自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた 第72章

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1創る名無しに見る名無し
ハイテク兵器 vs 剣と魔法。
内容はガイドラインを参照。

・sage厳守。
・書きこむ前にリロードを。マナーとして。
・SS作者は投下前と投下後に開始・終了宣言を。分断防止のため。
・SS投下中の発言は控えてください。
・支援は50レスに1回。
・嵐、煽り、気に食わないコテは徹底放置。自然現象として脳内あぼーんしましょう。
・品性に欠けるレスはなるべく付けませんよう。
・気に食わないレスを、気に食わないコテハンまたは気に食わない人間のものと根拠無く認定するなかれ。
 ループ禁止。対策としての『萌え』などには書き手も読み手も極端な反応をしないこと。
 そんなことより海産物の話でもしよーぜ。
・以上を守らないものはぬるぽと見做し、鉄槌制裁( ・∀・)つ=■彡☆))`Д´)されます。

前スレ
自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた 第71章
http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1326519134/

保存庫
ttp://www26.atwiki.jp/jfsdf/
ttp://pixus.iinaa.net/jfs.htm

分家
ttp://jbbs.livedoor.jp/movie/4152/fjieitai.html


2創る名無しに見る名無し:2012/05/23(水) 00:55:10.29 ID:oM47IRIK
新暫定ガイドライン
0. 現代科学であれ男塾理論であれ異次元科学であれ議論であれ、第一に置くべきははスレ住人が楽しいこと。住人が不快に思う事は避ける。
1. 投下してくれる作者は神。批評はいいが節度を持ってやること。
2. 「自衛隊がファンタジー世界に」とあるように、あくまで「現代の日本国自衛隊」が主に関わる話であること。
3. 自衛隊の組織・装備はあくまで現用もしくは近未来的に配備が予想されるものに限る。
  核兵器・旧東側諸国製兵器・未来兵器・巨大人型兵器など、現代の日本国が配備するにはナンセンスなものは極力避けること。
  現代科学と作中の設定で説明できる場合にはこの限りではない。
4. 軍事力の背景となる社会構造、政治・戦略・作戦・戦術・戦闘に関してはある程度しっかり設定しておくのが好ましい。
作中の設定で説明できないものは避けること。
5. F世界側の設定は作者が勝手に決めることが出来るが、「超魔法・無敵キャラまんせー」な話にならぬよう気をつける。
  基本的には自衛隊・近代兵器マンセーの方が好まれる。
  また、オーバーテクノロジーの扱いは慎重に。
6. ファンタジー側の人間もきちんと描写する方が好ましい。
  自衛官主観という演出などであえて描写しないのはこの限りで無い。
7. 萌えだけ、エロだけ、グロだけを目的とした作品は、このスレ以外のしかるべき板やスレに書き込むこと。
8. スレ外の該当作品にかんする批評などの雑談は、ほどほどに。
9. 次スレは>>980か480KBを踏んだ方が立ててください。



3創る名無しに見る名無し:2012/05/23(水) 00:55:26.81 ID:oM47IRIK
■今までこのスレで討議された議題

・ファンタジー世界の市場規模についての考察
・麻薬による世界支配は許されるか
・江戸時代とファンタジー世界の類似性について
・大陸国家VS海洋国家戦略、その長短について
・マッチとメラ、着火手段としてどちらが優れているか
・F世界での日本経済再生と交易について
・ドラゴン…契約方法と空軍戦力としての有効性を考える
・自衛隊的ダンジョン攻略法
・対人地雷と魔法の罠。
・F世界における神の影響力について。
・F世界的陣地攻略法
・熊に見るモンスターの手強さ
・巨大昆虫対策〜界面活性剤から核弾頭まで
・決闘における非致死性制圧法(殺さずにいたぶる百の方法)
・F世界の街道、交通路における運搬手段が道に与える負担うんぬん
・銃弾を受け付けない素材を武具の材料に用いれるか
・マクロ経済を考慮すべきか



4創る名無しに見る名無し:2012/05/23(水) 00:56:02.65 ID:oM47IRIK
■さんざんガイシュツの話題
・シーレーン確保における脅威の排除(海賊、海の怪物対策)
・日本が傭兵を雇用することは可能か?
・萌えは是か否か。
・議論は是か否か。
・魔法・怪物の設定(最終的には作者に一存という結論)
・補給が断たれた場合、弾薬を何とか確保可能か?不可能な場合はどうなるか?
・球形以外の世界。
・食糧対策・餓死者の局限−魔物を喰らうモノ−
・在日外国人・異世界住人対策。政治思想の殴り合いは勘弁
・資源・エネルギー問題。
・外交方針について。
・人間と亜人の共生について。

ガイシュツだが、再考察とかは特に禁止されてない
SFは禁止だと言うことです



5創る名無しに見る名無し:2012/05/23(水) 00:56:22.25 ID:oM47IRIK
関連サイト
「帝國召喚」(作:くろべえ/分家皇軍スレ)
ttp://www.geocities.jp/wrb429kmf065/index.html

「輸送戦記」(作:Call50/本家)
ttp://homepage2.nifty.com/Call50/

分家まとめサイト
ttp://www.geocities.jp/wimsigma/

SSの書き方
ttp://www6.plala.or.jp/Action/taidan01.html
ttp://www6.plala.or.jp/Action/taidan02.html


6創る名無しに見る名無し:2012/05/23(水) 00:56:38.35 ID:oM47IRIK
過去スレ
創作発表板
70 ttp://engawa.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1318261509/
69 ttp://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1280728791/
68 ttp://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1261921219/
67 ttp://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1254132077/
66 ttp://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1247917732/
65 ttp://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1242886494/
64 ttp://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1235983300/
63 ttp://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1220184382/
軍事板
63 ttp://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/army/1220300122/
62 ttp://hobby11.2ch.net/test/read.cgi/army/1214912385/
61 ttp://hobby11.2ch.net/test/read.cgi/army/1210853200/
60 ttp://hobby11.2ch.net/test/read.cgi/army/1206945872/
59 ttp://hobby10.2ch.net/test/read.cgi/army/1200068856/
58 ttp://hobby10.2ch.net/test/read.cgi/army/1187502563/
57 ttp://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/army/1181167154/
56 ttp://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/army/1177836560/
55 ttp://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/army/1173715591/
54 ttp://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/army/1171625885/
53 ttp://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/army/1170750554/
52 ttp://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/army/1166436294/
51 ttp://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/army/1163066160/
50 ttp://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/army/1161084208/
49 ttp://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/army/1160188326/
48 ttp://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/army/1157263954/
47 ttp://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/army/1153579549/
46 ttp://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/army/1149155655/
45 ttp://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/army/1145708454/
44 ttp://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/army/1141803533/
43 ttp://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/army/1138537013/

42以前は保存庫参照


7創る名無しに見る名無し:2012/05/23(水) 12:25:27.89 ID:hJBp3STW
スレ立て乙です。本当にありがとうございます。

当面、異世界側の攻撃に対し、守勢が続きますが、ご了承ください。

とりあえず、昨晩の残りから。
8創る名無しに見る名無し:2012/05/23(水) 12:30:55.00 ID:5PLqWqNo
京都府綾部市渕垣付近 16時7分綾部発 特急まいづる7号 4号車内
2012年6月4日 16時14分
 
 意味わかんねえよ。何だよあれ。すし詰め状態の車内で、高校2年生の荻野祐樹は、ようやく何かを考える余ことが出来た。間一髪だった。駅前をぶらぶらしていたところで、血相を変えて逃げてくる群衆に巻き込まれた。
 県道は舞鶴方面へ向かう車があっという間に事故を起こし、塞がった。パトカーがけたたましいサイレンの音とともに福知山方向に走り去り、暫くして槍や剣で武装した連中が、人をなで斬りにしながら押し寄せた。
 
 どうやって特急に乗ったかは覚えていない。気が付いたら電車は出発していた。

 隣のサラリーマンがワンセグでテレビを見ている。綾部市が燃えていた。ヘリからと思われる映像は、綾部市が燃える様子と、人が殺される様子を鮮明に映し出していた。壊れた人形みたいだな。祐樹はぼんやりと思った。そして、怖くなった。
 自分や母親や、友達がそうなっていたら。今も、家族とは連絡が取れない。電話にも出ない。どうしよう。
9創る名無しに見る名無し:2012/05/23(水) 12:36:13.34 ID:vImQDE/b
「おい、なんだあれ?」
 前の方の席で誰かが窓の外を指さした。そこには馬に乗った集団が、特急列車に並走していた。
 茶色い服にヘルメットの様なものを被り、胸には鎧、だろうか?映画で見た西洋の騎士に比べると、なんだかとても軽装に見えた。
 そのかわり、動きやすそうだな。ああ、あれはなにをもっているんだろう?……弓だ。

 次の瞬間、電車の右側の窓ガラスが、酷い音を立てて崩れ落ちた。続けて飛来音。鈍い音。くぐもった悲鳴。隣を見ると、ワンセグを見ていたサラリーマンの右目に深々と矢が刺さっていた。

「ふ、ふせろっ!」
「狙われているぞ。弓矢だ!」
「もう、いやぁ!」

 パニックに陥った乗客は、どうにかして矢から逃れようとするものの、すし詰めの車内に逃げる場所など存在しない。
 まいづる7号が西舞鶴駅に到着した時
、4号車内の乗客27名が死亡、67名が重軽傷を負い、血の海に沈んでいた。無傷の乗客は6名であった。
10創る名無しに見る名無し:2012/05/23(水) 12:37:45.70 ID:vImQDE/b
この時間は以上です。
残りはまた。
11創る名無しに見る名無し:2012/05/23(水) 12:52:51.55 ID:Ww7IUy9z
投下乙
以後、名前欄に作品名と、できたらトリップつけてちょ
12創る名無しに見る名無し:2012/05/23(水) 20:29:16.79 ID:QC5PuMtO
ついでに投稿済の2レスも纏めて戴ければ >名前欄に作品名と、できたらトリップ
13石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/23(水) 21:38:17.66 ID:BXWCZJ+U
トリップつけてみましたが、ちゃんとついていますかね。初めてなので不安です。
>>11
すみません。題名はまだしっくり来るのが浮かばなくて。
14石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/23(水) 21:42:31.11 ID:6/sdT2CZ
京都府綾部市渕垣付近 16時7分綾部発 特急まいづる7号 4号車内
2012年6月4日 16時14分
 
 意味わかんねえよ。何だよあれ。すし詰め状態の車内で、高校2年生の荻野祐樹は、ようやく何かを考える余ことが出来た。間一髪だった。
 駅前をぶらぶらしていたところで、血相を変えて逃げてくる群衆に巻き込まれた。県道は舞鶴方面へ向かう車があっという間に事故を起こし、塞がった。
 パトカーがけたたましいサイレンの音とともに福知山方向に走り去り、暫くして槍や剣で武装した連中が、人をなで斬りにしながら押し寄せた。
 
 どうやって特急に乗ったかは覚えていない。気が付いたら電車は出発していた。

 隣のサラリーマンがワンセグでテレビを見ている。綾部市が燃えていた。ヘリからと思われる映像は、綾部市が燃える様子と、人が殺される様子を鮮明に映し出していた。
 壊れた人形みたいだな。祐樹はぼんやりと思った。そして、怖くなった。
 自分や母親や、友達がそうなっていたら。今も、家族とは連絡が取れない。電話にも出ない。どうしよう。

「おい、なんだあれ?」
 前の方の席で誰かが窓の外を指さした。そこには馬に乗った集団が、特急列車に並走していた。
 茶色い服にヘルメットの様なものを被り、胸には鎧、だろうか?映画で見た西洋の騎士に比べると、なんだかとても軽装に見えた。
 そのかわり、動きやすそうだな。ああ、あれはなにをもっているんだろう?……弓だ。

 次の瞬間、電車の右側の窓ガラスが、酷い音を立てて崩れ落ちた。続けて飛来音。鈍い音。くぐもった悲鳴。隣を見ると、ワンセグを見ていたサラリーマンの右目に深々と矢が刺さっていた。

「ふ、ふせろっ!」
「狙われているぞ。弓矢だ!」
「もう、いやぁ!」

 パニックに陥った乗客は、どうにかして矢から逃れようとするものの、すし詰めの車内に逃げる場所など存在しない。
 まいづる7号が西舞鶴駅に到着した時
、4号車内の乗客27名が死亡、67名が重軽傷を負い、血の海に沈んでいた。無傷の乗客は6名であった。
15石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/23(水) 21:49:31.82 ID:Dz83m2hy
京都府綾部市綾部市庁舎前
2012年6月4日 17時53分

 どうやら、日が落ちる前に配下の再集結を終えることが出来そうだ。
 軍団の先鋒を務める騎士団の指揮官、帝国西方諸侯領エレウテリオ子爵家当主、ブエナベンドゥラ・ディ・エレウテリオ・イ・ロッサは、安堵のため息を漏らした。
 32歳になるエレウテリオは、西方諸侯領の中でも特段豊かな穀倉地帯である、ロッサ地方の領主である。
 それは子爵では釣り合わないほどのものであり、今回の出兵において、彼は相応しい勲功をあげることで、伯爵位を授けられることを周囲から期待されていた。
 大柄とは言えないものの引き締まった体躯は、重い板金鎧を馬上においても難なく支えており、騎士団長としての威厳を周囲に示していた。
 視界の端に、副官が近付いていることを認めたエレウテリオは、豊かな口髭を蓄えた顔に厳しい表情を作りなおすと、馬首を巡らせた。

「団長、我が方の損害は騎士ドウェルが討死。その他、郎党と兵合わせて15名でございます。その他、ゴブリン共が少々。まぁこれは些末なことでごさいまする」
「ドウェル家の長男坊が死んだか。あそこの親父殿は相当気を落とすだろうな。しかし、これだけの市邑に騎士も自警団もいないとは。何より城壁がない。どう見る?」
「よほど、敵国の内側に食い込めたので御座いましょう。でなければ、これほどまでに備えが薄いことの説明がつきませぬ」
「衛卒か邏卒か知らぬが、やつらは魔術士か?ドウェルもそれで顔を打ち抜かれて死んだようだが。騎士がいない代わりに、魔法戦士団が我らを迎え撃つとなれば──弟に所領を任せることになりかねんな」
「お戯れを。あのような連中が1000人いようと、物の数では御座いませぬ。して、この後如何なされますか?」
 エレウテリオは、周囲を見回した。配下の疲労は、大したものではないようだ。まあ、これだけの勝ち戦、士気が上がって疲れを感じぬのであろう。
「本隊は西にある市を攻めておる。あちらは夜戦となろう。我らは先駆けとして進まねばならん。だが、もうすぐ日が落ちるな」
「では」
「うむ、騎士団は野営の支度を。だが、周囲は探る。ゴブリン共を放て。街道には斥候を出す──そういえば、あの鉄の車はどうなった?」
 エレウテリオが副官に訪ねようとしたその時、ひとりの騎士が本陣に戻ってきた。
 本人も乗馬も汗まみれで、全身から湯気を立ち昇らせている。しかし、その表情は生気に満ち溢れており、同時に口惜しさを隠そうともしていなかった。
16石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/23(水) 21:51:55.99 ID:Dz83m2hy
「騎士パスクアル只今戻りました。申し訳ありません。取り逃がしてございます」
「ふむ、騎兵を振り切るか」
「はっ。面妖な鉄車は、北へ向かいました。街道に沿って鉄路があり、その上を走る物のようでございます。街道の規模からして、相当な都市に通じるものと思われます」
「騎士パスクアル、御苦労。愛馬と配下を休ませよ。明日はさらに働いてもらうぞ」
「御意」

 放っておけば、どこまでも追撃してしまいそうな若い騎士に対し、エレウテリオは労いの言葉をかけた。配下とはいえ、己の名誉を何よりも重視する西方騎士である。失態を取り戻さんとして、抜け駆けを試みられても困る。
 諸侯を束ねる騎士団長には、この種の気遣いが求められる。なんとも、面倒な現実であった。
 とにかく、明日に備え更なる情報が必要である──エレウテリオはそう判断した。
「騎士モデストは、軽騎兵を率いて街道を北に向かい、騎士斥候を行え」
「敵に出くわしましたならば……」
「騎士の流儀に従えばよい。我らは夜明けを待って後を追おう」
「ははっ」
 騎士団主力は、市庁舎前及び東綾公園にて野営に入った。周囲にはゴブリンで編成される亜人小隊が放たれ、街道──国道27号線上に軽騎兵30騎からなる偵察部隊が放たれた。斥候は周囲を探りつつ北へ進むだろう。

 綾部市から国道27号線を北北東へ約20キロ進んだところには、舞鶴市が存在している。
 綾部市を襲った惨禍は、北近畿の港湾都市舞鶴に、その触手を伸ばそうとしていた。
17石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/23(水) 21:55:16.39 ID:vImQDE/b
というわけで、第一話投稿終わりです。御意見御感想お待ちしております。

第二話も今晩投下する予定です。
18創る名無しに見る名無し:2012/05/23(水) 21:56:51.53 ID:2Bb5cqmy
>>15
投稿乙!
あとでゆっくり読ませていただきます
あと前スレの小説サイトのリンク先
おもしろかった!
とりあえず登録して評価してきた
19創る名無しに見る名無し:2012/05/23(水) 22:51:11.14 ID:WYW1XcbJ

ゲートもので最初ゲートつながったところが蹂躙されるのは定番だな。
20創る名無しに見る名無し:2012/05/23(水) 23:19:36.85 ID:ZyMQkaSv
乙でした wktkして次話待ってます
そういえば、ここまで地名が具体的に決まってるとなると、舞鶴では海自あたりが
活躍するのかな
21創る名無しに見る名無し:2012/05/23(水) 23:55:58.68 ID:znmk8WNN
投下乙。続きも楽しみです

ゲートもので思うのだけど
鎧兜着た人間乗せた馬が舗装道路を走って大丈夫なんだろうか
22創る名無しに見る名無し:2012/05/24(木) 00:59:23.95 ID:Exb4qaGu
>>21
サラブレッドだとつま先傷めるのは確実だけど
ローマ時代の石畳や近代英国騎乗衛兵もアスファルト走るし
そこらへんは騎士の按配程度と考えて気にしなくてもいいかと

まぁ方向変えるとき滑る危険性はあるか
23創る名無しに見る名無し:2012/05/24(木) 00:59:32.55 ID:NWp/UGW2
蹄鉄をちゃんと付けていればさほど問題は無いとは思う
土の地面歩くより足に悪いのは変わらないけど
24石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/24(木) 01:02:34.71 ID:8ohiKtGi
>>19
大体奇襲になりますものね。

>>20
ご明察。海上自衛隊に頑張ってもらう予定です。

>>21
多分、蹄なり蹄鉄なりがさっさとやられそうですね。

皆さんありがとうございます。
では、第二話いきます。
25石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/24(木) 01:10:13.71 ID:f0ueorCE
京都府舞鶴市海上自衛隊北吸岸壁護衛艦みょうこう 士官室
2012年 6月4日 16時7分

 護衛艦みょうこう当直士官、稲富祐也一等海尉は、テレビ画面を見ながらあんぐりと口を開けていた。
 とても現実の光景であるとは思えなかった。自分のよく知る街が、燃えている。自然災害の結果であればまだ納得がいったであろう。
 だが、眼前に映し出されたものは、どう見ても現代日本のものではない甲冑を着た人間(一部は明らかに人間ではないように見える)に、市民が殺害されていく姿。
 特撮ではないだろうか──そんな考えも浮かんだが、彼の中の自衛官としての思考がそれを否定した。
 これは現実だ。俺が狂っていて、この士官室で幻覚を見ているのであればいいが、そうじゃない。であるならば、現実が狂っている。なんてこった。
 稲富一尉は、護衛艦みょうこうの砲術長として砲熕武器を指揮する立場にある。筋肉質だが身長163センチの短躯である彼のことを、口さがない一部の乗員は「豆タンク」とか「ドワーフ」と呼んでいる。
 だが、その綽名の示す通り、太い眉を蓄え、巌のような作りの容貌を持つ彼は、常に積極的で精力的な士官であるという評価を得ていた。普段の性格が陽性であることも相まって、曹士の評判も悪くない。
 稲富は、かぶりを振って気持ちを切り替えると、副直士官に指示を出した。
「幹部に電話してくれ。非常事態だ。艦長には俺から連絡する」
「はい。乗員はどうしますか」担当警備区で非常事態が発生した以上、乗員を集めなければならない。曹士の取りまとめ役である警衛海曹に指示を出す必要があった。
「当然、警急呼集をかける。ああ、警衛海曹を──」

「当直警衛海曹、沢田曹長入ります。各パート先任者に連絡を指示しました。警急呼集でよろしいですね?」

 稲富の思考が言葉になる前に、当直警衛海曹である沢田曹長はすでに士官室に姿を見せていた。
 何をぐずぐずしているといわんばかりの態度である。稲富は思った。若い幹部じゃ歯が立たねえ訳だよ。まあ、こんな時は頼もしくもある。

「警急呼集だ。それから、機関科には試運転の用意をさせてくれ」
「災害派遣でしょうか?」副直士官が言った。
「どう考えても、それで収まるとは思えないな。──武器に火を入れることになりそうだ」
 副直士官は顔を引きつらせると「電話をかけます」と士官室を出て行った。

「沢田曹長、どうなるかな、これ」
 テレビを見ると、中継が途切れたらしく、スタジオの男性司会者が必死に現場レポーターを呼んでいた。

「ろくなことにはなりませんな。少なくとも、綾部市で終わるとは思えません」

 よく見ると、鉄面皮に思えた沢田曹長の顔面にも冷汗が浮いていた。誰も、こんな経験などしたことがないのだ。稲富は、胃の辺りに重たい感触を覚えつつ、艦長の電話番号を呼び出した。
26石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/24(木) 01:12:21.69 ID:f0ueorCE
京都府舞鶴市 舞鶴市役所会議室
2012年 6月4日 19時14分

「綾部市からの連絡は途絶しました。市長、副市長共に行方不明です。警察も消防も応答しません。中心部は暴徒に制圧されたようです」
「暴徒?甲冑と槍で武装した1000人からの集団を、君は暴徒とよぶのかね?」
 総務部長が苛立ちを隠さない口振りで、担当職員に質問した。
「福知山はどうや?」
「はい、さらに大規模な暴徒に襲撃された模様です。ただ市長は辛うじて難を逃れたようです。ただ、現在も騒乱が続いております」
「京都南部及び兵庫方面との連絡は絶たれたということだな」
 職員の報告は気の滅入るものしかなかった。舞鶴市長、京極高男は薄くなった頭髪をぼりぼりと掻き毟り、さらなる報告を求めた。

「市内の状況は?」
「現在、市広報車を走らせて、綾部方面に向かわず、テレビラジオの情報に注意するよう呼びかけています。今のところ、パニック等は発生しておりません」
「市内インフラは平常通りです。綾部市域は大規模停電が発生しているようですが、舞鶴市内は今のところ被害が報告されておりません」
「綾部市からの避難民は、とりあえず各公民館、文化公園体育館、市民病院、赤十字病院、共済病院等に収容していますが、負傷者が多数発生しています」
「すでに消防本部の要請によりDMATが派遣され、救急医療に当たっています」危機管理・防災課の職員が発言した。

 舞鶴市に限って言えば、現状はまだそう悪いものではなかった。市内のインフラと治安は守られ、通信手段も確保されている。しかし、明日の朝もそうであるとは、誰も言えない。速やかに手を打つ必要があった。
 京極は、市職員を20年勤めあげた後、市長選に出馬し当選した、何処にでもいる経歴の平凡な市長であった。
 冴えない風貌をした彼の強みは、幼少時から舞鶴市で育ち、誰よりも街を知っているという事と、その見かけによらず判断が早いという事である。
 彼は、迷うことを嫌った。

「暴徒は必ずここに来る。その前に市民を避難させなければならない。市民に避難指示を出す」
 京極は矢継ぎ早に指示を出した。広報車と防災無線を活用し、南部地域を優先して避難を指示。市民は最寄りの公民館、学校等に集合させる。市バスと民間バス会社を総動員して、市民の移動に当たらせる。
 京極は警察署長に向き直った。

「署長、舞鶴市の警察力で暴徒に対処は可能ですか?」

 舞鶴警察署長の表情は、くるくると変わった。治安を預かる者の矜持もあったであろう。しかし、最終的には苦い物を飲み下した様な表情で、絞り出すように答えた。

「──舞鶴警察署員170名余では、1000名を超える暴徒を抑えることは困難であります」

 京極は、5秒ほど思考を巡らせた後、静かに告げた。

「舞鶴市長として西舞鶴地区から市民を避難させる。市民の避難先を東舞鶴各施設とする。消防は入院患者の移送に全力を挙げるように。警察は、避難誘導を確実に行ってください」
 会議室内が一瞬凍りついた。市長が西地区の放棄を宣言したのだ。数名の職員が何か言いたそうな素振りを見せたが、結局それは果たされなかった。
 綾部市からの映像は、それだけの力を持っていたのだった。ぐずぐずしていれば、綾部市の二の舞になる。その認識が、市長の判断を後押しした。

「小浜市、高浜町の担当者に連絡して、市民の受け入れを調整してくれ。向こうは大きな施設がたくさんある。こういうときに役に立つはずだ。市各課は防災避難計画に基づき市民の避難誘導に必要な行動をとること」
「非常事態宣言を出そう。対策本部は此処に設置する。電話回線の増設を急いでくれ」
「保安庁と自衛隊に連絡官を出すように要請してくれ。彼らの力が必要だ」
「災害派遣を要請するのですか?」その指示を聞いた総務課長が、質問した。

「災害派遣では、この事態には対処できんよ」京極は、静かに否定した。



「府知事に電話をつないでくれ。治安出動の要請を依頼する」




 職員が会議室を慌ただしく出ていく中、京極は警察署長を呼びとめた。目には何かを決意した光があった。
「署長、頼みたいことがある」
「……なんでしょうか?市長」



「避難途中に暴徒に乱入されたらおしまいだ。我々には時間が必要だ。時間を──稼いでいただきたい」
27石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/24(木) 01:20:20.04 ID:Xu0qtkOF
と、とりあえず、以上です。
投下時に操作ミスって上書きしてしまいました。
このため第二話の主題、騎士団斥候と警官隊の交戦場面は、あしたアップします。

(;´д`)バックアップしとこう。
28創る名無しに見る名無し:2012/05/24(木) 05:34:18.22 ID:WFHAQuOQ
投下乙!
明日にもう次を投下予定とは、なんという速度!
内容も良い感じだし、期待大!!
29創る名無しに見る名無し:2012/05/24(木) 11:20:59.59 ID:fPlMw8In

署長は時間を稼ぐことができるのか・・・
あと質問なんだけど舞台設定、震災起こった後?
30創る名無しに見る名無し:2012/05/24(木) 11:56:49.41 ID:Exb4qaGu
>>29
日本転移じゃなくゲートとか言ってた筈>設定
「震災」が東日本大震災を指すなら日付からして経験後の日本と考えればいいんじゃない?
31石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/24(木) 12:31:38.46 ID:ud64WSz+
>>29
 舞台設定は概ね我々の現実と同じと考えていただいて結構です。ただし、幾つかの事柄が異なっており、その結果政治や自衛隊の現状に影響を与えています。
 私の知識では大きな改変が不可能だったんですよねー(;´д`)

 では、第二話の続きです。
32石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/24(木) 12:46:31.19 ID:kcEHkLUs
京都府舞鶴市真倉 国道27号線上
2012年 6月4日20時35分


「202より現本。現在まで真倉阻止線異状なし。」
『現本了解。引き続き阻止線にて警戒に当たってください』

 片側一車線の国道27号線上には、赤色回転灯を点けたパトカーが2台、人員輸送用のワンボックスが1台、道路を塞ぐようにして停車していた。
 その周囲には警官が8名、配置に就いていた。いずれも、出動服の上から防護衣とバイザー付ヘルメットで身を固め、ポリカーボネート製の大盾を所持している。
 腰には拳銃の携帯が許可されていた。

「なあ尾崎、相手は騎士様らしいぞ。高らかに名乗りをあげて、槍をしごいて突撃だ。堪らんな」
「やかましい。ちゃんと前見とかんかい!只でさえ貧弱な阻止線なんやぞ」

 彼らの任務は、市民の避難完了まで現阻止線を可能な限り維持すること、である。同様の阻止線が市街地に通じる全ての道路上に設けられていた。
 本来であれば、3倍の人員があっても覚束ない状況である。しかし、市民の避難誘導のために、警察、消防、市職員の大部分が忙殺されている現状においては、警察官8名が配置された真倉阻止線は、最も強力な阻止線であると言えた。
 例え、その半数が地域課や交通課の職員であったとしても。

 昼間の熱気は夜になっても冷めきっておらず、風は生温い。周囲の建物はは避難が完了しているため、電気は消えており、月明かりに照らされるばかりであった。
「嫌やなあ。蒸し暑いし、静かで陰気臭いし、お化けでもでそうや」
 奥村巡査は、首に巻いたマフラーで汗を吹きながら、呟いた。空に浮かぶ満月は、何故か普段より大きく見えて、不穏な雰囲気を振り撒いているように思えた。

「……なんか、聞こえる」

 後方からは、サイレンの音や自動車のエンジン音が、絶えることなく聞こえている。それらに混ざって、微かに違う音が聞こえた。
 一定のリズムで何かが地面を叩いている。それは次第に大きく、また複数の音源から発せられるようになった。
 音は阻止線の前方から聞こえてくる。
  
「……まじかよ」奥村巡査が前方に目を凝らすと、そこには騎乗した集団が、満月の光を背に受けながら、こちらに近付きつつあった。

「来たぞ!マイク使え!」
 パトカーの拡声器が、大音量で警告を発した。
『前方の集団に告ぐ。こちらは警察です。現在の位置で止まりなさい』

 集団は、止まらなかった。馬は速足に変わり、騎乗した者たちは何かを構えた。

「あかん、やばい」尾崎巡査は背筋に悪寒を感じた。何かを弾く様な音と何かが風を切る音が聞こえた。
「奥村!パトカーの後ろに下がれ!」尾崎巡査は大盾を構えながら、相棒に指示を飛ばした。その直後、ザァという音とともに、複数の矢が彼らに降り注いだ。
33石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/24(木) 12:47:13.21 ID:kcEHkLUs
京都府舞鶴市真倉 国道27号線上
2012年 6月4日20時39分

 よく整備された街道の先に、赤い光が点滅している。どうやら鉄の車が道を塞いでおり、それが光っているらしい。なんとも面妖な光景だった。
 帝国西方諸侯領エレウテリオ子爵配下の帝国騎士エミグディオ・ディ・モデストは、今日何度目かの異様な光景に向かい合った。
 当初は異様な文物に心を惑わされたが、軽騎兵を率いる騎士らしく、考えても分からないことについては考えることを止めた。
 単純に、脅威があるかどうかを判断し、命ぜられた使命を果たすことに集中することにした。
 さもなければ、この異国の地で、わずか30騎余を率いて斥候に出ることなど出来はしない。

「何者かがおりますな。あの鉄の車、昼間の市邑で衛卒が詰め所に停まっておったものと同じやもしれませぬ」
 騎兵組長の一人が報告する。
「盾を持つ者がいるな。10名ほどか……蹴散らすぞ」
 モデストは、街路上に立ち塞がる以上、その向こうに奴らが守りたいものがあるに違いないと判断した。であれば、これを突破し、さらに先を探るべきである。

『────!』
 
 その時、鉄の車が吠えた。予期せぬ大音量に愛馬が足を止める。何語かは聞き取れない。これ以上冒涜的な光景は見たくもない。自分がよく知る世界を作ろう。モデストはそう思った。

「皆、聞けい!三斉射の後、突撃に移る。蹂躙して街道の先を探るぞ。構え──放てぇ!」

 部下が怯えてしまう前に、戦闘に突入する。彼はそう決めた。配下の軽騎兵達は、短弓を素早く構え、立て続けに三度矢を放った。敵に乱れが生じている。

「帝国西方騎士エミグディオ・ディ・モデスト、参る!皆続けぇ!」

 スピアを振りかざし、モデストは突撃にかかった。配下の軽騎兵も短弓を短槍に持ち替え、彼に続く。僅か10名足らずの衛卒に、騎兵30騎の馬上突撃を止めることなど出来はしない。モデストは確信していた。
34石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/24(木) 12:50:08.03 ID:KHbDWSdB
京都府舞鶴市真倉 国道27号線上
2012年 6月4日20時42分

 呻き声が周囲から聞こえていた。尾崎巡査が周囲を見回すと、ガラスの割れたパトカーの周りに、腕や足に矢が刺さった同僚が転がっている。
 さっと見た限りでも、3名が負傷していた。パトカーのシートや、一部は車体にまで矢が突き立っている。

「き、来たぞ!」
 奥村巡査が悲鳴のような声で警告を発した。道の向こうからは恐ろしげな喚声を上げながら、地響きとともに騎兵が迫っていた。もう50メートルもない。
「車両の後ろに退避しろ!奥村、脇坂を引っ張ってこい!」
 尾崎巡査は同僚に指示しながら、腰の拳銃を抜き出した。震える手で安全ゴムを外す。口の中がカラカラだった。パトカーを盾にしてニューナンブM60を構える。もう20メートル。相手のぎらついた目が見えたような気がした。

「正当防衛射撃だ。単射、撃て!」

 阻止線の指揮を執る、速水巡査部長の叫び声が聞こえた。尾崎巡査の視界には、自分に向けて突っ込んでくる騎兵しか見えなくなっていた。あと10メートル。
「正当防衛射撃」と何度も呟きながら、尾崎巡査は引き金を引いた。


京都府舞鶴市真倉 国道27号線上
2012年 6月4日20時44分

 先頭を進んでいた騎兵が弾かれたように落馬する。鋭い擦過音を残して、何かが右頬のすぐ傍を通り過ぎて行った。周囲を見ると、数名が落馬している。敵の衛卒は鉄車の後ろに隠れて何かを放っているようだった。

「構うな!乗り崩せ!」

 モデストは配下を鼓舞し、突撃した。敵が何をしようと、この段になって騎兵は止まらない。モデストは、一番手近にいた衛卒に、スピアを突き込んだ。
 だが、鉄車という障害物によって速度を減じられた彼の乗馬突撃は、衛卒の持つ盾に弾かれてしまった。初めての感触であった。
 鉄の盾を突いたとは思えないほど柔らかく、それなのに突き通すことが出来ない。
 スピアを弾いた衛卒は一瞬怯んだ様であったが、すぐさま右手に構えた何かをこちらに向けてきた。 
「seitou-bouei-syageki」詠唱とともにその小さな筒の様なものが光を放った瞬間、破裂音が響き、モデストは胸に衝撃を受け、弾き飛ばされた。熱い塊が喉を駆け上る。彼は自分が血を吐いたことを知った。
 周囲では、配下の軽騎兵が光る筒に打たれて、次々と落馬していた。衛卒は大盾を構え、筒から光を放っている。
 衛卒ではなく魔法戦士団!薄れゆく意識の中で、モデストは己の過ちを悔み、敬愛する騎士団長の武運を祈った。

 エレウテリオ団長、此は魔導の國にございます。油断召されるな。
35石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/24(木) 12:51:21.56 ID:KHbDWSdB
京都府舞鶴市真倉 国道27号線上
2012年 6月4日20時48分

 騎兵の突撃はどうにかしのぎ切ったようだ。尾崎巡査はまだ痺れる左腕を庇いつつ、ゆっくりと立ち上がった。大盾は大きく歪んでいる。もう一撃食らえばどうなっていたかわからない。

「みんな、無事か?」

「な、なんとか……」

「速水巡査部長がっ!」

 悲鳴の上がった方向をみると、速水巡査部長が騎兵と刺し違える形で息絶えていた。
 警官隊の損害は、殉職1名、重傷3名。その他のものもどこかに傷を負っている。弾も予備弾を装填すればあと1弾倉分はあるものの、同規模の突撃に堪えることは不可能であった。

「202より現本。マル被の襲撃を受けた。速水巡査部長が殉職、重傷3名。現阻止線維持のためには、応援が必要。
 なお、マル被は約30名程度。騎乗した外国人の集団であり、12名が死亡。5名が重傷。軽傷者は逃走した」
『現本より202。相手の凶器は何か?騎乗した外国人と言うのは何人か?』
「槍と弓矢。全員が甲冑を着けている。人種は不明。英語はしゃべっていないようだ」
『現本より202。相手は何だ?本当に騎士なのか?君は大丈夫か?』
 無線の声は、尾崎巡査の正気を疑っているかのように聞こえた。

 土手っ腹に槍が刺さって死んだ速水巡査部長の死体。銃弾を受けて斃れ伏す西洋騎士。足を折った馬が、悲しげに嘶いている。同僚は放心状態で、自分の足に刺さった矢を見つめている。
 尾崎巡査は、全てがばかばかしくなり、無線機に向かって怒鳴り上げた。


「202より現本。そんなに知りたきゃ見に来い!くそったれ」
36石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/24(木) 12:52:31.69 ID:KHbDWSdB
第二話終わりです。

御意見御感想お待ちしております。ここが分かりにくいとかもありましたら、是非。
37創る名無しに見る名無し:2012/05/24(木) 16:20:53.75 ID:xjBXuc1b
投下乙。
お願いだから、せめてエタるのは日本側の反撃ですっきりさせてからにしてね
…とか言うとエタるの前提みたいだな、反省
38創る名無しに見る名無し:2012/05/24(木) 16:30:49.40 ID:fPlMw8In

もいっこ質問なんだけど政権はどこがとってるのかな
もし某左翼政権なら自衛隊が行動できるのはいつになるのやら・・・
まあいろいろ言われるかもしれないけど応援してるのでがんばって続けてくださいな
39創る名無しに見る名無し:2012/05/24(木) 18:26:21.13 ID:7j/ExSdv
いい感じやね、おもろいよ。ただ周囲の情景がうまくイメージできなかったな。パトカーの赤灯
をいぶかしく思ってるけど、道々で信号だとかに目を奪われはしなかったのか、市内放送に驚い
たりすることはなかったのか情景が欲しいや。
そういえば騎兵突撃てさすがにパトカーで撥ねるのは無理なのかな?現金護送車かバスでも徴発
して突っ込むとか想像したら笑ったww
40名無しに見る名無し:2012/05/24(木) 18:39:28.76 ID:KHHNob5f
>>38
 
この状況で友愛政権下だったら、京都失陥がしかねん・・・・・
41創る名無しに見る名無し:2012/05/24(木) 19:30:40.05 ID:Tr+DXtvt
投下乙!
続きも期待してますよー、頑張って下さい!

>そういえば騎兵突撃てさすがにパトカーで撥ねるのは無理なのかな?現金護送車かバスでも徴発
>して突っ込むとか想像したら笑ったww

そういう「型にとらわれない臨機応変な対応」はリアリティに欠けますからどうでしょう?
そこら辺のバスを徴発して轢き殺すのは有効な戦術だと思うけど、実際に今回のような敵がいきなり攻めて来たとして、警察がそういう発想と行動が出来る柔軟性、優秀性があるかどうか。
無能とまでは言わんけど、利益を最大にし、害を最小にする「最高の行動」を警察が出来るとは思えないんですよね。
むしろバスを使った敵の轢き殺しは、警察官より民間人が実行した方がリアリティがある。
42創る名無しに見る名無し:2012/05/24(木) 19:36:02.27 ID:P+ZrWk65
臨機応変を否定するのはなあまあ「ドマゾ」的には否定すべきだと思うけど

騎馬隊対策なんて戦国時代からある訳で バスなど車両を移動式の緊急バリケードにするとかもダメなんだろうね
そんなの「住民のザイサンがー」に真っ先に抵触する訳だし
43創る名無しに見る名無し:2012/05/24(木) 19:46:03.11 ID:fPlMw8In
対策ができていたならまだしも突然の大規模な襲撃に日本警察が民間車を徴発して対処なんてできないと思うな
ただでさえ奇襲で混乱してるし見たところ本部も事態を把握してなさそうだし
44創る名無しに見る名無し:2012/05/24(木) 20:16:22.57 ID:+w7uHC4n
乙でした。
騎兵が射掛けてくる光景を思い浮かべたら、背筋が寒くなった
現代技術で作られた防護装備が無ければ、突破されていただろう……

少し時間を稼ぐことが出来ましたね
45石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/24(木) 22:13:08.77 ID:Xu0qtkOF
沢山の感想ありがとうございます!励みになります。
エタらないように頑張ります。

>>38
現政権は…さて、現実よりはましなはずです。

>>39
御指摘ありがとうございます。確かに私なら、信号やらなんやらにびびって進めないと思います(笑)

バス等は住民避難に投入されていると脳内補完していただければ幸いです。
46創る名無しに見る名無し:2012/05/25(金) 00:34:12.58 ID:v6O5qinG
投下乙
ゲートからの侵攻(侵攻経路)が不明な時点では
民間車両の徴用とか車両でのひき殺しは現場での判断では難しいだろ

ただ、昼間の惨劇(民間人殺害や報道機関に対する攻撃)を目にしていたなら
都道府県の知事が自衛隊の『治安出動』を依頼するのは理にかなう
攻撃の起点が侵攻ラインから逆算が出来るなら自衛隊ヘリによる偵察か強襲を取れる

問題はその決断が下されるまでにどれだけ日本人の血が流れるかだな
47石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/25(金) 23:02:21.91 ID:8o+9aj37
早くすっきりしたい方には申し訳ありません。
第三話、半分ほどできましたが、冗長にならないように、しかも必要な話を書こうとするのは、難しいですね……。
48創る名無しに見る名無し:2012/05/25(金) 23:31:43.41 ID:XCpAp2yq
赤子の手をひねるだけの話じゃ面白くもないからそう先走りせんでもいいと思うよ
そういややっこさんの数が1000くらいしかいないてやけに少なく感じるな、規模か
らして先遣隊なのかな?
49石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/25(金) 23:45:33.55 ID:lfx347GD
>>48
ありがとうございます。楽しめる物を書けるよう頑張ります。
エレウテリオ子爵指揮下の騎士団は、先鋒です。主力は福知山で第七普通科連隊と殴りあっています。

50創る名無しに見る名無し:2012/05/26(土) 00:29:26.86 ID:X1YwOTBn
有名な島戦争だと1章で溜めに溜めまくって、2章で爆発するかのようなスッキリだったな。
ラストの停戦がアレなのが唯一の不満だけど。
51創る名無しに見る名無し:2012/05/26(土) 00:45:52.74 ID:gqLp8BJa
>>50
続きを書く予定だったから、中途半端な停戦も伏線となるはずだったのかも知れんけどな。

52創る名無しに見る名無し:2012/05/26(土) 01:10:34.97 ID:lQFx8ebR
>続き
こーゆーことを勝手にぶっちゃけたらいかんのかもしれないが…
前にあの人に「続編まだか(超意訳)」とメールを送ったら「書くつもりだけどまだ時期としてビミョーなんでもうしばらく待って(超意訳)」
と返ってきたことがある。
53創る名無しに見る名無し:2012/05/26(土) 01:32:10.34 ID:E83qqccO
時期が微妙?
意訳おかしくないか
単純に仕事の都合だと聞いてるが
54創る名無しに見る名無し:2012/05/26(土) 14:29:10.40 ID:tKgKRA/y
>>50
島戦争は現実感や最後を無視すれば最高だよな
アレが俺をこの道に導いた
55創る名無しに見る名無し:2012/05/26(土) 16:50:08.63 ID:aKIHwoUx
一瞬>>54が「島戦争は俺が育てた」に
見えて思わず罵倒しそうになったのは俺だけでいい。
56石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/26(土) 20:13:25.00 ID:S+cneKfF
島戦争は私も好きです。島戦争や帝國召喚を読んで、スレの保管庫読んで、自分も書きたいと思いました。

第三話、本日夜投下します。
57創る名無しに見る名無し:2012/05/26(土) 22:43:20.02 ID:HsaV7tCq
全裸のヨツンヴァインで待機!
58石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/26(土) 23:36:27.39 ID:/LkiXUN2
遅くなってすみません!

第三話投下します。なお、内容は題名の通りです。
59石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/26(土) 23:39:51.82 ID:kxkEwe3W
3 合戦準備

京都府舞鶴市北吸岸壁 護衛艦みょうこう士官室
2012年 6月4日 20時33分

 舞鶴市に点在する複数の海上自衛隊施設は、帝国海軍の施設があった場所に置かれている物も多い。
 普段は静かな各施設であるが、この夜は煌々と地上を照らす月明かりと、闇を消し去ろうとするかの様な光量を放つ照明灯の下で、隊員達が慌ただしく動いていた。
 それは、北吸岸壁に係留された唯一の護衛艦。日本に四隻しか存在しないBMD対応イージス艦「みょうこう(DDG-175)」においても、例外ではなかった。
主機関は起動を終え、艦内各部のシステムには、火が入れられていた。54口径127o単装速射砲や、CIWS(高性能20o機関砲)といった火器類は、作動確認のため、砲身を前後左右に振っている。
「試運転は完了しました。乗員は八割が帰艦しています」
当直士官である稲富は艦長に報告した。護衛艦みょうこう艦長、細川孝英一等海佐は顔を書類から上げると、涼やかな声色で命令を下した。
 細川は、色白で細身の身体を持った、会う人におっとりとした印象を与える男である。茶道を嗜みとする趣味人でもあり、稲富は細川が声を荒げたところを、まだ一度も見たことはなかった。
「砲術長、合戦準備だ」
「はッ。合戦準備令します」
「ああ、それから。──陸戦隊はどれだけ出せるか?」
細川の声は相変わらず冷静だったが、微かに苦悩の色が浮かんだように思えた。
乗員を陸に降ろすことが嫌なんだろう。河童は陸に揚がったらいいとこなしだからな。稲富は頭の片隅でそんなことを考えつつ、素早く計算した。
「本艦の警備を考慮しますと、一個小銃小隊が限度かと考えます」
「そうか……立検はどうか?」
「もちろん、立入検査隊は別です」
艦長は新たな命令を下した。
「砲術長は一個小銃小隊を編成し、指揮を執れ。立入検査隊の指揮官は水雷だったな?」
 参った。俺が陸戦隊指揮官だと。陸戦なんて防大と幹候でしかやったことないぞ。
「はい、しかし大盤振る舞いですね」
「総監から直々だ。出せるものは全部出す。なにせ、舞鶴の危機だからね」
艦長は、そこまで話すと、目を閉じ一呼吸置いた。次に発せられた言葉は、細川のような男でさえ、その内心に生じた熱を隠しきれない程の意味を持っていた。

「まもなく、治安出動が令される。明朝には暴徒──いや、敵が来襲するだろう。海上自衛隊は、全力を持ってこれを迎撃する」

 稲富の背に、言い知れぬ感覚が走った。叫びたくなる衝動を抑え、延び上がるように姿勢を正すと、稲富は艦長に返答した。

「本分を、尽くします」
60石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/26(土) 23:41:19.65 ID:kxkEwe3W
一般報道
2012年6月4日

『京都府北部で大規模暴動か?死傷者多数発生の模様』

『──現在までに入った情報によりますと、京都府福知山市及び綾部市周辺で、武装した多数の暴徒による暴動が発生している模様です。
 なお未確認ですが、暴徒は鎧を身に付け、槍や弓矢で武装した数百名規模の集団であるとの情報が寄せられています』

『京都府警察は直ちに府警機動隊及び管区機動隊を派遣し、治安の回復に努めると発表しています。
 しかし、これだけの規模の武装した集団が、いったいどこから現れたのか、また目的は何なのか、全くわからない状況です──』

「綾部市では、数百名が死亡したとの情報があります。ネット上には、槍や剣で市民が切り殺される、大変ショッキングな映像が流れています」
「Twitter上に、救助を求めるツイートが投稿されているようなんですよ。これは、相当数の方が取り残されているんじゃないですか?」
「大変酷い話ですね。いったい何が起きているんでしょうか?」
「今の日本で、何百人もの人間が、刀や槍で暴動を起こすなんて、まずあり得ない話です!」
「北朝鮮の難民の可能性はどうですかね?」
「もしそうであれば、見逃した海上保安庁や自衛隊は大失態ですよ。大体、政府はまだ何も手を打っていないじゃないですか!」
「危機管理能力不足としか言いようがないですね。我々市民としては、もっとしっかりして欲しいところです」
「ことによると、これは自衛隊のクーデターという可能性も──」

『政府は、今回の大規模騒乱に関して【目下関係機関による情報収集と、警察による治安の回復に努めているところであり、国民の皆様におきましては、テレビラジオの情報に注意して、冷静に行動していただきたい】とのコメントを発表しています』

『アメリカ国務省のマイヤーズ報道官は【今回の事態に際して、アメリカ合衆国は、日本国に対しあらゆる支援を行う用意がある】と発言しました。
 また、ロシア・韓国・中国・台湾の各政府は、今回の大規模騒乱に対して、全く無関係であるとの立場を表明しています』

『明日6月5日の京都府北部の天気は曇りのち雨。降水確率は午前60%、午後は90%です。大気の状態は極めて不安定で、早朝から雲が広がり始め、昼前には雨になるでしょう』

『此度の騒乱は、過去に犯した反人倫犯罪を反省しようとしない日本政府が、その統治能力の欠如を露呈した結果である。
 しかし、一部の妄言にあるような共和国の関与は存在しないことを、ここに表明し、共和国を陥れようとする卑劣な策謀には断固たる措置をとるものである』

『防衛省によりますと、午後8時現在も陸上自衛隊福知山駐屯地では、暴徒との衝突が続いているとのことです』

『本日午後9時、政府は長岡与一郎京都府知事の治安出動要請を受け、自衛隊法第81条2項の規定に基づき、陸海空自衛隊に対し、治安出動を命じました。
 自衛隊による治安出動は現行憲法下において初の事態であり──』
61石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/26(土) 23:50:25.45 ID:8mJCLPkU
京都府舞鶴市北吸岸壁 護衛艦みょうこう
2012年 6月4日 21時01分


 艦内各所のスピーカーから、号令が達せられた。
『合戦準備、艦内警戒閉鎖。陸戦隊、立入検査隊装備受け取れ』
 護衛艦を巨大な一匹の獣に例えるならば、乗員は血液であろうか。彼らは猛烈な勢いで艦内を隅々まで走り回り、閉鎖区分に従い防水ドアやハッチを閉鎖していった。
 応急班員は、消火ホースを床に這わせ、通路に防火着を並べ、応急器材を格納ラックから引き出した。
 艦が被害を受けた時には、彼らが真っ先に炎や海水に挑みかかることになっている。消火ホースや大ハンマーは彼らの剣であり、防火着は彼らの鎧であった。

 操縦室やCIC(戦闘指揮所)では、オペレーターがチェックリストを一つ一つ確認していた。灯りの落とされた室内に光るコンソールの表示灯が、みょうこうが戦う準備を急速に整えつつあることを静かに示していた。

 科員食堂では、立入検査隊と臨時編成の陸戦隊要員が、武器庫から銃を受け取り、装具を整えていた。その表情は一様に硬い。
 立入検査隊は海上で不審船舶に対する臨検等の任務に当たり、陸戦隊は陸上戦闘や警備のために編成される。いずれも、その要員は乗員から選抜される。
 基本的に海上自衛官──特に艦艇乗員は、陸上戦闘に習熟しているとは言い難い。彼らはまず、艦を運航し、戦闘力を発揮させるため、専門職種のプロフェッショナルでなければならないのだ。
 だが、現実はそんな事情を勘案してくれるほど優しくはなかった。彼らは舞鶴市民の避難を成功させるため、市街地戦闘に投入されることになる。
 俺たちで勝負になるのか?誰もがそう感じていた。
 

 そんな状況下でも、ごく自然に明るく振る舞う者もいる。
「水筒いるか?重いし、一日くらいはなんとかなるんじゃねえかな?」
「お前、無茶苦茶言うよな」
「だってなぁ。あ、進士、抗弾プレートは要らないぜ。これくそ重いし」
「マジですか?」
「おう、ただ、あいつら槍投げてくるから、ちゃんと避けろよ」
 立入検査隊第二班長の妻木二曹が、気楽な口調で班員をからかっている。
 それを第三班長斎藤二曹が、呆れた様子でたしなめていた。顔には苦笑が浮かんでいる。
「進士三曹、どう考えても悪い予感しかしないから、やめとけ。プレートが無いと槍が刺さるぞ。あと、水は持っていけ」
「はい!斎藤二曹」
 いつの間にか、食堂の空気が僅かに軽くなっていた。立入検査隊先任海曹、可児吉郎一等海曹は、その様子を見て片眉を上げた。ふん、うちの立検の連中は思ったよりやれそうだな。まあ、あいつ等は何も考えておらんだろうが。
 可児一曹は、189センチ、100キロの巨漢である。その体躯はよく日焼けした鋼の様な筋肉に覆われている。
 徒手格闘三段の実力は、全自拳法大会で空挺団の猛者と互角以上に渡り合った程であり、ついた仇名は【丹後半島最強の漢】。個性派揃いのみょうこう立検隊を締める立場にある。
 普段は目下にも穏やかな態度であるが、部下は口を揃えて「笑顔の時も目が笑っているのを見たことがない」と、畏れていた。

 可児は、食堂の空気がほぐれたことを確認し、大音声で指示をだした。
「ブリーフィングをやるぞ。小僧ども!各班ごとに集まれ」
 隊員がホワイトボードに注目する。
「うへ、カニちゃん気合十分だな。」
「お前、少し黙っとけよ」
62石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/26(土) 23:53:56.72 ID:0CuOqkbh
「陸自の状況は?」
「福知山七普連は駐屯地で暴徒と依然衝突中です。このため、京阪神の部隊はまず福知山の解囲を優先します」
「舞鶴市救援のため、滋賀の今津駐屯地から第三戦車大隊が出動準備中です」
 戦車、という響きに隊員の間に安堵の空気が生まれた。
「ただし、到着は明日の昼過ぎになると思われます」
 だが、それはすぐに霧散した。暴徒は朝には舞鶴市を襲撃すると見積もられていたからだった。
「中即連は?空挺団や第一ヘリ団もいるでしょう!あいつらなら朝には間に合うはずですよ」
「馬鹿、忘れたのか?その辺は全部南スーダンで施設部隊の撤退支援だ。派遣前、国会であれだけ揉めたろ」
 陸自の誇る即応任務部隊は、国境紛争が戦争に変化し、陸の孤島と化した南スーダンからPKO部隊を救出すべく、現在ジブチ共和国に展開していた。
「艦艇部隊の増援はありませんか?」
「舞鶴にはうちとましゅう、はやぶさしか残っていないよ。あとはひうちか。護衛隊群主力は尖閣諸島で中国とにらめっこしてたからなあ。帰還命令は出たらしい」
「しらねは『只今、31ノットで急行中』だとさ」 
「空自も、現状では航空偵察任務のみが付与されている状況です。治安出動ですし、民間人と暴徒との距離が近すぎて、迂闊なことは出来ません」
 情勢ブリーフィング担当の通信士は、暗い声で続けた。
「気象予察によれば、明日は雨になります。シーリング(雲底高度)は200フィート」
「低すぎる。異常だ」
 航海科員が呻いた。

 浮き足立ちつつあった雰囲気を、可児が断ち切った。
「つまりだ。少なくとも明日の昼までは、舞鶴にいる連中だけで何とか守り抜かんといかん訳だ」

 可児の後を受けて、稲富が命令を示達する。
「みょうこう陸戦隊は砲術長稲富ー尉が指揮を執る。任務は五老トンネル付近に応急陣地を構築、市民の避難完了までこれを固守することだ。第一、二分隊及び機関銃班は車輌に分乗し、準備出来次第出発する。」
 第一分隊長松井二曹、第二分隊長有吉二曹が頷く。
「第三分隊は、総監部前に予備陣地を構築、別令あるまで待機」
 第三分隊長小笠原一曹は、不器用に笑顔を作った。少しでも自分を鼓舞しようとしているらしい。

「では、次に立入検査隊について水雷長から──、水雷長!」
 隅の椅子の上で、いささか肥満した体を濃紺のつなぎに押し込めた幹部自衛官──みょうこう立入検査隊指揮官の明智充一等海尉が、慌てて答えた。
「えー、立検隊は僕が指揮します。任務は……可児ー曹宜しく頼む。どうも話すのは苦手だ」
 その言葉に幾人かがため息をついた。
「斎藤、俺ら本当にあの゛昼行灯油マシマシ″の指揮で戦うの?」
「言いたいことは分かるが、聞こえてるぞ妻木」
 可児が怖い顔をしていた。明智は困った顔をしていた。上手い表現だな、と自分を揶揄しているにも関わらず、思ってしまったのだ。

「立検隊は、陸警隊の機動班と協同で、予備兵力として行動する。まあ、ヤバい所に投入されると思っておけ」
 可児は人を取って喰いそうな笑みを浮かべると、言った。
「移動は、23空のSH-60Jが使える。喜べ小僧ども。くそ重い装備を着けて駆け足はしなくてすむかもしれんぞ」

「市街地戦闘で、ヘリ機動……シーホークダウン、なんちゃっ──痛ぇ!」
 立検隊の全員が、こいつ口に出しちまいやがった、という顔をした。斎藤二曹は涼しい顔で、迂闊な発言をした妻木二曹を蹴り飛ばした。
63石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/26(土) 23:55:45.43 ID:0CuOqkbh
「各自装備を再確認しろ。弾はあるだけ持ってけ。現地では単独行動するな。通信を確保しろ。仲間を守れ。撃つときは躊躇するな。責任は幹部が持つ」
 稲富は、総員を見渡しながら命じた。
「根拠法規は治安出動だが、最早相手の規模、戦力いずれも暴徒と呼ぶには大きすぎる。敵として扱うとの艦長のお達しだ。いいか──俺たちが最後の砦だ。勝手に死ぬな。以上!」

「総員装備を確認しろ。かかれ!」
可児ー曹の声に、陸戦隊と立検隊は弾けるように立ち上がり、装備の確認を再開した。




「艦長、合戦準備よろしい」
 副長の報告に細川はゆっくり頷いた。

「総監とSFに報告。『みょうこうハ只今カラ舞鶴市防衛ノ任ニ就ク』」

「はッ」


「副長、明日は長い一日になりそうだ」
64石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/26(土) 23:57:53.38 ID:0CuOqkbh
以上です。すみませんまだ戦闘にたどり着かない……。

改行を増やした方が読みやすいですね。次から気を付けます。

次回、ようやく戦闘に突入です。
65創る名無しに見る名無し:2012/05/27(日) 00:10:49.79 ID:jqiEuv/W
投下乙!
短いけど、頻繁に投下するならこのぐらいの文量が丁度いいのかな?
次回、遂に戦闘に突入! 楽しみに待ってます!!
66創る名無しに見る名無し:2012/05/27(日) 00:46:17.49 ID:gFuPdx1a

一瞬自衛隊に陸戦隊?って思ったけど乗員を武装させて上陸って意味ね
次に戦闘回か、期待して待ってます
67創る名無しに見る名無し:2012/05/27(日) 01:12:21.24 ID:+tOi1CXl
乙です。
やっぱり前途多難か……でもやるしかない
続きが楽しみ
68創る名無しに見る名無し:2012/05/27(日) 12:06:18.21 ID:nJOY5v9A
投下乙
第二話(偵察隊と警察防衛ライン戦)では重傷だが騎士に生存者居るな
警察の増援を待つだけじゃなく「マル被の身柄確保」は大事だな
増援が来たら情報収集の為後方に移送すべきだが...
警察と自衛隊間の連携が上手くいくかどうかだな
こんなとき管轄争いしている暇はないと思うが
69創る名無しに見る名無し:2012/05/27(日) 12:17:25.15 ID:XqzGj1i2

しかしこういう非常時に備えてる精鋭部隊が日本にいないのもきつい。魔法勢に対しての最大の脅威ともいえる航空戦力も使えないのもな。
次回楽しみにしてます。
70石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/27(日) 22:31:34.05 ID:AtvhiFz6
感想ありがとうございます。

日本側としては、この大変なときに!という感じです。平時で特に兆候もなかった場合、必ず奇襲を受けるとかんがえて、こんな展開になりました。
いざ、書いてみると短い文でも時間がかかりまして、長編をしっかり書ける方の凄さがわかりました。

確保された騎兵は、ちゃんと後送できるんでしょうか……。
71創る名無しに見る名無し:2012/05/27(日) 23:02:19.01 ID:XwzLTE+g
1回の投下の文量は短くても構わないので、無理せず楽しんで頑張って下さい。応援してます!
72石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/28(月) 00:10:08.59 ID:SbejMcng
何てこった。戦闘回になると思ったら、たどり着かなかった……。
期待した方すみません。

第4話 接敵

投下します。
73石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/28(月) 00:13:55.21 ID:e1bUAcJ+
4 接敵

 舞鶴市は、市街地が西と東に分割された都市である。西は田辺城址を中心とした古くからの城下町であり、東は帝国海軍舞鶴鎮守府の設置とともに発展した軍港都市であった。
 都市の成り立ちが違えば当然住民の気質も異なる。実際、過去には舞鶴市を東と西に分離しようという運動が、住民の間で進められたこともあった。
 地理的には、舞鶴市の南には綾部市が存在する。綾部市から北上した国道27号線は、海岸付近で左右に分岐する。左(西)へ進めば宮津天橋立方面へ、右(東)へ進めば東舞鶴方面へ続いている。
 西舞鶴と東舞鶴を結ぶ主要道路は、この国道27号線と、通称「白鳥街道」と呼ばれる県道28号線の2本であり、国道27号線は五老岳、県道28号線はは白鳥峠を越えなければならなかった。

 警察と自衛隊は、この2箇所を第1次防衛線とし、東舞鶴への敵の侵入を食い止め、その間に市民の避難を完了させる計画であった。避難は陸路及び海路を使用する。
 そのための部隊配備は以下の通りである。

陸上部隊
【旧田辺城址前阻止線】 府警察警官隊一個小隊約20名。任務は前哨警戒
【西舞鶴港】 第8管区海上保安庁特別警備隊一個小隊約20名及び警察官4名。任務は市民の避難完了までの西舞鶴港の防衛。
 商業港である西舞鶴港には、貨物船、漁船、そのほか多数の船舶が動員され、市民の避難にあたっていた。

【五老岳陣地】 みょうこう陸戦隊一個小隊(第三分隊欠)約30名。任務は国道27号線の防衛と敵の侵攻阻止。
【総監部前陣地】 みょうこう陸戦隊一個分隊約10名。任務は予備陣地構築と交通の確保
【白鳥街道陣地】 府警察警官隊一個小隊及び舞鶴陸警隊一個分隊合計約30名。任務は県道28号線の防衛と敵の侵攻阻止。
【舞鶴市役所及び東警察署】 府警警官隊。任務は舞鶴市緊急事態対策本部の防衛。

 市民の避難集合場所は、【西舞鶴港】【東舞鶴港前島フェリーターミナル】【舞鶴教育隊グラウンド】【舞鶴航空隊】とされ、それぞれ舞鶴地方総監部隷下の海上自衛隊各部隊から臨時編成された兵力により、守られていた。

 予備兵力として陸警隊機動班10名とみょうこう立入検査隊14名が、舞鶴航空隊所属の哨戒ヘリSH?60J×2機とともに、待機中である。

艦船部隊
・巡視船「みうら」「わかさ」「ゆらかぜ」「あおい」
 市民の救出及び東西舞鶴港から出港する船舶の護衛を担当。
・護衛艦「みょうこう」、補給艦「ましゅう」
 北吸岸壁の防衛。「ましゅう」を港外に待避させることも検討されたが、救出船の出入港を優先させた結果、岸壁待機となった。
・ミサイル艇「はやぶさ」
 舞鶴湾の哨戒任務を担当。
・支援船「ひうち」、曳船他
 舞鶴湾において、物資、人員の輸送を担当する。各基地に弾薬を輸送する重要な役割を担っていた。

航空部隊
・海上自衛隊哨戒ヘリSH?60J×2機
 任務は航空偵察及び機動対処部隊の輸送。

 警察、海上保安庁、海上自衛他すべてを合計しても、銃火器を保有する兵力は300名程度である。
 また各施設等の防御等のため市内各所に分散配備されている。敵の兵力は約1500名程度と見積もられていた。
74石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/28(月) 00:16:08.74 ID:e1bUAcJ+

京都府綾部市東綾公園 エレウテリオ騎士団野営地
2012年 6月5日 5時40分

 野営地に起床を告げる太鼓が打ち鳴らされた。各家の兵たちが天幕を畳み、炊事場の竈からは炊煙が立ち昇っていた。
 兵の動きに鈍いところは見られない。昨日の大勝利は、兵の士気を十分に高めているようであった。
 それでいて、規律の乱れも見られない。戦場の常で、兵たちがちょっとした戦利品を懐に収めているのは別として、身動きの取れぬほどに財物を抱え込んだ愚か者や、虜囚を嬲る者は見当たらなかった。
 このことは、エレウテリオ子爵家を中心として編成された騎士団が、西方諸侯軍の中でも、もっとも統制がとれた軍の一つであることを示していた。
 通常であれば、各家の独立性が強い西方騎士団の常として、準男爵や騎士といった下級貴族が配下に略奪を命ずることが少なくない。
 貴族とはいえ裕福な者ばかりではない彼らは、戦というものを経済的収奪の良い機会であると捉えがちであった。
 名誉だけでは人は生きていけず、神の恩寵を受けない蛮地であれば、略奪は不名誉には当たらないとされるのであれば、なおさらである。
 何しろ妖魔(亜人と呼称して運用するという酷い誤魔化し方をしているが)を戦場に投入しているのである。
 南方征討領軍と異なり、西方諸侯は妖魔を戦に用いることを好まない。

 そういった意味では、逃げ遅れた綾部市民はまだ少しは幸運であったのかもしれない。ただし、傭兵団や亜人兵に出くわしてしまった場合は、その限りではない。

 配下が戦備を整えるのを眺めていたエレウテリオに、副団長セサル・ディ・アランサバル男爵が報告を上げた。
「団長殿、貴方の騎士団はあと半刻で出立出来ましょう。今日は良い戦が出来るとよいですな」
 彼の野太い声には、エレウテリオへの信頼が溢れていた。齢52を数えるアランサバル男爵は、エレウテリオが15で初陣を飾った時からの付き合いであった。
 先代エレウテリオ子爵の同輩であったアランサバルは、数多の戦場で良き指南役としてエレウテリオを助け、また槍働きでも一人の武篇として数多くの武勲をあげることで、騎士団と両家の威名を広く西方諸侯領に轟かせていた。
「今日辺りそろそろ敵の騎士団が出てきてもよいころだ。そうだろう?」
「いかに惚けた連中であったとしても、市邑を落とされて黙ってはおりますまい。しかし、このような地図が手に入るとは思いもよりませんでしたな」
 アランサバルの手には、書店から持ち出された舞鶴・綾部近郊の地図が握られていた。当初、余りの精巧さにこれが地図であるとなかなか信じることが出来なかった。
 歴戦の野戦指揮官であるエレウテリオが、周囲の地形と地図の内容が完全に一致することを確認し、ようやくこれが恐るべき精度の地図であることを認めたのだった。
 正直、どうやってこれを作ったかを考えると、気持ちは晴れぬな。
 配下の騎士たちは進撃先の地形がわかったことを無邪気に喜んでいたが、エレウテリオはそう単純ではいられなかった。
 昨日の戦闘後、市邑を探索させて出てきた代物は、彼の想像をはるかに超えていた。ガラスの杯や皿一つとっても、異常な精巧さであったし、彼の祖国では宝物として扱われるべき存在である書物が、ここでは街に溢れている。
 さらには、鉄の車、火を使わぬ灯り(これは昨夜のうちに魔力が尽きたか、すべて消えていた)、彼には用途が理解できないさまざまな品物。
 帝国貴族としての教養と、帝国騎士としての経験が、昨夜から「此の地は異常である」と警告を発し続けていた。

「また、考え込んでおられますな?」
アランサバルが言った。
「其れがしも、この地の面妖さは感じておりまする。ですが今は其れを考える時ではありますまい。兵を進め敵を討ち果たすことに心を砕かれよ」
「うむ、そうだな。今はわからぬことを考えても仕方あるまい。異国の文物は、いくさに勝ってのち、ゆっくりと検分するとしよう」
75石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/28(月) 00:16:59.58 ID:e1bUAcJ+
「まさに、その通りでございまするぞ」
 エレウテリオの背後からしわがれた声が掛けられた。陰気な声である。エレウテリオもアランサバルも、一瞬嫌な顔をみせたが、すぐに無表情に戻る。
「蛮地の文物は、我らにお任せあれ」
「これはこれは、バルトロ殿。神官戦士団は出立の支度を進めておりますかな?」
「もちろんじゃ、エレウテリオ卿。こたびの戦、我らの力が必要になりましょうぞ?」
 バルトロ、と呼ばれた男は、帝国本領軍から派遣された魔導師である。年齢定かでない小柄な体をローブで覆い、皺だらけの顔はフードに隠れて表情が読めない。
 20名程度の神官戦士団を護衛とし、どうやら現地の文物の収集を行っているようだった。
「そういえば、ずいぶんとたくさんの者を捕えたようですな。しかし、移送に戦士団の半数を使われては、我らの支援が疎かにはなりませぬか?」
「蛮地の文物と、蛮族の捕虜を連れ帰るは、本領軍直々の下知じゃて、な。ひゃっひゃっひゃっ」
 昨日の戦闘で捕えられた蛮族は、神官戦士と傭兵団の一部によって、帝国へ移送されるようだった。
「それよりも、エレウテリオ卿。斥候はとうとう戻りませなんだな。努々油断せぬことじゃ」
「敵も、木偶ではないのでしょう」
 固い声で、エレウテリオが答える。真っ当な騎士を自任するエレウテリオにとって、バルトロに対しては、嫌悪ばかりが先に立つ。
「ひとつ、蛮地でのいくさのコツをお教えしようかの。どのような敵かわからぬ時は、先ず死んでも惜しくない者を当てることじゃ。例えば──」
 バルトロは野営地の外れに蠢く、異形の軍を指した。
「ゴブリン。あ奴らならいくら死んでも惜しくあるまいて」

