どうせモテナイし小説家になろうぜ

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932('A`):04/07/07 02:39
>>928-931
正直な感想を書きます。
 主語述語、指示代名詞、比喩がやたら多く読むのに疲れる。ストーリー的には
 三分の一に圧縮できる。
やっぱり、読み手を意識して書いてほしいです。

作品のさわやかな雰囲気はすごく良いと思いました
933('A`):04/07/07 03:03
>>932
なるほど。確かにあまり必要のないことをくどくど書いてしまう
ような面が、俺にはあるようです。
今後その辺りを意識して、ちょうどいいバランスを探していきたいと
思います。
ご感想ありがとうございました。
934('A`):04/07/07 06:04
>>928-931
オレも>>932氏とほぼ同意見です。
不必要に感じる記述が多い印象がありました。

それと、“ありがちなシチュエーション”と文中にあるので
「ということは、これはありがちでない物語なのか?」と
読者に期待を持たせてしまうのではと思います。
よほどこの作品のオリジナリティに自信がない限り
こういった言葉は用いない方がよいのではないでしょうか。
正直、私にはラストが予想できてしまうような展開でした。

でも、こういう純朴な雰囲気はすごく好きです。
自分も、子供の頃に昔よく見てたような風景を
改めてもう一度眺めに戻りたいなと思えました。

よかったらまた書きに来てください。
935('A`):04/07/07 19:42
中盤ですこし中だるみを感じた以外は、
おおむね良かったと思います。
素直に楽しめましたよ。
936('A`):04/07/07 21:47
お題を決めて書きましょうよ

例えば・・・文中に「肉」と「お湯」をつかうとか
937928:04/07/08 00:35
>>934
やはり文章(&文)のクドさについては一考の余地がありそうですね。
ただ、それが俺の欠点であると同時に持ち味であるという
思いもあります。あまり軽やかな文章にするのもどうかとは
思うので、今の雰囲気を消さず、かつ読みやすく...
というのが理想形かな...
>ありがちな
ああ、そうか。そういうことを考えさせてしまうんですね。
ありがちだなあ、と思って「ありがち」と書いたのですが、
甘かったorz

雰囲気は気に入ってくだすったとのこと。嬉しいです。
ご感想ありがとうございました。

>>935
ご感想ありがとうございます。今後も精進いたしますです。
中だるみ...気をつけよう(´∀`;)

いつかはわかりませんが、
また機会があったら書いて貼らせてもらいますねノシ
938('A`):04/07/08 14:29
吸い込まれそうな青空。僕らはへこんだガードレールに腰掛けている。
僕は隣で空を見上げてるミカを見つめた。
ミカ。
僕が殺した女だ。

「ん、何?」
僕の視線に気付いたミカが問いかける。彼女は俗に言う幽霊である。
「いや、別に・・・」
ミカは少し淋しそうな目をして、また空を見上げた。
ミカはつくづく変わっている。人殺しの僕が言うのだから間違いない。
どうして僕のことを憎まないのか。同情?軽蔑?僕には分からない。

ふと気配を感じたので顔を上げると、近所に住んでいた老婆が花を手に立っている。
「あの世でも仲良く暮らすんだよ・・」
老婆は一言呟くと、僕らに花をささげて帰っていった。
「私、あなたのこと、愛してるから」
ミカが微笑んだ。
空は相変わらず雲一つない。

明日も晴れるといいなぁ。

end
939あほ ◆sZMOg20d0E :04/07/08 14:31
思いついたので書いてみました。
感想よろしくお願いします
940('A`):04/07/08 16:48
これだけ短いと何とも言えないです・・。

短い文の場合はインパクトが重要だと思うんですが、これは正直
何か衝撃を受けたかというと特に何も残らなかったような感じがします。

素人見解で申し訳ないですが、もっと細部までの描写を丁寧にして
ミカを殺した僕と、空みたいに透き通った気持ちを持った(?)ミカとの
コントラストをくっきりつけてみると、空の青さがもっと鮮明に
浮かび上がってくるんじゃないでしょうか。

最後のセリフも効いてくると思います。
941あほ ◆sZMOg20d0E :04/07/08 19:07
僕→事故を起こしてミカと共に死亡、ミカを自分が殺してしまったという
  自責の念にさいなまれている。
ミカ→僕の彼女。虚無感に捉われつつも主人公を許している。

ってことでした。まだまだ文章力足りないっすね。
942('A`):04/07/08 20:43
それは「凹んだガードレール」と「老婆の花」で十分伝わってたと思うよ。
943あほ ◆sZMOg20d0E :04/07/08 21:55
>>940
感想サンクスです
>>942
良かったです。以後精進します
944('A`):04/07/09 01:31
>>938
さわやかホラー(?)というか、そんな感じがよく伝わってきたです。
結構いい雰囲気だと思います。後半など特に。

細かいところですが、ちょっと思ったことを。
「僕」「ミカ」が死んでるのは分かったんですけど、
「へこんだガードレール」という記述が目立ってない
ような気がするんです。「捩じれた」「歪んだ」とか、もっと
事故を示唆するきつめの表現でもいいのではないでしょうか。
お前の読解力不足と言われたらそれまでですが...

あと、「彼女は俗に言う幽霊である」はいらないかな、と。
直接的すぎて雰囲気が壊れるように思います。
945('A`):04/07/10 09:17
たまにみるけど結構おもしろいな
946('A`):04/07/10 22:40
このスレの初期からいたけど、
改めて色々読んでみると910氏の言うとおり、
本当にみんな個性的で独特なものがあるね。
内容もみんなバラバラだし、味があっておもしろいですよと
応援age!
947独りぼっちの戦争:04/07/11 03:28

醜い男が居た。

右手は名も知らぬ女を救う為失った。

左足は名も知らぬ男を救う為失った。

両目は名も知らぬ子供を救う為失った。

そして男は彼らから嘲笑と侮蔑の言葉を貰った。

理由は一つ、男が醜く弱いから。

それでも男は人を救おうとし続ける。

なぜなら、それが世間への挑戦だったからだ。

「醜くても美しい心が大切と世の人間達は言う、それを俺の人生を持って否定する!!」

そう叫び、男は救済の為に次の町へと向かうのだった。







 そして男は名も知らぬ女を救う為、首を失った。
 
 しかし、男は侮蔑を受けることは無かった。
 
 替わりに無視という名の優しさを得る事が出来た。

 それが、男が出会った最初で最期の優しさだった。
948吉岡電気:04/07/11 22:35
はじめましてこんにちはぼくの書いた小説読んでくれませんか?
949吉岡電気:04/07/11 22:39
○月×日 二時限目 体育 カキモトの頭


