死体は6体になった。 喰われた男達にも念のため撃ち込む。 「何もここまでしなくても…」 「武器は多い方がいいだろ? 拳銃なんて手に入らないぜ」 西田はそう言いながら男達の持っていた拳銃を拾い上げていった。 男達の上着からも何発か実弾を手に入れた。 そして、その内の一丁を手渡された。 「護身用だ。 むやみに使うなよ」 勿論そのつもりだ。
これ以上此所に居ても仕方がない。 「早く逃げよう」 西田を急かした。 「ああ、そうだな」 ロビーに向かって振り返った。 その瞬間、オレ達は凍り付いてしまった。 振り返った先に老人と長身の男がいたのだ。 突然現れた二人。 死人ではないようだが… 「ご苦労さん。 侵入者を始末してくれたようだな。 感謝するよ」 老人は軽く頭を下げた。 後ろに立っていた長身の男が老人に耳打ちをする。 「君達は何か知っているようだね。 なんでもいい教えてくれないか?」 何のつもりなのか。 殺意は感じなかった。 「心配せんでくれ。 とって喰うつもりはない。 やつらの弱点が知りたいだけだ」 老人は静かに歩み寄ってくる。 長身の男が制止しようとするが払いのけてオレ達の目の前まで来た。 老人は両手を出し握手を求めるような体勢に入った。 西田は咄嗟に銃を構える。 長身の男もそれに呼応して腰に手をやった。 「よさんか! 儂らを助けてくれた二人だぞ!」 老人は長身の男に何もしないように指示をした。 長身の男は手を前に出し、オレ達に見える位置で手を組んだ。 「すまない。 さっきの騒動で気が立っているんだ。 本当に感謝している。 我々だけでは奴らを止められなかった。 なぜ奴らは動いているんだ? なぜ銃で撃っても死なない?」 「奴らは死んでいるんです。 脳を破壊しない限り動きは止まりません」 西田は銃を下ろし奴らについて語り始めた。 今日はここまでです。 また近いうちに! (=゚ω゚)ノジャ、マタ!!
乙
非日常サマお疲れ様です テンポの早い展開、見ててすごく面白いです 忘れていませんしレスを何度も読み返していますので先が気になって 仕方ありませんww是非また投下お願いします。
無反応サマの続きもとても気になるのですが 戻っては来ないのでしょうか 長編でとてもいいところだったのですが・・・
保守
気分転換に短編を作ってみました。 では、投下します。 ガチャッ。 施錠を確認する。 鍵の数は3つにチェーンロックが2つ。 ドア横の施錠確認ランプが赤から緑に切り替わりる。 靴を脱ぎ、部屋に入る。 灯りをつけ、冷蔵庫から缶ビールを出しテレビをリモコンで起動させる。 CMが終わり、ニュース番組になる。 焼スルメを肴にビールを飲む。 「では、次のニュースです。1年前の4月2日に埼玉で市民・警官合わせ14人がゾンビの犠牲になった 事件で起訴されていたゾンビ保護団体のメンバー、山本 瑞樹被告(27)、山本 良子被告(32)、 桐生 一馬被告(42)の控訴審が本日最高裁であり、弁護側の死刑判決による温情判決を主張しましたが退け、 一審、二審の判決を支持し三被告に対しゾンビ化刑が言い渡されました」 おお・・・・・やっぱゾンビ化刑か。 テレビの画面が変わる。 ナレーション付きの再現映像だ。
「ゾンビ保護団体に所属する三名はこの日、埼玉の農業従事者、佐藤 一さん(72)の所有するゾンビ隔離舎に侵入し、内部から 隔離システムを無効化し破壊、ゾンビ20体を放ちました。最初の犠牲者は騒ぎに気付いた佐藤 一さんでした。 隔離システムが無効化になり、管理責任者の佐藤さんが死亡した為にゾンビ脱走の発見が遅れ、佐藤さんを含む近所の住民と警官 合わせて14人が犠牲になるという大惨事でした。山本被告率いるゾンビ保護団体は国の政策によるゾンビの労働力利用に 反対していました。判決に際し裁判官は、”三被告の身勝手な主義主張により14名の尊い命が失われ、なおかつ日本に 再びあの忌わしきゾンビ現象による地獄の1年が再来する危険性も十分にあった。ゾンビ化により肉体が朽ちるまで労働力として 罪を償うのが妥当”と、厳しい口調で被告人を叱責しました」 やれやれ・・・・明日の仕事は決まったな。 ビールを飲み、肴をつまむ。 ピピピピピピッ! う〜ん・・・・・朝か・・・・・。 電子音を鳴らす目覚まし時計を止める。 トーストを焼き、ハムを乗せ食べながらコーヒーを飲む。 防寒用のジャケットを着込み、ドア横のキーとヘルメットを手に取り部屋を出る。 外から鍵をロックするのは簡単だ。 バイクに跨り、エンジンを掛け職場に向かう。
”ゾンビ研究所” ここが俺の職場だ。 ゲートの前にはゾンビを労働力として再利用する政策に反対する活動家がシュプレヒコールをあげながら ゾンビ化刑反対のプラカードを掲げている。 こいつら、毎日のようにここに来てるけど生活は大丈夫なのか?と、昔は思っていた。 だが、実際はデモ隊の8割がバイトと言うことが判明しているし ガス抜きの為にある程度は政府も目こぼししているのが実情だ。 警備員にIDカードを見せ、複数のゲートを通過する。 施設内には過剰とも思える人数の武装した警備員が警戒を怠らない。 彼等の武装は当然ながら全て実弾。 ゾンビ隔離システムが停止した際の排除名目だが実際には不法侵入した不審者を射殺する武器だ。 この施設内では警備員・職員による侵入者に対する殺人も一切罪に問われない。 外の活動家はまだ可愛い方で中には強行突入を試みるどう見ても自殺志願者な活動家も居る。 が、敷地に一歩でも踏み込めば即座に銃弾の集中砲火を受け死体になる。 射殺体は最低ランクのゾンビになるからロクな労働力にならない。 その点、今回の3名はゾンビとしては最高ランクで何事も無ければ30年は労働力として使えるだろう。 非常事態に備えゾンビの攻撃を無効化する防護服を着込みエアタンクからの空気供給を確認する。 室内には既に3名が椅子に座らされ拘束されていた。 必死に身体を動かし、泣き叫んでいる。 舌を噛み切って自殺しないように猿轡を噛ませる。 別の防護服を着込んだ職員が手に3本の注射器の入った保存ケースを持ってきた。 注射器の中にはゾンビの血液が入っている。 ゾンビの血液を受刑者に注入し、3名がゾンビ化するのを待つ。 ゾンビ化後は防腐剤漬けにして仕事が終わる。 終わり。
みなさんお疲れ様です! 中二病作家さんの作品は、結婚皮肉が効いてて好きです。
ああ、結構か…
ゾンビ物なのに世相を切ってる感があるのがすげぇw
次々と現れる車列。 似たようなトラックが十数台も連なって戦闘に加わる。 この世界で生き延びて来た人々は下手な軍事マニアより実践的で効率的な戦闘を短時間で終わらせた。 ゾンビを抹殺するのではなく、行動不能にするだけでいいのだ。 銃を構えた数人が車を取り囲んだ。 「・・・・・・私達・・・・どうなるの・・・・・?」 伊藤が不安を隠さない声で呟いた。 無線機で何処かと通信をしている。 と、一人が窓を叩く。 「な、なんだ・・・?」 おじさんが恐る恐る声を出しながら窓を開けた。 「動けるか?」 「あ、ああ・・・・こっちは・・・・・・」 そういいながら視線を僕達の乗っていた車にやる。 「・・・・・・あっちは無理そうだがな・・・・・」 ・・・・・・・・確かに無理だ。 銃弾でタイヤもやられている。 「3分やる。持ち出せる私物を持って、あっちの車に乗れ」 指差したのは車列から外れたトラック。 「わ、わかった・・・・」 大急ぎで私物の入ったバッグをそれぞれ持ち出し指定されたトラックに乗る。
トラックの中は居住性には程遠い実用的なものだった。 内部は連結された部分が金属のプレートで歩行可能でもあり、 連結部の周りは頑丈でしなやかな蛇腹状のシートで覆われている。 食料の保管エリアや寝台の設置された場所もある。 連結されてはいるが移動不可能の場所は後部の数車両で、 外気に剥き出しでその上からブルーシートが被せられているだけに過ぎない。 幾つかの簡易ベッドが与えられ、そこに寝る。 キィィ・・・・。 トラックがゆっくりと止まる。 「降りるぞ」 一人の男が降りるように促してきた。 それに従い、車の外に下りる。 外はもう朝だ。 周囲を柵に囲まれた場所で周囲に十数人の武装した軍人が立っていた。 『身体検査を行う!服を脱げ!女は右側の建物内で検査を行う!移動せよ!』 スピーカーから響く声。 状態を理解できない俺達を尻目にトラックに乗っていた人達や他のトラックの人達は服を脱ぎパンツ1枚になる。 『聞こえなかったのか!?服を脱ぐんだ!』 「言われた通りにするんだ。ただの検査だ」 横に立っていた俺達にトラックを降りるように促してきた男が話しかけてきた。
ガサゴソガサゴソ・・・・・。 意を決して服を脱ぐ。 仲間もトラックのおじさんも刑事さんもその他の人達も服を脱ぐ。 『そこの金髪のチャラチャラした男!!貴様も服を脱ぐんだ!!!』 「や〜だね〜」 小馬鹿にしたような答えを返す。 『仕方ない・・・・先に他の連中の検査を行え!』 その命令に近付いてくる兵士達。 え・・・・パンツの中も見るのかよ・・・・・? 「クリア!」 「クリア!」 「クリア!」 次々に安全を確認された人々が安心して服を着始める。 「次はあんただ。まず、ゆっくりとその場で回れ」 言われた通りにする。 「次はパンツの中だ」 うう・・・・やっぱ気になる・・・・。 「クリア!」 安全を確認され、安心しながら急いで服を着る。 他の人達も次々とクリアと言う言葉を言い渡される。 さて・・・・最後はあいつだ・・・・・。 「脱ぐんだ!」 「寒ぃんだよ!ヒーターぐらい持って来やがれ!」 「・・・・・10秒やる。脱ぐんだ・・・・・」 「そんなオモチャで遊んでて楽しいのかよこのオタクが!ぎゃははははははははっ!!」 「10・・・・9・・・・8・・・・7・・・・」 カウントダウンは進む。
「3・・・・2・・・・1・・・・0!」 ガガガガガッ!! 連続した機械的な発砲音。 大木の足元の地面が抉れる。 「・・・・・次はその身体に撃ち込むぞ・・・・」 「・・・・・ひっ!?」 うって変わって脅えながらパンツまでも脱ぐ大木。 ・・・・・・あ、ちっちぇえ・・・・・・。 ふふん、そんな程度じゃキャサリンを満足させられないぜ・・・・ って、何考えてるんだ・・・・俺・・・・・。 安全な場所に来たからか欲求不満な自分にちょっと反省する。
まさにビビる大木
保守あげ
w
「犯罪者の処罰?」 「ああ、こいつは犯罪者で逮捕している。ここの管轄の警察に・・・・」 「・・・・・残念だが、警察は無い。犯罪者の処置ならば市長に指示を仰ごう」 俺達は・・・・・この世界に迷い込んだ一行だが・・・・・バスに乗せられ移動をしていた。 バスの中には都市の地図があった。 その地図によればこの都市は伊豆半島に存在している。 地図で大きく半島と内陸部を隔てる線がある。 この線は何かと監視役の男に聞いたらゾンビの襲撃を隔てる壁と教えられた。 壁から数キロは荒野だ。 聞けばゾンビが侵入してしまったと言う万が一の事態に備えて設けられた排除区域との事だ。 そして居住区域、農業区域、工業区域、海岸線には港がいくつもある。 今は工業区域を通過している。 自分達の窮地に現れた車列の荷台から潰れた車や様々な機械類が降ろされ、解体されている。 居住区はまるでスラム街のような町並みだ。 エンジンの取り外されたバンの屋台や子供相手に紙芝居を見せているお年寄りも居た。 「着いたぞ、市庁舎だ」 ・・・・え?これが・・・?
