妖怪バトルロワイアル

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1名無しさん@お腹いっぱい。
まずは実現に向けて話し合いをしていきましょう。
2名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 01:57:49 ID:C4fR9+Bi
スレ立て乙!
3名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 01:58:45 ID:dRi3W0R/
まず仮投票を行いたいと思います。
【妖怪名@作品名】の形で一人5つまで投票してください。
期限は24時間後の
9月22日02時までにしたいと思います
まだ仮の段階ですので、投票数と投票期日を短めに設定しました。
何か御意見があれば戴けると幸いです
4名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 02:01:16 ID:4IOwD2YN
なんでバトルロワイアル??
5名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 02:01:21 ID:IY5fYHAg
各作品のオリ妖怪も可?
妖怪名ってのは、天狗とか犬神とか、そういうククリ?
6名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 02:04:22 ID:tY6x42UH
漫画やゲームのキャラなら妖怪名=キャラ名
伝承妖怪や現代妖怪を出したいなら
妖怪名@伝承妖怪(現代妖怪)
こんな感じかな?
7 ◆FRYObwZspA :2008/09/21(日) 02:10:00 ID:dRi3W0R/
補足です。多重投票に関してはまだ策を取るつもりはございません。
ですので、皆様の御良心を信じる形で行いたいと思います。
また、今回オリジナル妖怪は不可とさせてください。
ここで言うオリジナル妖怪は、元の妖怪が伝承では無い妖怪だと思ってください。


じゃあまず自分から
【ねこ娘@ゲゲゲの鬼太郎】
【ゆきめ@地獄先生ぬ〜べ〜】
【絡新婦@伝承妖怪】
【硯の魂@伝承妖怪】
【覚@伝承妖怪】

なお分かりやすいようにトリップつけさせていただきました
8名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 02:11:33 ID:4IOwD2YN
バックベアードってオリ妖怪だっけ?
9名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 02:12:12 ID:lagSCTod
一つ質問です
人間含むかで揉めてた気がしますが、妖怪限定は決定済みなんですか?
10名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 02:13:55 ID:ltUl+2pY
>>8
西洋妖怪入れたら数が多くなるんじゃ?
漫画発の吸血鬼増えそう
11名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 02:15:27 ID:IY5fYHAg
作品名(伝承は「伝承」という作品名として)でまず投票した方が良くないか?と思いつつ、

かがり@うしおととら
青嵐@百鬼夜行抄
尾咲@鬼斬り十蔵
隠神刑部@伝承
ぶんぶく茶釜@伝承



12 ◆FRYObwZspA :2008/09/21(日) 02:15:55 ID:dRi3W0R/
>>9
失礼しました。一番大事なところを失念してましたね。
私自身が妖怪投票をしてしまったところで難ですが
今一度皆さんの意見をお聞きしたいと思います。

私の一意見としましては、人間不可でいきたいと思っています
13名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 02:17:42 ID:tY6x42UH
西洋妖怪でもオリジナル妖怪でも出したい人が多いのなら通過でいいんじゃないの?
明確な線引きなんか難しすぎるよ

あと人間組の扱いについては一言欲しいところ
14名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 02:19:04 ID:4IOwD2YN
吸血鬼は吸血鬼だけでものすごい数いるからな。
あれは妖怪というより、一種のステータスだと思う。
15 ◆FRYObwZspA :2008/09/21(日) 02:20:38 ID:dRi3W0R/
>>13
西洋を入れてしまうと、以前吸血鬼ロワが何度も妄想スレで
話題になっていたことを考えると大分偏った結果になってしまうかなと
それこそ妖怪という線引きが難しくなるので、
伝承が基盤となっているものを対象にさせてもらいました
16名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 02:21:10 ID:lagSCTod
>>12
なるほど。では自分の意見を言いますと、人間もありの方が良いと思います
人間と妖怪同士の関わりをメインにした作品も多いので、人間を含めたほうがより多彩な展開を書けるかと
17名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 02:21:46 ID:IY5fYHAg
人間の数が多くなりそうなら、不可がいい。

後、吸血鬼とか妖狐って数多すぎると思う。
この辺は上限あった方がいいと思う。
18名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 02:26:24 ID:nURw4A3u
こんなロワ立ったのか。気になるところは……

A地球の魔物なら全部妖怪?/外国なら妖怪有り?/日本妖怪限定?
例えばガープス妖魔夜行では、天使も神もゾンビも口裂け女も『妖怪』呼びされる。
どの辺まで入る? 幽霊とか、日本神話の神様って妖怪扱いでいいの?

B妖怪と人とのハーフは? 妖怪の血を引いてる人間(妖力も有り)は?
人間として暮す半妖は妖怪? 妖怪の力を持っていたり使役する人間は?

C作中で妖怪という呼称がされていなかったら?
この手ので多いのは鬼。宇宙人までごろごろしてる。


人間の数が多くなりそうってのは、人間の通る数を制限すれば良いと思う。
人間枠は妖怪の半数までを限度とするとか。
19 ◆FRYObwZspA :2008/09/21(日) 02:27:40 ID:f6R3p9mK
>>17
そうですね。
では投票の際、人間キャラ、妖狐キャラはそれぞれ一人ずつと制限を設けさせて頂きます。
その結果獲得票数が多ければ検討しましょう。

申し訳ありませんが今回吸血鬼は無しにさせて下さい。
20名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 02:29:37 ID:yQmkDqTv
先に作品投票(伝承・現代妖怪も作品名扱いにして)をするのが先では?
人間組や非伝承妖怪の扱いはその結果を見て決めればいいですし

たとえば、虫師やもっけ、学校の怪談などが上位に入るようなら人間排除は難しいでしょうし
非伝承妖怪の多い作品が票を集めたら同じく規制は難しいでしょう
そうならなかったら人間・非伝承妖怪は抜きと決めればいいんですし
21 ◆FRYObwZspA :2008/09/21(日) 02:32:03 ID:f6R3p9mK
>>18
A.日本の伝承妖怪が基盤であれば付属設定のついたキャラはあり

B.半妖怪は人間枠でお願いします。

C.宇宙人は不可。Aの説明を基準にします
22名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 02:34:17 ID:tY6x42UH
自分も先に作品投票をすべきだと思う
いきなり参加者投票っていうのは、票がバラけすぎるのでは無いかと
23名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 02:35:11 ID:4ncrFDDD
>◆FRYObwZspA
こんな司会進行であんたについて行く(というより面倒を見る)ような奇特な人が居ると思ってるのか?
人気投票はもう良いから、書く気があるなら独りでSS書き始めなよ。
他人に頼ってばかりいないでさ。

……ってか、SS書くスレなの、コレ?
24名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 02:35:29 ID:IY5fYHAg
だよなあ。
参加作品数は投票数にもよるだろうけど、10作品以下がいいと思う。
25名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 02:37:25 ID:nURw4A3u
確かに仮定が無限にある状況より投票で絞ってからの方が判りやすそう。
26名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 02:37:46 ID:lagSCTod
とりあえずは参加作品の議論から始めるべきかと
いきなり投票では初見の人には意味不明ですし
27名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 02:38:11 ID:yQmkDqTv
>>24
これをあくまで人間や非伝承妖怪の規制をどうするかを見るための仮投票とするならちょっと多めに10、
そうじゃないなら5〜7ってところですかね
28名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 02:41:12 ID:lagSCTod
とりあえず参加資格は妖怪を取り扱う作品、くらい大雑把な方がいいか?
29 ◆FRYObwZspA :2008/09/21(日) 02:41:43 ID:f6R3p9mK
>>20
ごもっともですね。ですが妖怪作品の妖怪の基準つくらなくては
投票対象の作品が明確にならないと思ったので、
オリジナル妖怪に関しては制限させて頂きました。

とりあえずまだ仮投票の段階ですので
結果が出てから色々決めたほうが良いかもしれませんね

てかgdgdな>>1でごめんなさいorz
30名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 02:41:48 ID:4IOwD2YN
伝承ありの妖怪ってバトルロワイアルするより普通に人間と絡ませるほうが楽しいとは思うけどな
31名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 02:42:39 ID:aU69NQuG
>>23
同意。
好きにやりたきゃ自分のブログでやれといいたい。
32名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 02:43:15 ID:IY5fYHAg
それでいいんじゃね?
ただ、一応伝承が根底にある妖怪が出てくるって縛った方がいいかも
戸愚呂とか出てこられても、正直困る
33名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 02:43:25 ID:lagSCTod
>>30
まぁ確かに妖怪は人間と絡んでなんぼだしね
ある程度の人間は欲しい。勿論メインは妖怪にしたいけど
34名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 02:45:50 ID:IY5fYHAg
妖怪勢VS人間勢という区分けのバトロワでも面白そうだけどな
半妖とか、立場がおいしいし
35 ◆FRYObwZspA :2008/09/21(日) 02:46:44 ID:f6R3p9mK
早さ足りてないな自分orz

じゃあ皆さんの意見を汲んで
上限10作品の投票作品投票をします。
対象作品:妖怪を取り扱う作品
妖怪の定義:作中で妖怪と定義されているもの
※伝承妖怪、現代妖怪も作品としてカウント

期限は22日02時まで
36名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 02:46:52 ID:aU69NQuG
>>34
あ、それ面白そうかもね
どっちかの組が全滅したら優勝とか
37名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 02:48:16 ID:IY5fYHAg
>>36
そうそ。山田風太郎が書きそうな感じの。
38名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 02:48:52 ID:lagSCTod
バトロワってか戦争だなw
悪くないな
39名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 02:50:52 ID:4IOwD2YN
確かに戦争のほうが楽しいだろうな。
40名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 02:51:33 ID:1XU99D+L
ある程度人間勢の数を確保できないと難しいけどね
なんにしろとりあえず仮投票(ちょっと票数大目に10くらい)をやって様子を見てみたら?
41名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 02:52:33 ID:LdNTHxV5
いちいちバトルロワイアルにするからいけないんだよ
なぜロワにこだわる?既にいっぱいあるんだからオリジナリティがなさすぎ
上で言われてるとおり妖怪大戦争とかでよかったんじゃないの?
42名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 02:53:06 ID:lagSCTod
ある程度人が集まるまで雑談しながら構想練った方がいい気もする
43名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 02:54:17 ID:lagSCTod
>>41
うん。だからそれでもいいと思うよ
とりあえず妖怪メインの作品でなんかリレーやる、って感じでもいいね
44名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 02:54:59 ID:4IOwD2YN
戦力値とか制圧とかで、シミュレーション風とか…
これじゃまだ全然ダメだけど、色々話してたらなんかできそうな気がする。
45名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 02:56:43 ID:tY6x42UH
>>41
それは、このスレが「パロロワを妄想するスレ」というところかは派生したスレだからだよ
46名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 02:58:53 ID:lagSCTod
シュミレーション風をSSにするのは難しそうだが、新しいな
初期配置とか目的とか設定して、それぞれの陣営に専属書き手がついて将棋風にSSを書き合うとかどうだろう
47名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 02:59:25 ID:IY5fYHAg
>>40
おk
ひとまず、戦争視野に入れて投票。
一人、10作品投票できるってことだよな?

1.うしおととら
2.百鬼夜行抄
3.ゲゲゲの鬼太郎
4.伝承
5.モノノ怪
6.鬼斬り十蔵
7.地獄先生ぬ〜べ〜
8.流行り神
9.犬夜叉
10.でろでろ
48名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 02:59:31 ID:nURw4A3u
なんにせよ作品集めてから考える、かな?
作品投票してから、余所で既に色々やられてるけど判り易いバトルロワイアルか、
妖怪戦争にするか、他にも色々やり方考えるか。
49名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:00:51 ID:4ncrFDDD
>>45
身内内だけでやりたいなら、わざわざ創発にまで来る必要無かったのにね。
新規の人を集めたいにしては、企画についての説明不足も良いところ。

つか結局何がしたいのよ?
50名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:03:32 ID:lagSCTod
まぁバトロワにこだわらなくてもいいさ。本来妄想スレは妄想を語るところで、いきなりスレ立てて投票とかするスレじゃないんだから。
ようは1が空気読めてなかったのさ

でもこのまま落ちるのも勿体ないし、なんかやってみたいな。それこそ上で上げた戦争とか
51名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:06:06 ID:LdNTHxV5
ある程度構想かたまってんなら
案をいくつかまとめてほしかったんだぜ>>1
52名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:07:34 ID:lagSCTod
まぁ実際向こうではただの妄想だったんだよね。何故かスレ立てられてしまったんだが
53 ◆FRYObwZspA :2008/09/21(日) 03:07:54 ID:f6R3p9mK
>>49
計画としては
伝承妖怪を基盤とした妖怪によるバトルロワイアルです
人間の扱いはこちらで考える方針でした。

作品投票により、投票される作品の傾向と人間キャラクターの人気を調べる予定です。
それにより、人間の扱いについて細かい規定を定めようと考えています。

作品と人間の扱いが決まり次第、本投票を行います。
54名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:08:14 ID:aU69NQuG
妖怪vs人間なら対魔師みたいなのから卑屈で姑息な小物妖怪まで活躍できそうだな
55名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:11:36 ID:lagSCTod
地獄先生と結界師の共闘とかか
実に燃えるな
56名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:13:12 ID:eIi2181H
ここまでGS美神なし
57名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:14:15 ID:aU69NQuG
しかしそれを叩き潰さんと迫る妖怪軍団の包囲網、果たしてGS美神の救援は間に合うのか!?みたいな。
58名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:14:54 ID:f6R3p9mK
>>51
伝承オンリーかオリジナル作品も入れるかで討論になっていたので
"伝承基盤の妖怪"と妥協点を取らせてもらいました。

議論の対象となっていたのは上記の点と、
"人間の扱いをどうするか"ということだったので
これは仮投票の結果を見て決めようと考えている次第です
59名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:15:21 ID:lagSCTod
で、救援代をふっかける美神さんですね。わかります
60名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:16:28 ID:tY6x42UH
>>49
俺に言われても困るわ、>>1が勝手にスレ立てたんだから
何で俺が責められる
61名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:16:32 ID:Bz+CR4dS
大神とか、ペルソナ勢ってどうなんだろ
といっても、ペルソナは雰囲気に合いそうなのは4ぐらいだが
62名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:16:49 ID:aU69NQuG
いや、ねずみ男の持ちかけた儲け話に引っかかりそうになって時間をロスしたんだな。
救援は間に合わなかった!
63名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:18:07 ID:lagSCTod
ペルソナって妖怪でるの?どっちかというと地母神とか妖精みたいなイメージがある
64名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:19:18 ID:1XU99D+L
とりあえず投票するのなら仕切り直して日時を決めてやったほうがいいだろうね
65名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:22:27 ID:nURw4A3u
うしおととら
ガープス妖魔夜行(百鬼夜翔)
アトラク=ナクア
おとぎ奉り
大神
東方Project
地獄少女
もののけ姫
GS美神 極楽大作戦!!


妖怪出てる作品って何が有ったかなーとwikiで調べたら……
そうそうあれもそうだしこれもそうだしで結構多かったぜ!
11まで絞り込んだ後、悩んだ末に天保異聞 妖奇士を落とす。
グレーなのが他に有るからほんと悩んだ。

でも結局投票時期は仕切りなおしかな?
66名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:23:22 ID:1XU99D+L
明日の24時からとかにしたほうが良くない?
あくまで投票するならね
67名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:23:48 ID:4IOwD2YN
形式がバトロワなら投票でいいんだろうけど、
そうでないなら投票で作品決めるのかどうかも待ったほうがいい気がする
68名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:25:25 ID:nURw4A3u
>>63
全て悪魔って扱いだけど、日本妖怪や日本神話の神も含まれてるはず。
俺はあんまり詳しく知らないけど、あのシリーズは何でも居ると思う。
69名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:25:28 ID:lagSCTod
バトロワはバトロワでも別にパロロワじゃなくてもいいさ
戦争とかの方が新鮮だし面白そうだし
70名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:25:51 ID:aU69NQuG
>>65
恐ろしい妖怪ならおとぎ奉りは外せないよな!
71名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:28:31 ID:lagSCTod
>>68
なるほど、確かに前見たプレイ画面にはクーフーリンとかいたしな
お前神話の英雄だろwwwと吹いた記憶が
72名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:29:08 ID:eIi2181H
だったらもう人間サイドと妖怪サイドに分けての戦争でいいんじゃね
中途半端なキャラ多そうだけど
73名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:30:01 ID:aU69NQuG
メガテンなら天狗や猫又なんかのメジャーどころから、酒呑童子や茨木童子の鬼系、
ミシャグジなんかの風土信仰系までカバーしてるぜ
74名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:30:38 ID:lagSCTod
半妖とかは美味しい扱いができそうた
75名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:31:43 ID:LdNTHxV5
妖怪の敵がでてくるRPGってそれなりに多そうだよな
76名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:33:47 ID:aU69NQuG
>>74
半妖が残っててもどっちかの軍勢が全滅すれば終了、とすると面白いな
どっちについても生き残れそうでいてどっちの側からもスパイ容疑で疎まれそう
77名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:34:29 ID:lagSCTod
化物みたいな言葉と同じく該当範囲広いしね
メガテンなんて>>73の面子全部悪魔扱いらしいがw
78名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:34:56 ID:4IOwD2YN
別陣営に寝返ってもいいと思うんだ。
自陣営のやつの首を手土産に持っていくとかしてさ。
79名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:36:47 ID:aU69NQuG
敵陣営に原作の知り合いがいて躊躇うキャラ、
それを槍玉に挙げて裏切り者扱いするキャラ…
おいしいな
80名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:39:21 ID:nURw4A3u
おとぎ奉りはほんと殺しまくりだからな。
被害出さずに倒せる相手が続いたと思ったら纏めて死ぬ。怖ろしい。

>>72
思いつく問題点は幾つも有るけど、そこら辺をどうにかできれば面白くなりそう。
半妖はどっちになるかとか、人間の好きな妖怪とか、妖怪に好かれる人間とか。
もし妖怪戦争するなら、どういう風に戦争させるかかな、最初のポイントは。
81名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:39:28 ID:lagSCTod
ただ、多重クロスものだから下手すりゃ普通にパロロワするより面倒そうだ
背景設定とかも練り込んで考えれば面白くなりそうだけど
82名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:40:03 ID:/BmWt+Tv
妖怪側に捕まってこき使われていたところ情にほだされたのも相まって女妖怪に告白しちゃいました
みたいなのもあるからな
83名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:40:35 ID:LGkEiaQR
人間嫌いの人間とか、人間と友情を築いている妖怪とか、
裏切ったり寝返ったりだましたり、駆け引きが色々とできそうだ
84名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:42:35 ID:lagSCTod
個人的には東方辺りも絡めてみたいが、環境が閉鎖してるから難しいかね
85名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:42:39 ID:eIi2181H
なんとなくスパロボ的なものを思い浮かべた
86名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:42:45 ID:aU69NQuG
傷ついた妖怪を匿ってるのがバレてナウシカ展開とかなw
87名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:44:27 ID:4IOwD2YN
人間がいないと生きられないから、人間側に付くけどこっそり食ってる妖怪とかw
88名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:45:55 ID:aU69NQuG
>>87
すごく妖怪的な行動原理で熱いなw
89名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:46:27 ID:4ncrFDDD
>>86
寧ろもののけ姫を連想。
……うん、パロロワみたいな死と隣り合わせのシビアな環境下でソレやるのは面白いかも知れんな実際。
90名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:47:07 ID:lagSCTod
むしろ発想を転換して
人間駆逐して世界征服したい妖怪VS人間が食料なので全滅させるわけにいかない妖怪
とかどうよ
91名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:48:57 ID:aU69NQuG
面白いけど、いわゆる人間の友達的な妖怪が出られないなw
92名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:49:11 ID:LGkEiaQR
>>90
そしてそこに人間と友情を築いた妖怪が絡み、
さらに妖怪と共存したい人間、妖怪を滅ぼしたい人間、妖怪を利用したい人間、
人間が嫌いだから妖怪に勝ってほしい人間などが裏で動く、と
おお、もしやるとしたらすごいことになりそう
93名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:51:32 ID:lagSCTod
>>91
いやいや、食料を守るため普段は見下してる人間と仲良くする妖怪と手を組んで、
「べ、別にあんたたちのためじゃ(ry」というツンデレ展開とかありですよ
94名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:51:45 ID:UxW0xFay
要は二次創作でシェアードワールドってことだよな
面白そうかも妖怪戦争
95名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:54:24 ID:LGkEiaQR
あ、そうか
形式上は人間を抹消したい妖怪 VS 人間を全滅させたくない妖怪でどうだ?
んで、全滅させたくない陣営に友情派、食糧派、あるいは信仰とか下僕派がいる
そうなると内部反乱とかもありえるし
ただ人間抹消派が一枚岩になっちゃうので戦力差がある気もするが
96名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:55:27 ID:aU69NQuG
抹消したい妖怪はきっと世界征服を狙うタイプと人間に恨みを持つタイプがいるから
仲間割れ要素は十分だな
97名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:55:42 ID:lagSCTod
とりあえずリレーとか気にせず「自分が考えた妖怪組織」みたいな感じで設定だけ書くのはどうだろ
で、面白いと思った設定をあとの人が組み込んで新たな設定を書く、こんな感じで
98名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:56:06 ID:4IOwD2YN
作中時間がバトロワみたいに何日以内とかじゃなくて、
何ヶ月単位っていうのはどうなんだろう。

戦争だったらそういうのもありかなって。
何日もかけて敵の背後に回り込んで襲ったり、逆に一日ででかい戦闘が起こったり。
99名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:56:15 ID:eIi2181H
こうなってくると作品によっては神だの妖精だのも関わってきそうなのよね
100名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:57:43 ID:UxW0xFay
人間怖いと思ってたけど接してみると仲良くなっちゃった妖怪とか
101名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:59:02 ID:aU69NQuG
組織かー。
たとえばどういうの?
102名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:59:05 ID:LGkEiaQR
そしてたぶん戦争に乗り気でない臆病な妖怪とか、人間どうでもいいって妖怪も出てくるな
んでこの中立派の強いのに両陣営が誘い掛けたり脅したりとか
103名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 03:59:14 ID:lagSCTod
もうあれだ、妖怪限定じゃなくて「妖怪とそれをとりまく世界」で話つくっても良さそうだ
妖怪さえ出てれば事実上なんでもありで
104名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 04:00:20 ID:nURw4A3u
>>81
厄介な点はいっぱい有ると思うよ。

人間と妖怪が仲良しこよししてる原作キャラをどうするかとか。
(パロロワの場合は殺しあわなければ生き残れない(たまに+優勝すれば願いが叶う)を
 大筋の動機として用意してる。最近は正直に従うの減ったけど、それでも大筋にはなっている)
つまり『動機の設定』。

世界を統一してしまう(地獄先生がGS美神と知り合いだとか)か、別々の異世界から連れてくるか。
世界の統一は結構難しいけど。
妖怪物は現代を舞台にする事が多いとはいえ、細部の設定は違うし、昔話系も結構多い。
(二つの時代から呼ぶ程度で纏められなくもないかもしれないが……いや、厳しいか?)
……そういえばアメコミのクロスオーバー企画では
『世界を一つに融合させた為、いつの間にか世界一の富豪が複数居るなど矛盾は有るが、
 暮している者達が何かおかしいと気づきながらも一つになった世界で物語が始まり〜』
というのが有るらしい。これも手か?

新しい形式の企画を動かすなら当然色々決めなきゃならない。
それでもちょっと惹かれつつある俺が居る。





ってスレ速深夜なのにはえええぇ!? 長々書いてられねえwww
105名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 04:01:21 ID:lagSCTod
>>101
その辺考えるのが難しいな
例えばGS美神のGSの連中と結界師の連中は協力関係にあるとか
で、共同で仕事してる場面をSSにしてみるとか
106名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 04:03:33 ID:lagSCTod
>>104
むしろ細かい矛盾は気にしない方向で
多分カオスになるけどそれもまたよし!
107名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 04:04:25 ID:UxW0xFay
とにかくいろいろ妄想設定書いていったら中にはそれだ!っていうのがありそう
108名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 04:08:45 ID:aU69NQuG
>>103-105を全部合わせて考えてみた。

『妖怪の存在する世界を一つに融合させた為、いつの間にか日本制服を狙う大妖怪が複数居るなど
 矛盾は有るが、暮している者達が何かおかしいと気づきながらも一つになった世界で物語が始まる』

で、SFなんかでたまにあるように、矛盾を深く考えると頭が痛くなるんだ。
大戦も終盤に近づいて色々な謎のピースがもしも集まったら、そこで決定的な矛盾に気付く奴が出てくるかもしれない。
そのままどこかの組織が優勝するかもしれない。
矛盾は作中だけじゃなくリアル(作品そのもの)にも諸々生じるだろうけど、それも上記で押し通す。

動機は…複数の大妖怪が同時に動き出した、対する人間やそれに味方する妖怪、
あるいは人間を滅ぼされては困る妖怪たちも動かざるを得なくなった…で十分だと思うんだ。
109名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 04:09:15 ID:lagSCTod
ちょっとネタ考えてみるか。妖怪作品のレパートリーは少ないが
110名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 04:09:52 ID:nURw4A3u
ああ、そうだ根本的な事として。
完結へと向う話にするか、永遠に終わらない世界を構築する話にするかも大事だな。
前者はバトルロワイアルのような、話が収束していく(短編の集まりによる)長編。
後者はシェアードワールド・ノベル群。オムニバスな話というのかな?

パロロワって多重クロスオーバーを、キャラ数減らしていく事で強引に完結への道筋作ってるからな。
共通の目標が無いと完結はありえないし、何らかの絞込み(キャラ脱落など)が無いと難易度は跳ね上がる。
111名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 04:11:57 ID:lagSCTod
後者のオムニバス式でいいと思うよ
流石に作品群も設定もノリで完結志向は厳しすぎる
112名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 04:14:02 ID:4IOwD2YN
陣営形式なら、キャラの中に使い捨てとか放置のがいてもいいような気もするし、
有用なのを召喚するとかも場合によってはいいんじゃないかとも思う。
113名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 04:14:37 ID:aU69NQuG
まあ大戦だから全体的にはキャラが減少傾向になるのかもしれないけど、
その辺はどっちをやりたい人が多いか、ってところになるのかなあ。
114名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 04:16:20 ID:4IOwD2YN
なんなら、作品投票のかわりにオムニバス形式にしておいて、
そこから大戦へうつる……ってか、これだとなんか漫画みたいな進み方だけど。
115名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 04:18:55 ID:nURw4A3u
俺は完結へと向う話が書きたいな。
妖怪戦争で、参加する作品は最初に決めてしまいたい。
キャラは多少猶予(大体決めて、何人までは自由に出せますなど)有りくらいの縛りで。
後は大戦の中で極力減らし、増やしはしないというルールだけ守っていく。

これでも完結は結構難しいだろうけど、少なくとも目指せる物では有って欲しい。
116名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 04:20:29 ID:lagSCTod
むしろ大戦も主軸にしなくてもいいかも
笑いあり、涙あり、戦争ありみたいに全部というかなんでも書いてみるとか
117名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 04:20:56 ID:aU69NQuG
>>114
それも面白いかな。
エントリー代わりにオムニバス形式の短編でキャラや組織を募って、
ある程度の時期で>>115みたいな方向性に絞っていくっていう。
118名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 04:22:53 ID:lagSCTod
となると難しいのは最初だな
書き出しがあればそこから想像を広げられるんだが…
119名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 04:32:16 ID:aU69NQuG
【HUMAN SIDE】

―――最近、妖怪たちの動きが慌しい。

退魔師やゴーストスイーパー、拝み屋。
全国各地に散らばる異能者たちの間で合言葉のように囁かれるようになった言葉である。
それはまるで嵐の前触れの如く、或いは夜の闇がひっそりと足元に忍び寄るが如く、
彼らに日本を襲う未曾有の危機を予感させるのであった…。


こんな感じ?
120名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 04:33:15 ID:UxW0xFay
いいねいいね
なんかテンション上がってきた
121名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 04:38:36 ID:eIi2181H
物語を収束させるなら漠然と戦争をやるよりは統一の目的を作った方が楽そうだけど
122名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 04:44:47 ID:aU69NQuG
目的かー。
大妖怪たちにとっては人間及び他勢力を駆逐して日本征服。
人間側はその撃退。
その他、独自の目的のために動く少数派あり…じゃ弱いかな?
123名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 04:54:35 ID:4ncrFDDD
妖怪vs妖怪、はたまた妖怪vs人間なのか……
敵味方陣営についてもぼかしまくって、リレー構築しながら考えて行くのもいいかもよ。
もっと言えば、『謎』で切り捨てちゃっても良いと思うんだ。きっちりしたがる人は気になるんだろうけれど。


「待って、あいつを置いては」
「放っておけ、どうせもう死んでる!」
 そう言った途端、彼は私の手を掴んだまま、銀の銃弾が飛び交う戦場を駆けだした。

 この戦争が始まってどれだけ経っただろうか。
いつからかきな臭いうわさが流れ、危険だからと仲間達と避難し、
突然訳も分からないまま攻撃を受け……
気がつけば、私は戦争の真ん中にいた。

 度重なる襲撃で、仲間たちからもはぐれてしまった。
今、私の仲間は私と、彼と、もう一人――さっき死んでしまった彼だけだった。
彼を置いて行くのか。逃げるのか。どこに逃げるのか。逃げたとして、何が残るのか。
分からなかった。私には、何も分からなかった。
唯々、死にたくなかった。
生きて、もう一度仲間達に会いたい。それだけしか、考える事が出来なかった。
彼らが今も生きているという保証など、どこにもないのだけれど――



世界観重視で書いてみた。
こういう局面局面を集めて一つのモノにするのも良いんじゃね? 
124名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 05:47:44 ID:aU69NQuG
「クソッ、よりによって頭領たちのいない時に……!」

血を流す腕を押さえながら走るのは影宮閃。
多くの異能者たちを統括する組織・裏会の戦闘部隊、夜行の一員である。
妖退治を専門としながら、妖交じりと呼ばれる半妖をも受け入れてきた夜行。
その強大な戦闘力は全国に存在する他の組織と比肩して決して劣るものではない。

だが今、その存続すらもが一夜にして危ぶまれる事態へと陥っていた。
妖たちの大群によって本部が突然の襲撃を受けたのである。
夜行随一の戦力である頭領・墨村正守を含めた主力が揃って地方へと
妖の討伐に向かっていた矢先の出来事であった。

「タイミングが悪すぎる……。一体、何が起こっていやがる?
 ……まさか、手引きした奴がいる、なんてことは……畜生、皆無事でいてくれよ……!」

呟く声は、流れる風にかき消されて誰にも届かない。



版権作品から思いつくところで適当に。
誰か妖怪サイド任せたー
125名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 10:06:34 ID:s2/xASq5
ぬらりひょんの孫からぬらりひょん出すと鬼太郎のぬらりひょん出せなくなりそうだし色々と難しそうだな
悪魔くんとかHELLSHINGとか月姫とか格ゲーのヴァンパイアみたいな西洋主体はアウト?
126名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 10:20:58 ID:9jl+MXrY
>>125
吸血鬼はだめだとかなんとか

ちょっとよくわからなくてスマン
単純に鬼軍、天狗軍、河童・水棲軍、狐軍、狸軍、その他、無所属などなど、とかじゃいかんの?
作品投票以前に伝承は決定?

隠神刑部「人間なんて全部殺して食ったれや!」
分福茶釜狸「まあまあ、待ちなさいな。はい、お茶でも飲んで落ち着いて(困った奴だなこいつ……)」
みたいな?


