ダパンプと娘の恋愛もの。
2 :
名無し募集中。。。 :2001/04/21(土) 18:54
ダパンプでは駄目だ!!
3 :
黄板:2001/04/22(日) 02:42
頂こうかしら。
頂くのかしら。
6 :
黄板:2001/04/22(日) 16:07
8 :
黄板:2001/04/22(日) 22:06
にしてもあなた見つけるの早すぎネ。
まあこのタイトルは覗きたくなるのはわかるけども。
独り言は別のとこでやるよ。
ここは…得ろ小説総合スレッドにでもしようかしら。
10 :
5:2001/04/23(月) 01:08
訂正
見つけたのがこのスレで、
探していたのが
>>9のスレ。
「梨華…」
ユウキは石川にキスをしてそのままゆっくりと横に寝かせた。
「いい…?」
「うん…」
石川は覚悟ができていたのか少しも抵抗する素振りはない。ユウキは上の服か
ら一枚ずつ脱がせていった。
「恥ずかしいから、あんましじろじろ見ないでね…」
石川は自分の下着だけの姿の恥ずかしさのあまりユウキからめをそらす。ユウ
キは首筋に軽く口付けをしてゆっくりと顔を下に運んでいく。石川の細い体から
は想像できないほどの胸の膨らみに興奮が抑えられなくなり、ユウキはそれに顔
を埋めた。ほどよい弾力間が顔に心地よくこのまま眠ってしまいたいほどである。
「優しくしてね…」
「ああ…」
ユウキはブラを外して乳首をいじりだしてそのまま赤ん坊のように吸い付いた。
ユウキは段々と顔を下にずらしていって下半身のところまでもってきた。
ユウキはパンティをゆっくりとずらしながら脱がした。毛は生えているものの、
真希とは違いうっすらとしている。ユウキは指先で軽く触れた。
「や…」
ユウキは指でいじりながら舐めだした。鮮やかなピンク色をしている。穴が小
さいせいで指が奥まで1本しか入らない。石川も興奮が抑えきれず腰をくねらす。
「いれるね…」
ユウキはゆっくりと陰茎を差し込んだ。穴が小さいためになかなか入らない。
少しずつ押し込むようにしてなんとか根元まで入り込んだ。ユウキはゆっくりと腰を動かし始めた。
「ああん…」
石川はシーツをぎゅっと握り絞めて歯を食いしばりながらなんとか声を出すのをこらえている。
石川は特にこれといったペッティングをユウキにはしていない。しかし、それ
でもユウキは今までにない快感があった。なぜなら石川の仕草になんともいえな
いものを感じたからである。今までの真希とのは、自分から恥ずかしげもなく服
を全部脱いで、そのままフェラをして上にのってくるというほとんど逆レイプに
近いプレイであった。そのせいか、石川への征服感というものがユウキの興奮を倍増させていた。
石川の膣の狭さでユウキはすぎにイキそうなのを我慢して、バックの体勢をとっ
た。ユウキの征服感がさらに増す。
「はあはあ…」
「い、いい……」
ユウキの腰のリズムに合わせて石川が荒く息を吐く。石川の長い髪は汗で肌に
べっとりとひっつき、乱れきっていた。バックの体勢を支える腕にはすでに力が
残っておらず、そのまま顔をベッドに押し付ける形となってぐったりとしている。
「い、イクよ…うう…」
ユウキは耐えに耐えたありったけの精子を石川の丸みを帯びた尻にぶちまけた。
石川は力尽きてそのまま体勢を崩して仰向けになった。
「はあはあはあ…」
ユウキはそのまま石川の上に覆い被さりキスをした。ユウキは石川へ欲望をぶ
ちまけたことへの満足感でいっぱいであった。
「よかったよ…」
「私も…」
二人は手を取り合い、少しでも長く余韻に浸れるようにキスを続けた。
〔横浜スタジアム〜中華街編〕
〜歓声が聞こえる。
しかし、その歓声も俺にはただの雑音にしか聞こえない・・・
野球に全く興味が無いのに、最低月に2回はここにいるんだ。
横浜スタジアムの外野自由席、レフト寄りの最後尾列。ここで今日も真里を待ってる。
そう、ここは俺たちのデートの待ち合わせ場所なんだ。いや、デートの場所そのものといった方が正確だな。
だっていつも、ここで会ってここで別れるんだから。
真里が『モーニング娘。』に入ってからというもの、俺たちが会うのは決まってこの横浜スタジアム。
あいつの話によると、写真誌などのマスコミに見つからないようにするには、人気(ひとけ)の無いところよりもこれくらい
ヒトがたくさんいる方が安全なんだそうだ。観客の視線は試合に注がれているし、確かに一度もバレた事ない。
「小枝は森に隠せ」ってか。昔の人は巧い事を言ったものだ。
「待ったあー?」
元気な声だ。時計は7時15分。茶色の帽子にサングラス、精一杯?変装して真里が現われた。
「いや、いつもどおりだよ。」
もう待たされるのは慣れてる。いちいち突っ込んでもしょうがない。
「あのね。あのね。今日はさぁ、ごっつあんがさぁ・・・」
俺の隣にちょこんと座り、俺の上着の袖を握って今日の出来事を話しはじめる。これがいつものスタイル。
そう、俺はいつも聞き役なんだ。
ひとしきり真里が話を続けた。そしてそのちょっとした隙を突いて俺はこう切り返した。
「あのさ。今時野球場でデートなんて珍しくないか?野球興味ない
のにさ。それでここでサヨナラだろ?なんかつまんなく無いか?」
「ううん。わたしは楽しいよぉ。こうやってたくさんの人の中に混ざってると普通の子と同じだなあって・・・。それで、こうやって話ができるん
だもん。もうこれで充分なんだよ」と真里。
「ふ〜ん。そんなもんなのか。でもこの後にさ、中華街とか行ったりできないのか?焼肉でもいいぞ」
「だめだよ。今日はこれからラジオの録音があるんだもん。とばしちゃったらクビになっちゃうよぉ」
そう言うと真里は携帯を取り出し、メールチェックを始めた。
これもお決まりのパターンだ。仕事のメールもひっきりなしに入ってくる。
真里はアイドルだから仕方無い。わかってはいるんだけどね。
夜風はまだ冷たくて、たまに強風が二人を襲う。心まで冷めていく感じがした。
8時30分。着メロの音。真里は俺の顔を見上げてちょっと困ったように眉を下げて携帯に出る。
「はい、もしもし、矢口です。お疲れ様です・・・」
これも定型パターンだ。マネージャは決まってこの時間にかけてくるんだ。
俺たちの貴重な時間の終幕のベル。電話を切った真里は苦笑いでこう言った。
「今日は9時30分入りだって。もういかなきゃ。・・・ごめんね。」
「ああ。わかった。早く行けよ。」俺は素っ気無く答えた。
「ホントにごめんね。いつもは10時入りなんだけどね・・・」
「うん。わかったから。遅刻するぞ!」
「ごめんね。じゃいくね。いぇい」
真里は右手でピースを作って目の横に持っていくミニモニポーズでおどけてみせた。
そして足早にスタジアムの通路へと消えてった。
真里が握っていた上着の袖が変な形になっていてそれが妬けに悲しかった。
-2週間後
俺はまたこの場所にいる。思えば関内も詳しくなったものだ。暇つぶしを兼ねて街をブラブラするんだ。
駅から馬車道をかすめて山下公園へ、外人墓地を横目に見ながら元町公園。その後、中華街を抜けて横浜スタジアム。
そこらじゅうカップルばっかりじゃんか!ここを真里と二人で歩けたらどんなに楽しいだろう。
そんな叶わぬ夢は捨ててしまおう。あーだんだん凹んでくる。そして、いつものポジション、いつもの時間。
売店で買ったチクワをかじりながらゲームを観る。嫌、正しくはゲームをやってる方向をただ見てる。
どっちが勝とうが全然関係無いからさ・・・
「お。ま。た。せー」
元気な声だ。時計は7時10分。俺の後ろで立ったまま携帯チェックを済ませ、携帯をポーチの中にしまうと隣に座る。慌ただしい奴だな。
「きょうはさ。CM撮影でね。大変だったんだよお・・・」
独り喋りがはじまった。俺は聞き役に徹する。
いつもの時間が流れていった。
8時35分。
いつもならこの辺で悪魔の携帯電話が鳴るはずなのだが今日はまだ鳴らない。
「あれ。今日は鳴らないな。歓声で音聞こえなかったかな?」
俺がそう言うと真里はポーチから携帯を取り出して着信チェック。
横から覗き込んだが、ナイターの照明が反射してよく見えない。
「エッチ。」
「なんでやねん。」
「今日は入ってないみたい。そういえば次のラジオの録音はスペシャルだから、別のヒトが喋るらしいし・・・」
「そっか。じゃ今日はフリーなんだな!」
「うん!そう!」
「スペシャルか!こんな日もあるんだな。よし早速中華街へ!」
ふいに立ち上がった俺にちょっと驚いた様子だったがすぐに笑顔になった。右手は俺の袖をつかんだままで不自然に右手が上がってる。
そんな真里がおかしくてちょっと吹き出した。
「あのさ。袖掴む癖、何とかならない?伸びちゃって変になってるだろ。」
「うん。ならない。」
頑固だからね。多分これからもずっと俺の右の袖は変な形なんだろうな。
横浜スタジアムを出て中華街を北門から入る。短い距離だけど二人で歩くのは本当に久しぶりだ。
「ねー。歩くの速いって!もう」
いっしょに歩くの久しぶり過ぎて勘が鈍っていた。
俺はなるべく人が少なく、客席のボックスに衝立が立っている店を選んだ。
「ここが落ち着きそうだな」
「でもマズいかもー」
ちょっと真里を睨んでみた。
「マズくてもいいよ・・・あはは」
その店でオススメコースを注文した。俺たちは他愛も無い話で盛り上がった。
普通の恋人同士が普通にやってる事なんだけどね。なんでこんなに楽しいんだろうね。
ふと時計を見ると日付が変わろうとしていた。
「電車無くなるな。そろそろ出ないと・・・」
俺はそう切り出すと、真里はトイレへ行くと言って立ち上がった。立った拍子にテーブルに置いてあったポーチが床に落ちて・・・
***ガシャーン***
中のものが床に散らばった。化粧道具やらメモ帳やら財布やら。俺の足元に携帯電話が転がってきた。
携帯を拾い上げて、ヒビが入ってないか確認したら、電源が切れてる。なんで?
