194 :
名無し募集中。。。:2006/06/04(日) 21:17:35.49 0
hzn
195 :
名無し募集中。。。:2006/06/04(日) 22:08:03.92 0
保全
196 :
名無し募集中。。。:2006/06/04(日) 22:38:33.80 0
ほ
197 :
名無し募集中。。。:2006/06/04(日) 22:41:44.34 O
安倍は説明が下手だなー
いっそ全部回想にして欲しいくらいだ
198 :
915:2006/06/04(日) 22:48:59.09 0
全部回想で最初やってたんっすけどそれも案外難しいのよ
勘弁してけろ(^^;;;
って、一つには過去に二人の間にバトルがあったって前提があるのと、
途中までのバトル描写をばっさり削って途中からってしたかったから
どうしてもこういうかたちになったってのもあるんだけど(爆)
まだまだ修行不足です。・゜・(ノД`)・゜・。
199 :
名無し募集中。。。:2006/06/04(日) 22:49:24.22 O
確かに普通にバトルシーン描いた方が早い
200 :
名無し募集中。。。:2006/06/04(日) 22:52:39.63 O
なるほろ演出なのね
201 :
名無し募集中。。。:2006/06/05(月) 00:10:36.70 0
ho
202 :
前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/06/05(月) 00:15:29.26 0
ゴゴゴゴゴゴゴ
ゴゴ
ゴゴゴゴ
「余所見してていいの?せっかちさん。」
動揺した絵梨香を見下す様に黒川芽以は笑い掛けた。
「テメェ・・・・・三好絵梨香を見縊るンじゃねぇぞ・・・・」
沸き立つ怒りが絵梨香の精神を支配する!
抑える事を知らない激情の化身が大気を歪める。
「ドロドロのグチョグチョ!そんなので私の『ファットBOYスリム』に勝てる気なのかなぁ?」
黒川芽以のスタンド、『ファットBOYスリム』はボクサーの様に身体を左右にウェービングさせる。
「勝てるとか勝てネェとかじゃねぇんだよ・・・・・お前が消える・・それだけだろ?」
絵梨香は殺意の全てを目の前の存在に降り注ぎ飛び掛らんと足に力を込める
「! 駄目よッ!一旦間合いを切りなさい!相手の能力を見極めるのが先決よッッ!!」
敵に躍りかかろうとする絵梨香の軽率な行動に梨華は叫び声を上げるッ!
「うるせぇよッ!三好絵梨香にバックギアは無えんだよッ!!直ぐに解体してカタが着くッ!!!」
203 :
前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/06/05(月) 00:20:30.46 0
短いですがこんな感じでおし舞波!
>915さん
乙です!
やばい、なっちの言ってることが理解できないw
これからの対決も理解できるかどうか心配…
>前スレさん
乙です!
黒川のスタンドはファットBOYスリムですか!
実は先日、Fatboy slimのライブ見てきたです!
