作り話専用 〜マジで怖い話〜 

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1あなたのうしろに名無しさんが・・・
今、ふと考えついた怖い話を書いてください。
実話はNGです。あくまで自分で考えた怖い話のみです。
もしこのスレが900超えたらみんなで誰の作り話が一番怖かったか選びましょう。

2ν酋長 ◆CGrsi.YPSE :03/06/01 22:08
3あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/01 22:20
この板が3で終わってしまう。
4 :03/06/01 22:21
        ∧  ∧
        |1/ |1/
      / ̄ ̄ ̄`ヽ、
     /        ヽ
    /  ⌒  ⌒    |
    | (●) (●)   |
    /          |  
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  {            |
   ヽ、       ノ  |
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 (,.人、...)      |  | |
  \  \     し,,ノ |
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   ヽ、\.  .\      / 、
     ヽ(;;;人;;;;)    /ヽ.ヽ、
      |  | ̄|   |   ヽ.ヽ、
     (____|(___|     ヽ、ニ三
5ν酋長 ◆CGrsi.YPSE :03/06/01 22:26
誰もやらないのかよ。
じゃあ、今作るから待ってろよ。

朝起きたら、キムタクっぽい出川になってた
7あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/01 22:33
可愛い子をナンパしてベッドイン。
そしたら同じモノがついていた
998 :1 :03/06/01 23:55

じゃあ、みんな
1の話が一番怖かったってことでいいか?


999 :1 :03/06/01 23:58

禿同。>>1が最恐。


1000 :1 :03/06/02 00:00

1000!


1001 :1001 :Over 1000 Thread
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。
9ν酋長 ◆CGrsi.YPSE :03/06/01 22:37
モダン・ホラー
    〜トイレ〜

真一は朝から腹の具合が良くなかった。
近所の公園に犬を散歩させるために行った時に、真一は猛烈な腹痛に襲われた。
「ヤバイ!出そう!出ちゃう!」
真一は公園の公衆トイレに駆け込んだ。

お世辞にも手入れが行き届いているとはいえないこのトイレで、用を足すのは、潔癖な真一にとって屈辱的だった。
「クソ!なんでこんなに汚いんだよ。しかも和式かよ!」
真一は和式トイレが大嫌いだった。しかし、キリキリと痛む腹の前に、降伏せざるを得なかった。

和式トイレで不安定なポーズで用を足していると、もう一人お客が入ってきた。
この公園のトイレはやや奥まった、人気のないところにあり、実際にハッテン場としても使われることがあるという
噂も実しやかにささやかれているため、真一は身構えた。

個室のドアと壁の隙間から覗くと、30代半ばくらいの中肉中背の男が、
大きな麻袋を持って、小便をしているのが見えた。

「良かった。ホモの人じゃない。」
真一は安心して出ようとした。しかし、そのとき再び便意が襲ってきたのである。
(続く)
10ν酋長 ◆CGrsi.YPSE :03/06/01 22:38
続き読みたい?
11あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/01 22:39
おなかいっぱい
12あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/01 22:45
ちょっとでいいから面白い話にしてくれ
全然面白くない
寒い
センスが無い
消えてほしい
13あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/01 22:47
どうせ900いったら千取り合戦で
あっさり消えてしまうスレって
ここですか?っていう話はまじ怖い
14あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/01 22:48
>>13
詳細キボンヌ
>>10
書いて欲しいのよ、是非。
どんなレスがついても
例)
もういいよ、つまらん → 読んでますよー、がんばって!

みたいに脳内変換すればO.K.!
16ν酋長 ◆CGrsi.YPSE :03/06/01 22:51
(続き)
「またかよ・・・。」
真一は再び情けない格好で便器にしゃがみこんだ。
今度は長くなりそうだった。ふと、真一は外の男のことが気にかかった。
もう一度壁と扉の隙間から覗いてみて、真一は思わず叫びそうになったが、必死でこらえた。

なんと、外の男が、麻袋の中から女の死体を引きずり出していたのだ。
真一は細い隙間から目を離せなくなった。
男は個室に真一がいることに気付いていないようである。
女性の死体の次に男は鋭利なナイフと、のこぎりを取り出した。
そして、女性の首にナイフを突きつけると、一気に引いた。
女の首にパックリと裂け目ができ、そこから血がどろりと流れ出た。
「この男・・・。」
真一はこの男が何をしようとしているか理解した。
男はここで、女性を解剖しようとしているのである。
あっ!無断で再開してんじゃねぇよ!
18ν酋長 ◆CGrsi.YPSE :03/06/01 22:53
>>17
あ、ごめんなさい。
19あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/01 22:56
俺トイレに入って
もち、でかい方しようと・・
そしたら外からノックが
なんていったと思う?
花子ですが〜そこ私が座る場所なんで〜
どいてくださ〜い
だとさ
トイレの花子さんかよっ
おかしいぜ、だってノックをされる方が花子さんだべ
自分から名乗るのも変だしさ〜
俺は思ったぜ
冗談だろって
だれかが冗談で俺を・・・
なんて考えていたら
以下略
>>酋長
終わり?
やり始めたからにゃ、最後までやっとくれよ。
解剖ってどうせあれだろ?服脱がせてたんだろ?
酋長の体験はキモイな。
>>22
作り話スレじゃないのかよ 体験記かよ キモ
24あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/01 23:06
続き挙げ
25ν酋長 ◆CGrsi.YPSE :03/06/01 23:13
(続き)
真一はことの異常さに驚愕した。
どうやら男は気付いていないようである。
絶対に音を立ててはならない。男が全て終えて、このトイレを出て行くまで・・・。

男は女性の首をナイフ一本で器用に切断した。
まるで魚をさばくかのような手際の良さだ。
「こいつ、慣れてるのか?」真一は改めて恐怖を憶えた。

その時、またしても真一の腹が暴れだした。
「くそ!こんな時に・・・」
真一はどうすべきか迷った。今便をしたら、音が出てしまうかもしれない。
そうなったら男に気付かれてしまう。しかし、腹は限界を迎えていた。
真一の額は冷たい汗でいっぱいだった。

その時、遠くから飛行機がやってくる轟音が響いてきた。
米軍基地から飛び立った戦闘機である。
真一は町の米軍基地に初めて感謝した。

戦闘機の音が真一の排泄音をかき消しているうちに、真一は全てを出し切った。
しかし、流石に水を流すのは躊躇われた。

排泄が終わり、俺は落ち着きを取り戻した。
見ると女性は半分ほどばらばらにされていた。
吐き気がするほどの凄惨な光景であったが、自分自身の命がかかっている。
身動き一つせず、じっと見つめていた。
ふいに、男の手が止まった。
「・・・何か臭うぞ?」男は低い声でそう呟いた。
「マズイ!俺の落とし子の臭いだ!ばれる・・・!」
真一はその時、死を覚悟した。せめて下半身丸裸では死にたくないと思い、ズボンをはいた。
26ν酋長 ◆CGrsi.YPSE :03/06/01 23:14
>>22
体験記じゃないよ!
27あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/01 23:14
俺はハァハァ高校の2年生。ごく普通の高校生だ。
後の香具師、続きを頼んだ!
28あなたの後ろに名無しさんが:03/06/01 23:22
あるところにひとりの霊を信じないばかものがいた。
彼は、事あるごとに霊の信奉者をバカにして言った。
「なんだ、おまえらさん、幽霊が怖いの?」って
幽霊なんかこの世にいたら、是非会いたいもんだよなんて
平気で豪語していた。
ある日、このばかものは、街を歩いているうちに霊場に迷
い込んでしまった。彼はそのことに気がついていない。
ふと気がつくと、周りを歩いてる人の様子が変だ。
みんな、自分と同じ方角に歩いてる人ばかりで、誰も向か
って来る人がいないことに気づいた。
彼は異変に気がついた。
彼の心臓は高鳴り、体中から汗が噴出してくる。
彼は、その場から立ち去ろうと必死で後ろを振り返ろうと
するが、体が言うことを利かない。
「ははん、これは、きっと夢だ、夢に違いない」
彼は自分に平静を保とうと自分にそう言い聞かせている。
その時だ!バーン!と高い音とともに体に衝撃が走る。
彼は、ショックで気を失った。
そして、しばらくして闇の中から気がついた。
それから、とても、すがすがしくていい気分になった。
それも、その筈である。今度はいろんな人が自分に向か
って歩いて来ているのである。
みんな、自分の間近に擦り寄ってくる。
彼は、先ほどの光景が一時的なものだとホットして胸をな
でおろして叫んだ。
「あっはっは、やっぱり幽霊なんてこの世にいやしないじ
ゃないか!」って。
しかし、何か変だ。自分の周りで線香の匂いが漂っている。
彼は眉をしかめてつぶやいた。「なんか周りで線香の匂
いがプンプンするな」って・・・・。
彼は、まだ気がついていない。
自分が既に四谷の墓標に変身しているのを・・・
最後の終わり方がいい。
人の流れが自分と同じ方向 − 自分に向かってくる方向
に変わるのも面白いな。
30あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/01 23:30
んなことはない。
v酋長は飽きてしまったか、
はたまた推敲中か。
今日は寝るけど またーり待ってまっせ。
32ν酋長 ◆CGrsi.YPSE :03/06/01 23:47
(続き)
それまでしゃがみこんで解剖にいそしんでいた男がゆらりと立ち上がった。
「助けて!まだ死にたくない!」真一は祈って目を閉じた。

「ハハハ・・・」真一はびっくりして目を開いた。
扉は開いていない。上から覗いているのかと思い、恐る恐る上を見たが、上にもいない。
真一はもう一度壁と扉の隙間から外を覗いた。
男は立ったまま笑っていた。
「こいつ、こんなにクソが溜まっていやがる。道理で臭うはずだぜ」
良かった・・・勘違いしてくれたみたいだ。真一はホッと胸をなでおろした。
しかし、気の緩みに乗じて、「プッ」とガスが漏れてしまった。
途端に男がキョロキョロとあたりを見渡し始めた。
「やばい、今度こそ殺される・・・」真一は気を緩めた自分を呪った。
「何だ今の音は?」男は低い声で呟いた。
その時、ちょうどトイレの前を猫が通りかかった。「にゃ〜ん」
「何だ、猫か・・・。脅かしやがって」男は安心したようで、解剖を再開した。
「ああ、また助かった。このまま何事もなく終わってくれ・・・」
真一はすでに全身汗びっしょりだった。

その後、どれくらい時間が過ぎただろう。
男は解剖を終えると、持って来た麻袋に、すでに肉塊と化した女性を詰め込むと、
血で汚れた床を水で洗い、出て行った。
それから暫く、真一は動けなかった。やがて
「ああ、やっと出て行った。俺は助かったんだ。この町に殺人鬼がいるなんて信じられないし、恐いけど、
でも、俺は助かったんだ!」
そう叫ぶと、真一はドアをバタンと開けて、外へ飛び出した。
まぶしい太陽、日の光を浴びて輝く木の葉、全てが美しく見えた。
公園の入り口に繋いでいた犬を連れて帰路に着こうとする真一の肩を、誰かが叩いた。

振り向くと、先ほどの男が笑顔で立っていた。
真一は喜んで
33ν酋長 ◆CGrsi.YPSE :03/06/01 23:48
おしまいです。すいませんでした。反省します。
34ν酋長 ◆CGrsi.YPSE :03/06/01 23:49
ごめん、>>32の最後の行は間違いです。
何で喜ぶんだよ。
35あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/02 00:13
なかなかよかった もういっちょ頼むよ! 酋長!
いいオチだ。痛恨のミスともいうかw

トイレの窓から、という結末を予想していたが裏切られた。面白かったです



37ν酋長 ◆CGrsi.YPSE :03/06/02 00:16
ああ、ありがとうございます。
最後、詰めが甘かったです。某スレで言われたとおりだ。
38BEAR:03/06/02 17:45
以前、洒落恐スレで創作話を書いてた者です。
洒落恐に載せても反応がイマイチだったんですが、
ここは創作専用スレみたいなので、載せてもいいですか?
ドゾー
40BEAR(1/3):03/06/02 18:08
『鏡』
なあ、鏡って怖くないか?だってよ、見ると必ず自分が映ってて、目が合ってるんだぜ?
まるで、鏡の向こうに、もう一人の自分がいるみたいじゃん!
……鏡…か。友達の話を聞くまで、普段意識した事がなかった。普段髪をとかす時や歯を
磨く時、顔を洗う時…様々な事で『自分』を見ているが、今までそういう事を意識した事は、
一度も無かった。
ふぅ…今日も仕事だ。いつも通り朝5時に起きて顔を洗う。バシャッ、バシャッ……
ふぅ。タオルで顔を拭いて、鏡を見る。…ん?俺…何で笑ってるんだ?自分ではそんな感
じはしないが…鏡に映っている。俺が微笑んでいる顔が。まあいいや、今日は何か良い事
がありそうだ。俺は仕事に出た。
俺は、まだただの平社員だ。この会社にはまだ入社したばかりで、仕事にも上司にもまだ
完璧に馴染めていない。また今日も同じ作業の繰り返し。嫌になりながらも、これも仕事
だと思い、着々と仕上げる。すると、後ろから肩を叩かれた。まさか…もうリストラ…?
おそるおそる振り返ると、社長が笑顔で立っていた。『よくやった!君の考えた企画、
大成功だったよ!平社員の企画だからと言って、バカにしていた。私はもう年だから退職する。
君は、まだまだ若い。次は、君が、この会社を支えていく番だ!君に、次期社長を任命する!』
俺は言葉が出なかった。まさか…ウソだろ?こんな事が…しかし、とりあえず嬉しい!
いきなり平社員から、社長への成り上がりだ!四月からだが、今はもう二月。もうすぐ、
俺は社長…!胸騒ぎが止まなかった。
『さて、仕事を続けてくれ!君にはこれからも期待してるぞ!』
『はい!ありがとうございます!』
俺は、張り切ってパソコンに向かった。その時、画面に映る俺の顔は微笑んでいた。
41BEAR(2/3):03/06/02 18:09
仕事が終わり、家に戻った。今日は何と良い日だったんだ!俺は、今日の夜は一日中、
電話で色々な友達に自慢しまくっていた。   
次の日。今日は昨日と違い浮かれ気分でいつも通り5時に起き、顔を洗う。バシャッ、
バシャッ…ふぅ。タオルで拭いて、鏡を見る。…え?何か悲し気な顔をしている。しかし今、
俺は上機嫌で、俺自体はやや微笑んでいる。何だこの鏡は?昨日といい、何か嫌な感じだ。
昨日は笑顔だったからまだしも、今日は映っているのが嫌な顔だったから、何か今日は嫌な事が
ありそうでならなかった。しかし、俺は次期社長。気を取り直して、仕事に出るか!
そして仕事に向かった。入ると、何故か社員はみんな冷たい目で俺を見ていた。俺が次期
社長だという事に焼いているのか?いや、そうではない。何と、社長までもが俺を厳しい目で
見ている。一体俺が何をしたと言うのか?社長に尋ねてみた。
『どうしたんですか?』
『どうしたじゃない!君のせいで…君のせいでこの会社は…倒産だあ!』
そんな…バカな?一体何があったというのか?社長にさらに尋ねてみた。
『君の企画した情報が、君のパソコンからハッカーか何者かに抜き取られて、まんまと
パクられてしまったんだよ!遅れてその企画を発表したら、盗作だと訴えられて大変な事に
…何もかも君のせいだ!もう終わりだぁぁ…』社長は泣き崩れた。まさか…そんな事が…
倒産ということは、俺は、失職?いや、俺だけじゃない。この会社の、みんなが…そんな、
バカなああ!俺も泣き崩れた。
帰りの足取りはもちろん重かった。ガラスの向こうの喫茶店では、エリートサラリーマン
らしき男と若い女性が仲良く話している。俺は憂鬱になった。その時、ガラスに映っている
俺の顔は、悲しげだった。
42BEAR(3/3):03/06/02 18:10
家に帰って、不思議に思った。あの鏡に映った表情が、その日の出来事を物語っているん
じゃないか…。そう思いながらも、明日は良い表情が映ると良いと思い、眠った。
俺は起きて、すぐさま鏡のある洗面所へ行った。そして、顔を洗って鏡を見た。すると、
何とそこには、何かが書いた紙が俺の顔に貼られてある姿が映っていた。その紙には、
何と『負け犬』と。
俺はさすがにキレた。
『何でだよ!俺が何したって言うんだよ、このクソ鏡が!』
そう言って、俺はその鏡を思い切り、
『ガシャアン!』
と割った。すると、ヒビ割れながらも、その鏡には新たな俺の姿が映された。

その姿は、首を吊って、口から血を流しながら笑ってこっちを見ている、
白黒の俺だった。

END
43BEAR:03/06/02 18:16
以上です。所々改行がおかしくて読みにくいですが・・・
>>43
(・∀・)イイ!!
そうか?

>『君の企画した情報が、君のパソコンからハッカーか何者かに抜き取られて、まんまと
>パクられてしまったんだよ!遅れてその企画を発表したら、盗作だと訴えられて大変な事に
>…何もかも君のせいだ!もう終わりだぁぁ…』社長は泣き崩れた。まさか…そんな事が…

のあたりなんか、コメディとしか思えないのだが。
他にも社長の言動が狂ってるとしか思えないとか。
ショートショートってのは短いから展開が強引なところもあるけど、それを割り引いても
ひどすぎ。

時間もよくわからん。前の日の17:00過ぎから翌朝の9:00の間にパクリで訴えられ、
原因がハッカーの進入だと突き止められ、倒産が確定し・・・ジェットコースター的展開って
奴ですか?
>>43
最後、鏡をぶち割らずに
「負け犬」と貼られるとしたら、どんなシチュエーションだったんだろ。
それも考えるとなんか怖いな。
この話の場合、いいことと悪いことを会社での出来事にするから
破綻してるんだと思う。
もっと身近な出来事にすればおかしなことにならないんじゃないかな。
481 ◆EpNa70REtE :03/06/03 01:19
余り話し手を叩かないでね。 
もちろんある程度なら批評は構わないと思うけど
やりすぎるとなり手がいなくなるから。

さあ! みんなも怖い作り話を書いてみよう! 私も考え中です。。
49BEAR:03/06/03 10:30
>>45
厳しく突っ込まれましたな・・・確かにその通りです。
考えながら打ってたらそうなってしまったのです(鬱
それじゃ、しばらくしたらもう一つ載せます。
>>49
話の素材はかなり良いと思いました。恐い話はもともと荒唐無稽な部分を併せ持つ
ことが多いので、現実的な部分の描写をできるだけリアルにしないといかにも作り話って
感じになると思います。アイデアが素晴らしいので、投稿を期待してます。

しかし、作り話という前提での書き込みって難しいですね。
これが小説なら、「今読んでいるのは創作だ」って意識が頭に働くから、純然たる
ファンタジーでも読めちゃうんだろうけど。

こういう掲示板に書き込む創作話って、恐がらせるのがかなり難しいと思います。
文章が上手いってだけでは臨場感が伝わらない場合もある。ちょっと粗雑な文章の
方が、投稿人の息吹を感じられたりもするし。作り話の場合、綿密な計算の元に
文章を粗雑にする、といったことまで考えて書くと少しは恐くなるかな。

などと考えながら、以前洒落恐に投稿してました。

これからはこのスレにも投稿してみようと思います。
51あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/03 18:53
>>49
週刊ストーリーランドっぽかった
でも、ヨカッタヨ!
52あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/03 19:35
熊とか他の書き手は問題点を指摘されるのはOKなの?
煽りばかりでなくきちんとした批評ができていれば、文章作る力はだいぶ鍛えられそうだけど。

マンセーばかりでは書き手が伸びることはないと思う。
53あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/03 20:16
>>52
>マンセーばかりでは書き手が伸びることはないと思う。
だからと言って、問題点の指摘だけでも書き手は伸びないぞ。
読んだ人の感想(どんな感じだったか)など、そういうのも書き手にとって
充分今後のヒントになると思うが。
実はBEARさんの隠れファンだったり。。
頑張ってください〜ね。
55あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/03 20:45
もう何時間こうしているだろう・・・
俺が乗っているのは首都圏にある某JR線。特に冬場などは飛び込み自殺する奴が
多いことで知られている路線だ。
ひどいときは1日で3件飛び込み自殺が続いたことがある。

今日も夕方に一人飛び込み、1時間近く駅のホームで待たされた挙句、ようやく動きはじめた
電車に乗った途端、再び別の駅で飛び込みがあったのだ。

1時間も動かなかったのだから、電車の中はまさにすし詰め。大袈裟ではなく指一本動かす
のがやっとの状況だ。

「お客様に申し上げます。さきほど○○駅で起きた人身事故のため・・・」

お決まりのアナウンスが流れている。まだ遺体の収容が終わっていないようだ。
この調子ではいつまでこうしてればいいのかわからない。

俺はふと、「もしこんな状況で突然モーレツにウンコがしたくなったら大変だろうな」と思った。

その途端
56アニタ:03/06/03 22:43
序章 林道にて


月明りも届かぬ夜の林道を、息を弾ませながらひた走る1人の男がいた。
その男、名は峰生といい姓は不明である。

一寸先は闇ともいえるこの林道で、峰生はただただ走り続けていた。一体何がこの男をこうも急き立てているのか、それが分かるのは峰生自身に他ならぬだろう。
否、峰生自身も何故自分が急ぎ林道をひた走っているのか分からずにいたかもしれない。
ただ一つ言えるとするならば、峰生は今この時に途方もない恐怖の虜になっていたということである。

何が怖いのか、何が恐ろしいのか。分からぬ、分からぬから怖いのか。
峰生の顔は青白く、額には大粒の汗が滲み出ていた。
もう間もなく峰生は走ることが出来なくなるであろう。腹の内には痛みが走り、足の肉は土を踏むたび悲鳴を上げている。
何故、何故自分はこのようになってまで走っているのだろうか。峰生は自問した。
答えは無い。否、恐怖で何も考えられなかったのだ。
峰生の身体が、大きく傾く。

ついに峰生の身体は動くことを止めてしまった。自分の意思に反し、肉は固まり体は地面に伏した。
もはやこれまでか、何がこれまでなのか。分からぬ、何かを忘れしまっている。
火照った身体が土の冷たさを吸い取ってゆくような心地よさを感じながら、峰生は記憶の糸がほぐれていくのに気付いた。

何かを思い出し始めている。
峰生はこの記憶こそが今身にある恐怖の始まりであろうと悟った。
一体何を思い出そうというのか、それは峰生自身も見当付かぬことであった。


ただ一つ、分かることがあるとすれば――
57アニタ:03/06/03 22:44
続かなかったりします。
58ν酋長 ◆CGrsi.YPSE :03/06/04 01:09
>>57
続かないのかよ!
59アニタ:03/06/04 18:47
>>58
ごめんなさいw

そして>>9‐16‐25‐32(・∀・)イイ!!
>56
なんだよー!すげぇ面白そうだったのに!
このままテンション下げずに書き続けられればプロにもなれるだろうに。
6160:03/06/04 18:49
と思ったら、いきなり本人登場かよ!>>59
>>9
ν酋長って、ただの雑談好き&まんまん好きかと思ってたら
よい話書くんだね。ちょっと見直しました。

遅レスですが、便所話面白かったよ。

冒頭でいきなりありがちかなーと思ったけど、語り口がうまく、
恐い話かギャグか探りながら読んでいて、ところどころでゾッとさせられました。
おちにもうひとひねりあればさらに面白くなると思います。

また何か書いてくださいな。
63アニタ:03/06/04 19:01
>>60
ごめんなさいw
飽きて書くの止めたんじゃなくて純粋にあれしか考えてなかったりします。

いいわけくせぇ・・
64ν酋長 ◆CGrsi.YPSE :03/06/04 19:03
>>59>>62
わ、ありがとうございます。何ていうか、照れるね。
>>アニタ氏
ワロタ。新しいかも…。
なんか京極っぽいけど文章うまいと思った。
返す返すもそのオチは残念だw

洒落怖黎明期の投稿者だったりしますが
最近は何だかあそこもひどい事になってるみたいですねぇ。
創作でも何でもいいから純粋に怖い話を聞かせて下さい。

2ちゃんねる2に新オカルト板が出来ました
http://bbs.2ch2.net/occult/index2.html


2ちゃんねる2
http://2ch2.net/
>>65
おれも京極っぽいと思いました。

惜しいなー。誰か腕に自信のある人、続き書いておくれよー。
アニタさん本人でも、もちろんいいんですけど。

洒落恐スレ、おれも本格的に荒れ始める直前まで投稿してました。
古き良き時期(つってもわりと最近だけど)を知ってるだけに、最近の
荒れるか雑談かが大半の状況はとてもつらいですね。
こんなスレもあるのだが。
http://hobby3.2ch.net/test/read.cgi/occult/1054187799/l50

さて、どっちに書き込んだらいいのやら。
69作り話男 ◆CVYs9Nly82 :03/06/05 02:13
ただ一つ、分かることがあるとすれば――

――それは、女の、恐らくは女の、名。

「モヨコ」という響きが、先刻より何度も脳裏に浮かんではじんわりと溶けてゆく。
その都度、縋る様に記憶のほつれを手繰り寄せることを試みたが、無為に終わった。今はその時では
ない。峰生は何故かそう悟った。

虫の声が美しい。キリギリスと蟋蟀、それに螻蛄のジィという通奏低音が心に染み入る。子供の頃は
毎夜、布団の中で虫達の饗宴に耳を傾けたものであった。いつの間にかそれらは聞こえはするが聴こえぬ、
十円銅貨に生ずる緑青の様に気に留まらぬ存在となっていた。峰生は久方ぶりに無心にそれらに耳を
傾けた。相変わらず恐怖はしっかりと彼の胸中に居座っていたが、息は整い、足の強張りも解けかけて
いた。峰生は音を立てぬよう半身を起こし、周囲を窺い、恐怖の源が―目や耳で感知しうるモノかどうか
確信はなけれども―至近には存在せぬと己に言い聞かせ、静かに立ち上がった。2歩、3歩と足を踏み
出すと、筋肉が再び峰生を走らせ始めた。走るうち、立ち止まったことが取り返しのつかぬことにならなけれ
ばよいがと不安がつのってきた。だが今は、兎に角走らねばならぬ。走り続けなければ。
70作り話男 ◆CVYs9Nly82 :03/06/05 02:15
アニタさん、すいません。
続きが読みたかったんで、勝手に続けちゃいました。おれも先の展開は全く考えてないんですが。

しまった、もうちょっと改行短めにしとくべきだった。
71(@'ω'@) ◆n.qWqfl1rs :03/06/05 02:25
すっげー
皆さん怖いわ
72aa:03/06/05 23:04
「夢十夜」風・・・
今って、話書いていい状況なの?

なんかリレー小説っぽくなってて、書くに書けない雰囲気なんだけど。
74ν酋長 ◆CGrsi.YPSE :03/06/05 23:51
リレー小説やろうぜ。ぼっこし屋さんが続けて!
75あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/05 23:58
>>73
リレーでもいいし、そうじゃなくても全然OK!
76あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/05 23:59
>>73
なんでもいいよ。期待ageヾ(´ー`)ノ
今書いてたんだけど……全然怖い話じゃねぇや、コレ。いかんなぁ俺。
別の話書きますわ。あんま期待されると困るけど。
眠いし、明日に回すか。

>>74
勘弁してくだちい。やりたいのは山々だけど、
俺の文章力じゃ、>>69の続きなんて書けやしませんよー。
7876:03/06/06 01:15
>>77
(;´Д`)!

その話捨てるならキーワードだけでも下さい。
何かに還元できるかも…。
おやすみぃ
79作り話男 ◆CVYs9Nly82 :03/06/06 03:02
第二章 山人

東京は奥多摩の小川谷。

石灰質の土壌が積年の風雨による侵食を受け、
見事な奇観が広がる土地である。世間に心のゆとりが
あれば、紅葉の折などは目の滋養を得に訪れる者も
あろう。しかして人心は荒廃し、日々の食い扶持に
追われるこのご時世ではそのような風流人は皆無であろう
とて仕様はない。
80作り話男 ◆CVYs9Nly82 :03/06/06 03:11
勝手に続けておいてなんですが、この文体、荷が重過ぎる。
少しだけ先の展開を考えたんですが、こういう堅い文章書いたこと
ないので筆が全然進みません。

アニタさんの導入部が素晴らしく、このまま終わっちゃうのは
もったいないのでのんびり続けていこうかと思うんですけど、
誰か続けたい人が他にいたらよろしくお願いします。

その際、>>69>>79は無視しちゃってもかまいません。
81アニタ:03/06/06 13:43
>>65&67
中途半端に終らした話に感想もらえて嬉しいです。
京極・・・確かにそうだw

>>ぼっこし屋さん
じゃんじゃんお話書いちゃってください。
皆でこのスレ盛り上げましょう^^

>>作り話男さん
続き書いてもらっちゃって嬉しいやら申し訳ないやら。
ありがとうございます。
82アニタ:03/06/06 13:46
今は昔、とある村の若者が山中にて神隠しに遇い、それから2日の後に村へひょっこりと帰ってくる事件があった。
村に帰り着いた若者の様子は尋常ならざるものであり、その者が後に語る空白の二日間の出来事はまさに身の毛もよだつような怪談話であったという。


  第一幕 奇殺し才蔵

「才蔵の旦那。聞きやしたか、耕六の怪談話」

小平次は座敷に胡座をかくなりそう口に出した。才蔵、と呼ばれた男は面倒臭そうに「知らねぇよ」とだけ呟く。

「何だ、聞いてねぇんですか。何日か前に神隠しにあった以来、ダンマリ決め込んでたあの耕六がやっと重い口開いたんすよ」

そいつが身の毛もよだつような怪談話だったんでさぁ、と小平次は自分の膝を叩きながら言う。

「今じゃ村中の話題になってるってぇのに、才蔵の旦那は遅れてるなぁ」

よけいなお世話だ、とは才蔵の言葉である。

「なんでぇ小平次。村の語り草とありゃ何でも聞いておかなきゃならねぇのか。俺はそんな話なんざ興味もなきゃ聞きたくもねぇよ」
「相変わらず、旦那は怪談話が嫌いでおられやすねぇ」

全く悪びれぬ様子で言葉を返す小平次に、才蔵は畳に寝転がりながらふんと鼻で応える。
この村では才蔵の前で怪談話をするのは御法度となっていた。別に才蔵が酷い臆病者だからなどの理由からではない。むしろ才蔵はどのようなおぞましき怪談話を語られようとも毛ほどにも恐怖を感ずることはないのだから。

奇殺し才蔵。
どのような怪談であろうと、才蔵の言葉巧みな話術の前には全てホラ話となり一笑されてしまう。

だからこそ、村の者達は才蔵の前で怪談話をすることはない。才蔵がいては折角の"雰囲気"が台無しになるからだ。
ただしそれも、小平次という変わり者を除いての話である。
83アニタ:03/06/06 13:46
続いたりします。
続くのかよ!
・・・
ってそれはいいのか。

待ってますよ
ちょいと、お邪魔しますよ

「雨女」

私の名前は亮、今年で21歳になる平凡で何のとりえも無い男です

コンビ二に寄り、昼飯を買い、家に帰るときの出来事でした

もうすぐ家につく頃、ふと呼び止められました
「おまえさん」
何故か私が呼ばれている気がして振り返ると・・・・
美人とも可愛いとも言える着物を着た女の人が立っていました

今日は雨、しかしその人は傘もささずに、にっこり笑いながらこちらにかけてきました

「随分、探したんだ雨が降ってるだろう?傘も持たずに出かけたんじゃないかと心配したんだ
しかしうっかり私も傘を忘れてきてね、あいや困った事になったと思ったら
おまえさんはちゃんと傘を持っていたんだねぇ」

その女は一枚の布きれを取り出し自分の髪についた雨水をはらい、私の傘に入ってきました

その女の人からは桜の香りがしました  六月の梅雨の時期の出来事です

続く
>>82って、峰生の話の続き?
ぼっこし屋さん、他スレの母と子の話、すげえ良かったです。

新しい話、待ってますよ!
はいはい、ようやく書き終わりましたよ、と。
推敲無しで書き込みますんでよろしく。
現地に着いた時には夜になっていた。
何だってまた、こんな地方都市くんだりまで、
一日の大半を費やして赴かなきゃならないんだか……。
知らず溜息が出たが、これも仕事だ嘆くな嘆くな、と自分を慰め、
会社から指定されたホテルへと向かった。
宿泊費一泊6000円。ごくごくありきたりなビジネスホテルだ。
宛がわれた部屋には、六畳一間程の空間に、ベッドと14型のテレビ、
電話機にファンシーケースが備え付けられているだけ。
トイレやバスルームは共同であった。
これから一週間、支店で進行中のプロジェクトの補助の為、
僕はこの部屋で寝起きしなければならないのだ。
まぁ、この値段なら仕方ないか。
もっとも、帰ってきてもどうせ寝るだけだろうしな。
そんな事を考えながらトレーナーにスウェット姿になると急に睡魔が襲ってきた。
長旅は、気付かないうちに僕の体力を激しく消耗させたようだ。
風呂にも入らずに僕はベッドに突っ伏すと、
程なくして深い眠りへと落ちていった。
それにしても、支店の連中には辟易させられる。
本当に同じ会社の看板を背負ってるのか、と言いたくなるほど、
プロジェクトの進捗状況は惨々たるものであった。
納期まであと半月ほどしか無いというのに、基本的な段取が出来ているだけで、
具体的な内容には一切着手していない。
まだ設立されて間もない支店とはいえ、これは酷すぎる。
お陰で今日一日、僕は眼が回るほど忙しく動き回らなければならなかった。
補助、というよりもこれじゃ僕がメインになって仕事を進行させているようじゃないか。
疲れ果ててホテルへ戻り、僕は靴を脱ぎ捨てると、ネクタイも緩めずにベッドに倒れこんだ。
さすがに今日は、風呂に入っておきたいな。
鉛の様に重く感じられる自分の身体をようやくベッドから引き剥がし、入浴場へと向かった。
体中に澱んでいた疲れが湯の中に染み出していく。
思わず僕は快楽のうめき声を上げた。
それにしても、客の少ないホテルだ。
今朝にしても、普通のホテルなら食堂やロビーには他の宿泊客の姿があってもいいようなものだが、
ホテルの従業員を除けば僕は誰の姿も見てはいないのだ。
この入浴場にしてもそうだ。これじゃあまるで貸切じゃないか。
湯船から上がり寝間着を身に着けると、僕は相変わらず誰も居ない廊下を部屋へと進んだ。
途中、5、6歳くらいの子供とすれ違った。
パタパタと向こう側から駆けてくると、僕など意に介する様子も無く、そのまま走り去って行った。
なんだ、ちゃんと他の宿泊客もいるんじゃないか。
何故だか安堵感が心の底から滲み出てきた。
部屋に戻りテレビを見ながらビールをちびちびやっていると眠気が僕を包み込み、
いつの間にか僕は眠りの世界へと引き込まれていった。
今朝も食堂に居るのは僕一人だ。
そんなにもこのホテルは繁盛していないのか、経営は大丈夫なのだろうか、と他人事ながら心配になってくる。
今日になってようやくプロジェクトの具体的な進行と役割分担に関する打ち合わせが出来た。
全く、時間が無いっていうのに。
仕事が終わり、買い物袋を片手に部屋へ向かう廊下で、少年とすれ違った。
昨日、廊下を走り回っていたあの少年だった。
それにしても……昨日といい今日といい、この子の親は一体何をしているんだ。
こんな小さな子供がホテルの中をうろうろしているというのに、放ったらかしでいいのかよ。
すれ違いざま、僕は彼に声を掛けてみた。
「ねぇ坊や、お父さんとお母さんは何してるんだい?」
僕の言葉に少年が振り向いた。
最初は無表情でじぃっと僕を凝視していた少年は、
やがて薄気味悪くニカァっと歪んだ笑いの表情を浮かべると、そのままの格好で廊下の曲がり角の向こうへと姿を消した。
気味悪い子供だなぁ………て、何か、おかしくなかったか? けど、何が?
鍵を開け、部屋に入ったところで、ようやくあの少年の「違和感」に気付いた。
僕の方を振り返った、顔。
真後ろに振り返った、顔。
ありえない。180度近くも、首が回るなんて。
気紛れで買った日本酒を、砂漠を漂流した遭難者が水を飲むが如く、がぶがぶとあおった。
急速に酔いが回り、ぐるぐる回る視界が不意にブラックアウトした。
頭が痛い。吐き気もする。だが仕事に行かなければならない。もう日本酒は飲まない事にしよう。
今日は土曜日だ。明日は休み。たった十時間かそこらを凌げばゆっくり横になれる。
ぐらぐら揺れる頭と意のままにならない身体をどうにか動かし、僕は身支度を整えると部屋を出た。
廊下では、若い従業員が床にかがんで拭き掃除をしていた。
何気なくそれを横目で見た瞬間、僕は眼を剥いた。
従業員の手に握られた雑巾が、真っ赤に染まっていたからだ。
血か? それにしても多すぎる。て言うか、何があったんだよ一体?
疑問が渦を巻いたが、足を止めて従業員に事情を聞く時間も無い。
そもそも、彼が事実を答えてくれるかどうかも疑わしい。
前方へ眼をやると、赤い染みがベージュ色のカーペットに点々と付着している。
おかしい。昨日通りかかった時には何も無かったのに。
薄気味悪さを拭えないまま、僕は職場へ向かった。今夜もあそこに戻らなければいけないのか。
正直、気が重い。休息の場へ帰るのが憂鬱であるなどとは滑稽な話だが、事実なのだから仕方が無い。
ともあれ僕は、まともに働かない頭と身体を何とかして動作させて仕事に励んだ。
もっとも、現場視察の時に吐き気を催してトイレに駆け込んだのだけれども。
とにかく疲れた。もうこうなったらあのホテルでもいい。ゆっくり休みたい。
部屋に戻ると、ジャケットも脱がずに僕はベッドにうつ伏せになった。
そういえばこの地に来てからどこにも行ってないなぁ、などと考えながら、いつしか僕はまどろんでいた。

カリ カリ カリ

何かを引っ掻くような音で目覚めた。何の音だ? どこから聞こえてくる?
耳を澄まし、音源を注意深く探ってみる。壁ではないようだ。天井からでもない。
どこだ、どこからなんだ?
………ドアだ。ドアを、誰かが、爪か何かで、引っ掻いている。
ドアスコープを覗いてみようか、とも考えたが止めた。
見なくてもいいものは、見ないに限る。君子危うきに近寄らず、の精神だ。
音は、僕がベッドに戻り、再び入眠するまで聞こえ続けていた。
今日は休日。昼過ぎに起き出し、私服に着替えると僕はホテルを後にした。
古い店構えのラーメン屋で、少し遅い朝食兼昼食を摂った。
ボロいラーメン屋は美味い店が多い、とよく聞くが、この店は例外の部類のようだ。
店を出て、しばらくぶらぶらと歩き回る。
店を冷やかして回ったり、本屋で立ち読みをした後、僕はホテトル嬢を呼ぶ事にした。
電柱に貼られたビラを幾つも見て回ったが、当然ビラだけではどんなホテトル嬢が来るのかなど判るはずも無く、
結局僕は適当に目に付いたビラの電話番号にコールした。
料金を確認し、場所を指定して電話を切ったあと、僕は目星をつけておいたラブホテルへと入っていった。
待つことおよそ1時間。
現れたのは、ぱっと見て30代前半と思しきなかなか美人な女だった。どうやら「当たり」を引いたらしい。
前金で3万円を支払い、軽い会話の後で一緒にシャワーを浴び、
その後は……やる事など、一つしか無いだろう。
ともかく僕は1時間半だけの「恋人」と戯れたのだった。
ホテトル嬢が帰った後も、僕は宿泊先のホテルに戻る気になれず、
そのままラブホテルの一室で夜を明かすことにした。

あそこには、戻りたくない。何故か。

外出しようと部屋を出たとき、ドアの前の床にべったりと赤い小さな足跡が付いていた。
背筋に氷の刃を突きつけられたような感じがして、恐る恐るドアの表面を見た。
赤い爪跡が、縦横無尽にドアの表面を走っていた。
今僕は、ビジネスホテルの一室にいる。
とは言っても、これまで滞在していたホテルではない。全く別の場所だ。
宿泊費はあそこに較べて少し高いが、眼を瞑る事にした。
缶ビールのプルタブを開けながら、僕は今朝の出来事を思い返した。

今朝早くにラブホテルを出ると、僕はホテルへと戻った。
Tシャツにレザーのベストとボトムカットのジーンズ姿で出勤するほど、僕の常識は壊れちゃいない。
部屋の前の足跡とドアの爪跡は綺麗に掃除されていた。まるで最初から何も無かったように。
ドアノブを回し、部屋に踏み入って僕は言葉を失った。
カーペット、ベッド、天井、床、カーテン、ファンシーケース。
部屋中至る所に、血で濡れた足跡が無数に残されていたのだ。
ファンシーケースのファスナーは閉めていたので衣類は無事だったが、そういう問題ではない。
誰かが、僕の留守に部屋に入り込んで、血まみれの足で歩き回っていたのだ。
鍵の掛かった、密室状態のこの部屋の中を。
驚愕が去ると戦慄に襲われ、身支度を整え手荷物を素早くまとめると、
僕はフロントに駆け込んでチェックアウトを済ませた。
──まだ、あと一日滞在予定ですが。 
ええい、うるさい。僕は一刻も早くここを出たいんだ。
宿泊費を支払い、僕は職場へと急いだ。手にはバックを持ったままで。

かくして僕は、今こうしてホテルの一室でくつろいでいるわけだ。
ビールを飲みながら、ふと考える。あのホテルで一体何があったのだろう。
そして、あの薄気味悪い子供は一体何者だったのだろう。
酩酊しかけた頭をひねって導き出した結論は、
「何があったかは知らないが、あのホテルには人外の『何か』が棲んでいる」
そういう存在が住み着くようになった経緯など、知らない。知りたくも無い。
むしろ、知らない方がよかった、という可能性も否定はできないじゃないか。
午前中は、仕事の微調整に終始し、残った細かい仕事は支店の人間に任せることにした。
少々不安だが、骨子部分は完成している。この状態なら、後は何とかなるだろう。
皆に別れの挨拶を済ませ、僕は駅へと向かった。
これから、またあの長い長い道のりを帰らなければならないかと思うと少々うんざりするが、
それでも帰れるとなればやはり嬉しい。
道すがら、この一週間を思い返す。
そういえば、まともに風呂も入らず飯も食わない日あったな。それもこれも………。

件のホテルの前を通りかかった。駅はもう目と鼻の先だ。
通り過ぎようとして、けど僕は何気なく停まっていた部屋の辺りを見上げた。

全身血まみれの幼い少年が、べったりと窓ガラスに張り付き、
憎々しげな表情で僕を睨みつけていた。
以上。長文乱文失礼。
>>89
うん、良かった。
お話の展開の仕方が上手い。
あと、ぼっこし屋さんの文章は情景が目に浮かべ易いと思った。

おつかれさまです。
>>94
で終わりかと思ったので>>95にビビッた。
でも“人外のもの”の正体が分かってよかったのか…

実際、出張とかでビジネスホテルをよく利用する人で
見えちゃう人なんかは大変だろうなぁ。
何か嫌な雰囲気・・・と思ったらずーっと後引くだろうし。

そこら辺もリアルに感じられて怖かったです。
99あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/08 06:25
age
100あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/08 06:30
100
101あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/08 07:01
皆さんすごく面白くて、ついつい読み入ってしまうお話なんですが、
最初から「小説」としてお書きになっているような文体のためか、
どうも恐怖が感じられないのは私だけでしょうか…。

2chらしく(?)、「あのさー、昨日の夜のことなんだけど…」とか、
「今まで誰にも信じてもらえなかったんですが、書いてもいいですか?」
とか、あくまでも書き手本人の体験の「如く」書いたりしてみたら、
もっとコワイ気がするのですが…。

スレタイを知らない人が読んだら全部信じちゃいそうな、そういう
話がずらーっと続くスレなんて面白いかなーなんて…

ごめんなさい個人的感想です。たわごとだと思って聞き流してください。
その主旨的にはこっちのスレになるのかなと思います。

 ・あくまでも怖がりたい人の為のスレ
 ・はじめから作りと宣言しないように(怖くなくなってしまうから)
http://hobby3.2ch.net/test/read.cgi/occult/1054525237/l50

このスレだと、やっぱ作品と分かった上で楽しむ、というスタンスに
なるんじゃないのかいな。
1031:03/06/08 13:52
「お化け屋敷」

俺は今、モウレツに緊張している・・何故かと言うと既にお化け屋敷の入り口まで来ているからだ。
ここは某遊園地の新たしくできた怖いと評判のお化け屋敷である。
うぅ・・入りたくない・・俺は元々こういうのが苦手なのだ・・
かといってすぐ隣に居て無邪気な笑顔を浮かばせている俺の彼女に俺がビビリだと解らせたくない・・
あぁぁ・・とうとうお化け屋敷に足を踏み入れてしまった・・・・・・・・・・・
廃病院という設定だけあって中はコンクリで冷たい感じだ。
・・・そして・・やっぱり暗い・・・
1041:03/06/08 14:15
・・むははは!なんだビビって損した!お化け屋敷?チョロイチョロイ!
俺は今、ハゲシク上機嫌だ。出てくるモノといってもバイトのあんちゃんが追いかけてくるだけ!
お化け屋敷がこんなチョロイもんなんて知ってたらあそこまでビビった俺がバカみたいだ。
さぁ!もうすぐ出口だ!ムハハハハハ・・・・・・ん?
今、視界の隅に塊が見えた・・?何だ?
動いてる・・ゆっくりだけどこっちに向かってくる・・黒い・・・・
               「ゴロン」
首だ・・ありえない・・潰れてる・・ありえない・・・機械?・・ありえない・・
さっきまであんなに気が大きくなっていた俺の勢いはいっきに萎んだ・・
「いや・・なにあれ・・?・・動いてる・・」
彼女はまだソレの正体に気付いていない。いいことだ。俺は必死で無理矢理彼女の手を掴んで走った。
アレはなんだ・・?おかしい・・明らかにお化け屋敷のモノじゃない!じゃあなんだ・・・なんなんだ・・
「おばけ」だ・・。ありえない、ありえない、ありえない!!うわぁぁあああ!!
気がついたら外に居た・・アレはなんなのかスタッフに聞こうか・・?いや、聞けない・・
もう・・お化け屋敷には二度と入りたくない・・
1051:03/06/08 14:17
うわぁぁ・・なんとも悲惨な文章・・
まだ義務教育すら終わっていない事バレバレですね・・
お眼汚しスマソ&sage忘れスマソ
106貴方の後ろに…:03/06/08 15:30
数年前、うちの学校で人が死んだ。

女子生徒なんだけど、
素行不良の男子生徒数人に犯されて、
解放された直後、5階のその教室から飛び降り自殺した。

その子は部活が終わって帰宅する途中
忘れ物を思い出して学校に戻ったらしい。

生徒がいなくなった校舎内は電気が消されていて真っ暗で、
でも玄関横の職員室には先生が何人か残ってたから、
ライトを借りて教室まで一人で取りに行ったそうです。
107貴方の後ろに…:03/06/08 15:31
それから幾ら経ってもその子は戻ってこなくて、
さすがに心配になって先生が様子を見に行った。

だけど行った先の教室が真っ暗だったから
先生は、生徒はすでに何も言わずに帰ったのだと思い込み
確認もせずに帰宅してしまったんです。

その教室で、女子生徒が男達に襲われているとは思いもせずに。


翌日、その子は血まみれで発見された。
乱暴にされたのか、制服はボロボロに切り裂かれてた。
犯人の男子生徒は退学にはなったものの、
未成年のために法的処分は受けなかった。
108貴方の後ろに…:03/06/08 15:32

そして今、学校内ではある噂が流れてる。

放課後の誰もいなくなった学校で、
忘れ物を取りに行こうと廊下を歩いていると
「忘れ物?」
と、女の子が声をかけてくるらしい。
それで、うん、と肯定するような言葉を返すと
「私もなの。いっしょに行こう」
と、手をつかまれる。
ここで初めて女の子の姿を認識するらしい。

血みどろになった、女子生徒の姿を。

そしてどこに行くのか、それは誰も、知らない。
109(@'ω'@) ◆byienZohbk :03/06/08 17:52
>>106
やべー・・・怖い。
110アニタ 上:03/06/08 21:46
>>82の続き

旦那が聞きたくねぇと仰いましてもこの小平次、真勝手ながら喋らせてもらいます。空白の2日間、耕六の身に一体なにがあったのか。
そうあからさまに嫌な顔しねぇでくださいよ。俺としちゃあ旦那には是非この話を聞いてもらいてえんです。奇殺し才蔵と言われた旦那が、この怪談話をどう解釈するのか。

手短に、でやんすか。承知しやした。それだけのことで旦那の解釈が聞けるならこの小平次、麻月物語だってちぎって話してみせましょう。

第二幕 喋り屋小平治の闇語り

耕六が山でその老婆に出会ったのは、日の沈み始めた夕暮れ時のことだった。
旦那が手短にと仰ったので簡単に説明させてもらいやしょうか。その時耕六は山へ栗拾いに赴き山中で迷い、途方に暮れている最中でありやした。
これ幸いと耕六が老婆に事情を話すと、老婆は快く今夜は我が家に泊まるよう勧めてくれたそうです。

老婆は耕六に始めから親しげに接して来たのか、でやんすか?
旦那も妙なことを聞きやがる。いや、もう旦那じゃなくて奇殺しでやんすか・・・ええ、耕六の話じゃ始めから親しげだったみたいですよ。

親切な老婆だった、見ず知らずの耕六を家に入れただけじゃなく、飯を振る舞い寝床まで用意してたそうです。耕六は有り難くそれらを頂戴すると、その日のこともあったからでしょう、疲れてその日は泥のように眠っちまった。
111アニタ 下:03/06/08 21:48
さて、次の朝のことだった。耕六が老婆と一緒に朝食を取っていると、老婆が突然もう一晩だけ泊まってはくれないかと願い出た。聞けば明日倅が帰ってくるのだが、それまでの間1人では心許ないってぇことだった。
耕六には泊めてもらった恩がありやすからねぇ、本当はそのまま帰っちまうとこだがそこで断れば男が廃る。耕六はしぶしぶ老婆の願いを聞き入れた。

その時の耕六の状態でありやすか。さぁ・・そこまで詳しく耕六の野郎も話しちゃくれませんでしたからねぇ。
喋ってるときの様子・・ええ、他人から見てもよく分かるくれぇ脅えてましたぜ。

まったく、手短にと言っておきながら旦那もよく話の骨を折りやがる。これじゃあ夜が明けたって終わりやしねぇ。
その後の話でやんすか、その後は夜が更けるまで村のことを話したり、老婆の手伝いなんかをして耕六は過ごしたそうです。

そして、その日の就床―
―ここからが、耕六の恐怖の始まりだった。


続く(長ぇ
112アニタ:03/06/08 21:49
100%方言間違ってる気がしますがご容赦を。
>>86
峰生の話とは関係無いです。
おっ、奇殺し再開。

続きが楽しみだ。
114もしかして星人:03/06/08 22:11
 伝説「桃太郎」の冒頭シーン。
 川上から桃がどんぶらこどんぶらこ流れてきました・・・
 という場面。
 真相はこうだ。川上の村で鬼(異民族)に惨殺され、胴体を切断され
下半身だけになった、妊婦の死体がお尻を上にしてながれてきたのだ。
 その無残な亡骸を発見した老夫婦はおなかの大きさから子供がいるか
もと思い、腹をさばいてみると奇跡的におなかの子供は生きていた。
 老夫婦に育てられた「桃太郎」は鬼の残虐ぶりを自分の誕生の真実
から聞かされ、ブチキレテ、鬼が島に戦いを挑むのです。
>>114
なるほど。
それで桃太郎に退治された鬼(=異民族)は、その場は「人間(=先住民)をもう苛めない」と約束するものの
内心、人間に対して逆恨みの感情を抱く。
やがて鬼たちは桃太郎との約束を破って、前にもまして人間を苛めるようになる。
桃太郎の耳に届かない地で。
で、ある日、妊婦を苛め抜いた挙句に殺してしまい、
胴体を千切って下半身だけを川に流して……

終わらないな、この物語。
116aa:03/06/08 22:46
私は、鬼畜の桃太郎に攻め滅ぼされ仲間も家も財宝も失った、とある島の
住人が可愛そうと思うけど。
桃太郎は自己正当化するために、彼らを鬼に仕立て上げたのでしょう。
117(@'ω'@) ◆n.qWqfl1rs :03/06/08 23:59
>>114-115
うまいなぁ。。筋が通ってるし。。
民俗学板でも通用しそう
星新一がSF調の解釈でアレンジされた話を書いてます。
115と116の要素がうまく入ってて、なかなか面白かったよ。
>>103
いや、自分の立てたスレにネタ提供という姿勢やよし。
いくつか・・・を多用している怪談を読んだことあるけど、
・・・を使うと雰囲気が出るかと思いきや、どこかユーモラスになっちゃうんだよね。
使い方が難しいです。

物語の初めで楽勝!と思わせておいて最後に一転させるタイプの怪談は
はまると結構怖いですよね。洒落怖のまとめサイトなんか読むと参考になるかも。
またちびりそうな話を思いついたらよろしく。
>>アニタさん

>続く(長ぇ

むしろじっくりと長い話を読みたいです。
気長に待ってますので、よろしくね!
>>103-104
富士Q?
122アニタ:03/06/09 17:58
>>111からの続き
1/3

第3幕 山姥の怪
月の濁った夜のこと、耕六は辺りに響く不気味な音に目を覚ました。
一体何事かと耳を澄まして聴き入れば、その不気味な音は老婆の眠る母屋から聴こえて来るようだった。
老婆がまだ起きて何かしているのだろうか、耕六は言い知れぬ不安に襲われながら、腹をくくって母屋につながる障子の破れ目を覗きこんだ。

見れば老婆の背中が見える。
眠れないのか、火影の踊る行灯に身を寄せて、淡々と体を揺すって何かの作業に没頭しているようだった。
一体何をしているのか、耕六は目を凝らして老婆の腕の動きを凝視した。老婆の肩が、上へ下へと上下する。その度に件の不気味な音は鳴り響くようだった。
ギィー、ギィーと、音だけが静かに鳴り響く。
123アニタ:03/06/09 17:59
2/3

何故か耕六は老婆に声をかけることが出来なかった。否、声を掛けてはならぬと何かが耕六に訴えかけていたのかもしれぬ。
耕六はその場から動くこともできず、ただただその老婆の作業に見入っていた。そして、耕六は気付いた。老婆が一体、何をやっているかを。

包丁を研いでいるのだ。ただ淡々と、老婆は包丁を研ぎ続けていたのである。
耕六の背筋に冷たいものが走った。身体中からは大粒の冷汗が流れ始めている。

まさか、否、そんな筈は・・・しかし、もしかしたら・・・。耕六が考えあぐねていたその時、老婆の背中が横を向いた。
行灯の火影にはえて、出刃包丁を握り、口が耳もとまで裂けた老婆の顔が照らし出される。

耕六は悲鳴を上げると窓から身を乗り出して外へと逃げた。
後から老婆の怒声が耕六を追いかけて来た。
124アニタ:03/06/09 17:59
3/3

「なんでぇ、結局山姥がそれの落かよ。身の毛もよだつ話が聞いて呆れるぜ」

全く呆れたように才蔵が言う。

「いや、そうじゃねぇんですよ旦那。この話の何が怖いかってぇと、“人事じゃねえ”話でやんしょ。今まで才蔵の旦那が聞いてきた怪談話は確かに、噂に尾鰭のついたホラ話ばっかでやんした。けどこいつばかしは本物ですぜ」

自信ありとばかりに胸をはるは小平次である。
なるほどねぇ、と才蔵が呟く。

「でもよ、小平次。残念だがこいつぁとんでもねえホラ話だぜ。いや、むしろ笑い話だな。天下一馬鹿らしい、救いようのねぇ笑い話だ」
「何?ってぇすると才蔵の旦那は、やはりこの話にも裏があると言いてぇんで?」

驚いたように小平次が聞き返すと、才蔵は確信ありと頷いた。

「聞かせてやろうじゃねぇか、この才蔵様の奇殺しを。どんな怪談も正体見たり枯れ尾花だ」


続く
125アニタ:03/06/09 18:01
>>113
>>120
感想有難うございます。嬉しいです。
怪談話のタネ明かしをする話に展開するのだろうか。
ミステリーっぽくなってきたな。

ちょっと思ったが、有名な昔話を丹念な描写でリメイク
すると案外こわい話になるんじゃないだろうか。

昔から廃れずに残っている話だから、話の骨子はしっかり
しているわけだしね。
んーと。
>>77で言ってた話、書き上がりますた。
長い。はっきり言って長すぎ。平気で10レスくらいは潰す勢い。
ただ、>>77で言及した通り全然怖くないんで、
このスレの「怖い話を」という趣旨に合わないんだよなぁ。
後ほど別スレに貼っておきましょうかねぇ。
128作り話男 ◆CVYs9Nly82 :03/06/10 00:17
廃ビルの怪

7、8年前の話になります。

私は中国地方の僻地からなかば家出のように逃げ出し、
九州は福岡県の博多という街に住みつきました。

無職で保証人もおらず、当然アパートは借りられません。
あちこちの公園を転々として居心地のよい寝場所を
探しながら2週間ほど暮らしていました。所持金も少な
かったので、食事はもっぱら飲食店の残飯です。
残飯といっても、賞味期限切れの食品を捨ててある
だけなので、特別汚いものではありません。

現在ではどうしているのか知りませんが、ミ○タードーナツ
は、営業時間が終わると厚手の紙でできた大きな袋に
その日の残り物をどっさりつめて、店の前にゴミ出しします。
中にはミートパイの類も入っているので充分食事になりえ
ました。

乞食としての生活は思ったより過酷ではありませんでしたが、
それは幸いにも季節が初夏だったからでした。梅雨をむかえ
れば、やはり屋根のあるところでなければ寝られません。

私は数日の探索の後、福岡市内のとある場所にある
廃ビルを見つけました。元はマンションだった建物で十数階
建てのつくりのしっかりとしたところでした。出入り口は封鎖
されていましたが、侵入は比較的容易です。私は早速
中に入り込み、その日の寝場所を確保しました。

129作り話男 ◆CVYs9Nly82 :03/06/10 00:17
さて、この廃ビル、侵入が容易なこともあって、実は先住者が
かなりの数いました。私のような若者はおらず、みな
中年〜老人でしたが。それで、残飯や糞尿の臭い、他人の
体臭がかなりこたえました。

そこで、先住者に気を使いながらも、ビル内で少しでも快適な
場所を見つけようと色々歩き回りました。

当然電気は止められているので、エレベーターは使えません。
移動は階段を使わなければなりません。そのため下層階に
人気があり、4,5階以上に寝起きしている人は比較的
少ないのでした。ただ、4,5階以上に住んでいる人は他の
居住者と一緒に生活出来ない、性格的(精神的?)に
難のある方々が多く、私は安心して寝られないと思いさらに
上層の階に寝場所を探すことにしました。

(つづく)
130あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/10 00:26
>>127
うーん、おまかせします。

どっちにしても話は読みたいので、もし他スレに書き込まれたら、
誘導お願いします。
貼ってきましたですよ。非常に青臭い話ですが。

http://hobby3.2ch.net/test/read.cgi/occult/1054187799/56-66
132さげ:03/06/10 11:14
なんかよさげなスレなのでロムってました。
一つカキコしてみます。
133さげ:03/06/10 11:51
うは、、書いてたら長編になってしまいそうなので
上がったらコソっとカキコします。
ウホッ 新規参入大歓迎!
135さげ:03/06/10 19:54
丁度2年くらい前のことです。旅行にいきたいのでバイトを探してた時の事です。
暑い日が続いてて汗をかきながら求人をめくっては電話してました。
ところが、何故かどこもかしこも駄目,駄目駄目。
擦り切れた畳の上に大の字に寝転がり、適当に集めた求人雑誌を
ペラペラと悪態をつきながらめくってたんです。

不景気だな、、、節電の為、夜まで電気は落としています。
暗い部屋に落ちそうでおちない夕日がさしこんでいます。
窓枠に遮られた部分だけがまるで暗い十字架のような影を
畳に落としていました。 、、遠くで電車の音が響きます。
目をつむると違う部屋から夕餉の香りがしてきます。
「カップラーメンあったな、、」私は体をだるそうに起こし
散らかった求人雑誌をかたずけました。ふと、、偶然開いたの
でしょうかページがめくれていました。
136さげ:03/06/10 19:55
そこには某県(ふせておきます)の旅館がバイトを募集しているものでした。
その場所はまさに私が旅行に行ってみたいと思ってた所でした。
条件は夏の期間だけのもので時給はあまり、、というか全然高くありません
でしたが、住みこみで食事つき、というところに強く惹かれました。
ずっとカップメンしか食べてません。まかない料理でも手作りの
ものが食べれて、しかも行きたかった場所。
私はすぐに電話しました。

「、、はい。ありがとうございます!○○旅館です。」
「あ、すみません。求人広告を見た者ですが、まだ募集してますでしょうか?」
「え、少々お待ち下さい。・・・・・・・・・・・・・・・・・・ザ、、、ザ、、ザザ、、、
・・い、・・・そう・・・・だ・・・・・・・・」
受けつけは若そうな女性でした。電話の向こう側で低い声の男と(おそらくは
宿の主人?)小声で会話をしていました。私はドキドキしながら
なぜか正座なんかしちゃったりして、、待ってました。やがて受話器をにぎる
気配がしました。
「はい。お電話変わりました。えと、、、バイトですか?」
「はい。××求人でここのことをしりまして、是非お願いしたいのですが」
「あー、、ありがとうございます。こちらこそお願いしたいです。いつから
これますか?」
「いつでも私は構いません」「じゃ、明日からでもお願いします。すみません
お名前は?」「神尾(仮名)です」「神尾君ね。はやくいらっしゃい、、、」
137さげ:03/06/10 19:56
とんとん拍子だった。運が良かった。。私は電話の用件などを
忘れないように録音するようにしている。再度電話を再生しながら
必要事項をメモっていく。住みこみなので持っていくもののなかに
保険証なども必要とのことだったのでそれもメモする。
その宿の求人のページを見ると白黒で宿の写真が写っていた。
こじんまりとしているが自然にかこまれた良さそうな場所だ。

私は急にバイトが決まり、しかも行きたかった場所だということも
あってホっとした。しかし何かおかしい。私は鼻歌を歌いながら
カップメンを作った。何か鼻歌もおかしく感じる。日はいつのまにか
とっぷりと暮れ、あけっぱなしの窓から湿気の多い生温かい風が
入ってくる。私はカップメンをすすりながら、なにがおかしいのか
気付いた。
 条件は良く、お金を稼ぎながら旅行も味わえる。女の子もいるようだ。
旅館なら出会いもあるかもしれない。だが、何かおかしい。
暗闇に窓のガラスが鏡になっている。その暗い窓に私の顔がうつっていた。

なぜか、まったく嬉しくなかった。。理由はわからないが
私は激しく落ちこんでいた。
窓にうつった年をとったかのような生気のない自分の顔を見つめつづけた。
138さげ:03/06/10 19:56
次の日、私は酷い頭痛に目覚めた。激しく嗚咽する。風邪、、か?
私はふらふらしながら歯を磨いた。歯茎から血が滴った。
鏡で顔を見る。ギョッとした。目のしたにはくっきりと墨で書いたような
クマが出来ており、顔色は真っ白。、、、まるで、、、。
バイトやめようか、、とも思ったが、すでに準備は夜のうちに整えている。
しかし、、気がのらない。そのとき電話がなった。
「おはようございます。○○旅館のものですが、神尾さんでしょうか?」
「はい。今準備して出るところです。」
「わかりましたー。体調が悪いのですか?失礼ですが声が、、」
「あ、すみません、寝起きなので」
「無理なさらずに。こちらについたらまずは温泉などつかって頂いて構いませんよ。
初日はゆっくりとしててください。そこまで忙しくはありませんので。」
「あ、、だいじょうぶです。でも、、ありがとうございます。」
電話をきって家を出る。あんなに親切で優しい電話。ありがたかった。
しかし、電話をきってから今度は寒気がしてきた。ドアをあけると眩暈がした。
「と、、とりあえず、旅館までつけば、、、」
私はとおる人が振りかえるほどフラフラと駅へ向かった。

