>>464 の続き
ロマスとナイトがフリーメーソンリーに加入したのは、純然たる好奇心からだった。その儀式の起源を知り
たいと考えたのだ。一般に、フリーメーソンリーは中世のギルドに起源を持つと考えられている。シャル
トルやサン・ドニなどの建築家たちによる一種の組合だ。だがロマスとナイトは、その儀式を詳しく調
べていくうちに、フルーメーソンリーはそれよりはるかに古いものであり、イエスとその弟ヤコブの時代
のイェルサレム教会にまで遡るものである事を確信した。しかも、その伝承自体はさらに古く、
紀元前9600年の洪水にまで溯るというのである。
ロマスとナイトが特に興味を引かれていたのは、スコットランドにおける最も注目すべき宗教建築―
―エディンバラ近郊のロスロリン礼拝堂だ。
私は、1996年5月、エディンバラ滞在中にジョイとともにここをたずねた。それは15世紀半
ばのテンプル騎士、ウィリアム・セント=クレアによって建立されたおどろくべき建物で、キリスト教のものと
いうより異教のものに見える。壁も柱も、つたや花、果実の彫刻で埋め尽くされており、「グ
リーンマン」と呼ばれる異教の像が至るところにある。
キリスト教の教会で、この怪物はいったい何をしているのか?神話においては、彼は春にお
ける植物の復活を表し、彼を中心とした異教の祭りが行われた。
もう20年以上も前に書いた「ミステリーズ」(1978)という本で、私は、月の女神ディアナ
を崇拝する古代の宗教を論じた。それはキリスト教によって追放されたが、死に絶えたわけで
はない。すでに述べたように、マーガレット・マレイという奇矯な学者は、魔女術とは実際にはディ
アナ崇拝に基づく宗教だったと論じている。魔女裁判で言及される、悪魔が主宰する魔女の
サバトというのは実際には異教の豊穣祭であり、これを主宰していた祭司長は山羊の足と角
を持つ神パンに扮していたという
キリスト教の教会で、この怪物はいったい何をしているのか?神話においては、彼は春にお
ける植物の復活を表し、彼を中心とした異教の祭りが行われた。
もう20年以上も前に書いた「ミステリーズ」(1978)という本で、私は、月の女神ディアナ
を崇拝する古代の宗教を論じた。それはキリスト教によって追放されたが、死に絶えたわけで
はない。すでに述べたように、マーガレット・マレイという奇矯な学者は、魔女術とは実際にはディ
アナ崇拝に基づく宗教だったと論じている。魔女裁判で言及される、悪魔が主宰する魔女の
サバトというのは実際には異教の豊穣祭であり、これを主宰していた祭司長は山羊の足と角
を持つ神パンに扮していたという
コーンウォールへ帰る列車の中で、私はロスロリンの書店で買い求めたロバート・ロマスとクリストファー・ナイトによ
る「ヒラムの鍵」(1996 邦訳は封印のイエス 学研)を読んだ。ロスロリンを中心テーマとする本だ。
そして私は、ウィリアム・セント=クレアが何らかの興味深い――そして非キリスト教の――秘儀の守護者
なのではないかという疑いを強くしたのだ。
現代のフリーメーソンは、彼等の奇妙な参入儀礼――首に引き縄、片足に上靴、もう一方の裾を
膝までまくりあげ、一連のわけのわからない質疑応答を受ける――は、純然たる創作だと
考える傾向がある。だがロマスとナイトは、これこそが秘密の暗号だと考えるに至った。
http://academy6.2ch.net/test/read.cgi/whis/1179911235/74-77 http://academy6.2ch.net/test/read.cgi/psycho/1160100092/370-377