名画紹介　七五調

「ダイ・ハード」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　風采上がらぬ中年刑事　妻との仲もマンネリ気味 　　　　
　ひょんな事から偶然に　テロリスト気取りの悪者の 　　　　
　占拠したビルに居合わせて　何の因果でこの俺が 　　　　
　愚痴をこぼすが仕方ない　人質救うがその役目 　　　　　　 　　　　　　　　
　黒人警官味方につけて　派手にドンパチやらかすぜ　　　
　はだしの足は怪我したが　たった一人で大立ち回り 　　　　
　悪党退治に大活躍　不死身の男　マクラーレン　　　　　　
　演じるブルース・ウイルスは　これ一本でスターダム

「ベニスに死す」

　昔は知られた作曲家　今じゃすっかり疲れ果て
　あてなく旅に出てみたが　水の都を訪れて
　そこで出逢った美少年　この世のものとは思えない
ビョルンよ　君はデカダン美　あまりの美貌に感激し　　　　　　　　
　我をも忘れて陶酔す　扮するボガード名演技

　あわれ初老の作曲家　化粧姿がいじらしい
　たとえコレラにかかろうと　黄昏(たそがれ)どきほど美しく
　このまま死んでも悔いはない
　名曲マーラー哀しく響く　芸術映画の最高峰
　淀長先生大激賞　監督巨匠ヴィスコンティ　

「ダーティ ーハリー」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　乾いた銃声　シスコに響く　連続射殺魔スコルピオ
　一般市民を人質に　市長を脅迫　カネよこせ
　いやならこれから一人ずつ　銃の餌食だ　覚悟しろ
　向かうは市警のはみ出し刑事　ハリー・キャラハン登場だ
　汚い仕事をまかせられ　お不潔ハリーと呼ばれても
　相棒やられちゃ黙っておけぬ　マグナム片手に追いつめる

　やっと捕らえてみたものの　なにをおっしゃる検事サン
　違法捜査だ釈放だ　そーんなバカな理不尽な
　いったい正義はどこにある　こうなりゃ一人でやっつける
　休日休暇も返上し　悪党野放し許さんぞ

　そら見たことか　エライさん　スコルピオがまたやった
　上司の命令なんのその　ハリーの怒髪は天を突く
　アクション連続息つけず　最後はマグナム一撃だ！
　シーゲル演出歯切れよく　イーストウッドの当たり役
　アクション映画の金字塔　ダーティ ハリーここにあり

「面白そうね 『ベニスに死す』」 スレ読んでから観た人が
「あたしゃてっきり 演歌調かと 思って勇んで観てみたものの
内容かなり暗いのね テイスト違う」と怒ったら
一体どうするつもりなの
んな言いつついっぽうで 面白ければそれでいい
所詮スレなどそういうものさと 思う男の無責任
思いのたけを書いてはみたが 所詮横スレ邪魔したね

今立ち去ったこの男 間違い見つけ再び登場
上文中にある文句「横スレ」実は大間違い
拙者が書こうと思ったは 「横レス」なのです ごめんなさい

「御法度」

音に聞こえた　新撰組が　大島映画になるという
惣三郎はオーディション　報じたそばから　監督倒れ
諦め境地でまつこと２年　奇跡の復帰の記者会見
引き連れて現れた　年端も行かない男の子
あの優作の忘れ形見たあ　お釈迦様でも気がつくめえ

正月公開されたはいいが、映画評はまっぷたつ
何はともあれ巨匠復活　カンヌくんだりまで出かけたが
このごろテレビにもでやがらねえ
いねえとさびしい大島渚
バカヤローは不滅でござんす

「ひまわり」

　ソフィア・ローレン美しく　マストロヤンニはたくましい
　出兵前のひとときの　新婚生活　玉子ぜめ
　つかのま夫は戦場へ　行先きゃ地獄のソビエト戦線
　終戦なったが夫はいずこ　死んではいないわ　生きている
　ひと目逢いたや　あきらめきれぬ　妻は単身ソビエトへ
　異国でソフィアが見たものは　ああ運命のいたずらか
　この世に神はないものか　すでに夫は妻子もち

　ロシアの妻は命の恩人　捨てては帰れぬせつなさよ
　ソフィアはあきらめふるさとへ　マルチェロふりきり涙にくれる
　戦争なければ幸せだった　戦くさが二人を引き裂いた
　いくら泣いても涸れぬは涙　悲しい哀しい物語
　ロシアの大地で戦死した　兵士はその地でひまわりの
　きれいな花になりました　名曲奏でるマンシーニ
　名匠デ・シーカ監督の　イタリア映画の秀作なり

このスレは　敷居が高いな　また来よう

「俺たちに明日はない」

　今や伝説　ニュー・シネマ　そもそも初めはこの映画
　ウォーレン・ビーティーかっこよく　フェイ・ダナウェイの美しさ
　二人が扮するアベックの　ボニーとクライドの物語
　貧乏そだちが人生変えた　ちょとした出逢いが運命変えた
　個性ゆたかな仲間も加わえ　勝手気ままな珍道中
　軽い気持ちの銀行ギャング　それほど悪党じゃないんだけれど
　極悪犯にしたてられ　たちまち二人は指名手配

　世間は許さぬ生かしておけぬ　いつまで続く逃避行
　心身ともに結ばれて　さあこれから二人で幸せに
　思うまもなく　追っ手は迫る　最後は仲間に裏切られ
　８０余発の弾丸(タマ)を受け　スローで倒れる映像美
　歴史に残るこの場面　今じゃすっかり語り草
　製作兼ねたビーティーと　時代が創った名画なり

