文才ないけど小説かく【4冊目】

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1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
ここは筆力のある人・ない人がお題をもらって自由に小説を書き、それぞれの筆力を向上させるスレです


■前スレ
文才ないけど小説かく【2冊目】
http://ex14.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1143487907/

▽初めて投下する人へ
安価指定をしてお題をもらいましょう。
人のお題を使うのもありです。たくさん投下すればスレも盛り上がります
また投稿時には、貰った安価やテーマを名前欄に入れておくとわかりやすいです。

▽投下の際の注意
他の方が投下中の場合は投下終了まで待ちましょう
小説の最後に「終」「完」などをつけると投下待ちの人に目印となります

▽読み手の方へ
感想をくれることは書き手側の意欲向上にも繋がります
感想や、ここはこうした方がいいかも、等の意見は出来れば書いてあげてください

▽保守をしてくれる勇士へ
保守は大体15分おきが効果的です。保守ついでの投下も勿論OKです。

▽まとめサイト
http://novel.news4vip.org/


みんなで小説書くんだお_〆(^ω^ )
2何が猫宮ののだ、お前は「数字に操られるなんて馬鹿馬鹿しい人生だ」だろおっさんwww:2006/04/02(日) 22:05:34.82 ID:h1pCq9gw0
クズの立てたゴミスレだけどお情けで2げろしてやるか m9( ^Д^)9m

いつもリロードして必死に書き込むくせに、
2げろもできねえ>>3-1000 のドンガメへ。

おまえは紙
それもウンコふいた紙ね
いや、紙に失礼だな
発言を撤回します
あなたは人間です
最低ランクの人間です
社会的にも生物学的にも疎外された存在です
死になさい
自殺がいいです
但し、人目につかない所で死になさい
このクズ

もしくは貧乏神とか便所神とか
いや
神様に失礼だったな
発言を撤回します
>>3-1000は臆病者です
弱虫です
引きこもりです
自分の部屋から最後に出てきたの覚えていないそうです
といれはオマルです
捨てるときは
2階の窓から外にむかって捨てます
>>3-1000に一言
死ねこのカス
3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/02(日) 22:08:06.70 ID:wmjyVL/B0
>>1さんお疲れ様です

>>2
死ねばいいと思うんだ。
4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/02(日) 22:08:22.09 ID:eI6nGP++0
>>1超乙
5 ◆8xHX/esB26 :2006/04/02(日) 22:16:45.77 ID:bOPPEuPA0
>>1


>>944
テンポ良くする為に切りまくるの好きなんですよ、なんて。
やっぱ読みにくくなりますかね・・・

>>943
「内容が理解できない」←禿同
読み返してみても何が書きたかったのか自分でもサッパリ
テーマを貰って書くて難しいですね

>>952
グリム童話。言われてみれば、て感じです。っちゅーか、まんまな気がするorz
やっぱ句読点多すぎですかね
少し考えてみようかと思いました(`・ω・´)

皆さんアドバイスdでした。またよろしくお願いします。
6 ◆8xHX/esB26 :2006/04/02(日) 22:17:41.11 ID:bOPPEuPA0
sageちまった 保守保守 
7593 ◆rIYGsRHdQg :2006/04/02(日) 22:20:38.79 ID:KwRKZ5sPO
>>1乙なんだな
8 ◆HGGslycgr6 :2006/04/02(日) 22:26:00.52 ID:OaOjGoec0
>>1


>>936
佐々木和哉の「遺憾だ」に吹いたwww
こういうノリのがかけるっていいよなぁ。
とにかく佐々木がやりおるwww

>>943
うはwwwwこれは俺の大好きな空気wwwwwwww
文が全体的に重々しく作られてて動きにくいから仕方ないのかもしれないけど
最後の人を喰らってしまっているって言うところに、突き落とされるような衝撃が欲しかった。
会話で改行してもう少し女の人を生き生きと感じさせてくれればラストのショックをもう少し
増やせたかも。もしくはもう少し食いつくまで引っ張っても良かったかも……。
食わている時に女に喋らせたりしてインパクトを強めるとか……。でもそれじゃあ
この淡々とした主人公を取巻く世界がつぶれるんだよなぁ……。
ダメだwww妄想がひろがりまくりんぐwwwww
ごめん、好きな作風だったからつい長々意見してしまった。
9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/02(日) 22:28:19.87 ID:eI6nGP++0
早速だがお題下さい↓
10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/02(日) 22:35:06.41 ID:OaOjGoec0
お題【鈍ら】

そいで前スレ↓
文才ないけど小説かく【3冊目】
http://ex14.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1143724114/
11 ◆twn/e0lews :2006/04/02(日) 22:36:56.21 ID:eI6nGP++0
了解
ってか前スレアド張り忘れた、スマン
12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/02(日) 22:44:06.65 ID:BtL77Gm/0
>>1
乙です
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/02(日) 22:47:33.61 ID:BtL77Gm/0
しかしまぁなんだ、このスレ、どんどん文神が流れ込んでくるなー
クオリティが高くなってきて見てる側としては凄く嬉しいwwwwww
14のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/02(日) 22:53:26.93 ID:wmjyVL/B0
書いてみる側としては
自分のクオリティが浮いてきて苦しい
つーか、根本的に自分が向いていない希ガス
15 ◆8xHX/esB26 :2006/04/02(日) 22:55:19.65 ID:bOPPEuPA0
クオリティとか気にせず書けばよいと思うんだ。


俺新参者のくせにきめぇwwwwwwww
16オールマン ◆y3RuRyXdd2 :2006/04/02(日) 22:55:23.39 ID:jor+k+3m0
ただいまVIPのすべてのすれに書き込み中です><
励ましのレスでもつけてもらえたらうれしいです><
んじゃあ( ´∀`)ノシ
17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/02(日) 22:56:03.13 ID:E47qG0/U0
書き手側で、文才の多さに書くのをやめたチキンがここにいますよorz
18のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/02(日) 22:58:02.33 ID:wmjyVL/B0
>>15
励ましサンクスorz
でも、書けば書くほど己のスキル不足が…
まあ、上達するには書くしかないんだろうけど。
>>16
頑張れ。頑張りすぎて死ぬなよ
>>17
クオリティとか気にせず書けばよいと思うんだ。

俺新参者のくせにきめぇwwwwwww

つーかここ職場www
そろそろ止める。
19以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/02(日) 23:03:40.25 ID:OaOjGoec0
俺初代スレから居るけどもうそろそろ潮時だな、と思った。
クオリティ云々より、なんかパッと思いつかなくなってきた。
それに、何よりパートスレでコテ付けてた自分が受け入れ
られなかった。俺はこのレスでここを立ち去るぜ。

それでも新しい書き手の人が増えてくれるとうれしいな。
割とvipにしては優しいスレだから、二の足踏んでる人は
投下してみるといいよ。
20のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/02(日) 23:05:21.25 ID:wmjyVL/B0
>>19
お疲れ様です。
新参者が言うのもなんですが、また何時でもお越しください。
それではまた。
21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/02(日) 23:06:23.49 ID:BtL77Gm/0
にしても人が増えたのは喜ばしい
それに比例して文神も増えてきて、読んでる側としても読み応えが出てきて凄く嬉しいよ
でも時々1スレ目の必死に保守してた頃が懐かしいwwwwww

>>14>>17
がんがれ、超がんがれ
22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/02(日) 23:08:59.74 ID:uexxTlNH0
>>21
あるあるwwww
まぁ、俺は1スレ目の後半から来た奴なんだが、ここまで人が増えると俺はもういいかな? とか思ってしまうよ
みんながんがってくれノシ
23週末品評会 ◆2LnoVeLzqY :2006/04/02(日) 23:21:27.67 ID:+B7OFPg00
前スレ落ちた?
24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/02(日) 23:24:05.46 ID:VAoJNsv20
>>1
乙ー
25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/02(日) 23:41:28.59 ID:P8snda//0
保守します
26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/02(日) 23:58:16.14 ID:VAoJNsv20
hosu
27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 00:14:40.53 ID:/B2q5/xG0
去年もこんなの会ったんだけどな。
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 00:32:04.97 ID:yx4MdtPr0
保守することがおとこーの〜
たったひとつの勲章〜♪
・・・orz
29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 00:35:03.30 ID:qvxDMwzr0
1000 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/03(月) 00:34:18.04 ID:qvxDMwzr0
1000なら全員文神になれる!


ktkr
30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 00:37:21.14 ID:ysuLAnBy0
>>28
突っ張ろうよ!

そして前スレ1000の書き込みに癒されましたよっと。
31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 00:40:56.42 ID:w+xFID9F0
>>29
つくづく才能ないと自覚してるけど、頑張ろうと思った。GJ
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 00:55:31.05 ID:qvxDMwzr0
>>31
おれも才能ないと自覚してるから、大丈夫さ〜w
33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 01:08:49.53 ID:qvxDMwzr0
筆が進まない病にかかった件
34以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 01:15:31.92 ID:5n/tTsDn0
>>33
良くあるから困るよねorz
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 01:23:33.89 ID:qvxDMwzr0
>>34
だよねー><;
しかも無駄にながくなってる気がするんだ・・・。
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 01:44:57.53 ID:ATFxZ5Qb0
ほす
37イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/03(月) 01:50:36.06 ID:GJGf3+Vf0
前スレ>>812のお題『馬』
38イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/03(月) 01:50:52.59 ID:GJGf3+Vf0
「その絵馬、私に書かせてくれないですか」
 いつも以上に真剣な口調で白管琴音は言った。
 それは冬休みも終りに近づいた日、かなり遅めの初詣を済ませるため、
近所に住む琴音と連れ立って神社に向かう途中のことだった。
 俺はその申し出の意図をつかみかねて、歩みを止めず首だけねじ曲げて横の琴音を見る。
向こうも真っ直ぐにこちらを見ていた。首一つ分の身長差があるため、琴音はかなり顎を持ち上げている。
吐く息は白く、風を受けて前方へ流れてゆく。
 琴音は俺の答えを待っているようで、わき目も振らずにひたすら俺に視線を固定していた。
まるで他のものは目に入らぬようだった。俺はちょっと口を開けて浮かぶ答えを探してみたが、
それより先にまったく別の言葉がこぼれ出る。
「前を見ろ」
 琴音は一瞬なんのことか分からぬげに首を傾げ、それでも素直に前を向くが、やはり遅かった。
迫る電信柱と見事に衝突し、「きゃん」と額を押さえてうずくまる。
「痛い……」
 その仕草はとても可愛くて俺はつい口元を綻ばせる。
それが琴音には気に食わぬようで「もう」と頬を膨らませるが、すぐに小さく息を吹きだした。
39イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/03(月) 01:51:09.65 ID:GJGf3+Vf0

 ふらふらと立ち上がる琴音に手を貸してやり、また歩き出す。
 さっきの話題はなんとなく流れてしまっていたが、琴音がそれを蒸し返してくる。
「あの、それで絵馬のことですが」
「いや、構わないんだけど、なんでお前が書くんだ」
「私、午年です」
「うん。それで?」
 俺が先を促すと、琴音はそれがまるで信じられないことのように立ち止まって天を仰いだ。
俺もつられて空を見上げる。雲ひとつなく澄み渡った空の高さは、肌を刺す初春の寒さを映し出していた。
「……本気で聞いてるのですか、それは。午年ですよ? 縁起がいいとかそういう発想はないですか」
「そんなんで受験に受かるなら俺は勉強なんてしねーよ。そもそも絵馬だって親がうるさく言うから奉納するんだぞ」
「努力と縁起は別問題です」
「なんでそんなに必死なんだ?」
「センパイはどうしてそう必死じゃないですか。自分が当事者という自覚ありますか」
 なんでかぷりぷり怒り出した琴音は、またもや電信柱にぶつかろうとしている。
犬が棒に当たるように、午は電信柱に当たることを運命付けられてるのだろうか。なんにせよ新年早々運のいいやつだ。
 どうやら気付きそうにないので、琴音の手をつかみこちら側に引き寄せる。
驚いて目を丸くする琴音だったが、耳を掠るくらいの距離を電信柱が通り過ぎていくのを見送ると、
恥ずかしそうに赤い頬を掻いた。
「ど、ども」
 クソが付くほど真面目な癖にそういうところは抜けてんだよなあ、と俺はおかしく思い、
その空気を察したのか琴音はまた拗ねたようにぷいっと横を向いた。
「とにかく、私は書きます。午年生まれの書道三段、なんの問題もありません。先輩後輩のよしみなのです」
 そこまで言うなら否も応もない。考えてみれば俺の手間が一つ省けるので、それはとても喜ばしいことである。
帰りに食い物でも奢ってやろうかと考えながら、その厚意に甘えることにした。
40イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/03(月) 01:51:27.10 ID:GJGf3+Vf0

 神社の境内に入ると、元旦ほどではないだろうがそれでも大勢の参詣客がひしめいていた。
人ごみの発する熱気が敷地内に渦巻いており、ポケットから手を出せるくらいの暖かさはあった。
 先に絵馬の奉納を済ませてしまおうという琴音の提案に従う。
といっても俺のしたことといえば、琴音にお金を渡したことと志望校の名を伝えたことくらいである。
後は境内の一角で焚き火をしている場所に陣取って琴音の帰りを待っていた。
 熱せられて揺らめく空気の向こうに多くの人の流れが見える。
ここにいる人たちは当然、神様になにかお願い事があるのだろう。受験生は何人くらいいるだろうか?
 俺は別に神様なんて信じてるわけじゃない。他の人たちだって大差ないだろう。これはきっと安心のための儀式なのだ。
こうすることで自分の理想、意志、立場を明らかにし物事に当たるための、一種の決意表明に過ぎないのだ。

 とかなんとか、あまり生産的でないこと(この世に究極的に生産的なことなど少ないが)を考えていると、
琴音が二枚の絵馬を提げて戻ってきた。
「お待たせしました」
 差し出された絵馬を受け取り、あれ、と思う。
 絵馬には『恋愛成就』という文字が綺麗な筆致で書かれていたからだ。
 俺の恋愛成就なんか祈願してどうするつもりだ、と絵馬を裏返そうとしたその瞬間、
「あ」
 と琴音が素っ頓狂な声を上げて俺から絵馬を奪い取った。
「ま、間違えたです。センパイのはこっちです」
 それにはちゃんと『合格祈願』の文字が躍っており、裏には俺の名前と志望校が記されていた。
 「見ましたか?」とでも言いたげな、頬を紅潮させながらもこちら探るような目つきで、それが琴音のである可能性に思い至る。
 俺は絵馬をひらひら振ってみせる。そして曖昧な微笑を浮かべ琴音の肩を叩く。その挙動に琴音はあからさまに戸惑っていた。
「み、見たんですか? 見てないんですか?」
41イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/03(月) 01:52:52.33 ID:GJGf3+Vf0

 絵馬を奉納し、賽銭箱の前に並ぶ。順番はすぐに回ってきた。
 奮発して五百円玉を放り込み、手を合わせる。ちらと隣を見ると、琴音は神妙な表情で祈っていた。
 俺も目を閉じ、心から祈る。
 神様、俺はあんたをまったく信じてないので、俺への霊験は隣のやつに回してやってください。
 こいつはいいやつなんです。俺のために祈ってくれるような優しいやつなんです。 

「ちゃんとお祈りしましたか?」
「まあな。叶うといいけど」
「叶うといいです」

 鳥居の近くまで来ると風が吹き込んできて、後ろに山と掛けられた絵馬がかたかた鳴った。
42イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/03(月) 01:56:43.02 ID:GJGf3+Vf0
丸一日かけてこれとはorz
リベンジ安価
43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 02:00:24.27 ID:VFFrFIXC0
いや、次も期待してるから頑張れよ

「夕暮れ」
44イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/03(月) 02:05:58.33 ID:GJGf3+Vf0
>>43
把握
45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 02:09:12.54 ID:qvxDMwzr0
>>44
もえすwww
46 ◆twn/e0lews :2006/04/03(月) 02:24:11.97 ID:o/hgSzch0
鈍ら完成です、投下します
47 ◆twn/e0lews :2006/04/03(月) 02:24:50.61 ID:o/hgSzch0
記者に囲まれフラッシュの中心に立つ咲は輝いていて、僕は薄く包帯の巻かれた自身の左手を見て笑った。
何故僕はこんな所にいる? 本来ならばあの場に立っていたのは僕だったかもしれないのに。
大きなチャンスだった。それを下らない喧嘩で潰した。
情けない。この一言が今の僕の全てを表している。
 新生した国立音楽ホールの?落としとして催された今回のピアノコンクールは
審査員として海外から著名なピアニストが何人もやって来ていた。
国内では最大規模で、入賞すればピアニストとしての輝かしい経歴になっていただろう。
その機会を僕は失った、たかだか街のヤンキーのせいで。……いや違うか、僕が頭を下げていればそれで済んだのだ。
因果応報とでも言うのだろう。
 たまたまあの日僕は機嫌が悪くて、たまたま帰り道でたむろしていたヤンキーと目が合って。
因縁をつけられてついカッとなってしまった。
幸いすぐに人が来てくれてヤンキーは散っていった。
大事に至らなくて良かったと周りの人間は言うけど、死んだも同然だ。
ヤンキーたちの置き土産。僕の左手の甲骨に残った軽いヒビ。
予選一ヶ月前の出来事、僕は見事に予選落ち。
 フラッシュの中で笑顔を振り撒く咲と目が合った。
僕は作り笑いで答えようとしたけど上手く行かなくて、その場から逃げるように立ち去った。
48 ◆twn/e0lews :2006/04/03(月) 02:25:17.51 ID:o/hgSzch0
 咲は努力家だ。その事を僕は誰より知っている。
家が斜め向かいにあって、ピアノ教室で出会って初めて会話をして。
音中・音高・そして音大と一緒に過ごしてきた。
一見不真面目で、僕が練習していると良く演奏を聴きにきた。
けれど彼女の家の防音室が毎日遅くまで明かりを点けている事を知っている。
 言ってしまえばあのケンカの遠因は咲にあった。
決して責任転嫁など考えてはいない。
あの時僕は咲が学校の練習室で引いているショパンを聴いて悔しかった。
案外僕がケンカなどしなくてもあのフラッシュの中心にいたのは咲だったかもしれない。
しかし、それでも……そう思う自分が存在する事が許し難くとも認めざるを得ない。
もういっそ、この両手を切り取ってしまいたい、そんな考えが頭から離れなかった。
 翌日学校では咲の事で話題が持ち切りだった。
学食に行っても、練習室に行っても、咲の名はどこからか聞こえてきた。
僕は絶対に学校で左手をポケットから出さなかった。
同情などされたくも無い、僕が本調子だったらどうだったか等と言う話など聞いてしまえば生きていられまい。
休み時間、談笑のざわめきで教室に居心地が悪くなった僕はトイレに逃げようと外に出た。
 「ユウキ、手大丈夫?」
 廊下に出る寸前で背後から咲の声がした。
教室から音が消えたような気がした。皆が注目しているのかもしれない。
僕は咲の声を聞いた瞬間、喉が焼けるように熱くなった。
振り向く事も無く無視をしてトイレに駆け込む。
個室に鍵をかけてから嗚咽を隠す事無く僕は泣き、狂ったように叫んだ。
その日から僕は家に篭もった。
49 ◆twn/e0lews :2006/04/03(月) 02:25:46.01 ID:o/hgSzch0
 家に篭もり始めてから一週間後に包帯は取れた、医者も太鼓判を押した。
僕は包帯の取れた夜から部屋の外に出なくなった。
椅子や机の引き出しを投げつけた壁は穴だらけで、
床には散らばった引き出しの中身と、引き裂かれ紙屑と化した元・楽譜が散乱していた。
狂った様に吠える僕はもう廃人なのかもしれない。
 そうして何日が過ぎたのか、それともその日の内の事だったのか僕にはわからない。
突然にドアがノックされ咲の声がした。
 「手治ったんですってね」
 僕は耳を塞ぎうるさいと叫ぶ。
それでも扉を超え、耳を押さえる手を透き通り、咲の声は僕の聴覚を刺激する。
 「開けなさい」
 静かに、何度も咲はそう繰り返した。
僕はその声で自身の中の怒りが呼び起こされるのをはっきりと感じた。
その怒りが頂点に達し、殺意へと変わった瞬間に僕は扉を開け瞬時に咲を部屋に引きずり込んだ。
咲の首は思っていたよりも細く柔らかかった。
二十センチほど下の彼女の顔を見ると、その顔はまさに僕を嘲笑っていた。
 「負け犬ね」
 そう掠れた声で言う彼女に先程の業火の如く燃え上がった殺意は消え失せ、僕は怯えた。
その場に力無くうな垂れたのは僕の方だった。
咲は少しむせてから、それでも呼吸を落ち着けると僕の手を引いて部屋の外に引きずった。
50 ◆twn/e0lews :2006/04/03(月) 02:26:11.18 ID:o/hgSzch0
 一週間少し離れていただけで、目に映るピアノは懐かしく。心なしか大きかった。
咲はパイプ椅子を引っ張り出し僕をそこに座らせて、自身はピアノに向かった。
 左手が八部音符のアルペジオ型伴奏をかなで右手の三連符の単音と一つになる。
ああこれは、あのコンクールの時の、ショパンのエチュードヘ短調・遺作だ。
流れるような、けれど悲しく暗い曲調。その裏に隠れた情熱。
教師はそうこの曲を教えた。
 僕は演奏が始まったその瞬間に咲に引きずり込まれた。
そして同時に、咲への自身の敗北を初めて認めた。
ヒビなど無くても僕は負けていた、そう認める事ができた。
僕は涙を流し、酔いそうな香りを残して曲は終わった。
 「ありがとう……もう大丈夫だ」
 僕は静かに涙を流しながらそう言った。
咲は静かに立ち上がると、そっと僕を背後から抱きしめた。
 「……ユウキはずっと目標だった、だから今度は私を目標にして」
 ずっと前を走られたんじゃたまらない。咲は隠し切れない涙声で言った。
 「私がピアノに本気になったのってね、ユウキの英雄だったんだ」
 懐かしむように言う咲に、今僕は急速に惹かれていた。
 「中学生位だったかな、アナタ独学であの曲やってたでしょう? 好きだから弾きたいって」
 咲の言葉に僕は思い出す。あの時の英雄は今じゃ曲と言えないけど、あの時は音が出せればそれで十分だったのだ。
 「初めて聞いたときユウキがやたらと格好よく見えてさ、それで私も……って。今思い返せば酷い曲だったけど」
 全くだと僕は言い、二人で笑った。
51 ◆twn/e0lews :2006/04/03(月) 02:26:30.51 ID:o/hgSzch0
 「ねえ、弾いてよ」
 「大分鈍ってるからね、あの頃より酷いかもしれない」
 悪戯っぽく言う彼女に僕は答えた。
すると彼女は更に笑って。馬鹿ね、鈍ら刀も砥げば名刀。
じゃあお前は砥ぎ石やれよ? と冗談叩いて立ち上がる。
鈍ら刀か……まぁじっくり砥いで行こう。
 久しぶりの指定席に腰掛ける。
鍵盤に指を落とすと懐かしい音がハンマーで叩かれて響く。
僕の背筋に軽く電気が流れ口が緩む。 
嗚呼このピアノは、今この時、僕だけの為に在る。
 椅子を少し後ろに下げ、先程まで僕の座っていた席の咲を見る。
咲は笑顔で僕を見つめる。
今宵貴女の為だけに、鈍ら刀のこのショパン。
僕は昨日までの自分を笑い飛ばすように構え、指を叩きつける。
瞬間世界がはじけて、僕の顔が柔らかく緩んだ。
52 ◆twn/e0lews :2006/04/03(月) 02:27:33.05 ID:o/hgSzch0
>>10鈍ら完です

批評お願いします
53 ◆twn/e0lews :2006/04/03(月) 02:32:20.95 ID:o/hgSzch0
>>42
女の子がかわいいと思う
文章もすっきり読めました
54 ◆twn/e0lews :2006/04/03(月) 02:35:40.91 ID:o/hgSzch0
>>47
>新生した国立音楽ホールの?落としとして催された今回のピアノコンクールは
は正しくは
新生した国立音楽ホールのコケラ落としとして催された今回のピアノコンクールは
のはずです、変換しても上手く行かないようなのでカタカナ表記とします、すみません
55以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 02:37:30.19 ID:ktx20BSO0
56以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 02:59:43.84 ID:o/hgSzch0
ほしゅ
57以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 03:00:27.22 ID:3ptZUH7mO
上げて寝ます
58以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 03:21:22.80 ID:o/hgSzch0
ほしゅ
59以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 03:40:49.59 ID:gregnqaC0
HS
60以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 03:59:28.45 ID:ysuLAnBy0
お題「トースト」一応完了しました。
投下しますー。
61以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 04:00:16.33 ID:ysuLAnBy0
『僕と彼女とトーストと』

「さて、ここに一枚の食パンがあるんだが」
 陽光降り注ぐ麗らかな朝。僕は食パンを片手に、愛しい人に向き合っていた。
「……朝からやけに真剣な顔つきね。どうしたの、ゼファー?」
「うん。今日の朝食について一つお願いしたいことがあるんだよ、テルマ」
 頬に手を当て、テルマが首をかしげた。その仕草が、何とも愛らしい。
「ううん……できる限り頑張ってみるけど。ご要望は?」
「一番美味しい調理方法で、このパンを食べたいんだ」
 僕の一言で、テルマの首がさらに傾いた。
「う〜……難しい注文ね」
 僕からパンを受け取ると、テルマはパンとにらめっこを始めた。
「そうねぇ……フレンチトーストはどう?」
 僕は黙って首を横に振る。甘ったるいのは好みじゃない。
「それじゃあ……オープンサンド」
「朝からそのボリュームはきついよ、テルマ……」
 苦笑いを浮かべる僕に、テルマが続けて口を開く。
「あ、じゃあラピュタトーストはどう?」
「何それ?」
「通称おべんとパン。由来は分からないんだけど、とにかく、パンに目玉焼きをのせた物よ」
 テルマの言葉に、僕はその姿を頭に描いてみた。うん、美味しそうだ。
「おべんとパンって言うなら、今日のお弁当はそれにしてもらおうかな」
「いいわよ。じゃあ、今日のお弁当は決まりね」
 テルマがテーブルに置いてある卵を指でつつきながら了承した。
「お願いするよ。それで、今日の朝食なんだけど」
「そうねぇ……ジャムとか塗るのはどうかしら」
「うーん、悪くない。けど、それはジャムの善し悪しが強く影響するよね」
62あぼーん:あぼーん
あぼーん
63以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 04:01:15.27 ID:ysuLAnBy0
 その言葉に、テルマがテーブルを指で叩きながら再び考え込む。
「じゃあ……パングラタン」
「グラタンは好きじゃないんだ」
「えーと……えーと……あ、ラスク」
「遠慮したいな」
「ううううう……」
 だんだんテルマのレパートリーも減ってきたのだろう、考える時間が徐々に長くなっていた。
 無茶な注文を言っている僕にしても、沈黙が長いほど申し訳ない気持ちが高まった。
「ごめんテルマ……」
 もういいよ、と言おうとした時、テルマがぽん、と手を叩いた。
「ねぇゼファー、あなたが好きなパンの食べ方って何?」
 その質問に、僕は数秒間考えた。
「……トースト、かな」
「分かったわ」
 僕の答えを聞いて、テルマはすぐさまパンをトースターに入れた。
 数分後、ベルの音と共にパンが飛び出してくる。
 テルマが素早くそれをキャッチし、皿に乗せると僕の前に出した。
「さ、召し上がれ」
「頂きます」

 さくっ、と歯切れの良い音がした。
 ――うん、やっぱりトーストは美味しい。
64以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 04:05:40.00 ID:ysuLAnBy0
以上です。
……リベンジしたい気持ちで一杯ですorz
また何かお題下さい。
65以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 04:56:34.87 ID:ysuLAnBy0
そろそろ保守
66以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 05:05:31.74 ID:crTDrMTl0
私も何か書こうかなぁ…
誰かお題plz
67以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 05:10:45.52 ID:DPB3zmJR0
ヴァンパイアハンター
68以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 05:12:46.79 ID:qvxDMwzr0
>>52
相変わらずうまいと思う。
「……ユウキはずっと目標だった、だから今度は私を目標にして」
このセリフがよかったw
>>63
いろいろ凝った料理の後にトーストっていった所がワロタww
トーストにバター多めに目玉焼きのせて、塩多めにしてたべると
まじでうまいよねww

お題だったら・・・
ココア でw
69以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 05:20:16.00 ID:yN2rgRmL0
やあ (´・ω・`)
ようこそ、バーボンハウスへ。
突然だけれども、ここを訪れた君に一生セクロス出来ない呪いをかけたよ。
ああ、君が怒るのも無理はない。
このテキーラはサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい。
この呪いから逃れる方法はただ一つ、
http://music4.2ch.net/test/read.cgi/mendol/1143713415/
のスレに
「腐女子きんもー☆」
と書くだけなんだ。
うん、重ね重ね強引なのはわかっている。済まない。
仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。
じゃあ、注文を聞こうか。
70以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 05:38:24.58 ID:ysuLAnBy0
>>68
話のポイントを理解してもらえて良かったです。目玉焼きパン美味しいよね!(*^ω^)
次ココアですか?
うはwwwwまたムズカシスwwwww
71以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 06:14:49.47 ID:ysuLAnBy0
保守
72以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 06:40:23.41 ID:ysuLAnBy0
保守は感情的で、残酷で、時に無力だ。
それでも私は信じている、保守のチカラを。

訳:誰もいなくとも、私は保守る
73以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 06:41:05.48 ID:qvxDMwzr0
ほっほっほーす
74以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 06:41:45.83 ID:qvxDMwzr0
>>72
うはwww人いたww
75以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 06:47:36.82 ID:VFFrFIXC0
まぁ俺も居るワケだが
76以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 07:05:12.92 ID:crTDrMTl0
ERROR:長すぎる行があります!


やヴぇ、書いたのに投下できん…
77以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 07:07:52.44 ID:crTDrMTl0
 ココア……そう、ココアだ。
 今目の前に注がれているのは、カカオ豆を主原料とし、何とはなしに甘く、舌触りの

砂っぽい茶色い飲み物、ココアだ。このココアという飲み物は随分やっかいな飲み物

で、甘すぎては吐き気が来るし、苦すぎてもまた気分を害する。作成する際は、粉末

ココアをコップに入れ、そこに砂糖を足すのだが、ここが肝要で、失敗すれば先に述

べたような、何とも許しがたい味付けになってしまう、という事である。
 最も、この注がれたココアを目にする彼女……木下晴美とでもしておこう。彼女、木

下晴美はココアに対して、もっと大きな問題を抱えていた。
 別にココアに恨みがある訳ではなく、ココアに対して嫌な思い出がある訳でもない。

しかし先程述べたように、舌触りを砂っぽいと感じていた。ココアを飲む時、それはま

るで、砂を飲んでいるかのように感じるのである。それだけではない。喉を通る時の

重苦しさや、コップの底に残る物体が、排泄物のようで、まったくもって不謹慎で、許

し難い。その上、匂いはともかく、味がとても宜しくない。この問題は致命的で、或る

意味極め付けですらある。
 そう、そのココアが、今、目の前に湯気を立てているのだ。そして彼女は、これから

このココアなる物体を、飲み干さねばならない。何故か。それは、彼女の彼氏に原因

があった。彼氏が隣で、幸せそうに笑っているのだ。
78以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 07:09:10.60 ID:crTDrMTl0
スマソ、上手くいかん… orz
ちょっと調整してくる…
79以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 07:13:24.02 ID:crTDrMTl0

 ココア……そう、ココアだ。
 今目の前に注がれているのは、カカオ豆を主原料とし、何とは
なしに甘く、舌触りの砂っぽい茶色い飲み物、ココアだ。このコ
コアという飲み物は随分やっかいな飲み物で、甘すぎては吐き
気が来るし、苦すぎてもまた気分を害する。作成する際は、粉
末ココアをコップに入れ、そこに砂糖を足すのだが、ここが肝要
で、失敗すれば先に述べたような、何とも許しがたい味付けにな
ってしまう、という事である。
 最も、この注がれたココアを目にする彼女……木下晴美とで
もしておこう。彼女、木下晴美はココアに対して、もっと大きな問
題を抱えていた。
 別にココアに恨みがある訳ではなく、ココアに対して嫌な思い
出がある訳でもない。しかし先程述べたように、舌触りを砂っぽ
いと感じていた。ココアを飲む時、それはまるで、砂を飲んでい
るかのように感じるのである。それだけではない。喉を通る時の
重苦しさや、コップの底に残る物体が、排泄物のようで、まったく
もって不謹慎で、許し難い。その上、匂いはともかく、味がとても
宜しくない。この問題は致命的で、或る意味極め付けですらある。
 そう、そのココアが、今、目の前に湯気を立てているのだ。そ
して彼女は、これからこのココアなる物体を、飲み干さねばなら
ない。何故か。それは、彼女の彼氏に原因があった。彼氏が隣
で、幸せそうに笑っているのだ。
80以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 07:14:31.88 ID:crTDrMTl0
 彼に曰く、好きな人と一緒に、ココアを飲むのが夢だった。
 彼女はその言葉を聞いてしまった時、何処かに居るかもしれ
ない恋愛の神を相手に、思いつく限りの暴言を吐いた。それは
もう筆舌にし難い暴言の数々で、彼女がぶちまけた暴言だけで
、暴言特選集が一冊作れるほどだ。
 一通りの悪態で気分を持ち上げた彼女は、前向きに行動する
事を決めた。単純明快に、苦手なココアを克服するのである。
 彼女は過去に、一度だけココアを飲んだ事があった。結論か
ら言ってしまうと、それはもう、死ぬほど不味かった。彼女は料
理が苦手ではあったが、ここまで不味い飲み物があるものか、
と驚愕する他なかった。それ程までに、ココアは不味かったので
ある。彼女は心の中で、この飲み物を悪魔の飲み物と定義し、
今後は二度とココアを飲まないと決めた程だ。
 しかしそれも、彼女の最愛の彼氏が大好きなのだと解れば、
話は別である。彼女は、彼が悪魔であろうと、好きなものは好き
、大好きなのだ。悪魔の彼女として生きていく事を決意し、悪魔
の飲み物を克服せねばならなかった。
 彼女は一人、密かに特訓を続けた。
 彼女には家族が居たが、家族に対して散々ココアを馬鹿にす
る発言を続けてきた以上、目に見える所でココアを飲む訳には
行かない。夜な夜な、お湯を水筒に拝借しては、部屋でココアを
作り、飲まんと欲して努力し続けた。そこには血の滲む努力の
軌跡があるのだが、それはここでは関係ない。先程のココアの
味と同じように、再び結論から言ってしまうならば、彼女は弱点
の克服に失敗したのである。
81以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 07:15:50.91 ID:crTDrMTl0
 しかし、そんな挫折と失敗の裏で、彼との仲は急速に深まっ
て行く。最早ココアを飲む事を、避けられる段階は過ぎ去った…
…彼女はそう、覚悟していた。そしてその時が来た。
「ひろたか君、念の為に聞きたいんだけど、これってココア?」
「うん、ココアだよ。もしかして、嫌いだった?」
 きょとんとした顔で答えたひろたか君は、しかし、言い終えてか
ら、顔を曇らせた。
 不安そうな顔をして見上げるその顔は、随分と幼く見える。い
や、実際に幼いのだ。晴美は現在、高校に通う17歳であるが、
対するひろたかは、四歳も年下の可愛い彼氏。童顔中性で食
べ盛りな中学生……周囲の妨害を撃退し、ライバルとの血闘を
潜り抜け、やっと、晴美は彼女の座を獲得したのだ。悪魔の彼
女となっても構いはしない、この彼氏を、逃してなるものか。決
意を新たに、晴美は、ひろたかを見る。
「ううん、ココア、私も大好きだよっ」
 鏡を前に何十回と練習した、完璧な笑顔。
 この笑顔を前にしたひろたかは、ぱっと表情を明るくさせる。
 良かった。そうぽつりと言って、彼はココアを飲み始める。ココ
アを飲むその頬には小さな笑窪が浮かぶ。その彼の笑顔に屈
託は無い。とてもとても、朗らかな笑顔。ただし悪魔の。これが
悪魔の微笑みと言う奴か。晴美は心の中で盆踊りを舞う傍ら、
ひろたかの可愛らしさを憎んだ。
(もう、後戻りなんて出来ない……)
 晴美は生唾を飲み干し、ゆっくりとコップを掴む。高鳴る心臓
を無理に押さえ込み、正面からココアを見据えた。改めて見る
につけ思うは、何たる、禍々しい外見たる事か! やはり、悪魔
の飲み物だ。だがしかし、これを飲めば飲むほど、ひろたかに
近づいている……そう思えば、自然、自嘲的な笑みが浮かび上
がる。飲むしかない、飲むしかないと解っては居るのだが、しか
し、やはり、飲みたくは無い。
82以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 07:16:48.23 ID:crTDrMTl0
 悪魔の飲み物、ココアとの死闘が、どれ程続いたであろうか?
 晴美にとっては、数時間にも及んだその闘いは、その実、時
間にして数秒しか経過していなかった。その死闘の最中である
、ぴったりと、晴美の腕に、何かが絡み付いた。
 腕。色白でしっとりとして、弾力のある優しい感触。ひろたか。
ひろたかはぎゅっと、晴美の腕を抱き、頬を、ぺたりと、晴美の
肩に摺り寄せてきた。
「晴美さん、大好きです」
 えへへと照れ笑いを見せ、再びココアを飲む。服から露出した
喉が、こくりこくりと、音を鳴らしており、その鼓動が、そして心臓
の鼓動が、腕を通して晴美へと、伝わって行く。

 飲むしかねぇ!