 気がつけば、空には低く雲が垂れこめていた。エレウテリオは何かを汚されたような感覚に苛立ちを覚えつつ、副団長に命令を伝達した。

「陣触れをだせ。半刻後に出立する」
76石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/28(月) 00:18:42.41 ID:e1bUAcJ+
京都府舞鶴市真倉 国道27号線上空2012年 6月5日 12時5分


『マイヅル27、クレインネスト』
『クレインネスト、マイヅル27。真倉上空に到着した。エンジェル(高度)─ゼロポイントファイヴ。シーリング200』
『マイヅル27、地上の状況は確認できるか?』
『27ネガティブ。雲量8、何も見えない──』
『ラジャー。警察から敵部隊を視認したと通報あり。雲の下に降りることは可能か?』
『敵の対空火器の情報がない。危険すぎる』
『クレインネスト了解。ミッションコンプリート、RTB(帰投せよ)』
『マイヅル27ラジャー、アウト』



「ヘリの音、遠ざかりよるな……」
「尾崎、ごっつい眺めだわ」
「見してみいや……こら、あかん。路面が見えへん」
 まだ、何本か矢が刺さったままの、フロントガラスのないパトカーの中で、双眼鏡を構えた尾崎巡査は呻き声をあげた。
 運転席では奥村巡査が、本部と無線で話している。
 双眼鏡のレンズの向こうには、色とりどりの軍旗を掲げた大軍勢が、国道27号線をゆっくりと進んできていた。
 昨日は騎馬隊だけやったけど、今日は足軽もぎょうさんおりよるな。

 このときのエレウテリオ騎士団の兵力は、
重騎士(貴族・騎士階級)65名
軽騎兵(短弓装備)186名
重装歩兵(郎党及び兵)705名
長弓兵192名

傭兵団143名
神官戦士9名

ゴブリン(一部ホブゴブリン)約10000

軍夫300名

というものであった。騎士団正規兵だけで1148名、妖魔を含めると2000を超える。
 自衛隊側の見積もりよりも、実勢は有力であった。


「本部は何て言うとる?」
「尻に帆かけて逃げてこいと」
「言われんでも──!」

 そのとき、眼前の大軍の一部が動きを見せた。奥村は慌ててアクセルを踏み込もうとした。
 しかし、どうやらその集団は、国道を降り支道にある施設に突撃を敢行するようであった。


「──なあ、彼奴等ほんまに現代人や無いかも知れんな」
 奥村は茫然と呟いた。
 昨晩検挙した暴徒のうち、意識のある者に対して尋問が試みられたが、全く未知の言語を話し、意志疎通が出来なかったという話を思い出していた。

「俺もそう思うわ。幾ら何でもあの建物を城館と間違えるなんて、ありえんわ」

 眼前では、見ようによっては城に見えなくもない形の建物が、炎上していた。
「ラブホ、燃えてもうたな」
77石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/28(月) 00:20:09.56 ID:e1bUAcJ+
京都府舞鶴市真倉国道27号線
2012年 6月5日 12時28分


 ついに敵の根拠地に辿り着いた。途中ろくな抵抗も受けず、堂々たる進軍をしてきたことで、騎士たちの士気は天を衝かんばかりである。
「騎士団長殿、もはや市街は目前。早く突入の下知を!」
「我に先陣の誉れを賜りたく!」
「何を言うか。我こそがその役目に相応しい。貴殿の甲冑では、敵に侮られようぞ」
 昨夜、騎士斥候の生き残りが『魔導師の集団に撃退された』ことなど、頭に無かった。
 しくじった者は敵を過大に報告しがちであるし、例え魔導師の集団が本当にいたとしても、それだけの魔法を使えば、次の日は使い物にならないだろう。
 そんなことより、この戦で勝利することが重要であった。この蛮地征討で得た領土は、そのまま従軍した西方諸侯に下賜されることになっている。
 つまり、エレウテリオ騎士団が勝てば勝つほど、自分も豊かになるのだ。加えてこの地は、望外に豊かな地であった。

 財宝は奪い、蛮族を奴隷とし、植民団を送り込むべし。

 左手では城館が燃えている。案の定、腑抜けた蛮族どもは逃げ出して無人であった。
「蛮族に兵無し!このまま一気に蹂躙すべし!」
「こうまで歯応えが無いのはつまらぬがな」
 抜け駆けすらしかねない騎士たちの様子に、エレウテリオは悠然と答えた。
「誠に頼もしき限り。諸卿の戦気に蛮族は戦う前から逃げ出しておるわ」
 しかし、その表情は言葉ほど気楽なものではない。行軍の間に目にした光景に、疑念は膨らむばかりであった。
 西方諸侯領の誰の領地が、いったい全ての街道を、石で固められようか。


 だが、騎士たちは「行軍のしやすい」と、喜んでいるだけである。


「騎士諸卿!蛮族は水稲を糧としておる。水の張った田は兵を動かすには適さぬ」
 エレウテリオは戦術指揮官としての頭に切り替え、配下に下知を下した。

「まずは、一団となって街道を平押しに押す。敵あらば此を討ち、しかるのちに港を押さえる」
「騎士パスクアルは先陣を勤めよ」
「はッ」
「左右備えは、敵を包囲せよ。アランサバル卿は後陣につき、しかるのち支道を東に進まれよ。貴隊を助攻とする」
「御意」
「街道を行く我らと、どちらが早いかな」
「負けませぬぞ」

 騎士団長の勇ましい言葉に、騎士たちがどっと沸いた。
 そうだ、ここまできたら是非も無し。敵を撃ち破るしかあるまい。

「騎士団、前へ!」

 下知を受けた騎士──中下級指揮官たちが自分の手勢に散った。あちこちで雄叫びが上がる。
 進軍ラッパが高らかに鳴り響き、騎士団は西舞鶴市街に進軍を開始した。
 ついに、戦端が開かれようとしていた。
78石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/28(月) 00:23:36.97 ID:XG5ETd1E
>ゴブリン10000
間違いです!一桁多い……。舞鶴陥落してしまう。

投下終わりです。まだ、戦わないのかよという声が聞こえてきそうです。

キャラに魅力を出したいなぁ。気が付けば女っ気ゼロですな。
79創る名無しに見る名無し:2012/05/28(月) 00:57:32.26 ID:ZDxnXi/9
投下乙!
ゴブリンの数は1000の間違いですか。流石に10000は多過ぎると思ったので。
女っ気はいるかなぁ? ボトムズのペールゼン・ファイルズのようにモブですら女性キャラが全く登場しないのもアリだと思うけど。
80創る名無しに見る名無し:2012/05/28(月) 01:14:09.44 ID:BCxwtXwT
自衛隊のターンはまだ来ないのかぁ。
とはいえ、昼頃に滋賀の戦車が来るらしいから、守りきればなんとかなるか・・・?
81創る名無しに見る名無し:2012/05/28(月) 01:46:54.39 ID:x8vDHvHk
侵攻軍の規模にもよるが女性を伴うのは中世レベルではほぼ無いかと
神官や医師も男性であるほうが納得行く
魔女もどちらかと言うと戦力にするより鎮圧対象になる
実力無いのに火あぶりにされたし、あればもっと酷い事になる
(侵攻先の住民を奴隷にするような文化レベルなら特に)

まぁ我々の世界の過去の例に過ぎないが
我々の世界より倫理観があるなら
『布告なしの奇襲』とるのがどれだけしっぺ返しくらうかは自明の理
82創る名無しに見る名無し:2012/05/28(月) 01:55:04.55 ID:8y7Qgop0
進行軍に女性が伴っていた例はあるよ
確かフランス軍は慰安婦(売春婦)を伴っていたと思う
日本の従軍慰安婦の元ネタもこの辺から来てる
占領地での性病や統治でも民心の確保のために売春婦を伴うことはある
アメリカみたいにレイプし放題という例もあるがね
ただ近代に入ってからの話かもしれないけどね
83創る名無しに見る名無し:2012/05/28(月) 14:27:39.99 ID:k87W3g9D
100年戦争期のフランスは売春婦の他にも武器・食糧・古着・酒・両替・奴隷など各種商人、さらに大道芸人なんかが軍隊の後に付いて回ってる
これらが当時の兵站を担当していた

現代で言うなら駐屯地にいる連隊が出征すると、その駐屯地の周辺にある歓楽街や商業施設が一緒に付いて行って
現地に総合PXを建設するみたいな感覚
他にも古代〜中世には軍隊が長期にわたって野戦滞陣することで生まれた町なんかも存在する
84石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/28(月) 14:56:55.01 ID:acXlbjau
感想ありがとうございます。
>>79
暫くは女っ気のない、暑苦しい殴りあいになるかと思います。

>>80
戦車大隊の到着は、市長たちも待ち望んでいるところです。

>>81
この異世界軍は、我々の現実よりいくらかファンタジーとロマンを含んでいます。なので、そのうち女性も出てくるかもしれません。

従軍する商売の方々については、勉強不足なので参考になります。


今夜も、投下できればいいなあ。
85創る名無しに見る名無し:2012/05/28(月) 16:33:24.77 ID:hsTmESY7
まぁゲート開いて来てるんだからファンタジー要素は有って当たり前か
そして今夜も投下(するかもしれない)。ペースが速いのは本当に良い事だ
86創る名無しに見る名無し:2012/05/28(月) 17:50:52.25 ID:/7JSyE/r
ナポレオン戦争の時なんかの士官の愛人が男装して兵隊に紛れてついてったこと
があるのを聞いた覚えがあるよ、まあそんな形をとってまでして女性だしても話
に混ざれんだろうけどね。
そういえば異界の魔法だか魔術だか民放のヘリ撃墜してからみてないな
87創る名無しに見る名無し:2012/05/28(月) 17:51:29.41 ID:x8vDHvHk
>女っけゼロ

発言者は日本側のキャラを想定してたのに
聞き手みんながファンタジー側(侵攻軍)と受け取ってたりw
88創る名無しに見る名無し:2012/05/28(月) 17:59:27.46 ID:39yZXt8w
正直戦記に女っ気って邪魔な気がs(ry
89創る名無しに見る名無し:2012/05/28(月) 18:16:53.76 ID:x8vDHvHk
>>86
派手な攻撃魔法だけが物語りの華じゃないぞ
日本の書物や捕虜を本国に連れて帰る所を見ると単なる奴隷じゃなく
情報収集の手段があると見ていいだろう
予想としては言語翻訳の魔法で会話をし、書物の内容を捕虜から聞き出すと見ている

侵攻軍先遣隊と警察との戦闘で警官の短銃を魔法と認識してる
それらも一会戦あとは使い物にならないと予想している(もちろん誤解だが

魔道士バルトロがいみじくも言ってたが
「相手の手の内が判らない時は死んでも惜しくない者を当てる」
額面どうり受け取るならゴブリンなどの妖魔の事だが
(本領軍所属)魔道士からみれば西方諸侯軍の騎士もあてはまる
こちら(侵攻軍)の手の内を蛮族相手でもなるべく隠しておきたいと意図して居るかと
90創る名無しに見る名無し:2012/05/28(月) 20:21:31.66 ID:TTs1qpON
バルトロみたいな頭の良い魔導師が現代世界にとって最大の敵だな

パソコン使えなくたって、使えるやつを洗脳して情報を引き出せばいいし
魔法で記憶を消せば洗脳された事実すら悟られない
不可視になれれば普通の監視カメラにも映らない
重要人物が誰かってわかれば、変身して中枢に入り込んでVIPを一網打尽にできるかもしれない

設定次第だけど、戦場以外での闘いも熱くなりそう
91創る名無しに見る名無し:2012/05/28(月) 20:22:46.15 ID:2tx3d5/J
女キャラが作者の創作意欲を維持してくれるから続きが読める
それは嬉しいけど、女キャラを第一に書くようになるのが怖いな
92創る名無しに見る名無し:2012/05/28(月) 20:51:49.06 ID:COzl5W/8
女キャラだしてキャラ小説になった先人をいくも見てきたからな。特に女性自衛隊員とか地雷
まぁでもファンタジー側になら普通に違和感ないけどな
ハプスブルク家だの英国女王だのスペイン女王だの、史実でもちょくちょく女性が表舞台に出てるわけだし
ただ恋姫無双とかそんな具合のキャラの場合リアリティが霧散する

進軍ラッパがある ってことは意外と近世的な軍なのかもなF侵略軍
93石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/28(月) 22:55:42.57 ID:3RWMXyYV
皆さんにこんなに考察されているというのは、励みでもあり、恐ろしくもあり、です。

ありがとうございます。

今のところ女キャラに走ることは予定しておりませんゆえ、ご安心あれ(笑)
94創る名無しに見る名無し:2012/05/29(火) 00:11:11.29 ID:CCgtBzFM
警察は放水車とか催涙ガスとかヤクザから押収した武器使って無いのかな?
盾を並べ放水車や装甲車準備した機動隊との全面衝突は有る?
地元の暴力団は真っ先に逃走(笑)
95石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/29(火) 01:58:50.91 ID:FRdvF6Pp
機動隊も後でがんばってくれるはずです。

ようやくできました。第五話投下します。
96石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/29(火) 02:45:48.44 ID:fSjFUNCs
京都府舞鶴市西舞鶴駅前
2012年 6月5日 13時1分

 全天を雨雲に覆われた空は暗く、激しい雨は視界を極端に悪化させていた。
 西舞鶴市の攻略を決心した西方諸侯領軍エレウテリオ騎士団は、街道に重装歩兵の戦列を敷くと、喇叭と軍太鼓が鳴り響くなか、悠然と前進を開始した。
 エレウテリオ等騎士たちは、この時点で敵は未だに初戦の混乱から立ち直っていないと判断している。
 まともな防御指揮官であれば、市街地に入る前に迎撃を試みるからである。彼等の常識では、市街地に突入された時点で、既に守備軍は敗北している。
 ろくな守備軍はいないと見たエレウテリオは主力を街道──国道27号線上に展開し前進させると共に、左右の隊を率いる部隊長に、自己の判断で進撃することを許可した。
 部隊間の連絡が難しくなるため、有力な敵がいる場合は、各個撃破の恐れがあるが、現状では其の恐れはない。

 騎士と兵は市街をアメーバの如く、侵食していった。
 
「はっ、あの程度の小勢で我らを防げると思うたか。戯けた奴らよ」
 蛮族が前方に陣を敷いているのを見て、騎士の一人が嘲りの声をあげた。鉄車が数台、盾のように置かれ、其の後ろに数十名程の重装歩兵がいるようであった。
 其の程度の兵力では、抵抗を試みるだけ無駄であろう。エレウテリオも騎士の意見に同意であった。
 先鋒の騎士パスクアルが、大きく腕を降り下ろした。配下の太鼓手が小気味よいリズムで、軍太鼓を打ち鳴らす。
 槍を揃えた重装歩兵の隊列が、太鼓のリズムに合わせ、並足から早駆けに移行しようとしていた。
「長弓、構え!」
 長弓兵指揮官の命令のもと、革の胸当てのみを身につけた軽装の弓兵が、一斉に矢を番えた。
 長弓兵は西方諸侯領軍によくみられる軍種である。長射程(平均300ヤード)と速射能力を誇り、戦場ではしばしば猛威を振るってきた。
 曲射弾道で飛来する長弓兵の矢は、後衛から放たれ、敵を地に縫い付ける。

 ただし、其の扱いの難しさから育成には時間と資金を要するため、誰もが揃えられる兵種ではない。

 約200名の長弓兵の全力射撃は、一分間に2000本以上の投射量を誇る。
 恐るべき兵どもであった。

──だが。
97石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/29(火) 07:29:27.34 ID:Wwms+8RE

「何と、奴ら逃げ出したぞ」
 嘲りの声がさらに大きくなる。蛮兵は、鉄車に飛び乗り、猛烈な速さで道の奥に走り去っていた。

「放ち方待て!」
 長弓兵指揮官が命じる。

「これほどまでに脆弱とはのう」
「腰抜けが!」
 騎士たちの言葉には、怒りさえ滲んでいた。名誉ある武篇の振る舞いではない、という想いを抱いたのだった。

 エレウテリオは軍に前進を命じた。馬上から、周囲の街並みを見渡す。中心部に違いなかった。
 もはや、敵に抵抗の術は無い。少し前に覚えた不安など、すでに消え去った。

「進め!騎士たちよ。恩賞は思いのままぞ!」
 兵は猛り立ち、前進を再開する。左手から、それまで後備に控えていた傭兵団が、気勢をあげながら突撃していった。

「相変わらず、傭兵共は鼻が利きますな。もはや危険は無いと見たのでしょう」
 アランサバルが馬を寄せてきた。
「では、団長。我が隊は助攻を勤めましょうぞ」
「うむ、後ほど会おう」
 エレウテリオは頷いた。どうやら、普段は冷静なアランサバルも、前に出たくて仕方のないようだった。

 エレウテリオに挨拶を済ませると、手勢を鮮やかに旋回させ、県道28号線を、東に向けて進撃していった。

 13時30分。田辺城址大手門に、帝国軍旗、西方諸侯領軍旗、エレウテリオ子爵旗が翻った。

 

 輸送車の中で、警官たちは屈辱に震えていた。西舞鶴駅前で阻止線を守っていた20名は、本部からの退避命令を受け、五老岳陣地まで後退したのだった。
「畜生、犯罪者を前に逃げ出すなんて!」
 尾崎が吐き捨てた。綾部市で暴虐の限りを尽くした、その相手から逃げ出してしまった。そんな命令を出した本部も許せなかった。
 そして、何より眼前に現れた大軍勢に、臆した自分が許せなかった。命令が下されたとき、心のどこかで安堵した自分がいた。

「あの、数は無理だ。雨でガスも使えん。執行実包は一人18発、弾が足りん」
「しかし!市民がまだ──」

「今は耐えろ」阻止線の指揮官、志馬警部が諭すように言った。

 
 帝国軍の圧倒的な物量の前に、日本側は未だに有効な手が打てず、時間を稼ぎつつ、ひたすら市民の脱出を急ぐのみだった。
98石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/29(火) 07:31:20.32 ID:Wwms+8RE
京都府舞鶴市 舞鶴西港第二埠頭
2012年 6月5日 13時27分


「押さないでください!ゆっくりと進んで!手荷物は持ち込めません」
「押すな!止めろ子供がいるんだ」
「早く乗せてくれ!彼奴等が来ちまう」
「慌てずに!全員乗れます!こら、そこ順番を守りなさい!」
「おかあさん、おとうさん。どこにいっちゃったの?」
「怪我人がいるんだ。先に乗せてくれ!」

 まるで、終戦間際の満州か朝鮮みてえだな、畜生。
 埠頭で避難誘導を行いながら、第八管区海上保安本部所属、巡視船「わかさ」特別警備隊員、中川清春三等海上保安正は唇を噛んだ。
 眼前では、舞鶴市内から命からがら脱出してきた市民がいた。舞鶴西港は市民の避難場所に指定されている。舞鶴市はあらゆる船舶をかき集めて、市民の救出を試みていた。
 すでに貨客船からプレジャーボートに至るまでの、民間船は福井方面に向けて脱出している。
 残るは、巡視船「みうら」のみであった。普段は海上保安学校の練習船として活動している。
 だか、戦禍の迫る今は【災害対応型】巡視船の本分を果たすべく、3136トンの船体に、1000人以上の市民を何とか収容しようとしていた。

 当初は順調に乗船が進んでいたのだが、警官隊か蹴散らされたという話が広まった途端、状況は一変した。
 自家用車で避難してきた市民が立て続けに接触事故を起こし、埠頭の道を塞いでしまった。
 このため、シャトルバスが使用できなくなり、徒歩で避難する羽目になった市民は互いに押し合い、進めなくなってしまった。

 恐怖心ってやつは、止められねえってことだな。
 

 中川は、防弾ヘルメットとベストを装着し、陸上自衛隊制式小銃である89式5.56o自動小銃を構え、鋭い視線を市内へ向けている。
 【海の機動隊】とも称される彼の姿は、少なからず付近の市民に安心感を与えるものであったが、全体の混乱収拾には、寄与することは出来なかった。

 だけどよ、まあ何とかなりそうだな。中川は漸く最後の百数十人となった埠頭を見て思った。
 4名の警官と18名の「わかさ」特警隊(母船はすでに出港していた)が警護するなか、港湾職員、税関、消防署員などが必死の誘導に当たり、 ようやく目処がついたのだった。
 

 まだ一山あるって訳か──。

 中川の視線の先には、埠頭に向かって突進してくる数百名の集団がいた。

 何とも柄の悪そうな連中だなオイ。俺といい勝負だ。中川はにやりと笑みを浮かべたあと、周囲の部下に呼び掛けた。

「『わかさ』特警隊集まれ!気ィ抜くなよ!ここが、俺らの見せ場だぜ!」
99石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/29(火) 07:33:54.83 ID:Wwms+8RE
 栗毛の愛馬に跨がり、港へ迫る傭兵団の団長ジスカールは笑いが止まらなかった。戦場で受けた無数の傷でひきつった顔面を、いかにも愉しそうに歪めていた。
 ジスカールと、彼の傭兵団にとってこの蛮地は夢のような土地だった。敵は脆弱で、雇い主は気前がよく、財貨や女子供は拐い放題。まさに傭兵の楽園。
 手下共も餓狼の如く、貪欲に振る舞っている。
「頭ァ、堪らんですな!」
「なんもかんも、ぶんどり放題じゃあ!」
 下卑た声があちこちからあがる。その姿に、真面目な西方騎士であったモデストなどは「我が軍に山賊紛いの連
中を、なぜお加えになったのですか!」と、一時はエレウテリオに訪ねてきたほどであった。
 ジスカールも、数ある傭兵団のなかでも、悪名高い方であると自負していた。しかし、それが何ほどのことであろうか。奪い、焼き、犯すのが人の楽しみであろう。
「見ろ、港だ!野郎共、好きにやれィ!」
「イャッハー!!」

 戦斧や手槍、片手剣を持ち、スケイルメイルやチェインメイルと、バラバラの武装で身を固めた傭兵たちが、舞鶴西港に雪崩込んでいった。


京都府舞鶴市 舞鶴西港第二埠頭
2012年 6月5日 13時52分

 中川三正が声を張り上げる。
「隊列を組め。前列大盾中段に構え。後列、威嚇射撃用意」
 機動隊によく似た装備を持つ海保特警隊は、18名を二列横隊に編成し、傭兵団を迎え撃つ構えをとった。隙のない大盾の列は、練度の高さを物語る。後列の隊員は89式小銃を立射姿勢で構え、ドットサイトを覗き込んだ。

 その様子は、ジスカールからも見えた。歴戦の傭兵隊長であるには、前方の重装歩兵はなかなかの兵に見えた。
 なんじゃあの武器は?弩にしては、矢が見えねぇ。嫌な予感がするな。
 手下共は相手が少ないため、完全になめきっている。ジスカールは、念のため自分の位置を集団のやや後方に下げた。
 弩はこれで大丈夫だ。撃ってきたところで、手下がやられる間に間合いを詰めて揉み潰してやろう。

「蹴散らせェ!」
「応ッ!」


「威嚇射撃、単射。撃て!」
 距離にして約100メートル。中川は法執行機関として手順を踏むべく、まず足元に銃弾を叩き込んだ。


 敵が何かを放った。破裂音と微かな白煙、そして、敵の弩が光った次の瞬間、傭兵団の手前に何かが撃ち込まれた。
「痛ェ──ギャッ」
 手下の一人が膝を砕かれ倒れ、そのまま後続に踏み潰される。
「怯むな。敵の弩は次を放つまで暇がある。その間に突っ込め!」
 重装歩兵の戦列まで、あと50ヤード。142名の傭兵が突っ込めば、ひとたまりもない。

 この敵を破れば、港だ。その先にはお宝が──。



「小隊、正当防衛射撃。連射──撃て!」
100石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/29(火) 07:35:20.98 ID:Wwms+8RE
 宝の代わりに待っていたのは、5.56o弾による暴風であった。放たれた軍用小銃弾は、傭兵の身につけた革や鋼の鎧を易々と撃ち抜いた。
 弾を受けた傭兵の背中側には大穴が空き、死ねた者はその場に崩れ落ちる。
 死ねなかった者は、絶叫をあげながらのたうち回った。
「がッ」
「何事だッ!ぐがッ!」
 たちまち数十名がぼろ切れの様になり倒れた。生き残りも、理解不能な攻撃に逃げ腰になる。
「こいつは、『ファイアボルト』?いや、数が多すぎる!」
 ジスカールは、戦慄した。しかし、止まれば狙い撃ちになるとわかっていた。逃げ出した手下を切り捨てると、突撃を続けた。

「野郎共、逃げるなッ!敵はすくねえぞ!」

 手下たちも、半ばやけくそな気分で突撃を再開した。そういう意味では、士気の維持に成功したと言える


──だが。

 70は倒した。30は逃げた。残りの30名ほどが、まだ突撃してきている。小銃班は2弾倉を撃ち尽くした。

「やってやるぜ」

 中川は不敵な笑みを浮かべると、部下に命じた。

「前列大盾構え!後列警棒抜け。来るぞてめぇら。ビビるんじゃねぇぞ!」
「応!」


 敵の重装歩兵が大盾とメイスを構えた。距離がつまる。

「『わかさ』特警隊、叩けェ!!」

 特警隊員は、大盾を水平に構えると、全力で傭兵の顔面に叩きつけた。逃げ腰の傭兵は受け損ない、折れた歯を撒き散らす。
 傭兵の攻撃は、大盾に受け止められた。直後に盾が顎を跳ね上げ、メイスが小手を砕く。
 恐るべき敵手だった。このような手練れの魔法戦士がいるとは。

 手下は全て倒れた。ジスカールは、腹をくくると馬上からポールアクスを手近な敵に叩き込んだ。
 大盾が砕け、魔法戦士が吹き飛んだ。次の獲物を狙おうとしたとき、破裂音と閃光が目と耳を打った。

 そして、目の前が真っ赤に染まり、傭兵隊長の意識はそこで途切れた。
101石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/29(火) 07:36:38.80 ID:Wwms+8RE
「損害報告」
「権田が肩を骨折しました」
「各自、残弾1弾倉程度」

「やるじゃねえかよ。俺の部下はよう」
 紛れもない、勝利であった。市民は全て乗船を完了し、「みうら」は間もなくもやいをはなそうとしていた。
 あとは、自分達が乗り込むだけである。しかし。

「中川三正!新手です!」
「……何てこった」


 彼らの視線の先には、異形の集団がわらわらと現れつつあった。
 人に似ているが、背は低く肌の色も、その顔も明らかに人類と異なっている。少なくとも、この世界では。
 ヤクザみたいな連中の次は、宇宙人かい。
 中川は押し寄せる異形と自分達と巡視船「みうら」の位置を、冷静に測った。
 一撃加えて走りゃギリギリ乗れるかな。

「かますぞ、射撃用意!」

 その時、左手方向から一台のライトバンがよろめくようにして埠頭に滑り込んできた。矢が何本も刺さっている。
「中川三正、要救助者です!」
 ライトバンは、ちょうど異形と特警隊の間に来たところで、停止した。エンジンが遂にいかれたらしい。

「畜生!救助する!続けェ!」

 「わかさ」特警隊は猛烈な勢いで走り出し、ライトバン前に隊列を組んだ。
 ヨダレを垂らしながら、異形の群れが迫る。特警隊は射撃を開始した。

「大丈夫ですか?海上保安庁です」
「ありがとうございます。逃げ遅れて」
 ライトバンの中には中年夫婦と、小学生位の女の子、そして祖母らしい婦人がいた。みな怯えていた。
 射撃音が響く。異形が発する奇声が、段々と近づいている。一刻の猶予も無い。
「もう、大丈夫。さあ、逃げますよ。清武、吉田、二人を背負え」
 中川は、部下に子供と老婦人を背負わせると、民間人を中心に円陣を組んだ。 
 ジリジリと下がる。
「残弾なし!」
「こっちもだ!くそ、くそ野郎共」

 彼等が岸壁にたどり着いたときには、特警隊員は小銃を棍棒がわりに、異形と殴りあっていた。
 すでに「みうら」は離岸し、彼等を地獄から救いだしてくれるものはいなかった。
「兵隊さん。私は老い先短いからいいんよ。ただ、孫を助けてくださいな。御願いします」
 老婦人がすがるように言った。
「いやだ!おばあちゃんといっしょにいく!」
 女の子は、祖母の手を離さない。逃げ場はなかった。

「意地を見せろ!」
「俺たちはまだやれる!」
 特警隊員は互いに励まし合い、どうにか支えていたが、埠頭は異形で埋まり、気力が尽きた時が、最期であった。
 畜生、ここまでなのか?



「入港用意!海保を援護しろ。小銃班打ち方始め!」

 その時、洋上から高らかな喇叭の音が鳴り響いた。海上自衛隊の支援船「ひうち」が、岸壁に滑り込むように横付けしつつあった。


「自衛隊が、こんなにいい男に見える日が来るたぁ、な」
102石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/29(火) 07:39:52.97 ID:7v5+fKD0
おわりです。急いだのでかなり乱れました。

十日ほどかけないので、しばらくごきげんよう。
103石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/29(火) 08:27:51.65 ID:apq1yRrC
読み直すと、ミスが多いです。

ご意見ご感想をお待ちしております。

そろそろ、自衛隊頑張る。
104石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/29(火) 09:00:57.32 ID:Wwms+8RE
度々書き込みます。
視点変更が分かりにくくてすみません。今回、混ぜてみたんですが

【大盾とメイスを構えた重装歩兵】というのは、海保特警隊のことです。読みようによっては傭兵側のように見えますね。

 場合によっては、改稿して再投下します。こんどこそ失礼します。
105創る名無しに見る名無し:2012/05/29(火) 12:31:16.39 ID:rwcss4Ph
投下乙
10日ほどインターバルですか、へびの生殺しかもw
106創る名無しに見る名無し:2012/05/29(火) 12:38:29.33 ID:lkWkIeaK
「自分たちが緒戦で勝てたのは、純粋に奇襲に成功したおかげ」だということに、「そのせいで、敵側の対応が後手後手に回っただけ」だということに、「敵の本来の実力は、自分たちよりもはるかに上だったのだ」ということに、異世界側が気づくのは、いつになるのだろう。
107創る名無しに見る名無し:2012/05/29(火) 19:38:33.57 ID:rwcss4Ph
>>106
騎士が気づくのは弾丸が身体貫くそのときだと思うが
彼らを捨て駒にゲート開いて目的の物手に入れた奴は
自分の身がやばくなる前に撤収してるかと
108創る名無しに見る名無し:2012/05/29(火) 21:13:19.29 ID:pcw5nod7
前線の将兵ではなく、異世界軍の中枢や侵略を命じた連中が気づくのは、いつなのだろう?
日本の自衛隊や海保の練度を考えれば、夜間の奇襲を受けても、翌日には立ち直るはずだが。
それにジスカール、最後の戦闘の時、気づかなかったのだろうか? 目の前に居るのが、少数ながら『正規軍』だということに。
109創る名無しに見る名無し:2012/05/29(火) 22:49:46.25 ID:2ue7Bf0x
投稿乙。
昼過ぎに戦車大隊が到着する予定でしたね。機動隊の活躍にも期待してます
110創る名無しに見る名無し:2012/05/29(火) 23:24:16.63 ID:57cEGP4p
彼らの国には火縄銃とかマスケットぽいのは存在しなかったんだろうか。
銃をメイスと間違えるぐらいだから、発明自体してないんだろうな。

日本から幾つも書物を持ち帰っても、彼らの役に立つのってあんまり多くないよな。
技術関係は電気とかの近代インフラが必要だし、兵器に関しては恐らく物にすらならないような。
貴族の食がちょっとだけ豪華になるぐらい?
111創る名無しに見る名無し:2012/05/29(火) 23:52:17.96 ID:rwcss4Ph
>>110
メイスと認識したのは警棒
小銃は「どきゅう(ボウガン)」かと思ったが
矢が番えてないのに少しいぶかしんだ程度

いしゆみは火薬発明前から実用化されているので構造は推測できたかと

問題は彼らが現代文明を模倣する事ではなく
現代文明の弱点をつくことを書物から読み取る事だと思うが
112創る名無しに見る名無し:2012/05/30(水) 00:13:26.19 ID:okhCvaGQ
>>108
忘れてはならないのは自衛隊や警察には「民間人の保護」と言う足枷が有った事
民間人の退避に人員裂かずに火力投入すれば(例えるなら空爆)
2000人ほどの武装集団蹴散らせるだろうけど
自衛隊や警察上層部がそんな判断下せるとは思えない

ジスカールは騎士じゃなく傭兵のボスね
彼らは城を守る兵が居ない(ラブホテル炎上)で
蛮族(日本)を「腰抜けのくみしやすい雑魚」と認識してた
最後の瞬間直前には「白兵戦も出来る魔法戦士」と気づいたかもしれないが...
113創る名無しに見る名無し:2012/05/30(水) 02:22:39.60 ID:C247Mhrw
民間人の保護が無くても町で空爆なんて出来るかどうか。
自称平和団体(笑)の連中でなくてもかなり批判されそう。
114創る名無しに見る名無し:2012/05/30(水) 08:08:14.80 ID:BBZhWzVH
もちろん、町中に爆弾なんか落とせるはずが無い。しかし、陸自のヘリから機銃弾やグレネードをばらまけば、数百程度は蹴散らせると思う。
115創る名無しに見る名無し:2012/05/30(水) 18:49:19.92 ID:okhCvaGQ
>>114
それらは「治安出動」の命令が下されないと行えない
そして自衛隊の治安出動は事態が警察の手に余ると判断される前提付き
116名無しに見る名無し:2012/05/30(水) 22:09:27.56 ID:K2WEHfAI
>>108

その頃はもう手遅れなんじゃない? 国のシステムが封建制とかだったら、
押収した資料から日本やば杉ってなって裏切る奴も出そうだし、下手すりゃ
傭兵部隊の蛮行とかで日本の世論が暴支膺懲状態になる可能性もあるから。
117石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/05/31(木) 00:46:12.47 ID:QwcXwo6j
感想ありがとうございます。
異世界同士の認識のズレとか、過大評価過小評価は、こういったお話の面白いところですよね。

現代側の足かせは、なかなか解けないと見積もっています。治安出動だと、重火器の投入にはブレーキがかかるはずです。

彼らがどう乗りきるのかご期待ください。

私は世界観を、エピソードを通して間接的に明かしていくスタイルですので、暫くは分かりにくいところも多いかとおもいますが、しばしお付き合いください。
118創る名無しに見る名無し:2012/05/31(木) 02:23:28.15 ID:oo77rAZj
>>116
異世界側にアドバンテージがあるとしたらゲートを開いた手段が日本側に知られてない事
ゲート開いたら閉じるのに時間がかかるのか閉じるのは容易いかで撤収の難易度が異なる
ゲート開くのに莫大な魔力必要として一度閉じると再度構築するのに何年もかかるとしたら閉じる事を躊躇するかもしれない
その間に日本側から逆侵攻する体制整って戦火が拡大するかもしれないが

開くのも閉じるのも容易く、コスト気にしないで済むなら
ゲートを最初の位置とは異なる場所に開くヒットアンドアウェイ戦法取る事も可能
日本側の精密な地図手に入れた状況だと実に厄介な事となる
119創る名無しに見る名無し:2012/05/31(木) 21:50:41.26 ID:bA6Wj/rB
開きっぱなしだと、遠からず逆侵攻されて「ゲート」状態に
120創る名無しに見る名無し:2012/05/31(木) 21:55:51.98 ID:9RWGbSC4
でもそうしないとファンタジー世界側に本格的な反撃が出来ないし、奴隷として連れ去られた国民を救出に行かなきゃいけないし。
ゲートから攻めてきた敵を何とか撃退するだけでお話が終わる短、中編ならF世界敗北後、即ゲート遮断でもいいかもしれないけど
121創る名無しに見る名無し:2012/06/01(金) 00:39:24.52 ID:VVqIs5gG
>>120
そこらへんの事情は作者の胸のうちとしてw
ゲートが恒常的なものだと開く側に細心の計略無いと自爆ネタだよな

西方諸侯はそんな事気にしないが
魔道士バルトロは騎士および傭兵団もゴブリンとさほど差の無い手駒程度で
なんらかの策の二つ三つほどは持っているだろう
(ゲート先がアメリカじゃなく日本になったのはただの偶然てレベルだったら戦略も糞も無いが
122名無しに見る名無し:2012/06/01(金) 01:36:58.36 ID:+Q2jh7JC
>>121  

何かの事故でゲートが閉まらなくなるとかありそうだが?



123創る名無しに見る名無し:2012/06/02(土) 21:32:47.96 ID:yuLK17LK
元ネタである『ゲート 自衛隊彼の地にて斯く戦えり』では、ゲートは開くにも閉じるにも、それなりの時間と労力がかかるものであるようだ。
そうでなければ、遠征軍が壊滅した時点で、報復を恐れて即閉じてしまうはずだから。
ただし、「反対が多い中で強引に閉じることが可能だった」のだから、日単位の時間が必要なわけでもないだろう。
また、「閉じようとした時には既に敵に占拠されていた」という可能性も有る。
そういった部分については、明確な描写が無いので、はっきりしたことは何も言えないが。
124名無しに見る名無し:2012/06/02(土) 22:19:53.85 ID:s8lwYNQT
元の世界のインフラとか次第じゃ自衛隊の進行に時間がかかるとかはありそうだ。
125創る名無しに見る名無し:2012/06/03(日) 01:20:04.51 ID:My32QDXr
むしろ、そのゲートに装甲車輌や航空機を通せるだけの大きさがあるかないか
という条件を設定するだけでもだいぶ状況が違ってくると思う
126名無しに見る名無し:2012/06/03(日) 03:49:30.50 ID:nzN32811
でも解体して輸送したら時間はかかりそうだが、大抵の物は
いけそうな気が、それにこの連中元からこの世界目指してたんだろうか?
127創る名無しに見る名無し:2012/06/03(日) 07:04:30.95 ID:uX/X2mcv
>>123
その作品は自衛隊側が反撃して、閉じる間もなくゲートを占拠しちゃったからな。
128創る名無しに見る名無し:2012/06/03(日) 08:02:29.09 ID:B0FNLAgC
>>125
工作員や小部隊を送り込むだけならともかく、それなりの軍勢を送り込もうと思ったら、当然ゲートにも、それなりの大きさが必要だ。最低でも、幅20〜30mは。
それだけの大きさが有れば、装甲車輌や戦闘機を充分通せる。
『ゲート 自衛隊彼の地にて斯く戦えり』で、航空機を分解して輸送しなければならなかったのは、そうしなければ「ゲートの場所まで運べなかった」からだろう。
129創る名無しに見る名無し:2012/06/03(日) 10:21:42.64 ID:B0FNLAgC
この手の話で、ファンタジー側が共通して犯すミスが、「自分たちの常識や尺度で、すべてを判断してしまう」こと。
「異世界の存在に、自分たちの世界の常識や尺度など、通用しない」ということに、気がつかない。
気がつく者がいたとしても、それは絶対少数派なので、大勢を動かし得ない。
どこの世界でも、どこの国でも、いつの時代でも起こるミス、起こりがちなミスではある。
しかしファンタジー世界では、教育水準が低いがゆえに、とりわけ起こりやすい。
130創る名無しに見る名無し:2012/06/03(日) 10:30:17.54 ID:i4WU0Pwk
>>126
>>この連中、元からこの世界目指してたんだろうか?

「ゲート」は人為的に構築したものだが
自然現象的に生じたものは「スポット」もしくは「ゾーン」と仮称すべきかも
F世界では人が研究して再現に成功するだけの経験値の蓄積が有ったとか

FTじゃなくSFの部類に入るが自然現象じゃなく人為的作業の結果生まれたものなら
侵攻の前に下準備があると見るのが自然>調査・偵察

石動氏はそこらへんはまだぼかしているが
魔道士バルトロは(登場人物の中では)両世界の中で一番事情掴んでいると予想
131創る名無しに見る名無し:2012/06/03(日) 21:12:56.30 ID:B0FNLAgC
 ふと思ったのだが、現代日本がファンタジー世界に転移して、10〜20年が過ぎたとしたら、どんな国になっているだろう?
 資源や食料は、無人地帯を開拓するなり、攻めて来た蛮国を返り討ちにするなりして、供給元を確保出来たとする。

 しかし、資源が有っても市場が無いのだから、経済活動は大幅に低下せざるを得ない。
 日本のハイテク製品は、ファンタジー世界の国家ではほとんど役に立たず、お呼びでない。
 作っても売れない物を、わざわざ作る馬鹿はいない。

 結果として、国内で大量の余剰労働力が発生するはず。
 その多くを、新領土でのインフラ整備と、資源及び食料の供給、「ファンタジー世界でも使えるような、ローテク製品の生産」に振り向けても、なおかなりの余剰が生じるのではないか。

 結局は、失業率を下げるため、1人当たりの労働時間を減らさざるを得ない。一昔前に言われた、「時短」をやらざるを得ないのではないか?
 当然の結果として、1人当たりの所得は大きく減る、国民の生活水準は、大きく下がらざるを得ないのではないか?
132創る名無しに見る名無し:2012/06/03(日) 22:20:05.31 ID:KZ/sNwix
十年、20年立ったら高齢化が進行して失業率なんて逆に問題にならなくなるんじゃないか?
133創る名無しに見る名無し:2012/06/03(日) 22:21:26.70 ID:AeY0waFt
そうはならんと思う

日本って意外と輸出に依存しとらんし
記憶ではたしかGDPの1割ぐらいが外需

内需掘り起こして、完全内需国家にひた走るんじゃねーかな
134創る名無しに見る名無し:2012/06/03(日) 22:31:02.73 ID:6ZryfbaK
さらに海外領でも持ったら、さらに需要が生まれるもんな。
ほとんど未開の土地を開発するから、よっぽどな事がないと水準は下がらないんじゃないか?
海外領が発展してきたらしてきたで、そこの企業と取引するだろうし。

こう考えると、やっぱり一番危ない時期は転移直後の資源を一切輸入できない時なんだろうな。
135創る名無しに見る名無し:2012/06/03(日) 22:49:24.50 ID:KZ/sNwix
高齢化対策の為に介護士として、ブラウニーを雇用する法案が国会に提出されました
136創る名無しに見る名無し:2012/06/04(月) 01:34:28.22 ID:j1vCHFzZ
>>131
ハイテク製品の大量生産・大量消費を元にした資源食いつぶし成長は
新世界に悪弊ばらまく20世紀の白人文化の再現はどうかと思う

アメリカのアーミッシュみたいな生活をしろとは言わないが
もし精霊や妖精が一般人の目に「実在するもの」と認識される世界に転移すれば
人間本位主義を考え直す契機になるかもしれん
137創る名無しに見る名無し:2012/06/04(月) 03:05:47.49 ID:nMoXfu/A
>>131
資源があれば内需で十分消費できる。

輸出の比率は14〜16%程度だけど、純輸出の比率は2%弱だから更に資源を自前で用意できるなら外需を失った影響は減るね。
海外工場で生産していた完成品を作るための工場を国内に造り直す必要がある。
そうなると余るのが2%程度だから海外領土の開拓で余剰労働力も使い切るだろうね。

輸出に関してもファンタジー国家の設定次第。
ファンタジー国家がハイテク物を必要としないのかというのは状況と物によるとしか言いようが無い。
携帯電話や発電所、ガスや上下水道に道路・鉄道など、必要としてもおかしくない物はたくさんある。
魔法や宗教なんかの設定によって導入するかどうかは変わるだろうね。

>>136
精霊や妖精・妖怪がいても変わらんよ。
そこにある自然を利用するだけだ。

大体、一般ファンタジーにおける精霊なんて人間くさすぎていけない。
特に大気汚染だの水質汚染だのを厭うタイプ。

大気汚染にしても水質汚染にしても人間もしくは生物の視点から見た判断。
地球科学的には人間を除いた理由でそれ以上に現代人の基準からすれば汚染された状況なんて歴史上いくらでもあるのに、
それを鑑みれば大自然の化身たる精霊や妖精がそれらを厭う理由が無いだろう。
人間程度のやっていることすら厭うなら、ソレより大きな影響を与えた植物に対する嫌悪のほうが大きいはずだ。
酸素なんて不安定な物質垂れ流しにしてるんだぞ、どんだけ環境に影響を及ぼしたことか!
138創る名無しに見る名無し:2012/06/04(月) 03:18:15.99 ID:AvM9KhJf
まあ自然だエコだとか仮想戦記でまで
気にするようになったけど>>137
指摘されてるとおりなんだよね。実際

結局、自分の都合のいい通りの事しか
見えないということか…
139創る名無しに見る名無し:2012/06/04(月) 05:46:30.04 ID:pKNd6EMZ
F世界に転移した自衛隊レンジャー訓練の一環として、冒険者ギルドで各種依頼をこなす自衛官(たまには現地の冒険者とパーティ組んだり)ってのを妄想した

……文章下手だから書けんけど
140創る名無しに見る名無し:2012/06/04(月) 11:57:42.02 ID:j1vCHFzZ
>>137
地球科学を論じて「歴史上〜」とするのに違和感がw

植物を嫌う精霊居てもいいだろう、それらは砂漠に住んでいると思うけど
彼ら(精霊)は環境を変えるのではなく、自らに合った環境に移り住むか消え去る
中には植物の種をまき、育てるものも居るかもな>「コダマ」と呼ばれた連中
(それも積極的に荒地を緑地化するのでなく維持するもしくは天災による損傷回復

でだ、緑地を破壊するのに賛成する霊的存在は
普通「悪霊」と呼ばれる存在になるとは思わんか?
141創る名無しに見る名無し:2012/06/04(月) 13:19:25.88 ID:NGZq9fS8
とりあえず精霊が動植物生態系の総体が統合した人格化され意思を持ったような存在と仮定した場合
その地域の環境と生態系を維持するために、環境や生態系を破壊あるいは侵食しようとする
外部の何者か(外来種であったり、人間による開発であったり)に対して
自衛としての抵抗を行うという可能性は考えられるし、下手な勘違い環境保護団体よりは厄介な相手かもしれないな

ダム建設の住民移転とか湾の埋め立てで漁場を失う漁師たちと違って
補償金とかそういう手段では交渉解決は不可能だし
開発などで環境破壊すればそこに住んでる動植物の中には死滅するのも居るわけだし
他所に移れですむ問題ではないし
一部を開発するだけで大部分残すとしても
人間が他者に「腕一本切るだけです、全部殺すわけじゃないから、そして代わりに代償支払いますから腕切らせて」
とか言われて納得するはずはないのと同じだし


あと、砂漠環境の精霊と森林環境の精霊が、砂漠化の進行によって緑地が侵食される事で
抗争状態にある、みたいな関係もその世界ではあるかもしれない
それに乗じたり一方の精霊に加担して…という選択肢はあるかもしれないな
精霊を人間と同様な「勢力」として考えれば判りやすい
結局は侵略するか、融和を選ぶかだ
142創る名無しに見る名無し:2012/06/04(月) 15:33:46.13 ID:rRXQo6ov
えらく俗物な精霊ばっかだよな
環境保護団体レベル
143創る名無しに見る名無し:2012/06/04(月) 16:10:45.39 ID:AvM9KhJf
太陽や他の自然現象で、人がいなくても日々変化してるのに
これじゃ精霊の名を借りた只の人間だよ
144創る名無しに見る名無し:2012/06/04(月) 16:18:33.16 ID:NGZq9fS8
>>142>>143
じゃあ俗物じゃない精霊ってどういう存在よ

全地球規模の人格化であるような精霊だったら、地表面の環境が多少変動しようと何しようと
それは地球環境自体が起こしてる現象であるからこそ、環境が破壊されてもなんとも思わないわけで
というか自分で破壊したり形成したりを繰り返してる訳だから、どこに文句のつけようが無い
精霊というより神様のレベルと同義

地球表面のごく一部の限られた面積範囲の生態系を司ってる精霊だったら
その範囲内の状態が維持されるか破壊されるかは関心ごとになりうるだろ


マクロな視点での価値観と
ミクロな視点での価値観をごっちゃにしすぎな上に、そういう暴論で精霊が俗物とか
人が居なくても変化してるから関係無いとか言うほうが所詮は俗物的思考を脱却できてない小人の発想じゃないのかね
145創る名無しに見る名無し:2012/06/04(月) 16:22:02.53 ID:rRXQo6ov
じゃあ俗物じゃないが環境保護団体や農家レベル
146創る名無しに見る名無し:2012/06/04(月) 16:27:58.33 ID:NGZq9fS8
そりゃあね、例えば台風の精霊が毎年大暴れする事で
河川の精霊が、河川が濁流化して氾濫し、周辺地域に大きな水害をもたらしてしまい
それによって失われる命があることに心を痛めていても、
「台風は毎年必ず来ることは止められないもの」
で、
なおかつ
「台風が過ぎれば環境は元に戻るし、結局生き残ってる生き物や台風が来る事で生きている生き物もたくさんいる」
と考えるなら、別に台風如きで地域が一時期荒らされる事なんか気にも留めないよ
それは決まりきった予定調和なんだから
あるいは、何万年という年月のスパンの中で地形が削られ、川の形が代わり、侵食して谷だった所が山になり、
さらに侵食を繰り返すことで山も削られて地形が輪廻を繰り返すのを、やはり予定調和として許容しているのも
不思議じゃないだろうよ

だが、それと人間が数年で環境を劇的に変化させるのと同じように許容してくれるのか?
ってのは別個の話だろうし
もし何万年も経過すれば全て風化浸食して元に戻るんだからいくら汚染してもいいよって存在だったら、
そしたら「精霊という存在が居たとしても、別に人間ごときに干渉したり接触してこない、居ても居なくても同じ存在」
という事になるわけで、下手すれば人間が精霊を認識できるかどうかも危うい関係性もありうる

じゃあ、「精霊」なるものをその世界に設定する意義はどこにあるの? どこで登場させんの?」
って話だ
人間に、転移日本に接触も干渉もしてこないなら、いっそ精霊なんて存在しない世界ということでいいんじゃないの?
147創る名無しに見る名無し:2012/06/04(月) 16:31:26.85 ID:Emp0Qn6a
で、それファンタジー世界である魅力が薄いよね?
148創る名無しに見る名無し:2012/06/04(月) 16:38:13.99 ID:NGZq9fS8
>>147
だからこそ、物語上必要な配役として、
「人間が精霊に干渉する」ためあるいは「精霊が人間に干渉するため」に「精霊は人間の行動に対してなんらかの感情や意思を示す存在」でなけらばならなくなる


「居るんだけど別になにもしない存在」なんてのは物語を構成する上でなんら必要も意味も無い
あったところで大道具、背景でしかないよ
話の中に絡んでこない存在ってのは無くても話が成立する、要らない存在だ
だったらそんな設定は没にして捨ててしまえ


精霊のやることが俗物だとか言う事は、つまりそういう事だ
それがわかった上で俗物がどうのとか言ってるんだろうなID:rRXQo6ov他は?
149創る名無しに見る名無し:2012/06/04(月) 17:21:45.78 ID:Emp0Qn6a
いい加減長文キモいから出ていってくれるかな
正直お前みたいなのが居るから過疎るんだよね
迷惑だから消え失せてくれない?
150創る名無しに見る名無し:2012/06/04(月) 17:28:37.83 ID:yPH+Vz27
物語>設定
物語の為に設定があるのであって、設定の為に物語があるのではない。
矛盾やおかしい部分があろうと面白い物語は面白いし、矛盾が全く無くおかしな部分が無くてもつまらない物語はつまらん。
重箱の隅を突く枝葉末節より王道や燃える展開、島戦争式のドンゾコまで叩き落してから一気に急上昇させるお話の盛り上げ方といった物語の技法が重要。
151創る名無しに見る名無し:2012/06/04(月) 18:10:30.32 ID:pA8Dp8Fk
>ID:NGZq9fS8
こいつがキチガイなのは分かった

もしかして妖精さんか精霊さん本人かな
152創る名無しに見る名無し:2012/06/04(月) 18:34:49.16 ID:j1vCHFzZ
「ファンタジー世界」を選択したからは
設定にそれなりの「人外とのかかわり」は考えて然るべきかと

人によって精霊に入れたり亜人種に分類したりするがな>ゴブリン・コボルト、エルフ・ノーム
バンシーやウィルオーウィスプみたいな幽かな姿だと「霊」に分類しやすいが
153創る名無しに見る名無し:2012/06/04(月) 19:05:04.02 ID:nMoXfu/A
>>140
思わない。
植物が存在することを嫌う存在が居ても不思議じゃないだろう。

>>141
なんで人間だけ特別扱いなのかがさっぱりわからん。
外来種にしても人間にしても生態系を構成する要素に過ぎない。
精霊が破壊や侵食を嫌う。
つまり変化を嫌うのであれば生物の存在自体を否定したほうがよっぽどスマートだ。

>>144
一般的なファンタジーだったら大体出てくる精霊って四大元素系とか五大元素系とかでしょ?
いわばマクロな視点の価値観を持ってしかるべきような広い範囲にまたがるような概念なわけだ。
そういった存在がなんでミクロな話題に固執するのかっていう部分・必然性が見えてこないんだよね。

砂漠の精霊とか森の精霊とか、そういった価値観がミクロな視点になってしかるべき精霊はまだわかるんだけど。

>>146
同じだよ。
なんで生き物に拘泥するの?
なんで人間を特別扱いするの?
環境を変化させるという点で特別扱いするなら人間以前に大異変をもたらした植物に対して何らかの対応をしていてしかるべきなんじゃないの?

>>148
人間に対する感情や意思を示す存在であっても
環境保全団体の回し者みたいな見解を有している必要は無いでしょ。
例えば、風の精霊が排気ガスがうんぬんかんぬん言うのはおかしくないか?
大気の組成が変わるのなんて長いスパンで見たら当たり前のはずなんだから。
154創る名無しに見る名無し:2012/06/04(月) 20:08:14.18 ID:EucKBOsk
ファンタジー全般の話題を扱うスレなのか、ここは?
155創る名無しに見る名無し:2012/06/04(月) 20:55:53.99 ID:UnKRVV35
伸びてるから投下があったのかと思ったら痛いのが湧いてただけか
156創る名無しに見る名無し:2012/06/04(月) 22:46:53.03 ID:awWC2XJe
>>131
日本はもともと貿易依存率は低いし、
さらに今までは海外で作っていたものも自前で作らないといけないから、
案外仕事はたくさんあると思う。むしろ供給力不足で
高インフレが起きるかも。
とはいえ、今海外に出てる産業はそこまで難易度が高いものはあまりないから
そんなに活動すること自体の難易度は高くないと思われる。

157創る名無しに見る名無し:2012/06/04(月) 23:00:19.48 ID:Ct5nzISO
>>153
>なんで人間だけ特別扱いなのかがさっぱりわからん
人間だけ特別扱いじゃなく「日本というその世界に今まで無かった異物」だろ?
なんか話の発端の前提から勘違いしてないか?

そりゃあ、例えば現代の里山は人間が存在して間伐とかしてるのが織り込み済みの生態系になってるから
人間が周辺にすまなくなるとバランスが崩れるが
それだって数千年単位でそういう共生系を築いてきたのであって
いきなり電ノコで何百本も木を伐採するような現代文明に自然の修復力は対応してない

>そういった存在がなんでミクロな話題に固執するのかっていう部分・必然性が見えてこないんだよね。
だからお前はマクロな問題でしか見てない、というかマクロな視点しか持たないものが精霊であると勝手に規定している
お前の頭の中の設定を押し付けんな
こっちは「ミクロ視点で環境状態に影響されるような、地域生態系の総体意思としての精霊だったら」という
仮の設定を話してんだ ちゃんと読めアホが

>環境を変化させるという点で特別扱いするなら人間以前に大異変をもたらした植物に対して何らかの対応をしていてしかるべきなんじゃないの?
異変をもたらした植物とか数億年単位の昔のことを持ち出して何がしたいんだお前
それがマクロ視点で地球環境を自分で変動させてそういう風に地球環境を作り変えた精霊のしわざなら植物に対して何もするわけ無いわ

>人間に対する感情や意思を示す存在であっても
>環境保全団体の回し者みたいな見解を有している必要は無いでしょ
急激な環境変化を死活問題と見なすような精霊の場合は環境問題というより領土問題に近いだろ
自分の管理下にある環境が外部存在の手で急激に侵食してんだから
環境団体と同じにする発想の方がどっかおかしい
158創る名無しに見る名無し:2012/06/04(月) 23:06:35.68 ID:Ct5nzISO
もう一つ

>>153
>植物が存在することを嫌う存在が居ても不思議じゃないだろう
じゃあ人間が存在する事を嫌う存在が居ても不思議じゃない訳だ

特定の種の生物が存在する事を嫌ってる精霊もいたり、
あるいは特定の種の生物に肩入れする精霊も居てもいいってことだろ?

そいつが贔屓にしている生物の住みやすい環境を脅かす存在は外敵と見なす、なんて考える精霊や神がいたって別におかしくは無いと言う事になる
そういうのは、贔屓されてない生物、その精霊に不当な攻撃を受ける別の生物から見たら邪悪な精霊や邪神だろう
何が善霊でなにが悪霊かなんてのは総体的な視点に過ぎないだろうけどな


お前は何を肯定あるいは否定したいんだ? その論理で?
159創る名無しに見る名無し:2012/06/04(月) 23:09:25.39 ID:awWC2XJe
公害物質ならともかくCO2なら植物の精霊は喜ぶんじゃね?
これで光合成がいっぱいできる!とか言いそうw
160創る名無しに見る名無し:2012/06/04(月) 23:12:46.25 ID:Ct5nzISO
つーか俺は

>精霊を人間と同様な「勢力」として考えれば判りやすい
>結局は侵略するか、融和を選ぶかだ


って書いたよな?
環境保護団体とか何を頓珍漢なことを言い続けてやがる
環境破壊行為を脅威と認識するような精霊、精霊に限らない、その環境で生きている生物、
ドラゴンでもなんでも、あるいはエルフとか亜人種でも、環境が破壊される事によって生存が脅かされると仮定したならば、
それはエコ活動や思想のために環境破壊に抗うなんてアホな理由ではない
自分らの「領土」を守るための抵抗、戦争になるだろうが


環境保護団体みたいな思想とか何を全く勘違いしたことを言ってやがる
ふざけんな
161創る名無しに見る名無し:2012/06/05(火) 00:10:37.57 ID:exFMWzVj
こいつ変な事言ってるなという胡散臭い思いがあったが、ID:Ct5nzISOの反論のおかげで ID:nMoXfu/Aのおかしさがよく分かった
162創る名無しに見る名無し:2012/06/05(火) 00:48:51.97 ID:gMH0FD7h
>>153
上で他の人が既に述べているが
異世界から地球へゲートで来たのを別として
自衛隊もしくは日本丸ごと召喚の場合は自衛隊が「外来種」の立場なんだよね

もちろん座して死を待つわけにはいかないから生存の道を探すのは当然なんだが
「生存の場を構築する」のと「快適な生活する為他者を踏みつけにする」のとは線引き難しいからこそ
そこに物語に仮託して考察するのも有りだと思う

もちろん乱世に武力無双な英雄物語も娯楽作品の一つのスタイルだけどね
163創る名無しに見る名無し:2012/06/05(火) 03:37:16.91 ID:P+yICjH4
ここまでの議論を誰かかんたんにまとめて
164創る名無しに見る名無し:2012/06/05(火) 04:07:32.21 ID:npGrJUhw
スレチ
165創る名無しに見る名無し:2012/06/05(火) 05:58:20.34 ID:com8a/ww
>>157
その仮の設定についての疑問だよ。
マクロな視点の価値観持っているべき存在である四大・五大元素系の精霊がなんでミクロな話題に固執するの?
そういった存在は生態系なんかあってもなくても関係ないじゃないか。

ミクロ視点の環境状態に影響される精霊として納得できる例として砂漠の精霊や森の精霊を挙げてる。
ミクロの環境状態になんで四大元素や五大元素みたいな世界の大元にかかわるとされる存在がこだわるの?
四大元素や五大元素なら生命や生態系なんて無くても存在できるでしょ?

>異変をもたらした植物(ry
そんな大変化を認めるのであれば外来種の人間の活動による変化を拒絶しなくてもいいじゃないか。

精霊が植物なんかを作ったっていうのもおかしくないか?
マクロ視点で植物や生態系を作る理由がない。
ミクロの環境状態に固執するのであれば植物発生以前の環境に依存した精霊はその環境を維持しようとするんでしょ。
だったらそんな状況でどうして植物を発生させようとするの?

>>158
不思議じゃないね。
>お前は何を肯定あるいは(ry
環境破壊(文明化)を促進する精霊の存在を肯定できる。
逆は幾らでもあるのに、文明化を肯定する精霊なんてまず出てこないよね。

あと、揚げ足だけど
>総体的な視点
局地的な視点の間違いじゃないか?
総体的には同値なんだから。

>>160
それは理解している。
だから、生態系を含めた森の精霊だの泉の精霊だのが伐採や汚染がうんぬん言うのは納得できる。
しかし、生態系環境に左右されない元素系の…例えば風や水の精霊とかが汚染がうんぬんいうのはおかしいだろ。
166創る名無しに見る名無し:2012/06/05(火) 06:41:50.27 ID:KpgTSzGR
わーい!妖精さんだ!!
167創る名無しに見る名無し:2012/06/05(火) 07:56:11.72 ID:o7mdITkb
>>165
なんというか・・・・・・俺設定精霊の押し付けにしか見えん。
168創る名無しに見る名無し:2012/06/05(火) 08:18:28.87 ID:frj07qiX
ふと思ったのだが、『ゲート 自衛隊彼の地にて斯く戦えり』が、日本列島転移ものだったら、どうなっただろう?
『帝国』にも、海に面した長い海岸線があり、その沖合50〜100kmほどの場所に、日本列島が転移して来たとしたら?

いきなり侵略するか、最初は外交交渉かは判らないが、とにかく帝国は、日本を侵略しようとする。
しかし、派遣した艦隊や船団は、一日で文字通りの全滅。
一度で懲りるとは思えず、もう一度か二度は海戦が起こるだろうが……最終的に、海軍力は壊滅する。

それで『絶対に勝てないだけの実力差が有ること』を悟って屈服するか、それでも戦おうとするか、それは判らない。
しかしいずれにせよ、日本は最終的に大陸の一部を占領して、資源・食料の供給源を確保することになるだろう。

日本に帝国を滅ぼす意図は無く、そうする必要も理由も無いので、帝国が存続するか否かは、帝国側の内情次第ということになるだろうが。
169創る名無しに見る名無し:2012/06/05(火) 09:29:30.71 ID:gMH0FD7h
>>168
>>日本に帝国を滅ぼす意図は無く、そうする必要も理由も無いので、
>>帝国が存続するか否かは、帝国側の内情次第ということになるだろうが。

投下がとまっているが、日本の政治家に「大陸派」「覇道派」が出てくる話が有った記憶
「帝国を滅ぼす」がジェノサイトを指すのではなく政治体制の変更を指す場合もある

>>とにかく帝国は、日本を侵略しようとする。

「日本が被害者」と想定しているから
『日本は最終的に大陸の一部を占領して資源・食料の供給源確保』と気安く言える
日本の位置に彼らの所有地が有った場合、F世界の国々からすれば「日本が侵略してきた」と思われる
日本には転移の技術無いから濡れ衣とも言えるが
この場合は「召喚した者は誰か」が物語の核心になるかもしれない
170創る名無しに見る名無し:2012/06/05(火) 12:02:44.88 ID:4Ez9YFmS
>>165
>マクロな視点の価値観持っているべき存在である四大・五大元素系の精霊がなんでミクロな話題に固執するの?
それはお前の設定であって俺の設定ではない

>そんな大変化を認めるのであれば外来種の人間の活動による変化を拒絶しなくてもいいじゃないか
だから、数億年以上前の大異変なんか持ち出して何がしたいんだって言うんだよ

それにこっちだって数万年スパンの地形の輪廻の例を持ち出して、そういうのを許容するような
スケールの視点の持ち主が精霊である場合は、イチイチ気にしないだろうって述べている

「もし精霊が短期における急激な環境変化を許容しない存在、許容しない理由のある存在だったら?」
という設定に置いての話をしてるんだろうが
その場合に置いては人間など一部の生物が、それまで安定し循環していた生態系を侵食しバランスを乱すことに
なんらかのアクションを起こす事になるだろうって言ってるんだ

マクロな視点の価値観を持ってる設定の精霊が人間の行動に干渉するなんて誰も主張しとらんわ!!
お前は人の話をちゃんと呼んで理解する能力があるのか!? アスペルガーか!?


>精霊が植物なんかを作ったっていうのもおかしくないか?
>マクロ視点で植物や生態系を作る理由がない
じゃあ精霊って何なの? 何のために存在してんの? 何を司って何を管理してんの?
自然界の何にも干渉しないの? それでなんのために4大元素の精霊とか言っちゃってんの?

生物の生態系構築に干渉せず、気候変動や地殻変動にも関わってないなら、ただ居るだけで見てるだけの存在じゃん
何をしてるのか良く判らないけど、なんか居ますってだけの存在?
お前の中の精霊ってどういう設定でどうしう性質で、なんのためのその惑星上に住み着いてるわけ?
何もしないでただ見てるだけなら、精霊じゃなくどっか別の天体からやってきて軌道上に留まって観察してる宇宙人ってのとかわらないよね?

お前の想定している「精霊」の設定がまったくワカランし説明不足だし意味不明なんですけど!?



>あと、揚げ足だけど
相対的の誤変換ぐらい判れアホ

>しかし、生態系環境に左右されない元素系の…例えば風や水の精霊とかが汚染がうんぬんいうのはおかしいだろ
誰も元素系精霊が汚染云々言い出すとか言っとらんわ どっから出てきたんだよその勘違いは
171創る名無しに見る名無し:2012/06/05(火) 12:16:37.72 ID:4Ez9YFmS
だいたいだ、
「マクロな視点の持ち主である精霊が人間の行いに干渉するのはおかしくない?」ったって
それは「精霊がマクロな視点の持ち主であるという設定の場合」だ
そしてその設定が絶対だとか前提だとか誰も決めてないのになんでその設定に限った話だと限定して話を進めてるんだよこのアホは!?
精霊が
「マクロ視点で数万年〜数億年スパンで環境や生態系は変動を起こして入れ替わるから細かい変動は気にしない設定の場合は気にしない」
「ミクロ視点で数千年スパンの中である一定時期の環境や生態系が維持されてる状態に依存したり拘ったりするから急激な変動を気にする設定の場合は気にする」
それだけの話だろうが? 違うか?