やがて雨が降り出した。
傘をもってきてない私は駅まで傘なしで濡れながらいくことになった。
激しい咳が出る。「、、旅館で休みたい、、、、」
私はびしょぬれで駅に辿りつき、切符を買った。そのとき自分の手を見て驚いた。。
カサカサになっている。濡れているが肌がひび割れている。まるで
老人のように。「やばい病気か、、?旅館まで無事つければいいけど、、」
139さげ:03/06/10 19:57
私は手すりにすがるようにして足を支えて階段を上った。何度も休みながら。
電車が来るまで時間があった。私はベンチに倒れるように座りこみ
苦しい息をした。。ぜー、、、ぜー、、、声が枯れている。
手足が痺れている。波のように頭痛が押し寄せる。ごほごほ!咳をすると
足元に血が散らばった。私はハンカチで口を拭った。血がベットリ。。
私は霞む目でホームを見ていた。
「はやく、、旅館へ、、、」
やがて電車が轟音をたててホームにすべりこんでき、ドアが開いた。
乗り降りする人々を見ながら、私はようやく腰を上げた。腰痛がすごい。
フラフラと乗降口に向かう。体中が痛む。あの電車にのれば、、、、
そして乗降口に手をかけたとき、車中から鬼のような顔をした老婆が
突進してきた。

どしん!私はふっとばされホームに転がった。老婆もよろけたが
再度襲ってきた。私は老婆と取っ組み合いの喧嘩を始めた。
悲しいかな、相手は老婆なのに私の手には力がなかった。
「やめろ!やめてくれ!俺はあの電車にのらないといけないんだ!」
「なぜじゃ!?なぜじゃ!?」
老婆は私にまたがり顔をわしづかみにして地面に抑えつけながら聞いた。
「りょ、、旅館にいけなくなってしまう!」
やがて駅員たちがかけつけ私たちは引き離された。
電車は行ってしまっていた。私は立ち上がることも出来ず、人だかりの
中心で座りこんでいた。やがて引き離された老婆が息をととのえながら言った。
「おぬしは引かれておる。危なかった。」そして老婆は去っていった。
140さげ:03/06/10 19:57
私は駅員と2〜3応答をしたがすぐに帰された。
駅を出て仕方なく家に戻る。
すると体の調子が良くなってきた。声も戻ってきた。
鏡を見ると血色がいい。
私は不思議に思いながらも家に帰った。

荷物を下ろし、タバコを吸う。
落ちついてからやはり断わろうと旅館の
電話番号をおした。すると無感情な軽い声が帰ってきた。
「この電話番号は現在使われておりません、、」
押しなおす
「この電話番号は現在使われておりません、、」

私は混乱した。まさにこの番号で今朝電話が掛かってきたのだ。
おかしいおかしいおかしい。。。
私は通話記録をとっていたのを思い出した。
最初まで巻き戻す。

、、、、、、、、、キュルキュルキュル、、、、、     ガチャ

再生
「ザ、、、ザザ、、、、、、、、はい。ありがとうございます。○○旅館です。」
あれ、、?私は悪寒を感じた。若い女性だったはずなのに、声がまるで
低い男性のような声になっている。
141さげ:03/06/10 19:58
「あ、すみません。求人広告を見た者ですが、まだ募集してますでしょうか?」
「え、少々お待ち下さい。・・・・・・・・・・・・・・・・・・ザ、、、ザ、、ザザ、、、
・・い、・・・そう・・・・だ・・・・・・・・」
ん??
私はそこで何が話し合われてるのか聞こえた。
巻き戻し、音声を大きくする。
「え、少々お待ち下さい。・・・・・・・・・・・・・・・・・・ザ、、、ザ、、ザザ、、、
・・い、・・・そう・・・・だ・・・・・・・・」
巻き戻す。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・ザ、、、ザ、、ザザ、、、
、、むい、、、、こご、そう・・・・だ・・・・・・・・」
巻き戻す。
「さむい、、、こごえそうだ」
子供の声が入っている。さらにその後ろで大勢の人間が
唸っている声が聞こえる。
うわぁ!!私は汗が滴った。。
電話から離れる。すると通話記録がそのまま流れる。

「あー、、ありがとうございます。こちらこそお願いしたいです。いつから
これますか?」
「いつでも私は構いません」、、、

記憶にある会話。しかし、私はおじさんと話をしていたはずだ。
そこから流れる声は地面の下から響くような老人の声だった。
「神尾くんね、、はやくいらっしゃい」
142さげ:03/06/10 19:58
そこで通話が途切れる。私の体中に冷や汗がながれおちる。
外は土砂降りの雨である。金縛りにあったように動けなかったが
私はようやく落ちついてきた。すると、そのまま通話記録が流れた。
今朝、掛かってきた分だ。
しかし、話し声は私のものだけだった。
、、、、、、

「死ね死ね死ね死ね死ね」
「はい。今準備して出るところです。」
「死ね死ね死ね死ね死ね」
「あ、すみません、寝起きなので」
「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね」
「あ、、だいじょうぶです。でも、、ありがとうございます。」

私は電話の電源ごとひきぬいた。
かわいた喉を鳴らす。な、、、、なんだ、、、なんだこれ、、
なんだよ!? どうなってんだ??
143さげ:03/06/10 19:59
私はそのとき手に求人ガイドを握っていた。
震えながらそのページを探す。
すると何かおかしい。      、、ん?
手が震える。。そのページはあった。
綺麗なはずなのにその旅館の1ページだけしわしわでなにか
シミが大きく広がり少しはじが焦げている。どうみてもそこだけが
古い紙質なのです。まるで数十年前の古雑誌のようでした。
そしてそこには全焼して燃え落ちた旅館が写っていました。
そこに記事が書いてありました。
死者30数名。台所から出火したもよう。
旅館の主人と思われる焼死体が台所でみつかったことから
料理の際に炎を出したと思われる。
泊まりに来ていた宿泊客達が逃げ遅れて炎にまかれて焼死。

これ、、なんだ。。求人じゃない。。
私は声もだせずにいた。求人雑誌が風にめくれている。
私は痺れた頭で石のように動けなかった。

そのときふいに雨足が弱くなった。。一瞬の静寂が私を包んだ。



電話がなっている



こええええええええぇえええええ、、、、、、、、、、、、
145あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/10 20:10
読まなきゃヨカタ・・・今日雨ふってる・・・・(泣
146あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/10 20:27
一気によみますた。 ママーーー!!
147さげ:03/06/10 20:43
長文すみません。無駄にながくなりました。
148あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/10 21:02
乙カレー
常連さんの評価も気になるトコロ
150あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/10 21:30
>>135
長くて読むの大変ダタヨ!反省しる!
>>135
よかった。
長文でもお話がテンポよく展開し、最後まで面白く読めました。

老婆のくだりが少し他のシーンから浮いているように感じたので、
そこが多少残念です。
152あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/10 22:50
怖かった。老婆は何だったの?
153BEAR:03/06/10 22:51
これも前に洒落恐で書いた話ですけど、うpします。
154BEAR(1/5):03/06/10 22:53
『ちっ!』
今日も覚めてしまった。ダメだ、あいつにはどうしても勝てない…。
俺が最近ハマッているのは、夢の中で戦う事。しかしこれは誰もができるわけではなく、
気がついたら俺はできるようになっていた。この世界で、夢の中で戦える戦士は、たった
5人だけだ。それは、ごく普通のサラリーマン、おしゃべりそうな主婦、よぼよぼの爺さん、
小学2年くらいの小さい子供、そして高校生の俺、と、年齢層はかなり幅広い。さっき、
『夢の中で戦う』と言ったが、具体的に言うと、最後まで夢に残っていられた人が勝ち
みたいな感じで、つまり相手を夢から覚めさせるのがこのゲームの醍醐味だ。
で、方法は様々だ。何しろ、これが夢だと自覚していれば、念じると自分の出したい物が
すぐ出てきたりなど、完璧に自分の思い通りになるから、人によってその方法は様々だ。
さて、また夜がやってきた。俺は、いつもの対戦時間に遅刻しないように、夜6時半に寝た。
………今日のステージは…公園か。ブランコにはすでに戦士の一人、よぼよぼの爺さんが
座っていた。
『あと5分だって言うのに、全く若いもんはけしからん!』爺さんは僕にそうグチを叩いて、
ブランコをこぎ始めた。2分前になって、主婦と小学生が来た。だがサラリーマンはまだ来ない。
まあ、いつもの事だがな。まあいい、来たら一瞬で『血祭り』にあげてやるかな、なんてね。
『あと30秒だぞ!』爺さんがそう叫ぶと、サラリーマンはすぐ現れた。
『スイマセン、飲みに行こうって誘われたの、断るのに手こずって…』
『言い訳はいいよ、んじゃ、始めよう!』
小学生がそう言うと、手元の時計は7時になった。
155BEAR(2/5):03/06/10 22:53
『スタート!』
みんなはすぐさま戦闘体勢になった。そして早くも小学生が、得意のしゃぼん玉をくり出してきた。
あれは、一見普通のしゃぼん玉に見えるが、割れると鼓膜を破るようなスゴい音がして、分かっていても覚めてしまう、強い技だ。一回、自分で自滅した事もあったしな…。
そしてそのしゃぼん玉が割れた。
『パアアアン!』
その音で、主婦が悔しそうな顔で消えた。主婦が持つ、得意の包丁でビビらせ攻撃も、
今日は使えずじまいってわけか。僕は少し笑みを浮かべた。小学生は、相変わらず冷静である。
そして、サラリーマンがニヤリと微笑んだ。来るか…!?と思ったら、サラリーマンが消えた。
いつの間に…誰が攻撃したんだ?僕はみんなを見た。しかし、みんなも俺と同じように、
まわりをキョロキョロと見回している。夢の中で戦えるのはこの5人だけのはず…。と思った瞬間、
『助けてくれえ!』
サラリーマンの、空気を裂くような痛々しい叫び声。何だ、まだ覚めてなかったのか。
新種の技か何か知らんが、俺はそんな技には引っかからん!そう思った時、何かが上から降ってきた。『ドサッ!』それは、サラリーマンの血だらけの死体だった。
そのサラリーマンには顔が無く、のっぺらぼうの様に、目、鼻、口などがきれいには
ぎ取られて、その部分からは、絶えず鮮血が吹き出ていた。
156BEAR(3/5):03/06/10 22:54
『うわあああ!』
小学生は、その血だらけの死体のあまりのグロテスクさに、ビビって泣きながら消えていった。
しかし、俺はだまされない。あれは、おそらくあの爺さんの新しい技だ。ほら見ろ、笑ってる。
ちきしょう、ガキ相手に、こんな残酷な手を使いやがって…。今日は何としても『血祭りにあげて、
無様をさらす』ぞ!と思った瞬間、今度は爺さん本人が消えた。ん?爺さん、消える一瞬顔が青…
いや、そんなのどうでもいい。今度は何が来るのか…さっきは少しビビって覚めそうになったが、
次は心構えは充分できている。さあ、いつでも来い!
その瞬間、辺りの風がピタッと止んだ。と思ったら、いつの間にかそこには、血だらけの
変わり果てた爺さんの無様な変死体が、ケタケタと笑いながら舞い踊っていた。妙に目が
キョロキョロしてて、以前の爺さんの頑固な面影は少しも無い。
そして、不気味ながらも、しばらくその爺さんを見ていた。すると、急に爺さんの首が
いきなり凄い勢いで180度こっちに曲がり、その半分取れそうな目で『ギョロッ』と俺を
見てきたのだ。そして、体が小刻みに揺れたと思ったら、爺さんの目玉がこっちに飛んできた!
『うわああああ!』俺は夢から離脱せざるを得なかった。
157BEAR(4/5):03/06/10 22:54
『…やられた』
俺は今までの戦いの中で一番悔しかった。あのままいけば勝てたのに!あの爺さんは、
いったいどこまで卑怯な手を使うんだ?あの夢の爺さんの姿は、間違いなく俺をビビらせて
リタイアさせる技だ!そうに決まってる。でなければ…いや、有り得ない。俺は一瞬嫌な想像をした。そして、悔しがりながらも、仕方なく今日一日、つまらない現実の世界を過ごすことにした。
そして学校から帰り、メシを適当に食った。風呂に入っている時も、ずっとあの爺さんを
負かす事だけを考えていた。そして、風呂から上がり、時間がやってきた。今日こそ、あの爺さんを
負かしてやる!……そして夢に入る。
……今日は…デパート?何でこんな場所で…あれ?爺さんがいない…いつもは早いはずなのに…
サラリーマンはいつもギリギリだから良いとして、爺さんが遅いのは珍しいな…。
全くこういう時に限ってムカつくな…。そして主婦と小学生が同時に現れた。二人とも何故か
俺を見ておびえている。まあ良い、負かしやすくなっただけで、何の問題も無いしな!
…しかしあとの二人とも遅いな。サラリーマンはまあいつもここらへんで来るけど、
爺さんは異常に遅い。今までこんな遅くまで来ない事は…。不思議に思いながらも、
ついに時間になってしまった。
ちっ、あの爺さんを負かしたかったのに、つまんないな。まあいいや、この弱いメンバーなら、
一瞬で『ねじ伏せて』久しぶりの勝利が飾れるな!
158BEAR(5/5):03/06/10 22:55
『スタート!』
の合図と共に二人はスッと消えた。………え?俺はまだ何にもしてない…おかしい!
絶対おかしい!昨日といい、今日といい…いや、待てよ!これも実は主婦や小学生の技
だったりして…。と思った時、デパートは一気に暗くなった。しまった、油断するな!俺!と、
自分に言い聞かせて警戒心を強めた。するとまた電気がついた。
え…?…主婦と小学生は、体が有り得ない程ぐにゃっとねじれて死んでいた。……ダメだ、
ちきしょう!だまされるな!これは…罠だ!みんな、最近強くなってきた俺を集中狙いして、
こんな芝居を…何でみんなこんな戦い方を…俺は嫌なんだよ!勝てばいいとか言う考え方は…
なのにみんなは…。俺は意識が薄れかけていた。すると、デパートの天井からアナウンスが聞こえた。
『よくやりました!今回の優勝者はあなたです!おめでとうございます!』
え…?俺が優勝者…?そんなはずは…だってこのねじれた二人はまだここから消えて…
まあいい、とりあえず俺は勝ったんだ!この長い戦い、ようやく制したんだ!何か不自然だけど、
とりあえず勝ったならそれでいい!俺は、すごい優越感に浸っていた。そして夢から覚めた。
『俺…勝ったんだ』現実の世界でも、この喜びを噛みしめる事ができた。みんなに今まで
散々卑怯な手を使われたてきたが、俺はそれに耐えたんだ!へっ!あの4人め!ざまあみろ…!
あれ?何か大きい箱がある。赤くてすごく大きい箱だ。貼ってある紙を見ると、
『優勝おめでとうございます。あなたの戦利品です。』
と書いてあった。………戦利品?…まさか…!俺はすぐさまその箱を開けた。
何とその中には、かつて夢で戦っていた4人の無惨な死体がぎゅうぎゅうに詰め込まれていた。
そしてそこにも一枚の紙があった。そこには
『血祭り』
『血祭りにあげて無様をさらす』
『ねじ伏せる』と、何か覚えのある言葉が…。俺はやっと気付いた。
『うわあああ!』俺は怖くてすぐさま箱を閉めた。その時、箱の中から最後何かが
聞こえたような気がした。
『お前も血祭りだ』
…逃げるつもりは無い。望むところだ。今日の夜に殺られるのは、もう分かっている。
だからこそ、俺は、戦うのだ。
そして…夜が来た。
END
159BEAR:03/06/10 22:57
以上です。相変わらず長文ですが・・・
160ν酋長 ◆CGrsi.YPSE :03/06/10 22:58
>>さげ氏
恐かったです。背筋が寒くなったよ
161ν酋長 ◆CGrsi.YPSE :03/06/10 22:59
>>BEAR氏
面白かったです。夜にも奇妙な物語チックですね。
162大塚裕司:03/06/10 23:35
163アニタ:03/06/10 23:54
  第四幕 奇殺し才蔵(>>124より続き)
  1/5

「なぁ、小平次。おめぇ知らねえ土地で気安く寄って来る野郎にあったら、最初に先ず何を考える?」

不意に才蔵が小平次に問い掛ける。ちゃらんぽらんな物言いとは裏腹に、才蔵の目は真剣そのものである。

「そりゃまぁ、気持ち悪ぃし警戒するのが当り前でしょう」
「だな、見知らぬ土地で親しげに寄ってくる奴がいりゃあ、先ず間違ぇなくゴマの蝿と疑うが世の常だ。疑って、そっと胴巻きの財布を確かめる。被害妄想の強ぇ奴が、旅先で妄想反応起してもなんら不思議はねぇってことだ」

小平次が何かに気が付いたように顔を上げ何か言おうとしていたが、才蔵は構わず続ける。

「とくに、見知らぬ宿に一人で泊まり、これから眠ろうという瞬間に緊張は頂点に達するもんだ。己を狙う敵の、かすかな物音にも反応して飛び起きちまう武芸者とは違って、凡人はいったん寝込んだが最後、なにも自分を守るすべをもたねぇからな」

ちょっと待ってくだせぇ、と小平次が茶々を入れる。しかし才蔵は構わない。

「だからな、そういう不安緊張が高まりゃ、ふと耳元に響いてくるのが包丁を研ぐ音が聴こえたり、ひそひそとなにやら相談しているらしい人声があっても不思議じゃねぇんだ」
「やっぱり、才蔵の旦那が始め俺の話に茶々入れた理由がわかったぜ」
164アニタ:03/06/10 23:55
2/5

やっと一息ついた才蔵に、すかさず小平次が言葉を挟む。これで小平次は己の語った怪談に、才蔵が時々質問を投げた理由がわかった。
なるほど確かに不安や緊張、警戒や恐怖が宿れば人は時に狂うものである。
しかし――。

「しかしね、旦那。耕六の奴ぁ狂ったわけじゃなけりゃあ、幻聴聞いたわけでもありやせんよ。奴は障子の破れ目より行灯に照らされ包丁を研ぐ山姥の姿を見たんですから。それも幻覚だと旦那が言うんなら、そりゃあちょいとばかし話に無理がありやすぜ」

まぁ聞け、と才蔵が小平次をなだめた。

「こいつぁ物の例えだ、小平次。先にこれを言っておかねぇと後々話が続かねぇからな」

じゃあ今おめぇが言ってた耕六が見た山姥の話から片付けるか、と才蔵が続ける。
165アニタ:03/06/10 23:59
3/5

「怪談の聞き手に回る奴ってぇのは、大抵”恐いもの知りたさ”の考えなしばっかだ。単純に”恐がりてぇからただ聞き入る”だけ。
ありがたいことに怪談ってぇのは始まりから落までちゃんと完成されているからな、いちいち”考えずに”気楽に最後まで聞けるわけだ」
「へぇ、なるほど」

才蔵の饒舌さに思わず小平次が唸る。

「そして小平次、おめぇそのそういう”考えなし”の1人だ。だから大して深く考えることもなく耕六の話を鵜呑みにしちまったわけだな。
まずは小平次、耕六から聞いた話の中で、包丁を研ぐ老婆を見たという部分をよく思い出せ。耕六が話した内容の中に、どれか一つでも”それが山姥だと確証”できる言葉があったかよ?」

小平次は耕六が脅えながら語った老婆の話を思い返してみた。よくよく考えてみると耕六の言葉の中に”それが山姥だと確証”できる言葉はなかったような気がする。
166アニタ:03/06/11 00:02
4/5

「確証できる言葉なんて、一つも言っちゃいなかっただろ。耕六の早とちりだってぇ可能性は十分あるんだぜ。
老婆の言葉を思い出してみろ、そいつは明日倅が帰ってくるといっていたんだろ?倅のために前夜から朝餉の準備をしていたのかもしれねぇ。
話の最後の老婆の怒声のことだが、それは怒声じゃなくて突然悲鳴を上げて逃げ出した耕六を呼び止めようとしてただけかもしれねぇ。
話の筋からして耕六が自分の荷物を持って逃げたとは思えんし、もしかしたら突然出て行った耕六に忘れ物があることを伝えたかったという可能性も十分あんだぜ」

うぅむ、とまた小平次が唸る。確かに考えれば考えるほど、耕六の話には多くのボロがあるように思える。

「ってすると、才蔵の旦那の考える耕六の話の裏ってぇのは?」
「耕六の早とちりが生んだ、聞くに恥ずかしい大馬鹿野郎のホラ話だ。恐怖に負けりゃあ、行灯に照らされた婆の口皺だって裂けた口に見えるだろうよ」

なるほどなぁ、と小平次が嘆息する。ちょっと聞き方を変えるだけで、怪談話がここまで化けるとは小平次は考えもしなかった。
しかし、そうやって考えると小平次はどうしても才蔵に言わなくてはいけないことがある。
167アニタ:03/06/11 00:03
5/5

「確かに、考え方一つで怪談がここまで化けるとは思いやせんでした。しかし旦那、そうなるとどうしても旦那に言わなきゃならんことがあります。耕六の話に”確証”がねぇというんなら、旦那のまた”確証”がありやせんぜ」

そうなのだ。才蔵は人間を語り耕六の話をホラだと説いたが、どんなにもっともな考えであってもやはり才蔵の話にもまた確証はないのである。
小平次の言葉に、才蔵がほう、と関心したように呟く。

「よく考えたな小平次。道理だ」

だがな、と才蔵は続ける。

「悪いが確証は、あるぜ」

驚いたのは小平次である。耕六の話の中に、才蔵の語るせつの確証となる言葉があったのだろうか。

「そいつぁ、一体」

小平次が問う。

「・・・悪いが、今日はもう寝かせてもらうぜ。明日早いからな」

才蔵は答えなかった。
168アニタ:03/06/11 00:05
やはり、確証なんてないんじゃないかと小平次は背を向けて寝転がる才蔵の背中を見ながら思った。
すると、しばしの沈黙が続いた後、不意に、才蔵が小平次に背を向けたまま「ありがとよ、小平次」と言った。

そして、才蔵は最後にこう続ける。

「前に、神隠しに遭ったって噂されていたどっかの馬鹿が村にひょっこり帰ってきてな。
朝っぱらから村中の騒ぎになって、俺は”母親の家へ行く機会”を逃しちまったんだ。それ以来すっかり帰ることを忘れていたが、おめぇのお陰で思い出したぜ。
明日早朝、俺は母親の家に行って来る」

少しの間を置いて、何かに気が付いたように小平次は突然ああっと声を上げた。


―終幕―
169アニタ:03/06/11 00:09
やっと奇殺し終了。こんどからは普通に恐い話を考えたいと思います。

>>さげさん
背筋が凍るかと・・
細かくかかれててリアルに想像できました。恐い・・。

>>BEAR氏
すごい面白かったです。
主人公の高校生かっこいい。
170あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/11 00:23
ぜんぶ怖い!!(TT)
部屋を掃除していたら、小学校の卒業アルバムが出てきた。
懐かしくなり、掃除の手を休めてしばし見入った。
集合写真を眺めているうちに、奇妙な物が映りこんでいるのに気付いた。
肉が爛れ、骨が丸見えの異形の生物。なんだこいつは。
欄外の名簿と照合してみると、親友の隆之である事が判ったのだが、
どう考えてもありえない。何でこんな風に映っているんだ?
ページをめくると、遠足や運動会の写真が載っていたのだが、
ここにも至る所に腐りかけた化け物が映りこんでいる。
訳がわからない。こんな不気味なものが映っていれば、
最初に見た時に気付いているはずだ。それが、何故……。

数日後、俺の元に訃報が舞い込んできた。
隆之が、山中で死体となって発見されたというのだ。
聞く所によると、隆之は一ヶ月ほど前に「山に渓流釣りに行く」と言って出て行ったきり
行方がわからなくなり、捜索が続けられていたのだという。
死体は沢の急斜面に引っ掛かるような形で発見され、検死の結果
足と頭蓋骨を骨折してた事が判り、恐らくは足を踏み外して転落したのだろう
ということになった。
受話器を置き、俺は本棚にしまっておいた卒業アルバムに目をやった。
もしかして、あの写真はこの事を知らせたのではないか。
もう一度写真を改めようと、俺はページをめくっていった。



写真の中の俺の頭に深々と、刃が錆び付いたノコギリが食い込んでいた。
うわ、色んな意味でひどい文章になったなぁ。


教訓:勢いだけで書き込むのは止めましょう。

1741:03/06/11 18:40
もう全部怖すぎです。犯罪です。わいせつ物陳列罪で通報します。
特に、>>135、もといさげさん。
一気に読んじゃいました。それくらいホントひきつけられました!
と、言う訳で怖すぎage~
175あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/11 20:37
>>BEAR氏
前の鏡の話もですが、発想がとても良いです。
最後らへんでやっと気付きました。面白かったです。


>>アニタ氏
いやー、全部読ませて頂きました。文章がとても上手くて、
才蔵の奇殺しにかなり夢中になってました。面白かったです。
これで次まともに怖い話書いたらどんな話になるか・・・次作禿しく期待です。


176UZE FREE:03/06/12 01:06
最初は、ほんの出来心だったんです。

きっかけは2年ほど前にやっていた深夜番組でした。30分枠の、どちらかといえばマイナーな番組です。
もう終わってしまいましたが、全国ネットでやっていた番組なので、ひょっとしたら見たことがある人もいるかも知れません。
番組の中に、視聴者からの投稿を紹介するというコーナーがあったんです。他に目立ったコーナーもなく、それがその番組の売りのひとつでした。

投稿といっても、そんなに大したものじゃないんです。番組の最後にちらっと紹介されるだけで、
視聴者が町でみかけた変な看板の写真とか、飼っているペットの変な行動を撮ったビデオだとか、そういった
「ちょっと笑える、シュールな映像」を送って、採用されれば景品がもらえるっていう。

その番組を見てて、私も無い知恵絞って考えてみたんです。
別に景品が欲しいって訳じゃなかったけど、自分にも何か面白い映像が作れないかなぁって。
そうしたら、ひとつ思いついたんですね、ネタを。あまり趣味のいいネタではありませんでしたが、
私は自分で思いついたそのネタをすっかり気に入ってしまって、早速準備に取り掛かりました。
177UZE FREE:03/06/12 01:07
用意したのは適当な大きさの板と木の杭、それとロープが一本。これだけです。
まず、板に釘で杭を打ちつけて、看板をこしらえました。板には適当なタッチで、手書きで「ご自由にお使いください」と書きます。
これだけなら、何の変哲もありません。公園の公衆トイレや水のみ場の前なんかによくある看板です。

次にロープに取り掛かりました。こっちは看板より簡単です。一方の端を結び、丸く輪っかにするだけ。

これで準備は整いました。後はこれを適当に配置して写真を撮れば、ささやかながら私の投稿作品の完成です。

休日を見計らって、私は郊外の森に車を走らせました。適当なところで車を降りてロープと看板を担ぎ、森の中を少し散策しました。
程なくして、探していたものは見つかりました。適当な大きさの、どっしりとした松の木です。地面から3メートルほどの所に、
ほぼ水平に太い枝が張り出していて、私の目的にぴったりと合った木でした。
用意したハンマーを使って、私は「ご自由にお使いください」の看板をその松の木の前に立てました。
それから苦労して木の上によじ登り、大きく張り出した枝に片方が輪になったロープをくくりつけます。

木から下りて、私は満足して自分の「作品」を眺めました。

「ご自由にお使いください」と記された、即席の絞首台です。決して趣味のいいものではないと自分でも分かっていましたが、TVに映ればいくらかの笑いは取れるでしょう。

ところが、いざ写真を撮ろうという段になって、私は少しためらいました。
看板用の木材は近所のホームセンターで買ってきたもので、新品のきれいな板と杭でした。
ロープはさほど気になりませんでしたが、寂しい森の中では、その真新しい看板がどうしても違和感のあるものとして私の目に映ったのです。
178UZE FREE:03/06/12 01:08
考えた末、私は決心しました。
少しの間‥‥少なくとも何週間かは、これはここに置いて雨ざらしにしておこう。
そうすれば風雨で看板の木も薄汚れて、荒涼とした雰囲気を演出できるだろう、と。

もちろん、「もし誰かに見つかったら」という不安もありました。誰か良識のある人がこれを見つけたら、腹を立てて撤去してしまうかも知れません。
でも私としてはこれはただの悪戯のつもりだったし、例え見つかったとしても別に犯罪を犯しているわけではありません。
そう考えて、そのことについてはあまり気にしないことにしました。

看板とロープをそのままにして戻り、私は車で家に帰りました。
それから少し忙しい日々が続いて、気付けば私は自分のしかけた「悪戯」のことをすっかり忘れてしまっていました。

ふっとそれを思い出したのは、それからちょうど一ヶ月後のことでした。
例の深夜番組はまだ続いています。すぐに、私は車を走らせました。

忘れていた一ヶ月の間に台風の時期と重なったこともあって、久しぶりに踏み入る山中は草が生い茂り大分様変わりしていました。
私は途中少し道に迷いながら、趣味の悪い悪戯を探して山の中を歩き回りました。

程なくして、それは見つかりました。でも、私はそれをフィルムに納めることはできませんでした。
179UZE FREE:03/06/12 01:10
予想した通り、その場は荒涼とした雰囲気に変わり果てていました。
白木で作った看板は灰色に薄汚れ、黒インクで書いた「ご自由に‥‥」の文字は風雨にさらされてうっすらと滲んでいます。

そして、木にぶら下げたロープには、看板を見た誰かが吊られていました。

髪が長かったので、女性だと思います。後ろ向きだったので、顔はわかりません。まだ新しかったのかもう腐っていたのか、それも分かりません。
ただ、ピクリとも動かないその様子から、もう死んでいるのは明らかでした。
力なく手足をだらんと垂らしたまま、彼女は枝をキィキィと揺らして一人で吊られていました。
180UZE FREE:03/06/12 01:11
彼女が風に揺られてこっちを振り返る前に、私はその場から逃げて帰りました。
怖くてたまりませんでした。今でも怖いです。警察に通報することも考えましたが、それも怖くてできませんでした。
警察に通報すれば、あの悪戯が私の仕業だということが分かってしまいます。
厳密に考えれば、私のやったことは自殺幇助になるのでしょうか? でも別に、罪に問われるのが怖いわけではないんです。
私はほんの悪戯心で看板を作っただけなんです。でも、彼女を自ら死に追いやったものが何であれ、その原因の一端が私にあると思うと、怖くてたまらないんです。

あれからもう2年になります。
警察には届けていません。さりげなく新聞やTVのニュースにも目を通していますが、あの自殺者について何か書かれた記事にはまだ出会っていません。

きっと、今でも彼女は森の奥で吊られているのでしょう。
キィキィと枝を揺らしながら。
181UZE FREE:03/06/12 01:13
おしまいヽ(´ー`)ノ
182USE FREE:03/06/12 01:15
「UZE」って何だよ自分‥「USE」だよこのど阿呆‥(つдT)
183アニタ:03/06/12 16:07
>>175
感想感謝感謝。改めて読んでみるとタイプミスやら修正しなきゃいけない所が多々あって反省。
ぼっこし屋さんの教訓が呪文のように胸に反芻します。以後気を付けなくては。

>>ぼっこし屋さん
アルバム見るのに抵抗が・・・恐え〜。
184あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/12 16:50
うちのボロ家は1階と2階の間の壁のクーラーの室外機のパイプの
ところに小さな穴があいてしまって蜂が巣を作ったりして大変だった。
5年ほど前、その穴にどうもツバメが巣を作ったようだった。
ずーっと雛鳥の鳴く声がしてちょっとうるさかったがしばらくして
その声もしなくなった。 かわりにネズミが住みついたようだ。
ネズミの走る音がしなくなったと思ったら、
今度は子猫の鳴き声がするようになった。 しばらくして子猫の
泣き声がしなくなったが発情期に成ったらしく、ものすごく大きな泣き声で
夜な夜な鳴く様に成った。 
あの声は時として赤ん坊のような声にも聞こえちょっと気持ち悪かった。 
発情期が終わったのか泣き声は聞こえなくなったが。
昨日、リフォームのときにその場所から3歳児位の白骨死体が見つかった。
その他にネズミやネコの死骸も見つかった。 非常に迷惑だ。
>>184
非常に冷静ですね
186あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/12 18:31
軟らかい物が潰れる感触と、何十本もの骨が同時に折れる感触が少し、足の裏に伝わってきました。
どうやら、巣から落ちたツバメの雛を、私は踏んづけてしまったようです。
血に滲んだ雛の目が、恨めしそうに私を見上げています。

自分の翼で大空を飛び立つこともなく、その短い人生を終わらしたこの雛は、一体何を考え死んだのでしょう?
それを考えると、私は――





グウゥゥ〜・・・



お母さん。
今日の晩御飯は、鳥の手羽先をお願いします。
う〜ん、作品のカキコが多くて何だか嬉しいなぁ。
鯖落ち前にあった創作スレの頃に較べると、エライ違いだ。
>>135-143みたいな「最後まで怪異の正体が不明」な話は
個人的に好きだな。

つうわけで、百物語用の話もちょこちょこ書きながら
このスレ用の話も書いてたりします。
だが、書き上げた文章が、どれもこれも纏まりが無いものばかりで悩んでいたりする。
食べるのならば殺生を赦す。
それは生物の業だからな・・・
189作り話男 ◆CVYs9Nly82 :03/06/13 03:25
階段を4階から5階へ上ったところで、元やくざをやって
いたというシンさんというじいさんが話かけてきました。
シンさんはどうやら上機嫌なようで私は一安心です。
シンさんは別にこのビルでは物騒な事をしでかしたという
わけでもなく、またすでに初老のためそれほど腕っぷしが
強そうにも見えず穏和な感じなのですが、目の奥にひんやり
としたものを持っている人でした。

私がこのビルで唯一の若者だから物珍しく思ったのか
シンさんは私に銘柄のよく分からないタバコを1本くれ、
ちょっと話でもしないかと誘ってきました。私は早く6階
以上を見回ってみたかったのですが、シンさんの機嫌を
損ねたくなかったのでお誘いにのりました。
シンさんの部屋へ入ると、ちょっと生臭い臭いがきつく
私は少し後悔しましたが、腰を落ち着けて話をするのは
久しぶりなので嬉しくもありました。お互いにタバコを
ふかしながら、世間話からはじめました。身の回りのもの
は几帳面に片づけられた小綺麗な部屋ではありました。

そのうちお互いに身の上を話し多少はうち解けたので、私はシンさん
のやくざ時代の話を少しだけ聞き出すことができました。
敵対する組の親分さんの生活を観察し、親分さんが銭湯に
入っているところを狙って襲撃したという話はいままでに
観たどんなアクション映画よりも、聞いていて興奮する
ものでした。そのとき親分さんを斬った日本刀はまだ隠し
持っていて、いざという時にはまだ使える。体はなまっちゃ
いないよ。とのことです。
そういう物騒な話を聞いたにも関わらず、
シンさんはやはり基本的には穏和で、年少の私にも礼節を
払ってくれる良い人だと感じました。
190作り話男 ◆CVYs9Nly82 :03/06/13 03:26
そうこうするうちに、日は傾き、ビルの中は薄闇に包まれて
きました。私がタバコの礼をいい、立ち上がろうとすると、
にいちゃんは若いけんあっちの方は大変やろ、とシンさんは
蝋燭を1本と古びたエロ本を1冊くれ、にやっと笑いました。
私は丁重に礼を述べ、蝋燭があればまだビル内を動き回れる
なと思いました。怪談を6階へ上がろうとしていると、
慌てた声でシンさんに呼び止められました。

何しとるの? 上は上がっちゃいかんよ。
寝場所を探そうかと思ったんですが、何かまずいですか?
いや、そらまずいよ。
何があるんでしょう?
何て、、、

シンさんは、
このマンションの元オーナーが破産した後、
最上階で首吊り自殺をしたこと。死後2週間経って腐乱死体
として発見されたこと。上層階に上がると凄まじい腐臭が漂い、
人によっては元オーナーの霊を見るものもあるというのは、
ここの住人の間では表だっては話されないが、常識となって
いること。などを真に迫る口調で話してくれた。

私は心霊など全く信じておらず、シンさんの話を鵜呑みには
しませんでしたが、その場は彼の顔をたてて上層階へは後日
こっそり上ることにしました。
191作り話男 ◆CVYs9Nly82 :03/06/13 03:27
さて、翌日。
私は幸運にも午前中にその日の食料集めを済ますことが
できたので、今日こそはシンさんに見つからずに上層階へ
上るタイミングがあるだろうと余裕を感じていました。

昨日シンさんに聞いた話(幽霊の件は別として、オーナーの
自殺について)は本当だろうかと、ちょっと気になって
いたので、顔見知りのおじさんに冗談半分に話を振って
みました。

ここ、上の方の階にオーナーの幽霊がでるんですって?

すると、おじさんの顔が途端に凍り付きました。
あれ、本当に出るかどうかは別として、このおじさん
幽霊が出るということは信じてるんだな。

いい年した大人が、、、と、ちょっと滑稽に思いましたが、
自殺事件のくだりに好奇心を感じ、重ねて尋ねてみました
が、おじさんは何も語ってくれませんでした。

私はそれ以上の話はあきらめて、上層階を目指し階段を
登りかけました。すると、おじさんが私を呼び止め、
もしかして上の階を調べに行くの?と聞いてきました。
私が新しい寝場所を探すつもりだと言うと、おじさんは
押し殺した声で、上の階へは行っちゃいけない。絶対だよ。
と、私に忠告するのです。

私は、
分かりました、5階までしか上りませんよ。
と、言い置いて階段を上りはじめました。
192作り話男 ◆CVYs9Nly82 :03/06/13 03:27
5階から6階へ上るときにシンさんに見つからないよう
緊張しましたが、うまくいきました。6階には人の気配が
ありません。ただ、各部屋に鍵がかかっており、寝場所
とする部屋が全く見つかりませんでした。ドアを壊せば
良いのですが、かなりの労力が必要です。私は7階へと
足を向けました。

7階へ上り鍵の開いた部屋を探しながら廊下を進む
うちに、鼻に嫌な臭いがつんと漂うことに気づきました。
廊下を半分ほど進んだところに鍵の開いた部屋を見つけ
ましたが、臭いが気になってそのまま他の部屋も開いて
ないか見て回りました。7階には全部で6つの空き部屋
が見つかりましたが、臭いの元となるようなところは
ありません。私はそのうち、最もきれいな部屋のドアに
石のかけらで目印をつけ、気になる臭いの元を探すことに
して8階へ上ることにしました。

8階の廊下には7階よりも少し強い臭いが漂っていました
が、ここにも臭いの元はありません。嫌な臭いでしたが、
今までに嗅いだことのない種類の臭いです。私は昨日の
シンさんの話を思い浮かべ、人の腐臭というのははたして
どんな臭いなのだろうかと想像を巡らせていました。
そして9階へと足を向けました。
193作り話男 ◆CVYs9Nly82 :03/06/13 03:27
9階、10階、11階と、探してみましたが、臭いの元は
見つかりません。ただし、確実に臭いは強くなり、すでに
我慢の限界が近くなってきていました。そして、ただ嫌な
臭いとしか認識できなかった臭いが、段々と何かの腐った
臭いだとはっきり分かるほどになってきました。
次第にゴキブリやネズミが目立つようにもなりました。

12階へ上ると、呼吸も困難なほどの激臭がしています。
鼻を手で押さえ、口だけで呼吸するようにしていたのですが、
それでも臭いは容赦なく襲ってきます。のどにぴりぴりと
刺激があるほどでした。

この期に及んで、私はオーナーの幽霊などちっとも恐ろしい
とは思えませんでした。というか、幽霊など存在しないの
だから、怖がる必要がないと至って冷静ですらありました。
今となっては、途中で引き返すべきだったと後悔しています。
人の忠告は、理由はどうあれ真摯に受け止める必要がある
のです。

階段は12階までで終わりでした。私はこの探索もこの階で
最後なのだからと、気力を振り絞って足を踏み出しました。

廊下の中央まで進むと、ゴキブリやネズミの数が以上に増えて
います。鍵の開いている部屋がなかなか見つからず、私は
廊下の奥へと進んで行きました。
194作り話男 ◆CVYs9Nly82 :03/06/13 03:28
廊下の一番奥の左側の部屋は、どうやらドアが壊れて外れて
いる様でした。他に開いた部屋がないので、私はそこへと
足早に近づきました。もはや腐臭は激しい頭痛を生じさせる
ほど激烈なものとなっています。

ドアが破れた部屋の前につき中をのぞき込んで、私は絶句
しました。

4体の死体が、部屋の奥の方へ頭、手前へ足ときちんと
並べられていました。一番右の死体はほぼ白骨化しています
が、その隣の死体はどろどろに溶けた腐肉が骨に付着して
います。さらに左の死体はゴキブリがびっしりとたかって
黒光りしています。そして一番左の死体には主にネズミが
喰らいつき、体の柔らかい部位はところどころ骨が見えるほど
食い荒らされていました。見たところこの一番左の死体が
一番新しそうです。そして、、、

そして、部屋をのぞき込んだ当初から目についてはいたの
ですが、認めたくなかったものが、その一番左の死体の
おそらく右側の眼窩に突き刺さっていました。それは柄の
ところまで刺さっていため、死体の頭は真横にひねって
置いてありました。そうしなければ、死体を置けないほど
長い突き刺さったモノ。

「来たんか」

振り返ると、シンさんが力無く立っていました。
私は決死の覚悟でシンさんに体当たりを食らわせ、廊下を
全速力で駆け抜け、脱臼しそうな勢いで一階まで階段を
駆け下りました。

そしてその足で福岡市を離れ、無賃乗車で山口県まで
逃げました。今考えるとそこまで逃げなくても良かった
とは思いますが、当時は気が狂いそうになるくらい
恐ろしかったのです。

一番左の死体の眼窩に刺さっていたのは、シンさんから
話に聞いた自慢の日本刀に違いなかったのですから。
196作り話男 ◆CVYs9Nly82 :03/06/13 04:10
>>189-195は、
>>128>>129の続きです。
最近PCの調子が悪く、長いこと間があいてしまいました。
アニタさんの峰生さんの話は、ちょっと挫折中。


>>89
正統派の怪談で、恐い。こういうのなかなか書けるもんじゃ
ないと思います。

>>103
イメージが鮮烈でよいです。
これからも投稿を期待します。

>>106
これもイメージが頭に浮かびますね。
勝手ながら、伝聞でなくこの女の子の幽霊を実際に
体験した人の話として書かれたバージョンも読んで
みたいと思いました。

>>110
奇殺し完結ですね。オチまで巧い。才蔵シリーズ
としてのっぺらぼうを書いて欲しい。なんて勝手に
リクエストしたりして。

197作り話男 ◆CVYs9Nly82 :03/06/13 04:11
>>135
これも現代風正統派怪談!恐い!

>>154
洒落恐でリアルタイムに読んでました。
ホラーアクション+謎といった展開は結構新鮮で
面白かったです。

>>171
ぼっこし屋さんは長くても短くても巧いですねぇ。

>>176
アイディアが素晴らしい!とても後味の悪いお話だと
思いました。

>>184
いや〜ん、気持ち悪い。冷静な文章なのが
いいですね。
198作り話男 ◆CVYs9Nly82 :03/06/13 04:20
自分で読み返してみて、

「廃ビルの怪」というタイトルなのに「怪」の話じゃ
なくなっちゃいました。最初は幽霊の話にしようと
漠然と思っていたのですが。
間が長くあいちゃったので、当初の設定を忘れて
しまってた。。。

あと、もう少し複線をしっかり書いておくべきだったなぁ。
199あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/13 19:03
投稿の多いスレだな。今後の発展を願ってageておく。
200アニタ:03/06/13 20:16
みじかいだん

『人面犬』
「××君が、人面犬に食べられちゃった」
友人と一緒に下校したはずの女子小学生が、職員室に転がり込むなりそういって泣き出した。
不安を感じた女子生徒のクラス担任の先生が××君の家に確認を取ってから警察に捜索届けを出してみると、翌日近所の川原で顔の皮膚を綺麗に剥がされ身体中に噛み傷を負った××君の死体が発見された。
数日後警察の手によって逮捕されたのは、人を襲うように訓練された大型犬とその飼主だったそうだ。犯人は被害者の顔の生皮を犬に被せて次の目標に襲わせていたらしい。
犬は保健所送りとなったが、飼主はそろそろ懲役を終えて出てくるとのことだ。

『あかなめ』
警察の間で、「あかなめ」という言葉がしばしば使用されることがある。
浴槽自殺(手首の頚動脈の切断のみ)の現場検証の際、まれに死体の中に舌をダランと垂らし血塗れの床を舐めるようにして死んでいる者がいるという。
刑事の一人が冗談めかしてそれを「あかなめ」と呼んだのがことの由来だそうだ。
現在見つかっている「あかなめ」は、不思議なことに全て同じ格好で床を舐めている。
201アニタ:03/06/13 20:19
以上、みじかいだんでした。

>>作り話男さん
文章巧くて面白いです。
シンさんは一体なにを企んでたんでしょう・・・。
202作り話男 ◆CVYs9Nly82 :03/06/13 22:38
>>201
キレたら、もめ事の相手を容赦なく殺すのでビル内ではタブー扱い
になっている男、という脳内設定があったのですが、それを示す
複線を後で書き足そうと思っていたら、いつの間にか書いた
つもりになっていて、そのまま投稿してしまってました。
わけのわからん話になってしまって、お恥ずかしい。

203作り話男 ◆CVYs9Nly82 :03/06/13 22:41
>>200
こういう短い妖怪談は好きですね。
作り話スレだと分かっていても、面白い。
204雪山にて ◆CVYs9Nly82 :03/06/13 23:53
私は極度の方向音痴です。

特に規模の大きいスキー場では、友達とはぐれてしまう
ことがよくあります。

これもスキー場での出来事。

私は下手なりにスノボが好きで、その年も長野県の有名
な雪山に初滑りにいきました。幸い天候にめぐまれ
ゲレンデの状態は最高で、私は我を忘れて楽しく滑って
いました。

ふと気が付くと、一緒に来ていた友人たちとはぐれて
しまっていました。コースを示す案内板を確認すると、
雪山のかなり端の方にあるコースにまで来てしまった
ようです。途中で分岐を間違えたのでしょう。
私はふいに寂しくなり、友人たちが滑っているであろう
コースまで戻ることにしました。

いくつかリフトを乗り継いで元のコースへ戻ろうと
したのですが、勘違いをしたのか、全く見覚えのない
コースに入って来てしまいました。どうやら近くに案内板
もありません。私はしょうがなくリフト係のおじさんに
コース図を見せて目的のコースへの戻り方を教えてもら
おうとしました。
205雪山にて ◆CVYs9Nly82 :03/06/13 23:54
ところが、おじさんの案内がどうにも的を射ない説明で、
ますますわけが分からなくなってしまいました。私は
話を切り上げて礼をいい、わけが分からないなりに
とにかく移動することにしました。

さらにリフトを乗り継いで着いた先は、人気の全くない
コースでした。私は半ばやけになり、スピードを出して
ゲレンデを滑り始めました。雪面は人一人すべっていない
新しい状態で、非常に気持ちよく滑れました。

すると、雪面にところどころ赤い斑点が目に付きます。
ゲレンデの下の方にその跡は向かっているようでした。
血痕か、とも思いましたが、人や動物の通ったような形跡が
全くないのでどうやら違うようです。

しばらく滑っていると、ゲレンデの中央にかなり大きな
雪の隆起がありました。上手い人なら上に乗ってジャンプを
楽しめそうな感じでしたが、私はへたれなので横に避ける
ことにしました。
206雪山にて ◆CVYs9Nly82 :03/06/13 23:54
雪の隆起の脇を滑り抜ける時、なんとはなしに振り返ると、
ゲレンデ上方からは陰になっていた場所に、素っ裸に剥かれた
女性の躯をむさぼり喰う、血走った目の男の姿が目に入りました。

男は私を追おうかどうか一瞬身構えたようですが、すぐに
私を無視し、食事を再開しました。

私は身体が硬直し、コースのカーブに沿って曲がり男の姿が
見えなくなってもなお、猛スピードでコースを滑り降りました。

すぐにリフトへ駆け込み係の人たちに先ほど見た事を話しました
が、係の人たちは全く私の言うことに取り合いません。私は必死に
なって、係の一人と一緒にリフトに乗って先ほどの現場を上空から
確かめるように頼みました。

係の人は渋々了承し、私と一緒にリフトに乗ってくれました。
先ほどの現場の上空に到着するまで、今か今かとどきどき
しながら乗っていましたが、どうもそれらしい場所がなかなか
見あたりません。離れていてもはっきりと分かるはずの大きな
雪の隆起すら見つけられませんでした。
207おしまい ◆CVYs9Nly82 :03/06/13 23:55
私は係の人にちょっとおかしいんじゃないのかと嫌みを言われ、
頭にきました。それに人の命がかかっていることもあり、
恐ろしいのはやまやまですが、もう一度現場のコースを滑り
降りることにしました。

ところが、先ほど滑ったばかりなのに、ゲレンデの趣が全く
違うのです。相変わらず人気のないコースでしたが、周囲の
景色は見覚えのないものでした。

そしてやはり、滑り降りるまで事件の現場は見つけることが
出来ませんでした。私はリフト乗り場に立ち寄って自分の錯覚
だったと詫び、そのまま山の下まで滑り降りて待合い所で
友人たちが帰ってくるまで待ちました。

その後数日間はニュースを欠かさずにチェックしていましたが、
やはり該当するような事件は起きなかったようです。
208('A`):03/06/14 18:11
自分の文章とオカルトが合うかどうか実験してみま

 うちには離れがある。
母屋から離れた場所にある、あの、離れだ。
雨戸は閉め切られ、入り口へと繋がる廊下は途切れ、
全ての鍵をかけられるという徹底ぶりで離れというよりは隔離施設だ。
 そこは昔何に使われていたのかは分からない。
誰も教えてはくれない。あるいは誰も知らないのかもしれない。
まだ離れの柱や瓦が腐る前、雨戸が開け放たれ陽が差し込む春の午後。
想像するだけでほのぼのとしてきそうではないか。
 厳格な両親に見つかればお仕置きをされるので見つからない様に忍び込む事にした。
畳の匂いを嗅ぎながら昼寝できたらきっといい夢を見れるに違い無い。
周りをぐるりと回ってみて入れそうな場所を探した。
床下は低くてとても入り込めない。それに地盤が悪くて動かす気にはなれない。
ならばと屋根に上がってみるものの瓦がボロボロ崩れてしまい、忍び込むというには余りにも派手過ぎた。
玄関の鍵はどれだけ探しても見つからなかったし、
雨戸を一枚一枚開けていっても窓には全て鍵が降ろされ、カーテンまで引かれている。
どうしたものかと考えていると、もう一つ窓があるのを思い出した。
トイレらしきものが離れの裏の端っこにあり、高い所に小さな窓があるのだ。
あそこからなら中に繋がっているに違いない。
物置からこっそり脚立を持ってくると、窓の下に置いて昇った。
湿気の匂いがする窓枠に手をかけ、横に引いてみる。
ギチギチと錆びの様な音がして軋む。
鍵がかかっているのだろうかと諦めかけた時、ガラガラという音と共にゆっくりと開いた。
やはり長い間動いてなかったので錆が浮いていたのだろう。
 中はやはりトイレで、そのせいか中から漂う空気は湿って異様な物だった。
今は使われてないので糞尿の類の匂いはしないのだが、
古くなった木材や壁紙の据えた香りは当然の様に篭っている。
締め切ってしまえば陽も当たらないので当然の事だが、少しがっかりしてしまった。
それならばと中へ入り、玄関を探した。
こっそり換気をすれば湿気も無くなり、気持ちよくなるだろうと思ったのだ。
トイレの戸を内側から開き、離れの本体へ侵入した。
 ここまでで失敗がふたつ。
一つは雨戸を閉めてきたので真っ暗だという事。これは中からでも開くので構わない。
二つ目は、内側からもトイレの窓は高い場所にあるので玄関が開かないと窓から出なければならない事。
 ちょっと爪が甘かったかなと思いながらも手探りで壁を伝い、玄関へ辿り着いた。
ノブをいじってみるものの手ごたえのありそうなものは見つからない。
おかしいなと思いつつノブの周りをさぐっても何も無い。
どうやって鍵を閉めたんだろうと思ってドアノブに顔を近づけると鍵穴がある。
そうか、鍵が無いと内側からも外側からも開かないのか・・・。
という事はこの部屋に鍵があるのかな?いや、そうだとしたら鍵を閉めた人は出られない。
 ああでもないこうでもないと考えながら窓から出るか、と諦めた様に雨戸に手をかけた。
外の光が徐々に入ってきて、空気も風と一緒に入れ替わる。
明るくなった室内を見ようと、振り返った。体が凍りつく様だった。
壁中が赤とも茶ともとれない色を塗りたくられ、部屋の真ん中には古い着物が一枚無造作に落ちている。
カーテンの裏にもついている乾いた色に顔を近づけた。
どう見ても血だ。匂いも、色も、状況全てがこれを血液だと物語っている。
 部屋の真ん中にある着物を確かめもせずに叫び声をあげながら離れを飛び出した。
両親に見つかればなどと考えている余裕も無かった。
台所まで突っ走り、母親を見つけて飛びついた。
既に怒った風に事情を聞かれるが、嗚咽が邪魔をしてうまく話せない。
大分落ち着いてきて切れ切れに語った話に母親は顔色を変えると、怒りもせずに晩御飯を用意してくれ、寝るまで傍に居てくれた。
 次の日の朝、離れを見るといつもと同じ様に全て雨戸が締め切られ、脚立は片付けられて窓の場所には釘で板が打ち付けてあった。
 もう、誰も、入れない。誰も、出られない。


よく見返してないけど15分くらいで作ったんで期待はしないで下さい。
ってか最後に言っても意味無いか('A`;)
210親切心 ◆cBCRASH/NU :03/06/14 22:49
家へ帰る途中の道で、電柱の下にしゃがみこんでいる男がいた。
見ると、額にじんわりと汗をかいて、苦悶の表情を浮かべている。
側まで近寄り、俺は声を掛けた。
「大丈夫ですか?」
「ええ大丈夫……と言いたいんですが……もの凄く具合が悪くて……」
答えながらも彼は苦しげに荒い息を吐いている。
「あの、俺の家この近くなんですけど、少し休んでいきませんか?」
俺の提案に、彼はただ肯くだけであった。もう返事をするのも億劫なようだ。
肩を貸して俺の家まで行くと、両親が出迎えてくれた。
事情を話し、客間に敷いた布団に彼を寝かせると、母親にたまに様子を見に来るように頼み
俺は自室に向かった。
暫くの間、音楽を聴きながら本を読んでいると、階下が何だか騒がしい。
何事かと階段を降りると、先程担ぎ込んだ男が、スパナで俺の両親をめった打ちにしていた。
血の海に横たわり、痙攣する肉塊と化した両親を、それでもなお執拗に男は撲り続けていた。
と、男が撲る手を止めて振り返った。
眼が合った。
反射的に俺は家を飛び出し、無我夢中で走っていた。
ちらっと後ろを振り返る。男の姿は無い。追いかけてきていないのか、まだ追いついていないのか。
ともかく、警察に駆け込もう。俺は再び前方へと顔を向けた。

至近距離で、男がスパナを振り下ろし
オカ板復活したね。良かったぁ。
212あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/16 20:06
タイトルに「作り話」って明記してあるのが、潔くていいな。
どれもなかなか恐いし。
213あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/17 17:08
>>作り話男さん
相変わらず文章構成が巧いですね。
注意点があるとすれば語尾でしょうか。『〜でした』と『〜ました』が多く使われていて、少し単調な文になりがちです。
死体などを登場させ読み手を怖がらす猟奇的文法で話を作るのなら、もう少し味噌の部分で露骨な表現を使ってみるのもいいかもしれません。

>>('A`;)さん
物語や小説の要素を含む創作文ならではの語り口で話を進めたのは目の付け所が言いとしかいえませんね。
ただ、語り手である主人公に感情の変化が見られないのは惜しい。
必要なことだけをただ淡々と語るような文になると、下手をすれば読み手に飽きられてしまう可能性があります。


人間と言うものは不思議なもので、自分自身の注意点には殆んど反応しないくせに、他人の注意点のこととなると思いの外過敏に反応するものです。
今回そういう性質を生かせないかと、このような感想を書いてみました。
その人の作品の長所と短所を見つけ、時にヒントやアドバイスをゆうことで、その人の文書能力が高くなるんじゃないでしょうか。

まぁ個人的な意見なんで無視してもらっちゃって構いません(´∀`)
214あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/18 08:23
子供の頃の話し。
親父と車で出かけようとしたら車の下に子猫がいた。
親父が追い払うと、自転車置き場の影に消えて行った。
その後出発してから、親父が変なことを言う。
「何かエンジンルームから猫の声がする。」
しばらくそのまま走っていたが、ついには親父は車を止めて
ボンネットを開けた。オレは助手席で待たされたままだった。
親父は近くの気の棒を拾ってきてエンジンルームから何かをそぎ取ってる。 
最期に雑巾でふいたあと親父はその雑巾をスーパーの袋に入れて
トランクにしまった。 よほどオレに見せたくないのだろう。
たぶん、ネコがどう言うわけかボディー下から入り込み、熱くなった
エンジンルーム無いでこげてたんだと思う。
その後、その車に乗ってるとネコの鳴き声がトランクでした。
ただの2回ほどだった。が、親父は「げんが悪い。」といってすぐに新車に買い換えた。
あの子猫は焼け死んだネコのこどもだったのかなぁ?

215214:03/06/18 08:24
>>214
ごめんなさい。 スレ違いでした。
ほんのりに書こうと思ってました。
実話です。
216('A`):03/06/18 08:26
>213
確かにプロットと同時にタイピングしてたんで感情云々は二の次な書き方でしたな。
やっぱり第三者に読んでもらえると張り合いとかあってイイでつ
的確な指摘感謝(`・ω・´)!!
217さげ:03/06/18 15:47
おお!遅レスですが、喜んで頂けて幸いです。
また何か思いついたらカキコします。
2181:03/06/18 18:00
わぁい、いろんな人に書き込んでもらって嬉しいかぎりです(・∀・)ウレ・シイ!
それに皆さんホントに話が巧みでホントに怖いです・・
じゃあ調子に乗って一話だけ・・つまんないですから読み飛ばしてって下さいw
「首吊り」

はぁ、疲れたなぁ。
その日の夕方、私はいつもの通り部活が終わり帰路に着いていた。
            ザワザワ
なんだろ?お隣さんのお宅にやけに野次馬が集まってる。ま、いいか。メンドイ。
           「ガチャ」
ただいまー。・・・?お母さんは買い物かな?
         トントントントントン
いつもどおり2階の自分の部屋へ階段を上がり向かう
なんだぁ、朝起きたまんまか。カーテンも閉まってる・・
          「 ザーッ 」
なんだろ・・人?浮いてる?
あ・・死んでる・・首吊り死体だ・・・・・・いや・・
早くカーテン閉めなきゃ・・・早く・・そうしないと・・
グラ・・死体が、傾く・・
ひ、ひぃッ!!イヤ、どうしよう・・・死体と・・・目が合った・・
2191:03/06/18 18:13

あぁぁ・・・・イヤなものみちゃったな・・・
            「ご飯よー!」
いらなーい!・・もう、寝よ・・


            「トントントン」

・・・?あぁ、もう寝ちゃったんだっけ。・・・・・・・!!
そうだ・・・思い出した・・・・夕方、イヤなモン見ちゃったんだっけ・・気味悪・・
            「ドンドンドン」
・・・?窓?なんだろ?風?
            「ダンダンダン」
!!・・ま、まさか・・ね。まさか・・・ありえるハズ・・
           「バンバンバンッ!!」
いる・・絶対・・何かが・・窓の・・外に・・
          「あぁぁぁぁあぁ・・・」
カーテンと窓越しに・・・何かがいる。まちがいない・・逃げなきゃ・・
私はドアを開けて、助けを呼ぼうとした
          「おかぁさっ・・・・・」
ドアを開けた瞬間、何かがあった。いや、いた・・
グルリ・・・・ソレが・・傾く・・
イヤ・・ッ!!
             「ニヤリ」



        
2201:03/06/18 19:02
う、うわあぁぁぁ・・・・前のより悲惨だ・・
お目汚し(ホント)スマソ・・
それじゃあ引き続きヨロです〜
>>213
アドバイスありがとうございます。
とても説得力のあるご指摘でしたので、以後の投稿では
改善して行こうと思います。

これからも、気になるところがあればご指摘いただけると
ありがたいです。
祖母が逝ってもう10年になる。
ちょうど田舎に帰る用事があったので、なかなかお参りに行けないお詫びも
兼ねてお寺の納骨堂に向かった。
田舎とはいえ、ちょっと規模の大きいお寺で、納骨堂も3階建て。ちなみに
うちの納骨堂は2階にある。

ここに来ていつも思うんだけど、来るたびに3階から男の子が覗いてる。
もちろん、私がお寺に来るときはお盆とかお彼岸とか、人の出入りが多いときだから
小学生くらいの子がいてもヘンではないんだけど…。
こんなところで何してるの?ちょろちょろしてて、親は何も言わないわけ?
場所が場所だから、野放し状態ってまずいと思うんだけどなぁ。
ま、私がじゃまされたわけではないから、別にいいんだけどさ。

今回も男の子がいた。ヒマだねぇ。見てるから手を振ったげたのに、スッと向こうに
行っちゃった。なに、あの態度。

…あれ?入り口に子供のクツなんてあったっけ?
あ、そうか!お寺の孫か何かなんだ。本堂と庫裏と納骨堂、確かつながっているって
かあさん言ってたっけ。

<続く>
<続き>
お寺から帰ろうとしたときにこの奥さんにつかまっちゃった。
「まあまあ、ユウコさん、久しぶりねぇ!お宅のおばあさんがお亡くなりになられてから
もう10年?はやいわねぇ〜…」
はぁ〜…。このおばちゃん、話好きだし長いんだよなぁ。どうやって逃げようかなぁ。
「…でしょ〜。あ、そうそう、納骨堂の3階に古いガラクタがあるもんでねぇ、最近虫が
多くって…」
…え?3階にはまだ納骨堂ないの?じゃ、あの子は誰なわけ?
そのとき、クスッとかすかな笑い声が聞こえたような気がした…けど。まさか、ね。

田舎から帰ってから、視界の端っこにあの子供の姿が見える気がする。
これって、もしかして、連れて帰ってきちゃったってことかな?
うちにいるのはいいんだけどさ、うちって、けっこうエグい姿の人がウロウロしている
んだけど。
手が片方なかったり、頭がちょっと欠けてたりするんだもん。
あの子、うまく馴染めるかなぁ。

私は慣れちゃってるけど、子供にはちょっときついかもね。
…あ、悲鳴?