流れ的にGS美神、結界師あたりは決定なんでしょうかね
どろろも好きだけど使いにくそうか
127名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 10:25:35 ID:lagSCTod
別に伝承無しのオリジナル妖怪もありでいいんじゃね?
出せない作品増えるし、鬼太郎ですら多少のオリジナル妖怪いるしな
128名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 10:33:26 ID:gieyx9FB
人間側はポイントゲッターのうしとら以外はちょっとキツイから少なめで良いのでは
未来を予知できる天弧みたいなチート妖怪もいるし
129名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 10:43:08 ID:s2/xASq5
>>126
なら吸血鬼以外の西洋妖怪ならありって感じ?ヴァンパイアのデミトリを除いたダークストーカーズ(一名日本妖怪有り)とかベアード様とか後期のゾンビ化して不死身になったジェイソンとか。GS美神あたりも西洋妖怪や外国妖怪多いし

>>128
ぬ〜べ〜や美神は個人的に出したいなぁ。美神とぬ〜べ〜は会ったら喧嘩しそうだし

版権物で敵の大ボスって言ったら
白面の者、加藤、アシュタロス、絶鬼とかのチート級がひしめく感じか。うしとら、鬼太郎、ぬ〜べ〜だけで九尾三体…
130名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 11:01:26 ID:IY5fYHAg
完結目指すなら、あんまり幅広すぎても難しくなるだけだと思うなあ
鬼軍、天狗軍、河童・水棲軍、狐軍、狸軍のどれかに当てはまるなら
出てもよさそうだけど
その他と無所属がなあ
川獺とかサトリとか件とかはその他獣妖軍とかになるのかね?
ぬらりひょんとかあかなめとかお歯黒べったりとかは、ある意味人間と共生している奴だと思うし
妖怪のジャンル分け、難しいな

チートと言えば、平田篤胤の仙境異聞にも描かれている天狗・長楽寺とか流星操っていたような
131名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 11:06:28 ID:2qEtzQ3R
日本から出てしまうと、妖怪じゃなくて
悪魔とかそっち系も入ってしまうな
ある程度まとめるなら、日本の妖怪オンリーでやるのがいいかも
132名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 11:19:48 ID:Ko5AFmzL
確かにまとめるなら日本の妖怪ってくくるくらいでいいかもな
外の妖怪たちは日本を静観してサンプリングとってるとか、色々裏設定も作れそうだし
133名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 11:21:16 ID:9jl+MXrY
>>19>>21>>35>>40>>53
みたいな流れで今は10作品仮投票中?
で今はバトロワか大戦争かって感じ?

>>129
妖弧は一人一票まで→キャラ投票いったん保留 何ともいえんけど>>1的には妖弧少なめがいいんだろうか
西洋妖怪もおさえたいのかな

俺は伝承、現代妖怪に票入れたい。10作品も思いつかない……
仮投票後ちょっとあれこれ言い合ってから、結局>>1が多少英断する必要があるんではないかな。
134名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 11:43:12 ID:IY5fYHAg
妖怪をさ、鬼軍、天狗軍、河童軍、狐軍、狸軍以外は生息地で分けてみねえ?
山に棲む者、水に棲む者(海込み?)、野に棲む者、市街に棲む者って感じに。
登場キャラ絞るなら、この区分けに準じた種族名(伝承に出てくる名称で)で投票して、
当選した妖怪と同種族の妖怪キャラをまた投票で決めるとか。

≪1回目投票≫
「天狗」
・烏天狗
「山に棲む者」
・サトリ
・雪女
「水に棲む者」
・舞首

そして仮に烏天狗、雪女の人気が高くて当選としたとする。

≪二回目≫
「雪女」
ゆきめ(ぬ〜べ〜)
雪女(伝承)

「烏天狗」
求嵐(うしとら)

って風に。

登場種族だけ投票で決めて、その種族に合っているキャラは何でも出していいでもいいが。
135名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 11:43:55 ID:gieyx9FB
『画図百鬼夜行』
◎天狗(てんぐ) 犬神(いぬがみ) 窮奇(かまいたち) 絡新婦(じょろうぐも) 
火車(かしゃ) 鉄鼠(てっそ) 安達ヶ原の鬼婆(あだちがはらのおにばば)
雪女郎(ゆきじょろう) 見越入道(みこしにゅうどう) わいら ○牛鬼(うしおに) おとろしさま

『今昔画図続百鬼』
酒呑童子(しゅてんどうじ) 茨木童子(いばらきどうじ) ◎両面宿儺(りょうめんすくな)
牛頭馬頭(ごずめず) ○速疾鬼(そくしつき) 宇治の橋姫(うじのはしひめ)
◎玉藻前(たまものまえ) 輪入道(わにゅうどう) 鵺(ぬえ) 狢(むじな)
野衾(のぶすま) 野槌(のづち) ○土蜘蛛(つちぐも) 比々(ひひ) ○天逆毎(あまのざこ)

『今昔百鬼拾遺』
◎燭陰(しょくいん) 道成寺清姫(どうじょうじきよひめ) 泥田坊(どろたぼう) 古庫裏婆(こくりばばあ)
煙々羅(えんえんら) ○イクチ 鬼童(おにわらし)  蛇帯(じゃたい) 殺生石(せっしょうせき)
羅城門鬼(らじょうもんおに) 芭蕉精(ばしょうのせい) 方相氏(ほうそうし) 

『礼記』*四神
◎麒麟(きりん) ◎鳳凰(ほうおう) ◎霊亀(れいき) ◎応龍(おうりゅう) ○白澤(はくたく)

『画図百器徒然袋』
塵塚怪王(ちりづかかいおう) 雲外鏡(うんがいきょう) ◎箒神(ほうきがみ) 袋狢(ふくろむじな)
栄螺鬼(さざえおに) 骨傘(ほねからかさ) 絹狸(きぬたぬき) 白溶裔(しろうねり)

『妖狐のランク分け』
赤狐(せきこ) 白狐(はくこ) 黒狐(こくこ) 銀狐(ぎんこ) 金狐(きんこ)
○九尾狐(きゅうびこ)
↑うしとらの白面はココ、更に上の位の妖狐がいて、◎天狐(てんこ)*尾は四つ ◎空狐(くうこ) *尾は無い

適当に人を殺せる妖怪をリストアップしてみました、
二次創作系のキャラには勝てそうに無いので雑魚戦にでも使ってあげてください。
○は大妖、◎は神レベルの妖怪です、多分。
136名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 11:57:11 ID:SNRdm/FL
あと、ラスボスはぜひ九頭竜(くずりゅう)で……
クズリュウ→クトゥルーでラヴクラフトが元ネタにしたことで有名
当然、チート妖怪
137名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 12:17:54 ID:W2g2QuC1
いろんな作品のキャラが出てくると同じ妖怪でもキャラが違ったり数が増えたりする
何十何百って妖怪がいる状況で各々立ち位置や目的、戦う理由も決まってすらいないんだろ?
そんな段階でぬ〜べ〜とか美神とかうしとら?んなこと言ってたら物語破綻するんじゃね?
そんな時に西洋妖怪?話広がりすぎて収拾つかなくなって破綻する心配とか考えないの?
テーマが『妖怪バトルロワイアル』なんだからもっとシンプルに話の筋が通りやすくしたほうが良いと思う
そこに個人的な趣味や思考で余計なものを詰め込んだら筋が通らなくなるだろ?

俺は版権キャラが出てくることだけは反対する。妖怪漫画の版権キャラなんていっぱいあるしさ
どろろ・鬼太郎・悪魔くん・ぬらりひょんの孫・妖逆門・ホリック・幽遊白書・妖怪のお医者さん・鬼切丸
軽く調べただけでざっとこんだけ妖怪物が出てくる。誰かが幽遊白書はどう?とかどろろを出したい
って言い出したら完璧に収拾つかなくなるだろ?

あくまで妖怪バトルロワイアルなんだからさ。人間が介入するのは構わないが必要以上の物語のキャラが
出てくるのは物語崩壊に繋がるから止めたほうが良いと思う
美神が腸ぶちまけてぶっ殺されるとかぬ〜べ〜が妖怪に喰われるとかありなら別に良いと思うけどね
うしとらやぬ〜べ〜なんかバトルを止める側に回るって役割になるしさ。そしたら物語の視点が
ズレるだろ?

そんなわけで版権キャラが出てくるのは俺は反対だ
138名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 12:26:52 ID:fTbNUoUu
マルチジャンル系みたいに結構死ぬんじゃないの
どっちみち妖怪側の出場枠絞るか、サイズ限定しないとキツイでしょ
うしとらに出てきたイクチ(あやかし)は体長5〜9キロ

燭龍なら体長4000キロで風のように速く走る
139名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 12:47:32 ID:xhF5K8MA
とりあえず、一点だけ。
できる限り『投票』はしないでおきたい。

現状の何も決まっていない段階ですら「投票しようぜ!」なんて言い出す奴がいるが、
それで結果が出て何が前に進むんだ?
現状どういうスタンスでSSを展開するかって議論してる上に、投票で一見さん集めてもメリットあんのか? って正直思う。
人気投票がしたいだけならどこか他所のところでやってくれ。
140名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 13:04:08 ID:n98PLKu0
『都市伝説系の怪人』
赤マントの怪人 口裂け女 首なしライダー 人面犬 
ターボばあちゃん 注射男 トイレの花子さん

版権物の妖怪も一通り纏めます。
141名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 13:44:20 ID:aU69NQuG
>>139
んだ、投票も詳細な議論も別にいらんでしょ。
SS書いてこうぜ、SSスレなんだから。
そこから流れができてくるかもしれんよ。
バトロワって流れにしたいならそういう話を今書いて投下すりゃいいのさ。
142名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 13:46:16 ID:n98PLKu0
『主力』
どろろ 百鬼丸 どろろ 田之介 (鵺)
ゲゲゲの鬼太郎 ねずみ男 猫娘 (バックベアード) 
犬夜叉 犬夜叉 日暮かごめ 弥勒 (殺生丸)
うしおととら 蒼月潮 とら ? (白面金毛九尾の狐)
GS美神 極楽大作戦!! 美神令子 横島忠夫 (アシュタロス)
地獄先生ぬ?べ? 鵺野鳴介 ゆきめ (?)
幽☆遊☆白書 浦飯幽助 桑原和真 蔵馬 飛影 戸愚呂弟 (?)


『判断不能』
怪物王女
喰霊(妖怪は結構出る)
天保異聞 妖奇士?(時代が違うか……)
ぬらりひょんの孫?(性能的にキツそう)
ぺとぺとさん?(これはないな)
封神演義?
XXXHOLiC?
妖怪人間ベム(一応妖怪なので……)
妖怪のお医者さん

○東方Project(ゆっくり妖怪)
ぐわんげ
あやかしびと(エロゲ)

『おまけ』
女神転生 仮面ライダー響鬼 ジブリ系

結構すくないっスね。
143名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 13:48:34 ID:aU69NQuG
>>140
ターボばあちゃんって妖怪なのかw
うちらじゃしゃかしゃかっていってたけど
144名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 14:01:52 ID:lagSCTod
ぬ〜べ〜にはジェットばばあという妖怪がいてだな(ry
145名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 14:05:25 ID:iVwFalb7
上に出ていた分を追加

ガープス妖魔夜行
アトラクナクア
モノノ怪
鬼斬り十蔵
鬼切丸
おとぎ奉り
大神

流行り神
でろでろ

地獄少女
百鬼夜行抄

戦闘能力が無い作品は弾いた方が良いんじゃないですかね?
146名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 14:06:28 ID:aU69NQuG
>>142
おいおい、おとぎ奉りも百鬼夜行抄も鬼切丸も彼岸島ももっけも夏目友人帳も
何もかんも足りないぜ!
つうかホラー漫画系がまるっきり抜けてるぜ!

ま、書いたもん勝ちだよな。
出てこなかったり続きが書かれなかったら日本のどこかで戦いを続けてるんだってことで。
147名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 14:08:30 ID:aU69NQuG
と思ったら俺が音速遅かったぜ!

>>145
知識で戦う系統の人間もいれば、妖怪側に魅力がある場合もあるからなあ。
148名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 14:15:58 ID:lagSCTod
戦闘力がないような妖怪も少なくないしな
座敷わらしとか
149名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 14:16:56 ID:aU69NQuG
どんなに無力でもすねこすりは俺のマスコット
150名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 14:23:00 ID:JHFMg+sU
肝心な結界師が抜けてたよ
151名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 14:24:36 ID:9jl+MXrY
投票できる段階ですらないのかねえ 仮投票ぐらいならいいんじゃないのと思うけど

よく考えたら分類できない妖怪のほうが多いかもね ツクモ神系とか
豆腐小僧とかは怪人系とでもいうのだろうかw 塗り壁は最近オリジナルの絵が発見されたそうだし

何かのくくりというか制限があったほうがいいのかな
152名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 14:31:45 ID:aU69NQuG
できるできない以前に、大戦なら投票とか必要なくね?
ってことじゃないかと思うんだ。
153名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 14:40:35 ID:JHFMg+sU
妖怪大戦争のイメージついたから
全長8mある牛鬼がビル薙ぎ倒すシーンみたいなのしか浮かばないw
154名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 15:05:45 ID:9j3laoVI
出したいキャラ全部挙げていってもいいと思うんだけど把握ができない
投票は必要じゃね?
155名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 15:06:34 ID:F3i6IT3v
書いたもん勝ちも何も版権キャラは出すべきじゃないだろ
版権キャラが出たら妖怪VS人間の構図になってバトルロワイアルどころじゃないし
カオスになりすぎて話しにならないわ
犬夜叉にどろろが出て来てとらと戦ったら物語崩壊するだろ?
最低限の秩序ってのは必要だろうが

それなら妖怪の数とか規模、力のレベルを考えたほうが良いんじゃね?
・もの凄い数の中でやるのか限定された数でやるのか
・舞台は一箇所の定められた場所でやるのか複数(全国規模)の場所でやるのか
・出せる範囲のレベルの妖怪と出せない範囲の妖怪(神格化された妖怪やトイレの花子さんとか)
せめてこの程度はハッキリさせとかないと話が進まないと思うんだが
そもそもこれは書きたい人間が勝手に書けば良いのか>>1が書くのかどっち?
書き手が繋げあって一本のSSにするの?それがよく分からん
どちらにせよ最低限のルールみたいなのを決めておかないと上手く行くはずがない

それと投票はしないほうがいいってのは>>139に同意
とりあえずここは責任を持って>>1が取り仕切ってスタンスを決めるほうが無難だと思う
それを>>1が拒否るならもう誰かが書いたSSに便乗して流れを作るしかないだろ
156名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 15:16:03 ID:aU69NQuG
もう>>1のやりたいバトロワやる流れじゃないしなあ。

・書きたい人間が勝手に書けば良い、
・全国規模の、
・「もの凄い数の妖怪」の中から「誰かが書いたという意味で限定された数」でやる、
・神格化された妖怪からトイレの花子さんまで何でもありで、
・一つの世界観に矛盾無視して押し込められた妖怪モノの、
・「犬夜叉にどろろが出て来てとらと戦ったら」な妖怪大戦

だろ。
157名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 15:18:23 ID:aU69NQuG
しかし自分で言っといてなんだが、現代でやるなら犬夜叉はともかくどろろは無理だなw
158名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 15:21:38 ID:9jl+MXrY
もともと版権は有りのスレじゃないのかな
まあ一種の遊びなんだし、あんまり真面目になりすぎるとなんもできないよ
多少カオスでもいいんじゃないの 犬夜叉ととら、おもしろそうじゃん

なんにせよ>>1の意見はききたいね
159名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 15:25:47 ID:bFUugQL0
バトロワじゃなくて二次創作ありの妖魔夜行みたいなシェアード・ワールドってことか
なるほど、オリキャラでロワやるより面白そうだな
160名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 15:55:28 ID:Xj87dwLu
もうスパロボZみたいないろんな世界がごちゃ混ぜになった設定で行けばいいんじゃない?
時間軸も混ざりまくりなら、現代の童守町を百鬼丸が闊歩したって問題ないぜ

個人的には、そうでもしないと東方キャラが出せそうにないってのもあるんだがw
161名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 15:56:44 ID:I71hP6Hf
最初からあんまりガチガチに決めて書き手が集まらなかったらそれまでだからなあ。
とりあえず「現代妖怪物」という大まかな枠だけ決めて好きに書いてもらって、
全体の流れとかは書き手がある程度集まってから考えても遅くないと思う。
162名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 15:59:11 ID:aU69NQuG
着流しで歌舞伎町のそれ系な事務所から出てくる百鬼丸とか似合いすぎてて噴いたw
163名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 16:21:37 ID:9j3laoVI
つーか>>1に指揮取らせるのはかわいそうだろ
>>1はバトロワがしたかったわけだし
164名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 17:21:33 ID:9jl+MXrY
>>163
それもそうだね 今から>>7を尊重したバトロワに持っていくか
それとも流れに任せるか どうしたもんかねえ
165名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 17:27:21 ID:UxW0xFay
流れに身を任せてみようぜ
楽しいよ
166名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 17:31:55 ID:Xj87dwLu
激流に身を任せ激流に身を任せナギッナギッセッカッコーテーレッテーホクトウジョウハガンケンハァーン!!

冗談はさておき、このままシェアードワールドの流れで行きたいなあ
各書き手が好きに妖怪たちのクロスオーバーを書き、それをシェアード的に絡ませていくとか
戦争とか殺し合いとなるといろいろ取り決めが面倒だし、なんか揉めそうだ
167名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 17:34:20 ID:UxW0xFay
別に戦争やってる妖怪がいる一方で、のんびり日常生活してる妖怪がいてもいいよね
168名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 17:42:20 ID:aU69NQuG
それもアリじゃない?
血みどろの戦いの影では心温まる小さな交流が…ってのも。
169名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 18:18:23 ID:lMj2DLK9
知識の共有をはかるために、これまでのまとめ。

【このスレの立った経緯】
某したらばの「パロロワ妄想スレ」にて、妖怪ロワの話題が盛り上がる
参加できる妖怪や作品の基準についてgdgdしていたところ、一人が突然このスレを立てる

【ここまでの流れ】
上記の流れを創発板住人が知るはずもなく、
>>30あたりから人間との絡みや、妖怪vs人間あるいは妖怪同士の戦争という
スレ立て主の思惑とは違う流れができはじめる
現在は「妖怪作品をクロスオーバーさせた二次創作シェアードワールド」という流れが優勢
人間勢や創作妖怪、吸血鬼など西洋妖怪の扱いについてもんまりと議論中


(以下俺の意見)
シェアードワールドでいくなら、あんま細かいことは決めないで流れにまかせた方がいいんじゃね
矛盾点はいっぱい出るだろうけど、それもまた妖怪っぽくてよし
170名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 18:21:01 ID:9j3laoVI
あんまりキャラが多すぎると困るから
キャラ数は固定しないにしても作品は固定すべき
171名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 18:22:29 ID:Xj87dwLu
>>170
シェアードなら作品数は関係なくない?
使いたいキャラや設定だけを各自シェアすればいいと思うんだ
172名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 18:34:35 ID:aU69NQuG
そんな感じでいいと思うよ。
多けりゃ多いでいつの間にかフェードアウトするキャラが出てくるってんでも別に困らんでしょ。
続きを書きたくなったら書けばいいさ。
173名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 18:43:49 ID:4ncrFDDD
現在「パロロワ」をしたいって人はごく少数みたいだな。
まあ、これで無理やりロワにしてもオリジナリティ薄いしねえ。
書いたもん勝ちでやれば良いと思うのよ。
バランスとかも、強い妖怪が居れば弱い妖怪もいる。それで良いじゃん。
制限とかも基本的に不要で良いんじゃないかな? 

キャラ出しまくればリレー続かないかもしれないけど、
それでもリレーしたくなるようなSS書こうぜ、って話じゃないかな。
つまらないSSでも何でも書けばリレーしてくれるって発想が甘チャンなだけで。
登場→スタンス決定、だけのSSならスルーされても恨み事は言えん。
174名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 19:04:12 ID:xsW/k+lR
女神転生の悪魔はあり?

たとえば分類―種族―名前で書くと
鬼族―妖鬼―ラクシャーサ とか、
魔族―外道―ヤクザ とか、
魔族―妖精―スダマ とか。
175名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 19:06:58 ID:F/h0QwFc
此処はロワスレ?それとも妖怪物SSスレ?どっち?
176名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 19:18:33 ID:xsW/k+lR
妖怪ものSSスレだと思う。あきらかにそっちの流れによってたし。
177名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 19:24:42 ID:Xj87dwLu
>>173
リレーにこだわる必要はないんじゃない?
というかシェアードなら、自分で書いたSSの続きは自分で書くのが基本だと思うんだ
178名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 19:28:23 ID:aU69NQuG
>>174
いちお、妖怪だから…ヤクザをころしてへいきなのとかはちょっとw
スダマはいいんじゃないの?
まあ上手くキャラ付けてくれって感じで。
179名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 19:35:08 ID:4ncrFDDD
>>177
確かにそうだね。
「妖怪が戦争している」って世界観だけを共有して、各人が一局面づつを書いていけば良いのかもね。
後にリレーされなくても成立すること前提で。
180名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 20:38:19 ID:9j3laoVI
それぞれの人がキャラを被らせずに設定を共有して書くってことか?
181名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 20:49:45 ID:suTBl9p8
基本はそんな感じじゃないかな>シェアード
ただし、同じ世界で書いてる以上クロスオーバーは自由。
例えば作者Aが書いた戦闘を、作者Bが自分のSS内で同時刻に起こった出来事として描写するのもあり、とか。
書き手間で了解が取れれば、別の書き手のシリーズのキャラをゲストとして登場させても面白いかも。
182名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 22:16:54 ID:bIjXk3Ia
二次創作ありのシェアワールドっていうのはこれまでなかったし
楽しそうだ
183名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 22:22:41 ID:9jl+MXrY
雑談しながらたまに投下してもらって、最初は広く見て自然と淘汰されればいいやって感じか
それぞれ別個に書いていきつつ被ったり被らなかったりと
共有する設定はある程度決めたほうがいいか どんな勢力があってボスは誰とか
ぬらりひょん勢力、山ン本勢力とか

世界の時代背景とか

SSの続きが特に決まってない場合は よろしければ誰か書いてください、設定採用してみてください とか意思表示しといたり

気軽に書き込めるとありがたいけどフリーダム過ぎるのものぅ
なんらかのやんわりした制限はあったほうがいいかな
184名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 22:27:03 ID:aU69NQuG
やんわり制限か…
現代で、妖怪がいて、いくつかの勢力があって、大戦が始まりつつあって…
あと、どんなのがいるかな?
185名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 22:28:44 ID:UxW0xFay
場所とか?
日本って決まってたような気もしたけど
186名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 22:30:37 ID:4ncrFDDD
時代背景……は、ある程度ぼかす意味も込めた方が良いよなー
戦乱に荒れた世界で、ある程度文明残ってるところもあれば、昔に戻っちゃってるようなところも混在してな不思議ワールドとか?
理想はどろろや犬夜叉を内包できるような世界間ではあるが……
荒廃した近未来、ぐらいのがやりやすいのかなあ?
北斗の拳ぐらいの文明レベル。
187名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 22:39:35 ID:suTBl9p8
各世界のあちこちに次元の穴が開いてて、そこから別の世界へ移動できるとかは?
そこを通ると幻想郷、そっちを通ると童守町、向こうを通ると戦国時代って感じで
188名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 22:45:19 ID:lMj2DLK9
妖怪は長寿が多いからやろうと思えば大昔や超未来の話もできそうだけど、
基本は書きやすい現代±30年くらいの日本がいいと思う

>>187
別世界にしちゃうと、そもそもクロスオーバーする意味が薄れる気がする
189名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 22:54:09 ID:aU69NQuG
>>186
別にそこまで荒廃させなくてもよくね?w
現代っぽい日本、ただし年代は厳密に設定せず、あたりの感じが一番自由度高そうな気もする。

次元の穴…とかはどっかにひっそり空いてて、誰かが人知れず(要するに犬夜叉的な感じで)
使う分にはあってもいいかもしれんけど…。
大々的に存在を認知されてみんなで使うのはピンとこない気もするなあ。
190名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 22:59:32 ID:suTBl9p8
……うん、案外適当な設定のほうがうまくいく気がしてきた
むしろ各書き手がそれぞれのSSを書くなかで少しずつ世界観ができてくるぐらいでもいいかも
191名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 23:01:12 ID:yUjDVD8d
魔王・遠呂智が降臨した
圧倒的な力を誇る遠呂智は、
時空をゆがめ現代世界と様々な世界を融合、
人間達に戦いを挑んできたのだ
遠呂智は混乱に乗じて
様々な世界の各勢力を打ち破り、
その世界を掌握しつつあった……

ぶっちゃけ無双OROCHIのあらすじを改変したモノだがこんな感じでも良くね?
192名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 23:02:06 ID:F3i6IT3v
とあるスレではバトルロワイアル参加者の名前と数が最初に決まっていて
ハイスタート!ってノリで始まったけど上手くいっているぞ
そっちは最初に書き始めた者達に便乗していって話が進んでいる
スレとして成功しているし多少参考にする部分はあるんじゃないか?
193名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 23:04:30 ID:I71hP6Hf
舞台は現代日本でいいんじゃない?

妖怪ってのは人間に見られて恐怖されてこそ輝くって面があるし、
そういう魅力を引き出すには人間は平和に呑気に暮らしてる方がいい。

北斗の拳みたいに現実的な脅威がありふれてると得体の知れない物に対する恐怖が薄れてしまいそう。
194名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 23:09:25 ID:aU69NQuG
>>192
いや、今となってはもうロワスレとは企画コンセプトが全然別なんだけど。
まあ世界観のゆるい縛りだけ決めたらどんどん書いちゃってOKってのはあるけどね。
195名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 23:10:20 ID:suTBl9p8
そういや、世界観を共有するのであれば一次創作・二次創作どちらもありってことでいいのかな?
どうしても伝承妖怪を出すとなると一次創作になるのはやむを得ないと思うし
196名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 23:12:06 ID:aU69NQuG
お、>>193がいいこと言ってくれた。
そうだなあ、俺も人間が妖怪を認知してる世界なのかどうかが悩みどころだと思ってたんだけど
一般人は妖怪なんて信じてないぜ、子供は信じてビビるぜ、異能者は裏の世界の住人だぜってのが
やっぱり一番しっくりくるのかな。
197名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 23:14:29 ID:aU69NQuG
>>195
それは勿論アリでいいんじゃね?
石燕系はともかく、どマイナーなのとか土着の地域密着型妖怪はきっちり説明入れたほうが
読み手には親切だと思うけどw
198名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 23:16:56 ID:lMj2DLK9
二次創作でも最低限キャラの出展は提示してほしい
同名の妖怪とか出まくりでわけわかんないことになりそうだ
199名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 23:19:03 ID:aU69NQuG
二次創作ならそれは必須だねえ。
有名どころはどうしてもカブりが多くなるし。
200名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 23:40:29 ID:lMj2DLK9
……つーか、酒呑童子とか玉藻前みたいな、個体名のある妖怪ってカブったらどうすんだろ
201名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 23:45:22 ID:suTBl9p8
なあに、別の世界から来たってことにすれば問題ない

名前がややこしい?そればっかりはなあ……
202名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 23:56:10 ID:Hh5Xs2zH
既に短い書き出し書いてたのがいたから、俺もちょっと一本書いてみた。
話し合いの方は結局どの方向に行くのか知らないが。
203名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 23:57:16 ID:aU69NQuG
ごーごー
204矛盾世界と鬼の憂鬱:2008/09/21(日) 23:58:04 ID:Hh5Xs2zH
「なんでこないな所にあんなモンが出るんや!?」
少女は悪態を吐き出しながら風を切っていた。
風が衣服をたなびかせる。風景が見る見るうちに背後へと流れていく。
その足元には甲羅が有る。蛇が纏わり付いた、亀の甲だ。
その甲は曲面から衝撃をジェットのように噴出し飛行していた。
背後からは追ってくるのは奇怪な白い霧の塊。
障害物も何も無視して、朱く染まる逢魔ヶ時の市街地を浮揚してくる。
少女は後ろを見て、その霧がしっかりと追いかけて来ているのを確認した。
「次の眷属が来るまでまだしばらく有るはずやのにっ」
逃げているのではなく、戦える場所へと誘導しているのだ。
彼女とてただの子供ではない。
少女の名は美河いろり。人を襲う妖怪と戦う者の一人である。
いろりは周囲を見回し、都合が良い所に廃工場を発見した。
あそこなら多少暴れても問題は無いだろう。
廃工場へと甲を飛び込ませる。
ずさりと埃を巻き上げて、機材も何もかも撤去された敷地に着地した。
いろりの後を追って白い霧の塊が廃工場へと突き進んでくる。
その霧はコンクリートの床の上で凝縮され、本来の姿を取り戻していく。
思いの外に小柄な背丈。その身長に見合わない長い角。
幼い少女の姿をした其れは腰に下げていた瓢箪を口に付け、ぐいと煽った。
「何者なんや、あんたは」
「ぷはぁ。見て判らない? 鬼さ」
少女の姿をした鬼は、ぷはあと酒の臭いがする息を吐き出した。

鬼の少女は酔いにとろんとなった目でいろりを見つめると、開口一番驚いた。
「へぇ、やっぱり玄武の力を借りてるのか。面白い物を見たねえ」
「神器を知っとるんか。やっぱり眷属なんか……!?」
いきり立ついろりを鬼はけらけらと笑う。
「ん? ああ、違う違う。でも聞いた事は有る気がするな、何処かで。
 そう、確か……この街は六条重臣の“眷属”に襲われてるんだっけ? それから……」
鬼はふと笑顔を消した。ころころと表情を変えて、見透かすようにいろりを見つめる。
「眷属に対抗するため、四神に捧げ物をしてその力を手にした神器使いか。
 素養も無しに神を降ろすとは、随分と無茶をする奴らだ」
いろりは険しい表情で応える。鬼の言葉は正しく、そして一部で間違っていた。
確かに古代眷属と戦った神器使い達は、眷属と戦う為に自ら捧げ物をして神器を宿した。
だが現代の神器使いは望んで神器を手にしたわけではない。
神器の封印が解かれた時、たまたま近くに居ただけなのだ。
捧げ物も四神の問いに答える事で半ば奪われるように捧げさせられ、
人を襲う獰猛で凶悪な眷属共との戦いに追い込まれたのだ。

鬼はそんないろりをしばらく見つめて、笑った。
「それじゃ一つその力、見せてもらおうじゃないか」
「え? きゃあああっ!?」
まるでキャッチボールでもするように投げてきた火の玉がいろりの眼前で炸裂する。
咄嗟に翳した玄武の盾が衝撃波を放射して、炸裂した火花を吹き消した。
「そおれ」
「この、させへん! 止めて、お母はん!」
いろりが叫びと共に玄武の盾を掲げ念じる。
お母はん――この世に生まれ来る時に母親の命を捧げられた玄武の盾が一際強い衝撃波を放射する。
怪力無双の鬼の拳がその衝撃波と正面から激突した。
衝撃自体にそう大きな差は無い。荒れ狂う力の本流が二人の間で爆発する。
「うあっ! あ、あかん!」
呻き声を上げたのはいろりだけだった。
小柄ないろりの体は吹き荒れる衝撃の奔流に耐え切れず吹き飛ばされたのだ。
一方の鬼はぶんぶんと腕を回して笑っている。
(大きさはウチと同じ位やのになんて力なんや!? 夜叉鰐の時と同じ? でもそれなら……!)
しかし自分の弱点について、いろりは既に周知している。
衝撃波の反動で自分の体が吹き飛ばされてしまうような相手に対する手段は二つ。
一つは壁などを背負い、自分の体を固定する事で挑む方法。
そしてもう一つは。
205矛盾世界と鬼の憂鬱:2008/09/21(日) 23:59:22 ID:Hh5Xs2zH
「行くで、お母はん!」
いろりは背後に玄武の盾を向けて、衝撃波を放射する。
そのまま鬼へと突進し、くるりと体を反転させて甲を鬼へと向ける。
衝撃波により加速し、更なる衝撃波を叩きつける!
ぱうっという撃音と共に、強烈な衝撃が炸裂した。
空を裂く音が、壁の砕ける音が、瓦礫の落ちる音が響き渡る。

「へえ、思ったよりやるねえ」
けらけらと笑う鬼の声が、それに続いた。
廃工場の壁をぶち抜いて外まで吹き飛ばされた鬼の笑い声だ。
埃や瓦礫にまみれてはいるが、目立って傷ついた様子は無い。
当然の結果ともいえる。玄武の盾はあくまで守りの神器であり、相手を吹き飛ばすのがせいぜいなのだ。
(やっぱりウチ一人やったら決め手に欠ける。
 妖介はんでもセンセェでもケンジはんでもいいから、誰か駆けつけてくれへんやろか)
守りに優れた盾は攻めに優れた武器と並ぶ事でその真価を発揮するのだ。
応援を呼ぶ間は無かったから派手な音を立てる事でその代用にしたが、
仲間が来るまでもうしばらくは耐えなければいけないだろう。

