☆☆☆王家の紋章番外編☆☆☆スレにて掲載しておりました作品ですが、
長編であるため本スレに迷惑がかかることを配慮し、新たにこちらにて続きを掲載して参ります。
スレを分岐させることにたくさんの意見がありましたので、本スレに迷惑がかからないようsage進行で参りたいと思います。
ただ多少の問題があるかと思いますので、以下のことをお約束としていきます。
・書き手は基本的に返信レスをしません。やむえない場合を除きますが。
・レスは本スレに関連したことを書かない様、お願いします。
・ここで作品を掲載することはご自由に。でも本スレにどうしても掲載できない場合にして下さいね。
例えば過去の作品の続き、同じように長編になりそう、等。
・「キャロル2年後」が終わり次第、このスレは終わりにしたいと思います。
・意見、感想は出来るだけ作品内の雑談としてお願いします。批判、中傷はご勘弁下さい。
ただし、作品内の問題、例えば矛盾点などはどんどんレスして下さい。
気持ち悪いスレ立ててんじゃねえよ。
本スレからお越し頂いた皆様へ
分岐と言う点でご不満の方も多いかと思います。だらだらと続くのは我慢できないと言う意見も、身にしみて解っているつもりです。(たくさんのレス、読ませていただきました。)
「記憶の谷」様の作品も終わられ、正直に羨ましいなと思いました。ひとつ書いてみるとそれを中途半端で終わらせるのが、なんとも後味の悪いものです。
本当に主人公が幸せになって終わらせるという願望が、私にはありました。そこで別スレを立てることにいたしました。我が儘な私をお許し下さい。
本スレにお知らせしてませんので、実際どのくらいの方が来てくださるのか解りません。掲示板で見つけて来てくださった方、感謝いたします。ありがとうございます。
スレを独占するつもりはありませんので、ご自由に雑談して下されば幸いです。
もしかして、しょーもない自分の駄文の続きを書きたくて
このスレ立てたの?
サイトでも作ればいいのに(;´Д`)
どんなヘタレなSSが披露されるのか楽しみにしてますね(藁
あの、マジでサイト作って、番外編スレに
URL張れば済むことでは…
いくら難民でもこれはちょっとワガママだよ。
・スレを独占するつもりはありませんので、ご自由に雑談して下されば
幸いです。
・意見、感想は出来るだけ作品内の雑談としてお願いします。
批判、中傷はご勘弁下さい。
この2つは矛盾してないか?
上の方は叩かれないために付け加えただけって感じ。最低。
あなた誰ですか?
あまりにも悪質ですね。
削除依頼しましたから、これ以上ひどいことしないで下さい。
キャロル2年後作家様!見つけました!!!
大感激ですぅ〜(はぁと)
悪質ないやがらせで始まっちゃって残念ですが負けないでください。
番外編から兵を募ってまた戻って参りますゆえ…
ただ今戻りました!
間もなく皆到着のことと思います。もうしばらくご辛抱を!!
わーい!みつけた〜〜!!
ヘンなのは無視してマタ〜リいきましょ。
力作、お待ちしておりまするゆえ・・・
>10
>削除依頼しましたから、
ってこのスレのことだよね?(もしも違ったらゴメソ)
こういうときも、本スレ(って言っていいのかわからないけど)嫁!
って言っていい?
良ければそう言わせてもらいたいんだけど。
まあ、サイト作って…って意見はわからなくもないけどね。
あ、でも書き手さまを否定しているわけではないので、誤解なきよう。
いくら難民板でもさー
あんたの駄文の為だけにスレ立てすんな!ヴォケ!
とにかく!
マターリ進行。
だけど無理なら本家に戻ってきた欲しいです。
分岐は常に共倒れの危険と背中合わせ・・・。
どうなるのか不安・・・。
ごめんなさい、本スレからきました。
書き手様のお話しは好きでしたし、続きは読みたいと思っていましたが、
正直こういうスレを立てるのはどうかと思います。
8さんのおっしゃることが、残念ながら正しいと思います。
>批判、中傷はご勘弁下さい。
とあるのに、批判してしまって申し訳無いですが、
これは中傷ではないと思います。
続きは本当に読みたいと思っていますので、続きを書いてくださるのは
とても嬉しいですが、これはやはりスレの私物化のそしりをまぬがれないと
思いますので、サイトを立ち上げるなど、他の方法を取られたほうが
よいのではないかと思います。
荒らすつもりは無いんです。
不愉快な思いをされたら(されるに決まってますが)ごめんなさい。
ただ、いくら続きを読みたいからといって、
どんなやりかたでもOKと言ってしまうのは、なにか違うんじゃないかと思って
意見を述べさせていただきました。
本スレの住人すべてがこういった形での分岐を
もろ手を上げて賛成しているわけではない、という一意見として
聞いていただければと思います。
それに、この先荒れる危険性の高そうなこちらのスレの余波で
本スレまで荒れてしまうのも哀しいですし・・・
と、いうか本当に本人ですか?>1
本スレから来ました。本当に独立スレ立てられたんですね・・・。
あなたの作品は楽しみでした。本スレは試行錯誤しながら作家さんのお越しをお待ちするという流れになってきたのでまた2年後作家様もおいでになると思っていたんですが・・・。
私の意見も8さんや17さんと同じです。
あなたの作品はとっても楽しみだっただけに、こんな形でスレを立てられたのが残念です。
掲示板は基本的に皆が意見を交換する場所。自分だけのHPを間借りのような形で作るのはどうかなと思うのです。
荒れる危険性の高いスレを立てたことで、本スレが荒れたりするのはまずいと思います。
そして、ここが荒れ、あなたが傷つくのはもっとよくないと思います。
これから先、どうなるのかは分かりませんが・・・。
スレの共倒れが起きないことを祈ります。
>・ここで作品を掲載することはご自由に。でも本スレにどうしても掲載できない場合にして下さいね。
とあるから、私物化ってことはないでしょ。
分家として、長編小説UPしたり感想書いたり、
みんなで使えばいいだけなんじゃ?
サイトを作るのもひとつの方法だとは思うけど、
別スレ立てようかっていう意見もかなりあったんだし、
1さんだけを責めるのはどうかと思う。
別サイトより2ちゃんでやってくれた方が気軽に感想
書けていいや、と思ってる私のような人間もいるからさ。
共倒れしないためにも本家のリンクは貼らないで欲しかったナ
本スレに知らせていないくせにどうして本スレのリンクを貼るのだろうか
もう1は来ない・・・
1は初心者ですので皆様ご勘弁を・・・
結局1は自分だけが可愛かったんだね。
あげちゃった、ごめん。
どうするんだよ、この糞スレ
1はもう逃げたんだろ?
>>1の捨てぜりふ
264 :名無し草 :02/03/16 02:58
>262
以前「キャロル2年後」を書いた者です。「キャロル2年後」はもう逝ってしまいましたので、
今では私も気楽な名無し草。
これは以前にも書きましたが、もうここでお見せすることはありません。
異例の長さなので、本当に皆様にご迷惑をおかけしてしまうからです。でも、お言葉を下さりありがとうございました。
気が向きましたら、ある日ひょこっとこの板にスレ立てしてるかも知れません。(お知らせはしませんよ。)
確かに大人になったキャロルはマゾではないですねー。反対にイズミル王子を翻弄する部分もありかと・・。
けっこう濡れ場が好きなので、リアルでムフフかも。
御仕置き編を読ませていただいて、私もムズムズです〜。皆様素敵です〜。
妄想ではリアル調教なので、鞭使いは禿しくありがいいですね〜。
しかも鞭はよくなめして、痕が残らないように打つとか、王子の技術が問われますね。(どこで覚えるんだ?)
んじゃ、メンフィスは何使うのかな?小道具はいらないのかしらん。
長いネックレスのような宝石の紐?で、キャロルをぐるぐる巻きにして欲しい・・。(ポッ)
えっ?リアルすぎる?失礼しました。逝ってきます。
>書き手さま
どこか違う場所ででもいいので続きを読ませて下さい。
ずっと気になってるんです〜。よろしくお願いします!
というよりも1自身2年後作家本人なのかも
疑わしい。
案内所に挨拶もしてないんだね。
なんかここベタつくなー。もういいじゃん、放っといてやれよ。
キャロル2年後作家様が迷惑して削除依頼だしてるらしいので
終了。
「キャロル2年後」作家様
執筆への情熱は失っておられないようで、安心致しました。
分岐スレについての無理解な書き込みは、これまでの経緯を
ご存じない方ならある程度は仕方ないものかもしれません。
王家関連スレにいるとつい忘れてしまいますが、2チャンネルでは
これよりさらにひどい書き込みはいくらでも見受けられます。
(そうはいっても大変くやしいことではありますが。)
他の長編作家様の作品掲載も前提としたみんなで楽しむための
ものならば、「スレの私物化」という批判は適切ではないと思います。
一日も早く情勢が安定して、ここで作品にお目にかかれることを
楽しみにしております。
>キャロル2年後作家さま
34さま同様私もとても楽しみに待っています。
>キャロル2年後の作家さん
私も続きがずっと気になっていましたので、復活を心待ちにしています。
>「キャロル2年後」作家様
近いうちに必ず続きを読ませてくださいね!!
作家殿、いやこちらでは書き手殿というべきか。
わたしと姫の物語をよもや途中で終わらせるようなことはなさるまいな。
焦る必要はないが、ときが満ちたと思われたなら、いつでも復帰してほしい。
わたしはそなたの強さを信じて、いつまでも待ち続けよう。
ベタベタ・・・
書き手様
一日も早いご復帰を…
お待ちしてます作家さま〜
馴れ馴れ〜〜
>書き手様
困難の中、この長編をここまで書き続けて下さったことに感謝しています。
風当たりの強さは、作品の注目度の高さの証明でもあります。
「キャロル2年後」ほど壮大な作品にはもう出会えないかもしれません。
無関係の人たちに土足で踏み荒らされてしまったこの場所では
もう大切な作品を発表なさるつもりはないかもしれませんし、
私たちが何の力にもなれなかったことで本スレの方にも失望なさった
かもしれません。それでも多くの人が「キャロル2年後」の続編を
楽しみにしていることをぜひ心に留めておいて下さい。
ここか本スレか、あるいは全然別の場所でもかまいません。
必ず戻ってきて下さると信じています。
ただ待ってるのってすごく長く感じるね。戻ってきてよォooo(疲・弱)
>44
そなたも王族乙女ならば、「おあずけ・寸止め・休載・コミックス出ず」
には慣れておろう。待つのじゃ。ただひたすら待つのじゃ。
おまえら過度の馴れ合いは止めとけよ
>45
幼き頃より「おあずけ・寸止め…」に耐えてりますが
私も歳をとりましたゆえ少々焦りがでて参りました。
お恥ずかしゅう存じます。
寂しい人なんだねぇ。
おやまあ、おほほ。
>キャロル2年後/書き手様
きっと戻って来てくださいね。
今日もまた書き手さまを探してここまで来ました
…すごすご...
>47
えーっ!?ワタシが幼い頃はまだ王家はなかったよ。
みんなそんなに若いの?ワタシが一番のババアか、やはし。
>書き手様
もし他の場所ででも復活されるときはどうかお知らせくださいね。
近々2部〜読める日を楽しみにしています。
年寄りはここにもおるぞよ。
このババが氏ぬ前には本編は終わらぬかと心配じゃったが
今や「キャロル2年後」も最後まで読めぬかと心配じゃ。
若干1名の妬み・嫌がらせでこうなったんじゃないかしら?
じゃあ軽ーく無視してもう一度 2: から始めません??
妬み・嫌がらせ・・・と思えるなんて、おめでたい人たちだね(w
ホント、出たね・・(藁
さ、読みたい人たちで進めましょ。
>55
そうですね。真相が明らかになった以上、もういつ再開されても構いませんよね。
みんな待っていることですし。
>58さん
うれしぃ〜。起きてて良かったよ。
あまりにしつこさに呆れを通り越してかわいそうに思えてきたから
その人もまじえながら再開でもいいよね?!
みんな分かってりゃ気にならなもん。
そういう訳ですので、「キャロル2年後」作家様、
一刻もはやく復活して下さい。お願いします!!!
5秒でわかる「キャロル2年後」*1*
キャロルが王妃となって2年後、メンフィスは国益のため
カーフラ王女との政略結婚を受け入れる。
これもエジプトのためと思いつつ、涙にくれるキャロル。
輿入れを前に上機嫌で化粧に励むカーフラ王女には、
ある周到な計画があった。
5秒でわかる「キャロル2年後」*2*
初夜の床でカーフラ王女は媚薬を使いメンフィスを誘惑する。
キャロルは我を忘れてメンフィスの寝所へ近づいてしまい、
カーフラ王女が差し向けた刺客に襲われる。
「メンフィス、助けて!」
だがその声はメンフィスには届かない。
危ういところに駆けつけたルカが、キャロルを抱えて
ナイル川に飛び込み、王宮を脱出した。
……あのさ、小学生並の下手糞な煽り返しは逆効果だと思うよ。
そうやって煽りに釣られまくるから面白がられてからかわれているということに
いい加減気づくように。
荒らし煽りは完全放置、これは基本中の基本だと思うが。
いつも王家関連スレヲチしてるけど、ここの人達の荒らし対応にはいつも呆れるよ。
もっともな教えじゃのう。
しかもいつもヲチして下さっておるとはありがたいことじゃて。
>64
さっそくひっかかってどうするよ(笑
63は例の「若干1名」ちゃんだよ。
5秒でわかる「キャロル2年後」*3*
下エジプトの村はずれのオアシスでキャロルは傷を癒していた。
脇腹に受けた傷のために一時は生死の境をさまよったが、
ルカの懸命な看病により、快方へ向かいつつあった。
ただ、心に負った深い傷はいまだ癒えてはいなかった。
ルカは王子に伝令を送り、国境へ向かうべく出発の準備に取りかかる。
5秒でわかる「キャロル2年後」*4*
国境を越えたところにある街の宿屋。
キャロルはみずからの手で長かった髪を切り、
メンフィスに愛され幸せだった頃の思い出に涙する。
ルカにはそんな彼女を慰める言葉も見つからない。
ルカが宿の主人に呼ばれて部屋を出ていったあと
キャロルのもとにあらわれたのはイズミル王子だった。
みなさん、もうこれでおしまいにしてね
もうスレ違いの話はこりごりです……。
,,- ,,
∧∧ミ,, ,;;
( ゚ー゚)ノ)" ガンバレ
/ ,,- ,,| ガンバレ >カキテサン
`ミ ;
`''''"
,,,-,,, , - ,,
ミ ミ ミ ,ミ
`∩∧/∩"
ヽ( ゚ー゚) ガンバレ
| 〈 ガンバレ >カキテサン
〜/_,,, ヽ
し レ
本来の主旨とは違うんだろうけどおもしろいね、ここ。
けど波風が立つのをそう気にすることもないんじゃないか。
女の人が多いからお上品なのもわかるが、嵐の1ヶぐらい
2チャンじゃ別に普通だろう。
どうしても我慢できなけりゃダニかゴキとでも思えば?
どっちみち根絶不可能なんだから。んじゃさらば。
>71
かわいいっ。かわいいぞっっっ。71さん!!
5秒でわかる「キャロル2年後」*5*
キャロルは王子から、エジプトではすでに王妃が崩御したことに
なっていると聞かされる。激しい衝撃を受け、王子に激情をぶつける
キャロルを王子は静かに受けとめ「そなたを迎えにきたのだ」と告げる。
5秒でわかる「キャロル2年後」*6*
だが王子は、メンフィスがキャロルの死を受け入れず、いまだに
行方を捜し続けていることを、キャロルに伝えようとはしなかった。
その夜、王子はキャロルの傷を気づかい、ただ優しく腕の中で眠らせる。
キャロルの涙を拭ってやりながら、王子はいっそう愛おしさを募らせる。
5秒でわかる「キャロル2年後」*7*
翌朝。すでにエジプトに戻るつもりもなく、自分はもう
王妃でもナイルの姫でもないと言うキャロルに、王子は
自分が望むのはキャロル自身なのだと語りかける。
王子は、いずれエジプトとの戦になるだろうと告げ、
キャロルはエジプト国民を戦争から守りたいという
願いから、ヒッタイト行きを決心する。
5秒でわかる「キャロル2年後」*8*
ところ変わってバビロニア。ナクト将軍により
アイシスにエジプト王妃崩御の知らせが届けられる。
メンフィスへの変わらぬ愛ゆえにアイシスはエジプトへの
帰還を望む。その条件として今はバビロニアの敵国である
エジプトと手を組み、ラガシュを陥れようと計画する。
5秒でわかる「キャロル2年後」*8.5*
夏の終わり。
キャロルはイズミル王子とともに、首都ハットゥサへ到着した。
美しく成長し威厳に満ちたキャロルは王妃に認められ、しばらく
王妃のもとに預けられることになる。
5秒でわかる「キャロル2年後」*9*
秋。
キャロルは王子にほとんど会うことなく奥宮殿で過ごしていた。
戦に関する情報は全く得られず、キャロルは焦りを感じ始める。
5秒でわかる「キャロル2年後」*10*
ある朝、王子は王妃のもとに赴く。
キャロルを皇太子妃として迎えたいという王子を、王妃は
支持し励ますが、王家の血筋を残すため、婚儀後一年の間に
懐妊の兆しがなければ、ミラを側室とするよう申し添える。
「5秒でわかる」シリーズ作者様、ありがとうございます。
すごく助かります。
これで復習しつつ作家様のお帰りを待ちます!
5秒でわかる「キャロル2年後*11」
キャロルは王子の宮殿に移されることになり、ムーラが迎えに来た。
気の進まないまま仕方なくムーラに従ったキャロルだったが、
部屋中に活けられた白い花の香りが彼女の心をなごませる。
だが王子が部屋にやってくると聞いて…。
5秒でわかる「キャロル2年後」*12*
やがて王子がキャロルの部屋にあらわれた。
食事の間、キャロルはつとめて平静さを装いながらも
内心ではどぎまぎする自分をもてあましていた。
その夜、キャロルは王子に抱きすくめられ
胸の高鳴りを覚える。
>81
おそれいります(大恐縮)
5秒でわかる「キャロル2年後」*13*
王子の存在が自分の中ではすでに大きなものに
なっていることに気づきながらも、キャロルは
まだ心を決めかねていた。
そんな彼女に王子はせつない口づけを繰り返し、
正妃になってほしいと熱く訴える。
5秒でわかる「キャロル2年後」*14*
穏やかで優しい愛を交わす王子とキャロル。
が、その余韻も覚めやらぬうちに王子は
キャロルに過去を忘れさせようと、一層
激しく愛するのだった。
5秒でわかる「キャロル2年後」*15*
翌朝。
悪夢にうなされ、深い孤独感に震えるキャロルを
王子はいたわり、抱きしめる。王子の愛に包まれて、
キャロルはしだいに安堵感で満たされていく。
5秒でわかる「キャロル2年後」*16*
朝食をとりながら睦まじく語り合う王子とキャロル。
王子の幸せそうな姿に、ムーラは感極まりそっと涙を拭う。
5秒でわかる「キャロル2年後」*17*
初雪の頃、王子とキャロルの婚儀が執り行われた。
このときよりルカがキャロル付きの武官に任命され、
いつもそばに仕えるようになる。そのルカを物陰から
見つめる人物がいた。キャロルの行方を捜し続け、
ウナスとともにヒッタイトに潜入したテティである。
5秒でわかる「キャロル2年後」*18*
テティはルカの後をつけ、キャロルの部屋に忍び込む。
驚きのあまり声も出ないキャロルにテティは、
メンフィスがキャロルの生存を信じ、捜し続けて
いる、エジプトに戻ってほしいと必死に訴える。
キャロルはテティの言葉に心動かされるが…。
5秒でわかる「キャロル2年後」*19*
だがキャロルはテティに、人違いであると冷徹に告げ、
侍女たちに見つからないうちに帰るよう促した。
しかしテティはひきさがらず、ウナスが待っている
場所までキャロルを無理矢理引きずっていく。
5秒でわかる「キャロル2年後」*20*
キャロルが連れ去られたことに気づいたムーラの声が
宮殿に響き渡り、宮殿中が侵入者の捜索に動き出す。
侵入者に対する激しい怒りに加え、キャロルがみずから
逃げ出したのでは、との怖れが王子を苦しませる。
5秒でわかる「キャロル2年後」*21*
宮殿内の捜索が続く中、ウナスとテティは地下倉庫に
潜んでいた。キャロルはなおも自分はエジプト王妃では
ないと強く主張するが、二人は聞き入れない。
5秒でわかる「キャロル2年後」*22*
王子の命令で単独で捜索にあたっていたルカが
地下倉庫の気配に気づき、様子をうかがう。
キャロルの心中には複雑な思いが交錯し、
どうしてもエジプトに連れていくというなら
いっそ殺してほしいとまで言ってしまう。
5秒でわかる「キャロル2年後」*23* (前編)
キャロルの声を聞きつけ、中に飛び込んだルカが
テティの手からキャロルを奪う。あくまで人違いだと
言い張るキャロルに、ウナスとテティは打ちのめされる。
ルカは王子の妃としてヒッタイトに留まろうとする
キャロルの決意の固さを確認する。
5秒でわかる「キャロル2年後」*23* (後編)
バビロニア王宮、アイシスの寝所。
アイシスの画策により、ラガシュの義弟に率いられた
兵士たちがラガシュを襲う。義弟と対峙するラガシュの、
アイシスを守ろうとする態度に、彼女の表情は曇る。
5秒でわかる「キャロル2年後」*24割愛*
ラガシュの最期のとき、アイシスは自分に向けられた
真の王者の愛を理解する。ラガシュの最後の言葉を
心に抱いたまま、アイシスは下エジプトへ帰国する。
5秒でわかる「キャロル2年後」*24*
アイシスはキャロルを失ってすさんでいる
メンフィスの行状を耳にしていた。
ミヌーエ将軍が王宮へ戻るよう促しに来るが
アイシスは時期尚早と判断し、今しばらくは
下エジプトに留まるつもりでいた。
5秒でわかる「キャロル2年後」*25*
舞台は再びヒッタイト。
急にあたりが騒がしくなり、やむをえずウナスとテティは
ルカの手中にキャロルを残し、闇の中へと姿を消した。
その直後に王子が駆けつけ、キャロルを抱きしめる。
キャロルは湯殿で冷えた体を温めながら、ウナスたちが
無事逃げ切ったことを聞き、安堵する。
5秒でわかる「キャロル2年後」*26*
その夜。窓辺で一人夜空を見上げながら、キャロルは
王子の側で生きることを望んだ自分の気持ちを確認し、
心ひそかにメンフィスに別れを告げるのだった。
5秒でわかる「キャロル2年後」*27*
真夜中、キャロルは寝つかれず、月明かりの窓辺に
腰掛けていた。王子はキャロルを抱き寄せて膝に乗せ
可憐な少女から、美しさと気品を備えた意志の強い
女性へと成長した自分の妃をあらためて見つめる。
5秒でわかる「キャロル2年後」*28*
妃のじゃじゃ馬ぶりを案じる王子に対し、キャロルは
剣を習って強くなりたい、宮殿に閉じ込められるのは嫌だ、
と王子を困らせる。夜更け、王子の腕をすり抜け、
独り寝を宣言してさっさと引っ込んでしまった彼女に、
王子はふっとため息をもらすのだった。 <第1部完>
5秒でわかる「2年後のキャロルその後」(番外編)
結婚後10年を経た王子・キャロル夫妻。
夜明け前に目覚めたキャロルは、王子に
口づけをしようとして愕然とする。
実はキャロルは髭が大の苦手だったのだ。
愛する妻に髭を何とかするようせかされて、
王子は一人寂しく湯殿へと向かうのだった。<終>
よく分かった。
解説、てんきゅ〜!
>104
見ていただいてありがとうございました(大恐縮)
5秒でわかる「注意書」
いうまでもないことですが「5秒で…」は
2年後作家様とは無関係です。したがって
「5秒で…」の終了と作家様の復帰時期とは何の
関連もありません。(結びつけて考える人も
いらっしゃらないでしょうが一応念のため。)
むこうだって長いのやっているんだし、戻ってきてよ〜〜。
なんで2年後だけ叩かれてるのかわからん。
今までの経緯があるから納得しない人もいるのかも知らんけど、
私は純粋に続編が読みたいぞ・・・(;_;)
109 :
お役立ちサイトです。:02/04/17 09:36
>108
もう叩かれてないですよ。叩かれたというよりも
人気が高かったので妬まれただけだと思います。
むこうでの中・長編連載はむしろよい傾向では?
2年後作家様も復帰しやすくなるでしょうし。
>108様
私も読みたいです〜、切実に。「今までの経過」は別に障害にはならないと思うので
あとは作家様のお気持ち次第ですが、早くその気になっていただけるように願っています。
来ました・・・・。
削除依頼を出して以来、まったく2ちゃんには来ていません。
この書き手と言われる方とキャロル2年後を書いた者は、
全くの別人です。
確かにいずれスレをたてるかも、と書いたこともありますが、
自分はスレはたてていません。
正直まだあったのかと言う気持ちです。
このスレは不本意ですが、
続きをと言って下さる方、ありがとうございました。
続きはあるのですが、正直2ちゃんにはビビッています。
誰かが自分になりすましているのは、気分悪いです。
でも、こんな事書くと自作自演っていわれるんだろうなあ・・・。
肝心なこと、書き忘れた。(汗)
>112の続きで、
なので、掲載されることはありません。
こうやって2ちゃんに書き込みするとまたなんて言われるか、
考えただけで鬱。
番外編も見るのがつらくて、とても覗けませんわ〜。
もう完全に終了しますので、期待しないでくださいませ。
ただいきなりそう言うのもあんまりかな、とも思いましたので、
明日までここを覗きますので、何かありましたらどうぞ。
そしてそれ以降は2度と出てきませんので、よろしくお願いいたします。
何もなければ、それで良し。
まじレスでごめんなさいね。
おくればせながら削除依頼読みました。
私には何が真実かわかりませんが、
勝手な理解の上で2年後の続編はあきらめても仕方ないんだろうかなァ、と
思いました。私自身はここ2チャンではベタベタに変なことはされていませんが
やはり叩かれたり煽られたり意味を取り違えられイヤな思いもしています。
いやな気持ちを癒して下さいね。でも、楽しみにしていた読者もいたことを
忘れないで下さい。
>114
お言葉、ありがとうございます。
一体何故こんなことになってしまったのか、
ほんとのところ私にも解りません。誰かに聞きたいです、本当に。
2ちゃんでは、しょせん私は甘かったのでしょう。
楽しみにして下さり、感謝しております。ありがとうございました。
>112
「全くの別人です」は説得力ありますね。
「スレ立てました」から「気持ち悪いスレ立ててんじゃねえよ」まで
たった2分しかかかっていないし、何度も「本当に本人ですか」と
書き込んでますよね。2年後作家様になりすました人だからこそでしょう。
あんな悪文を書いたことにされてさぞ残念なことと思います。
>114
何が真実かと問われれば、2年後様の人気を妬んだ作家様が
ずっと嫌がらせを続けてきたということでしょう。
(少なくとも誰かの)作品を楽しみにしている一介の読者が
あのようなことをするはずはありませんし、その作家様ご自身が
「長編はうざい」とはっきりと書き込まれておられます。
さすがに作家様だけあって文章力だけはあるので、私もずいぶん
だまされましたが、他人へのなりすましは今でも堂々と続いてます。
作家様、どうか逝かないで下さい。番外編スレに戻って来て下さい。
悪いことをした人は必ずしかるべき報いを受けるときが来るはず。。。
>116から118
2の発言はこちらの板住人の方かと思ってました。
私としましては、その言葉ですっきり?したものです。(藁)
作品名が一人歩きしてしまっているので、
番外編に行く勇気がありません。大変申し訳ありません。
その代わり明日まではおりますので、
次のあら筋がしりたいとか何かありましたら、
書き込みしたいと思います。最後ですもん。
そして明後日以降は、もうこの話題は他スレでもなしにして下さい。
お願いいたします。
本当にありがとうございました。
>117
うん、オレも騙された。何とかおだてて懐柔しようとした人もいたみたいだけど
無駄だったね。アイツが反省するわけないんだよ。
>120
その辺のところよく解らないのですが、
起こってしまったことは、いくら腹を立ててももう元には戻りませんよね。(涙)
ただあの時は私の「次長いけどどうしよう?」の発言が発端だったので、
スレのマターリが壊されて、皆様にはご迷惑をかけてしまったと思います。
こんなことなら、何も聞かず続きを書いていればよかったんだ〜、と思う今日この頃。
くすん、もう読めないのね・・・・・
>121
わかりにくい書き方で申し訳ないです。オレの推測だけど、たぶん
嫌がらせをした人は、過去に「激しいエロは嫌だ」と書かれたとか
あまり読者の反応がないとか、コンプレックスがあったと思うんですよ。
だからこそみんながまるで申し合わせたように、分岐スレを荒らしたのは
無関係のよそ者ってことにして、その作家さんの作品にもちゃんとレスを
つけてやってたのに、こりずに「2年後読みたい」っていう声を
封じようとしたんで、今現在の状況に至ってるんじゃないでしょうか。
>2年後作家様
作家様にとってもわたしたち読者にとっても、不快きわまりない事件でしたが、
それでも自分がいるスレにどんな人がいるのかわかり、かえってよかったかも
しれないとも思っています。無理なお願いだというのはわかっていますが、
長編だからということで誰かに迷惑がかかることはないことも、はっきりしたのですから、
どうかどうか、もう一度連載していただけませんか?
いろいろ教えてくれてありがとう。そうだったのかー。
最初は怒り爆発でしたが、今はもう・・・ね。
終わりにするのは自分で決めたのだから、
後くされなしで逝ければなあと思います。
それと先ほど明日までと書いてしまいまいたが、
よく考えたら今日まででした。すみません。ボケてますね・・・。
2年後作家様、もう逝ってしまわれるのですか。
ずっとずっとずーっと待っていたので本当に悲しいです。
とうとう悪い奴のねらい通りになるのかと思うとくやしいです。
私たちを楽しませてくれた作家様をお守りできなくてごめんなさい。
2年後作家さま
「今日まで」ということはまだ間に合いますか?
どうかどうか逝かないでください。
どんな方法でもいいので続きを読ませてください。
どうしたらいいかみんなで考えませんか?
続きを待ってる人は私以外にもたくさんいると思います。
どうかお願いします。
毎日、UPされるのを心待ちにしていた者です。
127さんに禿げ同…。
終わりにするとお決めになったとの事ですが、
このまま埋もれさせるのは非常に惜しい作品だと、心から思います。
これは作家様のお気持ちを無視した勝手な希望なのかもしれませんね…ごめんなさい。
でも、本当に続きが読みたいのです。
どうするのが一番良いのか、思いつかない自分が非常に腹立たしい。
何かいい方法はないでしょうか…?
せめてあらすじだけでも・・・とも思いますが、私もどうしても
続きが読みたいです。番外編スレでどなたかがなさっていたように
「別の作家様」が「勝手に2年後の続きを書く」という形はいかがでしょうか。
CPがフリーズしてしまい、遅くなりました。すみません。(汗
たくさんのレスを頂きまして、ありがとうございました。
ここ以外で掲載する方法?
すみません。思いつきません。
自サイトをつくるにしても、既にありますのでそちらの管理で手一杯です。
諸々の理由により、そのサイトに掲載することはできません。
ですから、お応えできずに本当に申し訳ありません。
先程番外編を覗いてきましたが、
すばらしい作家さん方がいらっしゃいました。
善人ぶるようですが、楽しみに応援していきましょうよ。
お気持ちはうれしいですが、イズミルとキャロルのあの話は、
これ以上ないくらいに大団円で終わりますので、
それで良しとして頂きたく思います。
本当にありがとうございました。
これ以上ないくらいに大団円で...と聞けばさらに読みたい気持ちがつのる
じゃないですか〜〜〜!
ヒミツの場所で密かに読めるとか何かないものでしょうか?!
私が今晩無い知恵をしぼって徹夜で考えてみましょうか?
131さん、ぜひぜひお願いします。
作家様、今日までといわず、あと数日滞在していただけませんか。
今日ここに来られなかった読者の方々のためにも。
しまった!!間に合わなかったです。
作家様〜〜、来ていらしてたのですね。
ヒミツの場所が私も必要と思います。
前スレで声をかけて下さった、なりきりの管理人さんのとこではだめでしょうか?
でもやっぱりあちらにも迷惑かかるかも・・・・。
良い考えが浮かばないです・・・・・
>133
ヒミツの場所・・・あればいいですね。
もし番外地に読者がスレをたてたとしたら来てもらえるのかな。
それともタイトルを「イズミル2年後」か何かにして心機一転再開。
・・・やっぱり無理なんでしょうね。
2ちゃんでヒミツの場所ってどこだろ?
初心者の私には思い当たる節がありません。
どなたかベテランの方、ご存じありませんか?
131さんではありませんが、ない知恵をしぼりきって考えてみました。
フリーメールとって、そこに作品を送ってもらう、というのはどうですか?
送ってもらった人は責任をもってサイト開設。
でも、見知らずの人間に作品を託すって、
作家様ご自身、やっぱり抵抗があるかもしれないし…。
すみません、こんなことしか思いつきませんでした。
>136
なかなかのお考えだと思います。名無しばかりの場所で信頼できる人を
特定するのは確かに無理なことですが、見ず知らずの人間に作品を託すことと
ここで作品を発表することはもともと大差ないと思えるからです。
(悪用する人がいるとすればここにアップされた時点で即悪用できますよね。)
いつの日かきっと続きが読める日が来ると信じて、みんなで方法を考えたいですね。
>114
初心者なのですっかりバスに乗り遅れてます(汗
「削除依頼」というのはどこで見れるんでしょうか?
>138
今更削除依頼見て、どうするの?
>139
それは見ても意味がないということですよね。
他の方がくわしく書いて下さってたことが私は全然
つかめてなかったので、それを見ていたらもっとよくわかって
いたのかなあと思ったので。場違いなことを書いて申し訳あり
ませんでした。
>140
書き方が悪くて(そっけなかったね)ごめんなさい。
削除依頼とほぼ同じことを、作家様が>112で書かれています。
そう言う意味で言うと、二度手間かもしれません。
もし見る気があるのであれば、削除依頼板にいくべし。
>141
ご親切にありがとうございました。自分で
見たいと言っておきながら、見たあとで
かなり落ち込みました。何も知らずにここのスレで
作家様をのんきに待っていたことが、かえって
作家様を苦しめてしまったかもとわかったので。
本当に今さらですが。でもありがとうございました。
ああ〜さげ忘れです、ご迷惑かけてすみません。
番外編スレはそれなりに楽しいんだけど、王子とキャロルのラブラブがもっと読みた〜いと思うのは私だけ?
誰かこちらで書かれませんか?
どなたかレスされてましたけど、「イズミル2年後」とか読んでみたいんだけど。
やっぱり無理かな?
>144さん
同好の士よ、心の友よ。
なんといっても「王子×キャロル」こそ番外編スレの王道ですよね。
「イズミル2年後」読みたい〜。
書き込みがある限りスレは削除されません
>144
私も同じです!仲間がいて良かった〜〜!
ここに書いてもいいのでしょうか?ネタをちょっと考えてみます。
実は「少年キャロル」を書いた者ですが、なんとなく番外編スレでは続けれなくなっちゃって。
本当にここに小説レスしてもいいのでしょうか?
怒られないか、ちょっと不安です。
でも、「イズミル2年後」はすご〜〜く気になります。
>「少年キャロル」作家様
いいところで終わっていてすごく続きが気になっていたんです。ぜひぜひご来臨ください。
番外編スレの方がみなさんにわかりやすい気もしますが、私は毎晩こちらにも来てみますね。
>148
いっそのこと、こっちを中・長編スレにしちゃってもいいのでは。
嫌がる人、多いかな?(ちょっとせっかちでスマソ)
>149
いやもう全然平気。スレの最初の方なんか見ないし。
資源を大切に。スレのリユース賛成。
>147
「少年キャロル」様「イズミル2年後」楽しみにしております。
番外編スレはレベルが高すぎて、私みたいなのは気が引けて続きができませんでした。
それじゃ、とりあえずここは王子とキャロルの王道スレと言うことで、
「少年キャロル」のニューバージョン(王子メイン)を書きます。つたない文章ですみません。
「イズミル2年後」はどなたも書かれない場合、ぼちぼちネタが出来次第、レスしていきたいと思います。
リレー小説にしても面白いと思いますけど、皆様いかがですか?
番外編スレと重なるところがあるので、申し訳ありませんが、ここは内緒のスレにしてもいいですか?
偶然にしてもここに来られた方だけが読める、ってゆうのが理想です。
自分勝手ですみません。恥ずかしくて、読んで頂くのもお恐れ多いです。
スレの分岐は大反対っていう意見が多かったように思いますので、わざわざお知らせする必要もないかなと勝手に思っています。
と言うわけで、皆様、スレの再利用をさせていただきます。
必ずsageていきましょう〜〜〜。
最後に二年後作家様、不本意なスレを存続させることをお許し下さい。
もうこちらに来られることがないとのことでしたが、これから先、ここを見て再び続きを書いて下さるよう願います。
1 (番外編スレ一部改良)
エジプト宮殿に囚われの身になったキャロル。
その珍しい風貌にメンフィスはひどく興味を示したのであった。しかしまだ小さい少年にしか見えない為、殺すには惜しく上手く手なずけられないかとも思っていた。
「何も食べていないではないか?強情を張らずにさっさと食べるがよい。」
メンフィスに言われ様子を見に来たミヌーエであったが、金髪の少年は地下牢に入れられたことが気に入らすにハンストしていた。貧弱な体つきがますます痩せて見える。
ちらりとミヌーエを見て、キャロルはふんとそっぽを向いた。意地でも食べるもんかと決めていた。
「子供のくせに、なんと我の強い奴だ・・・。」
「子供子供言うな!私は16歳だ!」
ため息をついていたミヌーエはその息を飲み込んだ。16歳!ファラオと2歳しか違わないではないか。なんと幼く見えるものか。
「それならなおさらだぞ。男子たるものしっかりと体力を保つべきではないのかな?」
(?この人私のこと、男だと思ってる?)
キャロルは顔をひそめたが、自分が女だと反論しなかった。教授の言葉を思い出したからだ。古代で女の身ではあの凶暴なメンフィスの慰み者になってしまうかも。それなら男だと偽った方が殺されても自分の身は守れるかも知れない。
セチの母に言われて、男の服を身に着けていたことが幸いした。
急に押し黙った彼女に後でファラオの元へ連れて行く旨を話して、地下牢から出ていった。
少年と間違われているキャロル。それが良かったのか悪かったのか、彼女の運命は巡る。
2
着替えを用意され、一人部屋にこもった。布を細長く切り裂き、それをサラシのようにして胸元を巻きこんだ。慎重に上着を着込み、目立たないように気を付けるがメンフィスにそれを指摘されてしまった。
「私の世界では上半身に何も身につけないことは、恥ずべき事なのです。」
右を左を向いてもみな上半身裸だ。嘘も方便。メンフィスとは口もききたくなかったが、こればっかりは黙っていると衣類をはぎ取られそうで、受け答えしてしまった。
「うむ、そなたの国はエジプトよりも流儀が違うのだな。しかし、そなたは本当に珍しいなりをしておる。黄金の髪に白い肌、ナイルよりも蒼い瞳は見たこと無いぞ。
珍しいものは手元に置きたくなるのが王と言うものだ。そなた次第では、われの小姓にでも取り立ててやっても良いぞ。」
アイシスとの婚約の祝宴でもあったせいか、メンフィスの機嫌は良かった。しかしキャロルの気分は最悪だ。ペットのように王の後ろに従え、好奇の視線が痛いほどである。
肝心のアイシスは婚約が発表されると否や、喜び勇んで神殿へこもりに行ってしまったし、もう踏んだり蹴ったりだ。
(早くこんなところ、抜け出さなくっちゃ。)
酔いつぶれたものが多々出始めてきた頃、キャロルは宴を抜け出した。なんとかしてアイシスに追いつき、現代へ返してもらわなくては。
回廊を抜けて奥庭に出たとき、ヒッタイト王女ミタムンとメンフィスがいて、彼女は心臓が止まるほどびっくりした。
二人して何か言い合っているうちに、ミタムンが泣き出してこちらへ飛び出してきた。
「きゃ!」
ぶつかった拍子に倒れ込む。泣き顔を見られたのがイヤだったのか、少年?のキャロルに触れられたのがイヤだったのか、ミタムンはキャロルの頬を叩いてすぐさま消えてしまった。
「何なんだー。」
呆然とするキャロルであった。泣きたいのはこっちだ。
「少年キャロル」作家様、連載再開ありがとうございます!!