まるで廃ビルのような元ホテルといったところだろうか? 中に入る。 電気の灯りが内部を照らし、職員が忙しそうに駆け回ったり電話で何かを話しあっている。 チーン。 エレベーターが止まり、中に入る。 業務用エレベーターに二組に別れ乗り、最上階に向かう。 最上階・・・・・このホテルのスィートルームだろうか? 中に通される。 広い部屋が執務用の机を中心に本棚で囲まれている。 大量の書類の山に囲まれた一人の男が居た。 背後が窓でそこから照らす太陽の光でよく見えないが、若い。 想像していた禿でデブで権力亡者な想像とはかけ離れている。 「市長、先ほど連絡しておいた一行を連れてきました」 「ん?ああ、しばらく待っててくれ。Yes, it is, and it is so. Then, in the thing called contract approval.Thank you. 」 受話器を置き、一息吐く。 そして再び受話器を取り、どこかをダイヤルする。 「神崎か?アメリカの沖縄と合意に達した。取引は8月25日に沖縄で行う」 ・・・・・ん?どこかで聞いたような声だ・・・・? 「ああ、じゃあ、後は頼んだ」 受話器を置き、こっちを見る黒髪の男。
「・・・・・で、何だったっけ?」 ガクッ! 付添いの男がまるでコントのようにズッコケる。 「お、大木市長・・・・・。ですから、先ほど連絡した・・・・・」 「ああ、思い出した思い出した。ふむ、君達がゾンビのうろつく内陸部をさ迷っていた・・・・。 私は市長の大木 洋一だ。よろしく」 歩み寄ってくる市長。 その顔に見覚えがあった。 髪は染めていないが顔の傷跡までもが一致する。 あの、DQN一家の大木 洋一と。 おそらく、この世界の大木 洋一なのだろう。 環境が違えば同じ人間でも違う成長をするいい見本だと思った。 9.11や第二次湾岸戦争があったとは言え平和ボケした元の世界の大木は犯罪者になり、 ゾンビによって崩壊したこの世界の大木は流暢な英語で会話をしたりする常識人だ。
まいった、感服した、wktk
701 :
本当にあった怖い名無し :2007/11/19(月) 01:07:59 ID:ad01pkaKO
保守アゲ
誤爆ではなくて、他に適当なゾンビスレがなかったのでは? しかし、ゾンビ的事件ですなぁ…
>>704 本当にゾンビが発生しても最初はこうやって報道されるんだろうなぁ。
で、気付いた時には収拾が難しい状況に・・・・・
短編投下します。 ドンドンドンドンドンドン いつまでも続くドアを叩く音が聞こえる。 いつもならドアを開けて止めさせるが今はできない。 2日前から暴動が日本各地で起きていることを知った俺はその日はいつもどうりに通勤していた。 しかし仕事の帰りに、駅の近くで人に噛み付いているやつを見たとき、 さすがにやばいと思った。
次の日俺は会社を休み保存食、飲料水を買いに出かけた。 なぜなら俺は小学生のころに友達に無理やり見せられたゾンビの出る映画のことが 今でも鮮明に覚えているからだ。たしか、あの映画はゾンビが世界中に発生して 世界が崩壊する映画だった。 俺はまさかとは思ったが念のために用心することにこしたことはない。 その日から暴動のニュースが臨時で放送されていた。
そして今朝のニュースで政府が非常事態宣言を発令した。俺は遅すぎると思った。 2日前から俺は見ていたのになぜ、政府がこんなに対応が遅いのかと思った。 しかし、政府は暴動発生地に自衛隊を派遣することが決定したことも今朝のニュースで言っていた 俺は自分のマンションのベランダから外を見た。いたるところ方煙が出て、断末魔が聞こえてきたり、 パトカーのサイレンが聞こえてきたりした。そのときから家の玄関のドアが叩かれ始めた。 その時はお隣さんかと思ったが違った。2日前に見たやつとそっくりだった。
俺はそれから玄関のドアをクローゼットなどの家具で補強した。 幸い俺の住んでいるマンションの階は10階だったので玄関を補強するだけでよかった。 あのとき食料などを買っておいてよかったと思った。 自衛隊も来るのは遅くなりそうだとニュースでも言っていたので、 おれは家でゆっくりとしていようと思う。 買って放置していたゲームなどがあったので退屈はしなさそうだ。
冷静に対処している主人公が面白いですね 今後どういう展開になるのかと想像をかき立てられる文章なので 短編と言わず是非投下してください
ほ
710さん感想ありがとうございます。 主人公のその後を書いてみたいと思います。
続き投下します。 政府の非常事態宣言から一週間ぐらいたちようやく俺の住んでいる地域にも来た。 しかし、やはりベランダから見ていると自衛隊の人が暴徒に食い殺されるのも見えた。 暴動を鎮圧することは時間がかかるのではないかと思った。 自衛隊が到着してから2日目、やっとマンションから出られた。 久々に太陽の日に当たった気がする。
それから自衛隊の人から2時間後にヘリが来るので荷物をまとめておいて下さいと言われた。 それから俺は家にもどって荷物の用意をしてから自衛隊の人のいる所に行った。 荷物は手にもてるだけと言われていたので少し悩んだ。 それから2時間たってヘリが来た。周りを見てみると生き残っている人がとても少なかった。 そして俺はヘリに乗って安全な地域に移動した。
避難先では自衛隊の人たちが沢山いて、その避難先の周りをコンクリートなどの壁で囲っていた。 そして今おれはその避難先の仮設住宅に住んでいる。 住めば都とは本当だった。最初はあまりなじめなかったが今では結構気にっている。 まだ暴動は鎮圧しきれてないとニュースで言っていた。 しばらくはまだここで生活しなければならない。
乙 簡潔で読みやすいが、もう少し作文の練習したほうがいいと思うな、、、 だからここでジャンジャン書いてくれww
乙 とりあえず。名無しで投下するのは分かりぬくいです。
1993年 中華人民共和国 北京 「博士!急いで下さい!!時間がありません!!」 野太い軍人の声が夜中の高級住宅街の一角の家から響いた その西洋風の家の前にはドイツ製高級車と一台の軍のジープが止まっている 「分かった 周大尉 直ぐにすむ 済まないが もうすこし待ってくれ」 周大尉の呼びかけに落ち着いた声で応じたのは白人の初老の男 博士はそう言うと 茶色のジャケットを羽織り 縞柄のネクタイを締めた 「こんな物作らなければ良かったのかもしれん…」 そう呟き、机の脇の冷蔵庫に保管してあった数本の試験管を専用の保存箱に入れた そして研究資料の入れられた鞄を持ち書斎を後にした 玄関では数人の軍人が荷物を高級車に運び出している中 博士は周大尉とこれからの事を打ち合わせていた 「宜しいですね 博士 我々が市内のイギリス大使館まで先導致します そこからはCIAのクーパー氏が博士の保護に当たるとの事です」 「CIAはアメリカだろう? 何故 イギリス大使館に行くんだ?」 博士は大尉に当然の疑問を投げかけた 「おっしゃる通り しかし 万一を考え当局はアメリカ大使館を厳重に警備しているのです 反米勢力からの保護を理由に… その点 イギ
その点 イギリス大使館は、まだ警備が薄い 」 「なる程…私の研究成果目当てに西側は一致団結という訳か…」 博士は自らを嘲るかのように虚無的に笑った その時 車両の轟音と機関銃の銃声が響いた 恐らく 高輝度のライトが使用されているのだろう 玄関のガラス戸からは明るい光が差し込んでくる ガラス戸を強引に開け 血まみれの兵士が駆け込んできた 兵士の体は銃弾の餌食と形容していいほど血にまみれ 軍服は赤く染まっている そして外から差し込む光のせいで より一層 痛々しい姿に映った 「た…大尉…申し訳ありませ…ん… 情報部の連中で…」 乾いた銃声が響いた 虫の息だった兵士は白目を向き そのまま倒れ込んだ 背広を着込み 片手で拳銃を構えた男の姿が二人の目に映る 「李…鳳英……」 大尉は男に気づき男の名を口にした 「光栄ですな…私の名をご存知とは…」 李はそう言うと拳銃をしまい丁寧な口調で返答する 「大尉…その男を知ってるのか!」 博士が大尉に尋ねた 「はい…この方は情報部の李鳳英少佐です…」 「私の事などどうでもよろしい… さて、その前に…」 少佐はもう一度拳銃を取り出し 大尉の頭を打ち抜いた 弾は的確に額に命中し、大尉は
後ろに倒れた 「裏切り者には死だ… 我々は裏切りを許さない… 知らないとでも思っていたのか…」 「貴様らは間違ってる!!あれは…人類の為に役立てるべきだった!!」 博士は激高し 声を荒げる 「だが…軍事にも使える… このウイルスを西側の豚共などにくれてやるものか… 人が凶暴化し 人が人を喰う…恐ろしいものだな」 少佐はそう言うと保管箱を博士から取り上げた そして 博士は兵士達に両脇を抱えられ 別の高級車に乗せられる そして、博士を乗せた車は漆黒の闇に消えていった
wktk
王道を行くストーリー、それ故に面白い!
防護壁の向こうのゾンビが止まりかけのコマのように ふらふらとしたかと思うと足を曲げて地面に倒れたとき 息子は笑いながら「ママ。僕を褒めてよ!」というような顔をして 私を見上げました。私は居留地に住んでからゾンビが そんな動きをするのは見たこと無かったし、銃声もしなかったから いったい何が起きたのだろうと不安になり振り返って 原因になるようなものを求めましたが何もありません。 ゾンビが転んで頭を打ちそのまま死んでしまったのかと思い ゾンビの足元を見ましたが整地されたグランドには転ぶような 要因は見当たりませんでした。高精度のサイレンサーを誰かが手に入れたのだろうか? そんなことも思いました。でもサイレンサーと言えども多少の音はしますし 見回しても誰も見えない場所からゾンビの頭を打ちぬけるような腕を持つ 人間は居住区には、いえたぶんどこにもいないでしょう。 私が腑に落ちぬ気持ちのまま帰ろうとした時、二匹目のゾンビが 林の影から現れました。私は何の期待もせぬまま、そのゾンビの行方を 追っていましたが突然、さっきのゾンビと同じようにふらふらとすると 転んだように崩れてしまいました。私はすぐ誰かを呼んで 状況の把握をしなければいけないと思いました。何か変わったことがあれば すぐ報告をしなければなりません。それがここのルールであり 生き延びる術の一つです。私は息子を抱えマンション広場にある集会所の 方へ歩きかけたとき息子が笑ってるのに気づきました。 そしてまた「ママ。僕を褒めてよ!」という得意げな顔をしています。 息子は言葉をようやく覚えたばかりで私に何も伝えることは 出来ませんでしたが表情は雄弁でした。その時はその顔が 意味するものが何なのか分かりませんでしたがあの時が息子の 能力を初めて見たときだと思います。そう息子はテレキネシスの持ち主だったのです。
個人的にエスパーネタ大好きなんです。ええ、そりゃもう三度の飯よりね 続きがとても待ち遠しい……
ほ
風邪でしばらくダウンしていました。 今年の風邪は性質が悪いです。 読者の方も他の作家さんも体調にはお気を付けを・・・・;・。 では、投下します。 「しかし、君達はあんな危険な場所で何をしてたんだ?他の隔離都市からの移動にしては軽装備だし、 そもそも・・・・・・」 しばらく考えるこっちの世界の大木。 「ま、考えても分からない物は分からないか」 あ、諦めた・・・・・。 「で、そっちの刑事さんが捕まえた犯罪者の処罰を求めてるんだっけ?」 「え?あ、ああ、そうだ・・・・」 「その犯罪者の資料、見せて」 刑事の本間が肌身離さず持っていた資料を手渡す。 プルルルルルッ! 突然の電話の呼び出し音に全員が一瞬びびった。 「緊急連絡か。ちょっと待っててくれ」 受話器を取り、会話を始める大木市長。 「どうした?え?・・・・・わかった、すぐに連れて来い」 受話器を置き、再び資料に目を通し始める市長。 「氏名は・・・・・私と同姓同名か。出身地も同じだな。・・・・なるほど・・・・この罪状だと・・・・」 頭の中で何かを計算する市長。 コンコンッ。
扉がノックされ、二人の男が身柄を拘束され入ってきた。 「・・・・・・・柳沢さん、まさかあなたがこんな事をするなんて・・・・本当に残念ですよ」 柳沢と呼ばれた男・・・・事務員タイプの男は完全に萎縮してしまっていた。 「あなたの罪状では今のままですと、一週間になってしまいますが何か反論は?」 なるほど・・・・・市長兼裁判長か・・・・・。 「こ、こいつに脅されたんです!言うとおりにしないと妻と息子を殺すって!仕方が無かったんです!」 「・・・・・・証拠は?」 「わ、私の職場のデスクの鍵の付いた引き出しに録音したテープがあります!な、なにとぞお慈悲を!!」 涙を流しながら懇願する柳沢。 な、なんなんだ? 一週間ってなんなんだ? 「確認させろ」 市長の命令に控えていた秘書が電話で何かを伝える。 「てっ、てんめぇ、裏切りやがったな!」 「お前が脅してきたのは事実じゃないか!!私は静かに平和に生活していたかったのに!!」 「・・・・・・黙らせろ」 こめかみを押さえながら市長がやれやれといった感じで言った。 二人とも口を猿轡で封じられる。 呻き声をBGMに時間だけが流れていたが再び電話が鳴った。 「そうか、あったか?・・・・聞かせろ」 しばらく、受話器の向こうの声に集中する市長。 「分かった、ご苦労」 受話器を置き、二人を見る。
「猿轡を外してやれ」 命令どおりに猿轡が外される。 「では、柳沢さん。あなたの言い分は認められました。が、汚職により市の財政に影響を与えたのも事実。 2ヶ月の停職と2000時間の社会奉仕活動と判決を下します」 その裁定に柳沢がほっとした表情を浮かべる。 柳沢が係員に促され退出する。 「さて・・・・次は・・・・・」 秘書から渡されたリストで名前を確認する。 「金田さん。あなたの罪状を総合すると・・・・・一ヶ月ですね」 その裁定に顔面蒼白になる金田。 「こ、殺す気か!?い、一ヶ月なんて無茶苦茶だ!」 「そうですか?未解決だった2件の強盗殺人事件の凶器からもあなたの指紋が検出されてますが?」 「ぐっ・・・・・」 「反論は?」 「・・・・・・・」 「では、一ヶ月と確定しました」 「まっ・・・・」 「あなたに渡される食料は1週間分。一週間後にゲートで更に次の一週間分が渡されます」 ああ・・・・期間限定の追放刑なのか・・・。 確かに、なまじ死刑よりもゾンビの徘徊する外の世界への追放刑はきついだろう。
すげぇなぁ〜 中二さんよくこんなに次から次へと新ネタ出てきますね なんつーかね 一度一緒に飲みたいですわw
731 :
723 :2007/11/24(土) 02:28:42 ID:UC2E7Ou40