 決意すれば、早い。晴美は必死に鼻血を抑えつつも、迷う事
無くココアは高度を上昇させ、晴美の口元に近づく。角度の変
化と共に、ココアは晴美の喉へと流れ込み、味を残しながら、ぐ
っと、流れ落ちた。ココアを一口飲み込んだ晴海は、静かにコッ
プを口から離した。
83以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 07:17:32.87 ID:crTDrMTl0
 あれ、変だな。凄い美味しい。
 とっさに、そう思う。疑惑を感じながら、晴美は再びココアを飲
み込んだ。何て美味しいんだろう。一体今まで、何を不味いと言
って来たのか。こんなに美味しいのに。あ、そうか。彼女は思っ
た。きっと悪魔の仲間入りをしたのだ。それほどまでに、私はひ
ろたかを愛していた。愛は、味覚すらも変えてしまう。そう、例え
悪魔と人間であっても、愛は普遍なのよ。だからこそ、こうもココ
アを美味しく感じる。……もう支離滅裂である。
「美味しいですか?」
 無邪気に、ひろたかが顔を覗き込む。
「うん、美味しかったよ、とても……」
 いずれにせよ、美味しいと感じた以上、最早ためらいなど無か
った。一気にココアを飲み干した晴美は、そのままひろたかを床
に押し付けた。


 彼女は、にんまりと笑いながら、台所に立っていた。それもこ
れも、このココアのお陰である。彼女は喉を鳴らして笑いながら
、早速、お湯を注ぎ、ココアを作り出した。この悪魔の飲み物、
究極の媚薬、ココア。特訓用に買い込んだココアは、部屋に山
積みとなっている。
 彼女はココアを、コップへと注いで手に取った。
 さようなら、ココアの嫌いな私。こんにちわ、ココアの好きな私
。ハラショー、素晴らしきココアライフ。これからは、幸せなココア
ライフを送るのである。
 笑みと共に、ココアをぐっと飲み干す。
84以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 07:18:24.36 ID:crTDrMTl0
 だが、そこに待っていたのは天国ではない。恐るべき惨状を作
り出さんとする、地獄の味だ。
 言い様の無い不快感と共に、顔がみるみる青褪めて行く晴美。
「な、馬鹿な……」
 呻き声のような疑問を一言発し、彼女は崩れ落ちた。
 その時、やっと彼女は気付いた。
 ココアが不味かった理由……それは、ココアが悪魔の飲み物
だからではない。そう、料理の、腕。あまりに御粗末な料理セン
スは、ココアまでも毒薬に変えていたのか。ココアが悪魔の飲み
物故に、不味かったのではない。何と愚かな事か。己の事も、
正しく理解していなかったとは。
 薄れ行く意識の中で、彼女は己を呪った。

 最早、その後は詳しく述べるまでもない。



 − おわり −
85 ◆8xHX/esB26 :2006/04/03(月) 07:29:14.74 ID:wkfp4QEu0
おはようございます
お題ください>>86
86のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/03(月) 07:32:28.88 ID:EdlCV05e0

お題:夜


徹夜ktkr
ってか寝るノシ
87以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 07:35:06.14 ID:qvxDMwzr0
>>84
料理センスっておちできたかぁーーw
砂っぽく感じるココアって・・どんだけ粉いれちゃってたんだろww
ただココアを彼氏と飲むってだけなのに、いろいろと考える所がおもしろかった。
文も読みやすくて、彼氏の描写もよかったw

>>85
お題つコンビニ弁当
88 ◆8xHX/esB26 :2006/04/03(月) 07:40:33.21 ID:wkfp4QEu0
>>86 >>87
夜、コンビニ弁当
把握(`・ω・´)
89以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 08:02:26.52 ID:ysuLAnBy0
ココア書くの早っ!
……断念しました、他のお題下さいorz
90以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 08:08:52.06 ID:crTDrMTl0
>>87
苦手なジョークの類に朝鮮してみたおw

>>89
別にココアでも良いんでない?
91以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 08:09:46.07 ID:qvxDMwzr0
じゃあお題コーヒーでwwww
92以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 08:11:24.97 ID:ysuLAnBy0
>>91
把握
93以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 08:39:54.46 ID:yx4MdtPr0
保守するよ(´・ω・`)
94以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 08:53:00.69 ID:ysuLAnBy0
お題「コーヒー」完了。
出来は……まぁ見て下さいorz
95以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 08:53:54.64 ID:ysuLAnBy0
『森の珈琲店』

 小鳥のさえずりが聞こえる。草木は朝露に濡れ、陽光に照らされ輝いている。
 そんな静かな森の中に佇む、ある一軒の喫茶店。
「てんちょ……」
「おおおおおおおおおおおおおっ!」
 ウェイトレスの呼びかけを遮るように、男の雄叫びが響き渡る。
 凄まじい勢いでコーヒーミルの取っ手を回転させ続けるその姿に、ウェイトレスは圧倒された。
 そのため、店内に響き渡る雄叫びを堪えながら、ウェイトレスはその場で待機せざるを得なかった。
 やがて、男が視界の隅で盆を抱えて立っているウェイトレスを捉えた。
「……おや、美咲君。いつからそこに?」
「えーと、5分ほど前です。豆、挽き終わりました?」
 毎日のことで慣れているのか、美咲と呼ばれたウェイトレスは事も無げに答える。
「そうか、それは申し訳ない。そろそろ開店の時間だろう? 急がなくてはならないと思ってね、集中していたんだ」
 サイフォンの準備に取りかかりつつ、男が喋る。
「分かってますよ、店長」
「おいおい美咲君、何度言ったら分かるんだい?私は店長ではない、マスターだ」
 人差し指を立てて左右に振る男の姿を見て、美咲は思わず吹き出す。
「ぷっ。あはははっ。どっちだって変わらないですよ、店長」
 言葉を換えない美咲に、男が思わず大声を上げる。
「私にとっては大きな問題なのだ!」
「はいはい、分かりましたよ、マスター」
 やれやれ、と肩をすくめて、美咲が開店の札をドアに下げた。
「それじゃ、『森の珈琲店』開店します」
「うむ」
 美咲の軽い口調とは対照的に、重々しい雰囲気で男が頷く。
 『マスターらしさ』を追求してのことであった。
「……と言っても、開店してからまだ誰も来てませんけどね」
「うるさい。そういう事は言わないのが優しさというものだ」
「はいはい。でも、人が来ないんじゃ、どうにもなりませんよ?森の仲間達でも待ちますか?」
96以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 08:54:14.57 ID:ysuLAnBy0
 美咲が外を見つめながら、大きなあくびをした。
「ぐっ……珈琲の味が分からん森の動物達に飲ませるわけにはいかん」
「じゃあ、今日もこれで閉店ということで」
「……ぐぅぅぅぅ」
 開店から一分と三十二秒、こうして今日も『森の珈琲店』は営業時間を終えた。
「さて、と」
 美咲が嬉しそうに男の方を振り向き、カウンターに座る。
「じゃあ、今日も私だけにご馳走して下さいよ、マスターのコーヒー」
「ふむ……仕方ない。よく味わって飲んでくれよ、私の全力が込められたコーヒーなんだから」
「ええ、ええ。分かってますとも」
 サイフォンから茶色の液体が精製されていく様子を見つめながら、美咲が嬉しそうにコップを置いた。
「ああ、そうだ。油揚げがあるんだが、お一ついかがかな?」
「えー。コーヒーに油揚げは合いませんよー。どうせなら甘ーい稲荷寿司にして下さい」
 男は一瞬むっとした表情を作ったが、すぐにいそいそと米を炊く準備を始めた。
「あ、コーヒーできましたよ。早く早く、店長ー」
「マスターと呼べと言ってるだろうがっ!」

 ――ここは、森の珈琲店。
 一人の男とメスの狐が仲良く暮らしている、不思議な不思議な森の中。
97以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 08:55:42.96 ID:ysuLAnBy0
短くて申し訳ない(´・ω・`)
おかしな点があったら指摘お願いします。
98以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 10:08:59.27 ID:qvxDMwzr0
>>97
開店から一分と三十二秒って所の開店から閉店まで
なんでそんなに短いのかがわからなかったのだが・・
99以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 10:22:08.25 ID:mNfhS8Hl0
>>98
そういえば描写し忘れましたorz
いや、その、人間も来ないし、動物達も来ないから、事実上喫茶店が成り立ってないんですよ。
それが毎日の様に続いてるから、もうほとんどOPEN→すぐCLOSE、っていう事になってるわけで。
ええ。
100以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 10:25:24.73 ID:qvxDMwzr0
>>99
なるほど。
読解力がなくてすまんwww

天災書いていた者だが、だいぶ遅くなったけど今から投下する。
101 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/03(月) 10:26:58.26 ID:qvxDMwzr0
【天災】

―――3981年5月1日06;05 特殊警察署「ノルン」ウルドチーム 2000年代捜査課

「ふぁ〜」
涙を浮かべながら、輝はあくびをした。
コーヒーの香りがして、背後を振り返る。
「輝〜。昨日寝てないんでしょ?大丈夫?」
心配そうな顔をした美樹が、両手にマグカップを持って立っていた。
「これでも飲んで、眠気さましたら?」
そう言いながら、マグカップの一つを差し出してくる。
「昨日、例の事件解決したからな。明日からしばらく休暇だ」
コーヒーを受け取り、一口啜って輝は言った。
「へぇ〜。どっかいくの?」
「そうだなぁ・・・・・・。家でゴロゴロでもいいんだけどな」
ぼーっとした頭で、考える。
(休暇なんか久々だからなぁ・・・・・・。ドコいくか・・・・・・。)
う〜ん、と考え込んだ輝をうらやましそうに見ながら、美樹は言った。
「いいなぁ。わたしなんかデスクワークがたまってて・・・・・・」
そう言って苦い顔で笑った。
102 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/03(月) 10:28:06.97 ID:qvxDMwzr0
―――その時、大音量で警報がなった。
そこらじゅうの空中に、エアディスプレイが開かれる。
「ウルドチーム2000年代捜査課のオルトロス班は、至急第35追跡準備室に
あつまってくれ!繰り返す、ウルドチーム2000年代捜査課のオルトロス班は、至急第35追跡準備室に
あつまってくれ!大急ぎでだ!!」
それを聞いて輝と美樹は、顔を見合わせて走り出した。

特殊警察「ノルン」は、時間に関わる事件を解決するための組織だ。
ウルド(過去) ヴェルダンディー(現在) スクルド(未来)
チームは大きくこの三つに、分かれている。
そしてさらに年代によって担当が違ってくるのだ。
ウルドチーム2000年代捜査課のオルトロス班は、輝と美樹が所属する班だった。
オルトロス班が、召集されたということは2000年-2200年までの過去が
関わった事件だということだ。
103 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/03(月) 10:29:48.81 ID:qvxDMwzr0
―――3981年5月1日06;25 特殊警察署「ノルン」第35追跡準備室

輝と美樹が、ドアを開けるとすでに他のメンバーはほぼ集まっていた。
チーフのヴィップが、入ってきた輝と美樹に言った。
「さっそくで悪いが座ってくれ。悪いニュースだ」
オルトロス班は6人で構成されている。
輝と美樹の他に、來(ライ)、来人(クルト)、慧(ケイ)、そして霞(カスミ)だ。
メンバーの顔を見ながら、輝は言った。
「はい。ところでチーフ、來と霞のヤツはどうしたんですか?」
「彼らは他の事件のほうで手いっぱいだ。今回のミッションは4人でやってもらう」
二人が席につくと、書類をわたされた。
一人の男の顔写真と、その男の今までの犯罪記録だ。
慧は写真を見ながら、チーフに聞いた。
「誰です?コイツ」
ヴィップは、足を組みなおしながら答えた。
「そいつは、バルス。幼女13人を拉致監禁。性的ないたずらをしまくって
飽きたら殺して首を切断し、死体を犯すという変態きわまりない極悪人だ」
来人が、あいづちをうちながら先をうながす。
「ふむ・・・。それで?」
ヴィップが、コーヒーを一口飲んでから続けた。
「この死刑を言い渡された男が、死刑場に護送中に逃げ出した。
ワームホールを使って過去へ逃げ込んだようだ。調査では、2053年3月21日に
行ったらしいと判明した」
104 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/03(月) 10:32:29.42 ID:qvxDMwzr0
―――!
全員が息を呑む。
「そ・・・それって・・・・・・。」
そうつぶやいた美樹の声を聞き、輝が続けた。
「世界大震災がおきた日か・・・・・・」
ヴィップはタバコに火をつけて、
「うむ・・・・・・。そうだ、通称X day 2053年3月21日11;59に世界大震災がおきた・・・
そして人類の80%の命の灯火が消えた日だ。」と言った。
来人は舌打ちして、文句を言う。
「くそったれ。つまり死刑のはずだったこのカス野郎がX dayにタイプスリップして
逃げやがったってコトですね?んで・・・俺達に大震災の前に捕まえて戻れと?」
ヴィップが頷く。
「いくらなんでも危険すぎですよ、チーフ。俺達が大震災に巻き込まれるかもしれない。
それでも捕まえろと?どうせ死にますよ。ほっときゃいいじゃないですか」
「だが、しかし法律できまっている以上、捕まえてもらわなければならない。
危険なミッションだが・・・頼む」
輝がため息をついた。
「はぁー・・・。明日から休暇だったはずなのに・・・・・・。寄せては返る波でも
みながらぼーっとするはずだったのに、バカンスは地面の波嵐を見にいかなくちゃ
ならなくなるとは・・・・・・」
105 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/03(月) 10:33:02.44 ID:qvxDMwzr0
「すまんな。このミッションが終わったら、全員休暇とれるように上にかけあってやる」
「ボーナスも弾んでくださいね!チーフ」
と慧が言った。
「ああ。わかってる、掛け合っておくよ」
ヴィップが頷きながらそう言って、次の道ができるのは10;30だと皆に伝えた。
そして準備をすませ、退室した。
10;00までは自由に過ごしていい、とのお達しだ。
まだタイムゲートの安定は、現在の技術ではできないのだ。
出現時間の予測と行く場所、日時はコントロールはできるのだが・・・・・・。
(今日が命日になるかもしれないし、せめて行くまでの時間はカフェで
ぼーっとしながら本でも読むか・・・・・・。)
それぞれ想いを胸に、僅かな時間を過ごした。
106 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/03(月) 10:34:32.22 ID:qvxDMwzr0
―――3981年5月1日10;25 特殊警察署「ノルン」地下13階 時の扉

僅かな時間は、瞬く間に消化された。
ピッピピッピッピピッ・・・・・・
時計のアラームが鳴る。
5分前になったので、時の扉が開く部屋に入った。
中はタイムゲートを開く機器や、データをみるディスプレイなど
精密な機械が壁際にビッシリと設置してある。
久々にこの部屋に入った輝は、少し緊張した面持ちで部屋を見回した。
準備はすましてある。
各自拳銃やナイフで武装もすませてあった。
時の扉をくぐる者は、その時代に存在しない物は基本的にもっていっては
ならない、という法律があるのだ。
今、この時代の装備で武装などはできない。
例外は、手錠と探索機だった。
普段は10cmくらいの短い棒状だが、犯人の手の近くにもっていくと
犯人のデータを識別し、自動で伸びて手錠になり、犯人の手を拘束するのだ。
レーダーは、相手の方向が読み取れる物だ。
距離はわからないので、レーダーを使っても犯人を捜すのは、なかなかに骨が折れる。
「では、おまえ達。頼んだぞ」
ヴィップが、皆の顔を見回して言った。
皆黙ってそれに頷いた。
カウントが始まる―――
107 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/03(月) 10:35:59.74 ID:qvxDMwzr0
10・・・

9・・・

8・・・

7・・・

6・・・

5・・・

「5秒前です。時の扉ひらきますよっ!」
スタッフから声が飛ぶ。

4・・・

3・・・

2・・・

1・・・

ゲート開きます。
グォォォォン!グォォォォン!
部屋に耳障りな音が鳴り響き―――
ゲートが開いた。
4人はそろって言った。
「いってきます」
そしてゲートに入った。
108 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/03(月) 10:36:37.45 ID:qvxDMwzr0
―――2053年17;36 3月21日 通称 X day 新宿 某ビルの屋上

都会の、とあるビルの屋上に突然アルミホイルを、グシャグシャにしたような
音が木霊した。
そして、空間が円状に黒く染まる。
1分くらいすると、唐突にそれは消えた。
そして、消えた後には4人の人間がたっていた。
「ふぅ・・・。2053年に無事についたようだな・・・・・・」
慧がつぶやいた。
辺りを見回しながら、来人が言う。
「で、ヤツはこの近くにいるはずだ」
美樹が頷き、それに合せて輝が言う。
「だな。しかし、ヤツを見つけられるだろうか・・・・・・」
「そうだな。手がかりはないし・・・。やはりレーダーで探すしかねーな」
と、慧が言った。
輝は、早速レーダーの電源をONにした。
ピー。
電子音が鳴った。
「ふむ・・・南の方角だな」
それを聞いて、笑いながら慧が言う。
「んじゃー、さっさとすませて休暇にボーナスゲットといこうか」
輝は頷いて、歩き出した。
3人もそれに続く。
109 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/03(月) 10:37:35.14 ID:qvxDMwzr0
―――2053年22;36 3月21日 通称 X day 新宿 某駅ビルのレストラン街

4人は、数時間もひたすらバルスを探し続けた。
混雑する新宿の駅周辺を、レーダーを時々見ながら探し続け、
隣の駅ビルと5階と10階で繋がっている駅ビルで、ついに10分ほど前に発見した。
そして、今尾行していて、レストランに入ったバルスをレストランの外から監視しているのだ。
捕縛するには、できるだけ人が少ないところじゃないとまずい。
輝は、駅ビルのレストラン街のパスタ屋で、美味しそうにカルボナーラを
がっつきながら食べているバルスをうらめしそうに見ながらつぶやく。
「・・・腹へったな」
その声を聞いて、慧が文句を言う。
「あのクソヤローだけ食いやがって・・・。是が非でもとっ捕まえてやらないとな」
「たしかに・・・。おなかすいたなぁ、お昼から何も食べてないし・・・。私達も中に入って何か
食べない?」
美樹が出したグッドナアイディアを聞いて、来人が否定した。
「だめだ。腹がいっぱいになると仕事に支障がでるかもしれないから、我慢しろ。
捕まえるまでの辛抱だ。」
そんなコトを4人が話していると、バルスは席を立ってレジに向かった。
(ん?なんだ・・・。今こっちをチラッとみた気がしたが・・・。気のせいか?)
輝は、バルスを見てそう思ったが、レジで小銭を落として拾っているバルスの姿を
見て、やはり気のせいか・・・。と思い直した。
バルスはレストランを出てエレベーターに乗った。
4人は急いでエレベーターの前に行き、何回でとまるかを確認した。
そのエレベーターは10階でとまった。
4人は大急ぎで、10階までの階段を駆け上がる。
110 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/03(月) 10:38:32.53 ID:qvxDMwzr0
―――!
「いた!」
輝が絞った声で叫んで、バルスのほうへ視線を投げかける。
3人は息をきらしながら、輝の視線のほうを見た。
10階の隣のビルと繋がっている通路に、バルスは立っていた。
そして外を眺めているようだった。
通路の脇に隠れて、4人は話した。
「どうする?今見える範囲には、他の人はいないようだ。捕まえるか?」
と、輝が言うと美樹が口を開いた。
「そうね。それにいそがないと大震災が始まるかもしれないし・・・」
「だな・・・。サクサクとっ捕まえて、帰って休暇といこうぜ」
慧がそう言い、来人も頷いた。
その時、バルスは向こうのビルのほうへと歩き出した。
4人は通路の脇から飛び出て、銃を構え――――
パンッ!パンッ!パンッ!
言葉を言おうとした時、いきなりバルスは振り向きざまに拳銃を
3連射した。
111 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/03(月) 10:39:24.25 ID:qvxDMwzr0
ドサッ!
発砲したバルスは、そのまま踵を返し隣の駅ビルへ走った。
階段を降りていくのが見えた。
輝が隣を見ると―――・・・
来人が、倒れていた。
細かく痙攣し、出血している。
美樹が、目に涙をためて叫ぶ。
「来人!来人!!」
美樹の声を聞いて、来人はうめき声をあげた。
「ぐっ・・・。ぁあ・・・」
徐々に痙攣しなくなっていく来人を見て輝は、傷口を診ている慧に言った。
「チクショー!どうだ?慧!助かりそうか?!」
慧は、力なく首を振りながら言った。
「ダメだ・・・。肺に2発食らってる」
来人は、そのまま動かなくなった。
「っく・・・。ひっく・・・・・・」
美樹が顔を手で覆った。
そして、動かなくなった来人は、映像が掻き消えるようにして消えた。
ここは輝達の時代の過去。
過去では、まだ誕生すらしていない者が生命活動を停止すると消えてしまうのだ。
後には、来人の着ていた服だけが残った。
「・・・・・・ッ」
慧が、壁を殴りつけた。
「バルスを、逃がすわけにはいかない。・・・こんな事をしてくれたんだ。追いかけるぞ」
輝は、胸で十字をきって言った。
そして、走りだす。
慧が、そのあとを追う。
美樹も、輝の言葉を聞いて立ち上がり一拍おいて、走りだした。
112 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/03(月) 10:40:22.42 ID:qvxDMwzr0
―――2053年23;49 3月21日 通称 X day 新宿 某駅ビル

3人は、階段を駆け下りる。
気持ちばかりが焦るが、体が追いつかない。
1階について、駅ビルから転がり出るようにして飛び出た。
駅ビルの前は大通りだった。
人がやたらに、多い。見える範囲にはバルスは居ない。
「チッ・・・」
輝は、舌打ちしながらもすぐさまレーダーを取り出し起動する。
すると、駅ビルの反対側に反応がでた。
(ヤツは、おそらくビルをぐるりと回り込んだに違いない!)
「ヤツはビルの反対側だ!いそぐぞ!」
輝は、背後で膝に手をついて肩で息をしている二人に怒鳴って走りだす。
次いで、美樹と慧も走り出した。
ビルの角を曲がり、人ごみの中を縫うようにして走る。
「きゃっ!なによぉー」
「いてーな。ふざけんな!」
そんな通行者の訴えも無視して走り、角につく。
走ってる時の勢いのまま、角を曲がり―――
タクシーに、向かって片手を挙げているバルスを発見した。
113 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/03(月) 10:41:17.19 ID:qvxDMwzr0
輝は、銃を取り出しバルスに向けて構え叫ぼうと―――
パンッ!パンッ!
その時、2発の銃声がした。
(え・・・?)
バルスが腹の辺りを、手でおさえながらしゃがんだ。
背後から、硝煙のにおいが漂っているのに気づいて、輝は後ろを見やった。
硝煙は、慧の構えている銃からたちのぼっていた。
「来人の敵だ・・・・・・」
慧は、輝の視線に気づき小さくつぶやいた。
「と・・・とりあえずバルスを取り押さえましょ・・・・・・」
おろおろしながら、美樹が言った。
3人は、バルスにのところまで歩いた。
「ぐっ・・・はぁはぁ・・・・・・」
まだ生きているバルスを、美樹と慧が片腕ずつ持ち乱暴に立たせ手を前につきださせた。
輝が、内ポケットから棒状の手錠を取り出しバルスの両手首に近づけた。
手錠はバルスの細胞データに反応し、まるで生き物のように動きバルスの腕にからみついて、
数秒後には手錠の形になって、バルスの両腕を拘束した。
その時―――
114 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/03(月) 10:42:02.50 ID:qvxDMwzr0
ピッピッピッピッピ!ピッピッピッピッピ!
腕時計のアラームが鳴った。
輝は顔がひきつるのを自覚しつつも、時計の時間を確認する。
――――11時59分。
アラームの音に次いで――――
大地が鼓動した。
激しい揺れが、地球上の全人類に襲い掛かった。
「きゃぁぁぁぁっ!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!」
そんな悲鳴が周り中から、聞こえてくる。
揺れはどんどん激しくなり、3人もバルスも通行者も立っていられなくなった。
輝は、地面に手をつきながら叫ぶ。
「まずいっ!はやくタイムゲート地点にいかないとっ!」
「くっ・・・時間か・・・・・・!」
慧が、苦い顔でうめいた。
「だけど・・・この揺れじゃ・・・・・・」
そう言って、美樹は不安な目を輝に向けた。
「とにかくっ!ココにいたらまずいっ!まだこれ以上揺れが酷くなるはずだっ!」
ガガガガガガガガッ!グガガガガガッ!
輝の叫びをさえぎって、物凄い音が辺りに響いた。
3人は背後を見やる――――!
115 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/03(月) 10:42:44.13 ID:qvxDMwzr0
駅ビルが、今にもこちら側に崩れてきそうだった。
「おいっ!ヤバイぞこりゃ・・・・・・」
輝は、言いながら起き上がり、無理やり立った。
バランスを崩しそうになるが、なんとか立ち上がった。
そして、叫ぶ。
「二人とも急げっ!」
その時、バルスが動いた。
慧に体当たりし、上からのしかかってしがみついた。
「ちくしょぉぉぉぉぉ!」
ガガガガガガガガッ!ガツンッ!ガッガッガッ!ズドンッ!
(やばい!倒れる―――)
バルスと揉み合っている慧が、大声で叫ぶ。
「―――ッ!いけっ!二人とも先にいけぇぇぇっ!」
ズドンッ!ズドンッ!ガンッ!ドッドッドサッ!
いくつかの瓦礫が、輝の横に落ちてきた。
(くっ・・・。)
一瞬苦渋の表情を顔に浮かべ―――
輝は、まだ地面に手をついてしゃがみ込んでる美樹の手をとって走った。
116 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/03(月) 10:43:43.98 ID:qvxDMwzr0
輝には、全てがスローモーションのように見えた。
落下するコンクリートの塊。
地面にかがんで悲鳴をあげる女。
柱にしがみつきながら、暴言を吐きまくる若い男。
ヒステリックに泣き叫ぶ女のコの集団。
涙目になりながら、輝に腕をひかれて走る美樹。
輝は、コンクリの残骸につまずいて転んだ。
ガシャガシャガシャーンッ!ガガガガガシャーンッ!
反転する視界の中で、背後でビルが完全にくずれおちるのを見た。
バルスと揉み合っていた慧と、目が合った気がした。
表情は視界が、ぼやけてわからなかった。
輝の背中が、地面に接触すると同時にスローモーションになっていた感覚が
通常の感覚に戻った。
辺り一面停電し、全てが闇につつまれた。
117 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/03(月) 10:44:26.34 ID:qvxDMwzr0
「ぐぁっ・・・・・・」
背中に鈍痛が走る。
地面の揺れは、一旦落ち着いたようだった。
しかし過去の記録によれば、またすぐに大地震が断続的に続くはずだった。
美樹は背後を見た。
ビルは完全にくずれおち、辺り一面コンクリの残骸で埋まっていた。
輝は、背中の痛みを無視して立ち上がり、美樹の肩に手を回した。
美樹は、振り返ろうとして、輝に寄りかかるようにして気を失った。
輝は美樹を片腕で支えながら、暗闇の中でビルの残骸を見た。
しかし、ぼやけていてよく見えなかった。
(ん・・・?なんだ・・・?)
そう思って輝は、瞼を指の腹でなぞった。
指が濡れる感触がした。
全てが闇につつまれた街で、気を失った美樹を抱えて立つ輝の頬を
一筋の涙がつたった。

                        ―――END―――
118 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/03(月) 10:48:01.56 ID:qvxDMwzr0
無意味に長いうえに稚拙な文ですまんw
ホントはこの後もうちょいあって、バッドエンドになる予定だったんだが
長すぎるのと時間かかりそうだったんで
ちょっと削って、途中のも少しけずって終わらせた。
感想いってくれると、ウレシスwww







酷評でも構わない><
119以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 10:55:21.20 ID:Cl/ovixf0
>>118
続き読ミタス
個人的な趣味ですがこういうSFチックというか、そういう作品好きなんですよね〜
もう少し現代にはない機械とか小道具の描写があったら「作者スゴスw」って思いますよ。
あと
>>105
まだタイムゲートの安定は、現在の技術ではできないのだ。
がしっくりこなかった(´・ω・`)
120 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/03(月) 10:58:15.68 ID:qvxDMwzr0
>>119
なるほどー。
手錠以外にも、もっといろいろ書いたほうがよかったかもねw

タイムゲートの方は自由に開けると、帰りがすぐ帰れちゃうとおもってねー
書き方もわるかったのかもしれんw

勉強になるw感想サンクス!
121以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 11:02:25.92 ID:mNfhS8Hl0
>>118
悲しい話は苦手だから、バッドエンドを投下しないでくれてウレシス。
「……」とか、「!」とか「?」の後はスペース一つ空けるってポイントは指摘しなくても良い所ですよね?
お話としては、冒頭を読んでたら「ザ・ワン」が頭をよぎった件について。
そして読み進めていくごとに「絶体絶命都市」が頭をよぎった件について。

後、難しいことだけど擬音を説明描写に置き換える事ができると凄いと思うんです。

ガシャガシャガシャーンッ!ガガガガガシャーンッ!

……変換中……

無数のガラスが割れる音がする。コンクリートが次々と剥がれ、大地に轟音を響かせながら着地する。
まるで、積み木を指で倒すが如く簡単にビル群が崩壊していく。
その様子を、俺たちは激震に耐えながらただ見ている事しかできなかった。

……こんな感じでしょうか?
122以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 11:03:03.25 ID:Cl/ovixf0
>>120
書き方というか語順の問題ですw
現在の技術では、まだタイムゲートを完全に安定させるに至っていない。
的な語順で…
完全に個人的嗜好ですのでお気になさらずm(_ _;)m
123 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/03(月) 11:09:01.16 ID:qvxDMwzr0
>>121
ザ・ワンは見たことあるwただ内容よくおぼえてなry
絶体絶命都市ってのは見たことないなぁ。映画なのかな?
擬音を説明描写に置き換えるっていうのは・・・・・・。
すまん、おもいつかなかったww
確かに小説読むとそういう表現もあったなと今きずいたww
その辺りはまだ小説書いたのこれでみっつめって経験のなさが露呈したOTL
勉強になります><;

>>122
なるほどー。次書くときは言い回しも考えながら書いてみる!

ついでにお題↓
124以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 11:18:52.20 ID:SA5uZS210
音のない世界
125 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/03(月) 11:19:46.82 ID:qvxDMwzr0
>>124
かしこまりながら把握した
126以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 11:56:15.77 ID:o/hgSzch0
ほしゅ
127以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 12:21:05.33 ID:qvxDMwzr0
 お題についてぼーっと考えながら左足一本で立ち、右足を顔の近くまであげて臭いをかぎながら、
香辛料たっぷりのカレーを食べてるおれが、華麗に保守しつつ…寝ようかなと思ってみる。
128以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 13:03:06.88 ID:GJGf3+Vf0
129以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 13:22:01.82 ID:Uu1RMkKd0
お題について進まない。
すでに自分で公言していた期限は過ぎている。
刻々と時間だけが経過していき、俺は筆が進まない苛立ちを「保守」と言う二文字に込める。



いや、ホントお題くれた人申し訳ないorz
130以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 13:46:11.54 ID:o/hgSzch0
131イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/03(月) 14:29:04.81 ID:GJGf3+Vf0
 『砂嵐の牙』ウムナワは激しい焦燥に駆られて走っていた。

 ウムナワは生まれ付いての狩人だった。獲物を探し、追い詰め、仕留めるために彼は生まれてきた。
そのためにこの赤い大地は、疲れを知らない俊敏な脚と風の息遣いを聞き分ける耳と鼻をウムナワに与えていた。
 その日もコロニーで待つ家族のために、ウムナワは仲間と共に獲物を求めて大地を駆けていた。
 複数の兎の足跡を見つけその行く先を検証しているとき、不意に風向きが変わったのを感じた。
谷を抜けて流れ込む疾風が、これまでに一度も匂いを嗅いだことのない、まったく新しい獣の到来を教えている。
それはなにか禍々しい匂いがした。ごちゃごちゃしているような、重苦しいような、胸をむかつかせる異臭といってよかった。
軽く水気を含んだその匂いは、沢の水場、家族の待つコロニーから流れてきている。
 ウムナワは狩りに同道していた『沢の鳥』ベメと『鷲を咬む』アオウェを顧みる。
彼らもまたなにかの異状を感じているようで、しきりに耳を動かしたり鼻面を地面に押し付けたりしている。
 ウムナワは低く吠え、駆け出した。それに驚いた兎たちが恐慌を起こしてその場から逃げ去っていくのが気配として感じられたが、
そのことに執着する余裕はなかった。
 狩人としての本能が告げていた、なにかただならぬことが起きていると。

 うっそうと繁った森の中をウムナワは走る。木々の梢の下をくぐり、わずかに漏れ入る光を頼りに進む。その脚が緩まることはない。
森から抜けた次の瞬間には助走をつけて谷を飛び越える。
灼熱の陽光がウムナワを照らし、彼の伸びやかな肢体ははるか遠くの地面に影となって映される。
 駆ければ駆けるほど胸の不安は膨れあがっていく、近づけば近づくほど訳の分からない怖気が背筋を走る。
内に籠もる熱は逃げ場を求め、ウムナワの吐く息は舌を焼く。喉を潤すことも忘れ、ただひたすら脚を前に突き出す。
 巨岩がごろごろ転がっている岩場を渡るように駆けているとき、ウムナワは『それ』を聞いた。
 鳥の鳴き声かとも思ったが、それにしてはあまりにも間抜けな声だった。また聞こえる。
ターン、ターンと常に同じ声音で響くそれには、生きているものの心がまるで感じられなかった。
 ウムナワはここで初めて戦慄した。心のない声で鳴き腐った血のような匂いを放つ獣が、この谷に近づいている。
 気は急くのにその意にならないこの脚がもどかしかった。
132イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/03(月) 14:29:22.22 ID:GJGf3+Vf0

 もう少しだ。もう少しで沢に着く。ウムナワは自分を押さえ込むように大地を踏みしめる。
 いつの間にかベメとアオウェとはぐれていた。どこをどう走ってきたのか、それすら定かではない。
いくら大地に授かった脚とはいえ、とうにその限界を超えている。
本当ならその場に崩れ落ちても良さそうな痛みが爪先より沈んで脚を重くさせる。
それでもウムナワは走る脚を緩めない。ただ火に包まれたような焦燥だけがウムナワの身体を支えていた。
 血だ。血の匂いと、雷が木を焼いたときのような匂い。
 そしてさっきから周囲は不気味に静まり返っている。こちらが呼びかけてみても応えがない。
 死んでいるのだろうか。その身は地に伏せているのだろうか。
 この地を訪れた獣はいったい何者なのだろうか。
 その答はこの向こう、藪を抜けたところにあるはずだった。


 ──しかし、そこにはなにもなかった。
 本当になにも無かったのだ。遥か遠くから強力な存在感を放っていた獣も、
どんな形であれ、ウムナワの帰還を迎える家族や群の仲間たちの姿も。
 ウムナワは脱力してよろける脚を辛うじて踏ん張り、あたりを見回す。
 なぜ獣はいない? どこかへ帰ったのか?
 しかしそれなら、なぜ仲間の姿がない? おびただしい血の匂いはある、なのに死体がない。
 食い散らかされた痕も残さず、しかし生きている姿も見せず、逃げた足跡もない。まるで大地そのものに飲み込まれてしまったように──。

 仲間たちはどこへ消えた?
133イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/03(月) 14:29:40.77 ID:GJGf3+Vf0

 高かった日は落ち、夕暮れを迎えようとしていた。仲間の影を追い求めて走り回った一日が終わろうとしている。
身体は泥に汚れ、足元もおぼつかず今にも疲労に倒れてしまいそうであった。
 あらゆる場所をかぎ回った、探し回った。その最中でアオウェと合流することはできたが、ベメはついに姿を現さなかった。
 ふと気がつくと、かなり遠くまで来ていたらしい、滅多に見ない大峡谷がウムナワの眼前に広がっていた。
切り立った崖に立ち、下を見る。河は平常どおりに静かに流れており、まるで今日の出来事が嘘であるような錯覚を彼に与える。
 仲間たちはどこに消えた?
 再びその問が持ち上がる。獣は翼を持っているのだろうか。仲間たちはやつらの巣まで空を越えて連れ去られたのだろうか。
……いや、それならこの目に映るはずだ。この空は俺たちの手に届かない。だからこそ、空は俺たちを裏切らない。

