1 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:
今、ふと考えついた怖い話を書いてください。
実話はNGです。あくまで自分で考えた怖い話のみです。
もしこのスレが900超えたらみんなで誰の作り話が一番怖かったか選びましょう。
2
3 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/01 22:20
この板が3で終わってしまう。
∧ ∧
|1/ |1/
/ ̄ ̄ ̄`ヽ、
/ ヽ
/ ⌒ ⌒ |
| (●) (●) |
/ |
/ |
{ |
ヽ、 ノ |
``ー――‐''" |
/ |
/´|゙`ヽ | |
(,.人、...) | | |
\ \ し,,ノ |
!\.. \ /
ヽ、\. .\ / 、
ヽ(;;;人;;;;) /ヽ.ヽ、
| | ̄| | ヽ.ヽ、
(____|(___| ヽ、ニ三
誰もやらないのかよ。
じゃあ、今作るから待ってろよ。
朝起きたら、キムタクっぽい出川になってた
7 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/01 22:33
可愛い子をナンパしてベッドイン。
そしたら同じモノがついていた
998 :1 :03/06/01 23:55
じゃあ、みんな
1の話が一番怖かったってことでいいか?
999 :1 :03/06/01 23:58
禿同。
>>1が最恐。
1000 :1 :03/06/02 00:00
1000!
1001 :1001 :Over 1000 Thread
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。
モダン・ホラー
〜トイレ〜
真一は朝から腹の具合が良くなかった。
近所の公園に犬を散歩させるために行った時に、真一は猛烈な腹痛に襲われた。
「ヤバイ!出そう!出ちゃう!」
真一は公園の公衆トイレに駆け込んだ。
お世辞にも手入れが行き届いているとはいえないこのトイレで、用を足すのは、潔癖な真一にとって屈辱的だった。
「クソ!なんでこんなに汚いんだよ。しかも和式かよ!」
真一は和式トイレが大嫌いだった。しかし、キリキリと痛む腹の前に、降伏せざるを得なかった。
和式トイレで不安定なポーズで用を足していると、もう一人お客が入ってきた。
この公園のトイレはやや奥まった、人気のないところにあり、実際にハッテン場としても使われることがあるという
噂も実しやかにささやかれているため、真一は身構えた。
個室のドアと壁の隙間から覗くと、30代半ばくらいの中肉中背の男が、
大きな麻袋を持って、小便をしているのが見えた。
「良かった。ホモの人じゃない。」
真一は安心して出ようとした。しかし、そのとき再び便意が襲ってきたのである。
(続く)
続き読みたい?
11 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/01 22:39
おなかいっぱい
12 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/01 22:45
ちょっとでいいから面白い話にしてくれ
全然面白くない
寒い
センスが無い
消えてほしい
13 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/01 22:47
どうせ900いったら千取り合戦で
あっさり消えてしまうスレって
ここですか?っていう話はまじ怖い
14 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/01 22:48
>>10 書いて欲しいのよ、是非。
どんなレスがついても
例)
もういいよ、つまらん → 読んでますよー、がんばって!
みたいに脳内変換すればO.K.!
(続き)
「またかよ・・・。」
真一は再び情けない格好で便器にしゃがみこんだ。
今度は長くなりそうだった。ふと、真一は外の男のことが気にかかった。
もう一度壁と扉の隙間から覗いてみて、真一は思わず叫びそうになったが、必死でこらえた。
なんと、外の男が、麻袋の中から女の死体を引きずり出していたのだ。
真一は細い隙間から目を離せなくなった。
男は個室に真一がいることに気付いていないようである。
女性の死体の次に男は鋭利なナイフと、のこぎりを取り出した。
そして、女性の首にナイフを突きつけると、一気に引いた。
女の首にパックリと裂け目ができ、そこから血がどろりと流れ出た。
「この男・・・。」
真一はこの男が何をしようとしているか理解した。
男はここで、女性を解剖しようとしているのである。
あっ!無断で再開してんじゃねぇよ!
19 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/01 22:56
俺トイレに入って
もち、でかい方しようと・・
そしたら外からノックが
なんていったと思う?
花子ですが〜そこ私が座る場所なんで〜
どいてくださ〜い
だとさ
トイレの花子さんかよっ
おかしいぜ、だってノックをされる方が花子さんだべ
自分から名乗るのも変だしさ〜
俺は思ったぜ
冗談だろって
だれかが冗談で俺を・・・
なんて考えていたら
以下略
>>酋長
終わり?
やり始めたからにゃ、最後までやっとくれよ。
解剖ってどうせあれだろ?服脱がせてたんだろ?
酋長の体験はキモイな。
>>22 作り話スレじゃないのかよ 体験記かよ キモ
24 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/01 23:06
続き挙げ
(続き)
真一はことの異常さに驚愕した。
どうやら男は気付いていないようである。
絶対に音を立ててはならない。男が全て終えて、このトイレを出て行くまで・・・。
男は女性の首をナイフ一本で器用に切断した。
まるで魚をさばくかのような手際の良さだ。
「こいつ、慣れてるのか?」真一は改めて恐怖を憶えた。
その時、またしても真一の腹が暴れだした。
「くそ!こんな時に・・・」
真一はどうすべきか迷った。今便をしたら、音が出てしまうかもしれない。
そうなったら男に気付かれてしまう。しかし、腹は限界を迎えていた。
真一の額は冷たい汗でいっぱいだった。
その時、遠くから飛行機がやってくる轟音が響いてきた。
米軍基地から飛び立った戦闘機である。
真一は町の米軍基地に初めて感謝した。
戦闘機の音が真一の排泄音をかき消しているうちに、真一は全てを出し切った。
しかし、流石に水を流すのは躊躇われた。
排泄が終わり、俺は落ち着きを取り戻した。
見ると女性は半分ほどばらばらにされていた。
吐き気がするほどの凄惨な光景であったが、自分自身の命がかかっている。
身動き一つせず、じっと見つめていた。
ふいに、男の手が止まった。
「・・・何か臭うぞ?」男は低い声でそう呟いた。
「マズイ!俺の落とし子の臭いだ!ばれる・・・!」
真一はその時、死を覚悟した。せめて下半身丸裸では死にたくないと思い、ズボンをはいた。
27 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/01 23:14
俺はハァハァ高校の2年生。ごく普通の高校生だ。
後の香具師、続きを頼んだ!
28 :
あなたの後ろに名無しさんが:03/06/01 23:22
あるところにひとりの霊を信じないばかものがいた。
彼は、事あるごとに霊の信奉者をバカにして言った。
「なんだ、おまえらさん、幽霊が怖いの?」って
幽霊なんかこの世にいたら、是非会いたいもんだよなんて
平気で豪語していた。
ある日、このばかものは、街を歩いているうちに霊場に迷
い込んでしまった。彼はそのことに気がついていない。
ふと気がつくと、周りを歩いてる人の様子が変だ。
みんな、自分と同じ方角に歩いてる人ばかりで、誰も向か
って来る人がいないことに気づいた。
彼は異変に気がついた。
彼の心臓は高鳴り、体中から汗が噴出してくる。
彼は、その場から立ち去ろうと必死で後ろを振り返ろうと
するが、体が言うことを利かない。
「ははん、これは、きっと夢だ、夢に違いない」
彼は自分に平静を保とうと自分にそう言い聞かせている。
その時だ!バーン!と高い音とともに体に衝撃が走る。
彼は、ショックで気を失った。
そして、しばらくして闇の中から気がついた。
それから、とても、すがすがしくていい気分になった。
それも、その筈である。今度はいろんな人が自分に向か
って歩いて来ているのである。
みんな、自分の間近に擦り寄ってくる。
彼は、先ほどの光景が一時的なものだとホットして胸をな
でおろして叫んだ。
「あっはっは、やっぱり幽霊なんてこの世にいやしないじ
ゃないか!」って。
しかし、何か変だ。自分の周りで線香の匂いが漂っている。
彼は眉をしかめてつぶやいた。「なんか周りで線香の匂
いがプンプンするな」って・・・・。
彼は、まだ気がついていない。
自分が既に四谷の墓標に変身しているのを・・・
最後の終わり方がいい。
人の流れが自分と同じ方向 − 自分に向かってくる方向
に変わるのも面白いな。
30 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/01 23:30
んなことはない。
v酋長は飽きてしまったか、
はたまた推敲中か。
今日は寝るけど またーり待ってまっせ。
(続き)
それまでしゃがみこんで解剖にいそしんでいた男がゆらりと立ち上がった。
「助けて!まだ死にたくない!」真一は祈って目を閉じた。
「ハハハ・・・」真一はびっくりして目を開いた。
扉は開いていない。上から覗いているのかと思い、恐る恐る上を見たが、上にもいない。
真一はもう一度壁と扉の隙間から外を覗いた。
男は立ったまま笑っていた。
「こいつ、こんなにクソが溜まっていやがる。道理で臭うはずだぜ」
良かった・・・勘違いしてくれたみたいだ。真一はホッと胸をなでおろした。
しかし、気の緩みに乗じて、「プッ」とガスが漏れてしまった。
途端に男がキョロキョロとあたりを見渡し始めた。
「やばい、今度こそ殺される・・・」真一は気を緩めた自分を呪った。
「何だ今の音は?」男は低い声で呟いた。
その時、ちょうどトイレの前を猫が通りかかった。「にゃ〜ん」
「何だ、猫か・・・。脅かしやがって」男は安心したようで、解剖を再開した。
「ああ、また助かった。このまま何事もなく終わってくれ・・・」
真一はすでに全身汗びっしょりだった。
その後、どれくらい時間が過ぎただろう。
男は解剖を終えると、持って来た麻袋に、すでに肉塊と化した女性を詰め込むと、
血で汚れた床を水で洗い、出て行った。
それから暫く、真一は動けなかった。やがて
「ああ、やっと出て行った。俺は助かったんだ。この町に殺人鬼がいるなんて信じられないし、恐いけど、
でも、俺は助かったんだ!」
そう叫ぶと、真一はドアをバタンと開けて、外へ飛び出した。
まぶしい太陽、日の光を浴びて輝く木の葉、全てが美しく見えた。
公園の入り口に繋いでいた犬を連れて帰路に着こうとする真一の肩を、誰かが叩いた。
振り向くと、先ほどの男が笑顔で立っていた。
真一は喜んで
おしまいです。すいませんでした。反省します。
ごめん、
>>32の最後の行は間違いです。
何で喜ぶんだよ。
35 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/02 00:13
なかなかよかった もういっちょ頼むよ! 酋長!
いいオチだ。痛恨のミスともいうかw
トイレの窓から、という結末を予想していたが裏切られた。面白かったです
ああ、ありがとうございます。
最後、詰めが甘かったです。某スレで言われたとおりだ。
以前、洒落恐スレで創作話を書いてた者です。
洒落恐に載せても反応がイマイチだったんですが、
ここは創作専用スレみたいなので、載せてもいいですか?
ドゾー
『鏡』
なあ、鏡って怖くないか?だってよ、見ると必ず自分が映ってて、目が合ってるんだぜ?
まるで、鏡の向こうに、もう一人の自分がいるみたいじゃん!
……鏡…か。友達の話を聞くまで、普段意識した事がなかった。普段髪をとかす時や歯を
磨く時、顔を洗う時…様々な事で『自分』を見ているが、今までそういう事を意識した事は、
一度も無かった。
ふぅ…今日も仕事だ。いつも通り朝5時に起きて顔を洗う。バシャッ、バシャッ……
ふぅ。タオルで顔を拭いて、鏡を見る。…ん?俺…何で笑ってるんだ?自分ではそんな感
じはしないが…鏡に映っている。俺が微笑んでいる顔が。まあいいや、今日は何か良い事
がありそうだ。俺は仕事に出た。
俺は、まだただの平社員だ。この会社にはまだ入社したばかりで、仕事にも上司にもまだ
完璧に馴染めていない。また今日も同じ作業の繰り返し。嫌になりながらも、これも仕事
だと思い、着々と仕上げる。すると、後ろから肩を叩かれた。まさか…もうリストラ…?
おそるおそる振り返ると、社長が笑顔で立っていた。『よくやった!君の考えた企画、
大成功だったよ!平社員の企画だからと言って、バカにしていた。私はもう年だから退職する。
君は、まだまだ若い。次は、君が、この会社を支えていく番だ!君に、次期社長を任命する!』
俺は言葉が出なかった。まさか…ウソだろ?こんな事が…しかし、とりあえず嬉しい!
いきなり平社員から、社長への成り上がりだ!四月からだが、今はもう二月。もうすぐ、
俺は社長…!胸騒ぎが止まなかった。
『さて、仕事を続けてくれ!君にはこれからも期待してるぞ!』
『はい!ありがとうございます!』
俺は、張り切ってパソコンに向かった。その時、画面に映る俺の顔は微笑んでいた。
仕事が終わり、家に戻った。今日は何と良い日だったんだ!俺は、今日の夜は一日中、
電話で色々な友達に自慢しまくっていた。
次の日。今日は昨日と違い浮かれ気分でいつも通り5時に起き、顔を洗う。バシャッ、
バシャッ…ふぅ。タオルで拭いて、鏡を見る。…え?何か悲し気な顔をしている。しかし今、
俺は上機嫌で、俺自体はやや微笑んでいる。何だこの鏡は?昨日といい、何か嫌な感じだ。
昨日は笑顔だったからまだしも、今日は映っているのが嫌な顔だったから、何か今日は嫌な事が
ありそうでならなかった。しかし、俺は次期社長。気を取り直して、仕事に出るか!
そして仕事に向かった。入ると、何故か社員はみんな冷たい目で俺を見ていた。俺が次期
社長だという事に焼いているのか?いや、そうではない。何と、社長までもが俺を厳しい目で
見ている。一体俺が何をしたと言うのか?社長に尋ねてみた。
『どうしたんですか?』
『どうしたじゃない!君のせいで…君のせいでこの会社は…倒産だあ!』
そんな…バカな?一体何があったというのか?社長にさらに尋ねてみた。
『君の企画した情報が、君のパソコンからハッカーか何者かに抜き取られて、まんまと
パクられてしまったんだよ!遅れてその企画を発表したら、盗作だと訴えられて大変な事に
…何もかも君のせいだ!もう終わりだぁぁ…』社長は泣き崩れた。まさか…そんな事が…
倒産ということは、俺は、失職?いや、俺だけじゃない。この会社の、みんなが…そんな、
バカなああ!俺も泣き崩れた。
帰りの足取りはもちろん重かった。ガラスの向こうの喫茶店では、エリートサラリーマン
らしき男と若い女性が仲良く話している。俺は憂鬱になった。その時、ガラスに映っている
俺の顔は、悲しげだった。
家に帰って、不思議に思った。あの鏡に映った表情が、その日の出来事を物語っているん
じゃないか…。そう思いながらも、明日は良い表情が映ると良いと思い、眠った。
俺は起きて、すぐさま鏡のある洗面所へ行った。そして、顔を洗って鏡を見た。すると、
何とそこには、何かが書いた紙が俺の顔に貼られてある姿が映っていた。その紙には、
何と『負け犬』と。
俺はさすがにキレた。
『何でだよ!俺が何したって言うんだよ、このクソ鏡が!』
そう言って、俺はその鏡を思い切り、
『ガシャアン!』
と割った。すると、ヒビ割れながらも、その鏡には新たな俺の姿が映された。
その姿は、首を吊って、口から血を流しながら笑ってこっちを見ている、
白黒の俺だった。
END
以上です。所々改行がおかしくて読みにくいですが・・・
そうか?
>『君の企画した情報が、君のパソコンからハッカーか何者かに抜き取られて、まんまと
>パクられてしまったんだよ!遅れてその企画を発表したら、盗作だと訴えられて大変な事に
>…何もかも君のせいだ!もう終わりだぁぁ…』社長は泣き崩れた。まさか…そんな事が…
のあたりなんか、コメディとしか思えないのだが。
他にも社長の言動が狂ってるとしか思えないとか。
ショートショートってのは短いから展開が強引なところもあるけど、それを割り引いても
ひどすぎ。
時間もよくわからん。前の日の17:00過ぎから翌朝の9:00の間にパクリで訴えられ、
原因がハッカーの進入だと突き止められ、倒産が確定し・・・ジェットコースター的展開って
奴ですか?
>>43 最後、鏡をぶち割らずに
「負け犬」と貼られるとしたら、どんなシチュエーションだったんだろ。
それも考えるとなんか怖いな。
この話の場合、いいことと悪いことを会社での出来事にするから
破綻してるんだと思う。
もっと身近な出来事にすればおかしなことにならないんじゃないかな。
48 :
1 ◆EpNa70REtE :03/06/03 01:19
余り話し手を叩かないでね。
もちろんある程度なら批評は構わないと思うけど
やりすぎるとなり手がいなくなるから。
さあ! みんなも怖い作り話を書いてみよう! 私も考え中です。。
>>45 厳しく突っ込まれましたな・・・確かにその通りです。
考えながら打ってたらそうなってしまったのです(鬱
それじゃ、しばらくしたらもう一つ載せます。
>>49 話の素材はかなり良いと思いました。恐い話はもともと荒唐無稽な部分を併せ持つ
ことが多いので、現実的な部分の描写をできるだけリアルにしないといかにも作り話って
感じになると思います。アイデアが素晴らしいので、投稿を期待してます。
しかし、作り話という前提での書き込みって難しいですね。
これが小説なら、「今読んでいるのは創作だ」って意識が頭に働くから、純然たる
ファンタジーでも読めちゃうんだろうけど。
こういう掲示板に書き込む創作話って、恐がらせるのがかなり難しいと思います。
文章が上手いってだけでは臨場感が伝わらない場合もある。ちょっと粗雑な文章の
方が、投稿人の息吹を感じられたりもするし。作り話の場合、綿密な計算の元に
文章を粗雑にする、といったことまで考えて書くと少しは恐くなるかな。
などと考えながら、以前洒落恐に投稿してました。
これからはこのスレにも投稿してみようと思います。
51 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/03 18:53
>>49 週刊ストーリーランドっぽかった
でも、ヨカッタヨ!
52 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/03 19:35
熊とか他の書き手は問題点を指摘されるのはOKなの?
煽りばかりでなくきちんとした批評ができていれば、文章作る力はだいぶ鍛えられそうだけど。
マンセーばかりでは書き手が伸びることはないと思う。
53 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/03 20:16
>>52 >マンセーばかりでは書き手が伸びることはないと思う。
だからと言って、問題点の指摘だけでも書き手は伸びないぞ。
読んだ人の感想(どんな感じだったか)など、そういうのも書き手にとって
充分今後のヒントになると思うが。
実はBEARさんの隠れファンだったり。。
頑張ってください〜ね。
55 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/03 20:45
もう何時間こうしているだろう・・・
俺が乗っているのは首都圏にある某JR線。特に冬場などは飛び込み自殺する奴が
多いことで知られている路線だ。
ひどいときは1日で3件飛び込み自殺が続いたことがある。
今日も夕方に一人飛び込み、1時間近く駅のホームで待たされた挙句、ようやく動きはじめた
電車に乗った途端、再び別の駅で飛び込みがあったのだ。
1時間も動かなかったのだから、電車の中はまさにすし詰め。大袈裟ではなく指一本動かす
のがやっとの状況だ。
「お客様に申し上げます。さきほど○○駅で起きた人身事故のため・・・」
お決まりのアナウンスが流れている。まだ遺体の収容が終わっていないようだ。
この調子ではいつまでこうしてればいいのかわからない。
俺はふと、「もしこんな状況で突然モーレツにウンコがしたくなったら大変だろうな」と思った。
その途端
序章 林道にて
月明りも届かぬ夜の林道を、息を弾ませながらひた走る1人の男がいた。
その男、名は峰生といい姓は不明である。
一寸先は闇ともいえるこの林道で、峰生はただただ走り続けていた。一体何がこの男をこうも急き立てているのか、それが分かるのは峰生自身に他ならぬだろう。
否、峰生自身も何故自分が急ぎ林道をひた走っているのか分からずにいたかもしれない。
ただ一つ言えるとするならば、峰生は今この時に途方もない恐怖の虜になっていたということである。
何が怖いのか、何が恐ろしいのか。分からぬ、分からぬから怖いのか。
峰生の顔は青白く、額には大粒の汗が滲み出ていた。
もう間もなく峰生は走ることが出来なくなるであろう。腹の内には痛みが走り、足の肉は土を踏むたび悲鳴を上げている。
何故、何故自分はこのようになってまで走っているのだろうか。峰生は自問した。
答えは無い。否、恐怖で何も考えられなかったのだ。
峰生の身体が、大きく傾く。
ついに峰生の身体は動くことを止めてしまった。自分の意思に反し、肉は固まり体は地面に伏した。
もはやこれまでか、何がこれまでなのか。分からぬ、何かを忘れしまっている。
火照った身体が土の冷たさを吸い取ってゆくような心地よさを感じながら、峰生は記憶の糸がほぐれていくのに気付いた。
何かを思い出し始めている。
峰生はこの記憶こそが今身にある恐怖の始まりであろうと悟った。
一体何を思い出そうというのか、それは峰生自身も見当付かぬことであった。
ただ一つ、分かることがあるとすれば――
続かなかったりします。
>>58 ごめんなさいw
そして
>>9‐16‐25‐32(・∀・)イイ!!
>56
なんだよー!すげぇ面白そうだったのに!
このままテンション下げずに書き続けられればプロにもなれるだろうに。
>>9 ν酋長って、ただの雑談好き&まんまん好きかと思ってたら
よい話書くんだね。ちょっと見直しました。
遅レスですが、便所話面白かったよ。
冒頭でいきなりありがちかなーと思ったけど、語り口がうまく、
恐い話かギャグか探りながら読んでいて、ところどころでゾッとさせられました。
おちにもうひとひねりあればさらに面白くなると思います。
また何か書いてくださいな。
>>60 ごめんなさいw
飽きて書くの止めたんじゃなくて純粋にあれしか考えてなかったりします。
いいわけくせぇ・・
>>アニタ氏
ワロタ。新しいかも…。
なんか京極っぽいけど文章うまいと思った。
返す返すもそのオチは残念だw
洒落怖黎明期の投稿者だったりしますが
最近は何だかあそこもひどい事になってるみたいですねぇ。
創作でも何でもいいから純粋に怖い話を聞かせて下さい。
>>65 おれも京極っぽいと思いました。
惜しいなー。誰か腕に自信のある人、続き書いておくれよー。
アニタさん本人でも、もちろんいいんですけど。
洒落恐スレ、おれも本格的に荒れ始める直前まで投稿してました。
古き良き時期(つってもわりと最近だけど)を知ってるだけに、最近の
荒れるか雑談かが大半の状況はとてもつらいですね。
69 :
作り話男 ◆CVYs9Nly82 :03/06/05 02:13
ただ一つ、分かることがあるとすれば――
――それは、女の、恐らくは女の、名。
「モヨコ」という響きが、先刻より何度も脳裏に浮かんではじんわりと溶けてゆく。
その都度、縋る様に記憶のほつれを手繰り寄せることを試みたが、無為に終わった。今はその時では
ない。峰生は何故かそう悟った。
虫の声が美しい。キリギリスと蟋蟀、それに螻蛄のジィという通奏低音が心に染み入る。子供の頃は
毎夜、布団の中で虫達の饗宴に耳を傾けたものであった。いつの間にかそれらは聞こえはするが聴こえぬ、
十円銅貨に生ずる緑青の様に気に留まらぬ存在となっていた。峰生は久方ぶりに無心にそれらに耳を
傾けた。相変わらず恐怖はしっかりと彼の胸中に居座っていたが、息は整い、足の強張りも解けかけて
いた。峰生は音を立てぬよう半身を起こし、周囲を窺い、恐怖の源が―目や耳で感知しうるモノかどうか
確信はなけれども―至近には存在せぬと己に言い聞かせ、静かに立ち上がった。2歩、3歩と足を踏み
出すと、筋肉が再び峰生を走らせ始めた。走るうち、立ち止まったことが取り返しのつかぬことにならなけれ
ばよいがと不安がつのってきた。だが今は、兎に角走らねばならぬ。走り続けなければ。
70 :
作り話男 ◆CVYs9Nly82 :03/06/05 02:15
アニタさん、すいません。
続きが読みたかったんで、勝手に続けちゃいました。おれも先の展開は全く考えてないんですが。
しまった、もうちょっと改行短めにしとくべきだった。
すっげー
皆さん怖いわ
「夢十夜」風・・・
今って、話書いていい状況なの?
なんかリレー小説っぽくなってて、書くに書けない雰囲気なんだけど。
リレー小説やろうぜ。ぼっこし屋さんが続けて!
75 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/05 23:58
>>73 リレーでもいいし、そうじゃなくても全然OK!
76 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/05 23:59
>>73 なんでもいいよ。期待ageヾ(´ー`)ノ
今書いてたんだけど……全然怖い話じゃねぇや、コレ。いかんなぁ俺。
別の話書きますわ。あんま期待されると困るけど。
眠いし、明日に回すか。
>>74 勘弁してくだちい。やりたいのは山々だけど、
俺の文章力じゃ、
>>69の続きなんて書けやしませんよー。
>>77 (;´Д`)!
その話捨てるならキーワードだけでも下さい。
何かに還元できるかも…。
おやすみぃ
第二章 山人
東京は奥多摩の小川谷。
石灰質の土壌が積年の風雨による侵食を受け、
見事な奇観が広がる土地である。世間に心のゆとりが
あれば、紅葉の折などは目の滋養を得に訪れる者も
あろう。しかして人心は荒廃し、日々の食い扶持に
追われるこのご時世ではそのような風流人は皆無であろう
とて仕様はない。
勝手に続けておいてなんですが、この文体、荷が重過ぎる。
少しだけ先の展開を考えたんですが、こういう堅い文章書いたこと
ないので筆が全然進みません。
アニタさんの導入部が素晴らしく、このまま終わっちゃうのは
もったいないのでのんびり続けていこうかと思うんですけど、
誰か続けたい人が他にいたらよろしくお願いします。
その際、
>>69>>79は無視しちゃってもかまいません。
>>65&67
中途半端に終らした話に感想もらえて嬉しいです。
京極・・・確かにそうだw
>>ぼっこし屋さん
じゃんじゃんお話書いちゃってください。
皆でこのスレ盛り上げましょう^^
>>作り話男さん
続き書いてもらっちゃって嬉しいやら申し訳ないやら。
ありがとうございます。
今は昔、とある村の若者が山中にて神隠しに遇い、それから2日の後に村へひょっこりと帰ってくる事件があった。
村に帰り着いた若者の様子は尋常ならざるものであり、その者が後に語る空白の二日間の出来事はまさに身の毛もよだつような怪談話であったという。
第一幕 奇殺し才蔵
「才蔵の旦那。聞きやしたか、耕六の怪談話」
小平次は座敷に胡座をかくなりそう口に出した。才蔵、と呼ばれた男は面倒臭そうに「知らねぇよ」とだけ呟く。
「何だ、聞いてねぇんですか。何日か前に神隠しにあった以来、ダンマリ決め込んでたあの耕六がやっと重い口開いたんすよ」
そいつが身の毛もよだつような怪談話だったんでさぁ、と小平次は自分の膝を叩きながら言う。
「今じゃ村中の話題になってるってぇのに、才蔵の旦那は遅れてるなぁ」
よけいなお世話だ、とは才蔵の言葉である。
「なんでぇ小平次。村の語り草とありゃ何でも聞いておかなきゃならねぇのか。俺はそんな話なんざ興味もなきゃ聞きたくもねぇよ」
「相変わらず、旦那は怪談話が嫌いでおられやすねぇ」
全く悪びれぬ様子で言葉を返す小平次に、才蔵は畳に寝転がりながらふんと鼻で応える。
この村では才蔵の前で怪談話をするのは御法度となっていた。別に才蔵が酷い臆病者だからなどの理由からではない。むしろ才蔵はどのようなおぞましき怪談話を語られようとも毛ほどにも恐怖を感ずることはないのだから。
奇殺し才蔵。
どのような怪談であろうと、才蔵の言葉巧みな話術の前には全てホラ話となり一笑されてしまう。
だからこそ、村の者達は才蔵の前で怪談話をすることはない。才蔵がいては折角の"雰囲気"が台無しになるからだ。
ただしそれも、小平次という変わり者を除いての話である。
続いたりします。
続くのかよ!
・・・
ってそれはいいのか。
待ってますよ
ちょいと、お邪魔しますよ
「雨女」
私の名前は亮、今年で21歳になる平凡で何のとりえも無い男です
コンビ二に寄り、昼飯を買い、家に帰るときの出来事でした
もうすぐ家につく頃、ふと呼び止められました
「おまえさん」
何故か私が呼ばれている気がして振り返ると・・・・
美人とも可愛いとも言える着物を着た女の人が立っていました
今日は雨、しかしその人は傘もささずに、にっこり笑いながらこちらにかけてきました
「随分、探したんだ雨が降ってるだろう?傘も持たずに出かけたんじゃないかと心配したんだ
しかしうっかり私も傘を忘れてきてね、あいや困った事になったと思ったら
おまえさんはちゃんと傘を持っていたんだねぇ」
その女は一枚の布きれを取り出し自分の髪についた雨水をはらい、私の傘に入ってきました
その女の人からは桜の香りがしました 六月の梅雨の時期の出来事です
続く
ぼっこし屋さん、他スレの母と子の話、すげえ良かったです。
新しい話、待ってますよ!