日課の集会が始まった。 今日の話題は放置されたままの畑に作物を植えることが 出来るのかということと、放置された畑にジャガイモが残っていたから それを矢代さん達が取りに行った報告だ。 私は薄暗くなりかけている集会所の外を見ながら さっき起こったことを考えていた。哲朗があのゾンビに何をしたかということだ。 いや哲朗が何かしたという前提はおかしいのかもしれないが まずそこから始めなければ先に進まない。哲朗がゾンビに何かしたとしよう。 いや…何かした? 何をしたもなにも… 私は本や映画で見た 超能力者が力を使いスプーンやトランプのような紙の裏に書かれた 不思議な模様を当てるシーンが頭に蘇ってくるのを押さえることができない。 こめかみを触り自分の意識をまとめようとする。ゾンビが現れて 世界は変わり常識はいまや遠くにいってしまったにしても 超能力なんていうものが実際に存在すると考えることは出来なかった。 時間をさかのぼる超能力者、火を使う超能力。私は膝の上に抱いている 哲朗のやわらかい腕を摩りそこに答えを見つけようとする。 ――超能力? そんな馬鹿な
732 :
723 :2007/11/24(土) 02:29:04 ID:UC2E7Ou40
矢代さんは畑に行ってジャガイモを50キロほど取ってきたそうだ。 季節外れまで放置されたジャガイモは萎びていて昔、私たちが スーパーで見たようなものとは比べ物にならないけれど 食べられないということは無いそうだ。食品の偽装問題が なつかしいですね、私なら喜んで日付の改ざんされたものでも 今なら食べますが。集会場にいる百人ほどの人たちが笑う。 ニュースで散々報道された食品問題。あれはいったいなんだったのだろう? ただの苛めに過ぎなかったんじゃないだろうか? 半年、程前に起こった事実なのに世界は遠くに行ってしまった。 ここにあるのは原始時代のような生活。ただ生き残っただけ良かったのよ。 心の奥底でそういう声がしたとき私は再びさっきまでの思考に舞い戻る。 ――超能力 答えなどでやしない。隣の弓子さんの顔を見る。 ――相談してみようかしら? 弓子さんが私の視線に気づいて声をかけた。
733 :
723 :2007/11/24(土) 02:43:11 ID:UC2E7Ou40
弓子さんの声が大きくなり私たちは矢代さんに声をかけられた。 「鈴木さん、池田さんどうかしました?」 私は超能力なんていうことを想像したことを 咎められたような気持ちになり口ごもってしまったが 池田さんが立ち上がった。 「由美さんの息子さんなんですけどちょっと妙なんですって…」 皆が振り返り何事が起こったかと私と弓子さんの顔を 変わるがわる見比べる。 前の席に座っていた大野さんが不安げながらも優しい顔を している。大野さんは旦那さんと息子さんを失った。 哲朗が病気になったと思ったのだろうか? なれない育児のことを私は先輩である大野さんにいろいろ 伺って助けてもらっている。 遠慮しないでいいのよ、子供を育てるのは大変なんだから。 大野さんが私に声をかけている時 私は授業中に叱られた生徒のような気持ちになりながら 哲朗のことを話す決心をしていた。
自信が無かった、というか続きを書くつもりが無かったので
トリップをいれませんでしたが
>>724 さんの
レスを見て責任感じちゃいました。
何にも考えないで書いちゃったんで終わるか分かりませんが
がんばります。724さん期待にそえなかったらすいません
736 :
730 :2007/11/24(土) 14:09:00 ID:7h584rmJ0
>< でも実際飲めない方がいいと思うんですよ たまに思うんですが今までの飲み代全部足したらそれこそ車の1台や2台分とかになってそうで鬱になりますもんw 応援してますんでこれからも頑張って下さい><
kenさん
>>724 ですが
申し訳ない、何やらプレッシャーをかけてしまいましたね
どうか私の事は気にせず、マイペースで執筆なさって下さいね
738 :
本当にあった怖い名無し :2007/11/24(土) 23:21:13 ID:d680R5Xw0
試しに書いてみました。 短編です。 逃げ場は無かった。 外に出ることなど、到底できなかった。 生き残っているのは何人だろうか。 無我夢中で逃げていた。気がつけば、自分だけだった。 耳をすませば、微かな重低音。 今居るのはどこかの十字路。 右か。左か。前か。後か。 悩んでいる間にも、重低音は大きくなる。 後は非常口。だが、バリケードで塞がれている。 左は階段。確か、そこに詰まれたバリケードを必死で超えたと思う。 右は店が立ち並ぶ。音はそこから響いてくるように思う。 前は・・・・・・。暗くてよく見えない。メインの通路に出るのだろうか。 得物を握り締める。 赤黒く染まった槌。 多数は相手にできない。 例え一匹だけだとしても、殺せるか分からない。 前へ。 暗がりの中を進む。音を立てないように。奴らをおびき寄せないように。 振り返る。薄明りに浮かぶ十字路。何も居ない。
739 :
本当にあった怖い名無し :2007/11/24(土) 23:21:54 ID:d680R5Xw0
月明りが天井のガラスから染み渡る。 振り返る。何も見えない。 右。壊されたバリケード。侵入された場所。最初の舞台。外には数匹見える。 左。抵抗の跡。散ばる武器。その殆どが使い物にならない。 前。未だ保っているバリケード。その先には進めない。進んではいけない。 彼女は振り返る。 気づかず、佇んでいるだけのゾンビ。 彼女は見上げる。 三日月に浮かぶショッピングセンター。彼女が短い時を過ごした場所。誰も残っては居ないだろう。 彼女は首を回す。 右。大通り。何故か奴らは居ない。 左。大通り。壊れた自動車があるのみ。 後。大通り。二度と光ることの無い信号機。 彼女は駆け出した。 ありがとうございました。
耽美的な詩のようでこれまた新しいですな 情景が目に浮かんできますね こーゆーのも好きだったのかと気づかせてくれてありがとうございますw 自作も宜しくお願いします><
>>738-739 です
どうせなら、と思って名乗ることにしました
>>740 ありがとうございます
ゾンビスレ過去ログを読んでいて、自分も書いてみようと思い、まず最初に書き上げたものを改変してみたものです。
最初のはただグダグダと書いていたので、簡略にしてみました
一応、これに肉付けしたものを書いている最中です
ある程度できたら投稿するかも・・・
742 :
本当にあった怖い名無し :2007/11/26(月) 00:02:35 ID:jyUpL7l70
初めて書きます。短編です。 窓は割れ、壊れた車が放置され、商品もなど無い店、もはや廃墟でしかない街。 「2か月ぶりか、今回は多いな、どれくらいだ?」 「70から80。いつも通りでいけるさ。・・・こちらDチーム、準備完了」 <A・B・Cチームとも準備完了。いつでもいけます> 「了解、指示を待て」 <了解> 「村は大丈夫だろうな?」 「アキラ、心配するな。村へはこの街を通るしかないんだ。討ち漏らすなんて有り得ない。 心配症は治らねえな、全く」 「すまんね、康一・・・む」 「・・・来た」 大通りを歩いてくる大勢の人影。暴徒ではない。腕が無い者、腸が長々とはみ出ている者、 顔の筋肉がむき出しの者・・・どれも一様に腐臭を漂わせ、眼は濁り、不気味に呻く。 100に迫る数のゾンビの群れだった。 <Aチーム、始めろ> <了解> パパパパパパパパ・・・背後からの連続する爆音を聞いてゾンビが一斉に振り向く。 直後に近くのビルの屋上から照明弾が打ち上げられた。 すみませんが続きはまた今度。文章下手ですが、よろしくお願いします。
743 :
本当にあった怖い名無し :2007/11/26(月) 00:04:02 ID:ET9PwM1b0
商品もなど→商品など
744 :
本当にあった怖い名無し :2007/11/27(火) 00:12:33 ID:X+nX0mx10
>>742 闇夜の空に輝く照明弾にゾンビの視線が集まる。物陰に潜む人間達には気付きもない。
「いけええええええええええ!!」
建物の影から、鉄パイプで武装した集団がゾンビに躍りかかる。
「頭を狙え!近づき過ぎるなよ!」
ゾンビも襲撃に気付き、灰色に濁った唾液を垂らして鈍い足取りで人間に襲いかかる。
「オオオォォォォ・・・」
「遅いぜ」
康一の得物が間直にいたゾンビの頭を砕く。グシャッという音をたててゾンビが倒れる。
腐敗し、人間ほどの頑丈さもなくなっているため、脳にダメージが通りやすい。
微かな痙攣を起こしていたゾンビだったが、30秒ほどで完全に動かなくなった。
周りを見渡せば既に20匹は動かなくなっている。
「・・・撤収だ!!」
康一の掛け声で一斉に皆は物陰に隠れる。ゾンビ達は彼らを追わんとする。
パパパパパパパパ・・・
再び爆音。振り向いたゾンビの群れは又もや照明弾の光に釘付けになる。
「Bチーム!!」
別の集団が攻撃を仕掛け、戦闘が再開する。その次はCチームの出番になるはずだ。
たくさんの作者様の新作&続編にwktkであります。 ぜひとも皆様のペースで執筆おながいします。
746 :
K :2007/11/27(火) 00:57:46 ID:2HqDf3a80
706投下したものです。これからもよろしくお願いします。 短編投下します。 俺はニューヨークに住んでいるジョーンズ。今、何とか生き残ってる。 今から4時間前、俺はテレビ局に呼び出されて警察が暴動を鎮圧しようとしているのを取材しに行った。 リポーターのケニー、照明のニック、カメラ兼運転手の俺の3人だ。 いざ現場についてみると、そこにはニューヨーク市警の警官が沢山集まっていた。 「現場のケニーです。見てください、ニューヨーク市警は先ほど大規模な暴動が起きたので その鎮圧にでようとしています。なお、暴徒は撃たれても死なないなどの情報が入ってきます。 しかし、これは本当なのでしょうか?引き続き現場の実況をお伝えします。」
俺はスーパーゾンビマン1号、新参者の正義のヒーローだ。2号以下は募集中。 偶然手に入れた不死身の体を活かし、この世の正義を護るため日夜、悪と戦っている。 こんな俺も元は国立の生物学研究所に勤める研究員だった。 生物学研究所とは名ばかりで実態は軍直属の生物化学兵器研究所だったがね。 ある日、新型ウィルスの実験が失敗し研究所がバイオハザードに見舞われた。 研究所は偽装のため街中の大学に隣接してあったのだが、そのため街ごと壊滅よ。 俺はワクチン開発担当だったのでなんとか助かることが出来た。 でも20人以上いたチームで皆がワクチンを試したが俺以外は全滅だった。 俺が助かったのは本当に幸運だったとしかいえない。 幸運?そうなのかな。 人間としての知性、理性を保ったまま肉体がゾンビ化した中途半端な存在だから。 人間としての俺の人生は終わった。 ならば新しく生まれ変わろう。そうだ、子供の頃からの憧れだったヒーローに!! 俺はスーパーゾンビマン1号、新参者の正義のヒーローだ。2号以下は募集中。 偶然手に入れた不死身の体を活かし、この世の正義を護るため日夜、悪と戦っている。 おっ、今もまた悲しみの心の叫びが聞こえてきた。 心の眼を開く、、、と廃墟に立て篭もりゾンビと戦っている人間達の姿が見える。 父が幼い子を護りながら必死にゾンビを打ち倒している。 が、迫るゾンビは増すばかり。それでも必死に戦っている。急がないと!! 待ってろよ!あと少しの辛抱だ!!必ず助けてやるからな、ゾンビたちよ!!! 続 カナイ
なにやら活気付いてきたようでいい感じですね。 色々なお話が読めて嬉しいです。作者さん方に感謝です。 では続きです。
市役所から来た菊池さんのおかげで、自分の中で、今回の事故について収拾がつきそうだ。 交通事故は、僕の見た幻覚だった。 ガス事故の現場に居合わせた僕は、そのときガスを吸い込み、交通事故の幻覚をみたのだ。 そう思うと、自分が現実だと確信していたはずの交通事故の記憶も、やけに疑わしくなってくる。 ―――もしかしたらと、思う。 あの作り出された幻覚の中でも、特に強く覚えていることの一つである、辺りに漂っていた、 トラックのタイヤの焦げた匂い。 あれは実は、噴出したガスの匂いだったのではないだろうか? そう―――なのかもしれない。 一家3人そろった夜の食事は、普段から比べると、とても豪勢なものだった。 母なりに僕に元気を出して欲しいという、気持ちの表れだったのだろう。 全く事情を知らなかった母は、菊池さんの話を聞いてどれほど驚いたことだろう。 仕事で疲れた父に気をつかってか、夕食の席ではそのことは、話題に上がらなかった。 もちろん、僕も普段通りの態度で、夕食をとった。 ―――母さん、僕は大丈夫。 そんな思いを込めて、僕はむしろ、いつもより量を多く食べた。 食事をとっている最中も、頭の中は彼女と会うことで一杯だった。 期待と不安がごちゃごちゃに入り混じった、複雑な気分だったけれど、意外にも食は進んだ。
2 彼女、若宮 加奈の病室の前に立って、僕は大きく深呼吸をした。 扉の前まで案内してくれた、若い看護士の女性が、くすりと笑いを漏らす。 「緊張してるの?顔、強張ってるわよ。ほら、患者さんのお見舞いなんでしょう? もっと笑顔笑顔」 その言葉に笑顔を返したつもりだったが、自分でもまったくうまく笑えていないのが分かった。 途中の花屋で買った、持ちなれない花束を握り締め、僕は白く塗られたスチール製の扉を 見つめた。 ―――この向こうに、彼女が居る。 「若宮さん、起きてますか?お見舞いの方が見えてますよ」 看護士のノックの音に、部屋の中で、動く気配があった。 「誰、ですか?」 落ち着いていて通りはいいが、硬く、隔絶した感じのする、そっけない声だった。 僕はその時、自分が彼女の声を間近に聞くのが初めてなことに気付いた。 ―――こんな、声だったんだ。 僕はその声に身震いした。 本当に、生きていたんだ――― 菊池さんに事実を聞き、こうやって病室の前まで案内されて尚、僕は心のどこかで思っていた。 僕の見た事故は、幻覚などではなく、彼女が無事だったという話こそが、僕の願望から 生まれた。幻なのではないか。 「新田 賢一さんとおっしゃるそうよ」 ドアの向こうが、急に慌しくなったようだった。 「す、少し・・・待ってください」 取り澄ました風を装った声だったが、明らかに切迫した調子が混じっている。 「慌ててる慌ててる・・・」 看護士は両手に持ったバインダーを口元に当てて、小さく肩を震わせていた。 何か、意地悪そうな人だなぁ・・・ けれど僕には、それを誰何している余裕は無かった。