そして
>マクロな視点の価値観持っているべき存在である四大・五大元素系の精霊
って設定はいつどこで誰が説いてその設定を決定したんだよ! 誰か根拠つきで説明したか!?
お前の頭の中だけにある設定を全員の共通設定や共通認識であるとか勝手に規定すんなボケ!!
172創る名無しに見る名無し:2012/06/05(火) 12:22:53.03 ID:+6o2ZAoR
>>169
日本側としては、最初は当然、外交交渉による解決を目指す。
しかし『帝国』のあの傲慢さじゃ、仮にテーブルについたとしても、日本に対し当然のように、『自国への臣従』を要求してくるだろう。
日本にそんなことが呑めるわけはないから拒否する。
そうなったら、帝国が日本を侵略しようとするのは、自明の理に思えるが。
173創る名無しに見る名無し:2012/06/05(火) 16:30:01.54 ID:gMH0FD7h
>>172
「転移」がよくある事象なのか、伝説級の稀な事象かにもよると思うが
転移してきた日本のサイズを知らずに強硬姿勢とるのか

日本も相手の力量知る前に交渉にすぐ結論出すとも思えないが
ペリーの黒船の時でも数年かかっただろ
(ペリーの時は来訪者が技術力先行してた例だが

交渉のテーブルにつく使者出してくるなら
歓迎の意味で航空自衛隊の閲覧飛行見せてあげてもいいだろw
174創る名無しに見る名無し:2012/06/05(火) 19:23:19.11 ID:AB3YBkeu
日本が突然海上に現れたことにより大陸沿岸部が津波に襲われそうだな。
まずは自衛隊らしく人道的な配慮から災害派遣じゃないかな
175創る名無しに見る名無し:2012/06/05(火) 22:03:58.30 ID:0tMV5iv0
>>173
まぁ「お話」としてはさっさと攻めてきてくれないと困るから
内容が年表だったり教科書の駄作架空戦記なら構わないだろうけど

戦艦が残ってたら大和で砲艦外交が出来るんだけどなぁ
相手の使者を乗せて46cm砲の一斉射撃をやってみるとか
176創る名無しに見る名無し:2012/06/05(火) 22:27:27.20 ID:frj07qiX
>>173
確かに、軍事力を見せつけての恫喝、昔で言う「砲艦外交」も、有効な手段の一つ。
「帝国」側に力の差を理解出来るだけの頭が有れば、日本の言うことをきかせることもできるだろう。
日本が必要とする物は(食料を除けば)ファンタジー世界では価値の無い物がほとんどだから、安く手に入れることも可能だろう。
しかし、自分たちが世界の1から2に転落したことを知った帝国の連中、その我慢が、はたしていつまで保つかな?
177創る名無しに見る名無し:2012/06/05(火) 23:16:32.50 ID:nNccafMB
相手が近世にはいっているならそうなるかもな…
しかしマキャベリとかいろいろな国家論が出てから
今の外交姿勢が固まったという経緯があるし
その文明の状態に達していない国だと
無茶をしてくる危険性はあるよな。

まぁそういう建前を作っておいて
がっちり戦争があるのは物語を進展させやすいというメリットがあるのが大きい。

実際まとめサイトのリンク集にある新しき世界はその手法。
178創る名無しに見る名無し:2012/06/05(火) 23:35:21.79 ID:frj07qiX
『ゲート 自衛隊彼の地にて斯く戦えり』が、日本列島転移ものだった場合、こういう展開はどうだろう。

 日本を侵略しようとして、逆に返り討ちに合い、海軍戦力のすべてと、(占領された沿岸部を奪還しようとして)陸上戦力の過半を失った「帝国」。やむを得ず屈服し、交渉のテーブルに着く。
 日本側からの要求は、「帝国の領土の一部、こちらが指定する地域を、我が国に割譲していただきたい」。

「どこを割譲しろと言うのか」との問いに対し、日本側の答えは(帝国側にとっては理解し難いことに)「それはこれから調べる」というもの。
 日本が求めるのは、領土そのものではなく、そこから供給される食糧と地下資源なのだから。

 そしてこう言い出す。「ひいては、そのための調査団をいくつか、帝国内に派遣することを、認めていただきたい。もちろん住民に危害を加えることは無いし、自衛目的以外の戦闘をするつもりも無い」。

 拒否出来ない帝国側は、精一杯の嫌味で、「良いだろう。しかし、そちらが勝手なことをせぬよう、その『調査団』とやらには、我が国の人間も同行させていただく」と言い出す。

 かくして、地質学者や農業学者・鉱山技師、地質調査のためのボーリングを行う車両と作業員たち、彼らを護衛する自衛隊から成る調査団がいくつか、帝国内に派遣され───。そこから、原作と似た物語が展開していくというのは。
179創る名無しに見る名無し:2012/06/06(水) 01:34:26.59 ID:fCkffUy/
>>178
アメリカや中国からの干渉は気にしないで良いかも知れないが
すべての判断を日本政府が決めないとならんな>生き残り戦略

ゲートだと少なくとも本国はいままでの外国との貿易ルートが残ってて余裕は有ったが
180創る名無しに見る名無し:2012/06/06(水) 03:10:48.07 ID:q7+Yyr1S
マジレスすると列島転移ものて環境変動で日本も含めて異世界が滅亡にマッハに
なるんじゃね
181創る名無しに見る名無し:2012/06/06(水) 05:17:36.62 ID:xpNqllw4
異世界に転移した日本の影響で起こった環境変動で日本も異世界も滅びましたとさ。

一行架空戦記 日本召喚−完−
182創る名無しに見る名無し:2012/06/06(水) 08:13:10.60 ID:Qt1UhnFS
>>179
日本政府も馬鹿じゃないんだし、生き残り戦略くらいは立てるだろう。
失敗があったとしても、その世界での日本は軍事的に無敵であって、そうである以上、取り戻すことは可能だと思うが。
183創る名無しに見る名無し:2012/06/06(水) 09:40:06.45 ID:E9eXjspH
異世界と関わる時、リアリティ重視すると病原菌の問題が・・・・・・
やってもまず面白く無いので、大抵の作品で触れられることはないがな。
184創る名無しに見る名無し:2012/06/06(水) 10:23:53.92 ID:7N3rLzVs
>>183
いっそ、地球で行方不明者になる人間の何パーセントかは、神隠しであっちに転移していました。
転移の影響で即死するので向こうにはこちら側の情報はありません。
この『稀人』の死体が現れる現象を魔法使い達が研究したことがゲートの技術を生みました。
この際、こちら側の細菌やウィルスも向こう側に齎されています。

こちら側で見られるUMAの目撃譚の内いくつかは、実は向こう側の生物がこちら側に現れまたもとの世界に戻ることが原因です。
その際(略)

とかはどうだろう。
185創る名無しに見る名無し:2012/06/06(水) 12:48:18.16 ID:TiV2VhWt
>>184
転移で死なないほうがよくない?
人間だけではなく動植物も、数千年どころか数万年、もしかしたらもっと前から
異世界に転移して持ち込まれていたりして、異世界の人間や亜人や動植物は
こっちの世界由来のものも多かったり、それが異世界で独自進化したものだったりするので
こっちと異世界の生物が交配可能だったりするという事にできるし
こっちでは絶滅した恐竜が異世界で生き残ってドラゴンに進化してたり
時々こっちに再転移したのがUMAとして目撃されたり新種として発見されたり
細菌やウィルスは頻繁にこっちと異世界を行き来しているので毎年新型インフルが流行したり
免疫的には問題なかったり、とかできる

転移した人間のもたらす情報に関してだけど、口述による知識とか
転移時にたまたま持ってた程度の物品からでは正しい知識やこっちの現状とかを把握する、
把握したとして正しく理解するのは限界が近いからさほど問題と考えなくていいんじゃないだろうか
186創る名無しに見る名無し:2012/06/06(水) 12:52:26.25 ID:TiV2VhWt
あとなんだっけ…
なんとかいうミカンの種類が、昔浜辺に流れ着いた果実から種を取って栽培したのが始まりだけど
それがどこから来たのかはわからないし、世界中にそのミカンの種はそれ以外ない、っていう
発祥や原種が不明なのがあったはず

異世界から生物種が流れ着いてくるとこういう感じになるんじゃないかと思った
187創る名無しに見る名無し:2012/06/06(水) 13:55:23.68 ID:fCkffUy/
>>186
「ときじくのかぐのみ」(非時香果または非時の香菓)か
とこよのくに(常世の国)に実るとされる不老不死の果実
田道間守命が垂仁天皇の命により常世から取ってきた「橘」がそれと言われているが
http://homepage3.nifty.com/kakunokonomi/information.html
188創る名無しに見る名無し:2012/06/06(水) 16:49:56.11 ID:TiV2VhWt
>>187
ちょっと調べたがどうやらナツミカンらしい
まあミカンは他にも漂着したミカンが幾つかあるが、それらは中国船から落っこちたもので
中国が原産であるようなんだがナツミカンは南方種ではないかと言われてるものの
どっから来たのかは判ってないそうだ
189創る名無しに見る名無し:2012/06/06(水) 18:37:34.45 ID:GHsFdMdP
クマムシは異世界生物
190創る名無しに見る名無し:2012/06/06(水) 18:42:10.31 ID:fCkffUy/
>>188
ナツミカンは交雑種だから原種と言える奴は無いかと
親木はザボンとコトウカン(虎頭柑)と言う説と
ブンタン系雑種と言う説もある
191創る名無しに見る名無し:2012/06/06(水) 20:21:18.19 ID:7SXHs3ZH
此処って何のスレだっけ
192創る名無しに見る名無し:2012/06/06(水) 20:32:37.96 ID:/XMBcYcV
>>180
前スレとかでもその話題は定期的に出てるが、
結論として
リアリティを出すなら召還方式は

「ゲート方式」か、あるいは

「異世界の国が植民地化目的で召喚」
(植民地化が目的なので、相手もできるだけ
転移の影響が起きないようにコントロールして召喚するはず)

の2つに絞られてたと思う。
193創る名無しに見る名無し:2012/06/06(水) 21:27:31.56 ID:BY70I5v0
いや、植民地化って…そこは「明確に日本列島を認識して召喚」程度に余裕作ろうよ
認識と言ってもあくまで「どれぐらいの大きさか」ぐらいのアバウトだろうけど

召喚モノに良くある理由である「救世主召喚」は捨てちゃいけないと思うし
194創る名無しに見る名無し:2012/06/06(水) 21:32:23.42 ID:BY70I5v0
あ、もう一つあった 最近見た動画にあった「邪神召喚」方式

狂信者が「邪神(魔王)」として日本を召喚する…召喚主である狂信者は召喚時の災害なり討伐に来た連中によって死ぬけど
それなら召喚の余波で災害が発生しても日本を邪神や魔王と「勘違い」して攻め…本当に「邪神(魔王)伝説」作る事になるとか
195創る名無しに見る名無し:2012/06/06(水) 21:58:54.20 ID:Qt1UhnFS
>>193
 救世主を求めて日本を召喚? つまり、滅亡に瀕した勢力が、最後の望みを託して、自分たちを救ってくれる存在を召喚ってこと?
 その場合、敵勢力は、「日本人が怒りを覚えずにいられないような、傲慢で独善的な相手」が妥当だろうから、「ある種の宗教勢力」とかが良いかな?

 しかし、召喚する側に、まともな政治的判断ができるなら、「下手をすれば、召喚した相手に、自分たちも支配されてしまう」ことに、気づくはずだ。
 加えて、そんな強大な相手を騙したら、自分たちが滅ぼされてしまうことも。
 だからこそ、日本という、「強大な力を持ちながら、善良でお人好しな存在」が召喚されると?

>>194
 邪神召喚? つまり、自分たちの住む世界に不満を持っている連中が、「今のこの世界をぶち壊して、自分たちの望む世界に作り替えてくれる存在」を召喚ってこと?
 それなら、「ゼロの使い魔」みたいに、「特定の価値観に完全に支配されてしまっている世界」で、なおかつ、「徹底した差別のある完全な階級社会」が良いと思う。
196創る名無しに見る名無し:2012/06/06(水) 22:02:36.64 ID:7XqDePfC
>>195
救世主召喚の場合はあんまり深く考えなくてもいいんじゃないか?
エンターテイメント性を重視するなら特に。
197創る名無しに見る名無し:2012/06/06(水) 22:15:51.94 ID:BY70I5v0
>>195
いや、「邪神召喚」が「救世主召喚」とゴッチャになってるし

邪神を召喚しようとするのだからひたすら「ロクでもない邪教」で良いじゃん
召喚した結果発生する災害を「ザマ見ろー世界は滅ぶのだー」と高笑いするガチで狂った連中

そんな連中に召喚されたモノだから日本は「邪神の住む地」と勘違いされ
日本召喚まではそれなりに平和に暮らしてたF世界の人々の「世界を救う為の連合軍」に問答無用で攻められる…と言うのもアリでしょ
「正直どっちも悪く無いよね・・・戦争」とか
198創る名無しに見る名無し:2012/06/06(水) 22:29:11.68 ID:Qt1UhnFS
>>197
「邪神を召喚しようとして日本が召喚されるのなら、そういういきさつしか無いんじゃないかな?」と思ったのだが。
「この世界を滅ぼしてくれる存在」とは、つまるところ、「この世界全体を合わせたより強大で、なおかつ、今のこの世界とは相容れることが出来ない存在」だろうと思うので。
199創る名無しに見る名無し:2012/06/06(水) 22:40:05.06 ID:BY70I5v0
>>198
いや、そんなの「召喚自体が禁術」って事にすれば良いだけでしょ 実際に日本召喚時にF世界で災害発生してる訳だし

封印した人にとっては「召喚時の代償(災害)」が原因だったけど後の人には「世界を滅ぼす存在を呼び出す」と曲解されるとか
200創る名無しに見る名無し:2012/06/06(水) 23:26:01.90 ID:YWD5UIuT
邪神とおもって召喚したら、
よくいえば温和、悪く言えば優柔不断
みんなで話し合って決めましょうと言いつつ、足を引っ張り合って何も進まない
すごい武器や技術を持ってるけど別に攻めて来るわけでもない
そんな日本人を見て、どう対応すればいいのかわからないF世界の皆さん
201創る名無しに見る名無し:2012/06/06(水) 23:47:51.59 ID:/XMBcYcV
>>193
邪神はともかく救世主は召喚した勢力がどこかばれたら
いくらお人よしだろうと許しはしないだろう。
202創る名無しに見る名無し:2012/06/06(水) 23:57:39.56 ID:BY70I5v0
>>201
そこは「同情するしかない」ってぐらい追い込まれていて追い込んでる勢力が日本から見ても「敵」と判断するに足りる奴らなら良いでしょ
と言うか追い込まれてるからこその「救世主召喚」だし

召喚した(追い込まれてる)勢力がロクでもない奴らだから追い込んでる勢力と仲良くなって協力して潰してハイサヨナラなんて…話としてどうかと思う
203創る名無しに見る名無し:2012/06/07(木) 00:12:55.99 ID:0LbKdUzX
救世主召喚(1個師団くらい想定)するつもりが国ごと召喚しました

これくらいお茶目なら読む人も許してやろうよw
204創る名無しに見る名無し:2012/06/07(木) 00:31:23.61 ID:HL1FNzQu
>>200
そして「攻めて来る事が無い→と言う事はそうする力が無い→つまり守る力も無いと言う事だー」と言うアホな三段論法で攻めるバカが出て
日本人を激怒させF世界は炎に包まれる訳ですね…後に「魔王降臨」と言われる事件の真相って感じで
205創る名無しに見る名無し:2012/06/08(金) 22:26:21.01 ID:Nx+LRt2F
それを現在進行形で極東3馬鹿がやってるな。
206創る名無しに見る名無し:2012/06/08(金) 23:44:07.24 ID:wvgqmXCG
のちに、穏やかな人にも我慢の限度があることを指して
「ニホンの顔も三度まで」という言い回しがF世界に広がるのか
207創る名無しに見る名無し:2012/06/09(土) 00:59:49.21 ID:OprYSBbA
「遺憾の意」が凄まじく恐怖されたり
208創る名無しに見る名無し:2012/06/09(土) 01:11:22.59 ID:fHqWOABQ
個人的には正直戦争後20年くらいたって
F世界の住人が四苦八苦して現代文明になじみ始めたころの世界が見たいな
難民として入国したダークエルフとか森を追われたエルフとかが
おっかなびっくりで生活したりしてていろいろ面白そう。
209創る名無しに見る名無し:2012/06/09(土) 12:08:16.44 ID:U9jWqCP+
>>208
戦後20年くらいだとそのとき生まれた奴が二十歳になるわけだから
生まれた時から社会がそう言うものだと適応する世代が社会に出る頃合だな

人間から見た妖怪的存在が警察官となった「はいぱーぽりす」がそんな感じじゃね?
210創る名無しに見る名無し:2012/06/09(土) 12:55:50.89 ID:lisewOCA
10日ほど書けないって言ってたけど、石動氏はどうしたんだろう。
生殺し状態で、続きが気になってしゃーないw
211創る名無しに見る名無し:2012/06/09(土) 15:53:30.30 ID:CXUFa8lr
>>207
それどこの憂鬱?w
212創る名無しに見る名無し:2012/06/09(土) 19:17:11.07 ID:UrZ8zrSy
>>208
(いすゞ)エルフに乗るエルフですね

あと竜とかワイバーンが競馬みたいなギャンブルになったりして
213創る名無しに見る名無し:2012/06/09(土) 19:47:48.77 ID:fRr5WFHD
PMC所属のワイバーン騎兵とか
UNと兜にペイントしてM4背負った聖騎士とか
シールズ・チーム9所属のダークエルフとか
胸熱
214創る名無しに見る名無し:2012/06/09(土) 20:42:11.19 ID:G9GUB8TX
>>204
そうなった場合、当然20〜30年後には、その世界は事実上、日本に支配されてしまっているはずで……。
日本を「魔王扱い」することなんて、恐ろしくて誰もできなくなっていると思うが。
215創る名無しに見る名無し:2012/06/09(土) 21:29:52.14 ID:fRr5WFHD
>>214
魔王とまで呼ばれた名将○×元陸将とかいう語り方になるんじゃね?
216創る名無しに見る名無し:2012/06/09(土) 22:38:01.95 ID:bODiknlr
前線で戦車に蹂躙された騎兵は、鉄の騎兵を魔王と呼び、
外交担当だったものは、無敵の軍勢に命令を出した内閣総理大臣… 気が弱いはずの王を魔王と呼び、
狙撃により上級指揮官を失った兵は、姿無き死の使者を魔王と呼んだ。

炎の厄災をもたらし魔王について、人の数だけ滅茶苦茶な伝説が残った。
217創る名無しに見る名無し:2012/06/10(日) 00:52:51.21 ID:vGIW6FqW
>>214
そんなの、当時は「送還する方法があった」で良いでしょ・・・ただし準備に手間がかかるものだったので被害は出まくったけど
218創る名無しに見る名無し:2012/06/10(日) 01:49:18.56 ID:pV1aX3Is
国王「ば・・・馬鹿な、国権をすべて譲り渡す等できるわけが・・・」
総理「では麻雀で決めようじゃないか」
国王「良かろう!!王者として武で勝てずとも雀で負けることはない!」


15分後

総理「国士無双十三面(ライジング・サン)!!」
国王「ま、魔王だー」
219創る名無しに見る名無し:2012/06/10(日) 12:40:14.64 ID:g2h+1T0z
F世界に麻雀あるのかよw
220創る名無しに見る名無し:2012/06/10(日) 15:15:58.86 ID:PYR0cfA0
きっと日本がF世界へ仕掛けたサボタージュだ
221創る名無しに見る名無し:2012/06/10(日) 18:48:37.88 ID:f+EUKcoP
F界は成型が不揃いでパイが特定しやすいのだ
あの角の丸みはスーピンだな、とか
222創る名無しに見る名無し:2012/06/10(日) 19:30:36.85 ID:PYR0cfA0
ドワーフの職人さんたちの出番だな。
223創る名無しに見る名無し:2012/06/10(日) 19:57:21.11 ID:yYFACCC+
超常能力アリの世界だと、ギャンブル漫画を描くクリエーターも魔法の知識が不可欠だな。

編集「ちょっとこの魔法の描写はありえないよ。感知魔法と阻害手段についてひとくさり勉強してからだ」
とか。
224創る名無しに見る名無し:2012/06/10(日) 21:34:39.46 ID:g2h+1T0z
実際の麻雀漫画がすでに超能力バトルっぽいんですがw
225創る名無しに見る名無し:2012/06/10(日) 22:38:51.95 ID:EwPxM94k
現代側の超能力っぽい力対F世界の魔法での壮絶な麻雀勝負
226創る名無しに見る名無し:2012/06/11(月) 18:17:52.49 ID:D9jz4llZ
遊戯王ですねわかります
227石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/12(火) 13:06:07.33 ID:Znn09Qu4
ごぶさたしております。
仕事がなかなか詰んでおりまして、こんな時期になってしまいました。
六話はもう少しでアップできるかと思います。
228創る名無しに見る名無し:2012/06/12(火) 14:31:31.94 ID:X/hx8jAJ
物語は唐突に氏は結局失踪したままか••
229創る名無しに見る名無し:2012/06/12(火) 14:51:40.56 ID:Rszc4+gC
>>227
お久しぶりですー
230創る名無しに見る名無し:2012/06/12(火) 19:53:32.46 ID:4WvMuC5t
>>227
現状報告ありがとうございます
231創る名無しに見る名無し:2012/06/12(火) 20:12:05.44 ID:txuUMotC
遅レス
>>180
転移した日本がゼロの使い魔のアルビオンみたいに浮遊してたら環境に対する影響は少ないんじゃね
「朝、目が覚めたら海が空になってました」なんてロマンチックw

まあ、飛ばされた日本人と下に住んでる住人の心臓には悪そうだが

232創る名無しに見る名無し:2012/06/12(火) 20:21:53.24 ID:gtuwmxrl
>>231
ネオジャパン・・・?
233石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/12(火) 22:30:41.76 ID:CdAaGXy/
久々にスレを読めました。
ゲートの設定とか、精霊についてなど、世界観に関する設定はまだまだ詰めないとな、と思います。

とりあえず、六話の途中までと、どうしても直したかった五話を合わせて投下します。
234創る名無しに見る名無し:2012/06/12(火) 22:35:03.73 ID:3WptbYTf
そういえば、人が病原菌持ち込むのを警戒するっていう描写は有るけど
渡り鳥とかが、って言うのはあんまりない気がする
F世界側にとって免疫のない病原菌を運んで中世ヨーロッパの黒死病並の災害を招いた蟲や鳥が
史上最悪の魔物呼ばわりされて、それらが飛んできた日本を地上に現れた地獄や冥界だと勘違いするとか
235石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/12(火) 22:36:42.07 ID:CdAaGXy/
京都府舞鶴市西舞鶴駅前
2012年 6月5日 13時1分

 全天を雨雲に覆われた空は暗く、激しい雨は視界を極端に悪化させていた。
 西舞鶴市の攻略を決心した西方諸侯領軍エレウテリオ騎士団は、街道に重装歩兵の戦列を敷くと、喇叭と軍太鼓が鳴り響くなか、悠然と前進を開始した。
 エレウテリオとその配下の騎士たちは、この時点で敵は未だに初戦の混乱から立ち直っていないと判断している。
 まともな防御指揮官であれば、市街地に入る前に迎撃を試みるからである。彼等の常識では、市街地に突入された時点で、既に守備軍は敗北している。
 ろくな守備軍はいないと見たエレウテリオは主力を街道──国道27号線上に展開し前進させると共に、左右の隊を率いる部隊長に、自己の判断で進撃することを許可した。
 市街地に入り込んでしまうと、部隊間の連絡が難しくなるため、有力な敵がいる場合は各個撃破の恐れがあるが、現状ではその恐れはない。

 騎士と兵は市街をアメーバの如く、侵食していった。
 
「はっ、あの程度の小勢で我らを防げると思うたか。戯けた奴らよ」
 蛮族が前方に陣を敷いているのを見て、騎士の一人が嘲りの声をあげた。鉄車が数台、盾のように置かれ、その後ろに数十名程の重装歩兵がいるようであった。
 その程度の兵力では、抵抗を試みるだけ無駄であろう。エレウテリオも騎士の意見に同意であった。
 先鋒の騎士パスクアルが、大きく腕を降り下ろした。配下の太鼓手が小気味よいリズムで、軍太鼓を打ち鳴らす。
 槍を揃えた重装歩兵の隊列が、太鼓のリズムに合わせ、並足から早駆けに移行しようとしていた。
「長弓、構え!」
 重装歩兵の後方では、長弓兵指揮官の命令のもと、革の胸当てのみを身につけた軽装の弓兵が、一斉に矢を番えた。
 長弓兵は西方諸侯領軍によくみられる軍種である。長射程(平均300ヤード)と速射能力を誇り、戦場ではしばしば猛威を振るってきた。
 曲射弾道で飛来する長弓兵の矢は、後衛から放たれ、敵を地に縫い付ける。

 ただし、その扱いの難しさから育成には時間と資金を要するため、誰もが揃えられる兵種ではない。
 また、防御力が弱く、一度消耗してしまうと戦力の回復が困難であることから、運用には慎重さが求められる。

 だが、約200名の長弓兵の全力射撃は、一分間に2000本以上の投射量を誇る。
 欠点はあれど、恐るべき兵どもであった。

──だが。
236石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/12(火) 22:37:51.92 ID:CdAaGXy/
「何と、奴ら逃げ出したぞ」
 嘲りの声がさらに大きくなる。蛮兵は、鉄車に飛び乗り、猛烈な速さで道の奥に走り去っていた。

「放ち方待て!」
 長弓兵指揮官が命じる。

「これほどまでに惰弱とはのう」
「腰抜けが!」
 騎士たちの言葉には、怒りさえ滲んでいた。名誉ある武篇の振る舞いではない、という想いを抱いたのだった。

 エレウテリオは軍に前進を命じた。馬上から、周囲の街並みを見渡す。中心部に違いなかった。
 もはや、敵に抵抗の術は無い。少し前に覚えた不安など、すでに消え去った。

「進め!騎士たちよ。恩賞は思いのままぞ!」
 兵は猛り立ち、前進を再開する。左手から、それまで後備に控えていた傭兵団が、気勢をあげながら港の方向へ突撃していった。

「相変わらず、傭兵共は鼻が利きますな。もはや危険は無いと見たのでしょう」
 アランサバルが馬を寄せてきた。
「では、団長。我が隊は助攻を勤めましょうぞ」
「うむ、後ほど会おう」
 エレウテリオは頷いた。どうやら、普段は冷静なアランサバルも、前に出たくて仕方のないようだった。

 アランサバルはエレウテリオに挨拶を済ませると、手勢を鮮やかに旋回させ、県道28号線を、東に向けて進撃していった。


 13時30分。田辺城址大手門に、帝国軍旗、西方諸侯領軍旗、エレウテリオ子爵旗が翻った。

 


 輸送車の中で、警官たちは屈辱に震えていた。
 西舞鶴駅前で阻止線を守っていた20名は、本部からの退避命令を受け、五老岳陣地まで後退したのだった。
「畜生、犯罪者を前に逃げ出すなんて!」
 尾崎が吐き捨てた。綾部市で暴虐の限りを尽くした、その相手から逃げ出してしまった。そんな命令を出した本部も許せなかった。
 そして、何より眼前に現れた大軍勢に、臆した自分が許せなかった。
 命令が下されたとき、心のどこかで安堵した自分がいた。

「あの、数は無理だ。雨でガスも使えん。執行実包は一人18発、弾も足りん」
「しかし!市民がまだ──」

「今は耐えろ」阻止線の指揮官、志馬警部が諭すように言った。

 
 帝国軍の圧倒的な物量の前に、日本側は未だに有効な手が打てず、時間を稼ぎつつ、ひたすら市民の脱出を急ぐのみだった。
237石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/12(火) 22:39:19.67 ID:CdAaGXy/
京都府舞鶴市 舞鶴西港第二埠頭
2012年 6月5日 13時27分


「押さないでください!ゆっくりと進んで!手荷物は持ち込めません」
「押すな!止めろ子供がいるんだ」
「早く乗せてくれ!彼奴等が来ちまう」
「慌てずに!全員乗れます!こら、そこ順番を守りなさい!」
「おかあさん、おとうさん。どこにいっちゃったの?」
「怪我人がいるんだ。先に乗せてくれ!」

 まるで、終戦間際の満州か朝鮮みてえだな、畜生。
 埠頭で避難誘導を行いながら、第八管区海上保安本部所属、巡視船「わかさ」特別警備隊員、中川清春三等海上保安正は唇を噛んだ。
 眼前には、舞鶴市内から命からがら脱出してきた市民がいた。舞鶴西港は市民の避難場所に指定されている。舞鶴市はここにあらゆる船舶をかき集めて、市民の救出を試みていた。
 すでに貨客船からプレジャーボートに至るまでの、民間船は福井方面に向けて脱出している。
 残るは、海上保安学校の練習巡視船「みうら」のみであった。
 「みうら」は普段は、学生の実習を主任務としているが、【災害対応型】巡視船として指定されており、災害時は1000名以上の避難民を収容できるように設計されている。
 「みうら」は、その3136トンの船体を埠頭に横付け、残された市民全てを収容しようとしていた。

 救出作業は遅れていた。
 当初は順調に乗船が進んでいたのだが、警官隊か蹴散らされたという話が広まった途端、状況は一変したのだった。
 自家用車で避難してきた市民が、立て続けに接触事故を起こし、埠頭の道を塞いでしまった。
 このため、シャトルバスが使用できなくなり、徒歩で避難する羽目になった市民は互いに押し合い、進めなくなってしまった。
 

 そりゃ、怖ぇよな。俺らがふがいねえばっかりに、餓鬼共に可哀想な経験をさせちまった。情けねえ。
 中川は、防弾ヘルメットと防弾ベストを装着し、陸上自衛隊制式小銃である89式5.56o自動小銃を構え、鋭い視線を市内へ向けている。
 【海の機動隊】とも称される彼ら特警隊の姿は、少なからず付近の市民に安心感を与えるものであったが、全体の混乱収拾には、寄与することは出来なかった。

 中川はようやく最後の百数十人となった埠頭を見た。おそらく、あと十分もあれば、乗船が完了するだろう。何とかなりそうだな。中川は安堵した。このままいけば、市街地に侵入した連中に追い付かれる前に、「みうら」は離岸できる。
 4名の警官と18名の「わかさ」特警隊(母船はすでに出港し、任務に就いていた)が警護するなか、港湾職員、税関、消防署員などが必死の誘導に当たった結果、 ようやく目処がついたのだった。
 

 その時、中川の耳に聞こえてくる音があった。
 競馬が趣味の中川が聞きなれた音──馬蹄の音である。だか、違うところもあった。馬が駆ける音と共に、野蛮さを隠そうともしない喚声が聞こえてきたのだった。
 ジョッキーも観客も、そんな声をあげることはない。そして、ここは京都競馬場ではなく、数百の犯罪者に襲撃されている真っ最中の、舞鶴西港であった。


「きやがったな、畜生どもが

 中川の視線の先には、埠頭に向かって突進してくる数百名の集団がいた。騎乗している者、徒歩の者が入り交じっているが、皆まちまちな武装をしている。

 何とも柄の悪そうな連中だなオイ。俺といい勝負だ。中川はにやりと笑みを浮かべたあと、周囲の部下に呼び掛けた。

「『わかさ』特警隊集まれ!気ィ抜くなよ!ここが、俺らの見せ場だ!」
238石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/12(火) 22:41:55.27 ID:CdAaGXy/
京都府舞鶴市舞鶴西港
2012年 6月5日 13時45分


 傭兵団の先頭を、豪雨をものともせず港へ迫る傭兵隊長ジスカールは、笑いを止めることができなかった。
 栗毛の愛馬の上で、戦場で受けた無数の傷でひきつった顔面を、いかにも愉しそうに歪めていた。
 その巨体を誇示するかのような派手なマントを羽織り、右脇に抱えたポールアクスを煌めかせている。
 ジスカールと、彼の傭兵団にとってこの蛮地は夢のような土地だった。
 西方諸侯領軍から蛮地征討の補助軍としての仕事を請け負ったとき、彼の傭兵団は、つもり積もった悪名のせいでまともな仕事が無かった。
 いずれ山賊になるか、解散して怨みを持つ連中に復讐されるか、という有り様であった。
 ジスカールは半ばやけくそな気分で、蛮地へと従軍したのだった。
 しかし、いざ来てみれば敵は脆弱で、雇い主は気前がよく、財貨や女子供は拐い放題。そこには、まさに傭兵の楽園があった。
 手下共も餓狼の如く、貪欲に振る舞っている。
「頭ァ、堪らんですな!」
「なんもかんも、ぶんどり放題じゃあ!」
 雨音を裂いて、下卑た声があちこちからあがる。その姿に、真面目な西方騎士であったモデストなどは「我が軍に山賊紛いの連中を、なぜお加えになったのですか!」と、一時はエレウテリオに詰め寄ってきたほどであった。
 ジスカール自身も、数ある傭兵団のなかでも、悪名高い方であると自負していた。しかし、それが何ほどのことであろうか。奪い、焼き、犯すのが人の楽しみであろう。
 惰弱な蛮族どものお陰で、上手くすればひと財産、まかり間違えば城持ちになる夢も見えてきた。
 今日は最良の日だな。ジスカールは手下をさらに煽り立てることにした。
「見ろ、港だ!野郎共、好きにやれィ!」
「イャッハー!!」

 ジスカールの至極明快な指示に、手下共は素直にいきり立つ。
 戦斧や手槍、片手剣を持ち、スケイルメイルやチェインメイルと、バラバラの武装で身を固めた傭兵たちが、舞鶴西港に雪崩込んでいった。



京都府舞鶴市 舞鶴西港第二埠頭
2012年 6月5日 13時52分

 中川が声を張り上げる。
「隊列を組め。前列大盾中段に構え。後列、威嚇射撃用意」
 機動隊によく似た装備を持つ海保特警隊は、18名を二列横隊に編成し、傭兵団を迎え撃つ構えをとった。
 雨の中整然と並んだ隙のない大盾の列は、練度の高さを物語る。後列の隊員は89式小銃を立射姿勢で構え、ドットサイトを覗き込んだ。


 その様子は、ジスカールからも見えた。歴戦の傭兵隊長であるジスカールには、前方の重装歩兵がなかなかの兵に見えた。
 あいつら、手練れだな。しかし、なんじゃあの武器は?弩にしては、矢が見えねぇ。嫌な予感がするな。
 手下共は相手が少ないため、完全になめきっている。ジスカールは、念のため自分の位置を集団のやや後方に下げた。
 弩はこれで大丈夫だ。撃ってきたところで、手下がやられる間に間合いを詰めて揉み潰してやろう。

「蹴散らせェ!」
「うおおおおお!」



「威嚇射撃、単射。撃て!」
 距離にして約100メートル。中川は法執行機関として手順を踏むべく、まず足元に銃弾を叩き込むことを部下たちに命じた。



 傭兵団に対し戦列を敷いた敵が、何かを放った。敵の弩が光を放ち、破裂音が響く。微かな白煙が見えた時には、傭兵団の手前に何かが撃ち込まれていた。飛沫が跳ねる。
「痛ェ──ギャッ」
 運の悪い手下の一人が膝を砕かれ、倒れる。手下はそのまま後続に踏み潰された。
「怯むな。敵の弩は次を放つまで暇がある。その間に突っ込め!」
 重装歩兵の戦列まで、あと50ヤード。142名の傭兵が突っ込めば、ひとたまりもない。

 この敵を破れば、港だ。その先にはお宝が──。
239石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/12(火) 22:45:17.97 ID:CdAaGXy/
「小隊、正当防衛射撃。連射──撃て!」


 宝の代わりに待っていたのは、5.56o弾による暴風であった。放たれた軍用小銃弾は、傭兵の身につけた革や鋼の鎧を易々と撃ち抜いた。
 弾を受けた傭兵の背中側には大穴が空き、運のよい者は即死し、その場に崩れ落ちる。
 死ねなかった運の悪い者は、絶叫をあげながらのたうち回った。矢や剣から身を守ってくれる筈の鎧は、何の役にも立たなかった。
 たちまち数十名がぼろ切れの様になり倒れた。生き残りも、理解不能な攻撃に逃げ腰になる。

「こいつは、『ファイアボルト』?いや、数が多すぎる!」
 ジスカールは、戦慄した。しかし、止まれば狙い撃ちになるとわかっていた。ジスカールは逃げ出した手下の一人を切り捨てると、突撃を続けた。
 

「野郎共、逃げるなッ!敵はすくねえぞ!」

 その声を聞いた手下たちも、やけくそな気分で突撃を再開した。ジスカールは、辛うじて士気の維持に成功したと言える。衝力を維持したまま戦列に突っ込めば、勝機はある。
 ジスカールはまだ勝利を信じていた。

──だが。



 中川は眼前に生じた──彼が命令した結果作り出された地獄絵図を、妙に冷静な気分で眺めながら、計算した。
 70は倒した。30は逃げた。残りの30名ほどが、まだ突撃してきている。小銃班は2弾倉を撃ち尽くした。
 もう、射撃の間合いじゃない。

「やってやるぜ」

 中川は不敵な笑みを浮かべると、部下に命じた。
「前列大盾構え!後列警棒抜け。来るぞてめぇら。ビビるんじゃねぇぞ!」
「応ッ!」


 ジスカールの傭兵団は、残り40名ほどまで撃ち減らされたものの、何とか敵の戦列に突撃を続行した。
 傭兵団を迎え討つつもりか、敵の重装歩兵は前列が大盾を、後列は大盾と小振りなメイスを構えた。距離がつまる。
 ジスカールが叫ぶ。
「野郎共、突き崩せェ!」


「─────!」
 敵の指揮官らしい、騎乗した大男が、何かを叫んだ。中川には、何語かはわからなかったが、その叫びが意味するところは、明確に理解できた。
 中川は彼我の距離を慎重に測ると、絶妙なタイミングで部下に叫んだ。

「『わかさ』特警隊、叩けェ!!」

 特警隊員は、大盾を水平に構えると、全力で傭兵の顔面に叩きつけた。
 射撃を受けたせいで、どこか逃げ腰だった傭兵たちは受け損ない、折れた歯を撒き散らす。
 傭兵の攻撃は、前列の特警隊員の大盾に受け止められた。直後に盾が顎を跳ね上げ、警棒が小手を砕く。


 恐るべき敵手だった。一撃で傭兵を打ち倒すファイアボルトを連射する魔力と、小振りなメイスと大盾を自在に操る戦技。
 このような手練れの魔法戦士がいるとは。話が違う。

 手下は全て倒れた。夢は潰え後には死が残された。当然自分もその死からは逃れられないだろう。
 ジスカールは、腹をくくると馬上からポールアクスを手近な敵に叩き込んだ。傭兵隊長らしく、最期まで足掻いてやろうと思った。
 大盾が砕け、魔法戦士が吹き飛んだ。次の獲物を狙おうとしたとき、あの閃光と破裂音が目と耳を打った。

 そして、目の前が真っ赤に染まり、傭兵隊長の意識はそこで途切れた。
240石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/12(火) 22:46:39.49 ID:CdAaGXy/
「損害報告」
「権田が肩を骨折しました」
「各自、残弾1弾倉程度」

「やるじゃねえかよ。俺の部下はよ!」

 紛れもない、勝利であった。市民は全て乗船を完了し、「みうら」は間もなくもやいをはなそうとしていた。周囲には小銃弾と警棒に打ち砕かれた男たちが、転がっている。
 流れ出した血の河は、雨に混ざりつつも、地面を赤く染めていた。
 海保として、この対処は問題になるかもしれねえな。だが、あそこで呻いている野郎共を検挙するには、人手がたりねえしな。どうするか……。

 無理だ。逃げる方が先だ。中川は現状からそう判断した。
 暴徒は撃退した。ずぶ濡れで全身から湯気を上げながらも、部下は全員無事である。ならば、あとは自分達が乗り込むだけだ。

 その時、部下の警告が耳に飛び込んできた。
「中川三正!新手です!」
 中川は国道の方角に顔を向けた。
「……何てこった」


 彼らの視線の先では、市街地の方向から異形の集団がわらわらと現れつつあった。
 人に似ているが背は低く、肌の色も、その顔も明らかに人類と異なっている。少なくとも、この世界では。
 粗末な革鎧を身につけ、錆の浮いた剣や斧を振り回していた。一応集団としての統制はあるらしい。だが、どう見ても降伏して無事でいられるとは思えなかった。

 ヤクザみたいな連中の次は、宇宙人かい。
 中川は押し寄せる異形と自分たち、そして巡視船「みうら」の位置を、冷静に測った。
 一撃加えて怯ませたあと、全力で走ればどうにか「みうら」にたどり着けそうだった。中川は素早く決断した。ぐずぐずしていれば、逃げられるものも逃げられなくなる。

「かますぞ、射撃用意!」

 特警隊員は、指揮官の命令で残り少ない弾倉を装填した。異形の集団はみるみるうちに増え続け、数百を数えるようになった。
 どう考えても、弾より多い。
241石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/12(火) 22:48:07.09 ID:CdAaGXy/
 その時、左手方向から一台のライトバンがよろめくようにして埠頭に滑り込んできた。車体のあちこちが凹み、矢が何本も刺さっている。咳き込むようなエンジン音を響かせ、豪雨の中を走ってくる。

「中川三正、要救助者です!」

 ライトバンは、ちょうど異形の集団と特警隊の間に来たところで、停止した。エンジンが遂にいかれたらしい。
 ドアが開き、数名の男女がふらふらと出てきた。しかし、彼らは異形の群れを見て、力無くへたりこんでしまった。目の前の光景に絶望したようだった。
 祖母らしい女性が、小さな女の子を胸に抱え、うずくまった。中川たちからは100メートル程の距離があったが、中川の目にはこちらを見た老婦人の、助けを求める表情がはっきりと見えた気がした。
 彼は叫んでいた。

「畜生!要救助者を救助する!続けェ!」

 部下たちも同じように感じていたらしい。彼らは海上保安官だった。要救助者を前にして、逃げ出すことなどできない。
 「わかさ」特警隊は猛烈な勢いで走り出し、ライトバン前に隊列を組んだ。
 異形の集団が迫る。水煙の向こうに霞む異形たちは、まるで地獄の餓鬼のように見えた。
 特警隊は射撃を開始した。

 周囲で89式小銃のキレのよい射撃音が響くなか、中川はライトバンに乗っていた市民に声をかけた。
「大丈夫ですか?海上保安庁です」
「ありがとうございます。逃げ遅れて──」
 中年夫婦と、小学生位の女の子、そして祖母らしい婦人がいた。みな怯えていた。
 周囲の射撃音に混じり、異形が発する奇声が、段々と近づいている。一刻の猶予も無い。
「もう、大丈夫。さあ、逃げますよ。清武、吉田、二人を背負え!」
 中川は、部下に子供と老婦人を背負わせると、民間人を中心に円陣を組んだ。 
 埠頭に向かいジリジリと下がる。
「残弾なし!」
「こっちもだ!くそ、くそ野郎共」

 彼等が岸壁にたどり着いたときには、特警隊員は小銃を棍棒がわりに、異形と殴りあっていた。
 すでに「みうら」は離岸し、彼等を地獄から救いだしてくれるものはいなかった。
「兵隊さん。私は老い先短いからいいんよ。ただ、孫だけは助けてくださいな。御願いします」
 老婦人が懇願した。疲れきった口ぶりだった。
「いやだ!おばあちゃんといっしょにいく!」
 小学生くらいだろうか。女の子は、祖母の手を離さない。
 逃げ場はなかった。
242石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/12(火) 22:49:31.09 ID:CdAaGXy/
「意地を見せろ!」
「俺たちはまだやれる!」
 特警隊員は互いに励まし合い、どうにか支えていたが、埠頭は異形で埋まっている。完全に包囲された状態では、気力が尽きた時が最期であった。
 隊員の一人が、手斧に腕を切られた。しかしその隊員は、怪我などないかのごとく、棍棒代わりの小銃で斧を振るった異形の頭を叩き割った。
 しかし、続いて左右から伸びた剣に切りつけられ、よろめいた。隊員は血を失いすぎたのか、幽鬼のような形相になっていた。
 どの隊員も似たり寄ったりの状況で、早晩均衡が破れることは避けられぬ現実であるように思えた。
 畜生、ここまでなのか?


 その場の誰もが、絶望的な未来に打ちのめされそうになったその時、高らかに喇叭の音が鳴り響いた。
 中川は海を見た。
 驚くほど近くに、海上自衛隊の多目的支援船「ひうち」がいた。「ひうち」は、その灰色の船体を岸壁に滑り込むように横付けしつつあった。


 船上から海自隊員が発砲し、中川たちの周囲を制圧し始めた。飛来する小銃弾に、異形たちは怯み、逃げ出し始めている。
 青い作業服を着た「ひうち」乗員たちは、船を岸壁に横付けると、手際よく桟橋を渡した。
 幹部自衛官が一人、ひょいと陸に降り立ち、中川たちの方に歩いてきた。まるで、散歩でもしているかのような態度だった。
「遅くなって申し訳ありません『ひうち』へようこそ」
 にこやかな態度だった。彼は、周囲ではいまだに銃声が響くなか、不安など何一つないという態度で、死地を脱したばかりの市民に語りかけた。
 女の子に、ようやく安堵の表情が浮かんだ。


 救出された市民を乗員に預けた幹部自衛官が中川に向き直った。うって変わって真剣な表情である。瞳には明らかな敬意が浮かんでいた。
 彼は中川に対し姿勢を正すと、スマートな動作で敬礼した。
 中川も敬礼を返す。
「海上自衛隊支援船『ひうち』運用士、三等海尉高山友也です。命により貴隊の救出にまいりました」
「第八管区海上保安庁、巡視船『わかさ』特別警備隊、三等海上保安正中川清春です。支援に感謝します」
「人員は何名ですか?」
「海上保安官18名、市民4名です」
「了解しました。乗員一同、貴隊の乗船を歓迎します。──お疲れ様でした!」

 中川は、血と汗と硝煙とでどろどろの顔に、爽やかな笑みを浮かべると、言った。

「自衛隊員が、こんなにいい漢に見える日が来るたぁ、な」


 「わかさ」特警隊は、その任務を完遂した。損害は重傷1名、軽傷17名。
 一方、ジスカール傭兵団は、傭兵隊長ジスカールを始め97名が死亡、残りも逃散し、事実上壊滅した。
243石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/12(火) 22:51:27.69 ID:CdAaGXy/
福井県小浜市加斗 国道27号線
2012年 6月5日 12時22分


 この世の全てが恐ろしくてたまらない。あんなに簡単に、人間が『人間だったもの』に変わるなんて、想像もつかなかった。
 スプラッター映画やネットのアングラサイトで、散々気味の悪いものを見てきたつもりでいたが、現実はそんなものではなかった。
 肉や骨を無理矢理断ち斬る鈍い、重たい音。犠牲者の断末魔は、いくら耳を塞いでも、直接脳に抉り込まれるようだった。
 周り中から聞こえる命乞いや悲鳴、そして、自分に助けを求める声を振り切ってここまで逃げてきたのだ。
 鼻の奥には、臓物や排泄物の生臭い臭い。飛び散った血の臭い。そして、熱くて粘つく感触。おそらくもう何をしても、とれないような気がした。

 絶対にあの場所には戻ってはならない。出来るだけ早く。出来るだけ遠くに逃げなければ、自分もあの一部になってしまう。

 左手には小浜湾が見える。美しい日本海の風景にも、今は何も感じない。目の前の道路は、自分と同じように福井方面に脱出しようとする車で埋まっていた。
 車列はほとんど進んでいない。
 クラクションがドライバーの苛立ちを示すかのように鳴り響いている。
 何で、進まない。早くしないと彼奴らに追い付かれてしまうじゃないか。
 今にも背後から風切り音を響かせ矢が飛来し、血に濡れた得物を携えた騎兵が、馬蹄の音高らかに自分を追いたてて来るような気がした。いや、数時間前それは確かに現実だったのだ。

 反対車線が空いている。舞鶴方面に向かう車なんて、こんな時にいるわけないのに。どうして空けているんだ。避難に使うべきだ。
 一度そう考えると、それは全く正しいことに思えた。そうだ、あとに続く車のためにも、俺が手本を示すんだ。

 右に車を進めるためには、前の車との間隔が足りなかった。ギアをバックに入れ、アクセルを踏む。衝撃。後ろの方で何かがぶつかって壊れる音がした。
 不注意なドライバーが、事故でも起こしたのだろう。馬鹿なやつだ。
 ハンドルを大きく右に切り、反対車線に車を進入させた。車間が足りなかったのか、前の車に少し当たった。
 邪魔なやつだ。さっさと進めばぶつけられずに済んだのに。
 気がつくとすぐそばに自衛隊のバイクがいる。自衛隊員が手を振り回し、何かを叫んでいる。聞こえない。
 こんなところで、ぐずぐずしている暇があったら、早く舞鶴でも綾部でもいいから、彼奴らを皆殺しにすればいい。
 顔を正面に向けた。視界一杯に緑色が見えた。何だろう。目の前には道路があるはずなのに。早く進まないと追い付かれてしまうじゃないか。
 アクセルを踏み込み、車を発進させた。
 直後、何も聞こえず、何も感じなくなった。

 絶え間無く襲う恐怖から、彼は解放された。


『──小浜03より本部。小浜市加斗の国道27号線で、反対車線に飛び出した大型トレーラーと自衛隊車両が衝突した』
『本部より小浜03。国道の状況を知らせ』
『小浜03より本部。トレーラーは運転席が大破。車両が横転して完全に道を塞いでいる。ガソリンが漏れだしている。
 これより避難誘導にあたる──』
244石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/12(火) 22:53:37.12 ID:CdAaGXy/
京都府舞鶴市五老ヶ岳 国道27号線
2012年 14時32分

第一次防衛線 五老ヶ岳応急陣地

 雨はようやく峠を越えたらしい。未だ止む気配は無いものの、10メートル先も見えないような状況からは、脱したようだった。
 稲富祐也一尉はひとつ大きな息を吐いた。視界が悪い中敵とぶつかるなんてごめん被る。そう思いながら、天候の回復を祈っていた。
 わずか50名余り(撤退してきた警官隊が、指揮下に入っていた)の守備隊にとって、数に優る敵に懐に潜り込まれることは、悪夢以外の何物でもなかった。
 舞鶴市を東西に分断する位置にある五老ヶ岳は、その展望公園から舞鶴湾を一望できることで知られる。
 国道の左右は、森林に覆われた山地となっていて、大部隊の通行には適さない。
 舞鶴警察署と海上自衛隊は、この要衝に陣地を構築し、敵の東舞鶴侵入を阻むつもりであった。

 どんよりと垂れ込めた雨雲は、依然航空機による支援を阻んでいた。不思議なことに、雨雲は北近畿の一部──福知山・綾部・舞鶴の上空のみに渦を巻くように存在している。
 気象庁の担当者は、前日の気圧配置からはあり得ない天候状況に、頭を抱えていた。6月4日のある時から、何かが、天候に干渉しているとしか思えなかった。


 稲富は応急陣地の様子を確認した。とりあえず、やれることはすべてやったと思った。

 応急陣地構築を命ぜらた稲富は、海自に野戦陣地構築のノウハウが無いことに気づいた。
 アスファルトをはがして塹壕を掘るにしても、必要な深さも配置もいまいちよく分からない。そもそも、現状で塹壕が有効なのか判断出来なかった。
 また、陸自がよく使っているライナープレート(湾曲した鉄板で、陣地構築に使用する)も、全く不足していた。時間も十分にあるとは言えなかった。
 結局、稲富は陣地構築を土木工事の手法で解決することにした。どういう訳か敵の武器は刀槍と弓矢であり、それならばやりようがあると考えたのだった。
 市内ゼネコンから、護岸工事等に用いられる大型の土嚢がかき集められた。舞鶴市土木課が、梅雨や台風に備えて、災害時協力協定業者に備蓄させていたものである。1メートル四方もある大型の土嚢を道幅一杯に並べた。
 さらに、造修補給所等の施設にあったドラム缶をかき集め、水を入れて胸壁とした。
 警察からの情報で、敵が矢を投射兵器として使うと分かったため、二段に積み上げた土嚢にライナープレートやトタン板を渡し、即席の掩体とした。
 これらの作業は、官民両方のフォークリフト、クレーン車その他の重機によって、極短時間で完了した。
 陣地は、土嚢前面に警察が持ち込んだ車止めや対暴走族用のスパイクをこれでもかと並べて、完成した。

 余談になるが、のちに、この時の協力業者に対し舞鶴市長及び舞鶴地方総監から感謝状が送られている。
 しかし、一部革新系議員から、物資と重機の供出に対して「災害時の協力契約であるにも関わらず、軍事目的で使用したことは、公費の目的外使用と民間人の軍事徴用であり法律違反である」と、文句がつき議会が紛糾する一幕があった。
245石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/12(火) 22:55:15.03 ID:CdAaGXy/
 稲富は、陣地と言うよりは、崩れた山肌の補修工事か、道路の基礎工事現場と呼ぶのが相応しい光景を見渡しつつ、傍らの沢田曹長に語りかけた。
「出来れば、屋根はライナープレートで揃えたかったな」
 彼の部下たちは、火器類には全く無力であろうトタン屋根の下で、64式小銃を構えていた。特殊雨衣の上に88式鉄帽と黒い防弾チョッキを身に付けている。
「ま、矢でも鉄砲でも持ってこい、とは言えませんが、雨風と矢なら防げるでしょう」
 稲富と共に立った土嚢の上で、雨に打たれながら沢田曹長が答えた。彼は曹士が雨に濡れていない現状に、とりあえず満足しているようだった。

「そういえば警察さんは随分気合いが入っていたな」
「西舞鶴の放棄は相当悔しかったみたいですから」
「保安庁が、任務を成功させているから、余計だろう」
 稲富の元には、舞鶴西港で市民を最後まで護りつつ奮戦していた海上保安官の救出に、「ひうち」が成功したと伝えられていた。
 そして、彼の元にはもうひとつ情報が伝えられている。

「で、我らが騎兵隊はいつ駆けつけてくれる?」
「今日は無理ですな」
「だろうな……」
 国道27号線で発生した事故により、福井方面からの交通路は完全に麻痺していた。
 この結果、陸上自衛隊第三戦車大隊は、小浜市で待機を強いられていた。

 陸自の増援を当てにしていた海自部隊にとっては、大きな誤算である。
 舞鶴市は依然として孤立していた。

「稲富一尉!」
 稲富の背後から、やや気負った響きの声が呼び掛けてきた。
「やあ、志馬警部。そちらの配備は終わりましたか?」
 志馬と呼ばれた警官は、大きくうなずいた。ヘルメットから雨水を滴らせる。
「舞鶴署一個小隊20名、配置完了です。ここは意地でも通しませんよ」
「よろしくお願いします」
 稲富は、相手の矢や刀槍による攻撃に対する防御として、機動隊の大盾に期待していた。
 見たところ警察はこの陣地に手持ちの装備をあれこれと持ち込んでいるようだった。志馬からは事前にガス筒の使用を通知されている。

「沢田曹長、機関銃は大丈夫か?」
「いまのところぐずってはいませんな。二挺据え付けております」
「あれを掃射するような状況にはなってほしくないが……」
 陣地には62式機関銃を据え付けた火点を構築していた。機関銃分隊には、非常時以外は交互に射撃するよう命じてある。

「指揮官!報告します」
 背後の掩体から、通信員が報告した。酷く緊張した声だった。
「白鳥峠陣地守備隊から司令部宛『敵出現、数は数百。投降勧告に応答なし。現在、交戦中』以上です」
 もうひとつの第一次防衛線、県道28号線白鳥峠陣地に、敵が押し寄せたのだった。
 周囲の景色が、急に違って見えるようになった。木々の間から今にも何かが現れそうな気分になる。
「向こうに現れたということは……」
「こっちにもそろそろ来ますな」
 
 沢田曹長の言葉に合わせたかのように、遠くから遠雷のような音が聞こえてきた。次いで、かすかな地響きを感じた。
「来たな」
 大分勢いを減じた雨の向こうに、敵の大軍勢が見えていた。先鋒らしい集団は乱雑な様子だが、その後ろには、彩り鮮やかな軍旗を翻し、整然と隊列を組んだ部隊が続いていた。
 話に聞いてはいたものの、暴徒という表現が当てはまらないことは、一目瞭然であった。敵は、明らかに軍隊であった。
 稲富は部下に指示を出した。
「総員配置につけ!銃点検の後、弾込め。安全装置はまだ外すな」
「我々も配置につきます。──ガス班準備!」

 稲富と志馬の指示により、陣地内は蜂の巣をつついたようになった。各分隊海曹が、小銃と機関銃に弾薬の装填を指示し、警官隊はガス筒を用意した。

 敵にも動きが生じた。どうやらこちらを見つけたらしい。
246石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/12(火) 22:58:13.28 ID:CdAaGXy/
終わりです。

しばらくは以前より速度が落ちます。

自分の描きたい場面と、話としての盛り上がりと、一番大事な『ちゃんと伝えられているか。面白いか』
なかなか上手くいきません。

ご意見ご感想ご質問お待ちしています。
247創る名無しに見る名無し:2012/06/12(火) 23:08:22.15 ID:GjdCxgL+
投稿乙です。
中世の騎兵隊vs現代の騎兵隊の戦いは7話ぐらいまでお預けか。
簡易的だけど、ある程度の陣地構成して機関銃と弾があれば騎兵隊が来るまでは持ちこたえられるだろうか・・・?
そろそろF世界側が、日本の本当の実力を垣間見て何か疑問を思う頃ですよね。
どうしようもなくなったF世界側の描写を期待してます。

で、ちょっとした疑問なんだけど、戦車部隊て高速は使えないんだろうか。
一応舞鶴若狭自動車道が小浜市から舞鶴市まで通ってるんだよな。
248石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/12(火) 23:34:29.10 ID:CdAaGXy/
>>247
早速のレスありがとうございます。
異世界の異様さに気づいたときの狼狽を、上手くかけたらなと思います。
好みとしては、敵があまりに間抜けすぎると興ざめな方なので、その辺をさじ加減したいです。

高速は……使っている地図が古か──この世界では予算の都合でまだ小浜西までしか繋がっていないと解釈をお願いしますOTL
249創る名無しに見る名無し:2012/06/12(火) 23:39:42.88 ID:GxszUZNf
投下お疲れ様です。次回を楽しみにしてますね?


>>247
多分、初期の混乱で高速の類はマヒしてるんじゃないか?してなくとも、一般車を磨り潰しながら移動して気付いたらキャタピラボロボロとか洒落にならんからねぇ………。
250創る名無しに見る名無し:2012/06/13(水) 00:09:59.25 ID:V9iAQ6UL
お疲れ様ですー
このシリーズ面白いですね
251創る名無しに見る名無し:2012/06/13(水) 00:12:09.55 ID:mYBsLcnp
面白かった乙です
決戦近しワクワクしてきますね

自衛隊の大型トレーラーって74式かな?
あの化け物トレーラーに普通車がぶつかったくらいで
運転席が大破したり横転するとは考えにくいのですが
それにまだ治安出動なのに先導車もいないのは変じゃないですかね?

252創る名無しに見る名無し:2012/06/13(水) 00:53:38.95 ID:qCeBu5e3
乙です!


>>251
一般車が大型トレーラーのようだぞ
自衛隊車両が何なのか判らないがトラックとだったら
反対車線から飛び出して正面衝突したら運転席は大破すると思う
自衛隊車両の破損もかなりのもんになるだろうけど…
横転は衝突した状況によるから判断つかんな
253創る名無しに見る名無し:2012/06/13(水) 02:30:21.13 ID:qmDyfwWW
当方小浜市民
舞鶴やら小浜やら加斗やら国道27号線やら地元の地名が出てくる作品に出会うと非常に嬉しいく、描写されてる地名を知ってると状況が想像しやすい

で、不思議に思ったんですが、国道が通行不可なら舞鶴若狭自動車道は?小浜ICから自動車道で東舞鶴まですんなり行けると想うんですが
254創る名無しに見る名無し:2012/06/13(水) 02:54:24.89 ID:Gs+GhZ0V
いや、そっちも「渋滞で通れねえよウワーン」か「道路が損壊し通行不能」とかなってるに決まってるじゃん
あんまり重箱のスミつつくなよ 作者の好きにやらせようぜ
255創る名無しに見る名無し:2012/06/13(水) 05:29:32.45 ID:CSd/mg1w
>>244の応急陣地って、鳥羽伏見戦の幕府工兵が作った俵・酒樽陣地といい勝負だなあ、と思った
ちなみに、俵・酒樽陣地は勇猛をもってなる薩摩歩兵の攻撃でも突破できず、大砲持ち出してようやく崩せた
256創る名無しに見る名無し:2012/06/13(水) 06:24:39.11 ID:hSA9Qb56
俵と樽スゲー
257創る名無しに見る名無し:2012/06/13(水) 09:00:34.51 ID:tzDVaQNu
有る物を有効活用すればどうにかなるものなんだな。
足りぬ足りぬは工夫が足りぬ。
258創る名無しに見る名無し:2012/06/13(水) 11:32:04.29 ID:Gs+GhZ0V
そう言えばゲートでもやってたが「ゲート展開後いきなり攻撃」って正直「恥ずべき行為」じゃね?
「ゲートの先は蛮族の地」であってもいきなり攻撃せず「蛮族に礼儀を教えてやる」とか偉そうで(ある意味命知らずな)使者を派遣とか
まあ内容は「さっさと降伏して全て差し出せやコラ」だけど

F世界側はいきなり攻撃しなくても勝てると思ってる(根拠は元の世界では強かったから)と言う前提ならだけど
259創る名無しに見る名無し:2012/06/13(水) 11:36:24.19 ID:5D/I1H+f
おいおい、ローマ帝国は宣戦布告無しにゲルマンの領域に武器を持ってふみこんだぞ?
その後、痛い思いをしちゃったけど
日本だって、古代の国土平定の時期にゃ、宣戦布告って手順を踏んだかどうかは正直……
そんな感覚なんじゃね?
260創る名無しに見る名無し:2012/06/13(水) 11:48:08.40 ID:Gs+GhZ0V
>>259
ちょっと年代古くないか 騎士とか出る時代より前の話じゃん
261創る名無しに見る名無し:2012/06/13(水) 12:15:03.28 ID:5D/I1H+f
んじゃ、その騎士出た後の時代で、十字軍って宣戦布告したっけ?
自分たちが中心とか思ってる連中は国際法のひとつも経験してないと宣戦布告って
手順を踏むかどうか……
262創る名無しに見る名無し:2012/06/13(水) 12:59:42.21 ID:qCeBu5e3
そもそも宣戦布告という行為自体、「外交関係を結んでいた相手」と、
「外交交渉のもつれ」によって武力衝突が決定的になったときに
もう対話による交渉はしません覚悟しろって通告のために行ったものなんで
最初からろくな外交してない相手とは宣戦布告もクソもないという…
ただし、宣戦布告の前に最後通牒っていう手順を挟むが
最後通牒と宣戦布告の区別が曖昧な時代もあったし
宣戦布告という行為が明確な定義とともにいつごろ定着したのかは不明だ
17世紀ごろには慣習化しているらしいのだが
18世紀以降はそれも形骸化してあんまり守られなくなっていくし
近代以降もちゃんと宣戦布告した戦争の例は少ない
(宣戦布告と武力行動がほぼ同時である例は多い)
263創る名無しに見る名無し:2012/06/13(水) 13:04:16.75 ID:wtiho2Dy
言葉が通じないなら使者も糞も無いようなw
そこらへんはゲートを開いた奴が「未開の蛮地を見つけたので切り取り次第」と
支配者に囁いたからと勝手に予想している

>>260
日本の古代が「神武東征」を指すとすれば
中国では三国時代(魏・呉・蜀)か、どう古く見積もっても漢より遡らんだろうな
264創る名無しに見る名無し:2012/06/13(水) 13:10:06.00 ID:qCeBu5e3
ちなみに、ローマ帝国には一応外交関係結んでいる相手に対しては
宣戦布告的な行為を使者を送って行うという内部法律があったらしく、
帝国の崩壊後にも概念・理念的なものとしてこれが各国に受け継がれ
のちの宣戦布告という行為の源流になっていったらしいのだが
しょせんは理念でしかないのでちゃんと行われていたのかどうかというのはかなり微妙

国際的ルールというよりは「マナー」「モラル」という面の方が大きく、破っても批判以上の罰則とか無かったようだ
265創る名無しに見る名無し:2012/06/13(水) 15:27:07.76 ID:81ggUQie
そもそも十字軍なんて当時のイスラム社会からすれば蛮族の流入としか考えられてなかったんだよな
266創る名無しに見る名無し:2012/06/13(水) 15:28:02.70 ID:Gs+GhZ0V
>>261
十字軍は編成前にイスラム世界に対し教皇の名で「聖地返せやオラー」とやってるが、それも宣戦布告って言わない?
267創る名無しに見る名無し:2012/06/13(水) 17:08:24.19 ID:CSd/mg1w
蒙古は日本に対して「兵を用うるに至る、それいずくんぞ好むところならん(蒙古に従え、さもなきゃ攻め込むぞ)」って国書を送って来てた
それを日本つか幕府が無視したんで文永の役になったわけだが
268戦闘領域1話 ◆AEghwN7mYs :2012/06/13(水) 19:39:36.22 ID:/rdYazDX
謎の企業と超技術陰謀モノを書きたかった
企業軍や天使軍って言葉いいよね……という発露から書いてみました
漆原市は架空の都市です
ファンタジーと召喚要素については後々だんだんと出てきます

投下開始
269戦闘領域1話 ◆AEghwN7mYs :2012/06/13(水) 19:40:53.80 ID:/rdYazDX
四菱重工、新興企業であった四菱が急速に発展した影には数多くの暗闘があった。
新技術の独占、石油利権を始めとする旧体制との対立、各国の思惑。
しかし創設者でもある横濱礼司の「人類の発展」を掲げた決して屈さぬ鋼の信念の下
あらゆる障害は排除されていた。

それを形にしてきた男が居た。
彼は圧倒的な行動力と驚異的な外交努力を持って部隊を編成する。
先端技術と人工筋肉で強化された機械化部隊を中心とした
四菱最新鋭の商品に身を固めた四菱重工私設企業軍、対外交渉外課。
通称“猟兵”一個中隊を編成する。
一国の首都を落としうる戦力を整えたのである。

目標は“新世界”での“新資源”獲得。
北海道を襲った原因不明の大規模災害、発生した観測不可能な霧の彼方。
最高危険地帯“大雪山国立公園”にある旧黒岳地域、通称“天城”
乾口真彦率いる部隊による“天城”周辺に生息する“天使”の制圧。
四菱重工私設企業軍第七連隊による軽度汚染地域の浄化。
最高危険地帯“大雪山国立公園”の汚染度を可能な限り引き下げた上での天城強襲作戦。
四菱重工が開発した対天使核兵器に天使達が耐性を得るまで二週間。

そして作戦は順調に進んだ。第七機甲連隊による攻撃は群がる天使を掃討していく。
天使達の鎧を貫く機関銃の猛射が、射程外から120mm砲の轟きが、天使を駆逐する。
それは作戦と呼ぶより作業に呼ぶに相応しいものであった。

作戦最終段階、それは起こった。
“天城”攻略を阻むひときわ強い光輝に包まれた巨大な羽を持つ天使。
天使核の混乱で統制を失う天使の群れを御す、明らかに格の違う上級天使の出現。
銀に光る重装鎧と紅く燃える翼を纏った少女。

 “権天使”

此処に“新資源”を巡る人と“新世界”の人知れぬ暗闘は新たな転換期を迎える。




輝くガスに満たされた盆地の底。迷彩服を着た男が沈んでいる。
草むらだった大地は濃過ぎる神気で一面、白い輝きで塗り潰されている。
空には男を見下ろす剣と鎧をたずさえた天使の群れ。白い羽毛が舞い散る。

天城制圧部隊をたった一人で壊滅させた “権天使”

人体ほどの大きさでありながら彼女が持つ光輝の剣は主力戦車の装甲を貫き、車載機銃の直撃に耐え
その身はヘリより素早く小回りが利き、撃ち出す光弾は分隊ごと蒸発させた。
化け物の足止めに残った代償。
それが現在の結果だった。
270戦闘領域1話 ◆AEghwN7mYs :2012/06/13(水) 19:42:24.25 ID:/rdYazDX
皆森海人は死に掛けていた。
防護服は破れ、中に神気が流れ込み始めている。
光弾の余波で吹き飛ばされた際に内臓をやられている。
脂汗と冷や汗、傷ついた腹が熱く火照り、逆に体の震えが止まらない。
血が抜けて体温が下がり続けていた。
海人は胃から込み上げる吐き気にえずいた、傷ついた内臓が身体機能に異常を来たしている。
強過ぎる神気が体を汚染し、徐々に蝕んでいた。
天使に殺されるのが先か、負傷で死ねるのが先か、神気で異形へと変質してしまうのが先か。

「糞っ……」
防毒マスクが詰まってきている。息苦しさにマスクごと外して投げ捨てたくなる。
頭が痛い、寒さに手足が震え狙いが定まらない。血が足りないのだ。
「ついて……ねぇ」
疲れて口を動かすのも億劫だ。
亀よりのろついた動きで落ちているハチキュウを掴む。
空は三、天使が七だ。羽の生えた人間で空が埋まっていた。
狙いこそ付けられないが、撃てば当たる。
後は何人連れて逝けるか。
「綺麗…だ」
天使というのは創造主の趣味か美女揃いである。異常なまでに完璧で、整っている。
もしかしたら本当に神の使いなのかもしれない。
美女が何千何百も武器を持ち押し寄せるさまは性欲より恐怖を煽った。
「化け物が」
天には光槍を手にした無数の御使い。
自分の体は原型も残らないだろう。身元を示す遺品は残ってくれるだろうか。
89式の銃口を空に向け、脇に挟んで構える。

その時だった。
空に輝く一際大きな光、中央から割れる天使の波。
重装鎧に燃える翼紅い翼を持つ天使が地上へと降る。
天使達は光槍を仕舞い、上空から現れた偉大な存在に礼を取った。

「引け、争いは終わった」 
頭へ直接響く冴え冴えとした声が叩き付けられる。
少女の声に天使達が整然と隊形を維持したまま後退する。
そして残された少女が海人に言った。

「このままでは数刻もしないうちに死ぬな」
鎧に包まれた外見通りの冷たい硬質な声が甲冑の下から響く。
海人は答えず、銃口を向けたまま
「ああ」とだけ答えた。
「助かりたいか」と少女は問うた。
「誰だって死にたくないさ……あんたたちだってそうだろう」
「ならば助けよう」
ふわりと宙に舞う鮮やかなプラチナの髪。
兜を脱いだ先に現れたのは年の頃十七、八の少女。将を率いるには余りに若い。
「人一倍殺しておいて…よくいうな」
紅い羽の天使。隊は彼女一人で壊滅させられたといってもいい。

「戦いは終わった、それだけだ…動くな」
金属の感触。両の頬が甲冑の手に掴まれ顔を正面に固定される。
冷たい美貌が寄せられ、唇にはやわらかい感触。
「うっ…」
何か温かいものが舌を通して流し込まれる。
「ごほっ、てめぇ…な」
反射的に飲み込んだそれを吐き出そうとするも、そのまま意識が遠のいた。
意志が消える瞬間、思い当たったのはどこかで見た顔だった。
271戦闘領域1話 ◆AEghwN7mYs :2012/06/13(水) 19:42:53.14 ID:/rdYazDX
八月の太陽は桁外れに暑く、部屋は灼熱の太陽に焼かれていた。
アスファルトの路上は空気が揺らいでかげろうが出来、道路は車で込み合い、
市民達は不機嫌で、それを監視する自衛隊員たちもいら立っている。
大理石で出来た国会議事堂の前に市民達が詰め掛ける。
議事堂の前にはジュラルミン製の盾を構えた警察の機動隊員と自衛隊の装甲車が居座り、睨み合っていた。
嫉妬が、持つものと持たざるものの対立が、街を満たしている。

日本はもはやエネルギー不足に悩まされはしない、仕事にも困らない。
生活は豊かになり、技術は進んだ。しかし皆が幸せにはなれなかった。

数十年前、とある新興企業の研究員が新製品を発表した。

 四菱重工主席研究員名誉教授『横濱礼司』

彼は“新資源”を開発した。
無尽蔵に合成でき、本来の石油よりも優れた“人工石油”。
生体筋肉に比べ、単位面積当たり約50倍の力を発揮できる“人工筋肉”。
質量を自在に変えられる金属と噂される、“ガルヴォニウム”の発見。
その発表は世界の目を剥いた。

時の内閣総理大臣は技術の保護と四菱重工に対する保護法案を可決。
総理大臣が“革新的な経済発展”と喧伝する政策は、雇用デモ隊の軍勢を満足させられるほど迅速に進まなかった。
急速な経済発展は国内の雇用を狂わせ、階級闘争に軋轢を生んだ。
海外資本が大量に流入し、密入国が流行り、日本国内でテロが頻発した。

政府は急速な経済発展の需要を満たす為、安定した海外の安い労働力を受け入れた。
移民の大量流入、そして国内には発展の恩寵に預かれない人々が生まれた。
彼らはおきまりのように公園を占拠し、大型店舗を襲撃し、警官隊を蹂躙していた。
今月はついに、絶滅していたはずの核○が復活し殲滅されては新たに結成されるという有様だった。
技術発展と画期的な人工石油の生産は新たな階級闘争をもたらした。
“新資源”を利用した軍事技術の急速な発展、自衛隊の大規模な改変と法整理。