>>1ほか
うまいっ！！名調子だね！まあ、まあ、まあ、１杯のんでけや。

「シベールの日曜日」

　記憶をなくしたパイロット　森で少女に出逢ったら
　純真無垢でいちずな娘(こ)　名前はシベール親なし子
　日曜だけの出逢いのちぎり　不思議で詩的なものがたり
　週に一度の密会なれど　男のこころは癒されて
　少女とともに夢を見る　あくまで清いひとときよ
　　　　　　　　　
　ところが世間は残酷だ　変質男だ　誘拐だ
　かわいい少女を守らねば　二人を引き裂き 男を撃った
　無残で哀しい結末なれど　白黒画像は美しく
　カメラは名手のドカィエで　男はハーディー・クルーガー
　詩情あふるる名作の　名前を訊かれたシベールが
　涙でつぶやく最後のことば　「名前なんてもうないわ」

「ゴースト／ニューヨークの幻」

　ショートカットがよく似合う　デミー・ムーアの若妻が
　夫と歩く夜の街　夫の会社の同僚の　しかけた罠に
　はめられて　あわれ夫は暴漢の　ナイフで刺され絶命す
　ところがここから　不思議なことに
　このまま天には逝けないと　ゴースト姿でよみがえる
　妻や他人になんとかと　話しかけるが　悲しき幽霊
　姿は見えず声聞けず　寂しくさまようニューヨーク

　自宅に押し入る暴漢を　必死の思いで撃退し
　後を追いかけ罠を知り　復讐せんと決意する
　インチキ霊媒ゴールドバーグ　いやがる彼女の能力借りて
　妻との会話に成功す　愛する妻との最後のダンス
　アンチェインド・メロディー　せつない曲よ
　先輩ゴースト、アドバイス　超能力も身につけて
　悪い奴らを追いつめる　やつけた悪党地獄行き！

　そのとき頭上にまばゆい光　天国からのお迎えだ
　妻よ別れだ　かなしいけれど　永久(とわ)に君だけ愛してる
　デミーの可憐な瞳から　ひとすじ流れた　涙が光る
　大人のためのファンタジー　ニューヨークの幻は
　メロディと共に永遠に　あなたの記憶に残るでしょう

＜ﾌﾟ

「エクソシスト」

　ここはアメリカ　ワシントン　女優の母に一人っ娘
　かまってやれぬが　かわいい娘
　遊びで試したウィージャー盤　まさか悪魔を呼ぼうとは
　ベットがきしむ　ものが飛ぶ　怪現象の連続に
　ついに娘は魔物に憑かれ　母は困惑悲鳴を上げる
　バックに流れる　チューブラ・ベルズ　恐怖の場面を盛り上げる

　母は近くの教会の　カラス神父に懇願す
　カラスはそれ見て仰天し　これは大変　悪魔憑き
　エクソシストに頼らねば　あらわるメリン　初老の神父
　悪魔払いが始まった　ところが悪魔も手ごわい奴で
　思いのままに娘を手玉　娘の形相一変し
　ひわいな声でののしって　ゲロ吐き　首は一回転
　聖水・十字架　なんのその　空中浮揚のはなれ技

　神父も悩める聖職なれど　これも宿命　命をかける
　最期は　メリンは心臓マヒで　カラスも一身なげうって
　娘のために命を捨てる　死闘の末に　悪魔は退散

　化け物屋敷の西洋版と　陰口叩く奴もいる
　そうさ映画は見世物だもの　ホラー・ムビー何故悪い
　ただし心臓　弱い方　こわがりさんは　ご用心
　オカルト・ブームのさきがけの　ほんとに怖い映画です

「２００１年宇宙の旅」

　はるか昔のサバンナに　突如出現　モノリスに
　触れた猿人　骨を持ち　敵を倒して立ち上がる
　とどろく音楽　シュトラウス　ツァラトゥストラの
　交響曲に　人類進化を　予感する

　時代は一転　２００１　宇宙開発まっさかり
　青きドナウが壮厳に　雄大無限な宇宙に響く
　月に見つかるモノリスは　木星向けて電波を発す
　探査に向かう宇宙船　コンピューターはＨＡＬ(ハル)９０００
　ところがＨＡＬが叛乱し　残った飛行士ただひとり

　うずまく色彩　光のシャワー　着いたところは
　不思議の星か　それとも　中世の宮殿か
　みるみる老いる飛行士の　まさに臨終　そのときに
　またまたあらわる　モノリスは
　輪廻転生　あらわすものか　それとも神の象徴か

　宇宙が舞台の　オデッセイ
　壮大・重厚・哲学的な　ＳＦ大作創れる者は
　この人おいて他にはいない　惜しくも他界の
　スタンリー　キューブリックが　その名なり

「大脱走」

　ここはナチスの収容所　脱走不可能　塀の中
　英米精鋭　捕虜たちは　ナチのかく乱　使命を帯びて
　ビッグ・Ｘ　指揮の元　脱走作戦　はじまりだ
　穴掘りならば　お手のもの　ブロンソンがツルハシおろす
　いずれも　ひとくせある連中　看守のすき見て準備は進む