ミタムン王女登場ということは次に登場なさるのは・・・
ああっ、待ちきれませんわ〜!!(ちょっとコーフン気味)
3・4(番外編スレ2・3です。メンフィスメインなので省略します。)
王子が登場するまで出来るだけレスしてみます。
5
ナフテラ女官長は人知れず心痛めていた。キャロルの秘密を知ってしまい、しかしアイシス様とミタムン王女が火花を散らしている今、公にするわけにはいかない状況であった。
月に一度ある障りにキャロルは苦痛を訴えることがしばしばあり、しかたなく2、3日自分の家に宿下がりさせることにした。ミヌーエも将軍である以上家にはあまり寄りつかない。
しかしたまたまミヌーエも実家で秘密を知ってしまう。
「その格好で家にいられたら、私が困る。そなたは人目につきやすいからな。うちにいるときは女のなりをしていてくれ。」
「だって隠しようがないよ。この髪だし・・。」
ミヌーエは召使いにキャロルを任せ、すぐに王宮にたつ用意をした。騎乗のとき、窓の隅にえも言えぬ麗しき女が見え、手綱を滑り落としてしまった。
「キャロル?」
黒い鬘をつけて簡素だが女性の衣類を纏った彼女は、別人のようだ。年甲斐もなく彼女に見とれてしまう。
しかし麗しき女から出た言葉はいつものキャロルであった。
「はやく行って。恥ずかしいからあんまり見ないでよ。そうそう、ナフテラ女官長に宜しく。」
手をひらひらさせて、さっと奥に引っ込んでしまった。
ミヌーエは王宮に向かいながら、げに恐ろしきは女ぞ、とキャロルの変身ぶりを思い出しながら蒼くなっていた。
そして今となってはキャロルのバカアニキ化しているウナスにあれを見せたら、と想像するだけで吹き出してしまうのであった。
6
使者まで追い返し、いつまでたっても帰国しないミタムン王女に豪を煮やし、ヒッタイト王はイズミル王子を迎えの使者としてエジプトに送り込んだ。
「お兄さま、絶対帰らないわよ。お父様だってわたくしがエジプト王妃となるべく策謀したんじゃないの?わたくしはメンフィス様の妻となるわ。」
ミタムンは恋する乙女の瞳で言った。
「それにアイシスには一度思い知らせてやらなくちゃ、気が済まないわ。わたくしをあんな目にあわせて。」
「何をされたのだ!女王といえど、我が妹にあだなす者は許さぬぞ。」
「大丈夫よ、お兄さま。ちょっと地下牢へ閉じこめられたのだけれど、キャロルが助けてくれたの。それにアイシスがやったという証拠がないから、詮議はできないわ。」
「キャロル?」
ミタムンはくすりと笑うと、王の小姓のことを言った。そしてあの可愛い子とも。
「わたくしメンフィス様も欲しいけれど、あの子も欲しいわ。あの容貌に見れば見るほどうっとりしちゃうの。
あの子をわたくしの近くに置いて、ずっと侍らしておきたいわ。まるで黄金の小鳥みたい。」
先ほどメンフィスに謁見した時に目に入った子供だと直ぐに解った。確かに見たこともない異国の者だが、
素性の知れない者を王の近くに置くなどエジプト王宮もどうかしている。
「なにを馬鹿なことを・・・。とにかくそなたのことはこれからメンフィスに話すことになるであろう。話がまとまり次第、即帰国させる。父上に母上が心配なさっているからな。」
「約束よ。わたくしをエジプト王妃にさせて頂戴!そうと決まれば、さっそく綺麗にしなくっちゃ。
今夜の宴にはお兄さまも出席なさるのでしょう?わたくし、うんと綺麗なお姫様になってみせるわ。」
意気込んでミタムンは自室へ帰っていく。その後ろ姿を見て、イズミルはため息をもらした。
7
王子は街へお忍びで外遊していた。
道々に出ている露天商の間をぶらりと歩いていたとき、小さき幼子が大声で泣いているのが目に入った。
親とはぐれたのか、転んでしまったのか、膝から血を出して泣いているのに大人達は時々声をかけるくらいだ。
イズミルも気にも止めなかったが、人の輪から飛び出してきた女に目がいった。
それは見目麗しい女であった。遠目で見てもやけに目立つのだ。優しく子供に何か言っている。そして人々に何か話していると、その子供の母らしき女が引き取っていった。
雰囲気に反し伴も付けず一人で街を歩いているのが不自然で、イズミルはそっと女の後ろへ付いた。
「きゃ!」
女が振り向いた拍子に彼とぶつかる。
「おお、これはすまぬ。」
鼻を押さえて女はイズミルを見上げた。頭からベールを身につけているが、黒い髪にエジプト人とも思えぬ白い肌が見て取れる。
そしてなによりも蒼い二つの目。近くで見れば類い希な美貌の持ち主であった。
「いいえ。こちらこそ失礼しました。」
女が立ち去ろうとした時に、思わずその腕を掴んだ。
「何をするの!離して。」
「そなた、エジプト人では無いな?どこの生まれだ?」
諸国他民族が集うエジプトでは外国人は珍しくない。だが彼はひどく興味をそそられた。
しかし女は黙ったまま、腕を振り払おうともがいている。と突然彼の手に噛みついた。驚き一瞬手を離すと女は雑踏の中へ逃げ込み、姿を消してしまった。
>「少年キャロル」作家様
すっすばらしい新作、じゃなかったリニューアル版ですね。
しかもさっそく二人に運命の出会いが!
うれしい…深夜だけどヨロコビの舞いでも踊るか…
>「少年キャロル」作家様
また王子×キャロルが読めてしあわせです。
来てみてよかった〜。
8
「キャロルー!!どこへ行っていたのだ!早く支度を手伝え。」
夕刻遅く王宮に戻ったキャロルだったが、早速いつも通りにメンフィスから雷を落とされる。ついついアイシスとの約束のことを考えてしまい、手を休めてしまったのだ。
「私の側にいるときは、他のことを考えるな。解ったか?」
「申し上げますが、ではもうちょっと着替えに協力してください。ただそこに座るだけでは、こちらは捗りません。」
「何だと?それが王に向かって言う言葉か。」
「意見をすると直ぐに怒る。それが王ですか?あなたの世話をしている者たちへ少しは気にかけたらどうなんです?なにも自分でと言っている訳ではありません。
腕輪をつけるときに留め金が止めやすいように腕の向きを変えるとか。5歳の子供でもしますよ。」
「ぬーーーっ。いつもいつも私に向かって暴言を。今日という今日は許さぬぞ。」
「では側から外してください。それとも感情のはけ口をお探しでしたら、すぐにでも姉君と結婚なさって下さい。さすれば私は直ぐにここから去ります。」
「・・何故姉上のことが出るのだ。」
問題をすり替えられて、メンフィスの口調がやや落ちた。周りの者たちははらはらして見守るしかない。
「別に・・。早く結婚すればあなたも穏やかになるかと思っただけです。」
メンフィスの眉が険しく歪むが、目に表情はなかった。
「勝手な事をぬかすな。許可なく私の元を去ることは許さぬ。今日は部屋で謹慎せよ。宴に出ることはまかりならん。」
彼女にとっては願ったり叶ったりである。
9
月明かりの下、宮殿では華やかな宴が催されていた。
それを背に、キャロルは遠く離れた庭園にただ一人、佇んでいた。遠い未来にいる家族を思い、人知れず涙をこぼす。
時を忘れいつまでこうしていたものか、かなり夜も更けたのか夜露に濡れた衣類に気が付いた。宮殿に帰る途中、目の先に背の高い人物を見て、足を止めた。
メンフィスだったらまた怒鳴られる。そっと迂回しようとした時にその人物が近づいてきた。
「こんなところで何をしている?」
ファラオよりも低いトーンの声は、間近にキャロルに問いかけた。初めて耳にする声に不安を覚え、とっさに逃げようとする、が手首を掴まれた。
「これはこれは、王の小姓が何故ここにいるのだ?」
夜目を合わせようとして、声の主を睨み付けた。ーーー今日来たヒッタイト人?
「そなたの髪は否応もなく目立つな。わたしを覚えていないのか?」
「ヒッ・・タ・・イト?」
「うむ。私はミタムンの兄イズミルぞ。そなたには礼を言わねばならぬ。地下牢からミタムンを助けてくれたそうだな。礼を申す。」
10
普通の会話にほっとしたのか、キャロルの緊張は解け頬に笑みがこもった。
「いいえ、あれは偶然通りかかっただけなので・・・。それにミタムン殿にはいつも優しい言葉をかけていただいてます。こちらこそお礼を申し上げねばなりません。」
「どうだ、私と取り引きしないか?メンフィス王にそれとなくミタムンとの結婚を勧めてはくれないだろうか?」
キャロルは驚き、慌てて首を振った。
「そんな・・・困ります。ファラオはアイシスと一緒になってもらわなくちゃ・・。」
「アイシス?そなた、女王の手の者か?」
「違います!私はアイシスにここに連れてこられたのです。もといた世界に戻るにはアイシスがメンフィスと結婚すれば返してくれると約束したので・・。
ーーとにかくお力にはなれませんので。失礼します。」
ぺこりとお辞儀をすると、彼女は走って立ち去った。
(ほんとうに小鳥のような少年だな。可愛いもの好きのミタムンが好みそうな子だ。)
イズミルもキャロルが女だとは全く気が付いていなかった。
11・12 番外編スレ4・5です。メンフィスメインなので、省略します。
いろいろと矛盾なところがありますが、未熟者と笑ってお見逃し下さい。すみません。
13
「ファラオ・・・・。私に何を求めたいのですか?」
冷静な声がメンフィスの笑みを消した。蒼い瞳に浮かぶは冷淡な刺すような光りであり、軽蔑の入った嘲りの色であった。彼は眉をゆがめ、キャロルを突き放した。
キャロルの続きの言葉が聞こえるようである。
ーーー男色の趣味がおありか?女より男を抱きたいと思われるか?
この時代、衆道は決して珍しいことではない。しかしメンフィス自身は全く興味のないものであったし、今だかつて同性と肌を合わせたこともない。
苦々しくキャロルを見下ろすと、むくりと起き出す欲情を押し殺して宮殿内へ入っていった。
助かったーーーーー
ぐったりと力無く座り込むと同時に、身体が震えてきた。
その後健康が自慢だった彼女も体調不良に陥り、ナフテラの家へ宿下がりすることになる。
14
女官長からの便りで、しばらくの休日を王が与えてくれたことを知った。
さすがの王も体裁が悪かったのであろうか、でも知られたくないよなぁ、男色趣味があるなんてと思ったりもしてみる。
王宮から離れると、不思議と身体は軽くなった。病は気からと実感する。気晴らしにまた街へ出てみようか。
街中で人々の中に入るとほっとする。誰も自分に注意を向けないのが心地よい。このまま逃げ出そうかとも思うが、あの約束を見届けない限り、現代には帰れない。
とぼとぼ歩く中、不意に腕を掴まれた。
「ようやく見つけたぞ。」
見上げた姿は背の高い男であった。
「驚かせるつもりはない。そなたと話がしたいのだ。」
はっきりと耳に響く声には聞き覚えがあった。低いトーンの穏やかな声。そして掴んだ手に幽かにある弓だこにも覚えがある。
「あっ・・あなたは・・」
「私はイミルと申す。そなたは外国人であろう?北の民か?」
イミル?ヒッタイトの王子でしょ?口から飛び出しそうな言葉を飲み込んだ。彼の姿を見て、お忍びだと解ったからだ。商人風の衣服は簡素なものだった。
それに自分は姿を変えている。王の小姓とは思うまい。
「私は噂に聞くしかない、北の民の話を聞きたいのだ。話してくれぬか?」
「残念ながら、私は北の者ではありません。」
キャロルは苦笑しながら、応えた。
15
成り行きからキャロルはイミルと共に一時を過ごすことになった。
旅を重ねてきた彼の話は実に面白く、興味は尽きないものであったし、王子もまた同じであった。
まるで世界を遠くから眺めているかのごとく彼女の発言は、造詣の深さを思わせた。
博引傍証な時間は二人に時を忘れさせた。しかし、王子が彼女の身分を問うと、強固に拒み続けた。小鳥のように囁きながら、私はただの人ですと繰り返すばかり。
艶やかな黒髪が余計に彼女の肌を透きとおってみせる。蒼い瞳は陽の光によって不思議な色を帯びて、王子を見つめた。
この娘を引き留めたい。彼の中にひとつの欲がでた。だが、自分の身分を証すわけにはいかなかった。
彼女もまた、王子の壮健さに惹かれていた。けれどあなたを知っていますとは言えなかった。
陽も傾きかけた頃、ようやく別れの言葉を述べた。
「この次は?何処へ行けばそなたに会えるのだ?」
「・・あと2、3日は街へ出られるけど、その先は解らない。残念だけど・・でも楽しかった。
どうぞあなたからここを立ち去って。お願い。」
はらりと王子の髪が彼女の頬を掠めた。ぎゅっと抱きしめられ、心地よい声が耳元を撫でる。
「私と一緒に来ぬか?」
「・・いいえ。さようなら。」
「では、明日必ず。忘れぬようこれを・・。」
王子は指輪を抜き取り、彼女に手渡した。ぎゅっと握りしめ、彼女は初めて見る眼差しで、若者の姿が消えるのを佇んで見守っていた。
やっぱり素敵ですわ〜、王子・・・
黒髪の女の子がキャロルだと早く気づいてね。
>165
「どうだ、私と取り引きしないか?」と持ちかけた王子。
もし取り引きに応じてたらキャロルへの見返りは何だったんだろう(笑)
>171
「好きなだけ食べさせてやる。」
と言って、キャロルの痩身を見る。っつうのはどう?(笑笑)
>172
「じゃ杏ひと山用意しといて下さいね。」(笑笑笑)
>171
今(キャロルが王子に惚れちゃった後)だったら
王子本人が見返りの対象になりうるかも
「ヒッタイトの王子を手に入れる、というのはどうだ?」
なんつって。
こちらがこのような楽しい社交場に生まれ変わって、本当に嬉しゅうございますわ。
スレ誕生の歴史は不本意なものでしたけれど、2年後作家様もきっと喜んで下さることでしょう。
16
抜かりのない王子のこと。側近を使って黒髪の乙女の跡を追わせていた。しかし途中、彼女は騎乗した男に出会い、早馬で一緒に去っていってしまった。
王子は彼女を見失ってしまった。何故なら、翌日その姿を見つけることはできなかったから。
キャロルはミヌーエによって、王宮へ連れ戻された。慌ただしく着替えをすませ王の間へ行くと、そこには憮然とした王とイムホテップ、見慣れた重鎮の顔が並んでいた。
「私をお呼びでございますか?」
「待っておりましたよ、キャロル。そなたには至急にヒッタイトの国境へむかってもらいたい。」
突然の老臣の言葉に驚く。
理由は王の婚儀に合わせてミタムン王女が輿入りすることが急遽決まり、王女の所望によりキャロルが出迎えの使者として任命されたから。
彼女の強い反論も当たり前のように却下され、明日出発する旨を言い渡された。
17
ヒッタイトの王子は、私を待っていてくれたかしら?
高貴な身分の人が街娘と戯れあっただけなのかもしれない。親指にはめた指輪を眺めて、息をついた。
「ずっと上の空だな。この幾日か様子が変だが、何か?」
隣に騎乗しているウナスに声をかけられ、はっと目の前の長い道を見た。
「何でもない・・。ウナス、国境まであと1日で着くんだよね。私みたいなのが使者なんて、同行してくれるホルス将軍も大変だよなぁ。」
ウナスは小さくなっているキャロルに破顔した。
「大丈夫だ、キャロル。私がいつも教えてる通りにしたらいい。病床にあったから仕方ないさ。将軍も大目に見てくれるよ。」
翌日ミタムン王女はキャロルの顔を見て大層喜び、ホルス将軍は胸をなでおろしていたのだった。
復路、王女は常に輿の横に彼女を従え話し相手をさせ、苦労知らずの天真爛漫な性格の持ち主であったので、キャロルはさほど困ることなく清廉な日々を過ごすことができた。
「キャロル、次の街で兄上と会うことになってるの。訳あって遅れて来られるのよ。楽しみだわ。」
「えっ、王子殿が?」
忘れようとしていた彼を思いだし、胸が痛んだ。
>171
すご〜い。面白いですね〜。
もっとネタがあったら、教えてください。
ちなみに私だったら、174さんと同じく「王子のすべて」がベストです〜〜〜。
>178
おおっ、作家様が楽しんで下さっている。感動だ!
これも172〜174様の楽しいアイデアのおかげです。
18
オアシスのある街中でヒッタイトの一行が落ち着いた頃、夜更けて到着した王子を囲んでささやかな挨拶が行われた。
先刻ちらりと王子の姿を見て、胸の高鳴りを感じていたキャロルだったが、指輪の存在に気が付いた。何故か指から離れなくなって忌々しく、慌てて細く切り裂いた布で親指を巻き付けた。
絶対に知られてはならない。王女の後ろに控えて地味にしているものの、珍しい風貌の為か王子の視線を感じていた。
軽く酒をふるまわれ和んでいる空気の中、ひとり冷や汗を意味もなくかいてしまう。
ミタムン王女退席の時、これ幸いと一緒に宴の間から抜け出した。
とにかく一人になりたかった。館を出ても衛兵隊が警備をしている。荷駄のところへ行くと兵に声をかけて、倉庫の暗闇に腰を下ろす。
とにかくここで指輪を外さなければ。荷駄から灯りとりの油を探そうと、手を這いずらさせた。
「こんなところで何をしている。」
背後から声がして、彼女の身体は凍り付いた。
薄い灯りが倉庫内を照らす。口ごもるように忘れ物をして・・と声を出すが、振り向けなかった。
(何でこんなところに高貴な身分の人がやってくるのよ〜〜〜〜)
声の主に察しがついて、泣くに泣けない状況だ。
19
「何か王や女王から任を受けたのではないか?先程からの落ち着かない様子が腑に落ちる。ミタムンの邪魔はさせぬぞ。」
「とんでもない!!私はお迎えに参っただけです。その他には何も言われておりません!」
「特に女王は何をするか解らぬからな・・。こそこそと荷駄から毒でも取り出そうとしておったか?」
あらぬ誤解を受けキャロルは蒼白になった。が、真実を言えるわけもなくただ頭を振るしかなかった。
「将軍の元へ連れて行ってください。そして荷物でも何でも調べて下さい。ですが、全ては徒労に終わることでしょう。私を含めエジプトは潔白です。」
片手にあった油壺を掴み、王子に差し出した。私の忘れ物ですと付け加えて。
王子の側にいた従者が灯りをキャロルの方へかざした。急な光りのせいで思わず手で目を覆う。
「ルカ、そなたは外へ出ておれ。決して誰も中へ入れるな。」
恐ろしく静かな声が暗闇を裂くようにして響いた。
二人きりになり王子を見ると、それは恐ろしかった。と同時に左手を掴まれ伏せるようにして床に倒された。
「この指輪を何処で手に入れた?申してみよ。」
はっとして手を見ると裸になった親指があり、今度こそ冷静に考えても言い訳が見つからなかった。
「痛い!」
手首が砕けるような激痛が走った。
「何故そなたが持っている?このようなやさ腕など簡単に折れるぞ。」
応えられるはずがない。苦痛に唇を噛みしめて、キャロルは王子を睨んだ。
20
王子は顔色を変えた。
(もしや、・・まさか。)
彼はキャロルを引き寄せると、瞳に被さる前髪を掻き上げ続いて彼女の上着に手を取った。
「やっ、やめてーーーー!」
ありったけの力で王子を押しのけようとするが、所詮は武人でもある彼の腕にはかなわない。激しくもがく中、肩から肌が露出していく。
上半身をむき出しにされ、いくら胸元に布を巻いてあるとはいえ、そのふくらみは確かなものとして王子の目に入った。
キャロルは力つき、そして諦めて王子の腕の中でぐったりとしていた。
「何故、気が付かなかったのであろうか?この瞳の色、そして肌。私としたことが・・・・」
彼女の顎をとり、その顔かたちを見つめる。街であった時の黒髪に化粧をした顔とは全く別人のように見える。 よく見ればまぎれもなく少年ではなく、少女の顔だ。
そしてあまりにも生気のない彼女に気が付き、優しく抱きしめた。
「すまぬ。そなたを忘れることは出来なかったのだ。ずいぶんと探したぞ。名も告げずに消えてしまったのだからな。」
王子は羽織っていたローブをキャロルに掛けてやった。ショックのあまり固まっていた彼女だったが、その感触で思い出したように言った。
「何もしないの?」
彼は意味が解らず眉をひそめた。
やったー、急展開!えらいぞ王子。
自分の足で情報を稼ぐマメマメしさの勝利だね。
「少年キャロル」作家様
やっぱり王子とくっついちゃうんですか?
家に滞在されちゃったミヌーエ将軍が穴馬になるか、万馬券状態でウナスかとも思っていたのですが。
>183
王子なら現代にタイムスリップしても
探偵業とかで食べていけるかも。
行方不明のペットを捜す王子とか
浮気調査をする王子とか・・・ダメ?(笑)
>184
何でもこちらは今、「王子×キャロルの王道スレ」とやらになっているらしいですわ。
なにしろ王子ファンが多うございますしね。でもミヌーエ×キャロル、ウナス×キャロル
というのもなかなか新鮮な響きが致します。どなたかあちらで書かれませんか?(わくわく〜
>184
そおです。キャロルと王子はラブラブなのでっす。
でも最初はキャロルとメンフィスの設定だったのですが、こちらに来て変更しました。
その他のカップルは私の力では無理です〜〜。
同じくどなたか番外編スレで書かれませんか?楽しみにしております。
それとマメマメ王子は私は好きです。
その行動力がいつか実になりますようにと、本編ではいつも祈ってます・・。
かくなる上は、王子・メンフィス・ミタムン王女の
三つどもえで、キャロルの争奪戦になるのでしょうか。
ミタムン王女、カワイイよね。本編では早く殺されすぎて
もったいなかったと思う。
しまった、sage〜
(連休ボケか、自分?)
>王子×キャロル王道論
もともと本編にそれほどのめり込んでなかったせいもあるけど
番外編に浸りすぎて本編の「メンフィス×キャロル」に
違和感を覚えそうでこわいよ。
>190
それでいいんですよ。ここの常識を全国に広めましょう(笑)
ところで21世紀の英知を誇るキャロルも、抜けなくなった指輪を簡単に取る方法は
知らなかったんですね。抜けなくなったらリングカッターを使うしかないのかなあ。
21
「この世界の人は手に入れた女をみな略奪しているのでしょう?個人の意志は無いにも等しいと、私は身をもって学んだわ。」
「嫌がる娘を抱く趣味は持ち合わせておらぬ。」
彼は呆れたように言った。
「でも、・・でも、男であっても、何度も危うい時があったのよ・・」
「そういう輩もいるだろうが・・・。そこまで私が不自由しているように見えるか?」
苦笑しながら言う。納得得ない顔つきで、キャロルは王子の腕の中から離れた。
「このことは誰にも言わないで。特にファラオに知られたら・・何をされるか解らない。」
「その前に何故性を隠していたのか、訳を知りたいものだが。」
ローブに触れる指をきつく握りしめ、今までのことを手短に語った。とにかく自分の世界へ還りたい。その為には何事にも耐えねばならなかったのだ。まるで王のペットのような自分を思いだし、涙がこぼれた。
話を聞きながら、変わった娘だと王子は思う。
その顔立ちは整っており、美しいと言える。だが少女から少年へ、少年から乙女へと次々にその姿は変貌される。彼の常識では全く経験したことのない巡り会いであった。
この娘の本当の姿は一体どれなのであろう?
こんな娘がかつていただろうか?
この娘の行く先を見届けたいと思う心の隙間に、芽生えた興味の意味をまだ王子は知らない。
22
ミタムン王女の一行が都に着いた後、久方ぶりにアイシスに対面できた。
そして今絶望の中、キャロルは彷徨っていた。
テーベの都では神の子ファラオの結婚の儀を前日に迎え、人々は歓喜に沸き立っており、その喧騒の中、人波にまぎれるようにゆらゆらとした足並みで歩いていた。
アイシスの声がまた響く。
ーーーーそなたの願いは叶うまい。ライアンが粘土板を完成させたゆえ、わたくしの力ではどうすることもできぬ。諦めよ。わたくしの婚儀に免じてそなたを許そうぞ。この世界で好きに生きるがよい。
「騙したのね、アイシス。メンフィスとの結婚のために私を利用したのね。」
アイシスに突きつけた言葉をもう一度呟く。
キャロルは全てを放棄して、王宮を飛び出してきていた。国民が道々に出て怒濤の渦の中、世界でたったひとりぼっちという孤独感に襲われていた。
帰ること。その為だけに今まで耐えてきたのに。希望をふつりと切られた中での喪失感に逃げるように王宮を背にして離れていった。
すみません。キャロルは灯り取りの油で指を滑らせて、指輪を取ろうとしたんです。
本当に下手な文章ですみません。
ところで本編を読むとメンフィスがくっきり黒髪でない場面なんか、
思わず王子と錯覚してしまうのは私だけでしょうか?
キャラはどちらも好きなんですけど、王子は幸薄いのでえこひいきしてしまいます。
がんばれ、王子!結婚しちゃってるんだから、あとは一発!だ。
>194
素敵なお話と、熱心な読者様のボケたツッコミで毎晩楽しい(笑
スレの分離ははからずも今のところ大成功といったところか。
ひとりごとのつもりだったんだが。
何えらそうにしとるんだわし(欝
こちらへの書き込みは初めてです。
「少年キャロル」作家さまの作品がこんな早いペースで読めるなんて感激です。
私も王子ファンなのですが、こちらに王子×キャロルのお話を書かせていただいてもよいですか?
王子と結婚して数年たった頃、もう一人のお妃が王子に嫁いでくることが決まって・・・てな一夫多妻のお話です。
ちょっと長くなりそうなので、私もこちらのお仲間に入れていただければ嬉しいです。
どうかよろしくお願いいたします。
>197
ぜひぜひ、ぜひにぃ〜〜〜。新しい作品が読めるなんて幸せです。
お待ちしておりますわん。(はぁと)
本当はこの休み中に「完」させるつもりが、間に合いませんでした。(鬱
すみませんが、今しばらくお付き合い下さい。
仕事しだいですが、今夜も小説レスしますわ。
>197
新人さん、いらっしゃーい(はぁと)
とっても楽しみです。本家でもこちらでも読めるなんて嬉しすぎです。
ついでに、どなたかメンフィス様ファンの方も書いてくださいませんでしょうか?
「少年キャロル」さま、お話の面白さといい、アップしてくださるペーストいい素晴らしいの一言です(滝涙)
新しい作家様も降臨の予感。どきどきしてます。ゼヒ書いてください(ぺこり)。
>197
鬱な連休明けになんとすばらしいニュースでございましょう。
「王子×キャロル」は心の糧、楽しきスレは心の潤いですわ〜
「少年キャロル」作家様、「一夫多妻(仮)」作家様、楽しみにしております。
本家スレもお笑い系が入って面白いですよ、今。(笑)
でも読み応えあり系のお話大好きです。というわけで本家スレから今は浮気中(照れ)
作家様方、どうかよろしくお願いいたしまする。
23
エジプト王宮にて。
慌ただしく王の婚礼の準備は進み、また祝いに訪れる各国の使者が次々に来国する中、王宮は騒然としていた。キャロルはいない。夕刻過ぎ真っ先に気づいたのはファラオであった。
「ナフテラ、誰かに捜させるよう。このような時に全く何処へいったのか?」
「ただ今。ですがメンフィス様、気が付けば昼中より姿を見ませぬ。もしやと思い、わたくしの家も捜させましたが、キャロルの姿は何処にもありませぬ。」
「ウナス!こころあたりを捜せい。」
ばたばたと宮殿内を走りぬけるウナスを見つけ、ミタムン王女は傍らにいた兄の袖を引いた。
「お兄さま、何かあったのかしら。メンフィス様の側近が今頃お側を離れていくわ。」
軽く酒をたしなんでいた王子は外に一瞥をくれたが、感心なさそうに促した。兄の様子を見て王女は安心したように、再び侍女達とたわいのない話を始める。
杯に口を付けながら、王子はルカにさりげなく合図を送った。
行くあてもないまま随分と歩いてきて、誰もいないナイルの水くみ場でぺたんと腰を下ろした。
見上げる空は晴天の大きな月がでて、ああ夜なんだとふと思う。
「私、ひとりぼっちなんだ・・・。」
月明かりの下、キャロルの影が長く伸びてナイルに黒い姿を映していた。
24
キャロル何故に私の側を離れたーーーー
メンフィスはいらいらとして、各国使者の謁見を終えた。すでにキャロルが側に仕え軽く半年が過ぎ、いるのが当たり前の感覚が出来上がっていた。
頭の切れる小姓が消えるとこんなにも煩わしいことが目に付くとは。彼にとってもしごく意外な事であった。
また、小姓の余計な一言がないと何かしら足らぬものも感じた。
「神殿に捧げる石版の用意は、誰か確認したのか?」
「すみませぬ。ただ今。」
いくら婚儀の前日で皆舞い上がっているとはいえ、キャロルならば自分の行動の先を見越して全て収めきっていた。今更ながらその必要性を感じ、書類を投げ捨てため息をつく。
「メンフィス様、もうお休みなされませ。明日は御身にとって大事なる日。ようやくご結婚が決まられ、亡き母上様もお喜びになられておりましょう。」
ナフテラが目頭を拭いながら言った。
「よい、そなたは下がれ。ーーーーキャロルのことだが、見つけ次第即刻私の元へ連れてくるのだ。ミヌーエにも申し伝えよ。」
夜酒を用意して部屋を後にした女官長は、珍しく個人に対し執着する王と実は女の身である小姓を思い、不安がつきまとっていった。
25
栄光の都テーベは偉大なるファラオの婚礼の儀に、最高潮に揺れていた。人々は声が枯れるまで王と王妃の名を呼び続け、そしてもう一人の愛らしい妃の名まで口にし続けた。
神々の祝福を受けているがごとく、国王夫妻は美しく民衆はあまりの眩しさに目を細めた。
テーベは新たな歴史を飾ることになる。
迷宮の都テーベ。魔都市テーベ。
明るい日差しの指し示す先は建築物の影。其処に潜む影の住人でさえ、今日は陽光の前に進んで出て祭りを堪能していた。
けれど、キャロルだけはその影にじっと身を潜め、動こうとはしなかった。眠るように身体を丸め、何も聞かず何も見ず、全てを遮断していたのだ。
その顔は土煙で薄汚れ、衣類にはナイルの泥がついてる。その姿は民衆の目に留まることなく、闇にまぎれていった。
「ルカ、まだ見つからぬか?」
盛大な祝宴の中、イズミル王子は側に控えた彼に囁いた。ルカは横に首を振り、また街へと帰っていった。
王子は妃となったミタムンのため、この宴を抜け出すことが出来ずもどかしさを感じていた。キャロルが消えたことに、彼女の身に変事が起こったのだと確信していた。
助けてやらなくては・・・・。しかしそこまで思う義理はない。
彼の胸内にあるのは損得無しの感情であり、彼女を追うことへの意味を見いだそうとしたが、見つけることは出来ずにいた。ただし、先に見つけるのはメンフィスではなく自分だと、ルカを走らせた。
>熱心な読者様のボケたツッコミ >195
呼んだ?(笑)
油を捜してたのは手元を照らすためじゃなかったんですね。
作家様、明解な回答ありがとうございました。
(そういえば昔すべりの悪いふすまのレールにロウを塗ったことがあったな)
>少年キャロル作家様
ありがとうございます!とっても面白いです!
番外編本スレでの続きが読みたくて待っていましたら、こんなすごいことに。
最初はメンフィス×キャロル。リニューアルでは王子×キャロル。
すごい作家様だー。と思っていたら、M様も王子もどっちのキャラも
お好きだとか。妙に納得しました。これからも続きが楽しみです〜
>207
いらっしゃーい。ちょうどよいときに来られましたね。
物語はきっとそろそろ佳境です(たぶん)。前はキャロルに
「何もしないの?」と不思議がられるほど何もしなかった王子ですが
今度はもうちょっと何かしてくれるんじゃないかと期待してます。
1
「何と仰せられました、父上?!」
父国王の私室に呼ばれた王子は、この人に似つかわしくない狼狽えた声をあげた。
「そなたに今一人、妃を娶れ、と申したのだ。ミノアより正式に申し込みがあった。ふ・・・むぅ、そなたより2才年若の姫だ。神殿の巫女として長く仕えてきたが先の国王代替わりに伴い俗世に戻ったらしいな・・・。
血筋としては申し分ない。地中海に強い力を持つミノアと姻戚になれるなら、これほど喜ばしいことはない・・・」
「父上!私にはすでにナイルの姫というこの上なき妃がありまする!この上、他の妃など不要にございます!類い希な力を持つかの姫に・・・エジプトのファラオの妹分たるかの姫に、どのような不満がおありかっ!」
国王はじろり、と怜悧な息子を睨みつけた。
「身分ある男は複数の妃を持って当然ぞ!そなたとてわきまえておろうが。
・・・それにエジプトは今、メンフィス王派と異母弟ネバメン派に分かれ大きく乱れておる。その乱れがいつ、どのような形で飛び火してくるか分からぬ今,そなたは国のために新たなる妃を娶らねばならぬ!」
イズミル王子は冷たく父王を見返した。国を預かり、民草を守る立場にある者の務めは弁えていた。政略のための結婚など当たり前のことだ。
だが。そんな王族の義務も忘れたいほどに王子は妻を―金と碧に輝く年若い姫を―愛していた。自分を愛してくれる彼女を、どうして裏切れよう?
「逆らうことは許さぬ!これは勅命ぞっ!良いな!」
ヒッタイト国王はそう言い捨てると王子に退席を命じた。老いた好色の国王は実は自分こそ未だ見ぬ巫女姫を欲しかったのだ。だがミノアは若く令名高い王子を指名してきたというわけだ。
2
「王子、お帰りなさい!」
自分の宮殿に戻ったイズミル王子を笑顔のキャロルが出迎えた。
「どうしたの?浮かない顔をして。何かあったの?」
心配そうに眉を顰め、白い細い指で夫君の秀でた額を撫でるキャロル。
王子に熱望されてエジプトから嫁いできてもう2年近くなろうか。年よりも幼く見えた金髪の少女は、王子の愛を受け瑞々しくも臈長けた美しい女性に変身した。
生まれつきの優雅な姿や優しい気性は、人々を魅了し、王子に教えられた王族としての振る舞いは見えぬ威厳となって自然、人々の深い尊敬を勝ち得た。
人界に下ったナイルの女神の娘にして、エジプト大帝国の王メンフィスと王妃アイシスの妹姫。未来を読む不思議な力。
彼女の母国、後ろ盾たるエジプトが内乱で乱れ、充分な助力を得られなくなってもキャロルへの人々の尊敬、愛情は変わりなかった。有り体に言えばキャロルは自分の力でヒッタイトでの新しい居場所を築き上げたのだ。最愛の夫君イズミルに優しく守られながら。
だが、日の出の勢いのミノアから新しい妃がやって来れば微妙に変わってくることもあるだろう。そう思うと王子の胸は締め付けられる。
「・・・何でもない。少し疲れただけだ。心配そうな顔をしてくれるな」
王子は白い指を彩る桜貝の爪に軽く口づけた。
召使い達も下がった薄暗い寝所で王子はキャロルに言った。何があっても私を信じ、私だけを愛してくれ、と。キャロルはいつものように王子をしっかりと見つめ返し答えた。私にはあなたしかいないの、あなただけを愛し信じてここにいるのよ、と。
3
イズミル王子の許にミノアの巫女姫が嫁ぎ来ることはもはや動かしがたい決定事項
となってしまった。王子の意志に反して進められる婚儀の準備の背後には、生臭い
国政中枢部の権力争いも絡んでいた。
王子の第一妃キャロル派と見なされ、あるいは自認しているイズミル王子の親衛隊
や騎馬部隊、それに宰相、若手官僚を中心とする人々。
ミノアからの新しい妃を中心に力の巻き返しをはかる歩兵隊、かつての王子妃本命
馬で今は余所に嫁いだミラの大伯父、商務大臣を中心とする人々。
現国王夫妻が愚鈍ではなく、また王子もバランスの取れた政治センスの持ち主で
あったため、国の屋台骨は揺るぐことはなかったが、何とも鬱陶しい状況であった。
こんな中で。
王子妃キャロルが冷静に現状を受け入れ、穏やかに、人々の噂とならないように賢
く身を処しているのは王子にとっては救いであり、同時に耐え難い責め苦であった。
キャロルは王子や周りの人々から、婚儀のことを告げられたとき、一瞬顔を強ばらせた
がすぐに気高い王子妃の貌(かお)になり、恭しく毅然と祝いの言葉を述べたのである。
「何故だ!何故、そなたは泣かぬ?私を責めぬ?私は心ならずも新しき女を娶らね
ばならぬのに、そなたは涼しい顔をしている。何故だ?私が嫌いになったのか?
もう信じられぬと愛想をつかしたか?」
王子はある夜、とうとう我慢できず薄絹を纏っただけの妃を乱暴に揺さぶった。
「私がそなた以外の女を取っても不満も感じぬくらい私が嫌か?それとも・・・
そなたもまた私以外の者に心移すかもしれぬから、と今回のことも知らん顔をして
いられるのか!」
4
激しくも理不尽な王子の怒りに、キャロルは静かな涙で答えた。
「どうして・・・そんなひどいこと言うの?何て無神経なの。私にはあなたしかいないのに・・・どうして平気でいられるの。
私、もし我が儘が許されるならあなたを独占したいの。あなたが王子なんかでなく私だけのただの人なら良かった・・・」
王子は黙って細いキャロルの肩を離した。王子の指の跡が痛々しい肩。
「どれほど辛いか。ムーラたちが気遣ってくれて、王妃様からも優しいお言葉を頂いて、あなたは今まで以上に私を大事にしてる。
分かるのよ、皆が思っていることは。いたたまれないの、そんな優しさは。でもはねつけるわけにもいかない」
今度はキャロルが王子の手を取った。
「でも私はあなたの側にしか居られない。そう思って私は故郷を捨てたの。何があっても・・・私はあなたしかいないし、あなたしか愛せない」
「姫・・・」
「それに、ね。私が苦しいように、あなたも苦しいんだって分かるの。政務に忙殺され、私に気遣い・・・あなたは自分をすり減らす。そんなのは嫌。
あなたは何度も言ってくれたわ・・・。今回の婚儀は本意ではない、王族の義務だって。妃は私だけだって。私には・・・その言葉が何より嬉しいの。
・・・だめね。ミノアの姫君だって・・・幸せを願ってあなたの許に来るのに、私、あなたを独占することだけを考えてる。王族なら・・・個人の感情より国益を優先させ・・・あっ・・・!」
キャロルの唇は王子の唇に塞がれた。
「もう何も申すな、姫。許せよ。私にはそなたしかおらぬのだ。私には天にも地にもそなただけしか伴侶はおらぬのだ。頼む、嫌いになどならないでくれ・・・!」
「二人の妃」作家さま、ようこそ!
何だかキャロルちゃんが不憫でけなげ。
王子の「頼む、嫌いになどならないでくれ」のセリフに燃えました!