はいはい、ようやく書き終わりましたよ、と。
推敲無しで書き込みますんでよろしく。
現地に着いた時には夜になっていた。
何だってまた、こんな地方都市くんだりまで、
一日の大半を費やして赴かなきゃならないんだか……。
知らず溜息が出たが、これも仕事だ嘆くな嘆くな、と自分を慰め、
会社から指定されたホテルへと向かった。
宿泊費一泊6000円。ごくごくありきたりなビジネスホテルだ。
宛がわれた部屋には、六畳一間程の空間に、ベッドと14型のテレビ、
電話機にファンシーケースが備え付けられているだけ。
トイレやバスルームは共同であった。
これから一週間、支店で進行中のプロジェクトの補助の為、
僕はこの部屋で寝起きしなければならないのだ。
まぁ、この値段なら仕方ないか。
もっとも、帰ってきてもどうせ寝るだけだろうしな。
そんな事を考えながらトレーナーにスウェット姿になると急に睡魔が襲ってきた。
長旅は、気付かないうちに僕の体力を激しく消耗させたようだ。
風呂にも入らずに僕はベッドに突っ伏すと、
程なくして深い眠りへと落ちていった。
それにしても、支店の連中には辟易させられる。
本当に同じ会社の看板を背負ってるのか、と言いたくなるほど、
プロジェクトの進捗状況は惨々たるものであった。
納期まであと半月ほどしか無いというのに、基本的な段取が出来ているだけで、
具体的な内容には一切着手していない。
まだ設立されて間もない支店とはいえ、これは酷すぎる。
お陰で今日一日、僕は眼が回るほど忙しく動き回らなければならなかった。
補助、というよりもこれじゃ僕がメインになって仕事を進行させているようじゃないか。
疲れ果ててホテルへ戻り、僕は靴を脱ぎ捨てると、ネクタイも緩めずにベッドに倒れこんだ。
さすがに今日は、風呂に入っておきたいな。
鉛の様に重く感じられる自分の身体をようやくベッドから引き剥がし、入浴場へと向かった。
体中に澱んでいた疲れが湯の中に染み出していく。
思わず僕は快楽のうめき声を上げた。
それにしても、客の少ないホテルだ。
今朝にしても、普通のホテルなら食堂やロビーには他の宿泊客の姿があってもいいようなものだが、
ホテルの従業員を除けば僕は誰の姿も見てはいないのだ。
この入浴場にしてもそうだ。これじゃあまるで貸切じゃないか。
湯船から上がり寝間着を身に着けると、僕は相変わらず誰も居ない廊下を部屋へと進んだ。
途中、5、6歳くらいの子供とすれ違った。
パタパタと向こう側から駆けてくると、僕など意に介する様子も無く、そのまま走り去って行った。
なんだ、ちゃんと他の宿泊客もいるんじゃないか。
何故だか安堵感が心の底から滲み出てきた。
部屋に戻りテレビを見ながらビールをちびちびやっていると眠気が僕を包み込み、
いつの間にか僕は眠りの世界へと引き込まれていった。
今朝も食堂に居るのは僕一人だ。
そんなにもこのホテルは繁盛していないのか、経営は大丈夫なのだろうか、と他人事ながら心配になってくる。
今日になってようやくプロジェクトの具体的な進行と役割分担に関する打ち合わせが出来た。
全く、時間が無いっていうのに。
仕事が終わり、買い物袋を片手に部屋へ向かう廊下で、少年とすれ違った。
昨日、廊下を走り回っていたあの少年だった。
それにしても……昨日といい今日といい、この子の親は一体何をしているんだ。
こんな小さな子供がホテルの中をうろうろしているというのに、放ったらかしでいいのかよ。
すれ違いざま、僕は彼に声を掛けてみた。
「ねぇ坊や、お父さんとお母さんは何してるんだい?」
僕の言葉に少年が振り向いた。
最初は無表情でじぃっと僕を凝視していた少年は、
やがて薄気味悪くニカァっと歪んだ笑いの表情を浮かべると、そのままの格好で廊下の曲がり角の向こうへと姿を消した。
気味悪い子供だなぁ………て、何か、おかしくなかったか? けど、何が?
鍵を開け、部屋に入ったところで、ようやくあの少年の「違和感」に気付いた。
僕の方を振り返った、顔。
真後ろに振り返った、顔。
ありえない。180度近くも、首が回るなんて。
気紛れで買った日本酒を、砂漠を漂流した遭難者が水を飲むが如く、がぶがぶとあおった。
急速に酔いが回り、ぐるぐる回る視界が不意にブラックアウトした。
頭が痛い。吐き気もする。だが仕事に行かなければならない。もう日本酒は飲まない事にしよう。
今日は土曜日だ。明日は休み。たった十時間かそこらを凌げばゆっくり横になれる。
ぐらぐら揺れる頭と意のままにならない身体をどうにか動かし、僕は身支度を整えると部屋を出た。
廊下では、若い従業員が床にかがんで拭き掃除をしていた。
何気なくそれを横目で見た瞬間、僕は眼を剥いた。
従業員の手に握られた雑巾が、真っ赤に染まっていたからだ。
血か? それにしても多すぎる。て言うか、何があったんだよ一体?
疑問が渦を巻いたが、足を止めて従業員に事情を聞く時間も無い。
そもそも、彼が事実を答えてくれるかどうかも疑わしい。
前方へ眼をやると、赤い染みがベージュ色のカーペットに点々と付着している。
おかしい。昨日通りかかった時には何も無かったのに。
薄気味悪さを拭えないまま、僕は職場へ向かった。今夜もあそこに戻らなければいけないのか。
正直、気が重い。休息の場へ帰るのが憂鬱であるなどとは滑稽な話だが、事実なのだから仕方が無い。
ともあれ僕は、まともに働かない頭と身体を何とかして動作させて仕事に励んだ。
もっとも、現場視察の時に吐き気を催してトイレに駆け込んだのだけれども。
とにかく疲れた。もうこうなったらあのホテルでもいい。ゆっくり休みたい。
部屋に戻ると、ジャケットも脱がずに僕はベッドにうつ伏せになった。
そういえばこの地に来てからどこにも行ってないなぁ、などと考えながら、いつしか僕はまどろんでいた。
カリ カリ カリ
何かを引っ掻くような音で目覚めた。何の音だ? どこから聞こえてくる?
耳を澄まし、音源を注意深く探ってみる。壁ではないようだ。天井からでもない。
どこだ、どこからなんだ?
………ドアだ。ドアを、誰かが、爪か何かで、引っ掻いている。
ドアスコープを覗いてみようか、とも考えたが止めた。
見なくてもいいものは、見ないに限る。君子危うきに近寄らず、の精神だ。
音は、僕がベッドに戻り、再び入眠するまで聞こえ続けていた。
今日は休日。昼過ぎに起き出し、私服に着替えると僕はホテルを後にした。
古い店構えのラーメン屋で、少し遅い朝食兼昼食を摂った。
ボロいラーメン屋は美味い店が多い、とよく聞くが、この店は例外の部類のようだ。
店を出て、しばらくぶらぶらと歩き回る。
店を冷やかして回ったり、本屋で立ち読みをした後、僕はホテトル嬢を呼ぶ事にした。
電柱に貼られたビラを幾つも見て回ったが、当然ビラだけではどんなホテトル嬢が来るのかなど判るはずも無く、
結局僕は適当に目に付いたビラの電話番号にコールした。
料金を確認し、場所を指定して電話を切ったあと、僕は目星をつけておいたラブホテルへと入っていった。
待つことおよそ1時間。
現れたのは、ぱっと見て30代前半と思しきなかなか美人な女だった。どうやら「当たり」を引いたらしい。
前金で3万円を支払い、軽い会話の後で一緒にシャワーを浴び、
その後は……やる事など、一つしか無いだろう。
ともかく僕は1時間半だけの「恋人」と戯れたのだった。
ホテトル嬢が帰った後も、僕は宿泊先のホテルに戻る気になれず、
そのままラブホテルの一室で夜を明かすことにした。
あそこには、戻りたくない。何故か。
外出しようと部屋を出たとき、ドアの前の床にべったりと赤い小さな足跡が付いていた。
背筋に氷の刃を突きつけられたような感じがして、恐る恐るドアの表面を見た。
赤い爪跡が、縦横無尽にドアの表面を走っていた。
今僕は、ビジネスホテルの一室にいる。
とは言っても、これまで滞在していたホテルではない。全く別の場所だ。
宿泊費はあそこに較べて少し高いが、眼を瞑る事にした。
缶ビールのプルタブを開けながら、僕は今朝の出来事を思い返した。
今朝早くにラブホテルを出ると、僕はホテルへと戻った。
Tシャツにレザーのベストとボトムカットのジーンズ姿で出勤するほど、僕の常識は壊れちゃいない。
部屋の前の足跡とドアの爪跡は綺麗に掃除されていた。まるで最初から何も無かったように。
ドアノブを回し、部屋に踏み入って僕は言葉を失った。
カーペット、ベッド、天井、床、カーテン、ファンシーケース。
部屋中至る所に、血で濡れた足跡が無数に残されていたのだ。
ファンシーケースのファスナーは閉めていたので衣類は無事だったが、そういう問題ではない。
誰かが、僕の留守に部屋に入り込んで、血まみれの足で歩き回っていたのだ。
鍵の掛かった、密室状態のこの部屋の中を。
驚愕が去ると戦慄に襲われ、身支度を整え手荷物を素早くまとめると、
僕はフロントに駆け込んでチェックアウトを済ませた。
──まだ、あと一日滞在予定ですが。
ええい、うるさい。僕は一刻も早くここを出たいんだ。
宿泊費を支払い、僕は職場へと急いだ。手にはバックを持ったままで。
かくして僕は、今こうしてホテルの一室でくつろいでいるわけだ。
ビールを飲みながら、ふと考える。あのホテルで一体何があったのだろう。
そして、あの薄気味悪い子供は一体何者だったのだろう。
酩酊しかけた頭をひねって導き出した結論は、
「何があったかは知らないが、あのホテルには人外の『何か』が棲んでいる」
そういう存在が住み着くようになった経緯など、知らない。知りたくも無い。
むしろ、知らない方がよかった、という可能性も否定はできないじゃないか。
午前中は、仕事の微調整に終始し、残った細かい仕事は支店の人間に任せることにした。
少々不安だが、骨子部分は完成している。この状態なら、後は何とかなるだろう。
皆に別れの挨拶を済ませ、僕は駅へと向かった。
これから、またあの長い長い道のりを帰らなければならないかと思うと少々うんざりするが、
それでも帰れるとなればやはり嬉しい。
道すがら、この一週間を思い返す。
そういえば、まともに風呂も入らず飯も食わない日あったな。それもこれも………。
件のホテルの前を通りかかった。駅はもう目と鼻の先だ。
通り過ぎようとして、けど僕は何気なく停まっていた部屋の辺りを見上げた。
全身血まみれの幼い少年が、べったりと窓ガラスに張り付き、
憎々しげな表情で僕を睨みつけていた。
以上。長文乱文失礼。
>>89 うん、良かった。
お話の展開の仕方が上手い。
あと、ぼっこし屋さんの文章は情景が目に浮かべ易いと思った。
おつかれさまです。
>>94 で終わりかと思ったので
>>95にビビッた。
でも“人外のもの”の正体が分かってよかったのか…
実際、出張とかでビジネスホテルをよく利用する人で
見えちゃう人なんかは大変だろうなぁ。
何か嫌な雰囲気・・・と思ったらずーっと後引くだろうし。
そこら辺もリアルに感じられて怖かったです。
99 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/08 06:25
age
100 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/08 06:30
100
101 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/08 07:01
皆さんすごく面白くて、ついつい読み入ってしまうお話なんですが、
最初から「小説」としてお書きになっているような文体のためか、
どうも恐怖が感じられないのは私だけでしょうか…。
2chらしく(?)、「あのさー、昨日の夜のことなんだけど…」とか、
「今まで誰にも信じてもらえなかったんですが、書いてもいいですか?」
とか、あくまでも書き手本人の体験の「如く」書いたりしてみたら、
もっとコワイ気がするのですが…。
スレタイを知らない人が読んだら全部信じちゃいそうな、そういう
話がずらーっと続くスレなんて面白いかなーなんて…
ごめんなさい個人的感想です。たわごとだと思って聞き流してください。
「お化け屋敷」
俺は今、モウレツに緊張している・・何故かと言うと既にお化け屋敷の入り口まで来ているからだ。
ここは某遊園地の新たしくできた怖いと評判のお化け屋敷である。
うぅ・・入りたくない・・俺は元々こういうのが苦手なのだ・・
かといってすぐ隣に居て無邪気な笑顔を浮かばせている俺の彼女に俺がビビリだと解らせたくない・・
あぁぁ・・とうとうお化け屋敷に足を踏み入れてしまった・・・・・・・・・・・
廃病院という設定だけあって中はコンクリで冷たい感じだ。
・・・そして・・やっぱり暗い・・・
・・むははは!なんだビビって損した!お化け屋敷?チョロイチョロイ!
俺は今、ハゲシク上機嫌だ。出てくるモノといってもバイトのあんちゃんが追いかけてくるだけ!
お化け屋敷がこんなチョロイもんなんて知ってたらあそこまでビビった俺がバカみたいだ。
さぁ!もうすぐ出口だ!ムハハハハハ・・・・・・ん?
今、視界の隅に塊が見えた・・?何だ?
動いてる・・ゆっくりだけどこっちに向かってくる・・黒い・・・・
「ゴロン」
首だ・・ありえない・・潰れてる・・ありえない・・・機械?・・ありえない・・
さっきまであんなに気が大きくなっていた俺の勢いはいっきに萎んだ・・
「いや・・なにあれ・・?・・動いてる・・」
彼女はまだソレの正体に気付いていない。いいことだ。俺は必死で無理矢理彼女の手を掴んで走った。
アレはなんだ・・?おかしい・・明らかにお化け屋敷のモノじゃない!じゃあなんだ・・・なんなんだ・・
「おばけ」だ・・。ありえない、ありえない、ありえない!!うわぁぁあああ!!
気がついたら外に居た・・アレはなんなのかスタッフに聞こうか・・?いや、聞けない・・
もう・・お化け屋敷には二度と入りたくない・・
うわぁぁ・・なんとも悲惨な文章・・
まだ義務教育すら終わっていない事バレバレですね・・
お眼汚しスマソ&sage忘れスマソ
数年前、うちの学校で人が死んだ。
女子生徒なんだけど、
素行不良の男子生徒数人に犯されて、
解放された直後、5階のその教室から飛び降り自殺した。
その子は部活が終わって帰宅する途中
忘れ物を思い出して学校に戻ったらしい。
生徒がいなくなった校舎内は電気が消されていて真っ暗で、
でも玄関横の職員室には先生が何人か残ってたから、
ライトを借りて教室まで一人で取りに行ったそうです。
それから幾ら経ってもその子は戻ってこなくて、
さすがに心配になって先生が様子を見に行った。
だけど行った先の教室が真っ暗だったから
先生は、生徒はすでに何も言わずに帰ったのだと思い込み
確認もせずに帰宅してしまったんです。
その教室で、女子生徒が男達に襲われているとは思いもせずに。
翌日、その子は血まみれで発見された。
乱暴にされたのか、制服はボロボロに切り裂かれてた。
犯人の男子生徒は退学にはなったものの、
未成年のために法的処分は受けなかった。
そして今、学校内ではある噂が流れてる。
放課後の誰もいなくなった学校で、
忘れ物を取りに行こうと廊下を歩いていると
「忘れ物?」
と、女の子が声をかけてくるらしい。
それで、うん、と肯定するような言葉を返すと
「私もなの。いっしょに行こう」
と、手をつかまれる。
ここで初めて女の子の姿を認識するらしい。
血みどろになった、女子生徒の姿を。
そしてどこに行くのか、それは誰も、知らない。
110 :
アニタ 上:03/06/08 21:46
>>82の続き
旦那が聞きたくねぇと仰いましてもこの小平次、真勝手ながら喋らせてもらいます。空白の2日間、耕六の身に一体なにがあったのか。
そうあからさまに嫌な顔しねぇでくださいよ。俺としちゃあ旦那には是非この話を聞いてもらいてえんです。奇殺し才蔵と言われた旦那が、この怪談話をどう解釈するのか。
手短に、でやんすか。承知しやした。それだけのことで旦那の解釈が聞けるならこの小平次、麻月物語だってちぎって話してみせましょう。
第二幕 喋り屋小平治の闇語り
耕六が山でその老婆に出会ったのは、日の沈み始めた夕暮れ時のことだった。
旦那が手短にと仰ったので簡単に説明させてもらいやしょうか。その時耕六は山へ栗拾いに赴き山中で迷い、途方に暮れている最中でありやした。
これ幸いと耕六が老婆に事情を話すと、老婆は快く今夜は我が家に泊まるよう勧めてくれたそうです。
老婆は耕六に始めから親しげに接して来たのか、でやんすか?
旦那も妙なことを聞きやがる。いや、もう旦那じゃなくて奇殺しでやんすか・・・ええ、耕六の話じゃ始めから親しげだったみたいですよ。
親切な老婆だった、見ず知らずの耕六を家に入れただけじゃなく、飯を振る舞い寝床まで用意してたそうです。耕六は有り難くそれらを頂戴すると、その日のこともあったからでしょう、疲れてその日は泥のように眠っちまった。
111 :
アニタ 下:03/06/08 21:48
さて、次の朝のことだった。耕六が老婆と一緒に朝食を取っていると、老婆が突然もう一晩だけ泊まってはくれないかと願い出た。聞けば明日倅が帰ってくるのだが、それまでの間1人では心許ないってぇことだった。
耕六には泊めてもらった恩がありやすからねぇ、本当はそのまま帰っちまうとこだがそこで断れば男が廃る。耕六はしぶしぶ老婆の願いを聞き入れた。
その時の耕六の状態でありやすか。さぁ・・そこまで詳しく耕六の野郎も話しちゃくれませんでしたからねぇ。
喋ってるときの様子・・ええ、他人から見てもよく分かるくれぇ脅えてましたぜ。
まったく、手短にと言っておきながら旦那もよく話の骨を折りやがる。これじゃあ夜が明けたって終わりやしねぇ。
その後の話でやんすか、その後は夜が更けるまで村のことを話したり、老婆の手伝いなんかをして耕六は過ごしたそうです。
そして、その日の就床―
―ここからが、耕六の恐怖の始まりだった。
続く(長ぇ
100%方言間違ってる気がしますがご容赦を。
>>86 峰生の話とは関係無いです。
おっ、奇殺し再開。
続きが楽しみだ。
114 :
もしかして星人:03/06/08 22:11
伝説「桃太郎」の冒頭シーン。
川上から桃がどんぶらこどんぶらこ流れてきました・・・
という場面。
真相はこうだ。川上の村で鬼(異民族)に惨殺され、胴体を切断され
下半身だけになった、妊婦の死体がお尻を上にしてながれてきたのだ。
その無残な亡骸を発見した老夫婦はおなかの大きさから子供がいるか
もと思い、腹をさばいてみると奇跡的におなかの子供は生きていた。
老夫婦に育てられた「桃太郎」は鬼の残虐ぶりを自分の誕生の真実
から聞かされ、ブチキレテ、鬼が島に戦いを挑むのです。
>>114 なるほど。
それで桃太郎に退治された鬼(=異民族)は、その場は「人間(=先住民)をもう苛めない」と約束するものの
内心、人間に対して逆恨みの感情を抱く。
やがて鬼たちは桃太郎との約束を破って、前にもまして人間を苛めるようになる。
桃太郎の耳に届かない地で。
で、ある日、妊婦を苛め抜いた挙句に殺してしまい、
胴体を千切って下半身だけを川に流して……
終わらないな、この物語。
私は、鬼畜の桃太郎に攻め滅ぼされ仲間も家も財宝も失った、とある島の
住人が可愛そうと思うけど。
桃太郎は自己正当化するために、彼らを鬼に仕立て上げたのでしょう。
星新一がSF調の解釈でアレンジされた話を書いてます。
115と116の要素がうまく入ってて、なかなか面白かったよ。
>>103 いや、自分の立てたスレにネタ提供という姿勢やよし。
いくつか・・・を多用している怪談を読んだことあるけど、
・・・を使うと雰囲気が出るかと思いきや、どこかユーモラスになっちゃうんだよね。
使い方が難しいです。
物語の初めで楽勝!と思わせておいて最後に一転させるタイプの怪談は
はまると結構怖いですよね。洒落怖のまとめサイトなんか読むと参考になるかも。
またちびりそうな話を思いついたらよろしく。
>>アニタさん
>続く(長ぇ
むしろじっくりと長い話を読みたいです。
気長に待ってますので、よろしくね!
>>111からの続き
1/3
第3幕 山姥の怪
月の濁った夜のこと、耕六は辺りに響く不気味な音に目を覚ました。
一体何事かと耳を澄まして聴き入れば、その不気味な音は老婆の眠る母屋から聴こえて来るようだった。
老婆がまだ起きて何かしているのだろうか、耕六は言い知れぬ不安に襲われながら、腹をくくって母屋につながる障子の破れ目を覗きこんだ。
見れば老婆の背中が見える。
眠れないのか、火影の踊る行灯に身を寄せて、淡々と体を揺すって何かの作業に没頭しているようだった。
一体何をしているのか、耕六は目を凝らして老婆の腕の動きを凝視した。老婆の肩が、上へ下へと上下する。その度に件の不気味な音は鳴り響くようだった。
ギィー、ギィーと、音だけが静かに鳴り響く。
2/3
何故か耕六は老婆に声をかけることが出来なかった。否、声を掛けてはならぬと何かが耕六に訴えかけていたのかもしれぬ。
耕六はその場から動くこともできず、ただただその老婆の作業に見入っていた。そして、耕六は気付いた。老婆が一体、何をやっているかを。
包丁を研いでいるのだ。ただ淡々と、老婆は包丁を研ぎ続けていたのである。
耕六の背筋に冷たいものが走った。身体中からは大粒の冷汗が流れ始めている。
まさか、否、そんな筈は・・・しかし、もしかしたら・・・。耕六が考えあぐねていたその時、老婆の背中が横を向いた。
行灯の火影にはえて、出刃包丁を握り、口が耳もとまで裂けた老婆の顔が照らし出される。
耕六は悲鳴を上げると窓から身を乗り出して外へと逃げた。
後から老婆の怒声が耕六を追いかけて来た。
3/3
「なんでぇ、結局山姥がそれの落かよ。身の毛もよだつ話が聞いて呆れるぜ」
全く呆れたように才蔵が言う。
「いや、そうじゃねぇんですよ旦那。この話の何が怖いかってぇと、“人事じゃねえ”話でやんしょ。今まで才蔵の旦那が聞いてきた怪談話は確かに、噂に尾鰭のついたホラ話ばっかでやんした。けどこいつばかしは本物ですぜ」
自信ありとばかりに胸をはるは小平次である。
なるほどねぇ、と才蔵が呟く。
「でもよ、小平次。残念だがこいつぁとんでもねえホラ話だぜ。いや、むしろ笑い話だな。天下一馬鹿らしい、救いようのねぇ笑い話だ」
「何?ってぇすると才蔵の旦那は、やはりこの話にも裏があると言いてぇんで?」
驚いたように小平次が聞き返すと、才蔵は確信ありと頷いた。
「聞かせてやろうじゃねぇか、この才蔵様の奇殺しを。どんな怪談も正体見たり枯れ尾花だ」
続く
怪談話のタネ明かしをする話に展開するのだろうか。
ミステリーっぽくなってきたな。
ちょっと思ったが、有名な昔話を丹念な描写でリメイク
すると案外こわい話になるんじゃないだろうか。
昔から廃れずに残っている話だから、話の骨子はしっかり
しているわけだしね。
んーと。
>>77で言ってた話、書き上がりますた。
長い。はっきり言って長すぎ。平気で10レスくらいは潰す勢い。
ただ、
>>77で言及した通り全然怖くないんで、
このスレの「怖い話を」という趣旨に合わないんだよなぁ。
後ほど別スレに貼っておきましょうかねぇ。
廃ビルの怪
7、8年前の話になります。
私は中国地方の僻地からなかば家出のように逃げ出し、
九州は福岡県の博多という街に住みつきました。
無職で保証人もおらず、当然アパートは借りられません。
あちこちの公園を転々として居心地のよい寝場所を
探しながら2週間ほど暮らしていました。所持金も少な
かったので、食事はもっぱら飲食店の残飯です。
残飯といっても、賞味期限切れの食品を捨ててある
だけなので、特別汚いものではありません。
現在ではどうしているのか知りませんが、ミ○タードーナツ
は、営業時間が終わると厚手の紙でできた大きな袋に
その日の残り物をどっさりつめて、店の前にゴミ出しします。
中にはミートパイの類も入っているので充分食事になりえ
ました。
乞食としての生活は思ったより過酷ではありませんでしたが、
それは幸いにも季節が初夏だったからでした。梅雨をむかえ
れば、やはり屋根のあるところでなければ寝られません。
私は数日の探索の後、福岡市内のとある場所にある
廃ビルを見つけました。元はマンションだった建物で十数階
建てのつくりのしっかりとしたところでした。出入り口は封鎖
されていましたが、侵入は比較的容易です。私は早速
中に入り込み、その日の寝場所を確保しました。
さて、この廃ビル、侵入が容易なこともあって、実は先住者が
かなりの数いました。私のような若者はおらず、みな
中年〜老人でしたが。それで、残飯や糞尿の臭い、他人の
体臭がかなりこたえました。
そこで、先住者に気を使いながらも、ビル内で少しでも快適な
場所を見つけようと色々歩き回りました。
当然電気は止められているので、エレベーターは使えません。
移動は階段を使わなければなりません。そのため下層階に
人気があり、4,5階以上に寝起きしている人は比較的
少ないのでした。ただ、4,5階以上に住んでいる人は他の
居住者と一緒に生活出来ない、性格的(精神的?)に
難のある方々が多く、私は安心して寝られないと思いさらに
上層の階に寝場所を探すことにしました。
(つづく)
130 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/10 00:26
>>127 うーん、おまかせします。
どっちにしても話は読みたいので、もし他スレに書き込まれたら、
誘導お願いします。
なんかよさげなスレなのでロムってました。
一つカキコしてみます。
うは、、書いてたら長編になってしまいそうなので
上がったらコソっとカキコします。
ウホッ 新規参入大歓迎!
丁度2年くらい前のことです。旅行にいきたいのでバイトを探してた時の事です。
暑い日が続いてて汗をかきながら求人をめくっては電話してました。
ところが、何故かどこもかしこも駄目,駄目駄目。
擦り切れた畳の上に大の字に寝転がり、適当に集めた求人雑誌を
ペラペラと悪態をつきながらめくってたんです。
不景気だな、、、節電の為、夜まで電気は落としています。
暗い部屋に落ちそうでおちない夕日がさしこんでいます。
窓枠に遮られた部分だけがまるで暗い十字架のような影を
畳に落としていました。 、、遠くで電車の音が響きます。
目をつむると違う部屋から夕餉の香りがしてきます。
「カップラーメンあったな、、」私は体をだるそうに起こし
散らかった求人雑誌をかたずけました。ふと、、偶然開いたの
でしょうかページがめくれていました。
そこには某県(ふせておきます)の旅館がバイトを募集しているものでした。
その場所はまさに私が旅行に行ってみたいと思ってた所でした。
条件は夏の期間だけのもので時給はあまり、、というか全然高くありません
でしたが、住みこみで食事つき、というところに強く惹かれました。
ずっとカップメンしか食べてません。まかない料理でも手作りの
ものが食べれて、しかも行きたかった場所。
私はすぐに電話しました。
「、、はい。ありがとうございます!○○旅館です。」
「あ、すみません。求人広告を見た者ですが、まだ募集してますでしょうか?」
「え、少々お待ち下さい。・・・・・・・・・・・・・・・・・・ザ、、、ザ、、ザザ、、、
・・い、・・・そう・・・・だ・・・・・・・・」
受けつけは若そうな女性でした。電話の向こう側で低い声の男と(おそらくは
宿の主人?)小声で会話をしていました。私はドキドキしながら
なぜか正座なんかしちゃったりして、、待ってました。やがて受話器をにぎる
気配がしました。
「はい。お電話変わりました。えと、、、バイトですか?」
「はい。××求人でここのことをしりまして、是非お願いしたいのですが」
「あー、、ありがとうございます。こちらこそお願いしたいです。いつから
これますか?」
「いつでも私は構いません」「じゃ、明日からでもお願いします。すみません
お名前は?」「神尾(仮名)です」「神尾君ね。はやくいらっしゃい、、、」
とんとん拍子だった。運が良かった。。私は電話の用件などを
忘れないように録音するようにしている。再度電話を再生しながら
必要事項をメモっていく。住みこみなので持っていくもののなかに
保険証なども必要とのことだったのでそれもメモする。
その宿の求人のページを見ると白黒で宿の写真が写っていた。
こじんまりとしているが自然にかこまれた良さそうな場所だ。
私は急にバイトが決まり、しかも行きたかった場所だということも
あってホっとした。しかし何かおかしい。私は鼻歌を歌いながら
カップメンを作った。何か鼻歌もおかしく感じる。日はいつのまにか
とっぷりと暮れ、あけっぱなしの窓から湿気の多い生温かい風が
入ってくる。私はカップメンをすすりながら、なにがおかしいのか
気付いた。
条件は良く、お金を稼ぎながら旅行も味わえる。女の子もいるようだ。
旅館なら出会いもあるかもしれない。だが、何かおかしい。
暗闇に窓のガラスが鏡になっている。その暗い窓に私の顔がうつっていた。
なぜか、まったく嬉しくなかった。。理由はわからないが
私は激しく落ちこんでいた。
窓にうつった年をとったかのような生気のない自分の顔を見つめつづけた。
次の日、私は酷い頭痛に目覚めた。激しく嗚咽する。風邪、、か?