「じゃあ私ももうちょっと本気で行こうかな」
鬼が笑った。
「失われた鬼の力、萃める力……その体に沁み込ませて、
 人間にこびり付いた太古の記憶から思い出すがいい!
「坤軸の大鬼」!」
鬼は天高く跳躍した。
そこから風を切る音と共にみるみるその姿が広がって。
「嘘や!?」
身の丈数mに巨大化した鬼が地を踏み砕いた。
いろりが居たその場所を。

しゅるしゅると鬼の体格が小柄な少女の物に戻る。その背丈から更に足元を見下ろした。
「本当に亀みたいだねえ。面白い奴」
その足元には甲が転がっていた。いろりは玄武の盾の下に潜り込み、攻撃を遮断したのだ。
だが流石に衝撃は大きく、一時的に全身がびりびりと痺れている。
(硬い物でも蹴ったみたいや、体が動かへん……あかん、今攻撃されたらまずい!)
「それじゃもう一回」
無慈悲にも鬼が跳躍する。
またもその姿が見る見る内に巨大化し、まるで巨石のような迫力と共に迫り来る。
よろよろと盾を掲げたいろりを。
「危ない!」
割って入った一迅の人影が運び去った。

「た、助かったぁ。えらい早かったな……って、アンタ誰や?」
いろりの目の前に居たのは、見知らぬ一人の少年だった。
人の物とは思えない長いざんばら髪を振り乱し、その手には一本の槍が握られている。
「オレはうしおってんだ」
少年は名を名乗る。その姿はまるで化生にも等しいが、その言葉はまっすぐと伸びやかだ。
「蒼月潮だ」
206矛盾世界と鬼の憂鬱:2008/09/22(月) 00:00:45 ID:Hh5Xs2zH
鬼の視線は、潮の手に有る槍へと吸い寄せられた。
「獣の槍ぃ? なんかとんでもない物まで来ちゃったねえ」
いろりもその名前を聞いた事が有った。
獣の槍。使い手の魂を喰らい、絶大な力を与える退魔の槍だ。
槍使いならいろりの仲間の神器使いにも居る。
いろりの仲間である蝦夷龍一は四神神器の一つ、青龍の槍を使いこなす。
だが獣の槍とは見ただけで判るほど特性が違った。
蝦夷龍一の青龍の槍は言葉にするならば変幻自在。
攻撃力は高くないが、伸縮し蛇のようにうねる特性を活用し敵を討つ。
それに対して目の前に有る獣の槍は……“強い”。
単純に、冷徹に、圧倒的な殺傷力をその刃に秘めている。
「おまえがなんでこの子を襲ってるのか知らないけど、人間を襲うって言うならオレが相手だ」
うしおは獣の槍を構えてそう言った。
「待った、うしおはん。うしおはんの事は知らへんけおd、ウチやって玄武の盾の使い手や。
 うしおはんだけに戦わせはしまへんでっせ」
全身に走っていた痺れも収まり、いろりもその横に並び立つ。
槍と盾が鬼と向かい合う。

「最強の矛と盾。あっはっは、矛盾か! こいつは洒落が効いてるじゃないか」
その二人を前にして、鬼は高らかに笑い出す。
「いいね、こいつは楽しそうだ。久しぶりに血が沸き立ってきたよ」
鬼の少女はぶんぶんと腕を回し、肩を慣らした。
獣の槍と玄武の盾を前にして、些かもひるむ様子は見られなかった。
だが、その動きがぴたりと止まる。
「……ちぇっ。邪魔が入っちゃったよ」
「え?」
困惑する二人を前に、鬼はさも残念そうに瓢箪の酒をあおる。
ぷはぁと疲れた大人みたいな溜息を吐き出した。
それから小さな体で胸を張って名乗りを上げた。
「我が名は伊吹萃香! 太古から生きてきた鬼さ!
 蒼月潮、それから……そっちの玄武の神器使いはなんていうんだい?」
「ウチの名は美河いろりや」
鬼は二人の名をしっかりと刻み込む。
「覚えておくよ。今日のところはここまでだね。続きはまた今度だ」
「この、逃がすと思うてんのか!?」
いきりたつ少女を前に、萃香はにこやかな笑顔を浮かべて言った。
「それじゃ、またね」

ぶわりと白い霧が爆発した。
いや、爆発の如き勢いで霧が噴出したのだ。
噴出した霧は瞬く間に薄れ、拡散して消えていった。
鬼の姿は最早そこに残っていなかった。

     ○

(あーもう、めんどくさい。外の世界がこうもややこしいとは思わなかった)
古代の鬼、萃香は霧散し妖気となって周囲を漂っていた。
疎と密を操り、自らを広域に拡散させたのだ。
薄らとした妖気だけが有る。しかしやがてそれも、何処かへと漂い去っていく。
(戦いたかったなー、あいつらと)
鬼は強い者が目の前に入れば、力比べをせずにはいられない性格をしている。
獣の槍の使い手と玄武の盾の使い手は、萃香にとって戦いたくてたまらない相手だった。
だが、そうも行かない理由が有った。
207矛盾世界と鬼の憂鬱:2008/09/22(月) 00:01:52 ID:Hh5Xs2zH
ある深い山の奥に、幻想郷と呼ばれる隠れ里が在る。
その名の通り結界で閉ざされた幻想の郷だ。
幻想郷は博霊大結界によりその内を幻想、外の世界を現実と規定していた。
外の世界で幻想の力が弱まるにつれ、幻想郷では幻想の力が勢力を増していく按配である。
そういう仕組みに守られた、古き良き妖怪たち(人間も居る)の理想郷だったのだ。
だが最近になって、その結界が意味を失った。
突如外の世界にも幻想が満ち溢れたのだ。
世界が融和したのだと知り合いのうさんくさい妖怪は告げた。
結界に守られている幻想郷の住人は若干気づきやすいが、
それでも殆どの者には気づかれる事無く、ありえない無数の可能性が境界を失い溶けあったのだと。
幻想郷は現実の世界と陸続きになり、いつの間にか存在する外の妖怪の里と無縁では居られなくなった。
結界はただの線と化した。
世界は矛盾ともに混沌を抱え込んだ。

萃香の種族・鬼は、幻想郷の妖怪の大勢力である妖怪の山のかつての主だった。
実際はもう妖怪の山に鬼の居場所など無いのだが、それでも妖怪の山の主という肩書きが残っている。
そして、外の世界では人間と妖怪の戦争が起きかねない不穏な空気に包まれていた。

山の主という肩書きを持つ萃香が人間の退魔師と戦っているところを見られれば、
それは妖怪の山が対人間側に与したと見られ、戦争に巻き込まれてしまいかねない。
それでもこっそり力試しする分には良いと思っていたのだが、
生憎とあの時の戦場には周囲から雑妖共が見物に集まりつつあった。
だから萃香は渋々ながら戦いを諦め、あの場を後にしたのである。

『ちゃんと周囲に妖怪が萃まらないよう疎にしておけばよかった。
 いっそ戦になっちゃえば割り切ってケンカできるのになー』
「ふん、しけた気配がしやがるな」
『……おや?』
拡散して漂う萃香の声は声として届かない。
その聞こえないはずの声に誰かが返事をした……ように思えた。
見ると集まっていた雑妖共はいつの間にか追い散らされている。
代わってそこに居たのは金色の体毛を持ち、虎の様な縞模様が入った見事な体躯の妖獣である。
「うしおが珍しい妖怪と睨み合ってるから期待したんだが、戦わないのかよ。
 あー、つまんねえ」
金色の雷獣は退屈そうにおおあくびをして、ぽりぽりと後ろ足で頭を掻いた。
『戦えるなら私も戦いたいんだけどねえ』
真似るかのように萃香も頭を掻く。実際は気分だけだ。
今の萃香は霧のように拡散しているのだからそんな事が出来るはずはない。
『アンタは言い伝えに名を残す字伏……いや、長飛丸か。
 アンタともその内に一勝負してみたいねえ。妖怪相手ならやりやすそうだ。
 帰るって言っちゃったから今日はもう帰るけど』
金色の雷獣はふんと鼻を鳴らして、言った。
「わしの名はとらだ。どこのどいつか知らんが聞こえてるなら覚えとけ」
『……へぇ。覚えておくよ、とら』
それは偶然会話になっただけなのかもしれない。
だが並の妖怪では存在にすら気づけない、希薄に霧散した気配にとらは気づいたのだ。
萃香は感嘆を残して、その場から立ち去った。
208矛盾世界と鬼の憂鬱:2008/09/22(月) 00:02:48 ID:CU1+m+5O
○登場キャラクター
・美河いろり@おとぎ奉り
人間。四神の一つ、玄武を宿し、神器玄武の盾を使いこなす。
宮古野京という地で、一年掛けて十体以上襲ってくる眷族という妖怪と戦っている。
眷属にオリジナルの名前を付けられているが、カッパや大ナマズなども存在する。

・蒼月潮@うしおととら
人間。獣の槍と呼ばれる、ある人間が妄執と憎悪を籠めて打ち上げた槍の使い手。
槍を使っている時は髪が長く伸び、人間では無く妖怪となる。
更に使い続けると暴走し完全な妖怪となってしまう。

・とら@うしおととら
妖怪。原作者のオリジナル。
空を飛び雷を放ち炎を吐き爪で牙で戦う雷獣で、真っ二つにされても動ける生命力を持つ。
人食いだが、作中ではうしおに止められ一度も食う事は無かった。ハンバーガーなども好き。
人を食べようとして失敗するギャグシーン多数。うしおと共に行動している。

・伊吹萃香@東方Project
妖怪。鬼。密と疎を操る程度の能力を持つ。
鬼は人を攫い、人は鬼を退治するという昔話の関係を取り戻したいと考えていた。
雑食であり人も食うはずだが、それ以前に酒と何より宴会が好きである。
酔っ払い幼女という外見に似合わず、案外博識で頭も良い。

密と疎を操る程度の能力は密にすると高熱になったり、自然と人が集まったりする。
後者の能力を使い不自然な密度で毎夜宴会を起こし、(死なない程度に)退治された(正史では勝利した?)。
後者の能力を使うと霧のように霧散する事ができる。


戦争が起きる前をオムニバスで云々とか言ってたから、
まだ妖怪戦争前の日常的場面をちょいと書いてみた。投下終了。
209名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 00:10:02 ID:QnhVd7pg
東方×うしとら×おとぎ奉りだと……!?
作品のセレクトが個人的に神。萃香ととらの掛け合いとかワクワクするなあ

今のSSでこのクロスオーバー路線に確信を持った。
いけるよ、これなら。企画としてちゃんと成立すると思う。
210名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 00:15:11 ID:4t/dv0HI
うお、ちょいとどころじゃない一発が来たな。
純粋に読んでて面白いだけじゃない。
この世界ならあんなことやこんなことができるって思える、
ナビゲート作品としてもすごくいい出来だと思う。
GJだー!
211名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 00:19:25 ID:bfvJqGdN
すげえ…いきなりこんなハイクオリティのSSが見れるとは
212名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 00:50:38 ID:eS1w5fL3
触発されて書いてみた
213208:2008/09/22(月) 00:51:06 ID:CU1+m+5O
感想ありがとうございます。
世界が矛盾を抱えたまま混ざったという設定はクロスオーバーでやりやすいなと思い、
それで一つ書いてみました。

この設定に問題が有るとすれば、舞台が昔の妖怪物を入れにくいって事でしょうか。
ただ、世界観が違いすぎる勢力は異世界というのを明確に認識して出現するとか、
(つまり今回の話における幻想郷の延長線)
そういう方法でやれなくもないと思います。



おまけ。いろりと萃香の遭遇は
『子供(一般人)に鬼ごっこに誘われて、子供を追い掛け回してる萃香を目撃』
なんてものにしようと思いましたが、回想でも入れそこねたので割愛w
214何も変わらない奴ら:2008/09/22(月) 00:51:45 ID:eS1w5fL3
東京ボルテクス、そう呼ばれた弱肉強食の世界に彼らはいた。
いつからそこにいたのか、それは彼らにはわからないし、わかる必要はない。
何故なら彼らにあるのは食欲だけであり、他の事はどうでもいいからだ。
彼らは外道ガキと呼ばれていた。紫色の腹だけが異様に膨らんだ姿をした彼らは常に飢えている。
故にこの場においても彼らのとる行動はボルテクス界となんら変わらない。つまるところ、捕食行動である。
今まで彼らが食べてきたのは野良猫や鼠などであった、が、今回は違う。
深夜、人の気配のしない裏道で、彼らは一人の男を取り囲んでいた。
胴の部分が人の顔を模している、血のように赤い鎧を着込んだ侍は、微動だにせず佇んでいる。
見るものが見れば、その一見無防備な体勢のどこにも隙が無いのが見て取れただろう。しかし、獲物を目の前にしたガキ達がそれに気づいている様子は無い。

「ウルィィィアァァァ!」
何体かのガキが獲物を八つ裂きにしようと飛びかかる。だが、それは叶う事は無かった。
一閃、何かが煌めいたと思った刹那、飛びかかったガキ達は上下に綺麗に両断されていた。
そして侍の手に先ほどの正体が、ゾクリとするような怪しい光を放つ日本刀が握られていた。

「うぬらは命がいらぬようだな、餓鬼共」

凄惨な笑顔を浮かべる侍と呼応するかの様に鎧の顔がゲタゲタと笑い声を上げた。
ここになって危機を感じた生き残りガキ達がその口を開けると、その口から白い霧が噴出した。
フォッグブレス。ボルテクス界で一部の魔物が吐ける霧を生み出す息。実力の違いを感じたガキ達は霧に紛れて逃げようとした。
だが、彼らの目論見は容易く崩れた。

「ウルァッ!?」

驚愕に満ちた声の後、ゴキリと鈍い音が響く、何かが斬られる音がする。霧の中、一体一体ガキが確実に葬られていく。
そして、最後に残った一匹の眼前から、巨大な腕が飛び出し、ガキを捕らえた。

「うぬで最後か……」

霧が晴れる、正面には侍、そしてガキを掴んでいる物は鎧の口から飛び出した巨大な腕。

「まるで手応えのない戦いであった。まったくつまらない時間を過ごした物だ」

不満そうに呟いた次の瞬間、ガキを握る手に力が込められ、ガキの体から握りつぶされた果物から溢れ出した果汁の様に血が噴出した。
物言わぬなくなった死骸を一別した後、それを投げ捨てて侍は溜め息をつく。

「次こそは斬り甲斐のある獲物がいればよいが」

彼の名はビシャモン、魔性の鎧ハンニャに憑かれた亡霊である。
目に付いた物全てを切り払う亡霊にとって場所がかわった事など些細な事に過ぎない。
ただ斬る為に、亡霊は今日もさまよい歩く。
215名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 00:58:07 ID:eS1w5fL3
キャラ説明

外道ガキ
出展:真・女神転生3NOCTURN
餓鬼。序盤に出てくる雑魚キャラで全魔法に弱い特性を持つ。使えなさそうに見えるが最速で、味方の命中回避があがるフォッグブレスを覚える。
人語はあまり話せない。

ビシャモン
出展:ヴァンパイアシリーズ
格闘ゲーム『ヴァンパイア』に出てくる鎧を来た亡霊。意志を持つ鎧ハンニャに操られ亡霊となった。女性の人魂を連れている、ちなみにかみさん。人の形はしているが本体は鎧。後、金ピカになったりする


とりあえず無差別で危険な奴を
216名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 01:09:33 ID:CU1+m+5O
メガテンに、ヴァンパイアシリーズとは意外なところから来ますね。
確かに日本妖怪のビシャモンだけは妖怪戦争にも合いそうです。
良い感じだと思います、GJ。
217名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 01:19:48 ID:FEiVSWjw
ヴァンパイア!そういうのもあるのか
確かにダークストーカーも妖怪といえば妖怪だな、いい発想だと思う

さすがにヴァンパイア勢の他の面子は出せないかな……
いや、外国妖怪ってことでベアード様の配下にすればいけるか?w
218名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 01:32:29 ID:eC8S1hjP
外国妖怪は有りなのか今のうちに決めといた方がいいんでないの?
219名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 01:54:12 ID:4t/dv0HI
矛盾を詰め込まれたのは現代日本! 理由は今のところ不明! 
…な世界観だから、たとえば鬼太郎世界のベアード様襲来みたいなイベントはあるのかもしれないけど、
かといって外国にそういう勢力図が広がっているのかどうかは…と考察するキャラが出ても面白いな、と
ふと思ってしまった。
まあとりあえず妖怪って概念だけは忘れずにいこうぜ。
220名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 03:54:05 ID:57ACTTcS
外国産か国産かが分かりにくい妖怪も沢山いるからねえ。
大陸系の妖怪とか。河童は国産で良いのか!? とか。
もっと言えば、とらだって実は中国妖怪だったりした……よな?

外国産アリで。
221名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 04:44:23 ID:eS1w5fL3
>>220
原作において現在日本にいる描写があるならいいとは思う。とらはインド産
222名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 08:45:57 ID:BjNjEo4H
>>204-208
>>214-215
いい感じのがきてるね 雰囲気出てるな
幻想郷とかは共通設定として使っていけるかも

>>218
吸血鬼はそれだけであまりにも多いのでナシ、という話だったけどパロロワを前提にしていたときのことだから何とも
基本的には避けたほうがいいか
西洋はまだ決まってないみたいだけど、禁止ではないんじゃないかな

2時に>>1が仮投票締め切るはずだったが 主は去ったんだろうか
まあ主がまいた種が育ちつつあるので満足してもらえるだろうか 想定しなかった方向であっても……
223名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 18:27:31 ID:bfvJqGdN
宣伝age
224名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 20:39:54 ID:nL5tbLzK
急に人がはけたな
225名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 20:44:09 ID:0ILCLDR5
見てはいるよ
人が集まったらまた話そうと思ってた
226名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 21:02:32 ID:CgoemXLs
デビルマンは妖怪にいれるのは無理があるかな。
海外も有りなら、悪魔は日本の鬼と意味的には大して変わらない気もするし。

飛鳥了を出してみたいな。
227名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 21:19:18 ID:zxFrUiVD
ttp://www.comicgum.com/00_tachiyomi_v.php?Totalpage=13&F_Name=ashi&File=1
これの応用+八雲紫の能力で世界観をどうにかできんものかね。
228名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 21:19:36 ID:eS1w5fL3
>>226
サタンとかルシファーは流石にチート過ぎね?ジンメンとか書いてみたいけど
229名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 21:33:07 ID:LXbS2gbe
>>226
無理があるだろwだってテーマが妖怪バトルロワイアルだぞ
でもまあそれで話がまとまるならいんじゃね?
問題は
・自分が纏め上げられるのか
・他の書き手の迷惑になるかならないか
・矛盾や世界観を崩壊させるかさせないか
だと思う
多分このスレ普通に考えたら中盤からメチャクチャになるだろうしな
230名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 22:11:36 ID:CgoemXLs
>>229
うん。正直、分かってて言ったんだ。
でも、魅力的かなとは思ったんで。つい。

パロロワだとリレーの仕方は簡単に分かるけど。
ここの場合だと、どんな風に話を繋げてけばいいのか、ちょっと分からないのが難点かなと思う。
231名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 22:17:01 ID:SJuIqUpq
同じような世界観でみんな好き勝手に書いていって
使えそうな設定はどんどん共有
自分で続き書いていくんだったらそれでもいいし
リレーしたかったらしてそれでもいい、書かれないパートは沈んでいく

こんな認識でいたんだけど
232名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 22:24:13 ID:IlJei5e8
>>228
ジンメンはいい鬱展開だよな。
233名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 22:24:40 ID:6f1TIDJq
妖怪が出ないのに出てくる陰陽師に出番はあるのだろうか…
234名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 22:25:13 ID:bfvJqGdN
実際書き手さんは何人くらいいるんだろう
235朱の盆強者を探す ◆WbwAcjr90E :2008/09/22(月) 22:42:56 ID:BjNjEo4H
 書いてみたぞー



 人間に似てはいるが、いかにも威厳有りげな大妖怪、ぬらりひょんは、古株の部下に命じた。
「朱の盆よ、戦の時が迫っておる。強力な妖怪が静かに動きだしておるし、また力ある人間は動きに気付いておるようだ」
「はい、ぬらりひょん様」
 赤い顔をして、一本角を生やした朱の盆は、大きな頭を下げている。
「この機に乗じて、わしは妖怪の王になる。おまえは強者を探し出せ。わしらの陣営に入れるのだ」
「はい!」
 屋敷を飛び出した朱の盆。だが、あてはない。街をさまようばかり。
「強者ってどんなのがいいかなあ、やっぱり鬼とかかなあ」
 そんな朱の盆の前に、さっそうと三つの影があらわれた。
 三体の鬼は、器用に重なり合って、柱のようにそびえ立つ。
「聞いて驚け!」
「見て笑え!」
「我らエンマ大王様の一の子分!」
「アオベエ!」「アカネ!」「キスケ!」
 朱の盆は、しばし呆然と三人の子鬼に見入った。
「……強そう!」



ぬらりひょん、朱の盆@ゲゲゲの鬼太郎
アオニ、アカネ、キスケ@おじゃる丸

 SSってほどでもない妄想でした。スマンw設定とか全然気にせんでくれ
236名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 22:52:28 ID:eS1w5fL3
>>232
しかもあれ、デビルマンレディーで死後も魂一体化してたからな

>>235
流石朱の盆間抜けすぎるw
237名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 23:11:45 ID:FEiVSWjw
>>235
想像したらすげえ和んだ。かわいすぎるw

ぬらりひょんって、妖怪の総大将っていうだけあってかなりの影響力の持ち主なんだよな
ゆくゆくはこの世界のパワーバランスの一角を担うことになるかも分からんね
238名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 23:17:03 ID:BjNjEo4H
>>236>>237
ありがとうございます
うしとらとか犬夜叉とか人気集中のとこはちょっと気が引けるから 俺は雑魚妖怪のほのぼのしたやつをたまに書かせてもらうかな……
ところで何となくサンデー系が多い気がするな
239名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 23:23:23 ID:eS1w5fL3
今のとこ登場したのは、東方、おとぎ、うしとら、鬼太郎、ヴァンプ、メガテン、おじゃる丸か。
人外魔境なこの世界であの小鬼三匹は生き延びられるんだろうか。

話題にあがってた犬夜叉、GS、結界師と確かにサンデー多いな。次に多いのがぬ〜べ〜やぬらりの孫や孔雀王のいるジャンプか?
240名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 23:48:10 ID:BjNjEo4H
>>239
孔雀王があったか! 幽白もあるな。古本屋に行きたくなるなw
ヤンマガにサザンアイズがあるけどあれは中国妖怪だし、マガジン系読者は日本妖怪をあまり好かないのかもね。
241名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 23:51:00 ID:eS1w5fL3
>>240
つ妖怪のお医者さん
242名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 00:16:24 ID:sccJGpl4
>>241
ごめんw勉強してくる。妖怪作品全部カバーするのは難しそうだな……
243名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 00:33:20 ID:/QDTKEpY
人いるかな?
ちょっとオリジナルの短編を書いてみたので投下してみようかと思ったんだけど
244名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 00:35:41 ID:Mk5GoWDs
こいこい!
245名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 00:36:47 ID:/QDTKEpY
おkおk、では行ってみます
246 ◆2ZZqN4.RDo :2008/09/23(火) 00:38:19 ID:/QDTKEpY
それは、ゆるやかな変化だった。
その変化自体に気付いたものなど、ほとんどいなかったに違いない。
時代の、世界の、次元の境界が融和していく。
無数の可能性が境界を失い、ひとつへと集まってゆく。
そして長くて短い時が過ぎ。

――世は、幻想に満ちた。



「おうちのなかに、おんなのこがいるの」

五歳になる娘がそんなことを言うので、母親は訝しがって聞き返した。

「女の子? お家にいる女の子はみーちゃんだけでしょ?」
「ちがうよー。おにんぎょさんみたいなおんなのこがいるの」
「お人形さん?」
「ほら、あれみたいなこなの」

娘が指さしたのは、死んだ姑が大切にしていた市松人形だった。
母親の背筋をうすら寒いものがさっと走った。

娘を寝かしつけたあと、帰宅して一服付いている夫に彼女は相談を持ちかけた。
娘が今日口にしたことを一通り話し、ストレスかなにかの原因があるんじゃないかと自分の考えを口にした。
しかし、夫の口調はいまいち真剣みに欠けるものだった。

「“座敷わらし”でも見たんじゃないのか?」
「……はい?」
「ほらこの家、俺の爺さんの代からでそうとう古いだろ?」
「あなた、私は真剣な話をしてるんです。あの子がもし幼稚園でいじめられてるとか」
「実はさ」
「なんです?」
「俺も昔、まだ鼻水垂らしたガキの頃に一度、見たことあるような気がするんだよな」
「見たことあるって、何をです?」
「座敷わらし」
「あなた!」

彼女はつい口調を荒げた。
冗談もほどほどにしてほしい、自分は娘の心配をしているのに……
思わず腰を浮かせた彼女を、夫はまあまあとなだめた。

「まあ落ち着けよ。今となってはほんとにあったことかすら分かんないんだけどさ、その時の俺は確かに見たと思ったんだな」
「座敷わらしを?」
「そうそう。話をしたとも思った」
「……妖怪だなんてそんな、非科学的です」
「あの子ぐらいの年は感受性が強いのさ。自己暗示みたいなもんは知らないが、そういうことを言い出すこともある」
「気にするなって、そういうことですか?」
「お前は神経質になりすぎなのさ。ほら、明日も早いし俺は風呂入って寝るぜ」

呼び止める間もなく夫が席を立ったので、彼女は渋々先に寝室に入った。
ベッドで横になると、枕もとにあの市松人形が立っているような気がして、彼女はぎゅっと目を閉じた。
247 ◆2ZZqN4.RDo :2008/09/23(火) 00:39:47 ID:/QDTKEpY


次の日の夕方。
幼稚園の送迎バスから娘を下ろした帰り、彼女は娘と手を繋いで家を出た。
こうして歩いていると、昨日のことが全て気のせいだったように思えてくる。
そうだ、妖怪なんているわけがない。座敷わらし云々は、やっぱり娘の思い込みだったに違いない。
夫の言う通り、これくらいの年の子は感受性が強い。
一度思いこんだものは、本当にあったことだと信じてしまうのだろう。
知らず知らずのうちに彼女が微笑みを浮かべていた、そのときだった。

「あ、ママ、とりさん」

娘が立ち止まり、繋いでいないほうの手で空を指さした。
彼女もそれにつられて空を見る。
しかし、娘の言うような鳥はどこにも見つからなかった。

「んー、ママには見えないなー。ちーちゃんは目がいいね」
「えー? ほらママ、見えないの? ほらほら、あそこあそこ」

娘は駄々をこねるように地団太を踏み、彼女の顔を見上げて言った。
 ・ .・ ・ ・  ・. ・. ・. ・ ・ ・ .・ ・ ・ ・ ・ ・
「あそこに、いっぱいとんでるじゃない」

彼女は慌てて空を見回した。
いない。
いるはずがない、いくら夕暮れどきとはいえ、この雲ひとつない夕焼け空ならすぐに見つかるはずだ。
もしも本当に“いっぱいとんでる”のなら、見つからないわけが。

そのとき、えもいわれぬ不安感が彼女の中を駆け抜けた。
娘がおかしくなってしまったとか、そういった類のものではない。
ただ、漠然とした恐怖を彼女は感じたのだ。

「ほら、くろいとりさんがいっぱい。どんどんふえるよ」
「ちーちゃん、ほらこっちにおいで。早く家に帰らないと暗くなっちゃうよ」

無理に引っ張って連れて帰ろうとするが動かない。
この小さな体のどこにそんな力があるのかと思うくらいに動かない。
そうしているうちにも、形のない不安はどんどんと大きく広がってくる。

「ねーママってば、ほら、とりさんがみんなでこっちにとんでくるよ」

娘がそう言うのを聞いてか聞かずか、その時彼女は本能的に娘を抱きかかえた。
なぜそうしたのかは自分でも分からなかった。ただ、そうしなければならないと思った。
娘が暴れるのも構わず、ただ強く腕の中に抱きしめる。
その間も娘は何もない空を指さしてうわ言のように叫んでいる。

「ほら、ママ、とりさんがいっぱいとんでくる! おそらがかくれてまっくらだよ、ママ!」
「ちーちゃん!」
「おそらがみえない! まっくらだよママ! とりさんでまっくら! ほら、とりさんが!」

だけど彼女が最後に見た空は、曇りひとつない本当にきれいな夕焼け空で――




248 ◆2ZZqN4.RDo :2008/09/23(火) 00:42:24 ID:/QDTKEpY
短文かつ駄文でサーセン。ラストぶん投げとか、もうね……
完全オリジナルで、『異変』の起こった頃を書いたらこうなってしまった。
一般人視点だと、この異変はひたすら不気味なんだろうなあ。
249名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 00:44:35 ID:Mk5GoWDs
こっえー
なんという不気味さ
250名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 01:27:16 ID:UsrGWgqD
うわあ、こういうの書きたかったんだぜ!
見事と言わざるを得ない…くそう、俺も一本捻ってみるか
251名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 03:03:01 ID:AnFykQzd
GJだこの野郎。良いな、一般人視点って。実に不気味だ。
そしてあんたのおかげで妖怪物を一つ思い出せた。
ありがとう。
252名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 10:16:44 ID:ieNS7nTZ
超GJ!
マジおっかねぇ!!
次回作も楽しみにしてるです
253名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 12:06:53 ID:ApeMZ7qP
>>240
鬼斬り十蔵@ヤンマガアッパーズ
でろでろ@ヤンマガ

結構あると思うが
254名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 15:22:18 ID:NSlghmZO
妖逆門の設定(逆日本とか)がこのスレ的に相性ぴったりなんだがマイナーなのが残念
255名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 16:28:09 ID:wAH4v443
宣伝ageしつつちょっと提案。

シェアードワールドらしく、何かひとつ共有するキーワードを作ってはどうだろう?
例えば主な舞台となる町を設定すればその町での出来事は同一世界のものだと実感しやすいし
そうでなくてもちらっと名前が出るだけで世界観の繋がりが分かるのは便利だと思うんだ
256出会い:2008/09/23(火) 17:43:16 ID:AAqJgT99
世界が変貌した―
少年は一見何も変わらぬ夜空を見上げ、そう思った。

 ●

「何かおかしい…」
少年、山岸涼一は感じた違和感に訝しんでいた。
違和感自体は前からあった、それが徐々に強まり今日確信に至ったわけだ。
いつもと何も変わらないように見えるし、変わっているようにも見える。
言葉で表現するのは難しいが確実に決定的にナニカが違う。
「九段先生に話しに行った方がいいかな?
 あー…でももう学校にいないか」
これからどうしようかと涼一が考えていると、
「こんばんわ」
「―っ!?」
驚いて声の方を見るとそこには―
「気持ちのいい夜ね〜」
金髪の女の子が“浮いていた”

「…君は?」
涼一は緊張した面持ちで少女に問いかける。
「ねぇねぇ、あなたは取って食べれる人類?」
「えっ?」
「いいよね?夜に活動する人は食べていいって巫女が言ってたわ」
しかし少女は涼一を無視して話し続ける。
「妖怪は人を襲うのが仕事なのにこの頃人間が襲われてくれなかったから困っていたのよ」
嫌な予感を感じる涼一。
「だからね、い た だ き ま す」
少女が言葉を言い切る前に真っ黒な闇が涼一の体を包み込んだ。
本来、普通の人間ならこのまま彼女に捕食されてしまっただろう。
…だが彼は普通の人間ではなかった。
257出会い:2008/09/23(火) 17:44:51 ID:AAqJgT99
バリバリッと電撃のようなものが涼一の体を覆っていた闇をはじき飛ばす!
「あれー?」
少女が不思議そうな顔をして涼一を見る。
「あ、危なかった…」
「も〜、おとなしく食べられなさいよっ」
少女の周囲が黒く歪み、幾本もの触手が生み出され涼一に殺到する!
「わわわ!」
怒濤の連続攻撃に焦る涼一。
だが涼一の手から放たれる電撃は襲いかかってきた触手を破壊、消滅させていく。
(くっ…数が多い、きりが無いぞ)
しかし圧倒的な物量攻撃に涼一は徐々に押されていく。
「そろそろ面倒になってきたし、終わりにするわね〜」
そう言うと少女を中心に漆黒の世界が拡がり始める。
それは瞬く間に世界を浸食し、全てを闇に塗りつぶしていく。
(な、何も見えない!!)
涼一の目に映るは闇、闇、闇…光さえも通さぬ真の闇。
いつの間にか少女の気配も消え、世界は静寂に包まれた。
(くそっ!)
涼一は闇雲に電撃を放つが全く手応えがない。
それどころか自分がどこを向き、どこに立っているのかさえ分からなくなってくる。
時間が刻々と過ぎ、焦りが体中を支配していく。
「うっ」
突如袖が引っ張られた。
目を向けるとそこには――