在日米軍の大幅な強化。
無尽蔵の合成石油や新金属の発見は同盟国であるアメリカにも魅力的なものとして映った。
嫉妬と羨望は公務員へ、特に新たに強化され在日米軍をかばい立てし、権力の犬として恨まれる立場にあった自衛隊員にも向けられることとなった。
在日米軍、街の全域において彼らが彼らのままで安全を保障される場所は一箇所しかなかった。
一方でそれを見てアメリカの権力の象徴だというものも居れば、最後の希望と見るものも居た。
他方ではその軍勢は日本を監視しているものと言ってのけるものも居た。
其処は安保闘争以来、譲歩するしか立場を選ぶしかない国民の膨大な譲歩によって維持されているものだと彼らは言った。

此処は東京、横田飛行場。沖縄県以外の日本では最大の面積を持つ米空軍基地だ。
常時軍人三千六百人、軍属七百人、家族四千五百人、日本人従業員二千二百人、合計約一万一千人の基地関係者数が所属している。
昭和15年に帝国陸軍立川飛行場の付属として多摩飛行場が建設され、敗戦後は、1945年9月4日にアメリカ軍に接収された。
朝鮮戦争当時はB-29爆撃機の出撃基地として機能し、ベトナム戦争時も補給拠点として活用された。
現在在日米軍司令部や第5空軍司令部を有する在日米軍の中心たる基地である。

正面ゲート前には米軍と自衛隊の混成軍、対し睨み合うデモ隊。
二台の装甲車を並べトラックを即席のバリケードにし、路上に鉄条網をひいて阻止線を張っている。
待機している96式装輪装甲車の上からそこを見渡せば、押し寄せる人波のずっと後方に威勢のいいヘルメットを被った煽り役
(メガホンを持って革命やら闘争を叫んでいる)が居てデモから逃げ出す者が居ないよう駆り立てている。
周囲の建物の窓や屋上にカメラを担いだマスコミの取材、自衛隊や米軍の失態をカメラに逃すまいとするデモ隊のカメラマンが構えているのがみてとれた。
272戦闘領域1話 ◆AEghwN7mYs :2012/06/13(水) 19:44:35.22 ID:/rdYazDX
ある隊員は思った。
もしもあの無数に向けられるカメラの一つに銃器が混じっていたら自分達はどうなるのだろうかと。
デモ隊に囲まれ動けないで居る所を狙撃されれば一網打尽だと。
事実としてマスコミ達が肩に構える大型カメラの一つは、歩兵が使う対戦車誘導弾の一種に似ていた。

悪い予感は当たるものだ。
デモ隊の後方から飛来した一発のロケット弾が装甲車の一台に着弾し、続く隊員達を狙った弾丸がデモ隊ごと巻き込み、
横田飛行場第一ゲート前は阿鼻叫喚の地獄絵図となった。
273戦闘領域1話 ◆AEghwN7mYs :2012/06/13(水) 19:45:56.46 ID:/rdYazDX
それから数ヵ月後が経ったある日。
雪が空にちらつき、吐く息も白くなる空気の中、若者達が訓練に励んだり非番でぶらぶらと過ごしたりしていた。
かつてテロ騒ぎがあった正面ゲート前では、一人の男性が立ち往生して身体検査を受けている。
テロ騒ぎ以降、施設の警備が強化されボディチェックに時間がかかっていた。
濃紺色の上下そろったスーツにエンジ襟が付いたメスジャケットを羽織った第二種礼装と呼ばれるもので、陸上自衛隊の礼服である。
首の先までボタンを閉め、皺一つ、埃一つない鮮やかな濃紺色の礼服を着込んでいた。

「海人!帰ってきてたのか」
検問を抜けるとだらしなく作業着の喉を空けた大柄な隊員が親しげに礼服の男に声を掛けた。
青森駐屯地、第九師団に所属する下士官、皆森稜平二等陸曹だった。青森、三沢の出で年齢は二十三歳になる。
大柄で目筋の整った青年である稜平はかつて海人と同じ東京の第一師団に所属していた。
ゲート前のテロ事件に巻き込まれ失態をしでかした隊の煽りをくらって、隊は解散。事件で肺を撃たれて入院していた。
彼にはゲーマーといおうか、気に入ったものを集める鬼集癖があり部屋の中を倉庫にしてしまう、そういう性癖があった。
海人とは同期のそういった意味での繋がりであり、気の置ける仲間と言えた。

「辞令でね、東京から離れてたんだ」
「しかし珍しいな、基地離れて他所へ出張か」
自衛隊に限った話ではないが、技師やパイロット資格など特殊な技能持ちでもない隊員が他所へ転勤するのは珍しい。
数年ごとに転勤を求められる幹部とは違い下っ端は気楽なものだ。
よほどの事件や失態でもない限り、自衛隊員の赴任地はそう変わらない。
「おっと」稜平は襟元の記章を確認した。
「なんだよ、また昇進かどっかの特戦にはいったのかと思ったぜ。あービビッたわ」

資格でも過酷を極める事で知られるレンジャー試験。特殊な資格者は求められるだけに転勤も多い。
「昇進は前あったから当分ないな」
「三十初めに入って今三尉、スピード出世だな。羨ましい」
「自衛隊が不思議と体に合ってたんだ、天職だよこの仕事」
「職がなくて野たれ死にしそうになってた時、おっさんに拾われて仕事紹介されたんだっけか。
 いいねえ天職、俺も隠れた才能見抜いてスカウトされてえ」

「たまたま運が良かっただけさ」
「偶然ゲート前でばったりって、同期に会うのは久しぶりだなあ飯おごるからさ喰いにいこうぜ。
 それでさ海人、この前発売したスカイムリ持ってたら貸してくれよ、どうせ即日で買ったんだろ?」

海人と稜平は夏のテロ騒ぎに巻き込まれたなじみで、深い友人でもある。二人は同じ分隊の出身だった。
同じ隊の同僚は殆どがビルからの狙撃と自爆テロで挽き肉になった、A分隊の数少ない生き残り。
デモ隊との睨み合いで身動きが取れないところをビルの5階から対戦車火気で車両ごと爆砕され
続くデモ隊の前列に紛れ込んだテロリストに仕込んだ爆弾で吹き飛ばされ、狙撃で蜂の巣にされた。
助かったのはたまたま二人の運が良かったからだ、他に隊の生存者は殆ど居ない。
それでも海人は集中治療室から三日は出られず、稜平は三ヶ月入院しており昨晩退院してきたばかりであった。

二人の間ではテロ騒ぎは無かったこと、過ぎた事になっている。
隊の話題はしないと二人の間に暗黙の了解が出来ていた。あの惨劇を一刻も速く忘れたがっていた。
だから二人の会話は共通の趣味であるゲームの話題になった。
274戦闘領域1話 ◆AEghwN7mYs :2012/06/13(水) 19:46:55.37 ID:/rdYazDX
「まあな、迷ったら買うのが基本だ。まだ積んでるから地雷だったら感想聞かせてくれ」
「感想って、発売日に買ったらやれよ」
「昔は時間はあって金がなかった、今は金はあるけど時間が無い。ままならんよな」
「また散財してんのか、やりもしないゲームの山が増えるぞ」
「積みゲーはいいんだ、老後の楽しみに保管してんだから、特に海外ゲーは再販なしの一期一会さ」
親しげに声を掛ける稜平に海人が返事を返す。
久々の再開に二人はゲーマーとして話題に花を咲かせていた。
話題は最近発売したばかりのソフトについてだ。
「スカイムリは密林や3gamerのレビューだと軒並み高評価と聞いたよ」
「密林はメーカー工作やり放題だぜ、ブログも信用ならねえ。やっぱ直接目で確かめるのが一番だ」

久しぶりの再会、話に花を咲かせながら
辞令に従い、前任だった中隊長がいる部屋に向け二人は基地の中を歩いていく。
「おおやってるな」
「今度の隊長は働き者らしい」
教練中の他部隊の間を縫い、横切る。
テロ騒ぎで解散された彼らの代わりに新設されたB中隊は整然と、98式の射撃教練中でひたすら的に穴を開けていた。
別の小隊は暴動鎮圧教練に取り掛かっていて、機動隊から譲渡された非殺傷用の装備で隊列を組み行進している。
近年、数が増え凶悪化した暴徒やテロリストが横行し始めているからだ。
かつての大学闘争や安保闘争の暴徒達のように、火炎瓶や爆弾まで使う始末で
拳銃だけでなくAKまで振り回すため警察が鎮圧できる領分を越えつつある。
警察の対応力も飽和しつつあった。

リノリウムで出来た薄暗い廊下にコツコツと足音が響く。足音は二人分。
雑談を続けているとやがて二人は人気のない部屋の前まで辿り着いた。
ドアには部隊長の文字。陸上自衛隊1等陸尉永橋 幸樹と記されている。

「悪い、呼ばれてるんだ」と海人はドアの前で立ち止まると稜平に言った。
「おー悪かったな呼び止めて。ところで海人、どんな仕事なんだ?」
「仕事だからな、部外秘だ。というより、これから正式な辞令を受けるから内容は知らないな」
「しらばっくれるってかちぇーお堅いねぇこれだから真面目ちゃんってのは融通が効かない」
稜平はやれやれと言う様に首をすくめこれ以上の質問は止めた。の真面目さは心得ている。
「稜平こそどうなんだ、所属は青森なんだろ。なんだって東京に」
「俺も呼び出されたんだよ、仕事で一緒になったらそん時は頼むぜ」
じゃあなと言い残し稜平は背を向けると兵舎の奥へ歩いて行った。


覚悟を決めドアを叩くと奥の部屋から「入れ」と声がやって来た。
陸上自衛隊の部隊長と呼ぶよりビジネス街の事務室と呼ぶに相応しいオフィスに海人が足を踏み入れると
厳めしい永橋幸樹一等陸尉が、黒い夏服のビジネススーツを着た痩身の若い男と、
ニ等陸尉の記章を付けた更に若い男が共に座っていた。
275戦闘領域1話 ◆AEghwN7mYs :2012/06/13(水) 19:47:13.48 ID:/rdYazDX
投下終わり
長い
276名無しに見る名無し:2012/06/13(水) 20:10:52.73 ID:zNQMHHYh
だいたい異世界の言語って何語系なんだろ?
某ナルニアの人間の国みたいにこっちの世界の住人の子孫とかで白人系なら
ラテン語でOKだろうけど?
277創る名無しに見る名無し:2012/06/13(水) 20:20:46.67 ID:B5Q6XZ0U
乙でした。
企業軍と聞くと、RDA社・ウェイランド湯谷・オーメル・サイエンスが浮かんでワクワクする
278創る名無しに見る名無し:2012/06/13(水) 20:40:46.89 ID:uduzTT8p
自分はアンブレラが思い浮かぶな。国をも手出しできないとかいいよな。
279創る名無しに見る名無し:2012/06/13(水) 20:58:52.99 ID:wPQqu+y3
どうでもいいが漆原で動物のお医者さんの教授を連想した
280創る名無しに見る名無し:2012/06/13(水) 21:02:25.86 ID:Gs+GhZ0V
企業協賛(と言うか私物化)した軍組織だったらガサラキの特自なんだが
281石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/14(木) 00:08:32.62 ID:S2vxYdxP
>>253
ありがとうございます。これは迂闊な事がかけませんね。
自動車道は、会社の予算配分の影響で、現実と異なり小浜西までしか開通していないという設定で御願いします。

頑張って近日中に続きあげます。
282創る名無しに見る名無し:2012/06/14(木) 00:34:46.04 ID:Z38yLAJl
>>281
別にその辺も「事故で通れません」程度にしておいた方が 道や地形をいじると後で大変な事になるし
283創る名無しに見る名無し:2012/06/14(木) 06:26:23.49 ID:GZdoJZDk
>>281
別にムリに気を配らなくてもいい気がする。
ある程度はご都合主義的にして、書きたい内容を書いていったほうがいい。
あまりガチガチに設定固めると、後で動かしづらいからね。
284創る名無しに見る名無し:2012/06/14(木) 08:05:36.74 ID:sNDeb0RC
>>281
物語の本筋以外の枝葉末節はあまり気にしない方がいい。
読者からの重箱の隅を突くような質問とかもあるだろうけど、大事なのは細かな部分ではなく中心だから。
285石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/14(木) 11:44:03.48 ID:POFbuduo
>>255
酒樽陣地って萌えますね。外を歩いていると、陣地に使えそうなものがけっこうあるものです。

そして、投稿乙です!
新しい物語も始まり、賑やかになって嬉しいです。
やる気が出てきました。
286石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/14(木) 11:44:52.62 ID:KondkqBg
>>255
酒樽陣地って萌えますね。外を歩いていると、陣地に使えそうなものがけっこうあるものです。

そして、投稿乙です!
新しい物語も始まり、賑やかになって嬉しいです。
やる気が出てきました。
287石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/14(木) 13:15:02.93 ID:gWPQ/+To
二重送信してしまいましたOTL

第六話の続きを投下します。
288石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/14(木) 13:16:47.59 ID:gWPQ/+To
京都府舞鶴市五老ヶ岳 国道27号線
2012年 6月5日 15時3分

 精強さと規律の良さを誇った、帝国西方諸侯領軍エレウテリオ騎士団に、わずかな綻びが生じていた。
 発端は、団長エレウテリオ子爵の判断による。
 エレウテリオは、伝令から港を制圧したとの報告を受けた。それは同時にジスカール傭兵団の壊滅の報告でもあった。
  俄には信じ難い話である。野盗紛いの連中とはいえ、団長ジスカールをはじめ、実戦経験豊富な傭兵団が壊滅させられる程の敵が、この市邑にいるとは思えなかった。
 傭兵は無理な戦はしない。なればこそ、壊滅という状況が異常であった。
 撤退の暇を与えられぬほど強力な敵に当たったか?しかし、それならばなぜ港が我が軍の手に落ちた?
 エレウテリオの脳裏に、騎士斥候の生き残りが報告した『魔法戦士』の話が、よぎった。敵を侮り深入りした挙げ句、逆襲されたか。
 そして、忌々しいことながら、バルトロの言葉も思い出した。……どのような敵かわからぬ時は──。


 エレウテリオは先鋒にゴブリン兵団を当てるとの触れを出した。まずは敵の出方を探り、のちに主力をぶつける考えであった。
 しかし、これに対し騎士団に寄騎する騎士たちが反発した。
「先陣の誉れをゴブリンなどに譲れるとお思いか!」
「何を懸念されておるかわからぬが、そのような下知には従えませぬぞ」
 元々妖魔に対する忌避が強く、また魔法にも縁の薄い西方諸侯である。騎士が先駆けを妖魔に取られては、面目が立たぬという言い分にも理があった。
「卿らの気概、まことに頼もしき限り!なれど、蛮族にそれに応える勇者なし!精々ゴブリン共をけしかけるが相応しかろう」
 エレウテリオは少々無理な言上で、我を通した。


 その影響は決して小さくはなかった。
289石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/14(木) 13:18:16.93 ID:gWPQ/+To
「陣中に不満が見え隠れしておりまするな、エレウテリオ卿」
 バルトロが同情するような口ぶりで言った。相変わらず表情はよく分からない。
「本領軍より寄騎している戦神の神官共は、此度の仕寄は名誉に欠ける戦ゆえ、戦歌を唱わぬと申しておりまする」
 戦神の神官は全てが熟練の神官戦士である。騎士団に従軍し、戦の前には戦歌を唱うことで軍の戦意を高めるのが、帝国軍の軍法のひとつであった。
 しかし、彼ら神官戦士は騎士にも増して名誉ある戦いに拘りをみせる。それが、教義であるから当然であろう。
 今回、先鋒にゴブリンを使うことを、名誉なきふるまいとして協力を拒んだのもやむを得ないことであった。

「神官殿らがそう申すなら是非もなし。されどどうにも敵の正体が掴めぬ」
 苦々しい口ぶりでエレウテリオは懸念を表した。
 バルトロを良くは思っていないが、腹心すら先の下知に密かに不満を抱いているような状況では、皮肉なことに唯一、率直に意見を求められる相手であった。
「多くの配下を率いるエレウテリオ卿の懸念は尤もなこと。微力ながら我が手の者をお使い下され」
 バルトロは直属の魔術師を差し出すことを申し出た。
「かたじけない。必要な時はご助力願おう」
「なんの。我らが得たものに比べれば、微々たること。ひゃっひゃっひゃっ」
 陰気なバルトロらしくない振る舞いであった。しかし、とにかく魔術師の援護を得られたことは、大きい。

 エレウテリオは眼前の敵陣に向けて、前進の陣触れを発した。

 角笛の合図に続き、軍太鼓が一定のリズムで鳴らされた。
 ゴブリン兵たちは、ホブゴブリンに率いられた小集団ごとに大まかな隊列を敷き、ゆっくりと前進を開始した。
290石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/14(木) 13:20:19.81 ID:gWPQ/+To
 やはり、どこか鈍重で無様な者共よ。エレウテリオ騎士団寄騎、ギオマル・ディ・バルデム男爵は苛立ちを隠さなかった。
 全身を鋼の鎧で覆い、巨大なウォーハンマーを担いだ威丈夫は、馬上で配下を見渡すとある決意を固めた。
 団長は間違っておる。これを正すも我が役目よ。バルデムは西方諸侯領でも最も古く、勇武の誉高き家の責務として、敢えて命令違反をすることを決めた。

 軍の右備から、バルデムが進み出た。
「エレウテリオ団長に申し上げる!我ら西方諸侯領軍、蛮族に合わせて名誉なき戦を仕掛けるは、本意にあらず!」
 とてつもない大音声だった。軍太鼓がなっているにも関わらず、全軍に口上が響く。
 バルデムの左腕が大きく降られると、配下の騎士が左右からゴブリン兵の前に乗り入れ、行く手を阻む。
 騎士に威嚇され、ゴブリン兵たちは足を止めた。

「我が手勢をもって敵の陣前に押し出し、蛮族を降して参る!」

 騎士10騎に続き、重装歩兵約100名が隊列を組みゴブリン兵を掻き分けて前衛に出た。
 歩調は整い、軍旗は天を衝いている。精鋭の名に相応しい陣容であった。
 口上は続く。

「蛮族が愚かにも降らぬならば、我が手勢をもってこれを蹂躙せん!願わくば、ゴブリン共を暫し留め置かれよ!」
 バルデムは、右に抱えたウォーハンマーを敵陣に突き出した。雨粒が切り裂かれる。『鉄腕』の異名の通り、その膂力は凄まじい。

「では、御免!バルデム男爵領軍、進めェ!」

 吟遊詩人の歌う軍記物をそのまま現実に現したような、見事な進軍が開始された。

 エレウテリオは一瞬唖然としたが、すぐに気を取り直した。恐れていた抜け駆けであった。
 敵を完全に侮っている。このままでは、不十分な兵力で敵に当たらせてしまう。
 エレウテリオは速やかに抜け駆けを阻止するため、配下に下知を下そうとした。
 しかし、それは出来なかった。

「なんと見事な騎士振りよ。流石は『鉄腕』殿」
「バルデム卿は、敵前に単騎進まれるようですぞ」
「出遅れたわ。口惜しや」
 配下の騎士の殆どが、バルデムの行為に感動し同調していたのだった。そのなかにはエレウテリオ子飼いのパスクアルも含まれていた。
 これでは、バルデムを止めることなど不可能である。下手をすればエレウテリオの騎士団長としての権威が失墜し、統制を失うだろう。
 封建領主の手勢の集合体である、西方諸侯領軍の弱点であった。騎士団長といえども、無理は通せないのである。

 エレウテリオに出来たことは、ゴブリン兵団を含めた主力を、後詰めの位置に前進させると共に、長弓兵隊を支援射撃が出来る位置に展開させ、万が一に備えることのみであった。

「バルトロ殿、お力添えを御願い致す」
 エレウテリオは魔導師に言った。
「長弓兵に魔術師を付けていただきたい」
 バルトロは答えた。
「団長殿の頼みと有らば、容易きことよ。──全ての長弓兵には無理ですぞ」
「かたじけない」

 バルデムの手勢は、男爵が一騎で堂々と先頭を行き、その30メートル程後方をゆったりと前進している。
 蛮族の陣は沈黙を守っていた。


 五老ヶ岳を巡る攻防は、寄せ手の総指揮官の意図しない展開をもって、その火蓋を切らんとしていた。
291石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/14(木) 13:23:48.40 ID:gWPQ/+To
京都府舞鶴市五老ヶ岳 国道27号線
2012年 6月5日 15時20分


 敵に変化が生じた。
 先頭集団が止まり、そのなかを割って、別の集団が進み出てきた。装備が統一され、多数の軍旗を掲げた集団である。
 稲富はそれを正規軍だと判断した。装備、動作を見ると相当鍛えられた連中だと思った。
 格好は中世ヨーロッパの軍そのものな癖に、やけに統制がとれているな。奴等の背後にはやはりどこかの国がいるのだろうか?しかし、こんな変なしかけ方は理解できん……。
「記録始め。ビデオ回せ」
 後々のために、記録を指示する。自衛隊の行動が正当なものであると主張するためにも、必要な行為であった。
 稲富は傍らの志馬に尋ねた。
「志馬警部。あのどうみても軍隊そのものの──まあ何百年か時代が違いますが、連中はどういう扱いになりますか?」
 志馬は難しい顔で答えた。
「犯罪者、ですね。罪状も規模も桁違いですが」
 敵軍勢は、一際立派な鎧を身に付けた騎士が先頭につき、その後方をゆったりと進んでくる。
「まだ、撃てませんか」
「相手はまだこちらに攻撃してきていませんからね。警職法と刑法でいくと、威嚇が精々かと」
 げんなりとした気分だった。世の中の矛盾は多々あれど、これは酷すぎると思った。
 あの数といままでの行為から、明白な危険があり、他に鎮圧の手段が無いとして武器を使ってしまおうか。
 現実を当てはめれば、妥当だと思った。しかし、法律が先制攻撃を認めるかどうか、難しいところだった。
 畜生、法務幹部を付けてくれ。
 稲富は喉元まで出かかった悪態を飲み込むと、志馬に向き直った。
「では、まずは投降を呼び掛けてみます」
「わかりました」
「敵が、突撃か射撃等を行った時点で、部隊に射撃命令を出します」
「了解。警察も準じます」
 稲富は苦笑を浮かべると、ことさら気楽な口調で言った。
「お互い宮仕えは辛いですな。──ところで、もしも相手が投降してきたらどうしますか?」

 志馬は迷うことなく言い放った。

「もちろん、全員検挙します」

 二人は、面白い冗談を聞いたかのように、しばらく笑いあった。
 笑いが収まると、二人の現場指揮官は、すっきりとした表情で部下に指示を出し始めた。

 その様子を見ていた警察官と自衛官は、自分たちの上司に半ば呆れ、半ば頼もしさを覚えた。
292石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/14(木) 13:24:57.86 ID:gWPQ/+To
 バルデムは、旗手のみを従えると敵陣の五十歩程まで馬を進めた。蛮族にも使者であることくらいは理解できたようだった。
 敵陣は、大きな革袋を並べたような作りであった。中身は土か。急造にしてはそれなりのものに見えた。
 街の様子といい、石工や普請が得意なのかもしれぬな。
 バルデムは、馬を止めると、大きく息を吸い肺腑にたっぷりと空気を送り込んだ。
 さあ、蛮族どもに帝国の慈悲を受ける機会を与えてやろう。平伏して赦しを乞えば、よし。さもなくば一揉みにしてくれん。

「帝国西方諸侯領軍、エレウテリオ騎士団、ギオマル・ディ・バルデム帝国男爵が蒙昧なる蛮族に告げる!」
 
 バルデムは、戦で鍛え上げられた大音声で、哀れな蛮族どもに降伏を勧告しはじめた。



「敵の使者が、何かを叫び出しましたね」
 土嚢の影から顔を出した志馬が、言った。
「しかし、でかい声だな。内容はさっぱり分からんが」
 数十メートルはあるというのに、耳に痛い程の声だ。稲富は、幹部候補生学校の幹事のことを思い出した。
 あの人もばかでかい声で学生にどなり散らしていたな。
「恐らく、降伏を勧告しているといったところでしょう」
「だな。では、こちらも投降を呼び掛けてみるか。ハンドマイクをくれ」

 稲富が土嚢に登ろうとすると、沢田曹長が彼を呼び止めた。
「砲術長、敵は立派な旗を掲げておりますな」
 確かに、騎乗した旗手が見事な紋章旗を掲げている。
「それに対して、こちらが何も無しでは格好がつきません」
 稲富は、沢田曹長の言いたいことを察した。
「そうだな。では、曹長よろしく頼む」

 稲富は苦労して土嚢に上がると、胸を張った。続けて、ハンドマイクを構えボリュームを一杯に捻った。

「こちらは、日本国海上自衛隊、護衛艦『みょうこう』陸戦隊指揮官、一等海尉稲富祐也である──」

 稲富の後ろには、自衛艦旗──十六条旭日旗が、風を受けて堂々と翻っていた。
293石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/14(木) 13:28:54.01 ID:gWPQ/+To
 その様子はエレウテリオらの位置からも見えた。
「敵陣に軍旗が上がりましたぞ!」
 その旗は太陽を模しているようだった。十六条の光条がいかにも鮮やかであり、何故かエレウテリオは妙な圧力のようなものを感じた。
「漸く敵の正規軍が出てきたようですな」
「蛮族ごときが太陽を奉じるとは生意気な」
 だが騎士たちは完全に敵を侮り、ひたすら先陣の栄誉を逃したことを悔やむのみであった。


 バルデムは、表情を僅かに歪めた。敵陣に現れた短躯の男の外見に反応したのだった。
 その指揮官らしき男は、黒いレザーアーマーに灰色の粗末な兜を被っていた。帯剣すらしていない。
「……もしや、ドワーフかッ!亜人を立てるとは舐められたものよ」
 バルデムは、稲富の小柄ながら胸板の厚い体格を見て、西方諸侯領では見下される存在、亜人であると勘違いしたのだった。
 本来のドワーフよりはやや背が高いのだが、彼は気づいていない。

『─────!』

 ハウリングと共に大音量で聞こえてきた稲富の声に、バルデムの額に浮いた血管が太くなった。

「妙な魔法を使いよって、聞き苦しい蛮族の言葉などいらぬッ!その旗を地に着けよ!」

 バルデムは、ウォーハンマーを頭上に掲げると、唸りを上げて回転させた後、地面を指した。

 当然、稲富は従わない。自衛隊側ももはや話の通じる相手では無いと悟っていた。
 バルデムは、馬首を巡らせ手勢の元に戻った。
 稲富も土嚢を降りた。
294石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/14(木) 13:29:55.16 ID:gWPQ/+To
「蛮族どもは、我らの慈悲を愚かにも拒絶した。そんなに死にたいのであれば、願いを叶えてやろうぞ!」

「説得は失敗した。これより実力行使に備える。射撃は指揮官の令による」

 バルデムは、兵を並べ突撃の陣を組ませた。数名の騎士がクロスボウに矢をつがえる。

 陣地を守る陸戦隊員は土嚢に体を預け、二脚で64式小銃を安定させると、照星と照門を眼前の重装歩兵の群れに合わせた。
 機動隊員は、大盾で自衛官を防護する構えをとっている。

「これより敵陣を蹂躙するッ!すべて撫で切りにせよ。慈悲はいらぬッ!」

「陸戦隊、射撃用意。目標敵集団、距離30!」
「ガス銃班、P(パウダー)弾用意!水平射を許可する」

 指揮官の命令に、部下が応える。

「弩弓兵、放ち方用意よし」
「重装歩兵団、構えッ!」
「バルデム様、突撃の下知を!」


「第一分隊、射撃用意よし!」
「第二分隊、射撃用意よし!」
「機関銃班、いつでも撃てます」

「風向きよし!P弾準備よし」
「拳銃安全ゴム外した」


「バルデム『鉄腕』男爵領軍、突撃!蛮族どもを踏み潰せ!」


「第一分隊、威嚇射撃始め」
「ガス銃班、射撃始め」

 何時の間にか雨は止んでいた。雨粒が空気中のごみを洗い流したのか、五老ヶ岳の空気は澄んでいた。

 そんな中、帝国西方諸侯領軍エレウテリオ騎士団主力と日本国の本格衝突が、始まった。

 澄みきった大気は、すぐに硝煙と埃と血肉によって、酷く汚されることになるだろう。
295石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/14(木) 13:32:47.92 ID:gWPQ/+To
以上です。戦闘本番もそんなにお待たせしないと思います。

マンネリにならないよう気を付けます。目指せ燃える戦闘描写

ご意見ご質問御感想お待ちしています。
296創る名無しに見る名無し:2012/06/14(木) 19:09:57.68 ID:WTlELtL7
投下乙
まぁ、中世的なレベルなら抜け駆けは付き物ですよね
297創る名無しに見る名無し:2012/06/14(木) 19:19:46.23 ID:GZdoJZDk
物事が順調に行ってる時ほど、勝って兜の緒を締めなくちゃな。
それをするどころか、相手の能力を過小評価して戦功を立てたがるのは敗北フラグ。

まぁ、今まで侵攻できたことすら完全な奇襲効果のおかげだから、そろそろ限界の時が来たね。
1戦で主力が壊滅することはなさそうだけど、舞鶴で釘付けにされて、大事なゲートが自衛隊に奪取されそうだww
298創る名無しに見る名無し:2012/06/14(木) 20:08:19.79 ID:lewZXdVj
投下乙。場面を想像するのが楽で助かります
299創る名無しに見る名無し:2012/06/14(木) 20:33:04.86 ID:9uWbHZAf
乙です。
さて自衛隊警察連合はどこまで耐えれるのか、援軍はいつ到着するのか。
Arcadiaのゲートも最初はこんな感じだったんでしょうね。
300創る名無しに見る名無し:2012/06/14(木) 22:26:31.33 ID:yvi79NvP
投下乙。
3日天下ならぬ、1日天下ですな。
さあ、年貢の払い時だ!
301創る名無しに見る名無し:2012/06/15(金) 00:27:33.89 ID:kmz2Uvh9
>>299
確か皇居に避難後に『自主的に出動してきた』機動隊の中隊を筆頭にぽつぽつ反撃しだしたらしいから、遭遇最初期は相当酷かったろうよ。
302創る名無しに見る名無し:2012/06/15(金) 01:03:46.49 ID:sM7Dgyw2
『二重橋の戦い』か、でも確か銀座から皇居の間には丸ノ内警察署があったよな
線路の向こう側には京橋警察署、九段下には第一機動隊

永田町には天下の警視庁に首相官邸警備隊と最低機動隊が一個中隊

皇居には皇宮警察

意外に警察レベルでは重武装な地域だよな
303創る名無しに見る名無し:2012/06/15(金) 01:38:24.11 ID:aPl9dMJS
しかも首都圏だからSATなど重武装な連中もすぐに呼べただろうし
アメリカだったらSWATがすぐ飛んでくるようなもんだよ…アメリカならついでに自分の手で守りたい銃持った民間人の皆さんも

そう言えば現在の前線周辺って銃砲店ってないのかな 猟銃だろうと射程考えればリボルバー拳銃よりはマシだし
猟師さん達から借用出来ればなあ…血の気が多い猟師さんが「加勢」に来て危ないからと追い返す時猟銃置いて行ってくれるとかアリ?


私も似たような状況想定した話書こうと思ったことあるが
舞台は函館でゲートは湾内…つまり海上で「船に乗って現れ上陸」ってカタチで侵攻して
「休暇中の第七師団の歩兵(主人公)」と「元同僚の銃砲店店主」「ロシアンマフィアと繋がりのある893」などが
征服されつつある函館で自衛隊到着を待ちながらAK(密輸品)や猟銃ぶっ放す冒険活劇…文章苦手で辞めたけどね
304創る名無しに見る名無し:2012/06/15(金) 01:38:59.38 ID:3l3RQgqY
>>302
問題はその戦力を適切に投入できるかだな
向こうは完全に殺しに来てるし中途半端な対応はこっちが大損害になる
305名無しに見る名無し:2012/06/15(金) 05:12:04.44 ID:G83uRALK
そういや福知山での戦闘ってどうなってたっけ?
306創る名無しに見る名無し:2012/06/15(金) 08:01:02.55 ID:Y02YYFUB
>>302
手元に本が無いから確認できないが、防衛省(庁だったか?)とかの官庁は銀座付近からのゴタゴタに巻き込まれて指揮系統は完全にマヒしてたらしい。

だから、とりあえず自己防衛はできるけどもまともな救出部隊を編成するのは無理という程度の混乱だったんじゃなかろうか。
307創る名無しに見る名無し:2012/06/15(金) 08:24:00.35 ID:6VaAURXp
そう言えば、「ゲート」の原作では、自衛隊の本格的な反攻が始まるまで5日かかったことになっているが、いくらなんでも遅すぎないかと、以前から思ってる。
「帝国」軍がやって来たのは日中だったのだから、どんなに遅くとも数時間で、自衛隊や在日米軍が出動しているはずだ。

陸上戦力が到着するのには、日単位の時間がかかっておかしくない。
しかし、それまでの繋ぎとして、ヘリから機銃弾やグレネード、催涙弾などをばらまくだけでも、帝国軍は、組織だった戦闘など出来なくなるだろう。

2日、遅くても3日あれば、本格的な反攻を開始できるんじゃないか?
308創る名無しに見る名無し:2012/06/15(金) 09:22:58.63 ID:sM7Dgyw2
戦闘二日目くらいまでは警察がやりあってたんじゃないかな

他にも品川に第6機動隊並びにSAT、市ヶ谷第4機動隊、新砂第8機動隊など徒歩でも一時間掛からない距離に警察の主力が包囲出来る形で存在する


自衛隊の場合、すぐに来られる戦力としては練馬駐屯地の部隊だろう。
習志野、朝霞、大宮の部隊は避難民に足止めを食らうが、練馬の部隊は災害や永田町等が有事の際には江東区木場公園から出撃する。
装甲車両が少なくなるので、基本的に普通科が徒歩でも駆けつける羽目になる。

309創る名無しに見る名無し:2012/06/15(金) 12:47:55.73 ID:PJCYJ9Wc
徒歩で駆けつける羽目になっても、軽機関銃や小型の無反動砲程度なら持って来られるはず。
中世の軍相手に、充分すぎるほどの装備だと思うが。
310創る名無しに見る名無し:2012/06/15(金) 12:48:13.08 ID:kmz2Uvh9
自衛隊「なんかやばいらしいけど出動命令出ねぇわ。とりあえず近隣出動と情報収集で誤魔化しとくテヘペロ」

警察「なんかやばいけど上から命令来ないわ。とりあえず自力でやっとくか。」

上層部「ふじこlpwwwびろーんびろーんwwwww」


みたいな感じか。
311創る名無しに見る名無し:2012/06/15(金) 14:16:02.79 ID:aPl9dMJS
別に「天候悪いんでヘリ無理です」でなけりゃあヘリで兵員運ぶなり制圧するなり出来そうだよな
その他の航空機は偵察以上の事は出来んだろうけど
312創る名無しに見る名無し:2012/06/15(金) 14:53:32.44 ID:sM7Dgyw2
城塞と勘違いされた銀座のビルや東京駅ダンジョンに挑戦されたんじゃないか?
いかにファンタジー軍隊とはいえ、機動隊の戦力でしかも分散してる相手に何万もの軍勢を差し向けてるとは思えない
大半は略奪に走ってたんじゃないかな
313創る名無しに見る名無し:2012/06/15(金) 18:01:53.18 ID:b1DjB0pU
>>303
東京で戦闘なんて自体になったら
山○組と稲○会と住○会が「どこかで拾った」アサルトライフルと手榴弾持って出てきそうだな
314創る名無しに見る名無し:2012/06/15(金) 18:48:10.52 ID:cFDXQ7Se
まじめな話、所持しちまってるからな
日本が平和で、モヒカンすらインテリだからよかったものの
315戦闘領域2話 ◆AEghwN7mYs :2012/06/15(金) 18:51:59.76 ID:MGdPQRVO
覚悟を決めドアを叩くと奥の部屋から「入れ」と声がやって来た。
陸上自衛隊の部隊長と呼ぶよりビジネス街の事務室と呼ぶに相応しいオフィスに海人が足を踏み入れると
厳めしい永橋幸樹一等陸尉が、黒い夏服のビジネススーツを着た痩身の若い男と、
ニ等陸尉の記章を付けた更に若い男が共に座っていた。

海人は部屋に入ると気を付けの姿勢をとった。
「海人三等陸尉、命令により出頭しました」
「海人、彼は四菱重工の菊地原 剛さんと赤塚二等陸尉だ」と幸樹一等陸尉。
「剛さんとそのお連れは情報保全隊に属しておいでだ」
糞が、と海人は思った。
室内は暗く、窓は夏に関わらず下ろされ三方に上官が並び、中心に自分が立っている。
何処の馬の骨かも判らない男が二人、しかも陸自の情報科である。
背中に汗が流れてきた。これじゃ査問会だ。
「座ってくれ、海人」
吟味中の書類から頭を上げることなく菊地原が言う。
その書類は、海人が見た所では自分自身に関する書類というか人事査定に見える。
「了解」
海人は用意された椅子にぎこちなく腰を下ろした。
中は暗く、蒸し暑く、淀んだ空気が部屋を満たしていた。
探られて痛い腹などないはずなのに汗が出る、背中が痒い。
意識は目の前の事象から逃避し閉められた窓の外へ向う。
外では教練の射撃音が響いていて、壁を貫通して中まで轟いて来る。
海人の頭を疑問が満たした。頭の中が何で一杯になる。
  ・              ・     ・
一体何が起きているんだ?こいつらは何が目的で、何をしようとしているんだ?

「大変優秀な記録だ」と菊地原。
「訓練は上々、勤務は勤勉、仕事も優秀、三十代で自衛隊入りし三尉まで昇進している。
 東京に来てからの記録も優れている。貯金は幾らあるかね?」
「三百万です」
「君が除隊するのは惜しい、海人。陸自は君のような優秀な人材を必要としている。
 これからも仕事を続けてくれるなら、我々は君の老後の蓄えを増やすことも出来る」
「肯定であります」と海人。
海人は不審に思った。もしかしてこれは、ひとつのスカウトではなかろうか?
いやいやないないありえない。絶対ない。
情報保全隊は一種の情報機関で、諜報など高学歴の若い頭の良い人間が成るものと相場が決まっている。
そういうものになるには相応のコネが必要で、家柄が良くて、多言語が出来るものだ。
「趣味はボードゲームだとか。自作で組み上げたこともあると」
「個人製作ですが一部個人で販売したこともあります」
「連隊級の都市戦闘を再現したこれかね?ウチの指揮所でも良くできていると評判が良かった」と部隊長。
永橋幸樹一等陸尉が手に東京の大手即売会で個人販売したボードゲーム。
「肯定です」
「兵科の特性や運用上の問題も実に上手く再現出来ている」
兵器の運用、自衛官、販売、もったいぶった確認するような質問に背中が冷たくなる。
まさか自分はスパイ容疑でも掛けられているのではなかろうか?
「これは個人研究かね?」
手には火力の乱数表と射程表、戦闘時の手順経過図。
「肯定です。自分が見聞きしたものをまとめたものであります」
「実は海人、君は二尉として除隊する事になりそうだ。
 陸自で昇進するというのは、組織が何とも下士官ばかりで、割り振れる空きが限られている。
 才能や貢献がどれほどあっても、望み薄でな」
「イエス、サー」
316戦闘領域2話 ◆AEghwN7mYs :2012/06/15(金) 18:52:37.53 ID:MGdPQRVO
「五十三歳で定年、階級には年齢制限と受験資格があり昇進試験は難関。
 訓練と演習の間を縫っての学習時間の確保は困難だ
 三十台で入隊した現場出の君は益々望み薄といえる」
「…イエス、サー」
「現場出…部内幹候のB幹となると上位に進出する可能性はますます低い。
 もしも、仮にコレが機密流出の罪として認定されたら懲戒処分を受けて期別昇任序列が一気に落ちるだろう。
 昇進の芽は完全に絶たれるな。老後の懐も寂しくなる訳だ」
「…………………」
海人は完全に返答に詰まっていた。まさかビッグサイトで…趣味で出したものがこんなことになるだなんて。
単に罪を問うなら適当に呼び出して、罪状を突きつければ済む。
わざわざこんな、米軍基地の外れまで呼び出しての脅迫。
嫌な予感がひしひしと感じる、待っているのは碌でもないことだ。昔からこういう悪い予感はよく当たる。
「海人、もし二尉になっておけば一尉に手が届く場所にまで来る。
 一尉になればある意味自衛隊の最高位を極めたといっていい。
 そこまでいける者はほんの一握りだが、君はその中に入れるだろう」
「…イエス、サー」
「このお二人は、君の為に名誉を挽回する機会を用意してくれた」
「イエス、サー」
「皆森三尉、とある企業の要人が狙われている。我々はそれを護衛してもらいたいと考えている」

「護衛……とおっしゃいましたか?」海人は言った。
「護衛だ。防衛産業の中に四菱重工が居るのは知っているかな」
「はい、耳にしています。三菱に代わり新型装甲板の素材開発で有名になった企業です」
三に一つ多い四菱は旧三菱重工系の社員が独立して起業したコンツェルンで
新たに装甲素材にも採用された旧来の金属とは大きく異なる軽さと粘り、強度を兼ね備えた“ガルヴォニウム”
画期的な“人工石油”、実用的な“人工筋肉”、それら一連の“新資源”の開発で急成長した新興企業である。
特に人工石油の開発は不況にあえいでいた日本にジャパニーズドリームを引き起こした。
「そうだ。我々は主要過激派労働闘争の大半に内偵を送り込んでいる。
 彼らの矛先が四菱重工に向かっているのは知っているな。
 彼らは労働闘争の名を借り相次いで破壊活動を行っている、君もテロに巻き込まれたはずだ」

科学による魔法の存在は発展と共に代償も要求した。
急速な経済発展は雇用主と労働者、資本主義陣営と共産主義陣営の戦いにいつしか摩り替わっていた。
より過激化した六十年代実力闘争の再現。
現代の彼らはゲバ棒代わりのロシア製と粗悪な拳銃と火炎瓶代わりの中東から横流しされたRPG-7、
ヘルメット代わりの防弾チョッキで武装している。

曰く旧体制側の嫉妬が原因であるとも、曰く中華政府の工作員が暗躍している、
曰く世界有数の産油国となった日本に対する石油メジャーの攻撃である
露西亜の工作員が混乱に乗じて生成技術を盗もうとしているなど、様々な憶測が飛び交い
武装暴動を引き起こそうとしていると噂が錯綜していた。
解散してばらばらになったA中隊が一ヶ月もしないうちに再編成され、常時待機状態にあり、
夜中に叩き起こされるのが日常茶飯事なのはそういうことなのだと。
317戦闘領域2話 ◆AEghwN7mYs :2012/06/15(金) 18:53:18.65 ID:MGdPQRVO
「話は聞いています」
東京国際展示場で行われる趣味の祭典が8月に行われることになっていた。
もし自分が待機に就かされるとか、開催自体がテロで中止になる最悪な状況にならなければ
本に囲まれ楽しいひと時が過ごせるはずだ。

「宜しい。噂の、ごく限られた一部は真実だ。
 近日中に四菱重工幹部の一人が、彼らが抱える私兵の護衛から離れることになる。
 奴らにとっては意を通す絶好の機会だ。
 奴らが幹部を拘束か殺害するかしてしまえば、それを種にして保護法案入りを阻止しようと動く」
「肯定であります」
「日本は……まだまだ成長する、此処で邪魔される訳にはいかないんだ」

菊地原の瞳はぎらついており、声はひどく硬かった。
熱くうなされたような視線に、海人はぬるくよどんだ水に頭から沈められた気分になった。
ビジネススーツの下には逞しい筋肉が透けて見え、おおよそただの調査員には見えなかった。

「皆森三尉、ゲート前の事件は覚えているな?」
「はい、覚えています」
海人はあの忌々しいテロ騒ぎを覚えていた、忘れたくても忘れられない。
一○○○時、その日は太陽の強烈な日差しと、日が昇り温まった地面から沸き立つ熱気が横田飛行場前を封鎖する隊員達を焼いていた。
機動隊から貸与されたアメフト選手にも似た鎧と、金属の警防、強化プラスチックで出来た円形の盾を身に着けた陸上自衛隊A中隊は
在日米軍司令部がある本土における中心地、横田飛行場に抗議のため押し寄せる三十万人の怒れる市民達が米軍の治外法権である
飛行場へ進入しようとするのを防ぐ為、横田飛行場第一ゲート前へ集結していた。
群集と睨み合いを始め1時間、シュプレヒコールは激しさを増していた。
ビルの屋上、窓には無数のカメラ、市民達の自由な行動を妨害する自衛隊の弾圧行動とやらをカメラに収めようと構えていた。
背負い式のカメラの一つが火を噴いた。FIM?92Aスティンガーが封鎖にあたっていた87式偵察警戒車を直撃した。
群集側から飛来する飛翔音、腹をぶち抜かれのたうつ隊の仲間達、隣に立っていた隊員の腹からは腸がはみ出ていた。
炎上する装甲車、雄たけびを上げ詰め掛ける群衆、ようやく基地側から始まった発砲音。
A中隊のゲート前防衛任務は多数の民間人も巻き込んだ歴史に残る大惨事となった。

「あの過激派どもは、西と東、『両方』の装備で武装していた。
 中国の88-S式自動歩槍に露西亜のドラグノフ、RPG-28、挙句の果てには米国製のスティンガーだ。
 三尉、一発500万だぞ!」
「…………………」
海人はどう答えたらいいか判らなかった。
ようは西と東の両方の重火器を国内で潤沢に揃えられる何かが背後に居るということである。
一兵卒である彼の判断を超える事態であるのは間違いなかった。
菊地原の目は据わり、声は底冷えを帯びている。
318戦闘領域2話 ◆AEghwN7mYs :2012/06/15(金) 18:54:01.41 ID:MGdPQRVO
「現状、これだけの装備を揃えられるのは国内でも数個の団体しかない。
 また今回の件で、利益を受けた団体の一つに実行能力と動機両方を満たす組織があった」
「…………………」」
「四菱重工だ。事件によって四菱保護法案入りが速まった」
海人は唖然とし、煮えくり返った。
「サー、自作自演にしても現状のまま順当に行けば保護法案入りは確実ではないでしょうか。
 私の仲間は無駄に殺されたということになりますが」
これ以上話を聞きたくなかった、聞くほど泥沼に嵌まり込んでいきそうだった。
しかし彼に備わっている厄介な好奇心が質問を繰り返す。

「同じ四菱とはいっても、急進派と穏健派が内部で対立している。
 今審議中の法案を通せば四菱はより強い権力を手に出来る」
「イエス、サー」
「われわれは手を回し四菱重工の急進派、その幹部の一人から護衛という形で捜査協力を取り付けた」
「サー、罠の可能性は」
「急進派も一枚岩ではないということだ、肥大化した組織は見解の一致と統率が困難になる」

「別に私が」別に私がやらずとも、護衛やスパイの真似事は公安や諜報機関の仕事ではないのか?
例えば隣に座っている二尉の方がよほど若くて優秀なのではないだろうか?
これは陸上自衛隊の一隊員に任せる仕事なのだろうか?
と海人は喋ろうとしたが、続く菊地原の言葉によって出だしを潰されてしまった。

「わたしのチームが調査を開始したとき、都合よく向こうから護衛の依頼が舞い込んで来た!
 しかも、わざわざ君を名指しでな!都合よく!」と菊地原が叫ぶ。
向こうからという言葉に興奮したのか、菊地原は耳が真っ赤になり声を張り上げた。

「サー、私に四菱の知り合いはおりません!」
そもそも大企業、しかも四菱幹部の護衛を推薦できるそんな都合の良い知り合いが居たら、私は自衛隊員などになってはいない。
もっとその幹部とやらにより安定した良い職を勧めてもらって、今頃安泰に暮らしているに決まっている。
三十代の男が就職難に困り果て、たまたま行き着いた先が自衛隊だった。
それだけのことだ。

「そこでだ、君の背後関係を洗わせてもらった」
「サー、自衛隊員になる時点で調査はされているものと思っていましたが」
「ああそうだが、日本の諜報組織というのは質も量も十分ではないのが実情でな。
 テロの件にしても相手に好きにやられるようなていたらくだ。
 君が自衛隊に入隊した際だが、ある人物の口添えがあったと聞いている」
「わかりません」
「乾口真彦、漆原市今橋の三三七番地にある社員寮に住んでいる。
 その寮を管理しているのはAMIDAマークで有名なキサラギ製薬という四菱の子会社で、彼は社の専務だ。
 四菱関連経由で手を借り陸自に入隊し、四菱の手によるテロに巻き込まれ、
 数少ない生存者に君が残り、君を名指しで本社幹部の護衛に指定してきた。
 不思議な偶然があるものだな、皆森」と菊地原。
319戦闘領域2話 ◆AEghwN7mYs :2012/06/15(金) 18:55:53.39 ID:MGdPQRVO
「私は信じてはいないが、君はスパイではないかと疑う声もある」
ふざけた話だ。親元を離れ街に出て職を探して路頭に迷い、三十にもなってやっと手に掴んだまともな仕事だ。
ようやく仕事にも慣れて昇進、天職であると思えた矢先、どこぞの過激派の放った銃弾で一緒に働いていた仲間が肉片になり
半死半生の怪我を負ってようやく現場復帰したと思ったら、紹介してくれた人物の仕事先が関連会社だっただけでスパイ容疑だ。

「君の事は理解している」と赤塚二等陸尉。
「君は入隊以後、たぐいまれな努力で士官学校出でないにも拘らず三尉にまで上り詰め
 情報における高度な分析能力を有している。苦労を重ねたこともあり忍耐強い人間だ。
 そこでだ、君に提案がある」
「イエス、サー」
この部屋に入った時点で、どうせ逃げ道などないのだ。
「護衛を通し四菱の幹部と親密になってもらいたい。
 四菱は極端な秘密主義で常に関する情報は不足している。
 もし任務をやり遂げてくれたら、二尉への昇進を約束しよう。
 これは同時に君の疑いを晴らすチャンスでもありうる」
と言い赤塚は一息入れた。
「またテロに暗躍した連中に対する復讐にもなる。
 考えてみて欲しい、暑い太陽の下君は体を張り、蜂の巣になって生死の境を彷徨ったというのに
 彼らは空調の聞いたオフィスの書類上の決裁で、右から左にモノを動かしただけで莫大な利益を手に入れたんだ」
「はい、サー」
機械的に返事を返す。
彼らも、オフィスの彼らと同じように此方の事情など知ったことではないだろう。
自分の意思も事情もこれから行う意思決定に関係のないものなのだ。 
「わたしは君を助けたいんだ」
「はい、サー」
擁護するふりはただの社交辞令だ。
此処で受け入れなければ、脅迫に暴力が加わるだけだろう。
「四菱の幹部と個人的に親密になってもらいたい。
 信頼できる仲間となり、背中を任せられる友となれ。
 四菱の企業としての情報規制は硬いが、管理するのが人間である以上必ず綻びが出来る。
 会話を重ねるうちに少しずつ紐は緩む、決して自分からがっつくな、機会をじっと待て
 相手の周囲から理解を得て向こうから喰いつかせろ、女を落とすのと同じだ」
若い頃ナンパでも経験しておけばよかったと海人は後悔した。
ようはジェームスボンドのごとく護衛にかこつけて華麗に相手をたぶらかしてこいということである。
彼は自信過剰ではないし自らの歳も自覚していた。
彼にとり、この任務は不可能に思えた。
防衛の為の演習経験は多々あれ、もちろん護衛など経験がないし、そうした訓練は受けたことがなかった。
特殊部隊でもない普通の陸自隊員に護衛任務を遂行しろというのが無理な話だ
――――――だが、一番の問題は。

「サー、私には全く、男色の気がありません!私には任務を遂行する資格がありません!」

それを聞いた菊地原と赤塚は顔を見合わせて大笑いした。
320戦闘領域2話 ◆AEghwN7mYs :2012/06/15(金) 18:57:19.57 ID:MGdPQRVO
投下終了
主人公とは常にマクレーンやシュワのごとく理不尽な目にあうものである
321創る名無しに見る名無し:2012/06/15(金) 19:10:25.98 ID:cFDXQ7Se
別に勢いがあるわけじゃないが予告しようぜ
322創る名無しに見る名無し:2012/06/15(金) 19:59:33.62 ID:bfWvgVOj
2作品投下乙
>>戦闘領域
海人と稜平は二人とも同じ苗字だけど血縁者?

>>石動
当初の混乱から立ち直り、統制ある反撃の機会きたこれ
323創る名無しに見る名無し:2012/06/15(金) 19:59:57.79 ID:b1DjB0pU
なんで対車両にスティンガー?
324創る名無しに見る名無し:2012/06/15(金) 20:56:48.62 ID:bfWvgVOj
デモ隊からミサイルや機関銃が発射されたなら
マスコミの機材とクルーは警察の事情聴取受けるに充分な案件じゃないだろうか

そもそも入手経路からして被疑対象は絞られる
いくら超技術開発した企業でも「日本政府」から保護対象としてフリーハンド持てるわけない
......まだ背景に国際企業居た方がありえるわ
325創る名無しに見る名無し:2012/06/15(金) 21:33:23.15 ID:gnqGaVU5
多分ジャベリンと間違えたんだろ
もしくはスティンガーって地上の物にも当てることできんのかもしれん
326創る名無しに見る名無し:2012/06/15(金) 22:43:36.74 ID:b1DjB0pU
ジャベリンとカメラの区別がつかないのも酷いなw
327創る名無しに見る名無し:2012/06/15(金) 22:43:45.54 ID:sSxMeV6h
自衛官の階級周りが突っ込みどころ満載だがまあまあ面白かった
328創る名無しに見る名無し:2012/06/15(金) 22:50:20.52 ID:b1DjB0pU
突っ込みどころは多いけど期待はできる。
329創る名無しに見る名無し:2012/06/15(金) 22:59:24.80 ID:bfWvgVOj
まぁ日本の企業が超技術発表した後で
在日米軍基地護衛とかの状況に至る過程になんか釈然としないけど
「天使狩猟区」に筆が進むまで評価保留
330創る名無しに見る名無し:2012/06/15(金) 23:02:19.37 ID:qmRfiHan
サー!
331創る名無しに見る名無し:2012/06/16(土) 01:02:18.21 ID:xhQOYmQI
お前ら普段は書き込まないのに叩きになったら急に嬉々として書き出すな
332創る名無しに見る名無し:2012/06/16(土) 01:35:33.75 ID:4RPuRXTA
どうかんがえても突っ込みどころしかない作品が出来上っちまった……

投下だ! 投下して、寝るしかない! 続きは絶対に書かない!
333創る名無しに見る名無し:2012/06/16(土) 01:36:04.45 ID:W2+zMgO6
マンガの代紋TAKE2だとテロリストが警視庁屋上の無線棟にスティンガー撃ち込んで倒壊させてたからいいんじゃない、その後RPG‐7撃った時にスティンガーに比べると威力が落ちると言ってたし破壊力重視とこんな兵器も持ってるぞとデモンストレーションと言うことでOK
334創る名無しに見る名無し:2012/06/16(土) 01:36:46.43 ID:4RPuRXTA
『地球から地球へSOS』

 立ち上がる歓声。司教と思わしき人物が何かを演説している。

――――アルファーライン

一人の男が水晶が光るマスケットを片手に大地にひざをつく。
そんな男の下によれよれの軍服を精一杯洗いましたというようなきれいなのか泥だらけなのか良く分からない服装の男達が現れる。
彼らが手に持つ物は、粗末な鉄の『王冠』。
粗末かもしれない。けれどもそれは、確かな『王冠』。
ひざまずく男の額に王冠が乗せられる。
その瞬間、男は立ち上がり、右手の聖書を、左手のマスケットを天に掲げ、何かを宣言した――。
湧き上がる大歓声。

その日、後に史上最大最恐の植民地帝国主義国家と呼ばれる国が超覇権国家が誕生した。。
建国した男の名前は、建国王ジョージ・ワシントン。

200年の月日がたち、『北米帝国(インペリアル・ノースアメリカ)』はまさに全世界に軍を進めていた。
その進歩した魔道技術とばかげた国力のすべてを世界支配に向け全世界へとその力を進めていく。
太平洋で、そんな化け物国家の艦隊とにらみ合っているのは大日本帝国海軍の北太平洋防衛艦隊。
そして、その北太平洋防衛艦隊を指揮する側、すなわち幕府と宰相府、総裁府と宮中の面々は大日本帝国皇帝が出席する御前会議の真っ最中だった。
軍隊はもちろんの事、戦争を含むあらゆる『外交』をつかさどる『征夷大将軍』。
官僚はもちろんの事、帝国のあらゆる『内政』をつかさどる『帝国宰相』。
『護民』という名の民意を司る『臣民総裁』。
そして、『帝国』そのものを司る『大日本帝国皇帝』。
歪な政治体制の頂点と言い切れるこの国の支配者達が集まる御前会議の場で話し合われている事は当然のように――。

「つまり、幕府はあきらめたと?」  「つきましては宰相府の方々には国家総力戦体制の構築をお願いしたく、この場に頭を下げに来たものでございます」
「馬鹿な! 臣民と陛下の国を守るあらゆる手立てを実行するのが幕府の役目であろう!」
宰相府に属する官僚達や政治家達の反発。
しかし、幕府に対し総裁府もまた味方する。
「臣民達は恐れております。かの国の奴隷となる事を、かの国は無限と思えるほどの資源と量産工房を持っております。
ですが、唯一の欠点として、領土と人口につりあわない程度の魔道資源しか持っていない。
ゆえに彼らは最重要魔道資源たる『赤い水』と『黒水晶』を求め世界に覇を唱えている。我が国は資源の種類は多い物の、量が足りない。
唯一、赤い水を除いて。彼らが我が国を狙うのはもはや時間の問題であると」
もはや交渉の段階は過ぎたのですと『臣民総裁』が最後に言い、会議場は沈黙に包まれた。
「もうよい、分かった」  「陛下、どちらへ? 会議はまだ――」
「会議の答えがどうあれ、時間がないことだけは分かった。故に朕は祖霊に祈り大和の神々に祈り、仏にすがって帝国の護国結界の強化を行うだけのこと」
皇帝の言葉はあたりに響き、とめる者は誰もいなかった。
335創る名無しに見る名無し:2012/06/16(土) 01:37:49.20 ID:4RPuRXTA
――ベータライン
テレビジョンから流れる映像。
勇ましい音楽と共に聞こえてくる英語の演説。
『――全世界の労働者、全世界の人民の自由と正義! それは我々にしか生み出せない! 資本家や圧制者、帝国主義者に苦しめられし我らが同胞よ! 革命の守護者たる我が国、人民アメリカ民主主義合衆国はあなた方を決して見捨てない!』
「よくもまぁ、そんなことをいえる。もっとも、帝国主義という単語は少々否定しづらいがね、言葉として」
神聖ロシア帝国、大英帝国、大日本帝国の三大帝国同盟を中核にしたユーラシアから、北アフリカ、西オーストラリアを勢力圏とする自由主義陣営、通称『東側』。
人民アメリカ民主主義合衆国、ブラジル人民共和国の二大国家を中核にした南北アメリカ大陸、そして南アフリカ、東オーストラリアを勢力圏とする共産主義陣営、通称『西側』。
この世界を支配する二大陣営がにらみ合いを始め、来年で80年目を迎えようとしていた。
女性としてはじめて、大日本帝国、帝国陸軍の将官の立場に上り詰めた老人はリビングより空を眺めながら呟いた。
「今日も、いつもどおり、空にはネメシスがいっぱいだこと」
20年前、二大陣営が歴史に残る協力関係を構築した事件があった。
大彗星ネメシスの迎撃作戦であった。
地球に接近しつつあり、かつ地球への完全な衝突軌道に乗っていた大彗星ネメシスをなんとしてでも迎撃、もしくは別の軌道に変更させるべく二大陣営は協力し合い、結果として破壊する事に成功した。
ある学者はこういったという。
『世界は平和になった。何故ならばありとあらゆる戦略級兵器がネメシスに立ち向かい、消滅していった。そして、ネメシスは砕かれ世界から核兵器がすべて使われ消えていった』
あながち間違いでもない。万が一に備えた、10発。
それ以外のすべての核弾頭を大日本帝国は迎撃に使ったし、神聖ロシア帝国にいたっては3発の水爆を覗くすべての核兵器を投入したといわれている。
そればかりか両陣営の協力関係の結果、お互いの隠された技術が交流され、小規模ながらテクノロジーのブレイクスルーが発生する始末。
確かに世界は平和になった。
ネメシスが砕かれ、その残骸が調べられるその瞬間までは。
「少将閣下!」
開かれる扉。入ってきたのは軽武装の男女。みな帝国陸軍の軍服を付けていた。
「おやおや、もう、私は少将ではありません。退役しました。閣下は要りません」
「いえ、それでも私どもにとっては少将閣下であります! さぁ、敵がそこにまで来ております!」
「……仕方ないわね」
彼女はそういうと壁に飾ってあった、かつて常に腰に刺していた軍刀を取り、孫の写真立てを懐にしまう。

5式半自動小銃の系譜を持つといわれる『5系列』の制式採用歩兵銃片手に老婆を護衛する将校達の姿は異様といえる。最も、周囲の光景と比べれば……。
スプラッタ。そういう言葉がある。凄惨な状況を示す言葉として、それが一番状況に合うのかもしれない。
周囲は血涙が飛び散り、中には明らかに人の指と思わしき物が転がっている。
「……ARMの開発データは確保しておりますか?」
「問題ありません、緊急状況処置第3号が発令したのを確認しております」
「そうですか……」
大量に並んだトランジスタと10年前に実用化したLSIの放熱板が立ち並ぶ一郭もまた、似たような状況だった。
「敵性攻撃型マテリア……ですか」   「閣下……」
「皮肉ですね。元々はアメリカの実験室の試験管レベルのテクノロジーでした。それに光を与えてしまったのは我が帝国陸軍でした。
20年前の大彗星ネメシスの襲来に備え、世界は一致団結せずにはいられなかった。
常に行われていた、植民地の収奪を目的とした『代理戦争』や『革命の輸出』を取りやめないといけないくらいには」
336創る名無しに見る名無し:2012/06/16(土) 01:38:26.21 ID:4RPuRXTA
共産主義陣営が、自由主義陣営を帝国主義者の陣営と言うのも仕方ない。
既に世界は飽和しており、少しずつ、終わりの時代に差し掛かっているとはいえ、確実に今の時代もまた植民地帝国主義の時代だ。
最も革命家という名の圧制独裁者や革命という名の虐殺が大好きな共産主義者どもに言われたくはないが。
「けれどもそうして発生した技術交流がアレに光を与えてしまった」
突如、天上の通風孔の網目状の蓋が吹き飛んだ。
「閣下! お逃げください! ここは我々が!」
同盟国との補給の観点から採用された7.62mmと大東亜規格の7.71mmが次々と空気を切り裂き、飛んでいく。
通風孔から出てきたのは、かつての人間の成れの果て。今やイグアナのような姿をした『敵固体』。
敵性攻撃型マテリア。生物を核に材料さえあれば、それを殺戮機械に変えるある種味方の損害を最初から考えずにすむ兵器。
一種の生物兵器といえるだろう。
もともと、マテリアテクノロジーが試験管レベルの技術だったのはエネルギーの問題が大きかったといえる。
けれども、ネメシスの残骸とその残骸を基にしたテクノロジーがその状況を一気に変えた。
ネメシスの残骸は、石油石炭天然ガスはおろか、ウランやプルトニウムが粗大ゴミに見えてしまうほどの高純度エネルギー物質だったのだ。
そればかりか、ネメシスの残骸を利用した、『アーク・モジュール』は、理論だけなら存在した夢といわれた常温核融合を超えてしまったのだ。
こうして、表面上は2陣営の壮大なにらみ合い、内側では五つの大国による代理戦争と革命戦争の時代に一気に舞い戻った。
それぞれの国は明日の繁栄とすべての敵を打ち倒す事を夢見て、宇宙に浮かぶネメシスの残骸をめぐり、そしてアーク・モジュールの先端技術をめぐり、そして、敵性攻撃型マテリアという新技術すら投入した熾烈な争いの時代へと戻っていった。
そんな時代に、大日本帝国はあるものを実用化してしまった。
アーク・モジュール(ARM)の小型化に成功したのである。
これが、どういう事態かあらわす文章がある。
『トレーラーに乗りながら発電できる原発』だ。
どう考えても、現代の主力である超蒸気機関炉では太刀打ち出来ない。
超蒸気機関炉を主要エネルギーとする時代は終わりを迎えるかもしれない。
337創る名無しに見る名無し:2012/06/16(土) 01:39:21.62 ID:4RPuRXTA
大脳皮質を強制的に退化させ、挙句の果てに凶暴化を誘発するホルモンを強制的に分泌させる事で理性の欠片もない怪物と化した人間の成れの果ての額に1発の鉛球がぶち込まれ、
皆が脇に乗り捨ててあった装甲車に乗る。
「例のプロジェクトの推進者は山内博士です。もっとも例の計画を考えたのは、3年前にアメリカに亡命したあの篠原博士ですが」
老婆はため息をついた。

――アルファーライン

「では、その計画に帝国の運命のすべてを?」
「出来るのかね?」
「彼ならやるでしょう。篠原博士はマッドマジカリストとして有名ですが、有能である事は確かです。『平行次元の帝国に救援を求める』というこの計画の肝を彼は成し遂げるでしょう!」

――ベーターライン
「なるほど、『帝国脱出計画』ですか。いかに我が帝国としても、ロシアにイギリス、赤い米帝にブラジルを相手には出来ない。けれども我が国はその火種となりかねない小型化ARMを実用化してしまった」
「各地の植民地でも反乱が発生しています。ネメシスの落下阻止できなかった巨大残骸によって発生した異常気象の数々による食料暴動などはいずれ統制できなくなるでしょう」
「そして、我が帝国をはじめとする各国が暴走する」
「ですが、暴走が分かっているのなら、とめる事もそして、それに備えた行動も出来る」
「それが『帝国脱出計画』ですか」
「正確には、理想的な亡命先を見つける物ですがね」
装甲車は港にたどり着く。そこは最後の船が彼らを待ち構えていた。
「さて、必要な研究者達は?」  「ちゃんと安全を確保しました」
「それでは――

アルファー と ベータ のラインが絡みつつ

「「実験を開始しましょう。異界との」」

――――ガンマライン
「はぁ、止まらないなー」
「とまらないっすね」
中国の漁船監視船という名の武装船舶が近くにいる状況で、つれてきた物理学者たちは歓声の声を上げてきてた。
日本国、沖縄県、尖閣諸島。
日中の権益が無駄に絡まったせいで係争地域になりつつある日本国の固有領土だ。
その尖閣諸島の海域をはじめ、日本海から、一部日本列島を横断して東シナ海にまで伸びている奇妙な重力異常とUFOのような発光体がしょっちゅう発生する事態が確認されて1週間。
さすがにこの一週間で世界的にも有名になったある種の異常事態に世界中が注目していた。
日本側物理学者集団の中心人物である篠原教授、そして彼の弟子に当たる山内準教授。
この2人が特に騒がしくて海上保安官たちはうんざりしつつあった。
何しろ、自分達は彼らの学生ではないのに彼らはやたら解説したがるのだ。
学者ってああいう人種なのか? と思う。
そんな海上保安官や学者たち、さらにはその様子をカメラに収めていたジャーナリストそして中国の漁船監視船の目の前で周囲は光に包まれ――。

翌日、報道はこう騒ぎ立てた。
『万里の長城が出現!?』
2020年7月第1土曜日
途切れ途切れながら、万里の長城のような謎の構造物が出現。
途切れ途切れであるため、海上交通に致命的な事態は引き起こさなかった物の、周辺への環境影響は不明。
また、何故か、尖閣諸島周辺の海域で、中国のキロ級潜水艦が緊急浮上するといった起きるなどとった事態が発生するも海の方面では特に致命的な問題は発生せず、
陸上地域で起きた陸上交通の著しい混乱の経済損失は計り知れない。
そして、その翌日――人類は人類とのファーストコンタクトを迎えた。
338創る名無しに見る名無し:2012/06/16(土) 01:41:30.33 ID:4RPuRXTA
終わり!
日本が、ゲートでファンタジー大日本帝国とスチームパンク大日本帝国と接触したようです。

あと、敵が米国だけど別に反米じゃありません。
単に「状況とかタイミングにもよるけど赤い米国ってソ連を越えるんじゃね!」
という妄想が暴走した……結果!