「なあ。これ電源切れてるぞ」
「え?あ。その・・・えへへ」
「なんだよ。今日電話鳴らないと思ったら・・・」
「う、うん。いいの。」
「ヤバイだろ?もしかしてラジオも飛ばしちゃったんじゃ無いのか?」
「あはは。バレた?」
「いいのか?」
「うん。今日はスペシャルだから・・・ 二人の・・・。あ、そうそう。ねぇこれから山下公園いこーよ。ね、いいでしょ?」
「もーどうにでもなれ!」
言葉は自棄になってるが、気持ちは充実していた。
関内に吹く風は暖かかった。南向きの風・・・春だね。
真里は店の外で俺に向かっておどけてミニモニポーズ。
「いぇい」
THE END
17 :
名無し募集中。。。:2001/04/23(月) 06:51
あげ
18 :
5:2001/04/23(月) 18:51
保全失敗。。。やっぱりエロは書くなということか。
19 :
黄板:2001/04/24(火) 00:02
>>11-12
ユウキコロヌっていうかコピペすんなや。
>>16 そこで終わるなっつーの!ヤレっつーの!
ここって固定スレに再利用されたのか?
ごめん。やっぱいいや
22 :
5:2001/04/24(火) 01:11
そういえば今日ヤンマガではじめて、9人の
モーニング娘。を見た。
やっぱりちょっと寂しい。
>>21 ダパンプ小説書くの?
24 :
黄板:2001/04/24(火) 01:33
>>23 書いてくれ。
是非とも書いてくれー。
ここは「だれか小説書いてくれ!」スレだ。
変わっちゃいない。
>>24 なに書こうとしたか忘れたし、やっぱいいよ
26 :
黄板:2001/04/24(火) 02:05
>>25 そーっすかぁ…。
ハァ、ショックだ。
気が向いたらいつでもどうぞ。
27 :
黄板:2001/04/24(火) 02:21
つーわけでこのスレは自由に(得ろ)小説書いてくれていいよ。
保全は私達が責任を持ってやらせて頂きます。
だれか(得ろ)小説書いてくれ!
加護とデート(大阪編)
「マジですか!?ちょっと待ってくださいよ」
俺はプロデューサーに縋(すが)りついた。
「しょうがないだろ。業界にはいろいろツキアイってもんがあるんだよ。ツベコベ言ってないでとっとと支度しろ!」
「あ、はい・・・」
ここはとあるラジオ局の会議室。今はミニモニのラジオ収録の最中。
俺は今、ADのバイトとしてここにいるわけだが、それもこれも真里と少しでも長く同じ場所に居たかったからだ。
学校、親、親戚、あらゆるコネを使って、なんとかここにこうして潜り込んだ。でもね、入ってみたら雑用ばっか。お茶くみ、コピー、CDライブラリーへのパシリなどなど。
勤務時間は無制限、夜昼無く働かされて体はボロボロだ。
どうやらこの業界の人たちは『ロードーキジュンホー』というものを知らんらしい。
そういえば最近、真里との横浜デートもしてないな。
---俺、いったい何やってるんだろう?---
この収録が終われば俺も開放される手筈になっていた。
真里の方も今日はこれで仕事上がりだと言ってたし、久しぶりにデートでも・・と思っていた矢先の出来事だった。
「加護亜依の里帰りになんで僕がついていくんすか?」
「だ・か・ら!人手不足で一緒に行ける奴がいないんだってさ。事務所からもお願いされちゃったんだから仕方ねーんだよ」
「でも、新幹線で新大阪まで行ってそれから大阪駅までならひとりでも・・・」
Pは俺が言い終わらないうちに被せてきた。
「天下のモーニングだぞ。それも中学生に一人旅させられるか?ボケ。大阪で家族の方と待ち合わせだからな。」
こうして俺は東京発の「のぞみ」で「あい」を送り届けることになった。
副調整室からスタジオの4人を見る。真里も俺の午後の事の成り行きを知っ ているらしく、それとなく目で合図を送ってきた。悪戯っぽく小首を傾げて・・・。
(いい気なもんだな。まあゆっくりOFFを楽しめよ。)
俺も苦り顔で片目をつぶって見せた。
二人の関係はスタッフもメンバーも、マネージャさえも知らない。
こういう公共の場での二人だけの合図をちょっとしたスリルに感じて楽しんでいるんだ。俺も真里も・・。
収録終了。
「おつかれさまでした〜」 4人がスタジオから出てくる。
俺は出てくるなり加護の手を掴んでこう言った。
「亜依ちゃん。今日は僕が大阪まで一緒に行くことになったから。実はもう時間が無いんだ。急ぐよ」
加護もマネージャから話を聞いていたらしく、さほど驚きもせず小さく頷いた。
「よろしくおねがいします。エーディーさん」
小さな声でそう言うと身支度のため廊下に歩いていく。
「加護ぉー。あんまメーワクかけんなよー」
真里が加護の背中に向かってそう声をかけた。俺にも一言欲しいところだが、それは状況が許さない。
(俺も「あんまって何だよ?」って真里に突っ込んでやりたかった。)
「はいやぐちさん。しずかにしてますー」
廊下から声だけが返ってきた。
タクシーの中。
俺はマネージャから受け取った二人分の「のぞみ」のチケットと握り締めてタクシーの車中にいる。
加護と一緒に。加護が座るとタクシーのシートがやたらと広くみえるな。
思わず吹き出した。加護は俺が吹き出した理由がわからずに、不思議そうな顔でこっちを見てた。
マネージャが用意したのぞみのチケットはグリーン車だった。座席はちょうど車両の真中あたり、窓側に加護、通路側に俺が座る。
この時間のグリーン車をそう混んではいない。いや、ガラガラに近いかな。
この車両に客は俺たちを含めて10人程度。少しはゆっくりできそうだ。俺は久しぶりのグリーン車の乗り心地を堪能した。
『ピロポロパロピロロロ〜ン』 俺の携帯メールの着信音が鳴る。
「うふふ。」その音がおかしかったらしく加護は隣で笑ってる。
〜メールは真里からだ。
「加護のボデーガードしっかり頼んだよ。あなたのMARIより」
なんだこりゃ。突込みどころ満載だな。思わず苦笑した。
「あ、あのー」 加護が隣で声をかけてきた。
「何?」
「着信音、おもしろいですね。」
「やってみる?」
「はい!」
俺は着信音の再生方法を教えて携帯を加護に渡した。
『ピロポロパロピロロロ〜ン』
「うふふふ。」
『ピロポロパロピロロロ〜ン』
「アハ。変なの」
どうやら俺の携帯の着信音は13歳の少女のハートをガッチリ捕らえたらしい。
そのうち着信音にも飽きた加護はボタンに割り当てられた音階でメロディーを作り始めた。♪ピーポーパーポーピー
「ダメだよ亜依ちゃん。ホントに電話かかっちゃうからさ」
液晶画面には適当に打たれた文字列が並んでる。
「えへへ。ベーだ。」
俺の手元に携帯が戻ってきたのはそれから1時間後だった。でもこうやって俺と加護は少しずつ打ち解けていった。
新大阪に着いたのはPM7時前。俺と加護はレストラン街で軽く食事を済ませ、中央口からタクシーに乗り込む。
下手に環状線乗ってバレたらパニックだからな。
大阪駅に着いた頃にはすっかり日が落ちて、帰宅ラッシュの波が駅周辺に押し寄せていた。
「待ち合わせ何時だっけ?」
「うんと8時半。」
「そっか。まだ時間あるね。・・・あの観覧車にのろうか!」
俺はファッションビルの屋上の真っ赤な観覧車を指差した。
「うん。」
観覧車に乗り込むと加護がすぐに聞いてきた。
「エーディーさんはカノジョいるんですかあ?」
俺は突然のことで少し驚いたが、まあ13歳といえば興味無いはずないしね。少し間を置いてこう答えた。
「ううん。いないよ」
(本当は矢口さんだよ。って言いたかったけどね。)
「ふ〜ん。そーですかあ・・・じゃ加護がカノジョになってあげる」
満面の笑みを浮かべて加護がそう言った。ちょっとドキリとした。でも気を取り直して・・・
「えぇ。あ。あー。いいね。で、でもね。ADって大変なんだよ。デートする時間も全然無いんだよ。きっと俺のカノジョになってもつまんないぞー!」
「そーですか・・・」
加護は寂しそうに下を向いてしまった。
(なんかまずい雰囲気になってきた!暗いぞ。)
「あ、あのさ!ま、真里、矢口真里ってどんな人?」
俺はこの雰囲気を断ち切るためにこう振った。
「あ、ヤグチサンですかあ?よく怒られてますう。
でもそれは加護たちがいたずらばっかしてるからで、ホントはいいヒトですよー。」
「ふーん」
「ハッピーなヒト。ヤグチさんは幸せモノですう」
ハマッタ。その通りだよ。流石加護ちゃん。
「鋭い!そーだよね、1年中ハッピーって感じだよねー。あ、いい意味でね。あははは」
「うふふ」
俺たちは真里を肴にして盛り上がった。観覧車から見える梅田のネオンが俺たちをハイテンションにしていた。
待ち合わせ場所である大阪駅中央口の歩道橋の上に着いたのは15分前だった。アマチュアバンド演奏の音が聞こえる。
帰宅を急ぐ人やこれから街へ繰り出す人の雑踏の中で、手すりに持たれかかり道路を眺めてる変な二人づれ。それが俺たちだ。
二人でモノマネバトルをしながら時間が過ぎるのを待った。俺の少ないレパートリーの中でもルパンと田中邦衛は大受けした。
時間が近づく。
「そろそろ、迎えにくるな。」
「うん。」 加護は頷いただけで黙ってしまう。
「どうしたのさ?元気無いじゃん。」
「まだ一緒にいたい・・・」
「何言ってんだよ。また東京で会えるじゃん。毎週、いや2本録りだから隔週か。」
(妙に現実的なこと言ってるな俺。動揺してるぞ)
「うん。でも・・・」 加護はまた黙り込む。俺も返す言葉が見つからなくて・・・。
「亜依、亜依。」 ふいに背中から女性の声がした。 加護の母親だった。
加護はすぐに母の腕にしがみついて、母を見上げて微笑んだ。
「時間どーりやね。もっと遅くても良かったんやけどなあ」
ちょっとすねたような表情を浮かべたが、その顔は安心しきった子供の顔。
俺は加護の母親と大人同士の挨拶を済ませて、加護の前で中腰になり目線を合わせた。
「じゃーな。」
「うん。ばいばい。」
母親は深々と頭を下げてる。俺も軽く頭を下げて、そして踵を返す。10歩ほど歩いたところで声がした。
「ありがとう」 関西のイントネーション。
振り返ると加護がすぐ後ろに立ってる。加護は照れくさそうに右手を差し出してる。
「握手、しよ。」
「ああ。」 俺は加護の右手を握った。普通の握手。
すると加護はその手を握ったまま俺の手の甲が真上に向くように手をねじる。
そして、そっとその手の甲に顔を近づけて・・・。
俺の手の甲に加護の柔らかい唇の感触が伝わる・・・。
3秒後には二人の手は離れて、加護は母の方に駆け出した。そして振り返って、「メッセージ・・・」
一言そういい残すとまた駆け出していった。俺は暫くその場を動けずにいた。
ただ呆然と小さくなっていく加護の姿を追いかけていた。見えなくなるまで・・・
帰りの「ひかり」の中。
俺は加護の「メッセージ・・・」という言葉を思い出した。メッセージなんてもらったっけ?