　米国独立記念日と　成功願う 前祝い
　作戦合い間に 作った酒は
　屈強・兵士も飛び上がる　キツくて強い　男の味だ
　楽しいひととき　つかのまに
　ふとしたことで　トンネルばれて　仲間のひとりは蜂の巣に

　これでくじける俺らじゃないさ　もひとつ掘るぜ逃げ道を
　いよいよ決行　その夜は　ヘマもあったが大勢の
　捕虜は脱走　ひと安心　怒るＳＳ　逃がしはせぬぞ
　逃げる英米　追うナチス　丁丁発止のやりとりに
　息をもつかせぬ　サスペンス

　やってくれたぜマックイーン　捕まる前の　大バクチ
　オートバイでの金網ジャンプ　スタントなしとは　たまげたぜ
　尊い犠牲も　払ったけれど　ドイツは混乱　大成功
　勇壮テーマのマーチに乗って　オールスターが大熱演
　コバーンにガーナー、マッカラム　アッテンボローにプレゼンス
　監督名匠　スタージェス　戦争娯楽の大傑作

「冒険者たち」

　中年男と青年と　美女の３人　そろったら
　これから始まる冒険の　楽しく哀しい物語
　男ふたりは　自動車レース　曲芸飛行に失敗し
　女の創った金属オブジェ　個展の反応　今ひとつ
　次なる冒険　起死回生　海に沈んだ財宝さがし
　さあ勇んで行かん　南の海へ

　まさかの夢が現実に　宝が見つかり　狂喜に乱舞
　と、そのとき銃声響く！　ギャングが撃った流れ弾（ダマ）
　こともあろうに　女に当たる　さらばレティシア永遠に
　哀しい別れの海中葬　海は紺碧どこまで青く
　海底しずむ　レティシアよ　その名は永久(とわ)に忘れえぬ

　故郷（くに）に帰った　ふたりの男
　次なる夢はレティシアの　ゆかりの島を買い取って
　要塞改装　一大事業　夢はふくらむ　胸おどる
　ところがギャングが　またまた襲い
　銃撃戦にて撃退するが　あわれ青年死の旅へ
　ひとり残った中年男　ふたりを想い立ちつくす
　俯瞰の映像　美しく　去りゆく青春レクイエム

　テーマ音楽　口笛の　メロディ切なく心に残る
　監督　ロベール・アンリコに
　バンチュラ・ドロン・シムカスの　トリオが演ずる
　フランスの　珠玉の名篇　この映画

「禁じられた遊び」

　第二次大戦　フランスで　可愛いおさな娘(ご)ポーレット
　かばった両親無残にも　機銃掃射で　帰らぬ人に
　あわれみなし児　ポーレット　農家に寄せる小さきからだ
　農家の少年ミシェルとは　たちまち仲よく寄り添って
　ふたりだけのちいさな秘密　水車小屋にて
　誓ったことは　ふたりで　十字架つくろうね

　こどもの世界は　わからぬ　大人
　きれいな十字架　つくるため　大事な教会・紋章を
　盗んだミシェルはとがめられ　少女を引き裂き孤児院へ
　ミシェルにないしょで　連れ去る大人
　理解をせよとは言わないが　純粋・可憐な二人のために
　せめて別れのひと時くらい　作ってやれないものなのか　
　ミッシェルは怒り　想い出の　十字架捨てて　泣きじゃくる

　汽車待つ駅で　ポーレット　誰かが呼んだその名前
　「ミシェルはどこに？　ミシェル、ミシェル！」
　少女のちいさな瞳には　かなしいかなしい涙がにじむ
　他人と気づかずポーレット　あわれミシェルを捜しに走る

　誰もが一度は聴くメロディ　哀切ただようギターの音色
　叙情ゆたかに　心にしみる　いくさが生んだ哀しい話
　ミシェルとポーレットのものがたり
　名匠　クレマン監督が　静かにつづる　泪の名画

「アメリカン・ビューティー」

　おいらはしがない　サラリーマン
　妻との仲も冷え切って　怠惰にすごす　中流家庭
　ある日　娘の高校の　発表会へ行ってみたら
　そこで見つけた　同級生の　美貌にウットリわれ忘れ
　年甲斐もなく　ボディ・ビル　昔の筋肉　いま一度

　となりに越した　家族の中の　息子は娘の同級生
　ヤク中　過去もつ暗いヤツ　しかもおれんち隠し撮り
　オヤジは頑固でカタブツで　母親フヌケの　ひどい家
　ところが息子はおいらの娘　ひと目で気に入り恋仲に
　ついでにおいらも葉ッパを買って　すっかり息子と仲良しに

　ある日上司に噛みついて　やけのヤンパチ　会社はクビだ
　転職先はバーガー・ショップ　そこで見つけた　カミさん浮気
　もう、どうでもなれの　コンコンチキさ

　となりのオヤジは　どういうわけか　息子とおいらをカン違い
　同性愛だと決めつけて　殴った息子は　ついにキレ、
　おいらの娘と　駆け落ちさ
　おいらは　オヤジに襲われて　脳天一発　オダブツさ
　どうでもいいさ　こんな世は　あの世で気楽に暮らしましョ

　現代アメリカ　家族の崩壊　ブラック・ユーモア　たっぷりと
　するどく描く　問題作は　共感呼んで　オスカー・ゲット
　９０年代　最後を飾る　スペイシー主演の　秀作なり