私はふらふらしながら歯を磨いた。歯茎から血が滴った。
鏡で顔を見る。ギョッとした。目のしたにはくっきりと墨で書いたような
クマが出来ており、顔色は真っ白。、、、まるで、、、。
バイトやめようか、、とも思ったが、すでに準備は夜のうちに整えている。
しかし、、気がのらない。そのとき電話がなった。
「おはようございます。○○旅館のものですが、神尾さんでしょうか?」
「はい。今準備して出るところです。」
「わかりましたー。体調が悪いのですか?失礼ですが声が、、」
「あ、すみません、寝起きなので」
「無理なさらずに。こちらについたらまずは温泉などつかって頂いて構いませんよ。
初日はゆっくりとしててください。そこまで忙しくはありませんので。」
「あ、、だいじょうぶです。でも、、ありがとうございます。」
電話をきって家を出る。あんなに親切で優しい電話。ありがたかった。
しかし、電話をきってから今度は寒気がしてきた。ドアをあけると眩暈がした。
「と、、とりあえず、旅館までつけば、、、」
私はとおる人が振りかえるほどフラフラと駅へ向かった。
やがて雨が降り出した。
傘をもってきてない私は駅まで傘なしで濡れながらいくことになった。
激しい咳が出る。「、、旅館で休みたい、、、、」
私はびしょぬれで駅に辿りつき、切符を買った。そのとき自分の手を見て驚いた。。
カサカサになっている。濡れているが肌がひび割れている。まるで
老人のように。「やばい病気か、、?旅館まで無事つければいいけど、、」
私は手すりにすがるようにして足を支えて階段を上った。何度も休みながら。
電車が来るまで時間があった。私はベンチに倒れるように座りこみ
苦しい息をした。。ぜー、、、ぜー、、、声が枯れている。
手足が痺れている。波のように頭痛が押し寄せる。ごほごほ!咳をすると
足元に血が散らばった。私はハンカチで口を拭った。血がベットリ。。
私は霞む目でホームを見ていた。
「はやく、、旅館へ、、、」
やがて電車が轟音をたててホームにすべりこんでき、ドアが開いた。
乗り降りする人々を見ながら、私はようやく腰を上げた。腰痛がすごい。
フラフラと乗降口に向かう。体中が痛む。あの電車にのれば、、、、
そして乗降口に手をかけたとき、車中から鬼のような顔をした老婆が
突進してきた。
どしん!私はふっとばされホームに転がった。老婆もよろけたが
再度襲ってきた。私は老婆と取っ組み合いの喧嘩を始めた。
悲しいかな、相手は老婆なのに私の手には力がなかった。
「やめろ!やめてくれ!俺はあの電車にのらないといけないんだ!」
「なぜじゃ!?なぜじゃ!?」
老婆は私にまたがり顔をわしづかみにして地面に抑えつけながら聞いた。
「りょ、、旅館にいけなくなってしまう!」
やがて駅員たちがかけつけ私たちは引き離された。
電車は行ってしまっていた。私は立ち上がることも出来ず、人だかりの
中心で座りこんでいた。やがて引き離された老婆が息をととのえながら言った。
「おぬしは引かれておる。危なかった。」そして老婆は去っていった。
私は駅員と2〜3応答をしたがすぐに帰された。
駅を出て仕方なく家に戻る。
すると体の調子が良くなってきた。声も戻ってきた。
鏡を見ると血色がいい。
私は不思議に思いながらも家に帰った。
荷物を下ろし、タバコを吸う。
落ちついてからやはり断わろうと旅館の
電話番号をおした。すると無感情な軽い声が帰ってきた。
「この電話番号は現在使われておりません、、」
押しなおす
「この電話番号は現在使われておりません、、」
私は混乱した。まさにこの番号で今朝電話が掛かってきたのだ。
おかしいおかしいおかしい。。。
私は通話記録をとっていたのを思い出した。
最初まで巻き戻す。
、、、、、、、、、キュルキュルキュル、、、、、 ガチャ
再生
「ザ、、、ザザ、、、、、、、、はい。ありがとうございます。○○旅館です。」
あれ、、?私は悪寒を感じた。若い女性だったはずなのに、声がまるで
低い男性のような声になっている。
「あ、すみません。求人広告を見た者ですが、まだ募集してますでしょうか?」
「え、少々お待ち下さい。・・・・・・・・・・・・・・・・・・ザ、、、ザ、、ザザ、、、
・・い、・・・そう・・・・だ・・・・・・・・」
ん??
私はそこで何が話し合われてるのか聞こえた。
巻き戻し、音声を大きくする。
「え、少々お待ち下さい。・・・・・・・・・・・・・・・・・・ザ、、、ザ、、ザザ、、、
・・い、・・・そう・・・・だ・・・・・・・・」
巻き戻す。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・ザ、、、ザ、、ザザ、、、
、、むい、、、、こご、そう・・・・だ・・・・・・・・」
巻き戻す。
「さむい、、、こごえそうだ」
子供の声が入っている。さらにその後ろで大勢の人間が
唸っている声が聞こえる。
うわぁ!!私は汗が滴った。。
電話から離れる。すると通話記録がそのまま流れる。
「あー、、ありがとうございます。こちらこそお願いしたいです。いつから
これますか?」
「いつでも私は構いません」、、、
記憶にある会話。しかし、私はおじさんと話をしていたはずだ。
そこから流れる声は地面の下から響くような老人の声だった。
「神尾くんね、、はやくいらっしゃい」
そこで通話が途切れる。私の体中に冷や汗がながれおちる。
外は土砂降りの雨である。金縛りにあったように動けなかったが
私はようやく落ちついてきた。すると、そのまま通話記録が流れた。
今朝、掛かってきた分だ。
しかし、話し声は私のものだけだった。
、、、、、、
「死ね死ね死ね死ね死ね」
「はい。今準備して出るところです。」
「死ね死ね死ね死ね死ね」
「あ、すみません、寝起きなので」
「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね」
「あ、、だいじょうぶです。でも、、ありがとうございます。」
私は電話の電源ごとひきぬいた。
かわいた喉を鳴らす。な、、、、なんだ、、、なんだこれ、、
なんだよ!? どうなってんだ??
私はそのとき手に求人ガイドを握っていた。
震えながらそのページを探す。
すると何かおかしい。 、、ん?
手が震える。。そのページはあった。
綺麗なはずなのにその旅館の1ページだけしわしわでなにか
シミが大きく広がり少しはじが焦げている。どうみてもそこだけが
古い紙質なのです。まるで数十年前の古雑誌のようでした。
そしてそこには全焼して燃え落ちた旅館が写っていました。
そこに記事が書いてありました。
死者30数名。台所から出火したもよう。
旅館の主人と思われる焼死体が台所でみつかったことから
料理の際に炎を出したと思われる。
泊まりに来ていた宿泊客達が逃げ遅れて炎にまかれて焼死。
これ、、なんだ。。求人じゃない。。
私は声もだせずにいた。求人雑誌が風にめくれている。
私は痺れた頭で石のように動けなかった。
そのときふいに雨足が弱くなった。。一瞬の静寂が私を包んだ。
電話がなっている
こええええええええぇえええええ、、、、、、、、、、、、
145 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/10 20:10
読まなきゃヨカタ・・・今日雨ふってる・・・・(泣
146 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/10 20:27
一気によみますた。 ママーーー!!
長文すみません。無駄にながくなりました。
148 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/10 21:02
乙カレー
常連さんの評価も気になるトコロ
150 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/10 21:30
>>135 よかった。
長文でもお話がテンポよく展開し、最後まで面白く読めました。
老婆のくだりが少し他のシーンから浮いているように感じたので、
そこが多少残念です。
152 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/10 22:50
怖かった。老婆は何だったの?
これも前に洒落恐で書いた話ですけど、うpします。
154 :
BEAR(1/5):03/06/10 22:53
『ちっ!』
今日も覚めてしまった。ダメだ、あいつにはどうしても勝てない…。
俺が最近ハマッているのは、夢の中で戦う事。しかしこれは誰もができるわけではなく、
気がついたら俺はできるようになっていた。この世界で、夢の中で戦える戦士は、たった
5人だけだ。それは、ごく普通のサラリーマン、おしゃべりそうな主婦、よぼよぼの爺さん、
小学2年くらいの小さい子供、そして高校生の俺、と、年齢層はかなり幅広い。さっき、
『夢の中で戦う』と言ったが、具体的に言うと、最後まで夢に残っていられた人が勝ち
みたいな感じで、つまり相手を夢から覚めさせるのがこのゲームの醍醐味だ。
で、方法は様々だ。何しろ、これが夢だと自覚していれば、念じると自分の出したい物が
すぐ出てきたりなど、完璧に自分の思い通りになるから、人によってその方法は様々だ。
さて、また夜がやってきた。俺は、いつもの対戦時間に遅刻しないように、夜6時半に寝た。
………今日のステージは…公園か。ブランコにはすでに戦士の一人、よぼよぼの爺さんが
座っていた。
『あと5分だって言うのに、全く若いもんはけしからん!』爺さんは僕にそうグチを叩いて、
ブランコをこぎ始めた。2分前になって、主婦と小学生が来た。だがサラリーマンはまだ来ない。
まあ、いつもの事だがな。まあいい、来たら一瞬で『血祭り』にあげてやるかな、なんてね。
『あと30秒だぞ!』爺さんがそう叫ぶと、サラリーマンはすぐ現れた。
『スイマセン、飲みに行こうって誘われたの、断るのに手こずって…』
『言い訳はいいよ、んじゃ、始めよう!』
小学生がそう言うと、手元の時計は7時になった。
155 :
BEAR(2/5):03/06/10 22:53
『スタート!』
みんなはすぐさま戦闘体勢になった。そして早くも小学生が、得意のしゃぼん玉をくり出してきた。
あれは、一見普通のしゃぼん玉に見えるが、割れると鼓膜を破るようなスゴい音がして、分かっていても覚めてしまう、強い技だ。一回、自分で自滅した事もあったしな…。
そしてそのしゃぼん玉が割れた。
『パアアアン!』
その音で、主婦が悔しそうな顔で消えた。主婦が持つ、得意の包丁でビビらせ攻撃も、
今日は使えずじまいってわけか。僕は少し笑みを浮かべた。小学生は、相変わらず冷静である。
そして、サラリーマンがニヤリと微笑んだ。来るか…!?と思ったら、サラリーマンが消えた。
いつの間に…誰が攻撃したんだ?僕はみんなを見た。しかし、みんなも俺と同じように、
まわりをキョロキョロと見回している。夢の中で戦えるのはこの5人だけのはず…。と思った瞬間、
『助けてくれえ!』
サラリーマンの、空気を裂くような痛々しい叫び声。何だ、まだ覚めてなかったのか。
新種の技か何か知らんが、俺はそんな技には引っかからん!そう思った時、何かが上から降ってきた。『ドサッ!』それは、サラリーマンの血だらけの死体だった。
そのサラリーマンには顔が無く、のっぺらぼうの様に、目、鼻、口などがきれいには
ぎ取られて、その部分からは、絶えず鮮血が吹き出ていた。
156 :
BEAR(3/5):03/06/10 22:54
『うわあああ!』
小学生は、その血だらけの死体のあまりのグロテスクさに、ビビって泣きながら消えていった。
しかし、俺はだまされない。あれは、おそらくあの爺さんの新しい技だ。ほら見ろ、笑ってる。
ちきしょう、ガキ相手に、こんな残酷な手を使いやがって…。今日は何としても『血祭りにあげて、
無様をさらす』ぞ!と思った瞬間、今度は爺さん本人が消えた。ん?爺さん、消える一瞬顔が青…
いや、そんなのどうでもいい。今度は何が来るのか…さっきは少しビビって覚めそうになったが、
次は心構えは充分できている。さあ、いつでも来い!
その瞬間、辺りの風がピタッと止んだ。と思ったら、いつの間にかそこには、血だらけの
変わり果てた爺さんの無様な変死体が、ケタケタと笑いながら舞い踊っていた。妙に目が
キョロキョロしてて、以前の爺さんの頑固な面影は少しも無い。
そして、不気味ながらも、しばらくその爺さんを見ていた。すると、急に爺さんの首が
いきなり凄い勢いで180度こっちに曲がり、その半分取れそうな目で『ギョロッ』と俺を
見てきたのだ。そして、体が小刻みに揺れたと思ったら、爺さんの目玉がこっちに飛んできた!
『うわああああ!』俺は夢から離脱せざるを得なかった。
157 :
BEAR(4/5):03/06/10 22:54
『…やられた』
俺は今までの戦いの中で一番悔しかった。あのままいけば勝てたのに!あの爺さんは、
いったいどこまで卑怯な手を使うんだ?あの夢の爺さんの姿は、間違いなく俺をビビらせて
リタイアさせる技だ!そうに決まってる。でなければ…いや、有り得ない。俺は一瞬嫌な想像をした。そして、悔しがりながらも、仕方なく今日一日、つまらない現実の世界を過ごすことにした。
そして学校から帰り、メシを適当に食った。風呂に入っている時も、ずっとあの爺さんを
負かす事だけを考えていた。そして、風呂から上がり、時間がやってきた。今日こそ、あの爺さんを
負かしてやる!……そして夢に入る。
……今日は…デパート?何でこんな場所で…あれ?爺さんがいない…いつもは早いはずなのに…
サラリーマンはいつもギリギリだから良いとして、爺さんが遅いのは珍しいな…。
全くこういう時に限ってムカつくな…。そして主婦と小学生が同時に現れた。二人とも何故か
俺を見ておびえている。まあ良い、負かしやすくなっただけで、何の問題も無いしな!
…しかしあとの二人とも遅いな。サラリーマンはまあいつもここらへんで来るけど、
爺さんは異常に遅い。今までこんな遅くまで来ない事は…。不思議に思いながらも、
ついに時間になってしまった。
ちっ、あの爺さんを負かしたかったのに、つまんないな。まあいいや、この弱いメンバーなら、
一瞬で『ねじ伏せて』久しぶりの勝利が飾れるな!
158 :
BEAR(5/5):03/06/10 22:55
『スタート!』
の合図と共に二人はスッと消えた。………え?俺はまだ何にもしてない…おかしい!
絶対おかしい!昨日といい、今日といい…いや、待てよ!これも実は主婦や小学生の技
だったりして…。と思った時、デパートは一気に暗くなった。しまった、油断するな!俺!と、
自分に言い聞かせて警戒心を強めた。するとまた電気がついた。
え…?…主婦と小学生は、体が有り得ない程ぐにゃっとねじれて死んでいた。……ダメだ、
ちきしょう!だまされるな!これは…罠だ!みんな、最近強くなってきた俺を集中狙いして、
こんな芝居を…何でみんなこんな戦い方を…俺は嫌なんだよ!勝てばいいとか言う考え方は…
なのにみんなは…。俺は意識が薄れかけていた。すると、デパートの天井からアナウンスが聞こえた。
『よくやりました!今回の優勝者はあなたです!おめでとうございます!』
え…?俺が優勝者…?そんなはずは…だってこのねじれた二人はまだここから消えて…
まあいい、とりあえず俺は勝ったんだ!この長い戦い、ようやく制したんだ!何か不自然だけど、
とりあえず勝ったならそれでいい!俺は、すごい優越感に浸っていた。そして夢から覚めた。
『俺…勝ったんだ』現実の世界でも、この喜びを噛みしめる事ができた。みんなに今まで
散々卑怯な手を使われたてきたが、俺はそれに耐えたんだ!へっ!あの4人め!ざまあみろ…!
あれ?何か大きい箱がある。赤くてすごく大きい箱だ。貼ってある紙を見ると、
『優勝おめでとうございます。あなたの戦利品です。』
と書いてあった。………戦利品?…まさか…!俺はすぐさまその箱を開けた。
何とその中には、かつて夢で戦っていた4人の無惨な死体がぎゅうぎゅうに詰め込まれていた。
そしてそこにも一枚の紙があった。そこには
『血祭り』
『血祭りにあげて無様をさらす』
『ねじ伏せる』と、何か覚えのある言葉が…。俺はやっと気付いた。
『うわあああ!』俺は怖くてすぐさま箱を閉めた。その時、箱の中から最後何かが
聞こえたような気がした。
『お前も血祭りだ』
…逃げるつもりは無い。望むところだ。今日の夜に殺られるのは、もう分かっている。
だからこそ、俺は、戦うのだ。
そして…夜が来た。
END
以上です。相変わらず長文ですが・・・
>>さげ氏
恐かったです。背筋が寒くなったよ
>>BEAR氏
面白かったです。夜にも奇妙な物語チックですね。
第四幕 奇殺し才蔵(
>>124より続き)
1/5
「なぁ、小平次。おめぇ知らねえ土地で気安く寄って来る野郎にあったら、最初に先ず何を考える?」
不意に才蔵が小平次に問い掛ける。ちゃらんぽらんな物言いとは裏腹に、才蔵の目は真剣そのものである。
「そりゃまぁ、気持ち悪ぃし警戒するのが当り前でしょう」
「だな、見知らぬ土地で親しげに寄ってくる奴がいりゃあ、先ず間違ぇなくゴマの蝿と疑うが世の常だ。疑って、そっと胴巻きの財布を確かめる。被害妄想の強ぇ奴が、旅先で妄想反応起してもなんら不思議はねぇってことだ」
小平次が何かに気が付いたように顔を上げ何か言おうとしていたが、才蔵は構わず続ける。
「とくに、見知らぬ宿に一人で泊まり、これから眠ろうという瞬間に緊張は頂点に達するもんだ。己を狙う敵の、かすかな物音にも反応して飛び起きちまう武芸者とは違って、凡人はいったん寝込んだが最後、なにも自分を守るすべをもたねぇからな」
ちょっと待ってくだせぇ、と小平次が茶々を入れる。しかし才蔵は構わない。
「だからな、そういう不安緊張が高まりゃ、ふと耳元に響いてくるのが包丁を研ぐ音が聴こえたり、ひそひそとなにやら相談しているらしい人声があっても不思議じゃねぇんだ」
「やっぱり、才蔵の旦那が始め俺の話に茶々入れた理由がわかったぜ」
2/5
やっと一息ついた才蔵に、すかさず小平次が言葉を挟む。これで小平次は己の語った怪談に、才蔵が時々質問を投げた理由がわかった。
なるほど確かに不安や緊張、警戒や恐怖が宿れば人は時に狂うものである。
しかし――。
「しかしね、旦那。耕六の奴ぁ狂ったわけじゃなけりゃあ、幻聴聞いたわけでもありやせんよ。奴は障子の破れ目より行灯に照らされ包丁を研ぐ山姥の姿を見たんですから。それも幻覚だと旦那が言うんなら、そりゃあちょいとばかし話に無理がありやすぜ」
まぁ聞け、と才蔵が小平次をなだめた。
「こいつぁ物の例えだ、小平次。先にこれを言っておかねぇと後々話が続かねぇからな」
じゃあ今おめぇが言ってた耕六が見た山姥の話から片付けるか、と才蔵が続ける。
3/5
「怪談の聞き手に回る奴ってぇのは、大抵”恐いもの知りたさ”の考えなしばっかだ。単純に”恐がりてぇからただ聞き入る”だけ。
ありがたいことに怪談ってぇのは始まりから落までちゃんと完成されているからな、いちいち”考えずに”気楽に最後まで聞けるわけだ」
「へぇ、なるほど」
才蔵の饒舌さに思わず小平次が唸る。
「そして小平次、おめぇそのそういう”考えなし”の1人だ。だから大して深く考えることもなく耕六の話を鵜呑みにしちまったわけだな。
まずは小平次、耕六から聞いた話の中で、包丁を研ぐ老婆を見たという部分をよく思い出せ。耕六が話した内容の中に、どれか一つでも”それが山姥だと確証”できる言葉があったかよ?」
小平次は耕六が脅えながら語った老婆の話を思い返してみた。よくよく考えてみると耕六の言葉の中に”それが山姥だと確証”できる言葉はなかったような気がする。
4/5
「確証できる言葉なんて、一つも言っちゃいなかっただろ。耕六の早とちりだってぇ可能性は十分あるんだぜ。
老婆の言葉を思い出してみろ、そいつは明日倅が帰ってくるといっていたんだろ?倅のために前夜から朝餉の準備をしていたのかもしれねぇ。
話の最後の老婆の怒声のことだが、それは怒声じゃなくて突然悲鳴を上げて逃げ出した耕六を呼び止めようとしてただけかもしれねぇ。
話の筋からして耕六が自分の荷物を持って逃げたとは思えんし、もしかしたら突然出て行った耕六に忘れ物があることを伝えたかったという可能性も十分あんだぜ」
うぅむ、とまた小平次が唸る。確かに考えれば考えるほど、耕六の話には多くのボロがあるように思える。
「ってすると、才蔵の旦那の考える耕六の話の裏ってぇのは?」
「耕六の早とちりが生んだ、聞くに恥ずかしい大馬鹿野郎のホラ話だ。恐怖に負けりゃあ、行灯に照らされた婆の口皺だって裂けた口に見えるだろうよ」
なるほどなぁ、と小平次が嘆息する。ちょっと聞き方を変えるだけで、怪談話がここまで化けるとは小平次は考えもしなかった。
しかし、そうやって考えると小平次はどうしても才蔵に言わなくてはいけないことがある。
5/5
「確かに、考え方一つで怪談がここまで化けるとは思いやせんでした。しかし旦那、そうなるとどうしても旦那に言わなきゃならんことがあります。耕六の話に”確証”がねぇというんなら、旦那のまた”確証”がありやせんぜ」
そうなのだ。才蔵は人間を語り耕六の話をホラだと説いたが、どんなにもっともな考えであってもやはり才蔵の話にもまた確証はないのである。
小平次の言葉に、才蔵がほう、と関心したように呟く。
「よく考えたな小平次。道理だ」
だがな、と才蔵は続ける。
「悪いが確証は、あるぜ」
驚いたのは小平次である。耕六の話の中に、才蔵の語るせつの確証となる言葉があったのだろうか。
「そいつぁ、一体」
小平次が問う。
「・・・悪いが、今日はもう寝かせてもらうぜ。明日早いからな」
才蔵は答えなかった。
やはり、確証なんてないんじゃないかと小平次は背を向けて寝転がる才蔵の背中を見ながら思った。
すると、しばしの沈黙が続いた後、不意に、才蔵が小平次に背を向けたまま「ありがとよ、小平次」と言った。
そして、才蔵は最後にこう続ける。
「前に、神隠しに遭ったって噂されていたどっかの馬鹿が村にひょっこり帰ってきてな。
朝っぱらから村中の騒ぎになって、俺は”母親の家へ行く機会”を逃しちまったんだ。それ以来すっかり帰ることを忘れていたが、おめぇのお陰で思い出したぜ。
明日早朝、俺は母親の家に行って来る」
少しの間を置いて、何かに気が付いたように小平次は突然ああっと声を上げた。
―終幕―
やっと奇殺し終了。こんどからは普通に恐い話を考えたいと思います。
>>さげさん
背筋が凍るかと・・
細かくかかれててリアルに想像できました。恐い・・。
>>BEAR氏
すごい面白かったです。
主人公の高校生かっこいい。
170 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/11 00:23
ぜんぶ怖い!!(TT)
部屋を掃除していたら、小学校の卒業アルバムが出てきた。
懐かしくなり、掃除の手を休めてしばし見入った。
集合写真を眺めているうちに、奇妙な物が映りこんでいるのに気付いた。
肉が爛れ、骨が丸見えの異形の生物。なんだこいつは。
欄外の名簿と照合してみると、親友の隆之である事が判ったのだが、
どう考えてもありえない。何でこんな風に映っているんだ?
ページをめくると、遠足や運動会の写真が載っていたのだが、
ここにも至る所に腐りかけた化け物が映りこんでいる。
訳がわからない。こんな不気味なものが映っていれば、
最初に見た時に気付いているはずだ。それが、何故……。
数日後、俺の元に訃報が舞い込んできた。
隆之が、山中で死体となって発見されたというのだ。
聞く所によると、隆之は一ヶ月ほど前に「山に渓流釣りに行く」と言って出て行ったきり
行方がわからなくなり、捜索が続けられていたのだという。
死体は沢の急斜面に引っ掛かるような形で発見され、検死の結果
足と頭蓋骨を骨折してた事が判り、恐らくは足を踏み外して転落したのだろう
ということになった。
受話器を置き、俺は本棚にしまっておいた卒業アルバムに目をやった。
もしかして、あの写真はこの事を知らせたのではないか。
もう一度写真を改めようと、俺はページをめくっていった。
写真の中の俺の頭に深々と、刃が錆び付いたノコギリが食い込んでいた。
うわ、色んな意味でひどい文章になったなぁ。
教訓:勢いだけで書き込むのは止めましょう。
もう全部怖すぎです。犯罪です。わいせつ物陳列罪で通報します。
特に、
>>135、もといさげさん。
一気に読んじゃいました。それくらいホントひきつけられました!
と、言う訳で怖すぎage~
175 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/11 20:37
>>BEAR氏
前の鏡の話もですが、発想がとても良いです。
最後らへんでやっと気付きました。面白かったです。
>>アニタ氏
いやー、全部読ませて頂きました。文章がとても上手くて、
才蔵の奇殺しにかなり夢中になってました。面白かったです。
これで次まともに怖い話書いたらどんな話になるか・・・次作禿しく期待です。
最初は、ほんの出来心だったんです。
きっかけは2年ほど前にやっていた深夜番組でした。30分枠の、どちらかといえばマイナーな番組です。
もう終わってしまいましたが、全国ネットでやっていた番組なので、ひょっとしたら見たことがある人もいるかも知れません。
番組の中に、視聴者からの投稿を紹介するというコーナーがあったんです。他に目立ったコーナーもなく、それがその番組の売りのひとつでした。
投稿といっても、そんなに大したものじゃないんです。番組の最後にちらっと紹介されるだけで、
視聴者が町でみかけた変な看板の写真とか、飼っているペットの変な行動を撮ったビデオだとか、そういった
「ちょっと笑える、シュールな映像」を送って、採用されれば景品がもらえるっていう。
その番組を見てて、私も無い知恵絞って考えてみたんです。
別に景品が欲しいって訳じゃなかったけど、自分にも何か面白い映像が作れないかなぁって。
そうしたら、ひとつ思いついたんですね、ネタを。あまり趣味のいいネタではありませんでしたが、
私は自分で思いついたそのネタをすっかり気に入ってしまって、早速準備に取り掛かりました。
用意したのは適当な大きさの板と木の杭、それとロープが一本。これだけです。
まず、板に釘で杭を打ちつけて、看板をこしらえました。板には適当なタッチで、手書きで「ご自由にお使いください」と書きます。
これだけなら、何の変哲もありません。公園の公衆トイレや水のみ場の前なんかによくある看板です。
次にロープに取り掛かりました。こっちは看板より簡単です。一方の端を結び、丸く輪っかにするだけ。
これで準備は整いました。後はこれを適当に配置して写真を撮れば、ささやかながら私の投稿作品の完成です。
休日を見計らって、私は郊外の森に車を走らせました。適当なところで車を降りてロープと看板を担ぎ、森の中を少し散策しました。
程なくして、探していたものは見つかりました。適当な大きさの、どっしりとした松の木です。地面から3メートルほどの所に、
ほぼ水平に太い枝が張り出していて、私の目的にぴったりと合った木でした。
用意したハンマーを使って、私は「ご自由にお使いください」の看板をその松の木の前に立てました。
それから苦労して木の上によじ登り、大きく張り出した枝に片方が輪になったロープをくくりつけます。
木から下りて、私は満足して自分の「作品」を眺めました。
「ご自由にお使いください」と記された、即席の絞首台です。決して趣味のいいものではないと自分でも分かっていましたが、TVに映ればいくらかの笑いは取れるでしょう。
ところが、いざ写真を撮ろうという段になって、私は少しためらいました。
看板用の木材は近所のホームセンターで買ってきたもので、新品のきれいな板と杭でした。
ロープはさほど気になりませんでしたが、寂しい森の中では、その真新しい看板がどうしても違和感のあるものとして私の目に映ったのです。
考えた末、私は決心しました。
少しの間‥‥少なくとも何週間かは、これはここに置いて雨ざらしにしておこう。
そうすれば風雨で看板の木も薄汚れて、荒涼とした雰囲気を演出できるだろう、と。
もちろん、「もし誰かに見つかったら」という不安もありました。誰か良識のある人がこれを見つけたら、腹を立てて撤去してしまうかも知れません。
でも私としてはこれはただの悪戯のつもりだったし、例え見つかったとしても別に犯罪を犯しているわけではありません。
そう考えて、そのことについてはあまり気にしないことにしました。
看板とロープをそのままにして戻り、私は車で家に帰りました。
それから少し忙しい日々が続いて、気付けば私は自分のしかけた「悪戯」のことをすっかり忘れてしまっていました。
ふっとそれを思い出したのは、それからちょうど一ヶ月後のことでした。
例の深夜番組はまだ続いています。すぐに、私は車を走らせました。
忘れていた一ヶ月の間に台風の時期と重なったこともあって、久しぶりに踏み入る山中は草が生い茂り大分様変わりしていました。
私は途中少し道に迷いながら、趣味の悪い悪戯を探して山の中を歩き回りました。
程なくして、それは見つかりました。でも、私はそれをフィルムに納めることはできませんでした。
予想した通り、その場は荒涼とした雰囲気に変わり果てていました。
白木で作った看板は灰色に薄汚れ、黒インクで書いた「ご自由に‥‥」の文字は風雨にさらされてうっすらと滲んでいます。
そして、木にぶら下げたロープには、看板を見た誰かが吊られていました。
髪が長かったので、女性だと思います。後ろ向きだったので、顔はわかりません。まだ新しかったのかもう腐っていたのか、それも分かりません。
ただ、ピクリとも動かないその様子から、もう死んでいるのは明らかでした。
力なく手足をだらんと垂らしたまま、彼女は枝をキィキィと揺らして一人で吊られていました。
彼女が風に揺られてこっちを振り返る前に、私はその場から逃げて帰りました。
怖くてたまりませんでした。今でも怖いです。警察に通報することも考えましたが、それも怖くてできませんでした。
警察に通報すれば、あの悪戯が私の仕業だということが分かってしまいます。
厳密に考えれば、私のやったことは自殺幇助になるのでしょうか? でも別に、罪に問われるのが怖いわけではないんです。
私はほんの悪戯心で看板を作っただけなんです。でも、彼女を自ら死に追いやったものが何であれ、その原因の一端が私にあると思うと、怖くてたまらないんです。
あれからもう2年になります。
警察には届けていません。さりげなく新聞やTVのニュースにも目を通していますが、あの自殺者について何か書かれた記事にはまだ出会っていません。
きっと、今でも彼女は森の奥で吊られているのでしょう。
キィキィと枝を揺らしながら。
おしまいヽ(´ー`)ノ
「UZE」って何だよ自分‥「USE」だよこのど阿呆‥(つдT)
>>175 感想感謝感謝。改めて読んでみるとタイプミスやら修正しなきゃいけない所が多々あって反省。
ぼっこし屋さんの教訓が呪文のように胸に反芻します。以後気を付けなくては。
>>ぼっこし屋さん
アルバム見るのに抵抗が・・・恐え〜。
184 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/12 16:50
うちのボロ家は1階と2階の間の壁のクーラーの室外機のパイプの
ところに小さな穴があいてしまって蜂が巣を作ったりして大変だった。
5年ほど前、その穴にどうもツバメが巣を作ったようだった。
ずーっと雛鳥の鳴く声がしてちょっとうるさかったがしばらくして
その声もしなくなった。 かわりにネズミが住みついたようだ。
ネズミの走る音がしなくなったと思ったら、
今度は子猫の鳴き声がするようになった。 しばらくして子猫の
泣き声がしなくなったが発情期に成ったらしく、ものすごく大きな泣き声で
夜な夜な鳴く様に成った。
あの声は時として赤ん坊のような声にも聞こえちょっと気持ち悪かった。
発情期が終わったのか泣き声は聞こえなくなったが。
昨日、リフォームのときにその場所から3歳児位の白骨死体が見つかった。
その他にネズミやネコの死骸も見つかった。 非常に迷惑だ。
186 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/12 18:31
軟らかい物が潰れる感触と、何十本もの骨が同時に折れる感触が少し、足の裏に伝わってきました。
どうやら、巣から落ちたツバメの雛を、私は踏んづけてしまったようです。
血に滲んだ雛の目が、恨めしそうに私を見上げています。
自分の翼で大空を飛び立つこともなく、その短い人生を終わらしたこの雛は、一体何を考え死んだのでしょう?
