どうせもてないから小説でも書こうぜ

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1('A`)
主人公の名前を自分の名前にして,甘ったるい恋愛小説とかさ
小説とか書いてれば繊細な芸術家肌だから恋人を作ることが出来ないとか
そういう言い訳の材料にもなるし,マジオススメ。

俺たちはイケメンが交尾してる間も妄想してきたんだから
妄想ではもう既に達人級になってると思うんだが
2('A`):04/07/16 01:25
2ゲット
3('A`):04/07/16 01:26
どういう女に恋するんだ?
4('A`):04/07/16 01:26
妄想を書けば面白い小説を書けるとおもってる>1は逝けメン
5('A`):04/07/16 01:27
どういうふうにこのスレは進めていくんだ?
リレー小説?
6:04/07/16 01:28
>3
そりゃお前,お前の好きなような女を用意すればいいじゃないか。
エッチで綺麗なお姉さんから手を出したら犯罪者扱いされるプニプニした幼女まで
もう何でも御座れだ。
7('A`):04/07/16 01:29
>5
リレー小説だと重複になるから,個人で書いていけば良いと思うヨ
8('A`):04/07/16 01:30
うーん、おれは、あれだな、いつも前を向いて、
胸を張っている感じの二つ年上の女の人を
慕い続ける喪男の話書きたいな。

半分ストーカーみたいだけど、女の人に危険や困難が
迫ったらばれないように裏でそれを全て片付ける話
9('A`):04/07/16 01:31
とりあえず参考までに小説の書き方を紹介しているサイトなぞ

ttp://www.asahi-net.or.jp/~mi9t-mttn/first/index.html
ttp://www.asahi-net.or.jp/~mi9t-mttn/cstory/index.html
10('A`):04/07/16 01:33
悲恋がいいな。
11('A`):04/07/16 01:33
どうせ(ry小説家になろう! ってスレとは関係ないのか。
12('A`):04/07/16 01:34
書き終わったらウpキボン
感想とかもらえた方が何かと励みになるだろうし
創作文芸のほうはプロ目指してる香具師ばかりみたいだから
俺らみたいに趣味で書いてるのはお呼びじゃないっぽいしな
13('A`):04/07/16 01:35
>11
小説家を目指すのと小説を書くのはちがくないか?
14('A`):04/07/16 01:39
>>13
趣旨はこことほとんど同じで今も続いてるよ。

http://love3.2ch.net/test/read.cgi/motenai/1080832509/

でもあと12レスしかないから
ここが新スレみたくなっても全然OKだけどね。
15('A`):04/07/16 01:40
恋愛小説より、歴史小説がいいかな。
ナポレオンの嫁さんは未亡人で、売春で生きてたらしいから
その女が主役
16('A`):04/07/16 01:49
まぁアレだ,妄想するだけではなくちゃんと書こうね 皆
17書いてみた:04/07/16 01:50
ウィンドウを閉じ、眼鏡を外す。
鼻筋を摘まむように、瞼の上から軽く眼球をマッサージ。力なく息を吐き、天井を眺める。
疲れた。
私は再度、力なく息を吐き、
「つまらないな」
そう呟いた。
何がつまらない?
そんなものは決まっている。私の人生が、つまらないのだ。
私は辛うじて如何にか小説を書くことを生業として生計を立てている。
本を読むことが好きだった訳ではない。
文章を書くことが好きだった訳でもない。
想像力に長けている訳でもなければ、皆が驚くギミックを考え付くほど頭良くも無い。
では何故小説家になったのか、と問われれば答えは何のこともない。
これしか出来ないからだ。
自分の過去や体験や思想や理想や妄想や哲学や宗教や希望や絶望等々・・・・・・。
それらを混ぜ合わせ、判りやすく脚色した味付けを施す。
そういった飯事染みた児戯。
そんな飯事によって作られた、とても喰えたモノではない泥団子。
それが何故だか一人の物好きな編集者の目に留まり、今を食いつなぐ程度の生業になっただけの話だ。

私に過去は何もない。
私の未来に何もない。
そんな私の過去を基盤に紡がれた世界が面白い訳が無い。
そんな私の未来を夢見る愚考が人を惹きつける訳が無い。
私の存在はそのものが無為だ。
何もかもがつまらない。

煙草を咥える。
火を点す。
旨くない。
不味いとすら感じない。

嗚呼――
人は何故、生きているだけで柵が増えていくのだろう?
世界がどんどん狭くなっていく。
知らないことがどんどん増えていく。
知らなくても良いことをどんどん知っていき、その癖どんどん大切なものを失くしていって、そうして平凡に近付こうとするのだ。
年中カーテンを閉め切ったこの薄暗い六畳間が平凡でない私の内を解放する唯一の空間。そして、恐らくは一番の柵。
陽の光も知らず自堕落に、ただ自分の決めた時間に目を覚まし、誰に断ることもなく寝るだけの生活。
やがて抱懐は崩壊する。
その日を夢見て、煙を吐く。

嗚呼――

「もう、イヤになる」
18('A`):04/07/16 02:02
>17
はやいな……。
感想の方だが,どうも文章は慣れてるみたいなんだが,話のほうは……だな。
基本的には小説家の感情を書いたみたいだが
だから何? みたいな感じは否めないと思う。
19('A`):04/07/16 02:06
>>18
そうなんだよーそれなんだよー
小説家といえどもあまりにも自己を晒し過ぎると痛い奴ってなるんだよなー
所詮はオナヌ小説と評されるんだよーなー
20('A`):04/07/16 02:10
>>19
自分晒してもいいんだが,やっぱある程度客観性は欲しい罠
でもまぁ個人的に17は先駆者として評価したいと思ふ
21('A`):04/07/16 02:13
>>20
先駆者か?太宰がそうだろ?
冷徹な客観主義を貫くか、こういう自己を徹底的に晒すか、だよねー。
22('A`):04/07/16 02:14
僕には好きな子がいた。
彼女とは小学校の時学習塾で知り合った。
その頃は意識してなかったけど、僕といっしょに写った写真を見るとかわいい女の子だった。
僕が彼女を好きだと意識し始めたのは中学2年の頃だ。彼女はクラスに一人はいるかわいい子という感じだった。
同じクラス、同じ部活、同じ塾・・・僕たちは同じ道を歩んでいながら決してそういう関係にはなれなかった。
彼女の家はバブルの頃裕福だった。バブルがはじけ、不景気になっても彼女の家は中流階級以上であり続けた。
しかし、いまや彼女は風俗で働いてる
23('A`):04/07/16 02:16
>>21
そうじゃなくてこの板で最初に披露したことを言ってんだろ
24('A`):04/07/16 02:19
25('A`):04/07/16 02:19
>>21
いや,このスレでの話さ。誰も投稿していない状況で投稿してきた訳だから。

>>22
で,主人公はその客というわけかw
どっちかってーと日記かエッセイ。小説にカテゴライズするのはちょっと抵抗があるな。
それから文章があまり書きなれていない感じ。9にリンクされてるのを見てくるといいと思う
26('A`):04/07/16 02:25
>>22
区切りが下手。あとなんか文章が硬い感じがする
27('A`):04/07/16 02:28
いつまでも――
いつまでもこんな生活を続けていられるとでも思ったのか、馬鹿野郎め。
オレはひとりで勝手にキレた。
どこまでも。
どこまでも愚かしく、馬鹿な男だと、自分事ながらつくづくそう思う。
こんな生活――
つまり一日の半分を寝て過ごし、
残りの半分で映画を観たり、
小説を読んだり、人文書を読んだり、雑学書を読んだり、漫画を読んだり、散歩をしたり、
ご飯を食べたり、ひきこもったり、呆けたり、また寝てみたりしながら、それらに飽きたら仕事をする、
そんな生活――をいつまでも続けていられると本気で思っていたなら、それはただの馬鹿だ。
しかしオレは気が付いた。
気が付いたところでオレは
『一日の半分を寝て過ごし、残りの半分で映画を観たり、小説を読んだり、人文書を読んだり、雑学書を読んだり、漫画を読んだり、散歩をしたり、
ご飯を食べたり、ひきこもったり、呆けたり、また寝てみたりしながら、それらに飽きたら仕事をする、そんな生活がいつまでも続くわけがないと気が付いた馬鹿』
であり、結局のところ馬鹿に違いはないのだが。
「……はぁ」
呻くように息を吐く。
取り敢えず、テキストエディタを終了する。保存はしない。こんな文章、惜しくもない。
何故、気が付いてしまったのだろう?
気が付かなければ、馬鹿は馬鹿なりに『こんな生活』を謳歌し、そして死を待つだけの存在だったのに。
不甲斐無い。
なんて、不甲斐無い。
嗚呼。
何故、気が付いてしまったのだろう?
何故って、そんなことは――
そんなことは自分で理解している。とうの昔に知っている。嫌々ながら認めている。
今まで成り立っていたのが不思議なくらい不安定だった『こんな生活』。その根幹を支えていた部分が崩壊し始めたのだ。
さて、現代日本において、生活の基本的な要件とはなんだろう?
それはつまり衣食住だ。衣食住のどれかひとつでも欠けたらこの日本では生きていけなくなる。
では衣食住を欠かさないためには何が必要だろう?
通貨だ。お金が必要だ。
しかし困ったことに日本に限らずお金と言うものはタダでは手に入らない。
雨が降ったら古木にお金が生えてきた、なんて話は聞いたことも無い。
どうにかして安定した収入を得る必要がある。
さて、どうしたらいいだろう?
……強盗?
違う。
仕事だ。仕事をしなくちゃいけない。
不安定なオレの生活を支えていた安定した収入源。
今、それが無くなろうとしている。
つまり、仕事が出来なくなったのだ。
自分の切ない過去。青い追憶。幼い想起。それらを惜しげもなく世間に晒す。そんな露悪趣味の最境地つまり私小説。
その小説が書けなくなった。
小説家の肩書きがなくなる。
無職になる。
二十七歳。無職。虚弱。無資格。職歴なし。鬱。
だからオレはキレた。
28('A`):04/07/16 02:28
 シタッパという生き物をご存知か? 
全世界でその存在を確認できるので、諸君らの中にも、一度ペットとして飼ったり、棒でたたき
殺してしまったりした者が多数居ると思う。しかし、故郷が天国か桃源郷だった者もいないとは限
らないので、もっと解りやすく言うと、昼時に半分泣きそうな顔でメロンパンやチョココロネをパン
屋で探している様子を観察できる生物だ。
 体調は大きい者で百七十センチ、小さい者は百二十センチと我々よりも一回り小さいが、体重
は百キロを越す脂肪に覆われたものから四十キロほどの皮と骨だけで構成されているものま
で幅が広く、秋葉原に生息するオタクという生物と見間違えやすいが生物学的にはまったく違う
生物なので注意するように。鳴き声は非常に小さく聞こえ難いものだが、少し脅してやれば聞き
取りやすくなるので、実験や調教などの際にも全く問題は無いので、サーカスで飼われている
場合が多い。また最近は学校で情操教育の為、教室で飼っている学校も増えてきているが、途
中で逃げ出してしまい、野良シタッパが昼間のブックオフなので立ち読みしている様子などが良く
見られる。狩りの方法はいたってシンプルで、団栗や残飯などを漁ることもあるが、一番多いのは
金銭を使い、店頭で餌を購入することである。さらに、仕込めば万引きも覚えるが自主的にやる
例はほとんど発見されていない。万引きも一人では出来ない点からもわかるように、臆病な性格
でちょっとした些細なことでもストレスに感じるため飼育には困難だが、愛玩用としてではなく家
畜として飼われているのが一般的だ。我々と姿かたちは似ているが、殴りたくなるような醜い顔
が特徴で、少しでも不快感を感じる顔の人間は、九割の確率でシタッパなので道で見かけたら、
クリームパンでも買いに行かせることをお勧めしておかねばなるまい。
 
29('A`):04/07/16 02:29
取り敢えず、一頻りキレることにした。あまり派手に暴れると、決して広くないこのアパート、そのあちこちに支障をきたしそうなので地味に暴れた。
まず、壁を叩いてみる。おおぅ、意外に揺れる。しかも響く。近所迷惑だ。強度も心配だ。
だから壁を叩くのはやめた。
なにかを投げ散らかしてみようか? 幸いにも部屋は予め散らかっている。投げるものもあちこちにある。
しかしそのほとんどが本か、家電・精密機器だ。破損したり壊れたりしたらイヤだなぁ。
だからものを投げるのも自粛。
部屋の中央でヘッドバンギングしてみよう。ヘヴィだぜ! メタルだぜ! 非常に暴れている感に溢れているぜ! キレるというにはいささか間違っているような気もするが。
一息。
気持ち悪くなった。そういやかなり昔にアメリカで『ヘッドバンギング大会』なるものが開催されたという話を聞いたな……。
その大会参加者であった若者一名がヘッドバンギングのしすぎで死亡したとかなんとか。すげぇな、ヘッドバンギング。
ああ、もう、死にてぇな……
万年床に倒れ込む。ごろごろと転がり、自分の不甲斐無さに悶える。
ああ、オレはまともにキレることすら侭ならないダメな男だ!
枕を殴る。
左手で宙に吊るし、殴る。
殴る。
殴る。殴る。殴る。
怒り収まらないオレは無抵抗の枕相手にマウントポジションを陣取って、ブロー。
ブロー。
ブロー。
下の部屋は空き部屋だ、遠慮なくブロー! ブロー! ブロー!
ひゃっほう! 楽しくなってきたぜ! なんだかこの枕が諸悪の根源だという気さえしてきたぜ! この枕は悪だぜ! とてつもない悪だぜ! 
枕を倒せばなんとかなるぜ! このオレの絶望的な未来も何とかなるぜ! きっと! 多分! とにかく倒せ、枕を倒せ!
倒れろ。殴る。倒れろ、倒れろ。殴る、殴る。倒れろ、倒れろ、倒れろ。殴る殴る殴る。
倒れる。
オレが。
「……はぁ」
何を。
いったいなにをやっているのだろう?
30('A`):04/07/16 02:29
煙草に手を伸ばす。一般的な煙草の箱とは趣の異なる、キャラメル箱のような見た目が気に入って購入したものだ。
知人の話によればジョン・レノンやセルジュ・ゲンズブールが好んで吸っていた煙草だそうだが、どうでも良い。
味だってどうでも良い。そもそも煙草に味などあるものか。好んで煙草を吸う人間の気が知れない。
片手で中敷きをスライドさせ、一本を取り出す。これまた一般的な煙草と較べると、若干フィルターの短い特徴的な煙草。それを咥え、しばし玩ぶ。
オレは本来煙草を吸わない。だから普段は火もつけない。咥えるだけだ。
オレにとって煙草は咥えることだけで充分にその意味を見出せる。
何故か?
答えは簡単だ。
偽薬効果だ。
オレにとっては咥えた煙草から漂う香りだけがその意義なのだ。
昔読んだ本だったか、或いは学生時代に観た映画だったか、はたまた漫画だったか、知り合いの台詞だったか――
よく覚えてはいないが、オレの記憶の中に煙草の匂いを精神安定剤に喩えた台詞が有り、それを真に受けているだけなのだ。
もとより鬱病の気があり、ヒステリー気味にも、ノイローゼ気味にもなりやすいオレにとって三百円弱で精神安定剤が手に入るのなら安いもの。
偽薬を偽薬として認知した上でどれほど効果があるのかは知らないが、効くと思えば効くものだ。事実、煙草の匂いはなにやら落ち着く。
病は気から。鰯の頭も信心から。アーメン・ハレルヤ・ピーナツバターだ。
まぁ、そんな理由で落ち着かないときや、考えの纏まらないときにオレは煙草を咥える。
稀にだが、火をつけることもある。そうやって、どうにか働こうとしない頭を無理に働かせ、落ち着かせるのだ。
吸っている訳ではないので依存も中毒も無い。一年掛けて一箱二十本も消費しない。
精神を無理に安定させるより、陰々鬱々と悩んでいるほうが気分的に楽だからだ。
人間、無理は良くない。
無理して煙草を吸う必要もない。
無理することも嫌いじゃないしね!
そう。オレにとって鬱は快楽! 鬱最高! 暗い部屋で一人、ディスプレイからの青白い光に照らされて「死にてぇ……」と呟く日々万歳! 
死にたい自分に乾杯! でも死なない! 死んだら鬱じゃなくなるから!
鬱を謳歌している人間にとって最大の敵は死だ。……いや、大抵の人間にとって死は敵だろうけど。
しかし無理をしなければ生きていけないのだ。
無理をしてでも生きていきたい、と言うのとはワケが違う。
無理をしながら生きていきたいのだ。煙草は麻薬だ。覚醒剤だ。そんな煙草でトリップしたり、覚醒したりしながら無茶をした結果、鬱になって生きるのが楽しいのだ。
もうすでに言ってることが矛盾している。気にすんな。
ああ、マゾヒスト!
31('A`):04/07/16 02:31

 さて、下っ端の種類だが、基本的にはガクエンシタッパ、ショクバシタッパ、ダンチシタッパの
三種類が一般的に良く見ることが出来る種類だが、そのほかの種類も良く見かけることが出来
ることはもう諸君らも、諸君らがヒキコモリではない限り、九割がた理解していることは明白であ
り、小生が諸君らに教授すべきことは、シタッパの生態でありシタッパの分類方法ではないこと
は、如何に諸君らが蒙昧無知だとしても十分理解できることだと仮定する、したがってかくシタッ
パの特徴を知りたいなどと小生に問うことはお門違いだと最初に断っておこう、それでも尚、小生
に教えを請うほど諸君らも愚かではあるまい。
 さて、話が逸れた。では再び論点をシタッパの生態に戻すとしよう。諸君らはシタッパの、挙動不
審といわれる独特の防衛手段を見たことがあるかね。諸君らはシタッパが何故DNA的にはチン
パンジーよりも人間に近い霊長類の一種であるにもかかわらず、何故、ゴリラよりもニホンザル
よりもチンパンジーよりもオラウータンよりもはるかに扱いの悪い境遇にいるのか理解できて説
明が可能だろうか。結論から言おう。シタッパはとても臆病なのだよ、諸君。臆病なものは厚か
ましさに欠けるため、繁栄など天地がひっくり返ってもあり得ない事だと、小生の友人Y君の社会
的生命を賭けて断言しよう。我々の他に唯一の言語を操ることが可能な生物が、必死に調教
しても簡単な単語カードを使いコミュニケーションをとることが限界の、愚か極まりないチンパン
ジーよりも下の立場を甘んじているのは、些細なことでさえ耐えられない脆弱な神経によるもの
だ。それ以外に何か理由があるというのかね。貧弱な身体? 残念ながら如何に我々よりの身
体が貧弱で矮小だとしても決定的ではない。醜い容姿? 少々不愉快だ。それならば何故醜さを
極限まで突き詰めた存在である昆虫の一種であるカブトムシやクワガタなどは子供の憧れとして
何年も君臨できたか説明が出来ない。では、何故臆病だと扱いが悪いかについてだが、事実だ
けを述べよう。シタッパの能力は我々人間と大きくは変わらないのだよ。さらに、学問という分野
においては一部の肉体労働者になることを自らの怠慢により運命づけられている者よりもはるかに
高いパテンシャルを持っていることが明らかになっているのだよ。このことを元に何も推理できな
いほど諸君らは愚かではあるまい。諸君らも知っての通り、シタッパはその脳髄の働きの九割を
危険回避に使用しているのだよ。学習能力が無いわけではないので、周囲がいつ攻撃してくる
のではないかと常に不安に怯えているのだ。その様子が挙動不審と呼ばれているものだという
のが理解できないほど諸君らも莫迦ではあるまい。
32('A`):04/07/16 02:31
 では次にシタッパの狩りについて詳しくしていこうと思う。シタッパは大変受動的な生物で、餌を
得るための狩りも、飼い主に与えられたベントウと呼ばれる携帯食品を切らしたときのみに限定
される。しかしシタッパはアヒルが生まれて初めて見たものを母親だと認識するように、初めて狩
りを強要した者を、群れの中では自分より上の存在にいると認識するのである。しかし蜘蛛が親
を食べるように、いつかシタッパがその買い物を強要する存在を越したときは、いやみなことを言
って札束で頬を叩いてくるので注意する必要があるが、基本的にシタッパは出世魚のように、ガ
クエンシタッパからショクバシタッパへ、ショクバシタッパからダンチシタッパへ、ダンチシタッパか
らシャッチョサンへ変化していくことが確認されている。しかし、シタッパは大変弱い生物で、ショ
クバシタッパ、もしくはダンチシタッパのときに子孫を残したら、クビククリと呼ばれる一種の鮭が
川を上るように、長距離移動の後に、適当な場所で縄を使い自らの首を括ることが確認されて
いる。さらに、一生シャッチョサンに慣れないシタッパが大多数であり、もし諸君らがコンビにま
でシタッパを狩りに行くことを強要したとしても、頬を札束ではたかれてしまう可能性はマンボウ
が成魚になる可能性よりも低いので、安心して日々の生活を送って欲しい。
 なお今回の講義は時間が大量に余ってしまったがこれで終了とする。なお諸君らの中でまだ
学費の支払いがまだのものが多数いるようなので、まだの者は即急に事務室まで退学届けを出
すか、内臓を売るなり故郷の老い先短い母から奪い取るなりして学費を納めるように。それと隣
の教室はまだ講義の最中なので静かにチャイムがなるまで教室は出ないように。以上。
33('A`):04/07/16 02:36
なんつーか入り乱れておるので整理
 作品その壱>>27 >>29
 
 作品その弐>>30

 作品その参>>28 >>31 >>32
34('A`):04/07/16 02:38
>>29
滝本竜彦っぽいな
下らなくて藁タ
35('A`):04/07/16 02:39
作品その壱>>27 >>29
うんこ

作品その弐>>30
書き殴っただけ

作品その参>>28 >>31 >>32
既存作品のネタに頼りすぎ
36('A`):04/07/16 02:43
とりあえず病んでいる人間が多いことは理解できた
37('A`):04/07/16 02:53
とりあえず今妄想してたことを書いてみたんだけどうpしても宜し?
38('A`):04/07/16 02:57
どうぞ
39('A`):04/07/16 02:58
言う前にうpれ!
40('A`):04/07/16 02:59
>>38
おお、深夜なのに人がいた、ゴミのような作品ですが、、、


" 私最近思うの,本当はソウナのこと何も知らないんじゃないかって "
" 知らないことはあるだろうね "

" ソウナのこともっと知りたい "
" どうして? "
" ソウナのことが大好きだから,愛してるから "
" その想いを保つ為に僕のことを知りたいの? "
" そうかも知れない,不安なの,ソウナがどんどん私から離れていくような気がして "
" 君と僕が離れることがあったら,それは君が僕から離れる時だよ,僕が君から離れることはない "

" ソウナは優しすぎる "
" 不満? "
" 不満じゃないけど寂しい "
" 前にも君はそんなことを言っていたね ’素の僕で接してほしい’ って "
" うん "
" その時,僕がなんて言ったか覚えてる? "
" 覚えてる ’僕は今まで偽りながら生きてきた,だから偽りの僕は素の僕でもあるんだよ’ "
" 覚えてるなら僕がもう一度答える必要はないね "


" ソウナのことが知りたいの!! "

" 落ち着いて , , , , , 君は両親のことを愛してる? "

" うん愛してる "

" 両親は君のことを愛してるかな? "

" きっと愛してくれてる "

" そう "

" , , , , , "

" 君は両親に話してないことや,秘密にしていることはある? "

" あるよ, , , "

" 君の両親は君に話してないことや,秘密にしてることあるかな? "

" 多分ある , , , "

" 誰かが君に対して何か話してないことがあっても,隠してることがあっても,秘密にしてることがあっても,君はその人を愛することが出来るんだよ "

" そんなの , , , , 詭弁よ "
" 全ての言葉は詭弁だよ "

" ねぇソウナ,私のこと愛してる? "
” 秘密 ”

” 私は愛してる ”


私はソウナのことを一つ知った,彼の唇はとても柔らかくてとても優しいということを.
41('A`):04/07/16 03:01
>>39
スマソ
42('A`):04/07/16 03:05
おう、小説スレが新たに立ってる
しかも盛況
記念真紀子
俺もそのうち貼らせてもらいます
43('A`):04/07/16 03:07
会話文主体の構成って難しいわりに効果が薄いんだよなー

>>40は雰囲気演出がいいと思うが
なんで普通に「」や句読点使わないのか、とも思う
44('A`):04/07/16 03:07
九匹のカエルを捕まえた
一匹目のカエル君はセロハンテープでロケット花火に巻き付けて点火して飛ばす
カエル君は始めて地上10mの大ジャンプをしただろう、ロケット花火が空中でバンッと弾ける、カエル君も一緒に弾ける
二匹目のカエル君の口の中にエアガンで使用するBB弾を一つづつ入れていく
カエル君はBB弾を飲み込んでいくだんだんBB弾を入れるたびにスマートだったカエル君の腹部が
大きくなってきてボツボツ膨らんでくるのが視認できる、そのままカエルを殺さず野生に戻す
三匹目と四匹目のカエル君が地面をピョンピョン跳ねている居る所に大きな石を落として一撃粉砕
五匹目のカエル君を仰向けにして針葉樹林の針の様な葉っぱで腹部を刺す
一本、二本、三本、四本、五本、刺していくたびにカエル君は苦しそうにもがく
でもその動きも時間が経過するごとに鈍くなってきて完全に停止したところでカエルを地面に放置
六匹目のカエル君を硬いアスファルトの道路目がけて思いっきり投げる
地面に衝突した瞬間六匹目のカエル君は血まみれになって体のふしぶしが不自然な形になる
血まみれになりながらもまだ生きている、三匹目と四匹目のカエル君を殺した時に使用した石を再び持ってきて
瀕死の状態の六匹目のカエル君の頭上から落とす、六匹目のカエル君は石に潰されて死ぬ
七匹目のカエル君の右後ろ足をひっぱる、おもいっきりひっぱる、痛そうだ、すごく痛そう
カエル君は痛いと目に薄いマブタの様なものがかかるからすぐ分かる、その痛みに対する反応は人間のそれとどこか似ている
カエル君の右後ろ足がちぎれる、正確には足の皮だけが剥けて骨が露出した状態になる
左後ろ足も同じ要領でひっぱる、おもいっきりひっぱる、皮が剥け骨が露出する
カエル君の顔が歪む、とても痛そう、痛そうだから両後ろ足が露出した状態で野生に帰してあげる
八匹目のカエル君の目に五匹目のカエル君の時と同じ針葉樹林の葉っぱを突き刺す
右目が潰れる、もう一本を左目に突き刺す、左目が潰れる、カエル君は立派な障害者になった
このカエル君も野生に帰してあげよう
九匹目のカエル君をどうしようか迷っていた時、丁度尿意がした
これを使わない手はない、ズボンを下ろし、ウルトラマン柄のトランクスからペニスを出す
ペニスから黄色の液体が発射される、地面にはその液体を浴びるカエル君がいる
臭いだろうなあ、汚いだろうなあ、生温かいだろうなあ、と想像する
黄色の液体を出し切りペニスを収納している間に九匹目のカエル君が逃げる
それに気付いて慌てて追いかける、カエル君に追い付く、次の瞬間、カエル君を踏み付ける、
カエル君の内臓が飛び出る、靴の裏に尿と内臓が付いた、でもそんなこと気にしない
カエル君はまだ生きているようだ、止めをささないといけない、カカト落としの要領でカエル君の肉体を潰す
よしよしカエル君は無事死んだようだ
僕は満足して家路につく
45('A`):04/07/16 03:07
>>40
せめて,,,は三点リーダを使おうぜ。その方が読みやすいから
まぁあれだ,一応記号は一般的なモンを使って欲しい。
内容については,まぁ良いところだけ述べると会話がオサレっぽいところか。
46('A`):04/07/16 03:08
勃起した
47('A`):04/07/16 03:08
>>43
>>>40は雰囲気演出がいいと思うが
ありがちょんまげ