ポケットの中やメモ帳を見返してもそれらしいものは何も見当たらない。なんのことだろ?
あ、そーだ。携帯だ! そういえば「行きの電車」の中でなんか文字打ってたっけ。
俺は携帯を取り出してそこに映ってる液晶画面の文字を読んでみた。
「8973107949」
なんだこれ。どっかの電話番号かな。しかし桁があわん。
あの年代の子が考えることはよくわからん。なんかの暗号か?
8は「や」か?。9は「く」かな?
「・・・や、く、しち、さん、と、な、く、よ、く??」
「・・・やぐちさんとなかよく」か!なるほどー。
え?。・・・って事は・・・加護は最初から知ってたんだ!ちょっと目まいがした。
(ヤグチさんは幸せモノですう)
俺の頭の中で加護の声がリフレインしている。
電波状態が良くなったところで、さっそく真里に電話をかけてみた。
「もしもし、あの、俺だけど・・・」
「ん。あ、おつかれさーん。今どこどこ?」
相変らずのハイテンションだ。
「まーいいから。あのさ、加護ちゃんさ、俺たちのこと知ってるみたいだぞ」
「え、うん。だってわたし言っちゃったよ」
またちょっとクラっときた。
「・・・マジかよー。なんでさ?」
「え、だってー。加護に捕られたら困るもん」
「バカ!」
思わずそう言った。
「もー。そのバカを好きになったのはだれなのよ」
俺はその問いに返答できなかった。
「ひかり」は少し減速して新横浜の街の灯の中に包まれていった。
THE END
34 :
黄板:2001/04/24(火) 03:20
…ご苦労。
…甘系。
36 :
黄板:2001/04/24(火) 03:32
饅頭ばかり食ってるとカレーとかも食いたくなってくるものだ
頼むぞ・・・
38 :
名無し募集中。。。:2001/04/24(火) 09:57
あげ
39 :
5:2001/04/24(火) 18:01
あのDVDはいかがなものか。
矢口が一回しか出てこない。
>>27 エロ限定なの?
40 :
黄板:2001/04/25(水) 00:07
>>39 なんのDVDだ。
ただ得ろが読みたいだけだ。
41 :
5:2001/04/25(水) 00:56
42 :
5:2001/04/25(水) 18:48
娘。小説をずい分のあいだ読んでいない気がする。最後に読んだのが
「瞳にうつる私」だった。
感想書いてって言われてたから、いま書こう。
面白かったです。内容は。
ただ、ついてるレス(読み手のね)になんかイラっときた。自分の都合が良い
ときは持ち上げて、気に入らなければあっさり貶す。なんかだるいね。
作者さん、あのときはつっけんどんな態度でゴメンナサイでした。
それと「シアター」。完結してから読もう、と思ってたきりチェックしてない。
終わったのかな。。。
43 :
5:2001/04/25(水) 19:38
まじかよ。。。ぴぴたんスレ消えてるよ。
せっかく立てて保全してたのに。。。
あと、「シアター」終わってなかった。「シアターのつぼ」っていうスレができてた。
(羊)にずっと書き込めない。
ブラウザが変ですよん。っていうのが出やがる。
44 :
黄板:2001/04/26(木) 00:04
シアターはまだまだやろ。保全
45 :
4126:2001/04/26(木) 15:36
「石川、すげえ騒ぎだったみたいだな」
「うん。そうみたいだね」
こともなげにそういってのけるハイトーンボイス。
石川梨華が出した最終進路の提出は、職員室を阿鼻叫喚の坩堝にたたき込んだのである。
「第一志望 芸能界」
確かにうちの学校ではだんとつの美少女だった。言い寄ってくる男を(他校のやつらも含めて)片っ端から振りまくって居たのを俺は知っている。
けど気取った所はない。交際を断った理由だってテニスに専念したいというしごくまっとうな理由だった。
お嬢っぽく見えても、芯は強い。男子テニス部の主将で、部長会でいつも隣に座っていた俺は、そんな石川を見て来た。
たぶん、こいつは気が付いてねえんだろうけど。
46 :
4126:2001/04/26(木) 15:42
「でもねえ、ずっと考えてたことなんだよ。中学まではテニス、その後は他の事に挑戦しようって」
出れば負けの我が男子テニス部とは違い、女子テニス部はこの辺では敵無しの強豪。石川はそのチームをまとめあげていた。見た目よりはずっと芯の強い女なんだ。
けど、時にはぼやくことも多かった。俺はグチの聞き役で、泥を洗いざらい吐き出したこいつは、最後に小さな声で決まってこう言った。
「ごめんね、こんなに暗くって」
いいよ、おまえのグチだったらトラック一杯分でも聞いてやらあ。
そんなキザなことは言えなかった。
だから、俺もいつもの決まり文句を用意してたんだ。
「まあ、いろいろあっけどさ、ポジティブにいくべ」
47 :
4126:2001/04/26(木) 15:45
「ポジティブ、って、良い言葉だよね。あたし、何度も助けられたよ」
他に言えないから、ただそう言ってただけなのに。
「もしかしたら卒業式出られないかもしれないけど、第2ボタンくれないかな?」
「いいけどさ、じゃあ、おまえはなんか見返りくれんのか?」
「なにがいい?」
「おまえのキス」
48 :
4126:2001/04/26(木) 15:51
渇いた唇の上で、淡雪が消えたようだった。ほんのりとした甘味を残して。
「これでいい?」
俺は答えられず、ただバカみたく首を何度も縦に振った。
「一応ファーストですからね。ボタン全部くれなきゃ割に合わないよ」
そう言って、石川は俺の学ランからボタンをハズしていった。
シャンプーのにおい。しなやかな指の感触。ブラウス越しの、意外すぎるくらいの胸の感触。
ナマリみたいに重くなった腕にちからをこめて、抱きしめようとする。
腕は空を切り、彼女は学ランを抱えて、俺の背後に回っていた。
49 :
catvfw.avis.ne.jpさん:2001/04/26(木) 15:55
あいつは芸能人になった。
俺は地元の高校に進学した。あいつに似てない彼女もできた。
テレビの中のあいつは満面の笑みを振りまき、先輩たちにいじめられている。
その程度のイジメじゃ屈しない事を知ってるのは、たぶん俺だけだ。
けど今のあいつもまた、俺の知ってるあいつじゃない。
そのうち帰ってこい。いっぱいグチ聞いてやるよ。
それまで、俺の言葉、繰り返してつぶやけ。
「ポジティブでいきましょう!」
50 :
黄板:2001/04/27(金) 01:56
・・・ほぜ・む
51 :
5:2001/04/27(金) 02:23
野球のせいでモー。たいは無いし、ハロモニは30分遅れ。玉を棒でうつさまを
毎日見ていて、そんなにおもしろいのだろうか。。。
52 :
5:2001/04/27(金) 23:37
茶色い髪が心にわだかまる。そんな夜です。
移転先はここなのかしら。
54 :
黄板:2001/04/28(土) 01:27
>>53 名を名乗れぇ。
つーか俺は独り言やめたんですけどね。
55 :
53:2001/04/28(土) 23:49
>>54 すみません、オレは固定ハン持ってない人です。
ずっと独り言スレ、ロムっていたんだけど
ようやく狼板に書き込めるようになったので…。
止めちゃったんですか。残念。
56 :
黄板:2001/04/29(日) 00:28
>>55 そーなんすか。
なんかね、後半のほう唯の雑談スレになっちゃったんで
辞めたんですわ、ココだけの話。
独り言はnattoゴミ箱でやってたりする。
ほんと独りで。
57 :
フジテレビ見ろ:2001/04/29(日) 00:46
巨乳アナウンサー
58 :
名無しさん:2001/04/29(日) 01:33
「なつみ、好きだよ」いきり立った肉棒を彼女の北海道産天然はまぐりに
挿入しようとした時、凄まじい爆発音がした。キャァー、なつみが悲鳴を上げ、
「なに!今の音」俺に答える間もあたえず急いで服を着て
外へ飛び出していった。
俺も急いでズボンを上げ、ベルトを締めながら戸を蹴って外に出る。
先に出たなつみが悲鳴を上げ、トイレの方に走り出していった。
視線を下に向けると、加護と吉澤が仰向けに倒れている。
吉澤は顔もからだもズタボロに裂け、加護は目をやられていた。
右の眼球が頬骨の上に飛び出し視神経でぶら下がっている。俺はどうすれば
いいのかわからなかった。周りでは他のメンバーが集まり出してきた。
59 :
黄板:2001/04/29(日) 01:57
60 :
黄板:2001/04/30(月) 00:19
ほぜむっとく
61 :
名無し募集中。。。:2001/04/30(月) 05:02
a
62 :
名無し募集中。。。 :2001/04/30(月) 05:03
63 :
5:2001/04/30(月) 20:21
つんくが一番美化されてるっつーの。保(略
65 :
5:2001/05/01(火) 17:24
『イエスタデイ・ワンス・モア』
66 :
5:2001/05/01(火) 17:25
「ねえ、梨華ちゃん、終わった?」
モーニング娘。の楽屋、その声と一緒にドアが開く。
わたしは視界のはしによっすぃーをとらえると、
「えっ……と、ちょっと、まだ」
と、手元から目を離さずにこたえた。
両手の中の真新しい携帯電話。
着信の履歴をアドレスに登録しているのだ。
「慣れてないから、ちょっとたいへんで……」
隣りによっすぃーを確認しながらも、もくもくとその作業を続ける。
携帯電話を辻と加護に壊されたのは、ついこのあいだのことだった。
ジュースの入った紙コップにボチャン。
それはもちろん、ふたりにとってはいつものイタズラだったんだと思う。
わたしもいつもどおりに笑って、「も〜っ」とか怒ったフリをしていた。
電源さえつかないことに気がつくまでは。
67 :
5:2001/05/01(火) 17:26
結局その電源が入ることはなく、携帯電話は買い換えることとなった。
わたしの家に届いたのが昨日。
番号がわかる友達の分は登録しておいた。
そして今日は、事情をみんなに説明して電話をかけてきてもらい、
順番を書いたメモと照らし合わせて、その履歴をアドレスに登録しているというわけ。
これがまだ、マネージャーさんや事務所の人たちの分を合わせると、ずい分と残っている。
「辻加護もしょうがないよね、ほんっとに」
社交辞令のようにそう言って、
よっすぃーは隣りの椅子に座ると、テーブルの上にあった雑誌をパラパラとめくっている。
すでにテレビの収録も無事終了して、
帰りの車待ちも、残すところわたしとよっすぃーだけになっていた。
68 :
5:2001/05/01(火) 17:26
しばらくして、
「梨華ちゃん、あのさ。ヘンなこときいていい?」
相変わらずわたしはディスプレイを見つめたまま、「なに?」とうわの空にこたえる。
「もうすぐ、半年になるよね?」
わたしはちょっと考えてから、
「あ、うん。モーニングに入って、もう半年になるんだ。はやいね」
とこたえた。
4月のころがなんとなく頭をよぎった。なつかしい。
けれどよっすぃーは、
「いや、そうじゃなくてさ。市井さん。市井さんが卒業して半年、ってこと」
わたしは一度顔を上げて、よっすぃーを見た。
恥ずかしそうに、また短くなった髪をかいている。