う・・うれしい。
思わず夕食を作るのも忘れ、読み込んじゃいました。
「二人の妃」様、先の作家様と同じくたくさんの小説アップ、ありがたき幸せ。
本当にここに来るが楽しみです。
続きをお待ちしております。
>209
やたーっ!「二人の妃」連載開始おめでとうございます。
ミノアの姫君の耳にもヒッタイト王のうわさは届いてたんでしょうか。
やっぱ好色でヒゲ面の老人より、若くて美しい王子の方がいいよね〜。
26
夢を見終えたキャロルは闇の殻から抜け出した。
どの位の時間が流れたのだろう。強い朝日が眩しくて被っていた布を顔深く覆った。
家族の夢、ファラオの夢、そしてヒッタイトの王子の夢。さまざまな人物が自分に向かって何かを言っていたが、ほとんど覚えていない。
街の水飲み場で乾いた喉を潤すと、急に空腹感が襲ってきた。いつから食べていないのだろう。でもこのまま餓死してもいい。どこにも行くところはないのだから。
最後に会いたかった・・・彼に・・。
早朝のため人はまばらで静かな時間であった。王の婚儀から3日過ぎ、都は少しずつ元の姿に戻っていこうとしていた。
時間の感覚がないまま、力無く座り込むと小さくなったキャロルに、蹴躓いた人物がいた。
「痛え〜、何だこりゃ!!」
それが人だと気が付くと、驚いて眺めた。
「おいおい、まさか俺のせいで死んだんじゃないだろうな?おい、起きろ!」
彼女の胸ぐらを掴むとはらりと金髪が顕れ、二重に驚く。汚れているが身に着けているものも街人のものではない。これはただ者ではないと、彼はキャロルを肩に乗せて往来を大股に横切っていった。
27
キャロルが消えて3年の月日が経過した。
エジプトは華やかな国王夫妻の安定した治世の中、オリエント随一の絢爛豪華な王国となっていた。
メンフィス王の第二妃とも深い繋がりのため、エジプトに並ぶ大国ヒッタイトも同様であった。
しかし、東方に台頭してきたアッシリアにより、ヒッタイトでは戦が絶えることがない。アッシリアはヒッタイトの鉄を狙い、幾度となく攻め入って来るのだ。
ーーーーそんな中、キャロルは。
キャロルは彼女に会いに来た男に笑みを返した。
「よう、元気にやっているな。こちらに来たついでに、ちっとばかし寄ってみたぜ。」
「ハサン!お帰りなさい。」
周りの声に挨拶を返しながら、彼は招き入れられた部屋に入り一息ついた。土産の棗椰子と引き替えにお茶をもらい、さめざめと彼女を見やる。
それにしても随分と立派になったもんだ。3年前テーベで拾ったときはヒヨッコだったのに、今じゃ立派な医師だ。まあ、まだまだ一人前とは言えねぇが。
28
行き倒れになったキャロルを救ったのは、彼であった。飯を食わしてやり、全ての事情を知ると、見捨てることは出来なかった。
自分の故郷であるフルリ人の街に連れて行き、誰もいない実家に住まわせた。
帰っても身内の誰もいない故郷に、待ち人がいるのはいいもんだ。自分のいない間、彼女の後見を頼んだのは旧知の信頼できる男だ。
「暁の家」で医者をしているその男に託したところ、いつの間にかキャロルは腕の確かな片腕となって、病人の治療をするようになっていた。
ただやはり心配で商売の途中、ちょこちょこ様子を見に来てしまう。
「なんか心配事やイヤなことされてないか?」
「いいえ。みんなとても親切にしてくれるわ。大丈夫。」
確かに彼女の容姿は人目を引き、その金髪は異彩を放っているが、ハサンの妹分として街人に受け入れられている。そしてその人柄と如才と、そして現代の知識で信頼を勝ち取っていた。
29
穏やかな生活が彼女を変えていた。
3年前のぎすぎすした少年さは消え去り、20歳の麗しい女性となっていた。面影が残っているとすれば、常に溌剌としているところか。
短かった髪は腰のあたりまで伸び、年頃の娘のように巻き上げるわけではなく、自然に流している。絶えず動き回っているので、細い金髪が空気を弄ぶように泳ぐ。
身体は相変わらず細身だが貧弱というわけでもない。そろそろ言い寄る男もできたことだろう。
ハサンは目を細めて微笑んだ。
しかし、キャロルには想い人がいる。身分かなわぬその男のことを今だ引きずっているのも知っている。妹として慣れ親しんだだけに、彼女を哀れにも思う。
「ヒッタイトとアッシリアの戦禍がこちらにも迫ってきているようだ。いざとなったら、脱出するんだぞ。いいか?」
キャロルの顔は曇り、ただ頷いた。
「ハサン。あなたも気を付けて。危ないところに行っては絶対駄目。もう家族を失いたくないわ。」
ハサンと同じく、彼女もまた彼を新しい兄と慕っていた。この世界での唯一の家族。
彼は笑って、また直ぐに旅立っていった。
30
夜、突然の騒ぎにキャロルは目を覚ました。
ハサンの言っていた戦がーーーー?飛び起きて姿が目立たないように身支度をし、「暁の家」に走っていった。まず病人の安全を確保しなくては。行き交う路に街人と兵が溢れている。
「先生!とうとう戦が!」
「キャロル、良いところへ来た。怪我人がいるのだ。直ぐに手伝ってくれ。」
「でも、早く病人を避難させなくては!」
医者は戦ではないと彼女に告げた。アッシリアと交戦したヒッタイト兵が休養のためこの街に来たのだと。
フルリの街は何処の国にも属さない。エジプトとヒッタイト、アッシリアの国境にあるため、こういったことは昔からよくあるのだ。
次々に運ばれる兵士達を見て、キャロルは仕事にとりかかった。治療が全て終える頃には、日の出になっていた。
朝日の下、血に濡れた腕と手と一緒に、使用済みの布を洗う。
「黄金の娘だ。」「黄金の娘がいる。」
彼女の背後でヒッタイト兵が口々に声をあげた。が、フルリの人々は彼女を守るようにその壁となった。
我らの民の娘に危害を加えると、アッシリアへ引き渡すーーーー。それが彼らの意見であった。その力強い群衆を前に兵士達は口をつぐんだのであった。
31
数日間ヒッタイト兵は滞在していた。彼の君が到着するのを待って。
その間相変わらず、キャロルは「暁の家」で病人、怪我人の治療に全力を注いでいた。兵士達にも分け隔てなく接する事により、彼女に対する偏見は薄らいでいく。
ただし怪我のない者まで、彼女に診てもらおうと押しかけるのは困ったことだが。
戦場からイズミル王子が街へ入ったのは、昼を随分過ぎた頃だった。
身体を休めると共に否応もなく黄金の娘の噂が耳に入った。年の頃は20位の若い娘で、医師として兵の治療にあったっていたという。
彼は疲れた身体を起こして、直ぐさま「暁の家」に向かっていった。
その姿は流れるような金髪を持った後ろ姿であった。診療所の表で小さな子供に話しかけている。
彼の目に初めて見た黒髪の乙女の情景が重なった。あの時も幼子を相手に語りかけていた。
「おねいちゃん、誰か来たよ。また怪我人かなぁ。」
振り返ったキャロルは陽光に眩しくその人を見た。逆光の人影に、首を傾ける。はらりと風が黄金の髪を払った。
208さんのおっしゃるとおり。話は佳境に入りました。
もうそろそろ、「二人の妃」作家殿にバトンタッチです。
引き続きこのスレで物語が語り継がれていき、本当に嬉しいです。
このスレでこれからも作品をかかれる作家様方、どうぞ王子を幸せにして下さいませ。
>222
「どうぞ王子を幸せに」に思わずじーん。
このスレの合い言葉は「王子の幸せ」に決定だ!
なんて素晴らしいスレなんでしょ・・・もぉ滝涙です。
王子のお話が毎日読めるなんて感激〜〜
作家様方、いつもありがとうございます!
5
王子の婚儀の日、ミノアの巫女姫が嫁いでくる日が近づいてきた。王子の宮殿は準備にてんてこ舞いだった。準備の中心となって様々なことを差配するのは王子の宮殿の女主キャロルであった。キャロルは細やかに優しい気遣いを見せて新しい妃の入る宮殿の殿舎の準備をする。
人々は言い交わした。いくら何でもお人が良すぎる。あそこまでなさらなくてもいいのに。ご自身だって尊いご身分なのに。あそこまでお優しくては新参のミノア人に侮られるのではないかしら?
またこうも言い交わす。いやいや、姫君があそこまでなさるのは、ご自身がイズミル王子の一の人であるという強い自負と誇りの現れよ。王子も姫君を今まで以上に大切になさり、重んじておられるではないか。
実際、あの夜、王子の前で取り乱して以来、キャロルはすっかり落ち着き、余人の浅薄な好奇心など寄せ付けない威厳溢れる王子妃ぶりであった。
(今回のことは王子が私を裏切ろうとして仕組んだことではないもの。人々の思惑、利害やしきたりが幾重にも重なって決まったこと。みっともない嫉妬や悩みを悟られるようなことだけはすまい。私は王子に愛され、信頼されている。王子を失望させたくないもの)
王子によって王族の心構えを教えられたキャロルは無理矢理に自分の心に蓋をする。それが分かるムーラや王妃は密かに、王子がキャロルへの愛ゆえに教え導いた王族のしきたりの何と惨いことよと涙するのだった。
(でも・・・今まで私は王子のただ一人の妻として安心しきって思い上がっていたわ。これからは人の物笑いの種になることもあるかも。
―あの人への愛と自分の矜持を天秤にかけることもあるでしょう)
キャロルの物思いは尽きない。
6
「姫様、ご覧遊ばせ。ハットウシャの城壁があれに!」
慣れない馬上から乳母が輿の中の女主人に声をかけた。ミノアの巫女姫サキアの物
憂い声が答えた。
「そう・・・。あれが」
そして深い溜め息。結婚を控えた女性の心弾みが全く感じられない。疲れ果てた投
げやりな声音。反対に乳母は興奮し、声が大きい。
「まぁ、何て見事な!さすがアナトリアの雄ヒッタイト!まことサキア様のご身分
にふさわしい嫁ぎ先でございます!」
輿の垂れ幕の中の巫女姫サキアは無言だった。前王の身分低い側室を母とするこの
王女は物心つく前から格式の高い神殿の巫女に担ぎ上げられ―体のいい厄介払いだ。
母に権力があれば宮中で育てられただろう―俗世から離れた生活を送っていた。
新しく即位した面識のない異母兄は、近隣諸国と縁組みを結ぶ駒に使える女性を捜
していて、タイムリーに24年も神殿に籠もっていた異母妹を思い出したというわ
けだ。
さて。24年間も純粋培養された当年とって26才の巫女姫君サキアは。
残念ながら前王の娘ということ以外、全く取り柄のない女性に育ってしまっていた。
骨太のごつい体つき。それなりに美しいが、気品や才気といった内なる魅力は感じ
られない虚ろな顔立ち。感情は平坦で口べた。何よりも清浄な神殿から穢れた俗世
に放り出されたことに漠然と不満を感じている、頑なな態度と物腰。
だが使える駒は使わねばならない。サキアは華やかな世界に憧れ騒ぐ乳母に付き添
われ、ヒッタイトに出発したというわけだ。
7
「巫女姫君のお出迎えにまかりこしましてございます!」
華やかな口上と共にヒッタイトからの出迎えの使者が現れた。
「これより巫女姫君をお守りし、ご案内いたしまする」
「おお、それは大儀。よろしくたのみますよ」
乳母が尊大な口調でサキアに代わり挨拶した。サキアは垂れ幕の隙間から使者を透かし見た。
王子の親衛隊と、それに付き従う王子の腹心ルカ。
(何とまぁ!)
サキアは我知らず顔を赤らめた。不器用で幼児的なこの女性はルカに尋常ならぬ興味を抱いたのだった。それが恋なのかは分からない。だがいずれにせよ、ルカは消えない焼き印のようにサキアの心に強い印象を残したのだった。
「サキア王女様、ご入来!」
王宮の大広間、国王夫妻、イズミル王子、臣下百官の居並ぶそこでサキアは初めて輿から降り、顔をあげた。
その瞬間、大広間に流れた微妙な空気。失笑、憐憫、失望、政治的な冷たい割り切り・・・。人の心に敏感な乳母は雰囲気に戦いたが、その辺に鈍いサキアは全く気付かず、恐れも物怖じもせず無感動に人々を眺め渡した。
乳母は周囲の人々の軽蔑を、嘲笑を許さなかった。彼女の育て子は一番でなくてはならない。それがつまり育て子をここまで大きくした彼女への報酬なのだから。
サキアは淀みない平板な調子で挨拶の言葉を述べた。
(なんとまぁ、これが私の第二の妃か!)
平べったい顔立ちの女性を見ながら王子は心密かに呻いた。愚鈍そうな顔立ち、初々しさのかけらも感じられない物腰。長く神殿という偏った世界に引きこもり、俗世を厭うよう育てられた姫の奇矯さはすぐ知れた。
挨拶を終え、棒のように立ち尽くすサキアに王子はようやくねぎらいと歓迎の言葉を述べた。
居合わせた人々はキャロルのライバルとなることも叶わぬらしい姫に早々に見切りをつけていた。ヒッタイト国王も彼女を後宮に迎えずにすんだ幸運に感謝する・・・。
8
何とも言えない居心地の悪い―ある意味不謹慎極まりない―雰囲気の中で王子の二
度目の婚儀は挙行された。王子がこの王女を全く愛していないのは知れたこと。
披露の宴には国王の後宮の女性達、それにイズミル王子の第一妃キャロルも列席を
許された。キャロルはお付きの人々に入念に装われ、気品溢れる美しさ。鈍重そう
なサキアとの対比が人々の失笑を誘う。
キャロルも女。自分のライバルとなる王女の資質を一瞬で見抜き、良心に痛みを感
じつつ安堵を覚えた。
(いいえ、こんなこと考えるなんて卑しいことよ。王子と心合わせて・・・あの方
のことを思いやって差し上げなくては。あの方を見下しているなんてことが知れた
ら情けない恥ずかしいことよ。)
キャロルはにこやかにサキアに会釈し、歓迎の言葉を述べた。
「ようこそ、サキア様。これからは共に王子にお仕えする身。どうか気安くおつき
あいくださいね」
「あーぁ・・・」
サキアは目の前の小柄な美少女を無感動に眺めおろした。キャロルほどの高位の女
性には直答が当然なのだが、巫女姫は俗世の女など興味がない。だから代わって乳
母がキャロルに返答した。身分低い乳母が、主の言葉を尊大に述べる有様にキャロ
ル派の人々は歯ぎしりした。キャロルが鷹揚であったのが救いだ。
>216(「少年キャロル 26」)
なんとー!キャロルを見つけてくれたのはハサンでしたか。
発見できなかったルカがまた王子に叱られたのではと心配です。
>227(「二人の妃」7)
そのルカちんにさっそく目をつけるとは、愚鈍で平べったい顔でも
なかなかどうして趣味は悪くないぞ、サキア姫。
>「二人の妃」作家さま
サキアは悪い人じゃなさそうだけど、すっごく意外な人物像でいったいこれからどんな展開になるのか
続きが待ち遠しいです。
>「少年キャロル」作家様
王子とキャロル、ついに感動の再会ですね。
「そろそろバトンタッチ」などとおっしゃらず、どうか
いつまでもこのスレにいて下さいね。
>「サキア姫、ルカに一目惚れ!?」問題
うん、これは重要な伏線に違いない。
サエてるぞ、229さん!
32
人影が近づいてくると、彼女の身体は硬直した。
蒼い瞳は大きく見開かれ、そして大粒の涙により濡れた。ぽとりと乾いた地面に涙が落ちると、横にいた子供が不思議そうに彼女を見上げた。
ゆっくりと王子は近づき、そして壊れ物のように彼女に触れた。キャロルは身動きできなかった。エジプトで見た悪夢を再び見ているのだろうか。
こんな事が、ずっと会いたかった人がこんなところにいるはずがない。恐ろしくなり、瞳を閉じた。
彼もまた、抱き留めようとした手が一瞬止まる。
一時の後、キャロルをしっかりと抱きしめた。
「生きて・・おったのか。」
その声に我に返り、ーーーーこれは現実?こわごわと王子を抱き返してみる。
「そなたが消えた日より、ずっと考えていた。そなたの存在だ。」
「王子、本当にイズミル王子なの?」
そして二人は、出会ってから3年半、初めての口づけを交わした。
33 後日談ーーー1
相変わらず「暁の家」で働いているキャロル。けれど今日は仕事が手に着かない。家では王子とハサンが自分抜きで話をしているからだ。
ハサンは渋い顔をしていた。キャロルの想いはよく解っている。王子を見てもわざわざ戦の間をぬって、彼女に会いに来るのは同じ想いなのだろうと、解る。
だが、すでに王子には正妃がいて、後宮の中に嫁がせるのはどう考えてもイヤなのだ。
「恐れ多くも申し上げますが、キャロルは後宮に収まるような娘じゃありません。また、泣かせたくないんです。
あいつはエジプトにて家族を失い、ひとりぼっちだった。ようやく落ち着いてきて自分の居場所を見つけたんです。
それにお気づきでしょうが、見た目だけがいいんじゃない。心の中も綺麗な娘です。俺はあいつの幸せを第一に考えたい。確かにあなたに恋しているのは知っています。だが、側にいるだけが幸せじゃない。」
ようするにハサンは王子の側室になるのは反対なのだ。
あいつはそんなたまじゃねぇ。もっと大きな、上手く言えないが手に入れる男は真の王者でないといけない。側室でしか見られない奴では、キャロルをつなぎ止めることはできやしない。
押し黙ったハサンの心を読むかのように、王子は言った。
「2年前、私が正妃を迎えたのは、母を思ってのことだ。それに私は対アッシリア戦に従事して、ほとんどハットゥサには帰っておらぬ。正妃であるミラを軽々しく扱うことはできぬが、さりとてキャロルも軽く扱うつもりもない。
いずれにしても、この戦が終わり次第、すべてに決着をつける。そのときはキャロルをもらい受けるぞ。」
「決着?戦が終わっても、王宮に変わりはございませんぜ。」
王子はニヤリと笑って、家を出る途中背中越しに言った。
「まあ。見ておれ。私は手段を選ばぬ。」
34 後日談ーーー2
エジプト王宮ではファラオを囲んで、女達が華やかに集いていた。
「ねぇ、メンフィス様、ヒッタイトの兄から書状が届いたんですけど・・・、何やら文面が不可解で。」
彼の膝に手を置いていたミタムンが見上げて言った。申して見よと即されて、彼女は思い出しながら答えた。
「お聞きになられてると思いますけど、今度兄が即位するにあたり色々と書かれてあったのです。ですが、最後の方で、
ナイルの宝石に満ち、太陽の糸を持つ猫を拾い上げたゆえ、もらい受ける。
彼の猫、エジプトよりいでし、麗しき雌猫なり。
少年のごとく短い毛は、今では滝のごとし満ちたりぬ。
愛でるには十分。
猫のことなんて、初耳ですわ。」
杯を飲み干しながらファラオはエジプト産の猫を思い描いた。
ーーーーナイルの宝石・・太陽の糸・・。
ふと彼は思い当たったように、唇を歪ませた。
「まんまと出し抜かれた訳か・・。そなたの兄も人が悪い。ーーやはり女だったか、迂闊であった。」
「まあ、何のお話し?メンフィス、もう遅いわ。休みましょう。」
幼子を連れたアイシスがにこやかに入ってきた。ナフテラに子供を預けると、不機嫌なファラオの手を取る。
「難しい顔・・。戯れの話など忘れて、今宵の月を一緒に愛でましょう。」
横でミタムンは王妃にはかなわないと、肩をすくめた。
35 後日談ーーー3
日の出前、宮殿には霧が立ちこめていた。きっちりと閉めた鎧戸の中はまだ夜を引きずっている。
キャロルは無意識に指を走らせ、行き当たったところで眠りから覚めた。指先が触れている暖かな感触を、今度はしっかりと手を当てて確かめ、思わす微笑みを零す。
その鍛錬された彫刻のように美しい筋肉をなぞるように手を動かし、彼の頬に触れた。
ぐっすりと寝込み、彼の長い睫毛はぴくりともしない。
先の正妃も彼の寝顔を見ていたのだろうか。だが、前正妃がどうなったのか自分は知らない。失脚してしまった哀れな人。彼の側にいる限り、決して離れたくはなかったろう。
彼女は前正妃のことは考えないようにしていた。王族の暗い深みに嵌ってしまうのが嫌だった。
キャロルはそっと彼に近づき、その唇をぺろりと舐めた。幽かに歪んだ眉が面白く、今度は口づけする。それでも起きてこない事に半ば呆れ、鎧戸を開けようと寝台から滑り降りた。
だが、立ち上がろうとすると腕を引っ張られ、後ろに倒れる。
「目が覚めていたの?」
後ろから抱きすくめられ、彼を見る。
「今起きたのだ。それとも何か、またいたずらでもしたのか?・・もう一度するがよい。許すぞ。」
キャロルは前に向きなおり、彼の首元に腕を絡ませ耳元で囁いた。
「嘘。知っていたくせに。」
彼は答える代わりに口づけをした。黄金の髪が手に絡みつく。寝台の上にそのまま押し倒し、うなじにも唇を走らせた。
「国王を慰めるのも王妃の務めぞ。私にそなたを与えぬか?」
蒼い瞳が細められ、愛撫される手に身体は応えていった。
朝日が昇りきってもなお寝室から出てこない国王夫妻に、ムーラは扉の前にたたずみ声をかけ損ねて、
「たまにはよろしゅうございますとも・・。ええ、たまには。」
と、ため息をついていたのだった。
ーーーーーーー完。
今まで読んで下さいまして、本当にありがとうございます。
稚拙な文章で大変読みにくく、また話が?のところもあったと思います。すみません。
「二人の妃」作家様、本当に素敵な小説をありがとうございます。
ここに来るのが楽しみになりました。
すっごく面白いです。私の中の歴代番外編ベスト3には入ると思います。
>231
ここには居座り続けますよ〜〜〜(W
「イズミル2年後」も気になりますしねっ!
そうだ、今聞いておこう!
>236の書き込みをしたときにアクセス規制の注意が出たのですが、
本文が長すぎた為らしいです。
どの位の量の書き込みだったらOKなのか、
ご存じの方教えてください。(今後のために)
横レスで大変すみません。
「少年キャロル」作家さま、連載終了お疲れさまでした!
スピーディな展開に毎日とても楽しみにしていました。新作を激しく希望しまーす!
ミラの失脚(ましゃか王子が画策した?)やメンフィスのその後など気になる要素もたくさんあります。
本当にありがとうございました!
9
「王子?!一体どうしたの?」
薄暗いままの化粧部屋で所在なげに衣装櫃をかき回していたキャロルは突然後ろか
ら抱きしめられて驚きの声をあげた。
新しい妃の披露のあと、キャロルは王子の宮殿の一角に設えられた自分の私室―と
いっても形ばかりの垂れ幕で区切っただけの王子の部屋の隣なのだ―に戻ってきて
いた。侍女達はあれこれとサキア姫を噂する。それが聞き苦しく、また嫉妬でいた
たまれなかったので、一人、隣室の化粧部屋に入ったのだが・・・。
「別に・・・。夫が妻を抱きしめて何が悪い?・・・すまぬ。今しばしこのままで。
今日は・・・疲れた」
王子はこれから今日の婚儀の仕上げをせねばならない。サキア王女の殿舎―そう
キャロルは王子と同じ建物に住まう。サキア王女は別棟だ。格式から考えればキャ
ロルも独立した殿舎に住まうべきだが王子がそれを許さなかった―で王女を抱く。
キャロルはぎゅっと王子を抱きしめた。懐かしい匂い。慣れ親しみ、教えられた逞
しい体。でも今宵からは・・・。
「姫・・・!そなたは私だけのものだ。私はそなただけのものだ!」
王子は突然に荒々しくキャロルを求めた。キャロルは泣きながら拒もうとしたが、
哀しいかな、王子を受け入れ求めてしまう。
やがて王子はキャロルを自分たちの居間に連れて行き、優しく接吻してから義務を
果たすために出ていった。ムーラをはじめ侍女達はそんな王子を見て、我らが女主
人の地位は安泰よと心中で快哉を叫ぶのだった。
10
(夜明けには今少し・・・か)
王子はだるい体を起こし、寛衣を羽織った。傍らのサキアはいぎたなく眠り、ぴく
りとも動かない。
浮き世離れした巫女姫は婚儀そのものを忌み嫌っているようだった。行為の間中、
無感動に天井を睨み据え、最後にはミノアの古語で呪詛だか祈りだかまで唱えさえ
した!
神殿の中の暮らし、穢れた浮き世から離れた暮らしこそ最高と教え込まれた巫女姫
にとっては王子も汚らわしいケダモノということか。無論、王子だってそんな相手
を好きになるわけがない。
(姫は・・・こんなふうではなかったな。もっと初々しくて儚げで・・・)
好色な回想に耽りながら王子は寝所から出てきた。宿直の侍女達が慌てるのを尻目
にサキア王女の殿舎を出る。
お付きの人々は自分たちの主人のいたらなさを知っていたので王子の仕打ちを情け
なく思いながらも、敢えて止めることができない。
ただ一人、王女の乳母だけは怒り狂い、王子の心を独占するキャロルへの憎しみの
炎を燃やすのだった。
(おのれ、ナイルの姫!我が王女の背の君を盗むとは許し難い女!
サキア様には何としても王子のお心を奪って頂かなくては!でなくば・・・この2
4年間黙って辺境の神殿に籠もってきた日々が無駄になる!せっかく華やかな世界
に戻って来られたのだもの。サキア様次第でもっともっと華やいだ生活が送れる!
何としてもサキア様に頑張っていただかなくてはっ!)
当のサキアは夢も見ない深い眠りの中にいた。神殿の中で香に清められた生活の中
で暮らしていた彼女にとっては贅沢な宮殿もゴミ溜なのだ。
11
暗い独り寝の寝所でキャロルはずっと目を見開いていた。
王子と結ばれてからはいつも王子の傍らで眠っていたのに。
(王子、王子。私のイズミル!お願い、側に居て!離れては嫌。私だけの人でいて。あなたのことを信じています。王族の務めもよく弁えています。でも・・・でも・・・私は・・・!)
最前、王子に与えた身体は未だに痺れるように熱い。
自分を気遣う侍女達の視線やサキア王女のいる建物からほのかに伝わってくる賑わいが耐え難くて寝所に引き取ったのだが、もとより眠れるはずもない。
王子の居ない寝台は嫌になるほど広く、寝所の闇は驚くほど深い。
いつもいつも王子の肌に包み込まれ、肌の匂いが移るほどに側近く眠っていたのに今日からはもう違う。
払おうとしても払おうとしても嫌な想像はキャロルの中にわき上がり、苦悩の苦い涙が後から後からあふれ出た。昼間は強がってサキア王女を気遣うようなことも言ったが、夜の孤独の中でその決心も優しい思いやりもあっさりと壊れていく。
夜の闇は怜悧で優しいキャロルの心を引き裂き、醜い嫉妬を沸き立たせるのだった。思いやりに溢れ賢く優しいキャロル。嫉妬に涙するキャロル。どちらも彼女の真の姿。
切ない夜。長い夜。キャロルは初めての苦悩に身を捩った・・・。
12
「まぁ、王子・・・!何とお早いお戻りで!あ・・・姫君はご寝所でございます」
夜明け前の冷たい闇の中で主を迎えたムーラの声には隠しきれない嬉しさが溢れていた。
(まぁ、王子は早々に姫君の御許にお戻りになった!ああ・・・安堵いたしました。ありがたいこと。ようございましたね、姫君)
王子はそっと寝室に入った。その気配に驚いたように身を起こすキャロル。
「ふ・・・。そのように驚いてくれるな。まだ早い。今少し眠りたい・・・そなたと・・・」
王子は無遠慮にキャロルの隣に身を滑り込ませた。キャロルの身体は驚くほど冷たく、夜衣の袖口は濡れている。
「泣いていたのか?」
「何となく眠れなくて・・・。王子こそ冷たいわ。上着か何かを」
「よい!そなたが暖めてくれ」
「でも・・・あの・・・サキア王女・・・」
「申すでないっ!」
王子は声を荒げた。
「つとめは果たした。そなたがあの女のことを気遣うことはない。・・・それとも・・・他の女の床から来た男など厭わしいか」
「そんな・・・!でも・・・戻ってきてくれるなんて・・・私の王子・・・!戻ってきてくれるなんて・・・」
その言葉が王子をこの上なく喜ばせた。
「私が他の女に心移すとでも思ったか・・・?」
黙って首を振るキャロル。嫉妬、嬉しさ、サキアへの気遣い・・・そんなものがない交ぜになった涙が王子の胸を濡らす。
王子はキャロルを抱いた。深く求め、思う様、翻弄した。初めて愛しい女性と結ばれた男のように。暁の闇の中、王子とキャロルの閨は濃厚な愛の香りが匂い立った・・・。
王子は慣れ親しんだキャロルの身体を深く改めた。白い初々しい身体。甘やかな匂い。恥じらいつつも王子の動作に応え、悦びに身を震わせる。
王子はミノアの王女の記憶を押し流そうとでもいうように執拗にキャロルを求め溺れた。深く激しく・・・。
13
恋人同士が閨から出てきたのはもう日も高く昇ってからのことだった。
王子はおざなりにサキアを気遣う手紙を書いて侍女に持たせた。
―昨夜のお疲れは残っておられぬか?あなたの体調が心配だ。今日はゆるりとくつろがれよ。私がいては気を遣わせることになり申し訳ないのでしばらくは遠慮しよう云々―
キャロルは自分を引き寄せて離さない王子の腕を外しながら言った。
「どうか王子。サキア王女の所へ行ってさしあげて。新婚の朝にあなたがいないなんてどう思われるか。ミノアの人たちも侮辱と感じるわ。
それに私があなたを引き留めているなんて思われたら心外よ。どうか・・・」
「煩いぞ。そなたの指図は受けぬ!・・・そのような顔をいたすな。分からぬ女だな。・・・分かった。後でサキアの所には顔を出す。そなたが悪く思われるようなことはせぬ!」
王子はそう言っていつものようにキャロルと朝食を共にしたが、サキア王女の所から文が来て楽しみは中断してしまった。
―あなたのこと、心配でたまりません。早くこちらに来てください云々―
(どうせ側仕えの者が文案を考えたのだろうさ)
王子は無造作にキャロルや他の人々の目に付く所に手紙を放った。その子供っぽい下手な手跡がよく見えるように。キャロルは自分より8才ほども年上の女性の拙い字を見て良心を痛めつつも安心したような感情を覚えた。
(王子はずいぶんサキア姫を軽んじている。私に気遣ってばかりのようじゃないわね。これはこれで困ったこと・・・)
「少年キャロル」作家様、すてきな連載をありがとうございました。
作家様に触発されて書き始めてしまったまねっこ者としては、過分なな言葉を頂き本当にありがたいです!
弱々しく運命に流されることの多い番外編キャロルちゃんの中で、「少年キャロル」は凛々しく自立した強い女性だと思います。
また新しい作品を書いてくださることをお待ちしています。
「少年キャロル」作家さま
連載終わりなんてひどい〜(滝涙)。次作熱烈キボンヌです。
最後のムーラのセリフを読んで、ここのスレの影の実力者はムーラさまなのでは?と思いまひた(笑)。
誰か彼女のお話もお聞かせいただけませんか?
「二人の妃」作家さま
サキア王女ってルカに恋してるんでしょうかっ?
久しぶりに来て全部読んでみてびっくり。今までの敵役とは全く違うっぽいヒトだ。
それじゃ、今度スレパート2をたてるときは、
O家別室ームーラの王子幸福論ー
かな?
気の早い話だなぁ・・・。スマソ
>「少年キャロル」作家様
すばらしい作品をありがとうございました。いつも楽しみに読ませていただいておりました。
とくに再会シーンの静かな美しさに感動致しました。次回作も心よりお待ちしております。
>「少年キャロル」作家様
ああっ、再会のシーンはすばらしすぎる!
でも連載が終わってしまってさびしすぎるう!
>「二人の妃」
王子はサキア姫にうんざりしてるようだけど
ここまで徹底してればキャロルに誤解されるおそれもなくていいじゃないか。
読者だって安心だよね(な〜んて油断してるとおそろしいことになるのか?)
サキア姫は女三宮になって王子の気を引いてしまう恐れ有り。
ルカの子供でも身ごもっちゃうかぁ?
>二人の妃
すっごくいいです!
文章も読みやすいし、サキア姫の性格もはっきり伝わってくる。ナイスです!
作家様、これからもがんばってください。
>「二人の妃」作家様
新しい妃のお輿入れにもかかわらず、いっそう深い絆で結ばれていく
王子とキャロルがすばらしいです。キャロルちゃん、負けないでね〜。
王子の側近ってルカとムーラと名無しの老将軍だけで、
話を創る時ってすごーく大変。
新しいキャラを設定するにしても、馴染みがないのでこれも難しい。
と独り言で思う。
作家様、がんばって更新なさってくださいね。
サキア姫って末摘花(こんな字だっけか?)の感じで、女三宮的存在でしょうか?
14
キャロルは言った。
「ね、王女の御許に行ってさしあげて。お気の毒だし・・・お付きの人たちもいい
気はしないでしょうよ。お願いよ。こんなことでは・・・あの・・・国のためにも
ならないし・・・私、心苦しい。あちらの方が私が意地悪をして王子を引き留めて
いるって思ったりなさったら私、嫌だわ」
「ふん、夫によその女の所へ行けと言うか!よくできた妃だな」
王子は自嘲気味に言った。とたんにキャロルの双眸から涙があふれ出す。
「どうして・・・そんな無神経なことが言えるの・・・っ!」
王子ははっとしてキャロルに謝った。キャロルは子供のように泣きじゃくり、王子
は必死に許しを請うた。周囲の人々は今更ながら王子のキャロルに対する愛情の深
さに驚くのだった。
王子がしぶしぶサキアの許に行けば周囲の人々が大慌てで王子をもてなす準備をす
る。その慌ただしさすら王子を苛立たせる。
(ふん,姫やその侍女達はもっと落ち着いているのに。全く心きかぬ王女)
「サキア王女,お疲れではないかな。私の姫も・・・我が・・・妃キャロルも心配
していた」
「キャロル・・・?ああ、お妃様ですね。そう・・・」
サキアは言った。乳母がすかさず口を挟んだ。
「サキア様はたいそうあなた様をご心配でした。今日はこちらでご療養遊ばせ。あ
なた様はサキア様の夫君なのですから。サキア様のおわす所がご夫君のおわす場所
ですわ。恐れながらナイルの方などは・・・」
王子はむっと小生意気な乳母を睨んだ。
15
「・・・ナイルの姫君のことを乳母やが噂しています。王子を私に取られるのを怖がって引き留めているって・・・」
唐突に王女は何心ない有様で言った。
「私はミノアの王女で、あなたの妃。ナイルの姫君のことは気にしておりませぬ。あちらの方も無闇に心配することないのに。・・・私のように俗世のことなど何も気にせず大らかにしておいでになればいいのに・・・。お祈りをする、とか。ねぇ。」
お付きの人々は真っ青だった。王子は激しい怒りを覚えたが、それはじき、深い諦めと嗤いに変わった。
(まこと・・・この王女はは何も分からぬのだ。私はこのような女を妻とし・・・姫を悲しませたのか。このような心映えの虚ろな女を私は・・・!)
「王子・・・?」
「ナイルの姫・・・我が妃は、心映えの美しい女人。王女の居心地よかれとずいぶん心砕いていた。王女がそのようなことを申されたと聞けば悲しむであろうな。
そなたも心得られよ。宮廷で身分高い女人として過ごすということは、己自信を高く持し、無闇な噂などせず賢くあらねばならぬということを!」
「まぁ・・・?王子はお怒りなのですか?何故・・・?」
「侍女!そのほうらも主の訓育にせいぜい励むようにせよ!サキア王女はもはやヒッタイトの王子のもとで生きる身であるゆえな。
それから・・・くれぐれも申し置く。我が妃を愚弄するような真似は許さぬ!妃への侮辱は我への侮辱である!」
お付きの人々は真っ青になって平伏した。サキアだけがきょとんとしている。
「まぁ・・・王子のお怒りの激しさ。ナイルの姫君へのご寵愛は何と深いのでしょう?」
「気づいていた?王子はナイルの姫のことは妃と呼んでサキア様のことは・・・」
当のサキアだけはのほほんとしている。嫉妬や下手な勘ぐりもないかわりに、全く無神経な女性なのだ・・・。
16
王女の輿入れで自国の権勢を大きくしようとしたミノア王の野心は全くの空振りに
終わった。
イズミル王子はサキア王女を丁寧に大切に扱ったが、彼の心がどこにあるのかは万
人の目に明らかであった。キャロルに対する王子の態度には、深い愛情と思いやり
が感じられた。周囲の人々もサキア王女の自覚のない無神経さや愚鈍さを敏感に感
じ取り、密かに軽ろんじるのは仕方ないこと・・・。
キャロルは王女を気遣い、早くヒッタイトに馴染むようにと様々に工夫するのだが
王女にそれが分かるでなし、それにキャロルを目の敵にする王女の乳母が好意を突
っぱねるのだった。
「あのナイルの姫が王子をたぶらかすから、王子は王女様をご寵愛にならぬのです!
ああ、口惜しい!憎いナイルの姫!皆があの女を崇めたてる!あんな女。ファラオ
の妹分だか何だか知らないけれど下賤な女ですよ」
乳母は王女の前でまくしたてた。ミノアから来た他の侍女や、新たに王女付きになった
ヒッタイト人の召使いは眉を顰めてそれを見ている。
「全く!格式のある身分の女人なら独立した殿舎を賜るはずなのにあの女は召使い
か何かのように狭い部屋しかないというではないですか!
あんな女が王子のお側で宮殿の奥向きのことまで決済するなんて信じられませぬ!
王女、王子におっしゃいませ。あなた様が本来なさるべきお仕事なのですから」
「俗世のことなぞ、あの姫がすればよい。私は面倒事に煩わされたくないわ」
サキア王女はぶすっと言った。
>「サキア姫=女三宮」説
人材の少ないヒッタイトで不倫相手を捜すのは大変ですね。
ううう・・・やはりルカちんしかいないのか。
老将軍は無理としてもヒッタイト王ではだめでしょうか、作家様。
じゃあキャロルは紫ちゃんだねっ。素敵〜!
王子はだいぶ年上だし優しいし、源氏×紫ちゃんの雰囲気が
ぴったりだよね〜。
258>お茶吹き出してもうたよ・・・@ヒッタイト王
17
「帰ったぞ」
早暁の宮殿の一角に王子の声が響く。サキア王女の殿舎から自分の宮殿に戻ってきた王子だ。
「お帰りなさい・・・私の王子・・・」
きっちりと衣装を着込み、美しく薄化粧したキャロルが王子を迎えた。
「おやおや。ずいぶん早起きなのだな、そなたは。それとも夜を徹して私を待っていてくれたのか?・・・もっと艶めかしい衣装で出迎えてくれれば嬉しいのだがな」
昨夜遅く、王女の殿舎に渡った王子は、夜明け前の早い時間に戻ってきていた。
政略で娶った王女の立場を考慮して、賢い王子は月の半分は王女の殿舎で夜を過ごすことにしていたが、いつもおざなりに時間を過ごし―ありがたいことに王女も王子を疎んじているらしい―夜明け前には自分の寝所、つまりキャロルの寝所に戻ってきて寝直す有様だった。
「ムーラ、湯浴みする。姫、介添えを」
王子は湯殿に入り、頬を真っ赤に染めるキャロルが隅に控えている。
「全くいつまでも恥ずかしがりなのだな」
王子はくすりと笑うと、キャロルを湯に引き込で抱きしめる。濡れた薄衣がまとわりつく身体は言いようもなく艶めかしく、王子はもどかしく恋人を寝所に連れ込み、愛おしむのだった。
王子の二度目の婚儀以来、睦言はますます甘やかさを増し、戯れは際限もなくエスカレートするのだった。王子はキャロルに溺れていた。彼女を裏切ったという意識が彼をますます好色にする・・・。
18
「サキア王女様のご機嫌はいかがかな」
「まぁ、商務大臣殿!このような時間に・・・まぁ!さ、とにかくお入り遊ばして。サキア様はお香を調製しておいででございます」
「ほう、典雅なことで」
でっぷり太った商務大臣は王女の乳母に導かれるまま、贅沢な殿舎の中に入った。ミノア風の装飾、濃厚な香の匂い。
甘い、それでいてどこか薬臭い香はきっとミノアの神殿あたりで使うようなものなのだろうと大臣は見当をつけた。もう一人のキャロル妃が好む花の淡い軽やかな香りとは好対照だ。
「早速ですが乳母殿・・・。王子とサキア王女様の御仲はいかがですかな?私も様々に王女様にご助力さしあげたいとは思っているのだが・・・」
言葉を濁す大臣。彼は皆が認める王子妃キャロルへの対抗としてサキア王女派を標榜しているのだが、この変人の王女ときたら!
口には出さないがこの大臣、王女には相当恥をかかされている。
「王女様は王子様をそれは慕っておいでです。王子様も王女のいじらしいお心をお知りになれば!
でもナイルの姫が、王子を抱え込んで離さないのです。おかわいそうな王女」
乳母はいきり立ってまくし立てる。主人贔屓のこの言葉は半ば以上、華やかに時めくこともない今の立場への怨み節だった。彼女は宮廷生活に憧れていたのだから。
19
「まぁ・・・。後宮のことは私のような不調法者には分かりませぬな。だが王女は将来、皇后の地位にお立てしたいと思っている。そのためにも王女にはせいぜい王子にお仕えしていただきたいもの」
「ええ・・・!それはもう!あの清らかなお方こそ皇后にふさわしい。ナイルの姫など!エジプトの大乱は未だ収まらず、エジプトからあの方へのお化粧料も滞りがちとか。貧乏臭い妃と並ぶなどサキア様への侮辱です」
殿舎の外を見ようともしないこの乳母の言葉に、大臣もげんなりした。この乳母、野心はあるが頭は良くないらしい。
実際、キャロルへの王子の寵愛はますます深く、彼女には豊かな荘園が与えられ、物質的に困ることはない。それにキャロルは余った財で傷病退役兵のための施設や、孤児のための家、病院なども作っている。美しく慈しみ深い王子妃として彼女の地位は揺るぎない。
「・・・大臣様!どうかサキア王女のためにご助力を!あの澄ましかえった金髪の小女はきっと邪な女です」
大臣が今更ながらミノアの王女と関わり合ったことを後悔していると、サキア王女が現れた。ミノアの巫女風の化粧にヒッタイト風の贅沢な衣装がいかにも似合わない。
「大臣・・・?何用か?」
乳母が言う。この方はあなた様を皇后にしてくださる方。邪魔なナイルの姫を追い落としてくれる人です、と。王女は言った。
「私は汚い俗世のことなど興味ない。ナイルの姫などどうでも良い。俗世に穢れた女など気に掛ける価値もない。王子も・・・あのような男は嫌いじゃ。男は汚らわしいと申したのは乳母、そなたではないか」
サキアさま・・・。
王族乙女の憧れの君イズミルさまをそこまで嫌って悪口言い放題のあなたが爽やかです。
何か目新しい性格のあなたを応援します〜。
あううぅ。
荒らしでも煽りでもないんですが・・・。
もうちょっとエッチィなバージョンは自粛または禁止なのでしょうか。
私はこういった読み応えのあるお話しの方が好き。
(>265さん、ごめんね)
ストーリーせいがあるのって、長編ならではですよね。
えっちバージョンはその付随ってことで・・・。
ダメ?
