ジョジョの奇妙な冒険外伝　　第二十六部

ジョジョに関する小説＆ゲーム＆ネタ＆雑談スレです


前スレ
第二十五部 http://ex11.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1149087257/l50

まとめ　　　　　　ttp://kikyou.sakura.ne.jp/~vh/giniro.htm
過去ログ（html）ttp://mito.cool.ne.jp/keiyasuda/

夜九時〜十時頃が要注意時間帯っすな

あ、スレ立てだけブラウザからしたから名無しにしちゃった

んで、オイラのオナ行く前に。
昼間どなたかレスしてくださってましたが
なっちの言葉がそのままスタンド解説と思っていただいて結構です

しかしやっぱり説明がヘタであまりみなさんに鈴木亜美の
スタンドが伝わっていなくてもうしわけないっす

ってことで本編とは別にもう一度解説してみました。

鈴木亜美の『AROUND THE WORLD』（以下ATW）は
紺野あさ美の『ニューオーダー・バニシングポイント』や
嘉陽愛子の『ラビリンス・イン・アイズ』のように
空間に入口を作ってそこにATWをもぐらせる事が出来ます。
しかし、紺野、嘉陽と違うのは、空間の出口が５分以内の『過去』に出現することです。
なので、『過去』の方からしたら、いきなり空間からATWの身体の一部が
出現してきて攻撃してきたりするわけです。

ATWが出現した『過去』の視点で見てみます。
０時００分００秒、戦闘中に『未来』からATWの身体の一部が出現して
鈴木亜美を助けてくれました。
相手を攻撃するのを手伝ってくれたり、防御してくれたり、です。
おかげで鈴木亜美は有利になったり、ピンチをしのげる事が出来ました。

この『未来』からのATWは何分後、もしくは何秒後の未来からやってきたのでしょうか？
この地点で鈴木亜美はその事はわかりません。

その後戦闘は続き、そのまま０時０５分００秒を過ぎたとします。
しかし、０時０６分００秒の段階で鈴木亜美がATWの能力を使って、
『過去』にATWの身体の一部を送ろうとしても、５分前までしかいけないので
０時０１分００秒に出現させる事しか出来ません。
じゃあ、０時００分００秒に出現したATWは何時何分何秒から来たんだ？
という矛盾が生じてしまいます。

では０時０４分００秒の段階で鈴木亜美がATWの能力を使えばどうでしょう？
０時００分００秒は０時０４分００秒の４分前なので
０時００分００秒にATWを出現させる事は可能です。

つまり、０時００分００秒にATWが出現したのを見た鈴木亜美は
０時０５分００秒までの間の０時００分３０秒でも０時０４分００秒でもいつでも良いので
一回、スタンド能力を使わなければいけない事を「知る」のです。

さて問題は能力を使っている間です。
０時０４分００秒、ATWは空間に手を突っ込んで、
０時００分００秒にATWの腕を出現させていたとします。

この０時０４分００秒の様子を見ると、ATWは手を空間に突っ込んでいるわけですよね。
これは少し危ない状態と言えます。手が使えないのですから。
まだ片手だけなら、相手の攻撃を防御するくらいは出来るかもしれませんが。

これがもし、片手ではなくて上半身を空間に突っ込んで過去に出現していたらどうでしょう？
０時００分００秒にATWの上半身が出現したとします。
手がちょっと出るのとはわけが違うので攻撃の幅が拡がるかもしれません。

しかし、０時０４分００秒から見ると、ATWは下半身しかないわけです。
これは非常に危険な状況です。鈴木亜美本体を守る事なんてとても出来ないでしょう。

つまり、０時００分００秒に出現したATWの部分が多ければ多いほど、
時間が長ければ長いほど、０時０５分００秒までのどこかで
大きな隙が生じている事を示しているのです。

重ねてもう一度。
０時００分００秒にATWの片手が出現して相手にパンチをして
すぐに引っ込んだとします。時間にすれば１秒か２秒。
それなら、０時０１分００秒でも０時０２分３０秒でも０時０４分００秒でも
ほんの少しの隙があればいつでも０時００分００秒に片手を送って
パンチを相手にくらわせて引っ込むだけの動作が出来るでしょう。

今度は０時００分００秒にATWの上半身が出現してきて10秒ほどいたとします。
その後戦闘が続いている中で、鈴木亜美は
10秒間、ATWの上半身が０時００分００秒に行っていて
下半身しかいないという時間をつくらなければいけません。
そこで鈴木亜美は０時０５分００秒までに、
「安全に１０秒間、ATWの上半身を過去に送る事が出来る状態」を
作らなければいけません。

逆に言うと、鈴木亜美と闘っている相手（この場合は安倍なつみ）が
この状態を見ていて、なおかつATWの能力の事を知っていれば、
０時００分１０秒から０時０５分００秒までのどこかで
10秒間、ATWの上半身が０時００分００秒に行っていて
下半身しかいないという時間が出来る事を予測出来るわけです。

鈴木亜美は自信満々なので、最初にあえてそれだけの隙を作って
それでも私は勝つよと挑発したわけです。
それに対して安倍なつみもそんなサービスいらないよ、と
せっかくもらったチャンスを使わなかったわけですね。

てな具合ですが、う〜ん、ながったらしい（爆）

とりあえずまあ、話続けます

銀色の永遠　〜安倍なつみは巻き添えをくらう25〜

なっちは『チェイン・ギャング』で時空間の中に消えていこうとする、
自分のお腹を殴った未来の『AROUND THE WORLD』の腕をつかんだ！！！

「て、てめえ、何を！！！！！！！！」
アミーゴはあわててこっちに走り寄ってきた！

「オラアアアアアッッッッッッッッッッッッ！！！！！！！！」
両手で未来の『AROUND THE WORLD』をつかんでいる『チェイン・ギャング』の
ノーガードの顔面を現在の『AROUND THE WORLD』が殴りつける。

「ぐふうううッッッッッッッッッッッッ！！！！！！！」

ドガシャアアアアアアアンンンンンンンッッッッッッッッッ！！！！！！！

なっちは激しく吹っ飛んだ！

未来の『AROUND THE WORLD』の腕が時空間の中に消えていく・・・・。

「ふざけたマネを・・・ッ！！！！！！！！！」
なっちを吹っ飛ばしたアミーゴは距離があるうちにと、
そのまま時空間に腕を突っ込んで、わずか数秒前に腕を送ろうとした。

「させねぇべさアーッッッッッッッッ！！！！！！！！」
なっちは痛みをこらえてすぐに立ち上がってアミーゴに襲いかかるッ！

ガシイイイイイイイイッッッッッッッッ！！！！！！！

銀色の永遠　〜安倍なつみは巻き添えをくらう26〜

アミーゴはあわてて時空間に突っ込もうとした
『AROUND THE WORLD』の右腕で『チェイン・ギャング』の左拳をガードする。
もちろん、拳に触れると『チェイン・ギャング』の能力を食らうので
腕の部分でつばぜり合いの形に持って行ってだ。

なっちはとっさにその左手でガードしてきた
『AROUND THE WORLD』の右手をつかんだ！！

「安倍、てめえッッッッッッ！！！！！！！」
『AROUND THE WORLD』は左手刀で『チェイン・ギャング』の左腕を払い落とそうとする。

「させねぇって言ってるべさああああああーッッッッッッッッ！！！！！」

今度は右手で『AROUND THE WORLD』の左手をつかむ！

ドガッ！！！

そして、両手がふさがった段階で
『AROUND THE WORLD』の顔面に頭突きをかました！！！

「ぐあッ！」
アミーゴが一瞬ひるむ・・・・・・・・
その隙に、なっちはつかんでいた両手ごと『チェイン・ギャング』で
『AROUND THE WORLD』をベアハッグの体勢に持って行った。

銀色の永遠　〜安倍なつみは巻き添えをくらう27〜

「てめえ、何考えてんだよお〜ッ？」

ドゴッ！！！

「うぐッ・・・・・！！」

今度は『AROUND THE WORLD』が『チェイン・ギャング』に頭突きをかましてきた。
なっちは一瞬ひるむけれど、両手のフックを離さない！

「何考えているんだろうねえ〜ッ！！！！！！！」

ドグシャッ！！！！

お返しとばかりに今度は『チェイン・ギャング』の頭突きの番！

ドタアアアアアアアアアッッッッッッッッッ！！！！

そのまま二人はもつれて倒れ込んだ！！！
なっちはスタンド同士と同じようにアミーゴに抱きつく。

「離せッ！！離せっつてんだよおッ！！！」
グランドの状態でアミーゴはバタバタする。

なっちはそのままの状態で両足を相手の足に絡ませると
『チェイン・ギャング』を回転させた。
『チェイン・ギャング』は『AROUND THE WORLD』ごと転がって
さっきの未来からの『AROUND THE WORLD』出現ポイントから外れていく・・・・。

ここまでえ

戦闘描写難しいよお。・゜・(ノД`)・゜・。

乙です

寝る保

h

解説も含め乙

otu

新スレ＆915さん乙です！

なんとなくあみーゴの能力がわかってきたｗ
俺頭ﾜﾙｽ…

ってことで発射ー

　　―『ボンバ・ヘッド』…関ヶ原ステージ―


『ここが“中継地点”だ！
　どれだけ進んでいようとも皆必ずこの関ヶ原のマスに止まる！』

ステージ内に富樫の声が鳴り響く。
しかし拡声器を使ったような割れた声というわけでもない。
例えるなら天から降る神の声という表現が似合う、
プレイヤーの頭に直接響いてくるようなものである。
その声を、石川梨華、夏焼雅、辺土名一茶らが各地で聞いていた。

『なにしろ天下分け目の戦いだからなぁ…戦国のクライマックスだ。
　今まで得た石高をここで数倍に膨らますことも可能！
　それは全部プレイヤー次第ってワケだ！
　プレイヤーは徳川家康の東軍か、毛利輝元の西軍を選び
　その軍に味方して勝利に導けばいいってことだ。
　では諸君、健闘を祈る！』

＜夏焼雅＞

　　―関ヶ原・中央―


ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ…


草原には霧が立ち込めている。
そしてその深い霧の向こうには、西軍の陣営がずらりと並んでいるんだろう。

「関ヶ原の戦いかぁ…」

学校の歴史の授業で何度も名前を聞いたことがある。
織田信長が築き、豊臣秀吉が確固たるものにした天下。
豊臣秀吉が死んだ後、家臣同士がそれを取り合った争いの決着の場所！

私が属している片倉景綱さんの隊、つまり伊達政宗の代表軍は
本来の歴史なら関ヶ原の『本戦』そのものには参戦していなかったはずだけど
ゲームなのだから参加した武将がそれぞれ東西軍に振り分けられているのだろうと思う。

「雅、どうした？　また緊張しておるのか？」

片倉さんが私に話しかけてくれる。　緊張しているのは事実だ。
ゲームとはいえこんな歴史上の重要な戦いに関われるなんて
きっと私のお父さんやお爺ちゃんが聞いたら羨ましがるだろうなあ。

「いえ別に…。　ただ、私が人を率いて闘うなんて思ってもみなくて…」
「そうか…」

私はあの小田原城の合戦からここにたどり着くまで
いくつもの戦場でイベントをこなしてきた。
それは全てこの片倉さんの部下として戦ってきたものだったけど
このステージに入る直前で、あの社長さんのナレーションが入り
『石高が一定値に溜まったから部下を従えられる』とか言われて
関ヶ原で数名の足軽を従えての初の戦になったのだった。
演劇部員としてはまだまだ未熟なのに部下だなんて…。
それに私は…

「いや、それだけはなかろう、雅。　本当は何を思うておるのだ？」
「……」

私は、解せないことがひとつだけあった。
何故片倉さんは…伊達軍は、東軍に組したのだろうか、と。
伊達政宗は豊臣秀吉に服従したのであって
徳川家康の配下に入ったわけではないんだよね…
何度も秀吉に対抗してきた家康に、何故着いていこうとしているのか。
伊達さんは、義理とかそんなんじゃあなくて損得で動いているように思えてならなかった。
もちろんサイコロを振って飛び飛びに歴史を見てきた私の考えでは
歴史上の彼らの意思なんて細かくはわからないし
本当は損得なんて単純なものじゃあなくて、伊達という家の存続のために
仕方なく味方についたのかもしれない。
…それでも、私は解せない。
東軍にはそんな人たちがたくさんいる。
これまでのイベントで一緒に闘ってきた人たちが、敵だった人たちが
今はそれぞれごちゃ混ぜになって、分かれて、闘おうとしている。

「雅…？」

すぐ隣にいるはずの片倉さんの声が、なんだか遠くに聞こえた。

彼も、伊達政宗も、みんなゲームの中のキャラクターだ。
そして私だって今はただのキャラクター。
それなら、私は私の考えた道を進みたい。

『さて、最終決定を下してもらおうか』

ブウウウウウン…

再び社長さんの声がして、私の前にテロップが現れた。
今度は2種類のテロップ。　どちらかを選べということだろう。


　　　　　『東軍』　　　『西軍』


私は、ここにいる歴史上の武将や大名の人たちより
物凄く単純なものの考えをしているんだと思う。
それでも…

「雅、何を考えている？　おぬしまさか…！？」
「片倉さん、ごめんなさい…ッ！」


　　　　　　　　『西軍』　　ピッ


　　　　　　　ドシュンッ！！

＜石川梨華＞

　　　　　　　　『西軍』　　ピッ


私は迷うことなく西軍を選んだ。
他の3人がどちらを選んだのかは知らないけど
そんなことは関係ない、ここは私が一番稼がせてもらうわ！
…この石川梨華、歴史を知らないわけじゃあないわよ。
そりゃあどうせ私は今年の留年は決定的だけど、
それは不可抗力であって決して勉強をしていなかったからじゃあない！