「そっか、そうだね。もう11月だから、半年になるんだ」
「……うん」
そして沈黙。なんとなく、わたしはかける言葉を失っていた。
よっすぃーが市井さんのことを言うのは珍しいことではない。
後藤さんとよく話しているみたいだし、そこで市井さんのことが色々出てきているのかもしれない。
―― 市井さん。
辻と加護はけっこう怒られていたけど、わたしとはそれほど接点があったわけではなく、
正直、わたしはあまり印象には残っていなかった。
だから、わたしにききたい、なんてことはほとんど無意味なことなのに。
いったいなんなんだろう。
わたしがひとりで色々考えているうちに、「吉澤〜」とマネージャーさんの声。
「あ、じゃあいいや。また今度で。じゃね、梨華ちゃん」
と残して、よっすぃーはいそがしく行ってしまった。
わたしはなんとなく釈然としないまま、閉じていくドアを見つめていた。
よっすぃーが何をききたかったのか。
市井さんの何を知りたかったのか。
マネージャーさんが呼びにくるまでそのことが頭から離れず、結局番号をすべて登録することはできなかった。
70 :
5:2001/05/01(火) 17:42
*
71 :
5:2001/05/01(火) 17:43
「……はぁ」
思わずため息がもれた。
わたしの部屋、もう時間もずい分と遅くなってきている。
ようやく電話番号の登録も残すところ最後の一件となり、わたしはメモを見たのだが、
そこには誰の名前もない。
ディスプレイにはまだ数字の列が残っているのに。
もしかして途中でズレたんじゃないか、と絶望的な気分になりながら、
わたしはとりあえずその番号にかけてみることにした。
もしかしたらメモに書き忘れただけかもしれない。なんて都合がよすぎるかな。
発信ボタンを押して、耳元に携帯をつけた。
呼び出し音。
しばらくそれが続いて、わたしがあきらめて切ろうとしたとき、
「―― はい」
とようやく相手がでてくれた。
72 :
5:2001/05/01(火) 17:43
時間も時間だったから、
「夜分おそれいります。あの、モーニング娘。の石川です。あの、電話番号を、おききしたんですけど、
お名前を忘れてしまって、教えていただけませんか?」
と、一気にまくし立てるように言った。
少なくとも昼に一度話しているのだから、あっさりこたえてくれるだろうと予測していた。
けれど返事はなく。
わたしがまた、「あの」と言いかけたとき、
「えっと、今モーニング娘。とかって言いましたよね?」
眠そうな低い声が返ってきた。
「あ、はいそうです。モーニング娘。の石川です。石川梨華です」
また沈黙。
わたしもいよいよおかしいな、と思いはじめていた。
ただ、履歴にかけたんだから番号を間違えるということは絶対にないだろうし、
もしかしたら、相手の家族の誰かなのかもしれない。
73 :
5:2001/05/01(火) 17:44
電話の向こうでため息をつくのが聞こえた。
そして、
「あんたさぁ、アレ? ストーカーとかっていうやつ?」
威圧するような女の人の声だった。
わたしが面食らっていると、
「どうやって調べたかは知らないけどさ、モーニング追っかけるんなら知識ぐらいちゃんとつけときな。
モーニング娘。に石川なんて子いないっての、勉強不足、じゃね!」
さらに乱暴にそう言って電話は切れてしまった。
どうすることもできず、わたしは携帯電話をずっと握りしめていた。
そのときわたしが聞いた声。
わざとドスをきかせていたようだったけど、間違いない。
もう忘れてしまっていたはずなのに、いったん声を聞けばその顔は鮮明に頭に浮かんできた。
市井さん。
わたしの電話にでたのは、市井紗耶香だった。
74 :
5:2001/05/01(火) 17:46
連続投稿規制にはじめてひっかかった。はぁ。。。
75 :
黄板:2001/05/01(火) 18:02
アリサー
76 :
5:2001/05/02(水) 00:18
*
77 :
5:2001/05/02(水) 00:20
数日が経ち、わたしたちは岐阜でのコンサートのため、会場入りしてリハーサルをこなしていた。
あの電話のことが頭から離れなかった。
あの声は間違いなく市井さんだ。わざと声色を変えていたけれど、むしろそれは今まで聞いたどんな声よりも、
幼かったように思える。
そして気になるのが、「モーニング娘。に石川なんて子いない」という言葉。
それがわたしには理解不能だった。
「モーニング娘。の石川梨華」と名乗ったわたしのことを、偽者だと言うのならまだわかる。
しかし、「モーニング娘。に石川なんて子いない」というのは、どういうことなんだろう。
一般の人が言うなら、わたしの人気なんて全然ないから、納得できる。
けれど市井さんは違う。わたしは市井さんがモーニングにいたころに入った。
面識もあるし、ほんの一瞬だったけど、一緒に活動した。
歌も一緒に唄った。
知っていないというのは、絶対におかしいのだ。
78 :
5:2001/05/02(水) 00:20
「梨華ちゃん、どうかしたの?」
そんなことをずっと考えていたわたしは、もちろん集中などできているはずもなく、
前日にあったコンサートでも細かなミスを連発していた。
リハも休憩に入り、よっすぃーが心配してくれたのか、声をかけてくれる。
「よっすぃー……」
隣りによっすぃーを招いて、ふたりで壁にもたれる。
疲れていたのかもしれない。私はそのままズルズルとしゃがみこんでしまった。
スタッフの人たちがいそがしく通り過ぎていく。
一緒に座り込んでくれたよっすぃーと、それをぼんやりと眺めていた。
「よっすぃーこの前、市井さんのこと言ってたよね? わたしに何かききたいって」
よっすぃーは横目でチラリとこちらを見て、
「あれは、もういいよ。なんか、こっちの勘違いっていうか、なんていうか……。
梨華ちゃん、なんかあったの?」
79 :
5:2001/05/02(水) 00:21
なんとこたえていいのか迷っていた。
結局わたしは、
「よっすぃー、いま市井さんが何してるかとか、知ってる?」
と、きいた。
すべてを打ち明けることはできなかった。
「え? ああ、あたしは知らないけど……。
ごっちんとか矢口さんとか、あと中澤さんなら知ってるんじゃないかのかなぁ。連絡とってるって言ってたから、
きいてみる?」
薄い唇をとがらせて、こちらを見ているよっすぃー。
わたしは誤魔化すように、
「そこまでしなくてもいいよ〜、ただ、ちょっと何してるのかなって思っただけで……」
「そう?」
視線が外れてまた、人の流れを見つめる。
80 :
5:2001/05/02(水) 00:21
人に心を開く、あるいは何かを包み隠さず打ち明ける、わたしはいまだにそれが上手にできなかった。
今回のことも、よっすぃーに言ってしまえばずい分と重荷も軽減するんだと思う。
けれど、直前にブレーキがかかっていた。
言ってはいけないと、わたしの中で誰かが言う。言ってしまったら、おかしな目で見られるかもしれない。
よっすぃーとの関係が崩れてしまうかもしれない。
どうしても、わたしの口は正直に動いてはくれなかった。
81 :
5:2001/05/02(水) 00:23
つづく。。。
82 :
名無し募集中。。。:2001/05/02(水) 08:30
83 :
@@:2001/05/02(水) 08:31
OLIVIAの口内にチンポぶち込んで、激しく腰を動かし
口内SEX。
そしてOLIのオマンコをなめまわしたあと
唇を重ね唾液交換しながら、正上位で
中だし。
サイコーだね
84 :
5:2001/05/02(水) 15:34
*
85 :
5:2001/05/02(水) 15:35
名前が表示されていないその数字の列。あのときの電話番号。
ディスプレイに映し出されたそれを、わたしはずっと見つめていた。
明日は静岡でコンサートがある。そのためいったん都内にもどってきていた。
わたしの部屋だ。
今日のコンサートは、正直言ってサイアクだった。
大きなミスこそなかったが、やっぱり細かなところは色々と間違えて、それが逆に嫌だった。
こんな気持ちで唄うぐらいなら、わたしがダメになるほど大きなミスをおかした方がまだよかった。
わたしはその全部をこの電話番号のせいにして、携帯をにらんでいた。
発信ボタンに指をのばし、それをやめる。
本当はかける勇気もないくせに、指先が引っかかるだけで悲鳴を上げる左胸をいじめていた。
ふと、明日のコンサートのことを考える。
今日みたいなことは絶対にしたくはなかった。絶対に繰り返したくない。思わず手に力が入る。
「ピッ」と電子音が鳴った。
驚いて手元を見る。ときすでに遅く、小さな呼び出し音がもれ出していた。
86 :
5:2001/05/02(水) 15:37
「―― どうしよ」
口をついて出る弱音。ただ、それでどうにかなるということはなく、わたしはおろおろと携帯を両手で持ったまま、
立ち上がって部屋をぐるぐる歩き回っていた。
―― 切ってしまえばいい。
―― このまま切ったら、明日も同じことを繰り返すことになる。
ふたつの意思が拮抗して、頭の中がパンクしてしまいそうだった。
そのあいだも呼び出し音は鳴り続ける。
そして、あの時と同じぐらいのタイミングで、
「―― はい」
と、その声が聞こえた。左胸がひとつ、強く打つ。ビクンと体中が反応して、わたしは立ち止まった。
それはやっぱり、市井さんの声だった。
87 :
5:2001/05/02(水) 15:39
あわてて耳に携帯をあてる。
「あのっ! わたし、その……、石川と言います。モーニング娘。の」
そう言ってから、さっそくの後悔。これじゃあ、この前とかわらない。
なんとか取りつくろおうと、
「ホントにモーニングなんです。オーディション受けたんです。受かったんです。信じてください。
わたし、モーニング娘。なんです」
ますます事態は悪化しているような気がした。とにかく頭の中がパニック状態だった。
市井さんはフンと鼻をならすと、
「あんた頭、おかしいんじゃないの? モーニングに石川なんていないって、しつこいよ。それよりあんた、
この番号どうやって調べたんだよ」
突き放すように言う。
気がつくと、ぼたぼたと胸のあたりの服に涙が落ちてシミをつくっていた。
市井さんの口から、そんなことを言われたのがショックだったのかもしれない。わたし自身を否定されたような。
意思とは無関係に涙がこぼれ落ちた。
88 :
5:2001/05/02(水) 15:40
「ほんと、なんです……。信じてください。オーディションに受かって、モーニング娘。になって、
市井さんとも会って……」
声が涙でにごり、何を言って良いのかもわからなかった。ただ、わたしは思いつくことを口にしていた。
ひととおり聞き終えて市井さんが、
「で、あたしが市井紗耶香だってのはわかってるわけだ、イシカワさんは」
さらにわたしの返事を待たずに続ける。
「でもね、あたしはイシカワなんて子は知らない。モーニング娘。のあたしが言ってるんだから、
間違いないでしょ、わかる? イシカワさん」
その言葉が発せられたのは、ちょうどわたしが目じりをぬぐったときだった。
―― モーニング娘。のあたしが言ってるんだから。
手が止まった。
―― モーニング娘。のあたし。
モーニング娘。の、市井さん?