それを考えると、私は――
グウゥゥ〜・・・
お母さん。
今日の晩御飯は、鳥の手羽先をお願いします。
う〜ん、作品のカキコが多くて何だか嬉しいなぁ。
鯖落ち前にあった創作スレの頃に較べると、エライ違いだ。
>>135-143みたいな「最後まで怪異の正体が不明」な話は
個人的に好きだな。
つうわけで、百物語用の話もちょこちょこ書きながら
このスレ用の話も書いてたりします。
だが、書き上げた文章が、どれもこれも纏まりが無いものばかりで悩んでいたりする。
食べるのならば殺生を赦す。
それは生物の業だからな・・・
階段を4階から5階へ上ったところで、元やくざをやって
いたというシンさんというじいさんが話かけてきました。
シンさんはどうやら上機嫌なようで私は一安心です。
シンさんは別にこのビルでは物騒な事をしでかしたという
わけでもなく、またすでに初老のためそれほど腕っぷしが
強そうにも見えず穏和な感じなのですが、目の奥にひんやり
としたものを持っている人でした。
私がこのビルで唯一の若者だから物珍しく思ったのか
シンさんは私に銘柄のよく分からないタバコを1本くれ、
ちょっと話でもしないかと誘ってきました。私は早く6階
以上を見回ってみたかったのですが、シンさんの機嫌を
損ねたくなかったのでお誘いにのりました。
シンさんの部屋へ入ると、ちょっと生臭い臭いがきつく
私は少し後悔しましたが、腰を落ち着けて話をするのは
久しぶりなので嬉しくもありました。お互いにタバコを
ふかしながら、世間話からはじめました。身の回りのもの
は几帳面に片づけられた小綺麗な部屋ではありました。
そのうちお互いに身の上を話し多少はうち解けたので、私はシンさん
のやくざ時代の話を少しだけ聞き出すことができました。
敵対する組の親分さんの生活を観察し、親分さんが銭湯に
入っているところを狙って襲撃したという話はいままでに
観たどんなアクション映画よりも、聞いていて興奮する
ものでした。そのとき親分さんを斬った日本刀はまだ隠し
持っていて、いざという時にはまだ使える。体はなまっちゃ
いないよ。とのことです。
そういう物騒な話を聞いたにも関わらず、
シンさんはやはり基本的には穏和で、年少の私にも礼節を
払ってくれる良い人だと感じました。
そうこうするうちに、日は傾き、ビルの中は薄闇に包まれて
きました。私がタバコの礼をいい、立ち上がろうとすると、
にいちゃんは若いけんあっちの方は大変やろ、とシンさんは
蝋燭を1本と古びたエロ本を1冊くれ、にやっと笑いました。
私は丁重に礼を述べ、蝋燭があればまだビル内を動き回れる
なと思いました。怪談を6階へ上がろうとしていると、
慌てた声でシンさんに呼び止められました。
何しとるの? 上は上がっちゃいかんよ。
寝場所を探そうかと思ったんですが、何かまずいですか?
いや、そらまずいよ。
何があるんでしょう?
何て、、、
シンさんは、
このマンションの元オーナーが破産した後、
最上階で首吊り自殺をしたこと。死後2週間経って腐乱死体
として発見されたこと。上層階に上がると凄まじい腐臭が漂い、
人によっては元オーナーの霊を見るものもあるというのは、
ここの住人の間では表だっては話されないが、常識となって
いること。などを真に迫る口調で話してくれた。
私は心霊など全く信じておらず、シンさんの話を鵜呑みには
しませんでしたが、その場は彼の顔をたてて上層階へは後日
こっそり上ることにしました。
さて、翌日。
私は幸運にも午前中にその日の食料集めを済ますことが
できたので、今日こそはシンさんに見つからずに上層階へ
上るタイミングがあるだろうと余裕を感じていました。
昨日シンさんに聞いた話(幽霊の件は別として、オーナーの
自殺について)は本当だろうかと、ちょっと気になって
いたので、顔見知りのおじさんに冗談半分に話を振って
みました。
ここ、上の方の階にオーナーの幽霊がでるんですって?
すると、おじさんの顔が途端に凍り付きました。
あれ、本当に出るかどうかは別として、このおじさん
幽霊が出るということは信じてるんだな。
いい年した大人が、、、と、ちょっと滑稽に思いましたが、
自殺事件のくだりに好奇心を感じ、重ねて尋ねてみました
が、おじさんは何も語ってくれませんでした。
私はそれ以上の話はあきらめて、上層階を目指し階段を
登りかけました。すると、おじさんが私を呼び止め、
もしかして上の階を調べに行くの?と聞いてきました。
私が新しい寝場所を探すつもりだと言うと、おじさんは
押し殺した声で、上の階へは行っちゃいけない。絶対だよ。
と、私に忠告するのです。
私は、
分かりました、5階までしか上りませんよ。
と、言い置いて階段を上りはじめました。
5階から6階へ上るときにシンさんに見つからないよう
緊張しましたが、うまくいきました。6階には人の気配が
ありません。ただ、各部屋に鍵がかかっており、寝場所
とする部屋が全く見つかりませんでした。ドアを壊せば
良いのですが、かなりの労力が必要です。私は7階へと
足を向けました。
7階へ上り鍵の開いた部屋を探しながら廊下を進む
うちに、鼻に嫌な臭いがつんと漂うことに気づきました。
廊下を半分ほど進んだところに鍵の開いた部屋を見つけ
ましたが、臭いが気になってそのまま他の部屋も開いて
ないか見て回りました。7階には全部で6つの空き部屋
が見つかりましたが、臭いの元となるようなところは
ありません。私はそのうち、最もきれいな部屋のドアに
石のかけらで目印をつけ、気になる臭いの元を探すことに
して8階へ上ることにしました。
8階の廊下には7階よりも少し強い臭いが漂っていました
が、ここにも臭いの元はありません。嫌な臭いでしたが、
今までに嗅いだことのない種類の臭いです。私は昨日の
シンさんの話を思い浮かべ、人の腐臭というのははたして
どんな臭いなのだろうかと想像を巡らせていました。
そして9階へと足を向けました。
9階、10階、11階と、探してみましたが、臭いの元は
見つかりません。ただし、確実に臭いは強くなり、すでに
我慢の限界が近くなってきていました。そして、ただ嫌な
臭いとしか認識できなかった臭いが、段々と何かの腐った
臭いだとはっきり分かるほどになってきました。
次第にゴキブリやネズミが目立つようにもなりました。
12階へ上ると、呼吸も困難なほどの激臭がしています。
鼻を手で押さえ、口だけで呼吸するようにしていたのですが、
それでも臭いは容赦なく襲ってきます。のどにぴりぴりと
刺激があるほどでした。
この期に及んで、私はオーナーの幽霊などちっとも恐ろしい
とは思えませんでした。というか、幽霊など存在しないの
だから、怖がる必要がないと至って冷静ですらありました。
今となっては、途中で引き返すべきだったと後悔しています。
人の忠告は、理由はどうあれ真摯に受け止める必要がある
のです。
階段は12階までで終わりでした。私はこの探索もこの階で
最後なのだからと、気力を振り絞って足を踏み出しました。
廊下の中央まで進むと、ゴキブリやネズミの数が以上に増えて
います。鍵の開いている部屋がなかなか見つからず、私は
廊下の奥へと進んで行きました。
廊下の一番奥の左側の部屋は、どうやらドアが壊れて外れて
いる様でした。他に開いた部屋がないので、私はそこへと
足早に近づきました。もはや腐臭は激しい頭痛を生じさせる
ほど激烈なものとなっています。
ドアが破れた部屋の前につき中をのぞき込んで、私は絶句
しました。
4体の死体が、部屋の奥の方へ頭、手前へ足ときちんと
並べられていました。一番右の死体はほぼ白骨化しています
が、その隣の死体はどろどろに溶けた腐肉が骨に付着して
います。さらに左の死体はゴキブリがびっしりとたかって
黒光りしています。そして一番左の死体には主にネズミが
喰らいつき、体の柔らかい部位はところどころ骨が見えるほど
食い荒らされていました。見たところこの一番左の死体が
一番新しそうです。そして、、、
そして、部屋をのぞき込んだ当初から目についてはいたの
ですが、認めたくなかったものが、その一番左の死体の
おそらく右側の眼窩に突き刺さっていました。それは柄の
ところまで刺さっていため、死体の頭は真横にひねって
置いてありました。そうしなければ、死体を置けないほど
長い突き刺さったモノ。
「来たんか」
振り返ると、シンさんが力無く立っていました。
私は決死の覚悟でシンさんに体当たりを食らわせ、廊下を
全速力で駆け抜け、脱臼しそうな勢いで一階まで階段を
駆け下りました。
そしてその足で福岡市を離れ、無賃乗車で山口県まで
逃げました。今考えるとそこまで逃げなくても良かった
とは思いますが、当時は気が狂いそうになるくらい
恐ろしかったのです。
一番左の死体の眼窩に刺さっていたのは、シンさんから
話に聞いた自慢の日本刀に違いなかったのですから。
>>189-195は、
>>128、
>>129の続きです。
最近PCの調子が悪く、長いこと間があいてしまいました。
アニタさんの峰生さんの話は、ちょっと挫折中。
>>89 正統派の怪談で、恐い。こういうのなかなか書けるもんじゃ
ないと思います。
>>103 イメージが鮮烈でよいです。
これからも投稿を期待します。
>>106 これもイメージが頭に浮かびますね。
勝手ながら、伝聞でなくこの女の子の幽霊を実際に
体験した人の話として書かれたバージョンも読んで
みたいと思いました。
>>110 奇殺し完結ですね。オチまで巧い。才蔵シリーズ
としてのっぺらぼうを書いて欲しい。なんて勝手に
リクエストしたりして。
>>135 これも現代風正統派怪談!恐い!
>>154 洒落恐でリアルタイムに読んでました。
ホラーアクション+謎といった展開は結構新鮮で
面白かったです。
>>171 ぼっこし屋さんは長くても短くても巧いですねぇ。
>>176 アイディアが素晴らしい!とても後味の悪いお話だと
思いました。
>>184 いや〜ん、気持ち悪い。冷静な文章なのが
いいですね。
自分で読み返してみて、
「廃ビルの怪」というタイトルなのに「怪」の話じゃ
なくなっちゃいました。最初は幽霊の話にしようと
漠然と思っていたのですが。
間が長くあいちゃったので、当初の設定を忘れて
しまってた。。。
あと、もう少し複線をしっかり書いておくべきだったなぁ。
199 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/13 19:03
投稿の多いスレだな。今後の発展を願ってageておく。
みじかいだん
『人面犬』
「××君が、人面犬に食べられちゃった」
友人と一緒に下校したはずの女子小学生が、職員室に転がり込むなりそういって泣き出した。
不安を感じた女子生徒のクラス担任の先生が××君の家に確認を取ってから警察に捜索届けを出してみると、翌日近所の川原で顔の皮膚を綺麗に剥がされ身体中に噛み傷を負った××君の死体が発見された。
数日後警察の手によって逮捕されたのは、人を襲うように訓練された大型犬とその飼主だったそうだ。犯人は被害者の顔の生皮を犬に被せて次の目標に襲わせていたらしい。
犬は保健所送りとなったが、飼主はそろそろ懲役を終えて出てくるとのことだ。
『あかなめ』
警察の間で、「あかなめ」という言葉がしばしば使用されることがある。
浴槽自殺(手首の頚動脈の切断のみ)の現場検証の際、まれに死体の中に舌をダランと垂らし血塗れの床を舐めるようにして死んでいる者がいるという。
刑事の一人が冗談めかしてそれを「あかなめ」と呼んだのがことの由来だそうだ。
現在見つかっている「あかなめ」は、不思議なことに全て同じ格好で床を舐めている。
以上、みじかいだんでした。
>>作り話男さん
文章巧くて面白いです。
シンさんは一体なにを企んでたんでしょう・・・。
>>201 キレたら、もめ事の相手を容赦なく殺すのでビル内ではタブー扱い
になっている男、という脳内設定があったのですが、それを示す
複線を後で書き足そうと思っていたら、いつの間にか書いた
つもりになっていて、そのまま投稿してしまってました。
わけのわからん話になってしまって、お恥ずかしい。
>>200 こういう短い妖怪談は好きですね。
作り話スレだと分かっていても、面白い。
私は極度の方向音痴です。
特に規模の大きいスキー場では、友達とはぐれてしまう
ことがよくあります。
これもスキー場での出来事。
私は下手なりにスノボが好きで、その年も長野県の有名
な雪山に初滑りにいきました。幸い天候にめぐまれ
ゲレンデの状態は最高で、私は我を忘れて楽しく滑って
いました。
ふと気が付くと、一緒に来ていた友人たちとはぐれて
しまっていました。コースを示す案内板を確認すると、
雪山のかなり端の方にあるコースにまで来てしまった
ようです。途中で分岐を間違えたのでしょう。
私はふいに寂しくなり、友人たちが滑っているであろう
コースまで戻ることにしました。
いくつかリフトを乗り継いで元のコースへ戻ろうと
したのですが、勘違いをしたのか、全く見覚えのない
コースに入って来てしまいました。どうやら近くに案内板
もありません。私はしょうがなくリフト係のおじさんに
コース図を見せて目的のコースへの戻り方を教えてもら
おうとしました。
ところが、おじさんの案内がどうにも的を射ない説明で、
ますますわけが分からなくなってしまいました。私は
話を切り上げて礼をいい、わけが分からないなりに
とにかく移動することにしました。
さらにリフトを乗り継いで着いた先は、人気の全くない
コースでした。私は半ばやけになり、スピードを出して
ゲレンデを滑り始めました。雪面は人一人すべっていない
新しい状態で、非常に気持ちよく滑れました。
すると、雪面にところどころ赤い斑点が目に付きます。
ゲレンデの下の方にその跡は向かっているようでした。
血痕か、とも思いましたが、人や動物の通ったような形跡が
全くないのでどうやら違うようです。
しばらく滑っていると、ゲレンデの中央にかなり大きな
雪の隆起がありました。上手い人なら上に乗ってジャンプを
楽しめそうな感じでしたが、私はへたれなので横に避ける
ことにしました。
雪の隆起の脇を滑り抜ける時、なんとはなしに振り返ると、
ゲレンデ上方からは陰になっていた場所に、素っ裸に剥かれた
女性の躯をむさぼり喰う、血走った目の男の姿が目に入りました。
男は私を追おうかどうか一瞬身構えたようですが、すぐに
私を無視し、食事を再開しました。
私は身体が硬直し、コースのカーブに沿って曲がり男の姿が
見えなくなってもなお、猛スピードでコースを滑り降りました。
すぐにリフトへ駆け込み係の人たちに先ほど見た事を話しました
が、係の人たちは全く私の言うことに取り合いません。私は必死に
なって、係の一人と一緒にリフトに乗って先ほどの現場を上空から
確かめるように頼みました。
係の人は渋々了承し、私と一緒にリフトに乗ってくれました。
先ほどの現場の上空に到着するまで、今か今かとどきどき
しながら乗っていましたが、どうもそれらしい場所がなかなか
見あたりません。離れていてもはっきりと分かるはずの大きな
雪の隆起すら見つけられませんでした。
私は係の人にちょっとおかしいんじゃないのかと嫌みを言われ、
頭にきました。それに人の命がかかっていることもあり、
恐ろしいのはやまやまですが、もう一度現場のコースを滑り
降りることにしました。
ところが、先ほど滑ったばかりなのに、ゲレンデの趣が全く
違うのです。相変わらず人気のないコースでしたが、周囲の
景色は見覚えのないものでした。
そしてやはり、滑り降りるまで事件の現場は見つけることが
出来ませんでした。私はリフト乗り場に立ち寄って自分の錯覚
だったと詫び、そのまま山の下まで滑り降りて待合い所で
友人たちが帰ってくるまで待ちました。
その後数日間はニュースを欠かさずにチェックしていましたが、
やはり該当するような事件は起きなかったようです。
自分の文章とオカルトが合うかどうか実験してみま
うちには離れがある。
母屋から離れた場所にある、あの、離れだ。
雨戸は閉め切られ、入り口へと繋がる廊下は途切れ、
全ての鍵をかけられるという徹底ぶりで離れというよりは隔離施設だ。
そこは昔何に使われていたのかは分からない。
誰も教えてはくれない。あるいは誰も知らないのかもしれない。
まだ離れの柱や瓦が腐る前、雨戸が開け放たれ陽が差し込む春の午後。
想像するだけでほのぼのとしてきそうではないか。
厳格な両親に見つかればお仕置きをされるので見つからない様に忍び込む事にした。
畳の匂いを嗅ぎながら昼寝できたらきっといい夢を見れるに違い無い。
周りをぐるりと回ってみて入れそうな場所を探した。
床下は低くてとても入り込めない。それに地盤が悪くて動かす気にはなれない。
ならばと屋根に上がってみるものの瓦がボロボロ崩れてしまい、忍び込むというには余りにも派手過ぎた。
玄関の鍵はどれだけ探しても見つからなかったし、
雨戸を一枚一枚開けていっても窓には全て鍵が降ろされ、カーテンまで引かれている。
どうしたものかと考えていると、もう一つ窓があるのを思い出した。
トイレらしきものが離れの裏の端っこにあり、高い所に小さな窓があるのだ。
あそこからなら中に繋がっているに違いない。
物置からこっそり脚立を持ってくると、窓の下に置いて昇った。
湿気の匂いがする窓枠に手をかけ、横に引いてみる。
ギチギチと錆びの様な音がして軋む。
鍵がかかっているのだろうかと諦めかけた時、ガラガラという音と共にゆっくりと開いた。
やはり長い間動いてなかったので錆が浮いていたのだろう。
中はやはりトイレで、そのせいか中から漂う空気は湿って異様な物だった。
今は使われてないので糞尿の類の匂いはしないのだが、
古くなった木材や壁紙の据えた香りは当然の様に篭っている。
締め切ってしまえば陽も当たらないので当然の事だが、少しがっかりしてしまった。
それならばと中へ入り、玄関を探した。
こっそり換気をすれば湿気も無くなり、気持ちよくなるだろうと思ったのだ。
トイレの戸を内側から開き、離れの本体へ侵入した。
ここまでで失敗がふたつ。
一つは雨戸を閉めてきたので真っ暗だという事。これは中からでも開くので構わない。
二つ目は、内側からもトイレの窓は高い場所にあるので玄関が開かないと窓から出なければならない事。
ちょっと爪が甘かったかなと思いながらも手探りで壁を伝い、玄関へ辿り着いた。
ノブをいじってみるものの手ごたえのありそうなものは見つからない。
おかしいなと思いつつノブの周りをさぐっても何も無い。
どうやって鍵を閉めたんだろうと思ってドアノブに顔を近づけると鍵穴がある。
そうか、鍵が無いと内側からも外側からも開かないのか・・・。
という事はこの部屋に鍵があるのかな?いや、そうだとしたら鍵を閉めた人は出られない。
ああでもないこうでもないと考えながら窓から出るか、と諦めた様に雨戸に手をかけた。
外の光が徐々に入ってきて、空気も風と一緒に入れ替わる。
明るくなった室内を見ようと、振り返った。体が凍りつく様だった。
壁中が赤とも茶ともとれない色を塗りたくられ、部屋の真ん中には古い着物が一枚無造作に落ちている。
カーテンの裏にもついている乾いた色に顔を近づけた。
どう見ても血だ。匂いも、色も、状況全てがこれを血液だと物語っている。
部屋の真ん中にある着物を確かめもせずに叫び声をあげながら離れを飛び出した。
両親に見つかればなどと考えている余裕も無かった。
台所まで突っ走り、母親を見つけて飛びついた。
既に怒った風に事情を聞かれるが、嗚咽が邪魔をしてうまく話せない。
大分落ち着いてきて切れ切れに語った話に母親は顔色を変えると、怒りもせずに晩御飯を用意してくれ、寝るまで傍に居てくれた。
次の日の朝、離れを見るといつもと同じ様に全て雨戸が締め切られ、脚立は片付けられて窓の場所には釘で板が打ち付けてあった。
もう、誰も、入れない。誰も、出られない。
よく見返してないけど15分くらいで作ったんで期待はしないで下さい。
ってか最後に言っても意味無いか('A`;)
210 :
親切心 ◆cBCRASH/NU :03/06/14 22:49
家へ帰る途中の道で、電柱の下にしゃがみこんでいる男がいた。
見ると、額にじんわりと汗をかいて、苦悶の表情を浮かべている。
側まで近寄り、俺は声を掛けた。
「大丈夫ですか?」
「ええ大丈夫……と言いたいんですが……もの凄く具合が悪くて……」
答えながらも彼は苦しげに荒い息を吐いている。
「あの、俺の家この近くなんですけど、少し休んでいきませんか?」
俺の提案に、彼はただ肯くだけであった。もう返事をするのも億劫なようだ。
肩を貸して俺の家まで行くと、両親が出迎えてくれた。
事情を話し、客間に敷いた布団に彼を寝かせると、母親にたまに様子を見に来るように頼み
俺は自室に向かった。
暫くの間、音楽を聴きながら本を読んでいると、階下が何だか騒がしい。
何事かと階段を降りると、先程担ぎ込んだ男が、スパナで俺の両親をめった打ちにしていた。
血の海に横たわり、痙攣する肉塊と化した両親を、それでもなお執拗に男は撲り続けていた。
と、男が撲る手を止めて振り返った。
眼が合った。
反射的に俺は家を飛び出し、無我夢中で走っていた。
ちらっと後ろを振り返る。男の姿は無い。追いかけてきていないのか、まだ追いついていないのか。
ともかく、警察に駆け込もう。俺は再び前方へと顔を向けた。
至近距離で、男がスパナを振り下ろし
オカ板復活したね。良かったぁ。
212 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/16 20:06
タイトルに「作り話」って明記してあるのが、潔くていいな。
どれもなかなか恐いし。
213 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/17 17:08
>>作り話男さん
相変わらず文章構成が巧いですね。
注意点があるとすれば語尾でしょうか。『〜でした』と『〜ました』が多く使われていて、少し単調な文になりがちです。
死体などを登場させ読み手を怖がらす猟奇的文法で話を作るのなら、もう少し味噌の部分で露骨な表現を使ってみるのもいいかもしれません。
>>('A`;)さん
物語や小説の要素を含む創作文ならではの語り口で話を進めたのは目の付け所が言いとしかいえませんね。
ただ、語り手である主人公に感情の変化が見られないのは惜しい。
必要なことだけをただ淡々と語るような文になると、下手をすれば読み手に飽きられてしまう可能性があります。
人間と言うものは不思議なもので、自分自身の注意点には殆んど反応しないくせに、他人の注意点のこととなると思いの外過敏に反応するものです。
今回そういう性質を生かせないかと、このような感想を書いてみました。
その人の作品の長所と短所を見つけ、時にヒントやアドバイスをゆうことで、その人の文書能力が高くなるんじゃないでしょうか。
まぁ個人的な意見なんで無視してもらっちゃって構いません(´∀`)
214 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/18 08:23
子供の頃の話し。
親父と車で出かけようとしたら車の下に子猫がいた。
親父が追い払うと、自転車置き場の影に消えて行った。
その後出発してから、親父が変なことを言う。
「何かエンジンルームから猫の声がする。」
しばらくそのまま走っていたが、ついには親父は車を止めて
ボンネットを開けた。オレは助手席で待たされたままだった。
親父は近くの気の棒を拾ってきてエンジンルームから何かをそぎ取ってる。
最期に雑巾でふいたあと親父はその雑巾をスーパーの袋に入れて
トランクにしまった。 よほどオレに見せたくないのだろう。
たぶん、ネコがどう言うわけかボディー下から入り込み、熱くなった
エンジンルーム無いでこげてたんだと思う。
その後、その車に乗ってるとネコの鳴き声がトランクでした。
ただの2回ほどだった。が、親父は「げんが悪い。」といってすぐに新車に買い換えた。
あの子猫は焼け死んだネコのこどもだったのかなぁ?
>>214 ごめんなさい。 スレ違いでした。
ほんのりに書こうと思ってました。
実話です。
>213
確かにプロットと同時にタイピングしてたんで感情云々は二の次な書き方でしたな。
やっぱり第三者に読んでもらえると張り合いとかあってイイでつ
的確な指摘感謝(`・ω・´)!!
おお!遅レスですが、喜んで頂けて幸いです。
また何か思いついたらカキコします。
わぁい、いろんな人に書き込んでもらって嬉しいかぎりです(・∀・)ウレ・シイ!
それに皆さんホントに話が巧みでホントに怖いです・・
じゃあ調子に乗って一話だけ・・つまんないですから読み飛ばしてって下さいw
「首吊り」
はぁ、疲れたなぁ。
その日の夕方、私はいつもの通り部活が終わり帰路に着いていた。
ザワザワ
なんだろ?お隣さんのお宅にやけに野次馬が集まってる。ま、いいか。メンドイ。
「ガチャ」
ただいまー。・・・?お母さんは買い物かな?
トントントントントン
いつもどおり2階の自分の部屋へ階段を上がり向かう
なんだぁ、朝起きたまんまか。カーテンも閉まってる・・
「 ザーッ 」
なんだろ・・人?浮いてる?
あ・・死んでる・・首吊り死体だ・・・・・・いや・・
早くカーテン閉めなきゃ・・・早く・・そうしないと・・
グラ・・死体が、傾く・・
ひ、ひぃッ!!イヤ、どうしよう・・・死体と・・・目が合った・・
あぁぁ・・・・イヤなものみちゃったな・・・
「ご飯よー!」
いらなーい!・・もう、寝よ・・
「トントントン」
・・・?あぁ、もう寝ちゃったんだっけ。・・・・・・・!!
そうだ・・・思い出した・・・・夕方、イヤなモン見ちゃったんだっけ・・気味悪・・
「ドンドンドン」
・・・?窓?なんだろ?風?
「ダンダンダン」
!!・・ま、まさか・・ね。まさか・・・ありえるハズ・・
「バンバンバンッ!!」
いる・・絶対・・何かが・・窓の・・外に・・
「あぁぁぁぁあぁ・・・」
カーテンと窓越しに・・・何かがいる。まちがいない・・逃げなきゃ・・
私はドアを開けて、助けを呼ぼうとした
「おかぁさっ・・・・・」
ドアを開けた瞬間、何かがあった。いや、いた・・
グルリ・・・・ソレが・・傾く・・
イヤ・・ッ!!