歴史の通りならこの戦、徳川家康の東軍が勝つはず。
このゲームが歴史を覆すことでポイントを稼げるんだったら
負けるはずの西軍をなんとしてでも勝たせてみせる！
ゲームに熱中している場合じゃあないのはわかってる。
でもね！　私は勝負事で負けるわけないはいかない！
やるんならとことん闘って、勝ってやろうじゃないの！

まずはそのポイントを叩かなければならない！
そう、関ヶ原の戦いは当初、西軍優勢と言われていた。
鶴翼の陣で東軍を囲い、さらに東軍の背後にも軍勢を敷いている
この西軍の配置は、誰が見たって西軍の勝ち考えるだろう！
けれどその西軍が負ける要因を作った男がいる。

「小早川秀秋…！」

この武将が裏切ったことで、一気に東軍が優勢になった！
西軍を勝たせるには、この男をなんとかするしかないわ…。

ここまで！

なんか戦国のことを説明しながら書くのってめんどいｗ

乙！

>>9
乙ッ！
鈴木亜美の能力には一つ疑問があるんだよね
でももしかするとそれが勝利への道なのか
>>21
乙ッ！
問題はここで一茶や富樫がどっちに付くかだな

皆様乙です！出勤直前新スレオメ保！
おいらもゲーム明日辺りには出せる予定…また一月経ってるしorz

みなさん乙です！昼間のどなたかです！

915さん…「安倍＝915さん？」という疑問には意味があったりします！それは…
ﾏｲﾏｲさん…やはりキーは小早川か！富樫の能力にもまだ謎がありますねー

乙保

こんな曇り空の朝だがラストだししてスッキリします

銀色の永遠　〜(S)aint〜52

・・・・・・
・・・
・

「・・・ティ・・・」

誰かが呼ぶ声が聞こえる・・・
（・・・この声は・・・？）

「おい！！」

肩を揺すられ、藤本は我に返る。
目の前には・・・『さっき自分を殺したはずの』加護亜依の姿があった。

「うわああああ！！！！！」

藤本はたまらず悲鳴をあげて後ずさった。
そのとき、背中に何かが当たる感触がした。
しかしそれは廃病院の冷たい塀ではなく、迷惑そうにこちらを睨むサラリーマンであった・・・
周りを見渡すと他にも人が大勢おり、自分を不審そうに見ている。
「あ・・・すいません・・・」
藤本はサラリーマンに謝って、腕時計を見やる。
時刻は12時過ぎ。
それは昼休みにサンジェルマンの列に並んでいた藤本の前に、
加護が無理やり割り込んできた直後の時間であった。

（そうか、戻ったんだ・・・）
藤本は安堵の溜め息をついて、胸をなでおろした。

銀色の永遠　〜(S)aint〜53

「なんやねん・・・鬼でも見たような声上げて。ちゃんと人の話聞いとるんか？」」
加護は憎悪と怒り燃える瞳でもなく、不思議そうにこちらを見つめている。
「ああ聞いてるよ・・・それよりッ・・・」

ダッダッダッダッダッ・・・

「おい！どこ行くんねん？！」
突然列を離れて走り出す藤本を、加護が呼び止める。
「大事な用事が出来た！テリヤキチキンはおめーにやるよ！！」
そう言って藤本は、急いで学校へと向かった。
そう・・・彼女には、やらなければいけないことがある。
これから起こる悲劇を避けるために。

（・・・このままじゃあ、また同じことになる！そうならないようにするには・・・！）

藤本が向かった先は、演劇部であった。
（あの後、加護ちゃんとやりあったときに
よっちゃんさんが来たってことは、今は多分部室にいるはずだ！）

ドドドドドドドドドドドドドドドドド・・・！

銀色の永遠　〜(S)aint〜54

バアン！！！

藤本は部室に着くなり、寺田の私室の扉を勢いよく開けた。
予想通り中にはデスクに座る寺田と、その正面に立っている吉澤がおり、目を丸くしてこちらを見ている。
「おぉ、ミキティ！なんや？そんなに慌てて」
「ミキティ、ノックくらいしろよ！」
「悪い、よっちゃんさん、ちょっと出てってくれ！」
藤本は文句を言う吉澤を、無理やり部屋の外に押しやった。
「お、おい！今、打ち合わせ中なんだぞ！」
「・・・吉澤・・・すまん、外してくれ」
藤本の剣幕に何かを感じ取った寺田は、吉澤に退出を命じる。
「・・・え？・・・あ、はい・・・」
納得のいかない様子の吉澤だが、
寺田がそう言うなら、と、渋々部屋を後にした。

「・・・で、一体どうしたん？」
寺田は両手を組み、藤本を見上げた。
「今回の指令を取り消してほしい」
藤本はデスクに手を叩きつけて寺田に詰め寄った。
「指令を中止？お前、どこで指令のことを・・・？」
「・・・」
「・・・『戻ってきた』んか？」
勘のいい寺田が事態を察知してそう言うと、藤本は黙って頷いた。
「・・・説明せぇ・・・」
「ああ、実は・・・」

・・・・・・・
・・・・
・

銀色の永遠　〜(S)aint〜55

事の経緯を聞いた寺田は、背もたれに身体を預けて
伸びをしながら頭をかいた。
「なるほどな・・・ようわかったわ」
「じゃあ！」
「ああ、指令は取り消す。とりあえず今回は、あの廃病院に
吸血鬼がおるっちゅうことが分かればええねんからな」
寺田は引き出しから指令書を取り出して、シュレッダーに入れた。
「よかった・・・これでもう・・・」
機械に吸い込まれていく指令書を見て、藤本の表情がやっと明るくなる。

「しっかし、加護もなあ・・・辻のことになると、見境が無うなってしまう・・・
可愛い顔して、まったく困った娘やわ」
寺田は引き出しから部員名簿を取り出し、加護のページを眺めた。
右上に写真が貼っており、そこには満面の笑みを浮かべる加護が映っている。
「はは・・・でも、そのおかげで美貴はここに戻ってこれて、やり直すことが出来たんスけどね」
そう言いながらあの時のことを思い返すと、背筋に冷たいものが走った。
もしも時間が戻らなかったら・・・と考えると、思わず寒気がする。

「それにしても、あの辻がどうやって不死の吸血鬼を倒したんやろか？」
「美貴も聞いてみたんすけど、『それだけは言えねーのれす』って・・・」
藤本は辻の物真似をしながら首をひねる。
「ははは！辻らしいわな。ああ見えて意外と用心深いからな。
ま、奥の手ってやつは、あまり口にしてはアカンねん。たとえ親友同士でもな」
「ふーん・・・」
藤本は適当に相槌をうち、自分の奥の手について考える。
（美貴のはやっぱ、時間を戻してやり直すってことになるのかな？
でも自分の思うようにならないんだよな〜。それに『浮かれモード』も絶対じゃないみたいだし・・・
もしかして美貴って、全然スタンドを使いこなせてないんじゃないのか？）

銀色の永遠　〜(S)aint〜56

・・・・・・・

「・・・それじゃあ、美貴はこれで」
用件はもう済んだので、ここにいる理由はない。
それに、寺田と長い間二人っきりにはなりたくなかった。
吉澤を退出させたのは、話をややこしくしたくないからである。

藤本がノブに手を掛けて扉を開けようとしたとき、寺田が呼び止める。
「藤本ぉ・・・」
「はい？」
「その力・・・しっかり磨いときな・・・」
「？？？・・・どういうことっすか？」
よく理解できない藤本は、振り返ってその意味をを尋ねた。
「自分の意思で、しっかりコントロールできるように・・・ってことや」
寺田はそう言って、指をパチンと鳴らした。

銀色の永遠　〜(S)aint〜57

部室を出ると、扉の横で腕を組みながら待機していた吉澤と目が合った。
「話しは終わったか？」
藤本は扉を閉め、吉澤に向き直った。
「よっちゃんさんはさ・・・」
「ん？」
「よっちゃんさんは、自分のスタンドを使いこなしてると思う？」
そう言われた吉澤は、少し考え込むように視線を宙に泳がせる。
「さあ・・・どうだろうな。まあ、付き合いも長いから、それなりに使いこなしてるとは思うが」
「・・・だよね・・・」
藤本は一言呟き、部室を後にした。
「・・・？・・・なんなんだ？」
吉澤は不思議そうな顔でそれを見送り、首をひねった。

（・・・美貴は全然使いこなせてない・・・『浮かれモード』には、他に条件があるのか？
亀のときや、エネスコのときと何が違っていたんだ？）
藤本は部室を出た後、昔、エネスコという吸血鬼の館に
乗り込んだときの状況を思い返しながら考えていた。
（必死さ？やる気？）
しかし、すぐに頭を振りそれを否定する。
（んなワケねー！少なくとも気持ちは一緒だった！）

（・・・BT03・・・自分のことなのに、謎が多すぎるぜ・・・）

なんとなく重い気分になり、藤本は昼食を摂る気にもなれず、
そのまま自分の教室に戻っていった。

銀色の永遠　〜(S)aint〜58

藤本美貴　BT03について悩む
スタンド名　ブギートレイン03

加護亜依　指令は降りずに、普通に昼食
スタンド名　サイ・キス

辻希美　同上
スタンド名　NONSTOP

財前五郎　後日、田中れいなによって消滅させられる。
スタンド名　アンダー・ザ・ブリッジ


TO BE CONTINUED…

名所案内・・・杜王町の廃病院

20年以上前、医師達によって狂気の人体実験が繰り返された病院だ。
廃院となった今でも取り壊されずに残っており、その不気味な姿を見ることができる。
医師達は逮捕されたが、実はその内の一人が捜査の手を逃れ、
夜な夜なここで実験を繰り返しているらしい。
我々が調査に行ったときは、残念ながらそれに遭遇することは出来なかったが、
噂の舞台になった手術室には、何故か今でも血のにおいが漂っていた。
もしかすると、本当に今でも実験は行われているのかもしれない。
・・・「噂の奇妙な冒険」誌＜春の増刊号＞より抜粋。

スタンド名：アンダー・ザ・ブリッジ
本体：財前五郎
破壊力：A
スピード：B
射程距離：E
持続力：C
精密動作性：A
成長性：D

能力
生き物の一部をブロック状に切り抜く。

以上ッ！
サンタナ戦でゲットしたエイシャの赤石とか使って
田中VS財前やろうかと思ったけど都合によりカットしました
無かったことになったとはいえ一度決着が付いてるからいらないっしょw

そして以下反省&独り言・・・

正直他にも辻と三好の会話のシーンとか辻加護の寺田の私室でのシーンとか
加護が辻を待ってるシーンとかはカットしてもよかった部分だったかな
結局リロード並みに長くなってしまった・・・
まあでも凶暴な部分を持つ三好と普通に会話をする辻のシーンは
ささやかながら個人的にお気に入りだったりするんだがね

そういや俺のオナは完全なハッピーエンドになったのが殆ど無いな

>>198さんエピ完乙です！

今後は辻加護も演劇部員として活躍してゆくんですね！部員との絡みに期待！
吸血鬼はやはりｿﾞﾝﾋﾞより紳士ってｲﾒｰｼﾞが強いので財前も割と好きでした

あと、三好もそろそろ見直される段階に来ているのかもしれませんねー
殺人まで犯してるし、後藤も含めて悪は悪だとは思いますが…

保全

otu

ho

ze

梨華の警告など耳に入らない程興奮状態にある絵梨香はその場を動こうとはしなかった。
「く・・・・・ッ！この解らず屋ッッッ！！！！だったら動くんじゃねーーわよッッ！！！！」

空を切り金色の煌きが絵梨香の服を掠めながら吹き過ぎるッ！

石川梨華のスタンド『ザ☆ピース』の十本の指が唸りを上げて黒川芽以に打ち込まれる！
「行ったわよッ！『Bセット』ッ！！『ポテト』をつけといてッ！！」
ザ☆ピースのチャーミングフィンガーを避けた瞬間をS・O・ディープレッドの近接攻撃で対象を潰す。
中間距離型、近距離型とお互いの個性を補いあった彼女達『チーム』の得意の連携であった。
『よろこんでッッッ！！！！』
絵梨香は弾けんばかりの暴力を叩き付けようとした途端、強烈な違和感に囚われる！
穴の開いた右手が『重い』！動かせないのだ！
動かさなければ重みなどは感じない・・・が動かそうとすると強烈な抵抗を生んでいる。
「こ・・・小癪な・・・・この穴で・・・空間でも固定してるのか！？？？」
絵梨香は動けないまま黒川芽以を睨みつける！
黒川芽以は涼しい笑顔のままチャーミングフィンガーを避けようとはしなかった。