89 :
5:2001/05/02(水) 15:50
パニックの要素がひとつ増えた。
自分をモーニング娘。だと言う市井さん。元モーニング娘。ではなく、モーニング娘。だと。
市井さんは今年の5月に卒業したはずだ。
今年の ――
それは他の要素もすべて吸収して、一気にわたしの頭の中でふくれ上がった。
「あの、市井さんはモーニング娘。なんですか?」
涙をおさえ込んでそうきいた。
向こう側でため息をつくのがわかる。そしてあきれたように、
「ホントにあんた、バカなんじゃないの? わけわかんないよ、言ってることが。あたしはモーニング娘。の市井紗耶香。
それがわかってて電話してきたんじゃないの?」
90 :
5:2001/05/02(水) 15:50
とっさに浮かんだ可能性がふたつ。
ひとつは市井さんがおかしくなってしまった、ということ。
モーニングを卒業して、なんらかの理由で心に傷を負ったとか、精神に異常をきたしたとか。
そういうことがまず思いついた。
そしてもうひとつ。
これは完全に常軌を逸した考えだ。ただ、これならふたりともが、マトモでいられる。
それは、
いまわたしと話している市井さん。この電話の向こうの市井さんが、もしかして過去の人だったとしたら?
過去につながる電話。マンガによくあるパターン。完璧にSFの世界だ。けれどもし本当に、
携帯の向こう側が何年か前の世界だったとしたら?
それですべてのツジツマが合うような気がした。
わたしはゆっくりとツバを飲み込むと、
「あの、いいですか? 今年、今年ですよ。今年って何年だかわかります?」
市井さんは、「は?」と声に出してしばらく沈黙を置いてから、
「1999年だけど、それがなんかあるの?」
と、こたえた。
91 :
5:2001/05/02(水) 15:51
また連続投稿規制だよ。。。くそう。
92 :
黄板:2001/05/02(水) 17:56
D&D好きだったんだけどなー。
オリビア以外の2人は何してるんだろなー。
93 :
5:2001/05/02(水) 18:31
94 :
黄板:2001/05/03(木) 00:26
>>93 ふむ…?好きだったのは…5年くらい前かな…
ちかが好きだったような記憶があるが顔が出てこねぇ。
95 :
5:2001/05/03(木) 17:30
*
96 :
5:2001/05/03(木) 17:31
「今日は、1999年11月25日。これでいい? あんたホントに大丈夫?」
そう言った市井さんの言葉も、後半は耳に入ってこなかった。
―― 1999年11月25日。
今日が2000年11月25日だから、ちょうど1年前だ。
この携帯電話の向こう側が1年前の世界。
にわかには信じられない。
ただ、市井さんの口調は真剣、というよりむしろ当然のことを言っているという感じで、
嘘をついているようには思えなかった。
それに嘘をつく必要だってない。
下唇に指先をあててしばらく考えてから、
「あの……、ちゃんと聞いてください? わたし、名前は石川梨華っていいます。
いまわたしは、モーニング娘。なんです」
どうしてこんなことを言ったのか、わたしにもわからない。
ただ、少しだけ話したくて、思わず口をついて出た。
97 :
5:2001/05/03(木) 17:34
「またそれ? あんたもしつこいね。モーニング娘。は8人で ――」
「知ってます。1999年はまだ、8人なんですよね? 後藤さんが加入して8人になった」
わたしは「まだ」の部分にアクセントをおいて言った。
11月なら石黒彩さんも卒業していない。モーニング娘。は確かに8人だ。
確信を持ったわたしのしゃべり方に、市井さんの反応が少しだけかわる。
「まだ、ってなにそれ? 1999年はまだ8人って」
さっきまでの変人を相手にしている、という感じとは違う。本心からの疑問というか。
「はい、そうです。また加入するんです、2000年の4月に。それで、わたしが加入するんです」
やっと、話の主導権がにぎれたような気がして、
なんだか嬉しくて、つい調子にのって声が高くなった。
それが冗談に聞こえたのか、市井さんはまた、
「あ〜、なるほど。これからモーニングに入るってことね。はいはい、じゃあ頑張って。
もうこの電話番号かえるわ、電話してきても無駄だから」
「あっ、あ、待ってください。ホントなんです。こっちは2000年なんです。2000年の11月25日」
98 :
5:2001/05/03(木) 17:36
「は?」と言ったきり、市井さんの声が途絶えた。
わたしは心配になって、
「あの、市井さん? 電話切ってないですよね? 聞こえますか? きこえますか〜。
きこえてますよね〜」
「あー、もう、うるさいな。ちょっと考えてたんだよ。あんたが、その2000年の人だって、あたしに信じろっていうの?」
わたしはそくざに、
「はい、そうです」とこたえる。
もう慣れてしまった市井さんのため息が、「はぁ〜」といつもより長めにきこえた。
そのあと、
「無理。やっぱり信じれない。っていうか、これで信じる方がおかしい」
確かに、それはそうだ。
わたしは市井さんのことを知っていたから、携帯の向こうに顔が見えていたから、
「今年が1999年だ」と言われたとき、向こうが過去の世界だという考えに行き着くことができた。
でも市井さんは違う。
電話の相手、わたしの顔が見えていない。
わたしはたぶん、頭のおかしな人。自分の妄想を話しているヤツなんだ。そう思われてもしかたがない。
わたしだって、同じ電話がかかってきたらそう思うだろう。
99 :
5:2001/05/03(木) 17:44
けれどわたしは自己中心的に、
「じゃあ、どうしたら信じてもらえるんですか? どうしたら、わたしが言うこと信じてもらえるんですか?」
と、声を荒げた。
信じてもらえない、そのことが寂しかった。
市井さんもカンに触ったのか、
「は? なんであんたそんなにムキになってんだよ? やっぱ、あんたおかしいんじゃ ――」
わたしは市井さんの言葉を途中からさえぎるように、
「だって! わたし、市井さんともっと、お話ししたいんですっ!」
と、反射的にこたえていた。
言ったわたし自身、それが本心なのか理解できていなかった。
もっとほかに立派な理由があるはずだ、と頭の中を探してみたけれど、「市井さんと話したい」、
それ以外の言葉は見つけられなかった。
市井さんは苦笑して、
「なんでそこまであたしと話しがしたいんだよ? 2000年、来年なんだろ? だったらそっちにだって、
あたしがいるはずじゃん」
わたしはとっさに、
「だって、こっちの市井さんは、すごく……、怖くて」
―― 嘘をついた。
100 :
5:2001/05/03(木) 17:49
こっちの市井さん。
卒業してから、わたしは会ったことも、話したこともない。わたしの知らない人。
たったひと月だけの、わたしの先輩。
言ってしまってから、ぎゅっと左胸が痛んだ。
そんなわたしを市井さんは気にもとめず、
「わかんないなぁ、どっちだってあたしなのに……。まあいいや、だったらなんか未来のこと教えてよ。
それがあってたら、信じてあげなくもない」
と提案する。
わたしは首をかしげて、
「あの、そっちは11月25日ですよね? だったらちょこっとLOVEの発売日……」
「うん、今日だけど」
嬉しそうなその返事。プッチ、頑張ってるんだ。
「だったら1週間後には、ウィークリー出ますよね? それの結果、わたし知ってます」
101 :
5:2001/05/03(木) 17:49
「―― え、順位ってこと?」
自信たっぷりに言ったわたしに、戸惑っているようだった。
そして市井さんは、「ふむ」と短く息を吐くと、
「じゃあ、それでいいや。ちょこっとLOVEの……、オリコン。オリコンのウィークリーの順位ね。
それ言ってみて。そんでまた1週間後に電話してきてよ」
と挑戦的な口調で、「あててみろ」と言わんばかりだ。
わたしはコホンとせき払いをして、少しもったいつけてから、
「もちろん、1位です」
と、胸をはって言った。
102 :
5:2001/05/03(木) 17:53
規制だ、わっしょい。はじめて串とおして書き込んだよ。
103 :
黄板:2001/05/04(金) 01:35
いいくにつくろう。
104 :
ビル・ゲイツ:2001/05/04(金) 22:59
書くよ
105 :
黄板:2001/05/04(金) 23:28
106 :
黄板:2001/05/05(土) 02:21
GW厨
107 :
5:2001/05/05(土) 03:44
ホームページ作りに飽きる。。。
紫、在庫売り切れにつき、次回更新が危ぶまれる。
108 :
5:2001/05/05(土) 14:28
*
109 :
5:2001/05/05(土) 14:29
それからの日々は、飛ぶように過ぎていった。
あの日の翌日、静岡でのコンサートでは、カタチはどうあれコトが決着してくれたおかげで、
納得できる歌を唄うことができた。
そして、
仕事の合間、移動時間、それに休憩時間。ふとしたときに、ウキウキしている自分に気がつく。
すべてがそうだとは言い切れないけれど、
その理由の大部分はたぶん、携帯電話の向こう側、市井さんだったんだと思う。
きっと市井さん、喜んでるんだろうな。
当時のわたしにはテレビの中のことでしかなかった、プッチモニのストーリー。その一端に触れることができる。
