参加者リスト 6/6【うたわれるもの@アニメ】 ○ハクオロ/○エルルゥ/○アルルゥ/○ベナウィ/○カルラ/○トウカ 6/6【BACCANO!@小説】 ○フィーロ・プロシェンツォ/○エルマー・C・アルバトロス/○ラッド・ルッソ/○クリストファー・シャルドレード/○グラハム・スペクター/○クレア・スタンフィールド 6/6【ひぐらしのなく頃に@アニメ】 ○前原圭一/○竜宮レナ/○園崎魅音/○北条沙都子/○古手梨花/○園崎詩音 5/5【スクライド@アニメ】 ○カズマ/○劉鳳/○ストレイト・クーガー/○橘あすか/○無常矜侍 5/5【ローゼンメイデン@漫画】 ○桜田ジュン/○真紅/○翠星石/○蒼星石/○水銀燈 5/5【ワンピース@漫画】 ○モンキー・D・ルフィ/○ロロノア・ゾロ/○ウソップ/○トニートニー・チョッパー/○サー・クロコダイル 4/4【ジョジョの奇妙な冒険@漫画】 ○東方仗助/○広瀬康一/○吉良吉影/○ジョルノ・ジョバァーナ 4/4【とある魔術の禁書目録@小説】 ○上条当麻/○御坂美琴/○一方通行/○土御門元春 4/4【ポケットモンスターSPECIAL@漫画】 ○レッド/○イエロー・デ・トキワグローブ/○サカキ/○ミュウツー 3/3【終わりのクロニクル@小説】 ○佐山・御言/○新庄・運切/○ブレンヒルト・シルト 3/3【トライガン・マキシマム@漫画】 ○ヴァッシュ・ザ・スタンピード/○ニコラス・D・ウルフウッド/○リヴィオ・ザ・ダブルファング 3/3【Fate/Zero】 ○衛宮切嗣/○アーチャー(ギルガメッシュ)/○ライダー(イスカンダル) 3/3【BLACK LAGOON@漫画】 ○レヴィ/○バラライカ/○ロベルタ 2/2【コードギアス ナイトメアオブナナリー@漫画】 ○ナナリー・ランペルージ/○ゼロ 2/2【ドラえもん@アニメ】 ○ドラえもん/○野比のび太 2/2【WORKING!!@漫画】 ○小鳥遊宗太/○伊波まひる 1/1【ARMS@漫画】 ○高槻巌 1/1【あずまんが大王@漫画】 ○春日歩 65/65
【バトルロワイアルのルール】 1.【基本ルール】 全員で殺し合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が優勝者となる。 優勝者のみ元の世界に帰ることができる。 また、優勝の特典として死者の蘇生などのどんな願いも叶えられるという話だが……? ゲーム開始時、プレイヤーはスタート地点からテレポートさせられMAP上にバラバラに配置される。 プレイヤー全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる。 2.【首輪】 参加者には設定されたルールを破った場合に備え、爆発する仕掛けの首輪の装着を強要する。 首輪は以下のルールを破った場合に爆発し、その者の命を奪う。 A-バトルロワイアル会場の外へと出ようとした場合。 B-後述される禁止エリアの中へと侵入した場合。 C-24時間連続で死者がでなかった場合、参加者全員の首輪が一度に爆破される。 3.【放送】 バトルロワイアル中、ロワの進行状況(誰が死んだか)と禁止エリアを報告する放送が定時毎に会場内へと流される。 放送が流れるのは、「0時」「6時」「12時」「18時」の6時間毎、1日4回。 4.【禁止エリア】 放送から1時間後、3時間後、5時間にマス目で区切られた会場のエリアが1エリアずつ禁止エリアとなる。 禁止エリアはゲーム終了まで解除されない。 これは直前の放送でそれぞれ発表される。 5.【支給品】 参加者にはバトルロワイアルを生き抜くための道具や武器が支給される。 プレイヤーがあらかじめ所有していた武器、装備品、所持品は全て没収。サーヴァントの宝具も同様。 ただし、義手など体と一体化している武器、装置はその限りではない。 ゲーム開始直前にプレイヤーは開催側から以下の物を支給され、「デイパック」にまとめられている。 「デイパック」→他の荷物を運ぶための小さいリュック。主催者の手によってか何らかの細工が施されており、明らかに容量オーバーな物でも入るようになっている。四●元ディパック。 「地図」 → MAPと、禁止エリアを判別するための境界線と座標が記されている。【舞台】に挙げられているのと同じ物。 「コンパス」 → 安っぽい普通のコンパス。東西南北がわかる。 「筆記用具」 → 普通の鉛筆と紙。 「水と食料」 → 通常の成人男性で二日分。肝心の食料の内容は…書き手さんによってのお楽しみ。SS間で多少のブレが出ても構わないかと。 「名簿」→全ての参加キャラの名前のみが羅列されている。ちなみにアイウエオ順で掲載。 (尚、テンプレやwiki編集ではわかりやすさ重視で作品順名簿で表記しています) 「時計」 → 普通の時計。時刻がわかる。開催者側が指定する時刻はこの時計で確認する。 「照明器具」 → 暗闇を照らすことができる。ランタン、懐中電灯など、なぜか統一されていない。 「ランダムアイテム」 → 何かのアイテムが1〜3個入っている。内容はランダム。 6.【最後に】 以上以外のルールは存在せず、参加者間に禁じ手は存在しない。 また、生き残りゲームではあるがその途中で手を結んだり、徒党を組むこともルール違反には当たらない。
【書き手向けのルール】
1.【リレーSS企画】
当企画はリレーSS企画です。なのでルールを無視した作品の投下は受け付けていません。ご注意ください。
2.【予約制度】
作品を投下するに当たっては、まず該当スレにてその旨を宣言(書き込み)してください。
必要なのは書き込んだ人の同一性を保障するトリップと、作品に登場させるキャラクターの名前です。
トリップは騙り等により起こる混乱等を防ぐため、捨て鳥で良いので付けた方が無難。
まとめのリンクから>避難所>予約スレにトリップ付きで書き込んだ後、本スレ投下をお願いします。
この企画は分岐制です。今まで書かれた物語の好きなところから続きを書くことができます。
予約の際はどの話から続くパートを書くのか明記してください。
予約スレで予約してから予約期間は基本的に三日(72時間)。その間は予約宣言されたキャラは他の人が書くことはできません。
予約時間延長を申請する場合はその旨を避難所の予約スレで報告。延長時間は最大二日(48時間)です。報告がなければ予約は破棄扱いです。
さらに延長期間を過ぎると予約は解除されます。解除後、48時間は同一書き手の同パートの再予約は禁止。
どうしても再延長したいという場合、本スレ応相談。フレキシブルに対応してくれるかもです。
・予約スレ
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/11860/1221401450/l50 3.【修正/破棄要求】
投下された作品内に修正や部分的もしくは全体として破棄する必要な箇所があると感じられた場合、それを指摘し改善を求めることができます。
指摘に当たっては本スレ、もしくは議論が長引くようなら議論スレを使用し、それが正当なものであれば誰でもその権利を行使することが可能です。
要求が出てから72時間は保留期間とし、該当作品およびそこに関わる部分の進行を凍結。
話し合いや修正/破棄により解決した場合はその通りに作品を取り扱うことになります。
・議論スレ
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/11860/1221763343/l50 4.【能力制限】
バトルロワイアルおよびリレーがつつがなく進行するよう、それを害する能力は制限されているとします。
全体への影響力が強すぎるものだったり、ロワが成り立たなくなる能力(例えば蘇生)などがこれに当たりますが、
制限の種類や程度はある程度決まっていますが、その他はそれを書かれる方の裁量に委ねられます。
そこに問題があると感じられた場合は、「3.修正/破棄要求」にそれを申告してください。
・決定している制限一覧
ttp://www26.atwiki.jp/marurowa/pages/13.html 5.【登場時期】
その参加者が原作(元のロワ)のどの時期/状態からこのロワに参加させられたのかは、作者の裁量に委ねられます。
まだ決まってはいないキャラでも、過去の投下作品の続きを書く場合は、それまでのキャラクターの思考・言動と矛盾しない参戦時期にしてください。
例)ドラえもんがギラーミンを知らない時期から参戦>オープニングと矛盾するのでNGとなります。
7.【支給品の選出】
参加者に配布されるランダム支給品の内容は、それを書かれる方の裁量に委ねられます。
ただし、その内容の範囲は参加者達が登場する原作内または現実世界にある物までと限定します。
また、参加者と同等に扱われるようなキャラクターの支給はこれを原則禁止とします。
【状態表のテンプレおよび時間表記について】 リレーという企画の方針上、他の書き手さんと作品内の情報を共有するため、それをテンプレートにそって記し作品内に付け加えることを義務とします。 【(エリア名/(具体的な場所名)/(日数)-(時間帯名)】 【(キャラクター名)@(登場元となる作品名)】 [状態]:(肉体的、精神的なキャラクターの状態) [装備]:(キャラクターが携帯している物の名前) [持物]:(キャラクターがデイパックの中に仕舞っている物の名前) [方針/目的] 基本方針:(基本的な方針、または最終的な目的) 1:(現在、優先したいと思っている方針/目的) 2:(1よりも優先順位の低い方針/目的) 3:(2よりも優先順位の低い方針/目的) [備考] ※(上記のテンプレには当てはまらない事柄) 例) 【B-2 学校/1日目 早朝】 【セイバー@Fate/Zero】 [状態]:疲労(軽)、空腹(弱)、魔力枯渇 [装備]:ナナリーのネコミミ@ナイトメアオブナナリー [持物]:デイパック、基本支給品一式、ドラ焼き@ドラえもん [方針/目的] 基本方針:ギラーミンを倒す 1:安全な場所で食事をとる 2:キリツグを探す 3:アーチャーとライダーを警戒 [備考] ※原作終了後から参戦です 方針/行動の数は不定です。一つでも10まであっても構いません。 備考欄は書くことがなければ省略してください。 【作中での時間表記】(0時スタート) 深夜:0〜2 黎明:2〜4 早朝:4〜6 朝:6〜8 午前:8〜10 昼:10〜12 日中:12〜14 午後:14〜16 夕方:16〜18 夜:18〜20 夜中:20〜22 真夜中:22〜24
スレたて乙です。短い者だったので旧スレにロベルタ投下しました。
規制解除か…… それにしても静かだな
じゃあなんか話題くれくれ
まあ、予約は入ってるんだし焦る必要はないが…。 うーん。マーダーやら、これから何か起こりそうな場所とかは話し尽くしちゃったからな。
第二回放送以降に劇場に何人集まるかなあとか でも今回は死者少なそうだね。最初が異常だったという考えもあるがw
いやいやまだこれからだぜ
いっそのこと四天王でも考えてみる? マーダー四天王、・バラライカ・クレア・ヴィヴィオ・ロベルタ カワイソス四天王、・圭一・蒼星石・ヴァッシュ・ハクオロ 変態四天王、・佐山・小鳥遊・吉良・蒼星石 とりあえずこんな感じでさ
蒼い子変態に入れてやんなw
待てw>ヴィヴィオ
ヴィヴィオどこからやってきたwもふもふはいないぞw
上部が厄介……いや、そうでもないか。 対主催多いしな。やっぱ劇場が危険になるのかね
>>18 地図乙です
……偏ってるなぁ、中央w
ところで、支援いただけるなら2時30〜40分くらいまでには投下したいと思います
人が居ないようでしたらまた後で
半頃から投下を始めたいと思います 45kbほどなので、規制に掛からないようかなりスローペースになりそうですが
東方仗助、アルルゥ、クリストファー・シャルドレード、北条沙都子、クレア・スタンフィールド、レヴィ、カズマ、ドラえもんを投下します
『では六時間後の第二回放送でまた会おう。 君達がそれまで生き残っていれば――の話だが』 身勝手で一方的な宣告が微かに反響し、森の中に消えた。 告げられたのは、三つのエリアと、十五人に上る死亡者の名前。 如何なる手段によってかは不明だが、その声は八キロ四方にも及ぶ広大な舞台の隅々まで例外なく届いたであろう。 それは舞台の隅であっても例外ではない。 H-2エリアの南端付近、A-2エリアへループする境界線も程近い森の奥。 アルルゥは大樹の葉の中でそれを聞きながら、大きな瞳を瞬かせていた。 放送に対して何かしらの反応をするわけでもなく、普段と変わらぬ表情で尻尾を動かしている。 やがてするすると幹を滑り降り、根元で待つ仗助の傍らに着地した。 「いまの、なに?」 学生服のズボンを引っ張りながら、アルルゥは仗助の顔を見上げた。 冗長かつ遠回しな表現で過剰装飾された放送は、幼い少女に理解できる範疇ではなかったのか。 理解できたとすればただひとつ。 ――エルルゥ。 ――トウカ。 ――ベナウィ。 彼女が知る者達、そして血を分けた家族の名が呼ばれたということだけなのだろう。 「……?」 もう一度ズボンを引っ張ってみる。 しかし仗助は応えない。 わざと無視しているのではなく、アルルゥの言葉が耳に入っていないのだ。 アルルゥが見たこともないくらいに怖い顔で何もない空を睨んでいる。 浮かぶ表情は明確な憤怒。 その矛先はもはや語るまでもあるまい。 友人である康一の死。 彼を殺した顔も知らない殺人者。 幼いアルルゥから家族を奪った相手。 そして何よりも、このような事態を招いた元凶―― 仗助の脳裏に吉良吉影の顔がちらつく。 あの男がやったのだという確証は全くない。 だが同じことだ。 自分の為に人を殺したのであれば、吉良吉影と同類でなくて何なのだ。 「あ……」 アルルゥの手がズボンから離れた。 顔に怯えを張り付かせたまま数歩後ずさる。 「仗助おにーちゃん……こわい」 その一言が、怒りに沈んだ仗助の意識を現実に引き戻した。 乱れかけたリーゼントを手櫛で整え、にかっと笑ってみせる。 「いやー、真面目に聞いてたけど、やっぱ何言ってんだか分かんねぇや。俺バカだから」 そう、今はこれでいい。 戦うのは自分の役割。 アルルゥの心を不安に晒すことなどないのだ。 仗助はアルルゥを抱き上げて、肩に乗せた。 その小さく軽い体躯は、少し力を入れるだけで壊れてしまいそうなほどに細い。
24 :
創る名無しに見る名無し :2009/03/23(月) 18:36:28 ID:uo85ZfYG
支援
「ほら、行こうぜ、遊園地」 「ゆーえんち?」 「そうそう。あー、だけど今は動いてないかもな」 仗助はアルルゥに遊園地について話して聞かせながら、森の中を歩いていった。 目指すはアルルゥが見た『おっきなわっか』……観覧車。 地図の上でも遊園地は最大の施設だ。 自分達以外にも誰か訪れているかもしれないし、街へ到る道にも面している。 ひとまずの目的地としては最適だろう。 不意に――仗助は柄でもない想像に思考を傾けた。 もしここが殺し合いの場でなかったなら。 アルルゥと一緒に遊んでやるのも悪くないかもしれないな、と―― ◇ ◇ ◇ ずる、ずる、ずる……。 コンクリートの地面に掠れた赤い帯が描かれる。 ずる、ずる、ずる……。 水気のない筆を這わせたような掠れた赤色。 ずる、ずる、ずる……。 生々しくも鮮やかな顔料は、乾くにつれて黒くなる。 ずる、ずる、ずる……。 帯の発端は観覧車。 帯の末端は死体を運ぶ金属の身体。 遊園地中央付近、G-3エリア。 ドラえもんは事切れたカルラの亡骸を背負い、ただ歩き続けていた。 子供よりもなお低いドラえもんの背丈ではカルラを完全に支えられはしない。 上体を背に負って、両脚は地面に這わせている。 彼の辿った道筋を示す赤い帯は、カルラの骸から流れ出た血液の色だ。 もう動かない生身の身体に、動き続ける機械の身体。 俯いた大きな丸い頭には何の感情も見られない。 歩くという機能以外を全て喪失してしまったかのように、ドラえもんは歩き続けていた。 どれだけそうしていただろうか。 ドラえもんの行く道を遮るように、一人の男が立ち止まった。 「……おい」 その男のことは、ドラえもんも見知っているはずだった。 つい今しがた、カルラと死闘を繰り広げた男――"シェルブリット"のカズマ。 「何で死んでやがるんだ……」 カズマは無言で通り過ぎようとするドラえもんの首輪を掴んだ。 百キロを超える重量を強引に引き寄せ、俯いていた雪ダルマのような頭を起こさせる。 カルラの亡骸が滑り落ち、地面に叩き付けられた。 投げ出された四肢は人形のようで、ついさっきまで生きていた人間の肉体だとは、とてもではないが信じられない。 「答えろ、青ダルマ! どうして死んだ!」
首輪を握り締め、カズマはドラえもんを揺さぶった。 横たわるカルラの肉体には幾つもの銃創が穿たれている。 先ほどの戦いのときには受けていなかった傷だ。 無論、カズマが与えた傷でもない。 ならば答えはひとつ。 戦闘が終わって今に至るまでの短い間に、誰かがカルラを殺したのだ。 仮に――もしもカズマが合理に身を委ねていたのなら、ここまで感情的にはならなかっただろう。 強敵が命を落とし、自分はこれ以上の消耗を免れた。 それは勝ち残るという目的にまた一歩近付いたことに他ならない。 だがそれは有り得ない仮定だ。 カズマという男はどこまでいってもカズマなのだから。 「答えらんねぇのか……?」 幾ら揺さぶられても、ドラえもんはその大きな口を開こうとしなかった。 視線は虚ろに、焦点すらも合っていない。 カズマは舌を鳴らした。 こんな様子ではカルラを殺した奴を聞き出すことなど望めない。 首輪から手を離し、辺りを見渡す。 まだ遠くには行っていないと踏んで探し回るしかないのか。 カズマの注意がそれた瞬間、ドラえもんが動きを見せた。 デイパックから光る何かを抜き出して、カズマの頭にぶつけようとする。 「――ッ!」 だが、歴戦を重ねたアルター使いとお手伝いロボットの差は、不意打ち程度で埋められるものではなかった。 カズマの足元の舗装が消失し、"シェルブリット"として顕現する。 思考を挟む隙間もない。 弾丸の如く放たれた拳が、ドラえもんの胴体を打ち貫く。 金属が拉げ、引き千切れる音が響き渡る。 原形を失った部品がオイルに塗れて飛び散り、でたらめな方向へ跳ねていく。 それは決して戦闘と呼べるものなどではなかった。 ただの一撃で、ドラえもんは全ての機能を剥奪されていたのだから。 しかし、一方的に打ち倒した側であるはずのカズマは、驚きに目を見開いて言葉を失っていた。 カズマの側頭部に太陽の光を反射する銀色の円盤が突き刺さっている。 いや、その表現は正確ではない。 円盤――DISCはカズマの肉体には一切のダメージを与えず、その内側へと侵入しているのだ。 カズマが左手で側頭部を押さえる直前、DISCは完全にカズマの頭部に埋没した。 「今、何しやがった」
"シェルブリット"がドラえもんの胴体から引き抜かれる。 オイルが剥き出しの土に滴って、粗い砂に染み込んでいく。 カズマの問いにドラえもんは答えない。 答えることなどできはしない。 これは初めから戦闘などではなかったのだと、カズマはようやく理解した。 ドラえもんの目的は別にあったのだ。 正体不明のDISCをカズマに埋め込むという目的が。 それがどのような効力を発揮するのか分からないが、無意味な代物であるとは考えにくい。 カズマの心中に沸きあがるのは、動揺、焦り、そして怒り。 特に、ただでさえカルラの死によって燻っていた憤怒は、ドラえもんの行為によって更に加熱していた。 その昂りは想像を絶し、後ほんの一押しで爆発してしまいそうなほどだ。 そして、その一押しは、音よりも速く飛来した。 カズマの左肩に、灼熱の棒を差し込まれたかのような痛みが生じる。 千分の一秒単位の間を置いて銃声が空気を割った。 ――背後。 横に飛び退き、即座に振り返る。 そこにいたのは、カズマにとって見覚えのある女。 露出の多い服装に、後頭部で括られた髪の毛。 まさしく古城で出会った口の悪い女だった。 「あー、畜生。穏便に行こうと思ってたんだが……テメェのツラ見たら急に我慢が効かなくなったじゃねぇか」 女はうわ言のように呟きながら、再度カズマに照準を合わせた。 カズマが飛び退くとほぼ同時に銃弾が舗装材を削る。 「いきなり何しやがる!」 カズマはアルターに覆われた右腕を突き出し、拳を握った。 湧き上がる怒りはもう抑えられない。 目の前の女――レヴィをぶん殴る以外の考えは思考の端に追いやられていた。 彼我の距離は十メートルほど。 カズマは地面を蹴り、一気にレヴィへ接近する。 放たれた銃弾が頬を掠める。 だがその程度ではカズマの突撃は止まらない。 繰り出される豪速の右ストレート。 レヴィは舌打ちひとつを残して横に跳んだ。 背にしていた売店の壁が粉砕され、木片が部屋一面に散らばっていく。 路面を転がりながら、レヴィは更に引き金を引いた。 不安定な姿勢ではあったが、カズマの脚を正確に狙った一射。 しかしそれもカズマが身を引いたことで掠めるに留まる。 カズマが体勢を整えたときには、レヴィは既に距離を離し、一方的に射撃できる間合いを得ていた。 ここから撃たれ続ければ、遠距離攻撃手段を持たないカズマの不利は決定的だ。 弾丸を浴びないためには狙いを定められないよう走り回るか、物陰に隠れておくしかない。 だが、カズマはそう考えなかった。
「衝撃の……ッ」 スプリングフィールドXDの銃口がカズマを捉える。 肩の赤い羽が砕けて消える。 「ファースト……!」 トリガーが引き絞られる。 カズマの右拳が舗装された地面を殴り付ける。 「ブリットォォォ!!」 撃鉄が作動し、銃口から9mmパラベラム弾が撃ち出される。 それとほぼ同時に、カズマの身体が砲弾のごとき勢いで宙に舞った。 "シェルブリット"を地面に叩き込むことによる跳躍を、可能な限りの低角度で実行することで、 爆発的な出力を前方への推進力へと変換する。 銃弾がカズマの脇腹の肉を抉るが、たかが9mm弾程度の衝撃力ではこの突進は止められない。 レヴィが咄嗟に左腕をかざす。 直後、その上から、カズマの拳がレヴィを殴りぬいた。 数十キロほどしかないレヴィの肉体は簡単に浮き上がり、地面を転がりながら吹き飛ばされていく。 抵抗らしい抵抗もできず、そのまま街灯に衝突して停止する。 起き上がる様子がないのを確かめて、カズマは長く息を吐いた。 「丁度いいタイミングだ。お前にも死んでもらう」 聞き覚えのない声がカズマの鼓膜を震わせる。 広場を闊歩する車掌服の男。 武器らしい武器は手にしていないが、視線ははっきりとカズマを捉えている。 カズマは右腕を引き、構えた。 言葉を交わさずとも理解できる。 奴もまた、この殺し合いを勝ち抜こうとしているのだと。 先ほどの戦いを目の当たりにした上で近付いているのなら、大した自信だというより他にない。 二枚目の羽が分解され、カズマの総身を加速させる。 「撃滅の、セカンドブリット!」 圧倒的速度で迫る拳に対し、男は回避する素振りすら見せなかった。 その代わり、男の背後に人間の姿が現れる。 大きさ、色形のどれを取っても、尋常な存在では有り得ない。 『オラァ!』 繰り出された拳が"シェルブリット"の側面を打つ。 その一撃で突進の軌道が逸らされ、カズマは男の真横を突き抜けていった。 十数メートルほど直進し、両脚で慣性をねじ伏せて回転するように反転する。 「アルター使いか……」 奇怪な形状の人型を形成した男の力を、カズマはそう解釈した。 男は肯定も否定もせず、人型を維持したままカズマに向き直った。
おおっと支援
「悪いが命は諦めろ。俺は一刻も早くここから抜け出さなければならない」 「そうかい……。生憎だが、俺も同じなんだ」 確かめ合う必要もない言葉を交わし、男達は互いに駆けた。 どちらも譲れないものがあり、それを得られるのがどちらか一人である以上、潰しあうしか道はない。 衝突するのが早いか遅いかの問題だ。 カズマと"シェルブリット" クレアと"スタープラチナ" 男達とその拳が正面からぶつかり合う。 "シェルブリット"と"スタープラチナ"の左拳が激突し、同時に右拳がカズマに迫る。 ハンマーのように叩き付ける一撃を紙一重でかわし、再度拳を構える。 『オラオラオラオラオラ!』 反撃の隙を与えず放たれるラッシュ。 散弾じみた連撃はもはや面攻撃の域に達している。 カズマはラッシュの一発一発に対処するのを放棄し、横に大きく飛び退いた。 一撃ごとの破壊力はともかく、手数は圧倒的にクレアが上回っていた。 真っ向からの打ち合いにおいて、この差はかなり響いてくる。 ただ殴りあうだけではいずれ押し切られてしまうだろう。 ならば自ずと選択肢は限られてくる。 全身を現した"スタープラチナ"がカズマに接敵し、拳を振りかぶる。 その瞬間、乾いた破裂音がして"スタープラチナ"の動きが鈍る。 一瞬の隙を逃さず、カズマは"スタープラチナ"のボディに拳を打ち込んだ。 「おらあっ!」 「……ッ!」 カズマの視界の隅でクレアが苦痛に身を屈める。 ダメージのフィードバックがあるアルターなのかと判断し、顎を狙って二撃目を放つ。 しかし超スピードの掌に阻まれ、逆に拳を掴まれてしまう。 「うおおっ……!?」 クレアに顔面を殴られ、更に"スタープラチナ"で力任せに放り投げられて、カズマは地面を転がった。 急いで起き上がるも、追撃はない。 "スタープラチナ"は従者のようにクレアの傍らに佇んでいるだけだ。 少しずつだが、カズマは"スタープラチナ"のスペックを把握してきていた。 パワーとスピードは洒落にならないレベルだが、絶影などと違って本体からはそこまで離れられないようだ。 推定だが大方2メートル前後が関の山だろう。 そして何よりの特徴は、アルターのダメージが本体にも跳ね返ってくるらしいこと。 これならまだ対処のしようがある。 片方を倒せば自動的にもう片方もくたばってくれるのだから、単純な一対二よりも気は楽だ。 戦闘を続行しようとするカズマに対し、クレアはやおら背を向けた。 その背中には、一センチにも満たない穴が穿たれ、生々しい血潮が流れ出ていた。 「まさかこんなに早く再会することになるとはな」 クレアの言葉はカズマに向けられたものではない。 右腕だけで拳銃を構え、こちらへにじり寄る女――レヴィ。 カズマが吹き飛ばしたはずの女は、明確な殺意を以ってクレアを睨んでいた。 無論、無傷であるはずもない。 左腕は原型を失い、方から先の全てが流血と内出血によって変色している。 前腕にひとつ増えた関節からは骨が覗き、使い物にならなくなっていることが一目で分かるほどだ。 だがレヴィは腕に負った重傷を感じてもいないかのように、片腕で銃弾を放った。 弾丸はクレアに届くことなく、"スタープラチナ"によって掴み取られる。 「あたしは嬉しいぜ? こんなに早くてめぇをブッ殺せるなんてなぁ!」
レヴィが立て続けに二度トリガーを引き絞る。 音速を超えて迫るフルメタルジャケットの弾丸を"スタープラチナ"のラッシュが弾き散らす。 スプリングフィールドXDから空のマガジンを排出。 ホットパンツに備えておいた予備のマガジンの先端にグリップを宛がい、自分の腰に押し付けて装弾。 レヴィが片腕での弾装交換を完了する直前、クレアは"スタープラチナ"に地を蹴らせた。 銃弾程度ならば"スタープラチナ"で対処できる。 クレアには己がレヴィに敗北することなど想像できていない。 ならば、そんなことは起こりえないのだ。 「無視してんじゃねぇ!」 クレアの背後から怒号が響く。 咄嗟に繰り出された"スタープラチナ"の拳と"シェルブリット"が激突する。 更にもう一方の拳が飛来する銃弾を弾く。 刹那、全く別の方向から現れた攻撃がクレアに襲い掛かった。 その場にいる誰もが驚きに目を見開く。 拳大の、凄まじい速度のコンクリート塊が、胴を庇うようにかざされたクレアの腕にめり込んでいた。 カズマとレヴィの対処に"スタープラチナ"を動員していなければ、直撃など許さなかったのかもしれない。 しかし現実にはそうはいかず、クレアはガードごと身体を浮かされて、真後ろの金網に衝突する。 むしろこの状況で防御を成功させたこと自体が奇跡的だと言えるだろう。 「よぉーし、命中ぅ」 闖入者はすぐに見つかった。 カズマとレヴィの戦闘で破壊された売店の残骸に、学生服姿の少年が寄り掛かっている。 不良然とした立ち振る舞いに、特徴的な形状のリーゼント。 そして、"スタープラチナ"と良く似た姿の人型。 「てめぇ……ヒガシカタ・ジョースケ!」 レヴィが仗助に銃口を向ける。 言葉の端々からも激しい怒りの情動が感じられ、それ以外の思慮などは消えうせている。 「お前ら、その模様は何だ? スタンド攻撃か?」 仗助は銃を向けられていることなど気にも留めず、三人の姿を見比べた。 そして、金網から身を起こしつつあるクレアを指差した。 「そんなことより、どうしてオメーがスタープラチナを使ってんだ。 まさか『スタンドを奪うスタンド』とかいうんじゃねーだろうな」 クレアは答えない。 冷静に無視しているというよりは、内心の憤りを抑えていて答える余裕がないといった雰囲気だ。 しかも、それはクレアだけではないようだった。 問いかけた仗助の表情からも、冷静さという要素が抜け落ちてしまっているように見える。 「黙ってろクソ野郎!」 スプリングフィールドのマズルフラッシュがレヴィの横顔を照らし上げた。
◇ ◇ ◇ ドラえもんがカズマに残したDISC―― それはエンリコ・プッチ神父が己のスタンド"ホワイトスネイク"によって作り出したものである。 "ホワイトスネイク"の能力は標的の魂をDISCという形で奪い取るものであり、 記憶を奪った『記憶DISC』とスタンド能力を奪った『スタンドDISC』の二種類が存在する。 ドラえもんが用いたのは後者。 スタンドの名は"サバイバー" 周囲の生物の怒りを誘発し、凶暴かつ好戦的に変えてしまう、いわば闘争を誘発するスタンドである。 能力起動の鍵は本体が怒ること。 怒りによって脳内に発生する僅かな電流の中に、このスタンドは出現する。 その後は本体の意思とは無関係に周囲へ伝わっていき、射程内にいた生物の大脳辺縁系を刺激し、闘争本能を呼び覚ますのだ。 射程距離は通常で半径十数メートル、電気の伝わりやすい環境下では数百メートルにも及ぶ。 これによって凶暴化させられた者は怒りと闘争心をどんどん増幅され、乱闘を起こし、時には殺し合いにまで至ってしまう。 程度は個々人の精神に左右されるものの、効果から完全に逃れることはできない。 更に"サバイバー"の影響は凶暴化のみに留まらない。 効果を受けた者の身体能力を限界まで引き出し、超人的な戦闘能力を与えると共に、痛覚をある程度麻痺させてしまう。 加えて、効果を受けた者同士では、互いの肉体的長所が光り輝いて見え、ダメージを受けた箇所が濁って見えるようになる。 能力のひとつひとつが凄惨な乱闘を招くために特化したスタンドだと言えよう。 では、ドラえもんはそのことを知らずにDISCを使ったのか? 答えは否だ。 殺し合いを円滑に進め得る能力であるためか、このDISCには能力概要を記した説明書きが添えられていた。 ドラえもんは"サバイバー"の能力を把握した上で、それをカズマに植え付けたのだ。 動機など一つしかあるまい。 手の届かぬ場所でのび太を失い、そして目の前でカルラを失った絶望。 それはドラえもんの感情をたったひとつに収束させてしまった。 ――みんないなくなってしまえばいい―― 自分ではなくカズマにDISCを使った理由も単純なものだ。 生物的な脳を持たないドラえもんに"サバイバー"のDISCが、あるいはDISCというモノ自体が適合しなかったからに過ぎない。 そもそも誰が"サバイバー"の本体になろうと関係はない。 ドラえもんの抱いた絶望は、こうして破局に続く騒乱を巻き起こしているのだから。 ◇ ◇ ◇
「何なんですの、あの方達は……」 G-2エリア、お化け屋敷。 沙都子は入り口付近の茂みに身を隠し、広場の乱戦を傍観していた。 クレアとの戦いを切り抜け、どうにかクリスと合流しようと移動を開始した矢先、遊園地に銃声が響いたのだ。 その後も発砲音と破壊音は途切れることがなく、今もなお戦いは続いている。 右腕だけに変な鎧を着けた不良その1。 大怪我をしているのに銃を振り回す女性。 翠星石の命を奪った赤い髪の男。 そいつと似たようなモノを従えている不良その2。 四人はそれぞれ誰かの味方をするでもなく、他の三人に容赦のない攻撃を仕掛けていた。 沙都子自体は"サバイバー"の射程からは外れているが、死闘の気迫に晒されているのは、それだけで精神的な重圧となる。 もし見つかってしまったら。 もし攻撃されてしまったら。 現実味のある想像が重荷となって沙都子の心を圧迫する。 本人には知る由もないが、"サバイバー"の射程内にいなかったことは沙都子にとって幸運だった。 "サバイバー"によって闘争心を刺激されて戦いに加わっていたなら、最悪、真っ先に死体にされていただろう。 「あんなのに巻き込まれたらひとたまりもありませんわ」 デイパックを抱き締め、少しずつ後ずさっていく。 勝てるとか勝てないとかそういう次元の問題ではない。 今は生き残らなければならないのだ。 生き残って、翠星石のローザミスティカを彼女の姉妹に渡さなければならないのだ。 だから今は逃げる。 逃げて、逃げて、逃げ抜いてやる。 臆病者と思うなら謗るがいい。 誰に何と言われようと、翠星石との約束だけは果たしてみせる。 それが今の自分に架せられた戦いなのだと、沙都子は決めた。 不意に男の手が沙都子の肩を叩く。 「ひっ……!」 「あー、僕だよ僕」 沙都子は両肩を掴まれて、くるんと半回転させられた。 そこにあったのは、ひどく常人離れした、しかし見覚えのある顔だった。 「クリ……ス……?」 赤い白目に白い黒目、二重になった鋭い歯。 こんな外観の人間が二人といてたまるものか。 「あ……」 クリスの姿を見た途端、伝えたいことが次々と溢れ出してきて、沙都子の喉を詰まらせた。 逃げ出してしまったことを謝りたい気持ち。 犠牲になってしまった翠星石のこと。 しかし言葉にしようとすればするほど、気持ちが絡まって何も言えなくなってしまう。 口にすることが出来たのは、嗚咽にも似た意味を成さない声だけだった。 クリスは少しだけ困ったように首を傾げ、沙都子の頭に手を置いた。 「翠星石のことはもう知ってる。僕も南のゲートから入ってきたからね」 責めるでもなく、過度に嘆くでもなく、しかし冷徹でもなく、クリスは淡々と事実を伝えた。 優しく髪を撫でられながら、沙都子は顔を伏せた。 「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」
幾つもの思いを込めた『ごめんなさい』を聞きながら、クリスは沙都子の身体に腕を回した。 沙都子の軽い身体を抱き上げて、戦場と化した広場に背を向ける。 翠星石を壊した――いや、殺したのは、あの男に他ならないのだろう。 だとすれば、責任を負うべきは沙都子ではなく、無様に倒された自分であるべきだ。 敵を討つのなら、標的が乱戦に巻き込まれている今こそ好機に違いない。 だが、それでも自分はあの男を殺せない。 殺せるはずがないのだ。 (情けないなぁ……) クレアは内心で自嘲しながら、人間離れした速度で広場から離れていった。 ◇ ◇ ◇ 狭い箱の中、アルルゥはひとり膝を抱えていた。 アルルゥがいるのは、サーカスのテントの用具室の一角、四方が一メートル以上はある木箱の中。 元は何を入れていたのかも分からない大きな箱に、二人分のデイパックと一緒に収まっている。 彼女がこのような状況になった理由を解説するには、しばし時間を遡らなければならないだろう。 放送が終わり、一キロ近い距離を移動して遊園地に踏み込んだ仗助とアルルゥを迎えたのは、一発の鋭い銃声であった。 超越的な視点から見れば、それはレヴィが最初にカズマへ放った銃弾なのだが、そのときの二人にはそれを知る術はなかった。 仗助は遊園地で何かが起こっていると即座に察知したが、すぐ現場に駆けつけようとはしなかった。 もしも自分一人で動いていたのなら、仗助は深く考えずに突っ込んでいたかもしれない。 だが、アルルゥを連れたままで危険に飛び込むわけにはいかなかった。 それは数度の戦闘と放送を経て確信したことであり、仗助にとって譲れない一線であった。 しかし、だからといって銃声の原因を放置しておくわけにもいかない。 確認に行かなかったせいで奇襲を受けては目も当てられないだろう。 危険な輩がいるのなら、早い段階で対処するなり警戒するなりしておく必要がある。 そのためにも一応の偵察は必要であるといえた。 相反する二つの必要性に挟まれ、仗助は必死に頭を働かせた。 アルルゥを危険に晒さず、尚且つ銃声の原因を探ることができる方法。 それを実現すべく、仗助が思いついた案は、アルルゥを安全な場所に隠しておくことであった。 仗助が選んだのは南門から程近いサーカステント内部の用具室であった。 まず、流れ弾などが当たりにくい室内である点。 次に、用具が散乱していて隠れても見つかりにくいであろう点。 これらの点から、仗助はここが隠れ場所に適していると考えたのだ。 アルルゥを大きめの木箱に入れ、蓋を閉める直前、仗助はアルルゥに笑いかけた。 『すぐ戻ってくるからな。大人しく待ってろよ』 決して嘘を吐いたわけではない。 仗助の誤算は、戦場と化した広場に"サバイバー"が拡散していたことだった。 少しだけ様子を伺って戻ってくるつもりが、不幸にも設備を構成する金属や電線、 地面に散った多量の血液を伝って拡大した"サバイバー"の射程範囲に捕らわれ、 他の三者と同様に過剰な戦意を駆り立てられる羽目になってしまったのだ。 それでもアルルゥは待ち続ける。 狭くて暗い箱の中、愛らしい尻尾を左右に振りながら。
◇ ◇ ◇ 『ドラァッ!』 「……クソッ!」 繰り出された"クレイジー・ダイヤモンド"の拳を、レヴィは後方に跳んで回避した。 "サバイバー"によってレヴィの身体能力は強化され、常人の域を大きく越えている。 そのことを知ってか知らずか、レヴィは肉体の能力をフルに動員して戦場を立ち回っていた。 だがその条件はこの場にいる全ての者に当てはまるのだ。 いつの間にか背後に回っていたクレアがレヴィの両脚を払い、左腕を掴んで引き倒す。 ただでさえ破壊された左腕に更なる負荷が掛かる。 本来ならば激痛で意識すら危ういであろう状況だが、麻痺した痛覚ではそれほど大きな影響はない。 レヴィは完全に押さえつけられる前に身を捩り、折れた腕をありえない方向に歪ませて、クレアから胴体を逃れさせた。 同時にクレアの頭を狙って引き金を引く。 だが放たれた銃弾は瞬時に発現した"スタープラチナ"によって掴み取られてしまう。 皮肉にも、レヴィが最も殺したいと思う相手に対して、レヴィの攻撃は全く通用しなかった。 モンスターボールを使用できれば違う展開もあったのかもしれない。 しかし前回の使用から二時間が経過していないため、レヴィが動員できる得物はスプリングフィールドXDただ一挺である。 9mmパラベラム弾の破壊力の源泉は超音速の初速と貫通力。 しかし超音速程度では超スピードと精密動作を誇る"スタープラチナ"と"クレイジー・ダイヤモンド"のガードは抜けられない。 また人を『殺害する』という目的に最効率化された兵器であるが故に、"シェルブリット"の装甲を『破壊する』ほどの威力も備えていない。 よって、レヴィはこの場において一番不利な状況にあるといえた。 仮に、拳銃を遥かに上回る速度と連射のアサルトライフルや、腕一本では凌げない範囲のショットガンでもあれば話は違っただろう。 「抹殺のッ! ラストブリットォ!!」 レヴィと組み合って地に伏すクレアにカズマが飛び掛る。 最後の羽を推進力に変え、真上から拳を振り下ろす。 レヴィの腕を放して回避しようとするクレアを、レヴィが脚を絡めて引き止めた。 乱戦とは強ければ勝てるものではない。 最後まで倒されなかった者が勝者となるのだ。 「チッ……」 『オラァ!』 うつ伏せのままのクレアの背から"スタープラチナ"が出現し、カズマを迎え討たんとする。 レヴィは肩を地面に擦りながら上体を捻り、クレアと"スタープラチナ"の頭部に向けて立て続けに弾を放った。 銃弾そのものは、一つはクレアの左腕に当たって止まり、もう一つは"スタープラチナ"の拳に弾かれる。 それで充分だった。 片腕を銃弾の対処に割り振らされた"スタープラチナ"は、片方の拳だけで"ラストブリット"と激突せざるを得なくなる。 カズマが繰り出す最後の必殺の一撃を右腕だけで止められるはずがない。 拮抗したのは一瞬だけ。 "スタープラチナ"の腕はあえなく弾かれて、"シェルブリット"が"スタープラチナ"の胸板に直撃する。 クレアの口から鮮血が溢れた。 拳同士の衝突によって多少威力が削がれていたとはいえ、かなりのダメージであることに変わりはない。 しかし数拍の間を置いて、"スタープラチナ"の左腕が勢いよく跳ね上がった。 槍のようにカズマの腹部へ叩き込まれる左拳。 「ガッ……!」 レヴィとクレアは転がるように距離を取り、その間にカズマが落下した。 そこへ容赦なく"クレイジー・ダイヤモンド"のラッシュが放たれる。 『ドララララッ!』 カズマは右腕で地面を殴り、反動で辛うじて身を反らす。 ラッシュに晒された舗装面は粉々に砕け、その下の地面まで掘り起こされていく。 乱戦に休息などない。 身を起こすカズマにスプリングフィールドが向けられ、その銃口を"シェルブリット"が握り押さえる。
支援
「どけ! てめぇは後で殺す!」 「喧嘩売っといてそれはねぇんじゃねぇか、えぇ!?」 睨み合うカズマとレヴィを一瞥してから、仗助はクレアに顔を向けた。 空気を割って迫る鉄塊。 それが何であるのか理解する前に、仗助は地面に身を伏せた。 「うおっ……!」 仗助の頭上を細長い鉄の塊が掠める。 それは広場の周辺に設置された街灯であった。 根元付近で圧し折られた街灯を、"スタープラチナ"が長柄物のように振り抜いたのだ。 仗助はタイミングよく振り向いたために回避できたが、クレアから注意を逸らしていたレヴィとカズマはそうはいかない。 街灯の先端付近が二人を容赦なく薙ぎ払う。 意識の外からの攻撃を食らい、二人は受身も取れずに吹き飛ばされた。 十メートルは飛ばされた上で植え込みにぶつかり、そこでレヴィが止まる。 カズマはそこから更に撥ね、何度かバウンドしてから路上に四肢を投げ打った。 「……これで残ったのは俺とオメーか」 仗助は身を起こしながらクレアと"スタープラチナ"を睨んだ。 あれほどアツくなっていた思考が急激に冷えていくのが分かる。 相手の身体に浮かんでいた明るい部分と暗い部分も見えなくなっている。 今の攻撃で本体が倒されて、連鎖的にスタンドも機能を停止したのだろう。 男と女のどちらのスタンドだったのかは、仗助にとってはもうどうでもいいことだ。 残された問題は、目の前に立つ車掌服の男――クレア。 クレアは武器に使った街灯を足元に投げ捨てて、素手で仗助と対峙している。 空条承太郎のスタンドであるはずの"スタープラチナ"を使い、更に本人の身のこなしも尋常ではない。 その上、どう考えても穏便に話を聞いてくれそうにないときている。 しかしスタンドからのダメージ伝達によって、右拳と腹部にかなりのダメージを追っているようだ。 加えて"スタープラチナ・ザ・ワールド"までは使いこなせていないらしい。 そこは仗助にとって有利な点だった。 「念のため聞いとくが、俺は途中から乱闘に加わったんで一番消耗してねぇ。 それでも俺とやりあうつもりか?」 「当然だ」 短い言葉で男は答えた。 その眼差しに妥協の余地は見られない。 先に仕掛けたのはクレアであった。 放たれた"スタープラチナ"の豪拳を、仗助それと同等の一撃で以って弾き返す。 "スタープラチナ"と"クレイジー・ダイヤモンド"の能力はほぼ互角。 精密さでは"スタープラチナ"が勝るものの、単純なパワーは"クレイジー・ダイヤモンド"が上を行く。 二体の人型スタンドの打ち合いは、スタンドの扱いに慣れている仗助が優勢であるように思われた。 だが、一方的に有利な土俵での戦いにクレアが甘んじているはずもない。 スタンド同士の殴り合いの傍ら、クレアの拳が仗助の頬を打った。 「……ッ!」 「人型の性能は同等らしいが、俺はお前には倒されない」 胸、腹部、脚と次々に殴りつける。 傷を負った右拳を使わず、左拳と右肘を駆使した連続攻撃。 スタンドの能力は対等でも、本体の格闘能力の差は歴然であった。 回避も防御もあったものではない。 仗助はクレアの攻撃をまともに食らい続け、数歩退いて地面に膝を突いた。 「終わりだ」
止めを刺すべく迫る"スタープラチナ"を"クレイジー・ダイヤモンド"が防ぎ止める。 だが、それと同時にクレアが駆け出していた。 隙だらけの仗助に拳を振りかぶる。 「スタンドはよぉ……殴るだけが能じゃないんだぜ?」 そう言うなり、仗助は屈んだ状態から更に姿勢を低くした。 その直後、クレアの胴体に凄まじい衝撃が走った。 「……ぐっ!」 "クレイジー・ダイヤモンド"は"スタープラチナ"が抑えている。 仗助が何かしたような様子はない。 クレアの胴体を打ち据えていたのは、ひとりでに動き出した街灯だった。 "スタープラチナ"が接近する直前、"クレイジー・ダイヤモンド"はクレアが武器に使っていた街灯を一発殴っていたのだ。 "クレイジー・ダイヤモンド"の力は直す力。 その力を受けた街灯は凄まじい速度とパワーで元の位置に戻ろうとし、その軌道上にいたクレアを強かに打ち据える。 「グレートだぜ」 全くもって想定通り。 宙に飛ばされたクレアを追って仗助は駆け出した。 飛距離は数十メートル。 方角は南方。 空中で体勢を整えて着地したクレアに追撃を仕掛ける。 カズマやレヴィとの戦闘のダメージもあってか、クレアの動きは確実に鈍くなっていた。 倒すならばこの機に乗じない理由はない。 仗助は防戦に移ったクレアに対して容赦のないラッシュを繰り出し続けた。 一方のクレアは"クレイジー・ダイアモンド"のラッシュを凌ぎながら、少しずつ南門付近へと後退している。 「……調子にのるな」 南門の目前で、クレアはラッシュの合間を縫って下から突き上げるように拳を放った。 "スタープラチナ"によるものではなく、クレア自身の肉体による攻撃。 仗助は大きく身を逸らしてアッパーを回避し、更に後方へと飛び退いた。 同時にクレアも後退を止め、体勢を整える。 結果、両者は南ゲートの門前で仕切り直す形となっていた。 「最後にもう一度だけ確認しておくぜ。どうしても退く気はねぇんだな」 「俺はすぐにでも戻らなければならない。悪いが命は諦めろ」 問答の内容は今までと何ら変わらない。 クレアは仗助をも殺して勝ち残るつもりであり、仗助にはそれを受け入れるつもりはない。 「……クレイジー・ダイヤモンド!」 仗助の号令一下、"クレイジー・ダイヤモンド"が豪腕を振るう。 狙いはクレア……ではなく、足元の地面であった。 人間離れした拳が舗装材を砕く。 そして、飛び散った破片が宙に留まり、一挙にクレアへと襲い掛かる。 「防げ!」 『オラオラオラァ!』
43 :
創る名無しに見る名無し :2009/03/23(月) 19:00:37 ID:uo85ZfYG
凄いな
原因を考えるより早く、クレアは"スタープラチナ"に防御を命じた。 殴られ、砕かれる舗装材の破片には、どれも赤い血痕が染み付いていた。 ここに移動するまでのラッシュ合戦で"スタープラチナ"から伝達したダメージは、少しずつ、しかし確実にクレアを傷つけた。 そこから流れ落ちた血液は地面の舗装材に染み付き、広場から南門前までの道を斑点のように示していた。 "クレイジー・ダイヤモンド"が『直した』のはその血痕。 血痕はそれの染み付いた瓦礫ごと、血液の持ち主たるクレアへと戻っていったのだ。 全ての瓦礫を弾いたクレアの眼前には、既に"クレイジー・ダイヤモンド"が壮健な肉体を現していた。 それに呼応するように"スタープラチナ"も両腕を唸らせる。 南門近辺の外壁を背に、二体のスタンドがその力の限りを発揮する。 『ドラララララララララララララララ!』 『オラオラオラオラオラオラオラオラ!』 繰り出される拳は尽くが残像を残し、まるで数十の腕が飛び交っているかのよう。 際限なく放たれる打撃は、しかし共に相殺し合い、互いの本体には届かない。 一見すれば互角の殴り合いに思えるが、実際にはそうではないようだ。 スタンドのスペック差に加え、能力を活用した奇襲で先手を取られたことにより、クレアと"スタープラチナ"は確実に追い詰められつつある。 ここまで壮絶なラッシュともなると、もはや生身の人間が横槍を入れられる濃度ではなかった。 それは身体能力の問題などという単純な話ではない。 ミキサーに手を突っ込んで耐えられる人間がいないように、生物としての構造物質の問題なのだ。 クレアはじりじりと後退し、ついに外壁すれすれにまで追い込まれていた。 『ドラララララララララララララララララララララララララララララ!!』 『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!』 本体の負ったダメージも響いているのだろう。 嵐のようなラッシュの趨勢は、次第に"クレイジー・ダイヤモンド"へと傾いてきていた。 それでもクレアは自らが死ぬとは思ってはいない。 しかし『迅速に勝ち残る』という誓いが揺らぎつつあるのは事実であった。 残り人数を省みれば、今はまだ序盤であるに違いない。 そんなところで苦戦しているのでは、迅速に事を成すなどできるはずがない。 『ドラララララララララララララララララララララララララララララララララ!』 ついに拮抗が破れる。 両腕を同時に弾かれた"スタープラチナ"の頬に"クレイジー・ダイヤモンド"の拳がめり込んだ。 スタンドから伝達されたダメージによってクレアの頭部も揺るがされる。 勝ち残らなければならないのに。 助けにいかなければならない人達が待っているというのに。 『ドラァ!!』 瞬間的に無防備となったクレアの身体に会心の一撃が迫り来る。 如何なクレアの身体能力を以っても、この攻撃には間に合わない。 防ぐこともあたわず、かわすこともあたわず。 乱戦の終わりを告げる一撃は驚くほど速やかに吸い込まれ――
支援
クレア死んでんじゃねえぞ、ゴラァ!
