http://www.nikkei.co.jp/news/main/20020202CF1I083202.html ドイツの脱原発法が成立、2020年ごろまでに全廃へ
【ベルリン2日=小松潔】ドイツ連邦参議院(上院に相当)は1日、国内で稼働中の原子力発電所を
平均運転期間32年で廃止、新規の原発建設も禁止した脱原発法案を承認した。連邦議会(下院)は
すでに通過しており、同法は成立した。国内に19基ある原発は2020年ごろまでに全廃されることになる。
2003年にもドイツ北部で廃止第1号が出る。国外で委託している使用済み核燃料の再処理も2005年
半ばで中止する。脱原発政策の推進役だったトリッティン環境相は同法成立後に「原発がテロの標的
にされる可能性が高い今、廃止の意義はさらに強まった」と指摘した。
一方、9月の総選挙を最大野党グループの首相候補として闘うシュトイバー・バイエルン州首相は、
政権を奪回すれば脱原発政策を白紙に戻すと表明した。原発政策が総選挙の争点になりつつある。
シュレーダー首相は連立を組む環境政党「連合90・緑の党」の主張を入れ原発閉鎖を決断、2000年
6月に国内電力業界と原発全廃で基本合意していた。