可笑しくないか?一回も二回も変わんないよ、ってのはさ。
ハヤシダはヨーヨーのようにボールをバウンドさせながら走っている。二人の人間がハヤシダの前に立ちふさがった。ハヤシダは脚を止めた。ボールを両手でがっちりと抱え、辺りをきょろきょろと見回した。
それにさ、それはあんたの言う台詞じゃないだろ?どっちかっていうと僕が言う台詞だ。それを何であんたが?
二人の人間。一人は腰を低くさせ両手を広げハヤシダの前に立つ。一人はハヤシダからボールを奪おうと手を出してくる。
つまりさぁ、あんたが言いたいのは、一回ヤるのも二回ヤるのも罪は変わらないってことだろ?そんな事は僕にだってわかってる。
ハヤシダはボールを上下左右に振り回す。目を動かす。一人、二人、三人、四人、一瞬のうちに四人の人間を見回す。
でも、なんでそれをあんたに言われなきゃならないんだよ。……むかつく。次の休み時間も絶対呼び出してやる。
ハヤシダは一人の人間に目を止めた。
あ。……やべぇ。
950吉岡電気:04/07/11 22:41
カキモトはハヤシダから目を逸らした。
なんだよ、こっちにくるなよ、投げるなら他のやつに投げろ。
カキモトは目を伏せて走った。
「カキモト!」
ハヤシダはカキモトめがけて勢い良くボールを投げた。
あ。やめろ、僕に投げるんじゃあない。
カキモトは走った。走りながらハヤシダが投げたボールを両手で受け取る。そしてさらに走った。
畜生。なんで僕に投げるんだよ、ハヤシダのくせに。
ピ―!ピ―ピィ―――!
甲高く笛の音が響いた。
なんだよ、うるさい。
教師が両手を回しながら笛を吹いている。カキモトを指さした。
「トラベリング!」
はぁ、何それ?
教師はカキモトからボールを取り上げ、相手のチームにボールを渡す。笛の音。カキモト以外の九人の人間が動き出す。
ピ―ピ―ピ―ピ―うるさいな、こっちはそれどころじゃないんだ。
「カキモト?大丈夫か?」
ハヤシダがカキモトに近寄る。
「大丈夫、少し焦っただけだよ」
うるさいんだよ。お前のせいだ。
「そうか?」
「うん、ほら早く自分のポジションに戻って」
「ああ、そうだな。わかった」
ハヤシダは走って自分の持ち場についた。
畜生。忘れてた。なんでボールを持って走っちゃいけないんだよ、そんなルール関係ないだろ、知らないよ。こんなものお前らで勝手にやっていればいいじゃないか、僕は忙しいんだ。あー……むかつく。
「カキモト!止めろ」
いちいち名前を呼ぶな、うるさいって言ってるだろ。
一人の人間がボールを床にバウンドさせながら走っている。
こいつを止めろっていうのか?面倒臭い。
カキモトはボールを持った人間の前に立ち、手を伸ばした。
よこせ、そのボールをよこせ。
ボールを持った人間はカキモトの手をひらりひらりと避けていく。
あー……さっさとボールを渡せよばかやろう。
カキモトは教師の方を見た。教師に背を向けて、大きく手を伸ばして肘を突き出す。カキモトの肘はボールを持った人間の首と顎に当たった。ボールが落ちた。カキモトはそれを拾った。
951吉岡電気:04/07/11 22:41
あーすっきりした。さっさと渡せばいいんだよばかやろう。
カキモトは素早く適当にボールを近くにいた同じチームの人間に投げる。笛は鳴らなかった。振り返り人間に小声で話しかける。
「ごめん、今肘当たらなかった?」
「痛ってー、当たったよ」
人間が自分の顎に手を伸ばす。カキモトはその手を素早く掴んだ。
「うそ!ごめん!大丈夫?」
「ああ、別に。大した事ねぇよ」
うそ。強がってるんだろ?目に涙が溜まっているよ?
カキモトは人間の手を離し、両手の掌を合わせた。
「ごめん、今のファールだよね?それより怪我してない?一応先生に言って保健室に行った方が……」
「いいって、大丈夫大丈夫。わざとじゃないんだろ?だったらいいよ、笛も鳴ってないしさ」
「本当?でも……」
「いいって」
「そう、本当ごめんね」
「ああ」
人間は走って自分の持ち場に戻る。カキモトは走っていく人間の後ろ姿を見て口元を緩ませた。
ばーか、わざとだよ。ケケケ。
952吉岡電気:04/07/11 22:49
カキモトからボールを受け取った人間、ハヤシダは膝を曲げた。辺りを見回す、すぐ近くに人間はいない。
ハヤシダは膝を伸ばしつま先で床を蹴る。ハヤシダの体が浮いた。同時に左手を軽く添えて右手で押し出すようにボールを投げる。
ボールは放物線を描き飛んでいく。ボールはくるくるとリングの上を踊り、輪の中を通って、落ちた。歓声があがる。
ハヤシダは小走りでカキモトの側に来て、カキモトの首に腕を回した。
「やったなカキモト、スゲ―よ、よくあんな体勢でパス出来たよな」
なんだこいつは馴れ馴れしいんだよ離れろばかやろう。殺すぞ?
「ううん、おれはすごくないよ、ハヤシダがすごいんだよ。さすがバスケ部のエースだね」
「はは、よせよ、まぁこの調子で頑張ろうぜ」
軽くカキモトの肩を叩くハヤシダ。
「うん、そうだね頑張ろう」
ハヤシダは走ってカキモトから離れて行く。カキモトはハヤシダの背中を見て肩に手を伸ばした。
ばっかじゃねーの、お前一人で頑張ってろ。お前は入れて当たり前なんだよ、お前はバスケ部だろ?お前一人で頑張ってろ。
一体何のつもりだ?汚い腕を僕に回してきて。自意識過剰なんじゃないの?男の友情でもアピールしようって腹なんだろ?お前が目立つのは勝手だけどな、僕を巻き込むんじゃあない。
笛の音が鳴りカキモト以外の九人の人間が動き出す。
……こんな事を考える僕がおかしいのか?……そんなわけない。僕は知っている。お前が一瞬ちらりと女子の方を見たのを。満足そうな顔で見たのを。キミヅカを見たのを。とりあえずお前目障りだから死んでくれないか?
カキモトはギャラリーの人間を見回した。一人の人間に目を止める。その群集の中で誰よりも髪の丈が長い人間の女。その群集の中で誰よりもスカートの丈が短い人間の女。