どうしよう、これ絶対に現実米国VS魔法米帝VS赤い米国しかおもいうかばねぇ
339創る名無しに見る名無し:2012/06/16(土) 02:20:41.17 ID:LOZuDnQg
なんかなぁ
他スレで叩かれてた、なろうの作品っぽい
340創る名無しに見る名無し:2012/06/16(土) 09:45:16.38 ID:xhQOYmQI
投下乙
軍事関係は適切な運用や細かい決まりごとが沢山あるから叩かれるのは宿命だわな
それが戦記モノの衰退を招いてジャンルの過疎に繋がった
過疎は投下が少ない原因になるし、一部の口煩いコアなファンが凝り固まり外部の者を遮断する悪循環となる
341創る名無しに見る名無し:2012/06/16(土) 09:58:29.71 ID:m7tOysYv
乙です。
342石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/16(土) 11:37:33.62 ID:PV9Cbz6M
>>315
投下乙です!
全体の世界観からどことなくダークというか、ほの暗いものを感じますね。

>>334
スチームパンク大好きです。
現実と異なる、大きな世界観を構築するのは、とても難しくて私は断念したので、凄いと思います。

続きをぜひ。
343石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/16(土) 13:39:33.14 ID:PV9Cbz6M
>>303
猟銃持った猟師ネタはあるんですが、どのタイミングで使うかは、まだ決めてません。
民間人の頑張りも書いてみたいですねー。
>>305
福知山では、攻城戦の真っ最中ですね。そろそろ、京都から増援が来ますかね。

ゲートの自衛隊の立ち上がりの遅さは、ひとえに平時だったのと 、政治的な話かと思います。
少しでも民間人の誤射の危険があると、火力の投入にブレーキがかかるかと。
344創る名無しに見る名無し:2012/06/16(土) 13:51:07.71 ID:RWkVCxww
>>334
>>『地球から地球へSOS』

投下乙
なぜだろう、ゆうきまさみの絵が思い浮かんでしまった
火浦や押井の文体とは違うはずなのに... 
345創る名無しに見る名無し:2012/06/16(土) 17:01:15.01 ID:WYgj4wPP
>>343
ケンポ-ガー、キュージョーガー、ヘイワガー

実際のところ、今の日本で有事の際、私有地とかに所有者の許可なく部隊を展開できる法的根拠ってあるんだっけ?
346創る名無しに見る名無し:2012/06/16(土) 17:13:15.51 ID:ldEIuxRR
有事法?よく知らないけど
347創る名無しに見る名無し:2012/06/16(土) 17:19:56.49 ID:MyHcJ1Rc
そんなことでいちゃもんつけても誰も相手にしないと思うが
現行法は対ソ戦の想定をそのまま引きずってるけど
対ソ戦は自国内の戦闘がある想定だから
大丈夫なんじゃね?
348創る名無しに見る名無し:2012/06/16(土) 17:27:16.80 ID:5PywG+H/
宣戦布告って小説だと武器使用の法的解釈だので凄い揉めてたな
私有地も時限立法かなんかが間に合わなくて
菓子折り持った隊員が深夜まで地主に頭下げながら回るっていう涙ぐましい努力が
349創る名無しに見る名無し:2012/06/16(土) 17:52:55.46 ID:RWkVCxww
「工作員が潜入の疑い」程度だと無理でも
敵性勢力が侵攻中で火力による交戦中だと悠長なことは言ってられんだろ>私権制限
350創る名無しに見る名無し:2012/06/16(土) 18:04:14.00 ID:5seqnV4S
公共の福祉で押し切るれるかなぁ
351創る名無しに見る名無し:2012/06/16(土) 20:44:39.33 ID:tI8DzUB4
つ「超法規的措置」

民主党政権だと、党内をまとめ切れずに踏み切れない可能性があるけど
352創る名無しに見る名無し:2012/06/16(土) 21:20:21.45 ID:/YMw92o/
亜人なら害獣駆除を建前に出動できますぜ
353創る名無しに見る名無し:2012/06/16(土) 22:00:59.24 ID:tI8DzUB4
人権団体「フンガー」
354創る名無しに見る名無し:2012/06/16(土) 22:34:30.24 ID:WSElbcQn
悪法は法にあらず。
法は利益を増大し、害を減少させる為のただの道具。手段であって、目的であってはならない。
利益にならない「悪法」は法ではない。よって従わなくてもいい。
銀河鉄道999の「心やさしき花の都」とかキノの旅の「多数決の国」とか、「悪法も法なり」という考え方だったからあそこまで悲惨な事になった。
355創る名無しに見る名無し:2012/06/17(日) 00:53:48.96 ID:E8dbVXVP
(イスラム的に考えて)悪法は法にあらず
(アメリカ的に考えて)悪法は法にあらず
(ロシア的に考えて)悪法は法にあらず
(中国的に考えて)悪法は法にあらず
(ウリナラ的に考えて)悪法は法にあらず
(自己中心的に考えて)悪法は法にあらず
(シーシェパード的に考えて)悪法は法にあらず
(日本赤軍的に考えて)悪法は法にあらず


いろいろ基準があるのも問題でして・・・
356石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/17(日) 01:46:58.77 ID:J2DjMzPE
法に従えば被害は拡大し、従わねばただの武装集団。昔からある永遠のテーマですね。

さて、第七話。途中ですが投下します。
357石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/17(日) 01:49:40.89 ID:J2DjMzPE
京都府舞鶴市五老ヶ岳 国道27号線
2012年 6月5日 15時54分

 弓鳴りの音を響かせ、バルデム勢から矢が放たれた。ヘビークロスボウの矢は機力で巻かれており、板金鎧を容易く貫通する。
 鈍い音を立て、土嚢に深々と矢が食い込む。陣地を守る自衛官と警察官は慌てて頭を下げた。

 敵陣が制圧下にあることを確認しつつ、重装歩兵の群れは槍の穂先を煌めかせ、突撃に移った。
 荒々しい雄叫びと、甲冑の擦れる音、軍靴の足音が、重なりあって地響きと化す。訓練を受けていない者なら、この時点で逃げ出すだろう。


 だが、守備隊の士気は崩れなかった。第一分隊が空に向けた64式小銃から7.62o弱装弾を撃つ。銃声は山々に木霊し、バルデム勢の耳を打った。
 続いて、陣中から瓶の栓を抜くような音が響いた。西方諸侯領軍兵は、自軍に向かってなにかが飛来する姿を見た。
 石礫のように見えたそれは、白い煙を引きながら、突撃を続ける歩兵の列に飛び込んだ。
 白い煙が兵の目や鼻に触れる。途端に強烈な刺激が、兵たちを襲った。

「毒だ!毒の雲だッ!」
「目が、目がぁぁぁっ!」

 白煙は、目に触れれば激しい痛みと共に涙が溢れ、赤く腫れ上がる。鼻から吸い込めば途端に溢れる大量の鼻水に、呼吸を乱された。
 日本警察が誇る、暴徒鎮圧用機材、ガス銃による催涙ガス弾投射であった。
 普段は事故を避けるため曲射弾道で撃ち込まれるが、今日に限っては水平射撃が許可されていた。
 雨が上がり、風向きも風上である。真倉・田辺城址と苦汁を舐めてきた警察は、今までの鬱憤を晴らすかのように敵に向けてパウダー弾を撃ち込んだ。



 バルデム指揮下の重装歩兵はたちまち混乱した。多くの兵にとってこのような攻撃は初めてのことであった。
 息を切らした兵の足は縺れ、視界を奪われた兵は怯え、泣き叫んだ。
「し、死んじまう」
「助けてくれぇ」
 刺激物に慣れぬ兵たちには、催涙剤が劇的な効果を表した。多くの兵が咳き込み、嘔吐する。中には、吐瀉物を喉に詰まらせ、倒れ伏す者もでた。
 隊列を乱す兵を叱咤すべき歩兵組長も、同様にのたうちまわっていては、隊列の維持は覚束ない。
 騎士はいくらか矜持を見せ踏みとどまったものの、銃声に怯える乗馬を宥めるので精一杯であった。

 バルデム勢は潰乱した。

「怯むな、押せぃ!陣を崩すな!」
 勇気に不足を感じぬ漢であるバルデムは、威嚇射撃の音に怯える愛馬を無理矢理抑えると、自ら兵の中に乗り入れた。
 何故だ。何故我が手勢がこのような無様な姿を見せねばならぬ?
 無力で惰弱な筈の蛮族から思わぬ反撃を受け、醜態を晒す自軍の姿が信じられなかった。
 帝国の礎であり、歴史と名誉であり続けた西方諸侯領軍。その中でも格別に勇猛さを誇った配下たちが、悲鳴を上げて逃げ惑うなど──それは、敵の役目ではないか。
 しかし現実には、過去に蹴散らしてきた野盗や叛徒の如く、バルデムの手勢が崩れていた。
 このようなことがあってよい筈はない!蛮族どもめ。一人残らずくびり殺してくれる。
 バルデムは声の限り手勢を督戦し、陣形を建て直そうとする。彼は士気の回復には、将自らが範を示す必要があることを知っていた。
「敵は目の前ぞ!崩れるな、進めぃ!」
 彼の姿に配下の騎士たちが何とか立ち直る。それに合わせて歩兵組長も、何名かが自己の務めを果たした。兵どものうち、辛うじて正気な者を纏め、隊列を組む。
「卑劣なる敵に、負けるものか!我に続け!」
 バルデムは手勢の先頭に立ち、毒で戦場を汚す不埒な蛮族に向けて、突撃を再開した。
「バルデム男爵に続け!帝国万歳!西方諸侯領軍万歳!」
「蛮族どもに遅れをとるな!」
 涙と鼻水にまみれながらも戦意を失わなかった兵たちがそれに続く。

 催涙ガスがもうもうと立ち籠める中、鈍く光る鋼色の波が五老ヶ岳応急陣地に迫った。彼我の距離は20メートルを切っていた。
358石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/17(日) 01:51:19.17 ID:J2DjMzPE
「敵、突撃を再開!」
 悲鳴のような報告が上がる。それを聞くまでもなく、すぐ目の前に迫る敵の姿が、白煙の中にあった。
 稲富は呻いた。やはり、撃たないと駄目か。
 機動隊の放った催涙ガス弾は、敵の陣形を大きく崩し、少なからぬ数の敵兵を落伍させることに成功した。
 あわよくば、撤退をさせられるか。そんな甘い期待もあった。だが、敵は怯みこそすれ逃げ散らなかった。
「なんて、奴等だ……」
 部下の一人が呆然と呟いた。あれだけのガスを撃ち込まれてのちも、速やかに立て直してきた。
 『精鋭』そう感じたのは、正しかった。どこか狂気を感じさせる光景があった。
「やべぇ、来るぞ」
 海士の震える声に、稲富は我に返った。だらだらと迷っている暇はない。彼等は所詮船乗りである。白兵戦に勝ちはない。
 いや、陸自の普通科部隊とて、あの槍ぶすまと戦鎚には分が悪いだろう。陣地に入り込まれた瞬間、切り刻まれるはめになる。

──これが、指揮官の責務か。

 稲富は、ついに自衛隊初の命令を発した。
「目標、敵集団。連射。各分隊、打ち方始め!」
「一番機関銃、打ち方始め!」

 土嚢の陰で震えていた隊員たちにとって、命令は救いであった。指揮官の意志が示されたことで、彼等は兵士となった。
 紙の標的ではない、生きた人間に向けて、誰もが初めて引き金を引いた。



 敵陣に雷が落ち、燃え上がったように見えた。壁の上に無数の閃光が光り、轟音が鳴り響いた。白煙が上がる。
 次の瞬間、バルデムの愛馬はその馬鎧を容易く砕かれ、血肉を撒き散らしつつ崩れた。即死であった。
 一瞬浮遊するような感覚の後、バルデムはそのまま地面に放り出された。落下の衝撃で息が詰まった。重い板金鎧のせいで、倒れた身体は上手く身動きが取れない。
 配下に下知を下さねば。我が従者はどこだ?
 バルデムに出来たのは、辛うじて顔を動かすことのみだった。

 彼は見た。

 馬鹿な。こんな馬鹿な……。
 自ら鍛え上げた、自慢の重装歩兵たちが、ただの肉塊に変えられつつあった。
 クロスボウの矢すら防ぐラウンドシールドも、造りの良いことで近隣に知られた特製のチェインメイルも、等しく紙同然であった。
 兵たちは次々と銃弾の前に倒れた。
 
「何が起きているんだッ!」
「判らぬ。だが、兵どもは血を噴いて死んでおるぞ」
 騎士たちもまた、現状を理解できなかった。敵陣からは何かが放たれているはずであるのに、矢は見えず、防ぐことも出来ない。
「敵は魔術師か?」
 その騎士は疑問を晴らす機会を得ることなく、銃弾で右腕を吹き飛ばされ、死んだ。
 騎士たちも、兵と共に討たれていった。

 馬鹿な、認めぬぞ!この蛮地に、これだけの術者がおるなど、あり得ぬ。
 バルデムはようやく体を起こすことに成功した。しかし、周囲の手勢は殆どが討たれていた。
 目の前には彼の従者が虚ろな目を空に向けて、倒れている。
 怒りがこみ上げた。バルデムは傍らに落ちていた戦鎚を拾い上げると、立ち上がり咆哮した。

「許さん、許さんぞぉぉぉぉッ!」

 だが、そこまでであった。
 『みょうこう』陸戦隊第一小銃分隊に所属する一等海士が、半ば目を瞑りながら放った7.62o弾が、バルデムの胸を貫いた。

 山賊や叛徒の討伐で、西方諸侯領軍に勇名を轟かせ、『鉄腕』の異名を取った、ギオマル・ディ・バルデム男爵は、胸に空いた大穴と口から、赤黒い血を噴いて、死んだ。
359石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/17(日) 01:53:28.47 ID:J2DjMzPE
 敵の指揮官らしい巨漢が、むくりと立ち上がった。すでに他の敵は倒れるか逃げるかしていた。その巨漢も、凄まじい咆哮をあげた次の瞬間には、射殺されていた。
 すでに敵はいなかった。恐ろしい雄叫びと共に突撃を仕掛けてきた、百名余りの男たちは、血の海に沈んでいた。
 だが、敵のいない戦場には未だ銃弾が叩き込まれている。稲富は、陣地内に立ち籠めた、装薬の鼻につく臭いで我に返った。
 いかん、みんな我を忘れている。

「打ち方やめ!打ち方やめ!」

 稲富は叫んだ。しかし、射撃は続いた。周囲を見ると、隊員の目は等しく血走り、命令に気を向ける余裕はないようだった。
「打ち方やめだ、馬鹿者!機関銃、打ち方やめーッ!」
 沢田曹長の怒声が響く。続いて、ハンドマイクのサイレンが鳴った。

 陸戦隊は、それでようやく射撃をやめた。

 五老ヶ岳に突然静寂が訪れた。硝煙と催涙ガスも、風に吹き散らかされ視界が開けた。

 陣前10メートルには、地獄があった。7.62o弾を叩き込まれた戦列は、赤黒い何かに変わり果てていた。
 動く者はいなかった。稲富は自分の出した命令によって作り出された光景に、戦慄した。
 旅順やソンム、ガダルカナルがこうだったんだろうか?
 稲富たちは生き残った。周囲では若い隊員の何名かが嘔吐している。
 無理もないな。風上で良かった。稲富は思った。吐けるってことは、生きてるってことだ。敵は、もう吐くことも、泣くこともない。

 五老ヶ岳応急陣地はその火力をもって、西方諸侯領軍エレウテリオ騎士団バルデム男爵の軍を殲滅した。



 記録を録っていた隊員がそれに気付いた。
「敵主力に動きがあります!」
 五老ヶ岳に再び、喚声と怒号が鳴り始めた。敵はまだ諦めていないらしい。
「来るぞ!薬室を確認しろ。弾込め!」
「敵は数百名!突っ込んできます」


 稲富は思った。何度でも来るなら、何度でもやるしかない。
360石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/17(日) 01:54:06.51 ID:J2DjMzPE
以上です。

ご意見ご質問御感想お待ちしています。

次回もまだまだ殴りあいです。
361創る名無しに見る名無し:2012/06/17(日) 03:03:45.91 ID:hklwNK65
投下乙
予想はしてましたが、ガ島の一木支隊より悲惨な有り様に。
>「目が、目がぁぁぁっ!」
どこの大佐だw
362創る名無しに見る名無し:2012/06/17(日) 03:04:14.13 ID:25EzS2+9
投下乙
やはり戦闘こそこのスレの華よ
363アンチ貴族:2012/06/17(日) 03:07:57.83 ID:vilCqlNw
近代兵器による野蛮な中世軍の殲滅こそ対異世界戦争の醍醐味ですね。

364名無しに見る名無し:2012/06/17(日) 03:54:21.62 ID:3IZ7Xz4M
なんという槍VS砲台・・・後続隊のやつらもこいつらに習って
突っ込むんだろうか…妖魔を弾よけに使いそうな気が・・・
365名無しに見る名無し:2012/06/17(日) 05:10:01.27 ID:3IZ7Xz4M
>>363 まだこいつらは傭兵隊とか妖魔以外はまだ規律取れててマシな方
だと思う。あくまでファンタジー中世軍の中ではだけど。
366創る名無しに見る名無し:2012/06/17(日) 06:37:41.25 ID:xz/0WqAJ
>>333
亀だが飛んでもねぇマンガだなw
367創る名無しに見る名無し:2012/06/17(日) 08:01:11.54 ID:rRQvtjx3
>>366
だって本当は「ゲ−ム内」だから 何でもアリ
368創る名無しに見る名無し:2012/06/17(日) 08:37:03.86 ID:S2w2lPo6
ファンタジー世界の蛮族どもが、と言うより、日本と日本人を舐めていた奴らが、自分たちの愚かさに気づいた時は、すでに手遅れ。
それがこの種の物語の、醍醐味ですよね。

しかし、言葉が通じるようになった時、この蛮族どもに対し、誰かにこう言わせてみたい。
「別の世界で、自分たちの常識が通用しないのは、それこそ当たり前だろう。お前らはなんで、そのことに気づかなかったんだ?」と。

そのことを聞いて愕然とし、後悔と自己嫌悪と無力感にさいなまれる、蛮族どもの姿を見たいですね。
369創る名無しに見る名無し:2012/06/17(日) 09:38:43.34 ID:71q/5V5i
乙でした。
今まで防戦一方だったけど、やっとこの時が来た
370創る名無しに見る名無し:2012/06/17(日) 09:43:39.78 ID:SFN8PDU3
投下乙
第一ラウンドは催涙ガスが功を奏して敵勢に混乱を生じ、機銃掃射で殲滅に成功しましたね
ガスが煙幕となり後詰めの本体には何が起きたかまだ不明でしょう
ただ、気象台の職員がも首をかしげた気象の件もありますし
雨がまた降り出したり風向きが変わればガス弾使用はきびしくなりますね

今回バルトロが戦場に来ているので彼にこの状況分析が出来ればどうなるか...
長弓兵に部下魔術師を付けたと言う事は魔力付加の何かが有るかも
射程伸ばすという初歩的なものじゃなく必中(ホーミング)だと厄介
371創る名無しに見る名無し:2012/06/17(日) 13:39:02.31 ID:S2w2lPo6

ファンタジー側の反応、こんなところでしょうか。

「そんな……バルデム男爵の手勢が、こんなにも呆気なく……。」

「くっ! 蛮族といえども、さすがに正規軍は違うということか!」

「しかしどうやって……まさか! あの軍勢、全員が練達の魔法戦士とでもいうのか!」

「……ひょっとして、敵が小勢なのはそのせいか?! 敵の正規軍は、魔法戦士のみを集めた、少数精鋭主義の軍だというのか?!」

「…だとすれば迂闊に近づけんぞ! 下手に突っ込めば、男爵と同じ運命だ!」

「うろたえるな! あれだけ強力な攻撃だ! そう長くは続けられんはずだ!」

「そうだ! それに、敵は小勢だ! 部隊の一部を迂回させ、包囲すれば、確実に殲滅できる!」

「どうやってだ! 迂回出来そうな道など無いし、何より我々は、この地には不案内だ!」

「……やむをえん。当初の予定通り、ゴブリン兵団を先鋒に当てる。奴らを盾に、我々が突っ込む。敵陣に飛び込めさえすれば、魔法を使う余裕など無くなるはずだ。」
372創る名無しに見る名無し:2012/06/17(日) 19:23:14.09 ID:uga+Iye8
こういう他人のSSの二次創作風の書き込み ってありなの?
なんか方針を半強要してるようにも感じられるんだけど
373創る名無しに見る名無し:2012/06/17(日) 19:25:16.49 ID:B9OtxNI5
>>372
俺は速攻でNGにしたから何も見えない
374創る名無しに見る名無し:2012/06/17(日) 19:47:51.63 ID:0aczk4x9
>>372
俺もNGにはしてないが目を滑らせて読まないようにしてる
375創る名無しに見る名無し:2012/06/17(日) 20:48:47.01 ID:hklwNK65
まぁ、展開予想がいかんっつーのは読者の基本的マナーだと思うけど
376創る名無しに見る名無し:2012/06/17(日) 21:08:39.02 ID:9QrGE8mW
妄想に近いから別に悪くはないと思うけど
いきなり見せられても反応に困る
377 ◆AEghwN7mYs :2012/06/17(日) 22:23:52.31 ID:2aXPvfq9
3話目投下開始
378 ◆AEghwN7mYs :2012/06/17(日) 22:24:43.51 ID:2aXPvfq9
「四菱の幹部と個人的に親密になってもらいたい。
 信頼できる仲間となり、背中を任せられる友となれ。
 四菱の企業としての情報規制は硬いが、管理するのが人間である以上必ず綻びが出来る。
 会話を重ねるうちに少しずつ紐は緩む、決して自分からがっつくな、機会をじっと待て
 相手の周囲から理解を得て向こうから喰いつかせろ、女を落とすのと同じだ」

若い頃ナンパでも経験しておけばよかったと海人は後悔した。
ようはジェームスボンドのごとく護衛にかこつけて華麗に相手をたぶらかしてこいということである。
彼は自信過剰ではないし自らの歳も自覚していた。
彼にとり、この任務は不可能に思えた。
防衛の為の演習経験は多々あれ、もちろん護衛など経験がないし、そうした訓練は受けたことがなかった。
特殊部隊でもない普通の陸自隊員に護衛任務を遂行しろというのが無理な話だ
――――――だが、一番の問題は。

「サー、私には全く、男色の気がありません!私には任務を遂行する資格がありません!」

それを聞いた菊地原と赤塚は顔を見合わせて大笑いした。
「三尉、相手は女だ」
赤塚は笑いをこらえ損なった様子で、口元がにやけている。
ちくしょう笑ってやがる。

「しかし50代の女性…なのでしょう?」
上手い話?にはオチが転がっているものだ。
自身の歳とやらねばならぬ事の傾向を考えれば、相手はどうせ碌でもない相手に決まっている。
行き遅れの元少女か、老齢な婦人相手がせいぜいだろう。

「君が妙齢の女性を好きだとは思っていなかった。機会があったら紹介しよう」
「いいやいやいや、若い女性が好きであります!サー」
還暦まじかのババア相手に援助交際をさせられるなどやめて欲しい。本気で。
そして出来るものならこの無茶な任務を諦めて欲しいと思う。
379 ◆AEghwN7mYs :2012/06/17(日) 22:26:02.19 ID:2aXPvfq9

「ならばこの任務は君に合ったものとなるだろう」
「君の相手は女子高生だ、四菱創設者の娘、美人だぞ」
菊地原の手には若い女性の写真が握られていた。

「なん…だと…」海人は言葉を失った。
部屋に沈黙が訪れる。
幸樹一尉の咳払いが部屋に響いた。

「彼は極めて実直な三尉でして。一途で生真面目な男です。
 二倍近い歳の男性に、年下の女性を落すのは酷ではありませんかな」
いいぞ幸樹一尉、そうだもっといってやれ。
スパイなら隣に座っている、若く逞しい赤塚二尉の方がよほど向いているに違いない。

「君に与える期間は一ヶ月、我々は君の動向を監視し、
 君には護衛をしつつテロ計画の手がかりを掴んでもらうことになる。
 これは極めて性急であり、国家的危機でもある。この任務は国に対する義務だ」
幸樹一尉のとがめるような視線を菊地原は無視した。

「君が此処に居られるのは幸運なことだ」赤塚二尉が言う。
                 ・・・・・・・
「この混乱期に三十代で入隊し、また素晴らしく幸運なことに
 現場出で三尉まで昇進し二尉に成れることを約束されている。
 この体を張った仕事ではなく、東京で室内のクーラーが効いた快適な勤務が出来るかもしれない。
 君も歳だ、仮に不名誉所帯となった場合、再就職も厳しいだろう
 ようやく仕事に就けたと思ったら、前の仕事先の失敗を知られ辞めさせられる……かも、しれない。
 失敗が尾を引いてまともな仕事にありつけなくなる。とてもよくある話だ。
 そうなれば君はまた路頭に迷うかもな。」と菊地原。

海人は元の生活に帰るのは考えられなかった。
日雇いの日々、仕事を何時切られるか知れぬ不安定な毎日。
一ヶ月、一年先同じ仕事を続けられているか?同じ生活が出来ているか?
不安になり感じた、胃が破れるほどの強烈な恐怖。眠れぬ日々。
上がらぬ給料と使い捨てられている自覚。
ようやくまともな仕事にありつけて、やっとこれから本当の人生が来るというのに。
テロリスト野郎に撃たれた挙句、奴らのせいで貧乏籤とは堪らない。
自分の体に穴を開けただけで飽き足らずだ。

「了解。護衛に志願します、サー」
糞が、まったくもってツイてない。

「宜しい。君には漆原市に向かってもらう」菊地原は満足げに言った。
380創る名無しに見る名無し:2012/06/17(日) 22:26:38.00 ID:V8FGBZmG
とりあえず話題を変えよう。
物語は唐突にの”勇者様”山田託狼君(17)とキャッキャウフフしたお姉さま方の内、
運悪く生き残ってしまった面々はどんな未来が待っているんだろうな?(棒 
381 ◆AEghwN7mYs :2012/06/17(日) 22:26:43.23 ID:2aXPvfq9
投下終了
そこらの素人捕まえて護衛しながらハニートラップしてきなさい、出来なかったら社会的に抹殺よ
ありえない事態と展開、主人公とはそういうもの
382創る名無しに見る名無し:2012/06/17(日) 22:29:19.40 ID:Dmp+RTZ0
妙齢っておおざっぱに言えば、結婚適齢期だよ。
383名無しに見る名無し:2012/06/18(月) 00:19:05.16 ID:qUB0pby4
>>380 連中殲滅されてなかった?
384創る名無しに見る名無し:2012/06/18(月) 00:36:13.01 ID:Y5TfHpQI
「四菱の幹部と個人的に親しい関係となり、背中を預けられるほど信頼されろ」

...と言われて女子高生紹介されたら面食らうだろJK
385創る名無しに見る名無し:2012/06/18(月) 07:16:28.14 ID:4jW0PIZe
>>383
死ねなかった連中は捕まったんだなこれが。
386創る名無しに見る名無し:2012/06/18(月) 15:38:27.80 ID:B48b7K6S
常識的に考えたらそれ以外ないだろって、ただ読み直してみれば済む話のような
書籍じゃあるまいし
387石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/18(月) 17:48:33.96 ID:U8MehDR0
感想ありがとうございます。

自動小銃と機関銃の陣地に、密集陣形の歩兵が突っ込んだら、酷いことになりますよね。

自衛隊側のカタルシスと、敵にも玄人さを。両立を目指します。

というわけで、短いですが続きを投下します。
388石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/18(月) 17:51:28.35 ID:U8MehDR0
京都府舞鶴市五老ヶ岳 国道27号線
2012年 6月5日 16時00分

 バルデム男爵の軍勢が敵陣に向け突撃を敢行したと同時に、敵陣から何かが放たれたのが見えた。
 エレウテリオ騎士団主力が、その正体を図りかねているうちに、バルデム勢は白煙の中に消えていった。

 異様な戦場であった。

「蛮族は何をしたのだ?」
「もはやこれまでと、陣に火を放ったのではないか?」
「いや、それでは男爵の軍勢まで白煙に隠れてしまうのは、道理が通らぬ」
 騎士たちが口々に想像を語った。
「所詮目眩ましにすぎん。バルデム卿の軍勢は瞬く間に敵を蹴散らすだろうよ」
「然り」

 だが騎士たちの予想に反し、突撃の喚声は掻き消え、悲鳴と兵を叱咤する怒号が聞こえ始めた。
 煙の合間からは、崩れた隊列ともがき苦しむ兵が見える。一部の兵は隊列を離れ、顔を押さえながら逃げ出していた。
 異変は明らかであった。

 暫くして、白煙の向こうで喚声が上がった。再度突撃をかけるのであろう。騎士たちはバルデム勢が健在であると安堵した。
 しかし──。

「何だ、この音は!?」
「おお、敵陣が光を放っておるぞッ!」
 濃い白煙を貫いて、無数の閃光と破裂音が響く。それは周囲の山々に木霊して、騎士たちを威圧した。
 馬は怯え、兵がどよめいた。

 白煙が晴れた。バルデム勢は何処にもいなかった。逃げ散った十数名を除き、全て倒れていた。
 
「これは夢か……」
 騎士たちは声も無かった。
 銃声が止むと、静寂が戦場を支配した。


 手を打たねば我らは負ける。エレウテリオは直感した。
 周囲を見る。配下の騎士たちは狼狽し、口々に現実を否定したがっているだけであった。
 こいつらは駄目だ。楽な戦に慣れきっている。
 エレウテリオは舌打ちした。まなじりは吊り上がり、顔に汗が吹き出た。視線を感じる。視線の主は配下の騎士パスクアルと魔導師バルトロであった。
 マシなのはこの二人だけか。手勢は一から鍛え直さねばならぬ。まあ、すべてはこの戦に勝ってからだ。

 エレウテリオは配下の騎士たちを一喝した。
「心を乱すな!それでも帝国騎士かッ!角笛を吹け。ゴブリンを敵陣に突撃させよ!」
 続いて、長弓兵指揮官に向き直る。性分だろうか。長弓兵指揮官はさほど慌てていなかった。
「長弓兵は敵陣に射掛け続けよ。頭を押さえねばゴブリンどももバルデム卿の二の舞よ」
 バルトロに目を向けつつ、下知を下す。バルトロは敵の手管に思いを馳せているようだった。
「手練れの射手を選び、魔術師の加勢を受けよ。バルトロ殿、お頼み申す」
「はッ!」
「──三十程が限度かのう。お任せくだされ」
389石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/18(月) 17:53:18.67 ID:U8MehDR0
 ようやく騎士たちも己の役割を思い出し始めたようだった。茫然自失の者は数える程で、残りはエレウテリオに注目している。
「皆、聞け!敵は小勢とはいえ、手強い。騎士団の全力をもって当たらねばならぬ」
「総掛かりに御座いますか?」
 騎士の一人が尋ねた。
「然り。長弓兵が射掛けつつゴブリンを敵陣にけしかける。敵陣が乱れたならば、騎士団主力にて蹂躙する」
 他にやりようがあるように思えたが、すぐには思い付かなかった。
 主導権を失えば、敗北する。エレウテリオの勘は、そう告げていた。
 下策だが、仕方あるまい。こうなれば力いくさよ。敵の手数を超える兵力を叩きつけて押し潰す。

 エレウテリオの下知を受け、騎士たちは己の手勢に散っていった。最後にエレウテリオはパスクアルに命じた。

「騎士パスクアルは、本営に向かえ。護衛に軽騎をつける」
「……それはまさか!」
「俺の勘だ。この敵は尋常ではない。本軍に後詰めを求めよ」
「しかし、それでは団長の武名に傷がつきまする」
 パスクアルは笑った。
「我が武名など、とるに足らぬこと。今は勝たねばならぬ。行けッ!」
「御意」
 パスクアルは弾かれるように駆けていった。エレウテリオはそれを見届け、思った。
 確かに、我が武名に傷は付こう。蛮族ごときに遅れをとればな。だがそれも、生き残ってからのことよ。

 
 ことによれば、それすら叶わぬかもしれん。
390石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/18(月) 17:54:43.67 ID:U8MehDR0
 路面を埋める敵の軍勢は、数百名を数えた。稲富は首を振った。数百──名、と言ってよいものか。映画やゲームでなら分かるが、現実に存在する訳がないだろう。無茶苦茶だ。
 まるで追い立てられるように、陣地に迫る敵の軍勢は、異形の集団であった。
 身長は1メートルそこそこ。手足は細く、背を丸めた歩き方は何処か歪である。粗末な革鎧を身につけ、手には雑多な武器を持っていた。
 耳は尖り目は落ち窪んでいる。近付けば濁っていることが分かるだろう。

 彼らは甲高い喚声と共に、陣地に迫っていた。

「敵軍まで距離150メートル!」
「P弾射撃準備よし。ただし残弾僅少!」

 態勢を整えた部下の報告が入った。稲富は、自陣を見た。自分を含め落ち着いているように見えた。一戦交えた結果度胸が付いたようだった。
 諸々の問題はもう少し後になって出てくるだろう。今は、戦意十分だ。

 続いて、敵に目を向けた。

 数は数百。手に手に武器を携えて、我々を殺しに駆けてくる。茶色い塊がもう100メートルまで迫っていた。

 引き付けていては、間に合わん。

 敵の数とこちらの火力を考えると、もう撃つべきだった。大量虐殺だとか過剰防衛だとかは法務幹部殿に任せようと思った。
 確か、副長は法学部だったしな。まずは、あれが人間かどうかから考えてもらおう。

「目標、敵集団!距離100。各分隊、打ち方始め!」

「ガス銃班、距離70で打て!」
 少し離れたところでは、志馬警部が命令を発した。ガス銃班が構える。
 警官隊の一部が後方の輸送車に下がった。
391石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/18(月) 17:57:57.10 ID:nGXxrduV

「敵、射撃開始した!」

 第二分隊長の有吉二曹が叫んだ。敵軍を見ると、突撃してくる集団の後方、こちらから約300メートルの位置にいる敵が一斉に矢を放つのが見えた。稲富は咄嗟に指示を出した。

「総員、遮蔽物に入れ!矢が来るぞ!」
 矢は曲射弾道で放たれた。驚くほど遠くから無数の矢が射ち上げられ、物理法則に従い放物線を描いて落下してきた。
 長弓は曲射出来るため、突撃する味方の頭越しに矢を放ち、敵軍を制圧することが出来た。
 羽が空を切る音と共に矢が降り注ぐ。約6秒おきに放たれる百本以上の矢は、まるで天を覆うかのように思えた。射たれる側からすれば、ぞっとする光景だった。

 陸戦隊員と機動隊員は即席の掩体に身を隠している。トタン板に身を隠した隊員は、どうか矢が抜けませんようにと祈った。

 矢が陣地に到達した。
 重く鈍い音は、土嚢や地面に矢が刺さる音である。
 雨に似た音は、ライナープレートやトタンに当たる音である。ライナープレートは当然の事ながら矢を全て跳ね返した。
 一部で金属同士が擦れる音がした。角度が良かったのか、トタン板には何本かの矢が刺さっていた。その下の隊員が悲鳴を上げる。
「おい、大丈夫だろうな!」
「おっかねぇ……」

 稲富の目の前にも数本の矢が突き立ったが、見たところ死傷者は出ていないようだ。
「各自、このまま撃てるかッ?」
あちこちの銃座から元気な答えが返る。
「第一分隊射撃可能!」
「第二分隊撃てます」
 機関銃班からも返事があった。
「一番、二番共に射撃可能!ただ、次はトタン板じゃなくてライナープレートにしてください!」

 数本の矢がトタン板に刺さったようだ。機関銃班が首を竦めながら怒鳴った。

 よし、戦える。稲富は陣地構築の効果に安堵した。

「各自、そのまま撃て!」


 命令を受けて、隊員は射撃を開始した。敵第一陣を打ち砕いた火力が、第二陣にも襲いかかった。
 ガス銃班も射撃を開始した。白煙が戦場に放物線を描く。

 五老ヶ岳応急陣地は、敵長弓部隊の制圧射撃を受けつつも、その火力をもって敵の迎撃を開始した。
392石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/18(月) 18:00:27.29 ID:nGXxrduV
以上です。
矢戦とゴブリンの突撃はどうなるのか。五老ヶ岳の戦いは、おそらく次で決着します。
ご意見ご質問御感想お待ちしています。
393創る名無しに見る名無し:2012/06/18(月) 18:40:47.44 ID:J3jef36l
投稿乙です。
他の騎士達が現実逃避してる中、次の行動に移せたエレウテリオの手腕はさすがですね。
彼がいなかったら、統率力を失って、各個撃破されたかもしれない。
まぁ、今の日本側に各個撃破できる戦力がないのだけど・・・。

援軍を要請しに行ったけど、その援軍は果たして健在なんだろうか。
すでに行動に移した第3師団の普通科連隊に壊滅させられてそうだけど…。
どちらにせよ、第3戦車大隊の活躍が残されてそうで安心。
394創る名無しに見る名無し:2012/06/18(月) 18:44:08.14 ID:Y5TfHpQI
投下乙
生物的特性に違いが無ければゴブリンでも催涙ガスは通用すると思いたいが
耐性が有ったらいやだなぁ
ゴブ1<うちの便所よりちょっち目に沁みるがなんとか行けるゴブ
ゴブ2<かーちゃんのオナラに比べればたいしたことないゴブ

帝国西方諸侯領軍の先鋒は本陣に使いを出したけど
西方諸侯軍の本隊が来るなら弾薬が心もとないな
戦車部隊は交通事故で足止めされているようだし
通信が生きているなら天気の回復次第ヘリによる増援望みたいが...
395創る名無しに見る名無し:2012/06/18(月) 19:13:32.79 ID:e8HAW1tW
>>197
ミリヲタとは穴があったら突っ込まざるを得ない難儀な性格なんだ理解してやれ
ここの住人達はAGEの矛盾全てを理解した上でネタとして楽しむ寛容さを併せ持っているな
とミリヲタが答えてみる
396創る名無しに見る名無し:2012/06/18(月) 19:14:17.98 ID:e8HAW1tW
うはあ、誤爆
無視して頂戴
397創る名無しに見る名無し:2012/06/18(月) 19:48:19.99 ID:ar9Gmzjb
お疲れさま。

しかし、射撃の経験が無い故に近距離での撃ち合いになっているのが怖いな。
集団密戦法だと次元が違いすぎて、現代軍の基本の散兵による各個射撃戦は苦労しそうだなぁ。
398創る名無しに見る名無し:2012/06/18(月) 19:49:10.23 ID:asu5pvXN
投下お疲れ様です
エレウテリオは敵ながらやりますね。狙撃班がいないのが残念だな
次も楽しみで仕方ない
399創る名無しに見る名無し:2012/06/18(月) 22:43:31.47 ID:IxosS0pb
対戦車ヘリ部隊の到着はまだかな!

ゲートの場所って、あの酒天童子で有名な大江山かな?
400創る名無しに見る名無し:2012/06/19(火) 07:52:08.40 ID:04xGOhEQ
401創る名無しに見る名無し:2012/06/19(火) 12:21:45.46 ID:By+RxJvA
弓は魔法で飛距離を延ばしてるんだろ
魔術師に援護させよって言ってるし

魔術師達は日本側でも魔術使えるのか
402創る名無しに見る名無し:2012/06/19(火) 13:56:06.59 ID:QxnnBa+D
ゲートが開いてるおかげで、F世界側の大気が
こちら側と混ざり合ってるから魔法が使えるとか?

403創る名無しに見る名無し:2012/06/19(火) 14:22:56.16 ID:ZDGzIHkI
単純に魔力は個人の体内で生成されているとか
404石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/19(火) 18:13:53.46 ID:yEhAwZcl
感想ありがとうございます。エレウテリオをちゃんと描くことで、自衛隊側の頑張りを表現したいと思っています。


>>394
ゴブリン恐るべし。普段から臭いのになれてるやつらは、手強いかもしれません。

>>399
鋭い(笑)
ところで、何処まで世界観を、コメントでお話してよいものでしょうか?みなさまのご意見を御願いします。

>>400
ありがとうございます。
この世界では、長弓の有効射程を150から250メートル程度という資料に少し下駄(ファンタジー)をはかせています。
当然、『長弓兵』という特殊兵に限った射程です。
普通の戦士ならもっともっと短いです。

ちなみに私が学生時代、遠的競技に出ましたが、60メートルで1メートル四方の的に中るくらいでした。
使っていた弓はかなりへなちょこな弓です。

肉体のバランスがおかしくなる程鍛えた弓兵なら、もっと行けるはず(笑)

魔力に関してはそのうち。
405創る名無しに見る名無し:2012/06/19(火) 19:17:47.40 ID:xw6ILurL
あくまでも和弓の話だが、そこそこのねらいで速射やると二、三秒で一射できるぞ。
号令で揃えずに三人張りぐらいの弓な。
406創る名無しに見る名無し:2012/06/19(火) 19:17:55.88 ID:04xGOhEQ
>>404

戦争の後、捕虜の魔術師を実験台に”魔法無効化装置”を作ってみませんか?

今の技術では、”筑波”や”防研”でも可能ですね。

407創る名無しに見る名無し:2012/06/19(火) 19:36:32.89 ID:E/34Iqdx
普通科「魔法なんてどうでもいいからドットサイト買って」
機甲科「魔砲少女を戦車枠から外してください」
特科「魔砲少女は特化だろjk」
施設科「我々は屯田兵じゃないです・・・陣地構築させてください」
航空科「敵戦闘機をよこせ」
408創る名無しに見る名無し:2012/06/19(火) 19:56:09.00 ID:Sz2wJbXb
>>407
普通科はまともだが
他の連中の無茶振りにワロタ
409創る名無しに見る名無し:2012/06/19(火) 19:59:24.75 ID:RfPwcmlM
>>405
洋弓でそんな重くない弓でだろうけど、こんな人も居る
ttp://www.youtube.com/watch?v=EOWeU9R1vBs&feature=player_embedded
410創る名無しに見る名無し:2012/06/19(火) 20:48:27.87 ID:cv7DeAOO
>>409
これ短弓と違うか?
411創る名無しに見る名無し:2012/06/19(火) 21:09:24.16 ID:E/34Iqdx
短弓だな
形状的にも引く力でも
412創る名無しに見る名無し:2012/06/19(火) 22:18:40.35 ID:Sz2wJbXb
>>409
左手に次矢握っているのだろうけど
コピー映像のMADムービーぽく見える
413創る名無しに見る名無し:2012/06/20(水) 22:07:37.10 ID:z0fBzjhm
白兵戦はやりたくないな
414創る名無しに見る名無し:2012/06/20(水) 22:18:28.37 ID:WUHeTzLd
>>413

白兵戦は蛮族に分がありますね。わが国も早くパワードスーツを作ればいいのに!

今、防研あたりで作っているかも!
415創る名無しに見る名無し:2012/06/20(水) 22:24:39.27 ID:C65bRRds
いや、パワードスーツはロマンだけど、わざわざ相手に合わせて白兵戦するよりも鉛球をいっぱいプレゼントする方向にすれよ
という訳で、ミニガンやらM2ブローニングやらそういったもん付けた無人兵器って無いもんかねー
416創る名無しに見る名無し:2012/06/20(水) 22:32:59.00 ID:34XUpkEh
ターミネーター3に出てきたT-1ぐらいなら作れそうだな
敵味方や非戦闘員の区別がつけられるのか知らんけど
417創る名無しに見る名無し:2012/06/20(水) 23:02:55.62 ID:z0fBzjhm
わざわざロボットを使う意図が不明
迫撃砲持ってこいよ
418創る名無しに見る名無し:2012/06/20(水) 23:21:42.49 ID:SD4ehi4s
>>417
迫撃砲の狙いはどこにつけたらいいんだ?
419創る名無しに見る名無し:2012/06/20(水) 23:31:48.53 ID:z0fBzjhm
420創る名無しに見る名無し:2012/06/21(木) 00:25:51.24 ID:SISI+0p+
敵に高性能な射撃武器が無いなら日本側も密集隊形に戻るかもね
火力密度が高まるから突撃する白兵やら騎馬隊を撃退しやすい
白兵戦でも若干不利が緩和される
散兵だと切り込まれるとまったく対処できない、バラバラのまま各個撃破される
421創る名無しに見る名無し:2012/06/21(木) 00:45:32.71 ID:iWzHeac3
何だろう、横一列に並んだ自衛隊が射撃しながら歩く様がイメージできた
まぁ、実際には絶対にやらないんだが
422創る名無しに見る名無し:2012/06/21(木) 00:51:56.40 ID:YCKlIq89
>密集隊形
つ長弓or火球
423創る名無しに見る名無し:2012/06/21(木) 00:52:03.08 ID:cpQOplP5
機関銃で片付くよ
424創る名無しに見る名無し:2012/06/21(木) 00:57:53.69 ID:/lv0E+WE
>>420
距離とって戦う限りは散兵+現代小銃が有利だぜ
そりゃあ火力が双方同じ場合という条件では散兵より密集体型の方が有利なのが基本だが、
幕末の戦いの頃は実際に十数名の散兵(この数だと密集してもあまり意味が無い)で
数百名の古式甲冑&槍や火縄銃の藩軍を終始圧倒した戦いの例が二〜三ある
この時使った小銃が連発式だったため、藩軍は接近白兵が不可能なほどの火力(火縄銃と比べて)に襲われて負けた
現代アサルトライフルで戦ったらさらに差は開くだろうな…

小銃装備の軍が白兵戦に対応できなかった例では西郷軍と官軍の戦いで
それも使ってる銃の性能は双方ほぼ同じながら、西郷軍が弾薬不足という事情のために
やむなく接近&奇襲の肉迫攻撃を行ったものくらい
425創る名無しに見る名無し:2012/06/21(木) 01:02:52.74 ID:/lv0E+WE
あと、西郷軍も遮蔽物も無い戦場を真っ直ぐ正面突撃して白兵戦を行ったんじゃなく
気づかれないギリギリまで接近してから突入し横腹を奇襲、という戦法だから効果を上げた
WW2での太平洋戦争の南方戦線においての旧軍の白兵突撃と同じ
でもって、そういう至近状態からの奇襲では対応する側は何を装備して
どういう隊形を取ってようが、不利なのは同じだよ
密集隊形のパイク歩兵が側背から攻撃受けるのも小銃装備の戦列歩兵が側背から攻撃受けるのも変わらない
そんな状況で攻撃された時点で大被害だ
426創る名無しに見る名無し:2012/06/21(木) 01:13:57.42 ID:SISI+0p+
密集すると白兵部隊に対する抵抗力は増すが、回り込まれる可能性が高まるので
突撃を撃退できるギリギリを見極めて部隊を薄く展開することになるのかね
イメージとしてはスターリングラードの映画の冒頭みたいな
427創る名無しに見る名無し:2012/06/21(木) 02:11:01.11 ID:EgarTu0F
通常は包囲や側面攻撃を想定して、川や谷などの通行が困難な障害物に側面を委託すると思うんですが
あと、回り込まれることが想定出来るのならば隊列を鉤形にするなり機関銃班を臨時に編成して側面を警戒するなどして、
包囲機動を企図した敵部隊に対抗できるかと思います(他に、回り込まれそうになった時点で有利な地位を得るために機動したり)
陣地構築が可能なら、白兵部隊への防御はより容易ですよ(石動氏のSSでも応急陣地が活躍中)
白兵部隊に乗り込まれたなら全滅の可能性も高いでしょうが、自衛隊の前線指揮官は馬鹿じゃないですから、
不期遭遇戦でも無い限り白兵戦を生起させるには細工をする必要がありますね
このスレ的に言うなら、例えば天候操作型の魔法を設定して濃霧などで視界を制限するだとか、物理的なシールドなり能力上げた盾なりで防御力をかさ上げして接近するとか(俺の頭じゃこれぐらいが精一杯w)
ファンタジーならダンジョンとか絶好の近接戦ポイントですから、突入せざるを得なくするとか、過去のSSだと物語氏の市街地戦モノもありましたし
428創る名無しに見る名無し:2012/06/21(木) 15:55:44.83 ID:gAFwW7ZA
ケースバイケースだな
ゲートによって異世界側が地球に侵攻したケースなら自衛隊に「地の利」が有るし
自衛隊本来の「侵攻軍に対する防衛戦闘」となる
法律とかの縛りは有るにせよ「ホームグランドでの戦闘」
召喚だと自衛隊はアウェーでの戦闘となり一番苦手な戦闘に巻き込まれる事となる

意外と旧日本帝国軍がそこらへん強かったりしてw
(情報組織は存在しても精神論でそれらを軽視する傾向があるにせよ
429創る名無しに見る名無し:2012/06/21(木) 20:06:28.47 ID:kImWbGjA
隊長「万が一白兵戦に持ち込まれた時に備えて、先祖伝来の日本刀と鎧兜を準備するように」
隊員「せん・・・え?」
430創る名無しに見る名無し:2012/06/21(木) 20:51:49.54 ID:EgarTu0F
軍刀復活だな
一部の敏感な人達が騒ぎそうだね>グンクツノオトガー
431創る名無しに見る名無し:2012/06/21(木) 20:55:18.85 ID:qIWHCjGV
まぁ実用性云々は別として、白兵戦は浪漫だからね
日本刀持った自衛官とファンタジー世界側の兵士との斬り合いとか燃える
432創る名無しに見る名無し:2012/06/21(木) 21:25:27.62 ID:fgtQmDwU
アーミーナイフじゃだめですか


漫画の続戦国自衛隊だとナイフで斥候の足軽とやりあった奴がいたな
433創る名無しに見る名無し:2012/06/21(木) 21:31:08.19 ID:6kh1DX0V
銃剣じゃだめなのか?
434創る名無しに見る名無し:2012/06/21(木) 22:09:17.26 ID:kImWbGjA
忍者VSレンジャー 怒りの安土城
435創る名無しに見る名無し:2012/06/21(木) 23:21:56.56 ID:iWzHeac3
なんで安土城なんだ……

もう、忍者じゃなくて、NINJAでいいよw
436創る名無しに見る名無し:2012/06/21(木) 23:22:06.49 ID:EgarTu0F
南方戦線的には山刀かな
戦記を読んでいると「軍刀よりも山刀の方が使い勝手がいい」ってな話がよく出てくるし
英軍グルカ兵の白兵戦能力は異常w
437創る名無しに見る名無し:2012/06/21(木) 23:54:24.18 ID:WCohWM0E
世界で白兵戦ならグルカ。でもそれと互角で戦った旧日本兵も強い。

明治維新の時には日本兵はサーベルで白兵戦はいまいちだが、昭和に入って日本刀に変わってからは
日本兵は白兵戦がグルカ兵と互角である。

やっぱ日本人は日本刀ですね。
438創る名無しに見る名無し:2012/06/22(金) 01:39:44.56 ID:7Rn3Umg4
まあ軍刀だ山刀だ言っても結局は銃剣
439創る名無しに見る名無し:2012/06/22(金) 02:18:03.88 ID:5JPsgjt5
白兵より弾ください
440創る名無しに見る名無し:2012/06/22(金) 03:54:53.97 ID:omh5nsfB
弾より、まず爆撃頼もうぜ!
いっそ絨毯爆撃してもらおうぜ!
441創る名無しに見る名無し:2012/06/22(金) 08:48:08.65 ID:WP3hmTaw
白兵戦してる最中の味方ごと敵を絨毯爆撃
442創る名無しに見る名無し:2012/06/22(金) 12:43:15.93 ID:BXD1a2mi
>>437

日清戦争では、シナの青龍刀にサーベルで白兵戦したのだが・・・・、よく勝ったなと思う。

日本人は日本刀でしょう。
443創る名無しに見る名無し:2012/06/22(金) 14:34:40.75 ID:sVlrL8yX
>>442
日本刀は侍が使うもので
平民出でも使える鉄砲を兵隊にしたのが近代化だと思うのだが

接近戦で弾の切れた小銃での殴り合いは
剣術より棒術か杖術を収得した方が応用利く
444創る名無しに見る名無し:2012/06/22(金) 16:29:35.05 ID:h+NH4iIy
日本の銃剣道って槍術がモデルになってたよね、確か
日本刀を使うのっておそらく下士官ぐらいじゃないかな?
445創る名無しに見る名無し:2012/06/22(金) 20:19:30.09 ID:vKX1OaMe
>>440
空自が対地攻撃するってイメージあまりないな
まあ、爆弾持ってるからできるんだろうが
しかし500ポンド爆弾ってF世界の鎧とかにはでかすぎないか
クラスター爆弾はもうないし、大戦期の60kg爆弾復活させるか
446創る名無しに見る名無し:2012/06/22(金) 20:38:22.28 ID:j2bpouIP
ナパームがあればなあ
447創る名無しに見る名無し:2012/06/22(金) 20:48:22.03 ID:LJe2QUzW
米軍に頼んでAC130 ガンシップで近接航空支援
448創る名無しに見る名無し:2012/06/22(金) 20:50:06.58 ID:7Rn3Umg4
>>445
F世界で一番役立ちそうなのはクラスター爆弾だとおもふ
なぜ廃止したし
449創る名無しに見る名無し:2012/06/22(金) 20:51:16.05 ID:Caj3uSAE
重機使え
450創る名無しに見る名無し:2012/06/22(金) 21:16:36.50 ID:BXD1a2mi
>>448

日本は、売国奴集団に政治上層部が占拠されている。

451創る名無しに見る名無し:2012/06/22(金) 21:32:15.24 ID:7Rn3Umg4
>>449
ユンボで重装歩兵の隊列を蹴散らすのか
胸が熱くなるな
452創る名無しに見る名無し:2012/06/22(金) 21:35:46.06 ID:vKX1OaMe
建設機械なのか重機関銃なのか
453創る名無しに見る名無し:2012/06/22(金) 21:48:58.34 ID:Urj5wAsS
世の中には小松のブルドーザーに鉄板溶接して住宅街を破壊しまくったアホがいるくらいだし、建設機械だって立派な機甲戦力になるだろ。
454創る名無しに見る名無し:2012/06/22(金) 21:53:24.08 ID:QsSe3U8z
装甲ブルドーザー突撃大隊
装甲ユンボ騎兵連隊
バケットホイールエクスカベーター攻城中隊
455創る名無しに見る名無し:2012/06/22(金) 22:03:12.19 ID:0gjVVPuD
ブルドーザーだと運転席がモロ見えなのが怖いな
456創る名無しに見る名無し:2012/06/22(金) 22:49:01.30 ID:cTkEzMb9
キラードザー再び、か

県道沿いに進撃するF勢力に、建機屋の整備庫が包囲される

侮り勝ち誇るF勢力

だが突如、鋼板を溶接されたキーラードーザーやロードローラーの群れが、
増設されたスピーカーから「特攻野郎Aチーム」のテーマ流しながら
F勢力の隊列に突っ込み、一気に壊乱させていく

想像してたら濡れてきた
457創る名無しに見る名無し:2012/06/22(金) 23:04:10.82 ID:0KsJGwcV
浅間山荘の時に、そんなの使ったよな
民間人の業者に無理矢理制服着せて
458創る名無しに見る名無し:2012/06/22(金) 23:17:46.92 ID:vKX1OaMe
スチールボール DaDaDa!!(違)
日本ブレイク工業覚えてる奴なんてまだいるのか?

459創る名無しに見る名無し:2012/06/22(金) 23:58:33.67 ID:5JPsgjt5
>>456
障害物のない地形での装甲ロードローラーの恐怖
460創る名無しに見る名無し:2012/06/23(土) 00:07:09.45 ID:CQyefKnE
>>459
障害物無い地形だと歩兵でも横にかわすの容易いと思うが

運転席を装甲板で囲っていたら視界限られるし
461創る名無しに見る名無し:2012/06/23(土) 00:09:51.43 ID:kX2+1AP7
>>458
ああ、倒産したんだよな。

>>460
ロードローラーが一列に並んで……まぁ交わすだけなら簡単に出来る罠
462創る名無しに見る名無し:2012/06/23(土) 00:27:05.84 ID:JeDp6qQG
>>460
そこで陣形と言うものが絡んでくるわけでして・・・
中世の兵隊は陣形組まないと逃げ出して戦えない。
陣形を組むと機動性は酷く悪化して回避不能になる。→詰み
463創る名無しに見る名無し:2012/06/23(土) 00:42:50.69 ID:9mT0HyM0
徴用された自由農民が組んだ槍兵横隊の横合いに、轟轟と排気煙を吐き出すロードローラーが突っ込み、ショベルカーのアームが騎兵の横っ面をひっぱたき、解体作業用の鉄球モンケーンが攻城櫓を破壊する。
建設作業員を満載したダンプカーが、士官に追い立てられて健気に槍の穂先を揃えた敗残兵の方陣を轢き潰し、下車した作業員が鶴嘴やヤスリを掛けたスコップで、満身創痍の敗残兵に止めを刺していく。
跡には飛行場と建設会社の保養所が建ちましたとさ。
464創る名無しに見る名無し:2012/06/23(土) 01:54:16.37 ID:2XmsWsP+
ついさっきまで
そこには羽飾りのついた兜を被り馬に乗った騎士長が、長剣を振りかざして居並ぶ配下の騎士や農民兵を激励していた
旗持ち騎士の掲げる竿の先で、華麗な騎士団旗がゆっくりと風になびいていた

いまそこには
プラヘルメットを2重に被り、「バールのようなもの」を振り回す親方が、鉄パイプを尖らせた長槍を構えた土方たちと共に
鉄板や鉄筋で装甲された2トン車の上から敗残兵を追い回している
荷台に立った物干し竿には、倉庫にあった国旗と、何の冗談か、食堂の壁からはがされた安全旗が時速30キロの風に
はためいているのだった
465創る名無しに見る名無し:2012/06/23(土) 01:58:39.93 ID:CBffyMB2
後の処理を考えないなら、陣形を組んだ敵を重量車両で轢き殺すのは有効だな。
弾もつかわないし、車両の中に兵は引きこもっているので人的損害も出ない。
とてもクリーンだ。
466創る名無しに見る名無し:2012/06/23(土) 02:37:33.79 ID:9mT0HyM0
畑にするなら肥料になるしな
467創る名無しに見る名無し:2012/06/23(土) 02:56:28.92 ID:JeDp6qQG
自衛隊員「ちーわっす、復興支援活動で家建てに来ましたー」
468創る名無しに見る名無し:2012/06/23(土) 06:35:05.51 ID:+0ks45Ad
この手のある意味馬鹿らしい小説読んで見たいわw
ただしグロ描写はお手柔らかに・・・
469創る名無しに見る名無し:2012/06/23(土) 10:40:30.05 ID:CVXG+bi5
施設科がF世界に召喚されますた
470創る名無しに見る名無し:2012/06/23(土) 14:03:31.76 ID:CQyefKnE
人の血を吸った重機(建設機械)に悪霊取り付いて
施設科に襲い掛かるSS予想してしまった
471創る名無しに見る名無し:2012/06/23(土) 21:04:34.99 ID:2x6Iqbha
>>470
 それじゃまるで「殺人ブルドーザー」(1974年製作のB級ホラー映画)じゃないの。確か、隕石にくっついて地球にやって来た謎の生命体が、孤島の建設現場に有ったブルドーザーにとりついて、人間を襲い始める。そんな話だった。
 ちなみに、原題は"Killdozer!"で、2004年6月4日の「キルドーザー事件」は、この映画とその原作小説(シオドア・スタージョン著)を思わせることからそう呼ばれたんだった。
472創る名無しに見る名無し:2012/06/23(土) 21:37:51.06 ID:JeDp6qQG
悪霊「・・・電子制御とかこれどう動かしゃいいんだ?」
473創る名無しに見る名無し:2012/06/23(土) 21:45:29.67 ID:59Aj1Wsw
???<ビルドロン師団、トランスフォーム!
474創る名無しに見る名無し:2012/06/23(土) 23:17:31.35 ID:2XmsWsP+
一念発起して電子制御と車体のコントロールに精通するうち

やがて気づけば峠最速の重機と呼ばれ、あまたの走り屋の挑戦を受けるようになるのか
475創る名無しに見る名無し:2012/06/24(日) 00:25:10.28 ID:mqd6nzW+
大阪府警「そこのショベル止まりなさい・・・・止まれちゅーてるんじゃろうがボケェ!府警舐めてると対戦車ミサイルぶち込むぞコラ!」
476創る名無しに見る名無し:2012/06/24(日) 01:03:24.41 ID:NEJx4XHY
あさりよしとおが74式とメルカバMk3の峠バトルってネタ描いてたな
477創る名無しに見る名無し:2012/06/24(日) 04:54:59.85 ID:J4sTnwFm
なにそれおもしろそう
478創る名無しに見る名無し:2012/06/24(日) 09:07:25.33 ID:BBeKUmYn
プロジェクトT
http://mup.2ch-library.com/d/1340496268-image0046.jpg
あさりよしとお短篇集 毒入りカプセル篇収録
479創る名無しに見る名無し:2012/06/24(日) 10:28:44.52 ID:NJc2URtQ
イニDパロだと原子炉ネタが有ったな
絵じゃなくテキストだけだが
【原発D】
http://www.snet.ne.jp/milk32/genpatu.html
480創る名無しに見る名無し:2012/06/24(日) 16:28:57.19 ID:tpuIAmT8
ゲンパツD、昔読んだ時は笑ったがよりにもよって福島原発なんだよな、恐ろしい偶然だ
481創る名無しに見る名無し:2012/06/25(月) 15:02:37.70 ID:cxHHQdA0
せっかくだからゲートのコミック買ってみたが、二重橋の戦いを数ページだがやってるんだな
482創る名無しに見る名無し:2012/06/25(月) 17:55:00.69 ID:UHqTZhDW
え、ゲートってコミック出てるの?
483石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/25(月) 19:28:01.39 ID:nprgXk2S
おひさしぶりです。

白兵はいずれやってみたいものです。
重機の迫力も魅力的ですね。Fな世界の住人には何に見えるんでしょうか?

ではでは、投下します。
484石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/25(月) 19:29:30.96 ID:nprgXk2S
8 五老ヶ岳

京都府舞鶴市五老ヶ岳 国道27号線
2012年 6月5日 16時37分

 突撃を撃退すること三度。五老ヶ岳応急陣地の正面は、どう控えめに表現しても地獄としか言い様の無い情景を示していた。
 先の突撃で血塗れになり倒れた騎士と重装歩兵の死骸を乗り越えて、ゴブリンの群が陣地へ迫る。
 応急陣地から放たれる弾丸が彼等を打ち倒し、横たわる死骸は人と異形が、肉と鋼鉄が、革と血が混じり合いもはや原形を留めてはいなかった。

 陣地内には硝煙の鼻につく臭いが充満し、小隊海曹、分隊長の怒声が銃声に混じって聞こえてくる。
 その中で、応急陣地守備隊を指揮する『みょうこう』砲術長稲富一尉は、一度不渡りを出した中小企業の社長のような気分になっていた。
 一見、陣地は一分の隙もなく火力を発揮し続け、敵の突撃を破砕しているように見えた。
 敵の矢が絶え間なく降り注ぎ、陣地は針鼠のごとき様相であったが、掩体に守られた隊員に被害は無い。
 逆に寄せ手であるゴブリンが、流れ矢が背に突き立ち、悲鳴をあげて倒れる有り様であった。

──しかし、

 よく見ると、陸戦隊員の射撃は連射から単射に変わっている。

「畜生!キリがねぇぞ!」
 第一分隊員の一人が叫んだ。ゴブリンは跳ねるように走り、何より子供程の背丈のため、一発ではなかなか捉えられない。
「弾が切れた。装填する!」
 隣で冷静に射撃していた隊員は、64式小銃を手荒く左右に振り、土嚢に刺さった矢を払いのけた。
 弾倉を取り出し、装填する。空の弾倉は後方の隊員に手渡した。

 弾は十分にあった。しかし、意外な問題が生じていた。

「弾倉をよこせッ!」
「弾込めるまで、ちょっと待て」

 弾倉の不足である。市内各所に分散配備された守備隊に十分行き渡るだけの弾倉が、不足していた。
 陸戦隊小銃班員には、6弾倉120発の弾が配布されている。それに加えて当然小隊に予備弾薬もある。しかし、艦の保有分と弾庫からかき集められた弾倉だけでは、十分ではなかった。

 陸戦隊は、バルデム男爵の手勢に対して一人平均3から4弾倉をフルオートで叩き込み、文字通りの肉塊に変えた。
 その代償として、弾倉の遣り繰りが極端に厳しくなっていた。
 フルオートで再度射撃すれば、あっという間に弾倉が尽きる。

 経験不足がここで出たな。稲富は脂汗を浮かべつつ思った。射撃が下手な者が弾を当てるには──数を撃つしかない。
「だが、撃ち過ぎたぞ」
 再装填の暇無く、次の攻撃が始まってしまった。機動隊のガス弾も既に尽きた。
 狂ってやがる。稲富は押し寄せる異形の群を睨み付けた。
485石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/25(月) 19:30:35.14 ID:nprgXk2S
 実際に、ゴブリンは狂っていた。彼等が今まで受けたことの無い攻撃に、群として狂っていた。
 その結果、本来ならばとっくに壊乱し逃げ散るはずのゴブリンたちは、どういうわけか敵陣に向けて突進し続けていた。
 そこに恐怖は無く、ただ目の前の人間に対する殺戮衝動だけがあった。


 陸戦隊員たちは、単射に切り替え射撃を行っている。また、一部の隊員は射手から空弾倉を受け取り、弾薬箱の小銃弾を必死に再装填していた。
 当然、火力は低下する。

「左前方30メートル、敵集団突っ込んでくる!」
 仲間の死骸を盾にして、いつの間にか接近していたゴブリンが約30匹、唸り声をあげて突撃を開始していた。
「第二分隊!来るぞッ!」
 稲富が叫んだ。しかし、左翼を守る第二分隊からの射撃は、散発的なものでしかなかった。
「有吉ッ!どうした撃てぇ!」
 堪らず叫んだ。間髪入れず、第二分隊長の有吉二曹の叫びが返ってくる。

「第二分隊次発装填中、射撃可能3名!」
 敵は地を這うように姿勢を低くし、陣地に迫っていた。このままでは、何匹かは陣地に突入するように思えた。
 このままでは──

「二番機関銃、打ち方始め!」

 陣地の左翼で号令が響いた。砲雷科古手の関一曹の声だ。気に入らなければ幹部にも平気で食って掛かる曲者だが、術科技量は抜群だった。

 底響きする射撃音とともに、陣地左翼から火線が敵に吸い込まれた。数発に一発の割合で混ぜられた曵光弾が弾道の正確さを示している。
 62式機関銃の弾幕の前に、ゴブリンの集団は全滅した。

「二番機関銃、いいぞッ!」

 稲富は機関銃班の判断を労った。第二分隊も、機関銃が稼いだ貴重な時間を有効に使ったようだった。

 機関銃ってのは、とんでもない威力だな。故障が多いのが難点だが、交互に運用すればいけそうだ。
 綱渡りの自転車操業ではあったが、何とかなりそうな手応えを感じていた。
 敵勢も無限では無いからだ。既に約五百のうち二百は倒した。弾幕の前に残余の敵も春の日に照らされた雪の様に、溶け消えつつあった。
486石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/25(月) 19:31:30.11 ID:nprgXk2S

「敵陣の両翼に、余程手練れの魔導師がいるようですな」

 傍らの騎士が呆れたような口調で語った。エレウテリオ騎士団は当初の呆然自失状態から脱している。
 しかし、眼前で繰り広げられる光景には、現実味を感じられる者は少なかった。
 蛮族の軍が籠る陣からは、猛烈な勢いで火線が放たれ、ゴブリンどもを切り刻んでいた。特に両翼が激しい。
 魔術師たちは、敵の魔導師(ここまでの攻撃魔法を操るのであれば導師級は間違いない)の魔力と技量に畏れを感じていた。

「あれを黙らせねば、厳しかろうの」
 魔導師バルトロが重々しく言った。
「その通りですな。──長弓兵指揮官!」
 エレウテリオ子爵は、早口で叫んだ。早く手を打たねばゴブリンが全滅する。
「これに」
 敵陣に矢の雨を降らせ続けている長弓兵の指揮官は、相変わらず冷静に答えた。
「弓手の手練れは、あの両翼を狙えるか?」
 馬上からエレウテリオが指差した。300メートル先に土壁と屋根に覆われた陣地が見えた。

「容易いことに御座る。──選抜弓兵、前へ!」

 長弓兵指揮官の声に、30名ほどが隊列を組んだ。弓を引くため兵同士の間隔はやや広い。
 何れの兵も二十代後半から三十代の、不敵な面構えの漢たちだった。左手に革製の籠手を嵌めている。
 十代前半から絶えず鍛練を重ねた彼等の肉体は、鋼のような筋肉で左右非対称に盛り上っていた。

 エレウテリオの命令が下された。
「敵陣の両翼に、手練れの魔導師あり!これを討ち取り選抜弓兵の誉とせよ!」

「構えッ!」

 指揮官の号令で、常人では一寸も引くことが出来ない強弓が、みしみしという音を立てて引き絞られた。
 もし、側にいる者が注意深く彼等を見たならば、その弓と矢が薄く黄金色の光を放っているのに気がつくだろう。

「選抜弓兵、放てェ!」

 激しい弓鳴りを残して、猛烈な勢いで矢が宙に放たれた。矢は狙いを違わず敵陣に吸い込まれていった。
487石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/25(月) 19:32:28.78 ID:nprgXk2S

「一番機関銃故障!」

 今日何度目かの報告が、機関銃班を預かる関一曹の耳に飛び込んできた。関は大きく舌打ちすると、矢継ぎ早に指示を出した。潮風に焼かれた野太い声が陣地に響く。

「二番、行けるな?」
「いつでも!」
「よぅし、二番、短連射、打ち方始めェ!」
 関の吠えるような命令に応え、二番機関銃が射撃を開始した。機関銃班に与えられた火器は62式7.62o機関銃が2丁。
 稲富の命を受け、関はこれを陣地両翼に配備し、交互射撃で運用していた。
「一番はどうしたァ!」
「排莢不良です。復旧まで五分!」
「またかい」
 伝令からの報告に、再度大きく舌打ちする。
 62式はすぐ愚図りやがる。威力は十分なんだがな。
 関は陣地前面を見た。彼の部下は一切の容赦なく7.62o弾を敵に叩き込んでいた。
 機関銃の隣では給弾手が 王への献上品を捧げ持つかのような態度で、給弾ベルトを保持している。

 三脚に支えられた62式機関銃の射撃は、実に効率よく敵を粉砕していた。
 関は部下の技量に満足した。この調子なら勝てる。あとは、機関銃が愚図らねぇように、上手く休ませ──。


 不意に関の全身に悪寒が走った。関は猛烈な殺気を向けられていると瞬時に理解した。
──どこから来る?