224213:03/06/19 13:16
>>216>>221
レス貰っちゃって感謝感謝(´ヮ`)
思いの外反響がよくて嬉しいです。

まだ全て読み終わっていないので他の人の話の感想は書けませんが、私からのちょっとしたアドバイス。
基本ですが『何時』→『どこで』→『誰が』→『何を』の順番を意識して書くだけで随分文章が良くなります。
このパーツのどれかが欠けている文章でも、順番を守れば大抵落ち着いた文章になりますよ。
保守
 ちはっす。へなちょこストーリーテラーのぼっこし屋(Limited)でございます。
 悪霊に身体を乗っ取られないように、気合入れて生きてますか? 俺はちょっとヤバめですが。
 まあそれはさて置き。
 これまでに俺は色んな人から色んな奇譚を聞いてきました。
 心臓バクバク物の怪奇談から、それマジであった話か? て訊きたくなる様な猟奇的な話まで
多種多様なのですが、その中には「え、それで終わり?」的な
 あっさりテーストの話も幾つか混じっております。
 リアルで聞いても三十秒ほど、文章にしてしまえば十秒もあれば内容の全部を理解できるほど短いです。
 一言で言ってしまえば、
「怪談と言うには微妙に短くて俺が内容を膨らませるのにも無理があるようなちょっと怖い小ネタ」
てなところでしょうか。て、全然一言じゃないよ。
 そんな話を、俺の私見を交えて語ってみようかな、という所存なわけで。
 ちょっとの時間だけ、このへっぽこ野郎にお付き合い頂ければ幸いですよ、と。
【第一話・小人】

「今日さ、バイパスを車で走ってたらさ、前走ってた車が何かを轢いたのよ。
 車間空けてたから見えたんだけどさ……何てのかな、小人?
 ちっちゃい人間の死骸が転がってたのよ。
 いやいや、人形じゃないって。ちゃんと血も出てたし、内臓みたいなのもはみ出してたから。
 で、鬱なのはさ、避け切れなくて俺もそれを轢いちゃったって事なのよ」

-----------------------------------------

 それって小人病の人だったんじゃない? と思われる方もいらっしゃるでしょう。
 俺もそう考えました。
 江戸時代における見世物小屋の記録を紐解くと、
「身の丈一尺二寸(約三十五センチ)」ほどの小人が登場し、
 芸を披露した云々の記述を見受けることが出来ます。
 数百年前の記録ですから、身長の数字の真偽は定かではないですが、
 人並み外れて小さい人間がいたという事は確かなようです。
 ただ、俺に話を聞かせてくれた彼いわく「その轢かれた小人は、十五センチくらいだった」とのこと。
 小人病患者で片付けるには、あまりに小さすぎると思うのですが、いかがなものでしょう。
【第二話・風俗店にて】

「マットヘルスの店で、凄い子に当たっちゃったよ。
 ローションまみれで抱き合ってキスしてたんだけどさ、
 その最中に俺のチンチンを彼女がいじってんのよ。
 でも彼女の両手は俺の背中に回されたまま。
 え、じゃあチンチンをいじってる『手』は何よ? て思って、見てみたらさ。
 彼女のヘソのすぐ下から、短い手が生えてて、俺のチンチン握り締めてた」

-----------------------------------------

 何だか和むなあ……つうか、彼女が最初に服脱いだ時点で気付けよ。
 んまあ、考えれば畸形の一種なんでしょうな。
 本来双子として生まれてくるはずだった胎児の身体組織が何らかの理由で融合し、
 その際に余分な「手」が本来あっちゃならない場所にくっ付いてしまった、
 と解釈できないでもないですね。
 しかし、ヘソの下とはまた、微妙な場所に……。
【第三話・配管を外したら】

「マンションからさ、排水管が詰まったから至急修理に来てくれ、て連絡があったのよ。
 で、現場に行ってみたら、確かに流れない。
 何だコリャ、て思ってさ、流し台の下の配管を外してみたのよ。
 その瞬間にさ、細長い女がヒュルッて凄いスピードで管と管の間を通り抜けていってさ。
 何だ今の? て思って管に手を突っ込んでみたらさ、
 長い髪の毛が束になってズルッて出てきたんだわ」

-----------------------------------------

 排水管の直径といえば、大体六、七センチといったところでしょうか。
 とすれば、えらく細身の女性です。エスパー伊東もビックリでしょう。
 まあ冗談はともかく、普通に考えれば「生身の人間」ではないでしょうね。
 細い女、と聞いて真っ先に思いつくのが「五センチの女」でしょうが、
 彼女達は一体そんな狭苦しい空間で何がしたかったのでしょうか。
 本人(?)に訊いてみないと、その意図は掴みかねます。
 もっとも、現実に出会って話が出来るかどうかは判りませんが。
【第四話・地下に眠る……】

「地下アーケードの建築現場で今仕事してんだけどさ、
 ちょっと洒落ならねぇ物掘り起こしちまった。
 掘削してたのよ、地下の地盤をさ。
 そしたらな、コンクリートの壁をぶち破っちゃったわけさ。
 でもおっかしいなー、こんなとこに建築物無いはずなんだけどなあ、て話になってさ、
 とりあえずぶち抜いたコンクリの壁の向こう側を調べてみようって事になったわけさ。
 俺もついてったんだけどさ……後悔したわ。行くんじゃなかった。
 独房みたいな造りの正方体の部屋の中にな、
 赤ん坊とそれを抱いてる母親の白骨死体が見付かってさ……」

-----------------------------------------

 可能性としては、建築許可申請無しで密かに建造された
 地下牢獄と考えられますが、謎が幾つか残ります。
 何のためにわざわざ地下に建造したのでしょうか。
 それに、獄死したと思われるこの親子、何故陽も差し込まないこんな独房に
 収容されていたのでしょうか。
 何かしでかしたのか、はたまた口封じか。
 都市部の地下には、まだまだこういった闇の部分が人知れず眠っているような気がしてなりません。
【第五話・新聞】

「変な朝刊が混じっててさ。
 例えば、中東の情勢に関する記事があるとするじゃない。
 でさ、そこに掲載されてる写真が、
 爆発に巻き込まれた感じでぐちゃぐちゃになった人間だったりしてさ。
 全面そんな感じ。とにかく、グロ写真ばっかなのよ、載ってるのがさ。
 その日だけだ、そんなおかしな新聞が届けられたのは。
 え、その新聞? 味噌汁こぼしちゃったから捨てた」

-----------------------------------------

 恐怖新聞かよっ!
 いや、ちょっと違いますね。記事は至って普通だったらしいですから。
 誰が発行したのか、想像するとなかなか楽しかったりします。
【第六話・神隠しの正体】

「俺も会社の先輩から聞いた話なんだけどさ、△△山って、結構行方不明になる人が多いらしいのね。
 で、発見されたとしても、ぐっちゃぐちゃに切り刻まれた死体になってるらしいんだわ。
 噂なんだけどさ、あの山には殺人鬼がいて、目に付いた人間は見境なく攫って殺すらしいのよ。
 何でも今山にいるは四代目で、初代は明治時代から山に棲み付いて、
 当時から近くの住人がしょっちゅうさらわれてたらしいよ」

-----------------------------------------

 何とも都市伝説チックな話です。殺人鬼一族。山の中に棲む猟奇殺人嗜好者。
 人里離れた場所というのは、時として人外魔境譚の舞台になり、この手の話が後を絶ちません。
 もっとも、この手の事の報道を見た事がないので、あくまでも噂の域を出ない話だとは思いますが。
【第七話・車窓から】

「電車乗っててさ、何気なく窓から景色眺めてたのよ。
 河川敷通った時にさ、ヤバげなの見ちゃった。
 川に架かってる橋の支柱の袂でさ、何か燃やしてるんだわ。
 よーく目を凝らしてみたら、どうも串刺しになった人間みたいでさ、
 ボンボンと燃える人間の周りを、五人くらいの男が踊り狂ってるのよ。
 俺だけだったのかな、見たの。だって、同じ車両にいた奴ら、誰も騒がなかったもの」

-----------------------------------------

 えーっと……どこの原住民の儀式ですかそれは?
 河川敷で火葬しながらファイヤーダンス。シュールな図ですね。
 たまたま犯罪の現場を目撃したのか、それとも幻覚だったのか。
 今現在では何とも言えません。
 あ、そうそう、彼がこれを見たのは、夕暮れ時だったらしいです。
 関係あるかどうかは分かりませんが。
【第八話・ミッドナイトホーム】

「最終電車待ってたのよ、駅のホームで。
 そしたらな、俺のすぐ後ろで女の声がするわけ。
 携帯で話してるみたいで、時たまゲラゲラ笑ってたりしたわけよ。
『きもいよねー、マジ勘弁って感じ』
 誰かの噂かな、て思って、ちょっと耳に神経集中してみたのよ。そしてらさ、低いトーンで
『お前の事だよ。聞き耳立ててんじゃねえよ』
 え? て振り返ったら、誰もいなかったよ」

-----------------------------------------

 日頃から、周りに自分がどう見られているのか気になる人が聞いた幻聴のような印象も受けますが。
 まあ聞いちゃったものはしょうがない。
 振り返ったら誰もいなかったなら、それを受け入れるしかない。
 例えそれが説明不能な奇妙な現象であっても。
【第九話・あ〜ははははははは】

「昨夜、一時頃だったかな。そろそろ寝るかって時に電話がかかってきてさ。
 番号通知見たら、友達の女の子で、
 こんな時間に何があったんだ? て思いながらも出たのよ。
『あ〜ははははははは! あ〜はははははははは!』
 聞いたことも無いおっさんの狂ったような笑い声が聞こえてきてさ、
 思わず電話切っちゃったよ。
 え、その女の子? いや、無事無事。つうか、
『そんな電話、掛けてないよー』て」

-----------------------------------------

 電話ネタパート2。油断大敵、という教訓でしょうか(違うよ)。
 よく怪談で、笑う幽霊が登場しますが、彼らは何が楽しくて笑うのでしょうかね。
 目の前の人間が怖がっている様が可笑しくてしょうがないから笑うのでしょうか。
 それとも……まだ生きたかったけれども、
 命を失ってしまった今となってはどうしようもないから笑うしかないのでしょうか。
【第十話・夢】

「ここんところ、毎晩同じ夢見るのよ。一週間くらい前からな。
 最初の晩はさ、窓が一つ付いてるだけで他は何もない暗い部屋に、
 俺が一人いるだけだったのよ。
 次の晩になったらさ、また俺同じ部屋にいるわけ。
 違ったのは、窓から誰かがこっそり覗いてる、てとこ。
 で、その次の晩も同じ部屋。でさ、窓から覗いてた奴、
 窓枠に手をかけて身を乗り出すようにしてこっち見てるのな。
 おっさん。目が異様にギラギラしてた。
 さらに次の晩になると、そのおっさん、窓枠半分乗り越えた格好で、俺をじーっとみてるわけ。
 それでな……一昨日の晩に見た夢だと、もうおっさん部屋に入ってきてて、
 窓際に突っ立ってるのよ。
 わかる?徐々に近づいてんのよそいつ。このまま距離が縮まって、
 すぐ側まで来たら何か起こりそうな気がしてさ。
 だから今すごい眠いわけ。それ以来、寝てないからな」

-----------------------------------------

 最後はちょっと長いですかね。夢にまつわる話です。彼はこれから無事でいられるのでしょうかね。
 ところで。夢とは睡眠中における右脳の活動によって誘発された刺激が知覚イメージに変換され、
 それを左脳が言語変換してストーリーを形成していると聞いた事があります。
 また、心理学的には、夢は深層心理の表れであり、
 そこで起こる内容は無意識層からのメッセージの暗示である、と定義されています。
 いずれにせよ、夢は脳が作り上げた幻覚、もしくは睡眠中における脳の活動ログであるとするのが通説になっています。
 でも、ここはあえてオカルトチックに私見を述べさせてもらいます。
 睡眠中には、ひょっとすると魂は体を抜け出し、どこか別次元にまで浮遊していっているのではないでしょうか。まるで、死の予行演習であるかのように。
 時間も空間も無い「その場所」で魂は他の魂と出会い、
 その接触の記憶が夢として脳に記録されているのではないでしょうか。
 夢の世界……そこは魂が集う場所、もしかすると「四次元」とはその世界を指すのかもしれません。
 ん、まああくまでも俺の勝手な妄想ですんで、話半分で聞き流しちゃってください。
 以上です。
 ストックはまだまだありますが、それはいずれ別の機会に。
 では皆さん、また別の話でお会いしましょう。
 

「日常のすぐ隣の非日常」に引き込まれないように、気を付けて下さいね。
 ではでは。
age
240からそま ◆Je.8zigzAE :03/06/23 04:15

 リボン

 股からぬるりとせり出した胎児が、地面に落ちて湯気を立てた。雪は赤と黄色に染まりながら胎児を飲み込んでいく。

 繋がったままの臍の緒を見て、女は困惑した。子供の腹から女の股へ、思ったよりも太い管が通っていた。ウナギのように滑る管を掴んで引っ張る。火が付いたように胎児が泣き出した。生きているものなんだ、と女は赤子を拾い上げ、緒を繋げたまま胸に抱きこんだ。

 ──魚座の子って夢見がちだよな。

 そう言って、気取ったつもりか、乱杭歯をむき出して笑う男を女は飲み込む。そうかも、と笑って足を絡める。

 リボンで繋がれた胎児が、子宮で蠢く。男の精液をうまそうに飲み下す胎児を感じて、女は男を愛しいと思った。


 ※
面白そうなんで参加しました。
元ネタは昨日テレビで見た『動物奇想天外』です。魚座にウラミはありません。
241あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/23 04:47
パソコンからLANケーブルが引っこ抜けて机の裏へ、
埃まみれの机の裏に手を突っ込んで必死になって
ケーブルを探してたら誰かに指をベロンと舐められた。

臭いを嗅いだら臭かった。
>>241
それは実話です……….
243あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/23 05:05
夢中でギターを弾いていた。
弦を交換したばかりのこいつは、身体中に響く音を出す。
ピックを力いっぱい、弦に叩きつけた。
必死になってかき鳴らし、俺は喚くように歌った。
激しく、小刻みなストローク。ジャカジャカと忙しく
そして力強く弾き語る。

ぶきゅ

妙な音がして、ギターの音が変わった。俺は歌うのをやめ
ギターを見た。
弦に、俺の人差し指が、ぶらんと絡んでいた。
244叩かれ屋 ◆hwGmv.3QG6 :03/06/23 05:45
ぶきゅって…
245あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/24 19:04
イタソウ
Z武さん獲物と間違われ英王子に射殺される 
http://news3.2ch.net/test/read.cgi/news5/1056473618/l50
死守age〜
248あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/26 19:06
俺はそのとき音楽を聞いていた。もう三時。眠くもなってきた。
シャワーを浴びて床にはいろうとした。

風呂場に向かった俺はそこで戦慄してしまう。
浴槽から無数の手が生えてきている。足がとまってしまった

──逃げないと!──

神経がそう命令した。しかし、足は訛りの様に動かない。
誰か助けてくれ。このままでは…
そうしている間にも無数の手は増えつづけている。とどまる所を知らない。
とうとう俺の足の近くまでよってくる。怖い。逃げたい。たすけてくれ。

しかし、フッという音と共に手は消えていった。
俺は安心して床には入ろうとし、後ろを向いた。



そこには白い装束をき、血の涙を流した女がいた。
「抱いて…」
その女は言った。
「いやだ・・・」
と俺は言った。
「呪い殺すぞ」
とその女は言った
「よいではないか、よいではないか」
悪代官は下卑た笑いを浮かべた。
よく見るとその女は別れた女だった。
その男はホストだった
そして誰もいなくなった。
256イ更戸斤:03/06/26 22:25
うんこ〜
>>240
赤ちゃんが生まれても、ヘソの緒を切らなかったらどうなるのでしょう?
258あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/26 23:18
俺はそのとき音楽を聞いていた。もう三時。眠くもなってきた。
シャワーを浴びて床にはいろうとした。

風呂場に向かった俺はそこで戦慄してしまう。
浴槽から無数のガッツ石松が生えてきている。足がとまってしまった
「僕さぁ〜ボクサーなの…」

──笑わないと!──

神経がそう命令した。しかし、口は訛りの様に動かない。
誰か助けてくれ。このままでは…
そうしている間にも無数のガッツ石松は増えつづけている。とどまる所を知らない。
とうとう俺の足の近くまでよってくる。怖い。おもろい。たすけてくれ。

しかし、「オッケー牧場」という声と共にガッツ石松は消えていった。
俺は安心して床には入ろうとし、後ろを向いた。



そこには白い装束をき、団子を作っている輪島功一がいた。
259249:03/06/26 23:56
ネタスレと化してる…すまん、俺のせいだ。
ま、面白いからいいけど。
>>258
不覚にもwarata
261貴方の後ろに…:03/06/29 15:06
私が幼い頃、母親が蒸発した。
理由はわからない。
父は「お前のせいでいなくなったんだ」と言うだけで、
教えてはもらえなかった。

だけど父は優しかった。男手一つで私を育て上げた。
私は結婚し、家を出た。
子供は自分一人だったため、父は一人で暮らすことになった。
それでも再婚はしなかった。母を愛していたんだと思う。

その父も亡くなり、老朽化していた家は取り壊すことになった。

そして、瓦礫の中から白骨死体が見つかった。
父の部屋があった場所に、壁に塗りこまれた形で。
女性だった。
262貴方の後ろに…:03/06/29 15:07

ハイ、もう一個
263貴方の後ろに…:03/06/29 15:08

俺の友人の話。

女友人である彼女(仮にAとする)は
俗に言う「見て」しまう体質のため、霊に対してそこそこの知識がある。

ある日会社の飲み会があって、終電間際に駅に着いたときのこと。
A共々酔っ払った同僚数人でホームで電車を待っていた。
向かいのホームには、スーツをきちんと着こなしたOL風の女性が一人。
疲れているのか、眠っているのか、椅子にうつむいて座っていた。
Aは同僚と話しながら、何とはなしに、その女性を眺めていたそうだ。

ホームにアナウンスが流れ、数分後に到着する電車の行く先を告げる。
向かいのホームに止まる電車だった。
それを聞き、女性がふと顔を動かし、
眺めていたAとばっちり目が合ってしまった。
264貴方の後ろに…:03/06/29 15:09

女性同士だったものの、気恥ずかしさで慌てかけたA。
しかしその女性は唇を歪めたような微笑を浮かべると、立ち上がった。
そしてふらふらと歩き出し、白線を越えた。
そのまま飛び降りた。
もうじき電車が来る線路に。

それに気がついた人間達が唖然とし、事態に行動するよりも前に、
Aは思わず「放しなさい!!」と叫んだと言う。

叫び、自分も線路に飛び降り、女性を電車の来ない側へ引っ張った。
間近で電車の警笛。二人の横を電車が通過した。
同僚も手伝い、女性をホームへと引っ張り上げた。
265貴方の後ろに…:03/06/29 15:09

人に囲まれ、ぼんやりとしていた女性は
次第に顔が真っ青になり、がたがたと震え出した。
「大丈夫? 貴女、飛び降りたのよ。わかってるの?」
Aが問い詰めると、
「わからない…」と言い、「私、飛び降りたの?」と
女性も驚いたようにAに聞いてきたという。

最後にAが言うには
「私も良く分からないわ。ただ、その女性の腕をつかんだ時に、
『ちっ』て男の舌打ちが聞こえたの。たぶん呪縛霊だと思う」


「それに赤ちゃんの泣き声も聞こえた。
あの人、子供を堕ろしたことがあるんだね。
お母さんを呼んでるように感じたよ」
266貴方の後ろに…:03/06/29 15:31

 これで 完

名無しにもどるべし
>>261を見て「羊のうた」という漫画を思い出した
268あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/29 23:25
こういう短くてほのかに怖い話もいいね。
269あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/30 19:07
ちょっと聞いてください。
こないだサークルの飲み会があったんですけど、その時したたかに酔っちゃって、
その夜先輩の家に泊めてもらうことになったんです。で、しばらくしてやっと酔いが覚めて
先輩と話していると、急に先輩が「あ、忘れてた」って言うんです。
何を忘れてたのかというと、その日は近くのTSUTAYAのレンタル半額デーだったらしく、
先輩は前もって借りるビデオもリストアップしていたのだそうです。
そこで、まだ開いてるかな〜とカードを見ると、深夜3時まで営業となっていて、
先輩は「それなら充分間に合うな」と今から行くと言い出したんです。
ちょうど上りの終電に間に合うから、そうすれば最寄り駅で降りて急いで借りて戻ってくれば
下りの終電に間に合うだろうって。あ、そのTSUTAYAそこから3つ目の駅の側にあるんです。
それで、4、50分で帰るからお前は留守番しててくれって言って行っちゃったんです。
すると5分ほどして先輩から終電に乗り遅れてしまったって電話があったんです。
そうすると自転車もないし、戻ってくるのかなと思ったら、歩いて行ってくるって言うんです。
よっぽど借りたいビデオがあるのかお金が無いのかわかりませんけど、とにかく2時間ぐらいで
帰るから待っててくれ、先に寝ててもいいからということだったんです。
270あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/30 19:07
それで僕はしょうがないからプレステやったりネットやったりそこにあったエロビデオ見たりして
時間をつぶしてたんです。別に眠くも無かったし。そうしているうちに2時間が過ぎたんですけど
先輩はまだ帰ってこないんです。徒歩で往復となると、6駅分ですから4、5キロぐらいとすると、
1時間半ぐらいでしょうか。そうすると借りるビデオは既に決まっているはずですから、
2時間で十分帰ってこれるはずなんです。ところが2時間半経っても先輩は帰って来ないし、
電話も掛かってこない。流石に気になって、こっちから電話したんです。すると、呼び出し音は
鳴ってるんですが全然出る気配が無いんです。走っている最中だから気づかないのかなと思い、
しばらく鳴りっぱなしにさせとこうと思って、そのまま携帯を放置してたら、30〜4秒ほどして
パッと画面が点灯して通話時間のカウントが始まったんです。僕はやっと出たかと思い携帯を耳に
当てました。当然先輩の声が聞えてくるもんだと思っていたんですが、耳には何も聞えてきません。
271あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/30 19:08
でも画面には確かに通話時間がカウントされているんです。おかしいな〜と思って、何度かもしもし
もしもしと呼びかけていたら、不意に向こうから声が聞えてきたんです。けれどもそれは先輩の声で
はなく、妙にか細い感じのする男の人の声でした。年の頃はおそらく20代半ばといったところ
でしょうか。その人の言うには、今人を待っていてこの携帯を拾ったって言うんです。着信して
ピカピカ点滅していたからわかったらしいんですね。それで、これどうしたらいいだろうかって
僕に聞いてきたんです。その人に今どこを歩いているのか聞いてみるとここから1つ目と2つ目の駅
の間の辺りを歩いているらしいんです。僕は持ち主は今いないし、深夜だから近くの交番に届けて
くれないかと言いました。すると、向こうはそれには答えずに、ここの住所を尋ねてきたんです。
272あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/30 19:08
僕が答えると向こうは、じゃあちょうど自分はそっちの方面に歩いて帰る途中だからここまで届け来る
って言い出すんです。僕は驚いて、そこまでしなくていいですから交番に届けてください、と言った
んですけど、なぜか向こうはここまで届けに寄ると言うんです。それも向こうはどうやらニヤニヤ
笑っているらしいのです。僕は気味が悪くなってきて、いいえ結構です。と強い調子で言って電話を
切りました。そうして、一息ついていると徐にガチャっとドアの鍵を開ける音がして
先輩が帰ってきました。先輩はゼイゼイ息を切らしていて、顔色は少し青ざめていました。
僕は何かあったんだなと思い、「先輩、何かあったんですか? さっき携帯にかけたら変な人が出ましたよ」
というと、先輩は眼を見開いて顔がみるみる真っ青になったんです。
で、「本当か、それはどんな人だった?」って聞いてきたから感じたままを話すと、
先輩はへなへなと座り込んでしまいました。僕はこれはただ事ではないと思い、「一体何があったんです」
と再度聞いてみました。すると、先輩は立ち上がって冷蔵庫を開け、ビールの缶を開けてぐいっと一気飲み
し、2、3度深呼吸した後、ポツリポツリと話し始めました。
273あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/30 19:20
で?
274わいく:03/06/30 19:53
ーあとあじの悪い話し「マイホーム」ー

今日も暑かった
残業の毎日、しかしここ数年の不況では
リストラにならなかったことだけでも感謝しなければ。
郊外にマイホームを建てたはいいがローンはまだ
10年は払い続けなければならない。
10年か、、、、、
あと10年経てば、あの息子も20歳。
せめてそれまで頑張らなければ

275わいく:03/06/30 19:54
「ただいま」
家に着いたとき時計は11時を回っていた。
にも関わらず、息子はまだ起きていた。
「まだ起きていたのか?」
「そろそろ寝る、、」
最近息子は俺を避けているような気がする。
反抗期にはまだ早いと思うが
あまり親として関わる時間が少ないので
それも仕方ない。
「そうだ、孝。これお土産だ」
郊外の我が家の周りでは夏になると
カブトムシやクワガタが時々飛んでくる。
私はそれを息子のお土産として時々捕まえた。
息子はいつもそれを喜んでくれた。
今夜もきっと、、、、

「ふざけるなよ、くそ親父!」
何をいわれたのかわからないまま
私は顔に衝撃を受けた
息子が私を殴ったのだが
しばらく何が起きたのかわからなかった。
そして、息子のお土産に採ってきた虫が足下に
つぶれていた。
しかしそれはかぶとむしやくわがたではなく
ごきぶりだった。

その日から息子の家庭内暴力が始まった。
276あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/30 20:14
途中で止めんといてや
>>272の続きが気になるな。

>>274-275はこれで終わりっぽいが。
2781/3:03/07/01 07:09
深夜2時、いつものように、お気に入りから2chオカルト板を開く。
様々なスレで、様々な興味深い話が日々交わされている。
そんな中で俺の一番のお気に入りのスレは「死ぬほど洒落にならない話を集めてみない?」だ。
今日もいつものように、スレの内容をチェックする。
先日見た時から124件のレスがついているようだ。
1件づつ舐めるように見る。
1文字づつゆっくりと頭に入れ、理解し、恐怖を味わう。
ゾクゾクする。鳥肌がたち、背筋に悪寒が走る。
恐怖をかき消すように、うわっ、これマジこぇーよ、とつぶやいてみる。
意味もなく背後を振り返る。

静まり返った住宅街の片隅にあるボロアパートの一室で、ただ一人パソコンに向かい合って怪談を楽しむ。
俺にとって、これこそ最高の娯楽。
誰も邪魔することのない自分だけの世界だ。
ハードディスクの回転する音、マウスをクリックする音、少し荒くなった自分の呼吸する音、この世界の音はそれだけだった。

2792/3:03/07/01 07:10
順調にスレを読み進めて行く。
最近、思うことがあった。
もし、今、肩に手をかけられたら俺はどうなるだろう。
一人暮らしの、誰もいない深夜2時の室内で、パソコンに向かい合っている俺の肩に手をかける者。
それは間違いなく…この世の者ではない。だが、そんなことは有り得ない。
なぜなら俺は幽霊なんて見たことないし、怪談なんて基本的に作り話だと思っている。
だから、背後を振り返ることぐらい大したことじゃない。
ほら何もいない。
俺の後ろには本棚があるだけだ。モニタに目を戻す。
なかなか集中して読めない。最近はいつもこうだ。
背後が気になって、今にも肩に手を置かれるような気がして、集中できない。
無理矢理、文字を頭に入れる。
ああ、怖い、この話は怖い。
なんだよこのコピペ厨、死ね。
ガイシュツだよその話は。
内容が頭に入らない。文字だけを目で追っている。
………背中が気になる。何かがいるような気がしてならない。
今にも背中を肩を触れられる妄想が俺を支配する。
あああああ、うるさい。ベランダでタバコでも吸おう。
タバコとライターを取り、カーテンに手をかけた。手が動かない。
もし、窓の向こうに何かいたら、カーテンを開いた瞬間に窓に何か映っていたとしたら…。
うるさいうるさいうるさい死ね死ね死ね幽霊なんていないんだ。
力をこめて一瞬でカーテンを開ける。
ほら何もないだろ。背後にだってなにもいないんだ。
全くどうかしてる。タバコでもゆっくり吸ってもう一度楽しもう。
2803/3:03/07/01 07:11
もう背中なんて気にならなかった。今度こそ全部読んでしまおう。
文章に目を走らせ、内容を十分に理解し、恐怖する。
ああ、これはある意味怖いな。
本当にあった話ならヤバすぎ。
俺なら死ぬな。
ツマンネ。
激しくガイシュツです。

そして、最後の1レス…。

xxx :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :0x/0x/xx xx:xx
志村うしろーーーー!

カサッ背後で音がした。
(´・ω・‘)つまんないでつか?
>281 良いと思うよ。
テンポがあって、読みやすい。

どっちかって言うと、気になるのは眉毛(´・ω・`)
>>282
(´・ω・`)ノありがd
(´・ω・`)…
285異能(1):03/07/03 04:32
――ああ、水子が三人もいる。
「お客様・・・」
その声で私は我にかえった。
「お客様、チキンタツタセットのMサイズがお二つになります」
女性店員は接客用の笑顔を輝かせながら私に愛想をふりまく。

幼い頃から私には人と違う力が備わっていた。
「霊」という異様なものが見えるのだ。
人にとり憑いている背後霊なんかは、特にハッキリと見えた。
さっきの女性店員には水子の霊が三人とり憑いていた。
もちろん、私だってそんな物は見たくない。しかし眼に入ってしまう。
高校生になり、進路指導の最中、教師を見れば後ろに老婆が。
大学生になり、アルバイト先の主任には三歳ぐらいの男の子が。
社会人になり、職場の上司の周りには血みどろの兵隊たちが。

私は二人分のハンバーガーセットをもって、彼の待つ席に着いた。
ああ、見えてしまう・・・。
彼の背後に、顔の潰れた女性が見える。
「どうしたの?」
「ううん、何でもない」
背後霊が見えた、などと言えるものか。
286異能(2):03/07/03 04:32
彼はいろいろ話し掛けてきたが、私は彼に憑く霊を見たくないので下を向いていた。
そして、しばらく沈黙がつづいたあとに、思いもよらなかった彼の言葉が。
「・・・冴子さんはいい人だと思う。だけど・・・どうも君は僕の事を見ていないような気がするんだ。何て言うか・・・そう、僕の顔を直視してない、って言うか・・・本当に、わがままだと思う。でも・・・」
聞き間違いだと信じたかった。涙が頬をつたう。

私が何か悪いことをした?
何の因果がこうさせているの?
望みもしない能力を備わせたのは誰?
この力のせいで私は彼に捨てられた。
これから、どんなに素敵な男性が現れても私はその人の霊を見てしまう。
そしてまた捨てられる。
なぜ霊が見える? どうして?
それは眼があるから。
眼を取れば霊が見えない。
眼を取れば・・・。

キッチンの床に、粘液のしたたるスプーンと眼球が。

(おわり)
>>286
それでも霊だけは見える予感w
>>287
うう、するどい!
実は続編があったんですが、ネタが割れたので没にします・゚・(ノД`)・゚・
289あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/08 19:03
なんかレスが消えてますね
290あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/08 19:03
昔々、あるところに一人の猟師がおりました。
その猟師は大柄で腕っ節が強く、猟師仲間からも一目置かれている存在でした。
狙う獲物も、熊や猪といった獰猛な獣ばかりで、俺には何も怖いものがないと
いつも口癖のように豪語していました。

ある時、その猟師はいつものように山へ狩りに出かけました。
ところが、どうしたことかその日は全く獲物を見つけることが出来ず、
あちこちと探し回っているうちに猟師は山の奥深くに入り込んでいきました。
そうこうするうちに日も傾き始め、猟師が空手で帰るという屈辱の気配を
間近に感じ始めたときのことです。
291あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/08 19:04
猟師は不意に便意を催して茂みに入ってしゃがんでいると、
茂みの向こうの地面にミミズがのたくっているのが見えました。
猟師が何の気なしにミミズを見ていると、どこからともなく大きな牛蛙が現れて
ミミズを呑み込んでしまいました。すると、それからいくらもしないうちに
奥の茂みから青大将がヌラリヌラリと這ってきて、その牛蛙をゴクリと丸呑みしてしまいました。
青大将はその場にとぐろを巻いて飲み込んだ牛蛙をじっくりと溶かしている様子でした。
その時、バサバサと音がして空から大きな鷲が舞い降りてきて鋭い鉤爪で青大将を掴み、
再び空へ舞い上がろうとしました。青大将は身をくねらせて激しく抵抗しました。
その攻防はしばらく続きましたが、胴体に食い込んだ鉤爪の間から夥しい血が流れ、
青大将は動かなくなりました。そうして鷲が今度こそ飛び立とうとした時、
横手から目にも止まらぬ速さで鷲に食らいついてきたものがありました。それは狐でした。
鷲は青大将に気を取られていて狐の気配に全く気づいていなかったようでした。
そしてそれが命取りでした。狐が動かなくなった鷲の身体を青大将ごと引きずっていこうとした時、
茂みの奥の木立の間からぬうっと黒い大きなものが現れました。狐は慌てて逃げようとしましたが、
鷲の鉤爪に足を切裂かれていて、走れずすぐに捕まってしまいました。
茂みに隠れていた猟師ははっとして銃を構えました。熊だ!熊が出た。
しかもこれまでにない大物だ。しかも向こうは食事に必死でこっちに気づいていない。
この間なら確実に仕留められる。猟師はそう思い、引き金に手をかけました。
しかしその時猟師の脳裏に奇妙な疑問が浮かびました。
「最初に見たときあそこにはミミズがいた。そして蛙が出てきてミミズを食った。その蛙も蛇に呑まれた。
 さらに蛇は鷲に殺され、鷲は狐にやられ、そして狐は熊に食われている・・・。もしここで俺が熊を撃
 ったら、俺はどうなるんだろう・・・」
猟師は急に怖くなり、銃を下ろしました。そして熊に気づかれないようにそうっとその場を離れ、
逃げるように山を下っていったということです。
また鯖落ちか・・・
293名無しさんのうしろのシートが・・・(1):03/07/08 22:11
男は営業担当として勤めていた会社が経営不振により
余儀なく退職するはめになった。
この時勢で再就職の難しさは痛感してはいたが
以外にも簡単に再就職先を見つけることができた。
都心から離れているが温泉の有る街のタクシーの運転手になることができた。


その日の夕方、女を駅前タクシー乗り場から乗せることになった。
その女の美しさはかなり印象に残った。
湯治客にしては手荷物が少ないのは気になったが、
女の指定する旅館まで送り届けた。

駅前に戻るとすっかり日も暮れていた。
そして、タクシー乗り場で待機していると一人の女が近づいて来たので、
後部座席のドアを開けてその女を乗せた。
男は振り向きざまハッと驚いた。
それはさっき旅館まで乗せた女と瓜二つだったからだ。
294名無しさんのうしろのシートが・・・(2):03/07/08 22:11
「○×旅館まで行ってください。」
女はさっきの女と同じ旅館に行くように指示した。
男は不気味な気分ではあったが指示された旅館の方角に車を出した。
途中男は女に尋ねた。
「さっき○×旅館まで乗せた方ですよね。」
女はしばらく間を空けてから男にやっと聞き取れるような小声で女は答えた。
「いいえ、別人です。」
男は気味悪くなったが、勇気を出してルームミラー越しに聞き返した。
「あなたの様な綺麗な方を見忘れる事はありません。」
「じゃ、双子の姉妹ですか?」
女はまた間を置いてから小声で答えた。
「いえ、双子じゃありません。」
男は一瞬背筋に冷たい物を感じたが次の言葉を聞いてホットした。
「とても仲の良い三つ子の姉妹だったんですよ。」


男はそれ以上会話せず女を旅館まで送り届けた。
295名無しさんのうしろのシートが・・・(3):03/07/08 22:12
終電の時間も過ぎていたが駅前に戻ってみるとタクシー乗り場で女が
待っているのが見えた。
タクシーのライトが当るとさっきの三つ子の美人姉妹の一人だと今度は
すぐにわかった。
男はタクシーを止めるとドアを開け女を乗せると○×旅館まで送っていった。

本日の仕事も終わり、家に帰った男は、
三つ子の美人姉妹の事を溜まっていた新聞で知ることになる。


その記事はこうだ、長女の婚約者を寝取った三女とそれを止めに入った
次女を刺殺し、妹二人を殺害した長女は今だ逃走中とのことだった。
296ちょっと長いよ:03/07/08 23:08
その少年は、非常に気が弱かった。
その煮え切らない態度はしばしば周りの人間をいらつかせ、
いつしかクラスではイジメの対象となっていた。

そして、学校恒例の集団宿泊がやって来た。
そこでもその少年は虐められ続け、
少年が所属した班の殆どの雑用をその少年一人が負っていた。
その班は、よりによって特に彼を虐めている少年達で固められていた。
なぜなら、事情を知らない先生は虐められている少年と
その虐めている少年達は特に仲が良いんだと思っていたから。
ノイローゼ一歩手前の少年にとっては地獄の編成だった。

もはや日々の習慣になりつつある虐めが続きながら、
あるイベントが起ころうとしていた。
それは、肝試し。
297ちょっと長いよ2:03/07/08 23:23
その集団宿泊に使われる島、
とくにその宿泊施設は、地元問わず利用者の間では噂が耐えなかった。
「必ず出る宿泊施設、船乗りの死が多い島」
実際に宿泊施設に到着した途端、
季節は真夏にも関わらず冬の北風の如き冷風が吹いてきて、
しばし生徒達は霊がやっぱり居るんだ、霊の仕業だと騒いでいた。

少年は他の生徒達以上に心騒いでいた。
彼はよりにもよって「見える」タイプの人間だったのだ。
煮え切らないおどおどした態度の真の理由はそれであった。
何処に行っても付きまとう人たち、目が合えばもの凄い勢いで向かってくる
「人でない」人たち。
まだ人の心が残っているのか、相談に乗ったりもしてくれる
「人でない」人たち。
しかし、彼はこの事は親以外には話していなかった。
ますます虐められる事は親に言われずとも目に見えていたから。

彼には既に見えていた。施設の窓から覗き込む無数の青白い、あるいは血まみれの顔。
それは自分を見て笑っていた。自分達の仲間入りでもさせようと言うのか。
彼は「他人にとっての」虚空を睨み付け、また虐めっ子達に絡まれていた。

…そんな少年にとって肝試しは地獄のイベント集大成であった。
面白半分に肝試しをしてろくな目に会うためしは無い。
霊は茶化される事を嫌い、激怒するから。
そんな事を思っていながら、ソレを口にも出せず肝試しへの強制参加が決まった少年の心の内は
イベントに心躍らせる人間達の中でただ一人暗い闇の中だった。
298ちょっと長いよ3:03/07/08 23:33
ところで、
その人ならざる存在は彼の通う学校にも居た。
友人達には見えない、学校に居る数人の「先輩」
彼の住む地域はもともと虐めが酷く、自殺した生徒も多いのだが、
それは一度たりとも表沙汰にはなっていない。
しかし、彼は「先輩」達を通じてその話を聞いていた。
…次は自分の番だよ先輩達。いつも彼はそう心の中で呟いていた。
「先輩」達は「希望を持て」と励ましてくれているというのに。

そして、ついに少年達だけの地獄の肝試し大会が始まってしまった。
「何か」を期待しているのか、「何か」に怯えているのか、
その少年を除いた彼らは興奮しつつ、ノルマである古井戸へと向かっていった。
「古井戸の水を汲んでくる」それがこの肝試しのノルマであった。
街灯も無い、暗くて湿気の高い、施設の裏の山の森。
それは確かに肝試しとしては十分過ぎるステージであった。
そしてその森は、その少年には他の少年以上に恐怖を与えていた。
「…居る。それも性質の悪いのが、いっぱい…」
霊にも種類がある。相談にも乗ってくれるような、まだ人としての心を残しているもの。
そして、生者への妄執しか残っていない、残留思念と呼んで差し支えないような
邪念の集合体のようなモノ。
その森を根城に、浮世に縋り付いていたのはまさに後者であった。
すでに人の形を覚えてさえいないものが多い事からも、
この森が筋金入りである事が少年には伺えた。
…早く楽になりたい…少年の心に巣食っていた絶望はここに来て更に色濃く牙を剥いた。
299ちょっと長いよ4:03/07/08 23:41
絶望に思考を支配されかけていた少年。
それはあるいは、生に縋る物達の差し金か…
しかし、それは唐突に途切れる事になった。
悲鳴が上がった。少年には聞き慣れた、少年達の悲鳴。
…「出た」のだ。出てしまったのだ。
噂に上る通りの霊。
特にその噂に上る中でも一番恐ろしいとされている、「落ち武者」の霊。
実体を持たないはずの、手に握られた刀は
逃げ惑う少年達の周りに生い茂る木々を切り倒していた。
「見えている」少年を除いた少年達は、完全に錯乱していた。
必死に逃げる少年達の中、「見えている」少年は
横を通り過ぎる少年達がまるで見えていないかのように立ち尽くしていた。
彼の思考は既にある言葉で支配されていた。
「これで楽になれるのかな」
唐突に現れた恐怖の集合体と思しき落ち武者は、彼の絶望の渡し舟となってしまっていた。

…が、ここに来て風向きが変わった。
ある一人の少年が、「見えている」少年を盾に叫んだ。
「お願いです。コイツをあげますから、俺達は助けてください!!」
その少年こそ、「見えている」少年を虐めている少年達の中心となっていた少年だった。

先程まで絶望に支配されていた筈の少年の思考に、
突如として黒い感情が芽生えていた。
絶望を通り越した少年の中に芽生えたそれは、突如として現実に姿を現した。
300ちょっと長いよ5:03/07/08 23:57
突っ立っている「見えている」少年に刀を振り下ろす落ち武者。
その場に居た誰もが、その少年の最後を確信した。
あろうことか、少年達の心の声は、「楽しみが減ったなぁ」という言葉であった。

しかし、「それ」は少年達の、いやその場に居た全ての存在の確信を裏切った。
刀は、棒立ちの少年の肩で止まっていた。斬れなかった。
人ならざる存在である落ち武者も、あまりの事に呻き声を上げ、動揺し始めた。
少年は刀を素手で受け止めていた。先程までと違う表情を顔に貼り付けて。
少年は笑っていた。背筋も凍らんほどの邪悪で壮絶な笑顔を浮かべていた。
そして、刀は少年に容易く奪われた。落ち武者の腕ごと、引きちぎられて。

既にこの世のものでない筈の落ち武者の腕からは血が噴出していた。
少年の青い服は血で染まっていた。
肘から先を失い、血を噴き出しながら慌てふためく落ち武者を見て、
少年は高笑いしていた。その恐ろしい笑顔とは不釣合いな高らかな少年らしき声で。

堪らず落ち武者は逃げ出した。ただの子供の筈の「それ」から。
しかし、その直後、落ち武者の足は切り落とされた。
自分の物であった刀に。奪われた刀に。
再び真紅の血を撒き散らしながら形容しがたい声で泣き喚く落ち武者。
その様を見て再び笑い転げ、さらに落ち武者を切り刻み続ける少年。
もはやどちらが化生の物か分からない、壮絶な様相であった。
彼を虐めていた少年達は、腰が抜けて逃げる事も出来ず、
延々とそのスプラッタ映画も真っ青な光景をまざまざと見せ付けられる羽目となった。

落ち武者の最後はあっけなかった。
もはや肉塊となった落ち武者の体から出てきた、
真っ青な心臓に似た器官に少年が刀を突き立てると、
その肉塊は霧となり、あっという間に消え失せていった。
ただし少年の青い服に、血の跡という「現実の出来事であった」証拠を
まざまざと残して。
301ちょっと長いよ6:03/07/09 00:06
その後、少年は直ぐに着替え、
風呂に入りなおし、先生に怒られていた。
ただし、いつもなら直ぐに虐められるネタになるはずのその出来事も、
少年達は触れようともしなかった。
少年は先程までの凶行が嘘のようにおどおどとしたいつもの挙動に戻っていたが、
少年のバッグに残る生臭い匂いが、彼らの心に恐怖を与え続けていた。
結局、集団宿泊が終わっても少年達は一切「見えている」少年に
関わろうとはしなかった。

そして数日後、意を決して少年達の中心人物だった少年が
「見えている」少年に話しかけた。

「お前、あの時の事覚えてるか?」

他の、「あの場」に居あわせた少年達はその瞬間固まっていた。
だが、もっとも聞きたい事実でもあった。
アレが何かにとり憑かれていただけならば、寧ろ恐れる要因は減ると言う物。
だが…少年の口から発せられた言葉は
彼らのある意味期待通り、ある意味期待を裏切るモノだった。

「俺、追い詰められると何するかワカラネェから気をつけてよ」
表情は途端にあの時の邪悪な表情に戻っていた。
あれは彼自身の意思だった…!!少年達は戦慄した。

実は彼は、あまりの精神的なショックから精神障害を起こしていた。
ある意味もっとも厄介な精神障害「多重人格症候群」を。
そしてその人格は、とてつもない凶暴性を秘めていた。

ある日、少年達はある噂を聞いた。
「見える」少年が不良とトラブルを起こしたという。
やはりその弱気な彼に目をつけた通りすがりの不良が
彼に絡んだところ、「あの」表情になった彼が
車が通っている最中の道路に蹴飛ばしたというのだ。
車にはねられ苦痛にもがいている不良を一瞥すると、
彼はこう言い放ったという。
「何イキナリ飛び出してんだよ。馬鹿じゃねぇの?」
その不良は恐ろしくて警察に言うことすら出来なかったという。

しかし、基本的にその少年の身に危険が降りかからない限り
その人格は現れないらしく、
数ヶ月少年の様子を見ていた少年達はようやく安心を取り戻していた。
既に、少年を虐めようという気持ちは微塵も残っていなかった。

そして、ある日、体育の授業が終わり少年達が倉庫にボールを片付けに行ったとき、
突然「見える」少年は倉庫の鍵を閉め、自分諸共少年達を閉じ込めた。
少年達が身構える中、少年は静かに口を開いた。
「まぁ、何だ。お前らの肝試しのお陰で俺は生まれた訳なんだよ。
お礼をしなくちゃならねぇよな…今までもう一人の俺にしてくれた事含めて。
ホームルームの心配はしなくて良いぜ。出る必要無くなったからな。
クラブで最初に倉庫に来た奴の反応が見ものだなぁ…真っ赤な倉庫になってるんだもんな」
[Hなシステム]
Y氏は有名大学を優秀な成績で卒業後、大手商社に勤めていた。
英語が得意だった彼の担当は輸入機器の営業担当ではあったが、
人付き合いがあまり得意でない彼の成績は部内でも最下位争いに
毎回名前が上がる。

ある日、勤め先の経営不振により大規模なリストラ策の噂を聞いた。
Y氏は自分もリストラ候補に入っているだろうと気にかけ何時上司に
呼び出されるかビクビクしながら日々を送っていた。

数日後、Y氏は誰かに見られているような視線が気になった。
それは、出勤途中、会社の中、家に帰るまで続いていた。
自宅に帰るとその視線が気になり部屋の窓から表を覗いて見ると
道を挟んだ向かいの電柱に黒服の男がまるで刑事ドラマの
張り込みをしているかの様にこちらを見上げていた。
Y氏は気味が悪くなり慌ててカーテンを閉じた。
Y氏は警察へ不審者がいると通報したが、警官が到着するころには
黒服の男は立ち去っていた。

翌朝カーテンの隙間から表を覗くとまた黒服の男はそこに立っている。
Y氏は気味が悪くなりその日は会社を休むことにした。
次の日も、そのまた次の日も黒服の男はそこにたっており警察に通報
しても警官の来るころには姿を消している。
ただY氏を監視しているのは明らかに分かった。
Y氏は不気味な黒服の男の恐怖から外出ができなくなっていた。
そして欠勤が続いた。

Y氏は今の状況を誰かに相談したいと思っていたが打ち明けられる様な
友達は居なかった。だが唯一愚痴をこぼせる場所があった。
それはネット上の某掲示板だった。

Y氏は今の心境や状況を某掲示板に書き込むと真剣に返信してくれる者、
客観的に評論する者、冷やかす者、中には無関係なアスキーアートで
茶化す者が書き込みをしてくれた。
Y氏は解決になら無くても気はまぎれ、起きてから寝るまで某掲示板に
没頭していった...
某ソフト会社
H氏の率いるチームの成果を発表する機会を得た。
H氏は役員に向けてプレゼンし始めた。
H氏:
「これは今までにない画期的なコスト削減システムです。
リストラ対象者に解雇を言い渡すには、人事の担当者も気分は良く無い
ものです。この製品を利用することによって自主退職を促しスムーズに
リストラを実現することができ、保証金を支払うことも無くなり企業の
負担を大幅に抑えることに成功しました...。」

役員達はH氏の画期的なシステムに関心し製品化することを承諾した。

H氏は役員承認を得たことを報告の為にチームメンバーを集めた。
H氏:
「まだ多少バグはあるが今回のシステムが製品化されることが決定した
これも皆の努力によるものですご苦労様でした。
開発チームは引き続きブラッシュアップをお願いします。調査チームは
今の作業を終了して今度は市場調査の方をお願いします。」
調査チームメンバー:
「試用版の回収と被験者達の観察はどうしましょうか?」
H氏:
「試用版はそのうち折を見て回収しましょう。被験者のサンプリングは
揃ったので観察は終了して下さい。ご苦労様でした。」
と最後に労いの言葉を付け加えた。
H氏のそのシステムは、一人の発言に対して会話をする感覚で複数の
色々な返答をするという物だった。

発言に対して真剣に返信するプログラム
客観的に評論するプログラム
冷やかすプログラム
中には無関係なアスキーアートの茶化すプログラムまでも組み込まれて
いるらしい。
それはまるで多人数参加型の某掲示板のようだった。
星先生に捧ぐ...
く、黒服の男は??
309あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/09 23:18
あげとく
310303です:03/07/10 03:35
>>308
黒服の男=調査チームのメンバーもしくは、調査チームが雇った興信所の男辺りとして解釈して下さい。

裏設定までしてませんでした。
新しくはじめていいですか?
312あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/11 23:19
えーと
どうぞー
某自動車会社が車間距離を自動で感知するセンサーを搭載した車を発売
したの知ってる?
あの企業よりも数年前からその手のセンサーの開発を行っていた
業界トップの某企業が開発したセンサーはそれよりも数段優れていて車間距離
の感知の他に夜間の歩行者の位置や死角になっている横断中の歩行者も
感知することができたらしい。ただそれは発売されなかったんだって...

センサーが過敏反応しちゃうんだって...
過去に交通事故があった現場等で「横断者が居ます注意して下さい。」って...
315頂きます:03/07/13 20:08
>>314
都市伝説を作って広めるスレに頂き
投下して寝ます。またもや推敲は無し。
「ね、お兄さん。口でしてあげよっか。二千円。どう?」
 会社の帰り道。声に振り返ると、魅惑的な目付きの妙齢の女性が、胸の前で腕を組んで立っていた。
 小さくすっと滑らかなラインの卵形の顔には、大きめの瞳と通った鼻筋、
男受けしそうな肉厚の唇が絶妙なバランスで配置されている。
 うっすらと施された化粧が、なお整った面立ちを引き立たせている。
 スタイルも申し分無い。
 体にぴったりフィットした淡いブルーのワンピースに、凹凸が強調された身体のラインがくっきりと浮かび上がり、細い足がすらりと伸びている。
 頭から爪先までけちの付けようの無い、完璧なルックスだ。
「お店とか行ったら、もっと取られるよお金。だったらさ……どう、あたしと」
 語尾は囁き声になっていた。それがまた、背筋が粟立つように艶かしい。
 あれやこれやと考える前に、俺は財布を取り出し、彼女に千円札を二枚握らせていた。
「オッケー。じゃあ、こっち。来て」
 金をブランド物の革製ハンドバッグに仕舞うと、彼女は私をビルの谷間の細い路地へと誘導した。
 袋小路へ来ると女は振り返り、再び魅惑的なハスキーボイスで囁いた。
「じゃ……下、脱いで」
 言われるがままに俺はズボンとパンツをずり下ろし、女の目前でペニスを晒した。
 早くも隆々と勃起しているのが、妙に気恥ずかしかった。
 彼女は跪くと、消毒もそこそこに俺のペニス全体をくまなくなぞる様にして丹念に舌で舐め回した。
 唾液でてらてらと光るペニスの上を這いずり回る彼女の赤い舌が、途方も無く猥褻に見えた。
 じっくりと舐め回すと、彼女は俺のペニスを一気に喉の奥の方まで捩じ込んだ。
 唇、舌、咥内の粘膜。
 それらを駆使し、かつ吸い付きながら、彼女は最初はゆっくりと、やがて徐々に速度を上げながら前後に頭をグラインドした。
 上手い。これまでの女の中でも、極上のテクニックだ。
 じゅぱじゅぱと、卑猥な音がコンクリートの壁に反響する。
 時折頭の動きを止め、亀頭の先端を舌で舐め回す。脳髄まで溶けてしまいそうな快感だ。
「ふひおあかえ、あひへいいはあえ」
 ペニスを咥え込んだまま喋っていたので、よく聞き取れなかった。
「口の中で、出していいからね」
 一旦咥内からペニスを引き抜くと彼女は言い直し、再び作業へと戻った。
 喉を鳴らしながら、彼女は俺を快楽の高みへと誘っている。
 頭の前後運動も、さらに速くなった。もう限界だ。これ以上、耐えられそうに無い。
 睾丸の辺りにこみ上げる物を感じ、そのまま俺は肉体の赴くままに彼女の咥内で射精した。
 びくんびくんと腰を震わせ精液を吐き出し続ける俺のペニスを、
彼女は最後の一滴が出尽くすまで咥え続けていた。
 いや、快楽の波が遠ざかった後もなお、ペニスは彼女の口の中にあった。
 放出された精液を、彼女はワインを味わうかのように咥内で転がしていたのだ。
 やがて、小さく肯くと彼女はようやく口を離し、コンクリートの壁に唾液と精液の混合液体を吐き出した。
 白濁色の液体と一緒に、小さなカプセルが吐き出されるのを俺は見逃さなかった。
 薬にしては妙に大きい。何だ、アレは?
 ハンドバッグから取り出した、ペットボトル入りの烏龍茶でうがいをする彼女に、
俺はズホンを穿きながら何気なくカプセルについて尋ねてみた。
「あぁ、これ? うん、実はね、あたし男を探してるの」
 烏龍茶を地面に吐き捨て、ハンカチで口を拭きながら彼女は答えた。男?
「そう、昔ね、あたしをレイプした男」
 あっけらかんとした口調と会話の内容のギャップに、俺は少々戸惑った。
「十八の頃だったかなあ、道歩いてたらね、いきなり襲われちゃってさ。
 こんな風な細い路地に連れ込まれて無理矢理。て、レイプなんだから無理矢理なのは当たり前か、あはは。
 でね、恥ずかしかったけど、その時付き合ってた彼氏と、あと家族にこの事言ったんだ。そしたらね、どうなったと思う?」
 答えあぐねていると、彼女は左手首を俺の眼前に差し出した。表面には、数本の傷跡が付いていた。
「彼氏にね、捨てられたの。ショックでかかったんだろうなあ。あたしも勿論ショックだったけどさ。
 でね、追い討ちをかけるようにさ、親からこの家を出ろ、て。
 結構名門だからさ、あたしん家。そういう事が世間に知られると、何かと都合が悪かったんだろうね」
 手首をさすりながら、彼女は続けた。
「家を出たその夜にさ、誰もいない駅のホームで手首切ったの。
 血が一杯出てさ、ああこれで死ぬんだ、て思ったら意識が遠のいて。
 ……気が付いたらさ、病院のベッドで寝てた。たまたま通りかかった人が救急車呼んだみたいでさ。
 なぁんか知らないけど助かっちゃったの。助かりたくなかったんだけどね」
 で、家に引き戻された?
「まさか。両親はとっくに死にましたから、て嘘こいて、次の朝には病院飛び出してた。
 でね、その時決心したの。あたしの人生メチャクチャにしたあの男に復讐してやる、て」
 地面に落ちていたカプセルを彼女は拾い上げた。
「レイプされた時ね、アイツしつこい位にあたしにチンチン舐めさせたの。
 舌を使え、だのもっと深く咥えろ、だのさ。AVの観過ぎだよ絶対。
 しかもさ、いざ挿れたら十分もしないうちに出そうになったみたいで、
 アソコからチンチン抜いてあたしの口に咥えさせて、全部飲め、て無理矢理口内射精。
 もう凄い量。溜めすぎだよお前って感じ」
 顔は見たのか? と質問してみた。
「それがさあ、そいつストッキング被ってて。
 しかも暗かったから、碌に顔も見られなかったんだ。
 だから、あたしはその場で覚えておいたの。
 アイツのチンチンの形も、大きさも、ザーメンの味も」
 一旦言葉を区切り、彼女は俺の目の前にカプセルをかざした。
 至近距離で見て、ようやく俺はカプセルがガラス製であることに気付いた。
「これさ、よく見て。中に仕切りがあるじゃん。
 こっちには硝酸、こっちにはトリカブトの毒が入ってるの。
 噛み砕けばガラスのカプセルから流れ出して……」
 硝酸が陰茎を腐食させ、トリカブトの毒が傷口から入り込んで、全身に行き渡る、という寸法だ。
 恐ろしい発想をするものだ。
「プレイの最中はね、これを含んでるの。いっつも……あ、恐くなった?
 大丈夫だって、ちゃんと噛み砕かないように注意してるからさ。現に何も無かったでしょ?」
 もしかして、こんな仕事やってるのも……。
「そ。あの男を見つけてこれで仕留めるの。これがあたしの復讐。
 え、あたし? あはは、死んじゃうかもねこんなん口の中に入ったらさ。
 けど、それはいいんだよ。だってあたしはアイツの息の根を止めるためだけに生きてるんだもん。
 他に何も要らないよ。
 絶対探し出してこの手で恨み晴らしてやるんだから。
 絶対そいつの咥えたら判るよ。
 だってあたし、あの時アイツのチンチンを恥ずかしさと悔しさと
 怒りと恐怖と絶望にまみれながら舐め尽したんだから」
 最後の方は、まるで独り言のような低く沈んだ口調で、俺と会話をしている事すら忘れているように思えた。
 豹変した彼女の様子に背筋が寒くなるような恐怖を覚え、そそくさと俺はその場を立ち去った。
 俺は次の日、会社でちらっと前日の晩の事を同僚に話した。
「ああ、鬼テクの美人だろ? 訊いたことある、俺の仲間がしゃぶってもらったって。
 いいよなあ、俺も世話になりてえよ」
 どうやら、復讐についての話は聞いていない様子だった。
 無論、俺はその事について言及はしなかったが。

 それ以来、彼女の姿を見掛ける事は無い。
 彼女は今も夜の町を彷徨い、道行く男に声を掛けているのだろうか。
 それとも、既に復讐を終えてこの世から姿を消しているのだろうか。
 今でもふと気付くと、俺は夜の雑踏の中に彼女の姿を探している。 
読み直して気付いた。


「怖い話」じゃねえなコレ。


ではおやすみなさいです。
つーか、書いてるときに気付けよw
325あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/15 09:06
しゃ〜ないから復帰あげ〜
326山崎 渉:03/07/15 09:08

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄
327中腹永逝銃弾:03/07/15 22:18
ふふふ ふふふふ ふふふ・・・
328貴方の後ろに…:03/07/15 23:12

     や・なり 【家鳴り・屋鳴り】

  家が音を立てること。
  特に木造建築物に多い。
  昼と夜との気温・湿度差で、木材が収縮し擦れて音を立てる。
329貴方の後ろに…:03/07/15 23:12

 …ねぇ、お母さん。
 なあに?
 ヘンな音がするよ。
 変な音?
 うん。パキンって音。
 えぇ? どこで?
 うーんと…、あ、ほら。
 あぁ。本当だ。
 …怖い…。
 大丈夫よ。これはね、家鳴りっていうの。
 やなり?
 そう。お家を造ってる木が、軋んで音を出してるの。
 ふうん。

 じゃあ天上にいる白いお婆さんは、何をしているの?
330貴方の後ろに…:03/07/15 23:25

家鳴り  もう一話
331貴方の後ろに…:03/07/15 23:25
耳鳴りがする時、私の友人はよく
「近くに幽霊が来たよ」
と言う。

耳鳴りは周囲の気圧が変化した時になる現象。
そして幽霊の周りは気圧が違うから
自分の近くに幽霊がいると、耳鳴りが起こる。

…という、本当のことなのか
分かるような分からないような説明をしてくれた。
332貴方の後ろに…:03/07/15 23:26
友人は冗談交じりなのだろうが、
ソレはあながち嘘ではないと、私は思っている。

なぜなら、部屋で一人でいるとき
ふと耳鳴りが始まった時は必ず家鳴りがする。
パキンパキンと。

そしてミシリという何かが這うような音が気になり、
そちらに視線を向ければ……


                            貴方は何を見た?
これにて 終了
寝るべし

ちなみに自分の部屋では、就寝前頃に
家鳴りと共に本棚だけが揺れます。ビバ・ポルターガイスト
つか、前回を忘れた頃に揺れるのはなんでだ。
寂しいのか。
       〜序章1〜


【秘密】

(名・形動)[文]ナリ
(1)隠して人に知らせないこと。公開しないこと。また、その事柄。
「―にする」「―がもれる」「企業―」
(2)人に知られないようにこっそりすること。




今回はある街の七不思議の一つでもある、ある街で語り継がれている
呪いの体験を語る。

決して他人に漏らしてはならぬ、ある秘密を教えよう。
ここにある一冊の名もない古い「日記」がある。

誰が書いたものなのか、いつのものなのかは不明である。
ボロボロに朽ち果てた日記の表紙には、書き殴ったように「D」と記されているだけ。
朽ち果てた日記の古さからみて、おそらく書いた本人はもうこの世にはいないだろう。

しかしこの「日記」には、実は恐ろしい呪いがこめられているという噂だ。
それは奇妙なことに、13ページ目以降からはただの白紙である。
持ち主がそれ以降書くのが面倒くさくなったのか、それとも
何らかの理由で書けなくなったのか。

ともかくこの日記は12ページまでしか書かれていない。



だがこの日記は「ある条件」を満たすと、13ページ目が読めるそうだ。



それは決して読んではならない呪いのページとして語り継がれていた。
どうやら13ページ目に、この日記の持ち主の「秘密」があると判断してもよさそうだ。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 〜序章2〜


しかし呪いのページと呼ばれているからには、読んだ者が無事では済みそうもない。
秘密の13ページ目を読んだ人間はどうなるのか?
貞子が出てくるとでも言うのか?
一週間後に死を宣告されるとでも?


とりあえずそれを説明する前に、はっきりとしたことが一つだけある。
それは過去に13ページ目を読んだ者がいるということ。
なぜなら読んだ者がいるからこそ、その日記に呪いがあると噂されているからだ。

ではその読む条件とは?