「アイツ・・・・あの『笑い』・・・・」
その涼やかな笑いに裏を感じた岡田唯は右手を銃の様な形にして狙いを定める。
「久々やでッ！『ハイドロレイジャ　コード１』！」
唯の右手から現れた緑色の蕾から大量の種子が射出された！
「石川さん。何か『裏』がありまっせ！引き帰さんとマズイでッ！」
梨華の肩を唯は掴んで後ろに引いた瞬間、周囲の壁を高速で蠢く存在に気付く！
「遅かってん・・・・・」

ここまでです！
>>915さんスレ立て乙でした！
>>ﾏｲﾏｲさん乙！です！歴史に詳しくない俺でもよく解り易かったです！
>>六部さん乙！です！三好のフツーの場面の描写ってのが難しいんで
やってもらってとても助かりますよ。どうしてもバイオレンスな方へ方へと
行ってしまうもので・・・・
>>なんみんさん　簡単にピッコロとかベジータみたいに気が付けばいい人ｷｬﾗ
にはなって貰いたくないですがｗ彼女の運命の歯車が狂わされる瞬間の描写は
そろそろ準備しないといけませんね〜。

hozenn

乙んつん

鼻の両穴にティッシュを詰めながら乙ッ！
暗号っぽい言葉を混じえた連携プレーいいっすね！

三好か・・・最後には救われて欲しいな

まあとりあえず今回の2つのエピで辻加護のお披露目も済んだことだし
今後ニスト達に使っていただければこれ幸いといった感じです

山Ｐオリコン１位記念保

ハイドレインジャじゃね？

ハイドレインジャだった・・・orz

また間違えたのかｗ

みなさん乙！
>>198さん
辻加護はキャラがしっかりしてていいですね〜！これからの活躍が楽しみです！
赤石の事覚えててくれたんですねｗ

俺も自分のオナを終わらしたいんですがちょっと忙しくて…
ここでどうでもいい豆知識をひとつ
一茶の姉の名前は茶美(ちゃみ)弟は二茶(にーちぇ)

ニーチェかどこの哲ry
赤石・・・覚えてますとも

とりあえず21時過ぎたんで名無しに戻るとする

銀色の永遠　〜安倍なつみは巻き添えをくらう28〜

過去の『AROUND THE WORLD』の出現ポイント（出口）と
現在の『AROUND THE WORLD』を過去に送るポイント（入口）は
必ずしも同じ場所でなければいけないというわけではない。
だけど、その最大距離は半径２メートル。
そして・・・今現在の間隔はギリギリ２メートルを越えた！

「い、意地でも離さないべ・・・・・・・・・・。
　さっき、なっちは何秒くらい『AROUND THE WORLD』をつかんでいた？
　５秒？７秒？いや、殴った時間も含めたら10秒は出現していたかな・・・・・・」
「安倍・・・・、てめえまさかこのまま残り４分半粘る
　つもりじゃないだろうなあ？」
「さ、さあね・・・・・・・・・・」
「パワーは私の方が上なんだよ！！！
　夢見てんじゃねええええッッッッッッッ！！！！」

『AROUND THE WORLD』は今度こそ右手を引き抜いてフリーな状態にした。

「離せよおッッッッッッッ！！！！！！」

ドガッ！！ドガガッッッッッッッ！！！！！！！

『AROUND THE WORLD』が上になった状態で
『チェイン・ギャング』の肩を激しく叩くッ！！

銀色の永遠　〜安倍なつみは巻き添えをくらう29〜

「は、離すもんかあ・・・・・・ッ！！」
「てめえッ！時間すぎたらどうなるかわかってんのか！？」
「さ、さあね・・・・・・・・・・・・・。
　でも、アミーゴ必死になってるからさ・・・・、
　タイムリミットをすぎるとアミーゴにとってよくないことが起きるって
　事だけは間違いなさそうだからね・・・・」
「ふざけんなあアアアアアアッッッッッッッ！！！！！！」

ドゴッ！ドグシャッ！！！

『AROUND THE WORLD』はフリーになった右手で
『チェイン・ギャング』をひたすら殴り続ける！！

残り３分・・・・・・・・・！！！！

さすがに疲れたのか、アミーゴは手の動きを止めた。
「なあ、安倍さあ・・・・・・・・・・・・、
　アンタ、この体勢であと何分保つと思ってるんだ？
　いっとくけど、確かにアンタのスタンドはパワー型で破壊力も大きい。
　でもスタンド能力として亀裂を作るその能力がすごいのであって、
　物を持ち上げたりする力そのものが飛び抜けているわけじゃないだろ？
　その点でアタシのスタンドに負けているんだよ！！」
「そんなご託並べてるくらいならさっさとふりほどきなさいよ」
「調子に乗りやがってッ！！！」

銀色の永遠　〜安倍なつみは巻き添えをくらう30〜

アミーゴは身体を左右に振る。
と、なっちはそのアミーゴの力を利用してお互いの身体を回転させ、
なっちの身体を上に持っていった。

「なっちが上になったね・・・・・・・・」
「だからどうしたア！」
「じゃあ言い方変えるべさ。なっちの手の甲が下になって地面にひっついたね」
「だからどう・・・・・・・」

「最大パワーの『チェイン・ギャング』ッッッッ！！！！！！！！」

なっちは手の甲にスタンドパワーを思いっきりこめると
抱きしめたアミーゴごと地面を叩いたッ！

ドドドドドドドドドドドドドドド・・・・・・・・・・ッッッッッッ！！！

「しま・・・・・・くそおォォォ！！」

なっちたちの寝転がっている真下の地面に大きな亀裂が生じて二人を飲み込む！

二人は亀裂の中に落ちていった！！

ドシャアアアアアアアッッッッッッッッッッッ！！！！！！

残り２分半！！

銀色の永遠　〜安倍なつみは巻き添えをくらう31〜

「へへッ、２メートルは掘れたかな。
　これでまた距離が出来たね・・・・・」
「ふざけ・・・・、いや、今度はこっちに有利に働いたようだねッ！！」
アミーゴはにやっと笑った。

二人の１メートルほど先の空中に突然『AROUND THE WORLD』の右手が出現する。

ドガッッッ！！！！！！

未来から出てきた『AROUND THE WORLD』は亀裂の奥に見える何かを殴った！

プシャアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッ！！！！

突然激しい水が噴き出す！！

「へッ、やっぱりツキはアタシの方にあったね・・・。
　まさか水道管がちょうど埋まっているとはね。
　普通なら届かない距離だけど、『AROUND THE WORLD』なら
　２メートル先まで出現させることが可能だからな！！！！！」
右手を時空間に突っ込んで、さっきの動作を行っている最中の
アミーゴが言ってる間にも、亀裂の中はどんどん水がたまっていく！！

残り２分！！！

「さあ、水没するのが先かな？
　いや、人間の身体って案外浮くもんだからね、
　ほっといても地上に連れて行ってくれるかな」
二人の身体が徐々に水の中で重さを無くして浮き上がっていく・・・・。

銀色の永遠　〜安倍なつみは巻き添えをくらう32〜

「だから・・・・どうしたべさ！！！！！！！！」
なっちはアミーゴに絡めていた足を外して亀裂の奥の細いところに突っ込んだ。
まるで、海に放り投げたいかりのように、なっちの足がひっかかり、
二人が水に浮かぶのを防ぐ！！

「テメエッ！どういうつもりだ！！！！！！」

「アミーゴ・・・、アンタ、『覚悟して来てる人』だよね？
　人を『始末』しようとするって事は
　逆に『始末』されるかもしれないという危険を、
　常に『覚悟して来ている人』って事だよね・・・・？」
「安倍・・・・・！！」
「お互い、いろんなものを背負い過ぎちゃったよね。
　いろんなものを、いろんな人を傷つけてここまで来ちゃった。
　だから・・・・、なっちは・・・・
　すでに『覚悟』しているんだよおッッッッ！！！！」

なっちは力を振り絞ってアミーゴごと水の中に自分の身体を押し込む！！

「てめえ！！！自分ごとおぼれさせるつもりかアアアアアアアッッッッッッ！！！！」

ゴボゴボゴボゴボゴボゴボ・・・・・・・・・・・

ここまでん

>>六部198さん
いや実際自分自身も疑問やらおかしいなって思うところいくつもあるんですが
それらをすべてクリア出来てるかどうか疑問です・・・(^^;;;
やっぱタイムスリップは難しいよｗ

あと、エピ完乙です
う〜ん、ミキティが時間戻せる事忘れてたｗ
しかも非常に計算された話の作りになってますね
オイラみたいな行き当たりばったりでは無理だ（ﾉ∀｀）

>>なんみんさん
う〜ん、なんだろ？

お二人とも気になるようだったらなんだったら掲示板のネタバレスレの方にでもよろっす。
対処出来ないようなら見なかった事にさせてもらいますけど（爆死）

みなさん乙ッ！

ほ

グボボボボボオボボオボボオボボボボオボボボボオボ

壁から突き抜けた『何か』は黒川芽以を巻きつく様に取り囲み「チャーミングフィンガー」と
ハイドレインジャの「種子」を受け止めそのままの勢いで壁に再び着水した！

足元に落ちた『壁の素材』とハイドレインジャの『種子』に目を落すとニヤリと笑みを浮かべる。
その笑みは幼い愛くるしいモノではなく背筋に奔る様な冷笑だった・・・・。

「なんだか・・大した事ないみたい・・・・あおいさん、『二人』でも大丈夫じゃないのかなぁ？」
黒川芽以は胸元で手を合わせ指をストレッチしながら独り言のの様に呟く。
影が伸びるように黒川芽以の背後から人影が増える・・・・。

「そういう問題でもないよ。ライナーノーツは私達三人を指定してきた訳だし、直に真希も到着するみたいだしね・・・・。」
あおいと呼ばれた少女は表情を変えずに朴訥と話す！

すげー短いがココが限界やよー！

就寝保

三人なのか

＜夏焼雅＞

西軍最前線。
景色はほとんど変わらず、周りは霧に包まれたまま。
しかしここは総大将毛利輝元、指揮官石田三成が率いる西軍陣営。
結局私は片倉景綱さんを裏切ってこちら側に来てしまった。
そして行動を起こしてみて初めて気づいた。
思いのままに西軍を選んでしまった私のことを
片倉さんはきっと、先程までの私と同じ気持ちで捉えているに違いない。

「緊張しているのかな、雅殿？」

私の隣で声を掛けてくれたのは、もちろん片倉さんではない。

「大丈夫です…統虎さん」
「そうかい、それならよかった」

立花統虎さん…会うのはあの小田原城以来だ。
あの後ずっと気になってはいたけど、こんなところで出会えるなんて思ってなかった。
統虎さんや周りの人たちは、私と数名の部下が突然現れたというのに
何も驚きもしていない様子でいた。
ゲームだから、そういう細かいところは関係ないのかな。

「久しぶりだ。　あの後、雅殿の名前を何度も耳にしたものだよ。
　西に東に、いろいろなところで活躍しているようで。
　そんな雅殿が我らに味方してくれるとは、心強いな」
「そ、そんなこと、ないです…」

久しぶりに会った統虎さんは、歴史上あれから10何年も経っているはずなのに
あまり変わっているようには見えなかった。　これもゲームの特権かな。

「なにやら向こう側が騒がしいね、そろそろか…」

統虎さんは霧の向こうの東軍陣営を見据えている。


ざわざわ……ざわざわざわ…


確かに東軍陣営で何か動きがあったようだ。

「心の準備は出来ているかな？」
「はい、もちろんです！」



…パァンッ！！



東軍側から鉄砲の音が一発…。


“おおおおおおおおおおおおおおおおおおッ！！！！”


それと共に両陣営から多くの雄たけびが上がる。
ついに関ヶ原の戦いが始まったのだ！

統虎さんが周囲の兵隊に声を掛け、騎馬を鞭で打った。

「雅も行くよ！　ワン、ツー、スリー！」
「「おおーーーー！！！」」

私も数名の兵を従えて統虎さんの隊と並走した。
よくもまあ英語の号令に従ってくれたものだ…。


ドドドドドドドドド…！！！！！


四方八方あちこちから蹄の音が聞こえる。
それから鉄砲の音、矢叫びの声…まるで天と地が震えているようだ。
霧と土煙が辺りを覆う中、私達は全速力で前進した。

「雅殿！」

隣を走る私に、統虎さんが話しかける。

「東軍には強敵の本田忠勝殿も参戦している！
　それに烈火の如き猛攻で知られる三好正勝殿や、
　音を消して背後に忍び寄ると噂される亀井茲矩殿の歩兵隊、
　岩盤のごとき守りと言われる田中吉政殿の隊もある。
　きっと激しい戦いになるだろう！」

本田忠勝…名前は聞いたことがある。
戦国時代にとても強かった人だと。
統虎さんも小田原で、自分のライバルのように語っていた。
…それよりも！
三好さんに亀井さんに田中さんって…
演劇部員と同じ名前の人が敵にいるとは、とても奇妙な偶然だった。

「私…いけます、頑張ります！」
「うん、雅殿が共に闘ってくれるのなら百人…いや千人力だ！」
「あ、ありがとうございますッ！」
「よし！　このまま一気に突っ切るぞ！！」
「はい！！」