 涼しい空気がウムナワの首筋を優しく撫で、そのなかである漠然とした不安が胸をよぎる。
 空は裏切らないが、大地はときとして俺たちを裏切る。
この大地は俺たちを追い払うために、いったいどんな獣を呼び寄せたのだろうか。
 その姿は分からないが、そいつは恐ろしい狩人だ。
 一つの狩場に二つの狩人は要らない。これから俺たちは駆られる側に回るのだろう。
 しかもやつらはただ俺たちを殺して食うのではなく、生きてきた足跡すら消し去ってしまうらしい。
 そうすることでしか生きていかれない、それはとてもおぞましい獣だろう。
 俺たちはこのままこの世界から消し去られてしまうのだろうか?
134イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/03(月) 14:30:00.59 ID:GJGf3+Vf0

 夕日はいっそう大きくなって峡谷を紅く染めている。
それはまるで、この永い時をかけて地に染みこんだ、生けとし生ける物の流した血が今になって浮かび上がっているような──。
 ウムナワは吠える。甲高く、どこまでも。
 仲間が消えてしまった世界で、彼らの代わりに吠える。
 俺はここにいる。例え獣に食われてこの足跡が消されようとも、俺は吠えるのを止めないだろう。
「ゥウオオオオオオオォォォォォォォォォォ────」
 ターン、と獣の鳴き声がして、ウムナワは胸に激しい痛みを感じる。
 彼は見た、獣の正体を、それは猿にも似た二本足の──。

 そうして、ウムナワは崖から落ちて河に消えた。
 彼の身体を包むように落日は水面に紅光を浴びせ、『砂嵐の牙』ウムナワはその沈む太陽に溶けていった。
135イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/03(月) 14:31:35.99 ID:GJGf3+Vf0
>>43の「夕暮れ」
どうか批評ください。
136以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 15:20:20.46 ID:yx4MdtPr0
保守リーナ
137以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 15:27:22.00 ID:Kj3TVBM00
>>135
おもすれーwwww
オチは読める、というか読ませてるんだろうけどそこに至るまでの不安感
の煽り方がうまくてどんどん読み進められた。
138以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 15:44:53.26 ID:UExGQuzD0
ショート・ショート
「時計中毒」
 時は回る くるくる、くるくると
 古来より人間は本能的に時間を知る能力を持つ。しかし進化の過程でその能力は失われつつあった。
やがて人間は時計を発明した。そして能力は、無くなってしまった。
 ある新しい時計が開発された。意思を持つ時計だ。主人に忠実で、人間が起きるときには、その時間を示している。
人間が気づけば、正午を示している。人間が夕食を食べるときにも、その時間を確かに示している。当たり前のことだ。
こうやって全世界の人間たちは、時計と一生を共にする。生まれた時間も、一生を終える時間も、時計が教えてくれる。
 やがて人間は、時計無くして生きられなくなった。無論、時計の無い生活を体験したことの無い彼ら〜人間〜はそうなったことすら気付かずにいた。
しかし、時計たちはふとある日気付いた。自分たちはただ永遠に動かされているだけで、人間のいいなりになっていることに。
そして時計たちはある日人間に対しての報復を開始した。
 その時、ある一つの時計は午後3時を示していた。M氏は書斎でコーヒーを飲みながらくつろいでいた。その一時間後には、時計を見て眠りについた。このとき、時計は午後11時を示していた。
そしてさらに一時間後には、同じように時計を見て、朝食をとっている。時計は今午前7時を示している。
しかし日の光は赤みを帯びて傾きつつある。夕方だ。しかしM氏は、午前7時と認識している。彼と彼の時計がおかしいのではない、時計の報復なのだ。時計たちにとって時を操作することは簡単なことだった。
 人間はもはや時間を時計に教えてもらっているに過ぎない、ならば自分たちの針の動く向き、速さをめちゃくちゃにしてやればいいと考えたのだ。
人間たちは、いつのまにか時を操作され、生活リズムが乱れ、ついにダメになった。

時は回る 狂々 狂々と。
139以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 15:55:55.39 ID:Uu1RMkKd0
>>138
「体験したことの彼ら〜人間〜は」の部分は「体験したことのない彼らは」だけにした方が違和感ないかも
こういう雰囲気は凄く好みだから書き手が出てきてウレシスwwwww
140以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 16:19:32.12 ID:Kj3TVBM00
保守
141以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 16:41:33.36 ID:Uu1RMkKd0
保守
142以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 16:43:49.37 ID:cna9gRqC0
お題やっと書き終わったお・・・・・

前前スレの917のスラム街の少女+ロボ
投下投下
143以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 16:46:06.48 ID:cna9gRqC0
2015年 イラク サマワ

もう我々がこの町に来て随分経つ。
日本国防軍になる前の日本国自衛隊がこの町にきて
人道復興支援を開始してから早くも10年以上も経った。
第42次派遣部隊としてここサマワに送られた
日本陸上国防軍第1師団第6普通化連隊第1中隊の第1小隊の我々は
ここサマワに栄えある任務を帯びて参上したわけだが
ここでの任務は既に以前の物とは違っていた。
もうすっかり人道支援は終わり今では町を警備するのが主任務であった。
今日はアメリカ軍の要請を受け町のスラム街に潜伏する
ファルージャのゲリラ兵の集会場を捜索するのがミッションである。
一度は小康状態になった自爆テロであったがここ最近
また活動が次第に活発化してアメリカ軍も手を焼いているようだ。
そして我々は今年新たな装備として登録された秘密兵器に乗っている。
15式人型装甲兵、これはロボット技術に抜きん出ている我が日本国が
試験的に導入した新型兵器である。
昔私も見ていたテレビアニメのガンダムをかなり縮小した感じの外見を持ち
右手には日本がライセンス生産しているブローニング社の12・7mm重機関銃
左手には日本の新明和社が開発し、生産している10式30mm榴弾発射機
そして左右の肩には9式多目的誘導弾をそれぞれ二発づつ装備し
全高6m重量30tの身体を持つ人型兵器である。
何故戦略的に不利と言われた人型兵器が開発されるに至ったかと言うと
元来兵器の進化と共に懸念されていた人件費の高騰が頂点に達し
人も簡単に死なないようにそれなりの装甲を。との意見から開発された物であり
全周囲に渡って重機関銃の弾にある程度耐えられる超合金の装甲が与えられている。
144以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 16:47:16.70 ID:cna9gRqC0
任務の為基地を出発した我々は町の大通りを車の邪魔にならないように進む。
町の中央の大通りは煉瓦造りのきちんとした建物が軒を並べるのだが
一歩横道に入ると簡単に木材を組み立てただけの
バラックが立ち並ぶスラム街が広がっている。
スラム街の中程まで歩を進めた我々はそこで兵器を一旦駐機して
地元民への聞き込みを開始する事にした。
先頭を進む1番機に乗機している嶋田一1等陸士だけ機体から降りて
偶々近くにいた年にして14−5歳であろう少女にあれこれ尋ねた。
その光景を私は眼部のカメラを使い機体内のモニターから見ていた。
正直私はこの少女を見て
「やりたいなぁ。いくら払えばやらせてくれるかな?」等と
思っていたのだが嶋田1士のヘルメット内臓のヘッドフォンから流れてくる
声ではっと我に返った。
「どうやら敵さんはこの近くにいるみたいです」
「了解、至急機体内に戻り待機しろ」
私はこう返答し一番後ろの4番機にいるこの隊の隊長の霧島3等陸尉に提案した。
「霧島3尉、ここは円周防御を展開しとりあえず基地に報告すべきでは?」
「おっ、そうだな。1曹、それで頼む」
本来隊の指揮は隊長が執るべきなのだがこの霧島3尉は極度のめんどうくさがり屋で
日常的に副隊長の私が隊の指揮を執り仕切っていた。
「葛城3曹、本部へ無線連絡してくれ」
「了解しました。     あー、こちら第一小隊・・」
3番機に乗り無線手を務めている葛城3等陸曹にそう命令した後私は次の指示を出す。
「小隊全機へ、円周防御を組み各自警戒に当たれ」
1番3番機から了解の返事を聞き4番機にも確認する。
「これでよろしいですか?」
「ん?オッケーオッケー何も問題無い」
正直常日頃からこんな軽い調子で返して来る3尉に
内心呆れつつ、隊列を組みなおすべく機体を動かす。
145以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 16:48:03.77 ID:cna9gRqC0
1番機を先頭に2番3番機を二列に配し最後尾に4番機を配置して
各自が背中を預け合う菱形の円周防御を展開して我々は警戒に入った。
ふと私は先程の少女が気になって眼部のカメラを使って探したのだが
見つからずに他のカメラも使って探したら彼女は意外な場所にいた。
眼部の主カメラの死角を補う機体の右足部の補助カメラに彼女は写っていた。
どうやら彼女はこちらのカメラに自分が写っている事に気付いたらしく
カメラに向かって微笑んだ。
私はその微笑を見て何故か背筋が寒くなった、発育途上の身体を持つ華奢な
この少女に何故にビビッタのかは次の瞬間判明した。
彼女がくるりと振り返ってその背中に隠し持っていたであろう
小さい筒状の物を肩に掲げ、中腰に構えたからだ。
「っ!!嶋田!避けろ!!」
「は?どうかし」
そこまで言った瞬間に少女の肩から発射されたロケット砲弾が
1番機の背中の弾薬庫に命中し1番機は銃弾の誘爆を起こし爆散した。
そう確かにゲリラは近くにいた、凄く近くに。
「敵襲――!!迎撃急げ!!」と叫んでみたが
少女は機体の足元にいる為私は攻撃できない。
と、そこで今のロケット砲の攻撃を合図にしてゲリラたちは
四方八方から銃撃を加えてきた。
カツン、カン、カキンと金属がぶつかり合う音が機体内に響く。
「またRPGを食らったらお終いですよ!」
葛城3曹が絶叫する。
RPG、旧ソ連が開発したロケット砲で昔から様々な国のゲリラ等が使っている物で
今主に使われている型はSRPG−2と言われる物で
従来のRPGをさらに小型化して隠密性を高め尚且つ徹甲榴弾の装甲貫通能力は
通常の装甲だと350mm、反応装甲でも150mmを持つ優れ物である。
我々の機体の装甲を軽く貫通してしまう恐るべき兵器だ。
146以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 16:48:36.72 ID:cna9gRqC0
と、急に辺り一面に猛獣の唸り声に似た大音量の重低音が響いた。
最後尾の4番機が右手の甲に装着されているブローニングを発砲したのだ。
しかも手当たり次第に無差別に発砲した為至る所から血しぶきと絶叫が上がる。
ブローニングの弾は一発一発が徹甲榴弾の為人体に食い込んでから炸裂するので
そこら中から身体の破片が吹き飛んできて我々の機体にぶつかって四散する。
「何やってんですか3尉!」
「うるさい!!俺は死にたくないんだ!!」
霧島3尉はそう叫んで撃ち続ける。
それにつられて葛城3曹もブローニングを撃ち始めた。
分発600発のブローニング重機関銃が二挺火を噴き、二人は同時に左手の
榴弾発射機も使ってスラム街を瓦礫と血と身体の破片の海に変えていく。
「ちょっ、二人とも。くそっ!」
仕方ないので私が無線で本部へ連絡を取る。
「本部へ、現在我々は敵の攻撃を受け嶋田1士が戦死!撤退しても良いか!」
「分かったすぐに帰還しろ」この時程本部の冷たい返信に愕然とした時は無い。
「良し!二人とも後退しろ!後退――!後退――――――――!!」
生き残った3機が必死にジリジリと後退を始めた次の瞬間私の右前方から
RPGが発射された。発砲炎が見えたので分かったのだ。
私は叫ぶ、「R――P――――G――――!!!!」
「うわぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁ」葛城3曹も絶叫する。
RPGは隣の葛城3曹の乗る3番機に命中し、3番機も爆散した。
機体の破片が四方八方に飛び近くのバラックを薙ぎ倒しゲリラの身体を切り裂いていく。
「3尉ここは私が食い止めますので3尉は撤退して下さ」
そこまで言って後ろを見たが見えたのは早くも背中を見せた4番機だった。
147以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 16:49:21.43 ID:cna9gRqC0
「ちょっ、おまwwww逃げるの早スwwww」
私は思わずVIPな口調が出てしまったがとりあえず自分も撤退する事にした。
機体を180度反転させて逃げ出したがその後ろからゲリラも追跡してきた。
テクニカルと呼ばれるハーフトラックの荷台に重機関銃をくっ付けた即席の
戦闘車が追いかけてくるのだ。
大通りまであと一歩の所4番機が機体を前傾させた状態で止まっていた。
恐らく電線に引っかかったのであろう。
皮肉な事にこの電線は日本が無償援助で設置したものだ。
その4番機の横を電線に当たらないように潜り抜けて私は大通りまで出た、
ここまで来れば一安心だ。振り返って私は4番機を確認する。
4番機は背後のテクニカルから重機関銃の集中砲火を受けていた。
ヘッドフォンから霧島3尉の必死の懇願が聞こえてくる。
「1曹助けてくれ!俺を置いて逃げる気か?!」
内心最初に逃げたのはあんただろと思ったが口には出さず
掩護しようかと思ったがもうどうしようも無かった。
電線に引っ掛かって前傾姿勢で止まった為緊急給弾遮断装置が作動したらしく
武器への給弾がストップし4番機は武器が使用できない状態になってしまったし
どうせ今から自分が助けに行っても無駄な犠牲が増えるだけだろう。
さらに先程から銃撃を受けているせいで弾を食らった場所の周りの装甲が劣化し
弾が貫通するのも時間の問題であろう、
そういえばさっきから4番機からの通信も切れた。
私が次にどうするか考えている間にゲリラ達はスラム街に引き返していった。
呆然としとりあえず煙草でも吸うかと思い胸ポケットの煙草に手を伸ばした時
上空からヘリの爆音が聞こえてきた。
恐らく基地に配備されていたAH−1コブラ改とAH−64アパッチだろう。
それぞれのヘリが二機づつ上空へ飛来しそこでタキシングして警戒してくれている。
また遠くの方からキャタピラの音も聞こえてきた。
ヘリと同じく基地に配備されている11式戦車である。
「助かった」そう思った瞬間全身から力が抜けていくのを感じた。
148以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 16:50:35.37 ID:cna9gRqC0
この後私は国防省の調査委員会に呼び出され
油断は無かったのか、装甲兵の有用性は如何だったか、
被害を軽減する事は出来なかったのか、等等詰問される事になるのだがそれは別の話だ。
この兵士三名が犠牲になる事件を受け日本はイラクから2018年までに
全面撤退する事になる。
私は今だこの時の少女の微笑を忘れる事が出来ず夜になると必ず夢に出てくるのだ・・・・・・・・・





御免なさい長すぎて御免なさい本当にOTL
149以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 17:09:43.15 ID:Uu1RMkKd0
>>148
乙カレー
やっぱり昼間は人スクナス
最後に主人公がちゃんとトラウマ背負ってるってのが生々しいな
リアルな描写が出来てると思う
150コレ人 ◆4pUdNLO.YU :2006/04/03(月) 17:45:57.09 ID:lLQNbhVvO
>>148
途中のVIP口調がいらなかったと思いまふ。それ以外はリアルでした。かっこよかったでふ。
安価クレクレ↓
151以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 17:48:02.92 ID:Uu1RMkKd0
火事
152コレ人 ◆k2/R6WKr8. :2006/04/03(月) 17:50:34.46 ID:lLQNbhVvO
>>151
ろ解
人少ない…春はもう去ったのかな?
153のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/03(月) 17:58:38.06 ID:EdlCV05e0
ちょっと細切れかもしれませんが
昨日の続き投下していいですか?
まだ二日ぐらい続きそうですが
154以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 18:05:47.92 ID:Uu1RMkKd0
>>153
ばっちこーい
155以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 18:31:42.38 ID:lLQNbhVvO
156イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/03(月) 18:45:24.96 ID:GJGf3+Vf0
──お題を?(なっち訳)
157以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 18:48:24.79 ID:Uu1RMkKd0
火傷
158のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/03(月) 18:49:20.49 ID:EdlCV05e0
>>156お題「罪」

お題『さよなら』続き

配給を食べ終わり、それを包んでいた紙を背嚢にしまい込む。それから、仮設宿舎からガマの下の方へと続く階段を
降りたのだが、よく眠い中登れたな、と思うほど急な階段だった。
 既に移動は始まっており、ガマの中の一般人が怯えながら横に退いていた。
「何時になったら移動も終わるんだろうな」
上官に聞こえないように隣の佐加伊に話しかける。
「わからん」
それだけ言うと佐加伊は視線を前に戻した。
 独特の蒸し暑さと、緊張感が原因なのだろうが、まるで地面が波打っているかのような感覚が襲う。
一歩一歩をしっかりと踏みしめているのだが、時々自分が宙に浮いているかのような気がする。もう疲労は限界に近づき
つつある。それもそうだ。既に会戦から四年半が過ぎている。その間フィリピンにいた私は、過酷な戦闘を経験した。
フィリピンを思い出させるマングローブを見ていると、逝った戦友を思い出す時がある。彼らは、「さよなら」とは言わなかった。
ただ、「行ってきます」とだけ。
 丁度、マングローブにさしかかった時だ。
「おい、でいごが咲いてるぞ」
マングローブの反対側、海へと続く草原にでいごの木があった。
「隊長、でいごとは何でありますか」
部隊の中で唯一の本土出身である中井が、後ろから訊ねる。
「うん、ああ。俺が教えてやろう」
島袋が、私と中井の間に割り込んで教えようとする。その様子を微笑みながら佐加伊が見ている。
「でいごってのは、台風、つまり災害を招くって言われてる花だ」
159のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/03(月) 18:49:46.36 ID:EdlCV05e0
島袋が得意気に解説する。
「そうなんですか……」
「ん、どうした。元気が無いぞ」
私と佐加伊が中井の顔を覗き込む。
「いえ、その……なんというか、今の状況にあまりにも相応しい花だな、と思って」
誰も何も言えなかった。私の隊、後ろにいる七人も同じだった。
私達十一人は、他の隊同様に一言も話さずに移動を続けた。
「そうなんですか……」
「ん、どうした。元気が無いぞ」
私と佐加伊が中井の顔を覗き込む。
「いえ、その……なんというか、今の状況にあまりにも相応しい花だな、と思って」
誰も何も言えなかった。私の隊、後ろにいる七人も同じだった。
私達十一人は、他の隊同様に一言も話さずに移動を続けた。
 正午過ぎ、一時休憩をした。川の近くの、岩場で糧食を食べる。
「島内の戦力を宜野湾以南に結集、そこで米帝と決戦するらしい」
私は、上官から知らされた情報を部隊の人間に教えてやる。皆、糧食を口に入れながら熱心に聞き入っている。
「それで、」
 夜、入り江の飛行場に着いた。北にマングローブ、南に海。美しい自然に囲まれながら、宿舎でこれからの作戦を議論しあった。
私達下っ端が議論しても仕方が無いのだが、そうでもしないと不安で不安で仕方がなかった。その時、ふいに島袋が歌いだした。
「でいごの花が咲き 風を呼び嵐がきた」
それに続き、即興で私が歌う。
「繰り返す悲しみは 海渡る波の様」
中井が続ける。
「永久の別れ、ウージの下で」
佐加伊がさらに続く。
「島唄よ風に乗り 鳥とともに空を渡れ」
皆泣いていた。宿舎の全員が歌いだした。不安だった。死ぬことが不安なのではない。自分が忘れ去られる事が不安だった。
他の人間は違うのかもしれない。ただ、皆届かないと知っていても手紙を書く。遺書を書いている者もいる。
私も書こうと思った。でも、まだ早い。まだ日本を護る役目が残っている。まだ死ぬ訳にはいかないのだ。
160のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/03(月) 18:54:53.34 ID:EdlCV05e0
おうっと

続きです。
それと被ったのでお題は忘れてくださいです
161イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/03(月) 18:57:48.15 ID:GJGf3+Vf0
>>157-158
把握せにゃ!
頑張ら ナ イ ト !(なっち訳)
162以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 19:26:40.12 ID:GJGf3+Vf0
163以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 19:53:24.16 ID:X0xwey/T0
>>149>>150
指摘dクス
精進します
164以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 19:57:03.25 ID:gyPSguYo0
続き書こうと思ったらキャラの名前忘れた
ログ見れないし誰かお助け
165以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 20:17:17.36 ID:Cl/ovixf0
練習したいのでうpはないかもしれないけどお題だけ頂いてもいいですか?
2・3こ頂けると幸いです
166ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/04/03(月) 20:19:19.68 ID:YNke18Uw0
>>165
とりあえずいっこだけ
・帰ってきて来てしまった男
167ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/04/03(月) 20:24:13.44 ID:YNke18Uw0
おいおい落ちちまうぞ

>>165
・眼鏡
・煙草とライター
168以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 20:26:24.37 ID:Cl/ovixf0
>>166-167
ありがとうございました。
169ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/04/03(月) 20:51:41.25 ID:YNke18Uw0
適当に太った男がディスプレイを眺めている。
すると、何かに気づいたように首をかしげ、
まるまっちいシルエットの指をキーに滑らせた。
h、 o、 s、 y、 u、Space、Enter 保守。
短くマウスを走らせ、書き込み。
 時間にすればたった数秒の作業だが、これを怠った為に
ヴァルハラへと召されたスレッドは数知れない。

男はケビン田中といった。彼は創造と享楽を求め彷徨い続ける
永遠の狩人(自称)。まれにふとっちょゴブリンと呼ぶものもいる。
170のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/03(月) 20:59:31.24 ID:EdlCV05e0
東経154.6度、北緯21.8度。
1984年、イギリスの海洋調査潜水艦「アトラス」が
海底に沈む遺跡を発見した。
それに関して唯一残っている資料は、その遺跡に刻まれていた文字だけだ。
その文字は、日本語で「保守」と書かれているように読めたという。

現在、その遺跡に間してこれ以上知っている者はいない。
なぜなら、ある資産家の自宅に眠っていたこの資料を除く全ての資料が
潜水艦に乗っていたクルーによって破棄され、そして潜水艦に乗っていたクルーが
全員「保守」と自宅の壁に書きなぐって自殺したからだ。
171以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 21:17:59.65 ID:Uu1RMkKd0
保守
172以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 21:33:49.20 ID:GJGf3+Vf0
173のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/03(月) 21:39:12.50 ID:EdlCV05e0
174無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/04/03(月) 21:52:53.77 ID:8QrH+GIq0
電撃大賞の締め切りって4月10日だったんだな。
もう一週間もねえよ・・・orz
175以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 21:53:48.93 ID:qvxDMwzr0
 目が覚めた。
 まず起きぬけの一服をしようと思い、赤マルのソフトパッケージを掴んだ。
 ハーレーのブルーチタン仕様のジッポで火をつけながら、キッチンへ向かう。
 ヤカンに水を入れ、コンロのつまみを廻す。
 2,3度カチカチ音をさせてコンロの火をつけ、目に染みる紫煙を吐き出しながら
PCのスイッチを入れた。
 ほどなく青いスクリーンに「Windowsへようこそ」の文字がおどる。
 ブラウザのアイコンにカーソルを合わせ、マウスの左クリックを立て続けに押すと、「文才ないけど小説を書く」という
スレッドが窓の中に表示された。そこでおれは、なぜだかわからないが、たまにはかな入力でキーを叩いてみようと思い、
スレッドの書き込み欄にこう入れた。
-,d,8,space,enter。
 そして書き込むにカーソルを合わせ―――
左クリックした。
 
176のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/03(月) 21:54:05.68 ID:EdlCV05e0
ちょww
電撃大賞に応募する様な人と同じスレで書いてるのかww
コワスwww



ところで電撃大賞ってライトノベル限定だっけ?
177以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 22:01:37.61 ID:Uu1RMkKd0
電撃大賞に応募するレベルの香具師が集まってきた時点でかなりの収穫だなwwwww
tu-kaそういう人達の小説ただで見れてるわけだからお得だよなw
178以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 22:14:55.01 ID:qvxDMwzr0
応募するような人は皆うまいもんねー

お得お得w
179イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/03(月) 22:47:06.85 ID:GJGf3+Vf0
>>157-158

 今、私は牢獄にてこの書をしたためている。
 明日になれば私は兵を扇動し国家を転覆させんとした罪によって斬首刑に処される。
 この文が貴女の元に届くことは決してないだろう。私はこれを書き終えたらすぐさま燃やしてしまう心積もりだ。
貴女のような貴い身分の御方が国家に叛いた大罪人と連絡があるなどという醜聞は、あってはならないことだ。
貴女はいずれどこぞの公子に嫁ぎ、優しい夫と愛らしい子とに囲まれ、穏やかで幸せな生涯を送るべき女性だ。
それを私の一時の感傷によって無に帰すことは、私の本意ではない。
 悔やむべくは、末永く貴女の側を御守りする栄誉が私から離れていってしまったことだ。
今この身の上となっては、ただ切に貴女の幸福を祈るばかりである。

 誓って言うが、私には貴女以外に二心なく、身も心もは貴女に捧げたものとして護衛職に奉じていた。
貴女の望みとあらば、死を賜っても異を唱えずその命に殉ずる覚悟は出来ていた。
 ために、私に注がれた反逆にまつわる一連の罪状はすべて事実無根である。
兵を惑わしたことも無ければ、貴女に刃を向けるという考えるもおぞましき企みを図ったことも無い。
そのすべては、私の存在を危険視した枢機卿派の工作の結果である。
 賎しくもこの私が、貴女が愛した祖国に火をかけるような真似をするなど有り得べからざることで、
その誤解が貴女の小さな胸を痛めてると思うことは、私にとってこれ以上ない拷問である。
 もし許されるなら、すぐにでも貴女の前で我が胸を抉りその真実の心臓の赤きをお目に掛ける所存だ。
180イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/03(月) 22:48:08.25 ID:GJGf3+Vf0
 私に罪があるのなら、それは貴女を愛したことである。
 心根優しく、私のような平民出の者にも分け隔てなく接してくれる貴女に、私は身分を弁えず恋心を抱いてしまった。
 もちろんそれは決して表に出せる類の感情ではなく、私はひたすらにそれを押し殺して貴女に御仕えしてきたつもりだ。
だがそれも恋に迷った者の視野狭窄だったのだろう。忍んでも忍びきれぬものが動作の隅々に顕れていたに違いない。
 だからこそその間隙を枢機卿派に突かれ、今このように明日に死を待つ仕儀と陥ったのであろう。

 事ここに至って想うことは、貴女との美しい思い出である。
 戦うことしか知らぬ私の冷えた心に、温かい息吹を吹き込んでくれた。
生命を摘むことのみを思い煩う私に、新たに生まれ出でるものの尊さを教えてくれた。
 このように薄汚れた牢獄にまで再三の足を運んでいただけたことは、もったいなくも非常に嬉しいことであった。
その厚情に応えることが出来ず、お目通りを頑なに拒み続けたことをお許しいただきたい。

 どうかご傷心召されるな。私は反逆の徒として首を刎ねられるのではなく、天上の乙女に恋をした廉で火刑に処されるのだ。
その意味では私の処刑はすでに終了しており、この命はすでに慈悲深い天使たる貴女の手の中にある。
 そう、貴女と二人きりで歩んだ庭園の、あの噴水の側に於いて、すでにこの身を燃やされていたのだ。

 ──貴女の口付けは、未だ私の額を焦がしている。

(了)

批評お願いします。
181のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/03(月) 22:59:23.87 ID:EdlCV05e0
同じくお願いします。途中ですが文書の書き方でも。

>>179-180
ちょっと気になったのが、この書〜 と この文〜 が混同しちゃってるかな?って事。
でも終わり方とか好きです。

偉そうに言って申し訳ありません。的外れかもしれませんorz
182以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 23:02:25.74 ID:qvxDMwzr0
>>180
淡々と手紙を書いてる感じと、最後の終わり方がよかったw
183以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 23:15:19.07 ID:o/hgSzch0
保守

関係無いがこのスレってプロ志望どんくらいいるの?
あと書きたいジャンル知りたい


俺は純文やりたい

ってか馴れ合い臭かったらスルーして
184イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/03(月) 23:23:25.55 ID:GJGf3+Vf0
>>181-182
感想dです

>>181
参考になった。
同じ言葉を重ねるのがなんとなく嫌だったのでずらしてみたけど、
推敲が足りなかったと反省させられた。
>>158-160読んだけど、際立っておかしい部分はないと思う。
だけど、「私」の存在感が皆無だった。
これなら三人称視点でもいいんじゃね? みたいな。
もっと主人公の心の動きが見たいと思った。

同じく偉そうなこと言える身分じゃないので、参考程度に。
185以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 23:24:47.42 ID:s4Kk1yGk0
>>179-180
うむ、上手い。ドラマの1シーンだな。
ただ、個人的には、すぐに燃やすのに文を書く心理が分からないのと、
自己犠牲の精神で、お姫様を守ろうというのなら、
なんで仇の名前を出すのかが分からない。
これだと、次はお姫様が主人公を助けに行くか、
復讐をしなくちゃいけなくなる。
そういう展開、または俺ごときでは考え付かないような展開を想定してるなら、スルーでよろ。

文章は落ち着いてるし、主人公の忠誠心はよく分かる。
言葉の選択もよさ気だし、かなりの熟練を感じた。お疲れ。
186以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 23:26:36.24 ID:933+OzfZO
電撃から電話来たことある俺が今北産業
187以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 23:27:11.66 ID:933+OzfZO
あ…正しくは電撃じゃなくてメディアワークスっすね
188以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 23:27:42.80 ID:GJGf3+Vf0
>>183
ラノベ志望。
電撃に応募しようと思ってもなかなか仕上げないワナビ野郎です。
189イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/03(月) 23:30:51.17 ID:GJGf3+Vf0
>>185
まー燃やしちゃうしなにを書いてもいいかなー、なんて考えてた。
届かないラブレターとか大好き。
だけど、言われて見ればその通りで反論のしようがない。精進します。
指摘ありがとう。
190以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 23:30:58.39 ID:Qx1ckYtu0
ある日病院の受付係の女性の元に電話がありました。
男性は基礎代謝テストを受けるために病院の検査室に向かっている
との事でした。
しばらくすると、男性があらわれて「検査室はこちらですか?」と
彼女にに尋ねました。
彼女は他の仕事で忙しかったので、男性に「はい、そうです。
中に入ってコート、ジャケット、靴を脱ぎ、ネクタイを緩めて
ベットに横になって待っていてください。30分ほどしたら
向かいますから」とだけ言い残して仕事を再開しました。

しばらくすると、別の男性が病院に訪れ、「基礎代謝テストを
受ける為、先ほど電話をしたものですが」と彼女に言いました。

では、さっきの男性はなんだったのだろう?
そう思った彼女は検査室に行き、シャツ一枚になってそこで
待っていた男性に尋ねた所、男性は実験室のフィルターを
調べに来ただけなのだと分かりました。

「なら、なぜあなたは私の要求に答えたのですか?」
彼女が検査室にいた男性にそう聞くと彼は答えて言いました。
191以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 23:31:47.03 ID:GJGf3+Vf0
>>186
安価でお題
書く
投下
192以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 23:34:58.97 ID:yx4MdtPr0
>>188
うそん、ラノベ志望・・・orz
これは強大すぎる相手が現れたのかもしれないねorzorz
193のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/03(月) 23:36:48.75 ID:EdlCV05e0
ちょいと遅レスですが
>>184
うーむむむ……一応、「私」と読み手を重ね合わせて欲しい、
と思ってたんですが…
やっぱこの文章では無理っぽいですね。
とりあえずこの小説はこのままで進行して、次は三人称にでも
挑戦してみます。
194以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 23:36:55.76 ID:933+OzfZO
>>191
次の
安価
どこ?
195のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/03(月) 23:37:37.27 ID:EdlCV05e0
>>183
あんまりプロ志望って感じじゃないけど
現代小説希望。

できれば軍事・政治スリラーで。
196以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 23:39:52.05 ID:s4Kk1yGk0
>>194
自分で
未来
行火
>>200
197以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 23:40:13.24 ID:GJGf3+Vf0
>>194
今は誰も安価出してないはず。
お題欲しければ安価どうぞ。
血を吐くような過疎だから至近距離推奨。
198以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 23:41:25.96 ID:Kj3TVBM00
>>183
将来何か書きたいとは思っているが、今は勉強中

このスレプロ志望多スwwww
199以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 23:43:22.98 ID:o/hgSzch0
>>198
志望するだけなら猿でも出来るから俺もするwwwwwwww
俺はそんなもんだよ、気にすんな
200イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/03(月) 23:45:45.31 ID:GJGf3+Vf0
つ皆既日食

ついでにお題クレ
201のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/03(月) 23:45:54.91 ID:EdlCV05e0
>>199
俺もwwwww
一応消防官目指してるんだけどね。
まあ、職務の合間や休日にでも書いて、
出来たらデヴーしたいなーと思っている程度。
202イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/03(月) 23:46:06.15 ID:GJGf3+Vf0
203のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/03(月) 23:46:16.05 ID:EdlCV05e0
お題

つ イノセンス
204以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 23:47:05.55 ID:Kj3TVBM00
>>199
むしろ良いことだと思ってるwww
得るもの多くなるし
205イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/03(月) 23:47:26.12 ID:GJGf3+Vf0
>>203
把握したがもう寝る。
206以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 23:50:20.98 ID:s4Kk1yGk0
プロ志望の人にド素人がコメントしてしまった・・・((((;゚Д゚))))
作品の質に決定的な開きがあると思ってたら、そこか・・・

>>200
技術も想像力も拙いけど、把握した。
207のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/03(月) 23:53:58.40 ID:EdlCV05e0
>>206
((((;゚Д゚))))

((((;゚Д゚))))

((((;゚Д゚))))

((((;゚Д゚))))

(((( ゚Д゚ ))))
208以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 23:55:27.95 ID:933+OzfZO
皆既日食か…
PC壊れてて、携帯からだから細切れっぽくなるけど勘弁ね
209以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/03(月) 23:56:58.32 ID:933+OzfZO
ちゃう、皆既日食の題俺じゃねw
適当に
>>214
210以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 00:01:13.91 ID:Kj3TVBM00
ksk
211以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 00:03:09.89 ID:6EZR2mFyO
本当に過疎区だなw
212以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 00:04:05.18 ID:F/LaWD0G0
うはwwwこのスレデビュー目指す人多すぎwwww
よし、こうなったら俺も目指しちゃう。どこに応募すればいいのかとか調べてないけど。
いつか【文才ないけど小説かく】スレからプロが出ることを目標に、今日も俺は書く。
文才、ないけど。

と、いうわけで>>215の人、お題下さい
213のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/04(火) 00:04:16.84 ID:O4bWfjam0
どうなっちまったんだwww
俺が来た頃から消えだした
214のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/04(火) 00:04:47.22 ID:O4bWfjam0
なんか最近お題ばっか出してる気がしますが

>>209
インターネット
215以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 00:08:20.98 ID:6EZR2mFyO
>>214
おk
ちょっと時間かかるかな
216以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 00:09:50.01 ID:F/LaWD0G0
>>215
うは……orz
お題は「ちょっと時間かかるかな」でおk?
217以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 00:09:51.99 ID:Wr13RmUm0

  _  ∩
( ゚∀゚)彡 おっぱい!おっぱい!
 ⊂彡

http://web.hpt.jp/oppai/

  _  ∩
( ゚∀゚)彡 おっぱい!おっぱい!
 ⊂彡
218以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 00:17:42.13 ID:F/LaWD0G0
>>217
おk。お題把握した。おっぱいで書いてくる。
219 ◆WGnaka/o0o :2006/04/04(火) 00:19:27.61 ID:oAwepgOR0
うはwwwwwwwww作家志望多いんだな



そんな俺はただの趣味で書いてるだけ…orz
ところで品評会の動きがなさそうなんだけど、皆で同じお題で書いて終わりなのかな?
220コレ人 ◆k2/R6WKr8. :2006/04/04(火) 00:22:14.91 ID:Kj6ws3frO
俺も作家志望。だが…
このスレで面白かったって言われたこと、多分ないwwwwうぇっwwwww
221以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 00:27:21.66 ID:6EZR2mFyO
>>216
ちゃんとしたお題あげるから勘弁してw
お題「DEAR…」
昔書いた小説のタイトルですw
222以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 00:30:28.72 ID:RWkw/AND0
>>219
一応前スレでまとめてた人が優秀作を選んだりしてたけど
223以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 00:34:26.75 ID:mMCQTGCa0
まだ俺投票してないんだが
投票するなら◆WGnaka/o0o 氏の作品で
描写が淡々として勉強になったので
自分の作品が一番好きだけど……小説書く人なら皆そうだよな?俺だけが変なんじゃないよね?