「あと一分!」
教師がストップウォッチを見る。
髪の長いスカートの短い人間、キミヅカは退屈そうにゲームを見ていた。ボールの行方は見てはいない。キミヅカは退屈そうにカキモトを見ていた。ハヤシダは暇さえあればちらりちらりとキミヅカを見ていた。カキモトはボールを投げた。
953吉岡電気:04/07/11 23:10
読んでくださった方ありがとうございます。続きは明日書きます。
この文をここに載せる事にとても迷いましたが頑張って載せてみました。
丁寧に作ってはいますが 素人の手作り品であることをご理解の上宜しくお願い致します。
954('A`):04/07/12 06:21
>>947
こういうの結構好きです。ニーチェみたいな力強さを感じます。
この醜い男にとって、唯一優しさを与えてくれたのは
『死』だけだったのかなと。深読みしすぎかな・・。

話がだいぶ抽象化されてるので、実体験がデフォルメ
されたものなのかなとも思えました。

>>953
すみません、私にはあまりよく話が飲み込めませんでした。
『人間』という表現は何か意図があってのことでしょうか。
妙に気になりました。少々読みづらい気がします。

えらく酷評になってしまいました・・。
955('A`):04/07/12 21:30
>>953
真っ先に思った事は、読みづらいという事です。
内容に関しては、続きがあるようですので、とりあえず割愛。
これからの展開に期待age
956吉岡電気:04/07/12 22:12
○月×日 二時限目終了 休み時間 カキモトの屋上


カキモトはポケットの中に手を入れた。ポケットの中で携帯端末のボタンを押す。1523320485*13522512。そのまま階段を昇り重い扉を開く。辺りをきょろきょろと眺めポケットから手を出す。梯子に手をかけ、カキモトは給水棟の上にあがった。人間がいた。
「やあ、早いね」
「呼ばれるのなんとなくわかってたから、先に来た」
三角座りをしている人間がいる。髪の長いスカートの短い人間。女。カキモトは目線を落とし女の三角に曲げた脚を見た。
「そっか、キミヅカさんはいい子だね」
「そう?」
カキモトは女の下着を見ている。
「ねぇ、どこ見てるの?」
「ああ、まぁその位の長さが丁度いいね」
カキモトは目線を上げ女の顔を見た。そして唾を吐いた。女の顔にかかった。
「キミヅカさんこそどこ見てるの?人と話す時はその人の顔を見て話さないと」
カキモトはポケットからハンカチを取り出して女の顔を拭いた。
「ところでキミヅカさんは次の授業は何?」
「……数学、カキモト君も数学でしょ?」
「なんで?」
「だって私たち同じクラス」
「ああ、そうだね、でも僕、次の授業は自習にしようかと思ってるんだ」
カキモトは丁寧にハンカチを畳むとそれをポケットにしまった。
「それは次の授業をサボるって事?」
「うーん、まぁそういう事かな、どう?キミヅカさんも一緒に自習しない?ほら天気もいい事だし、たまにはいいんじゃない?自習も」
カキモトは空を指さした。太陽は見えない。雨は見えない。雲が沢山見える。
「それはいいつけ?」
「別に、嫌ならいいよ」
「そう、きみのいいつけなら自習?するけど」
カキモトは口元を緩ませた。
「じゃあいいつけ」
「そう、それじゃあ、あと86回ね」
「そうだね」
カキモトはかちゃかちゃとベルトを外した。隣の棟のスピーカーから音が鳴った。
「予鈴だね」
「そうね」
「うるさいね」
「そう?」
カキモトは外したベルトを締め梯子に脚をかけた。
「どこ行くの?」
「トイレ、ここで待ってて」
「そう」
カキモトは梯子を降りた。カキモトは階段を降りる。カキモトは一階に降り廊下を歩く。保健室のドアノブに手をかける。
「先生?」
中には誰もいない。カキモトは階段を昇り二階の教室に入った。
957('A`):04/07/12 22:17
個人的にですが…なんか少々奥深そうな内容ぽいけど表現サバサバしすぎてるかなて思った。想像が途切れる。
読みづらい≧つまられない
958吉岡電気:04/07/12 22:17
モテナイから小説家になろうぜ。って、小説家になればモテルのですか?やっぱり¥の力?でも本が売れなきゃお金入らないよね、今日はなんだかやる気がなくなっていく
959吉岡電気:04/07/12 22:18
○月×日 三時限目 数学 カキモトの頭


「女子三番キミヅカ」
キミヅカはいませんよ、先生。
「キミヅカ、キミヅカ、休みか?」
カキモトは右手を挙げた。
「先生、キミヅカさんはさっき保健室に行くと言ってました。顔色が悪かったので具合が悪いんじゃないでしょうか」
「そうか、わかった。女子四番……」
ケケケ。キミヅカは今頃屋上の上でパンツ丸出しだよ。
960吉岡電気:04/07/12 22:20