＜小早川秀秋＞

開戦から二時間ほど経っただろうか。

「今はまだ、西軍が優勢か…」

関ヶ原から南西の方角にある松尾山。
山頂で、私は馬上から関ヶ原の合戦の模様を静観していた。
私は立場上は西軍であるが、戦いの前に徳川家康側から
東軍に寝返る旨の密約を交わしていた…。

「殿、どうなされますか？
　この戦況、殿の出方次第で大きく覆りますぞ…」

私の隣で膝をついていた家臣が私に進言する。
そう、この戦の鍵を握っているのは私。
このまま推している西軍に味方すれば西軍の勝利、
私の1万5千の兵ごと寝返れば東軍を勝ちに導くことが出来る。
この戦、私がどちらに着くかで決着が決まるといっても過言ではないだろう。

「西軍指揮官の三成殿は、殿を邪魔者扱いしているように思えてなりませぬ。
　ここで殿が西軍として闘ったとしても、どれだけ禄が得られるか…。
　私としてはやはり、家康殿に着いたほうがよいかと存じます」

この者も、そして他の家臣もほとんどが
家康側に着いたほうが得策だと考えているようだ。
今の戦況は西軍が有利であるが、重要なのは今ではなく、
戦の後に『どちらが勝っていたほうが自分にとって有利であるか』だ。
西軍が勝ったとしてこの小早川秀秋に何が残るだろうか。
これまでの戦いでも三成は戦功を認めてこなかった。
それに対して家康は破格の対応を約束してくれている。
尋常に考えれば、ここは東軍に寝返るのが定石だろう。


ドドン！！　ドドドドドドン！！！


「……」

松尾山の東側の麓から、十数発の銃声が響いた。
おそらく痺れを切らした家康の催促なのだろう。

「殿、ご決断を…！」

家臣も焦っているようだ。
まあ、そろそろ決断を下す時か…。

「決めた…」
「東軍につくのですね、殿！」

…まったく、気の早い部下だ。
私はまだ何も言っていないのに。

「ん？　誰が東軍につくなどと言った？」

「へえ？」

家臣は呆気に取られたような顔をしている。

「このまま西軍に味方する！
　私の叔母は太閤・秀吉殿の正室、ねね殿であるぞ！
　その私が徳川についてしまっては後世に示しがつかない！」
「な…何を仰いますか！　このまま西軍についたとて
　三成からの褒章はほとんど望めませぬぞ、秀秋殿！！」

その家臣が焦っている様子が妙に可笑しくなってしまった。
何をそんなに慌てているのか！

「フフフ、秀秋？　そんな名前で私を呼ばないで欲しい。
　石川…いや、“チャーミー小早川”とお呼びッ！！！」


バアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ！！！


「ちゃ、ちゃーみー…！？」

この者や、他の部下達も何のことだかわかっていないのだろう。
でもね、今やこの男の体はこの私、石川梨華の操り人形！
誰も私がこの男を操っていることなど気づきはしない！

「全部隊に伝えよ！　全速力で山を下り、一気呵成に攻めろと！」
「は、はいぃぃ！！」

ここまでー

＞六部さん
完乙です！
描写もなくやられる財前ｶﾜｲｿｽ…ｗ

＞915さん
ATWが未来から何かを仕掛けてきてから5分以内は
やっぱりそのまた未来から加勢に来させるなんてことは出来ないんですかねｗ

＞前スレさん
全員出てくるんだｗ
あおいちゃんに、それにホマキも！

＞52　610さん
ニーチェは知ってたけどチャミは知らなかったｗ

>>73
一応そこら辺の制限は無いと思います。
今回も前のタイムスリップが完結してないのに
新たなタイムスリップをしているし

でもあんまり無制限だと無敵技が出来るんだよなあ
30秒ごとにパンチを１発繰り出すとしても10発同時打ちとかになっちゃうもんなあｗ

まあ、まだ未解明な部分がある＆都合が悪くなってきたら制限かけます（死）

関ヶ原についてはこちらを見ていただければだいたいの両陣営の布陣がわかると思います
もちろん小説の中には片倉景綱や立花統虎など実際に本戦に参加してない武将もいますがｗ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%BB%E5%83%8F:Sekigahara.png

＞915さん
それが無制限なら結構無敵だなあと思いながら読んでましたｗ

ほ！

ロードローラだっ！！！！！

みなさん乙です！

915さん…やっぱバトルシーン書いた方がスピード感あって良いすね！向こうにも書いときますた
前さん…後藤！？…じゃないですねｗ何か違和感を感じたのでまとめ見たら加筆されてますた！
ﾏｲﾏｲさん…ゲーム内だから出来る歴史のifですが、ﾏｲﾏｲさんの力の入り具合が伺えますねー！

皆様乙ッ！
>>63
ケータイ刑事か？！

おは〜

そうですね、同じ時間に二つ以上の違う未来の時間から出現、
つまり二つ以上のATWが同時に出現って描写は無いし
さすがにそれは反則っすよね、っていうか収拾つかなくなるやｗ
ってことでそういう事は出来ないらしいです（爆）

あと、6部198さんが掲示板内で言っておられる
「もし５分以内に出現させられなかったら」は
まあまったりお待ち下さいです

おは歩

皆様ホントに乙ですー！
今夜にはゲームUPとレスしにきます。
…前スレhtml上げるの忘れてたぁ！それも夜で！

hozensisosu

ほ

ze

天候がスゴイです！
>>73　ﾏｲﾏｲさん乙！　ちゃ・・・・ちゃみーだとぉおおぉ？ｗｗ
三人出す必要が合ったので誰にしようか思案してたんですがテキトーに
知りもしないケータイ刑事をチョイスしました。故に喋り方とかは想像ですねｗ
しかも書き始めてから銭形4姉妹という事を知り夏帆はまた別の時使えば良いかなと
思いますた！
>>75　まぁ『時間を止めてその中を自分だけが動ける』のもよくよく考えれば無敵すぎ
ですからねぇ・・・
>>79　長く打ち込むと首が痛むので必要な描写が抜けてたりしてるので補足しときますた
>>80　ケータイ刑事だお。

食後保全！

ほ

そういえばボヨヨン岬はまだ出てないな

ボヨヨン岬かぁ・・・・・

遅くなりましたが前スレと例のスレhtmlで上げましたー。
デバッグ行ってきます！

ほ

乙です１

藤本に読ませるスレのhtmlもある！

ttp://mito.cool.ne.jp/keiyasuda/
完成！！
「エリックかめりんは王子様に憧れる（後編）」「ミッドナイト・スピード・スター！」です。
バイクって難しいっす…。

今回、198さんにmidiファイルをいろいろいじっていただいて、かなりBGM環境が快適になりました。
この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました〜。
次の「ドライブ・ミー・クレイジー！」と「舞波」は来週末出せる予定です。

>>95
一応このスレのことも語られてるし、置いとこうかな、と思いまして（ｗ

>>１さん
戦慄迷宮キタ（ｗ　あの回のハロモニホントに亀子パニックになってましたからね（ｗ
はぐれたれいなと高橋さんがどうなるかも楽しみにしてますー！

>>前スレさん
つい昨日、『美勇伝説�U』見ました、で、今エピ最初の夢のコントで大爆笑しました（ｗ
３人の連携バトルも楽しみにしております！

>>ﾏｲﾏｲさん
そういえば石川は取り憑いて操れるんでしたね（ｗ
元茨城在住としては、常陸の佐竹家がけっこうお気に入りでした。
西軍で負けて、秋田に飛ばされたときに根こそぎ茨城の美女を連れてったから秋田美人が生まれたとか（ｗ

>>915さん
時間軸ってなるとやっぱり難しいですよね。
ここでさらに「満月の闘法！」とかってなったらパニックの予感（ｗ　…ラストバトルであったり（ｗ

>>198さん
エピ完乙でした！ののさんの能力は汎用性がありそうですね！
ミキティとあいぼんさんの今後の展開もちょっと楽しみです（ｗ

>>なんみんさん
やべぇ、6部との闘いがリアルで楽しすぎですよ！
そして所長ｸﾙｰ!?真犯人の件も含めて楽しみにしております！

>>610さん
信念の強いほうが勝つ！無事勝ててホッとしている自分がいます。
お忙しいでしょうがﾏﾀｰﾘ頑張ってくださいねー。

ほ

>>96
364さん乙です！

銀色の永遠　〜安倍なつみは巻き添えをくらう33〜

さ、さあ、どれくらい保つかな？
普段だったら２分くらいは水の中に潜っているくらい出来るかもしれない。
でも、こんなにケガをして激しく動いていたら・・・・

そんなことを考えていた時だった。

「！！！？？？」

なっちはびっくりした。そして、自分の失敗に気づいた。
アミーゴは突然抵抗をやめてぐったりと動かなくなったのだ！

アミーゴとの勝負の分かれ目はもう「どっちが意地を張り通せるか」
になってしまっている。
だからなっちは『覚悟』をアミーゴに見せつけた。
自分の『覚悟』を見せつける事で精神的に有利に立とうとしたんだ。

だけど、それは大きな間違いだった。

仮にも小室学園のエース、そして、百戦錬磨の強者！！
そのプライドに火をつけてしまった・・・・・・・・！

なっちの一言で本来の格闘センスを思い出したアミーゴは、
力を抜いてひたすらじっとしている。

なっちの方が攻撃を受けていてダメージも大きいし、
何よりもこうしている今もアミーゴを捕まえていなければいけないから
力を込めている分消耗が激しい。

銀色の永遠　〜安倍なつみは巻き添えをくらう34〜

その間、アミーゴはひたすら体力の温存に努めて、
なっちが呼吸が出来なくなってアミーゴを抱きしめている手の力が
抜ける瞬間を待っているんだ！！

やばい、そうしている間にもどんどん苦しくなっていく。
残り、まだ１分はある。保たない・・・・・・・・・・・・・・。

なっちは永遠に感じられるくらいの時間を水中で過ごした。

意識が・・・・・・・・・遠くなっていく・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

手のフックが一瞬甘くなる・・・・・・・・・・・・・・・。

「今だッッッッッッッッッッ！！！！！！！！」

アミーゴはその瞬間を見逃さなかったッ！
『AROUND THE WORLD』は『チェイン・ギャング』の腕をふりほどいた！！！

「終わりだ、安倍なつみイイイイイイイイイイッッッッッッ！！！！」

ガキッ！！！！！！！

『AROUND THE WORLD』がふりほどいた勢いで
『チェイン・ギャング』の拳が狭い亀裂の中で、側面に激しくぶつかる！！！

「あははははは！！！！！私の勝ちだッ！！！！！」
アミーゴは水面を上昇して逃げようとした。

銀色の永遠　〜安倍なつみは巻き添えをくらう35〜

その時だった。

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッッッッッッッ・・・・・・・・・

突然、二人が沈んでいた亀裂内部の水が引いていく！

「なッ？？？？？？？？？」

水面はたちまちなっちの顔の高さまで下がってくる・・・・

なっちは何十秒ぶりかで息を吸い込むッ！！！！！！！

「アミーゴ、アンタがさっき『チェイン・ギャング』をふりほどいた時に、
　『チェイン・ギャング』の拳が壁にぶつかったんだよね・・・・・・」
なっちはそういうと、亀裂から逃げようとしていた
アミーゴを再び捕まえた！！！！！！！

「な、何が・・・・・・・・・、はッ！！！！！！？？？？？？」

二人のいた亀裂の中には、新たな亀裂が出来ていた。
そのため、亀裂内部の容積が大きくなったので、
結果的に水がそっちに流れ込んで水かさが下がっていたんだ！！！

「てめえッ！アタシがふりほどいた時に・・・・・・・」
「ぎりぎりだった。ホントぎりぎりだったよ・・・・・・・・・・・・」

なっちは再び溜まってくる水の中で、
『AROUND THE WORLD』をしっかりつかんで離さない！！

はいここまで

>>364さん
ゲーム乙です
また明日にでもやらせていただきますっす
んで、鈴木亜美と現在の演劇部メンバーがどう決着つけるか
まだあんまり考えてないんですが、
満月の闘法なあ、完全に忘れてたｗ

てか、オイラはまだどうもミキティがうまく使いこなせなくて(^^;;;

乙ッ！

満月の闘法って何だっけ？流法なら分かるが

嫌味な奴だな

ニスト二人でだぜ
あれだけの作品あればこっちに見落としだってある

みな乙

乙！

保全

朝保！

えぇ、自分もなんかおかしいと思いながら間違えましたよorz

「満月の流法」を「フルムーンのモード」と読めないバカですので、ええorz
仕事ｲﾃｷﾏｽ

乙でーす

みなさん乙です！

364さん…新作きましたね〜！特に『ＭＳＳ』の演出とかは気になるﾄｺﾛです！
915さん…まじ『ﾊﾟﾗﾄﾞｸｽ』になったらどうなるんだろう！？謎ですねー！

実はなんみんは前作の時点で「まんげつのりゅうほう」て読んでますたorz
で藤本が「流法おおォォ！」って語尾を伸ばす時に「おや？」って思ったんです

で、どこまで書いたっけ？確認してから出します

松島の前で起こる驚くべき光景…。
同僚達は『サバイバー』によって自動的に堂珍（以後はこう表記する）に向かって行くので、
避ける事も抵抗する事も無く、次々と融合され、人数を減らしてゆく。