>なんで普通に「」や句読点使わないのか、とも思う
それは書いてる俺自身も思ってたりするw
48('A`):04/07/16 03:08
>>44
コピペはウザいだけ
自分の文で勝負しろアホ
49('A`):04/07/16 03:10
>>45
>せめて,,,は三点リーダを使おうぜ。その方が読みやすいから
>まぁあれだ,一応記号は一般的なモンを使って欲しい。
次うpすることがあったら気をつけるよお

>内容については,まぁ良いところだけ述べると会話がオサレっぽいところか。
サンクす
50('A`):04/07/16 03:10
>>44
随分病んでるな,オイ。
ガキの頃やったカエル大虐殺を思い出して,かるくノスタルジー
51('A`):04/07/16 03:10
まぁでもあの文章記号だから空疎な感じが演出されているんだろうな、とも思う
一般的な文章記号で>>40やったら雰囲気台無しだと思う
52('A`):04/07/16 03:12
>>49
補足
三点リーダは『さんてん』もしくは『あまり』と入力するとでてくるぞ
53('A`):04/07/16 03:12
>>40
「」と""ではまた違った効果が出る。
""だと現実離れした感じが出るというか、ささやき感が強調されると言うか、
とにかくこの作品には合ってると思うので俺はいいと思う。
ただコンマはいただけない。三点リーダのほうがよい
54('A`):04/07/16 03:14
コピペさえレス貰えてるのに……
55('A`):04/07/16 03:14
>>52
了解でさあ隊長

>>51>>53
イクナイところを指摘しつつ誉めてくれてありがちょん
56('A`):04/07/16 03:17
>>54
ん,どうした?
一応感想は全作品に来てるぞ
57('A`):04/07/16 03:19
>>9の関西人狩りはおもろかったw
58('A`):04/07/16 03:20
一応全作品つったって>>35じゃん
ありゃねぇだろ
59('A`):04/07/16 03:21
未完でもいいのかな
60('A`):04/07/16 03:21
61('A`):04/07/16 03:22
>>22は駄目だろ、SSですらないぞ。
62('A`):04/07/16 03:23
>>35のって全員同じ人が書いたのかい?
63('A`):04/07/16 03:23
>>62
違うだろ
文体が
64('A`):04/07/16 03:25
>>61
まあ駄目ということはないだろ
いろんな形があっていい
とはいえ>>22が尻切れとんぼであまり印象に残らないのは否めない
続きがあればいいのにと思う
65('A`):04/07/16 03:25
>>58
そりゃそうだな。
じゃあ明日にでも感想かくわ

>>59
いいと思うヨ。けど途中で放り投げた時の罵倒は覚悟しといた方がいいかもね
66('A`):04/07/16 03:26
感想が「うんこ」だけってのも感慨深いな
67('A`):04/07/16 03:27
>>66
いちおう滝本竜彦っぽいって感想もあったぞ。
可哀相なのはその2とその3だろう。
6859:04/07/16 03:29
>>65
結構、長くなりそうだからある程度書き溜めてからにするよ。
助言さんくす。
69('A`):04/07/16 03:41
>>30
全体的にエッセイっぽいな。
なぜだろう。多分動きが少ないからだと思う
登場人物の感情を述べて終りだからかな

いいと思った所は鬱についてハイテンションで述べる所か
70('A`):04/07/16 04:04
71('A`):04/07/16 04:07
>>70
ブラクラ
72('A`):04/07/16 04:10
>>70
全然おもしろくねぇ。
73('A`):04/07/16 11:59
そうか?
小説らしさという観点からは今の所このスレでは一番小説らしいと思うが
ただ主人公が駄目だ。イケメソなんだもの
74('A`):04/07/16 12:29
一応評価は甘めってことにしておこうぜ
その方が書き手も増えるし,褒められた経験があまりない俺たちは
必死こいて次の作品に取り掛かると思うんだが。

基本的には
指摘:好い所
  7:3
くらいが丁度良いと思うんだが,どうよ?  
75('A`):04/07/16 12:31
>>74
煽られた方が必死になってレスするだろ
76('A`):04/07/16 12:33
でもうんことかじゃあなぁ
77('A`) :04/07/16 12:38
基本的にオナニーが多い
自分がダメダダメダという内容なんだけど
そんな自分を自己顕示しちゃう、自分が好き
みたいのが伝わってきて反吐が出るわけ
だから自分語りでもいいんだけど
見てる人間に、何を伝えたいか?ってこと
「笑い」でも「感動」でも「共感」でもいいけど
とにかく読み手に何かを与えてくださいってこと
78('A`):04/07/16 12:41
まぁ,そんなオナニーも紙媒体になれば芥川賞とって賞賛の嵐なんだろうがな。
アレもココの小説も本質的には違わないさ
79('A`) :04/07/16 12:44
書きなぐっただけの駄文と
まがいなりにも芥川賞とった作品の違いも分らんとはね
80('A`):04/07/16 12:59
モモーイ
81('A`):04/07/16 13:32
書くなら、コテハン(タイトル名)、鳥つけたらどうだ?さっぱりわからん
82('A`):04/07/16 13:42
そうだな
そのほうが解りやすいし
83吉岡電気:04/07/16 23:36
読んでくれよう、感想くれよう、たのむよう
http://love3.2ch.net/test/read.cgi/motenai/1089908690/
の976です。

84('A`):04/07/16 23:36
>>83
嘘吐き!
85('A`):04/07/16 23:53
誘導されたので
誘導元の最後の作品のコピペ貼っとく

981 名前: ('A`)ヴァー [sage] 投稿日: 04/07/15 10:20
――どうしてもメンツが足りないんだ、頼むよ。
鎌田から合コンの誘いを受け、深く考えずにOKした俺が馬鹿だったのだ。
合コンの真っ最中なのに、この疎外感は何だろう?
自己紹介は華麗にスルー、はしゃぐ女たちの視界には俺は入っていない。
乾杯でグラスを合わせることも無く、隅でイカのあぶりを噛み締める。
口の中に香ばしさと敗北者の味が広がる。
俺の席の隣には誰も座らない。
人ごみの中でふと感じた疎外感のような、なんともやるせない気持ちで胸が締め付けられる。
「えーっと、毒男君だったよね?」
そんな中、俺に声をかける女が一人。
思いもよらない出来事に少し慌てるが、落ち着いて当たり障りの無い会話をする。
だが、貴様の狙いはとうの昔にお見通しだ。
こんなドクオにも優しい私を見て、だろ?
俺は利口な狼だ、もう毒餌は食わねえ。
もう一度イカを噛み締める。
少ししょっぱかった。
86吉岡電気:04/07/16 23:55
http://love3.2ch.net/test/read.cgi/motenai/1080832509/901-1000

ごめんなさい間違えました
976です
87('A`):04/07/17 00:09
>>86
ココは2ちゃんだからあまりまともな感想は期待することができない。
適当な小説投稿サイトに投稿すればキチンと読んでもらえると思うぞ
なにせ掲示板で小説を読むというのは存外にきつい行為なんだから

一応初心者オススメの小説投稿ページを貼っておこう。
良い所を褒めるというスタンスの感想書きさんが多いぞ。
ttp://babu.com/~jouti/bnote/
88('A`):04/07/17 00:13
>>87
ありがとうございます。
でもぼくはここにいる人に読んでもらってここにいる人の感想が欲しいです。
長文ではなくて短いのを書きますんでかわいがってください。
89('A`):04/07/17 00:15
ttp://love3.2ch.net/test/read.cgi/motenai/1080832509/l50

このスレを次スレとして使っていいですか?
ここにいて、あっちを使ってない住人の皆さん的にはやっぱ嫌ですか?
90('A`):04/07/17 00:17
>>88
ならコテハンで作品の感想でも書いておくと良いかも知れないな
義理堅い香具師ならたぶんお返しに感想を返してくれるかもしれないぞ
9189:04/07/17 00:18
すまん、上の方で答えが出てたな…
92('A`):04/07/17 00:19
>>89
別に構わないだろう
一応前スレからの人間が来るって事は
感想を書く人間や小説を書く人間が増えるってことだからな
93('A`):04/07/17 00:20
>>90
コテハンと香具師の意味がわからないです
94('A`):04/07/17 00:23
お前さん初心者か?
コテハンってのは固定ハンドルの事。名前の所に名前入れろってことだ
香具師ってのはヤツってこと。ヤツとヤシが字的に似てるからこうなった
一応他の板とかもROMってみろ
95('A`):04/07/17 00:25
無職の俺を養うために嫁さんがケンタッキーでレジを始めた。
そっと覗きにいくと、ケンタッキーの制服のスカートけっこう短いのな。
若い女の子向けのデザインなんだろうな。
30代後半の嫁さんが、短いスカートはきながら一生懸命接客している姿はなんだか
痛々しくて、心の底から申し訳ない、就職活動がんばろうと思った。
でも家に帰ると、久しぶりに1人なわけですよ。今まで嫁さんがいると、
昼間家にいるのを責めらてるような気がしてリラックスできなかった。
で、俺は久しぶりにオナニーしようと思った。しかも濃いやつ。
サラダオイルをチンコに垂らしてニュルニュルもんで、イキそうになったら手を止め
て、お尻の穴にもオイルぬってニンジンつっこんで、さすがにニンジンは痛かったけど、
レイプされてるような感じで興奮しますた。
すっかり女の気分になって「はああん、はあん」とあえぎながら、
1時間くらいチンコこすりつつニンジンをズコズコしてた。
んで「イクーっ」といって大量に射精した。そのとき俺は口内射精で飲んでみようと
思って、できるだけ上半身を前屈させ、口を激しく前に突き出した。
精液は勢いよく顔まで飛んできたわけですが、口の中には入らなかったので、顔に塗
りたくって、指をペロペロなめて、「ふー、良い仕事したなああ」と叫び、シャワー浴びよ
うと後を振り返ったら、嫁さんがケンタッキーの制服のまま台所に座って泣いていた。
いたたまれなくなって後ろを振り返ると、45chがニンジンを食っていた。
96('A`):04/07/17 00:37
>>85
イカ食いたくなる
97吉岡電気:04/07/17 01:16
>>94
なるほど、了解致しました。大変わかり易い説明ありがとうございます

客観的ではなく、ぼくの思う 感想ですが

>>17
好きな(良いと思う)ところ。 冒頭の三行目まで、お話の入り方が素敵だと思いました。
嫌いな(悪いと思う)ところ。 それ以外、何も想像できません、マイナス思考の哲学みたいに聞こえます。ぼくは好きじゃないです。
この作品は好きじゃないですけど、この作者の他の作品は見てみたいと思いました。

>>22
特になし

>>27>>29>>30
作品その壱 作品その弐
読みやすいです、けど何がいいたいのか良くわからなかったです。
27は良いのですが、29の、主人公が考えている事ですか?『だぜ!』は不自然だと思いました。そこで冷めちゃいました。
30 自分でマゾと言ってよっぽど苛められたいんですね。そこに共感が持てました。
作品その参は面白そうなのであとでゆっくり読ませて頂きたいと思います。

>>40
はぼくは、面白いとも好きだとも思えました。
読みやすいし想像もできるし、伝わってきます。楽しかったです。
書いた、ではなく、読んでもらうために書いた、と感じました、とても好感が持てます。
ぼくの意見ですが、もし演出がなかったとしても、面白かったと思います。
次の作品を期待しています。

>>77
の意見に賛成です。

>>85
オナニーでオナニーですね。
〜と思った。と〜なわけですよ。が少し気になりました。


98吉岡電気:04/07/17 01:34
作品その参>>28 >>31 >>32

単純に面白かったです。読み終わった後に、時間を無駄にした、とは思わなかったです。
遊び心もあり、文章もよくまとまっていると思いました。
読んでいて、いつ文章の形が変わるのかな?と思ったけど最後の最後まで変わらなかったです。
ああいうお話をリアルに書くために徹底した文の形を作ったのは良いと思いました。
次回作に期待しています。
99('A`):04/07/17 01:47
よく分からないが>>85はアンカーミスだと思った
100('A`):04/07/17 02:05
≫吉岡電気
とりあえず読んだので感想を
振動は好きだ。小説と呼ぶのには抵抗があるが,詩としてなら。
そのほかの作品だが,日記を読んでいる気分になった。
101100:04/07/17 02:07
言い忘れた。
長いのは読んでないから最後の方に書かれてる短いのだけな。
102('A`):04/07/17 02:09
>>85結構好きかもしれん。
この調子で長くても読めそうな気がする
103('A`):04/07/17 02:41
ここように、書こうと思って、取っておきのもちネタだしたけど話が長くなって思いのほかできっガ悪くなったから自分のサイトに上げるという暴挙
104('A`):04/07/17 02:48
>>103
サイトアド晒すべし
105吉岡電気:04/07/17 02:51
>>100
読んで頂いてありがとうございます。とても嬉しいです。

振動は詩ですね、はい、その通りです。アクセントのつもりで載せたのですが反応があって嬉しいです。もし何か感じていただけたのなら幸いです。

>日記を読んでいる気分になった。
というのがもしリアルにそう思えたのであれば、これ以上の褒め言葉はないです。ありがとうございます。

長いのは、こういう掲示板にはふさわしくないという事を最近学びました。あれはぜひ読んでもらわなくてもよいです。
まだ途中ですし、いつ完成するかもわかりません。それに完成したのを載せるとなると二百枚に収めても八万文字になってしまいます。
中途半端な馬鹿な事をしたと思います。反省しています。

そこで、毎回違う題をつけた短い文章を、日記っぽく主人公に語らせたら飽きないし面白いんじゃないか、
と思ってあれを作りました。これからは頑張って作りたいと思います。
106('A`):04/07/17 03:01
もっとストーリー性のあるもの書けよ
107('A`):04/07/17 03:34
>>104
嫌だよ。俺がここきてるって他の常連さんにバレルじゃないか。必然的に。
108('A`):04/07/17 04:16
こっちからリンクしたもそっちからリンクすれば大丈夫じゃないか?
相当痛いサイトでもない限り俺ら荒らさないだろうし
仮にお前の所書きこんだとしても2ちゃんねらーって一発で解る言動はしないだろうしな
109('A`):04/07/17 04:17
わりィ意味不明かつ支離滅裂だな,こりゃ
正しくは「こっちからリンクしてもそっちからリンクしなければ大丈夫じゃないか? 」だな
110('A`):04/07/17 04:19
107 名前:('A`)[] 投稿日:04/07/17(土) 03:34
>>104
嫌だよ。俺がここきてるって他の常連さんにバレルじゃないか。必然的に。


…これを翻訳すると
「知り合いにオレが童貞だってバレるじゃないか。必然的に。」ということか。
111('A`):04/07/17 04:20
晒したくねーならわざわざ>>103みたいなこと書かなきゃいいのに
112('A`):04/07/17 07:17
あげ
113('A`):04/07/17 08:58
皆さんが問題なければ続きも書こうと思ってるので宜しく。


ソレはすぐに見つかった、探してだしてから20分も経っていなかった。
雑草の様に簇生している3匹のソレは私を見て怯えている。
「怖がらないで…私は貴方達を救いにきたのよ…」
3匹の怯える声、1匹はまだ幼い。
「静かにしなさい!!貴方達動物は人間に従ってればいいの!!」
一向に沈黙は訪れない、2匹の大きな猫は子猫を守る為に子猫の前へ出る。
「なんて生意気なのかしら…貴方達動物は低脳だから言葉が通じないのね」
憤懣により衝動を抑えきれなくなった私は地面を蹴り、5m先にいる猫目掛けて走り出た。
目標を捕らえるのに5秒もかからなかった。
右側の大きな猫を渾身の力をこめ、利き足で思いっきり蹴り上げる。
スニーカーのつま先が腹部を直撃し強打する、次の瞬間、猫の体が空中に浮き、右足に感じていた重量感が消える。
少しして猫は落下してきた。
本来なら空中で姿勢を変えて綺麗に着地するのだろうけど、今の猫にそれは出来ない。
不自然な姿勢で落下してきた猫は、アスファルトの地面に頭から落ちた。
「ほら…私の言う事をきかないからこんなことになっちゃうのよ…」
喋りながら私は無意識に笑っていた。
「でもいいの…貴方の命なんて何の価値もないもの」
2匹の怯える猫と1匹の絶命した猫。
子猫は何が起きたか理解出来ない、大きな猫は子猫を守ろうと逃げもしない。
「私、本当は貴方達を殺したくなんてないのよ…でも貴方達が私の言う事きいてくれないから仕方がないの」
私は残った2匹の猫の内、どちらを先に殺そうか考えながらそんなことを言った。
114或ル青年ニトッテノ二十年 1:04/07/17 09:22
「どうして僕を捨てたのですか?」

青年の第一声はそれだった。
女は一瞬戸惑いを見せたが、意を決して口を開いた。

「今更奇麗事を言っても仕方ないから本音、言うね…」
「私はまだ中学生で育てる力も無くて、あなたが邪魔だったから…だから捨てたの」

予想通りの回答。

「どうして、邪魔な子供を作ったのですか? 妊娠したのですか?」

惑いの無い、清々しさすら感じる表情で女は答える。

「とても、"顔"が格好良い先輩が居てね…私も若かったから、ナンパされて」
ホイホイとSEXしちゃったの」

またしても予想通りの回答だが、流石に生々しく聞き苦しい。

「中出ししたいって、断れなくて…"カッコよかった"から」

”反吐が出そうだ、だがこの"雌"も意を決して真実を語っているのだろう”
青年はそう考え、震える拳を握り締め冷静を装った。
真実の告白を聞き終えた後、青年はゆっくりと立ち上がり上着を脱ぐ。
そして今まで"独り"で生き抜いてきた証をその雌に見せ付けるのだった。
傷だらけの体…イジメ、虐待、過酷な肉体労働、あらゆる困難に
20年間耐え続けてくれた、青年の唯一の財産にして唯一の友、唯一の誇り。

「あっ…」

傷だらけの姿を見た女は思わず息を呑む。
その痛々しい傷跡は青年の今までの生き様を何よりも雄弁に語っていた。

「親に捨てられた醜い子供が独りで生き抜くという事はこういう事なんです…」

氷のような冷たい表情で青年は語った。
女は青ざめた表情で打ち震えている。

「あなたに一つお願いがあります、もし僅かでも後悔の念があるなら、あなたはもう二度と
子供を産まないで下さい、親にならないで下さい、あなたはその資格も能力も無い」

「あっ…あっ、ご、ごめんな、さい…」

目の端から涙を浮かべ、もはや冷静に会話できる状態ではない。
その姿を見た青年は無言でその場を去った。
115或ル青年ニトッテノ二十年 2:04/07/17 09:24
「"ごめんなさい"か、軽々しい言葉だが、俺は20年間それが聞きたかったのかもな…」

なぜか心は澄み渡っていた、もはや恨みも憎しみも無い。

「さて明日は仕事だ、今日はウマい飯でも食ってゆっくり休むか」



明日の仕事に向かって、これからの人生に向かって青年はまた歩みだす。
捨てられても、切り刻まれても、引きちぎられても…それでも明日を生きようとする。
それが人間なのだから…
116('A`):04/07/17 09:29
エロ系書いてよ
長い文章は読むのだるいし
117('A`):04/07/17 09:33
漏れも。
ばかほりさとるみたいにな〜んも頭使わないでさくっと読めるヤツがいい
118('A`):04/07/17 09:50
>>85の続きが一番読みたいな。

個人的に思うこと。巧い文とか奇抜で凝った表現とかを
中心に書いた文は面白くはない。表現がうまければ感心はかうけど。

やっぱり読みやすくて話の展開が面白かったり、
共感とかできるのが一番優れていると思う。
なんのために文を書いたのかによって違うけど、
人に読ませたいと思って書いたのなら、まず始めに目指すのはそこだと思う。
119('A`):04/07/17 11:12
>>114
SSとしてキレイにまとまってると思う。
まあ欲を言えば、もう少し話の展開があるといいかも。

みんな長文は嫌いなのかな?
前スレだと、も〜っと長い物もたくさんあるし、
これくらいなら短い方だと思うが。
120('A`):04/07/17 11:28
http://tv6.2ch.net/test/read.cgi/kin/1042373381/l50

誰か続き書いてやってくれw
121吉岡電気:04/07/17 11:37
>>113
文章が読みづらいと思いました。三回よんでやっと理解しました。
三行目、五行目の台詞が同一人物の台詞と理解するのに時間がかかりました。
私は無意識に笑っていた。は不自然です。
その辺をさしひいても内容は良いんじゃないかと思います、これからに期待です。ぜひ続きを読んでみたいと思いました。

>>114
いかくさいにおいがプンプンする文章で、読んでいると思わず鼻をつまみたくなっちゃいます。
予想通りの回答。まったくその通りです。
1+1=?と聞かれて2と答えるのはまぁ良いです。
34579590204+85625289=?と聞かれてすぐに答えが言えるのでしょうか?
なんだか作られた台詞というのをもろに感じてしまって物語りにはとても入れませんでした。
伝えたい事はなんとなく理解できましたが、伝え方を考えてみてはいかがでしょうか?
わかり易く言うと、独り言の文章に感じてしまいます、愚痴ともいいますね、せめて相談位のレベルになると良いと思います。

テーマは悪くはないと思ったのでこれからも頑張ってください。



122('A`):04/07/17 11:46
吉岡電気とかいうのが一端のモノ書き気取りでウザい
123('A`) :04/07/17 12:45
まぁいいじゃん
吉岡君も何か書いてみてよ
124('A`):04/07/17 14:41
僭越ながら感想をば

>>113
胸糞悪い。猫ものはこうなる運命かとw
多分書いた方もそう意図されていると思いますが、見事に的中しているという感じ。

>>114
>>119と似た印象を持ったです。起承転結がある。
後半をさらに濃厚にしたらラストも引き立つしよかったのでは、と思いまする。
125('A`):04/07/17 16:28
>>113
プロローグだが,ココで完結するかもしれないから一応。
とりあえず書きたかったと思える部分と読ませようと思う部分が今ひとつ解らんかた。
簡単に言えば餌がないんだ。
続きも書くって事だから,「終わらない夏休み」並みの大虐殺ショーを期待している。
続き奇本

>>114
ちゃんと起承転結もしっかりしている点は評価する
共感を狙っていたという努力も買う
けれど今ひとつ
126YUKIの翼 00  ◆FRBbkxGLqE :04/07/17 16:28
いつもと変わらない日々
いつもと変わらない景色
いつもと変わらない自分

そんな退屈な世界をどうにかしようと思った。
でも自分は普通の人間でTVに映る芸能人みたいになったりするのも不可能だと思った。
一生を普通に過ごし、人並みの生活をおくり、人並みの人生を満喫して死んでいくのだと思った。

自分には人より優れた才能もない、人に誇るような事もできない、それはわかっていた。
けれど人より劣っている部分もないということもわかっていた。
そんな考えが自分を普通以上でも普通以下でもないところに留まらせていることもわかっていた。

憂鬱だ・・・。
学校帰りの頭の中は、いつもこんな事ばかり考えている。
自分一人になると、ロクな事を考えない。
一人で帰っているのは友達がいないわけじゃない。
普通な自分に相応しい普通の友達がいる。友達とは先程別れたばかりだ。
一人に輪をかけて寂しくさせるのは、この夕日のせいだろう。
夕日は人を感傷的にさせる。そして自分の場合、落ち込まされる。
でも憂鬱になる日々も残り数日で休憩に入る。
学生にとってはいつも通りの夏休みがくるからだ。
そう考えれば今日は少し気分が楽になるかもしれない。
だけど、休みに入っても自分の平凡な生活は変わらないだろうという思いがまた憂鬱にさせた。

127YUKIの翼 01  ◆FRBbkxGLqE :04/07/17 16:29
そんないつも通りの帰り道に、いつも通りの考えごとをしながら帰っていると
いつも通る公園の近くの道にさしかかった。
その時、ふと、横道に目がいった。
いつも通っている道なのに、知らない道があった。
道は知っている道にあって知らない道だった。
その道は、ずっと真っ直ぐまで続いているようだった。
自分の中で『知らない』は『いつも』を変えてくれるような気がした。
すると、自分がその道に引き込まれるように進んでいる事に気づいた。
知らない道を、ずっとずっと真っ直ぐ歩いていった。
ひたすら真っ直ぐ歩いた。
いつもなら色々考え事しているのに今は何も考えずに道を進んでいる。
その事に気づき始めたころ、道の終わりがきた。
道の終わりには木があった。それも両脇を制するように。
並木通りという表現がピッタリ合いそうだ。
並木通りに出たという事は、と考えすぐに坂下通りに来てしまったのだと思った。
自分が住んでいる街は小さな街で並木通りなんて一つしかないからだ。
公園近くの道から坂下通りに続いているなんて初めて知った。
坂下通りは、学校帰りに通ろうと思えば通れるのだが遠回りになるので自分は公園を通るほうの道を使っていた。
久しぶりに坂下通りに来たのだから今日は並木通りを満喫して帰る事にした。
木の葉が舞う道の中、何も考えずに家に向かって歩き始めた。
すると目の前に、紙ヒコーキが飛んできた。
紙ヒコーキは行儀良く自分の足元に落ちた。
何故か、足元の紙ヒコーキが気になってしまい落ちているヒコーキを手に取った。
サイズが少し大きいのはスケッチブックの紙で作られているからみたいだ。
スケッチブックって事は何か書かれているのかと思い、中を見てみる事にした。
すると中には、街の景色が書かれていた。
その景色は、かなり上手に描かれていて、どんな人が書いたのか知りたくなった。
絵の右下の方にアルファベットで『YUKI』と書かれていた。
多分、これが作者の名前だろう、男性か女性かもわからないけど。
でも何故、せっかく書いた絵をヒコーキにして飛ばしたのだろうか。
こんな上手に書いた絵なのに・・・・。
それにヒコーキは、どこから飛んできたのだろう。
そして、YUKIという名のどんな人が飛ばしたのだろう。
あまり他人には関心を持たない自分が珍しく他人を知りたいと思った。
とりあえず紙ヒコーキを自分のバックにしまった。
明日の帰りにまた、この道を通れば何か分かるかもしれないと思った。
ただ漠然と、そう思った。その思いは何故か、絶対という確信があった。
明日も来ようと決めて今日は家に帰る事にした。

その時は、自分がヒコーキの事ばかり考えていて、いつもの憂鬱な考えをしてない事にまだ気づいていなかった。


これは僕の平凡な人生の内の唯一、平凡じゃない夏休みの始まりだった。
128('A`) :04/07/17 17:00
>>126
ちょっと文章がくどい
今後の展開に期待
129('A`):04/07/17 17:01
長文読むのめんどくさいとか言ってる奴はレビューする資格無し。
2ちゃんの短文レスに慣れてしまって文章感覚がおかしくなってるんじゃないか。
130('A`):04/07/17 17:26
>>129
うまい文は長くても苦にならないよ。単なるテキスト量の問題じゃない。
131('A`)ヴァー:04/07/17 17:33
夜中にふと目が覚める瞬間がある。
寝足りない筈なのに、不思議と意識はハッキリしている。
そんな時、俺は窓を見つめながら考える。
―もし、俺が超能力を使えるようになったらどうしよう?
とりあえず、漠然と超能力というだけでは話にならない。

―発火能力。
まず、ガス代が浮く。
これはかなり便利だな、魚も焼けるし。
タバコ吸うときもライター要らないしな。
でも、放火犯とかに間違われそうだ。
警察官怖いよな。

―感応能力
思考が読み取れたらじゃんけん最強になれそうだな。
でもちゃんとコントロールしないと周りの声が流れ込みそうだな。
「ドクオキモーイ」
「うわっ、ドクオと目が合った」
使えねえ。

―念動力
動かなくてもテレビの操作が出来るな。
ひょっとしたら自分を浮かせることも出来るかもしれない。
通学に役立つな。
怖いお兄さんに絡まれても吹っ飛ばして何とかできそうだな。
お、これいいな。