 答えはすぐに出た。降り注ぐ矢の中に、明らかな意思を持って機関銃座に飛来するものがあった。
 速い。

「全員、伏せろッ!」

 関は自分も伏せつつ、叫んだ。

 けたたましい音を立てて、矢が突き立った。数十本の矢が全てトタンを突き抜け、機関銃班の頭上に鋭い鏃が突き出した。

「……嘘だろ」

 咄嗟に伏せたお陰で負傷者はいなかったが、一度にこれだけの矢が屋根を突き抜けたことは、大きな衝撃であった。
 一瞬にして釣天井の罠部屋のようになった機関銃座で、関は呆然とした。
 威力が違いすぎる。一体どんな弓矢を使っていやがる。いや、それよりこのまま食らい続けたら──。

 彼の懸念はすぐに現実となった。

 既に次の矢が放たれていた。約30本ずつ六秒間隔で。それらは狙い違わず二番機関銃座に降り注ぎ、ほぼ全てがトタン板に突き立った。
 初撃二撃は耐えた。しかし、絶え間なく突き立てられる矢に、ミシンをかけられるかのように穴を空けられたトタン板は、数十秒後にその形を維持できなくなった。

 頭上のトタンが崩れ落ちる。

「畜生!だからライナープレートにしろとッ!」

 機関銃が沈黙したら、持たねえぞ。くそったれめ。あの小鬼どもに雪崩込まれちまう。
 
 
 目の前で射手が肩を射抜かれ倒れた。給弾手は顔中血塗れで呻いている。関は、射撃を続行しようとしたが次の瞬間、崩落する屋根に潰され意識を手放した。
488石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/25(月) 19:34:33.45 ID:nprgXk2S

 二番機関銃座に続き、一番機関銃座も矢の雨に潰された。非常識な威力だった。最悪の報告が入る。

「機関銃班、沈黙しました!」
「敵約100、突撃を開始した!」

 稲富は己の迂闊さを悔やんだ。最重要である機関銃座の掩体をなぜライナープレートにしなかったのか。突貫工事のため、そこまで気が回らなかったと言えばそれまでだが、結果は致命的だった。

「砲術長!火力が足りませんッ!付け込まれます」
 沢田曹長が64式小銃を撃ちながら叫んだ。
 敵は約100。機関銃が沈黙したことで、突撃の好機とみたのだろう。大柄な個体の指示で、突進を始めていた。残された火力ではこれを阻止できない。
 まさか、白兵に持ち込まれるとは。一体何人死んじまうんだ。
 稲富は焼けるような焦燥感を覚えた。喉が渇いて上手く言葉が出ない。目の前が赤く染まって見えた。稲富は苦労して命令を叫んだ。

「総員、白兵に備え!着け剣──!」

 小銃分隊員が、一瞬動作を止めた。稲富を見る。命令が持つ意味を上手く咀嚼出来ていないようだった。

「着け剣!急げッ!敵が来るぞ!」

 再度の命令に隊員たちは弾けるように動き出した。覚束ない手付きで銃剣を抜き、剣座に装着する。
 手が震えて上手く付けられない者もいた。

「まじか。銃剣で殺しあうなんて、聞いてねえよ」
「腹を狙え」
「銃剣格闘なんてやったことないぞ」

 それまで、戦闘参加を控えてきた機動隊員が拳銃を発砲し始めた。しかし僅か10丁余りの拳銃では突撃を止めるまでは至らない。
 
「来るぞッ!」
「奴等が土嚢を越えた所で下から突き上げろ」

 土嚢に伏せるどの顔も蒼白であった。ゴブリンの集団は近づくにつれ人との違いが明かになり、隊員たちを恐れさせた。
 血走った目に知性はなく、ただ殺意だけがあった。奇声を発し陣地に迫る。
 陸戦隊員の腰が引けた。ゴブリンたちは土嚢の手前で大きく跳躍した。

「!!」

 稲富も沢田も、第一分隊を預かる松井二曹も、第二分隊有吉二曹も、全ての陸戦隊員が意表を突かれた。

 刺突が間に合わない──。
489石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/25(月) 19:35:44.04 ID:nprgXk2S

「高圧放水銃、撃てぇ!」

 そのとき、志馬警部の気合に満ちた号令が大気を震わせた。

 同時に、陣内に躍り込もうとしたゴブリン数匹が弾け飛んだ。辺りに細かい水の飛沫が散る。
 敵前にタンクを背負った機動隊員が進み出ていた。彼等は火炎放射器の様な機材を構えている。
 使用されたのは高圧放水銃──機材名を『インパルス』という。元々は消防が初期消火用に導入したものを、その威力と非殺傷能力に目を着けた警察が暴徒鎮圧用として運用している。
 圧縮空気を用いて射出される霧状の水は近距離であれば車のフロントガラスを容易く破砕する。
 志馬は警察保有の物に加えて、舞鶴消防本部からも数台を借用し、五老ヶ岳陣地に投入していた。

「奥村、尾崎ネットガン撃て!」
「喰らえ化け物!」

 続けて、犯人確保用のネットガンがゴブリンの群れに放たれる。密集していたゴブリンたちは、たちまち装具や手足を取られ、もがく羽目になった。
 そこに、機動隊員の拳銃弾が撃ち込まれた。ゴブリンは悲鳴をあげてのたうちまわった。

「志馬警部、助かった!」
 稲富が言った。心の底からそう思っていた。
「我々はずっと良いとこなしでしたからね。さぁ、奴等を叩き出しましょう!」
 志馬が晴れやかな声で告げた。
 『インパルス』が放つ水塊がゴブリンを跳ね返す。土嚢に取りついたゴブリンには大楯の一撃が加えられ、ゴブリンは脛や顔面を砕かれ転げ落ちた。

 突撃の衝力は完全に失われた。


 崩れる敵を見て、稲富は逆襲を命じそうになった。いや、待て。相手の矢はまだ降り注いでいる。突撃は不味い。

「『みょうこう』陸戦隊!各個に撃て!逃げる敵は無視しろ!」

 稲富は射撃を選択した。戦意を残すゴブリンを狙う。この射撃でゴブリンロードが倒れ、立て続けに未知の攻撃を受けたゴブリンたちの士気は今度こそ崩壊した。


 五老ヶ岳応急陣地は、この日四度目の突撃を撃退し、第一次防衛線の維持に成功した。
490石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/25(月) 19:36:38.78 ID:nprgXk2S

 まさか、これ程までとは。
 逃げ惑うゴブリンどもの様子を眺めつつ、エレウテリオ子爵は思った。この敵は蛮族と侮ってよい相手ではない。
「あそこまで詰め寄って尚崩せぬとは……」
「敵の魔導師は一体どれだけの魔力を持つのだッ!」
 配下の騎士たちも事態の深刻さに憂慮を隠さない。
 思案顔のバルトロが、低い声で呟いた。
「敵勢には余程の遣い手がおるようですぞ。ゴブリンどもはスパイダーウェブに絡め取られ、そこを討たれたように見えまする」
 無尽蔵かと思える程の魔力。それも一人二人ではあるまい。下手をすると、敵の全てが魔導師か魔法戦士ということもあり得る。
 馬鹿な。古の王国でも有るまいに──。

 騎士団はバルデム男爵の手勢を始め多くの兵を喪い、長弓兵も暫くは使えない。騎士団長として次の手をどうするか、よい案は浮かばなかった。


 配下の騎士が突然大声をあげた。
「団長殿!敵勢が退いております!」
「真かッ!」
 エレウテリオは耳を疑った。敵陣に目を凝らす。

 確かに動きがあった。敵陣の後方に鉄車が現れ、敵兵が乗り込むのが見えた。
 大楯を構えた重装歩兵が隊列を組みつつ下がっていく。
 明らかに敵は陣を捨て、退き始めていた。

「何故、敵が退く?」
「判りませぬ」

 エレウテリオは追撃の命を下せぬまま、敵が退く様子を見つめ続けた。
491石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/25(月) 19:40:29.69 ID:nprgXk2S
以上です。

最大火力が62式機関銃という、貧乏臭い戦いが続いています。
派手な重装備の活躍を期待された方申し訳ありません。

五老ヶ岳を巡る戦いはひとまず終わりました。自衛隊が撤退した理由を含めて、次回以降はより混沌とした戦いになる予定です。

地図を片手に(もしくはブラウザに)読んでいただければ幸いです。

御意見御質問御感想をお待ちしております。
492創る名無しに見る名無し:2012/06/25(月) 20:11:32.99 ID:d/2Rn6U+
お疲れさまです。

うわ、インパルスとはまたえげつないものを。圧力調整できるかどうかは知らないけど、接近して当てれば骨が確実に逝く鬼装備。
493創る名無しに見る名無し:2012/06/25(月) 20:34:12.87 ID:tsAFqRQr
投下乙でした。

質問なのですが、機関銃班と機関銃は回収されていますか?
494創る名無しに見る名無し:2012/06/25(月) 21:36:40.34 ID:9d0ruJ97
投下乙
陣を引き払って移動する先あるのか気になるが
この間通信有ったようにも見えない
てっきり空爆やるのかと思ったが陣地引き払って広域爆撃は考えづらい

機関銃座が二つとも潰されたのが撤退の潮時と見たのだろうか

>>492
暴徒鎮圧用ゴム弾と比較してそんなに鬼畜とは思えないがw
標的にはなりたくないのは同意
495創る名無しに見る名無し:2012/06/26(火) 00:20:15.11 ID:DrtYppHg
乙です
しかし自衛隊の武器が62式と64式だけってのはもどかしいなあ
野戦だったら本来この程度の敵戦闘ヘリか空自のCASか重迫で近寄れすらしないのに
496創る名無しに見る名無し:2012/06/26(火) 01:22:05.01 ID:Q9joAAYb
ついさっきwikiの全作品読んだが面白かった
全作者に対して礼を言わせてもらいたい
面白い作品ありがとう
497創る名無しに見る名無し:2012/06/26(火) 01:35:04.85 ID:d7I4WESW
敵が撤退したことにより、勝つことには勝てたけど明らかな負け戦だからなぁ。
帝国も今後は超慎重になって進軍していくしかない。
そろそろ帝国軍側も撤退を考える時期じゃないかなぁ。

>>494
一応撤退先は舞鶴地方隊の基地じゃない?
位置的にはそこに撤退するかも。

重装備の活躍とか、先の展開が気になってやばい
498創る名無しに見る名無し:2012/06/26(火) 03:45:32.59 ID:yyajVec/
>>495
陸自のコブラならともかく空自にはCASを行う能力は無い筈ですが
499創る名無しに見る名無し:2012/06/26(火) 04:28:01.96 ID:suO9da8y
>>482
アルファポリスのサイトで月一連載してるよ。
先月は単行本化作業で休載だったがな。
500創る名無しに見る名無し:2012/06/26(火) 11:11:35.84 ID:VLwwwFVF
カメラを積んだ飛行機(自衛隊からマスコミまで)の描写が薄いな…みんな挙って撮影に繰り出しそうに見えるんだけど…。
501創る名無しに見る名無し:2012/06/26(火) 18:46:47.15 ID:k8XdN3C7
>>500
マスコミのヘリは最初のほうに打ち落とされてなかった?
それで慎重になってるんじゃない?
502創る名無しに見る名無し:2012/06/26(火) 19:01:19.35 ID:DNlnUQOJ
>>500
報道ヘリなら前スレの991で女性レポーター乗ってた奴が撃墜された
綾部市市庁舎屋上に人影有ったのを襲撃者と思わず避難民と誤認
高度下げて接近した挙句機体の横腹向ける体勢で攻撃受ける

前スレ992で事態の時系列まとめ

>>京都府綾部市
>>2012年6月4日 

>> この日の正午過ぎ、綾部警察署に複数の110番通報が入電。「人が殺されている」「化け物がいる」
>> 同じ頃、綾部市消防本部にも複数の火災及び救急通報が入電。
>> 12時23分、福知山市から庁舎に戻る途中の綾部市長が、消息を絶つ。副市長が関係職員を招集。
>> 12時27分、現場に急行した警察官2名が「暴徒に襲われている。刀剣類で武装している」と報告したのち、通信が途絶。綾部市警察署長は大規模騒乱の発生と判断し、現場及び市庁舎、綾部駅、市立病院に警察官を出動させるとともに、府警本部に報告。
>> 14時11分、綾部警察署が襲撃を受ける。署員は2階に退避。
>> 14時19分、市庁舎が襲撃を受ける。市職員及び避難してきた市民は3階に退避。
>> 15時22分、綾部市副市長藤掛氏との連絡が途絶。市内20か所以上で大規模火災発生。
>> 15時37分、国道27号線を北進してきた集団により、消防本部が襲撃を受け、消防は機能を停止。
>> 16時16分、市中心部に報道ヘリが墜落。

>> 謎の集団により市中心部は蹂躙され、綾部市、警察、消防はすべての機能を喪失。生き残った市民は、市外へ向けて自力での脱出を試みなければならなくなった。
503創る名無しに見る名無し:2012/06/26(火) 20:57:42.74 ID:3QstUBif
>>500
政府が航空管制してるだろうし、なにより報道ヘリを打ち落とされた状況で報道ヘリをだすほど
根性がある奴はマスゴミにいるわけないな。自分たちに身があぶないなら速攻で逃げる連中だか
ら。
普段は仲が悪い警察と自衛隊が共同戦線してるように対立してる勢力が力を合せるのは
テンプレだがやはり燃えるな。
504創る名無しに見る名無し:2012/06/26(火) 21:19:27.81 ID:MyWC54ic
>>498
重視してないだけで能力自体はあるよ
何のためにJDAMやMk82を正式採用してるのかと。もうすぐLJDAMも導入されるし
そもそもやろうと思えば機銃ですら支援なんて行えるんだから能力が"無い"ってのはありえないと思うが
505創る名無しに見る名無し:2012/06/26(火) 21:41:57.15 ID:VLwwwFVF
そんくらいで引き下がるかなぁ…。>マスゴミ
フリーの連中を捨て駒にするくらいのことはしそうなもんだが…ま、この場合は空を飛ぶわけには行かないか。

あと、自衛隊もひっきりなしにカメラ抱えてやってきそうなもんだけど…。
506創る名無しに見る名無し:2012/06/26(火) 22:26:46.56 ID:yVngsjyv
マスコミが邪魔して、ひどい目にあうのを見たい『願望』だろそれは
507創る名無しに見る名無し:2012/06/26(火) 22:34:51.73 ID:DaheD3Ov
あまりそういう思想を盛り込まれるとちょっとね…
508創る名無しに見る名無し:2012/06/26(火) 23:17:02.48 ID:+pdVOKQU
震災の時もマスコミのヘリがやらかしたし
周りの状況考えず迷惑掛けるのは事実じゃね
509創る名無しに見る名無し:2012/06/26(火) 23:23:16.80 ID:yyajVec/
>>504
能力があるのとそれが可能である、実行するというのは別じゃないですか? 確かにJDAMなど誘導爆弾は有していますが、CAS訓練はおろかFACも無かった筈。
 空自は伝統的に対艦攻撃重視であるのは周知の事実ですし、2000年代になるまで軽視されてきた対地攻撃も、やったとしても着上陸した敵部隊への航空阻止では?
そもそも自衛隊が想定しているのは本土戦か島嶼奪還戦です。
特科とAHの支援があるのに、わざわざCASをする理由を教えてください。
対ファンタジーではないですが、予想されている戦況は航空戦で大なり小なり作戦機が消耗しているでしょう。
その状況で果たしてCASが可能でしょうか?
もし特科やAHの支援が受けられない戦場(99%有り得ませんが、海を渡った敵本土とか)だとしたら制空権を確保できない可能性が大ですので、爆装した戦闘機なんぞ突っ込めないのでは?
510創る名無しに見る名無し:2012/06/27(水) 00:32:56.91 ID:uf8mjtdh
>>510
露骨すぎ
2ちゃんにいると、そういう考えに上方修正300%増しになる
511創る名無しに見る名無し:2012/06/27(水) 00:43:20.41 ID:WRWO+RZf
>>509
ウザイスニカエレ
512創る名無しに見る名無し:2012/06/27(水) 00:44:12.49 ID:eXQ7vj4C
FACがないことはCASができないことを意味しないだろ
むしろFACなんてのは非対称戦でしか活躍できない
今はUAVがあるから事情が違うかも知れんが…
攻撃統制は砲撃の指示と同じく地上の部隊からできる
CASできない空軍なんで存在しないよ
国ごとの違いはどの作戦に何%戦力を割り振るかという味付けが異なるだけだ
513創る名無しに見る名無し:2012/06/27(水) 01:19:14.44 ID:1guNNRnY
天候が悪くて偵察機も雲の下を飛行するのをやめた状況を忘れているな
シーリング(雲底高度)200フィートがどんだけ危険か>山腹激突の可能性>>62

空挺団や第一ヘリ団は南スーダンで施設部隊撤退で出払っているし
陸自の即応任務部隊は南スーダンからPKO部隊救出のためジブチに展開中
気休め程度だが23空のSH-60Jが兵員移動に使えるかどうからしい
重火器はともかく戦闘車両空輸は期待できない模様
514創る名無しに見る名無し:2012/06/27(水) 01:19:38.17 ID:v7e0xQVS
>>512
>攻撃統制は砲撃の指示と同じく地上の部隊からできる
んなこと百も承知だよ。べつに「空中からでないと無理だよ」なんか言ってないし。
むしろ地上からの方がイージー。
言いたいのは「特科で十分なのに高価な航空戦力でわざわざCASするのは勿体なくね?」ってことで。
>CASできない空軍なんで存在しないよ
航空自衛隊は「空軍」ではないので……
ってのはまあ冗談で、空自が防空・対艦偏重ってのは本当で、その手の訓練・演習が国内の全部隊で不十分ではあるわけだし。
>国ごとの違いはどの作戦に何%戦力を割り振るかという味付けが異なるだけだ
>>509で空自が対艦攻撃や防空に重きを置いているってのは書いてるからそれは同意するけど。
 
つーかこの流れは石動氏のSSに対して「CAS出来れば寄り付けないのに」ってレスがついて、>>498のレスで空自にCASは荷が重いつったわけでしょ。
んで俺が「空自と陸自で訓練出来てないだろうし、無理なんじゃね。支援欲しいなら特科いるし」って言っただけだしなあ。
なんでそういきり立つのかよう解らん。
CASってのは地上部隊と航空部隊での緊密な連携が必要なわけじゃん? 誤射の可能性があるから普段からそういう訓練してなきゃ難しいもんだと理解してたけど。
あと>>498で書いた着上陸侵攻対処だとか離島奪還だとかは普通に防衛白書にも書いてることだし。
まあ“皆無”ってのは言い過ぎだったと俺も思うけど。
515創る名無しに見る名無し:2012/06/27(水) 01:41:08.17 ID:eXQ7vj4C
だからなんで陸自と空自が連携してないと思うんだよ
ソ連や中国と戦争する場合は敵の空海軍への対処で精一杯だからやらないだけだ
戦力が余ったらするに決まってるだろ
砲撃と航空攻撃の特性は違うだろう?
戦争で火力が余るなんてことはありえない
ある分だけ全部叩きつけることになるんだから
516創る名無しに見る名無し:2012/06/27(水) 01:52:20.72 ID:1guNNRnY
取り終えず議論する時は投下された文章読んで判る範囲押さえてからしようよ
現地の警察と自衛隊の配備は>>73に有るから

現場以外の自衛隊兵力は新たに作者が情報提供するまで待ってみてはどうかと
517創る名無しに見る名無し:2012/06/27(水) 02:11:15.57 ID:h+nmVv9V
>誤射の可能性があるから普段からそういう訓練してなきゃ難しいもんだと理解してたけど。
結構昔の話のようだが、空自は対地攻撃用の十分な装備積んでない状態のF-15やF-4で
爆弾投下して目標にちゃんと当てるということをやった事があるらしい

真偽はともかく、陸自や海自でも同様の異様な命中精度をろくな訓練用弾薬も射撃機会もないのに叩き出してる
自衛隊のことだから、空自もさもありなんというか…
518創る名無しに見る名無し:2012/06/27(水) 02:15:08.69 ID:v7e0xQVS
>>515
>だからなんで陸自と空自が連携してないと思うんだよ
思ってないが。統合運用が進んでいるし、冷戦時代から空自の陸上支援ってのはあった。
ただ現状ではCASを自由自在に行えるほど三自の相互理解が進んでいるわけではないし、使える射爆場が少ない以上、限られてくる。
例えば、弾薬や演習場の問題から連携しての訓練が出来なかった場合、中央の部隊ならともかく、一般部隊の陸上の現場指揮官がいきなり「CASくれ」つっても無理だろ。
会社だって普段からしていない業務をするときにはあらかじめ話を通しておくのが筋だし。
個人的には将来的にCASが一般化して欲しいけど。
>砲撃と航空攻撃の特性
高価な戦闘機を撃墜率の高い任務に投入する事で防空力が低下する可能性があるし実際に作戦機が少なく防空任務で手一杯な空自はCASに熱心じゃない。
強力な航空部隊が敵に無くとも、常時すべての航空機を作戦に投入できる訳じゃないし。
あと天候に左右される点。
重要なのが、瞬発的な火力は恐ろしいものがあるけれども、常時上空待機させるわけにもいかないから、継続的な火力投射が難しいところ。
火砲は装甲目標にはあまり強くないが、結構継続して射撃できるし、なにより現場が使い慣れてる。
勿論場合によりけりだけれど。
519創る名無しに見る名無し:2012/06/27(水) 02:22:12.20 ID:h+nmVv9V
>重要なのが、瞬発的な火力は恐ろしいものがあるけれども、常時上空待機させるわけにもいかないから、継続的な火力投射が難しいところ。
まあCASはともかく既に有事体勢に入ってて事前に準備が出来てれば
航空支援要請によって空自基地から爆装したFI・FS(区別無くすらしいが)のデリバリーは可能らしいけどね
もちろんお呼びがかかればすぐ行く事が出来るように待機してるから出来る事であって
準備なし事前打ち合わせ無しでいきなり爆撃に来てくれ!って要請しても来ないのは当たり前だが
520創る名無しに見る名無し:2012/06/27(水) 02:52:42.88 ID:v7e0xQVS
>>519
昔は「爆撃なんてとんでもない!」とか言われたりしてましたしね。
テポドンの時も空自の爆撃能力や先制攻撃の是非で随分と揉めたし。
進歩したなぁ……と。
521創る名無しに見る名無し:2012/06/27(水) 03:32:33.93 ID:dCfYah6m
昔読んだジパングって海上自衛隊イージス艦みらいが、ガタルカナルで米軍の小麦粉の山に不発ミサイル撃ち込んだけど、同じように出来ないかな?
不発でなく実弾で敵が公園とかに陣地を展開している時に。
522創る名無しに見る名無し:2012/06/27(水) 09:30:17.20 ID:47qjEZxz
>>521
目標が視認できればSH-60KやAHの対戦車ミサイルでできるでしょ
523創る名無しに見る名無し:2012/06/27(水) 10:16:20.04 ID:h+nmVv9V
>>521
あれは地上班がSSMを誘導するための装備もってたから出来た事でしょ
しかも、あれって現実には(米軍に)試作されたけど配備はされなかった物だし
漫画ではあの場面のためにあえて登場させてるだけ
524石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/27(水) 11:12:20.84 ID:HsGLfJdW
偵察任務をはじめとした航空武体ですが、天候不良と敵の対空攻撃への懸念から、ここまで非常に低調です。
報道については、空域が閉鎖されています。抜け駆け特ダネは、もしかしたらどこかが狙っているかもしれません。

航空兵力の投入については、検討されています。
海自は頭を抱えています。
525石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/06/27(水) 11:14:20.90 ID:HsGLfJdW
>>493
機関銃班は損害を出しましたが、機関銃とともに、回収されています。
ただし、機関銃は分解整備が必要です。
526創る名無しに見る名無し:2012/06/27(水) 23:29:03.63 ID:vMLl4U51
一部の護衛艦等にはM2重機関銃が装備されていますが、それを自衛隊の車両なり隊員の私有車に取り付けてテクニカルとして運用出来ないでしょうか?
527創る名無しに見る名無し:2012/06/27(水) 23:51:08.70 ID:ETHJ6oEc
手持ちで重機関銃撃つのは映画の化け物級英雄の独壇場だなw

自衛隊の備品を勝手に改造するのは許されないと思う>車搭載
搭載可能な車両なら既に取り付け済みだろうし
隊員の私有車だと後で問題にされる

「緊急時だから〜」で許されるのは責任持つ将官の許可受けてからかと
528創る名無しに見る名無し:2012/06/28(木) 00:09:30.96 ID:fOf5TQEe
現場部隊が勝手に車両とかを改造して使ったりはするらしい
ただ、エロイ人に見つかるとこっぴどく怒られるとか
まあ、いざ実戦ってなった時に「官品だから改造すんな」って言えるかどうかは解らんが
529創る名無しに見る名無し:2012/06/28(木) 00:19:31.48 ID:Fp+8CRfP
まあ改造許可が出たところで重機関銃の反動に耐えられるようにはしっかりした支柱に固定しないといけないから
どんな車両にでも&すぐにってわけには行かないだろうけどな
530創る名無しに見る名無し:2012/06/28(木) 00:23:07.37 ID:jDCTq9xv
ゲート 自衛隊彼の地にて斯く戦えりって、ここ出身?
531創る名無しに見る名無し:2012/06/28(木) 00:29:20.80 ID:fOf5TQEe
>>529
参考にはならないかもしれんが、96式装甲車だかLAVは擲弾銃と機関銃載せかえるとターレットごと交換する必要があるから丸一日かかるとか
>>530
いんや。理想郷出身
532創る名無しに見る名無し:2012/06/28(木) 07:49:35.27 ID:pW2uok9C BE:2370274676-PLT(15556)
あの作者は確実に軍板時代のF自スレ読んでたと思う
533創る名無しに見る名無し:2012/06/28(木) 08:39:55.88 ID:7xUPOzkF
そこらへんは豊田戦争あたりが参考になるかもしれない
534創る名無しに見る名無し:2012/06/28(木) 09:14:35.54 ID:QcgpN0Ds
1だおーって人どうなったんだろう
535創る名無しに見る名無し:2012/06/28(木) 10:24:48.15 ID:7xUPOzkF
『なろう』で書いてる
536創る名無しに見る名無し:2012/06/28(木) 14:54:07.83 ID:56AVkXmg
>>532
というか、何スレ目かの1だったと聞いた記憶がありおりはべりいまそかり
537創る名無しに見る名無し:2012/06/28(木) 19:37:28.94 ID:Fp+8CRfP
>>532
ゲート形式そのものもF自スレで何年も前に出たものだったしな
当時は戦国自衛隊形式で少ない物資をやりくりするのが支持されてたからあまり流行らなかったが
538創る名無しに見る名無し:2012/06/28(木) 20:44:22.16 ID:2QXBpt9V
いつの間にか自衛隊がファンタジー世界にじゃなくて日本がファンタジー世界にか日本にファンタジー世界へのゲートがに変わったよね
539創る名無しに見る名無し:2012/06/28(木) 20:52:40.34 ID:jVgIamK5
>>538
自衛隊が…だとやっぱハッピーエンドが限定されるしな
燃料が切れるだけで現地人とあまり変わらないし。
540創る名無しに見る名無し:2012/06/28(木) 21:08:55.50 ID:ncaAmoIB
燃料切れたら、あとは「A君(17)の戦争」か「まおゆう」のような展開にするしかないのかも
541創る名無しに見る名無し:2012/06/28(木) 21:24:08.78 ID:jVgIamK5
>>540
どっちにしろ、戦国自衛隊みたいにただ過去にさかのぼるだけならともかく
魔法あり、怪物あり、亜人ありのファンタジー世界を長期間生きるのは
「自衛隊」という規模では厳しい。

しかし自衛隊を出すと現実性が問題になり、
現実性を出すのならば戦争やら紛争やらはそうそう早く終わらないものとなる。
よって燃料切れからのバッドエンドになる可能性は高くなる。
542創る名無しに見る名無し:2012/06/28(木) 21:29:40.42 ID:QcgpN0Ds
北海道丸ごと飛ばせばいいとかそんな話題もあった記憶
543創る名無しに見る名無し:2012/06/28(木) 21:32:05.56 ID:jVgIamK5
>>542
北海道丸ごととか、九州丸ごととかがありなら
別に日本丸ごとがダメな理由がないからなぁ…
544創る名無しに見る名無し:2012/06/28(木) 21:54:53.04 ID:gxvxj+jQ
むしろ地球まるごと…ギミックが思いつかん
545創る名無しに見る名無し:2012/06/28(木) 22:10:17.07 ID:7xUPOzkF
北海道は現在ゴートルム王国と交戦中だしな
546創る名無しに見る名無し:2012/06/28(木) 22:18:28.33 ID:zcDLSSUn
>>542
北海道は理想郷のSSですでにやってるからな
547創る名無しに見る名無し:2012/06/28(木) 22:23:36.42 ID:UVp1HNK2
>>544
地球丸ごと転位だと自衛隊に関係の無い話になるな
つーか、そいういう設定でのSFっぽいファンタジーを書こうと
プロット組んでる最中だったんだよぉおおおお!
548創る名無しに見る名無し:2012/06/28(木) 22:31:20.64 ID:ncaAmoIB
>>546
そんなSSあるのか
エピローグはどうでしょう班がF世界をカブで縦断するとかw
549創る名無しに見る名無し:2012/06/28(木) 22:44:30.01 ID:hNBdUz7O
本田宗一郎がF世界にry
550創る名無しに見る名無し:2012/06/28(木) 23:30:37.10 ID:jVgIamK5
転移後20〜50年くらいたって周辺地域が安全になったら間違いなく観光ブームがくるな
551創る名無しに見る名無し:2012/06/29(金) 00:06:05.67 ID:xQTgvbDr
>>547
おいおい



期待しちゃうよ?
552創る名無しに見る名無し:2012/06/29(金) 00:07:21.33 ID:J4fDaYpJ
あれか、ドラゴン見るためにわざわざ遠回りしたりF世界の海老食って顔腫らしたりウイリーしたりするわけか。
553創る名無しに見る名無し:2012/06/29(金) 00:35:03.96 ID:Ktb0Kuf2
>>547
お前は俺か、大日本帝国とか、そういう過去の世界と現在の日本とかアメリカとかが組んでファンタジーに立ち向かう
という一発ネタを考えていたのに!
554創る名無しに見る名無し:2012/06/29(金) 01:44:22.86 ID:VXIaSSkA
このスレだと思うが三つのラインが一つに重なる話が有ったな
まだ前哨の段階だと記憶しているが
三つの世界の日本よりそれぞれの世界のアメリカが主役になりそうだとの意見が有った
555創る名無しに見る名無し:2012/06/29(金) 08:24:16.20 ID:et9Gfw9I
連載中の『試される大地』は面白い着想だったよな。
北海道と北方領土が転移するから食料自給は問題ないし、駐留ロシア軍が北部方面隊と合流して、北海道連邦軍となるとか
元KGBが連邦の情報機関になるとか
556創る名無しに見る名無し:2012/06/29(金) 11:03:19.11 ID:xCAikxM8
>>555
文章力は低いが確かに着想はそれなりにいいとは思う(先達は既に居るが)
ただ食料自給率はまだしも各種工業関連や資源・海上関連・気象とか穴だらけなんだよな
そこいらはまあそんなもんだろと思って読めば良いんだろうが
出てくるキャラがアホすぎてどうしようもない
正直読み進める事を躊躇する位に頭が悪い
登場人物は作者以上に頭はよくならないというものの典型に思えた

最初に言うがこれは俺の個人的感想だからな
557創る名無しに見る名無し:2012/06/29(金) 11:09:27.26 ID:cTmTtif6
>>556
ある程度容認しないと、ただでさえニッチなジャンルなのに、完全に衰退しちまうぞ。
558創る名無しに見る名無し:2012/06/29(金) 11:20:59.86 ID:2Gr7UJd1
空腹だとどんなまずいものでも食えるって偉い人が言ってた
559創る名無しに見る名無し:2012/06/29(金) 11:48:02.50 ID:Bw28iSCt
でも時々おいしい料理が出てくるから下が肥えちゃう
560創る名無しに見る名無し:2012/06/29(金) 11:51:44.62 ID:Qfa4d4l2
妥協するうちに不味いモノばかりになって消えゆく定め
561創る名無しに見る名無し:2012/06/29(金) 12:26:02.25 ID:VXIaSSkA
>>556
最後の一文を冒頭に置かなかったのは何故なんだ?
562創る名無しに見る名無し:2012/06/29(金) 12:59:15.10 ID:et9Gfw9I
そもそもうちの国はいつだって何かが足りない
563創る名無しに見る名無し:2012/06/29(金) 20:06:55.69 ID:0lJn/5FQ
>>556
未来だからで大体済むんじゃね

初音ミクが3次元で量産化してる世界だぞ
564創る名無しに見る名無し:2012/06/29(金) 20:16:55.76 ID:IwUzSJxg
さすが未来スゲー
普通科がパワードスーツで12.7mmを立射しててもおかしくないな
565創る名無しに見る名無し:2012/06/29(金) 20:48:47.40 ID:l5fQk2Tm
そんな未来でもM2が現役だったりするのだろうか
566創る名無しに見る名無し:2012/06/29(金) 20:51:04.19 ID:Qfa4d4l2
そこまでいくと液体火薬とかになってるレベル

まあ何にせよ完全にこのスレで話題にしていい代物じゃないけど
567創る名無しに見る名無し:2012/06/29(金) 21:36:15.62 ID:J4fDaYpJ
>>565

「重機関銃」というジャンルが廃れないかぎりしぶとく残り続けるんじゃないか?少なくとも改修で対応できる範囲で動作機構は続くだろう。
568創る名無しに見る名無し:2012/06/29(金) 21:59:05.32 ID:NvDXFtoQ
パワードスーツ着て12.7ミリ重機関銃が標準装備のパワードスーツ歩兵と
生身で従来の5.56ミリ自動小銃を持った現代の歩兵が戦ったら、パワードスーツ歩兵が勝つのだろうか?
パワードスーツは5.56ミリ弾でも破壊可能と仮定。
武器の差でパワードスーツ歩兵が圧倒出来るのか、それとも互角か?
569創る名無しに見る名無し:2012/06/29(金) 22:22:13.98 ID:sCAeAnS6
>>568
5.56ミリで壊せる装甲のパワードスーツってあんまり価値ないんじゃない?
存在理由がない気がする
コスト掛けて普通の歩兵も圧倒できないような兵器だとすぐ廃れちゃいそう
570創る名無しに見る名無し:2012/06/29(金) 23:03:37.61 ID:A5hch+VM
ゴーレムにセラミックプレートかぶせればいいんじゃね?
むしろセラミックプレートでゴーレムつくればいいんじゃね?

と、強引にスレのテーマに話題を戻してみる

571創る名無しに見る名無し:2012/06/29(金) 23:55:37.20 ID:cDVFeMpn
マルエージング鋼とCNTで積層のゴーレム作ったら戦車砲で対応できるか?
572創る名無しに見る名無し:2012/06/30(土) 00:31:41.01 ID:n1i06K9K
>>552
藤村D「ドラゴンに乗れるらしよ、大泉君」
大泉「それ、魅力」
573創る名無しに見る名無し:2012/06/30(土) 01:39:19.91 ID:hZSzz45D
魔法と金属の相性とかの設定次第だな>ゴーレムの素材
574創る名無しに見る名無し:2012/06/30(土) 12:14:27.35 ID:7PgEZYKz
>>569
実在の軍用パワードスーツは荷物運び用
575創る名無しに見る名無し:2012/06/30(土) 13:18:39.78 ID:+/ezr3+b
HMGもって走り回るPSと歩兵の戦闘能力比較する話にいきなりそんな当たり前のこといわれても寒いだけ
576創る名無しに見る名無し:2012/06/30(土) 13:27:59.24 ID:7cgx50/a
PS着て重火器持ててもその高コストで何の相手するの?
歩兵相手じゃ過剰な火力だし戦車相手じゃ防御力不足
結局工兵やレスキューで使うのが無難そう

火力の過剰な現代じゃ使い道難しそうだ
577創る名無しに見る名無し:2012/06/30(土) 13:39:19.53 ID:Fznc+k4C
高コストが歩兵の命の価値に見合えば十分
中国みたいな命の安い国だと不要だろうが
578創る名無しに見る名無し:2012/06/30(土) 13:44:50.48 ID:oujV2vyM
逆に言えば、コストに見合うだけの性能があれば使われるって事だ

ところで、コストに見合う性能ってどんな性能だ? ファンタジー的に考えてドラゴン相手に出来ればコストパフォーマンスにあうのか?
579創る名無しに見る名無し:2012/06/30(土) 14:04:18.48 ID:gwF5HIt4
>>576
重機関銃の運用を軽機関銃並に手軽に出来るってだけでも相当なもんだよ?
銃を分解して二人で手分けして、さらに弾薬を運ぶ人も計三人…ってのを一人に減らせるならすごい事だ
重機関銃でなくてもオートグレネードランチャーとか
対戦車ミサイルや無反動砲+予備弾薬を軽々運べるだろうから
戦闘職種にこそいくらでも使い道はある


これで歩行速度も解決できれば、歩兵に小銃弾防御の分厚いボディアーマーを腹にも背中にも装備させて
SFの世界のPS歩兵が実現できるがそれはまだSFの世界の話だな
580創る名無しに見る名無し:2012/06/30(土) 14:55:42.41 ID:LJGC2Bs2
地獄の市街戦用とか?
581創る名無しに見る名無し:2012/06/30(土) 15:06:18.45 ID:+/ezr3+b
思いしかさばるから野戦しろ
582創る名無しに見る名無し:2012/06/30(土) 15:17:09.92 ID:XrYNcYj/
森林戦や山岳戦、屋内戦なら役に立つと思う。
583創る名無しに見る名無し:2012/06/30(土) 16:27:40.35 ID:7cgx50/a
防御力の都合でコストに見合わない気がするけどな
いくら運搬能力や火力高くても通常歩兵の携行火器で潰せる程度ならメインの歩兵としては微妙だし
かといって装甲厚くして作るとコストみあわなすぎるだろうし、行動可能時間も減るだろうし使いどころそう広くはなさそう

仮にバッテリーだとすると充電できる施設や車両ないと運用できないし、コストと兵站考えると
拠点防衛や少数が立てこもる場所への奇襲用とかがメインで歩兵としては使いづらい気がするなぁ
消耗激しい前線より荷物運びや工兵で使ったほうが有用そう

現代からそれなりに先の時代のSF的蓄電技術や動力源持ってくるならまた話変わるだろうけども
584創る名無しに見る名無し:2012/06/30(土) 17:11:48.36 ID:fuATaCS+
>>579
歩兵相手なら重機関銃を軽機関銃にして余ったパワーリソースで全身にライフル用の防弾プレートつけたほうがよくね?
585創る名無しに見る名無し:2012/06/30(土) 17:21:42.06 ID:gwF5HIt4
コスト面いうけどさ
歩兵単体に使うのは重機関銃はそりゃオーバーキルだけど
機関銃そのものが歩兵単体じゃなく歩兵集団を掃射するものだし
戦車に効かなくてもソフトスキン目標とか家屋に立て篭もった敵とか「中間」の使い道あるよ?
どうもレス読んでると歩兵か戦車かしかないような意見が目立つ気がする…
586創る名無しに見る名無し:2012/06/30(土) 17:46:58.12 ID:XJTAEyf7
運用コスト>整備や整備士・補修部品の確保エネルギー源それらの運送考えたら少数の運用になりそうだ
機敏に動けそうもないし戦術・戦略機動性も悪い遮蔽効果も歩兵より劣る転べば破損や誤作動の可能性すら出てくる
普通の指揮官ならこんなの運用したくないよな
587創る名無しに見る名無し:2012/06/30(土) 17:55:32.60 ID:oujV2vyM
つまり、最低でも小銃弾は確実に防御し
少なくとも並みの歩兵よりは機動力があって、整備性も高く
整備士もそれなりの数養成出来て、誤作動も少なく、数十時間以上にわたって運用でき
奇襲効果狙ってそれなりに駆動音が少ない。

であれば、使い道があるわけだ…………もう、普通の歩兵か爆撃機か無人兵器でよくね?
ファンタジー的に考えて、一騎当千の勇者兵装とかになったりすんのかな?
588創る名無しに見る名無し:2012/06/30(土) 17:56:00.00 ID:xixU1RCk
現代戦でも戦う気かおまえら


基準はファンタジーだからな
589創る名無しに見る名無し:2012/06/30(土) 18:41:51.28 ID:XJTAEyf7
>>588
インフラをほぼ一から整備せにゃならん所で運用するなら
稼働時間と整備性信頼性、運用性は必須だろ
大和なんかの轍を踏む事になりかねないぞ
590創る名無しに見る名無し:2012/06/30(土) 18:49:17.67 ID:gwF5HIt4
>>589
戦う相手の技術水準が、ということだと思う
591創る名無しに見る名無し:2012/06/30(土) 20:52:02.75 ID:oujV2vyM
おいおい、相手はファンタジーだぞ?
魔法のマスケットに魔法のテルシオ、魔法のランスチャージをしてきたらどうするんだい?

……うん、われながら無理があるのは分かっているんだ
592創る名無しに見る名無し:2012/06/30(土) 21:16:26.03 ID:7PgEZYKz
>>586
考え方が間違ってる
今実用化されつつあるのはPS兵じゃなくて歩兵の補助装備。
歩兵以上の仕事を要求するのがそもそもおかしい。
593創る名無しに見る名無し:2012/06/30(土) 21:26:32.55 ID:XJTAEyf7
>>592
……そのレベルのPSを実戦運用する利点がないでしょ
金食い虫を編成して兵站に負担掛けて歩兵以下の能力でどうしろと
歩兵戦闘車なんかで十分でしょうにwww
594創る名無しに見る名無し:2012/06/30(土) 21:33:00.70 ID:7PgEZYKz
>>593
IFVで屋内やジャングルに突入か
脚でも生やすの?
595創る名無しに見る名無し:2012/06/30(土) 22:11:09.90 ID:oujV2vyM
つまり、多脚戦車が最高という事か……

だが、多脚戦車は整備性と中の人が衝撃でシャッフルされそうだな
やはり、無人多脚戦車が最高かもしれん
596創る名無しに見る名無し:2012/06/30(土) 22:23:07.64 ID:XJTAEyf7
>>594
室内なら軽装の歩兵以上の適応兵科はないし
第一ジャングルなんかの高温多湿地帯で稼動部分が多く接地圧の高いPSがまともに行動できるとでも?
行軍時も装着しなきゃないジャングルでスタックしたら破棄しなきゃならない可能性が高すぎるし
ジャングルで兵站線に負担を掛けるとか自殺行為だ
重装備の軍隊がベトナムでどうなったか言わずともわかるよね?

PS自体の論拠もおかしい
>考え方が間違ってる
>今実用化されつつあるのはPS兵じゃなくて歩兵の補助装備。
>歩兵以上の仕事を要求するのがそもそもおかしい。
前線での使用それも極限戦闘や市街地戦を前提とした反論をしている

俺が言いたい事わかってる?
簡単に言うと既存の適応兵科があるのに態々「現実のPS」を投入する意味はない
兵站を考えろという単純明快なものだぜ?
597創る名無しに見る名無し:2012/06/30(土) 22:28:27.55 ID:p734hh22
現代では歩兵一人当たりの荷物がものすごいことになってるから、
米軍では特殊な運搬車両の開発とかしてるけど、
完全に歩兵に随伴できるようなのは難しいそうだ。山とか。

防御力皆無のPSでも欲しがるだろうね。あと多脚運搬車。
598創る名無しに見る名無し:2012/06/30(土) 22:35:10.65 ID:7PgEZYKz
>>596
ひょっとして現実のパワードスーツがどんなものだか知らないで言ってないか?
兵站や接地圧気にしだしたりどうも回答が頓珍漢に見える。
599創る名無しに見る名無し:2012/06/30(土) 22:41:06.06 ID:iNpX1vLF
いっそ蜘蛛型戦車でも作るか?
のび太の創世日記にあった昆虫人の国にありそうだ
600創る名無しに見る名無し:2012/06/30(土) 23:48:17.21 ID:xixU1RCk
おまえら無駄な議論長いなあ
>>598
ロッキードのアレで良いんだよな?
悪い概要しか知らずに語ってた
画像等を調べたら想像してたのと違いただのパワーアシストだった
602創る名無しに見る名無し:2012/07/01(日) 00:00:25.57 ID:b3rZF+04
他スレのHN入れてしまったごめん
603創る名無しに見る名無し:2012/07/01(日) 00:13:55.55 ID:HJWqCGsl
メ欄に書こうとして名前欄に入れたと見た
604創る名無しに見る名無し:2012/07/01(日) 00:29:23.21 ID:Pe6lQMrH
バカしかいない落ち目のスレなんだから大目に見ろ
605創る名無しに見る名無し:2012/07/01(日) 02:13:55.58 ID:HJWqCGsl
>>604
バーカバーカ
606創る名無しに見る名無し:2012/07/01(日) 05:13:01.37 ID:/otTBqN0
パワードスーツなら、
小林源文の平成維新戦う自衛隊の上海進攻作戦をどうぞ。
607創る名無しに見る名無し:2012/07/01(日) 06:58:05.06 ID:Vkmo2yuZ
>>597
多脚運搬車ってもしかしてあれか!
うわああああああああきもいよおおおお
608創る名無しに見る名無し:2012/07/01(日) 07:44:08.47 ID:lnlR1btj
>>607
ビックドックだっけ?アメリカの凄い生々しい動きの…
あれをファンタジー側の人間が見たら魔物としか思えないだろうなw
609創る名無しに見る名無し:2012/07/01(日) 09:17:39.52 ID:jDzOEiif
メルカバってああいうの目撃して生まれた伝説だったり
610創る名無しに見る名無し:2012/07/01(日) 12:12:31.63 ID:HJWqCGsl
タイムスリップしたブラックホークだったりな>メルカバ
4枚羽だし
611創る名無しに見る名無し:2012/07/01(日) 13:32:52.11 ID:N7lOJ++Q
>>608
見てきた
ぜひとも量産して異世界人を恐怖のズンドコに落としてもらいたい
612創る名無しに見る名無し:2012/07/02(月) 12:30:50.63 ID:q7P0vjTC
いや、攻撃手段がないから量産してもと思ったが
最近、機関銃搭載型が出てきたというニュースを見た覚えがする

そうか、あれが科学版ゴーレムだったのか
613創る名無しに見る名無し:2012/07/02(月) 14:41:40.70 ID:pszf1kfl
ぎっちょんぎっちょんぎっちょんぎっちょん
614創る名無しに見る名無し:2012/07/02(月) 16:04:13.37 ID:W+UNLrFI
非武装でも並べて一斉にF世界軍に突撃させたら「成功したパンジャンドラム」くらいの脅威は与えそうだな



…首も尾も無い怪生物が群を成して走って来るんだぞ
615創る名無しに見る名無し:2012/07/02(月) 18:39:36.47 ID:bGsss7T8
ふつうに車の方が怖そうだな
特に無限軌道
616創る名無しに見る名無し:2012/07/02(月) 18:43:39.71 ID:qUZyV+nv
金属製の象より大きい得体のしれない物体が突っ込んでくるんだからな
そりゃあ怖い
617創る名無しに見る名無し:2012/07/02(月) 18:56:46.97 ID:wCWu2t74
アレ? 結局ブルドーザー最強じゃね?
618創る名無しに見る名無し:2012/07/02(月) 18:58:47.80 ID:NzMQMEBG
アルファポリスに掲載されてるゲートのWebマンガ最新話エロいんですけど

作画も妙に力入ってるし
619創る名無しに見る名無し:2012/07/02(月) 19:04:22.67 ID:1hdqQVWg
中世武装の兵士には雌型でも無双出来そうw
620創る名無しに見る名無し:2012/07/02(月) 19:58:55.43 ID:NFcQip7J
>>617
装甲化してなければ弓兵の標的
621創る名無しに見る名無し:2012/07/02(月) 21:50:36.17 ID:Q947UaZp
>>620
おっちゃん「鉄板貼り付ければいいべ」
おっさん「アーク溶接は任せろ」(バリバリー)

陸自「・・・何やってんだあんたら」
622創る名無しに見る名無し:2012/07/02(月) 22:17:49.85 ID:92Iw7fpc
ユンボのアームでぶん殴れ!!
623創る名無しに見る名無し:2012/07/02(月) 22:19:45.66 ID:XBNgz9PB
そもそもあちこちで土木作業機械必要なのに
戦闘用にリソースまわすのはどうかとw

装甲化すると周囲見えないから危険極まりない>作業員轢く
624創る名無しに見る名無し:2012/07/02(月) 23:04:26.63 ID:Q947UaZp
装甲化した作業員戦闘車(ライトバン)に載せるから大丈夫
625創る名無しに見る名無し:2012/07/02(月) 23:29:09.91 ID:/gae+V4b
装甲車両で轢き殺すのって、弾薬を消耗しないし経済的だよね!
レッツ轢殺!!
626創る名無しに見る名無し:2012/07/03(火) 00:31:15.06 ID:RKYdqiur
>>614
装甲車並べて突入するほうがずっといいだろ
どっちにしろ未知のものなんだから

糞高いコストかけてビッグドッグ突撃させてもな…

>>620
運転席周りちょっと改造したらいけそうだがまあ重機としての需要のほうがでかいわな
重機も高いし同じコストで装甲車持ってくるほうがいいと思う

ありものでどうにかしなきゃいけない状況でどうでも衝力必要ならありか
627創る名無しに見る名無し:2012/07/03(火) 00:31:57.78 ID:RKYdqiur
>>625
清掃整備糞、部品交換糞大変そうなんだけど
628創る名無しに見る名無し:2012/07/03(火) 00:45:12.16 ID:WpGdUZyt
開発援助で来たら騎士軍団が攻撃してきたお!

重機に装甲板つけて蹴散らせ!
629創る名無しに見る名無し:2012/07/03(火) 11:10:19.33 ID:f1dpm8+y
そこで蜘蛛型ロボット、
ラ・プリンセス(La Princesse)の出番ですよ。
630創る名無しに見る名無し:2012/07/04(水) 11:52:58.65 ID:n+3Wnw1H
age
631創る名無しに見る名無し:2012/07/05(木) 00:26:05.16 ID:qDl+v5C+
               
          ・=====)二コー、
               .|-|| _|_
           ,==、==t=t=,コ_____| ))
        (( <_|lllll|_>二二クククク
          (ヘニr⌒)--r⌒_) 三= 
         (( ヽ ヘ }  { ,ヘ r 三=--
           ノノ `J   し リ 三=


             _i-i    _
            (_))二二二))
           ,==、==t==t,-,--、))
        (( <_|lllll|_>二二二二>
          (ヘニr⌒)--r⌒_) 三= 
         (( ヽ ヘ }  { ,ヘ r 三=--
           ノノ `J   し リ 三=


敗走するF騎士団を追撃するUGV部隊の図
632創る名無しに見る名無し:2012/07/05(木) 09:53:15.92 ID:qczuaaql
もはやホラーだなw
633創る名無しに見る名無し:2012/07/05(木) 21:29:23.17 ID:LDL1PzmA
 まあでも戦闘用パワードスーツより、重火器はこんなのに積んで照準器を持ったオペレータが指示を出すって方式のほうが実現するの早そうだよね
634創る名無しに見る名無し:2012/07/05(木) 23:20:32.81 ID:qDl+v5C+
脅威の無人兵器軍
                   .|
               , rii   |
               □==┓|_
    EEi≡≡≡i≡/『=! ̄/ ̄ ̄ヽ
           ,==、==t==t,-,--、))
        (( <_|lllll|_>二二二二>
          (ヘニr⌒)--r⌒_) 三= 
         (( ヽ ヘ }  { ,ヘ r 三=--
           ノノ `J   し リ 三=



             _,,、-┬┬- 、,_
           |__| |__|
              ,○○ ∨-─┘  , ○○
          /,○○| ̄ F「 ̄|/, ○○
         f/`/`/.|、o几∪ノ///
         L / ./二≦三工='=2
           ,==、==t==t,-,--、))
        (( <_|lllll|_>二二二二>
          (ヘニr⌒)--r⌒_) 三= 
         (( ヽ ヘ }  { ,ヘ r 三=--
           ノノ `J   し リ 三=

              ┬─┬─┬=====┬─
               ゙i _゙i ,. ┴-----┴,r'
           o──┴-r1 :|:  :|:||==
             ̄└┬--|| :|: __:|:| ____________
            ___==))~百丘|ミ|~~   \   ゙i\゙iミ|
          ├-く-'''''~~┌──┴───┴─┴-┼┘
         (三(──(三((◎)~~O~~~~~O~~~(◎))
            丶ニヽ──丶ニヽ(◎) (◎)(◎)(◎)(◎)ノ


            _
         i   f'i r‐ti
         l!  ゝ_ゞノl!
  ((((  |「_] | rニニf二/    )))))
        _ft_|_|_|_|_l_l___
      |___iOO!ニ〕=・・iOO!  
       _r┴────┴t______   
     / ,_/   /三/ /三/ ・. !     \      ←迷子
    iニニニニニニニニニニニニニニニ、 ┴────゙i 
  f'´:::゙f'´:::゙#',r‐t、 ̄ ̄ ̄ f'´:::゙#',______|、::::_ヽ 
  |::〔〕:|::〔〕:;#i_,ソ┬─┬‐:|::〔〕:;#|────f'::、))::_l 
  ゞ:::::'ゞ::::;#ノ::::::ノ.ゞ:::::ノ  ゝ:::::;#ノ      ゝ:::::::_ノ r'
635創る名無しに見る名無し:2012/07/05(木) 23:27:12.07 ID:z5TklBwP
パワードスーツをまともに研究してれば
「あれ?つうかそもそも人間がいらねんじゃね?」
とか
「人間と”パワー”をひとつのパッケージにまとめなくてもいんじゃね?」
って結論に到達するのは必然かもしれんね。
636創る名無しに見る名無し:2012/07/06(金) 01:47:55.92 ID:HLTzkelH
>>635
無人兵器は「流血とコスト」の問題に行き着くからな
兵士の犠牲を減らして高価な兵器を戦場に投入するか
兵士の判断で引き金をひくのをどこまで機械にまかせるかになる
後者の場合はバーサーカーとか怖いけど
皆殺しでかまわないなら躊躇しない将軍とか出てくるだろう
637創る名無しに見る名無し:2012/07/06(金) 09:34:47.23 ID:KpP9RXxn
なんか笑えるスレだな
638創る名無しに見る名無し:2012/07/06(金) 13:51:08.84 ID:4AJ80TQg
オール無人兵器って、ハッキングで乗っ取られる危険があるような……
639創る名無しに見る名無し:2012/07/06(金) 15:32:16.32 ID:9v11Oakx
万が一に備えて自爆装置でもつければいいんじゃね?
640創る名無しに見る名無し:2012/07/06(金) 18:43:39.17 ID:pCFd1I3p
SS投下はよ
641創る名無しに見る名無し:2012/07/06(金) 19:49:35.85 ID:S225afGn
>>638
功殻みたいな時代になるまでその心配は不要だと思う
642創る名無しに見る名無し:2012/07/06(金) 19:49:55.30 ID:W+NdtGIs
>>639
ハッキングで全部自爆フラグか
643創る名無しに見る名無し:2012/07/06(金) 21:28:53.66 ID:v1L2WDY6
当然のことだが、ファンタジー的なハッキングをされるだろうな?

電子の妖精とかが現れて
644創る名無しに見る名無し:2012/07/06(金) 22:13:03.39 ID:MEiQf3pZ
>>641
逆に言えば功殻みたいな時代になったら心配。
全て無人兵器にしたら、最悪全部ハッキングで乗っ取られる致命的な脆弱性が隣合わせ。
645創る名無しに見る名無し:2012/07/06(金) 22:32:34.68 ID:dQoPpPc0
兵器なんかは軍事用ネットワーク内に隔離しとくやろ
646創る名無しに見る名無し:2012/07/06(金) 22:34:32.83 ID:W+NdtGIs
アメリカ「ハッキングが怖いので核でふっ飛ばそうぜ」
ロシア「野蛮だな・・・ガスだろjk」
中国「電子部品を使用していない59式戦車ならば安心アル」
イギリス「おーいお前ら、WW2の兵器持ってきたぞー」
日本「よしODAだ!」
647創る名無しに見る名無し:2012/07/06(金) 23:05:30.21 ID:YlsrdqfR
コンピューターが自分自身の意思で制御するようにしよう
648創る名無しに見る名無し:2012/07/06(金) 23:06:09.94 ID:OWsV9ltO
というか電子妖精がいる世界でファンタジー ってハッカーvs電子妖精戦になるだろうからやる相手が妖精でも人でも関係なくね
649創る名無しに見る名無し:2012/07/06(金) 23:28:54.13 ID:v1L2WDY6
電子の妖怪エニグマは漢だった
650創る名無しに見る名無し:2012/07/06(金) 23:47:24.78 ID:vTyAiIn0
ハッキングを妖精に要請
ハッキング出来る妖精の養成
651創る名無しに見る名無し:2012/07/07(土) 00:06:47.62 ID:+aw+DkDT
妖精のご機嫌を取るために有効な話術や話題・手土産が
重要な機密事項になる世界なのか
652創る名無しに見る名無し:2012/07/07(土) 01:36:35.16 ID:ZT0jYu8D
人類は衰退した世界ですね。
653創る名無しに見る名無し:2012/07/07(土) 01:47:28.40 ID:34H6GUNn
むかし「マニトウ」て映画が有ったな

コンピューターの精霊呼び出しで吹いてしまったが
今こそリメイクして欲しい映画だわ
654創る名無しに見る名無し:2012/07/07(土) 02:01:57.25 ID:9/K0oP8y
Meeェ…
655創る名無しに見る名無し:2012/07/07(土) 03:01:23.07 ID:7/jczESv
>>649
同感。
市長はすごかった。
656創る名無しに見る名無し:2012/07/07(土) 08:13:03.78 ID:pvR72ixL
グレムリン大量召喚でボロボロになる地球側。
657創る名無しに見る名無し:2012/07/07(土) 13:49:59.88 ID:7/jczESv
グレムリンってちゃんと扱えば発明やらの手引きしてくれるんじゃなかったっけ?
658創る名無しに見る名無し:2012/07/07(土) 18:47:23.14 ID:PsNhLQJs
グレムリン「AKが壊せないんだ・・・」
659創る名無しに見る名無し:2012/07/07(土) 19:23:46.89 ID:ZT0jYu8D
ファンタジーっていうとドラゴンとかでっかい鳥とかでるけど
F世界の騎兵が乗る動物が昆虫系だったら嫌すぎるよな
人が乗れるサイズのスズメバチとかが大量に攻めてきたら普通科連隊なんかじゃ蹂躙されそう
660創る名無しに見る名無し:2012/07/07(土) 19:33:42.27 ID:9/K0oP8y
グレムリン2「何もしてないのに目の前で62式が壊れたんだ……」
661創る名無しに見る名無し:2012/07/07(土) 20:44:36.06 ID:PsNhLQJs
グレムリン「L85に入り込もうとしたら、既に何かが住み着いてた・・・あれはグレムリンだとかそんなもんじゃねぇ・・・もっと恐ろしいものだ」
662創る名無しに見る名無し:2012/07/07(土) 21:56:53.07 ID:7eYvQqjP
>>659
幻想水滸伝3に蟲騎兵いたな
663創る名無しに見る名無し:2012/07/07(土) 21:59:28.80 ID:PsNhLQJs
3なんてなかった
664創る名無しに見る名無し:2012/07/07(土) 22:17:57.36 ID:mVCiY6QB
クレムリン「なぜか務めていた人が次々にいなくなるんだ…」
665創る名無しに見る名無し:2012/07/07(土) 23:38:55.83 ID:03OKfZVL
なにそれこわい
666創る名無しに見る名無し:2012/07/07(土) 23:39:47.33 ID:6xeeVxyu
おそロシア
667創る名無しに見る名無し:2012/07/08(日) 12:49:27.76 ID:TRb5JfV0
大地を埋め尽くすゴキブリ騎兵
668創る名無しに見る名無し:2012/07/08(日) 14:47:33.59 ID:pMmwFuBU
多分、日本国が満場一致っで核の使用を躊躇わないだろう
669創る名無しに見る名無し:2012/07/08(日) 14:50:24.74 ID:KC8LyqcD
陸自「パーツクリーナー砲準備完了!」
670創る名無しに見る名無し:2012/07/08(日) 19:52:08.55 ID:2vua3LJ3
>>663
3が一番好きなんだけど
671創る名無しに見る名無し:2012/07/08(日) 20:45:16.98 ID:c8+SwNlY
>>659
昆虫系はでかくしたら強いのは当たり前

外骨格の制約で物理的な世界なら大きくできない(体重を支えられない)
はずなのを魔法理論みたいなので解決して無理矢理大きくしてるんだから
672創る名無しに見る名無し:2012/07/08(日) 21:16:28.14 ID:WZTCnXbY
シンプルな考えで、キチン質より遥かに頑丈な材質で外骨格を作り、肺呼吸する生き物がいれば、魔法なしでの巨大昆虫型モンスターも存在できるのかな?