「あ…ああ……」


ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ…


「よく分からないけど…あの人が……この腕の文字の能力の敵か……？」

紺野は突然目の前に現れた新たな敵を目にしてつぶやく。

今や人数は、『紺野』、『堂珍』、『松島』、『融合されたーズ』の4人だけ。
ついに松島は二人の前に姿を晒したのだ。

「ほう…やはり松島クンか。なんだかそんな気がしてたんだよ…、
　見えてもいないし声も聞こえていないハズなのに、不思議な事だ……」

「所長なのか！？顔は副所長なのに！？どういう事なんだッ！？」

「ああ、それか。私もついさっき思い出した。融合の副作用ってヤツだな…」

堂珍は記憶を思い起こすように、天井を見上げる。

………
……
…


時は川畑が『ホワイトスネイク』にディスクを奪われた所まで遡る……。


ﾄﾞｸﾝ……


川畑の心臓は最後の鼓動を打つ。目は二度と開かない。呼吸もしない。


…………


ドタドタドタドタ…！


「か…川畑クン！！心配になって来てみたらッ！！」

堂珍はグッタリと横たわる川畑の体を抱え上げる。

「川畑クン！！川畑クゥ〜ン！！しっかりするんだァァッ！！」

せっかくの呼び掛けにも、川畑は全くの無反応だ。もはや死人そのものである…。

「か……川畑クンが…死におった……ションナッ！！！！」

目に涙が浮かぶ。何かと手の掛かる男ではあったが、逆にそれだけに可愛くもあった。
自分のこれまでの…これからの研究に欠かせないパートナーであり友人でもあったのだ。

「……外傷は全く無い。まるで魂だけ抜かれた様だ。これが敵の能力か……？」

堂珍はまだ諦めない。諦めずに最後に勝利を得たある男と少女達を彼は知っている。

「……川畑クンはまだ死んじゃあおらん！！」


ドシュゥゥゥゥンッ！！


自身のスタンド、『ケミストリー』を発現させる。そして、スタンドは堂珍と川畑を掴む。

「私達は二人で一人のようなものだ…。二人いてこそ！究極のハーモニーーィッ！！！！」

パワワワワワワワ…

光が二人を包み込む。そして…、


チーーーーン！！

………
……
…


「どうせならと、敵の目もごまかすつもりで顔は川畑クンのままにしたのだよ。
　いかんせん体は私のものだから、顔のわりにひ弱でしょうがないが…」

とっておきの秘密を明かす子供の様に、堂珍はニカニカと笑いながら話す。

「当然、スタンドもしばらく封印したままにして、精神的にも問題も無かったのだが、
　君達の精神や記憶に作用する能力によって、『ノイズ』が生じた。
　さらに私自身の記憶にも混乱を生じてしまった。互いの精神の干渉が起こったのだろう」

真顔に戻る堂珍。その野性的な鋭い目を松島に向ける。

「しかし、紺野さんの一言で少々不思議な事が起こった。
　なぜか君が見える気がした。声が聞こえる気がした。頭に直接浮かんだのだよ。
　おそらく…川畑クンが『記憶を失わせる』能力からの影響を中和してくれたのだろう…」

「な、何を…副所長は『精神』そのものを失ったのでは……？」

「人の『心』とは何も『記憶』だけによるものでは無いのだよ。
　川畑クンは『記憶』を失っても『心』までは奪われなかった。
　その……川畑クンの『心』が私を救った！！私達の『友情』が救ったのだァァッ！！」

松島はもはや聞くに堪えないのか、腕を大きく振って話を遮る。

「ならばッ！！その『心』もろとも奪い去ってやるッ！！『JAIL　HOUSE　LOCK』！！」

『JAIL　HOUSE　LOCK』が床を伝い堂珍の足元に伸びる！！

「始めは絵かと思ったぞ。そんなに床を這うのが好きならば……」

『ケミストリー』は床に手を当てる。

「本当に絵になってしまえェェッ！！」

「！！！！」

チーーーーン！！

『JAIL　HOUSE　LOCK』の動きが止まる。その上に立つ堂珍も記憶を失った様子は無い。
松島は顔を硬直させたまま額に汗をかいている。そのまま動こうとしない。
いや……。

「う…動けないッ！！」

「松島クン、『ロック』とは『錠』の方かね？それとも『岩』か？
　いずれにしても、岩の様に『ロック（固定）』されたわけだ」

「うう……」

「やはり、究極を語るには早かったな君は……では、お仕置きだ」

！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！


「ラーララーーラララーララーーラーーーーィエーーィエィエーーーーィウォーーーーゥ！！
　ィヤーィヤーーャャャーーウォーゥウォーゥウォーフゥゥゥゥーーーーーーッ！！！！！」


ドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガ
ドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガ
！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！


堂珍の独特の掛け声と合わせての『ケミストリー』のラッシュ！！
その美しいメロディに乗せた、澄んで伸びのある高音の掛け声は、
もはや掛け声などではなく……『歌声』だった！！

「ぷわぎゃおおおおおおおおおおおおォォォォォォォォッ！！！！！！！！」

松島は遠くの壁に激突し、そのまま気絶する。

「やはり私のォォ！『ケミストリー』はァァァァ！！世界一ィィィィィィィィッ！！！！」


バババアアァァーーーーァンンッ！！！！

「川畑さん！！」

紺野が駆け寄る。

「あ！堂珍博士なんですね…？」

堂珍は右手を高々と掲げる。

「いかにも、私がァァァァ！！堂珍科学研究所所長のォォォォ！！
　どォォちィィィィン！！よォしィィくにィィィィ！！であるゥゥゥゥ！！」

すると、なぜか紺野も真向かいに立ち、同じ様に手を真っ直ぐ天に伸ばす。

「はい、はじめましてェェェェッ！！所長ゥゥゥゥッ！！」

「うむッ！？ノリのォォ！良い娘だァァァァァァァァッ！！！！」

「ありがとうございまァァァァッすゥゥゥゥゥゥゥゥ！！」


どこまでも能天気な二人だった……。

そして…


「さて、この者達はしばらくここで休んでいてもらおうか。怪我は後で治してやるとしよう」

「え？博士の『ケミストリー』は怪我も治す事が出来るんですか？」

紺野は意外そうに目を丸くしている。

「当然だ。どんな怪我や病気であろうと、私に治せないモノなど無い。さて……」

堂珍は紺野をジッと見つめる。

「君もすいぶんと傷付いている様だな。年頃の娘が痛ましい事だ、両腕を出しなさい」

「はい！？」

「良いから良いから、均してあげよう…」

「ナラす……？」

紺野はその言葉を疑問に感じながらも、そっと両腕を堂珍に差し出す。

左腕に痛々しく刻まれる『記憶を失わせる能力』という文字。
しかし、それだけではない。
もはや全身が傷やアザで覆われていると言っても過言では無い。
正義や信念の為とはいえ、彼女達はあまりに傷付き過ぎる。

「時間があればもっとゆっくりと治療してやるところだが、今はこの程度で我慢してくれい」

『ケミストリー』は両手で紺野の両手をそれぞれ繋ぐ。

「それェェェェェェェェッ！！！！」


パワワワワワワワワワワワワ……！！


紺野の全身が光ったかと思うと、みるみると顔や腕の傷やアザが目立たなくなってゆく…。

「海水浴に行くと、砂浜に文字や絵など棒切れで落書きをしてみるだろう？
　ソレを波がサラうと落書きは消えて、元の平らで綺麗な砂地に戻る。均されたワケだな」


チーーーーン！！


「それと同じ事だよ。瞬間的な『分離』と『融合』の波が、君の傷付いた体を均一化した」

紺野の傷は……すっかり消えてしまった！！

「麻琴から色々聞いてはいたけど……すごい、こんなことまで出来るなんて！！」

「フフフ、技術、能力というものは常に進化してゆくものなのだよ」

「でも、演劇部とは一度は敵として戦った者同士だというのに……。
　今日出会ったばかりの私や虹村君のお父さんの事まで、
　こんなに良くしてもらえるなんて、驚きと感謝の気持ちでいっぱいです」

その紺野の言葉に堂珍（顔は川畑だが）は優しく微笑む。

「人間もまた変わってゆくもの…私は目覚めたのだよ、あのエネスコの一件でな……。
　藤本さんのあの言葉は今でもしかと覚えておる……」


『今、人ひとり助けらんねーヤツが世界の未来を語ってもあたしはそんなモン信じない』


「……キツい一言だった。この私の天才的頭脳にガツンときたよ。
　だから私は…今出来る事をやろうと思うのだよ。今救える人を救おうと思うのだよ。
　それが、いずれ未来へとつながる。そう教えられたのだよ。この私が。いち女子高生に。
　藤本さんは過去を変える能力を持っているが、その真のベクトルは未来にあるのだな」

「ミキティ…藤本さんは今や演劇部、いや私達にとって無くてはならない存在なんです」

「演劇部とは一体何なのかね？それだけの勢力を持つとなると、
　その気になれば、町に相当の支配力を及ぼすだろうに…」

「まさか…支配なんてつもりは……」

「私もかつて囚われておったので忠告するが、本人達の意思とは無関係に支配力、
　……いいや、『支配欲』は成長してゆくものなのだよ。
　口では『正義』を唱えても、それもまた『エゴ』に過ぎないのだな。
　『自分達は正しい』と思っておっても、同様に『自分達は正しい』と思う者達が、
　演劇部を潰しに現れるかもしれん……という事だよ」

「…はい」

紺野はかつて演劇部のスーパーエースと呼ばれた『後藤真希』を再び思い出した。
彼女もまた純粋に『正義』を貫いた結果としてああなってしまった…。
『正義』も度を超すと『脅威』に変わる……自分達もまた同様に言える事なのだ。

話をしている間に、堂珍は自身の応急治療も終える。

「それはそうと…これでは私をどう呼んで良いのか分からんだろ？
　まあ、気軽に『かわちん（川珍）』とでも呼んでくれい」

「な…なんか嫌だッ！！」

紺野は普通に『堂珍さん』と呼ぶ事にした。

『寺田枠』……という言葉が演劇部の中で囁かれることがある。


それは、いわゆる『歌』や『ダンス』といった演劇部員としての才能では無く、
あくまで『スタンド使い』としての才能を買われ、入部した者を指すらしい…。

紺野あさ美は、入部当初『歌もダンスも赤点』、『劣等性』とまで言われていた。
それゆえに、空手をたしなみ、さらに空間を操る特殊能力を発現した彼女は、
あくまで『戦闘員』としての需要を満たす者…と周囲から見られがちだった。

確かに寺田は優しかった。決して彼女にだけ特別という訳では無いが、
彼女の空間能力に大きな興味を持っていたのは確かだった。
それがますます『寺田枠』という言葉の意味を深めてゆく結果になってしまった。

もちろん、今現在、彼女をそのように囁くものなどいない。

１つは、寺田が以前とは様子が変わって来ている事にある。結び付きが弱くなってきたのだ。
それともう１つは、彼女自身の努力の結果として周囲に認められた事である。
今は演劇部内の『頭脳』そして『ムードメーカー』として、欠かせない存在になっている。
恐らく、彼女がいなければ演劇部はもっと暴走した組織になっていたであろう。

演劇部は決して一枚岩ではない。突出した個性の集まる寄せ鍋の様なものだ。
それを『剛』としてのリーダーシップで『まとめている』のが吉澤ひとみだとするならば、
『柔』としての仲間意識で自然に『まとまってしまう』のが紺野あさ美の特徴なのだ。
演劇部にとって彼女を失う事は、『感情の抑制』を失う事に相当する。

「まあ、私も言うほど大人ではありませんが…フフ……」

…………


（やはり演劇部、戦い慣れしている……ディスクで操るだけではさすがに敵わないか……）

ここまで見事にやられると、もはや神父としても焦りすら感じない。感嘆すら覚える。

（仕方ない。倒そうなどとは考えずに、ディスクを奪うことに専念するんだ……。
　こちらにはまだ石巻と波音がいるからな……そしてまずはディスクの回収も…）

「なんだよ神父さん、そろそろ俺の出番かい？」

人の気も知らない波音が暢気に話掛けてくる。

（この男がアテになれば良いのだが、いまいちその才能は未知数だ……）

「あいつ等って一体なんなんだ？俺は単に邪魔な連中を殺すつもりなだけなんだが…」

とんでもない事をアッサリと言う。だが、それが悪の才能なのか…？

「私の知らない相手では無い。はっきり言って強敵だ。
　向こうも目的は『ケミストリー』らしいが、あの学生服の男……『虹村』と言ったか？
　その父親を元に戻すとか言っていたな……」