それは非常に簡単な方法である。
誰でも手軽に用意でき、誰でも読むことができる。



「午前02:00分に13ページ目を開く」「13ページ目を鏡に写して読むようにする」



たったこの二つの条件を満たせば、13ページ目が読めるそうだ。
非常に下らない。かつ、いかにも疑わしい条件である。
なぜ午前02:00でないといけないのか。
なぜページを鏡に写さなければならないのか。
表紙に記されている「D」とはいったい何の意味なのか。



しかし人はたったこれだけの陳腐な伝説が存在するだけで、すぐに飛びつくもの。
見てはならない、読んではならない、と言われれば言われるほど
人はどうしても読みたくなるもの。
他人の秘密ほど興味深いものはない、すでにこの世にいない人間の日記ならなおさらである。
遊びのネタや話のネタには充分である。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 〜序章3〜


のちほどお見せする「Dの日記」、良ければ皆さんにも読んでもらいたい。
勇気のある人なら、秘密の13ページ目を読むことができるだろう。

ただしくれぐれも守ってもらいたい注意点が一つだけある。
これだけは厳守してもらいたい。




秘密の13ページ目の内容を、「決して他人に漏らしてはならない」。




これを破ると、あなたは必ず「Dの呪い」がかかります。

ゆえに口が軽い方にはこの日記はおすすめしない。
何しろ一言でも13ページ目の内容を他人に漏らせば、即「Dの呪い」がかかる。

しかしだからといって恐れる必要は何もない。
以上の注意点だけを守れば、あなたの身の安全は保障する。
読んだだけでは呪いなどかかることはない。
要はそれを他人に漏らさなければいいだけのこと。

「秘密」さえ守れば何も起こらないのだ。

13ページ目に何が書かれていたのか、それさえ誰にも教えなければ良いのである。
それだけで他人の秘密がこっそりと覗けるのだ。
ゆえに安心してDの日記を読んでいただきたい。


ちなみに秘密を破ると、どういうことになるのか教えよう。
これが「Dの呪い」である。



  ‘口を割ったら あなたは 背骨が逆に折れ 
          えびぞりのまま 冷蔵庫の中に 押し込まれる’



ではこれから話すある二人の高校生とともに、「Dの日記」を読んでいこう。
見えない13ページ目の秘密を探ってみよう。



これは ある街での ある噂から始った ある呪いの実体験である。

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         Dの日記





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      Dの日記    PAGE1


S市 S高等学校 3年1組
午前08:30


あゆみ「おはよー、四郎。」

青木「あ、おはよう。あゆみ。」
あゆみ「ねぇねぇ、すっごい面白いこと教えてあげよっか。これ絶対秘密よ。」
青木「どうせくだらないことだろ。誰かと誰かが実は付き合ってたとか・・・」

あゆみ「あ、なんだ知ってたの。」

青木「お前さ、あんま他人の秘密を嗅ぎまわるのやめたほうがいいぞ。」
あゆみ「なんでよー、あんただって面白がって聞くくせに。」
青木「あーそうだ。それからな、俺たちあんまなれなれしく会話すんのやめないか。」

あゆみ「なんでよー。」

青木「いくら従妹だからってなぁ・・・。だいたいお前違うクラスだろ。」
あゆみ「いいじゃんそんなの。別に付き合ってるわけじゃないし。」

青木「当たり前だろ、俺たちはいとこだぞ。イトコ。」


あゆみ「わかってるわよ。・・・あーもうどうして男ってこういうどうでもいいことを
    気にするのかなー。」
青木「悪かったな、男ってのは女と違って男女関係を妙に意識するとこがあるんだよ。」

あゆみ「はいはい、わかったわよ。でさ、とびっきり面白いネタがまだあるのよ。」
青木「話聞いてないだろ、お前。」
あゆみ「いいから聞いて、これすっごいとびっきりのネタ。」

青木「お前に彼氏ができたとか?」
あゆみ「違うわよ!いーから黙って聞きなさい。」
青木「わかったよ。・・・で、何の話だ。」


あゆみ「あんたDの日記って知ってる?」

青木「?なんだそれ?Dの食卓なら知ってるが。」
あゆみ「それはゲームでしょ!あたしが言ってるのはDの日記。」

青木「知らないな、いったい何だよ。」
あゆみ「呪いの13ページ目。オカルト好きのあんたでも、さすがにこれは知らないでしょ。」

青木「だから知らないっての、それが何だよ?」


あゆみ「実はさ、ゆうべインターネット覗いてたらあるサイトで・・・」


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      Dの日記    PAGE2


青木四郎(アオキシロー)17歳

S高等学校3年生。
オカルト好きという変わった趣味を持っている。
しかし見た目はごく普通の少年である。


柴田あゆみ(シバタアユミ)17歳

同じくS高等学校3年生。
クラスは違うが、主人公の青木とは従妹にあたる。
好奇心旺盛、うわさ話好きの現代っ子である。

この日、あゆみが青木のもとへ何か面白いネタを持ってきたようだ。
先ほど話した「Dの日記」である。
インターネットのあるサイトで、その日記のことが紹介されていたらしい。
.

あゆみはこの日記に対して、非常に興味がそそられたのだろう。
さっそく幼なじみの従兄の青木にそれを知らせに来たのだった。

あゆみがゆうべ見たそのサイトの説明によると、どうやらその日記は
この街の郊外にある廃屋になった屋敷に存在するようだ。

ここまで説明すれば、次の展開は予想がつくはず。
あゆみは青木にその日記を読みに行こうと誘ったのである。


呪いのページの秘密を探りに・・・


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      Dの日記    PAGE3


青木「何だか疑わしいな、呪いのページなんて。」

あゆみ「今日学校終わったらその廃屋の屋敷に行かない?あんたもDの日記
    読みたいでしょ?」
青木「めんどくせーよ、俺今日観たいテレビがあるんだよ。」
あゆみ「あれ?あんた怖いの?」

青木「別にこわかねーよ。」

あゆみ「じゃいこ、決まり。」
青木「お前なぁ・・・」

あゆみ「放課後に校門前でね、じゃあね!」

青木「おい待てよあゆみ!俺は・・・」


あゆみは自分のクラスへ帰っていった。


青木「ったく、しょうがないなー。」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

放課後 校門前
午後15:40


あゆみ「遅かったわね四郎、何してたのよ。」

青木「悪い悪い、掃除当番だったのすっかり忘れてた。」
あゆみ「じゃ、行くわよ。」
青木「まじで行くのか・・・。お前一人で行けば?」

あゆみ「何あんた、女の子一人で廃屋の屋敷へ行かせようっての?」
青木「あーあーわかったよ、行くよ。行けばいいんだろ。」

あゆみ「屋敷は郊外だからバスで行ったほうがいいわね、一度駅までいこ。」
青木「どうでもいいけどお前、ちゃんと屋敷の場所知ってんだろうな。」

あゆみ「知ってるわよ、ちゃんとサイトで調べたんだから。えーと、F町210-○×よ。
    そこの山道に今は誰も住んでいない屋敷があるの。」

青木「しかしこの街の郊外にそんな廃屋の屋敷があったなんて・・・」

あゆみ「さ、行こうよ。四郎。」
青木「あぁ。」


青木とあゆみはとりあえずこの街のS駅へ向かい、バスで郊外へ出向くことにした。


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      Dの日記    PAGE4


S駅東口前 バスターミナル


青木とあゆみは、駅前のバスターミナルにてF町郊外方面のバスを待っていた。


青木「なぁ、あゆみ。」

あゆみ「なに?」
青木「その日記についてはだいたい分かったけど、過去に読んだ人とかいるのか?」
あゆみ「いい質問ね、実はいるみたいなのよ。知りたい?」
青木「別に。」

あゆみ「ウソばっか言うんじゃないわよ、知りたいから聞いたんでしょっ。」
青木「お前がいちいちじらすから・・・」

あゆみ「まったく・・・。えぇとね、過去にDの日記を読んだと思われる人物が
    一年ほど前に新聞に載ってたらしいのよ。」
青木「ほぅ。なぜ記事になるんだ?」
あゆみ「実はその人、自宅で変死体になって発見されたみたいなの。」

青木「ふぅん・・・。」


あゆみ「その人、おそらく秘密の13ページ目を見たらしいわね。そしてそれを電話で
    友達に話しちゃったらしいの。」
青木「それで?」
あゆみ「そのとたんにDの呪いがかかったのよ!母親がその夜、冷蔵庫を開けたら・・」

青木「開けたら?」


あゆみ「その人、背骨が逆に折れてえびぞりの状態で冷蔵庫に押し込められてたんだって!」


青木「・・・・・・・」

あゆみ「どう?どう?怖くない?」
青木「別に何も。」
あゆみ「もー、怖いなら怖いと言いなさいよー。」

青木「だって怖くねーもん。」


あゆみ「ふん。とにかくその13ページ目を見た人、背骨どころか腕や足もまるで
    折り紙のようにばきばきに折れ曲がってたんだってさー。」
青木「・・・それがDの呪いってわけか。」

あゆみ「うん、そうだと思う。」
青木「それで電話で聞いた友達のほうはどうなったんだ?やっぱその人も
   呪いにかかったのか?」
あゆみ「いやそれがね、聞いた友達のほうは次の日何も覚えてなかったんだって。」
青木「えぇ?」

あゆみ「ここがまた不思議よね、どうして秘密を聞いたほうは何も起こらず
    記憶だけがなくなってるんだろ。」

青木「呪いがかかるのはあくまで秘密を漏らした人間だけってことか・・・。」
あゆみ「そうみたいね、何だか不気味よねー。」

青木「ところで何で冷蔵庫なんかに・・・」
あゆみ「あ、ちょっと待って。バス来たみたいよ。」

青木「おっと、じゃあとりあえず乗るか。」


青木とあゆみはバスに乗り込んだ。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
      Dの日記    PAGE5


バス内


青木とあゆみはバスの後ろほうの空いてる座席に座った。



青木「なぁあゆみ、それで冷蔵庫の件だけど・・・」

あゆみ「どうして冷蔵庫なんかにってこと?」
青木「あぁ。」
あゆみ「知らない、日記を読めばわかるんじゃない?」

青木「何?お前その日記を紹介されてるサイト見たんだろ?」

あゆみ「日記の内容までは紹介されてなかったのよ、13ページ目の読み方とか
    読んだあとの注意や警告までは載ってたけど。」

青木「午前02:00に鏡に写して読むってやつか。」
あゆみ「そう、それ。」

青木「どうも謎が多すぎるな、どうして午前02:00じゃないといけないんだ?」
あゆみ「さぁ・・・あたしもわからない。どうして鏡なんかに写さなきゃ・・・」

青木「そして秘密を漏らした人物は、背骨が逆に折れてえびぞりの状態で
   冷蔵庫に押し込まれる。か・・・。」

あゆみ「いったい13ページ目には何が書かれてるんだろうね。」


青木「うん、少し興味がわいてきたな。」


それから30分後、バスは郊外のF町に着いた。


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      Dの日記    PAGE6


S市 郊外 F町210-○×
廃屋の屋敷前にて


青木「この屋敷か?」

あゆみ「住所ではそうみたいね、間違いないよ。」
青木「じゃ行くか。」
あゆみ「ちょちょっと待って・・・マジで入るの?」

青木「お前が誘ったんだろうが、ここまで来て屋敷に入らないってのかよ。」
あゆみ「わ、わかってるわよ・・・」


あゆみは青木にぴったりとくっつくように歩き出した。


青木「・・・(なんだこいつ、自分が一番怖いんじゃねえか・・・)」


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屋敷内 一階ロビー


青木「うわ、すごい朽ち果ててるなー。」

あゆみ「住まなくなってからだいぶ経つんだね、階段なんかボロボロだよ。
    これ二階に上がれるのかな・・・」
青木「で、肝心の日記はどこなんだ?」
あゆみ「この屋敷のどこかだと思うけど・・・」

青木「んじゃ俺は二階を調べるよ、あゆみは一階。」
あゆみ「え?二人で一緒に調べるんじゃないの?」

青木「分担したほうがいいだろ、そのほうが早く見つかる。」
あゆみ「ま、待ってよ。あたしも一緒に二階調べるわよ。」
青木「ははは、一人じゃ怖いんだろ。」

あゆみ「違うわよ!」



それから青木とあゆみは二階の部屋を隅から隅まで調べた。

だが意外にも「Dの日記」はすぐに見つかった。

それは、ある寝室の書斎の引き出しの中にあった。

   

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      Dの日記    PAGE7


二階 寝室



そこは寝室にしてはわりと広い部屋だった。
フローリングの上にはりっぱなグランドピアノが置いてあり、
大きなベッドが一つ置いてあった。

もちろんピアノもベッドもボロボロに朽ち果てている。

二人は部屋の隅にある書斎の引き出しから「Dの日記」を発見した。




青木「おいあゆみ、まさかこれ・・・?」

あゆみ「そ、そうみたいね。」
青木「これがDの日記か・・・・。」

あゆみ「・・・・・・・」



その日記はボロボロに朽ち果てており、表紙に「D」とだけ記されているだけだった。
ページをめくれば、今にも破れそうなほど色あせていた。




青木「よし。この日記は持って帰るとして、とりあえず・・・・ん?
   おいあゆみ、何してんだ?」

あゆみ「ね、ねぇ四郎。これ見てよ。」
青木「どうした?」



あゆみは書斎の上に飾ってあった写真立てに気づいた。
そこにはいかにもお嬢様風の少女の写真が入っていた。

年齢は青木たちと同じくらいの年頃だろうか。
着ている服はいかにも高価そうな洋服だ。
どことなく気品も漂わせるような少女だった。

だが一つ奇妙な箇所がある。


写真の少女の顔がマジックで塗りつぶされている・・・



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      Dの日記    PAGE8


青木「女の子の写真か・・・・。かなり昔のものだな、当たり前だけど。」

あゆみ「誰だろうね。っていうかなんで顔がマジックで塗りつぶされてんの・・」

青木「さぁな、ここにあるものは全部ボロボロに朽ち果てている。
   いつのものなのか、誰が住んでいたのかさっぱり分からないよ。」
あゆみ「うん・・・」

青木「おいあゆみ。見ろよこのピアノ、これ音出るのかな。」


青木はグランドピアノの前に立ち、ピアノを弾こうとした。


あゆみ「ちょ、ちょっと四郎。やめなさいよ・・・」
青木「大丈夫だって、これはただのピアノだよ。」


青木はピアノの鍵盤を一つだけ叩いた。

ポロ〜ン♪


青木「あ、一応音でるみたいだな。しかしすげえ古い音だ・・・」
あゆみ「あんたピアノなんか弾けないでしょ。早く帰ろうよ。」

青木「ちょっと待て、なんかこれ弦が一本切れてるみたいだぞ。」
あゆみ「そりゃそうでしょ、それだけ古いんだから。」

青木「まぁそうだが・・・」
あゆみ「ねぇ早く出ようよ、なんかここにいるとイヤな感じ・・・」

青木「待てよ、日記を読むんじゃなかったのか。」
あゆみ「えぇ?ここで?」
青木「13ページ目を読まなければいいんだろ?だいいち今はまだ夕方の5時だぞ。
   午前02:00じゃないから大丈夫だよ。」

あゆみ「そ、そりゃそうだけど・・・」

青木「なんだよ、お前のほうから言い出したんだぞ。さぁ読もうぜ。」
あゆみ「う、うん・・・。」


青木はベッドの上に座り、「Dの日記」をヒザの上に置いた。

      Dの日記    PAGE9


青木「あゆみ、ここ座れよ。」
あゆみ「わ、わかってるわよ。」

青木「・・・おい、あんまりくっつくなよ。ページが開きにくいじゃんか。」
あゆみ「う、うるさいわね。早くページめくってよ。」

青木「今めくるよ。さぁ見るぞ・・・・。」

あゆみ「ごくっ・・・・」



ついに二人は「Dの日記」を読み始めた。


この日記には何が書かれているのか。


少しずつこの秘密を探ってみよう。


意味不明な文が書かれているかもしれないが、全部読めば何かわかるはず。





「D」とは何なのか?人の名前なのか?


午前02:00の謎は?なぜ鏡が必要なのか?



とりあえず、まずは1ページ〜12ページまでお見せしよう。



これは呪いの序章である、ゆえに安心してご覧ください。



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 Dの日記    PAGE10

   
    【Dの日記】


http://amfh.hp.infoseek.co.jp/aaa/senk/org-b.htm

1ページ目

×月1日 (くもり)

もうすぐ私の誕生日、12日が待ち遠しい。
父は私にピアノを買ってくれると約束してくれた。
一日も早く弾きたい。
だけど私の指は7本しかない。3本足りない。

どこへ落としてきたのかしら・・・。


2ページ目

×月2日 (雨)

指が足りないからピアノが弾けないと父に相談した。
すると父はこう言った。

「心配するな、指くらい買ってやる。安心しろ。」

結果私の指は今13本になった。
少し多すぎじゃないかしら・・・。
3ページ目

×月3日 (晴れ)

目がかゆい。
どうしてかわからないけど、目がかゆくてたまらない。
あまりにかゆいので父に相談した。

すると父は私にこう言った。

「目薬をさしてやろう、これでおまえの目は宝石のように赤い。」




4ページ目

×月4日 (晴れ)

そういえば私の部屋には「鏡」がない。
私は生まれてこのかた、自分の顔を見たことがない。
父はなぜか鏡だけは買ってくれない。

ピアノを買ってもらえるのに、どうして鏡は買ってくれないのかしら。
すると父は私にこう言った。

「おまえに鏡など必要ない、私が鏡になってやる。私が毎日おまえの
 美しい髪をといてやろう。」



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 Dの日記    PAGE11


5ページ目

×月5日 (晴れ/くもり)

私の愛する父の仕事は畜産業。
毎日牛や豚を殺してお肉に変えて街へ売り出す仕事。

私が初めて父が牛を殺す瞬間を見たときのことはよく覚えている。
そのとき私はまだ5歳だった。
父は殺した牛をえびぞりにして貯蔵庫にしまっていた。

ところで今夜の夕食は牛肉のステーキだった。
とてもおいしかった。




6ページ目

×月6日 (くもり)

今日は久しぶりに屋敷の裏の屠殺場をこっそり覗いてみた。
相変わらず父は牛や豚を「お肉に変える」仕事をしていた。

こっそり覗くはずだったが、すぐに父に見つかってしまった。
父は豚の返り血を全身に浴びながら私に言った。

「おまえもやってみるか。」

7ページ目

×月7日 (雨)

私の指は13本ある。
しかしそのうちの6本は、どう見ても牛の歯にしか見えない。
これでピアノが弾けるわけないわ。

私は父に相談した。
すると父は私にこう言った。

「指は多ければ多いほど上達するぞ。もうすぐピアノを買ってやるからな。」



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   Dの日記    PAGE12


8ページ目

×月8日 (くもり)

今日はめずらしくこのお屋敷にお客様がいらした。
その人は父の取引先のお得意様らしい。
私はここぞとばかりに、おいしいハーブティーをお客様に差し上げようとした。

しかし父は私に言った。
「おまえは人前に出てはならん、部屋でおとなしくしていなさい。」

なぜ私はお客様の前に出てはいけないのかしら。
私にだってお茶くらいは出せる。

それに私の家の庭ではハーブを栽培している。
きっとお客様も喜んでくださるはず。
私は父が屋敷の裏へ出て行ったところを見はからって、こっそりお客様の前に出て
ハーブティーを差し出そうとした。

しかしそのお客様は私の顔を見るなり、とても驚いた様子で屋敷を
出て行ってしまった。

私何か失礼なことをしたのかしら・・・
9ページ目

×月9日 (晴れ)

どうしても鏡が見たい。
でも私の部屋には鏡という鏡がない。
私の目が赤くなった日から、どうも視力が落ちたせいか
窓ガラスに写る顔もぼやけて見えない。

唯一自分の顔が写っている私の写真は、父が顔の部分をマジックで
黒く塗りつぶしてしまった。

いったい私、どういう顔してるのかしら・・・

その晩、私は少しお腹がすいたので冷蔵庫を開けようとした。
だがそのとき、突然父は冷蔵庫を開けようとした私の腕を強くつかんだ。

「どうした、お腹がすいたのなら今おいしい夜食を作ってあげよう。
 だから勝手に冷蔵庫など開けるな。」


そのときの父の目は少し恐かった。
しかしその日の深夜、私は父に見つからぬようこっそり冷蔵庫の中を見た。
すると中には背骨が逆に折れ、えびぞりのまま冷蔵庫に押し込められている人間が入っていた。


私はすぐにその人が誰だかわかった。
それは、先日私の顔を見て驚いて屋敷を出ていってしまったお客様だった・・・

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Dの日記    PAGE13


10ページ目

×月10日 (晴れ)

夕食のとき、私は父に聞いた。
「お父様、私ってどういう顔しているの。」

すると父は答えた。

「決まってるじゃないか、おまえは世界一美しい少女だよ。」

さらに私は父に聞いた。
「お父様、私の誕生日にピアノはいらない。代わりに鏡を買って。」

だが父はこう言った。

「馬鹿を言っちゃいかん、おまえの美しい顔は私だけのもの。
 いいか、もし鏡など見たら・・・」

なぜか父はそこで口を止めた。

11ページ目

×月11日 (雨)

いよいよ私の誕生日まで、あと一日に迫った。
私は父に言った。

「お父様、ゆうべはごめんなさい。やはり私 鏡なんかいらない。ピアノが欲しい。」

すると父は言った。

「そうか、それでこそ私の愛する娘だ。明日の晩、楽しみにしてるがいい。」

父はそう言ってとても嬉しそうな表情で私を抱きしめた。
私もうれしかった。


12ページ目

×月12日 (嵐)

今日は待ちに待った私の誕生日。
今夜ピアノが屋敷に届くらしい。
嵐の日ではあるが、私と父の心は晴々としていた。

愛する父のために、私は今夜からピアノのおけいこをする。
いつか上手になって父に聞かせてあげたい。


午前0:00、私の寝室にりっぱなグランドピアノが届いた。
父は私に言った。

「さぁ、今夜は好きなだけ弾くがいい。誕生日おめでとう。」

私は今日ほどうれしい日はなかった。
さっそく私はピアノを弾き始めた。
     Dの日記    PAGE14


でも あれは確か午前02:00ごろだったかしら・・・・



嵐の夜、雷が鳴るたびにグランドピアノのフタに私の顔がちらちらと写る・・・



でも見てはいけない。どうしてか分からないけど、私は自分の顔を見てはいけないらしい。



以前父は私に言った。「いいか、もし鏡など見たら・・・」。



でも ちょっとくらいなら・・・・



しかしこのとき私は気づかなかった。



稲妻が光るたびにちらちらとピアノに写る私の顔の後ろに、誰かが立っていたことを・・・



ピアノを弾いている私の背後から忍び寄る「父の姿」があったことを・・・・
その瞬間、私は父に背後からハンマーのようなもので叩き殺された。



どうやらそのあと、私の身体はえびぞりのまま冷蔵庫に押し込まれたようだ。



私の顔は父にとって「秘密」だったとは知らなかった・・・・





いったい私、どういう顔をしているのかしら・・・・





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  Dの日記    PAGE15


青木「・・・・・・」

あゆみ「・・・・・・・」

青木「・・・おい、なんだこれ。」
あゆみ「わ、わからないわよ・・・」
青木「意味不明だ、これでも日記かよ・・・気持ち悪いな・・・」

あゆみ「ねぇ四郎。」
青木「?」

あゆみ「あ、あのさ・・・ここまで読むと13ページ目、気にならない・・?」
青木「そりゃあ気になるけど・・・でもよしたほうがいいかもな。」

あゆみ「でも・・・」

青木「たぶんアレだ、秘密の13ページ目はこの女の顔が写るんだよ。」
あゆみ「お、脅かさないでよ!」

青木「とにかくもう屋敷を出ようぜ、もう暗くなっちゃうし。」

あゆみ「そうね、とりあえず帰りましょ。・・・きゃっ!」

ズボッ!

あゆみは床の腐った部分に足をひっかけて転んでしまった。
かなり古い屋敷なので床が腐っていても不思議ではない。
あゆみ「いった〜い・・・」
青木「何やってんだよ、ほら手をだせ。」
あゆみ「あ、足が床にはまって・・・」

青木「どれ、足引っ張ってやるよ。」
あゆみ「バカ!どこさわってんのよ!」
青木「足を引っ張ってやろうって言ってんだよ、いいから動くな。」

ズボッ

青木はあゆみの足を腐った床から引っ張りだした。

青木「よし、さぁ帰るぞ。」
あゆみ「あ、ありがと・・・」



それから屋敷を出た二人は再びバスで街へ戻り、それぞれ家へ帰っていった。


「Dの日記」はとりあえずあゆみが持ち帰ることになった。
別れ際に二人は、決して13ページ目は読まないようお互い約束した。


しかし好奇心の強いあゆみに、果たして「秘密の13ページ目」を
読まずにいられるだろうか。



その答えは、今夜午前02:00に出る。
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     Dの日記    PAGE16


S市 A町 柴田あゆみ家
午前01:30


その日の深夜、あゆみはなかなか寝付けなかった。


あゆみ「・・・・・・・・」

あゆみ「なんか眠れない・・・・やっぱあの日記が気になるな・・・」


あゆみは携帯を取り出し、青木の携帯に電話をかけた。
ピッピ
プルルルルル・・・・・プルルルルル・・・・・プツッ


*「もしもし。」

あゆみ「あ、四郎?あたしだけど・・・寝てた?」
*「いや、そろそろ寝ようかと思ってたとこ。・・・どうした?」

あゆみ「あのさ・・・例の日記、13ページ目がどうしても気になるのよ。」

*「気持ちは分かるけどさ・・・よしたほうがいいんじゃないかなぁ。」
あゆみ「あんたにしてはイヤに慎重ね。いつもならこういうオカルト系は
    自分からすすんでやるのに。」

*「そうだけどさ、なんだか今回のはイヤな予感がするんだよ・・・。
  あ、ところでDの日記のDという意味が分かったぞ。」

あゆみ「え?ほんと?なになに?」
*「これは人の名前やイニシャルじゃないな、今日俺、屋敷のピアノ弾いただろ。
  あれで意味がわかった。」
あゆみ「なによなによ、早く教えてよ。」

*「あのピアノ、弦が一本だけ切れてた。たぶんあの写真の少女が殺されたときに
  倒れた衝撃かなんかで弦が切れたんだな。」
あゆみ「で?」

*「切れた弦がドレミファソラシの中の[レ]の音階だった、[レ]という音階は
  コードでいうと[D]ともいう。」

あゆみ「あんたそんなことよく知ってるわね。」
     Dの日記    PAGE17


*「それにカタカナの[レ]という字、何か見覚えがないか?」
あゆみ「レ?・・・・う〜ん・・・わかんない。」

*「カタカナのレという字は、アナログの時計の針でいうと2時を指す。
  2時を指した時計の針はカタカナの[レ]に見えないか?」
あゆみ「あ・・・・そ、そういえば・・・」
*「そう、つまりDの日記とは言い方を変えると・・・」

あゆみ「わかった![午前02:00の日記]ってことね!」

*「正解。」

あゆみ「すっご〜い!やるじゃん四郎!」
*「うん・・・だからよけい心配になってきたんだよ。午前02:00に13ページ目を
  鏡に写せば本当に・・・」


あゆみ「もしね、もしこの呪いが本当だとしてもさ、たとえ13ページ目を見たとしても
    それを誰かに言わなければいいんじゃん。」

*「まぁな、例えばお前が見てそれを誰にも言わなければな。」

あゆみ「あんたにも教えられないってことね。」
*「そういうことになるな。」
あゆみ「・・・・あのさ四郎、あたし13ページ目見てもいいかな。」
*「どうなっても知らないぞ、お前の身体は背骨が折れて、えびぞりの状態で
  冷蔵庫に・・・」
あゆみ「ば〜か、そんなことになるわけないでしょ。脅かしても無駄よ。」

*「ちっ、屋敷にいたときはあれほど怖がってたのにな。」

あゆみ「今は午前01:45分だから、もうすぐ2時ね。」
*「おいあゆみ、まじでやめとけって。悪いこと言わないから。」

あゆみ「大丈夫よ、どうせページを鏡に写したって何も見えるわけないじゃん。
    それで何か写ったらノーベル賞ものよ。」

*「しかし・・・」

あゆみ「まぁいいわ、あたしもなんか眠くなってきちゃった。この話の続きは
    明日学校で話そ。」
*「そうだな、じゃあまた明日。」

あゆみ「じゃあね〜。」


ピッ

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     Dの日記    PAGE18



    そしてあくる日



S高等学校 3年1組
午前08:30

青木「おはよ。」

生徒A「オス。」
生徒B「よう青木、なんか顔色悪いぞ。寝不足か?」

青木「あぁ・・・なんかそうみたい。」
生徒A「オナニーのしすぎには気をつけろよ。」

青木「バカ、そんなんじゃねえよ。」

教師「さぁみんな席につけ。出席を取るぞ。」


ガタガタガタ・・・


生徒C「起立!・・・礼!」

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昼休み

青木「あゆみのやつ、あれからどうしたかな。ちょっと教室に行ってみるか。」


青木はあゆみのクラスへ行ってみることにした。


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     Dの日記    PAGE19


3年5組 柴田あゆみのクラス

青木「えーと・・・」

生徒D「お、青木じゃん。どうした?」
青木「あ、ちょうどよかった。あゆみ・・・いや、柴田いる?」

生徒D「柴田か?柴田なら今日欠席みたいだけど。」

青木「えぇ?」
生徒D「何か用だったのか?」
青木「い、いや・・・ちょっと・・・」


青木「・・・(おかしい・・・なんであいつ今日学校に来てないんだ・・・)」


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5時間目 現代国語

青木「・・・(あゆみのやつ、なんで今日欠席なんだろ・・・)」

教師「えー・・・で、あるからして、この問題は・・・」

青木「・・・(まさかあいつ・・・いや、そんなはずは・・・)」

教師「では次の文を・・・青木、読んでみろ。」

青木「は??」
教師「どうした、早く読め。」
青木「あ、す、すみません。聞いてませんでした・・・」
教師「しっかりしろよ青木、テスト前の大事な時期だぞ。」

青木「す、すみません・・・」


そのとき、教頭が青木のクラスへやってきた。
コンコンコン・・・


教師「ん?・・・あ、教頭先生。」

教頭「ちょっと・・・・」

     Dの日記    PAGE20


教師「どうしました?」


教師は廊下で待っている教頭のところへ近づいた。


教頭「授業中申し訳ない、青木くんという生徒は確かこのクラスでしたな・・・」
教師「えぇ、そうですが。」

青木「・・・?(先生たち何をしゃべっているんだ?)」

教師「あの・・・青木が何か?」
教頭「ちょっと青木くんを呼び出してもらってもいいですか?」
教師「あ、はい。」

青木「?」

教師「おい青木、教頭先生がお話があるそうだ。すぐに行きなさい。」

青木「あ、はい。今行きます・・・」


青木は教頭に連れられ、校長室へ行った。



生徒E「おい、青木のやつ何かやったのかな。」
生徒F「下着ドロボーだな、絶対そうだ。」

生徒G「あいつならやりかねないな。」


ガヤガヤガヤ・・・・


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     Dの日記    PAGE21


校長室


校長「授業中呼び出してすまんな、青木くん。」

青木「い、いえ・・・(げげ、なんで校長室なんかに・・・)」
校長「青木くん、こちらにいる方は警察の方だ。片桐警部補さんだ。」
青木「け、警察?!」

片桐「S警視庁の片桐です、よろしく。」

青木「ど、どうも・・・。あの・・・何かあったんですか?」

校長「青木くん、きみは5組の柴田あゆみくんの従兄だそうだが・・・」
青木「そうですけど・・・」

校長「では落ち着いて聞いてくれ。柴田くんは今朝、自宅で亡くなったそうだ・・・。」
青木「!えぇ?!」
校長「残念だが・・・・」
青木「ど、どうして・・・!?僕ゆうべも彼女と電話を・・・!」

校長「それでだな青木くん、こちらの警察の方が・・・」
片桐「あぁ校長先生、私からお話します。」

校長「あ、そうですか・・・。」

片桐「青木くん、突然の悲劇で心中を察するが・・・・。実はきみに二〜三
   聞きたいことがあるのだ。できれば署へ来てもらえないか?
   もちろん放課後でいい。」

青木「は、はい・・・。でもどうして僕に・・・?」
片桐「ゆうべのことや、その他被害者について少し聞きたいことがあるだけだ。
   安心してくれ、尋問ではない。」

青木「被害者?!・・・ってことはあゆみは誰かに殺されたってことですか?!」
片桐「実はそうなのだ、これは殺人事件だ。被害者は変死体となって発見された。」

青木「・・・(ま、まさか・・・まさかあいつ・・・!)」

片桐「どうかしたかね。」

青木「刑事さん!もしかしてあゆみは・・・!あゆみは冷蔵庫の中に?!」
片桐「!」

校長「冷蔵庫・・・?何のことかね、青木くん。」

青木「・・・(ハッ!し、しまった・・・!)」

片桐「・・・青木くん、きみはどうしてそのことを知っている?」
青木「い、いやその・・・・」

片桐「・・・・・・・・・」

校長「刑事さん、いったい何のお話ですか?」
片桐「いえ、何でもありません。とりあえず青木くんには授業が終わり次第、
   署のほうへ捜査のご協力をお願いしてもよろしいですか?」

校長「あ、はい。よろしくお願いします。・・・いいかね?青木くん。」


青木「は、はい・・・・」



片桐「・・・(この少年・・・どうも怪しいな・・・)」



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     Dの日記    PAGE22



突然の身内の悲劇が起こった。
柴田あゆみは今朝方、自宅の冷蔵庫の中で変死体となって発見された。

それは奇妙なことに、被害者の身体は背骨が逆に折れ、えびぞりの状態で
冷蔵庫に押し込まれていたという。


警察側はこれを猟奇殺人事件と断定。
従兄である青木四郎は事情調書のため、S警察署へ出頭することになった。


警察側では知るはずもないが、青木にはこの事件の真相を理解していた。
原因はただ一つ、「Dの呪い」以外に考えられない。


ということは柴田あゆみは昨夜、青木との電話のあとDの日記の
「秘密の13ページ」を見たとしか考えられない。




そして その秘密を 誰かに 漏らしてしまったのだ・・・・




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     Dの日記    PAGE23


S警察署 殺人課
取調室

片桐「では青木くん。まず鑑識の結果だが、被害者の柴田あゆみの死亡推定時刻は
   昨夜の午前03:10くらいだそうだ。」

青木「そ、そうですか・・・・」
片桐「青木くん、昨夜午前3時ごろきみはどこにいたかね。」

青木「自宅ですけど・・・」
片桐「学校へ行くまで、家から一歩も外へ出ていないか?」
青木「当たり前ですよ、寝てたんですから。」

片桐「では質問を変えよう、きみはこれまでに柴田あゆみの家へ行ったことは?」

青木「そ、そりゃあ何度もありますよ。幼なじみなんですから・・・」
片桐「ふむ・・・。」

青木「あのぅ・・・これって僕の取調べなんですか?」
片桐「・・・・・・・」
青木「刑事さん、もしかして俺のこと疑っているんですか?」
片桐「いや、まだ何とも・・・」

青木「俺が容疑者だっていうんですか?!バカなこと言わないでくださいよ!
   俺はゆうべ家で寝てたんです!」

片桐「まぁ落ち着きたまえ、そこまでは言ってない。」
青木「だってこんな取調室なんかに!・・・俺はあゆみを殺してなんかいない!」

片桐「・・・では一つ聞くが、きみはどうして被害者が冷蔵庫に押し込まれていることを
   知っていた?」
青木「うっ・・・そ、それは・・・」

片桐「死体が発見されたのは今朝方だ。きみが学校に登校したあとだから死体の状況が
   分かるはずがない。それなのにきみは私が説明してもいないのに、被害者の
   変死体があった場所が冷蔵庫だと知っていた。」

青木「・・・・!」

片桐「この説明を納得いくように話してくれないかね、青木くん。」

青木「・・・う・・・」
     Dの日記    PAGE24


そのとき取調室に別の刑事が入ってきた。
ガチャ


刑事「警部補、鑑識から連絡が入ってきました。」

片桐「うむ、どうした。」
刑事「被害者の遺体から別の人間の指紋が検出されたようです。」

片桐「おそらく犯人のものだ、間違いない。」
青木「・・・・・」

片桐「青木くん、すまんがきみの指紋を調べさせてもらえないかね。」
青木「やっぱり俺のことを!!」
片桐「そう言うな、これも捜査のうちなんだ。指紋が違えばきみには何の疑いも
   かからないぞ。」

青木「・・・・わ、わかりました。」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


それから捜査のため、青木の指紋を採取した。


・・・だが、これがいけなかった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

刑事「警部補!青木の指紋が一致しました!」

片桐「何だと?」
青木「えぇ?!」

刑事「被害者の遺体に付着していた本人以外の指紋と青木の指紋が一致しました!」

片桐「・・・青木くん、これで決定的だな。」
青木「そんなバカな!おかしい!」

片桐「全て話してもらおうか、どのみちこのままではきみは自動的に容疑者から
   殺人犯に確定してしまうぞ。」

青木「ちょ、ちょっと待ってください!刑事さんたちは知らないでしょうが、
   これは全てあの日記が・・・!」

片桐「!・・・・日記だと?」
     Dの日記    PAGE25


青木「あゆみはきっと秘密の13ページを見たんだ!!そしてそれを・・・!」

片桐「その前に指紋の件はどう説明するつもりだね。」
青木「そ、それは・・・」


青木「えーと・・・えーと・・・ん?・・・あ!そうか!」


青木は何かを思い出したようだ。


〜〜〜〜回想シーン〜〜〜〜〜〜

あゆみ「いった〜い・・・」
青木「何やってんだよ、ほら手をだせ。」
あゆみ「あ、足が床にはまって・・・」

青木「どれ、足引っ張ってやるよ。」
あゆみ「バカ!どこさわってんのよ!」
青木「足を引っ張ってやろうって言ってんだよ、いいから動くな。」


ズボッ

青木はあゆみの足を腐った床から引っ張りだした。


青木「よし、さぁ帰るぞ。」
あゆみ「あ、ありがと・・・」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

青木「そうだ!あのとき俺はあゆみの足に触ったから・・・!そのときあゆみの足に
   俺の指紋がついたんだ!」

片桐「・・・・青木くん、人はたいてい毎日風呂に入るものだよ。まして被害者の
   柴田あゆみは女の子だ。昨夜も同様、彼女が入浴したあとに殺されたんだ。
   風呂やシャワーを浴びれば、昼間ついたきみの指紋が残るはずがない。」

青木「・・・!」

片桐「つまり彼女の遺体に付着していた指紋は、風呂から上がった深夜についたものだ。」

青木「で、でも・・・!俺じゃないんだ!それは違う!」
     Dの日記    PAGE26


バタン!
さらに別の刑事が取調室に入ってきた。



刑事「警部補!」
片桐「何だ、騒々しい。」

刑事「昨夜午前03:12分ごろ、柴田家のベランダから青木と思われる少年が
   侵入するところを隣の住人が目撃していたとのことです!」

青木「えぇ?!そ、そんなバカな!」
片桐「間違いないのか?」

刑事「はい!柴田家の隣の住人は青木のことを知っていたようです!青木は確かに
   過去に何度か柴田家に訪れていたみたいなので、隣の住人も青木の顔を
   覚えていたようです!」

片桐「ふむ、目撃者まで現れたか・・・。どうするね、青木くん。」
青木「こ、こんな馬鹿げた話はない!何かの間違いですよ!俺は殺してない!」

片桐「きみはまだ未成年者だが、きみには黙秘権というものがある。
   しかし弁護士を雇うにはまだ早すぎるかな・・・」

青木「ちょ、ちょっと待ってください!俺は犯人じゃない!何かの間違いだ!」
片桐「きみの両親にも署へ来てもらったほうがよさそうだな、さっそく連絡を入れる。」

青木「う、嘘だ!何かの間違いだ!・・・あなたたちは知らないだけですよ!
   これはDの呪いがやったんだ!これは全てあの日記が関係してるんだよ!!」

片桐「きみは先ほどから日記日記と言っているが、もしやきみが言ってるのは
   これのことかね。」

バサッ!

片桐警部補は青木の前に古い新聞記事を出した。


青木「?!こ、これは・・・?」

片桐「今から約一年前の記事だ、今回の手口とまったく同じ猟奇殺人事件。
   きみはこの事件の真相を知っているかね。」

青木「これはきのうあゆみが言ってた事件だ!これも日記が原因ですよ!
   犯人はDの呪いですよ!」

     Dの日記    PAGE27


片桐「・・・・どうやらきみはこの事件の真相を知らんらしいな、この一年前の
   事件の犯人が誰だがわかっているのか?」

青木「だからDの日記だって言ってるじゃないですか!この人も秘密の
   13ページ目を読んだんです!そしてそれを友人に教えてしまったんですよ!
   だからこの人も冷蔵庫に押し込まれて・・・」

片桐「きみはこの記事をよく読んだか?実はこれは私が担当した事件だ。
   Dの日記のことぐらい、この私も知っている。」
青木「えぇ?!あ、あなたも知ってたんですか?!だったら・・・!」

片桐「きみはこの犯行を日記の仕業だと勘違いしている、そして今回の事件の
   犯行もDの呪いだと思い込んでいる。」

青木「だ、だってそれしか考えられないじゃないですか!」



片桐「いいか青木くん、よく聞け。・・・この一年前の事件の真相は日記でもなく
   Dの呪いでもない。実は犯人は[被害者の友人]だったのだよ・・・。」



青木「えぇ?!」

片桐「証拠も目撃者も全てそろっていた。犯人であったその友人は今のきみのように
   犯行を強く否定していたが、決定的な証拠が明らかだった。」

青木「刑事さん!その友人は秘密の13ページの内容を聞かされただけですよ!
   彼には何の罪もない!俺もそうです!断じてあゆみを殺してない!」

片桐「その犯人だった友人は次の日[何も覚えてなかった]らしい・・・・。被害者から
   [秘密の13ページのことなど、聞いた覚えもない]と供述していたよ・・・。」


青木「??・・・ハッ!ま、まさか・・・?!」



片桐「うむ、そういうことだ・・・。」



青木「そ、そんなバカな・・・!!お、俺は・・・!俺はあゆみから何も聞いてない!
   秘密の13ページ目に何が書いてあったかなんて聞いてないぞ!!」
     Dの日記    PAGE28



片桐「青木くん、これは私の推測だが・・・。もしやきみは[覚えてない]のでは?
   おそらく柴田あゆみはきみの言う通り、秘密の13ページ目を見たのだろう。
   しかもそれをきみに話してしまったのだよ・・・昨晩に・・・。
   きみはその[聞いた内容を忘れてしまった]・・・と考えられないかね。」



青木「・・・?!そ、そんなことって・・・!!」



〜〜〜〜回想シーン〜〜〜〜〜

青木「それで秘密のページを電話で聞いた友達のほうはどうなったんだ?やっぱその人も
   呪いにかかったのか?」
あゆみ「いやそれがね、聞いた友達のほうは次の日[何も覚えてなかった]んだって。」
青木「えぇ?」

あゆみ「ここがまた不思議よね、どうして秘密を聞いたほうは何も起こらず
    記憶だけがなくなってるんだろ。」

青木「呪いがかかるのはあくまで秘密を漏らした人間だけってことか・・・。」
あゆみ「そうみたいね、何だか不気味よねー。」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


青木「ち、違う・・・!俺は何も聞いた覚えはない!だいいちあゆみが
   秘密の13ページ目を見たことすら知らなかったんだ!!
   そ、そりゃあ・・・あいつは読むかもしれないとは思ってたけど・・・」



片桐「青木くん・・・きみは昨晩のことを[全て忘れてしまった]のだよ・・・。
   秘密の13ページ目の内容を聞いたことを・・・・。
   そして午前3時ごろ、柴田あゆみを殺害したこともな・・・。
   おそらくきみの自宅を調べれば血痕のついた凶器が出てくるだろうな。」


     Dの日記    PAGE29


青木「ウソだ!!これは何かの間違いだ!これは全部Dの日記だ!
   Dの呪いのせいだ!!」



片桐「その若さで従妹を猟奇殺人とはな・・・・世も末だ。」




青木「お、俺は殺してない!!日記のせいだ・・・!呪いの13ページの仕業だ・・・!!」




青木「俺は・・・俺はあゆみを殺してなんかいない・・・・!」




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



この一ヵ月後、青木四郎は柴田あゆみ殺害の犯人として断定された。

少年犯罪の中でも、身の毛もよだつ猟奇殺人事件となった。

果たして青木は犯人なのか?



ではこれから真相編をもって呪いのエピソードをお見せしよう。

昨晩の青木の「忘れてしまった記憶」をご覧にいれる。
これが本当の「Dの呪い」である。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
     Dの日記    PAGE30



   【呪いのエピソード】



昨晩、事件の夜

S市 A町 青木四郎の家
午前02:10


プルルルルル・・・・・プルルルルル・・・・・(携帯)

ピッ


青木「もしもし・・・」

*「あ・・・四郎・・・あたし、あゆみだけど・・・何度もごめんね。」
青木「なんだよ、俺もう寝てたんだぞ。まだ何か用か?」

*「あ、あのね・・・あたし・・・見ちゃったの・・・・」

青木「なに?よく聞こえねえよ・・・」

*「秘密の13ページ目・・・・・みちゃったの・・・・・」

青木「ほぅ、何が書いてあった?どうせ何も出てこなかっただろ?」


*「あのね・・・・・・・聞かないほうが・・・いいと・・・思う・・・」


青木「おいどうしたんだよ、お前声ふるえてないか?」

*「ど、どうしよう四郎・・・・あたし・・・あたし・・・まさか13ページ目に
  あんなことが・・・!!」

青木「なんだよ、何か見たんなら俺にも教えてくれよ。」

*「ダメ!絶対教えられない!」
.
     Dの日記    PAGE31


青木「へーきだっての、どうせこんなの迷信だよ。」
*「だ、だって・・・」


青木「教えてくれよ、俺も気になるからさ。」


*「じゅ、13ページ目は・・・・・」


青木「うんうん、何が書いてあった?」




*「・・・○×△□▲▽∵■◎・・・・・」




青木「・・・・・・・・・・・・・・・」



*「だ、誰にも言わないでね・・・・あたし実はすっごく怖くて・・・・」



青木「・・・・・・・・・・・・・・・」



*「・・・?ねぇ、聞いてる?」



青木「・・・・・・・・・・・・・・」



*「ちょ、ちょっと四郎・・・なんか言ってよ・・・」




青木「・・・貴様 私の娘の[秘密]を 漏らしたな・・・・」



*「え??・・・な、何言ってんのよ・・・」


青木「・・・秘密を 漏らした者は 冷蔵庫に 押し込める・・・・」



*「?!ちょ、ちょっと四郎!ふざけないでよ!あたしを脅かそうなんて・・・」


プツッ
ツーッ ツーッ ツーッ ツーッ 


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
     Dの日記    PAGE32


柴田あゆみの家
午前03:05


あゆみ「きゃあああああ!!四郎!あんたなに人の家まで来て・・・!」



青木「・・・・・・・・・」



あゆみ「ちょ、ちょっと何の冗談よ・・・!や、やめ・・・!」



ガツンッ!!


あゆみ「うあっ・・・!!」


ドタリ



青木「・・・私の娘の秘密を漏らすやつは、誰であろうと許さん。」



あゆみ「・・・・・・・・・・・・」




青木「私のかわいい娘は、私だけのもの・・・・。娘の[秘密]は私が守る・・・」





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
     Dの日記    PAGE33



この「Dの日記」は、現在もこの街の郊外にある廃屋の屋敷にある。



秘密の13ページ目を他人に漏らせば、あなたは必ず「Dの呪い」がかかる。



いや、正確に言えばあなたではなく「あなたが秘密を漏らした相手」に呪いがかかる。



それを承知で読みたい方は、遠慮なく13ページ目をご覧下さい。



ただし決して他人に漏らしてはならない。



どうしても我慢ができない方は、せめて秘密を漏らすのは赤の他人にしてください。



あなたの親しい友人に漏らすと、あなたは友人に殺されるどころか、
その友人は殺人罪で捕まります。


心臓の悪い方、真夜中に冷蔵庫を開けるときは充分お気をつけ下さい。




背骨が逆に折れ、えびぞりの状態で押し込まれている人間が入っている場合があります。





では今夜午前02:00分、今度は鏡を用意して「Dの日記」をご覧ください。






         Dの日記

         〜完〜




http://homepage2.nifty.com/Mafty/html/ikai.html


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
う、うわあぁぁぁ・・・
怖ッ!怖すぎッ!!かえってテンション下がりまフ。
415かみさま:03/07/16 18:20
ムッシュかまやつ
416淫槍ぐんぐにる ◆MIHOsEVEpo :03/07/16 18:22
ある男が自殺をしようと決意し、間違いなく死ねるようにとかなり周到な準備を行った。
それは、まず高い崖の上に立ち、そこに生えた木に縄をかけるとそれを首に巻き、さらに毒を飲み、自分の服に火をつけた上で、崖から飛び降りると同時に自分の頭めがけてピストルを発射するという“完璧な”計画だった。
 ところが、男の発射した弾丸は飛び降りた拍子に狙いをそれて木から下がる縄に命中、縄が切れた男は崖から海へとまっ逆さまに落下した。
そして海に入った拍子に服についた火が消え、近くにいた漁師に引き上げられ、しこたま飲んでいた水と一緒に毒まで吐き出してしまったため男は死ぬことが出来ず、“完璧な”計画は失敗に終わったのだ。
417あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/16 18:55
起きた瞬間、目の前に顔らしきものがあった
Dの日記怖すぎッス!!(((( ;゚д゚)))アワワワワ
出来れば430のリンク先がどーなっているか教えて欲しいッスヽ(´Д`;)ノアゥア...
>418
P-P-PP-,PP-P-P-P--PP---
P-P-PP-,PP-P-P-P--PP---
P-P-PP-,PP-P-P-P--PP---
age
421あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/17 08:54
>>417
お経と女の怖がる声しか聞こえないな
422あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/17 09:11
最高に怖い話考えたんだけど書いてもいいかしら?
>>422
いけーーー!!
◆ 山崎渉板ができました!(^^) ◆

            ∧_∧
     ∧_∧  ( ^^  )   これからも僕を応援してくださいね(^^)・・・っと。
     (  ^^ ) /   ⌒i
    /   \     | |
    /    / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
  __(__ニつ/  山崎  / .| .|____
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山崎渉@2ch2掲示板(^^)
http://bbs.2ch2.net/yamazaki/index2.html

山崎渉板(^^)
http://www.bs1.net/noa/
>Dの日記
クソ(゚听)ツマンネ
ここまでつまんねー話始めて読みました。
どこが怖いの?長過ぎだし。自己陶酔し杉。
オナニー見せられてもつまんないんだよね。
あと「S警視庁」に激しく萎え。
警視庁って日本に何個もあるんですか?
お前リア厨?





評価:3点
426あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/17 10:18
>>425
> 警視庁って日本に何個もあるんですか?

激しくワロタw漏れも知りたいw
そうかな、他の作品も似たり寄ったりだろ。まだ書けてる方だよ。
あと、警視庁云々については、単なる推敲ミスだと思われ。>>388-389には「S警察署」になってるから。
428あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/17 12:26
>>426-427
釣られるな
429あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/17 15:48
八月十五日の真夜中私はオカルト板に書き込んでいた。
「ちゅ、う、ぼ、う、は、だーまーれ、と…」
ふと時計を見ると、もう八月十六日になっていた。
そのとたん、ドアが叩かれた。
「コンコン…」
「誰ー?ばーちゃん?分かったよぅ、早く寝ろってんでしょ?」
そのとたん、父の部屋のドアから廊下をはさんだとこにある
裏口のドアから
「ドンドンドン!!」
と凄まじい勢いでドアを叩く音がした。
「ちょ、ばーちゃんやりすぎだよ。」
すると別のドアから眠そうなばーちゃんが来た。
「あんた、何さっきから一人でさわいどるね?
お父さんお母さんいないからって夜更かししてないで早く
寝んさい。」
そのとき父、母、弟は父の実家に帰省中。
パソコンを見たら、勝手に電源が落ちていた。

長文スマソ。
430あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/17 19:55
今、両親とばあちゃんと弟が、ドアの向こう側で、手に手に得物を持って、凄い形相でなにやら叫びながらドアを開けろとわめいています。

あたし、なんか悪いことしたのかなあ。
431あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/19 13:26
Dの日記
>>332-411
まちがえた。
Dの日記
>>334-413
433あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/19 14:05
こあああ・・・・
434あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/20 06:25
社十春――1

とある春の夕暮れのこと…
唐の都、洛陽(唐王朝の首都は洛陽ではなく長安だったと、なぜ誰も突っ込まない?)の門の下、
怪しい老人が貧乏そうな若者に声をかけている。
「お前は何を考えているのだ?」
「私は今夜寝る所もないので、どうしたものかと考えているのです。」
「ではこのお前の影の頭にあたる所を夜中に掘って見ろ。
きっと車に一ぱいの黄金が埋まつている筈だから。」
435あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/20 06:30
社十春――2

若者=社十春は一夜にして洛陽一の大金持ちになった。
新しい家を買い、さんざん贅沢を始めたが、いかんせん投資とか貯蓄とか
なかった時代のこと、2〜3年もすると、さしもの大金もすっかり使い果たし、
もとの一文無しに逆戻り、再びあてもなく洛陽の門の下にたたずんでいた。

するとまた再びあの怪しい老人が…
「お前は何を考えているのだ?」
「私は今夜寝る所もないので、どうしたものかと考えているのです。」
「ではこのお前の影の胸にあたる所を夜中に掘って見ろ。
きっと車に一ぱいの黄金が埋まっている筈だから。」
436あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/20 06:33
社十春――3

社十春は洛陽一の大金持ちに復帰した。
手放した家を買い戻し、以前のような贅沢を始めたが、「学習効果」などという
言葉のなかった時代のこと、2〜3年もすると、さしもの大金もすっかり使い果たし、
もとの一文無しに逆戻り、みたびあてもなく洛陽の門の下にたたずんでいた。

すると、あの怪しい老人がみたび訪れて…
「お前は何を考えているのだ?」
「私は今夜寝る所もないので、どうしたものかと考えているのです。」
「ではこのお前の影の腹にあたる所を夜中に掘って見ろ。
きっと車に一ぱいの黄金が埋まっている筈だから。」
437あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/20 06:35
社十春――4

社十春はみたび洛陽一の大金持ちに復帰した(ry
もとの一文無しに逆戻りした社十春が洛陽の門の下にたたずんでいると、
またぞろあの怪しい老人が…

「お前は何を考えているのだ?」
「私は今夜寝る所もないので、どうしたものかと考えているのです。」
「ではこのお前の影の足元にあたる所を夜中に掘って見ろ。」
438あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/20 06:37
社十春――5(完結)

その晩社十春が掘った穴は、今度は無間の奈落へとつながっていましたとさ。
439434-438:03/07/20 06:41
海岸に面した崖の中腹にポッカリ穴が開いていて、その穴に入るとスグに下り坂になってる。
穴の大きさは入り口部分が直径1mくらい、身をよじって中に入ると
大きな空間になっていて、中に進んで降りて行くと直径3mくらいの海面がある。
勿論、周囲に光はないので、ライトは必携していかないと危ない。
海面の周囲で酸素ボンベを背負って、ダイビングの用意を整えてイザ出発!
水の中に入ると真下に向かって12mほど潜る。すると行き止まりになり、今度は横穴が現れる。
横穴の入り口は直径2mほど。岩で出来たトンネルを想像して欲しい。
奥は真っ暗で先は見えない。ライトで照らしながら横穴を進んでいくと
海底が砂になった場所に出る。海底は砂だが岩に囲まれたトンネルはまだまだ続いている。
海底の砂は粒子が大変細かくて、もし手や足ヒレなどで海底に触れてしまうとアウト!
たちまちのウチに砂が巻き上がり、数秒後には視界がゼロになる。
想像して欲しい…水深12m、岩に囲まれて出口の見えない海底トンネルで視界を失ってしまった自分を。
息が段々荒くなってきた、進む方向もわからない、前も見えない、音も無い世界。「死ぬかも!イヤだ!」
大抵のダイバーはパニック状態に陥り、酸素マスクを取ってしまう…
もし冷静になって出口にたどり着く事ができても頭から消す事が出来ない。
もう、まともな余生は過ごせない…
441中腹永逝銃弾:03/07/21 23:10
(*´Д`)ふふふ ふふふふ ふふふ・・・
ハッキリ言ってアメリカなどの多民族国家では黒人の方がアジア人よりもずっと立場は上だよ。
貧弱で弱弱しく、アグレッシブさに欠け、醜いアジア人は黒人のストレス解消のいい的。
黒人は有名スポーツ選手、ミュージシャンを多数輩出してるし、アジア人はかなり彼らに見下されている。
(黒人は白人には頭があがらないため日系料理天などの日本人店員相手に威張り散らしてストレス解消する。
また、日本女はすぐヤラせてくれる肉便器としてとおっている。
「○ドルでどうだ?(俺を買え)」と逆売春を持ちかける黒人男性も多い。)
彼らの見ていないところでこそこそ陰口しか叩けない日本人は滑稽。
443あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/22 14:35
鼻毛食べちゃった!!!!11
1/6.
今朝起きたら、父が母を撃ち殺していた。

立ちすくむ私に気が付くと、父は今度は私へ銃口を向ける。
髪は乱れ、目は血走り、口から涎を垂らして笑っている。
撃たれる、と思った瞬間、父が叫び声を上げて前のめりに倒れた。
父の後ろに姿を表したのは、包丁を握り締めた祖母だった。
「怪我は・・・無いかエヒャハヤヒャヒャハヤ!!!」
祖母も父と同じ様な顔をして、包丁を振りかざして追いかけて来た。

とっさに自分の部屋へ逃げ込み、椅子や本棚でバリケードを作った。
まだ寝ている、幼い妹を守らなければ。
激しくドアを叩きながら、祖母が罵声を発している。
ふと後に気配を感じ振り向くと、寝ていた筈の妹が気配を感じさせずに
佇んでいた。手には小さなナイフを握り締めて。
見た事も無いような冷たい笑みを浮かべ、妹はナイフを突き出した。
妹と揉み合いになり、なんとかナイフを奪った私の頭の中に、
機械的な声が響いてきた。
コロセ・・・コロセ・・・コロセ・・・
気が付くと私は、妹に向かってナイフを振り上げていた。
2/6.
あと数センチのところで私は正気に返り、ナイフを放り投げた。
まだナイフに取り縋ろうとする妹を捕まえ、思い切り平手打ちをする。
と、突然いつも通りの顔になり、頬が痛いと泣き出した。
妹が元に戻った事に安堵している私が、ドアを叩く音がしない事に
気付いたのはそれから間もなくの事だった。

その直後、ドアの向こうで激しく罵り合う声が聞こえて来た。
祖母と姉のようだ。
妹は怯えて私にしがみつく。
その罵り合いは、姉の悲鳴で終結を迎えた。
気が狂うような長い悲鳴の後、重い物質が地面に激突する音がして、
悲鳴は止んだ。

打って変わって静かになった廊下を祖母が歩く足音だけが響く。
祖母は私達の部屋の前まで来ると、ドアをノックした。
3/6.
コンコン。
先程、狂ったように連打していたノックと違う、いつも通りのノック。
「もう大丈夫だよ、皆悪い病気にかかっていたんだ」
ドアの向こうから祖母の声がする。
「ここに居ちゃいけない、あんた達も病気に罹ってるかもしれないから
 早く病院へ行こう。」
その言葉を聞いた瞬間、さっき頭に響いた声を思い出した。
このままでは妹を殺してしまうかもしれない。だが、私に包丁を向けた
祖母の顔が脳裏にちらつき、私はドアを開ける事を躊躇していた。

「おばあちゃああん」
突然妹が泣き出し、バリケードを崩そうとドアに駈け寄った。
止めようとした私に、再び祖母が声を掛ける。
「ごめんね、あの時お前の後ろに姉ちゃんがいて、お前を殺そうとして
 いたんだよ。お前を脅かしてしまって悪い事をした」
祖母は涙声になっていた。
その声を聞いた私も涙が溢れて来て、必死にバリケードを崩し、
ドアを開けた。
5/6.
気が付くと私達は大きなデパートに居た。
人ごみに紛れて売り場をうろついていると、祖母もまたここにやってきたのが
見えた。
どうしよう、このままでは殺される。
その時、学校の友人3人に出会った。
私は家で起こった事、そして今祖母に命を狙われている事を話した。
「えー、大変だね」
「良い考えがあるよ!」
「私達に任せて!」
私は良い友人を持った事に感謝した。

そして私達は、祖母をトイレにおびき寄せて、4人掛りで祖母を殴殺した。
友人達は、この上なく楽しそうな表情を浮かべていた。
6/6.
私は友人に感謝をして、妹とともにデパートを出た。
町外れの崖から町を見下ろし、今後の事を考えようとした。
妹は、私がデパートで買ってあげた人形で無邪気にお話ごっこをしている。
何故、突然家族があんなことになってしまったのか。
考えても答えの出ない謎に頭を悩ます私の眼下で、突然一軒の家が爆発した。
そしてそれが引き金になったかのように、立ち並ぶ家々から悲鳴や罵声が
響いて来た。銃声もあちこちで起こっている。

「お姉ちゃん・・・」
いつの間にか妹が横に並び、私の腰に細い腕を回していた。
この町で何が起こっているかは分からない。しかし、
私は心配そうに見上げる幼い妹を守る決心をした。
その瞬間。
強い力で私は崖から突き落とされそうになった。
横を向くと、そこには血走った目に薄笑いを浮かべた妹がいた。
とっさに妹の腕を掴み、驚いた表情の妹とともに私達は崖を落ちて行った。

いや、落ちている。
人間、死ぬ前に人生が走馬灯の様に蘇ると言うのは本当の事らしい。
あと何秒かで私は死ぬ。
4/6.
そこに立って居た祖母は、いつも通りの優しい笑みで、目尻に涙を浮かべて
私達に向かって両手を広げていた。
妹が祖母に抱き付き、泣きわめく。
私も一緒になって泣いてしまった。
祖母は優しく私の髪を撫でながら、大丈夫、大丈夫と呟いた。
「もう大丈夫だよ・・・・・・あとはお前達だけだから」
ぎょっとして祖母から体を離すと、祖母は血走った目で薄ら笑いを浮かべ
血にまみれた包丁を振上げた。
私は祖母を思い切り突き飛ばし、唖然としている妹の手を引いて走り出した。
「まぁてええぇええあひゃやはやひひゃひゃひゃ!!!!」
後から祖母の狂った笑い声が追いかけてくる。
階段を駆け下りると、一番下に首が変な方向に曲がった姉が居た。
姉の死体を飛び越え、私達は家を飛び出した。


4を入れ忘れますた・・・。
何かよく分かりませんが、
ここにティッシュ置いときますね。

  _,,..i'"':,
  |\`、: i'、
  .\\`_',..-i
   .\|_,..-┘
451貴方の後ろに…:03/07/23 00:38
>450
アリガトウ、モラウヨ(゚д゚)/~

で、一話創作
452貴方の後ろに…:03/07/23 00:41

私は鼻血出やすい体質だ。
たぶん鼻の粘膜が弱いのだろうけど。
朝起きると、枕が血で染まっていることがたびたびある。
鏡を見れば、自分で自分の顔に驚くくらいだ。
453貴方の後ろに…:03/07/23 00:42
ある夜、チャットで怖い話が盛り上がった。
私はそういう話が好きで、率先して楽しんでいた。

夜も更けて、眠くなった私はチャットから落ちた。
布団にもぐりこみ、ふと
「この話を聞いたら今夜は…」という話を思い出す。

途端、背筋が寒くなるような震えが走ったが
眠気のせいだと思い込み、私は瞼を閉じた。
454貴方の後ろに…:03/07/23 00:45
つっ…、と頬を何かが垂れる感触。

 あぁ、また鼻血だ。
 面倒くさいな、ホントに。

私はベッドサイドのティッシュをつかみ、それを拭った。
455貴方の後ろに…:03/07/23 00:49
夜更かしした私は、母親の叫び声に起こされた。
私の部屋に遠慮なく入り込み、いつものように
布団を剥ぎ取った母は、近所に響き渡るような悲鳴を上げたのだ。

むっとして起きた私に、母は震えるばかり。
そういえば、寝てる間に鼻血出したわ。そのせい?
「そんなに怖がること無いでしょう?」
そう言って、いつものように鏡を覗き込み、私は息を呑んだ。

顔が血で真っ赤だったのだ!
それは全て、子供…幼児くらいの手のひらの形で。
ぺたぺた、ぺたんと。遊ぶように。
顔中に散りばめられていた。

そして首筋には…
私の首を絞めるように、手の形に真っ赤に染まっていた。

スレ伸ばしにもう一話書こうと思ったが、
だめだ。眠い…

名無シニ戻ルベシ!(゚д゚)/~オヤスミー ←ティッシュ振りつつ
457あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/23 09:15
458あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/23 13:51
おなじクラスのりょうたくんは、ぼくのうちから、ちかいので
ぼくは、よく、りょうたくんの家にあそびにいきます。
りょうたくんの家にいくと、りょうたくんのお母さんがケーキを出してくれます。
とてもおいしいし、りょうたくんのお母さんはやさしいです。
りょうたくんのお部屋は、2階にあります。
でも、りょうたくんのお部屋には、いったことがありません。
りょうたくんの家で、あそぶときはいつも1階のお部屋です。
りょうたくんは、りょうたくんのお部屋に、はいらせてくれません。

りょうたくんは、ぼくが帰るときに「あしたもきてよ」と必ずいいます。
でも「毎日はこなくていいよ」といいます。
ケーキもおいしいし、ぼくは毎日いきました。
りょうたくんは「あしたもきてよ」と必ずいいます。
泣きながらいうときも、ありました。
でもすぐに「毎日はこなくていいよ」といいます。
りょうたくんのお母さんが、となりでにこにこしていました。
ケーキもおいしいし、ぼくは毎日いきました。
459あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/23 13:52
りょうたくんの、家に、あそびにいくと、りょうたくんがいませんでした。
よんでも、だれも出てこないので、ぼくは2階のりょうたくんの部屋にはりました。
りょうたくんの部屋は、なにもありませんでした。
やきゅうのバットと、りょうたくんだけ、ありました。
りょうたくんは、ケガをしているみたいで、右うでをおさえて
「うーんうーん」といっていました。
りょうたくんのお母さんがきて、ぼくは部屋のそとに出ろっていわれて、出て、
りょうたくんのお母さんは、りょうたくんの部屋のドアをしめました。
ぼくは1階で、ケーキをたべました。
りょうたくんのお母さんは「りょうたはちょっと具合がわるいの」といいました。
ケーキをたべたら、うちにかえりました。

つぎの日から、りょうたくんはケガで入院したと、先生がいいました。
それからぜんぜんりょうたくんは、学校に、きませんでした。
りょうたくんの家にいっても、だれもいませんでした。

それで、この前、りょうたくんが、かえってきました。
りょうたくんの、右うでは、ありませんでした。
460あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/24 15:46
やばいッ!落ちるぅ
保守age
461あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/24 15:53
>>458-459
つまり虐待?こんな世の中だからホントにあってもおかしくないかも。
462あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/24 16:05
>>461ハァ?(゚Д゚)
メルヘンティック・胸キュン・コメディ
だろ?
463真夏の恐怖:03/07/24 16:06
とても熱い夜でした
k君はあまりの暑さと喉の渇きを覚え
眠りから覚めました
とりあえず喉の渇きを潤すため
台所に向かいました
ちょうど底にコーヒーが1杯
なみなみと注いであります
k君は一気にそれを飲み干しました
グラスを置いたその瞬間
k君は驚愕しました
グラスの底にはなんと
ゴキの死体が張り付いていたのです!
終わり

本当の話なんだけど
この前
冷蔵庫開けたら凄い速さでゴキが
シュばって出てきたTT
ああー!
あいつ冷蔵庫の中で何やってたんだよ!?
中のもの捨てるわけにも行かないし・・・・・
ちくしょー!!
464あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/24 16:09
>でもすぐに「毎日はこなくていいよ」といいます。
りょうたくんのお母さんが、となりでにこにこしていました。
ケ ー キ も お い し い し 、 ぼ く は 毎 日 い き ま し た 。

しつこいな、このガキもw
そこまでケーキが好きなのか・・
465あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/24 16:10
てめぇ等クソ凡人のクソジャリがヲタクを馬鹿にする権利なんて微塵も無いんだよ、このボケがァ!!!つーかな、
お前等氏ね。今すぐ逝け。逝ってよし。
あのな、ヲタクってのはな普通の人と違うからヲタクっていうんだよ。解かるか?
テメェ等クソ凡人のクソジャリが踏み入っていい領域じゃねーんだよこのアホがぁ!
なんの谷間も困難も無く、裕福に育った平和ボケのお子様が出る幕じゃねーんだよタコ!
時代を支えてるのは結局のところヲタクなんだよ。解かるか?ランクが違うんだ。テメェ等がヲタクを「キモイ」だと?
勘違いすんじゃねーよ馬鹿。俺たちから見ればお前等の方が数億倍キモイんだよアホが。だいたいな、
その言葉を平気で発言するな。ヲタクの前で。失礼だ。ハッキリ言って。ヲタク相手だからって何でも言っていいのか?
なめんなよ。お前等クソジャリがヲタクに言葉を申す時はまず一礼してからデコを犬が糞した跡の地面に擦り付けてから言え。
ボケが。しかも敬語でな。つーかクツなめろ、オラァ。だいたいよ、お前等ゴミは中途半端なプライドを持ちすぎなんだよ
ボケがぁ。捨てろ、この星に捨てていけ。自分でそんな価値のある人間だと思っているのか?アホか、
テメェなんざ死んだって慰謝料1円で十分だこの歪んだ肉細工が!昼と夜の間で朽ち果てろ!つーか、1円でも勿体無い。
むしろ、こっちが何か貰うべきだ。汚い死体を見せられたからなぁ。目が腐ったらどうする気じゃこのボケェ!
1億円払えクソがぁ。払えなかったら俺ン家で床掃除でもしてろ。ただし全部口で掃除しろクソジャリ。便器もなぁ。
汚いとかヌカすと刺すぞコラ。テメェのツラの方が数兆倍汚いんだよハゲ!鏡見ろボケ。鏡が腐りそうだぜ。
嫌なら死んだっていいぜ。その方が地球にとってありがたい。消滅しろ。バニシュ・デスや。二度とそのツラ見せるな。
もし生まれ変わってもヲタク見たら真っ先に公衆トイレにでも鍵掛けてガクガクしながら隠れとけボケが。
466あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/24 16:11
>あいつ冷蔵庫の中で何やってたんだよ!?