試しに2mほど先の携帯電話に向かって念じてみる

―浮かべ、浮かべ

一向に携帯電話は動かない。
さらに強く念じてみる。
畳に張り付いたように携帯電話は微動だにしない
そこで俺は急に冷める。

―アホらし、寝よ。

次に目を醒ますともう時間ギリギリだ。
手早く身支度を整えると大学へと急ぐ。
こんな俺でも熱くなれるものを探しに。
132('A`):04/07/17 17:47
>113
スマソ、動物虐待は無条件で嫌いなので評価不能w

>114
物語の骨組み、題材、大まかな流れや構成は○。
ただし、味付けが無難過ぎる。
文章表現に工夫や拘りが見えない。
上記の欠点は努力で克服できる点だから数書くべし。
逆に長所の部分はセンスに頼る部分が多いので今は無理に磨く必要は無し。
133('A`):04/07/17 17:48
なんかJ文学の批評スレみたいになってきたな
134('A`):04/07/17 17:49
>>132
好き嫌いのレベルで評価不能になるヤツが偉そうに人の文章批評すんなよな
135('A`):04/07/17 17:51
長いつっても>>30前後のヤツは長文でもあっさり読めたしな
内容無いけど
136('A`):04/07/17 21:05
おまえら,話を作れ。
お前らの日常なんかじゃなくて
お前らの妄想を爆発させたような童貞臭漂う嘘話を
137('A`):04/07/17 21:08
喪男はしっかり話練って創作するのは苦手そうだ。
一行リレー小説みたいなどうとでも書けるもののほうが性にあってるな
138('A`):04/07/17 21:11
世間はヒキコモリの無職に冷たい。
一歩でも外に出たら不審者扱いするに決まっている。
そんな被害妄想。と言うか事実。

なんだ、事実か。
なら仕方ない。
頑張って外出。
生活費を稼ぎにパチ屋へGO!
ああ、駄目人間。

外に出る。
世間は夏。学生たちは試験前。もしくは真っ最中。
昼間だけれど娘がいっぱい。
あの娘もこの娘も俺にLOVE!
道往く人々、皆、俺LOVE!
そんな被愛妄想。と言うか実際妄想。

なんだ、妄想か。
なら仕方ない。
当初の目的遂行。
パチ屋へGO!
……屑だな、俺。

パチ屋を後にする。
成果はナシ。勝ちナシ負けナシ。涼み勝ち。
何にもない一日がなんでもなく過ぎていく。
ああ、こうやって俺は朽ちていくのだな、と。
悲哀妄想。と言うか嘘。
悲しくない。

そんな今日の出来事。
139吉岡電気:04/07/17 21:46
>>126
面白いと思いました。ぼくは好きですこういうの。
>>131
内容が良かったです、共感できました。
>>138
テンポがよく、読んでいてまるで歌の歌詞のように感じました。作り方がうまいと思いました。これからも期待しています。
140('A`):04/07/17 21:49
自意識過剰な妄想ポエムを「小説」というのか最近は。
そういや「J文学」だかいうのもそんなんばっかりだったな。
141('A`):04/07/17 21:56
>>140
そんなノリの悪いことばっかり言って人を見下してるからモテないんですよ
142('A`):04/07/17 21:58
>>138はショートショートとしてなら結構いい線行ってる気がしないでもない
143('A`):04/07/17 21:59
>>131だった
('A`)だからモテないんだ
144('A`):04/07/17 22:16
>>141
別に見下してない。ただつまらんと言ってるだけだ。
145('A`) :04/07/17 22:20
お前の好みなんて聞いてないし、どうでもいいから
146('A`):04/07/17 23:08
ふと気付けば俺は携帯を辞めネットを繋ぎ、
ふと気付けば俺は2chの存在を知った。
ふと気付くとそこにモテナイ男性板が存在しており、
ふと気付くと俺はそこで1日を浪費していた。
下らない、と分かって居ながらも繰り返す日常。
それ以外に成す術をしらぬ自分。
旅にでも出ようか、と寝間着のままディスプレイにでも問い掛ける。
ブラウン管は強く光り輝き、もはや死人のような俺の顔を映そうとはしない。
いい奴だ。
用を成さなくなったOutlook Expressに、送受信ボタンを連打して責めたてる。
分かってるけど、諦めきれない。
俺の人生そのものだな。
そんな自分を鼻で笑い、読みもしないバイト情報誌と、
内容を暗唱出来そうな位使ったエロ本の山の上に無造作に敷いた布団の上に、寝る。
おやすみ代わりの挨拶は、「明日もこんな1日なんだろうな…」
147('A`):04/07/17 23:21
なんかこのスレほかのスレより殺伐としているような気がするぞ。
148('A`):04/07/17 23:22
小説書くとかいうスレは大抵殺伐する
149('A`):04/07/17 23:24
創作文芸板とかも殺伐としてるしな
つーか素人の小説に高い水準を求めるのも間違いのような気がしてきたぞ
金払って読んでもつまらんのもあるし
150('A`):04/07/17 23:26
「リアル鬼ごっこ」が出版物として世に出るくらいだからな
151('A`):04/07/18 00:25
「色々考えたんだけど、やっぱり僕のせいじゃないと思うんだ。けど、君に痛い思いをさせっちゃたのは、確かに僕だから、順序だって説明していくよ。ま、聞いてちょwww」

「僕が小学校二年生の時、隣の席の晴香ちゃんののパンツをガバっと下ろしちゃったんだw
 今考えると、みんなやってたことなんだけど、僕はクラスの嫌われ者だったからね。
 だからなのかな?田淵先生は、僕の奥歯が折れるまでぶったんだよ。
 当然お母さんに泣きついたんだけど、お母さんは助けてくれるどころか、
 この時の事をいまでもグチグチ言い続けるんだ『この色ガキ!』って。酷いでしょ?」

「次は六年生の時かな。担任の武井先生が平和運動の人だったんだ。
だから、学級文庫の棚には、戦争の恐ろしさを伝えるためにって、
『東京大空襲』だとか『広島・長崎』なんて、戦争の犠牲者がいっぱい載ってる
写真集がいくつもあったんだ。
僕は、恥ずかしながら、その本たちの虜になっちゃてね。東京大空襲での黒コゲ死体もよかったけど、
沖縄で自決した女の子の死体に、えーと、君の前で恥ずかしいんだけど、恋しちゃったんだね。アハハw
蝋みたいに真っ白な肌でさ。彼女、手榴弾で自決したんだ。彼女の綺麗に透き通った顔の上に、
自身の内臓がのっかっちゃっててさ!放課後、オレンジ色に染まった教室での初オナニー・・・・・。
気持ちよかったなあ」

「まだまだ原因はあるけど、まあこの辺りが、僕がロリコンとネクロフェリアになってしまった原因かな。
自分で説明しといてなんだけど、やっぱり僕の責任じゃなかったろう?」

『うん。お兄ちゃんは悪くないよ!』

「いや、もっとキーが高かったな・・・・」

『そうだよ!お兄ちゃんのせいじゃないよ。お兄ちゃんに殺されちゃったときは苦しかったけど、こんな綺麗な服着せてもらって、こんな綺麗なガラスケースに入れてもらって、あたし嬉しいよ!!』

「うん。これだ。」「そうかい?じゃあこれから、お兄ちゃんと気持ちいいことしよっか・・・・・・」
152('A`):04/07/18 00:29
お話を書こうっていう姿勢を評価したい
最初のwwwはどっちかっていったらいらない
ネクロフィリアの話なんだろうけれど,もうちょい異常性を表現できたらもっと良いと思う
153('A`):04/07/18 00:46
サウンドノベル作れよ馬鹿共
154('A`):04/07/18 01:10
時間かかるし技術も必要でしょうから厭です
155('A`):04/07/18 01:28
同僚の田淵からその店の話を聞いてる間中、僕は勃起し続けていた。
田淵が言うには、そこは会員制の秘密倶楽部で会社から二駅離れた住宅街の真っ只中にあるらしい。
さもありなん。このご時勢、ロリビデオの単純所持で捕まった仲間までいるんだ。
毛も生え揃わない子供を生で頂くなんて危険な行為、かえって住宅街のように子供の多い
ところのほうが目立たないものなのかもしれない。事は急を要した。僕は明日から一ヶ月の出張だ。
今日にでも出向かないと、帰ってきたときにはもぬけの殻なんてこと、この業界ではよくあること。
田淵の胸倉を掴み恫喝し、なんとか紹介状を書いてもらった。拙い字で書かれていたが、欲情を
誘ういい店名だ。
その名も「fairly club」

その町は住宅街と呼ぶには少々田舎すぎるような気がしたが、海からの潮風、すぐ後ろの山からは
フェーン現象と、長く暮らすには良いところかもしれない。
入り組んだ細い道を右往左往しながら、やっとこさ紹介状に書かれた住所を探し当てたときは、正直目を
疑った。なぜならなそこは、周囲の朽ちかけた漁村とは明らかに違った、白塗りの洋館だったからだ。
なるほど、洋ロリってわけか。こりゃインターポールがでてくるかもな。尿道から溢れ出る我慢汁を
感じながら、やはり白塗りのドアを開けた僕は、またまた目を疑った。
いくつも並んだテーブルには妙齢のご婦人が各4,5人ずつの数グループも居並びながら何かにむしゃぶり
ついていた。そのおぞましい光景に僕のちんこは一気に萎んで小指の爪くらいになってしまったが、
それとは逆に、当惑を通り越した怒りは、破裂寸前だった。
店員らしきエプロンの女に店長を呼びにやらせ、駆けつけた店長を問い詰めた
「話がちがうじゃないか。なんだこのババアどもは!人をなめるのもいいかげんにしろ!!」
「お客様。何か勘違いなさっておりませんか?」
「ふん、何が勘違いなものか。ここはロリータ売春宿フェアリー・クラブだろ」
「やはり勘違いなさっていらっしゃる。これを」
といって差し出されたお絞りにはこう書かれていた

「毛ガニ専門店 Hairy Clab」
156('A`):04/07/18 01:30
>>152
(笑)のほうがよかったかな。他人の作品見てても2chと関係ない
話の場合は(笑)のほうがしっくりくるし
157('A`):04/07/18 01:30
ちょっとワロタ
158('A`):04/07/18 01:37
いや、厨臭く見えるから(笑)とかAAとかは避けたほうが無難かと。
それを狙ってるなら別だけど。
159('A`):04/07/18 01:41
ワラタ。
ショートショートは面白いよな
160('A`):04/07/18 02:17
月のきれいな夜だった。
まるで水中から太陽を見上げたときのように、雲一つない空をぼんやりと明るく広げる。
溜息が出るほど美しい。澄んだ、どこか哀しい美しさ。
「感傷的」ってきっとこんな気分なんだろう、と思いながら、小道をゆっくりと歩いていた。
ふと視線を下ろすと、自分の歩く少し前に女の子の後姿が見えた。
月の光で逆光になって、そよぐ髪、首筋、肩から腰のライン、彼女の輪郭が光って見える。
なんて幻想的。
この世界には自分と彼女しかいないと思えた。
彼女は自分とこの空間を共有してくれている。
きっと、彼女もこの美しい世界に心躍っている、に違いない。そう思った。
彼女の笑顔が見たい。きっと見せてくれる、その笑顔で喜びを分かち合おう。
そう思って、
「ねえ、月、きれいだよね。」と声を掛けた。
「こんなきれいな月夜、そうはないよね。
こんな時ってさ、今まで生きてて良かった、何て思わない?」
こう声を掛けたのは、繋がるはずの二人の心を結びつけるきっかけに過ぎない。
なんせ彼女もこの世界に魅せられているのだから。
同じ想いを持った二人が心を通じ合わせられないなんて、そんなことあるわけないじゃん?
ほら、彼女が振り向く。
想いを共有できる相手を見つけた、その喜びを自分に見せてくれ。
彼女の首が、少し後ろにひねられた。
161('A`):04/07/18 02:19
だがしかし、彼女の頭は再び前に向きなおした。
・・・?
どういうことだ?
数十秒前から、記憶を辿ってみる。
声を掛けて、彼女の白い頬が一瞬見えて、・・・それで終わり、か?
つまり、どういうこと?
・・・彼女は、振り返らなかった。

なんで?この世界に、君は心惹かれているだろ?
それなら、二人でこの世界を共有しようよ。
もしかして、よく聞こえなかったのか?
ああ、そういや自分はいつも声が小さいと言われるからな。
もう一回、彼女のそばで言い直そう。

小走りに、彼女の元まで駆けていく。
彼女に追いつき、そして、顔を覗き込んで、もう一度、
「ねえ、月・・・
彼女と目があった。
みるみるうちに彼女の表情は不審→恐怖に変わり、
「きゃああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」
彼女は髪を振り乱し、叫び声をあげて逃げ出してしまった。

彼女の背中が見えなくなり、世界は、自分ひとりになった。
雲が月を隠し、辺りはいっそう暗くなった。
同時に一陣の風が吹きぬけ、体の末梢が温度を下げていく。

彼女は逃げ出してしまった。
しかし、彼女と目が合ってから逃げ出してしまうまでの瞬間に、いくつか気付いたことがあった。

162('A`):04/07/18 02:20
田淵人気だな
163('A`):04/07/18 02:27
ひとつに、彼女がウォークマンを聴いていたこと。
そしてもうひとつ、彼女はその手に携帯を握っていたこと。

彼女はおそらく、自分の問いかけが聞こえていなかったのだろう。
自分の問いかけは彼女の心に届くことはなかったのだ。
そして携帯。
携帯=他者とのコミュニケーションをとる道具。
その他者とは彼女が物理的に直接話せない人々であり、近くにいた自分はその中に含まれない。

笑えてきた。
滑稽にも軟派に声を掛けたことに笑えたのではない。
自分があんなにこの月夜に心酔していたのに、彼女は自分の世界しか見ていなかったからだ。
彼女はウォークマンで外界を隔絶し、携帯で自分ではない誰かとのコミュニケーションに没頭する。
自分がこの世界に興じ入れば入るほど、彼女の世界との隔絶を思い知らされる。
この月夜を、なんとも思っていなかったのか・・・

いつの間にか、再び月が顔を覗かせていた。
周りには電灯がほとんどなく、月明かりがとても明るく感じられた。
自分は道路沿いのフェンスによじ登った。
・・・どうせ、誰もわかってくれないんだ。
ならば、自分ひとりでこの世界を愛そう。

月はどこまでも遠く、そして美しかった。



164('A`):04/07/18 02:38
最初の頃に比べるとちゃんと小説してるのが多くなったな
165('A`):04/07/18 02:39
俺は数少ない居酒屋の話スキー
166('A`):04/07/18 13:48
笑わせるのが一番難しい
167('A`):04/07/18 14:18
だな,感動モノは意外と簡単なんだよ
168('A`) :04/07/18 14:40
させてみろよ
169('A`):04/07/18 15:23
とりあえず、脇役は田淵だな
170('A`):04/07/18 15:31
「あっ・・・」
もう一時間はキョドりつづけている。


もうだめだ。誰か続き考えてくれ。
この設定、使ってもいいから↓
高2の頃、サドルを盗まれた自転車に気付かずロストバージン
171('A`):04/07/18 18:02
同じマンションに住む、主婦(結構綺麗)が俺の働いている
スーパーで万引きして捕まったのね。警察には出されず厳重注意で終わった
らしいのだけれども、店の従業員通路で俺と目が合って、かなり焦っていた模様。

もちろん、俺は口外するつもりはなかったのだけれども、
後日、エレベーターホールであって、お互い気まずい雰囲気が流れた。
それでエレベーターに乗ると、『この前の、件は誰にも言わないで欲しい』と
俺の手を捕まえ、泣きそうな顔をしながら、言って来た。
俺は普段、小心者なんだけれども、思わず出た言葉が
『1回胸を揉ませてくれたら、誰にも言いません』(うろ覚え)
と言った。言った後、彼女の階につき、沈黙があって
俺は、早くも言ってしまった事を後悔してしまった。
そうしたら、『ここでですか?』とうろたえる様にその主婦が言い返してきた。
俺は、『いや、俺の家に行きましょう』と誘った。
172('A`):04/07/18 18:02
俺の家につくと、彼女は硬直したような感じだった。
それで弱弱しい感じで『本当に、胸だけですよ』と言う。
俺は約束をして、後ろから彼女の胸を服ごしに触り始めた。
俺も最初のほうは、軽く遠慮しながら触っていた。
しかし、途中から、シャツを巻くりあげ、ブラを上にずらして触り、
乳首を舐め始めたとたんに、彼女が『もう、いいでしょう』と
言ってきた。
しかし、もう俺の中では理性がぶっ飛び始めていた。
そこで、『なら、パンツも見せてくれた、良いよ』と言った。
始めのうち彼女は拒否をしたが、なら、万引きした事を言い触らしても
いいんだね?というと、『本当にそれで、言わないで下さい』といい
ズボンをゆっくり、脱ぎ始めた。下着は白で、結構角度があるので
めちゃくちゃ興奮した。彼女は明らからに、立っている姿は恥ずかしそうにしていて
視線を床に落としていた。俺は又彼女の後ろに回り、おっぱいを触り始めた。
そして、手も彼女のパンツに手がかかる
173('A`):04/07/18 18:06
文体は稚拙だがチンチンを刺激する何かがある
174('A`):04/07/18 18:09
>>173
むかついたから、続きはコピペしない。
175('A`):04/07/18 18:25
完投して喜ぶのが野茂、浣腸して喜ぶのがホモ。
打たれるのを嫌がるのが野茂、打たれるのを喜ぶのがホモ。

野茂はホモを狙わないが、ホモは野茂を狙うことがある。
好プレーするのが野茂、チンプレーするのがホモ。

家族でたのしく見るのが野茂のプレー、家族で楽しく見れないのがホモのプレー。
お尻を見せて球を投げるのが野茂、お尻を見せて球を揺らすのがホモ

アメリカで観戦するのが野茂、アメリカで感染するのがホモ。
野茂は講演に行くが、ホモは公園に行く。

タマを投げてチームを守るが野茂、タマを触って彼を攻めるのがホモ。
野茂はバーモントカレーが好きらしいが、ホモはバーの元彼が好きらしい。

野茂はお尻を向けて投げるが、ホモはお尻を向けて誘う。
野茂のプレーは素晴らしいが、ホモのプレーは凄いらしい。

176('A`):04/07/18 19:06
>>171>>172
「リアル鬼ごっこ」の作者が書いたのかこれ?
177('A`):04/07/18 19:15
>>173
氏ね
178('A`):04/07/18 19:17
こいつ作文の成績悪かったろうなあ
179('A`):04/07/18 19:20
↑既にヌき終わって、冷静になっての発言。w
180('A`):04/07/18 19:28
、『なら、パンツも見せてくれた、良いよ』と言った。

これで萎えた
181('A`):04/07/18 21:31
場所とるとアレだしこっちの方が読みやすいだろうから。
ttp://babu.com/~jouti/bnote/novel/genrakis2/santhology.cgi?action=html2&key=20040719184021
182('A`):04/07/18 22:45
ばか。
ここに書くから意味があるんだよ
183('A`):04/07/18 23:57
「いただきます」
最近俺はこの言葉を言うのに抵抗がある。
原因は1人の居候が住むようになったからだ。
今日もその居候は自慢のお手製の朝食を俺が食べるのをうれしそうに見ている。
俺はこの居候ともう半年以上一緒に暮らしているがなかなか慣れない。
むしろ日々のこの生活に悩みの種が尽きることはないような気がしてならない…

事の起こりは今年の3月突然親戚の叔母から連絡があったことから始まった。
なんでも自分の娘が都心の有名進学校に合格したはいいが住むところが見つからない。
なので俺に当分の間面倒を見て欲しいと言ってきた。俺は当然断った。
面倒なことが嫌いな俺にとってはそんなことは絶対ご免だった。
しかし叔母達は自営業のためその土地を離れる訳にはいかないとの理由を聞かされると断るわけにはいかなかった…

25歳独身のぱっとしない男の所に突然転がり込んできた16歳の初々しい花の女子高生。
しかもこれまたなかなかの美人ときたもんだ。
普通の独身男ならば喜びこそすれどため息など出るはずがない。
が、そこは25年間ぱっとしない人生を送ってきた男、当然女性への免疫など限りなくゼロに近い。
そのため日々どうしていいか分からず、10歳近くも年下の彼女の行動一つ一つに驚き、焦り、混乱し、
一人悶々としている。
それに彼女もまた彼女だ。なぜこんな男の元で暮らす気になれるのか?
確かに小さい頃一度会った事はあるような気がする。でもどう考えてもおかしいだろ?
それとも俺なんかは男としてすらカウントされていないのだろうか?
何にしても俺のこの悶々とした日々は当分続きそうだ…
184183の続き:04/07/19 00:11
あの人を知ったのは小学生の中頃だった。
夏休みになると親戚同士が田舎の家に集まる日があった。
私は当時その集まりが嫌だった。親戚の同世代には男の子しかおらず。私はいつも嫌な目に遭わされた。
だから今年も直前まで行くのを拒んだ。けれど結局連れてこられてしまった。
私は誰とも話したくなかった。常に一人になりたくて一人の場所を探していた。
やっと一人になれそうな場所を見つけたのに先客がいた。

その人は背が高くやせっぽっちなのでどこか動物のキリンのように見えた。
そのキリン男は同世代の男達のように酒を飲むでもなく、花火に興じるでもなくただぼんやりと一人窓の外を眺めていた。
まるで檻の外を眺めるキリンのようだった。
不思議と嫌な感じはしなかったので私はからかい半分でキリン男に話し掛けてみた。
「ねぇ。なんでさっきからずっと外見てるの?」
キリン男は目線だけをこっちに向けて無言で窓の外を指差した。
少しムッとしたが男の指す方を見ると田んぼを舞う沢山の蛍の様子が見えた。
私は初めてみる蛍に夢中になった。
「…蛍見るのは初めて?外に行って見てみる?」
キリン男は私が食い入るように見ていたからだろうか?気を利かしてかそう言ってきた。

外に出ると田んぼのいたるところで蛍が光を放っていた。私はただその光景に見とれていた。
キリン男はいつの間に捕まえたのか私の前に蛍を差し出してきた。近くで見るとその光はとてもはかなく、神秘的だった。
それから1時間はそうしていただろうか。私はすっかりキリン男に心を許していた。
帰り際キリン男は小声で捕まえた2匹の蛍に向かって「さようなら」と言った。
私が不思議そうに見るとキリン男は「…なに?」ととぼけるだけだった。

次の日から私はキリン男のことを素直に「お兄ちゃん」と呼ぶようになっていた。
そして私は彼のあとを追いかけるようになった。彼はあまり笑わない。
他の男達が祭りに参加しても彼は遠くから見ているだけだった。退屈だったかもしれない。
それでも私は彼が時折見せてくれる優しさだけで充分だった。
そんなある日お兄ちゃんと小父さんたちが深刻そうな話をしていた。私はいけないと思いながらも盗み聞きをしてしまった。
「本当に辛い1年だったねぇ…まさか事故で急に2人共亡くなるなんて…君さえ良ければずっとここにいてもいいんだよ…」
…お兄ちゃんは1年前に両親を事故で亡くしていた。私は聞いてはならないことを聞いてしまった。
彼はその後何事なかったように私に接してくれた。けれど私は罪悪感でいっぱいだった。
その夜は眠れずにずっと一人で泣いていた…

それから2人が別れる日まではあっという間だった。結局彼に盗み聞きしていたことは言えなかった。別れ際お兄ちゃんが
「蛍…綺麗だった?」と聞いてきた。
私は「うん…綺麗だった。天使みたいだった。」と答えた。
「そっか…天使か…」彼は少しだけ微笑んだ。
なぜ彼がこんなことを聞くのかその時の私には分からなかった。
後々になって知ったのだが蛍の光は死者の魂とも言われるらしい。彼はきっとあの時両親にお別れを言ったのだろう…
それ以来彼と会うことは無かった。だけどいつかもう一度彼に逢いたいと願っていた…

そして今…
「んと…すまんな。毎日メシの支度やらせて…」彼はいつもの困ったような顔でそう言った。
「いいよ。好きでやってることだし。それに私の作る料理はおいしかったでしょ?」私は少しからかってみた。
「あ、ああっ!もちろん!それは間違いない!」彼はあの時から変わらない優しい笑顔でそう答える。
…そしていつものように二人で
「ごちそうさま」
185('A`):04/07/19 00:33
もう少し女の子の男に対する好意を持つ経緯書いた方がいいと思うぜ。
186('A`):04/07/19 01:03
184が姪の視点だと気づくのに5分かかった。
割とすらすら読めるのに、味わい深い、良作だと思う
187('A`):04/07/19 14:54
俺も良作だと思う。短いけどきれいにまとまってるし。
マンガの原作者とかできるんじゃねぇ?
188('A`):04/07/19 16:55
それは言い過ぎ
189('A`):04/07/19 18:41
 
 ――お兄様,お兄様ねえお兄様,準備はもう済みまして?――


 地面が恐い。
 土が怖ろしい。
 私はたかがチョコレートクッキーを粉々に粉砕した様なものに対して,半ば偏執的な恐怖を
抱いている。
 馬鹿馬鹿しい話だと思う。母なる大地に愛着を持ちこそすれ,土に恐怖を覚えるなど落語の
ネタにもならない。
特に田舎というものは気が狂わんばかりの恐怖を私に与える。剥き出しの地面が土地の殆どを
覆い,素晴らしき文明の結晶であり,汚らわしい土を隠してくれるアスファルトなぞ殆ど何処にも
ないからだ。何せ鉄道すら通っていない田舎町だ。
 私は一週間前に忌々しく野暮ったい実家から離れる為に,考えもなく里奈の療養に同行する
などと主張してしまった事を後悔した。騒々しい環境では休まらないからこそ,場所を移動する
のだから,当然元いた場所よりも劣悪な環境におかれるのは明白だというのに,私は地元よりも
悪い環境など何処にもないとある種の信仰を持っていたのだが,やはり下には下が存在するも
のだ。
 家にいたほうが,まだ文化的な生活が出来た。少なくとも私の地元にはアスファルトがある。
 何もする事がなかったので,ホテルで椅子に腰掛けていた。ホテルといっても民宿を無理矢理
洋風にしたような,どちらつかずな場所なのだが。
「お兄様,お兄様は土が恐いんですの?」
「どうしてそう思ったのだい?」
「だって此処に着いてから,一度も散歩に出かけていませんもの。お兄様は散歩中毒者でした
から,こんなに良い景色が見ることが出来るのにお外に出ないなんてオカシイですもの」
「オカシイだって? 馬鹿をいっちゃいけないよ,君。残念ながら僕はずっと前からイカレている。
そもそも僕は散歩の途中で見たくもない低俗なモノを見てしまうのが嫌いだ。だから夜散歩する
ようにしたが,その結果どうだい。避妊用具をふんづけちまって,お気に入りの靴が汚れてしまっ
たじゃないか。あんな粘々したものが靴にこびりつくのだよ。想像して御覧なさい。散歩なんても
う一生したくなくなるからね」
「コンドームと精液程度で? ご冗談を」
 私は酷く気が滅入った。日常の会話でその様な淫猥かつ卑猥な言葉を使用するなど,まして
や年少者が,ましてや嫁入り前の娘が,その様な言葉を使うなどどうして気が滅入らずにいられ
ようか。
「里奈,嫁入り前の娘がそんな言葉を遣うのはどうかと思うのだがね?」
「ウフフフフフフフフフフフ」
躁病気質の里奈が笑う。私を嘲るのか。
まるで淫売のように品のない笑い方をするものだから,腹立たしくなって私は何も言わずに部屋
を出た。里奈はアラアラお兄様何処に行きますのなどと質問してきたが,当然言葉は一言も返さ
なかった。
「肩に透けて見える赤ちゃんが乗っていますわよ? あの人との子供でしょうか?」
 違うんだ私は――。
 また,里奈がウフフフフフフと笑った。やはり躁病めいた,どこか病的な笑いだった。私は逃げ
るように食堂に向かった。まだ夕食は残っている筈だ。
「金魚を見に行くのですか? だったらやめておいたほうがいいですわよ。ついさっき死んでしま
いましたわ。残念,先月からずっとたて続けに金魚が死んでしまっているようですわ」
190('A`):04/07/19 18:44