で、こないだ肩を痛めてたのはライブではしゃぎすぎたからで…w
では、俺もちょっと出し
<橘慶太>
「ここに来るのもひさしぶりだなあ…」
目の前には杜王ケーブルテレビジョンのビルがそびえている。
ここの社長、富樫さんは父の恩人でもある人物で、
父は恩に報いるためにわざわざ九州から杜王町に移り住んだほどだ。
その縁から俺は一茶さん達と出会った。
一茶さんと健さん、忍さん、幸也さん達4人はもともと沖縄に住んでいたそうだけど
富樫社長に見込まれて上京してきたらしい。
社長や一茶さん達は、引っ越してきたばかりの頃からいろいろ世話をしてくれて
ぶどうヶ丘高校への進学を推薦してくれたのも富樫社長だ。
「おや?」
さて入ろうかと思って入り口へ向かって歩き出したところに
付近の道路を小学生どうしのカップルが歩いているのが目に入った。
「舞ちゃん、何の映画みたい?」
「う〜んとねぇ、『ネコドラ君の恐竜王国』!」
「わかった! じゃあ僕がおごってあげる」
「ええ!? いいのー?」
「チョコレートのお礼だよ!」
…ふぅん、小学生でデートか。 最近の子はマセてんだねえ。
ま、実は俺も今日は亜弥ちゃんとのデートの予定なのだけど
待ち合わせ時間にはまだ余裕があるから、社長への挨拶も兼ねて
一茶さんにさきほどの報告をしにきたわけだ。
「微笑ましいね……ん?」
通り過ぎて行く小学生カップルを見届けてから
入り口からビルの中を覗いてみたところ、なにやら中が騒々しい。
たくさんの社員さん達があちらこちらと走り回っている。
それに入り口の目の前に立っているのに何故か自動ドアも開かない。
仕方が無いので通用口から入ることにした。
受付では受付嬢の多香子さんが、受話器を手にしたまま焦った表情をしている。
「多香子さん、何があったんです?」
「あ、橘さん! それが…女子高生が急に押し入ってきて…
そう! 橘さんと同じ制服の、えーと、ぶどうヶ丘高校の!」
「ぶどうヶ丘の、女子生徒が…?」
「2人組みで、その人達、警備員さんをやっつけて上へ…」
「な…」
警備員をやっつけただって?
そんなことが出来る女子高生なんかいるのか?
うちには女子格闘部なんてないし、学校とは別に習っている生徒がいたとしても
こんな大それたことが出来る奴なんて…
いや…いるとしたら…
「そ、そんなことがあったんなら社長や一茶さん達に伝えないと!」
「そうなんですけど、社長も『通せ』って言うし、
一茶さんも『このことは警察に伝えるな』って…」
「ええ? 一体どういう…」
ガンガンガン!!!
背後から、ガラスを叩く音がした。
振り向くとそこには、なんと吉澤先輩たち演劇部の面々が
自動ドアを叩きながらこちらを見ていたのだ!
「お〜い! 慶太じゃねえか、なんでそんなこといんだ?
まあいいけど、これどっから入んだよ。 自動ドア開かねーんだけど」
ガラス扉越しで少し曇った声で、吉澤先輩は俺に向かって話しかけている。
その後ろには亀井や藤本先輩たちもいる。
ヤバイ…
非常にヤバイぞ!
こんなところに俺がいるのは非常に怪しい!
いや、ただ居るだけならなんとでも言い訳が効くだろう。
実際父が社長に世話になっているわけだから…。
しかし今は事情が事情だ。
彼らからしてみれば一茶さん…つまりMCATの社員から
演劇部への手紙を『一般生徒』として預かって渡しただけの俺が
こんなところにいるなんてのは、偶然とするにはあまりにも怪しい!
ここをどう切り抜けるべきか!
「あ、部長ー! 向こうに通用口がありますよー」
自動ドアのガラスの向こうで、亀井が通用口を指差している。
ああ、余計なもん見つけるんじゃないよ亀井!
どうしよう…先輩達が入ってくる!!
もし疑われたらなんて言えばいいんだあああ!!
それに!
今日の亜弥ちゃんとのデートが待ってるっていうのに!!!
どうする! どうする俺…!?
ここまでー
慶太の略歴をさらさらっと書いてしまいましたが
まあこの話の後どう使うかとかまったく考えてないキャラなので
すごいテキトーですがご愛嬌w
210 :
前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/06/05(月) 01:02:01.87 0
マイマイさん乙!
ライナーノーツサイドは原作宜しく洋楽にしようという方向です!
J-WAVEとか暫く聞いてないので洋楽にはすっかり疎くなってまいまったが
思い出しながらやってます。
千奈美に前スレが好きな洋楽は「TakeOnMe」だったりするw
アーティストはA10でよかったでしたっけ?
A10ってのは知らないですけど
TakeOnMeっつうとA-HAですかね?
212 :
前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/06/05(月) 01:18:03.96 0
そうそうそれそれw
スマソ!駄目だ飲みすぎますたァァァァ!!!!