１さんが　ほぼ独占の　このスレッド
面白いので　あげておく

１＝浜村じゅん？

「ローマの休日」

　ローマに着いた　王女さま　退屈きわまる　毎日で
　親善儀式も　もうたくさん　ちょっと　冒険してみたい
　いたずら気分で　ローマの街へ　お付きの従者は　真っ青に

　ふとしたことで知り合った　ハンサム男は　新聞記者で
　これは特ダネ　ついてるぜ　相棒呼んで　隠し撮り
　写真をつけて発表し　スクープ記事を獲得だ
　それとは知らぬ王女様　無邪気に街を　観光気分
　ついでに髪をカットして　ヘプバーン・ヘアーの　できあがり
　
　ローマの名所を歩くうち　ふたりに芽生えた　恋ごころ
　しょせんは　かなわぬ恋なれど　たのしい時を　過ごしたい
　夢見る　時間は　またたくうちに　ついに　別れの時が来た
　想いのたけを　打ち明けたいが　それができない　かなしい身分
　みつめる　王女の眼に涙　いつしか男も　真剣に

　次の日　王女の記者会見　その場で　ふたりは再会し
　王女は初めて　事を知る　男は王女に　写真を渡し
　特ダネがわりに　想い出を　胸にしまって去っていく

　可憐な新星　オードリー　輝くばかりの美しさ
　ペックも魅力の　ロマンスは　ワイラー監督　名演出で
　笑いと共にためいきと　ほろり涙の　名画なり

ここの１　みんな別人　だったりしてね

「ある愛の詩」

　７０年代　反逆と　シラケの時代と　いうけれど
　それでもあった　純愛で　かなしい恋の物語

　男オリバー　御曹司　大学キャンパス　見そめた彼女
　名前はジェニー　かわいい娘(こ)　貧しい出だが二人には
　身分や家柄関係ないさ　愛さえあれば十分だ
　ところがそこは　お坊ちゃん　厳しい父を説得できず
　学費も援助も止められて　ジェニーも別れを切り出すが
　いいさ　ふたりで苦労して　愛ある家庭を築こうよ

　二人はそのまま結婚し　実家を頼らずアルバイト
　トップで大学　卒業し　さあ、これからという時に
　あわれ　ジェニーは　病にたおれ
　余命わずかと告げられる　必死の看護も実らずに
　妻は夫に見とられて　微笑みながら　天国へ

　息子よわしが悪かった　あやまる父に　オリバーは
　それをさえぎり　こう告げる
　「愛とは決して　後悔の　言葉をいわぬことなのです」
　かなしい経験したけれど　父子の和解はやっとなり
　あたらしき　人生歩む決心を　ジェニーに誓う終幕なり

海よりも　深くて清い愛がある　教えてくれた　あなたはいない
　アーサー・ヒラーの原作を　レイの甘い音楽と
　ロマンチックな映像で　描いて　女性の　涙をしぼり
　記録的なる　大ヒット　７０年代初頭をかざる
　「ラブ・ストーリー」こそ　この映画

「サイコ」

　昼間の情事は　甘い罠　恋に狂った美女がいる
　勤める会社の　大金盗み　情事相手の男のもとへ
　はやく行かねば　急がねば　追っ手に見える　人はみな
　あせる女は一夜の宿に　古ぼけさびれた　モーテルへ
　出て来た主人はまだ若く　スマート・長身・ハンサムなれど
　老母と暮らす二人きり　どこか陰ある　男なり

　その夜　女はシャワーをあびて　疲れをいやす　その部屋へ
　老婆がひとり　忍び込み　ナイフを片手に　女を襲う！
　恐怖シーンの教科書と　伝説化した　名場面
　光るナイフに　女の悲鳴　カーテン引きずり　倒れる女
　瞳孔開いた女のひとみ　排水口のオーバーラップ

　「かあさん、どうした？　血だらけで！」
　惨事を知った　息子が叫ぶ
　動転するも　動作は機敏　あとを片づけ知らぬ顔
　浮気の代償　払った女　車と沈む　底なし沼へ
　行方を追うのは　妹と　事情を聞いた　その彼氏

　母屋の老婆が　あやしいと　ふたりで策略　考えて
　息子をひきつけ　妹は　屋敷に侵入　老婆を捜す
　ふと見た地下室　もしかして？　勇気をふるって地下室へ
　椅子に休んだ一人の老婆　顔見て　妹、悲鳴を上げる！
　ゆれる電灯　切り裂く叫び　意外でショックな結末に
　観客　おどろき　ヒッチは　にやり

　今では流行　サイコもの　ホラー映画も数あれど
　スリラー・ホラーを　映像で　完璧表現した作品
　ヒッチコックの「サイコ」には　いまだかなう映画なし

「燃えよドラゴン」

　あらわれ出でたる　東洋人　空手の達人　名前はリー
　麻薬組織の撲滅の　使命を受けて　孤島に向かう
　島で開催　クンフー試合　催すボスこそ　狙う敵

　何の因果か　試合の相手　顔に傷ある白人男
　リーの妹　卑劣にも　命を奪った　宿敵だ
　どこまで卑怯な　この男　空き瓶割って　背中を襲う
　リーの静かな表情は　みるみる鬼の形相に
　憤怒の蹴りを　受けてみよ！　怪鳥音が　響くとき
　とどめの一撃　地獄行き
　見たか　あの世の妹よ　カタキは取ったぞ　静かに眠れ