――錯覚かと思った。 一瞬――ほんの一瞬だけ―― ――世界が静止した。 気がつけば、"スタープラチナ"の拳が、"クレイジー・ダイヤモンド"の腹を抉り抜いていた。 「ヤロ……ウ、そこま……」 仗助の口と腹部から大量の血液が溢れ出る。 しかし放たれた攻撃は完全には停止せず、クレアもまた凄まじい力で外壁に叩きつけられる。 「終わったな……」 クレアは壁にもたれたまま呟いた。 あの一瞬に何が起こったのかは分からないが、結果としてクレアは致命傷を受けず、仗助は血まみれで地に伏している。 これを勝利と言わずに何と言うのか。 確かに、際どい戦いではあった。 ここに呼び寄せられて数時間で経た如何なる戦闘よりも、この男との戦いは伯仲していた。 人型のダメージが跳ね返ってきた影響であろうか、視界の右側が暗い。 全身に負った傷も決して浅くはないだろう。 だが、もはや勝負は決した。 考えるべきはこれからのことについてだ。 クレアは今後の指針に思考を傾けつつ、痛む身体を起こそうとした。 「……な、に?」 身体が動かない。 右半身が壁に張り付いてしまったかのように硬直し、クレアの随意に働かないのだ。 それどころか首も右に傾いたまま曲がらず、視界も大きく制限されていた。 まともに機能する左目をゆっくりと下に向ける。 ――信じがたいことに。 クレアの右半身は本当に壁と溶け合ってしまっていた。 右脚、右腕、右肩、右頬、右目……全てが例外なく。 理由などクレアには分かるまい。 "クレイジー・ダイヤモンド"が放った最期の一撃は、その『直す』力によって、クレアの肉体を遊園地の外壁と融合させていたのだ。 『直す』とは決して本来の形状に戻ることを意味しない。 仗助が怒りに我を忘れれば、あるいはそうなることを望めば、見当違いの形状で『直って』しまう。 事実、これまでに仗助は複数人のスタンド使いを無機物と融合させ、再起不能に追い込んできている。 クレアもまた、不完全ながらその力によって『直されて』しまっていたのだ。 「砕け!」 『オラオラオラオラオラ!!』
"スタープラチナ"が強力かつ精確な手刀の連打でクレアの周囲の外壁を破壊していく。 破壊作業は一分と掛からず終了し、クレアは発掘された化石のように外壁から解放された。 しかし、コンクリートと癒着した右半身の自由を取り戻すことはできなかった。 右目の視力は完全に失われ、遠近感までもがぼやけている。 どうにか歩き出そうとしたクレアだったが、右脚が一切動かず、嘘のように転倒してしまう。 起き上がるために腕を突こうとするも、右腕はぴくりとも反応しない。 左腕と左脚、そして"スタープラチナ"の助けによってどうにか身を起こすも、脇腹が固まっているせいで姿勢を変えることも辛い。 もはやどこからどう見ても、クレアは戦闘者として再起不能であった。 しかしクレアは歩みを止めようとしない。 戦いからも逃げはしないだろう。 自分は死なないのだという確信と共に。 必ず帰るという誓いと共に。 ◇ ◇ ◇ 「ぐ……ぁ……」 全身に走る痛みを堪え、カズマは立ち上がった。 どれくらいの間、気を失っていたのだろう。 辺りに人の気配は全くない。 それどころか戦闘の音すらしなかった。 「あんの野郎、無茶苦茶しやがって……!」 カズマは生身に戻った右腕で地面を殴った。 車掌服の男はどこにもいない。 口の悪い女も、変な髪形のガキもだ。 やり場を失った憤りは留まるところを知らず、カズマの思考をも焼き焦がしていく。 もし次に連中と遭ったら容赦などしない。 いや、出会ったことのない誰かであっても手加減など有り得ない。 「……覚悟しやがれ!」 聞く者のいない叫びを残し、カズマは歩き出した。 そもそも最初から誰に向けた言葉でもなかったであろう。 確かなのはひとつだけ。 決着をつける機会を永遠に奪われ、肉体的にも深く傷ついた獣は、これからも無差別に牙を剥くのだろう。 戦いを招く火種は、今も彼の中にあるのだから。 ◇ ◇ ◇
瞼を開くと、景色が変わっていた。 仗助はいやに痛む腹に触れようとして、腕が動かないことを知った。 腕どころか全身のどこにも力が入らない。 現状はよく分からないが、どうやら何かにもたれかかって、地面に座り込んでいるようだ。 「大丈夫ですの? 気をしっかり持って下さいまし!」 誰かが肩を揺さぶっている。 少しずつ、視界から靄が晴れてきた。 小さな少女だ。 アルルゥと同じくらいに―― 「あんた……助けてくれたのか……?」 おかしなことを言っているなと、仗助は自分でも思った。 どてっ腹に大穴がブチ開いているのだ。 放っておこうとそうであるまいと、いずれ死ぬ。 それは自分自身がよく理解している。 こうして一時的にせよ意識が戻っただけでも僥倖だ。 身体の端から、少しずつ空っぽになっていく。 「わたくし達は、ただ逃げていただけですわ。 大事な仲間の仇が目の前にいたというのに……」 少女は仗助から目を逸らした。 もう一人、今の仗助からはぼやけてよく見えない場所にいる男も、視線を足元に落としているようだ。 二人の視線の先には、壊れた人形の部品らしきモノ。 ああ、あれが『大事な仲間』なんだなと、おぼろげながらに理解する。 「わたくしは翠星石の想いを、翠星石の姉妹に伝えると決めていましたの。 けれどその意地のせいで貴方は……」 少女の言葉は、どれだけ仗助に届いていたのだろう。 仗助は動かない四肢の代わりに"クレイジー・ダイヤモンド"の片腕を発現させ、小さく手招きをした。 開いた口からは言葉ではなく血の泡が溢れる。 「喋っては駄目ですわ!」 少女と、慌てて駆け寄ってきた男、そして人形の残骸―― それらに"クレイジー・ダイヤモンド"の拳が振るわれる。 注ぎ込まれていく最期の力。 残骸がふわりと宙に浮き、少女のデイパックに吸い込まれていく。 少女は信じられないといった表情でデイパックを開き、ソレを取り出した。 「姉妹に……家族に会いに行くんならよぉ……ちっとはキレー……に……」 ソレに軽く触れてから、跡形もなく消滅する"クレイジー・ダイヤモンド"の腕。 少女の腕に抱かれているのは、瑕一つない美しい人形であった。 失われた命は"クレイジー・ダイヤモンド"でも戻せない。 けれど、その身体を元のカタチに戻すことならできる。 ごふ、と血液が喉を逆流する。 今のが正真正銘の打ち止めだ。 もうスタンドを使う力も残されていない。 心臓は動いているだろうか。 呼吸は続いているだろうか。 答えはどちらも、ノーだった。
だけど、ひとつだけ、やらないといけないことがのこされている。 「……っ!」 少女は仗助の血まみれの口に耳を添える。 かたることばはこえにならない。 「あるるぅ、あるるぅさんですね!?」 しかし少女は片言も聞きのがさまいと耳を澄ます。 あとふたこと、せめてひとこと。 「……分かりましたわ。必ず……! わたくし達が必ず!」 少女は頷き、仗助の目をまっすぐに見据えた。 たとえその目が何も映していないとしても。 ◇ ◇ ◇ 空が、青い。 雲が、白い。 風が、冷たい。 今のレヴィにとっては、それらの全てが苛立ちの元でしかなかった。 何が穏便だ。 何が情報だ。 妙な腕したクソ野郎に出会ったと思ったら急にイライラして、結局あのザマだ。 しかもあれだけ撃ちまくって一人も殺せず、それどころかヤラれて植え込みの中で仰向けに倒れてるなんて無様この上ない。 「クソッタレが……」 徹底的に潰された左腕が、脳ミソに激痛を絶え間なく叩き込んでくる。 これはもう応急処置のレベルでは済まないだろう。 「これはヤベぇよな……病院……医者、居るかぁ?」 これだけ広大な遊園地に、参加者以外の誰もいないのだ。 病院に行ったところで、きっと医薬品や機材が置いてあるばかりで、スタッフは一人も居ないに違いない。 大掛かりな手術など期待は出来まい。 「まぁ、鎮痛剤くらいは見つかるだろ」 レヴィはそう考え、植え込みから身を起こした。 眼前の広場は荒れ果てていたが、戦闘自体は終わってしまっているようだ。 植え込みに深くはまり込んでいて気付かれなかったのか、それどころではなかったのか、気絶している間に襲われることはなかったらしい。 もしもわざと無視されていたのだとしたら、それは紛れもない屈辱だ。 ……情報を集めるという方針は、まだ変えない。 だがあの乱戦に加わっていた奴は例外だ。 出会い次第ブッ殺す。 頭に弾丸をブチ込むまで許さない。 「見てやがれ、クソッタレ」 まずは病院。 それと武器弾薬だ。 手持ちの予備弾数では心許ない。 できればもっと火力のある武装が欲しい。 決意も新たに、レヴィは新たな目的地を目指した。
◇ ◇ ◇ 狭くて暗い箱に光が差した。 木箱の蓋がごとりと動き、少しずつ光が広がっていく。 アルルゥは逆光に目を細めて、光の中の誰かを見つめた。 「……だぁれ?」 仗助ではない。 人影は背が低く、木箱の端から顔だけを覗かせている。 「アルルゥさんですわね」 人影が身を乗り出す。 木箱によじ登って身を乗り出し、すっと手を伸ばす。 アルルゥは首を傾げた。 人影――金色の髪をした少女は、アルルゥの知らない子だった。 「わたくしは……わたくし達は……」 少女はそこで言葉を切って、少しだけ哀しそうな顔をした。 けれどそれは一瞬のこと。 すぐに優しそうな微笑みを取り戻して、アルルゥの前で手を広げた。 「わたくし達は仗助さんの……お友達ですわ」 【ドラえもん@どらえもん 死亡】 【東方仗助@ジョジョの奇妙な冒険 死亡】 【G-3北部/1日目 朝(後半)】 【カズマ@スクライド】 【状態】:疲労(大) 全身に負傷 砂鉄まみれ 右腕に痛みと痺れ 右目の瞼が上がらない 右頬に小さな裂傷(アルターで応急処置済み) 腹部と頬に打撃ダメージ、脇腹と左肩に銃創 【装備】:桐生水守のペンダント(チェーンのみ)、スタンドDISC『サバイバー』@ジョジョの奇妙な冒険 【道具】:基本支給品一式(食料を二食分、水を1/3消費)、ランダム支給品0〜2 【思考・状況】 1:とにかくあの野郎をぶん殴る。(誰かはよく分かっていない) 2:優勝狙い。 3:次に新庄、伊波と出会ったら…… 4:メカポッポが言っていた、レッド、佐山、小鳥遊に興味。 ※ループには気付いていません ※メカポッポとの交流がどんな影響を及ぼしたのかは不明です。 ※参戦次期原作20話直後。 ※DISCが頭に入っていることは知っていますが、詳細については一切把握していません。 ※レヴィには気付かず移動を開始したようです。 ※何処へ行くかは次の方にお任せします。
【G-3南部/1日目 朝(後半)】 【クレア・スタンフィールド@BACCANO!】 [状態]:疲労(中) 拳に血の跡 脚にいくらかの痛み、左肩にわずかに切り傷、背中に銃創、腹部・胸部・右頬にダメージ(中)、右拳の骨にヒビ 右半身がコンクリートと癒着(右目失明、右腕並びに右脚の機能喪失等) [装備]:スタンドDISC『スター・プラチナ』@ジョジョの奇妙な冒険 [道具]:支給品一式×2 未確認支給品0〜1 [思考・状況] 1:優勝し、ギラーミンから元の世界へ戻る方法を聞き出す。 2:優勝のために他の参加者を殺す。迅速に、あらゆる可能性を考慮して。 3:レヴィ、ウルフウッド、梨花、沙都子、クリス、カズマと再び出会った時には彼女らを殺す。 4:フィーロを殺した相手が分かったら、必ず殺す。 【備考】 ※何処へ向かうかは後続の方にお任せします。 ※参戦次期は1931~特急編~でフライング・プッシーフット号に乗車中の時期(具体的な時間は不明) ※フィーロがいたことを知りましたが、名簿はまだ見ていません。 ※ほんの一瞬だけ時間停止が可能となりましたが、本人はまだ気付いていません。 ※梨花が瞬間移動の能力を持っていると思っています。 ※右半身の数箇所がコンクリートと一体化しました。余分なコンクリートはスタープラチナが破壊しましたが、機能は戻っていません。 【G-3中央 広場内植え込み/1日目 朝(後半)】 【レヴィ@BLACK LAGOON】 [状態]疲労(大)、全身に負傷(中)、左小指欠損(応急処置済み)、顔面と左脇腹に痛み、左腕複数箇所骨折等 [装備]スプリングフィールドXD 5/9@現実、スプリングフィールドXDの予備弾10/30 @現実、 カビゴンのモンスターボール@ポケットモンスターSPECIAL、ゴローニャのモンスターボール@ポケットモンスターSPECIAL [道具]支給品一式(一食消費、水1/5消費)、応急処置用の簡易道具@現実 [思考・状況] 基本行動方針:悪党らしく、やりたいようにやる。 1:医薬品、武器弾薬を調達する 2:他の参加者と接触してなるべく穏便に情報を集める。他にバラライカの情報を集める 3:クレア、仗助、カズマは出会い次第殺す 4:爆発?を起こしたゼロを許さない。(レヴィは誰がやったかは知りません) 5:他の参加者に武器を、特にソードカトラスがあったら譲ってくれるように頼む。断られたら力尽く。 ※クレア、仗助、カズマが何処へ行ったかは知りません。 ※カズマが移動して暫くしてから気がついたようです。 ※参戦時期は原作五巻終了後です。 ※スタンドの存在を知りましたが、具体的には理解していません。ポケモンと混同してる節があります。 ※ポケモンの能力と制限を理解しました。
【G-3南端 南門付近 サーカステント用具室内/1日目 朝(後半)】 【北条沙都子@ひぐらしのなく頃に】 [状態]:健康、疲労(小)、L3 [装備]:象剣ファンクフリード@ONE PIECE、レッドのニョロ@ポケットモンスターSPECIAL [道具]:支給品一式×2<沙都子、翠星石>、グラン・メテオ@ポケットモンスターSPECIAL、 翠星石のローザミスティカ@ローゼンメイデン、翠星石の亡骸首輪つき [思考・状況] 1:真紅、もしくは蒼星石にローザミスティカを届ける。水銀燈には渡さない。 2:アルルゥを家族に会わせる。 3:部活メンバーに会いたい。 ※参戦時期は具体的には不定。ただし、詩音を『ねーねー』と呼ぶほどに和解しています。『皆殺し編』の救出以降ではありません。 ※名簿は確認したようです。 ※雛見沢症候群の進度は具体的には不明。L5まで進行した場合、極度の疑心暗鬼と曲解傾向、事実を間違って認識し続ける、などの症状が現れます。 説得による鎮静は難しいですが不可能ではありません。治療薬があれば鎮静は可能ですが、この場にあるかどうかは不明です。 ※真紅、蒼星石、水銀燈に関しては名前しか知りません。 ※クリストファーの名前をクリスタルだと思っています。 ※アルルゥの名を仗助から聞きましたが、アルルゥの家族の詳細についてはまだ把握していません。 【クリストファー・シャルドレード@BACCANO!】 [状態]:健康、疲労(小) [装備]:F2000Rトイソルジャー@とある魔術の禁書目録(弾数40%)、5.56mm予備弾倉×4 [道具]:支給品一式、クリストファーのマドレーヌ×8@バッカーノ!シリーズ 包丁@あずまんが大王、不明支給品(0〜1) [思考・状況] 1:沙都子をアルルゥを守る? 2:クレアには会いたくない。 ※ローゼンメイデンについて簡単に説明を受けました。他のドールの存在を聞きました。 ※名簿を確認しました。 ※参戦時期は、『1934完結編』終了時です。 【アルルゥ@うたわれるもの】 [状態]健康 [装備]なし [道具]支給品一式×2<アルルゥ、仗助>、ニースの小型爆弾×4@BACCANO!、 不明支給品(0〜2) <アルルゥ>、不明支給品(0〜1)<仗助> [思考・状況] 1:誰……? 2:ハクオロ達に会いたい 3:仗助を待つ ※ココが殺し合いの場であることをイマイチ理解していません 【翠星石の亡骸首輪つき】 クレアに破壊された翠星石の亡骸。首輪付き。 仗助のクレイジー・ダイヤモンドによって損傷は復元されたが、蘇生はしていない。 【DISC『サバイバー』】 第6部に登場したスタンドと、その能力を封じたDISC。 本体が怒ることによって周囲の生物を無差別に凶暴かつ好戦的にして争わせる。 射程は通常で十数メートル、電気が伝わりやすい環境であれば数百メートル。 効果の度合いは個人によってばらつきがある。 凶暴化に伴って、潜在能力を引き出したり、相手の肉体の優れた部位やダメージを負った箇所が分かるようになる。 対象を選択できない能力のため敵味方関係なく戦うようになってしまう。 DIO曰く「最も弱いが、手に余るスタンド」
以上で投下終了です wikiには分割収録になるのが明白だったので、タイトルも分けてみました どっちかひとつに決めかねたとも言いますが
GJ!!!!! 熱い!熱いぜええええええ! うわぁドラえもんなんてことをしてくれたんだ みんな死んじゃえ、でこんな大規模戦が発生するとは この4人の乱闘とかすごすぎんだろ 一番能力の使いかたをよくわかってる仗助が一番賢い戦い方をしてたな 最後に翠星石の亡骸を直して死亡とは、、、お前輝いてるじゃないか
投下乙 本当にドラえもん勢は最後まで酷い扱いだったな まあこれ以上貶められるくらいなら全滅した方がマシだけど
おいいぃ!?ドラえもん死んじゃったよ! まともに主催を知るキャラが消滅か……バラライカはのび太から聞いた情報だけだしね よくこれだけの戦闘を書ききれたなあ。すごいな〜。憧れちゃうな〜。 仗助無念だなあ。でもまあゆっくり眠れ。吉良が調子づきそうだけどw と、まあ乙でした。読み応えのある話ありがとうございます。
投下乙! ドラえもんと仗助南無… ギラーミンが偽者かどうか、察するきっかけにはなりそうだっただけに残念だけど、 どっちにしろ機会が少なすぎて難しかったか。ドラは闇に落ちて果ててしまったか。 仗助はよくやった!あのクレアがいつ死んでもおかしくない状態にまでしてしまうとは。 翠星石(ついでにクリス)を治してあげたのもあいつらしい最期だなぁ。 クリス、沙都子、アルルゥ。何このロリパーティ。クリスが小鳥遊じゃなくてよかった。 色々抱える物が増えた沙都子、未だに身近な人の死に気付かないアルルゥ。クリス、なんとかしてやってくれ クレア、カズマ、レヴィ。乱戦の末3人ともかなりのダメージを負ったな。 特にクレアは治すのが難しくて、次の話で死にかねないな。これがマーダー補正のつけかっ! カズマ、機械破壊が板についてきた? レヴィは情報を集めるはずが結局こうなってしまうのか、不憫な性分だ。 異能力が飛び交う乱戦、見ごたえがありました!GJ!
◆TEF4Xfcvis氏の予約って期限は大丈夫でしたっけ
>>58 それほどでもない
60 ご謙遜をw十分に読み応えがありますよ。 予約期限は遅れているみたいですね。 ところでコンクリートと同化したと言うことは スタープラチナで余分なコンクリートを壊しても 右半身はコンクリートになったということですか? それとも思ったとおりに動かせないだけで生身の人間なんでしょうか?
>>61 一種のお約束ですよw
右腕や右脚といった右半身はコンクリ化ですね
原作でも人間を岩や本にしちゃってますし
日にちの計算間違えてました…… 一応延長申請もしました。期限までには投下できると思います。 その時はよろしくお願いします
投下乙です! な、なんという大乱戦、そしてなんという展開…! ドラえもんは最後に何やってんだぁあああああああ! あれか、まさに「おとなしい人が切れると怖い」ってやつか! あの頭に血が上りやすい、というか常に怒っている様なカズマに「サバイバー」とは なんという歩く地雷原w でもドラえもんは全てに絶望してやけっぱちになって死んだ、考えると悲しい最後だ しかしそれによって引き起こされた乱闘が熱い、熱すぎる!!! 戦闘能力を高められたガチバトルキャラ達の全力全開バトルに熱くなるやらハラハラするやら 杖助・アルルゥコンビがもう見られないのは悲しいけど、 全力でバトルして、翠星石を治せて、アルルゥを託せて、いい最後だった 本当に「この世のどんなことよりも優しい力」だよ ゆっくり眠ってくれ、杖助 アルルゥ、保父さんはいなくなってしまったが、強く生きるのだよ… チートなクレアがああなるという意外すぎる展開でどうなるかに期待しつつ GJ!本当にGJです!
おわ、リロードしそこねで空気読めてなかった ◆TEFさん待ってます!
うおう…感想何書いていいかわからん けど言わせてくれ 投下超乙!
投下乙です なんでもなおしが無ければクレア死ぬなw ドラえもんまさに外道w
修正点指摘です。
>>38 にて
>クレアは内心で自嘲しながら、人間離れした速度で広場から離れていった。
×クレア○クリスだと思います
>>68 確かに間違ってました
wiki収録時に修正しておきます
あと一時間以内に投下できると思います。 支援できる方はよろしくお願いします。
おっけぃ 何レス分くらいになりそうです?
15レス超えます
把握 はりきっていきますよう
キタキター!
今から、投下します
しえん
『―――――12:00に、劇場に大勢の人間が集まります』 無常と呼ばれた男は、そう言った。 それが真実であるのならば、脱出を目的とした者たちが集うのだろう。 しかしバラライカにとってみればそんな事に意味はない。 この状況下で脱出を模索するなど、どうかしている。 殺し合いのゲームを管理している者たちがみすみす抜け穴を見逃す筈があるだろうか? 故に、彼女は集る人間の目的についてはどうでもよく、むしろ必要なのはその人間たちについての情報だ。 レッド、ライダー、レナ、チョッパー、グラハム。 彼等は2手に分かれたらしい。本当であればの話だが。 まあ、分かれていると仮定しよう。だとすれば、最低でも2人は戦闘に慣れた人間であると考えられる。 流石に全員と言うわけではあるまい。そうであるなら分散する必要はないだろう。 各々が自身の身を守る術を持っているのだから大人数で行動しようとも負担は少ない。 効率を選んだか。だがそれならもう少し分散しても問題あるまい。 だからこうして二手に分かれたということは、守らねばならない非戦闘員がいるということ。 ……チョッパーと云う名の人間。 麦わらの言葉ではそいつは医者のようだ。 彼女の素性を隠せば傷を治療してもらうことも可能かもしれないが、もちろんその気はない。 逃がした者が複数いる以上、彼女のスタンスが他人に伝えられない可能性は低い。 名前は知られていないはずだから、おそらく外見の特徴を知らせるのだろう。 目立ちやすい顔の右半分の火傷の跡。夜とは違い日光の下で隠し通すのは難しいはずだ。 どのみち、他人と行動することは今後もないだろう。 彼女はただ、このバトルロワイあると云う戦場で勝ち進んでいくだけなのだ。 バラライカはちらりと支給品の時計に目をやる。 現在午前9時前。劇場に人が集まる時間まで3時間はある。 ただ、12時にその5人が集まるかどうかは怪しいものだ。 どのような状況においてもイレギュラーはよく発生する。このような事態ならなおさらだ。 まあ、集まろうと集まらなくてもいい。 劇場前の道路はこの地図の中心部であり、さまざまな場所に行く分岐点でもある。 普通に道をのこのこ通る者がいるとは考えにくいが、ここらを張っておけば網にかかるのは幾らかいるだろう。 当面は劇場周りで狩るのも選択肢の一つだ。 無常の言葉が虚言であろうと関わりない。なんにせよ彼女は、劇場へと向かうことにした。
市街地を歩く人間が、2人いる。 太陽もすっかり辺りを照らすまでに昇ったというのに、この2人は堂々と道路のど真ん中を歩いている。 いや、堂々と言うのは語弊があるだろうか。本当にその様子なのは一人だけなのだから。 英雄王ギルガメッシュ。もとい、アーチャー。 黄金の鎧という格好もさることながら、当人そのものが異様な存在感を放っている。 これでは昼であろうと夜だろうと人目につきやすいのは確定的だ。なにより、彼自身が隠れて行動するつもりがない。 現在彼の従者をつとめている少年、前原圭一にしてみればそれはたまったものではない。 たとえ、一時アーチャーの従者をしていようとも、圭一がこの殺し合いの参加者であることは揺ぎ無い事実だ。 自身の命をも狙われる可能性があるのは勿論のこと、彼は全く武装を持っていない。 武器を持っているのはアーチャーだが、だからといって圭一を守るとは限らない。 それは圭一自身重々承知していたが、何にせよ、彼はこの状況が嫌だった。 何時何所から奇襲をかけられるかもしれない。それに対して自分は何もできない。 今までだって何か出来ただろうか?確かに、雛見沢においては運命を打開できた。 だがここに来てからは足手まといやお荷物になってやしないだろうか。 結局何も出来ていない。圭一はそんな自分が嫌だった。 それと同じくらい、彼の心を占めていたのは…… 彼は、間違いではないのか、と願うような気持ちでその地図の裏側に目を向ける。 しかし当然の如く、書いてある文字は変わらない。 「そんなにそれが気になるか、圭一」 圭一は答えない。 「大方、其処に書かれている殺害者の名前がお前の知人だとかそんな話だろう? なあに、この状況に放りこまれてその選択肢に至らぬ者がいないわけはない。 ただ単にそれがお前の知り合いだったというだけの話だ。それについて考える必要はない」 「そんなわけあるかよ……」 弱く震えた、それでも意思の籠った圭一の言葉。それを英雄王は真紅の双眸でうっすらと眺める。 その眼に特に含むところは感じられない。 「ほお?何か思うことがあるのか。口利きを許す、召使」 「……あいつらは…俺達は皆であの危機を乗り越えてきたんだ。だけどどんなに自分の身が危険になっても 人の命を奪うことなんてしなかった!ここに書いてあることだって……きっと、きっと何かの間違いだ!」
「仲間への信頼、大変結構なものだ。だがな、そのようなことはなんら問題ではない」 「え……?」 「そこに書いてあることは真実かもしれんし虚偽かもしれん。しかし圭一、この情報がどうであろうが その仲間に出会った時に相手がどのような状況であろうと事実を認めることが出来るのか?」 百聞に一見は如かず、と云う言葉があるように。 情報というものは自分で確認して初めて確信を得られるものだ。それ以外では情報は心を惑わすものにすぎない。 そう、圭一が考えねばならないのは今ここにある不確かな情報ではなく、事実に向き合った時それにどう接するのか。 仲間の死と向き合ったとき。殺人鬼となった仲間に出会ったとき。彼は果たしてそれに向き合うことができるのだろうか? 「…………」 「すぐに答えを出す必要はない。せいぜい悩み続けるがいい。決まった答えなどないのだからな。 ただ、用心はしておけ。くれぐれも心を乱して不意打ちで死ぬなよ? お前には俺の召使という役目があるのだ。代わりはいくらでもいるだろうが探すのが面倒だからな」 相も変わらず傍若な言い分を放つギルガメッシュであったが、圭一はいちいちそれに反論する気はない。 (自分が……どうする?わかってはいるんだ。けど、本当に俺に出来るのか?) もしそうだった場合、自分がしなければならないことはわかってる。 だけどそれが通用するのか?もし何も聞いてくれなかったらその時は――――― ギルガメッシュが足を止めた。 地図上の位置と照らし合わせてみれば、そこは図書館の近く。 というより、図書館と思わしき建物はすでに彼らの目の前にあった。 その門の前に停められている、一台の大型バイク。そこから結論に至るのは難しくない。 「誰か中にいるのか……」 「ふむ、ならば調べてみよう。と、その前にこれを回収せねばな」 「乗れるんですか?」 「後々検分する。この手のは乗ったためしがないのでな」
圭一の質問をどうでもよさそうにあしらい、彼は大型バイク―――ヤマハV−MAXに手をかける。 常人では持ち上げるのも至難の業だが、彼はそれを両手で苦もなく持ち上げた。 と言っても、片輪空中に少し浮かせただけなのだが。 「圭一、バッグにこれを押し込め」 「えぇ!?……入るのかなあ」 一度、消防車をデイパックに入れようとしたとき入らなかったのを思い出す。 そう言いながらも圭一はバイクにデイパックを押しつけると…… とたんにするすると滑り、すんなりと入ってしまった。 質量も殆んど、いや、全く変わっていないのではないだろうか? あのバイクの質量や体積は一体どこにいったのか理解できないまま圭一はそれを担ぎ上げる。 「それにしても不用心だな。鍵付けたまま停めておくなんて」 そこまで思慮が回らなかったのか、判断する術はない。 もっとも、鍵をかけずともデイパックに入れれば済む話なのだが。 ガラス張りの扉を開く。 中は静まり返っていて、人の気配を感じさせない。 エントランスには、図書館に続く開けっ放しの扉と、二階に続く階段がある。 「一階から調べる。ついて来い」 カツコツという金属質の足音と、パタパタという軽い足音が静かな図書館に響く。 響くのはその音だけで、後は彼らの呼吸音と衣擦れしか音を発するものは無い。 確かに、誰もいない。 しかしその様子から、人が其処にいたのだと伺わせるのは充分だった。 閲覧者用のスペースであろう場所には、幾つもの椅子や机が配置されている。 その内の円卓は椅子が一つを残して壁の隅に追いやられている。 .. . . まあ、この程度は常人でも行える異変だろう。 主に彼らの目に入ったのは二つの異常。 一つはその閲覧スペースにある、謎の破壊痕。 否、それは破壊というにはあまりにも綺麗に刈り取られていた。 まるでそこだけ円――正しくは球状に刳り貫かれたかのようにテーブルが存在している。 おおよそ、一般人には為し得ないだろう。
二つ目は、壁に開けられた大穴。 これはれっきとした破壊の跡だと見て取れる。おそらく重機を使用すれば出来なくはない。 ただし、その破片は外にへと飛んでいる。つまりこの穴は内側から開けられたということだ。 室内からの破壊である以上重機の類は選択肢より排除される。 「こんなの……どうやったら出来るんだよ」 「自己主張をしたがる輩が多いようだな。全くもって度し難い」 「ああ、気になるのはそっちなんデスカ……」 「下がれ」 「へ?」 「下がれと言っておるのだ。二度まで言わせるな」 状況が飲み込めない圭一を他所に、ギルガメッシュはドアの向こう側をじっと見つめる。 音はしない。 圭一は後ずさりながらも同じ方向を見やるが、人影すら見えない。 唐突に、静寂を破壊するほどの銃音が響き、同時に鋭い金属音が2つした。 圭一はそれが銃声だと気付くのに僅かな時間もかからず、すぐさま本棚に身を屈めた。 しかし、結果的に銃弾は彼らを抉ることはなく、一つはギルガメッシュの鎧に。 もう一つは彼の持つ長槍に阻まれた。 正しい行き場を失った鉛玉はそれぞれ天井と床に撃ちつけられ、その意味を為さなくなる。 再び訪れる静寂。 何者かが、扉の向こうにいる。だがそれが姿を現す気は全くないようだ。 「出て来い、雑種。そんなものではこの我に傷一つ付けることは敵わんぞ?」 ギルガメッシュはあくまでこちらから出向く気はないらしい。 必滅の黄薔薇を右手に携えながら、高らかにまだ見ぬ相手に宣言した。 圭一は本棚からわずかに顔をのぞかせる。やはり姿は――――――
「そうか」 意外。出てきた。 真紅のコートを着た、金髪の女。その視線はナイフよりも鋭く、まさに目の前の獲物を狩らんとする狩人のようだ。 その姿は目につきやすいものではあったが、なにより特徴的だと彼らが感じたのは顔の右半分の火傷の痕だった。 一度目につけば忘れそうにもない。当人もそれは十分熟知しているだろう。ならばそれが意味するのは、 「じゃあ、これはどうだ?」 今此処で完全に、相手を仕留めるということに他ならない。 女の持っているスーツケースが圭一たちの方向に向けられる。 無論彼らには一見ただのカバン程度にしか見えない。だが、それを向けてきたということは少なからず 何らかの危険があるのだと感じ取り身構える。 しかし、それだけでは足りなかった。 スーツケースの口に開いている不自然な穴。 それが何であるかは、その筋の者であればなんとか察することもできるだろう。 所持した者しか知る由のないそのスーツケースの正体は、ロケットランチャー、マシンガン、徹甲弾といった 様々な重火器が仕込まれたとんでもない武器だった。 万が一それの正体を察することが出来たとしても、果たして回避するのに間に合うかどうかは怪しいところだが……。 現に、ギルガメッシュは間に合わなかった。 スーツケースの銃口から火花が飛び散る。 それと同時に飛び出す無数の弾丸。流石にギルガメッシュとも云えども一秒間に何十発も飛来する物体を捌き切ることはできない。 回避不能と瞬時に悟るもののその間に弾丸は鎧に激突し、傷を増やしていく。 いかな黄金の鎧といってもこの衝撃にいつまでも耐えられるほど頑強ではない。 ギルガメッシュもただ仁王立ちしているだけではない。悟った時点で物陰に素早く身を隠し、弾丸の蹂躙から逃れようとする。 だが物陰と言っても所詮本棚程度では銃弾を防ぐには至らない。故に機関銃の掃射は継続されるかと思われたが、ギルガメッシュが 完全に本棚に身を隠した時点でそれは止んでしまった。 別に弾丸が切れたわけではない。 作動自体は数秒程度で、依然スーツケースに仕込まれた機関銃にはまだまだ弾丸が仕込まれている。 「圭一」 「はっ、はい!?」
94 :
創る名無しに見る名無し :2009/03/25(水) 00:35:12 ID:d1uxumyy
支援
機関銃の蹂躙を受けながらもギルガメッシュの声は健在だった。 「そこの穴から外に出ろ。お前はこの場では邪魔だ」 僅かなあいだ圭一は迷い、 「……わかりました」 その場からの離脱を決意した。 壁にあいた穴……圭一のいる場所はギリギリ女からの死角となっていて、今は追撃を諦めざるを得なかった。 バラライカは、もちろん逃す気はない。目の前の男を始末してすぐに少年も始末するつもりだ。 そこに一切の妥協はない。 ゆらりと、ギルガメッシュが姿を現す。 黄金の鎧はところどころが掠れ傷つき、元の光を失っている。 その鎧で覆われていない顔以外の部分からは血が噴き出していた。 それでもギルガメッシュは平静な顔をしている。 「雑種の分際でこの我を傷つけるとは……貴様、刎頚に値するぞ」 そうは言うものの彼の心境に怒りはない。 それよりも気になることが思い立ったからだ。 (ただの兵器で傷を受けるということは……受肉したということか?ギラーミンめ……。 だが別に構わん。それでこそこの状況を愉しめるというものだ) ギルガメッシュの顔が狂喜に歪む。 それを見てとったバラライカは怪訝な面持ちになり、ふと、一つのことが気になった。 「おい、お前の名前はなんだ」 「戯け。王に名を問う場合にはまず自分から名乗るのが常であろう?貴様には死罪が相当だな」 その答えにバラライカは嘆息した。 もともと期待はしていなかった。だから、これも想定の範囲内。 「ああ、もういい。今逃げていった奴に聞くとしよう」 そう言葉を発するのとどちらが早かっただろうか。
ふわり、と2つの丸い物体が放物線を描きながらギルガメッシュの方向に飛んでいく。 既に女の姿はない。 「チッ……!」 ギルガメッシュがいくら現代兵器を知らないとは言っても、推測は出来る。 爆弾。そう、彼は判断した。 彼もまた、圭一が脱出した壁の穴に飛び込む。 間に合うか間に合わないかは問題ではない。 ただ、今はそれが彼にとっての最善の策だった。 そして、その判断は正しかったのだ。 ※ ※ ※ ※ とてつもない爆発音が、聞こえた。 音もすさまじく彼の鼓膜を潰しそうなもので、周りの建物もその余波でビリビリと揺れている。 そしてしばらくして湧き上がる煙。 「な……」 圭一は、その煙をはっきりと見ていた。 彼は図書館から歩道一つしか隔てていない、マンションの敷地内の植え込みに隠れていたのだ。 彼にだって理解できる。アーチャーは爆発する類の武器なんか持っていない。 あれはきっとあの女が起こしたことなんだろう。そんなことは理解できる。 だが、それをくらったであろうあの男は無事なのだろうか? 確かに彼が強いことは数時間ではあるが行動を共にした圭一もわかっている。 だからといって爆発に耐えられるとはとても思えなかった。 恐る恐る道路を覗いて見ると 「…………!!!」 声を出しそうになるのを堪えた。 彼は、其処にいた。 しかし立ってはいない。道路に大の字で仰向けになっている。 それだけだったら、どんなによかっただろうか。 上半身の鎧は完全に破壊されて下の衣服も吹き飛び、腹や肩に木片が刺さっている。 左腕は、肘から先が千切れ飛んでなくなっている。 逆立っていた髪は力なく垂れ下がり、もはや以前の威厳は何処にもない。 ただ、血まみれの人間がそこに打ち捨てられているだけだった。
生きているのかわからない。 だが、ぴくりとも動かない。 確認しようにも、圭一は動けなかった。 今しがたあの女がギルガメッシュに近づいてきたのだから。 彼は音をたてないようにそっと植え込みの陰に蹲り、耳をそばだてた。 ※ ※ ※ ※ バラライカは横たわっている男を一瞥し、すぐに別方向に向きなおった。 遠くから見ても男の惨状は見て取れたため彼女にはそれで充分だった。 槍を持っているようだがその回収は後でいいと判断した。どのみち使うことはできまい。 「まだ息はあるようだが……これなら放っておいてもすぐ死ぬか。それより今は……」 彼女は、目の前にあるマンションに向かう。 目的はただ一つ。獲物は逃しはしない。 圭一は動けない。 近づいているのはわかる。もしかしたらばれたのかもしれない。 だが、もしかしたらであるならば今飛び出すわけにはいかない。 もしかしたらそのまま去るかもしれないのだから。 だが、そんな期待は 「どうしてもっと遠くに隠れなかったのかしら?」 「あ…あ……」 簡単に裏切られることになった。
「私の質問に答えてくれるかしら?」 「え?」 女から出た言葉は圭一にとって意外なものだった。 だが、これはチャンスだ。出来るだけ時間を稼ぎ、誰かが通り過ぎるのを待つ。 もしくは、取り入って逃がしてもらう。希望的観測だが、何にせよそれ以外に方法はない。 今、こんなところで死ぬわけにはいかない。自分が生き残るためには精一杯自分の出来る限りのことをする。 それが彼の結論だった。 「あなたの名前は何?」 「俺は……前原圭一だ。お前は?」 「……答える必要はないわ。あなたは私の質問に答えていればいいの」 冷たい眼が圭一を見据える。 「で、よく聞きなさい。今から言う名前に心当たりがあれば答えて」 「あ、ああ」 「レッド、ライダー、レナ、チョッパー、グラハム。この五人が12時に着くように劇場に向かっているらしいの。 この中にあなたがここで知り合った、もしくは前から知っている人間はいるかしら?」 「え……」 レナ、竜宮レナ。レナと名前がついてるのは名簿には彼女しかいない。 目の前の女がどういう意図でそれを聞いているのかはわからないが、どうせ碌なことに使う筈がない。 だから彼女のことだけは伏せねばならないと確信した。 「……ライダーって奴なら知ってる。あの、アーチャーの知り合いだって事だけど。かなり厄介らしい あと、チョッパーってのも名前だけ……」 「それだけ?」 「ちょ、ちょっとタンマ!」 話し終わるや否やすぐさまバラライカは銃口を向けてきたので、慌てて圭一は切り返した。 「アンタさ、生き残りたいんだろ?だったら脱出する方法とか探さないか?きっと何か方法が……」
「時間稼ぎも程々にしなさい。でもいいわ、まだ余裕があるし答えてあげる」 (や、やっぱりバレてる?畜生……) 「私はね。別にそんなのに期待してないわ。だってこれ程の周到な準備よ?穴があるなんて到底思えない。 だから優勝せずにここから脱出するなんてそんなの絵に描いたモチでしかないわ」 「で、でも……!」 「私はこの戦争を生き抜き、勝利する。それ以外の選択肢はないわ」 (もうだめか……いや、まだ方法はある。考えろ、KOOLになれ。KOOLになるんだ圭一!) 閃いた。 それは本当に偶然だった。 こけおどしにしかならないかもしれない。だけどそれは―――――― (やってみなけりゃ、わからないだろ!!) 圭一は、持っていたデイパックに片手を突っ込み、思い切り振りかぶった。 すかさずバラライカは反応して、圭一を殺害するために銃弾を放つ。 決して避けられない至近距離からの弾丸。 そのままの弾道ならば、デイパックを翳めて圭一の脳天に突き刺さるだろう。 だが、それは巨大なナニカによって阻まれた。 「なっ……!!!」 驚きの声はバラライカのものだ。 突如目の前に飛び出したそれは、大型のバイクだった。 あまりの突然さと至近距離のために彼女はそれをよけることが叶わず、重量250キロを超える物体の洗礼を まともに受けてしまった。 「ぐっ……あ・・・」 どう、とバイクの下敷きになりながらバラライカは地に倒れた。 その衝撃で彼女の肋骨が不自然な音を立てる。
「っ……よし!」 圭一のとった行動は単純なものだ。 バッグの中にあるV-MAXをバラライカに放り投げるというもの。 しかし、単純に投げたところで、いや、平凡な少年がバイクを放り投げるなどという芸当ができるはずもない。 それを可能にしたのは、デイパックの特性だった。 圭一はバイクを入れた時に感づいたのだが、支給品を一部分でもデイパックの中に入れると支給品の質量が殆んど感じられなくなったのだ。 つまり、支給品はバッグから出ないと元の質量にならないということだ。 これを利用し、圭一はバイクを手の届くギリギリまで引っ張り出し、後は慣性に任せて手を離したというわけである。 質量の戻ったバイクはそのままバラライカに激突した。 もちろん、両者の距離が1メートルにも満たない至近距離だからできたことであって、それ以上離れていれば避けられていただろう。 結果でいえば彼の突発的な作戦は功を奏したわけだが、 「小賢しい真似を!」 「うおわっ!??」 それでもなお、バラライカを止めるには至らない。 バラライカの持つデザートイーグルから再び銃声が響き渡る。 「あぐっ……ああああああああ!!!!」 そのうちの一つが、圭一の右足を貫通した。 たまらずその場に倒れこみ、それでも立ち上がり、その場から逃れようとする。 「無駄だ。次は外さない」 バイクを押しのけたバラライカは立ち上がり、今度こそ圭一の脳天に狙いを定める。 何かが、はじき飛ぶ音がした。 「!!?」 腕が、宙を舞っている。 右腕であることは間違いない。だけど、それは誰の? その腕には、銃が握られている。 そう。この場で銃を持っていたのはただ一人。 「言ったはずだ。貴様は死罪だと」
強烈な一閃が振るわれる。 このままいけば、それは間違いなくバラライカの首を刈り取るだろう。 だが、彼女は振り向かない。 彼女は状況を確認するより、見えぬ攻撃の回避を選んだ。 髪の毛を槍が薙いだ。 穂先は見事に空を切る。だがそれも、彼の想定内。 すかさず3撃目を女の脳天に振り翳す。今度こそ回避不能。 しかしそれすらも、この女によって阻止された。 「ぁグッ………」 地面ギリギリに屈みこんだ姿勢から放たれたトゥーキックは容赦なくギルガメッシュの脇腹を抉る。 万全な状態であれば躱わすことも可能だっただろうが、いまだ癒えぬ傷のこともありそれはできなかった。 元々、彼にそんな気などなかったのだが。 「―――――逃がさん!!」 蹴りを入れられてよろめきながらも放たれる必殺の一撃。 下段からせり上がるようにして 自らのダメージを度外視しての攻撃は確かにどれも必死のものだったが、バラライカには届かない。 彼女の位置はすでに槍の間合いの外にあった。 選択肢としては2つある。 このまま、まだ残っている左手でデイパックから支給品を取り出し、眼前の2人を一掃するか。 それとも、自らの保身のために今はこの場を離れるか。 視界の隅でバラライカは少年、前原圭一の姿を見咎める。 彼の手に握られていたのは、バラライカが右手に持っていたデザートイーグル。 玉の残量は後二発分だがこの距離では万が一ということもあり得る。敵は一人ではないのだ。 故に、彼女は逃走を選択した。 「……はあっ」 どっと尻もちをつき、圭一はその場に座り込んだ。 銃弾で貫かれた足の痛みと、目の前の危機から逃れられたという安堵感からだった。
113 :
創る名無しに見る名無し :2009/03/25(水) 00:41:21 ID:d1uxumyy
我様生きてる!!!!!!!!!
「逃げたか。流石に命を優先するだけの能はあるようだな」 「そうですね。………あ、アーチャー様!大丈夫なんですか!?」 「聞くのが遅いわ、戯け」 堂々と立ってはいるものの、未だに所々は血で汚れて、左腕は千切れている。 その割にはやけに彼は平然としていた。 「治癒力は遅いがまあなかなかのものだな。見よ、左手ももうすぐ再生する」 圭一が目を凝らしてみてみれば、ギルガメッシュの左腕はチリチリと塵が集まって元の長さを取り戻してく。 わけがわからない。今まで散々な不条理を目にしていた圭一でも信じがたいものだった。 「よくわからないんですけど……」 「どうでもいいことだ。それよりもお前の足をなんとかするべきではないのか?」 「あっ?えっ!は、痛っ!」 とたんに痛みが舞い戻ってくる。 とりあえず応急措置をせねばならないのはわかっていたがここではどうしようもない。 「どこか適当な家にでも入って処置すればいいだろう。はばかる必要はない」 「はい……」 なんだかやけに違う態度に違和感を覚えながらも、その言葉に従うことにした。 ※ ※ ※ ※ ※ はっ―――――、はっ――――、……――――― ……―――――― 右腕は、語るまでもない。 肋骨は、数本に罅が入っている。 デザートイーグルを失った。だが、予備弾はこちらにある。 他の支給品は問題ない。 けれども、失ったものの影響は大きい。 (この戦争が終わったとしても……右腕は諦めるしかないな) 片腕を失ったという事実は大きい。 今後の行動にも支障をきたすことになるだろう。 だが、今はそれを考えている場合ではない。 傷口の止血をせねば、間違いなく彼女の命は失われることになるだろう。 ビニール紐で固く縛っておいたものの、それでは心もとない。
(病院、か) 何者かがいる可能性は否定できない。 それでも、自身の命を優先すべきとバラライカは考えた。 彼女は別に死にたがりなわけではない。 勝利してこの世界から脱出する。それが彼女の目標なのだ。 痛みが、彼女の芯にまで響く。 心臓が、早鐘を打つ。 ――――――彼女を急かすように、体が悲鳴を上げていた。 【E-4 劇場前 1日目 朝】 【バラライカ@BLACK LAGOON】 [状態]:腹部に中程度のダメージ、右腕切断(簡易止血済み。治癒不可)、肋骨骨折、身体全体に火傷(小)、頬に二つの傷、疲労(大) [装備]:ヴァッシュの衣装@トライガンマキシマム(右腕の袖なし)、デザートイーグルの予備弾×16 AK47カラシニコフ(30/40、予備弾40×3)、 シェンホアのグルカナイフ@BLACK LAGOON [道具]:デイパック(支給品一式×3)、デイパック2(支給品一式×1/食料一食分消費)、下着類、AMTオートマグ(0/7)、 不死の酒(空瓶)、探知機、ヴァッシュ・ザ・スタンピードの手配書×二枚、通り抜けフープ、 ロベルタのスーツケース@BLACK LAGOON(ロケットランチャー残弾7、マシンガン残弾80%、徹甲弾残弾10)、手榴弾×3、 ロベルタのメイド服@BLACK LAGOON、ガムテープ、ビニール紐(少し消費)、月天弓@終わりのクロニクル [思考・状況] 0:病院へ向かう。 1:戦争(バトルロワイアル)を生き抜き、勝利する。 2:ウルフウッド(名前は知りません)を警戒。 ※のび太から、ギラーミンのことや未来のこと、ドラえもんについてなどを聞き出しました。 ※ヴァッシュ・ザ・スタンピードの手配書×二枚に『モヒカン男と麦藁帽子の男に気を付けろ byストレイト・クーガー』とメモ書きされています。 ※デイパックを二つ持っています。 ※D-4中央部一帯にあるビルの構造を熟知しています。 ※元の服は下着を除いてビルに捨てました。 ※無常から得た情報を受けて、どう動くかは次の方に任せます。 ※チョッパーを医者だと推測。 ※○印と包帯の情報を知りました。 ※ギルガメッシュを不死者の類かもしれないと思いました。
図書館裏のマンションのとある一室に、二人はいた。 圭一の右足は布で縛られている。 ギルガメッシュはもう大分治癒したようだがどこか疲労を覘かせている。 破壊された鎧の代わりに黒のライダースーツを着込んでいて、圭一の様子を眺めていた。 「あの……アーチャー様」 「なんだ、圭一」 「ええと、今後の事についてなんですが……」 「焦らすな、申せ」 「……」 僅かな沈黙の後、圭一は口を開いた。 あの女の言った名前の中に自分の仲間がいたということ。 その5人が劇場に向かっているということ。 話したのが彼女である以上、その目的は知れているのだが…… 聞き終えた後に、ギルガメッシュは息を吐いた。 「真偽は定かではないが、行ってみる価値はあるな。で、お前はどうするのだ。圭一」 そんなことは分かっている。 もう迷う必要はない。答えは、既に出ている。 「劇場に向かって、あいつがいたら止めます。それ以外にありません」 「……いいのか?お前の守る者のために、他の誰かを殺すことになっても」 「え、ええ。勿論、わかって「無理はするな」え?」 ギルガメッシュは、圭一に応えた。
「民草を導くのも王である我の役目だ。お前たちと共に、この下らんゲームを破壊する。……それが我の決定だ」 「い、いきなりどうしたんですか!?」 「なんだ、不服か?」 「いいいいえ!滅相もない!」 (どうせあのギラーミンの思惑に沿ったところでなんの面白みもないしな。悠長に構えてられないというのもあるが…… 貴様らの仲間を信じる心、とくと見させてもらうぞ。まあ、気に入らんのは直々に断罪するがな) ギルガメッシュの思惑は圭一には分らない。 しかし、問う必要はない。考えがどうであれ、目的は等しいのだから詮索は無用なのだ。 今後彼の方針によりどのように事態が変わるかは定かではない。 だが、後悔はないだろう。 決めたことは彼ら本人の確かな気持ちだったのだから―――――― 【D-4 図書館裏のマンション 1日目 朝】 【前原圭一@ひぐらしのなく頃に】 [状態]:疲労(中)、頭部にたんこぶ×2、頬に痛み 、強いショック [装備]:デザートイーグル(残弾数2/6) [道具]:双眼鏡(支給品はすべて確認済)、不死の酒(完全版)(空)、基本支給品×2、ゾロの地図 [思考・状況] 基本行動方針:仲間を助けて脱出したい 1:アーチャーと共に12時までに劇場に向かう。 2:切嗣についてアーチャーには漏らさないようにする。 3:切嗣、佐山のグループと早く合流したい(切嗣のことをそれなりに信用してます) 4:万が一のときに覚悟が必要だ 5:魔法使い……? [備考] ※時系列では本編終了時点です ※アーチャーの真名を知りません。 ※クロコの名前、カナヅチという弱点を知りました。 ※橘あすかと真紅と簡単に情報交換し、 新たに彼らの仲間等(翠星石、クーガー、チョッパー、ハクオロ、アルルゥ、カルラ、ルフィ)と、 要注意人物(カズマ、水銀燈、バラライカ、ラッド)の情報を得ました。 また、ゾロと蒼星石が彼らの(間接的、直接的な)知人であることを知りました。 ※切嗣の推測とあすか達との情報交換から、会場のループについては把握しています。 ※バラライカの姿を確認しました。名前は知りません。 ※バラライカからレッド、グラハム、チョッパーの名前を聞きました。
【ギルガメッシュ@Fate/Zero】 [状態]:胴体にダメージ(小・回復中)左手欠損(回復中)、肩と腹に刺し傷(回復中)、不死(不完全) [装備]:黄金の鎧@Fate/Zero(上半身部分大破)、必滅の黄薔薇@Fate/Zero、黒のライダースーツ [道具]:なし(圭一に持たせています) [思考・状況] 基本行動方針:主催を滅ぼし、元の世界に帰還する。必要があれば他の参加者も殺す。 0:圭一とその仲間を脱出させる。 1:12時までに劇場に向かう。 2:自分を楽しませ得る参加者を見定める。 3:ゾロ、佐山、クーガーに興味。 4:圭一が自分のクラスを知っていた事に関しては・・・? 5:宝具は見つけ次第我が物にする。 王の財宝、天地乖離す開闢の星、天の鎖があれば特に優先する。 [備考] ※不死の酒を残らず飲み干しましたが、完全な不死は得られませんでした。 具体的には、再生能力等が全て1/3程度。また、首か心臓部に致命傷を受ければ死にます。 ※会場が自然にループしていることを把握しました。 ※悪魔の実能力者がカナヅチという弱点を知っています。 ※本編での経験から、螺湮城教本を手に入れる気にはならなかったようです。 ※クーガーには強い印象を受けていますが、橘あすかのことは忘れました。 ※文中台詞の"山猫"とはクーガーのことです。 ※圭一の仲間が劇場に向かうということを聞きました。 ※銃火器にはもう対処できます。
投下終了です。 支援してくださってありがとうございました。 備考に図書館について書き足りないところがあったのでwiki編集の時に追加します。
投下乙です!
投下乙! おお、死者はゼロかー。誰か死ぬかと思ってビクビクしてたw バイクをデイバックに入れて、それを攻撃に転用するとは圭一もなかなかやるw 三人とも結構の負傷だからこれからどうなるかが気になる。 微妙に仲が縮まったよーな気もするアーチャーと圭一が特にw
ああ、それとバラライカは前話で時間帯が午前だったから少なくとも朝ではないと思います。
>>130 把握しました。おかしいなw昼って書こうとしたはずなのにw
でもどうするか……時間帯は午前と昼でまたがっているんですが表記は昼でいいですかね?
最終部分の時刻でいいと思いますよ〜 いやードキドキしたよ
投下乙ー ギルガメッシュは死なないだろうなとは思っていたけれど、圭一がどうなるかひやひやしたw これに無常さんが混じってた場合の展開も気になったり
午前に書かれていない方々 行動が別なのは段を変えて分けました B−4 ○ハクオロ ○レッド ○御坂美琴○衛宮切嗣 C−6 ○園崎詩音 G−7 ○蒼星石 ○吉良吉影 ○リヴィオ・ザ・ダブルファング ○佐山・御言 ○小鳥遊宗太 B−7 ○ミュウツー ○ブレンヒルト・シルト ○ナナリー・ランペルージ ○ラッド・ルッソ
もうこれだけなのか 意外と少ないな
ゾロと大阪もまだじゃないか? 二人が最後に出たSSは時間帯は朝だ。
そういや黒幕ってどうなったんだ? 決まってたっけ?