真っ黒な世界の中に二つの血のように紅い目が存在していた。
ソレはじっと涼一を見つめている。
涼一はコレを“獲物を狩る捕食者の目”と瞬時に理解する。

「改めて、い た だ き ま す」

口らしきモノが大きく開いたのを涼一は感じた。
そして彼の視界の全てが闇に覆われ――
「ぎゃうっ!!」
―る事はなかった。
世界を覆っていた闇が消えていく。
258出会い:2008/09/23(火) 17:46:29 ID:AAqJgT99
驚き、悲鳴をあげた少女を見ると何か紙みたいな物が数枚体にまとわりついているのを確認できた。
「なにコレ?痛っ痛い!痛いぃ!!」
少女は紙を引き剥がそうとするが取れる様子は微塵も無い。
しばらく少女は痛みに苦しんでいたが、何かを捉えたのか少女の目がある方向に固定される。
少女の視線の先を涼一が見てみると、
「あっ!!」
女性が立っていた。
赤い長髪の女性の存在を意識した涼一は理解するよりも前に叫んだ!
「に、逃げてください!!」
いつもなら結界を張って無関係な人を巻き込まないようにしていたのだが、突然の戦闘で張る暇が無かったのだ。
涼一が叫ぶと同時に少女は女性に襲いかかっていった。
痛みで積もったイライラをぶつけようとしているのか少女の目はギラギラと残酷な光を放っている。

しかし女性は落ち着いたまま両の指を組むと詠うように言葉を連ねていく。

「牡籥かけ闔す総光の門―――

 七惑七星が招きたる、由来艸阜の勢―――

 文曲零零、急ぎて律令の如く成せ―――

 千歳の儔、雷切! 」

女性は左の手の平から剣を抜き放つ!
その手に握られている剣の刀身には電流がまとわりついているようだった。
「はっ―」
素早く構えると女性は襲いかかってきた少女に一閃をお見舞いする。
「きゃあああああ!!」
少女の悲鳴と共に斬られたところから血の代わりに闇が勢いよく吹き出した。
女性はそのままとどめとばかりに返す刀で少女に斬撃を浴びせていく!
「――!!」
少女は断末魔をあげる暇もなく消えてしまった…。
259出会い:2008/09/23(火) 17:48:01 ID:AAqJgT99
「大丈夫かい、君?」
尻餅をついて一部始終を見ていた涼一は女性に声をかけられてハッとする。
「た、助けてくれてありがとうございます」
急いで立ち上がって女性を見る。
(綺麗な人だな…)
涼一は素直にそう思った。
「なに、悪鬼調伏をして君たちみたいな人を護るのが私の使命だからね
 気にしないでいいよ」
女性はいつの間にか剣を持っておらず、両手に上品な手袋を装着している所だった。
「え…と、あなたは一体?」
「私かい?私は法師陰陽師、草壁美鈴という者だよ」

 ●

――何処とも知れぬ路地裏。
そこに先ほどまで涼一達と戦っていた金髪の少女がいた。
彼女の名前はルーミア。
宵闇の妖怪である。
闇を操る程度の能力を持つ彼女は自身を闇に溶けこませることにより間一髪、危機を脱出したのだ。
「うぅ〜また人間に返り討ちにあっちゃった…」
(なんか人の気配が一気に増えたから遊びに来ただけなのになー)
ルーミアはここに来た経緯を思い出しながらふよふよと漂っていた。
(それにここは光が多すぎ…夜なのに眩しすぎるわ)
これからどうしようかな〜等と考えていると、ふと路地裏の奥にキラリと光る物を発見する。
「ん〜何だろこれ?」
ルーミアは落ちていた物を興味本位に拾ってみた。
すると、
「わ…何これ?すごく元気が出る!」
何かの欠片を拾った瞬間、ルーミアの傷がみるみるうちに治っていく。
それだけではない、未だかつてない力が溢れてくるのだ。

この四魂の欠片との出会いが彼女に何をもたらすかはまだ誰も分からない――
260名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 17:52:44 ID:AAqJgT99
思いっきり趣味に走ってしまったw
でも四魂の欠片出したのはやりすぎだったなぁorz

ちなみにキャラは

山岸涼一:学校怪談
ルーミア:東方Project
草壁美鈴:11eyes -罪と罰と贖いの少女-

からの登場です
261名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 18:07:04 ID:sccJGpl4
おおっ来てるね、乙です。バトルものって感じでいいねえ。
四魂の欠片、>>255のいうキーワードになるかもしんないね。妖怪たちが共通して狙っているっていう設定で。
262名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 19:42:06 ID:wnzxyNyB
>>260
乙ー。
るーみゃは実は強い妖怪だという説が(主に二次創作で)あるから、どうなるか分からんなw
リボンを取ってEX化はあるのか?w

>>255
んー、町の名前ってのはいいかも。
二次創作も自由とはいえ、SS同士をクロスオーバーさせるために多少のオリジナル設定があると便利かもしれない。
現代物の諸作品のそれぞれの舞台からアクセスしやすい位置にある架空の都市、って感じにすれば扱いやすいかな。

しかしちょっと考えて出てきた名前が「創発市」だった俺はオワットル
263名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 20:10:37 ID:GBzXxi5m
>>262
じゃあ隣市は高杜市だな
冗談はさておいて、「現代日本のどこか」って設定が無難だよね
都会よりか田舎よりかで話が変わってくると思うけど
都会なら都市伝説からも登場できそう
264名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 20:13:39 ID:2ZmIIdtj
>>260

学校怪談懐かしいなw溝呂木とか暗躍してそうだ
265名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 20:15:52 ID:SR1NVwMG
「総」ての理が「破」られ集う「都」で
「総破都」、とかつては呼ばれていた場所
平成の大合併とかそんなあれで、今では「双葉津」市
という設定を考えてみた
どう考えても厨二ネーミングです本当にありがとうございました
266名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 20:24:44 ID:QzMqE6y2
>>260
おつおつー
ルーミアが猛威を振るっているwww
でも、弾幕ごっこを申し込めば普通に戦ってくれそうね。

ところで四魂の欠片って犬夜叉だっけ?

>>262
町の名前っていうのはいいな。
だが、いい案が思いつかない。
創発っぽい名前がいいが……
267名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 20:40:55 ID:dlrre1Nc
創発っぽい名前……ここってデフォルト名無しも看板も1000も未実装だからなあ
他にネタにできそうなものは……
268名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 20:49:36 ID:GBzXxi5m
あやかしからとって「綾花市」というのはどうだろうか
269名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 21:03:11 ID:2ZmIIdtj
逢魔が時から取って央麻市とか?
270名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 21:15:11 ID:9OnOJ1X7
名無市でいいよもう
271名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 21:17:51 ID:QzMqE6y2
>>270
お前頭いいな
いや、でもそれじゃあからさま過ぎるから奈梨市とか。
272名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 21:19:15 ID:dlrre1Nc
「ななしし」って発音しづらくないだろうかw
273名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 22:02:57 ID:dlrre1Nc
自分のレスを最後にスレが止まると、妙に申し訳なくなるよねorz

個人的に>>268や269はなかなかいいと思ってる
274名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 22:17:59 ID:sccJGpl4
>>273
>自分のレスを最後にスレが止まると、妙に申し訳なくなるよねorz
俺も思うwでも人がいないだけだよな……と思うことにしてるw

ぬーべーだと童守町だったな。近くの市という設定になるのかな。
妖怪漫画の祖といえる水木先生に敬意を表して水木市とか。
275名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 22:23:37 ID:LARYUNWj
童守町は自治体じゃなかったっけ?
276名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 22:46:02 ID:sccJGpl4
>>275
童守町という名前の団体であって地名ではないのか……ややこしやー
277名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 22:49:22 ID:zeKYQfUx
ちょっと質問なんだけど、妖怪と人間以外の参加者は、
どの程度までなら許されるんだろう?
妖怪が出てくる話の中には神とかの力を借りてるものもあり、
その神自体が出てくることもある。
でも、当然神は人間でも妖怪でもない。
また、東方だと月人やら半人半霊なんてのもいる。
極端な例えを出すけど、出没した妖怪に対し、
妖怪の出ないファンタジー世界と科学だけで構成された宇宙人達からの
技術提供で戦い抜く、なんて話があった場合、
出せる限度はどうなるんだろうか。

まあ、空気を読んで出すか出さないかを決めるって事になりそうだけど。
278名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 22:54:37 ID:z4+VfRhj
キルリアン振動機とかはどうなるんだろうか
279名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 22:58:44 ID:GBzXxi5m
懐かしい響きだ
妖怪のスカウターみたいなもんだったっけ
280名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 23:38:36 ID:UsrGWgqD
>>277
オムニバスだからどうしても出したきゃやっててもいいけど他に影響及ぼさないように、
あとガン無視されても泣かないでね、ってとこかな?
あと一応妖怪に何の縁もゆかりもない話を持ってくるのはマズいんじゃないかな。
281名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 23:43:17 ID:JvcSvmgu
>>277
流石に宇宙人はSFの範疇だろうw

八百万の神とか幽霊とかは確かに線引きが難しいかなあ。
幽霊は妖怪とセットで「お化け」と呼ばれることもあるし、付喪神なんかは八百万とも妖怪ともされてるしね。
東方の半人半霊は異変解決する側の人間キャラとして出せると思うけど。
282名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 23:59:41 ID:zxLSxyqU
長いのと短いのが一本ずつあるんですけど投下して良いですかね?
283名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 00:01:10 ID:efv2eALW
少なくとも作中で妖怪として扱われてるのにした方が良いんじゃないかな。
ただ、これだと一部原作は凄い広くなっちゃうけど。
(例えばガープス妖魔夜行は東洋西洋善悪関係なく全て『妖怪』と呼ばれている。
 噂や言い伝えからも妖怪が生まれるから、架空の人間が妖怪として出現する事さえある。)

神様は……あんまり前に出したくないな、個人的には。
東洋の神様は境界が曖昧なのも多いから良いんじゃないとも思うけど。

なんかキチッと決めちゃうと勿体無い気がするんだよね。
適当に空気読んでやる位で出来ないものか。

>>282
ごー!
284名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 00:02:25 ID:vMxkw/Cx
こいこい!
285名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 00:11:00 ID:JYDGrEyo
かもん!
286名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 00:12:09 ID:d/VLN085
>>283
ちょっwww山神様出るwwwww
ダイダラボッチが在りならすぐに投下できるんですけど反則ですか?
287名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 00:14:34 ID:A2+FVbdP
まず投下してみるといい
288名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 00:17:56 ID:d/VLN085
そんじゃ試しに投下してみます
まずは長いのから行きます(多分9レス使用)
289名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 00:20:12 ID:d/VLN085
 人の立ち入らぬ山奥の獣道を、三匹の鼬が疾走していた。
 その鼬たちの体躯は通常のそれとは違い、一回りも二回りも大きく、毛並みは闇夜に溶け込むかのように黒い。
 もっとも特徴的なのは、その鼬の爪である。
 その爪は動物のような鋭い爪とは違い、まるで鎌のように鋭利で鋭く、そして長いのだ。その爪で掻かれれば、
刃物で切り裂かれる事と同義である。このような鋭い爪を持つ生物は、何処を捜しても存在しない。
 この爪で引き裂かれれば、如何に強大な熊や虎でも無事では済まない。このような爪を持つ鼬は――いや、
生物は世界中を何処を探しても存在しない。
 異質な存在――どの生物学者も見たことのない生物は、ある伝承でこう呼ばれていた。

 『鎌鼬(かまいたち)』

 人の目には見えぬ速度で走る三匹の鎌鼬は、木々をすり抜けるように走りながら
人里に向けてひたすら休むことなく風のように走っていた。
 その姿はまるで、天敵に追いかけられている草食動物のようでもあり、追い詰められた獣のような
必死さが感じられた。
 その鎌鼬の走りぬけた後を追いかける者はいない。そもそも、生物の常識を超える速度で走るものを
追いかけられるものなど、それと同じ種族のものか、それ以上のものでなければ存在しない。
 風よりも早く走るという表現があるが、この鼬たちは事実その通り『風よりも早く』走っているのだ。
 それなのに、三匹の鎌鼬はそれでもまだ安心できないとばかりに休むことなく走り続けている。
 やがて、山の麓が見え始め、人里の光が見える場所まで辿り着き、ようやく三匹の鎌鼬は速度を緩めて
立ち止まった。

「……ここまで来れば大丈夫だろう」

「ああ、さすがに山を五つも越えれば如何な『奴』とて撒いたに違いない」

「しかし休む暇などないだろう。すぐに此処を離れなければすぐにでも『奴』は―――」


 三匹の鎌鼬が振り返ると同時に、視界が漆黒に包まれる。
 突然の闇に驚く三匹に次の瞬間見えたのは―――巨大な『目』だった。

「―――なっ」

 一匹の鎌鼬が何かを発する前に、巨大な闇が落ちてくる。
 慌てて逃げようと体勢を立て直す三匹に、次の瞬間――――山が落ちてきた。

290名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 00:23:19 ID:d/VLN085
 山を五つも離れた場所にも響く地震と音は、『それまでのもの』とは規模が違っていた。
 『それ』を見ていたものは恐怖に怯え、この世の―――いや、自分の終わりだと思ったであろう。
 山が天から降ってくる―――本来なら在り得ない事である。
 如何な天災とはいえ、このようなことが起きるはずもなく、もし仮に起きた場合、生き延びられる者は
ほぼ皆無である。天上から降り注ぐ木々や土石を防ぐ事など誰も想像すらしないのだ。
 それが仮にあるとしても、規模というものがある。まさか、半径20キロメートル範囲のものを
想定する事などありはしない。
 これを見ていたものにとっては夢のような出来事にしか見えなかっただろう。
『突然地響きと共に山が盛り上がり、そのまま山が空まで舞い上がり、その山が落ちてきた』のだ。
 このようなことはいかなる天災とはいえど在り得ない。

 山が空から降ってくる原因――その元凶ともいえる『怪』は怒り狂っていた。
 『それ』は意思を持ち、人外ならざる力を持ち、かつて妖(あやかし)の一種として恐れられ、
そして―――『神』として崇められたモノだった。
 その体は山よりも大きく、目が一つしかない。
 その巨大な体は薄く透けていて、人の目には認識する事はできないが、確かに其処に存在している。
 一歩毎に地響きが鳴り、大地が揺れる。突風のような風が吹き、砂塵が舞い上がる。
 数百年の間、いや、それ以上の年月でも起こらなかった奇異―――伝承でも伝えられなかった
脅威が現在、其処に起きていた。
 異常、人外ならざるモノ、脅威、奇異、災厄―――人はそれを『ダイダラボッチ』と呼んでいた。
 またの名を『一目連(いちもくれん)』。かつて幾多もの伝承を残した大妖である。



 怒り狂うダイダラボッチには明確な目的がなかった。
 ただ、『全てを破壊し尽くす』という意思だけがダイダラボッチの全てであり、それはつまり、
『目に映る全てが敵』ということになる。
 そういったことを含めて考えれば、彼の行動には明確な目的と意思がある。
『目に見える全ての物を破壊し尽くす―――』
 例えそれが自分の大切な棲み処であろうとも、それが自分の源であるものだろうと―――

 『彼』にとっては『全て』が怒りの対象であった。
 かつて妖怪として恐れられてはいたものの、彼を奉り、崇め、信仰する人間がいた。
 その人間達は自分を恐れながらも『山の神』として敬い、『自分』と『自分達』の領域を弁えていた。
 人間達は彼に幾多もの米や酒を奉納し、敬い、そして怖れた。
 彼はそんな人間達のことを慈しみ、快く思った。山に迷えば道を教え、飢饉で作物に苦しめば水を与え、
山の作物を豊かにして人間達が豊かに暮らせるようにした。
 怯えられることばかりだったが、それでも人は感謝して自分を崇め、感謝した。
 時には踏鞴(たたら)製鉄の知識を分け与えた事もある。それもこれも自分を崇める人間達に豊かな暮らしを
してもらいたいという、彼なりのささやかな気持ちであった。

 『彼』と人間との付き合いの歴史は長い。自分がいつ生まれたことかすら彼には記憶がないくらいなのだ。
 それでも『彼』は何も気にすることはなかった。
 自分の側には常に人間という生き物が居た。それについて疑問に思ったことはない。
 自分の住処である山々があり、そこに小さな生き物がいて、そして生きている。それだけでなんの不満も
なかった。
 山が豊かで土地が豊かで、自分が其処に居る。それに何の疑問もなく、それだけで彼の心は裕福だった。 

 彼が永い眠りに就き、目覚め、醜く荒れ果てた山々を見るまでは―――
291名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 00:24:39 ID:d/VLN085
 ダイダラボッチの突然の覚醒―――それは巨大な山が動く事と同じ事であり、そして自分達の住処が
破壊されることだった。
 山には幾多もの妖怪が存在する。自然の暗闇の中に潜み、溶け込み、山に帰属した妖怪は多い。
 古来より妖怪は暗闇を好んだ。畏れの象徴ともいえる彼らは人里にも現れたが、基本的には薄暗く
霊気の集まる山に棲む方が居心地が良かったのだ。
 人と妖怪は山とは切り離せない存在である。互いに相容れない存在であれど、人も妖怪も山に踏み込む。
 それは数百年経った現在でも変わらない。
 妖怪達は山に踏み込んだ人間達を時には驚かせ、時には喰らい、時には助けていた。
 目に見えぬ存在。異形の存在。畏怖の存在。
 人間が妖怪を恐れることで山は荒らされる事無く平穏が保たれていた。
 つまり、妖怪達にとって山とは自分達の棲み処であり、守るべき家とも言える。
 その山が突然の脅威により危機に晒されている――本能とも直感ともいえる感覚で、妖怪達はその『脅威』
に対し、一斉に動き出した。



 最初に被害に遭ったのはダイダラボッチの間近に居た妖怪――意外にも一番近くに居たのは
水虎(すいこ)と呼ばれる妖怪だった。
 その名の通り、虎に近い姿で黒と白の縞模様の体毛は水に濡れている。人を襲う凶悪な妖怪として有名であり、
その存在は古くから人間に伝わっている。
 川や湖などの水辺を住処とする水虎は運悪く、ダイダラボッチの視線の先――足元の川原に居た。
 突然目の前に現れた巨大な怪物に水虎は呆然とし、ただ口を開いて目の前の巨人を見上げていた。
 そして、ダイダラボッチが自分に向かって手を伸ばし始めた事に気づいたとき、水虎は判断を誤った。
 自分にとって害意があるのか否か――その考えがまず間違いだった。
 脅威であるか否か――つまり、自分が捕食される側であるか否かという判断をすれば、その姿を見た瞬間に
呆然とする事なく逃げることを第一に行動したはずである。それほどの絶望的な体格差なのだ。
 水虎にとって、目の前の怪物ほど大きな存在を見ることは未だかつてなかった。それまでの自分は常に
捕食する側の存在であり、自分が捕食される側に立った事などなかったのだ。それが水虎にとっての悲劇であった。
 ゆっくりと自分に向かって伸ばされてくる大きな手――それをかわすために四足に力を込めて水虎は
全力で走り出す。その速度はやはり恐ろしく早かった。
 だが、水虎は気づいていなかった。空から降ってくる手の大きさは自分が予測した以上に大きく、自分がすでに
逃げ切れない範囲までの大きさだという事に。
 大きな地響きが山全体に木霊する。その地響きに、小さな獣の悲鳴がほんの少しだけ混じっていた。
 如何な妖怪とて、完膚なきまでに潰されては生き永らえる事は不可能である。煙のような幽体であれば
話は別かもしれないが、水虎の身体は原形すら残る事はなかった。

 ダイダラボッチはゆっくりと動き出す。視線の先には数多もの妖怪達の姿が見える。
 自分は小さな妖怪達に囲まれているということに気づいていたが、それは些細な事であった。すぐに
潰す事のできる小さな蟲達を今すぐに殺すか、後で殺すかの違いでしかない。
 とりあえず、目に写る小さな蟲達は自分に『敵意』を持っているようだ。それと、押し隠された『畏れ』。
 ダイダラボッチは大きく息を吸い込むと、両手を振り上げ―――それを全力で山に叩きつけた。

292名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 00:26:40 ID:d/VLN085
「お鎮まり下され! 何故山神ともあろう御方がこのような事をッ!」

 暗闇の中、巨大な影に向かい叫ぶ一体の小さな影。
 山伏のような格好に鳥の風貌、背には大きな黒い羽が生えている。手には永い錫杖と葉団扇を持ち、
降りかかる土砂を葉団扇から起きる旋風で防いでいる。

 『大天狗(おおてんぐ)』。山に棲む伝説上の妖である。修験者の成れの果て、密教徒の外法によって妖怪に
なった天狗のさらに上位の存在といわれている。

「何故このようなことを!? お気をお鎮めになってくだされ!」

 彼にとって目の前のものは未知のものであった。
 文献や伝承で識ってはいる存在であれど、その暴威は彼の想像を絶するものだった。
 大天狗が識るダイダラボッチとは、山の豊穣と繁栄を司る山神の一種であり、温厚で害を為す存在ではない。
 人間との共存を望み、自然と一体化した土地神ともいわれている。
 そのダイダラボッチが何故現在になって目覚め、このような暴挙に出るのか――大天狗は何一つ分かる由も
なかった。

(いかん……ご乱心なさっておられる。このままでは山に住まうものどころか人間にも被害が……)

 ダイダラボッチの背後に回り、その暴風雨のような暴挙から逃れて大天狗は考える。
 目の前の山神は自分一人では到底手に負えるものではない。例えるなら人と蝶が争うようなものである。
 しかしダイダラボッチを止めなければ被害は拡大する。目の前の山神が怒り狂っているのは間違いない
事実なのだ。
 怒りが収まるまで待つという選択肢は考えられない。何時収まるかも知れないものを待っていては
 被害が拡大するだけである。もしこのまま収まらなければ国全体まで被害が及ぶかもしれない。

 ならばどうするか?
 説得に応じないことはつい先程で分かったことである。
 口で言っても止められないのなら力ずくで止めるしかない。だがどうやって目の前の巨人を止める?
 同じ妖といえど、片方は土地神にまで神格化された怪物なのだ。日本全国を見渡してもダイダラボッチと
同等の力を持ち、彼を止められる妖などいるのだろうか?

 つい今しがた見たのは惨劇であった。山に棲む妖怪達がダイダラボッチによって山ごと叩き潰され、
その山も今は消え去って盆地になっている。巨大な土砂崩れでもここまでの惨状にはならない。
 果敢にも立ち向かった妖怪もいたが、結局は敵わず敗走した。
 生き残った妖怪達は方々に逃げ去り、今や周囲には自分とダイダラボッチしかいない状況である。
 
 先程ダイダラボッチが投げた物は、山を半分程削り取ったものである。
 投げた方角には人里があったはず。細々と田畑を耕して生活している人間達が住んでいたはずだ。
 その先の山を越えれば人間達が住む大きな街がある。つまり、このまま進めば人間達にさらなる被害が
及ぶことになる。
 人間達は別にどうなっても構わない。だが、爆発的に増えた人間達には新しく『知恵』という力が備わった。
 暗闇を昼間のように照らし出す道具を作り出し、空を飛ぶ鉄を生み出し、山を容易に削り取るものまで
作り出したのだ。
 今の人間を下手に刺激すれば自分達の住処がなくなるかもしれない。人間達は何時も自分達以外の
奇異なる存在を排除しようとする。
 自分達が恐れられていた時代はとうの昔に終わり、今は互いに隔絶した存在なのだ。

(どうすればいいのだ? このまま黙って見ている事しかできないのか?)

 大天狗は今までこれほどの焦燥感に胸を掻き毟られる事などなかった。
 このまま別の土地に逃げることも考えた。だが―――

(止めなければなるまい。山神をこのままにして逃げるなど私の誇りが許さぬ―――)

 地響きと共に歩みを進めるダイダラボッチの背中を見つめ、大天狗は決心して羽を羽ばたかせ――――
背後から予想外の者の声に呼び止められた。

293名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 00:27:26 ID:vMxkw/Cx
支援
294名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 00:28:15 ID:d/VLN085
 大天狗がダイダラボッチを止めようとするそれより前に、ダイダラボッチを説得しようとした者達がいた。
 『山爺(やまじじい)』と呼ばれる一つ目一本足の爺の姿をした妖怪と、『山童(やまわろ)』と呼ばれる
人間の子供の姿をした妖怪である。
 山爺は妖怪の中でも古くから存在し、山に棲まう妖怪の中ではダイダラボッチに次ぐほどの長寿な存在である。
 故に、ダイダラボッチとの付き合いも古くからあった。
 ダイダラボッチが山の神様であるのなら、山爺は山の妖怪の長老であり、山神を静めるのは長老の役割でも
ある。
 山爺は自分なら止めることができると思っていた。如何に怒り狂っているとはいえ、ダイダラボッチならば
自分の言葉に耳を傾けてくれると信じていたし、山爺にはそれだけの『特性』があった。

 一方、山童は後悔していた。
 山爺の頼みであろうとも、相手が山よりも大きな存在である山神であり、しかも怒り狂っている状態なのだ。
 説得に行くのなら山爺一人で行けば良い―――そう言いたかったが、それを言ってしまえばこの先自分は
山から追い出されてしまうかもしれない。山爺に逆らって山で暮らす事は、山童にとってはとても考えられ
ないことであった。
 そもそも、どうして自分がこのような大事に巻き込まれなければならないのか。それが全く分からなかった。
 山爺曰く「お前くらいしか頼れるものがおらんのじゃ。礼はたっぷりするから頼む」とのこと。
 山童とは礼をあげれば手伝いをする妖怪。つまり、礼を貰えば断る事ができない性分なのだ。
 都合よく手伝わされる羽目になったことを山童は激しく後悔していた。

 山の頂上まで山爺を担いで運ぶこと。それが山童の仕事だった。
 ダイダラボッチの目と鼻の先―――出来るなら断固断りたい内容だった。
 そこまで運ぶ事だけを条件に山童は手伝ったのだが、山童の不幸はそれで終わりではなかった。
 山爺を山の中腹から頂上まで運ぶ事――それがどれだけ大変だという事かを知った頃には山童の体は
疲労で動かなくなっていた。
 山の頂上から降りる体力はすでになく、それはつまり『最も危険な場所』で身動きが取れなくなったことと
同じ事なのだ。

(これで山爺が説得に失敗したらおらは終いだな……)
 
 そんなことをぼんやりと考えながら、倒れこんだままの状態で山童は山爺とダイダラボッチの顔を交互に
眺めていた。

 やがて―――山爺が両手を口元にかざして大きく息を吸ったのと、ダイダラボッチが両腕を振り上げたのは
ほぼ同時であった。
 山童は慌てて立ち上がろうとするが、疲労で体が思うように動いてくれない。
 上半身を起こし、山爺に向かって何かを叫ぼうとするが、何を言えばいいのかすら山童には分からない。
 
(とんだ無駄足だったじゃねえか! 山爺のせいでとんだまぬけになっちまったよちくしょう!!)

 思っていても口にはできない。そんなことは幾らでもある。特に切羽詰った時は思うように口が回らないものだ。
 これが、最後まで不幸だった山童の最後の光景であった。

 結局、山爺は己の特性である『とてつもなく大きな声を出すこと』すらなく、肉片の一欠けらすら残さずに
ダイダラボッチに叩き潰される事になった。

 だが、二体の妖怪が無駄足を踏んでしまったことと、それをしなかったことに大差はない。
 それは、その山に居る限り、死ぬのが先か後かの違いだったのだから。
295名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 00:29:32 ID:d/VLN085
「―――放っときゃええ。アレは止めなくとも大丈夫じゃ。むしろ止めるだけ無駄なことじゃよ」

 背後から聞こえた声に感じたものは『畏怖』だった。
 気配さえ感じさせずに自分の背後に回れるものは、大天狗の同胞でもいない。
 振り向こうと首を背後に回そうとして、大天狗は直感的に『見てはいけない』と感じた。

「ありゃあ怒り狂ってるのう……。まあ気持ちは分からんでもないわい。なにせ目覚めたら自分の土地が
荒れ果てとるんじゃからなぁ……。自分が大事にしとるもんを壊されたら誰だって怒るわい」

 声の主からは相変わらず気配を感じない。声だけが背後から聞こえるだけである。だが、その声だけで
大天狗は全身が震え、羽を羽ばたかせる事すら困難になった。

「……あ、貴方様は?」

「おう、若いのに解っておるのぅ……。わしは……そうさなぁ……『翁』とでも呼んでくれればええ。
それよりも、お前さんは骨がある。あの『一目連』を止めようなどとするとはのぅ」

 声の主は愉快そうに、嬉しそうに言葉を紡ぐ。好々爺とも感じる柔らかな声だが、その声から感じるのは
『巨大な手』だった。
 その巨大な手は己の身体よりも遥かに大きく、振り向いた瞬間に握り潰される――そんな感覚に大天狗は
恐怖で震えた。

「……あ、あの山神様を止めなければ被害が拡大します。それを翁殿は止めなくても良いと
申されるのですか……?」

 振り絞るようにして声を出し、背後の『翁』に問いかける。

「お前さんがアレを止められるんなら止めた方がええわの。じゃが、止められんじゃろ? なら静観するしか
ないわな。
 それに、じゃ。そもそもアレを止めてどうなる? わしにはアレの気持ちが少しは分かるんでの……わしは
アレの好きにさせてやりたいとすら思っとるわ」

 翁がのんびりとした口調で答える。その声はどこか同情が混じったような響きがあり、それが大天狗を余計に
混乱させた。

「し、しかし……」

「アレはの、山がなければ存在できんモンなんじゃ。山と共に生まれ、山と共に生きる。アレがあんだけ
大きいのには『山と同じ存在』だからなんじゃよ。
 じゃから言い換えればな、アレの怒りは山の怒りともいえるわな……。となると、山が己を破壊して
どうなるという疑問があるじゃろ? それについてまでは教える必要はないわな。
 まあ夜明けまで待つんじゃの。アレの寿命は恐らくは夜明けまでじゃ」

 翁がゆっくりと語る内容は、にわかには信じられない事だった。
 目の前で暴れているダイダラボッチが夜明けと共に消える――それで済むのなら無理に止める必要は
ないのかもしれない。だが、本当に山神に寿命などあるのだろうか?
 それに、夜明けまで待つとして、どれだけの地が破壊されるのかも想像すらつかない。下手をすれば
国が沈み海に飲み込まれてしまうのではないのか。
 だが、今は翁の言うことを信じるしか望みはなく、自分には何もする手立てがないのも事実であった。

296名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 00:30:21 ID:9GnSZIF+
297名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 00:31:44 ID:d/VLN085
「……本当に、止まるのですね?」

「なんじゃ若いの、わしの言うことが信じられんのか?」

「い、いいえ、そういうわけでは……」

「まあ、信じられんのも無理はないわなぁ。じゃが、夜明けまで待てば解るわい。どうせあと一刻も
すれば夜が明けるじゃろ。わしの言うことが本当かどうかはその時になれば解るでの……」

 そうは言われても、目の前の暴威は止まる事を知らない。
 削り取った山を街に向けて投げ飛ばし、湖を削いで雨を降らし、歩く毎に大地が揺れる。今や空から
見下ろす大地は地獄の如き惨状であった。
 すでに山が五つも消え、六つ目の山は上半分が削られている。一刻の間待っているだけで国が滅びるのでは
ないだろうか。
 だが、六つ目の山が消し飛んだ時、ダイダラボッチの動きが止まった。
 ダイダラボッチが膝をつき、両手で顔を覆いへたり込む。その巨大な肩は大きく震えていた。

「……翁殿、あれはどうしたというのですか?」

「悲しいんじゃろうよ。怒りが収まってきて頭が冷えてから、やっと山と己の事を考えられるように
なったんじゃろ。―――若いの、あんな風になった人間の子供を見たことはあるか?」