保全なんとか
214 :
六部198:2006/06/05(月) 03:44:57.11 0
199を取り損ねたようだ・・・
>>192 乙ッ!
理解できたぞッ!
しかしこういうのはあまり難しく考えると訳分かんなくなりますね
たまに寝る前考えてしまって眠れなくなるときがあるw
>>203 乙ッ!
嗚呼キレて石川にタメ口になってるw
黒川芽衣はいくつくらいの設定なんだろう
どうも「通せん坊」のセリフからなんとなく幼いイメージが出来ちゃったけど
>>209 乙ッ!
橘慶太ピンチ!
ひょっとするとひょっとするような展開を期待してしまうがどうなる?!
そして俺もイクさ
銀色の永遠 〜(S)aint〜47
「のおおおおぉぉぉぉんんんんん!!!!!!」
加護は取り乱しながら辻に駆け寄り、その身体を抱きかかえた。
「おい!!しっかりせえ!!」
必死に呼びかけるも返事は返ってこない。
彼女のその瞳には、もう光は宿っておらず既に事切れているのがわかる。
「そんな・・・なんで・・・?」
すれ違いざまに鮮血を半身に浴びた藤本が、呆然と立ち尽くす。
「おい!どうなっとんねん?!!」
「まさか失敗・・・?どうして・・・?満月の日は平気なはずなのに・・・」
加護が藤本を見上げながら問い詰めるが、
藤本はあらぬ方を見ながらブツブツと呟いている。
ガシイィッッ!・・・グイッ!
「見ろおッ!!戻っとるやんか!!!!」
加護は藤本の頭を掴み、無理やり辻の亡骸に向けた。
しかし、藤本は辻のことなど目に入っていないかのように、
同じことをうわ言のように呟くだけであった。
「・・・平気な・・・はずなのに・・・亀の時だって・・・」
「くそおッ!」
ドンッ!
加護は藤本を突き飛ばし、辻の亡骸を抱きしめ天を仰いで叫んだ。
「くそおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉおおおおぉおおぉおおお!!!!!!!!」
しかし、その叫びは虚しく夜空に吸い込まれるだけであった・・・
銀色の永遠 〜(S)aint〜48
・・・・・・藤本は地面に力なく座り込み、再び魂の抜殻になってしまった
辻を抱きしめる加護を、虚ろな目で見つめていた。
時折彼女の肩が震え、その度に嗚咽が漏れてくる。
・・・しばらくすると、加護が手をついて立ち上がった。
「ブツブツ・・・」
「・・・?」
何か言っているようだが、声が小さくてよく聞き取れない。
やがて、ゆっくりと藤本に向き直って顔を上げた。
よほど強く歯をかみ締めたのか、口元からは血が流れている。
「お前が・・・」
「・・・」
「お前が殺した・・・」
「・・・え?」
加護は藤本に向かってふらふらと歩きだした。
その傍らには、彼女のスタンドが不気味なオーラを放っている。
「・・・おい、やめろ・・・」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・
銀色の永遠 〜(S)aint〜49
異様な殺気を感じた藤本は、すぐさま立ち上がって後ずさった。
「おい、落ち着け・・・」
藤本は両手を差し出して必死に加護をなだめるが、
彼女はゆっくりと、しかし確実に近づいてくる。
トン・・・
そのうち背中に硬いものが当たる感触がして、藤本は振り返る。
「うぅッ・・・」
後ろには塀・・・追い詰められてしまったのだ。
ビタアアァァァァァ・・・・・
加護のスタンド、『サイ・キス』の手が頬に触れる。
「な・・・なにをするつもりだ・・・?」
「『なにをするつもりだ?』・・・ふふッ・・・」
そう言って加護は引きつった笑みを浮かべ、
一呼吸置いて耳元で囁く。
「・・・わかっとるやろ?」
バギイイィイッッッ!!!!