「ニヤリ」
う、うわあぁぁぁ・・・・前のより悲惨だ・・
お目汚し(ホント)スマソ・・
それじゃあ引き続きヨロです〜
>>213 アドバイスありがとうございます。
とても説得力のあるご指摘でしたので、以後の投稿では
改善して行こうと思います。
これからも、気になるところがあればご指摘いただけると
ありがたいです。
祖母が逝ってもう10年になる。
ちょうど田舎に帰る用事があったので、なかなかお参りに行けないお詫びも
兼ねてお寺の納骨堂に向かった。
田舎とはいえ、ちょっと規模の大きいお寺で、納骨堂も3階建て。ちなみに
うちの納骨堂は2階にある。
ここに来ていつも思うんだけど、来るたびに3階から男の子が覗いてる。
もちろん、私がお寺に来るときはお盆とかお彼岸とか、人の出入りが多いときだから
小学生くらいの子がいてもヘンではないんだけど…。
こんなところで何してるの?ちょろちょろしてて、親は何も言わないわけ?
場所が場所だから、野放し状態ってまずいと思うんだけどなぁ。
ま、私がじゃまされたわけではないから、別にいいんだけどさ。
今回も男の子がいた。ヒマだねぇ。見てるから手を振ったげたのに、スッと向こうに
行っちゃった。なに、あの態度。
…あれ?入り口に子供のクツなんてあったっけ?
あ、そうか!お寺の孫か何かなんだ。本堂と庫裏と納骨堂、確かつながっているって
かあさん言ってたっけ。
<続く>
<続き>
お寺から帰ろうとしたときにこの奥さんにつかまっちゃった。
「まあまあ、ユウコさん、久しぶりねぇ!お宅のおばあさんがお亡くなりになられてから
もう10年?はやいわねぇ〜…」
はぁ〜…。このおばちゃん、話好きだし長いんだよなぁ。どうやって逃げようかなぁ。
「…でしょ〜。あ、そうそう、納骨堂の3階に古いガラクタがあるもんでねぇ、最近虫が
多くって…」
…え?3階にはまだ納骨堂ないの?じゃ、あの子は誰なわけ?
そのとき、クスッとかすかな笑い声が聞こえたような気がした…けど。まさか、ね。
田舎から帰ってから、視界の端っこにあの子供の姿が見える気がする。
これって、もしかして、連れて帰ってきちゃったってことかな?
うちにいるのはいいんだけどさ、うちって、けっこうエグい姿の人がウロウロしている
んだけど。
手が片方なかったり、頭がちょっと欠けてたりするんだもん。
あの子、うまく馴染めるかなぁ。
私は慣れちゃってるけど、子供にはちょっときついかもね。
…あ、悲鳴?
>>216>>221 レス貰っちゃって感謝感謝(´ヮ`)
思いの外反響がよくて嬉しいです。
まだ全て読み終わっていないので他の人の話の感想は書けませんが、私からのちょっとしたアドバイス。
基本ですが『何時』→『どこで』→『誰が』→『何を』の順番を意識して書くだけで随分文章が良くなります。
このパーツのどれかが欠けている文章でも、順番を守れば大抵落ち着いた文章になりますよ。
保守
ちはっす。へなちょこストーリーテラーのぼっこし屋(Limited)でございます。
悪霊に身体を乗っ取られないように、気合入れて生きてますか? 俺はちょっとヤバめですが。
まあそれはさて置き。
これまでに俺は色んな人から色んな奇譚を聞いてきました。
心臓バクバク物の怪奇談から、それマジであった話か? て訊きたくなる様な猟奇的な話まで
多種多様なのですが、その中には「え、それで終わり?」的な
あっさりテーストの話も幾つか混じっております。
リアルで聞いても三十秒ほど、文章にしてしまえば十秒もあれば内容の全部を理解できるほど短いです。
一言で言ってしまえば、
「怪談と言うには微妙に短くて俺が内容を膨らませるのにも無理があるようなちょっと怖い小ネタ」
てなところでしょうか。て、全然一言じゃないよ。
そんな話を、俺の私見を交えて語ってみようかな、という所存なわけで。
ちょっとの時間だけ、このへっぽこ野郎にお付き合い頂ければ幸いですよ、と。
【第一話・小人】
「今日さ、バイパスを車で走ってたらさ、前走ってた車が何かを轢いたのよ。
車間空けてたから見えたんだけどさ……何てのかな、小人?
ちっちゃい人間の死骸が転がってたのよ。
いやいや、人形じゃないって。ちゃんと血も出てたし、内臓みたいなのもはみ出してたから。
で、鬱なのはさ、避け切れなくて俺もそれを轢いちゃったって事なのよ」
-----------------------------------------
それって小人病の人だったんじゃない? と思われる方もいらっしゃるでしょう。
俺もそう考えました。
江戸時代における見世物小屋の記録を紐解くと、
「身の丈一尺二寸(約三十五センチ)」ほどの小人が登場し、
芸を披露した云々の記述を見受けることが出来ます。
数百年前の記録ですから、身長の数字の真偽は定かではないですが、
人並み外れて小さい人間がいたという事は確かなようです。
ただ、俺に話を聞かせてくれた彼いわく「その轢かれた小人は、十五センチくらいだった」とのこと。
小人病患者で片付けるには、あまりに小さすぎると思うのですが、いかがなものでしょう。
【第二話・風俗店にて】
「マットヘルスの店で、凄い子に当たっちゃったよ。
ローションまみれで抱き合ってキスしてたんだけどさ、
その最中に俺のチンチンを彼女がいじってんのよ。
でも彼女の両手は俺の背中に回されたまま。
え、じゃあチンチンをいじってる『手』は何よ? て思って、見てみたらさ。
彼女のヘソのすぐ下から、短い手が生えてて、俺のチンチン握り締めてた」
-----------------------------------------
何だか和むなあ……つうか、彼女が最初に服脱いだ時点で気付けよ。
んまあ、考えれば畸形の一種なんでしょうな。
本来双子として生まれてくるはずだった胎児の身体組織が何らかの理由で融合し、
その際に余分な「手」が本来あっちゃならない場所にくっ付いてしまった、
と解釈できないでもないですね。
しかし、ヘソの下とはまた、微妙な場所に……。
【第三話・配管を外したら】
「マンションからさ、排水管が詰まったから至急修理に来てくれ、て連絡があったのよ。
で、現場に行ってみたら、確かに流れない。
何だコリャ、て思ってさ、流し台の下の配管を外してみたのよ。
その瞬間にさ、細長い女がヒュルッて凄いスピードで管と管の間を通り抜けていってさ。
何だ今の? て思って管に手を突っ込んでみたらさ、
長い髪の毛が束になってズルッて出てきたんだわ」
-----------------------------------------
排水管の直径といえば、大体六、七センチといったところでしょうか。
とすれば、えらく細身の女性です。エスパー伊東もビックリでしょう。
まあ冗談はともかく、普通に考えれば「生身の人間」ではないでしょうね。
細い女、と聞いて真っ先に思いつくのが「五センチの女」でしょうが、
彼女達は一体そんな狭苦しい空間で何がしたかったのでしょうか。
本人(?)に訊いてみないと、その意図は掴みかねます。
もっとも、現実に出会って話が出来るかどうかは判りませんが。
【第四話・地下に眠る……】
「地下アーケードの建築現場で今仕事してんだけどさ、
ちょっと洒落ならねぇ物掘り起こしちまった。
掘削してたのよ、地下の地盤をさ。
そしたらな、コンクリートの壁をぶち破っちゃったわけさ。
でもおっかしいなー、こんなとこに建築物無いはずなんだけどなあ、て話になってさ、
とりあえずぶち抜いたコンクリの壁の向こう側を調べてみようって事になったわけさ。
俺もついてったんだけどさ……後悔したわ。行くんじゃなかった。
独房みたいな造りの正方体の部屋の中にな、
赤ん坊とそれを抱いてる母親の白骨死体が見付かってさ……」
-----------------------------------------
可能性としては、建築許可申請無しで密かに建造された
地下牢獄と考えられますが、謎が幾つか残ります。
何のためにわざわざ地下に建造したのでしょうか。
それに、獄死したと思われるこの親子、何故陽も差し込まないこんな独房に
収容されていたのでしょうか。
何かしでかしたのか、はたまた口封じか。
都市部の地下には、まだまだこういった闇の部分が人知れず眠っているような気がしてなりません。
【第五話・新聞】
「変な朝刊が混じっててさ。
例えば、中東の情勢に関する記事があるとするじゃない。
でさ、そこに掲載されてる写真が、
爆発に巻き込まれた感じでぐちゃぐちゃになった人間だったりしてさ。
全面そんな感じ。とにかく、グロ写真ばっかなのよ、載ってるのがさ。
その日だけだ、そんなおかしな新聞が届けられたのは。
え、その新聞? 味噌汁こぼしちゃったから捨てた」
-----------------------------------------
恐怖新聞かよっ!
いや、ちょっと違いますね。記事は至って普通だったらしいですから。
誰が発行したのか、想像するとなかなか楽しかったりします。
【第六話・神隠しの正体】
「俺も会社の先輩から聞いた話なんだけどさ、△△山って、結構行方不明になる人が多いらしいのね。
で、発見されたとしても、ぐっちゃぐちゃに切り刻まれた死体になってるらしいんだわ。
噂なんだけどさ、あの山には殺人鬼がいて、目に付いた人間は見境なく攫って殺すらしいのよ。
何でも今山にいるは四代目で、初代は明治時代から山に棲み付いて、
当時から近くの住人がしょっちゅうさらわれてたらしいよ」
-----------------------------------------
何とも都市伝説チックな話です。殺人鬼一族。山の中に棲む猟奇殺人嗜好者。
人里離れた場所というのは、時として人外魔境譚の舞台になり、この手の話が後を絶ちません。
もっとも、この手の事の報道を見た事がないので、あくまでも噂の域を出ない話だとは思いますが。
【第七話・車窓から】
「電車乗っててさ、何気なく窓から景色眺めてたのよ。
河川敷通った時にさ、ヤバげなの見ちゃった。
川に架かってる橋の支柱の袂でさ、何か燃やしてるんだわ。
よーく目を凝らしてみたら、どうも串刺しになった人間みたいでさ、
ボンボンと燃える人間の周りを、五人くらいの男が踊り狂ってるのよ。
俺だけだったのかな、見たの。だって、同じ車両にいた奴ら、誰も騒がなかったもの」
-----------------------------------------
えーっと……どこの原住民の儀式ですかそれは?
河川敷で火葬しながらファイヤーダンス。シュールな図ですね。
たまたま犯罪の現場を目撃したのか、それとも幻覚だったのか。
今現在では何とも言えません。
あ、そうそう、彼がこれを見たのは、夕暮れ時だったらしいです。
関係あるかどうかは分かりませんが。
【第八話・ミッドナイトホーム】
「最終電車待ってたのよ、駅のホームで。
そしたらな、俺のすぐ後ろで女の声がするわけ。
携帯で話してるみたいで、時たまゲラゲラ笑ってたりしたわけよ。
『きもいよねー、マジ勘弁って感じ』
誰かの噂かな、て思って、ちょっと耳に神経集中してみたのよ。そしてらさ、低いトーンで
『お前の事だよ。聞き耳立ててんじゃねえよ』
え? て振り返ったら、誰もいなかったよ」
-----------------------------------------
日頃から、周りに自分がどう見られているのか気になる人が聞いた幻聴のような印象も受けますが。
まあ聞いちゃったものはしょうがない。
振り返ったら誰もいなかったなら、それを受け入れるしかない。
例えそれが説明不能な奇妙な現象であっても。
【第九話・あ〜ははははははは】
「昨夜、一時頃だったかな。そろそろ寝るかって時に電話がかかってきてさ。
番号通知見たら、友達の女の子で、
こんな時間に何があったんだ? て思いながらも出たのよ。
『あ〜ははははははは! あ〜はははははははは!』
聞いたことも無いおっさんの狂ったような笑い声が聞こえてきてさ、
思わず電話切っちゃったよ。
え、その女の子? いや、無事無事。つうか、
『そんな電話、掛けてないよー』て」
-----------------------------------------
電話ネタパート2。油断大敵、という教訓でしょうか(違うよ)。
よく怪談で、笑う幽霊が登場しますが、彼らは何が楽しくて笑うのでしょうかね。
目の前の人間が怖がっている様が可笑しくてしょうがないから笑うのでしょうか。
それとも……まだ生きたかったけれども、
命を失ってしまった今となってはどうしようもないから笑うしかないのでしょうか。
【第十話・夢】
「ここんところ、毎晩同じ夢見るのよ。一週間くらい前からな。
最初の晩はさ、窓が一つ付いてるだけで他は何もない暗い部屋に、
俺が一人いるだけだったのよ。
次の晩になったらさ、また俺同じ部屋にいるわけ。
違ったのは、窓から誰かがこっそり覗いてる、てとこ。
で、その次の晩も同じ部屋。でさ、窓から覗いてた奴、
窓枠に手をかけて身を乗り出すようにしてこっち見てるのな。
おっさん。目が異様にギラギラしてた。
さらに次の晩になると、そのおっさん、窓枠半分乗り越えた格好で、俺をじーっとみてるわけ。
それでな……一昨日の晩に見た夢だと、もうおっさん部屋に入ってきてて、
窓際に突っ立ってるのよ。
わかる?徐々に近づいてんのよそいつ。このまま距離が縮まって、
すぐ側まで来たら何か起こりそうな気がしてさ。
だから今すごい眠いわけ。それ以来、寝てないからな」
-----------------------------------------
最後はちょっと長いですかね。夢にまつわる話です。彼はこれから無事でいられるのでしょうかね。
ところで。夢とは睡眠中における右脳の活動によって誘発された刺激が知覚イメージに変換され、
それを左脳が言語変換してストーリーを形成していると聞いた事があります。
また、心理学的には、夢は深層心理の表れであり、
そこで起こる内容は無意識層からのメッセージの暗示である、と定義されています。
いずれにせよ、夢は脳が作り上げた幻覚、もしくは睡眠中における脳の活動ログであるとするのが通説になっています。
でも、ここはあえてオカルトチックに私見を述べさせてもらいます。
睡眠中には、ひょっとすると魂は体を抜け出し、どこか別次元にまで浮遊していっているのではないでしょうか。まるで、死の予行演習であるかのように。
時間も空間も無い「その場所」で魂は他の魂と出会い、
その接触の記憶が夢として脳に記録されているのではないでしょうか。
夢の世界……そこは魂が集う場所、もしかすると「四次元」とはその世界を指すのかもしれません。
ん、まああくまでも俺の勝手な妄想ですんで、話半分で聞き流しちゃってください。
以上です。
ストックはまだまだありますが、それはいずれ別の機会に。
では皆さん、また別の話でお会いしましょう。
「日常のすぐ隣の非日常」に引き込まれないように、気を付けて下さいね。
ではでは。
age
240 :
からそま ◆Je.8zigzAE :03/06/23 04:15
リボン
股からぬるりとせり出した胎児が、地面に落ちて湯気を立てた。雪は赤と黄色に染まりながら胎児を飲み込んでいく。
繋がったままの臍の緒を見て、女は困惑した。子供の腹から女の股へ、思ったよりも太い管が通っていた。ウナギのように滑る管を掴んで引っ張る。火が付いたように胎児が泣き出した。生きているものなんだ、と女は赤子を拾い上げ、緒を繋げたまま胸に抱きこんだ。
──魚座の子って夢見がちだよな。
そう言って、気取ったつもりか、乱杭歯をむき出して笑う男を女は飲み込む。そうかも、と笑って足を絡める。
リボンで繋がれた胎児が、子宮で蠢く。男の精液をうまそうに飲み下す胎児を感じて、女は男を愛しいと思った。
※
面白そうなんで参加しました。
元ネタは昨日テレビで見た『動物奇想天外』です。魚座にウラミはありません。
241 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/23 04:47
パソコンからLANケーブルが引っこ抜けて机の裏へ、
埃まみれの机の裏に手を突っ込んで必死になって
ケーブルを探してたら誰かに指をベロンと舐められた。
臭いを嗅いだら臭かった。
243 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/23 05:05
夢中でギターを弾いていた。
弦を交換したばかりのこいつは、身体中に響く音を出す。
ピックを力いっぱい、弦に叩きつけた。
必死になってかき鳴らし、俺は喚くように歌った。
激しく、小刻みなストローク。ジャカジャカと忙しく
そして力強く弾き語る。
ぶきゅ
妙な音がして、ギターの音が変わった。俺は歌うのをやめ
ギターを見た。
弦に、俺の人差し指が、ぶらんと絡んでいた。
244 :
叩かれ屋 ◆hwGmv.3QG6 :03/06/23 05:45
ぶきゅって…
245 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/24 19:04
イタソウ
死守age〜
248 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/26 19:06
俺はそのとき音楽を聞いていた。もう三時。眠くもなってきた。
シャワーを浴びて床にはいろうとした。
風呂場に向かった俺はそこで戦慄してしまう。
浴槽から無数の手が生えてきている。足がとまってしまった
──逃げないと!──
神経がそう命令した。しかし、足は訛りの様に動かない。
誰か助けてくれ。このままでは…
そうしている間にも無数の手は増えつづけている。とどまる所を知らない。
とうとう俺の足の近くまでよってくる。怖い。逃げたい。たすけてくれ。
しかし、フッという音と共に手は消えていった。
俺は安心して床には入ろうとし、後ろを向いた。
そこには白い装束をき、血の涙を流した女がいた。
「抱いて…」
その女は言った。
「いやだ・・・」
と俺は言った。
「呪い殺すぞ」
とその女は言った
「よいではないか、よいではないか」
悪代官は下卑た笑いを浮かべた。
よく見るとその女は別れた女だった。
その男はホストだった
そして誰もいなくなった。
うんこ〜
>>240 赤ちゃんが生まれても、ヘソの緒を切らなかったらどうなるのでしょう?
258 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/26 23:18
俺はそのとき音楽を聞いていた。もう三時。眠くもなってきた。
シャワーを浴びて床にはいろうとした。
風呂場に向かった俺はそこで戦慄してしまう。
浴槽から無数のガッツ石松が生えてきている。足がとまってしまった
「僕さぁ〜ボクサーなの…」
──笑わないと!──
神経がそう命令した。しかし、口は訛りの様に動かない。
誰か助けてくれ。このままでは…
そうしている間にも無数のガッツ石松は増えつづけている。とどまる所を知らない。
とうとう俺の足の近くまでよってくる。怖い。おもろい。たすけてくれ。
しかし、「オッケー牧場」という声と共にガッツ石松は消えていった。
俺は安心して床には入ろうとし、後ろを向いた。
そこには白い装束をき、団子を作っている輪島功一がいた。
ネタスレと化してる…すまん、俺のせいだ。
ま、面白いからいいけど。
私が幼い頃、母親が蒸発した。
理由はわからない。
父は「お前のせいでいなくなったんだ」と言うだけで、
教えてはもらえなかった。
だけど父は優しかった。男手一つで私を育て上げた。
私は結婚し、家を出た。
子供は自分一人だったため、父は一人で暮らすことになった。
それでも再婚はしなかった。母を愛していたんだと思う。
その父も亡くなり、老朽化していた家は取り壊すことになった。
そして、瓦礫の中から白骨死体が見つかった。
父の部屋があった場所に、壁に塗りこまれた形で。
女性だった。
ハイ、もう一個
俺の友人の話。
女友人である彼女(仮にAとする)は
俗に言う「見て」しまう体質のため、霊に対してそこそこの知識がある。
ある日会社の飲み会があって、終電間際に駅に着いたときのこと。
A共々酔っ払った同僚数人でホームで電車を待っていた。
向かいのホームには、スーツをきちんと着こなしたOL風の女性が一人。
疲れているのか、眠っているのか、椅子にうつむいて座っていた。
Aは同僚と話しながら、何とはなしに、その女性を眺めていたそうだ。
ホームにアナウンスが流れ、数分後に到着する電車の行く先を告げる。
向かいのホームに止まる電車だった。
それを聞き、女性がふと顔を動かし、
眺めていたAとばっちり目が合ってしまった。
女性同士だったものの、気恥ずかしさで慌てかけたA。
しかしその女性は唇を歪めたような微笑を浮かべると、立ち上がった。
そしてふらふらと歩き出し、白線を越えた。
そのまま飛び降りた。
もうじき電車が来る線路に。
それに気がついた人間達が唖然とし、事態に行動するよりも前に、
Aは思わず「放しなさい!!」と叫んだと言う。
叫び、自分も線路に飛び降り、女性を電車の来ない側へ引っ張った。
間近で電車の警笛。二人の横を電車が通過した。
同僚も手伝い、女性をホームへと引っ張り上げた。
人に囲まれ、ぼんやりとしていた女性は
次第に顔が真っ青になり、がたがたと震え出した。
「大丈夫? 貴女、飛び降りたのよ。わかってるの?」
Aが問い詰めると、
「わからない…」と言い、「私、飛び降りたの?」と
女性も驚いたようにAに聞いてきたという。
最後にAが言うには
「私も良く分からないわ。ただ、その女性の腕をつかんだ時に、
『ちっ』て男の舌打ちが聞こえたの。たぶん呪縛霊だと思う」
「それに赤ちゃんの泣き声も聞こえた。
あの人、子供を堕ろしたことがあるんだね。
お母さんを呼んでるように感じたよ」
これで 完
名無しにもどるべし
>>261を見て「羊のうた」という漫画を思い出した
268 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/29 23:25
こういう短くてほのかに怖い話もいいね。
269 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/30 19:07
ちょっと聞いてください。
こないだサークルの飲み会があったんですけど、その時したたかに酔っちゃって、
その夜先輩の家に泊めてもらうことになったんです。で、しばらくしてやっと酔いが覚めて
先輩と話していると、急に先輩が「あ、忘れてた」って言うんです。
何を忘れてたのかというと、その日は近くのTSUTAYAのレンタル半額デーだったらしく、
先輩は前もって借りるビデオもリストアップしていたのだそうです。
そこで、まだ開いてるかな〜とカードを見ると、深夜3時まで営業となっていて、
先輩は「それなら充分間に合うな」と今から行くと言い出したんです。
ちょうど上りの終電に間に合うから、そうすれば最寄り駅で降りて急いで借りて戻ってくれば
下りの終電に間に合うだろうって。あ、そのTSUTAYAそこから3つ目の駅の側にあるんです。
それで、4、50分で帰るからお前は留守番しててくれって言って行っちゃったんです。
すると5分ほどして先輩から終電に乗り遅れてしまったって電話があったんです。
そうすると自転車もないし、戻ってくるのかなと思ったら、歩いて行ってくるって言うんです。
よっぽど借りたいビデオがあるのかお金が無いのかわかりませんけど、とにかく2時間ぐらいで
帰るから待っててくれ、先に寝ててもいいからということだったんです。
270 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/30 19:07
それで僕はしょうがないからプレステやったりネットやったりそこにあったエロビデオ見たりして
時間をつぶしてたんです。別に眠くも無かったし。そうしているうちに2時間が過ぎたんですけど
先輩はまだ帰ってこないんです。徒歩で往復となると、6駅分ですから4、5キロぐらいとすると、
1時間半ぐらいでしょうか。そうすると借りるビデオは既に決まっているはずですから、
2時間で十分帰ってこれるはずなんです。ところが2時間半経っても先輩は帰って来ないし、
電話も掛かってこない。流石に気になって、こっちから電話したんです。すると、呼び出し音は
鳴ってるんですが全然出る気配が無いんです。走っている最中だから気づかないのかなと思い、
しばらく鳴りっぱなしにさせとこうと思って、そのまま携帯を放置してたら、30〜4秒ほどして
パッと画面が点灯して通話時間のカウントが始まったんです。僕はやっと出たかと思い携帯を耳に
当てました。当然先輩の声が聞えてくるもんだと思っていたんですが、耳には何も聞えてきません。
271 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/30 19:08
でも画面には確かに通話時間がカウントされているんです。おかしいな〜と思って、何度かもしもし
もしもしと呼びかけていたら、不意に向こうから声が聞えてきたんです。けれどもそれは先輩の声で
はなく、妙にか細い感じのする男の人の声でした。年の頃はおそらく20代半ばといったところ
でしょうか。その人の言うには、今人を待っていてこの携帯を拾ったって言うんです。着信して
ピカピカ点滅していたからわかったらしいんですね。それで、これどうしたらいいだろうかって
僕に聞いてきたんです。その人に今どこを歩いているのか聞いてみるとここから1つ目と2つ目の駅
の間の辺りを歩いているらしいんです。僕は持ち主は今いないし、深夜だから近くの交番に届けて
くれないかと言いました。すると、向こうはそれには答えずに、ここの住所を尋ねてきたんです。
272 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/30 19:08
僕が答えると向こうは、じゃあちょうど自分はそっちの方面に歩いて帰る途中だからここまで届け来る
って言い出すんです。僕は驚いて、そこまでしなくていいですから交番に届けてください、と言った
んですけど、なぜか向こうはここまで届けに寄ると言うんです。それも向こうはどうやらニヤニヤ
笑っているらしいのです。僕は気味が悪くなってきて、いいえ結構です。と強い調子で言って電話を
切りました。そうして、一息ついていると徐にガチャっとドアの鍵を開ける音がして
先輩が帰ってきました。先輩はゼイゼイ息を切らしていて、顔色は少し青ざめていました。
僕は何かあったんだなと思い、「先輩、何かあったんですか? さっき携帯にかけたら変な人が出ましたよ」
というと、先輩は眼を見開いて顔がみるみる真っ青になったんです。
で、「本当か、それはどんな人だった?」って聞いてきたから感じたままを話すと、
先輩はへなへなと座り込んでしまいました。僕はこれはただ事ではないと思い、「一体何があったんです」
と再度聞いてみました。すると、先輩は立ち上がって冷蔵庫を開け、ビールの缶を開けてぐいっと一気飲み
し、2、3度深呼吸した後、ポツリポツリと話し始めました。
273 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/30 19:20
で?
ーあとあじの悪い話し「マイホーム」ー
今日も暑かった
残業の毎日、しかしここ数年の不況では
リストラにならなかったことだけでも感謝しなければ。
郊外にマイホームを建てたはいいがローンはまだ
10年は払い続けなければならない。
10年か、、、、、
あと10年経てば、あの息子も20歳。
せめてそれまで頑張らなければ
「ただいま」
家に着いたとき時計は11時を回っていた。
にも関わらず、息子はまだ起きていた。
「まだ起きていたのか?」
「そろそろ寝る、、」
最近息子は俺を避けているような気がする。
反抗期にはまだ早いと思うが
あまり親として関わる時間が少ないので
それも仕方ない。
「そうだ、孝。これお土産だ」
郊外の我が家の周りでは夏になると
カブトムシやクワガタが時々飛んでくる。
私はそれを息子のお土産として時々捕まえた。
息子はいつもそれを喜んでくれた。
今夜もきっと、、、、
「ふざけるなよ、くそ親父!」
何をいわれたのかわからないまま
私は顔に衝撃を受けた
息子が私を殴ったのだが
しばらく何が起きたのかわからなかった。
そして、息子のお土産に採ってきた虫が足下に
つぶれていた。
しかしそれはかぶとむしやくわがたではなく
ごきぶりだった。
その日から息子の家庭内暴力が始まった。
276 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/30 20:14
途中で止めんといてや
深夜2時、いつものように、お気に入りから2chオカルト板を開く。
様々なスレで、様々な興味深い話が日々交わされている。
そんな中で俺の一番のお気に入りのスレは「死ぬほど洒落にならない話を集めてみない?」だ。
今日もいつものように、スレの内容をチェックする。
先日見た時から124件のレスがついているようだ。
1件づつ舐めるように見る。
1文字づつゆっくりと頭に入れ、理解し、恐怖を味わう。
ゾクゾクする。鳥肌がたち、背筋に悪寒が走る。
恐怖をかき消すように、うわっ、これマジこぇーよ、とつぶやいてみる。
意味もなく背後を振り返る。
静まり返った住宅街の片隅にあるボロアパートの一室で、ただ一人パソコンに向かい合って怪談を楽しむ。
俺にとって、これこそ最高の娯楽。
誰も邪魔することのない自分だけの世界だ。
ハードディスクの回転する音、マウスをクリックする音、少し荒くなった自分の呼吸する音、この世界の音はそれだけだった。
順調にスレを読み進めて行く。
最近、思うことがあった。
もし、今、肩に手をかけられたら俺はどうなるだろう。
一人暮らしの、誰もいない深夜2時の室内で、パソコンに向かい合っている俺の肩に手をかける者。
それは間違いなく…この世の者ではない。だが、そんなことは有り得ない。
なぜなら俺は幽霊なんて見たことないし、怪談なんて基本的に作り話だと思っている。
だから、背後を振り返ることぐらい大したことじゃない。
ほら何もいない。
俺の後ろには本棚があるだけだ。モニタに目を戻す。
なかなか集中して読めない。最近はいつもこうだ。
背後が気になって、今にも肩に手を置かれるような気がして、集中できない。
無理矢理、文字を頭に入れる。
ああ、怖い、この話は怖い。
なんだよこのコピペ厨、死ね。
ガイシュツだよその話は。
内容が頭に入らない。文字だけを目で追っている。
………背中が気になる。何かがいるような気がしてならない。
今にも背中を肩を触れられる妄想が俺を支配する。
あああああ、うるさい。ベランダでタバコでも吸おう。
タバコとライターを取り、カーテンに手をかけた。手が動かない。
もし、窓の向こうに何かいたら、カーテンを開いた瞬間に窓に何か映っていたとしたら…。
うるさいうるさいうるさい死ね死ね死ね幽霊なんていないんだ。
力をこめて一瞬でカーテンを開ける。
ほら何もないだろ。背後にだってなにもいないんだ。
全くどうかしてる。タバコでもゆっくり吸ってもう一度楽しもう。
もう背中なんて気にならなかった。今度こそ全部読んでしまおう。
文章に目を走らせ、内容を十分に理解し、恐怖する。
ああ、これはある意味怖いな。
本当にあった話ならヤバすぎ。
俺なら死ぬな。
ツマンネ。
激しくガイシュツです。
そして、最後の1レス…。
xxx :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :0x/0x/xx xx:xx
志村うしろーーーー!