 食堂で食事をしていると,後から私に話しかける者がいた。
「情死け,兄ちゃん」
 馴れ馴れしい声に一瞬,私は顔をしかめてしまいそうになったが,なんとか取り繕ったような笑
顔で違いますよと答える事が出来た。
「いやぁ失敬失敬,なにせ兄ちゃん色男だからねぇ,それからなんだか文学をやっていそうな顔
をしているから,ひょっとして情死なんじゃないかな,だなんて思ったわけさ」
 無理矢理都会的な会話を心掛ける田舎者を連想させる,ある種不愉快な喋り方をするその男
[はどうやら客の様だった。ギョロギョロとした目や,棒のように細い体つきをした貧相な男で,成
る程,どうやら体つきばかりではなくアタマのほうも貧相なようだ。文学をやっていて色男であれ
ば情死など,短絡的な思考の極みだと思う。それ以前に私は文学はやっていない。
「所であの娘さんはとはよろしくやっていたのかい?」
 下卑ているくせに子供のように無垢な笑みを浮かべる男に,私は『ええ,そうですよ,アノ女,
見かけによらず色狂いでしてね,ええそこが可愛らしいといえば可愛らしいのですがね,ええ,
はい』と捏造した猥談を聞かせてやろうかと思ったが,考えるのが面倒だったので本当の事を話
しておく事にした。
「妹です」
「近親相姦け?」
 ああ,そうですか貴方は全てを性欲と結びつけるようなアタマの可哀相な人なのですね。言葉
を飲み込んだ。
「いいえ,僕にはちゃんと恋人がいますよ。いやだなぁ」
 尤も,その女との関係は,お互い別の異性に肉体を許し堕胎を繰り返しながらも,惰性で交際
を続ける関係なのだが。先日,子を孕んだので,おろした。
「今はね,妹の療養に付き合っているんです。妹は肺病を患っていましてね。この近くの秘湯は
肺病に効くと評判ですので」
「鍬草温泉け?」
 私はその時初めて妹が毎日通っている温泉の名前を知った。温泉が山奥にあるだけで,近く
に存在する宿泊施設は此処しかないのだから,それ程有名な秘湯でもなかろうし,そもそも私
は妹にはあまり興味がないのだから,私には自分自身がそれを知らなかったという事実はそれ
程不思議ではなかったが。
「俺のちょっとこっちの方に療養に来たんだが,ここは良いところだね,えーと」
聞いてもいないのに身の上話を始めた男は,私の名前を問う。一応隠すような事でもないし,素
直に答えた。
「白倉です」
「白倉君,ココは本当に良い所だよ」
 二度も繰り返す。そんなに繰り返すほど,ココは良い所ではない様な気がする。私のように土
に恐怖を覚える人間でなくても,ここには良い印象はもたないだろう。田舎とは,何もないところ
を指して言う言葉だ。
「本当にココは良い所だ。土が良い」
「土,ですか」
「ああ,ココの土は栄養があって植物を育てるにはもってこいだ。子供の頃から植物を育てるの
が唯一の趣味だったから,出来れば高い金を出して土を買う必要がない,この土地に越して来
たいくらいだ。ココの土は触っているだけでも心癒される,稀有なもんだ」
 
191('A`):04/07/19 18:45
汚らわしい。土は蚯蚓等の糞尿で覆われているというのに,よく平気で触れることが出来るも
のだ。
「シットリと湿っているのが良い。しかし水気があれば良いというものでもなく,気持ちほんの少し
だけ,よく絞った水一滴垂れてこない雑巾と同じくらいの湿り気が望ましい。つまり雨が上がって
一日経過した後の土が望ましい」
 そんな土を触ったら汚れてしまう。私の身体に,あの忌々しい,名状し難い物体が,私の身体
に独特の粘り気でもって粘着するのだ。場合によっては発狂してしまうかもしれない。
「柔らかさもただ柔らかいだけではなく,ある程度の硬さを保っている事が肝要だ。柔らかい土
は植物を育てるのには大変適しているが,それでは水を吸収しすぎてしまうため水気が多い日
本では植物が腐ってしまうリスクが大きくなってしまう。その為,ある程度の硬さは残しておいた
方が良い。そうだな,丁度溶けかけたアイスキャンデー程度の硬さが丁度いいだろう」
 男は続ける。私は気分が悪くなる。
「土壌生物は豊富であるに越した事はない。蚯蚓やバクテリアなどの分解者だ。あいつらは土の
栄養を分解し更に栄養がある排泄物により循環的に土を良いものにしていく。見た目はグロテス
クだが可愛い奴らだ」
 私はあの細長い蟲達がウネウネと蠢く様を想像してしまった。蚯蚓が折り重なりくんずほぐれつ
ウネウネウネウネ。糞尿と悪臭を撒き散らし雌雄同体を強みとし鼠算的に増殖しウネウネウネウ
ネ。反吐が出る。
「腐った植物の葉なども含まれていると最高だ。蚯蚓の餌になるし,肥料としても優れている。市
販の肥料のように即効性は期待できないが養分や水分を蓄えたり,緩衝機能つまりクッションと
しての役割を果たしたり,土の地力になる」
 腐乱した植物。悪臭を撒き散らし蝿が集るあの惨めな状態のものが,地面には必要なようだ。
まるでホラームービーに登場する食屍鬼のようだと思う。土には口や牙こそないが,生物の屍を
貪るように分解し養分とするそのありようは,食屍鬼以外の何物でもない。
「それだけの条件を揃えるのは大変ではありませんか? お金も馬鹿にならないでしょう?」
「イヤイヤ,それだけの価値があるのさ。正直に言おう。俺が植物を育てたりするのはオマケみ
たいなもんなんだよ。土を触るのが愉しくて仕方がないんだ。地面に触れるのが愉快で愉快で
たまらないんだ。これらの条件を満たした土の感触はね――」
 男は下卑た,限りなく品のない類人猿を思わせる顔になった。私はこの男を殴り倒したい衝動
に駆られる。
「女の陰部のような感触がするんだ。ケケッ」
 私はうんざりした。結局は単なる下衆に過ぎない男の話を,何故私は長々と大人しく聞いてい
たのだろう。
「そうですか。中々愉しそうですね。では,僕はこの辺で部屋に戻ろうと思います」
 私は椅子から立ち上がり,食堂の出口に近づいた所で振り返らずに,随分押さえ気味で控え
めな悪意をブチ撒けた。
「所でアナタ,もしかして童貞ですか?」
 図星だった。
192('A`):04/07/19 18:47
「お兄様,お兄様,お兄様,お兄様,お兄様,お兄様,お兄様,お兄様,お兄様」
 里奈は壊れたテープレコーダーの様に,何度も何度も私の名前を呼ぶ。不愉快だったので
何のリアクションも返さなかった結果ムキになってしまい,私が何らかの反応をするまで呼び続
ける事を決定した様である。
「お兄様,お兄様,お兄様,お兄様,お兄様,お兄様,お兄様,お兄様,お兄様,お兄様,お兄様」
 こちらが消耗して終わりという最低のシナリオが脳裏に浮かんだので,早めにリアクションを返
す事にした。
「里奈,一度で気がついているんだよ。それでも答えたくないから僕は黙るんだ。そのくらい,
君,察してほしいものだね」
「知っています」
 最悪だ。
 里奈は人形を思わせる不自然な笑みを浮かべながら,私にクマのヌイグルミを手渡した。
「恐怖を克服するためには恐怖に立ち向かうのが一番らしいですわよ,お兄様?」
「里奈,君が言っている事が一向に解らないな。このクマはヌイグルミに過ぎないから恐怖の
対象にはなりえないと思うんだがね」
彼女は悩ましげに首を振った。
「お兄様,なんで愛らしいクマさんでそういう連想をしますの。愛らしいからクマさんであり,クマさ
んだから愛らしいのですから,恐い筈がありませんわ」
 随分と支離滅裂な事を言う。
「いえいえ,お兄様が恐いのは赤ん坊でさえ玩具に出来る無害極まりない土ですから,お兄様
にはこのクマさんですら恐いのかもしれませんわね」
 クマを見る。可愛らしい。ただ,ボタンで出来た眼球をくり抜きたくもある。
「お兄様,この子死んでしまいましたの。埋葬してくださらない。この子は敬虔なクリスチャンでし
たから,当然土葬でお願いしますわ」
漸く理解できた。成る程,つまり今から穴を掘ってクマのヌイグルミを埋めてきて欲しい,という
事だ。土に触れろということだ。今すぐに。
――厭だ。
「お兄様,世の中には厭では通らない事が沢山ありますのよ。その事はご存知?」
「知ってるさ。けれど今は我慢するべき時じゃないだろう。土に触れなきゃ生きていけないという
わけでもないんだからな。現に僕はマトモな生活をしている」
 里奈は私を鼻で笑った。しかしその目は屠殺場に送られる豚のような,哀しいのだか何も解っ
ていないのだか良く解らないものだった。
「お兄様,お兄様はお兄様が思うよりもおかしな生活をしていますし,日常生活にもかなり支障
が出ていますわよ。暗所恐怖症で潔癖症で……お望みならば全部羅列しますけれど,いか
が?」
 何故このように育ってしまったのだろうか。昔はあんなに絵に描いたように純情可憐な愚か
者だったというのに。私以外の人間には知性など必要ないのだと思う。
「お兄様,お兄様はこのままでは一生駄目なままですわよ? お兄様は惨めで汚らわしくて愚
かしくて貧弱で脆弱で軟弱で手の施し様のない腰抜け敗北主義者のままですわよ?」
 確かにこのまま敗北主義者としてこのような誹謗中傷を受けるのは是が非でも避けたい。土
に触れたからといって世の中に対する認識が変わるような事はありえない。しかし,敗北主義
者でないことの証明には最適だろう。しかし,敗北主義者でない事を証明するために土に触れ
るというのは,あまりにリスクが大きすぎる。
「お兄様,今ならスコップをつけますわよ。それとも手で半ば強制的に掘らされる方がお好み?」
 触れなくても良いのならば,と思ってしまった。非常に魅力的な取引のように思えた。そう,適
当に穴を掘って適当にクマのヌイグルミを放り投げ適当に埋葬すればいいだけなのだ。何処に
恐れる必要があろうか。
 私は素早く立ち上がり,軽い足取りで民宿を出て行く。少し送れて里奈がやって来た。民宿の
中庭は中央に木が植えられているだけで,端のほうには何もなくただ剥き出しの土が見えるだ
けだった。
「お兄様,お兄様ねえお兄様,準備はもう済みまして?」

193('A`):04/07/19 18:49
私はスコップを地面に突きつけた。シャーベットをスプーンで崩したような感触が手に伝わる。
この土は恐らく,あの男が言うには丁度良い硬さを保っているということだろう。しかし,不愉快
だった。不愉快で不愉快で仕方がない。
 汚物の処理をする時の様に,私はスコップの先端だけを使って掘り進める。スコップを持つ手
も片手で,握るというよりも指で固定するといった方が正しいかもしれない。汚らしいものには出
来るだけ肌が近づかないようにしたいものだ。
「お兄様,それでは何時までも穴が完成しませんわよ」
 里奈が見下ろしながら言う。私は適当にそうだねと返し,貝の様に押し黙る事にした。
 ひたすらに気持ち悪さを堪え,土を掘る。
茶色いコーラシャーベット,若しくは粉砕された硬めのチョコレートクッキーだと思い込もうと考
えたが,お菓子には土の持つ禍々しさはなかろうから,恐らくはその目論みは失敗するだろう。
だから,はじめから無駄な努力はしない。
「お兄様,暗いと作業をし難いでしょうから,懐中電灯をつけますわね」
 余計な事をして欲しくない。明るくなってしまえば視界が開けてしまう,視界が開けてしまえ
ば,見たくもない外気に触れたばかりの土を見ることになってしまう。
「やめてくれないか」
「寒いですから,早く戻りたいんですの」
「先に帰っていてくれて構わない」
「それではお兄様が途中で放棄してしまいますわ」
 会話と意思の疎通を諦めた。私は黙々と,何も考えないように土を掘る。積み上げられた土
で,山が出来た。クマのヌイグルミを埋めるのには十分な所まであと少し。私の心は逸る。早く,
もっと,早く。
 蚯蚓がいて,その蚯蚓の胴体を切断してしまった。切断された蚯蚓は,蚯蚓が二匹に増えたよ
うに激しく蠢いた。
 私はとうとう耐え切れなくなり,スコップを深々と地面に突き立てた。先端の方に不気味な感触
を感じた。何か,腐乱したもの特有の柔らかさを持った物体が。しかし,それは恐らく私の妄想で
しかないのだろう。恐らくただの粘土だ。
 私は勢い良く土を削り取った。存外に重さを感じた。土というのは思っているよりも重いものらし
い。
 穴の底には,金魚の腐乱死体があった。目玉が飛び出ていて,所々に黒い斑点が出来てい
る。
 里奈がゲラゲラ笑っている。

 土の中には屍が埋まっている。
 それは墓地だけではなく,何処にでもだ。
 古代の昔からさまざまな生物の屍が,土に食われて行ったのだ。だからこそ,私は土から呪い
めいた怨念が発せられるように思えるのだ。だからこそ,私には地面から幽霊が飛び出してくる
のではなかろうかという恐怖が幼少の頃よりあったのだ。
 ましてや,私はもう既に一人殺している。
 ――自分の子を。
 
 里奈はまだゲラゲラ笑っている。
194('A`):04/07/19 18:54
リアルタイムでゾクゾクしました・・・
195('A`):04/07/19 19:03
あぁ、この小説は臭いが入るともっとどろどろさせれるかもしれない
196('A`):04/07/19 19:06
あ、違うか
感触的視覚的なのは人物特性かな
都会人間だから臭いの視点がないんだな
197('A`):04/07/19 22:14
里奈タソハァハァ
198('A`):04/07/19 22:17
力作だなあと思いました。無気味さがすげえいい。
ちょっとたどたどしいと感じられるところもあったけど、
ねっとりした文体もよかったです。オチもある。

ただ重箱の隅をつっつくようで申し訳ないですが、童貞が図星なのに
惰性で交際を続けている女がいて……とかいうのはなぜ?
ミスでしょうか。それとも俺の読み落とし?
199('A`):04/07/19 22:18
土弄り大好きっ子が童貞ってことじゃないの
文章普通に読んだら私が童貞と読めるけど
200('A`):04/07/19 22:18
兄に嫌がらせをする時が最も輝いている里奈タソ

食事を作るときは必ず兄の嫌いな料理を作る里奈タソ

親には良い子で通っている里奈タソ

学校では生徒会長の里奈タソ

兄の前ではサディストの里奈タソ

ちょっとサイコな里奈タソ

里奈タソ可愛いよ里奈タソ
201('A`):04/07/19 22:28
乱歩っぽい
読んだ事ないけど
202('A`):04/07/19 22:37
>>199
ああなるほど。あれ主役の台詞か。
俺の大ポカ。作者の人ごめんなさい。
203作者:04/07/19 22:39
謝る事ないよ。
俺も読んでみたんだが,俺が読んでもそうなったもの。
204('A`):04/07/20 03:34
エロ小説キボソヌ
205 ◆eWhTqBWpRA :04/07/20 07:49
てst
206('A`):04/07/20 18:18
>>203
前後の文章が少し足りなかったからそういう誤解を生んだのだろうね。
でも、それを念頭にして読むと普通に理解できる・・・どういうことだ?
結局は、主人公の回想をちゃんと記憶してるかしてないかの違いなのかも。
207('A`):04/07/20 20:04
華代ちゃんシリーズって知ってる?
変身するやつ
208('A`):04/07/20 21:07
お兄様、お兄様、で、
ドグラマグラ思い出したな
209('A`):04/07/20 22:22
微妙に違うけども夢久っぽい感じはあるね
俺は京極夏彦的なもんも感じたよ
210あほ ◆sZMOg20d0E :04/07/20 23:04
ちんぽこに
あせもができて
こまったな
211('A`):04/07/20 23:27
我   払   蜘
が   う   ..蛛
愚   悲   の
息   し   ..巣
 .   さ    を
212('A`):04/07/21 02:08
ここにアップされてる小説ってどれくらいの時間で書き上げてるの?
213('A`):04/07/21 02:20
悪魔は巨大な鯨の姿をしていた。
子供は泣き、女は怖れ、老人は祈り、戦士さえ怯えた。
賢者たちは村の中央、ひときわ大きな円錐形のテントに集まった。
誰も口を開こうとしなかった。鹿角のパイプがひと回りし、ふた回りした。
天狼星が西に傾く頃、偉大な酋長「熊の掌」が語り始める。
214('A`):04/07/21 04:07
俺は休み休み書いて三日ぐらい
215('A`):04/07/21 07:27
そんな時間かけるほどのモンかよ
216('A`):04/07/21 11:26
人それぞれだろうと思う
俺が前貼ったのは2・3時間だったなー
ストーリーは仕事の合間や外歩いてる時にもさっと考えとく
217('A`):04/07/21 16:11
>>212
俺が前スレ?に書いたのは
30分くらいかな、いきなりレスエディターに書き付けた。
218('A`):04/07/22 05:09
>>212
半日…休日使って。
219('A`):04/07/22 12:37
個人的には
このスレにうだうだ書かれてる批評はいらない。
喪男が書いた話、短編集みたいな感じのスレにしたい
220('A`):04/07/22 13:57
しかし書いた側で感想批評欲しい人
読んだ側で感想批評書きたい人は
結構いるんじゃないか
俺はそういうのあってもいいと思います
221('A`):04/07/22 14:14
 「有能なる喪男諸君!!今こそ立ち上がれ!!
この世を喪男の楽園にするのだ!!!」
 そんなことを言っている男がクーデターを起こしたのは
3ヶ月前だった。
 幸か不幸か、革命は成功し、カップル・既婚者は僕らの前から
次々と姿を消していった。
 今は、街には喪男しかいない。僕は最初はうれしかった。
 いまいましいカップルはもういない。街を歩くのが楽しい。
 でも今は…
 
 僕らのエネルギーは向かう場所をウ シ ナ ッ タ。

 鬱だし脳。
222('A`):04/07/22 18:26
それじゃあメモ帳にでも書いた方が良くないか?
折角不特定多数の人間が閲覧可能なのだから,
やっぱり感想とか批評とかあった方がいいと思うぞ。
リアクションがなきゃ書く方としても萎えるしな。
感想を言う事も出来なきゃ読む方としてもつまらんだろうし。

短編集みたいな感じにしたいっつうのは良いかもな。
誰か保存サイト作成キボンヌ。
223('A`):04/07/22 18:59
オモロかったといわれて悪い気はしないが、アレコレと言われてうれしいヤツもいないだろうな
224('A`):04/07/22 19:00
保存サイトは転載とかあるのでやめておいた方が吉。
225('A`):04/07/22 19:01
じゃあ感想は出来るだけ良いとこを褒めるという形式でってことにしておくか。
こまごまとしたルール作る?
226('A`):04/07/22 19:08
煽りは放置
ぐらいでいいよ
227('A`):04/07/22 23:24
あんまり細かいルールはいらんと思うよ
感想は前スレで誰か書いてたと思うけど、
誉め7、批判3くらいがちょうどいいかと
書き手にやる気を出させかつ問題点も指摘できる

まあ一、二行の感想の場合そうもいかんだろうけど
そこらへんは個個人でうまくやるということでどうか
創作文芸と違うんだし、貶す場合もやさしく貶すw
228('A`):04/07/23 06:32
だな,まぁ基本はそんな所だろうか。
後々問題が増えても後から追加してきゃあ良いだけだしな。

↓何気に創作文芸板の晒される文章よりも面白い文章を書く神降臨
229('A`):04/07/24 01:21
あげますけど書きませんよ
230('A`):04/07/24 22:38
短編って難しいよな。特にオチ考えるのが大変だよ。ほとんどの場合落ちない
231('A`):04/07/24 23:11
でもさ、長篇は長篇でしんどいぜ。
長いし持続力が持たない。
内容詰め込みすぎる癖があるから、どうしてもな
232('A`):04/07/24 23:17
レス数に直して5レス以上のヤツは書いてて飽きてくる
233('A`):04/07/24 23:42
ある夏の日の昼下がり。
田舎に遊びに来ていた幼い兄弟が田んぼの中で遊んでいる。
ふと、遠くの方に"何か"が居る事に気付く。
形や大きさから言って案山子(かかし)ではないかと思ったが、それは白く、ゆらゆらくねくねと奇妙に揺れながら、静かに移動している。
兄弟はそれが気になって仕方が無くて、双眼鏡を家に取りに走り、戻ってくるとすぐさまそれを覗き込んだ。
先を越された弟はわくわくした気持ちを抑えきれず、早く早くと兄を急かす。
しかし、双眼鏡をじっくりと覗き込む兄の様子が次第に変わっていく。
双眼鏡を持つ手は震え、顔を蒼白くし、冷や汗をだらだらと流している。
この暑い日に。
兄の悪ふざけだと思った弟だが、ただならぬその状態に異変を感じ取る。
感じ取りながらも「あれは何だったの?」と聞く。
兄は答えた。
「ワカラナイホウガイイ」と。
その声は彼のものでは無かった。

兄はそのままヒタヒタと家に戻っていった。
残された弟はまだその妙な物体が気になって仕方が無かった。
少しばかりの恐怖を感じながらも好奇心には勝てず、地面に落ちた双眼鏡を拾おうとしたその時、祖父が慌てて駆け寄ってきた。
そして、「あれを見てはいけない!!」ときつく言った。
家に連れ戻された弟はさらに奇妙な光景を目にする。
泣き崩れる家族。
その中で一人、あの物体のようにくねくねと踊るように動く兄の姿。
気味悪く笑いながら。

田舎から家に帰る日、祖父と祖母は兄をここに置いておいた方がいいと言った。
何年かしたら田んぼに放してやるつもりだと言った。
車に乗り込み、弟は泣きながら全く変わってしまった兄に手を振った。
234('A`):04/07/24 23:49
怪談風味、だな。
全体的に下手なサイコホラーよりも好感を持った。
235('A`):04/07/24 23:57
いや、ていうかそれ元ネタが(r
236('A`):04/07/25 00:44
コピペいくない
237('A`):04/07/25 01:03
SSじゃなくて短編の上手い作家教えて
おれは短編で言えば山川方夫を超リスペクトしてるんだが
238('A`):04/07/25 02:19
>>233
兄はどうなったの?何を見たの?ねーねー教えてよぉぉもう!
気になって眠れないよぉ。
>双眼鏡を持つ手は震え
ってとこを読んですぐ背中がゾクゾクしました。悪い意味で・・・
怖くて怖くて仕方がありません。でも好奇心も人一倍強いんです。
だからお願いします。
239('A`):04/07/25 02:30
>>238
「何を見たのか?」ってのは解決されません。
何故か?そういうお話だから、です。
それ以上もそれ以下もありません。

240('A`):04/07/25 02:35
クネクネデケンサクスルトイイ
241('A`):04/07/25 11:14
コピペかよ面白いわけだ
242土の話書いた香具師:04/07/25 14:14
胎児は子宮で眠る。
胎児は水の中で眠る。
 我々の祖先は海から生まれた。恐らく生命というのは水がなくては生まれいずることが出来な
いのではないかしらん。卵だって中味は粘液に包まれているし、分裂によって生まれる生物も水
棲であるものも多く、湿っている状態を好むものが多い。我々子宮から生まれる存在も、外界に
放り出されるまでは生暖かい羊水の中で安息に満ちた一時を送っていたのだ。
 つまり生物はすべからく水分に包まれ生まれいずるのであり、そこに何億年もの間紡がれて来
た進化の系譜、生命の神秘が凝縮されているのだと考える事も、全く不自然ではない。
 しかし、残念ながら私は水の中では不安を感じてしまうのだ。恐怖とは言えない、しかし確かに
存在する嫌な感じ。しかし嫌悪感と言うほどのものでもない実に、実に微妙な感情が、入浴の際
に、水泳の際に、雨に濡れる際に、手を洗う際に、歯を磨く際に、水を補給する際に、私の胸の
中でジグジグとピチャピチャと音を立て始めるのだ。気にはなるが、しかし別段即急に解決しなく
てはいけないレヴェルではない、軽い精神の揺れなので、特に問題なく生活できている。
 比較的には、だが。
「お兄様、水死体、見た事がありますの?」
「ああ、数年前海に行ったときにね。仏さんの体中ガスで膨らんでしまっていてね、見るに耐えな
いものだったよ」
 里奈は目を輝かせながら、私の話を聞いている。元々大の探偵小説愛好家で猟奇的な話を
大変好む性質だったから、この手の話は嫌いではないだろう。私は嫌いだ。
「お兄様、その時の現場の様子や死体の詳しい情報を教えてくださらない。ねぇ、お兄様?」
 厭な微笑を浮かべて、里奈は問う。一見屈託のない様に見えるこの笑みも、不吉な会話をして
いる途中だというだけでコレほどまでに厭なものになるとはどういうことだろうか。状況というのは
だいぶ我々に影響を与えるものらしい。私自身、ココがこのような場所でなければ水死体の話を
最後まで聞かせてやっても良かった。
「いや、水死体の話はやめさせて貰うよ。場所が場所だからね。それより君、里奈、泳いできな
い。休憩時間はもう終了したようだよ」
 水の飛沫が私の足に当たる。ルールを無視して飛び込んだ者がいるようだ。もう少し、奥のほ
うに行ったほうが良いかもしれない。監視員が注意する様子も無さそうだから。市民プールは
マナーの悪い人間が多いから困る。住民サービスを受けるべき人間とそれには値しない人間を
選別するべきではなかろうか。
「そもそも君がどうしても市民プールに行きたいというからココまで来たのだよ? だのに君,君
はこうしてビーチパラソルの下、ただ静に時が過ぎるのを待っている僕に水死体の話を聞いて
きている。どういった矛盾なのだろうね、コレは」
「あら、私はお兄様についてくるように言った憶えはありませんわよ?」
 言われた覚えはない。言われた覚えはないが――
「――仕方がないだろう。親父殿の勅命なのだから。君を放置しておくのは親父としては気が
狂ってしまわんばかりに不安を覚えるそうだからね。それほどにまで不安だというのなら座敷
牢にでも閉じ込めてしまえば良いのに」
「私はお父様に愛されているのですわね。そこまで私を心配してくださるなんて」
「そういう風に受け取る事が出来れば最高に幸福なのだろうがね。ほら、早く行きなさい。水の
中はきっと涼しいよ」
「お兄様は泳ぎませんの?」
 里奈は自覚的なのか無自覚でやっているかは解らないが、私にとっては厭な質問を投げか
けてきた。当然、解答する気はあまりしない。
「銭湯とプールほどおぞましいものはない。考えて御覧なさい、君。水の中は色々なものが溶け
だしてしまっているのだよ。不特定多数の人間の分泌液が含まれた水の中で愉しくお遊戯? 
冗談ではないよ」
「お兄様、お兄様はだいぶ人生を損していますわよ。その潔癖症、いい加減に治されたら?」
 そういって里奈はプールに向かった。彼女は泳ぐ事が出来ないので水遊び程度しか出来ない。
水遊び程度しか出来ないというのは,水の中に身体を浸すくらいしか出来ないということと同義
だ。それでも里奈は愉しそうな声を上げている。よく見ると里奈だけではなく,その他の人間も
里奈のような動きと表情をしている。連中は水に身体を浸した程度で,愉しくなる事が出来るの
だ。
 