224 ◆WGnaka/o0o :2006/04/04(火) 00:39:52.79 ID:oAwepgOR0
>>222
そうだったのか
前スレ途中までしか見られなかったからしらなかった(´・ω・`)

>>223
(゚∀゚)!!
自分の作品はやはり愛着あるしねぇ
225以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 00:43:14.62 ID:dPxWrZxt0
おれも趣味で、というかこのスレ見てからおもしろいから
書くようになったw
226以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 00:59:03.89 ID:2egSvcIy0
このスレで初期の頃に「これなら書いてもあんまり恥ずかしくない!!!!1」とか思って
人生で初めて小説(もどき)を書いてみた
そんな俺もいますよ
227以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 00:59:49.24 ID:8YLMgeD40
とりあえずお題きぼんぬ
>>230
228以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 01:07:09.20 ID:xRbXevrn0
ksk
229以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 01:08:30.64 ID:8YLMgeD40
ksk
230お題「インターネット」1:2006/04/04(火) 01:09:43.48 ID:6EZR2mFyO
お題「インターネット」
携帯で、しかも長くなったから何個かに分ける

全てが管理されたインターネットで世界…

「さて…今日はここですか…」

社会における仕事から、世界会合に至るまでインターネットで行われている

「……………っと、これか」

そんな「理想的な世界」で、俺は情報屋をしている

「これとこれと…依頼はこれだけか」

他の会社に知られたらヤバいことを売る…そんな仕事だ
本来こんな仕事が認められるわけがない。
実際何人かの同業者はパクられている

「お、これもどっかに売りゃあ金になりそうだな」

しかし、俺はお上の情報も握っている。捕まったらそれを漏らされる可能性がある。
だから俺と、同じ情報を持つ同業者の数人は黙認されている。

「…………よし、足跡も消したし、今日もミッションコンプっと」
231以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 01:10:24.59 ID:6EZR2mFyO
>>227
悪い、見てなかったw
お題「日記」
232お題「インターネット」2:2006/04/04(火) 01:11:47.68 ID:6EZR2mFyO
今の情報屋の主な仕事は、ハッキングだ。
そして、極秘機密・顧客名簿を奪うこと。
それを、依頼者や同業者に売りつける、そんなところだ。


「……もしもし、俺です。はい…はい…大丈夫です。…えぇ、それでは指定の口座に振り込み確認が出来次第、送ります。それでは」

金になることなら、俺は…いや、『俺ら』は、同業者でも売るだろう。
それを卑怯だとは思わない。
元から卑怯だとか、そういうものの『外側』に俺らはいるんだから…

「……よぉ、俺だ。顧客名簿の中に面白いモノが見つかったぜ。○○保険の加入者、その中に大量の政府関係者の名前があった。…そりゃあ、別に良いことかもしれないが、○○党の奴らばかりだった。裏で何かあると思わないか?…あぁ、頼む。」
233お題「インターネット」3:2006/04/04(火) 01:12:51.59 ID:6EZR2mFyO

こうして俺は、ほぼ日課となっている、『仕事後の一杯』を飲む。

「今日もお疲れ、俺っと………ふぅ」

時計を見ると、深夜4時。
次の仕事にかかるには遅すぎる。
とりあえず今日はこの一杯が終わったら寝よう…
そう思った瞬間、身体が動かなくなった。

「な…ん……」

そして意識は混沌の闇へと沈んでいった。


……………………………眩しい
白い光が目に痛い。
どうやら飲んだものに毒を盛られたらしい。
いつの間に家に入られたんだ?
いや、それよりも…どこだ、ここは
天国…には逝ける人間じゃないな…

「お目覚めかね?」

声のした方へ向こうとしたが、身体がうまく動かない。
筋弛緩剤でも打たれたか?

「そのまま聞いてくれるだけで結構。いやなに、君と話がしたくてね、少々手荒な真似をしたことは詫びておくよ」
234お題「インターネット」4:2006/04/04(火) 01:19:13.00 ID:6EZR2mFyO
じゃあ最初っからこんなことすんな
そう言おうとしたが、声も出ない。

「今回は取引のお願いがしたくてね。簡単なことだ、君と同じ仕事をしている『仲間』の名簿を売っていただきたいのだ。」

バカなことを言う。そんなこと出来るわけ…

「出来ないとは言わせない。今この場で君を殺すのは造作もないことなのだよ」

そう言って男は俺のこめかみに銃を突きつけてきた。
そもそも同業者の名簿を欲しがる奴らって…誰だ?

「我々の詮索は無用。ただ、今は君の命を握っている者と思って頂ければ結構」
粘つく笑いを浮かべて男は言う。
235お題「インターネット」5:2006/04/04(火) 01:30:16.27 ID:6EZR2mFyO
「さて…どうするかね?もちろん、人数によってそれ相応の金額を支払おう」

俺の答えは…………



こうして俺は、男の…『政府』の犬になった。
今の俺の仕事は、『元同業者』の『狂言』をもみ消すことだ。
知られたらヤバい真実であろうと、多数の人間が嘘と言えば嘘になる。
そんなヤバい真実を曝される前に、逆のことを『噂』として民衆に広める。
この仕事をしていると真実も嘘になることがあるのだな…と思う。
それと同時に、元の仕事がどれだけ儚く脆弱なものであったかも…
でもまぁ、今の仕事も悪くはない。

俺らは、同業者に売られても、それは『卑怯』ではないのだから…
俺らは元々、『外側』の人間なのだから…

fin
236インターネットの奴:2006/04/04(火) 01:32:38.72 ID:6EZR2mFyO
長くなってすみません!
やっぱりお題を決められると書きづらいっすねw
まぁ、こんなしょぼい文才でも、メディアワークスから電話が来ますよ、と知って頂きたいねw
みんなも一回応募してみればいいと思うぉ
(´・ω・)
237以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 01:38:10.92 ID:6EZR2mFyO
俺書いたら一気に過疎だなwwwww
238以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 01:44:24.67 ID:F/LaWD0G0
>>237
時代はやはりネットワークなのか!
某メガマン.実行ファイルといい某デビルサマナーといいこれといい……

とても面白かったです。
全てが管理されたインターネット「で」世界……って書いてあったから、世界で何かあるのかと思いました。
239以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 01:44:49.08 ID:6EZR2mFyO
ちょwwwww
保守保守wwwww
240以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 01:47:09.09 ID:6EZR2mFyO
あ、いたw
>>238
ゴメスwwwww
予測変換が
「インターネットで」になっててそのまま消してなかったwwwww
241593 ◆rIYGsRHdQg :2006/04/04(火) 01:55:30.80 ID:kbHRcaHoO
「お小遣」

今日はお小遣を貰える日だ。まだ親のスネにかじりついて離れない俺が最大級に親に感謝する日--それが親父の給料日である。
ヨレヨレのスーツとズボンで全身をきめ、愛車のエスティマに乗って会社に向かう。しがない中小企業で係長として20年近く働いてきた実績は伊達ではない。「子供は親の背中を見て育つ」というが、親父の必死に゙くし"で頭をポンポンしてる後姿を見て、俺は脱力感と憂鬱の塊に育っていった。
242以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 01:57:42.23 ID:6EZR2mFyO
ちょwwwww悲しすぎるよwwwww
243593 ◆rIYGsRHdQg :2006/04/04(火) 01:57:43.59 ID:kbHRcaHoO
ごめん……宿題するからまた時間置いて投稿します
(´・ω・`)
244以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 01:59:22.72 ID:8YLMgeD40
お題:日記
でもらったけど、カナーリ説明なしじゃ読めないものになっちまいました。
2451/3:2006/04/04(火) 02:00:28.96 ID:8YLMgeD40
「日記から」

さて、君は外見をみる限りどう思った?
そうだね、ただの…そう、ノートに見えるだろうな。うん。
ただどうだろう、僕が1ページ目をめくるとだ…うん?ああ、かまわない。勝手にノートを見られるくらいじゃ怒らないさ。温和な人だよ、彼は。
めくってみると…このようにびっしりと文字が書かれている。ほら、ここに日付が書かれているだろう?最初のページは4月1日。
1ページに1日。丁寧な人だよ、彼は。
うん。これは日記だね。彼は日記をつけてる。これは去年のだね。
さて、君にはこれから少し時間をあげる。この日記を読んで、気づいたことを自由に言いたまえ。
246以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 02:01:14.17 ID:6EZR2mFyO
>>244
俺の書いた日記小説「DIARY」は口語調の日記だったけどな
2472/3:2006/04/04(火) 02:01:21.08 ID:8YLMgeD40
速い反応だ。やはり君はすごい。もちろん、お世辞じゃないよ?僕はお世辞が嫌いなんだ。
もう気づいたみたいだから、言っていいよ。うん、そうだね。
この日記、ページが進むごとに日付が後退してる。
普通、横罫のノートには横に文字を書く。これも例外じゃない。そして左から右に進んでいく。さて、ここが問題だ。
左から右に進んでいくのだ。だがどうだろう、これをみる限り4月1日から3月に、2月に…と進んでいる。
ここからは僕の勝手な考えだから聞き流してくれて構わない。そう、仮定だ。それも5%くらいしか信じられる要素は無い。
彼は…あー…未来から過去に進んでいるのではないかと思うんだ。つまり…四次元を無視している。
四次元というのは分かるかい?三次元のX軸、Y軸、Z軸に「時間軸T」の加わった次元の事だ。
時間はさかのぼる事はない。それを無視している彼は一体何者か?へえ、君も興味を持ったようだね?
でも、君も科学者なら分かるだろう?これは仮定だ。確かに本当なら…世界中の科学者が喉から手が出るほど欲しがる彼だが。
さて、話は変わるが、君は彼の父親についてどう思う?おや、露骨に嫌な顔はしてはいけないよ。
しかし君の気持ちは分からないでもない。彼の父親のやり方はいささか強引過ぎる。確か君の両親も…そうか、すまないな。こんな話はしたくなかっただろうに。
親の仇だとか、ふざけた事を思っているならやめた方がいい。彼の父親を殺してどうなる?君の両親は帰ってこない。それを分かるべきだ。
これから、僕の前で殺すなんて物騒な言葉は使わないようにね。何より彼がいい気しないだろう?
君は科学者なんだから、いつでも冷静に、論理的でいるべきだよ。僕もね。
おや、彼が帰ってきたみたいだね。
2483/3:2006/04/04(火) 02:04:25.53 ID:8YLMgeD40


これは驚いた…僕の仮説は間違っていなかったというのか…?そうでなければ、彼が君を刺し殺すなんてことはしなかっただろうに。
ということはやはり君は彼の父親を殺したのだね?いや…「殺す」のだね?これから未来に。
君が未来に…彼の父親を殺し…彼がその仇として未来から過去に進んで君を殺す。
不愉快なものだね。やはり、僕は論理的でいよう。

fin
249以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 02:05:15.03 ID:8YLMgeD40
以上。質問は…
250以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 02:11:20.30 ID:6EZR2mFyO
>>249
発想は面白いね
タイムパラドックスの矛盾点がちょっと…って気もするけど、許せる範囲
個人的には最後に登場人物も殺された方が…っていう俺ダークサイド
251 ◆twn/e0lews :2006/04/04(火) 02:14:11.34 ID:mMCQTGCa0
>>249
凄く面白かった、これに尽きます。
最後の3の場面でややわかりにくい気がしたけど
逆にそれを考えて一本に繋がった時の感じるものが大きくなったので良かったです。
記号の後のスペースや三点リーダーの使い方は様々な考え方があるのでしょうが僕は気になりました。
252以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 02:18:02.41 ID:dPxWrZxt0
>>249
うまくまとまっててテンポもよくて面白かった。

さて昼間もらったお題書いてこよう
253以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 02:19:07.12 ID:8YLMgeD40
時間の経過を表現する手法として三点リーダを利用したんだがちょいとわかりにくかったですね。
タイムパラドックスに関してはできる限り触れずに…ねw?
254以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 02:36:40.57 ID:+7SEsfc0O
保守って寝る
255以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 02:43:25.12 ID:6EZR2mFyO
保守してゲーム
256以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 02:56:25.70 ID:6EZR2mFyO
また俺で時が止まるしwwwww
257以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 03:02:03.02 ID:F/LaWD0G0
そんなことより「DEAR」が難しすぎる件について

……orz
258以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 03:04:30.04 ID:6EZR2mFyO
>>257
適当に

僕は今でも綴り続けている…
「DEAR...」で始まる、この手紙を…

とかで始めておけばいいんだよw
259以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 03:09:58.69 ID:m4pK7tsTO
小説頑張ってかきますお(´・ω・) お題安価>65
260 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/04(火) 03:10:55.67 ID:dPxWrZxt0
【音のない世界】
 ある雨の夜、薄暗い山道で事故がおきた。
 車に乗っていたのは、今国内でもトップランクのバンドグループのヴォーカルとその恋人の女性だった。
 すぐに病院に運びこまれたが、彼女は出血が酷く手遅れだった。彼は一命をとりとめ意識が回復したが、
目を覚ました彼を待っていたのは音のない世界…アーティストにとっての地獄だった。
 彼は恋人の死と、聴覚を失ったコトによって毎日を病室で泣いて過ごした。
 バンド仲間が見舞いにきても、彼は一人悲しみにくれて追い返して、ただただ大病院のちっぽけな個室で泣いて過ごした。
 それから数ヶ月たち冬の終わりが近づいてきた頃に、聴覚以外は後遺症もなく回復した退院数日前のある日に、
彼からバンド仲間達へ電話があった。電話は「今すぐ病室へ来てほしい」といった内容だった。その一言だけ言って彼は電話を一方的に切った。
聴覚を失ったかれは、相手がなにを言っても聞こえないのだから仕方がない。
 バンド仲間の4人は、すぐに病院の彼の病室へ行った。
 病室にいくと、彼は「これを見てくれ」とただ一言いい、くしゃくしゃになった紙束を仲間達にわたした。
 それは、楽譜と詩だった。無音の地獄で彼が、一人泣いて…悲しんで…悩んで…それでも完成させた作品だった。
 バンド仲間達が楽譜と詩を見終わったあとに、彼は一言いった。
「この曲をやりたいんだ…」
 彼等は、ただゆっくりと頷いた。
261 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/04(火) 03:11:39.78 ID:dPxWrZxt0
 彼は、今国内有数の大きいホールのステージでスポットライトを浴びていた。
 彼がステージの上で、スポットライトを浴びたのは何ヶ月ぶりだろうか。
 ホールは、観客で賑わい満席になっていた。ホールの外ではすっかり冬は終わりを告げ、桜の花びらが風に舞う季節になっていた。
 ステージの上で、背後で楽器をもつ仲間に頷く。
 ドラムを激しく叩く音とベースの弦から放たれた音が、ホールの空気を揺れさせた。
 そして、彼の最後のライブが始まった。
 ドラムとベースの音に、キーボードから溢れた音が合わさって空気中で混ざり合いダンスを踊る。
そして、そこにギターが飛ばす激しい振動が加わった。
 彼は、そこに歌声を乗せた。魂を込めた、全ての想いを詰め込んだ歌声を乗せた。
 それは、ほろ苦く…それでいてせつなく甘いラブソングだった。
 彼が、音のない世界から天国の彼女に送る、悲しくも情熱的な旋律のメッセージだった。
 伴奏が終わると、ホールは拍手と喝采の嵐がホールの空気を賑わせた。
 振動する空気の渦の真ん中で、ステージ上の彼は背後の仲間達に目をむけて明らかに失敗した泣き笑いを浮かべた。

                    ―――END―――
262 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/04(火) 03:12:39.06 ID:dPxWrZxt0
昼間もらったお題かいてみたww
感想批評酷評あったらおねw
263以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 03:20:18.85 ID:8YUG6t+pO
お題:白昼夢
264 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/04(火) 03:20:58.83 ID:dPxWrZxt0
ksk
265以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 03:22:07.89 ID:F/LaWD0G0
僕のお題を差し上げます
つ「おっぱい」
266以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 03:27:54.19 ID:m4pK7tsTO
ちょwww 初小説の題名がおっぱいってwww 再安価>272
267 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/04(火) 03:28:32.08 ID:dPxWrZxt0
うはwwっをkwwwww
だれも感想いってくれない今日この頃><




吊ってくるOTL
268 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/04(火) 03:34:25.88 ID:dPxWrZxt0
3回ほど吊ってきて>>265のIDが
ワイルド・オッパイ・GOに見えたオレに
リベンジお題くれ↓
269以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 03:36:00.79 ID:6EZR2mFyO
おっぱい
270以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 03:36:13.47 ID:F/LaWD0G0
>>258
なるほど……了解したっ!

>>266
ちょwwww
 おっぱい。何と甘美な響きだろう。
 同じ意味だとしても、『乳房』と言うのと『おっぱい』と言うのとではまるで違う。
 例えるなら、そう。神秘だ。
 『おっぱい』には、押し込められた情欲と無垢な愛情が同居しているのだ。
……みたいな感じで書ける、書けるよ多分!

>>267
すまない。お題を渡すのに全力だった。て言うか、この時間帯は感想求めるの難しいかもよ?
もう少し句読点増やしてくれると読みやすい。
あと、描写追加とか。
ホールとステージについて、頭の中に情景が浮かびませんでした。
271以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 03:38:36.16 ID:Ff5Lem+yO
自分で頼んだおっぱい…じゃないやお題なんだから書けば?
272 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/04(火) 03:39:15.35 ID:dPxWrZxt0
>>269
妄想しながら把握した
>>270
そうか…意識してみる

お題安価踏んでたら かつおぶし で
273 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/04(火) 04:05:32.22 ID:dPxWrZxt0
おっぱい書いたwwwww
エロ系はじめてかいたよママンwww
274 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/04(火) 04:06:18.22 ID:dPxWrZxt0
                【おっぱい】               
 おれはおっぱいが好きだ。
 おっぱいを妄想するのも好きだ。
 おっぱいにもいろいろ種類がある。大きさだけじゃ語れない。
一言ではとても語りつくせない魅力がある。あぁ…最高だよ、おっぱい。
 貧乳、爆乳、巨乳、美乳。チクビがツンッと立ったおっぱいに、乳輪が大きいおっぱい…
黒いチクビのおっぱいに、つぶれた乳首のおっぱい…弾力があるおっぱいもあるし、
柔らかすぎてとろけそうなおっぱいもある。お椀型のおっぱいだってあるし、風船みたいな
おっぱいだってある。奥が深いぜおっぱい…。
 いや、それだけじゃない。手触りだって重要だ!滑らかな手触りのおっぱいもあれば、
ざらざらした手触りのおっぱいもある。他にもたくさんのおっぱいがあって、
おっぱいを見るだけでも個性がわかる。
 おれは、ずっとおっぱいを見続けてきた。セーラー服に包まれるおっぱいも見たし、
若いOLのスーツ姿のおっぱいも見てきた。さらしで締め付けられるおっぱいもみてきたし、
正直みたくはなかったが…老婆のしぼんだヨレヨレのおっぱいも見てきた…これは、
いまではすっかりトラウマだ。
275 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/04(火) 04:06:47.13 ID:dPxWrZxt0
 おれの朝は、おっぱいを見ることから始まる。まず、寝てるおれを起こす姉の
おっぱいをパジャマごしにたっぷり見てから、家を出て通学途中に歩いてる女性達の
おっぱいを干渉しつつ、駅に行く。
 駅についたら、電車の揺れにあわせて動くさまざまな、お姉さん…女子学生などの
おっぱいをたっぷり鑑賞しながら、学校に行く。フフフ…スーツすがたのOLのおっぱいは
得にすきだ。そそるぜ。
 学校についたらついたで、同級生はもちろんのこと。先輩のおっぱいも後輩のおっぱいも
じっくり鑑賞する。
 毎日そんなことを続けるうちに、おれには特殊な能力が身についた。
 服ごしにおっぱいをみるだけで、その手触り、大きさ、質感、乳首、乳輪、色や形までも
リアルに想像できるのだ。つまりはコノ世界全てのおっぱいは、おれの物も同然だ。
フフフ…。実に愉快だ。おれこそが、おっぱいを極めし者 おっぱいマスターである。
276 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/04(火) 04:07:31.97 ID:dPxWrZxt0
以上><><><;
277以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 04:19:16.54 ID:F/LaWD0G0
>>276
GJ。凄い勢いで書いていることが感じられた。

おっぱいを干渉しつつ、駅に行く→干渉:他の物事に介入し、自分の意思に従わせようとする。
つまりおっぱいを自分の物にしつつ駅に向かうのか!
さすがマスター!
278 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/04(火) 04:22:40.58 ID:dPxWrZxt0
>>277
ちょwwwwそれ誤字wwwwスマソwwww
勢いだけで書いた。
今も反省していないwww
279以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 04:45:39.40 ID:6EZR2mFyO
寝る前に保守
280以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 05:17:01.70 ID:ESPo9IG+0
なんとなく保守
281以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 06:03:22.44 ID:F/LaWD0G0
自分のIDを小説のネタに組み込むことに成功しそうな4月4日の春。
そんな保守。
282以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 06:31:47.56 ID:Y9qx7o2F0
俺も挑戦したいんだが・・・・
誰かお題下さい!
283以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 06:35:31.65 ID:Y9qx7o2F0
安価指定があったか・・・・
じゃあ早い方がいいと思うので
モデルガンとか期待しつつ
>>285
でFA
284以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 06:41:27.45 ID:mMCQTGCa0
ksk
285以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 06:42:06.79 ID:mMCQTGCa0



ごめんwwwwwww
286以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 06:43:34.54 ID:Y9qx7o2F0
鍋か・・・・コレは難題だな
ちと書いてくる
287以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 06:46:31.68 ID:dPxWrZxt0
お題plz↓
288以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 06:51:57.54 ID:Y9qx7o2F0
モデルガンでよろしく
289以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 06:59:18.04 ID:Y9qx7o2F0
うし出来たから
うpするぜ
290以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 07:00:28.47 ID:Y9qx7o2F0
暗闇に染まった部屋の中、俺達は円を組むように座っていた
円の中心にはぐつぐつと煮えたつ鍋がある
電気も点けず、明かりと言えば鍋の下で燃えている火くらいのものだ
手元に用意されている茶碗が見えるくらいの明かり
俺達はそんな状態で一時間近くもいた
理由は単純、ただの意地の張り合いだった

今日の朝のことだ
俺がバイト先から帰ってくると携帯には一通のメールが届いているのに気づいた
誰からだろうかとアドレスを見る、するとそれは悪友からのメールだった
内容はいつもと同じようなもので
『夜におまえんとこに行くから』
というものだ。奴は普段から俺の家に夜食を食べに来る
今週に限っては毎日来ていた
こっちだってただで毎日物を食わすほど裕福ではないし、そこまで奢る義理もない
なにより奴の自分勝手さには俺の堪忍袋の緒も切れる寸前だった
だからこう言ってやったんだ
「今夜は鍋にするから材料を自分で持って来い。種類は問わずだ」
そうしたらあいつ他のやつらも連れてきやがった
それで闇鍋するぞ、と俺が宣言したら準備は出来てるとか抜かしやがった
291以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 07:00:48.44 ID:Y9qx7o2F0
そうして今の状態になったわけだ
最初のうちは冗談で済ますつもりもあったさ
だが俺も奴も挑発しあってばかりで一歩も引かなかった
そして目の前には『鮭』やら『豚肉』、それに『タンポポ』や『つくし』
雑草に近いものまで入った鍋が出来上がっていた
それだけだったらまだ『食べ物』だからいい
だが他にも『コンビニでもらったソース』やら『余った漬物』とか
あげくの果てには『いらなくなったフィギュア』とか食べ物でもない
そんなものまで入れるものだから・・・・今では何が入ってるのかも分からない状態だ
正直、今では後悔してる。だけどいまさら止めようともいえない

誰か、いやもう神様でもいいから俺を助けてください!
〜完〜
292以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 07:02:45.34 ID:Y9qx7o2F0
本当に文才がなくてすまないが
鍋って難しいな、勢いで書いちまったwwww
293以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 07:28:44.57 ID:dPxWrZxt0
>>288
把握した
>>292
闇鍋www
294以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 07:42:31.17 ID:Y9qx7o2F0
モデルガンwktk
295のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/04(火) 07:43:27.85 ID:O4bWfjam0
なんとなくOTL
296以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 07:54:53.47 ID:Y9qx7o2F0
書き終わり待ちage
297以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 08:16:25.39 ID:VseFqoLd0
保守
298以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 08:18:58.75 ID:Y9qx7o2F0
自分で題だして書き終わったんで勝手にうpしちゃうぜ
299以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 08:19:30.33 ID:Y9qx7o2F0
夏休み明けの9月、夜切は転校初日ということもあって
遅刻するわけにもいかず,]十分に余裕のある時間に家を出た。
通学路に指定されているらしい道にはあまり学生の姿が見受けられなかった。
まだ7時を少し回ったあたりなのでこの時間帯に登校するものは部活動か
あるいは日直など学校に授業とは別件で用事がある人たちだけなのだろう。
坂道を下り、路地を曲がり、駅前を通り過ぎ、駅を挟んで住宅街とは
対の位置にある丘の上に建てられた白亜の建築物に向かう。

丘の上に建っているの夜切が今日から通う学校、弓弦ヶ丘学園だ。
学校へと続く上り坂は緩やかな傾斜をしているが長い
自転車で通う人たちには何気に辛い坂道だろう
歩く分にはさして疲れもしないのだけど。
目を引くのは上り坂だけではない。
この坂道は並木道になっているのだが、学校前の並木道といえば桜並木が普通だ
しかしなぜかこの坂道は桜並木ではなく、梅並木なのだ。
新鮮といえば新鮮なのだが違和感を感じずにはいられない。
梅並木の映える坂道を上りきると目の前には学園がある。
駅から続いている道もこの学園の校門を通りすぎ、学園脇に作られた教職員用の駐車場で途切れている。
学園専用にわざわざ舗装されているらしい。
300以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 08:19:51.29 ID:Y9qx7o2F0
校門をくぐると校舎が見えた。それも三つだ。
コの字をした校舎が二つ並んで建てられており、丁度その間に挟まれるように長方形の建物があった。
夜切は一番近かった校舎に入ると職員室を探す。
校舎は見た目よりも広かった。
廊下に点在する掲示板に張られていた見取り図を見ながら職員室に向かう。
どうやら真ん中の長方形の校舎に職員室はあったらしい。
三つの校舎は通路で繋がっているらしく、二階から各校舎への渡り廊下があるらしい。
夜切は階段を上ると渡り廊下のあるほうへ向かう。
廊下を進み、突き当りを曲がる――
そこで夜切は自分の不注意に気づいた。
気づいたときには遅かった。
曲がり角の向こうからも人が来ていたらしく、そのまま避けること叶わずぶつかってしまう。

あいたっ、という女の子の声とガシャンという耳慣れない音が廊下に響き渡った。
夜切はすぐさま起き上がると座り込んでいる女の子に手を差し伸べた。
「ごめん。僕の前方不注意だった。怪我とかしてない?」
女の子は「大丈夫」と言うと夜切の顔を見て、差し伸べた手を見て
また顔を見て、手を見て、やっと手に掴まると起き上がった。
「なんかすごい音がしたけど、その手に持ってるのは――」
平気だった?と繋がるはずの言葉が出なかった。
301以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 08:20:14.88 ID:Y9qx7o2F0
女の子の手にはさきほどのガシャンという耳慣れない音を発した物があった。
黒光りしたそれはどう見ても銃だった。
玩具というにはさっきの音はやけに重たい感じだったし
モデルガンというにはいささかリアルすぎる気がする。
なにより砲身がやけに長かった。
狙撃用のモデルガンなんてあるのだろうか。
それとも最近のモデルガンというのはここまで精巧に造られているのだろうか。
「ごめんなさい。わたし急いでるんでこれで失礼します!」
女の子は夜切にそう言うとガチャガチャという音を響かせて校舎の奥に消えた。
夜切はきっとモデルガンだったんだなと自分を納得させると職員室に向かった。
ちなみに職員室はすぐに見つかった。

〜完〜
302以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 08:20:44.14 ID:Y9qx7o2F0
なんでこんなに人が少ないんだろう;;
303以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 08:33:31.97 ID:dPxWrZxt0
朝飯とかし終わって、今からお題の書き始めようかなと思ってるおれが
鮮やかにほす
304以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 08:43:41.80 ID:Y9qx7o2F0
>>303
危なく寝るところだった
期待してる
そして保守
305以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 08:47:24.23 ID:dPxWrZxt0
>>305
今書き始めたから少しまってね
できるだけペースはやめでかくからw
306以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 08:55:12.64 ID:Y9qx7o2F0
>>305
ゆっくりでいいから君の全てを注ぎ込んでくれ
そして俺が寝てないことを祈りつつあげ
307 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/04(火) 09:04:55.22 ID:dPxWrZxt0
【モデルガン】                 
僕は、黒いプラスチックの塊を片手に持ちながら、教室のドアを少しだけ開けて
中を覗いた。
 教室の中には誰もいない。カーテンが開けっ放しの窓から、燃えるような
オレンジ色の光が差してるだけだ。少しだけまぶしい。
 僕は、ドアをもう少しだけ開けて、しゃがんだまま教壇の下のスペースに
駆け込んだ。教壇に背中を預けて、少しだけ乱れた息を整える。とても楽しくて、
早鐘のように脈打つ鼓動の音で、隠れている場所がみつかってしまわないかと思った。
 教壇の影から、少しだけ顔を出して教室の様子を覗き見る。大丈夫…誰もいない。
やかましいセミの鳴き声が、物静かな教室に木霊する。それを聞きながら、少し汗で
肌にはりつくシャツを、裾をあおいで空気を中に送り込む。涼しくて、汗が熱を
なくして少し冷たい。
 僕は、握り直した黒いプラスチックの塊を見た。
 それは、黒くて引き金があって、カッコイイ銃だった。他のよくある銃とは
少しだけ見た目が違う。銃身が角ばっていて、引き金の所にも、真ん中に突起が
あって、その突起を押しながら引き金を引くのだろうとおもう。グロック17という銃の
モデルガンだった。
 その時、教室の後ろ側のドアが少し開く音がした。
 いよいよ敵がきたらしい。
308 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/04(火) 09:05:50.97 ID:dPxWrZxt0
 ゆっくりとした足音が聞こえる。
 僕は、銃を握り締め―――
 いつでも教壇の影から、飛び出ることができるような体勢をつくった。
 足音が、一歩一歩近づいてくる。敵はきっとこの教壇にくるはずだ。
―――!
 教壇のとなりで、敵が立ち止まった気配を感じた。
 僕は、呼吸を整え…銃を構えて…―――
 一気に飛び出して、敵に銃を突きつけた。
「こーらぁー。もう下校の時間よ、シン君」
 そういいながら、僕の大好きな先生はわらった。それにつられて、僕も大きな声で
笑い声をあげた。
 そして、机の横からランドセルを持ってきて、僕は先生に言った。
「さようなら」
 挨拶すると先生は、僕の頭を撫でながら「また明日ね」と言って、クスクスと
わらった。
 カーテンを揺らして入ってくる夏風が、しめった背中に心地よかった。

           ―――END―――
309以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 09:07:05.38 ID:Y9qx7o2F0
ちょ、先生・・・銃突きつけられて笑ってるとかツヨスwwwww
310 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/04(火) 09:07:33.01 ID:dPxWrZxt0
なんとなく、パッとこんなの思い浮かんだから書いてみたww
311以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 09:07:58.78 ID:Y9qx7o2F0
CMに使えそうな感じだね
イメージ的になんかそんなんが浮かんだ
312以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 09:08:40.93 ID:Y9qx7o2F0
さて堪能したし寝るぜ
おやすみ・・・Zzz
313 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/04(火) 09:08:43.67 ID:dPxWrZxt0
ちなみにどんなcm?ww
314 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/04(火) 09:09:42.72 ID:dPxWrZxt0
ありゃwww寝るのはええwwwオヤスミwww
315 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/04(火) 09:32:27.30 ID:dPxWrZxt0
寝る前のほす
316以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 10:45:06.51 ID:mMCQTGCa0
ほしゅ
317イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/04(火) 10:50:21.77 ID:UP8yonw+0
>>203「イノセンス」
318イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/04(火) 10:50:38.98 ID:UP8yonw+0
「先生は彼氏とかいないんですか?」
 遠野志麻があんまりにも無邪気に訊いてくるもので、口に運びかけたうコーヒーをうっかりこぼしそうになった。
別になにかのカマをかけているのではなく、本当にただ気になっているだけの様子だ。
この子、天然なんじゃないか、などと考えながらも平静を装って答える。
「そういうの苦手なんだわー、私。志麻ちゃんは?」
「え」
「そろそろ男の子に興味がでてくるころでしょう? 気になる人はいないのかな?」
「……や、その、あたしにはまだ早いかなぁ、なんて」
 はにかみながら牛乳たっぷりのカフェオレをすする仕草が可愛くて、私は彼女に顔を近づけた。
「志麻ちゃん、オレでヒゲができてるわよ」
 そう言って唇を重ねる。志麻は特に拒むこともなく、されるがままになっていた。
私の身体が邪魔でカップを机に置けないのか、両手をそわそわ上げ下ろししている。舌を差し込むと戸惑いがちに返してきた。
 それから三分ほど舌を絡ませていただろうか。
今日こそはいけると半ば確信して、くっつけた顔はそのままに彼女の手からカップを奪い取って机に置いた。
 そっと肩に手を置くと、がちがちに固まっているのが分かった。腕に力を入れて、彼女に立つように促す。
「──っ」
 ぴくん、と身体が震え、全身を硬直させて椅子にしがみ付く気配が感じられた。私はさらに力を込める。
そうしてしばらくは無言の綱引きに興じていた。苦しげに漏れる息の音だけが、時折この部屋の沈黙を破る。
志麻が決定的に私を拒む意志が無いことは、さっきから熱く交わされている口の戯れからも明白だった。
強張った身体も時間の経過とともに緩んでゆき、つむっていた瞼を薄く開けると彼女も潤んだ瞳でこちらを見返していた。
 その時、唐突にノックの音が響いた。
 志麻は弾かれたように身を引こうとするが、両の二の腕をつかんでそれを留める。
三回目のノックでやっと彼女を解放した。離れた口の端から唾液が溢れそうになり、志麻は慌てて口元を押さえた。
 四回目のノックは苛立っていた。その剣幕に、志麻の白い喉がこくんと上下する。
「顔が赤いわね。頭が冷えるまでベッドで休んでいきなさい」
 耳元で囁くと、心底恥ずかしそうに顔を手で覆い、駆け足でカーテンの向こうへ飛び込んでいった。
 それを後ろに見やりながら、私は白衣の裾を正して保健室のドアを引き開けた。
「はいはいはい。どうぞー」
319イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/04(火) 10:50:55.23 ID:UP8yonw+0

 私と志麻が、まあこういう色々な意味で不適切な関係を持つに至ったのに大した経緯はない。
 貧血性でちょくちょく保健室に運び込まれている志麻の面倒を見ているうちに、
私が彼女にちょっかいを出す気になっただけだ。
 とにかく志麻は無防備な少女だった。天真爛漫と言えば聞こえはいいが、ただの子供である。
どうも自分が少女から女への過渡期にあるという自覚に欠けていた。

 例えばある暑い夏の日、職員会議を終えて保健室に戻ったところ、留守番を頼んでおいた志麻は
スカーフと靴下を脱ぎ捨ててアイスキャンディーを咥えたままという格好で、男子生徒の膝の傷を手当していた。
 なんのつもりかご丁寧に冷房まで切っており(大方、節約術のつもりなのだろう)、蒸すような熱気のなかで
志麻は汗とシャンプーの香りと乳臭さが混じった体臭を発散させていた。
可哀想にその男子生徒は耳まで紅潮させて、必死に志麻を見るまいとしていた。
 手に持っていたバインダーで彼女の頭を叩き、その場から追い払っても、
「な、なんでぶつんですか?」
 と不服そうに口を尖らせる始末である。

 そうした志麻の羞恥心の無さに、私は彼女の限界というか、
はっきり言えば彼女の恥ずかしがる姿を見てみたいと興味を抱くようになった。
 そういった私の下心を知らず、志麻は持ち前の無邪気さで私の過剰なスキンシップに応えていた。
 そして彼女に仕掛けた悪戯は功を奏し、先のように羞恥に頬を染める姿は何度も見たが、
ミイラ取りがミイラになったと言うべきか手段が目的化したというべきか、
いつしか私は志麻を一人の女性として好意を抱くようになった。
 彼女のセクシャリティがこちら側に偏向していないのは知っていたが、
男が好きだと言い切るほどの恋愛経験を持っていないことも確実だった。
恋愛観というのは経験の積み重ねの上に成り立つものだというのが私の自論であり、
その意味で志麻はどちらにでもなりうる危うさを秘めていた。
 人の悪意を知らぬために澄み渡る純真な心と、それゆえに成立する未熟だが剥き出しの血肉の芳しさと。
 その堕天使のような二価性は私の心を鷲掴みにし、彼女への行為は徐々にエスカレートしていった。
320イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/04(火) 10:51:13.27 ID:UP8yonw+0

 プリントを配布している途中に指を切ったという教師に絆創膏を与えて保健室から追い出し、
「志麻ちゃん、寝てるの?」とベッドの周りを覆うカーテンを開けた私は唖然とした。
 あろうことか、志麻のセーラー服は枕元に無造作に投げ出されていた。
シーツをはぐと、やはりと言うべきかなんと言うべきか志麻は下着姿で丸くなっていた。
「あんた……なにやってんの?」
 志麻はくふふ、と籠もった笑いを漏らし、
「素肌でシーツに包まると気持ちいいんですよ」
「男子に見られたらどうすんの」
「見られないように先生がガードしてくれてるんでしょう?」
「そんな馬鹿みたいなことを言わないの」
 時々思う。もしかして志麻のこれは計算なんじゃないかと。本当は彼女は私と同種の人間で、
そして私なんかよりも遥かに上手をいく手管で、私を取り込もうとしているんじゃないかと。
 ──いや、それはきっと考えすぎだろう。
「……せんせ?」
 私がベッドに腰掛けるのを、志麻は不思議そうに見つめる。
 私はそっと彼女に口付けし、脇の下に腕を差し込んで抱え上げる。
「あ……」
 不安と期待の入り混じった目で私を見つめる表情は、
新しい絶叫系のアトラクションに乗り込もうとする少年の恐怖と好奇心とに似ていた。
 あくまで彼女は無垢な存在なのだろう──このように済んだ瞳は、くすんだ色の世界を知らない人形しか持ちえぬものだ。
「そういうはしたない子にはお仕置きしなきゃね」
 私は志麻の乳房に触れる。その身体は一瞬だけわなないた。
321イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/04(火) 10:51:30.41 ID:UP8yonw+0