　地下に見つけた　麻薬の工場　すばやくモールス発信す
うなるヌンチャク　歯向かう敵を　バッタバッタと　なぎ倒す
　眼にも止まらぬ　早ワザは　痛快・爽快　きわまれリ
　そのとき　罠にかかったリーは　一度はピンチにおちいるが
　味方のサクソン　協力し　囚人たちも　開放だ

　いよいよ　ボスとの一騎打ち　ボスも手強い　空手の名手
　鋭い刃（やいば）の義手を付け　その手をひと振り　血のしぶき
　リーの胸板　刃（やいば）の痕が　血をなめ　リーも反撃だ
　はげしい死闘は　涯てなくつづく
　ボスは逃げ込む　鏡の部屋に　逃がしはせぬぞ　許さぬぞ
　怒りを込めた　蹴り一閃　最期は　槍で磔（はりつけ）だ！

　空前絶後の　カリスマで　クンフー・ブームの立役者
　おしくも夭逝（ようせい）　したものの
　歴史に　残すその名前　ブルース・リーよ　永遠に

「卒業」

　大学　卒業したけれど　ぽっかり空いた　こころの穴は
　なにして　どうして埋めようか　家族の期待も　僕には負担
　卒業記念の　パーティーで　僕に言い寄る
　有閑ミセス　ロビンソンの誘惑に　ついつい惹かれ　情事にふける
　けれども　気持ちは　うつろなままで
　サウンド・オブ・サイレンスが　むなしく響く

　あるときミセスの娘を見たら　名前はエレン　女子大生
　これこそ　僕の理想のタイプ　彼女も僕に好意を抱き
　エレンとともにバラ色の　人生歩む夢をみる

　ところがミセスが　浮気をバラし　エレンは怒って去っていく
　せっかく見つけた　伴侶はいずこ　あせって追ってはみたものの
　彼女は　話を聞いてもくれず　とうとう僕から遠ざかり
　寂しく佇（たたず）む　動物園　スカボロ・フェアが　身にしみる
　このまま　あきらめ引き下がる　道しかないのか　この僕は

　風の便りが　言うことにゃ　エレンが　学生結婚を？
　それ聞き　僕は決心を！　エレンを奪うぞ　絶対に！
　結婚式の　当日に　捜しにさがした　教会に
　やっと着いたが　今まさに　誓いの口づけ　どうしよう？
　想いはつのる　涙はあふる　声の限りに　叫んだ名前
　「エレンよ！エレン！　エレン！　エレーーン！！」

　エレンに僕の　想いが届き　彼女も叫ぶ僕の名　「ベーン！」
　邪魔する　奴らを蹴散らして　十字架・封印　とうせんぼ
　花嫁姿の　エレンを乗せて　二人の門出は　路線バス
　やっと勝ち得た　恋だもの　いついつまでも　幸せに

　ダスティン・ホフマンひょうひょうと　キャサリン・ロスも可憐で綺麗
　バックに流れる　サイモンと　ガーファンクルの名曲と
　共に　いつでも　想い出す　マイク・ニコルズ監督の
　笑って泣かせる　青春の　忘るることなき　名画なり

すごいスレだ・・・・。感心してしまった。
見ていない映画に興味を持ってしまう。
そして、読みやすい。
１さん　文才ありすぎだ。

「エイリアン」

　宇宙に浮かぶ　貨物船　不審な信号　キャッチして
　着いた惑星　無人の星で　宇宙人の死体と共に
　奇妙なタマゴを　発見す　中から飛び出す　生物は
　ひとりの飛行士　その顔に　ぴったり取りつき　寄生する

　船に戻った仲間たち　なんとか　はがす努力はすれど
　船体溶かす　強い酸・体液持った　化け物は
　養分吸い取り　体内で　発育したうえ
　飛行士の　腹を破って　あらわれる

　見たか　不気味なその姿！
　驚く仲間に　キバを剥き　すばやく逃げる　異星人
　これは　たいへん一大事　なんとか早く　見つけねば
　思うまもなく　エイリアン　みるみる成長　凶暴に
　仲間が　ひとりまたひとり　犠牲になって　消えていく

　助けを呼ばねば　全滅だ！
　そのとき　ひとり裏切り者が　仲間を襲う　異常事態
　やっとやつけた　その正体　アンドロイドだ　どういうわけだ
　真の任務は　貨物にあらず　異星生物・捕獲なり
　事実は知ったが　もう遅い　次々殺られる　仲間たち
　とうとう　残るは最後のひとり　女性飛行士　名はリプリー

　逃げるリプリー　最期の手段　自爆装置をセットして
　いちかばちかの　賭けにでる　ほっとしたのも　つかのまに
　またまたあらわる　怪物に　彼女と共に　観客も
　息つく間もない　サスペンス　ラストでようやく　ロケットの
　ジェット噴射で　エイリアン　宇宙の藻屑（もくず）と消え去るが
　これから始まる　シリーズの　ほんの序章の　いちページ

　演ずる　シガニー・ウィーバー　孤軍奮闘　恐怖の演技
　ウーマン・リブのニューヒロイン　世界の女性が　喝采す
　デザイン・ギーガー　すばらしく　監督リドリー・スコットの
　空想・科学に　ホラーとスリル　ほどよくミックス　味付けし
　斬新・手法が　ＳＦの　映画の世界に革命を　起こして
その後の 流れを変えた　記念碑的な 映画なり