○月×日 三時限目終了 休み時間 カキモトの頭


「カキモト君」
カキモトは階段の手前で脚を止めた。昇り階段に伸ばした足を戻して振り返る。人間がいる。
「ねぇ、保健室行くの?」
なに言ってんだこいつ、僕は屋上に行くんだよ。
カキモトは黙って人間を見つめた。髪の丈は肩位。スカートの丈は膝位。人間。女。
「ミツキ保健室行ったんでしょ?」
ああ、そういえばそうだった。
「うん、すごく顔色が悪かったから保健室に行ったらって勧めたんだ」
「そう、また貧血かなぁ」
「貧血?」
そんな話僕は聞いた事がない。
「うん、ミツキ最近貧血気味でふらふらするって言ってたから」
カキモトは顎を手で擦り、首を傾げた。
「そう?じゃあさっきもそうだったのかな?心配だから僕は保健室に行って見てくるよ」
「あ、私も行くよ」
はぁ?ついてくるなよ、僕は屋上に行きたいんだ。
「いいよ、ナラさんは教室にいなよ。僕が見てくるから」
「ううん私も気になるから行くよ」
カキモトは下唇を噛んだ。
豚。来るなって言ってるんだ。お前は教室で鳴いてればいいんだ。
「……そっか……ナラさんは、友達想いの優しい子だね」
「え、そんな事ないよ」
当たり前だ、お前は豚なんだよ、家畜なんだよ。
カキモトは階段を降りて廊下を歩いた。
961吉岡電気:04/07/12 22:20
「ねぇねぇカキモト君、さっきはすごかったねー」
うるさい。僕に話しかけるんじゃあない。目障りだからついて来るな。
「すごいってなにが?」
「バスケ。あんな所からシュート入れるんだもん」
はぁ?こいつばかにしてるのか?お前の穴にも入れてやろうかブー?
「ああ、あれはまぐれだよ、時間が無くて投げたらたまたま入っただけだよ」
「ほんとにー?」
本当は狙って入れたんだよ。すごいだろ。ってそんなわけないブー。センターラインからだブ?狙って入れられるわけがないだろ。
「でもすごいよねー。かっこよかったよ?カキモト君の事みんな見てたよ」
「そうなんだ、なんか恥かしいな……」
畜生。なんで僕が目立ってるんだよ。ハヤシダのせいだ。ハヤシダが僕にパスするから。ハヤシダが目立てばよかったんだ。畜生。
「でも惜しかったね、もう少しで逆転だったのに」
「そうだね、惜しかった。残念だなあ」
別にどうでもいいけど、そんな事。それよりとにかく黙ってくれないか?豚。

962吉岡電気:04/07/12 22:22
「ねぇカキモト君、ミツキ大丈夫かなぁ?」
「だといいんだけど。取り敢えず見てみないとわかんないよ」
カキモトはドアをノックした。
どうせこの中にはいないけど。
「はーい」
ドアが開いて一人の人間が顔を出す。人間。女。白衣を着た人間。
なんでお前がいるんだよ。さっきはいなかったじゃないか。
カキモトの横から女が顔を出す。
「先生、ミツ…キミヅカさんの具合はどうですか?」
「キミヅカさん?今は誰も保健室にはいないけど」
「え?そうですか?」
そうだよ子豚ちゃん。キミヅカはまだ屋上にいるんじゃないの。
カキモトはカーテンをくぐりベッドを見渡す。そして白衣に向き直る。
「あの、先生。さっきキミヅカさん来ませんでしたか?」
「さっきっていつ?」
「はい、二限目が終わった休み時間です」
本当は来てないけど。
「えーと、その頃先生は保健室にいなかったのよ。どうかしたの?」
キミヅカさんは授業をサボって屋上でパンツ丸出しで膝を抱えて丸まっています。
カキモトは白衣の白いスカートを一瞬だけ見ると、白衣の目に顔に向けた。
「はい、キミヅカさんが具合が悪くて保健室に来ているはずなんですけど」
白衣は頬に手を当てた。天井を見上げる。
「そうかしら?私が戻って来た時には誰もいなかったけど」
「カキモト君、もしかして入れ違いになったんじゃない?」
「ああ、そうかもね」
そんなわけないけど。
「先生、キミヅカさんきっと教室に戻ったんだと思います」
「そう?」
「はい、お騒がせしました。それでは失礼します」
「あ、失礼します」
カキモトと女は保健室を出た。廊下を歩く。二階の階段を昇った所で脚を止め、カキモトは女の方を向いた。
963('A`):04/07/12 22:23
>>958
どうせモテナイんだったら女じゃなくて何か別のものに打ち込もうぜ
って意味合いだと思う。どうせ(ry系のスレタイの意図はね。
964吉岡電気:04/07/12 22:25
「あ、ナラさん、僕トイレに行くから先に教室見てきてくれないかな」
「あ、うん。わかった」
「じゃあお願いね」
女は左側の廊下に歩き出した。カキモトは右の廊下を歩く。
キミヅカ、まだ屋上にいるのかな。いい子だな。ご褒美をあげないとな。
カキモトはトイレの前で脚を止めた。
でもそんなことしたら調子に乗らないだろうか? いや、大丈夫だ。アメとムチをちゃんと使い分ければ。
……でもムチだけってのも悪くはないな。
カキモトは振り返り廊下を見る。
豚。教室に戻ったか。
カキモトはそのまま来た道を戻った。階段で脚を止め、昇り階段に足を伸ばす。
「カキモト君!」
カキモトは声の方を向いた。女が走って来る。
……豚。しつこい。
「カキモト君、ミツキ教室にもいないよ?」
当たり前だ、いるわけないだろ。それがどうした?
カキモトは下唇を噛み、顎を手で擦り、首を傾げた。
「教室にもいないって事は……じゃあどこに行ったんだろう?」
「うん、おかしいよね、私探してみる」
あー……うるさいうるさい。面倒臭い。いいから早く僕を屋上に行かせろ、時間がなくなるだろ。
「あ、もしかして早退したのかな、僕先生に聞いてくるよ」
「え、うん。じゃあ私一応学校の中探してみる」
音が鳴った。校内の所々に配置されたスピーカーから。
畜生。豚。お前のせいで時間がなくなっただろ。
「予鈴だね。あのさ、もう時間ないから取り敢えずナラさんは教室に戻ってなよ。僕は急いで職員室に行ってくるから」
女は首を回し一瞬教室の方を見る、首を戻しカキモトの方を向く。
「そうだね、うん。わかった」
カキモトは昇り階段を見る。そして女の方を向いて下唇を噛んだ。
豚……早く小屋に帰れよ。
女は立ち止まったままカキモトを見ている。
「ナラさん?どうかしたの?」
「ううん、別に……」
「なに?言ってみなよ」
「うん、あのね、カキモト君って偉いなぁーって思って」
うるさい、豚。早く帰れって言ってるんだよ。畜生。面倒臭い。もういいや。
「ナラさん、言い忘れてたけど、廊下は走っちゃだめだよ」
カキモトは早歩きで階段を降りて行った。
あー、面倒臭い。なにやってるんだ、僕。
カキモトは職員室のドアを開けた。
「失礼します、ササガワ先生はいらっしゃいますか」
965吉岡電気:04/07/12 22:25
椅子に座って煙草を吸っている人間が席を立った。人間。男。髪がまだらな人間。
「おおカキモト、どうした?」
面倒臭いな。
「あの、キミヅカさん早退届出していませんか?」
「早退?……いや知らんな。どうかしたのか?」
「あの、イケウチ先生から聞いてませんか?キミヅカさん二限が終わった時に具合が悪いって保健室に行ったんです。
それで三限はお休みしたんです。でも三限が終わっても教室に戻ってこないので、心配になって保健室を見に行ったんです。
けどいなくて、もしかして早退したんじゃないかと思って」
「そうか」
腕を組み考えるような仕草をする教師。
「先生の所にも来てないな」
そんな事はわかっている。じゃあなハゲ。
「そうですか、わかりました、失礼します」
「あ、待てカキモト。…お前、キミヅカと仲いいのか?」
「……いえ、良くも悪くもありません。キミヅカさんはクラスメイトです」
「そうか、でもどうしてお前がキミヅカを探しているんだ?」
「はい、これも学級委員の仕事ですから」
「そうか、お前は偉いな。キミヅカは勝手に帰ったんだろう、放っておけ。いいかカキモト、お前はあんなのと関わるんじゃないぞ?」
カキモトは教師に背を向けた。
「……失礼します」
966吉岡電気:04/07/12 22:26
○月×日 四時限目 歴史 カキモトの占い