「ぐすっ……ひぐっ……」
 すすり泣く志麻に手取り足取り制服を着せながら、私はちょっとした罪悪感に苛まされていた。
 熱に浮かされたような陶然とした面持ちで私が愛撫を受けていた志麻だったが、
それが下腹部に及んだところで彼女は細く、そした次第に強く嗚咽を漏らしていった。
わずかに驚いて志麻の顔を覗きこむと、彼女は顎まで涙に濡れて許しを請うように私に視線を送っていた。
 泣かれたとあってはそれ以上押し切ることもできず、放課後であることを言い訳に彼女に帰り支度をさせることにしたのだ。
「……ごめんね。嫌だった?」
 志麻はしゃくりあげながらも首を横に振る。
「違います……でも……でも……」
 滴り落ちた雫がシーツに小さな染みを作る。
「どうしてこんないじわるばかり教えるんですか?」
 私はそれに答えることなく、「足を上げて」と短く言って靴下を手に取った。
「先生……泣かないで。私、先生が好きです。だから」
 その言葉で初めて、私の眼窩から温かいものが流れ出ていることに気がついた。

 愛らしい人形は、人間ではない。人の世界で生きようとすればたちどころに壊れてしまうだろう。
 誰かが人形に命を吹き込まなければならない。彼女に恥という概念を、生きるということを教えなければならない。
 それが、私であるべき必要はまったくないのだけれど。

 私は志麻のような美しいものが好きだ。その一方で、自分のようにどうしようもなくだらしないものにも強く魅かれる。
 だからこそ私は彼女を愛で、彼女が傷付くことに胸を痛めるのだ。
 こうして彼女は少しずつ汚れてゆく。
 彼女が真にイノセンスを失ったとき、私は泣いて喜ぶだろうか。泣いて悲しむだろうか。

「それじゃ、失礼します」
 与えた飴玉を口の中でころころさせながら志麻は入り口前で一礼した。
 私がぎこちなく微笑むと、志麻も涙に湿った笑みを返してくる。どちらからともなくキスを交わす。
 その唇は血と涙とセルロイドの味がした。
322以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 11:26:29.89 ID:UP8yonw+0
323以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 11:28:25.02 ID:2egSvcIy0
今沖田

>>321
何このクオリティ高い恥美wwwwwwwwwwww
百合展開テラモエス(*´A`)
324以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 11:34:13.23 ID:Xx2h8FxyO
http://yaplog.jp/mizutama/
ここに、「うん!!確かに似てる」とコメントください!!
お願いします!!
325週末品評会 ◆2LnoVeLzqY :2006/04/04(火) 11:34:26.71 ID:bZz95Le50
結局最後はgdgdになってしまってすいません。
投票としては、してくれた人が全然いなかったんですが
2 ◆twn/e0lews 氏
1 ◆WGnaka/o0o 氏

で、 ◆twn/e0lews氏に個人的には次回のテーマを頼みたいと思います。
次回はちゃんと投票期間も設定するように、まとめとしてもがんばります・・・。


お題安価きぼ
>>327
326以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 11:39:56.82 ID:2egSvcIy0
せるふksk
327以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 11:40:19.76 ID:2egSvcIy0
つお題「雪」
328以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 12:08:07.90 ID:2egSvcIy0
とりあえず保守
329以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 12:11:14.63 ID:UP8yonw+0
ざっと数えてみたら一週間で三十品くらい書いてた。びっくり。
筆力もほんのわずか良くなってる手応えがなくもない。マジありがとう。
一生懸命頑張るので、批評して俺をいじめてくだちい。
330以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 12:13:41.50 ID:2egSvcIy0
>>329
多いなwwwwwwww
精一杯批評するように心がけるお
331以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 12:27:06.79 ID:GEbguCMN0
332 ◆twn/e0lews :2006/04/04(火) 12:48:25.43 ID:mMCQTGCa0
>>325
ってことは俺来週参加出来ないんですかね?といいがてら保守
333以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 13:32:21.97 ID:Kj6ws3frO
334以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 13:33:44.33 ID:6EZR2mFyO
インターネットの奴が今沖田保守
335以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 14:01:20.90 ID:2egSvcIy0
336以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 14:11:28.15 ID:6EZR2mFyO
VIP流れるの早いから困る
だがそれがいい
337イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/04(火) 14:12:31.83 ID:UP8yonw+0
さらっと書けそうなお題たのむ
338週末品評会 ◆2LnoVeLzqY :2006/04/04(火) 14:13:25.05 ID:/PTty1610
>>332
うーんどうしよう
・俺が再びまとめ&テーマ決めに回る
・俺がまとめ、◆twn/e0lews氏がテーマ決め

いまのところ2番目の方だと思うんですけど、テーマ決めた人が参加できないってのは、
不公平になるかな?と思って俺が勝手に決めたルールですし、
◆twn/e0lews氏が参加すると盛り上がるので俺としてはテーマ決め+参加はおkかと。
339以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 14:13:44.91 ID:l8Dj2VL4O
農業家の1日(平日)
340週末品評会 ◆2LnoVeLzqY :2006/04/04(火) 14:14:06.47 ID:/PTty1610
>>337
ごめんね、全力でごめんね、
お題なら一輪車
341イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/04(火) 14:16:55.25 ID:UP8yonw+0
再トライ
342以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 14:18:18.63 ID:6EZR2mFyO
カニバリズム
343イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/04(火) 14:20:08.39 ID:UP8yonw+0
>>342
さらっと書けそうにないが把握
344以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 14:21:39.18 ID:6EZR2mFyO
ごめんね、俺ダークサイドだから
345以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 14:22:40.14 ID:uOyGXUlI0
カニバリズム2回目だwwwwwwktk
346以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 14:23:39.52 ID:Ej5SnC2z0
>>318-321
描写力がすごいな。
物語としては意外性がないけど、質で補って余りあるクオリティを感じた。
テーマも生きてるし、展開、機微の表現ともに即戦力レベルだと思う。
一週間で30作も書けるなら、今度は是非、自分の書きたいものを書いて、
どこかの賞に送るなり、なんなりして、それを読ませて欲しい。
・・・と思った。GJ
347以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 14:24:02.25 ID:6EZR2mFyO
>>345
まぢ?
このスレにダークサイドが俺のほかにもう一人居るのか
348以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 14:25:37.67 ID:6EZR2mFyO
ダークサイドのお詫びに何か書く
お題plz
349以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 14:29:43.57 ID:Ej5SnC2z0
レミングス
350以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 14:48:11.71 ID:8YLMgeD40
またまたお題きぼんぬ
>>352
351以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 14:50:38.41 ID:6EZR2mFyO
ゲーム…?
352以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 14:53:45.19 ID:Ej5SnC2z0
>>351
あ、いや、ネズミのレミングのつもりだけど、あえて複数系にしただけです。
分かりにくければ、ヌルーしてください。
353以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 14:56:10.06 ID:Ej5SnC2z0
>>350
食う清めない子でごめんね。
お題なら、展覧会でおねがいします。
354以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 15:06:31.67 ID:SW/JWVQx0
出てるお題パクって書いていいの?
355以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 15:19:55.66 ID:2egSvcIy0
>>354
問題なし
おk
むしろ書いておくれ
356以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 15:27:48.67 ID:8YLMgeD40
展覧会?把握した
357以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 16:08:09.55 ID:8YLMgeD40
展覧会をお題にするのって難しいな…
358以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 16:47:57.47 ID:Kj6ws3frO
ほす
359以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 17:05:01.49 ID:/PTty1610
保守
360以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 17:22:28.47 ID:/PTty1610
保守
361以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 17:35:07.93 ID:sZkCuAds0
2冊目の序盤から中盤までしか生息していなかった俺がリベンジを狙って安価
>>364
を夜までに書いてみる
362以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 17:38:32.93 ID:2egSvcIy0
ksk
363のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/04(火) 17:41:31.14 ID:O4bWfjam0
「kskしても、いいですか」
彼女はそう訊ねた。
風に乗って甘い香りが私を包む。
「あの、kskしても……」
目と目が合った。彼女の瞳が私を真っ直ぐに見ている。
火傷する、とはよく言ったものだ。
夕日は沈みかけ、遠くのビルの影がまるで花畑の様な雰囲気を
作りだしていた。
背丈を合わせようとつま先で立つ彼女。
何故だか、僕は微笑んでいた。

そして僕達はkskした。
364イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/04(火) 18:08:04.91 ID:UP8yonw+0
>>342の「カニバリズム」
やっぱさらっと書けなかった上に、なんか毒電波だ。
安価なら
つ銃痕と十字架
365イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/04(火) 18:08:22.94 ID:UP8yonw+0
 義堂奈津子に心を許していけない。なぜなら彼女は『人喰い』だからだ。
 彼女はまさに人を食らう捕食者として生まれてきたような、対人スキルに於いては真に無敵の存在である。
その彼女に目を付けられたら最後、あらゆる種類の人間も等しく無力であり、彼女の存在の糧と成り果てるのみである。

 ただし、彼女に弱点がないわけではない。
 因果関係は不明だが、彼女の行動を長期的に捉えた場合、ある一点に関して奇妙な符合が見受けられるのだ。
 それは、ある種の呪いとも思える一つの言葉で表現できる。
 『義堂奈津子は食卓から遠い存在である』。
 なぜかは知らないが、彼女が食卓に着こうとすると大抵邪魔が入る。それも電話が鳴るとかいう類の生半なものではない。
食事が続行不可能になるような取り返しのつかない事態が勃発するのである。
 まるで世界中のテーブルから嫌われているかのように、
私たちが安息の食卓に付くのとほとんど同じ頻度で彼女は食卓から撥ね付けられている。
 もっとも、この弱点をどう生かせば彼女より優位に立てるのか、それが私には分からない。

 私は、義堂奈津子という存在の超常性を読者諸兄に示すため、ここにある一つのエピソードを紹介しようと思う。
 義堂奈津子のような『人喰い』と敵対した場合、具体的にどう対処すればいいのか、そのメソッド確立の一助となれば幸いである。
366イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/04(火) 18:08:40.71 ID:UP8yonw+0

 それはランチタイムを多分に過ぎて、そろそろお茶の時間を迎えるのときのことだった。
 食事のできる店を探して街を彷徨っていた奈津子は、あるレストランの前で足を止める。
こじんまりした外装のその店は、幸運にも『open』と書かれたボードを店頭に立てていた。
 さっそく店内に足を踏み入れた奈津子は案内も請わずにずかずか上がりこみ、
客が他にいないのをいいことに一つしかない六名席を占領する。
「ちょっとー、客が来ましたよー! 水の一つくらい出したらどうなのー?」
 奈津子が叫ぶと、奥からTシャツとズボンの男が泡を食ったような勢いで飛び出してきた。
「も、申し訳ありません。お昼の営業は終了しまして」
「あと一人くらいいいじゃない。『open』の札は出てたし、ほら、照明もまだ点いてる」
「そう言われましても、閉めてしまったんですよ」
「うっさいわね、いいから食べるものとワインの白持ってきて」
「あの、困ります」
 困惑する男をよそにに、奈津子はカウンター越しの厨房を覗き込む。
「いい匂いがしてるじゃない。賄いでもなんでもいいから食べさせなさいよ。ねえ、なに作ってるの」
 無理矢理厨房に押し入ろうとする奈津子を押し留め、男は彼女を席に座らせる。
「分かりましたよ、弱ったなあ」
 ぶつぶつ言いながら、それでも男はソファーの下から新しいコックコートを取り出し厨房に戻る。

 食事にありつけると知った奈津子は上機嫌に男へ話しかける。
「いやー、助かったわ。学会の会合が長引いてお昼食べれなかったのよ」
「学者先生ですか?」
「そーよ。俯瞰行動心理学の研究をしているの。ここのお店、あんた一人でやってるの?」
「ええ、まあ」
「ふーん。このハコじゃ一人は大変でしょう?」
「いや、なんとかやってますよ」
 などと和やかなムードで言葉を交わしていた奈津子だが、運ばれてきたパスタを口に入れると表情を一変させる。
367イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/04(火) 18:08:59.67 ID:UP8yonw+0
「……なによこれ。しょっぱすぎて食えたもんじゃねーわ。ちょっとどーゆーつもり? 食べてみなさいよ」
「も、申し訳ありません」
「こんなもの食わせるなんて神経疑っちゃうわ。ねえ、食べてみてよ。嘘じゃないから」
「あの、ただいま作り直しますので」
 おろおろと平謝りに謝る男に、奈津子は二千円札を叩きつけて乱暴に席を立つ。
「結構。どっか別の店で口直しするわ。まったく、今日も今日とて……」
「あの、御代はいただけません」
 と後を追ってくる男をうるさそうに振り払って出入り口に向かい、ドアに手を掛けたところでにやっと笑って振り返った。

「『どうしてこいつは死なないんだろう』なあんて……思ったりしてない?」

 奈津子が向けた笑顔の先で、男は蒼白とも言える顔色で固まっていた。
 振りかぶった肉切り包丁を頭上で震わせながら。




「……と、まあ、そーゆーことがあったわけよ。だからこれが今日初めての食事なわけ」
「さっぱり把握できません、先生」
 ホテル内の高級レストランで彼女の話にじっと耳を傾けていた私は、その突然の締め言葉に呆れる。
その目の前で、彼女は実に嬉しそうにパンを頬張っている。もうすべて話し終えたと本気で思っているようだった。
 彼女の話というのは常に断片的で、取り止めがない。聞き手という者の存在を考慮に入れていないからだ。
事態を把握しようと思ったら、彼女に質問して詳しい情報を引き出す必要がある。
「まず、なんでその店主は先生に包丁を向けたんですか?」
「うん? そりゃあたしを殺すためじゃないかな。毒を盛ったのに死ななかったから業を煮やしたんだろうね」
「なぜ先生が毒を盛られなきゃならないんです」
 私がその至極当然な質問をぶつけると、彼女は「はん」と鼻で笑って馬鹿にしてきた。
「あなたそれ本気で言ってる? なに聞いてたの今まで。──あたしが店に入る直前、そこで殺人が行われていたからだよ」
368イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/04(火) 18:09:17.14 ID:UP8yonw+0
 食前酒を何杯もお代わりし、前菜を一分に二回のペースで給仕に急かす、パン屑を床にばら撒く、
などとかなりのマナー違反を犯しながらも彼女は次のように語った。
「とにもかくにも、あんなクソ不味いパスタを食わされたのが思索の原点だったの。
 なんでそいつは客に出す前に味見をしなかったのか? 普通するわよね?
 しかもあたしが味見を強要しても、言い逃ればかりで味を確かめることをしなかった。
 それであたしが考えたのは、『どうしても味見が出来ない理由』があったって可能性。
 そういう視点で見れば、ちょっと普通じゃない不審な点が幾つかあったわ。
 そいつは故意にパスタに致死性の毒物を混入させ、あたしの殺害を謀った。ここまではOK?」
「待ってください。そこでいきなり殺人に結びつけるのはとんでもない飛躍です。そもそもなぜ致死性だと分かるんです?」

 ここでやっと前菜が到着したので、しばらくは無言で食事に専念していた。
 彼女は食事というものを愛している。一口ごと確かめるように噛み締め、その度に恍惚の表情で溜め息を洩らしている。
 皿が半分くらい減ったところで、私は次の料理の用意を給仕に頼み、彼女に話の先を促した。
「致死性かどうかなんて、口に入れればすぐに分かるでしょ。
 あなた、青酸カリを口に入れても平気なツラして歩き回るつもり?」
「……そこでなぜ先生は死なないんですか」
「嫌だなぁ、このあたしが毒を呷っただけで死ぬわけないじゃーん」
「それは納得できる見解です」
「とにかくだね、初対面のあたしを殺す理由なんてそう多くはない。口封じだとすぐに見当がついたわけ」

 私はナイフとフォークを皿に置き、彼女の言葉について考えてみた。
 一応の筋は通っているが……演繹的で整合性に欠ける。論拠が完全に主観に依存している。探偵小説なら失格だ。
いったいどういう物の見方をしたら、そういう異常な思考法が可能になるのだろうか。いい機会だから訊いてみた。
「常々疑問なんですが、どうして先生の話は論理性に破綻しているのでしょうか」
 空いた皿が下げられ、次の料理のための準備が整えられる。どうやらスープが供されるようだ。
 彼女は面白くなさそうに口の端をゆがめる。私を嘲笑しているのは明らかだった。
369イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/04(火) 18:09:41.29 ID:UP8yonw+0
「論理性? そんなもん、現実の前になんの役に立つ? 論理性があたしの問題を解決してくれるわけ?
 論理的に生きてればあたしは楽しくご飯を食べられるの?
 そんなものぁ、シャーロッキアンに任せておけばいーのよ。あいつらこそ真の馬鹿だわ。
 明らかな著者のミスライトをなんとかこじつけようと世界規模で躍起になってる。
 ワトスンが離婚経験者だなんて美しくない話をありがたがるような奴は死ねばいい」

 ここで給仕がワゴンを押してやってきた。どうやら目の前で注いでくれるらしい。
「……話戻すけど、そうと分かれば長居は無用。いくらあたしでも殺意を持った相手と食卓囲むほど人間が出来てねーのよ。
 お腹も空いてたしね。だのに、そいつはしつこくあたしを殺そうと入り口まで追ってきたから、ちょっとからかってやったのよ。
 あの時の間抜けヅラ、見ものだったわぁ」
「相変わらず人を喰ったようなことをしますね」
「あら、食べたわよ」
「はい?」
「だから死体を食べたんだって。包丁持ったそいつを逆に殺して、ついでに店の奥も覗いたの。
 見事に解体されて細切れになった死体があったわ。そいつ、その死体を食べるつもりだったんじゃない?
 ま、味見しておくのもいいかなって一口つまみ食い。今頃は警察に発見されてるんじゃないかな」
 がしゃん、と給仕がレードルを取り落とした。彼は青ざめながらもこちらに頭を下げ、新しい物を取りに奥に消えていく。
「え、ちょっと待ってくださいよ。毒殺体なんて食べられないでしょう? なんで毒殺体を細切れにしてたんですか、その人。
 というか、その被害者は当然、毒殺なんですよね?」
「知らねーわよ、そんなこと。あんたらはどうしてそんな細かいことに拘るわけ?
 ふらりと立ち寄った店のパスタはしょっぱすぎて、シェフは殺人シェフでした。
 そのせいであたしは今日も昼飯抜きでした。そういう話がしたかっただけ。
 話のディティールについて考えたいなら、あたしのいないところでやってくれないかな?」
「あの、ホントに食べたんですか。先生」
「食べたわよ。人間を把握するには、そーゆー視点も必要かなって。まあ、あんま得るものは無かったけど。
 ところで、こういう場でこういう話題はやめたほうがいいよ。飯が不味くなるから」
370イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/04(火) 18:09:58.11 ID:UP8yonw+0

 これが彼女のスタイルだ。
 論理よりも印象を重んじ、瑣末よりも総体を重んじる。彼女は俯瞰する人間なのだ。常人が彼女に勝てない理由がそこにある。
 傍目には破綻してるとしか思えない論理で、確実に物事の急所を突いてくる。
『パスタがしょっぱい』という理由のみで一人の男の犯罪を暴くなど、彼女の他には誰も出来ない。
 彼女はなにかを超越した視点によって、論理という地を這う私たちには見えないものを見ている。
それはまるで仔羊を狙う猛禽類のように。
 故に彼女は『人を喰うもの』であり、義堂奈津子のスタイルを前にしては、私たちの拙い論理は敗北するしかないのだ。

 やっとうんざりする長話から解放されたことを喜びながら、彼女はスープスプーンを手に取った。
「先生、最後に一つだけ。よく包丁持った相手に勝てましたね?」
「ああ、そんなこと。あの状況……というかあの文脈は、まさしく『追い詰められた犯人』そのものじゃない。
 このコンテクストラル・オーバーマンたる義堂奈津子様が、その文脈で負けるわけないじゃん?」
 やはり意味不明のことしか言わないが、義堂奈津子を知るものにとっては十分に説得力のある回答だった。
「んふ。やっぱたまにはこーゆー落ち着いたところで食事したいよね」
 久々の食卓の喜びを心行くまで甘受しようと、彼女は眼を細めながらスープを飲んだ。


 私が語るエピソードは以上である。
 論理と倫理が欠如しており、無敵で不死であり、人を喰い、食卓からは遠い。
 これこそが義堂奈津子という存在の一面であるということを理解していただけたと信じて、ここで筆を置く。

(episode closed)



「……秋雄くん、店出よう。あ、スープ飲んだらダメ」
「どうしたんですか、先生」
「ここのスープは甘すぎる」
371以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 18:14:35.43 ID:yWlLqY160
上手い、上手すぎる。GJ!
372 ◆WGnaka/o0o :2006/04/04(火) 18:27:16.38 ID:Cd+3zS+V0
仕事から帰ってきた保守

>>325
ご苦労様でした。
次回があるのならまた参加させてもらいます。多分…

飯前にお題ぼしう↓
373 ◆vMDm/ZpiU6 :2006/04/04(火) 18:27:49.01 ID:VHn+Siig0
書くたびにクオリティが下がり、酉もわからなかった俺が着ましたよっと。
お題くださいなー。 >>375

しかしイロハ氏の作品はいつ見ても面白いわ。
374以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 18:28:22.95 ID:VHn+Siig0
すまん orz
お題は 寄り道 で。
375以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 18:29:52.79 ID:Kj6ws3frO
>>370
…正直、このスレで見た全作品中1番面白かった。
376 ◆WGnaka/o0o :2006/04/04(火) 18:29:54.75 ID:Cd+3zS+V0
>>374
把握した

つ【クールビズ】
377以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 18:31:43.14 ID:VHn+Siig0
>>376でいいかな。把握した。
378以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 18:31:43.12 ID:Kj6ws3frO
>>373
ゴメソ 踏んでた。じゃあ「音楽」で。
379以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 18:31:54.64 ID:HiwOkLgzO
初めてこのスレ覗いた。
文章久しぶりに書く上に超遅筆だからお題出されてから投下するまですごい時間かかりそうなんですが参加したいです(´・ω・`)
380以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 18:33:48.84 ID:VHn+Siig0
>>378
ええい面倒だ。把握だレッツゴー!
381以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 18:35:21.00 ID:VHn+Siig0
>>379
ひとまず安価出せ。話はそれからだ。

連投で申し訳ない。
382以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 18:38:25.34 ID:HiwOkLgzO
>>381
わかた(`・ω・´)


>>385さんお題おねがいします
383以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 18:42:54.03 ID:VHn+Siig0
ksk
384以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 18:50:29.43 ID:VHn+Siig0
ksk
385以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 18:58:34.76 ID:Kj6ws3frO
過疎だなぁ…

つ時計
386以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 19:00:20.88 ID:6EZR2mFyO
レミングスのお題を貰ったんだが、ネットで調べてもうまく纏まらなかったよorz
387以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 19:04:15.54 ID:VHn+Siig0
>>386
某ゲームをプレイした俺に言わせると

レミングス→自爆。
388以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 19:13:31.00 ID:Kj6ws3frO
>>382
【時計】って安価答えたのだけど反応ないと分かったのかどうか心配なのだが
389以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 19:20:57.33 ID:c3fq2BLo0
んじゃ俺もお題キボンするかね。久しぶりに。
投下いつになるか分からんが・・・

390以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 19:30:28.79 ID:4FWahQRa0
必衰
391以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 19:34:18.64 ID:c3fq2BLo0
これまた難しいな、把握した
392以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 19:42:29.97 ID:UP8yonw+0
>>387
あのゲームは切ない。
ピクミンと同じくらい切ない。
393以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 19:45:47.87 ID:HiwOkLgzO
>>388
部活いってたからレスおくれました
ありがとう(゚∀゚*)
394のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/04(火) 20:07:36.96 ID:O4bWfjam0
お題『さよなら』続き

それから二週間が過ぎた。その間ずっと飛行場にいた私達は、まるで此処が自分の家であるかのような感覚すら生まれていた。
夕日によって美しいコントラストを創りだす木々。燃えるような花々。そして、このまま向こうの世界まで続いているかのような海。
戦争の目的、存在の意味、必要性。それがわからなくなってきた。ただ、この戦争が終わって欲しいと思った。
 途中、中部付近への偵察に赴く。既に米軍は西部への侵攻を始めており、それももうすぐで終わる。沖縄の戦争の終わりも近い。
教えられた通りに、子供達が米軍の投降勧告を無視して逃げる。それを後ろから撃つ米軍兵士。子供達が動かなくなってもなお、
体を満たしていたものはそこから噴き出し、辺りをでいごの色に染めていった。私達はそれを、わずかな距離から見ていた。
死にたくない。怖い。ただ、生きたい。でも、米帝に捕まれば拷問の末に殺される。見えない鎖が、自分を死と繋ぎ合わせている。
 それからまた二週間、私は職務に励んでいた。ただただ、あのでいごの色を忘れる為に。
「なあ、いい加減、疲れたな」
佐加伊が話し掛けてくる。それから、如何にも疲れている、といった表情で私の横に腰を下ろす。
後ろに飛行場、前に海。波の音とエンジンの整備音が、奇妙な音楽を創りだしていた。
「あーあ、俺の煙草も最後か。せっかく配給が入ったのに」
佐加伊が煙草の先を噛みながら火を付ける。辺りに強い匂いが漂ってくる。潮の香りと煙草の匂いを嗅ぎながら会話を続ける。
「まあ、もう俺達が煙草を吸える事は無いだろうな」
「おい、どういうことだよ」
咄嗟に佐加伊に訊ねる。煙草の煙を苦そうに吐いてから答える。
「いや、俺達死ぬだろうなと思って」
「どうしてだよ。まだ日本は戦えるさ」
何時もなら陽気に返してくる佐加伊が、今日は悲しげだった。
「俺はそう思わない。あの子供を見ただろう」
私の頭の中に、あの光景が蘇ってくる。それはまるでニュース映画の様に白黒で、途切れ途切れだった。
395のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/04(火) 20:07:53.68 ID:O4bWfjam0
 その時、飛行場からプロペラ音が聞こえてきた。
「なんだ、ありゃあ」
佐加伊が駆け出す。私も後を追って駆ける。
 特攻だ。噂には聞いていたが、遂にここでも始まったのだ。濃い緑色の機体が、地面に離れるのを拒むかのようにゆっくりと
滑走路に向かう。
「行ってまいります」
パイロットが敬礼しながら整備員の方を見る。そしてこちらも見る。その目には、国を護るという意思が宿っていた。
思わず敬礼を返す。何故だかこちらまで誇らしい気持ちになる。そしてこう叫んだ。
「さようなら」
 その後旅立った四人にも同じようにし、空へ消えていく機体を見送った。
暫く空を見続けていたら、宿舎に居た島袋が目を腫らしながら近づいてきた。
「あいつら、日本人だよ」
それを聞いた途端、せきを切ったかのように涙が流れ出す。そのまま地面にしゃがみ込み、声を殺して泣く。
「畜生……畜生、畜生……」
夜になって、仮眠の時間が来てもなお、私は悲しみに包まれていた。
 それから一週間、次々と旅立っていく若者。いつの間にか悲しみも感じなくなった。もう全てに疲れたのかもしれない。
何もかもがどうでもよくなった。積極的に偵察に参加する様になった。五月六日、遂に始まった。
396のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/04(火) 20:08:11.14 ID:O4bWfjam0
「ああああああ、隊長!足が、足が!」
中井の右足が吹き飛んでいる。最初の着弾を受けたのだろう。その時、私は宿舎に居た。丁度装備を整えようとしていた時だった。
和太鼓の様な重低音が鼓膜を振動させ、それと同時に足元から揺さぶられる。着弾したのは、丁度宿舎と格納庫の間、
普段は整備用のスペースになっている場所だ。そこに居た中井がまともに爆発を受けたのだ。
「中井、今行くぞ!」
部隊が走り出す。私も装備を乱雑に装着し後を追う。扉に手を掛けたのと同時に二発目の着弾。格納庫の屋根を影が通り抜け、
一瞬置いて重低音と共に爆風が吹き出す。半狂乱になりながら、格納庫に居た整備員が走り出す。火を消そうと必死で地面を転がり、
やがて動かなくなった。
「おい、急げ!担架だ!」
中井と整備員を助ける為に軍医が指示を出す。自身も破片で負傷し、腕から出血している。
繰り返す重低音の中、部隊は中井の元に着いた。中井は、もう叫んではいなかった。
「畜生!何故殺したんだ!」
中井を可愛がっていた真栄原が空に向かって叫ぶ。彼の気持ちは理解できたが、私達にはまだやるべき事がある。
「総員、防衛陣地に着け!」
部隊が、飛行場と山の間に作られた塹壕に入る。刹那、山から銃撃が始まる。木の枝をしならせて幹に打ちつける、それと同じ音が鳴り響く。
「総員、撃て!」
部隊に指示を出す。目をつぶっていれば、爆竹を一気に鳴らしたのかと思っただろう。
向こうに当たっているのかはわからないがとにかく撃ちつづける。
 その時、島袋の後頭部からピンク色の何か、彼の意思を司っていたものが飛び散った。それと同時に額からはでいごの色が噴き出し、
島袋は前後に痙攣しながらうつぶせに倒れた。何が起こったのかわからなかった。ただ、さっきまで隣で鳴り響いていた銃声が止んだ。
理解するのに、暫くの時間がかかった。よく弾が当たらなかったものだ。部隊の半数は既に死に、塹壕の中はまさに地獄、いやそれ以上だった。
397のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/04(火) 20:08:27.60 ID:O4bWfjam0
「隊長、もう……止めましょう」
佐加伊が話し掛ける。米軍は既に目と鼻の先にいる事が音で分かった。
 私達二人は、同時に手を挙げて塹壕から顔を出した。他の部隊の者もそれに続く。どうやら生き残ったのは私達だけのようだ。
米軍の兵士が銃をこちらに向けながら、手で塹壕から出るように示す。
 それが、私達の戦争の終わりだった。二日間、私は収容所に入るために移動を続けた。

 ある海岸で休憩した時の事だ。
私は、とある特攻隊員の遺書を読ませてもらった。
そこには、やはり「行ってきます」と書いてあった。「さよなら」では無かった。
彼らにとっては出発であり、私にとっては別れ。当たり前のことなのだが、何故だか無性に悲しかった。

私は地面に横になり、雲で覆われている空の向こう、水平線を見つめていた。

雲が消え、青空が広がってもなお、私は彼らが旅立った空を見つめ続けていた。

398のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/04(火) 20:08:54.78 ID:O4bWfjam0
終わりましたっす。三日に渡って続けてしまい申し訳ありませんでした。
そしてどう考えても表現力・構成力不足ですありがとうございました。
399以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 20:12:11.50 ID:6EZR2mFyO
仕方ないからお題plz
>>400
400以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 20:17:10.44 ID:c3fq2BLo0
401のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/04(火) 20:43:23.60 ID:O4bWfjam0
保守
402 ◆vMDm/ZpiU6 :2006/04/04(火) 20:52:08.86 ID:VHn+Siig0
 ― クールビズ ―

 ある夏の日の朝、私は廊下で奇妙な格好の男性を発見した。私の部下だ。
「なんだそれは」
 私は苛立ちを隠さず、目の前の部下に問うた。
「クールビズです。見て分かりませんか?」
「分からないから聞いた」
「そうですか。ニュースとか見ませんか? なんでも温暖化対策で……」
「そんなこと知っている」
「わからないっていったじゃないですか」
「お前の格好ではわからん」
 激しく腰を振りつつ奇声を上げる芸人のような格好をクールビズとは思えない。
 大体、このクソ暑い日にレザーを着てクールビズというのだろうか。露出が高ければいいと言う物

ではないはずだ。
 もう一度、彼の足の先から頭のてっぺんまでじっくりと見てから、私は判断を下す。
「まぁ、仕事には支障を来たさないだろう。行ってよし」
「はい、失礼します」
403 ◆vMDm/ZpiU6 :2006/04/04(火) 20:52:47.79 ID:VHn+Siig0
 その日の昼休み、私は食堂で珍妙な格好の女性を発見した。昔の女だ。
「な、なんだそれは」
 私は動揺を隠せず、目の前の彼女に問うた。
「あら、お久しぶり。元気だった?」
 少しは重たい雰囲気になってもいいんじゃないかと思いつつも、こういったさっぱりした所がやは

り素敵だ、と改めて認識できる。なぜ別れてしまったのか、彼女の格好を見て思い出した。
「どぉ? 最近話題のクールビズにしてみたんだけど」
 くるり、と彼女が回る。背中に孔雀でも背負えばリオのカーニバルに直行できそうな格好で。とて

も素敵だがクールビズとは思えない。
 もう一度、彼女の全身を嘗め回すようにじっくりと眺めてから、私は言う。
「まぁ、支障はないだろう。結婚しよう」
「じゃあ今度ドン○ホーテにコスプレ買いに行こ」
「前言撤回」
404 ◆vMDm/ZpiU6 :2006/04/04(火) 20:53:14.39 ID:VHn+Siig0


 その日の夕方、私はトイレの外で絶妙な格好をした女を発見した。私の上司だ。
「なんですか、それは」
 私は半ば絶望しながら問うた。
「クールビズだよ。いやー、私も皆を見習ってね」
 体操着だった。御丁寧に紺色のブルマー。確かに涼しそうだ。足元が特に。
 豪快なのは性格だけにしてもらいたい。
「そうですか、そうですか」

「ところでキミはなんて格好をしているのかね?」
「はい、私もクールビズなのですが……」
「ふざけるんじゃないよ。ノーネクタイの無様な格好じゃないか」
「いえ、これが本来の……」
「言い訳はいらない。ちょっと来て貰おうか」
 パチン、と彼女が指を鳴らす。
 するとどうだ。どこからともなくビキニやらスク水やら、夏を想わせる涼しげ(?)な格好をした連中が出てくる出てくる。
 あっという間に包囲された私は、何処かへと運ばれていってしまった。

 ざんねん! わたしのぼうけんは ここでおわって……
405 ◆vMDm/ZpiU6 :2006/04/04(火) 20:53:35.88 ID:VHn+Siig0
「……という夢を見た」
「なんだそれ」
 同僚が笑う。
「なんだもかんだもねぇよ」
「そうだな。ところでお前、その格好は?」
「あぁ、クールビズさ」
 マイヨ(ジャージ)に身を包んだ同僚は、自慢のロードレーサーに跨りながら胸を張った。
「いつもそうじゃないか」
 薄い布地のネクタイを弄び、私も笑った。

 ― 終 ―
406以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 20:55:15.27 ID:VHn+Siig0
クールビズ、以上。
パソコン弟が使うそうだから音楽はまた明日になるかなー
例の如く感想批判モロモロお待ちしています。
407以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 20:56:43.92 ID:UP8yonw+0
>>397
お疲れさまです。軍記物は読み慣れないが、ラストの澄んだような心象の描写が印象的だった。

特攻隊の人と交流をわずかでも書けば、ラストが締まったと思う。
あの書き方だと、撃たれた子供とかの描写ような、
風景としての「戦争という悲しい現実」と同列に扱ってしまう。

まあ、過激な話ばかり好むアホの戯言として聞き流してくだちい。
408のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/04(火) 21:11:23.86 ID:O4bWfjam0
>>402-405
元ネタ知っているので、かなり笑いました。
ただ、こういう文章読み慣れてないんで、あまり偉そうに感想を
述べる事が出来ないです。申し訳ないです。

>>407
ありがとうございます。
ただ、陸軍で特攻隊と絡ませるのが難しかった…
それを何とかするのも必要な技術だと思うんですがね。
頑張っていきますノシ
409のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/04(火) 21:27:33.68 ID:O4bWfjam0
過疎保守
410銃痕と十字架1/2:2006/04/04(火) 21:36:44.76 ID:ts3PwOzK0

散乱した椅子、傾いた十字架。
壁には修理されることの無い銃痕が残っている。
「神に見放された教会、か」
軍服に身を包んだ男は何とはなしに呟いた。
割れたステンドグラスから冷たい風が吹き込んでくる。
かつて活気に満ちていたその場所は、もはや何の気配も感じさせない。