まだ早いさ
黒幕いるのは確定なの?
>>139 ギラーミンはドラえもんとほとんど接点ないし未来人でもないし
こんなロワを開けるだけの技術もないので黒幕がいるのは確定的に明らかと言う話
一回書き手同士で黒幕について話合わない?
今後の展開にも影響するかもしれないし……もちろん書き手以外の人も加わってもいいかもだけど
それはチャットとか場をもうけてってこと? まだ早すぎね?
まあまだ早い、とは思う。 でもいずれは必要なんじゃないのかな
何でギラーミンが主催に選ばれたんだろうな 技術的にも性格的にも全然向いてないってのに ホント、何でなんだか
ドラえもんキャラだから。 これに尽きる 実際の能力が期待値と違ったわけだけど
おお、wiki編集乙です
148 :
創る名無しに見る名無し :2009/03/29(日) 12:56:42 ID:Jl9WcD4k
大抵の事は 未来道具なら仕方ない で済むから
でもギラーミンって、未来道具持ってないよな?
予約来た!これで勝つる!
ドラえもんキャラだからみんな持ってると思ってたんだよ
本当だ!予約キター!
し、しかもあの予約のメンバー! 悪魔の実能力者、ギアスユーザー、ARMS移植者、ポケモン、不死者 人外ばっかで誰を心配したらいいかわかんねぇw
おお、久々の予約! でも詩音ってC-6から西に向かってる筈なのに温泉組と接触出来るのかちょっと疑問に……。
まあまだそれほど遠くないし、詩音が止まってるなら追いつけるかも
>>156 過去ログ読めば推測できる
一度話題になってるんだから無限ループやめい
おお、予約! しかもTEF氏連続か! 確かに人外ばっかりで、しかも能力がかぶってないのがすごいなw
おお!そしてまた予約きた!これで勝つる!
予約来た! 今度こそ糞チョンピのキャラが死ぬといいな
予約キター!
たまたま今月のコンプエース読んだんだが、ナナナ最終回だった ルルとナナリーの二人が揃うことで発動するスーパーギアスがあるとのことなんだがw 詳細は最終回一つ前で描かれてたみたいで詳細は知らないんだが…… ロワ内で再現されることはあるんだろうかw
……予約期限きれてないか?
もう多すぎ……申請すればいいけどさぁ 申請遅れるとわかってるんだったら先にしとけよ 何度目だこれ。 期限にルーズすぎ……
延長するのは構わないけど、するならきっちりして欲しいよな
それでは一足お先に。 グラハム、レナ、チョッパー、無常、バラライカを投下します。
既に太陽が空へ昇った頃合いに、足音が響いている。 二人分……いや、三人分だろうか。 音には程度差があり、その集団内での体格差を匂わせる。 続けてシュ、と空気を切るような音が聞こえたかと思うと、新たに見えるものがあった。 空へ、蒼い空へ向けて小さな塊が一つ。 やがて重力に引かれて、元あった場所へと吸い込まれるように落ち戻っていく。 それは機械類の整備に使用する、特に変哲のない小振りの金属レンチ。 碌な間も取らずにレンチが再び宙に舞う。 目で追う事もなく慣れた手つきで、さながら芸を嗜むものが行うジャグリングのように。 真っ青な作業着を着た青年が、言うなればレンチと戯れていた。 「虚しい……ああ、虚しい!」 青年の名はグラハム・スペクター。 この殺し合いに呼ばれる前は、とあるマフィアの用心棒のようなものをやっていた。 何度もレンチを放りながらブツブツと呟く様はちょっとアレだ。 少なくとも初対面の相手に良い印象を与えるものではない。 出来れば関わり合いになりたくないなぁ……そんな感想を抱いても不思議ではない。 「なぁ、レナ。グラハムのやつ、また始めちゃったみたいだぞ……」 「大丈夫だよ、チョッパーくん。きっとすぐに静かになってくれるよ」 そう。グラハムの前を歩く二人も同じ意見であった。 ピンク色の帽子を被り、少し濃いピンク色の半ズボンをはいた異形。 彼はトナカイと人を掛け合わせたような、なんとも愛嬌溢れる風貌の主、トニートニー・チョッパー。 チョッパーの少し前を歩くのは、青と白を基調とした制服を着ている少女、竜宮レナ。 レナが少し歩幅を狭め、互いに顔を見合わせた二人の間で共感が走る。 そして共に零したものは――ちなみにほぼ同じタイミング――小さな溜息を一つ。 何故なら、既に数時間前とは言わず数十分前に二人は見ていたのだから。 今と同じような、どうにもとけこめない空気。 二人の同行者であるグラハムが醸し出す独特な光景がそこにあった。 誰も期待はしていないのだが、残念にも。 「俺は命の恩人Aと命の恩人Bと共に歩いた。 木々の間を縫って、誰か人が居ないかを懸命に捜した……だが、結果はどうだ。 人一人見つけられないどころか、虫の一匹すらも俺は見つけられなかった! そうだ。別に数分だけ捜して見つけらなかったのならまだ我慢できる、そのぐらいなら元々無理だったのかもしれない。 しかし、俺は悔しい。俺は貴重な時間を……一時間程の時間を無駄に費やしてしまった俺自身に悔しさを覚えてしまう! やはり少ない苦労で最高の結果を得るなど、そんな要領がいいコトは俺には到底無理だったのか。 ああ、残念だがきっと無理だったんだ……出来たらいいな、などと少し憧れてしまったが所詮俺の妄想に過ぎなかった! 解体なら自信はあるが、どうにも器用なコトは難しい。 待てよ。そもそも俺に器用なコトが出来ればあの時に、初めての恋を覚えたあの時にも色々とやりようが……」 「はい、ストーップ。グラハムさん、取り敢えずクールになろう。話が変なところへいきそうだから! 先ずは深呼吸、深呼吸ー。吸ってー吐いてー、また吸ってー吐いて―……うん、良い吸い込みっぷり。 そろそろ落ち付いてきたね。じゃあ、もう少し歩こう」 時折叫び、そしてまた時折沈んだ声で言葉を並びたてたのはグラハム。 寧ろ只、出鱈目に吐き捨てたような感が否めない。 しかし、聞き手を惑わせるような口振りであるが、立ち止まっていたレナは一向に動じない。 華やかな笑顔と愛想良い声のダブルセットでグラハムを一方的に黙らせる。 グラハムの方も思う事があったのだろう。 自分の話に不可解なことを感じたか、それとも初恋を覚えた時に自分がどうすればよかったかを少し考えようと思ったのか。 恐らく後者の方だろうが、レナは敢えて無視することにした。 取り敢えず少なくとも今だけは黙り始めたグラハムを確認し、レナは再び歩き出す為に前を振り向く。 その途中、レナはチョッパーの心底感心したような顔を見ることになった。
「すっげぇなーレナは! グラハムをあそこまで扱えるなんて」 「あはは、さすがに慣れちゃったからね。全然大したことじゃないよ」 まるでグラハムが道具のようなやり取りだが、まあそれは置いておこう。 チョッパーの言葉にレナは笑顔で応え、やや謙遜した口ぶりで返事をする。 事実、レナはグラハムに対して慣れていた。 初対面の時は勿論、此処には居ないイスカンダルやレッドと共に結んだ○同盟結成の時よりも強く。 先程のグラハムの言葉の通り、森の探索を行っている間でレナは大体理解できた。 グラハムは――変人とストレートに言ってはなんだか可哀想なので――変わった人だという事に。 何度も何度も狙った様に、ことある毎に自分の世界へ入り浸るグラハムを見れば、レナがそう思うのも無理はない。 それでも、性格はちょっとアレだが、いきなり暴れ出すような正確ではないのは確かだ。 ならばこちらも出来るだけ広い心で接しよう、とレナは考えた。 正確な年齢を聞いたわけはないが、傍から見ればグラハムの方が年上に見えるだろう。 実際、グラハムの方がレナより年齢は高い。 道のりが果たして平穏なものであったかは、まあ今回の話には関係ないので保留にしておこう。 そんなこんなで生まれたものは、年下の者が年上の者を少しだけ投げやりな態度で宥める関係。 思わず『あれ? 逆じゃないの?」と突っ込んでしまいそうだが、不思議とレナもグラハムも言及はない。 互いの年齢差を自ずと知っているだろうに、共にノーコメントだ。 グラハムは先程の自分の話の続きの真相究明に思考を回しているために、きっとその事に考えが及んでいないに違いない。 ああ、実にグラハムらしい行為だ。 それともレナが自分と同年代である、と思っているのかもしれないが流石にそれはないだろう。 では、レナの方はというと――生憎、レナはグラハムの事よりも気になる事があったため、特に口には出さなかった。 (うん、大したことなんかじゃないよ。 それにこういうのは魅ぃちゃんの役目だから……) 脳裏に見慣れた人影が浮かぶ。 類まれなリーダーシップの持ち主であり友達の一人、園崎魅音。 今は少し流され気味にレナが○同盟の纏め役を担っているが、もし魅音が居ればと思ってしまう。 別にリーダーという責任を押し付けるつもりは毛頭ないが、やはり適材適所というものがあるだろう。 この殺し合いに呼ばれる前にレナ達が友人同士で作った集まり、『部活』を束ねる少女こそが魅音。 他者を引っ張る事に関しては、自分よりも魅音の方が優れている事は、レナにとって言うまでもない。 不意に思ってしまう。 今、魅音はどうしているのだろうか、と。 魅音が別行動を取ったライダーとレッドに運良く出会ってくれたら言うことはない。 もしくは安全な場所に居てくれるだけでも良い。 兎に角、いつも通りに元気な姿で居てくれればそれで良い。 だからレナは望んだ。 騙すと言ってしまえば聞こえは悪いが、グラハムとチョッパーを言い包める形で。 どこかに隠れているような、力を持たない参加者を保護する。 響きの良い名目を盾に、密かに個人の希望を優先させる自分を少し負い目に感じながら。 焦燥感に塗れた感情を表情には出さない様に、極めて冷静に。 レナは――名前を知っている五人を捜していた。
(圭一くん、魅ぃちゃん、梨花ちゃん、沙都子ちゃん、詩ぃちゃん……どこに居るの……?) 会いたいよ、皆に会いたい……) 忘れられない思い出の数々にはいつも彼らが居た。 前原圭一、園崎魅音、古手梨花、北条沙都子、園崎詩音――部活メンバーの面々。 一人も死んで欲しくない。 掛け替えのない仲間達を、こんな場所で失ってたまるものか。 自然と両腕に力がこもり、拳を固く握りしめている。 そうだ。そんな未来は認めたくない、認めたい筈がない。 皆を再び無事に会うために自分は○同盟の一員として、自分の出来ることをやっている。 だけど、ふいに思ってしまう。 前回の放送で呼ばれなかった彼らの名前が、もし一つでも次の放送で呼ばれてしまったらと思うと。 果たして自分は冷静にみんなの死を受け止められるだろうか。 (私は、私は…………!) わからない、わかろうとすることが怖かった。 以前、大好きだった母親が浮気の果てに家を出ていった事はある。 悲しかった。 少し遅れて母親への大きな怒りを感じたが、何よりも悲しかった。 しかし、知人が死んでしまったという不幸は未だに経験した事はない。 出来るものならば経験したくはない……当たり前だ。 そのために自分は周囲に目を配っている。 今にも部活メンバーの誰かが片手を上げて、自分の方に走り寄ってくれればどんなにいいか。 そこまで考え、レナはふと顔を上げた。 垂れ下がった自分の腕をチョッパーが引っ張っていたため、レナは現実へ意識を引き戻す。 「……あれ? あの建物って……」 「うん、アレが劇場じゃないか? 俺達早足で歩いてきたからなー」 前方には一際大きな建物が一つ。 次の放送までにと、取り決めておいた待ち合わせ場所が視界に入る。 途中で森と森の境目を横切り、ホテルを見つけ、左へ曲がった事は覚えている。 地図で確認し、後はこの道を真っ直ぐにいけば着くだろう――と。 近づいてみると標識があった。やはり此処で間違いないらしい。 別に劇場らしき建築物が見えた事には何も不自然さはない。 只、予想よりもかなり早く着いてしまった事にレナは内心驚いた。
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「え? そうだったかな?」 「いや、だいぶ速かったぞ。着いていくので精一杯だったしなぁ」 「ご、ごめんね、チョッパー君」 しかも自分がチョッパー達を急かすような形になっていたらしい。 お詫びの言葉と共にチョッパーに向かって頭を下げるレナ。 気にしなくも良いと、と少し乱暴な口調だが、そう答えてくれたチョッパーの優しさが有り難い。 同時に何故、自分はそこまで足早に此処を目指してしまったのかを考えてしまう。 次にレナは暫しの間、静かに思考を走らせる。 直ぐには出ないと思われた答えだが、案外にも早く出てしまった。 そう。考えてみれば簡単な事でしかなかった。 (……なにやってるんだろう、わたしは。 しっかりしなきゃ……冷静に、冷静にしないと……) 一刻も早く皆と出会いたい。 強すぎる感情が行動にも染みだし、レナに大きな焦りを齎したのか。 じっくり捜そうとはせずに、出来るだけ多くの場所を見て回ろうとしたのだろう。 意識したわけでもないがそうとしか考えられない。 誰も居ない場所で時間を潰している間に、誰か一人でも欠けてしまっていたら。 嫌でも脳裏にこびりついてしまう負のビジョン。 望むわけもないIFの残像を振り払うように此処まで来てしまった。 だけども、まだ待ち合わせの時間には一時間程の猶予がある。 此処でずっと待っているのも、それはそれで時間が持っ勿体無い。 ではもう少しだけ辺りを散策するように、チョッパーとグラハムに提案してみようか。 悪くはない。考えを行動に移すためにも、レナは口を開こうとする―― その時、レナは立ち止まる事を余儀なくされた。
「待て」 がっしりと左肩を掴まれている。 僅かな痛みと共にその感触を確かめ、レナは急いで振り向く。 見れば自分の直ぐ傍にグラハムが居た。 いつの間に此処まで近づけたのだろう。 疑問を感じずに入られないが、口を開く事も出来ない。 更にそれはチョッパーの方も同じであったようだ。 斜め下へ垂らされたグラハムの右手により進行を妨害されている。 レナと同じように一歩も動くことなく、一言も発する事無く、只、不思議そうに見つめているだけだ。 そう。当のグラハム本人の考えを読み取ろうと、必死に。 「グ、グラハムさん……?」 そしてレナにはグラハムの真意が計り知れない。 そもそも今、自分の目の前に居る人物が、果たして自分の知っているグラハムなのかすらも疑問に思ってしまう。 こんな眺めているだけで背筋が凍ってしまいそうな瞳には見覚えがない。 その瞳は一体何を映し出しているのだろうか。 深く知ってしまえば後には引き返させないような危うさが、レナにとっては酷く異質なものに見えた。 心地良くは――ない。事情を知らない身でもあるために、只、不自然な不気味さが感じられる。 辛うじて口を開けた事は開けたが、生憎弱々しいものしか出てこない。 グラハムの返事を待つ時間がいやに長く感じるのは気のせいだろうか。 落ち着かない。グラハムの次の行動がまったく読めない分落ちつけるわけがない。 嫌な汗をかきながらレナは自分はどうするべきか考える。 が、幸運にも居心地の悪い沈黙は長くは続かなかった。 「……気のせいか」 緊張が解ける。 レナとチョッパーに向けていた手を戻しながらグラハムが呟く。 二人にとっては一体全体なんの事かわからない。 されど、グラハムは用は済んだと言わんばかりに身体から力を抜いている。 今にも獲物に喰いかかっていきそうな、肉食獣を匂わせる雰囲気は既に消え去っていた。
「ど、どうしたのかな? いきなり……」 「ん? ああ、すまない、命の恩人A。どうにも見られているような気がしたんだが……まあ、俺の気のせいだった。 どうにも調子が可笑しいな、こんなコトではラッドの兄貴やシャフトに笑われちまう。 俺に熱い視線を送ってくれる人間など居ないだろうに、自分に酔いしれているのか俺は……。 ああ、情けない。情けないぞ俺……命の恩人達を守るという役目があるというのに、なぜ俺は一人で墓穴を掘っている! こんなことでいいのか!? いや、良いわけがない! 俺のことは俺が良く知っている!だから俺が良くないと言えばそれは当然良いわけがない! さて、そこで俺は考えてみるしかない。こんな俺をどうしたら変えられるか……少しばかり俺には荷が重いかもしれないが、考えるしかない!」 「あー……うん、兎に角、気のせいだったんだね……」 「よ、よくわかんねーよ!」 程良くテンションの向きが変わり始めたグラハム。 対する二人は既に呆れたような顔を浮かべながら対応する。 だが、言動は聞き逃せないものであり、二人は周囲を見渡してみる。 特に人影は見当たらず、何かがやってくる気配もない。 よって現状は何も問題は見当たらない――故にレナは話を切り出す。 先程まで思っていた事を。 「あのね、グラハムさん、チョッパー君。待ち合わせの時間もまだある事だし、もう少し――」 もう少しの周囲の探索の提案を紡ぐレナ。 特に断る理由も持っていないグラハムとチョッパー。 そんな二人が頷くのは極々自然な話であった。 ◇ ◇ ◇
レナ、グラハム、チョッパーの三人が再び森の方へ入っていく。 周囲には人影はない。 グラハムから始まった三人の共通認識に違いはない。 但し、それはあくまでもグラハム達の目が行き届く範囲内での事にしか過ぎなかった。 「……行ったか」 真紅の外套を羽織った女性、バラライカが呟く。 右顔面が焼けただれた彼女には片腕がなかった。 数十分前に行った戦闘による大きな損失。 応急処置をした事はしたが、行動になんらかの支障が出る事は否めない。 故にバラライカは一先ずは回避を選んだ。 探知機で彼らの存在を知り、劇場から離れた建物内に潜む。 悔しさは込み上げてこない。 状況が状況だ。今の自分の身体考えれば三人を相手にするのは骨が折れる事だろう。 彼らの内、最年長と思わしき男が以前出会ったむなクソ悪い男とどうにもだぶったのは気のせいか。 小さなかぶりを振った。その事は今は良い、また出会うときにはっきりする事だ。 どうにかやり過ごした事を確認し、バラライカはゆっくりと歩き出す。 目的は病院。更なる医療用品の調達は必要な事だろう。 だからバラライカは――口を開く。 「では――話の続きといこうか」 誰も居ないと思われた空間。 暗がりの室内にのそりと動く影が浮かぶ。 音もなく忍び寄る蛇を連想させるように。 そう。相も変わらず意図が掴めない。 一時的に自分と共に此処へ立てこもり、取引を持ちかけた男に声を掛ける。 「はい、承知いたしました」 彼の名は――無常矜持。 ◇ ◇ ◇
支援
「つまり、私と手を組みたい……そう言いたいのか?」 「ええ、そうですねぇ。ですが死が二人を別つまで……とは言いません。 あくまでも一時的なもので結構です、期間は……まあ、後ほど適宜決めていきましょうか。 私も必要以上にアルターを使いたくはない、貴方もお身体の治療をするには見張りぐらいは欲しいでしょうし。 ああ、でも貴方からのご希望があれば私も最後まで誠心誠意仕えしましょう、ハイ」 「ふん、反吐が出る口の利き方だな。 大方そんな気はあるまい、豚の餌にすらもならないジョークだ」 「あっはっは、これは手厳しい。 いやぁ、私としたことが貴方のような綺麗なご婦人と話すだけで緊張していたみたいですねぇ」 「よくもまあペラペラと回る口だ。さぞかし良いコメディアンとやらになれるだろうな、貴様は」 男女二人の声が交わされる。 一方は言いようのない凄味さがあり、思わず聴く者に畏怖の念を押しつけるような声だ。 また違う一方は特に動じる様子もなく、それでいて気味の悪い声色といえる。 紡ぎ合った内容は一つの取引、この場での一時休戦を意味するものだ。 バラライカと無常の目的はこの殺し合いでの優勝。 思いたった動機には違いはあるが、求める先は基本的に差異はない。 生憎バラライカにとってみれば万全な状態ではない。 無常の方もアルターやその他の支給品があれども、一人で立ち回るには限界がある。 そこで無常は切り出した。 自分が手に入れた情報、○同盟なるグループが劇場へ集う様子を観察するために。 劇場周辺を張っていた最中、自分の情報を信じたのかわからないが、偶然にも見つけた彼女に対して。 自分と手を組みませんか――、と極めてシンプルな言葉でバラライカに声を掛けた。 見るからに負傷した様子が無常を交渉に駆り立てたと言えるだろう。 (やはり喰えない女ですねぇ。 ですが、手駒はいつでも切り捨てられるものでないと。 その方が余計に手を煩わせる必要もありませんしねぇ……) 片腕を失ったハンデは大きいだろう。 自身のアルターを使えば、バラライカが不要になった際にも『処分』するのは容易い筈だ。 しかし、だからといって弱すぎるのも考えものであり、あのカズマのような頭の弱い人間も好ましくはない。 さて、今目の前に居るバラライカはどうだろうか。 程良い強さ――クリア、きっとこの女は足が?げようとこの場での優勝を狙うだろう。 先程の会話からは気の強さが見て取れ、寧ろあり過ぎだろうと思ってしまう程だ。 この状況を生き抜くための、頭の回転――これも難なくクリア。 ビルを倒壊させてまでの戦術は知恵遅れの者には到底無理だ。 あまりにも頭が回り過ぎると逆に裏切りの心配も出てくるが、最低限の警戒を保っていればいい。 襲ってくるのならば斃せばいい。 自分の誘いを反故にした事への後悔を身体に思い知らせながら、確実に。 所詮アルターを持たない者がアルター使いに叶う筈もない。 そうでなければ、アルター使いとして妬みと恐怖から起きた、自分が受けたあの迫害はどうなる。 悔しさと怒りに塗り潰され、只、自分以外の全てのものの上に立つ決意をさせた過去の記憶。 わざわざ更なる力を求めて、本土へ『精製』を受けた自分が只人に倒されるなど――有り得ない。
「生憎、転職は考えてませんので。 さぁさぁ、それではそろそろ移動しましょう。 病院にめぼしいものでもあれば良いんですけどねぇ。 そうであれば、貴方もゆっくりと身体を休ませる事も出来ますでしょうし」 だからいつも以上ににやけ笑いでバラライカに接する事が出来る。 正直、バラライカの言動は時折カチンと来る事もあるがまあいい。 五体満足、アルターに加えて一丁の拳銃と有り難く『頂いた』モンスターボールという充実した手札。 酔いしれるような自分の優位さが甘美な余裕を齎してくれる。 案外、感情は行動に現れるものだ。 普段以上に大袈裟な動作で腕を開き、バラライカを誘う。 主人の到着をお迎えする召使のように、恭しく。 しかしそこに碌な誠意はない。 あくまでも形を真似ただけにしか過ぎない、一種の戯れだ。 正直、バラライカにとって歓迎出来たものではないだろう。 事実、バラライカは特に表情を変えることなく無常の奇行をじっと眺めている。 されどもバラライカは、この一時的な協定を潰すような真似をしようとは思っていない。 そう。無常と手を組むという事は、取り敢えずはこの場での彼との戦闘は免れる事だ。 身体が万全な状態であればまた結果は変わったかもしれないが、今は片腕欠損という事実があった。 隠しようのないウィークポイント、つくづく先程の戦闘での失態が悔やむ。 負傷した身で戦場を歩き回るなど、寿命を縮めてくれといっているようなものだ。 無常の話が全て本当なら劇場に人が集まってくるが、今は放置するしかない。 たとえ得体の知れない、後々獅子身中の虫に成り得る存在と行動を共にしようとも、先ずは治療が先決だろう。 故にバラライカは受け入れる。 舐め切った挙動に口を挟んでやる必要もない。 只――素直に黙ってやる義理もないが。 「ああ、そうだな。 ゆっくりと捜し、休ませて貰おう。 貴様が言うアルターとやらの正体を掴み、どうやってそれを――潰してやるかを見定めながらな」 「ハイ?」
無常が振り返る。 自然と両者の視線が合い、無常は不思議に思った。 この自信は一体――バラライカが浮かべる表情、そしてその言葉からそう思わずにはいられなかった。 「私はいつでも貴様を観察している。 貴様がひどく口にするアルターという言葉が意味する事を知ってやる。 大事なアルターの秘密が漏れないよう、精々用心することだな」 「……失礼ですが、そのようなコトは口に出さない方が宜しいのでは? 幾ら人を信じやすい性格である私としても、貴方に対して不要な警戒を持ってしまいますが……」 「ハッ、可笑しなコトを言ってくれる。 なぁ、無常矜持とやら……本当にお前は――」 少しだけ声のトーンを落とす無常。 そんな彼に反して、バラライカは己のペースを崩さない。 寧ろ今までよりも更に語気が強まっている。 怒りと言ったものではない。 楽しんでいるような、まるで先程までの無常が見せた様子のように。 バラライカはいとも容易く場の流れを自分の方に引きよせ、そして紡いでみせる。 非凡な人生を歩んだ者には到底出来ない微笑を見せながら―― 言葉を吐き捨てる。
「私がお前のような男の顔色を窺って生きるような女に見えるか?」 思わず言葉が出ない。 以前の事を覚えてはいないのだろうか。 自分に向けて銃弾を撃った事が無駄に終わった事を。 しかし、その事をバラライカに指摘する事が無常に出来なかった。 理由は極めて単純であり明快。 バラライカの声が、表情が、ありありと感じさせる何かが――無常の本能に呼びかけてくる。 「私は私だ。 貴様が言ったように、貴様と手を結ぶのも一時的なものに過ぎん。 私に決定を下すのは他の誰でもない、既に信じるものはあの日消えさった。 だから私は居る。この戦場を制するために――私は此処に居る」 幾度も見た表情。 ロストグラウンド、荒れ果てた大地。 無常の理想実現のために必要な力――『向こう側の力』 その力に接触できると見なされた、カズマと劉鳳の二人のアルター使い。 研ぎ澄まされたナイフのような印象があるが、二人が自分に向けていた顔に通ずるものがそこにあった。 己の意思を曲げない、固い決意を匂わせる。 一種の宣戦布告と取られても可笑しくはない。 無常にはバラライカがそこまで頭が回らない人間だとは思えない。 恐らくそんな事は百も承知なのだろう。 自分が幾ら警戒されようが、自分はお前の思い通りにはならない――そう言っているのだ。 良い気がするわけはない。 力の差がある事を知っての上で舐められている。 ならば、自分も―― 制してやろう。
「そうですか……それは結構な心がけですねぇ。 ええ、本当に、本当にねぇ…………」 殺す事は簡単だ。アルターを行使し、心臓を貫いてやれば良い。 だけどもそんな事は、武器を持ちさえすれば凡人にでも出来る。 しかし、自分は違う。 自分は何れ上に立つ人間だ。 本土も、ロストグラウンドも、あの世界も、全ての上に立つ筈なのに。 こんな女一人を抑えることが出来ずに、何が無常矜持か。 ならば、これは所謂一つのステップに違いない。 暴力でも知力でも手段は問わない。 只、決して殺す事はなく制してみせる。 無常のプライドが彼に一つの決断をさせた。 故に歩を進ませる。 ビルの出口に向かい、病院でバラライカの治療を行うために。 バラライカも異論はないのだろう。 無常の後をついてくる。 そこで無常はふと気付く。 「そういえばまだ貴方のお名前を聞いてませんでしたねぇ。 後々不便でしょうし、お願いできますでしょうか?」 自分の方は以前に名乗ったがバラライカの名前は未だ聞いていない。 無常の言葉を受け、バラライカは口を開き始める。 何故だか不思議な笑みを、先程までの笑みとは違う。 少しだけ意地の悪い笑みが、何故だか不気味にも見え――そして聴いた。 「――教えてはやらん」 思わず苦笑が漏れた。 自分が以前、バラライカに言ってやった言葉と似たものが返ってきたためだ。 意味深なセリフを残して立ち去った、あの時の事を根に持っていたのか。 ふとそんな事を思い、無常は同時に考える。 自分はなかなか厄介なご婦人を手元に置いてしまった――、と。 何故か然程嫌悪感は込み上げてはこなかった。
【E-3 森林 1日目 昼】 【チーム名:○同盟】 1:主催者の打倒。 2:二チームに分かれ、それぞれで『ノルマ』(仲間集め、殺し合いに乗った者の討伐を、計三人以上行う)を達成する。 3:出会い、信用した相手に印のこと(腕に○の印を描き、その上に包帯等を巻く)を教える。 4:次の放送時に劇場へ集合。 5:サングラスにスーツの男(無常)、クロコダイル、サカキ、アーチャー、ミュウツーを警戒。クレアという女性を信用(グラハム以外) 6:ラッドについては微妙(グラハムの兄貴分という情報はあります)。 【竜宮レナ@ひぐらしのなく頃に】 [状態]:健康 私服 右腕に○印 僅かに罪悪感 [装備]: 包帯 二重牙@トライガン・マキシマム [道具]:支給品一式(一食分、水1/10消費)、ドライヤー [思考・状況] 1:とりあえずはグラハム・チョッパーと行動し、『ノルマ』を達成する。 2:部活メンバーと合流したい(ただし、積極的に探すかは保留) 3:森と都市部の境目〜ホテルのルートを使い、次の放送までに劇場へ向かう。 4:何とかして首輪を外したい 5:イスカンダルの勧誘は保留。 ※チョッパーから軽く自己紹介を受けました。またルフィたちやクロコダイルの情報もまだ知りました。 ※幻聴はとりあえず消えましたがまた出てくる可能性があります。 ※屋敷から見える街道に誰かが通るかもしれないと意識をしています。 ※屋敷の洋服ダンスのなかからグラハム用のかぁいい服を見つけてきました。 ※『○』同盟の仲間の情報を聞きました。 ※バラライカ、無常の存在にきづいていません 【トニートニー・チョッパー@ONE PIECE】 [状態]:健康 腕に○印 悲しみ [装備]:なし 包帯 [道具]:支給品一式(一食分、水1/10消費) タケコプター@ドラえもん、 タオル、救急箱 [思考・状況] 1:グラハム・レナと行動し、『ノルマ』を達成する 。 2:仲間と会いたい 3:グラハムの様子を見る。 4:森と都市部の境目〜ホテルのルートを使い、次の放送までに劇場へ向かう。 5:ギラーミンを倒し、脱出する。 6:イスカンダルの臣下になるかはとりあえず拒否。 ※レナからはあまり情報を受けていません。圭一たちについての情報は知りません。 ※参戦時期は不明。少なくともCP9編以降。 ※『○』同盟の仲間の情報を聞きました。 ※バラライカ、無常の存在にきづいていません 【グラハム・スペクター@BACCANO!】 [状態]:健康? ちょっと凹み 青いツナギ姿 腕に○印 [装備]:無毀なる湖光@Fate/Zero 包帯 小型レンチ [道具]:支給品一式、(一食分、水1/10消費。うち磁石は破損)、スペアポケット@ドラえもん、かぁいい服 海楼石の網@ONEPIECE [思考・状況] 1:レナ・チョッパーを助ける。 2:ウソップを殺した者を壊す。 3:イスカンダルに敵意。 4:殺し合い自体壊す 5:ラッドの兄貴と合流、兄貴がギラーミンを決定的に壊す! 6:イスカンダルの勧誘は断固拒否。 ※後遺症等があるかどうかはわかりません。 ※4人の会話を途中から聞いたので、レッドたちがクレアを信用していることを知りません。 ※『○』同盟の仲間の情報を聞きました。 ※バラライカ、無常の存在にきづいていません
【E-4 劇場近くのビル内 1日目 昼】 【バラライカ@BLACK LAGOON】 [状態]:腹部に中程度のダメージ、右腕切断(簡易止血済み。治癒不可)、肋骨骨折、身体全体に火傷(小)、頬に二つの傷、疲労(大) [装備]:ヴァッシュの衣装@トライガンマキシマム(右腕の袖なし)、デザートイーグルの予備弾×16 AK47カラシニコフ(30/40、予備弾40×3)、 シェンホアのグルカナイフ@BLACK LAGOON [道具]:デイパック(支給品一式×3)、デイパック2(支給品一式×1/食料一食分消費)、下着類、AMTオートマグ(0/7)、 不死の酒(空瓶)、探知機、ヴァッシュ・ザ・スタンピードの手配書×二枚、通り抜けフープ、 ロベルタのスーツケース@BLACK LAGOON(ロケットランチャー残弾7、マシンガン残弾80%、徹甲弾残弾10)、手榴弾×3、 ロベルタのメイド服@BLACK LAGOON、ガムテープ、ビニール紐(少し消費)、月天弓@終わりのクロニクル [思考・状況] 0:無常と病院へ向かう。 1:戦争(バトルロワイアル)を生き抜き、勝利する。 2:ウルフウッド(名前は知りません)を警戒。 3:アルターとやらを知る。 ※のび太から、ギラーミンのことや未来のこと、ドラえもんについてなどを聞き出しました。 ※ヴァッシュ・ザ・スタンピードの手配書×二枚に『モヒカン男と麦藁帽子の男に気を付けろ byストレイト・クーガー』とメモ書きされています。 ※デイパックを二つ持っています。 ※D-4中央部一帯にあるビルの構造を熟知しています。 ※元の服は下着を除いてビルに捨てました。 ※チョッパーを医者だと推測。 ※○印と包帯の情報を知りました。 ※ギルガメッシュを不死者の類かもしれないと思いました。 ※バラライカの右腕がマンション敷地内に落ちています 【無常矜持@スクライド(アニメ版)】 【装備】:ハンドガン@現実 予備段数×24 【所持品】:基本支給品一式×2、不明支給品0〜2個(確認済み)フシギダネ(モンスターボール)@ポケットモンスターSPECIAL 、 黒電伝虫と受話器なしの電伝虫のセット@ONE PIECE 【状態】:健康 【思考・行動】 1:殺し合いで優勝する 2:○印の情報を利用する。 3:カズマ、クーガー、あすかの始末 4:レッドや同行者たちとはまた会いたい 5:バラライカを殺さずに、生きたまま自分の手駒として制す。 【備考】 ※○印と包帯の情報を知りました。 ※レナ・チョッパー・グラハム・ライダー(イスカンダルのみ)の名前は知りましたが顔は知りません。
投下終了しました。 支援どうもです。 何か誤字などありましたよろしくお願いします。 エイプリルフールネタは……特になしでw
197 :
創る名無しに見る名無し :2009/04/01(水) 23:50:47 ID:X1KmwxuA
おおっ、投下来てるーーー レナの不安が有りながらも絆が出来てる○同盟のレナルート、 もう一方は大分遅れているが、果たして無事合流できるか、 梨花や圭一が意外と近くにいるのも面白いしこれからの展開にも期待 そしてグラハム、殺人鬼の気配を見つけるなんて なんかここまで一人で騒いでたり気絶してたりだったけど だからこそなんかカッコよかったっす。 バッカーノはアニメでしか見てないんで…… そしてギクシャクしてるとはいえ無常とバラ姉のマーダーコンビ結成しちまった。 右腕の問題とかがあってもこのコンビは不気味だな、 少し遅くなってしまいましたがGJです。 あ、あと指摘というか状態表になんか違和感というか、 レナの街道の部分とチョッパーの圭一の情報の部分は要らないのでは?
投下乙! こっちの組は誰とも会えずに劇場到着か。ほのぼのとはしてるけど、やはりレナの不安定さがネックか。 そしてその劇場内にはまさかのマーダーコンビ。 緊張感あふれる掛け合いがたまらん。どちらも恐ろしい相手だけあり、劇場が一気に危険地帯にw 果たして3人はこのコンビの罠にかかってしまうのか? グラハム、戦闘面で頼りになるのはお前だけだ!いや、チョッパーも強いんだけどランブルボールないからなあ。 改めてGJ!
おお、こうくるか! まずは投下乙です。 腕やられたけどまだまだ終わらないかバラ姉さん。 不敵なかっこよさが出てて素晴らしい。 そしてやっぱりおとなしくならないグラハムさん流石だw 放送後の劇場はどうなる!?
明日の0時までに投下します。
ドキドキワクワク
また締め切りぶっちぎるのかよ 何回目だ、本当。 呆れるわ
今気付いたが、wiki編集テンプレに青髪ピアスと土御門さんがwww 乙といわざるを得ない!
ちょwwwマジかwww
破棄します。 ごめんなさい
ええ!?なんで?
うええええっ!?ちょ、早まらないで
間に合わなかったんじゃないの?
延長までしといて、理由も言わずに破棄はないんじゃないの?
>>200 からすると、それなりに出来てはいたんでしょ?
mottainai! 延長しすぎはよくないけど、それだけで叩いてる奴もどうかと思うし、俺は読みたいぜ
同意見だ! 確かにもうちょっと早めの連絡をしてくれたら嬉しいな、とは思うけど 少しくらいの延長なんてことないから読みたいぜ!
一度破棄したんだがらそれまでにしようぜ。 後が予約しにくくなる
なにか用事が入って延長しないと無理になったとかかな 普通に延長してくれていいのに
体調不良とか
つーか誰だよ、アニロワwikiからひぐらしキャラの紹介文を丸々コピペしてきたの いいのか、これ?
書き手としては、途中まで出来てたのに破棄となると、そのキャラを使って自分が書くというのがやり辛いという思いもある 最初からネタがあったとかなら別だけどね
>>210 いや誰も叩いてなんかないだろ
延長するのが悪いって言ってるわけでもないし
ただ、間に合いそうにないんだったら早めに延長申請するべきだってことを言っただけじゃん
こういう企画に参加する上で、最低限守るべきマナーだと思うけど
それで嫌になって破棄するってのは、いくらなんでも心弱すぎ
ご新規さんの予約ktkr
219 :
Never Mind the Bollocks ◆NN1orQGDus :2009/04/04(土) 15:15:58 ID:EV8kbvgD
「なあ、ゾロさん。ごめんなぁ」 去り行こうとして引き留められること二回目、ロロノア・ゾロは大阪の言葉の真意を知る事なく、己に向けられた銃声を聞く事なく大地に臥した。 大阪の手にしたグロック17から放たれた9mmパラベラム弾はゾロの頭部を貫き、屠った。 名を馳せた剣士であるゾロであっても、至近距離からの銃撃、不意を突いての銃撃にあがらう術なく、その生命を閉じた。 灰色がかったピンクの脳漿と真っ赤な鮮血が、仰向けに倒れたゾロの周囲に血溜まりを作り出す。 「わたしは帰りたいんや。せやから――こうするしかないんや」 大阪は銃撃の反動でひっくり返って尻餅をつきつつ、動かなくなったゾロに向けて手を合わせた。 「ごめんなぁ」 今一度謝罪の言葉を口にし、大阪はゾロに近寄り荷物を漁ろうとした。 むせかえる血の臭いとグロテスクかつスプラッタなゾロの屍に、血を吸いジュクジュクとした土の奇妙な感触に――。 「おぇぇぇっ」 嘔吐した。 不快感を伴って胃液が逆流し、何度も何度も吐いた。 苦しさのあまりに跪き、涙を流した。 靴が、スカートが血に濡れるが、それが更に不快感を増し、嘔吐した。 胃が空っぽになる勢いで吐瀉物をゾロの遺体に撒き散らした。 「ごめんなぁ。悪気はないんや。……ひっく……あれぇ?」 大阪は自らの意に反してひっく、ひっく、としゃっくりした。 「ひっく。あかんなぁ、ひっく」 かつて親友たちに告げられた事、何回なのかは忘れたが沢山しゃっくりをしたら死ぬという事をを思い出す。 「ひっく。あかん! ひっく。このままでは死んでまう! ひっく」 大阪の顔が歪む。 死が確実に近付いてくる。 死の恐怖が大阪を酸のように蝕んだ。 「あかん。ひっく。どうにかせんと。ひっく」 最早手段は選んでいられない。元々手段は選んでいなかったのだが、歩み寄ってくる死が大阪の背中を押す。 しゃっくりを止めるか、その前にロワを終わらせなければ死ぬ。 「ひっく。死ぬのはひっく。嫌やひっく」 大阪はゾロの遺体に気をかける事なく、あてどなく走り始めた。
220 :
Never Mind the Bollocks ◆NN1orQGDus :2009/04/04(土) 15:17:05 ID:EV8kbvgD
【F-1 線路付近・河原/1日目 朝】 【春日歩@あずまんが大王】 [状態]:しゃっくり、ずぶ濡れ [装備]:グロック17@BLACK LAGOON(残弾17/17、予備弾薬39)、石ころ帽子@ドラえもん、 聖剣グラム@終わりのクロニクル [道具]: 支給品一式×3<大阪、ジョルノ> 不明支給品(0〜1)<大阪>、不明支給品(0〜2)<ジョルノ> モンスターボール(ピカ)@ポケットモンスターSPECIAL、君島邦彦の拳銃@スクライド、トウカの刀@うたわれるもの [思考・状況] 1:生き残るために全員殺してギラーミンも殺し、現実に帰る。 2:あまりにも強そうな相手とは関わらない、あくまでも不意をつけば倒せそうな相手を狙う。 3:お人よしの集団に紛れるのもいいかもしれないが、あまり長い時間は居ない 4:ヴァッシュ、金色の人間(アーチャー)を警戒。 5:機会があれば積極的に殺しに行く。危なくなれば逃げる。 6:余裕があればカズマ、ヴァッシュ、ラズロの事について何処かにメッセージを残す。 7:しゃっくりを止める。 できれば殺し合って数を減らして貰う。 【備考】 ※サカキを榊@あずまんが大王だと思っています。 ※『石ころ帽子について』 制限により、原作準拠の物から以下の弱体化を受けています。 大きな物音、叫び声などを立てると、装備者から半径30m以内にいる者はそれを認識する。 鍛えた軍人レベル以上の五感を持つ者に対しては、上記の制限(距離、"大きな物音、叫び声"の判定)がより強化される。 (具体的には、より遠い距離、微かな気配でも装備者の姿が認識されやすくなる) さらに、常人のそれを超えた五感を持つ者に対しては完全に無効。 ※聖剣グラムは制限により意思が封じられています。よって一言も話せません。 ※ゾロとの会話から、ラズロ(リヴィオ)は死亡したと思っています。 ※今後の動向については次の書き手にお任せします。 【ロロノア・ゾロ@ワンピース 死亡】
221 :
Never Mind the Bollocks ◆NN1orQGDus :2009/04/04(土) 15:18:12 ID:EV8kbvgD
以上、投下終了。 気に入らなければ題名どおりってことで。
ちょwwwNNさんwww ロワ参戦したいっていってたけどこの場面なのかw 一般人ならそりゃ吐くだろうけどそこでしゃっくりに発展してしまうのが大阪の大阪たる所以か
邦題「勝手にしやがれ」かwww
投下乙です 早く終わらせなくてはと思う理由がしゃっくりかよw ただ、指摘したい点がいくつか ・前話でゾロにに対してお人よしが残れば優勝しやすくなる、という打算から 「できればゾロに生き残って欲しいな」という思いを抱いているにもかかわらず、 唐突に理由もなく判断を翻していること ・既に二人殺しているにもかかわらず、今回に限って吐いていること まあこれは今までと違い頭部破壊の「いかにもグロ画像だったから」で説明がつきますが。 大阪は自分の無力を知っているからこそ、守ってもらい、かつ殺しあってもらうという打算で一緒に行動する説得をする方が自然であり、 利用価値がまだあるのに殺すというのは少々今までのリレーと矛盾してるかな、と。
投下乙でした。 大阪は前回の話で呼び止めた時、 ゾロに危険人物を倒してもらうつもりだったのでは? 「できればゾロに生き残って欲しいな、とは思う」 とまでハッキリ言っているのに、急に心変わりした理由が分からない。
勝手にしやがれって言ってるんだからわざわざ指摘しなくても良いのにw じゃ、破棄するんでヨロシク。
分岐性だから、破棄する必要はないんじゃ?
うん破棄する必要はないよ分岐すればいい
まあ分岐するかどうかは次の書き手次第だけど
春休みだから仕方ない
連絡遅れて御免なさい。 破棄した理由としては、間に合いそうになかったということです。 パソコンに向かえる時間が不定期すぎるのでこれ以上引き延ばすのはさすがに迷惑かと思い、破棄しました。 連絡が定時に取れない以上企画に向いてないのかも知れませんが…… ただ、今日時間が取れたので仮投下スレに落としておきました。 皆さんがいいというなら投下します。
仮投下みてくるー
や、分岐任せするにしても矛盾があるのにそのままとはいかないから、修正するか 破棄するならしたらばで破棄宣言を行ってもらわないと 宙ぶらりんはまずいよ
みてきたー 問題ないと思います!投下かもーん
おっと、リロード忘れ 見てきますー
全く問題ないかと!かもーん!
さて、支援
では、投下します。
がたがたと、人の手が届いていない山中を車輪が進む音がする。 舗装された道でない以上その音は舗装された道路とは比べ物にならない。 「ごめんねナナリー、また汗かくようなことになっちゃって……」 「いいえ、構いませんよ」 朝になり、日の光は森の木々を通り抜け遥かに明るくなっている。 だがしかしこういった森で聞こえるはずの鳥の声や虫の音は全く聞こえない。 すなわちこの場で音を出すのは彼女たちだけであり、その事実がより一層警戒心を際立たせる。 ゆっくりと静かに、それでいて迅速に彼女たちは行動する。 当てなどない。そもそも今は目的地と言うのが存在しない。 今はただ迫りくる敵から逃れることが重要なのだから……。 少し急な坂を下り、なるべくまっすぐに、まっすぐに進んでいく。 コンパスで方角を確認しながら木々を避けた時のズレを修正していく。 ブレンヒルトの頬を汗がつたう。 あの男は倒した。それで障害は消えたかもしれない。 だが、あの場に他に誰かがいなかった可能性が否定できるだろうか? それにいなかったとしても何時までもあの場に留まってはいられない。 死体を片づけたとしても痕跡は消せないだろうし、その場に留まっている者が疑われるのは至極当然だ。 その場合、事が穏便にいくとは考えにくい。 だからこそ温泉から離れる必要があったのだ。 今はナナリーを守ることを優先としている以上、なるべくリスクの少ない方法を選ぶ。 それがブレンヒルトの選択だった。 ネモは、ブレンヒルトの左腕を睨む。 不自然にそこだけ切れた袖。そこにこびりついた血は明らかに不自然だ。 付き方から考えて彼女の血であるのは間違いないだろう。 しかし、傷が見当たらないのはどういうことか。 ネモはそこから考えられることを推察した。 (おそらく温泉宿を出る前に何者かとの戦闘があった。その何者かがいないことを見ればこの女がどうにかしてそいつを行動不能にしたか 殺したか……いや、結果は問題ではない。問題は左腕の傷をどうやって治したかということだな) ブレンヒルトはネモの存在を知らない。 そのために左腕の痕は隠す必要はないと考えたのだがそれが逆に仇となり、当人の知らぬところでネモに不信感を抱かせることとなった。 だが、即座にネモはナナリーに知らせることはできない。 知らせたとしても、果たして聞き入れるかどうかは定かでない。
投下乙です。 と、この流れで申し訳ないですが少し指摘を。 この午前の時間帯で鉄橋ならキリツグが起した大爆発があると思うのでそれに気づいていないのは少し可笑しいとおもいます。 なので、鉄橋にわたる前の位置に修正した方が不都合が無いかと思います
(言ったところで……だな。こんなものはナナリーにとっては瑣末な問題でしかないだろう。この女に対する信頼は揺るがないな) 半ばナナリーへの説得をあきらめかけていたネモはやれやれといった感じで目を潜める。 いずれにせよ行動が限られている以上ネモの出来ることはブレンヒルトの行動に気を配るしかない。 「ブレンヒルトさん、何か聞こえます……誰かの歩く音が」 「え?そんな……!」 想定内ではあるがあまりにも早い遭遇にブレンヒルトは内心で焦る。 温泉宿から出たのを尾行されていたならまだ救いはある。 しかしもし今近くにいるだろう存在が宿の中にいて自身の行動を見られていたならば。 「―――――……来ます」 ガサリ、ガサリと樹上から音がする。 ナニカが木を伝って近づいているのか。 ソレは、静かに彼女たちの目の前に降り立った。 彼女らがその姿に瞠目させられたのは言うまでもない。 フォルムとしては人型をとってはいるが、それでもなお人間とかけ離れた姿をしている。 いわば、ソレは異形の者だった。 話しかけようにも、言葉が通じるかどうかが怪しい。だが、するだけ無駄なことだろう。 なにしろソレは明らかに敵意を放っていたのだから。 ミュウツーは手に携えている十字槍の切っ先をブレンヒルトたちに向ける。 それに対し、ブレンヒルトは辛辣な面持ちで、ネモは冷ややかな目で十字槍を見つめた。 目の不自由なナナリーには知れぬことだがミュウツーが持っている十字槍は明らかにブレンヒルトが 所持していたものだった。それを今、ミュウツーが持っているということはブレンヒルトとミュウツーが 少し前に出会っていたという考えに至るのは難しくはない。そしてそこから想像できることはナナリーにとって プラスになるものでないのは確定的だ。 (とにかく今はナナリーを守ることを考えないとな。マークネモを召喚させれば危機は脱出できるだろうが……) 一方でブレンヒルトは自身の軽率さを悔いる。 武器を回収し忘れてみすみすそれを他の敵に奪われるなどあってはならないことだった。 (もう仕方ないけど……今はナナリーを守ることを考えないと。でも庇いきれるかどうか……)
割り込み……申し訳ないですorz
支援
結論に至る経緯は違えど、ブレンヒルトとネモの心情はナナリーを守ると言う意見で一致していた。 ブレンヒルトはゆっくりと左腕を前に突き出す。 ミュウツーはその動作を見ると、一歩前進した。 両者の距離はほんの4メートル。 再び、ミュウツーが左足を前に出そうとすると 「発ッ見ええぇぇぇぇぇぇーーーん!!」 この場にいる誰のものでもない声が響き渡る。 驚きはしたものの、声の方向をつかむや否や全員がそちらの方向を向いた。 ナナリー達の後ろの坂の上10程のところに、その男はいた。 間髪入れずに何かが発射される音がする。 それが男の持っているバズーカからの発射音だと気づいたときにはすでにブレンヒルトはナナリーの体を 抱きかかえて飛び退いていた。少し遅れて、ミュウツーもバックステップで後退する。 ドン、と。 激しい着弾音を響かせ四方八方に土塊が飛び散る。 出来たクレーターの深さからその威力の凄まじさが伺えるが傷を負った者はだれ一人としていない。 男が現れてから弾丸の着弾までわずか2,3秒しかなかったが、彼女たちの避難は実に速やかなものだった。 自身の身体能力に少し驚きながらも、ブレンヒルトは男の姿を再度確認して舌打ちをする。 (なんて異常な……どうやって倒せっていうのよ) そう思うのも無理はなく、ラッド・ルッソはピンピンしていた。傷はおろか血痕や服の汚れさえも残っていない。 四肢を斬られ、腹を抉られようとも彼が『不死者』である限りあの程度の傷では殺すことは敵わない。 何にせよ、これでブレンヒルト達の状況はさらに悪化した。 敵二人に対して動けるのは一人のみ。もう一人を守りながら戦うというのはどう考えても無理がある。 だが、幸いにもまだ道は残されている。 坂を滑り降りてくる男。 クレーターから離れた所にいるよくわからない生物。 そして車輪が壊れて横たわっている車椅子。 (今重要なのは、ナナリーを守ること……!!)