 
243('A`):04/07/25 14:16
ウィィィィィィィィィィィィィィィィィィンウインウイン。ウィィィィィィィィィィィィィンウインウイン。セミが
鳴く。発情期の生物というのはどうしてこうも自らの醜い部分に鈍感になれるのだろうか。特に
哺乳類はその特徴が顕著だ。我々も。
発情期の男が居た。みなかった事にしておいた。とりあえず,どのようにして憂鬱から逃れるか。
それが問題だった。
 あがる歓声。飛び散る水の飛沫。心からの笑顔。気が滅入った。私はこの陽気な空間におい
ては異邦人であるらしい。そして私にしてみればこの場所に居る陽気な人間は,理解しえぬ異
形の者のように思えるのだ。なんという事態だろう。何故人間はこうも相互理解能力が低いの
だろうか。
 個として存在しているという事実の居心地の悪さ。この空間におけるこの不快感は恐らくコレに
尽きるだろう。陽気な周囲と憂鬱に沈む私。自分の存在を埋没させるのにはあまりに違う。周囲
に自分を埋没させるのは非常に簡単で自分と同じような連中の沢山居る所に行けば良い。何も
しなくても良いからだ。そして今回陽気に振舞うのというのは私が最も苦手とするところだし、振
舞った所でその様な薄っぺらな演技は本心から楽しんでいる彼らには肉薄する事はまず不可
能だ。
 私はプールサイドで恋人に夢を語る青年と目を合わせてしまった。ミュージシャンになるという
大半の人間が駄目にしてしまうであろう夢を、あまりに熱く稚拙な口調で語るものだからどんな
人間が語るのか気になってしまったのだ。いたたまれなくなって目を逸らした。
 目を逸らした先には、私の同類が佇んでいた。幽霊のような女がそこに居た。憂鬱な顔をし
て,溜息をついている。
 私は心の中でその女性に語りかける。
『そうですよね。こんな所で陽気に振舞えるわけがない。みんな自分以外の存在の汚さに無
頓着すぎるんです。こんな所で陽気に振舞えるほうがおかしいんですよ。だからもっとその表
情でいてください。お互いに支えあいましょうよ。僕もこの陰鬱さは失いませんから。お願いしま
すよ』
 又,目が合ってしまった。
「あの、何か?」
 今にも泣き出してしまいそうな、蚊が鳴いたように力がない声で幽霊が私に問う。私はさも何
でもないようにこう切り替えした。
「いいえ」
「嘘」
 私は舌打ちした。心には失望の念が渦巻く。この女もその他大勢のつまらない存在でしかな
かったのだ。下卑た連中となんら変わらない存在なのだ。自分が見られるに値する存在だとい
う勘違いと、そのことで私が何らかの利益を得たのだという思い上がり。自分が個として認めら
れている存在なのだというつまらない思い上がり。所詮はその程度の存在か。三流が。
「私を嘲笑っているのでしょう、隠しても無駄。私には解るんです。何時も何時も何時も貴方達は
私を嘲笑うんですね。そんなに滑稽ですか。私みたいな女がこういう場所に出てくるのは。私
みたいな人間は部屋に閉じこもって悶々と自殺についての考察を巡らせていれば良いと、つま
りそういうことですか」
 私はうんざりとしてその場を離れた。

244('A`):04/07/25 14:19
 個を個たらしめる理由は何なのだろうという私の問いに教授はこのように答えた。
『白倉君、個を個として認識させるのは意識しかない。つまり、つまりだよ、白倉君。君が個として
認識されている存在を個ではなく、一部として見るようになればそれは個ではなく、何かの一
部なのだよ』
 更に教授は付け加える。
『もっとも、厳密にはもっと複雑な仕組みがあるのだがね、君達にはちょいと複雑すぎるのだよ。
大体のことが理解出来ればいいのだ。厳密で繊細な理論で遊ぶのは我々の仕事だ。門外漢に
知識を与えるな。その他大勢の存在は愚鈍であるべきだ。そうすれば全ては丸く収まる。美しい
事だとは思わんかね』
 教授は消えてしまった。当然の結果だといえるだろう。コレは私の考えを幾許かの説得力を自
分に与えるために脳髄の中で作り出した架空の人格に喋らせただけの、お粗末極まりない自作
自演の三文芝居なのだから。
「お兄様、帰りましょう」
 もう日は沈みかけていた。空は赤く染まり、すっかり涼しくなっていた。今まで関心を外界に向
けていなかったので、まったく気がつかなかったが。
「あ、もう良いのかい」
「私はまだ泳ぎ足りないのですが、もう閉館時間なのだそうですわ」
 唇を尖らせている。アレだけ遊べばもう既に体力は残っていない筈なのだが。少なくとも私に
はこの持続力は信じられない。もう既に里奈は着替えていた。私は元々水着になどなっていな
いから、そのまま帰る事が出来た。
 帰りに市民プールの入り口に設置してある自動販売機から清涼飲料水を購入した。私はポ
カリスエットを。里奈は液状カロリーメイトを。
 プスっという心地の良い音と共に、ポカリスエットが少しだけ噴出してしまった。指が濡れる。
「お兄様、生理食塩水ってご存知?」
「人体と同じ浸透圧の水のことだろう。ポカリスエットは生理食塩水に近い塩分濃度なのだそう
だよ。やはり人体と同じ塩分濃度というのはだいぶ人体に良い影響を与えるものらしいね。スポ
ーツ飲料水は良いものだよ、実に。実に、機能的かつ実用的な飲料水だ。炭酸飲料水のような
趣味的な部分は一切合切排除するというのが素晴らしい」
「十分趣味的ですわ。実際に呑んで得ることが出来る効果は塩水とそう変わらないらしいです
もの」
「飲み易さというところも十分に実用的な部分なのだよ。塩水ではあまり飲む気がしないのだか
ら、飲み易い味付けにするのは十分に実の部分に入ると思うがね」
「精神というものが介入してきた時点で十分に趣味的だと思うのですが。まぁ、そんな事はどうで
も良い事ですわ、お兄様。お兄様は――」
 ポタポタと水滴が落ちてくるように、雨が降ってきた。つい先程までの晴天とは打って変わっ
て暗雲立ち込めていた。今日は本当に周囲に対して鈍感になりすぎているようだ。「お兄様、
どうせ家に帰ればいくらでも服はあるのですから、とくに走ったりとまったりする必要はないので
はなくて?」
「だろうね。どうせ結果は酷い事になると決っているのだから、早々に受け入れてしまった方が
はるかに賢明だよ」
 雨が勢いを増す。もう、百メートル先は白い霧に包まれていた。
 
245('A`):04/07/25 15:10
しばらく歩くと、服が完全に雨で濡れてしまった。最高に気持ちが悪い。不愉快だ。肌にピタリ
と密着するこの感触。どうして好きになることが出来るだろうか。
「お兄様、生理食塩水に人体を浸すとどうなりますの? 細胞は全く膨張しないようですが、何か
面白いことになると聞きましたわ」
 ――えげつない。
 あまりに、えげつない質問がその口から発せられた事には、少々辟易した。知っていて聞い
ているのではないか、里奈は。
「残念ながら、憂鬱な結果になる。僕の口からは言いたくない。すこし、今の僕には衝撃が
強すぎる。ただでさえ……」
 ただでさえ憂鬱なのだから。夏は嫌いだ。
「お兄様、お兄様、それはお兄様が憂鬱になるだけなのではなくて? そもそもお兄様、お兄様
はその話をする前から、もっと言ってしまえば生暖かい羊水の中にいた頃から憂鬱だったのでは
なくて? だったらどちらにしても結果は変わりませんわ。教えてくださいな、お兄様」
 意味が解らなかった。
「だからお兄様――」
 生理食塩水をまず人肌と同じ温度まで温める。その温めた生理食塩水の中に、人間を入れる。
程なくして人間は痴呆症になってしまう。考える脳髄を失ってしまう。精神的な子としての存在を
失ってしまう。生理食塩水の中は非常に心地が良いもので、まるで身体が溶けていくような感
覚を覚えるのだそうだ。そして、自分の体と同じ温度であるという事が重要だ。自分と同じ温
度、自分と生理食塩水との温度による境目がない温度。脳髄を狂わせる温度。
 ――水が厭なわけが解った。
「まぁ、答えたくないのなら別によろしいですわ。アラ、お兄様お顔が青いですわよ。お家に
帰ったらすぐにお風呂に入った方がよろしいですわね」
 気が滅入った。
246('A`):04/07/25 15:11
水の動きで風呂の底が歪んで見えた。
 ゆっくりと足を浴槽の中に入れる。少しずつ、私の感覚は水と同調していく。水と私の境界線が
なくなっていく。自分の足が無痛で切断されたような軽やかさを感じた。
もう一方の方の足も浴槽に入れる。足はもう既に両方私の身体の一部ではなくなってしまった。
水と同化してしまった。感覚で解る。かろうじて繋がっている神経で解る。
境目がなくなる。
人体の約七十パーセントは水分だ。だからこそ肉体と水は同化してしまうような感覚があるのか
もしれない。水というのは全く個がないのだ。触れれば交わる。飲み込む。飲み込まれる。私の
体液が肉と共に風呂の水が同化するのだ。
同化するという事は自分の個が溶け出してしまうということだ。意識が溶け出してしまうということ
だ。だから私は水に触れことに対して漠然とした恐怖を抱いていたのだ。生暖かい羊水の中に
憧れを抱きながらも、個という概念すら持たなかった胎児の頃に逆行したいという願望を持ちな
がらも、私は私という個を失う事に不安を抱いていたのである。
私は全身を湯の中に浸けた。
羊水の中にいた頃のような、胎児だった頃のような曖昧な感覚が私を包む。何処までが私の身
体なのか、何処までが私を包む水なのか、何処までも曖昧な感覚。不愉快ではない。
境目の無い世界。私は風呂の水であり、風呂の水は私である。神父と聖書。ヤクザと刺青。ケ
ーキと紅茶。犬と首輪。血と暴力。鉄と商業。戦争と思想。まるで結婚しているかのような二つ。
どろりと溶けて、ドロリとひとつに。
水滴がひとつ、ポトンと落ちて王冠を作って消えた。その王冠の感覚が水から私に伝わる。い
や、最早水と私の神経が繋がっているような感覚すらも――。

「お兄様、早く変わってくださらない?」
 素っ頓狂な声。私と水は分解されてしまった。
「いま、あがる」
 水の中も悪くないように思えた。
 しかし、また漠然とした曖昧な不安が喚起されてしまったので、早々に私は風呂から上がって
しまった。
 
胎児よ
    お前は
       何故踊る
           母の夢
              解って
                 恐いのか 

247('A`):04/07/25 19:07
勃起アゲ
248('A`):04/07/25 19:48
その男は目立っていた。
249('A`):04/07/26 22:58
ドグラマグラを彷彿させる良作
250('A`):04/07/26 23:21
"考える脳髄"って言葉や、セミの鳴き声の表現辺りがドグラマグラ。
つか最後の「胎児よ お前は 何故踊る・・・」ってのがモロだね。
251('A`):04/07/27 00:09
いわゆるオマージュ?
作者の人、夢久サン好きそうですね

文と内容で読ませてくれて
おもろかったですよ
けど、舞台は現代っぽいのにえらく古めかしい喋り方でありますなw
252('A`):04/07/27 00:43
そうそうw
夢Qのイメージで呼んでたから
ポカリとかカロリーメイトに違和感感じた。
253('A`):04/07/27 01:57
みんな同じ童貞なのにどれも違った雰囲気でおもしれーな
254('A`):04/07/27 08:30
道の真ん中にカサカサもがいているモノがある。自転車のライトを頼りに観察すると、どうやら
一匹の蝉のようだ。仰向けで激しくのた打ち回っているところを見ると、まだ羽化したてで羽の
力が十分でないのだろう。ジジ、ジジとなき続ける蝉の腹にそっと指を添えてやると、始めから
助けられることが分かっていたみたいに、6本の足でしっかりと僕の指を掴んだ。僕は街路樹の
中から幹の太いケヤキを選んで、その一番太い枝に蝉をあてがってやった。もうヘマすんなよと
言い聞かせると、またトボトボと家路を歩き続けた。

ここ一ヶ月、この暑さのおかげで、普段はコピーと打ち込みくらいしか仕事をもらえない僕までが
取引先に出向かなければならないほど忙しく、終電に乗れれば御の字というような、少し洒落に
ならない日々をすごしていた。
暑さと疲労のダブルパンチは頭を朦朧とさせる。僕が暮らしている町は、昼間の炎天下とは対照的に、
月も星も薄暗い雲に隠され、モヤモヤと非現実的に揺らいでいた。トボトボとうつむきながら進んで
アパートがやっと見えたとき、何か変な感じがした。いつもとは違う風景。鈍くなった頭でも、数秒
眺めただけで気が付いた。僕の部屋の電気が付けっぱなしになっていることに。隣の老夫婦は10時には
電気を消してしまうから見間違いではないだろう。きっと消し忘れたまま家を出たんだ。今まで一度も
そんなミスをしたことの無い僕だが、この非常時だ。ガスを出しっぱなしとか、風呂の沸かしっぱなし
じゃなくて本当によかったよ・・・・・。だが、安堵の片隅に、ほんの少しだけ不安があったのも、また事実だ。
アパートの階段をゆっくり上ぼり、右端の206号室の表札を眺めながら考える。「恐怖小説のセオリー通り
なら鍵は開いているんだ・・・・・」部屋の前に立ち、ゆっくりとノブを捻ると、やはりと言うかなんと言うか、
セオリー通りだった。しかし泥棒や悪漢の類だとも思えなかったのは、ドアの横に付いた換気扇から、
久しく嗅いでいなかった、温かくて懐かしい臭いがき漂っていたからだろう。それは、僕の大好物のシジミの
味噌汁の香りだった。
なるほど、そうか。田舎から母さんが会いに来たのだ。連絡はなかったが、大方一ヶ月ほどチェック
していない留守番電話に息子を心配し様子を見に行くという旨が録音されているのだろう。捻った
ままのノブを引き、すっとドアを開け「かあちゃん、何しにきたのさ」と笑いながら台所に目をやった瞬間、
つい僕は素っ頓狂な声を上げてしまった。
255('A`):04/07/27 08:31
100円ショップのお玉を持って、味噌汁の味見をしていたのが、なんと14、5歳の年端もいかぬ
女の子だったからだ。その娘は、艶のある黒髪をつむじの下の辺りでゴムで結わい、少し着古した
ようなセーラー服の上には、昔懐かしの給食着という格好だった。そのアホらしい光景を見せられて、
驚きというよりは呆れの声を上げてしまったのも、無理も無い話しだろう?
疲れて回らない頭を必死に回転させ、26歳童貞の薄汚い6畳間でぴちぴちの少女が味噌汁を作って
いるという状況の、スジの通る理由をなんとかつむぎだした。この娘は隣の老夫婦のお孫さんなのだろう。
僕の部屋で蜆の味噌汁を作っているのは、きっと何か手違いがあったんだ。
「えっと、君は隣の田淵さんのお孫さんだよね。田淵さんの部屋は隣だよ。205・・・・・」
言い終わる前に彼女の落ち着いた元気な声がさえぎった。
「おかえりなさい!遅くなるのなら、電話してくれないと困っちゃいますよ。お味噌汁だっていつ
あっためたものかって・・・・・けどいつも通りの時間かなって思って、さっき火にかけたんですけど、
やっぱり正解でしたね」
・・・・・・僕の疲労は現在ピークに達したようだ。親友で同僚の田淵もつい先日、胃潰瘍で入院した。
その上さらに僕まで倒れてしまっては、会社はどうなってしまうのか。家族経営の小さな会社だ。
それに今年の猛暑はまたと無い稼ぎ時で・・・・・・と、そこまで考えたところで、風景が霞み始め、
少女も蜃気楼のようにウネウネうねり、天井がぐるぐる回って、ついに僕の意識は真っ暗になった。

256254-255:04/07/27 08:33
これだけで90分かかった。大変。まだ続けたいけど、体力の限界っす
257('A`):04/07/27 14:12
田淵さん人気だなぁ
258('A`):04/07/27 17:19
>>256
(,,゚Д゚) ガンガレ!超ーーーーーーーーーーーーーーガン( ゚д゚)ガレ
259('A`):04/07/27 20:23
「アナタはいつになったら気づいてくれるの…」
「もう1年…毎日のように顔を合わせているのに…」
「…それともアナタにとってあの時のことは過ぎ去った過去の記憶でしかないの?」
「…それでも信じたい。アナタが思い出してくれることを。」
「そしてあの時言えなかった言葉を伝えたい。」
「早く思い出して。私は自分から言えるほど素直じゃないから…」

「ブロロロロロロー!」
郵便配達用のバイクがセミの声にも負けないくらいの爆音を響かせながら
ノロノロと長い急な坂道を登って行く。
今日もやたらと暑い。意味もないほど暑い。
仕事への熱意がまるでない俺はこの暑さにげんなりしていた。
坂の上には『豪邸』がそびえたっている。
俺はその豪邸に送られてくるうんざりするほどの大量の郵便物を毎日届けている。
今日も豪邸の門に駐在する守衛に適当に挨拶を済ませると
屋敷内の「郵便物受取所」に向かった。

俺はバイクから降りると暑さで緩めきったネクタイを引き締め、ヘルメットを脱ぎ汗を拭く、
ついでにこのクソ暑い中制服の上着を着る。
さらにサイドミラーを使って念入りに身だしなみをチェックする。
…いくら客商売だからといってここまでやる必要もないと思うのだが、
この屋敷の「受取人」から身なりに関しては厳しく言われている。
馬鹿みたいだとしか思わないが従うしかない。
特にここは俺たちの地区にとっては大きなお得意様であるのだから。
扉の前で一度深呼吸をしてからゆっくりとドアノブに手をかける。
扉を開くと冷気が体に心地よく染みこんでいく。
さすがは金持ち。相変わらず設備が充実している。
…などと気を緩めていると
「…ごきげんよう郵便屋さん。本日の到着予定時間は11:30のはずよね?」
「3分も遅刻なんて一体どういうつもりなのかしら?」
…出た。『郵便物受取代理人』様。
「…申し訳ありません。今日はその少し他のところで時間を食ってしまいまして…」
俺はこの人をどうも好きになれない。
代理人といってもこの屋敷に雇われている人間ではない。この屋敷の娘だ。
屋敷の娘が直々に郵便物を受け取り来るなんてご苦労な話だ。
年齢は20代前半で30の俺より一回り近く若い。加えて顔立ちもスタイルも申し分ないのだが…
「言い訳は結構です。さあ!遅れているのですから早くこちらに郵送物をお出しなさい。」
この通り性格が極度にきつい。典型的なお金持ちのわがままお嬢様といった感じだ。
今日はこっちが遅刻をしたのだから仕方ないのだが…
けれど彼女は年中この調子でいくら時間を守ってきても何かと小言をつけたがる。
俺の前の配達人の時はそんなことはないと言う話だった。どうも俺は嫌われているらしい。
この屋敷の配達担当になって1年は経とうとしているが未だに慣れるものではない。
なるべく小言中は他の事を考えるようにしている。
まともに相手をしていたらこっちが参ってしまう。無駄に疲れたくもない。
「相変わらず雑なまとめかたね!この前説明したはずでしょ?」
「これとこれは一緒にしないでおくと。一体アナタはあの時何を見ていたのですか!?」
『(…主に代理人さんの胸とかうなじを、おっと!あとはヒップラインもじっくりと…)』
…などとは口が裂けても言えるはずもなくただひたすら平謝りを繰り返すしかない。
どこでもそうだが平謝りするのが一番楽だ。心にもない言葉を重ねるだけで済むのだから。
慣れてしまえばいくらでも口が勝手に動いてくれるようになる。
それに実際これが小言を短時間で切り抜けるのに一番有効だったりする。
260259の続き:04/07/27 20:41
「…これでいいわね。はい受取書よ。明日は遅れないように。」
…しかしこれでこの時間が終わったわけではない。
何故かこの代理人は俺が再びバイクに乗って屋敷を出るまでずっと一緒に門までついてくるのだ。
雨の日であろうとも毎日ずっと。よほど俺が不審者に見えるのだろうか?
帰り際に軽くなった鞄の中に屋敷に飾ってある陶芸品を失敬するとでも思っているのだろうか?
なんにしてもお互いだんまりなのでさすがに居心地が悪い。
「…えっと、そ、それでは失礼します。」
「ごきげんよう…」
まぁ、美人の見送りだからまんざら悪い気はしない。
が…俺は屋敷から外に出た瞬間からネクタイは緩めたいし、暑苦しい制服の上着も脱ぎたい。
でも脱げば絶対に小言を食らう。それだけは嫌だ。小言は長いと1時間にも及ぶことがある。
炎天下だろうが雨の中だろうがお構いなしにやる。はっきり言って迷惑極まりない。
配達場所はここ以外にもあるのだから。
だから俺は努めて平気なふりをするしかない。彼女の視界から消えるまでの我慢と自分に言い聞かせて。
…それにしても今日のように特別暑い日は本当に勘弁して欲しいものだ。

そんな夏のある日俺の配達地区の移動が決まることになった。
配達地区の移動といってもそれほど大袈裟なものではない。別に県外に行けと言う訳でもないし。
ただ同じ配達区域の班員の中での移動に過ぎない。
ようするに俺と同じ班の誰かと配達地区を交代するだけのことだ。
変わることと言えばあの屋敷に大量の郵便物を届けずに済むということぐらいだ。

その事は後々の事を考えて早めに代理人に話すことにした。
俺はきっとあの代理人のことだから小言の一つでも言ってきてそれでおしまいだろうと思っていた。
「…そ、そうですか。あと1月の間に…」
彼女にしては意外な反応というより妙な反応をしてきた。
「ええ。そうなんですよ。長い間ありがとうございまし…」
俺は社交辞令のつもりで彼女に言ったのだが…
「そんなこと急に言わないで!それにまだ1月も残っているのに…どうしてそんな簡単に…」
彼女の様子が明らかにおかしくなった。なんでそんなことでムキになる?
なにをそんなに怒る必要がある?俺は怪訝にそう思った。
「あ、あの、引継ぎの者でしたら私より経験がありますので御心配することは…」
とりあえず彼女に落ち着いてもらいたかった。しかし…
「もういいです!そのお話は結構です!」
彼女は完全なヒステリーを起こしたままその話題を一方的に打ち切った。
俺は訳が分からずどうしていいかも思い浮かばなかった。結局その場は黙って立ち去ることにした。

次の日から彼女はきつい態度からただの無口に変わった。俺の不手際に対しても何も言わない。
服装が乱れていても何も言わない。
ためしに何の身だしなみも整えずに入ったがそれでも何も言わなかった。
彼女は郵便物を持って行くと俺からひったくるように奪い黙々と受取書を作成する。
それが終わるとそれを俺の胸元に強引に押し付けて奥の部屋に足早に入ってしまう。
声をかけても無視の一点張り。目すら合わせようとしない。
当然彼女の見送りもなくなった。
俺はある意味ほっとした。彼女の小言がない分いくらか気分が晴れたからだ。
堅苦しい格好もせずに済む。俺にとっては万々歳のはずだった。
…でもさすがに少し彼女のことは気になった。
寂しいとまでは言わないが酷く傷つけてしまったような気がしてならなかったのだ。
261259の続き:04/07/27 20:50
そんな険悪な雰囲気の中この屋敷の最後の配達日を迎えた。
俺は時間を調整して30分程早く屋敷に到着した。
やはりこのままの関係でここを去るのは納得がいかない。
いくら仕事にやる気のない俺でもこればかりは気にせずにはいられない。
少しでも話をして納得のいく答えを聞きたかった。
俺は久しぶりに身だしなみを整えてから受取所入った。彼女は俺を見つけると一瞬立ち止まった。
しかし今日も俺から無理やり郵便物をとろうとした。
「……は、放しなさい!」
俺は今日全てをはっきりさせるつもりだった。だから彼女には郵便物を渡さなかった。
「…教えてください。なぜ急に態度を変えたのですか?」
「俺が何かしましたか?答えてくれたらこれは渡します。」
俺はできるだけ彼女を刺激しないように淡々とした口調で言った。
「…そんなこと許されるわけないでしょう!局の方に訴えますわよ!」
彼女は俺に鋭い目を向けながら必死に郵便物を引っ張っている。
「…それは…かまいません。ただし理由を聞くまではコレは渡せません。」

そんな風に渡す渡さないを10分ほど繰り返した頃突然彼女の腕から力が抜けた。
「…どうして思い出してくれないの?」
彼女は目にいっぱいの涙を溜めながらそう言うとおもむろに
自分の髪を二つに分けて三編みにして見せた。
「………」
あれ…この光景どこかで…
俺の記憶に何かが引っかかった。とても懐かしく温かい何かが…

俺が必死に記憶を蘇らそうとしていると彼女は三編みをゆっくりとほどきつぶやき始めた。
「…アナタは覚えていないかもしれないけれど。…私はアナタにずっと前に助けてもらったことがあるの。」
「たった一度きりのことだったけれど…」
「でも…もしアナタがあの時いてくれなかったら私は今を後悔していたと思う…」
…俺の頭の中でぼんやりと何かが浮かび上がってくる。
「あの日、私は大学受験の願書を提出する日を勘違いしてしまったの。」
「…私はどうしてもその大学を受験したかった。」
「でも今から郵便局に行っても、もう間に合わないからと両親は私に受験を諦めように勧めたわ…」
「それでも私は諦められなかった。諦めたくなかった。」
「小雨の降る中を無謀にも自転車で走り続けたわ…」
「…でも運悪く途中で自転車のチェーンが外れてしまった。」
「…途方にくれたわ。今までの努力はなんだったのだろうって…」
「そんな時アナタが私の前に通りかかった…」
「私が事情を話すとアナタはこう言ってくれたわ…」
「まだ時間があります!今から無理を言えば消印もどうにかなります!」
「だから諦めないでください!必ずどうにかしますから!」
「そう言ってアナタは配達途中にも関わらず私の願書を出しに行ってくれたの…」
「…その後私はアナタのおかげで無事受験を迎えることができたわ。」
「あの時はうれしかったわ…本当に…心の底から。」
262259の続き:04/07/27 20:55
…ああっそうだ。…思い出した。まだ新人だった頃を。
そう俺は本気で自分の仕事が皆の役に立っていると思っていた。
生き甲斐さえ感じていた。今じゃ見向きもしないことにでも積極的に取り組んでいた。
…そうか、あの時の女の子が彼女だったのか…俺はなんだか気持ちが温かくなっていくような気がした。
同時に何か大事なものを思い出せたような気がした。
「思い出したよ。あの時のこと。雨の中道路隅に座り込んで泣いていた女の子のことを…」
彼女は涙を流しながらも今までに見たことのない優しい笑顔で俺の顔を見上げてきた。
「…ゴメン。すっかり忘れてた…本当に馬鹿だな俺は…」
彼女は無言で軽く首を横に振った。
しばらくの沈黙の後、気がつけば俺と彼女はどちらからでもなく自然に抱き合っていた。
…お互いの間に郵便物をはさみながら。

それから俺は無理を言って配達地区の移動を変えないでくれと頼み込んだ。
同僚からは不思議そうな顔をされたがこれだけは譲れなかった。
もう一度自分の仕事に誇りを思い出させてくれた人のためにも…

「…すまん遅れた。」
「5分も遅刻なんていい度胸よねぇ…」
「ご、5分だけだろ。見逃してくれよ。なっ。」
「…いいですわよ。ただし私がアナタに助けられた時泣いていなかったと訂正してください。」
「…ウソをつけ。思いっきり号泣してたろうが…」
「…そう。なら今日はその根性を叩き直す必要がありそうね。…一時間は覚悟なさい!」
「ちょ、ちょっと待て!1時間も説教くらってたら今日の配達終わらないぞ!」
「…でしたら…週末のお休みの日にここにいらしていただけるかしら…」
「…喜んで。その時は何時間でも付き合うよ。」
「…ありがとう。…郵便屋さん。」