ついに――― この一年間、思いを募らせた彼女と、2人きりで話す機会が――― まさかそれが病院の個室になるとは、夢にも思わなかったけれど。 彼女は急な訪問を、迷惑に思わなかっただろうか? 病院の案内所で自分の名前と彼女へのお見舞いの用件を告げると、すぐにここに案内された ぐらいだから、菊池さんはちゃんと約束を守ってくれていたようだ。 彼女にも、僕が病室を訪れることが伝わっているとは思うのだけど――― ドアの前に看護士と立ち、5分程が経とうとしていた。 ―――気まずい。 一体何をしているのだろう? ドアの前で手持ち無沙汰に過ごす5分は、存外に長かった。 「女の子にはね、色々とあるのよ」 そんな僕の様子を察してか、看護士が話しかけてきた。 「でも、安心した」 なんだろう。苦笑、なんだろうか。看護士の顔には微妙な表情が浮かんでいる。 「安心、ですか?」 「―――もう少し!すぐですから!」 一人ごちるように呟く看護士に問い返したとき、部屋の中からほとんど悲鳴に近い声が 聞こえてきた。 「ええ」 小さなため息。彼女の病室のドアノブの辺りを見つめたまま、看護士は続ける。 「ひどい事故、だったみたいでね。外傷はなかったけど、若宮さん、ここに来てからずっと 塞ぎ込んでいたから・・・だから彼女のこういう普通の女の子みたいなとこ、見たことなかった からね・・・」 僕は何も言えなかった。
看護士は知らないのだろうが、僕もその事故に遭っているのだ。 けれど僕には、その事故の記憶が無い。 彼女が事故によってどんな被害を被ったのか、僕はその場に居合わせながらも、全く覚えて いないのだ。 なんだか―――不甲斐ない。 菊池さんは、彼女がガスを吸い込んだ影響で、記憶が混濁していると言っていたけれど、 彼女もまた僕と似たような感じなのだろうか。それとももっと明確に、事故のことを 覚えていたりするのだろうか。 自分がなんだかとても、無責任な人間であるような気分になる。 ふと、不安がこみ上げてくる。 これから彼女と話すことになる。当然その話題は、主に事故のことになるだろう。 僕と彼女に共通の話題といえば、その事故以外にない。 学校の話題があるといえばあるが、先日の事故以上のインパクトは持ち得ない。 そうなった時、僕は何を話したらいいのだろう。 「お待たせしました。ど、どうぞ」 僕の考えがまとまらないうちに、彼女の声がした。 「入りますね」 看護士がドアノブに手をかける。 ―――いよいよ、だ。 ゆっくりと開いていくドア。 柔らかい照明を照り返す白い壁。 同じ色の床。電動式ベッドの足が見え、これも同色の染み一つないシーツ、そして 上掛けが見え――― 背もたれになるように起こされたベッドに、布団を腰まで掛けて、薄青い病院着に身を包んだ 彼女が、座っていた。 うつむいた顔を、長く真っ直ぐに伸びた黒髪が隠している。 普段は澄んだ泉の水のように透明感のある白い肌は―――今、黒髪の間から覗く耳まで、紅い。 僕はその姿を見て、あっけにとられた。
何この胸のもやもや
続きです。
「あらあら・・・」 含みのある調子の看護士の声も、僕には遠かった。 「しっかりしなさいね。彼氏」 僕は病室に入ってすぐの場所で、呆然と立ち尽くした。 どうしたら――― 「若宮さん、午後の検査の時間、忘れないでね。それじゃ・・・ごゆっくり」 脇をすりぬけるように出て行く看護士に、去り際、強めに背中を叩かれたが、何も感じない。 彼女は、看護士が出て行った後も、何も言わずただうつむいていた。 僕は、混乱していた。 見たところ菊池さんの言っていたとおり、外傷は全く無さそうだった。 僕が良く見知った彼女と、寸分も変わらない。 僕は、混乱していた。 いや、狼狽していたと言い換えてもいい。 頭のなかで繰り返されたのは、一つの言葉。 ―――僕は、どうしてしまったのだ。 望んだはずの再会なのに。 何も変わりのない彼女のはずなのに。 僕は、あれ程までに会いたい、話をしたいと願った彼女を前にして――― ―――何も、感じなかった。 僕を高揚させ、焦がれさせ、どうしようもなく突き動かし続けたあの熱情は、今や跡形も無く、 消え去っていた。 ―――本当に何も感じない。 まるで通りですれ違う通行人を見るように。 電車内で偶然隣り合っただけの人間のように。 僕にとって”そこに居る”という認識以外の意味を持たない人間に、彼女は変わっていた。
いや、彼女が変わったのではない。 おそらく僕が、僕の内面にあるどこかが、変わってしまったのだ。 ―――理由が分からない。少しも、分からない。 まさか、これは事故の影響なのか? こんな事が―――あるのか。 ある人物に対する心の持ちようが、訳も無く、突然に変わってしまうなどということが。 なぜ――― その疑問の裏に、扉の隙間から覗き込む目のように見えているのは―――恐怖だ。 ―――怖い。 何かがおかしい。 先日の事故以来、何かが食い違い始めている気がする。 なにもかもが唐突で、現実が、僕だけをおいてけぼりにしていく。 交通事故など無かったという事実。 好きだったはずの女の子に、なんの感情も持たなくなったという事実。 然るべき過程の後にやってくる、一つの区切りの意味での”結末”としてはありえるのかも 知れないけれど、そのどちらも唐突に過ぎるではないか。 世界という名の映画館で、僕の見ている映画の内容だけが、突然に前触れなく差し替えられて しまったかのような。 「新田君」 出し抜けに話しかけられて、僕は瘧のように体を振るわせた。 視界が焦点を結び、彼女をはっきりと映し出す。 彼女はいつの間にか顔を上げていた。
真っ直ぐに僕を見つめている。心なしか目が潤んでいる気がする。 薄く開いた唇から、白く濡れ光る小さな前歯が、微かに覗いていた。 何かを言いかけたまま止まってしまった弱々しげな口元にも、僕は何の感慨も抱けない。 「お見舞い、来てくれて・・・ありが・・・と・・・」 必死さの伝わってくるその言葉は、小さくしぼんで、聞こえなくなった。 再びうつむいた彼女のうなじから黒髪が分かれ落ちる。首筋も、熟れたほおづきのような色に 染まっていた。 学校で伝え聞いた、快活で強気な、時に切り捨てるような鋭さを持った彼女の話し振りとは、 全く違う印象だった。 ―――僕はこんな彼女の姿も見てみたいと望んだのではなかったか。 なぜ――― 僕の心はこんなにも凪いでいる。 あまりにも不自然だ。 何度も思い描いたはずの二人きりの場面。それはこれ以上望むべくも無いほど、目の前に 実現しているのに。 もっと舞い上がったり、おたついたりしてもいいはずなのに。 「体の調子、どう?」 落ち着いた、冷徹とさえ言える声が出た。 違和感。 まるでショーウィンドウ越しに、マネキンに話しかけているような馬鹿馬鹿しさを伴っている。 「あ―――うん、大丈夫・・・驚かないんだね。新田君」 「何を?」 「・・・名前、私が知ってたこと。間違ってたら悪いんだけど、こうして話すの、初めてじゃない?」 そこまで話してようやく顔を上げてこちらを向いた彼女の頬は、焚き火のような赤を灯していた。 「うん。初めてだね」 「そうだよね・・・本当、落ち着いてるんだ、新田君。私は今・・・ちょっと緊張してる」
僕だって緊張―――してた。このドアの前までは。 「若宮さん。事故、大変だったね。でも―――」 元気そうで―――元気そうで? 頭の中にあの幻覚が甦る。 首から上以外、解剖される時に誤って傷つけられた、裏返ったカエルのように、完全に損壊して しまった、彼女。 元気そうで? 「―――検査、大変そうだね」 「ほんと、イヤになる」 先程から、彼女は何がおかしいのか、笑顔のままだ。 「もうどこも悪くなんかないのにね、私」 そう思わない?同意を求めるように僕に向けられた笑顔に慄然とする。 「でも先生はちゃんと検査しなさいって言うんだ。―――ガス事故だから」 僕は、見たことがある。この、笑顔を。 「そんなこと言われると、ちょっと怖いよね」 供えられた、笑顔。 何に、あるいは誰に向けられたのか知りたかった、やさしい、親しげで、明け透けな笑顔。 僕の心の中でなにかがピクリと反応したが、それきりだった。 傲慢にも思う。 もっと早く、この笑顔に会えていたなら――― 胸中には、細波すらも立たず。水面に望み通りの気泡が浮かぶのを、待てども来たらず。 「怖い・・・って言えばね」 彼女の顔から、さっと笑みが消えたことにすら、何の心の動きもない。 「私、事故の記憶が・・・曖昧なんだ」
「どういうこと?」 もっとも僕の気持ちを揺るがせるのが、彼女のこんな言葉なのが、何故か悔しかった。 「私ね、事故にあった日―――4日前らしいんだけど―――図書館に行こうとしてた。 塾の課題、やろうと思ってね・・・それで途中の十字路で信号待ちをしてた時、見つけたの」 彼女はとても大切なものを眺めるように目を細めて、あの笑顔に戻った。 「―――あなたを」 まるで、遠く隔たってしまった何かを手繰り寄せるように。 あなた、という大人びた表現は紡がれた。 「変なこと・・・言うね。今度いつこうして会えるかも分からないから、変だけど、言っておく ことにする」 ―――何を? 「私、その時、新田君と目が合った気がした。すぐ逸らしちゃったけど・・・前からこんなこと・・・ 結構なかった?気のせい?」 「―――あった。その日も確かにあった」 考えるまでもなく反射的に答えが出た。 何度も、何度も、それこそ自分では数え切れない程に。微かな視線の重なりだけは、ほとんど 毎日と言っていいくらい。 「そう―――うれしい」 彼女の顔が不意に歪む。ほとんど泣き顔みたいに。 「うれしい」 彼女は繰り返した。 初めてだった。今まで見たこともない、新しい笑顔。 そして気付いた。 ああ―――これは、あの笑顔の、先にある笑顔なのか。
それを見た僕の中で、いままで少しも揺るがなかった心の平静が、突然に崩れた。 ―――瞬間、衝撃。 心臓の中で爆薬が破裂したみたいだ。 濁流となった血が、全身の血管の末端まで押し寄せ、岸壁に打ちよせる荒波のように、ほとんど 物理的な衝撃をもって弾け散った。 ―――何が起きた? 今まで経験したどんなものにも比べるべくもない、圧倒的な恍惚。 目の前にある彼女の姿以外の全てが、靄のように輪郭を失い、遠く、彼方へと過ぎ去っていく。 どこかで聞いたことのある台詞。 「存在とはまるで、視界の隅を過ぎる、最後の神のようだ」と誰かが言った。 ―――それは違った。 彼女は、味気ない薄青の病院着を着て、こんなにも目の前に、存在していた。 やっとそれを、実感した。 漲る血潮に反して、くず折れそうな膝頭。 何なのだろうか、これは? ―――うれしい。 彼女が生きていてくれて、うれしい。 怪我がなくて、無事で、頬が紅くて、意味なく指を絡ませて、伏し目がちで、そうして幸せそうに 笑って―――うれしい。 初めて心底、そう思うことができた。
菊池さんから彼女の無事を聞いて思った。良かった、と。 今はこう思える、うれしい、と。 より利己的で、わがままで、暴力的とすら言える言葉。 でもこの時の意味は、全く違うものだ。 持ちえたことのない感情に戸惑いながらも、今度は、持て余すことはなかった。 決して不快な感じはない。 ごちゃごちゃした感情の配線の中で、クリアな導線が、一本、浮かんでいて――― 「僕もうれしい―――とても」 その内に流れている言葉は、たやすく汲み出すことができた。 ぴくりともしなかった顔の筋肉が、思い出したように自然に笑みの形をとっていくのが、自分でも 分かった。 僕の言葉を聞いて、泣き顔みたいな彼女の笑顔は、本当に泣き顔になった。 言葉はなくて、顔を覆う両掌の間から、しゃくり上げるような嗚咽が漏れる。 まるで童女のようなみもふたもない泣き声。 けれど、泣き崩れた彼女の表情には、決して不幸な感じはしなかった。 好ましい感情の発露に、僕は吸い寄せられるように、ベッド脇に置かれた丸椅子に座った。 彼女の片手が顔を離れ、ベッドの上を、何かを求めるように彷徨う。 僕がその手をそっと握ると、細く柔らかな、節目を感じさせない指が、けれど食い込む程に強く、 握り返してきた。 体温よりも高い、涙の温度を感じた。
762 :
A・I :2007/11/27(火) 18:31:40 ID:X+nX0mx10
>>744 Bチームの活躍でゾンビの数も3分の1以下になった。
「Bチーム撤収!!Cチーム、仕上げだ!!」
もはや人間達の勝利は揺るがないだろう。
「アキラの作戦は完璧だな。12回とも同じ方法で負けたことが無い」
「1回でも負けたら皆死んでるだろ・・・絶対勝たねえとな」
アキラの作戦はゾンビの習性を熟知した、極めて優れたものだった。
大きな音・発光に気を取られるが故に、それらを利用して隙を作る。
乱戦による混乱を防ぐ為に少人数のグループで戦い、皆が疲弊しない内に、
冷静さを保てる内に次のグループに交代する。この繰り返しが確実な勝利を約束して来た。
「最初は上手くいかなかった。何人死んだか・・・」
「でも今は誰も死なない。このやり方が正しい証だ」
<康一さん、完了しました。負傷者ゼロ。周囲も安全です>
<了解。帰ろう>
「そうだ、友人から鶏肉貰ったんだ。唐揚げでも食おうじゃないか」
「ゾンビを殺したあとは3日は肉食えねえ・・・」
「じゃあアキラの分も俺が貰う」
「いや、やっぱり食う!意地でも!半年ぶりなんだ!!」
2人の脳裏からは悪夢の光景は消え去っていた。
END
下手な文章ですが、楽しんで貰えたら幸いです。中間試験やら終わったら、
他の長編を書くつもりです。次の話はまだ未完成ですし・・・
3週間後ぐらいになりますが、宜しくお願いします。
763 :
屍太郎 :2007/11/27(火) 19:12:24 ID:NZWNPIvrO
「……うぁぁああ!!!」 叫びと共に目を覚ましたのは一人の男 男は眼鏡をかけ直し 周りを見渡した あまり広くないタイル張りの部屋 眩しすぎる蛍光灯 無造作に散らばった古い雑誌 壁に埋め込まれたテレビ そして 剥き出しの配管に太い鎖で繋がれた若い女 「おいっ!!君大丈夫か!!しっかりしろ!!」 男は懸命に女を揺らし 呼びかける 「……んっ…んん…」 「良かった…気が付いたんだね」 女の意識が戻り 男はほっと胸を撫で下ろした 「ええと…何で私がこんな所に… ちょっと!!やだ!!何これぇぇ!!」 女は直ぐに足の違和感に気づき 何度も鎖を引っ張ったが 鎖はガチャガチャと音を立てるだけで外れはしなかった 泣きながら一心不乱に鎖を外そうとする女の姿は とても痛々しい そして、男が肩を抱き女をなだめる 「落ちついて!!君の名前は?分かるかい 自分の名前だ!」 「メ…アリ…メアリ…ヘインズ……」 「メアリ…いい名前だ… 僕はヨハン ヨハン・クラウセンだ」 メアリは涙ながらに答え ヨハンも自分の名を語った 「心配いらない… こんな鎖 すぐに切れるさ!だから元気をだして」 「本当に……」 「ああ!!僕はこう見えても大学で史学の講師をしてるんだ!任せてくれ」 本当は自信などないがメアリに少しでも元気を出してもらう為についたとっさの嘘だった 何か鎖を切れるものがないかヨハンが立ちあがった瞬間 壁に埋め込まれたテレビの電源が付いた
あれ?これなんてソ(ry
>>764 お待ちなさい
今は…、今はまだ様子を見るのです…
まだだ…まだわからんよ
767 :
本当にあった怖い名無し :2007/11/28(水) 13:30:12 ID:S6O6XCXhO
中二病作家です。 なんかパソコンからオカルト板どころか2ちゃんねるにアクセス出来ない状態です。 今は携帯から書き込んでいます。 原因不明です。 ちなみにギコナビ使っています。
>>767 他はアクセスできるんですよね?