支援
ブレンヒルトはナナリーをナナリーの膝下と両肩を抱え込むと、咄嗟に彼方へと駆け出した。 (……逃がすものか) ミュウツーもすかさず少女たちを追いかける、が。 後ろから迫ってくる殺気に止まらざるを得なかった。 反射的に槍を両手に構えて迎え撃とうとする。と、強烈な振動を感じた。 男は狂喜を浮かべながらミュウツーに肉薄する。 あろうことか、男はバズーカの砲身で直接ミュウツーに殴りかかっていたのだ。 (くっ……貴様……!!) 「あの女も殺してぇけどよお……逃げられちまったし。まあ足跡追えば済む話だしなぁ! つーわけで今目の前にいるてめえをブッ殺す!!」 ラッドは一度ミュウツーから離れるとバズーカをミュウツーへと向ける。 至近距離からの砲撃。実際、避けるのはそれほど苦ではない。 ただし、現状障害物が大量にあるためにそれに当たった場合二次的な被害を避けられるかが問題だ。 二度目の発射音。 案の定、ミュウツーは回避できたが後ろの木に着弾した。 その衝撃により木端が飛び散り、周りの木の枝をも破壊していく。 ミュウツーも無傷ではいかなかったようでところどころ擦り傷が見られる。 「おーし上等!この程度でくたばっちゃあ面白くねえよなあ!ああ!? それにしてもテメエはなんだ?人間には見えねえし、かといって獣でもなさそうだ。 ならあれか、てめえも宇宙人か!?そうだよな!?いいぜ!なんだろうがぶっ殺してやるよ!!」 高らかに嗤う男を睨み、ミュウツーは怒りをおぼえた。 痕跡を消したうえでもなおこちらに向かってきた男。偶然ではあるだろうがそれでも許せないことだった。 だが、殺すわけにもいかない。この男にはまだ利用価値がある。 (仕方ない……追ってこれないような状態にしてやる)
支援
※ ※ ※ ※ ※ 線路が見えてきた。 思いのほか遠くまで走ったものだと当人は感心していた。 ゆっくりとスピードを落とし、息を整えながら足を止めてナナリーを下ろした。 「ブレンヒルトさん……すごいですね」 「ん?そうかもね……」 うわ言のように返事をしたが確かに、ブレンヒルトは自身の体の異状を感じ取った。 人一人抱えて2キロ近くを走ったにもかかわらず、通常同じ距離を走った程度にしかバテていない。 (これの……せいかな) ARMSの核を移植した左腕。 ナナリーを守れたのだ。その点では嬉しくはある。 だが、自身が自身でないような気に襲われて何とも言えない気持ちになった。 「車椅子のことは……」 「いいえ、気にしてませんから……。でも、ありがとうございます」 「いいのよ、お礼なんか言わなくても」 しかし、これからどうするか。 行く当てなどない。この途方もないフィールドでの人探しもかなりの労力を要するだろう。 (あっちに行ってみようかしら……) 遠くに見えるのは住宅街やビル街だ。 あそこなら或いは……いや、誰も見つけられなくとも安全な隠れ家にはなりそうだ。 視点を変えると、人らしき姿が見えた。 川を越えようと自転車を押しながら鉄橋を渡っているようだ。 「ナナリー、誰かいるみたい。どうする?」 「えっ……どうすると言われても……」 「……とりあえず話しかけてみましょうか」 見る限りでは、危険はなさそうに見える。 辺りをキョロキョロと見回してはいるが、仕方のないことだろう。 ブレンヒルトは汗を拭うとナナリーを背負ってそちらの方に向かった。
支援
※ ※ ※ ※ ※ 戦闘が開始されてからすでに10分が経過していた。 ミュウツーが繰り出す槍は確かに相手の体を掠め、傷をつくっていくのだがそれがみるみるうちに治癒してしまい 体力を削るといったこともできない。 一方で、ラッドは自身の傷を省みることなく猪突猛進にミュウツーへと突撃する。 「どうした?普通じゃねえのは姿だけか!?」 相手は人間だというのになかなか隙を見つけることが出来ない。 あくまでも人間の範囲内だがこの男はそれなりに、強い。 とにかく、この男を止めるには大ダメージを与えるといった方法では間に合わない。 「あ」 ガクンとラッドの体勢が崩れる。 原因は、最初に撃ちこんだ時にできたクレーターに足を取られたからだった。 それは殆んどないに等しい時間だったが勿論その隙を見逃すミュウツーではない。 「んぶっ!!」 突如現れた巨大なスプーンがラッドの顎に直撃した。 骨の砕ける音と同時に彼の体が宙に浮き上がる。 それでもラッドは標的から視線を逸らさない。 かまわずミュウツーは今しがた召喚したスプーンを消すと両腕をラッドに翳す。 「!!?」 得体のしれない衝撃がラッドを襲う。 まともに声を出すことすらできず、彼は不可視の攻撃に全身を吹き飛ばされた。 木に叩きつけられ、彼の口からは血が零れる。 それは単にぶつかっただけの衝撃ではない。 彼の体には深々と木の枝が突き刺さり、背中から腹へと貫通していた。 (あーあ、予想以上に普通じゃなかった見てえだなぁ……) 突如現れたスプーンにクリ−ンヒットした。ここまではいい。 まだラッドの対処できる範囲内だ。 事実、隙を作ったのもわざとで、一発程度ならどんな攻撃でも耐えられると踏んだ上でバズーカの引き金を引いたのだ。 しかし結局、なにかよくわからない力によって砲撃もろとも弾かれて現在に至ったのだ。
ふと、ミュウツーが睨みつけているのがわかり、ごほ、と溜息をついた。 「あァ?何見てんだコラ。俺が串刺しになってんのがそんなに面白いか?」 ソレは地面に落ちている十字槍を拾うと、そのままラッドに踵を返して走り出した。 「は……?」 当然、ラッドにしてみればアレは自分を殺しに来ると思っていた。 だがその予想は簡単に外れ、そのままミュウツーは森の奥に見えなくなった。 まさか自分がこのまま死ぬと思ったわけでもあるまい。 ラッドの治癒力ははっきりとミュウツーにも捉えられている。 また、情けをかけそうにもない気迫をラッドも感じ取っていた。 「あー、つまり。この俺を利用したってことか」 とりあえずラッドを一時的に動けない状態にして、自身は追跡できないところまで逃げる。 後でラッドに出会ったとしてもその時は殺せばいい。 「ああそうかい、ハナからそのつもりだし、別にいいけどよぉ…… ……ただし宇宙人。次会った時テメエの命はねえってのはわかってるよなあ!?」 ラッドの咆哮が轟く。 無論、誰も応える者はいない。 「痛えなオイ……抜けるのに結構かかりそうだなこりゃ」 ラッド・ルッソは、未だ串刺しになったままである。 【B−7/ 森/一日目午前】 【ラッド・ルッソ@BACCANO!】 [状態]:腹部貫通(木に串刺し)、顎の骨骨折、全て再生中 不死者化 [装備]:ワイパーのバズーカ@ワンピース、風貝@ワンピース [道具]:基本支給品一式 [思考・状況] 1:あのギラーミンとかいう糞野郎をぶっ殺す。 2:そのためにこの会場にいるやつを全員殺す。とにかく殺す。 3:ギラーミンが言っていた『決して死ぬ事のない不死の身体を持つ者』(不死者)は絶対に殺す。 4:宇宙人(ミュウツー)も次に会ったら殺す。 5:左腕が刀になる女(ブレンヒルト)も見付けたら殺す。 6:ギラーミンが言っていた『人間台風の異名を持つ者』、『幻想殺しの能力を持つ者』、『概念という名の武装を施し戦闘力に変える者』、『三刀流という独特な構えで世界一の剣豪を目指す者』に興味あり。 【備考】 ※麦わらの男(ルフィ)、獣耳の少女(エルルゥ)、火傷顔の女(バラライカ)を殺したと思っています。 ※自分の身体の異変に気づきましたが、不死者化していることには気付いてません。
※ ※ ※ ※ ※ ※ 少女が走ってくる人間に気づくのは、そう遅くはなかった。 それが自分に向って走って来ているのだと気づいたとき、若干のパニック状態になる。 疲れが癒えていないのも気にせずすぐさま自転車に跨り、その場から逃げようとした。 ふと、そこで少女は思いとどまる。 (とりあえずは一緒に行動すればいいんじゃないかしら?) そう思ったのは、走ってくる人間の姿がはっきりと確認できた時だった。 自分とそれほど年が変わらないほどの女子が、それより少し幼そうな女の子を背負っている。 武器を持っている様子でもない。おまけに、遠くから気づかれるためであるかのように走ってきた以上目的は戦闘ではないだろうと踏んだのだ。 なにより、とにかく一人では心細かったし、数人でいれば囮にして逃げきることも可能かもしれない。 園崎詩音は、足を止めた。 自己紹介やその他もろもろの情報交換はスムーズに終了した。 詩音が見る限りでは、どちらも一般人に思えた。 しかしブレンヒルトと名乗った少女の方は体力面からして勝てないと判断した。 だが、武器らしい武器は所持していない。ならば隙をついてどちらも殺すことは出来る。 だが今はその時ではない。一番いいのは、彼女たちが囮になってくれるということだ。 詩音は自身の名前を名乗った。 姉の名前を語ろうかとも考えたが、万が一、次の放送で魅音の名が呼ばれることになっては堪ったものではない。 体力が回復するまで現状は穏やかに過ごしていたかった。 自身の武器については嘘をついた。 手を生やせる能力については語らなかったし、月霊髄液は見せることはしたもののあくまでも自身の防御にしか使えないと言った。 目の前の二人を利用する気はさらさらないし、そんな意味もない。 (安心して。次の放送が来るまでは、あなた達を生かしておいてあげるから……) 詩音にとって二人は町に着くまでの『盾』でしかない。 一緒に行動することになったとはいえ、向こうも少なからず警戒しているようだったがそれも問題ない。 然るべき時が来たら始末する。園崎詩音はそう決定した。
詩音の思惑はうまく行くかもしれない。 あくまでも、情報が交換した通りのものであればの話だが。 (腕のことについては話してないけど……別にいいよね) ブレンヒルトとて、こうしている以上自身の手の内を全て明かすようなことはしない。 おそらく向こうも何か隠しているのだろうと判断したうえでのことだ。 (この女も怪しい……) ネモはあからさまに詩音を睨み続けているが、気づかれることはない。 とにかく、会う奴会う奴が信用ならない。 6時間のうちに15人も死んでいるのだ。この女が、殺人者かもしれないと自然に考えてしまうのも当然だ。 そういう意味であれば、ブレンヒルトは詩音よりはまだほんの少しだけ信用のある人間だった。 鉄橋を渡り、彼女たちは町の方へと移動する。 それを見つめる者が、一人。 (見つけたぞ……) ミュウツーは今度こそという思いで鉄橋の方へ駈け出した。 【C−5/鉄橋/1日目 午前】 【園崎詩音@ひぐらしのなく頃に】 【装備】:レッドのMTB@ポケットモンスターSPECIAL 【所持品】:基本支給品一式 、月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)@Fate/Zero 【状態】:、疲労(大)、右肩に裂傷、出血(軽)、右腕に打ち身(軽)、能力者<ハナハナの実> 【思考・行動】 1:優勝して、悟史のところへ戻る。 2:街に行って安全な場所に隠れるまでブレンヒルトとナナリーを『盾』にし、次の放送以降に殺す。 3:魅音の名を騙る。 4:沙都子に対して……? 【備考】 本編終了後からの参加 ※ハナハナの実の能力を得ました。任意の場所(自身の体含む)に、自分の部位を生やす事ができる。 生やせる部位は、制限により『腕』のみ。 今は『腕』を2本、それも互いにそれほど離れた位置には生やせません。 ただし成長の余地あり? また、生やした全ての部位に意識を向けるので、慣れていない状態では単純な動作しかできていません。 生やせる場所は、使用者を中心に15メートルの範囲内に制限。 生やした部位がダメージを受ければ、本人にもダメージ。 ※ブレンヒルトとナナリーには本名を名乗りました。 ※ナナリー達と情報交換をしました。(ハナハナの実の能力については話していません。月霊髄液についても自身の防御しかできないと嘘をつきました)
【ナナリー・ランペルージ@ナイトメア・オブ・ナナリー】 [状態]:健康 [装備]:全て遠き理想郷(アヴァロン)@Fate/Zero、車椅子、ネモ [道具]:支給品一式 [思考・状況] 0:街へ向かう 1:ブレンヒルトを信じる 2:バトルロワイアルを止める ※ナナリーを守る。ブレンヒルトと詩音は信用しない(ネモの思考) ※参戦時期はサイタマ事変前 ※『全て遠き理想郷』はある程度の防御力の強化、受けたダメージのワンランクの軽減、治癒力の向上に制限されている。 【B−7/温泉宿1階/1日目 朝】 【ブレンヒルト・シルト@終わりのクロニクル】 [状態]:疲労(中)、左半身に火傷(小)、左腕欠損(ARMSで代替) [装備]:汗で湿った尊秋多学院制服(左袖欠損)、ARMS『騎士(ナイト)』@ARMS(左腕に擬態) [道具]:支給品一式、アンフェタミン@Fate/Zero [思考・状況] 1:詩音と街へ向かう。 2:詩音を警戒しつつ、ナナリーを守る。 3:1st-G概念を行使できるアイテムを手に入れる ※森林破壊者、男湯銃撃者を警戒しています。また双方とも別人だと思っています。 ※ARMSコアの位置は左胸です。 ※ARMSについては詩音には話していません。 【C−6/草原西端/1日目 午前】 【ミュウツー@ポケットモンスターSPECIAL】 【状態】:疲労(中) 【装備】:機殻剣『V−Sw(ヴィズィ)』@終わりのクロニクル、アデルの十字槍@BACCANO! 【所持品】:基本支給品一式、不明支給品0〜1個(確認済み) 【思考・行動】 1:マスター(カツラ)を救う為、24時間以内に参加者を32人以下まで減らす。 2:女達(ナナリーとブレンヒルト)を追う。 3:男(ラッド)には殺害数を稼いで貰う。殺すのは後回し。 3:魅音かハクオロが細胞を移植し、自分を追ってきたら相手をする。 ※3章で細胞の呪縛から解放され、カツラの元を離れた後です。 念の会話能力を持ちますが、信用した相手やかなり敵意が深い相手にしか使いません。 ※念による探知能力や、バリアボールを周りに張り浮遊する能力は使えません。 ※傷は80%ほどまで治癒しました。 ※名簿を見ていないため、レッド、サカキの存在を知りません。 ※放送により、イエローの死亡を知りました。 ※ギラーミンに課せられたノルマは以下のとおり 『24時間経過するまでに、参加者が32人以下でない場合、カツラを殺す。 48時間経過するまでに、ミュウツーが優勝できなかった場合も同様。』 ※カツラが本当にギラーミンに拉致されているかは分かりません。偽者の可能性もあります。 ※V−Swは本来出雲覚にしか扱えない仕様ですが、なんらかの処置により誰にでも使用可能になっています。 使用できる形態は、第1形態と第2形態のみ。第2形態に変形した場合、変形できている時間には制限があり(具体的な時間は不明)、制限時間を過ぎると第1形態に戻り、 理由に関わらず第1形態へ戻った場合、その後4時間の間変形させる事はできません。 第3形態、第4形態への変形は制限によりできません。 ※男(ラッド)と戦った相手が「左腕が刀になる女」であると知りました。
以上です。
散々時間かかってこれだけの文章で申し訳ないです。
次からは、時間のあるときにSSを書くようにします。
>>241 わかりました。
>>261 の部分を修正して後でしたらばに投下します
投下乙! ナナリーとブレン先輩はなんとか難を逃れたに見えたけどまた危険がせまるか てか宇宙人ワラタwミュウツーたしかに宇宙人に見えるわww
あと、
>>241 以外で何かあれば報告お願いします。
投下乙! 思惑が複雑に絡み合ってきてるなぁ そしてラッドのまくしたてが非常にそれっぽいw これは次の展開が非常に楽しみだ!
投下乙!
マーダー挟み撃ちでオワタかと思ったが、ARMS強化で助かったか。
ラッドは相変わらず場をかき乱すなぁw
詩音が一行に加わったが…疑心ばっかりでさりげなくギスギスしてるなあ。
しかも、全員隠している力があって、何この怖い美少女3人(4人?)組。
ミュウツーが迫っているけど…驚くだろうなあ。少し前に襲った魅音と同じ顔がいるから。
果たしてこれがどう転ぶのか、先が楽しみ!
あと気になった点を。
状態表が、位置が温泉のままだったり、あとナナリーが車椅子を持ったままですが、
これはデイパックに入っているってことでしょうか?
あと
>>241 の指摘ですが、詩音たちが渡っている鉄橋がC−5の線路の通った鉄橋だとすると、
キリツグの行った爆発があったのはB−4の車道、歩道の橋で、別の橋なので特に問題はないと思います。
爆発に気付いた、という描写を入れるのはありでしょうけど。
遅れたけど投下乙です! ミュウツーが宇宙人w確かに見た目は完璧宇宙人だw 女性が着々と集まってるこの状況、華があるといえばあるけど 一筋縄ではいかない女性しかいない…! これはもしかしてミュウツー涙目もありえるかな 小気味よく転がっていく展開が見事でした!GJ!
ちょっと質問、 首輪って何か金属的な説明?かメカニック的な表現って何かあったっけ?
確か今までの話で首輪に関して考察してる人はいなかったからなぁ メカニックなどころかメタリックな描写自体もあるかどうか
久々の予約ktkr
280 :
創る名無しに見る名無し :2009/04/08(水) 23:52:49 ID:cUFvmCBk
オーケーオーケーあの方々久しぶりだねえ
ageちまったスマン
ところでここで聞くのもどうかと思うんだが 切嗣の魔術刻印は瀕死時に機能するのだろうか?
本人に意識があって、魔力もあれば使えると思うぞ 型月の魔術師って後先を考えなきゃ限界超えた力を出すのは難しくないらしいし 車のエンジンにニトロ注げば爆発的なスピードを出せるけど、後で確実に壊れる的な
刻印は術者が死なない限り、意識を失っても血統を維持するために勝手に機能する ただし魔力は必要だし、刻印化されてない切嗣のオリジナルの魔術は使えない
2/6【うたわれるもの】 ○ハクオロ/●エルルゥ/○アルルゥ/●ベナウィ/●カルラ/●トウカ 4/6【BACCANO!】 ●フィーロ・プロシェンツォ/●エルマー・C・アルバトロス/○ラッド・ルッソ/○クリストファー・シャルドレード/○グラハム・スペクター/○クレア・スタンフィールド 5/6【ひぐらしのなく頃に】 ○前原圭一/○竜宮レナ/●園崎魅音/○北条沙都子/○古手梨花/○園崎詩音 4/5【スクライド】 ○カズマ/●劉鳳/○ストレイト・クーガー/○橘あすか/○無常矜侍 3/5【ローゼンメイデン】 ●桜田ジュン/○真紅/●翠星石/○蒼星石/○水銀燈 2/5【ワンピース】 ●モンキー・D・ルフィ/○ロロノア・ゾロ/●ウソップ/○トニートニー・チョッパー/●サー・クロコダイル 1/4【ジョジョの奇妙な冒険】 ●東方仗助/●広瀬康一/○吉良吉影/●ジョルノ・ジョバァーナ 2/4【とある魔術の禁書目録】 ●上条当麻/○御坂美琴/●一方通行/○土御門元春 3/4【ポケットモンスターSPECIAL】 ○レッド/●イエロー・デ・トキワグローブ/○サカキ/○ミュウツー 3/3【終わりのクロニクル】 ○佐山・御言/○新庄・運切/○ブレンヒルト・シルト 3/3【トライガン・マキシマム】 ○ヴァッシュ・ザ・スタンピード/○ニコラス・D・ウルフウッド/○リヴィオ・ザ・ダブルファング 3/3【Fate/Zero】 ○衛宮切嗣/○アーチャー(ギルガメッシュ)/○ライダー(イスカンダル) 3/3【BLACK LAGOON】 ○レヴィ/○バラライカ/○ロベルタ 2/2【コードギアス ナイトメアオブナナリー】 ○ナナリー・ランペルージ/○ゼロ 0/2【ドラえもん】 ●ドラえもん/●野比のび太 2/2【WORKING!!】 ○小鳥遊宗太/○伊波まひる 0/1【ARMS】 ●高槻巌 1/1【あずまんが大王】 ○春日歩 43/65 死者まとめてみたけど、ホント、露骨に偏ってるよな うたわれ、ワンピ、ジョジョ、禁書、ドラえもん、ARMS ぶっちゃけこの6作品以外ほとんど死んでないじゃん これでも贔屓じゃないなんて言えるのかねえ
自分が書けばいいのに
>>287 「お前は書き手じゃないな」とは一言もいってないが
書き手でないならこれを機に自分が書けばいいし、書き手ならその6作品以外から死者が出る話を自分が書けばいい
地図乙です やっぱ、市街地の駅周辺が人口密度高いなぁ
パラライカが必滅の黄薔薇で腕切断なんて重傷負ったのに平然としてるのがどうかと思った 宝具効果が制限されてんのか? 破魔の紅薔薇は効果出てたのに
>>291 バラライカは人気キャラだから問題ない
これが例えばワンピースとかのキャラだったら、贔屓だってことになるけど、
バラライカだったら、どんなに活躍しても誰も文句言わないから
そもそも、パロロワなんて企画で、全キャラを平等に扱おうなんて無理のある話
一部のキャラのために、他のキャラが引き立て役になるのも仕方ないことなんだよ
>>291 何かおかしいかな
ゲイ・ボウの能力は治癒阻害だから、傷が治らない以外の効果はないぞ
傷が塞がらなくなるといっても、縛ればその分血は止まるだろうし
腕を切り落とされて平然としてるのはおかしい、というならまた別の問題だけど
縛った程度で問題なくなるような傷かよw 自然治癒力がまったくないんだから血液が固まって止血効果とかも望めないし 間断なく激痛が襲ってくるのにその状態でさらに戦闘行為とかアホかと
バラライカは超回復キャラでもなければ治癒魔法が使える訳でもないからなぁ 普通人体は治るのに何々月もかかるから、治るの遅いなんて実感は抱くわけないってw それと、腕飛んだ後は戦闘してないよ 119話と120話参照
そういや、超回復キャラにゲイ・ボウ使ったらやっぱり治癒阻害されるのかな?
そこは勘違いしてた
>>296 原作では超回復力持ってるキャラに回復魔術使っても傷が治らないという衝撃を与えてるんだから
治らんだろ
>>294 腕が切られた直後の攻防以外に、特に戦闘はしてないぞ
あと切断くらいの傷になると血液の凝固はほとんど役に立たないと思う
注射の針で空いた穴でも5〜10分はかかるし、ましてや動脈もイってるだろうし
山火事にバケツリレーしても意味が無いようなもんだ
それで平気なのかってのは、バラライカに限らずロワ全般での「お察しください」だけど
>>296 むしろそういうのに有効な宝具だな
ゲイ・ボウの効果は治癒阻害。 これにより負わされた傷はそれ以上に回復しない。 裏を返せば、傷口をさらに切って焼いたりすれば止血は出来る
>>300 そんな止血、普通はやりたくねぇけどなw
>>298-300 おお、ありがとう
改めてみると宝具は面白い効果を持つものが多いね
アロンダイトの説明「龍属性を持つ者に追加ダメージを与える」とか
誰も竜属性いないよw
>>302 原作でも全シリーズ通してセイバー一人しか出てきてないからなw>龍属性
おまけにアロンダイトが使われたのは最終巻のラスト付近だけ
凄い武器なんだけど、別の能力が大活躍しすぎてイマイチ陰が薄い
Fate/Zero出展だから、追加で出せそうな宝具はアーチャーの乖離剣と天の鎖、ヴィマーナくらいか
そんな時こそポケモンだ!>龍属性 ドラゴン属性なんてのがおあつらえ向けにあるじゃないかw
>>289 うお地図きてたのか!乙です!
市街地周辺が地雷だらけすぎるw
終わクロの概念核も竜属性といえば竜属性だぞ
>>300 んなこたーないだろw
新たに切った傷口は治るだろうが元からあった傷は治らん
傷の付け損だ
原作の説明だと傷を治すには宝具を折るか、使い手を殺すしかない
変な解釈付け加えるなよ
まぁ今回みたいに腕ぶった切られたとか、末端部分の話ならさらに上のほうから切断しなおせば いいかもしれんが、外科手術でやるならともかく、普通に切ったらさらなるダメージで死にかねんな 腕切断の出血だけでもこれ以降の戦闘継続は無理だろ 戦闘中に止血した紐がほどけたり切れたりしただけで死にかねん
>>307-308 >>300 はどう読んでも、ゲイ・ボウの傷を治す方法を書いてるわけではないのだが
傷を焼いて止血するのは、外科手術が発達してない時代には広く行われていた止血法だし
出血多量を防ぐ代わりに大火傷のダメージを負う方法だけど
>>309 どう読んでもゲイ・ボウの治癒阻害の抜け道を示唆してるようにしか見えんが
治癒阻害は「概念」、平たく言えば「呪い」だから止血法がどうこうって話じゃないな。 「治らない傷ができる」呪いがかけられた以上は手順を踏まなきゃその部位は治らない。 そういうものだ。 まあ、「腕を切られたから肩口から切り落とす」は有効なんだろうが、状態が余計ひどくなるだけだなw
まぁ傷の上からさらに傷付ければ治る程度の技ならサーヴァント戦じゃ糞の役にも立たんからな 腕くらいぶっ飛ばされても魔力があれば簡単に復元出来るんだから
>>310 >>312 多分、「治る」という状態の認識からして齟齬が発生してるわ
「この槍によるダメージはHPの上限そのものが削減されるため、
いかなる治癒魔術、再生能力をもってしても傷を負った状態までしか回復することができない。」
というのがゲイ・ボウの正確な能力なんだから、
自発的に与えた追加ダメージによって結果的に出血が止まることまでは阻害しないと思うけど
一般人に毛が生えた程度の身体スペックの持ち主が、長年の積み重ねによる技量により戦闘能力を得ているわけだから、 今後どんな超回復をしても、基礎体力があるだけな隻腕になりたての身体障害者以上にはならないってことか マーダー路線を貫くなら、経験値+支給品を用いたトラップマーダーか、奇襲マーダーとしてやっていくしかないね 人外じゃないとまともに全力疾走すら出来ないよ 平行感覚的な意味で 元スポーツマンでも勝手の違いに絶望するみたいだから
病院向かってるが、そこでの回復描写は期待でき無いって事だ 命なめんな!
ギルガメッシュを倒すとか、槍を破壊するとかいう選択肢はないのかw 無常さんが加わったとはいえ、今の戦力じゃ無理っぽいのは分かるが
まぁ四肢切断級の怪我だと他のロワでも魔法とか回復アイテムないと回復出来ないからな
ましてやゲイ・ボウでつけられた傷だし
つーか、ええっそんくらいで死ぬの!?ってロワと、よくそれで死なねーなwってロワがあるよな
ネギまロワあたりはすげーあっさり死ぬ
まぁ普通の女子学生多いから当然だけど、ロリロワなんて目玉交換とか普通の女子小学生に
やらせて平然と活動させてるからなw
俺なんて目こすってバイ菌入っただけで一日くらい頭痛と熱と不快感に悩まされるのに
>>316 宝具の破壊は極めて難しい
所有者が魔力オーバードライブさせてブロークンファンタズムすれば壊れるけど、普通に衝撃を
与えて破壊は無理だろ
ギル自身も不死身だし
まぁゲイ・ボウを奪えば不死者に対して有効だし、場合によっては破壊出来ると思うけど
型月は深く考えだすと際限ないな
二次創作でリアリティと設定を追及していくとキリがないよねw 後続の書き手さん任せ、でいいと思うよ 決定的な矛盾が出てきた時に話せばいいし フレキシブルっていい言葉だw
つまり、面白ければ何でもよかろうなのだァーーーッ!だなw うん、フレキシブルはいい言葉だw
というか創作だと腕切断とかは軽く見られるのはある意味お約束かとw うちみたいにカウンターパンチとかロケットパンチとかブーストナックルとかブロウクンファントムとか、 腕飛ばす技持ちが常識って世界もあるんだからw
バラライカが活躍してれば何でもいいよ
ロボか、ロボなんだなww
>>321 どこまでも人外じゃないかww
ブロウクンファントムが最初ブロークンファンタズムに見えたのは内緒だw
>>323 チッチッチッチ、ロボロワじゃない、スパロワだ!w
スパロワか、失礼w とんでもなく自重しない所だというのは聞いたことがあるw
まぁとりあえず元の世界だと腕ぶっ飛ばされたヘンゼルやヤクザの三下はそれだけで 死んでるけどな 他に腕切られる漫画だと シグルイでも一瞬にして昏倒してるし、江戸時代の治療技術では治療過程の痛みで大概死んだとか… Dr.コトーでもシゲさんの息子が腕爆弾でぶっとばされる話があったけど、出血止めるだけなら シゲさんがコトーの助言で適切な処理したけど、それだけだったら死んでるだろ リアル系の漫画なら普通は死ぬレベル ファンタジー系なら助かってもおかしくないって感じだな
>>289 おお地図きてる!
確かに市街地に人増えて端のほうの人減ってきたな
>>327 /)
///)
/,.=゛''"/
/ i f ,.r='"-‐'つ____ こまけぇこたぁいいんだよ!!
/ / _,.-‐'~/⌒ ⌒\
/ ,i ,二ニ⊃( ●). (●)\
/ ノ il゛フ::::::⌒(__人__)⌒::::: \
,イ「ト、 ,!,!| |r┬-| |
/ iトヾヽ_/ィ"\ `ー'´ /
問題はおきてから考えるという結論が出てるのに、何度も掘り返すのは牽制にしか見えないって
ロワでしつこい牽制するとたいてい逆効果になるぞ
地図の人もいってるけど、何人かで組んでる人が多くなったよね 最初の方の地図と比べると一目瞭然で面白いw
んだなー 状況が動いてきてるのが地図をみて一目でわかるのがおもしろい
>>329 いや、問題あると思ってるから掘り返してるわけなんだが…
軍人とはいえ普通の人間が
ゴムゴムの鞭とゴムゴムのバズーカを食らって気絶から回復しただけで戦闘続行
バイク体当たりとゲイ・ボウで腕切断されるダメージ食らって図書館から劇場まで逃走ってどんだけだよ
不死身すぎなんだよ
もう過ぎた事をとやかく言うのはその辺りにしておいたらどうだ これから気を付けていけばいい事だろ
しかしワンピースでいえば戦闘力はともかくとして肉体強度は海兵A並みであろう女が ルフィの必殺技二度も食らって、ある程度の運動エネルギーを得た250Kgのバイクの 下敷きになって宝具で腕切断だぞ どれが致命傷になってもおかしくない 小説としての出来はいいから破棄とかはして欲しくないけど、納得は出来ない ひいきが過ぎるんじゃないのか?
特定のマーダー優遇政策が露骨になるとなんかしらけるよな。 バランスは考えてほしいもんだ。
>>334 オッケー、これ以上は議論スレに移動しようか
本スレを微妙な雰囲気にしたくはないだろ?
ああでも作品の修正じゃないから、なんでもスレのほうがいいか
338 :
創る名無しに見る名無し :2009/04/10(金) 21:55:45 ID:nWj1RnIj
まあワンピース的に考えれば、バラライカは、 せいぜいゴムゴムの火山で吹っ飛んでた海兵のうちの一人くらいのレベルだよな ロワ的には、そんなに差があったんじゃどうしようもないから、ある程度の妥協は必要
おっと、ageてしまった
どっおでもいいですよ〜♪
制限で弱体化してたのも要因だろうけどな
まぁ悪魔の実を食べてない一般人の佐官ってとこだな
(大尉だけど)
>>341 ルフィーの制限はギア2と3の威力と負荷制限だから関係ないだろ
ワンピ厨の人はこれ以上ワンピキャラに死亡フラグ立てて何がしたいの?
ただ単に荒らしの材料につかってるだけだから反応しちゃダメ みんなわかってスルーしてるんだから
そうやって反応してしまった時点で3匹目なのです気をつけましょう そして俺は4匹目
別にワンピ厨じゃねーよ BLACK LAGOON世界は現実世界とほぼ=なのに、こんだけ不死身なのはどうよって言ってるだけだろ ワンピのダメージ抜きにしても250kgバイクの体当たりなんて曙にフライングボディプレス食らうようなもんだぞ 内臓破裂してもおかしくないだろ それを食らってなおかつ冷静に圭一の足に弾を当てて、バイクを押しのける(どうやったの!?) これでおかしいと思わないならそっちのほうがBLACK LAGOON厨と呼ばれるほかはないだろ
ヒント つアニメ漫画
>>346 や、だから不満があるなら何でもスレで聞くから、移動しようと
便乗してる人が出てきてるでしょ?
ワンピ厨とか見当外れなこと言われたから弁解しただけだよ 言いたいことは既に言ってるから、これ以上話題が続かなければもう何も言わないよ ここで終了って事で
胸糞悪いな。 毒吐きでやってくれりゃよかったのに
毒吐きスレ作っとく?
てかバラライカには格があるしな 他のロワ見ても分かるように、性格的にロワに合うキャラは力だけが自慢のキャラより強く描かれがち そういうのが許容できないならロワ見るな
>>351 言ったのもなんだが自分は作ってほしくない。
できればみんなが胸の内を大っぴらに明かさないでくれるのが一番いい
>>346 バイクに関してはなんとも言えないが
>それを食らってなおかつ冷静に圭一の足に弾を当てて、バイクを押しのける(どうやったの!?)
一発外してるからやみくもに撃ったって感じにとれる。
バイクも位置がよければ押しのけられるかも。
まあ推察レベルの弁解だけどね。
>>354 悪いが、もう既にあるんだ
削除するか、自分用に使うことをお勧めするよ
>>354 おい。
でも冗談抜きでやめた方がよくね?
そもそもこのロワが過疎った原因はある意味毒吐きにもあるんだし
削除ってどーすんの?
>>357 したらばの管理人さんに呼びかけるしかあるまい。
管理人さんに言えばおk ここのしたらば管理人さんはまめに動いてくれるからすぐ消してもらえるさ
随分和む毒吐きだな
メールしといた 既にある毒吐きスレってどこよ?
何か知らんけど荒れてんな どこにそんな荒れる要素があったって言うんだ
別に蒸し返しちゃいないだろ 過敏になりすぎ
過敏になるのも察してくれ…… もうあんなことにはなってほしくないからな
人には蒸し返すなって言っといて、お前は一体いつの話を蒸し返してんだよ
もう15年前になるんだな……
……話題転換。 王の財宝ってアニ2っぽく中身空でいいのか? でもそれだと王の軍勢に対処できそうなのがいなさそうなんだが と言うより、今更だが王の軍勢3回も使えていいんだろうか
まあ、エアやエンジェルアームみたいな対界宝具級の攻撃なら もしくは上条さんの死体ぶん投げるとかでも攻略できるだろうけど
たしか空って話だったと思うよー あれに武器が入ってるとか、どんなチートw しかも誰でも使えるしw
上条さんの右手って死体でも打ち消し効果あるん?
原作で上条さんが死んだことないんだからわかるわけねーよ
>>368 空でいいんじゃないかな
元の中身が使えたら核兵器搭載のヴィマーナが平然と出てくるし
王の軍勢は、原作だとマスターから魔力を調達せずに2回展開してかなりの消耗ってとこだったな
そんなに多用する能力でもないだろうし、あまり気に病まなくてもいいような
そこは書き手がやりやすいようにってことで 別にどっちでもいいと思うし
対主催脱出の最後の決め手はまさかの死体の右手! こうですか?わかりません><
いざとなったらありかもw
その発想はなかったw でもやったら墓荒らし以外の何者でもないw
王の軍勢って首輪の罰則 >私が用意した会場から外に出たとき って条件はクリア出来るのか? あと切嗣の固有時制御3〜4倍もアヴァロン有りの時の能力だから制限というよりはパワーアップだよな
>>378 位相のずれた空間みたいな感じらしいから、外には出てないな
固有時制御はアヴァロンなしで1/3加速やってるぞ
しかもその後も戦闘し続けた
毒吐き削除しちゃうのか? 勝手に立てたのはアレだけど、別にあってもいいんじゃないの? 他ロワにもだいたいあるし
既にほかにあるみたいだからな どこにあるのかわからんけど
過去ログに沈んでました>毒吐きスレ 別に毒吐きスレ2とかないよね?
ジョジョの亀さんはペナルティー付きなんだから固有結界も3回は多いと思うけど つーかレンジ:1〜99 最大捕捉:1000人だから制限なしでアレ使えるなら結界内に全員巻き込めば 一瞬にして勝負がつくよな 原作でのアサシン軍団のように蹂躙されるぞ 抵抗出来そうなのはヴァッシュくらいだけど黒髪化してる以上一発くらいしか撃てないだろうし 対人攻撃にあれ使わないだろうし
すいません、少し遅れましたが投下開始します
ラズロが動いた。 銃撃に必要なのは、抜く、構える、狙う、撃つの四動作。 だがそれをラズロはワンアクションで全て終了させる。 空手の達人による寸頸のように、剣の達人による居合いのように。 無駄な動きを極限まで廃し、さらに抜くという動作の、ファーストアクションの中に残りの全動作を同一化させる。 抜いた瞬間にすでに構え、狙いをつけ、そして引き金は引かれ、銃弾が放たれる。 それによって生じるのは初速が音を超えてノーモーションで放たれる、加えて射程距離が十数メートルという一撃。 そして威力は人体を軽々と貫通する、まさに必殺のそれだ。 「ぐぁッッ!!」 先ほどまで生意気な長口上を垂れていた、あの男の口から悲鳴が漏れる。 そうだ、自分が狩る側で向こうが狩られる側だ。 ただ仕留めるのは簡単だが、それではラズロの気が済まない。 肩口を掠めるように撃ったのは死ぬ前にそれを分からせるためだ。 45口径の威力は直撃すれば骨をも砕く。 だから掠めるだけでも肉は削りこそがれる。 それによって生じた出血は男が倒れた場所に早くも血溜まりを作ろうとしていた。 ラズロは嗜虐の笑みを浮かべて、倒れた男に傲然と歩み寄る。 「おいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおい。 吉良とか言ったっけかぁ? なんだぁそりゃぁ? 避けるなりしろよ、何喰らっちゃってんだよぉ? あんだけでかい口叩いといてこれかよ、ふざけんじゃぁねーぞオイ」 「むっ……」 「ギャハハ、そうだよそうそう、それだけ確認しておきたかったんだよ。 テメーは俺にグッチャグチャにやられて無様にぶっ殺される側の存在だ……。 そうやって這いつくばって俺を見上げながら、泣いて命乞いするのがお似合いなんだよ! …………あ?」 ラズロは疑問に顔をゆがめた。 その疑問が生じたのは、吉良の表情によるものだ。 奴は脅えた顔などしていなかった。 明らかな敵意を真っ直ぐにこちらに向けている。 ラズロが初撃を撃つ前と変わらない表情。 私は誰にも負けない――そう言い放った、あの表情だった。 「……なんだテメェ」 「そうくると思っていたよ……貴様のような人種は謙虚にさっさととどめを刺すなど考えない。 私にあれだけ挑発されればなおのこと……正直、私のキラークイーンは格闘はあまり得意でなくてね……。 東方仗助や空条承太郎のスタンドなら弾丸を弾くこともできるのかもしれないが」 「…………もういいや――――死」 「――――キラークイーンッッ!!」 爆発。 ラズロの足元がその爆心地だった。 それによって右足が砕かれ、ラズロの体勢が崩れる。 爆発とほぼ同時に放たれた弾丸はそれによって狙いが外れ、吉良が這う場所からややずれた床で高い音を立てて跳ね飛んだ。 「ぐあっ!?」 「貴様が撃った瞬間に床を転がすようにして、爆弾に変えたペンを足で蹴飛ばした……先ほど長々と喋ったとき、密かにこの部屋で拾って仕込んでおいた爆弾だ。 だがやはり正確なコントロールは無理だったな。まだ貴様の右足がかろうじてくっついているのがその証拠だ……。 さて先ほど私に向かって、這い蹲るのがお似合いと言ってくれたが……貴様も這いつくばるその姿が実に良く似合っているよ」 「テメ……」 「――――シアーハートアタックはすでに攻撃を開始している」 倒れたラズロが上体を起こし、銃を吉良に向けた。
だがそれを前もって予測していたというように、預言者さながらに吉良は堂々と宣言する。 その時、数々の修羅場をくぐり抜けて身についたラズロの危険察知能力が新たな攻撃を察知した。 「コッチヲミロォ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」 ガリガリと音を立てる二つのキャタピラ。 それに挟まれた直径数十センチほどの丸い物体の真ん中に髑髏の紋章があった。 小さな戦車のような形だが砲身は無い。 奇妙な形の砲身の無い戦車が奇怪な声をあげて、床に倒れたラズロへ向かって飛び掛る。 「っだこりゃあ!?」 吉良に向けた銃をそいつに向けた。 二発の銃声。 だがそれによって放たれた通常弾丸を髑髏の戦車は易々と弾いた。 「――く!!」 咄嗟の判断。 ラズロは残った左足でその戦車を蹴り飛ばし、遠ざけようとした。 がしり、と金属に強く衝撃を与えたような激突音。 だが――吉良はその時ぼそりと呟いた。 「……シアーハートアタックは無敵だ」 再度の爆発が起こった。 目の前が爆風で埋め尽くされる。 ラズロは声にならないうめきを漏らし、だがそれすらもかき消された。 「――ガッ……!」 吹き飛ばされて部屋の壁に激突。 だがそれでも極限まで強化された肉体によって気絶までは至らない。 ラズロは激痛をこらえて前を見る。 戦いでは一瞬といえども集中の途切れが致命的となるからだ。 あの戦車からはまだ数メートルの距離があり、すぐに飛び掛っては来ない。 馬鹿が、と考え追撃をしてこない甘い敵に反撃を食らわせてやろうと立ち上がる。 だがそうしようとしてできなかった。 「……あ?」 戦車を蹴った左足が膝の下から完全に消失していたからだ。 ラズロは起き上がろうとしてそれに気付かず崩れ落ち、再び床を這うことになる。 「な……っだ……こりゃあッッ!?」 「貴様が負けたということだ。いや、まだ勝負はついていないな。私は貴様とは違う……素早く謙虚にとどめを刺すとしよう」 淡々と告げる吉良のそばにピンク色の人形。 そばの机から取り出したペンを手に取っている。 「コッチヲミロォ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」 そして髑髏の戦車が再びラズロへと襲い掛かる。 同時に吉良のそばにいる人形が、手に持ったペンをラズロに向かって放り投げた。 戦車とは別方向からラズロの逃げ道を塞ぐように。
おそらくは一撃目と同じものだと判断する。 「死ね」 吉良は淡々と。 まるで養豚場でこれから殺される豚を見るように一切の感情を込めず。 すでに奴にとって自分の存在はそういうものなのだろう。 部屋を出て人形が吹き飛んだ階段のほうへと向き直っている。 「……そうかい」 戦闘機械としての集中力が一瞬をスローモーションの意識へと変える。 ゆっくりと死の爆弾が迫ってくる。 だがラズロのダメージが何か変わるわけではない。 左膝からしたの吹き飛んだ部分が煙のようなものを発して再生を始めているが、間に合うはずもない。 右足も再生の途中。強く踏み込むことなど到底不可能。 脚は動けないと、ラズロは現状を認識。 「素早く謙虚に、か」 爆弾が迫る。 あと一秒もかからず爆発するだろう。 認めよう。 反省しよう。 そして――殺そう。 次瞬、床を何かが強く叩く音。 強く足で踏む込むような。 だがラズロの両脚でそれは無理なことだ。 足の代わりは――丸太のような二本の腕と、そして折れかけ、再生途中の右脚だった。 治りかけの右脚は踏み込みの負荷がかかって、メキリと嫌な音を立てた。 それは骨が折れる音だ。 だが構わない。 銃を口に加え、空いた腕で床を叩く。爪がひび割れるほどに強く掴む。 弾け飛んだ――まるで獣のように。弾丸のように。 ラズロは地を這いながら戦車とペンの間を潜り抜けて突貫した。 「――!!」 吉良の眼が驚愕に見開かれる。 ラズロの背中から二つの爆弾による爆圧がくる。 スローモーションの刹那。 またもや腕で床を叩き再加速。 部屋を飛び出し、廊下へ出て標的の眼前へと。 「しばッッ!」 それを吉良のそばにいた人形が拳を打ち下ろして迎撃に入る。 対するラズロは獣の姿勢だ。 頭を床にこすらんばかりに身を低く屈めて突進する。 見下ろす吉良の視点から見えるのはラズロの背中と頭だけ。その下に隠れて腕と脚は見えない。 ゆえにその動作に対して吉良の反応は遅れた。 吉良の目の前で逆立ちするように、二本の腕で今度は上に向かって己の身体を飛ばしたのだ。 吉良の視点では腕が隠れているがゆえに予備動作が見えない。 そして人間の目は縦の動きを捕らえにくい。 横方向と比べて視覚範囲が狭いことでもそれは明らかだ。 ゆえに吉良からはまるで目の前からラズロが消えたように認識される。
上空でラズロが上下逆さの体勢のまま、天井に折れた脚をつく微かな音。 それを知覚した吉良が上へと目を向けようとしたとき、すでに勝負は決していた。 「俺は……反省すると強いぜ」 ベルトに挟んでいた二挺の銃を引き抜き、構え、上から吉良の延髄部分を正確無比の射撃で撃ちぬいた。 電流が走ったように大きく震える吉良の身体。 延髄から背骨にかけての神経部分を撃ちぬき、破壊した。 それを確認してもラズロの攻撃は止まらない。 空中で身を翻して回転をつけた勢いのままハンマーのような拳が顔面にめり込み、そこから血を吹き出させて吉良は階段のそばにある壁に向かって吹き飛んだ。 ◇ ◇ ◇ なんだ……なにがおこった…… 痛みはない……だが感覚がないのはどういうことだ…… そうか……夢か…… 悪い夢だったな……長くて悪い夢だ…… 殺し合いに強制的に参加させられるなど…… 私が欲しいのは……平穏なのだ…… 無駄な勝利など要らない…… 平和な生活…… ほんのちょっとだけ人殺しをしなければいけないだけの普通の人間なのだ…… おや…… 目の前に手が…… なんだろう…… とても……とても美しい手だ…… ああ……夢だものな…… 悪い夢ではあったが……いい夢だって見れたということか…… ああ……だが参ったぞ……体の感覚がない…… でも……手で触れないが……ああ……むしゃぶりつきたくなるような美しい手だ…… 目の前に……ああ……目の前にある…… 美しい手……しゃぶりつきたくなるような…… 美しい……真っ白で……汚れない……やわらかそうな…… …………美しい…………手…………
◇ ◇ ◇ 「う……」 視界がぼんやりと光を示した。 今まで眠っていたのか。 だが見慣れない風景だ。 やや遠くに凶暴そうな男が立っていて……。 「……っそうだ、僕は……!」 何かに吹き飛ばされた。 そして壁に叩きつけられてここにいる。 だがまだ生きていて、そして動ける。 戦わなくては――そう思って、そこで何がが自分に覆いかぶさっているのを蒼星石は認識した。 ぴちゃ……ぬちゃ…… 右手。 怖気が走る感覚。 反射的に手を引っ込めようとするが、覆いかぶさっているモノによって動きが封じられている。 「な、何ッ……!?」 何かぬめった軟らかいものが右手の指の間を這い回っていた。 ぬちゃ……ぴちゃ…… 指の先から丹念に指の間までを執拗に這い回る、ぬめりを帯びた何か。 蒼星石の感覚が吐き気を催すほどの嫌悪一色に染まる。 「いやぁ……!」 そこで蒼星石は見た。 自分の右手を嘗め回していたのは舌だ。 覆いかぶさっていたのは人間だ。 その顔は殴られたのか、鼻がへし曲がって鼻血を大量に吹き出し、口元からも多量の出血。 それと透明な唾液が混ざりあった薄紅の粘液がぬめりの正体だった。 赤く染まった舌がさらに動く。 「ひ……!」 ぴちゃ……ぬちゃ…… 醜悪な舌が音を立てて右手を嘗め回す。 人間が何か言っているが聞き取れない。聞きたくもない。
「やだぁ……!!」 力を振り絞って人間の身体を押しのけようとする。 だが、そこで唐突に蒼星石の意識は断絶した。 その人間が吉良吉影だと気付くこともなく。 永遠に。 そしてここまで、戦闘開始から180秒。 ◇ ◇ ◇ 「ちっ」 ラズロは舌打ち一つ。 視線の先には人形と人間の残骸が一体ずつ。 それらは二度と動かぬ無残な姿を晒していた。 人間は上半身を丸ごと抉られ、人形は足の先だけしか残っていない。 エンジェルアーム弾頭による必殺の一撃で空間ごと抉り取った結果だ。 ここまでやれば絶対確実にしとめたはずだ。 その予想通り、敵は二度と動かない。 だが、脚のダメージは深刻だ。 とりあえず支給品は回収したが、下から聞こえる声は複数。 今の現状では相手にするのは得策ではない。 少なくとも脚のダメージが回復するまでの時間が欲しいところだ。 「さて……どうするかな」 下から聞こえる賑やかな声。 ラズロの決断は――。 【吉良吉影@ジョジョの奇妙な冒険 死亡】 【蒼星石@ローゼンメイデン 死亡】
【G−7駅・2階廊下/一日目 午前】 【リヴィオ・ザ・ダブルファング@トライガン・マキシマム】 [状態]健康。ラズロ状態。内臓にダメージ(治癒中)、右脚骨折(治癒中)、左足欠損(治癒中)、背中のロボットアーム故障 [装備]M94FAカスタム・ソードカトラス×2@BLACK LAGOON、.45口径弾×4、.45口径エンジェルアーム弾頭弾×20@トライガン・マキシマム [道具]支給品一式×5、、不明支給品0〜1、天候棒(クリマ・タクト)@ワンピース スチェッキン・フル・オートマチック・ピストル(残弾15発)@BLACK LAGOON、スチェッキンの予備弾創×1(20発)、 神威の車輪@Fate/Zero、ココ・ジャンボ@ジョジョの奇妙な冒険.45口径弾24発装填済みマガジン×4、45口径弾×24(未装填) [思考・状況] 0:ダメージはあるが……下の奴らはどうするか。 1:片っ端から皆殺し。 2:ヴァッシュとウルフウッドを見つけたら絶対殺す。あとクーガーとゾロも。 3:機を見て首輪をどうにかする。 4:ギラーミンも殺す。 【備考】 ※原作10巻第3話「急転」終了後からの参戦です。 ※ニューナンブM60(残弾4/5)、GPS、チックの鋏@バッカーノ! はAA弾頭の一撃で消滅しました 【G−7駅・1階事務室内/一日目 午前】 【佐山・御言@終わりのクロニクル】 [状態]:右腕に痺れ [装備]:なし [道具]:基本支給品一式、空気クレヨン@ドラえもん、不明支給品0〜1(確認済み) [思考・状況] 0:はははは、ほらやってみたまえ 1:G−7駅を捜索する 2:新庄くんと合流する。 3:協力者を募る。 4:本気を出す。 ※ポケベルにより黎明途中までの死亡者と殺害者を知りました。 ※小鳥遊が女装させられていた過去を知りました。 ※会場内に迷宮がある、という推測を立てています。 【小鳥遊宗太@WORKING!!】 [状態]:健康 [装備]:秘剣”電光丸”@ドラえもん [道具]:基本支給品一式、獏@終わりのクロニクル [思考・状況] 0:忘れろ、忘れろーーーーーー! 1:G−7駅を捜索する 2:佐山たちと行動する。 3:伊波まひるを一刻も早く確保する。 4:ゲームに乗るつもりはない。 ※ポケベルにより黎明途中までの死亡者と殺害者を知りました。 ※過去で新庄の顔を知りました。 ※獏の制限により、過去を見る時間は3分と長くなっています。
投下完了です。 ご意見ご感想ありましたらよろしくお願いします。
投下乙です うぁああああああ、蒼い子と愉快な変態達が…! 蒼い子は最初っから変態に囲まれて気苦労がたまり、最後はこうなるとはあんまりいいことなかったな 翠の子もきれいにしてもらえたのに、意味なくなったのか… つーか死に掛けなのに嘗め回すとか変態自重しろぉおおおw 原作では死に際に美しい手にほおずりしはじめたり、突然女性に「その…下品なんですが…フフ……ぼkk(ryしちゃいまいましてね…」なんて話したり…あれ?自然じゃね?w しかしリヴィオ、両足がない状態からあれだけの逆転劇をみせるとは、超人戦闘集団の面目躍如ですな ただ、疑問点がいくつか まず、左足欠損、かつ右足骨折で動けないのに、余裕を持って支給品回収できるか疑問です せめて歩けるくらい回復してからなら方々に散らばっているであろうデイバックを回収するのもわかるんですが… また、戦闘中爆発で粉砕された右足の治りが少し早いように感じました。 原作まんまなら一切問題ないのですが、回復速度に大幅に制限がかかっているようで ロワ内では肋骨粉砕骨折→二時間後もほとんど変わらず→その二時間後にやっと皹レベルまで回復 という(原作と比して)非常に遅い回復速度にも関わらず、原作並みの回復スピードをみせているのはおかしいな、と これも戦闘中の話ですが、駅の事務室二階、ということはそう廊下は広くないと思われるのに ガタイが悪いわけでもない大の男一人を更にでかい男が直線運動でその横をすり抜けられるのか疑問です そして、ボムボムの実でボム人間になっているのに 血液がドバドバ体内からこぼれ落ちてる時点で爆発しないのはおかしいです。 殴られて血が吹き出ている時、嘗め回して唾液が外に出ているときも同じく。 元の能力者は自分の能力をわかっているからこそ制御も出来たと推測されますが、 どうもこのロワ内では体から落ちたものは全て爆発しているように見受けられましたので
ジョジョ全滅キター
つーかさすがにここまでやられたらミカエルの眼の薬使わないと回復しないだろ あれ使えば切断寸前の足以外なら一瞬で直ると思うけど、使わない場合タフなだけで 再生能力はさほどでもない