「！！！！」


ガシッ！！


波音が神父の肩をキツく掴む。

「神父さんよォ…あんた今、『虹村』って言ったか！？言ったよなァ〜？」

肩に指が食い込む。グイグイと圧し込まれ、神父はその力で後ずさりする。

「それがどうした？『虹村』というヤツが父親を救う為に仲間を連れてここに来ている。
　私が探していた堂珍博士まで味方に引き入れ、こっちの計画はまるで台無しだ」

「そうか…あのバケモノ……アレが虹村かッ！？！？イギギ…ハァッ！面白いッ！！
　それでその息子が父親を救う為にここに来たってワケか…面白い面白いッ！！」

今度は唾を飛ばしながら、神父を激しく揺り動かす。さすがに、神父はそれを振り払う。

「ついてないなァ〜、親子揃って全くついてないよなァ〜！！なぜならよォ〜！
　今回もまた俺様の手によって不幸のどん底に落とされるんだからなァ〜！！」

「戦うつもりか？相手のスタンドはなかなか厄介だぞ」

「なんだ、息子もスタンド使いか？そりゃあ良い、対等の方が後腐れが無いからな」

「父親もスタンド使いなのか？」

「ああ、そのハズだぜ。滅多に見せなかったんで、俺はどんな能力かは知らないが…」

（怪物のスタンド使いか……興味はあるが…今はそれよりも……）

「波音、君がスタンドを上手く操作出来るようにならなければ、まず勝負どころでは無いぞ」


グイ…グイ…


「ん？」

神父の衣服のボタンが見えない力に引っ張られている。それは段々と強くなる…。


ブチーーィンッ！！！！


ボタンが糸を引き千切って、波音のスタンド『テスラ』に向かって飛んで行く！！
金属製の複雑な装飾が施されたボタンだった。
『テスラ』の磁力に引き寄せられたのだ。


ブブブ……ブーーーーンッ！！


スタンドの直前で、今度は反発力で上空へと跳ね上がって行く！！
『テスラ』はコイルを巻かれた両腕をそのボタンに向け突き上げる。


バリバリバリ…ドッパアアアアアアアァァァァ！！


コイルから放たれた激しいまでの電流がボタンを直撃する！！
当然、ボタンは跡形も無く消し飛ぶ。
これは正直、神父の想像以上であった……。

「ま、この程度だけどな……まだ不十分かい？」

「……グッド！」

………
……
…


過去……


ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ…


「フフフ…あの虹村という男、なかなか面白い才能の持ち主ではないか…」

長身で金髪、背中に星型のアザのある男……。
上半身裸のまま、ベッドに横たわりながら本を眺めている。
時折、横の小さなテーブルに置いてあるワイングラスを手に取り、口を軽く湿らす。

「しかしながら…ＤＩＯ様、あの男にあの能力……我々にとって価値のあるものなのか…？」

その側に立つ長髪の男が答える。ＤＩＯは軽く笑った…ように見えた。

「ヴァニラ・アイスよ……人間とは時として、我々の想像を超える力を発揮する事がある。
　フフ…かくいう私もかつては人間だったがな……それはどうしてだと思う？」

「想像を超える力ですか……？」

「それはだな…『信じる心』だよ」

「…………」

「あの人ならば信じられるという『信頼』、自分は間違っていないという『信念』。
　これら『信じる心』は人に圧倒的なパワーを与える。勇気を与える。命をも超えるのだ。
　……私はかつてジョナサンのそれに敗れた。今はこうして私の肉体となっているが…」

ＤＩＯはいつになく饒舌である。よほど虹村という男に期待を持っているのか…？

「私にもまた信頼できる部下がいる。彼等は私に忠誠を誓ってくれている。
　虹村という男もまた強い『信じる心』を持っている。『家族の絆』という力を。
　息子の病気の手術代の為に私に従う……涙ぐましいじゃあないか？
　私はその心を利用させてはもらっているが、それは時に危険をもたらす。
　『信じる心は頼もしくもあるがまた時に厄介でもある』という事だな……」

ＤＩＯは本をパタンと閉じ、机の上に置く。そして、ワインを一気に飲み干す。

「だから今回は……『肉の芽』を使わせてもらおう……」


ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ…

………
……
…


闇の中。
ほとんどの動物達は眠りに落ちているが、夜行性のモノはまだ怪しくうごめいている。
こうした保護されたモノ達はこれからどうなるのだろうか？
珍しいものは動物園等にでも行けば良い。しかし、他の保護しきれないモノは……？

「ニャァ…ニャァ…」

怪物と子猫……なぜだかその組み合わせが微笑ましい。


プチ…ポイ……プチ…ポイ……


億泰の父親は体の一部を小さく千切っては、子猫の方へと投げる。
それを…なんと子猫は食べている。
仲間にエサを分けて貰えず、相当に腹が減っていたのだろう。
目の前に差し出されると、すぐに平らげてしまう。
はたして食べても良いモノかは分からないが、少なくとも子猫の様子に異常はない。

怯えていたハズの他の猫達も慣れたのか、子猫の様子を見て安心したのか、
怪物が来る以前の通りに動き回っている。とは言え、子猫をイジメる事も無い。


ｶﾞﾀﾝ！ｶﾞﾀﾝ！

「ｵﾜｯ！ｲﾃｯ！」


しっかりと錠の掛けられたドアの向こう側から物音と声がする。誰かが近付いて来ている…。
落ち着いていた室内がまた少しだけざわめく。


ガチャガチャ…


鍵の開けられる音。鉄格子とガラスの向こう側に、ここの施設の男の姿が見える。

「痛い！痛い！ちょっと待ってろ、コラッ！」

一体誰と話しているのだろうか？男はしきりに足元を気にしているようだが…？


ガタ…ギイィ…


ドアが開く。そして、男に抱えられて部屋に入って来たモノとは…？

「ﾝニャーーンッ！！」


「おぁぅ…！？」

怪物…億泰の父親の目に飛び込んできたのは、見覚えのある生き物…、友達…、
これまで一緒に暮らしてきた家族…、迷える猫、『ストレイ・キャット』……猫草だった。
自分と同じ様にここで保護される事になったのだろうか？
いや、植物になりすまし人間の目をやり過ごす事はできたはずだ。
ワザとだ。父親の元へ行く為にワザと捕まってここまで追って来たのだ。
それもまた『信じる心』なのだ。


「おぁおぁぁ…おぁぁ…」


怪物の目からは再び涙が流れる…。

自分は大丈夫……耐えられる……
どんなに不気味なバケモノに姿を変えようとも……
どんなにどん底の境遇に陥ろうとも……
いつだって自分にはちゃんと愛するモノがいる……
愛してくれるモノがいる……！！

男鹿隼人　再起不能　ディスク回収
スタンド名：マンハッタン・トランスファー

塩釜一輝　再起不能　ディスク回収
スタンド名：フー・ファイターズ

気仙沼龍介　ディスク回収　
スタンド名：サバイバー

松島義彦　再起不能　ディスク回収
スタンド名：JAIL　HOUSE　LOCK

融合されたーズ　思考の混乱状態



TO BE CONTINUED
────────→

ここまで！いちおーエピ完！

なぜだか知らないけどすぐ『名無し』に戻っちまうんすよ！直すのがﾒﾝﾄﾞｲ！
まあ裸にならないだけ良いのかもしれませんが…
あとどれくらいで連投規制くらうのかな〜なんてﾋﾞｸﾋﾞｸしてましたねー！

次回からまたちょっぴりｻﾌﾞﾀｲを変えて話を続けます
みなさんではではﾉｼ

みなさん乙ッ！

otu

乙！！

サバイバー
http://hellogirls.myphotos.cc/files/data/hellogirls8859.jpg

やっぱ紺野は強そうだな

格闘の素養があるのが一人だけだからな

他が漫画みたいな構えに対してモロ空手だもんな
それに右手の光り具合がまじサバイバーっぽい

乙です！
ってところで一つご意見伺いたいことが
ネタばれ掲示板に書きましたんで
特にニストの皆さんにご意見いただければ

hotu

久住はただのダメ出しじゃん

乙！

乙ッ！
融合されたーズってw

hozen

保全疾走

皆さん乙です！

＞364さん
実はゲームが全然進んでませんｗ
まだすごい前半だし…難しい
ちなみに俺は長崎出身なので割りと近い龍造寺や立花、高橋氏が好きでした

＞915さん
一進一退の攻防でしたがそろそろ決着つきそうな感じですねえ

＞なんみんさん
敵の名前が宮城宮城してますねｗ
融合されたーズてｗ

>>142
確かに、こんこん余裕の表情って感じだなあ
あと高橋の目ヂカラがいい

＜夏焼雅＞

ガキッ　ガキイイイィィィンッ！！！

「なかなかやるな、小娘」

私の槍と、その大柄な男の槍とが何度もぶつかり合う。
これまで兵士と違い、男はまったく退かない。

「強い…！」

私と立花統虎さんは、鉄壁の田中吉政の隊を避け
筒井定次、松平忠吉の隊を突っ切り
中山道を進んで直接大将の徳川家康に挑もうとしていたのだが
その前にこの男が立ちふさがったのだった。
これまでの武将のように楽々と倒せると思って
統虎さんの前に出て攻めかかったのだけど
この男は、今までの武将とは一味違うようだった。

「雅どの、その男は…！」
「大丈夫です統虎さん、私に任せてください！」

ガキィッ！！

再び槍どうしが交錯する。

ギリギリギリギリ…

押し返せない…！
スタンド自体のパワーを使ってようやく互角の力。
なんて馬鹿力なの！！

「俺は本田平八郎忠勝！　娘、おぬしの名は？」

やはりこの男が戦国最強の本田忠勝！
ゲームの中のステータスもかなり強めに設定されているってことね！

ギリギリギリギリ…

「私は夏焼雅！　槍の名は『セクシー・アダルティー』！！」
「ふふ、妙な名の槍だ。　俺の槍は『蜻蛉切り』！！」
「妙なのはそっちも同じでしょ！！　そんな槍、へし折ってあげる！！」
「そんな悠長なことを言っている場合か？　周りを見てみろ」
「…え？」

槍に込める力はそのままに、私は辺りを見回した。
右、左、後ろ…全てを敵に囲まれている！！

「雅殿、囲まれてしまった。　突出しすぎたようだな…」

私の後ろにいた統虎さんもその様子に驚いていた。
しかし、焦っているようには見えない。

「本当は忠勝殿とは私が闘いたいところだが、雅殿に譲ろう。
　周りは我々に任せて、存分に闘ってくれ！」
「統虎さん…」

統虎さんは部下達を円のようにぐるりと自分の周りを囲ませ
部下達とともに鉄砲を手に取った。

「ものども、雅殿の援護だ！　我が立花の鉄砲隊の力を見せてやれ！」
「「おおおーーー！！！」」

パンッ！
パン、パパパパパパパパパパパンッ！
パパァン！　ドパパァァ！！

尋常ではない速さで弾が放たれている。
今までイベントで見てきた鉄砲隊よりも3倍近く早い。
周りの敵兵も次々と倒れていく。
統虎さん、すごい！　これなら勝てる！！

「余所見をしている場合か、夏焼雅！」

グオンッ！！

本田忠勝が、交差していた槍を突き放して大きく振りかぶった。
このまま私をなぎ倒すつもりでいるのだろうか。
しかし、これは勝機…！

「スキありッ！
　夏焼家秘奥義・撫流那駆（ブリューナク）！」

スウッ…

夏焼家に伝わる奥義に、スタンドの力を織り交ぜる！
セクシー・アダルティーは槍を振りかぶる本田の腹部に
音も無く、吸い込まれていくように突き刺さった。

「お腹がガラあき！　私を甘く見たわね！」
「お…おおお…」

ドサァッ！

『本田忠勝撃破！　石高…』

本田が倒れると同時に、テロップが浮かび上がってきた。
戦国最強の男なのだから、かなりプラスされるんだろう、
と、喜んでいた矢先…

ズドンッ！

一発の銃声が響く。
背後の統虎さんの鉄砲隊のほうではなく
私から見れば左手側の方向から…

「本田忠勝を倒したか…槍の腕前があってこそだな。
　さすがだ、雅ちゃん」

この声、富樫明生！
左手側から富樫社長と数十名もの敵兵がこちらに向かって歩いてくる。
社長さんは鉄砲を持っていない…では、さきほどの銃声は…？

「う…うう…」

背後からうめき声がする。
この声は…まさか！　まさかああ！！

「雅殿…油断してしまった…」
「統虎さん！　しっかりしてください！！」

地面に倒れこみ、血を流している統虎さんに駆け寄った。
立花さんの周りの鉄砲隊もほぼ壊滅状態である…。

「私はここまでかもしれない…
　勝たねば…この戦…義のためにも…雅殿…」
「統虎さん！　そんなこと言わないでください！」

統虎さんは私の腕の中で荒く息をしている。

「立花鉄砲隊の『早込』の凄さは知っている。
　歴史上でも有名だし、まあなんせ、設定したのは俺だからなあ」

徐々に近づいてくる富樫社長が、私達を見据えながら言う。

「しかし、その立花以上に素晴らしい銃の名手を俺は知っている。
　そしてその男を、俺は味方につけた！！
　雑賀衆頭領、鈴木孫一！！！！」

鈴木孫一！？
そんな、彼ら雑賀衆は歴史上は西軍に味方したはずでは…
いや、この富樫社長がゲーム中で彼らを味方につけ
その上で東軍についたということか！！

「チェックメイトかな、雅ちゃん。
　そろそろ小早川秀秋が寝返る頃だ。
　回りも敵だらけだし、降伏したほうがいいんじゃあないか？」

負け…こんなところで負けるのか…

「社長さん…私がもしここで降伏を宣言したらどうなるんですか？」
「降伏の場合は石高が半分に減るだけで済むが、徹底抗戦して負けた場合は
　石高が3分の1になる！　降伏したほうが得だと思うけど？」