それだけで、わたしの胸は高鳴った。
110 :
5:2001/05/05(土) 14:31
そして、12月2日。あれからちょうど1週間が経った。
わたしはあのときと同じように、両手の中の携帯電話をじっと見つめていた。
「市井さん」と名づけた電話番号。
ひとつ大きく深呼吸をしてかから、発信のボタンを押した。
プッチモニの1stシングル、「ちょこっとLOVE」は2週連続で1位をとり、ミリオンセールスを記録する。
市井さんの喜ぶ顔が目に浮かんだ。
携帯からもれる呼び出し音を耳にしながら、
わたしが先に結果を言ってしまって、その喜びが半減していたらどうしよう、
とか余計な心配をしてみたり。
市井さんもわたしのことを信用してくれて、1年後の人とおしゃべりするんだから、
きっとドキドキしてるはずだ、なんてへんに期待をしてみたり。
とにかく、ちゃんと話せるであろうことが嬉しくてしょうがなかった。
111 :
5:2001/05/05(土) 14:33
やっぱり電話がつながるまでには、過去の2回と同じぐらいの時間がかかった。
やきもきしながら、わたしが相手を間違えたかな、といったん耳元から話したときに、
「―― はい」
と、ようやく市井さんの声がきこえた。
「あの、わたしです! 石川です!」
きっと喜んでくれる。歓迎してくれる。そう思って、とびきり高い声が出た。笑っていた。
けれど、
「ああ、あんたね。そっか、電話するって言ってたっけ」
たったそれだけ。
市井さんの返事は、たったそれだけだった。
112 :
5:2001/05/05(土) 14:34
思わずわたしは絶句していた。天国から地獄へ。まさにそんな感じだ。
市井さんも、何も言ってはくれない。
しばらくして、
「あの……、ちょこっとLOVE、1位とれなかったんですか?」
わたしは恐る恐るそうきいた。
考えられる可能性はそれぐらいしかなかった。
「え? ああ、それね。1位だったよ。結果は今日じゃなくて、ちょっと前に出たんだけどさ。
あんたの言ったとおりだった」
「じゃあ、信じてくれますよね? わたしがモーニング娘。だって」
「はは……、なんでそこまで必死なんだよ。いいよ、信じといたげる」
そう言った市井さんの言葉はどこか無責任で、そんなことどうでもいい、と言わんばかりだった。
わたしはやっぱり納得ができず、
「ほんとにモーニング娘。なんですよ? 2000年にいるんですよ? それだけなんですか?」
と、せっつくように言う。
もっとわたしのことを気にかけて欲しかった。
113 :
5:2001/05/05(土) 14:39
結果、それは逆効果で、
「しつこいんだよ! あたしがそれでいいって言ってるんだから、それでいいじゃん。
なに期待してんだよ! あんたの声きいてるとなんか、イライラするんだよ」
今までにないぐらい、わたしに突き刺さる言葉。
嫌な余韻だけが耳に残る。
わたしは「すいません」と、ようやく口の中から言葉を出して、押し黙った。
気を抜いてしまえば、すぐに泣き顔を作ろうとするほほを、片手で必死におさえていた。
沈黙のあと、
「言い過ぎた……、ごめん」
市井さんがそう言ってくれた。
それでわたしもなんとか涙をこらえて、
「わたしも……、なんか調子にのっちゃって、すいませんでした……」
けれど、まだ声は震えはとまらず、
「なんか、へんに期待しちゃって……」
そう言い終わるころには、結局涙がぼろぼろこぼれた。
114 :
5:2001/05/05(土) 14:41
なにもしゃべれず、ただ耳に携帯を押し当てているだけ。
口をぎゅっとむすんで、わたしは何度も涙が一刻もはやく止まってくれることを願った。
市井さんは手のかかる子をあやすように、
「ちょっと、いろいろあってさ。イライラしてて……、あんたは関係ないのに。ホントごめん」
関係ない ―― その言葉にわたしは反射的に、
「あの、それ……、わたしがきいてもいいですか? ……話してくれませんか?」
涙まじりの声でそう口走っていた。
―― また怒られる。
わたしが覚悟を決めて目をつぶったとき、市井さんは「ふっ」と笑って、
「未来にいるんだったら、それぐらいわかるはずだろ?」
それはさっきとは違う。
ぜんぜん違う。ちょっとだけイジワルで、けれどどこか優しい声。
115 :
5:2001/05/05(土) 14:42
わたしはそう言われて、必死に思い出そうとする。
1999年の12月。なにがあった?
わたしにきくんだからプライベートなことじゃない。たぶんテレビでも放送されたこと。
記憶のページを、いそいでめくっていく。そして ――
「―― あ」
ようやく気がついた。
石黒さん。石黒彩さんの、脱退だ。
116 :
5:2001/05/05(土) 14:43
だんだん文章が荒れてきるってこと……、みんなにはヒミツォンディー。
117 :
5:2001/05/05(土) 15:27
土曜ちう気がしないな。
携帯忠臣蔵のビデオ観た。やっぱり八嶋智人だったわけね。
118 :
ppp2.infosakyu.ne.jpさん:2001/05/05(土) 17:30
こんな小説がたくさんあったとこ、どこ行ったか知らん?家庭教師をやっている。相手は中学生の女の子だ。名前は後藤真希。スレンダーなボ
ディで、茶髪にしたかなりの美人だ。この日、真希ちゃんの家に教えに行くと家の人
は他に誰もいなく、二人きりだった。2時間の授業に取りかかる前に、一緒にしばら
く「息抜きのため」プレステで遊んだ。もちろん、千載一遇のこのチャンス、逃すつ
もりはない。隙を見計らって俺は飲み物に一服盛った。
「真希ちゃんは彼氏いないの?そんだけ可愛いからもてるんじゃないの?」
「そんなことないですよ。時々友達と一緒に遊んでるとナンパされるけど、そういう
のって何か怖いじゃないですか」。
「でも学校で男の子とかからコクられたりしないの?」
「全然。取っつきにくいんですかねえ」
「パッと見が派手だからねえ。大人っぽく見られてるんじゃないの?じゃあまだバー
ジンなんだ」
「そうですよぉ。当たり前じゃないですかぁ。こうみえても汚れを知らない乙女なん
ですから」。
笑うと茶髪が揺れ、白い歯がのぞく。
ゲームは続いているが、少しずつ真希ちゃんの動きが鈍くなっていく。ようやく薬が
効き始めてきたらしい。
「ん…なんだか眠くなってきちゃった。おかしいな…」。
一生懸命睡魔に抗っているようだが結局真希ちゃんは抵抗むなしく眠り込んでしまっ
た。そうなったらもうあとはこっちのなすがままだ。ベッドの上に運び、後藤真希の
すべすべの肌を味わう。無防備なキャミの上を脱がすと意外にもピンク色のかわいら
しいブラ。細い身体だがカップはありそう。早速ブラのホックをはずして、上半身を
むき出しにする。まだ発達途上といった感じで幼さの残る胸だが、ピンク色の小さな
乳首といい、形の良さといい、これからが楽しみなおっぱいだ。日焼けした肌の色に
色素の薄そうな乳首のピンクがよく合っている。舌先で転がすとまだ未開発の身体で
も感じるらしく、少しずつしこってくる。
「んん…」うめき声がまた色っぽい。眉をしかめている。
今日の真希ちゃんは黒のスカート。それをしゅっと抜き去ると、大人っぽい黒いパン
ティも一気に脱がしてしまう。俺のベッドの上で生まれたままの姿をさらしている真
希ちゃんの身体をじっくりと見つめる。
アイドル妄想テキストだな。googleで検索すれば一発で見つかるよ。
120 :
YOKcd-03p54.ppp.odn.ad.jpさん:2001/05/05(土) 21:32
バージンて何?
後、処女とかって
何?
ぶっちゃけて言えば、質問君(以下略
121>へ?どういうこと?
バージンとか処女とかって
何?
123 :
黄板:2001/05/05(土) 23:03
な、なんだ!?
まあ今はGW厨ですけども・・・
124 :
5:2001/05/05(土) 23:56
休み終わりの、このそわそわ感がたまらん。
125 :
アンチ石川(元石川ヲタ):2001/05/06(日) 00:14
とりあえず、アンチ石川とか言う人が、log0076の掲示板をチェックしている事が判った。
これは幾分興味深い事実だ。それとは関係なく、5の小説は定期チェックして行きたい。モー板2ch。
127 :
黄板:2001/05/06(日) 01:08
最近逝ってないな、保存庫…
128 :
5:2001/05/06(日) 01:31
「春なのに ――」に貼ってある方が、not found...で入れない。。。
確かに入れない。お茶目な管理人さんが激しく更新中だと思われ(る)。
私の記憶が正しければ5氏は、以前「保田のおっぱい」スレでバイオレンスな
モーニング娘。小説を書いていた方だと思うのだけど、あれの続きはいずれ
書かれる事が有るのだろうか、と少し聞いてみたく思い、ここにお邪魔させて
頂いた。それはともかく、紫の方も頑張ってちょうだい。ゆっくり待つ。
130 :
黄板:2001/05/06(日) 02:07
黄板様。それってスレ違いっぽいんですけどー。
でも、そのちうがくせいってのは多分□□なので怒ると損かもしれませんよ。ほほほ。
いずれネタを書き込んでみたく感じさせるスレですなぁ。
132 :
黄板:2001/05/06(日) 03:16
ああ、わかった。今やっと。
逝きます。
「春なのに ――」ってどこ?