投下乙です! す、蒼星石ぃいいいいいい! そして吉良ぁああああああ! ああ、まさかの対主催吉良はやっぱり見れなかったか… 最後の最後まで変態だったよw 蒼い子を中心にした楽しい変態達はここで解散か…ああ無常。 それにしても、なんという全力前開のバトル…! 血と硝煙の香り漂う戦闘、次にどちらかが倒れていてもおかしくない緊張感に満ちた展開に トライガン・ジョジョ両作で再生されて脳内がとんでもないことにw GJです! ただ、同じくボムボムの実の部分に違和感を抱きました。
投下乙! そ、蒼星石いいいいいいいいいいいい!! 最後の最後まで吉良に舐め回されていたなんて……か、可愛そすぎるorz 吉良とラズロのバトルも凄かったなぁ。 ミカエルの眼の意地を見せたかのようなラズロの恐ろしい執念の結果なのか……! そしてペンを爆弾に変えてたという戦法に地味におお、と思った。 こんな道具でも武器に変えられるキラークイーンの汎用性の高さが伺えたぜ。 ボムボムの実の方はちょいと良くわからないので他の方にお任せします。
>>395 いやいや、ニコ兄ならとにかくリヴィオは
「殺すつもりで頭蓋を砕きにいかないと、他の重症は死ぬ前に回復してしまう」(9巻参照)のですよ
ミカエルの眼すげぇw
早朝……肋骨を粉砕骨折、内臓にダメージ大(治癒中) 朝……肋骨を粉砕骨折、内臓にダメージ中(治癒中) 午前……肋骨に皹、内臓にダメージ中(治癒中) 確かにこれまでのロワ内での修復ペースと比較すると、 「砕かれ」た右足が3分以内、実際にはもっと短い間に再び「折れる」ほどになるのは早過ぎる感があるかな
投下乙です! 吉良と蒼の子ぉぉぉぉぉぉ!! ううむ、なんとも無情な最後、特に蒼の子。 ラズロはやはり強いなあ。 スタンドVS強化人間の対決はなんとも凄かった。 場所による違和感は確かにありますが…。 ボムボムの実もなぁ…せっかくのフラグですし、我侭な要望ですが活用できないものか、と思ってしまいます。 ラズロは結構なダメージを負ったけど、果たしてどうするか。 後ここまで特に心配されてない佐山と小鳥遊涙目w いやたしかにラズロ重傷だけど、危険なのにw 二人の死を知り、どうなるのか…特に小鳥遊
お待たせしました。 レッド、ハクオロ、御坂美琴、衛宮切嗣、投下開始します。
「離してってば!」 「いいから待て! お前はあの男の言葉を聞いていなかったのか!」 市街の中で2人の男が口論を続けていた。 1人はポケモントレーナーであり、図鑑所有者である少年レッド。そのレッドの腕を掴んでいるもう1人は、トゥスクルという国の白面皇、ハクオロである。 その2人が争っている場所の近く、そこには服を鮮血に染め、倒れている少女園崎魅音がいた。その目は閉じられ、腕は胸で組まされている。 2人の手によるものだ。その2人がなぜ口論になっているのか。 レッドは襲撃者、クロコダイルをイスカンダルことライダーに任せ、ハクオロ、魅音とともにここまで逃げてきた。 けれど、魅音の傷は深く、助ける事はできなかった。 (せっかくレナの仲間を見つけたっていうのに……レナ、ごめん) ハクオロは魅音の遺体の前で顔を伏せ、レッドは既に聞いていた情報から彼女が仲間から聞いた園崎魅音(ポニーテールが魅音で長髪が詩音の双子だと 聞いていたので魅音だと判断した)だとわかり、その魅音を守れなかったことに唇を噛み締めた。 2人とも暗い顔のまま、せめてと思い目を閉じさせ、胸を組ませながらライダーが来るのを待った。 そんな時、爆音が聞こえた。 方向はついさっき自分達が走ってきた方向。つまり、今ライダーとクロコダイルが戦っているであろう場所だ。 何かが爆発した。レッドはそう判断した。そして、ライダーの荷物には爆弾なんてなかったはずだ。 つまり、爆弾を使ったのはクロコダイル。あるいは乱入者といったところだ。 そこから浮かぶ可能性は、ライダーに向けて爆弾は使われた。まさか、ライダーは。 「っ!!」 レッドはいてもたってもいられず、デイパックを持って立ち上がり、そこをハクオロに腕をつかまれた。 そして今に至る。 「さっきの言葉?」 「そうだ、さっきあの男が小声で言った言葉だ!」 『30分で戻る。これ以上は語らん』 レッドたちが走り去る直前、ライダーはそうレッドに囁いた。そばにいたハクオロはそれを聞き逃さなかったらしい。そして、その言葉の意味を。 「園崎から30分、というのがどの程度の時間かは聞いている。もうその時間は過ぎた。 あれはその時間内には必ず戻る。もし戻らなかったならば、自分に何かあったということ。その時はここから去れと、そういう意味ではないのか!」 「……多分、そうだと思う」 ハクオロは目を開き、レッドを見つめた。 レッドの様子を見る限り、どうやらライダーの言葉の真意は伝わっていたらしい。 「俺たち、次の放送までに劇場に行かなくちゃいけないんだ。仲間が待ってる。 おじさんは俺を試してるらしいから、あんなはぐらかした言い方で試したんだと思う。自分が戻らなかったら劇場へ行け、ってことなんだと思う」 「わかっているなら」 レッドがおとなしくなり、意味も悟っていた事に安堵したのか、ハクオロはつい手を緩めてしまった。 だが 「でも!」 「!」 そこでレッドが思い切り手を振り、ハクオロの手を跳ね除けると、走ってすぐに距離を広げてしまった。 「でも、やっぱ俺、おじさんの部下は失格なんだと思う。イエローにもらった命は大事にする。俺は死ぬわけには行かない。だけど
これが、俺なんだ! 大丈夫、危なかったらすぐに逃げて戻ってくるから!」 「っ!」 それだけ叫ぶと、レッドは爆音のほうへと走っていった。 その足に、迷いは見えない。 「『これが俺』か……どこまでも、自分を貫くと言うのだな……」 ハクオロは走っていくレッドの背中を見続けていた。レッドの言葉に、何か心が揺さぶられた気がした。 またも目の前で死人を出してしまい、後悔に凍りつきかけた心が。 彼は横たえてある魅音を見つめた。 彼女なら、こんな時どうするだろうか。 『何やってんのさ! おじさんの事はいいから、早くあの子を追いなよ!』 「……そうだな。私は、トウカもお前も守れなかった。 王の資格は、ないのかもしれない。だが」 ハクオロは自身のデイパックを担ぎ上げ、レッドが走って言った方を又見つめる。 走っていった、迷いの無いけれど、小さい背中を思い出す。 「たった1人の少年を、危険なところにただいかせるなど……人としても、許されることではないからな」 彼は魅音の遺体を道端においていく事を魅音に謝りながら、必ず戻ると決め、レッドを緒って走り出した。 『王として』ではなく、『ハクオロとして』。 ***** 「な、なんだよこれ……」 さっきの場所に戻ってきたレッドは、そこに広がる光景に言葉が出なかった。 辺りには砂が大量に残っており、地面や端には大きな切り傷のようなものがいくつもある。 そして、少し前まで確かに異常も損傷もなかったはずの橋……そこは、見るも無残に破損したり皹が入ったりしていて、 渡るにはかなり勇気がいりそうなほどの状態になっていた。 一体どんな戦闘をすればこんなことになるのだろうか。 その足元にあったデイパックを見てみると、中にあったのはライダーの荷物だった。荷物しかないという状況が、レッドを追い詰める。 レッドは余計にライダーの事が心配になった。強いと言う事は分かってる。それでも、彼は心配になって叫んだ。それが、彼の性分だった。 「おじさーーーん!!」 万が一、誰かが来てしまった時のため、支給品の中にあった白銀の杖を振りかざしている。 銃などには勝てないかもしれないが、それでも武器があるだけマシだった。 説明書によれば、変わった攻撃ができるらしいが……。 ちなみに、チョッパーからもらった大きな銃はいくらなんでも威力が高すぎて誤射が怖かったのでデイパックに入れてある。 「おじさーーん! どこにいるんだーー!?」
いくら呼んでも返事はない。 どこかに移動して今も戦っているのだろうか。 それとも、既に戦いは終わって、気絶しているのか。 それとも……。 「っ!そんなわけあるもんか!」 最悪の状況を頭を振って振り払い、レッドはライダーを捜し続けた。 その時だった。 「衛宮さん!衛宮さん!」 甲高い女性の声だった。 名前に聞き覚えはなかったが、ライダーを見かけたかもしれない。なにより、その悲痛な叫びをレッドは放っておけなかった。 音が聞こえた方、土手を下った橋からいくらか離れた辺りをレッドは見た。 そこにいたのは、自分よりはいくらか年上そうな少女、そして彼女の傍らに倒れている男だった。どちらもさっき来たときにはいなかった2人だ。 そして、男の背中には鉄の棒が突き刺さり、そこから血が流れていた。 「!? だ、大丈夫か!?」 血が流れているのを見て、レッドは慌てて声を荒上げた。 ライダーの行方も気になるが、目の前で明らかに深い傷を負っている男と少女を見捨てることはレッドにはできなかった。 声に気づいたのか、駆けてくるレッドに少女が目を向けた。その目は、一瞬驚きに満ちたかと思うと、 「え?」 ばち、ばち、という不吉な音と共に 「来ないで!!」 敵意のある視線へと変わり、どこか見覚えのある輝きが視界を覆った。 それは、電撃の輝きだった。 ***** 「い、いきなり何するんだ!」 美琴が放った電撃を素早く後ろに飛んでかわしたレッドが怒りを露にして叫んだ。 対する美琴は、傷を負った切嗣を背後に、レッドを睨みつける。 普段の彼女なら、ここまで攻撃的態度は行わなかっただろう。 だが、今の彼女はクロコダイルとの戦闘、そしてその後の切嗣の負傷への動揺で、他者への警戒が倍増していた。 故に、レッドにも過剰に警戒してしまう。 「うるさい! 近づくなら、そのデイパックとか全部そこに置いてからよ!」 「そんなことしてる場合かよ! その人を助けないと!」 「だから、その為にあんたが危険じゃないって証明しろっつってんのよ!!」
支援
美琴がヒステリックに叫ぶが、レッドはなおデイパックを捨てなかった。 彼もまた、美琴を警戒する気持ちは同じだったからだ。 「俺はここにライダーのおじさんを捜しに来ただけだ! あんたたちを殺す気なんてない!」 「……ライダーですって?」 その言葉に美琴が眉を細めた。 レッドがその美琴の様子に気付き、はっとした表情をした。 「おじさんを知ってるのか!? なら教えてくれ、おじさんはどこ――」 レッドが全てを言い終える前に、何かが美琴によって投げつけられた。 元の世界でピカと一緒にいたりしたからか、見慣れた電撃が飛んでくるかと思ったレッドはそれに対応できず、それの直撃をもろにくらった。 「うあっ!!」 それ――美琴の足元にあったデイパック――に視界を阻まれたレッドの腹に、一気に近づいた美琴の蹴りが叩き込まれ、 吹き飛ばされたレッドの体が地面に叩きつけられた。 一緒に吹き飛ばされたデイパックが共に叩きつけられ、中身がレッドの周りにばら撒かれる。 「ごふっ、げふっ!」 「あっさりとボロ出したわねあんた……衛宮さんが敵って言ってたライダーの仲間ってことは、あんたも信用できないってことじゃない!」 「なっ……そんなっ!」 腹を押さえながらなんとか立ち上がるレッドに、美琴が指を向けながら敵意を露にする。 レッドも、自らの仲間を敵呼ばわりされた事に黙ってはいられなかった。 「おじさんが敵ってどういうことだよ!」 「衛宮さんはライダーは絶対倒さなければいけない相手だって言ってたのよ。それに、私達が南に行くのにあの2人の戦闘は邪魔だった。だから」 「なっ、なんだよ。おじさんに何したんだ!」 慌てるレッドに、美琴は相手の化けの皮が剥がれるのを見る思いで、勝ち誇ったように言ってやった。 「私の電撃、鉤爪の奴もろとも喰らわしてやったわよ。その後すぐに逃げられたけどね」 「!! お、お前!」 仲間を攻撃された事に怒ったレッドが、蹴られても手放さなかった金属の杖、『蓮の杖(ロータスワンド)』を振りかざした。 その頭からは切嗣の事はもう抜け落ちている。 対する美琴は、ついに本性を表したか、と笑みを浮かべて髪から電撃を放つ準備をする。相手の金属の杖は電撃を遣う美琴にとってはかえってこちらに有利な要素だ。 互いに誤解を抱いたまま、二人が互いの攻撃を行おうとする。 レッドは説明書を片手に蓮の杖を展開しようとし、美琴は電撃を杖に当てようと電撃を準備する。
「二人ともやめろ!!」 と、にらみ合う2人を突然の声が静止した。 美琴とレッドが共に横の方向を見る。 そこにいたのは、白面の男。その奇妙な風貌に美琴の警戒心は更に強まる。 だが、それと共にその男の眼力に軽く怯む。 嫌が応にも、その男の前では沈黙しなければならない、そんな奇妙な強制感があった。 「お前達は何をしている! 傷を負っている者の前で戦いを続けるなど! そこの娘は挙動からしてその男を守っているのは明らかだ。確かに、その戦いの相手が敵意ある殺戮者ならば戦いにも納得はできよう。 だがその少年はついさっき私達を助けてくれ、ここには同行者を捜しに来ただけだ! 本当にその戦いに意味はあるのか!?」 「っ! でも! その同行者ってのは敵で!」 ハクオロの説得に美琴がうろたえながらも反論する。 心のどこかでそれを受け入れる自分に戸惑っていた。自分でも、少年は実は、という考えがあったからだ。 「だからこそ今は双方落ち着けと言っている! お前達の間には何か大きな溝がある。冷静に情報を交換し、その溝を見極めるべきだ。 少年は私達を助けてくれた。対して娘の方は巻き込んだとはいえ、私達を襲った男を攻撃した。遠く見れば、君らもまたあの男に襲われた私達を助けてくれたことになる。 本来なら争う必要などないだろう。なのに、なぜ今争っている! どこかで何か食い違いが生じているというのはどちらもわかっているのではないか! ならば今は手を止め、その男を助けてその男も共に情報を交換するのが懸命ではないか」 ハクオロの熱弁に、レッドも美琴もすっかり勢いが冷めたようだった。 レッドは自分が熱くなりすぎた事を反省したようで、顔を俯かせていた。 だが、美琴はまだ納得できていないようだった。 「でもまだあんた達は信用できない! 一緒になっていきなり2人がかりで殺されたんじゃ冗談じゃないわ!」 「ならば、これでどうだ」 そう言うと、ハクオロは自らのデイパックを河原に放り投げ、地面に落ちた。 その仕草に美琴が驚愕を露にする。 「レッドが何か不可解な行動を取れば、すぐに私を人質にするがいい。お前の雷の如き攻撃なら、私の命など一瞬で奪えるだろう。 これでも駄目ならば……私達は去る。これが最大の譲歩だ。その男は、お前1人で助けるといい」 「っ!!」 その言葉に、美琴は歯噛みする。 いくらレベル5の≪超電磁砲≫といえど、結局は一介の中学生だ。男1人の脱力した体を運ぶのは大仕事になる。 かといえ、こんな開けた場所で応急処置を行うのもかなり危険だ。どうしても人手が必要になる。 「私達は本当にその男を助けたいだけだ。もちろん、ライダーという男の行方やその他の情報を聞きたいのもある。だがその真意を悟って欲しい」 「……」 美琴はそのハクオロのまっすぐな目から、つい目を逸らしてしまった。 なぜか、それを真正面から見つめると何かに苛まれる。 心が苦しい。何かに締め付けられるようだった。 (でも、信用しても、いいのかしら) 切嗣を助ける為だ。いざと言う時は遠慮なく電撃を見舞えばいい。 レッドも、自分が大丈夫だと示す為か、デイパックを手放すのが見えた。 美琴はその二人の態度に、本当に危害を加えるつもりはなさそうだ、と思った。 美琴の心が、少し警戒を解き
逸らしたその視界に飛び込んできたものに、凍りついた。 「あ……あ……」 「?」 「ど、どうしたんだ?」 突然視線を凍りつかせた美琴の様子にレッドとハクオロも気がつき、美琴の視線の先を見た。 そこには 「っ……!!」 「さっきの、男!」 そこにあったのは、ハクオロと園崎魅音を遅い、魅音の命を奪った砂使いの男、サー・クロコダイルの死体だった。 その恐ろしいまでに歪んだ形相(デスマスク)。その上方に空いた穴、脳すらぐちゃぐちゃに粉砕しているのではないかというそれ。 ハクオロには槍か何かという想像しかできなかったが、美琴にはそれが銃によるものだとわかった。それがあの時の切嗣の銃撃によるものだと。 だが、美琴の視線が釘付けになったのはそこではない。 クロコダイルの首元の惨状だった。血に塗れ、首の肉はぐちゃぐちゃになり、まるでミンチのようになっていた。そしてなにより、落下の衝撃ゆえか クロコダイルの首は、胴体と完全に分かれていた。 首輪爆発でボロボロに成った首の筋肉と骨は、落下の衝撃に耐えられなかったようだ。 「う、うえっ!」 元の世界の状態ゆえ、死体には慣れていたハクオロですら顔をしかめた現状で、ここに来て2人の死体を見たといえ、人の死体に慣れていないレッドには耐え切れず、 胃の中の物を吐き出してしまっていた。それほどまでに、クロコダイルの死体の損傷具合は酷いものだった。 では、この首の損傷はなぜ起こったのか。 ハクオロと美琴にはすぐ想像がついた。自分達の首元にもある、爆弾。最初の説明で首輪を破壊された者も、思えば同じような損傷具合だった。 では、なぜ禁止エリアでもないのに首輪が爆発したのだろうか。 ハクオロにはそこの及びはつかない。ただ、襲撃者であるクロコダイルが自ら無理に外そうとした、とは考えにくいというところまでのみ。 だが、美琴は違った。 心当たりがあった。想像だが、機械で制御されているであろう首輪を爆発させた要因。 「あ……ああああああああああああああ!」 クロコダイルの無事な首輪を最後に確認したのは、あの時だ。 自らが天空に向けて雷撃を放つため、相手を視界に捉えたあの時。つまり、クロコダイルの首輪が爆発したのはあの直後。 ここまで来れば、もう結論は一つしかない。 切嗣の銃撃は首輪ではなく額を捉えた以上。
「あ、あ、あ、ああああああああああああああああ!!」 クロコダイルの首輪を爆発させたのは、美琴の電撃だと。 そして、首を爆発されて、生きていられる人間などいない。 つまり、致命傷を与えたのは、美琴だと。 「私、私……私!!」 「お、おい、どうした! どうしたのだ!」 突然錯乱を始めた美琴、その周りに発し始めたばちばち、という音と光。 電撃など、雷という自然災害でしか知らないハクオロには何が起こっているかわからなかった。雷雲などない空で、こんなことが起こる要因を知らない。 ただ、目の前の少女が原因だと言う事はなんとなくわかった。 レッドはまだひざまづいて伏せっている。美琴の様子には気がついていないらしい。 「私、私……人を、人を!!」 御坂美琴は人を殺すのを嫌う。 圧倒的能力を持つからこそ、持つがゆえに。 人間相手に≪超電磁砲≫を使う事はほとんどない。それが事件を解決する一番の近道でも。 彼女は決して人を殺そうとしない。 クロコダイルへの電撃も、相手の動きをしばらく止めるくらいの電撃だったはずだ。その計算の中に、首輪への配慮という要因が抜け落ちただけで。 だが、それは砕かれた。 切嗣の銃弾が先に当たった、という事も考えたかった。 だが、銃の弾丸と雷撃、果たしてどちらが早いだろうか。 上に向けて放つという条件下、重力の影響を受けやすいのはどちらだろう。 なにより、砂嵐に塗れて切嗣に庇われたそのわずかな視界で見えなかっただろうか。 クロコダイルの額が貫かれる光景を。 ただし、その首は鮮血に満ちている状態で。 御坂美琴は、人間を殺した。 「いやぁ……いやぁあああ!!」 美琴は決して心の弱い人間ではない。 覚悟も、充分できるはずだった。 だが、あまりに彼女の精神状態がよくなかった。 もしも妹達を助ける為、自らを犠牲にする覚悟を決め、それを上条当麻に阻まれ、彼に雷撃を当てて殺してしまったと思い込んだ時でなかったら。 もしも2人の知っている人物が死んだ事を知った直後でなかったら。 もしも自分を庇った者が傷を負った直後でなかったら。
美琴はもう少し冷静でいられたはずだった。 「ああ、あああああ!!」 錯乱する美琴をどんどん現実が苛む。 衛宮切嗣はなぜ傷を負った? 自分が早く逃げていれば、クロコダイルを倒そうと拘らなければ彼と自分は攻撃から逃げる事もできた。 ではなぜ自分はクロコダイルを倒そうと躍起になった? 目の前の障害を全て排除したかった。そんな脅迫観念が起こっていた。 なぜ? 自分はそんな性格だっただろうか。そんなことはないはずだ。 妹達を助けたかったから? でも、一方通行はもう死んだ。なら、実験はもう潰れたも同じではないのか。 では、なぜだ? 自分が生き残りたいからだ。 「私は、私はーーーーーー!!」 思いたくなかった。 御坂美琴はそんな人間ではないと。 人間は無意識に自身を肯定する。それを自信と言う。 『自分だけの真実(パーソナルリアリティ)』を能力の根幹に持つ能力者ならば、それは当然のことでもあった。 だが、彼女は見つけてしまった。 『自分の知らない御坂美琴』を。 自分が生き残るため、遠慮なく目の前の敵に全て雷撃を見舞い、結局命を奪い、仲間を傷つけた御坂美琴を。 それは、拒絶したい自分だった。 「おい、落ち着け! くっ……まさか」 ハクオロの声に、美琴はぎょっと目を向けた。 その白面の向こうの目。 それは、全てを見透かしているような。 死体を見て動揺した自分に、彼は全てを察してしまったのか。 (やめて) 「あの男は」 (やめて……!) ハクオロとしては、無意識の一言だった。 決して彼女を糾弾したかったわけではない。 事実だとしても、男は優勝しようとしていた様子だったのだから、正当防衛とみなす事もできる。 その上で、ハクオロは彼女を何とか落ち着かせようと思っていた。 けれど、完全に精神を不安定にした美琴にとってそれは死刑宣告に等しかった。
「きみが、殺したのか……?」 「ぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああ!!!」 それは、本能の一撃だった。 自分を陥れる存在を、排除したいという原初の一撃。 その瞬間、美琴の頭は真っ白になった。 やめて……私をそんな目で見ないで……私は……わたしは…… 次に美琴の視界に写った光景は、人が倒れる光景だった。 その腕に、雷撃を喰らったその人影は、ゆっくりと倒れていく。 その人影を、その後ろの人物が受け止めた。 その人物は、白い仮面を付けていた。 倒れた少年は、赤い服を纏っていた。 「レッドーーーーーーー!!」 ***** 「レッド、レッド!」 ハクオロは目を閉じ、動かない少年を揺さぶり続けた。 少し焦げ臭い匂いは、少年の体が雷で焼かれたせいだろうか。 「私は……私はまた、守れなかったのか……いや、むしろ、またも守られただけではないか!!」 ハクオロは自分の情けなさを恥じ、そして顔を上げた。 そこにはもう美琴はいない。 そして、その視線の先にあるのは、橋だ。 その橋は、見るも無残に崩壊していた。 レッドが倒れた直後、美琴は呆然とした後、再び錯乱し叫びながら土手を駆け上がっていった。 ハクオロが止める声も無視し、ボロボロの橋を一心不乱に渡りきった美琴は、さらにとんでもない行動に出た。 突然構えを取り、手に持った袋から何かを取り出したかと思うと、指から何かを放ち、それを橋に命中させたのだ。 ハクオロには何が何だか分からなかったが、その一撃がとてつもない光と速さを持っていたこと、そしてそれが橋にとどめをさしたのだけは分かった。 轟音と共に橋を瞬く間に皹が覆ったかと思うと、激しい音を響かせて橋が瓦礫と化し、落ちた瓦礫が川へと飛沫を上げながら落ちていく。なんとも恐ろしい光景だった。 幸い、ハクオロたちは橋から離れていたため、崩落の瓦礫に巻き込まれることはなかった。 だが、その崩落の砂塵が晴れた後には、もう美琴の姿は見えなかった。
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「私は……やはり、もう王足り得ないのか」 惨め過ぎた。 今まで自分は何をやってきたのか。 臣下トウカはミュウツーから自分を守って果てた。 同行者魅音はクロコダイルから逃げずに斃れた。 そして、今度こそ守ると決めた少年レッドは、美琴の電撃によって死を迎えた。 「誰も守れずして……何が、王か!」 ハクオロの慟哭が響く。 ただ、情けなかった。 自分自身が。 「あのー……おじさん……勝手に殺さないでほしいんだけど……」 「っ!?」 突然の声にハクオロは視線を手元に戻した。 そこには、苦しそうにしつつも目を細く開けたレッドがいた。 「お、お前、無事だったのか!」 「うん……これのお陰で」 レッドが震える手を持ち上げた。 そこには、黒色の手を覆う布があった。ここに来る前にはつけていなかったはずのものだ。 その布から煙が上がっている。さっきの焦げ臭い匂いはこっちだったらしい。 「おれもあの散らばった荷物の中にコレが混じってた時はびっくりした。たしか、サカキは『絶縁グローブ』って言ってたっけ。 これ、電気を防ぐ効果があるんだ。ああ、要するにさっきみたいな雷みたいな攻撃の事」 「……つまり、防げるとわかっていて私の前に出たというのか」 「うん。あの子が使うのがでんきタイプの攻撃だってわかったから。それを拾い上げて、視線がそれた間に付けたんだ。 だからさ、おじさんが謝ることないよ、俺が勝手に出ただけなんだ――」 「馬鹿者!!」 ハクオロの叫び声に、レッドがびくっと体を震わせた。 「何が防げただ! 防げたなら、なぜお前の体はこんなに震えている! なぜ苦しそうに汗を浮かべる! その程度の嘘、見抜けぬと思ったか!」 「う……」 「確かに、雷を受けて無事なのだ。防ぐ効用は認めよう。だが、それには限度があるのだろ。限界を超えた攻撃は、お前自身にも及ぶ! そうだろう!」 「……10万ボルトくらいは大丈夫な、はずだったんだけどな……」 絶縁グローブの効果は絶大で、“10まんボルト”の為に電撃を蓄えたピカのモンスターボールを手に持っていても平気だったくらいだ。 だが、御坂美琴の放つ雷撃は強ければ10億ボルトにも匹敵する。さすがの美琴も咄嗟にそこまでの電気量は出していなかっただろうが、それでも桁が違う。 絶縁グローブで防ぎきれなかった電撃は、確実にレッドに襲い掛かっていた。 共にいたピカのイタズラの“でんきショック”、ロケット団幹部マチスとの2度の戦いで味わった多数の電撃。 電撃に対していくらか耐性(できれば備わりたくない耐性だが)があるレッドでも、レベル5の電撃使いの電撃はかなり堪えた。
支援ー
「大分、体が痺れてるや……」 「ならば、なぜ私の前に立ちはだかった! お前は言ったではないか。『危なければすぐ逃げる』と! それがなぜ!」 声を荒あげるハクオロに、レッドは震える唇で言った。 「だって……放って、おけないじゃんか……それだけだよ」 「っ!! お前と、言う奴は!」 ハクオロにはレッドが愚かしく、そして同時にあまりに羨ましく思えた。 彼もまた、全てを守ろうとしている。自分の命も、他人の命も。 現に彼は果たした。ハクオロを守ることを。 自分に、できなかったことを。 「俺はいいから……早く、あの人を治療してあげて。このままじゃ、あの人の方が危ないから」 「……お前も放っていけるわけがあるまい」 ハクオロはレッドを降ろすと、散らばった荷物の中から何か役立つものがないかと探した。 「あ、それ……多分薬だと思う……傷口とかに、塗って……」 「ふむ……確かに、エルルゥの使っていたものと匂いが似ている……ような気がする」 どうにも不安になりそうな手つきで、レッドの指示でレッドの荷物から包帯(本当は同盟の証に使うつもりで入れておいたのだが、この際仕方ないと決めたらしい)を取り出した。 「この分じゃ……劇場には、間に合わないかなぁ……」 「その体ではな。処置を終えたら、2人とも民家に連れて行くぞ。ここでは開けていて危ない」 「うん……ねえ、おじさん」 「なんだ」 男の傷口の鉄筋を抜こうとしているハクオロに向かって、まだ体を動かせないレッドは言った。 「俺……治ったら、あの子を追いたい」 「なっ……!?」 ハクオロの手が思わず止まった。 あの子、とは紛れも泣く雷を浴びせた美琴のことだろう。 「だが、彼女は」 「わかってる……でも、でもさ。放っておけないよ。彼女、もしかしたら劇場方向に行ったかもしれないし、それならレナたちとの合流のわき道になるわけじゃない。それに」 「それに?」 そう聞き返したハクオロだったが、レッドが彼女を助けたい理由はなんとなくわかっていた。 なぜなら、彼もまた、少しだけ彼女を助けてやりたい、と思っていたからだった。 「あの子……泣いてたんだ」
支援
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【B-4 橋の河原(北岸)/一日目 午前】 【レッド@ポケットモンスターSPECIAL】 【状態】:疲労大 背中に擦り傷、左肩から出血(両方とも簡易治療済み) 腕に○印 体に痺れ 【装備】:包帯、蓮の杖@とある魔術の禁書目録、絶縁グローブ(軽く焦げ)@ポケットモンスターSPECIAL 【所持品】:基本支給品一式、不明支給品0〜1個(確認済み。モンスターボール・スコップなどの類はなし)、二重牙@トライガン・マキシマム 【思考・行動】 1:殺し合いを止める。必ず生き残る。 2:痺れが治ったら、なんとか川を越えて美琴を追う。 3:女の子(魅音)を救えなかったことを後悔。 4:ライダーと慎重に仲間を捜し、『ノルマ』を達成する。 5:ある程度はライダーを信用していますが…。 6:次の放送までに劇場へ向かいたい。でも無理かもしれない。 7:赤い髪の『クレア』に会ったら、フィーロの名前を出す。 8:絶対に無常からフシギダネと取り戻す。 【備考】 ※参戦時期はポケモンリーグ優勝後、シバの挑戦を受ける前です(原作三巻) ※野生のポケモンが出てこないことに疑問を持ってます。 ※フシギダネが何故進化前か気になっています ※ライダーと情報交換を行いました。 ※『クレア』をフィーロの彼女だと勘違いしています。 ※後回しにしていますが図書館にあったパソコンに興味 【ハクオロ@うたわれるもの】 【装備】:なし 【所持品】:大型レンチ@BACCANO!、ミュウツー細胞の注射器@ポケットモンスターSPECIAL、 基本支給品一式×2<ハクオロ、魅音>、クチバの伝説の進化の石(炎、雷、氷)@ポケットモンスターSPECIAL、 空気ピストル@ドラえもん メリルのハイスタンダード・デリンジャー(2/2)@トライガン・マキシマム 、排撃貝@ONE PIECE、 デリンジャーの残弾20 【状態】:健康 体に僅かに痛み 深い哀しみ 【思考・行動】 1:ギラーミンを倒す。 2:私は、王の資格がない…。 3:切嗣を応急処置した後、レッドと共に民家で休ませる。 3:仲間(魅音の仲間含む)を探し、殺し合いを止める。全てを護り抜きたい。だが…。 4:美琴を助けたい。 5:ミュウツーに対して怒りの念。 6:アルルゥを失ったら……失った家族を取り戻す為に……? 【備考】 ※クロコダイルの名前は知りません。 ※クロコダイルの能力を少し理解しました。
【衛宮切嗣@Fate/Zero】 [状態]:全身にダメージ(大)、疲労(大)、背中に深い傷、出血中、意識不明、令呪残り二画 [装備]:コンテンダー・カスタム@Fate/Zero 、防災用ヘルメット [道具]:コンテンダーの弾薬箱(スプリングフィールド弾27/30) 、基本支給品一式 ロープ×2、消火器、防火服、カッターナイフ、鉄パイプ爆弾×2、黒色火薬入りの袋、ライター [思考・状況] 基本:なんとしてでも元の世界に帰る 1:ループを作り出しているだろう基点を探す。 2:情報を得るため中心街を目指す。 3:美琴には慎重に接する。 4:圭一が心配だが後回し。 5:ライダー、特にアーチャーには絶対出会いたくない。 【備考】 ※ 会場がループしていると確信。 ※ クロコダイルの名前は知りません。 ※ スナスナの実の大まかな能力を知りました。 ※ 美琴に自分たちが並行世界の人間であること、自分が魔術師であることを話していません。 ※ 暗示の魔術の制限によく気づいていません。 ※B-4の橋が美琴の超電磁砲によって完全に崩落しました。渡る事はまず不可能です。 ※B-4河原(北岸)に、美琴のデイパックと荷物(基本支給品一式<美琴>、起源弾@Fate/Zero(残り28発)、 不明支給品0〜1、鉄パイプ爆弾×2、双眼鏡、医薬品多数(数種類使用中)、ライター)が散らばっています。 ※B-4木陰に園崎魅音の死体が腕を組まされて横たわっています ※B-4橋崩落現場付近に、クロコダイルの首と胴に別れた死体があります。
***** 御坂美琴は歩いていた。 その足はふらついていて、まるで幽鬼のように見えた。 手元には唯一の武器、コイン入りの袋を握り締めて。 目の焦点は合っておらず、どこを見ているか分からない。気力の失せたような、そんな顔だった。 そして、市街をさ迷う彼女の周りを、ばちばち、ばちばち、と電撃がスパークしている。 あまりの精神の混乱に、能力が暴走していた。 ――なんでこうなってしまったんだろう―― あの鉄橋の上でも同じ疑問を抱いた。 なぜ一万人のクローンたちが殺されることになってしまったのか。自分がDNAマップを提供したのが悪かったのか、と。 今もそうだ。 なぜ2人もの命を奪うことになってしまったのだろう。いや、重傷の切嗣を見捨てて逃げてきてしまったのだから、もしかしたら3人かもしれない。 怖かった。ただただ怖かった。自分のなすことすること、全てが裏目になるのが怖かった。 自分の殺人から逃れたかったのに、また1人殺すことになってしまった。 何かするたびに悪化していく。まるで底なし沼に落ちてもがいている様だった。 ――なんでこうなってしまったんだろう―― 怖かった。どんどん人を殺していく、『御坂美琴』が怖かった。 そんな自分が誰かの目に晒されるのが怖かった。自分の罪がありのまま見られているようで怖かった。 だから逃げ出した。白色の仮面の男の声も無視して、切嗣によく似た声が、尚更苦しくて。その切嗣にも見られたくなくて、置き去りにした。 ――なんでこうなってしまったんだろう―― 橋を渡りきって、さらに恐怖が押し寄せてきた。 あの男が自分を追ってくるかもしれない。切嗣が自分を追ってくるかもしれない。 嫌だった。こんな『御坂美琴』を誰にも見て欲しくなかった。もう、誰かを傷つけたくなかった。 だから、橋を破壊した。その≪超電磁砲(レールガン)≫で。 ――なんでこうなってしまったんだろう―― 彼女は問いかけ続ける。 なぜこうなってしまったのか、と。
彼女にはわからない。 なぜなら、それを知るには彼女自身を客観視するしかないのだから。 御坂美琴は本来ならば弱い少女ではない。 勝気で乱暴なところはあるが、思慮深く、誇り高く、優しい少女だ。 だが、ここでの彼女はそんな面が薄かった。 邪魔者の排除、戦闘を切嗣よりも率先して進め、首輪の遊爆を察することができなかったとはいえ、遠慮ない電撃をクロコダイルやライダーに浴びせた。 少年であるレッドに異常な警戒をし、クロコダイルを殺害してしまったことに大きく動揺した。 果てに暴走し、レッドへと雷撃を当ててしまった。 いつからだろう。 ギラーミンの説明を受けた時? この会場でカズマと戦った時? 切嗣とクロコダイルの姿を見かけた時? 答えは全て否。彼女の何かが歪み始めたのは、放送の時からだ。 自分より強者であるはずの一方通行が死んだから? 確かに危機感は抱いたが、それも違う。 一方通行が死んだから、なおさら妹達を助けるため死ぬわけにはいかないと思った? それはあるだろうが、彼女を大きく歪ませたわけではない。 答えは決まっている。 上条当麻の死だ。 彼女自身はショックを受けた程度のつもりだった。 いつも自分の能力を無効化する、それでいてそれを謙遜するむかつく奴の死、それだけのつもりだった。 だが、彼女の心には大きな欠落感が生じた。 ぽっかりと穴が開いてしまったような。 それを彼女は自覚できなかった。自覚しても、それを不安と脅迫感と受け止めてしまった。 もう少し未来の、例えばボロボロの当麻に会った後の、自らの気持ちを認識した彼女なら、まだ自覚できただろう。 だが、このときの彼女の想いは、あまりに淡すぎた。自覚できていなかった。 自覚できないからこそ、自分の喪失感を受け止められなかった。 そんな喪失感が、無意識に彼女を責め立てた。 彼女を無意識に焦らせ、正確な判断力を奪っていた。 彼を失った悲しみを、喪失を、紛らわせようとしていた。 上条当麻。 その存在の欠落が、御坂美琴の精神を歪ませ、破壊していく。 まだ20にも満たない、少女の心の歯車を狂わせる。
「………――けて」 彼女の唇が小さく動いた。 焦点の合わない、まるで彼女の妹達のようなその瞳から、うっすらと涙を流しながら。 それも、また鉄橋で呟いた言葉だった。 誰もいない場所で、ただ呟いた言葉だった。 今も、周りには誰もいない。 そもそも、誰かから逃げたくて、誰かを傷つけたくなくてここまで来たのに。 けれど、自分を拒絶する気持ちと、それでも妹達を助けたいと、生きたいという矛盾した、ぐちゃぐちゃとした精神の中で、 彼女はそれを無意識に呟いていた。 ぐちゃぐちゃとして、心が苦しい。 ぐちゃぐちゃとして、息が苦しい。 その言葉の相手は、多分1人しかいない。 「助けてよ……」 その小さな呟きは、彼女の暴走放電の音に紛れていく。 ばちばち、ばちばち、と。 ある未来の彼女は、助けられた。自分が殺したと思った少年によって。 少年は一方通行を倒し、妹達を助けた。 助けて、という言葉は確かに彼に届いた。 けれど、『この御坂美琴』は、まだ救われていない。 救われる前に、ここに来てしまった。 言葉が届く前に、ここへ来てしまった。 そして、もう彼に助けてという言葉は届かない。 彼は美琴を助けに来てくれはしない。 そう。
上条当麻が死んだ時点で、そんな幻想は粉々に壊れていたのだから。 【C-4北・市街地車道/1日目 午前】 【御坂美琴@とある魔術の禁書目録】 【状態】:疲労(大) 自分への強い嫌悪感 軽い暴走状態 大きな喪失感 精神不安定 【装備】:なし 【道具】:コイン入りの袋(残り99枚) 【思考・状況】 基本行動方針:脱出狙い? 0:もう誰とも会いたくない。 1:脱出の邪魔になる相手は排除する? 3:切嗣を見捨てたことを後悔。 4:“あいつ”の事は…… 5:自分が素性を喋ったことに対して疑問(暗示には気づいていません) 【備考】 ※ 参加者が別世界の人間とは知りません(切嗣含む) ※ 会場がループしていると知りました。 ※ 切嗣の暗示、催眠等の魔術はもう効きません。
【蓮の杖(ロータスワンド)@とある魔術の禁書目録】 ローマ正教シスター、アニェーゼ・サンクティスの使用した魔術礼装。 銀の杖に、先端に考える人のような像があり、普段はその背中の羽が閉じたようになっているが、展開用の詠唱をすることで羽が開く。 展開すると、杖を叩きつけたり刃物で杖を傷つけることで、離れた場所への座標攻撃が可能になる。ただし、衝撃から座標攻撃への間は一定のタイムラグがある。 ロワでは制限により、魔力がない者でも体力消費で術式を行使可能(消費するのは杖が展開してから)とし、攻撃可能範囲は杖を中心に15メートルの範囲内、タイムラグは3秒とする。 使用描写は7巻で確認可能。 説明書に載っている展開用詠唱は以下の通り 『Tutto il paragone(万物照応) Il quinto dei cinque elementi(五大の素の第五) Ordina la canna che mostra pace ed ordine(平和と秩序の象徴『司教杖』を展開) Prima!(偶像の一!) Segua la legge di Dio ed una croce Due cose diverse sono connesse!!(神の子と十字架の法則に従い異なる物と異なる者を接続せよ!!)』 【絶縁グローブ@ポケットモンスターSPECIAL】 御坂美琴に支給された。 レッドが手に嵌めている黒い指出し型のグローブ。 元々はロケット団幹部マチスが自身に強力な電気が及ばないように着けていたものだが、レッドが勝利した際それを戦利品として奪っていた。 電気を絶縁する効果があり、サカキ戦ではこれを使ってピカの攻撃準備をボール時点で済ませるという策で勝利をもぎ取った。 10万ボルト程度なら楽に防げるが、あまりに範囲を越えると通用しない(この描写は本編にはないため、推測です) 入手経緯や使用描写は3巻で確認可能。
投下終了です。 多数の支援ありがとうございました。 タイトル元ネタは美琴のキャラソン『私らしくあるためのPledge』より。 意見、感想、問題点などありましたら是非お願いします。
投下乙! おお、美琴に大きな動きが!ってなんだかヤバそうな方向にいいいいいいいい!! ハクオロさんの言葉がきっかけに始まったこの転落……美琴の心理描写が上手くて、ひしひしと伝わってきました! ハクオロさんから見れば確認のための問いかけだっただろうに……これは面白そうなすれ違い。 そしてレッドが死んだかと思って思わずびっくり! でもレッドなら確かに電撃に耐性があるから違和感がないのもなんともw
そういえば切嗣の声も力ちゃんだっけw
投下乙です。 指摘点……というかこれはTEF氏への指摘になるのかな? ハクオロが前話で受けていたはずのダメージが記入されてません。 足に骨折やら銃撃やら受けてるみたいなんですけど……
投下乙です! ビリビリの精神状態がやばいぃいいいいい! どんどん転落していく美琴、上条さんの影響力は大きいな 土御門といい他の禁書キャラの立ち直りフラグまでその右手で断ち切ったというのかw恐ろしい子! それにしても完全に蚊帳の外な切嗣涙目w 聖上はまた女子高生に殺されてしまうかと思ったよw いやぁそれにしてもレッドは原作からして電撃に見舞われることが多かったけど、ロワの中までとはw やせいの レッドは まひして わざが でにくくなった! だれか!お客様の中に「まひなおし」か「なんでもなおし」を持っている方はいらっしゃいませんかー!w
投下乙です! び、ビリビリィーーーー! こりゃやばい、みこと は こんらん している! どんなに強い力を持っていても女子高生、 ただでさえ混乱している所にこれだけ強烈に自分が殺人者であるとつきつけられたら暴走もするよな 上条さん、死んでる場合じゃないぞーっ! レッドは原作でも電激くらいまくってるけど、ここでもかw この芯の強さ、とっさの機転、でもちょっと向こう見ずな行動がいかにもレッドだなぁw ハクオロはミュウツーに襲われてるし、その情報を聞いて何を思うのか… あ、そういえばあの進化の石がきちんとしたポケモントレーナーの手に渡ったのか! 手持ちのポケモンいないけどw 美琴の揺れ動く心理描写が非常に見事でした!GJ!
>>429 美琴は中学生だったはず
残りの女子高生って誰が居たっけか
お お さ か
レナと詩音
ひぐらしは中学生という説がw
ご意見ご感想ありがとうございます。 ちょっと今は時間が取れませんが修正作業は二三日中に行います
了解しました! ゆっくり修正していってね!
了解〜 ゆっくり修正していってね!
上のほうで上条さんの右手が必要になったら墓荒らしになるねって話があったけど、 最初のアニロワで既にやっているんだよね。
むしろ死体の有効活用はどのロワでも大体やっている。 だから上条さんの死体が対主催の切り札になる展開もひょっとしたらあるかもしれないな まあ無いだろうけどな
「limitation」の状態表の修正をしておきました。 指摘ありがとうございます
>>438 十中八九、ゆとりロワ(ksk)のやつら
何かひっかかるなーと思ってたけど、 美琴の壊れ方が結標さんの壊れ方にどこか似ているような気がする。
感想でまひとかこんらんとか出てたのにティンと来て、とくせいを思いついたキャラであてはめてみた 内容じゃなくて言葉面だけで選んでますw アルルゥ :ほのおのからだ(熱血アルルゥ的な意味で) ハクオロ :なまけ(あれ、実は特に何もしてない?的な意味でw) ラッド・ルッソ :しぜんかいふく(新たな力に目覚めたぜヒャッハァ!的な意味で) クリストファー :さめはだ(サメ人間!とクレアに鳥肌的な意味で) カズマ :いかく(触れるものみな傷つける的な意味で) クーガー :かそく(速さこそ文化の基本法則!的な意味で) 橘あすか :どんかん(空気嫁w的な意味で) 無常矜侍 :ねんちゃく(この蛇野郎ォーー!的な意味で) 蒼星石 :メロメロボディ(変態どもを惹きつける的な意味で) ゾロ :ようりょくそ(マリモ的な意味で) レッド :ひらいしん(電流には慣れてるさ的な意味で) 佐山・御言 :へんたい(変態!変態!変態!) 新庄・運切 :じゅうなん(両性類的な意味で) ヴァッシュ :いしあたま(ラブアンドピーーーーース!的な意味で) ギルガメッシュ :プレッシャー(王の前でひざまづかぬとは何事だ的な意味で)
ポケモンかww ハクオロさんwなまけってw
さり気なく変態まぎれこませんなw ポケモンにそんな特性はないw
そしてハクオロw 確かに働け聖上www
へんたい見逃してたwどこまでも変態なのかこいつはw
修正したSSを仮投下スレに投下しました。 問題ないかどうかと、あとラズロの再生速度の指摘について、ちょっと皆さんのご意見を聞きたいのでよろしくです。
そういやここって、死者記入した、ネタバレ名簿みたいなのないの?
>>449 修正乙です!支給品、再生速度のところはいいと思います
ただ一番最初の銃撃で盛大に出血しているのに、爆発していないことの説明がないのはどうかなと
今まではどうも戦闘以外の気が緩んでるときに爆発してるようだから 戦闘中はキラークイーンと一緒に無意識に制御していた的な説明を入れればいいんでは キラークイーンも爆弾の能力だから直感的に出来そうだ
したらばに、TEF氏の修正に合わせた修正SSを投下しておきました。 どうぞご確認ください
修正乙です!
>>444 変態とかなまけもあれだが、ゾロの「ようりょくそ」ちょっと待てwww
光合成でもするのかw
ゾロは 「こうごうせい」!! ゾロのたいりょくが かいふくした!! 人間じゃねぇw そういや某ステルスアクションゲームに光合成するご老体がいたな。 あれは頭に苔が生えてるから出来るんだっけか。
緑頭だから葉緑素やら光合成やら言われるのかwww
>>450 wikiにあるよ
ロロノア・ゾロ じゃなくて クロロ・フィル にすればよかったのに
ワンピースの話はどうでもいい
ご指摘ありがとうございます。 ですが知る限りボムボムの実は原作でも「爆発」の能力の限界は詳しく描写されていません。 実を食べたという自覚のない能力者についてもほぼ同様です。 支給品説明を見ても厳密な取り決めはなされていないようなので、書き手の裁量である程度自由にさせてもらいました。 「体液が身体から離れたら【必ず】爆発する」と明文化はされていませんし、前後の展開でも特に矛盾はないと思います。 また吉良が死亡したので後の展開に響くこともないとも考えます。 よって特に修正の必要はないと判断させていただきます。
乙ですー
乙です!
原作で説明されてなくても、このロワでの前話までの描写では爆発してたんだから、修正の必要がないってのはおかしいと思う 取り決めされてないのは自由度を高めるためであって、修正を拒む言い訳に使うものではない
ワンピという作品を参加させたのがまずかったな
前話だってしょっちゅう爆発しまくってたわけじゃないだろ むしろあの爆発はたまたまマグレみたいなものだ 第一そんなに無条件に爆発してたらキラがふれたもの全部爆発してないとおかしいだろ
>>463 ホントそこだよなあ
元々多重で入ったもんだから仕方ないけど、さっさと全滅して欲しいな
悪魔の実の効果は結構能力者の意識によるっぽいからなぁ 説明もあったことだしこれでいいかと そういやリヴィオの手に吉良の支給品がわたったが ココ・ジャンボの命運いかにw
あの中はほんと何が入ってるんだろね
あと、中央市街地も気になるな。 北:暴走美琴 東:詩音 さらに東:ミュウツー 南:バラライカ&無常 と、危険人物やマーダーがどんどん集まってきてる。 北の橋も落ちて脱出しにくいし
大乱戦の予感がするな
そういやビル崩壊に引き続いて橋も崩壊してるんだよなw
そういや図書館も一部崩壊してるし、 どこまで崩壊するんだw
ネタが浮かんだけど自己リレーになるから書けないという罠 誰か繋ぎの話でも都合よく書いてくれたりしないかなー
473 :
創る名無しに見る名無し :2009/04/19(日) 18:14:04 ID:nOmonuLw
472 一回位なら自己リレーしてもいいんじゃないか? 書く人最近いないし…
割と本気で、一人二人かぶる程度なら自己リレーでも問題ないと思うよ。 そこまで神経質になる必要ない。
いい加減、死者数0の作品をなんとかして欲しい 後、ひぐらしが5/6って何のギャグだよwwww 一般人が最大生存勢力のふしぎ
自分で書けばいいだろ
自分の好きな作品のキャラを殺すSSは書きたくないです><
そういう誘導はやめれ
予約が入りにくいのは集団も多くなって、フラグも複雑になってきたからだろうな そろそろ自己リレーがあってもいいと思うよ 中央もすごいことになってることだしw
人気ないキャラから死んでいくのは当然のことだと思うけどな
単にバトル向きかそうじゃないかの違い。
遊園地、古城に中央市街地が加わって三大火種になってきたな
真ん中のあたり凄いよな いつバトってもおかしくない
>>289 の時点であれなんだから、ここら辺捌くのはもの凄く大変なんじゃないかw
中央市街地に現在いる、もしくは来そうな面子だけでも 暴走美琴に、クーガーあすか真紅 詩音ブレンナナリー(ネモ)、ミュウツー ウルフウッド梨花、ギルガメッシュ圭一 バラライカ無常、レナチョッパーグラハム うわぁ 対主催も強いのいるけど…その分何が起こるか怖いな
何が起こってもおかしくない恐ろしさだぜ
なんというw 死と絶望の遊園地がかわいく思えてくる程だw
バラライカはまだ10人20人は殺せそうだな
ARMS支給すれば腕も回復する品。 ジャバウォックは禁止だっけ?
そして予約が!
お!マジだ!
来た!最速兄貴氏の予約来た!これで勝つる!
このロワは作品贔屓が激しいな 死んでる作品と死んでいない作品の差が凄い
はいはいワロスワロス
贔屓というよりもよさげな死亡話が書けそうなら躊躇してないだけに見えるけどな まあ面白ければいいじゃん 早めに死んだキャラたちは運が無かったって事で
贔屓とかじゃなくて、こんだけ死者が偏ってんのに、 誰も何とかしようとしないってのが問題だよね 贔屓じゃないっていうなら余計太刀悪いよ
あなた様方は本当に釣りが上手い方々。
投下します
パラライカ「私、荒れそうだし自殺でもしとくか」 ズキューン!! 【パララ烏賊@BLACKLAGOOON 死亡】
投下終了です 支援ありがとうございました
投下乙です ああバラライカ… お前はよく頑張ったよ どうか安らかに眠ってくれ…
ああ、そうそう wiki荒らしは2chの荒らしよりも迅速かつ確実に排除されちゃうからな
武者震いがするのう
別に偏ってたっていいじゃない 均等にキャラを扱わないといけないルールなんてないんだし
ロワの傾向としては強者がほぼ制限なく強者としてふるまう一方で、弱者はろくに武器もなく 強者の庇護下にあるから死亡率が低くなってるってのはあるな 弱者が下手に武器持って戦うから普通のロワは死亡率高くなってるんだし まぁこの辺はギラーミンの狙い通りに進行してるのかな
強者は強者同士でつぶし合い 弱者はなすすべも無く死ぬべき
なんと極論から極論へ飛んだ会話ww んなこたどうでもいいから、もっと楽しい話をしようぜ 集団が多くなってきたけど、好きな・気になるペア(集団)はどれ?
タイムリーに佐山・小鳥遊ペアが好きだ 変態コンビであると同時にボケとツッコミが上手く揃ってて楽しいw 蒼い子ぉおおおおお!
ウルフウッド・梨花コンビかなぁ。 この二人はニヤニヤさせられて、それでいてシリアスもあるから好き。 そして気になるって意味も結構ある。 だって噂の中央市街地のど真ん中にいるし、同エリアにいるの我様と圭一だし。
念のため聞くが上のアレは気にしなくていいんだよな なんか予約スレに予約までしている手の込みよう
ニコ兄と梨花コンビはいいね!
見ているとニヤニヤが止まらんw
しかしウルフウッドは登場話からこんな進化をはたすとは全然予測できなかったw
>>511 気にする必要はないだろ
あれが本気で通ると思っている人のほうがおかしいw
「バ」じゃなくて「パ」だし、真面目に受け取られても本人が一番困るだろw
>>510 あのエリアにその4人がいるってだけで幾つフラグが立ってるんだ……!
俺も狭山小鳥遊大好きだ あの変態具合がいいw
ウルフウッドは梨花に惚れてるのか?