子作りとかじゃねーの。キャベツとかに。
467あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/25 19:25
>>458-459
結構好き。Dの日記とかいう下らない落書きしてた
オナニー野郎よりはよっぽど面白い。
468中腹永逝銃弾:03/07/25 21:15
>>467
(*´Д`)ふふふ ふふふふ ふふふ・・・
       ∧             ∧
       /.::ヽ           /.:: ヽ
      /.::: ヽ          /.:::: ヽ
      /.:::  ヽ         /.::::  ヽ     
     /.::::::.  ヽ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,/.::::::::.  ヽ
    /.:::::::::::                 ヽ  このスレはいつの間に         
    /.:::::::::   /        ヽ     ヽ    自作自演の自画自賛のレスしかつかない
   /.:::::::   / ‐・‐     ‐・‐\     ヽ    スレになってしまったのですか?  
   ヽ.::::::       .::::            /
    ヽ.:::::      .:::::            /
     ヽ.::::     \__/      /
      ヽ.::::      \/       /
       \.:::::            /
470にゃぱ:03/07/25 21:50
なんだか肌寒い。

私は熱帯夜の夜ぼんやりと目を覚ましました。
夏なのに肌寒い。暑いはずなのにのに鳥肌がたつ。
その瞬間足が重くなっちゃって目は開けたくない!!
絶対にあけたくない!!一生懸命蹴るんだけど、少ししか動かない。
・・・゚・(ノД`)・゚・
だるまみたいに、ころんころんなってるのは
足の感触で分かるんだけど・・・
「お父さんお父さん!!」
声もでない。
どのくらい時間がたったかわからないんだけど、
蛇みたいにするする耳元にきたんです。

!!!


次の人続きおねがい☆彡

4711:03/07/25 23:38
何も聞こえない・・・
でも、確かに「何か」に見られてる・・・確かに『何か』が傍にいる・・
一瞬眼を開けてみたいと思ったけれどすぐにそんな考えは消え失せた・・・
今、眼を開けたら絶対に『何か』と眼が合う・・
なんの根拠もないけど・・眼が合ったら何か恐ろしい事が起こるような気がした。
どんどん気配は近くなってくる。苦しい。息が吸えない。
パラ・・・・・・・私の頬に何かが落ちた。
髪だ。
バラバラバラバラ
髪が、髪が固まりになって落ちてくる


ウワ-ン、・・・゚・(ノД`)・゚・
相変わらずショボすぎ・・読みにく&意味不明スマソ
と、言う訳で次の方続きYORO(・ω・)


いつからここは連作スレになったのですか?
473げだ ◆5dfmKI1gz. :03/07/27 08:45
>>471
髪の毛が落ちてきたけれど、どうも変な臭いがしました。
なんだか油っぽくて気持ち悪いなぁと感じながら
こうなったらさっさと寝てしまいたいと思ったので、意地でも目を開けませんでした。
そうしていると、そんなに時間は経ってないと思ったんですが
髪の毛の感触が無くなったので、ちょっとためらいつつも試しに目を開けてみました。
そこには何もありませんでした。ただ暗いだけで、何も見えません。
ホッとしてまた目をつむると、あっと思い出しました。
寝るときに豆電球はつけておいたはずなんです。
でも、さっき目を開けたときは真っ暗だった。
消した覚えもないのにと、また目を開けてみました。
目が闇になれると、うっすらと部屋の状態がわかってきました。
家具のシルエットはわかるものの本当に真っ暗。
カーテンから月の明かりも差し込んでいません。
今日は天気もよかったし、窓も開けて網戸にレースのカーテンしかしてないはずなのに。
474げだ ◆5dfmKI1gz. :03/07/27 08:46
そこで、どうしても気になったのでいったん起きてみることにしました。
たったいま恐ろしい目にあったばかりなのに、好奇心が勝ってしまったんです。
そろそろとベッドから起き出して、床に足をつけます。
ざらっとした感覚、なんかおかしい。フローリングの床なのに何か敷いてある。
畳でも絨毯でもない、変な感触でした。明かりを付けて確かめようと
電気のスイッチを探しました。宙をふらふらと手で探っていると紐が手に当たりました。
そしてそのまま紐をひっぱると、ズルッと紐が抜けてしまいました。
それは紐ではなく、手に絡まる細い糸。私は一気に汗が出てきました。
私の手に絡まるそれは、間違いなく人間の髪の毛でした。
475げだ ◆5dfmKI1gz. :03/07/27 08:50
よくよく見ると部屋全体が髪の毛に覆われています。床、壁、天井も家具も全部。
電気はもちろん、窓も明かりが差し込まないほどにびっしりと。
私は半狂乱になりながら、ドアから逃げようとしました。
ですが、ドアも髪の毛に覆われていて開いてくれません。
泣き叫びながら毛をむしっていると、足に毛がからみついてきました。
どんどん上に上がってきて、身体全体が覆われる頃には
私は気絶していたようです。この時は恐怖以外あまり覚えていません。
朝になると私はベッドの上で寝ていました。
夢だったのだと思おうとしたのですが、私の口の中から髪の毛が出てきました。
その髪の毛はとても長く、こんなに髪の長い人は家族にも知り合いにも居ません。
その時以来部屋もかえてもらい、両親に理由を話してお払いもしてもらいました。
今はもう、その部屋を使う人は居ません。
あたりまえですが誰も入りたがらず、貰ったお札と塩を置いてそのまま封印しています。
こんなことが起こったのは後にも先にもこれだけです。

もうだいぶ昔の話ですが、あれはなんだったのかと今でも不思議で仕方ないのです。
476げだ ◆5dfmKI1gz. :03/07/27 08:52
以上、続けてみましたが、よくある話っぽいでおわりです。

始めて書くのに長文は無謀だったですな…
失礼しました。
477アニタ:03/07/29 12:30
すんごい久しぶりに書き込みするな・・・皆様お久しぶりです。
中学生の頃書いた恥かしい小説の一部分を無理やり改造してオカルトにしてみたのでここに書き込みます。
478アニタ:03/07/29 12:31
「花壇」
朝、私は近くの幼稚園で飼育されている鶏の響き渡る朝礼に目を覚ました。
私の住んでいる家は二階建ての一軒家だ。父と母は下の階で、私は二階にある自分の部屋で日々の朝を迎えている。

私は朝にあまり強い方ではない。起きてからすぐに背伸びをしたものならば、頭にすぐ血が昇ってクラクラするし、起きてから暫くは瞼も痛い。
だから、私はいつも起きたら窓を開けて外の景色を眺めるようになった。
起き抜けの身体に外の風は心地よく、窓から広がる景色は目の保養になるのか瞼の痛みをやわらげてくれる。

私はこの窓から見る景色が好きだ。遠くの青く霞みかかった街並み、どこまでも続く青空に浮かぶ入道雲、山々の谷間からひょっこりと顔を出すお日様の光。
そして何よりも私の好きな景色は、窓から左下を見下ろすと見える、大きな庭の広い花壇である。

あの花壇の持ち主は、お隣に住む老人だ。彼はいつも欠かさず花壇に植えた花の世話と手入れをしているので、近所では「花じぃ」と呼ばれるちょっとした有名人でもある。
私は花じぃの育てる花壇の花が大好きだった。お隣ということもあって窓から覗いても花の様子が良く見える。どれも私を誘うような多彩な色を放ち、いつでも甘い匂いを私の居る二階の部屋まで届けてくれるのだ。
それに、花じぃの花壇は四季折々で育つ花も変わっていく。季節が代わるごとに見たこともない花が咲いていくのだから、見ていて飽きることもない。

今日もいつものように遠くを眺めてから、隣の花じぃの花壇に眼をやった。
すると、今朝の花壇にはいつものように花がなく、代わりに花じぃが花壇の土に何かを埋めている真っ最中であった。昨日まで植えてあった色とりどりの花は、全部掘り起こされ庭に転がっている。
根が土から離れてしまった花達は、全て萎れて死に掛けていた。

いつもは枯れるまで大切に育てている花を何故?と不思議に思いながら、私は思い切って花じぃに声をかけてみた。

「花じぃ〜〜」

二階の窓から、できるだけ大きな声で花じぃを呼ぶと、花じぃは声の主を探すかのように左右に首を振り、やがて二階の窓から顔を出す私の姿を見つけ出した。
私が声を出し終えて鼻で深く息を吸った時、気のせいか鼻に付く異臭をわずかに感じたような気がした。
479アニタ:03/07/29 12:32
「やぁ、千代ちゃんかい。休みなのに今朝は早いね」

花じぃが笑顔を見せながらそう言った。相変わらず優しい声だ、と、私は思う。

「花じぃ、どうして枯れてないのにそこの花抜いちゃったの?いつもは枯れるまで大切に世話してたじゃん」

私の正直な質問に、花じぃは床に転がる花に目をやり、ああ、と唸ってから答えた。

「昨日の夜とても興味深い種を見つけてね、可哀相だがこの花達をどけて新しくそいつを埋めてみることにしたんだ」

私は窓から身を乗り出し花壇を見やると、遠慮することなく花じぃに何を植えたのかと聞いてみると、花じぃは笑顔のまま私にこう答えた。

「花壇を荒らした近所の悪餓鬼をな、潰して埋めてみたんだ。楽しみだよ、一体どんな花を咲かせるのか」

悪趣味な冗談だな、と思いながら私は「ほどほどにね」と軽く流して窓を閉めた。
花じぃは教えてくれなかったけど、きっと花壇には見たこともない珍しい花が咲くのだろうと私は内心期待している。

数日後、窓を開けて花壇を覗いてみても花は一向に姿を現す様子はなく、代わりに酷い悪臭がどこからか漂ってくるようになった。
それ以来私は朝方窓を開けることが少なくなった。悪臭は未だ続いている。

あの日の朝以来、私は花じぃの姿をもう一度見ることはなかった。(糸冬)
480アニタ:03/07/29 12:45
以上です、オカルトっぽくなかったかも・・

現在>>196で作り話男さんにリクエストされた話を作ってみたりしているのですが
いかんせん考えはまとまってても筆が進まず完成するまで時間がかかりそうです。
Dの日記、世にも奇妙な〜
で採用されてもおかしくない罠
482蟲篭SP:03/07/29 17:36

 青と碧と淡い蒼紫で飾る紫陽花にきっとあなたは私を思い出す
 
 霧雨が町を覆う。
 雨の日は幽霊が出易いと聞く。

緋い傘と薄灰の浴衣。煙草をふかしながら、進まなくなった筆を置いて外に出た。
幼い弟が亡くなって何年か経つが、決まって梅雨始めの霧が町を覆う日、紫陽花が一番
鮮やかに映えるこの日、必ず弟に出会う。もの哀しい表情で、黙ったままの弟だが、この世に
まだ残っているとどこか物寂しい。

浴衣の裾が露に濡れてしっとりと重い。僕は雨宿りをしようと一つの軒下に入った。人が少ないこの時間帯、
何処に行くあてもなく、僕はふらついている。
483蟲篭SP/01:03/07/29 17:50
慣れたこの町もこの日は別になる。
閑かで、雨音だけが響く。

緋い蛍も、古い井戸も、雨に濡れながら昔を思ふ。

何処かで時刻盤の音がする。
僕は紫陽花の咲く自宅の庭を見つめながら目を細めた。
いつもであれば、自慢の池の鯉は今日は姿を見せない。
埒が明かない誤魔化しを自分の中に残しながらそうそうに家に帰った。

閑まりかえった家の中は薄暗く、人の気配をみせない。あるのは自分の姿だけ。
幽霊はまだ出そうにない。
484蟲篭SP/02:03/07/29 18:02
壁に掛かっている時刻盤は五時を指している。

僕は途中でやめていた執筆を再び始めた。硯の中の墨が幽かに揺らめく。
部屋の窓から見える堤燈の燈りは何かの始まりを示していりよう思えた。

・・・・・ 庭で音がする。
水面に石を投げ入れる音に似たそれは、鯉が泳ぐ時に見せる尾鰭の音とも酷似していた。

時間だけが過ぎていく。いつしか僕はまどろみの中に身を投げていた。
さっきアイス(スーパー○ップのバニラ味)
食べてたら中からなんか柔らかくて丸いものが出てきた。
びっくりしてほじくり出してみたら目玉だった。
びっくりしたけど、そのまま食ったよ、不味かったけど
確かね、二年前だったと思う。漏れが携帯持ち始めてすぐの頃だった。
買ったばっかりだからやたらと使いたかったのね。電話よりメールが多かったけど。

で、ある日のことなんだけど、その日も夜遅くまで友達とメールしてたわけ。
何時くらいだったかなぁ?1時過ぎたあたりだったと思う。
そろそろ寝ようと思って「おやすみ」ってメールしたんだ。
で、相手からも「おやすみ」って来て、寝ようと思ったの。

それから5分くらいして携帯が鳴ったのね。メール着信。
でも、その着信音は友達のじゃなかったから「おかしいな」って思った。
ひょっとしたら「出会い系」とかそういうのかなと思って見る気しなかったんだけど
何か気になって見てみたのね。

そしたら、普通アドが書いてあるはずのところに何も表示がなくて。
その時点でちょっと奇妙な感じしたんだけど、一応中見てみたら
件名は空白。本文にはどこかのサイトのURLが書いてあるだけ。
やっぱり出会い系かな?と思ったけど、前に見たのとは全然雰囲気が違ってて
気になったわけ。でも漏れの携帯はネットできないやつだったから(PCもなかった)
明日友達に見せようと思って、その日は寝た。

続かないと思う。
マジで怖く無いじゃん・・すれ違い
488蟲篭SP/03:03/07/29 20:30

 懐かしい、木の匂ひと共に蘇るのは、痛い位の燈りと鈴の音色
 濃藍に染まる浴衣に身をまとい 虚ろながら 池の中に沈んでいく・・・


気付いた時には時刻盤の針は九時を示していた。僕はほどけかけた浴衣を簡単に締め直した。
雨はどうやら止んでいるらしい。音がしない。僕は机から離れ立ち上がった。
一度その部屋を出ると厨房に向かった。コップに水を注ぐ。ほんのりと碧がかった水はよく冷えている証拠だ。
水を一気に喉に流し込むと、一つ溜息をついた。厨房を出ると廊下が続く。
薄暗い、妙に永い廊下。廊下の一番奥が執筆部屋になっていた。
僕はその光景に違和感を感じた。何も変わってないはずなのだが。

部屋に戻ると、消していないはずの電灯が消されていた。

・・・・・・・、あぁ、そういうこと。

灯りを点けると再び机に向かった。座敷式の低い机には水滴が数粒付いていた。
僕は閑かに息を吸う。

庭から、あるはずのない緋い光りが 池のほうでちかちかしていた。
>>487
いや、「URLにアクセスした友達が〜」って感じで怖い話にしていこうと思ったんだけど
めんどくさくなったんでやめますた。

小説形式が多いので、あえて語り口調で都市伝説的なやつを、と思ったんだけどね。
題材選びからミスった。
490蟲篭SP/04:03/07/29 20:49

深い茂みの奥、小さな緋い球体が飛ぶ。古い、あるはずのない井戸
 一人の少年がそこにおちた  けれど 見つかった藍の浴衣は 何故か
  池に浮いていたというのに

 鯉がいない  

 どこへいってしまったのだろう



虚ろな視界に入ってくるのは昔の自分  




廊下から人の気配がする。ずっとこの部屋の前にいる。でも僕は机の前から外を眺めた状態から動こうとはしなかった。
部屋の外に居るそれは僕は知っている。見なくても分かる。無機質な笑顔を浮かべた、一人の少年。
彼は僕を怨んでいるだろうか。

時間が経つのが早い。
491あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/29 20:49
続きキボンヌ
492蟲篭SP/05:03/07/29 22:09
昔の思いは色褪せて 今の自分が残ったといっても過言でない。虚無は虚無のまま残され 堤燈の残り火は燈ったままだけど・・・
・・・・・だけど・・・

どうやら又眠っていたらしい。時刻は九時を示している。
外からはしとしとと雨が降っている。机に向かう窓には霧雨が付いている。
緋い光りは見えない。

幻が過ぎ去った。

そして昔の自分も過ぎ去った。

いつもの自分が窓に映っている。
少年は毎年、この日にやってくる。
盂蘭盆会も近い。

僕は執筆を続けながら来年もここにいるだろう。

 
 青と碧と淡い蒼紫で飾る紫陽花にきっとあなたは私を思い出す


いるはずのない弟と それと過ごした空白の一年を

徒然なるままに雨の日にそれを記す
 
493_:03/07/29 22:09
494蟲篭SP:03/07/29 22:15
即席SS書いてみました。
今更ですが、初めまして〜。
495あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/29 22:26
毎日夜中の同じ時間に同じ場所で自分を撮影する。
それを一週間繰り返す。
そのあいだ別のものを写してはいけないし、自分の写真を消してもいけない。
すると7日目には自分の死んだ時の写真が写っている。
それがもし、今の年齢に近いならば・・・。
496_:03/07/29 23:13
497_:03/07/29 23:58
498_:03/07/30 00:45
499_:03/07/30 02:11
500_:03/07/30 03:27
age
502あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/30 21:38
友達の大人の人なんですけどその人が帰りにゴミ捨て場で綺麗なフランス人形を拾ってきたんです。(娘のために)帰って娘にあげたら・・
「怖い」といって返してしまいました・・
友達は綺麗なので「おれの部屋に置こう」と決めました。そのよる・・・・
何かがのってきたらしいんです。
うすうす目を開けると・・・人間のようなものが・・・・友達は目をつぶり朝まで震えてました・・・・・。
次の日・・・・人形が気味悪くなった友達はその人形を捨ててしまいました・・・その日帰ってくると自分の部屋に人形が!驚いた友達はそのまま窓の外に捨ててしまいました。
次の日の朝時計を見ると人形が座ってました・
・・友達はその日が休みだったんでその人形を
目の前で燃やしました(これは僕と一緒に)
そのときたしかに「熱いよぉー」ときこえたのです!そのひはすぐにかえりました・・・
友達がその日の帰り道・・・
後ろから何かがついてきたらしいんです
後ろを振り向くとそこにはあの人形が・・・
友達はその日に電話をかけてきてそれから家族
ともども行方がわからなくなってしまいました
。これはやはり人形の呪いなんでしょうか?・
・・・・・・・・・・
503蟲篭:03/07/30 22:11
>>502
どこかで読んだことある。
典型的すぎない?(人のこと言えないような。

今年1月33歳を迎えた、ある女に、彼氏ができた。インターネットのフォーラムで
知り合ったらしいが、関東・関西とお互い遠距離。しかし、彼女の方が関西で開かれた
OFF会に出席し意気投合。そのままホテルへ…というなりゆきで、避妊もせず励んだらしい。
3ヶ月後、妊娠が発覚。しかし彼女は鬱病だったため、子供を流産してしまった…。
その直後に彼氏の浮気も発覚し、彼女はショックで寝込んでしまう…。
妊娠は彼氏には内緒だったため、彼氏は彼女の妊娠を知らない。そこで彼女は考えた。
「仕返ししてやる・・・・・」

数日後、彼氏の家に宅配便の荷物が届く。「お、アイツからだな。」
箱には「イカの塩辛」と書かれている。彼氏の好物だった。
早速彼氏は包みをほどき、箱を開けてみる。箱の中には瓶詰めが1本入っている。
しかし、なぜか中身が真っ赤に染まっている…。
箱には手紙が添えられていた。
「ワタシの体の中で育てた赤い塩辛、よかったら食べて…。
OFF会の後にワタシの体に入ったあなたの分身よ。」
「…嘘。ゴメンね。イカの塩辛にトマトジュースを混ぜただけよ。味は美味しくないかも
しれないケド。でも、これを読んでいるってことは、ワタシはたぶんこの世にはいないわ。
この塩辛を送った後、ワタシ、あなたがくれたプレゼントに付いてたリボンで、
首吊ってるから。天国で、あなたが浮気しないように監視してあげるわ。」

彼氏は悪い予感がし、テレビをつけたらちょうどニュースの時間。
「昨日午後11時ごろ、都内のマンションで女性の首吊り死体が発見されました。
身元を調べたところ、33歳の竹村啓子さんと判明しました。」
その時、彼氏が後ろを振り向くと、死んだはずの彼女が立っていて、突然彼氏の首を
手で絞め始めました。

一人暮らしだった彼氏は数日後、腐乱死体として発見され、そばには、イカの塩辛の
入った瓶がそのまま置かれていました。
505&lro;:03/08/01 04:58
 
506&lro;:03/08/01 04:59
 
>504
う〜ん
彼氏を殺すっていうあたりのは蛇足かも。
なんか、ありがちな落ちになっちゃったというか。
個人的には

>「ワタシの体の中で育てた赤い塩辛、よかったら食べて…。
ここら辺のを落ちにもってきたらむちゃ怖かったかも。
508あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/08/01 10:38
>>507
同意
題材はいいと思った
509あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/08/01 11:08
自室で起きたら足首をガッと掴まれていた。凄い力。首回らずに足が見えなくて
怖いからとりあえず「ナンマンダーナンマンダー」て適当に唱えてたら
「コイツお経唱えてるぞ」て声が聞こえて解放された
510あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/08/01 12:43
「怖い話しようぜ!!」
そんな言葉がきっかけで友達どうしてあつまった。
「誰からはなす?」
4人は顔を見合わせた。
「それじゃあたしから話すね!」
一人の女の子が言った。

『Aは母親と二人暮らしでした。
古い形の都営団地の5階に10年ほど前から暮らしていました。
玄関を入ってからすぐに3畳の部屋が台所と隣接してあり、そこがAの部屋。
狭いながらも自分の部屋がもてた事にとても喜んでいたAは毎日のように学校の友達を家に呼んでは母親と一緒に夕御飯を食べたりしていました。
夏休みに入り、学校に行く予定がなくなると、遊びに行く前には必ず家事をすませてから出かけるという習慣で、今日は、お茶碗を洗ってから遊びに行こうと、一人お茶碗を洗いはじめました。
リリリリ・・♪
電話が鳴って、出てみると友達の声。
「今日さ、昼すぎから雨が降るんだって。だから今日は却下にしよう」
ちょっと残念に感じながらも、仕方なしに承諾した。

昼過ぎになってやはり雨が降り出した。
けっこうなどしゃ降りで、窓から見える公園はちょっとした池のようになっていた。
ドンドン!!
家の玄関をたたく音。
「はーい。どなた様ですか?」
Aが急いで玄関に行くと、相手は無言だった。
母親と二人暮らしなAは、小さい頃から玄関の戸締まりなどはキツク言われていたので、玄関は開けずにもう1回たずねた。
「どなた様??」
玄関のむこうから男の声がした。
「●○新聞のものですが・・・」
Aは、またか・・と思いながらも、母親が不在だからわからないと丁寧に断った。
511あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/08/01 12:46
夕方7時をまわった頃、玄関から母親の声がした。
「A〜開けて〜!荷物が多くて開けられない〜」
Aは急いで玄関にむかった。
「今開けるよ。」
そう言いながら鍵を開けようとしたら、母親のノブを廻す方が早く、鍵がうまく開かない。
「ちょっと!!開けるから手はなして!」
ガチャガチャと鍵を開けながらフと下を見ると、玄関の床に足跡がついていた。
「ただいまぁ〜」
母親が荷物をいっぱいぶらさげて入ってくる。
「すごい雨だよ〜。もうびしょびしょ。」
台所で、冷蔵庫に食材をつめこみながら喋る母親を背中に、Aは玄関の足跡を凝視した。
男の長靴のような滑り止めの刻みが大きい靴の足跡が、泥でハンコのようについていた。
ちょうど、階段を上るような感じで、玄関のドアを開けて足を半分踏み込んだような足跡。
「・・・・・?・」
まぁいいか。
その日は1日中雨が降った。

512あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/08/01 12:48
それから1週間後、友達が遊びに来るという予定が入った。
Aは、いつもどおり家事のお手伝い。
母親が仕事に行ってる時は遊び放題だ。
約束の時間の11時。
友達がおしゃびりしながら階段を上ってくるのがわかった。
ドンドン!!
元気よく扉がたたかれる。
「はいは〜い♪」
鍵を開けようと、台所から玄関に身を乗り出し、靴を踏まないように鍵を開けようとした。
「!!!」
Aは玄関に目を落とし、動きが止まった。
ほんの勉強机ほどの広さの玄関のど真ん中に泥の長靴のハンコがあった。
大きさは30センチほど。
ドンドン!!!
「早くあけて〜!暑いんだから!」
友達の苛立つ声に慌ててAは鍵を開けた。
ドカドカと4人の友達が入ってきた。
「本当に外暑いよぉ〜クーラー付けていい?」
「ジュース買ってきたよぉ。」
口々に喋り出す友達の笑い声で、足跡の事はあまり気にならなくなり、部屋に戻ってクーラーをつける為に窓をしめた。
外は夏本番の快晴だった。
513あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/08/01 12:48
そろそろ夏休みも終りに近づいていた。
案の定、ため込んだ宿題を必死になってやっていた。
はぁ・・遊びに行きたい。。
Aは大きくため息をついた。
本当は今日は友達みんなでBBQだったはずなのに、宿題のおかげで遊びにいけなかったのだ。
母親が仕事が休みで1日中監視されている。
家からの脱出も困難だ。
「ちゃんと全部やったら遊びに行っていいのよ。」
母親が昼御飯をつくりながら言った。
「・・・おわんないよ。。」
全部できないと諦めて外を見た。
快晴。いい天気だ。
「ちょっと、足りないものがあるから買い物行ってくるわ。なにか食べたいものある?」
母親の言葉に、脱出のチャンスを感じた!
「別にないよっ!!」
エプロンをつけたまま母親は財布も持った。
「宿題終らせないで遊びに行ったら御飯食べさせないからね〜」
「はぁい・・・」
読まれたか・・
Aは仕方なく宿題をつづけた。
514あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/08/01 12:49
15分ほどして母親が帰ってきた。
「A〜!!開けて〜!」
いつもどおりの声。
もう!自分で開けるのが面倒だからって!!
ちょっとイラつきながらも玄関にむかった。
「はいはい。今あけるか・・」
言葉を全部言い終わる前にそれは悲鳴にかわった。
「きゃぁぁぁぁぁーーーーー!!」
突然の悲鳴に母親はびっくりして玄関を激しくたたいた。
「どうしたの??どうしたの!!」
Aはその場で腰をぬかして立つこともできず、必死で玄関から離れようと壊れそうな心臓の鼓動を感じながらあとずさった。
「A!!!」
母親が鍵を開けて飛び込んできた。
ただならぬ娘の様子に母親も気が気ではない。
「どうしたの?どうしたの?」
繰り返す母親にAは震えながら言った。

「ぬるぽ」
「ぬるぽ、って何よ?」
母親が震えながら聞くが
「ぬるぽ」
としかAはこたえない。
517あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/08/01 12:59
「あ・・・足跡・・!!」
Aの指差す方には泥の長靴のハンコがあった。
玄関の靴を脱いだり履いたりする所から1段あがって台所になるその入り口側に大きな長靴の泥のハンコがあった。
「何・・?足跡?」
拍子抜けしたように母親は足跡を見て、ため息をついた。
「驚かさないでよ。何かあったと思うでしょ!」
母親はすぐそばにあった雑巾を濡らし足跡を拭きはじめた。
「早く宿題しなさい!!!」
Aは消されて行く足跡を見ながらおもった。
右足だ・・・
思い出した。
1番はじめの日の足跡は右足。2度目の足跡は真ん中に左足。そして今日・・・

「わぁぁぁぁぁ!!!」
突然男の子が大きな声をだした。
みんな声も出ないほどビックリ。
「ちょっと〜怖い話してる時におどろかさないでよぉ。」
友達が言った。
「びびったべぇ〜」
嬉しそうに男の子が言う。
「それで!それでどうなったの?」
怖い話大会の喋り手となってた女の子はみんなの注目をあつめた。
「そのAは、実は私なんだ〜」
みんなは笑った。
「嘘だぁ〜!」
「嘘じゃないよ。みんな遊びに来た日だよ。その足跡があったのだってこの玄関だもん」
Aが自分だと名乗った女の子は言った。
「やだぁ〜怖いぃ・・・」
友達が言った。
「なぁ・・」
男の子が難しそうな顔で口を開いた。
「それからその足跡はどうなったんだよ。」
母親がただならぬ様子のAを抱きかかえながら玄関から居間にむかおうとする。
自分が落ち着かなければならないのだ、と言い聞かせながら。
そのとき、玄関のインターホンが押された。
ピンポーン♪
びっくりして覗き穴から見ると、そこには大きなハンマーを持った男が立っていたのだ!
519あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/08/01 13:04
「え?それからは何もないよ。だから怖くないんだ〜♪」
Aは笑った。
男の子がクルリと玄関の方をむいた。
「って事はさ、そこにまだ立ってるんだな。」

              end
520あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/08/01 13:08
>>518
なんか話しの途中で割り込まれたーー(/´△‘\)アウアウ
しかもなんか うまいぐあいにはまってるからガ━━(゚Д゚;)━━ン!
521あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/08/01 13:18
へっくし!!
風邪をひいてしまったみたいだな。
そんなことを考えながらたまった残業を片付けていた。
年の瀬もさしせまったよるのことだった。
夜というよりもう夜中といった方がいいかもしれない。
一段落ついてコーヒーでも飲もうかと思って1Fにある自動販売機まで階段で下りていた。
夜はエレベーターが使えないので5Fから下りるのは一苦労だ。
523あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/08/01 14:16
(o^∇^o)ノ
524あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/08/01 14:17
へっくし!
またくしゃみがでた。
やっぱ風邪だなぁ。
階段をおりる音がやけに耳につく
525あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/08/01 14:56
(´・ω・`) んー・・
526あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/08/01 15:30
(´・ω・`) んんーーー
>520
連書きする時はsageでやったほうがよかったね
今更行っても遅いけど、話けっこう怖かったんで次回も期待
age
と、いうよりもじわじわレス数が増えていくのもオカ板らしくてイイw
530山崎 渉:03/08/01 23:49
(^^)
竜籠さんはボキャブラリーも豊富で文が綺麗でいいね。グッジョブ。
ただ、それを本人が自覚しすぎてる風なのがマズー。あまり通ぶるのはカコワルイ!
532ν酋長 ◆CGrsi.YPSE :03/08/02 03:33
前に某板で書いたやつなんだけど、いいかな?
恐いって言うより、後味が悪いって感じなんだけど。
533あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/08/02 04:10
いいよ、どんどん書いておくれ
534蟲篭:03/08/02 14:42
>>531
・・・・・蟲篭なんでつが・・・。
竜じゃないですよ!蟲です!
蟲篭と書いて「ムシコ」と呼んでます。
535あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/08/02 22:36

***こんにちは いつも楽しく閲覧させていただいてます。*** 

 「なんだ?これは?」
その日、俺のホームページに1つの気になる書きこみがされていた。

俺は中学2年の男。数日前、ネット好きの友人の影響で自分のホームページを作ってみた。
 当然まだコンテンツなどは作っていない。というか、作れない。ページを作るやり方もあやふや。 
取りあえず、友達が書いてくれたタグとかいうやつをそのままコピペして
大体の骨組が決まった。 取り合えず、掲示板とプロフィールと言うやつだけを載せておく事にした。

***こいつをここにコピペするとここに掲示板へのリンクが出来るから・・・***

前に友人が教えてくれたやり方で自分で掲示板へのリンクを貼る事ができた。
 次の日に自分で自分の掲示板を覗いてみると、知らないHNの人が書き込みをしていた。

「いつも楽しく閲覧させてもらっている だって?? まだ誰にも公開していないのに??」

 ***こんにちは いつも楽しく閲覧させていただいてます。*** 
   ***突然ですが、Aと言う話をご存知ですか?***
「わけわからんな、誰だコイツは。」
 
  


     …激しく駄作、続かないと思われます
536あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/08/03 12:13
age
537あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/08/03 12:31
自室で起きたら足首をガッと掴まれていた。凄い力。
そのまま回転開始。ジャイアントスイングだと俺はスグに悟った。
もう凄い遠心力。凄いスピード。もう凄いG。8Gぐらい、ドラクエなら薬草だって買える。
そのままベッドの外へ投げ飛ばされ終了。気絶から目を覚ましたとき、朝日が眩しかった。
がんばれ。超がんばれ。
539ν酋長 ◆CGrsi.YPSE :03/08/03 14:17
あるところに一人の若者がおりました。
彼は頭が悪く、貧弱で、酷くブサイクでした。
そのため友達は一人もいません。
彼はいつも一人ぼっちでした。

ある時、彼の元に妖精がやってきました。妖精は彼に言いました。

「君は可哀想な人だから、僕が願いをかなえてあげるよ!」

男は少し興奮気味に妖精に訴えました。

「僕に友達がいないのは、僕がブサイクだからだ!妖精さん、僕をかっこよくしてください!」
「いいとも!それ!」
妖精は彼の顔の周りを一回りしました。

すると男の顔は見たこともないようなハンサムに変身していました。
540ν酋長 ◆CGrsi.YPSE :03/08/03 14:23
男は喜んで、妖精にお礼を言い、街へ飛び出しました。
街で勇気を出して女の子に声をかけました。
女の子はほほを赤く染めて彼についてきました。

街道沿いのカフェテラスで、二人で楽しく話をしました。
しかし、しばらくすると女の子はブリブリと怒り出しました。

「あなたって、頭が悪いんですもの。もっと気の効いたジョークの一つも言えないの?
つまらないわ。幻滅よ!あなたなんか大嫌い!」

こう言って女の子は帰って行きました。

男はもう一度妖精に頼みました。
「やっぱり頭が悪いことには話にならないみたいだ。頭を良くしてくれないか?」
「いいとも!それ!」
妖精は男の頭の上でクルリと宙返りをしました。
するとどうでしょう!?
男の頭はぐんぐん冴え渡り、世界の全てを悟ったようです。
男にはシナプスが連結する音が聞こえていました。

「では、女の子に声をかけてくるとしようか」
男は街へ繰り出しました。
541ν酋長 ◆CGrsi.YPSE :03/08/03 14:32
首尾よく女の子を誘い、カフェテラスで語り合いました。
女の子の目は潤んでウットリしています。
これならきっと上手くいくと思った男は、女の子を海岸に誘いました。
女の子は恥ずかしそうにコクンと頷きました。

二人で海岸へ行くと、そこには悪漢が二人ほどおりました。
悪漢は男を問答無用でボコボコにし、女の子を連れ去ってしまいました。

翌日、女の子からこんな電話がありました。
「あなたって、顔も素敵だし頭もいいけど、凄く貧弱なのね!男は女の子のナイトになれなくちゃだめよ!
あなたみたいな人、もう知らない!」

男は妖精に詰め寄りました。
「これで最後だ!妖精よ、俺を屈強にしてくれ!」
「いいとも!それ!」
妖精は彼の体の周りをぐるぐると回りました。

すると、あっという間に男はマッチョマンに変身しました。
男は妖精に礼も言わずに街へ練りだしました。
適当な女の子に声をかけると、意外なことに誘いを断られてしまいました。

「俺様の誘いを断るとは、気に入らないな。お前なんかこうしてやる!」
男は女の子を抱え上げると、空へと放り投げました。
542ν酋長 ◆CGrsi.YPSE :03/08/03 14:37
女の子は星になりました・・・。

その一部始終を見ていた街の人は、我先にと街から逃げ出しました。

ゴーストタウンと化したこの街で、彼はまた独りぼっちになってしまいました。
悲しくて3日間、寝ずに泣きました。
すると、ハンサムだった顔がどろどろに溶け始めました。
さらに3日経つと、今度は脳味噌がどろどろに溶け始め、耳から流れてきました。
さらに3日経つと、今度は肉体です。肉体もどろどろに溶け出し、最後には巨大なベーコンになってしまいました。

そこに街の人々が帰ってきました。
街の人々は街道に落ちている巨大なベーコンを見て、大喜びで宴を始めました。
誰も彼も、ベーコンに舌鼓を打っています。

妖精はそんな街の人々の様子を見ながら、誰にともなく呟きました

「人気者になれて良かったね」

                           (おわり)
543537の続き(かってにw):03/08/03 16:35
俺は腕に自身はあったのだが幽霊にあっけなく負けてしまった。
それから一ヶ月後の同じ日。寝ていると…ガシッ!
うぉっ!またでたな!俺はそう言いながら幽霊につかみかかった。
相手がこちらを触れるのだからこちらが相手を触れないはずはない。予想通り掴めた。
幽霊は白い靄で人の形をしていた。俺は負けるわけにはいかんと必死で殴りかかったが相手はびくともしない。
そしてまたジャイアントスイングで試合終了である。
544厳しい人:03/08/03 16:39
>>542
駄作、17点。
だが話の連結はうまいと思う。
文を作る能力はあるがセンスが足りない。
545537の続き(かってにw):03/08/03 16:43
俺は悔しくて悔しくて、プロレスを始めた。幽霊に勝つために。
次の月、負けた。その次の月、負けた。その次の月、負けた。……………。
そんなこんなで1年半も幽霊と戦い続けた。そして、、、
ガシッ!…でたな!今度こそ!
速攻で掌打を決めまくる。
幽霊"ウヴァー"
効いている。いけるぞ。その時幽霊のラリアットが!ぐぁ、すごい力だ…。
ここで意識が無くなったら俺の負けだ!俺は勝つぞ!そして幽霊に俺の新必殺技、垂直落下ブレーンバスターが決まった!
幽霊"アヴァァー"ついに幽霊は消えてなくなった。俺は幽霊に勝ったんだ!眩しい朝日が俺を迎える。


…………。5年後。俺はリングの上へ覆面レスラーとして立っていた…。終わり。
>545
まず、sageろ
そして、ここが「怖い話」スレであることを思い出してくれ
"アヴァァー"ッテナンダヨ。ワラッチマッタジャネーカヨw
たまに鯨やイルカの死骸が打ち揚げられるが、その中に工作員や密入国者の死体が入ってるときがある。
548あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/08/07 21:33
>>VS幽霊
ワ、ワロタw
549あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/08/08 13:00
つーか>>546のつっこみに笑ってしまった
>>542
最後のオチが氣に入つた。

>人気者になれて良かったね
551グロ画像がみたい:03/08/08 14:09
初めて2チャンネルというものを知り、どっぷり漬かってしまったのは半年前。
それから毎日のように観覧していた。
たまには書き込みもするのだが、主に見るだけ。
2ちゃんねるには今まで想像もしなかったような現実の世界の出来事が凝縮されていて、
新しい世界に入れたようで楽しくてしかたがなかったのだ。
オカルト板にはまったのは1ヵ月前。
死体の画像やら、動画やら、動物の虐待画像やら人が死ぬ話やら・・
自分では気付かないうちに感覚が麻痺していたのかもしれない。
“もっと、ドギツイ画像はないのかな。脳みそも内臓も見飽きた・・”
そんな事を思いながら今日もグロ画像を引っ張っていた。
“今までで1番えぐいと思う画像ってスレ・・造ってみようかな。そしたら・・まだ俺が見てない
画像が見られるかもしれない”
そんな気持ちになって、すぐにスレをたてた。
1時間がたっても、レスはいっこうに無かった。
“おかしいな。いつもだったら>>2争いでも起こると思ったんだけど・・”
煽りや荒らしもいっこうに書き込む様子が無い。
どんどんスレは下がっていくいっぽうだ。
“カブッたのか・・な?”
諦めて俺は電源を落とした。
ーーーーーーー続くーーーーーーーーー
552グロ画像がみたい:03/08/08 14:44
次の日から仕事が忙しかった。
ネットに入る余裕すらない。
“はぁ・・仕方ないから家に帰ってからでもゆっくり2CHやろう”
上司に居酒屋を誘われたのだが、断って家に直帰した。
家につくと、缶ビールを1本冷蔵庫から取り出し、タバコに火をつけてからPCのまえに座った。
ブゥゥン・・・
すぐに2CHに入った。
すぐにオカルト板に入るのは当然の運びだ。
「あ!!!」
思わず声に出した。
1.今までで1番えぐいと思う画像 (2)
“レスされてる!!”
心の中で、ただの>>2ゲッターかな?と思いながらもクリックした。
『2   >>1さん、私が今までで1番えぐいと思った画像です。
ttp://myweb.cableone.net/idcomp/chechclear.asf
"おおおお!!”
俺はすごく感動した。
どんな画像が見れるのか。もしくはもう見た画像で、がっくりするかもしれない。
すぐに見てみる事にした。
ブゥゥン・・
((バッファ処理中10%・・・))
画面に表示されはじめた。
"おお!動画なのか!”
わくわくしながら%の数字が増えるのを心待ちにした。
俺の右手はマウスの上で再生▽を押すのは今か今かとまちうけている。
100%
"よし!はじまった!”
再生を押そうとしたら、勝手に動画がはじまった。
何も音の無い中でひとりの白人男性が土の上に倒れていた。
いや、正確には頭を踏まれて倒されていた。
ーーーーーーーーーーーつづくーーーーーーーー
553グロ画像がみたい:03/08/08 14:52
俺は真剣にその画像をくいいった。
   〜中略〜

"はぁ・・結構よかったなぁ。でも昔に似たような画像みたような気もする”
感想的には90点だった。
期待が大きすぎると、ちょっと点数が下がるものだ。
映像も短かったしなぁ。
うん・・でもリアルはやっぱ違うなぁ。
とても気分が良くなった。
レスしてくれた人にお礼のレスしなきゃ!
俺はさっそく自分で立てたスレを見た。
"あ・・”
レスが3に増えていた。
>>2  みれないよぉぉーーーー!!新しいURL貼って!』
名無しさんだった。
今見れたのに、もうみれなくなったのか??
とりあえず・・
>>2ありがとう。とても良かった。もっといいのがあったら貼ってね!こちらも
ガイシュツではありますが、いろいろ持ってるので(ウキウキ』
こんなもんでいいかな。
ーーーーーーーーーーつづくーーーーーーーー
554グロ画像がみたい:03/08/08 15:17
「おい!いい画像手に入れたからうちに見に来いよ!」
俺は会社の同僚を誘った。
会社の中間Bも、2CHによく出入りしていた。
「おお!観にいくよ!本当にいい画像なんだろうなぁ?」
「俺の中では90%だぜ!」

家についてすぐにBにビールを手渡した。
「さ、観ようか!」
画像を開いた。
PCの画面では昨日と同じ画像が流れている。
「うわぁーーーー・・けっこうエグイなぁ。」
Bは顔をしかめた。
「な!ここの所の表情なんかすごくね?かなりリアルだろ?」
俺は何度もコマ送りをしてみせた。
Bは、もういいよ という風に顔を背けた。
「お前さ、昔は虫も殺せなかったのにどうしたんだよ。そんな瞬間をコマ送りして楽しむなんてどうかしてるぜ。」
た・・楽しむ??
一瞬俺はわれにかえった。
そう。俺は楽しんでいた。
自覚はなかったものの、人が・・・瞬間を楽しんでいた。
「はは・・少し酔っ払ったかな?」
俺は、まだひとくちしか飲んでないビールを軽く持ち上げて笑ってみせた。
「んーー・・まぁ、音を出さないで観るあたりは、昔から変らないな。お前、音でビックリするのとか嫌がって怖い話のテレビとかでも音消してたもんなぁ」
あ!!そういえば!!
画像の強烈さで音の事を忘れていた。
家のPCはいつも音を消していたのだ。
「あの白人の男、なんか一生懸命喋ってたもんなぁ・・・」
言葉が終るかおわらないかの時に電話が鳴った。
555グロ画像がみたい:03/08/08 15:26
「じゃ、またな!」
Bを見送った。
奥さんからの電話で、今すぐ帰らないといけない という事だった。
“音・・そういえばあの画像の音聞いてない・・”
激しい好奇心が俺を襲った。
何度も覚えるほど観た画像。ここで音を聞かないなんてもったない。
その時の俺は、もう【音でびっくりするのが嫌い】だった頃の俺じゃなかったんだな。
PCの画面の下をモソモソさぐった。
ダイアルが付いていて、それで音量を上げる事ができた。
数字は0から70に上がった。
再生ボタンをおした。
「・・・・・・〜**;‘;:・・・」
何か声は聞こえるがいまいち聞き取れない。
数字を90に上げてみた。
556グロ画像がみたい:03/08/08 15:34
「・・**??NO!・・help・・**@;・・!」
少し聞こえてきた。
英語で何かを叫んでいた。
俺は英語がわからないので、とりあえずヘルプって言ってたから・・まぁ、断末魔の叫びだな・・と思った。
数字を120に上げた。
今度はもうちょっと聞こえるようになった。
聞こえると言っても、英語だから何がなんだか。
でも、単語が少しは理解できた。
"プリーズ・・エンド・・エンドレス・・?ギブ・・ユー・・ストップ”
もうその画像に夢中になっていた俺は、わかる単語を必死で紙にメモしていった。
英語で書いたりカタカナで書いたり・・
踏まれている男と、ナイフを持った男のやりとりが聞きたかったのだ。
何回繰り返したか・・
なんとかすべての言葉をメモした。
辞書を引こうと思ったが、ちょっと面倒だった。
"そうだ。Bに電話して聞こう!”
ーーーーーーーーーつづくーーーーーーーーー
557今井英二:03/08/08 15:40
          ,,.-‐''""""'''ー-.、
        ,ィ"          \
         /              `、
        ,i              i
      r'-=ニ;'_ー-、___,,.ィ‐‐-,,_  __|
       | r,i   ~`'ー-l;l : : : `l-r'"メ、
      ヾ、       `ー‐'": i!_,l_ノ`
       |         ,:(,..、 ;:|/
       |        ,,,..;:;:;:;,/
       /  `::;;.   '"`ニ二ソ
     /7    ゙゙:`-、;:;:;;;:;:;:;;/
   ,,.ィ"`:、        "/;:`ー-:、.._
558グロ画像がみたい:03/08/08 15:48
俺はたどたどしい英語でそれをBに伝えた。
「なぁ、これ全部日本語にしてくれよ!!」
わくわくしてる俺にBは何も答えなかった。
「なぁ!聞いてるのか??」
煽る。
「・・・・・・・あぁ・・」
それだけ言ってBは電話を切った。
"なんだよあいつ。感じわるいなぁ。英語喋れるんだから今いってくれればいいのに”
明日、会社で聞けばいいか。
そう思って俺は布団に入った。
559グロ画像がみたい:03/08/08 16:02
次の日会社に行くとBは冷たい目で俺を見ながら1枚の紙を渡してきた。
「ここに書いておいたからよ。なんとも言えないけど、俺は・・・まぁいいや」
何かを言いかけてBは背中を向けた。
友達のそんな態度よりも今の俺には画像の言葉の方が重要だった。
興奮して折りたたんだ紙を広げた。
そこにはボールペンで乱雑にかかれた英語の下に、赤のペンでフリガナをふるように日本語が書かれていた。
「おねがいだ!もうやめてくれ・・」
出だしの言葉だった。
"ああ、ここぐらいだったら俺もわかったぜ”
そう思いながら続きを読んだ。
「これで最後にしてくれ!何回殺せば気が済むんだ!何回繰り返すつもりだぁ・・」
何だ??
俺は不思議に思った。
あの画像の内容とセリフが一致しない気がした。
何回ころせば・・・??
続きを読んだ。
「お願いだからこれで最後・・開放・・楽にして 」
ちょうど死ぬ瞬間の言葉だとわかった。
英語がたどたどしくなってたから。
俺はふにおちなかった。
"最後とか、開放とか、あの白人は拷問でもうけてたのか??”
最後の行に目を落とした。
他の字より一回り大き目の殴り書きだった。でも、赤ペンの日本語は書いていない。
ここまで見て、最後の1行だけ読めないなんて誰だって気になるだろ?
俺は隣の席のやつにそのメモをみせた。
「なぁ、最後の1行、なんて書いてあるんだ?訳してくれよ!」
隣のやつは、メモを受け取り、目をとおしてから少し眉をひそめて言った。
560グロ画像がみたい:03/08/08 16:07




















「ナイフの男って書いてあります。」
そういえば最後に別の男が喋ってるのを思い出した。
「それだけ?」
聞き返す俺に、そいつはつづけた。
「こいつは何度でもリプレイするぜ。ほら、お前が死ぬのを楽しそうに見てるじゃないか」
踏まれてた男の最後の目と、ナイフを持った男の最後の笑い声が脳裏によぎった。
561四氏:03/08/08 17:35
いつからか分からない位の間、ボクはそこにじっとうずくまっている。
でも動いたら、あいつらにみつかっちゃう。
さっきも歩き回る音が聞こえた。ボクを探してるの?
大丈夫、ここを知ってるのはお父さんとお母さんだけ。
もうすぐ助けに来てくれる。
そうは思っても不安で泣き出してしまいそうになる。
「お父さん・・・お母さん・・・」
おなかがすいたよ。さみしいよ。ここからでたいよ。
もう何時間もあいつらはいる。何日も経ってるかも。
あいつらなんかいなくなればいいのに。ここはボクの家なのに。
562四氏:03/08/08 17:42
あのとき、お母さんはずっと泣いていた。
お父さんがそこに来て、「早くしなくちゃ」と言って
お母さんになにかを渡した。ご飯粒みたいな白い粒。
飲んで3人で横になった。

起きたら二人とも紫色の顔で、口から緑色の泡がでてた。
ボクが寝たあとにこっそりなにか食べたのかな?と思ったそのとき、
「ドン!ドン!ドン!ドン!」家の扉がすごい音を立てた。
誰かがたたいてる。隠れなきゃ、どこかに!
563四氏:03/08/08 17:43
それからずっとボクはここにいる。
白い粒飲んだのに楽しいことなんかなにもない。

ここは真っ暗でさみしいよ。
あいつらが動き回ってる。しゃべったり、笑ったり、食事をしたり、眠ったり。
音が聞こえる。ボクの頭の上から。
もう何日もあいつらはいる。何年も経ってるかも。
あいつらなんかいなくなればいいのに。

おなかがすいたよ。さみしいよ。ここからでたいよ。
おなかがすいたよ。さみしいよ。
あいつらなんかいなくなればいいのに。
ここはボクの家なのに。
564ポポ:03/08/08 18:45
ある日、かんなという女の子がいました。
かんなは、人の全てを奪う事ができるという不思議な魔法が
使えました。
しかし霊界では、人の全てを奪う事は犯罪とされ、彼女は
指名手配にされていたのでした。

それに目をつけた暗殺者のポポが、かんなを霊界に送ろうと
人間の女「さやか」になって、人間界に降りたのでした。
565ポポ:03/08/08 19:01
かんなはマンションに1人暮らしでした。
「さやか」は、かんなの部屋の近くに住みました。
さやかはまず結界を貼り、魔法を使えないように
しました。

一方かんなはさやかの全てを奪おうと魔法をしかけましたが、
結界が邪魔で上手くいきません。
かんなはさやかの部屋に結界が張ってあるとおもって、
魔術で結界を破ってしまったのです・・・!
566ポポ:03/08/08 19:08
しかし、さやかであるポポは行動の早かったのです。
結界がやぶられたと感じたさやかは、すぐ結界を
はったのです。

かんなはまた魔術で結界を破りましたが、さやかはすぐ
結界を張りなおすのでした。

そんな日々が続いて約1ヶ月・・・
567ポポ:03/08/08 19:53
かんなはとうとうさやかを殺そうとしました。
魔法をかけても意味がないと思ったからです。

かんなはさやかを屋上に呼び出しました。
さ「お話ってなに?」
か「あのね・・・」
グッ!
かんなは屋上のフェンスにさやかを縄で縛り付け、ポケットから
包丁を取り出したのです!
さ「な、何するの!?」
か「見て解かるでしょ?殺すの」
さやかは足も縛られ、身動きが取れない状況でした。
さ「た、たす・・・助けてーーーー!!」
568ポポ:03/08/08 20:19
絶体絶命のさやかはポポに戻りました
か「な、なんなの・・・!?」
ポ「大秋かんな、逮捕、成仏する・・・」
か「え?た、タイホ?」



しかし、もう遅かったのです。
かんなは包丁でさされていました。
ポポは消え、かんなは倒れたあと、ずっと動きませんでした。






その後ポポは、5分の1の報酬しかもらえませんでした。







なぜなら、かんなの魂は、霊界にはなかったからです。
569あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/08/08 22:58
ま・・魔法って・・やめとけよ
本当に・・
570あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/08/08 23:00
563の続き∋みたい
571あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/08/09 09:22
グロ画像が見たいってやつ、かなりゾっとした!!
本当にリンクできるあたりがマジでリアル・・・つくり話とは思えない!
>>571あのグロ画像本当に病むね・・・
オイラも相当病んだよ・・
573あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/08/09 10:32
あのグロ画像本当の殺人なの?だれかオセーテ!
母親がメールで顔文字とか使ってきたら怖い。
出会い系とかやってんじゃないかと疑いたくなる・・・。
>ある日、かんなという女の子がいました

ある日じゃなくて、あるところに!だろ!(屮゚Д゚)屮
576あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/08/09 12:44
グロ画像が見たいって話、あの動画みないと意味わからなくなっちゃうね。
でも自分が体験してるみたいで良かった。
83点
577あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/08/09 12:46
573
本当の殺人だよ!
結構有名なやつです。この掲示板きてる人なら一度はみてるんじゃないかな?
(´・ω・`)
(・∀・)イイ!!
6年前のある日、俺は恋人のY子と共に登山をしていた。
しかし、どういうわけか、俺達はいつの間にか道を外れてしまっていた。
悪魔に導かれるように、俺達はそのまま遭難してしまった。
携帯電話は繋がらない。食料は2リットルの水とチョコレートが少しあるだけ。
まさに絶望的な状況だった。
下手に動くと更に奧へと入ってしまう危険があったので、
その場で捜索隊が見つけてくれるのを待つしか手段が無かった。
俺とY子は恐怖と絶望の中で、捜索隊をただ待ち続けた。
遭難から二日ほど経った頃、一人の男と遭遇した。
彼は捜索隊の一員だった。これで助かると俺達は胸を躍らせた。
しかし、次の瞬間、それは絶望に変わった。
彼も遭難者だと言うのだ。
暗闇の中での捜索で、足を踏み外して転んだ時の衝撃で機器が壊れたらしい。
その話を聞き終わるか否かという時に、俺は恐ろしい事を決意した。
俺はバッグの中からサバイバルナイフを取りだした。
そして、それを捜索隊の彼の喉元に突き刺した。
彼は驚く暇も無く息を引き取った。
怯えた表情で俺を見るY子に、俺達が生きる為にはこれしかなかったとなだめた。
俺はナイフで脇腹をえぐり取った。
Y子はもう悟ったようだった。
ライターで枝に火をつけ、肉片をあぶった。
そして、それにかじりついた。
三人死ぬよりは、一人が犠牲になって二人生き残る方がいい。合理的な発想だ。
Y子もこれを食べないと自分が死んでしまう事は分かっていたので、
俺より少し遅れて目の前の人間を食べ始めた。
それから何日経ったかはわからない。
俺達はかろうじて生きていたが、"食料"はとっくに尽きていた。
誰も俺達が生きてるとは思ってなかっただろう。
捜索は打ち切りになったと思わざるを得なかった。
俺はその場から動く決意を固めた。なんとしても生きて帰りたかった。
だが、それには歩き回る為のエネルギーが必要となる。
衰弱した状態では、歩き始めてもすぐに限界がきてしまう。
俺はY子と一心同体になって生きる覚悟をした。
そして、しゃがみ込んでいるY子の首にサバイバルナイフを刺した。
血を流して死んでいるY子の服を脱がせ、生のまま食らいついた。
その日のうちにY子の顔と心臓だけを食べて出発した。
丸一日くらい歩き回って、奇跡的に歩道に出る事が出来た。
俺は生きて帰る事に成功したのだ。

今でもY子は俺の中にいる。
捜索隊の彼と共にいる事には嫉妬を感じるが。
やぼな話ですが、顔は食べるところがほとんどありません。(ほとんどが皮と筋肉)
特に数日断食をしていれば、食べる部分としては不適格であることがすぐみてとれる
と思います。
また、心臓を食べるには肋骨を解体する必要があるので、大変です。
今回の場合女性ですので、乳房やわき腹、太ももなどが食べやすく
描写もしやすいのではないでしょうか。
(逆に顔と心臓だけ持ち歩いたほうが偏執狂的異常性が高まるのではないかと。)

>>581の最後の二行を書くため肉付けしたストーリーだとは思いますが。
>グロ画像
リンク張ってある動画みなくても十分怖かった。
でも、>576で、「動画見ないと意味わからなくなっちゃう」と言われてるので
動画見たらもっと怖いのかなと、軽い気持ちで見てみることにした。
ぽちっとな。

見なきゃ良かった。心底後悔。
吐き気がまだおさまらん。もう胃液しかでねぇよ。
グロ系にはわりと慣れてると思ってたんだがなぁ。
584ポポ:03/08/10 20:56
Y子の話怖い。
585七誌の書き手:03/08/11 02:47
Y子の話は簡潔でいいよね。読むのはこれくらいが限界。
「酋長」氏の話は正直長いと思う。改行が多すぎて逆に読みにくい。
「グロ画像」氏のも、>>551から>>560まで消費されてるが
>>554から読み始めても話はわかる。逆にいえば>>551-553は不要ていうこと。

改行で段落つくるのなら減らそうよ。また、2行以上使う効果も意味もない。
冗長に長い話なら別にここでなくても発表できるだろ?
あくまで読み手としての提案だけどさ、削れる表現は極力削らないか?
多分俺が一番まだまだ出来てないヤツなんでむかついたら素直にごめん。
586四氏:03/08/11 08:33
10年くらい前に大学の先輩が体験した奇怪な話。

時期は今頃、夏の蒸し暑い夜。
怪奇番組とかが好きで、彼女と一緒に見ていたらしい。
よくある怪談話と現地のレポートといったスタンダードな内容で、最後の方で視聴者から
集まった心霊写真を紹介していた。
「あんまり大したことないね〜」とか言いながら、馬鹿にしたような感覚で眺めていたそうだ。
最後の方になって、一枚の写真が先輩の気を引いた。
夜の住宅街の風景が写っていて、その片隅の家のベランダの窓に大写しになった
真っ白な女の顔が見える、というものだった。
587四氏:03/08/11 08:34
そのとき「バツン!!」 と音を立ててあたりが真っ暗になった。「停電か!?」
先輩はおびえる彼女のために、懐中電灯を手探りで探しにいった。
台所にまでたどりついたそのとき、背後から彼女が悲鳴を上げた。
「いや!いやあああ!」
あわてて部屋になんとかもどると、彼女がソファでうずくまっている。
「どうした!?」「テレビ、テレビに・・・」
電源の消えているはずのテレビに、髪の毛を振り乱した真っ白な顔の女がぼうっと
映っている!
588四氏:03/08/11 08:36
突然の停電のせいでブラウン管に焼きついたかなんかじゃないか?と私は思った。
先輩も思ったらしい。説明しようと震える彼女に近づいたそのとき気づいた。
テレビの電源は消えている。ブラウン管の表面に映っているのは部屋の調度と
自分たち、ソファ、そしてうしろのベランダの窓ガラス・・・・!