すげー！作ろうと思っても無理でした

1さんよ　最近少し　長過ぎない？
思いながらも　読んでる自分

「エデンの東」

　時代は　不況の只中の　アメリカ西部　サーリナス
　アロンと　キャルの　兄弟ふたり
　兄のアロンは優等生　比べてキャルは見劣りし
　父の自慢は　兄だけで　弟キャルは　卑屈に育つ

　死んでるはずの　母がいる？　うわさを聞いた弟は
　列車で向う　母のもと　着いて愕然　その事実
　母はなんと　娼館マダム　ショックは受けるが
　親子は親子　二人はどちらも　はみだし者よ
　なぜか気が合い　仲良しに

　兄のアロンの婚約者　アブラはキャルの理解者で
　一緒に乗った　観覧車　ふたりは共に　好意を抱く

　父は　事業に失敗し　失意のどん底　救わねば
　キャルは　苦心し　大豆の栽培　戦争特需で金儲け
　なんとか早く　父の気を　引いて認めて　もらいたい
　早く育てよ　大豆の実　畑にからだを横たえて
　微笑む　キャルの　いじらしさ

　父さん　僕のプレゼント　大豆で稼いだ　大金を
　なんと　親父は拒絶する　戦争利用し儲けたカネだ
　汚いカネなど　受け取れん！
　そのうえ　アロンがアブラとの　結婚宣言　それを聞き
　キャルはとうとう　自暴自棄　アロンに　母の秘密を告げる
　優等生の　アロンには　事実は重荷　そのあまり
　ショックで動転　無謀にも　軍隊行きを　決意する

　ああ、あの子も　わしを裏切るか　父は驚愕　脳溢血
　病の床の　父親に　アブラがささやく　その言葉
　「キャルに　なにかを　頼むのです」
　それ聞き　親父は　ようやく悟る　看護を望む　父の声
　か弱きその声聞いたとき　はじめて通う　親子の情が
　父子の相剋　終わりをつげて　笑顔がもどる　キャルの顔

　聖書の一節　カインとアベル　アメリカ大地に甦る
　米国屈指の　大文豪　スタインベックの　文芸巨編
　シネマスコープ大画面　ジェームス・ディーンの名演技
　テーマ音楽　美しく　エリア・カザン監督の
　語りつがれる　不朽の名画

「男たちの挽歌」

娘盛りを無駄にするなと　言ったアイツはユンファ似の
くわえタバコがよく似合う　侠気（おとこぎ）あふれるヤツだった
挽歌を見るたび切なくて　それでもやっぱり会いたくて
夜になるたびモニターの　中のユンファに泣き笑い

80年代香港は　返還前の高揚感
幅をきかすは富と悪　仁義もすたれた黒社会
警察官の弟は　ヤクザの兄を許せない
兄はカタギになりたくて　けれど足抜けままならぬ

失われたものをも一度取りもどそう　監督ウーは訴える
すりきれてしまいそうな日常で　それでも守るべきものが
男にはひとつやふたつあるもんさ　ユンファの笑顔はそう語る
よりよき明日をへの希望を胸に　男は戦い挑むのさ

ユンファとアイツの似たところ　笑顔と勇気と心意気
たくさん泣いた思い出も　今ではすべて過去のこと
でも会いたいよこんな夜は　粉雪舞い散るこんな夜は
画面の中のユンファじゃなくて　私だけのユンファにさ

姐さん粋だね　一杯どうだい？

「　道　」

　ここはイタリア　片田舎　大道芸人　ザンパーノ
　その芸　鎖を胸に巻き　力を込めて　ひきちぎる
　粗野で野蛮な　無学の男　あるとき村で　見つけた女
　少々頭は　足りないが　純粋無垢で　可愛いおんな
　名乗る名前は　ジェルソミナ　きれいな曲を　口づさむ

　ふたりで旅する　村から街へ　けなげに連れ添う
　ジェルソミナ　昼は大道芸の手助けを
　夜は男の欲望を　満たすために　からだをまかす

　ある日知り合う　ひとりの男　あだ名はキジルシ　サーカス芸人
　自分を卑下するジェルソミナ　男は彼女を　こう諭す
　「虫けらだって　石ころだって　世のためならぬ　ものはない」
　こんなに馬鹿な　わたしでも？　彼女は彼に好意を抱く

　乱暴者の　ザンパーノ　ささいなことで　キジルシ咎（とが）め
　殴って　彼を死なせてしまう　それ見てショックの　ジェルソミナ
　狂った女は　足手まとい　残酷非道な　ザンパーノ
　彼女を捨てて　逃げ去る仕打ち　置き去りされた　ジェルソミナ
　やさしかった　キジルシ想い　あわれつぶやく　うわごとを

　数年たった　ある村で　女が唄うきれいな曲を　聞いた男は
　ザンパーノ　どこかで聞いたそのメロディ
　たしか彼女が　好きな曲　「奥さんどこで　その曲を？」
　ジェルソミナに　その曲を　教えてもらった　主婦は言う
　「彼女は　この世にもういない　子供のように　純真で
　　天使のような　人だった」

　なんたることか　ジェルソミナ　あんなに俺につくしてくれた
　かけがえのない　天使の彼女　見殺しにしたのは　この俺だ
　浜辺に　ぬかずく　ザンパーノ　悔いの嗚咽（おえつ）は
　止まらずに　ただただ　泣きになく　ばかり
　夜の海岸　さざ波が　男の懺悔（ざんげ）を聞くかのように
　いついつまでも　うち寄せる