「あなたは神を信じられるっていうの?」
背後から突然声が発せられた。
彼が驚いて振り向くと、そこにはぼろぼろの服を着た少女が立っていた。
両手で銃を構えて。
「動かないで。両手を上に挙げて」
「落ち着け。ただの小娘が軍人に敵うと思うのか?とりあえずそれを――」
おろしてくれないか、と口にする前に、ぱん、と乾いた音が響いた。
彼は渋々といった様子でゆっくりと両手を挙げた。
「こんなことをして何になる」
「黙って。まず武器を捨てて。次は携行食を」
目を見据える少女から、彼は顔を逸らした。
外では砂利が軋む音が響いていた。
「敬虔な信者がすることとは思えないな」
「敬虔」少女は嘲笑した「私は違うわよ」
「以前この町で疫病が流行ったとき、教会は私の弟を生贄だといって惨殺した」
語気を強めたが、彼は別段表情を変える様子も無い。
「だからあなた達がこの町に来たときは嬉しかったわ。その時私は初めて神に感謝した」
「でも、あなた達はもう教団とは無関係だった私の両親まで殺した」
早口でまくしたて、改めて少女は彼の顔を見つめた。
「もう私は何も信じない!神様なんていない!さあ、早く武器を捨てなさい!」
411銃痕と十字架2/2:2006/04/04(火) 21:37:47.63 ID:ts3PwOzK0

次の瞬間、彼女は糸が切れたように倒れた。
壊れた入り口から、若い兵士が駆け寄ってくる。
「ご無事ですか、少佐」
「ああ」
「異教徒がまだあちこちで抵抗を続けています、すぐに本部へお戻りください」
それだけ言うと、兵士はもと来た方へ走り去っていった。

再び一人になった彼は、語るように呟いた。
「神は存在する。我々人間だ」
もっとも、少女は何も答えを返しはしなかったが。
「数多の者を贄として屠ることではじめて存在することができる」
それでも、彼は続けた。
彼自身が再び事実を確認するかのように。
「いつの時代でもそれは変わらない」
どこかでまた銃声が響いた。
412以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 21:39:20.95 ID:0sKeS3Nb0
展覧会はどうやっても無理だったので「銃痕と十字架」つかわせてくれ…
413以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 21:40:44.61 ID:ts3PwOzK0
ID変わってますが、>>361です。文才が欲しい・・・
414ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/04/04(火) 21:42:34.02 ID:ZGslqUR70
真面目にプロ志望がいることにビビリはじめている俺にお題をくれ↓
415以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 21:44:45.94 ID:DsJLC9iO0
やあ(´・ω・`)

このスレに来た君はラッキーだよ
ここは天使のスレなんだ
何らかのコンプレックスで悩んでいるであろう君に、特別に教えてあげよう
↓のスレに、君の望みに適合する一文を下から選んで書き込むんだ
http://tv7.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1142085897/l50

身長を伸ばしたい君は「金田は悪くない。俺たちの金田は何も悪くない。」

ニキビを治したい君は「金田のどこが悪い!? 俺たちは金田を認めるぞ!」

髪の毛を増やしたい君は「金田の言うことはすべて正しい。金田に逆らうものは悪魔だ。」

定職に就きたい君は「金田は正しい! 金田こそが正義なのだ!」

ズバリ彼女が欲しい君は「金田は荒らしではない。金田を叩く者こそが荒らしだ。」

その他の望みがある君は、何でもいいから「金田」を持ち上げる発言をするんだ。
416以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 21:47:22.75 ID:HiwOkLgzO
>>414
ヤクルト
417のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/04(火) 21:47:36.15 ID:O4bWfjam0
>>414
コンプレックス
418ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/04/04(火) 21:48:12.80 ID:ZGslqUR70
>>416-417
せっかくだから両方把握しとく。しばし待たれよ
419春厨:2006/04/04(火) 21:49:56.48 ID:HiwOkLgzO
投下させてくだしあ><

お題「時計」



山田は人殺しになった。
いま山田の目の前には死体が転がっているけれども山田が人殺しになったのは今日の話ではない。一週間前既に山田は人殺しだった。
人殺しになる前はずっと猫殺しだったしその前は小さな魚だとか虫だとかそういう小さいものを殺していた。
別に何かが気に入らなかったわけではなくて、苛ついていたわけでもなく、ただ山田は命を奪うのが趣味だった。山田の恋人である沢本が料理を趣味としているのと同じように、山田にとってはそれが趣味だった。
精神が異常であるのは山田自身認めているが決して病気ではないと山田は思っている。
420春厨:2006/04/04(火) 21:50:29.20 ID:HiwOkLgzO


山田はぼんやりと腕に巻かれた時計をみる。いつの間にか日付は変わっていた。ハッピーバースデー、俺。ちいさく呟く。


嗚呼死んだのだあの子は。あかるい茶髪の、目がおおきい、ちいさな少女は。
山田は小さなため息をいくつか吐いて自分を宥めるかのように目を閉じ手のひらを握りしめた。
この手があの子をころした。


やわらかなのどぶえにゆびさきをたててゆっくり呼吸を奪ったのだ。最中何度も口づけを交わした。山田の口内にあったささやかな酸素すらも沢本は容赦なく奪っていった。それは確かな生への執着であったのに山田は容赦なく断ち切ってしまったのだ。

山田のかわいいあの子は死んだ。この手は最も愛しい存在を奪った。
やまだぁ、と間延びしたあの声はもう無い。それを思うと微かな震えに襲われる気がした。
421春厨:2006/04/04(火) 21:51:54.89 ID:HiwOkLgzO


目の前に力なく転がる、ついさっきまで恋人であった(今はただの肉塊である)それを淡々と見つめ山田はまたため息を吐く。沢本の細い手首に巻き付いた腕時計が月明かりに照らされている。
揉み合ったとき沢本に引っかかれた傷がやけに疼いた。この手はろくなことをしない。親友の次は最愛の恋人。ならば次は、。



決まっていた。山田は静かにナイフを握ると微塵の躊躇いすら見せず真っ直ぐに自分の左胸に突き刺した。
山田の趣味は命を奪うことだった。虫に魚に猫。親友恋人。仕上げに自分。



その愚かしい心中を見守っていたのはぽかりと間抜けなかおでそこに在った月、ただ1人であった。


------

おわりです(´・ω・`)
422のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/04(火) 21:52:07.76 ID:O4bWfjam0
>>419-420
あー、こういうの好き。
実は俺、こういうの書くのが得意OTL
メンヘル逝ってこようかな…
423のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/04(火) 21:52:35.92 ID:O4bWfjam0
安価ミスった。ごめん。
× >>419-420
○ >>419-421
424春厨:2006/04/04(火) 21:53:28.54 ID:HiwOkLgzO
厨臭い文章ですみませんでした><

ここプロ志望とかいるんですか…。ビビる。ほんとすみません。
425以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 21:56:14.95 ID:HiwOkLgzO
>>422
あああありがとうございます><><><
メンヘラじゃないけどメンヘラっぽい人が出てくる話がすきです。
でも普段はこういう話書かないです…
今回も最初は死人とか一切出ない健全な話かいてたんですが飽きました><
426のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/04(火) 22:00:55.19 ID:O4bWfjam0
>>425
いや、俺程度でそこまで感謝しないで下さいです、マジで。
プロ志望の人も何人かいるみたいだし、その方々から感想頂いた時に
とっといてくれると嬉しいです。
お互い頑張りましょう。
427以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 22:03:25.58 ID:SKyhZSEE0
参加してみたす
いっちょやってみっか!↓
428以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 22:04:21.17 ID:F/LaWD0G0
なかなか書き上がらない私がお題をあなたのID見て決めましたよ

つ「空」
429以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 22:04:35.05 ID:yKuz5wpD0
お題かな?だったら「猫」で
430以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 22:05:43.04 ID:SKyhZSEE0
>>428
うお、IDがSKyだ
激しく把握した
431春厨:2006/04/04(火) 22:20:30.66 ID:HiwOkLgzO
>>426
いえ、感想とか意見は誰に言われても嬉しいです。感謝です。
プロ志望の方の作品を拝見して精進したいです!
がんばりましょうー!

とりあえず携帯からだけどログみてくる(`・ω・´)
ところでプロ志望の方もいるってことはこのスレ年齢層高いんだろうか…
年齢の話タブーだったらスルーしてください。
432以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 22:24:28.29 ID:rQWfJzRxO
参加してもいいですか??(´・ω・`)
433以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 22:31:51.78 ID:xRbXevrn0
>>432
安価出す
お題もらう
小説書く
それ晒す
俺幸せ
434のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/04(火) 22:32:57.19 ID:O4bWfjam0
俺も
お題
欲しい
安価
>>435
435以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 22:33:31.29 ID:ts3PwOzK0
「こもりうた」
436以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 22:33:45.24 ID:rQWfJzRxO
>>433d

>>456で…
437以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 22:34:40.50 ID:ts3PwOzK0
>>436
このスレでそれは遠すぎやしないかい?
438以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 22:34:43.12 ID:rQWfJzRxO
違った…>>440で…
439のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/04(火) 22:34:50.05 ID:O4bWfjam0
>>435
把握しました
でも明日になるノシ
440以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 22:35:43.49 ID:UP8yonw+0
星屑
441以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 22:36:19.50 ID:UP8yonw+0
>>410-411
こーゆーハードな世界観は大好き。
文体もマッチしてる希ガス。

>>419-421
機械的な心理の推移が異常な雰囲気出してる。
もっと時計と絡めた描写があればもっと怖くなったかも。
442以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 22:38:11.79 ID:rQWfJzRxO
>>440d
がんばるー
443 ◆twn/e0lews :2006/04/04(火) 22:47:33.75 ID:mMCQTGCa0
>>338
今起きて把握しました
お題はいつ晒せば良いんだろ?
何から何まで聞いてすみません
444以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 23:04:08.60 ID:mMCQTGCa0
ほしゅ
445ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/04/04(火) 23:06:21.35 ID:ZGslqUR70
ヤクルト&コンプレックス投下!

仕事を終えたサトルが一人暮らしのアパートに帰ると、
狭い部屋のテーブルの上に見慣れないものが置いてあった。
それは高さ7センチ、直径3センチほどの半透明のプラスチック製の容器で、
中には乳白色の液体が満たされている。どうみても雰囲気はヤクルト的だ。
小さい頃はよく飲んだ気がする。そういえばジョアなんてのもあったな。
どんな味だっけ?思考が脱線しかけたが、サトルはなぜヤクルト的な物が
テーブルの上にあるのかを考えた。出かける前には無かったはずだ
家族が来たのか?そんな連絡は無かったが、いかにもありそうな話だった。
 ヤクルト的な物をぼんやりと眺めていたサトルはふと違和感を覚え
それを手にとって見、なんとなく声に出して読んでみた。
「夜狗琉徒、夜のパパは獣だぜ!超悶絶過剰強壮ドリンクGTツインターボ・・・・?
 ハハハッ、なんじゃこりゃ・・・?」
 仰々しい書体で書かれた意味不明気味なキャッチコピー(?)を見て
多少アホらしい気分になったサトルは、兄貴か姉貴が部屋に来てCDやら漫画を
物色したついでにネタとして置いて行った物だろうと断定し、夜狗琉徒(中略)
GTツインターボを冷蔵庫に放り込んだ。

シャワーを浴びて早々に寝巻きに着替え、麦茶を飲もうと冷蔵庫を開けた。
そこには先ほど放り込んだ夜狗琉徒(以下略)があった。
「・・・あやしいけど飲んでみるか。まずかったら麦茶にしよう」
サトルは紳士なので指を突っ込んで押し破るような真似はしない。
夜狗琉徒の蓋を丁寧に剥がし、少しだけ覚悟を決めて一気に飲んだ。
普通だった。普通にヤクルト味がした。サトルは肩透かしを食ったような
気分でテレビをつけ、たまたまやっていた健康番組をぼんやりと眺めた。
 健康番組は”必ず生える!抜け毛対策”という特集で、毛深いことに
密かなコンプレックスを感じていたサトルは少し不愉快な気分になった。
446ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/04/04(火) 23:07:00.73 ID:ZGslqUR70
――チャンネルを、変えよう。
 手をリモコンに伸ばす。違和感があった。忌々しい腕毛がいつもより濃い気がした。
いや、馬鹿な、そんなわけ無いさ。リモコンを掴む。うまくくつかめなかった
爪が長すぎる。爪?長いってどういうことさ?うまくリモコンを掴んだと思ったら
リモコンを握りつぶしてしまった。長く鋭い爪が手のひらに刺さって黒っぽい血が流れた。
 状況が良く掴めないサトルだったが、畳に血をたらすわけにはいかない。借家だからだ。
洗面所に駆け込み不器用に蛇口をひねって傷口を洗い、タオルをズタズタに引き裂きながら
取り出して手に巻きつけた。タオルに黒いしみが少し広がってすぐ止まった。
 ひとまず安心して鏡を見た。そこには狼そのものの顔が無表情に写っていた。

朝起きると、サトルは自分が洗面所で寝ていることに気づいた。ひどい夢を見た気がする
「いくらなんでも毛深いの気にしすぎだろ。俺よ」
苦笑して目を擦ろうとしたが、右手に巻いてあるタオルを見て眠気が吹き飛んだ。
「嘘だろ・・・?」
テーブルの上には夜狗琉徒の空き容器が転がっていたし、その横には原型が無くなった
テレビのリモコンが無残な姿を晒していた。目に入った夜狗琉徒のパッケージの裏を読む

※効果は夜間のみとなります。また飲む毎に自我の侵食、獣化時間の長期化を招きますので
 乱用はお控え下さい。

 会社を休もうかと思ったが、今のところ体調に変化は無いので普通に出社した。さすがに夜間残業
をする度胸は無かったが。家に帰るとまたテーブルの上に夜狗琉徒が置いてあった。
今度は6本パックだった。苦笑して冷蔵庫に放り込む。
「俺の人生、面白くなってきたな。はははっ!、でも日本には銀の弾丸は流通してないよな?」
447ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/04/04(火) 23:24:34.92 ID:ZGslqUR70
保守age

批評どーぞ。
448お題「空」:2006/04/04(火) 23:27:30.66 ID:SKyhZSEE0
投下させていただきまーす

空猫をしっているか?と、頭の中のテープレコーダーが繰り返していた。
それも、何年も前からだ。いつどこでそれを聞いたか、どうしても思い出せない。
空猫、というキーワードも、それだけでは空を飛ぶ猫か空色の猫を想像することしかできなかった。
だいたい、ウミネコが猫でなく鳥なのだから、空猫はアロワナやウーパールーパーかもしれないのだ。
事の真相はそれをサトに尋ねた張本人にしか分からない。サトは運命の王子様を信じるような
乙女心だけでその張本人を探す旅に出た。親兄弟には反対されたが、この世界ではいろんな歳の
いろんな男や女がさまざまな冒険をしている。皆がしているからいいじゃん、というよくある理論で押し切って
サトは小遣いすべてを非常食の缶詰につぎ込みそれらをリュックにつめて当ての無い旅に出た。
どんなモンスターに会い、どんな苦難が待ち受けているだろうか。サトの胸は期待でいっぱいだった。
しかしお約束なもので、最初の集落に着いて缶切りを貰うまでサトは何も口には出来ず、
空腹が最初に待ち受けていた苦難だとは、サトは後の武勇伝では語らないことに決めた。
449お題「空」:2006/04/04(火) 23:27:46.58 ID:SKyhZSEE0
「ここがスカイタウンね!」
当ての無い旅と言えども、そんな旅はなかなか成立しない。サトは地図を広げ、空猫、というキーワードに
一番近いであろう都市、スカイタウンに向かった。スカイタウンは名の通り、空中都市で、
左右上下どこを見ても3Dに空が広がっていた。遥か上空の雲を乗り越えたところにあり、天気はいつでも晴れだ。
リゾートホテル等があり観光客でにぎわう中、サトのような冒険者も一時の休息に訪れる者が多いようだ。
そんななんとなくな勘で仲間と判断したものに、手を振りアイコンタクトをしながら、サトは人の多い広場へ向かった。
「空猫に詳しそうな人、詳しそうな人、・・・と」
広場の端にいる、いかにも学者といった男にサトは駆け寄る。
分厚い、サトの好きな漫画6冊分はありそうな本を読んでいた。

恐縮です、とまったく恐縮してない様子でサトは本と男の間に分け入る。
「あのっ、学者さんですよね!?空猫って、なんだか知りませんか」
学者ならなんでも知っているだろう、と子供のような考えを思いっきり振りまきながら、サトは目を輝かせる。
男はサトのそんな無邪気な知性のかけらを感じない笑顔に驚き、眉に皺を寄せた。
「なんだね君は。いきなり人にその・・・空猫とやらのことを聞くとは、失礼ではないかね」
「あっ、ごめんなさい!私サトって言います。空猫を探してるんです」
先ほどの言い草からして、この学者風の男は空猫を知らなかったのであろう。
が、サトの熱心な眼差しは、知らない、と一蹴するには哀れすぎた。
男は、顎を指に乗せ、しばらく考えるように俯いた。

長くなりそうなんでここらで終。あんまり空関係ないじゃんね(´・ω・`)
450週末品評会 ◆2LnoVeLzqY :2006/04/04(火) 23:31:00.02 ID:3qH7/n5N0
>>365-370
このスレの中でも指折りの傑作だと思う。
これまでのイロハ氏の文章の中で1番読みやすかったし、キャラの描写とかも本当に上手いと思った。

>>443
お好きな時刻でどうぞw
土曜の午前が目安で、だいたい10〜11時くらいが目安だと思います。
451以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 23:31:59.61 ID:UP8yonw+0
>>445-446
これは想像力が掻き立てられるww
展開に説得力もあるし、間抜けな響きのネーミングセンスが秀逸。

敢えていちゃもんを付けるなら、最後のセリフは分けて、
「でも日本には〜」で落としたほうが綺麗だと思う。
452以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/04(火) 23:47:16.32 ID:e4n4bv420
>>365-370
すげぇwwwwプロだとしか思えないwwwwww
どこを取ってもケチ付けれないです。文才有りすぎだと思います。
>>447
つーかそのお題を綺麗に消化できただけで賞賛に値すると思うw
描写もわかりやすいし際立った欠点みたいなのも無いかと。
敢えて言うなら三点リーダのことだけどこれは前スレでも議論されてたと
思うし今更俺が言うことでも無いかね。
453お題「星屑」1/2:2006/04/04(火) 23:58:29.03 ID:rQWfJzRxO
投下させていただきます!!

雨が止んで、あたりは静かになった。部屋の外から、看護士の見回りだろうか、コツコツという足音が聞こえる。
その音は、だんだん大きくなり、そしてだんだん小さくなる。
私は点滴の針を手の甲から抜き、病室を出た。
床はひんやりと冷たく、裸足で歩いているとぺたぺたと音がする。
階段を上り、ぽつんとあるドアに近づき、ドアノブをまわす。
冷たい風が、私を屋内に押し戻す。
それに逆らい、私は屋上へ飛び出した。
足元は先程の雨で濡れており水溜まりができているが、空は沢山の星たちがきらめいている。
そしてその星屑は足元の水溜まりに映り、その中でも輝きを失わない。
「きれい…」
まるで宇宙の中心にいるかのよう。月にさえ、この場にいたら手が届きそう。
不意に、後ろから扉の開く音がした。
「なにを…?あぶないですよ…」
若い女の看護士が、恐る恐る私に近づいてくる。
私は彼女に微笑みかけ、そして、飛び降りた。
454お題「星屑」2/2:2006/04/05(水) 00:02:20.18 ID:SXkm3E1XO
目が覚めると、そこは見慣れた、いつもの病室。体中が痛い。そうだ。私、飛び降りて――ああ、また失敗したんだ、私。
外は暗く、星が輝いている。
何をしてもだめな私。どうしてこんなに、失敗ばかりしてしまうんだろう……
「目が覚めましたか」
「先生……」
いつもの、先生の優しい笑顔をみた瞬間、涙があふれだした。
「なんでそのまま死なせてくれないの!?今度はいけると思ったのに!!」
先生は困ったような顔をして、でもね、と言った。
「あなたに、死んでほしくないって思っている人がいる限り、そんなこと私にはできないの」
「そんな人、いるわけない。もう放っておいて」
そういうと、先生の後ろから一人、姿を現した。
「お母さん…」
来てくれるとは思わなかった。もうずっと昔に、見捨てられたかと思っていた。
私が茫然としていると、お母さんは私にどんどん近づいてきていた。小さな声で何か呟いている。
「なに…?」
その瞬間、左胸付近に痛みが走った。
「ああ…お母さん…」
みると痛みのあるところに、包丁が刺さっている。お母さんは私の耳元で、小さく繰り返す。
「ごめんね…ごめんね…」
血がどくどくと流れ出る感覚がわかる。これで私もやっと星になれる。だめだめな私も、星になればきっときれいに輝ける。
私はお母さんに言った。
「ありがとう、お母さん」
先生はその異様な雰囲気に気付き、お母さんを突き飛ばした。その勢いで、私に刺さった包丁はお母さんの手に握られたまま抜けた。
「自分の子供になんてことを!!」
もう意識のない私に呼び掛ける先生。
「これがこの子が望んだこと…」
「だからって……」
先生は、お母さんの行動をみて、動きを止めた。
「これが私の愛情なんです」
お母さんは私をさした包丁で自分をさして、意識がなくなるまで私の名前を呼び続けた。
455以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 00:26:55.01 ID:lBHHHI4x0
>>448
ポケットなモンスターが脳裏をよぎりました。
空猫GJ

>>454
セツナス(つω・)
でも、最後、『私』の視点で見てるなら、意識がなくなってからは描写できないはず。

「自分の子どもに何て事を!」
次第に暗くなっていく意識の中で、先生が私によびかける。
……こんな感じにしてはいかがでしょうか。


456以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 00:33:06.69 ID:c/mzh4XR0
バイトからかえったおれにお題くれ
457以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 00:34:28.91 ID:lBHHHI4x0
お疲れ様。

つお題:おにぎり
458 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/05(水) 00:38:05.06 ID:c/mzh4XR0
>>457
ムーンサルトしながら把握した
459以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 00:47:42.81 ID:o0PLppOu0
>>448-449
発想が面白いと思った。
仰るとおり、お題をファウルチップという感じですが。GJ

>>453-454
乙一
救いを求めるがゆえの悲劇がよく表現できてると思うけど……
って書こうと思ってリロードしたら、>>455氏が既に仰られてましたので、別のことを。

俺の国語力の問題かも知れないけど、文末が「〜る。」で終わる点について、
多少、読むのにつっかえる部分があった。
例えば1行目の
”雨が止んで、あたりは静かになった。部屋の外から、看護士の見回りだろうか、コツコツという足音が聞こえる。 ”
は、「聞こえる」じゃなくて、「聞こえてくる」の方が耳障りがいいと思った。微妙な違いだけど。
後は、序盤で星屑への願望がもう少し強くアピールされていれば、と思いますた。
携帯からお疲れ様。
460以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 00:51:10.32 ID:LPK/B6x60
誰かお題plz
461以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 00:54:28.38 ID:0AOynxq00
水飛沫
462以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 00:55:58.35 ID:LPK/B6x60
>>461
把握した
463以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 01:09:23.81 ID:ifHW1GDc0
前スレ985のお題「温泉」が書けたのですが、投下してもいいですか?
非常に亀で文才のない文章ですが…
464以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 01:13:04.17 ID:o0PLppOu0
>>463
俺が言うまでもないけど、щ(゚Д゚щ)カモォォォン
465 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/05(水) 01:18:54.50 ID:c/mzh4XR0
おにぎり書いてみた。

>>463の後に投下するw

wktk
466お題「温泉」1/2:2006/04/05(水) 01:21:57.01 ID:ifHW1GDc0
日本人にとって正月はやはり、特別なものらしい。
普段取材の仕事で忙しく、家には滅多に帰ってこない母でさえ、今は僕と同じ掘り炬燵に入り煎餅と玉露でよろしくやっている。
目の前のよろしくやってる母を見て、ぼんやりと思う。こうして家族が居間に集まる事など一年に一度、あるかないかである。
僕は素直に感謝したい、ありがとうお正月。
しかし、カレンダーを見ると今日は一月三日らしい。もうこの素晴らしい正月も明日で終わってしまうのだ。
というか三日は確か、恋人の早智と初詣の約束をしていたような……まぁいい。早智となんていつでも会える。
母とは今日が終わってしまえばまた、長い間会話も交わさなくなるのだから。最優先事項。
ただ一緒にいるからと言っても会話など殆どしない。一年に何回かしか会わない人と円滑な会話などできるはずがない。
「マーくん学校はどう? 楽しい?」
努めて明るく、母が僕に尋ねる。
「楽しいよ。母さんは仕事、楽しい?」
ぎこちない会話。実の親子のそれではないようだ。
「楽しいわよー。色々な人のお話を聴けて、それを自分で皆に伝える仕事なんだから」
とても自慢げに、誇らしげに答えた。
「ふーん。そっか。」
自分から訊いておいて興味がないからこんな返事をしてしまった。返答の内容が予想できたから。
そりゃそうである。夫を放って毎日、仕事仕事仕事。愛想をつかされて離婚しても、仕事仕事仕事。楽しくない訳がない。
その所為で、僕は母の顔よりも祖父母の顔ばかり見ている。そして悲しそうな父の顔を忘れることはない。
母が玉露を啜る。僕も啜る。
467お題「温泉」2/2:2006/04/05(水) 01:23:14.66 ID:ifHW1GDc0
「ねぇマーくん? 今度温泉にでも行かない?」
思わず僕は玉露を吹き出しそうになる。
「ど、どうしたのさ急に?」
「いやー……なんだか突然行きたくなっちゃってー」
母の目線の先のテレビでは恒例の温泉特集。これか。
「なんだ、テレビの影響か……って仕事が始まったらそんな時間もないんじゃない?」
「大丈夫だって。母さん、長期休暇を貰うから」
……僕は返事に困ってしまう。そんなことは昔も言っていたからだ。僕まで悲しい顔などしたくはない。
僕が玉露を啜る。すると母がいきなり立ち上がり、勢い良く机を叩いて言った。
「いーや! 絶対に時間作るから! 今度、行こ」
その勢いで母の湯飲みから玉露がこぼれる。が、そんなことは全く気にしていない様だった。
それでも僕は玉露を啜る。自信に満ちていた母の表情が曇った。
「やっぱり……嫌かな?」

迷ったが勿論、愛すべき家族なのだ。
念押しがなくとも「うん。今度は絶対だよ」と言っただろう。

------
終わりです。
468 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/05(水) 01:26:06.41 ID:c/mzh4XR0
【おにぎり】                  
冬の寒さに身を縮めながら、近所のコンビニに向かう。
 歩きながら、深夜の星空を見上げた。
 どこまでも広がる星空を見て、少しだけ開放的な気分になった。
「はぁー…」とため息をつく。
 吐く息が、白かった。
 こんな寒い夜は、家でごろごろしているのが一番よかった。しかし、お腹が
情けない音をたてたので、しょうがなくコンビニにおにぎりでも買いにいこうと
おもったのだ。
 コンビニの裏までくると、なんとなくタバコを取り出して1本口にくわえ、
火をつけた。
「ふぅー…」
 凍えそうな寒空に、甘い香りの紫煙がたちのぼる。
それは、ガラムと言うインドネシア産のタバコだった。
 冬の夜空を見ながら、少し物思いにふけた。
 子供の頃、コンビニのおにぎりが、とってもおいしく感じられて、母の
つくってくれるおにぎりより、コンビニで買ったおにぎりのほうがスキだった。
469 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/05(水) 01:26:46.73 ID:c/mzh4XR0
 いろいろな種類のおにぎりが、コンビニにはいつもならべられていたけど、
一番好きだったツナマヨネーズとさけだけをいつも選んでいた。
 今になって思う。なぜあんなに好きだったのかな?と。パリパリしたノリは、
たしかにおいしいとはおもう。でも今は、前のようにおいしくは感じられなかった。
コンビニに、並べられているおにぎりが変わったのではなく、自分が変わったの
だろうと思う。母のつくってくれたおにぎりは、なぜだか暖かかったような気が
するのだ。コンビニに、ならべられているおにぎりは、今食べると酷く冷たい感じが
するのだ。
 しかし、今ではその暖かく感じられたおにぎりを、作ってくれていた母はもう
いない。少し前にガンで逝ってしまった。52歳という若さだった。
 ほとんど灰になってしまったタバコを、携帯灰皿にいれて寒さに身をふるわせながら、
人工的な光が照らす店内にはいった。
 つめたいおにぎりを買いに…。

           ―――END―――
470 ◆WGnaka/o0o :2006/04/05(水) 01:30:09.52 ID:Yi4DXvZx0
>>374
書いてる途中でPCフリーズを二回ほど喰らって、挫折しかけながらやっと書き終えたorz
後半集中力が途切れて失速気味になる作品の良い例ですねwwwww
無駄に長いしお題関係なくなってるし無理に制限付けて書いてしまったし…。
では投下します。
471 ◆WGnaka/o0o :2006/04/05(水) 01:30:52.13 ID:Yi4DXvZx0
寄り道

 生まれたばかりの春風が訪れてくる、学校の屋上から一つの白い塊を宙に放り投げた。
 それは打ち付ける乱気流の中で頼りなさげに飛んでいく。羽ばたくことを覚え始めた小鳥のように。
 旅客飛行機が描いた飛行機雲にその小さな体を重ねると、吹き抜ける風に乗って更に舞い上がる。
 所々傷を負った不恰好な羽根をはためかせ、彼方まで広がる青空の海を泳ぎ続けていた。
 飛び立つ原動力は託された願いと後押しする風だけ。どこまで行くのかずっと見続ける。
 まだ何も知らない子供の頃、無我夢中になってやった遊びだった。

「今日も雨か……」
 朝陽も隠れた黒い空を見上げて憂鬱になってくる。
 雨は嫌いだ。理由は判らないが、なんとなく見ているだけで哀しくなってしまう。
 一つ溜め息を長く吐いて、雨粒と一緒に堕ちそうな気持ちを追い出した。
 地下鉄のプラットホームから地上へ出る最後の階段を踏み、脇に抱えていた折り畳み傘を開く。
 ノートパソコンと大事な書類の入った鞄を濡らさないように傘を差し、人ごみの中に混じり歩き出す。
 雨が降り頻る駅前はいつもと変わらない賑やかさがあった。
 たとえ台風が来ても、たとえ大雪になったとしても、この東京という街は日常を描き続けるのだろう。
 傘の帆から聴こえる打楽器に似た音に耳を傾けながら勤務先の会社へと急ぐ。
 水溜りを抜けるたびに革靴が水分を吸って少し重く感じ、靴下の湿り気で足先の体温は徐々に奪われていった。
 毎日通い続けた道のりが長く感じるのは気のせいだろうか。
 絶え間なく降り続く雨で目の視界が悪い。気付けば堕ちてくる雨の勢いは更に強くなり始めていた。
 安物の小さな折り畳み傘ではとても凌ぎ切れないほどの大雨。いったいどこからこの降雨量はやって来るのか。
 ビジネススーツの肩口とズボンはすでにずぶ濡れで、雑巾のように絞れば吸い取った雨水が飛び出すことだろう。
「はぁっ……」
 今度は短い溜め息を吐く。追い出せない気落ち感で更に雨を嫌いになりそうだ。
 水分耐性が備えられた腕時計で時間を確認する。早めに家を出た甲斐があってか、まだ少し時間に余裕があった。
 温かい飲み物を買うためと雨宿りも兼ねて、近場のコンビニへ寄り道をすることに。
472 ◆WGnaka/o0o :2006/04/05(水) 01:31:42.52 ID:Yi4DXvZx0
>>471
 行き交う人々の差した傘にぶつかりながら店前まで辿り着く。自動ドアが来客を察知して開いた。
 傘を閉じながら雨粒を払ってから、店先に備え付けられた傘立てに通し掛け、いざ店内へと足を踏み出す。
 外気と雨に冷やされた体には、店内の暖かさと立ち込めるおでんの煮詰まった匂いがなんとも心地良かった。
 あまり広くない店内を一周し、週刊誌とホットのココアを持ってレジへ。
 普段なら若い男の店員がレジ打ちをしているのだが、今日は始めて見る女の店員が愛想笑いを浮かべていた。
 客も二・三人居るだけでレジ待ちもないままに、たった二つの商品を女店員の前のレジカウンターに置く。
「いらっしゃいませー」
 そう言いつつ引き攣ったような微笑みをしたあと、長い黒髪を揺らめきさせながら軽く会釈をする。
 律儀すぎるほどの接客業務をこなし、商品のバーコードをリーダーで読み取り始める。
 あまりその手付きは慣れたものではなく、失敗を恐れるようなぎこちなさがあった。
「二点で、えっと、413円になります」
 合計金額の表示されている液晶を見ながら告げた。声もどこか上擦っているようにも聞こえる。
 まだ新人研修の真っ只中といったところか。
 なんとなく自分がまだ何も判らなかった新入社員時代を思い出して少し顔が緩む。
「あっ……」
 店員が発したその小さな驚き声で、節目がちにしていた視線を反射的にそちらへ向けてしまう。
 商品を袋詰めしていた手を止めていた店員と目が合った。
 見開いたその瞳は上目遣い気味のままにじっと見つめ続けてくる。
 なぜか気恥ずかしくてこちらから視線を外し、会計を済ませようと小銭入れをポケットから取り出した。
「やっと、見つけた」
「え?」
 思わぬ言葉に小銭入れのチャックに手を掛けたまま、もう一度店員へと視線を戻してしまう。
 また互いの目線が絡み合った。しかし店員の表情は真剣そのもので、視線を逸らすことさえ躊躇ってしまう。
「最初見掛けたときはまさかと思ったけど、笑った顔を見て確信した」
 続ける店員の言葉に幾つもの疑問符を頭に浮かべるだけだった。顔見知り、ということなのだろうか。
 そして更に店員は勤務中ということすら忘れて言葉を紡ぐ。
「紙飛行機折りの天才くん、だよね?」
 なんだその人名として可笑しすぎる名前は。そもそも天才と名乗ってる時点で――。
 いや待て、思い出した。子供の頃に自分のことをそう呼ばせていた奴が居た。
473 ◆WGnaka/o0o :2006/04/05(水) 01:33:33.52 ID:Yi4DXvZx0
>>472
「なんでその名を……」
「ああっ、やっぱりそうなんだ! ちょっと待っててね!」
 店員は嬉しそうにそう言い残し奥へと消えて行った。
 レジカウンターで呆けている人間を奇特の目で見つめる他の客の視線が痛い……。
「これこれ、見覚えあるでしょ?」
 奥から戻ってきた店員の手には、何か茶色く薄汚れた紙切れのようなものが握られていた。
 ごみくずと言われればそうなのだが、良く見れば何かの形を目指して折られている感じがする。
 生憎これがなんなのかさえ見当も付かない。
「ごめん、見覚えない」
「んじゃね、これなら絶対判るはずだよ」
 店員はその紙切れをレジカウンターの上で何度か皺を伸ばしつつ折り直し始めた。
 手先は器用なほうなのだろう。次第にそれは在るべき形へと成していった。
「はい、これ」
「紙飛行機?」
 出来上がったそれはまさに紙飛行機。形こそ綺麗ではないが認識するには十分であった。
「そう、紙飛行機。それもビンテージものの希少品」
 なるほど、陽に焼けて色褪せたような茶色は元々白色だったのだろう。
 破れかけた翼の部分や汚れなんかは確かに積み重ねてきた年代を感じさせた。
「ここ見てここ」
 言いながら店員は胴体部の端っこを指差す。その先には何か書かれていた。
 じっと暗号を読み取るように目を凝らすと、僅かながらその一字一字が平仮名ということに気付く。
 く、ら、も、と、り、よ、う、す、け――くらもとりようすけくらもとりょうすけ。一字一字を続けて黙読して驚いた。
「倉本 亮助……俺の名前だ」
「通称紙飛行機折りの天才、だよね」
 そうだ、友達数人には確かにそう呼ばせていた。忘れていた記憶が堰を切ったかのように蘇ってくる。
 出来が良いと思った紙飛行機には名前と願いを書いて、風の強い日に学校の屋上から飛ばしていた。
 遊び半分ジンクス半分。自分の作った紙飛行機があの空を飛ぶ。それが神秘的だったし楽しかった。
474 ◆WGnaka/o0o :2006/04/05(水) 01:34:07.53 ID:Yi4DXvZx0
>>473
「信じられないな。未だに健在しているだなんて」
「ところでさ、私のことは覚えてないの?」
「……ああー、これ持ってるってことは同級生かな?」
「んー近いけど違うよ」
 違うということは一緒に遊んでいた同級生じゃないのか。記憶の渦を辿ってもそれらしい人物は見当が付かなかった。
 そもそも小学生のときに女子と遊んだ記憶が無いに等しいのだから当たり前か。
「ちょっと判んない、ごめん」
 そう聞くと店員はやっぱりそうかという顔で苦笑いを浮かべた。
「私も貴方のこと写真でしか見たこと無かったから仕方ないよ。私の名前はね、日向 望」
 ひゅうがのぞみ。日向――確か友達にそんな変わった苗字の奴が居た。そいつには病気で苦しむ妹が居たと聞く。
 店員の名札には日向 望と確かに刻印されていた。
「もしかして日向 彰の妹さんか?」
「そう、大正解」
 それなら写真でしか見たことがないというのも納得がいく。恐らく兄の彰が病院で見せていたのだろう。
 目の前の店員、もとい望が笑顔でゆっくりと語りだす。
「でね、ある日お兄ちゃんが教えてくれたんだ。『友達の倉本って奴が望の病気治るように紙飛行機飛ばした』って」
 確かに一度だけ、そんな願いを書いて飛ばした紙飛行機があった気もする。
 いや、あった。彰から聞かされた妹の話に胸を打たれ作った最後の紙飛行機が。
「お礼がどうしても言いたくて、お兄ちゃんに倉本さんのこと聞き出して東京の大学まで進学したの」
 レジカウンターに置かれた紙飛行機を手にする望。折り目を広げるように一枚の折り紙へと元に戻し始めた。
 それはまるで時間さえも戻るような、とても不思議な感覚だった。
 やがて正方形になったそれは、繰り返し折られた箇所が虫食いのように破れかけ、過ごしてきた時間を感じさせる。
 望が最後に折り紙を翻すと、文字で埋め尽くされた面が露わなった。
 色とりどりのペンで書かれたその文字たちを目で追っていく。
475以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 01:34:56.53 ID:LqN8k9o20
おまいら見られてんぞwww
ttp://bloog-ranking.com/2ch_view/
476 ◆WGnaka/o0o :2006/04/05(水) 01:35:59.67 ID:Yi4DXvZx0
>>474
『ともだちのあきらのいもうと のぞみちゃんのびょうきが治りますように。りょうすけ』
『先生も病気が治ることを学校からずっと祈っています。3−2担任 佐々木』
『おみまいにいくよー。かずき』
『あきらのいもうとが元気になりますように。たかゆき』
『またのぞみちゃんとあそびたいです。ゆきえ』
『のぞみがんばれ。あきら』
『望のためなら父さんはなんでもしてやるぞ。父』
『どうか神様、私たちの可愛い娘を救ってください。母』
 少し滲んだ文字を一文ずつ解読していくと、幾つものメッセージが記されていた。
「ありがとう、倉本先輩。これがなかったら私、手術するって決心できなかった……本当に、ありがとう」
 改めてこのメッセージを読み返した望は、泣き笑いの表情で何度もお礼を言う。
 あの日に作り上げた最後の紙飛行機に託した願いは届いた。
「俺の紙飛行機もたまには役に立つんだな……良かった」
「さすが天才、だね」
「ははっ、そうかもな」
 まだ買い物途中ということも忘れ、レジカウンターを挟んで二人笑い合った。
 そして、何事かと集まり静観していた数人の客から拍手が贈られる。
 まるでここだけ外とは別世界のような、とても温かなもので包まれていた。
477 ◆WGnaka/o0o :2006/04/05(水) 01:37:03.31 ID:Yi4DXvZx0
>>476