なんて素敵なお話しが一杯なの!(感涙
読みごたえもあるし、早く続きが読みたい!
あぁ・・・
自分もサキア様のような無神経になれたらどんなに不幸で幸せか・・・
チョピーリだけサキア様が羨ますぃ
「二人の妃」作家様、
ほぼ毎日の更新、ありがとうございます。
幸せです。(滝涙
このスレは安らぎのスレですな〜
>264
うん。サキアもここまでくるとかえってすがすがしい。
どうしようもないのは乳母の方だな。
>265
あらん、十分にエロっぽいですわよ〜ん。
261のあたりなんていかがでしょう(↓)
「全くいつまでも恥ずかしがりなのだな」
王子はくすりと笑うと、キャロルを湯に引き込で抱きしめる。
濡れた薄衣がまとわりつく身体は言いようもなく艶めかしく・・・(もっ、萌え〜っ)
>265
自粛でも禁止でもないと思いますよ、ご安心を。
読み手がそう思う頃にえっちバージョンがでてくるウレシさ百倍…
と作家様方は楽しみをとっておいて下さってるのだと思いましょう。
20
さすがに真っ青になって絶句する乳母。如才なく知らん顔をして他の話題を切り出す大臣。だがこの姫君はよほど虫の居所が悪かったらしい。
「気分が悪い。俗な場所は胸が悪くなる。外に参る」
サキアはぶっつりと言った。そして大臣を見やり、ミノアの神官階級の者しか知らぬ言葉で侮辱と嫌悪の言葉を浴びせた。悪口は何語で言ってもだいたいの意味は通じるのに・・・。
すり足で出て行くサキアを見送りながら大臣は機嫌良い風を装いながら言った。
「王女様はご機嫌がお悪いようだ。いやはや失礼いたしましたな。神のお側に長くあられたお方じゃ。王子のご寵愛を競うような真似は浅ましくお感じなのでしょうなぁ」
乳母は大臣の物腰に騙されて安心してまくし立てた。
「いえ!王女様は王子様を大切にお思いです。本当に王子がおいでの時の細やかなお心遣いやお可愛らしい御有様は本当に微笑ましく・・・。
あの方も王子様といつもご一緒においでになりたいのです。王子様だって・・・あのナイルの姫さえいなくば憚ることなく王女様お一人をご寵愛になられます。本当にあのナイルの姫は・・・。どのような手練手管を用いるのやら?
いずれにせよサキア王女様にはお出来にならぬ浅ましい恥ずかしい媚態でしょうよ、ふん!」
「・・・ま、こちらも何か考えましょうぞ」
大臣はそれだけ言うと背を向け、嫌悪と嘲笑の表情を隠そうともせず出ていった。
21
サキア王女が庭に一人で出るのは珍しいことだった。乾いた爽やかな風が重い香の残り香を吹き飛ばしていく。
(ああ・・・ミノアに帰りたい。静かで面倒なことは何もなくて良かったのに。ここでは色々な事に心煩わされる。結婚などしたくなかった!
あの男は私を嫌いだ。私だってあんな無礼で不愉快な男は大嫌い!ミノアの巫女姫たる私を軽蔑しているではないの?)
サキアは手許の草を引きちぎった。全くのバカでもないわけで王子が自分を嫌っていることは分かる。・・・彼女が王子を嫌う以上に、王子の方ではサキアをもはや軽蔑にも値しない相手と思っているのだけれど。
(私はミノアの最高の巫女姫!どうして俗世の男などと一緒におれよう?汚らわしい!どうしてあんな男に私が侮辱されねばならないの?)
俗世のことに無関心ながらも時には普通に怒りの発作に見舞われることもある。ミノアでは限られた人々に生きた神のように傅かれてきたサキア王女。なのにここでは誰もふさわしい敬意を示さない。
あの乳母ですら、輿入れ以来、汚らわしい男と仲良くせよなどと言う!
(ナイルの姫とかいう女のことだって・・・。あんな俗世の女と競うようなことができて?私は巫女姫。あの女は肉欲の俗世で生きるしかない獣のような者なのに!
ああ・・・あんな女とつき合わなくてはいけないヒッタイトは嫌。あの女も王子も大嫌い。ヒッタイト人は皆、嫌い)
22
一方、同じ頃。王宮の奥庭ではイズミル王子とキャロルがくつろいだ一時を過ごしていた。花盛りの杏の木の下。王子は膝の中にキャロルを抱きかかえ、小さな花を摘み取ってやりながら、その耳朶に優しい言葉を囁きかけている。
二人の膝元にはなめし革の書類や粘土板が散らばっている。先ほどまで二人は様々なことを決済していたのだから。
暖かな風がキャロルの金髪を弄ぶ。王子は目を細めて恋人を眺め、荒々しい武器を振るうのに慣れた手とは思えぬ優しい指先で、そっと金髪を整えてやった。
「そなたが目を通さねばならぬ書類が倍増しているな・・・。疲れているのではないか?昼間は公務、夜は私を待って夜なべに精出す。眠っていてくれて良いのだぞ」
キャロルは首を振った。
「あなたにおやすみなさいやお帰りなさいを言わなきゃ眠れないもの」
「挨拶をして眠るだけなら・・・疲れぬぞ。この子猫は私に縋って離れぬから私も可愛がってやらねばならぬ」
「嫌だ・・・」
キャロルは頬を染めた。確かに。もう一人の妃が来てからのキャロルは小さな子が親に甘えるように王子にくっついてくることが多くなった。とはいえキャロルは王子の子供ではないので、王子の扱いも大人の恋人に対するそれになるわけで。
「しかし・・・。サキア王女関係の書類もそなたが処理するのはどうかな。王女も身の回りの支出くらい自分で管理すればいいのに」
王子は存外かかる王女の支出に顔をしかめた。
うう、作家様、更新ありがとうございまする(涙)
夕食の支度とか子供の世話とかしなくてはいけない一時のオアシスです〜。
275のラブラブモードに萌え
久しぶりに来てみたら新作ラッシュで嬉しいです。
王子とキャロルのラブラブって需要多かったんですねー。
サキア様が三宮なら
明石の御方はミラでどうよ?
おおっ、あっちでもこっちでも素敵な展開に!今日はなんといい日なんだ〜!!
かわいいぞっ、キャロル!
んじゃミリオネーは六条御息所ってとこか?(w
ミラの明石の御方はちがうんじゃん?源氏に愛されてるし。
強いて選ぶなら・・・空蝉とかぽっきりキャラかも・・・。
23
サキア王女は足を止めて杏の木の下の恋人達を見た。それは懐かしいミノアのフレスコ画に書かれた優美典雅な絵のようで、さすがの王女もそれがいけ好かない王子とその妃ということをしばらく忘れるほどだった。
日に透ける金色の髪、ぬけるような白い肌のほっそりした女性。
はしばみ色の髪とオリーブ色の肌をした逞しい男性はその少女をさも愛おしげに抱き寄せている。神話の中の一場面のような、と王女は思ったほどだ。
その時、風が吹いてキャロル達の足元にあった書類を吹き飛ばした。王女の足元に落ちたそれは何やら金銭関係の事柄が書いてあるようだった。
「あ・・・書類・・・」
キャロルは王子の膝の中から立ち上がり、王女の方に駆け寄ってきた。王女に驚き、キャロルはしばらく目の前の黒髪の女性を見つめた。
先に口を開いたのはサキア王女の方だった。
「そのように見つめるでない、無礼な。早うそこな書類を拾いや」
「あ・・・失礼いたしましたわ。書類が風で飛ばされて・・・」
キャロルは跪くと書類を拾い上げた。それはサキア王女の殿舎で買い求めた化粧品や装身具、果物などへの請求書だった。もっともそれは初めての宮殿暮らしに浮かれる乳母や若い侍女達の娯楽費なのだけれど。サキア王女は浮ついた事柄は軽蔑するように育てられていたから。
「俗世の汚らわしいモノをそなたは平気で手にするのじゃな。私には理解できぬ。身分高き女人は俗世にかかわらぬものなのに」
24
腹立ち紛れのサキアは珍しく意地の悪い言葉を吐いた。普段なら俗世の女など冷然とした巫女姫の高貴な仮面をつけ無視したであろうに。
キャロルも珍しく腹を立てて言い返した。
「奥向きの暮らしが快適になりますよう仕事をいたしますのは大切なことですわ。汚らわしいなんてとんでもない。
・・・世の中には穢れなく清められた場所で仕事をする方もありましょう。その方々の生活を支えるために様々に仕事をする者もありましょう。いずれにせよ支え合って生活していることに変わりありませんもの」
「私はそのようなことをするようには育てられておらぬもの。私は巫女姫。俗世は私の清浄を汚す。不快を不快と申して何が悪かろう?」
巫女姫の真剣な様子にキャロルは呆れてしまった。この人は私が好きじゃないから意地の悪いことを言う。でもその言葉は悪意に裏打ちされたものというよりはむしろ、ずっと信じてきた信念とか信仰に依っているらしい。
(変わった方!)
キャロルは近づいてくる王子の足音を気遣って手短に言った。
「ここはあなたの宮殿でもありますわ。あなたが快適に過ごされますように多くの者が心砕いてお仕えしております。どうかその者達を思いやってくださいませ」
キャロルは会釈して背を向けた。目のあった王子に、なんでもないわと目配せして。
25
しかし王子は無遠慮にサキア王女に近づいた。今のやりとりは切れ切れにではある
けれど聞こえていた。
「サキア王女。この時間に散歩とは珍しいな。機嫌良くお過ごしか?」
王子はここ2〜3日、王女の許に行っていないのであった。
「今、我らは政務の時間であった。王女、そなたもそろそろ我が宮廷の事などお知
りになるが良かろう。ご自分の殿舎での支出の管理をいつまでも我が妃に任せてお
くのもどうかと思う。姫は信頼できる女人だが、しかしあなたも個人的な支出の面
倒をいつまでも人任せにしていてはいらぬ遠慮もあろう。
後ほど財務官を遣わす故、勉強を始められてはいかがか?」
王子はサキア王女に恥をかかせぬよう、そしてキャロルに対する物言いを強く窘め
るために、余計なことは言わない簡潔な調子で言った。
声音はあくまで穏やかである。キャロルが思わずぞっとして王子の服をひっぱたほ
どに。
この王子は怒れば怒るほどに冷静に穏やかになるのだ。
だがサキアは平然と王子を見返した。サキアは王子の妃になったとはいえ、夫君の
性格を知ろうともしなかったし、また知る必要もない相手よと侮っていたのだから。
「私は俗世のことなど知ろうとは思いませぬ。私はそのようなことする身分に生ま
れついておりませぬから。
・・・そちらの姫は、俗世の雑事が苦にならぬよう。私に代わりよろしく計らって
ください」
サキアは悪意も片意地も皮肉すら感じさせぬ淡々とした様子で言いたいことを言う
ときびすを返して自分の殿舎に戻っていった。
>サキアは悪意も片意地も皮肉すら感じさせぬ淡々とした様子で言いたいことを言う
ときびすを返して自分の殿舎に戻っていった
サキアって・・・強い。王子にこういう出方したのは彼女がはじめてでは?
キャロルが王子に怒って見せたりするのって所詮は子供の泣き喚きっぽいからなぁ
>281
あのサキアでさえ思わず見愡れてしまうような絵のような王子とキャロル・・・。
実は不粋な書類に汗をかいているシーンとはいっても美しいですね〜。
>285
うんうん、それに働きものでえらいぞ、キャロル。
「未来が読める」というのもたしかに希少な能力かもしれないけど
こんなふうに地味な仕事がしっかりできるのも立派だよね。
一応キャロルちんは神の娘でしょ?
神の巫女でしかないサキア王女は、それを知っているのかしらん?
神の娘の方が格が上だと思うんだけど・・。
>287
乳母が都合の悪い噂はサキア姫の耳に入れないようにしてるか、
ミノアの神が世界で一番偉いと思ってるか、「巫女は清浄なのじゃ」と
いう大義名分で、雑用から逃げようとしてるかのどれかでしょう(笑
>288
スマソ。素朴な疑問なんだけど、還俗して誰かの妻になってもまだ
「わらわは巫女姫じゃ〜っ」ていうのありなんですか?働け、サキア!(藁
>289
純潔を失った時点で、アウトでしょう?
私もソボクな疑問でした。
サキアのキャラはすっごく面白い。
けど、キャロルの実力をはやく見せつけてやって下さい〜。
でも目の当たりにしても、改心?するなかなあ、サキア。
26
庭での短いやりとりは王子の心に決定的な印象を残した。
あの方は不思議な方、だから仕方ないとさらりと受け流せたキャロルの方が今回は大
人であった。
王子は自分とキャロルが侮辱されたと怒りを内在化させ、自分では全く意識してい
なかったが彼女を敵視するようにもなっていた。彼はああいう形で自分の言葉を無
視されたことはなかったのだ。
王子は怒りにまかせて、サキアの教育がなっていないと人払いして乳母を叱った。
サキアにも王族の心得を説く長い手紙を持たせた。
いくら義理で結婚した相手とはいえ、王子の妃の地位にある人である。あまり人前
に出ないサキア王女とはいえ、いつ王子に恥をかかせるか分かったものではない。
いや実際、この奇矯な王女の言動は漏れ伝わって面白おかしく取りざたされている
のだった。王子は他人から恥をかかされるのに我慢できない。これもまた王族の偏っ
た育ち方故の奇矯さの一種ではないかと思われるのだが。
だが。
王子のやり方は裏目に出てもっとまずい状況を産み出す苗床にしかならなかった。
サキアはますますこの口うるさい夫を疎んじ、何も感じなかった相手に積極的な嫌
悪を感じるようになった。怒りなどという感情は巫女姫にふさわしくないと敢えて
心を高く持してきたこの女性がである。
27
乳母の怒りはさらに凄まじかった。彼女にしてみれば王子の言いぐさは全く的外れで無礼な言いがかり以外の何物でもなかった。
彼女の育て子を馬鹿にして、自分まで傷つけたのだ。信じがたい悪意の固まり!全てはあの金髪の小娘がそそのかしたことに違いないと乳母は平伏して王子の言葉を聞きながら考えた。
(全く!王女のような高い身分のお方がどうして金銭の勘定など賤しいことに手を染められましょう!あの方は美しく気高く、王子のご寵愛を受ける事がお仕事ではありませぬか。
私たちだってそうですよ!王女のお側で華やかに時めいた生活ができると思ったのに当て外れ!皆があのナイルの姫とやらにばかり集まって!
私たちだってサキア様だってちっとも悪くない!悪いのは王子をたぶらかすエジプトの淫婦だ!王子も王子ではないか、英明なるとか賢いとかいう評判もあてにならぬ。あんな賤しい小娘の言いなりなのだから)
乳母は形ばかり王子に謝罪した。王子が去ったのを見送りながらこの乳母は考えた。
(とにかくサキア様のご身辺を華やかにせねば。人が集まるように派手やかに美しく。サキア様だって俗世の生活に慣れていただく・・・と。宴にもお出いただいてミノアの宝石のごときお姿を皆に見せびらかして。
そうすれば自ずとナイルの姫の評判も下がりましょう。あの女の正体をあぶり出してやる。王子様も全くの馬鹿でないのならじき目が覚めるでしょう)
乳母はこれまでの路線変更を彼女の女主に告げに言った。乳母は華やかな生活をこそ望んでいるのだ。サキアには頑張ってもらわねばならない。
>『二人の妃』
うーん、だんだんと煮詰まってきましたねー。いくらキャロルが「あの方は不思議な方」と
受け流そうともやはりひと波瀾なしにはすまないでしょう。
>293
キャロルは20世紀の自由の国で生まれて10歳位まで育った訳でしょう
沢山の移民のいる米国で育ったのだからあらゆる人種への配慮や理解は
ある程度できる教育を受けているはずなのだが・・・
もっとサキア様を理解してやって欲しい・・・
>294さん
294さんはヤサシイ人なんだねー。だけど安心したまえ(笑)
キャロルはなにも人種的な偏見からサキアを「変わった人」だといっている
わけではないぞ。それにキャロルは「俗世の雑事」にも能力を発揮する
生身の人間なんだから、夫のもうひとりの妻が宇宙人みたいだったら
(これも偏見か?)「変な奴」と思ってやりすごすのは賢明なやり方だと思うぞ。
少しは気が楽になったかい?(笑)
>295
おいこら、いくらなんでも宇宙人に失礼だろ(笑
人種差別ハンターイ!(何だって人種の話なんかしてんの?)
>294
わたしもサキア様がお輿入れなさる前は「キャロルが新しい妃と仲良くなったりしたらおもしろいかも」などと
想像したりしておりましたので、294様のご意見大変興味深く拝見致しました。293様が人権意識の
高い方でいらっしゃるようなのであえて僭越ながら申し上げるのですが、たとえば
十分な教育を受けていなくとも人権意識の高い人もいるでしょうし、立派な教育を受けていても
人種への配慮や理解が足りない人もいるでしょう。「この国で教育を受けた人ならばこうであるはずだ」
あるいは「この国で教育を受けた人ならばこうであるはずはない」というように決めつけて考えるのは、
かえって差別につながるのではないかと危惧致しております。294様を批判しようとのことではございませんので
どうかお気を悪くなさらないで下さいませ。
297が書き込みました「293様」というのは「294様」のつもりでした。
ご迷惑をおかけしてしまいました。
28
乳母はさっそく自分の計画を実行に移した。強情なサキア王女も育ての親のこの乳母に逆らうことは難しかったので、憮然としながらきらびやかな生活に馴染まざるをえなかった。
商人が呼ばれ、王女の殿舎はいやが上にもきらびやかになった。軽快優美で享楽的なミノア風の飾り付けにヒッタイト風の重厚な装飾が重なる。
サキア王女はミノア風の派手やかな化粧をされ、豪華な衣装を纏うようになった。侍女達も華やかに着飾り、その嬌声は殿舎の外にまで響き、宮殿の人々を誘った。やって来た人々には茶菓が振る舞われ、他愛のないお喋りに飢えていた若い侍女達は世間話に興じるのだった。
乳母は金に糸目を付けなかった。侍女達の着るものも派手になり、物見高い宮廷人は急に変わった変人の王女の居所を見物にやって来た。
勿論、肝心のサキア王女はとても人前に出せるものではない。乳母は注意深く華やかな生活から浮いている女主を隔離し、自分が王女に代わって人々とつき合った。
「サキア王女も最近は人交わりを始めたらしいな。何にせよ結構なことだ。なかなか華やかじゃ。ミノアの威勢が忍ばれるのう」
ヒッタイト王は王妃に言った。
「ですが陛下。あまりに派手やかで・・・。ヒッタイトの風儀に馴染まぬ気もいたします。我が国に慣れ来るは良いことですが。それに相変わらず謁見などには顔を見せませぬし」
堅実派の王妃は良い顔をしなかった。
>293〜297の書き込みを下さった方へ
何気なく書いたサキアの性格の件で、思いがけない展開になってしまったことに驚いております。
私の軽はずみな書き方のために不快に思われた方にお詫びいたします。
サキア王女はあくまで浮き世離れした強烈な変わり者、という私の創作キャラです。
キャロルもあまりに価値観の違う相手には腹の立てようがない、というつもりで>291の描写になりました。
差別や偏見を助長する、あるいは暗示するという意図は全くありませんでした。
ですが、皆様の書き込みを拝見しまして、もっと注意して書き込まなくてはいけないと反省しました。
これからはもっと注意してまいります。
至らぬ所ばかりの番外小説です。もし不愉快な箇所、不適切と思われる箇所がございましたらご指摘ください。
どうかこれからもよろしくお願いいたします。
イヤ、別にね、人種・差別がうんぬんって話じゃなくって
私も親の都合で北米に長く暮らしてましたのでキャロルも
あらゆる価値観や人種・宗教の相違を理解できるけども
分かり合う必要も特に無く、上手くやって行く術を米国人なら
持っててもオカシク無いと考えただけで、たんなる私の独り言だと
思ってくださいな。
なんだか難しい話になちゃった
>297様
あなたのおっしゃりようも解るつもりですよ(はぁと)
まったくカンケイないけど、たとえばブッシュさんがあらゆる価値観や人種・宗教の違いを理解できるとはとても思えない。ブッシュさんは米国で育った人じゃないの?
29
サキア王女の宗旨変えに戸惑ったのは王子も同じだった。夜遅く殿舎を訪れれば灯りは煌々と灯され真昼のよう。香の煙は空をも霞ませ、音楽や若い女のお喋りの賑やかさは歓楽街もかくやという有様。
乳母は如才ない笑みを浮かべ王子を出迎え、恥ずかしがりで口べたな王女に代わり「女らしい優しい言葉」を蕩々と代弁する。
王子の前に出される豪華な夜食、珍しい文物。
それが済めばサキア王女の待つ寝所に案内される。王女は目を隈取り、頬を赤く塗り、濃い紅を付けている。ミノア風の華やかな化粧だ。そして派手やかな衣装。
「これはこれは・・・。王女、一体どうなされた?あまりの変わり様ではないか」
王子は皮肉に微笑みながら問うた。
「別に・・・。外見が少しばかり変わったからと言ってどうということもありますまい。賑やかで華やかなことは苦手なのに。
乳母がこのようにせねば私がナイルの姫に負けると煩いのです。私とかの者を比べるなんてあの老人もどうかしている」
サキアは馬鹿正直に話し、王子を大いに困惑させた。
「で?あなたは?こういうのが好きなのですか?乳母はこういう豪華さが、あなたに相応しいと言っています。ナイルの姫にはこれだけの殿舎を整える力はないだろうって」
乳母の差し金か、と王子は内心舌打ちしながらもこの王女の話には真剣に耳を傾けた。乳母のキャロルへの尋常ならざる悪意を感じ取ったのだ・・・。
30
ヒッタイト王宮の謁見の間では姦しいざわめきが満ちていた。遠い潮騒のように低く途切れることなく。
イズミル王子の第二妃サキアが初めて謁見の場に現れたのだ。玉座に座ることを許された国王夫妻、イズミル王子の傍らに侍立するキャロル、そしてサキア。サキアには乳母がぴったりとくっついている。
人々はサキア王女をちらちら見ながら自分の用事を―陳情や返礼等々―をこなして行く。
サキア王女は無感動に人の列を眺めた。自分がかつて巫女であったとき、やはり参拝してくる人々を静かに見おろしていたことなどを思い出しながら。
彼女は乳母に強要されてきらびやかに着飾っていた。華やかに豪華な装いが、実際以上に人を偉そうに見せるということを乳母はよく知っていたので。原色の胴着、釣り鐘型のスカート、金銀の装飾、高価な香。でもその豪華な衣装の主の表情は硬い。
謁見の人々の列が進み、やがて高価な金の首飾りを捧げた老人が進み出た。
彼はキャロルが設立した傷病兵のための施設を代表してやって来た老人だった。傷を負った元兵士達はここで新たに生活のための技能を身につけ、社会に戻って行くのである。
「これは私どもからの感謝の印でございます。お妃さま、どうか・・・」
老人がキャロルに呼びかけたその時、サキア王女の乳母の声が響いた。
「まぁ、何と見事な献上品!ご覧遊ばせ、サキア様!あなた様に相応しい」
>302
まあまあ。301さんの成長ぶりには目を見張るものがあるじゃないですか。
サキアも301さんのように変わることができれば、ヒッタイトの人たちから
受け入れてもらえるだろうにね。
でもまあたしかに米国人は結構(自分の国以外の)歴史を知らなかったりするし、
キャロルが歴史に詳しいのは「米国で教育を受けたから」ではなく
キャロル自身の資質によるものと見るのが妥当だろう。そうすると
「米国で教育を受けたからにはこうでなければ」という言い方はやはり
少し一刀両断すぎるだろうね。
何かサキアより乳母の方がイキイキ書けていて面白いと思う。
キャロルを追い落とすにしても乳母が主導権握りそうね。
>305
>まあまあ。301さんの成長ぶりには目を見張るものがあるじゃないですか。
意味不明
いやー!
せっかく素敵な小説が読めるようになったのに勘弁してー!
>>305様も少し人を見下すように見て取れる発言は気をつけないと誤解を生じますよ
>>302様親父ブッシュはエリザベス女王の鳩子にあたるお家柄、スノービッシュで誇り高いので
知らず知らずに差別してるんです。息子はただのバカと言うことでいいですね?
マターリ逝こうよ
作者様気にせず書き込んでくださいませ
少年キャロルもっと読みたい
毎夜毎夜楽しみにしています。
作家様方達になにも申すことはありません。(満足という意味で)
ただひたすらに自分の書きたいように書いてくれることを希望します〜〜〜
外野の意見は気にしないでョゥ〜〜
私的には「王家」を越えて「好きなお話のちょっとすごくおもしろい場所」です。
荒れないでね。・・・・・
この際少年キャロルのように本編のキャラの個性を無視していくのも面白そう。
女々しいメンフィスとか、荒々しく優しくない初期の頃のメンフィスのような
正確のイズミル王子様とかね。
私も何か書きたいと思ったよここを覗いてみて
>308
305さんのは「みんな受け入れる準備はできているよ」というメッセージなんじゃないか。
そのメッセージは一応届いてるみたいだしね。305さんももっと素直に書こう。
マターリマターリ
すみません、sage忘れました!
>301(294)様
できたらコメントよりも創作活動の方に専念してもらえませんか?
お待ちしてますのでよろしく〜。
>305
成長したといっても作品に全然関係ないことで主人公を批判するクセは変わっていないです。
変わったんだから受け入れろといわれてもなんの謝罪もないのに受け入れることはできないです。
308様や310様には申し訳ないけど301様がいらっしゃる限りマターリできないと思います。
31
老人は唖然として口も利けない。国王夫妻も王子もこの出しゃばりの忠義者に驚いている。乳母はあたかも王子の「お妃」はサキアしかいないような口振りでもう一度、献上品を絶賛した。
(おお、あの品はナイルの姫君への献上品なのに!)
(だがあのように乳母が言ってしまったのでは今更、姫君に差し上げるわけにもいくまい。あのような見事な一品物!)
(ナイルの姫君の立場がない。見よ、王子の恐ろしいお顔)
野次馬達の囁き。そのさなか、キャロルの声が涼やかに響いた。
「本当に見事な品ですね。サキア王女も我がヒッタイトの素晴らしい技に感激なさったでしょう?新しく我が国に嫁いでこられた王女にこれ以上、相応しい品はないでしょう。
王子、この献上品をサキア王女に差し上げてもよいと言ってくださいな」
キャロルは自分への献上品を、王女に譲るという形にして王子のメンツも、王女の立場も守ったのだった。彼女は老人にも語りかける。
「本当に見事な品です。これを作ってくれた皆の心が偲ばれます。本当にありがとう。もしできるなら私もいつかこのような品を持ちたいものです」
老人はキャロルの言葉に恐れ入って涙を流した。少なくとも気持ちは受け取って貰えたのだ。
こうして献上品はサキア王女のものになった。サキア王女は無表情に贈り物を受け取った。感情を表に出さないこと、目下の者への直答を避けることは育ち故の習慣で決して彼女が悪いわけではない。だが不幸なことだ、誰もそうは思わないだろうから。
32
謁見の後は政務の時間だった。王妃と、二人の王子妃はそれぞれ広間を下がって行く。王子が目配せすると、王子の腹心ルカがさっとキャロルの傍らに立ち、王子の宝を護る。
会釈して自分を追い越し、王子の宮殿に入っていくキャロルを見たサキア王女の目に光が宿った。超然と俗世を見おろし、神々との対話に生きる巫女姫には決して宿らぬであろう光が。
(あれは・・・ナイルの姫を護っているあの者は・・・!)
自分が輿入れした折りに護衛してくれた若者だということはすぐ知れた。冷たい近寄りがたい厳しさを漂わせた若者。サキアに強い印象を与えた若者。
様々な感情が一気にサキアを押しつぶし、息苦しくさせた。
(あの若者!おお、私を護ってくれた若者。一体、誰?何故、私でなくかの者を護る?)
「サキア様?いかがなされました?」
乳母が顔をのぞき込んできた。サキアは夢の中にでもいるようなふわふわした心持ちで乳母に問うた。
「あの者は誰か?確か輿入れの折りに見たと思ったが・・・」
「は?あ、あのナイルの姫についていたあの兵士でございますか?」
乳母は面食らって言った。サキアが他者に興味を持つとは?しかも異性に!
「サキア様、一体どうあそばしましたの?ただの兵士ではありませぬか」
「・・・別に。いえ!婚儀の折りに世話になりました。礼の言葉をかけてやれば喜ぶでしょう」
「あ!まぁ!まぁまぁ、サキア様!下々へのお心遣い!何と素晴らしい!」
乳母は驚喜した。彼女の育て子が初めて王族らしい心遣いを示した!
「すぐ身元を調べ、召しだしましょう。王女のお心をどれほどありがたがりましょう?そうだわ、いっそ輿入れの行列に加わった者全てに褒美を与えましょう!ちょっと遅いかも知れないけれど・・・」
連日作品の頭越しにすいませんね。
>316
俺は「301さん、成長したなあ」と思ったからそう書いたまでのことで
誰にも受け入れろとも受け入れるなとも言うつもりはないよ。
それから謝罪を求めてもあまり意味はないだろう。
文字では何とでも書けるし、第一、一番被害を受けた人が
必要としていないんだからね。316さんが本当は許したいと
思っているなら、その人に免じて許せばすむことだ。
俺はもちろん嵐だから、そんなことはしないがね。
まだ当分の間は301さんに遊んでもらうつもりだ。
作家様、アップありがとうございました(はぁと)。
サキア、ヤパーリ、ルカが好きなのかっ?
純愛なのか、恋愛に免疫なくて暴走してるなのか・・・続きが楽しみです。
さぁ、夕食の準備がんばるぞっと
わ〜い、ルカちん登場ですね、作家様。
連載開始当初から、この日を待ちわびていましたよ〜。
320様、今夜のメニューは何ですか?(笑)
1
美しき峰を背に、牡鹿達は湖に脚を運んでいた。
首を曲げ澄んだ水を口に含ませると、一斉に音のした方へ振り返り固まる。
雄々しき角を振りかざして、敏捷に散り去ろうとした。その姿を見て、イズミルは一瞬弓を引く手を止めたのである。
遠くもう一度振り返る鹿の瞳からは、涙のような潤んだ光りが見えた。一番大きな牡鹿はそれでもなお、その瞳でもってしてイズミルを挑むように睨み、仲間達が全て姿を消すのを待っていた。
「王子、射止めませぬか?」
「よい・・・。捨てておけ。」
イズミルには珍しく狩りの手を止め、ルカは思わず聞いてしまったのだ。先に脚を進める主君を見ながら、ふとあの牡鹿の瞳に覚えがあることを知った。
同じ目で主君を見据えた彼の君。
思い出されたのか・・・・。そう思いあたり、ルカは主君に自分自身に憐憫の情が湧き出ていた。
季節は秋を迎え、はらりと落ちる枯れ葉を見るのも淋しい。
あの方が去って、2年が経った。
いつお戻りになられるのであろう・・・。やはりメンフィス王のところへ戻られたのか?その行方は一向に知れない。
すでに2年が過ぎ、王子は待たれている。
潤んだ瞳を持つ牡鹿は既にない。ルカは一瞬目を伏せ、そして王子の跡を追って走り出した。
イズミル2年後、書いてみました。(拙い文章で大変申し訳ございません)
つきましては、リレー小説のごとく続きを書いて下さればなぁと、希望いたします。
どうぞ、宜しくお願いいたします。
ここは何でもありで、マターリできたらいいですね。
私はここに来られてる方々、皆さんいい人達ばかりだな〜と思います。
作品を読んで、書いて、楽しむのが一番!とつい、独り言・・・・・。
って、余計なお世話ですね。スマソ
アイシス2年後なんてどう?
って何の2年後なんだか・・・
バビロニアへ嫁して2年後子供も生まれず夫に愛人・第二夫人が出来て彼女たちを闇へと葬って行くストーリー
別室までもキャロルまんせーでないといけないのか?
アイシス好きの私としてはここでは書けないのでサラバ!
別にキャロルマンセーじゃなくても王家ネタならOKなんじゃないの?
去る者は追わず。
>326
別に去って行かれる必要はないと思いますけど、326様も作家様なら
もう少し物事の本質をご覧になってはいかがでしょう。
問題は「キャロルまんせー」かどうかではないように拝見致しましたが。
「イズミル2年後」作家様
連載開始ありがとうございます。とても美しい印象的な始まり方ですね。
2年前、キャロルと王子はどんな関係だったのでしょうか。
王子は再びキャロルを手に入れることができるのでしょうか。(早く、早く続きを〜っ!)
『二人の妃』新たな展開でルカ登場。『イズミル2年後』新連載でルカ登場。
今日はルカファンのためにあるような日だね。作家様、ありがとう!
>323
んもー、323様ってばほんっとにお人好しなんだからなー。
ここは2ちゃんねるなんだよ。でもそんなアナタが好きさ。
>326
たしかに原作のキャロルの行動には首をかしげることも多いが、ファンの人が
いるかもしれない場所でわざわざ批判ととれるようなことを書き込むこともなかろう。
自分の書き込みで嫌な思いをする人がいやしないか、書き込む前に考えるくらいの
思いやりも持てないというのなら好きにしたまえ。
33
乳母の頑張りぶりは大したものだった。翌日の夕方までにはサキアの輿入れの供をした若者―イズミル王子の腹心ルカ―のことは分かった。
曰く、ヒッタイトに征服された某国の王侯貴族出身であること。幼い頃、王子の側仕えに召し出され、いつしか王子にもっとも信頼される存在となったこと。曰く、頭も切れ、王子が王位を継いだ暁には高い地位が約束されているであろうこと。
曰く、王子の信頼の厚さ故に影の任務、汚れ役を行っているという噂が絶えないこと・・・等々。
「王子様のご信頼厚い者のようでございますから、サキア様もせいぜい目をおかけになればよろしいですわ。あのルカとやら、今はナイルの姫の侍従のようなこともしているようでございますけれど・・・サキア様がお召しときけばどれほど栄誉に思いましょう?
だってサキア様は由緒正しきミノア王室の王女様でございますもの」
乳母は浮き浮きと言った。王子の寵臣の心を引くことができれば、サキアの立場も強くなるであろうと踏んだのである。
「では乳母や。そなたから下賜品を渡しておいておくれ」
サキアは言った。少し、ホンの少しいつもより声がうわずっているようではないか・・・?
「え?目通りを許されるのかと・・・」
「し、臣下の男ではないか。すぐすぐ目通りを許すような軽はずみな真似をしては名折れゆえ。
・・・だが、そなたの話にも興味を覚えました。かの者の働きぶりを目立たぬように見てみたい」
ようやくヒッタイトで人脈を作る気になったらしい王女に乳母は驚喜した。そして王子と近衛兵が行う武術訓練を覗く機会を整えたのである。
34
王子と近衛部隊の絆は特別だ。近衛部隊の兵は王子ただ一人に忠誠を捧げ、王子は彼らを何よりも大切にし、信頼した。
折に触れ、王子は近衛部隊の武術訓練に参加した。重い剣をさばき、騎射の技を競い、素手での組み合いも行われる。訓練は恐ろしいほど真剣で、実戦さながらの緊張と殺気がみなぎっていた。
キャロルはできるだけその訓練を見学するようにしていた。王子に忠誠を誓う彼らに何とか感謝と尊敬の念を表したかったのと・・・未だ恋人のような夫の姿をよく見ておきたかったから。
キャロルとその侍女達は天幕で日除けした露台に、サキア王女が現れたことに驚いた。キャロルが如才なく席を勧めると、王女は鷹揚に会釈して座り込んだ。無感動な表情ながら、ルカを探すサキア王女。
(王女は、まさか王子をご覧になりに来たのかしら?)
(急にどうなさったのやら?乳母の差し金かしら?あのお顔、どう見ても夫君をご覧になりに来たご様子じゃないわ)
キャロルの侍女達はひそひそと言い交わした。キャロルも無論、平静ではいられない。王子を盗られはしないだろうか・・・とにわかに胸が苦しくなるほどの嫉妬に襲われたのである。
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>二人の妃 作家さま
サキアはやっぱりルカに純愛ですか?ああ、でも彼女は恋愛下手そう・・・。
>イズミル2年後 作家様
美しい描写にうっとりです。続きが気になります。リレー小説もいいけれど作家様の独自の世界も見たいです。
>>329 今まで友人達とこっそり読ませて楽しませて頂いてたんですが
十分キャロル様マンセーにみてとれるのは
私たちと326だけ?
あ、やっぱり?
すみませんでした。お許しください
ここはキャロル万歳のスレではなく、どちらかというとイズミル王子万歳でしょう。
一度レスされてましたが、王子幸福論を追求するところとずっと思ってました。
キャロルが頻繁に出てきてしまうのは、本編で王子が渇望しているからでは?
もちろんマンセーな王子にはふさわしい女性を、と考えると、
キャロルの性格はとてもすばらしいものになってしまいますねぇ。
生意気な意見ですみません。
王子とキャロルのラブラブで(途中)始まったこのスレですが、
他のカップルもここに書いても良いのかな?とも思います。
方向性が決まっていないと、番外編スレと同じ土俵になってしまい問題が出てきませんか?
番外編が分岐されて、どちらも廃れることだけは避けてたいのですが。
それともやっぱり、何でもありでOK?
>339
私も何でもありでOK派でキャロル嫌いの方の意見も伺いたいのだけれど
どうも、お許しくださらない方が大勢いらっしゃるご様子・・・
難しいのぅ・・・
>338様
時間や能力を無駄に浪費せず作家の道に精進なさいませ。
>340
物議のもとになった批判(?)て、たいしたことないですよね。
たぶん過去のことが尾を引いてるんでしょう。いっそのことマターリまんせーを一時的に
撤廃してみんな言いたいこと言ってスッキリして出直すというのはどうですか?
(それもまた大いに問題あるかもしれない。むずかしいですね。)
口が悪くてごめん。
多様な作品が読みたいなら、なんで番外編スレに行かないの?
あそこでリクエストでも何でもしたらいいんじゃない?
私はイズミルマンセー。
王子が幸せになるのなら、はっきり言ってキャロルはどうでもよいわよ。
今のところ王子の話が読めて、私は幸せです。作家様に感謝!
>339
ちょうど折よくといっては何ですが、『二人の妃』でも今はイズミル×キャロルより、みんな
サキアの恋の方に注目してるような気がします。基本的にどちらでも作家様の書きやすいスレで
始めていただいて、別のスレがふさわしいなどの意見が出れば、移動を検討していただくという
方法で問題ないんじゃないでしょうか。
>344
それ、とてもよい方法だと思います。
>「二人の妃」作家様
ルカちんを高貴な生まれにして下さってありがとうございます。でもでも〜
「これルカとやら、そなたは滅ぼされたとはいえ、高貴な家柄の生まれじゃ。
わらわは気に入ったぞ。(by サキア)」な〜んてことにならないか心配です。
35
やがて訓練を終え、露台にやって来たイズミル王子もサキア王女の姿を見て驚いた。
乳母はさかんにサキアがいかに王子を熱心に見守っていたか,を説明し、王子の訪れが少ないことを王女が残念に思っていると喋りまくった。
「どうか王子様、サキア様と一緒にサキア様の御殿にお渡り下さいませ。ずっとずっとサキア様はお待ちだったのです」
サキアは余所を見ていた。王子の背後に控えるルカの姿を。
「ねぇ?ナイルのお方からも王子様にお口添えを。いつもいつもべったり・・・では庶人のようでいささか品がありませぬ」
乳母の言い様はあまりに無礼であった。
王子が厳しく乳母を睨み据えた。
「言葉が過ぎよう!私の妃が常に側近くあり、私を助け、仕えるは当然のこと。身分にかかわらず夫婦とはそのようなものぞっ!」
ムーラ達は密かに快哉を叫んだ。そうだ、我らがナイルの姫君だけが、イズミル王子をして「私の妃」と言わしめる優れた女人なのだ。外国の、一人ではろくに物も言えないような人嫌い王女が何というのだろう?