無駄に長くてスマソ…
263('A`):04/07/28 15:41
>>259
( ・∀・)イイ!
264('A`):04/07/29 00:38
>>259
冒頭の文章で後の展開が予想できたけど中々面白かったです
265('A`):04/07/30 00:57
超保守。
266('A`):04/07/30 15:42
とりあえず、ageとくな
267('A`):04/07/30 18:04
ぬるぽ
268('A`):04/07/30 20:09
ガッ
269('A`):04/07/31 05:55
うん
270('A`):04/07/31 22:35
超・保守
271('A`):04/07/31 22:38
 耳鳴りが聞こえる。
 金属が擦れ合う音が耳に入ってくる。
 やがて耳鳴りは話し声に変わる。
 「お前は俺だ。俺はお前だ。そうだろう?」
 
 意味はわからない。だが決まった時間に決まったように
 この耳鳴りは始まる。

 そして今日も。
272('A`):04/07/31 22:38
お前は俺だ。俺はお前だ。
273('A`):04/08/01 18:36
ほしゅするですぅ
274昨日あったことそのまま:04/08/01 19:09
昨日飲み会で女の子の飲み物が空になりかけてたから何か飲む?って聞いても「いらない」っていうし
カラオケ行ってなんか歌う?っていっても歌わねーし
ウケミンの俺としてはウケミンなのに何か女に話してかけてんな、ホントに俺か?とは思ったが
このあまりの脈なしっぷりが面白くないので、「俺、ちくわ超すきなんだよね」とか訳のわからない事言って
どうでもよくなり、まわりの友人達は俺らをくっつけようとするし、俺は女の扱いはそりゃー歳のわりに超ダメダメだよ。
そんなことやってると5年くらい連絡がなかったやつから電話がきて「川口スゲー感動したあ」とかいいやがって、
久しぶりに連絡してきたと思ったらこんなタイミングかよ。
適当に「いやーやったね」とか言って電話切って

その後何の進展もなく終了して何故かキャバクラ行って、女に「俺杉丸、彼五反田さん」とか
適当に自己紹介して、あ、今の嘘、ちょっと名前ゆうまで間があった、とか女が言いやがり、そりゃー嘘だが
こっちは女の扱いに自信がねーんだよ、あんまり今つっこまないでくれ、とか情けない事思いながら、
友人らが気を使ってキャバにつれてきてくれてんのかな、とか一瞬気が付いて変な友情愛に目覚めた。
275('A`):04/08/01 22:10
蝿が飛び回る。
 黒い影がブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン、ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンと羽音をならして頭上を飛びま
わるのだ。
 厭だ。
 虫は生理的に受け付ける事が出来ない。
 ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン。
 ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン。
 眠ることすら出来ない。
 私は時計を見た。
 時計のプラスチック製の安っぽい針は、律儀に正確な時間を私に伝える。
 時計は二時を回っていた。
 最近めっきり眠る事が出来ない。
 蝿が私の頭上を飛び回るからだ。
 不愉快な羽音を立てるからだ。
 目を瞑る。
 恐い。
 私の見ていない内に、私の気がつかない内に、薄汚い蝿どもが私の身体に集るではない
かと思うと、発狂してしまいそうになる。
 蝿は不浄だ。
不潔過ぎる。
触りたくもない。
 糞尿の中から、朽ち果てた死体の中から生まれいずる、生まれながらにして汚物塗れの存
在だ。その上自らが生まれ落ちた糞尿や屍を喰らうというのだ。生理的な嫌悪感を催さずには
いられない。
 ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン
 ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン
 ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン
 徐々に音が私に近づいてくる。
 私の脳裏に最悪のシナリオが展開される。
 厭だ。
 微妙な、実に微妙な感触が私の頬に触れる。
 蝿が。
 厭だ。
汚い。
 私は躊躇した。蝿を潰す事を、だ。
 手が汚れてしまう。
何度手を洗っても綺麗にならない。厭だ。
蝿が私の目のほうに歩を進めた。
ちくりちくりという厭な感触。
耐えられない。
私は叫び出しそうな口を、歯を食いしばる事で押さえつけ、
恐る恐るしかし確かな殺意を込めた平手によって、蝿を叩き潰した。
プチッ、という厭で厭でたまらない感触。
蝿を殺した手を目の前にもってきて、その手を観察した。
暗くても良く解った。
潰れた蝿が自分の手に張り付いている事を。
私は台所に向かった。
耐え難い吐気を抑えながら。

276('A`):04/08/01 22:11
私の母親は良い母親ではない。
 掃除をする能力がないからだ。
 だから私が代わりに掃除をするが、母親や両親の知り合いがあっという間に散らかってしまう。
 キッチンには食事の食べ残しや洗われていない食器が詰まれている。油の臭いと腐った臭いで吐き気がする。
 蝿が沢山飛んでいた。
 洗う気も失せてしまったので洗面器で洗う事にした。
 とりあえず蝿の死体だけは捨てておいた。
 青光するその体がいやらしい。
 はみだした臓物がクリームのようだった。
 もうクリームは当分食べる事が出来ない。
 ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン。
 ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン。
 洗面器に向かう間も、蝿どもは私に集る。
 いい加減にして欲しい。
 洗面所につく頃には、蝿の羽音だけではなく、ギシギシと何かが軋む音が聞こえるようになった。ベッドの上で動く時に発生する音だ。我が家のベッドは古くなっていて、寝がえりをうつだけでも軋んでしまう。
 父親が帰ってきたのだ、と私は悟る。
 また私の弟妹を作りに来たのだと悟る。
 金もいれず借金だけを作って、その癖に私達に暴力を振るう、あの最低の男が私は嫌いだ。
 ギシギシギシギシギシギシギシギシギシ。
ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン。
ギシギシギシギシギシギシギシギシギシ。
ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン。
五月蝿い。
何故この様に私の睡眠を妨害するのだろう。寄って集って。五月蝿い。
嬌声が聞こえた。
母の声だ。
普段は死んだ魚のような目をしている母親が、唯一生きているような素振りを見せるのは父親が帰ってきた時だけだ。つまり、あの人間の屑に抱かれる時だけ母は屍から生きた人間に変わるのだ。
なんという、悪趣味なのだろうか。
腐っているような臭いがした。
私の吐気は増すばかりだ。
その臭いの出所はもう解っている。
両親は生きながらに腐っているのだ。
人間として死んでいるのだ。
だからこそあのような恥ずべき――。
「蝿に食われれば良いんだ。死ね」
聞こえないように呟き、私は自分の寝室に戻って行った
277('A`):04/08/01 22:14
ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン。
ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン。
眠れない。
ギシギシギシギシギシギシギシギシギシ。
ギシギシギシギシギシギシギシギシギシ。
眠れない。
一向に蝿は飛び回るのをやめないし、両親も未だ情事の真っ最中だ。皆死ねば良い。
 父親は嫌いだ。
 あの目が昆虫のように見える。
 知性の光が感じられない。
 理解出来そうな気が全くしない。
 父は虫だ。
どこかの伝承で蝿の口に入れると妊娠するという話があったと記憶している。どうやら私の父は
蝿らしい。
夫としても父としても役割を果たさないのならば、それは蝿と同等の畜生にも劣る存在でし
かない。いや暴力を覚えているだけ蝿よりも厄介だ。法律で人権を守られているぶん蝿より
も厄介だ。
蝿のように指一つで。
ちょっとした不注意で。
 そのくらい簡単に殺せて然るべき存在だ。
 ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥン。
 五月蝿い。
 暑い。
 何故夏というのは温度が高いうえにこうも虫が群れるのだ。どちらか一つで十分なのに。
 布団を乱暴に投げ出した。
 妙に体が軽く落ち着けない。
 ブゥゥゥゥゥゥゥゥン。
 ギシギシギシギシ。
 五月蝿い。
 本格的に嬌声が響いてきた。
 ああ、アナタアナタアナタアナタアナタァ。
 浅ましい。
 汚らしい。
 耳を塞ぐ。
 それでも嬌声と軋む音と羽音は聞こえる。
 目を瞑る。
 それでも不愉快なものはそこに存在する。
「どうせ堕胎すんだからよぉ、ンな事に意味なんざねぇだろうがよぉう」
 父親の口調を真似て毒を吐く。
 最高に胸糞が悪い。
 馴れぬ粗野な口調は精神状態に悪影響しか及ぼさないらしい。
 そもそも――。



278('A`):04/08/01 22:15
ブゥゥゥゥゥゥゥゥぅゥゥうぅぅっぅぅぅゥゥゥゥゥゥゥゥゥウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウゥゥゥゥゥゥゥ
ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウゥゥゥゥゥゥゥゥ
ゥゥゥウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウゥゥゥゥゥゥゥゥ
ゥゥゥゥゥウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウゥゥゥゥゥゥゥゥゥウゥゥゥゥゥゥゥゥウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウウ
ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウゥゥゥゥゥ
ゥゥゥゥゥゥウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ
ウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン。
五月蝿い。
 五月蝿い五月蝿い。
五月蝿い五月蝿い五月蝿い。
ギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシ
ギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシ
ギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシ
ギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシ
ギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギ
シギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシ
ギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギ
シギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシ
ギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギ
シギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシ
死ね。


出刃包丁をもって両親の寝室、否、交尾部屋の前に私は立つ。
 ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン。
 ギシギシギシギシギシギシギシ。
 この音を止めてやる。
 心の臓の動きを止めてやる。
 お前の喉を切ってやる。
 お前の腹を裂いてやる。
 お前の首を絞めてやる。
 軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋
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279('A`):04/08/01 22:17
まだ情事を続けるか。
 浅ましい。
 部屋を覗きこんだ。
 巨大な蝿の王が腐った女を犯していた。
 吐気がした。
 見なかった事にした。
 眠ろうと部屋に戻った。
 羽音がまだ鳴り止まない。
 発狂してしまいそうだ。
 軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋軋
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 蝿が嫌いだ。
 蝿が大嫌いだ。













280('A`) :04/08/02 00:08
お前 吉岡電気だろ?
それと西尾維新とか好きだろ?
281('A`):04/08/02 00:36
それは吉岡電気では御座らん。
いや、西尾は読んだ事はあるが
282('A`):04/08/02 01:08
 いつものような、湿った夏の空気。重い空気。風も、ほとんどない。
 蝉の声ばかりが響き合うその世界に、乾いた音がひとつ。
 「最っ低!」
 そちらの方へ目を遣れば、年の頃は十四、五であろうか、髪の長い少女がいて、
 「アンタばっかじゃないの?」
 何やら興奮冷めやらぬ様子。早口にまくし立てるその顔は、僅かに桜色に蒸色付いている。
 「今どきそんな古典的な方法でっ・・・!」
 だが少女の言葉は、最後まで紡がれることなく
 「っん!?・・・・んむっ!!!・・・・・」
 小さな唇は、再び覆いかぶさってきた唇によって言葉を失う。
 
 少女は、全身から力が抜けていくのが分かった。身を包む甘い感覚。
 「・・・・・」
 止められそうになかった。腕に力が入らない。
 「・・・・・」
 少しこそばゆい鼻息。うるさい蝉の声と、心臓の音。
 「・・・ごめん。」
 その言葉とともに、肩を掴んでいた腕から力が抜ける。
 「・・・・・」
 唇には、暖かさがまだ残っていた。夏の暑さのせいだろうか?
 「・・・ごめん。」
 もう一度、こんどはさっきよりも更に弱い声。
 「・・・・・」
 何か言わなきゃ、けれども気ばかりが焦って言葉にならない。
 「・・・ごめん!」
 そう言って頭を下げると、回れ右をしてこちらに背中を向けた。
 「・・・・・!」
 何か言わなきゃ。何か言わなきゃ。ここまで出てるのに!
 「ま、待ちなさいよ!」
 やっと出た言葉は、震えていた。おまけに目元がどうしてか熱い。
 「逃げんな!・・・こっち向きなさいよ!」
 最初の一言さえ出てしまえば後は簡単だった。

 明日も暑いのだろうか?
 ふと、そんなことを思った自分が、少女はなぜかおかしかった。
 

 
283('A`):04/08/03 04:07
かつてこの板が出来る前は
戦乱の世じゃったのじゃ・・・・・。
魔王稲沢が数々の兵を連れて、魔法都市ドクシーリアで暴れまわっておった。
腐乱骸骨団を司る 闇の魔法使い翔太
淫乱妖精団を司る 男を魅惑して操るネカ真紀
双頭竜軍団を司る 究極の破壊神世界の王
暗黒騎士団を司る 地上最強の闇騎士アヌス。
こやつらはもはや誰にも止められないと思っておった・・・。
そこに三人の戦士が現れた。
一振りの太刀で山一つ破壊する奥義を持つ侍 こけし
琴一つで数々の最大級魔法を無限に放つ事が出来る吟遊詩人  カリメロ
眼力のみで敵を爆発させる事ができるメデューサと人間のハーフ ホワッツ。
さらにアヌスも過ちに気づいてくれて、我々の味方につき、戦い、そして魔王軍との勝負は互角を極めた・・・。
この戦いは数十年に渡り続き、両者とも一歩も引かずに戦い続けておった。
だが とうとうこの結末が来た。
魔王稲沢が全魔力を使い、初代魔王カプール・イータを封印から解き放ったのだ。
カプール・イータの強さは圧倒的だった。
瞬きの風圧だけで山を次々と破壊し
ピクリと動いただけで半径100キロは灰になってしまうほどである。
その強さは圧倒的で、奴一人だけの力でアヌスとホワッツが戦闘不能になってしまった。
もう駄目か・・・そう思った時、賢者チャチャタウソがある古代書からある一つの呪文を見つけ出した。
その呪文の名前は『アボンテ』 その名の通り すべての悪を消し去る魔法だ。
だが、この魔法を放つためには大量の魔力が必要じゃった。
世界が平和になる代償として、こけし、カリメロ、ホワッツ、アヌスが命を捨ててまで全魔力を噴出した。
その魔力でチャチャタウソが最強魔法『アボンテ』を放ったのだ。
だが、チャチャタウソは未熟じゃった。
『アボンテ』を使いこなせずに、魔力の暴発が起こり、謎のブラックホールが出現してしまったのじゃ。
そのブラックホールに魔王軍、人間軍が吸い込まれていき、最後に魔法都市ドクシーリアは無人の都市と化してしまった。
それから数億年後・・・ 今こうして記憶を失った戦士たちが過去からワープし、この板にいると言う訳じゃ・・・。
284('A`):04/08/03 21:22
保守
 まず心身ともに健康な17歳の乙女を想像していただきたい。
 そこから「謙虚」や「思慮」や「遠慮」という美徳を綺麗さっぱり抜き取って、代わりに「傍若無人」、「自信過剰」、ついでに
「神算鬼謀」も混ぜ合わせると、彼女、二条院綾乃さまが出来上がる。
 彼女が私の姉になってからわずか二ヶ月、それでも私はイヤと言うほどそれを思い知らされました。そしてこれはそこから
はじまる二年間の始まりの日……。

 5月某日放課後。教室。
 「ごきげんよう、美奈子様」
 「あ、はい、ごきげんよう」
 この挨拶には慣れない。されるたびに背筋を猫じゃらしでくすぐられたような気分になる。だが目の前の同級生は眉一つ
動かさず、自然に身を翻して帰っていく。「しずしず」という擬音がぴったり来るような、育ちの上品さを物語る優雅な身のこなし。
 意識して真似ようとしていた時期もあったが私がやっても犬がシンクロをしてるようにしか見えないので止めにした。
 そんな日常生活のちょっとした嫉妬と羨望を噛みしめていると、こちらは「きびきび」という形容詞でしか表現できないような
大きく素早い歩幅で廊下を進み、噂の綾乃お姉さまがやってきた。
 「みーなこっ、行くわよ?」
 お姉さまは私を見つけると、まるで一ヶ月前から指折り数えて待っていた約束をついに果たしたような極上の微笑を浮かべて
そう言った。一応いっておきますが当然ながら約束なんかしてませんけど。昨日も普通に別れたし。
 私は多分ついに手錠をはめられた逃亡犯みたいな目で、お姉さまにしっかりと握られてしまった右手首を眺めていたに違いない。
 「なによー、その顔。大丈夫よ、この前みたいに生徒会別館に忍び込もうとか言わないから!」
 「言われても困ります!」
 ……しかも聞いてください、お姉さまが生徒会別館に忍び込んだ真の理由は不正を暴くとかそんな格好のいいものでは無く、
「あそこに常備されている紅茶は果たして市販のソレと比べて美味しいのか?」というどーでもいい理由でだったんです…。
 いつ人がくるかも知れない生徒会室で、「見つかったら停学とかになるのかなぁ」と手を震わせながら2人分の紅茶を入れる
ハメになった私の心労をどうかお察しいただきたい…、切に…。
 「アレは興ざめだったわ。まさかインスタントのティーバッグだったなんてねぇ」
 「…高校の備品に何を期待してたんですか…」
 「もうちょっと高級なものをね〜、まぁいいわ。さ、行こ?」
 ダメだ!、このままではこれからさき2年間もこの人のペースに振り回され続けてしまう──!
 だから私は捕まった手を勢いで振り切ると、つい声を荒げてしまった
 「もう!いい加減にしてください!勝手なことばっかり言って!世界はお姉さまを中心に回ってるわけではないんですよ!」
 言ってからしまった、と思った。ここまで強く言うつもりは無かったのに。
 お姉さまは案の定、表情を凍らせると、
 「美奈子、あなたは私のことをそんな風に思っていたの」
 この数ヶ月で初めて聞くような硬い声でそう言った。こんなお姉さまは見たことがない。
 「…話があるわ。場所を変えましょう」
 そのままお姉さまはきびすを返して歩き出した。私はなにを言うか決めかねて、結局何も言い出すことが出来ず急に遠く
なったお姉さまの背中にただ黙って付いて行った。
 2人無言のまま階段を上がり、3階を校舎の北の端まで歩いて、屋上へ続く階段を上がると、どうやって持ち出したのか
非常口の鍵をカチャリと開けて立ち入り禁止の屋上へ出た。夕陽って赤いなぁ、と、どうでもいい事を思う。
 お姉さまは黙ったまま屋上のあるポイントで立ち止まると、くるりとスカートをなびかせてこちらを振り向いた。
 「ちょうどここが、この学園の敷地の中心。あっちに正門、こっちが体育館、グラウンド。あそこに見えるのが寮ね」
 私に説明するように指を指していく。周囲に高い建物がないので、どこまでもどこまで見渡すことが出来る。
 急にこの世界を広く感じた。
 「世界は私を中心に回ってはいない、そう言ったわね」
 私は頷く、どうすればいいのか、何を言ったらいいのかわからない。
 「でも地球はあの太陽を中心に回ってるわ。あるのよ世界には。そういう存在が」
 「美奈子。あなたはこの私が──、この二条院綾乃が、そういう存在にはなれないと、そういいたいの?」
 放課後の屋上で、どこまでも広がる茜色に染まった空を背に、お姉さまはまっすぐ私に向かい合った。
 「私は私にしか見れない世界が見たい。こんな閉ざされた屋上で世界の中心を感じるんじゃなくて、もっともっといろんなモノを
見てみたい。リスクはあるけど、興ざめしたりもするけれど、それでもいつか、そういう所にいけるんじゃないかと思ってる」
 「私はね、あなたにもその景色を見て欲しい。私と一緒にいて、私が見た景色の全てをあなたに共有して欲しいの。きっと
あなたが見た事も無いものを一杯見せてあげられるわ」
 「いいえ、こういう言い方は卑怯ね。…私はね美奈子、あなたと一緒にいたいのよ」
 お姉さまはそういって私に一歩、踏み出した。
 「だから、ね?、そんなに怒らないで。おねがいだから私の妹でいてちょうだい…」
 それはとてもエゴイスティックなお願いだったけど。
 それでも、初めて見るお姉さまの切ないような笑顔を見てしまったら。ちょっと弱気に震える瞳を見てしまったら。
 このさき2年だって、たとえ5年だって10年だって私はこの人の妹でいようと、そう決心するのに他に何がいりましょうか。
 だから私も、お姉さまに向けて一歩踏み出す。近づいた二人の手がまた触れ合う。
 「生意気言ってゴメンナサイ。これからもずっと、私は綾乃お姉さまの妹です」


 …3日もすると、私はその誓いを後悔する事になる。その後の2年間は後悔のしっぱなしだ。私とお姉さまは学園史上
最凶の問題姉妹として伝説に名前を残すことになるのだから。いつもいつも大騒ぎで、いつもいつも学園中を駆けずり回って
いたような、そんな夢のような…
 「だって私は【世界の中心】だからね」
 「お姉さま、それをいうなら【台風の目】の方がより正確ですぅ…」
 そんな夢のような日々。
287('A`):04/08/04 04:53
近頃流行の百合モノてどーよ。
288('A`):04/08/04 06:27
>>285>>286
いやあ普通に楽しめた
そんな感じの小説が実際にあったら絶対に買うと思う
289('A`):04/08/04 11:12
百合はオカズには適さない。
290('A`):04/08/04 11:35
>>285
ちょっと読みにくいところあったね
雰囲気は結構よかったじょ

マリみては面白いらしく、
一度読まねばと思っているのだけど読めていない
>>285みたいなものなんかな
291('A`):04/08/05 00:12
ほしゅしまする
292('A`):04/08/05 00:18
マリみてアニメは見てるけど原作はさすがに買えないなぁ、
その筋のお店なら恥ずかしがる事もないんだけど
293('A`):04/08/05 23:22
1日1age

乙一の小生日記ていつの間にか単行本化されてたんだ、知らんかった
294('A`):04/08/06 20:10
まえに一人称が小生の小説を書いたことがあるよ
クソな内容だったが
295('A`):04/08/07 22:59
あげ
296('A`):04/08/08 17:54
エロい話を書こうとしたら童貞にはムリでした
297('A`):04/08/09 03:00
エロゲやエロマンガを参考にすれば良いんだよ。
大丈夫。読者もほとんど童貞だからリアリティーがどうこう言えないはずだからね。
298('A`):04/08/09 03:10
セックスっていうSFもののジャンルがあると思えばいいんだよ
299('A`):04/08/09 03:16
書けるがんばれとりあえず書いてみろ
秘裂とか花弁とか雫とか唇とか菊門とか
喘ぐとか突くとか囁くとか蠢くとか
痺れるとか締めるとか濡れるとか漏れるとか
とにかくそういう言葉を連発だ
300('A`):04/08/09 03:17
そうだそうだ
SF作家で宇宙に行ったことのあるやつなんていない
僕が彼女と出会ったのは高校1年生の時の6月だった。
創立100周年を迎えた我が母校。その教室、1年4組にて。
今、僕の記憶が再生されていく。
    −7年前−
AM8時20分。HR開始までは苦痛の時間だった。僕1人、誰とも話さず、
ただ落書き1つない机を、何かを探してるようにじっと見つめるだけだった。
・・やっと先生が教室に「よう!おはよう!」と、いつもどおり朝からうるさい
声で入ってきた。ここで僕は安心する。みんな自分の机に戻るからだろうか。
・・・・そろそろだ。そろそろ僕は、彼女に出会うんだ。
静まった教室に、「今日はこの教室に、なんと転校生が来ました!」
先生が発したこの言葉で、教室はHR前の時間以上に騒がしくなった。
多分、騒いでないのは、僕1人だった。転校生がどうした?どうせみんなと
同じように、俺をコケにしてくれるんだろ。・・・そう思ってた。
・・・・・・・・・彼女・木村綾香を見るまでは。
 

教卓近くのドアから、ゆっくり現れた彼女・木村綾香。
僕は一瞬、ドキッとした。
このクラス唯一のセミロングの黒髪。輪郭は少し痩せてて、目は大きく、
鼻が低く、唇はふっくらした、ビックリするくらいの「美人」。
・・僕は、現実世界に、「美人」なんてものは存在しないと思ってた。
2次元のゲームのキャラこそ、「美人」。そう思ってた。
たまに、街で可愛い子を見かけても、「あいつはあのゲームのあの子に
似てるな・・・。」なーんてこと考えてた僕がいた。いわゆる、オタクかな。
・・・静まった教室の中、黒板に彼女の名前が書かれていく。
彼女は笑顔のまま、直立不動で立っていた。
「木村綾香さんだ。埼玉から、お父さんの都合でこちらに引っ越してきた。
 みんなよろしくしてやってくれ。・・んじゃ。木村。一言挨拶を。」
・・・沈黙の教室に、彼女の第一声が響いた。
「木村綾香です。みなさん、これからよろしくおねがいします!」
・・7年たった今でも、鮮明に覚えてる、彼女の第一声。
見ていると癒される、天使のような笑顔の彼女。僕は一瞬胸を打ち抜かれた。
・・・パチパチパチ。拍手が教室の中聞こえる。
いや、拍手より、生徒のざわめき声がよく聞こえた。
・・多分、男子は喜びの声が多数だろう。・・でも、女子は
「何あいつ、カワイこぶってんの?キもくない?」
 「黒髪キモッ!」
・・こんな声ばっか。しかもでかい声で。こんな声が聞こえてきた彼女は
どんな気持ちだったんだろう。転校してきてやいなや、自分の悪口が
教室中で飛び回っている・・。考えただけで彼女に同情する。
ま、あの時はそんな事全く思わなかった。僕は、現実の女が嫌いだったし。
            つづく





「んじゃ、原西の前の席に座りなさい。」
(・・・原西?・・あぁ、俺の名前か・・。偶然だねェ、転校生ちゃん。)
「はい。」彼女が俺のほうに歩いてくる。
・・・・正直、ドキドキした。おい、俺は現実の女に興味無いのに・・。
僕は自分に、「どうせこの女も・・どうせ・・どうせ・・」っと、
言い聞かせていた。今思うと、バカみたいだ。
「よろしく!」座るやいなや、隣の男子に「愛想」を振っていた。
次は前の席の女子。「よろしく!」。女子は嫌そうな顔で彼女を見た。
・・彼女は怯まず、とうとう僕にも「愛想」が。「よろしく!」
彼女と目が合った。でも、僕は聞こえないフリをして、シカトした。
         

なぜか気になる転校生。僕は、授業中、休み時間、彼女ばかり見ていた。
彼女は、誰とも話さなかった。・・登場時のキャラとは別人だ。
・・・俺のせい?俺がシカトしたから?・・女子に陰口叩かれ、あいさつは無視され。
・・・そりゃあショックだろうな。
・・・僕はこのとき彼女に同情した。彼女にとっちゃ、いい迷惑だろうが。
変に親近感が沸いたんだ、あの時。彼女にとっちゃ、いい迷惑だろうが。

          つづく。
306('A`):04/08/09 16:01
一度メモにでも書いてからそれをうpしたほうが楽なんじゃないか?
307('A`):04/08/09 17:48
>>301
普通につまらない
展開がダラダラしすぎ
308('A`):04/08/09 18:20
きちんと推敲してりゃ悪くないものになると思うけど

木村綾香てどっかで聞いたと思ったら結先生
309('A`):04/08/09 18:29
>>308
「推敲できてない」からつまらないんじゃない?