銀色の永遠 〜(S)aint〜50
超至近距離での強烈なパンチを喰らった藤本は、
塀にもたれながらズリズリと腰を落とす。
しかし、加護はそれすらも許さない。
すぐにその首を掴んで無理やり藤本を立たせると、その身体を塀に強く押し付けた。
「のんは2回も死んだ!いや、『殺された』!!
藤本美貴ィ!!お前が殺したんや!!!」
加護は血の涙を流しながら、何度も藤本の身体を塀に打ち付けた。
「・・・」
何も言い返せなかった。
原因は不明だが、『ロマンティック浮かれモード』に失敗し、辻を再び死に追いやったのは事実。
一度で済むはずの苦しみを二度も味わうことが、どれ程のものかは想像を絶するものであろう。
「ウチの心の支えは、もう無うなってしもうた・・・」
そう言いながら加護は、狂気に彩られた瞳でサイ・キスの右手を突き出した。
「殺してやる・・・!!」
ドッギュウウウゥゥゥゥゥゥウウゥゥウンンンンン!!!!
「ぐああッ!!」
サイ・キスの能力で全身を強く圧迫され、激痛が走る!
それは昼間にやり合ったときとは比べ物にもならない。
「・・・や・・・やめろ・・・」
藤本はそれから逃れるべくBT03で反撃しようとしたが、
それに気づいた加護に膝蹴りを喰らい、それは適わなかった。
銀色の永遠 〜(S)aint〜51
ギギ・・・ミシ・・・ミシッ・・・
締め付けはどんどん強くなり、藤本の身体が悲鳴を上げる。
バギバギバギバギバギ・・・!!!!
全身の骨が圧迫に耐え切れずに砕けていく。
しかし、もはやどうすることも出来ない。
「あぁ・・・ガッ・・・ゴボッ・・・!!」
藤本は大量の血が吐き出しながら、目の前の加護を黙って見ているだけであった。
加護は顔にかかったその血を忌々しげに手で拭い、
スタンドにさらに力をこめる。
(そ・・そんな・・・こんな・・・ところで・・・美貴は・・・死・・・)
バギバギバギバギ・・・・・・グシャアァッッ!!!!
プワアァァァァン・・・・・・・・・
220 :
六部198:2006/06/05(月) 03:58:09.51 0
ここまで!
藤本のスタンド解説に『効果はランダムで通常通りに時の流れに戻る場合もある』
とあったのでやってみました
221 :
1 ◆I7CTouCqyo :2006/06/05(月) 04:25:39.56 0
ニストの皆様乙っす!!
198さんのショッキングな展開のすぐ後ですが、俺も出します!!
新垣里沙は床にすっかり腰を下ろしてしまっている亀井絵里に
手を差し伸べると、彼女の身体を引き、立たせる。
「ところで・・・・わたしの姿をした偽者はどこへ行ったのだ?」
亀井絵里をこの屋敷に引きずり込んだ張本人の姿が見えない。
「わからないよ・・・・この屋敷に入った瞬間に忽然といなくなっちゃったんだ。
あれはいったい何だったの?」
「それこそわからないのだ・・・・・敵は二人いるということなのか?」
その時、新垣里沙は以前部室で読んだ資料の中に『顔のスタンド』が
載っていた事を思い出した。
能力は変身であり、なんでも『エジプト9柱神』の一つだという。
(だがわたしの偽者は違う・・・・体系、髪型、すべてにおいて瓜二つだったような
気がする。今日のわたしの服装とまったく同じ・・・・・・うぅむ・・・・・・)
暗闇の中で冷静に腕を組み考える新垣里沙をよそに、
亀井絵里は挙動不審にあたりをキョロキョロと見渡していた。
「どうしたのだ亀?」
「が、ガキさん・・・・・怖いんだよぅ!!」
「へ?」
「さっきから視線を感じるんだ・・・・ジワジワと背中や肩を撫でられているような
気分なんだッ!!誰かいるぞッ!?ゆっくりと僕らに近付いてきている気がするッ!!」
「視線?」
新垣里沙はキョロキョロとあたりを見回す。
暗くてよくわからないが、誰かがいる気配はなかった。
「気のせいなのだ」
「いいや!!気のせいなんかじゃないやいッ!!!背後に圧力を感じるぞ・・・・
生温い圧力を感じる!!こ、怖い・・・・誰かが近付いてきているッ!!!」
去年、とある小道で似たような経験をしたが・・・・彼女にとって今回のそれは
その時の比ではなかった。
辺りが暗いせいもあるのだろうが、亀井絵里の中にあるマイナス思考が
恐怖を煽り立てているのであろう。
フワッ・・・・・・と、彼女達を包むように、ぬるい風が吹いた。
「わあああああああああああああああああああッ!!!!!!!」
「わああああああああああッ!!いきなり叫ぶな亀ェッ!!!!!!」
「お化けだッ!!!!ぎゃあああああああああああ!!!!」
そう叫ぶと、亀井絵里は頭を抱えて大慌てで駆け出す。
だが慌てているせいか、すぐ側の瓦礫に躓き勢いよく転んでしまった!!