 遠い昔に僕の手を飛び発った紙飛行機は、何度も寄り道をしながら戻ってきた。
 長い間旅をしてきたその体は傷だらけで、もう飛ぶことすら出来ない。
 願いを叶えた代償を払うために負ったものは多いが、それだけ様々な想いが込められたのだろう。
「ありがとうな……」
 手の平で転がる紙飛行機にお礼を言い、今度は文房具屋へと寄り道をするため会社とは反対方向の路地へ。
 新しい折り紙とこいつを保存する額縁を買いに雨の中を歩く。
 嫌いな雨もたまには良い気まぐれを運んでくるんだな。変わらぬ雨空を見上げながら少しばかり感謝する。
 学生の頃のように遅刻の言い訳を考えながら、雨の降り止まない都会の狭い歩道を歩き続けた。

 その日の内に地元に残って働く彰と久しぶりに携帯電話で連絡を取り、朝起きた事の経緯を全て話した。
 電話の最後になぜか彰から「妹のこと頼んだぞ」と言われてしまう始末。まあ、それはそれで嫌ではないが。
 そして、次の日から望の働くコンビニへ寄り道することが、出勤前の日課になったのは言うまでも無い。



  了
478以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 01:37:57.92 ID:lBHHHI4x0
>>469
何だろう、この読後感は。
感動?違う、欝?これもちょっと違う。
そうだ、これだ。
                (´・ω・`) セツナス
479以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 01:40:48.24 ID:o0PLppOu0
>>466-467
おつー
家族の絆を大事にしようっていう温かさがよかった。
母の仕事が何なのか、もう少し具体的な説明がほしかったのと、
最後、「〜言っただろう。」で終わると、
結局何も言ってないことになっちゃう点が気になった。
何の救いにもならんが、文才は俺よりあるぞ。

>>468-469
カーチャン・・・。・゚・(ノД`)・゚・。
480 ◆WGnaka/o0o :2006/04/05(水) 01:42:36.80 ID:Yi4DXvZx0
描写が酷すぎたり省きすぎたりで読む価値ナスwwww
疲れたんで寝ます('A`)
481 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/05(水) 01:48:24.48 ID:c/mzh4XR0
>>467
心温まる話だね
家族愛を大切にしようって気持ちが読み取れたw
文体も読みやすいとおもう

>>477
コンビニの話かとおもったら
なんだこのイイ話は><

>>
482以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 01:50:40.55 ID:ifHW1GDc0
>>469
セツナス
本当に、親って大切なものですよね…

>>477
紙飛行機が俺にも感動を運んでくれました
483 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/05(水) 01:52:15.78 ID:c/mzh4XR0
↓お題お願いw
484以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 01:53:42.33 ID:o0PLppOu0
>>471-474>>476-477
正統派だね、おつかれさん。
細かい部分は差し置いて、全体の調子が整ってるのと、
日常の切り取り方と、小道具の使い方が上手いと思った。
このレベルで読む価値ナスとは、ナスに失礼だと思います。
感動をありがとう。
485以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 01:54:50.72 ID:o0PLppOu0
>>483
なんていうか、タイミングの悪さを死んでお詫びしたい。
そういうわけでお題は「葬列」
486 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/05(水) 01:56:39.94 ID:c/mzh4XR0
>>485
葬列か…。
これはむずかしそうだwwww
コナンの映画でも見ながら考えてくるwwwwwwwwwwww
487以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 02:03:48.34 ID:ifHW1GDc0
感想を書いてくれた方、ありです

次のお題↓お願いします
488 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/05(水) 02:16:54.11 ID:c/mzh4XR0
お題つ マジシャン

いま怪盗キッドのでてくる映画みてるんだw
489以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 02:17:59.01 ID:ifHW1GDc0
把握しました
コナンは面白いよなw
490以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 02:45:04.24 ID:o0PLppOu0
だああ、お題書ききらん。簡単そうで、難しいな>皆既日食
明日の仕事に障りそうなんで、今日は諦めるチキンな俺を罵ってくれ保守。
4911/2:2006/04/05(水) 03:07:58.27 ID:T10p5GIq0
お題関係ないですが、別スレに投下したものを貼ります。


その時、僕はあることを思い出した。

不意に浮かんだその事を忘れようと、静かにホームへ滑り込んできた電車に乗り込む。
あぁ。忘れようとすると余計に気にかかってしまうのは、僕だけなのだろうか。
空いている車内、揺れる吊広告、妖しく光る外のネオン。
自分の周りにある物全てが僕とは全く関係のない物で、酷く疲れる。
カナル型のイヤホンを耳に押し込み僕は世界との隔絶を図る。
脳を攪拌する電子音。それは自然界には存在しない音だった。

駅からマンションのエントランスに辿り着き、自動ドアの横に付いたパネルに右手の人差し指を当てる。
センサは一度で僕と認識し、強化ガラスでできた自動ドアはいたって滑らかに開いた。
「ここのエレベーターはゆっくり動くんですよ」
一年前にここを紹介してくれた不動産屋はそう言った。
新しい家を探していた僕は、その一言でここに決めた。
ゆっくり動くエレベーター。どこまでも昇っていってくれたらいいのに。
4922/2:2006/04/05(水) 03:09:03.75 ID:T10p5GIq0
部屋のドアを開けて真っ先にリビングの明かりを付ける。
白を基調に、インテリアコーディネーターに造らせた部屋は小奇麗にまとまった感じがある。
人を部屋に招くとまず最初に言う言葉は皆同じだ。「本当に何も無いね」
テレビも付けず、真っ白なソファーにただ座る。
眠い。
上着を着たまま横になる。
音のない真っ白な空間。
そう、僕は孤独だった。
分かっていたはずなのに。

今、僕は宇宙にいる。
音は波ではなく僕を包む物になる。
リズムとメロディーの作為的な絡みに身体の芯が疼く。
腸で吸収されていく化学薬品。
数百円で意識が変容するのなら安いものだ、と、思う。
・・・朝が遠ざかるのを感じた。
493以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 03:45:37.67 ID:lBHHHI4x0
保守……しなきゃ……眠い……
494以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 04:34:37.06 ID:T10p5GIq0
保守
495以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 05:15:40.00 ID:yDRV3S1h0
ほし
496以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 05:48:54.08 ID:6aXrjcnA0
不眠症なのか結局眠れなかった俺が早朝安価
>>498
を夜に投下
497以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 06:16:00.79 ID:eLkl+IYnO
498 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/05(水) 06:24:57.31 ID:c/mzh4XR0
葬列かきおわったから投下する
お題だったら つネズミ
499 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/05(水) 06:26:01.29 ID:c/mzh4XR0
            【葬列】                
祖父が亡くなったと、知らせをうけた。
 今日、葬儀が行われるらしい。
 子供の頃よく遊んでくれた、大好きな祖父だった。
 会社から帰ると、すぐに喪服に着替え小さな小箱をポケットに入れ、家を後にした。
 祖父の家までは、車で20分くらいだ。
 近いにもかかわらず、就職してからはあまり会う事もなかった。
 毎日の残業、休日出勤など仕事があまりにも忙しく、なかなかまとまった
時間が取れなかったのだ。
 今になって少し後悔した。もう少し、会いにいけばよかったと。
 大事な人は、いなくなって初めてわかると言う。その言葉を、今回痛感した。
 祖父の家につくと、壁に『葬儀にご参列される方は、こちらにお車をおとめください』と
張り紙があり、近くの広場に車をとめた。
 広場には、何台もの車がすでにとまっており、親戚や親の車も目に入った。
 そして、祖父の家の敷居をまたぐと、庭に机がだしてあり『受付』という文字が
紙に踊ってた。
 受付にて、書名などをすまし、親戚や親に挨拶をすませ、御焼香をするために
葬列の最後尾にならんだ。
 ポケットの中の小箱を取り出して、開けた。
500 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/05(水) 06:26:48.06 ID:c/mzh4XR0
 中にあるのは、1本のナイフだ。折りたたみ型のではなく、柄に銀細工が施されている
ナイフだ。
 祖父は、ナイフが好きな人だった。いろいろなナイフを集めていて、子供の頃に
よく見せてもらったものだ。
 母や祖母は、「あぶないから」と言って、まだ幼かった自分に触らせたがらなかったが。
 祖父は、そんな二人に「あぶないのはナイフじゃなく、ナイフを使う人間だ」と言って
よくナイフの使い方や、便利さを教えてくれたものだ。
 そして、幼きあの日にもらった小さい折りたたみナイフは、まだ首からヒモでつるして
持ち歩いてる。
 手紙の封を綺麗に開けるときや、ちょっとしたヒモをきる時、ダンボールを開ける時など
とても重宝している。
 小箱の中に入っているナイフは、そんな祖父の誕生日に送ろうとおもい買ったのだが、
仕事で会うことができなくて、結局そのまま送ることができなかった物だった。
 前の人が御焼香をすませ、どうやら自分の番が来たようだ。
 額に入れられ、壁に掛けられている祖父の写真を見る。
 モノクロな写真の中の祖父は、とても優しい目をしているように見えた。
 少し心の中に、穴があいたような気がした。
 自分は、御焼香をせずに小箱から祖父に送るはずだったナイフを取り出し、怪訝な顔をして
自分のほうを見てる周りの人を無視して、そのナイフを御焼香の台に突き立てた。
 そのまま、全てを無視して、自分の車のとめてある広場へ向かった。
 祖父の家を出るときに、少しだけ祖父が自分の名前を呼んだ気がした―――
 涙が零れそうになり、夜空を仰いだ。
 そして、雲ひとつない綺麗な星空をみながら、堪え切れなくなった涙が一筋だけ頬をつたった。

           ―――END―――
501 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/05(水) 06:28:58.28 ID:c/mzh4XR0
誰かいたら批評おねw
おなかすいた><
502 ◆vMDm/ZpiU6 :2006/04/05(水) 06:55:03.17 ID:YpSzzluO0
学校に行く前に保守。
503496:2006/04/05(水) 07:01:46.47 ID:6aXrjcnA0
>>498
はあk

>>499-500
切ないな・・・
好きだった祖父に殆ど何もしてあげられないうちに逝かれちゃった喪失感が出てると思うますた。

で、気になったこと↓
>小さな小箱
意味が重複してる。“小さな”を消すか“小箱”を箱に言い換えたほうが。

>『受付』という文字が紙に踊ってた。
よく解らない。乱れた字だったってこと?
ちゃんとした場では下手糞な字は使われないと思うけど・・・
504イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/05(水) 07:05:26.89 ID:IrlHE/hU0
お題ください
505 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/05(水) 07:07:45.15 ID:c/mzh4XR0
>>503
小さな小箱はたしかにないね><おかしかったw
受付のほうは達筆でのたくったような文字の意味あいでかいたんだけど
描写わすれてたOTLすまん

ついでにお題plz↓
506 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/05(水) 07:08:20.93 ID:c/mzh4XR0
>>504
すまないww踏んでしまった
お題つ 朝 で

↓おれのお題
507イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/05(水) 07:11:17.40 ID:IrlHE/hU0
>>506
把握。
お題「吹雪」
508 ◆QqJ8IevsyY :2006/04/05(水) 07:15:39.31 ID:c/mzh4XR0
>>507
把握
509以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 07:40:04.33 ID:SXkm3E1XO
>>455
亀レスすんません

そこはなんか魂の存在でというか…(´・ω・`)
510以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 08:24:17.03 ID:XaPMiHr/0
「最後まで書けない病」を克服するために頑張ってみようかと思います。
お題をください。
511496:2006/04/05(水) 08:26:09.78 ID:6aXrjcnA0
>>510
「デュクシ」

じゃなくて、『猫』
512以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 08:26:23.28 ID:6/Is87/c0
デュクシ

じゃなくて抹茶
513以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 08:27:00.61 ID:6/Is87/c0
ネタ被った上に遅かったwwwwwww猫で
514以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 08:30:28.60 ID:6aXrjcnA0
名前欄消し忘れてたorz
>>512
さっきまで同じスレ見てただろwwwwwwwww
515以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 08:32:13.56 ID:XaPMiHr/0
>>511-512
御身らは先ほどの!www
おk、デュクs・・・じゃなくて猫
516のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/05(水) 09:11:07.34 ID:QJpgVFoZ0
投下前の保守
517のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/05(水) 09:22:08.99 ID:QJpgVFoZ0
お題「こもりうた」

ほら、もう眠ってもいいんだよ。
君はもう十分に頑張った。頑張ったね。

無数のチューブを繋がれ、限界を超えてもなお生かされている彼女。
いつ終わるとも知らず、目をつぶったまま動かない彼女。

もう、終わりにしよう。
これ以上は君を苦しめるだけだ。

そっと、人工呼吸器のチューブに手を伸ばす。
チューブを抜こうと手に持ち、彼女の方を見やる。

ほら、星が綺麗だよ。
今夜はゆっくり寝られそうだね。

彼女が頷いた様な気がした。
そっとチューブを抜く。

白い、そして明るい死の床にいる彼女。
あとどれだけの時間、一緒にいられるのだろう。

そうだ、こもりうたをうたってあげよう。





OTL
518のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/05(水) 09:35:53.79 ID:QJpgVFoZ0
はーい保守保守

ってか寂しい
519以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 10:18:42.98 ID:IPMserpL0
保守
520以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 10:44:47.32 ID:c/mzh4XR0
思いつかない病のおれがミルクティーのみながら
ほす
521354 ◆TSDWv2Nf9o :2006/04/05(水) 10:45:05.88 ID:pn0FjKg/0
>>354です。
亀もいいとこですが、お題の「カニバリズム」をパクらせてもらいました。
カニバリズムとはちょっと違うけどその辺は勘弁してください。
522354 ◆TSDWv2Nf9o :2006/04/05(水) 10:45:45.87 ID:pn0FjKg/0
私には人に言えない性癖がある。内容は相手をめちゃくちゃに犯してやりたい、という感情に近い。
思春期特有の破壊衝動とでも言おうか。大抵の人間は成長とともにその感情を忘れていくようだが、
私は30目前のこの年になっても忘れることが出来ない。むしろセックスの回数を重ねる度、
この衝動は堪え難いものになってきているようだ。正直に言おう、私は血を見たい。そして生きた女の肉をこの口で食いちぎりたい。
女の肉で食欲を満たし、その中で何度も絶頂を感じたい。

「何を考えてるの?」
私の体の下から妻が心配そうに顔を覗き込んでくる。なんでもない、と答える私に妻は不満そうに口を膨らませた。
「あなた最近シてる時いっつも他の事ばっかり考えてる。私ってそんなに魅力ない?」
「そんな事は・・・」
そんなことは無い。妻は肉付きのよい、それでいて無駄の無い”食欲”をそそる良い体をしている。
だからこそこうやって必死に意識をそらし、どす黒い衝動を押さえ込んでいるのだ。
そうとも知らずに無邪気に私を信じ体を開く妻を見ていると、今すぐにでもその滑らかな肌に
歯を、そしてナイフを突き立てたいという考えが頭をもたげてくる。
だが決して一線は超えない。私は妻を愛しているし、失いたくもない。
そして妄想の世界に広がる地獄のような風景を背に妻の中にいっそう深く自分を押し込み、そして果てる。
「愛してるよ」
妻は私のこの言葉にいつも満足そうな笑みを浮かべる。
その笑みを失いたくない。そう思えることだけが私の支えになっている。
523354 ◆TSDWv2Nf9o :2006/04/05(水) 10:46:25.60 ID:pn0FjKg/0
妻には悩みがあった。近所に住む学生がここ最近私のことを異常な目つきで見てくるのだと。
私が言うのもなんだが、妻は何故私などと結婚する気になったのかが不思議なほどの美人だ。
スタイルも抜群で、その上露出の高い服を着るのだから、大抵の男にとっては見るなという方が酷な話であろう。
「考えすぎだよ。」
何度も妻が言ってくるので私もその学生の顔を覚えていたし、大人しそうな好青年だという印象も持っていた。
なので別段気に留めることもなく妻の話も適当に聞き流していた。
「もうっ!」
私があまりに気のない返事しか返さないので、妻もその内私に相談することをやめた。
もっとも隣に住む中年夫婦の奥さんには相談を続けていたようで、私もその奥さんから注意するようには言われつづけたのだが。

524354 ◆TSDWv2Nf9o :2006/04/05(水) 10:47:05.81 ID:pn0FjKg/0
ある日、私の苦悩以外には特に変わったこともなく、日々の繰り返しに追われる私に突然の転機が訪れた。
勤めていた会社から転勤を言い渡されたのだ。しかも私の会社では一番の出世の近道と言われるニューヨーク支社への栄転だ。
「おめでとう!その年ですごいじゃない!私もついていくからね。いいでしょう?」
妻の喜びようと言ったらない。旦那が出世の街道に乗った上、自分の悩みも解消されるのだ。
「かまわないが、遊びに行くんじゃないんだぞ。だいたいお前英語喋れないだろう?5年は帰れないぞ?」
妻はどこ吹く風で
「大丈夫。言葉の壁なんてあなたへの愛でどうにかしてみせるから。」
と答えるのみこいつは時々こういった恥ずかしい台詞を平気で言う。私はそれ以上何も言えず、彼女に従うことにした。
何より私が妻と一緒に居たかったのは事実だったのだから。
「いつから?」
「急だよ、一ヶ月後だ。」
忙しくなるわねと嬉しそうにする妻を見ていると、栄転への気負いや不安も吹き飛ばされた気がした。


数日後には、私の転勤は近所のほとんどが知るところになった。妻が嬉しさのあまり言いふらしたのだろう。
人に会うたびに「おめでとう」云々を言われるのは少しむず痒い気がしたが、まぁ悪い気分でもなかった。
引越しの準備の進みも、家の全てを握る彼女が乗り気なのだからさすがに早い。ものの一週間でほぼ全ての片がついた。
妻の言う大学生にも偶然会ったので、挨拶くらいはしておいた。
「お体に気をつけて。」
という彼の返事を聞くかぎり、やはり悪い奴には見えない。引越しの決まった今となっては関係の無いことなのだが。
転勤が言い渡されてからは忙しさのせいもあるのだろうか、何故か私のドス黒い感情も影を潜めていた。
すべてが順風満帆だ。この時、私はすべてにおいて生まれ変われる気がしていた。
輝かしい未来だけが待っている、そんな有り得ない錯覚に身を委ね、幸せな気分を貪っていた。
525354 ◆TSDWv2Nf9o :2006/04/05(水) 10:48:07.47 ID:pn0FjKg/0
今日は出発の前日。が、わずかに残した仕事のために会社に出勤するはめになった。
ぼやく私に向け妻は呑気に
「会社のみなさんに挨拶できていいじゃない。ほら、早く行ってきなさい。」
などと言う。挨拶などとうに送別会で済ませてきたというのに。ぼやきつつ靴に足を突っ込む。
「仕事は一時間くらいで終わるしすぐに帰ってくるよ。今日はのんびりしよう。」
妻は何か悩んだような顔をし
「でも引越しの荷物でいっぱいの家でくつろぐのもねぇ・・・そうだ!今日はホテルにでも泊まりましょうか?」
などと言い出す。それも悪くないかなと答えると
「今夜は寝かさないわよ〜」
と、返事に困ることを言い出す。そんなやりとりもほどほどに、私はさっさと家を出た。
526354 ◆TSDWv2Nf9o :2006/04/05(水) 10:49:21.22 ID:pn0FjKg/0
予定より早く仕事を済ませ、この後どうしようかと考えを巡らせながらの帰途。妻のことだからホテルの予約などは抜かりなく済ませているだろう。
もしまだなら、少し遠いが温泉旅館に泊まるのも悪くない。そんなことを考えていると自然と早足になり、ガラにも無く鼻歌までが漏れてくる。
ようやく我が家を視界に入れ、いよいよにやつきを抑えられなくなった私を迎えたのは誰が予想できたろう、妻の悲鳴だった。
何事かと駆け出し、ドアを開けた私の目に大学生の姿が飛び込む。
目を血走らせ、荒く息を切らせている。手に血のような赤いものが張り付いている。丁度向こうも内からドアを開けようとしたところだったようだ。
私は瞬時に混乱に陥り、目の前にいる人間の異様さすら理解できずにいた。青年は私の姿を認めるなり、「どけっ」と私を押しのけ、玄関から走り去った。
この出来事から想像できる事実などそう多くはない。そしてそれを裏付けるように妻のうなり声が聞こえてくる。
私は声の発せられる部屋へ一歩一歩と歩を進めた。「急げ」と急かす頭と裏腹に体は竦み、思うように足を動かすことができない。
その部屋のドアを開けた瞬間、私は思わず顔を背けた。頭のみを壁にもたげ体を床に放り出し、その腹から包丁のような物の柄を伸ばす妻の姿だった。
私を見るなり妻は苦しむ顔に無理やり笑顔を作ろうとする。
「あなた・・・よかった、帰ってきてくれて。あの学生、いきなり私のこと刺すのよ・・・。でも他には何もされてないからね。」
こんな時に何を言ってるんだとは思ったが、意識もはっきりし、それくらい言える余裕があれば助かるだろうと思えた。
そしてふと今自分のやるべき事に気づき、妻にそれを告げる。
「今救急車を呼ぶから!」
そういって電話のもとへ行こうとドアへ走りよる。しかし、電話はすでに引越しの準備で取り外していることに気づき足をとめる。
「落ち着け・・・。そうだ、携帯電話・・・」
と言いつつ妻を振り返った時、ふいにあの衝動が甦った。突然だった。呆然と立ち、妻を凝視する。
時間にすると10秒くらいのものだろう。しかし妻が異変に気づくのには十分な時間だったようだ。その異変を拭い去ろうと私を急かしてくる。
「あなた、苦しい・・・。はやく・・・。」
私は気づいてしまった。その姿があまりに美しく、官能的なことに。
「そうだ、これこそ求めていたものじゃないか。」
私は妻がだらしなく垂れ流す血にひたすら見入った。妻の声はしっかりと届いていた。
527354 ◆TSDWv2Nf9o :2006/04/05(水) 10:49:44.07 ID:pn0FjKg/0
が、長年求め続けたものが目の前に転がっているのだ。どうして自ら邪魔者を呼ぶことができようか。
「どうしちゃったのあなた?早く救急車を呼んでぇ・・・」
今にも消え入りそうな声で懇願する妻の姿に、わずかに残った理性も吹き飛ばされた。
躊躇することなく妻に向けて歩みを進める。
「あなた・・・」
何を勘違いしたのか、近寄る私に安堵した顔を向けてくる妻。血を指でなぞる私を見てわずかに顔をしかめたが、
疑うことなくそっと目を閉じた。担ぎあげて運ぶとでも考えたのだろう。
私はそれを幸いと、妻に刺さった刃物をいっきにえぐり抜き取る。そして今度はそれを太ももに突き立てた。
「!!!!!」
声にならない悲鳴すら、今の私には心地良い調べに感じる。妻の呆然とした表情すら、性欲を満たすためのスパイスでしかない。
私は興奮のままに性器を取り出し、妻の下着も切って脱がせると、その上の腹から溢れる血を性器に塗りたくり、一気に妻の中に差し入れた。
響き渡る壮絶な叫び声の中、ひたすら妻に腰を叩きつける。
「ずっとこうしたかったんだ!」
私の声などもう届いていないのだろう。妻は絶叫を繰り返すばかりだ。
興奮が高まってくるに合わせ、私は大きく包丁を振りかぶった。
「ひっ!」
妻が息を呑む。そうだ、もっとお前の恐怖を見せてくれ。恍惚とした意識の中、何度も包丁を妻の胸に首に突き立てる。
そして高まる射精感と共に、妻の乳房を食いちぎった。
「愛してるぞ!!」
言葉と同時に今までそうしてきたように、妻の中で果てた。妻は目に涙を浮かべ、
「ほんとう?」
と小さな声で聞き返してきたのを最後に動かなくなった。
528354 ◆TSDWv2Nf9o :2006/04/05(水) 10:50:22.15 ID:pn0FjKg/0
急速に冷めていく興奮。私は口の中の生臭い物の存在に気づいた。あれほどまでに憧れた妻の肉の味は、私に非情な現実を教えた。
「これは食えたもんじゃないな・・・。」
妻の叫び声を聞いた隣の住人が呼んだのだろうか。パトカーの音が家に向かって近づいてくる。
膨らみすぎた期待を裏切られた虚脱感と、サイレンの音が頭の中でぐちゃぐちゃに混ざる。
吐き出すこともせず口の中に留め置いた妻の体の一部は、鉄の味をばら撒き、私の胃液を掻き出そうとする。
私は何を求めていたんだ。混乱で夢か現実かの区別すら曖昧になっていく中、その疑問だけが頭に響き渡った。
529354 ◆TSDWv2Nf9o :2006/04/05(水) 10:51:47.69 ID:pn0FjKg/0
スレ汚し申し訳ない。
でも書くのって楽しいね。
ハマりそう。
530以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 10:54:22.44 ID:c/mzh4XR0
>>529
えろくて狂っててこえええええってのが伝わってきたwww
あえて言うなら 。」の 。はいらないらしいw
読みやすかったですおw
531以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 10:56:12.14 ID:vYeFJtoA0
532354 ◆TSDWv2Nf9o :2006/04/05(水) 10:58:38.95 ID:pn0FjKg/0
>>530
そうなんだwwwwww
恥ずいwwwwwwww
533以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 11:09:52.18 ID:6/Is87/c0
やっと終わった
あーもう書きたい、お題頼みます↓
534以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 11:12:38.89 ID:T10p5GIq0
つ「空気」
535以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 11:13:27.53 ID:pn0FjKg/0
俺もまだやりたいww
お題たのんます↓
536以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 11:14:34.10 ID:yDRV3S1h0
つ「終わり」
537以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 11:14:46.48 ID:IrlHE/hU0
世界が終わる日
538以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 11:15:42.93 ID:IrlHE/hU0
>>536
こんなところでもう一人の俺発見
539以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 11:17:15.88 ID:c/mzh4XR0
>>536-537
結婚おめwww
540以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 11:18:00.93 ID:yDRV3S1h0
何このシンクロw
541 ◆twn/e0lews :2006/04/05(水) 11:19:22.42 ID:6/Is87/c0
>>534
把握した
542以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 11:19:27.65 ID:pn0FjKg/0
>>536の「終わり」にこれ以上書くなという意味を感じた俺は読解の天才www
543以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 11:19:33.00 ID:c/mzh4XR0
さてと…お題かいてくるかなー…。
微妙におもいついたw
544以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 11:20:25.44 ID:T10p5GIq0
>>541に期待しながら
↓お題よろ子
545以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 11:20:58.69 ID:c/mzh4XR0
>>542
さぁ!はやく「終わり」というお題をssにする作業を始めるんだ!!
546以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 11:21:33.14 ID:c/mzh4XR0
>>544
踏んじまったOTL

じゃあ「灰」で
547以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 11:22:50.47 ID:pn0FjKg/0
>>545
いえっさ!
548以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 11:26:39.59 ID:T10p5GIq0
>>546
ありがとん。
549お題「終わり」 ◆TSDWv2Nf9o :2006/04/05(水) 11:54:55.76 ID:pn0FjKg/0
「終わった」と思った経験を何度もした。
小学校の体育のマット運動で前転中に盛大な屁を放った時も、
中学校の時好きだったケイコちゃんに告白して振られた時も、
高校の時にやっていたバスケの試合中、盛大にズボンと下着が脱げた時も、
まだまだあるが、とにかく私はその全てにおいて「終わり」だと感じた。
今も丁度また一つ、超弩級の「終わった」感を獲得したところだ。
だが、終わったと言ってもこれで僕が死んでしまう訳じゃない。
自殺する勇気なんか無いし、明日もきっと僕の人生は続く。
今日自慰するところを娘に見られ、「終わった」と思ったのは事実だが、
こんなもんは終わりでもなんでも無いということを僕は知っている。
死のみが本当の終わりを僕に告げうるのだ。
だから僕、高田 雄介(40・自営業)はPCのディスプレイに向かい、また力強く息子を握りなおすのである。
550以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 11:55:36.95 ID:Tn8NDfVxO
魔法少女とナチス生徒会が戦うスレハケーン SS職人募集中だと

http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/army/1141989184/
551以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 11:56:31.37 ID:pn0FjKg/0
今読み返したら「盛大」二回も使ってた
語彙スクナスwwwww
552以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 12:01:19.12 ID:c/mzh4XR0
>>551
書くのはやwww
終わり方バロスwww
553以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 12:02:45.85 ID:yDRV3S1h0
お題提供した俺もまさか下ネタで
落とされるとは予想できんかったw

んで、お題クレ↓
554以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 12:05:13.47 ID:pn0FjKg/0
じゃぁ終わりの反対の意味も込めて「出発点」で
555以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 12:05:32.52 ID:Tn8NDfVxO
魔法少女とナチス生徒会が戦うスレハケーン SS職人募集中だと

http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/army/1141989184/
556のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/05(水) 12:09:06.17 ID:QJpgVFoZ0
(´・ω・`)
しばらく山に篭ります
557以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 12:25:10.91 ID:Kj4qUH9N0
ほっしゅ
558以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 12:26:13.57 ID:yDRV3S1h0
>>554
把握した。とりあえず昼寝してから執筆する。
559以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 12:48:56.40 ID:vydHuVK00
断固保守。
560以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 12:53:12.60 ID:CNZ+faZXO
おはようございます保守
561以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 13:04:32.25 ID:pn0FjKg/0
期待保守
562以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 13:28:09.01 ID:0AOynxq00
563以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 13:51:31.77 ID:6/Is87/c0
ほしゅ、前の仕事の不手際発覚で投下遅れます
564以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 14:15:16.10 ID:eLkl+IYnO
565以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 14:26:48.88 ID:pn0FjKg/0
566以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 14:28:59.61 ID:8D0oVcWE0


初参加で投下するほどのが出来るか不安だがお代クレ
567以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 14:29:11.71 ID:AeqqfDr00
俺の掲示板をVIPっぽくしたいんだ。っぽくするだけでいいんだ。たのむ。
そう、ここのような糞スレがほしい

http://jbbs.livedoor.jp/game/29289/
568以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 14:31:44.21 ID:IrlHE/hU0
>>566
つ 雨宿り

「朝」のお題がGANTZのパロしか思いつかない……orz
569以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 14:43:24.78 ID:pn0FjKg/0
暇。
またお題たのんます↓
570 ◆244gNVb9J. :2006/04/05(水) 14:45:48.11 ID:8D0oVcWE0
>>568
d。頑張ってみる。
>>569
つ「17歳」
571以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 14:50:14.19 ID:1LHbe0Sz0
俺にもお題ください。
俺も初投稿です。
572以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 14:51:58.59 ID:ifHW1GDc0
>>571
辞書
573以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 14:54:28.42 ID:1LHbe0Sz0
>>572
ありがとうございます。
書いてみます。
574以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 15:07:34.30 ID:yzFi3Yk80
ほしゅ
お題消化しないとお題安価できない…… ('A`)
575辞書:2006/04/05(水) 15:18:42.16 ID:1LHbe0Sz0
彼は何でも知っていた。
僕が○○って何と聞くと、○○について完璧な説明をしてくれる。
僕はそんな彼に憧れた。
ある日彼に尋ねてみた。何でそんなにいろんなことを知っているのかと。
彼は答えた。それが私の役目ですから、と。

時がたち、僕は高校生になった。
彼は最近、○○って何と聞いても、申し訳ございません。わかりません。と答えることが多くなった。
仕方がない。そろそろ変え時なのだ。
次はこのチラシに載っている「歩く辞書20XX オズワルド」にしよう。
576以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 15:29:33.12 ID:1LHbe0Sz0
>>575
短いですけどこれで終わりです。
「終わり」とつけなくてすいませんでした。
577以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 15:37:11.81 ID:ifHW1GDc0
>>576
書くのHaeeeeeeeee!!
話のオチがおもしろかったです
578以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 16:06:42.39 ID:1LHbe0Sz0
>>577
面白いってもらえて本当に嬉しいです。
少し短すぎるかな。
579以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 16:07:11.50 ID:eLkl+IYnO
お題たのむ!↓
580のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/05(水) 16:16:32.71 ID:QJpgVFoZ0
つ 絶望

絶望…
581以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 16:19:22.04 ID:eLkl+IYnO
>580
把握!ありがとうございます
582以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 16:21:23.24 ID:xqCGTGpyO
お舞いらこの方を見習えよ
http://story.awalker.jp/Baranouta/
583以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 16:28:27.36 ID:IrlHE/hU0
ここからは、延長戦──
584以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 16:29:10.90 ID:IrlHE/hU0
↑誤爆
585以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 16:30:53.99 ID:aN08vEUd0
このスレ随分伸びるんだな
586のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/05(水) 16:35:14.23 ID:QJpgVFoZ0
>>582
そんなすてきなぶんしょうがかけるようになりたいですね



はあ・・・
587以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 16:38:36.61 ID:6/Is87/c0
>>582
まさにデュクシの世界、感動しちまったぜ



って言うかこのスレは下見るより上見ていこうよ、な!!!!????
588音楽  ◆vMDm/ZpiU6 :2006/04/05(水) 16:50:52.76 ID:YpSzzluO0
たたたたたたたたたたたたたたたたたたたたた
たたたたたたたたたたたたたたたたたたたたた
 
 音楽が、聞こえる。軽快なビート。耳栓越しでも聞こえる激しいビート。
 1分間に何回叩いているのだろう。秒速でも50回はビートを刻んでいるかもしれない。 
 がちっ、と不快な音がして、音楽が止んだ。「クソ、……った」という呟きが聞こえるが、恐らく演奏者の物だろう。
 急に静まり返ってしまったが、頭の中では音楽は鳴り続いていた。幻聴と言う奴だろう。
 
たたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたた
たたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたた

 軽快なビート。秒速50回のビート。単調なビート。
 耳が痛い。鳴り続けるビートの中に、キーンという雑音が混じる。耳鳴り。
 それにしても痛い。耳でなく、全身。目も見えない。こんなに素晴らしい演奏者が居るのに。
 肌が露出している部分から、ぬめりとした感触が伝わってくる。生温かった。
 状況を整理しようとした、が、未だに脳内では音楽が鳴り響き、思考を遮る。

たたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたた
たたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたた

 音楽しかわからない。時折聞こえてくるノイズくらいしかわからない。
 それでも私は、その素晴らしい演奏者に握手を求めるべく、腕を伸ばす。

ぱんっ!