上に出ているのどれも好きだな ムス…あすかと真紅コンビも好きだ!大好きだ! 今までローゼンには興味なかったんだが、このロワで初めて真紅かわいいよ真紅の気持ちがわかった あすかのKYさっぷりもまた好きだw
ウルフウッドはこのロワで戦闘キャラにしては珍しく中々戦闘手段に恵まれなかったからな 他の連中が気持よくかっとばしてるところ色々我慢してょぅι゛ょの保護に専念してるところが泣ける
真紅かわいいよ真紅 ウルフウッドが惚れてるかといわれると、どうも違う気が むしろ矢印が逆w いや、どちらも恋愛感情には発達してなくて、グルグルしているように見えるのが…ああ、ああっ!
恋愛に発展しそうでしてないところがいいんじゃないか!
このロワは恋愛要素は心なしか薄めだからなー。 尚更ニコ兄と梨花ちゃんの方に眼がいくのかもw しかし、恋愛になりそうといったらゼロと銀様も……いや、ないかなw
ああ、『マーダーコンビ?何それ上手いのコンビ』か。 いやだってさあ、深夜以来襲撃ゼロでヴァッシュ立ち直らせてるし、銀様絶賛サラマンダー あれ?窓の外にゼロマッチョg
しかしこれからどうなるか、わからないのもまたいいww>ニコ兄梨花ちゃまペア 大人と子供ペアといえば、レッド・ライダーペアは何故かなんとなく好きだったな 圭一とギルコンビは大人と子供の役割正反対だけどwww
マッチョと銀様の恋愛要素…うん、ないなw むしろブレン先輩とナナリーのパヤパヤのほうが想像できるw そして姑のネモ
>>521 、無茶しやがって……!
レッドとライダーもいいなw
年齢差がいい感じにw
今はハクオロさんが居るけど今後はどうなるかな。
先輩ナナリーコンビオイシイよなー かよわい王女様、それを守る騎士(ARMS的な意味でも) ナナリーがポロポロ泣くとこが見た…あれ?窓の向こうにマッチョg
赤坂と梨花もそうだけど、梨花本人的にはハリウッドのヒーローヒロイン的関係のつもりなんだけど はたから見ると微笑ましいコンビって感じだと思われw
>>527 それは確かにwこれからどうなるか期待大だ
あと、トラブルメーカーの人間台風が加わった、コンビが変態コンビがどうなるかすごく気になる
危険度大のサカキ・土御門の腹黒コンビとか
>>523 つまりこういうことか!
ナナリー「ああ、お兄様…」
ガラガラピシャン
ブレンヒルト「ナナリー!守りに来たわ!」
ナナリー「ブンレヒルトさん!寂しかったです!」
ガラガラピシャン
ネモ「この泥棒猫が」
ナナリー「マークネモ!!」
ミュウツー・ラッド「「殺し合いしろよ…」」
面白さすっきり○ロワ!
元ネタはファンタ
>>529 ギルガメッシュ「頭が高いッ!!」
圭一「どうすりゃいいんだよ……」
ちょww
お前らwwwキーボードに吹いたお茶どうしてくれるwww
ヴァッシュ「ラァ〜ブアンドピイイイイイイス!」 新庄・伊波「ピース…」 ヴァッシュ「いぃ〜ね、いぃ〜ね、ベイベー!」 新庄・伊波「ベイベェー…」 ギラーミン「ロワ、間に合うかなぁ…」
ギラーミンがかわいそうになってきたw
上条「漢字テストだー!」 ≪幻想殺し≫ 上条「ぐぎゃってる方の園崎!ひぐらしキャラなら読めるだろこのくらい!」 詩音「げんそうごろし?」 上条「イ・マ・ジ・ン・ブレイカーだぁぁぁぁぁ!!」 詩音「読めませんよ」(ターン) 上条(そんな銃撃なんて無茶な…って、何で上条さんだけCMと展開違うんでせう?) ○ロワ! チーゴ味出た!
さすが上条さんw CMに則ってやるという幻想まで殺しやがったww
確かに読めるわけないなw
流れがカオスすぎるw
死者スレくせえな 全員死ね
「噂によると蒼星石君は母乳がでておちんちんが生えているそうだが本当かね。あとお尻からヨーグルトが出るとも聞いたが」
541 :
創る名無しに見る名無し :2009/04/22(水) 10:37:27 ID:eA5LUl9+
「」の意味がない
ギラーミンって言うなよ あれは偽者なんだから あんな小物をギラーミンだと思われるのは不愉快だ
>>540 母乳がでるのはのりでヨーグルトがでるのは銀様です
ただし糸こんにゃくならでます
まぁこれはこのスレでのSSじゃないけどな!
やべえ なんて腐った発想 ステキすぎて鼻血が出そうだww
どこのネタだよ しかしローゼン系ってバトロワにそれなりに出てるけど大概まっさきにぶっ壊されるよな
発想が宇宙wwなんぞそれw
ロワだし、人が死ぬのはしょうがない ここの銀様のお尻からヨーグルトが出るのは想像できんw
諦めるのはまだ早い ヨーグルトは無理だが、ドラえもんの「ワンニャンごっこつけ耳」ならお尻からしっぽは出せるぞ
変態紳士の作品で満足しとけよw
しっぽ…ゴクリ そういやあんまり変なひみつ道具って出てこないな
腕が飛び出す! 足が飛び出す! ハニワ幻人全滅だ! 死ねぇ! | / な そ | ,' い. そ 改 息 い り l | う の 造 .子 だ ゃ 〈 ̄ ̄ ̄\ . | の ま し を ろ あ L ノ ̄\__) | か ま て . う 厂三 | , -, - 、 | い 逃. お ? / .. | ,、 ,、 ,イ!〃 , ='‐ \__ト,__i、〉 ? げ .い \ /. | | ニニニ| .l T! Tl'lT_-r-、ィ_‐_7´ l l! l|. る. て . . ..|`ー一 <) l(⌒)o .l、` ` lヽ_lー〈!_,. - ´j _| っ . (6 'ーz r__」  ̄ | . \`丶!、l  ̄ l /,ィ ´ \ て . | ヽZ ,-= =-、 | \ i、!  ̄ l´ ,ィ ヽ/ \ / ノ ,──、 | _」 ヽ‐_7´/ ヽ 、  ̄ ̄)厂 ̄ ̄ ヘv|_\ ヽ __,,、-‐''"´ |i , ′ `ー- 、..__ _,、‐7 \:_;_;_;_;_;_;_;_;_:ノl / `‐- _ ′! / ! _,..、 ''"´ ``丶、 ツ ::::::i ̄__/ _ ヾ  ̄`` r┴'''"´ ̄ -''゙ ヽ. _、-''| / >'´, ,`´  ̄\へ ,i i′ ゙; =ニ´_ j i / i′/ / / ィ‐-L.._\ ,! :l i `ー 、_' _,,⊥-ヽl'' { j= r′ `ヽ、 l ' 、 .::| ヽ '´ \ヽノ .ノ ヽ|
ごめん、誤爆orz
>>550 あんまりドラえもんに詳しい人がいなかったからだろうな
ひらりマントとかなら出てきそうじゃないか?
それは定番道具って言うんだぜ 変な道具ってのは悪魔のイジワールとか悪魔のパスポートだろ
地球破壊爆弾とかか
かわいそメダル出して詩音ヤンデレ化とか考えてたな
他には、
強力ウルトラスーパーデラックス錠
見えなくなる目薬
コンクフード
ヘソリンスタンド
あめんぼう
ギシンアンキ
ムシスカン
とかも出してみたかった
>>556 地球破壊爆弾なんて、定番中の定番じゃん
>ギシンアンキ ギシアンスキに見えた俺は汚れてしまったよ……
悪魔のパスポートで対主催集団のなかに堂々とマーダーが潜入とかw
予約ktkr!
おおマジだ!
何という頭脳派揃い踏み
ナイトメアナナリーのゼロって結局なんなの? ルルーシュでいいの?
マッチョなルルーシュ
コードギアスのゼロ→シスコンもやし@ギアス世界 ナナナのゼロ→シスコンマッチョ@ギアス世界のパラレルワールド でおk?
シスコンマッチョな「魔王様」 これを忘れちゃダメだ
今のところ戦闘が最初の1回きりだから強さがわかりにくいんだよなぁ>魔王様
568 :
創る名無しに見る名無し :2009/04/26(日) 22:25:34 ID:Bn0CdmWm
ナイトメアより強い魔王w
なんであんなマッチョになってんの?
570 :
創る名無しに見る名無し :2009/04/26(日) 23:09:47 ID:Bn0CdmWm
ギアスパワー
もやしに日光と栄養を与えて育てるとああなるんですね
572 :
創る名無しに見る名無し :2009/04/26(日) 23:45:31 ID:Bn0CdmWm
妹がいれば私は生きていける!
ナナナのルルーシュがCCとの契約で手に入れたのが絶対遵守のギアスではなくあのマッチョパワー。 ナナナ世界は絶対遵守のギアス無し。
すげーなマッチョ
KMFの飛びヒザ蹴りとか踵落とし喰らってもピンピンしてるからなぁ>マッチョゼロ
マッチョっていうレベル超えてね?
見た目がマッチョなだけで実際はギアスパワーがゼロの強さの秘密だし。 ネタバレになるけどナナナのゼロってルルーシュとCCの融合体の二心一体じゃなかったけ。 ロワだとCCの意識どうすんだ。
え?つまりふたなり?
一心同体ってわけだな 性的な意味で
お待たせしました投下します
支援
「ところで君は……何故あの声のほうに向かわなかったのだね」 「……んー」 「大体は予測がつくが……その怪我と全員に支給されるはずのデイパックを持っていない点から考えるに、誰かに襲われ奪われたといったところか」 「やー、実はそーなんすよダンディなオジサマ。襲ってきた奴ってのがこれがまたすっげーおっかない奴でこの土御門さんもすっかり……」 「ふ……まあ、そんなことがあれば、あれが罠かもしれないと考えるのは無理もないだろうな。 だが……それを抜きにして、あの宣言の内容についてはどう思うか聞きたいね。 『人を殺すな』……どうだね。賛同するかい?」 「おおっ!? これはもしや試されている!? 迂闊に『はい』と答えたら『じゃあ殺しても文句ないな』でクビチョンパですか!? いやーそりゃあ人殺しはよくないっすよ、うんうん」 「……ふむ、まああの声の彼は罠など考えていまいよ。誰かが殺されてかけている状況で損得抜きに駆けつけるようなお人よしだ」 「およ? 知り合いっすか?」 「少し前に出会ってね……君も誰かの保護を受けたいなら彼のところへ行くといい。腕も確かだ。 一人でいるよりは安全だろうな。だが……」 「だが?」 「殺さないだけで問題が解決するか。答えはNOだ。ここから脱出できるわけでもなく、殺し合いが止められるわけでもない。 彼と共に自らの安全のみを手に入れても、ここから逃げられない限りはいつか殺しあわねばならない。 禁止エリアが狭まっていけば逃げ場を失い、やがて首輪が爆発するしかないからな」 「それが嫌なら殺し合えってことですかい?」 「そうだ。だから君が本当に生き残りたいのなら、最終的には彼を殺すしかない。私の見立てでは不意打ちでも相当に難しいと思うがね。 それほどまでに彼は強いと私は判断する。だからこそ始末が悪い」 「だがそれはアンタの話が本当ならって前提つきだと思うがにゃー?」 「それはその逆もまた然りだよ。あのヴァッシュ君の話を信じるかどうかというね。土御門君、だったかな?」 「ああ、その通り。土御門元春。アンタは?」 「サカキだ。ゆえに私は提案する。本当の意味で殺し合いを打破したいなら私と組めと。 そう、たとえ……ヴァッシュ君のいう『殺すな』というタブーを踏み越えることがあってもだ。 殺人を踏み越えてでも殺し合いを打破できるなら、それは僅かな犠牲を生むことになっても結果的に正しいのではないかね?」 「信用できるかどうかという根拠は?」 「そんなものは何処にも誰にもありはしない。ギラーミンが殺し合いに勝った者を生かしておくのかという点も含めてね。 ゆえに私は殺し合いに乗る価値を見出せなかった。だからこそ『打破』という選択肢を選んだのだ。君はどうするのだ?」 「……自分で選べってか」 「そうだ。一つ言っておくとするなら、怪我人で荷物もない君に対してわざわざこのような提案をしている点を考慮して欲しいがな。 そしてその怪我で、君はまさしく殺し合いの現実を身をもって知っている。私が注目したのはそこだ。君はその上でどういった判断を下すのかな」 「……」 ◇ ◇ ◇
「ちょっとぉ、中心部に行くんじゃなかったの?」 「何のために中心部に行くのか? それは情報を集めるため、つまり他の人間と会うのに都合がいいからだ。 だが、学校も山のてっぺんに位置し、目印にもなりやすい。そしてここから近い。この際だ、寄っておくのも悪くないだろう」 「誰かがいるかもってこと?」 「ああ……そしてすでに複数の人間があつまっていれば得られる情報も増える。 さらに互いが殺しあっていた場合、誰かが殺されていれば首輪も労せずして手に入る」 「ま、別にいいけどぉ。二番目の放送でも大勢死んでれば色々と楽が出来るしねぇ」 「……」 「それと、あのお城の中の○なんだけどぉ……首輪が三つ必要ってことは三人殺す必要があるってことよねえ?」 「ああ、そうだ。首輪を集めるには首を切り落とさなければならない……死体から回収する手もあるが。それがどうした水銀燈?」 「あれはそんな三人殺すような、殺し合いに積極的な人間に対してのご褒美が用意されてるんじゃないかしらねぇ。だとすると……」 「ふむ……なんらかの強力な支給品というのがまず考えられるな」 「そうそう、それでバンバン殺してくださいって言ってるみたいに思えるわぁ」 「ふむ……」 「だからぁ、もうそろそろ積極的に行ってもいいと思うのよねぇ。いい加減、アンタの言うとおりじゃ稼げないわよぉ」 「我々の目標は生き残ることが前提であって、殺し合いで多く星を挙げることではない。前にも言ったはずだぞ」 「でもお城が禁止エリアになったりしたらどうするのよぉ? それを考えたら勿体無いじゃない。のんびりはしてられないわぁ」 「それは……ないだろう。少なくとも今度の放送、そしてもうしばらくは。ここまで大掛かりな仕掛けをわざわざ自分で潰すようなことはすまい」 「むぅ……」 「我々の同盟はほぼ形だけのものだが、それを繋いでいるのは互いの利益だ。今現在、君の利益を損なうようなことは私はしていないつもりだよ」 「……」 「さて……着いたぞ。学校だ。保健室をまず探そう。薬や包帯があればもらっておきたいからな。同じ目的で誰かがすでに来ているかもしれない」 ◇ ◇ ◇
土御門とサカキは学校内にある教室のうちの一室にいた。 ちなみに上条当麻が園崎詩音に撃たれたのとは別の教室である。 日が差し込む教室に並ぶ机に思い思いの格好で座り、対話を進めていた。 サカキの問い――脱出と殺し合いの打破について。 土御門はそれに対して、その具体的な方法をまだ聞かされていないという当然の疑問を口にした。 「で、具体的にどうするつもりなのかにゃー? まさかここまで言って無策ですってのはお話にならんですよ?」 「ふむ、当然だな。ではそれを説明するために踏まえておきたい点がある。前回の放送で死者の名前が呼ばれたな?」 「……ああ」 一方通行。 そして……上条当麻。 彼らは死んだ。 あまりにもあっけなく現実味に乏しいほどだが、人が死ぬときなど得てしてそんなものだ。 土御門の脳裏に彼らの存在が蘇るが、だがそれは幻想だ。 彼らはもういない。あるのはかつて彼らだったモノだけだ。 ゆえにその幻想を振り払い、現実を踏破し、前へと進む。 そのために彼らの存在を思考から取り払う。 「それで?」 「うむ、そこで問題になるのは何故ギラーミンが死者を把握しているのかということだ」 「そりゃ……俺たちを監視してるからに決まってるですよ。まー問題はその方法ってとこですかい?」 「そう……効率的に考えるならば、監視カメラの類よりは私たちに発信機を取り付ける方法が妥当だろうな。これについて異論はあるか?」 この会場には無数の建築物が設置されている。 ゆえに高性能の衛星カメラでも屋内に潜り込んだ人間を監視するのは難しいだろう。 屋内にカメラを仕掛けるにしても、全ての建物に死角のないよう設置すればその数は膨大になる。 たしかにサカキの言うとおりに発信機を取り付ける方法が効率的だ。 「異論はねーっすよ。とりあえずアンタの説を採用するならどこに発信機が仕掛けられてるって話になるけどにゃー。 つかぶっちゃけ監視されてるってんなら、この会話も盗聴されてるんじゃねーすか?」 「ああ、そうである可能性は大きい。だが今のところ首輪を爆破されたりはしていない。 脱出など無理だと思われているのだろうな。私としてはありがたいがね」 「ほほー。で、なにやらすごい自信ですが肝心の具体策がまだですぜい?」 「そうだな。だが君の返事もまだ聞いていない」 今まで窓の外を眺めながら話していたが、そこでサカキは改めて椅子ごと身体を動かして土御門に向き直る。 ギロリと真正面から鋭い眼光をぶつけてきた。 おっかねーな、と内心で思いながらも表情は崩さない。 「君が私と会うまで、どういったスタンスで動いていたかは問わん。どうでもいいことだしな。 だがこのゲームで最後の一人を目指すというならやめておけ。ギラーミンが最後の一人になった者を生かす理由がどこにある?」 「生かす理由、ねえ……それを言うならこんなクソッタレサバイバルゲームを、俺らを巻き込んでやる理由自体がわかんねーっすよ。 分かってるのは俺たちが為す術もなく拉致られて爆弾取り付けられて監視されて殺し合いを強要されてるって事実だけですたい」 そうだ。 ギラーミンの言うことが本当だったとしたら突っ込みどころはいくつもある。 自分を倒せば願いは叶うとはいうが、ならば誰がその願いを叶えてくれるのか。そして誰がここから元の場所へ返してくれるのか。 さらに言えばこの名簿を見ても、ギラーミンが世界に名だたる猛者という割には土御門が知らぬ名ばかりだ。 一方通行と、超電磁砲こと御坂美琴についてはともかく、他は自分を含めてそこまで有名なのだろうか? だが、それでも、この首輪に命を握られ、このフィールドに閉じ込められ、そして監視されていることには変わりない。 「では殺し合いを続け、最後まで生き残ることを目指すと?」 「正直、この怪我じゃあキツイがにゃー。だが何の策も提示しない奴の根拠無い提案に乗っかるのもどうかと思うぜい。 ……ここでアンタを殺して荷物を奪うって選択肢もあるし、な」 その言葉とともに教室の空気が緊に張り詰める。
土御門は机をどけて椅子に両足を投げ出した格好だ。 対するサカキは正面、机に両肘をついてこちらを睨んだまま椅子に腰を下ろしている。 サカキは動かない。 土御門は投げ出した足を片方だけ引いた。 軽く踵を浮かした状態で、膝は正面に向ける体勢だ。 その脚で床を蹴ればすぐにも飛びかかれるということ。 空気が更に張り詰める。 互いが目をそらさず相手を見据えている。 「………………と、まあ悪ふざけはここまでにしておきますかにゃー」 土御門はそこでへらりとした笑みを浮かべ、全身を弛緩させた。 正面に向けた膝も同様に力を抜いてまた床へ投げ出す。 が、その刹那――、 「――ッッ」 土御門の全身のバネが跳躍運動のために駆動した。 爆発的な勢いでサカキが肘をついた机へと前蹴りを叩き込んだのだ。 重く鈍く、だが耳をつく強烈な金属音が生まれ、それはアルミ製の机がひしゃげるほどの威力を意味する。 椅子と机に挟まれ、サカキは身動きが取れなくなる。そのスキに決定的な一打を叩き込む――はずだった。 「な……!?」 土御門のそれは驚愕の表情だ。 サカキの腹部へと机を叩き込むべく全身の体重をかけて放った蹴りは、強烈な抵抗によってその威力を真っ向から受け止められていた。 抵抗の正体はサカキの腕力。 とっさに反応し、机を腕で押し返すようにして攻撃をブロックした。 サカキの顔に笑み。 「一旦、外して油断させてから奇襲か……オーソドックス過ぎてつまらん喧嘩のやり口だな」 「意外とやるですなぁ……こりゃ甘く見てたかにゃー?」 「ふ……わかったら座りたまえ。お待ちかねの策を提示してやろう」 見た目どおりの食えない男だ。 そう土御門は判断する。 だがここまでしてもあちらはまだ手を組もうとしているらしい。 余裕なのか、それともよほどこちらを買ってくれているのか。 前者であれ後者であれ、それは付け入る隙となるだろう。その理由を聞かないことには油断はできないが。 こちらが奇襲をかけたように、今度はあちらが油断した隙を突いて殺しにかかってくるかもしれないのだ。 とりあえずサカキのいうことを聞いて椅子へと座りなおす。 「んじゃ聞かせてくれ。その策って奴をよ。ついでに言えばなんで俺なんぞとそんなに組みたいのかも説明プリーズだにゃー。 念のためにいっとくとあっちの趣味はないから、そーゆーのは土御門さんお断りだぜい?」 「ふむ、では言ってやろう。策は…………ない。現時点ではな」 「……………………はい?」 ないといった。 この耳がイカレてなければ、確かにそういった。 説明するといっておきながら、ないといった。 ならばこの男は馬鹿なのか。 むしろあれか。カミやんか。無茶無策無謀の三拍子背負った超特大級の大馬鹿か。 「だからこそ……情報が必要なのだ」 「……お?」 危うくこの人物を超ド天然級命知らずお人よしの大馬鹿クラスと認定しそうになったが、どうやらまだ断定すべきときではないらしい。
サカキは淡々と言葉を続ける。 「これは君にとっては損のない話だ。そちらにまず必要なのは水と食料。そして襲撃者などの危険があった場合にその怪我を補う要素、つまり同行者の存在だ」 「その同行者に後ろからバッサリって可能性もあるのでは?」 「奪うための荷物もないのにかね? 現時点で君を殺す必要性は私には全くないのだ。ゆえに安心して欲しいと言っている。 欲しいのは情報だ。こればかりは死んでいては奪えないからな」 「じゃあ、その情報が手に入れば用なしズガン! ……とか」 そうであればわざわざ手持ちのカードを晒す馬鹿はいない。 土御門は言外にそういった意味を込めたということなのだ。 だがサカキはそれを聞いて、一笑に付すという言葉がぴったりの笑みを浮かべた。 「君はこの名簿に誰か知り合いはいるか?」 「ああ……三人いる」 嘘は言っていない。 そのうち二人がすでに死亡していたとしても。 「ならばその三人と接触する際には君が生きていたほうが情報を引き出せるだろう? それにしても具体的に誰とは言わないあたりは流石に用心深いな、くくく……」 つまりサカキは生きている土御門に用があるということだ。 土御門を殺す価値というものが、このサバイバルゲームにおいては現段階で際めて低いということもあるのだろうが。 サカキは言葉を続ける。 「この地図に記されているフィールドも実際に見てみなければ何があるのか完全に把握できるわけではない。 この名簿では私の顔見知りも何人か載っているが、彼らは確かにギラーミンのいう世に名を轟かせるな『猛者』だ。 だが……それ以外の殆どは聞いたことがない名ばかりで、それは君もそうといえる。土御門、君はどこのポケモンマスターなのだ?」 「へ?……ポケモンってなんすか、ソレ」 マスターというからには何らかの称号だろうか。 しかしポケモンとは何ぞや? という、聞いたことのない単語に対して当然の疑問を返すが、それはサカキにとってかなりの予想外だったようだ。 先ほどの奇襲にも動じなかったその顔に驚愕の色が浮かび上がる。 「ポケモンを知らないだと? 馬鹿な、いったい何処に住んでいた!?」 「えー……なんかすっげー田舎者みたいに思われてませんかにゃー? 学園都市のど真ん中ですよ? 世界で一番有名といっても過言じゃない能力開発のメッカ!」 「知らん、いったいなんだそれは?」 「はいぃ?」 いったいこれはどういうことなのか。 学園都市は世界で唯一無二といってもいい特殊性と巨大さを併せ持つ、それゆえに誰もが認知する世界トップクラスの有名都市だ。 サカキのきちんとした身なりを見る限り、山奥から出たこともない仙人というわけでもないだろう。 だのに学園都市を知らない。ポケモンという理解不能な単語を知ってて当然というように語る。 何か決定的な食い違いがある。 それは一体なんだ、と土御門が考えようとした矢先に声が響いた。 「――それは君達がそれぞれ違う世界からやってきたということだよ」 その声は土御門でもサカキのものでもない。 教室の出口から聞こえてきたそれに振り向くと、そこにはいつの間にか仮面にマントというこれ以上ないくらいに怪しさ爆発の男が立っていた。 「な……」 サカキも言葉が出ない。 当たり前だ。
支援
こんな変質者が突然現れれば無理はない。 だが仮面の男はこちらの驚きをどう受け止めたのか、軽く頷いて言葉を続ける。 「驚かせてしまってすまない。だが悪いとは思うが話は途中から聞かせてもらった……情報が必要ならば、この私が提供しよう」 「……はじめまして、私はローゼンメイデンが第一ドール。水銀燈よぉ。よろしくねぇ。そしてこの怪しい仮面はゼロっていうの」 今度はゼロとかいう仮面男の影から黒い翼の生えた西洋人形が現れた。 しかもその人形はその翼で浮いていた。 おまけに言葉も喋る。その声は本当に生きているかのような美しい少女のそれ。 その翼と同じ色の黒いゴスロリ衣装が、その長く真っ白な髪を引き立たせていた。 「な、なんとー! 近頃の萌え業界における技術発展は凄まじいと聞いてはいたが、まさかこんな高性能フィギュアまで開発されていたとはー!? あれですか? カスタムメイドですか? あなたのお好みに合わせて改造可能ですか!? ひょっとしてダッチ――ぎゃあっ!?」 その言葉を遮って黒い羽根が飛翔する。 風を切り裂き、土御門の脳天をかすめ、それはカツンと音を立てて教室の壁に突き刺さった。 水銀燈という人形の翼から放たれたものだった。 「……言葉の意味は良くわからないけど何となく腹が立ったわぁ」 「落ち着け、水銀燈……言っておくが彼女は機械の類ではないらしい。ローゼンメイデンという名の生きた人形だ。 抽象的な物言いかもしれんが、そうとしかいえないのだから仕方がない」 仮面の男――ゼロが説明する。 サカキがここで口を開いた。 「非常識だな……だが、違う世界から来たということは自分の世界の常識が通じないと……そういうことなのか?」 「そういうことだ。話が早くて助かるよ。さて、つまりギラーミンは時空を超える……まさに非常識な力を以って我々をここに呼び寄せたということだ。 どうする。殺し合いを打破するとはその力の持ち主を敵に回すということだぞ。わかっているのか?」 「…………」 サカキの沈黙。 ゼロ、水銀燈も彼の挙動を見守る。 土御門もその例に漏れない。 やがてその口から教室の重い空気を打ち破る声が生まれた。 「……ただ命が惜しいだけならどこかに隠れて引きこもっているだろうさ。絶望するのは手を尽くしてからでいい。 とどのつまりが性分でね。このまま奴に屈するのは我慢がならないというだけの話だ」 「ではまだ諦めるつもりはない、と?」 「ああ。さて、情報をありがとう。君はそれと引き換えに何を得るつもりだ? ボランティアというような輩には見えないが」 「もちろんだ。こちらも君たちが得た情報を提供してもらう。それぞれの目的のために。生き残るために。互いのカードをな」 ゼロが椅子を一つ掴み、引き寄せてから脚を組んでどっかりと腰を下ろした。 水銀燈という人形も、ゼロと少し離れた位置にある机の上に膝を折って座りこむ。 サカキは変わらず机に肘をつき、座ったまま動かない。 立っているのは土御門だけだ。 「……」 じっとりと嫌な汗が浮かぶのを止められない。 教室の空気が重苦しくなっているのを嫌が応にも感じ取れる。
人間、非情になれる奴はなれるが、なれない奴はどうやってもなれないものだ。 そしてこの連中は非情になれる連中だ。同類である自分には直感的に分かる。 現段階で怪我を負い、支給品を持たない自分はいつ切り捨てられてもおかしくはない。 サカキはともかく、ゼロと水銀燈に関してはその目的すら不明瞭なのだから。 間違っても油断は出来ない。 この交渉は気安くできるものではない。 誇張ではなく命がけになっても不思議ではない。 「どうした?」 サカキの声。 探り合い、化かし合い、騙し合い――――上等。 胆をくくる。 最後の一人、土御門元春が席へと着いた。 「――――では、始めようか」 【B-2 学校内の教室(上条が撃たれた教室とは別)/一日目 昼】 【ゼロ@コードギアス ナイトメアオブナナリー】 【状態】:健康 【装備】:大戦槍@ワンピース 【道具】:基本支給品一式、MH5×4@ワンピース、治療器具一式 【思考・状況】 1:ナナリーの捜索。そのために情報を集める。 2:ナナリーの害になる可能性のある者は目の届く範囲に置く、無理なら殺す。 3:中心部を目指す。 4:『○』に関しては…… 5:ギラーミンを殺して、彼の持つ技術を手に入れる。 6:自分の身体に掛けられた制限を解く手段を見つける。 7:『○』対する検証を行うためにも、首輪のサンプルを手に入れる。 【備考】 ※都合が悪くなれば水銀燈は殺すつもりです。(だがなるべく戦力として使用したい) ※ギラーミンにはタイムマシンのような技術(異なる世界や時代に介入出来るようなもの)があると思っています。 ※水銀燈から真紅、ジュン、翠星石、蒼星石、彼女の世界の事についてある程度聞きました。 ※ナナリーの存在は水銀燈に言っていません ※会場がループしていると確認。半ば確信しています ※古城内にあった『○』型のくぼみには首輪が当てはまると予想しています。 ※ヴァッシュの声を一通り聞きました 【水銀燈@ローゼンメイデン】 【状態】:健康、服に若干の乱れ 【装備】:卵型爆弾@バッカーノ、強力うちわ「風神」@ドラえもん、 【道具】:基本支給品一式、ランダム支給品0〜1 【思考・状況】 1:優勝を狙う。 2:しばらくはゼロと組んで行動する。 3:『○』についてはどうしようかしら……。 4:守るべき者って……バカバカしい。 【備考】 ※ナナリーの存在は知りません ※会場がループしていると確認。半ば確信しています ※古城内の大広間に『○』型のくぼみがあります。このくぼみに何が当てはまるかは不明です。 ※ヴァッシュの声を一通り聞きました
【サカキ@ポケットモンスターSPECIAL】 [状態]:健康 [装備]:投擲剣・黒鍵 5/10@Fate/zero、防刃ベスト@現実 [道具]:支給品一式×3、電伝虫@ONE PIECE×2、破魔の紅薔薇(ゲイ・シャルグ)@Fate/Zero 忍術免許皆伝の巻物仮免@ドラえもん、和道一文字@ONE PIECE、シゥネ・ケニャ(袋詰め)@うたわれるもの、謎の鍵 [思考・状況] 基本:ゲームを潰してギラーミンを消す 1:同士を集め、ギラーミンへの対抗勢力を結成する(新生ロケット団) 2:土御門、ゼロ、水銀燈からなるべく多くの情報を集める。 3:ヴァッシュとの合流。 [備考] 第三部終了(15巻)以降の時間から参戦。 ※康一、ヴァッシュの名前はまだ知りません。 ※詩音を『園崎魅音』として認識しています。 ※ギラーミンの上に黒幕が居ると推測しています。 ※表記されている道具のほかに、通常のベストが一着、デイパックに入っています。 ※防刃ベストは通常のベストに偽装したもので、銃弾等を防ぐほどの性能はありません。 ※B-2・森にベナウィの死体、広瀬康一の死体が放置されています。荷物は空のデイパックのみです。 ※ヴァッシュの声を一通り聞きました 【土御門元春@とある魔術の禁書目録】 [状態]:左の肩付近に軽傷。肋骨1本骨折。失血で衰弱。超能力により自動回復中(微弱) [装備]:レナの鉈@ひぐらしのなく頃に [道具]:なし [思考・状況] 基本:どんな手を使ってでも学園都市に帰る 1:殺し合いに生き残る 2:あくまでも証拠は残さずに、目立つ行動は取らずに行動。 3:駆け引きを駆使してなるべく自分に有利な状況を作り上げる。 [備考]: ※ウソップの本名を把握していません。 ※地図や名簿は大まかに把握しています。 ※会場がループしていることに気付いていません。 ※ヴァッシュの声を一通り聞きました。 ※原作4巻以降、原作9巻以前からの参戦です。 【治療器具一式】 ゼロが保健室から調達した包帯、ガーゼ、消毒液などの簡単な医療器具セット。
投下終了です。 支援感謝。 ご意見ご感想よろしくお願いします。
おおっと、投下乙でした!
投下乙です 冒頭の地の文ナシの部分が、なんとも言えない緊迫感があって良かった それに知性派が集まってる中での、銀様に対する土御門の反応が……w この面子だと銀様置き去りだなぁ(知略的な意味で)、と思ったり思わなかったり
確かに、ちょっと知性派とは言い難いなw>銀様
投下乙です! 土御門の超ド天然級命知らずお人よしの大馬鹿は上条が基準かw そういや交渉人サカキ、接触しても今回みたいに話し込んだことなかったんだよな 突然の奇襲に余裕で対応するサカキがえらく格好いい 考えてみればポケモンの戦闘ってとんでもない速度で移り変わるだろうし、状況判断能力も納得 ゼロの登場に違う意味で驚いた所に吹いてしまったw 仮面にマント、そしてマッチョ!うん、怪しいなw それにしても、一切戦闘してないのになんだこの張り詰めた緊張感 下手な戦闘よりもドキドキしてしまった GJ!
銀様は食べられる野草とか知ってそうなイメージ
それなんて香取慎吾?
投下乙です サカキ、言っている事は「これから考えよう」なのに何故やら妙に格好いいぜ…! これがボスの風格か それにしても土御門のキャラがいいなぁ シリアスもギャグも面白いとはなんておいしい 全員が全員の事を信用していない、どころかあわよくば利用してやろうと考えてる腹黒具合が見事です GJ!
607 :
創る名無しに見る名無し :2009/04/30(木) 00:05:54 ID:prBTH17p
しかし、カミヤン 君、のりさんが深紅を見て似たこといっているよ
投下乙! おお、なんという頭脳メンツ……銀様が浮いて見えてしまうw 個人的にはサカキと土御門の会話がなんだかおもしろい! 口調とか難しそうなのにここまでとは……凄いなぁ。 そして全く結末がわからない交渉の先が楽しみすぎる!
609 :
創る名無しに見る名無し :2009/04/30(木) 00:19:51 ID:0I04Mb+P
予約キタキタ
ミスorz
トリを出しっぱなしだった上に本文空白という二重の……!
新予約きた! では、予約スレにも書きましたがブレンヒルト、ミュウツー、ナナリー、ラッド、詩音を投下します。
三人の少女が街を目指している。 その内の一人――盲目の少女、ナナリーは別の少女により背負われている。 少女の名はブレンヒルト・シルト。 そして二人からほんの少し離れた位置に居る少女は園崎詩音。 とある事情から行動を共にする事になった三人の内、二人は視線を向けていた。 自分達が今向かおうとしている街中――ではなく、鉄橋の方へ。 たった今、自分達が渡り終えた其処を。 ブレンヒルトと詩音はそれぞれ見つめていた。 「まったく、しつこいのは嫌われるコトがわからないのかしら」 やがて溜息に似た呟きがブレンヒルトから漏れる。 どこか殺し合いの場所には似つかわしくないセリフ。 されども声色からは決して余裕の色は見られない。 人知れず冷や汗を流すブレンヒルトの表情は真剣そのものだ。 事実、ブレンヒルトは目の前に危機が迫っている事を認識している。 「……悪いけどナナリーを頼むわ。それと何処か安全な場所へ隠れて」 「え、ええ……」 暫しの逡巡を経てブレンヒルトは詩音へ託す。 実に憎々しげな表情は、事態があまりいい方向へ行っていない事による所以のものだ。 詩音の肩を借りて、ナナリーの小柄な躯体をそっと預ける。 フラフラと、おぼつかない足取りだがなんとか立つ事は出来た。 両脚の力を失っているナナリーにはきっと酷な事だろう。 なんとなくの状況は察しているのだろうが、不安は消えていない。 親鳥から見捨てられた小鳥のような、なんとも言えないもの寂しさがブレンヒルトの心を捉える。 ――止めるべきか。 詩音は未だ知り合ったばかりだ。 なにやら変わった力があるようだが、この場では珍しい事ではない。 自分の左腕に埋まっているものや、概念兵器の存在を忘れてはならない。 しかし、詩音が完全に信頼出来るかと聞かれれば自分は一体どう答えるか。 即答は出来ない。だけども仕方がないとブレンヒルトは自分に言い聞かせる。 流石にナナリーを抱えながらでは自分の行動に支障が出る。 その支障が重大な結果を招いてしまえばどうしようもない。
しえんいきます
「ナナリー、少しだけ待っていて。直ぐに終わらせるから」 故に今、ブレンヒルトに求められているのは迅速に目の前の障害を取り除く事だろう。 使い慣れた鎮魂の曲刃はなく、1-stGの概念兵器すらもない。 だが、どうやら目の前の脅威は自分達を逃すつもりはないようだ。 この先も追跡を受けるなど、正直勘弁願いたい。 ならば、やらなくてはいけない。 ここで終わらせる。 想いと共に左腕に力を込める――いつでもいける。 それは固い意志の現れ。 「ブレンヒルトさん……あ、危なくなったら、絶対に逃げてください!」 ナナリーの精一杯の声が響く。 背中を向けながら、ブレンヒルトは小さく頷く。 有り難い言葉だ。心地よい感触が全身に広がっていくような感覚が走る。 続けて詩音がナナリーと共に駆けて行ったのが足音で判った。 どうやら詩音は何も声を掛けてくれないらしい。 まあ、特に期待はしていないか。軽く自嘲気味に口元を歪ませる。 しかし、その歪みは直ぐになくなり、口元はしっかりと閉じられる。 そして視線を突き刺す。 人間ではない。異形の、つい先程出会ったそいつに送るものは一つの言葉。 「待たせたわね」 律儀に待っていたところを見ると最低限の礼儀はあるらしい。 若しくは先ずは一人づつ始末しようという魂胆なのだろうか。 真実は実際に聞いてみなくてはわからない。 じっくりと聞きだすのもいいだろう。 取り敢えずは力を奪ってから自衛のために出来ることをするしかない。 「……気にするな」 目の前のそいつは憮然と答える。 余程この殺し合いに生き残りたい理由があるのだろう。 紫色に輝く瞳からは底知れぬ意思がひしひしと感じられる。 だが、ここで臆するようでは自分に未来はない。 左腕をゆっくりと正面へ翳す。 「逃がすつもりはない。ここで終わらせる」 そいつの声と同時に、ブレンヒルトの左腕の皮膚が捲れる。 ベリベリと、観ていて気分の良い光景ではない。 そう思っている間に全てが終わった。 一瞬の変化――剣の形を模した、ナノマシンの慣れの果てを己の左腕とする。 それはARMS“騎士”の第一段階の発現の証。 「じゃあ、始めましょう……手加減の程はあまり期待しないように、ね」 「……そちらもな」 そしてぶつかり合うのは互いの言葉。 演目は只人には過ぎた力を持つ者同士の、命の喰らい合い。 ギャラリーは周囲の景色だけ、身守る視線もない。 二人ぼっちの戦いが今、始まりを告げる。 ◇ ◇ ◇
まるで風と戦っているようだな。 数十分程か、はたまたそれ以上時間が経ったのかもしれない。 予めブレンヒルトから奪った十字槍を振いながらミュウツーは思う。 左腕の奇妙な剣も勿論の事、ブレンヒルトの立ち振る舞いがそう感じさせる。 ブレンヒルトの剣による斬撃はそれほど鮮やかなものではない。 恐らく普段は別の武器を使っているため、未だ慣れていないのだろう。 同情はしない。これは殺し合いだ、寧ろ好都合と言える。 こちらにも目的がある以上、つけいる隙があるならば容赦なく狙わせて貰う。 それに、使い慣れていない武器はこちらも同じ条件――気兼ねなどない。 己の意思を込めるように、ミュウツーが十字槍を前に突き出す。 そして己の身を後方へ飛ばしたブレンヒルトを見やる。 (そろそろ、か……追ってきたかいがあった) わざわざ此処まで追撃をしかけた訳は、あの忌まわしい契約のせいだ。 制限時間内に一定量の死亡者が出なければマスターの命はない。 自分が動かずともその条件が満たされる可能性はある。 しかし、万が一満たされないとしたら――不安を消すかのように、ミュウツーは過剰ともいえる追撃に身を費やす。 そして思った。自分の判断は間違っていないと。 先程駆けていった二人の少女はどうやら戦う力を持っていないらしい。 ならば、確実に癒されていく自分の力を必要以上に使う事もないだろう。 やがて腰の回転を加え、ミュウツーは右腕を後方へ引く。 ブレンヒルトの怪訝な表情が視界に映るが気にしない。 勢いを殺さず、そのまま十字槍を投げつける。
(一人ならサイコウェーブを使う必要もない。なら……いける) 撃突。ブレンヒルトは咄嗟にARMSを翳した事で刺突は免れる。 衝撃を押し戻すためにもに、力任せに押し弾く。 その瞬間を狙っていたかのように、ミュウツーが一気に距離を詰めた。 両腕に持つ武器は何一つない。 完全に素手の状態だが、ミュウツーに臆する様子はない。 何かある。ブレンヒルトの本能が警告の鐘を鳴らす。 瞬間。不意にミュウツーの右手からなにかが顔を見せた。 一本の、銀白色の大型のスプーンがそこにあった。 複数の敵を一度に相手にするサイコウェーブとは違う。 一個体を殴りつけるために用意した、念力の結晶ともいえるミュウツーの近接用の武器。 最早身体の一部といってもいい程に、使い慣れた武器がブレンヒルトを襲う。 (そうだ。これでいける……しとめてみせる!) 言葉は発さず、只、冷徹な殺気を乗せてミュウツーが地を駆ける。 ◇ ◇ ◇
支援
「……良い気になっては困るわ」 横殴りに振られたスプーンがブレンヒルトに迫る。 毒を吐きながらも左腕のARMSで受け止める。 間髪入れずに珪素を主成分とした、金属質の刀身が衝撃に対し僅かに揺れた気がした。 そう思えてしまう程に強大な力。 証拠に、ブレンヒルトの左腕に痺れのような感覚が今もこびり付いている。 食器を武器とするとは、と笑っていられない程の重み。 初めから使用していなかった事を見ると、何らかのリスクが伴うのだろうか。 それとも、単にタイミングを見計らっていただけか――そこまで考え、思考を止める。 一瞬だけ力を落とし、力の向きを変えた。 大質量のスプーンを真っ向から迎えるのではなく、下から弾き飛ばす。 ブンブンと、円回転を起こしながらスプーンがあられもない方向へ飛んでゆく。 だが、ブレンヒルトは碌な喜びを見せはしない。 只、極めて冷静に己の左腕をしなるように走らせる。 (やっぱり気のせいじゃない) 一閃。ARMSによる斬撃が空を切る。 大気のうねりが、一瞬前までミュウツーが居た場所を横断。 次にポタリと、小さな赤い雫が地面に落ちる。 左脚に小さな裂傷を貰いながらも、宙返りの要領で両断を避けたミュウツーと視線が合う。 振るった左腕を戻しながら、ブレンヒルトは確信にも似た思いで認識する。 しっかりとスプーンを掴んだ、ミュウツーの戦意は未だ削げ落ちていないことを。 そして自分の身体に生じた変化を―― ブレンヒルトとミュウツーが、それぞれ陸と空から前方へ身を飛ばす。 ARMSの刀身とスプーンが何度も何度も衝撃音を鳴らす。
(私の身体は……以前とは違う。このARMSというもののせいか……) 事実、ブレンヒルトが数時間前から立てていた推測に間違いはなかった。 ブレンヒルトの左腕に埋まっているARMSは単なる武器ではない。 炭素生命体と珪素生命体のハイブリッド生命体――人間を更なる高みに到達させるために生まれたと言われている。 ナノマシン集合体であるARMSは時間の経過と共に身体にナノマシンを増殖。 つまり移植者の身体に馴染めば馴染む程、その特性は上がっていく。 剣といった固有武器の発現 欠損部分の補修、自己治癒力と身体能力の向上、同じ攻撃への耐性反応――等々。 元々並みの人間よりも身体能力が優れているため、ARMSによる付加は大きい。 そして全身にARMSが広がった時こそ、爆発的な力が生まれる瞬間。 今のブレンヒルトの侵食状況ではそこまではいかないが、確実にARMSは彼女の身体に慣れ始めていた。 自分以外の存在と肉体を共にする感覚。 それは決して心地の良いものではないだろう。 しかし、ブレンヒルトには耐え難い程の嫌悪感があるというわけではなかった。 (今の私には絶望的に戦力がない……。 1st-Gの概念を利用出来るものがなければ、これほど無力だとは思わなかったわ。 でも、だからこそ私は……) ブレンヒルトは今は亡き、1st-Gのエルフだ。 1st-Gに所縁のある武器でなければ彼女の本領は発揮できない。 だが、ブレンヒルトにはこんな場所で死んでやる理由はない。 故に降りかかる火の粉は払う必要がある――そのために必要なのは力だ。 だから受け入れるしかない。寧ろ喜んで使って見せよう。 この場所か脱出するのは元より、小鳥を――あの子を助けるためにも。 今の自分はいつもと違う。 手持ちの武器も、立ち振る舞い方も。 ならば、違う戦い方で攻めてやるまでだ。 想いを糧に、ブレンヒルトは左腕のARMSへ己の闘争本能を注ぐ。 「あああああああああッ!!」 自分らしくもない、まるでLow-Gの面々がやるように。 俗に言う気合いを己に焚きつかせて、左腕の速度を上げる。 先程までほぼ拮抗していた状況が変わり、徐々にブレンヒルトの方へ勢いが傾く。 いける。微弱ながらも、表情を険しく歪ませたミュウツーがブレンヒルトにそう思わせる。 ARMSは一個の生命体だ。きっとブレンヒルトの想いを鋭敏に感じ取ったのだろう。 まるで誰か心強い存在と共に戦っている感覚が、頭の中でチカチカと点滅する。 時間の経過と比例するかのように、銀色の刃がスプーンを削り取っていく。 このまま押し切る。その時、ブレンヒルトは視界の隅から何かが此方に迫ってくるのを確かに見た。 そして目の前に広がったものは――大きな花火。 「ヒャッハァ! 命中ッ!!」 耳障りな男の声、ラッド・ルッソの声であった。 ◇ ◇ ◇
「やっぱ撃ってみるもんだわ。いや、俺も当たればいいなーとは思ったが……まさか本当に当たるとはな。 神様ってヤツが居るなら感謝してやるぜ、マジで」 バズーカを担ぎながら、ラッドがブレンヒルトとミュウツーの方へ歩き出す。 距離にして10メートル程の位置を我がもの顔で取った。 油断なくスプーンを構えるミュウツー。一方のブレンヒルトは蹲ったままだ。 それもその筈、バズーカの砲弾を真正面に喰らったせい――但し、直前にARMSで叩き斬る事は出来たが。 しかし、全くの無傷で済むわけがない。 爆風に巻き込まれ、ブレンヒルトの全身には痛々しい火傷が生まれている。 そんなブレンヒルトの様子を見てか、ラッドからは悪意に満ちた笑みが零れる。 「おいおいおいおいおい。まだくたばんじゃねぇぞ、女ッ! てめぇにちょん切られた分が残ってんだ。まさか忘れてねぇよなぁ!」 ブレンヒルトは何も答えない。 只、忌々しげにラッドを見返すだけだ。 抵抗の意思は消さない。諦めなどという文字はありはしない。 満足げに眺めながらラッドはぐるりと首を回す。 「それとてめぇだ、宇宙人野郎。 てめぇのお陰でまた痛てぇ思いをしてきたんだ……思い知ってもらうぜ、てめぇの命ってヤツでよぉ!」 その時になってミュウツーは悟る。 ラッドの胴が嫌に赤黒く、次第に傷が治っている事に。 ミュウツーはラッドの身動きを止めるために、確かに大木に彼の身を貫かせてやった。 だが、ラッドは万全の状態とはいえないまでもこの場に居る。 自然と行き着いた結論は――ラッドが自分の予想を越えていた事。 ラッドは持ち前の怪力を頼みに己の身を大木から引きちぎることで、その拘束から逃れていた。 勿論、想像を絶するほどの痛みはあっただろう。 どんな傷さえも瞬時に修復する“不死者”といえども、痛覚を消す事は出来ない。 しかし、ラッドは打ち勝った。 不死者元々を抜きにした本来のタフさ、そして何より――
「ああああああああ!サイッコーーーーーーーーーーーーーーーーだ!! てめぇら二人、まとめてブチ殺すチャンスが回ってきたんだからなぁ、ヒャハハハハハハハハハハハ!!」 ブレンヒルトとミュウツーに借りを返す。 決して諦めるてやるつもりはない、強い意志がラッドを動かす。 更に距離は詰めた。もう目と鼻の先に、ブレンヒルトの姿がある。 ラッドはが右脚を振るう。道端に転がった石ころを蹴り飛ばすように。 但し、石ころには不相応な程の殺意を込めながら。 「がっ!」 衝撃。痛いと思うとほぼ同時にブレンヒルトの華奢な身体が吹っ飛ぶ。 何度も身体を打ちつけながら、やがてある程度の位置で止まる。 苦しげに肩を震わせるブレンヒルトをラッドが追う。 小さな子どもがサッカーボールを追っていくような足取りで、ブレンヒルトの様子など意に介さずに。 どうやら先ずはブレンヒルトの方に片をつけるらしい。 時折、もう一人の獲物であるミュウツーの方を見るが、ラッドは特に仕掛けようとはしない。 同じくミュウツーも自分に向けられた視線には睨みを返すが、行動を起こそうとする気配までは見られない。 不思議な事ではないだろう。ミュウツーの目的は一定量までの参加者の減少。 自分の手を使わずとも、参加者が減るというなら邪魔をするつもりはない。 だが、準備を怠っているわけではない。 次に狙われるのは自分だ。よってこの間に念力の補充に集中。 状況の成り行きには意識を向けて、ラッドがブレンヒルトに近づくのを見ながらミュウツーは次の出方を窺う。 そんな時、ミュウツーの両耳が音を捉え、直ぐに後ろを振り向く 其処にはミュウツーの予測した未来には描かれなかった光景があった。 「ブ、ブレンヒルトさんから離れてください……!」 その原因は盲目の少女、ナナリー・ランぺルージ。 ◇ ◇ ◇
『なにをしている、ナナリー! さっさと逃げろ!!』 (ごめんなさい、ネモ。でも、私はブレンヒルトさんを助けたい……) ナナリーが此処に居る理由。 言ってみれば簡単な話だ。 とどのつまり、ナナリーはブレンヒルトだけを置いて逃げる行為がどうにもしたくなかった。 初めて会った時から優しく接し、車椅子でしか動く事の出来ない自分も見捨てないでくれた。 出会い方や性格は違うけども、まるであのクラスメートのように。 嬉しかった。同時に信頼できる人だと思った。 だから――ナナリーは今、此処に居る。 もう一人の自分であるネモの制止を振り切って。 ブレンヒルトの苦しげな声が聞こえ、思わず声を上げていた。 『ならばマークネモを呼ぶ! そして私が奴らを殲滅してやる、それで良いだろう?』 (ダメ! マークネモを使えば、ブレンヒルトさんや園崎さんも危ないわ!) 『ちっ!そうだ、そもそも――』 ナナリーの意思にネモは苛立ちを隠せない。 ネモはナナリーの守護により己の存在を自立させているため、彼女の指示に背くことは出来ない。 しかし、不満や不平をナナリーに届ける事は出来る。 故にナナリーにはネモが次に何を言おうとしているのかが何となく悟っていた。 自分が今、この場所に立てる理由にネモは矛先を向けようとしている。 『何故、園崎はお前の意見に従った!? ブレンヒルトが行けと言ったんだ、わたし達は彼女の意思を無駄にしないためにも逃げておくべきだったんだ!』 ネモは怒りの感情を、今、ナナリーに肩を貸している詩音の行動へ叩きつける。 ネモの声が聞こえる者は、この場ではナナリーただ一人。 当然、詩音にその意思が伝わる事はないため、代わりにナナリーがその疑問を受ける形となり、返答に困ってしまう。 そう。ナナリーもブレンヒルトが心配だと思うと同時に、出来れば彼女の言葉を尊重させたかった。 あの後押しがなければ、詩音がブレンヒルトが心配だと言わなければ此処には居なかったかもしれない。 「あん? これはこれはどうしましたか、お姫様? どうやら眼の方が少しばかし不自由してらっしゃるようですが、わたしめに何用ですか……なんてな」 怖い。先ず第一にナナリーが思ったのはそれだ。 面白がっているのか、変な言葉遣いで自分に言葉を掛けてくるラッドが酷く異質な存在に感じる。 きっとその近くに居ると思われるミュウツーも恐怖の対象の一つだ。 そして二人の傍にはブレンヒルトも居るだろう。 だが、自分には出来る事はこれといってない。 やはり姿を見せた事はあまりにも危険過ぎただろうか。 しかし、少なくとも今この時だけはブレンヒルトへの危機が免れているのは事実。 良かった――自分自身への危機を頭の隅に留めながら、内心ナナリーは思う。 そんな時――ふとナナリーは自分の首を何かが覆ったのを感じた。