ズッシ〜ン!!!
「いててーッ!!!」
「もう・・・・・今の風は恐らく入り口か出口に吹き込んだ風がここまで届いて
しまっただけに過ぎない・・・・・と、思うのだ。ってか今わたしを置いてこうと・・・
まぁ、それはいいか。ほら、早く立って」
「無理無理無理無理ィッ!!」
「無理っつったって・・・・・進まなきゃここから出られないんだよ?それに・・・・
田中っちが心配なのだ。あの子はわたしと屋敷に入った直後にはぐれてしまったのだ」
「じゃあれいなを待ってようよッ!!怖い・・・・・怖くて震えるよハート!!
燃え尽きたよビートッ!!!うぅぅぅぅ・・・・さゆ・・・・・」
恐怖のあまり、亀井絵里はすっかり気弱になってしまっていた。
怖いか怖くないかなんてものは気の持ちようだが、一度気弱になってしまった
心の回復はなかなか難しい。
だからといって、彼女が落ち着くまで待っているほど時間に余裕もないだろう。
新垣里沙は渋々彼女を元気付けることにした。
「亀、大丈夫だって」
「無理だよ〜ッ!!もう足に力入んない」
やれやれ・・・・・・
新垣里沙はしゃがみ込むと、亀井絵里に視線の高さを合わせ、
彼女の頬を軽くペッシペッシと叩く。
「亀、亀、亀、亀よォ〜・・・・いい?よく聞いて。この世にはルールがあるのだ。
赤信号は止まれだとか、ボールを持ったら三歩歩いちゃダメだとか、そういう
類のルールじゃあない。根本的なルールってのがこの世には存在するのだ」
そう言うと、彼女はコツンと亀井絵里のおでこに自分のおでこをぶつける。
「鳥が人と話せないように、鏡の中に世界など存在しないように・・・
この世にはルールがある」
「ルー・・・・・ル?」
「そう。それらのルールと同じように、お化けは人に触れちゃいけない
ルールになっているのだ」
「な、なにそれ・・・・・?」
あまりにぶっ飛んだ考え方に、亀井絵里は理解に苦しんだ。
心でも理解できない。
「だから大丈夫ッ!!」
「何が大丈夫なのさ!!!」
そして理解できぬまま、新垣里沙は勝手に話を閉めてしまう。
「とにかく、こんなところで立ち往生していてもしょうがないのだ。
出たいでしょ?ここから早く抜け出して太陽の光を浴びたいでしょ??」
「う、うん・・・・・」
「じゃあ立ち上がるのだ・・・・・でも、だからって闇雲に歩き回ったりは
しないからね。考えずに行動するのはバカのすることなのだ・・・・
わたしにはちゃんと考えがある!!ラブ・シードッ!!!!!」
ズリュウ〜ン!!!!!!
新垣里沙の背後に茶色の木人形が現れる。
これで何をしようというのだろうか?
「生まれよ・・・・・生命よ!!!」
ズボッ!!