ハゲ。ハヤシダ。ハゲ。ハヤシダ。ハゲ。ハヤシダ。ハゲ。ハヤシダ。
カキモトはシャーペンをかちかちとノックしている。
気分が悪い。嫌な感じ。何だこれ? 悲しい、のか?そんなわけない。違う。ただむかつくだけだ。
ハゲ。ハヤシダ。ハゲ。ハヤシダ。ハゲ。
畜生。どうして僕が悲しくならなきゃいけないんだ?むかつく。殺す。
ハヤシダ。ハゲ。ハヤシダ。ハゲ。ハヤシダ。ハゲ。ハヤシダ。ハゲ。ハヤシダ。ハゲ。ハヤシダ。ハゲ。ハヤシダ。ハゲ。ハヤシダ。
シャーペンの先から芯が落ちた。
ハヤシダか……今回のターゲットはハヤシダ……。
カキモトは机に落ちた芯をシャーペンの中に戻した。
ハゲ。むかつく。ハゲ。殺す。ハゲ。むかつく。ハゲ。殺す。ハゲ。殺す。ハゲ。殺す。殺す。殺す。
カキモトはシャーペンをかちかちとノックしている。
ハゲ。ハゲ。ハゲ。ハゲ。死ね。ササガワ。死ね。ササガワ。死ね。死ね。ササガワ。ササガワ。ササガワ。ササガワ。
シャーペンの先から芯が落ちた。
……やっぱりササガワだな。ササガワにしよう。ササガワに決めた。うん。ササガワに決定。あいつは許されない。僕が許さない。
967吉岡電気:04/07/12 22:27
○月×日 四時限目終了 昼休み カキモトの計画


授業が終わるとハヤシダは素早くカキモトの席に近づいてきた。
「カキモト購買行こうぜ?」
だれがお前なんかと行くか。
「ごめん、今日はおれ弁当なんだ」
「そっか、じゃあおれ急ぐから、また後でな」
「うん、ごめん、また誘って」
「ああ」
ハヤシダは急いで教室を出て行く。カキモトはハヤシダの後ろ姿を眺めながら鞄に手をかけた。
……早く屋上に行かないと。
「ねぇ、カキモト君」
カキモトは下唇を噛んだ。女がカキモトの席に近づいてくる。カキモトは鞄から小さい鞄を取り出した。
「あ、ねぇねぇカキモト君」
カキモトは席を立ち、教室の扉に手をかけた。
「ちょっと、カキモト君ってば」
女はカキモトの腕を掴んだ。カキモトは振り返り女を見る。
「あ、ナラさん」
「もー、さっきから呼んでるのに」
うるさい。僕は人間の言葉しか判らないんだ。
「あ、ごめん、気が付かなかった、少し考え事してたんだ」
女はカキモトの顔を覗き込む。
「なに考えてたの?」
「え?……あぁそれよりどうかしたの?」
「あ、そうだ。どうだった?ミツキ?」
キミヅカ?だったら早く僕を屋上に行かせろ。
「あのね、ササガワ先生も知らないって。早退届は出してないみたいだけど」
「えー?じゃあどこ行ったのかな」
屋上。
「……先生はサボって帰ったんじゃないかって」
「えーそうかなぁ?あ、私電話してみるよ」
女はスカートのポケットから携帯電話を取り出す。
おい、待て。
968吉岡電気:04/07/12 22:28
「ナラさんはキミヅカさんになにか用があるの?」
キミヅカはなんて言う?あいつ、察して話を合わせられるか?
「え?別にないけど、でもサボるなら私に言ってくれてもいいのに……」
どこにいるの?屋上。保健室?知らない。……さらっと言いそうだ。
「なに?もしかしてナラさんも一緒にサボるつもりだったの?」
ダメだ、あいつはきっと言う。……電話はまずい。
「違うよ、止めるよ。もー、だってあの子出席日数危ないでしょ?」
「そっか、そうだね。じゃあ僕が電話するよ」
カキモトはポケットから携帯端末を取り出す。ボタンを押す。
「ねぇ、カキモト君?ミツキの番号知ってるの?」
知ってるよ、それがどうした。あ。
「……そうだね。知らない。ナラさん教えて?」
「え、いいのかな?」
「どうして?」
「だって勝手に教えて」
うるさい、いいんだよ。
「……でも、そんな頻繁にかけるわけじゃないし」
「うん、そうだけどさぁ……」
「それに一応…緊急事態、だし」
「うん、まぁそうなんだけど」
勿体ぶるな、早く教えろ。
「やっぱり私がかけるよ」
豚。おまえ本当邪魔だから。帰れ。畜生。なんで僕がこいつに振り回されなきゃいけないんだ。
「わかった。じゃあ校内は携帯禁止だから外に行って……そうだ、ナラさんはお昼お弁当?」
「うん、お弁当だよ」
「そう、じゃあ外に行くなら一緒に食べようか?今日は天気いいから外で食べようと思ってたんだ」
「え……うん。わかった、ちょっと待ってて」
女は自分の席に戻り、鞄の中から小さい鞄を取り出す。カキモトは教室の入り口近くからそれを眺める。
鞄。そういえば……。
カキモトは窓際の一つの席を見る。
鞄。サボって帰ったキミヅカの鞄?それが席に掛かってる?それはおかしいだろ?
「お待たせ」
畜生。あれはまずい、鞄はまずい。ここにあってはいけない、キミヅカの鞄はここに存在してはいけない。
「カキモト君?」
女はカキモトの顔を覗き込む。
あ……やべぇ。顔に出てた、か?
女は振り向いてカキモトの視線の先を見る。
あ、おい、
「ねぇカキモト君」
どうして鞄があるの?なんて答える?忘れた?いや帰るのに忘れないだろう?鞄を持っているとサボるのばればれだから置いて帰っ
「なんかあんまり天気よくないね」
……は?
「……そう、だね、さっきまでは天気よかったんだけど。残念だな」
「そっか、」
「まぁいいよ。それじゃ行こうか」
こいつ馬鹿だ。目が悪いんだな。
カキモトと女は教室を出て行く。
969吉岡電気:04/07/12 22:29
「ねぇねぇ、カキモト君ってお昼休みいつもなにしてるの?たまにハヤシダ君といるとこ見かけるけど、あんまり見ないよね?」
こいつにかけさせて僕が代わる。いや、出来ればキミヅカに電話する事自体避けたい。
「僕は基本的には弁当なんだ、それがない時はハヤシダとかと購買で買って食べてる」
メールするか?こいつにばれないように。
「じゃあお弁当の時は?」
なんていれる?ナラさんから電話がいくから話を合わせろ。キミヅカさんはサボって帰っている事になってるから。これはいいつけだから必ず守る事。
「……秘密。ナラさん。一人の時間も大切だよ」
僕に保健室に行くと言って行かなかった事、教室に鞄を忘れた事、これも必要だな。長い。面倒臭い。どうする?
「へぇーなんかそれちょっと暗いよー」
「あはは、そうかもね」
ダメだな時間がない。
「うそうそ、冗談。あ、それじゃさ、今度一緒に、」
お前とは食べないよ。不味くなる。それより、
「……ナラさん、中庭じゃなくて屋上行ってみようか」