135 :
5:2001/05/06(日) 12:58
136 :
5:2001/05/06(日) 12:59
「はは……、あんたほんとに未来の人なんだね。まだ放送されてないよね? 彩っぺのことって」
わたしが石黒さんのことを伝えると、市井さんは力なくそうこたえた。
石黒さんの脱退、それがASAYANで放送されるのは12月の5日。向こうでは、3日後のことになる。
収録されたのは、
たしか11月30日。「ちょこっとLOVE」のオリコン順位が、市井さんたちに知らされた直後だ。
「なんかさ、喜んでたのがバカみたいで ――」
「―― あの」
突然話しはじめた市井さんにおどろき、わたしがその言葉を切る。
市井さんはおかまいなしに、
「聞いてくれてるだけでいいから……。ちょっと、そのまま……、適当に返事、しといてくれない?」
わたしはベッドの上、居住まいを正して「はい、わかりました」と神妙にこたえた。
137 :
5:2001/05/06(日) 13:01
けれど、市井さんは少し笑って、
「あんたの、ごめん、石川の声ってさ、けっこう気が抜けるよね」
となんだかわたしの声が、ムードを壊しているかのような言い草。
しかしわたしの反論より先に、
「でも、それでいいや。……そっちの方がいい」
と市井さんは言葉を続けた。
「あたしさ、なんかね、なんにも見えてなかったなぁって思うんだ」
その声のあとに、沈黙がやってきた。
何か言うべきなのか迷ったけど、
「見えてない、ですか?」
「うん、自分のことばっかりで、頭ん中いっぱいにしててさ。彩っぺのことなんて、
ぜんぜん気がついてあげられなかった。
彩っぺが脱退するってきかされたとき、おとといなんだけどね、あたしなんにも知らなかったんだ」
138 :
5:2001/05/06(日) 13:02
わたしがモーニング娘。に入ったそのときから、市井さんはすごく強くて、
すごくたよりになる人だった。
辻と加護のことも、中澤さん以上によく叱っていたし、たまにだったけれど、わたしやよっすぃーも注意された。
最後に武道館で見せた涙もどこかいさぎよくて。
市井さんといたひと月のあいだ。
こんなふうに弱音をはくところなんて、見たことがなかった。
「撮影とか、収録とか、あたし、ずっと隣りにいたのにさ。……ぜんぜん、気がつかなかった。
もう1年以上いっしょにいるのに、気がついてあげられなかった」
「それは……」
思わずさえぎった。そして、
「あの……、なんでも見れてる人なんて、いないと思います」
生意気を言った。
「言うね、石川。でもさ、もしも、もしもだよ。あたしがそのとき気がついてたら。彩っぺのこと、
とめれたんじゃないかって、なんとかなったんじゃないかって、そんなことばっか考えちゃうんだよね」
そう言って、市井さんは寂しく笑った。
139 :
5:2001/05/06(日) 13:03
それからはもう、市井さんはずっと独り言のように、
「彩っぺのいないモーニングなんて、
ちょっと想像つかないよ。ステージに立ってもさ、彩っぺのいたところにはもう誰もいなくて……。
歌のパートもほかの誰かが唄ってて……。
なんか、最初からいなかったみたいに、彩っぺがいなかったみたいに、全部が組み変わっちゃって。
これからのあたしは、そんなふうに唄わなきゃいけないのかなぁ。そんなの……、
嫌だなぁ」
ときどき聞きとれなくなる、小さな声だった。つぶやくような。
すっと市井さんの声が途切れたとき、思わず口をついて出た。
「あの、わたし思うんです。辞めちゃうっていうことは、それはたぶん、そばからいなくなるってことだと思います。
市井さんの言うとおり。でも、
そばからいなくなるってことは、絶対、絶対に、その人がいなくなっちゃうってことじゃないんだと思うんです」
140 :
5:2001/05/06(日) 13:03
「―― わかんない」
わたしにもわからなかった。
でもとにかく、自分でも整理のついていない言葉を次々と吐いた。
市井さんを勇気づけたかった。
「えっと……、なんていうか。モーニング娘。の石黒さんはいなくなっても、本当の石黒さんは、
いなくなるわけじゃなくて。
ひとつ石黒さんとつながっていたものが切れちゃっても、きっと1年も一緒にいたんだから、それよりずっと強い、
なんていうか、つながりっていうか、そういうものが他にもあるんじゃないかって思うんです」
―― わたしと市井さんには、そういうの、なかったから。
だから、教えてあげたい。
きっと大切なものは、まだぜんぜんなくなってやしないことを。
141 :
5:2001/05/06(日) 13:04
「よくわかんないけどさ、けっこう心配してくれてるんだ」
くすっと携帯の向こうから、笑い声がきこえた。わたしはそれだけで嬉しくて、
「もちろんですよ! すっごく心配ですっ」
また調子にのってた。
市井さんは苦笑まじりに、
「はは……、ありがと。でもなんでそんなに一生懸命なんだよ、まさか、あたし自殺したりしないよね?」
嘘とも本気ともつかない口調で言う。
わたしはあわてて、
「しないです、そんな、絶対に。わたしはただ、なんていうかお節介っていうか、ひと言多いっていうか。
生まれつきそういう性格みたいで……。みんなにもよく言われるし」
「ああ、なるほどね。そういう感じだもん」
そう言って市井さんは笑い、わたしも一緒に笑っていた。
142 :
5:2001/05/06(日) 13:07
しばらく話して、思い出したように市井さんが、
「あ、そだ。ちゃんと自己紹介、してなかったよね?」
と切り出した。そういえばそうだ。
わたしは、うふふと笑うと、
「あらためまして、石川梨華です。15歳、よろしくお願いします」
携帯を耳にあてたまま、頭をペコリと下げる。
「あれ、15歳? ずっと敬語で話してるから年下かと思ってた。おない年じゃん」
「あの、えっと学年は市井さんの方がひとつ上になると思うんですけど、こっちの市井さんはいま16歳で……」
「なんか、めんどくさいね」
そう言ってふたり笑いだす。
「ですね。でもモーニングじゃ市井さんの方が先輩なんですから、これからも敬語ですよ」
「これから、か。……うん、そうだね。また電話してきてよ。あたしは市井紗耶香、同じく15歳。よろしくね、
―― 未来の石川さん」
それがわたしと市井さんの、2回目だけどはじめての、不思議な出会いだった。
143 :
5:2001/05/06(日) 13:08
ジュンスカ、懐かしい。。。さらば愛しき危険たちよぉ〜、か。
イカシタ大人には、なれなかったなぁ。
>>129 あるのやら、ないのやら。。。
>>143 了解。待ってないフリをして待つわ。 …今夜の更新は無さげだな。
期待sage
148 :
5:2001/05/09(水) 00:03
*
149 :
5:2001/05/09(水) 00:05
「明日、生放送ではじめて唄うんです。新曲」
わたしは携帯の向こう側、市井さんの返事を待たずに、
「ちょうちょうちょう、いい感じ。ちょうちようちょうちょう、いい感じ! っていう ――」
おぼえたてのリズムを口ずさむ。
「わっ、ちょっと待った。未来の曲のこと言うのは反則だよ。あたしはあと1年、その曲を唄えないんだからさ、
新曲のこと言うのはヒドイよ。曲名ぐらいはいいけど、詳しく言うのはナシね。いい?」
「あ、はい。そうですよね。……すいません」
またやってしまった。
わたしと市井さん。ふたりそれぞれの世界でいそがしく、これがあの日以来はじめてつながった電話だった。
開口一番わたしが、
「やっとつかまりましたぁ」
と思わず口に出してしまい。
市井さんがそれを気にしてくれたのか、お互いのスケジュールを交換することとなった。
連絡のとれる日を確認するためだ。
わたしのスケジュールをきいた市井さん、「すごい番組に出れるようになるんだねぇ」と、感心しきりだった。
150 :
5:2001/05/09(水) 00:06
「でもさ、ちょっとヘンなんだよね。あたしもね、石川に電話したんだよ。そしたらさ、なんかオジサンが出て、
石川なんて知らないって言うんだ」
交換したあと、市井さんは少しあらたまった口調でそう言った。
―― オジサン?
わたしが返答に困っていると、
「マネージャーとかじゃない雰囲気で、あたしもね、市井ですって言ったんだけど。は? とか言われちゃって。
ムカついたから切っちゃったんだけどさ。履歴からかけたから、番号間違いってことはないんだろうし……」
わたしは「はぁ、そうなんですか」とこたえるだけで精一杯で、その事態の不可思議さまでは、
いまひとつ理解できていなかった。
携帯はいつもバッグの中に入れていたし、なにより調べてみると、着信の履歴に「市井さん」の文字はなかった。
そのことをつたえると、「うーん」とうなったまま市井さんは考え込んでしまった。
しばらく経ってもずっとそのままで、
それをなんとかしようとして言ったのが、明日唄うことになっている新曲のことだった。
151 :
5:2001/05/09(水) 00:10
「すいません」とわたしが言ったあと、ふたたび市井さんは黙りこくってしまう。
わたしが何か声をかけようとしても。
「ちょっと待ってて、いま考えまとめてるから」のいってんばりで、相手にはしてくれなかった。
仕方なく「I WISH」のメロなどを口ずさんでいると、
「あっ、それ聞いたことない。石川また新曲唄ってるでしょ? 反則だって言ってるのにぃ」
と、そういうところだけは耳ざとい。
さらに市井さんの知ってる曲はないかと、「たんぽぽ」を唄ってみると、
「石川、歌下手だね」
とひと言でばっさりだ。
せっかくわたしの中にあった、「素晴らしき先輩、市井さん」というイメージを、この人はあっさりと崩してしまう。
152 :
5:2001/05/09(水) 00:12
結局わたしもすることがなくなり、その市井さんの言う「ヘンなこと」を考えてみることにした。
わたしが最初に市井さんへ電話をかけたとき。
あのときわたしは着信の履歴からかけた。これは市井さんも同じだ。
けれど、わたしの場合は市井さんが出て。市井さんの場合は、知らないオジサンが出たという。
わたしが12月2日以降、市井さんに電話をかけたときには、それはことごとく、
「おかけになった電話番号は、現在電波のとどかない ――」というアナウンスだったわけなんだけれど、
もしも携帯電話が、電波のとどくところにあったらとしたら?