カサッ背後で音がした。
(´・ω・‘)つまんないでつか?
>281 良いと思うよ。
テンポがあって、読みやすい。
どっちかって言うと、気になるのは眉毛(´・ω・`)
(´・ω・`)…
――ああ、水子が三人もいる。
「お客様・・・」
その声で私は我にかえった。
「お客様、チキンタツタセットのMサイズがお二つになります」
女性店員は接客用の笑顔を輝かせながら私に愛想をふりまく。
幼い頃から私には人と違う力が備わっていた。
「霊」という異様なものが見えるのだ。
人にとり憑いている背後霊なんかは、特にハッキリと見えた。
さっきの女性店員には水子の霊が三人とり憑いていた。
もちろん、私だってそんな物は見たくない。しかし眼に入ってしまう。
高校生になり、進路指導の最中、教師を見れば後ろに老婆が。
大学生になり、アルバイト先の主任には三歳ぐらいの男の子が。
社会人になり、職場の上司の周りには血みどろの兵隊たちが。
私は二人分のハンバーガーセットをもって、彼の待つ席に着いた。
ああ、見えてしまう・・・。
彼の背後に、顔の潰れた女性が見える。
「どうしたの?」
「ううん、何でもない」
背後霊が見えた、などと言えるものか。
彼はいろいろ話し掛けてきたが、私は彼に憑く霊を見たくないので下を向いていた。
そして、しばらく沈黙がつづいたあとに、思いもよらなかった彼の言葉が。
「・・・冴子さんはいい人だと思う。だけど・・・どうも君は僕の事を見ていないような気がするんだ。何て言うか・・・そう、僕の顔を直視してない、って言うか・・・本当に、わがままだと思う。でも・・・」
聞き間違いだと信じたかった。涙が頬をつたう。
私が何か悪いことをした?
何の因果がこうさせているの?
望みもしない能力を備わせたのは誰?
この力のせいで私は彼に捨てられた。
これから、どんなに素敵な男性が現れても私はその人の霊を見てしまう。
そしてまた捨てられる。
なぜ霊が見える? どうして?
それは眼があるから。
眼を取れば霊が見えない。
眼を取れば・・・。
キッチンの床に、粘液のしたたるスプーンと眼球が。
(おわり)
>>287 うう、するどい!
実は続編があったんですが、ネタが割れたので没にします・゚・(ノД`)・゚・
289 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/08 19:03
なんかレスが消えてますね
290 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/08 19:03
昔々、あるところに一人の猟師がおりました。
その猟師は大柄で腕っ節が強く、猟師仲間からも一目置かれている存在でした。
狙う獲物も、熊や猪といった獰猛な獣ばかりで、俺には何も怖いものがないと
いつも口癖のように豪語していました。
ある時、その猟師はいつものように山へ狩りに出かけました。
ところが、どうしたことかその日は全く獲物を見つけることが出来ず、
あちこちと探し回っているうちに猟師は山の奥深くに入り込んでいきました。
そうこうするうちに日も傾き始め、猟師が空手で帰るという屈辱の気配を
間近に感じ始めたときのことです。
291 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/08 19:04
猟師は不意に便意を催して茂みに入ってしゃがんでいると、
茂みの向こうの地面にミミズがのたくっているのが見えました。
猟師が何の気なしにミミズを見ていると、どこからともなく大きな牛蛙が現れて
ミミズを呑み込んでしまいました。すると、それからいくらもしないうちに
奥の茂みから青大将がヌラリヌラリと這ってきて、その牛蛙をゴクリと丸呑みしてしまいました。
青大将はその場にとぐろを巻いて飲み込んだ牛蛙をじっくりと溶かしている様子でした。
その時、バサバサと音がして空から大きな鷲が舞い降りてきて鋭い鉤爪で青大将を掴み、
再び空へ舞い上がろうとしました。青大将は身をくねらせて激しく抵抗しました。
その攻防はしばらく続きましたが、胴体に食い込んだ鉤爪の間から夥しい血が流れ、
青大将は動かなくなりました。そうして鷲が今度こそ飛び立とうとした時、
横手から目にも止まらぬ速さで鷲に食らいついてきたものがありました。それは狐でした。
鷲は青大将に気を取られていて狐の気配に全く気づいていなかったようでした。
そしてそれが命取りでした。狐が動かなくなった鷲の身体を青大将ごと引きずっていこうとした時、
茂みの奥の木立の間からぬうっと黒い大きなものが現れました。狐は慌てて逃げようとしましたが、
鷲の鉤爪に足を切裂かれていて、走れずすぐに捕まってしまいました。
茂みに隠れていた猟師ははっとして銃を構えました。熊だ!熊が出た。
しかもこれまでにない大物だ。しかも向こうは食事に必死でこっちに気づいていない。
この間なら確実に仕留められる。猟師はそう思い、引き金に手をかけました。
しかしその時猟師の脳裏に奇妙な疑問が浮かびました。
「最初に見たときあそこにはミミズがいた。そして蛙が出てきてミミズを食った。その蛙も蛇に呑まれた。
さらに蛇は鷲に殺され、鷲は狐にやられ、そして狐は熊に食われている・・・。もしここで俺が熊を撃
ったら、俺はどうなるんだろう・・・」
猟師は急に怖くなり、銃を下ろしました。そして熊に気づかれないようにそうっとその場を離れ、
逃げるように山を下っていったということです。
また鯖落ちか・・・
293 :
名無しさんのうしろのシートが・・・(1):03/07/08 22:11
男は営業担当として勤めていた会社が経営不振により
余儀なく退職するはめになった。
この時勢で再就職の難しさは痛感してはいたが
以外にも簡単に再就職先を見つけることができた。
都心から離れているが温泉の有る街のタクシーの運転手になることができた。
その日の夕方、女を駅前タクシー乗り場から乗せることになった。
その女の美しさはかなり印象に残った。
湯治客にしては手荷物が少ないのは気になったが、
女の指定する旅館まで送り届けた。
駅前に戻るとすっかり日も暮れていた。
そして、タクシー乗り場で待機していると一人の女が近づいて来たので、
後部座席のドアを開けてその女を乗せた。
男は振り向きざまハッと驚いた。
それはさっき旅館まで乗せた女と瓜二つだったからだ。
294 :
名無しさんのうしろのシートが・・・(2):03/07/08 22:11
「○×旅館まで行ってください。」
女はさっきの女と同じ旅館に行くように指示した。
男は不気味な気分ではあったが指示された旅館の方角に車を出した。
途中男は女に尋ねた。
「さっき○×旅館まで乗せた方ですよね。」
女はしばらく間を空けてから男にやっと聞き取れるような小声で女は答えた。
「いいえ、別人です。」
男は気味悪くなったが、勇気を出してルームミラー越しに聞き返した。
「あなたの様な綺麗な方を見忘れる事はありません。」
「じゃ、双子の姉妹ですか?」
女はまた間を置いてから小声で答えた。
「いえ、双子じゃありません。」
男は一瞬背筋に冷たい物を感じたが次の言葉を聞いてホットした。
「とても仲の良い三つ子の姉妹だったんですよ。」
男はそれ以上会話せず女を旅館まで送り届けた。
295 :
名無しさんのうしろのシートが・・・(3):03/07/08 22:12
終電の時間も過ぎていたが駅前に戻ってみるとタクシー乗り場で女が
待っているのが見えた。
タクシーのライトが当るとさっきの三つ子の美人姉妹の一人だと今度は
すぐにわかった。
男はタクシーを止めるとドアを開け女を乗せると○×旅館まで送っていった。
本日の仕事も終わり、家に帰った男は、
三つ子の美人姉妹の事を溜まっていた新聞で知ることになる。
その記事はこうだ、長女の婚約者を寝取った三女とそれを止めに入った
次女を刺殺し、妹二人を殺害した長女は今だ逃走中とのことだった。
その少年は、非常に気が弱かった。
その煮え切らない態度はしばしば周りの人間をいらつかせ、
いつしかクラスではイジメの対象となっていた。
そして、学校恒例の集団宿泊がやって来た。
そこでもその少年は虐められ続け、
少年が所属した班の殆どの雑用をその少年一人が負っていた。
その班は、よりによって特に彼を虐めている少年達で固められていた。
なぜなら、事情を知らない先生は虐められている少年と
その虐めている少年達は特に仲が良いんだと思っていたから。
ノイローゼ一歩手前の少年にとっては地獄の編成だった。
もはや日々の習慣になりつつある虐めが続きながら、
あるイベントが起ころうとしていた。
それは、肝試し。
その集団宿泊に使われる島、
とくにその宿泊施設は、地元問わず利用者の間では噂が耐えなかった。
「必ず出る宿泊施設、船乗りの死が多い島」
実際に宿泊施設に到着した途端、
季節は真夏にも関わらず冬の北風の如き冷風が吹いてきて、
しばし生徒達は霊がやっぱり居るんだ、霊の仕業だと騒いでいた。
少年は他の生徒達以上に心騒いでいた。
彼はよりにもよって「見える」タイプの人間だったのだ。
煮え切らないおどおどした態度の真の理由はそれであった。
何処に行っても付きまとう人たち、目が合えばもの凄い勢いで向かってくる
「人でない」人たち。
まだ人の心が残っているのか、相談に乗ったりもしてくれる
「人でない」人たち。
しかし、彼はこの事は親以外には話していなかった。
ますます虐められる事は親に言われずとも目に見えていたから。
彼には既に見えていた。施設の窓から覗き込む無数の青白い、あるいは血まみれの顔。
それは自分を見て笑っていた。自分達の仲間入りでもさせようと言うのか。
彼は「他人にとっての」虚空を睨み付け、また虐めっ子達に絡まれていた。
…そんな少年にとって肝試しは地獄のイベント集大成であった。
面白半分に肝試しをしてろくな目に会うためしは無い。
霊は茶化される事を嫌い、激怒するから。
そんな事を思っていながら、ソレを口にも出せず肝試しへの強制参加が決まった少年の心の内は
イベントに心躍らせる人間達の中でただ一人暗い闇の中だった。
ところで、
その人ならざる存在は彼の通う学校にも居た。
友人達には見えない、学校に居る数人の「先輩」
彼の住む地域はもともと虐めが酷く、自殺した生徒も多いのだが、
それは一度たりとも表沙汰にはなっていない。
しかし、彼は「先輩」達を通じてその話を聞いていた。
…次は自分の番だよ先輩達。いつも彼はそう心の中で呟いていた。
「先輩」達は「希望を持て」と励ましてくれているというのに。
そして、ついに少年達だけの地獄の肝試し大会が始まってしまった。
「何か」を期待しているのか、「何か」に怯えているのか、
その少年を除いた彼らは興奮しつつ、ノルマである古井戸へと向かっていった。
「古井戸の水を汲んでくる」それがこの肝試しのノルマであった。
街灯も無い、暗くて湿気の高い、施設の裏の山の森。
それは確かに肝試しとしては十分過ぎるステージであった。
そしてその森は、その少年には他の少年以上に恐怖を与えていた。
「…居る。それも性質の悪いのが、いっぱい…」
霊にも種類がある。相談にも乗ってくれるような、まだ人としての心を残しているもの。
そして、生者への妄執しか残っていない、残留思念と呼んで差し支えないような
邪念の集合体のようなモノ。
その森を根城に、浮世に縋り付いていたのはまさに後者であった。
すでに人の形を覚えてさえいないものが多い事からも、
この森が筋金入りである事が少年には伺えた。
…早く楽になりたい…少年の心に巣食っていた絶望はここに来て更に色濃く牙を剥いた。
絶望に思考を支配されかけていた少年。
それはあるいは、生に縋る物達の差し金か…
しかし、それは唐突に途切れる事になった。
悲鳴が上がった。少年には聞き慣れた、少年達の悲鳴。
…「出た」のだ。出てしまったのだ。
噂に上る通りの霊。
特にその噂に上る中でも一番恐ろしいとされている、「落ち武者」の霊。
実体を持たないはずの、手に握られた刀は
逃げ惑う少年達の周りに生い茂る木々を切り倒していた。
「見えている」少年を除いた少年達は、完全に錯乱していた。
必死に逃げる少年達の中、「見えている」少年は
横を通り過ぎる少年達がまるで見えていないかのように立ち尽くしていた。
彼の思考は既にある言葉で支配されていた。
「これで楽になれるのかな」
唐突に現れた恐怖の集合体と思しき落ち武者は、彼の絶望の渡し舟となってしまっていた。
…が、ここに来て風向きが変わった。
ある一人の少年が、「見えている」少年を盾に叫んだ。
「お願いです。コイツをあげますから、俺達は助けてください!!」
その少年こそ、「見えている」少年を虐めている少年達の中心となっていた少年だった。
先程まで絶望に支配されていた筈の少年の思考に、
突如として黒い感情が芽生えていた。
絶望を通り越した少年の中に芽生えたそれは、突如として現実に姿を現した。
突っ立っている「見えている」少年に刀を振り下ろす落ち武者。
その場に居た誰もが、その少年の最後を確信した。
あろうことか、少年達の心の声は、「楽しみが減ったなぁ」という言葉であった。
しかし、「それ」は少年達の、いやその場に居た全ての存在の確信を裏切った。
刀は、棒立ちの少年の肩で止まっていた。斬れなかった。
人ならざる存在である落ち武者も、あまりの事に呻き声を上げ、動揺し始めた。
少年は刀を素手で受け止めていた。先程までと違う表情を顔に貼り付けて。
少年は笑っていた。背筋も凍らんほどの邪悪で壮絶な笑顔を浮かべていた。
そして、刀は少年に容易く奪われた。落ち武者の腕ごと、引きちぎられて。
既にこの世のものでない筈の落ち武者の腕からは血が噴出していた。
少年の青い服は血で染まっていた。
肘から先を失い、血を噴き出しながら慌てふためく落ち武者を見て、
少年は高笑いしていた。その恐ろしい笑顔とは不釣合いな高らかな少年らしき声で。
堪らず落ち武者は逃げ出した。ただの子供の筈の「それ」から。
しかし、その直後、落ち武者の足は切り落とされた。
自分の物であった刀に。奪われた刀に。
再び真紅の血を撒き散らしながら形容しがたい声で泣き喚く落ち武者。
その様を見て再び笑い転げ、さらに落ち武者を切り刻み続ける少年。
もはやどちらが化生の物か分からない、壮絶な様相であった。
彼を虐めていた少年達は、腰が抜けて逃げる事も出来ず、
延々とそのスプラッタ映画も真っ青な光景をまざまざと見せ付けられる羽目となった。
落ち武者の最後はあっけなかった。
もはや肉塊となった落ち武者の体から出てきた、
真っ青な心臓に似た器官に少年が刀を突き立てると、
その肉塊は霧となり、あっという間に消え失せていった。
ただし少年の青い服に、血の跡という「現実の出来事であった」証拠を
まざまざと残して。
その後、少年は直ぐに着替え、
風呂に入りなおし、先生に怒られていた。
ただし、いつもなら直ぐに虐められるネタになるはずのその出来事も、
少年達は触れようともしなかった。
少年は先程までの凶行が嘘のようにおどおどとしたいつもの挙動に戻っていたが、
少年のバッグに残る生臭い匂いが、彼らの心に恐怖を与え続けていた。
結局、集団宿泊が終わっても少年達は一切「見えている」少年に
関わろうとはしなかった。
そして数日後、意を決して少年達の中心人物だった少年が
「見えている」少年に話しかけた。
「お前、あの時の事覚えてるか?」
他の、「あの場」に居あわせた少年達はその瞬間固まっていた。
だが、もっとも聞きたい事実でもあった。
アレが何かにとり憑かれていただけならば、寧ろ恐れる要因は減ると言う物。
だが…少年の口から発せられた言葉は
彼らのある意味期待通り、ある意味期待を裏切るモノだった。
「俺、追い詰められると何するかワカラネェから気をつけてよ」
表情は途端にあの時の邪悪な表情に戻っていた。
あれは彼自身の意思だった…!!少年達は戦慄した。
実は彼は、あまりの精神的なショックから精神障害を起こしていた。
ある意味もっとも厄介な精神障害「多重人格症候群」を。
そしてその人格は、とてつもない凶暴性を秘めていた。
ある日、少年達はある噂を聞いた。
「見える」少年が不良とトラブルを起こしたという。
やはりその弱気な彼に目をつけた通りすがりの不良が
彼に絡んだところ、「あの」表情になった彼が
車が通っている最中の道路に蹴飛ばしたというのだ。
車にはねられ苦痛にもがいている不良を一瞥すると、
彼はこう言い放ったという。
「何イキナリ飛び出してんだよ。馬鹿じゃねぇの?」
その不良は恐ろしくて警察に言うことすら出来なかったという。
しかし、基本的にその少年の身に危険が降りかからない限り
その人格は現れないらしく、
数ヶ月少年の様子を見ていた少年達はようやく安心を取り戻していた。
既に、少年を虐めようという気持ちは微塵も残っていなかった。
そして、ある日、体育の授業が終わり少年達が倉庫にボールを片付けに行ったとき、
突然「見える」少年は倉庫の鍵を閉め、自分諸共少年達を閉じ込めた。
少年達が身構える中、少年は静かに口を開いた。
「まぁ、何だ。お前らの肝試しのお陰で俺は生まれた訳なんだよ。
お礼をしなくちゃならねぇよな…今までもう一人の俺にしてくれた事含めて。
ホームルームの心配はしなくて良いぜ。出る必要無くなったからな。
クラブで最初に倉庫に来た奴の反応が見ものだなぁ…真っ赤な倉庫になってるんだもんな」
[Hなシステム]
Y氏は有名大学を優秀な成績で卒業後、大手商社に勤めていた。
英語が得意だった彼の担当は輸入機器の営業担当ではあったが、
人付き合いがあまり得意でない彼の成績は部内でも最下位争いに
毎回名前が上がる。
ある日、勤め先の経営不振により大規模なリストラ策の噂を聞いた。
Y氏は自分もリストラ候補に入っているだろうと気にかけ何時上司に
呼び出されるかビクビクしながら日々を送っていた。
数日後、Y氏は誰かに見られているような視線が気になった。
それは、出勤途中、会社の中、家に帰るまで続いていた。
自宅に帰るとその視線が気になり部屋の窓から表を覗いて見ると
道を挟んだ向かいの電柱に黒服の男がまるで刑事ドラマの
張り込みをしているかの様にこちらを見上げていた。
Y氏は気味が悪くなり慌ててカーテンを閉じた。
Y氏は警察へ不審者がいると通報したが、警官が到着するころには
黒服の男は立ち去っていた。
翌朝カーテンの隙間から表を覗くとまた黒服の男はそこに立っている。
Y氏は気味が悪くなりその日は会社を休むことにした。
次の日も、そのまた次の日も黒服の男はそこにたっており警察に通報
しても警官の来るころには姿を消している。
ただY氏を監視しているのは明らかに分かった。
Y氏は不気味な黒服の男の恐怖から外出ができなくなっていた。
そして欠勤が続いた。
Y氏は今の状況を誰かに相談したいと思っていたが打ち明けられる様な
友達は居なかった。だが唯一愚痴をこぼせる場所があった。
それはネット上の某掲示板だった。
Y氏は今の心境や状況を某掲示板に書き込むと真剣に返信してくれる者、
客観的に評論する者、冷やかす者、中には無関係なアスキーアートで
茶化す者が書き込みをしてくれた。
Y氏は解決になら無くても気はまぎれ、起きてから寝るまで某掲示板に
没頭していった...
某ソフト会社
H氏の率いるチームの成果を発表する機会を得た。
H氏は役員に向けてプレゼンし始めた。
H氏:
「これは今までにない画期的なコスト削減システムです。
リストラ対象者に解雇を言い渡すには、人事の担当者も気分は良く無い
ものです。この製品を利用することによって自主退職を促しスムーズに
リストラを実現することができ、保証金を支払うことも無くなり企業の
負担を大幅に抑えることに成功しました...。」
役員達はH氏の画期的なシステムに関心し製品化することを承諾した。
H氏は役員承認を得たことを報告の為にチームメンバーを集めた。
H氏:
「まだ多少バグはあるが今回のシステムが製品化されることが決定した
これも皆の努力によるものですご苦労様でした。
開発チームは引き続きブラッシュアップをお願いします。調査チームは
今の作業を終了して今度は市場調査の方をお願いします。」
調査チームメンバー:
「試用版の回収と被験者達の観察はどうしましょうか?」
H氏:
「試用版はそのうち折を見て回収しましょう。被験者のサンプリングは
揃ったので観察は終了して下さい。ご苦労様でした。」
と最後に労いの言葉を付け加えた。
H氏のそのシステムは、一人の発言に対して会話をする感覚で複数の
色々な返答をするという物だった。
発言に対して真剣に返信するプログラム
客観的に評論するプログラム
冷やかすプログラム
中には無関係なアスキーアートの茶化すプログラムまでも組み込まれて
いるらしい。
それはまるで多人数参加型の某掲示板のようだった。
星先生に捧ぐ...
く、黒服の男は??
309 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/09 23:18
あげとく
>>308 黒服の男=調査チームのメンバーもしくは、調査チームが雇った興信所の男辺りとして解釈して下さい。
裏設定までしてませんでした。
新しくはじめていいですか?
312 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/11 23:19
えーと
どうぞー
某自動車会社が車間距離を自動で感知するセンサーを搭載した車を発売
したの知ってる?
あの企業よりも数年前からその手のセンサーの開発を行っていた
業界トップの某企業が開発したセンサーはそれよりも数段優れていて車間距離
の感知の他に夜間の歩行者の位置や死角になっている横断中の歩行者も
感知することができたらしい。ただそれは発売されなかったんだって...
センサーが過敏反応しちゃうんだって...
過去に交通事故があった現場等で「横断者が居ます注意して下さい。」って...
投下して寝ます。またもや推敲は無し。
「ね、お兄さん。口でしてあげよっか。二千円。どう?」
会社の帰り道。声に振り返ると、魅惑的な目付きの妙齢の女性が、胸の前で腕を組んで立っていた。
小さくすっと滑らかなラインの卵形の顔には、大きめの瞳と通った鼻筋、
男受けしそうな肉厚の唇が絶妙なバランスで配置されている。
うっすらと施された化粧が、なお整った面立ちを引き立たせている。
スタイルも申し分無い。
体にぴったりフィットした淡いブルーのワンピースに、凹凸が強調された身体のラインがくっきりと浮かび上がり、細い足がすらりと伸びている。
頭から爪先までけちの付けようの無い、完璧なルックスだ。
「お店とか行ったら、もっと取られるよお金。だったらさ……どう、あたしと」
語尾は囁き声になっていた。それがまた、背筋が粟立つように艶かしい。
あれやこれやと考える前に、俺は財布を取り出し、彼女に千円札を二枚握らせていた。
「オッケー。じゃあ、こっち。来て」
金をブランド物の革製ハンドバッグに仕舞うと、彼女は私をビルの谷間の細い路地へと誘導した。
袋小路へ来ると女は振り返り、再び魅惑的なハスキーボイスで囁いた。
「じゃ……下、脱いで」
言われるがままに俺はズボンとパンツをずり下ろし、女の目前でペニスを晒した。
早くも隆々と勃起しているのが、妙に気恥ずかしかった。
彼女は跪くと、消毒もそこそこに俺のペニス全体をくまなくなぞる様にして丹念に舌で舐め回した。
唾液でてらてらと光るペニスの上を這いずり回る彼女の赤い舌が、途方も無く猥褻に見えた。
じっくりと舐め回すと、彼女は俺のペニスを一気に喉の奥の方まで捩じ込んだ。
唇、舌、咥内の粘膜。
それらを駆使し、かつ吸い付きながら、彼女は最初はゆっくりと、やがて徐々に速度を上げながら前後に頭をグラインドした。
上手い。これまでの女の中でも、極上のテクニックだ。
じゅぱじゅぱと、卑猥な音がコンクリートの壁に反響する。
時折頭の動きを止め、亀頭の先端を舌で舐め回す。脳髄まで溶けてしまいそうな快感だ。
「ふひおあかえ、あひへいいはあえ」
ペニスを咥え込んだまま喋っていたので、よく聞き取れなかった。
「口の中で、出していいからね」
一旦咥内からペニスを引き抜くと彼女は言い直し、再び作業へと戻った。
喉を鳴らしながら、彼女は俺を快楽の高みへと誘っている。
頭の前後運動も、さらに速くなった。もう限界だ。これ以上、耐えられそうに無い。
睾丸の辺りにこみ上げる物を感じ、そのまま俺は肉体の赴くままに彼女の咥内で射精した。
びくんびくんと腰を震わせ精液を吐き出し続ける俺のペニスを、
彼女は最後の一滴が出尽くすまで咥え続けていた。
いや、快楽の波が遠ざかった後もなお、ペニスは彼女の口の中にあった。
放出された精液を、彼女はワインを味わうかのように咥内で転がしていたのだ。
やがて、小さく肯くと彼女はようやく口を離し、コンクリートの壁に唾液と精液の混合液体を吐き出した。
白濁色の液体と一緒に、小さなカプセルが吐き出されるのを俺は見逃さなかった。
薬にしては妙に大きい。何だ、アレは?
ハンドバッグから取り出した、ペットボトル入りの烏龍茶でうがいをする彼女に、
俺はズホンを穿きながら何気なくカプセルについて尋ねてみた。
「あぁ、これ? うん、実はね、あたし男を探してるの」
烏龍茶を地面に吐き捨て、ハンカチで口を拭きながら彼女は答えた。男?
「そう、昔ね、あたしをレイプした男」
あっけらかんとした口調と会話の内容のギャップに、俺は少々戸惑った。
「十八の頃だったかなあ、道歩いてたらね、いきなり襲われちゃってさ。
こんな風な細い路地に連れ込まれて無理矢理。て、レイプなんだから無理矢理なのは当たり前か、あはは。
でね、恥ずかしかったけど、その時付き合ってた彼氏と、あと家族にこの事言ったんだ。そしたらね、どうなったと思う?」
答えあぐねていると、彼女は左手首を俺の眼前に差し出した。表面には、数本の傷跡が付いていた。
「彼氏にね、捨てられたの。ショックでかかったんだろうなあ。あたしも勿論ショックだったけどさ。
でね、追い討ちをかけるようにさ、親からこの家を出ろ、て。
結構名門だからさ、あたしん家。そういう事が世間に知られると、何かと都合が悪かったんだろうね」
手首をさすりながら、彼女は続けた。
「家を出たその夜にさ、誰もいない駅のホームで手首切ったの。
血が一杯出てさ、ああこれで死ぬんだ、て思ったら意識が遠のいて。
……気が付いたらさ、病院のベッドで寝てた。たまたま通りかかった人が救急車呼んだみたいでさ。
なぁんか知らないけど助かっちゃったの。助かりたくなかったんだけどね」
で、家に引き戻された?
「まさか。両親はとっくに死にましたから、て嘘こいて、次の朝には病院飛び出してた。
でね、その時決心したの。あたしの人生メチャクチャにしたあの男に復讐してやる、て」
地面に落ちていたカプセルを彼女は拾い上げた。
「レイプされた時ね、アイツしつこい位にあたしにチンチン舐めさせたの。
舌を使え、だのもっと深く咥えろ、だのさ。AVの観過ぎだよ絶対。
しかもさ、いざ挿れたら十分もしないうちに出そうになったみたいで、
アソコからチンチン抜いてあたしの口に咥えさせて、全部飲め、て無理矢理口内射精。
もう凄い量。溜めすぎだよお前って感じ」
顔は見たのか? と質問してみた。
「それがさあ、そいつストッキング被ってて。
しかも暗かったから、碌に顔も見られなかったんだ。
だから、あたしはその場で覚えておいたの。
アイツのチンチンの形も、大きさも、ザーメンの味も」
一旦言葉を区切り、彼女は俺の目の前にカプセルをかざした。
至近距離で見て、ようやく俺はカプセルがガラス製であることに気付いた。
「これさ、よく見て。中に仕切りがあるじゃん。
こっちには硝酸、こっちにはトリカブトの毒が入ってるの。
噛み砕けばガラスのカプセルから流れ出して……」
硝酸が陰茎を腐食させ、トリカブトの毒が傷口から入り込んで、全身に行き渡る、という寸法だ。
恐ろしい発想をするものだ。
「プレイの最中はね、これを含んでるの。いっつも……あ、恐くなった?