カキモトは重い扉を開いた。給水棟を見上げる。
大丈夫。ここからじゃ見えない。
カキモトはポケットに手を入れた。
「へぇー、いい眺めだね。でも誰もいないね」
女が辺りを見回す。
どうする?突き落とすか?
カキモトは口元を緩ませた。
「……そうだね、二人きりだね」
「え?……うん。はは、ここは穴場だね!中庭みたいに混んでないしさ!」
「ナラさん、あれ知ってる?」
カキモトが大きな建物を指さし、フェンスに近づく。
「どれ?」
女もフェンスに近づき外を眺める。
ダメだな、これが邪魔だ。
カキモトはフェンスを掴んだ。大きな建物を指さす。
「ほら、あのビル。今はまだ建設中だけど、でも、もしかしたら完成しないかもしれないんだ、あれ」
女は首を傾げる。
「どうして?」
「……あそこの屋上から人が落ちたから」
「え?」
970吉岡電気:04/07/12 22:30
「聞いたことない?まぁ噂だけどね。けど噂って結構怖いから、ほら、悪い噂がたっちゃうとあーいう所って終わりだから。まぁ噂は噂。けど一人じゃないんだって、何人もあそこから落ちてるみたい。流行ってるのかな、自殺」
「……そう、なの」
「うん。それでね、夜中にあそこの下を通ると上から声が聞こえてくるんだって、それで上を見ると……」
「も〜やめてよ」
「あ、ナラさんこういう話嫌い?」
「うん、まぁ……それよりお昼食べよ?あ、その前にミツキに電話しないと……」
女はスカートのポケットに手を入れた。カキモトはフェンスをよじ登る。
「え?ちょっと!カキモト君?」
カキモトは飛び降りた。フェンス越しに女を見つめる。
「どうしてここは誰も来ないか知ってる?」
「……え?」
「実はね、本当はここにも噂があるんだ」
出来るか?演技。
カキモトは下を覗き込む。ポケットに手を入れた。
「……ナラさんもこっちに来なよ?」
「え?……カキモト、君?」
女は怪訝そうな顔でカキモトを見る。カキモトは笑顔で女を見た。
「あはは、冗談。びっくりした?」
大丈夫。きっと出来る。
カキモトはポケットの中で携帯端末のボタンを押す。
「……も〜、カキモト君」
音。間の抜けたメロディー。カキモトのポケットから鳴っている。
「あ、ちょっと待って」
カキモトはポケットから携帯端末を取り出す。
「もしもし、はい。……うん。どうしたの?学校は?……え?病院?……うん……うん……そうなんだ。うん……分かった、うん。じゃあ先生には僕から言っておくよ、うん……あ、別にいいよ、うん。それじゃお大事に」
971吉岡電気:04/07/12 22:31
カキモトは女に顔を向けた。
「ナラさん。キミヅカさん病院に行っていたみたい」
「え?今の、ミツキ?」
「うん。それで今病院から帰って来たみたい、だいぶ辛そうだったよ」
カキモトは携帯端末をポケットに入れた。
「……そっか」
「うん。サボりじゃなかったね、先生に言うの忘れてたみたい」
「そう」
「うん。先生には僕が言っておくよ」
カキモトはフェンスをよじ登る。
あとはこいつをどうやって撒くか。
カキモトは給水棟を一瞬見た。
「あ、ねぇ、なんでミツキ、カキモト君の携帯にかけてきたんだろう?」
「先生に言いづらかったんじゃない?」
カキモトはフェンスから飛び降りた。手に付いた埃を払う。
「うん、でもどうして私じゃないんだろう」
当たり前だ、おまえとは友達でも何でもないってキミヅカは言ってたよ。多分。
「ナラさんに迷惑かけたくなかったんじゃないの、僕なら学級委員だし番号もみんな知ってるから、かけやすかったんじゃないのかな」
「そうなのかなぁ」
面倒臭い。嘘の話なんだからいちいち気にするなよ。話変えるか。
「たぶんそうだよ。あ、ナラさんは僕の番号知らないの?」
「え、あ、知ってるけど……」
「そっか、じゃあ僕がナラさんの番号知らないのも不公平だね」
「え?……え?」
カキモトはポケットから携帯端末を取り出す。
「教えてくれる?ナラさんの番号」
「え、う、うん」
女は携帯電話を取り出しカキモトに見せた。カキモトはそれを見ながら自分の携帯端末のボタンを押す。
「ありがと、暇な時電話するね」
そんな暇ないけど。
「え、あ、うん。待ってる」
「……じゃあ僕先生に報告してくるから」
カキモトは振り向いて歩き出す。
「え?あ、私も行くよ」
そうだな、ついて来い
972吉岡電気:04/07/12 22:32
カキモトは職員室の前で脚を止めた。
あとはこいつをどうやって撒くか。
「ナラさんはここで待ってて」
「どうして?」
女はカキモトを見る。
どうして?なんで?……っていちいちいちいち、本当むかつくなこいつ。いいからおまえは僕の言うことを聞いていればいいんだよ。
カキモトはため息を吐いた。
「うーん、なんとなく、ほらササガワ先生って……ね?」
いやらしい目つきで危ないだろ?あのハゲ。
「あ、そうだね、うん。わかった」
「じゃあ少し待ってて」
カキモトは職員室のドアを開けた。中に入る。ドアを閉める。
「失礼します、ササガワ先生はいらっしゃいますか」
ササガワが席を立った。カキモトはササガワに近づく。
「カキモトか、どうした?」
「あのキミヅカさんから電話が……あの、先程キミヅカさん家に電話してみたんです。それでキミヅカさん、無事に家に帰っていました。病院に行っていたそうです。具合が悪くて早退届を出す余裕もなかったみたいです」
「そうか」
「はい」
「わかった」
は?
カキモトはササガワを見つめた。
「どうした?わかったからもう行っていいぞ」
それだけか?サボりじゃなかっただろ。謝れよ。
カキモトはササガワを見つめる。ササガワはポケットから煙草を取り出し火を点ける。
「……失礼します」
カキモトは職員室を出た。女が声をかける。
「どうだった?」
あのハゲ、絶対……。
「……うん、報告したよ。大丈夫、サボりじゃないってわかったら先生も怒ってなかったよ」
「そっか、よかった。じゃあお昼食べよっか」
「あ、そっか、まだ食べてなかったよね」
「うん」
カキモトは両手の掌を合わせた。
「ごめん、実は今ササガワ先生に頼まれ事されたんだ」
「え〜!本当?」
「うん、ごめん。だから今日は先に食べてて」
「え〜、お昼食べてからじゃダメなの?私も手伝うよ?」
嫌だ。一分一秒でもおまえとは一緒にいたくない。
「ありがと、でも女の子がやる仕事じゃないし、ごめんね、また今度一緒に、ね?」
「え〜……うん、わかった……」
「じゃあ、またね」
カキモトは廊下を早足で歩いていく。限りなく早足で、歩く。
973吉岡電気:04/07/12 23:53
別にもてなくてもいいからさ、せめて友達くらいは欲しいよ。100人とは言わない、
せめてこの両手の指を一杯にしたい。