キャロルはにっこりと笑って、乳母の剥き出しの悪意など気付かぬ風に答えた。
「王子、サキア王女のお側にどうか・・・。私はあなたがお留守の間にたまった書類に目を通しておきますわ。あなたがお戻りになるまでに仕上げておきますからお帰りになったら見て下さいね」
だが乳母を見やるその青い瞳は笑ってなどいない。穏やかな言葉にも独占欲と早い帰りを待つ心を覗かせて・・・。
「・・・仕方ない。ルカ、姫を守れ。姫、ルカと共に宮殿に戻っておれ。・・・良い子で待っているのだぞ」
これ見よがしにキャロルに接吻する王子。
サキア王女は初めて明確にキャロルへの敵意を自覚した。
・・・ルカに護られて廊下の奥へと進むキャロルに。
36:ダイジェスト版で・・・
サキアはルカに好意以上の感情を抱いている自分を自覚する。とはいえ、どうして自分の想いに素直になれよう?屈折した感情は、ルカが王子と心合わせて護るキャロルへと向けられる。
密かにキャロルへの呪術を行うサキア。乳母にもじきばれるが、乳母はかえってサキアを煽るようなことをいう。キャロルの身辺では妖しいことが起こり始める。毒虫の出現、使ううちに毒の成分が揮発する蝋燭、毒入りの水を飲んで悶死した小鳥、呪いの護符・・・。
王子はキャロルをハットウシャから離れた離宮にやることにする。そこは王子の直轄領で目も届きやすい。王子も視察を兼ねてキャロルに付き添う。
そして王子のもう一人の妃サキアも離宮へと。
旅の途中、サキアはルカと言葉を初めて交わす。
「旅路は長いのですね。手に持っているのは何です?」
「ああ・・・先ほどナツメヤシを見つけましたので。・・・召し上がりますか?」
王女は無言でナツメヤシを受け取り、ルカに手を差し出す。ルカは驚きながらもその手を押し頂き、彼女を天幕まで送ってやった。
初夏の日差しの中、サキアは幸せの絶頂を味わう。
離宮でもキャロルの健康はすぐれない。そしてじき、サキアが呪術を行っていることが王子の耳に入った。
あまりにも誇り高く、自分以外の存在は軽蔑し、無視することしかあるまいと思っていた変人の巫女姫の変わり様にさすがの王子も驚く。
(いや、そういえばサキアは・・・少し変わった。どこがと言うわけではないが・・・なにやら生気溢れ、俗っけが出てきたというか。
まさか姫暗殺への冥い情熱が彼女の頬に赤みを与え、目を輝かせていたというのか・・・!)
王子のサキアへの疑いはやがて確信へと変わる。サキアが毒物をミノアから買い求めていたことがばれたのだ。
しかし干からびたナツメヤシを身につけ、恋に浮かれるサキアは身辺の危機に無関心だ・・・。
「二人の妃」作家様、何だかお話が王子×キャロルの定番ラブラブの時より、サキアの片恋に焦点の今の方が面白いような気がします。
うーん、最初はワケの分からない王女様と思ったんですが(今もフシギちゃんだけど)何か目が離せないかんじで。
結局、彼女の恋は悲恋に終わるんでしょうか?ルカはサキアの恋に気付きもしない?
ああ〜、気になるです。
>342
私もあんなの批判でも何でも無いと思う。
あれしきの事でこれだけ反応するから
王家信者はキショイとか言われて私も辛い。
ここは私が見てもキャロルマンセーだよ
>アイシス小説作家様
読みたいです。ぜひ読ませて下さいませ。
アイシスまんせー小説のパイオニアとなって下さい。
「ここはキャロルまんせースレ!キャロルまんせー以外の小説は禁止!」
本室でも分室でも、そんな方向性にしたいとは誰しも思っていないのでは?
たまたまC嬢が本編の主役だから、今はキャロルまんせー小説が多いけど
これから両スレが長く続くにつれて、どんどん小説も多様化して、
いろんな作家様の、いろんな主役のマンセー小説が登場すると感じてます。
作家の皆様への感謝と期待はつきません。本当にありがとうございます。
>本室でも分室でも、そんな方向性にしたいとは誰しも思っていないのでは?
皆さんがそう思ってなさそうだし、アイシス様マンセーでもミラちゃんマンセーでも
書いてほしいなぁ
しかし、アイシスやミラを書くに当たってキャロル批判は避けては通れぬからな・・・
黙ってはおらんじゃろ。筋金入りのファンのお姉さま方は
>>352 間違いなく荒らされるは必至
しかし、↑でもカキコしてる通り筋金入りのファンのお姉さま方ときたら・・・
匿名性の高い2chでレスった人を勝手に推測して断定して批判する。
それほど王家を、いえキャロルを愛して守ってゆきたいのでしょうね。
353に対する批判待ってるよ〜
どんな話でも好きに書けばいいと思う
クレクレとしては色んな話が読みたい
>354
私も。
色々な立場の話が読めるのはやっぱり楽しいし、
もし自分に合わない話って感じるようなら読み飛ばすし。
全ての人がマンセーなものなんて有り得ないでしょ。
>355
初めの頃はキライな作品は読み飛ばして感想も書かずに放置しててそれで丸く収まってたものね
ただ、昨年夏に大嵐にあってからは筋金入りファンの方々も妙に敏感になってしまわれて
それはそれでファン心理としては仕方ないとは思いますけれど、最近は目にあまりますね。
私も王家の登場キャラの色々な小説を読みたいと思っておりますので、ぜひお書きください
あのー、誰もキャロルマンセー以外は書いちゃダメなんて
ひとことも言ってないんじゃ?
色々な小説OKで、色々なキャラが主人公でOKと皆が思ってるし。
こんな言い方して悪いけど、私には326のコメントは
勝手に被害妄想して自爆してるように見える。
わたしにはこのスレはキャロルマンセーじゃなくて
イズミルマンセーに見える。
前にも同じような意見があった気がするけど、
王子がキャロルにしか執着しないから、必然的に
キャロルが理想のヒロインとして出てくるだけじゃないの?
キャロルマンセーなんてファンはあんまりいないと思うけど。
個人的には、わたしはどんなお話でも良いよ。
>キャロルマンセーなんてファンはあんまりいないと思うけど。
禿同。よってアイシスマンセー小説によって嵐が起こるとは思えないな。
なんでもアリが創作小説の醍醐味。いろんな小説を読ませてくだされ。
>353
こんなこと書いていいのかどうかわからないけど…。
「推測」以前の問題じゃないかなあ。あれじゃ看板下げて歩いてるようなもんだよ。
嵐氏からの誤爆を避けたいなら、狙われるような看板ははずした方がいいと思うよ。
何でもアリでぜーんぜんOKだと思う。そのかわり嵐チャンを追い出す必要も無し
で気にしない気にしない。このスレの「模様」だということにしませんか?
>361
アザラシ模様の便箋みたいなもん?!カワイイ!!
>357
ネタにマジスレしてんじゃないよ
模様、模様…っと。
>363さん
くどいようですが「看板」ははずしてね。お願いします。
そうゆう模様なんだ。カワイイよ
362さんはオトナだなあ。脱帽!
>361さん、>362さん
イイこと言った!あー、なんかスッキリしたー。
>363
これこれ、恩をアダで返すんぢゃない。
自分の味方も見分けられんのか。
とりあえず晒しage
>370
わしでよかったら悩みを聞いてやるぞ。
>362
かわいい〜!アザラシ模様だなんてすてきな発想ですね。
「二人の妃」作家様、アザラシ模様を踏み越えて続きをお願い致します。
看板かどうかの判断も人それぞれ
何でもありマンセー!!
いえーぃ
どんどん創作活動して下さいませ
>334
ルカちんの「影の任務」「汚れ役」って何だろう?
37
王子たちが離宮にやって来て数日たったある日のこと。
首都ハットウシャからの要望で王子は単身王宮に戻ることになった。王子はルカやムーラにキャロルの身辺警護と、サキア王女らのさりげない監視を厳しく命じると離宮を去っていった。
何やら熱っぽく体調のすぐれないキャロルは露台から王子を見送った。
「さぁ、姫君。お部屋にお戻りください。外は風がきつい」
「いえ、ルカ。この風が気持ちいいの。胸がすっとするわ。お願い、しばらくこのままで」
ルカは仕方なく、強い風に金色の髪をなぶらせ、気持ちよさそうに目を瞑る主の側に跪いた。
その頃。キャロルの寝室を掃除していた侍女達は派手な悲鳴をあげていた。盛り花の中から気持ちの悪い芋虫が這い出てきたのだ。今まで見たこともない赤と緑色の虫。甘い匂いのねばなばした液を滴らせながらはい回るそれ。匂いは強くて胸が悪くなる。
ムーラは緊張した面もちでその厭わしい虫を生け捕り、慎重に透かし模様の手箱に入れた。確信はないながら彼女は陰謀の匂いをかぎ取ったのだ。
そしてその日の午後。ムーラの元にやって来たのはサキア王女に仕えるヒッタイト人の侍女だった。不審げに用向きを尋ねるムーラに若い侍女は告げた。
「お、恐れながら申し上げます。サキア王女は・・・サキア王女は・・・」
「!サキア様がどうしたのです、はっきり落ち着いて申しなさい!」
「は・・・はい・・・」
侍女はムーラに叱咤激励されながら言った。彼女の仕えるサキア王女がキャロルを呪詛している、と。キャロルの名を刻み、どこからか入手した金髪を巻き付けた粘土の人形に針を刺し、火にくべたのだと・・・。
「う、嘘ではございませぬっ!私以外の者も見ております。今日の明け方に・・・。あれはご禁制の呪術でございます。う、乳母が部屋に入ってきて・・・サキア様にこのことは誰にも知られてはならぬと言っておいでだったのも聞きました」
「まことですか?」
「はい。もう恐ろしくて・・・ヒッタイト人の侍女仲間で相談して私が・・・。はい、もう神にも誓えます。まことでございます」
恐ろしさに泣く侍女を慰めて、ムーラは王子宛の書状をしたため、伝書鳩に託した。
作家様、アナタが何気に書き込まれるプチ設定(?)が好きです。
ぢつは高貴なルカぽん、そして伝書鳩!
王子関連ネタには欠かせない小動物だと思います。
鳩に大受け夕食づくり主婦でした。
>375
毒きのこみたいな芋虫が強烈〜。
ねばねばの液にさわると手が赤と緑になりそうでコワイ。
38
「サキア王女が・・・呪詛を」
ハットウシャの王宮でムーラからの伝言を受け取った王子の眉間には深い皺が刻まれていた。
王子の手許にはミノアから密かに取り寄せられた薬草の一覧があった。注文主はサキア王女、薬草の中には毒性の強いものも混ざっていた。
薬種商人は、サキア王女に頼まれて毒草を扱ったことをわりに簡単に白状した。
高貴な身分の女性が何故、毒を取り寄せたのか?王女がその手のものを扱いだしたのと、キャロルの体調不良の始まった時期が一致するのは衆目に明らかであった。疑惑は一気に高まった。
そして今。王女が禁制の呪詛を行っていたという報告。
イズミル王子は国王と二人きりで面談した。自分の第二妃が第一妃を亡き者にしようとしたのだ。これは国を揺るがす一大事、ことは早急な解決と高度な政治的判断を要する。何と言ってもサキア王女は大国ミノアから嫁いできた高貴な女人なのだ。
「うーむ。王子、事が公になれば我が王家が揺らぐ。あの王女が大それた真似をしたものじゃ。そなた、何とする?表沙汰にはできぬぞ」
「父上、私の監督不行届で妃が罪を犯しましたこと深くお詫びいたしまする。
かの者の罪は許し難く。いかなる形で我が王家を傷つけるか分からぬ危険な存在でございます。
ミノア王家とて・・・王家に仇なす反逆者を身内として護る愚は犯しますまいと存ずる」
「王子・・・では」
イズミル王子は冷然と答えた。
「私が全て・・・秘密裏に処理いたしまする。我が王家の安泰のために。ミノア王家の名誉のために。」
翌日、王子は離宮へと取って返した。
39
離宮へ続く街道で王子とルカは落ち合った。
「ルカ、調査いたしたか?」
「はい、王子。サキア王女はナイルの姫君に対し、呪詛を行われました。証人は侍女、それに呪術具や毒虫を王女に売りました占い女。
事はサキア王女の独断で行われたようでございます。忠義な乳母が手足となって道具などを購入していたようでございますが・・・」
「王女達はまだ我らが気付いたことは知らぬのだな?」
「はい・・・」
王子は黙って離宮の方を見ていた。政略で娶った気に染まぬ妃とはいえ、このような状況下でその行く末を決めてやらねばならないのは辛い。
(何があの浮き世離れした巫女姫の心を狂わせたのか・・・分からぬ。かの王女は私を疎んじていたはず。そして姫のことも・・・軽蔑こそすれ決して憎むはずはなしと思っていたが。
・・・それは私が彼女を見くびっていたということか?)
「王子・・・ご決断を。何とぞ私にお命じください」
ルカが呼びかけ、王子の思索を断ち切った。ルカの顔には、王子のもっとも忠実な死刑執行人の凄みのある影が宿っていた。
王子は感情の宿らぬ、冷然とした支配者の顔になって一言命じた。
「反逆者サキアに死を」
ルカは頭を下げ、馬頭を巡らせ先に離宮へと戻っていった。
王に愛されない妃は恋しい死刑執行人の
手にかかって死んでいくのね。
彼女に罪を犯させたのは、王子の部下への恋心と、
自身が病を得たため・・・とかだったりして(藁
ううっ、サキア死んじゃうんでしょうか。
面白いキャラだったのに。
40
「そなたはルカ・・・!何です?またナツメヤシを持ってきてくれたのか?」
突然に自室の扉を開け、現れたルカを見てサキア王女は嬉しい驚きの声をあげた。その様子は無邪気で、人によっては愛らしいというかもしれないような初々しさに満ちていた。
さすがのルカも毒気を抜かれるほどに・・・。
「サキア王女、本日はイズミル王子のご命令にてまかりこしました」
「まぁ・・・?あの方が?一体、何であろう?」
サキアはルカが差し出した粘土板―それは彼女に死を命じる命令書だった―に不思議そうに手を伸ばしながら言った。
確かにサキアはキャロルを呪詛したけれど、本人は至って軽い気持ちでやっているのでまるで悲壮感がない。勿論、罪におののくようなこともない。
もともと巫女として祈りや、もっと高度な祈祷に従事することが多い人だったのだから呪詛なども、違和感がなかったのかもしれない。
自分が興味を持ったルカが、キャロルばかりを構うので子供っぽい嫉妬や独占欲に突き動かされて、いきなり呪詛などという過激な行動に出てしまったサキアはやはり変人なのだろうか?少なくとも止むに止まれぬ女の情念ゆえに呪詛騒ぎを起こしたというわけではない。
妙に緊張感の感じられないサキアを気味悪そうに見つめる侍女達。ミノアから付き従ってきた侍女達も不可解な女主人を遠巻きに見守るしかなかった。
だが。
乳母は一瞬にしてこれから起こるであろう事柄を悟った。忠実な彼女は愛しい育て子を護るように、ルカの前に立ちふさがった。
>380さま
はい、はじめはルカとサキアの悲恋とか不倫(爆)とかあり?って思っていたのですが、サキアはそういう雰囲気じゃないので・・・。
書きながらやっぱり王家は超古典的な愛と嫉妬のどろどろが似合うと強く思ったです。
サキアはやっぱりフシギ天然ちゃんなんでしょうか?
新しいタイプのキャラだと思うのでこのまま死刑!はしのびないっす。
>384
読者一同でサキアの助命嘆願書でも出しましょうか。
キャロルの鶴のひとこえ「殺すなかれ〜」が出れば
ルカも考え直してくれるかも?
>322
「イズミル2年後」作家様、冒頭が美しすぎたせいか、作家の皆様方はリレー方式を遠慮なさって
おられるように思います。もしよろしければそのまま続きをお書きいただけないでしょうか。
41
「疲れた・・・」
白い壁に囲まれた質素な一室。ミノアの巫女が着る生成り生地の衣装をつけたサキアは誰言うともなく呟いた。壁には小さな神の像が飾られ、祭壇には典礼に則った捧げ物。北向きの小さな窓からは冬の薄日が差し込んでいる。
「毎日、夢の中にいるよう・・・。ここはどこだろう?私は起きているのだろうか?眠っているのだろうか?
そろそろ冬の大祭ではないかしら?準備はどうなっている?私は・・・」
まとまらない頭の中を整理しようとでもいうように立ち上がったサキアの衣装の襞の間から干からびたナツメヤシが落ちた。
「・・・ああ、大変。これは大事なもののはず。・・・でも何故、こんな干からびた物を持っているのだろうかしら?ええと・・・」
何も思い出せない。サキアはナツメヤシをまたしまい込んだ。
ルカが王子の命令書を携えてサキアの許に訪れたのは初夏の頃だった。自分の女主の命運を一瞬で見切った乳母は、我が身を投げ出してサキアを救った。
「私が呪詛をいたしました!サキア様を差し置いて王子のご寵愛を受けるナイルの姫が憎かったのです!サキア様は無関係です。何もご存知ありません!全ては私の独断です!」
通俗的だとばかり思われていた乳母は最後に天晴れな忠誠心を見せつけた。乳母はルカから毒の小瓶を奪うと一気に飲み干し絶命したのだ。サキアはぼんやりと乳母の行動を見つめていた。
(誰がナイルの姫に嫉妬したというの?あんなつまらない女に。ルカは・・・何故、私をこんな冷たい目で見るのだろう?侍女達は何故、あんな恐ろしげに泣き震えているのだろう・・・?見苦しいこと)
42
結局。
サキアは生き延びた。複雑高度な政治的判断。ヒッタイトで彼女を利用しようと動いていた商務大臣一派の政治工作―サキア王女が大逆罪で死刑などになれば彼らもとばっちりを受ける!―
彼女がつまらない俗な女としか思っていなかった金髪のナイルの姫の涙ながらの嘆願。漏れ聞けばかの小さな姫は、泣いて王子はもとより、国王夫妻にまでサキアの助命嘆願を行ったという。
(度し難い女、ナイルの姫。私が死ぬのを怖れるとでも思ったのであろうか?死ねば神々のお側で清らかに暮らせるのに。
・・・ああ、あの女はただ死が恐ろしいが故に、誰彼の見境無しに生きさせようとするのだわ。愚かな女。結局は自己満足だ・・・)
サキアは辛辣にこんなことを考えながら、生涯幽閉を命じるかつての夫イズミルの顔を見ていた。
でも。
幽閉のために整えられた部屋で不思議な薬を飲むと、明晰な意識や辛辣な思考は失われてしまった。全てが靄の中にある現在の境遇。
キャロルの助命嘆願はある意味、死より過酷な運命をサキア王女にもたらしたのかも知れない。
以来、サキアは一人である。人々は彼女がキャロルに嫉妬したと今も信じている。彼女の祖国ミノアは、政略の駒がとんでもない暴走をしでかしたので見捨ててしまった。
そして。彼女がはじめて好意をもった相手ルカも・・・彼女の本当の想いを知らないのだ・・・。
>二人の妃作家様
うう、感動巨編です〜。
サキア姫がなんとも哀れな境遇に陥るなんて予想もしてなかったです。
素晴らしい作品をありがとうございました。
また新作を発表されるのを待っています。
えっ?!まだ終わってないよ?ねぇ作家様?
>二人の妃さま
乳母が身代わり〜は実は私も考えていたんです・・・って偉そうに言ってみたりして。
でもサキアがこういう境遇になるとは。ルカと想いが通じ合うかななどと期待していました。
でもまだ「終」の文字が無いですよね?!期待してもいいですよね?!
>390
お魚くわえたままお越しになるほどサキアのことが気になってたのですね(W
…私も気になって来ました。
「二人の妃」作家様、サキア姫は本当にずっとこのままなのでしょうか?
>度し難い女、ナイルの姫。私が死ぬのを怖れるとでも思ったのであろうか?死ねば神々のお側で清らかに暮らせるのに。
・・・ああ、あの女はただ死が恐ろしいが故に、誰彼の見境無しに生きさせようとするのだわ。愚かな女。結局は自己満足だ・・・
サキア様、あなたの独白は非常に貴重かつ的を射たものだと思います。よく言ってくださいました!
ただの天然不思議姫じゃなかったんですね(感涙)。
私は王族歴長いですけど、でもでも結構意地悪に生ぬるく読む読者になりつつあります。
ゴメンナサイ。
サキア様・・・あなたの行き方は21世紀の現代ではそぐいませんが
あの時代にはあなた様のような方は沢山いらしたのではないのでしょうか?
おおっ、サキア大人気!死ななくて本当によかったよ〜。
自己満足といわれればたしかにそのとおりなんだけど。
ルカが永遠にサキアの気持ちに気づかないとしたらすごく
せつないけど、ルカは知りたくはないだろうな、きっと。
>390
本日の夕食はおさかなでしたか(へるし〜ですね)
『二人の妃』まだ後日談があるのか、気になりますよね。
>396
今がおやつを食べながら気になって来たけど…まだのようですね。
あぁ気になる。
43
窓の外は冬の薄日。いつしか粉雪が舞い始めた。
「寒くなったわね・・・」
キャロルは立ち上がり、窓辺に寄った。暖かく整えられた部屋は彼女の夫イズミルの心づくし。この冬が終われば初めて母となる彼女のために。
天から降り注ぐ雪は不思議な浮遊感を生み出す。キャロルは天に昇って行くような感触を味わい、思考はとめどなく広がって行く。
(あの方はどうしているかしら・・・?あの方は・・・?)
あの方、とは幽閉されたかつてのライバル、サキアのこと。
「姫?どうした、そのようなところで。冷えてしまうではないか。さぁ、こちらへ、火の側へ来ぬか」
唐突に王子が声をかけた。王子は無造作に机の上の書類をかき回した。キャロルが決済できる彼女分の費用についての書類だ。
「これは・・・。サキア・・・いや反逆者のための費用か?暖房費、食費、被服費、雑費は香料や花・・・?
どういうつもりか、姫!かの罪人のために何を見当違いのことをしている?!あれはもはや王族でも何でもない、終身の囚われ人にすぎぬ。詰まらぬ情けはいらぬ陰謀や憶測を生む。
・・・このようなこと即刻、止めよっ!」
イズミルは怒って書類をうち捨てようとした。だがキャロルは体当たりするようにして夫の手から書類を取り返した。
「いいえ、だめよ!これは私が決済した私の書類です。詰まらぬ情けや自己満足の親切ではないつもりです!・・・これは私のつとめです。お願いです、好きにさせて」
王子は驚いて妻の顔を見つめた。
44
キャロルは書類をしまってしまうと問わず語りに王子に語った。
「サキア王女が・・・呪詛を行ったらしいということは知っています。証拠の品も
見たわ。そして身代わりに乳母を亡くして呆然としたあの方のお顔も見ました。
・・・あの方、本当に罪を犯したのかしら?あの誇り高い方がご自分から罪を?私
ごときを呪うなんてありうるかしら?
私・・・私、きっとの方は何も分からぬうちに罪を犯して、罰を受けて・・・哀し
い境遇に墜ちてゆかれたと思うの。
あの方は気高い巫女だった。その方を・・・罪に落としたのは私ではないかって思
えるの」
王子は莫迦な、と冷笑した。それこそ少女趣味の見当違いの同情だと。
「確かにあの女は何も見えていない類の人間だった。だがそれは彼女の弱さ、愚か
さだ。そなたが同情したり、まして罪の意識を感じたりすることはないのだぞ」
「ええ・・・でも。私、上手く言えないけれど今、幸せであればあるほどに知らず
に犯したかもしれない自分の罪が恐ろしいの。あの方をお救いできなかった自分が
厭わしいの。あの方だって幸せを望んでこられたのに、私は自分のことしか考えず
に、あの方を敵視して負けまいとばかりしていたわ。
・・・そうね、こんな書類を作るのも結局は自己満足かも知れない。ライバルにも
なりえない相手に情けをかけて・・・」
キャロルは静かに涙した。王子は妃の複雑な心の綾に驚きつつ、優しく慰めるしか
なかった。
45
キャロルは王子の抱擁に身を任せた。いくら立派なことを言ってもこの最愛の人からは離れられないし、またただ一人の女性でありたかった。
じき母となるキャロルの身体の変化が、あるいはキャロルの心に「犯したかも知れない罪」という考えを萌させたのだろうか?
自分の幸福は、他者に対して恐ろしい傲慢の罪を犯しているのではないかと。
他者の不幸や涙を糧にして自分の幸福は花と咲き誇っているのではないかと。
(神様,お許し下さい。それでも私は王子と・・・生まれてくる子供との幸福を望んでしまうのです。今の自分の罪深さにおののきつつ、せめて生きている限りは幸福にと望まずにはおれないのです。
サキア王女はあるいは・・・醜い私自身の心の闇の化身かもしれないのです。
あの方がせめて平安の中で穏やかに満ち足りて過ごされますようにと・・・私は矛盾した心を抱え、祈らずには居られないのです)
キャロルの独白は誰も知らない。サキアの心をだれも知ろうとはしなかったように、自分の幸福におののくキャロルの矛盾した心が誰かに知られることはない。
彼女もまた、孤独であるのだ。
そして早春の光がハットウシャの空を彩る頃、キャロルは男の子を産み落とした。人々の喜びはこの上もない。キャロルは王子の寵愛厚い正妃、世継ぎの御子の母としてますます栄えていくのだった。
新しい命の誕生を寿ぐざわめきはサキアの許にもほのかに届いた。忘れさられた巫女姫は薄く微笑むと昔、ミノアでしたように神々の恵みへの返礼の祈りを捧げるのだった。
彼女は静かな生活を送っていた。大切なナツメヤシを祭壇に飾り、何も心にかかることはなく、神々を側近く感じる日々。ある意味、彼女の方が幸福な日々を送ったのかも知れない。
かつて王子の側に並び立った二人の妃はそれぞれの想いを胸に長い生涯を送ったという。
終
「二人の妃」作家様、感動の大巨編ありがとうございました。
自分の「罪」に苦悩するキャロルの姿はもはや哲学的でさえあります。
浮世離れの権化サキアの大活躍もとてもよかったです。
次回作も楽しみにお待ちしております。
二人の妃作家様、すばらしい作品をありがとうございました。
サキアの想いがルカに通じなくて少しかわいそうでしたがとても楽しませていただきました。
次の作品も楽しみにしています。
>「二人の妃」作家様
立派に成長したキャロルも、何があろうと変わらないサキアも
両方とも魅力的でした。本当にお疲れ様でした。
うっかりsage忘れてしまいました。
「イズミル2年後」作家様、まだかな。
ごめん。まだなの。
やっぱり、どなたも続きを書いて下さらない?
私が続けるとなると、明日以降になります。
ごめんなさい。
>405
もしかして熱心な読者?あんまりせかすなよ(藁
でも楽しみだね!(ってわしもついせかしちゃったぢゃないか)
>「イズミル2年後」作家様。ぢつはこういうの考えてました。
キャロルは実はアマゾネスの世継ぎヒューリア姫(だよね、名前)の腹心の侍女兼家庭教師のような立場にありました。
女メンフィス、女ジャイアンの姫もキャロルにだけは素直です。ちなみにキャロルは髪を切り、ターバンをつけて正体はばらしてません。
そうこうするうちにアマゾネス対ヒッタイトの戦が始まり、お約束通りイズミル王子は捕虜になり地下牢に。
王子を忘れかねていたキャロルは捨て身の救出作戦を試みますがお約束通りヒューリアにばれます。
「王子を助けたくば、私のものに!(爆・だってアマゾネスはサッフォーの信者だも)」と迫るキャロル。
キャロルはそれを承知。王子はキャロルの目の前で解放されます。戦も終わり。王子はキャロルを連れ帰ろうとしますが、彼女は拒否。
その夜ヒューリアの寝所で自決しようとしていたキャロルをお約束通り、忍び込んだ王子が救う。
二人の純愛にほだされたヒューリアは二人を逃がす・・・
ってお約束づくしの話(爆)。作家様のご来光をお待ちしています。
× 「王子を助けたくば、私のものに!(爆・だってアマゾネスはサッフォーの信者だも)」と迫るキャロル。
○ 王子を助けたくば、私のものに!(爆・だってアマゾネスはサッフォーの信者だも)」と迫るヒューリア。
すみませぬ。逝ってきます。
>408様!!
ぜひ、その設定で続きをば!!
書いて下さい〜〜。
実は話の続き、2、3通りあって、どれにするかすごく決めかねているんです。
なので、今だ続きが・・・・。
お願いしまふ・・・
>410
いっそのこと2、3通り全てを読んでみたいと思うのは・・・私だけ?
>411
それはもう、できるだけたくさん読みたいですわ。
でもきっと作家様には深〜い考えがあるのですわ。
ああ、それにしても待ち遠しいことですわね〜。
キャロル×ヒューリア、いいぞ。
どなたか詳しくお書き下され。
>408さま
「お約束」尽くしは王家のお約束です。
書いてくだされ。
ここしばらく作家様方の作品が読めなくてさみしゅうございます…
>416
それでもこのスレすごいですよね。最初は「呪われたスレ(?)」だったそうですが
途中からまるで『キャロル2年後』ファンクラブ みたいになって、さらには
『少年キャロル』『二人の妃』の超人気作品が誕生することに。
長編は構想や設定も大がかりになるので、そうたびたびお目にかかるのも
むずかしいのかもしれませんが、次回作品を楽しみにお待ちしたいですね。
作家様、新作を楽しみにお待ちしております。
>416
私も〜!
作家様の作品に会えない寂しさから自分で書いてみようとしたけど、
ちょびっと書いてみて、すぐ挫折。小説書くって難しいね・・・
あまり面白くない文章を書くのだって難しい事なのに、たくさんの人が
面白いと感じる小説を書くのって、本当に難しいんだろうなと実感です。
ここの作家様って、ちゃんと面白い物を書いてくれるから凄いです。
作家様、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
さびしさを紛らわすために久々に初代番外編スレに逝ってきました。
私は「ムーラの独白」が特に好きなんです。何度も読んでる気がする。
(古スレの話題ですみませんでした)
敬愛なる作家様、新作を心よりお待ちしております。
>419
そうやって新人作家様が生まれるんじゃない?
よかったらうPして下さいませんか。
だめならネタだけでも〜
23 :名無し草 :02/06/17 14:08
私はメンフィス(または王子)と婚儀を目前に控えながらも王子(またはメンフィス)と出会ってしまって
真実の愛に目覚めたキャロルが苦悶する話を希望しまする。どなたかおながいします。
>421
励ましてくれたのにごめんなさい。
出だしの○行のみで挫折しました。(恥ずかしくて数字を入れられない)
だからうPなんてしろものでは無いんです(滝汗)
番外編本スレの23さんのネタ(↑)が面白そうだったんで、
こんな小説が自分に書けたらいいなーと思った次第です。無謀でした。
作家様って凄いと改めて感じたので、それが言いたかったんです。
お気に入りの作品〜♪ひ〜とり〜読んでみるの〜♪
過去スレは淋しい心・・・なぐさめ〜てくれるから〜♪
のハズが・・・
過去スレで名作の数々に刺激を受けて、ますます飢餓状態です。
作家様、どうかお出まし下さいませ〜。
飢饉でござりまするか(TT)
言ってはいけないと今まで自粛していたけど。
もう我慢できない!一度だけ叫ばせて〜!
「私は、キャロル二年後の続きが読みたくて苦しんでいる〜〜!!!」
目の前にご馳走があるのがわかっているのにお預けなんて〜
>425
同士よ!
私も決して口にはすまいと努力しているけれど(あああ
口にしてしまった)「キャロル2年後」「イズミル2年後」
いつかきっと読める日が来ると信じて待ち続けます!
作家さま、カムバッ〜ク!!
私がもっているイズミルXアイシスネタを披露していい?っていうか自分ネタじゃあ
無いけどさ。けっこう暗い話だけど。
ここはキャロルでしたね。ごめんなさい。別の板へ行きます。
ああ・・・やっぱりこっちのスレは衰退するのかしら?
誰か〜作家さま〜お助けを〜
ほしゅ
ほしゅ
hosyu
保全
もう、ここ、いいじゃん。終わりにしようよ。
保守ばっかりだし。
番外編本スレも特に王子×キャロルオンリーとは思えないし、そろそろ合流しても
良いのではないでしょうか?同じスレ内でいろいろなお話が読めるとシアワセだし・・・
終了
「ラ・ライアン兄さん・・・。やめて。何をするの?私たちは・・・」
「お前を誰にも渡したくない。ジミーが好きだって?やめておけ、あんな男」
ライアンはキャロルの唇を首筋を貪りながら、細い肩を左手で壁にしっかり押さえつけた。
右手は引きちぎるようにネグルジェのボタンを外し、乳房をまさぐる。
びりっ!
ネグリジェは裾まで一気に引き裂かれた。キャロルの白い脚の間に膝を割り込ませ閉じさせまいとするライアン。
「お前が・・・好きだ。どうして妹なんだろう・・・?」
ライアンの唇が乳首を捉えた。キャロルは狂ったように首をうち振った。恐怖の余り大声で悲鳴をあげることもできない。
ライアンの膝がキャロルの秘花に押し当てられた。甘い女の器官の匂い。柔らかい感触。
「に、兄さん!いやっ、痛いっ!」
ライアンはキャロルを抱き上げるとベッドに落とした。
「声をたてないで。お母さん達に見られたらどうするんだい?」
前は引き裂かれて全開なのに、ネグリジェは後ろ手にキャロルを拘束する拷問具になっていた。身動きのできないキャロルをライアンが残酷に弄ぶ。
乳房を、その頂きの果実を味わい、片手は下着を剥ぎ取り、その下の秘密の場所を探った。柔らかな茂みに隠された花と泉。しばらく弄っていたがそこは頑なに乾いている。
「仕方ないな・・・」
ライアンは頭を下げて脚を大きく拡げさせた。未熟な蕾がライアンに戦く。
「怖いことなんかないのに・・・。愛してやるよ」
ライアンは花弁を花芯を舌で舐めあげ弄び、指で処女の泉を確かめた。舌戯の巧みさでキャロルは心ならずも濡れていく。
「もういいだろう・・・」
ライアンは口の周りの愛液を舐めながら言った。
抵抗する気力も無くし、恐怖と快感に喘ぐキャロルの腰を引き寄せ、花弁を全開にして泉をすっかり露わにするとゆっくりと巨大な自身を沈め込んだ。
「あ・・・痛いっ・・・!痛いのぉ・・・っ!」
「静かにおし・・・。僕らは今、結ばれるんだ。誰かに邪魔されたくない」
ライアンはピンク色の花の中に暗紫色に滾り勃つ自身をわざとゆっくり沈めていった。
張り裂けそうなキャロルを見るとライアンは興奮した。
(実の妹でも構わない。僕が愛する女はキャロルだけだ)
「キャロル、分かるかい?お前の中に僕がいる。他の誰でもない、僕自身が」
「兄さん・・・どうして・・・?」
「お前を愛しているから・・・」
ライアンは花芯をきつく弄り回しながら大きく腰を動かした。肌のあたる乾いた音と、血と蜜のこね合わされる淫猥な湿った音、それにキャロルの嗚咽が寝室に満ちる。
やがてライアンは大きく痙攣してキャロルの中に情熱をぶちまけた。
股間を血塗れにしたキャロルはむせび泣いている。
「泣かないでくれ・・・。お前を愛しているんだ。誰にも渡したくない。ずっとお前を側に置いておきたいんだ・・・」
ライアンは幾度も幾度も血の繋がった妹で永遠の恋人でもあるキャロルに囁いた。
ライアンの腿に顔を伏せて泣きむせぶキャロルの背中を眺めているうちにライアンの欲望はまた高まってきた。
ライアンは乱暴にキャロルの固い果実のような臀部を引き寄せると獣の姿勢で貫いた。
キャロルはもうされるがままだった。きつく締め上げるキャロルの可憐さにライアンは深い深い満足を覚えるのだった。
「お前は僕だけのものだよ・・・」
イズミル王子スレ終わったからここ再利用する?
スレ立ってるからここはやめてください
>>322 2
キャロルが地中海から現れて早2年。
今、彼女はイスタンブールの街を見下ろしていた。最上階のVIPルームから見る街は、夜とはいえ艶やかで寝静まる気配がない。つと、後ろに夫の気配を感じ、微笑みながら振り向いた。
「キャロル、別宅へは荷物を運んだのか?あちらで休んだ方が来も休まると思うが。」
「ええ。でも使用人が相変わらずたくさんいて、代えって煩わしいの。ここであなたといた方が気分がいいわ。」
彼はキャロルを引き寄せると、すっぽりと抱きしめて耳元に唇をはわせ囁いた。
「本当は君が来てくれて嬉しいよ。仕事とはいえ2、3日はここで足止めだからな。疲れた僕をどうやって癒してくれる?」
すっと唇を彼に奪われると、彼女はくすくす笑いながら彼の首に腕をまわした。
「駄目よ。ここでは仕事に集中して。明日も大事な商談があるのでしょう?せっかくのライアン兄さんの紹介ですもの・・。
その間私はトルコの遺跡巡りでもするつもり。あなたが一生懸命お仕事したら、ご褒美をあげるわ。」
その言葉にいたずらっ子のような笑みを浮かべ、彼はキャロルの濃紺のワンピースに手をかけた。
「では仕事に集中できるように、今君が欲しい・・・。」
優しく抱き上げ、広いベットへと。
シーツの上に彼女の金髪がはらはらとこぼれ落ちた。
「結婚してからも、僕は君しか見えない。僕を哀れな盲目にしてしまった。」
「いやね、もう一年は経つのに・・。でも、私もあなただけ。」
熱烈なキスを受け、キャロルは陶然となった。彼の温かい手が身体を愛撫する。息を切らせながら、彼の愛の言葉を聞いていた。
「アフマド、私も愛してるわ。」
キャロルは再び唇を重ねた。
3
翌朝、アフマドに見送られて、キャロルは自家用飛行機に乗り、ボアズキョイへと旅だった。
昨夜の愛し合った余韻で満足感に満たされ、彼女は幸せの絶頂であった。幸福な結婚生活を思い返し自然と微笑みながら、そしてこれから経験する遺跡探索をわくわくしながら、飛行機の中でまどろみ始めた。
ボアズキョイでガイドに案内され、まずアフマドが用意してくれた屋敷に荷物を置き、さっそうと遺跡へと出発する。
初夏の刺すような太陽の下で、荒涼とした大地を目を細めて眺めた。ジープは砂煙を巻き上げて真っ直ぐに遺跡へと向かい、巻き上がる髪をキャロルは押さえた。
ガイドは楽しい話題を交えながら遺跡の説明をしていった。かつては荘厳な都であったに違いない。歳月と自然が大地へとかえしてしまったのだ。砕けた岩がとりどりに並び、ここは都のどのあたりだったのだろうと考える。
草原とも化した大地を静かに歩むうち、ふと欠片のような石に目がいった。なにげなく拾い上げ、今日はもう終わりと言うガイドに従い、帰路につく。手にはそれを持ったままに。
4
シャワーを浴びさっぱりと着替え、アフマドに電話した。
電話越しにキスを送られ、思わず赤面したキャロルであったが、微笑んで彼におやすみを告げる。
昼間に拾った石を思い出し、明るいライトの下ルーペで調べてみた。
「何かしら?・・・まあ!もしかして、これ、楔型文字では?」
欠片の端際に薄く彫り物が見える。
「すばらしいわ!これはきっと本物よ。現物を私が拾うなんて。なんという奇跡かしら。アフマドに知らせ・・」
ふと受話器に向かった彼女の手が止まった。
もしかしたら、まだあるかもしれない。かけらを出来るだけ集めて、この歴史的発見を彼に見せてみよう。きっと驚くわ。
いつも私の趣味としか見ていない考古学が、いかに意味があるか彼に示すことが出来るわ。
そうと決まれば、早く寝て明日に備えなくては。
欠片をサイドボードに置き、彼女はライトを消した。
5
月光が半開きの鎧戸を通り抜けて、部屋の中を射していた。
灯りの下、洋皮紙をめくる音だけが聞こえる。一点の灯りのみ夜の薄い闇の中、イズミルは長椅子に横たわり、長い指を弄ぶかのように紙に触れていた。
表情のない彼の顔。ただ端正な顔立ちがあるのみ。
しかし、ふっと一瞬、彼の表情が曇った。
顔を上げ、暗闇の先を見る。
気のせいではないーーーー
一番奥の部屋。石造りの冷たい部屋の中に、人の気配がした。
月明かりの届かぬ彼の寝所に人がいるはずもなく、間者か?とイズミルは剣を携えた。
静かに進める脚は音を残さず、しかし彼の耳に入るは安息の呼吸であった。
彼の寝台から聞こえる寝息を感じ、さては自分の寵愛欲しさに忍び込んだ者かも知れぬと、剣を下ろす。
眉をひそめたまま、警戒を怠らず寝台に手を伸ばした。
真っ先に触れたものに、彼は一瞬身を引いた。
軽い滑らかな髪の感触。確かに同じものをはっきりと覚えている。過去に彼はそれを弄び、愛でていた。
まさかーーー
イズミルは闇の先を見た。
6
鎧戸が開け放された部屋に、明るい夜が流れ込んできた。
その月光の先に浮かび上がるは、かつての恋人達の姿であった。寝台の側にたたずむイズミル。そして寝台で安らかに眠り続けるキャロル。
彼がキャロルの肩にそっと触れるが、何の反応もない。だがこれは幻ではない。急に出現したこの状況に、彼自身戸惑いを感じていた。
「姫よ・・・。」
寝台に腰掛け、彼女の腕を取り、その顔を月明かりに向ける。頬を触れられ、幽かに眉をひそめるが未だ目が覚めない。
なんと2年もこの姿を見ずにいられたことか。
恋しいこの女を、何故あの時離してしまったのだろうか。
2年間、彼は胸に秘めていた想いを押しとどめる。彼の五指から現実と伝えるぬくもりはあるものの、幻のように消え失せるのでは疑いは消えない。
抱きしめることの出来ないまま、時が過ぎていく。ふと、彼の手に白い手が重ねられた。
「イズミル・・・?