「と、止まりなさい!」 なんだろう。急であったこともあり、ナナリーの思考が一瞬止まる。 例の如く両目に映るものは漆黒の闇だけだ。 両耳を頼りに――その声が詩音のものだとわかった。 途端にナナリーは嬉しさと申し訳なさで一杯になった。 きっと詩音は自分を庇いながら、ラッド達を牽制しているのだろう。 そうだ。もしかすれば誰かが通りかかるかもしれない。 兎に角、この状況では時間を稼ぐ――それが最善の策に違いはない。 詩音もそれがわかっているからこうしている。だが、ナナリーは気付ける筈もない。 詩音が浮かべる表情には別の感情が張り付いていた事に。 「取引しませんか。私の持つ情報と――この子とその女、二人の命で」 それは酷く冷たい意思を告げる言葉であった。 ◇ ◇ ◇
「へぇ、こいつはまたまた驚いた。嬢ちゃんはお仲間じゃねぇの?」 「誤解しないでください。別に私はこの子達とお友達……ってわけじゃありません」 表面上は冷静さを保っているようにも見える。 されども、内心、詩音の心境は気が気ではなかった。 確かにこの場に戻ろうと言いだしたのは自分だ。 いずれ殺す事になるブレンヒルトの力を知るためにも情報が欲しかった。 追撃者は一人、ならばナナリーを盾にしている間に十分に逃げ切れる。 そう思っていた筈であった。 (まさかもう一人増えているなんて……それにあの女ももうやられている。まったく、使えない……! でも、まだまだ……!) だが、目の前にはいかにも危なそうな男が居る。 園崎組でもこんな男は見たことがない、明らかに異常な存在だ。 人間をいとも容易く蹴り飛ばす男と戦いにでもなりにしたら――思わず冷や汗をかきそうになった。 支給品のお陰で、異能とも呼べる力を持ったものの、真正面からの戦いで必ず勝つ自信は生憎ない。 させない。思考をクールに、自分が戦わずに済む状況を呼び込む。 何故なら自分はこんな場所では絶対に死ねない。死ねない理由がある。 悟史君ともう一度会う――そのためにはどんなものも投げ捨てる覚悟は勿論だ。 だから、こんな卑怯染みた真似すらも取ることが出来た。 「……話を戻しましょう。この子、ナナリーちゃんとその女は貴方方の好きにしてもらって結構です。 それと私が持ってる情報も教えます。 これでも結構な人と会いましたので……貴方方の知り合いとも会ったかもしれませんよ」 俗に言う裏切り行為。 盲目のナナリーが軽く口を開け、呆然とした表情でこちらを見るが罪悪感はない。 だって自分には彼が居るのだ。彼の元に戻るためにもこの場を切り抜けなければならない。 その過程で、誰かを犠牲にする必要が出てくるなら喜んでやってみせよう。 魔女だの悪魔だのと罵られても構わない。 只、彼が居るならそれだけでいいのだから。 狂気とも取れる、ありったけの愛情が今の詩音を支えている。 そうだ。恐れる者は何もない。 暗示をかけるように己を励まし、詩音はラッドへ言葉を突き付ける。
「だから、自分の命は助けろ……と言いたいわけだな。ふんふん、なるほどなぁ……悪くないんじゃね」 「そ、それなら――」 途端に詩音の表情に確かな喜びが花開く。 ホッとした。頭上に乗っていた、不安という重りが消えたような感覚がある。 ならばさっさとナナリー達を引き渡し、自分はこの場から立ち去ろう。 思わず気が緩む詩音。その瞬間、ラッドが狙い澄ましたように声を発した。 さも愉快そうな笑みを浮かべて。 「――ところがギッチョン! 俺は嬢ちゃんとの約束事に興味はねぇんだ!」 そこでだ、宇宙人野郎。ちょいと提案があるんだが」 この男は何を言っているのだろう。 顔を背けたラッドを凝視しながら詩音は思う。 詩音程ではないが、ミュウツーの方にも驚きはあったようだ。 無言でラッドの言葉に耳を傾け、そしてラッドは。 「俺とてめぇの二人。どっちがこいつら三人を多くブッ殺せるか勝負しねぇか? てめぇは只、ブチ殺すだけじゃつまらねぇ。どうせなら殺す前にてめぇの鼻でも明かしてやりてぇからな。 そんでその後は俺とお前の潰し合いだ……やろうぜ、俺の方はいつでも準備はオッケーってやつよ。 なぁ、やろうぜ――愉快に愉快に殺りまくろうぜ!?」 詩音の頭の中で何かが崩れる。 前提が間違っていた。交渉を行うのには最低限の条件がある。 相手が少しでも自分の話に関心を抱くかどうか。 そして今回のケースは――生憎、ラッドにはその気が全くなかった。 ラッドの口から紡がれた恐ろしい言葉に詩音は青ざめる。 「……良いだろう」 「ヒャッハァ! もの判りが良くて助かるぜ」 「な、なんでそんな話になるんですか!?」 「あー? だからお前はもういいわ、ちょいと黙っといてくれや」 ミュウツーにとってもラッドの提案はそれほど悪くはなかった。 どのみちラッドとの戦闘は避けられないだろう。 ならばその前に脱落者の数を増やしておくのは得策だ。 別に勝負の勝ち負けはどうでもいい。参加者を減らすことが目的だ。 先ずは三人を殺し、後は逃げるなりもしくは殺すなりしてこの場を終わらせる。 同情は捨てる。そんな感情は自身の破滅を招くだけなのだから。 しかし、必死に抗議の言葉を叫び続ける詩音から顔を背けたのは何故だろうか。 僅かな疑問を抱きながらも、ミュウツーは歩き出す。 顔を上げているものの、未だ立ち上がれそうにもないブレンヒルトの方へ。 そんなミュウツーを見て、ラッドも歩を進めていく。 「というわけだ。だから嬢ちゃんよぉ――さっさと死ねや」 ゴキゴキと両拳を鳴らしながら、ラッドは詩音に宣告する。 こんな馬鹿な。誰に言うわけでもなく詩音は心底思う。 何故、自分がこんな目に遭わないといけなのか。 自分は只、悟史に会いたいだけなのに。 もし、慈悲深い神様が居るならなんとかして欲しい。 既に人一人を殺した事実をまるで忘れたかのように詩音は切に願った。
だが、やはり何も助けは入らない。 ブレンヒルトもナナリーも当てに出来ず、何か出来たとしても詩音を助ける事はないだろう。 こうなればなんとか自分の力で切り抜けるしかないか。 絶対に出来る――という自信はどうにも持てなかった。 あまりにも暴力的な、経験した事のない恐怖を撒き散らすラッド。 そんな彼が、今から自分を殺そうとやってくるのだ。 落ちつけるわけがない。 只、一歩づつ近づいてくる死の足音に震える事しか出来ない。 そう思った瞬間――地割れが起きた。 赤子の産声を思わせる地響きがどこからか聞こえる。 なんだ。一体何が――何が起きた。誰もが思ったであろう疑問。 「おいおいおいおいおいおいおいおいおいおい……マジかよ」 逸早く反応したラッドが叫ぶ。 驚きを一切隠さない、純粋な感情がそこにあった。 何故か心躍るような声色で、何かに期待する様な眼差しで。 ラッドは“そいつ”に向けて言葉を吐き捨てる。 「どうなってんだ、こいつはよおーーーーーーーーーーーーーーーーー!?」 二本の腕が見える。 只の腕ではない、人一人分くらいの長さは楽に越えている。 しかもその腕は地面から生えている。 咄嗟に詩音が慌てて跳び退いた。 詩音の直ぐ傍、何故かその場に立っていたナナリーの直ぐ下から、腕が出てきたのだから。 大地を突き破り、大空の元へ出てやろう――そんな印象を思わせる。 やがて、ナナリーの背後で六つの目を持った顔が浮かんだ。 「マークネモッ!!」 それは新たな可能性――未来を司る存在。 ◇ ◇ ◇
巨人だ。 其処には機械の巨人が居た。 力強さとしなやかさを内包した、全長4m程の躯体が聳える。 両肩に西洋の盾を思わせる装甲が覆われ、頭部を始め全身の至る所からワイヤーが伸びている。 風にたなびく度に人間の毛髪を思わせる。 二足歩行型可能な機動兵器、ナイトメアフレームを模した唯一無二の機体。 ナナリー曰く“新しい身体”――“マークネモ”が地に降り立つ。 そしてその心臓部とも言える操縦室にナナリーは居た。 但し、意識の主導権はネモの方へ。 マークネモに搭乗している間には、全面に出る人格の交代が起きるという事だ。 『やめて、ネモ!』 「未だそんなコトを言うのか、ナナリー! お前も感じたのだろう、奴らのおぞましさを……奴らの醜さを!!」 『そ、それは……』 マークネモはネモとの契約で得た力だ。 ナナリーが抱く負の感情――怒りや憎しみ等の感情を糧にする必要がある。 では、今回はどうだったのだろうか。考えるまでもない。 今、この場にマークネモが出現した事が何よりの証拠と言える。 確かにナナリーは感じた。 自分を売ろうとした詩音。意気揚揚と殺人に手を染めようとするラッド。そしてその状況に身を委ねるミュウツー。 それがわかった時、ナナリーは何よりも悲しかった。 こんな事をしている場合じゃないのに――その時、ネモが敏感に感じ取っていた。 ナナリーの中で芽生えた怒りと憎しみ。彼ら三人とこの状況全てに対する負の感情をネモは力という鎧に変えた。 この場に存在するどんなものよりも力強い、生身のナナリーとはかけ離れたものだ。 「……こいつはちょいと逃げた方がいいかもな」 「ちっ……!」 そして、流石の二人もこの状況で闘い続けるのは得策ではないと判断したのだろう。 機転を利かし、ラッドとミュウツーは直ぐにマークネモから走り去っていく。 しかし、当然、マークネモの一歩は彼らとはわけが違う。 跳躍――そこまではする必要もない。一、二歩だけ踏み込んで右拳を叩きつけようとする。 刹那。ネモは確かな違和感を覚えた。 (馬鹿な! マークネモの動きが……遅いだと!?) 衝撃が起き、大きなクレーターが生まれる。 其処はほんの一瞬前にラッドとミュウツーが居た場所付近。 ラッドとミュウツーは身を投げ出す事でどうにか難を逃れていた。 外れた。その事は勿論腹立たしいがそれよりも引っかかる事がある。 己の身体とも言える、マークネモに何か異変が起きている事についてだ。 しかもそれは決して小さなものではない。 自分の方には特に異常はないと思われるが心残りはある。 ギラーミンがマークネモに、自分に何らかの処置を施したのだろうか。
有り得ない。普通では有り得ない。 何故なら自分はエデンバイタルを司る存在、“魔王”だ。 あの魔女――C.Cの一部でしかない泥人形とはもう違う。 自分は自分の力で立つことが出来る、一つの存在だ。 そんな自分が知らぬ間に、他人に言いように弄られていたなど――ネモに認められるわけがない。 違和感などなかった。そう自分に言い聞かせるようにネモは意識を集中させる。 拳による打撃は外れてしまった。 だが、それがどうした。 マークネモが只、殴りつけるためだけのナイトメアフレームであるわけがない。 ナナリーとの出会いで、漸く手に入れた自分だけの力を発現する。 「ブロンドナイフッ!!」 全身に付属したワイヤーがまるで蛇のように動めく。 縦横無尽、一本一本が意思を持っているのかと錯覚する程に、その動きは複雑だ。 その先端にはナイトメアフレーム用のナイフ。 直撃すれば人間など刺すと言うよりも押し潰してしまうくらいに。 たとえ不死者や遺伝子改造によって生まれたポケモンでさえも、確実な死が訪れることだろう。 但し、本当に当ればの話だが。 「かああああああああああ! スゲぇ、こいつはスゲぇ!! 腕が刀になっちまう女、宇宙人野郎、んで次はバカみてぇなロボットか!! おいおいおいおい、どんだけ俺を飽きさせねぇんだよ――このバトルロワイアルってヤツはよぉ!!」 場違いな声が響く。 声の主は言うまでもなくラッド。 寸前のところでブロンドナイフを避けて、未だ致命傷を貰っていなかった。 ピョンピョンと、よくもまあこれ程までに柔軟に動けるものだ、と感嘆する程に曲芸染みた身のこなしを見せている。 「これほどとはな……」 一方、ミュウツーの方もラッドとは対照的に、碌に口を開かず黙々と身体を動かしている。 ミュウツーはエスパーポケモンだ。 得意中の得意とも言える超能力を用い、ブロンドナイフの軌道を僅かに変えている。 勿論、大きさの違いもあり、それだけで攻撃を避けているわけではない。 持ち前の身体能力、更にはいつの間にか右腕に握ったスプーンを駆使しながらなんとか凌いでいた。
支援
共に余裕はないラッドとミュウツーの二人。 この殺し合いに呼ばれる前も、様々な経験を積んだ二人は共にかなりの実力者と言えるだろう。 だが、幾ら二人といえども、マークネモとのサイズ差をどうにか出来るものではない。 ならば何故二人は未だ致命傷を貰うまでに至っていないのか。 答えの一つは二人が専念しているためだ。 攻撃は考えず、隙を狙った反撃すらも一切考えていない。 流石のラッドですらも全くと言っていい程に。 不自然な話ではない。 ラッドはバズーカを持っているものの、狙いをつける瞬間に逆に狙われる場合がある。 あちらとは違い、こちらは常に一発を貰うだけで危うい。 周囲から殺人狂と称されるラッドだが、決して頭が悪いわけではなく寧ろ回転は速い。 特に喧嘩や揉め事に関する際の、頭の切れ具合は。 故に二人は全ての意識を回避行動に注ぎ、今、未だ己の命を永らえている。 そしてもう一つの理由は――マークネモの方だ。 (何故だ!? マークネモの動きだけじゃない、ナナリーのギアスの精度も明らかに可笑しい……。 どうなっているんだ、これは……?) 確かにネモの意識が通常よりも押し出されているといっても、その肉体はナナリーのものだ。 また、ネモがナナリーに与えたものはマークネモだけではない。 ギアス、簡単に言えば一種の超常能力とも言うべき力。ギアスを持つ者をギアスユーザーと呼ばれる。 ナナリーが受け取ったものは未来線を読む力を持ったギアス。 俗に言う未来予知とでも言った方がいいのだろうか。 相手の攻撃の軌道、そして相手が次に行うであろう行動の予測が能力の一端。 しかし、それは完全な予知というわけでもない。 事実、この殺し合いに参加させられる前も、とあるギアスユーザーのナイトメアフレームの動きを読み切れはしなかった。 只、問題なのはその誤差があまりにも大きい事について。 そう。今しがた打ち放ったブロンドナイフで仕留められなかった事実が苛立たせる。 同時にまたも思う。やはりマークネモには何か、自分の知らない力が働いている事に。 実際、マークネモのスペックは意図的に何段階も落とされている。 全長が約4m程のナイトメアフレーム。しかも、マークネモは特別なナイトメアフレームだ。 単純計算で起動時のエネルギーは、一般のナイトメアフレームのそれの50倍以上。 まさに化け物といえるマークネモが本来のスペックを発揮すれば、この殺し合いはあっという間に終わってしまうだろう。 そうさせないための処置なのだがネモに気付くわけがない。 マークネモに異常があるならば、尚更自分に気の緩みは許されない。 一切の反撃を許さずに、ラッドとミュウツーを釘付けにしている。 気休めにもならない。自分はマークネモまで持ち出しているのだ。 この時点で二人を、少なくとも一人は殺せないようではあまりにも不甲斐ない。 そう。ナナリーとは相容れない、明らかに敵だと断定できるこいつらを――しかし、障害は未だあった。 僅かな焦燥の念に駆られながらも、ネモがマークネモで追撃を掛ける。 『もうやめて、ネモ! 人間相手にマークネモを使うなんて……どんな事情があっても、私には出来ないわ!』 されども、その動きにはどうにもぎこちなさが目立つ。 マークネモの攻撃に精彩が欠けているにはナナリーの存在があった。 ナナリーは心優しい少女だ。かつては只人であった、一人の男が心の拠り所にしていた程に無垢な心の持ち主。 そしてナナリーは元来の大人しい性格から争いごとは好まない。 今まで、この会場に呼ばれる前までにマークネモを使用していたのは、そうする必要があったためだ。 避ける事が出来なかったナイトメアフレーム同士の戦闘を切りぬけるためには。
だが、今回は勝手が違う。 幾ら判り合えないかもしれない存在だろうと、ラッドとミュウツーは生身だ。 人とは言い難いがナイトメアフレームを相手にするのは明らかに訳が違う。 よってナナリーは嫌悪感を覚える。 あまりにも過ぎた力であるマークネモに乗って彼らを蹂躙する自分自身に。 故にナナリーは今も試みている。 マークネモの解除はどうにも出来そうにない、ならばせめて自分の意識で足止めを掛ける。 その意思の成果が、確かに現在のマークネモの状態に現れていた。 しかし、ネモは大声で叫ぶ。 「いい加減にしろ、ナナリー! 自分の感情に素直になれ! こいつらが許せないとお前は思った筈だ、それがお前の本音だ! 私に全てを委ねれば楽になれる、私に全てを任せてくれればそれでいい……!」 ナナリーに反抗するように、ネモはマークネモを懸命に動かそうとする。 揺るぎはしない、意固地なまでに強い意志の現れ。 その行動の理由は、ネモはナナリーを軽く見ているわけではない。 寧ろ逆だ。ネモがナナリーの意思に背く事を喜んでするわけがない。 「私はお前の騎士だ、だから私がお前を全てから守る……! 私だけを信じろ! どこの馬の骨かわからない奴らと関わるからこんな目に合うんだ……!」 『ネ、ネモ……?』 ナナリーの騎士という、ネモの自称は伊達ではない。 だからこそネモはここまでして、この状況をどうにかしたかった。 ナナリーがいわれのない危機に襲われ、その命を散らせてしまう。 許せる筈もない。もし、本当にそんな運命が待っているのだとしたら。 この身を賭してでも――全力で反逆を行う必要がある。 だが、まるでネモとナナリーを嘲笑うかのように状況は加速していく。 「う、動かないで!」 恐れを必死に押し殺したような、大声が響く。 マークネモの頭部を回し、ネモがそちらを確認する。 見れば人影があった。緑色のロングヘアーを生やした、園崎詩音と目線が合う。 マークネモの異形の顔を改めて認識してしまったのだろう。 心なしか詩音はマークネモから視線を逸らした。 但し、しっかりと己の腕で抑えつけている。 自分の前に、まるで盾にように立たせた少女を――ブレンヒルトを。 詩音はブレンヒルトを人質にした形で、言葉を突き付けていた。 「……こいつに死んで欲しくなかったら、さっさとその二人を殺しなさい!」 詩音は既に手段は選んでいない。 自分よりも弱い存在、最後の砦だと思っていたナナリー。 そんなナナリーが唐突にこの場で、最も強大な存在とのし上がったのだ。 堪らない。なんであの子がこんな力を、と悔しむよりもやることが先にある。 自分の身を守るために何をやればいいか。 迅速に、只、こんな場所では死にたくないという一心から詩音は選択した。 漸く立ち上がろうとしていたブレンヒルトの後頭部を殴りつけ、そのまま後ろへ回る。 ラッドとミュウツーの二人がマークネモと立ち回っていた間に起きた出来事であり、現在に至っている。
「キサマァ!!」 そしてマークネモが――ネモが吠える。 隠しようのない怒りを露わに、こうまでして醜態を晒す詩音に対する激情が一気に駆け上る。 今まで特に危険だと感じていたラッドとミュウツーに気を取られ過ぎた。 詩音は取り敢えず放っておいても碌な行動も起こさないだろう、と考えていた。 全てが自分自身の推測による、完全な判断ミスだ 二人を殺す事に躊躇いはないが、人質を取られてしまえばこちらの行動に支障が出る。 結果としてナナリーを更なる危機に追いやってしまった後悔の念。 やがてその感情も新たな怒りとなり、ネモの精神は更に興奮をきたし出す。 最早躊躇いはない。ラッドとミュウツーから離れ、一直線に詩音の方へ。 右腕を振り上げ、詩音に向けて一切の加減を行わずに振り下ろす。 『ネモ! ブレンヒルトさんが!!』 「くっ……ナナリー。奴の狙いはそれだというのに……!」 だが、マークネモの拳が詩音を叩き潰すことはなかった。 直前で、かなり際どい位置でナナリーの意思がマークネモを抑える。 直撃はなかったが、生じた風圧により詩音の身体がブレンヒルトごと後方へ跳んだ。 しかし、多少の恐れのような感情はあるものの詩音の表情に驚きはない。 きっと詩音はネモと同じく予想していたのだろう。 ナナリーの優しい性格を、言葉を換えれば甘い性格を。 ブレンヒルト前に出されてしまえば、ナナリーはなんとしてでも助けてしまう。 わかっていたものの、自分達が詩音のペースに乗せられている事に、ネモは人一倍歯がゆく感じた。 「ブレンヒルト・シルト……お前が!」 ネモにとって見ればブレンヒルトは所詮、この場で知り合った他人でしかない。 確かにナナリーの面倒を見てはくれたが、本心では何を考えているかは計り知れない。 裏切りや妬み、そういった感情は負の感情を力に変えるネモだからこそ良く知っているものであり、どんな人間でも有り得るものだ。 故にこの瞬間、ネモはブレンヒルトを邪魔な存在だと思った。 ナナリーの制止がなければ――死体がもう一つ増えた事になったかもしれない。 別段驚きもしない。そういうものか、と嫌に冷静に己を分析する思考が確かにあった。 されども、いつまでも考えに耽っているわけにもいかない。 詩音を相手にするよりは、ラッドとミュウツーの二人を相手にする方がやりやすいだろう。 心外ではあるが、それで詩音が示す条件を満たすことも出来る。 どうせ殺すのだ。ナナリーの敵は、どうせ一人残らず殺すのだから順番などどうでもいい。 マークネモのボディを翻し、ネモは再びあの二人へ狙いをつけようとする。 「なに!?」 「よそ見してんじゃねぇ!」 だが、その瞬間、マークネモの左肩辺りで何かが爆ぜた。 バズーカの、ラッドが先程まで投げ捨てていたバズーカからの砲撃の痕跡。 勿論、いつの間にかラッドはバズーカを手元に持っている。 一瞬とはいえ、注意を向けられなくなった途端に反撃を試みる。 改めて、ラッドという男の凶暴性には流石のネモも呆れかえるしかなかった。
更にネモはマークネモの違和感を自覚する。 どうせ同じナイトメアフレームによる攻撃でもなく、大した損傷ではない。 それでも予想以上には損傷が大きい。所詮、人間用の装備であるバズーカの筈なのに。 駆動系だけでもなく、装甲面についてもか――ネモは思わず表情を顰めるしかない。 極々自然な動作で、数本のブロンドナイフをラッドに向けながら。 速さは十分。ラッドが避けるのに必要な距離は不十分。 もらった――ナイフが行き着く先を見据えながら、ネモはそう確信した。 「――ッ!」 不意に一つの影がラッドを引っ掛け、そして跳んだ。 ブロンドナイフの射程外へ。ネモは慌てて追撃のブロンドナイフを放つ。 けれども結果は同じ。正確さを失ったギアスでは、その影の完全な軌道を読む事が出来ず、仕留めることは叶わない。 やがて影はラッドを肩に担ぎながら、地に降り立つ。 白色と紫の異形――ミュウツーが其処に居た。 「なんのつもりだ、てめぇ」 「勘違いするな」 ラッドの表情に感謝の色は見られない。 殺してやりたい相手に助けられる。 これほど屈辱的な事もないだろうが、ミュウツーは特に意に介してないようだ。 乱暴に、且つそれでいてラッドの身に危険が及ばぬように更に跳躍。 マークネモから距離を取り、ラッドから腕を放す。 ミュウツーがラッドの補助を行ったのは、単に善意からの行動ではない。 「……キサマにはもっと動いてもらわないと困る。 その方がオレにとっても……都合が良い。それだけだ」 ラッドの存在は貴重だ。 持ち前の価値観や倫理を見れば判る。 ラッドは常人という枠には、到底当てはまることはない。 此処で死なれるよりも、生き残った方が他の参加者の障害になり得る。 当に不死身とも言うべき肉体、人間離れした怪力と強力な武器。 何より殺す事に、なんら罪悪感を生じないラッドは人数減らしには最適だろう。 よって、ミュウツーはこの場ではラッドの生存を優先した。 たとえ自身の危険が及ぼうとも、少しでもマスターの生存に繋がれば構わない。 詳細な理由は口には出さない、きっとラッドの方も望んではいないだろうから。 そうだ。ラッドはそんな事は望んではいない。
「……ああ、わかった。てめぇは今、思ってんだろ? “俺はお前には殺されない”……だからこんな舐めたマネしてくれんだろ? いいねぇ、これでもかってぐらいにイラつかせてくれるねぇ……ホント、てめぇは俺をイラつかせてくれるわ」 ラッドが知りたい事は極めてシンプルなもの。 ミュウツーがどんな考えをしているか、自分に殺されるに相応しい存在か。 その答えは既に一回目の出会いから出てはいたが、更に確信は強まっていく。 胸中に滾る、全身全霊を掛けた殺意に答えるように両拳を握る。 今すぐブチ殺そうか、とラッドは嫌に冷めた頭で自然と感想を漏らす。 どう考えても余裕をかましているようにか見えないこの野郎を―― だが、ラッドは唐突に握り締めていた拳を緩め出す。 同時に浮かべるものは冷酷な眼差しを眼前のミュウツーに向けて。 そして歯車が噛み合ったかのように、ラッドが流暢に口を開く。 「決めた。俺はてめぇを必ずブチ殺す。最後の最後で、てめぇがあと一歩で最後の一人になるって瞬間にブチ殺す。 手段は……何でもいいか。まあ、そんなコトだ。 だからよぉ――」 つい数時間前に殺し合った相手に助けられる。 最大級の屈辱を与えられたと言っても過言ではない。 単に、殺してやるだけでは到底ラッドの気は収まらなかった。 最後の瞬間、ミュウツーを殺す状況に自分から新たな条件をつける。 それはきっとラッドなりの落とし前の付け方なのだろう。 誰にも理解出来ない、理解してもらうつもりもこれっぽちもない。 ラッドが準ずるものは己の価値観や理想――世間一般ではそれを“狂気”というのかもしれない。 只、自身の心に命ぜられるようにラッドは腕を伸ばしす。 高く、天高く――愉快さと不愉快さがごちゃ混ぜになった感情が見えた。 声を張り上げて、バズーカを肩に担いで、ミュウツーを呼びつける。 「先ずはこいつからブチ殺そうぜ。なぁ――この“クソ宇宙人野郎”!!」 跳び出した意味は、この場での一時休戦を示す言葉。 共同目的は――マークネモの破壊。 ◇ ◇ ◇
「クソ……なんなんだ、こいつらはああああ!!」 マークネモ内部でネモが叫ぶ。 かれこれ5分、いやそれ以上の時間が経った事だろう。 マークネモの不調は今に始まった事ではなく、半ば諦めがついている。 先程から何度も問題の解決を試みているが無駄なのだ。 どこか落ちつける場所でもあれば話は変わるかもしれないが、直ぐには期待出来ない。 その事は今は置いていく。そうだ。ネモの叫びには別の理由がある。 視界に映る人影の全てがネモには気に食わなかった。 「ギアスが使い物にならないだけで、これほどとは……!」 ネモの視界に映る人影は合計四つ。 強者から潰そうと言うのだろうか。 急に連携を取り出し、しぶとい抵抗を続けるラッドとミュウツーの二人が特に眼につく。 次に銀色の奇妙な物体を展開し、必死に逃げ惑っている詩音の姿が。 そして何よりも厄介な存在、ブレンヒルト・シルトは未だ詩音の傍で意識を失っていたままだ。 厄介というより、寧ろ邪魔でしかない。 ブレンヒルトの存在が詩音への決定的な攻撃を鈍らせる。 ならばラッドとミュウツーの方をと思いたくもなるが、この二人も一筋縄ではいかなかった。 「おい、てめぇ! なんか良い手段でも考えろや。今回だけは乗ってやる」 「知るか」 一足す一は二となって一よりも大きい。 あまりにも判り切った事だが、ラッドとミュウツーの二人はネモの予想以上に善戦していた。 信頼関係もへったくれもない、綱渡りのロープのように不安定な関係ともいえる。 元々互いに単独での戦闘を得意とするせいなのだろうか。 それぞれ好き勝手に動き合い、それが功を奏して不思議と噛み合っていた。 偶然にも片方がマークネモに狙われた際に、もう片方が攻撃を開始するように。 「ああ? てめぇ、真面目に考えてねぇだろ。ちっとは努力ってモンを知りやがれ」 「……くだらん」 だが、それでマークネモにダメージがあるかと聞かれればそうとも言えない。 幾らミュウツーやラッドのポテンシャルが優れているといっても、彼らに2メートルを超す身長もない。 対してマークネモは約4メートル程。 三倍程の大きさの敵を相手にするのは容易い事もでないのは至極当然な事だ。 所詮あまり意味を成さない攻撃しか、ミュウツーとラッドには加える事が出来ない。 しかし、それでも全くの無意味というわけでもなかった。 マークネモの手元を狂わせるような、そのくらいの妨害ぐらいは可能だ。 そこにミュウツーとラッドの身体能力が加われば、致命傷を喰らうまでには届かない。
「あ、あはははは! そうです、その調子で早く殺っちゃってください!」 更に詩音の存在がマークネモの足枷になっていた。 詩音は流石に自分がマークネモを打ち倒す程の力を持っていると思っていない。 よって碌に戦闘に参加はせずに身の安全に専念している。 じっと、月霊髄液を駆使し、そしてブレンヒルトを盾に構える。 死にたくはないとう一心から詩音が見せる隙はあまりにも少なく、ネモの焦りを誘うのにはもってこいだ。 ブレンヒルトが傷つくことはナナリーの望みではない。 ましてやブレンヒルトが巻き添えで死ぬこととなれば――明らかな痛手となるのは言うまでもない。 己の主、守るべき主であるナナリーのためにネモはこの状況をどうにか打開しようと一人奮戦していた。 終わらない膠着状態。しかし、不意にその状況に変化が訪れてゆく。 「うらああああああああ!」 依然として続いていたブロンドナイフの掃射をラッドが切り抜ける。 尋常でないない速度で一気に突っ込んでくる姿は、大砲から撃ち出された弾丸のようだ。 身体の節々には大き過ぎる赤黒い傷が目立つ。かすり傷といえど大きさが大きさだ。 かなりの痛みを伴っているだろうが、ラッドに臆する様子はない。 未だ気づかぬ、不死者の恩恵を存分に享受しながら目の前の敵へ猛然と疾走。 更にラッドは右腕に持ったバズーカを放つ。弾丸から弾丸が飛んでゆき――爆発が起きる マークネモが左腕を振い、飛来した弾丸を叩き落としたためだ。 休める暇は与えない。そう言うかのように、マークネモから最早何度目かわからないブロンドナイフが射出。 十は超えているブロンドナイフの群れが我先にとラッドへ迫る。 「……わかんねぇのかな。俺はさ……こういう感じの方が燃えちゃうわけよ」 だが、ラッドの表情に焦りは見られない。 軽く首を回して、意味深なセリフを吐いて、そしてまるでバネのように宙へ身を投げ出す。 何故か自分から鋭い光を持ち続けるブロンドナイフの方へ。 そして――咆哮。
「こんな風に! 気ぃ抜いちまったらサックリ逝っちまうこんな状況がよおおおおおおおおおおお!!」 ブロンドナイフを蹴り飛ばし、ラッドが斜め上へ跳躍する。 時間差で離れた次のブロンドナイフに向かい、またもや同じように。 三角跳びの要領でラッドはどんどんと宙へ舞い上がる。 一瞬の判断、ブロンドナイフの軌道を読み間違えれば命はない。 たとえ不死者の身体を以ってしても、追撃の分も考えれば再生が追いつかないだろう。 しかし、ラッドはやって見せた。 リスクなど微塵も恐れぬ様子で、出来る事がさも当然のような様子すらも漂う。 「いい気になるな! キサマッ!!」 対してネモがマークネモの左腕を奮う。 チョロチョロと跳び回るラッドが心底憎らしく思う。 だから今回もまた遠慮なく拳を向けることが出来た。 楽々とラッドの全身を押し潰すことの出来るマークネモの左腕。 ナナリーの抵抗は未だ続いているが、ブレンヒルトごと詩音を殺そうとした時かは緩い。 好都合だ――同時にナナリーの悲しむ顔が浮かんだが仕方ない。 此処でラッド達を殺しておかなければ、間違いなくナナリーの障害となり得るためだ。 そんな時、ネモの視界に何かが映った。 「な……に……?」 それは銀色の逆向けになったスプーンだった。 マークネモの横を過ぎ、一直線に何処かへ向かっていく。 何処からやってきたのか。その疑問は直ぐに解けた。 問題はそのスプーンが向かう先だ。 やがてネモは知った。 スプーンの主、ミュウツーの恐るべき意図を。 そう。そのスプーンが向かう先には人影が二つあった。 「――ッ!?」 簡単な消去法だ。 ラッドでもミュウツーでもなければ残っているのはあの二人。 詩音とブレンヒルトの方へスプーンが飛んでいくのをネモは眼で追った。 このままラッドへ向けようとした腕を伸ばせば叩き落とせるだろう。 しかし、それではまたもラッドを仕留めきる事が叶わないかもしれない。 それにだ。幾ら詩音と言えども自分の身に危険が及べば何らかの手段を講じるだろう。 今までずっと展開させていた、銀色のあの奇妙な物体でどうにかするに違いない。 咄嗟にネモは思った。だが、そう結論づけた瞬間、唐突にビジョンが脳裏に浮かぶ。 何故かこの瞬間だけ、今までのどんな時よりも色濃く――ギアスがブレンヒルトの未来線を読み取った。 そこには胸からスプーンを貫かれ、口元から赤い鮮血を零す姿が。 詩音に身代りにされ、絶命の瞬間を迎えるブレンヒルトが居た。
「園崎詩音! キサマというヤツはああああああああああ!!」 何故ブレンヒルトの結末がハッキリと観えたのかは定かではないが心当たりはあった。 それはナナリーがブレンヒルトに抱いていた感情による所以のため。 決して恋愛感情ではないが、信頼を結んでいたのは確かだ。 この戦闘中にもナナリーは頻りにブレンヒルトの様子を気にしていた。 ネモから与えられたといえども、未来線を読むギアスはナナリーの力だ。 この一瞬だけでも、制限されたギアスの力がナナリーに答えのかもしれない。 ブレンヒルトを、死なせたくはない彼女に危機が降りかからないために。 だが、生憎ネモにとってはそれは都合が良いとは到底言えなかった。 「まさか、あいつはこれを狙って……!」 やられた。ネモは忌々しげに視線を飛ばす。 やがてミュウツーと視線が合う。特に変えようとしない、何を考えているかわからない表情。 いや、きっと観察しているのだろう。 ネモがどう動くか。ネモがブレンヒルトを見捨てるか否かを。 どう動こうとも隙があれば見逃さない。 言葉に出さずともミュウツーの眼を見ればそう言っているのは判る。 そしてこうしている間にも刻一刻とブレンヒルトの元へスプーンは近づいている。 『ネモ! ブレンヒルトさんを守って!』 「……くっ! ナナリー!!」 ナナリーの言葉が痛い程に伝わってくる。 命令ではない、必死に懇願する感情を確かに感じ取る。 腕だけでなく、身体ごとブレンヒルトの危機を消し去って。そんな願いを感じた。 自分はナナリーの騎士だ――ならばナナリーの言葉に逆らう理由などある筈がない。 しかし、ネモは納得がいかなかった、出来るわけがなかった。 「何故こんなコトに……」 ナナリーは優しい少女だ。 争いごとは好まず、きっと今もマークネモの中で身が引き裂かれる思いに違いない。 自衛のためとはいえ、破壊をもたらすナイトメアに乗って闘う運命を突きつけられたあの日が全てを変えた。 その事についてネモが言える事は特にない。 理由はどうあれナナリーを異常な世界に引き込んだのはネモ自身だ。 弁解はしないが、只どうにも腑に落ちなかった。 今も、自分の身を顧みずにブレンヒルトを助けようとするナナリーが。 出会ってから10時間程しか経っていない人間のために、ここまで出来る彼女が。 どうしてラッドやミュウツー、詩音のような存在よりも危険を背負わなければならないのか。 ネモにはどうしてもその現実が我慢出来なかった。
不満を抱えるだけでは駄目だ。 この状況は、この歪んだ世界は何も変わらない。 ネモは全ての意識をマークネモの左腕に注ぐ。 ブレンヒルトを奪い、その後全力を以って三人を皆殺しに――刹那、ネモは己の異変を感じ取った。 今までに襲ったどれよりも強く、そして決定的な違いを。 身の危険を覚悟させる、予想だにしなかった異常が唐突に顔を出す。 「こ、これは……?」 見ればマークネモの全身がドロドロと溶け出している。 10分間、この場でのマークネモに与えられた起動時間のせいだ。 再びマークネモを呼び出すには2時間の間隔を挟まなければならない。 ナナリーとネモにとって知りようもなかった事実だが、今更知ったところでどうにか出来るものでもはない。 仕方ない。咄嗟にネモはこの場からの離脱を試みようとする。 知らなかった事が多すぎた。 新たに知りえたマークネモの異常を次に生かすためにも、一旦体勢を整えるべきだろう。 ラッド達を仕留めきれない悔しさはあるが、ナナリーの安全とは換えられない。 しかし、ネモの意思に反するものがあった。 「ナナリー!?」 『ブレンヒルトさんを……死なせたくはない!』 マークネモの左腕が未だもブレンヒルトの方へしっかりと伸ばされていた。 もう、既に全身がボロボロと崩れ落ちているにも関わらずに。 やがてスプーンを代わりに受け、マークネモの左腕が音を立てて崩れる。 それほどまでにも時間が迫っているのだ。 直ぐにでもマークネモは形を止めることが出来なくなるだろう。 ナナリーもその事はわかっているに違いない。 判っている上での行動だ。ネモにもそれは良く判っている。
何故そうまでして――そんな疑問を問う事は出来ない。 ナナリーの性格故に、彼女がブレンヒルトを見捨てられないの事も予想がついた。 「ナナリー……私は、私は……!」 マークネモの崩壊が進むと共にネモの意識も薄れていく。 状況を考えればマークネモが居なければナナリーの命はない。 そんな事はさせない。絶対にさせるわけにはいかない。 視界の隅ではさも下品そうに笑い、そしてバズーカをこちらに向けたラッドの姿が見えた。 それでもネモは必死にマークネモの存在を確立させようとする。 避けられない運命に必死に足掻くその姿は――ネモの意思に反し、酷く哀れ染みたものであった。 「私はお前の騎士だ! お前は――私が守ってみせる、ナナリー!!」 そして状況は変わり出す。 マークネモの崩壊――それが全ての終わりきっかけでもあり、始まりの加速でもあった。 ◇ ◇ ◇
此処は――ブレンヒルトが先ず思った疑問はそれだった。 最後の記憶は周囲が爆煙に包まれたビジョンで終わった。 次第に意識が戻り始め、自分の居る場所の検討がついた。 ああ、そうだ。自分は戦っていたんだ。 そう思えば悠長に構えてはいられなかった。 自分と戦っていたあいつは? ナナリーは無事に逃げだせたのか? 首筋に何か、人肌の感触に近いものを感じたがそれよりもナナリーの方だ。 ざっと見てみる。居ない。視覚の範囲ではナナリーの姿はない。 だが、聞き慣れない音はしっかりと聞こえていた。 なんだろうか――思うと同時にブレンヒルトは顔を上げた。 そこには禍々しい六つの瞳を持った顔があった 今にも崩れ落ちそうな程にボロボロな躯体が嫌に眼につく。 だが、一番ブレンヒルトの目を引いたのは別の部分だ。 自分の方へ、しっかりと伸ばされた腕がどうにも気になった。 しかし、その腕はあっけなく四散する。 見覚えのある――自分と戦っていた敵が使用していた武器だ。 ならば、この異形は何なのか? 何故、自分の敵と戦っているのか? ナナリーはどうした? そもそも自分の後ろに居る人間は――空いた口が塞がらなかった。 向こうはどうやら異形に気を取られ過ぎているようだが、しっかりと確認出来た。 園崎詩音。ナナリーと共に逃がした彼女がどうして此処に? それにこの状況も異常だ。これでは詩音が自分を盾にしているようなものだ。 まさか裏切り――案外とそれなりの答えを考えてしまった自分に嫌気を覚える。 兎に角、判らない事が多すぎる。 自分の味方は、守るべき存在は、守ろうと誓った存在は――どこに居る。 考えるだけの時間が欲しい。 ナナリーは、ナナリーはどこに――彼女の声が聞こえれば少しは安心出来そうな気すらもする。 碌に異形に対し視線も合わさず、異形に意思があるのかどうかすらも考えずに。 ブレンヒルトは只、守るべき存在であるナナリーの存在を捜し続ける だが、ブレンヒルトは一つの声を聞く。
『私はお前の騎士だ! お前は――私が守ってみせる、ナナリー!!』 思わず前を見る。 確かにその声は、ナナリーと叫んだ声は目の前の異形から聞こえた。 まさかそんな訳が――否定の言葉が出てこない。 何故なら目の前でその証拠ともいうべき現象が起きたのだから。 一段と此方に迫ってきたように見えた異形の脚部は最早原形を留めていない。 ブレンヒルトの方へ崩れ落ちるよう倒れ、更に異形の中から何かが飛び出す。 見間違える筈もない。それは小柄な少女、守ると誓った存在。 ナナリーの姿が確かにそこにあり、後方には――バズーカの砲弾があった。 そしてナナリーの身体に吸い込まれるように、それがぶつかる。 「ナナリイイイイイイイイイイイイッ!!」 絶叫。 無我夢中に詩音を振り払い、ブレンヒルトが飛びつく。 避けられる筈もなかった。 何も言葉を発さないナナリーの身体をしっかりと抱く。 熱い――受け入れたくはなかった事態が本当に現実だと判って悲しかった。 更にブレンヒルトは咄嗟に周囲の存在へ一瞥をやった。 漸く呑み込めたこの状況。 今までナナリーを殺そうとしていた奴ら――ミュウツー、ラッド、そして詩音の存在をしっかりと頭に叩き込む。 反撃のためにもARMSを展開しようとするが思いとどまる。 そんな事をしている場合じゃない。 今は一刻も早くこの子をどうにかしないといけない。 「ブ……ブレ……ン…………ヒルト…………さ……ん……」 漸く口に出すことが出来た言葉。 あまりにもか細いナナリーの声が、結果としてブレンヒルトを加速させる。 そう。ブレンヒルトは只、この場からの離脱を選択した。 ◇ ◇ ◇
「あーあ……逃げられちまったなぁ」 バズーカを戻し、ラッドが残念そうに呟く。 ラッドを含め、三人が何故ブレンヒルト達を追っていないのかには理由がある。 それは情報の欠如、彼ら三人は当然マークネモに掛けられた制限は知らない。 先程の崩壊が制限時間によるものだとは露知らず、今後暫くはマークネモが使えない事も知るわけがない。 よって彼らはマークネモの異常な力も見越し、無理な追撃は不要と考えていた。 偶然にも三人が同じ思考に至ったのはやはりマークネモの力のせいだろう。 しかし、得物をみすみすと逃がしたというのにラッドの表情にそれ程の落胆はなかった。 「まあ――確かに当てたからどうせおっ死んでるだろ。 あのヘンテコロボットが使い物になったのかはわかんねぇけどな」 何も仕留められなかったわけではない。 恐らくあの少女の命はもう永くはない。 見たところあのロボットに関連があるようではあったが、それくらいだろう。 特に身体を弄っていなければ十分に致命傷だ。 それこそたとえば不死者という存在なら――生きのびているかもしれないが。 まあ、そんな事はもうどうでもいい。 ブレンヒルトと呼ばれていたプラチナブロンドも次の機会にでも殺ってやる。 但し、絶対に殺す――という条件つきだが。 それよりもだ。とっておきの御馳走にでも手をつけておこうか――、とラッドは後ろを振り向いた。 「あん? なんだ、もう居なくなっちまったか……せっかちでやんの。 じゃあ嬢ちゃん、ちょっくら俺と殺し合いでもやるか?」 しかし、既にミュウツーの姿は居ない。 今になってブレンヒルトを追っていたのだろうか。 それもあるかもしれないが、ブレンヒルトが向かった先には施設が集中している。 人が集まりそうな地帯、ブレンヒルトを仕留められずとも他の参加者をやるには困らない場所だろう。 何やら入り組んだ理由があるようだがラッドは特に興味を示そうとはしない。 只、ミュウツーが最後まで残ってくれていればそれで良い。 最後の最後であいつを殺すのは自分なのだから。 気持ちを切り替えて、ラッドはこの場に残ったもう一人の人間に声を掛ける。 言うまでもない。 いきなり意識を取り戻し、ブレンヒルトから強力な肘鉄を貰い、今までむせ返っていた詩音だ。
「わ、私は……」 意識していないのかもしれない。 自然と詩音は後ずさりしながら、ラッドに返事をする。 あくまでも冷静さを保ち、ラッド独特のペースに飲み込まれない様に、と。 対するラッドもそんな詩音の様子を見逃す筈もない。 心なしかニヤけ顔さえ浮かべている節もある。 「おいおいおい、冗談だっつーの。実のところ俺は嬢ちゃんのコト嫌いじゃないぜ」 詩音は思わず耳を疑った。 意図が全くと言っていい程に理解出来ない。 この男は一体何を考えているのか。 理解する事にさえ一種の嫌悪感のようなものが詩音を襲う。 自分とは違う、あまりにも異質な存在に対して。 “狂人”の思考は詩音の常識からはあまりにもかけ離れた代物なのだから。 「嬢ちゃんは人質を使っただろ? 汚ねぇよなぁ……どっかのチンケな悪党がやるようなもんだろ? あんまり尊敬されるようなやり方じゃねーよなー? 少なくともハイスクールのセンセやポリ公の方々にはお叱りを喰らうやり口だ。 だが、俺はそんな嬢ちゃんの行動にピンときた。 ああ、こいつは良いなぁ。実に人間やってんなぁ……ってよ!」 一息。 まだまだ続きそうな気配。 喰い射るように見つめるラッドの両眼の奥には、愉快さが確かにあった。 ラッドと二人きりの状況が詩音の神経を必要以上に尖らせる。 今すぐにでも逃げだしたい気持ちに駆られるが、どうにも出来ない。 何故なら、きっとラッドは許してくれない――漠然ではあったが詩音はそんな事を思っていた。 「人質を使っちまうぐらいに、嬢ちゃんはこの状況から生き延びたい。 相手の事を考えろ? 人殺しは良くない? 復讐は良くない? きっとどんなヤツとも分かり合える――綺麗事だろ、んなコトは。 そんなモンは豚の餌にでもぶっ掛けて、ブヒブヒ言ってやがるバカどもに食わせちまえ。 だが、嬢ちゃんはそんなクソのような綺麗事に囚われてねぇ。 只、自分は死にたくない。その一心だけで嬢ちゃんは簡単に他人を切り捨てられる。 誰だって死にたくはねぇよな。悪くねぇ、悪くねぇ……好きだぜ俺はさぁ、そんな自分勝手な野郎どもがよぉ! なんせ俺も好き放題やってるからなぁ。やっぱ似てるヤツは似てるヤツ同士引かれ合うんじゃね? んん? これって運命っヤツか。違いねぇ……ヒャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」 ラッドのテンションが次第に上がっていく。 詩音は露骨に不快そうな顔しているが気づいていないのかもしれない。 只、ラッドは自分の世界に己を沈めているだけだ。 幼い頃に、ふとした切っ掛けで歪んだ人間性が顔を見せる。
「嬢ちゃんは自分が絶対に死なない……とは思ってねぇからこそ、そこまで正直に生きている。 だったら俺は自分から嬢ちゃんを殺したりはしねぇ。こんな俺でも生きる事に必死なヤツは尊敬に値すると思っている。 大体、そんなヤツ殺しても面白くもなんともねぇ……温いヤツら、自分は死なねぇと思ってるヤツが一番だ」 詩音は未だに安心出来ない。 もしかしたら今、ラッドが言っていることは全てが嘘っぱちなのかもしれない。 油断したところを一瞬で――有り得そうな話だ。 まるで掴みどころないラッドの性格から次に出てくる行動が予想し辛い。 しかし、詩音の予想を逸し、ラッドは歩き始める。 「だからさぁ、まあ、頑張ってくれよ嬢ちゃんもよぉ。運が良かったらまた会おうや。 そん時はなんかプレゼントでも交換して、可笑しく楽しく……このおもしれぇ世界についてでも語り明かすか。 なぁ、良い考えだと思わねぇか、嬢ちゃん。いや――」 一歩一歩、詩音の前を横切るようにラッドが進む。 目の前の端を渡るつもりなのだろう。 ブレンヒルトやミュウツーの後を追うのかどうかは定かではないが。 必死に視線を逸らそうとする詩音に対しラッドは逆の事をしている。 敢えて一直線に合うように、わざわざ俯いていた詩音の顔を覗き込んで―― 笑ってやった。
「この“卑怯者”が。また会えるのを楽しみにしておくぜ」 最大限の侮蔑と、そして感嘆の意を乱暴に込めて、ラッドがそう言い放つ。 無意識的に顔を逸らし、詩音は直ぐには顔を上げられない。 今、顔を上げてしまってはラッドを直視する事になる。 それだけは嫌だった。ラッドの顔を見るだけで、言いようのない恐れを感じていた。 このままでは自分自身が何処かへいってしまいそうでどうしようもなく怖かった。 やがて数分が経っただろうか。 詩音は恐る恐る顔を上げて、周囲を確認する。 誰も居ない。ラッドは、もう――居ない。 そう思うだけで詩音は心底、心が和らいだような心地がした。 休もう。兎に角、今はどこかで休もう。 只、一時にしかならないかもしれない安息を求めて、詩音も歩き出した。 ◇ ◇ ◇
逃がしたか。 ブレンヒルトを追い、疾走を続けていた途中ミュウツーはその考えに至った。 ナナリーの絶命の瞬間は確認していない。 あのマークネモと呼ばれたロボットがまた出てこないとは限らない。 故に追撃は一種の賭けだ。 だが、ブレンヒルトは負傷していたにも関わらず彼女は自分を振り切った。 ARMSコアによる、自己治癒力の異常な活性化だとはミュウツーに知る由もない。 重要なのは事実のみ。只、自分は獲物を逃がしたのだとミュウツーは悟り、やがて立ち止まった。 これからどうするか。少し考えてみる必要がありそうだから。 「……ヤツは追ってこないか。好都合だな」 チラリと後方を見やる。 ラッドは追ってこない。あの園崎詩音という少女もだ。 二人とも基本的にはこの殺し合いには乗っているようだった。 参加者の減少という目的のためにはどちらも早々に脱落しては惜しい。 共に残った二人で殺し合っていなければいいが。 そう思いながら、片手に握っていたスプーンを消失。 無駄な力の消費を抑え、代わりにデイバックからV−Swを取り出す。 備えあれば憂いはない。 力をじこさいせいの方に回しながら周囲を警戒する。 『デバンナカッタ』 その時、V−Swのコンソールが文字を映し出す。 やはり意思があるのは確からしい。 文面からして少し機嫌が悪くなったのだろうか。 内容が当たっているだけに碌は反論は出来ない。 マニュアルが正しいのであれば このV−Swは様々な形態を持ち、かなり強力な武器だと言える。 しかし、ミュウツーにとってはV−Swはおろか概念兵器すらにも縁がない。 しくじれば命を落とす戦いで、言い方は悪いが得体の知れない武器を使うのには少し抵抗があった。 だが、ミュウツーはその旨をV−Swに伝えない。 只、じっとミュウツーは暫しコンソールを眺め続ける。 (……それで良かったんじゃないか) 『ソウ?』 (ああ。きっとな) 以前やったように、テレパシーによるV−Swとの会話。 何故だろうか。ミュウツー自身にも良くわからなかった。 何故か、V−Swを戦いから遠ざけるような意思を飛ばした自分が理解出来ない。 余裕があるわけではない。 ラッドを助けたのも、他の参加者を襲って貰いたかったためだ。
恐らく自分は――同情しているのかもしれない。 只、この場では支給品という名目で参加者に使われるだけのV−Sw。 それもハッキリとした意思を持ったままだ。 V−Swの意思とは関係なく、武器として奮われ、参加者の鮮血を浴びることとなる。 いつ起こっても可笑しくはない。 それ以前にミュウツー自身が最もそうさせる可能性がある。 ポケモンの生体兵器への転用。 ロケット団が進めたプロジェクトにより生み出されたミュウツーだからこそV−Swに複雑な感情を抱く 自分だけの目的にV−Swを付き合わせているこの現状が。 ミュウツーにとってはどうにも気がかりではあった。 だが、そんな時、ミュウツーの脳裏で声が響く。 『だが……今、わかった……某の聖上を守ろうとする、この意志こそが……我が刃なのだと』 いつか聞いた女の声。 ハッキリと思い返せる。 エヴェングルガの剣士、トウカの声。 自分が確かに殺した、女の声がミュウツーを思い出す。 『だから……某は、振るおう……我が刃を。 聖上の命を奪おうとする、貴様に……!』 そうだ。 自分はトウカから自分と同じ匂いを感じた。 守るべき主のためにはこの身はどこまでも戦える。 トウカの場合はハクオロという男、自分の場合は造物主であるマスター。 たったそれだけの違いだった。 大した違いはない――只、負けたくはないと願った末の結果だった。 只、マスターを死なせたくはない一心で。 ならば自分は迷っていられるのだろうか。 既にトウカの忠義を力づくで潰した自分が、たった一本の剣を好き勝手に使う無神経さに。 較べる事はしたくはない。 だが、それでもだ。 今、目の前にあるV−Swよりも――大きかった。 エヴェンクルガのトウカという名の剣は、どうしようもなく大きく、そして重たかった。 背負った信念、自分に劣る筈もない忠義は――決して生半可な覚悟で侵してはならなかった。 しかし、自分はやった。やってしまった。 後悔は――なかった。 マスターを救うには必要だと思ったのだから。 そしてその想いは今も変わらない。 ブレンヒルトを戦い、ラッドの提案にも乗り、今もブレンヒルトとナナリーの追撃に出ている今も――変わらない。 だからやらなければならない。 どんなに心を痛めようとも、この身体を失おうとも。 絶対に。決して迷うことなく、絶対に。