まあ、もう少し最低限のことを学べば、少しはよくなると思うよ
木村綾香の事を考えてるうちに、いつのまにかもう終礼の時間だった。PM3時半。
「原西君。」・・・!!彼女が急に、帰る準備をしていた僕に話しかけてきた。
・・え?なんだこの展開・・。動揺していないフリをしている僕に、彼女は
廊下の方を見ながら小さな声で「一緒に帰ってもらっていい?」と、この僕に言った。この僕に。
信じられなかった。理由は?何で俺?何で・・。内心焦りまくっていた僕に彼女は
「私と帰るのイヤ?」っと、今度は黒板の方を見ていった。その黒板には、小さく
「Kキモい」と書かれていた。イニシャルK・・うちのクラスには一人だ。苗字の方なら。
   「別にいいけど。」 僕は、黒板を見ながら小声で言った。木村綾香に、
「お前、みんなにキモがられて可哀相だから同情心で一緒に帰ってやるよ。」っと
思わせようと思って、わざと黒板を見ながら言ったんだろう。今思うとバカらしい。
彼女にそんなこと分かるわけないのに。・・あの時は、自分の気持ちに素直に
なれなかったんだ。・・・そう。そのせいで・・・・・彼女は・・木村綾香は・・。
・・・・・。・・PM4;00頃。自転車でブラブラ草むらと砂利の上を縦に並んで帰って
いた僕たち。・・沈黙の中、彼女が口を開いた。「原西君 ってさー、いじめられっ子?」
・・・・は?僕は耳を疑った。何言い出すんだ、この女。彼女は続けてこう言う。
「君って何かオタクっぽいよねー。」・・。・・この女・・。
・・・僕は聞こえないフリをしていた。今、声を出すと泣き声になってそうだったから。
「何かキモイよ君ー。死んでって感じー。」・・とどめの発言。
僕は色んな感情を混ぜた顔で、彼女の顔を見た。・・すると、何故か彼女は
泣いていた。・・さっぱり意味の分からないことになった。人を貶しといて
何故泣く。彼女は自転車のベルを「チリン」と鳴らして、「・・何でだろ・・。」
っと、つぶやいた。
                つづく・・・?
                          
311('A`):04/08/09 19:14
みんななかなか厳しいな。
俺は普通に続きが気になるです。
要推敲ってのは禿堂。
312('A`):04/08/09 20:15
>>310
Σ(゚д゚)オイオイΣ(゚д゚)オイオイおいおいおいおいおいおいおいおい
ここまできて「つづく・・・?」はねぇだろ?えぇ?あんちゃんよー。えぇ?って聞いてんだよ!
え!?こらー。

あまりにも唐突な展開だが、一体このあとはどうなるんだ?
てっきり主人公の恋愛ものだと思ってたのに、一体君は木村綾香をどんなキャラに
するつもりなんだYOーーー?へ、変態?イヤ-----(*゚∀゚*)-----ン!!!!
もう木村綾香に変な妄想をしてる俺は・・・?逝っていいか?
313似非西部劇:04/08/09 21:39
ジョニーとマイクが決闘を始めた理由は定かではないが、恐らくはお気に入りの娼婦をけなされ
ただとか、恐らくその程度の些細な事であろう。
西部の男たちの気質は総じて荒く、また暴力的であるためこの程度の小競り合いは日常茶飯事
であり、決闘があるという程度では保安官であるロバートは全く動じず『糞の犯罪者予備軍が死
んだ程度でなんになる?』と言って憚らない。
当然、誰も止めるものなどいないから決闘が止まる訳もない。
それは即ち、数分後にはブラウン牧師と葬式屋マイケルがニコニコとしながらやってくるを意味
する。変化する可能性があるとするのならば、それは死体の数だろう。どちらか片方の死体か、
或いは両方の死体か、という事である。
「得物を抜きな、『マッドハッター』」
カウボーイのマイクが怒声を上げる。カウボーイの仕事は過酷そのものであり、肉体的にどれ
程頑健であろうともそれは変わらない。その為彼の肉体は筋骨隆々としていた。その佇む姿
はまるで山の様。ついた仇名は『マウンテン・マイク』。ルックスもイケメンだ。
「男らしく正々堂々とサシの勝負をしようぜ」
「やめましょうぜ、マイクの旦那ァ」
 ヘラヘラとした顔で答えて返すはジョージ。通称マッドハッター・ジョージ。ヘラヘラと軽薄な笑
いが顔に張り付いた優男で、筋骨隆々のマイクと比べると身体はヒョロ長く、貧相なものだ。珍
しい帽子を沢山持っていて同じ帽子を二度かぶっている姿を一度も見たことがないという噂もあ
る。今日の帽子は何の変哲もないカウボーイハットだ。帽子の上に更に帽子をかぶるような真似
はしない。
「旦那はあっしの様なひ弱な人間をいたぶるんで?」
 マイクはそこにジョージは暗に自分を卑怯者呼ばわりしているのだという解釈をした。何が卑怯
なものか。コレは一対一の勝負であり、男の戦いだ。卑怯である筈があるか。マイクは憤慨して
言う。
「おい、ジョージ。テメェ俺を卑怯者呼ばわりしやがったな。もう承知しねぇぞ!」
 言い終わるや否やマイクの銃が火を噴いた。
 マイケルがシャリーンと名付け、女房と呼んでいる愛銃は、45口径リボルバー式だ。四十四口
径とはつまり11.43mm。拳銃とは人を殺す為に作られたのだという事の証明にはうってつけの大
きさだ。殺傷力だけで考えると11.43mm程度の大きさでも十分に人間は殺しきれる。
 重さはズシリと思い1kg。銃を撃った時の反動を計算に入れると中々の重さになる。鉄の塊とい
うのに相応しい一品だ。その鉄の塊が一度に装填可能な弾数は六発。そして、現在この拳銃に
込められているのは、二発。
 即ち最初の弾丸は、威嚇!
 弾丸はジョージの頬先をかすめ、そのままどこかへ飛んで行った。ジョージは中腰になり耳を
塞ぐ。まるで芸人のようなオーバーリアクションにマイクは腹を立て脳天を打ち抜いてやろうと
思ったが、何とか押さえて言葉を繋ぐ事に成功した。
「次は本気で当てる。さっさと得物を抜きやがれ、チキンと呼ばれたくなきゃあな!」
「良いんですかい?」
「ああ、死ぬのはテメェだからな」
「あっしは旦那よりは利口なんですぜ?」
「ハッ、テメェが利口? いいや、違うな。テメェが本当に利口なら俺に喧嘩なんぞ最初から
売らなければ良かったじゃねぇか、そんなに嫌ならな」
 回転草がコロコロと転がる。
「いいか、三歩下がってズドンだぜ?」
「アイアイサー」
 二人は揃って背を向ける。
 同時に足を踏み出した。
「旦那ァ、あっしはねぇ本当はこんな真似したくねぇんです。旦那がいけねぇんですぜ?」
「ほざくな」
 二歩目。
「言いましたよねぇ、あっしは」
 カチャッと、かすかに金属音が鳴った気がした。
「旦那より利口だって――」
314似非西部劇:04/08/09 21:41
振り返ればもう遅い。既にジョージの愛銃は火を噴いていた。腹に一発。若干右より。
 ジョージのようなヘボガンマンが今まで生き残ってくることが出来たのは騙まし討ちを得意とし
て、自分の腕前を弁え正々堂々闘うなどという手段を選ぼうとも思わなかったということが大きい
だろう。ほとんどの男は卑怯者呼ばわりされる事を屈辱と考え正々堂々、少なくとも騙まし討ちな
どはしなかったが、ジョージは違うという事だ。
 そんなジョージの愛銃は元々婦人の護身用に作られた小型の拳銃を、更に小型化したもの
だった。袖に仕込みいつでも騙まし討ちが可能な、高名なガンスミスに作らせた一品モノ。反
動も少ないし狙いもつけ易い。欠点は一発しか装填出来ないということと威力が他の銃に比
べ格段に劣るという事だ。しかし、元々拳銃というものは殺傷用に作られたものであるから、当
然殺しの道具として機能している、致命傷を与えるには十分な代物だ。
 ジョージがこの愛銃につけた名前は『アリス』。彼はこのネーミングセンスからも解るとおり少女
趣味な面があり、時折オカマ野郎と罵られる事もあったが、そんな時もヘラヘラとやめてくだせ
ぇよと言うばかりだった。
 しかし、彼のアリスでは、貧弱な弾丸一発ではマウンテン・マイクを黄泉路へと導く事は出来な
かった。鍛え抜かれた肉の鎧は貧弱な弾丸を臓器に届く前に停止させ、肉の間で大人しくなって
いたのである。
 仕留め損ねた事を知ったジョージは、素早く逃げていく。可能な限り早く。早く。早く。命がか
かっている追いかけっこなのだから、当然表情は必死な鬼気迫るものであった。
 しかし、それはマイクにとって状況が有利になったかと思えば全く違う。肉に鉄が埋まってい
るのだ。肉体に穴が開いたのだ。当然の事だが気が狂わんばかり激痛が体を襲う。それに、得
体の知れない熱さが彼の肉体を支配していた。
マイクは悶えてしまいそうになっていたが、それは男の誇りが許可しない。男は常に強く逞しく
なければならない。敗北はあっても屈服はあってはならない。
拳銃に満身の力を込める。この行為には全くの意味はない。いや、一つだけ意味があった。少
なくともまだ自分には力が残っているのだとマイクが確認できる程度には。
引き金に力を込める。いつもは片手でも打つことが可能だが、今回は精度を考えて両手で。足
を地面に固定するように。自分を砲台のように。
銃声が鳴り響いた。
鳥が慌てふためき散っていく。
しかし、狙いが慎重になりすぎたようだ。的が遠くになりすぎた。いまだ狂い帽子屋は無傷でい
るのだ。もう既に次の一発は装填されているだろう。
あの痛みをもう一度――。
考えたくもなかった。
315('A`):04/08/09 21:42
「OneShot・OneKillはもうやめだ!」
 リボルバーに弾丸を装填していく。相手は一発。こちらは六発。どちらが強いか考えるまでもな
い。それにどうやら今回のことから考えるに――アタマを狙われない限り死ぬ事はない。痛くて
嫌だが。
 勝てる。
 十中八九勝てる。
 そう思うと気分が高揚してきた。痛みが気にならなくなった。この時代ではまだ知られていな
いことだが、それは脳内麻薬エンドルフィン、ドーパミンの影響である。そして、あまりの痛みで
脳髄がどうにかなってしまったのか、その脳内麻薬の量は過剰と言って良いほどで、痛みが全く
引いてしまったのである。痛みというのは脳髄で感じるものであるからして、脳髄が壊れてしま
えば痛みを感じなくなるというのも普通にありえることである。
 追跡を開始した。
 通常足音などに気がつかれれば逃げられてしまう可能性が格段に跳ね上がるので、あまり
手段としては効率的ではないが、今回は違う。逃げられても追いつけばいいのである。あの長
いだけの足で一体何が出来る? と。
 しかし、鬼ごっこは存外早く終わってしまった。どうやらジョージもそこまで腰抜けではなかっ
たと言う事か。樽や木箱が不自然に並べて詰まれてある。そこからジョージの帽子がかすかに
覗いていた。どうやら腹を括ったらしい。
「おい、ジョージ。お前意外とガッツあるじゃねぇか」
 マイクはジョージに対して、ちょっとした褒め言葉を口にした。が、返事は返ってこない。こ
れは、どういう事だろうか。いつもならジョージはそこでおどけてみせる筈だ。なるほど、相当真
剣に決闘する気になっているようだ。
 ならば、殺し合いを。
 決闘再会の狼煙を上げたのはマイクの拳銃だった。やはり、容易に木箱を貫通とまでは行か
ないが木箱の丸い穴がその破壊力を示していた。刃物などで斬りつける線の攻撃、鈍器などで
殴る面の攻撃、そして拳銃による点の攻撃。拳銃は殺傷には最適だが破壊には向かない。攻
撃が当たる範囲が点でしかなく、攻撃範囲は直線状には長いがそれ以外は他の原始的な武
器に比べると大分劣るのである。つまり、木箱の後に隠れるというのは銃撃戦においてはかな
り効果的な手段である、ということだ。
 パン。
 パン。
 パン。
 拳銃の反動でマイクの右腕は引き金を撃つたびにほんの少し跳ねる。その動作を三度繰りか
えして、漸く気がついた。
 ――そこにあるのは帽子だけだ!
316('A`):04/08/09 21:43
 確認しようと木箱の近くに近づこうとして、やめた。仕込んであったダイナマイトでドカン、と
いう事がないとも言い切ることが出来ない。
 その代わり、リボルバーを廻しながら、すぐに射撃できるような体制で後ろを振り向いた。
 そこには拳銃を構えたジョージが居る。
 案の定後ろの方から爆音が聞こえた。
 恐慌状態に陥ったマイクはとにかく拳銃を撃つことだけを考えた。こちらはまだ二発も弾丸が
残っている。あちらは一発だけしか弾丸は装填できない。それにあのヘボガンマンでは唯一自
分にとどめをさすことが出来る頭へのショットが可能だとは思えない。良くて身体に一発お見舞
いされる程度だ。
 ――勝てる!
 マイクは勝利を確信した。
 いける。
 勝負が終わる。
 ジョージの未来が見える。
 ヤツは死ぬ!
「死ね!」
 瞬間、弾かれたような感触が拳銃を握る手に伝わった。熱い。人差し指の感触がない。中指
もだ。何度弾丸を発射しようとしても少しも弾丸は飛ばない。
 当然だ。中指と人指し指は、彼の拳銃と共に彼の後方に飛ばされている。ジョージの弾丸が
マイクの拳銃に当たったのだ。
 しかし、まだ勝機は残っている。相手の拳銃ももう既に玉は残っていない。
 ――殴り合いで!
 マイクは素早くジョージに飛び掛る。
 片や筋骨隆々の美丈夫。片やひょろ長い優男。結末はもう既に決まっている!
「誰が言いやした?」
 ジョージが確信に満ちた目で取り出したのは――。
 そこでマイクの思考は途切れた。当然だ。脳漿を撒き散らしてもまだ思考が途切れないとな
れば、それは脳髄で考えるのではなく下半身にアタマがある妙な生物である可能性のほう
が高い。マイクは人間だったので、速やかにお亡くなりになった。
 そんなマイクが膝から倒れていくのを、蔑むような眼で見ながらジョージ。
「拳銃が一丁だけだって」
 ジョージはマイクの死体から帽子を剥ぎ取ってから、立ち去り際に
「だから言ったでやしょう、旦那。アンタよりあっしは利口だって」
317('A`):04/08/09 21:51
結構面白い
318('A`):04/08/09 23:31
VERY GOOD!!
319('A`):04/08/10 00:04
(・∀・)イイ!!
320('A`):04/08/10 00:17
おもろいね!
ちょっとしたオチを上手に見せてる
ジョージがさりげなく喪サイドの人材ってとこもイイw

名前をもうちょっと区別しやすいものにしてもいいかなと思いますた
彼女はもうやだぁ・・もうやだぁ・・と、泣きながら自転車を降りて地面に座り込んだ。
なんだー?意味の分からない今の状況。僕は内心テンパりながら、とりあえず彼女に、
「何で泣くの」と、軽く笑って聞いた。すると彼女は、「何でこうなんのー!もー!!」と、
小さな子供が物をねだる時みたいに、手足をジタバタさせながら叫んだ。
???さっぱり意味が分からない。こいつ頭おかしいんじゃないの?と
思いながら、泣いている彼女を見てひそかに萌える自分がいた。どうしたものか・・。
・・・とりあえず理由聞かなきゃ。「何で泣くのか教えてよ。」と、僕は彼女の横に
ゆっくり座りながら聞いた。すると彼女は、この質問を待ってたかのように、
いきなり話し出した。「えっとね、私ね、転校生なの、ね?」・・は??
「・・知ってるけど。」僕は不思議そうに言った。彼女は続ける。
「でね、友達作らなきゃって、がんばろうとしたの、私。」
「そうなんだ・・。」
「そうなの。でね、第一印象良かったら友達できるってお母さんが言ってた
からね?私ね、第一印象良くしようとしたの。」・・こいつ綺麗な太もも
してるなー、と思いながら、僕は彼女の話を聞く。
「でもね、みんなね、私の事キモがってさ?私何もしてないのにさ?意味わかんないし。」
・・・僕は太ももから彼女の顔へと、目先を変えた。なんとなく、彼女の気持ちは分かる。
僕も、何もしてないのに、いじめられたり、バカにされたりしてるし。これとはまた違うの
かも知れんが。
「私悪く無いじゃんか?なのにね、みんなシカトすんの。よろしく!ってさ、元気に
あいさつすればさ、相手も笑顔でよろしく!って、言い返してくれると思ったのにさ?」
・・・僕は少し後悔した。あの時、よろしくって、言ってたら、こいつは泣いてなかったん
じゃないか?と思ったんだ。・・僕は急に謝りたくなった。
「あの時無視してごめん・・」・・すると彼女が驚いた顔でこっちを向いた。
・・・・僕は、彼女を励まそうとするあまり、
「これからよろしく、木村さん。」と、カッコつけてしまった。でも、これが彼女に効いた。
「・・・・ありがとう。これからよろしく、原西君。」
彼女は涙を流しながら笑顔でそう言った。
                 つづく・・?
「さっきはごめんね?オタクとか言って。」
「え?別にいいよ。」
 初めての友達。木村綾香。
「私、素直じゃないから、人の事バカにしようとしちゃうの。よく分からないけど・・。ごめん。」
「別にいいけど。」
彼女は、素直で、正直に自分の思った事を話して、最高の笑顔を見せてくれる。
「私オタク系だからさ、君みたいな人の方が話しやすいかと思って、一緒に帰ろう?って
 さっき誘ってみたの。」
「ふーん・・。」
僕は素直に彼女と友達になれたことを喜べなかった。多分、嬉しすぎたのかな。
友達ができた!と喜ぶ自分が嫌だったんだろう。素直じゃないな・・。
彼女は、色んな事を話してくれた。自分の事、家の事、前の学校の事・・
でも僕は、喜んで話す彼女を見ながら、どうせいつかは俺に失望するんだろ?とか、
考えてしまうんだ。バカだ、おれは。じゃ、失望させないように頑張れよ。
あの笑顔を絶やすなよ。なんであの時お前は彼女の・・・
今更後悔する僕。やっぱりバカだな・・・。


続き書こうかどうか困ってます。やめてほしいなら、もうやめますよー?
324('A`):04/08/10 11:40
ここまで書いといて・・・無責n(ry
批判が怖いからって逃g(ry
「おはよう!」今日も心が洗われる声で彼女は声をかけてくる。
「・・うん。」僕はおはようと言うのが恥ずかしかった。よく分からないけど。
彼女は授業中、休み時間、どうでもいいような話を、彼女は僕に話してくれる。
これが、どれだけ幸せだったことか、何故あの頃分からなかったんだろう。
いや、幸せだという事が分かってながら、いや、分かってたから、僕は
彼女に冷たい態度をとってしまっていたんだろう。なのに彼女は、僕が冷たい態度を
取っても、笑顔でいつもいてくれた。・・・どうして笑顔なんだ?この疑問が解けた時、
僕たちは「恋人」になるはずだったのかな・・・・・・・。

「原西君と話すのって、何か楽しいな。」

「何か楽しい」?何かって何だ?僕は、スカした顔で
「・・・オレも何か楽しいよ。」と、つぶやいた・・。
普通、こういうセリフは、もっとカッコよく・・・。
スカした顔をした僕に、彼女は笑顔で「ありがとう。」と、言ってくれた。
この時、心に決めた。「彼女に告白しよう」と・・。
            つづく
「おはよう!」・・・・・きたな。今だ。
「お、おはよう。」・・・よし。
「お!?今日はおはようって言ってくれるんだ!」・彼女は笑ってくれた。
おはよう。この台詞を言おうと決めてから3日。ようやく言えた。この時、
一歩彼女との仲が深まった気がした。木村にとったら、何てことないのかも
知れないけど、俺にとっては、「おはよう」といえた事は大きな一歩なんだぞ?
・・僕は心の中で本気で思った。彼女は、「今日の体育、何するんだっけ?」
とか、いつもどうり、彼女は木村綾香だった・・。・・・。
 
・・・・・・・7月7日。七夕の日。
簪に願い事を書く・・。高校生にもなってこんな事することになるとは・・。
僕の願い事は、「普通に生きたい」。・・まー、付け加えると、「木村綾香」と、
普通に生きたい」だった訳だが。そう、普通に生きたかった。彼女と。
「木村は何て書いたの?」この質問をするのに10分かけた僕は何だろうか。
「えー、内緒。」小さな声で彼女はそういった。   内緒ってなんだよ・・。
この時、彼女が「願い事」を教えてくれてたら、後悔も少なかったかも
知れないんだぞ?

・・・・7月7日。彼女がこの世を去るのは、7月10日の出来事だった。

327('A`):04/08/10 15:15
えーー!?
なんかいろいろと驚かせてくれるなおまいw
簪に書かれた願い事。必死に木村の願い事の書かれた紙を探したが、無かった。
「あ、一応言っとくけど私の探しても無いよ。」  ・・え。
「な、何で?」
「・・さぁー・・。」彼女は照れながら言った。
・・もしかしたら、俺のことを書いたんじゃ・・、などという事が頭をよぎった。
・・実際外れては無かった。彼女の願い事を知ったのは、7月12日になる・・。
7日に知ってたら良かったな・・。

7月8日。
「おはよう!」いつもの挨拶。
「おはよう。」いつもの返事。
いつもの授業。いつもの会話。
いつもの笑顔。
毎日似たような繰り返し。今日、一番楽しかったのは、彼女とマクドナルドに行ったくらい。
こんな似たようなことを繰り返す毎日。でも、これが、一番幸せなのかもしれない。

9月9日。
8日の時と大して変わらず。本当に、毎日平凡に、ただ、過ごしていたんだ。
明日も・・このままでよかったのに。
平和な、いつもどうりの毎日を過ごしたかったのに。
              つづく
<9月9日
ミス。7月9日ね。
7月10日。AM8;20。木村綾香はまだ学校に来ていない。
早く聞きたかった。「おはよう!」って。
どうしたんだろう?風邪でも引いたのか?
いつもどうり騒がしい教室で、僕は彼女が登校してくるのをじっと待った。
 キーンコーンカーンコーン・・・
AM8;30。彼女はまだこない。何やってんだ・・・。
「よう!おはよう!」・・先生がうるさい声で教室に入ってきた。
お前なんかどうでもいい、俺は木村綾香の「おはよう!」が聞きたいんだ。
僕はいつの間にか、自分の素直な気持ちを、心の中でつぶやくようになっていた。
・・・・木村、何やってんだろ・・。
外は雨。何か知らないが、急に緊張してきた。寒気がする。何なんだ・・?
・・・先生が出席を取ってる。そろそろ木村呼ばれるぞ・・・。
「・・・木村ぁ。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「何だ、欠席か。」
あ〜あ、欠席扱いになったぞ、木村・・・。早く来いよ・・・。

AM8;33。教卓近くのドアがゆっくり開いた。
「・・ん、木村か。」
!・・・木村だ。木村綾香だ。
「遅れてすいません。」
絶対・・・・。この声は木村だ・・。良かった・・・。
「とっと席につけ。」  「はい。」
良かった・・・何もなくて・・。
 「おはよ・・。」
先生がいるからか、小さい声で、いつもどうりの笑顔で彼女は言った。
「おはよう・・。」
・・・うん、この会話だ。この会話が無きゃ、1日は始まらないな・・。
「急に雨降ってきて困っちゃった・・。」
・・・ん。ブラジャーが透けてる。・・・・もうけ。
「・・・何で遅れたの?」少しニヤついた顔で僕は聞いた。
「寝坊しちゃったの。目覚まし壊れてて・・。」
・・よくある遅刻パターンだな・・。本当よかった・・。・・彼女が生きてて・・

「ね、今日原西君の誕生日でしょ?」
「え。」・・・・そうだった。
「前に聞いた時そういってたじゃん。」
「あー、うん・・。」
「今日、家に遊びに行っていい?」
・・・なんと。今の俺には最も嬉しい展開になった。
・・・このときは、そう思ってた。悲劇はまもなく起こることになる。
           
「んじゃ、5時に春日公園前に来てくれない?家まで案内してほしいんだけど。」
「うん、分かった。」
「じゃ!また後で!」
「うん。」
彼女は笑顔で僕に手を振りながら信号を渡っていった。これが彼女の最後の姿だ。
PM:12:30。そろそろ行くか・・。僕はこれからデートにでも行くかのような気分で
公園に向かった。
・・公園に着いたのは12;45の時だった。
「まだ来てない・・・か。」
・・・・彼女は来ないぞ、自分。公園の前の道路で、彼女は・・・・。
・・・時計が1;00を回った。
彼女に何があったかも知らず、僕は彼女を待つ。
「遅いな・・」
僕はふと周りを見渡すと、公園前の道路前に野次馬が出来ていた。
時間つぶしに、と、何も知らず見に行った僕は、人生の中で一番衝撃的な
ものを見てしまった。
木村綾香が、倒れていた。口から血が出ている。車に・・・ぶつかったみたいだ。
足が、変な方向に曲がっている・・。ウソだろ・・・。
僕は目の前の光景を信じられなかった。木村綾香は、今日僕の誕生日を祝いに、
家にくる予定だ。未だに現状を理解できない僕の前に、救急車がやってきた。
救急員が車から降りて、彼女の様子を見出した。
「こりゃダメだな。」 「そうみたいだなー。」
・・・・・・は?何だ、今の会話。
さらに野次馬が「死んだみたいだなー、あの子。」
「良いもん見れたなぁ!ハハハ」 「血ってあんな色なんだー!やばくなーい?」
とか。・・・そんな、そんな会話ができるお前らはなんなんだ。
人が今死んだかもしれないんだぞ。なのにお前ら・・・。
僕は、彼女が救急車に運ばれていったのが信じられなくて、他のことを考えているように
した。僕は6時まで公園で彼女が来るのを待った。
もしかしたらさっきのは木村じゃなかったかも。そう・・・願いながら。
けど、彼女は来なかった。  木村綾香が亡くなった。
HRで先生が言ったこの言葉。信じたくなかったことが起きた。
「えー!マジでー!?何で何でー!?」女子が何か嬉しそうに先生に聞く。
「交通事故だ。」先生は出席を取る準備をしながら普通に言った。普通に。
「交通事故ー?それやばくない?」何がヤバイんだよ。意味わかんねーよ。
何でみんな笑っているんだ?人が死んだのがそんなに面白いか?
僕は下を向いて必死涙をこらえていた。
                  つづく
すいませんね、長々と。明日には終わりますから。すいません。
通夜は夜8時から行われた。生徒は・・・俺を含めて3人しか来てなかった。
彼女の遺影を見て、僕は改めて彼女が死んだことを実感した。
翌日。AM8;20。彼女はまだ来ない。・・・いや、もう来ない。
「おはよう!」
いつもの挨拶。あの彼女の天使の笑顔で僕の一日は始まるんだ。
・・・もう彼女はあの笑顔を見せてくれないのか・・。
そう思うと、また悲しくなる。僕はトイレに行き号泣した。
涙が止まってくれない。止まってくれよ。授業に出れないよ・・。
1時間かけて止まった涙。顔がいつもよりひどい。何だこの顔・・。
僕は、学校を抜け出した。学校にいると、悲しくなる。
僕は家に帰り、また涙を流す。辛い。とても・・・。
    ピーンポーン・・
インターホンが鳴った。僕はこのとき、人に会いたかった。どんな他人でも
いいから、人の顔を見たくなった。
「ハイ・・。」ドアを開けると、40代くらいの痩せた、今にも倒れそうな顔をした
おじさんが立っていた。
「君が・・原西修一君かい・・?」おじさんはとても小さな声でそういった。
「はい・・・。」
「そうか・・。ああ、僕は木村高志。木村綾香の父親だ・・。」・・・え。
「・・・・。」僕はなんともいえない表情でおじさんを見つめた。
「君に・・渡したいものが会ってね。これなんだが・・・。」
おじさんは白いビニール袋に入れてある、2つのものを取り出した。
              つづく


335('A`):04/08/10 21:24
>>334
なにこれ、セカチューのパクリじゃん
336('A`):04/08/10 21:39
>>334
長すぎて読む気がしない。
もっとまとめてから書き込みなさい。
「読ませること」も大事な要素の一つです。
以上。
337('A`):04/08/10 23:33
>>336
これぐらいで長いって・・・
君もうここに来ないほうがいいよ。
一行レス専用のスレに常駐してなさい。
338('A`):04/08/10 23:47
かなり先読みしやすい展開ですね
339('A`):04/08/11 00:01
>>337
他のに比べたらってことじゃない?