ギコナビやセキュリティの設定、ブラウザとか色々あると思うんですけどそれらで
アクセスできないとかなら簡単に終わるんですけどそれ以外なら一つ一つ追って原因
探さないと見つからないと思いますよ
中二病様の作品を心待ちにしている者なので早期解決を願っております
769 :
本当にあった怖い名無し :2007/11/28(水) 23:42:07 ID:NcgmBfjW0
>767 板更新してみては・・・
>中二病作家さん 他のブラウザからも書き込めなければ・・・もしかしてプロバイダ規制かも? では、続きです。
彼女が泣き止むまで、僕はその横顔を見つめ続けた。 止め処なく流れ続ける涙で、顔をぐちゃぐちゃにした彼女。 それに気付いた彼女は、恥ずかしそうに顔を背けたが、そんな仕草も、僕にはとても大切な ものに思えた。 泣き止んだ彼女は、喜びと戸惑いの混じった微妙な表情で、僕の方を見ないまま中空を見上げた。 瞳はまだ、涙に濡れている。長い睫毛の上に重そうに乗った、涙の珠が可愛らしい。 戸惑っているのは僕も同じだった。 病室に入る前の胸の高鳴り。 彼女を目にしての無感動。 そして今は、新たな経験したことのない感情の只中にいる。 煮立った湖に浮かぶ氷塊のような感情の名前には、予想がついていた。 彼女が好きだと迷いなく思える。 きっとこれが、これこそが、恋というものなのだろう。 誰から言われるでもなく、風の香りの中に春を、冬を見出すように、自然とそう思えた。 「ああ・・・だめだなぁ・・・私」 彼女はふうっと小さく、熱っぽい息を吐き出した。 「泣くとか、そんなつもりじゃなかったのになぁ・・・」 恥じ入るように言って細い肩を縮こませると、ほとんど子供のように見える。 「でもいいや・・・うれしいから」 何かを吹っ切るように言った彼女の笑顔が、輝きを増したようだった。 僕もそう思う。ちっとも恥ずかしがることなんてない。 彼女がこんなに表情の豊かな少女である事を、僕は知らなかった。 学校内での彼女が、暗かった訳ではない。むしろ活発で明るいと言われる部類に入っただろう。 ただ、何事にもさばさばとした態度の彼女は、時に”冷たい”と評される時もあった。 なまじ容姿が整っていて、男子生徒の人気が高かったために、特に女子生徒の間での評判は、 あまり良くはなかった。それを気にする風でもない彼女の態度も、悪感情を煽っただろう。 故に学校での彼女の顔は、それらノイズを遮断する能力を持った”作られた顔”になっていたの に違いない。 少し想像してみれば、そんなある種の警戒心に満ちた顔が、表情豊かであろうはずもないのだ。 なら今は―――こんなにも感情を表に出し、ともすればそれに振り回され続けているように見える 今は―――とても安心していてくれている、ということなのだろうか。
「新田君」 「何?」 涙の余韻を感じさせない真面目な表情に戻って、彼女は僕の方に向き直った。 その視線にちょっと居住まいを正してしまう。 「私、自分が変な子だって分かってた」 ―――そういうこと言うのは、確かに少し変かも。 「学校で私の話とか聞いたことない・・・かな。いつもつんけんしてて、クラスでの評判も良くない みたいな話」 僕は無言で首を横に振った。 「私ね、ちょっとクラスで浮いちゃってて・・・別に特別みんなに冷たくしてたってわけじゃなかった。 ただどこに行くにも一緒とか、答えが分かりきってる問題にうじうじ一緒に悩んだりとか、 そういうことがどこか煩わしくって、そんなことばかりしている周りの子達から遠ざかっていた っていうのは、あったと思う」 僕の見た、彼女の印象そのままだ。 「私は私で、勉強だって学校の当番や何かだってちゃんとこなしていたのだから、誰に遠慮する こともないって思ってた。女の子からの相談事も、私が思うそのままのことを、真剣に答えていた つもりだった。でも、それが良くなかったみたい・・・」 微かに曇る表情。 「あまり女の子達は私に話しかけてこなくなって、必然的に男子とばかり話すようになった。 彼女達はそれも気に入らなかったみたい。男にばかり媚を売ってる嫌な子みたいな話になって・・・ ちゃんと話してるところを聞いてれば、それが自分達と話す時となにも変わらない態度だって気付く はずなのに・・・でも、そんなこと関係なかった。ただ男子と話しているというだけで、私の女の子の間 での評判はどんどん落ちていった」 「それでもどうでも良かったんだ。学校での評判なんて。そんなことで一々態度を変えてたら、 自分がどんな人間なのか忘れてしまいそうだもの」 彼女はそう言って自嘲気味に笑った。
「それが急に気になりだしたの。視線が―――なんだか気になる人が―――できて。その人がクラス の女の子と話しをしているのを見かけることがあって」 彼女は我慢できないといった風に俯いた。髪がゆれて、甘い仄かな匂いが、僕の鼻先をくすぐった。 「なんだろう、何話してるんだろう。もしかして私のことかな、悪口聞かれたりしたらやだなって、 何でもない風にしながら、内心どきどきしてた。馬鹿みたいだけど・・・私の評判を聞いたりして がっかりとか、嫌なやつだとか思われたりしていたらやだなって・・・」 紅い。彼女はすぐに紅くなる。 「それでやっと、今までの彼女達の気持ちが・・・何でもないことにあたふたしてた女の子の 気持ちが・・・少しだけど分かった気がした。自分が言っていたことを思い出して、ちょっと きつい言い方もあったかなって・・・反省・・・した。でもだからって、じゃあ今から仲良くしましょうって 言うわけにもいかなくて・・・だってそんなことしたら、本当に男子の評判だけ気にしてる子に なってしまうでしょう?」 「だからいいかなって思ってた。そういう機会がなくても、しょうがないかなって。私、こんな子 だから友達だって少ないし・・・というより一人しか・・・いないし。ましてやその、あの―――こ、 こっこ―――」 どもりすぎ。にわとり? 彼女はいつの間にか勝手に窮地に立っていた。額にじわりと汗が滲む。 はじめて見た、彼女の汗。夏の日差しの下でも、気付かない程だったのに。こんなに動揺して。 「その、こっこっこ―――」 養鶏場? どもる彼女、かしこまる僕。変な画。 自然と、何のてらいもなく――― 「僕は若宮さんのこと、好きだ」 言葉が出た。 「こ!?」 彼女は顔を跳ね上げるようにして、僕を見た。もう卵はつきたみたい。代わりに絶句。 にしても・・・”こ”って・・・
「違う・・・その!違わない!えーとつまり・・・私はその・・・途中忘れたけど・・・結局は、新田君は、 私のこと、どう思っているのかなって、それとなく知りたかっただけでっ!」 「だから僕は、若宮さんのこと好きだって」 今度は真っ直ぐ彼女の目を見て。 「あ―――!」 再び絶句。彼女、頭から湯気が出そうなほど赤面。そして硬直、冷や汗。なんか楽しい。 けれどこうも照れられると、自分まで恥ずかしくなってくるから不思議だ。 そう思った途端に、頬が急激に熱をもっていくのが分かる。 「あ」 気付かれたらしい。 「新田君は、時限式なんだね」 何それ、爆弾? 言ってから、しまった、という顔をして俯く彼女。口元から、くーっという変な声が漏れている。 その姿に、つい笑いが漏れた。 自分でもおかしいと思っていたのか、彼女もつられて肩を揺らす。 そうなるともう止まらない。 ―――僕らは、しばらく笑いあった。 不安や戸惑いは、もう無かった。自然と笑いがこみ上げてきて、ただ、楽しかった。 ―――幸せだと感じた。 これが恋愛なのだ。 好きな人と手を取り合い、笑い合う。 そういう形の幸せがあるのだと、僕は初めて知った。
「私も、新田君のこと、気になってた。いつからかは分からないけど、何度も視線が 合うことがあって、いつの間にか・・・新田君のことを意識するようになってた・・・ ちょっと話しをしてみたかったけど、さっきも話した通り、私クラスでそんな感じだから、 新田君にも迷惑かなって、きっかけもなかったし、自分から男の子に話しかけたことなんて 無かったから・・・恥ずかしくて。運良く目が合っても、すぐ逸らしちゃって」 彼女の幸せそうな声。 「この前、事故の時ね・・・気付いたんだ。新田君と信号で目が合って、慌てて目を逸らした後、 私すごく無表情だった。多分機嫌が悪く見えるくらい露骨に。だって目が合っただけでこんなにも 自分の感情が揺さぶられているのが怖くて・・・なのにうれしくてつい、にやけそうになっちゃうのを 必死で我慢して・・・自分は何でこんなことしてるんだろうって。それで―――分かった」 彼女の幸せそうな瞳。 「私、新田君のこと、好きなんだって」 交わした視線よりも、つながれた手よりも――― 「ありがとう。若宮さん」 ―――心が通い合ったことに。
776 :
本当にあった怖い名無し :2007/11/29(木) 00:59:07 ID:hx3GuljP0
ねえ、ここゾンビ小説スレなんだけど?