あるいはその電話は、市井さん以外の誰かが出ていたのかもしれない。
なにしろ1年またぎの長距離電話なのだから。
「やっぱり、そうなるのかなぁ」
ひとりごちるように言う市井さん。
ずい分ひさしぶりに聞くその声で、われにかえった。市井さんは続けて、
「石川、きいてる? ちょっと考えたんだけどさ、この電話のことね。なんでつながるのかは、
まだわかんないんだけど。
なんで、つながらないのかは、なんとなくわかったような気がするんだ」
と、いよいよわけのわからないことを言い出した。
153 :
5:2001/05/09(水) 00:16
わたしが「意味がわかりません」と言う前に、
「でね。なんでつながらないのか、なんだけど。あたしから見て、あたしから見てだよ? 石川ってさ、
ひとりじゃないんだよね」
そう言ってひとりで納得している。
このあたりでいったん止めておかないと、わたしも完全についていけなくなると思い、
「市井さん、あの……。ちょっと、よくわからないんですけど……」
市井さんを無視して、とにかくそう言い切った。
「えっとね、じゃあたとえば ――」
しかし市井さんはへこたれずに、
「アルファベットの「Y」ってあるじゃない? 思い浮かべてみて。それって木に似てない? そう、
あの地面から生えてる木。時間が経つとさ、2本の枝がどんどんのびてくって感じでさ。
その幹があたしのいるところ。で、枝が石川のいるところ」
「……はぁ」
「きいてる? でもね、石川は2本の枝、その両方にいるの。わかりにくいかな。同じ石川でも、
そのふたりはぜんぜん別人なんだけど、幹にまだいる、あたしと一緒の時点、こっちの世界の石川はさ、
その両方になる可能性があるんだよ」
そこまで言って市井さんは、「わかる?」ときいてきた。
154 :
5:2001/05/09(水) 00:19
漠然としてだけれど、わかるような気がした。
つまり、過去はひとつだけど、未来には無限のパターンがあるってことなんじゃないのかな。
市井さんの言った「Y」は、必ずしも枝は2本とはかぎらないんだけど、いまこの瞬間も連続的におこっていて、
枝は幹に、またその枝が幹に刻一刻と変わっている。
ちょっとしたことがその分岐点になって、わたしの未来も変化していく。
たぶんそういうことを、市井さんは言いたいんだと思う。
「でもそれが、電話がつながらなかったことに関係、あるんですか?」
「う〜ん。確証はないんだけどね。その、石川の持ってる携帯電話もさ、こっちから見たら、
ひとつだけじゃないんだ、って思うわけ。
別の未来じゃさ、あたしがかけたときに出たオジサンがその携帯持ってんの」
確証がないと言うわりに、市井さんのその言葉は自信たっぷりだった。
そのとおりなら、
市井さんの電話がつながった別の未来では、わたしの携帯は辻と加護に壊されていないということになる。
155 :
5:2001/05/09(水) 00:22
「だから、あたしから電話かけるんだったら、つながる確率はそうとう低いと思うんだ」
過去の市井さんから未来のわたしへ、その道はそれこそ無限にあるのだろう。
けれど、未来のわたしから過去の市井さんへなら、道は1本しかない。
ということは、
わたしからの電話がかからなかったのは、市井さんが本当に電波のとどかないところにいたからなのか。
「たぶん、そうだろうね。だからさ、やっぱり電話は石川からかけてきてくんないかな? あたしからじゃ、
どこの未来にかかっちゃうか、わかんないでしょ?」
「あ、はい」
と返事をして、ざっとさっき書いたスケジュールに目を通してみた。
「じゃあ……、次できるのは。……ちょっと、今年は無理みたいです。来年のお正月ぐらいまで」
「そっか、けっこう先になるね」
錯覚かもしれないけれど、その語調は少しだけ寂し気だった。
わたしも寂しいはずなのに、胸の中がなぜだかドキドキしていることに気がつく。
言えば「熱でもあるんじゃないの?」と返されそうで、言葉につまったまましばらく沈黙が続いた。
「あのさ ――」
と、市井さん。わたしとはまったく別のことを考えていたようで、
「さっきも言ったけど、やっぱり新曲のこととかあんまりあたしに言わない方がいいよ。
あたしが石川の、あんたのいない方の枝に行っちゃうことだってあるんだからさ」
その口調には、わずかながら不安が含まれているように思えた。
156 :
5:2001/05/09(水) 00:24
考えてみればそうだ。
市井さんが決定的な分岐点、「Y」の枝のつけ根に立ち、いまわたしのいる場所とは別の、
わたしではないわたしが棲む未来へと進んでしまうことだって、可能性としては十分ありえるのだ。
考えてみてゾッとした。
そうなってしまえば、この電話はいったいどうなるんだろう。
わたしがそのことを伝えると、
「つながらなくなるの、かな……。はっきりとはわからないけど、あたしからじゃ、つながりにくいのと同じみたいにさ、
そっちからも、つながらなくなるんじゃないのかな」
市井さんは歯切れ悪くそうこたえた。
それから気やすめのように、明るく続ける。
「あたしと石川がこうやって話してるだけでもさ、けっこうかわってきてると思うんだ。未来がね。けど電話、
つながってるでしょ? そうとう大きな分岐点でもないかぎり、そうそうかわるモノじゃないんだよ。たぶん。
だからあたしたちがしっかりしてれば、きっと、ずっと、つながってるよ」
優しいその声。けれどその言葉が、今は正直、重かった。
157 :
5:2001/05/09(水) 00:26
わたしはきっと心のどこかで、市井さんがモーニング娘。を辞めなくてすむ方法があるんじゃないかと考えていたんだ。
この電話はそのチャンスで、わたしの力でなんとかできるはずだと。
確かにそれはある。
―― 市井さんの卒業という、巨大な分岐点。
あるけれど、
それをかえてしまえばたぶん、市井さんの言うように、わたしたちはもう二度とこうして話すこともできなくなるのだろう。
市井さんは、わたしとは別の未来を歩くことになるのだから。
158 :
5:2001/05/09(水) 00:26
なに書いてるか、わからんくなってきた。。。
159 :
黄板:2001/05/09(水) 00:28
ふむぅー
いやわかる。
期待sage
162 :
5:2001/05/10(木) 02:33
予感的中、か。
164 :
5:2001/05/11(金) 02:42
やせるってのがどういう事か…
わかってるのか!?
>>164 誰か痩せたのか?
安倍?
それともお主か?
166 :
黄板:2001/05/12(土) 00:41
キャシャリン
ほぜ
168 :
5:2001/05/12(土) 20:15
>>165 >>166 磯辺強。
短編書いた。けど、どこまでが短編に入るのかわからん。
.txtで12KBぐらいある。
たぶん10スレには収まると思うんだけど。。。
あと、これの残り、あぷろだにあげるって言ったら怒る?
短編みたい。
残り書いてくれるんだったら
どこでもいいよ。
怒りはしないが、どうしてあぷろだに
あげる必要が?
171 :
5:2001/05/13(日) 00:41
>>169 紫のオムニバスがにぎわってきたら、こそっとあぷしてみます。
>>170 2コ同時に進めてるのが、ちょっとしんどいです。
こっちはもう書きあがっているので、避難所の小説あぷろだにあげてしまおうかな、と。
173 :
5:2001/05/13(日) 02:30
>>173 ヨカッタヨー
やっぱ上手いね 羨ましい限り。
紫と短編も楽しみにしてますわ。
175 :
黄板:2001/05/13(日) 03:53
あぷろだにあげちゃったかー…
スマンが読まんかも知れん。
あぶろだ行けない。
177 :
黄板:2001/05/13(日) 15:28
結局読んだ…。
すげーな。俺もこんな小説が書けたらなぁ。
人に催促するだけじゃなくて、自分でも書けたらいいのに。
やっとよんだ。
は〜。ホントすごい。
179 :
5:2001/05/13(日) 23:30
>>174 >>177-178
テンキュー
やっぱり、ほめられると返事に窮するね。
でも読んでくれてありがとう。。。それでは保全業務にもどります。
>>179 なあ俺、上手くいえないけどさあ
お前の事、、、好きだよ(カオマッカ
>>177 書くべし。書くべさ。書いとこ。
やっと独り言スレが見つかりました。(手探りで無理矢理)
でも書き込めません。どゆこと?
183 :
黄板:2001/05/16(水) 00:36
>>182 ゴミ箱かい?
確か先週の月曜くらいから書き込めなくなったのだよ。
_
読み終えた後「うぉぉぉぉ!」って発狂したくなる。いつも。
やっぱ俺のツボだな
じゃ俺のもツボになってくれるのカシラ・・・
小説読む方なのカシラ・・・
答えは風の中
186 :
5:2001/05/16(水) 21:14
蜂に刺された。
>>185 書いてるなら教えれ。読みたいです。
hozen
188 :
5:2001/05/18(金) 00:28
いかんともしがたい。。。ちょっと時間をください。 >紫
待つのはそれ程苦痛ではないので。ほのぼのと待つわ。
190 :
黄板:2001/05/18(金) 03:40
俺には帰る場所が無い。
最悪板なんてどーよ。
>>173 うし、今日こそ読もう。
192 :
黄板:2001/05/18(金) 23:17
最悪板、初めて逝ってみた。
俺はどうすればいいのかな。
一、あそこに居候しているオバカなモー板系住民のスレを挨拶代わりに荒らしてみる。
一、最悪板出席スレに今時「おっはー」で乱入して寒風を吹き荒れさせる。
一、海底スレで誰にも気付かれずにひっそりとえろ小説を認める。
一、黄板の人生相談スレを立てて大繁盛させ挙句の果てに取り巻きうぜぇ発言を吐いてみる。
一、最悪板でバンドやろーぜスレを立てて一年後にコピモニを超える一代ネタイベントを発生させる。
紫の短編集はなかなかの作品がちらほら。
白板に名作の予感漂う連載が。
名作板、まだ捨てたもんじゃない。
こっそりベスト3を聞きたかったりして。
>>198 名作集の短編。1、2は既に確定なんだけど、3がなぁ…。もっかい読み直してみるか。
上手いとか下手とかはよくわからんから、感想スレみたいな批評は出来ませんけど、
とにかくオレの主観で。
1.〜いしよしボカンシリーズ〜 零式萌え
2.古巣 明日香…
3.ヒラメもスルメも挑戦します なんかシュール
次点:『想いは電波をこえて…』、fregrance、口紅、インフィニティ
総評:3つに絞るのは無理です。
こんなんでごめんにょ。
へい。まともな批評は、ウチもよーしませんねん。で、1は同じだねぇ。
2はざりざり〜3は…眠いので決まらなかった。ちなみに、もう一回読み
返したくなったものをチョイスしたって感じ。
202 :
5:2001/05/21(月) 23:49
5月21日が終わる。。。その前に、保全。
>>201 に補足。3をシャボン玉に。そろそろ締め切りだね。
204 :
5:2001/05/22(火) 12:22
てすつ
205 :
黄板:2001/05/23(水) 01:00
市井紗耶香、か……
ふ。
ハピサマを聴くだけで、切なくなるこの季節……
短編集は、もう〆切? 結局、オレの中の順位は変わらず。
一行目が理解出来過ぎる……。
まぁ、今更順位は変わんないね。感想はがいしゅつぽいので、さらっと済ましたいところ。
208 :
黄板:2001/05/24(木) 02:35
彷徨える市井ヲタは(略
投票はしませんけどね。人の作品に優劣つけるのは、ガラじゃないので。
上のはあくまで好みッスよん。
魔女狩りイヤン。
そりゃそうです。小説的技巧がどうとか私にはさぱーりわかりません。
だから好みで選ぶしかない。優劣云々は関係ないですよ。