まぁ、見た目が昆虫っぽいけど別系統の生き物だけれど。
そもそも『すげぇ頑丈な外骨格』という時点でそんな生き物が闊歩する生態系も想像できないけれど。

生物学に明るい人妄想ネタとか考察とかプリーズ
673創る名無しに見る名無し:2012/07/08(日) 21:36:12.83 ID:fLXy+IFA
自衛隊スレはどこですか?
674創る名無しに見る名無し:2012/07/08(日) 21:43:16.08 ID:yHKJMquB
板違いだから

ヤフー知恵袋にでも言ってろ。きっと蟻は高いところから落ちても死なないとか教えてくれるぞ
675創る名無しに見る名無し:2012/07/08(日) 21:49:11.38 ID:c8+SwNlY
最近金属の体の貝が発見されてたよな

硫化鉄が成分らしい
676創る名無しに見る名無し:2012/07/08(日) 22:15:47.26 ID:fLXy+IFA
それ、結構昔から有名だよ。
10年以上前に発見されたんだ
677創る名無しに見る名無し:2012/07/08(日) 23:00:42.07 ID:mi2qAxEx
死ぬとすぐ錆びて色が変るらしい
678創る名無しに見る名無し:2012/07/09(月) 00:02:26.34 ID:XZfEqcAh
金属生命体?
679創る名無しに見る名無し:2012/07/09(月) 00:12:23.46 ID:bj8oyGsP
ゾイドにビーム砲がついたのは地球の技術だったな
680創る名無しに見る名無し:2012/07/09(月) 10:12:18.49 ID:tWIEWZKm
>>678
元は白い種だったけど、変種が硫化鉄の多い外皮に変わったんだっけか
681創る名無しに見る名無し:2012/07/09(月) 21:02:10.49 ID:zxElqHc7
かつてドワーフは山の種族だった。
だがそれは過去のこと。

ある研究者が海底にミスリルやアダマンタイト、オリハルコンといった希少な魔法金属の合金で殻を作る貝が生息することを発見して数十年、いまやドワーフは山と海の種族なのだ。
とか妄想してみよう。
682創る名無しに見る名無し:2012/07/09(月) 21:50:53.79 ID:bj8oyGsP
人魚、半魚人、ドワーフによる海底大戦争の幕開けである。
683創る名無しに見る名無し:2012/07/09(月) 22:09:33.68 ID:UscApcIu
日本近海を震源とする大地震が発生。地震そのものの死傷者は規模のわりに少数だったが、津波により行方不明者が数千人にも及んだ。
警察・消防・自衛隊の必死の捜索にもかかわらず行方不明者の大半は発見されることは無かった。

数年後、テニヤン島演習地区で行われる日米共同実弾演習のため、陸上自衛隊西部方面普通科連隊第2中隊戦闘群を積載した
海上自衛隊護衛艦・輸送艦と民間チャーター船からなる輸送部隊が佐世保港を出港、テニヤン島へ向かった。しかし2日後
輸送艦隊からの緊急連絡を最後に行方を絶ってしまう。米海軍第7艦隊も協力しての大捜索が行われたものの、沈没した形跡も
発見されなかった。

そして2ヶ月が過ぎ、国会や防衛省では行方不明事件の責任追及合戦がたけなわとなっていた頃、防衛省へ自衛艦隊司令部から
行方不明となっていた輸送艦隊旗艦とのの通信が回復したとの連絡が入る。確認のためP-3C対潜哨戒機2機が急行した。そこで
P-3C乗員が見たものは、所々焼け焦げた護衛艦とあきらかに自衛官ではない者を多数乗せた輸送艦・チャーター船であった。

ーーー

津波被災者が異世界に転移する。数年後自衛隊も転移してしまう。しかし偶然の産物で地球と異世界の行き来が可能になり、被災者の
救援と被災者を保護していた異界の国を侵略者から守るため自衛隊が出動する・・・・。って感じ

震災による行方不明者がまだ3000名弱いるからの。異世界に飛ばされてでも生きてたらなって思っただけだ。筆力は無い。
684創る名無しに見る名無し:2012/07/09(月) 22:47:59.89 ID:P22HppX6
書き方によるけど民間人いらなくならね?
警官や消防士、消防団は一般人よりだいぶ少ないし
685創る名無しに見る名無し:2012/07/09(月) 23:17:27.52 ID:bj8oyGsP
イフリート VS 消防団
686創る名無しに見る名無し:2012/07/10(火) 01:25:11.94 ID:ITPum3TD
「今年こそオレらも混ぜろ」「やらせろ、絶対スゲーから!」
花火大会にすっかり魅せられたイフリートやサラマンダーたち

「お前ら加減知らねえから、そこいら一体火の海にするし、ダメに決まってんだろ!」
商工会・町内会・消防団・テキ屋他 with雇われ魔道師

「・・・ほんと20:30にはちゃんと終わってよね、ドンパチうるさいんだから」
「観客の誘導ちゃんとしてよ、去年みたいにお気に入りの水場にゴミ捨てたり
足入れる人間がいたら容赦なく水流砲ブチかますからね」
住処の上空を貸すことに一応同意したウンディーネその他、水の精たち

ゴネる火の精vs地域住民
うんざり気味の水の精

F世界移転後、川のほとりの町ではこれも夏の新しい風物詩
687683:2012/07/10(火) 04:23:43.44 ID:tI+UqFzG
>>684
転移した被災者を保護していた王国が隣接国の侵略に遭う。また隣接国にも日本人被災者が拉致されていることが判明。
在外邦人保護のため日本政府が重い腰を上げる。まぁ自衛隊派遣の法的裏付けを作るためのこじつけ。相当無理はあるけどね。
688創る名無しに見る名無し:2012/07/10(火) 10:00:02.18 ID:4KJN2Zih
>>686
いかん、すげえツボにくる、こんなの大好き。
689創る名無しに見る名無し:2012/07/10(火) 10:19:43.68 ID:Q37uKDcS
今の日本でファンタジー勢力とやりあうなんて無理。せめて憲法改正・国軍創立。在日・極左の勢力の抹殺。

それが基本。

690創る名無しに見る名無し:2012/07/10(火) 11:44:48.68 ID:jihs/L2J
創作発表板でなに言ってんだこいつ
691683:2012/07/10(火) 12:21:14.50 ID:tI+UqFzG
>>686みたいな交流モノが好きだなぁ。「ゲート」のアルヌスの街や「帝国の竜神様」の撫子市がその後どうなってくのかって
あれこれ考えてみたりとか。

>>690
まぁ、見えない敵と戦ってるんでしょう。ほっといてあげましょう(´・∀・)
692創る名無しに見る名無し:2012/07/10(火) 21:09:31.19 ID:jnC6jRsK
ピンクのユニコーンと虹をプレゼントしてあげようか
693創る名無しに見る名無し:2012/07/10(火) 21:33:35.99 ID:MYAa5p1d
体当たり系バラエティがF世界でムチャやらされたりw
いまどきはイモトとかか?
694石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/07/10(火) 23:35:02.26 ID:T1/Q2vnZ
御無沙汰しております。
仕事が詰んでおりまして、来月まで投下できそうにありません。
すみません。

異文化交流が書けるところまで、話を進めたいものですねぇ。
695創る名無しに見る名無し:2012/07/10(火) 23:44:00.99 ID:QIGKVp1U
エタったかと思い始めていたので、現状報告があってよかった
待たせてもらいます
696創る名無しに見る名無し:2012/07/10(火) 23:46:36.94 ID:kqqa7pGD
あれか、っべーよ!聞いてねーよ!?とかイモトが叫びつつ『コモド』じゃなくてマジのドラゴンと走力対決やるのか
697創る名無しに見る名無し:2012/07/11(水) 01:12:43.16 ID:HnQyVlGg
>>694
こんばんは!お待ちしております。
698創る名無しに見る名無し:2012/07/11(水) 07:03:09.51 ID:mZQIYhZQ
異文化交流って事はゲートみたいに異世界にまで行くんですね。
最短でF世界軍撃退で物語が終わるかも、と思っていたのでとても嬉しいです。
投下は来月以降かぁ……待ち遠しい。
699創る名無しに見る名無し:2012/07/15(日) 02:00:07.23 ID:2+twPXd4
そういえばここで書かれたSSはあまりwikiに反映されないけどなんでなんだ?
アメリカやソ連ものは更新されてるのに
700創る名無しに見る名無し:2012/07/15(日) 12:10:33.83 ID:PQj1xKpT
単にやってくれる人が今居ない・不在だから
投稿されたSS本文のページは作られてるようなのにそれらの一覧へのリンクな無くて見られないという状態のもあったよね
701創る名無しに見る名無し:2012/07/15(日) 13:28:13.71 ID:a75mHGbh
後それらは分家だからね
702創る名無しに見る名無し:2012/07/15(日) 15:39:39.42 ID:VtvSTwKk
言い出しっぺの法則
703創る名無しに見る名無し:2012/07/15(日) 18:04:09.04 ID:+0CGomo/
あそこは投稿作品全部集めてくれる管理者みたいのがいないから
作者本人かそのファンがうぷしなければそのまま
704創る名無しに見る名無し:2012/07/15(日) 20:37:05.21 ID:a0suhK5e
しっかし、ギリギリな戦い書く人多いよな…「日本人の歪んだ性癖」って言えばそれまでかもしれないが
孫子先生だったら大激怒する話だよな
705創る名無しに見る名無し:2012/07/15(日) 20:49:18.09 ID:qbP6YIqc
>>704
勝敗がわからない方が面白いから、仕方ないとこもあるからな。
706創る名無しに見る名無し:2012/07/15(日) 21:27:14.55 ID:IK6cCaxM
>>705
勝つための準備と理由をしっかり書いて
その後の実際の戦闘を一切の容赦なく圧勝してくれると気持ちいいのに
707創る名無しに見る名無し:2012/07/15(日) 22:23:44.59 ID:2+twPXd4
>>705
つまりここの作者さんは戦記物が好きな人が多いということだね

戦記物ではなく統治もの・文化交流物を描こうとすれば
戦争はすぐに終わらせられるかもね
708創る名無しに見る名無し:2012/07/15(日) 23:11:57.56 ID:PQj1xKpT
>>704>>705
そしてついでに言うと
現実には孫子の兵法の最上の状態どおりに戦えるようなら誰も苦労はしてないってのがまた…

孫子も実際の戦国時代に生きた人物だからこそ、それはわかってるから
最上策・中策・下策をそれぞれ取れる場合でしっかり書いてるわけだがね
なので「上策ばかり説く机上の理想論」にはならなかったし、優秀な兵法書として後世まで名が残った
709創る名無しに見る名無し:2012/07/16(月) 00:16:56.36 ID:WiYYZbqi
>>704
そういうのは古今東西の王道じゃね?
むしろ今は俺Tueeeeが人気だと思うが
710創る名無しに見る名無し:2012/07/16(月) 00:47:23.54 ID:t1+/X/bo
超魔術大戦に巻き込まれて逃げまわる無力な自衛隊

なんて作品別に面白くもなんともないもの
711創る名無しに見る名無し:2012/07/16(月) 07:43:01.96 ID:rl2tuNmW
むしろ超魔術文明の軍隊と攻殻機動隊レベルのサイバーパンク自衛隊の互角の戦い、政治、経済交流をガチ考察付きで読みたい。
712創る名無しに見る名無し:2012/07/16(月) 07:43:57.95 ID:rl2tuNmW
強い奴と強い奴の互いに一歩も引かない戦いが読みたい
713創る名無しに見る名無し:2012/07/16(月) 07:57:46.11 ID:CsMyEQz6
714創る名無しに見る名無し:2012/07/16(月) 11:44:47.11 ID:Euv/yBlB
>>711
>>攻殻

もはや自衛隊である意味無いな、あっちは「公安」で
軍隊というより武装した情報機関で「007」に近い世界だし
夢枕獏の「荒野に獣咆哮す」の独覚兵やゾンビスト、サイボーグ兵士も
正規兵というより極秘任務の帳簿外戦力みたいな扱いだしな

異世界の魔術がこちら世界のごく限られたグループで情報独占しているなら良いが
反社会的思想の新興宗教団体や武装無政府主義者に広まったら...
715創る名無しに見る名無し:2012/07/16(月) 15:58:58.28 ID:N5yinSQx
召喚術師「出でよ。10式戦車」
716創る名無しに見る名無し:2012/07/16(月) 19:35:35.49 ID:t1+/X/bo
>>715
「召喚に従い参上した。あなたが私のマスターか?」

          ___
         ヽ==☆= /
        ∩( ・ω・)∩
       ─┬=====┬─┬─┬
         ヽ┴-----┴ 、/_ /
.       ==||:|:  :|: 「r-┴──o
 ____________ |:|:__ :|: ||--┬┘ ̄
 |ミ///   /   ~~|ミ|丘百~((==___
.└┼-┴─┴───┴──┐~~'''''-ゝ-┤
 ((◎)~~~O~~~~~O~~(◎))三)──)三)
  ゝ(◎)(◎)(◎)(◎) (◎)ノ三ノ──ノ三ノ
717創る名無しに見る名無し:2012/07/16(月) 19:42:02.52 ID:cNq0t78r
チハたんのあまりの可愛らしさに敵は戦意を失い降伏
718創る名無しに見る名無し:2012/07/17(火) 00:27:55.94 ID:R+UYbL4c
         ─┬=====┬─┬─┬
            ヽ┴-----┴ 、/_ /
          ==||:|: 乃 :|: 「r-┴──o
    ____________ |:|:__ :|: ||--┬┘
    |ミ///ロ-D/   ~~|ミ|丘百~((==___
  . └┼-┴─┴───┴──┐~~'''''-ゝ-┤
    ((◎)~~~O~~~~~O~~(◎))三)──)三)
     ゝ(◎)(◎∩◎)(◎)(∩)ノ三ノ──ノ三ノ
          //     | |          ミ
         //Λ_Λ  | |
         | |( ´Д`)// うるせえ、チハぶつけんぞ!
         \  敵  |
           |     lヽ,,lヽ ミ
           |    (    ) やめて
           |    と、  ゙i  装甲へこんじゃう
719創る名無しに見る名無し:2012/07/17(火) 22:11:48.93 ID:kaCUKH63
チハ相手にゴーレムが無双してる…って訳ではないですよねw
720創る名無しに見る名無し:2012/07/18(水) 00:18:14.02 ID:qo3K3OPe
召喚術師「我ら霊長の、源遠流長と途絶える事無き、大いなる集合無意識の海の奥底へと眠る、
遥か遠く時空を隔てた古代世界での文明崩壊ノ聖ナル大戦が記憶の残滓が一、大いなる破壊の申し子――爆轟波よ、
我が内なる星辰界にて夢幻泡影の心象現象として記されし事物――爆縮透鏡を依り代として幻想の理式として結ばれ、
その大いなる理式の力、幻象気<エーテル>の具現たる星辰鋼<オリハルコン>を触媒<ライナー>として星辰界より溢れ出で、
この現世へ、己が存在の理力は収斂し、今こそ召喚されたし! ……出でよ我が至高の召喚獣――
――自己鍛造弾頭……!!」

自己鍛造弾を召喚!」
721創る名無しに見る名無し:2012/07/18(水) 01:05:21.22 ID:BBKo700J
自己鍛造弾が一体出た!▼

自己鍛造弾は自分を鍛造している!▼
自己鍛造弾は自分を鍛造している!▼
自己鍛造弾は自分を鍛造している!▼
自己鍛造弾は自分を鍛造している!▼


自己鍛造弾は逃げ出した!▼
722創る名無しに見る名無し:2012/07/18(水) 20:33:43.78 ID:vja9Qc/P
自己鍛錬弾?
723創る名無しに見る名無し:2012/07/18(水) 23:35:55.80 ID:oSbmKYM1
>>722
自己鍛錬じゃなく自己鍛造弾
別名爆発成形侵徹体(ばくはつせいけい・しんてつたい)
爆薬レンズによる爆轟波の集中で侵徹体形成して標的破壊する
成型炸薬弾より貫通力は劣るが有効距離は同じ直径なら最大100倍
724創る名無しに見る名無し:2012/07/18(水) 23:59:24.80 ID:Gs2OPCgQ
よくわからんが
PKO参加の自衛隊車輌に自己鍛造弾方式のIEDを仕掛けようと企んで
市場で手に入れた「手ごろな容器」が金属器が、じつは九十九神的なモノ

爆薬を抱えて金属ライナー咥えた野良爆弾追っかけて、裸足で駆けてく
愉快なテロリストさんの姿が見えた

725創る名無しに見る名無し:2012/07/19(木) 21:32:23.97 ID:adZPhle2
ほこ×たて
どんなものでも燃やし尽くす炎系魔法使いVSどんな火災からでも中身を守る耐火金庫
今ここに、魔法と科学が雌雄を決する!!
726創る名無しに見る名無し:2012/07/19(木) 21:46:41.36 ID:9IfRPtx1
サラマンダーをガチャカプセルにでも詰めたら擬似ナパームにならんかな?
727創る名無しに見る名無し:2012/07/19(木) 22:20:20.92 ID:iSPsqUwO
自衛官「行け、サラマンダー!」
サラマンダーのかえんほうしゃ。こうかはばつぐんだ!
728創る名無しに見る名無し:2012/07/19(木) 22:32:51.97 ID:YbUkds5n
米兵「焼夷手榴弾使えばよくね?」
729創る名無しに見る名無し:2012/07/19(木) 23:29:54.19 ID:CeRvULwY
火炎放射器ってまだ備蓄されてんの?
730創る名無しに見る名無し:2012/07/20(金) 00:28:41.92 ID:vAk+0Can
備蓄というか普通に装備として現役だぞ?
射程短いし自爆の危険が常にあるんで武器としてではなく、茂みを焼きはらったりする作業用だけど
731創る名無しに見る名無し:2012/07/20(金) 00:32:59.17 ID:XEHV/biR
自衛隊ではってこと?
自衛隊ならしてるよ
732創る名無しに見る名無し:2012/07/20(金) 00:33:41.36 ID:XEHV/biR
自衛隊ではってこと?
自衛隊なら持ってるよ
733創る名無しに見る名無し:2012/07/20(金) 00:35:23.39 ID:/ceGYdJY
言い直さなくてもわかるからww
734創る名無しに見る名無し:2012/07/20(金) 00:54:18.18 ID:RmfmNXJB
汚物の消毒に必須だから無いと困る
735創る名無しに見る名無し:2012/07/20(金) 12:01:54.72 ID:JEYFLKvI
>>734
自衛隊はDQNじゃねぇし...
736創る名無しに見る名無し:2012/07/20(金) 12:43:23.46 ID:DVGg593F
何か色々おかしいが
汚物の消毒をするのは北斗のモヒだ
737創る名無しに見る名無し:2012/07/20(金) 19:19:23.16 ID:IH+vMKFm
そういえばナパーム弾で巨大化する怪物が登場する映画があったな
炎の精霊とかナパーム弾で筋骨隆々になるのかな
738創る名無しに見る名無し:2012/07/20(金) 19:38:21.12 ID:1wBewaVd
ふけ取りシャンプーがあれば大丈夫。
739創る名無しに見る名無し:2012/07/20(金) 20:11:36.88 ID:2g9xgyv+
パルシェンの殻はナパーム弾の直撃にも耐える
740創る名無しに見る名無し:2012/07/20(金) 21:51:43.26 ID:IH+vMKFm
送還術師「どんな攻撃も送り返せば大丈夫だ」
741創る名無しに見る名無し:2012/07/20(金) 23:36:13.96 ID:7BQKnkG1
>>739
磯焼きじゃねーか
742創る名無しに見る名無し:2012/07/21(土) 00:50:24.59 ID:hgOxWG1+
異世界にゴジラ的な生物がいたら迂闊に核兵器使えないな
使えば使う程パワーアップ
743創る名無しに見る名無し:2012/07/21(土) 00:58:12.45 ID:Wd6BBtqY
トライポッドを倒した大阪人なら、ゴジラも倒せるのでは…?

日本シリーズ最終戦、満員の甲子園球場が突如F世界へ…
744創る名無しに見る名無し:2012/07/21(土) 03:11:02.86 ID:X3DRvUKC
倒したのは東京から増援に来た第1師団かもしれない
745創る名無しに見る名無し:2012/07/21(土) 03:43:06.29 ID:sxu2lRAc
>>744
きっと大阪の守護神
白髭のサンダース大佐が復活して退治してくれたんだ
746創る名無しに見る名無し:2012/07/21(土) 11:16:01.73 ID:X3DRvUKC
いや太陽の塔から発射されたビームが撃墜したらしいぞ


ソースは俺のカン
747創る名無しに見る名無し:2012/07/21(土) 15:02:49.69 ID:Wd6BBtqY
道頓堀で細菌兵(自主規制)
748粂八 ◆Pphe73DZjs :2012/07/21(土) 18:04:55.61 ID:wY75zbpK
壁|ω・)コソーリ
超お久しぶりです。
私事でいろいろあって大分投下できなかったんですが、少し時間ができたので
超久しぶりに投下します。忘れちゃった方がほとんどだと思いますが…


ゲート・アウト あらすじ

異世界の国ボレアリアから救援要請を受けた日本政府はかの国を支援すべく部隊を派遣した。
瞬く間に被占領地を奪回した彼らだったが、それに対抗すべくフォリシア国はロシア軍を召喚する。
そんな中ボレアリア首都リクマイスへ奇襲をかけたフォリシア艦隊であったが、あえなく失敗。
一方、隙をついて進軍を開始したボレアリア国軍は国境の大森林でフォリシア軍の秘策の前に敗走。
各国が工作を始める中、ロシアが遠見の魔法を施した戦闘機で急襲、制空権の奪取に成功する。
緒戦で大敗した米軍が立て直しに奔走する中、日本に秘策を持って売込みを図る竜ブークだが…?
749粂八 ◆Pphe73DZjs :2012/07/21(土) 18:07:42.92 ID:wY75zbpK
「おっ、お客様のご到着だ」

 東京は首相官邸。総理執務室の執務机の前に鎮座していた首相は、彼らの姿を見ると
席を立ち、にこやかに近付いてきた。

「こんな時間にご足労頂いてすまなかったね。人が多い時間だとマスコミがうるさくてね」
 時計の針はすでに夜の0時を回っていた。つい先程、政界の有力者との会食からかえって
きたばかりの首相は若干やつれた様子であった。

 首相がブークに右手を差し出す。
 右手を軽く握り握手を交わすと、首相に勧められるまま彼は応接ソファに腰をうずめた。
彼を連れてきたスーツ姿の久口もその隣に着席する。

 官邸に陸自の人間と一目でわかる者が頻繁に出入りするのは目立つので、彼がここに
来るときはスーツに着替えてくることになっていた。着慣れないスーツの感触に違和感がある
のか、久口は頻繁にネクタイを直す仕草を見せる。

 昼間の邂逅の後、彼らが事情を官邸に伝え、こちらまで来るようにと返答されたのは
太陽が西の空で色を変える前のことだった。それから夜半まで約半日、彼らは異世界の
詰め所でただひたすら首相の仕事が終わるのを待っていたのである。

 なにしろ首相は大臣議員役人その他もろもろからの報告相談陳情挨拶で、分単位の
スケジュールをこなさなければならない。部外者がいきなり予定を狂わせようものなら、何事が
起こったか、と誰が疑うかわかったものではないのだ。

 必然的に全ての予定が終わった後、彼らは裏口からこっそりと官邸に入ることになる。
 もちろん官邸の職員でも総理に近しい人間は事情を知っている。彼らは記者たちに
見つからないよう、こっそりと執務室まで通してくれた。

「久口一尉、ご苦労だった。これからもよろしく頼む」
「はい、ご期待に沿えるよう全力を尽くします」
「向こうで人脈を築いたのが君しかいないとはいえ、いろんなことを任せすぎてさぞ疲れたろう?
 事が落ち着いたら君は三佐だ。私からの心ばかりの贈り物だよ」
「は……ありがとうございます」
「うん………さて、大体の話は電話で聞いたけど」

 ブークと真向かいの肘掛け椅子に腰を下ろした首相は、微笑みながらも鋭い眼光を彼に向けた。

「なかなか面白いプランだね。君がドラゴンの姿でロシアを急襲、竜族が日米側についた、と
錯覚させて中立ではいられなくする…か」

 ブークは口の端をかすかに吊り上げて答えた。

「ええ。ロシアも当然竜族に反撃を加えるでしょう。ドラゴンは尊大な矜持の持ち主ですから、
攻撃してきた相手の誤解を解いてまであちらと組もうとはしません。必然的にこちらに…」
「で、確実に勘違いさせるためにこちらの隊員を十人ほど借りたい、と」
「私一人で片付けますから、日本の方々は危なくないよう遠巻きに見ているだけで構いません。
一緒にいる姿をロシア兵に見せつけて頂きたい」

「フッフ、自信満々だね」
 表情一つ変えないドラゴンに目を細めた首相は、彼の要求を受け入れた。
「わかった、ではそのように陸自に伝えておこう。で、その際にだが、彼ら…竜族の面子が
立つようにしてもらえないかな。後々もめる種は少ない方がいい」
「ではそのように」
750粂八 ◆Pphe73DZjs :2012/07/21(土) 18:09:57.85 ID:wY75zbpK

 他人を騙すと恨みを買う。怨恨は人を利害度外視で動かす、最も御し難い感情であり、
恨みが残ると後々まで長く尾を引く。首相にしてみれば、ロシア側が勝手に勘違いした、という
方向性が望ましく、失敗した場合でも竜族とはできるだけ揉めたくない。

 首相は得心したかのように二度うなずくと、席を立った。
「この時間になるとシラフで話すのも辛いな。さっきの会食じゃアルコールはほとんど飲めなくてね、
すぐ酔いが覚めちゃったよ」

 秘書室に繋がるドアに手をかけて彼は振り返った。
「君達、ビール飲む? グラス用意してないから缶のままだけど」

「私は勤務中ですので結構です」
「ん、そうか。ブーク君はこちらの酒、試して見るかね?」
「お断りする理由もないので頂きましょう」

 首相は秘書官室のドアを開けると、警備担当で一人だけ残っていた秘書官に、給湯室に
置いてある小型冷蔵庫から缶ビールを二本持ってくるように、と言付けて席に戻った。

 ほどなくして秘書官が応接テーブルの上に二本の缶ビールを持ってきた。
 首相は缶のプルタブを引き、口の開いた缶をブークの前に差し出した。缶の開け方など
異世界人が知っているはずがない。ブークに恥をかかせないための小さな心配りだった。

 ブークは缶が珍しいのか、ラベルを一通り見回した後、一気に液体を口の中に流し込んだ。
彼は少しむずがゆそうに顔をしかめ、飲み下した。

「………泡が口の中で沸いてはじける飲み物は初めてです」
「おや、炭酸は初めてかな? 慣れるとね、この喉の刺激が恋しくなるんだよ」

 首相も自分の缶を開け、喉を鳴らして胃に注ぎ込む。半分ほども減った500mlの缶をトン、
と椅子の肘掛けに置き、彼は話の続きを始めた。

「じゃあ、生臭い話をする前に見返り…君の望みを聞こうか」
「わが主ヴァリアヌス・スピラールの復権にご助力願いたい」
「ああ、この前勝手に軍を動かして大敗した護国卿ね…」

 首相は当然、この護国卿の評判は聞いていたので、彼が異界の軍に否定的だったと
いうことも知っている。復権させた後の展開が気にかかった。

「彼が末永く日本に協力してくれる保証が欲しいね」
「では、その暁には彼の息子をこちらに留学させるということでどうでしょうか」

 首相は意外な答えを即答されたので驚いた。まさか、人質を取ってもいいですよ、と
先方から申し出てくるとは思わなかったのだ。

「いいのそれで? 主人とはちゃんと相談したの? 後でやっぱり駄目でしたでは困るよ?」
 質問と同時に首相が投げかけた視線は、まるで瞳の奥まで見通すかのような鋭いもの
だった。しかしブークは涼しい顔で答えた。

「主人に飲ませます。彼も復権できなければ何もないのはわかっていますから」

 首相が声を上げて笑った。
「ワハハハハ、剛腕だねぇ、ブーク君。『主人に飲ませる』か。いいね、じゃあ乗ろうか。で、
具体的にどうするのかな?」

「私がドラゴンの姿を見せたまま、ロシア軍の使節を皆殺しにする案の骨子は変えませんが、
竜族の代表を騙るのはやめましょう。少々確実性が落ちますが、ロシアの小隊を急襲する
ことにします。ロシアが竜族に攻撃を仕掛けるまで…」
751粂八 ◆Pphe73DZjs :2012/07/21(土) 18:13:51.17 ID:wY75zbpK
「うーむ…それだと、返り討ちになった場合はうちの隊員も巻き添えを食うね…」
「その場合は私が死力を尽くして盾となり、彼らの逃げる時間を作ります。迷惑はおかけしません」
「ふむ、頼もしいが…失脚した主人のためにそこまでするの? スピラール卿はそれほど特別
なのかな?」

 ブークはただ一度首を縦に振った後は黙して語らなかった。
「これは無粋な質問だったようだ、申し訳ない」
 眼前に手をあげて謝罪の意思を示した首相は、缶に手をかけ残りを一気に飲み干した。

「総理、一つよろしいですか?」
 今まで黙って二人のやり取りを見守っていた久口が唐突に言葉を発した。

「どうした、久口君」
「短期間のうちに誤解が解けてしまったならば、逆に竜族とロシアが結ぶ可能性があるのでは
ないですか」

 仲違いさせる策が敵の策謀と知れた場合、その当事者同士が共同戦線を張ることは
珍しいことではない。敵が嫌がることなのが確実だし、巻き込まれた方は騙された腹いせも
兼ねられる。

 首相はひらひらと手を振って答えた。
「ずるずる長引けはそれもあるね。でも今回、ロシアは短期戦をしたいんだよ。大丈夫、
十日二十日で誤解を解くのは難しい」

 空になった缶をぐしゃりと握りつぶし、首相は笑みを浮かべた。



 開戦の翌日、フォリシア首都ジェルークスから北へ数百キロ。自衛隊が北方の隣国から
攻め上がろうと画策している国境沿いでは、切り立った崖の上からオベアとロシアから派遣
された軍事顧問メドロフが、霧の渦巻く山の尾根を見下ろしていた。

 崖下には深い霧が漂い、一面の白い雲海から山の尾根が離れ小島のようにぽつりぽつり、
と頭を出している。

 風もほとんど無く静かな山間に、兵士が土砂を踏みしだく音が徐々に近づく。坊主頭の
将軍とひょろりとしたロシア人は音の方へ振り向いた。

「北東方面、バルケ峰下にて敵先鋒隊と交戦開始しました! 敵は複数に分かれて進軍
している模様です」
「状況はどうかな」
「今のところ、敵の前進を食い止めております。こちらの被害は重傷六軽傷二十八、敵の
被害は不明です」
「上出来だ。この後も手はず通りにな」

 急坂を降りていく兵士を見送るオベアにメドロフが声をかけた。

「布陣が間に合ったようで何よりですな」

 ロシアが仕掛ける直前から始まったフォリシア北部防衛作戦は、兵士の布陣、魔方陣の
敷設に手間取ったものの、自衛隊が展開する前に大方の用意を終えることができていた。
 この山間に立ち込める霧もその用意の一つである。

「ロシア空軍にお願いしていた空の援護が効いてるようです。念入りに爆撃してから進軍、
という段取りが踏めず、日本軍は歯噛みしているでしょう」
「空軍は何とか用意してもらったが、陸軍を出してもらえなかったのが悔やまれる。上層部は
山岳戦にはひどく楽観的なようだ。いかに米軍に対しては手を抜けないといえども…
致命傷にならねばよいが」
「それだけ期待を受けているということでしょう。是非応えたいものですね」
752粂八 ◆Pphe73DZjs :2012/07/21(土) 18:16:31.57 ID:wY75zbpK

 ロシアは対米戦に戦力を集中するため、東方戦線にほとんどの陸空軍を投入していた。
そのために自衛隊が侵攻してくると思われるこちら、北方戦線には空軍機がいくらか回された
だけである。

 要はフォリシア軍だけで守ってくれ、という話だ。
 かつてのアフガン戦にて手ひどくやられた経験が、地元軍への大きな期待になっているのは
間違いない。ともすれば、先進装備の現代軍に相対して過剰とも思える信頼振りである。
地球人の与り知らぬ、魔法という力を使える地元軍ということを考慮しても、少々のAK47と
RPG、爆弾類だけ渡した彼らに単独で守れ、とは過大な要求だろう、とメドロフは思っていた。

 胸を撫で下ろしたのか一つ大きく息を吐くと、オベアが言った。

「まずは向こうも風系魔法で霧を払ってから、と思っていましたがそのまま来ましたね」
 魔法の霧に対抗するのは魔法の風、異世界軍ではごく当たり前の対応である。

「これは重畳、自衛隊にはボレアリアの魔道師部隊が付いていないようですな」
「このままなら大分楽に十五日、耐え切ることができるのですが、そう簡単にいくようなら誰も
苦労はしませんね、フフフ」

 オベアはこれからの苦労を思い巡らし、苦笑を浮かべた。

 露大統領は開戦前から十五日で決着をつける、とフォリシア上層部にも伝えていた。
そうであればこその援軍無しの防衛戦だ。これが何ヶ月もかかる、などと伝えていたらそんなの
無理だ、機甲師団の援護をよこせ、と大合唱されていたことだろう。

「では場所を移りましょうか。ここは霧が及んでいませんから万が一、ということもあります」

 護衛の兵士が前後を固める中、魔方陣地へと降りる獣道を下る。背の低い草木が繁茂
するこの山では、平常時には小動物が時折顔を出し国境警備隊の心をを和ませている。
しかし本格的な戦いが近くなったことを動物達も察知したのか、付近に生き物の気配は
まるでなくなっていた。

 霧で湿った小枝を踏み折る音が辺りに響く。唐突にメドロフが話し始めた。

「魔法を駆使した戦いと聞いていたので、光術や雷撃などが入り乱れる派手なのを想像
していたのですが、案外地味なものですな」
 眼下の霧を眺めながらメドロフは期待はずれ、といった様子であった。

「ハハハ、異界の方々のみならず、こちらの世界の人々にもよく言われます。もちろん、
そういう運用をする国もありますが」

 オベアは言葉を一旦切って、胸の前に差し出した掌に小さな火球を作ってみせた。
攻撃魔法の初歩の初歩、魔法学校でも入学すぐに習い、魔道師であれば誰でも使える
魔法だ。
 掌の炎を握り潰すと火花が派手に散り、白い空間に消えていく。彼は続けた。

「見栄えで戦いの勝敗が決まる訳ではないですから…利きが最も遠くまで届くのが
大魔法なのですよ。それこそ戦場の端から端まで」
「利き?」
「我々の世界の魔法には個人で使う小魔法と大勢の魔力を結集して大規模な魔方陣を
作り上げる大魔法があります。人一人の魔力はちっぽけなものですから、今やってみたように
火球を飛ばしたり衝撃波を撃ったりする程度のものです。まあ、私は元々兵卒上がりです
から、魔法学校には幹部過程で行かされただけで成績は下の方でしたので、あまり大きな
ことは言えませんが…」

 オベアはそう言って自分の坊主頭を撫でた。
753粂八 ◆Pphe73DZjs :2012/07/21(土) 18:19:30.31 ID:wY75zbpK
 魔法学校を卒業した魔道師の中でも、軍に入るのはごく一部。異世界の各国とも軍属の
魔道師は二、三千人がせいぜいというところだ。もちろん一般兵とは比べ物にならないほどの
好待遇なのだが、過酷な割に高給でもないので、皆もっと割りのいい仕事に行ってしまう。
残るのは幹部候補でスカウトされた者と、大戦功をあげ貴族に成り上がろうという者、この
二者がほとんどである。

「どれほど才能のある魔道師でも一人で数百の敵と戦うというのは不可能でしょう。が、
大魔法は万の敵を翻弄できる。天の機を作り地を動かす魔法だからです」

 メドロフはようやく合点がいった様子で答えた。
「なるほど……天地人の全てを人の掌中にして戦を操る、と」

「勝機を見出すならば……魔法部隊を直接攻撃に回すよりはるかにマシでしょう。魔法
部隊が戦車隊を止められなければ、残りの歩兵はただ通過する様を見てるだけになってしまう。
銃を持つ兵がごくわずかのこちらとしては、この霧で敵の射程を潰し、接敵距離を近付け、
矢と槍の届く確率を上げる。一言で言うと歩兵の価値を上げる策ということですね。向こうは
一万強、こちらは三軍団八万。歩兵の価値が上がれば数の差の分、利を稼げます」

 オベアは一息入れて続けた。

「ま、私は兵卒出身ですからそういう戦術が好みですが、他国には前線に置いて敵を攪乱
させるのが好きな将軍もいるでしょうね。その辺は司令官の個性ということで…派手な戦いを
お見せできなくて申し訳ない、ハハハ…」
 と彼は陽気に笑った。

 数十分も山道を下り、やがて二人は谷間にある魔方陣地にたどり着いた。

 山と山に挟まれた小さな平地に直径二、三十メートルはあろうかという防水加工を施された
羊皮紙が敷き詰められ、その上に大魔方陣が描かれていた。周りには継続して魔方陣に
魔力を供給し続けるための魔道師が数十名。皆、陣に手を着いて魔力を送り続けている。
その傍らには魔力を貯めた賢者の石が山と積まれていた。

「レーダーという索敵装置は、この濃霧ですら透き通してものを見れるのですよね?」

 オベアは眼前を漂う霧の中に右手を差し出し、左右に泳がせて見せた。
 メドロフは頷いて言った。

「日本のものは高性能だ。しかし、茂みに伏せて隠れる兵を神のように見渡せる訳ではない。
霧の中ならなおさらだ」

 メドロフはブルリ、とその痩せぎすな体を震わせた。霧の雫が徐々に衣服に浸透し、
べた付く服がなんとも不愉快極まりない。

 メドロフが辺りを見回すと、作業を続ける周りの兵士のあごからは、明らかに汗ではない
雫が滴り落ちている。こちら異界の季節も夏とはいえ山地の気温は低く、霧がさらに体温を
奪っていく。すでに彼らの体は冷え切っているだろうが、この精強な兵士達はそんな素振りを
おくびにも出さない。寒いなどとは恥ずかしくて言えたものではなかった。

 オベアは一通り兵に労いの言葉をかけると、冷えたメドロフを気遣ったのか兵営に戻るよう促した。
 戻る道すがら、オベアはメドロフに少しだけ本音を吐露した。

「…しかし、当初見た日本軍の侵攻はまさに圧倒的だった。今でもこれで本当に防衛できる
のかと、本心では不安でならないのですよ」
754粂八 ◆Pphe73DZjs :2012/07/21(土) 18:23:07.29 ID:wY75zbpK

 メドロフは眉間にしわを寄せて言った。
「日本の兵士は戦技練達にして、兵士間の技量差も少なく、上官の指示によく従い、そして
死を恐れない最強の兵士。将であれば一度は日本の兵士を率いてみたいと思うものだ」
「やはり手強そうですな」

 援軍を出せないことに対する負い目か、ここ数日のメドロフは言い訳を言い繕うのに汲々と
していた。地元軍へのリップサービスもした。が、今回は少しだけやりすぎた。

「だが、安心して欲しい。日本にはまともにやれない理由がある。戦力は三割減──いや
五割減と見てもいい。緒戦期に何故日本が頑なに市街戦、森林戦を避けたのか──」
「ほう?」
「日本には大量の死人を処理する方法がない」

 死人を処理?

 ここでこのような単語が出てきたことにオベアは激しく困惑した。

 処理とはどういうことだ? 死体が多すぎると葬儀が滞って戦いに支障が出るのか? 
そんな訳はない。死体に何らかの措置を施さないと化け物になってしまうとでもいうのか? 
そんな話は聞いたこともない。大体異界には化け物などいないはずだ。
 方法がないとは──処理の意味が事務処理のことであれば──死人が出るはずがない、
想定されていない、ということか?

 ここまで考えてオベアはピンときた。

「はて、死人を処理とは? ………戦闘の死者を公表できないという意味ですかな」
 オベアの返事にメドロフはいかにもしまった、というばつの悪そうな顔で口を濁した。

 (図星! これは大変なことを聞いた)

 オベアは所定の会合がある、とその場を抜け出した。部下にその日のうちに戻ると伝え、
彼は首都に帰還した。



 陸自とフォリシア軍が接触した地点から遥か西、霧に包まれた山岳群から離れること
数十キロ。西の国フルメニアとの国境近くの谷間を征く迷彩服の一団があった。

 煤けたまだら模様の緑色の上下、ヘルメット。手元に置くのは89式ではなくM4カービン。
精悍な若者三十名がすでに日の落ちた暗闇の山中の獣道を足早に進んでいた。
 陸自の誇る特殊部隊、特殊作戦群である。

「すごい濃霧だな。まるで雲が降りてきているみたいだ。視界はどの程度だ?」
「報告によると三〜五メートルだそうです」
「よし、止まれ!」

 隊を率いる的田一尉の号令でぴたりと制止した隊員達。皆、眉毛一つ動かさず隊長の
次の言葉を待っている。

「ここから三分隊に分かれる。第一分隊は俺、的田が率いる。第二分隊は結城、第三
分隊は吉野が隊長だ。目的地点はわかっているな?」

 はい、と元気よく答えた二人に頷き、
「途中で作戦変更がある場合は無線で連絡する。結界を発見したら速やかにその分隊の
元へ集結するように!」

と、隊員に命じた。隊員達は隊列を乱さず三つの塊に分かれ、霧の山中へ歩を進めていく。
755粂八 ◆Pphe73DZjs :2012/07/21(土) 18:27:37.96 ID:wY75zbpK



「本営の魔方陣には八十人でいい! 残り百五十人は日本の戦車大隊の掩護に向かえ!」

 戦場の山地の北端で大規模な魔方陣を設営させながら、ボレアリア主席魔道師長
ベライン・オルキは魔法部隊の割り当てを慌しく進めていた。この辺まで来ると霧の影響も
だいぶ薄れ、薄もやの上にはっきりと月夜を望むことができる。

 齢五十を超え、彼もそろそろ前線に立つ仕事は後進に譲り、王宮での暗闘に明け暮れる
年代に入ってきた。が、軍属魔道師のトップに立つ彼は魔道師には珍しく現場主義の軍人である。

 彼の目の前には大きな防水仕様の羊皮紙と魔道塗料、それに陣に魔力を供給する
賢者の石の山。そこにオルキの厳しいチェックの元、部下の数人が松明の灯りの下で
文言図形を細かく描き込んでいく。

 副官が額の汗を袖でぬぐうオルキに手ぬぐいを差し出した。

「トーキョーでの作戦会議はいかがでしたか?」
「日本軍に魔法戦を説明するのは骨が折れたよ。でも、緒戦で劣勢に立った割にはしょげ
返ることもなく、まだ余裕があったな。大丈夫、勝てるよ」

 オルキは手荒に顔をぬぐうと副官に投げて返した。彼は日本の臨時作戦室に魔法戦
参謀としても参加している。魔法を使った戦闘にまるで免疫のない自衛隊には彼の助言は
非常に貴重だ。

「魔方陣の管理には八十人を充てるとのことですが、そうすると大魔法の同時起動は二つが
限度ですね。前線に送る魔道師を減らしてもいいのでは?」
「前線にも魔道師は必要だ。敵が作った泥の沼があったらどうする? 瓦礫や土で埋める
より我々が凍らせた方が早い。敵の操る毒蛇や大蜂の大群の対処はどうする? 退治
していたらキリがない、我々が魔導の"紐"を切ってしまう方が早い。敵の魔法の処理は
我々が行う。日本軍には気にせず進軍して欲しいのだ」

「霧の件はどうなりましたか? 私は最初から払ってしまっても良いかと思ったのですが」
「霧は対ゲート結界を"狙撃"する一瞬だけ払うことになった」
「ただでさえ敵に地の利があるこの戦いで、霧を放置するのは得策とは思えませんが」
「強風魔法を使うとこちらは鉄の蜂…ヘリコプターを使えなくなるそうだが、敵は飛竜
(ワイバーン)部隊を出してくるだろう。奴らは多少の強風でも使えるからな。戦闘機を
使えれば竜騎兵など雀のようなものだが、そこがな…ロシアの新兵器の正体がわかるまで
出せぬというんだ」
「はるか遠くからこちらの位置が全て見えている、というアレですか」
「うむ…どうせ空の兵力が使えぬならば霧を逆に利用する作戦にしよう、というのが今回の
策だ。重要な役割を任された。是非とも成功させねばな」

 友軍として陸自の掩護に当たる役目を負うことになっているボ軍魔法部隊だが、初回から
いきなり作戦のキモの部分を任されていた。

 今回の作戦は敵の霧を利用して特殊部隊が戦場の西部から侵入、対ゲート結界に
接近し、発信機を仕掛け、ミサイルを誘導し破壊するというものだ。

 敵の主力を結界から引き剥がすため、味方の主力は結界を無視して南下、山地を
突破して平地を目指す行動をとる。もちろん反応してこなければそのまま突破する。

 その隙を突いて特殊部隊が侵入するのだが、対ゲート結界は霧を張り終えた後に移動
された可能性が高い、との情報が入ってきていた。移動後の結界を見つけて破壊しなければ
ならない。
756粂八 ◆Pphe73DZjs :2012/07/21(土) 18:30:28.88 ID:wY75zbpK

 幸いなことに対ゲート結界は直径数十メートルという平坦地を必要とする。山の中では
非常に限られる地形だ。候補地は三つに絞られていた。

 そして結界を発見次第連絡を取り、ボレアリアの魔法部隊が強風魔法を使い一帯の霧を
吹き飛ばす。そして米軍ミサイル部隊のトマホークが発信機の元に飛んでくる。潜入部隊は
着弾と結界の破壊を確認し撤収。それが今回の三国共同作戦『ジョイントオペレーション・
ギリーインザミスト(霧中のギリー作戦)』の流れである。

「雨への対処には対抗魔法の常時待機でよろしいですか?」
「それでいい。山地での大魔法戦では雨が一番まずいからな」

 山地での大魔法戦は雨をいかに避けるかが古来から攻防のポイントとなっていた。
短時間で容易く土石流を起こすことが可能になるからだ。山地での土石流は決定的な
攻撃手段であり、異世界の歴史では、この対応を誤って大部隊が一瞬で壊滅させられて
きた例を挙げるのに暇がない。なお、地下水を利用することも可能だが、魔力と時間の
浪費が激しく持久戦以外では使えない。今回の状況では考慮しなくていいだろう。

「あの地域は崖が多くてな、戦車が通れる道が少ない。ほとんどの道が瓦礫で封鎖されて
いるだろうな。除去に手間取っているところに突撃してくるか、その前に何か一つ細工してくるか…」
「そうすると我々は索敵に重点を置いて協力するのがよさそうですね」
「うむ。索敵用の鷹三十、フクロウ十は前線に割り当てよう……おいコラそこ、そこは×じゃない、
*だ! 一箇所間違うと魔法が発動しないこともあるんだ、気をつけろ!」

 副官と議論を交わしながらも、魔方陣の描画に逐一指導を入れるオルキ。そこに伝令が
近寄り一枚のメモを手渡した。
 オルキが一通り目を通した後、紙片は彼の掌で燃え上がり、黒い煤に変わった。手に
息を吹きかけ煤を飛ばすオルキに副官が聞いた。

「良い知らせでしたか?」
「また貴族の横槍さ。つまらん話だよ」

 メモにはレイエス内務卿がロシア側と極秘に話し合いをもつ予定、と書かれていた。こんな
話は部下にも誰にも聞かせられない。異界側に知られるなどもっての外だ。連合軍が
空中分解する可能性すらある。

(あの人は人柄はいいんだが、空気を読めないのが玉にキズだな。緒戦で負けたからといって、
なんと節操のない………向こうが知ったらどう思うか…親しくする久口氏が感付かねば良いが)

 憂慮しながらもやの向こうの月を見上げるオルキだった。
757粂八 ◆Pphe73DZjs :2012/07/21(土) 18:35:29.91 ID:wY75zbpK
今回はここまでです。戦闘のルール説明と下準備で終わってしまった…
地球潜入編までいきたいなあ…
758創る名無しに見る名無し:2012/07/21(土) 19:01:31.34 ID:zmtQ4fm6
お久しぶり&投下乙です!
759創る名無しに見る名無し:2012/07/21(土) 19:20:19.09 ID:I/tj6SEo
投下乙
久しぶり過ぎて内容思い出すまでちょっと時間かかったけど
760創る名無しに見る名無し:2012/07/21(土) 20:18:58.59 ID:p4tMoKH1
投下お疲れ様です。心待ちにしていましたよ
761創る名無しに見る名無し:2012/07/21(土) 20:42:42.68 ID:Ni26nKaZ
投下乙!
粂氏エタってなかったか!よかったよかった
大魔法戦とかまた激しく戦術重視な設定もってきましたなぁ
762創る名無しに見る名無し:2012/07/21(土) 23:14:27.97 ID:tb4QthiM
粂八氏超久々に乙!
霧でくるとは敵も的確に嫌なところ突いてきますな。
軍事顧問の粛清フラグも楽しみw
763粂八 ◆Pphe73DZjs :2012/07/21(土) 23:50:30.92 ID:wY75zbpK
まだ覚えててくれてた人が結構いてありがたい限りです。
マニアックな展開ですが、続きも頑張ります。
764創る名無しに見る名無し:2012/07/22(日) 09:33:48.20 ID:bN7KfRiu
>>763
なんか設定集みたいのあればお願いしたい。
登場人物の相関関係や国の位置関係なんかをできれば詳しく…
765創る名無しに見る名無し:2012/07/22(日) 09:39:37.53 ID:xMMb80lq
投下乙
異世界での魔道戦楽しみにしています

ドラゴンの戦争への巻き込み謀略ですが
ドラゴンの「個体の知名度」が有ったりすると謀略露見が早くなる悪寒
766創る名無しに見る名無し:2012/07/23(月) 02:35:44.93 ID:gZLz12Si
霧の中の戦いだと槍隊とかが待ち伏せてて一斉突撃してきたら防ぎきれんだろ
こりゃやばいな
767創る名無しに見る名無し:2012/07/23(月) 11:59:07.47 ID:9Cyvw0/E
>>766
「待ち伏せ」は敵が来ると予想して
想定進路の脇の遮蔽物に配置するのが常道だからな

侵攻側が大軍だと統率乱れたら壊滅の可能性有るが
少人数による隠密行動なら霧はかえって好都合
むしろ防衛側が待機状態の緊張感に耐えられるかの練度が問題
768創る名無しに見る名無し:2012/07/23(月) 12:57:55.95 ID:Hg1DGvSk
粂氏、CoDネタから作戦名取りましたね ( ̄ー ̄)ニヤリ

ところで霧の中が舞台みたいだけど、対人レーダーって実際どのくらい見えるんだろう。
突撃楽勝だぜ、とか思って突っ込んできたF世界軍が蜂の巣になってほしいわけだがw
769創る名無しに見る名無し:2012/07/23(月) 17:19:00.58 ID:9Cyvw0/E
>>768
異世界側は自衛隊と応対してるのは防衛サイドじゃね?
侵攻側が対人レーダー持ち運びしながら移動するのは考えづらいけど

自衛隊が待ち構えて異世界側が奇襲するなら蜂の巣もあるが
770創る名無しに見る名無し:2012/07/23(月) 21:08:58.41 ID:M/99aAJP
霧なくなっても山中なら大して視界よくなるわけでもないから
そのままにしておいたのは大正解
ロシア側は制空権取ってるのに上空から索敵できん
771創る名無しに見る名無し:2012/07/24(火) 08:47:06.95 ID:veCW/868
俺もF世界に移籍したいわ
そろそろマンネリだから刺激が欲しい
772創る名無しに見る名無し:2012/07/24(火) 18:56:09.89 ID:qgnW0PAl
剣道三段なんだがF世界行ったら剣術の教師とかできるだろうか
773創る名無しに見る名無し:2012/07/24(火) 20:41:47.49 ID:yN2sxpWX
>>771
FUTSU世界にでも行きなさい
774創る名無しに見る名無し:2012/07/28(土) 14:16:17.12 ID:0kq/calO
超大型の獣相手メインなら剣なんかより何よりも弓、大型鈍器や斧使うだろうし、大型中型や人間相手なら槍使うんじゃねえの
比べたら剣とか使い道狭そう
室内用や乱戦時のサブウェポン位にしか使えなさそうな気がするけどどうなんだろ

日本にあるもの使うならなぎなたのほうがいいんでないの?
反応しづらい足元狙う技あるし
775創る名無しに見る名無し:2012/07/28(土) 15:36:38.86 ID:7Sx407gl
剣は使い道狭くないよ。広くて中途半端なのが剣。
776創る名無しに見る名無し:2012/07/28(土) 15:48:17.59 ID:0kq/calO
いや、剣そのものじゃなくて剣術教師の需要含めての話だよ
わざわざ剣術習うなら弓なり槍なりの扱い習いに行きそうなもんだけど
江戸レベルに平和な社会環境ならともかく戦争してたり魔物いたりすると剣は流行らないと思うが
777創る名無しに見る名無し:2012/07/28(土) 16:15:02.59 ID:5myE08Uk
むしろそんな状況だから剣なんじゃないか。
近接戦闘に強引に持ち込んでくる獣相手だとしたら弓や槍では対処できない。
それに護身用に槍なんて持ち歩くのも面倒だし
778創る名無しに見る名無し:2012/07/28(土) 16:32:58.22 ID:YIAfFvWf
>>774>>776
獣型の敵はともかく人型の敵(オークとかゴブリンとか)が脅威な世界じゃ
携帯性と汎用性で剣選ぶと思うが

>>777
獣型には普通に弓とか槍とか使った方がいい
ただ、現実の野生動物でもそうだけどどんな武器であれ獣に即致命傷を与えられる武器ってのはなかなか無いから
チマチマとでも遠〜中距離から傷を与えて出血させて、最終的に追い払うか倒すまで粘るのが良策
できればこっち側が多数だとより戦いやすい
779創る名無しに見る名無し:2012/07/28(土) 16:41:45.25 ID:YIAfFvWf
あと、どんな武器を選ぶかってのには防具も関係してくる
歩兵が「片手に槍、片手に楯」とか 「片手に剣、片手に楯」って装備して戦ってた頃というのは
鎧の防御力も低かったため、楯で防御する必要があり
そのために武器を片手で操らなきゃならないから槍も剣もそれほどの長さではない時代だった

だが鎧が発達して十分な防御力を得られるようになると、楯が不要になって両方の手を武器に使えるようになり
両手でぶん回す長さの剣や、両手で支える長大な槍(パイクとか)が登場してくる
780創る名無しに見る名無し:2012/07/28(土) 18:21:47.91 ID:0kq/calO
携帯性重視する行商やら戦闘が本業じゃない連中が専門的に剣習うかな?
獣や竜なんか狩る狩人にしても弓や槍はあっても剣は半端すぎるような

専門のハンターや冒険者的な層が使うにしても
特に魔物や竜みたいな大型で硬い獣いる世界なら剣は軽すぎて打撃力に欠けるからあんま発展しなさそう
メインが迷宮探索とかならまた別だけど
剣道だと足元割と無防備な上西洋の剣にはあんま向かない動きだし

後、一番の理由として中世ぐらいの生産力だとすると槍は剣に比べてずっと安くなるだろうからさ
剣は使う金属量に火力多すぎて必然的に高くならざるを得ないはず

>>777
間合い軽視しすぎ
すばやい獣相手でもやっぱり長物飛び道具は有利だよホントに
虎やライオンみたいな大型はもちろん中型犬相手にしてもやっぱ槍のが有利だと思うよ、特に訓練してない層なら尚更
サブウェポンにナイフあれば半端な長さの獲物はいらない気がする
781創る名無しに見る名無し:2012/07/28(土) 18:29:29.69 ID:5myE08Uk
>>779
騎士はともかく主力の一般兵に十分な鎧は準備できないし
楯が使われなくなったのを鎧の発展のせいにするのは無理がないか。
むしろ槍が主力になった事で盾を装備できない/必要性が薄れたのが理由だと思う。
782創る名無しに見る名無し:2012/07/28(土) 20:11:45.33 ID:YIAfFvWf
>>780
ところが、実は日本では安土桃山時代よりも前から剣術道場ってのは存在し、
農民や商人が自衛用に剣術を習ってたりするんだぜ
江戸時代以降剣術が広まった〜ってのはなぜか一般に広まってる誤解

あと、洋の東西を問わず武器ってのは身分や職業ごとに所持できる制限があったから
弓とか槍とかを持てない人も結構多かった
弓は猟師でもなきゃ持ってたらおかしいし、槍や刀剣も一部の種類を除き騎士・武士以外は
持っている正当な理由が無い
ただ、一定以下の長さの刀剣は、護身用などの名目に所持を許されていた
なので持てるのが刀剣なので習うのも主に刀剣、という所に落ち着くわけ

まあ実際には半農半武士とか、武装した自由農民とか槍や大きい刀剣とかを持ってる例も結構あったけどな
783創る名無しに見る名無し:2012/07/28(土) 20:22:14.42 ID:YIAfFvWf
>>781
>むしろ槍が主力になった事で盾を装備できない/必要性が薄れたのが理由だと思う。
槍は古代ローマの昔から主力
その理論こそおかしい
それだったら鎧が未発達な時代に楯と武器を同時に装備していたのが何故なんだって事になるだろ

そりゃあさ、両手で持つ長い槍で槍衾を組むなんてのは、鎧の発達もあるが
どちらかというと戦争の形態そのものが統制の取れた訓練を受け、隊伍を組んで集団戦術を
実行できるように進歩したのも理由として大きいから、鎧だけが理由ではないのだろうけど
そういう集団戦術が可能になったのはそういう訓練に時間を割ける職業軍人の制度を確立できたから
っていう、社会や軍制の改良があって初めて成立するもんだ
少数の貴族領主が抱える家族・親族経営レベルの常備軍に、戦争になった時だけ雇ったり徴募する半農民の傭兵
を加えた軍という形態ではできなくて、
戦争してない平時でも兵士を養い訓練させられるくらいの収入背景を得て可能になった代物

まあ古代ローマで職業軍人による集団戦術の確立→ローマ滅んで小規模貴族領主の封建制度→統合されてきてまた集団戦術ができるように
ってのが歴史的順番だけどな
784創る名無しに見る名無し:2012/07/28(土) 20:30:17.39 ID:5myE08Uk
>>780
護身用の武器というのは携行性が重視される方が多い。現実で言えば護身用武器は殆どの場合ナイフ。
また護身用にかぎらず取り回しというものがあるから、一概に剣と槍どっちが使いやすいかというのは言い切れない。
だから西洋でも東洋でも剣で戦う騎士や傭兵が存在し続けた。
785創る名無しに見る名無し:2012/07/28(土) 20:46:46.34 ID:0kq/calO
>>782
大型動物の話や経済性についてはどう?
武装制限されてないなら経済的で安全な槍に流れないかね?
それと、そもそも剣道の技術そのままで西洋剣扱うのは無理だってのも


>>784
現実でナイフが護身用なのはそれでわりと十分だからじゃないか?
都市部にそんな獣溢れてるわけじゃないし相手も剣槍持ってるわけでもない
町から離れればナイフでは対処できない獣がそこそこいればもっと長いもの持って出るだろう
獣多いところに住んでる人とかだと当然ナイフなんかでは出歩かないだろうし
まして固くてでかい生き物住んでるF世界だとしたら、弓や短槍、ちょっとした斧あたり持ち歩いててもそう不思議でない気もするけども


まあ社会環境やら世界観やらの前提ある話じゃないからかみ合わないんだろうけど
786創る名無しに見る名無し:2012/07/28(土) 21:00:37.29 ID:YIAfFvWf
>>785
大型動物に対処するには現実でも「大勢でワイワイ騒ぎながら通行する事で、大型動物の方から
警戒して近づかないようにしながら通行する」しか無いぞ
単体で狼とか熊とか猪と戦うなんて無茶すぎる 何を武器に選ぶかどころの話じゃない
一人で野生動物に遭遇したら素直に逃げた方がいい

武装制限されて無いなら槍を選択するだろうってのはその通り
だが、槍って実は剣より習熟が難しいからな
長い武器というのは操るのが大変なんだ
単純な「突き」だけを、大勢で相手を取り囲んで行うからそこまで習熟しなくても戦えるってのが槍の強み
刀剣は長さの分習熟は容易いが、振り回すので多人数の味方との連携に向かない
仲間と文字通り肩並べて一緒に戦う時に向いているのが槍、
敵味方入り乱れた乱戦での個人戦闘に向いてるのが剣、
と性質が全く違うものなのでどっちが優劣という話ではないしねえ…
できれば「両方持ってる」とか「槍担当と剣担当がそれぞれいる」とかそういうのが一番、何にでも対応できるって事になる

んで、
>そもそも剣道の技術そのままで西洋剣扱うのは無理だってのも
これに関してだが…ぶっちゃけ、スポーツ剣道は日本刀を扱う技術に全くなってない
むしろ「棒状のものを振り回す技術」として西洋剣の練習を始めるのには、多少役に立つんじゃないのか?
って感じもしないでもない…
でもって剣道単体だとほとんど実戦的じゃないうえに、よくて棒術と同じレベルだよな

真剣使った剣術の技術教えている、本格的な道場で習った剣道なら別かもしれないけど…
787創る名無しに見る名無し:2012/07/28(土) 21:10:04.59 ID:5myE08Uk
>>783
ああ、説明不足・・・というか槍じゃ意味が通じないな。パイクだ。
ファランクスやレギオンは歩兵対策として槍を持ち、盾も装備していたが非常に低機動だった。
中世の歩兵は突っ込んでくる騎兵対策であって、盾の必要性はあまりなかったし、
機動性を低下させ、有効に使うには練度が居る盾を持たせなかったんだろう。
これが一般兵の装備から盾が消えた理由だと思ってる、
さっきも言った通り雑兵の鎧は当然不十分だし、中世騎士でも盾が無くなったわけじゃない。
戦国時代の日本で大盾は使われ続けたし、鎧の発展は理由としては弱い。

>統制の取れた訓練を受け、隊伍を組んで集団戦術を実行できるように進歩した
それこそ古代ローマの昔からそうだが・・・

>>785
>町から離れればナイフでは対処できない獣がそこそこいれば
根本的問題としてそんなところに一般人は行かないだろw
現実で言うなら、ナタで熊を斬り殺した猟師とか結構いる。
788創る名無しに見る名無し:2012/07/28(土) 21:24:47.84 ID:YIAfFvWf
>>787
>ファランクスやレギオンは歩兵対策として槍を持ち、盾も装備していたが非常に低機動だった。
低機動って言っても駆け足程度は可能だったし、
そもそも何十何百が隊列を維持したまま移動するのはそんな高速できるもんじゃないから没問題
そんなに早く戦場機動したいなら馬使えって話になるぞ
まあこの話は本筋とはなれた重箱の隅だが

>これが一般兵の装備から盾が消えた理由だと思ってる
>さっきも言った通り雑兵の鎧は当然不十分だし、
中世歩兵って下手すると鎧すらなく楯だけ持って戦争参加とかいるんだぜ
鎧は革で、革の鎧も作るのに金がかかる(金属鎧や鋲打ち鎧よりは安い)が楯は木製でいいからな
その一方で槍だけ持って戦争参加ってのも多く、フリーランスの語源になっているが
そうすると歩兵のそれに関しては鎧がどうこうとか槍がどうこうとかじゃなく単純に「お金が無いから装備が半端」
というだけの話って考えられなくも無い

んで、お金のある金持ちの領主が抱える常備軍とか、あるいはある程度の規模の傭兵部隊で資本があるとかになると
ちゃんと鎧も揃えられるし、規律や統制の取れた戦いが出来るし、楯は不要、という事になっていく
そして装備も整えられない個人参加や農民が集まっただけの集団は閲兵式でハネられて戦争参加を認められない、というわけだな


>>統制の取れた訓練を受け、隊伍を組んで集団戦術を実行できるように進歩した
>それこそ古代ローマの昔からそうだが・・・
それがローマが滅んで、集団戦の訓練を受けた職業軍人を常に雇い維持するってできなくなったから
集団戦術が一時衰退したんでしょ?
789創る名無しに見る名無し:2012/07/28(土) 21:36:44.43 ID:JiXv14iM
>>782
西洋風がほとんどの場合であるFで日本の剣道を引き合いに出すのがおかしい


現実基準に考えると弓以外の武器で
欧州だと農民の武器として農具の発展系のフレイル系や鋤、ピッチフォーク
傭兵団なら剣はロングソードやポールウェポンが主力

凶暴な大型動物や異種族の闊歩するFで
特殊な進化を遂げた武器があってもおかしくはないがお目にかかった事がいまだない
790創る名無しに見る名無し:2012/07/28(土) 21:41:16.39 ID:YIAfFvWf
>>789
>凶暴な大型動物や異種族の闊歩するFで
>特殊な進化を遂げた武器があってもおかしくはないがお目にかかった事がいまだない
まあドラゴンとか居たところで
結局人間は人間に扱える武器しか使えないからな

ガッツのドラゴン殺しとかモンハンの大剣とか、いくら「怪物をぶった切れる武器」だからって人間に振り回せる代物じゃあないし
でもガンランスみたいな変り種はあっても面白そうだとは思う
791創る名無しに見る名無し:2012/07/28(土) 21:41:21.86 ID:0kq/calO
>>787
どんくらいの規模想定してるのかで変わってくると思うんだが
10000で大都市って中世のレベルの世界だと生産力だって知れてるし
そこらの庶民が高価な金属製の剣なんてそうそう持てるとは思えないんだけど
どっちかといえば鍬鋤の延長で槍とか棒の方が手が届く範囲だと思うんだが
それこそナイフと棒でいいんだし

剣道教師でも指導料代わりの持ち寄りの食い物で食ってけるか?
算数能力生かして商家に売り込みかけるほうがマシな気がする
792創る名無しに見る名無し:2012/07/28(土) 21:43:47.74 ID:0kq/calO
あとなんの訓練も受けてないのがそれぞれ槍と剣持ったとして多分勝つのは槍だと思うんだけど
殴るついでに穂先で切るって使い方でもいいし
793創る名無しに見る名無し:2012/07/28(土) 21:51:08.96 ID:YIAfFvWf
>>792
細かいことだが
>殴るついでに穂先で切るって使い方でもいいし
訓練受けてないのにそれはちょっと難しい
柄で殴る、の方が成功率は高いぞ

それ以外、槍の方がリーチ長いから訓練受けてない同士では剣より有利ってのは同意
つーか訓練受けてないと槍も剣も同じだからな
力任せにぶん殴るしか出来ない
794創る名無しに見る名無し:2012/07/28(土) 21:59:09.01 ID:0kq/calO
ああ、ついでに切るってのは能動的な話じゃなくて振ってりゃ切れるだろ程度の話な
795創る名無しに見る名無し:2012/07/28(土) 22:24:00.42 ID:5myE08Uk
>>791
>低機動って言っても駆け足程度は可能だったし
密集しすぎて方向転換が出来ない。

一方ある程度間隔を開けた陣形なら走り回れる。
密集陣形同士で戦う横でもこうした軽歩兵は常に使われてた。
騎馬じゃ弓に弱いし、コストも掛かるからね。

>お金が無いから装備が半端
金に糸目を付けずに雑兵に立派な鎧着せて、長槍持たせて、盾持たせたら多分動けなくなるんじゃないかなw


>集団戦の訓練を受けた職業軍人を常に雇い維持するってできなくなったから集団戦術が一時衰退したんでしょ?
ローマ軍が散兵戦術を持ってファランクスを打倒したように、あのタイプの密集陣形は柔軟性に掛け
騎兵による攻撃に弱い。だから消えただけ。
796創る名無しに見る名無し:2012/07/28(土) 22:28:00.64 ID:YIAfFvWf
>>795
>密集しすぎて方向転換が出来ない。
戦列歩兵もそうだけどな
ありゃあ隊列が横に伸びすぎて方向転換が遅いからだが

>金に糸目を付けずに雑兵に立派な鎧着せて、長槍持たせて、盾持たせたら多分動けなくなるんじゃないかなw
だから、鎧の防御で十分だから楯必要ないって言ってるだろ?

>ローマ軍が散兵戦術を持ってファランクスを打倒したように、あのタイプの密集陣形は柔軟性に掛け
>騎兵による攻撃に弱い。だから消えただけ。
いや、歩兵が騎兵に弱いのはいつの時代でも同じですから…
歩兵ってのは敵歩兵隊列もしくは騎兵を受け止めて拘束するためだけにあるんだぞ
そこを騎兵が側背から攻撃するから意味がある
797創る名無しに見る名無し:2012/07/28(土) 22:36:06.33 ID:+jhWzA35
人間ってやっぱり最強の生物なんだなぁ、と思った。

【さらばアフリカ】黒人が集団で象や河馬などを狩る!【衝撃映像】
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm17933526
798創る名無しに見る名無し:2012/07/28(土) 22:38:56.06 ID:bM8SpEU7
すげー今更な動画
見るまでもなく何の動画かわかるわ
799創る名無しに見る名無し:2012/07/28(土) 23:01:06.18 ID:9VSEnI7O
思ったんだけどF世界相手なら現在のしっかりした冶金技術で作られた鋼鉄の鎧とか
或いは軽くて強いアルミ合金の鎧とかが、ぼったくり価格でも馬鹿売れするんじゃないかな?
800創る名無しに見る名無し:2012/07/28(土) 23:12:17.61 ID:+jhWzA35
輸送戦記でヒロインの女の子に軽くて丈夫な鎧とか作ってたっけ?
801創る名無しに見る名無し:2012/07/28(土) 23:15:16.62 ID:Mme5UuzH
上級騎士限定で日本製鋼盾とかプレミア感を煽ってもいいな。
802創る名無しに見る名無し:2012/07/28(土) 23:20:59.16 ID:I37dAf68
ステンレス製の錆びない兜や楯というだけで、飛びつくかもな
803創る名無しに見る名無し:2012/07/28(土) 23:27:08.73 ID:+jhWzA35
ステンレスの強度って装甲としてはどうなの?
804創る名無しに見る名無し:2012/07/28(土) 23:28:21.84 ID:bM8SpEU7
そうやって重商主義で搾取して荒らせそうだよね
いくらでも新商品だせるしww  というかただの鉄製品でも硬度違いすぎて別商品か
805創る名無しに見る名無し:2012/07/28(土) 23:35:37.95 ID:5myE08Uk
京セラ製のセラミックグレートソード     1000000G
新日本製の鐵製紋章付チタン盾       500000G
トヨタ製の板金鎧                1000000G

助かった命・・・・プライスレス!
お金で買えない価値がある、買えるものはマスターカードで。
806創る名無しに見る名無し:2012/07/28(土) 23:52:35.56 ID:I37dAf68
F世界にカードローン地獄を持ち込むのか
807創る名無しに見る名無し:2012/07/29(日) 00:49:19.12 ID:4ULNAaIw
鎧兜一式が今の家並みの価格だからどっちにしても地獄だけどね
次の戦功でローン返済!!とか嫌だなぁ・・・
808創る名無しに見る名無し:2012/07/29(日) 00:58:27.34 ID:OhUG/8L6
そして戦場で倒して剥ぎ取って奪うほうがいい、と良い鎧を着てる奴ほど狙われるという…
809創る名無しに見る名無し:2012/07/29(日) 02:16:48.31 ID:4ULNAaIw
剥ぎとっても。体型に合わせてオーダーメイドされてるから売れないんだよねぇ・・・
剣は使えるだろうけど
810創る名無しに見る名無し:2012/07/29(日) 02:21:06.80 ID:0hC7Tuy9
返さない場合のために生命保険が掛けられたりしてねw
811創る名無しに見る名無し:2012/07/29(日) 07:53:31.29 ID:kX9D/oQ4
>>805
異世界の通貨単位がどんなか知らんが「G」がゴールドを基準にした物だと
100万ゴールドって金貨100万枚、国家が購入する軍艦くらいの値段じゃね?
市井の連中が普段使う通貨だと銀貨や銅貨が妥当と思う

「飛空石」とか「賢者の石」みたくこちらの世界に無いレア鉱石がF世界でとれるなら
貴金属の価値が相対的に低くなってるかもしれんが
812創る名無しに見る名無し:2012/07/29(日) 07:55:58.28 ID:bcmND95t
ゴールド
シルバァ
コッパァ
813創る名無しに見る名無し:2012/07/29(日) 09:40:53.13 ID:DFCeNkT4
参考までに、16世紀スペインの槍兵の月給は金貨3〜4枚(一枚3グラム強)
814創る名無しに見る名無し:2012/07/29(日) 09:55:08.17 ID:IKJc/fJR
そういやナウシカ世界のセラミックって『宇宙を目指していた船』からの削り出しらしいけど、スペースシャトルの外殻用に精錬されたやつを刀に流用したとして、強度とか性質はどうなの?