思わずテレビを振り返ったその瞬間、画面の女の首が
ぐうううううううっ!と先輩の方を向いた、というところまでしか覚えてないとのこと。

先輩は早々にその部屋は引き払ったそうです。
589四氏:03/08/11 08:46
これくらいの長さでもまずいでつか(;´Д`)ノカンニンシテェエ
怖さが足りなくなちゃーう
590グロ書いたよぉ。:03/08/11 14:48
>>583
ありがとぉ〜^^
また気持ち悪いの書きます〜☆
>>585
そですか・・・
次からはきをつけまっす!!
>590
あなたが書いた話と、その書き込みのギャップにワラタ。
あと、下げたいなら、半角でsageね。全角だと下がらないみたいよ。
>591
訂正。
×下がらない
○sage機能働かない
俺には人に誇る才能も無く、度胸も無い。
しかも半端に自覚してる分たちが悪い。
学校では腕っ節の強い奴にくっついて、スポーツも勉強も出来ないダメなアイツをいじめている。
そうでもしないと息苦しくてやってられない。

その日もいつものように、アイツは泣きながらうちに帰っていった。
ここらが潮時だ。これ以上ダラダラしてたら次ぎは俺がいじめの対象になっちまう。
帰る事をいじめっ子に告げ、家に向かう。
と、
594四氏:03/08/11 15:31
自動販売機でタバコを買った。
おつりをとった。230円のおつり。
タバコを受け口から取る。取れない。
手が引っかかって取れない。
なんとか無理矢理手を抜いた。

「・・・チェッ・・・」
受け口から舌打ちする声が聞こえた・・・・
さっきまで遊んでいた場所から、ヒキガエルをつぶしたような悲鳴が!
あのいじめっ子のモノだとすぐに気づいた俺は広場にとって返した。
それが間違いだった…。

ドカンの上に残虐な笑みを湛え、勝ち誇ったように佇むアイツ。
傍らには怯えながら、必死にのた打ち回るいじめっ子。
アイツは…見たことも無いが、武器であろうコトは想像に難くない
その銃器をこちらに向ける…

俺は乾いた喉から、懺悔の言葉を搾り出した…
「ご・ごめんよぉ…ノビ太…」
596四氏:03/08/11 15:41
すみませんジャマしちゃった…吊ってきまつ…
597グロ書いたよぉ。:03/08/11 16:06
>>591あれ??
全角になってましたぁ(;´Д‘) ハァハァオハヅカシイ・・
そいえば、おいらが書いた物語って、長すぎるかも・・
実は、足跡の話も・・オイラなんだ【´∀‘】テヘ
598四氏:03/08/11 16:20
たまには浮上しないとね!dマイ!
長い話が書けない私にはグロさんがうらやますぃでつ…
>>593,595
どの辺りがオカルトですか?

>>594
えっ?
釣り銭出口に吸いこまれちゃうの?
こわい・・・・
600あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/08/11 16:37
600いただきぃ!!
601グロ書いたよぉ。:03/08/11 18:58
>>598
そんな(@^^@)えへへえへへ
でも、あの画像・・・本気でグロいでつよね・・
急速浮上
603あなたのうしろに名無しさんが。:03/08/14 19:37
このスレ好き。

age!!
604あぼーん:あぼーん
あぼーん
夜、カーテンを閉めようと窓に寄った。
俺の後ろに知らないおっさんが立ってるのが窓に映ってた。
驚いて振り向くと、そこにいたのは同居してる彼女だった。
再度窓を見ると、今度はちゃんと彼女が写ってた。
あれはなんだったのかわからんがタマキン縮んだ出来事だった。
606あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/08/15 13:33
彼女は本当はおっさんなんじゃないか?
607あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/08/16 10:28
>>606
ワラタ
608824:03/08/16 11:53
エディターで無茶苦茶怖い話しを書いていて、書き上げたとたんくしゃみをした。
一瞬涙目になって画面を見ると、そこにはすっげーダセェ話しが書かれていた。
びっくりして目をこすって見てみると、ちゃんと怖い話しになっている。
あれはなんだったのかわからんがタマキン縮んだ出来事だった。
夜、彼女とエッチしている夢を見た。
いざ突撃という段階で彼女の顔を見たら知らないおっさんに変わってた。
驚いてとりあえず殴ると、股間に走る物凄い痛みで目が覚めた。
股間を押さえながら起きると、隣ですやすや寝てたはずの彼女がスンゴイ形相で睨んでる。
夢の中でおっさんを殴ったとき、リアルでも彼女を殴ってたらしい。
あれはなんだったのかわからんがタマキン潰された出来事だった。
>>609
手塚治虫の短編で、怖いのあったね!
ベトナムに旅行中(商用?)に女を紹介されて、いざ突撃というときに
老婆になっているの。オチもちゃんとあったけど。
sage
612あなたのうしろに名無しさんが。:03/08/19 16:58
ヽ(・∀・)ノ<age!
集え!神達よ!
保守&age。

ちなみに私は文作れませんのであしからず。
614あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/08/21 23:45
その朝、貴方はもう目覚めることが出来ませんでした。
615残業・1:03/08/22 00:11
便宜上昨日と言いましたが実際は日付が変わって本日のAM1時過ぎのこと。残業のため終電で帰ってきた
私は家の近くまで走っているバスがもう終わっていたためタクシーに乗って帰ろうとしました。タクシー
乗り場にてしばし待つこと数分。すぐに自分の乗る番が来て私はタクシーに乗り込むと家の近くのコンビ
ニを指示しました。残業でかなりイライラしていたので私は相当に不機嫌でした。なので仏頂面で窓の外
の景色をひたすら眺めていました。ここまではなんと言うことのない普通の話です。しかし普段からタク
シーに頻繁に乗る私は今日に限って何故か運転手の真後ろに座りました。普通一人でタクシーに乗るなら
ば乗ってすぐの助手席の後ろに座りますよね?でも自分でも解らないのですが今日に限ってわざわざ運転
手の真後ろまで移動したんです。そしてその時はその不思議な行動を疑問にも思いませんでした。数分ほ
どタクシーに揺られているとタクシーは何故か目的地までの道を外れて見当違いの方へ曲がります。私は
慌てて運転手に言いました。「ちょっとちょっと。何でそこで曲がるんです?そっちじゃないでしょう」
しかし運転手は不思議そうに聞き返してきます。「え?だってお連れさんの家のほうが近いですし、先に
そっちに行かれるでしょう?」一瞬運転手が何を言っているのか理解できませんでした。「お連れさんて
何のことです?」するとタクシーは止まり運転手が後ろを振り向きました。「お客…」そう言うと運転手
の顔が明らかに強張りました。薄暗い車内の中で明らかに表情が動揺しています。「あ、あれ。もう一人
女性の方と一緒でしたよね?」もちろん車内には私と運転手の二人しかいません。女性など乗っているわ
けがないのです。「何言っているんですか。私は初めから一人でしたよ!ちょっとふざけないでください
よ!」残業でイライラしていた私はかなりきつく運転手に言いました。「そんな…だってお客さんと一緒
に髪の短い女の人が一緒に乗って。それでお客さんは○○までで、女の人は××までと確かに…」運転手
はおろおろしながら私に弁解します。そして突然こう言いました。「お客さん料金要らないからここで降
りてください!」いきなりの事で呆気に取られましたが私はその言葉にひどく腹を立てました
616残業・2:03/08/22 00:13
「何を言い出すんですか。訳の分からないことを言ったり途中で降りろだの。何なんですか!?」「いいから!
お願いですから降りてください!お金は要りませんから…」運転手の懇願に立腹しながらもこんなおかしな運転
手のタクシーになんてこれ以上乗っていられないと私はそこで降りました。そしてそこから歩いて帰ることにし
ました。歩きながら私はふとあることに気づきました。運転手が言っていた××という場所。確か昔に帰宅途中
のOLがストーカーに襲われて亡くなったという事件が起こった場所でした。それを思い出した私はとたんに怖く
なって家まで走って帰りました。こんな怖い思いをしたのは生まれて初めてです。今日も残業で仕事が遅くなる
だろう事がわかっていたので仮病を使って会社を休みました。今日ばかりはタクシーには乗りたくなかったです
から…
(終わり)
>>615-616  洒落怖で読んだ気が…
618あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/08/23 16:56
Nは、女友達Kとデートに行くため、待ち合わせ場所の駐車場に向かった。
そこにKの車を止めて、Nの車に乗せてドライブに行くと言う内容だった。
Nは彼女の事が好きだった。KもNの事を気に入っていたみたいだった。
ドライブでは会話が弾み、またデートに行こうと二人で約束したそうだ。
そしてデートが終わり、NはKを駐車場まで送ってそこで別れた。
自宅の帰路でNは彼女の事で頭が一杯だった。
自宅まで15分のとこまで来た時、Nの携帯が鳴った。Kからだった。
電話に出たN、電話の向うからノイズ混じりで、“うぅ・・うぅ・・・助けて・・”
と苦しむような声が聞こえるのだ、Nはビックリした!!いたずらとも思ったがココ
までするわけがないし、第一そんなキャラではない。Nは、どしたん!?いまどこ!?
電話切るなよ!!と怒鳴った!!急いで車をUターンし、別れた所まで向かった。
Kの家は大体聞いていたので、勘を頼りに車を走らせた。走らせながらも電話で励
ましてた。
619あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/08/23 17:01
救急車を呼ぼうにも場所が分らない。とにかく一刻も早くKの元にと・・
山道に入り、走っているとカーブで事故が起こっていたのだ、トラックが土手に突っ
込んでおり、道路脇にグシャグシャになった車が止まっていた。まだ救急車は
着ておらず、それほど時間が経ってない様子だった。まさかと振るえながら道路脇の
車を見た。Kの車だった!!NはKの元に向かった、車は大破して、ベシ
ャンコになっていた。
救急センターに電話をし、Aは彼女を励まし続けた。自力で出そうにも、
出せなかった。救急車とレスキュー隊が到着し、Kを車中から救出した。
Kを見たA、絶句だった・・・涙も何も出なかった。と言うより信じれなかった
変わり果てたKがそこにいた。それはKじゃなかった。
即死だったそうだ。下り坂を走って来たトラックがスピード超過し、カーブ
を曲がり切れずセンターラインを越えて対向車線に侵入し、走って来た対向
車(K)と激突、トラックはKの車を巻き込みながら反対車線側の土手に突
っ込み停止した。トラックの運転手は重症だった。
620ν酋長 ◆CGrsi.YPSE :03/08/24 00:51
深夜、友達が突然尋ねてきた。
凄く怖い夢を見たのだという。いい歳の男が、そんなことくらいで来るなよ。しかもこんな真夜中に。
内心そう思ったが、コイツの青ざめた顔を見たらそんなことも言えなかった。

気持ちを落ち着かせるために、ホットミルクを用意する。
しばらくお互いに無言でホットミルクを啜っていた。
「悪いな、こんな時間に・・・」
どうやら少しは落ち着いたようだ。顔色も良くなっている。
「どんな夢だったの?」
「それが・・・よく覚えてないんだ。確か女が出てきて・・・」
夢の話だからか、記憶は曖昧なようだ。
「なんだっけ・・・。とにかく、女が出てきて、すげー怖かったんだよ」
「そっか。怖かったなら覚えてなくてちょうど良いんじゃない?」
「いや、何かもうすぐ思い出しそうな気がするんだよ」

会話が途切れる。耳が痛くくらいの静寂。

突然、友達の顔色が変わった。みるみる青ざめていく。
「・・・・・・思い出した。夢じゃなかったんだ・・・」
そう呟いた友人の視線は恐怖に満ちながら窓から離れることはなかった。

窓に目をやると、居た。



真っ白な顔をした女が、射殺すような物凄い目で睨みつけていた。
621あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/08/24 20:48
海でカニをつかまえてカニの甲羅をはがして内臓を全部取り出して
代わりにピーナッツバターを入れて甲羅をぱたんと閉じたらカニはがさがさと逃げていった
>621
もっと他に詰めるもの無かったのかよ。
>621

中の人も大変だな。
残業を終え祥子は満員電車に揺られ、ようやく家に着く。
ドアに鍵をかけるなり彼女はべたつく衣服を、下着をも脱ぎながら風呂場へ向かう。
祥子は一人暮らしだ。
シャワーでを浴び体中にまとわりつく汗を流し、サッパリした気分で風呂から上がる。
水分補給に冷蔵庫から出した100%オレンジジュースを一口ずつ口に含むようにして飲む。
少しくして祥子は尿意を覚える。
シャワー浴びる前にトイレ行っておけば良かったかなと一人ごちつつトイレへ。

便座が上がっている。
言いしれぬ不快感を覚えつつ便座を下げ、用を足しトイレから出る。

そこで、ふと思う。

私は一人暮らしだ。

女の私が便座を上げて用を足すことなどありえない。

誰が、使ったのだ?
                             (終)
>624
>>便座が上がっている。
>>言いしれぬ不快感を覚えつつ便座を下げ、用を足しトイレから出る。

↑この部分を何気なくシンプルに書いて、
読者に"気付かせないように"してから最後の味噌の部分を持ってくるともっとゾクッときたかも。

まぁ私の勝手な意見ですが。
>>625
勝手なやつだ。。。
627624:03/08/27 11:58
>625氏
アドバイスありがとう。
以前、女性の中には便座が上がってるのを見ると、
理屈抜きに生理的な嫌悪感を覚える方もいると聞いたことがあったので
取り入れた方が現実味出るかなと思ったのですが、蛇足っぽかったですね。
まぁ、その嫌悪感ってのはちんこついた生物の私にはわからん感覚なんですが。

なかなか難しいですね。
うおわぁーッ!落ちるッ!
うおわぁーッ!上がるッ!
630いけめん:03/08/31 17:46
あれは僕が五歳の話でした・・・・。ある日、おじちゃんとお母さんが出かけることになり、
僕は一人でお留守番をすることになりました・・・。おじちゃんは出かけるまえに僕に一言
いいましたムーにーマンはたんすの奥にあるよ・・・。おじちゃんはぼくがまだオムツしてること
しってたんだ!おじちゃんが家に帰ってきて床につきました。僕は僕の秘密を守るために
おじちゃんの急所をひっこぬきました
631 おまる:03/08/31 17:48
ぎゃははははははは _(__)ノ彡☆ばんばん!
63201:03/08/31 17:57
「な、なんじゃこりゃあ」
俺は慌てて後ろ手でドアを閉めると、震える手で鍵とチェーンをかけた。
こんな所を人に見られる訳にはいかない。
なんてったって、生首がテーブルの上にあるのだから。
何故、どうして、いつ、どこから、どうやって、誰がこの生首を持ってきたのか。
当然朝は無かったはずだ。少し買い物に出かけた数時間の間に誰かが侵入し、
ご丁寧にも顔をドアの方へ向けて生首を置き去って行ったのだ。
だが、何故?どんな理由があって、俺の部屋に置いて行ったのか。生首の彼の顔は、見た覚えが無い。
暫くドアの前で硬直していたが、「もしかしたら、精巧に出来たマネキンか何かかもしれない」
と言う可能性を思いついたので、意を決して生首に接近してみることにした。
生首は目と口を閉じていて、その顔からは表情が欠落していた。眠っているのとも違う。
確実に死んでいるか、作り物かのどちらかだろうと予想した。
出血は無いので、もし生首だとしたら他の場所で切断された後にここに置かれたのだろう。
俺は恐る恐る生首に手をかけると、ゆっくりと持ち上げてみる。重い。確実に、中身は詰まっている。
血こそは出てはいないが、触感や重量感から言ってまず間違いなく生首だという判断を脳が下したと同時に、
俺は思い切り生首を放り投げ、その場に腰を抜かして座り込んでしまった。
恐怖で声が出ない。
生首はごろごろと床を転がり、ちょうどこっちを向くような感じで壁に当たって止まった。
投げた拍子に目が開いてしまったようで、半開きの虚ろな目と視線が合う。
ついに意識の糸が切れ、僕はその場で昏倒してしまった。
63302:03/08/31 17:58
何時間倒れていたのだろうか。気がつくと俺はとんでもない姿勢で床に寝転んでいた。
あれ、何でこんな所で…と思った瞬間、再び転がっている生首と目が合った。
感覚が麻痺したのか、それとも判断能力がぶち壊れたのかは分からないが、自分でも変だと思うぐらい妙に落ち着いている。とりあえず、その冴えたままの頭でどうするか考える事にした。
案一、ゴミ袋に包んで捨ててしまう。いやいや、もし見つかったら死体遺棄か何かで捕まってしまう。これでは駄目だ。
案ニ、ひたすら隠しとおす。……生首との生活なんて無理に決まってる。それに腐る。
案三、手っ取り早く警察に通報する。これだ。
「あの、部屋に生首が転がってるんです。いや、嘘じゃないですって。
ちょっと出かけて帰ってきたら部屋に誰かの生首があったんです。
いえ、狂言とかではなくて。本当なんですって。あれ、ちょっと、おーい」
電話を切られた。万事休す。
そうだ、もしかしたら誰かの忘れ物かもしれない。誰のだ。
よくよく考えて見ると、誰かがこれを意図して置いて行ったに違いない。生首の意図する事。
「……殺される?」
十中八九殺人鬼ではないか、と言う考えしか浮かばない。
この生首は「お前もこうしてやるぞ」って意味の予告なのではないか。ならば、ここに居ては危険だ。
俺は慌てて家を飛び出したものの、あのままでは家に帰ったことを気付かれてしまう。
仕方なく一旦家に戻り、生首を持ち上げ、瞼を閉じてもとの通りにテーブルに置いた。
……ここまでやったら犯人が誰か気になると言うものだ。
ドアに鍵をかけ、靴を手に持つと、俺はベランダの影に潜むことにした。
幸いベランダは通りから見えない位置にあり、犯人がもしこの部屋に来ても見つかることは無い。
俺は自分の家で何をしてるんだ。
63403:03/08/31 18:00
ベランダの影から室内の様子を伺う事数時間。
陽は落ちかけ、だんだんと寒くなってきた。今日は来ないのではないか。そんな希望を持ち始めた頃だ。
ガガガ、ガチャ。
誰かが外からドアの鍵を開けた音がした。この家の鍵は俺以外持っていない。とすると…。
キキッ…。
ノブを回す音がする。犯人だと確信した俺は、丁度ベランダに置いてあった短めの物干し竿をそっと手に取る。
ベランダの影からは室内全てを見渡すことは出来ない。辛うじてテーブルと、その上にある生首を見ることが出来るだけだ。
ギシッ、ギシッ。
犯人は部屋を徘徊しているらしい。俺を探しているのだろう。ああ、もしベランダに入ってきたらどうしよう。
こんな物干し竿一本で、殺人鬼を倒せるのだろうか。
ギシッ、ギシ。
犯人が立ち止まった。注意深く室内の様子を伺う。すると、テーブルの上の生首に手が伸びた。視界から生首が消える。
「あー、あったあった」
犯人の声がする。生首を捜していたのだろうか。ドアを開ければ目の前にあると言うのに?
「痛…。さては投げやがったな。畜生め」
何のことだか分からないが、毒づいているらしい。やはり、俺を殺す気だ。
「さて…」
そう言ったきり、何の物音もしなくなった。さらに注意深く室内を観察すべく、目を凝らす。
「みぃーつけた」
そう言って突然目の前に現れた顔は、あの生首のものだった。
「あ……」
俺は全身が粟立つのを感じた。
「痛いなあ、投げないでくれよ。ほら、たんこぶになっちゃったじゃないか」
生首だった彼は笑いながら言う。
「あああぁぁぁぁぁぁ!」
訳のわからなくなった俺は、思い切り窓ガラス越しから物干し竿でスイングするように彼の頭を殴りつけた。
63504:03/08/31 18:01
ドッ、ドッド。
首が飛んだ。
目の前には、首の無い体が立っている。
「え……あ……?」
俺は呆然としながら、首に近づく。彼は最初見たときの様に、無表情で目を閉じて転がっていた。
「な、なんだよこれ……」
俺が酷く狼狽していると、首の彼は突然グリッ、と目を見開き、さっきの様な不気味な笑顔を浮かべた。
「酷いなあ。投げた上にそんなもので殴るなんて」
ぽん、と肩を叩かれる。振り向くと、首の無い体が、ナイフを片手に立っていた。
「そんな悪い子には、お仕置きだなあ」
首の無い体はナイフを振りかざす。
刃先がギラリと輝いていた。
636632-635:03/08/31 18:03
改行制限だかなんだかで妙な所で切れちゃった……。

一応今まで考えた中で一番オカルト向けの内容を持ってきたんですが、
楽しめましたでしょうか。
>>636
あんまり。
ごめんね。
638632-635:03/08/31 18:26
>>637
修行してきます_| ̄|...○
途中まではよかったんだが、セリフでオチがばれちゃったからな。
あと作り話くさすぎるのも微妙かも。
なんで生首が部屋にあるのか説明して欲しかったです。
夢を、見る。赤い夢。思い当たるのは−−−あの夏。不快な熱気の中に見た白昼夢。

三年前の夏、兄が死んだ。交通事故、本当に急な話で。
職場で連絡を受け、そのまま。泣いた。人目を気にしないで泣くなんて初めてのこと。
その日のうちに休みを取り、そのまま電車で。
本当に動転していたのだろう。実家に着くまで何をしていたのか、よくわからない。
着いてからも、何をしていたのか−−−じっとしているのが落ち着かなくて、
通夜の準備を手伝っていたように思う。兄の遺体はまだ帰ってきていなかった。
葬儀の経験など無かったが、本当に忙しかった。田舎だからかもしれないけど。
ずっと何かしら体を動かしていられた事には少しホッとしていた。
私がここに着いてから今まで。いろんな人に声を掛けられたがよく覚えていない。
本当に、涙を流す暇も無かった。

そして、通夜が終わる。親類達が別の部屋で酒盛りをしているなか、
私は母に頼んで兄の顔を見せてもらった。
白く化粧され、鼻に綿を詰められて。少し滑稽だったけれど、涙が、流れる。
手を伸ばして、顔に触れる。ひやりとして−−−そうしてやっと、理解できた。
全てを理解して。泣いた。
翌日、兄が焼かれて、小さな箱に入って帰ってきた。
「お帰り」小さく心の中、呟いて。私は落ち着いたのだと思う。
ずっと忘れていた職場への連絡をして、そのまま夏休みをとることにした。
ただ、何をするわけではないのだけれど。働く気になれず、私は実家で呆けていた。
そうして一週間ほど経っただろうか。翌日に職場へ戻らなくてはならず、
兄に挨拶するために墓地への細い道を私は歩く。水と、兄のための酒を持って。
暑い。ただ暑い。林の中の獣道。そこを抜けると墓が立ち並ぶ広場になる。
太陽が目の前を白く焼き、私は目を細める。肌がチリチリと。本当に今日は暑い。
やっと見つけた私の家の墓石も触れられないくらい熱く炙られていた。
持ってきた水で、熱気と汚れを洗い流す。ひやりと気持ちのいい風が吹いた。
酒の栓を開け、墓前に置く。手を合わせ、目を閉じて。
もう涙は出ない。そういうものなのだと思う。もう大丈夫なのだと思う。
兄達に背を向けて。来た道を引き返す。林の中の獣道へ。
だけど、獣道の手前。足が止まる。後ろ、強い風が吹いて。
呼ばれているような気がした。
振り向くことが出来ずにいる。もう一度強い風が、急かすように木々を揺らす。
呼ばれている。
振り向くことが出来ずにいる。もう一度強い風が、急かすように木々を揺らす。
呼ばれている。
勢いを付けて。体ごと一気に。振り向く。
赤い。目の前は、赤い。フィルターが掛かっているように、
赤い。
その向こう、赤いフィルター越しに幾つもの墓石が、さらにその奥、木々が揺れる。
揺れる。墓石も、揺れている。揺れている? 
ゆらゆらと、それぞればらばらに。
それは―――腕だ。墓石などではない。幾本もの腕が、揺れている。
私を誘うように、ふわふわと。
頭が、絞られるようで。目の前の赤は濃度を増して、黒く…

再び目を開けたときには既に辺りは橙色に染まっていた。気を失っていたのだと思う。
語ればそれだけのこと。だから夢だと思っていた。
誰にも語ることなく私は職場に戻り、元の一人暮らし。思い出すこともあまり無かった。
それでも―――

夢を、見る。赤い夢。ゆらゆらふわふわ誘う腕。
幾本もの腕が真っ赤なフィルター越しに、毎夜私を誘う。
644あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/04 03:22
>>641
長いし、怖くない。
645あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/04 03:46
夜中に寝苦しさで目が覚めた。
体が動かない…目が慣れてきたとき
天井に女が張り付いていた。「ひっ、、」
必死に目をつぶった。…が次の瞬間それは
無理やりこじ開けられた。天井から女の手が異常なほど 
伸び私の目を開けていた。
646あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/06 18:34
>>645
想像すると笑える。
647後ろに・・。:03/09/06 21:44
   1、コンピュータにて。  
  私の名前は山田花子。人様は私を花ちゃんと呼んでいる。
 と言っても仮名だが・・・。気にするな。
 話は変わるが私の趣味はパソコン。平均5時間はやっている。
 だからおかげでメガネちゃんだ。最近はコンタクトに変えたがな・・。

  そんな事より私の恐怖の恐怖の体験談を語ってやろう。  
 「ぅわ〜・・・。この画像すげ〜。」
 それは私がいつもの様にパソコンでエロいホームページを
 見ていた時におこった事だ・・。 
3レスとか4レス程度で長いとか文句言ってる人って、普段、本とか読まないのかな?
俺にとっては、面白ければ長いのでも全然かまわないのだが。
>>648
本読む読まないは関係ないとしても、長いのが嫌いっては個人的な理由だし、
それを根拠に作品を否定するのはよくないかもね。
>>644はまあ怖いとも書いてあるけどね。
650649:03/09/07 01:11
怖い、じゃなくて怖くないだった。ごめん。
夜遅くまでパソコンをして少し疲れたので、
マンション窓から外に目をやると、向かいのマンションからこちらを
じっと眺めている人の顔があります。
何だろうなと思いながらも、再びパソコンに目を戻して、
数秒後その人は固まってしまいます。
気づいたのです。向かいのマンションには壁しか無かった事を・・・。
>>651
石の中にいる。
>>652
テレポーター(@WIZARDRY)かよ。
654猫野雉虎 ◆aQslCTgUrk :03/09/11 16:03
石の中の人必死だな
655荒野の名無し:03/09/11 16:29
石の中の人ワロタw

ついでにサルベージage〜
656あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/12 00:52
創作怪談三題噺スレが無いんだが・・・dat落ちか?
>>656
落ちたようです。
最新レスがついたのが、あそこより前のスレもたくさんあるんだけど、
レス数が少ないと優先的に落とされるのかな?
保守しとけばよかった・・・。
658末木 ◆HBpBiE1sWs :03/09/12 16:34
会社の先輩が小学校の同窓会に行った時の話。
最初は名前が思い出せないやつが結構いたんだけど、
だんだん思い出してきて昔の話で盛り上がっていた。
その後、二次会に行くことになって、宮本は酒飲んでないし、
ワゴンだからそいつの車で行くことになったんだって。
先輩も誘われたが、次の日早番の仕事があったので、帰ることにした。
次の日、警察から電話があって、ワゴンが反対車線に飛び出して
大型トラックと正面衝突し、全員死亡したと伝えられた。
誰が乗っていたのか尋ねられたので、宮本が乗ってきた車で6人で二次会に行くようだったと答えたが、
警察は、死体は5人分しか無かったし、その中に宮本という男はいなかった。車も盗難車だったと言われた。
後でわかったが、宮本は一年前に同じ場所で事故を起こして亡くなっていた。
>>658
おっ、なかなか怖いね。
今までで一番なんじゃ無い?
オチがグー。
そうか?
>>660
お前のような奴がスレをつまらなくする。
そうか?
>>658
教訓:幹事は霊感のある香具師にやらせよう。
>>658
もし実話ならかなり怖い。
でもここは作り話専用スレなので(ry
何を感じるだ。
恐怖がそこに存在すれば確実に  
666末木 ◆HBpBiE1sWs :03/09/13 19:42
>>659
>>663
>>664
感想どうもです。
最初は都市伝説を作るスレ用に考えていたんですが、
なんか都市伝説っぽくない感じがしたんでこちらに載せました。
ここで書くような事なのか、迷うんですが。
最近同じ夢を何回も見るんです、夢の中の私はTVのニュースを見ています。
ニュースでは変な縞々の服を着た人たちがどんどん川に飛び込んでいくんです。
これは、何か大事故の予兆なんでしょうか。
669667:03/09/16 09:09
リンク先消えてたよ。
しかしここのスレッド読んだその日にこの事件…

【窃盗】 お手柄自販機、たばこ泥棒を「御用」
http://news5.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1063538831/l50

>>594 って何者!?
670中腹永逝銃弾:03/09/17 00:05
(*´Д`)ふふふ ふふふふ ふふふ・・・
>>1
言っちゃ悪いが最初から作り話だとわかってると楽しめなくね?
本当なのなのか作り話なのかドキドキしてる内が花だよ。
672あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/17 01:17
作り話と分かっていながら、なお面白く書くのが作者の腕の見せ所なのです。
それにしても、三題噺スレが落ちたのは寂しい。
常連さんたちの話は結構面白かったのにな・・・
>>672
三題噺の次スレ立ってるよ!
http://hobby.2ch.net/test/read.cgi/engei/1063612929/
674DATSUNS:03/09/17 02:48
その日は学校が終わってすぐに家に帰りそのままベットで横になりました。
午後八時、目が覚めました。自分の部屋は二階で、一階からは両親の何気ないやり取りが聞こえてました。
一旦服を着替えまた横になりました。
午後九時、音で目が覚めます。「ドン・・・ドンドン・・・」
五月蠅いと思いつつ喉が渇いたこともあり、下に降りコップに一杯水を飲みました。
家族はまだ起きています。一階ではテレビや会話で音など聞こえてはいないようでした。
「今日は疲れてるようだな。」「・・・おやすみ。」
普段あまり家族と会話の少ない私はその日も少ない言葉で部屋へと戻りました。
午後十時、九時に目が覚めそのまま部屋でFMラジオを聴きながらベットでゴロゴロしています。
ラジオにも飽きてきて電源を切りました。ヘッドホンをはずし布団をかぶろうとすると、
「・・・ドン・・・ドンドン・・・ドン・・・」
まだ音が聞こえています。最初は強い風か何かだと思っていました。
五月蠅くて眠れないのでMDを聞きながら眠りにつきました。
午後十二時、また目が覚めました。なんだか眠りが浅いようです。MDはリピート状態にしておいたのでまだ鳴り続けてます。
「ドン・・・ドンドン・・・」
あの音もまだ聞こえます。起きたり寝たりの繰り返しですっかり目が冴えたようでした。
眠れなくなったのでMDに聴き入っていました。
675DATSUNS:03/09/17 02:49
「風、強いんだなぁ」そう思いました。そんなことを思うとふとおかしなことに気が付きました。
ヘッドホンかけてて結構な音量で聴いてるのになんでドンドンって聴こえるんだ?
しかも近い気がする?・・・ヘッドホンを取ってみました。ヘッドホンからはMDの曲が漏れています。
音は聞こえます。音の大きさも先ほどと変わらず。変な感じがしました。
「一体どこから・・・下からか?・・」
一階へ降りていきましたが、音はまったく。家族も寝て静かでした。
風の音じゃないのか??下じゃまったく静かだもんな。おかしな気分のまま二階に戻り
自室の扉を開けました。部屋に入ると目の前にベット。そしてその上には空が見えるようにと窓があります。
私は横になって気が付きました。気が付いたのが間違いでした。なぜ気付いてしまったのでしょう?あんなに小さかったのに。
横になり窓に目をやると何かが動いてます。音とほぼ同時にそれは動いてます。
「なんだあれ?」
なんだかすごく気になって暗がりながら目を凝らしてみていました。
それは徐々に横に動いています。すごくゆっくりと。 
ようやく目も慣れてきました。そこで認識しました。手です。
手というより腕が伸びて叩いているのです。肩も見えてきました。
676DATSUNS:03/09/17 02:51
「誰か登ってんのか?」
こんな時間にありえない、なのにそんな発想をするほどはっきり見えています。
まだ動いています。動くというより移動しています。もうすぐです。顔が見えてきます。
見たい気持ちと怖いという気持ちが半々です。人間の好奇心とはなんて愚かなんでしょう。
素直に目をつぶっていればよかったのに。顔が近づくにつれ次第に音は大きくなっています。
もう音は部屋ではなく耳元で、鼓膜に直接聞こえている、そんな感じでした。
胸の鼓動は激しくなっています。
怖い 見たい 怖い 見たい 怖い 見たい・・・・・
突然
「ドンッ!!」
一つすごく大きく鳴りました。音で驚いた私は目をつぶってしまいました。
目を開けようと思ったそのとき、
「・・・・入れてよ・・・寒いよ・・・」
聴こえました。はっきりと声が。なんていうか耳というより心に。
そのときほんとに恐怖を感じました。自分の心と裏腹に目が開いてしまいます。
まるで開かれてるような気がしました。
見たくない 見たくない ごめんなさい ごめんなさい
心の中で後悔の気持ちで一杯になりながら目はゆっくり開いていきます。
完全に開いたそのとき
「何が見えた?」
大きな声で聴こえました。そして見てしまいました。
髪の毛が無い、片目が潰れた、右頬から焼け爛れた、人のような顔を。
今でも脳裏に焼きついています。男なのか女なのかあれはなんだったんだろう。
そのまま気を失いました。
気が付いた時には病院で、三日間昏睡状態だったそうです。
目は・・・見えなくなりました。圧迫されて視神経がイカれていたそうです。
まぶたにははっきり指で押した跡があったそうです。家族には自分に起きたことをすべて話しました。
家族は理解してくれて、それからすぐに引っ越しました。あの家には居たくなかったから・・・
今でも夜になると聴こえます。あの音が・・・どうも憑いて来ているようです。
677あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/17 07:33
>>674>>675>>676
ちょっとドキドキしながら読みましたわ。よかったよ!
>>674
主人公の目はあえて潰さない方が良かったかも・・。
最後も憑いてきたって断言しないで曖昧な表現にしたらもっと怖くなると思うよ。
漠然とした恐怖ってやつだね。
例えば・・・

しかし私には心無し、まだあの音が聴こえてくるような気がするのです。
夜、一人で部屋にいる時、ふと耳をすますと・・・・

ドンドン、ドンドン
何かを叩く音が・・・・

ドン ドン ドンドン

「ほら、あなたには聴こえませんか・・?」
   
                         「下手ですまそん」




>>674-676
おお、かなり怖かったYO!

>>678
それだとチトありがちじゃないか?
680DATSUNS:03/09/17 21:55
感想ありがとう 後悔ってのが一番のポイントだと考えています
681あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/17 21:58
>>680
DATSUNSって何だっけ?
思い出せそうで思い出せなくて歯がゆい。
682DATSUNS:03/09/17 22:02
歌手です 海外の いい感じの音ですよ 
683DATSUNS:03/09/17 22:03
ちなみに DATSUN は日本車の名前です
>>682
ちょうど思い出したとこだった。新人のバンドですね。すっきりした。
わざわざレスサンクス。くだらないレスしてすまんかった。
685DATSUNS:03/09/17 22:06
いえいえコミニュケーションじは作品作りに大事ですから
686あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/17 22:07
俺のじいさんプレスで指落として(五本とも)でも、片手で飯食ってましたが、
おととし召されてしまいました。
出棺後の納骨のとき、両手に指の骨がありました。遺族は悲鳴。子供は大泣き。
違う人のでした。
687DATSUNS:03/09/17 22:13
>>686
かなり怖い
こわっ
>686
それ、洒落にならん。。。
>DATSUNS氏
乙。
話はけっこう怖かったよ。
ただ、揚げ足とりっぽくなるけど、一つ言わせてね。

>圧迫されて視神経がイカれていたそうです。

って、視神経って眼球の一番奥にあるはずだよね。
そんな場所にあるモノがイカれるほど圧迫されたのなら、
眼球は原型とどめないほど文字通り押しつぶされて
視神経云々どころの状態ではなくなってしまうと思うんだ。
691DATSUNS:03/09/17 23:05
書いててそんな気もしたけどまあいいかと 笑
眼球をつぶすと大げさ過ぎて 俺としては眼球を抜けて視神経に直接
何らかの障害を与えたと 霊障ですから医学では解明できない状態で
終わらしたかったのです 一応何かが起きたと目に見えてわかるように
(家族が信じるような)要素として圧迫した指の跡を残しました。
いかがでしょ? 言い訳かな 笑

 
高校時代の話。クラスに一人、変わり者がいて
「俺は時間を止めることができる」と言い出した。
もちろん、彼の話をまともに聞くやつなんていなかったが。
しばらくして、校内の女生徒が次々と妊娠する事件が発生した。
そのほとんどは思い当たるふしがなく、中には性体験さえない女生徒もいた。
さらにしばらくして、今度は男子生徒が次々と奇怪な死を遂げる事件が発生。
首を切られたり、口から鉄棒を差し込まれたり・・・
彼らは皆、校内を闊歩していた「いじめグループ」で、
例の「時間を止めることができる」男も、ターゲットの一人だった。

そんなある日、彼の姿がふっと見えなくなった。
その日、彼の家から半径10キロ圏内にあるコンビニ、スーパー、デパート
で販売されている惣菜や弁当、その他あらゆる食料品が一瞬にして
空っぽになるという事件が発生し、テレビのニュースでも取り上げられた。
友人の父親にSF作家がいて、その人は冗談とも、本気ともとれない口調で
「きっと彼は時間を止めたまま、元に戻すことができなくなったんだろう。
今、僕らがこうして話している世界は、彼にとっては数10年
たってしまった世界なのかもしれないね。彼はどうしたかって?
彼の寿命がつきてしまえば、『彼だけの時間』も消滅する。それだけの話だ」

次の日、クラスの女生徒が一人入院したという知らせが入った。
何でも、朝、目が覚めたらベッドの中に見知らぬ老人が死んでいたという。
彼女は相当なショックを受けて、今も精神科に通っている。
後で知ったんだけど、彼女って結構なSFマニアで
「例の彼」が「時間を止める」って言ったとき、ふと
「そういうこともあるかもしんないね」って答えてしまったとか。

例の老人は、結局「無縁仏」として埋葬されたそうだ。

693DATSUNS:03/09/18 00:28
>>692
素敵な話だ 面白かったです
694DATSUNS:03/09/18 01:40
午後十一時、家に着いた。
普段この時間、家族は皆眠りについている。
その日はたまたまバイトが長引き少々家に着くのが遅くなってしまった。家の玄関の前、
鍵はいつものところに隠している。暗がりのせいかなかなか見つからない。やっとの思
いで鍵を手にし鍵穴へと差し込む。
「ガチャ」
鍵が開いたと思い取っ手をy横に引くが開かない。
「あれ?おかしいな。開いてたんだろうか??」
夜は大抵飼っている猫が外に出て行くため鍵は閉めてある。
最近うちの猫は外に出たがるのである。帰ってくるたび甘えて外へ出して欲しそうにじ
ゃれつく。もう一度鍵を回す。今度はちゃんと開いてくれた。
「ただいま」
心の中でつぶやいた。やはり皆寝静まっているようで、猫さえも迎えには着てくれなか
った。
居間のドアの隙間から光が漏れている。
「誰か起きてるのかな?こんな時間に・・・」
私は妹が起きているのだと思った。大学受験を控え徹夜で勉強しているのであろう、
そう思った。何も居間でなどせず部屋ですればいいのに、そんな気がしつつドアを開けると
居間には誰もいない。ソファに置いてある小さなスタンドがつけっぱなしなっていた。
ちゃんと消せよな。そう思いつつもしかしたら帰りが遅かった私を気遣いつけておいてくれ
たのかもと少し考えてしまった。どちらにしろスタンドは消した。
695DATSUNS:03/09/18 01:42
「・・・ジャー・・・キィィ・・・バタン・・・。」
トイレから誰か出てきたようだ。別に気にもせず二階の自室へと向かおうとした。
居間を出て階段を上がろうとしたとき、ギョッとした。人影である。
いきなりで驚いたが、シルエットから母だとわかった。
「驚かすなよな!!・・・まあいいけどさ。あ、スタンド切っといたけど母さんまだ何かし
てたの?」
何も言わない。
「どうしたんだよ母さん?・・・母・・さん?」
何かが違う気がした。様子がおかしい。ゆっくりと上りかけの階段を下りながら下にいる母に
近づいた。
「ダンッ」
突然母が思いっきり床を踏んだ。びっくりした私は壁によろけた。そしてスイッチを押してし
まった。二、三度照明が点滅して階段の明かりがつく。
息を呑んだ。母はそこにはいなかったのだ。そこには母の服を着た見知らぬ男がいた。
何がなんだかわからなくなること二秒。次の瞬間、
「消すなよぉぉぉぉ」
私に向かって恨めしそうに口を開いた。現実に戻った私は、半ば訳がわからないまま目の前に
いたその男を押して玄関に逃げた。
玄関から出た私は今出てきたところを振り返り確認した。
間違いない。私の家だ。じゃ、今のは誰だ?
ますます混乱した。玄関を凝視していると
「・・・ガラガラ・・・」
戸が開く。ゆっくりと戸は横に開かれる。少しづつ。
私の後ろを車が通った。ライトが家を照らす。そこには母の服を着たさっきの男が。
腕には赤い液体が滴っている。とてつもない恐怖を感じた私はその場から生きてきた
今まで一番の瞬発力を見せ、逃げた。何も考えずただただ逃げた。
そして一瞬の光。気を失った。
696DATSUNS:03/09/18 01:46
目が覚めると目の前には白い天井。親戚の叔父さん夫婦が私の手を握りながら泣いていた。

あの日、私は車にはねられ、病院に運ばれたのだという。家では家族が惨殺されていた。
犯人は近所にある精神病院の患者らしく、その日の昼頃脱走して捜索が行われていたそうだ。
まだその犯人は見つかってはいない・・・。
叔父さん夫婦はつらい表情で語ってくれた。
二ヵ月後、ようやく事故の傷も癒えた頃、私の元へ担当の刑事が見舞いに来た。
もうひとり、女性を連れて。
その女性は例の患者の担当医だったらしく、どうしても伝えたいと私の元へ出向いてくれた
のだという。
あの患者は今まだ捜索中だそうで見つかってはいない。彼がなぜ病院に入院したのかその理由は
驚くべきものであった。

十年前、彼はあの家に住んでいて今の私と同じくらいの歳だった。
彼もまた私と同様あの家でまったく同じような手口で家族を惨殺されたのだという。
私と違うのは、そのときの犯人が彼だけを生かし逃走したのだという。現場に残された彼は
ただ何度もスタンドのライトをつけたり消したりの繰り返し。部屋の明かりをつけたときには
家族全員バラバラだったそうだ。
事件は未解決のまま、心に深い傷を負った彼は病院に入院を余儀なくされ十年間癒えないまま
過ごしてきたのだという。

私はその事実と私に起きた現実の中で半ばノイローゼになりつつ退院した。
退院したその足で私は惨劇が起きたあの家に戻っていった。
家の玄関の前に立ち、なぜか穏やかな気持ちで私はドアを開いた。

「おかえりなさい。・・・僕は・・・ちゃんと・・・残さないから・・・」
目の前には 奴 がいた。



697DATSUNS:03/09/18 02:02
感想聞かせてね
698あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/18 02:36
うまいな〜
一つ前の話もよかったけどこっちのがおもろい。
699あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/18 03:36
2日連投オツです。
うまいですね。文才ある人が羨ましい。
また期待してます。
 だつんずって何だと思ってたらダットサンズだったんですねw
>>690
>>691
眼球は実はかなり固いのだよ。
目に衝撃が加わると、目の奥にある骨が砕けるくらいだから。
眼底骨折ってやつだ。
ひどい時にはその折れた骨が脳みそまで食い込む。
バキでやってたよ。
701:03/09/18 16:24
会社の同僚と一緒に、太刀魚釣りに行った時の話です。
呼んで字のごとく日本刀のような銀色の細長い体格をした
この魚は大きいものでは全長1メートル以上にもなります。
獰猛な性格を持ち、その鋭い牙と強い顎で噛み付かれたら人の指位なら簡単に食いちぎってしまうでしょう。
8月あたりが釣りのシーズンで、その日も私達以外にも
何人かの釣り人が、竿を振っているのが見えました。
付け加えますが、太刀魚は夜行性の為、釣りは深夜にかけて行なわれます。

開始早々私が一匹釣り上げると、それに続くように同僚も一匹釣り上げました。
1メートルとはいかないまでも、十分な大きさの太刀魚です。
そしてそれからは、次々と魚が餌に食いついてきました。
こんなに釣れたのはおそらく、彼らの回遊する時間帯が私達の釣りの時間帯と運良く重なったからでしょう。

当然、しばらくするとこの回遊時間から外れ、パタッと釣れなくなります。
まぁここまで、大漁といっていい数の太刀魚を釣り上げて
いましたから私達はもう、満足していました。
そろそろ引き上げようかという話になった時、














702:03/09/18 16:26
蓋をしているクーラーボックスの中の魚が突然暴れだしました。
バツン、バツン、
クーラーボックスの壁を内側から激しく叩いています。
「活きのいい奴だな、しめたのにまだ生きてるのがいる」
私達は笑いました。
しめる とは釣りの用語で血抜きを意味します。
つまり、魚の鮮度を保つためにナイフで頭の部分に穴をあけて血を絞りだしておくのです。
それでなくとも太刀魚は前述のとうり危険な魚ですから、用心にこした事はありません。

同僚はクーラーボックスに近づくと蓋を開けました。
きっとナイフの浅かった奴でも混じっていたのでしょう・・。

「わっ!!」

同僚は、何を思ったか、突然クーラーボックスを蹴り飛ばしました。
驚いた私が駆け寄ると、同僚は青い顔で、

「顔、が俺を見たんだよ、首が、あったんだよ・・」

と転がったクーラーボックスを震える手で指差します。
703:03/09/18 16:27
友人はかなり動揺していました。
私は何かの見間違いだろうと言いました。
ただでさえ夜なのですから、ライトの加減でたまたまそう見えただけだろうと、
私はそう思ったのです。
しかし、同僚は、絶対にあれは人の生首だったと言います。

私もさすがに気味が悪くなり、彼と一緒にクーラーボックスとその周辺を調べましたがそれらしいものは、やはりありませんでした。

ただ、クーラーボックスから飛び出た太刀魚達は、どれも皆、完全に死んでいたのです。
>696
>僕は・・・ちゃんと・・・残さないから・・・
最初意味が分からなかったけど、理解した途端ゾゾォッときたよ。

>700getおめ。
バキって格闘技の漫画だよね?
殴ったり蹴ったりという瞬間的に加わる力と、押して加わる力とでは怪我の仕方も違うのではないかと。
ボブ・サップが眼底骨折になった試合見たけど、あんな感じに目を押されたわけじゃないだろうし。
スレ違いスマン>all

>701
クーラーボックスの中の‘怪’が生首以外のものだったら良かったかも。
いや、実際自分がクーラーボックス覗いて生首が入ってたら卒倒すると思うんだ。
けど、このお話では他人が覗いた事になってるので、なんだかあんまり怖くなかった。
むしろ「タンコブできなかったかな」とか思っちまった。。。
705DATSUNS:03/09/18 23:56
今、列車を待っている。朝の通勤ラッシュ。どうもまだ慣れない。
四月に大学を卒業した私はこの不景気の世の中、運良く就職できた。
といっても小さな広告代理店だがなかなか人間関係も良い職場で、し
かも女性がほとんどなので男の私は重宝されている。(と思っている
だけかもしれない)それなりに美人な女性もいるので近々誘ってみよ
うかとも考えている。仕事はそこそこの職場だが、男としては申し分
が無いほどいい環境だ。
昨日も上司(女性)と仕事の後、飲みに行ったが期待するほど何も
無くただ酔いつぶれてタクシーで送ってもらい家へとついた。
二日酔いのまま出社とは我ながらなんとも情けないものである。 
706DATSUNS:03/09/18 23:57
列車を待ちながら二日酔いと戦う私の胸元で携帯が震えている。
「こんな朝早くにいったい誰だよ」
液晶を見ると身に覚えの無い番号。
「090−××××ー4651」
誰だよ。とりあえず鳴り続けるので出てみることにした。
「もしもし?」
「・・・・・」
「もし」という言葉が出かけた瞬間、電話は切れた。
なんだ?間違い電話か??そう思いながらまた携帯を
胸ポケットへとしまった。
・・・白線の内側までお下がりください・・・
そろそろ列車が来るようだ。一瞬頭痛がした。
会社着いたら薬でも飲まなきゃなぁ。二日酔いに効くのって
何だ??とか思っているとまた胸元で震えている。
液晶にはまた同じ番号。
「またかよ。誰だよマジで。」
707DATSUNS:03/09/18 23:58
頭痛も重なって絶不調な私は少しイライラしていた。
電話に出てみる。
「もしもし?」
「・・・・・」
「もしもしっ??」
「・・・・・」
またなにも言わない。電話を切りかけた瞬間、相手はなに
かを話した。小さくて聞き取りづらい。
「なに?聞こえないって!!誰だよ?え?」
「・・ご・・・・し」
聞き取りづらいが何かを話している。私は片方の耳をふさぎ
言葉に集中した。
「ひ・・・・・ろ・・・」
徐々に聞こえてきた。でも意味がわからない。
「はっきり言えよ!!何だよ!!」
周りを気にせず強い口調で発した。
「人殺し」
はっ?
訳がわからなかった。一言はっきりと言葉を発した
携帯からはもう声は聞こえない。まったく意味がわ
から無いまま携帯を胸ポケットへ、しかし少しはず
れた携帯はそのまま下へと落ちてしまった。
慌てた私は拾い上げようと前のめりになる。後ろから少し押され前に
立つ人間の膝にぶつかる。前に立っていた人は体制を崩し転ぶ。足元へと
飛び散る一瞬の血飛沫。悲鳴の嵐。前のめりのまま私は上を向くことがで
きなかった。

708DATSUNS:03/09/19 00:01
眠くて駄作になったっぽいです。
>>704
なーる。
もものけかぁ・・。

最初は本人に見せようと思ったんだけど、想像してて自分が怖くなちゃったのよ、これがw
同僚には身代わりになってもらいました。

>>708
おっきた。
怖いねー。
声の正体は、電車に飛び込み自殺していった人達の怨霊っぽいね。
711DATSUNS:03/09/19 00:37
怨霊というか 目の前にいた人(落ちちゃった人)の死に際の憎しみの思念が過去へ戻り
携帯へとつながりました。自分を殺した人殺しですから
712あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/19 00:38
怖い話いっぱい送ってください
[email protected]
713DATSUNS:03/09/19 00:54
>>712
そのときそのときの思いつきなので送れません。あしからず
できるだけ書いていきますので皆さんよろしく。
714あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/19 01:09
自分が掛けた電話が原因で死んだって事?
卵と鶏みたいだな
715DATSUNS:03/09/19 01:17
ん〜自分がじゃなく。 自分に(主人公) 突き落とした人(目の
前で立っていた。列車に轢かれた人)から 電話
716714:03/09/19 03:07
>715
轢かれた人から電話ですよね?
んで、携帯落として拾おうとして膝カックンで
アボンでしょ?
電話が掛かって来なければ落ちる事もないかと・・
DATSUNS乙鰈
大学からの帰り道、信号待ちをしていると、
僕を呼ぶ声が聞こえます。
いつの間にか隣にユキエちゃんが立っていました。
「あっ、ユキエちゃん」
僕は少し驚きながら、ユキエちゃんを見ました。
でも何だか、様子が変なのです。
まるで僕のことなんか見えてないかの様にユキエちゃんは、ぼーっと前を見つめたまま
「一緒に帰ろうよ」
と言います。

ユキエちゃんは前を見つめたまま
「一緒に帰ろうよ」
再びそう言って、歩き始めました。
僕も
「待ってよっ」
と、つられて歩きだします。
すると突然誰かが僕の服の襟を後ろにグイッと引っ張って、僕はお尻から転んでしまいました。
僕が訳もわからずにしていると、
知らないオバサンが恐い顔で
「あなた、もう少しで死ぬ所だったのよ!」






その時、信号は赤信号だったのです。
オバサンが言うにはふらふら歩きだした僕を危くトラックが轢きそうになったとの事です。
ユキエちゃんはいつの間にかいなくなっていました。

そして僕は、ユキエちゃんなんて子は知りませんでした。


その後分かった事なのですが、
2年程前、ユキエちゃんはこの交差点で、信号を無視して突っ込んできた乗用車に轢かれて
亡なっています。
買い物途中だったそうです。

「一緒に帰ろうよ・・」

彼女は僕も連れて行くつもりだったのでしょうか。

>>672
三題噺の新スレ立ったよ。
でもまだ作品書き込みなし・・・・。
このスレに書いてる人、誰か書いてくれ。

http://hobby4.2ch.net/test/read.cgi/occult/1064288092/l50
721中腹永逝銃弾:03/09/24 01:01
(*´Д`)ふふふ ふふふふ ふふふ・・・
722vvv:03/09/25 23:03
真っ暗な夜。眠れない。まだ入院して二日目なので無理も無い。
俺は心地悪そうに寝返りをうった。ちなみに俺の部屋は一人部屋だ。
ぼぅっと壁を眺めていると、急に忙しそうな足音が聞こえてきた。
看護士か・・と思った。医療器具を乗せた台車の音が同時に聞こえてきたから。
急患らしい。看護士は何回も俺の病室の前を行ったりきたりしている。
もちろん台車も。
ふと気が付くと俺の病室のドアが開いていた。・・・閉めたはずだが。まぁいいか。
廊下を走る看護士の白衣が見えた。 


・・・・廊下がうるさくてますます眠れない。
ったく・・・。俺はきつく目を閉じた。

結局明け方まで廊下はうるさかった。
俺は睡眠不足だ。

でも昨晩急患などいなかったことを俺はまだ知らない。

・・・・こんな俺は幸せだな・・・・
>>722
俺も入院した時は怖かったな・・。
眠れ無かったよ。
724あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/26 13:47
俺は神だ。

神ゆえにせねばならぬ事がたくさんある。
タンクトップのみを着て両手を天に高らかに向けて拍手をし
魚屋の前で「ヴィブニュエル伯爵!ヴィブニュエル伯爵!」と
声高に叫ぶ。魚屋の女将は俺に気付こうとしない。
いや、俺は神なので魚屋の女将には到底見えないのだろう。
神たる権威が俺を言葉無き祝福で包む。神は絶対でなくてはならない。
その祝福に応え、俺は引き続き女将に向かい
「タウリン1000mg配合!タウリン1000r配合!」
と、魚の保冷庫に出入りしつつ引き続き両手を打ち鳴らす。
女将は青ざめて二階に駆け上る。きっと俺の後光が眩しいに違いない。
俺は神たる地位を利用し、女将の後を追い二階に駆け上がった。
二階に駆け上がると、幼き頃に将来一緒に科学者になろうと
夢を語り合った親友、小林の姿があった。
「さ…佐久間…だよな?」

俺は慟哭した。
725あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/26 13:55
アキバで幼女が一人で泣いてる場面
726あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/26 14:07
>>724
わらた
727あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/26 21:25
俺は何かを追っていた。
ただひたすら暗闇の中を走り続ける。
呼吸をする暇もなく、俺は何かを追い続ける。
何かの気配を感じた時、俺はてを伸ばす。何かへ向けて。
しかし何も触れない。
あぁ・・・もうやめようか・・・。
なぜ追っているのか。なにを追っているのか。
なにも分からないのに追ってどうなるんだ。
俺はだんだん走るスピードを落としていった。
そして止まった。
その瞬間、俺はグアっと持ち上げられた。
そして、もう二度と明るみに出ることは無かった。

俺は、俺自身を追い、俺自身に追いかけられ、俺自身に捕まった。


登校拒否してた友達が、当時こんな夢をよく見たらしい。
>>725
それは怖いな。色々な意味で。
ゴトッ
隣の部屋で音がした
ゴトッ
隣の部屋でまた音がした、気になるのでいってみたら特に何も変化はなかった。
ゴトッ!
隣の部屋でさっきより大きな音がした、隣の部屋にいってみたら押入れが少し開いていた。
ゴトッ、ゴトッ!
隣の部屋の押入れで何かが動いている、いってみたら押入れの中に何かいる。
ゴトゴト・・・ドサッ!
隣の部屋で何かが落ちた、いってみたら床で何かが動いている。
ズズズズ・・・・
隣の部屋で何かを引きずる音がする、いってみたら何かと目が合った。
カチャ・・・ズズズズ・・・
隣の部屋の何かが部屋に入ってきた、後ろを振り向いたら何かが笑っている。
ズズズズ・・・ガシッ・・・ズルズル・・・
隣の部屋の何かが私の首をつかんでいる、もう振り向けない・・・私は気を失った。
カタッ
私はもういない、次は誰だ?
       , -── ''' " ⌒ ヽ
       i           i
      _ノ            l
     /             |
     |.             l
    /    ,、-'"  ヾ、   ノ
    //   ゙̄'''''~/ i \_i  イ
.   レ' |    ヽ ! ノ,   ^Y \
  ノ  /|    ヾ /    ト  つヽ  <僕かな?
  と//ノ .l     `´    / \__,ヌ
    l  !   ヽゝ-   ,<
    ト \l     ┌'" λ
     > ミl゙'-----'"}ミ  シ
     し_,_,_)     ゙'--"
731あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/28 11:49
日曜に俺が2ちゃんに入り浸っている話。






      コエー・・・
作り話じゃないだろ。
「今すぐーにーあたーしをーこの夜から連れ出しぃーてぇー、とくらあ」
 車通りもまばらな真夜中の郊外を俺は車でひた走っていた。とは言ってもドライブではなく仕事中なのだが。
 土曜の夜だというのに、こんな深夜に仕事とは。まったく、因果な商売だタクシードライバーは。
「て、赤かよ。まったくもってついてねえなあ」
 一人ごちながら俺はブレーキを踏み、停車線手前ギリギリにピタリと車を停める。
 我ながら見事なブレーキングだ。
「つっても、ほとんど何の役にも立たねえんだけどな」
 ギアをニュートラルに入れると俺は大きく欠伸をし、ハンドルに上体をかぶせた。
 眠い。そりゃそうだ、もう一時間もすれば東の空から太陽が昇る時間帯なのだから。
 ふと隣を見ると、エアロパーツを装着した黒づくめの軽ワゴンが俺同様に信号待ちをしていた。
 車内に取り付けられたダークブルーのブラックライトのお陰で、
 運転席のいかつい顔立ちの男と助手席の金髪ロングの女とが楽しげに談笑してる様子が見て取れた。
 視線を僅かにずらすと、後部座席にショートボブの女がいることも判った。
 ライトの光がそれほど明るくなかった所為で表情までは見る事は出来なかったが、
 少なくとも前の二人の会話には参加していないようであった。
「ったく、いいよなあ」
 またも独り言が口をついて出てしまう。
 この仕事に就いてからというもの、寂しさを紛らわす無意識の行動なのだろうか、
 一人ごちる癖がすっかり身に付いてしまった。
 頬杖を付きぼんやりと軽ワゴンを見ていた俺に、後部座席の女がこちらに顔を向けたので、
 慌てて俺は視線を逸らし前方に向き直った。その瞬間、信号は青に変わった。
 俺がギヤを一速に入れてアクセルを踏み込む前に、
 隣の軽ワゴンは直管マフラーから図太いエギゾースト音を吐き出しながら弾丸のように発進してしまっていた。
 そのテールランプが左のカーブの向こう側に消えた刹那、激しい衝突音が響き渡った。
「え?」
 呆気に取られながらも俺は車を音が聞こえた辺りまで走らせた。
 凄惨な光景だった。
 路上駐車していた大型ダンプに激突した軽ワゴンは、前半分が完全に潰れており、
 車長は半分ほどにまで縮んでしまっていた。
 ブレーキを踏む間も無く突っ込んでしまった事を如実に物語っている。
 車を降りると俺は軽ワゴンに駆け寄り、車の中の様子を覗き見ようとした。
 が、先述の通り前方の席はスクラップの機械に押し潰されたような状態だったため、
 乗員が無事かどうか確かめる事は叶わなかった。
 携帯電話を取り出すと、俺は警察に電話を掛けた。
 事故です。軽ワゴンがダンプに突っ込みました。中の人は無事かどうか判りません。ペシャンコです。
 居心地悪く立ち尽くすことおよそ五分後、サイレンを鳴らしながらパトカーが、
 ほぼ間髪入れずに救急車が現場に到着した。
 俺が事情を警官に話している間、懸命の救出作業が行われていたが、
 なにしろ事故車はスクラップである。作業は難航を極めていた。
 無線でレスキュー隊に救援を要請している光景をぼんやり見ながら、
 俺は奇妙な事に気付いていた。
 確かに、運転席と助手席は潰れてしまっていた。
 だが、後部座席はさほど損傷も無く原形を留めていた。
 しかしその中には誰もいなかったのだ。
 おかしい。あそこには、もう一人女が乗っていたじゃないか。
 辺りを見回したが、どこにも彼女の姿を見つけることが出来ない。
 どこに行ったというのか。
 そういえば。
 眼があった一瞬、俺は彼女の表情を見て取る事が出来たのだ。
 ブラックライトの届かない、暗い場所にいた彼女の表情を。
 彼女は、哄笑していた。
 警察の事情聴取も終わり、俺は現場を後にした。
 事故の原因に俺が関与していなかったため、割合あっさりと解放されたのだ。
 車を走らせながら、俺は先程の事故について思いを巡らせていた。
 あの運転手と助手席の女、間違いなく即死だな。助かる訳が無い。
 鉄とガラスとプラスティックの塊に体を押し潰されたんだから。
 では、後部座席の女。彼女は一体どこに消えたのだろう。
 と言うより、彼女は一体何者だったのだ。
 ひょっとして。
「死神………?」
 またも独り言が漏れた。
「まさかね」
 口元を緩め、俺はふとバックミラーに目をやった。

 後部座席に、ショートボブの女が笑いを浮かべながら座っていた。
736ぼっこし屋 ◆cBCRASH/NU :03/09/29 01:51
ここのところ、色んな人たちの書き込みで賑わってるね。いい事だ。
久々に来たんでage。
737あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/29 01:55
>>724
オモロイ。才能ある。
738DATSUNS:03/09/29 01:58
久しぶりにこちらに来て見ました。面白い作品ばかりで参考になります。
■創作怪談三題噺■■第四部■  にも投稿してるので暇があればそちら
のほうも読んで感想お待ちしております。

 
僕はゆうこちゃんに、謎々を出しました。
でもゆうこちゃんは、わからないわといいます。
僕はゆうこちゃんに、解けないと、コワイのが来るんだよといいました。
ゆうこちゃんは誰?と聞いてきました。
コワイのは、コワイんだよ、と僕は教えてあげました。
ゆうこちゃんなんか骨までバリバリ食べれれちゃうよといいました。
ゆうこちゃんはコワイわといいました。
でもやっぱり、謎々はわからないわといいます。
僕は困ってしまいました。
ゆうこちゃんは頭がいいと思っていたからです。

次の日、コワイのは、ゆうこちゃんの所にやってきました。
ゆうこちゃんは、わからないわといいます。
するとコワイのは、ゆうこちゃんの首をとってしまいました。
そして、骨までバリバリとゆうこちゃんを食べてしまいました。

僕は困ってしまいました。

ゆうこちゃんは頭がいいと思っていたからです。
740vvv:03/09/29 23:30
俺は超人気俳優だ。
自分で超人気と言ってしまうほど、人気がある。
だから俺には影武者がいる。
少し前に話題になったフセイン元大統領と同じだ。
俺が地方にロケに行くと、たいていファンもついてくる。
少し頭がおかしい奴らも。
前なんか、手作り爆弾渡されて、「一緒に死のう」とか言われたんだぜ?
こまるったらありゃしないよ。
だから、影武者は絶対必要。
影武者に表へ出てもらえば、俺は裏にいればイイ。
映画なんかの撮影は、俺がやる。休憩時間は影武者におまかせ。
・・・ってカンジでやってくのさ。

でも、ある日なんか違うって思った。
だって俺、いつの間にかコーヒー飲みながら別の俳優と雑談してた。
おかしいじゃんか。だって休憩時間は影武者の担当だぜ?
のんびりコーヒー飲んでる間に、変質者近づいてきたらどうすんだよ?!