　気高く切ないメロディは　ニーノ・ロータの名曲で
　哀感ただよう　白黒画像　名もなき市井の　者たちを
　描くは　イタリア・リアリズム　フェデリコ・フェリーニ監督の
　まごうことなき　珠玉の名画

「シェーン」

　ワイオミングの大草原　あらわる一人の馬上の男
　名前はシェーン　無宿者　しばしの休息　仮の宿
　三人家族の丸太小屋　主人と妻に　男の子
　少年ジョーイは　シェーンのとりこ　早撃ちガンマン　あこがれだ

　主人のジョーとその仲間　抱える悩みは　ライカーの
　暴虐無人な無法ぶり　この地をゆずれ　さもなくば
　命の保証は　一切せぬぞ　酒場にあらわる　不気味な男
　黒い手袋・黒い服　ライカー手先の　殺し屋だ

　ジョーの仲間は　殺し屋に　因縁つけられ　銃を抜く
　目にも止まらぬ　早撃ちで　仲間は倒れる　泥濘（ぬかるみ）に
　仲間をやられちゃ　黙っておけぬ　ジョーは闘う　決意をするが
　止めるシェーンと　格闘に　心ならずも　みんなのためだ
　シェーンはジョーを眠らせて　俺の出番だ　さあ行くぞ
　ほのかな情愛　感じる妻は　「シェーン、やっぱり　あなたは行くの？」
　シェーンは笑顔で　別れを告げる　馬を走らせ　酒場へ急ぐ

　ついに闘うときが来た　酒場で待ち伏せ　ライカー一味
　早撃ちシェーンの　敵ではないぞ　轟く銃声　瞬（またた）くうちに
　悪党どもは　あの世行き　不気味な黒い殺し屋も　間一髪の銃さばき
　地獄に行くのは　殺し屋だ　ほっとしたのも　つかの間に
　「あぶないシェーン、うしろに敵が！」　ジョーイの叫びで　振り向きざまに
　シェーンの拳銃　火煙を上げる　悪党どもは全滅だ

　人を殺（あや）めた人間は　とどまることは　許されぬ
　さらばジョーイよ　たくましく　両親大事に　元気で暮らせ
　すがるジョーイを　振り切って　西部の男は　去ってゆく
　声の限りに　ジョーイはさけぶ
　「戻ってシェーン、シェーン、カムバーーック！」
　遥かな荒野の地平線　ジョーイの声が　こだまする

　ラストシーンが　観客の　琴線ふれて　有名な
　監督ジョージ・スティーヴンス　アラン・ラッドのガン・プレイ
　一度見たなら　忘られぬ　西部劇なら　この一本

「サンセット大通り」

　映画の都　ハリウッド
　車が行きかう　サンセット　大通りに　たたずむ一人
　借金取りに　追われる男　売れないライター　ジョー・ギルス
　ひょんなことから　雇われて　着いた所は　大豪邸
　屋敷の主は　中年女　無声映画の　大スター
　名前は　ノーマ・デズモンド　執事と暮らす　ふたりきり

　昔の名声　忘られぬ　もいちど銀幕　カムバック
　彼女の依頼で　「サロメ」の脚本（ホン）を
　ジョーは苦心し　書き上げる　映画会社に持ち込むものの
　しょせん彼女は　過去の人　採用されるわけなどないが
　お世辞を言われて　有頂天　彼女はその気で　美顔術
　いまや男は　ノーマの愛人　逃げるに逃げれぬ　籠の鳥

　ジョーは夜中に　抜け出して　恋人ふたりで　本物の
　脚本書き上げ　逃げ出す算段　ところがそれがノーマにばれて
　やむなく事実を　彼女に告げる　あんたは　すでに５０歳
　スクリーン復帰は　夢のゆめ　だあれも相手に　するものか
　それじゃあ　おさらば　元気でな　立ち去るジョーの　背後から
　銃声　３発轟いて　男はあわれ　プールに浮かぶ

　事件を知った　記者たちと　カメラマンらが　見守る中を
　らせん階段　ゆっくりと　歩いてあらわる　かつてのスター
　その顔　すっかり　サロメに扮す　ノーマの狂った姿なり
　カメラの放列　前にして　あわれスターの　最期の演技

　演ずる　グロリア・スワンスン　狂気の名演　見事の一語
　ウイリアム・ホールデン　まだ若く
　虚飾の楽園　ハリウッド　醜く悲惨な現実を
　クールに描く　問題作は　巨匠ビリー・ワイルダー
　映画の世界と　人間の　本質えぐる　傑作なり

面白や。面白や。

「タクシー・ドライバー」

　人種のるつぼ　ニューヨーク
　不眠症の　男がひとり　孤独な　ベトナム帰還兵
　デ・ニーロ扮する　トラビスが　走るタクシー　夜の街
　闇に蠢(うごめ)く　者たちを　運んで進む　ドライバー
　いつかはやるぜ　この俺は　汚い世の中　きれいにしたい

　街で知り合う　美人の彼女　デートにさそって　行く先は
　ポルノ映画で　彼女は怒り　日頃のうっぷん　増すばかり

　いざという時　その日のために　体をきたえて　武器そろえ
　腕には　銃を隠し持つ　不気味な性格　トラビスは
　ある日立ち寄る　売春宿で　知り合う娼婦は　まだ十四
　ジョディ・フォスター　演ずる少女　俺の助けを　待っていな