彼女のスタンドが床に指を突き刺すと、そこから細い植物がいくつも
壁や天井を伝い、爆発的に成長した。
「ガキさん・・・・これは??」
「ラブ・シードの指先から直接ツタを生み出しているのだ・・・・・屋敷の中の壁は
屋敷の外の壁面と繋がっているハズだし、床は外の地面へと繋がっている・・・
これで脱出経路を探るのだ!!ツタが外に出れば、生命の息吹がそれを教えてくれる・・・」
ジャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンンン!!!
ラブ・シードの生み出すツタは成長を続け、屋敷の中でグングン伸び続けていた。
だが、植物を枯らさずに成長させ続けるというのは多くのスタンドパワーを消費する。
三分を過ぎたところで、新垣里沙は精神的な疲労を感じてきた。
「クソ・・・・・なんて広い屋敷なのだ・・・・歩いたら抜け出すのに
一時間はかかるんじゃあないのか?ってぐらい広いようなのだ」
「出口はまだ見つからないの?」
「今、小さな抜け道も見逃さぬよう隅々までツタを走らせている・・・・
床も壁も埋め尽くすほどにね・・・・・なのに・・・・見つからない!!」
ザワッ・・・・・・・
その時、亀井絵里は足元に何かが触れたのを感じた。
「ッ!?」
それに思わず息を呑んでしまう。
(な・・・・なんだ・・・・・いま・・・・・・僕の足に何か触れたぞ・・・・・まるで虫か何かが
足を這っているような・・・・・・お、お化け!?い、いや・・・・・落ち着くんだ・・・・・ッ!!)
亀井絵里は恐る恐る足元に目をやる。
するとそこには・・・・・
サワサワサワ・・・・・・
驚きのあまり、彼女は声を出すことができなかった。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・
「出口はまだか・・・・・いや、もう少し根気よく待とう。花を育てる時だって、根気よく
水をやって話しかけたりしてあげるから芽が出たときに感動が生まれるわけで・・・
ん?何かにツタが触れている・・・・・これは物質ではない・・・・生命の鼓動がする何かに
ツタが絡み付いているのだ・・・・・・」
はぐれてしまった田中れいなだろうか?
いや、もしかしたらこの屋敷に潜伏しているであろうウサギかも・・・・・
ツタを通じて感じる鼓動を聞くように、新垣里沙は精神を研ぎ澄ます。
「ガキさん・・・・・ちょ、ちょっと・・・・」
「静かに・・・・・今ツタが生きた何かに絡み付いているのだ・・・・」
「ガキさん」
「シッ!!気が散るから・・・・・・・うぅむ・・・・・ツタに絡まっている感触からして
随分とイイ身体をしているのだ。ムチムチしている・・・・これは田中っちではないな・・・・
いったい誰なんだろう?」
サワサワサワ・・・・・・・・
後ろで何やら葉っぱが擦りあっているような音が聞こえた。
集中している新垣里沙にとって、それはとても耳障りな音だ。
「亀っ!!耳障りな音を立てるんじゃあない・・・・・・ハッ!!!!!!!」
振り返ると、すぐそこにいた亀井絵里は・・・・・
「僕だよォ〜ガキさんッ!!ガキさんのツタに絡まっているのは僕なんだァ〜!!!!」
全身にツタを這わせていたのだった。
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド・・・
ツタはグングン亀井絵里の身体を這い上がり、その身体を包んでいく。
スタンドのツタが絡み付いていたのは他でもない、亀井絵里だったのだ!!
「早くこのツタをなんとかして〜ッ!!気持ちが悪い!!!」
「そ、そんなバカな・・・・・なぜ生み出したツタが亀に・・・・後ろに回ってきてるのだ?
ツタは依然、外の空気に触れている気配はない・・・・・ということは・・・・・
グルッと屋敷を一周してこちらに回ってきたということなのか!?」
それが指し示すことは、もはや考える間でもない。
「ど、どういうことなのさ。それは・・・・閉じ込められたってこと?」
「そういうことだが・・・・・ただ入り口と出口を塞いだだけではあり得ないことなのだ!!