名前がないと誰が誰だかわからないです。
↓僕の友達になった人。
963はくろさん。957はスパナ。955はいちごちゃん。954はぬり絵。
あと6人……。
これからは名乗って下さいね。宜しくお願い致します。
感想もそうですが、ノークレーム・ノーリターンでお願いします。
974('A`) :04/07/13 19:01
なんか恐いです
975吉岡電気:04/07/13 21:06
凸と凹
僕はこれを何かの記号だと思っていました。漢字だという事を知ったのはつい最近の事です。
磁石でもいいです。S極とN極。
みんなの大好きな男のあれと女のあれでもいいです。

やっぱり、合う合わない、
そういう相性みたいなものって本当にあるのかなって最近は思います。

これからは傾向と対策を考えたいと思います。
感想を頂けると嬉しいです。

976吉岡電気:04/07/13 21:07
『一流』

 今現在の僕は、いわゆる浪人生というやつです。 
毎日毎日、机に向かって、勉強!勉強!
いいかげん嫌になります。
しかし僕には夢があるのです。だから諦めません。絶対に。
夢というのは一流の大学に入って、一流の会社に入って、一流の女と結婚して、一流の子供を育てて、一流の暮らしをして・・一流の一生を終える。という夢です。もちろん死んでからも、僕は一流の墓に入りたいと思います。
こんな夢を語ったところで所詮僕は、今現在の僕は、やっぱり浪人生なわけで……
こんな僕に母はよく小言を言うのです。『一流は諦めて三流にしたら』と。
自分でも、その辺の大学なら簡単に入れるとは思うのです。でも、それでは負け犬です。僕が目指すのは、あくまで一流です。

一流一流、と言っている間にも、月日はあっという間に流れていくのです。時の流れは早いものですね。気が付けば今年で、もう三年目になります。
あと幾つの年が流れれば、僕は一流の大学に入れるのでしょうか。
一つ、あと一つ年が流れるまでに、僕は一流の大学に入りたいと思います。必ず。
977吉岡電気:04/07/13 21:08
僕は今日も、机に向かって勉強をしています。息抜きついでに手紙を書こうと思います。

『一年後の自分へ』

未来の自分に、手紙を書こうと思って今、筆を走らせている。

未来の僕は もちろん今頃 一流の大学に入っていますよね?