少しすると、俺は撮影現場にも行かなくなった。
身なりもだいぶ汚い。

雑誌やTVの中には、キレイな頃の俺と同じ顔をしたやつが笑顔で写っていた。
741あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/10/01 15:19
↑よく分かんないんだけど?
>>741
普通に分かるよ。
影武者に取って代わられたって事。
743741:03/10/01 22:58
>>742
そっか〜。可哀想に・・。
おしえてくれてサンキュー
744741:03/10/02 17:51
>>743
律儀にどうもです。
745あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/10/02 21:09
age
えっまじかよ〜ホント?しんじらんねぇ〜









コエー・・・
このスレ人気無いな。

俺と同じか・・
あぁ〜結局漏れの自作自演かよ・・・
749あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/10/05 00:05
誰か怖い話書いてくれ頼む
>749
書きたいんだけど、書いてる時間がないんだ。。。
>>749
書いたんだけど、ここに載せるかどうか迷ってるんだ……
752あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/10/05 12:03
誰か怖い話載せてくれ頼む
753あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/10/05 16:47
燃焼系〜燃焼系〜オギノ式〜♪
そんなスキンをし〜なくてもぉ〜♪
754あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/10/10 03:28
ageていいですか?
職人を待ちながらおっぱいポロリとす。
756あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/10/13 16:38
小学六年の女の子、美貴が両親のの都合で遠くに引っ越すことになった。
その引越しのときに、長年大切にしていた猫人形を、いらないの理由で捨てていくことにした。

引っ越してからしばらく経ったある日、美貴のところに電話がかかってきた。

「もしもし、僕、君が捨てた猫。よくも捨ててくれたね。痛い目にあわせてやるから憶えてろ」

最初はただのいたずらと思ったのだが、その後も不気味な電話は続いた。

「もしもし、僕あの猫だよ。今キミのいる県についたんだ。これからキミのところに向かうから。」
そして翌日の夕方。
「もしもし、僕、今君の家に行くよ。待っててね。」

美貴は、怖くなってそのまま電話を切ってしまった。その日の夜、家は美貴1人。
再び電話がかかってきたが美貴は決して受話器をとろうとしなかった。
すると、留守電の応答メッセージが始まり、そして自分の声と同じあの声が聞こえてきた。
「もしもし、猫だよ。よくも捨ててくれたね。でもね、お家はもう分かってるんだよ。
これから、たっぷり犯してあげるね。うしろにいるから。」
そして美貴が後ろを向くと・・・「キャアアア!」

次の日、美貴の死体が発見された。
美貴は全裸で、猫の引っかき傷が胸にのこっていた。
 携帯にメールが入った。
 見覚えの無いアドレス。件名は「ねえこれ見た?」
 開いてみると案の定広告メールだったので、すぐさま削除。
 数秒後、着信が入った。見覚えの無い電話番号。誰だろう。
「はい、もしもし」
「何で削除するんだよ……」
758BEAR:03/10/17 13:28
怖い話久しぶりに作ったので来てみました。
ここに載せてもよろしいでしょうか?
>>758
お願いします
760BEAR(1/5):03/10/17 22:05
『あの旧校舎には霊が出る』
…ずっと昔から云われ続けた噂だ。この町のみんな、あの旧校舎と言ったら、『霊』という
イメージしか思い浮かばないだろう。…かつてその旧校舎で肝試しをした若い男女4人が、
それっきり行方不明になり、怪しいと思われるその旧校舎を捜索したら、4人それぞれの
奇妙な変死体が見つかったのだ。
1人目のサヨコは、立ったまま鏡に頭を突っ込んで血だらけになって死んでいた。
2人目のマモルは、下半身が無惨にもぎ取られ無くなっていて、上半身だけで死んでいた。
3人目のタクヤは、ショック死だろうか、トイレの中で白目になって死んでいた。
そして4人目のキリコの死体は、実はまだ見つかっていない。だが、落ちていた4人目の
キリコの止まった腕時計と、この3人の死体の有り様を見て、おそらくキリコも死んでいる
だろうと判断され、新聞では『旧校舎で4人の変死体』と掲載されていた。
しかし、ある男は、『キリコは実はまだ生きているのでは』と思い、3人の友達を呼んで、
その旧校舎を捜索する事にしたのだ。
男は、あくまでもこれは肝試しでは無く捜索だから、霊の祟りは起こらないだろうと
確信していた。それに、白昼の時に行けば何の問題も無いだろうとして、12時のお昼時に
4人みんなで『キリコの捜索』に行った。
761BEAR(2/5):03/10/17 22:09
さすが旧校舎、床を踏むと木の板がギシギシする。
捜索に出かけたのは、まず『キリコ生存説』を提唱したこの男、前田。そしてその彼女の小原。
そして前田の友達の杉岡。そしてその彼女の上田。以上の4人だ。4人は、まず二手に分かれる事にした。
前田・小原組は1階。杉岡・上田組は2階を手分けして探す事にした。
1階。前田たちは教室へ入る。…窓から差し込む太陽の光が眩しい。…え?
光がオレンジ…?まだ数十分しか経ってないのに、まるで夕焼けのようだ…。
前田は不思議に思いながらも、自分の腕時計が12:25になってる事を確認して、
教室を隅から隅まで探した。しかし、特にそれらしいものは見当たらない。
前田は探すのをやめて、隣の教室に向かおうとした。
『おーい小原、行くぞ〜』
あれ?…小原がいない。いつの間に…どこへ行ったんだ!?
『キャアアア!』
その時叫び声が聞こえた。前田は、急いで教室に一番近い鏡の所まで行った。
…そこには、小原が鏡に頭を突っ込んで、血を流しながら生き絶えていた。床には、
小原が愛用していた手鏡が割れて落ちていた。
762BEAR(3/5):03/10/17 22:13
前田は絶叫した後、パニックになった。
『そんな…何で…!?何で小原は…事件の時のサヨコと同じように…!これは…ヤバい!』
前田は確信した。このままここにいたら、みんな事件のように死んでしまう、と…。前田は、
急いで帰ろうと、2階に行って杉岡たちを呼びに行った。
…そういえば、さっきから辺りが暗い。真っ暗だ。いつの間に、夜になったのか?
前田は時計を見た。
…!何故だ!?まだ1:10だぞ!?何故こんなに…!深夜の間違いか?いや、時計はちゃん
とPMになっている!午後の1:10は、こんなに暗いのか!?有り得ない…やっぱりここは
おかしい!早く杉岡たちと合流して脱出しないと…。
廊下を歩いていくと、何かが足に当たった。ん…何か落ちてる…?しかも大きい…。
しかし暗くて見えない。何だこれは?
その瞬間、
『ピカッ!ドガーン!』
雷が落ちた。一瞬だが、足元の大きな物体は青白い光に照らし出された。
杉岡の死体…!しかも、下半身が痛々しくもぎ取られている。見れたのは一瞬であったが、
その死体の酷さは、前田の脳裏に焼き付いて離れなかった。
763BEAR(4/5):03/10/17 22:14
『ちきしょう…もうイヤだ…上田ぁ…どこだよぉ…』
前田は泣きそうになりながら真っ暗な廊下をヒタヒタと歩いた。そして、ふとある事が
前田の脳裏をよぎった。
『あの事件でもマモルは下半身をもぎ取られていた…とすると次はタクヤがトイレで白目
になって…タクヤは男だ…とすると、やっぱり次は…俺?』
前田は物凄い寒気を感じた。いや、そんなはずは無い、間違ってもトイレになんか
行くもんか!行ったら死ぬに決まってる!それより上田を探さなくては…しかし、
今ひと通り回ったが、トイレ以外のどこにもいなかった…とすると、上田はトイレにいるとしか
考えられない!…そうだ、事件でのタクヤの死んだ場所は『男子トイレ』だ!
俺が死ぬまでは、まだ上田は死なないはず…そして、俺が男子トイレに行かない限り、
俺は死なない…!つまり、上田と自分を助けるためには、女子トイレに行けばいいんだ!
上田はそこでおびえてうずくまってるに決まってる!
764BEAR(5/5):03/10/17 22:15
前田は確信し、女子トイレへ向かった。この学校は、女子トイレは全部右と決まって
いるので、間違わずに入れた。そして手探りでスイッチを探し、電気をつける。
『上田ぁー!俺だ!前田だ!もう大丈夫だ、早くここから出よう!』
…返事が無い。半開きのトイレのドアをを開けてみた。その瞬間、俺は絶望した。
そこには、上田が白目になって死んでいる姿と、髪がバサバサに伸びた1人の女が
ニヤリと笑っている姿があった。
『お前が…キリコ…!』
………………………………………………………………………………………
そして4人目の前田の死体は、実はまだ見つかっていない。だが、落ちていた4人目の
前田の止まった腕時計と、この3人の死体の有り様を見て、おそらく前田も死んでいる
だろうと判断され、新聞では『旧校舎で4人の変死体』と掲載されていたのだ。
しかし、ある男は、『前田は実はまだ生きているのでは』と思い、3人の友達を
呼んで、その旧校舎を捜索する事にした…。

END
765BEAR:03/10/17 22:22
以上です。やはりありがちな怪談モノなので
新鮮さに欠けたところがありますね(汗
けどストーリーはちょっと工夫してみました。
766(・∀・)ノ:03/10/17 22:32
きゃー、ドキドキした

『警察も十分調べ尽くしただろう旧校舎へ何故いまさら捜索に行くのか?』と『自分なら怖いから4人一緒に行動する』とは思うけど、楽しめましたぁ

新しいの出来たら是非お願いします。ありがとうございました
767756 Part 2:03/10/17 22:47
小学六年の女の子、美貴が両親のの都合で遠くに引っ越すことになった。
その引越しのときに、長年大切にしていた猫人形を、いらないの理由で捨てていくことにした。
引っ越してからしばらく経ったある日、美貴のところに電話がかかってきた。
「もしもし、僕、君が捨てた猫。よくも捨ててくれたね。痛い目にあわせてやるから憶えてろ」
最初はただのいたずらと思ったのだが、その後も不気味な電話は続いた。
「もしもし、僕あの猫だよ。今キミのいる県についたんだ。これからキミのところに向かうから。」
そして翌日の夕方。
「もしもし、僕、今君の家に行くよ。待っててね。」
美貴は、怖くなってそのまま電話を切ってしまった。その日の夜、家は美貴1人。
再び電話がかかってきたが美貴は決して受話器をとろうとしなかった。
すると、留守電の応答メッセージが始まり、そして自分の声と同じあの声が聞こえてきた。
「もしもし、猫だよ。よくも捨ててくれたね。でもね、お家はもう分かってるんだよ。
これから、たっぷり犯してあげるね。うしろにいるから。」
そして美貴が後ろを向くと・・・言った。

「じゃぁかぁーしーー!!好きなものを捨てるには、捨てるなりの理由があるんだぁ!
そんなこともわからんのかぁ!この畜生めがーっ!」

次の日、美貴の死体が発見された。
警察の捜査の結果、犯人は両親だと判明した。
768あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/10/18 12:21
>>760
お、BEAR氏だ。久しぶり

今回のはBEAR氏にしては確かにありがちな話だな
けどなかなか楽しめましたよ。BEAR氏のはどれも
ただで終わらせないところがイイ。けど漏れ的にはこれより
前のBEARタソの>>154の方が好きかも。まあ、気が向いたら
またうpして下さいな。

>>767
こっちの方がサスペンスっぽくてイイですよ
けど美貴を殺した理由がこっちだと少し曖昧ですな
両親の異常さというか、そういう描写をもっとしたら
もっと怖くなると思います。なかなか良かったですよ


>>291
こ、これはかなりいいです。
>612
おもしろい。
後半の、主人公の心理の微妙な揺れ具合
オチもナイス。どんでん返しが利いている。
丼の下に包丁持ったラーメン屋がいるコピペ キボンヌ
772ポポ(恐怖のビデオ):03/10/21 18:17
俺、健太と親友の真里、優一は、Mアパートに共同生活している。
そんなある日、俺がお店で「ジャポニカ」というビデオを見つけた。
意味が解からなかったが、とりあえず買ってみる事にした。

「あら、おかえりー」「またビデオ買ったのか?」
「あのなー、これ、ジャポニカとか言うタイトルのビデオなんだぜ!
どうせただのつまんねーお笑いビデオに違いないぜ!」
「そうかもね〜」「アハハハ・・・」
笑いながら俺はテレビデオの中に、「ジャポニカ」を入れる。
すると、フ○テレビのニュース映像が流れてきたのだ。
「なんだ、ただのニュース映像じゃん。」
「このあと水とかが振ってくるんじゃないの?」
だけど俺は、何か不吉な予感がした。なぜならこれが「男女の変死体」と言う
ニュース、「岩場」という場所だったからだ。
その時、ニュースの映像が「プツン」と切れた。「あ!」俺は思わず声をあげた。
さっきのニュース映像の場所と同じ、岩場で、男性が井戸を覗いている
映像だった。
あの・・
>>772 は、これでおしまいなのでしょうか?
774あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/10/21 22:32
>>760
発想がイイ!テーマがありがちの怪談でも、何か新鮮味が出てるのがいいっすねー。
前のBEARさんの話も全部読ませてもらいましたが、どれも発想が素晴らしいと思います。
ただ、怖さの描写がまだ足りない感じなので、もっと何か迫るような感じにしたら良いかも?

>>767
756を見て「コレまた定番だよなぁ」って呆れつつもこれを見たら
普通に怖かったのでビクーリしました。ただ「じゃぁかぁーしーー!」は
ちょっと笑えるのでもっと別なセリフにするといいかも?

>>772
つまり、ビデオが再生される前にその「岩場で男女の変死体」のニュースがやってて、
何か嫌な感じがして、そのビデオが再生されると、例の映像が映し出されたって事?
話自体は不気味な感じで良いのですが、文章がイマイチ伝わりにくい所があるので、
もうちっと文章を工夫すれば良くなるかも?
井戸の中には小さな米粒のような白いモノがウジャウジャと・・・
よく見たら米粒だった。
776執筆10分粗多し閣下:03/10/23 12:52
 いつものように目覚ましが鳴った。
「また朝が来てしまったか。いつからだろう、起きる度にこんな事を言うようになったのは」
 寝たまま、頭の下に手をまわして言った。全く変わらない朝。今日は少し冷える。
 ゆっくりと上半身を起こすと同時に、ベッドがギシギシと小さな音を立てた。
 素早くベッドから足を放り、立ち上がった。
「バイト探さなきゃ。……まずはやっぱりスーパーだよな」
 そう言うと、服を着て、一階に下りた。冷蔵庫の中にいつも溜まっている牛乳を飲み干すと、おもむろに外に飛び出した。
 外に出て、ドアの鍵を閉めて振り返ると、アルは眉間に皺を寄せながら言った。
「人がいない」
 目の前に広がった光景、そこには誰一人として、人の姿が見当たらない。それどころか、車の音も、鳥の声さえも聞こえないのだ。そういえば、今朝は子供たちの声もしなかった。
「こりゃ一体、どういう事だ? まさか、この街が爆弾で破壊されるから、住人は皆、逃げてしまったのか?」
 一人くだらない事を言いながら、車の走っていない、目の前の道路に飛び出した。百八十度見渡すも、やはり人影はない。
 アルは、全く音のしない事に不安を覚えた。 ふと、ゆっくりと息を吸い始めた。
 スゥー……
「俺は世界の支配者だ!」
 手を口に当て、顔を大きく前に出して、思い切り叫んだ。何も返事はない。周りの家からも誰も出てこない。
「そうか、そういう事か。俺の日頃の行いが良いから、本当に世界の支配者に! なんか、ヤバイ気がする」
 急に寂しい気分になり、人がいる場所を探し始める。
「皆で俺をかつごうってのか? そうだ、警察はどうだろう」
 家から向かって右手を向き、歩き始めた。ここから少し行くと、警察署がある。
777執筆10分粗多し閣下:03/10/23 12:57
 最初はゆっくり歩いていたが、知らぬ内に早足になっていた。
 風ひとつない街。音もしない街。太陽の光はあるくせに、全く暖かさを感じられない。が、寒くもない。
アルは、自分しかこの世に存在していないような気がして、気づいたら全力で走り出していた。
 ……
 警察署にたどり着いた。入り口前の小さな階段を駆け上がると、ドアを思い切り開けた。ドアは空を切った。
 中には一人だけ、入り口とは反対側の本棚に向かって、何か書類を読んでいる警官がいた。
アルに背を向けて立ち尽くしている。彼だけで、周りには誰もいない。
「良かった、お巡りさんがいた」
 息を荒げつつそう言った。だが警官は振り向かない。ずっと本棚の方を向いて、
手に持った書類の方に顔を向けている。蝋人形のように固まって。
 段々と息が落ち着いてきたアルは、いつもの調子で話し掛けた。
「いやあ、一体どうなってるんだと思いましたよ。やっぱり、皆どこかにいるんですね。
お巡りさんは行かなくていいんですか? あ、俺は何にも聞いてないんで、
どこに行けばいいのか知らないんですよ。良かったら教えてくれませんか」
 右手で頭を掻きながら言うと、作り笑いを浮かべた。
 しかし、警官は全くの無視だ。
「ちょっとお巡りさん、聞いてるんですか」
 近づいていく。床を歩くたび、静かな署内にカツカツと音が響いた。
 すぐ後ろに立ちつくして一呼吸おき、トン、と軽く警官の肩を叩いた。
連投規制かな?
779ポポ(恐怖のビデオ):03/10/23 19:21
>>772の続き。

すると井戸の中身が写された。井戸水は、血のように赤く濁っていた。
その中から、血にみまれた手が出てきた。その手は伸び、男性の頭を
つかむ。そして、男性の頭は切れた。
「いやあっ!」真里は叫ぶ。「大丈夫だよ、見なければ」俺が励ます。
それを見ていた優一は、テレビデオの停止ボタンを押すが、押しても
ビデオは停止しない。それどころか、男性を食う女が写るばかりだ。

さらに手は、何かをテレビに向かって投げつけた!
グチャッ!
男性の内臓らしき物体がテレビから飛び出してくる。
目の前にころがった内臓の表面には、小さな米粒のような白いモノがウジャウジャと・・・
やや細長いソレは、明らかにインディカ種だった。
夜、外出先から帰って家のカギを開けようとしました。
玄関内側のライトをつけっぱなしで出かけたので
子供が 「誰かいるみたいにみえるね」 と無邪気に
インターホンを押しました。


「……はーい、どなたですか?」
聞き慣れない男の人の声がかえってきました。
782.:03/10/24 11:42
>>233
以前、似たような話を聞いた事あるよ。

ホームレスの人達には、どうしても食料が見つからない時期がある。そんな時には一つだけ『当たり』と書いたクジを皆で引くんだ。そして『当たり』を引いた人は『バーベキュー』で皆を遇す…
あまり大した話ないな。
なに固まってんですか?
785あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/10/29 18:13
  ミ
    ( \ /⌒ヽ
    ( / ´_ゝ`) ついていってもいいですか?
      ノL   /L
    (     /
    ノヽ_/
        )
読んではいけない!! 投稿者:Z 投稿日:08/21(木) 05:11 PC No.525 [返信] [削除]
■■■危険!危険!危険!危険!危険!■■■

      読んではいけない!


これより下の文章は絶対に読まないで下さい。
あなたの人生を狂わす恐れがあります。
この文章を読んで例えあなたの人生が狂ってしまったとしても
当方は、一切責任が取れません。

--------------------------------------------------------------

お願いしたのにも関わらず何故、アナタはまだ読んでいるのでしょうか?
念のためもう1度言います。
以下の文章を読んで例えあなたの人生が狂ってしまったとしても責任は取れません。
読むのをやめるならば、今のうちです。今すぐこのテキストを削除して下さい。
まだ読んでますね。

では、覚悟して読んでください。なお、ここから先は極秘事項なので
他人に見られないよう、こっそりと読んでください。

         *   *   *

アナタの目の前には、既に「あなたの人生を狂わす」ボタンが用意されている。
このボタンを押せば自動的にアナタの人生は狂いはじめ、気がついた時には
どうしようもないほどに手遅れで、もう後戻り出来ないところへ辿りついている
事に気付くだろう。
しかし、残念ながら、このボタンを押せる人と、押せない人がいる。
その違いとは、何だろうか?

それは、つまり世界を理解する環境があるか否か、である。
環境が揃った人間のみがボタンを押せるのだ。

さて、世の中には、「知ってはいけない」というものが存在する。
ただ知るだけでたちどころに世界観が転換し、劇的なパラダイムシフトを引き起こす。
結果、人生が狂ってしまうのだ。あなたがあなたではなくなる。

---------------------------------------------------------------
以下、質問者との応答。
学校に来ない奴がいる

奴には教えてないのに、クラスの中で携帯を持っている
人全員の携帯アドレスに、そいつからメールが入る

教えている奴がいると、クラス中で大騒ぎになった
気味が悪くてアドレスを変えても、必ず届く

元々奴を毛嫌いしていた女子が特に酷い被害にあっている
一日に100通以上入ってくる

ある時、その女子が「おかしいよ、アドレス変えても来るのよ」といい、
みんなの目の前で携帯のアドレスを変えた
新しいアドレスを知っているのはその場に居る者だけ

20秒も経たなかったと思う
女子の携帯にメールが入った「コロコロアドレスかえんじゃねえ!」

誰も奴に教えていない
テレパシーでも無い限りは無理
パニックになった
すげぇ怖かった



しかし本当に怖いのは

・・・俺のところだけ、奴からのメールがこない

忘れられている (´・ω・`)
790あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/11/02 21:17
>>789
オモロイ
アゲ
不動産屋の間では事故のある物件情報は常に裏で取引されている。

杉並区の中央線沿線で中古戸建てが売りに出ていた
それを都内某商社勤務の30代OLが購入して住み着いた
なぜかというと、都内でも破格の1千万円という値段だったからだ
しかしさすがに近所に「何があったか」などは聞き難い
夜中に天井裏を鼠が走り回る程度で2〜3年そのまま住み続けていた

・・ある日、雨漏りがするので大工に頼んで修理してもらうことにした
大工が脚立から天井裏に上がろうとすると「うわぁあ!」と大声を上げて
のけぞって倒れた。「どうしたんですか?」女性がきくと、
「お客さん!この家、明日にでも出てったほうがいいよ!」
おそるおそる女性が脚立から天井を見ると・・・・・・・・・・
天井裏は真っ赤に塗られ、その上から墨で梵字のような文字がビッシリ
一面に書き殴られていた。

「きゃぁ!!」女性が振り向くと、笑っている首があった
ひからびた人間の首であった。
壁を何度も何度もひきずり回ったような跡があった
後日警察が来た、首はこの家の前の売り主の妻であった
前の売り主はある有名な新興宗教の幹部であった

いま、この物件は売りに出されている。しかし値段3千万円程度に
あげられ普通の物件と区別が付かなくなっている
唯一の違いは天井裏だけだが・・・・・
沖縄の「ひ●ゆりの塔」にいくと場違いなミリタリーショップがある。
店の人いわく、昔ここが土産物屋だけだったとき、夜になるともんぺ姿の
防災ずきんの女学生が地面にあいた大きな穴(ガマとよばれる)から何十人も
でてきて、まともに商売にならなかった。それで地元の霊能者に相談したら、
『まだ戦争が続いていると霊に思わせれば、洞窟からでてこなくなる』と
いわれ渋々土産物と兼業で営業しているとのこと。実際それから霊現象は収まったらしい。

しかしいまだに魂はガマの中でさまよい続けている。
修学旅行の学生がふざけて滑落して、そのまま狂死する事故がまれにある。

狂死するときの絶叫が「熱い!熱い!!」ってやけどになって氏ぬやつな
学校の裏向かいにある家が火事で全焼した。
ちょうど休み時間だったから友達と窓からずっと見てた。
先生達は119に電話して「あまり面白がるな」と言った。
学校の帰りに友達といたずらしてた家だった。
一回、家のおばさんにばれて怒鳴られたことがあった。
先生にチクられたりしてむかついた事もあったけど、少し可哀想に思った。
昼休みが終わったから席に戻った。先生はカーテンを閉めるように言った。
今日の日直がカーテンを閉めて回った。
今日の日直は一緒によくいたずらをやる洋平だったから一緒にカーテンを閉めるふりをして
火事を見た。既に消防車が殆ど日を消していた。救急車に人が運ばれるのも見えた。
その時パーンとすごい音がして屋根の一部が飛んだ。
俺と洋平は「すげー!」とか叫んだ。
その時、運ばれてた人と目があった。(もしかして俺達の声が聞こえたのかな?)
真っ黒になってたけど少しだけ残ってる服の柄であのおばさんだとわかった。
いつも同じ割烹着を着てるからだ。
すごい睨んできたからカーテンを閉めた。
もしかして俺達が放火したと勘違いしてるかも・・・と思った。
しばらくしておばさんが死んだと聞いた。

続く
その次の日、俺は日直だったから教室にもう1人日直の女子と残った。
その時窓から焼け落ちた家のところで包帯をぐるぐる巻にした人を見た。
一瞬ミイラと思ってビビったけど、あのおばさんは生きていて退院したのかと思った。
道には帰っていく洋平が見えた。洋平は包帯を巻いたおばさんに気付いていなかった。
おばさんは洋平の後を着いて行くみたいに歩いていった。
ずっと見ていると日直の女子が「ちゃんと仕事やってよ」と言ったので
見るのを止めた。
次の日、洋平は学校を休んだ。俺は連絡プリントを届けに帰りに洋平の家に行った。
洋平の家は両親とも働いてる。何回もチャイムを押したけど出てこなかった。
俺は大声で洋平を呼んだ。そしたら洋平は出てきた。
顔色は悪かったが思ったより元気だった。暫く一緒にゲームをした。
「お母さんが帰ってくるまで家にいてくれ」と帰ろうとしたとき言われた。
「別にいいけど?なんで?」俺が聞くと暫く考えて、洋平は言った。
「あの家のおばちゃん、俺達が火をつけたと思って仕返しに昨日来た。」
(あっ)と思った。だって俺は洋平の後を付けて行ったおばさんを見たからだ。
「仕返しって・・・?」
「仕返しというか・・・『火つけたのはお前か!?』ってドアをドンドン叩いてさ
すごい怖くて『違う!違う!』って言ったらどっか行ったけど・・・」
やっぱりあのおばさんは生きていて俺達のことを犯人だと思ってるんだ。
そう思ったら無茶苦茶怖くなってきて、自分の家に帰るのも怖くて親に電話して
迎えに来て貰った。
続く


家に帰ってすぐ、お母さんは「買い忘れたモノがある」と言って出かけてしまって
1人になった。外はだいぶ暗くなってきている。
怖いなあ、と思ってテレビの音を大きくして廊下の電気も点けて置いた。
暫くしてドアが開く音がしたのでお母さんが帰ってきたと思って
廊下に出たら包帯でぐるぐる巻になった人間が立っていた。
包帯の間から火傷が見えてお化けみたいで怖かった。
殺される様な気がして俺は一番近くにあったお姉ちゃんの部屋に逃げた。
ベットの布団にくるまって半泣き状態だった。
「隠れても無駄だ!!」
確かにあのおばさんの声ででもしわがれていて、すごい声で怒鳴られて悲鳴を上げた。
布団の上から跨られて乗られたのがわかった。
「ごめんなさい、ごめんなさい!!」
とにかく謝った。俺が放火した訳じゃないけどいたずらいたこともあるからとにかく謝った。
「やっぱりお前かあ!!」
と怒鳴られた。
「違います!違います!!」
布団をはがされた。白い包帯と、その間から縮れた髪の毛とグサグサの皮膚が見えた。
「じゃあ何で逃げたぁ!?」
俺は(そんなこと怖いからに決まってるからだろ!)と思ったが言える状態ではなかった。
パニックになりながら自分が気を失っていくのが解った。
『先週のXX市での民家全焼、その家の主婦死亡の事件で警察は放火の犯人として近所に住む・・・・』
大音量のテレビからニュースが聞こえていた様な気がする。
気が付いたらお姉ちゃんが立っていた。
「なに、人の部屋で勝手に寝てるのよ!?」
お姉ちゃんは怒っていたけど俺は安心して泣いた。
その後、火事の原因は放火でやっぱりあのおばさんは死んでしまっていたことが判った。
そして犯人は自首してきたこともわかった。

この事は人に話しても信用されたことないが(仕方ない)
俺と洋平は今でもあのおばさんが犯人を突き止めたんだと思っている。
↑怖い!!!!!!!!
怖いなぁ
マジで怖いよ
800ホモ@サピエンス:03/11/05 11:07
100ゲットニダ ━━<ヽ`∀´>@∀@)`ハ´)´Д`>━━!!!!
100は韓国固有の領土ニダ!
                    /|__        >>99 所詮チョパーリの脳ミソではウリには勝てないニダ!!
                  / ̄ | ヽ       >>101 謝罪と賠償を要求するニダ!!
              ___<<丶`∀´>      >>102 102ゲットした栄光ある>>102は在日ニダ!
          =≡  / .__   ゛ \   .∩ >>103 中国様!?ごめんなさいニダ、>>103は差し上げますニダー
        ‐=≡  / /  /  ◎/\ \//  >>104 4コタホアー!!ティンコたってハムニダ!!
       ‐=≡  ⊂_/  /    /  .\_/   >>105 チョパーリ女発見ニダ!!レイープするニダ!!
         ‐=≡    /    /         >>106 には名誉国籍をくれてやるニダ!! 拒否は許されないニダ!!
          ‐=≡   |  _|___        >>107 100ゲットはさせないニダ!! レーザーポインタを食らうニダ!!
           ‐=≡  \__ \       
             ‐=≡ / / /       
``)          ‐=≡  // /
`)⌒`)       ‐=≡ / | /
 ;;;⌒`)      ‐=≡ / /レ

801ホモ@サピエンス:03/11/05 11:08
間違えちゃった
恥ずかしい!!
802あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/11/05 17:06
>>786-788
↑を丁度読み終わったとき、某更新の知らせの窓が開いて
「yes」「no」のボタンが出たので一瞬マジでビビッたYO
803キモ男1:03/11/05 20:31
俺は不細工だ。おまけにデブで無職だ。
そんな俺の趣味はレイプだ。どうだ最低だろ。
そんな最低な男に犯され屈辱にまみれた顔をする女を
見るとたまらなく興奮する。そして俺によって汚された女と
付き合う可哀相な男がいると思うと俺は優越感と幸福に包まれる。
今日も両親が寝静まったのを見計らって女を物色しに外出する。
罪悪感は無い。こんな時間に一人歩きしている女が悪いんだ。
俺の好みはプライドの高そうな美人だ。だってそういった女の
ほうが高学歴で金を持っている彼氏を捕まえる確率が高いだろ?
そんな奴らは少しでも不幸を味わったほうがいいんだ。
804キモ男1:03/11/05 20:32
今日のターゲットが決まった。
うまく人通りの少ない道を歩いてくれればいいが・・・
やった!公園の中を歩いていくぞ!
俺は内ポケットから目だし帽とサバイバルナイフを取り出した。
目だし帽を装着する。興奮と緊張で胸がどきどきしてきた。
慎重に女の背後に忍び寄る。
女を羽交い絞めにし口をふさぎナイフをちらつかす。
「大人しくしないと殺すぞ」
女は頷く。よし、今日は楽勝パターンだ。
805キモ男3:03/11/05 20:34
女を茂みの方へと誘導し女の服を乱暴に脱がせる。
女に覆いかぶさり口を片手で押さえナイフをもっているほうの
手で自分のパンツを下ろそうとしたとき汗でナイフが落ちた。
まあいい、ここまで来ればもうナイフは必要ない。
と思った瞬間女の体がすばやく動いた。
まずいと思ったときにはもう遅かった。
俺の腹には深々とナイフが刺さっていた。
女は俺を払いのけすくっと立ち上がった。
俺はどさりと仰向けに倒れた。
806キモ男終:03/11/05 20:35
意識が朦朧としてきた。
横目で見ると、女はもくもくと服を着ている。
このくそ女、と思っていると女が振り返った。そして言った。
「私はね、頭にきてるのよ。
 いい加減シツコイのよあなた。まあ一回二回ならこっちも悪かったし
 付き合ってあげたけど、何回殺されれば気が済むのよ!さっさと成仏
 しちゃってよ。」

そうだ俺この女に殺されたんだ。
そしてまた俺は意識を失った。
>>803-806
まぁまぁいい!
808DATSUNS:03/11/07 02:04
また今日も同じ夢を見た。最悪だ。
ここ一週間ばかり悪夢を見ている。
内容はこうだ。

夢の中の自分も悪夢で目が覚める。
時計を見ると寝坊している。
急いで着替えて、会社に向けて家を出る。
猛ダッシュでバス停へと向かう。
次の交差点を左に曲がろうとする瞬間、道路を走る車がこっちに向かって私に衝突。
ぶつかった反動で跳ね飛び転がる私。そして倒れた私を反対から来た車が轢いてしまう。
下敷きになる私。
次の瞬間意識は飛び、今度は車に轢かれてしまう自分を見る。
そしてゆっくりと車の下敷きになる自分の前へと歩み寄る。
私は、遠い目をして口からおびただしい血を吐いてぐったりした自分を
見てこう言う。
「さようなら」
809DATSUNS:03/11/07 02:05
そして目が覚める。
一週間も続くと眠るという行為が休息から苦痛になる。

今夜もまたあの夢を見るであろう。一日の最後を閉めるべきベットでのひと時が
不安でならない。そして一日の始まりである目覚めもまた不安である。

そして今夜もゆっくりと睡魔という今の私にとっての敵が優しく襲い掛かってくる。
やはり今夜も同じように、目が覚め寝坊して着替えて家を出て交差点で車にぶつかり
跳ね飛ばされて次の車に轢かれそしてその姿を見て・・・
今日は違うようだ。姿を見た私の意識はまた飛んだ。

次の瞬間私は闇にいた。どうにも息苦しい。身動きが取れない。
周りからはすすり泣く声。「ガタン」という音とともに世界が動いた。
じわじわと周りが熱くなる。熱さを通り越し痛みへと変わる。気が狂いそうな痛みを
受けながらまた意識が飛んだ。
810DATSUNS:03/11/07 02:06
下には棺桶が。周りには私の家族が。皆切なげにそして泣いている者もいる。
ようやくそれが私であると気が付いた。私は死んだのだ。そして火葬されようとしている。

今までで一番最悪な夢だ。早く目覚めたい・・・・目覚めたい・・・・目覚め・・・

目が覚めた。目の前には火の海が。またさっきの夢の続きか・・・
もう一度瞳を閉じる。眠りに入ろうと何も考えないようにしてみた。
今度の夢はどうもリアルだ。目を瞑り考えを無にすると余計に感覚が鋭くなる。
熱さ、痛みだけではなく、焼け焦げる臭い・・・そして遠くからサイレンの音・・・

気が付いたときには私は 堕ちた。
811ギグス:03/11/07 02:16
指と爪の間に安全ピンを刺すのがマイブームな女がいる。
自分で刺してる分には良いのだが人の指にも刺したがる。
つい先日なんか、俺が寝ている間にその女、俺の指と爪の間に
刺してきやがった。俺は心地よく夢を見ていたのだが
絶叫して飛び起きた。そしたらその女なんて言ったと思う?
「そのくらいで起きちゃ甘いね。あたしなんて1cm刺しても
全然平気よ。むしろ気持ち良いくらいだわ」
お前正気か?先日、会社の打ち上げで上司が酒飲んで寝潰れた時も
刺してお前クビになったんだろ・・
頼むから人に刺すのだけはやめてくれ。無論、電車内でもだ。

皆さん、電車に乗っている時安全ピンを見てニヤニヤしている女が
乗っていたら絶対眠らないで下さい。
そんな事より1よ、ちょいと聞いてくれよ。スレとあんま関係あるんだけどさ。
このあいだ、遠くの樹海行ったんです。樹海。
そしたらなんか霊とかがめちゃくちゃいっぱいで進めないんです。
で、よく見たらなんか首吊り死体下がってて、一生呪う、とか書いてあるんです。
もうね、アホかと。馬鹿かと。
お前ら、自殺如きで普段来てない樹海に来てんじゃねーよ、ボケが。
一生呪っちゃうんですよ、一生。
なんか親子連れとかもいるし。一家4人で心中か。おめでてーな。
よーしパパ重りつけじゃうぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。
お前らな、青酸カリやるからその道空けろと。
樹海ってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。
自分が首吊った木と正面の木の奴といつ呪いが始まってもおかしくない、
憑くか憑かれるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。女子供は、すっこんでろ。
で、やっと進めた思ったら、隣の奴が、ロープつゆだくで、とか言ってるんです。
そこでまたぶち切れですよ。
あのな、つゆだくなんてきょうび流行んねーんだよ。ボケが。
得意げな顔して何が、つゆだくで、だ。
お前は本当につゆだくで吊りたいのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。
お前、つゆだくって言いたいだけちゃうんかと。
自殺通の俺から言わせてもらえば今、樹海の間での最新流行はやっぱり、
焼身自殺、これだね。
炎上首吊り一酸化中毒自殺。これが通の死に方。
焼身自殺ってのは油が多めに入ってる。そん代わり肉が少なめ。これ。
で、それに大盛りギョク(火薬)。これ最強。
しかしこれを頼むと次から樹海管理人にマークされるという危険も伴う、諸刃の剣。
素人にはお薦め出来ない。
まあお前、1は、うまいぼうでも食ってなさいってこった。
813 ◆x6S7RgT31E :03/11/08 00:31
昨日、道端に赤いランドセルが落ちてました。
道行く人は誰もランドセルを拾おうとしません。
仕方なしに自分が拾って中身を確認しました。
「3ねん2くみ よしおか みか」
とりあえず、交番へ持って行きました。
交番の警官の人もランドセルの中身を確認し、名前を確認しました。
自分の連絡先を聞かれとりあえず家に帰りました。

2時間後、家に電話がかかって来ました。
「もしもし!さっきランドセルを届けて下さった清水さんですよね?
あの申し訳ないんですが2,3聞きたいことがあるんですが」
なんでランドセルごときで2,3聞かれなきゃいけないんだと思うも
警官の切羽詰った話し方が伝わって来たのでもう一度交番へ向かいました。
814 ◆x6S7RgT31E :03/11/08 00:46
「実は、このランドセルの子1年前に亡くなられているんですよ。
なんで道端に落ちてたのか・・・ とりあえずもう一度落ちていた場所と
時間を教えて下さい」
自分は2丁目の武田たばこ店のとこの交差点で時間は18時くらいだと
伝えました。ほどなくして、ランドセルの持ち主の母親らしき人が
交番へ入ってきました。
「みかのランドセルを拾っていただきありがとうございました。
みかは去年、運動会の練習で遅くなった帰り交通事故にあって・・・」
ん〜、自分もちょっと戸惑っていたけどみかさんの形見が無事見つかって
良かったと思い、お母さんに励ましの言葉をかけました。
「そうですか・・ 今も元気でいたら4年生ですね。天国のみかさんも
お母さんのとこへランドセルが戻ってきて良かったと思ってると思いますよ」

みかさんのランドセルを見てまぶたにうっすら涙を浮かべていた母親の顔が
変わった。
「え?みかは2年生の時に死んじゃったんですけど・・」
やった!やっとつながった!
何から書けばいいのかわからないけど、とにかく、おれはいま、誰のものかわからない
ノートから、この書き込みをしてる。
さっき、たかぎさんがしんだ。
いや、いきなりそんなことをかいてもだめか。
えと、今、このうちのまわりには、いっぱい、しんだ人があるいてる。
だって、そのたかぎさんもあるいてる!!
信じられない。どうして?何がいったい。
へんな声をだしたりして、戸をひっかいたりしている。どうしよう>
うまく気0がたたけない。キーが。ふるえて’
電話もつながらないし、テレビもつかない。
唯一、このPCだけが、外とつながってるバッテリーが残りすくない!
すくない
くそ!
どこから書けばいいんだ?
ここは、福島県の、どこかだ。
休みを利用して、こっちに車で、友人と3人でこっちに来たんだけど、
道に迷って、そしたら、車が脱輪しちまって。
で、近くに家があったから、入ってみたら、なんだか、こわい顔したひとたちがいて。
そのうちの一人はライフルもった男。すぎたさんって名前で。それは今聞いてわかった。
すぎたさんが。けいこにげんきでって。読んでたら伝えてって。
で、その時はびっくりしたんだけど、その人が言うには、このあたりは、死人が、その、読んで字のごとく、
死人が、この村を支配してしまったらしくて。
おれも最初は信じなかったんだけど、でも、さっき、かみやが、あいつが、あんなことになって
あ、いま。なんか。どうしよう?
おれ、友達にもメール送ってみたんだけど、みんなうそだと思って誰も返事こなくて。
2ちゃんのここ読むひとたちだったら信じてくれると思って。
あの、日本は今、こんな状況になってるのは、あの、ここだけ??
やばい。どうしよう、そんなに戸をたたかれたら、もうすぐ奴ら。
はいてくる。だ
そそれがあ
s














という、night of the living deadねたでした。
820 ◆x6S7RgT31E :03/11/08 01:04
自分もえ?と思い、ランドセルの背にあるネームプレートを見せた。
「3ねん2くみ よしおか みか」確かに入っている。
そして拾ったときには気づかなかったんだが教科書やノートの類が
今でも使っているかのように新しい。
お母さんがまだびっくりした表情のままこう言った。
「みかは去年の今日あそこの交差点で亡くなったんです。
だけどランドセルだけはどうしても見つかりませんでした。
あなたにはお礼を言っても言い切れないくらい感謝しています。
みかは私の中ではずっと生き続けています。その思いがこうして
ランドセルを見つけて下さったのでしょうかね。」
自分は直感的にこのお母さん、嘘ついてるなと思いました。
警官の方を何気なく見上げると、警官はお母さんに同情したのか涙を浮かべてた。
まあ嘘をついていても何にしてもこれ以上は詮索しないでおこうと思い
腰をあげ「それじゃ自分はこれで失礼します。見つかって良かったですね」
と会釈して交番を後にした。

そして数日後、ランドセルの件も忘れかけてた頃に突然電話がかかってきた。
821 ◆x6S7RgT31E :03/11/08 01:22
あの母親からだった。
「先日はホントにありがとうございました。あのもしよろしければ
ご馳走でもしたいのでうちへご招待したいのですが・・ みかも喜ぶと思うし」
まあ忘れかけていたけど、正直な話、心のどっかで気になってたし
ご馳走してくれるって言ってるし・・ 
「わかりました。みかさんへお線香もあげたいですしお伺いすることにします」
安易に了解してしまった。しかも今日の夜との事。
用事を済ませ自分は吉岡さんの家へ向かった。
びっくりした。すごい豪邸だ・・ 庭がとてつもなく広い。
門から玄関まで相当な距離を歩き、豪邸へ入った。
「恐れ入ります、先ほど電話を貰いました清水ですけど・・」
玄関の奥から子供が出てきた。女の子だ。
「ママー お客さんが来たよー ねぇママー!」
明るい感じの子だった。しばらくして母親が現れた。
「あぁようこそお越しくださいました。とりあえず中へ・・」
前に交番で会った時と比べると幾分元気が無い様子だった。
とてつなく広いリビングルームへ案内され、座ったことも無いような軟らかい
ソファーに腰掛け母親に問い掛けた。
「あの・・ みかさんへお線香をあげたいのですが・・」
まあ礼儀として先にお線香だろと思って言ったのですが
母親は意外な事を口にした。

「さっき玄関でお会いになられませんでした?」
822 ◆x6S7RgT31E :03/11/08 01:36
ん?!自分は良くわからない母親の返答に
「え?みかさんは去年の今時期に亡くなられたのでは・・」
母親がさっき会ったあの子を呼んだ。
「みか。ちょっとこっちへ来てお客さんに挨拶なさい」
さっきの子がキャッキャキャッキャ言いながらやってきた。
「よしおか みかです!3年生です!ランドセル見つけてくれてありがとネ♪」
自分はだんだん訳がわからなくなっていた。この子、死んだんだよな?
とりあえず少しでも冷静にならないとと思い母親に
「あの・・ どういう事でしょうか?みかちゃん、この通り元気じゃないですか」
母親は先ほどの元気がない様子とうって変わって目がギラギラした様子だった。

「あら、あなたには見えるのね、この子が。そしてね、今日と言う日を
ずっと待っていたの。ランドセルが見える人が現れる人を。
なんであそこにランドセルが落ちてたのに誰も拾わなかったかわかる?
誰にも見えないからよ。しかしあなたには見えた。何でかって?

あなたがみかを殺したからよ。」
823 ◆x6S7RgT31E :03/11/08 01:50
自分は混乱した。しまくった。この母親の言ってる事が全く意味不明。
自分は人を殺したことなんかない。ましてや子供だ。
武田たばこの前は良く車では通るがそんな事故は起こしたことない。
なんでそんな事を母親は言うんだろう?
「なんで僕が殺したなんて言うんですか?それにあなたにだってみかさんは
見えてるんでしょう?どう見たって生きてるじゃないですか。
それにランドセルの中身が新しかった。学校へ通ってる証拠じゃないですか。
馬鹿にするのもいい加減にして下さい!」
少し怒った口調でどなってしまった。呆れかけ天井からぶら下ってる
シャンデリアを見上げたその時

みかちゃんが空中でくるくる回りながら
「お兄ちゃん、痛かったよ〜 お兄ちゃん、痛かったよ〜 お兄ちゃん・・・」

逃げたい逃げたい、この場からすぐにでも逃げたい。
だが母親は自分の手を掴んでこう言ったのだ。


「でももう罪は償えないのよね。あなたもその時死んでいるんですから・・・」
>◆x6S7RgT31E
GJ!
825DATSUNS:03/11/08 21:14
何処に行ってもそいつはついてくる。この間飛行機に乗ったときからだ。
明らかにおかしかった。だってさ、空の上なのにいるんだぜ?浮いてるんだから絶対霊とか妖怪
とかその類だよ。今も目の前の壁の中からこっちを見ているんだよ。確かに職業柄たくさんの人
を殺してきたさ。せいぜい夢に出たりとか、でも大体はいなくなる。でもこいつは違う。やたら
としつこい。一応、殺しのプロとして精神的には鍛えてるつもりだ。
そうでもしなきゃこの仕事はできないしな。ライフルのスコープからターゲットを狙ったって、
ターゲットと被っているんだもんな。まあ失敗はしないにしてもいいかげん嫌になる。
霊媒師にでも見てもらうかな?
殺し屋が霊媒師にってのも変な話だ。余計な霊も降りてきそうだし・・・
まあ一ついるのも二ついるのもあんまり変わりゃしないか。
明日行ってみるか・・・・
826DATSUNS:03/11/08 21:21
これはまた思いのほか面倒になってきた。霊媒師の話じゃ取り憑いてはいないんだと。
じゃなんなんだってんだよ!?しかも予想通りほかの霊降りてきやがった・・・
肩も重いし周りじゃラップ音とか言う奇妙な現象まで起きやがる。
これじゃノイローゼに間違いなくなるな・・・
まだまだ精神的にも弱いんだろうか・・・いやこんだけおかしけりゃ誰でもなるわな。
いやいや、気合だ気合!!明日も殺らなきゃいけないんだ。
今は仕事だけを考えよう。
827DATSUNS:03/11/08 21:27
とうとう仕事に影響しちまった。
ターゲットの狙撃に失敗。しかも右目を弾がかすって・・・
参った。仕事は失敗するは撃たれるはじゃもう俺も駄目だな。
とりあえずは医者に見てもらうか・・・
闇医者に診てもらうのもずいぶん久しぶりだな。金はかかるが腕は一流だ。
いやしかし・・・本当に俺は腕が落ちたな・・・

828DATSUNS:03/11/08 21:34
ここにきてようやく解かった。霊でもなんでもないんだよ。
金かけて霊媒師んのこ行って霊に取りつかれてホント無駄なことばかりだ。
原因って何か知りたいか?これが笑っちゃうんだけど目の中の角膜だとか水晶体だと
いろいろあるだろうよ?何かわかんねえけど焼き付いちまってるみたいだそうだ。
眼さえ何とかすればイイだけの話だ。ここの闇医者に頼めばいくらでも移植手術して
くれんだと。簡単な話だ。ようやく解放される。とりあえず休業だけどな。
829DATSUNS:03/11/08 21:36
失敗だと・・・失っちまった・・・見えねぇよ・・・

でもお前は何でそこにいるんだ?

お前は何だ・・・もう勘弁してくれ・・・
「まもなく3番線に電車が到着します。白線の内側にてお待ち下さい。
 なおご乗車の際の駆け込み、ならびに電車到着の際に線路への飛び込みはなさらぬよう、
 お願い申し上げます」

 え?
 知らず、俺は驚きの声を上げた。
 線路への飛び込みはなさらぬよう、て……そんなアナウンスを聞いたのは生まれて初めてだ。
 もしかすると、この駅ではごくごく普通に流れるアナウンスなのかもしれない。
 何故なら、辺りを見回してみても訝しがる素振りを見せる者など誰一人として居ないからだ。
 あまりきょろきょろとしていてもみっともないので、俺は平静を装いながら手にしていたスポーツ新聞へ目を落とした。
 だが、何故だか記事の内容が一向に頭に入ってこない。
 そうしているうちに、振動音を伴って下り電車がホームへ滑り込もうとしていた。
 と、ここで奇妙な感覚に襲われ、直後俺は自分でも信じ難い行動に出ていた。
 足が勝手に、白線の外へ、すなわち線路へと踏み出そうとしているではないか。
 頭では理解している。そんな事をすれば、只では済まないという事を。
 だが、頭の奥の方から「飛び込まなければ」という強い衝動が押し寄せてくる。
 今まさに迫り来る超重量の鉄の塊の真ん前に身を投げろと、本能が叫んでいるのだ。
 不本意な本能に抗おうとする理性。だがそれは、歩みを止めるのには至らない。
 一歩、ホームから足が離れた。
 その刹那、凄い力で俺は後方へと引き戻され、そのままコンクリートの床に後ろ向きに転がった。
 次の瞬間には、俺の目の前を電車の列が通り過ぎた。
「大丈夫ですかお客さん!」
 俺を羽交い絞めにしていたのは、駅の職員だった。
「危ないじゃないですか。線路に飛び込もうとするだなんて」
 別の職員が駆けつけ、俺の愚行をたしなめた。
 ひどく思考が漠然とし、周囲のざわめきも耳に入らないままの状態で、俺はうわ言のように呟いていた。
「いや……何となく、飛び込まなきゃいけない気がして……それで……」
 俺の言葉に職員達は顔を見合わせ、溜息をつきながら
「多いんですよねえ、この駅。お客さんのようにふらっと飛び込もうとする人が。
 で、助ける事が出来た人は決まって同じこと言うんですよ。飛び込まなきゃならないような気がした、て」
「だから我々も、常に眼を光らせて監視してるわけです。線路に身を投げるのを防ぐためにね」
 なるほど、電車に衝突する直前に助けられた訳に合点がいく。
 確かに、警戒でもしなければこうも上手いこと助ける事もできまい。
 納得しつつ、俺は駅員に手を引かれて立ち上がった。
 後ろに転んだ拍子に打った足が多少痛むが、歩くのには何ら支障は無さそうだ。
「ああ、それであんなおかしなアナウンスを流して、注意を促しているわけですね」
「おかしなアナウンス……?」
 駅員の表情が怪訝そうに曇った。
「ええ、電車到着の際には、線路へ飛び込むなとか何とかって……」
「いえ、そんなアナウンス、流しませんけど」
「え?」
 俺は間抜けな声を出した。
「いくら多いからって、そんなおかしなアナウンスは流しませんよ」
「いや、だって確かにそういう……」
 言いかけ、俺は口をつぐんだ。
 これ以上要らぬことを言って、変人扱いされでもしたら居た堪れない。
「それにしても、ほんと、何でこうも多いんですかねえ……」
 駅員が首をかしげてぼやく。
 俺にはその理由が何となく理解できる。
 そして、奇妙なアナウンスを流した者の正体も。

 ホームと車両の僅かな隙間から顔と手だけを出した男が、
 憎々しげな表情で俺を睨んでいた。
833 :03/11/09 05:41
 
834ぼっこし屋 ◆cBCRASH/NU :03/11/09 05:47
もう一話UPしようと思ったけど、連投規制が掛かったんでまた今度。
>>834
GJ!
今度を楽しみに待ってるよー
「キチガイ工場に肝試しに行こうぜ」
 敬一が提案したのは、クソ暑い夏の夜のこと。
 その場にいたのは俺と敬一、敬一の彼女の里香の三人だった。
 キチガイ工場とは、俺達の住んでいる町から数キロ離れた場所にある廃工場で、
取り壊されもせずにもう築三十年以上を数える、地元有数のミステリースポットだ。
 当時その工場では人件費を安く上げるために少々おつむの弱……
いやいや知能上で多少障害ないしは問題のある人間を工員として雇っていたという噂もあり、
たまに工場内から奇声が聞こえてくることもあったとか無かったとか。
 工場が潰れた原因は、単純に経営悪化による倒産、重大な事故によっての営業停止、
工員による大規模なストライキないしは暴動、などなど諸説あるが、正直なところ真相はよく判っていない。
 だが、工場内で何か大事が、例えば人命に関わるような出来事が起きたのは確かなようである。
 何故なら、この工場における心霊現象の目撃例が後を絶たないのだから。
 工場の二階部分の窓を横切る青白い人影だとか、工場をぐるりと囲むブロック塀からにゅっと突き出た腕だとか、
すすり泣くような声で歌われる童謡だとか……。
「でさあ、誰か行った事ある奴、いる?」
 誰も首を縦に振らない。そりゃそうだ、行ってはみたいが、正直恐怖もある。
 それに交通手段も無い。件の工場の辺りは電車もバスも通っていないのだ。
「そういや、雅彦。あいつ免許取ったって言ってたよな」
 早速雅彦に電話をして、半ば強引に誘ってみる。十分ほどに渡る敬一の熱の入った説得の末、雅彦も参加することになった。
 待つ事二十分。父親から借りたカローラの少し嗄れたマフラー音と共に雅彦がやって来た。
 眠そうな顔だ。恐らく、寝ようと思ったところに電話が掛かってきたのだろう。
 少し可哀想な気もしたが、大事の前には些細な犠牲も止むを得ず、といったところだ。
 カローラに乗り込み、俺達はキチガイ工場へと向かった。
 時間は深夜一時。見上げれば、煌々と輝く満月が白い光を冷たく放っていた。
 白いトタン張りの工場をしばし俺達は無言で見上げていた。
 廃墟のみが持ち得る威圧感に、俺達は少なからず気圧されしていた。
「どうする? 本当に入るのか?」
 雅彦が間抜けな質問を投げ掛けてくる。入らないのなら、何のためにここに来たというのだ。
「当たり前だろ。何言ってんのお前。何しに来たと思ってんだよ」
 俺の考えを敬一が代弁する。言われた雅彦は困ったような怒ったような複雑な表情だ。
「でもさ、どうやって中に入るわけ? これじゃ無理っぽくない?」
 里香が正面ゲートに張り巡らされた鉄条網を指差しながら訊ねた。
 その両脇にそびえる落書きだらけの塀の上にも同様の処理が施されている。確かにどうしたらいいものか。
 思案しあぐねていると、敬一が何かを思い出したような素振りを見せ、
工場の裏手に行きかけながら俺達に手招きをした。
「こっち。思い出した、聞いた事ある。裏手に通用口があって、そっからなら入れるんだってさ」
 俺達は敬一の後ろを追いかけた。
 塀を取り囲む用水路や背の高い藪に苦戦しながら、
 それでもどうにか俺達は工場の裏手にある通用口に辿り着いた。
「何でこんなとこで探検隊ごっこしなきゃならないのよ……来なきゃよかった」
 里香がむくれ面でぼやく。
 それを必死になだめる敬一。間抜けだ、間抜けすぎる。
 そんなラブコメをよそ目に、元が何色だったのかも判らないほど錆び付いた鉄扉を押し開け、
俺達は工場の敷地内へと侵入した。
 そこは十メートル四方ほどの前庭のようになっていて、
誰にも刈られることなく伸び放題になった雑草が生い茂っていた。
 一歩踏み出し、何かを踏んだ。パキンと固い破砕音が静寂の空気を破る。
 ガラス片を踏み砕いたようだ。
 前庭を通り抜ける間中、俺達はこのガラスを砕く音を伴いながら、
工場の建物の正面へと回った。
 これまたすっかり錆び付いたシャッターの傍らにある通用口から立ち入ろうとした俺達は、
ドアに取り付けられた南京錠に行く手を阻まれた。さて、どうしたものだか。
「こんな事もあろうかと」
 言いながら敬一がポケットから何かを取り出した。
「ミステリースポット御用達ピッキングツール『どんなドアも任せんシャイニング2号』〜!」
 いや、それただのハンマーだし。
 俺が突っ込む暇もなく、敬一は南京錠を叩き始めた。
 ええいうるさい。もっとこうスマートに侵入できんもんなのか。
 数分の格闘の後南京錠は無残に歪み壊れ、重い音と共に地面に落ちた。
 俺達はドアを押し開けて工場内へと踏み入った。
「真っ暗、だね……」
「ホント、何も見えねえよ。どうすんだよ」
「懐中電灯、あるんだよね敬一?」
「え、あ……わりい忘れた」
 俺にはこの男の思考が理解できない。
 ハンマーは持ってきたというのに、何故に懐中電灯を忘れるか。
「どうすんだよ。これじゃ探索なんて無理だぜ」
「うーん、しょうがないな。じゃあ今日は戻ろ……」
 敬一が言いかけた、まさにその瞬間。

「いたいいたいいいたいいいたいいたぁーいっ!」

 突如響き渡った中年女性の悲鳴に、俺達は凍りついた。
「ちょ……何だよ今の?」
 暗闇の中でも、雅彦が怯えきっているのが声色で窺える。
「こっちの方から……だったよね?」
 闇の中を里香が指差す。
「ていうかさ……こんな真っ暗闇の工場の中で、誰がいるっていうんだよ?」
 我ながら、声が僅かに震えているのが情けない。
「わかんねえ。わかんねえけど……」
 敬一の足が、厚い闇の方へと向いた。
「確かめるしかねぇだろ」
「ちょ、ちょっとマジかよっ? 絶対生きてる人間じゃねえってばあの声!」
 雅彦の慌てた言葉に、敬一の足が止まった。
 生きてる人間の声じゃない。
 何と無く察してはいたが、改めてその言葉を聞くと俺達のすぐ隣まで
非日常の影が忍び寄ってきているという実感が湧き、背筋に戦慄が走る。
 だが、興味も同じくらい大きい。
 正直、この闇の向こうに何があるか、見てみたいという気持ちがあることも確かなのだ。
「俺は行くぜ。懐中電灯なんていらねえよ。ちょっとだけだけどさ、明るいじゃんか」
 言葉通り、ガラスが軒並み失われた窓サッシから差し込む月光が、ほんのりとだが工場内を照らしている。
細部は見通せなくとも、壁や通路くらいなら視認可能だ。
 敬一は薄暗がりの中をずんずん先へ進んでしまっている。
 俺は慌てて彼の後を追いかけた。ややあって、背後から足音が追いかけてくる。
 音から察するに、俺のすぐ後ろは里香、その後ろを慌てた様子で追いかけてくるのは雅彦だろう。
 瓦礫が散乱する工場の通路を、俺達は幾分か遅めの速度で進み始めた。
「えーっと、どっちから聞こえてきた?」
 操縦する者を失った工作機械が整然と設置されただだっ広い空間で、俺達は立ち止まった。
「んなこと言っても……」
 俺が言いかけた丁度まさにその時。

「いたいよーいたいよーいたーいー!」

 再び響く中年女の声。
「あっちだ」
 敬一は指差した方向へと歩いていく。それを俺達三人は追いかける。

「いたいよぉ、いたいよぉ」

 声は依然として聞こえ続けているが、悲鳴というよりすすり泣きに近い声色になっている。
「聞こえるね……」
「近づいてんのかどうなのか、わかんねえなあ」
 時折、金属片を踏みしめる音が鳴る。
 俺達はどんどん工場の奥へ、月明りが届かなくなりつつある場所へ移動した。

「いたいいたい」

 声が、近い。

「いたいいだいイダいいダいいダイイダイイダイヨォォォォォー!」

 大音声の絶叫が、すぐ間近で響き渡った。

 そして、俺達は見た。
 工作機械の傍らで、半身がぐちゃぐちゃに砕け血まみれになった中年の女を。
 瞬間的に、俺達は回れ右をして一目散に駆け出した。
 工場内にちらばる瓦礫や金屑に足を取られそうになりながら、それでも死に物狂いで走った。
 来なきゃ良かった来なきゃ良かった来なきゃ良かった来なきゃ良かった来なきゃ良かった。
 後悔の念が胸に去来する。しかし、今更遅すぎる。
 呼吸が苦しい。心臓は肋骨を突き破らんばかりに激しく脈動している。
 だが、止まるわけにはいかない。
 何故か。
 中年女の声が、ずっと離れず俺達の背後から聞こえ続けていたからだ。
 工場の通用口から躍り出、そのままの勢いで一気に前庭を突っ切り、工場の敷地の外へと飛び出した。
 それでも俺達は止まりはせず、難儀して進んだ藪の中を駆け抜けた。
 途中、用水路に落ちかけたが何とかふんばり、ついに工場の正面へと辿り着いた。
 塀に凭れ掛かり、荒い呼吸を繰り返す。あの中年女の声は、いつの間にか聞こえなくなっていた。
 横目で見ると、敬一や雅彦も同じく精根尽きた様子で地面に転がっている。
「やべえ……あれは、洒落に、ならねえ」
 ぜいぜいと荒い息と共に言葉を吐き出す敬一。月光に汗が光っている。
「だから、あそこで、帰っとけば、よかったのに……」
 雅彦も相当苦しそうだ。
 そして里香………里香…………え?
「おい……里香は?」
 俺の言葉に、敬一と雅彦は辺りを見回した。
 が、どこにも里香の姿が見えない。
「里香! 里香!」
 呼びかけた声は虚しく工場の壁に反射するばかりで、返事は一向に帰ってこなかった。
「おい、やべえよ……里香、逃げ遅れたみたいだぞ……」
 恐怖とは別の意味で、背筋に冷たいものが走った。
「どうする?」
「どうするも何も……探して連れ戻すしかねえだろ」
「また、ここに入るのか?」
 俺は工場を見上げた。
 この廃工場の中に、里香は一人取り残されているというのか。
「俺、探してくるから、お前らここで待ってろ」
 言うが早いか、敬一は工場の裏手へと消えていった。
 雅彦と俺は、居心地悪く車の中で敬一と里香を待った。
 月は雲に隠れ、夜の闇が濃くなった。
「遅いな……」
「ああ……」
 敬一が工場へ向かってから、既に二十分が経過していた。
 が、戻ってくる気配は一向に無い。
「マジで、やばくないか……?」
「じゃあどうする?」
「……警察に、連絡するか?」
 俺は携帯電話を取り出し、警察へ電話した。
 二回のコール音を数えて電話口に出た警官に手短に経緯と状況を説明し、こちらへ来てもらうよう要請した。
 数分後、一台のパトカーが到着し、中からは三人の警官が降りてきた。
「駄目だろ君ら!ここは、立ち入り禁止になっているんだぞ。一応私有地なんだから」
 開口一番、俺達は警官に怒鳴りつけられ萎縮する他無かった。
「で? どの辺ではぐれたって?
「工場の中の、機械が一杯並んでいる場所です」
 言うと、警官たちは顔を見合わせた。
「やっぱり、か……」
「それじゃあ今回も……」
「かもな……」
 そして溜息。俺と雅彦は何が何だか判らず、だたきょとんとしているだけであった。
「じゃあ行こうか……尻込みしてる場合か。案内してくれなきゃならないだろ」
 警官の鋭い語勢に気圧されし、俺達は言うままに従う以外に無かった。
 工場の裏手を抜け、前庭から工場内へと入っていく。
「おいおい、南京錠まで壊したのか。まったく、しょうがねえなあ」
 警官の懐中電灯の灯りを頼りに、俺達一行は工場の奥へと踏み入っていった。
 と、灯りの円が何かを捕らえた。
「敬一!」
843キチガイ工場:8 ◆cBCRASH/NU :03/11/09 15:06
 敬一は、尻餅をついた格好で地面にへたり込んでいた。
 が、俺達の問いに答えようとせず口の端から涎を垂らし、
呆けた薄笑いを浮かべているだけであった。
「おい、敬一、敬一!」
 肩を揺すりながら、俺は敬一が凝視する視線の先を追った。
 そして、激しく嘔吐した。
「やっぱり……こういう事になったか」
「だからここは立ち入り禁止なんだよ! 判ったかっ!」
 警官の怒号が、工場の空気を震わせた。
 数メートル先に備え付けられたプレス機に、
半身を無残に潰された血まみれの里香の亡骸が挟まっていたのだ。