こんな夜更けに何しているの?もうお休みになったら?」
眠たげなうつろな瞳が彼を覗き込んだ。何ごともない口調に幾分動揺しながらも、イズミルは微笑んでその額に手をあてた。
「何?わたくしおかしな事を言ったかしら・・・。眠れないのであれば、添い寝して差し上げてよ。さあ、こちらへ・・」
額上の手を掴んで、キャロルは彼を寝台に引き込んだ。上掛けをきちんと掛けてあげて、イズミルの腕の中におさまる。白い手は暗闇に浮かび、しっかりと彼の背へ回した。
またうとうととなりながらも彼の声を聞いた。
「そなた、何故ここにいる?2年も何処へ行っていたのだ・・・。」
「・・おかしなこと・・。ずっとあなたの側にいたでしょう?・・ねぇ、わたくしが目を覚ました時、側にいてね。・・今日は疲れたわ・・。」
釈然としない答えを返すと、彼女は再び眠りについた。
イズミルは問い質す代わりに、抱きしめる。静かに呼吸する身体を感じることが出来る。
神のなせる業かーーーー
事態を把握するため、思考を張り巡らす。
恋しい女が何処で何をしていたのか、ふとイズミルは鎧戸の中の、濡れたように輝く月を見上げた。
7
暑い太陽の光の下、キャロルは鍔の広い帽子を深く被り直した。日焼けを余り気にしない質であるし、アフマドも健康的な小麦色の肌が好きだと言った。
アフマドを思い出し、少年のような笑みを頭に映し、笑いが零れる。
そして、広い空を仰いだ。
その手にあるのは古ぼけた欠片。消えかかった文字は、虚ろで現実味を帯びない。秘められた言葉に魅せられたように、彼女は片時も離すことが出来なかった。
不審なガイドの視線に笑顔でごまかす。何故そうしなければならないのか、彼女は無意識にアフマドへの秘密以上に、欠片の存在を隠した。
「ごめんなさい・・。なんだか声が聞きたくなって。」
『構わないさ。珍しいね、遺跡探索中の君が電話してくるなんて。いつもならすっかり僕の事なんて忘れているだろ?』
失礼ねと半分本気で言い返すと、彼は笑い声をたてた。
だが、夜になって急に心細くなるとは、初めてのことであった。いつもなら、胸を躍らせながら明日の計画を立て、気分良く眠ってしまうところだ。
なんだか眠るのが怖い。そんな馬鹿馬鹿しい思いを自嘲しながら、アフマドととりとめない話をして受話器を置いた。
その夜新たな5つの欠片と共に、キャロルは就寝した。
きゃあー、新作よぉっ!
作家様、嬉しいです!!!!!
8
ふとキャロルは目を覚ました。眠りが深かった為か頭が重い。
ーーーー夜?
部屋の四隅に置かれた灯りを見て、闇を知る。燭台の影が伸びてゆらゆらと動き、部屋を泳いでいく。
そっと寝台から降りて冷たい石床を慎重に歩いた。
何故王子の部屋で寝ていたのかしら?自分の部屋に帰らなくては・・・。
ムーラを呼び広間へ進む。
「姫君、まことに姫君にござりまするか。」
広間で出迎えたムーラはキャロルの手を取り涙をこぼした。
「どうしたというの?それに皆まで・・・。わたくし、何がなんだか・・。」
「こちらが伺いとうございます。一体何処へお隠れになられていたのですか?この2年間どんなに私どもがお待ちしておりましたことか。昨夜急にお帰りになられたと王子にお聞きし、お目覚めになられるのをずっとお待ち申し上げていたのです。」
キャロルは怪訝そうに首を傾けた。
「奇妙な話ね。わたくしずっと眠っていただけよ。何処へ行くというの?それよりも、ムーラ、自分の部屋へ戻ります。」
薄布を被り直して、侍女に扉を開けさせようとした彼女をムーラは止めた。
「お待ち下さい。王子がお戻り遊ばす迄ここでお待ち下さりませ。お衣装などこちらへ運んでおりますゆえ。皆の者、姫君を湯殿へご案内せよ。」
肩をすくめてため息をする。ムーラを始め、皆の様子が変だ。
わたくしが何処へ行っていたと何故聞くのかしら?そう言えば昨夜王子もそんなことを言っていたような・・。
毎日同じ。昨日も同じように休んで、起きれば今日は皆おかしな事を言う・・。
昨日?わたくし、昨日は何をしていたのかしら?王子と閨を共にしたかしら?自分の部屋で寝たのだと思っていたけれど・・・。
湯船の中でキャロルは思い当たり、蒼白になった。
(わたくし、昨日の記憶がない!いいえ、その前も、以前の記憶がない・・・。)
「ムーラ・・、気分が悪いわ。ーーーー休ませて。」
脚をとられたように立ち上がることの出来ない彼女を見て、ただらならぬ事態を察したムーラはキャロルを引き上げ、厚布でくるんだ。
(やはり、姫君のご様子はただならぬ。わたくしがしっかりお守りしなければ!)
9
早々に審議の間を退出した後、イズミルは南の宮殿へと急ぎ駆け付けた。
側近が扉を開けるのももどかしく自室へ入ると、目にしたのは床に伏し、取り乱したキャロルの姿であった。
「なんの騒ぎだ。ムーラ、他の者を下がらせよ。ここへは近寄せてはならぬ。」
侍女達からキャロルを引き取り、ムーラ一人を残し飲水を用意させた。
ぱんと彼女の頬を叩き、こちらに視線を向けさせる。
「姫、そのように煩わせるでない。こちらを見よ。」
「・・・王子?・・・わたくし・・。」
キャロルは眉をひそめた恋人の顔を見て、力無く腕の中で崩れた。
「何かが変よ。おかしいわ。わたくしずっとここにいたつもりだった。なのに、昨日の記憶がない。あなたのこともここでの生活も忘れていないのに、昨日、その前、何をしていたのか思い出せない。」
用意された水で唇をうるわせ、早口で縋るように訴えた。
「皆が聞くわ。何処へ行っていたのかと。ーーーーまさか、あなたまでわたくしに・・。」
不安そうに彼を見る。その眼差しに真摯な陰りを見つけ、彼はキャロルの瞳を手で覆った。
「何も動じることはない。確かにそなたは行方知れずであったのだ。そなたに聞くは皆が心配してのこと。しばらくすれば収まる。
おいおい思い出すこともあるであろう。私の元へ帰ってきた、それで良いではないか。」
イズミルはムーラに目配せをし、下がらせた。
「でも、・・・気に入らないわ。」
キャロルは彼の手を目元から離した。うって変わって挑むように彼を見る。蒼い瞳が深さを増し、すっと細められた。
「そう言いながらも、あなたは部下に命じて、わたくしの足跡を探らせるのでしょう?うわべだけで慰めるのはやめて。」
「全くそなたにはかなわぬ。」
くすくすと笑い出した彼をキャロルは押し倒した。
イズミルの上から見下ろす。両手は彼の肩と腕を掴んでいた。
「ーーーー本当にわたくしは留守をしていたのね・・・。
では、わたくしが帰ってきて嬉しい?」
彼女の項に手をかけ引き寄せる。黄金の髪が彼の頬を擽った。
「聞くまでもないことを申すな。」
「だめよ、答えになっていない・・。」
答える代わりに、彼は口付けをした。
10
飛行場まで迎えに来たアフマドの姿を見つけ、キャロルは走り寄った。
満面の笑みを浮かべ、凛々しくすらりとしたアラブ人はいやがおうにも人目に付く。くっきりとした黒い瞳は一瞬鷹の目のように鋭さを見せるが、すぐに愛する妻の姿を映す。
「迎えに来て下さったの?嬉しいわ。」
「とても楽しめたようだね、奥様。」
「ええ、素敵な旅だったわ。あなた、お仕事の方は?今日はもう終わったの?」
ポーターに荷物の手配をさせながら、アフマドは車へと彼女を連れて行った。
「仕事は上々、なにも問題なし、だ。それに奥様にニュースを持参するために、本日はお終いさ。」
「ニュース?何かしら。」
「知りたければ直々に参上した僕にねぎらいのキスを。」
「意地悪ね。」
そう言いながらも、キャロルは彼の頬にキスをする。
「もっとして欲しかったら、早くおっしゃいな。」
仕方がないなと苦笑しながらアフマドはライアンとロディがアラブへ来る話をした。
その時のキャロルの喜びようは彼の想像したとおりであった。
特にライアンは不幸な事故のため車椅子なくして外出できないことに、彼女が心痛め、会うこともままならない気持ちを抑えていることを知っていた。
「君は本当に兄思いだからな・・・、キャロル?」
運転しながら横目で見ると、うつらうつらとシートにもたれ始めている。
「ごめんなさい・・。なんだか急に眠くなって・・。」
「いいよ、疲れたんだね。着いたら起こしてあげるから、ゆっくりお休み。」
アフマドが言い終わらないうちに、彼女は静かな寝息を立てていた。
11
ムーラはうたた寝をしていたキャロルをそっと起こした。
「姫君、長椅子にずっとお休みですが、お食事は如何なされまするか?」
瞳をしばたたせながら、彼女は額に手を置いた。
「また眠ってしまったのね。嫌だわ。」
「まだ、お身体の調子がお悪いのでしょう。十分休養なされば、じきに快復なされますゆえ、ご心配には及びますまい。その為にもしっかりとお食事なさって下さいまし。」
キャロルは用意されたテーブルにつき、果実に手を取った。
「帰ってきてからというものの、ずっと眠気がとれないみたい。
イズミルは?あの書面を渡さなければならないのだけれど。」
もうじき渡ってこられますと笑顔で返し、ムーラは書類箱と印を用意した。手渡された洋皮紙にもう一度目を通し、石版に烙印した後保管させる。
再び食事を勧めるが、キャロルの手は止まりがちである。
睡魔のせいか思考がはっきりとせず、逆にそれが彼女をいらいらさせた。まるで自分が夢の中にいるみたいと、一瞬まわりが霞んだように見えたのは、総て気のせいなのだと思う。
ムーラの声を遠くに聞きながら、キャロルは卓上の花頭を手折った。
12
「そう言えば王のご病気がすぐれないと聞きましたが、そんなにお悪いの?」
ムーラの言葉は直ぐには出てこなかった。ためらいがちに口を開く。
「陛下のご病気は非常にお悪いのです。ーーーそう長くなく王子が即位されるのは間違いございません。その時姫君には立后なさって頂かなければなりませぬ。」
キャロルは驚いたようにムーラを見た。そしてため息をもらす。
「以前から言っていたように、わたくしは妃になるつもりはありません。理由は王太子妃を断ったときと全く同じ。」
頑なに言い放つ彼女を見て、今度はムーラがため息をついた。
過去にはエジプト王妃であったその身は、ヒッタイトに来て王子の恋人になった。いくら周りが熱望しようとも、彼女はただの恋人と名のることに固執していた。
他の女人が正妃となるやも知れぬ事、側室の一人と言われる事、その屈辱をさんざん進言してきたけれど、彼女は一笑に伏しただけであった。
ーーーーそんなことを気にしているなんて、ムーラは心配性ね。わたくしはイズミルが正妃を迎えても、側室と呼ばれようとかまいはしない。そんな形ばかりのものなんていらない。
わたくしの望みはひとつ。イズミルがわたくしを必要とし、わたくしから逃げ出さないこと。
過去に聞いた言葉をムーラは反芻した。
女ならば誰もが頂点に立つことは望まずにはおられぬ。栄華と名誉、権力を極めた存在、それが王妃でないのか。その為に身を粉にして目指すのは当然のことではないか。
あれほど王子に愛され、民より愛される存在であられるのに、何故に拒むのか、ムーラには理解不可能であった。
彼女は知らない。キャロルの傲慢な一面を。
キャロルは彼女を見上げ、その冷たく深い蒼い光りをもって言葉を失わせた。
3
夜、曇った空はハットゥサに雨を呼び始めた。
遠くの雨音を耳にして、キャロルは寝台から顔を上げた。傍らのイズミルが声をかける。
「何でもないわ。それよりも父君のお加減のご様子は?」
「うむ、さすがの父上も神のご加護に縋るしかあるまい。」
彼は苦しい表情で返した。勇猛果敢で知られる王も、長年の色欲のため神々の穢れを患うことになった。何という病なのかそれとなく聞き、キャロルは梅毒では疑っていた。治療も不可能なため、それとなく静観することにしたが、イズミルの気持ちを思うと胸が痛んだ。
「神が王の苦痛を和らいで下さると良いのだけれど・・。だけど、王の代わりに政務をとっているあなたの身も心配よ。この頃特に多忙を極めているご様子。無理なさらないでね。」
父をいずれ亡くす息子は哀れだ。たとえそれがどんな父親であっても、彼の胸内に影があるに違いない。優しく彼の頬に触れると慰めるように抱きしめた。
「そなたが気遣う必要はない。父が倒れば次は私が立つ。それだけのことだ。そなたが成すべき事は、常に私の側におり共に国を盛事することだ。まだ恋人の身分に甘んじる気か?」
イズミルの言葉に苦々しく眉をひそめ、その胸に顔をうずめた。無言の抵抗を知り、彼は指を走らせた。首筋から背をなぞるようにたどる。キャロルの身体が戦慄する。
艶美な顔が声を漏らした。
「そなたのように傲慢な姫は見たことがない。私を常に試そうとするその態度、いい加減我慢にも程があるぞ。良いのか・・・?」
囁くようにして耳朶を噛む。
「う・・ん・・、わたくし、妃にはならない。嫌よ。」
とぎれがちに、だがはっきりと断言する。
4
彼の手が細い首に回され、くっと絞めた。一瞬呼吸が止まるが、苦痛を与えるだけの仕業であった。キャロルは伏せた目をうっすらと開け、シーツを握りしめた。
「何故抵抗せぬ?また私を試しているのか?」
「例えわたくしの想いがあなたを試すことになろうとも、譲れないこともある。でも、解っているでしょう?わたくしの全ては既にあなたのもの。それだけでは不十分なの?」
彼がキャロルを手をかけることは出来ない。その逆も真成り。二人と解りすぎるほど解っている。
イズミルはキャロルの全てを手に入れた。だが王妃という位についてこそ完成されるものでもあった。かつてメンフィスの元で王妃であったことが、彼女を頑なに申し出を拒否している原因となっていることも知っている。国を背負うことに畏怖の念を抱き続けていることを。
だか、それはただの個人の我が儘でしかない。彼に愛された時点で、個人の意志は無いものと同じ。キャロルにとって自由という羽を手折られることは、もはや苦痛以外のなにものにもない。
「あなたを愛してる。あなたしかいらない。わたくしが常にあなたを欲している。それではいけない?妃なんてならなくてもいいの。わたくし自身があなたを愛しているの。」
差しのばされた白い手を掴み、唇を貪るように重ねた。絡め取る舌の味はなんと甘美なのであろう。これ程までに愛し欲していると、紅い可憐な唇は誘惑するのに。その魂は何故思い通りにならない。
「否。逆らうことは許さぬ。」
薄衣の上からふくよかな乳房を愛撫し、首筋を吸った。
15ー1
この女を征服したい。愛している。恋情を押さえることが出来ぬほどに、沸き上がる我が身からほとばしるほどに、この女を欲していた。歪むことのない自分の感情が、この女によって曲げられた。
愛している。それだけでは足りぬ。求めても足りぬ。
この女の肌を感じ、その甘い唇を独り占めし、艶麗な姿を思う存分楽しんでも、我が意のままにはならぬ。
幾度となく情交を交わしたことだろう。身体の歓喜だけではなく、心も満たされひとつに溶け合い、どれだけの満足感を得ただろう。
イズミルを迎え入れた身体は、猫のようにしなり彼の肌に爪を立てる。くぐもった声は切れ切れに零れる。細い脚が大きく開かれて、彼の身体に絡まる。じっくりと堪能するようにキャロルの中を探索した。
すぐに達しそうになる彼女に時間を稼いでやる。
敏感で感度の高い身体はイズミルの所作ひとつひとつに反応した。
苦しそうに切なそうに崩れる顔が、泣いているようにも見える。
絶えられないと訴える唇を再びふさぎ、前髪を絡ませる。キャロルは激しい痙攣を押さえるように彼の身体をきつく抱きしめた。
15ー2
イズミルは動きを止め、まだ呼吸の荒い唇を指でなぞった。
「まっ・・・待って・・・。」
余韻がまだけだるく残る身体に刺激を与える彼の手を押さえる。繋がったままで強く彼を捕らえているに拘わらず、薄く笑うとキャロルの敏感な乳房に唇を置いた。
「だめ・・。まだ、動かないで。」
「そのように理性があるのでは、まだ不足ぞ。そなたの乱れた姿が見たい。」
意地悪と言う暇もなく、彼女は声をあげた。
思考が歪む。どうにも出来ない刺すような感覚が沸き上がってくるのを止められない。
いつもそうだ。イズミルは限りなく優しい態度と裏腹に、彼女を許さない。じれったく敏感なところを弄られ、泣き叫んで彼を請う自分を引き出される。
そう、もっと、もっと。脚の間にある秘密の部分は彼を欲しがる。つきることのない欲望を止めることが出来ず、自ら身体を擦り寄せ快感を味わう。
ふと気がつけば、激しく舌を絡ましている自分がいる。
気がつけば甘いねだるような声を出している自分がいる。
わたくしはなんて淫ら女なのだろう。そんな自分にまた情欲を感じてしまう。
こんな自分を彼はどう思っているのだろうか?
彼に聞くことが出来ない、最後の意地であった。
終了記念2作家様〜、滝涙で前が見えないです。
がんがってください。
アダルトなキャロルがいいです!
ここのアドレス消さなくてよかった・・涙。。。
16
最近のキャロルは仮眠をとることが多くなった。
夜は夜で呼吸をしているのかと疑うほど、熟睡している。まったくスリーピング・ビューティとはよく言ったものだ。まさしく最近の彼女はそれだ。
昔ディズニーの映画を見たことがある。美しく愛らしい姫が王子のキスで目が覚めた。幼心にも何とも情感を感じたものだが。
最近の妻は艶やかな色気がある。他の男に見せたくない。屋敷の奥に密かに閉じこめ、自分だけの相手をさせたい。
もちろんパートナーは自分だけなのだが、閉じこめて世界は自分だけなのだと思わせたくなるのだ。こんな考えを時代錯誤と一笑するしかない。まるでハーレムじゃないか。
アフマドはファイルの指示を秘書に言いつけると、電話に出た。
ライアンと短い会話をし、ざっとスケジュールを見直す。完全なオフではないが、ある程度の休みはとれた。
それにしても義兄の精力には頭が下がる。不自由な体を微塵も感じさせない。まさしくビジネスの鬼は頂点に立つにふさわしい。
ライアンは最愛の妹をよくぞ手放したと思う。もちろん我がラフマーン家に不足などあろうはずはないが、義兄は決して家柄で選んだのではないと、個人としてのアフマドを認めたのだと、思う。たとえそれが将来的にであっても。
キャロルもさすがに24にもなると、兄より自分を頼るようになった。あのひたむきな瞳はまっすぐ自分を見つめている。それだけで十分だ。そして十分満足している自分は、本当のところ苦笑せざる得ない。
ふと夕陽が射しこむ部屋に気づく。今日は珍しく早めに帰宅してみようか。
「ムハマンド、残りは明日にでも第三プロジェクトへまわしておいてくれ。設計図面は自宅で見るので、そのままでいい。」
彼は車の鍵を取った。
17
執事が重々しく出迎えた後、アフマドのコートを受け取りながら言った。
「本日お館様からお電話がありましたが。」
「珍しいな。カリブの方へ行ったんじゃなかったのか?急用か?」
「それが、ぼっちゃまではなく、奥様になんですが・・。」
何事だ?確かに父親はキャロルをいたく気に入っているが、直接電話をかけてくるなんて初めてのことだ。
彼は無言で執事に手を振ると下がらせた。
妻の名を呼び、部屋に入る。同時に彼女は奥の部屋から出てくるところであった。
「あら、お帰りなさい。お早いのね。」
にっこりとキャロルは微笑んだ。
「今日連絡をとったんだが、ライアン達は来週にこちらへ来るそうだ。僕もなんとか都合がつきそうだ。ーーーー父から電話があったと聞いたよ。元気そうだったかい?」
キャロルの顔が曇ったように見えたのは気のせいか。ただ近状を話しただけだと、そっけなく彼女は言った。
「夕食、召し上がるでしょう?私はお腹が空いたわ。ずっと論文を仕上げていたから、気が付くとこんな時間。」
「それじゃ今日はずっと起きていた?最近の奥様はよく眠るからなあ。」
「ひっどーい。寝てなんかいないわよ。そんな無駄口言わないで、シャワーにでも浴びてきたら?ちゃんと待っていてあげるから。」
「はいはい。仰せのままに。」
彼が浴室に消えると、キャロルはテーブルについた震える手を押さえた。
>終了記念2〜無題 作者様
なんだか神秘がありそうなにほひ・・・ 次のお話を首を長くして待ってます!!
続きはまだかなーと思って・・・。
まだかなー・・・。
終了記念2〜無題 作家さま
続きが、、、きっきになって眠れまへん(w うぉ〜〜〜!待ってます!!!
18
お義父様は何故解ったのかしら?
昼間の電話を思い出しながら、キャロルは心中で問うた。
『キャロル、今手元にある遺物を即刻捨てなさい。それはお前に厄をもたらす物だ。手遅れにならないうちに、解ったかな?』
最初何を言われているのか解らなかった。義父はアフマドにさえ秘密にしていた石を、何故知っていたのだろう。
彼女自身、自分が何故あれを大事にしているのか解らない。たわいのない旧い、若しくはただの石であるだけなのに。
屋敷に持ち帰ってから、ルーペで楔形文字を写し取ろうとしたが、風化がひどいため難航している。ほとんど手も付けられない。
考古学のセミプロであるはずの自分が、これには自尊心が許せなかった。
呼ばれてはっと顔を上げる。
「今、行くわ。」
立ち上がろうとすると、目眩のような眠気が急に包み込む。椅子を倒すと彼女も崩れ落ちた。
激しい物音により、アフマドは部屋に駆け込んできた。直ぐにキャロルを助け起こす。
しかし、その様子に唖然とする。
「キャロル?・・・・・・・・眠っているのか?まさか。」
その時初めて、アフマドの背筋に冷たいものが走った。
久々の続き!うれすぃ・・・
続きだ〜 )^o^(
直リンで来れなかったけど、鯖移転だったのですね。よかった〜
保守
どなたかにお願い申し上げます。
アフマド君の履歴、正式の名前(アフマド・ル・ラフマーンでいいのかしら?)、
周りにいる人々の名前など、教えて頂けませんか?
20巻を手に入れたのですが、ガーシーやパトリシアってその後どうなったのでしょう?
それに爺はいても、執事はいなかったのですね・・・。(墓穴)
ストーリーはしっかり覚えているのですが、人物相関はうる覚えで・・。
アフマド君の正式の名前は「アフマド・ル・ラフマーン」でいいです。
22巻122ページでもキャロルママにご挨拶してる。
パドルというアフマド付きの若い召使いがよく出てくるけど後の召使いは名無し、
ガーシー、パトリシアはキャロルの誘拐騒ぎ以来でていないかな、間違ってたらごめん
イヤリングを盗んだままの侍女とか、
10コマくらいしかでないのに名前のあるニューヨーク新聞のニックとかこの時代は
消化のない伏線おなかいっぱいあります。
ありがとうございました。助かりました。
ところで、アフマドの父親って召使いがラフマーン様と読んでいますが、
名無しさんなのでしょうか?(姓で呼ぶのが不自然)
あと母親も見かけず、妻も複数なのでしょうか?
探したのですけど、謎です。
>>474 奥さんは大勢います。
名前はラフマーンと
しか出てません。
>475
ありがとうございました。(涙
19
誰かに呼ばれた気がした。暗闇から意識が昇り上がるようだ。
誰が呼んでいるのだろう?ここでは決して呼ばれることのない名前。
必死に私を呼ぶ声。彼はーーーーーー
手についた爪の跡が赤くなっていた。眠りながら強く握りしめていたのだろう。汗をかいた掌を拭うと、彼女は髪を掻き上げた。
独りっきりの冷たい閨の中、眠気ではっきりしない頭を擡げた。寝台から遠く仄かに灯りが見える。傍らには花。
大事な夢を見ていた気がする。再び見ることが出来るよう、もう一度眠りたい。寝台の中で子猫のように丸くなった。手も脚も感覚がなく、微睡んでいく。
「イズミル?」
傍らに気配を感じ、乾いた唇で呼んでみる。
だが、気配に声はなく、そっと冷たい手が彼女の額に触れた。なじみ深いその感覚に、キャロルは深く意識を浮遊させる。
その夜、ヒッタイト帝国国王はその魂を吹き消した。
宮殿内は悲しみにつつまれ、侍女を始め女達はさめざめと泣いた。ひとりを除いて。
剛胆な偉大な力をもった我が儘な国王を看取ったのは、後宮の女達であった。そして彼女たちもまた次に迫り来る死に、脅威を感じ運命を呪っていた。後宮は隔離され、王妃もまた神々にひれ伏し、祈りを捧げる。
宮殿内に広がるは、嗚咽と絶望と非廉な女達の呟きの声。
それを子守歌に、キャロルは昏々と眠った。
20
黒髪の青年ライアン・リードの車椅子を押すのは、愛妹であった。アレキサンドリアの別荘地に広がる滾々とした空の下、強い日差しを避けるためキャロル達は木陰に入った。
ライアンは傍らに座り込む妹を眩しそうに見た。
昨夜急に眠ってしまうキャロルの不可思議な症状をアフマドから聞いたばかりなのだが、この数日間それらしい兆候を目にすることはない。
睡眠をとるという自然な行為を彼は特別なものであるように、その不安をライアンに語った。
もちろん兄としては重大に心配すべきなのだが、今のキャロルを見ていてもとても病んでいるように見えない。
「兄さん・・?何?」
「いや、お前も一人前の若奥様だなと思ってな・・。」
ふふっとキャロルは微笑むと視線を空に移した。
「ラフマーン家では本当に幸せなの。御義父さまも最初は怖い方と思っていたのだけど、とても親切にして下さる。御義母さまも何かと気にかけて下さるし、私は本当に恵まれているわ。」
「ラフマーン夫人は第一夫人だろう?気は強い方だと思うが、数人いる妻を束ねているのだからしっかりとしているのだろう。
キャロル、お前はアラブの多妻制を気にかけないのかい?
アフマドが約束を破って他に妻を娶る話とか耳にしたことはないか?」
今のキャロルが病む話と言えばそれ位のものだろう。アフマドをまさか疑う訳ではないが、彼にとっても気がかりなことであった。またアラブ人を真っ向から信じることも出来なかった。それは彼の仕事上の経験にもよる。
ところがキャロルはぼんやりとしたままである。
「キャロル?」
「えっ?誰か?」
「キャロル、しっかりしろ。」
ライアンは不自由な身体をまわし、彼女の腕を掴んで強く引き寄せた。曇りがかった妹の瞳がまた澄んだように蒼くなり兄を見つめる。
「兄さん・・・・、今誰か呼ばなかった?」
「呼ぶ?誰の声も聞こえてこないが・・・。や、ロディだよ。見てご覧、あそこでロディが僕たちを呼んでいる。」
ライアンの指した方向にロディが手を振っていた。早々にやって来たロディの声にかき消されながら、キャロルは震えながら呟いていた。
「いいえ、姫と誰かが呼んだーーーーーー」
21
不安げに歩き回る音に気がつき、彼は目を覚ました。時計を見ると真夜中の2時である。抱きしめていたはずの腕の中は空。
「・・・・・キャロル?」
隣室から漏れる薄暗い灯りの中で、彼女は顔を覗かせた。
「ごめんなさい。眠れないものだから・・・・。」
彼は手招きをしてベッドの中に招き入れた。冷たくなった身体をそっと包み込む。
「ライアンとロディが来てくれているので、興奮しているのだろう。ずっとはしゃぎすぎだ。せめて僕の腕の中では心安らかにしてもらえないか?
でないと、僕の方がライアン達に嫉妬してしまうよ。」
アフマドの軽い口調にも拘わらず、キャロルは震える手で彼のシャツを握りしめた。
「ごめんなさい。本当は眠りたくないの。怖いわ。
私、眠ってしまうとあなたのこと忘れそうなの。」
突然の告白に彼は動揺した。不安で顔色が悪い、彼女の泣き出しそうな微笑みを見て。
「あなたも変だと思っているのでしょう?私自身もそう思うわ。
まるで眠りに囚われているよう。夢を見ているのかも覚えていないの。でも誰かが私を呼んでいる。
こちらへおいでと誰かが私を誘う。このまま繰り返していると、きっといつか私いなくなってしまうわ。
あなたに会えなくなるなんて、側にいられなくなるなんて、そんなの絶対に嫌。」
消え入りそうな声で告白する彼女を強く抱きしめキスをする。
「僕がそんなことをさせない。大丈夫だ。」
ここ数日、急に眠ることはなかったはずだ。だが、彼女の中で不安は徐々に大きくなっていたのだ。安心していた自分に歯がゆさを思い、明日医者を呼ぼうと心に決めていた。
22
「一番疑われるのはトリパノソーマ症(アフリカ眠り病)でしょう。最近奥様はどこかへご旅行へ?」
医師の診断後の一声は病名を告げた。
「トルコへ行きましたが・・・、先生、トリパソーマは中央アフリカから南の病気ではありませんか?」
「トルコですか。あそこで発症するとは聞きませんね。まあ、このあたりでもまれにあります。
見たところ身体に瘤などもありませんから、かかったとしても初期症状ですみます。今から血液を採りますので明日病院の方へ来て頂けますか?」
看護婦の採血の後、アフマドは医師と何事か話をしている。兄さん達も心配して隣室で待っているはずだ。
キャロルは病名が解りほっとしつつも、別の何かが違うと訴えるものが潜んでいると感じていた。
そんな簡単なものではない。覚えていない夢が私を襲っているのだ。
もう一人の自分が医師を呼び止めて叫び出しそうになる。ぐっと飲み込んで、平静を保つのがやっとであった。
「キャロル、大丈夫かい?ライアン達が心配している。早く顔を見せた方がいい。」
アフマドの言葉に我に返り、弱々しく微笑んだ。
その姿に胸が痛み、彼女の手を優しく握ってやる。必ず治るからと言い聞かせ、隣室へと導いた。
ライアンは普通に語らう妹を見て、違和感を感じていた。それは不確実な不安であり、医師の診断に逆らう胸騒ぎであった。
昔カイロで頻繁に行方不明になっていた頃の違和感であったようにも思う。
それが何か、普段の現実主義者である彼なら一笑に伏したであろう。だが、今目の前にいる妹を見ていると、朧気な何かを感じ取るものがある。
自身が事故に遭い、気が弱くなったか。
いや、違う。
違うと思った矢先彼の目に入ったのは、初めて見るキャロルの睡魔であった。
あっくそ、いいところで終わっちゃった・・・!
状況は緊迫してきたけど・・・ どうなっちゃうんだろう・・・ (゚-゚;
a
いや〜、ココもだいぶマターリしてきたねぇ。
信者しか来なくなったからかしら?
作者さま〜待ってま〜〜す
保全。
保全。様 陰ながら応援しています。
2チャンに遊びに来るときは必ずお気に入りを一周ぐるりとしています、
ココもきっちりコースに入ってます。
ほしゅ
保守
hosyu
hosyu
下がりすぎてる気がするんだけど、あげちゃだめかな?
>490
荒らしを呼び込むから、やめた方がいいと思うよ
このスレは荒れたことがあるスレだし、
sageでも保守はできるから
hosyu
保守
保守カキコ。作家さまご降臨待ってます。。。
ここはDAT逝きスレ足切りは無いのかな?ちょと心配になった。。。
>>494 >cornサーバは 500超えたら 400スレッドに圧縮実施中。。。
↑こうだから、当分ないでしょ。
すみません。質問です。
作家様が作品を送って下さるとき、だいたい20行〜30行程度でUP
というのが通常のようですが。最大何行まで大丈夫でしょうか?
40行程度で作品UPすると2ch的に不具合が発生してしまいますか?
ご存知の方どうか教えて下さいませ。
質問スレになってきちゃったな・・・(苦笑
>496
行数というより、全体のバイト数の制限がある模様。
だから同じ行数のものでも、1行の文字数によって
大丈夫だったりダメだったりするみたい。
正確な制限値は知らないけど、それを超えたものを
UPしようとするとエラー表示が出てUPできないんで、
不具合発生にはならない。
ただ、そういうこととは別に、読む方としては20〜
30行で1レスにしてもらった方が読みやすいと思う。
慣れちゃってるだけかもしれないけどね。
>497様
質問にお答えいただきまして、ありがとうございます!
今だ!500ゲットオォォォォ!!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ (´´
∧∧ ) (´⌒(´
⊂(゚Д゚⊂⌒`つ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
 ̄ ̄ (´⌒(´⌒;;
ズザーーーーーッ
終了記念2〜無題・22のつづきが気になりまする〜ぅ
23
きっちりと閉ざした鎧戸から、陽が細い線のようになって部屋を横断していた。天蓋からこぼれ落ちる厚布がふわりと風もないのに揺れる。開いた扉を振り返るが何の気配もない。
ほうとため息を洩らし、ムーラは彼女の腕を取り再び水を含んだ布で拭き始めた。
一体いつになれば目覚めるのであろう。
とうとう頂点にたたれたというのに、このまま目が覚めなければこの方はどうなってしまうのだろう。
昨日異例の儀式の上、彼女は王妃となった。
前王が薨去なされた日から、彼女は眠ったまま。揺すっても叩いても目を覚まさない。
周囲が案じる中、彼女は亡王がその魂を一緒に連れて行ったのだと、まことしやかに噂がたち始めた。その噂は真のようにも思える。
こうして見る限り、その身体に心魂がそなわっているようには見えぬ。そして冥界へと旅立とうと信じられている彼女の安身を念じたのは、他ならぬ新王であった。
今のムーラにとって、彼女の身はもちろんの事、イズミルの身をも心詰まるものであった。新王朝の体制改正、他国との国際審議、様々な国政と私事の狭間に抜かることなく制している。参政すべき王妃は傍らになく、ただ一人玉座に座る日々。
かくして即位したばかりのイズミル王は神官達の進言を受け入れた。
ーーーーその魂を戻したくば、その身分をあらかたにするべし。
立場のない方であった。ヒッタイト帝国の何処にも属さない方。ヒッタイトには繋がりがない。引き留めるものは何もない。
何も持たない方であった。元老院からは一部反対も出た。だが一体誰が、彼女の身を案じ憔悴した王を押しとどめることが出来たであろう。
しかしそこに打算もあったであろう。器だけの王妃をたてておき、第二妃を差し上げ権力を我が手にと考えた家臣もいたこと、王に恋いこがれ後宮に入り寵愛を狙った女達、ムーラが知らぬはずもない。
「ムーラ、もうよい。下がれ。」
後ろから声をかけるはヒッタイト王であった。顔を上げたムーラは涙に濡れていた。イズミルはその涙を見ないよう、そっと目を伏せた。
24
いつものようにイズミルは寝台の女を見下ろした。
寝息も聞こえぬほど、その身は静かに死人のように横たわっていた。
「これ程私が呼ぶのに、声が聞こえぬか?」
イズミルは女の肩を掴み耳元で囁く。
「何が足りぬという?私の声では足りぬのか?何故戻ってこぬ?」
身じろぎもしない器に返ってこない接吻をする。
「王となった身、そなたの側にいてやることも間々ならぬ。恋人のように語り合うことも出来ず、そなたには不足であろう。
私だけのものとなったことに、そなたは無言で抵抗するのか。
そなたは我が王妃。否とは言わせぬ。だがあれ程嫌っていた王妃ぞ。
何故目覚めぬ。何故私に意見せぬ。」
抱き上げたその身を腕の中に入れ、部屋から連れ出す。畏まる衛兵に留まらせ、宮内奥深くの箱庭の空間へと足を踏み入れた。
真綿に包まれた様な陽光が差し込み、ぼんやりと小さな空間を浮かびあがらせる。未踏の所であった為か、草は生い茂り高く囲まれた石塀に蔦は這い、荒れるにまかせたまま。
イズミルは後ろ手で扉を閉めると、遠い天を見上げた。
迷い子となり、彼の魂も何処へと彷徨い続けるのであろうか。
我が心に陰陽を落とし女よ。そなたがいなければ私の心もどれだけ安寧を得られるものか。曇りなきはずの我が生に迷いを生むのはこの女の存在。
いっそそなたをこの手で殺めようか。
そなたさえいなければ、晴れやかに生きることができようか。
守り刀でもってして、御身の血で我が身を染め抜こう。さすればどれだけ品秩損なわず事が出来ように。
ーーーー否。
たとえその存在が罪と言われようとも、消し去ることはできぬ。たとえ空に象り果てようとも、我が胸中に宿りしものを偽り続けることは出来ぬ。
あと1分待つべきだった!同時だった〜有り難う存じまする!!!ウルウル。。
>501
こんなにも遅くなってしまい、大変大変申し訳ありません。
何も言い訳は出来ませんが、なんとか最後まで終えたいと思います。
お付き合い下さいまして、ありがとうございます。
また読み難い話で重ね重ねすみません。
これからは長い間をおくことは避けますが、出来る範囲で記載させて頂きたく思います。
本当に申し訳ありません。
ケコ~ン初めてでした!!ありが?
続きキターーーー!!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ (´´
∧∧ ) (´⌒(´
⊂(゚▽゚⊂⌒`つ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
 ̄ ̄ (´⌒(´⌒;;
ズザーーーーーッ
うれしい・・・
作家様、お待ち申し上げておりました〜(アリポーズ)
読めて嬉しい・・・
25
風も通らぬはずなのに、キャロルの髪が揺らいだ。黄金の糸は彼の長衣を滑るように流れ、陽光に反射した。
柔風が彼女の項を顕わにし、肌は血脈のないごとく透き通る。
たおやかな優美な躰は地面に影を落とし、イズミルの影と寄り添うように描いていく。
既に何も思うことはない。ただ願うはその蒼い双瞳が再び私を見ることだ。
彼は音もない静寂の中、祈るようにキャロルの首元に面を伏す。その表情は日頃周囲の者が決して見ることのない、哀切な苦しいものだった。
「イズミル王、お時間です。」
イズミルはもう一度日輪を仰ぎ、片手で扉に隙間をつくる。
「ルカ、妃をそなたに預ける。」
丁重に彼女を受け取り、ルカはイズミルを見送ろうとした。
ーーーーアフマド、誰かが私を呼んでいる。あなたの側にいたかったのに。
私を忘れないで。あなたを誰よりも愛してるから。ずっとずっと、私を呼び続けて・・・。私はきっと戻ってくるから。お願い。
ーーーー嗚呼、苦しみに満ちた夢が私を取り囲む。夢と共に流れる想いが私を切なくさせる。誰?何故そんなに私を呼ぶの?何故そんなに苦しんでいるの?降り注がれる夢に押しつぶされそう。アフマド、助けて。
ーーーーアフ、マド?誰?
そして抱き取った躰から手が伸ばされるのを幻のように見ていた。
閉じかかった扉を前にして、白い手が震えていた。
「王!」
ルカは自分自身が発した声に驚き、その目は振り返ったイズミルの目と合い固まる。その後、ルカは自分が何を話したか覚えがない。ただ王妃の名を叫び続けたように思う。
ただ後日まで深く記憶したことは、神々に感謝するように王が妃を抱き、陽光の輝く中佇まれた姿であった。
キャロルは睡眠中にもう一つの世界に行ってるんですね。
う〜ん、これぞ神秘
キャロルの気持ちはどっちなのか……
あんまりいい思いをしたことの無いアマフド君がいいな、とちょっと思った
終了記念って「キャロル2年後」の続きなの???
いやー、作者様がもう書かないって言ってたから・・・。
気が変わって書いてくれているなら嬉しいんだけど。
>512
一番最初はこのスレのずっと前のほうにあった「イズミル2年後」というお話
だったと思いまつ。詩的なオープニングだった。その作者さんそれ以来いなく
なっちゃって、ずっと間が開いて、今の作者さんが続けてくれていると・・・
たぶんそうだったと思いまつ。
間違ってたらツッコミキヴォンヌ >識者
26
「何も食べたくないし、何も欲しくない。下げて。」
肉が削げ落ちたようにやつれ、見るも辛くなる程の痩身であるにも拘わらず、窓辺に立ちすぐす王妃を見てムーラはため息をついた。こちらに背を向けているのでその表情は解らない。
だが昨夜の王との口論を思い返すとその怒りの矛先が何なのかは解る。食べやすいものをと、自らが見繕ってきた皿を卓上に置いたまま彼女は冷静に言い放った。
「たとえ妃殿下といえど陛下に逆らうことは許されませぬ。わたくしどもは妃殿下を敬愛しておりますが、陛下のお心と同じでございます。既にエジプトのことはお忘れになったはず。御身はヒッタイト帝国の王妃でございまするよ。
お立場をお忘れなきよう。わたくしどもの期待を裏切らないで頂きとうございまする。」
キャロルは無言であった。そしてムーラが立ち去るまで、微動だにしなかった。震える手を手で押さえる。
「エジプトは過ぎ去った私の国。だからこそここでもう一度同じことをせよと言うの?」
(誰も彼も自分に身に余るほどの期待をする。独りぼっちになった時、それがどれほどの重みになるのか誰も知らないくせに。)
込み上げてくる自責を押さえきれずに、キャロルは崩れるように床に座り込んだ。
(何故、何故あの時、メンフィスと共に死ねなかったのだろう!)