石高半分か3分の1。
でも別にゲームが勝つことが私の目的じゃあない。
一刻でも早くクリアして、富樫社長に話を聞くこと！
でも…でも…悔しい！！

「まあ決めるのは君の自由だ。　好きにすると……ん？　アレは…」

富樫社長が視線を移す…その先には…


ドドドドドドドドドドド！！！


味方の軍勢！　それもかなり多い！

「そんなバカな！　あれは小早川秀秋！　東軍に寝返るはずでは…
　それに大谷吉継や小川祐忠も合流している！！
　まさかあああああああ！！！！
　福島隊や京極隊、藤堂隊まで破ってきたのかあああ！！」


“HO〜　ほら行こうぜ！！”


救援の小早川隊から、妙な掛け声が聞こえてきた…。

ここまで

やっぱ描写が上手くできないです…
てか、この戦国ゲームは早く終わらせるつもりだったんですが
なんか妙に長くなっちゃってすみません…

まずは乙ッ！

乙！

乙です！

保全

ぬ

早いがしばらく出来ないので保

銀色の永遠　〜安倍なつみは巻き添えをくらう36〜

あと・・・・20秒・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「くそおおおおおおおおおッッッッッッッッッッ！！！！！！！！」

あと・・・・・・・・・10秒・・・・・・・・・・・・・・。

「さあ、どうなるんだろうね、アミーゴ」

３・・・・・・、２・・・・・・・・・・、１・・・・・・・・・・・・・・・。



０！！！！！！！！！！！！



『AROUND THE WORLD』が未来から出現した時間から５分が経過した！！
『AROUND THE WORLD』は５分前までしか行く事が出来ないから、
タイム・パラドックスが起きないためにもこれで何かが起こるはず！！！！！！！！

「あ、あ、あ・・・・・・・・・・・・・」
アミーゴがおびえた表情をする・・・・・・・・・。

「！？」

銀色の永遠　〜安倍なつみは巻き添えをくらう37〜

突然、『AROUND THE WORLD』は信じられない力で
『チェイン・ギャング』の腕を振り払った！！
なっちは一瞬あわてるけれど、すぐに様子が変なことに気づく。

『AROUND THE WORLD』は射程距離２メートルのアミーゴからも離れて
まるで幽霊のようにすぅ〜っと亀裂の中から地上に浮上してしまった・・・・・・・・！！！！

そして、地上にたどり着いた『AROUND THE WORLD』は
５分前の出現ポイントまで行くと、右腕を時空間につっこみ始めた。

「なるほどね・・・・・。
　普段の『AROUND THE WORLD』はオーソドックスな近距離パワー型だけど、
　タイム・パラドックスを生じさせない必要があるんで
　５分が過ぎたらタイムスリップ作業を優先するために、
　噂に聞いたことのある遠隔自動操縦型ってヤツに切り替わるんだね。
　もちろんその間、『AROUND THE WORLD』は制御不能になるし、
　タイムスリップのポイントが離れているのなら、
　自動操縦って事で本体からの射程距離を越えて移動出来てしまう・・・・・・・・・」

「あ、あ、あああ・・・・・・・・・・・・・」

「アミーゴ、今のアンタは最高に無防備だね・・・・・・・。
　聞いたことあるよ。遠隔自動操縦型スタンドの弱点は本体だって」
「あ・・・・、『AROUND THE WORLD』オオオッッ！
　早く戻ってこいィィィッッッッ！！！！！」

銀色の永遠　〜安倍なつみは巻き添えをくらう38〜

「無駄だよ、ほら見てよ。もがいている。
　『向こう』でなっちが腕をつかんでたからだね。
　『AROUND THE WORLD』が戻ってくるまであと数秒。
　アンタをぶちのめす時間は充分に・・・・・・・・あるッ！！！！！！」

「ま、まｔ」

「うおおおおおおおおおおおおおッッッッッッッッッッッッッッッッッッ！！！！！！！
　ちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅら
　ちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅら
　ちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅら
　ちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅら
　ちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅら
　ちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅら
　ちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅら
　ちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅら
　ちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅら
　ちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅららあああああああッッッッ！！！！」

ドッパアアアアアアアアアアアアンンンンンンンッッッッッッッッッッッッッ！！！！！

「ねえアミーゴ、なっちの勝因わかる？
　なっちの勝手な想像だけどさ・・・・・・・・
　過去は変えられないけど、『未来は変えられる』からだよ、きっと。
　あ、もう聞こえてないか・・・・・・・・・・・・」

はいここまで〜

>>なんみんさん
融合されたーズにはオイラも爆笑しました

>>マイマイさん
書き損ねていたけれど、文学部史学科日本史専攻
中世（室町・戦国期）ゼミ出身者には今回の話はいつにもましてワクテカです（爆）

乙！

ま、まさか>>121の堂珍の歌声は…
「PIECES OF A DREAM」のイントロでは！？（ｗ

おちゅー

うぉんちゅー

ほ

保全がてら戦国人名解説でも
今回はハロメンと同じ苗字の武将を紹介

三好政勝…
織田、豊臣、徳川と仕える。
真田十勇士の三好伊三入道のモデルとされている。

亀井茲矩…
尼子氏滅亡後、豊臣、徳川と仕え、その後は海外貿易などを行う。
兄の子孫に衆議院議員の亀井静香がいる。

田中吉政…
豊臣秀次、徳川と仕え、城や街の整備などに長けていた。
福岡の筑後柳川に領地を与えられ、街道や水路の整備を行った。

大谷吉継…
豊臣家家臣で、石田三成の親友。関ヶ原にて小早川秀秋に恨み言葉を残し自刃。
ハンセン病患者であったとされる。

小川祐忠…
浅井、織田、明智、豊臣と仕える。
関ヶ原にて小早川秀秋とともに東軍へ寝返る。

鈴木孫一…
雑賀孫一（孫市）という名でも知られる雑賀衆の頭領。
孫一の名は鈴木重意、重兼、重朝、重秀など複数が名乗っている。

乙

みなさま乙ですー！！

>>前スレさん
組織戦、来てますね〜！！美勇伝３人の共闘が楽しみッス
それにしても前スレさんはいろんな『単語』知ってますね！！(『朴訥』とか)
そういった知識にうとい自分は素直に敬意を表するッ！！

>>915さん
タイム・パラドックスを絶対生じさせないために遠隔自動操縦になってしまうのか･･･
自動操縦型のスタンドって基本強いイメージがありますが、アミーゴの場合は
元が近距離だからそうなると完璧に短所になってしまうという･････面白いなぁ

>>364さん
ゲーム乙ですー！！やりました！！！
以前自分が書いた話ってほとんど読まないもんだからゲームしてるとちょっと恥ずかしくなりますｗ
そして『ＭＳＳ』！！この話と『ＤＭＣ』の疾走感やっぱ好きだなぁ〜

>>198さん
ＮＯＮＳＴＯＰ！！名前の通りの能力でｶｺｲｲっすね！！
ミキティの自分のスタンドに対する苦悩も久々に見え隠れしてますね
最後の『後日、田中れいなによって消滅させられる』に熱くなった俺がいますｗ

>>610さん
力で押し切って勝つってシチュエーション、主人公ならではですねー！！
ミキティが空間の時間を戻し、一瞬焦りつつもすぐ落ち着きを取り戻す
桜井さんの描写にブルッと来た〜ッ！！

>>ﾏｲﾏｲさん
そういえばザ☆ピースって人の身体の中に侵入できたんすよねｗ
後先考えてなかったからその辺はまんまハイエロファントなんだよなぁ･･･
石川さんの起こす行動がホントそれらしくて面白いッスｗ

>>なんみんさん
「『自分達は正しい』と思っておっても、同様に『自分達は正しい』と思う者達が、
演劇部を潰しに現れるかもしれん……という事だよ」
この部分で5部の暗殺チームを思い出しました！！
そして回想ではあるもののヴァニラ･アイスに感動！！信じる心････か


２レスにわたって失礼しました！！
ではではﾉｼ

朝保全！

乙ッ！

おは保！

みなさん乙です！

ﾏｲﾏｲさん…趣味にさらに取材を重ねたのでしょうか？こちらも色々勉強になります
　　　　　ちなみに「茲矩」って何て読むのでしょうか…？
915さん…こちらは先の展開をかなりﾋﾔﾋﾔで待ってましたが…なるほどです！
　　　　 ちなみに安倍の掛け声はなぜ「ちゅらちゅら」なのでしょうか…？

冒頭しか書けなかった…

２部でワムウがナチスを繋げて中身を吸い取る場面がありましたが…パタパタってヤツ
されたーズはあんなマヌケな感じですね…ちょっぴり可愛くて

>>171（364さん）
実際アルバムの最初や中盤にあるイントロダクションは意識しました！
でも実際にあんなスキャット歌って人殴ってたらただのアホですねｗ

ほ

>>159
乙ッ！
梨華ちゃんｷﾀｰ!
>>169
乙ッ！
なるほど・・・強制的にてわけか
>>364さん
ゲーム制作乙ッ！
でもMSSで逃げながら戦うところは出来れば自分で操作したかったな

ze

ttp://tokunagachinami.info/cgi-bin/up/src/chinami0009.jpg
これってコラ？

そっくりさんじゃね？

誰のそっくりさん？

千奈美だろーねぇ。

保全疾走ｯ！

保全！

保全疾走

保全疾走

>>182
茲矩＝コレノリ
らしい

保全

りしゃまんぺろぺろ

>>185
頭の中の初期構想では「自由に動かしたらジョルカブがとんでもないところに動いていくかも」
（それこそガードレールを乗り越えたり、Uターンしてトラックの後ろ回り込んだり）って
考えちゃってたからなぁ…ある程度動きに制約かければやれそうなんでDMCでは挑戦してみるます。

>>なんみんさん
実際に曲のイントロ口ずさんで「これだ！」とか思ってました（ｗ
確かにケミの曲でラッシュしてたらアホっぽいっすね

何となく、ゲームの攻略っぽいものを作ってみました。
一部伏字にはしてありますが、見られる方はネタバレ注意、ってことで。
ttp://mito.cool.ne.jp/keiyasuda/gamekouryaku.html

ほ

>>198　364さん乙でした！MSSプレイしましたよ！
掲載時は『舞波』を書きたくて変な感じで尻切れになってたので
ああゆうアレンジは良かったです！
まぁ移動についてはMSSだとガードレールのれいなの仕事がやりたかったので
強制スクロールで良かったと思いますがDMCは結構自由でもいいんじゃないですか？

あと本当に申し訳なんですが次回うｐ時でいいです。
ジョルカブの塗装は『赤』ベースにして貰えますか？

銀色の永遠　〜安倍なつみは巻き添えをくらう39〜

生身のアミーゴは『チェイン・ギャング』のラッシュを浴びて、
亀裂の外に殴り飛ばされた！！！！！！！！！！！！

ドグシャアアアアアアアッッッッッッッッッッ！！！！！！

亀裂から飛び出たアミーゴが地面に激しく叩きつけられる音がした！！

「勝った・・・・・・・・かな・・・・・・・・」

再び水が溜まっていく・・・・・・・・・・・・・。

あ、やばいなあ・・・・・・・・。
さっき、アミーゴと浮かび上がらないように
亀裂の奥に突っ込んだ足がはまっていて抜けないべ・・・・・・・・・・・。
っていうか、さっきのラッシュで力を使い果たしちゃった。
もう身体動かないし・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

う〜ん・・・・・・、このままじゃ今度こそおぼれ死んじゃうな・・・・・・・・。

あれ、これじゃあアミーゴだけが助かっちゃうべさ・・・・・・・。
こういうのって、勝負に勝って試合に負けたって言うのかな・・・・・・・・。
まあ仕方ないか・・・・・・。
みんながなんとかしてくれるかな・・・・・・・。

なっちは今度こそ薄れゆく意識の中でそれだけを思って目を閉じた・・・・・・・・・。

銀色の永遠　〜安倍なつみは巻き添えをくらう40〜





「みんな急いで！！こっちこっち！！！！！」
「あぁ！！あれは・・・鈴木亜美ッ！！！！」
「あれ、アミーゴ気絶してるよッ！！！！」
「カオリ、鈴木なんかどうでも良いよ！！
　それよりヤグチ！なっちはどこだよ！！！！？？？？」
「その亀裂の中にいるはずだけど！！！！」
「あんた、『ブン・ブン・サテライツ』で見てたんでしょ！？
　はずって何よ、はずって！！！」
「うわ、これって『チェイン・ギャング』の能力？」
「おい！！亀裂の中、水が溜まってるぞ！
　あ、水の中になっちがいる！早く助けないと！！！」
「なっち！なっちが・・・！！」
「みっちゃん！りんね！ごっちんをどかせてや！！！！
　ウチの『T＆Cボンバー』で周りを吹っ飛ばす！！！！」