教えてドラゴンボーンな人。
815創る名無しに見る名無し:2012/07/29(日) 10:12:03.42 ID:m2k50nkE
スペースシャトルの耐熱タイルは耐熱性しか考えられてないから装甲にも刀にもならない。
816創る名無しに見る名無し:2012/07/29(日) 10:14:21.39 ID:d+fgWISO
フス、ロ、ダー!!
817創る名無しに見る名無し:2012/07/29(日) 14:15:50.15 ID:7pZANcSo
>>811
市井の連中向けじゃ儲からないべw
818創る名無しに見る名無し:2012/07/29(日) 23:58:02.09 ID:t6uTE4yP
F世界の取立屋は・・・

ウシジマ君どころの騒ぎじゃないんだろうな
819創る名無しに見る名無し:2012/07/30(月) 00:25:53.97 ID:9B3AtqHu
スペースシャトルの耐熱タイルで「とどろけ!一番」を思い出したのは俺だけではないはずだ
820創る名無しに見る名無し:2012/07/30(月) 01:32:55.24 ID:MRS6dctX
レス番号が800越えたけど作品続きは微妙な頃合かな
粂八氏と石動氏が現在のとここのスレでの活動確認済みで
あと不明なのが北九州のドーラ帝国版図に日本転移の奴だっけ?
821創る名無しに見る名無し:2012/08/01(水) 21:57:28.97 ID:NC9pdySE
続ける気があるなら短くても投下するよ>北九州にドーラ
投下されたら作者に感謝する
822石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/08/03(金) 17:18:14.62 ID:x1D2s493
御無沙汰しております。

粂八氏の復活はうれしい限りですね。私も色々な方の作品を読んで、刺激を受けたいと思っています。
明日くらいには投下できそうです。
823創る名無しに見る名無し:2012/08/03(金) 21:32:13.43 ID:0PYcfiSr
お久しぶりですー
824創る名無しに見る名無し:2012/08/04(土) 02:48:31.95 ID:E9eOgyCO BE:3160366278-PLT(15556)
お久しぶりです!投下超期待
825創る名無しに見る名無し:2012/08/04(土) 13:35:01.41 ID:XNq/BDBl
ダークエルフの容貌が現実の黒人の様な造作だったら日本人の好みからは程遠くなるよね
826創る名無しに見る名無し:2012/08/04(土) 15:14:46.60 ID:iXPqlt8P
黒人系人種といっても一口に色々ある上に、
黒人混血での美しい人種というのも居るからそうとも限らない
827石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/08/05(日) 01:03:43.52 ID:zxS/nVSs
第9話ようやく投下します。
前回から間が空いてしまいました。
自衛隊は五老ヶ岳陣地と白鳥峠陣地でエレウテリオ騎士団を迎撃していましたが、五老ヶ岳陣地は撤退を開始しました。
福井方面の増援は道路のせいで、京都方面はまず福知山、綾部救援で、舞鶴には到着していません。

では、投下します。
828石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/08/05(日) 01:06:19.71 ID:zxS/nVSs
9 決壊


京都府舞鶴市倉梯 倉梯小学校
2012年 6月5日 17時40分

 押し殺した足音が入り口の前で止まった。一呼吸置いて、ゆっくりと扉が横に引かれる。扉はやけに軋んだ音を立てて開いた。
 教室の中にしゃがみこんだ全員が息をのむ。怯えきった視線がゆっくりと開く扉に集中した。
「……戻りました。みんな無事やったかな」
 囁く程の声を発しながら、滑り込むように教室に入ってきたのは、全身汗にまみれた中年男性だった。ズボンの膝や掌は酷く汚れ、這うようにして移動してきたことが窺えた。
 扉に向けられた視線から、明らかに緊張が弛んだ。

「小代先生、外はどうでしたか?」

 無事にたどり着いた安堵からか、血の気の引いた顔面に虚脱した表情を浮かべた男性──倉梯小学校教諭小代英樹は、その問いかけに力なく頭を振った。

「あかんわ。外はもう化け物がうろうろしとる。子供ら連れて逃げるのは無理や」
「そんな……。バスで逃げられませんか?」
 問いかけた女性教師──香住ほのかは、すがるように言った。柔らかな笑みと分け隔てない態度で、児童からの人気が高い彼女だが、その表情に普段の面影はない。
 死への恐怖感と教え子に対する責任感が彼女の華奢な身体の中でせめぎ合い、ひきつった表情と甲高い声色として表れていた。
 小代は少し苛立った様子で答えた。

「香住先生、無理いうたらあかんよ。エンジンなんてかけたらあっという間に囲まれる。それに、運転手はやられて、キーがついとるかもわからん」
 小代は窓の外に目をやった。校庭にマイクロバスが停まっていた。その傍らには死体が転がっている。「待っとるから早よう連れて来るんや」と言ってくれた、夜久野という名の運転手は、いまは冷たい死骸となってしまった。
「周りを見てきたけど、警官も自衛隊もおらん。いるのはあの化け物と刀ぶら下げた奴等だけや」
 小代は声を潜めた。
「見つかったらおしまいや。香住先生も少し声を抑えて」
 小代の言葉に香住は俯いた。前髪が額にかかり、彼女の童顔を覆い隠した。唇を噛み、涙が溢れるのを何とか堪える。
 高校生と言われても通じてしまうほど若い女性教諭のうちひしがれた様子に、小代はばつの悪い思いを覚えた。


 彼等がいるのは、舞鶴市倉梯小学校の二階教室である。
 本来であれば、避難は完了しているはずであった。しかし、そこには教師2名と男子2名、女子3名が取り残されていた。


 その原因は、五老ヶ岳及び白鳥峠に敷かれた第一次防衛線が突破されたことにあった。
829石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/08/05(日) 01:07:40.22 ID:zxS/nVSs
無線交話

2012年 6月5日 

『ヱビス、ヱビス、こちらサッポロ。敵出現、数は数百。投降勧告に応答なし。現在、交戦中』
『ヱビス了解。現地点を固守せよ』
『サッポロ了解』

【現本より移動各局。白鳥陣地にマル被の集団が出現した模様。各局は警戒を厳にされたい】
【204了解。市バスによる避難は、現在のところ順調。引き続き誘導に当たる】

『ヱビス、こちらサッポロ。警告射撃を行うも、敵対行為に変化なし。正当防衛射撃に移行する』
『ヱビス了解』
『ヱビス、こちらキリン。キリン正面の敵、前進を開始した。約100名。警告を行う』
『ヱビス了解』

《避難バス各車、こちら舞鶴市交通局です。現在国道27号線五老ヶ岳及び県道28号線白鳥峠付近に暴徒の集団が現れました。注意してください》
《3号車了解。……本当に大丈夫だろうね?》
《自衛隊と警察が戦っています。──大丈夫です、きっと》

『ヱビス、こちらサッポロ。敵第一波を撃退した。敵の損害は100名以上、我に損害なし。残弾80%』
『ヱビス了解。後続の動静知らせ』
『サッポロ了解──あー、後続第二波前進を開始する模様。引き続き迎撃に当たる』
『ヱビス、ヱビス、こちらキリン──敵第一波を撃退した。約100名を撃破した。被害なし。ただし、弾薬消費が大きい』
『キリン、こちらヱビス。陣地防衛は可能か?』
『可能だが、弾倉が足りない。補給を要請する』
『ヱビス、サッポロ。射撃開始!射撃開始!敵第二波は構わず進んでくる。射撃効果大』
『ヱビス了解』

[ヘクトアイズ01、ベアード04。現場上空到着。視程10キロ以上、シーリングなし。陣地守備隊と敵の交戦を認む。送レ]
[ベアード04、ヘクトアイズ01。以後、この波にて海自管制とコンタクトせよ。コールサイン【クレインネスト】、送レ]
[ベアード04了解。終ワリ]

『──ヱビス、こちらサッポロ。敵第二波と交戦中。数十名ずつの集団が突撃を繰り返してくる。我が方の火力で撃退は容易。……あいつらどうかしてるぞ』
『ヱビス了解。弾薬消費に留意せよ。キリンは苦労しているようだ』
『サッポロ了解。こっちは正面が狭いから、五老よりは楽だ。──上空にヘリを視認した。陸さんか?』
『その通り。残念ながらまだ偵察ヘリだけだ。コールサイン【ベアード04】』
『サッポロ了解』

〔警報、警報、警報、各局、各局、各局、こちらは舞鶴保安、舞鶴保安、舞鶴保安、現在発令中の航行警報をお知らせします。
 舞鶴港、宮津港及び付近沿岸部は、現在航行禁止区域に指定されています。付近航行中の船舶は、陸岸から5マイル圏内に近付かないよう注意してください。
 若狭湾の航行は海上自衛隊及び海上保安庁の艦船が最優先されます。国際VHF16chをガードしてください。続いて避難船舶の受入れ港について──〕
830石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/08/05(日) 01:10:19.27 ID:zxS/nVSs

[──ネスト。クレインネスト、ベアード04]
[ベアード04、クレインネスト感度良好]
[ベアード04了解。現在五老ヶ岳上空。エンジェルゼロポイントツー。日没までオンステーション可能。送レ]
[クレインネスト了解。陣地守備隊、コールサイン【キリン】及び【サッポロ】、HQ【ヱビス】]
[ベアード04了解。現在【キリン】正面、敵突撃を続行中。後方300から敵の支援射撃あり。送レ]
[クレインネスト了解。持ちそうか?]
[【キリン】は火力をうまく使っている。防衛は可能だろう]
[クレインネスト了解。ベアード04は敵の対空火器に注意しつつ、次は【サッポロ】上空に移動されたい]
[ベアード04了解。ワイバーンが襲って来たら逃げるよ。終ワリ]

『ヱビス、こちらサッポロ。敵第四波を迎撃中!陣地前は酷い有り様だ……』
『サッポロ、こちらヱビス。敵の動静を知らせ』
『敵集団約800名のうち、300は倒した。人間じゃない連中も混ざっている』
『どういう、意味か?』
『こちらサッポロ。敵の一部は人に似ているが、人とは違う。何だかわからない』
『サッポロ、こちらヱビス。正確に報告せよ』
『……こちらサッポロ。また来やがった。敵第五波接近中!射撃を開始する──畜生、いくらでも来やがれッ!』

[クレインネスト、ベアード04、現在【サッポロ】上空。【サッポロ】は白鳥トンネル入口に構築した陣地で間違いないか?送レ]
[ベアード04、クレインネスト。間違いなし]
[ベアード04了解。──下は派手にやっている。送レ]
[ベアード04、クレインネスト。味方は優勢か?]
[敵は陣地に近づけないようだ。【サッポロ】は優勢に戦っている。送レ]
[クレインネスト了解]

『ヱビス、こちらキリン。現在、敵集団の制圧射撃を受けている』
『こちらヱビス。制圧射撃は重火器か?』
『──ネガティブ。長射程の弓矢によるもの。現在のところ被害なし』

【現本より移動各局、五老ヶ岳及び白鳥陣地での戦闘が本格化している。マル被を発見した場合は、受傷事故に注意し、身柄を確保せよ】
【201より現本。陣地が突破されたのか?】
【いや、両陣地とも健在だ】
【101より各局。五老ヶ岳陣地は現在もマル被の集団と交戦中。──機関銃ってのは、凄まじい】
【こちら102。終わったあとの検死が大変だ。市民の避難はよろしく頼む。こちらは、任せろ!】

「──はい、今のところ順調に避難が進んでおります。はい、はい、自衛隊から先程連絡がありまして、防衛は可能だとのことです。
 はい、職員総出で全力を尽くしております。市長には九割が避難を完了し、残りも間もなくとお伝えください」

《交通局、こちら避難バス3号車です、どうぞ》
《はい、こちら舞鶴市交通局です。どうしましたか?》
《あー、3号車の夜久野やけど、いま倉梯小学校の校庭です。どうも、子供が何人か見当たらんらしい。先生が探しに行っとる》
《……事故ですか?》
《いやいや、なんか「怖いから動けない」とかなんとかで。校舎の中に隠れてもうたらしいんや。もう少し、待ってみますわ》
《他に避難していない人はいますか?》
《その辺は4号車に頼んだわ。自衛隊、勝ってるんやろ?》
《はい、大丈夫と連絡がありました。何かありましたら連絡をお願いします。どうぞ》
《はい、はい。3号車以上です》

831石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/08/05(日) 01:12:07.13 ID:zxS/nVSs

『ヱビス!ヱビス!こちらキリン!敵の制圧射撃により機関銃座がやられた!』
『キリン、ヱビス。敵は重火器を使ったのか?』
『違う!矢だ!凄い威力の矢の雨だ。畜生!』
『キリン、ヱビス。防戦は可能か?』
『全力で射撃中だが、白兵になるかもしれん!やるだけやってみる』

[ベアード04、クレインネスト。【キリン】に異状あり。上空より状況を偵察し、報告されたい]
[ベアード04了解。【キリン】に向かう。終ワリ]

『ヱビス、こちらサッポロ。こちらは異状なし。敵は息切れしたらしい。攻めてこなくなった』
『サッポロ、こちらヱビス。敵は撤退しているか?』
『──何だ?あいつら、腹いせに家を焼き始めた。死体の山と、煙で視界が悪化している。ヘリで見えないか?』
『ベアード04は【キリン】に向かった。サッポロは、引き続き陣地を防衛せよ』
『サッポロ了解』

【101より現本。機関銃がやられた。全機材を投入し、陣地への突入を阻止する】
【現本了解】

[クレインネスト、ベアード04。【キリン】上空に移動した。送レ]
[【キリン】の状況を知らされたい]
[了解。現在、敵兵が陣地に突入しつつ……いや、訂正する。警官隊が反撃している。やったぞ。敵は突入に失敗した。送レ]
[クレインネスト了解]

『ヱビス、こちらキリン。敵を撃退した。機動隊のお陰で助かった』
『ヱビス了解。被害状況知らせ』
『機関銃座が壊滅。細部は不明だが、死傷者あり。確認中。なお、敵は突撃発起点まで後退した。与えた損害は約300以上』
『ヱビス了解』

[緊急!緊急!クレインネスト、こちらベアード04!【サッポロ】周辺の側道に敵が浸透している!やつら山を越えているぞ!]
[ベアード04、数は分かるか?]
[葉が繁っていてよく見えない。しかし、かなりの数だ。このままだと、陣地の背後にまわられちまうぞ!]

『サッポロ、サッポロ、こちらヱビス。ベアード04から敵が浸透していると通報があった。異状ないか?』
『こちらサッポロ。現在のところ異状な──おい、どうした?騒がしいぞ』
『サッポロ、こちらヱビス。敵が左右の山道を浸透中。陣地後背に注意せよ』
『……』
『……サッポロ、こちらヱビス。感度どうか?』
『──陣…後方に敵…浸透を……けた。現──。』
『サッポロ、状況知らせ。撃退は可能か?』
『──だっ!陣……入られ…!畜生。三人…られた』
『再送、聞こえないぞ!状況はどうなっている』
『──撤……る。陣地……は困──』

【102より、現…。トンネル出口側か………被が侵入した。自衛隊に被害が大きい。現地点の維持は困難。これより脱出する】
【現本了解。脱出は可能か?】
【──くそ、周り中小鬼だらけだッ!側道に回り込まれたのに気づかなかった。車両での突破を試みる!】
【現本了解。各局、各局。白鳥陣地が突破された!繰り返す。白鳥陣地が突破された!マル被の侵入に備え、市民の避難を急げ】

[クレインネスト、ベアード04。【サッポロ】が突破された。現在敵は県道を東に浸透中。──なお、【サッポロ】の脱出を確認した。送レ]
[クレインネスト了解]

《避難バス各車、こ、こちら舞鶴市交通局です。暴徒の集団が白鳥峠を越えて市内へ向かっています。各車は警察官の指示に従い、速やかに退避してください》
《こちら2号車!なんやって?自衛隊はどうしたんや!?》
《こちら6号車。いま国立病院だ。どっちに逃げればいい?》
《こちら3号車。まだ子供と先生が帰ってこん!》
《か、各車は落ち着いて、警察官の指示に従い、退避してください》

832石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/08/05(日) 01:13:43.57 ID:zxS/nVSs

『キリン、こちらヱビス』
『こちらキリン。サッポロがやられたのか?』
『こちらヱビス。残念ながらその通りだ。敵が白鳥峠を越えた。このままだと、敵が道芝トンネルからキリンの背後に回り込む恐れがある』
『──そうか、白鳥街道から道芝トンネルで、ちょうどこちらの後方に道が繋がっているな……』
『さらに悪いことに、北吸地区から市役所前にも繋がっている。このままだと、包囲される』
『ヱビス、こちらキリン……どうする?』
『こちらヱビス。キリンは現地点を放棄し、総監部前まで後退。サントリーと合流せよ』
『……折角守り切ったってのに──了解、復唱する。キリンは現地点を放棄し、サントリーに合流する』

【204より現本!来たッ、来たぞ!現在、森本町。マル被の集団を視認した!】
《こちら3号車。もうしばらく待ってみるわ。子供を残して逃げたら、母ちゃんにどやされるしな》
【現本より各局。204より入電、森本町でマル被を視認。避難は前島埠頭または舞鶴教育隊に誘導せよ。福井方面は通行不能】
《3号車、こちら舞鶴市交通局です。まもなく倉梯町に暴徒の侵入が予想されます。早く、早く逃げてください!》
『こちらサッポロ。敵と交…戦中!何とかどこかで立て直したい!誘導願う!』
[クレインネスト、ベアード04。小学校の校庭にバスが停車している。避難を急がせた方がいい──]
『サッポロ、こちらヱビス。舞鶴線を利用して迎撃する。東舞鶴駅に向かえ』
《こちら3号車!あかん、囲まれたッ!助けてくれェ》
《逃げてッ、逃げてください!》
『ヱビスより全隊。敵が東舞鶴地区に侵入した。各個に敵を阻止せよ!』
【こちら204。数が多すぎる!退避する】

833石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/08/05(日) 01:15:57.96 ID:zxS/nVSs
京都府舞鶴市長浜 海上自衛隊舞鶴飛行場
2012年 6月5日 17時12分


 
 海上自衛隊舞鶴航空基地の格納庫には、現在1機の航空機も収められていない。そのため格納庫内は閑散としているはずであった。
 しかし、格納庫内は喧騒に満ちている。その原因は格納庫の一角を占めた異物たちにあった。

 広々とした格納庫の片隅に古びたホワイトボードが1台置かれている。その周囲にはパイプ椅子と長机が乱雑に並べられていた。
 長机の上には防水シートが敷かれ、64式小銃や9o機関けん銃が並べられている。
 その周りも雑然としていた。
 背納、88式鉄帽、水筒、弾倉、防弾衣等の個人装具が、思い思いの位置に置かれていた。
 二等海士の頃から整理整頓、定所格納を叩き込まれている整備員たちが見たら、確実に怒り狂う光景である。

 何よりの異物は、ホワイトボードにの周りに座る、濃紺と迷彩の男達──『みょうこう』立入検査隊員 と舞鶴陸警隊機動班員であった。

 彼等は、無線から聞こえる交話の内容に熱心に聞き入っていた。隊員たちは、無線から漏れ聞こえる戦況に一喜一憂している。
 気は逸っている。無線機から市内各地から交戦状況の報告が、洪水のように流れてくるためである。
 しかし、予備兵力として拘置されている彼等に出動命令は未だ下されず、待機場所とされた格納庫の一角で、じりじりとした時間を過ごすことを強いられていた。

 通信員が無線機のボリュームをあげた。歪んだ声が、格納庫の天井に反響する。
 戦況は大きく動いていた。
 隊員たちは白鳥陣地及び五老ヶ岳陣地に敵が押し寄せたとの報告に唸り、敵の攻勢を撃退したという報告には、歓声で応えた。

 そして──。

『──陣…後方に敵…浸透を……けた。現──。』
『状況知らせ。撃退は可能か?』
 白鳥陣地からの通信は、音声が断続的に途切れ、内容がはっきりしない。
『──だっ!陣……入られ…!畜生。三人…られた』
『再送、聞こえないぞ。状況はどうなっている』
『──撤……る。陣地……は困──』
 白鳥陣地からの通信は、激しい雑音と共に途絶えた。交話の状況から陣地守備隊に異常事態が発生したことは確実であった。

「──一体何が起きたんだ?一度は敵を撃退した筈だろう」
 興奮と虚脱が入り交じったどこか不安定な表情をした、妻木二曹が呟いた。
 周囲の者も同じ疑問を抱いていた。



 そこからの30分程は、万全に見えた自衛隊と警察による舞鶴市の防衛計画が、実は綻びが一つ生じるだけで連鎖的に崩壊する程余裕のないものであったことを明確に示していた。
 背後に浸透された白鳥峠陣地守備隊は、損害を出しつつ市街地に撤退。JR東舞鶴駅で再編成を試みている。
 一方エレウテリオ騎士団主力を撃退した五老ヶ岳陣地守備隊も、白鳥街道から背後に回り込んだ敵に包囲されることを恐れ、総監部前予備陣地に後退した。
 警察諸隊は必死に、残された市民を、前島埠頭、舞鶴教育隊などの脱出拠点へ誘導していた。
 防衛ラインを突破されたことで、各部隊は主導権を失っていた。
 これに対し舞鶴地方総監部は、防衛ラインを総監部前及びJR東舞鶴駅周辺まで後退させ、確保されている港湾及び自衛隊施設から市民を海へ逃がそうと考えていた。

 そのためには敵を食い止めるための兵力が必要であった。
 

834石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/08/05(日) 01:17:38.13 ID:zxS/nVSs

「陸警隊機動班集合ッ!」
 格納庫の高い天井に指示が反響する。十名の武装した隊員が素早く整列した。
 陸上自衛隊と同じU型迷彩と88式鉄帽に、弾帯・サスペンダーを装着し、その上から黒の防弾チョッキを着用している。
 武装は64式7.62o自動小銃と特殊警棒であるが、陸自と異なり破片手榴弾は装備していない。
 これから数百の敵を食い止めるために出撃する兵としては、軽武装に過ぎた。

 だが、士気は旺盛である。散々待たされた彼らは、仲間の危機に猛っていた。
「注目!機動班は市街地に侵入した敵を迎え撃つため、JR東舞鶴駅に進出する」
 機動班長が鋭い声で命じる。
「東駅には白鳥峠守備隊が撤退しつつある。彼らを収容し駅舎を盾に敵を食い止める」
「了解!」
「よし、かかれッ!」
 機動班員は張りのある声で応答し、2台のパジェロに乗り込んだ。
 最後の一人が後部座席に飛び込む。
「お先に!」
 助手席の陸警隊三曹が、キザな仕草で敬礼をした次の瞬間には、派手なエンジン音と濃い排気ガスを残して、二台は基地のゲートへと走り去った。
 残された隊員たちは咳き込みながら彼らを見送った。
 舞鶴航空基地から東駅までは約10分。到着と同時に、激しい防衛戦闘に忙殺されることになるだろう。


 みょうこう立入検査隊先任海曹である可児は、右頬に視線を感じた。
「で、俺らはまた待機ですか……?」
 先を越されて悔しいのだろう。第二班長の妻木二曹が、拗ねた口調で可児に言った。
「やばいんでしょう?我々はここにいていいんですか?」
 三班長斉藤二曹も続く。
 可児は、ぐるりと頭を巡らせ周囲を見渡すと、先程艦から届いた話を思い出した。
 彼がその内容を隊員に伝えようとしたとき、視界の隅によたついた足取りで駆けてくる指揮官明智一尉の姿が入った。

可児は言った。

「心配するな。いまからお前らも散々こき使われる」

835石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/08/05(日) 01:24:40.94 ID:zxS/nVSs
以上です。

今回、読みにくいデスネ。すみません。
また、もどかしい展開になりました。増援がくれば一発なんですけれど。

地図のない方へ。
国道27号と県道28号線は梯子かアミダくじをイメージしてください。
縦の棒に二ヶ所陣地をもうけて食い止めていたのですが、片方が突破されると横の線を通って回り込まれてしまうため、後退せざるを得なくなりました。

御意見御質問御感想をお待ちしております。

836創る名無しに見る名無し:2012/08/05(日) 01:29:32.76 ID:9a3hObYx
投下乙です。
軍の質ではこちらが圧倒的に上なのに、数が足りないことと、奇襲を受けて対応が後手後手に回ったことで、劣勢に追い込まれざるを得ない。
厄介なことです。
837創る名無しに見る名無し:2012/08/05(日) 01:32:13.94 ID:l0icXp8+
>>835

各県の駐屯地からの増援による異世界軍殲滅を期待しています。

838創る名無しに見る名無し:2012/08/05(日) 02:12:39.59 ID:d2tDF0dE
>>837
第一師団「お前ら、車両にはちゃんと『近衛師団』と書いておけよ」
第一師団「ちゃんと『ほむほむ』を描いておきました!」
839創る名無しに見る名無し:2012/08/05(日) 08:15:21.48 ID:clIMvhYQ
投下乙でした。
白鳥陣地の戦力に不安を抱いていたけど、背後に回り込まれたら関係ないか
しかし敵もかなりの損害を出してる、それなのにまだ攻めてくる
840創る名無しに見る名無し:2012/08/05(日) 09:29:00.76 ID:cJjA9Rr5
Google Map 見ながら読んでます。
それにしても今のところ投入できる兵力も武器もしょぼくてストレス溜まりますね。
このままだと現地のラブホが軒並み燃やされてしまいそうです。
841創る名無しに見る名無し:2012/08/05(日) 10:08:33.08 ID:VnuZJQxa
投下乙
異世界側としては城(ラブホ)落として勝ち戦と勢いに乗ってるけど
どこら辺で進撃止めて兵を休ませるかが鍵となるかな

侵攻側としては夜の闇が降りる前に出撃起点に撤退するか
どこか見晴らしの良い場所選んで野営地構築する頃合>17時

.........あぁ、それで「学校」の描写があったのか......
842石動 ◆a11CQqukNsdH :2012/08/06(月) 17:10:46.32 ID:/Rd2B3ma
感想ありがとうございます。
防衛出動が出て、態勢を整えた自衛隊がまともに迎撃すると、三行で話が終わってしまうので、この世界の自衛隊には、苦労してもらっています。

実際のところ、兵力が足りなくて四苦八苦です。
843創る名無しに見る名無し:2012/08/06(月) 18:40:11.85 ID:oqADNEMn
首相「よっしゃ出動だ」
自衛隊「汚物は消毒だー」
F世界「ひでぶ」
844創る名無しに見る名無し:2012/08/06(月) 18:43:08.91 ID:QT40SPWq
そういや自衛隊にも火炎放射機あったっけか
845創る名無しに見る名無し:2012/08/06(月) 21:41:33.01 ID:2UabZN+j
自衛隊は火炎放射機は所有してるときいたぞ。人にはつかわんけどな。
846創る名無しに見る名無し:2012/08/06(月) 21:48:44.11 ID:Tae2xZXT
雑草除去だっけか。
847創る名無しに見る名無し:2012/08/06(月) 22:10:14.74 ID:oqADNEMn
自衛隊「雑草共め! 死ね」
F世界兵「ぎゃーああああ」
848創る名無しに見る名無し:2012/08/06(月) 22:25:54.60 ID:H5Nen19e
火炎放射器って大雪には効果がないらいしな
849創る名無しに見る名無し:2012/08/06(月) 23:31:31.85 ID:9vG1qfOr
ダークエルフはインドみたいな浅黒いコーカソイドに近い顔のイメージだな
850創る名無しに見る名無し:2012/08/07(火) 19:00:48.53 ID:QjuecR7B
M2火炎放射器の改良型だったはず。
あまり数はないけど。
851創る名無しに見る名無し:2012/08/07(火) 19:21:51.73 ID:Va+3mkt0
基本自衛隊の真の敵は予算と世論だからな
852創る名無しに見る名無し:2012/08/07(火) 19:40:10.52 ID:kOWWPU7b
世論が敵なんじゃない
マスコミが敵なんだ
853創る名無しに見る名無し:2012/08/07(火) 20:08:07.25 ID:KhPnL9ms
マスゴミ○んでくれないかなー
854創る名無しに見る名無し:2012/08/07(火) 20:22:09.51 ID:K1ks70XO
マスゴミがF世界を取材しますた
855創る名無しに見る名無し:2012/08/07(火) 20:37:47.40 ID:kOWWPU7b
F世界での幼児売春の容疑でフ○テレビ社員が逮捕され・・・
856創る名無しに見る名無し:2012/08/07(火) 21:37:55.04 ID:tJ6I17h2
侮日新聞記者がF世界の魔導式地雷を日本に持ち込もうとして検疫で爆発させ・・・
857創る名無しに見る名無し:2012/08/07(火) 22:07:56.38 ID:kOWWPU7b
毎○新聞がF世界のドラゴンを紹介する「F世界を訪ねて」という記事を書いたが
そのドラゴンは1年前に討伐されており、記者が現地を訪れていない事が発覚
また○日新聞は、F世界のカルト邪教の布教活動に協力するなどしており・・・
858創る名無しに見る名無し:2012/08/07(火) 23:01:07.75 ID:CUpM00ON
とりあえず激しくマスコミが社会の木鐸としての役割を果たし、教育者は聖職者な世界を希望する
859創る名無しに見る名無し:2012/08/07(火) 23:32:28.25 ID:KhPnL9ms
つまり日本が「マスコミが社会の木鐸としての役割を果たし、教育者は聖職者な」ファンタジー世界に転移するお話が望みと?
860創る名無しに見る名無し:2012/08/08(水) 01:11:08.26 ID:x3We2pLU
共産主義が実現したファンタジーな世界とか
世界人類が善人しかいないファンタジーな世界か

あ、どっちも同じ世界だった
861創る名無しに見る名無し:2012/08/08(水) 01:30:52.47 ID:/G8HhRo6
なんだソ連か
驚かせるな
862創る名無しに見る名無し:2012/08/08(水) 19:44:37.95 ID:x3We2pLU
初代皇帝のスターリンからプーチン帝までソ連は封建主義国家じゃないか。
863創る名無しに見る名無し:2012/08/08(水) 20:59:04.92 ID:FmGq5aJ7
民主主義的に、領民が自らの住む土地を治めてくれる封建領主を選ぶ世界…
…は、実際の歴史に度々あったな
「税はとるは兵士は略奪乱暴するわ、やってらんねえ!」
「隣の領主様は名君だっていうから、そっちに味方して領地併合してもらおう!」
864創る名無しに見る名無し:2012/08/08(水) 23:34:50.96 ID:UX9krDJW
魔法を使うのに必要なのが「民衆からの支持」
人気があればあるほど強力な魔法が使える

そして暗躍する広告代理店
865創る名無しに見る名無し:2012/08/09(木) 01:48:26.86 ID:X1y7KbZC
思想漬けにしました
866創る名無しに見る名無し:2012/08/09(木) 15:31:34.57 ID:RlYm0uNz
>>864
なにその神聖魔法帝国
867創る名無しに見る名無し:2012/08/09(木) 16:04:52.14 ID:BWokGu2K
アメリカ「じゃあ民衆を戦略爆撃で皆殺しにすれば問題ないな」
ロシア「爆撃とか野蛮だろjk。文明国らしくガスを使おうぜガス」
イギリス「皆殺しとかこれだから野蛮人は・・・分断して内乱させようぜ紳士的に考えて」
ドイツ「とりあえずF世界に武器売っていい? ねぇ? いいよね?」
868創る名無しに見る名無し:2012/08/09(木) 18:22:07.58 ID:rWbMjTVl
>>867

イギリスは過去この手法で植民地を増やしたんですね。でも統治があまりにひどくて
独立!



869創る名無しに見る名無し:2012/08/09(木) 19:58:16.80 ID:BWokGu2K
独立→アメリカの支援で反共独裁国家に×
   →中国の支援で独裁宗教国家に×
   →欧州の支援で民主主義国家になって崩壊×
名前だけは英連邦に→イギリスが身を削って助けてくれる。◎
870創る名無しに見る名無し:2012/08/09(木) 20:01:58.51 ID:8JC9GLZ7
税金減らします。福祉増やしますっていえば「民衆からの支持」なんて簡単に得られますよ
え?予算がない?
そんなの増税して福祉削れば解決しますよ
871創る名無しに見る名無し:2012/08/10(金) 00:15:03.86 ID:AllUdQ1h
>>870
インフレ率無視して税率決めようとスンナ!
872創る名無しに見る名無し:2012/08/10(金) 01:57:05.63 ID:4/ji9Pyr
ファンタジー世界に現代人が転生って系統の創作では大抵の場合、
7割とか8割とか無茶な税率に設定している旧領主というのが定番だから
3割とか4割の税率にするだけで問題なく新領主が統治できる上に
領民が経済的に余裕が出た事で買い物ができるようになり、経済効果も上がる

・・・マジ何考えてそんな高税率に設定してんだろう、と不思議に思えるかもしれないが
中世〜近世期の領主や藩主にはそういう馬鹿が実際に存在したから笑えない
873創る名無しに見る名無し:2012/08/10(金) 05:43:24.85 ID:4fCdiQnG
経済はあまり詳しくないけど、乗数効果とかが定義されたのって
19世紀後半だよね?
それまでは経済がどうだったかは知らないけど、領主などが
まともな経済を育んでいたとは思えないね
874創る名無しに見る名無し:2012/08/10(金) 06:13:24.74 ID:FlFY/sD5
そもそも経済という概念がなかった
875創る名無しに見る名無し:2012/08/10(金) 09:05:51.93 ID:4/ji9Pyr
>>873
でもさすがに「搾取しすぎると領民が死ぬか逃亡して、農地を耕す奴が居なくなる」ぐらいは認識してるのが当たり前だと思うし
領主と繋がりのある商人なんかは原始的ながら経済・流通の概念が15〜16世紀ぐらいには既にできていたようだし
日本なんかでは楽市楽座なんかの自由市場のほうが高い関税設けるより、税収が多くなるって認識が広まって
織田信長を始め、結構取り入れられ始めている
876創る名無しに見る名無し:2012/08/10(金) 13:45:58.72 ID:SQ7jtV2I
残念ながら、江戸時代では絞れば絞るほどいいという認識でした
877創る名無しに見る名無し:2012/08/10(金) 14:33:59.95 ID:hBSvyuka
そうでもないだろ、幕府天領の税率は三つ五分物成り(35%)に過ぎん
878創る名無しに見る名無し:2012/08/10(金) 15:30:54.73 ID:2gY7i8Wu
六公四民って特殊な例?
879創る名無しに見る名無し:2012/08/10(金) 17:43:32.27 ID:Ws/B+8hr
天領では四公六民で、藩によってはそれ以上もあった
ただし課税されるのは米だけで、裏作の小麦等は非課税だった
さらに時代が下るごとに農業技術の発展によって収量は増大したが
課税評価額は一定だったため実質的な税率は低かった
880創る名無しに見る名無し:2012/08/10(金) 17:53:15.76 ID:2aMQ1RCa
そもそも行政側は収穫量や耕作地面積を把握できていない。
検地なんてそうそうできるもんじゃないからね。
それに地域にもよるけど税のかからない作物や収入もある。
平均的に見て実質税率は名目税率よりずっと低かった。
881創る名無しに見る名無し:2012/08/10(金) 17:54:41.16 ID:1Gyqp0Xq
四公六民だろjk
882創る名無しに見る名無し:2012/08/10(金) 18:37:49.59 ID:hBSvyuka
で、以上は米経済の税率だけど、一般的ファンタジーの元ネタたる中世ヨーロッパの税ってどんなもん?
883創る名無しに見る名無し:2012/08/10(金) 20:14:06.35 ID:AXqVPxV4
高校教科書レベルの知識だと
死亡税とかパン窯使用税(村に一つ)とかあらゆる行動に税をとってたきがする
884創る名無しに見る名無し:2012/08/10(金) 20:46:45.74 ID:0YE4Q/hG
>>876
人口の1%かそこらの武家/朝廷/寺社あたりじゃ、徴税なんて「下が上にさせるもの」に過ぎん
なんで嘘しか書けないの?
885創る名無しに見る名無し:2012/08/10(金) 20:55:25.77 ID:DGsGkKOO
まあ、実は武家クラス以上で人口の7%くらいな
四代将軍の頃の統計だが
886創る名無しに見る名無し:2012/08/10(金) 21:06:14.95 ID:0YE4Q/hG
その頃は既に純粋な禄だけで喰えなくなってる頃合いでは…
887創る名無しに見る名無し:2012/08/10(金) 22:13:03.05 ID:DGsGkKOO
禄を貰ってればいい方で失業中の浪人が40万人ほどいた
888創る名無しに見る名無し:2012/08/10(金) 23:06:39.73 ID:SjIg4uFm
ヨーロッパの中世は完全に暗黒時代だが(主にキリスト教のせい)
日本の中世は戦国時代でも地方によっちゃ豊かだからな
結局東北地方あたりは昭和中期まで酷いもんだったが
889創る名無しに見る名無し:2012/08/11(土) 00:12:51.20 ID:rxgWt8NW
んにゃ、大飢饉の記録も中央に提出された報告では人口激減だが、藩の内部資料では微増だったりする
要は二重帳簿まで抑えないとダメだから「文明開化以降の方が酷い」と表現すべき

実際には武士階級の方が搾取される傾向が強いな、台所預かりとか特に
890創る名無しに見る名無し:2012/08/11(土) 01:46:59.36 ID:0oSTYdLm
>>888
たしか、明治以降は東北地方出身の兵士を食わせる為に戦争やっていたとか居ないとか。

>>889
家格によって面子があるから使用人の数とか、日常のいろんな物に金が嵩んだって言うし。
分かりやすい表現では1万石の大名より9千石の旗本の方が暮らしに余裕があったとか。
891創る名無しに見る名無し:2012/08/12(日) 08:55:18.73 ID:3K5KvAoE
>>888
欧州中世をいまだに暗黒時代なんてかたる人がいるとは
892創る名無しに見る名無し:2012/08/12(日) 10:11:56.29 ID:42sBgKVo
騙る人なら欧州日本を問わず多いぞ、昔は暗黒時代としか教えない教師に中ったか
逆に革命とか再生可能エネルギーとか夢ばかり騙る人も多い

既定の事実みたいに結論だけカキコするヤツは要注意
893創る名無しに見る名無し:2012/08/12(日) 10:47:17.86 ID:7yjn4D4I
暗黒時代って古代ギリシャのミュケナイ文明崩壊からポリス発生までの間じゃね?
894創る名無しに見る名無し:2012/08/12(日) 10:50:23.35 ID:x92vCCcA
>>892
現代の価値観からすれば
「理性より権威がものいう社会」は「暗黒」と評して不思議じゃない
反社会な『行動』は制限されても仕方ないが
『思想』については賛否両論言える状況が健全と言える

「悪魔崇拝・サタニズム」は裏返しの信仰心の発露
895創る名無しに見る名無し:2012/08/12(日) 11:12:49.66 ID:x92vCCcA
>>893
それは「口承」から「文字記録」へと移り変わる時期で(ミュトスからロゴスの変化)
研究資料に乏しいから「社会の停滞」とみなされていると聞いたが

発掘資料の研究次第では「激動の社会」と評価が変わるかもしれない

日本でいえば外国の資料に名前が出てきたが推定地がいまだ定まらない「ヤマタイ国」から
古事記・日本書紀が編纂されるまでの日本を暗黒時代と例えるような感じ
「歴史の空白期」「研究の間隙」と言った方がしっくりくる

資料が多く残って「社会の停滞」が何故起きたか検証できる中世のそれが
「暗黒時代」と呼ばれる事多いかと
896創る名無しに見る名無し:2012/08/12(日) 12:11:35.12 ID:9h+BPzFD
>>891
中世の前期は暗黒時代だろ確実に
そりゃあ何百年もある「中世期」の全部が暗黒時代だったというならおかいしけど
897創る名無しに見る名無し:2012/08/12(日) 12:18:21.87 ID:hH0bJWun
魔女狩りは確実にあったしな
898創る名無しに見る名無し:2012/08/12(日) 13:51:23.65 ID:7yjn4D4I
>>895
説明ありがとう

ふと思ったけど、文字無きF世界に日本が転移したら、何が困るだろう?
899創る名無しに見る名無し:2012/08/12(日) 15:22:24.99 ID:42sBgKVo
>何が困る
超能力とか魔法とかで記録技術が発達してない限り、明治中期以降の日本を支えるなど不可能だろうねぇ
明治初期までなら軟着陸的に近代文明を放棄できなくもないんだけど

正直、帝國召喚みたいな前提条件でもなければ開国後の転移って命取りだと思う
900創る名無しに見る名無し:2012/08/12(日) 16:02:13.99 ID:74XbTU3w
何で困るん?
F世界に文字がないだけで日本にはあるんだから問題ないかと
901創る名無しに見る名無し:2012/08/12(日) 16:20:32.38 ID:7yjn4D4I
固有文字がなかった古墳時代日本にしても、外交には借り物の漢字使ってたことからすると、まずF世界側に文字を教える必要があるのかな
902創る名無しに見る名無し:2012/08/12(日) 16:28:24.26 ID:42sBgKVo
>>900
代替手段が存在せず、ただ文字が無いだけの社会だと自らを支えるのが限界だろうね
間違いなく、生産力でも輸送力でも文字無しで維持できる規模に留まってる筈だよ

日本の場合、自給自足できるほど歴史改変されてなきゃ社会が維持できずに自壊する
903創る名無しに見る名無し:2012/08/12(日) 16:56:36.47 ID:xgndSop0
>>900
F世界に肥沃な地や豊かな資源地帯があるとしよう
利用できる程に発展するまで日本の持ち出し確定
交易不可能だから侵略しかないし大変だよ
904創る名無しに見る名無し:2012/08/12(日) 20:23:54.94 ID:cFfB5XrY
>>903
大した文明がないなら人類未踏の地が結構ありそうだし、
海底油田とかは取り放題だろ。
905創る名無しに見る名無し:2012/08/12(日) 20:30:55.89 ID:dd5rBLR/
>>904
地球型の進化してればな
906創る名無しに見る名無し:2012/08/12(日) 20:41:35.96 ID:xgndSop0
>>904
日本人には無害な病気で先進的な文明が亡んだ直後なら港湾Etcが使えるかもだけどさ…
人跡未踏の地や海底油田が有りがたいのっては、汎地球的文明社会の恩恵を受けられる場合だぞ
日本単独では無意味じゃんか
907創る名無しに見る名無し:2012/08/12(日) 20:53:06.98 ID:xgndSop0
全盛期の米ソとか今の北朝鮮とかを覗いて、転移は20/21世紀の国家にとって結構な致命傷たりうる
ブルーオーシャンひゃっほいなんて見通し甘いにも程がある

一回は大規模逆行で日本を国力的に魔改造してからの異世界転移でないと無理
908創る名無しに見る名無し:2012/08/12(日) 21:44:09.54 ID:cFfB5XrY
>>907
不可能と言い切るのも速いんじゃないか
日本は先進国の中では珍しく製造関係を自前でいろいろできる供給力が高い国だし、
そりゃ完全に未開の例えば白亜紀に転移したりしたら
かなり社会全体もダメージ受けるだろうけど、
それでも1億以上人口があるんだから
完全に国家という共同体が崩壊するとは言い切れないんじゃないか?

少なくとも外界から侵略される見込みは少ないはずだし。

ただ資本主義社会が続かない可能性は結構高いかもね。

そもそもフィクションでファンタジー世界ということは
それなりの文明だということが前提じゃないのかと思っているんだがどうだろう。

909創る名無しに見る名無し:2012/08/12(日) 22:05:09.56 ID:Skv34MOE
1億いるから無理なんだよ
大本の資源供給できるようになるまでに社会が死ぬ
金もないし時間もないし飯もないし資源もない、んな状況で開発なんかできるかっつの
開発なんて一朝一夕にできるもんじゃねーぞ
910創る名無しに見る名無し:2012/08/12(日) 22:20:48.96 ID:IGXBN0c5
輸入だけでなく輸出もできてこそ日本の経済は成り立つ

産業や製品分野によっては輸出不振どころか、F世界には買い手がいない
国内需要の奪いあいからあぶれた中小企業は資源調達いぜんに倒産の嵐

911創る名無しに見る名無し:2012/08/12(日) 22:35:26.83 ID:Skv34MOE
倒産の心配するとこまで持てばそれだけで御の字だけどな
未開の土地に一から港作って舗装して調査して試験掘削して生産施設建設して輸送路整備してetc
死ぬ気で注力しても10年そこらでどうこうできるわけがない
912創る名無しに見る名無し:2012/08/12(日) 22:59:19.57 ID:hH0bJWun
海の近くにあればなんとかなる。
殆ど上陸作戦のノリになるけど
913創る名無しに見る名無し:2012/08/12(日) 23:01:08.68 ID:dd5rBLR/
そもそも情報・物流・金融・食料・燃料etcありとあらゆる物を統制しないと1ヶ月立たないで社会が崩壊する
そして統制の体制確立は1ヶ月じゃ非常に難しい
914創る名無しに見る名無し:2012/08/12(日) 23:11:20.99 ID:zmu7rgSd
むしろ徳川幕府の頃の方がF世界への適応が高そうだな。
915創る名無しに見る名無し:2012/08/12(日) 23:18:51.13 ID:sB6bXPOc
>>912
食糧や資源を何千万人分か余らせてるな国が近場にあったとしよう
港湾設備に互換性が有ったとして、鉄道など輸送体制が確立していたとする
俺なら日本人の方を送り込むよ、支那の御家芸「人民の海」で侵略
916創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 00:10:43.69 ID:aMbP7X0V
まあ、国内でどうにかなるのは五千万人分程度か
917創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 00:14:02.95 ID:5HcN7LUF
やっぱりそこら辺の細かい事情はある程度無視しないと「お話」にならないな
918創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 00:29:09.38 ID:kLV8Wch8
無視したら尚更お話にならない
919創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 00:48:46.65 ID:Sx4/9aqG
転移系やシム系の商業なら羅門や佐藤辺りがその手の辻褄あわせが上手いよな
突っ込みどころはあるけれど総体として見れば説得力を持っている
920創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 00:56:18.25 ID:Thqf6RzT
こういう場合無視というかただ描写せずに読者の想像に任せるのが一番いい
無駄に描写すると粗が出てしまうし
921創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 01:58:46.40 ID:pqwB4WC/
>>912
巨大な輸送船入れる港の建設+積み込み施設+集積所だけ考えても年単位かかる
ピストン輸送でどうにかなるような量じゃないし

さらに言うと1種類の資源ごとに港なんて作ってられん
道作る方が安い場所も多かろ

>>916
食料自給率には家畜用の穀物なんかの輸入量も入ってなかったっけか?
食うだけなら8割くらいは養えそうだが
922創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 01:59:06.00 ID:6Z8xEfF+
>>900
「F世界に文字が無い」と言う事は技術の伝承が口伝形態とっているか
もしくはテレパシーによる意思疎通で事足りていたりする
...神話の世界に近いかもしれない
バベル崩壊による統一言語の喪失前みたいな感じとかな

F世界の人間が我々の言いたい事を理解できれば話が早いが
絵による意思疎通が出来れば御の字みたいな状況がしばらく続くかもしれないし
生きた人間捕まえて情報搾ると言うあとあと面倒ごと引き起こすかもしれない
文字による記録あれば情報収集の速度がかなり早くなるのはあるんじゃね?

協力的な現地人という僥倖に恵まれても
面と向かって話しないと事態が進まない状況と
文字によるお触書を残しておくのとでは時間・空間的な労力の差が歴然かと
923創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 02:04:23.44 ID:pqwB4WC/
文字ってか知識の蓄積できる媒体ないとそもそも技術の進歩は不可能に近い
古代以降の社会レベルになろうとするなら必須といってもいいはず
いつでも知識を記録、蓄積でき、引き出せる文字の重要性は何にも勝る

テレパシーや口伝でどうにかなるとは思えないなぁ
アカシックレコード的なものに記憶保存できていつでも自在に閲覧できたりするならまだ分かるけど
924創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 04:33:59.22 ID:7hNjKGb+
文字無しでもそれなりの国家は作れそうに思う
例えばインカ帝国とか
925創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 05:51:25.44 ID:+U6mWRsR
>>921
それは通常の基準で恒久的な港造る場合だろ?
プレハブの突貫工事でメガフロート港でも造って引っ張っていけばいい。
測量とか浚渫する必要はあるだろうが、ある程度沖合いに造って浮遊橋で繋げばある程度手間は省ける。
安全性?耐久性?そんなものは後回し。
最悪数年しかもたなくてもいい位に割り切る。
926創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 10:08:35.68 ID:aSMcjmZn
>>925
棄民殖民なら兎も角、本土で人口維持だと論外
そんな間に合わせで需要は満たせない

そもそも現地側の供給力と陸上輸送力から底上げしないと無理だろうが
927創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 10:31:15.64 ID:0n8TBBgU
>>924
インカも文字相当のものあったぞ
928創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 10:40:19.52 ID:7hNjKGb+
キープのことかね?
929創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 11:53:26.79 ID:rBSPtp59
>>909
社会が死ぬとかいうけど具体的にどういうプロセスでどう死ぬの?

社会が死んでる状態って具体的にどういう状態?

いまいちわからないんだけど。

例えば国が超デカい内乱になったり飢餓が起こって
半数が死んだとしよう。
それでもまだ5000万人いるんだけど、
その状態からやり直すわけにはいかんの?
930創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 12:03:51.57 ID:aMbP7X0V
ある程度の参考は蝦夷地開拓か

アイヌも文字は無かった
港どころか官僚組織も農地もなかった
つまりこういった文明と接触することを前提に考えないといけないわけか
931創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 12:29:31.44 ID:Sx4/9aqG
>>929
半数になる過程で食料略奪や殺人が跋扈すると相互不信が致命的なものになり社会秩序が維持できなくなる
各分野は分業化が進んでいるからその時点で事実上の文明の崩壊となる

この程度小学6年生程度でもわかるだろjk
932創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 12:29:57.29 ID:aSMcjmZn
転移する時代毎に対外依存度が違うが、近代以降の日本だと群雄割拠か国家解体か
朝鮮出兵寸前、鎖国直前、幕末から明治初期くらいなら現地に適合も不可能じゃ無いと思う

天皇制が機能してる状況って、善し悪しを云々する以前に不可欠なのが日本だと思う
933創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 12:37:04.27 ID:PrKs7BC7
>>929
社会人なら理解できる筈、「一人が1億ほど集まっただけ」と「1億人で一つ」の違いを
そして後者が「5000万人で一つ」なんて維持できず「有象無象が沢山」になると

大人に成っても「真の地方自治が〜」と腫脹する声ばかり大きな嘘吐きも実在するけどね
934創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 13:24:03.15 ID:rBSPtp59
>>931
食料略奪や殺人が跋扈する→文明が崩壊する

これは逆にないと思うが。
北朝鮮やソマリアも社会や経済は崩壊してるが、文明が崩壊するというほどじゃない。
文明の崩壊っていうのは古代から中世における欧州のように、
技術者や学者が死に絶え、尚且つそれらの技術や科学理論を示した書物が焼き払われるなどして消失する
これらが起こって初めて文明の崩壊といえると思う。

それを考えると異世界に行っていきなり技術者が全員死んだり、
書物が焼き払われることはそうそうないだろうから、
文明が崩壊したとは言えない。
転移して経済がめちゃくちゃになってほとんどの会社が破たんしたとしても
その会社が持っている人材や技術が直ちに雲散霧消するわけではない。

日本の場合、転移の状況には終戦直後が一番近いだろうな
食糧事情もあまりよくないし、犯罪は激増、経済は高インフレで機能せず…
でもそれで大人数が死んだという話は聞かないな。

結局食料と資源が一番のネックだろうけどな…。
935創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 13:31:20.53 ID:PKhmAV/5
曲がり形にも機能してる国際社会の中で危機に陥る国で文明崩壊には至らない
だが鎖国不可能な段階に至った国家が前提となる国際社会を喪えば話は全く別
936創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 13:54:16.09 ID:rBSPtp59
>>935
でも文明の崩壊じゃなく社会の崩壊なら
まだなんとかなるだろ。
そりゃ10年や20年じゃ厳しいが、
3世代くらいたつとまた新しい社会機構ができてくると思うよ

まぁ結局のところそんなただ文明が消えるだけ、とか
社会が機能するまでに50年以上待たなきゃいけないストーリーなんて
需要がないんだけどね。

転移するときなんて別に今を選ばなくても
技術革新が起こってちょっと都合のいい社会になった近未来とかでもいい。
転移の予兆があって、緊急の対策をしていたとかでもいい。
リアルな方向で進めるのは必要なことだけど
それではいバッドエンドで終わりですw
から進まないのは不毛だろ。

937創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 13:56:24.85 ID:HtsPTeyA
>>926
各種資源の備蓄が大量にあるから統制すればなんとか持つと思われ。
陸送能力については、F世界の文明レベルによるからなんとも・・・
最低限、主要街道がちゃんと整備されてればトラックでお茶を濁す事もできるし
938創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 13:59:39.30 ID:PKhmAV/5
自力で社会を維持できず高度な社会を築いてた隣国に不法入国して養われてる穀潰しの発想だな
939創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 14:00:23.47 ID:xdEjJOXK
>>936
ここのスレ的には自衛隊なりが活躍してくれないと困るしなw
そもそも転移自体が云々の話にもなりかねないし、そこは筆者の腕次第だとはおもう。
940創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 14:39:46.93 ID:rBSPtp59
そもそもここの住民はもともとこのスレがあった場所を考えると
軍事関係やそれに付随する資源関係には詳しい人が多いけど、
農業やインフラにそこまで専門的知識のある人はすくないんだよね。

農業・漁業に関して何が必要か、
素人でもある程度即戦力となる作業は何か、
他にも農業ならコスパが高い食べ物は何か…とか
そこら辺の議論はもっとあってもいいかもしれない

個人的には造船関係は転移後重視されるだろうね
漁船とかの小さい船も、貨物船とかの大きい船も
絶対に必要になる。

941創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 15:05:16.13 ID:Sx4/9aqG
>>934
北朝鮮やソマリアや戦後日本が援助を受けていたり他国から輸入しているの知らんのか?
経済活動や供給が完全に孤立化した状況とそれらを対比するなよ


資源の国内ストックは統制かかっても2年ももたない
それまでに供給源を得ることができるかが問題


漁業には天候知識、海流・海底地形を含んだ海図、
天測能力(F世界で天体観測できると思えんが)or電波観測による自己位置観測技能、これらが最低限必要
海に出れば魚が取れるなんてのはありえない


農業は天候が激変する可能性が大きすぎてどうしようもない
942創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 15:16:35.41 ID:gNhCgQTx
なんでか日本転移は海の真っ直中ばかりだが、大陸のド真ん中に転移とかないんだろうか
確かインドの陸地面積に匹敵する領土領海だから大陸にドでかい内海が出来ちゃうけど
943創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 15:27:46.14 ID:KRtHgfy7
日本列島がそのまま浮遊列島になるのはどうじゃろう?とか考えたが、海産物採れなくて食料が壊滅的だな
944創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 15:38:14.46 ID:Ytu1q0PH
考察はともかく実際に書く場合ならある程度はスルーかご都合主義でもいいと思うけどね
945創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 15:45:02.24 ID:gNhCgQTx
文明の形態が全く変わる物語でも良いけどな

正直、転移の時点で開国後の史実日本だと維持が難しい
それこそ現代まで大日本帝国が資源地帯を温存〜とかでないと体制が整う前に果てる
946創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 18:42:12.06 ID:Tu6uuyhZ
>>943
いつ落ちるかわからないと全国民パニック
地上に土地を確保しようと侵攻開始
手始めに人員はヘリで資材はパラシュート投下で滑走路建設
ジャンボジェットとかを爆撃機に改造できたら制圧が楽そうだな
それでも空輸オンリーって効率悪そう
947創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 18:51:22.27 ID:Kgld6FpZ
つうかそもそも国や軍が召喚されてファンタジーな文化・文明との交流・衝突をテーマにした
SSを誰か書いてくれってのがスレの趣旨なんだから
交流・衝突の前にアボンだよなんてのは一見どれだけ合理的な主張でも意味が無い。

AVのエロシーン前の芝居と同じくらい無価値。
948創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 19:42:51.02 ID:+U6mWRsR
ご都合でいいなら日本の保有する海外資産額分の資源が出現している…とかどうだ?
対外純資産が約253兆円で輸入額が約68兆だから約3.7年分の物資になるな。
これに普段の備蓄分があるから4年位はもつか?
節約すればもうちょっと行くかも。
949創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 20:10:10.69 ID:51SUjiF4
対外輸出の分のエネルギー消費や資源消費を考えるともっと持つんじゃないかな?
まあ輸入で賄っていた分も生産しなくちゃいけなくなるからトントンかもしれないけど
950創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 20:47:34.53 ID:wHMZgMEJ
ご都合とアボンの両極端に偏りがちだから、偶には議論も悪く無い
951創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 21:22:05.07 ID:rBSPtp59
>>941
お前さん前のスレの流れとか知ってる?

農業の天候激変とかは基本スルーするっていうのが定説なんだけど。
理由は物語にならないから。

大体極めて現実的に考えたら
転移したときに「日本列島という超のつく大質量の物質が突然現れた」
という事象自体が破滅的だろ。
給に日本列島クラスが現れた時の大気の動きとか、地盤がどうなるのとか、
周りの海という液体にはどういう現象が起こるかとかl、
そういうことで一か所でも不都合があれば日本完全壊滅クラスなんだから。


そういうご都合主義の上に成り立つ話がこのスレの主題なんだが…。
952創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 21:42:43.19 ID:rBSPtp59
さらに言うと例えば漁業でも
沿岸漁業とかなら場当たり的な対応でもなんとかなるかもしれないし、
近海なら海底関係の海図が変わってないはず。
というか海図が変わるような転移の仕方ならそれこそ
自然災害で国民がほとんど死んでる可能性が高いからね。

結局どこまで緊急的な速さで対策が打てるのか、
その対策で平時と比べて何割の活動率になるかなんて
それこそ専門の技術者・研究者じゃないとわからないことだから
考えても仕方がないだろう。

少なくともネット小説での必須事項じゃないよ
なんか商業上の超大作の作品とかで大金出して各方面から
情報・資料をかき集めるのなら、
説得力のある話にもなるだろうけど。

俺たちにはwikiに資料でも貼っていく位しかできないと思う。
尤もそんなことして容量がどうなるかわからんけどね。
953創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 22:16:33.95 ID:wHMZgMEJ
機能性文盲が全開だから、その辺りで止めとけ阿呆
954創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 23:21:12.15 ID:pqwB4WC/
>>934
ソマリアや北朝鮮がまがりなりにも文明維持できてるのは周りに余裕ある国家があって、
それなりに援助があり、略奪やらで品物の供給もよそからできるからだろ
断絶ってものを軽く見すぎ

まわりに原住民レベルしかなくて北朝鮮やソマリアが単独で存在してるとこ想像してみ


日本の終戦時と比べてるが日本の場合はよそから物資山ほど入ってるからな
それ一切無しでどうにかなると思ってるのならお花畑としか言いようがない

>>936
それなりの秩序再構築されるまで100年じゃ足りんと思うがね
一度略奪や抗争で深刻な不信感や疑心生まれると3世代そこらじゃどうにもならんよ
そして、それ以降は飯食うのが精一杯で教育される余裕すらなかった連中が主流になってる


>>947
元々個人で考えるのきついそこら辺のことを議論しながら埋めてって書くときの材料にするんだろ

>>952
場当たり的な漁業ではそもそも量的に足りなすぎるしすぐ枯渇させるよ
955創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 23:24:11.19 ID:Sx4/9aqG
>>952
この流れ作ったのお前だろうがこの話だって誰が必須言うたよ?
自分の発言が潰されたからって間違いだらけの妄想押し付けんなよ

こういった事を最初から触れないか念頭に置いて上手に嘘をついて物語構築しようてならこの作者は頑張ってると評価するが
最初から都合のいいようにのみ書く馬鹿が多いからいくばくか現実的視点からのアプローチかけただけだろうが


それと魚の生態と海流知らないで漁業できるとか漁師ナメてんのか?あ”?
956創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 23:38:18.55 ID:rBSPtp59
>>955
現実的アプローチって何?
もしかしてなにも代案なしに批判・否定するだけのレスの事か?
そりやたまには批判もいいけど
お前今までの3回のレスで否定以外したことなかったよな。
口も悪いしまるで民主党だな

"最初から都合のいいようにのみ書く馬鹿が多いから"
とか仮にも批判するだけの側が言っていい言葉かよ
お前みたいなやつがコミュ二ティを廃れさせるんだよ
957創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 23:52:46.17 ID:Sx4/9aqG
>>956
知ったか乙。
事実から来る否定意見を出されて代案出せないなら黙れというなら
お前にはこれでもう十分だわ

煽るような事いってる奴に口調に云々言われてもねえ()
958創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 23:53:36.87 ID:pqwB4WC/
この手の議論は書く人の下敷きになるってんでスレ始まってからずっとやってるだろ


あと、テンプレから

4. 軍事力の背景となる社会構造、政治・戦略・作戦・戦術・戦闘に関してはある程度しっかり設定しておくのが好ましい。
作中の設定で説明できないものは避けること。
959創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 23:59:36.23 ID:rBSPtp59
>>957
少なくともお前より口汚くはねーよw
自分のレス読み返せよ

そうだな、海洋関係はお前のほうが知識あるよ
でもお前がやってるのは
「○○は無理なんだよw低能乙w」
だけじゃん。
960創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 00:04:36.55 ID:bf8OI7aA
いや、想定が甘すぎるのよ >ID:rBSPtp59
そもそも先進国が一切の対外関係を断たれるヤバさを理解してない
961創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 00:09:20.07 ID:Y2RwIiZy
最初のレスからして突っ込みどころ多すぎた
沸点低すぎるしな
962創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 00:27:59.93 ID:5xo4z0xX
>農業・漁業に関して何が必要か、
>素人でもある程度即戦力となる作業は何か、
>他にも農業ならコスパが高い食べ物は何か…とか
>そこら辺の議論はもっとあってもいいかもしれない
>>940でこう言って

>漁業には天候知識、海流・海底地形を含んだ海図、
>天測能力(F世界で天体観測できると思えんが)or電波観測による自己位置観測技能、これらが最低限必要
>海に出れば魚が取れるなんてのはありえない
>>941でこう返されてるのに

>さらに言うと例えば漁業でも
>沿岸漁業とかなら場当たり的な対応でもなんとかなるかもしれないし、
>>952でこう返して

>それと魚の生態と海流知らないで漁業できるとか漁師ナメてんのか?あ”?
>>955で切れられて

>もしかしてなにも代案なしに批判・否定するだけのレスの事か?
>>956でこう言う

ID:rBSPtp59の読解力と思考力に問題があると思うのはのは私だけだろうか?
963創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 00:58:29.78 ID:0Cm/cSS1
いろいろいわれたから反省して状況を整理してみた。

仮に日本が転移されて周りとの関係が断たれた場合
今現在の日本の食料生産体制から見ると

農業:
もともと国民を全部養えるほどの供給力はない
仮に転移後の他の大陸に耕地をつくるにしても
インフラから何からするまで10でも足りないからまず間に合わない。

漁業:
天候知識、海流・海底地形を含んだ海図、天測能力がないと
ほとんどの漁業が不可能。魚の種類・生態がわからない場合
普通に漁業が可能になるまでの年数がさらに延びる。

以上の理由から転移前の食料の備蓄は食料が
十分自給されるまで持たない。

よって大量の餓死者が発生、尚且つ食料争奪のため
深刻な社会不安・内乱が発生し、社会秩序が崩壊する。
もちろん経済も輸出相手が皆無なため完全に破綻、
それが長期化し分業化の弊害もあるため文明自体もほぼ崩壊する。

それらの過程で国民の相互不信が深刻化するため
新たな共同体が発生するには早くても100年以上かかる。

これらの自体を回避するには
最低でも飢餓に陥らない体制が必要だが、漁業はまず壊滅を免れないため、
国民すべてを穀物と野菜のみで養えるくらいの農業力が必要

飢餓を回避したとしても他国との交流が途絶えた影響で
エネルギー供給や一部の高付加価値部品の輸入が0になるため
やはり社会を維持するのは困難で、文明が崩壊する可能性が高い。

以上の要因によりアメリカやロシアなどのごく一部の国を除いては
現代先進国の転移もので物語を進めるのは到底不可能な非現実的なものである。

よって国家生存の可能性が見えるロシア・アメリカ・北朝鮮・近代以前の日本・
完全に歴史が違っていてF世界に対応できるほぼ別の国の日本
を舞台にSSを書いていくのが望ましい。

964創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 01:23:22.62 ID:Y2RwIiZy
>>963
拗ねるなよw

食料だけに限って言えば化学肥料と油、補修部品類さえどうにかなるなら8割以上は養えるんじゃないかね
他の食品減るから現状の倍食うとして年間1500万トンほど生産できれば何とかなるだろう
30年前の生産高が1200万トンほどだから死ぬ気で飼料米を作付けしてる田や休耕田を再開発し、
農地の再構成にまで踏み込んで生産効率上げれば多分米だけは食える




拗ねる前にちったあ考えるか調べるかしろ
965創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 01:30:11.01 ID:nGhrkkfr
漁業に関してなんだが
小笠原とか沖ノ鳥島とかの日本の領土である島嶼が一緒にくっ付いていた場合
大陸棚ごと転移したと考えて差し支えないと思う
ということは、日本の領海における海底地形はほぼそのままで、問題は無い(一応調査する必要はあるが)はず
近海漁業に関しては何とかなるんじゃないか?

問題は遠洋漁業と、時間が経つとF世界現地の海中生態系が侵食というか混じってきて
見たことのない魚が網にかかるようになる事と、それによる日本大陸棚での漁獲量への影響が
どの程度あるか、とかだが…
966創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 01:36:00.40 ID:Y2RwIiZy
>>965
海流は確実に変化するだろうから再調査しないと辛いだろう
寒流暖流がそのまま流れてるわけがない
日本の周囲は特にその恩恵受けてるし
967創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 01:37:39.94 ID:nGhrkkfr
あと、問題が大きいのは海流の流れが変わること
F世界に転移して日本の位置、緯度経度がずれると季節にも影響するし
水温の変化に直結するのでこれも漁獲量に影響がある
現在の現実の地球でもエルニーニョ現象で、多くの魚の獲れる季節にズレこみが発生しているしね…
ドーラ帝国版図に転移した作品では地球に近い地形でそこにあった日本列島に似た列島と日本列島が
入れ替わった感じだったから、そういう設定でなら海流なども地球と似てるだろうし影響は少ないかもしれないが
968創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 01:38:15.86 ID:Y2RwIiZy
まあ大雑把な大陸位置似てるとかって設定でも構わんとも思うが
パラレルやら偶然やら適当に理屈はつけられるだろうし
969創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 01:39:32.34 ID:j6I/SapC
棄民政策の一環として、徴兵制を復活させて異世界で屯田兵ライフだな
これならなんとかなるかもしれない。
ほっときゃみんな死んで、人口が適正するだろうし
970創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 01:43:09.88 ID:nGhrkkfr
>>969
棄民政策が決定になったら真っ先に捨てられるのは福祉関係予算でどうにか生きていられる人たち
福祉は社会のバロメーターとはよくいったもの
次に捨てられるのは外国人
自国民と外国人どっちを優先するかって行ったら自国民だから
ただしよほど優秀で有用な技術者や学者とかを除く
971創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 01:46:06.59 ID:0Cm/cSS1
>>964
おいおい知ったかで思考力に問題のある能無しに
そんな難しい課題出すなよひでー奴だなw

そもそもコメだけ食ってちゃダメだろw栄養バランスやば過ぎる

何かで聞いたけど自然栽培が一部じゃ成果を上げてるって話があるな
農薬一切使わないらしいけど。
あ、でも酢とか巻いてた気がするから何も与えないわけじゃなかったな。
それにたしかまず田畑の土にしみ込んでる残留農薬を中心とした
化学物質があるとうまくいかないって書いてあったしどっちにしろ無理だなw

972創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 01:47:01.95 ID:Y2RwIiZy
社会環境と違って地形、環境は割と適当でもいいんじゃないかね
偶々似たような位置や環境だったでも割と十分だと思う

元々世界がどうしてこの形なのかなんてのは理屈つくような話でもないしね



>棄民
瀬戸際になるまで決められそうな気がしないな
パッシング想像したら到底実行できそうな気がしないわ
選択方法で無茶苦茶揉めるだろうし
973創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 01:48:59.78 ID:1VWnXncW
>>971
白米にしなけりゃ多少はマシなんじゃなかったっけ
974創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 01:51:14.97 ID:5xo4z0xX
玄米と雑穀大豆に野菜があれば栄養は大丈夫
耐えられるかは別としてね
975創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 01:51:28.87 ID:0Cm/cSS1
>>969
その前に激しい内乱が起きて文明崩壊だな。今までの流れからすると。
それにインフラ云々で10年かかるらしいからどっちにしろ間に合わんのじゃないかな

976創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 01:52:14.85 ID:Y2RwIiZy
>>971
玄米食ってればある程度どうにかなるんじゃないかね>栄養
中世の農民やらでも生きていけたんだから生きるだけなら何とかなるんじゃね

後、自然栽培は現行農法に比べて糞ほど手間かかるよ、草抜くだけでも死にたくなる
よほど手間隙かけない限り十分に化学肥料使った場合に比べてやっぱ収穫量減るし
一人で面倒見れる土地にかなり差が出る
977創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 01:53:34.04 ID:5xo4z0xX
>>975
イジけたレスするぐらいなら黙れば?
978創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 02:05:42.77 ID:0Cm/cSS1
>>976
自然農法はある程度雑草生やすんじゃなかったっけ?
土の中の菌がある程度活動的になる
自然の環境に近づけて農作物の免疫力を上げる
みたいなことをしてた気がする。
でも化学肥料より収穫は下がるだろうし、
確かいきなりやってもロクに身のならないものも多い。
しかし化学肥料の元のリン鉱石はほぼ輸入だから厳しいな。

>>977
おいおいそりゃひどいぜ。
現実見てない発想は慎めって散々レスしといて
俺がいった指摘はいじけたレス扱いかよ
それとも>>975の発想がそんなに非現実的でひどい発想だったかな?
979創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 02:26:48.86 ID:6KBoKJy2
次スレの準備よろ
980創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 02:36:58.04 ID:j6I/SapC
石油は半年、米は2ヶ月しかもたないんじゃなかったかな備蓄量は。
市場に出回ってる分も考えると

やはり年内になんとかしないとね
981創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 02:56:36.95 ID:0Cm/cSS1
>>980
いきなり転移じゃ100%無理だろうな。
一年目でとった対策のすべてが成功とはいかないだろうし
何より米2か月は厳しいな。2か月じゃ普通の方法じゃ
増産体制に入るための工事とかが終わるのも厳しそう。
飯がないと統制するのが困難→内乱パターンに入るし。
転移側のこちらに都合がいい超絶ファンタジーに期待するくらいしかない。

一つ可能性を考えると転移が始まる前に何かしらの予兆があり、
その影響でいろいろと備蓄をはじめ準備をしていた
という方法もあるが、
それで準備初めてもよくて2,3年ぶんしか集まらんだろう。
予兆が10年続くとかならともかく時間が足りなさすぎる。
つーか石油はともかく食料は何年も備蓄しておくことは可能なのか?
少量じゃなく日本国民が何年にもわたって食べられる量…
やはり厳しいんじゃないかね

ぶっ飛んだ設定なら可能性が出てくるかもしれん
未来は超少子化だからそれで人口が最初から5000万という設定にし、

さらに技術が発達してエネルギー自給大幅改善+食料自給率大幅改善した
21世紀後半の日本が転移という設定にすれば…
え?ご都合主義すぎる?そうですか。
982創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 04:00:37.79 ID:n7tuBJq8
あるひ突然ではなく、転移までにたびたび予兆があるとか準備期間置くとか
何かしら言い訳がないと厳しい罠
983創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 04:21:27.66 ID:P5+3UMba
まるで6年前ぐらいに戻ったかのような盛況ぶりだな
984創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 07:07:44.99 ID:j6I/SapC
・統制経済
・減反政策の解除、むしろ増産政策
公園、グランド、家庭菜園まで利用したジャガイモ作り
・異世界の魚まで含む漁業乱獲
・国民総出のダイエット並びに口減らし
・災害用含めたあらゆる備蓄食料を利用した時間稼ぎ

これだけやって、7割がやっとかな戦時中の日本よりややマシレベルだ
985創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 09:27:12.36 ID:4RcBXbQ4
手漕ぎ船なら兎も角、化石燃料の形で投入するカロリーより漁獲できるカロリーの方が低い漁業は原則自粛だろJK
まだ地上で農業+副産物や廃物で動物性タンパクの方が生き延びられる、コスト意識は大事だよ
技術保全の為、特に優秀な熟練技能者と若手に限り動力船を使わせて貰えるとは思うが
986創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 10:19:23.19 ID:w/5BPAWJ
燃料のカロリーと食料のカロリー比較するのもどうかと思うが・・・
987創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 10:34:12.28 ID:4RcBXbQ4
何も考えず食糧増産を称えるアホが絶対に居るから考慮が必要

米だと1kg収獲するのに石油700ml〜800mlくらい必要だったと思う
運送や冷蔵まで考えると贅沢なんて言ってられないから水田だけは減反
土地は転用が避けられないだろうね、事前に化石燃料輸入がピンチになった場合に備えて計画立案が必要な依存度

ぶっちゃけ原子力増強は避けられないのが現代日本、石炭石油を代替出来る場合が多いからね
988創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 10:44:25.84 ID:0Cm/cSS1
せめて予兆が15年〜出来れば20年以上前から始まり、
尚且つその予兆が転移の予兆である、ということが最初期の段階でわかっていたら
いろいろ変えられるかもね。
20年あれば電気自動車のトラクター版とかできないかな。

今のままでも自動車はだんだん電気自動車になっていくかもしれないけど
あと何年くらいしたらほとんどの乗用車が電気自動車になるんだろう

原子力はもんじゅがうまくいけばなぁ…あれが何とかなればかなり頼もしいけど…
989創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 10:44:31.84 ID:j6I/SapC
取り敢えず何も考えずに目の前の飯だと思う
990創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 11:05:21.95 ID:w/5BPAWJ
まずは機帆タンカーの開発だな
991創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 11:30:19.33 ID:4RcBXbQ4
済まない、次スレ建てようとして失敗したんだが、削除依頼は何処に出せば良いのだろう?
自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた 第72章 ←本来は73
ttp://engawa.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1344911105/
992創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 11:35:23.30 ID:M4KhP0pQ
>>米だと1kg収獲するのに石油700ml〜800mlくらい必要
これはどう言う理屈?
実家がコメ農家だが数千リットルの石油なんか使ってないよ
993創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 11:59:15.11 ID:qHqgZwji
カロリー量だから何ccに相当するのかな?
単純なミスなんだがドえらい規模だな
994創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 12:05:33.05 ID:lBOhEoI9
>>991
失敗?これでいいんじゃね?
スレ番号は次スレ立てた人によろしくねってことで
995創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 12:07:27.54 ID:Oia5aZk2
怖ろしいのは養殖物魚介類だと「大げさだが強ち間違いじゃない」ばあいがあるコト
996創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 13:57:24.37 ID:j6I/SapC
自衛隊の最初の仕事は、防衛より食利確保の為のモンスターハントになるんじゃないかな
997創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 14:12:56.52 ID:4rNMq1U3
スネークがやってたみたいに
モンスターハンターするのか
998創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 14:21:51.32 ID:Oia5aZk2
動力船と海図ナシではたどり着けない絶海に転移
北東方向に開発が容易で冬には冷気をもたらしてくれる大陸
出来れば短期に使い潰せる程度の資源地帯が近くにある

コレなら21世紀日本でもお花畑さえ始末すれば生き延びられる
…ただし近代以降の文明は大半が放棄を求められるけど
999創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 16:29:24.20 ID:1ZJd/ZpQ
資源地帯を使うためにほしがる奴隷が多いな、普通は使わせないために欲しがるぞ
最後まで温存し、立場の弱い資源国に堕させる、出来れば自国通貨で
どうせ現代的生活を捨てきれないだろうから、段階的に現地化する過程で使い切るなら良いんだが
1000創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 16:33:34.50 ID:5xo4z0xX
もめ
10011001
             /■\
             (_´∀`)_     創る阿呆に見る阿呆!
           /,/-_-_-_-_-_\     同じ阿呆なら
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