大丈夫だって、ちゃんと噛み砕かないように注意してるからさ。現に何も無かったでしょ?」
もしかして、こんな仕事やってるのも……。
「そ。あの男を見つけてこれで仕留めるの。これがあたしの復讐。
え、あたし? あはは、死んじゃうかもねこんなん口の中に入ったらさ。
けど、それはいいんだよ。だってあたしはアイツの息の根を止めるためだけに生きてるんだもん。
他に何も要らないよ。
絶対探し出してこの手で恨み晴らしてやるんだから。
絶対そいつの咥えたら判るよ。
だってあたし、あの時アイツのチンチンを恥ずかしさと悔しさと
怒りと恐怖と絶望にまみれながら舐め尽したんだから」
最後の方は、まるで独り言のような低く沈んだ口調で、俺と会話をしている事すら忘れているように思えた。
豹変した彼女の様子に背筋が寒くなるような恐怖を覚え、そそくさと俺はその場を立ち去った。
俺は次の日、会社でちらっと前日の晩の事を同僚に話した。
「ああ、鬼テクの美人だろ? 訊いたことある、俺の仲間がしゃぶってもらったって。
いいよなあ、俺も世話になりてえよ」
どうやら、復讐についての話は聞いていない様子だった。
無論、俺はその事について言及はしなかったが。
それ以来、彼女の姿を見掛ける事は無い。
彼女は今も夜の町を彷徨い、道行く男に声を掛けているのだろうか。
それとも、既に復讐を終えてこの世から姿を消しているのだろうか。
今でもふと気付くと、俺は夜の雑踏の中に彼女の姿を探している。
読み直して気付いた。
「怖い話」じゃねえなコレ。
ではおやすみなさいです。
つーか、書いてるときに気付けよw
325 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/15 09:06
しゃ〜ないから復帰あげ〜
__∧_∧_
|( ^^ )| <寝るぽ(^^)
|\⌒⌒⌒\
\ |⌒⌒⌒~| 山崎渉
~ ̄ ̄ ̄ ̄
ふふふ ふふふふ ふふふ・・・
や・なり 【家鳴り・屋鳴り】
家が音を立てること。
特に木造建築物に多い。
昼と夜との気温・湿度差で、木材が収縮し擦れて音を立てる。
…ねぇ、お母さん。
なあに?
ヘンな音がするよ。
変な音?
うん。パキンって音。
えぇ? どこで?
うーんと…、あ、ほら。
あぁ。本当だ。
…怖い…。
大丈夫よ。これはね、家鳴りっていうの。
やなり?
そう。お家を造ってる木が、軋んで音を出してるの。
ふうん。
じゃあ天上にいる白いお婆さんは、何をしているの?
家鳴り もう一話
耳鳴りがする時、私の友人はよく
「近くに幽霊が来たよ」
と言う。
耳鳴りは周囲の気圧が変化した時になる現象。
そして幽霊の周りは気圧が違うから
自分の近くに幽霊がいると、耳鳴りが起こる。
…という、本当のことなのか
分かるような分からないような説明をしてくれた。
友人は冗談交じりなのだろうが、
ソレはあながち嘘ではないと、私は思っている。
なぜなら、部屋で一人でいるとき
ふと耳鳴りが始まった時は必ず家鳴りがする。
パキンパキンと。
そしてミシリという何かが這うような音が気になり、
そちらに視線を向ければ……
貴方は何を見た?
これにて 終了
寝るべし
ちなみに自分の部屋では、就寝前頃に
家鳴りと共に本棚だけが揺れます。ビバ・ポルターガイスト
つか、前回を忘れた頃に揺れるのはなんでだ。
寂しいのか。
〜序章1〜
【秘密】
(名・形動)[文]ナリ
(1)隠して人に知らせないこと。公開しないこと。また、その事柄。
「―にする」「―がもれる」「企業―」
(2)人に知られないようにこっそりすること。
今回はある街の七不思議の一つでもある、ある街で語り継がれている
呪いの体験を語る。
決して他人に漏らしてはならぬ、ある秘密を教えよう。
ここにある一冊の名もない古い「日記」がある。
誰が書いたものなのか、いつのものなのかは不明である。
ボロボロに朽ち果てた日記の表紙には、書き殴ったように「D」と記されているだけ。
朽ち果てた日記の古さからみて、おそらく書いた本人はもうこの世にはいないだろう。
しかしこの「日記」には、実は恐ろしい呪いがこめられているという噂だ。
それは奇妙なことに、13ページ目以降からはただの白紙である。
持ち主がそれ以降書くのが面倒くさくなったのか、それとも
何らかの理由で書けなくなったのか。
ともかくこの日記は12ページまでしか書かれていない。
だがこの日記は「ある条件」を満たすと、13ページ目が読めるそうだ。
それは決して読んではならない呪いのページとして語り継がれていた。
どうやら13ページ目に、この日記の持ち主の「秘密」があると判断してもよさそうだ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜序章2〜
しかし呪いのページと呼ばれているからには、読んだ者が無事では済みそうもない。
秘密の13ページ目を読んだ人間はどうなるのか?
貞子が出てくるとでも言うのか?
一週間後に死を宣告されるとでも?
とりあえずそれを説明する前に、はっきりとしたことが一つだけある。
それは過去に13ページ目を読んだ者がいるということ。
なぜなら読んだ者がいるからこそ、その日記に呪いがあると噂されているからだ。
ではその読む条件とは?
それは非常に簡単な方法である。
誰でも手軽に用意でき、誰でも読むことができる。
「午前02:00分に13ページ目を開く」「13ページ目を鏡に写して読むようにする」
たったこの二つの条件を満たせば、13ページ目が読めるそうだ。
非常に下らない。かつ、いかにも疑わしい条件である。
なぜ午前02:00でないといけないのか。
なぜページを鏡に写さなければならないのか。
表紙に記されている「D」とはいったい何の意味なのか。
しかし人はたったこれだけの陳腐な伝説が存在するだけで、すぐに飛びつくもの。
見てはならない、読んではならない、と言われれば言われるほど
人はどうしても読みたくなるもの。
他人の秘密ほど興味深いものはない、すでにこの世にいない人間の日記ならなおさらである。
遊びのネタや話のネタには充分である。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜序章3〜
のちほどお見せする「Dの日記」、良ければ皆さんにも読んでもらいたい。
勇気のある人なら、秘密の13ページ目を読むことができるだろう。
ただしくれぐれも守ってもらいたい注意点が一つだけある。
これだけは厳守してもらいたい。
秘密の13ページ目の内容を、「決して他人に漏らしてはならない」。
これを破ると、あなたは必ず「Dの呪い」がかかります。
ゆえに口が軽い方にはこの日記はおすすめしない。
何しろ一言でも13ページ目の内容を他人に漏らせば、即「Dの呪い」がかかる。
しかしだからといって恐れる必要は何もない。
以上の注意点だけを守れば、あなたの身の安全は保障する。
読んだだけでは呪いなどかかることはない。
要はそれを他人に漏らさなければいいだけのこと。
「秘密」さえ守れば何も起こらないのだ。
13ページ目に何が書かれていたのか、それさえ誰にも教えなければ良いのである。
それだけで他人の秘密がこっそりと覗けるのだ。
ゆえに安心してDの日記を読んでいただきたい。
ちなみに秘密を破ると、どういうことになるのか教えよう。
これが「Dの呪い」である。
‘口を割ったら あなたは 背骨が逆に折れ
えびぞりのまま 冷蔵庫の中に 押し込まれる’
ではこれから話すある二人の高校生とともに、「Dの日記」を読んでいこう。
見えない13ページ目の秘密を探ってみよう。
これは ある街での ある噂から始った ある呪いの実体験である。
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Dの日記
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
Dの日記 PAGE1
S市 S高等学校 3年1組
午前08:30
あゆみ「おはよー、四郎。」
青木「あ、おはよう。あゆみ。」
あゆみ「ねぇねぇ、すっごい面白いこと教えてあげよっか。これ絶対秘密よ。」
青木「どうせくだらないことだろ。誰かと誰かが実は付き合ってたとか・・・」
あゆみ「あ、なんだ知ってたの。」
青木「お前さ、あんま他人の秘密を嗅ぎまわるのやめたほうがいいぞ。」
あゆみ「なんでよー、あんただって面白がって聞くくせに。」
青木「あーそうだ。それからな、俺たちあんまなれなれしく会話すんのやめないか。」
あゆみ「なんでよー。」
青木「いくら従妹だからってなぁ・・・。だいたいお前違うクラスだろ。」
あゆみ「いいじゃんそんなの。別に付き合ってるわけじゃないし。」
青木「当たり前だろ、俺たちはいとこだぞ。イトコ。」
あゆみ「わかってるわよ。・・・あーもうどうして男ってこういうどうでもいいことを
気にするのかなー。」
青木「悪かったな、男ってのは女と違って男女関係を妙に意識するとこがあるんだよ。」
あゆみ「はいはい、わかったわよ。でさ、とびっきり面白いネタがまだあるのよ。」
青木「話聞いてないだろ、お前。」
あゆみ「いいから聞いて、これすっごいとびっきりのネタ。」
青木「お前に彼氏ができたとか?」
あゆみ「違うわよ!いーから黙って聞きなさい。」
青木「わかったよ。・・・で、何の話だ。」
あゆみ「あんたDの日記って知ってる?」
青木「?なんだそれ?Dの食卓なら知ってるが。」
あゆみ「それはゲームでしょ!あたしが言ってるのはDの日記。」
青木「知らないな、いったい何だよ。」
あゆみ「呪いの13ページ目。オカルト好きのあんたでも、さすがにこれは知らないでしょ。」
青木「だから知らないっての、それが何だよ?」
あゆみ「実はさ、ゆうべインターネット覗いてたらあるサイトで・・・」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
Dの日記 PAGE2
青木四郎(アオキシロー)17歳
S高等学校3年生。
オカルト好きという変わった趣味を持っている。
しかし見た目はごく普通の少年である。
柴田あゆみ(シバタアユミ)17歳
同じくS高等学校3年生。
クラスは違うが、主人公の青木とは従妹にあたる。
好奇心旺盛、うわさ話好きの現代っ子である。
この日、あゆみが青木のもとへ何か面白いネタを持ってきたようだ。
先ほど話した「Dの日記」である。
インターネットのあるサイトで、その日記のことが紹介されていたらしい。
.
あゆみはこの日記に対して、非常に興味がそそられたのだろう。
さっそく幼なじみの従兄の青木にそれを知らせに来たのだった。
あゆみがゆうべ見たそのサイトの説明によると、どうやらその日記は
この街の郊外にある廃屋になった屋敷に存在するようだ。
ここまで説明すれば、次の展開は予想がつくはず。
あゆみは青木にその日記を読みに行こうと誘ったのである。
呪いのページの秘密を探りに・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
Dの日記 PAGE3
青木「何だか疑わしいな、呪いのページなんて。」
あゆみ「今日学校終わったらその廃屋の屋敷に行かない?あんたもDの日記
読みたいでしょ?」
青木「めんどくせーよ、俺今日観たいテレビがあるんだよ。」
あゆみ「あれ?あんた怖いの?」
青木「別にこわかねーよ。」
あゆみ「じゃいこ、決まり。」
青木「お前なぁ・・・」
あゆみ「放課後に校門前でね、じゃあね!」
青木「おい待てよあゆみ!俺は・・・」
あゆみは自分のクラスへ帰っていった。
青木「ったく、しょうがないなー。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
放課後 校門前
午後15:40
あゆみ「遅かったわね四郎、何してたのよ。」
青木「悪い悪い、掃除当番だったのすっかり忘れてた。」
あゆみ「じゃ、行くわよ。」
青木「まじで行くのか・・・。お前一人で行けば?」
あゆみ「何あんた、女の子一人で廃屋の屋敷へ行かせようっての?」
青木「あーあーわかったよ、行くよ。行けばいいんだろ。」
あゆみ「屋敷は郊外だからバスで行ったほうがいいわね、一度駅までいこ。」
青木「どうでもいいけどお前、ちゃんと屋敷の場所知ってんだろうな。」
あゆみ「知ってるわよ、ちゃんとサイトで調べたんだから。えーと、F町210-○×よ。
そこの山道に今は誰も住んでいない屋敷があるの。」
青木「しかしこの街の郊外にそんな廃屋の屋敷があったなんて・・・」
あゆみ「さ、行こうよ。四郎。」
青木「あぁ。」
青木とあゆみはとりあえずこの街のS駅へ向かい、バスで郊外へ出向くことにした。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
Dの日記 PAGE4
S駅東口前 バスターミナル
青木とあゆみは、駅前のバスターミナルにてF町郊外方面のバスを待っていた。
青木「なぁ、あゆみ。」
あゆみ「なに?」
青木「その日記についてはだいたい分かったけど、過去に読んだ人とかいるのか?」
あゆみ「いい質問ね、実はいるみたいなのよ。知りたい?」
青木「別に。」
あゆみ「ウソばっか言うんじゃないわよ、知りたいから聞いたんでしょっ。」
青木「お前がいちいちじらすから・・・」
あゆみ「まったく・・・。えぇとね、過去にDの日記を読んだと思われる人物が
一年ほど前に新聞に載ってたらしいのよ。」
青木「ほぅ。なぜ記事になるんだ?」
あゆみ「実はその人、自宅で変死体になって発見されたみたいなの。」
青木「ふぅん・・・。」
あゆみ「その人、おそらく秘密の13ページ目を見たらしいわね。そしてそれを電話で
友達に話しちゃったらしいの。」
青木「それで?」
あゆみ「そのとたんにDの呪いがかかったのよ!母親がその夜、冷蔵庫を開けたら・・」
青木「開けたら?」
あゆみ「その人、背骨が逆に折れてえびぞりの状態で冷蔵庫に押し込められてたんだって!」
青木「・・・・・・・」
あゆみ「どう?どう?怖くない?」
青木「別に何も。」
あゆみ「もー、怖いなら怖いと言いなさいよー。」
青木「だって怖くねーもん。」
あゆみ「ふん。とにかくその13ページ目を見た人、背骨どころか腕や足もまるで
折り紙のようにばきばきに折れ曲がってたんだってさー。」
青木「・・・それがDの呪いってわけか。」
あゆみ「うん、そうだと思う。」
青木「それで電話で聞いた友達のほうはどうなったんだ?やっぱその人も
呪いにかかったのか?」
あゆみ「いやそれがね、聞いた友達のほうは次の日何も覚えてなかったんだって。」
青木「えぇ?」
あゆみ「ここがまた不思議よね、どうして秘密を聞いたほうは何も起こらず
記憶だけがなくなってるんだろ。」
青木「呪いがかかるのはあくまで秘密を漏らした人間だけってことか・・・。」
あゆみ「そうみたいね、何だか不気味よねー。」
青木「ところで何で冷蔵庫なんかに・・・」
あゆみ「あ、ちょっと待って。バス来たみたいよ。」
青木「おっと、じゃあとりあえず乗るか。」
青木とあゆみはバスに乗り込んだ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
Dの日記 PAGE5
バス内
青木とあゆみはバスの後ろほうの空いてる座席に座った。
青木「なぁあゆみ、それで冷蔵庫の件だけど・・・」
あゆみ「どうして冷蔵庫なんかにってこと?」
青木「あぁ。」
あゆみ「知らない、日記を読めばわかるんじゃない?」
青木「何?お前その日記を紹介されてるサイト見たんだろ?」
あゆみ「日記の内容までは紹介されてなかったのよ、13ページ目の読み方とか
読んだあとの注意や警告までは載ってたけど。」
青木「午前02:00に鏡に写して読むってやつか。」
あゆみ「そう、それ。」
青木「どうも謎が多すぎるな、どうして午前02:00じゃないといけないんだ?」
あゆみ「さぁ・・・あたしもわからない。どうして鏡なんかに写さなきゃ・・・」
青木「そして秘密を漏らした人物は、背骨が逆に折れてえびぞりの状態で
冷蔵庫に押し込まれる。か・・・。」
あゆみ「いったい13ページ目には何が書かれてるんだろうね。」
青木「うん、少し興味がわいてきたな。」
それから30分後、バスは郊外のF町に着いた。
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Dの日記 PAGE6
S市 郊外 F町210-○×
廃屋の屋敷前にて
青木「この屋敷か?」
あゆみ「住所ではそうみたいね、間違いないよ。」
青木「じゃ行くか。」
あゆみ「ちょちょっと待って・・・マジで入るの?」
青木「お前が誘ったんだろうが、ここまで来て屋敷に入らないってのかよ。」
あゆみ「わ、わかってるわよ・・・」
あゆみは青木にぴったりとくっつくように歩き出した。
青木「・・・(なんだこいつ、自分が一番怖いんじゃねえか・・・)」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
屋敷内 一階ロビー
青木「うわ、すごい朽ち果ててるなー。」
あゆみ「住まなくなってからだいぶ経つんだね、階段なんかボロボロだよ。
これ二階に上がれるのかな・・・」
青木「で、肝心の日記はどこなんだ?」
あゆみ「この屋敷のどこかだと思うけど・・・」
青木「んじゃ俺は二階を調べるよ、あゆみは一階。」
あゆみ「え?二人で一緒に調べるんじゃないの?」
青木「分担したほうがいいだろ、そのほうが早く見つかる。」
あゆみ「ま、待ってよ。あたしも一緒に二階調べるわよ。」
青木「ははは、一人じゃ怖いんだろ。」
あゆみ「違うわよ!」
それから青木とあゆみは二階の部屋を隅から隅まで調べた。
だが意外にも「Dの日記」はすぐに見つかった。
それは、ある寝室の書斎の引き出しの中にあった。
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Dの日記 PAGE7
二階 寝室
そこは寝室にしてはわりと広い部屋だった。
フローリングの上にはりっぱなグランドピアノが置いてあり、
大きなベッドが一つ置いてあった。
もちろんピアノもベッドもボロボロに朽ち果てている。
二人は部屋の隅にある書斎の引き出しから「Dの日記」を発見した。
青木「おいあゆみ、まさかこれ・・・?」
あゆみ「そ、そうみたいね。」
青木「これがDの日記か・・・・。」
あゆみ「・・・・・・・」
その日記はボロボロに朽ち果てており、表紙に「D」とだけ記されているだけだった。
ページをめくれば、今にも破れそうなほど色あせていた。
青木「よし。この日記は持って帰るとして、とりあえず・・・・ん?
おいあゆみ、何してんだ?」
あゆみ「ね、ねぇ四郎。これ見てよ。」
青木「どうした?」
あゆみは書斎の上に飾ってあった写真立てに気づいた。
そこにはいかにもお嬢様風の少女の写真が入っていた。
年齢は青木たちと同じくらいの年頃だろうか。
着ている服はいかにも高価そうな洋服だ。
どことなく気品も漂わせるような少女だった。
だが一つ奇妙な箇所がある。
写真の少女の顔がマジックで塗りつぶされている・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
Dの日記 PAGE8
青木「女の子の写真か・・・・。かなり昔のものだな、当たり前だけど。」
あゆみ「誰だろうね。っていうかなんで顔がマジックで塗りつぶされてんの・・」
青木「さぁな、ここにあるものは全部ボロボロに朽ち果てている。
いつのものなのか、誰が住んでいたのかさっぱり分からないよ。」
あゆみ「うん・・・」
青木「おいあゆみ。見ろよこのピアノ、これ音出るのかな。」
青木はグランドピアノの前に立ち、ピアノを弾こうとした。
あゆみ「ちょ、ちょっと四郎。やめなさいよ・・・」
青木「大丈夫だって、これはただのピアノだよ。」
青木はピアノの鍵盤を一つだけ叩いた。
ポロ〜ン♪
青木「あ、一応音でるみたいだな。しかしすげえ古い音だ・・・」
あゆみ「あんたピアノなんか弾けないでしょ。早く帰ろうよ。」
青木「ちょっと待て、なんかこれ弦が一本切れてるみたいだぞ。」
あゆみ「そりゃそうでしょ、それだけ古いんだから。」
青木「まぁそうだが・・・」
あゆみ「ねぇ早く出ようよ、なんかここにいるとイヤな感じ・・・」
青木「待てよ、日記を読むんじゃなかったのか。」
あゆみ「えぇ?ここで?」
青木「13ページ目を読まなければいいんだろ?だいいち今はまだ夕方の5時だぞ。
午前02:00じゃないから大丈夫だよ。」
あゆみ「そ、そりゃそうだけど・・・」
青木「なんだよ、お前のほうから言い出したんだぞ。さぁ読もうぜ。」
あゆみ「う、うん・・・。」
青木はベッドの上に座り、「Dの日記」をヒザの上に置いた。
Dの日記 PAGE9
青木「あゆみ、ここ座れよ。」
あゆみ「わ、わかってるわよ。」
青木「・・・おい、あんまりくっつくなよ。ページが開きにくいじゃんか。」
あゆみ「う、うるさいわね。早くページめくってよ。」
青木「今めくるよ。さぁ見るぞ・・・・。」
あゆみ「ごくっ・・・・」
ついに二人は「Dの日記」を読み始めた。
この日記には何が書かれているのか。
少しずつこの秘密を探ってみよう。
意味不明な文が書かれているかもしれないが、全部読めば何かわかるはず。
「D」とは何なのか?人の名前なのか?
午前02:00の謎は?なぜ鏡が必要なのか?
とりあえず、まずは1ページ〜12ページまでお見せしよう。
これは呪いの序章である、ゆえに安心してご覧ください。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
Dの日記 PAGE10
【Dの日記】
http://amfh.hp.infoseek.co.jp/aaa/senk/org-b.htm 1ページ目
×月1日 (くもり)
もうすぐ私の誕生日、12日が待ち遠しい。
父は私にピアノを買ってくれると約束してくれた。
一日も早く弾きたい。
だけど私の指は7本しかない。3本足りない。
どこへ落としてきたのかしら・・・。
2ページ目
×月2日 (雨)
指が足りないからピアノが弾けないと父に相談した。
すると父はこう言った。
「心配するな、指くらい買ってやる。安心しろ。」
結果私の指は今13本になった。
少し多すぎじゃないかしら・・・。
3ページ目
×月3日 (晴れ)
目がかゆい。
どうしてかわからないけど、目がかゆくてたまらない。
あまりにかゆいので父に相談した。
すると父は私にこう言った。
「目薬をさしてやろう、これでおまえの目は宝石のように赤い。」
4ページ目
×月4日 (晴れ)
そういえば私の部屋には「鏡」がない。
私は生まれてこのかた、自分の顔を見たことがない。
父はなぜか鏡だけは買ってくれない。
ピアノを買ってもらえるのに、どうして鏡は買ってくれないのかしら。
すると父は私にこう言った。
「おまえに鏡など必要ない、私が鏡になってやる。私が毎日おまえの
美しい髪をといてやろう。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
Dの日記 PAGE11
5ページ目
×月5日 (晴れ/くもり)
私の愛する父の仕事は畜産業。
毎日牛や豚を殺してお肉に変えて街へ売り出す仕事。
私が初めて父が牛を殺す瞬間を見たときのことはよく覚えている。
そのとき私はまだ5歳だった。
父は殺した牛をえびぞりにして貯蔵庫にしまっていた。
ところで今夜の夕食は牛肉のステーキだった。
とてもおいしかった。
6ページ目
×月6日 (くもり)
今日は久しぶりに屋敷の裏の屠殺場をこっそり覗いてみた。
相変わらず父は牛や豚を「お肉に変える」仕事をしていた。
こっそり覗くはずだったが、すぐに父に見つかってしまった。
父は豚の返り血を全身に浴びながら私に言った。
「おまえもやってみるか。」
7ページ目
×月7日 (雨)
私の指は13本ある。
しかしそのうちの6本は、どう見ても牛の歯にしか見えない。
これでピアノが弾けるわけないわ。
私は父に相談した。
すると父は私にこう言った。
「指は多ければ多いほど上達するぞ。もうすぐピアノを買ってやるからな。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
Dの日記 PAGE12
8ページ目
×月8日 (くもり)
今日はめずらしくこのお屋敷にお客様がいらした。
その人は父の取引先のお得意様らしい。
私はここぞとばかりに、おいしいハーブティーをお客様に差し上げようとした。
しかし父は私に言った。
「おまえは人前に出てはならん、部屋でおとなしくしていなさい。」
なぜ私はお客様の前に出てはいけないのかしら。
私にだってお茶くらいは出せる。
それに私の家の庭ではハーブを栽培している。
きっとお客様も喜んでくださるはず。
私は父が屋敷の裏へ出て行ったところを見はからって、こっそりお客様の前に出て
ハーブティーを差し出そうとした。
しかしそのお客様は私の顔を見るなり、とても驚いた様子で屋敷を
出て行ってしまった。
私何か失礼なことをしたのかしら・・・
9ページ目
×月9日 (晴れ)
どうしても鏡が見たい。
でも私の部屋には鏡という鏡がない。
私の目が赤くなった日から、どうも視力が落ちたせいか
窓ガラスに写る顔もぼやけて見えない。
唯一自分の顔が写っている私の写真は、父が顔の部分をマジックで
黒く塗りつぶしてしまった。
いったい私、どういう顔してるのかしら・・・
その晩、私は少しお腹がすいたので冷蔵庫を開けようとした。
だがそのとき、突然父は冷蔵庫を開けようとした私の腕を強くつかんだ。
「どうした、お腹がすいたのなら今おいしい夜食を作ってあげよう。
だから勝手に冷蔵庫など開けるな。」
そのときの父の目は少し恐かった。
しかしその日の深夜、私は父に見つからぬようこっそり冷蔵庫の中を見た。
すると中には背骨が逆に折れ、えびぞりのまま冷蔵庫に押し込められている人間が入っていた。
私はすぐにその人が誰だかわかった。
それは、先日私の顔を見て驚いて屋敷を出ていってしまったお客様だった・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
Dの日記 PAGE13
10ページ目
×月10日 (晴れ)
夕食のとき、私は父に聞いた。
「お父様、私ってどういう顔しているの。」
すると父は答えた。
「決まってるじゃないか、おまえは世界一美しい少女だよ。」
さらに私は父に聞いた。
「お父様、私の誕生日にピアノはいらない。代わりに鏡を買って。」
だが父はこう言った。
「馬鹿を言っちゃいかん、おまえの美しい顔は私だけのもの。
いいか、もし鏡など見たら・・・」
なぜか父はそこで口を止めた。
11ページ目
×月11日 (雨)
いよいよ私の誕生日まで、あと一日に迫った。
私は父に言った。
「お父様、ゆうべはごめんなさい。やはり私 鏡なんかいらない。ピアノが欲しい。」
すると父は言った。
「そうか、それでこそ私の愛する娘だ。明日の晩、楽しみにしてるがいい。」
父はそう言ってとても嬉しそうな表情で私を抱きしめた。
私もうれしかった。
12ページ目
×月12日 (嵐)
今日は待ちに待った私の誕生日。
今夜ピアノが屋敷に届くらしい。
嵐の日ではあるが、私と父の心は晴々としていた。
愛する父のために、私は今夜からピアノのおけいこをする。
いつか上手になって父に聞かせてあげたい。
午前0:00、私の寝室にりっぱなグランドピアノが届いた。
父は私に言った。
「さぁ、今夜は好きなだけ弾くがいい。誕生日おめでとう。」
私は今日ほどうれしい日はなかった。
さっそく私はピアノを弾き始めた。
Dの日記 PAGE14
でも あれは確か午前02:00ごろだったかしら・・・・
嵐の夜、雷が鳴るたびにグランドピアノのフタに私の顔がちらちらと写る・・・
でも見てはいけない。どうしてか分からないけど、私は自分の顔を見てはいけないらしい。
以前父は私に言った。「いいか、もし鏡など見たら・・・」。
でも ちょっとくらいなら・・・・
しかしこのとき私は気づかなかった。
稲妻が光るたびにちらちらとピアノに写る私の顔の後ろに、誰かが立っていたことを・・・
ピアノを弾いている私の背後から忍び寄る「父の姿」があったことを・・・・
その瞬間、私は父に背後からハンマーのようなもので叩き殺された。
どうやらそのあと、私の身体はえびぞりのまま冷蔵庫に押し込まれたようだ。
私の顔は父にとって「秘密」だったとは知らなかった・・・・
いったい私、どういう顔をしているのかしら・・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
Dの日記 PAGE15
青木「・・・・・・」
あゆみ「・・・・・・・」
青木「・・・おい、なんだこれ。」
あゆみ「わ、わからないわよ・・・」
青木「意味不明だ、これでも日記かよ・・・気持ち悪いな・・・」
あゆみ「ねぇ四郎。」
青木「?」
あゆみ「あ、あのさ・・・ここまで読むと13ページ目、気にならない・・?」
青木「そりゃあ気になるけど・・・でもよしたほうがいいかもな。」
あゆみ「でも・・・」
青木「たぶんアレだ、秘密の13ページ目はこの女の顔が写るんだよ。」
あゆみ「お、脅かさないでよ!」
青木「とにかくもう屋敷を出ようぜ、もう暗くなっちゃうし。」
あゆみ「そうね、とりあえず帰りましょ。・・・きゃっ!」
ズボッ!