今の僕は とても頑張っていますよ 最近は気合を入れるために鉢巻を巻いて机に向かっています その鉢巻にはマジックの太ペンで 忍耐 と書かれています 忍び難きに忍び耐え難きに耐え うん とてもいい言葉ですね
でも     僕はもう限界です 耐えられません 
激しいストレスと共にアレも溜まり ナニ袋はぱんぱんなのです
毎日机に向かい 鉛筆を握り ナニを握る暇さえありません 
もう限界です ごめんなさい

すっきりしました 
やっぱり僕はビデオよりも本です 
未来の僕はどうですか?まだ本派ですか?
さて 気持ちを切り替えて これから勉強を頑張りたいと思います この今の僕の頑張りが 未来の僕の為になるのですよね

未来の僕は もちろん今頃 一流の大学に入っていますよね?

もしそうだと 今の僕はとても嬉しいです
そんな未来の僕に 今の僕から ささやかなプレゼントがあります
先程お世話になった本の袋とじ 今の僕はまだ開けてません 未来の僕の為に取って置きます 今の僕からの入学祝いです
978吉岡電気:04/07/13 21:09
テレビを見ていると、様々なニュ―スが目に飛び込んできます。例えば・・。

『オセロ』

その番組では、政治家さんの横領事件をとり上げ、各界の著名人達が様々な論争を繰り広げています。
論争といってもほとんどが、政治家さんに対する一方的なわるくちです。
最初は横領事件の話だった筈なのに、いつの間にか問題は日本経済にすり替わっていきます。不況から始まり、リストラ問題、年々増加する失業率。そして教育問題にまで発展していき、挙句の果てには少年犯罪。その全てが政治家の所為です。
『今の日本が悪いのは、全部政治家の所為だ』とみなさん口を揃えてよく言います。政治の事をよく知っているのか、知らないのか、若者までもがそう言います。『政治家は腹黒い』と。

ではあなたが白で、政治家が黒だとします。あなたは愚痴を言うのをやめて、『頑張って、努力をして』政治家になります。『日本を変えるぞ!』と意気込んで。

そんな白いあなたは、黒い政治家に囲まれて生きていけるのでしょうか。黒はあなたに言います。『郷に入らば郷に従え』と。
きっと『様々な誘惑』があるでしょう。そんな中、あなたは誘惑に勝ち、白のままでいられるのでしょうか。オセロの様に裏返って黒になるのではないでしょうか。


オセロは、数か多い方が勝ち、というル―ルです。
黒い駒がひしめく盤面の中、たった一つの白い駒で、果たしてあなたは勝てるのでしょうか。沢山の黒い駒を裏返す事が出切るのでしょうか。
……難しいですね。最低でも白は二つ必要ですね、それと角を取った方が断然有利ですね、周りから囲んでいくと更に良いかもしれません。
しかし、既に勝負が終盤にさしかかっていて、盤面に黒がほとんど埋まり、既に白を置くスペ―スが無かったとしたら……
だめですね、いくら頭を使っても勝てません。
話が長くなって来ました。それにいつの間にかオセロの話にすり替わっています。面倒くさくなって来ましたね。

オセロは所詮ゲ―ムです、負けそうになったら盤面ごと引っくり返して知らんぷりしましょう。
979吉岡電気:04/07/13 21:11
『振動』
 が響く。微かに、揺れる、揺れる、揺れる、頭が揺れる。鼓膜を通らず頭蓋骨に直接響く。
ド、恐い、レ、悲しい、ミ、怖い、ファ、嫌、ソ、嫌、ラ、嫌、シ、嫌、ド、絶、レ、望、ミ、痛い、ファ、痛い、ソ、痛い、ラ、痛い、シ、痛い、ド、失、レ、嫌、ミ、嫌。
何度も、激しく、揺れる、揺れる、揺れる、頭が揺れる。首を横に振り、拒絶の言葉を発する。その声、声にならない声。嗚咽混じりの悲鳴。耳を塞いでも、聞こえる、揺れる、その振動、頭蓋骨に直接響くその振動。
揺れる、揺れる、揺れる、体が揺れる。
何かを振り回し必死に抗う。様々な物が辺りに散らばっていく。ペットボトル、ノ―ト、小さな袋、ペン、お菓子の袋。
揺れる、揺れる、揺れる、体が揺れる。
ミ、ファ、レ、ミ、ファ、ソ、ミ、ファ、ラ・・・レ、いたい、いたい、いたい、いたい。音階がずれた。
ドクン、ドクン、ドックン、ドクン、ドク、ドク、ドクンドク、ドクン、ドク、ドクドク、ドドクドク。
その振動、心臓が激しく波打つ振動、血と共に体中に流れる嫌悪感。流れる冷たい汗、流れる汚れた血液、流れる意識、洗い流すように溢れ出る涙、溢れ出る感情、溢れ出しこぼれる感情、こぼれる涙。
揺れる、揺れる、揺れる、体が揺れる。
何かの液体が顔にかかった。口に入り、鉄の様な嫌な味がした。
揺れる、揺れる、揺れる。
振動、大きな振動。崩れ落ちる体、すぐ近くに。投げ出されたその手は何も無い空間を這い回る。何かを探すように、何かを求める様に、助けを求める様に

手を伸ばした。微かに指先が触れた。冷たかった。ゆっくりと指を一本一本絡ませ、その手を強く握った。
980吉岡電気:04/07/13 21:14
以上、読んで頂けたら幸いです。
今日は疲れたので糞して寝ようと思います
981('A`)ヴァー
――どうしてもメンツが足りないんだ、頼むよ。
鎌田から合コンの誘いを受け、深く考えずにOKした俺が馬鹿だったのだ。
合コンの真っ最中なのに、この疎外感は何だろう?
自己紹介は華麗にスルー、はしゃぐ女たちの視界には俺は入っていない。
乾杯でグラスを合わせることも無く、隅でイカのあぶりを噛み締める。
口の中に香ばしさと敗北者の味が広がる。
俺の席の隣には誰も座らない。
人ごみの中でふと感じた疎外感のような、なんともやるせない気持ちで胸が締め付けられる。
「えーっと、毒男君だったよね?」
そんな中、俺に声をかける女が一人。
思いもよらない出来事に少し慌てるが、落ち着いて当たり障りの無い会話をする。
だが、貴様の狙いはとうの昔にお見通しだ。
こんなドクオにも優しい私を見て、だろ?
俺は利口な狼だ、もう毒餌は食わねえ。
もう一度イカを噛み締める。
少ししょっぱかった。