うん スレ違だよね
ゾンビが好物な僕にとっては良スレww (´・ω・`)
まあ一辺死んでるわけだし、本格的にゾンビスタートするまで待ってみよう
ゾンビ映画でも、前フリ1時間・見せ場30分くらいのものとかあるしね。
お前らバカだな、書いてる人がゾンビなんだよ ノベルスレ残党116さん、すまん、、、楽しんでるから続けてくれ
>スレ住人の皆様 ゾンビ小説スレであること、忘れたわけではありません。 自分でも、この話がかなりの変化球であることは、自覚しております。 荒廃した市街。ゾンビの群れ。響き渡る銃声。といったものを期待 されている方々には物足りないでしょうが、どうかスレの末席にでも 加えてやって下さい。 では、続きです。
僕らは話した。 彼女を見つめるだけだった一年。もっと早く話しかけていれば普通に会話できていただろうこと。 学校のこと。家族のこと。友人のこと。 それらを今この場で、全て取り戻してしまおうとするかのように、熱心にお互いのことを 語り合った。 「―――で、その子、陽子って言うんだ。私達と同い年だけど、本当に小さな子供みたいなところ があって。加減を知らないって言うか、凄く素直っていうか・・・これ見て?」 気付いていた。枕元の棚の上に置かれた大きな藤篭に堆く積まれた、赤々と輝くリンゴの小山。 その横に置かれた僕の花束なんか全然印象に残らないくらい。 「凄いね・・・」 そうとしか言いようが無い。 「でしょ?あと1日2日の検査入院で、こんなに食べきれないって。自分の家でとれたもので、 凄くおいしいし、体にもいいから沢山食べてねってくれたんだけど」 唯一の友人だという、陽子さんのことを語る彼女は、言うほど困った様子には見えなかった。 「自分の家でってことは、その子”村”の子?」 水無瀬市東部に位置する未開発地域を、市街中心部に住む僕ら学生は、単純に”村”と呼ぶ。 近代化された市街部とは違い、村には田園風景が広がり、未だに旧態然とした独自の村社会が 形成されているそうだ。 「そうよ。大鳥居のある北の山があるでしょう?その麓の畑の家の子」 「その陽子さん、僕達と同じ学校?だとしたらずいぶん遠くから通ってるんだね・・・大変そうだ」 「陽子は深青中だからもっと遠いわ。西の今須山の山中にあるから、毎日市内を横断してる みたいなものね」 「うわ・・・僕には無理かな。でも深青に通ってるなんて、頭良いんだね」 「ぱっと見、そうは見えないけどね。体力は有り余ってる感じの子だから、通学距離は全然 気にならないみたい」 手厳しい言葉とは裏腹に、彼女は楽しそうだった。本当に仲が良いんだろう。
その話を聞いて思い出した。きっとあの子だ。 何度か彼女と校門前で話している、他校の制服を来た少女を見かけたことがある。 その子の印象が、彼女から聞く話とぴったりだ。 全体的に作りの小さな、ショートカットで良く日焼けした、健康そうな女の子だった。 猫のように好奇心に溢れた瞳と、細い手足が、なんだか中性的に見えたのを覚えている。 「そうだ、新田君も食べない?確かにおいしいのよ、このリンゴ」 「じゃあ遠慮なく」 篭の中から適当に一つ取ると、いただきます、と無造作に噛り付く。甘い果汁があふれ出して 口元を伝うのを、リンゴを持った手で、ぐいと拭う。たっぷりと蜜を含んだ実は、シャキシャキ とした歯ごたえで、とてもおいしかった。 彼女はぽかんとした顔をして僕を見ていたが、呆れたような笑顔で、篭の脇に置かれた果物ナイフ と小皿を指差す。 「新田君て結構ワイルドなんだね。はい、タオル」 「そうかな?でもこのリンゴ、本当においしいね」 話しながらも一口、二口とかじる。うまい。 「もっと食べる?剥いてあげようか」 咀嚼の最中だったので無言で頷く。 「新田君、陽子と気が合うかもね」 「どうして?」 「子供みたいなところがそっくりだもの」 そう言いながら悪戯っぽく笑って、彼女は果物ナイフを手に取った。 「あ」 「何?」 もごもごと歯切れの悪い物言い。 「手、離そうか?」 言われるまで気付かなかった。相手の体温が馴染んで気付かなくなる程の間、僕らは手をつないで いたのだ。 「ごめん」 手を引く。何か音も無く続いていたものが、ふいに途切れる感覚。名残惜しかった。 「どういたしまして・・・」 彼女の受け答えもどこかおかしい。
さくさくと音をたててリンゴを剥き始めた彼女だったけれど―――どうも手元が怪しく見える。 「大丈夫?」 「平気。ちょっと緊張してるだけ」 動きがぎこちない。時々刃がズルッとリンゴの表面を滑っている。 「痛っ!」 ついにやってしまった。左手親指の先、浮かんだ血の珠が見る見るうちに膨らんで張力を超え、 重力に引かれて流れ落ちる。上掛けに点々と血の跡がついた。 ―――溢れ出る彼女の血。 傷口は小さい。がナイフの先を刺したようで、深そうだ。 彼女がきつく眉を寄せた。僕は慌てて先程受け取ったタオルで傷口を押さえた。小さくうめき声が 上がる。 「ごめん、切っちゃった」 僕はかぶりを振った。 「痛む?ちょっと深いかも」 白いタオルにじわりと血が広がっていく。止まらない。血が流れる。白いワンピースを溶かして、 焼けたアスファルトの上に。どこからか、焦げたゴムのような臭いが漂ってくる。 ―――違う。 それはもう、思い出す必要の無いことだ。 それも違う、だってあれは実際になかった事で、全部僕が地下ガスを吸い込んで見た幻覚で――― 世界が揺れる。均衡を失っていく。 つい今しがたまで満ち足りて、幸せだと思っていた世界は、なぜ、こんなにも脆い。 均衡を失いつつあるのは、実は僕の精神であるのだろうか? 「新田君―――」 声がする。 「新田君!」 目の前に彼女の顔があった。
「大丈夫?顔、真っ青・・・血、苦手だったんだね、これから気をつける」 呆然と彼女の顔を眺める。口が動いていて、声が聞こえる。何を言っているのか、ちゃんと耳に 入っているのに、理解できない。 「う、あ・・・」 何かを返そうと口を開いても、何を言ったらいいのか。口から呻き声が漏れるのを、まるで 他人の声のように聞いていた。 「本当に大丈夫?ごめんね」 そうじゃない。そうじゃないんだ。 「先生呼ぼうか?」 僕は、不思議なんだ。何が不思議かって?決まってるじゃないか。君は死んだんだぞ?僕の目の前で、 悪い冗談みたいな、血の溢れ出す肉の塊になって―――死んだんだ。 ―――いなくなった人間は、決して帰ってはこない。 おかしいじゃないか。 何故、君は、ここにいるのさ? 「新田・・・君」 病室のドアが鳴った。思ったより大きなノックの音に、弾かれたように体を震わせ、僕は我に返った。 心配そうな表情の彼女を見て、猛烈な罪悪感が湧き上がってくる。 自分は一体、何を考えていたんだ。 「ごめん、平気。ちょっと動揺しただけ・・・情け無い」 「良かった・・・どうしちゃったのかと思った」 体中の息を吐き出すような彼女のため息に、再びノックの音が重なった。 「若宮さん?検査の時間ですよ」 僕をこの病室に案内してくれた、看護士さんの声だった。
「残念・・・もう時間みたい・・・じゃあ、いってくるね」 白く瑞々しい素足を病院着で覆うようにして、彼女は足元のスリッパを履くと、立ち上がった。 備え付けの洗面台に駆け寄ると、血に塗れた手を洗いながら、ドアの向こうに呼びかける。 「今出ます。少し待ってください」 僕はその背中に声をかけた。 「傷、ちゃんと見てもらいなよ?」 「うん・・・分かった」 「僕の連絡先、書いて置いておくから」 「ありがとう」 振り返って満面の笑み。なんだ、自分だって子供みたいじゃないか。 「私ね」 彼女は洗面台に向き直って言った。背中越しの声は、なんだか遠い。 「Z症かもしれない」 ―――Z症? 聞いたことが無い。それは・・・病気なのだろうか? 「新田君、知ってる?Z症」 「知らない―――病気、なのかな?」 その問いに、彼女からの答えは無かった。 「怖かったんだ。事故にあってから、色んなことがあやふやになっていくみたいで・・・」 蛇口から流れ続ける、水の音。 「今立っているここが、まるで知らない世界のような気がして。記憶も定かじゃないから、 余計に不安になって」 僕と同じだ。 「でも覚えてた。事故の時の、新田君のこと。それだけは、はっきりと。おかしいよね? ガス事故で記憶があやしくなるくらい意識が朦朧としていたはずなのに。新田君の姿だけは、 網膜に焼きついちゃったみたいに、はっきり覚えてる」 僕も覚えている。臭いまでもはっきりと。
「事故の時、新田君、凄い顔してたよ?何だろう、何もかも無くしちゃったみたいな、 悲しいのか、怒ってるのか分からない顔。丁度、さっき病室に入って来たとき、そんな感じ だった。私・・・新田君のそんな顔見てたら、どうしても元気になって欲しくなって」 彼女は振り返った。涙は見えない、けれど彼女は泣いていた。 「私、笑ったよ。そんなに悲しい顔しないでって、声は出ないし、体も動かなかったけど、 思いだけは伝わるようにって―――笑った―――」 あとは声にならなかった。 よろける彼女に咄嗟に駆け寄って抱きとめ、支えた。 「ありがとう。僕も、覚えてる」 支えられているのは、自分なのかもしれない。 今、はっきりと思い出した。 それが幻覚によってもたらされた、偽りの記憶であろうとなかろうと。 ―――血と肉と骨の丘で、全ての自由を奪われて、取り残されてしまった彼女の首は、 初め取り澄ましたような気の無い顔をしていた。徐々に動かないはずの目じりは下がり、 口元が弧を描き、慈しむような、優しげな、愛しい笑顔へと――― 今まさに死に逝く瞬間に「最期の笑顔」を。 向けられた対象を妬ましくさえ思ったそれは、正に自分だったのだと。 「ありがとう」 胸に、シャツ越しに染み入ってくる彼女の涙を感じた。 僕ら二人の両腕は、互いの背中にまわされた。そこから伝え、伝わってくる気がする。 全てが遅く、終わり、過ぎ去ってしまった後悔が。 終わりを超えて、ようやく始まることのできた奇跡への、感謝が。 今この時があることが、自然の摂理に反した、いかにおぞましいことであろうとも、この こと自体を奇跡と呼ぶことは、きっと許されるに違いない。 そう思った。
なんとかなりました。 セキュリティソフトがいつの間にか弾く設定に変わっていたみたいでした。 では、再投下をば。 即座に屈強な武装警備員が姿を現し、金田を連れ去っていった。 市長に目を移すと既に資料を参照に刑罰の算定に移っていた。 「詐欺罪に全てが抵触・・・・・。脅迫罪も71件。暴行罪が53件」 数枚目の資料に既に目を移していた。 「7名を自殺に追い込んでいる・・・・。第三級殺人罪を適用・・・・・」 え?第三級殺人罪? そんな罪状は元の世界には存在していなかった。 やはり違う世界なのだと再認識させられる。 市長を見れば電卓での計算に移っている。 「詐欺罪が一件につき社会奉仕活動200時間・・・・計14200時間・・・・」 確認するように小さくつぶやきながら計算を続けている。
「暴行罪が一件につき社会奉仕活動500時間・・・・計26500時間・・・・ 小計で社会奉仕活動が40700時間・・・・・。社会奉仕活動1万時間に付き2日だから・・・・ 8日と社会奉仕活動700時間・・・・・。第三級殺人罪は1件につき5日だから・・・・35日・・・・・。 裁定は43日の追放刑と700時間の社会奉仕活動ですね。ですが、彼はこの地に来てまだ数日・・・・・。 逃げ回る土地勘も無いとしまして・・・・特例として執行猶予期間を社会奉仕活動で40万時間消化してください」 刑事に拘束されている木村は頭に?マークを浮べていそうな表情だ。 無理も無いと思う。 俺もピンと来ない。 ポケットから電卓を取り出して計算してみる。 1日8時間の社会奉仕活動をしたとして・・・・・・40万時間ってのは・・・・5万日!? ってことは・・・・・約136年!? 一生の活動を拘束する執行猶予か・・・・・。 「1週間の最低社会奉仕活動強制時間は40時間です。これを下回った場合、 正当な理由や医師による一時的ドクターストップの診断書が無ければ実刑に即座に移行します」 相変わらず、木村は理解できていない様子だ。
市庁舎から出て最初に目に付いたのは共に逃げ延びてきた今岡 健二とか言う初老の男が何かに憤慨している所だった。 「社長、落ち着いてください」 彼をなだめているのは武田 左近とか言う男で今岡の会社の社員とか言っていた。 「何かあったんですか?」 「な、何かあったもんてものじゃない!!」 うおっ!? 何で俺がこんなオッサンに怒鳴られなきゃならないんだ? バサバサッ! さっ、札束!? トランクの中から床に落としたのは札束だった。 一千万以上はある。 「わ、私の今もっている全財産が、全て紙屑になってしまったんだ!!」 「・・・・・・・え?」 「つまり・・・・・」 武田さんが俺に説明してくれた。 「このトランクに入っていたのはE券と呼ばれるタイプの一万円札の束で2004年に発券された紙幣です。 しかし、この世界では新紙幣は発券されずに未だにD券と呼ばれるタイプの旧紙幣を使用している・・・・・」 なるほど・・・・。 この世界では発券されていない紙幣だから無効と言うことか・・・・。 ・・・・・ん? ちょ、ちょっと待てよ・・・・・? 大慌てで財布の中を見る。 一万円札が4枚、五千円札が1枚、千円札が7枚入っている・・・・・。 「・・・・・これとこれとこれは・・・・無効ですね」
げっ・・・・・。 俺が使える全財産って、一万七千円かよ・・・・・。 しかし、これから住む場所は金が要らないから安心だった。 市長が手配してくれたこの一行用の居住スペース。 雑居ビルを改良した居住エリアで基本的に一人一部屋。 俺はキャサリンとの仲を市長に見抜かれ、夫婦用の少し大きめの部屋にキャサリンと住むことになった。 さて、明日から職安通いか・・・・トホホ・・・・・・。 って・・・・・なんか騒がしいな・・・・・? 騒ぎの元を見てみる。 あっ・・・・この世界の人と木村が喧嘩してる・・・・・。 ひで・・・・木村が何人もの人達にフルボッコにされてる。 ちょっと木村に同情した。 しかし・・・・あいつも馬鹿だ。 せっかく市長が特例で執行猶予にしてくれたって言うのに・・・・・・・。
現在472KB ところで中二氏、木村って誰?
中二さん、乙、wktk 木村って誰だっけ?
796 :
本当にあった怖い名無し :2007/12/01(土) 00:06:02 ID:7k5QikA50
ほしゅ
ノベルスレ残党116さんのストーリーも、いよいよオカルトな香りが…村とか、冒頭から繋がるZ症とか。楽しみ。 作家さん、皆個性がありますな!
798 :
本当にあった怖い名無し :2007/12/01(土) 20:45:28 ID:88m5WofzO
中二病作家です。 アクセス規制に巻き込まれました。 しかし、表示されたホストが全く見知らぬアドレス・・・・
ゾンビ禍より謎に満ちた国際電話接続・・・?
800 :
本当にあった怖い名無し :2007/12/01(土) 22:04:46 ID:CiBoNbLa0
浮上
待ってます
新スレ立て時かね?