ツタというものは、どんな隙間をも見逃さず入り込み、外へと出ようとするッ!!
だが、この屋敷にはミクロ単位の隙間もない!!外に繋がっていないッ!!」
「じゃあ・・・・僕らの吸ってる酸素もいつかなくなってしまうんじゃあ・・・・・・」
「いや、それはないのだ・・・・なぜなら、さっきぬるい風が吹いて亀を驚かせたじゃないか。
今だって・・・・・ほら。風が吹き込むという事はどこかが外に通じているからなのだ。
しかしッ!!ツタはそこを這うことなくわたし達の所に戻ってきてしまっている!!」
「ど・・・・・・どういうことなんだいそれは!!?全然ワケわかんないよッ!!!」
「屋敷はメビウスの輪のように!!クラインの壷のようにッ!!裏も表も
外も中もなくなってしまっている!!!脱出経路が存在しないのだッ!!!」
ドッギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアンンン!!!!!
表面を指でたどっていく・・・・・
さらにズズッと・・・・・一度も指を離さず表面をたどっていくと、
いつの間にか裏面に入り・・・・・一周してスタートした地点に戻る。
これが19世紀にドイツの数学者が発見した『表裏』のない形ッ!!
彼の名を冠して『メビウスの輪(帯)』と呼ぶ!!
『クラインの壷』とは、同じように表裏のない立体であるッ!!!
「なんてことなのだ・・・・見事に閉じ込められてしまったッ!!!」
「脱出経路がないなんて・・・・・・どうするのさ!!そ、そうだ・・・・・
ガキさんのスタンドならこの屋敷を破壊するくらいの成長力を持った
大木を生み出せるんじゃあないの?それをやってよ!!!」
「残念だけどそれは不可能なのだ・・・・・植物とは光合成をして始めて成長に
必要なエネルギーを作ることができる・・・・・しかし、この屋敷は薄暗くて
そのための光が存在しないッ!!!」
「そんな・・・・・・・」
亀井絵里はガクリと力なくヒザをつき、その場にへたり込んでしまう。
心の茎は折れてしまった。
「この場所でわたしが生み出せる植物といえば・・・・いま屋敷全体を
調べるために生み出した、この弱々しい夕顔のツタくらいのもんなのだ・・・ッ」
ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンンンン!!!!
234 :
1 ◆I7CTouCqyo :2006/06/05(月) 04:52:12.36 0
ここまで!!
オヤスーノシ
235 :
364:2006/06/05(月) 05:44:18.30 0
1さんマイマイさん198さん皆様乙ですーッ!
236 :
名無し募集中。。。:2006/06/05(月) 07:34:55.00 0
保全疾走
237 :
名無し募集中。。。:2006/06/05(月) 08:39:02.41 O
乙ッ!
238 :
なんみん:2006/06/05(月) 09:42:52.11 0
みなさん乙です!
>>915さん…これは安倍の言葉がそのまま915さんの解説と理解しても良いのでしょうか…?
>>前さん…短ッ!名前の件dです!一茶と言い変わった名前ですねー!本名なのかなあ…?
>>マイマイさん…社長の所に部長が来た!戦国もそうですが現実の展開も読めないですねー!
>>198さん…凄惨であるのに惹き込まれる描写て凄い!ランダムのせいで小川も2度痛い目を見てますねw
>>1さん…時たま見せるガキさんのテキトーっぷりが良いすね!ううむ…敵は何人いるのだろか…?
239 :
名無し募集中。。。:2006/06/05(月) 11:50:15.13 O
ここで保全ですよ
240 :
名無し募集中。。。:2006/06/05(月) 12:35:47.01 O
保全
241 :
名無し募集中。。。:2006/06/05(月) 14:09:52.09 0
ほ
242 :
名無し募集中。。。:2006/06/05(月) 14:41:03.59 0
ze
243 :
名無し募集中。。。:
ここで保全