「昔、一度だけ見たことが」

「じゃったら解るじゃろ。今からさっきよりも騒がしくなるぞ。耳を塞いでおけ」

 翁が言い終わるとほぼ同時に、荒れ果てた大地に咆哮が響き渡った。

『オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォ』

 天にまで響く咆哮―――それは、巨人の泣き声だった。
 その咆哮は鼓膜を破裂させんばかりの大きな声で、遠い距離にいた大天狗の体をも震わせるほどである。
 ダイダラボッチは天を見上げ、何度も繰り返し咆哮する。

『オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォ』

『オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォ』

 その声は悲しみに満ちていて、悔しさに満ちていて、胸が張り裂けそうになるほど痛々しいものだった。
 大天狗はその巨人の後ろ姿を眺め、ダイダラボッチの気持ちをようやく理解した。

「こりゃあたまらんのぅ。なんちゅう声じゃ。こんなの聞いていたら耳が痛くなってしまうわい」

 ダイダラボッチの咆哮で聞こえないはずであろう声が、不思議とはっきり聞き取ることができた。
 
「わしはもう帰るとするかの……。若いの、どうせ此処におってもこの先どうもならんじゃろ?
もし暇じゃったら『東』へ来い。東はもっと面白いことになっておるぞ」

 不可思議な言葉を言い残すと、背後に感じていた巨大な手の感覚が消え去る。
 それと同時に、振り返っても翁はもう居ないことと、己の命が無事になったことが分かった。

『ああそれとな、そこの下に転がっとる鼬はお前さんの好きなようにしてかまわんからな。
まあ鼬は早いとこ何とかしておかんと死んでしまうぞ。それじゃ、またの』

 ふいに、遠くから悪戯っぽい声が聞こえ、大天狗はびくりと体を硬直させた。
 辺りを見渡しても声が聞こえた方角は見当も付かない。まるで、翁の存在自体が夢のようであり、
自分は幻覚に惑わされていたのではないかとすら思った。

298名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 00:32:47 ID:d/VLN085
 遠くでダイダラボッチが泣いている。赤子のように泣いている。
 遠くの空がゆっくりと紫色に変わっていく。それは夜明けを意味し、世界が光に包まれる事を意味する。
 海の彼方から眩い光が見えてきた。その光はダイダラボッチを照らし出し、そして世界を照らし出す。
 ダイダラボッチの声はやがて朝日の光と共に小さくなっていく。そして、突然現れた巨人はその光に
包まれて、ゆっくりと透けるようにして消えていった。



 ―――最後に覚えている記憶は一人の人間の子守唄。

 その人間は毎日のように山に来ては山菜を摘み、山に礼を言って頭を下げ、そして人里に下りていった。
 その人間は好ましかった。その人間は美しかった。その人間は山に感謝し、山を愛していた。
 いつの頃からか、その人間を見守る事が己の役割だと思い始めていた。
 人の一生は短い。あっという間に老いていく。だが、生きる者にとってそれは逃れられることであり、
それは己と人間とを絶対的に分け隔てるものだった。
 それでも、その人間だけは己にとってとても眩しく、特別な存在であった。

 やがてその人間は赤子を背負いながら山に来るようになった。
 赤子に子守唄を歌いながら山菜を摘む人間の声はとても心地良く、いつまでも聞いていたいと思った。
 その人間の唄う子守唄はいつまでも耳に残り、やがて赤子を背負わなくなって人間が歌わなくなっても
山の記憶には消えることなく残り続けた。
 唄えることはできなくとも、それを聞くことは出来る。
 ずっと聞いていた唄。いつからか聞こえなくなった唄。

 あの子守唄はどんな唄だったのだろうか――――
 それが思い出せないことが、どうしても悲しく、そして悔しかった。
 誰か唄ってくれ。私のために唄っておくれ――――
 最後の記憶。あの人間の顔と唄。どうしても思い出せないことが悲しくて――――
 
 それが、ダイダラボッチの終わりだった。

299名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 00:33:48 ID:vMxkw/Cx
支援
300名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 00:36:56 ID:JYDGrEyo
shien
301名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 00:37:51 ID:y0t5BdCl
紫炎
302名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 00:38:15 ID:NLoqycen
さるさん食らいつつもちょうど投下終了です。携帯からの書き込みで申し訳ないです

参考・Wikipedia
303名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 00:43:05 ID:JYDGrEyo
おお、ブラボー!
いいなあ、なにがいいって雰囲気がいい
失われた古きもの達の郷愁って感じで、ジンと来た
翁の台詞に『東』という単語が出てくるけど、そっちに行けば今までの舞台となった街があるのかな

実はダイダラボッチがもののけ姫仕様かと早とちりして内心焦ったのは内緒!
304名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 00:47:53 ID:NLoqycen
それと、支援してくれた方々ありがとうございます。
もう一本は2レスで収まる内容ですがさるさんで書き込めないので書き込めたらまた後でチャレンジしてみるか
またの機会に投下してみます

遅い投下で申し訳ありませんでした

追記・ダイダラボッチは妖怪や言い伝えから神格化された山神という設定で書きましたが参考文献ではただでかい妖怪です
305名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 00:50:07 ID:vMxkw/Cx
今読み終わった!
いいなー雰囲気がいい
東でいったい何が起こってるのか気にかかるところ
306名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 01:02:13 ID:TPNrFkzt
豪快な前半の後は後半が何とも切なくて良い話でした。
懐かしいもの悲しさを感じさせてくれる。GJ。
307名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 01:44:19 ID:518QLr72
投下乙!
あぁ〜ダイダラボッチの心情がなんとも切ない…
そして東では何が起こっているのか?
GJでした!
308名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 04:54:35 ID:d/VLN085
 『がしゃどくろ』という妖怪がいる。埋葬されなかった死者達の骸骨や怨念が集まって巨大な骸骨の姿の
妖怪であり、時には『狂骨(きょうこつ)』とも呼ばれている存在である。
 その姿は骸骨でありながら、尋常ではなく大きい。歩く小さな山のようでもあり、牛を丸呑みに
できるほどである。
 人を襲う妖怪として畏れられ、その姿を見たものは必ず喰い殺されるとすら言われている。

 そのがしゃどくろが、己より遥かに小さな存在によって粉々にされていた。
 その光景は見ていたものにとっては異様なものであった。それは、鼠の群れが牛を襲っているかのような
光景であり、それ以上に奇怪なものでしかない。
 がしゃどくろの砕けた骨にしゃぶりつくように喰らいついているのは、無数の子供――否、子供にしか
見えない大きさの鬼達である。
 ぎょろりとした大きな目。耳まで届きそうなほど開かれた大きな口。猛禽類よりも凶悪な鋭い牙と爪。
 手足は骨ばって肉がなく、そのくせ腹だけが異様なまでに膨れ上がっている。
 『餓鬼(がき)』生前に贅沢をした者が地獄に落ち、餓鬼道に落ちた亡者達のことを指す。
 餓鬼の群れはがしゃどくろの骨を齧り、しゃぶり、砕き、一片たりとも残さずに喰らいついている。
 如何に巨大ながしゃどくろとて、まさか自分が食われる事など予想だにしなかったであろう。
 四肢をバラバラにされてはどうする事もできず、己の骨を食われては元に戻る事もできず、がしゃどくろは
怨念だけを残し、餓鬼の群れにゆっくりと時間をかけてしゃぶり尽くされた。

 やがてその場に残ったのは、飢えを満たす事のない餓鬼の群れと、一人の浴衣姿男の姿だけだった。
 その男は、奇妙な顔立ちであった。少年のあどけなさの残る青年の顔にも見え、成人男性の精悍な顔つきにも
見え、はっきりとした年齢が見た目でははっきりとしない。
 身長は高くもなく低くもなく、体格は良くも悪くもない。中肉中背という言葉がぴったりと似合っていて、
しかしそのくせ物腰は重厚で、体躯に似合わぬ雰囲気をかもし出している。まるで掴みどころがないのだ。
 顔立ちだけは何故かはっきりと『良い男』と言えることができる。なんとも不思議な男だった。
 その男は墓石に腰掛けながら、のんびりとその光景を眺めていた。
 手に持っているのは日本酒の入った一升瓶。そして、その横に置いてあるのは巨大な『妖怪の頭』だった。
 男は一升瓶をあおるようにして飲みながら、餓鬼達の様子を眺めている。
 その表情は涼しげで、その男の様子がその場の雰囲気をさらにおかしくしていた。

「骨なんか食って美味いのかねえ? ま、その前に牛と蜘蛛の『あいのこ』まで食ってたもんなあ……。
雑食っつーかなんつーか……もうちょっと味に拘るとかさ、そういう考えはないのかねぇ?」

 そんなことを横の『頭』に語りかけながら、ぐびりと一升瓶の酒を飲む。
 ふと、男は餓鬼達の視線を感じて目の前に視線を戻す。
 餓鬼達はまだ満ち足りぬといった顔で男の横に置いてある『頭』に視線を注いでいる。
 その頭は凶悪な風貌で、産まれた時から怒り狂い続けた狂牛でもそのような顔にはならないだろうと思うほど
恐ろしいものである。
 例えるなら、牛と鬼の混じりあった怪物の顔である。

 ――その頭部はかつて『牛鬼(ぎゅうき)』と呼ばれた妖怪であった。

 牛鬼とは非常に残忍、獰猛な性格で、毒を吐き、家畜や人を食い殺すことを好む妖怪である。
 胴体は巨大な蜘蛛のようで、頭部は牛の姿をしている。日本全土に知れ渡る妖怪の中でも特に
畏れられた存在である。
 その牛鬼が頭だけの姿になっているのは、その男の仕業以外に他になく―――
309名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 04:57:01 ID:d/VLN085
 牛鬼の頭を餓鬼の群れに放り投げると、餓鬼達は我先にと牛鬼の顔に貪りつく。
 目玉を抉り、耳を齧り、舌を抜き、頬に喰らいつく。肉の付いた所を余すことなく貪る餓鬼達の
その様子を見ながら男はげんなりとした顔になった。

「うっわ……やっぱ顔だけ残して最後に食わせるんじゃなかった……。今晩の食欲なくなっちまっただろうがよ」

 そう言いながらも日本酒を飲んでその様子を眺め続ける男の口調はどこか軽いものが感じられる。
 浴衣の袖に手を入れ、黒い革張りの財布を取り出して中身を確認する。

「ひいふうみのよ……う〜ん、やっぱここ数日豪遊しすぎたかね? もうそろそろ金を稼いでおかないと
酒も変えなくなるしなぁ……。そろそろ新しい着物も欲しいし『くるま』ってのにも乗ってみたいしな。
……うん、もう少し金を稼いだら都に行こうかな」

 男はぶつぶつと独り言を呟きながら財布をしまい、再び餓鬼達のほうを向く。
 餓鬼達はいつの間に喰らいつくしたのか、そこには牛鬼の頭すら残っていない。

「……お前らってさ、よく考えたら昔は骨だけは残してたよな? いつから骨まで食うようになったんだ?」

 餓鬼達は唸るような奇声を発するだけで、男の望んだ答えを言うことはなかった。
 しょうがないか、と座っていた墓石から男は立ち上がる。

「しっかし、お前らいつまで俺について来るんだ? あれか? 俺についてくれば食いもんに
困ることはないだろうってか? 言っとくが俺に噛み付いたらお前ら全員ぶち殺すからな?」

 餓鬼達は答えない。その代わり、奇妙な表情で男に向かって唸るだけだった。
 一応補足しておくと、餓鬼達は男に逆らうつもりなど毛頭なく、感謝すらしていた。奇妙な表情は
感謝を込めて喜びを顔に出したのであり、それは笑顔だったのだが、男に伝わることはなかった。

「なんだその顔? あれか? 俺に対するイヤミか? 嫌がらせ? つーか近寄んなっての!」

 男は一升瓶を振り回し、足で蹴るマネをして餓鬼達を追い払うようにしながら山道を歩いていく。
 ふいに、男の髪が風に撫で上げれられた。男の黒い髪が風に揺れる。
 前髪が上がり、その前髪の両端の付け根には二本の小さな突起があった。
 それはまるで『角』のようであり、それが男を普通の人間ではない事を現していて―――

「ったくよぉ……なんだって牛鬼やら骨ごときに俺が襲われなければならないんだよ……。
そういや起きてからここずっとろくな事に巻き込まれてない気がするんだよな……」

 ぶつぶつと男が呟きながら山道を歩く。男にとって良い事といえば、昔と違って酒が色々増えて美味い事と、
歩く地面が昔に比べたら平坦で歩きやすい事くらいであった。
 月の光が鬼の行脚を照らしている。山道は登り始めたばかり。まだ行き先は遠く、空腹で男の腹が鳴った。

「っつーかさ、都ってこっちの方角で合ってるよな……?」

 餓鬼達は答えない。男は諦めて、再び山道を登り始めた。

 『酒呑童子(しゅてんどうじ)』かつて京の都を恐怖で震え上がらせた悪鬼である。

310名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 04:59:57 ID:d/VLN085
「…………なんじゃこりゃ?」

 別府温泉から帰ってきた河童が見た光景は、自分の頭の皿が乾いて割れかねないほど信じられないものであった。
 別府で浸かった温泉の気持ちよさに後ろ髪を引かれる思いで帰ってきたら、自分の棲み処である川が
きれいさっぱり埋め立てられていたのだ。
 もしかして池の場所を間違えた?
 そう思って辺りをうろつくが、どうやら場所を間違えたわけではないらしい。近くにある畑は無農薬栽培で
作られた見慣れたきゅうり畑で間違いはないし、川の少し離れた場所で捨てられているトラックは
間違えるはずもなく自分の物であるからだ。
(そのトラックには自分の物であるという意味で、自分の似顔絵を書いておいたのだ)

 たった半月なのだ。たった半月温泉に浸かりに行った事がそんなに悪かったのであろうか?
 手に持っていた饅頭(途中見つけた地蔵のお供え物)を落とし、それと同時にがくりと両膝をついて河童は
大きくうなだれた。
 すでに季節は初夏――夕暮れ時ではあれど気温は高く、身体を覆う水分は熱で乾燥しかけている。

「マジかよ……」

 河童は川に棲むものである。それも川魚が泳ぐきれいな水の川を好む。人里から離れつつも人間とは適度な
距離を保ちつつ、さらに畑が近い場所が理想的である。
 半年前にやっと見つけた新しいマイホームだったのだ。かれこれ三ヶ月も放浪し、やっと見つけた自分だけの
楽園だったのだ。

 それまで棲んでいた川は危険がいっぱいでとても安らげる場所ではなかった。
 水虎なんて危なっかしい妖怪の縄張りが近くにあり、様々な妖怪が辺りにうようよと棲んでいたのだ。
 ちなみに水虎に遭ったからといって何をされるわけでもないのだが、臆病な河童にとって水虎はそれはもう
恐ろしい存在であった。
 その更に前に棲んでいた池はきれいな水で外敵はいなかったものの、時たま小石やボールが飛んできたりして
皿が割られそうになったりして危険な場所でもあった。
 その前に棲んでいた所は間違えて釣り針に引っかかって大騒ぎになった。その前に棲んでいた場所は―――

「いかんいかん……落ち着けオラ。大丈夫だ、オラやれば出来る子。昔の事は忘れて前向きに考えよう」

 ぶるぶると頭を振って嫌な記憶とネガティブ思考を振り払う。それと同時に身体の水分も飛んでいく。

「……とりあえず水だ。このままだと干乾びちまう。あと腹が減ったからきゅうりだな……」

 両膝に手を置き、力を入れてすくっと立ち上がる。背筋を伸ばして立ち上がると、なんだか前向きになった
気がして河童はなんでもできそうな気分になった。
 夕暮れ空をカラスが鳴いて飛んでいく。蝉の鳴き声が聞こえ始めた初夏の夕暮れは、河童には少し眩しかった。
 遠くから人間の子供の笑い声が聞こえる。ふいに、最後に人間の子供と相撲を取ったのは十年以上も前の
ことだと思い出し、久しぶりにまわしを締めたくなった。
 そして、最後に相撲を取った時、人間の子供に「ぬるぬるしてキモイ」と言われたことも同時に思い出し、
少し泣きたくなった。

311名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 05:02:16 ID:d/VLN085
 ――それから三日後――

 河童は後悔していた。
 何を後悔していたかというと、それは今からおよそ十八日前に偶然拾った人間の読む雑誌を手に取ったことだ。
 あの時好奇心で雑誌を手にとり、昔から仲間内で噂されていた『別府温泉』というものを写真で知らなければ
このようなことにはならなかったのかもしれない。
 それと、三日前にきゅうりをいただこうとビニールハウスに忍び込んだことも後悔の内に含まれて
いた。まさか深夜に人間に見つかるとは思いもしなかったのだ。
 そして、空腹に耐えかねて饅頭が腐っていた事にも気付かずに食べて腹を壊した事も後悔していた。
 少し変な匂いがしたのだが、気にしないで食ったのが不味かった。実際に不味かったのだが。

 そして一番後悔した事とは―――なんとか新しい緊急の棲み処を見つけたと思ったら、そこは以前棲んでいた
棲み処の近くであり、しかもその日の内にとんでもない怪物によって辺り一面が地獄絵図と化してしまった
ことである。
 まさか天にも届きそうな巨人が山を削って投げ飛ばす光景を見ることになろうとは河童も想像しなかった
ことであった。
 だが、河童にとってもっとも運が良かったのは、自分が辿り着いた場所が巨人の離れた真後ろの場所であり、
自分の居る場所は被害がなかったことである。
 もしもう少し近くに居たら、巨人に踏み潰されていたかもしれない。もしもう少し良い所に行こうと
先に進んでいたら山の土砂が飛んできたかもしれない。それを考えると、とんでもない場所に来てしまったに
してはとんでもなく運が良かったとも言える。
 だが、目の前の信じられない光景を見ていた河童にとってはそんなことまで頭が回る余裕があるはずもなく、
全てが終わった後も、河童はぽかんと口を開いてただ呆然としていた。

「…………なんじゃありゃ……?」

 巨人の暴威の全てが終わってからしばらくが過ぎ、ようやく口から出た言葉がこれだった。
 いや、他に何を口にして良いかも分からない時とは大抵こんなもんである。
 川からザバリと這い出ると、河童はぺたりとあぐらをかいて座り込み、頭の皿を撫で回しながらひたすら考えた。

(なんだあれ? なんだあれ? なんだあれ? え? いやちょっと待って? なにこれ、なんなのあれ?)

 円を描くように水掻きのついた手でぐるぐるべろべろと皿を撫で回す。
 頭の皿を撫で回していると心が落ち着き、冷静になれるのだが、河童はそれについて自覚してはいない。

(いや、あれは反則だって。なんなのあれ? 鬼よりおっかねえバケモンじゃん。山投げるって……。
 しかもなんで消えたの? あれってもしかしてまた出てくるの? そしたらオラ間違いなく死ぬって。
 いやいや、あれはないって。おまけにあのバケモンの後ろに飛んでたのってあれ天狗様だったべ?
 しかももう一匹なんかおっかねえバケモンまでいたしよ……。なんだこれ? オラどうすりゃいいんだ?)
312名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 05:05:06 ID:d/VLN085
 ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる。
 手の動きがもはや気持ち悪いぐらいに早くなっている。多分この光景を他の妖怪が見たら、どんな妖怪だって
気味悪がって近寄らないであろう姿である。

 ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐ―――ピタッ。
 突然、河童は手の動きをやめ、皿から手を離して立ち上がる。そして背筋を伸ばして上を向いて
立ち上がると、自分の尻をぺチンと叩き、 

「そうだ、琵琶湖へ行こう……」

 突拍子もなくそんなことを呟いた。
 
 河童にしてみれば、遠い琵琶湖に行かずとも、まだ距離的に近い別府に行き、これから先はのんびりと
新しい棲み処を探しつつ温泉に浸かったり、新しい川魚を食べて暮らす方が一番であった。
 だが、別府を選ばずに琵琶湖を選んだのには理由があった。
 その理由は単純で、『巨人が怖い』という唯一つの理由である。
 今居る場所は別府は近い。行こうと思えば二日もかからずに着くことができるだろう。だが、もしあの
巨人がまた現れたらどうなるのだろうか。
 あの巨人なら簡単に別府まで来てしまうだろう。近くて魅力があるが、巨人の恐ろしさと比べたら
とてもじゃないが行くことは考えられない。また辿り着いた瞬間に山が飛んできたらと考えると全身に震えが
走るのだ。
 ならば、『今居る場所から離れつつも遠すぎず、水の心配もなく、緑も豊かで人里から離れた良い所』
で考えた場合、真っ先に思い浮かんだのが『琵琶湖』だったのである。
 実にいい加減な考えであるが、そこは河童なりの全力で導き出した答えなのだ。元々他に行く当ても
ないのなら、同胞の噂や評判でよく囁かれる場所が良いに決まっている。
 闇雲に棲み処を探すよりも、『行ってみたい場所』に行くほうが合理的な考えなのである。
 夜が明けてしばらく経った空を眺めながら、心地良い空気を思いっきり吸い込む。

「うん、前向きに考えよう。オラはやれば出来る子。本気出せばなんでもできる」

 自分に言い聞かせるようにそう呟き、河童は川の中に飛び込んだ。
 河童は知る由もない。今居る場所より東の方角である琵琶湖―――その手前にある京都は、現在とんでもない
事態になっているということに。


 ちなみに、その巨人のバケモノ(ダイダラボッチ)が暴れているときに逃げ出さなかった理由は、
腹を壊して苦しい状況でやっと水辺を見つけ、動けなくなっていたうえに、腰も抜けていたからである。



 登場人物

 酒呑童子

 餓鬼

 牛鬼

 がしゃどくろ

 河童

 参考文献・出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
313名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 05:09:31 ID:d/VLN085
この誰も見ていないであろう時間帯に投下する気持ち良さと投下してから気付く
誤字脱字の恥かしさはたまりませんな!
314名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 05:12:05 ID:TPNrFkzt
投下乙w
オチを付けた珍妙な河童がなんだか可愛らしかった。GJだ。
315名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 05:12:39 ID:vMxkw/Cx
見てるんだなカサコソ
河童いいキャラだなー

んで、酒呑童子不気味だー
316名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 05:13:41 ID:E/xOLfoE
投下乙乙
妖怪スレの住民からは逃れられんよ
いいSSだった
GJ!
317名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 09:48:46 ID:0ElIBpkR
良作乙ですっ! 京都に何があるのか……
俺もなんか書けないかなー
版権有りにも頑張ってほしいところなんだぜ

そういえば風神雷神とか貧乏神、疫病神とか、妖怪だか神だか何ともいえないのは結構いるね。
318名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 10:04:06 ID:ZscI0TMx
日本は神と妖怪の境界が曖昧だからね
個人的にはこのスレでは天津神(アマテラスとか)はアウトだけどアニミズム的な八百万の神はありだと思ってる
319名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 20:11:07 ID:0ElIBpkR
結局地名はどうしようか 双葉津市か綾花市か央麻市か……
それとも京都にしようか 鞍馬山、比叡山が近くにあるし パラレル京都みたいな

>>279
キルリアン振動機ってうしとらのなんか強い兵器じゃなかったか
320名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 21:25:18 ID:6/q2UJOv
キルリアン振動機は妖怪の動きを拘束する結界みたいなのの発生器だった筈。とらや白面にも効果のある優れもの
321名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 22:20:35 ID:Y/qukj4u
それがこの世界にもあれば、人間でも対抗できそうだな
動きを止めるだけで殲滅手段が無いかも知れないが
322名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 22:24:19 ID:6/q2UJOv
>>321
ただ白面には一時的にしか作用しなかった筈だから白面クラスになると一時しのぎにしかならんだろうけど
323名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 23:05:47 ID:RKlgQnKn
白面クラス……
東方なら紫や幽香、鬼太郎ならぬらりひょんやバックベアードぐらいの高位妖怪か
……いや、当の鬼太郎も普通に突破できそうだw
324名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 23:10:42 ID:9GnSZIF+
まあ物語上の結界なんてのは破られるためにあるようなもんだからなw
325名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 01:25:06 ID:r/NEw5Vj
疑問に思ってたんだけどさ、書き手が書いたい妖怪って大抵被るよな
・妖狐
・天狗
・鬼
・ぬらりひょん
・バックベアード的ななにか
・座敷童
・雪女
これってさ、被ったら不味いのあるよな。ぬらりひょんなんてほぼ一体じゃん
先に書いた者勝ちなんだろうけどさ…
このスレにどんだけ書き手がいて誰が何の妖怪書くかなんて誰も分からないんだしさ
そうなると自分が書いてる妖怪が他の書き手では殺される側とかだったらせっかく書き上げた
SSはどうなるの?ここらへんはちょっと切実に知りたいわ
326名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 01:28:40 ID:jLW+a8so
・書かれる前に書く。遅かったら諦める。
・別の世界のぬらりひょんなんだよ
・ぬらりひょん一族だったんだよ
・死ぬ話の事前譚を延々と書き連ねる

好きなのを選ぶがいい
327名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 01:28:55 ID:E9nm7Wc3
先に書いたもん勝ちでしょ
328名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 01:34:27 ID:hHB6DbZl
ぬらりひょんを鬼太郎から出すとぬら組が書けなくなるなw

ところでるーみゃEXとか分からない所を想像力で補って書いてもいいものなのかね?
329名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 01:37:42 ID:jLW+a8so
いいんじゃない?
キャラの知られざる一面を描くのも二次創作の魅力さ。
存分に妖怪としての怖さを発揮させてあげておくれ。
330名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 01:38:28 ID:r/NEw5Vj
う〜ん……やっぱ他のスレ見てもバトロワものだと早い者勝ちっぽいよなぁ
何回も投下する場合なら次回予告っつーか宣言して「次はこれ書きます」とかって言えば
問題ないかなって思うんだけどさ
もしくは>>326の選択肢の中ならどれでも選べるしでもそれも違和感があるし……
そもそもどれくらいの書き手がいてどの程度を目安にして書いてるんだろう?
331名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 01:48:06 ID:E9nm7Wc3
いやここはバトロワじゃないけどね
332名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 01:52:09 ID:hHB6DbZl
まぁ何が出てくるかお楽しみってのは面白いけど書こうと思ってた妖怪や用語が出ると焦るよね

ちなみに俺は酒呑童子が出て焦ったw
333名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 02:49:04 ID:jLW+a8so
俺は好きな妖怪ベスト5に入るがしゃどくろが瞬殺されててビビったw
もしやピンポイントに俺を狙ってるんじゃないかと思ってw
334名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 03:09:46 ID:Rgz3j2Y5
がしゃどくろやぬらりひょんは個体名というより種族名っぽいから複数いても違和感ないんじゃない?
335名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 07:05:11 ID:xhFriIDG
餓鬼がメガテン仕様とウィキ仕様ででてる以上被っても別個体でいい気がする
ぬら組と鬼太郎のぬらりひょんは互いに敵視してるとか。
版権物によく登場する九尾もうしとらの白面、ぬ〜べ〜に出てくる九尾、GSの玉藻と設定やキャラが離れてるのは別個体でもいいんじゃなかろうか。
ただ酒呑童子や茨木童子みたいな個体名は厳しいだろうけども。
336名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 07:23:00 ID:ZXFU8d4Y
酒呑童子も版権のとは別固体で良いんじゃない?
世界が融合した結果、何故か同一の筈の存在が複数居るとか。

あとふと思い当る物があって調べてみたら、伊吹萃香も元ネタ酒呑童子だった。
酒呑童子の前の名だった伊吹童子が性になっている。
最新作では山の四天王、星熊の姓を持つ鬼(酒呑童子の家来)が知り合いに出てきた。
(作中で明言まではされてないから、=で括らない手も有るけど)
337名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 08:40:23 ID:ZuoQ01fk
世界が混ざったって設定は便利だなw
まだ序盤だし、勢いに任せて書いちゃってもいいと思うよ

そうだ、伝承妖怪ならオリジナルの個体名をつけるって手もあるな
338名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 12:23:36 ID:zVQ1MGis
伝承に異説や別解釈があるように、同じ個体名の妖怪が複数いてもいいと思うよ
339名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 15:08:51 ID:icVudmEV
そうそう
同じ個体名の妖怪同士がであって
なんだお前って話し合いしてる、そんなSSがあったっていいじゃない
340名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 15:57:44 ID:ueupYwty
妖狐とかは大量にいるけどな、安倍晴明は白狐の息子。
341名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 16:22:56 ID:LMqKHd+Y
同じ妖怪が何体いてもおかしくないしな。妖狐もかなりの数の伝承があるから九尾の狐が複数いてもおかしくない

話題は変わるが妖怪っつってもとんでもない数がいるわけだ。強さもピンキリだし戦えない妖怪もいる
バトルロワイアルってのは力が拮抗している者たちが戦わないと成立しないだろ?
そう考えるとこのスレってかなり難しい気がするしシンプルな気がする

方向性がまだまとまっていないし問題は山積みだしどうなるのか心配だ
342名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 16:48:54 ID:ueupYwty
弱いキャラは個体数が多いから、人海戦術で何とかなるんじゃ

個人的見解ではこんな感じ
天津神>国津神>大妖(牛鬼、イクチ、九尾等)≧神降ろしの人間>妖怪≧半妖(吸血鬼・ライカンスロープ等)>人間>付喪神

だいだら法師は国津神だな
343 [―{}@{}@{}-] 名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 16:54:28 ID:JFCnsW6O
>>341
だからここバトロワスレじゃないんだって
早くこのスレ使い切ってスレタイ変えたいな
344名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 17:04:03 ID:AwiFUpIb
大妖を普通の人間が軽々倒したらえぇっ?てなるし、一応の基準ね。
345名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 19:08:24 ID:ZuoQ01fk
>>343
確かにこのスレタイは誤解を招くよな
ロワだと思って来る人もいるだろうし、逆にシェアード好きには気付かれなさそう
346名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 19:37:43 ID:icVudmEV
できるだけスピードあげて早めにスレ使い切ろうぜ
もう脊髄反射みたいなレスでもいいじゃん
347名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 19:55:40 ID:r/NEw5Vj
なんかこの流れだと書いてる途中のSSも無駄に思えてきたな…
複数の妖怪の話も出来上がっててもうあとは書くだけなんだけどさ
これ書き上げるのも投下するのも場違いな気がしてきたよ……
348名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 20:00:06 ID:icVudmEV
投下しちゃおうぜ
妖怪大戦争なんだから殺し合いしてるのもあっちこっちであるだろし
349名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 20:15:25 ID:ZuoQ01fk
>>347
とりあえずkwsk
350名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 20:41:23 ID:r/NEw5Vj
>>348
>>349
まだ全部書き上げてないんだってw
どの妖怪がどの妖怪と戦うかとかどの程度の妖怪を出すかとかはもう決まっているんだ
視点は妖怪の数だけあって(多分)大まかな話の流れは5本になってる
妖狐の類は触れないようにしてる。他の書き手が書くだろうしね
今のところ数えてみたら出る数だけで37体。書いてる最中に変動しても多分±2〜3前後
こんなところですよ。多分数日〜一週間以内に一本は書き上げられる感じですわ
351名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 20:43:13 ID:icVudmEV
多いなw
ぜひぜひがんばってくれ
352名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 21:51:14 ID:jLW+a8so
>>350
大作だなw
楽しみにしてるから頑張ってくれー
353名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 22:55:11 ID:qM3jzxTK
>>350
がんばれ
354プラズマ先生ツッキー:2008/09/26(金) 11:02:18 ID:3hHzptc2
 大月は雨に煙る街並をながめていた。シャッターが閉まった商店の前で、彼は突然の雨をやり過ごしていた。
「まったく、急な雨ですねえ。プラズマによるものかも知れませんね」
 中年の半分ほどといったこの男は、小学校の教師だった。物理が専門で、何でもプラズマで説明することで知られていた。
 気がつくと、大月の隣に、子供が一人、立っていた。
「やあ、君も雨宿りですか」
 子供好きの大月は、見知らぬ子供にも気さくに話しかけた。
「はい。どこかの狐が嫁入りするんでしょうかねえ」
 少年の言葉を聞き、大月は思わず笑った。
「狐の嫁入りというのは昔からあるいい方で、本当に狐が嫁入りするのではありませんよ」
「そうでしょうか」
「そうですとも。妖怪だの幽霊だのというものは、すべてプラズマの起こす現象なんです」
 いいながら、それにしても、いまどき変わった格好の子だなあ、と大月はいぶかしんだ。黄と黒の縞のちゃんちゃんこを着て、下駄をはいて、前髪で顔の半分を隠している。
 そのとき、水しぶきにくもる景色の向こうから、傘をさした誰かが近づいてきた。と、大月は思った。
「おーい、迎えに来たよ」
 傘をさした誰かだと思ったのは、傘そのものだった。持ち手の部分が足になって、下駄をはいて、跳ねてくる。おまけに、張られた油紙には大きな一つ目が光って、口を開けて舌を出していた。
 大月は眼鏡の奥にある目を大きく見開いた。
「おじさん、妖怪はすべてプラズマなの?」
 少年は、大月を見上げて無感情に聞いた。
「え、ええ、そうですとも。妖怪なんているはずありません。これは、めずらしいプラズマだ」
「何話してるんだい?」
 傘のお化けは、少年にたずねた。
「僕達はプラズマってもので、いるはずないんだって」
「ふーん。じゃあ、消えなくちゃ」
 少年も、傘のお化けもいなくなった。ろうそくの火を消したように、消えた。
 大月は茫然と、商店の前に立ち尽くした。そこへ、何かの行列がやってきた。よく見ると、それは二本足で歩く正装した狐たちだった。真ん中に白無垢を着た狐がいた。
「ば、馬鹿な、これはプラズマです、すべてプラズマです。妖怪なんて存在しません」
 大月はうわごとのように繰り返した。
 すると、狐たちは消えてしまった。
「じゃあ、俺も消えよう」
 どこかから声がするので見回すと、商店自体がぐねぐねと動きだした。
 すぐに、建物は消えてしまった。
「じゃあ、俺も」「じゃあ、私も」「おいらも」「消えよう」
 道も街路樹も壁も街灯も、何もかもが動き、しゃべったかと思うと、すべてが消えた。
 真っ黒な闇の中に、大月一人が取り残された。
「そ、そんな……こ、これは妖怪……」
 どれほどの時間が過ぎただろう。大月は童守小学校の前にいた。大月はあわてて、宿直室に飛び込んだ。
 宿直室では、同僚の鵺野がインスタントラーメンをすすっていた。
 鵺野はのんびりと、不思議そうな顔を大月に向けた。
「どうしました、大月先生。顔が真っ青だし、髪がずいぶん乱れてますよ。さては、狐にでも化かされましたか」
 気楽に笑う鵺野に、大月はやっとのことで答えた。
「とても、とても恐ろしい……プラズマでした」
355名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/26(金) 11:07:58 ID:3hHzptc2
書いてみた。戦争っぽくない上にありがちでゴメン。鬼太郎が幻を見せたって感じ。
大月良彦@地獄先生ぬーべー
鬼太郎@ゲゲゲの鬼太郎
かさ化け@ゲゲゲの鬼太郎
鵺野鳴介@地獄先生ぬーべー