傷を負い、死の一歩手前で生還した過去を思い出し、無意識に唇を噛み切っていた。
27
彼女の瞳の先を覗き込めば、きっと明るい碧眼は悲しみに憂いていることだろう。一時はエジプトを見続け、今はヒッタイトを視野する。
「私はメンフィスが亡くなった時、私の心も死んだはず。アイシスは跡を追い、私は残った。残された者が私だと誰も思わなかった。けれど皆、統治者が必要だった。
王家の慣例によりネバメンとの婚姻を言い渡され、けれど残った私は断固と拒否した。愛する者を失った私は心も失い、神殿筋の陰謀だと気付かなかった。
私は王位継承者でありながら女であるため王位を継ぐことは出来ない。
私はどうすれば良かった?最良の判断は私も消えること。死かナイルに流されるか・・。
でも、民は私を望み、絶望した彼等を見捨てることが出来なかった。
賢妃と呼ばれても嬉しくない。私は愚か者だったのに。
私は独りでは生きることさえ出来ない。再び支えを失うと今度こそ何もかも終わりになる。跡を追って逝くのは怖くないけれど、生きていくことが私に出来るのだろうか。
私はイズミルがいない後を思うと怖い。恋人のままなら悲観にくれるだけでいい。けれど一緒に国を見つめる者になってしまうと、人の死を悼むことも出来ず残された民を守っていかなければならない。
命がけで人を愛し報う、簡単なことと思いすぎていた。その重みを真実解った時には既に遅かった。
その責任を知ってしまったからには、再び一国を背負うことなど出来ない。愚かな私には無理なことだわ。」
掠れた声で語る姿は無情であった。表情が無く何に向かって口を開くのか。イズミルに対してか。メンフィスにか。
「私は生まれながらの王族ではない。王家の定めなど知らない。
ただ愛する人を見つけ、その愛に命を懸けて・・。」
強く閉じた目蓋に映るのは失った彼の人であった。
「幸福は一瞬に終わる。メンフィス、あなたがそうだった。ただの人としての幸せを求めることはいけないの?あなたの時のように、純粋に結婚を喜べたらどんなに良いかしら。
決められない。今の私にその勇気はない。今一時でも良い、考える時間が欲しい。誰にも邪魔されたくない。」
28
じりじりと時のみが過ぎていく。明日はイズミルと共に王妃として神殿に赴くと言い渡されていた。
キャロルは被衣をかぶり、侍女達がいないのを良いことに廊下を裸足で駆けていった。
行くあてもなく、宮殿を下れば下る程人は増えていく。それならばと、昨日目を覚ましたあの庭へ行くことにした。初めて見たちっぽけな忘れられた空間は今の自分のようだと思う。
過去を清算できていた訳ではない。エジプトは愛すべき国だった。けれどメンフィスがいなくなった時から、神の娘という名称に苦しめられ恨めしくエジプトを呪ったことか。
ーーーナイルの娘を得る者、エジプトを得ん
この言葉を信じ、今もネバメンをはじめ神殿の者達はキャロルを諦めていないはず。エジプトを脱出した時、手を貸してくれたウナス達は捕らえられ幽閉されたと聞く。助けたいと、けれど無力な彼女に何が出来たであろう。
ヒッタイトへ渡ったのは彼女なりの最後の賭に違いないが、打算が働くどころかイズミルを愛してしまったのは、大きな過ちだったのか幸福だったのか、彼女が深く悩み続けてきたことだった。
だが彼は約束を守ってくれたではないか。亡きメンフィスを慕う者たちを暗い監獄から脱出させ、国境で保護もしてくれた。彼等がエジプトになおも留まったのは彼等の意志だ。
イズミルを愛して、恋人と過ごす日々はなんと甘美なものだったろう。
自分の魂は救いを求め彷徨っていた。乾ききった心に真摯な彼の愛が染み渡っていったのは、贅沢な罪であったのだろうか。メンフィスへの裏切りだとどれだけ悔恨したことか。
キャロルは閉じた扉にもたれ掛かり、俯いた。黄金の髪がふわりと顔を覆う。被衣が腕に絡みつき、肩にずり落ちた。
「王妃として表にたつとなると、エジプトと戦になるのは必須。ネバメン達を一掃できても、かつて愛したメンフィスの国を私が導く事なんて出来ない。ましてやヒッタイトがエジプトを属国にしてしまうことが許されるはず無いわ。」
彼女の呟きは、傲慢な独りよがりな考えに取り込まれていた。
29-1
どの位そこにいたのだろう。空気は夜気にあてられ寒々とキャロルを震えさせた。白い月は雲間に見え隠れしながら、彼女を見続けていた。
灯りもない狭い庭で自問するのも疲れ果て、扉を背にしたまま呆然と座り込んでいた。
気がつけば細いルカの呼び声が聞こえる。
キャロルは応答せず、両手で耳を塞ぐ。けれど一瞬にして扉は開け放たれ、細い手首は折れそうな程強い力で掴まれていた。
「痛い!」
「ここで何をしている。断りもなく室を出ることは許さぬ。」
低い聞き慣れた声にはっと目を上げる。恐ろしく不機嫌なイズミルの顔を見て、彼女は更に震えた。
「その様子、そなたは思いの外愚か者と知れるが・・・。ーーーー帰ろうぞ。」
口を開く間もなくその身は抱き取られ、恐ろしく見据えられた視線から顔を背ける。身動き出来ないまま、彼女は途方に暮れた。
29-2
部屋に入るとキャロルは長椅子に下ろされた。結局彼女は昨夜の意見を再び繰り返すこととなる。口論とならずにすんだのは、イズミルがずっと沈黙を守ったからだった。
「それで終わりか?」
「え?」
「そなたの言い分はそれだけか?宮内に雲隠れして考えた結果は、昨夜と同じではないか?」
彼はため息をつき、額に手をあてた。キャロルは馬鹿にされたと憤慨するが、彼の顔は相変わらず不機嫌のままで、言い返すのをためらう。
彼女自身どんなに感情を出しても、イズミルは常に冷静に受け止めるばかり。挑発しても決して乗ってこない。まるで子供のようにあしらわれる様を
口惜しく見ているしかなかった。現に今もちらりと時折見せる彼の冷徹な目の光に、口を閉ざすしかない。
「そなたに従順であれと強いることはせぬ。そなたの意見も十分に聞こう。だが、私がそなたの為にならぬことをしたことがあるか?」
「・・・ないわ。でも、私が王妃と言う立場をどれだけ厭わしく思っているか、散々話したでしょう?そのどこが私の為というの。」
「賢いそなたでも、自身のことは解っておらぬようだな。その身の価値を思い計る国がどれだけあると思うのだ?己を犠牲にしたつもりで、全てが事終わると思っているのか。そなたは真に事々しい。」
その言われようにかっとなり、キャロルの手が上がった。彼の頬を叩く前に手首を押さえ込まれる。その反動で彼の胸元へ寄りかかりそうになるのを空いた手で押しとどめた。
直ぐに長椅子から離れよう立ち上がる。が、彼は白い手を離さない。二人の視線はぶつかり合った。
本当にこんな時のイズミルは憎々しい。
キャロルは睨み付けながら唇を噛んだ。
30
この女は本当に感情を包み隠すことがない。
キャロルの怒りの様を見て、彼は苦笑し眉を顰めた。
どれだけ愛しいと思い真綿でくるむように慈しんできても、この女にとって愛されることより如何に愛することかが重要なのだ。悪しき事にそれがどれだけ自分を苦しめているか解っていない。
先に口を開いたのはキャロルだった。
「どうあっても、王妃になれと言うのね。
・・・私は後戻りは出来ないのよ。もしあなたに何か起これば、私は一生あなたを憎み続ける。私より先に逝けば、決してこの国を許さない。
その覚悟があなたにはあって?私の過去の柵をあなた自身だけでない、国をも背負わせることになるのよ。」
ぎりりと強い痛みが手首に走り、簡単にイズミルに抱き寄せられる。その耳元で憤怒を押さえた声が響いた。
「私は何ものにも後れをとるつもりは毛頭無いが。ましてやそなたを置いて逝くことなど、決してあろうはずもない。」
解っている。そんなことは解っているのだと彼女はイズミルの胸の中で
泣いた。
「全て解って受け入れるの?私にそんな価値はない。私は怖くて恐ろしくてどうしようもないのよ。」
我が儘で自分勝手な、しかしそれが余計に愛しさを増す。普段は燦然たるその身は孤高の美しさを他に焼き付ける。平気で彼と駆け引きをする癖に、一旦感情を綻ばせると脆くも彼の前に心を投げ出す。歯止めもきかずに内に秘めた熱を時折放出する。
張りつめるほどの強張った麗美な仮面の下には、頑なな理性と弱い感情を併せ持ち、そのアンバランスさにイズミルはほっとするのであった。何故ならそのアンバランスこそ彼が惹かれ愛した所以であったからだ。
そっと彼の指先が鎖骨に触れ、キャロルの顎をとった。涙を見られまいと顔を伏せるのを許さず、その瞳に接吻する。
「何も心迷うことはない。そなたを決して離しはせぬ。全てを私に委ね、その幸福を生涯味わうがよい。」
幾度と無く聞かされた言葉に、キャロルは指にイズミルの髪をからませ頬に寄せた。
終了記念2〜無題 様。
エチィなお話は嫌いじゃぁないけど、
私的には、一番こんなのが好き〜〜〜〜〜。思い切りツボです。
エジプトで死ぬメンフィスのこととか、ヒッタイトに行った経緯とか、
王子に惹かれていった時とか、ウナス救出作戦、
などなど書いていない部分に思いを巡らせてまつ。
『終了記念』作家様ァー、大量UPウレシ〜!
保守。作家様、もう来ないのかな・・・。
すいません上の誤爆です!大量UPバンザーイ(;∀;)!
保全。
続きお待ちしております。まだかな、まだかな?
オニマークはないのにとっても色っぽい「終了記念2〜無題 」。毎晩UPされてないかチェックするのが楽しみになってます。早く続きを〜!!!
保守,いつまでもまつわ〜〜〜
保全
ほぜん。。。
まだかしら・・・
hosyu
保守
>保守しまくってる人
難民板はスレの数にゆとりがあるから、そんなにしょっちゅう
保守しなくてもdat落ちしないよ。
普段は1週間に1カキコ程度でも大丈夫。
http://corn.2ch.net/kakolog.html ↑ここの「live」欄が500超えたら400スレッドに圧縮するので、
その時だけは普段よりこまめに保守した方がいいけど。
31-1
独りの老人が扉の前に立っていた。対面しているアフマドは眉を顰め、相手の語るまま聞いていた。
「お久しゅうございますな。アフマド様がこの爺を遠ざけられたのはもはや何も申しません。今日はだんな様の言伝で伺いましたじゃ。ーーー聞いて頂きますぞ。」
居間のソファーにどかっと座り込むと、彼は苦み潰した声で聞いた。
「親父は帰ってきたのか?」
「旦那様はクエートにおいでになさいます。・・・爺は西のお婆のところへ行きその足でこちらへ来ました。旦那様は以前嬢様に電話なさったはずですわい。話はおわかりになられてますじゃろうて。」
「何の事だか、さっぱりだな。確かに親父の電話はあったようだが、僕は何も聞いていない。ーーー西のお婆?何でそんなところに・・」
アフマドは足を組み替えして、ソファーに深く座り込んだ。その目は自分と相容れない者への不信感に彩られていた。黒い瞳は鷹のように老人を睨め付けている。
そんな様子を目の当たりにしても、屈強なアラブの男は愉快そうに若い主人を優しく見るだけであった。
「ほほっ、さもありなんて。爺の心配が真になりましたな。
嬢様は何もおっしゃってなかったんですな。ようございます。いちから聞かせますじゃ。」
老人は手を合わせ、テーブルにのせた。
31-2
そこはニューヨーク。
ロディは駆け込むようにライアンのオフィスに入った。
車椅子の彼はうるさそうに弟を見、ノックぐらいしろと命じる。
「兄さん、スリーピング・ビューティって聞いたことあるかい。」
「おとぎ話はうんざりだ。仕事中だぞ。」
手を振り、帰れと合図をするも、ロディは彼の机の書類を傍らに押しのけ自分の持っていたものを勢いよくのせた。
「仕事をしている場合じゃないよ。キャロルの眠りの秘密が解るかもしれないんだ。話、聞くだろ?」
ライアンは眉を顰めて弟を見た後、秘書に立ち入り禁止を伝えた。
「キャロルのことはアフマドに任せてある。ーーーー僕もこちらの医者に意見を聞いたが、現地と同一の見解が強い。それで、お前は何を知っていると言うんだ?」
「知っているんじゃない、調べたんだよ。こういうことは僕の方が得意だって、兄さんも知っているはずだよね。
キャロルはトリパノソーマじゃない。スリーピング・ビューティなんだ。
ーーーー寓話の出来事ではなくて、現実にある症状なんだよ。」
ライアンは弟の持ってきた資料を丹念に読み始めた。ロディは全て頭に入っているのか、時折タイミング良く注釈を入れてくる。
それは5分ほどの時間であったろうか、だが長い時であった。
読破した後、ライアンはやや顔を青白くしながらアフマドへ電話をかけた。
おおっ、終了記念2〜無題の続きがッッッ!うっ、嬉しい・・・。
久々の現代版。アフマドのほうも気になってたのよね〜。
だけど、王子×キャロルが楽しみなのよ〜。
特に閨のふたりのシーンがとっても。
すっごい色っぽいんだもん。真珠や花びらやら直接的な言葉が出てくる
小説も萌え〜だったけど、わっ、わたしは「終了記念2〜無題」の
ふたりの閨のシーン(エッチとかエロとかいう言葉ではないの。"閨"という言葉が
ピッタリなの)に萌え〜!!!
>536
おっおちつきたまへ・・・ 禿同ではあるが・・・(笑)
続編熱烈歓迎! キャロルの現身は現代にあるんでしょうかねぇ・・・
32-1
キャロルをゆっくりとベットに寝かせ、アフマドは柔らかい頬に手を差し伸べた。
この蒼い瞳が映すのは自分だけだと、目の覚めている彼女の微笑みを思い描いた。真っ直ぐに見つめ笑いかける先は自分であり、その為だけにどれだけの愛情を注いできたことか。
人生の良き伴侶だけではなく、片時も離すことは出来ない最愛の妻。西洋かぶれだとどれだけ一族に言われようとも、彼女が愛すべき生活を守っていきたいと、その望みを叶えるために膨大な努力を惜しまないできた。
その完璧なる生活の上で一体こんな落とし穴があろうとは、考えもしなかった。
きっと君を取り戻してみせる。待っていてくれ、キャロル。
彼は握りしめた手を強く固めると、名残惜しくまた新たな決意を胸内に覚え寝室を出た。
32-2
「キャロルは?」
「変わりなく眠り続けています。病院から連れて帰ったとはいえ、このままでいいのか・・。ドクターは毎日往診に来てくれますが。改めて僕は落ち着いて話をしたい。ロディ、聞かせてくれますね。」
ロディは頷くとアタッシュケースから分厚い資料を出した。
「ライアンから大筋は聞いたんだよね。スリーピング・ビューティ、仮称でそう呼ばれているだけで、正式な病名は無いんだ。詳しくは症例を見た方がいい。」
ひとつのファイルを差し出すと、彼は説明を続ける。
「このアメリカ人女性は眠ったまま、こちらへ還ることは出来ていない。20年前彼女はずっと眠り続ける前に、決まって同じ夢を見たそうだ。今も病院のベッドにいる。
次の子供は野球を始めると同じく奇妙な夢を見続けた結果、ある朝ベッドから消えてしまった。」
「野球?なんでそんなもので。これは誘拐とかそんなものじゃ?」
ロディは静かに頭を振ると、赤くマーカーされたファイルを取り出した。
「母親が後ろを振り返った瞬間、霞のようにその子は消えてしまったんだ。警察も総動員で捜索したけれど見つからなかった。両親の主張は夢に引き込まれたと、この論文には書いてある。
見てご覧よ。夢を見始めるにはそれぞれ決まって何かあるんだ。例えば引っ越しをして環境が変わると、新しい家が夢のきっかけになる。他には時計、絵画、花、本当に様々なんだ。何が夢に引き込まれる鍵になるのか解らない。
ただ一つ言えることはその鍵に本人が異常に執着し、夢を見始め、そして目が覚めなくなる又は失踪する。眠り続ける人々は何があってもその呪縛から解けることはない。だからスリーピング・ビューティと呼ばれるんだよ。」
33
本人が固執するもの。それにアフマドは心当たりがあった。一族の物語る婆が語ったと言うものだ。
キャロルはトルコで何かを持ち帰ったのだ。それを知った父親は彼女に警告した。だが、未だ彼女が眠り続けていると言うことは、まだ手元にあるに違いない。それが何なのか、アフマドは爺が来た日から屋敷中を探し回っていた。
西の婆の言うことは所詮は夢物だと解っている。彼も現実主義者であるが為、呪術や空言を信じるわけではない。だが今は縋るように何かを探していた。
何故なら理由もなく妻は脅え夢が怖いと言っていたのだから。
彼は一族の物語る婆の話をロディにした。あくまで予言もどきだと苦笑しながら。
「それじゃ、その西のお婆?はキャロルが持ち帰った物が禍を招くと言っていたんだね。だけどなんでキャロルじゃなく、アフマドに不幸が来るというんだろう?実際その呪にかかっているのはキャロルなのに。」
ロディは首を傾げて呟いた後、彼を見て目を見張った。いつも強気で凛と鋭い彼が肩を落とし、両手で顔を覆っていた。
「アフマド、大丈夫かい?」
「・・・当たってるんだ。キャロルの意識が戻らないと僕は光を失ってしまう。・・・・僕は信じられないんだ、ロディ。毎朝キャロルがおはようと声をかける錯覚を感じる。毎日毎日今日こそはと期待して。」
疲れてるんだと、ロディは彼の肩を軽く叩いた。
「いや、すまない。よまいごとだ。忘れてくれ。」
だが、ロディは今の言葉を聞かなかったことにして、また彼の肩を叩いた。
大量うpありがとうございます〜
王子ファンだから王子に幸せになってもらいたいが、ここにきて
アフマドのキャロルへの思いが切々と伝わってきて、アフマドにも
幸せになってもらいたい・・・と思うようになってしまった。
キャロルも古代では王妃という立場になってしまって揺れているし、
なんかみんな切々としていてう〜ん、辛いなぁ。
みんなに幸せになってもらいたいよ。
それからメンフィスの死や古代から姿を消してアフマドと結婚するようになるキャロルの
軌跡のカキコを希望。
移転保守。
アマフドいい男。
幸せになってほしいなぁ。
ちょっとさがりすぎ。
きけんいちなのであげます。
>544
はぁ!?
下がっててもレスがあればdat落ちしないのが
2ちゃんだが……
sage進行でコソーリやってるスレをわざわざ上げて、
荒らしを呼び込みたいのか?
圧縮時に足切りされるスレは最終書き込み時間で決まります
スレの順位は関係ありません
ここしばらく542から更新されずにいた。書き込みもできずにいた。
1から500までがでてこなかった。
何故???
さっき「スレッド全表示」で探して更新されているのを見つけたときは
神に感謝した(いや、半分マジで)
543の移転保守というのが気になる。
どういうことなの〜?
ちなみに番外編4も同じような状態だ。どうかしなきゃ〜。
↑で、同じようによくなったわけだが、なぜ更新されなかったか、書き込みが
できなかったかよくわからん。
>>549−550
サンクス
2ちゃんねるのお勉強がもっと必要ですね。
そうまでしてここにいたいんなら便乗煽りやめるでつ。オリジナル書くでつ。
>552
よくわからんので、詳細キボン。
>552
551ですが、ワタシもよくわからん。
もしかして煽りや叩きのお仲間と間違えられている?
心外だ〜!!!
526、536、542はワタクシですわ。
作家さまのUPを心から楽しみにしているのをわかっていただけると思います。
「終了記念2〜無題」作家さま〜!
続きをお待ちしておりま〜す。
・・・もしかして作家さまも移転先にこれないなんてこと・・・ないよね!?
>553, 554
たぶんageてる人のことかも?(わかりませんが)
スルーでいいんじゃないでしょうか。
続きま〜だ?
そろそろ続きを読ませてくださいませ〜!
き、禁断症状が〜〜〜〜〜〜
くっ、苦しい〜〜
王子の寸止めってこんな感じ〜?(いや違うだろう
催促するだけでなく、たまにはあなたが書いてみてはどうでしょうか?
>558
書けるものならとっくに書いてるよ。
sage進行でコソーリやってるスレをわざわざ上げて、
荒らしを呼び込みたいのか?
>558
だってこっちのスレは「終了記念」が終わったら
落ちるのを待つだけでしょ?
>560=558=552―――?
なんか攻撃的―。
ここは「終了記念」の続きを楽しみにしているスレだから
荒れるようなことしないでね。
小説書くコツがあったら教えてほすぃ・・・
>564
ありがとう〜。行って来たよ。
でも私にはやっぱ無理みたい(ぽつり)
書ける方、じゃんじゃ創作して下さい。お願いします。
このさい昔の本編と同じくらいに面白くて、ドキドキ感があって、
一度読んだら完全にハマりまくるくらいに面白いのが読みたい〜!
書けないくせにワガママ言ってすみません。
作家さま、お忙しいのかしら?
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
Λ_Λ | 君さぁ こんなスレッド立てるから |
( ´∀`)< 厨房って言われちゃうんだよ |
( ΛΛ つ >―――――――――――――――――――‐<
( ゚Д゚) < おまえのことを必要としてる奴なんて |
/つつ | いないんだからさっさと回線切って首吊れ |
\____________________/
(-_-) ハヤクシンデネ… (-_-) ハヤクシンデネ… (-_-) ハヤクシンデネ…
(∩∩) (∩∩) (∩∩)
(-_-) ハヤクシンデネ… (-_-) ハヤクシンデネ… (-_-) ハヤクシンデネ…
(∩∩) (∩∩) (∩∩)
(-_-) ハヤクシンデネ… (-_-) ハヤクシンデネ… (-_-) ハヤクシンデネ…
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. 〜 (\ヽ( ゚Д゚)′< ハイ、すこし換気しましょうね〜
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.∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+ ∪∪
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ほしゅ。
(^^)
保守
hosyu
hosyu
保守殿。私も時折見に来てます。
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hosyu
hosyu
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/ ̄\ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
─( ゚ ∀ ゚ )< age!! age!!
\_/ \_________
/ │ \
ほしゅ
(^^)
ほしゅ
終了記念2作者さま 待ってます。サゲ
保守しておきます。
物語が完結しないまま落ちてしまうのは
あまりにも哀しいので・・・
ほしゅ
\ │ /
/ ̄\ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
─( ゚ ∀ ゚ )< age!! age!!
\_/ \_________
/ │ \
age!! age!!
ほしゅ
(^^)
∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
>終了記念作家様
続き待ってます。
完結しないなら、最後こうなるってだけでも教えて下さい。
まだ
ほしゅ
すべき?
する・・べきだよね?
ほしゅ
ほしゅします。
最終うpの日付が「2002/11/19」 なんだね。
半年保守してることになるけど作家様から一言も無いし、
いいかげん諦めどきかも。
ココなんにん保守しているの?
自分入れて2人以上(w
保守する気失せたから1人脱落〜
キャロル2年後と終了記念・・あ〜あ、
最 後 ま で 書 い て 欲 し か っ た !・゚・(ノД`)・゚・
あきらめきれない 気になって気になって
なんだか中途半端なのが気になってしまう・・・
保守ついでに600げと
age
━―━―━―━―━―━―━―━―━[JR山崎駅(^^)]━―━―━―━―━―━―━―━―━―
ほしゅ
∧_∧
ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
=〔~∪ ̄ ̄〕
= ◎――◎ 山崎渉
∧_∧
ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
=〔~∪ ̄ ̄〕
= ◎――◎ 山崎渉
はあ、漏れもあきらめてしまいそうだ。
いちおうほしゅ。
いまごろナニ言ってんだ!だとおもうけど気になるよ
ぜんっぜんワケワカランなレスだが・・・
このカキコのあと続きうpしてくれなくなったよね?
552 :名無し草 :02/12/12 10:31
そうまでしてここにいたいんなら便乗煽りやめるでつ。オリジナル書くでつ。
終了記念てパクリ、ってか元ネタあんの?
知ってる人ヒントぷりーず!
そっち最後まで読んでですっきりしたい
蜜柑で放置くらうのはストレスだよー
ここが無理でも番外編で続き・・・というのは無理なんだろうか。
それどゆ意味?
ってか、終了記念の作家様はここでしか書けないの?
過去にナンカあったっけ?
わかんないことだらけだよ。
どなたか解説キボンヌ。
保守
終了記念がパクったのではなくて、
パクられたのではないのかと思ってたよ。
色々書くと波紋が呼びそうで怖いけど、
アフマド×キャロルって終了記念が一番最初に出したんだよね。
それでもう書く気がなくなったのかな〜と思った。
>>612 ああそうなんだ。
ならばよけいオリジナル読みたいよ。
パクの方は作品脳内あぼーんするから・・ってどれ?
おぼえてないよぅ。
保守はどうする?
念のためしておくか。
あげ
(・∀・)]o ハロー ホシュサポートセンターデス
保守で1000逝く?
んで、Part2立てて待つ?
つづきはもーどーでもいいよ
作者自身が保守してんじゃ?
作者じゃないけど、あまりにも途中で放り出されて哀しい読者
まるで某ラノベ作家のようw
__∧_∧_
|( ^^ )| <寝るぽ(^^)
|\⌒⌒⌒\
\ |⌒⌒⌒~| 山崎渉
~ ̄ ̄ ̄ ̄
pe
終了記念の続き、あきらめきれません。
今頃何といわれるだろうけどパクリうんぬんは
姉妹スレのバオバブさんのことだったんじゃないんですか。
何でこっちに書き込まれたのか知らないけど・・・
(^^)
.∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+
.∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+
(\(\_/) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
. 〜 (\ヽ( ゚Д゚)′< 山崎渉、しつこいですね。
. ∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+ 〜 (\ (ナフテラ)つ .\__________
(____) .∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+
.∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+ ∪∪
.∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+
.∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+
山崎渉って誰?
(⌒V⌒)
│ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
⊂| |つ
(_)(_) 山崎パン
本スレ荒れ気味ですね・・・
何か途中からパクリ云々って言い出した人がしつこくしつこく
一人の作家のみを庇ってるからそれを叩く人は出てくるわ、ジエン
疑惑を投げかける人は出てくるわ、このままスレがさびれそうな
雰囲気になりつつある。
パクリでも何でも面白ければ良かったのになぁ〜
>631タン
大丈夫よ!そんなに心配しなさるな。
本スレもあれでなかなかの長生きスレだもん。
2ちゃんに長くいれば、そりゃたまには雰囲気が揺れることもあるさね。
でも作家さんも読者も愛レス心厚いし、あれしきの事でさびれたりはしないよ。
うわぁ生きてたんだこのスレ(・∀・)
本スレ、しちこーーい粘着うるさくて嫌じゃ。
ダイジェストの掲示板みた人いる?
削除・変更の所・・・もう律儀すぎて泣けるよ・゚・(ノД`)ヽ
みんな結構しぶとく生きてるよ。
また〜りを待ちましょう。
>633
ダイジェストの管理人様には、本当に頭が下がりますよね〜
行くたびに感謝してしまう!!
自分、もっぱらダイジェストの方で作品を読ませてもらう新参者なんでつが、
未完のままで作家さんが去っていく事って本スレでは頻繁にあることなんでつか?
>635
私の知っている限り、お一人のみ知っておりますぞ。
本スレ読むと息が詰まるので、こちらで息抜き・・・
またーりしたいよ。
>>633 削除依頼がまちがいなく本人の作品かどうか、特定できる証拠
ないよね?
出なければいいが、人の作品削除するわりぃ香具師
本スレの騒動、うんざりしている人多いですね。
あと、1日、2日のしんぼうかな。
このスレまだ生きてたんだね。すごーい。
一生懸命保守してたけどサ・・・
本スレの愚痴はここで吐く?
荒れるから、例の所にかけば?
ってどこよ?
どこって言われても
例の所とわ?
つまり、ル−プ?
ロープは王子の武器なのだーー。
ワープはキャロルの武器なのだww
ロープでビシィィと・・・責められたいよん。
深夜組タソでつか。
腐女子組でつ
朝組。
さみすぃ。
姫の早売でも立ち読みに逝くか。
羨ましいな〜でも買わない所がオ・ト・ナですわ。
早売りうらやますぃ
週末だ
今回の姫は、イズタン好きには良いね♪、まだ包帯巻かれてたけど・・
早く完治してほすぃ。
ほしゅ。。。
こちらの作家さんもう来ないのかな
続きを引き継いでくれる方いたりしないかな(ボソリ
あちらには未だに、あれだけ未完作品を作った元凶である傍迷惑行為を
懲りずに繰り返す厨がいるようだ。それとも、スルーしないあの粘着ぶり
はわざとやってんのかな?
どちらにしても、こちらのスレができた経緯と同じ轍を踏むようなことは
やめて欲しい。あんまり騒ぐとやっと落ち着いた難民板にもいられなくなるよ。
思う事あっても今んとこ騒ぐ時期でない。
これ以上、未完作品増えてほしくないからね。
ここはひとまず、マターリ待ちましょうや。
言いたい事は山程ありだが、同じく沈黙を守りまするぞ。
hoshu
わぁ、このスレ健在だったんですね。
「終了記念2」すごいイイです。完全に引き込まれました。続き読みたい。
本スレまた最近変なムードで悲しい。
どうも特定作家さんしか受け入れない香具師がいるみたいね。
アレじゃ中断されてる作品の続きを本スレで再開するなんて無理でしょう。
再開したところで、また消される恐れがある。
こちらのスレで再開してくれないかな。
作家様だって未完で終わるなんて本望じゃないでしょうに…
>こちらのスレで再開
してほすい。是非に。
特定作家つーか、王子ファンって強烈な人多いの?
なんか知らんけど・・・そうまでして他を締め出したいのかね。
ただ静観するしかないのがストレス溜まる。
うん反論すると泥試合になっちゃうしね。
でも、王子派さんにはパラダイスだろうけど
メンピ共両方好きなファンもいるんだよう。ウルウル
本スレ、随分と堕ちたものですね。。。
付いてるレスも薄っぺらいコメントばかりで何かねぇ。単にオカズが欲しいだけ?
ここは落ち着いた大人の雰囲気で、レス読んでるだけでも心安らぎますな。
ロムしているだけでもストレス!
作家陣もうPしづらいだろうに・・・・。
本当に。また未完作品が増えるんじゃないかと心配。
私も書く身だけれど、もうあちらでは恐ろしくてうpする気にはならないな。
次に何か書いたらこちらでお世話になりたいです。
でもここの作家様達はハイレベルすぎて私の駄文は恥さらしかも。
短編〜中篇程度が精一杯ですが、こちらは長編でなくてもOKでしょうか?
私も〜。
書くとしたら私なら管理人タンの所に書きたいよ。
>>673 長編じゃなくても良いと思われるが、管理人さんにお願いするのも手かもね!
しっかしあの人達キてますな。(カキコだけ見てると結構面白い。ニガワラ)
現実に彼氏とかおらんのか?欲求不満ぽいぞ。
本スレ、前は毎日のように長編短編色々うpされていたのにー
一人消され二人消され三人消され…
”そして誰もいなくなった”状態だ。昔が懐かしいよぉ…
ナイルの氾濫が去るのをただ待つのみ。
(´ヘ`;)ハァ
随分長い・・・長すぎる氾濫・・。
気持ち悪い……
ナイルの氾濫て年に1回と違いますたっけ?
もう何回氾濫しとんねん。。。
いつの間にか奴らを冷静にヲチしてしまう自分。
しかし同類だとは思われたくないな〜
ここヲチスレになったね、一生懸命ageしてたんだけど、やっぱり
連載再会はないんだろうな・・・
私自身としては昔「幸せなアイシス」とかリクエストもしてたんで
王子のみのカップリングだけでなく色々読みたいんだけどね
連載途中で終わると読者は辛いよね。
幸せなアイシスいいね。
ちょっと変わった趣向のものも読みたい今日この頃。
673さんと674さん何か書いて頂けませんか?
私もupした経験を持つ身ですが、あの作家さんに絡んでいるの?
理由なんて無いのかも知れないけれど…。
気の毒で援護upしようとテキスト開いても、そこからの気力が出ない。
対岸の火事とは思えないから…激しい憤りを感じます。
意味不明なことを書き込んでしまいました(汗)
何故あの作家さんに絡んでいるのか分からないでした。
ゴメンチャイ。
気の毒だよね・・・途中で書けなくなってしまった作家さん達。
擁護するコメントをカキコしたいが余計に煽りそうなので大人しく見ているしかない感じだね。
私もうp経験者だけど、今は王家ネタでは書きたくない。
令嬢サイトができたらそっちで書いてみようかななんて密かに思ったり。
今の本スレで書くのは玉砕覚悟が必要よ。
ハゲドー。
擁護スレすると自作自演扱いされて、本人に迷惑かかりそうだものね。
記憶の恋人作家タソも此処にいるでつか?
ここ本スレから流れてきた作家さん多そうですな
本スレで書きにくい方や中断中の作家様はこっちでマターリ書いてくれたらいいのに
記憶の恋人・L.O.V.E・時のナイル様、ここ見てたら是非続きをヨロシクです
一言何か書き込んでもらえるだけでも嬉しいんだけども〜
NO MORE 未完作品
のスローガンを掲げたいでつね。。。
本当に!!!
激しくそう思いますよ。
でもここで本スレのこと悪く言ってると本スレにせっかく書いてくださってる
作家さんが書いてくれなくなっちゃう気がするよ・・・(´・ω・`)
オカズだとか、欲求不満だとかそんなつもりないのに・・・・ただマターリと読みたいだけなのに。ウワーン
<691
私もそう思うでつ。
…哀しいなあ…。
>>691 そうですよ。書いて下さってる作家様は悪くないんだもの。
熱狂的な読者がいるのは、それだけ良い作品を書かれているという証なのだし。
あまり悪口を言うと、またやっかみだの作家同士の軋轢だの荒れるネタを提供するような
ものですから止めましょう。
ここで本スレの悪口言ってるのは、もしかして消えた(消えつつある)作家様達?
寄り集まって悪口の言い合いですか?
誰も本スレで書くのを止めてませんよ。
それどころか続きを熱望されている読者さんだって未だにいらっしゃる様子ではありませんか。
ここにレスを付けている時間があればうpして差し上げたら如何でしょう?
私も書く者として、人気作家様を羨ましく(ちょっと妬ましく)思う気持ちは分からないでも
ないですが、本スレでなく裏スレで悪評を書くなんて失礼です。
オカズ扱いなんて本当に酷い事を書けたものですね。
読者さんを萌えさせる作品=オカズ これは違いますよ。
オカズというのはストーリーも何もないポルノの事を指す、侮辱し卑下する言葉です。
私も691,692,693さんに同意です。哀しく思います。
どんなに熱望されていても書きにくい雰囲気なのには違いない。
私は完全にROMの側だけど、あまりにも弾けた感想が多いので
今のスレの雰囲気は苦手だ。
ここで作家と称するものが「オカズ」発言をしましたか?
連載中・未完・新作を含めて番外編にはうpするのは嫌だとか
連載中の作家さんもうpしづらいだろうが、擁護レス=自作自演扱いされて連載中の作家様
本人に迷惑をかける恐れがあるので静観するしかないのが辛い。
援護する意味でうpしたいが、気力が出ない等の主旨で作家同士だから共有できる痛みは感じ
ますけれど、>694さんの様には思わないですよ。
あなたも本当に作家だったら、わかる筈ではないですか?
第一、消えた作家・消えつつある作家の書き込みと決め付けて発言なさるのはどうでしょう?
名無しのスレで特定の人と決め付ける根拠は一体何でしょうか?
>694さんも作家さんだったら連載中にカキコしてましたか?
私は書けなかったですよ。スルーされるにしてもレスが付いても正直な反応が知りたくてね
だからこそ、2ちゃんに書いているのではないのですか?
それに私個人では、連載している時には他の作家さんの作品もしっかりとは読めませんでしたよ。
セリフや言い回しなんかに影響されそうな気がしてね。
読者さんならともかく、作家と称した人の意見として違和感を感じたので・・・長文スマソ
・・・・・ってゆーか。
誰も作品をオカズよわばりしてないっしょ。
お姉さま達の大騒ぎを見て言っただけなんじゃないのか?
少なくともΨ(`▼´)Ψを入れてる作家様には光栄な言葉じゃない?
オカズにもならんと言われるよりずっといいと思うけどな。それこそ侮辱だって。
↑
ナイス!あっちで書いてもこれだけ冷静なレスつかんでしょ
「うっせー」だとかさー。
「やめて欲しい」だとかさー。
こっちまで乗り込む方がイタタでしょうに。
>697 オカズにもならんと言われるより・・・に激藁いますた。ホントそうよね。
上手い。気の利いたレスは読むのが楽しいわ。
こちらのスレにカキコしてるのは、陰で言いたいんじゃなく、みんなの気遣いなんです。
わかってね>694
ババアどもがなにいってんだか。
萌え作品を読んで喜んでいる読者達に騒ぐなと言うのはどうかと言いたいだけです。
読者が弾けて騒ぐのは別段悪い事でもないでしょう。
それを見て面白くないからこちらでストレス発散されているように見えます。
私が言いたかったのは、そのエネルギーを作品に向けられた方が良いのではないかという事です。
以上です。
>>701 騒ぐな、って言いたいわけでなく、
なんというか、表現の仕方に微妙にもにょるというか・・・。
というか、ここに書き込んでいるのはROMが大半だと思うが。
ただのROM読者にしては他の読者の反応に固執しすぎで不自然。
人気作家様を妬むのも程ほどにして頂きたいです。
無記名のレスでも内容で何となく察しが付くものです。
最近うpを止めていらっしゃると思ったら、こちらでご活躍されていたのですか。
>701=小ネタ作家=たった1つ作家
自分は名無しの隠れ蓑の中で言いたい放題でっか?
根拠も無しに特定すると、根拠も無しに特定されますよ。
>>703 ( ゚д゚)ポカーン
全くの憶測でよくそこまで書けますね。
大体文句言っているのは、色々な作品が投下しづらくなって
楽しみが減ったROMが大半だと思ったんだが・・・。
>>704 も前も憶測だけで決め付けは良くない。
スレが荒れるだけだよ。
あんたら決め付けるのもいいかげんにしたら。
あきれてくるよ。
,----、-、
/ ____ \|
ヽc´ _、ヽ, ヽ
ミ.,,,_..ノ`ミ_ノ ・・・・なぁ・・
\,; シュボッ
(),
|E|
,----、-、
/ ____ \|
ヽc´ _、ヽ, ヽ
ミ, ,_..ノ`ミ y━・~~~ ・・・お前さんらは今・・・・幸せなのかい・・・?
一読者ですが、どこも荒れて欲しくない、ただマターリ読みたいと切に願ってます(´・ω・`)
ここでも本スレでも、荒れた発言が出るたび作家さんが書いてくれなくなるのでは・・とハラハラしてしまいます
多分大多数の読者さんがそう思っていると思っています。
本スレ、作家さんがいなくなっちゃってウワーン。悲しい。皆きっと気持ちは同じですよね?
>>707 おじさんのAA渋いィ…なんて言ってる場合じゃないね。
>>704 701=小ネタ作家さん=たった一つの言葉作家さん だってぇ?!
なんで同一人物?私には理解できないぞぉ!
3人とも全然つながりないじゃないか〜
私はそれより、いつも特定の作家様だけを擁護して
さりげな〜く他を批判するレスを付ける人の存在の方が気になるよ。
「独特の〜で」「オリジナリティが〜」等々。
それって暗にパクリと言わせたい煽りに見えてしまう。
今回も荒れる前に暗に煽ってるレスが出ていたので荒れるだろうと思ってたけど。
ヲチスレほしくなるよな不満&疑惑の数々
ここに居るのは脳内に「スルーする」って選択肢を持った人。
すでにヲチスレ?
>>さりげな〜く他を批判するレスを付ける人
荒れレスを誘導するようなレスでしょ?
オブラートに包んでるけど内容は批判か否定で
本当にさり気無く波風を立て始めるよね。
言いたい事はよくわかるけど。。。
マターリ逝こうよ〜 ウワァァァァン
ヲチスレっつーか、毒吐きスレがあった方が
本スレが平和になる、というのはあるかも。
有閑スレは、そのやり方で表スレと裏スレを
使い分けてるよね。
悪口を言うのに裏も表も無いでしょう。
それに何気なく書かれたレスまで深読みして荒らし扱いですか?