投稿しますね 重ならないことを願います・・・ 駄文お許しください
「これまた・・・随分面白い、もとい奇妙なことになってるな」 双眼鏡を更に眼に押し付ける 「ふむ・・・せいぜいが小走り。平均は早歩きといったところか?」 相変わらず、部屋の入り口である鉄の扉はガンガンと耳障りな音をたてている 木の扉であれば、とうに破られていたであろう 「情報は聴覚・・・それと視覚、あるいは嗅覚といったところだな」 扉には、念のためであろうか。大きめの食器棚がかけられている 今朝起きればもう全ては始まっていた 何時、何があったのか 点けっぱなしのテレビから流れるのは緊急放送ばかりだ その内容も曖昧なものである テレビの反対側で光っているノートパソコンからもたらされる情報の方が、何倍も有益であった 「しかし、これは困ったな。ある程度篭城はできるだろうが、長くは保たん。第一、集まれば厄介だ――まぁ、奴らの大半が階段を上るということを知っていればだが」 ようやく双眼鏡を眼から離した ベランダの手すりに腕を置き、しばらくその光景を眼に焼き付ける 「全く、映画でもあるまいに」 ぽつりと呟いた一言 その一言の中に、明らかな呆れが見える 「・・・起こしに行ってやるか」 そのまま左へ踏み出した
そこには本来、ベランダとベランダとを仕切る板――緊急時には破れるようになっている――があるはずなのだが、そんなものは入居初日、彼女によって撤廃されていた 窓の鍵は開いていた そのまま部屋へと踏み込む 部屋の扉にきっちりとチェーン・ロックがかけてあるのを確認し、机に突っ伏して寝ている青年に近寄る そのまま、脚を高く振り上げ――踵落としを叩き込んだ 苦渋の悲鳴と共に跳ね起きる人物――青年。理知的な雰囲気を漂わせてはいるのだが、寝癖と頬に印刷された模様――何かの数式だろう――が、それを見事に相殺していた 「もう少し・・・丁寧かつ優しく起こしてよ・・・・・・」 当然ながら文句の1つも出る だが、その言葉の中にはかなりの諦めが覗いた 「それと、服も着て」 その言葉を残し、青年は頬をごしごしとこすりながら洗面所へ引っ込んでしまった 青年が指摘したのも無理は無い 何故なら、彼女は全裸であったからだ 唯一身に纏っているものといえば、首から垂らしたタオルであろうか まだ完全に乾ききっていない髪が、ぺとりと首筋から背中へと張り付いている ぱっと見容姿端麗であるだけに、その光景は扇情を催す反面、彼女の雰囲気を壊滅的なまでにぶち壊していた 「ふむ、それもそうか」 その呟きと共に、テレビに引っかかっていた“彼女の”下着をつまみあげる 何故男性である彼の部屋に女性たる彼女の下着があるかというと、別にそんな関係ではなく、単に彼女が普段からこの部屋に出入りしているからであった 傍迷惑な状況である 青年の性格であろう、きっちりと整理整頓されたその部屋を荒らすのは、いつも彼女であった そもそも、彼が来るとわかったからこそベランダを仕切る板をぶち抜いたわけなのだが 何度も説教をされながら直されたものの、次の瞬間には再度ぶち抜かれていた。まるで学習能力の無い生物のごとく、けろりとして壊すのものだからもうすっかり諦めていた
やがて、洗面所から青年が進み出てくる 洗面所に行ったはずなのに寝癖が直されていないことはともかく、大分すっきりとなっていた 「で、どうしてまだ下着なわけ?」 冷蔵庫から手近なお茶を出しながら、ささやかな疑問をなげかけた それに応えるのは、鼻から漏れた溜め息。それに続く言葉 「たく、随分平和だなぁおい」 その唇から紡ぎだされるのは男口調 しかし、通常なら違和感を感じるはずのそれが、何故か彼女にはしっくりときていた 「いやいやいや、時間的にもそろそろヤバいですよ? 今日はレポートの提出日じゃありませんでしたか? まさかとは思うけど自分で仕上げた? じゃあ今日は見せてあげなくてもいい?」 その唇から紡ぎだされるのはやはりというか、雰囲気を相殺する口調 「馬鹿。外を一旦見てみろ」 双眼鏡を投げ渡す 青年が外を眺めた 「何だこりゃ?」 そうボヤいたのも訳は無い 彼らの住まうマンションから見える光景は、まさに地獄絵図であった あたり一面を浮浪者はよたよたと歩き、必ずどこかに怪我をしてて、血塗れだった しかも浮浪者はそれ以外の人間を追いかけ、集団で襲い掛かっている より一層自分が正常であることを疑わせるものは、浮浪者共が追い詰めた人間を“食して”いる所だった 飛び散る血しぶき、浮浪者の口内へと消えゆく肉片 襲われた人間は浮浪者同然の格好となり、虚しく血に伏していた 別の場面へ眼を向ければ、そこには起き上がる浮浪者 路上は血の色に染め上げられ、嫌でも吐き気を催した
「大規模な災害? それにしてはおかしいけど・・・。これじゃあまるで――」 「うむ、まさにゾンビ映画だな。ちなみにあれは正真正銘のゾンビだ」 「ゾンビ? そんなものはこの世には存在し得ないぞ。そもそもどうやって動いてるんだ? これは何かの撮影じゃないのか?」 「いや、全国で同時発生してやがる。テレビでは『暴動』なんて云われてるようだが、こりゃあ間違いなくゾンビだ。 そもそも正常な人間が人間を襲って喰うとでも? はっ、いつ人喰い民族が大量に日本に侵入した? しかも襲われた人間がまた人間を喰うのはどういうことだ? どう考えても、これはゾンビ発生だろ。ゾンビショック、とでも呼称するか?」 「いや、有り得ない・・・。そもそも、いつ発生した? 全世界同時発生か? 原因は? いや、こんな短期間では原因特定は無理か。見たところ、身体が傷ついても倒れたりはしない・・・、頭部か首を破壊しないと殺せないのか? いやいやまるでゲームだぞ」 ぶつぶつと呟く青年。何かを呟くことで必死に自分の常識を保とうとしている。いや、今までの常識にしがみつこうとしているのだろう 「多分全世界だな。発生が少ない今のうちに移動するぞ。下手に立て篭もってどこぞの映画のようになるのは御免だ」 その言葉を残し、自身の部屋へと戻る 扉の向こうからは、未だに叩くような音――今や、叩きつけるような音に変化しているが――が響いていた 手早く鞄を用意する その中にひたすら詰め込む。長期保存可能な食料、衣料品、水、氷、布、生理用品、下着、簡単な文房具、トイレットペーパー。 クローゼットの中を漁り、奥に仕舞われていた黒い箱も詰め込む ライター数本、ハンマー数本、ドライバー。 ノートパソコンをパタンと閉じ、ケーブルと共に押し込む。 服を着ながら、青年の部屋に入る 「何をぐずぐずしている。とっとと準備しろ」 手近なジーンズを穿いた
青年がむすっとした顔で応じる 「いや、準備は終わったよ。必要と思うものは準備した。だけど、どこに逃げ込む?」 「ショッピングセンターに逃げ込むさ。あそこなら広い上に食料品やらもあるだろう」 「移動は? 荷物持ちながらだと、奴らに追いつかれると思う」 「車を奪う。下の駐車場行くぞ」 有無を言わさず、部屋に帰る 青年が慌てて追ってきた 荷物を持ち上げ、大事なことに気がつく 「・・・そういえば、入り口が封じられていたな」 彼女の視線の先には、扉を叩く音 なぜこの部屋だけに固執しているのだろうか 「ふむ・・・・・・」 ベランダを眺める 3階からなら、飛び降りれないことも無いだろうが・・・ 「危険すぎるな」 「いやあの? どうやって移動するの?」 「しょうがない、お前の部屋から出よう」 「え? 追いつかれて喰われるオチしか見えないんだけど」 「奴らはせいぜいが小走り程度だ。平均は早歩き。この間数時間ぶっ通しで映画を見せただろうが。あの調子で行くぞ」 「うわ、あの悪夢の日が脳裏にまざまざと蘇ったよ。ところで、それって、どっちかが囮になるっていう?」 「馬鹿。開けた瞬間に全力疾走だ」 ベランダから外を眺めた 幸いというか。このマンションの傍には寄ってきてはいない 双眼鏡を眼に押し当てる ホームセンター・・・だろうか。どうもその周辺に集まってきているようだった 「早めに移動すべきだ」 「・・・そいつが去るまで篭ってるのは?」 「ショッピングセンターに集まられると困るのでな。できるだけ早いうちがいい。ホームセンターに篭ると物資が尽きるのは眼に見えている」 「・・・・・・・ショッピングセンター内に入り込んでいなきゃいいけどね」
青年の部屋へ移る 「そういえばお前、電動ガンは持っていないのか?」 「この場合あっても無駄だと思うんだけど」 「馬鹿。対人相手には有効だろう。何より怖いのは人間だぞ」 「はぁ・・・。まぁ、どっちみち持ってないけど」 「先で手に入れるしか道は無いか」 チェーンを外そうとするも、鎖をじゃらじゃらと鳴らすばかりだった チェーンを青年が奪い取り、平然と解除する 彼女はややむすっとしたが、気を取り直したようにドアノブに手をかけた 「ではいくぞ、1、2の3だ」 「はいはい」 「気の無い返事だな。まあいい。トイレは済ませたな? では良いな。1、2の、3!」 扉が勢い良く解き放たれた 鈍い音が響いた
wktk
811 :
本当にあった怖い名無し :2007/12/03(月) 12:28:03 ID:PwS96LvrO
相変わらずアクセス規制に大絶賛巻き込まれ中の中二病作家です。 なんだよppp.asahi-net.or.jpって……。 そんなアドレス見たことすらないってのに……。 フシアナに引っかかった時だってちゃんとしたアドレスが表示されていたのに……。 むかついたので抗ヒスタミン剤飲んでふて寝してきます(;_;)
久々に作品投下! ・・・と思ったら、こっちもアクセス規制。
せっかくの皆さんの投稿が読めないのは泣きそうなんですが 中二さんがフシアナ経験有りでちょっとウケたwスマソw
規制はうざいですね
>679 の続きです。 西田は今までの経緯を話した。 「…なるほどな。 昔映画で見た事のある内容だ。 それが現実に起こっているという事か」 「ええ、私達が経験した事を踏まえても間違いないと思います」 「ふむ…」 老人は、顎をさすりながら考え事をした。 「先生! 奴らです!」 長身の男が老人に駆け寄ってくる。 「来たか… 君達もきたまえ。 しばらく休め」 気が進まなかったが、今すぐに動ける自信が二人にはなかった。 ロビーにあるエレベーターで最上階の10階まで上がる。 老人は長身の男に後は頼むと言って別の事務所に入っていった。 「なぜオレ達を助けてくれるんですか?」 オレは長身の男に率直に質問した。 「なぜって? 助けるのに理由がいるのかい?」 男は淡々と質問に答えた。 「自己紹介がまだだったね。 私は高橋。 長居先生を守る任務に就いている」 任務? もしかしてSP? 「私は西田です。 もしかしてSPの方ですか?」 オレが聞こうと思ったのに… 「まぁ、そうだね」 「オレは川本です。 よろしくお願いします」 「こちらこそ。 さ、こっちで休んでください。 飲み物持ってきますから」 老人が入っていった事務所とは別の事務所に案内された。 案内された先は応接室のようだ。 「落ち着くまでゆっくりしててください」 そう言いながら高橋は応接室から出て行った。
「本物のSPなんて初めて見たぜ!」 西田は嬉しそうにはしゃいでいた。 しかし、なぜこんなところに居るんだ? 重要人物なら自衛隊がヘリででも迎えにくるんじゃないのか? 長居… この街にそんな代議士居たかな… 長居… 長居… 「…本! 川本! 聞いてるのかよ」 西田がオレの肩を揺すった。 「ん、あぁ聞いてるよ」 それにしてもSPの割には腕が悪い… SPだったら射撃訓練もやってるはずだ… とても急所を狙ったとは思えない… 「西田、此所を早く出よう」 「ん? なんでだよ」 「おかしいと思わないか? SPにしては腕が悪いし、SPが付く程の人物ならとっくに避難しているはずだろ?」 「… 確かに… 急所を狙ったとは思えないな… でも…」 かちゃ。 「ホットコーヒーでよかったかな?」 高橋が飲み物を持ってきてくれた。 とにかく早めに此所を離れた方がよさそうだ。 「あ、はい。 有り難う御座います」 オレ達は、高橋をまじまじと見ていた。 「ん? どうしたんだい? なにか付いている?」 高橋は凝視されているのに気付いたのか顔をさすった。 「君達の持っている銃はおもちゃではないよね。 どこから持ってきたんだい?」 「猟に出掛けてるんです。 自分で買った銃ですよ」 西田は笑顔で答えた。 「高橋さん達は何故避難しなかったんですか?」 高橋の表情が一瞬曇ったように見えた。 あ、核心聞いちゃったのかな? オレって馬鹿… 「自衛隊は民間人を先に収容しているからね。 君達こそ何故避難していないんだ?」 高橋は笑顔で答えた。 しかしどことなくぎこちない感じだ。 「食べ物が無くなったんで探しに来たんですよ。 そうしたら襲われて…」 言い終わる寸前にドアをノックする音がした。 「失礼します。 高橋さん、ちょっと…」 「ん、ちょっと失礼するよ」 そういって高橋は部屋を出て行った。
「おい、川本。 胸のバッチ見たか?」 西田が小声で話しかけてきた。 「ん? バッチ? 見てないけど… バッチがどうかしたか?」 「ガソスタの二人もあのバッチ付けていた…」 「まじ!? どういう事だよ。 政治家じゃないのか?」 「かもしれん。 その筋の人達じゃないかと思う」 (((( ;゚д゚))))アワワワワ その筋って… 「まずいじゃんか… 武器取られて殺されるんじゃ…」 その頃、長居の事務所では… 「なんだと! うちの者が二人やられた!? 誰にだ! この街に残っている組織はうちだけのはずだ!!」 長居は大声で無線機に怒鳴りつける。 そこへ高橋が入ってきた。 「先生、よろしいですか?」 神妙な面持ちで話に分け入る。 「後にしろ! それどころじゃないんだ!」 「いえ、二人やられた件についてです。」 「なんだとぉ!! なにか分かったのか!?」 「…はい」
「おい、川本。 胸のバッチ見たか?」 西田が小声で話しかけてきた。 「ん? バッチ? 見てないけど… バッチがどうかしたか?」 「ガソスタの二人もあのバッチ付けていた…」 「まじ!? どういう事だよ。 政治家じゃないのか?」 「かもしれん。 その筋の人達じゃないかと思う」 (((( ;゚д゚))))アワワワワ その筋って… 「まずいじゃんか… 武器取られて殺されるんじゃ…」 その頃、長居の事務所では… 「なんだと! うちの者が二人やられた!? 誰にだ! この街に残っている組織はうちだけのはずだ!!」 長居は大声で無線機に怒鳴りつける。 そこへ高橋が入ってきた。 「先生、よろしいですか?」 神妙な面持ちで話に分け入る。 「後にしろ! それどころじゃないんだ!」 「いえ、二人やられた件についてです。」 「なんだとぉ!! なにか分かったのか!?」 「…はい」
Wカキコすんません。 「… 彼らが… 間違いないのか?」 長居は頭を抱えたまま動かない。 「間違いないようです。 頭部に銃痕がありました。 口径から見ても彼らの銃から発射されたものです」 長居は頭を横に振った。 「どうしますか? まさか、このまま帰すつもりですか?」 高橋は長居に詰め寄った。 「…解放してやれ。 彼らだって生きるのに必死なんだ… 見逃してやれ」 「しかし!」 「馬鹿もん!! 一般人を巻き込んでどうする!! 」 「ぐっ…… 分かりました…」 「それとハンドガンの弾を少し分けてやれ。 この世界を生きていくのに必要なモノだ」 「武器まで渡す必要ないでしょう!」 「お前達は恩を仇で返すのか!? あの時、彼らが居なければもっと被害は拡大したはずだ!」 「ですが…」 「分かったのなら早く準備をしろ」 そう言うと長居は席を立った。 「今の内に逃げた方がよくね!?」 西田はドアに耳を付け外の様子を伺っていた。 「いや、無理だな。 ドア前に一人いる」 Σ(`Д´ )マヂデスカ!? 「逃げられんのか… 二人を殺ったのがばれなきゃいいけど…」 「しっ! 誰か来る」 西田は慌ててソファーに座る。 そして何事もなかったようにコーヒーを飲んでいた。 がちゃり… 長居が入ってきた。 「多少は疲れも取れたかな?」 そう言いながらオレ達の前に座った。 「さっきは君達のおかげで助かったよ。 あの後に侵入してきた奴らも処分しておいた。 君達の情報は正しかったようだ。 感謝するよ」 長居は軽く頭を下げて礼を言った。 「君達にこんな事を聞くのもなんなんだが… 実は偵察に出た二人が帰らないのだよ。 なにか心当たりはないかね? もし知っていたら些細な事でもかまわない教えてくれないか?」
やはり来たか。 知っているんだ… この人はオレ達が殺ったのを知っているんだ… 「あ… あの…」 オレは震える声で答えようとした。 「はははは! すまない。 君達が知っているはずがないな。 はははは!」 長居は突然大声で笑い出しオレが喋るのを遮った。 オレ達を助けてくれるのか? 仲間を殺したのに? オレ達は顔を見合わせた。 「すまんすまん。 自分で何を言っているのか分からなくなってしまったのだ。 それとさっき君達に頂いた情報の代金だ。 受け取ってくれ」 そう言って一緒に居た男に合図をした。 鞄から取りだしたのはホルダ二つと箱二つ。 「私のSPが使っているモノだ。 肩にぶら下げるホルダと弾丸だ。 弾も沢山持たせてやりたいんだが、我々のストックも心許ないのでね。 これで勘弁してくれ。 では、私はこれで失礼するよ。 出るときはそこの男に言ってくれ。 解錠するから」 長居は部屋を出て行こうとドアに手を掛けたところで立ち止まった。 暫く立ち止まっていたが、ふいに振り返りオレ達の後ろ側に回り込んできた。 ま…、まさか後ろからズドン… そんな思いを巡らせていると 長居は小声で話しかけてきた。 「高橋に気を付けろ」 これだけを言って部屋を出て行った。 オレ達は頂いたモノをリュックにしまいすぐに行動を開始した。 エレベーターは使わずに非常階段を使い下に下りた。 下りる最中にホルダを装着。 臨戦態勢に。 三階から下へは行けないように目張りが施されていた。 別の階段を使わなければいけないようだ。 此所には監視カメラが設置してある。 それに我々の姿が映ったのだろう。 解錠音が非常階段に響き渡る。 「行くぞ」 西田は小声でオレに告げた。 オレはこくりと頷く。 ドアの外の音を確認。 奴らの歩行音は聞こえない。 オレ達は静かにドアを開け、3階に侵入した…
新しい作者様も増えて活気づいてきましたね。 皆様の投稿ペースはとても速くてすごいなぁと感心しております。 少しずつですが、最後まで書き上げたいと思いますので 宜しくお願い致します。 (=゚ω゚)ノジャ、マタ!!