『ジャア、ガンバロウ』 コンソールが新しい文字を浮かばせた。 頷いて見せた。それだけでは意思は伝わらない事はわかっている。 だから送って見せた。 V−Swに、もう、使う事を躊躇ないと決めた仮初の相棒に対して。 (……ああ、頑張ろう) マスターを救い出す。 たった一つの望みを誰に言う事もなく、只、ミュウツーは歩き続ける。 ◇ ◇ ◇
何も見えない。 変わらない。 元々、私は盲目だったのだから。 その事については特に何も言う事はなかった。 だけど、伝わってきた。 必死な想い、私はを運んでいる人から――きっとブレンヒルトさん。 良かった。間に合ったんだ、と少し嬉しくなってくる。 あの時、マークネモが崩壊を終える瞬間、自分は真っ直ぐに手を伸ばした。 マークネモの腕じゃない。 私の腕。か細くて、スザクさんから見ればまるで小枝のような腕で。 ブレンヒルトさんの方へ手を伸ばした。 届かないと思った。 だって、直ぐ後ろから何かが迫っていたから。 どうせ、自分には無理なんだ。 そんな風に諦めてしまえば、少しだけ気が軽くなった感じがした。 でも、それは一瞬だけ。 私は伸ばし続けた、諦めたくはなかったから。 優しいルルーシュお兄様。 ギアスにより、無残に死んでいく光景を観てしまった。 そんなことはない。そう思っていたし、ずっと信じていた。 だけど、もう、私には時間がない。 確かめられる程の、あの時観た未来を変える時間も――きっと私にはない。 悲しいなぁ。 頬に涙が零れたのを感じた。 どんな顔をしているのだろう、と思っても私の眼が光を映す事はない。 こんな時ぐらい、少しだけでもいいのに。 思わず愚痴を漏らしたかった。 でも、悲しい事だけじゃなかった。
私が今置かれている状況。 ブレンヒルトさんに抱かれて、何処かへ向かっている。 風が私の身体を切りつける感触で判った。 そう。その風がとても気持ち良かった。 力一杯、同年代のみんながやるように走ればきっと味わえる感覚。 車椅子を使う私には、酷く懐かしい心地の良さがあった。 もっと、もっと、もっと速く走って――喜びすらもあった。 実際に走っているのは私じゃない。ブレンヒルトさんだ。 だけど、自分が走っているんだ、と思えばなんだか嬉しかった。 またあの日のように、お兄様とスザクさんと私で遊んだあの日のように。 これが、本当の私の身体なんだ――そう信じれば、少し気が楽になった。 さっきの諦めとは違う。 本当に、本当にそう思えるだけで救われる気がした。 でも、やっぱり一番嬉しかったコトはそれじゃなかった。 何より嬉しかったのはブレンヒルトさんが、今、こうして元気な姿で居てくれている事。 どんな顔をしているのかは見えないけども、ブレンヒルトさんが生きていてくれて本当に良かった。 最初に出会った時は変わった人だと思った。 守らせなさい――唐突だった。 同時に嬉しかった。 目も見えず、車いすを引いている自分なんか足手まといにしかならない。 それに此処は殺し合いの会場。 見て見ぬ振りさえすれば、ブレンヒルトさんが危険に晒される事もなかったかもしれない。 メリットなんかない。 マークネモの力を知らなかったブレンヒルトさんが私を守ってくれる理由なんかなかった。 だけど、ブレンヒルトさんは見捨てなかった。 学園のあの子達とは違った。 単に世話好きなのだろうか――それでも嬉しい事には変わりはない。 まるで年が離れた友達のように。 生徒会の皆さんや、同じクラスの、そして一番の友達であるアリスちゃんと同じように。 ブレンヒルトさんは私の事を気に留めてくれた。
だから、私は出来た。 ギアスで呼んだ未来を覆す為にも 私はネモを振り切って――手を伸ばせた。 ブレンヒルトさんを死なせたくはない。 そう思えるだけで全身から力が湧き、そして今となっては何処かへ消えていった。 でも、もう十分だ。 十分やれた。 頑張れた。 私でも頑張れたから――少し眠ろうと思う。 『ナナリー!? 返事を……返事をしなさい、ナナリー!?』 ブレンヒルトさんが耳元で何か言っている。 ごめんなさい。 今はもう、言葉を返す元気がないの。 絶対に、また目が覚めたら聴きますから。 だから、今だけは寝かせてください。 また起きた時に、また会う時に、また言葉を交わせる時に。 今度こそ、私の眼がブレンヒルトさんを映せた時に。 一杯、笑い合いましょう。 そうだ。
今度、今度出会ったら、一緒に鶴を折りたいな。 知ってますか。 千羽折るとこの世界が平和になるんですよ。 素敵な話ですよね。 うん、本当かどうかは私にもわからないですけどね。 でも、でも……信じたいじゃないですか。 これぐらいはきっと良いと思うんです。 これぐらいの夢は見ても、神様はきっと笑って許してくれるって……そう思いませんか。 私は信じたい。 きっとこんな世界でも、優しい場所はあると思うから。 お兄様のように、優しい世界を望んでいる人たちはきっと居ると思うから。
だから、私は折ってみたいです。 千羽よりももっと、それこそ気が遠くなる程一杯の鶴を。 この世界から憎しみが消えるまで、私やお兄様のような人たちがこれ以上出ない様に。 ずっと、その時までずっと折り続けたいなぁ……。 ブレンヒルトさん、約束ですよ。 いつか、私と鶴を折りましょう。 出来れば……ずっと後で、ブレンヒルトさんがおばあさんになった後で。 待っていますから、私。 きっと、折りましょう。 だから、取り敢えずはこの言葉で締めくくります。 さようなら……ブレンヒルトさん。 ――また、いつかどこで会いましょう ◇ ◇ ◇
「ナナリー……?」 ブレンヒルトが声を漏らす。 その声に返ってくるものは何一つない。 認めたくはない。自分が今、抱き抱えているナナリーからは何も返事がない事に。 心なしか冷たくなってきたとすらも感じる。 ナナリーの身体をそっと降ろして、彼女の手首に己の腕を当て、続けて胸の方にも伸ばす。 聞こえて欲しいものは――聞こえてこない。 最早、認めるしかなかった。 ナナリー・ランぺルージは今この瞬間、何処にも居なくなった事を。 「そんな……確かにさっきまで、生きていたのに…………そんな………………」 確かにナナリーはラッドのバズーカの直撃を受けたもの未だ命はあった。 しかし、それはナナリーに支給された品、アヴァロンによるお陰だ。 受けたダメージのワンランクの軽減、ある程度の防御力の上昇。 生身での身体能力が極端に低いナナリーにうってつけの宝具と言えるだろう。 だが、魔力を持たないナナリーではアヴァロンの本来の力を引き出すことは出来ない。 辛うじて死にづらくはなったものの、命を落とすことまでは止められはしなかった。 そしてブレンヒルトが悲しみに明け暮れる中、新たに顔を出したものが居た。 「ブザマだな……ブレンヒルト・シルト……」 不格好な人形だ。 ドーム状の頭部の前面には、真紅の奇妙な紋章がある。 真っ白な、だがそれでいて全身ボロボロな人形がブレンヒルトに言葉を飛ばす。 「お前は……?」 「心外だな、ずっと一緒に居たというのに。まあ、お前が知るわけもないか」 ブレンヒルトは気を引き締める。 参加者ではなさそうだが油断は出来ない。 いつでも戦えるように臨戦態勢へ。 しかし、未だブレンヒルトはショックから抜けきっていないようだ。 どこかせわしない様子で、目の前の異形と対峙する。
「私は魔導器ネモ。そして――お前に殺された、ナナリーとずっと共に居た者だ」 そうしている間にそいつは――ネモの原型といえる存在は言い放つ。 強い意志が籠った言葉からは、底深い怒りを感じる。 一方、ブレンヒルトは唖然とした表情でネモの言葉を聞いている。 「私がナナリーを殺した……ですって……?」 「ああ、そうだ。お前だ……お前さえ居なければ!」 状況が飲み込めない。 このネモという存在は何を言っているのだろう。 ブレンヒルトは先ずそう思った。 何故なら、自分はナナリーを守る側の人間であった筈だ。 「お前の存在があったせいでマークネモは全力が出せなかった。 お前がみすみすと園崎詩音に捕まらなければ……あんな戦いはなかった筈だ!」 「それは……」 只、感情のままにネモが責め立てる。 ブレンヒルトは碌な反論が出来ない。 確かに自分の力が及ばなかった。 最初の戦いでラッドからの奇襲を避けて、あの二人を退けていれば。 詩音の危険性には気付けなかったものの、今よりは良い状況だったかもしれない。 自分のせいで――ネモの言葉が重くのしかかる。 「反論出来ないだろう!? そもそもお前は初めから必要なかった! ナナリーを守る者は、ナナリーの騎士は……私だけで良かったんだ……!」 何もネモはブレンヒルトを憎んでいるわけではない。 ネモが、今現在抱く感情の大部分はナナリーの死に関してだ。 ネモの使命はナナリーの守護。 自分だけの使命に、修復不可能な程の亀裂が入ってしまった事に。 そうさせたラッド達、そしてブレンヒルトへの言いようのない怒りが上乗せされている。 恐らく意味がないとネモ自身悟っているに違いない。 呆然としているブレンヒルトに対し、どれだけ暴言を吐き連ねても意味がないという事を。 判っているからこそやりきれない感情に駆られるのだろう。 自分に実体をくれたナナリーの死に対し、悲しみと怒り、憎しみと言った負の感情がドロドロに攪拌する。 ブレンヒルトはそんなネモを見て、何も言葉を発する事が出来なかった。
「わ、わたしは……」 「くっ……もう、限界か…………」 「ネ、ネモ……?」 やがてネモの身体に異変が生じる。 ボロボロと、まるで先程のマークネモのように崩壊が始まっていく。 その様は泥の山に水を掛けた、成れの果てのように、酷く悲しげなものであった。 ブレンヒルトにはどうする事も出来ない。 だが、咄嗟に思った。 また、私は守れないのか――自然と身体が動き、ネモを抱きかかえる。 あまり勢いが強すぎたせいか、ネモの身体から一際大きな泥が零れ落ちた。 「は、ははは……所詮、私は泥人形か……」 「……しっかりしなさい。貴方まで失えば、私は……」 「触れるな……だが、状況が状況だ。もう、お前しか居ない……。ブレンヒルト・シルト、お前に頼みがある……」 ネモが必死に手を伸ばす。 ブレンヒルトの脳裏にビジョンが浮かぶ。 先程、自分の方へ伸ばされたマークネモの腕を。 そして――ナナリーのか細い腕を。 しっかりと、決して手放さぬようにブレンヒルトはその手を掴む。 あまりにも冷たい、泥を掴んでいるような感触が襲うが気にはしない。 今の自分に出来ることがあるなら、こんな自分で出来る事があれは知っておきたかったから。 他の何事にも気を逸らさず、只、ブレンヒルトは意識をネモに傾ける。 「ナナリーを……生き返らせてくれ…………」 出来るものならばやっている。 当然だ。だけども当てがない。 死者が――蘇る事はないのだから。
「ギラーミンという奴が言っていた……褒美で、ナナリーを…………」 褒美――確かに記憶にある。 この殺し合いが始まった瞬間、主催者を名乗るギラーミンが言っていた。 生き残った者には、どんな願いもかなえる権利がある、と。 だが、所詮眉唾ものだ。 本当にそんな事は可能なのだろうか。 確かにこの殺し合いには不可解な事が多いが、死者の蘇生などは流石にないのではと思う。 「それと、ギラーミンとやらの技術はかなりのものだ……現に私自身実感した……。 マークネモに……エデンバイダルに介入できる……とは…………奴らならやりかねん……。 ほんとうに、死者の復活を……ナナリーを生き返らせる事は…………不可能とはいえない…………」 だが、ブレンヒルトは耳を疑った。 マークネモとは先程のロボットの事だろう。 あのロボットもギラーミンの手を加えられていた? そういえばナナリーと話が噛み合わないことも疑問だった。 始めて出会ったとき、世間話程度に話した内容はどちらにとっても判らなかった。 概念核やブリタニアなど、互いに理解出来ないワードがある。 それに先程の怪物、ミュウツーの存在もブレンヒルトの常識から一脱している。 何故、これほどまでに互いに判らないもの同士がこの場に居るのか。 もし、これが何らかの意図でこの場所に集められたせいだとしたら。 自分達を気づかぬ間に拉致し、集める事が出来た存在もしくは技術があるなら。 慣れ親しんだ概念兵器でもある、鎮魂の曲刃(レークヴィム・ゼンゼ)も死者に干渉するものだ。 自分が知らない特性や技術があっても可笑しくはない。 そうだ。死者を蘇らせる事も――可能なのかもしれない。 ブレンヒルトの心は揺れる。 次第に振子時計のように、一定のリズムを刻むように。 段々と、揺れ幅は大きくなり、そして聞いた。 ネモの悔しげな、それでいて切実な声を。 ブレンヒルト自身の望みも掛けあわせた言葉を。
「ナナリーに……この世界を見せてやってく……れ。 もう一度、もう一度だけでも良い……彼女に…………この大地を踏ませてやってくれ………」 ネモにだって当然、感情はある。 ナナリーとは一心同体だ。 彼女にはそれなりの幸せを享受してほしかったに違いない。 ブレンヒルトもまた同じだ。 碌な喜びも与えられずに死なせてしまった。 きっと、自分の事を恨みながらナナリーは逝ってしまったのだろう。 そう思うと胸が張り裂けそうな思いで、只、悲しみに打ちひしがれる。 「ブレンヒルト……お前が、私の望みを受けて入れてくれるなら……受け取れ。 そして、もう……二度と、こんな悲劇は繰り返さないと……この名前に誓ってくれ…………」 ネモの身体が光に包まれる。 崩壊が早いか、全身が光に覆われるかが早いか。 どちらとも判別がつかない、その瞬間、ブレンヒルトの目の前にあるものが出現する。 黒を基調とした衣装。 それは近い未来、ネモがナナリーの守護を共に頼んだ少女に送りし、衣装だ。 そしてネモの言葉が、最期の言葉が紡がれる。 「――――――、という名に誓って」 役目は終わった。 そう言わんばかりにネモの身体は大地へ還る。 ボロボロな土人形のであった、それらがブレンヒルトの視界に焼きついていた。 いつまでも、いつまでも―― ブレンヒルトにとって、それは永遠にも似た時間に思えた。 ◇ ◇ ◇
一つの墓標があった。 簡素な、とても簡素な墓標だ。 冷たさが残る土の下には少女が一人、眠っている。 その少女、ナナリー・ランぺルージはもう二度と目を覚ますことのない。 そしてその墓標の近くに一人の少女が佇む。 彼女はプラチナブロンドの少女、ブレンヒルト・シルト。 真っ黒な衣装を、ネモから授かった衣装を着たブレンヒルトが其処に居た。 「……ごめんなさい、ナナリー。少しだけまっていて。直ぐに……終わらせるから……」 不意に思う。 ああ、こんな台詞、前にも言ったなぁ――と。 結局何も出来なかった。 終わらせると言っておきながら、何も解決は出来なかった。 やってしまったことといえば、ナナリーの人生をここで終わらせてしまったぐらいだ。 悲しかった。 ナナリーを失った事は勿論、無力な自分自身が悲しかった。 ネモの言い分も今では最もな事だと思え始めた。 何故、直ぐに意識を取り戻さなかったのか。 何故、自分はラッドからの奇襲が判らなかったのか。 何故、自分はミュウツーを直ぐに倒せなかったのか。 何故、自分は――何も出来ないのか。 答えは判っている。 足りないのだ。 力が、絶大的力が足りないのだ。 そのせいで、自分のせいでナナリーが死んだ。 だったら――ナナリーを元の世界に無事帰してやる。 それこそが自分自身のけじめなのだとブレンヒルトは確信した。
ギラーミンが約束を守るとは限らないかもしれない? 確かにそうだ。 だけども、こうしなければ――優勝者の褒美が手に入らなければ、ナナリーが戻ってくる可能性はゼロに等しい。。 殺し合わなければ、もうどうしようもないのだ。 自分にはARMSがある。 この力を使えば、勝機はあるかもしれない。 ならば、そこに賭けるしかない。 生き残って、ナナリーを――この場で命を落とした者全員の命を救えば良い。 褒美は何でも良いとギラーミンは言った。 死者の復活も一人だけとは言っていない。 しかし、当然ながら問題もある。 この殺し合いに反対の意を唱える者。 特にあの男だ。悪役の性をかばねる少年には気をつけなければならない。 「佐山・御言……彼に知られるわけにはいかない」 全竜交渉部隊のリーダー兼交渉役は伊達ではない。 俗に言う変人ではあるが、侮れる存在ではない。 1-stGの帰順、そして今まで影からサポートしてきた身として、敵に回ればどれほどに強大か良く判る。 恐らく、この場でも着々とギラーミンへの対抗策を考えているだろう。 一人か二人、いや三人以上の参加者を既に従えているかもしれない。 佐山とはそういう男だ。油断は出来ない。 もし、彼に自分がこの殺し合いに乗ったのだと知られては、直ぐに対策を練られることになる。 どうするか――ふとブレンヒルトは思い立った。 少しだけ抵抗がある。 何故なら今まで大事にしていたものだ。 そう易々と手放せるものでもない。 しかし、自分が今から何の為に戦おうとしているのか。 そう考えれば自然と答えは出た。 迷いはない。左腕を翳し、ARMSを展開――己の首辺りに沿って、軽く腕を引いた。 刹那。懐かしい思い出が脳裏を横切った。 未だ1-stGの世界が崩壊してなかったあの時、ジークフリートに優しく撫でられたあの時の記憶がハッキリと。 だが、その思い出はパサリ、という音と共に何処かへ消えていく。
「…………割と似合うんじゃないかしら」 そう。ブレンヒルトが切ったものは自分の髪の毛だ。 腰の高さまで伸びていたブロンドヘアーをばっさりと、肩の高さよりも少し上まで。 ささやかな抵抗だとは思う。 鏡がないため、確実な事は言えないがきっと似合っていない。 あの人が、ジークフリートが褒めてくれた髪の方がきっと――思考を断ち切る。 そうだ。これだけで佐山の目を誤魔化せるとは思っていない。 だが、佐山とあとは新庄以外の人物から見ればどうか。 二人以外の参加者と接触した際、彼らから二人に果たして正確な情報が伝わるかどうか。 絶対にないと言い切れない。 しかし、これも根本的な解決にはならないだろう。 一番良さそうな手段は、生き永らえた状態で、自分の名前が放送で呼ばれる事だがこれは絶望に等しい。 されど、ブレンヒルトの眼に後悔は宿っていない。 これは一種の儀式だ。 この短く切り上げた髪は覚悟の証――本当の意味はそこにあった。 今までの自分との決別。 もう、決して揺るがせない覚悟。 全ての業を背負い、そして全ての命を元通りにする――ナナリーにこの世界にもう一度触れてもらう。 ブレンヒルトの意思は固く、そして同時に悲しみに包まれたものであった。
やがてブレンヒルトは歩き出す。 口を開きながら、まるで呪文を唱えるように、あの言葉を呟く。 ネモに託された名前を、この殺し合いに生き残る意思を誓った名前に。 「私は……騎士だ」 奇しくもブレンヒルトのARMSも“騎士”の名前を持つ。 ブレンヒルトの意思に呼応するかのように、刃先からは鋭い光が顔を見せる。 「“ナイトメア・オブ・ナナリー”――私はナナリーの騎士だ」 ネモが託した名前。 いつか、そう遠くはなかった未来に一人の少女に託した称号。 ナナリー姫の騎士をブレンヒルトがこの場でだけでも受け持つ。 「誓って見せる。私、ブレンヒルト・シルト……いや、ナインは――」 また、ブレンヒルト・シルトという名前は彼女の本名ではない。 ナイン。それが彼女の真の名前だ。 名簿では何故かブレンヒルト・シルトの方で載っていたがどうでもいい。 そう。今のブレンヒルトには――ナインにはどうでも良かった。 この誓いに偽名は必要はなかったのだから。
「“コードギアス”……ネモが遺したこの言葉を今だけは借りる。 “ナイトメア・オブ・ナナリー”として、そして“コードギアス”として……この殺し合いに勝つ。 そうだ。私は、私は――」 そしてネモが遺した言葉は一つだけではなかった。 コードギアス――その名もまた、そう遠くはなかった未来に確かに意味を為した言葉。 新たなナイトメア・オブ・ナナリーが操縦するナイトメアフレームの名前だ。 だが、敢えてナインはその名前を名乗らせて貰うことにした。 そうする事で少しはナナリーとネモの気が晴れると――そう捉えるのは考えすぎかもしれない。 兎に角、事実は定かではないがナインはそうするつもりだ。 その意思にも迷いは見られない。 殺し合いに生き残るという宣言にも一切の迷いは見られなかった。 やがてナインが言葉を続ける。 聴き手は一人も居ない。 一人ぼっちの舞台で、だがどこか振り切れた様子さえ見せながら。 ナインは言葉を紡ぎだす。
「――“ナイン・ザ・コードギアス”。それが今からの私の名前。そして終わりまでの私の名前……」 ナイン・ザ・コードギアス。 己の本名と組み合わせた仮初の名前は彼女の名前に似ていた。 最早、言うまでもないだろう。 この場には居ない、もう一人のナナリーの騎士の事だ。 ナイトメア・オブ・ナナリーの名をネモから貰い。コードギアスの名を持つナイトメアフレームを駆る少女。 そう。例の如くそう遠くはなかった未来に、ナナリーの騎士となった、ナナリーの友人。 “アリス・ザ・スピード”改め“アリス・ザ・コードギアス”。 今のナインはアリスとよく似ていた。
【ナナリー・ランペルージ@コードギアス・ナイトメア・オブ・ナナリー:死亡確認】 【残り40名】 【D−2/北東部/1日目 昼】 【ブレンヒルト・シルト@終わりのクロニクル】 [状態]:疲労(中)、左半身に火傷(小)、左腕欠損(ARMSで代替) アリス・ザ・コードギアスの衣装@ナイトメア・オブ・ナナリー [装備]:汗で湿った尊秋多学院制服(左袖欠損)、ARMS『騎士(ナイト)』@ARMS(左腕に擬態)、全て遠き理想郷(アヴァロン)@Fate/Zero [道具]:支給品一式×2、アンフェタミン@Fate/Zero [思考・状況] 1:殺し合いに優勝し、優勝者の褒美でナナリーを含む全ての参加者を蘇らせる。 2:佐山と新庄には注意(特に佐山) 3:1st-G概念を行使できるアイテムを手に入れる 4:ミュウツー、ラッド、詩音を許すつもりはない ※森林破壊者、男湯銃撃者を警戒しています。また双方とも別人だと思っています。 ※ARMSコアの位置は左胸です。 ※ARMSについては詩音には話していません。 ※アリスの衣装はネモが変化した姿です。ネモの意識はありません。 【C-5とC-4の中心の境目 1日目 昼】 【ミュウツー@ポケットモンスターSPECIAL】 【状態】:疲労(中) 【装備】:機殻剣『V−Sw(ヴィズィ)』@終わりのクロニクル、アデルの十字槍@BACCANO! 【所持品】:基本支給品一式、不明支給品0〜1個(確認済み) 【思考・行動】 1:マスター(カツラ)を救う為、24時間以内に参加者を32人以下まで減らす。 2:女達(ナナリーとブレンヒルト)を追う。 3:男(ラッド)には殺害数を稼いで貰う。殺すのは後回し。 4:魅音かハクオロが細胞を移植し、自分を追ってきたら相手をする。 ※3章で細胞の呪縛から解放され、カツラの元を離れた後です。 念の会話能力を持ちますが、信用した相手やかなり敵意が深い相手にしか使いません。 ※念による探知能力や、バリアボールを周りに張り浮遊する能力は使えません。 ※傷は80%ほどまで治癒しました。 ※名簿を見ていないため、レッド、サカキの存在を知りません。 ※放送により、イエローの死亡を知りました。 ※ギラーミンに課せられたノルマは以下のとおり 『24時間経過するまでに、参加者が32人以下でない場合、カツラを殺す。 48時間経過するまでに、ミュウツーが優勝できなかった場合も同様。』 ※カツラが本当にギラーミンに拉致されているかは分かりません。偽者の可能性もあります。 ※V−Swは本来出雲覚にしか扱えない仕様ですが、なんらかの処置により誰にでも使用可能になっています。 使用できる形態は、第1形態と第2形態のみ。第2形態に変形した場合、変形できている時間には制限があり(具体的な時間は不明)、制限時間を過ぎると第1形態に戻り、 理由に関わらず第1形態へ戻った場合、その後4時間の間変形させる事はできません。 第3形態、第4形態への変形は制限によりできません。 ※男(ラッド)と戦った相手が「左腕が刀になる女」であると知りました。 ※ブレンヒルトの場所は見失っています。 ※車輪が破壊された車椅子がB−7の森にあります
C-5/ 鉄橋付近(街の方)/一日目 昼】 【ラッド・ルッソ@BACCANO!】 [状態]:腹部に大きな傷 顎の骨骨折、全て再生中 不死者化 [装備]:ワイパーのバズーカ@ワンピース、風貝@ワンピース [道具]:基本支給品一式 [思考・状況] 1:あのギラーミンとかいう糞野郎をぶっ殺す。 2:そのためにこの会場にいるやつを全員殺す。とにかく殺す。 3:ギラーミンが言っていた『決して死ぬ事のない不死の身体を持つ者』(不死者)は絶対に殺す。 4:宇宙人(ミュウツー)は出来れば最後の最後で殺す。 5:左腕が刀になる女(ブレンヒルト)も見付けたら殺す。 詩音はまあどうでもいい。 6:ギラーミンが言っていた『人間台風の異名を持つ者』、『幻想殺しの能力を持つ者』、『概念という名の武装を施し戦闘力に変える者』、『三刀流という独特な構えで世界一の剣豪を目指す者』に興味あり。 【備考】 ※麦わらの男(ルフィ)、獣耳の少女(エルルゥ)、火傷顔の女(バラライカ)を殺したと思っています。 ※自分の身体の異変に気づきましたが、不死者化していることには気付いてません。 【C−5/鉄橋付近(ゴミ処理場の方)/1日目 昼】 【園崎詩音@ひぐらしのなく頃に】 【装備】:レッドのMTB@ポケットモンスターSPECIAL 【所持品】:基本支給品一式 、月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)@Fate/Zero 【状態】:、疲労(大)、右肩に裂傷、出血(軽)、右腕に打ち身(軽)、能力者<ハナハナの実> 【思考・行動】 1:優勝して、悟史のところへ戻る。 2:取り敢えず何処かで休憩をしたい。 3:魅音の名を騙る。 4:沙都子に対して……? 5:ブレンヒルト、ラッド、ミュウツーが向かった街の方へは出来れば行きたくない 【備考】 本編終了後からの参加 ※ハナハナの実の能力を得ました。任意の場所(自身の体含む)に、自分の部位を生やす事ができる。 生やせる部位は、制限により『腕』のみ。 今は『腕』を2本、それも互いにそれほど離れた位置には生やせません。 ただし成長の余地あり? また、生やした全ての部位に意識を向けるので、慣れていない状態では単純な動作しかできていません。 生やせる場所は、使用者を中心に15メートルの範囲内に制限。 生やした部位がダメージを受ければ、本人にもダメージ。 ※ブレンヒルトとナナリーには本名を名乗りました。 ※ナナリー達と情報交換をしました。(ハナハナの実の能力については話していません。月霊髄液についても自身の防御しかできないと嘘をつきました) 【アリス・ザ・コードギアスの衣装@ナイトメア・オブ・ナナリー】 原作四巻でアリスがネモと取引した際に与えられた衣装。 特にこれといった能力はない。
投下終了しました。 長い間の支援、本当にどうもあありがとうございました。 何かあればお願いします。
投下乙です 感想等はじっくり読み返してから……
投下乙 ナナリー……。 守るべき存在に庇われて、ブレンさんが覚悟完了しちまったか けど何よりも魔王が目覚めるってのがヤバいw
投下乙 詩音の行動原理がちょっと理解出来なかったんだけど、雛見沢症候群で判断力低下 してると思えばまぁおかしくないかな
ここでナナリー殺すのはどうかと思うけど…
殺しちゃいけないやつなんていないよ まぁ生かしておいたほうが面白い展開になりそうなキャラが死んだりすると惜しいと思うけど ナナリーの場合は死んでもその後の展開に波乱を呼びそうだし まぁ他の連中がそれほど制限されてないのにちょっと制限されすぎかなとは思った A.マークネモの召喚に宿主の強い怒りや憎しみが必要で B.10分しか使えず再召喚には2時間のインターバルが必要(ライダーロワかよw) C.マークネモ自体に強い制限がかかっており D.未来線を読むギアスがほとんど完璧に機能せず まぁ生身の相手に対し、圧倒的すぎるっつーのはわかるがCかDはどっちか一方で良かったんじゃないのって感じ ネモとナナリーの意思に強い齟齬があったという理由もあるにせよ… 結末変わらないなら他に波及する設定じゃないし、直すべきとは言わないけどね
ああ、のちに波及しないって事はないか ザ・コードギアスを召喚とか、<騎士>第二段階とか、他のARMSが覚醒したりすればマークネモ以上の 驚異だしな 他の参加者には抗しえない巨大な力にどこまで制限をかけるべきかっつーのは議論の余地有りか? 王の軍勢にも制限かかってないしな つーかあれには制限の掛けようがねーし…
いや、いまだ出てきてないし、出てくるかもわからんもんに予防線張る事もないか すまん、無視してくれ
規制は空気嫁でよくね? 投下乙です。 感想はしばらくたってから書きます。
長文過ぎて引いた
830 :
創る名無しに見る名無し :2009/04/30(木) 20:50:32 ID:0I04Mb+P
投下乙 何というか凄いな ARMS、不死者、ポケモン、ギアスが入り乱れての総力戦でマーダー共自重しやがらねぇ 特にラッドの存在感がすごい 二転三転する展開イロイロGJでした
ナイン・ザ・コードギアス! マークネモも諸々の悪条件には勝てなかったか。 詩音ラッドミュウツーナナリーと他のキャラもいきいきと動いていて面白い。 詩音は黒いは怖いわ、ラッドは調子に乗りまくりだわ、ミュウツーは何気にV-Zwとの掛け合いが可愛いw そしてナナリーは優しいなぁ……しかしそれに反してマークネモはとんだ遺言を残していきました。 そのせいでブレン姉さんがえらいことに……しかし気付いているのか。 佐山を殺すって生き残ったとしても全竜交渉どーすんだ! そこまで覚悟して全てを生き返らせる力に賭けるのか? さてさてどうなるのか楽しみです。投下乙でした。
夜に投下来てたのか!投下乙です! うわああああああ、怒涛の展開に言葉が見つからない…! マーダー二人の生き生きと戦闘が目に浮かぶようだ 特にラッドのはっちゃけっぷりが素晴らしいw 不死者の力をここまで楽しんで有効活用してる奴も他にいるまいw あと詩音、お前ちょっと表出ろ ナナリー…! ナナリーの優しさゆえに引き起こされた事態とはいえ、 無力感と歯がゆさに胸が締め付けられる思いだった お互いがお互いを思いやるがゆえにこうなってしまったのは悲しいなぁ 姑の置き土産はブレン先輩をとんだ方向にもっていってしまったよ でも“ナイン・ザ・コードギアス” これは熱い。悲壮だけど熱い 二作品で共通する「騎士」というフレーズの昇華が素晴らしいです なんというか、上手く言葉が見つからない 改めてGJ、GJです! それにしてもシスコン魔王のストッパーが消えて、行動方針がどうなってしまうことやら 意外と影響力が大きそうでどうなるか楽しみ
投下乙です! なんとも濃い1作! 状況がめまぐるしく変わりながらもそれぞれの思惑が絡み合い、 バトルと共になんとも見ごたえがある! 詩音は1番力が無いのを自覚しているだけあってなんでも手を尽くすなあ。大阪とある意味似てる。 ラッドに『卑怯者』と言われてしまったが、どうするか。ちゃっかり危険地帯脱出。 ラッドはもう……『ところがギッチョン』は中の人だろうがw 制限かかっていたとはいえミュウツーとのタッグでKMF相手に善戦するとは。 不死者でラッドにバズーカの組み合わせは鬼ですね。 ミュウツーは、ラッドとタッグ組んだり、V−Swと仲良くなったり、なんだか付き合いが変な事になっているっ。 彼が向かった先にいるのは、HOLY&真紅、そして暴走美琴だけれど…どうなることやら。 そしてやっぱり目玉はナイン・ザ・コードギアス降臨! ナナナ原作を読んでるともう『うおおおおお』としか言えなかった! ナナリーは必死にブレンを守って逝った…そして、それが修羅の騎士の道を選ばせてしまうとは…。 ○は本当、死に際の善意がとんでもないことを引き起こすな。 しかしナインは騎士服にショートカットブレン先輩を想像するとかっこいいなあ。応援したいマーダーなんて初めてだ。 タイトルがだんだんと姿を現す演出がなんとも痺れました。 改めてGJ!
そういや死に際の善意でとんでもないことになっている人が他にもいたなw
康一が瀕死で力を振り絞って能力発動→ヴァッシュがベナウィを殺してしまう(復活したけど) カルラが瀕死で力を振り絞って観覧車に到着→絶望したドラがサバイバーをカズマで発動、4人の乱戦を引き起こす ナナリーが死に際にブレンを庇う→ナイン・ザ・コードギアス降臨
837 :
創る名無しに見る名無し :2009/04/30(木) 23:46:22 ID:hGoO3ZWV
無駄に長い割には話があまり進んでないのはどうしてだぜ
そういやカルラもだったか 妄想死に引き続きまた変な法則がw
最後だけ腑に落ちない 騎士さん、きっちり把握しちゃってるみたいだけど、ネモはなんて遺言残したわけ? 描写的に「優勝してナナリー生き返して」って懇願から 残された時間がもうないから投げっぱなしで「(決意出来たら)ナナナ名乗って宣誓汁」の一言しか言ってないっぽいが、説明する猶予あったの? 具体的に言うと、後付けのコードギアスの部分はどのタイミングの遺言? 伏線もないし、ネモとのやり取りと噛み合わない
>>837 シスコン発狂確定で
放送まで会談続いてたらサカキ虐殺
放送までに会談終わってたら人形涙目
覚悟完了な強マーダー2人生産だから充分動いてるだろ
マーダーが増えれば、今まで分不相応にマーダー補正かかってたやつも間引きしやすくなるし
>>839 遺言は「―――コードギアス、ナイトメア・オブ・ナナリーという名に誓って」
だと勝手に想像していたんだが
んで、確かにアリスのナイトメアフレームのことまで知ってるのはおかしいけど
文脈からしてブレンヒルトはそれらの経緯は知らないけど、なんとなくネモがいった言葉を使ったら
本来アリスが使うはずの“アリス・ザ・コードギアス”とよく似た言葉になった
己の本名と組み合わせた仮初の名前は彼女の名前に似ていた
らへんはブレン視点じゃなく神視点と解釈するとしっくりくる
確かに視点が入り混じってる感じはするかも
>>840 マッチョだけど知性派だし、そう安直にいくかどうかわからんぜよ
というか展開予測は自重しようぜw
ナナリーが死んだ場合のルルーシュはR2 19話参照って感じだろ
844 :
創る名無しに見る名無し :2009/05/01(金) 22:53:56 ID:cexiCxxp
>>843 似たような感じになるってことじゃないの?
シスコンなのは変わらないんだし…
多かれ少なかれ影響があることだけは間違いないな なにせシスコンだからw ナナナ読み返ししてるんだが、やっぱりルルーシュの外見インパクトすごいよなw マッチョに仮面・マントってww
マッチョでかすむけど、銀様もなかなかだよなw
確かに銀様もw 改めてゼロと銀様は見た目が凄いコンビだなwww
>>844 そうじゃなくて
別の媒体での把握が必要になるようなのはマズイだろってこと
把握が必要ってほどのもんでもないだろ そのまんまの参考資料があるんだから使えるもんなら使おうってだけで それとも何か? ナナリ―の死に対してのルルーシュのリアクションを書くにはアニメ版の把握が必要なのでナナリ―がルルーシュより先に死ぬのは問題だとでも言うのか?
いやそこまで言ってないだろ 何勝手に邪推して喧嘩腰になってんだよ
ナナリー死亡に対するリアクションが原作中に(媒体が違うとはいえ)あるのに考慮しないほうが 問題あるんじゃね もちろん状況が違うから対策は変わるだろうけど
それは結局、アニメの方も見ろってことか?
まんまイコールじゃないから、ネットで感想サイト漁るくらいで良いんじゃね
自主的に見るのはいいけど、強制するのはおかしくないか あくまでこのロワに出てるのは漫画のコードギアスであって、アニメとは別物なんだから
ナナナ見てるのにアニメ見てないやつなんて珍しいと思うけど、書くつもりがあるなら 把握しておいたほうがいいな
まったく把握するつもりはないがな>アニメ
857 :
創る名無しに見る名無し :2009/05/02(土) 13:42:15 ID:aiZRzI+9
この話は止めて、別の話しようぜw
なんで皆けんか腰なんだw これでも飲んで落ち着け つアバ茶
859 :
創る名無しに見る名無し :2009/05/02(土) 17:15:43 ID:aiZRzI+9
やばいソバアレルギーなのにソバ茶飲んじゃった。 喉が焼けるように痛いんだけど病院にいった方がいいのかな?
何でここで聞くの? あとsageろ
もう手遅れだ・・・。
予約来たー 面子的にライダーはあのチームに拾われるのか?
予想厨死ね
予約来た!イヤッホゥ!
>>862 十分にありそうだけど、合流したらすごい面子だなw
そういえば、最近のワンピースでまたクロコが活躍してるな 何か過去の話も出てくるみたいだし このロワでも、生きてればいろいろ使えたかもな
スレ違い そういう話したいならワンピ本スレにいけ ここはリレー小説のスレであって、ワンピースについて話すスレじゃない そういうとこわきまえないから、ワンピ厨は嫌われるんだよ
雑談も許されないこんな世の中は
ゾロもチョッパーも最近本編で出番ないからなあ
ほら調子乗ってワンピ厨が雑談始めた
最近のワンピは神がかってるね クロコダイルと共闘は燃えるw
スレ違いだって言ってんのが分かんないの?
俺も靴舐めてるとこ見られて赤面されたかったわ
悪い誤爆った 専ブラだから仕方ないね
>>871 別の話題を振るとかできんのかね、君はw
今更だけど、ブレン姉さんが佐山や新庄を殺すってところがちょっと違和感あったな……
全竜交渉の要になる二人がいないとLow-G、ひいては1st-G が滅亡する可能性が高いって分かってると思うんだが
数時間一緒にいた女の子の為に自身の世界全てを犠牲にしようとするほど、ブレン姉さんは馬鹿じゃないような……
何の誤爆だw クロコとの共闘か、なんかすごいことになってるな 最近ジャンプ見てない俺にどうなってるのか三行
>>874 この場で命を落とした者全員の命を救えば良い
って言ってるし、優勝した後全員復活させるつもりだよ
いい加減にしろよ スレ違いだっつってんだろがカスチョンピ厨どもが
把握してないから聞きたいんだが、ゼロがマーダー化したらどの位ヤバいんだ? サーヴァント連中とやり合えたりする?
ロボと互角に生身でやりあうGガンクラスといえばわかるか?>ゼロ
改めて化け物だな魔王様ww
ナイトメアフレームは4〜5m、大きくても6mくらいだから、 ロボット物のマシンとしてはかなりのフェザー級だな
ロボといえば、終わクロも後半ロボが出てくるらしいね
今回は出てないが、終わクロにもロボとか戦闘機竜とサシでやりあえる人外が結構いますw 魔王は○ロワではかなり強い方だと思う、カズマとか我様とガチでやりあえても何らおかしくはない
うたわれにもロボットみたいなのいなかったっけ?
そして唐突に告げるが、そろそろ次スレなのでテンプレートを簡略化してみた。 これならさるさんはない……はず。
乙です! ちょっと長々と説明しすぎだとは思っていたんだ
乙! 細かいルールはwiki読めばわかるもんなw いい簡略化だ
>>885 あれは出てきてないし、アイテムで支給されても操れる人種がいないな
それを苦もなく捻れる主人公の変身は規制されてるし
生き残り参加者の強さでわけると( BACCANO! 、終わクロ、WORKING!! 、ポケモンはよくわからんので割愛) 超人(人間の範疇を超えてる) ○カズマ/○ストレイト・クーガー/○橘あすか/○無常矜侍 ○ロロノア・ゾロ/○トニートニー・チョッパー ○御坂美琴/○ミュウツー ○ヴァッシュ・ザ・スタンピード/○リヴィオ・ザ・ダブルファング /○アーチャー(ギルガメッシュ)/○ライダー(イスカンダル)/○ゼロ 達人(人間の範疇だが武術・魔術などを修めている) ○ハクオロ/○土御門元春/○ニコラス・D・ウルフウッド(回復薬があれば超人かも) ○衛宮切嗣/○レヴィ/○バラライカ/○ロベルタ 一般人 ○アルルゥ/○前原圭一/○竜宮レナ/○北条沙都子/○古手梨花/○園崎詩音/○春日歩 ローゼンメイデンはランク分けが難しいな 超常の力を持ってはいるけどnのフィールドに入れなきゃ普通の動くお人形だし一般人か
社長が超人の枠に入ってるのに何故か吹いたwww 強いはずなんだが、バラライカやロベルタに勝つところが想像出来んw BACCANO!勢はクレアが超人、他は達人レベル 終わクロ勢は概念兵器や符による強化がなければ達人レベル ポケモン勢はぎりぎり達人レベル……といえるのか? WORKING!! 勢は分からんが、ロワでの行動を見ると一般人っぽいかな
社長はどうも抜けてる印象がぬぐえないんだよなw
社長は俺も迷ったんだが、やっぱり超人レベルに達してるよ 人間にはあんな事出来ないし
超人多いwww しかもその半分くらいが人外w
ワーキングは完全に一般人だね ただし、変態しかいないw
まぁ戦闘能力の上下ではなく、人間を超えた身体能力があるかどうか、人間には出来ない事が出来るかどうか で分けてるからな
魔術が使えるのもある意味超人か
伊波は電柱殴り壊したりしているがあれはギャグ描写なのか? 店の壁粉砕したり携帯握りつぶしたりはどうなんだろ
間違いなくギャグだろうな しかし終わクロ勢の強さがよくわからんな 伊波と新庄が殴り合いしたらどっちが勝つんだろうか
鉄板が入ってるカバンを何年も気付かないで持ち運んでるから、 力が強いのだけは間違いないけどなw
ワンピースが上位とかないわ 過大評価にも程がある
>>899 一応、戦闘訓練を受けてる新庄の方が有利そうだが……力は伊波の方がありそうだなw
新庄は専用の概念兵器が無いとあんまりパッとしないなあ……射撃スキルはヴァッシュの方が上だろうし
性転換はギャグ展開にしか使えないだろうしw
ポケモンはミュウツー以外は判断力は有るが一般人じゃないか? あとチョッパーはランブルボールが無いと達人程度かな
もし伊波がマーダー化したら あのパンチからギャグ補正消えたりするのかな? マトモに入れば真紅あたりをジャンクに出来そうな気もするけど
お前真紅のパンチ力ナメんなよW
>>904 ギャグ補正消えたら花山レベルにはなるだろうな
いやいや、何度も殴られてる小鳥遊が死なない程度のパンチ力だってのを忘れちゃまずいぜw
「スピード×体重×握力=破壊力!!!!!!!!!!!!!!!!!」 とか言い出すいなみんは嫌だぞwww
>>907 お前は何も悪くはないが
その発言でスペック顔の小鳥遊を想像してしまった
「バキバトルロワイアル編」になりそうだからやめいww
予約入ってるぞ。 圭一「アーチャー様が消力を使ってるだとッ」
>>904 その役割は銀様以外にありえないだろう
あれ、ここ三階なのに窓がうるさいな……
ジャンクといえば銀様だろ常考 そういや銀様マッチョ共に外見黒で腹黒な、黒々コンビだな
かぶったw
>>913 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ三斗‐〒:: ̄`::.:‐<三/ :::::::::::::::::::::::::
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... ..: .... ミく二二二〉ミ ... .... .. ..... .... .. ..... ............. .. . ........
三三三三
三三三三
そろそろ次スレ準備しておいても悪くは無いと思うぜ。
気がついたら900越えてるのか 俺は立てられないから誰か頼む!
>>890 ニコラスは普通に超人だろ
身体能力もラズロ、リヴィオ並で、最終的にはそれ同等になるし
純粋に人外能力があるかないかの違いかで分けてるなら別に変じゃないんじゃ と思ったらリウ゛ィオも超人のカテゴリーかwなるほど というかここは最強スレじゃないんだから、ランク分けにそんな厳密にツッコミしても意味ないぞw
リヴィオは薬飲まなくても自動再生とかあるけどニコ兄は薬飲まないとそれほど超人的な 戦闘シーンなかったからまぁこんな感じ ミッドバレイとかナインライブズとか相手の超人的戦力に失神に追い込まれることもよくあったし まぁスレ埋めのネタ的なもんだからそんなに細かく突っ込まれるのも困るw
それじゃあ俺立てるよ
スレ立て乙です! ここのパートの迷走っぷりは半端ないからなぁww 合ってるよw
荒らしはスレ立てるなよ…… スレタイもテンプレもおかしくなってるし
テンプレが荒れ仕様なのはまずいなぁ スレ立て依頼所に行くことにして、あれは即死させるか?
まあ嵐だよな (しかし実際最後までテンプレを読んでいる人がいるかというと……)
新スレに投下しました
こっち埋めよっか
>>920 まあ確かに○ロワに出てる2名含めた超人異能者集団の
上位組とそれ以上は瞬間的に弾丸より速いヤツで
ツっ込みきれない身体能力と特殊能力に加えインチキ兵装も
あり、アルターや鯖など他の人外と比べてもなんら遜色ないし
にしても随分超人多いな本ロワは 死んだやつ含めてもほとんど超人じゃないか それ以外も達人ほどばかりで一般人はほんの少しだけな気が もう人外ロワでいいじゃないかw
人外多いよなw それでも一般人キャラが妙に怖いやらと変態やらで影薄くならないのがすごい ブラクラ勢とかおおさかとか ガションガションとかいなみんとかww
埋めよう埋めよう
うむ
埋め埋め
梅干うまい
一つのスレが終わりそうになったら埋めるだろう? 誰だってそーする。俺もそーする
普通に埋めるという幻想を…ぶち壊す!
最高に「埋め!」ってやつだァァァァァァハハハハハハハハハハーッ
スレには平和を、そして梅を
今454KBなのだわ 少し埋めきるのは大変かもしれないのだわ。
私が埋めるとでも?やれやれ、嘆かわしいね
お前に足りないものは!情熱思想理念気品優雅さ勤勉さ!そして何よりもォ! 埋めが足りない!
だよなwwネタで埋めようかと思ったんだがちときついw
なに、通りすがりの埋め人さ
ああ、確かに自分からやってみたもののきついよなw
素直に雑談で埋めるのがいいかもしれないのだわ
乙w見てて楽しかったけどなw まあゆっくり雑談でもしながら埋めればいいんじゃないか?
でもネタはやめないのだわ ネタ梅をしながら雑談するのだわ
なんとw
梅もしながら雑談もする、両方しなくちゃいけないのが辛い所だな 覚悟は出来てるか?俺は出来てる
ふむ、なかなかの覚悟だな それでこそ○ロワ住民というものだ
よろしい、ならば埋めだ
・――レスは埋めとなる
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埋めネタついでにとりあえずここまでで各キャラの印象に残った台詞とか挙げてみる。 ヴァッシュ「ラブ……アンド……ピース……」 クリストファー「結局、不自然は自然に勝てない、ってことなのかい?」 ロベルタ「次は殺す。必ず殺す――――園崎魅音」
佐山「ふむ……まロいにはまロいのだが、やはり新庄君の尻でないと何かが違うな。 もっとこう、ふんわりやわらかチックというか……ふらチック? ところで君は男かね
蒼星石「ぼ、僕は女の子だよぅ」
伊波「………………………………………………両性類?」
「ぼさっとするなよ、ムスカ……いや、あずさ」 「あすかです! 訂正した上で更に間違えないでください! ていうか何で貴方までアイツと同じ間違え方を!」
翠星石「まったくなんて失礼なことを言いやがるですか。 よく意味はわからないですけど、悪口を言ってやがるのはわかるですよ。 翠星石は賢いですからねぇ」
クリストファー 「うんそれがいい。友達として忠告するけど、初対面でいきなり友達になろうなんて人間は信用しないほうがいいよ。 人生を破滅させられる」
なんという正論 この友達つくり大好きっ子が
ロベルタ「……じゃあ、私は! どうやったら赦された!?」
グラハム「壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して 壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して 壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して 壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊す!」 (もちろん、性的な意味でな)
蒼星石(ああ――――また変態が増えた)
大阪「外国の子かなー。ごめんなー」
性的な意味でらめぇ
ラッド「それにしてもテメエはなんだ?人間には見えねえし、かといって獣でもなさそうだ。 ならあれか、てめえも宇宙人か!?そうだよな!?いいぜ!なんだろうがぶっ殺してやるよ!!」
佐山「……私は大分謙虚な人間だ。よって、回りくどく言うが……鬱陶しいね」
クーガー 「―――しかし俺はこうも考えている、他人に運命を左右されるとは意志を譲ったということだ、 意志なきものは文化なし、文化なくして俺はなし、俺なくして俺じゃないのは当たり前、そしてぇっ!!」
回りくどくないです><
無常「あー……ハイハイ。よーくわかりましたのでそろそろ死んでくださいな」
梨花「ふざけてんの?」
小鳥遊「はあぁぁぁ、かっ…可愛いぃ」
レナ「はぅ〜〜! か、か、かぁいいよぉぉぉぉぉ! お、お、お持ち帰りぃぃぃぃ!」
新庄「……なるほど、そういう使い方なんだね」
梨花「二コラスを……信頼しているの! 私は……私は信頼してる貴方に身を守ってもらいたいの!」 やーニコ兄と梨花ちゃんコンビは好きだw
ベナウィ「愚直に、過ぎるでしょうか」 そろそろさるさんの悪寒
上条「フィーロさん、ゼロさん、童貞が許されるのは小六の夏までですよ」 フィーロ「…………………死ね」 ゼロ「俺はナナリーで卒業する」
ラズロ「マスター、聞こえてるか? もう一人ぶっ殺してぇヤツが出来たんだ……もう一人、すげぇ気にいらねぇヤツが……」
ゼロwwww フィーロは好きな相手と一緒にくらして50年かけて結婚したくせに 90超えてまだ童貞というすばらしい童帝
まさにエンペラーだよなw フィーロ「くそ、難儀な話だよな……まったく」
こういうのでもセリフが挙がらないワンピキャラはやっぱ人気ないんだな
アルルゥ「この腐ったゲームをぶち壊す」
イスカンダル「その名、しかと聞き届けた。ならば我が蹂躙をとくと受けるがいい」
梨花「童貞ッ!童貞臭いわ!…お前ら、近寄るなあああああああ!」 ルフィ・ニコ「なん……だと………」
ウルフウッド「アカン!アカンて!このままだとホンマにシャレにならnてガbボgゴフbブハbg」
土御門(――――神は死ンだッ!!)
カズマ「……けどよ…………また大事なモンを失うのが怖いんだ…………」
サカキ「なんとも抽象的で下らん言葉だ。問題なのはその手に入れ方……」
水銀燈「いちいち言葉にトゲがあるわねぇ。乳酸菌とってるぅ?」
杖助「これは予想以上にヘビーかもな……やれやれ、グレートだぜ」
V−Sw『デバンナカッタ』
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(_´∀`)_ 創る阿呆に見る阿呆!
/,/-_-_-_-_-_\ 同じ阿呆なら
( ( /,, /― ((神輿))―\ 創らにゃソンソン!! //
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