私にはとてもそんな風には取れないですがね。疑り深いんですね、皆さん。
これでは読者にお気に入り作家様にエールを送るな、褒めレスを付けるな
と強要しているようなものでしょう。
>話を書いた身には感想をレスしてもらえるのは
>心から嬉しいと思いますが、
>あのお気に召されたと言う大群のレスは
>正直な話、小心者の私には恐ろしく思えました。
>レスを下さった方、すみません
(作家様無断でお借りします)
作家様のコメントを読んで、度が過ぎると書いてる作家様もこう思うかも知れない
と思うのが、このスレに来ている人でしょ。
規制で更新が止まっていたのに、作家同士の確執とかで祭りになり未完の作品を
作った経緯を学習出来ないのか?
悪口と思える方がわからんよ。
更新できない日だってあるでしょ。
>714
実を言うと私は、最近の長編には好みじゃない部分もたくさんある。
話自体には面白い部分もたくさんあるから読んでるけど、
特に王子主役ものは、王子マンセーのために他キャラを貶める手法が多くて。。。
ライアンの扱いといい、メンフィスの扱いといい、モニョモニョする。
本スレが荒れちゃうから、ずっと我慢してスルーしてたけど、最近かなり辛い。
毒吐きスレというか、マンセー以外の感想もいえる場があると嬉しいです。
これこれ、それは悪口に聞こえちゃうぞ。
意見があれば「ここは好きだけどここは残念」と感想かけばヨロシ(・∀・)
規制等等の所為にすることもできるわけで>作家同士の確執
>>717 >マンセー以外の感想もいえる場があると嬉しいです。
これは言っても別に構わないと思う。
ちゃんと客観的に718のような書き方であれば悪く思わないだろうしね。
ただね、三角関係ものは一人が自然とあぶれてしまうので、
ある程度不幸になってしまうのは仕方ない。
最近では「記憶の恋人」がメンフィスも王子も格好良く書かれていて
とても好感が持てた。
騒動以来1作品以外は連載できなくなるまで叩かれるのか不思議〜。
ほとぼりが冷めた頃帰って来られたと思ったら
また同じ結果になってるのは何故なの?!今まで荒れてもこんな事無かったのにさ。
不思議で不思議で・・・不思議すぎるよォ
なにも不思議ぢゃない。
719がドまんなか。
マンセー以外の感想は書いても別にOKでしょう。
だけど書くにしても、読む側(作家さん本人・他読者)が気を悪くするような意見はねぇ。
他を貶めるような意見の書き方や、書き手さんの創作意欲をなくす様な意見はタブーだと思うな。
何でもかんでもパクリパクリ言うのは最低だよ。
誰の影響も受けていないと言い切れる作家さんなんているの?
多少は皆影響しながら影響されるそんなもんでしょ。言い出したら誰も何も書けなくなってしまうよ。
>>723 苦心して編み出した作品を気安く安易にパクる事こそ
”書き手さんの創作意欲をなくす”と思います。
>723
うん!
わかっているよ。
パクリとか色々含めての、根本の価値観が違うんだから
折り合いは永遠につかないな・・と今は思っている。
同じ意識を持つ作家さんは向こうには書かなくなるだろうね。
まぁ特定の人達は、他の作家は要らないみたいだけどね。
特定の人達=特定の作家だっつの!
名無しのスレで限定出来るもんなんかないずらよ・・・
何年2ちゃんやっているんだと・・言ってみるかいのぉ(w
前に、少年誌で書いてる女性漫画家で、「読者が喜ぶからエロ入れろ」と
編集者に強制されて、本当は入れたくないけど入れにゃならん。
みたいなこと言ってたけど、番外編作家様たちもそういうプレッシャーは
起こらないのかな?あまりにエロに食いつくレスが激しいんで
そんな心配をしてしまった。
>>727 まんま読んだのね・・・・・・。
行間を読み取って欲しい私は726なのだ。
.∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+
.∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+ マターリ
(\.;(\_/) . / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
. 〜 (\ヽ( ´∀`)′< 換気しちゃうわね☆
. ∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+ 〜 (\ (キャロル)つ .. \__________
:(____) .∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+
.∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+ ∪∪
.∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+
.∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+ マターリ
お気に入りキャラ超マンセー、不要になったキャラは貶める
特定作家超マンセー、他作品はすべて不要だから貶める
なんか似てる。
>>731 ありがd。
しかし、ナフテラ様のが風味豊かでスキでつ、ゴメソ。
ここは行き場のない作家達のふきだまりでつか? プププ w)
遠い約束様がここを見ていらっしゃらない事を祈るよ…
作家様ご本人は何もされていないのに…
ファンが騒ぎすぎただけなのに…ウワァァァァン
まぁもうちょっと待とうや。
そのうち嵐も過ぎていくよ。
朝の来ない夜なんてない、春の来ない冬なんてないんだ。マターリマターリ
そうだね。春を待とうか。
てゆーか、長過ぎだと思う。>遠い約束
本編のダラダラに倣ってんのか?
じゃあ連投一気なら許すの?軋轢起こしてるのは読者?
作家?両方?わかわからん。
皆さん独特で面白いのにどうして潰そうとするのか。
ネタが被ったとかそれとも暖めていたネタを先出されたとかあるの?
感想挿まないように一気にうPがいいのかも。
添削でもしかねない勢いだね。アンチさん。多分数人かひとり。
長すぎるって・・今までに長篇はいくらでもあったでしょうに。
妙な誉め殺し荒らしみたいなのが、
ずっと粘着に居ついてるね<本スレ
それに対する反論をジサクジンでも
書いてるんだろうけど、別の人で
乗せられちゃってる人もいそう。
荒らし耐性ないなー
ほらね、ただの感想もほめ殺しだって!
じゃあ感想書くなと書いてるも同然。
( ゚д゚)ポカーン
絶対面白がって褒め殺してる煽りがいるよ。
不自然なのにスルーできない人も多すぎです。
しかし、作家さん同士の確執って深いんだな〜と改めて思ったよ。
たしかにクサイ程誉め舞い上げたカキコがある。
時々その人自分で書いて恥ずかしくないのか照れないのか
と不思議になるよ(w
殆どが煽り褒めなんぢゃーないの?
まともに褒めてるとは思えないようなレスばかりだよ。
長編は色々あったけど、こんなに揉めたのは初めてだね。
長編だから、というのが問題じゃないんだろうね。
そもそも何が原因なんだYO
いや現代の王子とキャロル、本当に幸せそうだったから
素直にイイナーと書き込んだが・・煽りと思われてたのネ
つか、なんで各種荒らしを「作家同士の確執」にしたがるかなー。。。?
そっちの方が( ゚д゚)ポカーン だよ
さあね。荒らしにしちゃしつこいね。
真相は分からんが漏れにとっても番外編始まって以来のミステリーだよ。
ロム専門で無い限り、皆作家でもあり読者でもありうる。
何かのきっかけで読者が作家になるかもしれない。
思わず嫉妬してしまった人もいるだろうし。
何に嫉妬?!
ミステリー説に100000王家いっときます。
とにかく根にもってるねぇ。
スレがある限りはりついてくるに20000メクメク
独占欲に狂ったヤシがそもそも原因作ったに500000ネバメン
そうかなぁ
なんかいい方向にいってるみたい。
よかったなあ・・・・。
読者さんの中の作家様の割合高そうだからね〜
何だかんだ言っても、みんなの深い愛スレ心を感じてしまふ。
マターリし・あ・わ・せ(^。^)y-.。o○
風がふいた。
う、うれしいぃぃよぉ。
保全するでつ
本スレ マターリ よかった よかった
捕手
落とさぬぞ!
>>762殿
あなた様はメンヒス様でつか?それともイズミル様でつか?
なんて男前な保守り方でせう・・・素敵じゃ(ハァト)
太ももに剣を刺したミヌーエかもしれぬ。
葡繻
溶岩ツルツルキャロルを引き上げた王子かも?藁
それは落とせぬわな
本スレに書き込むと荒れそうなので、こちらで・・・。
2chに毒されすぎなのかもしれないけど、
♪とか^^;とか☆があるとどうしても構えちゃうなぁ。
殺伐としろ、とは言わないけれども、
ファンサイト的な馴れ合いはほどほどにして欲しい・・・スマン。
私もファンサイト的なノリが鬱。
レスをクレクレ作家チャンも疲れる。
面白いと思った時は、言われんでもレスするから〜って感じ。
うっせーんだよ
おうちへ帰りなさいな
ババアが何言ってんだか。
>うっせーんだよ
>ババアが何言ってんだか
なんか定番になってきたね。
山崎渉ぐらい、見慣れてしまったわw)
保守点検完了しました!
>>774 今度はなんかガス点検みたいな保守だなや。
うっせーんだよ
ウナスではありません。
律義者のマカオーンです。キュキュキュ(w
イルカ語を訳してみました〜。
>>778 あらら、マカオーンだったのね。保守、乙〜
番外編スレで、荒らしはスルーしれ→荒らしがやりたい放題するだろっていう感じにレスが流れたんだけど、
反応することによってスレの雰囲気をさらに酷くしたいんだろうか。
反応すればするほど喜ぶし、何かしてきてもひたすらスルーする位しかいい手はないと思うんだけどなぁ。
>>780 荒しかたにもよるんじゃないかね。
特定個人を攻撃するような荒しじゃなかったら、単にスルーすりゃいいと思うけど。
誰に言ってんのか分からないような嵐言葉なら、もう余裕でスルーして欲しいとこだよね。
そんなのにまで反応する人が多いから悲しくなる。
わざわざ「やめてよ」とか「はいはい、また来たのね」とか嵐にレス返してるし。
正直そういうの見るたびに、ため息ついてるよ。
昼のは嵐タンじゃない。
自分より下とみなした者は邪魔。
読者の気持ち無視、人に干渉してばっか。
いくら話がおもしろくたって、性根がアレだ。
人蹴落とすような真似せず、専用スレか
同人誌でやれば。
1、名無しで個人叩き。
2、スルーして自作褒め。
3、マターリしようと注意入れとく。
4、本人で嘆いてみる。
だまされて読者が励まし、邪魔者消し成功。
つまらん細工に時間かけて(r。
>>783 なになに?何の事よ?
本人で嘆いてみるって???
確執説が再浮上したか。
あんましつこいと、そう受け取るのが自然に思える。
783が何を言いたいのかさっぱり理解できぬ。
783と785は誰のこと言ってんの?
私もサパーリわからないけど。
誰かを読者が励まして、誰かが消えたっけな?
今の話?昔の話を蒸し返してるだけなの?
てか、作家が書き込む=読んでるスレで
「感想書いてあげなよ!」「作家様がお気を悪くされる!」
みたいなレスは正直ヴァカかと思う。
普通本人の目の前で「この人に気を遣おうよ!」って
言わないでしょ?と。
ある作家さんがべつの作家さんの作品に文句つけた・・・の!?
新参者で昔のもめ事まで知らないけど
そう?
>>789 真偽はともかく匿名掲示板でそんな議論はやるだけ無駄。
でループ完成
悪事も∞
>>789 同じ時間帯に複数作品まとめてドーンって感じだったから
そういうのが嫌だったか邪魔だった?・・・とオモタ(あくまで私見)
他を幼稚よわばりできるなんて、よっぽど自信がないと出来ないよね。
でも783のカキコの意味、よく分からない。
話がおもしろくて、本人で嘆いたヤシなんていた?
>>792 今の連載陣じゃなくて、ちょっと前の連載陣にあったような気がする・・・
今も同メンバーじゃないの?
嵐より厄介でクソ意地の悪い作家がいる。
んなことわかってるからもういいよ。
あの〜、ますますわかんなくなってきたよ。
誰のことさ?
783タンが何を言おうとしてるのか、そもそもわからん。
>>788 あれはレス欲しい作家タンが、つい書いてしまったんだと思ってたよ。
違ったんだろうか。
>>796 わかる人にはわかる。わかんない人にはわかんない。
あまりにわからん、わからん言ってたら
ご本人あつかいされるよ。
マジレスすると現4作品の内、1本はつい最近まで連載していた人のだと思う。
後はここしばらくは見なかった文体。
日本語学を専攻してたから、細かい言葉の選び方、文章の組み立て方(形容詞、装飾語をどの位置に置くか)、
て・に・を・はの使い方で見分けられる。
人それぞれにクセがあるから、いくら文の雰囲気を変えてみてもこの特徴は現れるもんなのよ。
これがわかるとあの作品とあの作品は同じ作者なんだ、とか結構楽しい。
すご〜い。妙に感動。
日本語学を勉強するとそんなに文章に敏感になれるのか〜
>わからないから本人扱い
ROM専には、正直何が起きているかわからない。
「ヤレヤレ発言」「幼稚な文」が同一人物で作家さんって事なの?
>>801 悪趣味だよ〜、個人的に愉しんでよ、そういう事は。
自分みたいに厨房作文しか書けない作家は
匿名が命でね。
自信がない小心者を、生あたたかく見守って
修業させて下さいな。m(__)m
え? じゃ、783タン=801タン?
詳しくおせーて
あれ?何だか思わぬ反響が〜(w
自分で楽しんでるだけで、具体的にどれとどれがなんて言うつもりはないから
安心して作品を書いて下さいな<804タソ
悪趣味といわれるとそれまでなんだけど、この件で論文まで書いたんで職業病だと思って許して。
>805タソ
783タソとは別人です、きっぱり。
ついでに書くと4作品の内の1つ(801に書いたのとは別の作品)の作家様は
過去に2作ほど書かれておられるような・・・
また別のお1人はまったく初めてのタイプ。
叱られそうなのでここまで〜。
私もマジレス。
文章のクセと特定キャラ観のようなもので判断できる。
文章の流れ的なものや、あとセリフまわし、妄想の方向性など。
801さんと少し見解が違うのだが
現4作品のうち2作品の作家様、最近まで書かれてませんか?
1人がまったく初めてのタイプというのには同意かな。
私も同じく職業病かも。筆跡と文章のクセを追っかけまわしてるから。
>801タン
(スレ違いスマソ)その論文が激しく読みてぇ。
小説を読んでもストーリーばっかに引き込まれてしまい、文章そのものを勉強する力がありません。
文章うまくなるために読むといい本とかご存知ないでしょうか?
>>803 ヤレヤレ発言と幼稚な文の発言は別人物ではないかしら?
ヤレヤレは荒らすつもりじゃなく、いつもの嵐に対して言っていたみたいですよ。
それにしても最近すぐ荒れ気味になるのね・・・ぐすん。
800も801も作家様?
ババアが何言ってんだか
もしかして全員作家様なんすか?
読ませて欲しい読者より、読んで欲しい作家の数が上回ってる?
嫉妬と陰謀ぐるぐる まるで後宮のようです。フォフォフォフォ
>嫉妬と陰謀ぐるぐる
ウケタ∩(≧∀≦)∩
最近の連載陣は全て新人作家タンonlyだと思ってた。
嫉妬と陰謀か・・・・。王家らしいっちゃ王家らしい。
こんなに充実してレベルが高いのって珍しいと思っていたけど、まいろいろあるのね。
783はあの人がまたキターかと思たよん。
つか、皆783に釣られすぎ。
どうにでも取れる様なカキコで陽動させてるだけだろ?
本当に嵐耐性なさすぎ。
というか嵐で大騒ぎするのを楽しんでるのかね。
そうとしか思えない。
必死すぎ>816タソ
816タンと817タンで陰謀ぐるぐるの旅へドゾー
いい加減仲良くしろよキミタチw)
てか、ぐるぐる旅のまえに続きうp。
>>820 同意。
みんな更新止まってるし・・・
私ゃ続きを楽しみにしている読者なのですがのう。
どの作品も楽しい&素晴らしい、じゃ駄目なの〜?
>>821 禿同!どれもそれぞれに魅力のある作品なんだからROMさせてもらえばいいんだよね。
ハタから見ると816も817も必死に見える〜
何じゃも前ら!専業主婦はそんなに暇なのかい?
783はある意味正しい見解かもしんない。
敢えてかどうだか、作品名を挙げてないだけで
私には大体の事がわかった。
どれも素晴らしい、そうおもってるよ、読者はね。
専業主婦のみならず、仕事さぼってるヤシもナー。
働け!!
このスレの存在自体を恨んでるのかもね。
正しいっちゃなんたって820ダロ!w
今言い争っているのは執筆中の作家様達なの???
ROM専にはもうついて行けないよ〜〜〜
訳ワカラン(T_T)
どうかお静まり下さいませ〜〜〜(涙)
原因は一時より感想レスが減ってきた事ですか?
原因は、暴れん坊作家たん。
そんだけ。
執筆中の作家様をどうしても悪者に仕立てたい人がいるみたいですね。
そのためにジサクジエンやってる人がいるんじゃないの?
昨日今日の流れを見てるとそんな風に感じられます。
複数の創作スレを愛読してるけど、
どこも作家さん同士の確執は避けられないみたいだよ。
2ちゃんだから仕方ないけどねw
匿名掲示板でマナーや常識を求めてもむなしい。
なにでも演じれるワケだし。
私は面白い作品を読ませてもらえたらそれだけで幸せです。
作家様達、頑張ってください。としか言えないなあ。
奥歯に物がはさまったようなレスが多くて本当に訳わからん。
作家同士の軋轢なんてどーでもいいんだよ。
匿名掲示板で、んな話題出しても無駄だし、雰囲気悪くして終了だろ?
もういいかんげんにしてくれよ・・・。
>>832 私もそう思った。
まるで作家様同士が争ってるように見せて
作品の更新を邪魔しようとしてるんじゃないかなぁ。
夏以降(それ以前からかも知れない)ずっと住み着いている自縛霊みたいな人がいません?
>808
亀レス&スレ違いすいませぬ。
>小説を読んでもストーリーばっかに引き込まれてしまい
それでいいんですって。それが本来あるべき姿で逆に羨ましいぐらい。
感情移入できる感性があることを大切にしてくださいな。
>文章うまくなるために読むといい本とかご存知ないでしょうか?
偉そうなこと言って申し訳ないんだけど、上手い文章と魅力ある文章って別な気がします。
論文とか書くのであれば文章の組み立ての上手さでカバーするってワザもあるんだけど(w、
小説の場合には言葉の選び方のセンスや流れが大事だと思います。
808タンが読んでていいな〜とか好きだな〜という小説があれば、
それを徹底的に読み込むのが自分の納得出来る文を書く近道なのでは。
声に出して読んでみたりしてリズムや語感を自分の物にするといいよ〜。
文章の技術にこだわってると、それに気をとられて浅薄にもなり得るし。
>>837 なるほど。
801タンは王家番外編スレに小説書かれていないのですか?
貴女の作品を是非読んでみたいなぁ〜♪
>838
気持ち悪い
>837タン
丁寧なレスありがとう。嬉しいです。勉強になるです〜
>>841 ヒトリゴト、具合でも悪かったんじゃないの。
王家のキャラなりきりってないのかな?
ちょっとやってみたいと思ったりして。
>843
過去悲惨なことがあったんだよね。
昔の番外編スレはなりきりだったものね。
あの方が感想書きやすかったな。
作品もだけど、読者のレスも読み甲斐があった。
今のスレの盛り下がりを見てると当時が懐かしい。
>844-845
え、そうなの?
古い番外編スレは読んでないから知らんかった。
なりきりで感想つけるのとかおもしろそ〜。
悲惨なことって何があったの?
スレ違いを指摘されて、追い出しくらったのよ。
番外編スレでなりきるなって追い出されたということ?
それともキャラ板とかから?(教えてちゃんでスマソ)
なりきりが苦手で嫌いな人もいますから・・・
>なりきりが苦手で嫌いな人もいますから・・・
そうかー、苦手な人はいるよね。仕方ないか。うう、でもやってみたい〜!
これから過去ログ読んでみます。
教えてチャンは
ダイジェストサイトいって
過去ログ読んで欲しいよ・・
あまりのイタタぶりに追い出されたんだから
難民ではマッタリしたいと思ってるので
正直、なりきりネタはかんべん
イタタというよりも、昔キャラネタ板にいた事があったからねぇ。
一時期の難民板でなりきりもその名残なんじゃないの?
たま〜〜〜〜〜〜にネタで一つ二つある分には構わないと思う。
なりきりはなりきりで緩和剤的な効果があってよかったこともあった。
嵐があってもキャラになりきることでやんわり流せたり、
それ以前にキャラ言葉でぶつかりそうな時もカバーできるっていうか。
上手く言えないけどさ。
今のスレつまらない。
いや、作品じゃなくて、スレの雰囲気がね〜。
シラケテル。
なりきりは別にどっちでもいいけど、いつまでもこのままの雰囲気が続くのかな〜。
本スレが荒れないようにあえてここを使っているんだから、
本スレでここのことを書くのはやめてくれ・・・。
>>854 結構前からこんな感じだったでしょ。
くれくれレスは相変わらずうざいけどな。
毎日うpしてくれる神がいるだけでも希有なことなのにね。
上手い人いたよね>なりきり
セリフまわしなんか絶品で萌え〜
ひっそりこっそり待ってました
お題に添ったやつとか、新作ウプみたく
あったらな〜〜
苦手な人にはすいません
上手い人いたよね>なりきり
セリフまわしなんか絶品で萌え〜
ひっそりこっそり待ってました
お題に添ったやつとか、新作ウプみたく
あったらな〜〜
苦手な人にはすいません
エラーで二重カキコ、イタタだ<自分
アルゴンに舐められに逝きます
>本スレの683
胴衣です。(でも本スレにここのことを書くのはイクナイ!)
801さんのカキコ、個人的には興味深いお話だと思うけど、作家陣を書き辛くしてるんじゃないかな。
愛読している他スレでも「これとこれは同じ作家」のような憶測が流行った時があって、連載作品が中断してしまった経緯がありました。
匿名の作品やカキコを想像するのは楽しいけど発言するのは野暮かと・・・
801さんのカキコで波紋が広がってるみたいだけどさー、
もう1度ちゃんと読み直してみ?
作品名を出してもいないし、どの作品なのかって臭わしてさえいないじゃん。
過剰に反応しすぎなんじゃないかと。
なにごとも過剰に反応しすぎるのはイクナイ!
さらーっと流せばいいのだ。ナイル川のよーに(w
激しく同意だよー。
ナイル川のようにマターリと流れて行くのが(・∀・)イイ!
ん〜。過剰反応というか何というか。
>>801>>806のあと作家さん達のうpが激減したのは事実かも〜(泣
私もうp経験者だが、正直言ってあんまりいい気はしないよ。
悪趣味だからヤメレって言った作家様がいたけど私も同感だった。
また書きたいと思っても投下しにくいよ。
確かに。一字一句を解析されてるなんて思うと
ちょっと恐いものが。。。
うpするだけでもカナーリ勇気がいるのに。。。
最初は783=801で新種の荒し?
と勘違いしちゃったわよ。
自分の国語力や知識を自慢したいならスレ違いだったね。
よそでやってくれ、801よ。
・・・ってことで☆この話題は終了しました☆
>お題に添ったやつとか、新作ウプみたく
面白そう!!
久しぶりになりきってみたいよ〜
「なりきり」何なのかさえ知らなかったけど、ココ見て過去ログ漁ってみたら・・・
おもしろい!私もやってみたいぞ、侍女その1とかナイル河とか
アゲてしまった!すいませぬ・・・
なりきりは本スレじゃなく、こっちの方でやるんだよね?
ちょっと気になったもんで・・・
ここの保守がわりに・・・なりきりますか?
だってここ、ヲチスレもしくは毒吐きスレになってて嫌なのよ。
865タン経験者だったでつか?
だれのなりきりか烈しくキニナル!!
ぜひぜひやってくだちい〜
メインキャラそろうかな(´・ω・`)
わたし、なりきりはムリぽでも
萌えるお題はありまつ〜
>メインキャラそろうかな
ほしいキャラへ向けて、なりきりで呼掛けては。
で、呼ばれたキャラのなりきりさんがレス。
ウマー!
ぜひやりましょうよ〜。私、経験したことないけど参加いていいでつか?
ドゾー\(~o~)/
おお・・・ここは懐かしき2ちゃんねる・・・
輪が愛する弟、メンフィスは何処じゃ・・・?
にっくきキャロル、そしてイズミル王子も顔を見せよ!
むっ・・・その声は姉上・・・何故、バビロニアの王妃たる姉上がここにおるのだ!
キャロルを攫ったのは姉上か?イズミルか?
ええいキャロル、私を呼べい!私はここぞーー!!
ねえ、恥ずかしくない?
自分たちがどこにいるかわかってる?
難民、わかってるよ?
だってうpも途絶えてるし、退屈なんだよぅ。
祭り見物してないの?
大騒ぎだよ(w
そろそろ終息しそうだけど。
どこよ?
関連性低い。
あなたはだれ?どこにいるの?
ああ・・・思い出せないわ。
わからない・・・だけど声のするところへ行きたい・・・。
作品に対する感想以外だと、なりきりって難しいーね。
だれかこっちにも作品落としてよ。短編大歓迎!
ひょっとして現代?>キャロル
なりきりで新作短篇どーすか?
わはは、無理難題か。
>>886 とても面白そうなんだが、難しそうだな・・・
ナレーションのなりきりさんが必要かもね。
>>885 >作品に対する感想以外だと、なりきりって難しいーね。
そうだねー。最初のなりきりは作品の感想からやったほうが始めやすそうだね。
やってくうちに自然と掛け合いになったり、ストーリー性を持ったりしそうだし。
とりあえず作品は本スレ掲載中の作品でもいいし、過去の作品でも何でもいいんでないかい?
感想たってうpないんだよね
みなさま、記憶の恋人・番外編の私こそ本当の私の姿ですわ。かなりイケてたでしょう?
作家様、魅力的に書いて下さってありがとう。ようやく陽の目を見た気分でしたわ。
(ごめん、こんな感じでいいのかな?)
このごろ出番が少ない・・・
ミラタンかわええ〜!
此処で王子から、あいしてると言ってあげるのは?
キャロルから王子へ、王子からメンフィスも!
哀しいすれ違いを解決して、ハッピィになろ〜〜
ルカ!そなた出番が少ないなどとほざいておる場合か!
さっさと王家の本編を発禁処分にいたせ!
私の失敗ばかりを書きたておって、許せぬ〜〜
このスレの作品の多くは私が主人公で満足ぞ。
フッ・・・、メンヒスさぞ悔しかろう。
ミラ・・・、すまぬ。やはり姫を愛している。
もう20年も追いまわし続けたゆえ、いまさら諦められぬ〜
ううーむ、そなたは父上にでも面倒をみてもらってくれい(汗)
>>891 「アネモネ」のあなたが好きだったわ。
お兄様もたまにはわたくしを思い出して。忘れすぎよ。
あのぅ〜、イズミル王子ってまだ・・・なのでしょうか?
とっても気になって眠れませぬ。
ムーラ様こっそり教えて下さいまし(ポッ)
「アネモネ」懐かしゅうございますわ。
切ないお話でございましたね。ミタムン様おいたわしや〜。
くせものじゃ!893は王子とは思えぬ!
そんな品位のない話し方を王子に教えた覚えはごさいませぬ!
相変わらず辛口じゃのう、ムーラ殿は。
ヒッタイト勢がお揃いで賑やかなこった!
みなさん、王子とHしてる事はメンフィスには内緒にしておいてね
たまにはラガシュ王にも襲われてみたいわ
でもアルゴンは嫌よ。また毒の花を飲むわよ
エエー!キャロルまで曲者。。
イズミルとキャロルの怪しき偽者を捕えて手討ちにいたせーーっ!
なりきりタン達は、どうしちゃったですか?
一人でやってて空しくなったのかもね。
作家様のうp、一時よりか減ってタイクチュ
なりきりタン、隙間を埋めて〜
記憶の恋人、それか絆の生まれるとき風味の
イズミル、何方かおながい〜〜
ふっ・・・
作家タンのうp減ったよね。
ワシも退屈じゃー。
けど作品もなりきりもできないよー。絵も描けないし。
>>903 ふぇ?、1人ってこたぁないでしょ
それかイパーイキテルーと信じて、ワシが踊っただけかい?
ヽ(´Д`;)ノ
( へ)
く
ヨチヨチ(*´∀`)つ(´Д`;)
絵と言えば、絵師殿は新しい作品に着手してらっしゃるのかな?
見たいな。
>>909 ウマーかったよね。
あれでエチーなシーン描かれたら、鼻血でそっ・・・
絵師さん、王子萌えなんだろか?メンヒスもきぼん。
>>907タン 何だかかわいいYO!
萌えシチュであればあるほど、自己脳内で出来たイメージから
掛け離れたエロ絵は、正直、きもい
見たい人は見る。
萌え系に話が流れると、必ずチャチャ入るのなんでだろう?
さあねぇ。
自己脳内でしか幸せになれない人って
他人のイメージで汚されたくないんじゃない?
気に入らない作品にケチつけたりするのも
こういうタイプの人かもねーw)
ま、お話でも絵でも、自分のイメージとかなり
かけ離れていたら辛いものがあるってのは同意だけど。
>>912 剥げ同。
見たい人は見る、見たくない人は見なきゃイイ!
小説もイラストも楽しみにしてまつ。
文章はヤんなったら読むのやめられる。
絵は見た一瞬でおわるからねぇ。
ひとくくりに絶対見ない、と決めたら済む。
けど、エチーな絵だけ苦手ってのもわかるから
全否定はできない。
見るまえに判別できたらいいね。
でも正直、許せるレベルの絵って少ないよ。
ファンサイトでも、なんでこんな小学生の落書きみたいなものを
他人に見せる気になるのか、と小一時間問い詰めたい絵もよくある。
文章と違ってダイレクトに「違うだろ!」って思わせるからね。
そんなにコダワリがあるなら最初から見なければいいのにと思うんだが
王家番外スレは二次創作スレだから、そもそもイラストうpを受け入れない性質の人もいるの鴨。
あのーー。
突然ですが、次スレはどうしましょうか?
ほんとですね。
どうします?
一番の問題は新スレが必要かどうか・・・ですよね?
新スレ必要なしに一票
新スレはいらないでしょう。
重複スレだし、ここでなきゃ離せない話題はない。
×離せない → ○話せない
スマソ
ガス抜き、あった方がイイに一票!
このスレがあると、表スレで言いづらい事を我慢せず発言したり、
却って雰囲気を悪くしてしまっていると思われ。
無い方がスッキリするよ。
あとはスレを消費するだけで良いのではないでしょうか?
長く保守し続けていた、乙女に選択権を委ねたい。
個人的にはスレタイ決めて保存してほしいけど・・・。
O家別室ーわれわれの2年後ー
O家別室―王族乙女の社交場―
私もいらないと思うなぁ。難民板に王家2つも必要ないんじゃないでしょうか。
このままヲチスレ状態でいくんなら不必要と思いま〜つ。
こちらの未完作品の続きが来るとは思えないし〜。
残しておくなら、こっちをΨ(`▼´)Ψ専用というのはどお?
話し一部分にΨ(`▼´)Ψ来る場合が一般的で、書き出しから予測するのは困難。
短篇か、結末まで書き上げたのを小出しにする場合以外、無理でしょうな。
ってゆうか、本スレからΨ(`▼´)Ψをこっちに移動させたら
本スレが成り立たないと思われ。
イエテル(w
こっちが終了したら、盛り上がらない本スレにカキコが増えて
ちょっとは盛り上がるんじゃないか…
と言ってみるテスト
Ψ(`▼´)Ψで騒ぐとすぐ、キモイとか言う人がいるから
分けておくと良いんだろうけど、
確かに作品分けが難しいわねぇ。
こういうのはどうでしょう。
一度このスレを終了→本スレのみにカキコ→特に不都合なし→めでたしめでたし
もしくは
一度このスレ終了→本スレのみにカキコ→本スレ荒れ気味orストレス溜まる→このスレ再開
>>935 名案!
こっちの未完作品の作家さまが、もし続きを書いて下さるなら
本スレに書いてもらっても全く不都合ない訳ですしね。
>Ψ(`▼´)Ψで騒ぐとすぐ、キモイとか言う人がいるから
Ψ(`▼´)Ψマンセーレスは、別にキモイとは思わんが
正直、引くんだよね。(私だけか?)
レスのキャーキャーっぷりについていけないというか。
漏れ、もう枯れちまってるなーと思うよ。
>935
私も賛成でつ!
>937
わかる、わかる。私もだ。
いや、別に枯れてるっちゅーわけじゃない(と思う)のだが
なんつーかグルグルの時だけあからさまにっていうのがね(w
それに個人的にはΨ(`▼´)Ψそのものよりも、そこに到達するまでのドキドキとか
エチーしたいけど出来なくて悶えてる感じがツボなのさ。
当面2つあっていいとオモ。
どっちにウプするかは作家様に決めてもらう。
1話目投下したら、その作品は完結までそこのスレ。
いるとかいないとかの、競合嫌う作家様もこれでオッケ。
その時の気分、スレの空気でウプ先選べるのは有難い。
片方にウプがなくなったら終了。
めでたしめでたし。
こんな感じは如何ですか。
ハァ・・・、ますます盛り下がりそうなヨカーン
>>939 あんまり意味ないような・・・。
>いるとかいないとかの、競合嫌う作家様もこれでオッケ。
これってどういう意味なのカナ?
■王家の紋章番外編〜上エジプト〜
■王家の紋章番外編〜下エジプト〜
みたいだなw
>933 本スレが盛り上がらないのは、ここのせいなの?!
〜清純&正統派〜
〜ちゃんこ闇鍋派〜
にしたら?
そしたら伯爵令嬢も可でしょ?
わろえた!!
というかさ、本スレの住人全員がここの存在を知ってるわけじゃないでしょう?
リンクだって貼ってないんだし。
そうである限りここは今みたいにヲチ的な存在にならざるを得ないわけで、
いくら体裁を変えたところで結局はヲチになるんじゃないかと。
リンクするよろし
〜ちゃんこ闇鍋派〜
ワロタ!
面白そうだね。
でも長編でΨ(`▼´)Ψが有ったり無かったりする作品は
正統派になるのか闇鍋になるのか。。。
やっぱ分類がムツカシイ。
>>938 >グルグルの時だけあからさま
確かにね〜。
それから今だから言うけど、あの清純派がウリの「祈り」にまで「次はΨ(`▼´)Ψシーンかな〜!」ってレスが
ついたときには驚いたよ。そこまで作品の空気読まずにΨ(`▼´)Ψクレクレ言うのもあんまりなんじゃ。。。
>>948 んだね〜
作家様におまかせ(w
その判断には抗議しないよーに
でよい!?
>>950 よくない!このスレはもういらないでしょ〜
ほぇぇ〜!
なんてかΨ(`▼´)Ψで喜ぶと怒られそうな雰囲気だね。
私、番外スレ誕生の頃から愛読しているので
初期の頃のドキドキΨ(`▼´)Ψが忘れられないの。
808サン系の・・・無条件で萌えちゃう作品が好きでして。
王家で見れないHシーンが読めるのが楽しみなんだよぅ。許して〜。
>なんてかΨ(`▼´)Ψで喜ぶと怒られそうな雰囲気だね。
いやいや、そーいうわけじゃないと思うよ。
要はバランス感覚なんじゃないかな〜。
Ψ(`▼´)Ψだけ異様に盛り上がったり、949タンが書いてるように
作品の雰囲気読まずにクレクレしないほうがいいのでは?ということだと思う。
>>「祈り」にまで「次はΨ(`▼´)Ψシーンかな〜!」
あれマジレスじゃないでしょ。
わたしゃ、てっきりジョークだとオモテたけど違うの?
まさかあの作品にΨ(`▼´)Ψが出てくるとは思わないよね、誰が見ても。
清純派エチ無しは向こうで、こっちは闇鍋ごった煮がいいな。
お互い乗り込まないってお約束で。
向こうのスレは清純派マンセーって感じだも。
いや〜、でもタイミングから見てもマジレスだったと思う。
少なくともそう感じた人がいたということだ。
私もあんまりだ!とか思った。
>>955 だよね。
感想書け書け言ってたくせに、Ψ(`▼´)Ψにレスつけたら
グルグルの時だけあからさま、って言われても困る。
どの作品も好きだしレスつけてるのに。
そんなんで盛り上がる訳ないよ。
スレ分けてΨ(`▼´)Ψ作品が以前みたいにバンバンうpされたらバンバンザイですわ。
今減ったよねー。
本スレ=清純派・正統派作品(Ψ(`▼´)Ψなし)
別室=闇鍋(Ψ(`▼´)Ψ・伯爵令嬢もOK)
これでどうですか?
漏れはぐるぐるΨ(`▼´)Ψから童話まで一つのスレに共存してるところが好きだったりするw
更にここみたく本音言えるスレが有った方がストレス溜まらなくて嬉しいんだけど・・・
>>959 し・・仕事が速い!
恐れ入りました&ありがトン!!!
このスレ不要に1票。難民は重複スレOKなの?
OKだとしても、そんな細分化するほどの量じゃないんだし
スレひとつで十分だよ。分けたらますます寂れる。
この上なく嵐を呼びそうなスレタイだなー
勝手に決めるなYO〜〜スレタイ
苦手な人のためにΨ(`▼´)Ψの表記があるんじゃないの?
表記を見てスルーする人もいるだろうし、それを知って見て文句を言うのはどうしようもないような。
つか、ガス抜きをするのならヲチ板に立てればいいんじゃないか?
作品を分けるのは結果的にスレを廃れさせることに成りかねないので賛成はしたくないかも。
せめて、闇鍋の説明入れてくれ。
あーあ、やっちゃった。
要らないって人も多かったのに。バカだねー。
責任もって処理しろよ。
Ψ(`▼´)Ψをスルーできない風紀委員タン、過剰反応しすぎだよーッ!
騒ぐなって言ってるのと一緒だよ。
ついにこんな事になっちまったぞ、トホホ。
ぎゃっ!私が冗談で書いたスレタイが採用されてる〜〜!
なんか皆様に申し訳ないような気が。
もう少しマシな(突っ込まれないような)モノを考えたらよかったわ・・・
>970タン、わかるよ〜〜!
>ついにこんな事になっちまったぞ、トホホ。
自分的には、ニホホなんだがw
たぶん作品はうpされず雑談スレになるんじゃないの。
ま、藻前はうpするな。
自分が書き手だったらうpしたくないよ。
ご自由にv
>970
でも別にΨ(`▼´)Ψ作品がダメなんて誰も言ってなくない?
Ψ(`▼´)Ψ作品をスルー出来ないとかじゃなくて、
きっとΨ(`▼´)Ψマンセーのレスをスルー出来なかったのでつよ。
決めんのは作家タンだからね。
つか、作家タンなの??>975
何でΨ(`▼´)Ψ作品をスルーできて
Ψ(`▼´)Ψレスをスルーできないのか、ワケワカラン。
作家タンも今の本スレみたいな盛り上がらんスレに書くより
闇鍋のほうが盛り上がってたら、そっちに書きたくなるかもねぇ?
問題は闇鍋の存在に気づくかどうか・・・
リンクは貼らないが吉。
もう、はってあった
本家は貼ってない。
スマソ、貼られてた。。。。。。。。。。
本家に貼ってあるあれ、一体どういうこと!?
本家で一切Ψ(`▼´)Ψをうぷするな、したら叩かれる、
自由にレスつけるなみたいな書き方じゃん。呆れた・・・
730で書き直しといた。
お節介、力足らずならあやまります、すいません。
こんなことになっちゃって。。。私のせいかなぁ。責任感じてきた。
分裂したくない人も多かったのに、こんなことになってしまってごめんなさい。
>949タン
そんなことないよ、あれはあれで一つの意見なんだもん。
それを過剰反応だとか言い出し、さらには意見がバラバラな内に新スレを立て、
本スレ728みたいな勝手なルールを自分の解釈で書いた人たちの責任だと思う。
>>988 駄作投下経験者です。
分裂で楽になりました。
いつになるかわかりませんが、ネタが浮かんだら闇鍋でウプします。
闇鍋命名者たんにも謝謝。
>>966 ヲチ板は、確か2ちゃん外のヲチのお約束だったと思うよ。
>>988 気にする必要ないよ。貴女のせいじゃないですって。
賛成派ではないけれど、分裂して悪い事ばかりでもないと思うよ。
ずーっと変な圧力かかった状態だったから、かえって良くなるかも知れない。
Hなのを読みたくない読者さんや作家さんからすれば、ずっと居心地良くなるでしょうし
オニ系作家様や読者さんは大騒ぎできるわけですし。
出来てしまったものは仕方ない。
資源を無駄にしないよう有効活用するしかないですね(苦藁)
>>990タン
メッチャ期待して作品投下待ってまつーーーー!
今から打ち上げ花火AAを用意しておかなくっちゃ。
1年半以上も続いてきたこのスレもとうとう終わりでつね・・・
ご
く
次スレは3年経っても終わらないかもね。
それとも荒れて3日で消費?あーあ。
ここも居ついてみればそれなりに楽しかったな
さようなら〜(涙)
−−おしまい−−
1001 :
1001:
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。