あゆみは床の腐った部分に足をひっかけて転んでしまった。
かなり古い屋敷なので床が腐っていても不思議ではない。
あゆみ「いった〜い・・・」
青木「何やってんだよ、ほら手をだせ。」
あゆみ「あ、足が床にはまって・・・」
青木「どれ、足引っ張ってやるよ。」
あゆみ「バカ!どこさわってんのよ!」
青木「足を引っ張ってやろうって言ってんだよ、いいから動くな。」
ズボッ
青木はあゆみの足を腐った床から引っ張りだした。
青木「よし、さぁ帰るぞ。」
あゆみ「あ、ありがと・・・」
それから屋敷を出た二人は再びバスで街へ戻り、それぞれ家へ帰っていった。
「Dの日記」はとりあえずあゆみが持ち帰ることになった。
別れ際に二人は、決して13ページ目は読まないようお互い約束した。
しかし好奇心の強いあゆみに、果たして「秘密の13ページ目」を
読まずにいられるだろうか。
その答えは、今夜午前02:00に出る。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
Dの日記 PAGE16
S市 A町 柴田あゆみ家
午前01:30
その日の深夜、あゆみはなかなか寝付けなかった。
あゆみ「・・・・・・・・」
あゆみ「なんか眠れない・・・・やっぱあの日記が気になるな・・・」
あゆみは携帯を取り出し、青木の携帯に電話をかけた。
ピッピ
プルルルルル・・・・・プルルルルル・・・・・プツッ
*「もしもし。」
あゆみ「あ、四郎?あたしだけど・・・寝てた?」
*「いや、そろそろ寝ようかと思ってたとこ。・・・どうした?」
あゆみ「あのさ・・・例の日記、13ページ目がどうしても気になるのよ。」
*「気持ちは分かるけどさ・・・よしたほうがいいんじゃないかなぁ。」
あゆみ「あんたにしてはイヤに慎重ね。いつもならこういうオカルト系は
自分からすすんでやるのに。」
*「そうだけどさ、なんだか今回のはイヤな予感がするんだよ・・・。
あ、ところでDの日記のDという意味が分かったぞ。」
あゆみ「え?ほんと?なになに?」
*「これは人の名前やイニシャルじゃないな、今日俺、屋敷のピアノ弾いただろ。
あれで意味がわかった。」
あゆみ「なによなによ、早く教えてよ。」
*「あのピアノ、弦が一本だけ切れてた。たぶんあの写真の少女が殺されたときに
倒れた衝撃かなんかで弦が切れたんだな。」
あゆみ「で?」
*「切れた弦がドレミファソラシの中の[レ]の音階だった、[レ]という音階は
コードでいうと[D]ともいう。」
あゆみ「あんたそんなことよく知ってるわね。」
Dの日記 PAGE17
*「それにカタカナの[レ]という字、何か見覚えがないか?」
あゆみ「レ?・・・・う〜ん・・・わかんない。」
*「カタカナのレという字は、アナログの時計の針でいうと2時を指す。
2時を指した時計の針はカタカナの[レ]に見えないか?」
あゆみ「あ・・・・そ、そういえば・・・」
*「そう、つまりDの日記とは言い方を変えると・・・」
あゆみ「わかった![午前02:00の日記]ってことね!」
*「正解。」
あゆみ「すっご〜い!やるじゃん四郎!」
*「うん・・・だからよけい心配になってきたんだよ。午前02:00に13ページ目を
鏡に写せば本当に・・・」
あゆみ「もしね、もしこの呪いが本当だとしてもさ、たとえ13ページ目を見たとしても
それを誰かに言わなければいいんじゃん。」
*「まぁな、例えばお前が見てそれを誰にも言わなければな。」
あゆみ「あんたにも教えられないってことね。」
*「そういうことになるな。」
あゆみ「・・・・あのさ四郎、あたし13ページ目見てもいいかな。」
*「どうなっても知らないぞ、お前の身体は背骨が折れて、えびぞりの状態で
冷蔵庫に・・・」
あゆみ「ば〜か、そんなことになるわけないでしょ。脅かしても無駄よ。」
*「ちっ、屋敷にいたときはあれほど怖がってたのにな。」
あゆみ「今は午前01:45分だから、もうすぐ2時ね。」
*「おいあゆみ、まじでやめとけって。悪いこと言わないから。」
あゆみ「大丈夫よ、どうせページを鏡に写したって何も見えるわけないじゃん。
それで何か写ったらノーベル賞ものよ。」
*「しかし・・・」
あゆみ「まぁいいわ、あたしもなんか眠くなってきちゃった。この話の続きは
明日学校で話そ。」
*「そうだな、じゃあまた明日。」
あゆみ「じゃあね〜。」
ピッ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
Dの日記 PAGE18
そしてあくる日
S高等学校 3年1組
午前08:30
青木「おはよ。」
生徒A「オス。」
生徒B「よう青木、なんか顔色悪いぞ。寝不足か?」
青木「あぁ・・・なんかそうみたい。」
生徒A「オナニーのしすぎには気をつけろよ。」
青木「バカ、そんなんじゃねえよ。」
教師「さぁみんな席につけ。出席を取るぞ。」
ガタガタガタ・・・
生徒C「起立!・・・礼!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
昼休み
青木「あゆみのやつ、あれからどうしたかな。ちょっと教室に行ってみるか。」
青木はあゆみのクラスへ行ってみることにした。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
Dの日記 PAGE19
3年5組 柴田あゆみのクラス
青木「えーと・・・」
生徒D「お、青木じゃん。どうした?」
青木「あ、ちょうどよかった。あゆみ・・・いや、柴田いる?」
生徒D「柴田か?柴田なら今日欠席みたいだけど。」
青木「えぇ?」
生徒D「何か用だったのか?」
青木「い、いや・・・ちょっと・・・」
青木「・・・(おかしい・・・なんであいつ今日学校に来てないんだ・・・)」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
5時間目 現代国語
青木「・・・(あゆみのやつ、なんで今日欠席なんだろ・・・)」
教師「えー・・・で、あるからして、この問題は・・・」
青木「・・・(まさかあいつ・・・いや、そんなはずは・・・)」
教師「では次の文を・・・青木、読んでみろ。」
青木「は??」
教師「どうした、早く読め。」
青木「あ、す、すみません。聞いてませんでした・・・」
教師「しっかりしろよ青木、テスト前の大事な時期だぞ。」
青木「す、すみません・・・」
そのとき、教頭が青木のクラスへやってきた。
コンコンコン・・・
教師「ん?・・・あ、教頭先生。」
教頭「ちょっと・・・・」
Dの日記 PAGE20
教師「どうしました?」
教師は廊下で待っている教頭のところへ近づいた。
教頭「授業中申し訳ない、青木くんという生徒は確かこのクラスでしたな・・・」
教師「えぇ、そうですが。」
青木「・・・?(先生たち何をしゃべっているんだ?)」
教師「あの・・・青木が何か?」
教頭「ちょっと青木くんを呼び出してもらってもいいですか?」
教師「あ、はい。」
青木「?」
教師「おい青木、教頭先生がお話があるそうだ。すぐに行きなさい。」
青木「あ、はい。今行きます・・・」
青木は教頭に連れられ、校長室へ行った。
生徒E「おい、青木のやつ何かやったのかな。」
生徒F「下着ドロボーだな、絶対そうだ。」
生徒G「あいつならやりかねないな。」
ガヤガヤガヤ・・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
Dの日記 PAGE21
校長室
校長「授業中呼び出してすまんな、青木くん。」
青木「い、いえ・・・(げげ、なんで校長室なんかに・・・)」
校長「青木くん、こちらにいる方は警察の方だ。片桐警部補さんだ。」
青木「け、警察?!」
片桐「S警視庁の片桐です、よろしく。」
青木「ど、どうも・・・。あの・・・何かあったんですか?」
校長「青木くん、きみは5組の柴田あゆみくんの従兄だそうだが・・・」
青木「そうですけど・・・」
校長「では落ち着いて聞いてくれ。柴田くんは今朝、自宅で亡くなったそうだ・・・。」
青木「!えぇ?!」
校長「残念だが・・・・」
青木「ど、どうして・・・!?僕ゆうべも彼女と電話を・・・!」
校長「それでだな青木くん、こちらの警察の方が・・・」
片桐「あぁ校長先生、私からお話します。」
校長「あ、そうですか・・・。」
片桐「青木くん、突然の悲劇で心中を察するが・・・・。実はきみに二〜三
聞きたいことがあるのだ。できれば署へ来てもらえないか?
もちろん放課後でいい。」
青木「は、はい・・・。でもどうして僕に・・・?」
片桐「ゆうべのことや、その他被害者について少し聞きたいことがあるだけだ。
安心してくれ、尋問ではない。」
青木「被害者?!・・・ってことはあゆみは誰かに殺されたってことですか?!」
片桐「実はそうなのだ、これは殺人事件だ。被害者は変死体となって発見された。」
青木「・・・(ま、まさか・・・まさかあいつ・・・!)」
片桐「どうかしたかね。」
青木「刑事さん!もしかしてあゆみは・・・!あゆみは冷蔵庫の中に?!」
片桐「!」
校長「冷蔵庫・・・?何のことかね、青木くん。」
青木「・・・(ハッ!し、しまった・・・!)」
片桐「・・・青木くん、きみはどうしてそのことを知っている?」
青木「い、いやその・・・・」
片桐「・・・・・・・・・」
校長「刑事さん、いったい何のお話ですか?」
片桐「いえ、何でもありません。とりあえず青木くんには授業が終わり次第、
署のほうへ捜査のご協力をお願いしてもよろしいですか?」
校長「あ、はい。よろしくお願いします。・・・いいかね?青木くん。」
青木「は、はい・・・・」
片桐「・・・(この少年・・・どうも怪しいな・・・)」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
Dの日記 PAGE22
突然の身内の悲劇が起こった。
柴田あゆみは今朝方、自宅の冷蔵庫の中で変死体となって発見された。
それは奇妙なことに、被害者の身体は背骨が逆に折れ、えびぞりの状態で
冷蔵庫に押し込まれていたという。
警察側はこれを猟奇殺人事件と断定。
従兄である青木四郎は事情調書のため、S警察署へ出頭することになった。
警察側では知るはずもないが、青木にはこの事件の真相を理解していた。
原因はただ一つ、「Dの呪い」以外に考えられない。
ということは柴田あゆみは昨夜、青木との電話のあとDの日記の
「秘密の13ページ」を見たとしか考えられない。
そして その秘密を 誰かに 漏らしてしまったのだ・・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
Dの日記 PAGE23
S警察署 殺人課
取調室
片桐「では青木くん。まず鑑識の結果だが、被害者の柴田あゆみの死亡推定時刻は
昨夜の午前03:10くらいだそうだ。」
青木「そ、そうですか・・・・」
片桐「青木くん、昨夜午前3時ごろきみはどこにいたかね。」
青木「自宅ですけど・・・」
片桐「学校へ行くまで、家から一歩も外へ出ていないか?」
青木「当たり前ですよ、寝てたんですから。」
片桐「では質問を変えよう、きみはこれまでに柴田あゆみの家へ行ったことは?」
青木「そ、そりゃあ何度もありますよ。幼なじみなんですから・・・」
片桐「ふむ・・・。」
青木「あのぅ・・・これって僕の取調べなんですか?」
片桐「・・・・・・・」
青木「刑事さん、もしかして俺のこと疑っているんですか?」
片桐「いや、まだ何とも・・・」
青木「俺が容疑者だっていうんですか?!バカなこと言わないでくださいよ!
俺はゆうべ家で寝てたんです!」
片桐「まぁ落ち着きたまえ、そこまでは言ってない。」
青木「だってこんな取調室なんかに!・・・俺はあゆみを殺してなんかいない!」
片桐「・・・では一つ聞くが、きみはどうして被害者が冷蔵庫に押し込まれていることを
知っていた?」
青木「うっ・・・そ、それは・・・」
片桐「死体が発見されたのは今朝方だ。きみが学校に登校したあとだから死体の状況が
分かるはずがない。それなのにきみは私が説明してもいないのに、被害者の
変死体があった場所が冷蔵庫だと知っていた。」
青木「・・・・!」
片桐「この説明を納得いくように話してくれないかね、青木くん。」
青木「・・・う・・・」
Dの日記 PAGE24
そのとき取調室に別の刑事が入ってきた。
ガチャ
刑事「警部補、鑑識から連絡が入ってきました。」
片桐「うむ、どうした。」
刑事「被害者の遺体から別の人間の指紋が検出されたようです。」
片桐「おそらく犯人のものだ、間違いない。」
青木「・・・・・」
片桐「青木くん、すまんがきみの指紋を調べさせてもらえないかね。」
青木「やっぱり俺のことを!!」
片桐「そう言うな、これも捜査のうちなんだ。指紋が違えばきみには何の疑いも
かからないぞ。」
青木「・・・・わ、わかりました。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
それから捜査のため、青木の指紋を採取した。
・・・だが、これがいけなかった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
刑事「警部補!青木の指紋が一致しました!」
片桐「何だと?」
青木「えぇ?!」
刑事「被害者の遺体に付着していた本人以外の指紋と青木の指紋が一致しました!」
片桐「・・・青木くん、これで決定的だな。」
青木「そんなバカな!おかしい!」
片桐「全て話してもらおうか、どのみちこのままではきみは自動的に容疑者から
殺人犯に確定してしまうぞ。」
青木「ちょ、ちょっと待ってください!刑事さんたちは知らないでしょうが、
これは全てあの日記が・・・!」
片桐「!・・・・日記だと?」
Dの日記 PAGE25
青木「あゆみはきっと秘密の13ページを見たんだ!!そしてそれを・・・!」
片桐「その前に指紋の件はどう説明するつもりだね。」
青木「そ、それは・・・」
青木「えーと・・・えーと・・・ん?・・・あ!そうか!」
青木は何かを思い出したようだ。
〜〜〜〜回想シーン〜〜〜〜〜〜
あゆみ「いった〜い・・・」
青木「何やってんだよ、ほら手をだせ。」
あゆみ「あ、足が床にはまって・・・」
青木「どれ、足引っ張ってやるよ。」
あゆみ「バカ!どこさわってんのよ!」
青木「足を引っ張ってやろうって言ってんだよ、いいから動くな。」
ズボッ
青木はあゆみの足を腐った床から引っ張りだした。
青木「よし、さぁ帰るぞ。」
あゆみ「あ、ありがと・・・」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
青木「そうだ!あのとき俺はあゆみの足に触ったから・・・!そのときあゆみの足に
俺の指紋がついたんだ!」
片桐「・・・・青木くん、人はたいてい毎日風呂に入るものだよ。まして被害者の
柴田あゆみは女の子だ。昨夜も同様、彼女が入浴したあとに殺されたんだ。
風呂やシャワーを浴びれば、昼間ついたきみの指紋が残るはずがない。」
青木「・・・!」
片桐「つまり彼女の遺体に付着していた指紋は、風呂から上がった深夜についたものだ。」
青木「で、でも・・・!俺じゃないんだ!それは違う!」
Dの日記 PAGE26
バタン!
さらに別の刑事が取調室に入ってきた。
刑事「警部補!」
片桐「何だ、騒々しい。」
刑事「昨夜午前03:12分ごろ、柴田家のベランダから青木と思われる少年が
侵入するところを隣の住人が目撃していたとのことです!」
青木「えぇ?!そ、そんなバカな!」
片桐「間違いないのか?」
刑事「はい!柴田家の隣の住人は青木のことを知っていたようです!青木は確かに
過去に何度か柴田家に訪れていたみたいなので、隣の住人も青木の顔を
覚えていたようです!」
片桐「ふむ、目撃者まで現れたか・・・。どうするね、青木くん。」
青木「こ、こんな馬鹿げた話はない!何かの間違いですよ!俺は殺してない!」
片桐「きみはまだ未成年者だが、きみには黙秘権というものがある。
しかし弁護士を雇うにはまだ早すぎるかな・・・」
青木「ちょ、ちょっと待ってください!俺は犯人じゃない!何かの間違いだ!」
片桐「きみの両親にも署へ来てもらったほうがよさそうだな、さっそく連絡を入れる。」
青木「う、嘘だ!何かの間違いだ!・・・あなたたちは知らないだけですよ!
これはDの呪いがやったんだ!これは全てあの日記が関係してるんだよ!!」
片桐「きみは先ほどから日記日記と言っているが、もしやきみが言ってるのは
これのことかね。」
バサッ!
片桐警部補は青木の前に古い新聞記事を出した。
青木「?!こ、これは・・・?」
片桐「今から約一年前の記事だ、今回の手口とまったく同じ猟奇殺人事件。
きみはこの事件の真相を知っているかね。」
青木「これはきのうあゆみが言ってた事件だ!これも日記が原因ですよ!
犯人はDの呪いですよ!」
Dの日記 PAGE27
片桐「・・・・どうやらきみはこの事件の真相を知らんらしいな、この一年前の
事件の犯人が誰だがわかっているのか?」
青木「だからDの日記だって言ってるじゃないですか!この人も秘密の
13ページ目を読んだんです!そしてそれを友人に教えてしまったんですよ!
だからこの人も冷蔵庫に押し込まれて・・・」
片桐「きみはこの記事をよく読んだか?実はこれは私が担当した事件だ。
Dの日記のことぐらい、この私も知っている。」
青木「えぇ?!あ、あなたも知ってたんですか?!だったら・・・!」
片桐「きみはこの犯行を日記の仕業だと勘違いしている、そして今回の事件の
犯行もDの呪いだと思い込んでいる。」
青木「だ、だってそれしか考えられないじゃないですか!」
片桐「いいか青木くん、よく聞け。・・・この一年前の事件の真相は日記でもなく
Dの呪いでもない。実は犯人は[被害者の友人]だったのだよ・・・。」
青木「えぇ?!」
片桐「証拠も目撃者も全てそろっていた。犯人であったその友人は今のきみのように
犯行を強く否定していたが、決定的な証拠が明らかだった。」
青木「刑事さん!その友人は秘密の13ページの内容を聞かされただけですよ!
彼には何の罪もない!俺もそうです!断じてあゆみを殺してない!」
片桐「その犯人だった友人は次の日[何も覚えてなかった]らしい・・・・。被害者から
[秘密の13ページのことなど、聞いた覚えもない]と供述していたよ・・・。」
青木「??・・・ハッ!ま、まさか・・・?!」
片桐「うむ、そういうことだ・・・。」
青木「そ、そんなバカな・・・!!お、俺は・・・!俺はあゆみから何も聞いてない!
秘密の13ページ目に何が書いてあったかなんて聞いてないぞ!!」
Dの日記 PAGE28
片桐「青木くん、これは私の推測だが・・・。もしやきみは[覚えてない]のでは?
おそらく柴田あゆみはきみの言う通り、秘密の13ページ目を見たのだろう。
しかもそれをきみに話してしまったのだよ・・・昨晩に・・・。
きみはその[聞いた内容を忘れてしまった]・・・と考えられないかね。」
青木「・・・?!そ、そんなことって・・・!!」
〜〜〜〜回想シーン〜〜〜〜〜
青木「それで秘密のページを電話で聞いた友達のほうはどうなったんだ?やっぱその人も
呪いにかかったのか?」
あゆみ「いやそれがね、聞いた友達のほうは次の日[何も覚えてなかった]んだって。」
青木「えぇ?」
あゆみ「ここがまた不思議よね、どうして秘密を聞いたほうは何も起こらず
記憶だけがなくなってるんだろ。」
青木「呪いがかかるのはあくまで秘密を漏らした人間だけってことか・・・。」
あゆみ「そうみたいね、何だか不気味よねー。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
青木「ち、違う・・・!俺は何も聞いた覚えはない!だいいちあゆみが
秘密の13ページ目を見たことすら知らなかったんだ!!
そ、そりゃあ・・・あいつは読むかもしれないとは思ってたけど・・・」
片桐「青木くん・・・きみは昨晩のことを[全て忘れてしまった]のだよ・・・。
秘密の13ページ目の内容を聞いたことを・・・・。
そして午前3時ごろ、柴田あゆみを殺害したこともな・・・。
おそらくきみの自宅を調べれば血痕のついた凶器が出てくるだろうな。」
Dの日記 PAGE29
青木「ウソだ!!これは何かの間違いだ!これは全部Dの日記だ!
Dの呪いのせいだ!!」
片桐「その若さで従妹を猟奇殺人とはな・・・・世も末だ。」
青木「お、俺は殺してない!!日記のせいだ・・・!呪いの13ページの仕業だ・・・!!」
青木「俺は・・・俺はあゆみを殺してなんかいない・・・・!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
この一ヵ月後、青木四郎は柴田あゆみ殺害の犯人として断定された。
少年犯罪の中でも、身の毛もよだつ猟奇殺人事件となった。
果たして青木は犯人なのか?
ではこれから真相編をもって呪いのエピソードをお見せしよう。
昨晩の青木の「忘れてしまった記憶」をご覧にいれる。
これが本当の「Dの呪い」である。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
Dの日記 PAGE30
【呪いのエピソード】
昨晩、事件の夜
S市 A町 青木四郎の家
午前02:10
プルルルルル・・・・・プルルルルル・・・・・(携帯)
ピッ
青木「もしもし・・・」
*「あ・・・四郎・・・あたし、あゆみだけど・・・何度もごめんね。」
青木「なんだよ、俺もう寝てたんだぞ。まだ何か用か?」
*「あ、あのね・・・あたし・・・見ちゃったの・・・・」
青木「なに?よく聞こえねえよ・・・」
*「秘密の13ページ目・・・・・みちゃったの・・・・・」
青木「ほぅ、何が書いてあった?どうせ何も出てこなかっただろ?」
*「あのね・・・・・・・聞かないほうが・・・いいと・・・思う・・・」
青木「おいどうしたんだよ、お前声ふるえてないか?」
*「ど、どうしよう四郎・・・・あたし・・・あたし・・・まさか13ページ目に
あんなことが・・・!!」
青木「なんだよ、何か見たんなら俺にも教えてくれよ。」
*「ダメ!絶対教えられない!」
.
Dの日記 PAGE31
青木「へーきだっての、どうせこんなの迷信だよ。」
*「だ、だって・・・」
青木「教えてくれよ、俺も気になるからさ。」
*「じゅ、13ページ目は・・・・・」
青木「うんうん、何が書いてあった?」
*「・・・○×△□▲▽∵■◎・・・・・」
青木「・・・・・・・・・・・・・・・」
*「だ、誰にも言わないでね・・・・あたし実はすっごく怖くて・・・・」
青木「・・・・・・・・・・・・・・・」
*「・・・?ねぇ、聞いてる?」
青木「・・・・・・・・・・・・・・」
*「ちょ、ちょっと四郎・・・なんか言ってよ・・・」
青木「・・・貴様 私の娘の[秘密]を 漏らしたな・・・・」
*「え??・・・な、何言ってんのよ・・・」
青木「・・・秘密を 漏らした者は 冷蔵庫に 押し込める・・・・」
*「?!ちょ、ちょっと四郎!ふざけないでよ!あたしを脅かそうなんて・・・」
プツッ
ツーッ ツーッ ツーッ ツーッ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
Dの日記 PAGE32
柴田あゆみの家
午前03:05
あゆみ「きゃあああああ!!四郎!あんたなに人の家まで来て・・・!」
青木「・・・・・・・・・」
あゆみ「ちょ、ちょっと何の冗談よ・・・!や、やめ・・・!」
ガツンッ!!
あゆみ「うあっ・・・!!」
ドタリ
青木「・・・私の娘の秘密を漏らすやつは、誰であろうと許さん。」
あゆみ「・・・・・・・・・・・・」
青木「私のかわいい娘は、私だけのもの・・・・。娘の[秘密]は私が守る・・・」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
Dの日記 PAGE33
この「Dの日記」は、現在もこの街の郊外にある廃屋の屋敷にある。
秘密の13ページ目を他人に漏らせば、あなたは必ず「Dの呪い」がかかる。
いや、正確に言えばあなたではなく「あなたが秘密を漏らした相手」に呪いがかかる。
それを承知で読みたい方は、遠慮なく13ページ目をご覧下さい。
ただし決して他人に漏らしてはならない。
どうしても我慢ができない方は、せめて秘密を漏らすのは赤の他人にしてください。
あなたの親しい友人に漏らすと、あなたは友人に殺されるどころか、
その友人は殺人罪で捕まります。
う、うわあぁぁぁ・・・
怖ッ!怖すぎッ!!かえってテンション下がりまフ。
ムッシュかまやつ
416 :
淫槍ぐんぐにる ◆MIHOsEVEpo :03/07/16 18:22
ある男が自殺をしようと決意し、間違いなく死ねるようにとかなり周到な準備を行った。
それは、まず高い崖の上に立ち、そこに生えた木に縄をかけるとそれを首に巻き、さらに毒を飲み、自分の服に火をつけた上で、崖から飛び降りると同時に自分の頭めがけてピストルを発射するという“完璧な”計画だった。
ところが、男の発射した弾丸は飛び降りた拍子に狙いをそれて木から下がる縄に命中、縄が切れた男は崖から海へとまっ逆さまに落下した。
そして海に入った拍子に服についた火が消え、近くにいた漁師に引き上げられ、しこたま飲んでいた水と一緒に毒まで吐き出してしまったため男は死ぬことが出来ず、“完璧な”計画は失敗に終わったのだ。
417 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/16 18:55
起きた瞬間、目の前に顔らしきものがあった
Dの日記怖すぎッス!!(((( ;゚д゚)))アワワワワ
出来れば430のリンク先がどーなっているか教えて欲しいッスヽ(´Д`;)ノアゥア...
>418
P-P-PP-,PP-P-P-P--PP---
P-P-PP-,PP-P-P-P--PP---
P-P-PP-,PP-P-P-P--PP---
age
421 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/17 08:54
422 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/17 09:11
最高に怖い話考えたんだけど書いてもいいかしら?
>Dの日記
クソ(゚听)ツマンネ
ここまでつまんねー話始めて読みました。
どこが怖いの?長過ぎだし。自己陶酔し杉。
オナニー見せられてもつまんないんだよね。
あと「S警視庁」に激しく萎え。
警視庁って日本に何個もあるんですか?
お前リア厨?
評価:3点
426 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/17 10:18
>>425 > 警視庁って日本に何個もあるんですか?
激しくワロタw漏れも知りたいw
そうかな、他の作品も似たり寄ったりだろ。まだ書けてる方だよ。
あと、警視庁云々については、単なる推敲ミスだと思われ。
>>388-389には「S警察署」になってるから。
428 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/17 12:26
429 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/17 15:48
八月十五日の真夜中私はオカルト板に書き込んでいた。
「ちゅ、う、ぼ、う、は、だーまーれ、と…」
ふと時計を見ると、もう八月十六日になっていた。
そのとたん、ドアが叩かれた。
「コンコン…」
「誰ー?ばーちゃん?分かったよぅ、早く寝ろってんでしょ?」
そのとたん、父の部屋のドアから廊下をはさんだとこにある
裏口のドアから
「ドンドンドン!!」
と凄まじい勢いでドアを叩く音がした。
「ちょ、ばーちゃんやりすぎだよ。」
すると別のドアから眠そうなばーちゃんが来た。
「あんた、何さっきから一人でさわいどるね?
お父さんお母さんいないからって夜更かししてないで早く
寝んさい。」
そのとき父、母、弟は父の実家に帰省中。
パソコンを見たら、勝手に電源が落ちていた。
長文スマソ。
430 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/17 19:55
今、両親とばあちゃんと弟が、ドアの向こう側で、手に手に得物を持って、凄い形相でなにやら叫びながらドアを開けろとわめいています。
あたし、なんか悪いことしたのかなあ。
431 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/19 13:26
433 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/19 14:05
こあああ・・・・
434 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/20 06:25
社十春――1
とある春の夕暮れのこと…
唐の都、洛陽(唐王朝の首都は洛陽ではなく長安だったと、なぜ誰も突っ込まない?)の門の下、
怪しい老人が貧乏そうな若者に声をかけている。
「お前は何を考えているのだ?」
「私は今夜寝る所もないので、どうしたものかと考えているのです。」
「ではこのお前の影の頭にあたる所を夜中に掘って見ろ。
きっと車に一ぱいの黄金が埋まつている筈だから。」
435 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/20 06:30
社十春――2
若者=社十春は一夜にして洛陽一の大金持ちになった。
新しい家を買い、さんざん贅沢を始めたが、いかんせん投資とか貯蓄とか
なかった時代のこと、2〜3年もすると、さしもの大金もすっかり使い果たし、
もとの一文無しに逆戻り、再びあてもなく洛陽の門の下にたたずんでいた。
するとまた再びあの怪しい老人が…
「お前は何を考えているのだ?」
「私は今夜寝る所もないので、どうしたものかと考えているのです。」
「ではこのお前の影の胸にあたる所を夜中に掘って見ろ。
きっと車に一ぱいの黄金が埋まっている筈だから。」
436 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/20 06:33
社十春――3
社十春は洛陽一の大金持ちに復帰した。
手放した家を買い戻し、以前のような贅沢を始めたが、「学習効果」などという
言葉のなかった時代のこと、2〜3年もすると、さしもの大金もすっかり使い果たし、
もとの一文無しに逆戻り、みたびあてもなく洛陽の門の下にたたずんでいた。
すると、あの怪しい老人がみたび訪れて…
「お前は何を考えているのだ?」
「私は今夜寝る所もないので、どうしたものかと考えているのです。」
「ではこのお前の影の腹にあたる所を夜中に掘って見ろ。
きっと車に一ぱいの黄金が埋まっている筈だから。」
437 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/20 06:35
社十春――4
社十春はみたび洛陽一の大金持ちに復帰した(ry
もとの一文無しに逆戻りした社十春が洛陽の門の下にたたずんでいると、
またぞろあの怪しい老人が…
「お前は何を考えているのだ?」
「私は今夜寝る所もないので、どうしたものかと考えているのです。」
「ではこのお前の影の足元にあたる所を夜中に掘って見ろ。」
438 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/20 06:37
社十春――5(完結)
その晩社十春が掘った穴は、今度は無間の奈落へとつながっていましたとさ。
439 :
434-438:03/07/20 06:41