てか、>>336の言ってる事はもっともだと思うぞ
340('A`):04/08/11 00:02
>>337
本人自演乙www
341('A`):04/08/11 00:34
順調に書いてれば本日中には終わる分量なんだろう
とりあえず終わりまで書いて欲しいぞ、せっかくだし。

どうせ続きが無かったら無かったでネタ不足で保守以外すること無くなるんだし…
342('A`):04/08/11 00:53
読みにくいとこはあるけどね、
それなりに楽しんでおりますよ
343('A`):04/08/11 02:09
ツマンネ
A5ノートと、ハート形の小さな携帯ストラップ・・・。
「そのストラップ、君への誕生日プレゼントだったみたいだね。」
・・・・・・・。・・とりあえずノートを開くことにした。
・・多分、彼女の日記だ。
ー6/1ー日記開始。今日は昼休みにトイレに篭ってたら、上から水かけられた

・・・・・・なんだこの日記。ていうか木村・・・
ー6/2ー転校するらしい。もうあの連中に会わなくてすむんだ。
-6/3ー今日は、私がトイレに入ってる間に、かばんに入れてた弁当箱がゴミ箱に捨てられてた。
ー6/6−今日はチョークの粉を頭からかけられて、トイレの便器に顔突っ込まされた。
   早く転校したいこんな学校いやだ死にたい早く消えろよ意味わかんないし
・・涙の跡っぽいにが、残っていた。辛かったんだ。俺以上に、いじめられてたんだ。
なのにあの笑顔か。次のページから、彼女は別人になっていた。
ー6/10ー原西君と友達になれた!最初はみんあにシカトされて不安だったけど!
    やったーー!!
ー6/11今日は原西君に「おはよう!」って言ってみた!原西君は照れながら
   「うん」って!あー、緊張しちゃった〜!
・・・・木村も「おはよう」って言うの緊張したんだ?
6/12原西君に誕生日聞いてみた!7月10日7月10日!
・・この後も俺のことばっか書かれていた。
「今日原西君が私の話で笑ってくれた!」「今日原西君とマックに行った!」
・・・こんなんばっか。
「嬉しかったんだね、初めての友達ができたことが・・。」
「・・・こんなに喜ばれても困るんですけどね。」
ぼくは涙で目の前が見えなくなってきた。
「ぼくはそろそろ帰るかな。また・・泣きたくなってきたし。」
おじさんは軽く笑って帰っていった。
自分の部屋にもどり、日記の続きを読むことにした。
7月7日のところに、一枚の紙が挟まっていた。・・七夕の時に書いた、
「願い事」か・・。・・・彼女の願い事。
    「原西君の恋人になれますように!」
・・・ぼくは、一人泣き叫んだ。
彼女に告白しとけば良かった。もっと彼女に優しくすればよかった。
彼女の笑顔をもっと見たかった。彼女と誕生日を祝いたかった。

ー7/9ー明日は原西君の誕生日!おそろいのストラップ気に入ってくれるかなー?
これが彼女の最後の日記。最後も俺の話か。
60ページあるノートに、書き込まれたのは8ページほど。
本当はまだまだ続いていくはずだったんだよな、この日記も。
そうなんだ。もう、この日記に続きはないんだ。彼女は死んだんだ。
もう彼女に会えないんだ。あー、こうゆうことなのか。悲しいな・・。

7年たった今、僕は時々こうして、彼女の事を思い出す。
思い出して何の意味があるんだろう。悲しくなるだけじゃん。
でも、思い出す。彼女・木村綾香のことを。
ごめんな、木村。今なら言えるよ。「好きだ」って・・・。
僕は、素直なままに生きる事を彼女に誓った。
そして今日も僕は生きる。彼女のために。
                     おわり



   

書きたいことが書けませんでした・・。小説の勉強してから書いたら良かったなー。
今まで長々すいませんでした。
346('A`):04/08/11 11:14
>>345
いやいや、良かったよ。お疲れさん。
気が向いたらでいいからまた書いてね。
347('A`):04/08/11 12:09
ほんとセカチューのパクリだな・・・
348('A`):04/08/11 14:57
>>347
どこがだよ?なにがだよ?一体どこがだよ?
ヒロインが死ぬってとこだけだろが!ええ?
349('A`):04/08/11 15:48
確かに、こりゃいかにも「セカチューに触発されました」って感じだ

>>348
書いたご本人さんですか?
350('A`):04/08/11 16:26
世界の(ryみたいな話てのは普遍的なネタの一つでしょう
どう魅せるかどう読ませるか粗筋の緩急をどうつけるか、つまり腕次第
はい、セカチューのパクリです。
友達の大切さと、「時間は元には戻らない」という事を書きたかったんですけどね。
いきあたりばったりで書いてたら、無意識にパクってたみたいで。
すいませんでした。
352('A`):04/08/11 17:08
なんかどうしようもない奴だな・・・君
353('A`):04/08/11 19:08
>>351
君ねー下手に出すぎじゃない?
もっとこう主張はないわけ?なんでそんな弱虫君を演じてるの?
ねぇ?てか一体どこがセカチューのパクリなんだ?
こういう話っていーっぱいあるけど?時期的にセカチューと
重なっただけでしょ?
個人的に最後のとこ良かったんだけどなぁ・・・
>>353
ありがとうございます。
そうですね、ぶっちゃけ逃げてましたね。
「これはパクリだ」って言っといたら、この作品は、「パクッた作品」で、
自分自身のアイデアで作った作品じゃないから、あまりショックじゃないんです。
自分のアイデアで作った作品だと、「つまらない」とか言われるとショックつーか。
この際はっきり言います。
    パ ク っ て ま せ ん 。
でも、「パクッた」って言われると、実際、似てるところがあるような気がしますね。
でも、パクってないです。自分で作りました。自分で作った奴を、
「つまらない」といわれました。そうゆうこと。
355('A`):04/08/11 21:21
>>354
いまさら言い訳をタラタラ書いても遅いわけで。
356('A`):04/08/11 22:43
あんまり気にすんな、
技術的なことは参考にして、
感情的な叩きはスルーだ。

ここは小説を書くスレなんだから
感想はそのおまけ
また来や〜。
357('A`):04/08/12 00:15
最初から上手いヤツもいないしなー。
358('A`):04/08/12 01:07
ストーリー似てる作品なんて腐るほどあるからな
うまい作家は味付けがうまいから似てるとか感じさせないんだよ
パクリと叩かれたことすら喰い散らかして次に活かすのだ

しかし俺はおまいのヒキの上手さは認めるぞ
全体の構成と両立させるのを意識したらいいと思うよ
359('A`):04/08/12 20:44
hoshu
360('A`):04/08/12 23:30
hoshuage
361('A`):04/08/13 05:28
age
362('A`):04/08/13 11:28
保持
363('A`):04/08/13 20:41
『・・・』じゃなくて『…』じゃないのか?
364('A`):04/08/14 00:30
厳密には「…」だな3点リーダ。「てん」とか「さんてん」で変換されるヤツ
まぁweb上の横書きのヤツは何でもありみたいになってるけど
「、、、」とか「。。。」もまかり通る時代ですよ
365('A`):04/08/14 23:39
だからもてない
366('A`):04/08/15 00:55
勃起上げ
367('A`):04/08/15 14:54
…ポジ
368('A`):04/08/15 18:48
ヒャッホウ
369('A`):04/08/15 19:16
妄想も共用し合えれば立派な作品

ってことで、よろしく
一行リレー小説 ◆ 2
http://love3.2ch.net/test/read.cgi/motenai/1092174513/
370('A`):04/08/15 21:30
あげ
371('A`):04/08/16 11:36
age
372('A`):04/08/16 18:13
あげ
373('A`):04/08/16 23:43
ここはageだけを書き込むスレですか??
374('A`):04/08/16 23:54
そうですよage
375('A`):04/08/17 12:10
(´∀`∩)↑age↑
376('A`):04/08/17 14:02
じゃあなんか話題でも振るか。
このスレに書かれてる話読もうと思うんだけれどブッチャケ一番面白い話ってどれよ?
377('A`):04/08/17 16:15
ブッチャッケ、面白いのは無い
378('A`):04/08/17 16:19
上手い下手をどうこう言える知識はないが好き嫌いで言えば>>29-30が好き
379('A`):04/08/17 16:40
通りすがりだけど、書いた人を叩き過ぎだと思う…。

書いた人は、まあ好きで書いてるんだろうけど、ここまで冷たい対応されている
のを「これから」の人が見たら、さすがにうpする気力は失せるのではないかと
思いました。
個人的には、タダでいろいろ読ませてくれるだけでもありがたい気がしますが…。
(読む人を単に罵倒する文章とか、煽る文章は除く)

時々、いかにも喪男っぽい(?)作品があって、個人的には楽しかったです。
380('A`):04/08/17 17:22
ありがたいお言葉ありがとうございました

↓次ドゾー
381('A`):04/08/17 17:23
これで叩きすぎって・・・
自分には甘すぎにしか見えないけど。
382('A`):04/08/17 17:24
>>380
あ、ごめん・・・

↓次ドゾー
383('A`):04/08/17 17:31
立場的には書き手よりも読み手の方が上でなければいけない。
素人の、それこそ、そのほとんどが駄作である作品を最期まで読んだってだけで感謝こそされ
叩くなと言われる謂れはないと思うのだが。

まぁ、それ程悪い作品ばかりだったというわけではないが。
土の話はどうだ?
384('A`):04/08/17 19:42
まあまあ。書く方もおそらく素人なわけだしね

俺ジョージとマイクがよかった
あ、Fairy Clubも捨て難いねい
385('A`):04/08/17 20:49
俺から見たらここの評価はカナリ甘いと思う・・・
某板でここの文章転載されてたけどそこに比べたらここでの評価はべた褒めといえる
386('A`):04/08/17 21:22
創作文芸はプロが基準になってるからな
プロの作品でも滅多に褒められたりしないんじゃないか?
387('A`):04/08/17 21:22
別にプロを目指すわけじゃないしさ〜
まぁ目指す人もいるかもしれないが

ちなみにあそこはワナビーの憎悪が思いっきり形に
なっている場所なのであそこでの評価はあまり当てにならない。
388('A`):04/08/17 23:03
あそこってどこ?
389('A`):04/08/18 00:04
創作文芸いたの事
390('A`):04/08/18 09:02
創作文芸板の雰囲気ってちょっとギスギスしすぎてる気がする。
391('A`):04/08/18 11:01
喪板こう見えて案外まったりだからなあ
392('A`):04/08/18 12:13
この手のスレはぬるいくらいじゃないと誰も書かなくなってあっさり沈むんだよね
393('A`):04/08/18 15:36
去年書いたやつの第1話。

クラスにいるじゃない、なんでも人並み以上のコ。勉強も、スポーツも、趣味も、見た目も。
それで派手な格好はしなくて、おとなしくて、やさしい。

石田ってそんな感じのコだったわけ。
藤野が好きになったコは、そーいうコだったわけ。

いいねいいね、ほらさっさと告れよ、マジ協力するよ、なんて口ではテンションも
高めに言うけどさ、俺らも腹の底ではわかってるの。てゆーか藤野、無理って。

なんつーか、格差っつーか落差っつーか、そーいうのあるわけ。
クラスで立場って3つくらいにわかれるじゃん、女子はよくわかんねーけど。
はっちゃけと普通と空気。みたいなさ。これって結構絶対的だと思うんだよ。

で、藤野は普通の下みたいな、そんな感じでさ。どう考えたって、
「お友達でいましょう」になるに決まってる。そしてそんな藤野といる俺も
似たようなもんでさ。そりゃあ石田はかわいいし、藤野もまあいい奴だけど、
それはそれこれはこれってやつで。

大体協力するったって何も浮かばないよ。そういうことはモテる奴に頼めよ。
まあ石田は女の友情大切にするタイプで、あんま男子でとりわけ仲いいってのが
いなくて、これだって大変か。

まあとにかく、やるだけやっとけ!ってことにして、最初はトーク進めるのが第一歩でしょう!
ってことになって、

藤野行けよ。

いや、いきなりはちょっときついって、ワリ、マキ先いってよ。

俺かよ。
394('A`):04/08/18 15:38
石田さー、

なに?

今日ツタヤ行ってビデオ借りてくんだけど、なんかオススメとかない?

ビデオ?

いや、ちょっと昔の映画とか見たくなったんだけど、何から見ればいいかわかんないしさ。

どーいうのがすきなの?

バックトゥーザフューチャーとかは好きだけど、できれば別のやつとか。てかいいよ、本当。
石田の好きなの教えてよ。


石田は映画も音楽も文学もそこそこ詳しい。そこそこってのはつまり、オタクじゃねえってこと。
まあなんだ、あとはそこから適当に盛り上げて適当に藤野や木下(仕掛け人B)も入ってくれば
そんなノリになってあとは任せたって感じにしようと思ったわけ。

てゆうか話しかけもできない時点でお前それは無理だろってホント溜息つきそうになるよ。
根性出せよ、本当。キモイとかいわれたりしねーって。キモイとかいう奴だったらお前
惚れたりするか?そのくらいはがんばってくれよマジで。


白黒だけど、ローマの休日とかいいんじゃないかな?
395('A`):04/08/18 15:46
保守
396('A`):04/08/18 17:04
制服のまま男子3人女子2人でツタヤってなんだかありがちな感じ。

石田と山川の映画好きコンビに藤野と木下が色々選んでもらってる。
カゴにローマの休日を入れたまま俺はCDの方をなんとなく眺めてたのね。
俺はダサいからビートルズとストーンズとクイーンしか知らなかったんだけど、
なんとなく、聴いたらかっこいいかなって感じで名前だけ知ってるCDを適当に見て。


"マキくんてジャズ聴く人?


石田かよ。なんで横にいるんだ。藤野はどうした。口には出さなかったけど。
見てただけって言ったら、彼女も適当に棚を眺めはじめたっぽい。カゴには
知らないビデオが3つ。金持ちだなって思った。


"そういえばさ、英語の授業前に流してる曲、なんてのだっけ?

"明日に架ける橋?

"そう、それ。俺気に入ったんだけど、あれ誰のなん?

"サイモン&ガーファンクルだけど、ベスト盤でよければ、貸す?


そろそろ行かない?って木下たちが向こうからやってきた。
返事してそっちに向かいかけて、振り返ってでまかせを言ってみた。


"藤野はジャズ聴くらしいよ


仲のいい友達が増えるのはイイコトで、トークってのは空気さえ読めてれば
別につまんなくったってよくて、気が抜けた感じで楽しめて、そんなノリで、
それがいいんだって思ってたのね。一緒にいさえすれば楽しいじゃない。

石田は可愛かったし、頭もよかったし、やさしかったから。それくらいで
藤野はなんで満足できないのかねえ。これのままでもいんじゃん。
なんてコドモみたいなことを腹において、男子3人で延々と告る告んないって
話をしてた。 何やってんだ俺ら。
397('A`):04/08/18 22:41
青春小説か。
ガンガレよ。
398('A`):04/08/19 14:20
月が出ている。だが,生憎月を観察するような風流な趣味は持ち合わせていない。そもそも,
改めて見るほど珍しいものではないだろう。むしろ,今日は月の光が強いので,それほど暗くは
ないから,あまり好ましい状況ではない。
 そもそも私は,月が嫌いだ。良く見ると非常にグロテスクだ。クレーターでデコボコしており,ま
るでジャガイモ。空に浮かんでいる太陽の光で光ることが出来るだけのジャガイモを,我々は
美しいなどとうそぶくのである。何も凹凸のない球体こそ真に美しいのであり,月が美しいなど
と吐く輩の美的感覚を疑う。光れば良いというものではない。
 だが,太陽よりはまだマシというものだろう。太陽の光は押し付けがましいので,嫌悪の対象
でしかない。あまりにも品がなく,あまりにも偽善的だ。暖かな午後の陽射しだとかいうもの程,
反吐が出るものも少ない。
 だから私は夜を歩く。
 使用済みの避妊用具や腐ったプリンや酔っ払いの吐瀉物や野良犬の糞や雨に濡れてガビガ
ビの低俗な雑誌を見なくても済むから,好きだ。夜の暗闇は不愉快なものを隠してくれる。
「やあやあ,白倉の坊ちゃんではありませんか。こんな遅くにどうなさいました?」
 美意識のない男が私を呼ぶ。まるで醜悪と言う言葉を体現したような男だ。腐った肉の臭いが
私のほうまで漂ってくる。何を食べればここまで吐き気のする体臭を撒き散らすことが出来るの
だろうか。
「散歩です。あなたこそこんな遅くにどうなさいました?」
私はこの男の名前は知らないが,幼少の頃から私は彼を父の知人と認識していた。その為,
一応の礼儀というものを示しておく必要がある。父に余計な事を吹き込まれても困るからだ。
「いえね,ちょっと野暮用で」
 苛々する声だ。粘っこいのだ。ただひたすらに液体がクチャクチャとなる音が声とともに聞こ
えるのだ。あまりにも美点がない。
399('A`):04/08/19 14:22
「娘が,ちょっとねぇ」
「娘さんがどうかしたのですか? 美しい娘さんですからねぇ,悪い虫でもついてしまったのです
か?」
 私は彼の娘についてよく知っている。大変醜い娘で,しかもアタマが悪い。我が家に何度か遊
びに来たことがあるのだが,まるで話にならない体たらくだ。喋り方からして淫売の真似事の様
で不愉快だ。その喋り方だけで私は意志の疎通を諦め,早々に書斎に引きこもり読書に興じよ
うと考えていたのだが,なぜか彼女は私の後についてきたのだ。
 私が机に腰掛け,黴の生えてしまった詩集を読んでいると,彼女は私の読んでいた詩集を貸
す様に言ってきた。別に断る理由もないので私は彼女に詩集を手渡したのだが,彼女はパラパ
ラと詩集をめくると,すぐに私に詩集を投げてよこした。
『こんな文字だけの本なんてつまらないじゃない。それより遊びましょ』
 それから朝まで大騒ぎ,というわけだ。汚らわしい。反吐が出る。人間は盛りのついた猫とは違う。
少なくとも,私は違う。
「よければ,ぼくが悪い虫を追い払うのを手伝いますよ」
 私は心にもない事を口にした。なにせ場合によっては,自分自身を追い払わなければいけな
い。真剣にこんな反吐が出るセリフを,演技でなく本気で言わなければならないのならば,私は
舌を噛んで死ぬ事を選ぶだろう。もっとも私を誘ってくる前から,彼女には悪い虫はついていたよ
うだが。
「彼女の純潔はぼくが守ります」
 もう既にそんなものはない。
「いえね,そういうわけじゃあないんですよ,坊ちゃん。娘に限ってそんな事があるわけがありま
せん」
 一瞬,本気でそう思っているのか問い質したい欲求に駆られたが,すぐに興味を失ったので私
は,そうですかと短く返事をした。
「少し,帰りが遅れているので駅まで迎えに」
「こんな夜の遅くにですか。もう日付は変わっていますよ」
 父の知人は黙り込んでしまった。
「それじゃあ,ぼくは用事があるのでコレで。娘さんによろしくお願いします」
 私は適当な口実を口にしながら,そこから逃げ出した。男はお父さんによろしくお願いします
と言っていたが,聞こえないフリをした。ふと,自分の鼓膜を壊してしまえば,あのクチャクチャと
いう不愉快な音を聞かなくとも済むのではないかと思った。残念ながら,私にそこまでの代償を
はらう気はないのだが。
400('A`):04/08/19 14:23
改行もうちょと綺麗にしような
401('A`):04/08/19 14:23
ダラダラダラダラダラダラと続く国道を歩く。歩いていると二十四時間営業のコンビニエンスストア
に,まるで街灯に集まる蛾の群れのような集団を見つけた。安い香水の臭いがこちらのほうま
で漂ってくる。何故彼らは安っぽい香水の臭いは三日間風呂に入っていない人間の体臭よりも
吐き気を誘うことに気がつかないのだろう。
 更に私は歩く。野良犬が私の横を走っていく。足を引きずって走っている。足を怪我している
のだろうが,ここからは良く見えない。今日は月の光が強いので,いつもは見えない哀れな犬を
見てしまった。嫌な気分だ。
 犬はかなり痩せていて,肋骨にそのまま皮が張り付いているように見えた。そんな犬がフラフ
ラと歩いていく。歩道を私から五十メートルほどの所で犬は止まり,顔を地面にこすり付けるよう
に体制になった。何かを食べているのだろう。
 私は犬が何を食べているのかなど,少しも興味がなかったが歩いていれば必然的に犬のとこ
ろまではたどり着けるので,折角だから犬が何を食べているのか観察してみることにした。
 私は犬が浅ましく貪っているものを覗き込み,好奇心が人を殺すのだ,という誰かの言葉を思
い出した。私は死にはしないが,それでもだいぶ気力が萎えてしまった。
犬が嘔吐物を浅ましく喰らっている。酔っ払いの嘔吐物なのか病人の嘔吐物なのかは知らない
が,ひどく酸の匂いが強い。どうやらもう既に胃の内容物をほとんど吐きつくし,胃液しか吐き出
すことが出来なかったのだろう。案外,拒食症の女性が吐き出したものかもしれない。ここまで
嘔吐を繰り返すなど,意図的なものすら感じるからだ。
などと努めて冷静にあろうと務めてはいるのだが,私はこの場から逃げ出してしまいたくなってい
る。
犬は私には目もくれず,胃液の中にある米粒のようなものを探るように,しかしこの際腹に入れ
ば何でも良いのか胃液を無我夢中ですすっている。吐き気がした。
私は胃液の酸味の強い悪臭を振り払うために,少しだけ走ってみた。学生時代に何も運動を
やっていない割には早く走れたような気がしたが,すぐに息が切れて走るのをやめてしまった。
足がクラクラする。私はよろめく様に国道を歩いている。
402('A`):04/08/19 14:25
見知らぬ少女が私を見ている。顔が良く見えない。見る気もない。
「大丈夫ですか?」
 透明感がある声がした。癖がなく,すぐに忘れてしまいそうだが,詩を読ませたら存外に上手そ
うな声だ。
「ええ,大丈夫です」
 もう,散歩の邪魔をされるのは厭だ。私は素早くその場を立ち去ろうと歩みを速める。大体,こ
んな夜更けに怪しい足取りで歩いている人間に話しかけるなど,マトモな神経があれば出来る
芸当ではない。彼女がとるべき行動は三つだ。一つは警察に不審人物がいると通報すること。
一つは私が通り過ぎるまで息を殺して待つこと。一つは私の視界に入る前にそそくさと逃げ出す
ことだ。
「え,でもなんだかフラフラしてますよ?」
 何故,少女は私の足の動きなどと言う,比較的どうでも良いことに気がつくだけの注意力があ
りながら,私が自分を避けている事に気がつかない程の鈍感さを持ち合わせることが出来るの
だろうか。
「大丈夫です。ちょっとお酒が入っているだけなので。ご心配なく」
「本当に大丈夫ですか」
「大丈夫です。では,いい加減家に帰らなければ仕事に差し支えますので」
 私はそっけなくそう言って,足早に歩いていく。いい加減,邪魔が多すぎて厭になってくるが,
夜の散歩が私にとって唯一無二の蜘蛛の糸だ。カンダタのようにつまらない感情によるミスで,
自分の首を絞めることはない。
 私は歩いた。不愉快なものを隠してくれる夜の闇の中を。今日は月の光が強いので,夜の夜
たる美点が少々殺がれていることは否定できないが,それでも一人になって夜歩くのは気分が
良い。醜悪なものを見なくても済む。
それは例えば不倫相手斡旋所の宣伝用ティッシュ。例えば保険所に連れて行かれる運命の子
猫たち。例えば原形を留めぬほどに破壊されたダンボールハウス。例えばゴミ箱の底の方に溜
まっているマスターベーションの処理に使われたティッシュ。
そんなものを見なくても済むのだから,夜が好きだ。
私は先程までの不機嫌が嘘のように軽い足取りで歩いていく。
すると。
グニャリ,とした感触が足に伝わる。
私は恐る恐る足元を見つめた。街灯の下なので,どんなものがあるのかはっきりと見ることが出
来るだろう。
そこにあるのは,白濁とした液体が詰まったゴムだった。白濁とした液体が漏れ出しているようで
,靴の一部の色が濃くなっている。
そこで私は基本的な事を思い出す。
夜の暗闇は不愉快なものも愉快なものも隠してくれる。
しかし,暗闇の中は,不愉快なものが見えないだけだ。
その事実に私は,すこし泣きたくなってしまった。
403('A`):04/08/19 14:34
続きドゾー
404('A`):04/08/19 14:43
コレで終わりだよ
405('A`):04/08/20 05:12
眠れないから、

とある王国に隣の帝国が攻め込んで国王殺して娘の王女捕まえて、でも弟の王子は取り逃がしす。王女は皇帝が好きにして
侍女は兵士が犯しまくって、首都を制圧。
王子は国境沿いの要塞まで逃げ込んでそこの将軍とさらに隣の共和国の協力を取り付けて首都奪還を始めるんだけど、
その間に帝国軍は街3つを制圧してさらに犯したほうだい好き勝手、
王子達は王子の部隊、将軍の部隊、共和国の部隊一万づつ三方に分かれて占領された街を解放するために進軍を始める
んだけど帝国側は2万しかいないから王子の部隊一万に狙いを定めて突撃。
皇帝は共和国軍と通じてて「王子が死んだら王国の領土は全部共和国にあげる、俺たち自分の国に帰るから」と裏切りを
取り付けたから動かない。将軍の部隊も間に合わず結局王子は戦死。満足した皇帝は今までの戦利品の宝物と女を
抱えてさっさと自分の領地に戻る。
5年後、王国を乗っ取ろうとする共和国軍は王国を再建しようとする将軍の手で追い返され、平和が戻ったかに
思えたが、そこに王女が戻ってきて将軍を処刑し王国の継承を宣言する。
夫となった皇帝とそして2人の間に出来た子供を連れて。

と最初から最後まで考えて余計に眠れなくなった
406('A`):04/08/20 21:45
age
407('A`):04/08/21 05:43
「世界は素晴らしくなんてない」
モダン神父は言った。
「神様なんていないし、世界中が幸せに包まれる日も来ない」
突然のモダンの言葉にシスター達は呆然と立ち尽くしたまま誰も身じろぎひとつできない。
モダン神父はそれ以上なにも言わず、礼拝堂を後にした。

彼の持つその天才的な哲学ゆえに
彼は10代にして司教、大司教に推薦されるほど注目された。
しかし彼のその思想により彼は教会での出世の道は閉ざされている。

なんてことはない。
彼は無神論者なのだ。神父という立場にありながら。
そもそも彼が神父になったのは彼の意志ではなく
捨て子の彼が拾われた場所がたまたま寂れた村の教会だっただけだ。

「またあんなことを言うからみんな困ってるよ。神父様」
教会を出たモダンは声をかけられ振り向いた。
「モジョか…やめてくれ。神父なんて呼ぶのは。
ただでさえ吐き気がするほど嫌なのに、お前にまでそう呼ばれたら気が狂いそうだ」
モジョと呼ばれた少女はただ穏やかに微笑み、澄んだ声で歌い出した。
「どうせモテないし社会を罵りましょう
どうせモテないし神様でも否定しましょう
世界の素晴らしさなんて聞きたくない
私はすべてを憎んでるから」
彼女の唄う詞は暗く閉ざされていたが
旋律は喜びに溢れ、透明な声からは癒しすら感じた。
「相変わらず空気の読めない奴だな」
苦笑しながらそううそぶいたモダンの顔はどこか清々しかった。
408('A`):04/08/21 20:43
続きキボン
409('A`):04/08/22 00:09
世界は素晴らしくないが、おまいの小説はなかなかだと思うぞ








という訳で俺も続きキボン
410('A`)
キノ、だな。