822 :
K :2007/12/04(火) 23:34:52 ID:J4WYN/Pu0
715書いたものです。 短編投下します 川見健太25歳の場合 10月2日俺はいつものように家で休暇を過ごしてた。 その朝はとても静かだった。俺は、朝食を作るのが面倒だったからコンビニへ行った。 道中人一人にも会わなかった。俺は、コンビニに入って適当に弁当と飲み物を買った。 帰り道人が倒れてるのを見ておれは声を掛けた。 「大丈夫ですか。」
823 :
K :2007/12/04(火) 23:43:11 ID:J4WYN/Pu0
倒れていた人は大量に血を流していた。 「うあ・・・うあーーー。」俺はそれを見て大声で走り去った。 確かに酷いと思う。しかし、始めて死体を見て冷静に対処できる奴はいるだろうか。 俺はアパートまで走った。「ぎゃー」俺は目を疑った。目の前で人が食い殺されている。 (何なんだいったい・・・)俺は必死に頭の中で考えをめぐらせた。 すると人を食い殺しているやつがこっちを向いた。 やばいどうしよう・・・
824 :
K :2007/12/04(火) 23:50:55 ID:J4WYN/Pu0
俺はどうしようか迷った。警察を呼ぶべきか、逃げるべきか・・・ その人殺しは俺の方によってきた。「落ち着いてください。話せばわかります。」 そいつは話を聞こうとせず俺に噛み付こうとした。俺は咄嗟に避けた。 (くそ・・・話が通じてないなこいつ・・・) 俺はいったん家に入って鍵を閉めて携帯で警察に連絡をした。「けいさつですか。家の前に人殺しがいるんです助けてください。」 「場所はどこですか。」「OOのOOOOです。すぐ来てください。」 そして10分ぐらいでパトカーのサイレンが聞こえてきた。 助かった・・・
825 :
K :2007/12/05(水) 00:06:18 ID:w14DrwK70
何とか警察の人が捕り押さえてくれた。その捕り押さえた人の手から血が出ているのに気づいた。 気がつけば周りにやじ馬がいた。 それからおれはその場で事情を聞かれて明日調書を取るので警察署に来てくださいと言われた。 俺はその日の夜全然眠れなかった。 次の日の朝の7時に起きた。俺は着替えて早速警察署に行った。ついた時間は8時ちょっとすぎだった。 「あのー昨日調書にくるように言われた川見なんですけど・・・」 「はい、私についてきてください。」言われた通りについて行った。その部屋で俺はそのときのことを詳しく聞かれた。 終わった時間は10時くらいだった。警察署の入り口では何かあったようで忙しく警察官達が出て行っていた。 そして俺は街の中心にある書店に行っていた。周りでは盛んにパトカーなどのサイレンが聞こえてきた。
826 :
K :2007/12/05(水) 00:25:02 ID:w14DrwK70
書店につくと時間は11時をすぎていた。適当に店内をぶらついて時間をつぶして11時30分に店を出た。 店を出ると昨日見た光景をまた見た。俺の目の前で人が喰らいつかれて喉元から血の噴水が吹き出た。 周りでは同じような光景が見られた。サイレンや人の悲鳴しまいには拳銃の発砲音が聞こえてきた。 俺は急いで逃げた。とりあえず安全なとこに行きたかった。急いで安全そうな警察署に行った。 途中人が何人も殺されるのを見たが構っていられなかった。その中には警察官の人もいた。 やっと警察署について入ろうとしたとき、中から出てきた警察官にぶつかって倒れた。 「大丈夫ですか。すいません。」「いえ、こちらこそすいません。」 生きている人に会えてよかったと思った。確かに逃げている途中にも生きている人はいたがほとんどがまともじゃなかった。 「あの、名前を教えてください。」俺は自分でも何を言っているのかわからなかった。 その人もその質問に驚いた顔をしたが、「私は田村仁です。」 といってその人は急いで走っていった。
827 :
K :2007/12/05(水) 00:42:32 ID:w14DrwK70
警察署に居て少ししたらあの殺人者が来た。正面玄関にいた警察官が何とか止めようとしているが阻止できず入られた。 「うあーーゾンビだーー。」誰か避難した人が言った。俺は怖くなって別の入り口から俺は急いで逃げた。 逃げていく途中掴まれそうだったが何とか避けた。近くの友人の家に逃げようと急いだ。 その友人の住んでいるマンションはセキュリティーがしっかりしていてまだ安全だった。 俺は急いでエレベーターのボタンを押していた。チーン。お、やっとエレベータが着いたか。 俺は急いでエレベータに乗ろうとしたら中からあのゾンビが沢山出てきて俺を押し倒して噛み付いてきた。 「ぎゃーーーーー」 END
828 :
K :2007/12/05(水) 00:47:51 ID:w14DrwK70
投下させてもらいました。 これからも少しずつ投下させてもらいます。 今後よろしくお願いします。
Kさん 話的には楽しみなんですが…… 語尾が『だった』とかで締めくくられていて、読みにくく、文が稚拙に見えてしまいます。 気を付けた方がよろしいかと……
ほんと稚拙だ。 つまりもっとたくさん考えて推敲して書いてここにうpして練習しろってこった。wktk
wktk
他の板で書き込めたのでテスト。
「はぁ・・・・・」 今日も仕事が見つからなかった。 あれから2週間が過ぎている。 当面の食料は市長が仕事が見つかるまでの間の食券(この世界の生活保護システムらしい。現金の代わりに食糧配給券 を配布。月に一定時間の社会奉仕活動が義務付けられている)を俺達全員に取り計らってくれた。 そのおかげで食うには困らないが仕事がなかなか見つからない。 職安には確かに仕事と求職者が溢れている。 しかし、漁船乗組員とかリサイクル工場とか、どうしても経験者が優先採用されて行く。 一般の職場からの雇用登録は殆ど無いらしい。 「今日も駄目だったのかい?」 職安から出てきた俺に声をかけてきたのは武田さんだ。 「あははは・・・・・」 「おやおや、まるで世界が滅亡したような顔をして・・・・」 「殆どしてますよ」 確かにこの世界は滅亡寸前で踏みとどまっている。 「実は、君に仕事の口があるんだが・・・・」 「えっ!?」 一瞬、あのオッサンの部下になるのかと思った。 「安心しなさい。あの男の部下ではないよ」 「えっ?」 「あのオッサンは、全財産が紙屑になって高級マンションからあんな小さな部屋に・・・・・ ショックでほとんど廃人だよ」 えと・・・・この人、ついこの間まで言う事なんでも聞いていた人をオッサンよばわり・・・・・? 「全く、もう少しじわじわ追い詰めたかったってのに・・・・・」 こ、この人・・・何気に凄い事言っていないか?
ゴゴゴゴゴゴゴッ・・・・・・・。 そこは機械が唸り声のような低く響く音を立てながら稼動していた。 機械油と金属の臭い。 その倉庫の中には自分達の窮地に姿を現したトラックがズラリと並んでいる。 機械の唸りは整備用の機械の移動する音のようだ。 あ、市長がいた・・・・。 う〜ん・・・・市長、こんな油で汚れる場所にスーツで来なくても・・・・・・。 そう思いながらも市長の説明を聞いた。 なんでも現在行動中の資源回収班の一台が消息を絶ったそうだ。 この世界はゾンビのせいで捜索隊の派遣も出来ず、回収班を見捨てるしか方法は無い。 しかも危険な仕事の為に高給だがなかなかなり手が無く困っているそうだ。 聞けば武田さんを始めこの世界に来たメンバーの大半が既に参加を決めているらしい。 「出来れば明日までに返事が欲しい。次の作業までに訓練を受ける必用があるから・・・・」 市長の説明と資料を貰い、その日は帰路についた。 キャサリンとの相談はしばらく長引いたが結局はキャサリンが折れてその仕事を引き受けることにした。
訓練は航空機の滑走路を利用して行われた。 航空機は自衛隊が統治する離島政府がある島との行き来や他の滑走路のある隔離都市との重要な 移動手段らしい。 半島を利用した隔離都市は大なり小なり日本に幾つか存在する。 その中でも伊豆隔離都市は最大級の都市らしい。 ゾンビが発生して半年もしないうちに自衛隊は本土を放棄して北海道や四国、 その他の離島に撤退し本土との移動経路を破壊した。 事実上の本土の生存者の見殺し。 それに反発した一部の自衛隊員が武装を持ち出し本土へ帰還。 生存者を集めながらゾンビを何とか退けながら居住区を確保。 その後、万人単位に膨れ上がった生存者は数百人の犠牲者を出しながらも巨大なコンクリートの壁を建造。 伊豆を拠点に各地を転々とした自衛隊脱走者達は生存者を救出しながら隔離都市を建造したとの事だ。
待っていましたw wktk
投下しますね 中二病作家さんの後だと肩身が狭いです・・・ コンクリートに何かを打ち付けられる音。跳ね返る扉の音 ほぼ同時に響き渡った 「・・・あ?」 彼女がじっとその先を見つめる 青年も、呆れたように見つめていた 視線の先には、床に打ち捨てられた肉塊 肉塊はコンクリートの床の上でじたばたと暴れ、手足を意味も無く振り回している 青年が扉の廊下側を見やる。そこには、新たに浅い凹みと血でできた抽象画が描かれていた 「・・・・・・・。どうやら、扉を開けるタイミングとこのゾンビのぶつかるタイミングが丁度良かったみたいだね」 雰囲気に合わずゆったりとした口調 彼女が横の扉――自分の部屋の扉を見る そこには浅い凹凸と、血でできた跡。全身で突進していたらしい そして、今その部屋の前にゾンビが居ないということは 「さっきの鎖の音に反応したのかな。まぁ、ミッションコンプリートということで。急ごうか」 すたすたとエレベーターへと歩く青年。その後を追いつつ、 「幸運だな・・・」 未だ廊下でもがき、新たに魚拓――いや、人拓といったほうが正しい――を描き続けているゾンビを見やった その出来事は“幸運”という言葉で片付けるには余りに大きすぎた 階段を使うか、エレベーターを使うかで非常に迷った 階段の方が安全だろうと思い階段への扉を目指したのだが、ガラスの向こうにゾンビがたむろしているのを見て、エレベーターに変えることにした