 俺達はこっぴどく叱られ、里香の家族は葬儀の後、傷心のあまり何処かへ引っ越してしまったという。
 敬一は精神に異常を来たし病院送りとなったまま、未だに退院の目処は立っていないそうである。
 雅彦は上京して地元を離れ、俺は独り地元に取り残される格好となった。
 もう、五年も前の夏に起きた出来事である。
予想以上に長くなったな……長文失礼でした。
>>ぼっこし屋 ◆cBCRASH/NU


GJ!
ああ、そうだな
>>822から始まるランドセルの話なんだけど、
なんで拾ったランドセルが、交番の警官に見えたのか納得いかない。

あと、なんで母親が語り手を犯人だと決めるのに、
娘が見えるかどうかで判断したのか分からない。
語り手の顔は事故の時に写真ででも、死体ででも見ていそうに思う。
交番であった瞬間に、自分の娘を殺した人間の顔だと分かりそうだ。

それと、これはちょっと妙な注文だけど、
ランドセルの学年が違っている、というエピソードが生きていない気がする。
別になくてもよかったような。
ぼっこし屋さん乙華麗!
849 ◆x6S7RgT31E :03/11/10 00:12
>>847
すいません。。その場その場で考えながら書いてたので
穴だらけになってしまいました・・
先にワードとかメモ帳に書いてからの方が良いですね。。
書き物初挑戦でした。。
>>858
あまり深く気にしないでください。
次回作に期待。
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄○ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
           O 。
                 , ─ヽ
________    /,/\ヾ\   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|__|__|__|_   __((´∀`\ )< というお話だったのサ
|_|__|__|__ /ノへゝ/'''  )ヽ  \_________
||__|        | | \´-`) / 丿/
|_|_| 从.从从  | \__ ̄ ̄⊂|丿/
|__|| 从人人从. | /\__/::::::|||
|_|_|///ヽヾ\  /   ::::::::::::ゝ/||
────────(~〜ヽ::::::::::::|/        = 完 =


#と見せかけて!再!開!
                   ,.-―っ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                人./ノ_ら~ | ・・・と見せかけて!
           从  iヽ_)//  ∠    再  開 !!!!
          .(:():)ノ:://      \____
          、_):::::://(   (ひ
          )::::/∠Λ てノし)'     ,.-―-、   _
______人/ :/´Д`)::   (     _ノ _ノ^ヾ_) < へヽ\
|__|__|__( (/:∴:::(  .n,.-っ⌒    (  ノlll゚∀゚) .(゚Д゚llソ |
|_|__|_人):/:・:::∵ヽ | )r'        ー'/⌒ ̄ て_)~ ̄__ イ
||__|  (::()ノ∴:・/|::| ./:/         /   ̄/__ヽ__/
|_|_| 从.从从:/ |__|::レ:/      ___/ヽ、_/
|__|| 从人人从 ..|__L_/      .( ヽ     ::|
|_|_|///ヽヾ\ .|_|_     /⌒二L_    |
────────       ー'     >ー--'
852ネエ:03/11/13 23:42
ダレカ、カイテヨ
853重複誘導です:03/11/14 15:59
重複しています。続きはこちらでどうぞ
ほぼ同じ内容のスレが分散すればネタが枯渇するのも当然です。
http://hobby4.2ch.net/test/read.cgi/occult/1068510246/l50
こっちは「作り話」専用だから、重複とまでは言えないね。
ご丁寧に削除依頼までだしてある。このスレのどこが重複なんだろう。
削除人さんに余計な手間かけさせんなよ。
>>853
楽しそうだねw
>>855
853は過去にこのスレで自信作をコキオロサレマスタ。
>>849
カナリ遅いんだけど、
ランドセル話面白かったよ
次回作楽しみです
保守
860あなたのうしろに名無しさんが・・・ :03/11/21 23:13
誰か文才のない私の代わりに書いてくださいage
861あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/11/22 00:28
キチガイ出ました
http://hobby4.2ch.net/test/read.cgi/occult/1068685034/301-400
342から
862あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/11/22 00:44
私は彼を待ちすぎて
首が少し伸びました
私は部屋で彼を待ち
40センチも伸びました
私は彼が好きだから
いつでも彼を受け入れる
いつしか首はとぐろを巻いて
ベットに座れば首だらけ
いつまで彼を待ってても
彼の笑顔は見られない
わたしはついに立がり
外の世界へ踏み出した
何か食べなきゃ死んじゃうし
働かないと暮らせない
けれどもわたしの奇怪さに
雇うどころか塩をまき
行き場を失い部屋にいて
やっぱり彼を待ちましょう
やっぱり彼を待ちましょう
やっぱり彼を待ちましょう
気付けばいつしか年を越し
雪降る外を眺めても
足音聞こえるわけもなく
涙がこぼれる24時
やっとわたしは気付いたの
彼の笑顔が見えぬ訳
私の首の伸びるわけ
畳みあった首と首
彼の手首が顔を出す
>>692
檄遅レスだけど、臨終に選んだ場所にじんときたよ。
「フロアスタンド」 作:ダストマン○

そいつのアパートへ泊まるのは六度目くらいだろうか。
前から気になっていたことがあったので遠まわしに訊いてみた。

「それ、骨董品だろ。けっこう高かったんじゃないのか」

明かりも灯さずただ置いてあるだけのフロアスタンド。
いつ訪ねても針金ハンガーにかけた白い長袖Tが吊るしてある。
部屋干しではない。その長袖Tは煙草のヤニですっかり黄ばんでいた。

「そんなんじゃないよ。ホームセンターで買った安物だって」

へべれけ寸前まで酔っていたそいつが途端に真顔になった。
おれは相槌もそこそこに視線をテレビへ向けた。どうも立ち入りすぎたようだ。
だが、そいつはおれの横顔をじっと見つめると探るように話しかけてきた。

「それ置いとくとな、夜中に目を覚ましたとき大声出さずに済むんだよ。
ヒト形に見えるだろ。ぬぼっとさ。突っ立ってるように。でもTシャツなんだよな。
いきなりだとシャレになんないんだよ。大声出すとさ、ヘンなやつだと思われるし」

おれはテレビから目を逸らさず聞こえなかったふりをした。
ダストマン○w

せめて、京極夏彦かJ太郎ぐらいの文章書けるようになってから来い。
866あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/11/26 05:03
メロメロになる!
867華 ◆6QTBY2ptHg :03/11/26 08:12
「旗振り」 作:ダストマン○特売品

「なにあれ、古臭いよねー」

田舎道の赤信号で止まると助手席の妻が笑いました。
左手のガソリンスタンドで若者がひとり、旗振りの客引きをしていたのです。
相槌を打とうとしたわたしは奇妙なことに気づきました。

その若者は旗のポールを側溝のふたの穴へ差し込み、なにやら追い立てているようなのです。
と、別の穴から白っぽいものが覗きました。蛇でしょうか。いや、小さい手です。五本指です。
若者はその穴へ移ると猛然とポールを抉り込みます。妻は目の前の異変に気づいていません。

わたしが言葉を失っていると、ガソリンスタンドの事務所から年配の男が飛び出してきました。
若者に加勢すると思いきやこちらへ駆け寄ってきます。助手席の窓をノックされました。

「すいません、すいません。ガソリンを無料サービスいたします。どうぞお入りください」

信号はとうに青に変わっています。しかし前に止まっている軽トラックは動こうとしません。
身の危険を感じたわたしは後続車がないことを幸いに一旦バックし、軽トラを追い越しました。

「お願いします、お願いします。無料サービスいたしますから、いま見たことは……」

年配の男の声はそこで聞き取れなくなりました。

「なにあれ、危ないひと?」
「さ、さあ……」

あのとき、わたしはなにを見たのでしょうか?
869あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/11/26 22:58
さあ?
870あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/11/26 23:56
溝から出てた手はKトラの運転手のだ!
おれのクルマ、2シーターミッドシップターボ4駆だぜ!
とかのギャグ、いまの時代もう通用しませんよね、はいわかりました
872あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/11/28 00:29
「いま見たことは」は余計だね。
黙ってやってきて殺そうとした方が面白かった。
人居ませんねぇ…ageときます
874あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/12/02 23:50
>>871
それ以前にどこがギャグなのか?
まさかミッドシップターボ4駆は無いがオチ?
875あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/12/03 20:41
霊がフェラをして生気を奪っている
保守……しておくか
877あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/12/12 22:09
age
878あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/12/12 22:18
>>871
俺の乗用車フルタイム4WDでFF駆動ちょっとアンダーがでやすい
けど、FFの特性生かしてドリフト!で、彼女が隣でシビレルってるぜ!!
879あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/12/13 05:45
最後の作品が11月26日?!
どうしちゃったのさ、このスレ。誰か書いてくれ。
880あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/12/17 22:06
>>879
もまいが(ry
応募していたクイズ番組に出演している夢を見た。
四択の問題なのだがはじめから無茶苦茶難しい。
焦りながらも当てずっぽうで答えると正解で、すいすい進んで行けた。
ところが最終問題だけ、今までの難問がなんだったのか疑問に思えるほど
優しかったのだが、自信満々で答えたら「ざんね〜ん」と言われて
賞金がパーになった。

現実にクイズ番組に出演すると、なんと夢で出た問題ばかりで
答えを知っている俺はすいすい進んで行けた。
ところが、最後もまた夢で出た問題で、同じ四択だった。
俺は答えることができず、失格になった。
882アニタ:03/12/21 02:31
「白無垢の恋」
 幸雄がその骨董品店へと足を運んだのは、夏の日差しが強い昼下がりのことであった。
 彼がその骨董品店へと足を運んだのは、別に目的があったわけでもなくその古びた風情に魅力を感じたからでもない。閉ざされたガラス戸の向こうに広がる薄暗さに惹かれたからである。
 雲一つない快晴の空からさんさんと照りつける日差しは、既に幸雄のYシャツを汗でべっとりと濡らしていた。

 ガラス戸を開けて店の中に入ると、ひんやりとした冷気とかすかな線香の香りが幸雄の身体に触れてきた。冷房などはないらしいが、暑さを凌ぐには十分な場所のようだ。
 一息ついてから、改めて店内を見渡してみてその整理の行き届いた環境に幸雄は多少ながら感心した。
 人形や書物、食器や陶器など種類別に分類され、小さい物から前に順序良く等間隔で並べてあり名札や値段の表示もきちんとされている。多少ほこりを被っている物もあるが、それがいっそう店内の風景を味わい深いものにしていた。
「お客さんかね?」
 感心して眺めているうちに店の奥から小柄な老人が幸雄に声をかけてきた。恐らくこの店の持ち主なのであろう。薄茶色の袴を着て、分厚い黒斑の眼鏡をかけたその老人は如何にもこの店に似合っている。
「若者のお客さんとは珍しいね。まあゆっくり見ていってください」
 幸雄の返事も待たずにそう答えると、老人は曲がった腰をさらに曲げて品物の点検をし始めた。
883アニタ:03/12/21 02:32
この店を気に入ってくれたのかい?
嬉しいねえ、君みたいな若い人にこんな寂れた店を気に入ってもらって。うちの品物たちもきっと喜んでるよ。
何故そんなことがわかるかって?そりゃあんたここに置かれている品物たちとは長年の付き合いがあるからねえ、長年付き合ってればだいたいものを言わなくてもこいつらの思いは伝わってくるのさ。
嘘じゃないよ?あんたは信じないだろうが人形や陶器だって長年生き続ければその内に魂が宿るんだから。一個一個が自分の気持ちで考えたり、通じ合ったりするもんさ。そしてこの店にはそうゆうものが取り揃えてあるんだ。
耳を澄ましてみなよお若いの、きっとあんたにも彼らの息吹が分かるはずだから。

おや、どうしたんだい?さっきから妙に後ろを気にしているようだが・・・。
884アニタ:03/12/21 02:33
家に帰った幸雄は骨董品店の老人から譲り受けた品物のやり場に困っていた。
現在彼の腕の中には黄色く変色したガラスのケースが納まっている。そして、そのケースの中では白無垢の人形が一人、身じろぎ一つせず佇んでいた。
ことは骨董品店で幸雄が老人と話し込んでいる所までさかのぼる。老人と会話をしていてふと背後からの視線を感じた幸雄が振り返ると、一つのガラスケースに入った人形に目が留まった。
黄色く変色したガラスケースの向こうから、一人の白無垢人形がこちらを見つめて微笑んでいた。
気になってあの人形のことを尋ねると、老人は幸雄と白無垢人形の顔を交互に見比べてから急に笑顔になり一言「見初められたようだね」と言うのであった。

そして、現在白無垢の人形は半ば老人に押し付けられるような形で幸雄の腕の中に納められ、こうして家までやってきた。
置き場所に色々と悩んだが、適当な場所を見つけることが無かったので机の真ん中に置いておくことにした。一人暮らしの幸雄には、机の真ん中に大きなガラスケースを置いたところで文句を言う人間は居ない。
暫くうつむいた後、幸雄は白無垢の人形に向き直り一言「よろしく」と言った。
もし老人の言っていたことが本当であるならば、この人形は生きる物としてこの家の同居人となるのだから。<続>
885あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/12/21 05:28
せっかく作品も投下されたし、ageておきますね。
886つんつく:03/12/22 10:35
「奇人変人番組」でゴキブリ炒めを喰って、内蔵中ゴキブリだらけになって
死んだ奴の話があったろう。
俺の友達もそうなったことがある。でもゴキブリ炒めは喰っちゃいない。
気の弱い奴でちょっと「びびり」が入っている奴だ。
お腹が痛いって言って病院に行ったのだけど医者が
ちょっと様子を見てみましょう、なんて言いやがる。そしたら
痛い痛い痛いと大騒ぎしやがって、しょうがないからとちょっと詳しい検査をしたところ、
腹の中に異常が見つかり、さらに詳しく調べたら小さいのが結構数いて動いてるってんで
大急ぎで手術。助かってやんの。
助かったら今度は原因究明だ。奴はゴキブリ炒めなんて作って喰うタマじゃない。
そいつと医者でいろいろ考えてみたら、コーヒーの瓶の蓋を開けっ放しにしていたところ
ゴキブリがその中に卵を産んだんじゃないかってことに落ち着いた。
コーヒーメーカーの名誉のために太文字で書きたいくらいだが、
奴自信が瓶を開けっ放しにしたのを認めているからね。
これを読んでいる連中、身の回りの整理整頓は気を付けろよ。
887つんつく:03/12/22 10:37
奴自信→奴自身

みっともねー
888戦国:03/12/22 14:04
作り話じゃないけど>>866
の話と似たような経験はあったな。
戸棚にしまっておいたパスタをゆでようと思ったら、間にゴキブリの卵&糞がイパーイ。
取り分けてよく洗ってゆでたけど、ちょっと心配
喰ったんだ…
890戦国:03/12/22 21:46
だってビンボーだもん・・・
891あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/12/22 21:57
>>890
200円ケチッて医療、入院費が100万円。
892戦国:03/12/22 23:29
俺の友人が、森の中でサバイバルゲームしてたら一軒の空き家があったんだって。
敵から身を隠そうとその中に入ると、物凄く散らかっている。
何かを調理した跡も。
まあいいやと、とりえず身を隠せたわけだし尿意も感じていたので
トイレに入って用を足そうと、ドアノブに手をかけた。
ノブを回すとドアが向こう側から押されてゆっくりと開いた。
(先に誰か隠れていたのか!?)
勢いよく扉を開けると、確かに男がいた。
うつ伏せになって倒れている。
それは死体だったのだがそんなこと露知らず、その標的目掛けてBB弾を打ち込む。
しばらく無我夢中で打ち込むとある異変に気が付いた。
「くせぇ・・」
完全防備でマスクもつけてたからその匂いに気が付かなかったが
確かにくさい。その臭いであたまがクラクラして床さえも動いて見えてしまうくらいだ。
いや?動いてる。本当に動いている。
目を凝らして床を凝視すると、床だと思ったものは蛆だった。
「うわぁっ!?」
のけぞってしたたか吐いた後、その先にある人間に目を向ける。

現場に友人を呼んだ。「うわっ、くっせぇー!」「何この臭い」「死体どこ〜?」
グロに免疫のある友人が棒切れで死体を裏返すと
思ったよりも人間ぽかった。ホラー映画の見すぎか、もっとグロテスクに変形しているものだと思ったが・・・
じゃあ、この床一面の蛆は一体どこから・・・・?服をまさぐってみても、傷から湧いたものではなさそうだ。
肛門?陰部?・・いや、確認するまでもない。身体はいたって以前人間だった時の形を残している。
その時、友人が意を決して男の先にある便器に近づいた。
歩くと足跡ができるほどの大量発生した蛆・・・それは便器から湧いたものだった。
山盛りの蛆・・・・

893あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/12/22 23:30
警察を呼び、発見時の状況を報告。その警察の調べによると
この男は会社を退社後数ヶ月前から行方不明になっていて、男の家族は発見した遺書を期に捜索願いを提出。
2県離れた山奥で友人たちに発見された。
男は山奥で死ぬつもりだっがなかなか死に切れず、帰宅を決意。
しかし道に迷い、たまたま発見した空き家に非難したが
この時点ですでに頭がおかしくなっており、空腹に耐えかねて自分の糞を調理して食した。
(調理後の糞がこびりついた土鍋が発見されている)
が、耐え切れなくなりトイレで嘔吐。胃の中のものが全て無くなり、そのままショック死した模様。
蛆はそこから湧いたものだった。
友人たちが発見したその場所は、国道から数百メートルしか離れていない場所だったのだ。
運命とはあまりにも皮肉である。
ウンコ食って死にたかねえよな・・・

ちょっとだけ実話でした。
これは実話なんだけど、サークルの合宿で公共の宿に泊まった時、
一つだけ便器に糞が入ったままになっていた。
水を流したら詰まっていて逆流。
長時間底の水に入っていたので少しずつ溶け、詰まった模様。
なんで掃除されてなかったんだか。
保守
>>895の問いに>>896が答えたわけだ、つまり。
       ,.ィ , - 、._     、
.      ,イ/ l/       ̄ ̄`ヽ!__
     ト/ |' {              `ヽ.            ,ヘ
    N│ ヽ. `                 ヽ         /ヽ /  ∨
   N.ヽ.ヽ、            ,        }    l\/  `′
.  ヽヽ.\         ,.ィイハ       |   _|
   ヾニー __ _ -=_彡ソノ u_\ヽ、   |  \  その糞が入ったままの便器はーーー
.      ゙̄r=<‐モミ、ニr;==ェ;ュ<_ゞ-=7´ヽ   >
.       l    ̄リーh ` ー‐‐' l‐''´冫)'./ ∠__ 保守されていたというのだ!!  
       ゙iー- イ'__ ヽ、..___ノ   トr‐'    / ノストラダムス!!!
       l   `___,.、     u ./│    /_  
.        ヽ.  }z‐r--|     /  ト,        |  ,、
           >、`ー-- '  ./  / |ヽ     l/ ヽ   ,ヘ
      _,./| ヽ`ー--‐ _´.. ‐''´   ./  \、       \/ ヽ/
-‐ '''"  ̄ /  :|   ,ゝ=<      /    | `'''‐- 、.._
     /   !./l;';';';';';';\    ./    │   _
      _,> '´|l. ミ:ゝ、;';';_/,´\  ./|._ , --、 | i´!⌒!l  r:,=i
.     |     |:.l. /';';';';';|=  ヽ/:.| .|l⌒l lニ._ | ゙ー=':| |. L._」
      l.    |:.:.l./';';';';';';'!    /:.:.| i´|.ー‐' | / |    |. !   l
>>1
にこんなことかいてある。
「このスレが900超えたらみんなで誰の作り話が一番怖かったか選びませう」

そろそろ900に到達するね。
みんなどのカキコが怖かった?
つーか、三題噺スレのほうがレベル高くね?
899
・・・・そして900!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
さーてどうする?
ニヤニヤ
>>898
でも、あのスレなんか2,3人だけで回しているような気がするが
もう殆ど話の内容忘れた
スレ読み返すのめんどい
904いち:04/01/01 23:40
あぶなっ!落ちる!
とりあえず、どの話が一番怖かったかは一人一票の投票制にしたらいかがでせうか。
例えば・・

>>1の話が一番怖かったです。ので、>>1の話に一票。
感想:>>1の電波がビュンビュン飛んでくるところがメチャコワカッタでツ。

トカ。だいたいの票が集まったらしたら漏れが集計すます。

おみくじ引いたら凶だった・・・・
906あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/01/02 01:00
まあどこに書いていいやらわからんし、俺自身これは作り話であろうと考えているのでここに書くわ。

戦後まもなくの頃の話らしい。大伯父がちょっと精神を病んでしまった。薬らしい薬もない時代だし、拝み屋もおらんかったので処置なし。
ところがある日親類の一人が日光方面へ気晴らしにいってみないかと持ちかけた。大伯父はあまり乗り気な様子ではなかったそうだが、気が晴れればということで、出かけることにした。
集合時間は夜遅くで、多少不審に感じられたが、集合場所にはすでにたくさんの人が集まっていた。
しかし彼らは互いに一言も発せず、陰気くさい集団だったそうだ。ただバスガールは明るくて発車オーライというとバスは走り始めた。

結局大伯父は帰ってこなかった。
調べてみると、地元にそんなバス会社はなかったし、まして深夜に目的地に到着するようなツアーはなかった。
だが集合場所ではその集団とバスは多数の人間によって目撃されていた。そして、日光への途中にある小さな古寺で深夜3時頃にその集団が目撃されていたのだ。彼らはうつむき加減に本堂の周りを2列になって周回していたのだという。

大伯父の失踪宣告が出されたが、結局その集団の目的や背後関係は何一つわからずじまい。

そんな話を祖父から聞かされたことがあったわけ。
こわくもなんもないし。
じゃあ、とりあえずDの日記に一票。
908怖ぇといえば:04/01/02 12:00
>>40 のBEAR氏の『鏡』
9  の ν酋長 ◆CGrsi.YPSE氏の『トイレ』
135 のさげ氏の旅館バイトの話
176 のUZE FREE氏のご自由に…の話
504 の塩辛の話
580 のY子の話
551 の『グロ画像がみたい』
539 のν酋長 ◆CGrsi.YPSE氏の人気者の話
658 の末木 ◆HBpBiE1sWs氏の交通事故の話
694 のDATSUNS氏の家の話
705 の同氏の通勤列車の話
760 のBEAR氏の『あの旧校舎には霊が出る』
789 のメールの話w
791 の不動産の話
794 の火事のおばさんの話
803 のキモオタの話
813 の◆x6S7RgT31E氏の赤いランドセルの話
836 の◆cBCRASH/NU氏の『キチ○イ工場』
実話らしいけど 892
909908:04/01/02 12:04
本当は、数字の前に >> ←を全部つけていたんだけど
カキコ時に怒られたので、外しました。

一番怖かったのは、 >>176 です。
なにげに、多くの人が何度も作品を投下していて良いスレだと思いまつ。
910あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/01/02 12:09
40だけ外し忘れてるぞw
怖かった話はおれも>>176を推しとく

>>874 2シーターミッドシップターボ4駆てのは軽トラのことだよ
912あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/01/03 07:09
>>135
の旅館バイトが激怖。
さっきまでタワーリングインフェルノ見てたんだけど、思い出して怖かったよ〜。
あと、同窓会の宮本の話。
漏れも>>135(さげ氏)に一票。
他にも以下の作品がよかったと思われ。
>>88(ぼっこし屋氏)
>>154(BEAR氏)
>>176(UZE FREE氏)
>>362(名無し氏「Dの日記」)
あと、結構>>240(からそま氏)も個人的には好きだったなぁ(´・ω・`)
914913:04/01/04 04:43
ぬぉ、>>つけたらあかんかったのか・・・(((( ;゜Д゜)))
ミナサン、スンマソ・・・逝ってきま。
915半分体験談:04/01/05 00:12
久方ぶりの友人から電話があった。
しばらく互いの近況を話題に盛り上り、次の日ここから少し離れた場所にある
店で待ち合わせる約束をした。
次の日、俺は約束した時間10分位前に店に着いた。
店内で立ち読みをしてそいつが来るのを待っていたのだけれども、時間になってもあらわれない。
おかしいな、時間を間違えたかな。
そう、思いながらも、さらに10分20分と待った。
さすがに30分を過ぎたあたりでしびれを切らした俺は、抗議のメールを
入れると、そそくさと自宅であるボロアパートに帰った。
その夜、その友人から再び電話があった。
俺は彼にどうして約束を破ったのかと、問い詰めたが、
友人が言うには自分は、その時間はその場所にいたという。
待ち合わせに使った店は決して広いものではなくお互いがいればすぐに気がつくはずだった。
かといって友人が嘘を付いているという様子でもない。
不思議に思いながらも
俺は最後に友人にこう言い、話しを切り上げた。
「お前、俺の家に来いよ」
「いつでも良いぜ、暇だから」
・・・・・・・
それからしばらくしてふと、携帯の画面をみると
昼間は気がつかなかったがいつの間にか、彼に打ったメールが宛先不在で帰って来ていた。
通話履歴を見てみる。
友人は携帯を買い換えたのだろうか?
履歴には・・無い・・・履歴が無い。
そんな馬鹿な・・。
非通知表示はもちろん、昨日今日と彼と電話で会話をした痕跡が、
俺の携帯にはどこにも見当たらなかった。
・・・・ちゃんといたよ・・・
俺は何か寒いものを感じ、直接彼の自宅に電話をかけてみた。
916半分体験談:04/01/05 00:31
しばらく呼び鈴が鳴って出たのは彼のお母さんだった。
心なしか、声に覇気がないように思える。
「あの・・〜君いますか?」
俺がおそるおそる、そう尋ねると彼のお母さんは、電話の向こで突然泣き出した。
「あの子は・・バイク・・即死・・・昨日・・・」
それだけ聞ければ十分だった。
バイクで、止めてあった軽自動車に後ろから追突、即死・・。
俺は上の空でお悔やみの言葉を言い、お母さんも礼を良い、互いに電話を切った。
俺はしばらく固まったまま動けなかった。
友人は死んでいた・・・・・・
俺の予感は当たっていた。
彼はこの世には存在しなかったのだ。
だとしたらあの電話は何だったのだろうか・・・
ガリッ

フイに俺の背後で音がした。
917半分体験談:04/01/05 00:33
ガリ、ガリ、・・ガリ・・・。
この部屋から玄関に続く曇りガラスの引き戸を引っかいているのだ。
俺は動けなかった、まるで金縛りにあったように・・
それが何なのかすぐにわかった。
俺は携帯で彼ににこう言ったのだ
・・・家に来いよ・・いつでも良いぜ・・・
ガリガリガリガリ・・
音は次第に大きくなり
バンバンバンバン!
しまいにはそれは戸を激しく叩きはじめた。
今にも戸を壊してしまいそうな勢いだ。
バンバンバン
辞めてくれ!、俺は心の中で叫んだ。
そう、友人は中に入れてくれと言っているのだ。
バン・・バン・・・・・・・
音が・・・やんだ・・
重たい沈黙・・
  ピルルル〜
突然俺のそばにあった携帯が鳴りだした。
俺ははじかれたように、後ろを振り向く。
そして・・・
Dの日記怖すぎる〜。
 てかもうすぐ2時だし・・・うわーん寝れないよ〜!
停滞ぎみなのでageヽ(´▽`)ノ
Dの日記面白かった。恐いというのとは違うけど。
921:04/01/08 13:40
    ∧_∧  / ̄ ̄ ̄ ̄
  ∧( ´∀`)< あげ
 ( ⊂    ⊃ \____
 ( つ ノ ノ
 |(__)_)
 (__)_)

922蠢 ◆ldIBuAcZTY :04/01/11 23:05
「in deep forest」

それは暗い森の中で、はっきりと紅く光っていた。
辺りには吐きそうになるほどの臭気が漂っている。もう、逃げられない。
この暗い森の中で、灯りを失ってしまった俺は無力だ。
やばい。もう、すぐそこまで「あいつ」は近づいてきている。
恐ろしいほど閑かな森の中で、俺の呼吸音と心臓の鼓動、そして、「あいつ」が発する奇妙な怪音。それだけが聞こえていた。
なんで。なんで、あんなバケモノが此処にいるんだ…?そうだ、夢だ。これは、他愛もない悪夢なんだ。
…違う。この足の痛みも息苦しさも「現実」だ。俺も、「あいつ」も、今、此処にいる。
ダメだ。もう足が動かない。暗闇の中、この森から出られないことなど最初から分かっていた。
でも。死ぬのは嫌だった。無駄なあがきと分かっていても、あの「恐怖」に向き合うことなど出来なかった。
ああ、臭気が強くなってきた。「あいつ」が確実に、この場所に、近づいてきている証拠だ。
幼い頃、本で読んだ。あの頃は「あいつ」が本当に怖くて、ときどき夢に出てきて。それが、とっても怖くて。その度に泣いていた。
大人になって、忘れていたんだ。「あいつ」の存在を。子供の頃は、怖いもの見たさで読んでいたあの本も、今ではただの作り話、単なるお伽噺だった。はずだったのに。
今、「あいつ」は俺の後ろにいるんだ。あの頃の恐怖が甦る。
出来ることならば、この悪夢から目を覚まし、いつもの朝に帰りたい。
顎を滴る、汗と血が混じり合った液体を拭い、俺は死を覚悟した。

フラットウッズ・モンスター。夢や幻ではない、確かな現実が、そこに立っていた。
923蠢 ◆ldIBuAcZTY :04/01/11 23:07
ふと、思いついたので書きました。
迷惑でしたら、ごめんなさい。
おれのおすすめはだんぜん>>941
941に期待。
926DATSUNS:04/01/14 04:34
親愛なる   へ

これをあなたが読んでいる頃にはもう私は遠いところへ旅立ってることでしょう。
だからこそあなたにこの手紙を残しておきたいのです。
私とあなたは二十年来の付き合いです。
そのあなたとの深い歴史において、私はあなたに取り返しのつかないことをしてしまいました。
本当に申し訳ないと思っております。
申し訳ないなどという言葉じゃまったく足りませんので私の命にて許しを得たいと思います。

隠しきれるとは思ってもいませんでした。むしろ毎日怯えていたのです。

私がしてしまった 行為 がたくさんの人を犠牲にしてしまう、それ以上に
行為をしたことに対する後悔の念と犠牲になった彼への罪悪感で冷静になればなるほど壊れてしまいそうでした。

三年前、たまたま出会い系サイトで知り合った彼。一時の気の間違いで誘ってしまいした。
日々の仕事やストレスで魔が差してしまったのです。今となっては言い訳にしかなりませんが。
しかし彼の私への感情は携帯だけにとどまらず会社や家への電話。毎日のように待ち伏せされては行為を求められる。
彼に対しては肉体関係以上の感情はありませんでした。しかし彼の私に対する愛情は考えていた以上でした。

彼との関係と同性愛者であることが会社や家族に知られると今の地位も財産も失ってしまう。
行為への後悔とその愛情への恐怖は増すばかりでした。

友人であるあなたはそんな私を心配してくれましたね。すべてを語らずとも励ましてくれました。
しかし、それが辛かった。

たくさんの恐怖と後悔が私を強い衝動へと推し進めました。
927DATSUNS:04/01/14 04:36
そして、より深く暗い底へと自分自身を追いやったしまったのです。二度と戻れない地獄に。

今、あなたとあなたの家族が必死に待ち続け、捜索している息子さんはこれを読んでいる書斎の下にいます。
いますというのは語弊があります。そこにあります。
処置に困った私はそこに隠したのです。

掘り起こし救い出してください。

もう私は耐え切れません。毎夜聞こえる、

愛している
愛している
愛している
愛している
愛している
 
私はその愛に応えようと思います。
そうしなければ、彼のこの想いは消えることはないでしょう。

そして彼の想いは今も側で私に言い続けております。
待っているのです。
求めているのです。
それも愛憎へと変わりました。

聞こえてくる言葉は

殺してやる
928TIMGASS:04/01/14 17:15
昨日駅のトイレ入ったら、小便の便器にウンコがしてあった。
よっぽど切羽詰まってたんだな。合掌。
――そこにおる――
俺の携帯に知らん番号から何回も着信があって、電話に出る度に
「殺す!アンタ殺してやるぅ〜!!!!」
って女の声が叫んでるんやわ。
誰かわからんのやけど、「なんで殺されなアカンねんっ。」ってだんだんムカついてきたから文句言うたろって思って、さっきこっちから電話したら
部屋のドアの外で着信音が鳴った。
もうすぐ殺されるわっ。
――そこにおる――
俺の携帯に知らん番号から
何回も着信があって、電話に出る度に
「殺す!アンタ殺してやるぅ〜!!!!」
って女の声が叫んでるんやわ。
誰かわからんのやけど、
「なんで殺されなアカンねんっ。」ってだんだんムカついてきたから
文句言うたろって思って、さっきこっちから電話したら
部屋のドアの外で着信音が鳴った。
もうすぐ殺されるわっ。
931930:04/01/15 22:36
ぐはっ!
二重になってもうた。
ちょうどエエし
こいつに逝かせてもらいますわ
/
933怖いニュース:04/01/16 19:20
政府、88歳定年制を段階的に導入
934情報筋:04/01/17 13:48
日本国政府、PC-98定年制の素案をまとめた模様
_
――そこにおる――
俺の携帯に知らん番号から
何回も着信があって、電話に出る度に
「犯して!アタシを犯してぇ〜!!!!」
って女の声が叫んでるんやわ。
誰かわからんのやけど、
「なんで犯さなアカンねんっ。」ってだんだんムカついてきたから
文句言うたろって思って、さっきこっちから電話したら
部屋のドアの外で着信音が鳴った。
もうすぐヤラされるわっ。
↑うる星やつら世代のおっさんが
外回りさぼって座敷女読んだりすると
こういう夢を見るそうだ
938あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/01/20 01:16
もったいないage
――そこにおる――
俺の携帯に知らん番号から
何回も着信があって、電話に出る度に
「入れて!ケツの穴に入れてぇ〜!!!!」
って女の声が叫んでるんやわ。
誰かわからんのやけど、
「なんでケツに入れなアカンねんっ。」ってだんだんムカついてきたから
文句言うたろって思って、さっきこっちから電話したら
部屋のドアの外で着信音が鳴った。
もうすぐ菊の門に入れさされるわっ。
940あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/01/20 15:08
「これでよし。」
終業時間から1時間強のサービス残業を終え、10分程歩きいつもの最寄駅へ向かう。

見慣れた改札を抜るとまっすぐにトイレを目指す。
鏡の前に立ち、鞄からコンタクトケースを取り出すと手馴れた手つきで着けているコンタクトレンズを外し、コンタクトケースへ納めた。

通勤に2時間掛かる彼にとって、電車で過ごす時間は貴重な仮眠時間となる。
コンタクトを着けたまま起きた時の不快感を嫌う彼にとっては日常的な行為となっていた。
「ここのところ疲れがとれないな・・・」
鏡に映るかすれた自分の顔には隈が目立つ。
通勤に時間のかかることを除けば規則正しい生活を送っている彼にとっては不本意な現実だ。
往復の通勤電車の中でもしっかり睡眠をとっているにも関わらず、鏡が映し出す現実と慢性的な疲労感からは目を逸らすことができない。

いつものように始発待ちの列に並ぶ。
電車待ちをしている間に引越しについて考える。
毎日通勤に4時間。
引越しを考えたことは何度もあるが、両親は一人っ子の彼を引きとめ続け、それに渋々ながら従っている。
長い通勤時間と両親への不満はあるが、若くない両親をおいて家を出ることの心配もある。
そうしているうちに電車がやってきた。
乗り込み席を確保するとそのまま眠りにつく。

「ん・・・。」
下車する二駅前で目を覚ます。
幾度の通勤をこなすうちに覚醒のタイミングは体が覚えていた。
周囲を見渡すと、目に映るのはいつもと同じかすれた車内の様子だった。
まばらな席には眠る者、本を読む者。
席が空いているのに立って外を眺める者もいる。
時たま遭遇するやかましいおばさん達がいないのはありがたかった。
941940:04/01/20 15:09
終点に着き気だるい体を起こし改札を抜け家路へつく。
26年間過ごしたこの地では、かすれた視界も苦にならない。
大通りに沿って10分ほど歩き、細い路地へ入る。

なだらかな傾斜の坂を下ると右手に小さな墓地が見える。
「そういえば子供の頃はこの道を通ることさえ避けていたな。」
年齢を重ねることと、幾度とこの道を通っている間に恐怖感もなくなっていた。
墓地の横を通り20Mほど先にある階段を登り帰宅を果す。

「お帰り。」
「ただいま。」
「晩御飯は?」
「風呂入ってから食べようかな。」
母親とのいつもの会話だ。
通勤のため食事の時間は遅くなりがちだが大抵父も母も同席してくれる。
他愛のない会話をしながら食事を済まし部屋へ向かう。
ニュースを観、趣味のキーボードを弾きしばらくして就寝する。

これが就職してから続いている生活だ。

多分続く
942あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/01/21 04:43
>>940-941
続き早く読みたいage
文才アルネ
文才ねぇ・・・文章に流れがない感じがするけど。
なんか箇条書きのようだわ。
いや、簡潔に良くまとまっている文章だと思う。
箇条書きのように感じるのは、一文ごとに改行しているせいじゃないかな。
>>940-941はいわゆる素人童貞の一日ってやつだろ
946945:04/01/21 12:38
あ、そうか。「多分続く」てカキコが続くことだったのか
てっきり、「生活」が続くというブラックなオチかと思ってた
横槍ごめんね(´・ω・`)
947940:04/01/23 20:16
すみません、忙しくて続き書けませんでした。
勢いで書いたものなんですが評価していただき嬉しいです。


「ピリリリ・・・・ピリリリリ・・・・」
いつものように携帯電話のアラームで目覚める。

体を震わせながら居間へ降りテレビとストーブを点けた。
5時半5分前。
7時間の睡眠をとっても体調は改善することなく、むしろ悪化しているように感じる。
「体が重い・・・。」
顔を洗いコンタクトを着ける、鏡に映る顔は今まで以上にひどいものだった。
なにかの病気だろうか。体調管理を怠ったつもりはないが、先天的な要因によるものである可能性も否定できない。
「病院で検査を受けるか。」
しかし、重要なプロジェクトに携わっている今、会社を休む訳にはいかない。
半年前に社の新プロジェクトに数少ない若手として抜擢され、今まで努力してきた。
出世の鍵となる機会をみすみす棒にふることはできない。
「なんとか週末まで頑張ろう、検査は週末に受ければいい。」

手早く野菜炒めを作り、昨夜の残りの味噌汁を暖める。
納豆に海苔を食卓へ出し、胚芽米を少量お椀へよそる。
料理を初めて数年、手慣れたものだ。
就職してから朝が早くなり、母に負担をかけないために料理を覚えた。
お陰で栄養について詳しくなり、体調管理に役立っていた。
現に、仕事に就いてから休んだのは初年度の冬に39度の熱を出した1回だけだ。

体調を崩しだしたのはいつからだったか食事をしながら思い出す。
「・・・プロジェクトに携わり始めてからか。」
ただでさえ通勤に時間が掛かるのに、加えて毎日のように残業をしていれば、それも仕方の無いことなのかもしれない。
948940:04/01/23 20:18
朝食を済まし、新聞に目を通す。
テレビに目をやる。6時10分。
スーツとコートを着込みマフラーを羽織る。
洗面所で歯を磨き、髪に櫛をいれ、コンタクトを外しコンタクトケースへ納める。
「そういえば、電車で仮眠をとるためにコンタクトケースを持ち歩くようになったのもプロジェクトに携わり始めてからだっけ。」

早朝の朝は清々しいが、吹き付ける風は肌に痛い。
墓地の前を抜けようとすると違和感を感じ足を止めた。
小さな墓地の一角で線香が焚かれ、煙と独特の香りが漂っている。
「なんでこんな時間に・・・。」
手入れのされている墓地であるが、今までこの地で過ごしていて線香が焚かれている所を見たのは数えるほどだ。
ましてやこんな早朝に。
違和感と共に、その墓碑に見覚えがあることに気がついた。
思い出そうと昔の記憶を辿るが、いまいちはっきりしない。
断片的な記憶に残っているのは、墓地の外へ立っている小学生の自分の姿だった。
知っている言葉を思い出せないようなもどかしさを感じながらも、のんびり思い出している時間もなく、駅へ向かい歩き出した。

思ったより長くなりそうです。もうしばらく続きます。
>>948
書き終えてからうpキボン。
950あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/01/24 00:06
次スレは立てるのか?
>>948
>スーツとコートを着込みマフラーを羽織る。
>洗面所で歯を磨き、髪に櫛をいれ、コンタクトを外しコンタクトケースへ納める。
えっ、コート着込んでマフラー巻いてから歯磨きするの?・・・単純なミスだよねこれって。

あと、唐突に場面が飛びすぎていて、少し分かりにくいかも。
>>943さんが「文章に流れがない」と言っているのも、多分そういう意味なのでは。
文章自体は読みやすくて上手なだけに、ちょっと惜しい。

>>949さんの言うように、一度メモ帳かなにかに全文を書きあげて、
きちんと推敲してからカキコしたほうが良いですよ。
でも、続きは期待していますので、めげずに書いて下さい。
あと、もしよかったら「創作怪談三題噺」スレのほうにも何か書いて下さい。
 
 
954あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/01/26 05:14
そろそろ埋めちまいますか!
なんだっけな・・・コンビニ店長が作ってるコンビニ日記サイトってなかったっけ??
中学二年生の頃、浜松にある祖母の家に行き、そしてまた横浜に帰るために新幹線に乗っていました。
私一人だけでしたが新幹線の中では漫画を読んだり風景を見たりでさほど退屈しませんでした。
新幹線は空いていました。空席のほうが目立っていました。
漫画は飽きて風景を見ていたのですが・・新富士あたりで長いトンネルがあるんです。
そこに新幹線が入ったとき当然窓には車内が映るじゃないですか。
そこに私のほうを見ている女性がいるんです。喪服のような黒い服なのが印象的でした。
何見てるんだろうなと思いつつ、こっちが窓の反射越しに見ているのがばれないように様子を見ていました。
だけど一向に立ち去らないんです。んで表情も何か無表情に見えました。
さすがに不気味に思えてきました。明らかに私を見てるんです。だけど怖くて振り向けない。
そのときは幽霊とかじゃなくて変な人かなと思っていたけど怖かった。
かなりトンネルが長く感じられました。

トンネルを抜けて日の光が差し込んできてホッとしました。
それで後ろを振り返ってみたけどいないんです。女の人が。
さっきまで反射越しに見てました。だけどトンネルを抜けた瞬間消えてたんです。
それから今現在まで何も悪いことは起こっていません。だから良かったです。
あれは絶対幽霊だと思います。
957あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/01/26 05:57
>>956
他の実話系(?)スレに書いた方がよかったんじゃね?
冬休みに彼女と一緒に海でキャンプをする事になった。お互いにアウ
トドア派という事になってたので(話を合わせた)俺は色んな旅行本を
読み漁った。そして選んだのが3泊4日の沖縄旅行だった。旅行本に
今の時期でも泳げると書いてあったのだ。何かあれば民宿もあるし、
そんな気軽に出かけた旅だった。彼女の名前は由紀子という。

沖縄のある砂浜に二人で立った。
「空気は綺麗だし海も綺麗、でも人居ないね」
と苦笑する俺に彼女はすかさず答えた。
「寒いからじゃない、ほんとにここでキャンプするの」
「大丈夫、ここはキャンプ場でシャワーもトイレも綺麗だって書いて
たから1日くらい心配ないよ」
「なんで海外にしなかったのよ」
どうやら怒ってるらしい。
「あはは、英語苦手なんだ、とりあえずトイレとか水道とか見てみようよ。」
アザミに覆われた砂浜を歩くと、旅行本を信じていた俺の良心はことごとく
打ち砕かれた。ドアに板が打ち付けられ「使用禁止」の立て札が立っていたのだ。
「民宿に泊まろうね、手配してくる」
気落ちしながら小さな集落に向かおうとする俺に由紀子は言った。
「まあ、いいじゃない、そんなに寒くないし、私泳いでくる」
彼女は急に木の陰で水着に着替え始めた。
「どうしたんださっきまでとまるで違うそわそわしてるし」
彼女は綺麗な水着姿で現れた。見とれていると
「じゃあ、泳いでくる」
そう言って彼女は海に向かって走り出した。
俺は由紀子の豊満なお尻を眺めているしかなかった。
由紀子は海に入ると沖へ向かって泳ぎ始めた。時々俺を見て手を振っている。
珊瑚礁と外海の境目(リーフ)まで泳ぐと彼女は水着を脱いだ。実はずーと
便意を我慢していたのだ。ここまで来れば彼氏に醜態を見られることは無いと
思ったのだ。それに水の中は思ったよりも暖かかった。綺麗な海と空が彼女を
大胆な気持ちにさせていたのだ。そして思いっきり『うんこ』をした。

大きなうんこだった。それが揺れるように海底に向かって落ちていった。
すると小さな紫色やオレンジ色の熱帯魚がこの黒い物体に集まり始めた。
(熱帯魚の名前は自分で調べてくれ)
うんこはオレンジと青い色に包まれた。うんこと言っても彼らにとっては
大切な蛋白元なのだ。それを狙ってたまたま通りかかった鰯の群れが集まり
始めた。それを追って鰹の群れも来た。由紀子は何やら騒がしい気配を感じたが
気持ち良さそうに裸で泳いでいた。鰹を狙って鮫がやって来たとは思いも寄らな
かったのだ。鮫以外にも小さなオキアミも大量に押し寄せてきた。
その頃になってやっと海底の異変に気づいた由紀子は平泳ぎで砂浜をに向かって
泳ぎ始めた。すると遠くの方から大きな物体が近づいて来たのだ。
「なによ、なんなのよ」

いきなり由紀子は大きな口に飲みこまれた。オキアミを食べに来たジンベイ鮫が
彼女ごとオキアミを飲み込んだのだ。

彼女は自然の掟を甘く見ていたのかもしれない・・・
長年警察にいると不可解というか、奇妙というか、言葉ではなんとも形容し難い現象に
出くわす事があります。
どの部署でどのくらい勤めているかとか、個人を特定できるその他の記述は省かせていただく事を
条件に、その不思議な現象のうち、今回はその一部を話させていただくとしましょう。

当然の事ながら不思議な現象と言っても様々で、ほのぼのする話もあれば、首を捻る事
以外どうしようもないようなケース、上にお偉いさんが一枚咬んでて別に現場レベルじゃ
不思議じゃなくても、表向き不思議な事になっている、所謂「迷宮入り」事件等、それらを
全て話せば結構な暇つぶしにはなると思うんですが、掲示板という限られたスペースですし、
それに私もそうそう暇があるわけでもないのでその中の一つをかいつまんで話す事に致しましょう。

件の事件というのは、数年前のあの事件(あえてボカシますが)の影に隠れ、
一部夕刊紙の社会覧に数行載った程度でテレビ報道もされなかったのですが、犠牲者の数で
言えば同じ一家四人という事もあり世間の注目を十分浴びる根拠があったわけです。
が、新聞発表では「老夫婦が無理心中か?」という具合にゴシック体が鎮座し、その死体の身元を
紹介する簡単な記述以外、詳しい事は書かれていなかったんですね。それに犠牲者の数にしても
その夫婦以外は存在しない事になっている。正確に言えば、残る二人は、二「人」、と呼ぶのも
微妙な形体で、老夫婦の傍らに存在していたのですが。もちろん、見た目には生命反応らしきものは
ありませんでしたがね。その塊にしても元々生命の息吹があったとは思えないのですが・・・
ここはなんとも言いがたい状況であったという事で納得していただくしかないですが。
(ここで当該の物体に対して「二人」と表記した理由は、後に戸籍を調べたところ、この老夫婦には息子夫婦
 がいるという事実が判明したから。ひょっとして大きな誤謬を犯しているかもしれないですけれど。)
運子こわい。
そういった至極簡単な新聞の内容に反し、あの時現場には通常の倍ぐらいの人数が割かれ、
現場の責任者から厳重な緘口令を敷かれたのも、新聞を読んだ後で思い返してみると不思議でしたね。
当然マスコミも完全シャットアウト。尤も、同じ日に起こった例の事件のほうへ殆どのマスコミが
駆けつけたせいで、こちらにはあまり来ませんでしたけどね。それでも一部ハイエナのような連中
が顔見知りの刑事の周りで色々と聞き出そうとしてたみたいですが、上手くいかなかったみたいですよ。
それと現場には、ちょっとその場には相応しくない連中も来てまして、所謂「チヨダ」って連中なんですが、
責任者と何やら声を潜めて話してましたよ。内容までは聞き取れなかったんですけど、何故私が「チヨダ」の
連中の顔を知っているかってのは話せませんが、とにかく神妙な面持ちで声を必要以上に潜めてたんで
皮肉にも余計目立ってたんだけど、よくよく考えてみればチヨダの連中がそんな間抜けな行動をするはずも
なく、その現場にいる誰かしらに対するアピールだったような気がしないでもないですね。
そうそうあと一人、スラヴ系(という事にしておいてください)の白人男性が現場に紛れ込んでいましてね。
彼は日本語がしゃべれないみたいで、チヨダの連中と英語らしき言葉で話していましたね。
私自身英語が話せないので推測ですが、訛りから察するにどうも英米以外の国の人みたいでした。
なんか無骨な感じから察するに北欧あたり(スラヴ系と書いておきながら・・・)じゃないかな、と。
さて、周囲の状況はこれぐらいにして現場のほうへ目を移すと、きちんと整頓された六畳間の中央に
例の仏さん二体が布団に仰向けに、両手を握り合わせて横たわっていました。
パッと見外傷らしきものはなく、ただ寝間着(黒っぽいパジャマ)のちょうど心臓の部分が、まるで
内側から圧力でもかけられたみたいに破られていました。両人共にです。
かけ布団は傍らの化粧台の上に放り投げられており、その勢いで倒れたと思しき鏡の破片が布団の下で
散乱している様が確認できました。その様は整頓された部屋とのアンバラスさという点で十分注目を集めて
しかるべき状況でした。
上に目を向けると、天井には染みのような物が、鶏の羽みたいな白い羽毛と一緒に所々に付着しておりました。
もちろん畳や死体の上にも若干は落ちているのですが、天井のほうが圧倒的に多かったですね。
その類の動物を飼っていた形跡はなく、果たしてこれがどこからやってきたものなのかは分かりません。
例の染みなんですが、夫婦が寝ていた布団の上、頭の付近にも付着しており、ようく確認するとそれは耳から
流出したもののようです。尤も、天井の染みと耳から流出した染みが同一のものかというのは分かりませんが。
何しろ私は鑑識の結果を知りえる立場になく、その手のルートをあたっても沈黙が返ってくるのみという様ですので。
肝心の二体の塊(?)に関してですが、一言で表現すれば「肉塊」。しかし、列車事故等での壮絶なイメージを
喚起させる「肉塊」というイメージよりも、進化の果てというイメージに近いような
(かなり恣意的、抽象的な表現になりますが、その理由は後ほど判明します)状態でした。
具体的に申しますと、全身の皮膚を剥がされた嬰児が未だ人間の形を整える以前の形体とでも
形容可能かと申しましょうか、形にならない形、全身赤くぬめった感じでかろうじて胸の上に腕を組んでいる
のが判別できるといった感じですが、そのような腕を組んでいるという印象も、傍らに横たわる老夫婦の姿から
連想されたに過ぎないかもしれません。
話は前後しますが、大きさは二体共に50cmぐらで部屋の隅の畳の上にひっそりと横たわっており、
粘着性の液が二体の塊を取り囲むようにして畳に染み込んでました。色は赤っぽく透き通っており、陽の当たり
加減ではキラキラと輝いており、そこからは湯気らしきものが光を浴びて微細な塵とともに立ち上がっていました。
そして特筆すべきはその香りです。部屋の中はなんともいえないよい芳香に満たされており、痛ましい現場に
あっても捜査員たちの顔を綻ばせる程にそれは影響を及ぼしていたようです。
後で現場にいた顔見知りの人間にその事を尋ねてみたところ、「なんか懐かしい香りがした」と重い口を開きました。
私も同様に、懐かしいというか甘い乳液のようなにおいのように感じ、心安らぐような気にさせられました。
この香りの印象がその「肉塊」を壮絶なイメージよりは進化の果てと表現したほうが適切とした理由ですが、
つまるところ、外形の如何にかからわらず、安らぎが生命の最終到達点だと直感的に感じさせる何かが
その肉塊から香りと共に発せられていたのです。
形が形だけに、なかなか上手く描写できず、これ以上書いても観念的な記述が多くなりそうなのでこのへんに
しておきますが、警察内部にはこのような不可解な話が数多く秘められており、国家的な策謀が絡んでいるケースも
なきにしもあらずという事をちょっとでも知っていただければ幸いです。

それではこのへんで。
またお会い出来る事を祈って。
渋井選手は胸が大きくなったのではないでしょうか?
今日のレースを見てそう思いました。
最近、良い成績が残せていないのは胸が邪魔になり始めているのでは?
とまじめに思ってます。
走る上では女性の乳房は非常に邪魔でスタミナをロスする元にもなります。
前に映像で見たときにはほかの選手と同様にフラットに近い
女性としては理想的なランナー体型に見えたのですが。
966頭痛:04/01/26 22:01
頭痛が止まない。

近所にある古屋敷、その2階の窓から髪の長い女性がこちらを見ていた。
その女性と目が合った瞬間から、何故か頭痛が止まなくなった。
薬を飲もうが、横になろうが、頭痛は止まなかった。
理由はわからなかったが、原因はあの女性だと私は確信していた。

大きな取っ手に手を掛けると、扉は何の抵抗もなく大きな音を立てた。
目の前に広がる闇。そしてとてもホコリっぽい空気。
やはり、長い間人が住んでいないのは本当らしい。
懐中電灯を灯してみると、中は意外と狭かった。
心細さを補う為だろうか、私は玄関に置いてある大きな金属製の靴べらを手にとった。
見かけよりは全然軽い。これなら、いざというときには武器になるだろう。

あの女性がいた部屋を目指して、階段を上っていく。
お約束どおり、一段一段足を掛けるたびに大げさな音が屋敷内にこだまする。
頭痛は益々酷くなるばかりだ。
その部屋が近づくたびに痛みが増していくような気がする。
まるで危険を知らせるアラームのように。
967頭痛:04/01/26 22:02
そして、とうとうあの部屋の正面にたどり着いた。
取っ手に手を掛けて回してみる、
が、ガチャガチャと音がするだけでドアは開かなかった。
私は靴べらの先を隙間に差し込むと、反対側をぐっと押した。
メキメキメキッ!!!と悲鳴のような大きな音を上げて、ドアは開かれた。

明かりを部屋の中へ向ける。
部屋の中にはボロボロになったベット、スタンド、そして何故か小さな冷蔵庫が置いてあった。
電気が通っているのだろうか、冷蔵庫からは独特のモーター音がする。
静かな部屋にその音だけが静かに響いていた。

女性は確かにその窓からこちらを見ていたはずだ。
だが、部屋の中には誰もいない。
頭痛は何も考えられない程に酷くなっている。

私は冷蔵庫を開け放った。理由なんか必要なかった。
中には大量のビン。そして、ビンにはカプセルがぎっしりと詰まっている。
蓋を開けて、次々と口の中へ流し込む。本能がそう命じていた。
気が付いたときには、空のビンが一つ転がっていた。
968頭痛:04/01/26 22:03
しばらくの間は呆然としていた。
頭痛はいつの間にか治まっていた。
ふと目線をドアの方に向ける。
そこには、あの女性が微笑み携えてこちらを見ていた。
妖しい口元に濡れた目線、そして何とも艶めかしい肌。
彼女は後ろ手にドアを閉めると、私の方に近づいてくる。
もう、何も考える事はできなかった・・・

窓から差し込む光で目が覚めた。
私はあのベットで横になっていた。
あの後何があったのか、全く思い出せなかった。
相変わらず、部屋の中では冷蔵庫の音が静かに響いている。
気になって中を覗いて見たが空になっていた。
空きビンの一つすら見つからない。
床には靴べらが置いてあるだけだ。
多くの謎を残したまま、私はその古屋敷を後にした。

結局、女性は二度と私の前に現れる事はなかった。
いつの間にか、屋敷は取り壊されていた。
あれから変わった事はただ1つ。
私が男性として機能しなくなった事だった。
(終わり)
969歌:1 ◆cBCRASH/NU :04/01/26 22:35
 歌うんですよね、夜中に。
 誰がって、私のお袋なんですけどね。
 ここ何年かで老人性痴呆症が進行しちゃいまして、はい。
 最近じゃもう、実の息子の私のことさえ忘れちゃってるくらいなんですから。
 用便だって、自分の意思で制御できない状態でしてね。
 布団はどれもこれも汚臭だらけですよ、ほんとに。
 これで寝たきりならまだ良かったんですけどね。
 生憎と足腰はしっかりしてましてね。
 あれですよ、夜間徘徊症。
 毎晩ね、家中をどかどかと歩き回るんですよ。
 それだけならまだいいんですけどね。
 冒頭で述べたように、歌うんですよ。
 それこそ昔の歌謡曲だとか浪曲だとか。
 最近では、どこで憶えたんですかね、アイドルの曲まで。
 音程が狂った歌を、夜中の二時三時になると歌うわけですよ。
 丑三つ時の、老女による世にも奇怪な巡業ですよ。
 だから、毎日寝不足なわけでしてね。
 目が離せないじゃないですか。
 相手は身体の大きな子供みたいなもんですよ。
 何をするか判らないし、何か起きてからでは遅いですからね、ええ。
970歌:2 ◆cBCRASH/NU :04/01/26 22:37
 何年か前に、老人ホームに入れようか、なんて女房と相談した事もありますよ。
 ところがですね、ここのところ老年層の人口が多くなってるじゃないですか。
 医療の進歩と食文化の発達で、寿命が伸びてるわけですよ。
 老人ホームは軒並み満員なわけでして、はい。
 最低でも二年は待たないと、入所させてもらえないんですね。
 しょうがないから自宅で看護、というわけなんですよ。
 そうしてる間にも、痴呆症状はどんどんと進行していきまして。
 あれですね、人間て生き物は赤ん坊から大人になって、また赤ん坊に戻るんですね。
 周りで何が起きてるのか、自分がどういう状況にいるのか、判らなくなるんです。
 赤ん坊と何ら変わらないんです。
 悲しくなってきましたよ、ええ。
 自分をこの世に生み出した人が、自分が見ている前で壊れていくんですからね。
 ああ、今晩もまた、お袋が歌っていますね。
 亀が這うように緩慢に家中を動き回りながら、歌っていますよ。
 歌いながら、この部屋に近づいてきていますね、はい。
 けど、ですね。
 有り得ないんですよ。
 お袋の歌声が、聴こえてくるはずがないんですよ。
 だって、お袋は昨日の晩、私が絞め殺したんですからね。
 そうでもしないと、こっちが狂ってしまいそうでしたから。
 死体は、畳をはぐった床下に埋めました。
 匂いが漏れないように、深い穴を掘って埋めたんですよ。
 それなのに、ですね。
 どういうわけだか、お袋の歌声が聴こえてくるわけですよ。
 女房なんて、先程から私の傍らでガクガク震えております。
 私だって、震えと汗が止まりませんよ。
 足音と歌声が、この部屋に確実に近づいています。
 背後の襖一枚隔てた向こう側に、お袋はいるのだと思われます。
 何の歌を歌っているのかも、判る程に近づいていますね。
「長崎は今日も雨だった」
 お袋が生前好きだった歌ですよ。
 恍惚になる前は、よく私に歌って聞かせてくれたものです。
 お袋は、今でもそれを憶えているのでしょうかね。
 いやいや、憶えていなんでしょうね。
 だって、先程も申した通り、お袋は赤ん坊になってしまっていたんですから。
 恐らくは、自分が殺害されたことすら判っていないんじゃないでしょうかね。
 だからこうして、生きていた頃のように、歌いながら徘徊しているんですよ、ええ。
 ただ、ですね。
 もしかすると、お袋は気づいているのかもしれませんね。
 自分が誰に何をされたのか、という事にですよ、言うまでもなく。
 今こうしてこの部屋に近づいているのも、自律的な行動なのかもしれません。
 私に会いに来ているのかもしれませんね。
 生き恥を晒している現状から解放してもらった事に対する感謝の気持ちを示すためでしょうか。
 それとも、命を奪われた事に対する憤怒の感情をぶつけるためでしょうか。
 本人に訊いてみないと、何とも言えませんね。
 答えてくれれば、の話ではありますが、勿論。
私の親友「O」の兄貴は、いわゆる霊感の強いタイプで、母親とともに
しょっちゅう奇怪な体験をしていた。
今は「O]も兄貴も独立して別々に暮しているが、数年前は一家4人で
とある団地に住んでいた。・・・この部屋がまさに怪異現象の巣窟だったのだ。
・ある夜のこと、「O」の兄貴はいつものように自室で寝ていた。
・彼の部屋は4.5畳にモノがあふれており、非常に狭い状態で、
 横向きに寝ると、鼻の先にラジカセが触りそうになるほど窮屈だった。
・突如彼を金縛りが襲った。が、心霊体験に慣れていた彼は「またか・・」と思い
 いつもの様に「完全無視」を決め込んでいた。
・しかし今回は少し様子が違う。・・・いつまでたっても「立ち去らない」のだ。
 それどころか、金縛りは苦痛をともなってだんだんひどくなる。
・彼は少し焦り始めた。目はすっかり覚めて、部屋の景色もはっきりみえている。
・彼は、辺りに何者かの気配がないか注意深くさぐった。・・・実は彼には
 心当たりがあったのだ。それは・・・ 
・数日前、真上の階の住人が変死していたため、嫌な感じがしていたのだ。
・執拗に続く金縛りの中、とうとう彼は得体のしれないモノを発見した、
 というより、不意に「そいつ」が現れたのである。
・仰向きで寝ている彼の枕もとから、黒い影がたちのぼり布団のまわりを
 ゆっくり廻りはじめたのだ。
・霊感の強いわりに、怖がりの彼は必死に助けを呼ぼうともがいたが
 体の自由が完全にうばわれている。
・(はやく消えてくれ!!)と心の中で哀願するも虚しく、「そいつ」は
 不気味な行動にでた。