　ついに決めたぜ　ターゲット　大統領の候補者だ
　モヒカン刈りで乗込んで　鉛のタマを　ぶちこむぜ
　演説会で狙ったが　警備に気付かれ　失敗す
　次なる標的　売春宿だ　完全武装で　殴りこみ
　凄惨　血ふぶき　銃撃戦　向かう悪党　皆殺し
　重傷負ったトラビスは　自害を図るが　弾(タマ)尽きる

　戦いすんで　日は過ぎて　少女を救った　英雄は
　惨事があたかも夢かのように　傷　癒(い)え　職場に復帰する
　復縁含みで　あらわる彼女　クールに別れた　トラビスは
　眠らぬ街を　タクシーで　今夜も走る　闇の中

　これが遺作の　ハーマンの　夜を切り裂く　曲に乗せ
　米国暗部を　鋭くえぐる　カンヌが与えた　グランプリ
　脚本ポール・シュレイダー　監督マーチン・スコセッシ
　東映ヤクザも顔負けの　暴力描写の異色作

age

「心の旅路」

　欧州大戦　戦場で　重傷負った　英国大佐
　記憶を喪失　仮の名スミス　精神病院　脱走す
　逃げる途中で　知り合う女　ポーラは綺麗な　踊り子で
　スミシィ　私が助けてあげる　ふたりで手を取り　逃避行

　やさしいポーラの　手助けで　スミスは　文才発揮して
　作家となって　結婚し　小さいけれど家も建て
　平和に暮らす　片田舎　ある日スミスは　仕事で行った
　リバプールにて　事故に遭い　昔の記憶が　よみがえる
　ああ運命の　いたずらか　替わりに失う　だいじな記憶
　幸せだった　３年間　ポーラの想い出　霧の中

　スミスの正体　御曹司　ほんとの名前は　レニアなり
　もとの暮らしに　舞い戻り　家業を継いで　実業家
　雑誌に載った　顔写真　私のダーリン　スミシィよ
　ポーラは彼を訪ねるが　愛する夫は　別人格
　事実を隠す　妻ポーラ　レニアのもとで秘書となり
　彼も彼女を　気に入って　ついにふたりは結婚す

　いまや夫は　国会議員　人もうらやむ　おしどり夫婦
　けれど　ポーラの気持ちは　晴れぬ
　姿かたちは　同じだけれど　今の夫は　違う人
　努力はすれど　戻らぬ記憶　豪華で優雅な生活なれど
　愛する夫は　スミシィひとり　心の空白　埋められず
　ポーラは　ついに邸を去り　昔の想い出　あの土地へ

　失意の夫は　偶然に　スミスが歩いた　ゆかりの場所を
　訪れ　記憶を呼び戻す　ポーラと暮らした　あの家に
　着いた夫が　見たものは　ポーラ！君こそ　僕の妻
　私のダーリン　スミシィが　やっと帰ってきてくれた
　ながき旅路は　終わりをつげて　涙で抱き合う　ふたりなり

　二人に扮する　美男・美女
　美貌のグリア・ガースンと　ヒゲが魅力のコールマン
　マーヴィン・ルロイ監督の　ロマンと涙の名画なり

「激突」

　行くてをさえぎるトラックは　タンクローリー　巨大な車体
　仕事に急ぐセールスマン　スピード上げて　追い越して
　ほっとしたのが　運のつき　ここから始まる　恐怖の話

　すばらくするとトラックが　猛スピードで　抜き返し
　意地になったセールスマン　またまた追い越し　ざまあみろ
　ところがトラック　殺意を抱き　男の車を　猛追跡
　追いつ追われつ　サスペンス　助けを呼ぼうと　公衆電話
　かける男のボックスに　なんとトラック　体当たり
　間一髪で　助かるが　恐れおののく　セールスマン

　トラック立ち寄る　レストラン　運転手に抗議はすれど
　なんとそいつは　ひと違い　人相不明の運転手
　トラック立ち去り　ひと安心　思ったそのとき　トンネルの
　闇に光るは　ふたつのライト　いつまで続くか　この恐怖
　踏み切り待ちの　男の車　うしろを押されて　危機一髪

　男は　山道逃げ込むが　オーバーヒートで　大ピンチ
　こうなりゃついに　最期の手段　クルマもろとも体当たり
　激突寸前　飛び出す男　崖から落ちるトラックは
　まるで恐竜　断末魔　　大音響の叫びを上げる
　闘いすんで　夕焼けが　ぽつんと佇（たたず）む
　男の背中　赤く照らして　日は暮れる

　小さなクルマは　小市民　襲いかかる　トラックは
　機械文明　象徴か　日常潜む　不条理か

　非凡な才能　発揮した　スピルバーグの　処女作は
　誰もが一度は経験す　恐怖の体験　巧（たくみ）に描く
　スリルとうまい演出で　評論家たちを　うならせた
　類（たぐい）まれなる　出世作

（以後の紹介　下記スレで　不定期連載　請うご期待）

　続・古き「名作」「いい映画」観たい時は俺に聞け
　　http://tv.2ch.net/test/read.cgi/movie/1005201223/l50

　新・古き「名作」「いい映画」観たい時は俺に聞け
　　http://tv.2ch.net/test/read.cgi/movie/1009277619/l50

ここでやればいいじゃん

492 ： ：01/12/24 02:44 ID:Y2rH5Kyy
映画板の住人がうんこなのは、過去に何度も証明されてるだろ。