いきなり有名どころ使ってスマンね。続きは特にないので気にしませんでください。
356名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/26(金) 11:34:06 ID:69f84Jc4
投下乙!
大月先生が出てくるとは予想外だ、いいキャラだよなw

ちなみに不思議な話や怖い話も大歓迎だよ、別に戦争に拘る必要もないと思うし
357名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/26(金) 11:43:01 ID:QofNDtTq
真女神転生ifの改造教師だとオモタ
358名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/26(金) 20:10:01 ID:QSDEX6ub
大月対オオツキ……、勝てそうにないが大月先生を応援してしまうな
359名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/26(金) 21:31:38 ID:3hHzptc2
どっちもモデルが同じ人なんだな。夢の対決ってあるよな、猫娘対かがりとか邪見対朱の盆とか。

思ったけど、書いた人がまとめてその中で完結させる話と、
伏線はって広げて、設定を部分的にでも使える人は使ってください、ていう話と、今だったらどっち投下してもよさそうだね。
360名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/26(金) 22:18:14 ID:Y0MEk+xS
 夕食の食器を片付けながら、昇はテレビの前で転がっている化け狐を見た。
 耳を後足でカリカリ掻いて、くあっ、と欠伸をひとつ。フカフカの尻尾がめんどくさそ
うに揺れている。
 すっげー暇そう。
 そう思った昇は、畳にへばり付いている大狐に話しかけた。
「クーもなんか家事くらいしろよ」
「ヤダ」
 否定の返事とともに、尻尾がバサリ。
「だって暇そうじゃん。このままだと天狐空幻からニート空幻に格下げだぞ」
「な、なんだと?」
 もそっ、と毛束を鳴しながら首をあげるクー。
「クーって昔は人間に恐れられるくらいの妖怪だったんだろ?昔からそんなに暇そうに寝
てたの?」
 昇は食台を布巾で磨きながら聞いた。
「あ、僕も聞きたいなぁ」と、テレビに見入っていた透も会話に参加。
「俺だって昔は色々やってたさ。旅したりな」
 畳から起き上がったクーは“お座り”の姿勢をとり、昇の方を向いて喋り出す。
「旅?」
「そうだ。俺のような奴等を訪ね歩いた」
「俺のような奴等…っていうと、拝さんとか大五郎みたいな?」と透。
「あんなショボい奴等ではない。“白面の者”、“ヨイツの賢狼”、“川平の犬神”、
“造形師のいちか”、“猫又の又宗”、他にも色々…皆、伊達に年くってない食わせ物ば
っかりだ」
「わ、なんかスゴそう」透は興味を引かれたらしい。
「ふーん」
 昇は、なんかうさん臭いな、と言う表情で聞いている。
 クーはすぐに昇に食ってかかった。
「…昇、お前疑ってるだろ」
「いやー、だってさぁ。川平の犬神とか不良のあだなみたいじゃん」
 クーはあからさまに不機嫌そうに顔をしかめた。狐の表情は分かりにくい。
「透、こっちゃこい。お前の兄貴は頭が固くて話にならん。お前だけに昔話してやろう」
「ほんと?やった」
 透とクーは昇に背を向けてボソボソやりだした。
 ──べ、別に聞きたくないっての。
 ちょっとだけ気になる昇であった。
361名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/26(金) 22:34:05 ID:Y0MEk+xS
我が家のお稲荷様:クー昇透
うしおととら:白面の者
狼と香辛料:ホロ
いぬかみっ!:ようこ
あそびにいくヨ:いちか
シャーマンキング:又宗
妖怪っていうか獣萌えだな
続かないよ
362名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/26(金) 23:05:10 ID:EeIaPWS0
投下乙!
ニート空幻に吹いたwww
363名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 07:44:44 ID:H8pSy4vp
乙です
マタムネがいたか あれは猫系最強かもしれんね
364名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 08:55:22 ID:8+dSiuFh
書いてみた、が。こいつはありかな?妖怪と言うより悪魔だし。
駄目だったら没にする
365魔人転生:2008/09/27(土) 08:57:53 ID:8+dSiuFh
静まり返ったビル街に彼は一人立っていた。
全ての人間が消滅し、悪魔の蔓延る世界を作り上げた現象、東京受胎。
その折にある者の手によって人から悪魔へと生まれ変わり、悪魔の住む魔都と化した東京を駆け抜けて来た彼の名は人修羅。
彼は今驚愕していた。その理由は目の前にいる一人の少年。
ボルテクスにいた人間は、既に死んでしまった東京受胎の張本人であり、また自分達の教師であった女性、そして自らの手で殺害した東京受胎の張本人の片割れや友人達だけであった。
マネカタという擬人もいたが、服装から何から目の前の少年はそのマネカタとも違う。
そしてもう一つ驚いたのはこの街並み。
悪魔となった彼が幾多の戦いの末、ボルテクスの源である無尽光カグヅチを破壊した事により、世界は完全に消滅した。
そのカグヅチを滅ぼした直後にこの場所に現れた人修羅の手には、今だにカグヅチを破壊する為に打ち込んだ一撃の感触が残っている。
世界は消滅した。なのにこの町は存在する夕焼けに染まったこの町は。
(――夕、焼け……?)
そこで人修羅は気付いた。この町には、いや、この世界には夕焼けが存在している。
ボルテクス界は無尽光カグヅチの光により、常に昼のように明るい。夕焼けなど存在しようもない。
だがここには夕焼けが存在するのだ、まるで東京受胎が起こる前の世界の様に。
(僕は、帰ってきたのか……? 悪魔の体で……)
突然の事態で混乱する人修羅、だが、彼に思考する時間は与えられなかった。
「ヒヒヒ!追い詰めたぁ〜!」
夕闇に響く笑い声を聞き、先程まで呆然としていた少年が弾かれるように後ろを見た。
闇の中から姿を現した物は尻尾が2つに割れた巨大な猫。
(ネコマタ……の親類?)
尻尾が2つに割れた化け猫を見て、自分の仲間であったネコマタを連想した人修羅はついついそんな事を考えてしまう。もっとも二股の尻尾と猫の妖怪という共通点があるだけで、他は似ても似つかないのだが。
「見慣れぬ妖怪もいるようだが……、おい貴様!そこの餓鬼はこの化け猫様の物だ、とっとと失せな!」
喧嘩を売ってくる化け猫を無視して人修羅は少年へと視線を向けた。
短髪の少年は壁を背に立ち、鉄パイプを構えながらこちらと化け猫を睨んでいる。
この状況でもその目が自棄を起こした者のそれではなく、諦めていない者のそれである事に人修羅は少々驚かされた。膝は震え、冷や汗を垂らしているのに、この少年は生きる為に立ち上がったのだ。
果たして自分が彼らの年代の時、こんな真似ができただろうかと人修羅は考え、やめた。
悪魔となって世界を滅ぼし、人としての自分と決別した悪魔が今更人間だった頃の事を思い出して何になるだろうか、人修羅は自嘲する。
そして彼が一歩前へと踏み出すと、それと同時に少年が人修羅へと鉄パイプを向けた。
「来るなら来い!この広様がお前らの思い通りになるなんて思ったら大間違いだからな、妖怪!」
広と名乗った少年の鬼気迫るその表情に対し、人修羅の浮かべた表情は笑顔。
「大丈夫、君を襲ったりはしない」
「え……?」
予想外の返事に一瞬呆然とした広の横を人修羅は通り抜け、化け猫と相対した。
366魔人転生:2008/09/27(土) 08:59:03 ID:8+dSiuFh
「貴様ぁ、何のつもりだ〜?。妖怪だというのに貴様は人間風情の味方になるというのか〜!?」
怒りに顔を歪ませて吠える化け猫。
対する人修羅の顔に既に笑顔は無い、能面のように無表情になり、無感情な酷く冷たい目で化け猫を見据える。知っている者が見ればわかっただろう。その表情は完全に敵対した者にのみ見せる表情。
その手で命を奪った友人達やカグヅチの前でも彼は同じ表情を浮かべていた。
「妖怪とか人間とかそんな枠組みに興味は無いさ。君と彼なら彼の方が僕は興味を惹かれた。だから――」
人修羅が両の手を堅く握って拳を作り、ファイティングポーズをとる。
「君はこの場にいらない」恐ろしく底冷えのする声が響いた。
「小僧が……舐めるなぁ〜!」
怒気を伴った言葉を吐くと同時に化け猫は鋭い爪を剥き出しにして飛びかかる。
対する人修羅は身体中から額へと力を集め、破邪の光弾を放つ。
……事ができなかった。
「っ!?」
予想外の自体に反応が遅れた人修羅の左肩を鋭い爪が抉る。
肩を押さえる人修羅を尻目に化け猫はニタァと歪な笑みを浮かべながら爪についた血を舐めた。
「カカカ!口だけか〜?小僧!」
哄笑しながら化け猫が再度飛びかかる。人修羅はそれをなんなくかわす。
地を蹴りながら反転した化け猫が爪で水平に薙ぐのを人修羅が屈んで避け、ヒョウッと風切り音が鳴った。
チッという舌打ちと共に化け猫は二度三度と攻撃を加えるがそれは悉くかわされる。
対する人修羅も回避するだけでいっぱいいっぱいなのか回避に成功した後はまともに動けない。
そして何度目かの攻防、化け猫の攻撃をバックステップでかわした人修羅に、ついに化け猫の怒りが爆発した。
「逃げてるだけの腰抜けが〜!少しは向かってきたらどうだ!」
怒り任せに吠える化け猫に対し、無表情を崩さずに人修羅は化け猫を見据え、構えをとった。
「そうだな、これではっきりする」
静かに息を吐きながら、人修羅はゆっくりと左腕を引く。
人修羅の気配が変わった。だが、化け猫はそれに気付かない。彼にとって目の前の男は逃げるだけの腰抜けなのだから。
「何を訳のわからぬ事を……、シャアアアアアアッッッ!!!」
「ジャッ!」
雄叫びと掛け声、お互いの体が重なる。
顔を朱に染めた人修羅、そして胸を拳に貫かれ、飛びかかる姿勢のまま絶命した化け猫。
驚異的な瞬発力で化け猫の懐に潜り込む様に突撃し、突撃の勢いを全て拳に乗せた人修羅の一撃は、狙い過たず化け猫の胸部を貫いたのだった。
腕を引き抜き、倒れ伏す化け猫を尻目に返り血で朱に染まった自分の顔を拭いながら、人修羅は思考にふける。
(マロガレ以外のスキルが使えなくなっている……。というかマロガレ以外のマガタマが無くなっている?)
マガタマ、人修羅が悪魔となった原因であり、人修羅の力の源。
破邪の光弾が出せなかった後、人修羅は化け猫に対し数々の技を試した。そう、人修羅は避ける事でいっぱいいっぱいになったから『動けなかった』のでなく、技を試していたから『動かなかった』のだ。
暴風で相手を切り刻む竜巻、体内から高圧電流を放つ放電、全てを焼き尽くす業火マグマ・アクシス、対象を完全に氷結させる絶対零度、地震と地割れを起こし全てを飲み込む地母の晩餐、そのどれもが発動しない。
試しにファイアブレスやアイスブレスなど上記に比べると些か劣る性能の技も試してみたが発動はしなかった。最後に発動した突撃のスキル以外は。
瞬間的に瞬発力を上げ、その勢いを利用した一撃を打ち込むスキル、突撃。それは彼が最初に手に入れた――正確にはある人物に埋め込まれ、彼を悪魔にした原因である――マガタマ、マロガレによって会得した物だった。
戦いが終わった直後人修羅は自らのマガタマを探ってみる。案の定無くなっていた、マロガレを除く全てのマガタマが。
ボルテクスには存在しなかった妖怪という種族の悪魔、受胎が起こる前の様な世界と人間の子供達、無くなったマガタマ、そして何故自分がここにいるのか。全てが人修羅の理解を越えていた。
367魔人転生:2008/09/27(土) 09:01:25 ID:8+dSiuFh
(異常な事態にはもう慣れたと思ったんだけど、これは反則だ)
内心溜め息をつきながら、異常としか言えない事態を生き抜いて来た人修羅は苦笑を浮かべた。
「あ、あんた……、何で俺の事を助けてくれたんだ?」
思考していた人修羅に広が声をかける。助けられた事は事実であっても、先程の冷え切った声や血生臭い光景のせいか、その顔には緊張の色が見える。
「さっきも言っただろ、君に興味を持ったんだ。……それと、急にここに飛ばされて僕も何が何だかわからなくてね、君の方があれより意志の疎通がしやすそうに見えたってのもある。小学生にしてはヤケに腰が据わってたしね」
微笑を浮かべて答える人修羅を見て広は果たして目の前の妖怪が信用できるのか考える。
広は克也、まこと、郷子、美樹達ぬ〜べ〜クラスの友人達と共に突然先程の化け猫に襲われた。
彼らの教師であるぬ〜べ〜こと鵺野鳴介を呼ぶ為に広が囮を買ってでたのだ。
そうして広がぬ〜べ〜が来るまで時間稼ぎに逃げ回っている最中、突如彼らの目の前で空間が歪んだ。
異次元の住人にさらわれかけた経験のある広は危険な物を感じ身構えると、その歪みは人のような姿へと変化していき、一際激しい光と共に、現在広の目の前にいる人修羅が現れたのであった。
そして今、化け猫の仲間、ないしは悪い妖怪だと思っていた人修羅に助けられた広は彼を信用するかどうか悩んでいた。
(悪い妖怪……ではなさそうだよな、助けてくれたし)
暫く黙考していた広であったが、元々広は難しく考えるのが苦手な質である。
何より、理由はどうあれ自分を助けてくれたという事実が大きかった。
(あー!難しく考えるのは苦手だ!助けてくれたのは本当だ、それに困ってるみたいだし、とりあえずぬ〜べ〜に紹介しとくか)
「……そうか、俺の名前は立野広。さっきは助けてくれてありがとうな」
そう言って笑顔で右手を出す広に人修羅は右手を出し、笑顔で応える。
「……僕は魔人『人修羅』コンゴトモヨロシク」
広から向けられた純粋な感謝に、人修羅は心が安らぐのを感じた。
人に感謝されたのはどれくらい前だったろうか。あの世界では意見を違えた事もあり終ぞされる事はなかった。
「人修羅か、よろしくな人修羅。とりあえず俺の先生達のところに行こうぜ、ぬ〜べ〜なら何か事情がわかるかも知れないしさ。多分今頃、郷子達と一緒に俺の事探してるさ」
「先生、か。ああ、わかった」
一瞬、頭に浮かんだ自分にやる事を押し付けて逝った恩師の姿を頭の隅に追いやりながら人修羅は頷いた。
(滅んだ筈の世界、無くなったマガタマ。これもあなたの遊びなのか? それとも……)
思い描くはあの世界に住まう金髪の男。神へと反逆し続ける悪魔としての自分の生みの親。
混沌としたこの世界に迷い込んだ、一度世界を滅ぼした悪魔はこの先どう動くのか。
それは恐らく十二の翼を持つ魔界の王で全知全能の四文字の神でもわからない事だろう。
滅びる世界に飲み込まれた少年は魔王と邂逅する前に魔都へと転生を遂げた。
368名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 09:04:13 ID:8+dSiuFh
版権キャラ紹介

人修羅@真女神転生V―NOCTURN―マニアクス
立野広@地獄先生ぬ〜べ〜

通ったら時系列的には>>354の後になるのかな?
369名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 11:15:06 ID:H8pSy4vp
乙〜
今は広めに認めてもいいんじゃないかな と俺は思う
いろんなことが同じ世界で起きていると思うと楽しいなw
しかしボルテクス界は俺にはちょっと難解なんだぜ
370名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 12:03:47 ID:8+dSiuFh
>>369そう言ってくれると助かる

ついでに簡単なボルテクス界説明
世界が一度滅んだ後に新しい世界を創世する為に出来た世界。
太陽みたいな役割カグヅチを中心に所々荒野になった東京のみが存在し、カグヅチの破壊=ボルテクスはの崩壊。常にカグヅチが輝いているので夜が存在しない。
人は全て肉体が消滅して思念体になり、その変わりに悪魔が蔓延っている。

ボルテクスの悪魔は来てても流石にこの話の舞台とボルテクスは融合してないとは思う。ダンジョンの1つや2つ気てるかもしれんけど

あと化け猫の出展忘れてたけどウィキペ出展です
371名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 13:25:10 ID:U+aJcvaz
すごい世界観だな…
さすがにそのまま融合するのは難しいだろうけど、ちょっと興味深いw
ゲームだっけ?
372名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 13:33:13 ID:tW4PCm7n
日本創世神話の神イザナミを焼き殺したヒノカグツチですな
373名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 13:41:53 ID:a6KhspK7
火の化身を産み落とした母体もどうかと思うが…
母殺しに怒ってイザナギにすぐ殺されちゃう可愛そうな子
374名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 13:58:54 ID:8+dSiuFh
>>371
そう。PS2のゲーム
世界観とか詳しくわかるマニアクスの方は再販されてないけど、近々葛葉ライドウの新作と一緒にマニアクスのゲストキャラのダンテ(デビルメイクライ)がライドウに代わった版がついてくるとか。
面白いけど序盤から雑魚キャラですら本気で殺しに来る仕様。
375恐怖の向日葵畑:2008/09/27(土) 14:18:11 ID:fk5A/3vV
とある山奥にある向日葵畑に数人の男達が無遠慮にズカズカと踏み込んでいる。
彼らは値踏みをするようにその“土地”を眺めていた。
「いや〜話に聞いていたよりも広いですな」
「うむ、この花を全部撤去すればかなりの施設を作るスペースができそうだ」
話しているのは高そうなスーツを着ている初老の男と胡散臭そうなローブを着ているねずみ顔の男。
ねずみ顔の男はスーツの男に媚を売っているのかしきりに愛想笑いを浮かべている。
「それにしても社長も悪ですねぇ」
「む、何がだね?」
「ボケた老人を騙してこの土地の権利を奪った事ですよ」
「ははは、それを進言してお膳立てをしてくれたのは君ではないか」
二人は顔を見合わせて邪悪に笑い合う。
彼らは老人を騙した事にこれっぽっちも罪悪感を感じていない様であった。

しばらく二人は雑談を続けていたが、
「コラッ!待て!」
不意に聞こえてきた怒声に気づき、声の方へと向かった。
「どうした?何があった?」
「あ、社長!このガキが無断で入り込んでいまして…」
「離して!離してよう!」
見ると男に腕を捕まれている女の子が男の腕を振りほどこうと必死に暴れていた。
「関係者以外立ち入り禁止にしたはずだが…困った子供だな」
「あっ!」
女の子は高そうなスーツの男に気づくと暴れるのを止め、男を必死に睨みつける。
376恐怖の向日葵畑:2008/09/27(土) 14:20:08 ID:fk5A/3vV
「返して!」
「ん?」
「あんた達がおばあちゃんから騙して取ったこの花畑を返して!」
男はそれを聞いて肩をすくめる。
「やれやれ…人聞きの悪い事は言うものじゃないよ、お嬢さん」
「あたし知っているんだから!あんた達が悪い人だって!
 それにおばあちゃんが大好きな花畑を人にあげるわけないもん!」
「ふう…誰かこのお嬢さんを外に連れて行け」
対応に疲れた顔で男は部下に命令する。
「やだぁ!離してっば!離して!!」
「まったく、近頃のガキは礼儀というモノを知らないですな」
「親の顔が見てみたいものだよ」
男達はタバコを取り出して一服し始めた。

「あれ?」
土地の広さを測定していた作業員の一人が異変に気がつく。
「どうした?」
「いや、向日葵がこっちを見ているような気がしてな…」
「そんな馬鹿なことがあるわけ…っ!!」
作業員達は気づいた…。
よく見ると向日葵の花がこっちを向いている。
そう、そこに存在する“全ての”向日葵が――

「しゃ、社長〜!!」
「今度はなんだね!?」
イラついて声を荒らげる男に恐縮しながら男の部下は異変を伝えた。
「ひ、向日葵が…」
「向日葵ぃ?」
「うおっ?なんだこりゃ!?」
周りを見て、彼らもようやく異変に気づく。
「気味が悪いなこれは…」
どの向日葵も例外なく男達の方へ花を向けている。
その様子は侵入してきた異物を見張るかのよう。
「…ひっ!?」
そして次の瞬間、新たな異変が男達を襲う―
377恐怖の向日葵畑:2008/09/27(土) 14:21:46 ID:fk5A/3vV

向日葵の茎が一斉に長く触手のようになり、男達に襲いかかってきたのだ!
「わ、わあああああ!化け物だぁ!!」
伸びた触手に捕まった男が無造作に投げ捨てられる!
触手一本で体重が90s前後の男が簡単に持ち上げられて投げ捨てられたのだ。
これに更なる恐怖を覚えた男達は我先にと逃げ出し始める。
静かな山奥にある向日葵畑はたちまち阿鼻叫喚に支配された。
「コラ!お前ら逃げるんじゃない!!
 ねずみ男君!これはどういう事なんだ?
 ねずみ男君!?」
初老の男が呼んだ胡散臭そうなローブを着ていた男、ねずみ男は既にこの場にいなかった。
彼は異変を察知した途端に逃げ出していたのだ。
「やべぇやべぇ、まさかあんな所にやばそうな妖怪がいるとは…
 下調べした時には何も無かったんだがなぁ
 まぁ社長サンには悪いが俺が逃げる時間稼ぎになってくれよ〜」
そう言うと彼はさらに逃げ足のスピードを上げるのだった…。

女の子は呆然とその惨状を見つめていた。
既に彼女を連れて行こうとした男はこの場にいない。
人間が植物に持ち上げられ、潰され、投げられた。
異常な光景に目を奪われて彼女は動けない。
と、彼女の横に―
「こんな綺麗な花畑を無くそうとするなんて人間は馬鹿よね〜」
一人の女性がいつの間にか立っていた。
赤いチェック柄の服を着た、日傘をさした女性だ。
「それに、私の昼寝の邪魔をした罪は大きいわよ」
「あっ…」
女の子は女性を視界に入れて気づいてしまう―
彼女がこの騒動を引き起こしている元凶だということに―
そして、彼女が“人間では無い”ことに―
「ところで―」
女性は女の子に顔を向ける。
向日葵のような明るい笑顔、同時に見るモノを圧倒する妖しいエガオ。

「お 花 は 好 き か し ら ?」
378名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 14:41:55 ID:fk5A/3vV
登場キャラは
ねずみ男:ゲゲゲの鬼太郎
風見 幽香:東方Project

パソコンの調子が悪くて一回強制終了してましたorz
幽香が好きすぎて困る
徒歩二分の『幽香VS紫』とみょふ〜会の『だからさぁ、タイトル長くしても〜で省略されるからさぁ』は個人的に神
379名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 14:51:36 ID:U+aJcvaz
徒歩二分なら紅魔郷かなあ
「妖怪」と「人間」がもう嫌ってくらい濃厚な筆致で描かれてて好き
380名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 15:03:31 ID:qveFba3k
来た!向日葵妖怪来た!これで勝つる!
能力は地味だけど何気に設定上は東方最強クラスの妖怪なんだよね幽香りん

そういえばこの異変、ねずみ男にとっては格好のビジネスチャンスである
ヤバい妖怪もうようよしてるとはいえ、頭使えば派手に荒稼ぎできそうだw
381名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 15:18:46 ID:8+dSiuFh
女の子がどうなったのか凄く気になる。

ねずみはどこ行ってもねずみで安心したw
382名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 15:34:39 ID:U+aJcvaz
確かにねずみ男はある意味で大活躍できそうだ。
毎回最後は逃げるんだろうけどw
383名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 22:16:31 ID:H8pSy4vp
ねずみ男はホントいいキャラだよな。俺もねずみ男からめた話をなんか考えてみよう。
384名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 23:45:39 ID:xVAaXSnU
TVじゃアレだけど映画版のねずみ男のかっこよさは異常
ジャイアンもびっくりな男前のねずみが見られるw
385名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 23:48:00 ID:EUAJCLpA
きれいなねずみ男か
386名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 23:53:32 ID:8+dSiuFh
四期のむじな(折り畳み入道)のラストとかでも見れたりするけどね、きれいなねずみ。
個人的には三期のVSチンポ軍団のねずみが格好良かった。中盤操られてたけど
387名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 02:17:34 ID:fsZhxtGl
なるほどー
ところでこのスレってまとめサイトとかwikiとかそういうのあったっけ
388名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 03:14:12 ID:7hHnv1D9
個人的なベストねずみ男は4期のオンモラキの時のだな
綺麗とかとはちょっと違うけど、なんかこう、いいんだ
…そうか、ここだとあのねずみ男の嫁になった女の子とか出そうと思えば出せるのか
389名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 07:42:36 ID:swePZUvm
>>387
>>2から読め っていってもきついか
二次創作ありシェアードワールド妖怪戦争SSスレになりました
390名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 08:50:52 ID:fsZhxtGl
それはわかってるw
391名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 09:42:02 ID:swePZUvm
そうか ごめん
392奔る火炎車:2008/09/28(日) 12:07:09 ID:EIxM8Qhj
 いいじゃないちょっとぐらいさ
 やだーやめてよもー
 ほらそんなこといってさほんとうはすきなんじゃないの
 やめってってもー

 バックミラーに写る後部座席の乳繰り合いを見ながら、タクシーの運転手が小さく溜め息を吐いた。
 お前ら前に俺がいるのに恥ずかしくないのかよ、などと心中で愚痴りながらも、
折角の『客』に降りられるのもいやだからと注意もしないまま、車を黙々と走らせる。
 時刻はすでに深夜に差し掛かる頃。すれ違う車もまばらで、路上はわずかに街灯に照らされるのみ。
 車は市街から郊外へ向かって、段々と暗闇を増す路を走行する。

 しばらくすると、道路の向こうにトンネルが見えてきた。後ろも静かになってきたことだし、
ひとつここは驚かしてやるか、と運転手は話をはじめた。

「お客さん、このトンネルね、今の時間、出るんですよ」
「出る?」
「はい、幽霊の乗った車だとか」
「えー、どんなの?」
「なんでもね、車体は紫色というか、紫の靄に包まれてるとか言う話でね、追い抜こうとしても、
 絶対に追い抜けない。それどころか、追い抜いた車の行方は杳として知れないとか」
「えー、怖い」
「その車は死出の案内で、だから追い付いてしまった車は必ず事故にあって、
 あの世に送られてしまうんだとか。だからその車を見かけても、絶対に追いかけたらダメだって、
 専らの噂なんですよ」
「やだー、出たらどうしよう」
「心配すんなって、今時お化けなんて出るかよ」

「それがね、お客さん、今時でも出るんですよね」
「ん?」
「このタクシー、紫でしょ?」
「そうだけど……」
「おかしいと思いません? うちの県のタクシー業者に、紫のなんてないんですよ。一台も」
「……おい、まさか」
「もしかしてお化けっていったら、こ〜んな顔をしてるんじゃ『運転手さん、前! 前!』」
393奔る火炎車:2008/09/28(日) 12:09:35 ID:EIxM8Qhj
 振り向こうとした運転手の顔を男が押し、無理やり前を向かせた。
 畜生、いいところだったのに、と思ったところで前方に視線を向けた運転手が見たのは、紫色の異様なオーラを纏った車。
 見ただけでもわかるその妖気に、運転手はたじろぐ。
 しかし、後部座席の男はあろうことか、「運転手さん、追い抜いて!」などと言ってきた。

「ちょ、待ってくださいよ、お客さん。あれ絶対ヤバいですって」
「いいからさぁ、追い抜いてみてって。どうせ妖怪なんかいないっこないんだし」
「やめとこーよー、何かホントにあったら怖いって」
「大丈夫だって。ホラ、運転手さん。お代弾むから、さ」
「……どうなっても知りませんから」

 一目みただけでヤバいとはわかるが、しかし地獄も現世も沙汰は金次第。
 よもや死ぬほどのことはあるまい、と運転手はアクセルを踏み込んだ。タクシーがスピードを上げると、
それに合わせるかのように向こうも速度を増す。後窓を開け風を浴びながら、速度もっと上げて、と
キャーキャー騒ぐカップルを他所に、どうもこいつは本気で危ないと、運転手の中の第六感が告げはじめた。
 しかしそれも、頬を叩く諭吉の感覚に塗り潰される。繰り返すが、現世の沙汰は金次第である。

 そして一層速度を増したタクシーが、紫色の車の後ろに着いた。
 次の瞬間。
 紫の靄が車体から溢れ出し、タクシーを包み込み、停車させた。

「痛ててて……お客さん、大丈夫ですか」
 振り向くと、二人とも無事なようだった。しかし、窓が開いていた側、すなわち男は、顔に靄がもろに
当たったのか、水分が雫となって滴り落ちる。
「だからやめようって言ったのにー、もー」
 カップルの女の方が怒った様子で、男の顔を見た。男の方はと言うと、笑いながらそれに答えた。
 雫は、一層男の顔に大きく膨れ上がっていく。

「あーごめんごめん。運転手さんもすみ、ま」
 眼前で、男の顔の雫はだらだらと流れ落ち。
「せ、ん」
 光が男を包んだかと思うと、男の体液の全てが吸い上げられ。
「あ、」
 ミイラと化した。

394奔る火炎車:2008/09/28(日) 12:11:23 ID:EIxM8Qhj
「え……、え?」
 女が、わけもわからないかのように顔を左右させた。
 運転手の方はと言うと、これはやばいことにかかわった、と顔面を蒼白にした。
「お客さん、お、落ち着いて」
「い、いや、きゃああああああああああああ、あ゙あ゙っ!!」
 女性が振り向いた運転手に悲鳴を上げ終わらないうちに、がん!と凄まじい衝撃が車体を襲った。
 見れば車体は凄まじいスピードで再び走り出している。最も動力は己のものではなく、車体後部を
抱え込んだ『もの』がタクシーそのものを強大な馬力で押しているのだ。
 より速くその『もの』の底部付近にある、無数の回転する刃で、車ごと搭乗者を削り潰し喰らうために。