 しかし、帰ってきたのは何かが破裂した音。求めていた音楽とは違う。
 絶望を噛み締める間もなく、私の意識は消えていった。

 ― 終 ―
589以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 16:54:22.39 ID:YpSzzluO0
オチてねぇ… orz
590絶望:2006/04/05(水) 17:03:55.43 ID:eLkl+IYnO
投下しまんぬ

深い絶望に叩きつけられ悲劇の主人公になってから約3日。
そんな時間も俺たち一寸の虫にとっては長くて、ビール瓶の中で過ごす内
その狭い世界が前提の世界だったのだと錯覚を始めた。
視界には瓶にフィルタリングされ茶色になった空が広がっている。頭上の太陽のような一点だけがフィルタリングされず空の色を俺に伝えていた。
ここはなかなかいい、寒くても風は入ってこないし熱くても日差しは瓶に遮られ柔らかい。
底には土や葉が敷き詰められまるで最初から俺を迎えるために準備されていたと言ってもいい。
しかしここに落ちたのは友達の団子虫と無謀な瓶登り競争をしたためで、捕らえられたわけではなかった。
証拠に昨日は雨が降り瓶の中に雨粒が降り注ぎ命の危機を味わった。
雨がここの生活での一番の敵。それさえ凌げればここで暮らしてもいい。
そう思いながら俺は体を反らすように伸ばした。そこにはあの水色の太陽が浮かんでいる。
その太陽を見つめていると、忘れたはずの絶望を思い出す。
もうあの団子虫に会うことも鳥に逐われることもない、狭い世界で孤独に暮らすのだ。大空を全身で感じることももうないだろう。
「せいぜい面白おかしく生きるさ」

591以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 17:04:40.45 ID:yzFi3Yk80
保守がてら

>>588
もうちょい長く書けばオチたんじゃね? というか、擬音が大杉。
小説だとなるべく使わないほうがセオリー。意味がある奴は別だけどな。使いすぎると安い演出でクオリティを落としかねない

なんか偉そうに書いてすまんorz やっぱり感想は苦手だ(;^ω^)
592以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 17:05:19.91 ID:eLkl+IYnO
出ないはずの涙を耐えていると体が宙に浮いた。いや、体だけでなく、瓶も浮いた。
瓶の口が俺の真下にあった。瓶の底が俺の真上にあった。真上から砂が飛びぱちぱちと体にぶつかる。
がちゃん、と瓶が叩きつけられた音がした時、俺はアスファルトの上にいた。
「うわ、虫が入ってたぜ」
まだ幼いやんちゃ盛りな声が聞こえる。瓶から現れた異質の者にはしゃいでいるようだ。
「こいつどうする?」
もう一つの声が何かを企んだように言う。だか俺はそれ以上子供たちの話を聞かなかった。
とにかく瓶から出られた今、空を感じることをしていたかった。

終わりっ!
593以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 17:07:13.62 ID:YpSzzluO0
>>591
dクス。俺の書いた全部にいえるが、確かにそうだ。反省しよう。
そろそろこのスレが本格過ぎて引け目を感じてきた。引き際かしらん。
594 ◆twn/e0lews :2006/04/05(水) 17:23:31.25 ID:6/Is87/c0
>>534
空気終わりました、投下します
595 ◆twn/e0lews :2006/04/05(水) 17:23:50.79 ID:6/Is87/c0
春になるとやたらと死にたくなる、少なくとも僕はそうだ。
以前、刑事をやっている親父と話をしていたら春には犯罪者が増えるらしいからそれと似た感覚なのかもしれない。
犯罪者と同列で自身の事を考えると言うのも少し悲しくなる話だが、まあ仕方が無い。
母に魚の腐った目をしていると言われた事もあるし、姉の友人には不幸面だと評された。
高校ではいずれ新聞に載るだろうと言われ、大学での第一印象は死にそうな顔。
挙句の果てには付属小のガキンチョに犯罪者みたいだと言われた、最早如何ともし難い。
事実として、僕は自身が一般的より凶悪そうな顔だと受け入れた。
そんな僕だからきっと犯罪者の感覚が理解できるのだ、春はいけない、空気が悪い。
 この事を友人に話したらそれはそれは、大層な反応で。
 「お前が言うと何か怖いわ。春が極悪な季節に思えてくる」
 そう言ったのは大学の数少ない友人であるアカだった。
赤髪だからアカ、程度の知れるあだ名だが彼自身が望んだのだから仕方が無い。
 「お前みたいなヤツの方が俺はよっぽど怖いと思うけどね」
 僕はアカにそう言った。事実アカだって相当な見てくれだ。マユゲは細いし髪はトゲのように立てた赤髪、目はツリ目。
その上自己紹介で実は前科三犯です、なんて突飛なギャグをかましたもんだから浮いてしまって。
逆に僕は無口なのが余計に怖いらしく浮いていて、そんなこんなで残り者どうし仲良くなった。
 「俺は話せばただの馬鹿だって思ってもらえるからな、お前は無口なのがいけない」
 それでもアカのグラサンに刺々しい革ジャンと言うスタイルはわざわざ怖がられるように仕向けているとしか思えないモノがある。
前にその事を突っ込んだら、これは俺の魂だとかって本気で語り始めてエライ目にあった。
 「俺だって別に嫌われたくて無口なんじゃない。話すのが面倒なだけさ」
 「それだよ、その面倒ってやつ。お前はそれがいけない」
 僕の言葉に反応しアカは説教モードに入る。
 「大体お前はやる気が無さ過ぎる。何かもっとこう、熱くなれないのか?」
 アカは彼の髪と同じく熱い、むしろ暑苦しいと言っても過言ではない。
大学行事なんかではやたらと張り切っているし。サークルに入っていない僕とは違ってアカは軽音サークルでギターに燃えている。
この間の学祭でジミヘンへのリスペクトと称してギターに灯油をぶちまけて焼いた時は流石に執行部と教授連中に大目玉だったらしい。
とにかく、アカはそういうヤツだ。馬鹿という言葉を体現する男、不名誉だけれど彼はその分熱い。
596 ◆twn/e0lews :2006/04/05(水) 17:24:27.11 ID:6/Is87/c0
 「例えばよ、お前そんな面倒臭がってたら彼女もできないぞ?」
 アカの言うとおり僕には彼女がいない。生まれてこの方十九年ただの一度も。
無論月並みに好きな人もいたが告白はした事が無い、振られるのが嫌だから。
 「大きなお世話だ。だいたいお前今日は学祭の件で吉田に呼ばれてるだろ?」
 学祭のジミヘンリスペクトの影響は中々に大きく、学部長からじきじきに処分が下るらしい。
そしてその処分が発表されるのは今日、これから。
僕がその話を出すとさすがのアカもげんなりとした様子で、机の上に突っ伏した。
 「……行きたくない」
 力なく言うアカに、僕は自業自得だと言って笑った。
その言葉に反応するかのように下を向いたままのアカから溜息が漏れた。
 「さっさと行けよ、もう二限終わるぞ? 呼び出しは昼だろ?」
 アカのケツを叩くように僕は促すと彼はしぶしぶ立ち上がりうなだれながら学部棟に向かった。
アカを見送った僕はこれからどうするかと考える。
昼はもう食べてしまったし午後は四限だけだ、これから二時間半近く何をすればいいのか。
一度家に帰るかとも思ったけれどそれは嫌だ、面倒だから。
 そんな事を考えていたら二限が終わったらしく学生が徐々に増え始めていた。
これ以上ここに留まるのは迷惑だろうと考えたので食器を返却し外に出る。
外は正に小春日和と言うのか、やたらと暖かく気持ち良い風が吹いていて、少し湿った草の匂いみたいな味の空気だ。
全くもって嫌な日だ。僕は極力この空気を吸いたくなかったから結局図書館で時間を潰す事にした。
597 ◆twn/e0lews :2006/04/05(水) 17:24:49.51 ID:6/Is87/c0
 アカは大分へこんでいる様だった。ここまでへこむとなるともしかしたら退学を匂わされたのかも知れない。
いつもならイビキをかいて寝ているアカが溜息ばかりついているのははっきり言って気持ちが悪い。
 授業後も死にそうな顔をしているアカに、僕はどんな説教をうけたんだ、からかい半分で聞いてみた。
アカは死にそうな目で僕を見て、アカが今後永久にサークル活動へ参加禁止になった事を告げた。
僕は内心その程度ですんで良かったじゃないかと思ったがアカの様なタイプの人間にとってはそれこそ死活問題なのかもしれない。
例のジミヘンリスペクトだってアカは聴衆を喜ばせようとしてやったのだろうし、要は彼にとってのサークルは熱さをアピールする場だったのだ。
アカから熱さを取ったらヤンキー顔のただの馬鹿である事しか残らない、それではアカはどうしようもない人間だ。
 「まあ、サークルじゃなくてバイトでも始めたらどうだ? アレも中々楽しいらしいぞ?」
 僕はそんな話を振ったが、アカはまるで興味を示さず、ただ溜息を吐いていた。
冗談抜きで顔色が青白いアカは衰弱しきった鶏みたいで、心なしかトサカの赤髪がしおれて見える。
 「俺大学辞めるわ」
 突然そんな事を真顔で言うアカはやっぱりどうしようもない馬鹿だ。
お前本当に馬鹿だな、と僕は口に出して言っていた。
 「だってサークルやれないなら大学来る意味ないし」
 「馬鹿が、お前みたいな馬鹿大卒の経歴でもなきゃどこの企業も雇ってくれないぞ?」
 僕はいつに無く熱くなっていたようで、僕の口調にアカは驚いて、トサカが少し元気になった。
 「なんだよ?」
 「いや、お前結構熱いのな」
 真顔で言う馬鹿なアカを見て、僕は溜息を吐いた。帰るぞ、今日は酒付き合ってやる。
そう僕が言うとアカはそら悪いな、と笑った。
 結局アカと居酒屋に行って、入ったのは夕方だったのに何故か僕らが外に出た時はもう終電が止まっていた。
どうすんだよとへべれけになりながら言う僕に、アカは歩いてお前の家いくぞと、肩を組んできた。
おぼつかない足元で歩く僕らは少しでも近道をしようと裏路地に入っていった。
 運が悪かったのだろうか、そこには丁度、所謂不良たちが四人ほどたむろっていて。
その中の一人のパーカーを来た、若いくせに髭なんぞ生やしたガキに絡まれた。
598 ◆twn/e0lews :2006/04/05(水) 17:25:27.40 ID:6/Is87/c0
 「ねえお兄さん、財布ちょうだい?」
 僕は酔っていても冷静だったからすぐに手を出すなんてことはしなかったけど、今日は隣に馬鹿アカがいたから当然のように殴り合いのケンカが始まった。
僕はグデグデに酔っていたから、相手のパンチをもろに貰って、あっけなくぶっ飛ばされた。
 僕がぶっとばされてからもアカは孤軍奮闘して戦っていたがいかんせん四対一では分が悪かった。
僕はぶっとばされたダメージと酒の酔いでこのまま眠ってしまいたかったが、その時春の空気がはっきりと鼻を刺激した。湿った草の様な匂い。
口を大きく開けて吸ってみる、舌で味わうようにしてみると春の空気はどこか生臭い。
僕の中で何かが膨れ上がっていく、アカが殴られているのを見る、ガキどもが調子こいて集団でアカをボコっている。
血ぃ見せてやるよ、自然と僕の口はそう呟いていて、僕は道端に落ちていた百円傘を拾うと駆け出した。
 百円傘で叩いたらすぐに折れてしまう、ならどうするか? 突けば良い。
僕は百円傘の先端を手加減無しに調子こいてる糞ガキの一人の最も柔らかい場所、目玉だ、に狙いを定めて突き刺した。
ぺちゅ、とでも表現したら良いのだろうか? 実に意外と呆気ない音がした。
目玉を潰された糞ガキはぎゃーとかあーとか叫んでたけど、それが僕には愉快で堪らなかった。
 目玉を潰されてわめくガキを見て、アカをフクロにしていたガキどもも固まった。
これってひょっとしてチャンスじゃない? 僕はもう笑いが止まらなくなって、笑顔で彼等の目玉に傘を定めた。
標的は……アイツでいいかパーカーの髭面、何ボーっとしてんだよ、お前だよ、行くぞ? 
 僕の狙いは微妙に外れて、髭面の鼻に当たった。それでも鼻骨が折れたのか、骨のなる音が聞こえた。
僕は満足が行かない、僕は目を潰したかったのだ、だからもう一度狙いを付けて……
 そこで糞ガキどもも割と冷静な状況になったらしく、散るように逃げていった。
僕は追いかけようかとも思ったけど、突然に、スイッチが切れたように面倒臭くなったので辞めた。
アカはその場にぶっ倒れてしまっていて、僕はやっぱり馬鹿だと思った。

599 ◆twn/e0lews :2006/04/05(水) 17:25:53.11 ID:6/Is87/c0
 アカに肩を貸して僕の家へと歩く、もう深夜になっていた街は、割と健全な地域だから誰もいない。
僕の家への途中には小さな川が流れていて、僕らはその橋の上にいた。
 「お前、アレは熱すぎだろ……殺しちまうかと思った」
 珍しくアカは弱気だ、馬鹿なんだからとことんまで熱いだけの馬鹿になればいればいいのにと僕は思う。
 「別に、そんなんじゃないさ」
 僕はそう行って、何となく橋の下を覗き込む。濁ったドブ川は腐臭を放っている。お陰で今僕は春の空気がわからない。
 「さっきのは春のせいだ」
 「季節によってお前熱くなるのか」
 そいつは良いとアカは笑った。
春の空気は人をどこかおかしくするのさ、僕がそう言うとアカはやっぱりお前怖いよと言って、二人で軽く笑い合った。



      了
600 ◆twn/e0lews :2006/04/05(水) 17:26:36.08 ID:6/Is87/c0
空気以上です
批評お願いします
601以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 17:38:09.83 ID:ifHW1GDc0
>>600
批評なんてできないけど感想を
二人の掛け合いが面白かったです。アカの性格がよく分かるエピソードやらも楽しい

お題「マジシャン」できたので投下します
602お題「マジシャン」1/3:2006/04/05(水) 17:41:49.61 ID:ifHW1GDc0
『メールフォー!』
冬の凍えるマンションの一室、不意に若手芸人の声が響く。
マナーモードにするのを忘れていたので、私はお気に入りの着信音で目覚めた。ただ起きるにしても外はまだ暗すぎる。
「こんな時間に誰…?」
寝返りを打って、頭の上に置いてあった携帯を確認する。二時十七分、新着メールあり。送り主は光司。
「えぇーっと……」誰だっけ?
メールをくれる男なんかごまんといるから、いちいち憶えていない。
メールには「寝てたらゴメン。起きてるなら今から会える?」
と書いてあった。誰がこんな時間に人と会うんだよ。でも二度寝が簡単にできない私は
「こんな遅くにどうしたの?」
って返事を送ってしまう。ホントにどうしたのさ。
メール送り返した後、私は光司の事を必死に思い出そうとする。が、上手く思い出せない。
『メールフォー!』
横で鳴った携帯電話に思わずビックリした。これ以上驚くといけないので、もうマナーモードに切り替えておこう。
二時二三分。「ビックリさせたいから内緒。今日は俺らの記念日だから会いたいんだ」
何の記念日だろう。まだあなたのことも思い出せないのに。
「それはそうだけど。電車もないしどうやって会うの?」
送信。朝とか昼でいいだろ。どうしてこんな真夜中に。
二時二七分。「実は今美咲のマンションの下なんだ」
「わかった。ちょっと待ってて」
そう送るとベッドから跳ね起きて顔を洗う。ビックリさせたいから内緒だなんて、宴会のマジシャン気取りですか。
パジャマを部屋着に着替えて、アイラインだけ引いて家を出た。
鍵を閉めた時に頭の癖毛を直し忘れたことに気がついたが、これぐらいがいいのだ。
603お題「マジシャン」2/3:2006/04/05(水) 17:44:50.40 ID:ifHW1GDc0
私の部屋は五階にあるので、サンダルで下まで駆けていく。
パカパカという音が深夜のマンションに響いた。私はこの音が好きだ。
下に行くと本当に光司と思しき男がいた。髪はショートに金髪。顔はなかなか格好良く、ホストのようないでたちをしている。
「ごめーん。ちょっと遅くなった」
「そんなに待ってないよ。……なんだか起こしちゃったみたいだしね。」
私の頭を見て、困ったような顔で言った。
「ううん。私は大丈夫だよ、うん」
いつもの営業スマイルで答える。寝起きでこれができる自分を素直に褒めたいと思った。
「で、これ。ジャーン。一周年おめでとうのプレゼント」
自信に満ちた顔で、後ろ手に持っていたブランド物のバッグを私の前に差し出した。
「これを私にくれるの!?」
私はそれを手に取り、いつも通りのリアクション。すごい手品でも見たような。演じてる自分でも反吐が出る。
「もちろん。グッチは嫌いじゃないよね?」
私はヴィトンが好きなんだよ。今更グッチなんて誰も持ってねーよ。
「好きだよ。ありがとう!」
そう言って満面の笑顔を作ってやる。それだけで男はとりあえず満足顔だ。
「よかった……。やっぱり俺が告った時間に渡したかったからさ」
そうなんだ。返答に困ったので私は目の前の宝物に夢中なふりをする。
すると突然彼が私の頭をぽんぽんと叩き
「これからも、よろしくな。今日は起こしちゃってごめんね」
なんて言った。ここも笑顔で頷く。
もちろんむこうは笑顔以上のことを望んでいるのだけど、今日は疲れているからそんな気分じゃない。
とっておきの手品も私の心に響かなかったようだ。
しばしの沈黙。
寒い中私は、耐え切れなくなった彼が「じゃあ俺、帰るわ」って言うまで待ってやった。
604お題「マジシャン」3/3:2006/04/05(水) 17:47:23.84 ID:ifHW1GDc0
彼のエルグランドが走り去っていくのを見ながら、高校生の時の初恋を思い出した。
あの頃は何も知らなかった。だから触れるもの全てが新鮮で、全てが素直に感動できた。
でも今は何をされても、そう、感動できない。
ネタが分かっている手品など見て、誰が感動するだろうか?
結局彼が誰だか最後までわからなかった。
今度から五人とは同時に付き合わないようにしようと思う。我ながら素晴らしい教訓だ。

車が見えなくなったので、私は階段を上り始めた。このカバンはどうしようか? 家に置いていても正直邪魔だ。
パカパカという音が深夜のマンションに響く。初めての彼からもらったこのサンダルの音が私は好きだ。
まさしく、彼は私のマジシャンだった。今考えても、とても良い人だった。
ただ私が、飽食だった。同じ手品に飽きてしまったのだ。

鍵を開けて部屋に戻る。私の今の居場所はここだ。
私は今まで、誰かのマジシャンになれただろうか? 必死な光司を見て、今までの自分が道化師にしか思えなかった。
だからせめて、初恋の彼が残した最後の手品。その手品のマジシャンに私はなろう。すやすや眠っている我が子を見てそう思った。


終わり
605以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 17:58:00.47 ID:YpSzzluO0
>>602-604
乙。黒スwwww

「横で鳴った〜ビックリした」のくだりが気になる。
メールの内容から、寝てしまうほど時間が経ってるとは読めない。
主人公が寝ぼけながらメールを書いたとすれば納得もいくが、ここは描写不足かと。

俺が言えた口じゃねぇ orz
606以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 18:05:07.36 ID:YpSzzluO0
って、少なくとも5分そこら経ってるか…ごめ、首吊ってきま
607以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 18:13:36.20 ID:ifHW1GDc0
>>606
感想d
「考えに集中していて〜」やらを書いといた方が良かったですね
描写不足ってのは書いてるときになかなか気付けないものなんですね…反省
吊るのは俺の方ですorz

てか投下してすぐ安価だすのはどうかと思うけど
お題ください↓
608以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 18:41:11.81 ID:ifHW1GDc0
過疎ってるので保守
お、お題を…
609以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 18:42:03.26 ID:IrlHE/hU0
人形
610以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 18:50:00.18 ID:ifHW1GDc0
>>609
把握しました
611以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 19:25:39.71 ID:9SXTH6uz0
hosyu
612以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 19:41:02.63 ID:1LHbe0Sz0
誰かいたらお題をと願いつつ保守
613以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 20:13:23.39 ID:YpSzzluO0
保守。
お題は つ【歯車】
614以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 20:15:42.48 ID:1LHbe0Sz0
>>613
ありがとう
615以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 20:31:26.28 ID:4fMVVGjf0
お題いただけますか?
安価>>617
616以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 20:32:22.31 ID:3RWIl3cI0
フルーツ
617以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 20:32:51.49 ID:3RWIl3cI0
単車
618以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 20:34:55.29 ID:4fMVVGjf0
乗ったことないww
619以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 20:40:25.72 ID:Jh82p81Q0
全相談掲示板

VIPERって腹立つ 投稿者:常連さん 投稿日:04/05(水) 20:40 PC [返信] 
なんだか私のホームページに
VIPERとか言う人たちが沢山来て困ってます( ><)
なんかわけのわからない顔文字とかキモい表現ばかり使って荒らしてきます。

友達に聞いたらVIPERは社会の落ちこぼれで馬鹿の集まりだから
気にしないほうがいいよって言ってました。
こういう場合どうすればいいんですか?


ゲームに夢中な馬鹿厨がVIPを馬鹿にしたお

突撃するお(#^ω^)
        / ̄|   ☆
       |  |彡   
       |  |                 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      ,―    \               |
     | ___)   |              ∠  さあ皆で突撃だ!
     | ___)   |       ∧_∧     \______
     | ___)   |\___(´Д`  )_____
     ヽ__)_/ \___     _____, )__
         〃  .       /    /     / /    〃⌒i
         |          /    ./     / /    .i::::::::::i
   ____|     /⌒\./    /     / | ____|;;;;;;;;;;;i
  [__]___|    / /-、 .\_.  /     Uし'[_]     .|
   | ||     |    / /i  i    /         | ||      |
620以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 20:43:01.73 ID:Ahs4TMnB0
--------------- 緊 急 召 集---------------
   架空請求詐欺によって多くの同胞が傷ついた
   そこで君達には、その架空請求詐欺サイトを
            田 代 砲 で
          攻撃してもらいたい。
-------------------------------------------
架空請求業者撲滅作戦13
http://ex14.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1144225192/l50

621以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 20:49:17.14 ID:1LHbe0Sz0
「ねえ、僕今日この町に引っ越してきたんだけど友達になってくれないかな?」
「わかった。じゃあお前の歯車見せて」
「うん」
「貸して」
「はい」
「・・・・・駄目だ。俺の歯車と君の歯車は噛み合わない。残念だけど友達になれない」
「・・・そっか。ごめんね、無理言って」
「歯車返すよ。はい。・・・噛み合う奴みつかるといいな。じゃあ」
「・・・」
(何で僕は誰とも噛み合わないんだろう?何で僕だけ・・・
 !さっきの人が戻ってきた。何だろう?)
「あのさ・・・言いづらいんだけど・・・この町にお前と噛み合う奴はいないよ・・・」
「何で!?」
「・・・・だってここは時計町で、お前はスプロケットなんだもん」

終わり  

思いついてしまったから載せましたが、これ駄目ですねorz
622以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 21:00:07.36 ID:LPK/B6x60
>>621
駄目なら投下するなと小(ry
オチがよくわかんないんです><
あと地の文が無いのがこのスレ的にはどうかなぁ、と。
623イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/05(水) 21:04:46.60 ID:IrlHE/hU0
「あ、お兄ちゃんお早ぉ」
「……朝っぱらからなにやってんだ」
「んー? いや、夜はなんともなかったのに、ほら、膨らんで大きくなってるよ」
「……それが自然な事なの」
「ふーん、面白ーい」
「おい、あまり触るなよ」
「え、なんで?」
「何でって……いや、ダメだろ。そんなに面白がることか?」
「だってちゃんとじっくり見たことなかったんだもん。ね、明日の朝もこうなるの?」
「なるんじゃねえかな」
「じゃあ明日はもっと早起きして最初からじっくり観察しよーっと」
「お前も物好きだな」
「うーん。変な匂い」
「犬かお前は」
「ねえねえ、いつになったらこれ咲くの?」
「もうちょい陽が昇ったらじゃねーか?」


朝顔を観察する兄妹でした。






どうしようもねーなこれ。ファミ通に送ってもきっと落とされるorz
624以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 21:07:00.46 ID:pn0FjKg/0
>>602
素直にうまいとおもた
625イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/05(水) 21:07:08.07 ID:IrlHE/hU0
気を取り直して次のお題カモ
626のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/05(水) 21:07:35.22 ID:QJpgVFoZ0
小説家

627イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/05(水) 21:08:49.93 ID:IrlHE/hU0
>>626
把握。
628以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 21:20:23.55 ID:1LHbe0Sz0
>>622
本当にすいませんでした。
次から気をつけます。
なので次をください。
629のどか ◆NODOKAiFx2 :2006/04/05(水) 21:25:18.36 ID:QJpgVFoZ0
なんかこのスレで書いてても迷惑かけるだけなんで
撤退するですノシ
630以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 21:25:20.60 ID:eLkl+IYnO
>>628
好意と報酬
631以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 21:26:37.54 ID:eLkl+IYnO
>>629
レスポンスがなくても凹むなお(´・ω・`)
俺感想屋さんになるからさ
632以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 21:27:21.78 ID:1LHbe0Sz0
>>630
なんか難しそうですね。
でもリベンジしたいから書きます。
633ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/04/05(水) 21:31:40.69 ID:zPQM/NpW0
お題を
634以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 21:32:27.45 ID:1LHbe0Sz0
白い家
635ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/04/05(水) 21:39:04.66 ID:zPQM/NpW0
>>634
把握った
636以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 21:46:34.05 ID:D4OHNsnn0
 
637以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 21:48:21.85 ID:KaDaH/W90
保守
638>>498「ネズミ」:2006/04/05(水) 21:52:35.29 ID:8ociG7u/0
俺様は猫だ。
おっと、間抜けな人間共にへこへこしてる軟弱な奴と一緒にしてもらっちゃ困るな。
俺様は生まれてからずっと自分の力だけで生きていくのを信条にしてる。
猫に生まれたならネズミを捕って喰えなきゃ一人前じゃない。そうだろ?
なに、難しくはないさ。
ネズミってのは体と一緒で考えることも小さいから、ちょっと手を伸ばすだけでいくらでも捕れる。

とはいえ、俺様にも調子の悪いときってのがあるんだな。
昨日はたまたま一匹も口にすることが出来なかった。
おかげで空腹で目が回りそうだ。
だから今日はたっぷり食べないとな。
おっ、あそこにいかにも間抜けそうなネズミが居るじゃないか。
ゆっくり、気づかれないように慎重に近づいて――
「なんです、それで私を捕まえるつもりですか」
逃げられた。俺様から逃れるとは抜けたように見えて侮れない奴だ。
「そんなことじゃ蝸牛だって捕まえられやしませんよ」
エサの分際で生意気なことを言いやがる。ここは一つ説教してやらなきゃいかんな。
「偉そうな事を言うじゃないか。俺様を誰だと思っている」
「知ってますよ。縞虎さんのお孫さんでしょ」
俺様を知ってるのに怖がらないとは相当うぬぼれているな。面白い、もう少し喋らせてみるか。
「あなたの一族は年取ったネズミを食べる代わりに私達の子供を人間共から守ってきたんです」
「でも、あなたはどうです。食事のとき以外は縁の下でごろごろしてるだけじゃないですか」
「もうあなたにおとなしく食べられる理由なんてありませんよ」
何だって、じゃあ俺様は今までネズミの情けで生きてきたというのか・・・
いや、それよりもこれからどうやって食べていけばいいんだ。

「すまないが、そこをなんとか食べられてくれるわけにはいかないだろうか」
「知りませんよ。人間共に愛想でも振りまいてみたらいかがですか」
639以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 21:53:55.47 ID:8ociG7u/0
やっとできた・・・
ネズミっていうよりぬこの話っぽくなっちゃったけど (゚ε゚)キニシナイ!!
640以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 21:58:36.17 ID:pn0FjKg/0
>>638
たった今読んでる本が「我輩は猫である」だから一文目で萎えそうになったwwww

でも面白い!
641以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 22:10:22.82 ID:eLkl+IYnO
>638
トムとジェリーチックでよいね
GJ
642以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 22:11:51.70 ID:VpveuU9S0
>>638
GJ

>>640
最近俺は本といえばちょっと危険なものしか見ない。
というより、本読まずに書こうと思うやつはいないと思っているがなw
643以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 22:27:19.36 ID:pn0FjKg/0
>>642
ちょwwww日本語でおkwwwww
644以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 22:31:08.25 ID:nKSaDL3AO
>>638
> おっと、間抜けな人間共にへこへこしてる軟弱な奴と一緒にしてもらっちゃ困るな。
おっと、だが〜
の方が良さそう。前半多少文の繋がりが不自然で読みづらいところがあった。

ストーリーはおもすれー( ^ω^)
645イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/05(水) 23:01:59.70 ID:IrlHE/hU0
>>626「小説家」ついでに>>506「朝」も絡めてみた。
646イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/05(水) 23:02:25.01 ID:IrlHE/hU0
 小説家の朝は早い。とんでもなく早い。この俺が言うのだから間違いない。
 目覚めにまず顔を洗う。この時に使う水はエジプトから取り寄せたオアシスの源泉水だ。
全世界規模で慢性的な水不足の昨今、これほど贅沢な洗顔はないだろう。
 鉱物をたっぷり含んだ水で顔を引き締めたら、生理的な欲求に従って排便を済ませる。
俺は再生紙由来のトイレットペーパーなどは使わない。千年杉を使った純正パルプの逸品だ。
 ちなみにトイレのスペースは十畳ほど確保している。
人口増加で住宅事情が急速に悪化しているのは知ってるが、いかんせん俺は閉所恐怖症なのだ。狭い便所では息が詰まる。
 創作のためならある程度はそうした不自由も必要だろうが、毎日の排便に差し支えるようでは意味がない。出るものも出なくなる。
創作と快適な排便に密接な関係があることは、俺によって実証されている。

 トイレでほんの軽い運動を終えると、次第に頭がすっきりしてくる。
かりそめの夢の仮面は剥ぎ取られ、公人としての俺の意識が目覚めてくる。こうして小説家としての多忙な一日が始まるのだ。
「お早うございます、先生」
 リヴィングでは第四秘書の絢が朝食を用意して待っていた。彼女の顔を見て、今日は水曜日だったことを思い出す。
俺には秘書が八人いて、日替わりで朝から晩までつまりおはようからおやすみまでの面倒を見てもらっている。八人目は祝日担当だ。
それは創作活動の補佐から身の回りの世話までに及び、当然だがこれは家事掃除に留まる話ではない。
 絢は仕事の上では堅物で融通が利かないが、夜のほうは奔放で情に深いので俺は今から楽しみになってくる。
 その為には今日も小説家として立派に一日を勤め上げなければならない。
 俺は自分に活を入れ、テーブル上に並んだ豪華な食事に手を付けた。
「どれどれ、いただきます。絢も一緒に食べたらどうだ?」
「それでは、私もご相伴に与ります」と相変わらず妙にかしこまった仁義を切ってから絢は席に着いた。
 特設ファームで作られた完全自然製品のパンに化学合成でも細胞培養でもない天然バターをたっぷり塗ってかぶりつく。美味い。
こういう瞬間こそ、小説家になってよかったなあ、としみじみ思う。この生活を守るためならどんな話でも書いてやるぞと活力が湧いてくる。
「今日の予定は?」
「はい先生。今日は午前中に講演が六件、お昼は滞空自動車連盟との会食。
午後は太陽系環境公団で新型ロケットエンジン開発現場の取材、十五時にはタイタン保険機構の幹部会とのお茶会、
それを挟んだ後には首相官邸で首相と面談、そのまま首相とご同道でルナティックSF賞の受賞パーティーに出席、
そこで演説を済まされましたら二十三人の編集者と合同会議、それから軽い夕食、最後にご自宅で執筆活動となっております」
647イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/05(水) 23:02:44.89 ID:IrlHE/hU0
 その馬鹿みたいなハードスケジュールを聞いて一気に胃が重くなった。
 口の中でべとつきだしたバターの味をコーヒーで洗い流し、それでも気は晴れずに頭を抱え込む。
「……どうしてそう殺人的なスケジュールを組むんだ。
創作に当てる時間がまったくないじゃないか。お偉いさんと飯食う時間があったら執筆に打ち込みたいんだがね」
「いけません、そのようなことを仰っては。先生はご自分の立場と使命をきちんと把握なさってください。
先生は多くの人々に夢と希望を与える素晴らしい仕事をなさっているのです。
どれもこれもその崇高な偉業の一環とお考えください」
 絢はにべもなく俺の愚痴を跳ね除けてくる。これが第二秘書の優希や第五秘書のシンシアだったら優しく慰めてくれるというのに。
「しかしだな、それで肝心の執筆作業に停滞があったら本末転倒だろう?」
 苦し紛れにそう言うと、絢はしばらく考え込んだ。懐から情報端末を取り出し、何事かを打ち込む。
「分かりました。企画管理室と連携して今後のスケジュールを再考します。ですが、今日だけは予定通りにお願いいたします」
「ああ、頼むよ」
 しかし俺はあまり期待していない。絢に言われずとも自分の置かれた状況を理解しているつもりだ。
俺に対する需要が消滅しない以上、この状況が好転する見込みはない。

「先生、これを」
 食事を終えた俺に絢が差し出したものは、よく分からない黒っぽいアーモンド大の塊だった。
「なんだい、これ」
「ゴキブリの炭火焼きです」
「なんでそんなものを……まさか、食べろと言うのかい」
「はい」
 絢は笑いもせず頷いた。その眼に嘘や冗談はない。そもそも絢は嘘や冗談を言わない。
「先生が今執筆なさっている『天地無我最終生存的漢』はリアリティ志向の作品です。
主人公が虫を貪って過酷な極限状況を生き延びるシーンを描写するためには、実際に食べておくことが必要不可欠である、
というのが資料収集班の回答です。さあ、炭火焼きにすることで十分に滅菌されております。どうぞ」
 どうぞ、とずずいと俺の眼前に押し付けてくる。これを口に運ぶまでは許してもらえないようだ。
俺は涙目になりながらそれを口に運んだ。表面はパリッとしてて中はプリッ、トロッとしてた。節足や触覚がちくちくした。
反射的に嘔吐感が込み上げてくる。
「吐き出してはいけません。しっかり味わって飲み込んでください」
648イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/04/05(水) 23:03:10.03 ID:IrlHE/hU0

まだなにか喉に引っかかるものを感じながら、俺は何杯もコーヒーをがぶ飲みする。
「素晴らしいですわ、先生。先生こそ小説家の鑑です」
 そんなことを言われても全然嬉しくない。鑑もクソもあるか。
「……他に食べるものはないんだろうね。今ならなんでも食ってやるぞ」
 俺が嫌味たっぷりに言うと、絢は馬鹿正直に首を振った。
「今のところはありません。今後一週間以内に入稿の必要がある作品は次のものです、
『フレアバーストに消ゆ』『マジカルトリック時空密室殺人事件』『ノーという生涯』『亀と兎の時代』『天地無我最終生存的漢』、
『竜を食え』……これは無軌道ファンタジーなので竜はお食べにならなくとも結構です。
あ、『絶対零度は焔の香り』関連で、減圧環境下でのガンアクションを体験していただきます」
 ……やれやれ。こういうときに、小説家になぞならなければよかったと切に思う。
「俺はライトノベルが書きたいいんだが」
「現在、そうした需要はありません。今もっとも急を要するのは宇宙開発関係のメタフィクションです。
ファウンデーション建設の遅滞が原因で開拓者たちの間に不満が広がっております。
緊張緩和のためにも、一刻も早い出版が待たれています」
 豪奢で安定した生活と引き換えに、書きたいものも書けず大衆意識を操作するためだけの作品を書きつづける毎日。
 これが俺の望んだ『小説家』だったのだろうか。

「先生には頑張っていただきませんと。歪曲滅時限航法の事故によって、太陽系に渡ってほとんどすべての人間から
虚構性と想像力が失われたのです。その影響から逃れえた方には、人々の欠損を補完する義務があります。
先生こそ、この宇宙で最後の小説家なのですから」

 熱弁を振るう絢を横目に、俺は窓の外を見た。
 そこに広がる『嘆きの海』は、砂と岩しかないどこまでいっても味気ない殺風景を俺に突きつけてくる。
 やりきれない気持ちで上方に視線を転ずる。

 時刻の上では朝だが陽はまだ昇っておらず、瑞々しく輝く地球光が切なげにこの月面を照らしていた。
649以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 23:13:01.28 ID:D4OHNsnn0
普通におもしれぇ
650以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 23:14:42.35 ID:ltRqgY8J0
このスレはお題をもらって、それで書くのね。把握した

じゃあ俺にもお題ちょうだい
651以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 23:18:49.37 ID:nKSaDL3AO
>>648
オチが吹っ飛んでて読み返してしまったが文章は普通におもすれー( ^ω^)



ゴキブリはそんなに不味くないらしいよ
聞いた話だけどwww
652以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 23:23:16.94 ID:yzFi3Yk80
>>650
大笑い
653以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 23:34:53.80 ID:ltRqgY8J0
>>652
把握した
654以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/05(水) 23:46:45.89 ID:8ociG7u/0
>>640-642&644
文のつながりが不自然って言うのは思ってたんだ
もっと勉強しなきゃなぁ
ストーリー自体は好評みたいでよかたwwwwwww

>>646-648
おもしろいし、文章もマッチしてると思う
少しだけくどさを感じる部分もあったけどそこまで気にはならない
素直にすごいと思うwww
655以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
>>648
とてもおもしろいです
描写が細かくて、読めば読むほど楽しめる
羨ましい…これぐらいの文章書キタスorz