銀色の永遠　〜安倍なつみは巻き添えをくらう41〜

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「てな具合でね。５分過ぎちゃうとアミーゴの『AROUND THE WORLD』は
　すべての動作よりタイムスリップを優先して遠隔自動操縦になっちゃうの。
　その間に無防備になったアミーゴを吹っ飛ばしてなっちは勝ったってわけ。
　まあかなり危ない賭けだったんだけどね」
「なるほど。じゃあ５分間攻め続けて鈴木亜美に
　タイムスリップする時間を与えなければチャンスが生じるわけですね！」
美貴は安倍さんに言った。

ところが・・・・・・

「ねえ、ミキティ」
「は、はい？」
「なっちはね、それまでに何回かアミーゴとは闘ってきたけど、
　その時初めて『AROUND THE WORLD』が
　５分以上タイムスリップしなかったらどうなるか見たわけ」
「はい・・・・・？」
「さっきも言ったけどあくまで賭けだったの。
　アミーゴはとにかく５分すぎるのを嫌がっていたから
　きっとアミーゴにとって不利な事が起こるだろうなあって
　予想していたからなんだけどね。
　じゃあそもそも、なんでなっちは『AROUND THE WORLD』が
　過去に行けるのは５分が限界か知っていたと思う？」

「そうなんですね。紺野もそれがひっかかっていたんです」
「なんで・・・ですか？」
美貴は恐る恐る安倍さんに聞いた。

はいここまで〜

数名、３年前の部員の名前が出てますがまあサービスみたいなもんです（爆）

って、実際のところ今の設定で３年前にいたのって
安倍・矢口・飯田・後藤、入ったばかりの４期四人、
ついでに平家さんが岡田唯にやられたときたしか高３だったと思うので
当時いてもおかしくないなと。

しかしこうやってみると矢口は偵察要員だし、
飯田も謎だらけなんであんまり戦闘要員いなくねえ？ってことで
数名、名前だけ書き足しました。
『T＆Cボンバー』というスタンド名は先日の例のスレからいただきましたｗ
一応関西弁って事で稲葉さんを想定しています。

>>なんみんさん
オイラも何故かわかんないっすけど、「〜わたしはサイボーグ〜」で
そう叫んでいましたので。

あと、亀井茲矩といえば琉球守を名乗った事で有名っすな（爆）

皆さん乙です！

＞915さん
なるほど、リミット過ぎると自動操縦になるわけですね
てっきり精神崩壊でも起こすのかと思いましたｗ
亀井茲矩は大河「琉球の風」で仲村トオルがやってたのを思い出しました
あと矢口は3年前も鉄球は使えてたと思うので、少しは戦闘にも参加してたんではないかと思います

＞1さん
ピースの、体内に侵入する能力は、原作のハイエロも
最初とラバーズ戦以来ほとんど描かれなかったのでここ辺りで使っとこうと思いましてｗ

＞なんみんさん
>>195でも書いてありますが、「これのり」ですね。
俺も最初は読めませんでした。

＞364さん
攻略ページありがとうございます！　これ見ながらプレイさせていただきます！ｗ

　　―関ヶ原・中央付近南側―


「HO〜　ほら行こうぜ！」
「「ピース！　ピース！」」
「HO〜　ほら行こうぜ！」
「「ピース！　ピース！」」

ザ☆ピースが操る小早川秀秋の掛け声に合わせて、周りの兵士が応答する。
『ピース』という言葉はこの時代には無いが
小早川＝石川が無理やりにそう言わせているのである。

「本多隊は壊滅している！　残りの寺沢・平野・桑山隊を破り
　一気に徳川本陣に攻め込め！！」
「「おおおおおーーーーー！！！！」」

小早川の合図で兵士達が勢いを増す。
石川本人は兵士の中に紛れ込み、それを扇動していた。

（本多忠勝が既に敗れている…。
　あそこにいるのは雅ちゃん？　彼女がやったのかしら…？
　まあいいわ、このままいけば西軍勝利は間違いなし！）

ポツ…ポツ…

石川の頬に冷たい水滴が当たった。

（これは、雨？
　関ヶ原の戦いが霧に包まれていた事は知っているけど
　雨が降ったなんて記録はあったかしら？
　それともあの富樫って社長の演出なのか…）

雨粒を拭いながら、石川は最前に出てさらに扇動を続けた。

…その頃、中央の夏焼雅は…

「あの援軍…先頭にいるのは石川さん…！？
　良かった、石川さんも西軍についていてくれたんだ」

雅は援軍の小早川隊の中に石川梨華の姿を見つけ安堵した。
かなり以前のことだが、雅は歴史に詳しい石村舞波から
この関ヶ原のことについて聞かされたことがあった。

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「ねぇ、雅ちゃん。　今日歴史で習った関ヶ原の戦いなんだけど
　面白い話があるんだ。」
「うん？」
「明治時代に来日したドイツのメッケルっていう軍人さんがね、
　この関ヶ原の布陣を見て、すぐに西軍の勝利を確信したんだって」
「へぇ…なんで？」
「西軍の陣形は“鶴翼”っていう、中央が後退して左右がせり出している陣だったの。
　東軍ほほとんどの部隊は関ヶ原の平地に集中していた上に
　付近の山々はほぼ西軍が制圧していた。　それに東軍の背中にあたる南宮山にも
　西軍の部隊がいて、東軍はほぼ四方を囲まれたような状況だったわけ」
「でも、東軍が勝ったんだよね？」
「うん。　その理由は裏切り。
　徳川家康は後方の南宮山を守る毛利の部下を戦後の所領安堵を約束して内応させ
　さらに松尾山の小早川秀秋も同じように内応させ、寝返らせるようにしていた。
　加えて天満山の島津勢も動かず、西軍は十分に力を発揮できなかったわけ」
「それで一気に東軍が優勢になったってこと？」
「そういうこと…。　やっぱり闘いっていうのは単純に力対力じゃあなくて
　戦略こそがものを言うのよ」
「ふぅん…」

--------------------------------------------------------------

歴史のことを話す時の舞波はいつもと違って饒舌であった。
雅はこの舞波の語りを話半分で聞いていたが
今自分がその場にいることで、その話を思い出したのだ。
裏切るはずの小早川秀秋をそうさせなかったのは石川の力である。

（舞波は…そして石川さんも、すごいなぁ…）

雅は戦略だとかそういったことを今まであまり考えたことがなかった。
夏焼家の槍術の教えでも、一対一や一対多の戦法を習っているため
多対多の戦いのことなどを考えることはなかったのだ。
特に調略や裏切りなど、雅の信念には無いことだった。

（でも…私も片倉さんを裏切ったんだよね。
　それも利益とかそんなんじゃあなくて、私は…）

雅は自分の膝を枕にしている立花統虎を見た。

（かっこわるいな、私。
　統虎さんはただのゲームのキャラクターなのに
　この人と一緒に戦いたいって理由だけで裏切るなんて…。
　東軍についた伊達さんを解せなく思っていた私のほうが
　よっぽどダメな人間だよね…）

「ねぇ統虎さん、もう大丈夫ですよ。
　石川さんが…いえ、小早川さん達が駆けつけてくれました。
　これで西軍は勝てますよ」
「………」
「統虎さん？」

立花統虎は返事をしなかった。
統虎の頬を、さきほどから振っている雨が濡らしている。

「統虎さん…」

彼は雅の膝枕で、まるで眠るように、死んでいた。

「おいおい、雅ちゃん。　そいつはゲームのキャラクターだぜ。
　そんなんでいちいち悲しんでたらやってけねーよ？」

東軍についた富樫明生が、雅に声を掛けた。
石川梨華と小早川隊が攻め込んできているというのに
逃げもせず、余裕の表情である。

「ゲームのキャラクターとか…今はそんなこと関係ないじゃあないですか！
　社長さん…統虎さんの仇は取らせてもらいます！！」
「おっとと、そんなに怒るなよ。　考えてみな。
　俺の味方の鈴木孫一だって君にやられた本多忠勝の仇を打っただけだ。
　正当性はあると思うんだけどねえ」
「うるさい！　うるさいうるさいうるさい！！！
　あなたでも鈴木孫一でもいい！　私と勝負してもらいますよ！！！」
「…はぁ、わかってないな、雅ちゃん。
　まあ、勝負するのはいいけど、ホントに君は降伏しなくていいんだ？」

富樫はなおも雅に降伏を迫った。
状況は圧倒的に東軍不利になっているにも関わらず。

「何を言うんですか！　小早川の裏切りは石川さんが阻止してくれました！
　劣勢なのはそっちの東軍！　降伏するのはあなたじゃあないんですか！？」
「いやいや…俺も最初はそう思ったんだがねえ。
　この『雨』、これが俺ら東軍の勝利を決定的にしたね。
　もう小早川なんてどちらに着こうが関係ない」
「な、何を…」
「雅ちゃん、『雨将軍』って知ってるかい…」



ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ！！！！！！



雅達から遠く後方、西軍本陣のある笹尾山から轟音が鳴り響いた。

「え…？！　一体何が…」
「あーあ、タイムリミットだ。　早く降伏してればよかったのに」
「うそ…」

笹尾山は炎に包まれていた。

＜辺土名一茶＞

「ファイナルリバティー！！」

ズウウウウウウウウウウウンッ

ファイナルリバティーの『酸素を操る力』によって
指定した地帯の酸素が濃縮される。　高濃度の酸素は
人体にとって有害になるため、その地帯にいた兵士は次々と倒れていった。
さらにその酸素が濃縮された地帯に味方兵士が火矢をかけ
その一体は文字通り火の海になった。

「一茶よ、よくやった。　それにしても奇怪な妖術よのう…」

俺の背後で、雨将軍・織田信長がにやりと微笑む。

「信長様、西軍に属していたご子息・織田信高様も
　我らに寝返りましてございます。　後は石田三成の首を取るのみ」
「その役目、おぬしに任そう。　三成の首を取って参れ」
「はッ」

俺はその場を離れ、石田三成が拠る本陣へ馬を走らせた。

この戦場にいた誰もが、織田信長の参戦を予期していなかっただろう。
本能寺で信長を救って以降、その存在をひた隠し
わざわざ敵の足軽を明智の代わりとして立てて、信長を死んだことにしていたからだ。
その信長を西軍の背後から襲わせ、一気に叩き潰す。
…この戦略を知っているのは一度プレイしたことのある社長くらいだ。

「な、何故信長が生きているうううゥゥゥゥーーー！！！」

石田三成が、兵を率いて俺に特攻をかけてくる。
俺はファイナルリバティーを出現させ、拳を固めた。

「ここでしまいだ！
　DORRRRRRRRYYYYYAAAAAAAA！！！！！！」

　　―関ヶ原・中央―


富樫明生と向かい合っていた夏焼雅、
そして徳川家康の守る本陣に攻め込もうとしていた石川梨華の目の前に
同じテロップが表示される。


ブウウウウウンッ

『西軍本陣陥落！　石高1/3！』

そして続けざまに、全員分の現在のポイントが表示された。


『辺土名一茶　―　　8万500石
　富樫明生　　―　　6万石
　石川梨華　　―　　1万1000石
　夏焼雅　　　―　　8千石

　最上位と最下位の石高差が1/10以上開いた為
　コールドゲームとなります』


「ちっ、コールドか…。　もっと楽しめると思ったのになあ。
　勝ったのはいいが、一茶のやつめ、頑張りすぎだ」

富樫はそう呟いて、『ボンバ・ヘッド』を解除した。

ここまで

ようやっと戦国編書き終えたー
ほんとは大阪の陣まで書きたかったけど
関ヶ原を長く書きすぎたため打ち切りのコールドゲームです

乙でーす！

ほ

寝る前保

:::::::::::::::::::::::::::::.
::::::.＼:☆ノノハ　ｸｩ〜ﾝ
::::::.ミゝ从 ’ｗ’)つ
::::::⊂＿＿つノ
マイハマン巡回中！

そろそろ承太郎とのコラボに期待したいがダメかな？

いつまで日本にいたんだろ？

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::::::.＼:☆ノノハ　ｸｩ〜ﾝ
::::::.ミゝ从 ’ｗ’)つ
::::::⊂＿＿つノ
マイハマン巡回中！

ここいいな

>>前スレさん
すいません、MSSとDMCのゲームプロット作ったの随分前（3月とか）だったんで、
切り方変えたのすっかり忘れてました！壮絶に事後報告ｽﾏｿ。
赤ベースですね、了解しました〜。

>>915さん乙！
おいらも前エピ冒頭で一人、自分の中でも名前も定まってない部員出してますし（ｗ
未だにそれが誰なのかは決めていませんが（ｗ

>>ﾏｲﾏｲさん乙ですー！
文字通り天下分け目の合戦ですねぇ…石高だけ見れば、関ヶ原勝ってれば逆転できてそうですし。
勝負に勝ってスタンド解除・・・石川と雅に罰ゲームの予感！！

>>221
承太郎は今頃はポルナレフと弓矢探しの旅かな？
とはいえ、サンタナとか吸血鬼とかも出る杜王町だし、演劇部はSW財団ともコネもあるし、
再登場は不可能な話ではないはず・・・


稲村ケメ子バスツアーに行ってきます！
何か最近ありえないペースで現場づいてるな…コンとか行ってもファミ席なのに（ｗ