「きゃあああああああああああ!!」
「ひっ、た、たすけてくれええええええええ!!」

 赤く輝く鋼の巨体。左右に二重ずつの車輪が大地を走行し、両手には巨大な回転のこぎりが唸りを上げる。
腰部には車を削り潰すために幾重にも連なる牙―カッター―があり、巨大な頭部の先端には、
獰猛狡猾な緑の眼が爛々と輝く。

 機械仕掛けの妖魔が、歓喜の咆哮を上げた。

 すでにトランク部分は削り切られ、後部座席も削られんばかりである。
 このまま、後部座席の女性は挽肉にされ、俺もそうなるのか。

 運転手が後方に迫る刃から、前方にふと視線を移すと、暗闇の中に、一筋の紫電が煌めいた。
 それが何なのかを見定める間も無く、雷光の中から飛び出したものはタクシーのボンネットに飛び乗る。

「な、え?」
「スンマセン、危ないけど我慢してください!」

 飛び乗ったものは運転手の返事も聞かないまま、手に持ったギターの如き形態の剣で、
タクシーの上部を切り裂き、そこに手を差し入れると、力ずくで天井を引き剥がす。
 そいつは剣を背負うと、唖然とする運転手と、悲鳴を上げ続ける女性を手で掴み上げた。
 そうして飛び退こうとしたそのまさしく面前に、緑色の妖しい炎二つがぐい、と近付いた。

『何だァ! 貴様はァア!!』

 車の出す轟音にも負けない音声が、突然の闖入者に叩き付けられる。
 すう、と息を吸い込むと、一方の乱入者もそれに負けないくらいの大声で答えた。

『鬼だ!』
395奔る火炎車:2008/09/28(日) 12:13:43 ID:EIxM8Qhj
『フン、何者だろうと構わン! 死ねえ!!』
 鋼鉄の魍魎が振り下ろした右腕、そこに取り付けられた回転するのこぎりが、車体を真っ二つに引き裂く。
 されどほんの瞬き一つ早く、二人の人間を抱えたまま、鬼と名乗った者は、近付いていたトンネルの出口付近まで飛び退いていた。
 ――その『鬼』の体は緑色、顔には目鼻口無く代わりに銀の縁取り、屈強そのものの肉体にはたすきのように弦をかけ、
腰には帯、そしてその帯の前中央には、また弦――音撃震・雷轟――が嵌め込まれていた。
 鬼は二人を路上の端に下ろし、呆然とする二人から離れ、背負ったギター状の形態をした剣――音撃弦・烈雷――を手に持つと、
道路の真ん中でそれを逆手に構え、煙に包まれた暗闇に相対した。

 瞬、と煙の中から無数の銀色の閃きが鬼へと飛びかかった。
 甲高い音を上げながら、鬼の振り回す烈雷に、飛翔してきたそれ、回転する円い刃が砕かれていく。

『そこだァア!!』

 煙を引き裂きながら、現れた真紅の機体。だがひらり、と鬼はその振り下ろされた刃をかわすと、その背後へと取り付いた。

『ええい、離れんか貴様ァ!!』
「五月蠅い魔化魍、これで終わりだ!」
『なァにィ、い!?』

 ぐさり、と鋼鉄の装甲を引き裂いて、刃が付き入れられた。鬼は雷轟をベルトから外すと、烈雷の剣身の中央に嵌め込む。
刃の先端が三つに分かれ、赤く輝く鬼石が露わとなる。
 鬼がその刃をぐい、と力を入れて更に差し込むと、鉄車の魔がはじめて悲鳴を上げた。

『ぐォオオ!!』

「――――音撃斬、雷電激震!!」

 烈雷の弦が猛烈に掻き鳴らされるとともに、『清めの音』が衝撃となって機械の妖怪の体を突き抜けてゆく。

『ぐぎゃああああァアア!!?』

全身を灼く痛みと、雷の如き痺れに鋼鉄の妖魔はいよいよその体を振り乱し、大暴れして、鬼を振り落とそうとする。
負けじと鬼も踏ん張って、一層弦を掻き鳴らす。
 だが刹那、機械仕掛けの妖怪はその腕で鬼を掴み上げると、そのまま鬼を放り捨てた。

『がぁああああああ!!!』
「うぉッ!?」

 鬼は手に烈雷を持ったまま、路上に激しく叩きつけられる。しかし鋼の妖怪も最早それ以上戦う意志も力も無いのか、
トドメも刺さずにその場から去っていった。
 捨て台詞を一つと、緑の火が燃え続ける四筋のわだちを残して。

『鬼、言っておくがオレは魔化魍とやらではない。――――御座衆が輪入道だ!!』
396奔る火炎車:2008/09/28(日) 12:14:57 ID:EIxM8Qhj
「大丈夫ですか」
「あ、ああ」

 とは言っても、運転手は目の前で繰り広げられた出来事に頭がついていけず、すでにブッ倒れそうになっていた。
女の方はすでに気絶しているくらいである。それを見て苦笑すると、運転手は改めて鬼を見た。

「あんた、一体何なんだ?」
「あ、俺ですか? 轟く鬼と書いて、轟鬼っス!」
「えと、鬼なの?」
「鬼ですけど、それが何か?」

 鬼、か。この世からそんな者たちはすっかり消え失せた筈なんだけどなぁ、と運転手は首をかしげた。
しかし臆面も無く鬼を名乗るとは。こっちは陰に暗闇にと隠れて生きてる身分なのに。

「どうしました、どこか怪我でもしてます?」
「いや、ねぇ」

 俯いた運転手を、轟鬼と名乗った鬼が心配したかのように覗き込んできた。
 運転手はしばらくして、蒼白を通り越して真っ白になった顔を上げる。

「俺さ、実はのっぺらぼうだって言ったらさ、アンタ信じる?」
「そんなもんいるわけないっスよ」
「だよねエ」
397名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 12:17:01 ID:EIxM8Qhj
キャラ紹介
輪入道:鴉-KARAS-
仮面ライダー轟鬼:仮面ライダー響鬼

オチが弱いですが簡便してくだせえ。
タクの運ちゃんはオリです。
加藤VS京極堂がホントは書きたかったんですが、思いつかなかったのでこんな感じで。
響鬼はともかくKARASはマイナー……かな?
398名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 12:23:38 ID:fsZhxtGl
投下乙!
仮面ライダー響鬼とはなんという意外さ
そして、のっぺらぼうのタクシーの運ちゃんに萌え
399名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 12:44:47 ID:BNcpxfVZ
玩具一番人鬼来た!
和太鼓・トランペット・ギターのカオスセッションに期待w
400名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 13:28:41 ID:W6rnMH9p
ざ、斬鬼さんを書きたくなっちまったじゃねえか…
運ちゃんはまたどっかでちょっとゲスト出演させても面白そうだねw
401名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 13:45:53 ID:9EP9H+Lx
>>397
投下乙!そして出てきた妖怪が今書き上げて推敲してるのに出てくるSSに出てくる妖怪と
見事に被って超涙目!!しかも二体orz

……さて、ちょっくら山でも走ってくるか………
402名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 13:47:01 ID:fsZhxtGl
同じ名前の違う妖怪ってことでいいじゃん
403名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 13:48:32 ID:W6rnMH9p
すごい偶然w
いや笑ったら悪いのかもしれないけど。
404名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 13:50:22 ID:9EP9H+Lx
やっべ…パニクって日本語になってねぇ……
正しくは『出てきた妖怪が書き上げたSSに出てくる妖怪と被ってる』だったorz
もうええ…もうええんや俺……
405名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 13:53:35 ID:5MjReGAi
別に同じ名前の妖怪が出会うような話でもおkって言われてたじゃん
そこまでなるのも運命
さぁさぁ投下するんだ!
406名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 14:15:55 ID:swePZUvm
>>404
輪入道のこと言ってるんだったら片車輪、片輪車という呼び方もあるが
というか同名別固体でいいと思うよ
407名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 14:35:27 ID:1Fzlf26K
「この妖怪はこういう形だ」という固定概念で形作るから
妖怪を退けて退治することは出来ても完全には殺せましぇん

つまり死んだ奴が間を置いて、また出てきても全然問題なし
封印されたら別
408名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 14:52:38 ID:UGSdU031
伝承妖怪なら同族がいてもおかしくないしね
出典がKARASじゃないならなおのこと問題ない、YOU行っちゃいなYO
409名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 14:54:18 ID:W6rnMH9p
じ、じゃあ俺のがしゃどくろも!
喰われましたけどw
410名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 14:59:36 ID:uruLKb0D
骨が近くにある限り無敵だぜ、狂骨
411名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 15:02:43 ID:oygp74Q9
悪霊が骨に憑依>狂骨誕生>犬に本体食われる>魂魄が本体から抜け出す>最初に戻る

犬が倒せない!
412 ◆.7EVb32OnU :2008/09/28(日) 15:19:26 ID:9EP9H+Lx
それじゃ推敲も終わったし恥ずかしながらお言葉に甘えて投下しますよ。
今回からトリップつけます。
413―乱戦― ◆.7EVb32OnU :2008/09/28(日) 15:21:11 ID:9EP9H+Lx
 『蜘蛛』は餓えていた。
 此処は何処なのか。己がどうして目覚めたのか。己が何者だったのか。己がどういう存在なのか。
 『蜘蛛』はそんなことを考えることはなく、最も本能的な欲求である『食欲』に従い、あてどなく彷徨っていた。
 己の『食欲』という本能以外、目に映るものは全てが謎だった。故に、『蜘蛛』はその謎について深く
考える事を止め、本能に従って行動した。
 平坦で固い地面。土のない地面。隙間なく建っている建物。奇妙な未知。生き物の匂いのない街。
 『蜘蛛』は見たこともない街並みを歩き獲物を探していたが、どれだけ歩いても獲物は見つからない。
 柔らかく、脆く、弱い餌――かつて喰らっていた人間が何処にもいない。人の住む街であることは本能的に
察していた。なのに、その人間が何処にもいないのだ。
 獲物――人間の気配は何処からも感じない。匂いすらしない。歩く度に苛立ちが増し、破壊衝動が増す。
 地鳴りを起こし、『蜘蛛』は突然街を破壊しはじめた。
 己の躯(からだ)よりも大きな建物に突進し、爪を立て、連なっている建物を目に映るものから破壊していく。
 コンクリートと鉄骨で造られた建物が簡単に崩壊し、次々と崩れていく。
 
 やがて『蜘蛛』は長い道に向かい合って連なっていた建物の半分以上を崩壊させて大きな通りに出た。
 広い道路に出ても人間の気配は感じない。匂いすらない。ただ、今度は歩く場所が広くなっただけだった。
 思うまま暴れたせいか、先程よりはいくらか気分がスッキリしたものの、それでも腹は飢えたままだ。
 冷静になって『蜘蛛』は考える。もしかしたらここは人が住んでいないのだろうか? 
 人がいるのならあれだけ暴れれば何かしら反応があってもおかしくはないはずである。燻り出そうと暴れた
のに、結局は人が出てくることはなかった。
 もう少し移動して探してみても遅くはない。それでも駄目なら『人間以外』でもかまわない。
 『蜘蛛』は大きな通りを歩き出す。獲物を見落とさないようにゆっくりと移動し、周囲に神経を張り巡らせる。
 長い道路から狭い道に入り、くまなく探す。それでも人間は一向に見つからない。
 しらみつぶしに暴れてしまおうかと思い始めた頃、遠くの方からようやく自分以外の匂いを感じた。
 一体の妖怪の匂い。人間ではないが、その喰える妖怪が近くにいる。
 沸き起こる歓喜――ようやく腹を満たせる。
 『蜘蛛』は巨大な躯を震わせると、『獲物』のいる方角に向かい歩き出した。

 『土蜘蛛(つちぐも)』。数多の伝説を残した大蜘蛛の妖怪である。一説では鬼の一族とも『まつろわぬ民』
とも呼ばれている。

414―乱戦― ◆.7EVb32OnU :2008/09/28(日) 15:22:03 ID:9EP9H+Lx
 十尺(およそ3メートル)以上もある巨大な僧がいた。
 手足は丸太のように太く、身体は岩のように固い。ぼろぼろになった袈裟を着ているが、それがその僧を
破戒僧を思わせる風体にしている。
 その巨大な僧のおかしなところは他にもあった。それは『目』が一つしかないのである。ちょうど目と目の間、
鼻の上に大きな目があるのである。
 その異様な僧は槍のように長く太い金棒を木の枝ように軽々と振り回し、目の前の巨大な泥の妖怪の躯に
叩きつけていた。
 僧が金棒で叩きつける度に泥が跳ね飛ぶ。一振りする度に砂水を叩くような音がする。叩かれた泥ははるか
遠くまで飛び散り四散した。
 その巨大な泥の妖怪は二十尺(およそ6メートル)を超える大きさであったが、僧が金棒で幾多も叩き払った
せいで、もはやそこには僅かにしか残っていない。
 ―――だが、その泥の妖怪はそれで終わりではなかった。
 飛び散った泥がじわじわと集まりだし、一つに戻る。ゆっくりと泥が固まり膨れ上がり、あっという間に
元の姿に戻ったのである。
 泥の妖怪は動きが緩慢でありながらも、その異様な再生能力をもって何度でも蘇る。
 再び僧に襲い掛かるこの妖怪の名は『泥田坊(どろたぼう)』。田んぼに潜む泥でできた妖怪である。


 僧にとって泥田坊は厄介な敵であった。強くはないが何度でも蘇る。動きは緩慢だがその巨体は自分の
倍はあるのだ。その巨体に捕まったら無事では済まないだろう。
 疲労で動きが鈍くなる前になんとかしなければいけない。確実に始末する方法を見つけない限り、勝機は
ないのだ。
 逃げるということは考えなかった。どうして自分より弱い相手から逃げねばならないのか――その考えが
僧に『撤退』という二文字をなくさせていたのだ。
 このような雑魚妖怪に手こずっていては先が思いやられる――そう自嘲気味に笑いながら、巨大な僧は再び
金棒を持ち構えた。

 その僧の名は『一つ目入道(ひとつめにゅうどう)』。『稲生物怪録』に登場する妖怪である。

415―乱戦― ◆.7EVb32OnU :2008/09/28(日) 15:23:25 ID:9EP9H+Lx
「ほっほっほ、阿呆がおるわ。あんな棒っきれで叩いたところでどうにもならんのにのう。
『糠に釘』というか『暖簾に腕押し』というか……何も分かっておらんとみえる。所詮は下等な妖怪よの」

 一つ目入道と泥田坊が戦っている場所から少し離れた場所――地上から離れた空から、その声の主は愉快そうに
笑った。
 嘲るように笑っているのは紫色の袈裟を着た一体の狸の妖怪。僧が着る袈裟の中でも最上位の色の袈裟を着る
その狸の妖怪は、大きな反物の上に座り、その上から地上で戦う二体を眺めていた。
 その狸の妖怪の周りには青色の炎が四つゆらゆらと浮かんでいる。鬼火(おにび)と呼ばれるものである。
 空に浮かぶ反物に乗っている妖の名は『隠神刑部(いぬがみぎょうぶ)』。八百八もの狸の妖怪達を支配する
化け狸の総大将である。

「あんな阿呆どもは相手する必要もないな。使えそうなら使ってやろうかと思ってたがどうやら見込み違い
じゃったようじゃ。
 しかし、あやつめ……この儂も見くびられたものじゃの。よもや儂を掌の上で遊ぼうなどとはな……」

 空の上で隠神刑部は独り言を呟く。その表情からは何を考えているのか分からない。

「まあ儂を蘇らせたのだけは感謝しておこう。何を企んでおるのかは別としてな……。どうせ最後には全て
儂のものになるんじゃからな。しかし、さてはて……」

 そこまで言うと、隠神刑部は再び地上を見下ろす。見下ろした先では一つ目入道と泥田坊がまだ戦っている。
 二体が戦い始めてからかなりの時間が経っているが未だ決着は着いておらず、膠着状態となっていた。
 ―――だが、そこに変化が起きはじめていた。

「ほっほ、こりゃあまた……」

 隠神刑部の見下ろす先には、二体の泥田坊に挟まれて立っている一つ目入道の姿があった。


―――
 一つ目入道は困惑していた。
 一対一でも打開策が見つかっていない状況だったのに、敵がもう一体に分裂したのだ。けっして強くはないが、
弱いというわけではない。相手は何度倒しても蘇るのだ。自分よりも大きな相手であることも肉体的にも
精神的にも辛いものがあった。そんな敵が増えたのだ。
 どうして増えた?
 この妖怪に限度はないのか?
 もしかしてまだ増えることができるのか?
 様々な疑問が一つ目入道の頭をかすめる。
 一つ目入道は状況がつかめない状態ながら、現状を打破する方法を考える。
 危機的状況とも言える現時点で一つ目入道が取れる選択肢は二つ。
 一つは、このままどちらかが力尽きるまで戦い続ける。
 二つ目は、逃げる。
 どちらが正しいかと考えれば、それは当然のことながら逃げることである。
 別に無理をする必要はないし、不利な状況で戦って損はしても得など何もないのだ。
 体勢を立て直し、その間に打開策を練る。ただの逃走でなく戦術の一つならば問題は無い。
 敵に背を向けることを恥と思うか思わないかの問題ではない。殺すか殺されるかの状況でそんなことを
言っていては命が幾らあっても足りない。

 金棒を振り回し、二体を同時に吹き飛ばす。肩から先を吹き飛ばし、腹を半分吹き飛ばす。
 もう一度金棒を振り、今度は二体の膝から下と、胸から上を薙ぎ払う。
 泥が広範囲にわたって空を飛び、びしゃりと地面に撥ね散る。泥田坊が倒れ、辺りに大きな泥溜りが
出来上がる。
 泥田坊が再生に時間がかかる状態になったのを確認し、一つ目入道はその場から大急ぎで退散した。

 泥田坊は一つだけ間違っている事があった。それは戦場なら何処でも起こる過ち。それは『逃げる方向』
である。逃げる先に何があるのか。それによって状況は良くも悪くもなる。
 ―――それが、泥田坊の運命を大きく左右した。

416―乱戦― ◆.7EVb32OnU :2008/09/28(日) 15:24:53 ID:9EP9H+Lx
 大通りから離れた大きな墓地――そこには三体の大きな『がしゃどくろ』と無数の『餓鬼』の群れが蠢いていた。
 そして其処に向かうのは一体の炎を纏った大きな牛車の車輪。その車輪の中心には大きな男の顔がついている。
 その妖の名は『輪入道(わにゅうどう)』。『今昔画図続百鬼』に出てくる妖怪である。
 がしゃどくろと餓鬼と輪入道――それらはそこに集まった、というわけではなかった。
 それらは『発生』した。墓のない場所からがしゃどくろが生まれ、暗闇から湧いてくるように餓鬼が生まれた。
 輪入道はただそこに居た。大通りを走り、街を走り回り、辿り着いた場所がそこだったのだ。
 その点で言えば、輪入道だけが先に居たとも言える。
 ともかく、その墓地は妖怪の群れでひしめきあっていた。
 
 そこに居た妖怪たちは、それぞれの思惑があった。
 三体のがしゃどくろはただ人間に対する怒りと憎しみ、そして憧れと郷愁にも似た感情。
 がしゃどくろとは、無縁仏になり、墓もないまま野ざらしにされた人間の骨の集合体である。その骨に
残された思念は『無念』と『怨念』。それは悲しみと怒りが凝縮されて混じった感情である。
 蓄積された思念の集合体であるがしゃどくろは、己の存在理由も存在意義も分からず、考えない。
そこに生まれただけである。ただ、がしゃどくろは生きている人間に対し異常な執念を持っている。
 それは死者が生者に抱く憧れ。生きている時にやり残した様々な事や、生きている時に抱いた憎しみという
暗い思念。それは生きている人間全てに向けられる。
 故に、がしゃどくろは人間を襲う。人間の肉を喰えば再び人間になれるという妄想に憑かれ、憎しみと
憧れががしゃどくろを突き動かすのだ。
 その三体のがしゃどくろの足元に蠢く者達は生者ではなく、亡者である。ならばその存在に興味はないのだ。
 がしゃどくろが求めるのは人間。よって、足元に居る餓鬼の群れも、炎を纏った車輪の輪入道も己にとっては
どうでも良い存在であった。

 餓鬼の思考は唯一つ。『喰らう』ということのみである。
 喰らっても喰らっても満たされることはない。欲求が満たされないという地獄を味わい、餓鬼達は
それでも喰える食べ物を探していた。
 数十体いる餓鬼の群れが見上げるのは三体のがしゃどくろ。
 骨でも喰らえるのなら喰いたい。しかし、それができないのは自分達よりも大きく、しかも複数いるからである。
 一体だけを相手でも全滅するかもしれないという強大な存在なのである。己の欲と危険を天秤にかければ
如何な餓鬼とて我慢する事ができる。餓鬼とて腹を満たす事以外、何も考えていないわけではないのだ。
 輪入道は喰えない。炎を纏った車輪は己の腹を満たすどころか臓腑を焼かれるだけだろう。
 よって、餓鬼達の考えは『食い物を探す』か『食い物のある場所に行く』ということであった。

 輪入道はその場の状況を冷静に考えていた。
 目的があってそこに来たわけではなかった。たまたまそこに居たら、このような状況に陥っただけである。
 巨大な三体のがしゃどくろと数えるのも面倒なくらいの餓鬼の群れ。どちらも敵であり、そうでないとも言える。
 今この場で戦闘になったら不利なのは自分である。仲間などおらず、敵は大勢。しかも巨大ながしゃどくろが
三体もいる。この場で勝ち残るのは間違いなくがしゃどくろ達であろう。
 餓鬼の群れは己に近づく事ができないであろう。己が身を焼かれても敵に勝つという執念などなく、腹を
満たす事だけを考えている餓鬼は、その点では信用して安心していた。
 よく観察していると、がしゃどくろは己に興味が無いようである。がしゃどくろの視線は遠くを見渡し、何かを
探しているように見える。
 そうなると、今この場を離れても問題が無いようにも考えられるが、迂闊に動くのも危険である。
 目立った行動をすればその場に居るもの全ての注目が集まる。そうなるとその場に居るものの考えが
変わるかもしれない。
 よって、この場は自分から動く事はせず、周囲の状況に合わせて行動したほうが無難である。いざとなれば
逃げればいい。全力で逃げれば己に追いつけるものなどこの場にはいない。

 ―――こうして、三種の妖怪達は互いに独自の考えを持ってその場にいた。
 だが―――そこに均衡を破る者が現れた。

417―乱戦― ◆.7EVb32OnU :2008/09/28(日) 15:25:59 ID:9EP9H+Lx
―――
 ぬたり……ぬたり……ぬたり……―――

 その奇怪な妖怪はゆっくりと歩いていた。
 全身にあますところなく『目』がついているその妖怪は大きく、太く、不気味である。
 全身はつるりとしていて毛がなく、まるで肉の塊の様である。そう、この妖怪は一言で言うと『全身に目玉
のついた肉の塊』という姿なのだ。
 妖怪――奇怪で不可思議で不気味で恐ろしい存在。不安や恐怖を駆り立てる存在というもので言うなら、この
妖怪はまったくもって『妖怪らしい存在』であった。
 その妖怪『百々目鬼(どどめき)』は、ゆっくりと不気味に歩いていた。ぬたり、ぬたりと。


―――
 広範囲に渡って飛び散った二体の泥田坊は元に戻ると、そこにさっきまでいたはずの僧がいないことに気付いた。
 どうして僧と戦っていたのか泥田坊は考えない。ただ、目の前に僧がいたから襲った。ただそれだけである。
 二体に分かれたのは敵を仕留めるために効率よくする方法を考えた結果である。
 よって、敵がいなければ二体に別れる必要はない。二体の泥田坊は別れた身体を一つに戻す。
 辺りを見渡し、泥田坊は何かを探していた。だが、その周辺に求めているものは見当たらず、泥田坊は
あてどなく大きな道路を歩き始めた。

 泥田坊が求めているのはただ、『田んぼ』だけである。
 自分が居るその場所は土も水も無い。一面コンクリートで固められた地面は泥田坊にとって最悪ともいえた。
 田に棲む存在である泥田坊は己の棲み処を求めていた。
 その大きな身体は実のところ限界であった。
 田がなければ泥田坊は己の存在を維持できない。渇いてしまえば泥田坊はただの土になってしまうのだ。
 よって、泥田坊は僧のことよりも田を求めていた。
 限界は近い。何度も金棒で叩き散らかされて身体は渇きつつある。
 先程よりも動きが鈍くなった泥田坊は己が体を引きずるようにして田を求めて彷徨い歩く。
 己の根源である田。かつて何者かに奪われた己の聖域。
 泥田坊はただ田を求め、歩き続けた。

418―乱戦― ◆.7EVb32OnU :2008/09/28(日) 15:27:50 ID:9EP9H+Lx
―――
「あやつはもうお終いじゃな。この辺りは何処を見渡しても田なんぞありはせんわい。あの体では田のある
場所まで保てんじゃろ。そう考えるとあの坊主のやっていたことは無駄ではないのかもの。泥を弾いて地面に
撒いていればいずれは渇く。ほっほ、坊主はそんなことまで考えておったのかのう?
 さて、どうするかの? 土と水を与えてやればまだ持つじゃろうが儂がそんなことをしてやる義理もないしの。
利用する価値があれば助けてやってもええんじゃが、あやつは従いそうにもないしの……」

 隠神刑部は泥田坊を眺めながら一人ごちる。見下ろす先には泥田坊がゆっくりと大通りを歩いている。
 反物の高度を下げ、隠神刑部は泥田坊の頭上近くに来ると、口の中で何かを呟いた。
 呪文のような何かを呟き、袈裟の袖から一枚の札を取り出し、それを泥田坊に向かって投げると、その札は
意思を持っているかのように泥田坊に飛んでいき、札が泥田坊に張り付いた瞬間――巨大な炎が燃え上がった。
 泥田坊は大きくのたうち回り、くぐもった叫び声をあげる。
 
「お゛お゛お゛お゛お゛おおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ……」

 低く鈍重な悲鳴をあげて燃え盛る泥田坊を隠神刑部は目を細めて眺める。

「せめてもの情じゃ。このまま苦しみながら死に絶えるよりはマシじゃろうて。南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏……」

 そう言って隠神刑部は懐から数珠を取り出してお経を唱える。そのお経に反応したかのように、炎が一層
激しく燃え上がる。
 やがて、お経を唱え終わる頃には炎は消え、炎が上がった場所には渇いた砂だけが大量に残っていた。

「……さて、それでは儂もあちらに向かうとするかの。もうそろそろ始まるじゃろうて」

 隠神刑部は口を歪ませ愉しそうに笑う。
 その笑みは猛禽類が獲物を見つけたときに見せる表情に似て、残忍な笑みだった。


―――
 大通りの交差点を右に行くか左に行くか――それが一つ目入道の運命を大きく狂わせた。
 左に進み、眼前に現れたのは巨大な蜘蛛の妖怪『土蜘蛛』。その躯の大きさは十尺を超える一つ目入道
よりもはるかに大きな化物だった。
 土蜘蛛は、凶悪で醜悪な姿である。顔には目が八つあり、その下には
巨大な口から大きな牙が剥き出しに出ている。
 体は赤と黒の斑模様で、その表面には針のような毛が生えている。八本の脚は太く長く、足元のコンクリートが
砕けている事からその硬さと鋭さが窺えた。
 その化物は、大きな足音を立てて細い道から突進してくるように現れた。
 巨大な土蜘蛛と一つ目入道が対峙する。互いに距離はおよそ五間から六間(一間=六尺)ほど離れていたが、
その距離にいても一つ目入道にはそこが安心できる距離ではなかった。

 先に襲い掛かったのは土蜘蛛のほうだった。口から勢いよく白い何かを一つ目入道に向けて噴出する。
 突然吐きかけてきたその何かを、一つ目入道は真横に飛んですんでのところでかわした。
 土蜘蛛の口から吐き出されたものは長く白い糸。それは自分の巣を作るため糸であり、獲物を捕獲する
糸である。蜘蛛の糸に捕らえられた獲物に待つ運命は『死』。つまり『喰われる』のである。
 自分に攻撃してきた事で、一つ目入道は相手が自分を敵とみなし、そして、自分を喰らおうとしていることを
はっきりと理解した。
 金棒を握りなおし、土蜘蛛と間合いを計る。

419―乱戦― ◆.7EVb32OnU :2008/09/28(日) 15:30:05 ID:9EP9H+Lx
(まさかこんな化物と出会ってしまうとはな。これならまだ先程の泥人形相手に遊んでおったほうが楽だったわ。
しかし……この化物とどうやって戦う? 接近しようにもあの糸は厄介じゃ。こちらにも弓矢があれば話は
別なんだが……)

 一つ目入道は土蜘蛛の口と動きに注意しながら考える。相手は遠く離れていても糸で攻撃してくる。接近
して戦うにしてもあの巨体は厄介である。近づいて捕まりでもしたらそれが命取りになる。
 戦うと言っても、それなりの戦い方というものがある。互いに武器を持っていればそれに合わせて間合いも
変わる。相手の武器によって戦い方も変わる。体格差と互いの力量。場所と天候。持ち合わせた武器や相性、
そして運と、戦いには全ての要素が複雑に絡まり、それが勝敗に繋がる。
 戦い方も分からなければ勝算などありはしない。
 闇雲に立ち向かってはいけない相手。そのような相手こそ戦い方を考えなければならない。
 どうしたものか――相手を見据え、金棒を構えて一つ目入道は考える。

(これは退散したほうが良いのではないか? 戦うにしても相手が悪いぞ)

 頭の中によぎるのは敗北と死。土蜘蛛に喰われて死ぬ自分の姿を想像し、さらにその考えが強まる。
 土蜘蛛がじりじりと近づいてくる。それに合わせ、自分も間合いを保つために後退する。
 やがて、痺れを切らした土蜘蛛が、再び糸を吐いてきた。矢のように放たれる糸を横に飛んでかわす。
 二度の攻撃をかわされた事によって土蜘蛛は激昂したのか、今度は一つ目入道に向かいその巨体を揺らして
突進してきた。
 迫り来る土蜘蛛を目の前にして、一つ目入道は逃げることを考えた。近づけば近づくほど土蜘蛛は巨大で
恐ろしく、まともに勝負してはいけない相手だと思った。
 だが、後ろを向こうとしたときに脳裏によぎったのは、先程戦った泥田坊との一戦。
 先程の戦いからも逃げて、今また自分は逃げるのか―――?
 泥田坊から退いたのは戦略を練るためだった。しかし、土蜘蛛に対しては負けるのを恐れて逃げようとしている。
 ここで逃げるわけにはいかない。この逃げは己に恥じる行為である。

(―――続けて二度も敵に背を向けることなどできん! たかが蜘蛛ごときに負けられんわ!!)

 突進してくる土蜘蛛を大きく跳んでかわし、再び土蜘蛛に向けて金棒を構えなおす。
 金棒を握る手に力が戻り、へその下に力が入る。すでに後ろ向きな考えは頭の中から消えていた。
 突進していった土蜘蛛はすぐに一つ目入道に向き直り、襲い掛かってこようと体勢を立て直す。 
 土蜘蛛がその脚に力を込め、再び一つ目入道に襲い掛かる。

 戦う理由――そんなものは最初からなかった。ただ、頭の中に『戦わねばならない』という考えがあっただけ。
 戦う理由――今は違う。この戦いだけは違うのだ。逃げるわけにはいかない。逃げれば己に恥じることになる。
 戦う理由――それは己の誇りを守るため。

 一つ目入道は金棒を振りかざし、土蜘蛛に向かって走り出した。

420―乱戦― ◆.7EVb32OnU :2008/09/28(日) 15:32:53 ID:9EP9H+Lx
 そこに突然現れたのは奇妙な妖怪だった。
 その場に居る妖怪達の視線は突然現れたその妖怪に集まる。
 妖怪達の中心に現れたその妖怪は、その全身についている無数の目を大きく開き、その場に居る全員に向かい
その目から青白い光を放射した。
 眩い光は辺り一帯に放たれ、その場に居るもの全員がその光を浴びる。
 やがて、その光が消えると同時に、突然現れた妖怪は忽然と姿を消す。
 奇妙な妖怪がその場から消えると、しばらくして、その場に居た妖怪達に変化が起きた。

 謎の光を浴びた妖怪達は互いに殺し合いをはじめだした。二体のがしゃどくろ同士が組み合い、互いの骨を
ぶつけあう。巨大な骨の拳が剥き出しの肋骨を砕き、大木の丸太のような太い骨が墓場に降る。
 一斉に暴れだした餓鬼が共食いを始め、互いの体に齧り付く。仲間だった者の腹を引き裂き、臓物を喰らう。
 噛み付き、叩き、引き裂き、抉り、そして喰らう。それは共食いであり、餓鬼にはありえない光景である。
 輪入道が車輪の炎の勢いをあげ、一体のがしゃどくろに向かって走り出し、その車輪の体でぶつかった。
 猛烈な勢いでぶつかったがしゃどくろの骨にヒビが入り、二度目の突進で骨が砕ける。そのままその車輪の
体は地面を転がり、目の前に立ち塞がる餓鬼達を轢いて回った。輪入道の走った通り道は炎の道ができ、墓場
にいくつもの炎の道ができあがった。

 乱戦―――謎の妖怪が光を放ち、妖怪達に起こしたのは戦いだった。
 がしゃどくろの砕けた骨が空から降り、地面には食い殺された餓鬼が倒れている。その倒れた餓鬼に集まって
喰らいついている餓鬼の群れががしゃどくろに踏み潰される。
 輪入道が狂ったように走り回り、その場一帯にある木々や草木が燃え上がり、墓場は炎に包まれた戦場と化した。


「ほっほ、始まった始まった。こりゃまた壮観じゃな。阿呆どもが簡単に狂いおって」

 燃え上がる戦場を眺めながら隠神刑部は愉しそうに笑った。
 先程の一部始終からその場を見ていた隠神刑部の手には一枚の札がある。その札に描かれているものは、
先程その場に現れた謎の妖怪『百々目鬼』の姿だった。
 隠神刑部は百々目鬼の描かれた札を見ながら嬉しそうに笑う。

「こいつはとんだ拾い物じゃの。まさかこんな力があったとはなあ」

 百々目鬼の札を袈裟の袖の中にしまい、再び下の戦場に目を向ける。
 輪入道が空を飛んでがしゃどくろに突進する。高速で回転された車輪が宙に炎の道をつくるほど凄まじく、
その直撃を受ければがしゃどくろとてただでは済まない。
 だが、輪入道の車輪ががしゃどくろに辿り着くことはなかった。ぶつかる直前、もう一体のがしゃどくろが
大きな手で横から平手打ちをするように輪入道を叩き落としたのだ。
 はるか上空から地面に叩きつけられ、輪入道の体が砕ける。車輪の輪の中心から周囲に放射する輻(や)が
砕け折れ、車輪にヒビが入り、大きく歪んだ。粉々に砕け散らなかったのは輪入道の頑丈な体のおかげだった。
 だが、その頑丈な体もがしゃどくろに無残に踏み潰されて粉々に砕け散る。そこに残ったのは、ばらばらに
なった車輪の残骸だけであった。
 これで残っているのは二体のがしゃどくろと四匹の餓鬼。
 一体のがしゃどくろは体中のあちこちの骨が砕けてヒビが入り、まさに満身創痍といった状態である。
もう一体のがしゃどくろは右腕の前腕部と肋骨の数本が砕けているものの、それ以外は無事な状態である。
 がしゃどくろの足元に残りの餓鬼が群がって噛み付いているが、残った左腕に捕まり、それも握り潰される。
 そして、満身創痍のがしゃどくろが残ったがしゃどくろにあっけなく砕かれる。辺りはがしゃどくろの骨と
餓鬼の屍骸で埋め尽くされ、そこに最後まで立っていたのは一体のがしゃどくろだけになった。
 燃え盛る墓場の中、がしゃどくろの白い巨体が炎で赤く照らされていた。

―――
「どうやら勝負あったようじゃの。百々目鬼がおらなんだら何事もなく終わってしまうところじゃったわい。
 ……さて、今度はあっちのほうか。まったく、あちこちでやらんで一つの場所でやってほしいもんじゃわい。
飛び回る儂の身にもなれ」

 ぶつくさと文句を言いながらも、その表情は愉悦に満ちており、これから向かう先がどうなっているのかを
心から愉しみにしているようである。
 隠神刑部は残った一体のがしゃどくろに目をやり、ふと考えた。

「勝ち残ったほうがこいつとやりあうのか。まあ結果は見えとるがの……」
421―乱戦― ◆.7EVb32OnU :2008/09/28(日) 15:35:02 ID:9EP9H+Lx
「ふんっ!!」
 一つ目入道が金棒を土蜘蛛の胴体に叩きつける。叩きつけた胴体は傷一つなく、まるで手応えがない。
「ふんっ! はっ! ぬんっ!!」
 一つ目入道は土蜘蛛の上に飛び乗り、何度も金棒を振り下ろす。唸りを上げて金棒が叩きつけるが、その胴体は
まるで何事もないかのように傷一つついていない。
 岩をも砕く豪力の一つ目入道が振るう金棒――それがまるで歯が立っていない。
 弾力のある胴体が金棒を弾き返し、金棒による打撃がまるで効いていないのだ。
 土蜘蛛が大きく体を揺すり、一つ目入道を振り払う。胴体の上から地面に振り落とされながらも、一つ目入道は
なんとかその場から逃れる。
「ぬう、化物め……!!」
 金棒を支えにして、一つ目入道は立っているのが精一杯の状態だった。
 戦い始めてからおよそ十分が経っていた。周囲の建物はいくつも崩れかかり、瓦礫が散乱している。道路に
放置されていた車はいくつもひっくり返り、車体はぐしゃりと潰されている。電柱や標識はへし折れ、信号機
は地面に落ちて砕け散っている。
 一つ目入道の姿は満身創痍とも言える状態である。服のあちこちが破れて血に塗れ、体は傷だらけに
なっている。頭から血を流し、左の腕は折れているのかだらりと下げられている。
 一方の土蜘蛛は無傷である。金棒による打撃が効かない以上一つ目入道に勝機があるはずがなく、状況は
圧倒的に土蜘蛛の優勢であった。
 胴体の上に乗った時が最大の好機だった。正面から戦うのは最も危険であり、土蜘蛛の吐き出す糸とその牙
の餌食になる危険が高い。横からの攻撃はその太く長い脚が邪魔になって近寄る事ができない。脚を狙って
攻撃をしたが、その脚は鋼のように硬く、逆に金棒が歪んでしまう結果となった。
 運よく胴体の上に飛び乗れたさっきの攻撃も通じず、結果は己の戦況が絶望的であるということが分かった
だけである。

(このままではいずれ負ける……。こいつに弱点はないのか?)
 迫りくる土蜘蛛の突進をかわし、糸をかわしてなんとかその場をしのぐが、もはや体力は限界に近い。
(弱点……もはや他に残された部分はあそこしかない。危険すぎるがしかし……)
 土蜘蛛と正面から向き合い、その八つの目を見据える。巨大な顎が動き、大きな牙が不気味に動く。
(いや、もはや一か八か……他の残された道はない……)

 それは最も危険な選択。それはすなわち、しくじれば己の死を意味する。しかし、最も可能性がある場所は
『そこ』以外に考えられず―――覚悟を決め、一つ目入道は土蜘蛛に正面から向かっていった。
 
―――
 土蜘蛛は苛立っていた。
 目の前の獲物は小さく脆弱な存在。いつもなら怯えた表情で己から逃げ惑うだけの存在であった。それなのに
目の前に立っているこの獲物は逃げることなく歯向かってくる。
 ちょこまかとすばしっこく逃げ回り、そのくせ隙を突いて攻撃してくる。その攻撃は己の体に傷をつける
ことなどないが、それでも獲物に攻撃されるということはたまらなく不愉快であった。
 さっさと捕まえて喰ってしまいたい。そして腹を満たし、次の獲物を探しに行きたい。それが土蜘蛛の
考えであり、目の前の獲物に負けるなどという考えは微塵も持ち合わせていない。

(次だ。次こそ仕留めよう。捕まえたらじっくり味わって喰らってやろう。脚からゆっくりと噛み砕いて
獲物の悲鳴を聞きながら愉しんで喰らおう)

 目の前の獲物の動きは鈍くなっている。今なら仕留めることができる。
 そう考えながら獲物に向かいにじり寄る。だが、ここで獲物が不可解な行動に出た。
 それは、先程まで正面からはけっして向かってこなかった獲物が、今度はまっすぐ向かってきたのだ。
 
(なんだ? 諦めて自ら喰われに来たのか? まあそれならこちらも余計な手間が省ける)

 突進してくる小さな獲物を見据えて土蜘蛛は大きく口を開き、その獲物を狙い、勢いよく糸を吐き出した。

422 ◆.7EVb32OnU :2008/09/28(日) 15:44:57 ID:8025/P7+
残り1レスを残してまさかのさるさんで投下中断ですよ…
投下ができないんでここでいったん中断です。マジすんませんでした。
423名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 15:58:18 ID:KlDBL/Ze
乙です、流石に大妖クラスだと体のサイズがデカイ……
バトロワでなくてよかったw
424―乱戦― ◆.7EVb32OnU :2008/09/28(日) 16:19:52 ID:8025/P7+
重ね重ね申し訳ありません。残り2レスを投下します。
425―乱戦― ◆.7EVb32OnU :2008/09/28(日) 16:22:20 ID:8025/P7+
 土蜘蛛の口から糸が吐き出される瞬間、一つ目入道は大きく跳躍してその糸から逃れ、そのまま土蜘蛛の顔にめがけて
飛び込んで、その八つある目の一つに金棒を突き刺した。
 金棒の先端が土蜘蛛の目に突き刺さり、深々と食い込んでいく。その手応えを感じ、一つ目入道は己が賭けに勝ったことを確信した。
 唯一弱点と思える場所――それは八つある目だった。
 金棒を跳ね返す胴体のような体を持っていたとしても、目や内臓まではそうはいくまい。人間でも鍛えようが
ない部分があるように、土蜘蛛も目だけは攻撃が効くのではないかという考え。それは同時に最も危険な
場所に飛び込むことと同じであった。

「ギィエエエエエエエアアアアアアアアアアァァァァァァッッ!!!」

 大きな悲鳴を上げ、土蜘蛛が大きく体を仰け反らせる。その勢いで一つ目入道は握っていた金棒を放してしまう。
 自分がやっと掴んだ手応えと勝機―――それが一つ目入道の隙を生んだ。
 急いで土蜘蛛の前から離れようと後ろに飛び退こうとした時、土蜘蛛の前脚が一つ目入道の体を直撃する。
 一つ目入道は大きく跳ね飛ばされ、その体は木の葉のように宙に舞い、そして地面に叩きつけられた。
 全身に衝撃を受け、一つ目入道は動くことができない。鋼のように硬い土蜘蛛の脚の直撃を受け、固い
地面に叩きつけられたのだ。その直撃を受けた胴体の骨は粉々に砕け、手足は向くはずのない方向に曲がっている。
 ぴくりとも動かない一つ目入道を尻目に、土蜘蛛は己に襲った激痛によって苦しんでいる。
 土蜘蛛は激しく暴れ回り、怒りに狂い、この激痛を己に与えた獲物に同じ苦しみを与えてやろうと襲い掛かる。
 動かなくなった一つ目入道にすでに意識はない。そのまま死を待つだけの状態で地面に転がっている。
 だが、怒り狂った土蜘蛛はそんなことに気付く事はなく、その鋭く固い脚で一つ目入道の体を踏み潰した。
 胴体を貫かれた一つ目入道はそれで死んだ。だが、それでも足りぬとばかりに四肢を潰し、胴を潰し、
頭を潰す。地面に臓物が撒かれ、血が撒かれ、原形を留めなくなっても土蜘蛛は一つ目入道だったものを
容赦なく踏み潰した。


426―乱戦― ◆.7EVb32OnU :2008/09/28(日) 16:24:21 ID:8025/P7+
 それは傍から見れば奇妙な動きだった。巨大な蜘蛛の怪物が地団太を踏んでいるような滑稽な姿であり、
まるで子供が勝負に負けたように悔しがっている様にも見えた。
 やがて、土蜘蛛は一つ目入道が倒れていた場所を踏むのを止め、ゆっくりと歩き出す。その歩いた先には
赤黒い液体がぽたぽたと落ちていく。
 土蜘蛛が消え去った大通りはあちらこちらが破壊され、台風が過ぎ去った後よりも酷い状態になっている。
 そこに残っているものは、折れ曲がった金棒と赤く染まった砕けた地面。そして、道路に長く続く赤黒い染みだけになった。



―――
「ほう、坊主が土蜘蛛に一矢報いたか。結果は見えておったがこれは予想外じゃったのう。
 これで残ったのは予想通り土蜘蛛か。しかしあいつはがしゃどくろのいる方角と反対の方角に行ってしまい
よったわ。まあどうせやりあったところで結果は土蜘蛛の勝ちじゃろうがの。
 さてはて、他の者どもはまだこの地に来ておらんようじゃし、どうしたもんか……のう、翁よ?」

「気付いておったか」

「わからいでか。で、お主、何を企んでおる? 国中の妖を蘇らせてなにをしようとしておる?」

「ほっほっほ、そりゃあ後になってからのお楽しみじゃ。まあ参加するかしないかは好きにすればええ。
どうせこれは逃れられないようになっておる」

「……都がこうなっておるのもお主の仕業か?」

「さあて、どうじゃろうな? さて、どうする? 土蜘蛛は行ってしまったし、がしゃどくろは動こうとせん。
他の者達はここに向かってきておるが辿り着くのはまだ先じゃろう。暇潰しにわしとやってみるか?」

「冗談を言うな。お主とやりあう気は毛頭ないわい」

「そうか、それは残念じゃのう。老人同士仲良く戯れてもええじゃろうに」

「八百八の狸妖怪の総大将と国中の妖怪の総大将の戯れか?」

「そうよ、戯れじゃ」

「戯れのう……。まあええ、儂は参加する気はないが好きに愉しませてもらうわい」

「そうかそうか、まあゆっくり愉しんでくれ。じきに愉しくなるからの」

「ああ、愉しませせてもらうわい。『ぬらりひょん』殿」



427―乱戦― ◆.7EVb32OnU :2008/09/28(日) 16:26:33 ID:8025/P7+
投下終了です。途中でぶつ切れになってすいませんでした。ちなみにこれは携帯から投下しております。
がしゃどくろ再登場。何体いてもふしぎではないということでまた出してみました。時間軸や場所は関係なくのバトルロワイアル設定です。
泥田坊とがしゃどくろが合体したらナウシカの巨神兵みたいになって強くなるんじゃね? とか思ったり…

 現在登場している妖怪

・鎌鼬(三匹・生死不明)
・大天狗(生存)
・水虎(死亡)
・ダイダラボッチ(消滅)
・山爺(死亡)
・山童(死亡)
・翁(ぬらりひょん)(生存)
・酒呑童子(生存)
・河童(生存)
・牛鬼(死亡)
・がしゃどくろ(死亡)(再登場・一体生存)
・餓鬼(群れ・生存)(再登場・全滅)
・土蜘蛛(生存)
・隠神刑部(生存)
・一つ目入道(死亡)
・百々目鬼(生存)
・輪入道(死亡)
・泥田坊(死亡)

次回は『河童 episode1』をお送りします。もう規制怖いんで短めにします。
428名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 16:45:46 ID:W6rnMH9p
うおお、すげえ乱戦!
大妖が大暴れ、そして暗躍する黒幕妖怪たち!
がしゃどくろ再登場もびっくりしたw
引き込まれるわあ…GJでしたー!

ところで、

>「ぬう、化物め……!!」

お前が言うなw
429名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 17:23:07 ID:swePZUvm
乙です! まさに乱戦 こええw
泥田坊はわりと好きな妖怪かなー つーか皆さん文章うまいね いーなーうーん。

ところで俺、隠神刑部出てくるやつ書いちゃってるよwまあいいか
430 ◆.7EVb32OnU :2008/09/28(日) 18:31:27 ID:8025/P7+
>>429
ぎゃああぁぁっ!マジすんませんでした!!先に出してしまって申し訳ないです!

これって書き手がトリップ付けて自分が使う妖怪を予約するとかって方法はどうですかね?
使う妖怪を予約しておけば他の書き手さんと被らないだろうし。他スレでやってた方法ですけどね。
ちなみに今後使う予定の妖怪は猫又・濡女・狢・茨木童子・道成寺清姫・蛇帯・山姫・石目です
431名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 19:00:31 ID:swePZUvm
>>430
いやー短い話ですしメインではないので気にしないでください 狸勢は人気ないかとオモタ
他の人の意見はわかりませんが、予約は必要なく基本的に自由に書いていいんではないでしょうか
多少被ったほうがむしろおもしろいし

しかし清姫に茨木童子ってすげぇwおもしろそう
432名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 19:24:29 ID:UGSdU031
こんなんできました

ttp://www1.atwiki.jp/souhatsu_youkai/

まだまだ未完成だがとりあえず投下分は一通り収録し(ガクッ
433名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 19:30:40 ID:W6rnMH9p
超乙!
デザインは素人だけどそれっぽいロゴにでも挑戦してみるかねえ…
434名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 19:38:07 ID:fsZhxtGl
wikiできた!乙!
435名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 20:01:21 ID:swePZUvm
おおー!乙! もうけっこう妖怪いっぱい出てるんだなあ、たいしたもんだ
436名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 20:01:53 ID:8025/P7+
>>432
超乙!あんたよくやってくれたよ!

>>431
やっぱ予約は必要ないですかね。他スレを参考にした意見だし妖怪が被ったほうが面白いのは同意

茨木童子は女の鬼って説があるのを知ってからは意欲がムンムンとね……
437名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 20:05:09 ID:W6rnMH9p
昔、新聞の日曜版連載小説でそんな話を読んだ覚えが…
438名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 20:21:16 ID:TRgPVqCO
酒呑童子がでたから紅葉や大嶽丸とかもでるかなぁ……

誰か塵塚怪王を出してあげて!
農民にすら負けるけど!
439名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 20:30:32 ID:EIxM8Qhj
>>432
おお、GJ!
ありがたやはずかしや

>>438
塵塚怪王ってゴミの付喪神の王だから現代なら相当メカメカしてるだろね
妖怪大戦争の機怪みたいな感じで
440名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 21:33:09 ID:Qj8FmEW0
栗本薫の魔界水滸伝を思い出すスレだ
441名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 21:38:04 ID:W6rnMH9p
100巻でグインが完結したら水滸伝の続きに着手してくれる…
そんな風に考えていた時代が(ry
442名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 00:41:36 ID:/e9WcQ/a
魔界水滸伝の妖怪達は異常にインフレしてたからなぁ
茨木童子も宇宙で戦闘するし、八岐大蛇は超光速、超新星爆発クラスの攻撃、タイムワープなどを駆使してクトゥルーの神々と戦ってたし

いつか続きを書いてくれる。そんな風に思っていた時期が私に(ry
443弱肉強食 ◆txy9XnBFdg :2008/09/29(月) 02:49:48 ID:EC6/0GwX
静まりかえった夜の住宅街。
そこで一つの狩りが行われていた―

 ●

「おのれ…」
たくさんの人間の体をごちゃ混ぜにしたような肉の塊が必死に手のようなモノを動かして移動している。
よく見ると肉の中心に能面が埋まっているのが見えた。
この肉の塊は“肉づきの面”
数百年の昔に四魂の玉の欠片を受けた大桂の木から彫りおこされた面が妖怪化したものである。
彼女は体を求めて人を喰らい続けており、今宵も獲物を探して徘徊していたのだが…。
「あはははは♪」
突如響き渡った声と共に闇を纏った槍のような物が肉塊に次々と突き刺さる!
しかし肉塊はそれを物ともしないかのように逃走を続けていく。
「頑張るね〜、いい加減諦めれば?」
声を無視しながら肉塊は建設途中のビルへ器用に登っていくが、
「ハイ、残念♪」
上空から飛来した何者かに体の半分をあっけなく両断されてしまう。
「くくく…よくもわらわの体を…」
彼女は視線を襲撃者へと向ける。
そこに立っていたのは―

「あんたの持っている光る物を貰うわね〜」
不敵な笑顔で漆黒の剣を握っている金髪の少女、ルーミアだった。
444弱肉強食 ◆txy9XnBFdg :2008/09/29(月) 02:51:14 ID:EC6/0GwX
「光る…物?…四魂の玉か
 おまえも持っているようだが…くくく…わらわから奪うだと?」
能面が縦に真っ二つに割れ、不気味な口が現れる。
「逆におまえを玉ごと喰ろうてやるわ!」
巨体に似合わぬ素早さでルーミアに襲いかかる肉塊。
「遅いってば」
ルーミアは躊躇無く、剣を振り下ろして肉塊を両断する―が、
「かかったな愚か者…」
「?」
その瞬間、両断された肉塊がルーミアを完全に挟み込んでしまう。
「くくく…」
肉塊から屈強な腕が何本も現れ、ルーミアの体をガッチリと押さえ込む。
「もはやわらわから逃げられぬ…このまま喰いちぎってくれる…」
「そう、手間が省けたわ」
突然ルーミアと肉づきの面を光を通さぬほどの闇が包み込む。
「なっ…」
「い た だ き ま す」
ルーミアが宣言したと同時に辺りに盛大な咀嚼音が鳴り響き始めたのだった…。

 ●

―しばらくして闇が晴れると、巨体を誇っていた肉塊は綺麗さっぱり消滅していた。
ビルの鉄骨の上に上機嫌に座っている少女、ルーミアに血の一滴も残さず食べられたのだ。
それは四魂の欠片も例外ではなく―
「あはは、すごいすごいすごい!
 どんどん力が溢れてくるわ!!」
二つ目の欠片を身に宿したことによってルーミアは更なる力を手にしてしまった。
彼女の目は通常より爛々としており、非常に危ない輝きを放っている。

あの時、路地裏で四魂の欠片を食べてから彼女は変わった。
強力になった自分の力に酔ってか目についた妖怪、人間を襲う好戦的な妖怪になってしまったのだ。
この変化が後に世界にどんな影響を及ぼすのか―今はまだ、誰も知らない。
445弱肉強食 ◆txy9XnBFdg :2008/09/29(月) 02:58:15 ID:EC6/0GwX
とりあえずトリップを付けてみました

キャラは、
ルーミア:東方Project
肉づきの面:犬夜叉

ルーミアをちょいと冒険してみました
こういうのって内心ドキドキです><
446名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 06:32:19 ID:usJRNnGx
乙です
恐くてイイ! 街中でそんな現場に居合わせたら失禁してしまうぜ
447名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 13:57:42 ID:3lWY8HcQ
茨木童子=女説を聞いてまず思い出したのがパワプロクンポケット10だったのは俺だけだろう…


……5裏のあやかだったら出せるのか…
448名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 14:59:37 ID:TZW/vhkl
パワプロなのに妖怪なのかよw
449狸大会議 ◆HjIIcihKyk :2008/09/29(月) 17:38:53 ID:usJRNnGx
 四国・阿波のとある山奥。狸たちが次々と集まって、腹つづみを打ち鳴らした。太鼓のような音は、山ごと揺らすようで、妖気は渦を巻く。小獣、鳥などは逃げ去った。
 集まったその面子たるや、隠神刑部、金長狸、屋島の太三郎禿狸ら狸界の大御所を筆頭に、分福茶釜狸、団三郎狸、芝右衛門狸、金平狸、お松狸、砂撒き狸、毘沙門狸、証城寺の狸、げんこつ山の狸といった、知れた狸たちばかり。
 ほか、千にものぼろうかという狸の群れが、山の一角を占拠した。
 あらかた集まった頃、月の下に金長狸が立った。
「これより狸大会議をはじめる。さて皆々様がた、今宵集まっていただいたのはわかっていらっしゃろうが、どうも近ごろ妖怪たちの不穏な動きがあるらしい。また人間どももなにやらはじめておる、ということだ」
 狸たちは腹を打って、発言の許しを求めた。そのいくつかをきいてみると、幻想郷がどうだとか、どこそこでは山がブン投げられた、人間側には長い髪で槍を振り回し妖怪退治をする者がある、などなど確かに物騒なうわさで持ちきりだ。
「妖怪といえば狸、遠慮はいらぬ。乱あればおおいに戦い、我ら狸、妖怪世界の第一党になろうではないか。人間など何の恐いことがある。討つべし討つべし」
 隠神刑部がいうと、そうじゃそうじゃと狸たちは腹を打った。隠神刑部は、かつて八百八狸を率いて人間と戦った強大な妖怪だ。
「まあお待ちを。戦争になるとして、八方敵に回すこともありますまい」
 と、分福茶釜狸がやんわり制した。この狸は人間に対して好意的だ。
「様子を見て、手を組める相手とは組み、そうでなければ距離をおき、機と見ればたたく。せいては事をし損じます」
 それもそうかな、と狸たちは静かになった。多くは、別に殺し合いが好きなわけではない。
「うむ、それがよかろう。何も無理に争う道理はなし」
 重鎮太三郎禿狸も同調するので、隠神刑部もここではしぶしぶ応じた。
 会議がお開きとなると、さあ、終わったら酒じゃ、と狸たちは宴会をはじめた。もともと真面目なほうではない。証城寺の狸が歌って踊ると、狸たちは腹をたたく。
 ホッと一息ついているのは、八衛門狸という狸だった。服を着て、人間並みに大柄だったが、気は弱い。この狸は弥勒法師という人間に仕えていた。
 宴が始まってから、二時間ほどが過ぎた。どうも空気がおかしくなってきた。狸たちが口々に文句をいいだした。
「だいたい、妖怪といえばこれすなわち狸であったのだ。それが近ごろでは軽んじられておる。どころか、馬鹿にされているのではないか」
 目の色も普通でない。どうしたことかと、八衛門狸はうろたえた。
 雰囲気は険悪になっていく。酒に酔ったようだが、それだけでもなさそうだ。
450狸大会議 ◆HjIIcihKyk :2008/09/29(月) 17:42:21 ID:usJRNnGx
 そこへ、一見浮浪者風の、汚い布に身を包む、ネズミ髭を生やした何者かが、狸の群れを割って入った。
「ちょいと、ごめんなさいよ。はい、どうもどうも」
「なんじゃ、貴様は」
 隠神刑部は牙をむいて怒鳴りつけた。
「私、妖怪コンサルタント業をしておりますビビビのねずみ男ともうします。こちらで御狸のただならぬおかたがたが会議をされているときき、ぜひお耳に入れたいことがございまして参じた次第で、へへへ」
 へりくだった態度をされると、隠神刑部はいい気になった。
「では聞いてやろう」
「世に四魂の玉というものがございます。願いを何でも叶えるという代物ですが、これがいくつもの欠けらとなって、各地に散らばっているんです。欠けらとはいえ、妖力を大いに増す力があります、ええ。これを知る妖怪たちはすでに欠けら集めに奔走しているとかなんとか」
「なんと、そんなものがあったか」
 狸たちはにわかに騒然とした。
「いや、聞いたような気もする」
「それを集めれば有利だ」
「とられれば不利だ」
「こうしちゃあおれん」
「至急、四魂の欠けらを探すのだ」
 すぐにも狸たちが駆け出すようなそぶりをすると、ねずみ男は待ったをかけた。
「ちょい待ち、こちとら慈善事業じゃねえんだ、払うものは払ってくんなきゃ。情報料ですよ」
「これでもとっとけ」
 団三郎狸が、万札を何枚か投げ付けた。ねずみ男はほくほく顔で、金を拾い集める。
「遅れを取るな、狸の名誉を挽回する機じゃ」
 隠神刑部の号令で、狸たちは四方に散っていった。これはえらいことになった、と八衛門狸は金玉袋も縮み上がる。さては、とねずみ男を探したが、もはや影もない。
 やられた、あれは奈落の手先。酒に微量の覚醒剤でも入れられたか。
(もう遅い、とにかく弥勒の旦那には知らせなけりゃあ)
 八衛門狸は雲のような、もやもやとした何ともいえない形に化けると、夜空へ飛び上がった。
 弥勒に知らせれば、犬夜叉は狸を斬るだろうか。だが、知らせが遅れれば弥勒に何をされるかわからない。
 まったく、左右の金玉を両側からひっぱられるような苦しみだ。
 ああ、巻き込まれたくない、と思いながらも、八衛門狸は弥勒法師のもとへと急ぎ飛ぶのであった。
451狸大会議 ◆HjIIcihKyk :2008/09/29(月) 17:43:54 ID:usJRNnGx
 ねずみ男は機嫌よく、木の陰で金を数えていた。
「へへ、うまくいったぜ。一、二、三……あれっ? こりゃあ、葉っぱだ! ちくしょう、やられた」
 ねずみ男は悔しがり、葉を地面にたたきつけた。
「化かされたようだな」
 ねずみ男の前に、ヒヒの皮をかぶった男が、うずくまっていた。ねずみ男は驚き、飛び上がる。
「あっ、こりゃ奈落大先生! いやもう、あんなドケチ狸ども、先生とは大違いですよ。また仕事ないっすかね?」
「機会があれば使ってやる。金などいくらでもくれてやろう」
「へへへ、そうこなくっちゃ。ところで先生、正体を見せちゃあくれませんかね?」
「貴様ごとき、これで十分だ」
 風とともに、ヒヒの皮をかぶる者は、煙のようになってかき消えた。ねずみ男は髭を指でしごきつつ、独りつぶやいた。
「傀儡か……。しかし、どうやって金を調達してんのかな。やっぱ盗みかねえ。まっ、なんでもいいか」
 ねずみ男は袖から携帯電話を取り出すと、電話をかけた。
「あっもしもし? オカルトGメンですか? ご公務ご苦労さまです。あっしは善良な一般妖怪、ビビビのねずみ男ってんですがね。ええ、耳寄りな情報をお伝えしようかと。
 実は狸どもがねえ、何かしでかそうとしているようで……、あと、奈落という恐ろしい大妖怪がいましてね……、
 おっと、これ以上はタダではいえねえな。ま、高級料亭に席でも用意して、菓子折りでも包んでくれたまえ、山吹色の菓子をね。連絡待っているよ」
 電話を切ると、ねずみ男は鼻歌混じりに山道を歩きだした。
「へへっ、運が向いてきやがった。ケンカするしか能のない馬鹿どもが、せいぜい殺し合えってんだ。最後に笑うのはこの俺様って、百年前から決まってんだよ」
 夜空の下に、ねずみ男の笑い声はいつまでも聞かれた。
452 ◆HjIIcihKyk :2008/09/29(月) 17:50:08 ID:usJRNnGx
隠神刑部、金長狸、屋島の太三郎禿狸、分福茶釜狸、団三郎狸、芝右衛門狸、金平狸、お松狸、砂撒き狸、毘沙門狸@伝承妖怪
証城寺の狸、げんこつ山の狸@童謡
八衛門狸@犬夜叉 弥勒法師の舎弟
ねずみ男@ゲゲゲの鬼太郎
奈落@犬夜叉

隠神刑部はゲゲゲの鬼太郎、平成狸合戦ぽんぽこにも、金長狸、屋島の太三郎禿狸もぽんぽこにも。
オカルトGメンはGS美神より。

この隠神刑部が前に出た隠神刑部と同じかどうかは誰にも俺にもわかりません……
明確な続きは考えてません。設定の一部でも使えたら使ってやってください。
邪魔な設定だったら無視してくださって結構です。
無責任ですみません。
453名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 19:21:40 ID:IXWO86le
>>445
>>452
お二方とも激しく乙!これは繋がっていったら面白くなりそうだ
この四魂の玉ってのは設定に盛り込みやすくて扱いに困らなさそうで良いな
このまま続きを書いていってほしい
454名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 19:38:20 ID:usJRNnGx
>>453
ありがとうございます
>>443で四魂の欠片が数百年前〜となっているから、この世界ではかごめが四魂の玉をぶっ壊したまま現代に至っているのだろうか
まあその辺は適当でいいかw 戦う動機になりやすくて使いいいと思う
455名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 20:53:53 ID:qRbYNupv
犬妖怪・犬神
猫妖怪・猫又
狐妖怪・九尾
狸妖怪・隠神形部
猿妖怪・狒狒
鳥妖怪・やた烏(やたがらす。何故か変換できない)
いろんな動物の混ざりもの妖怪・獏・ヌエ
その他獣妖怪・雷獣
これらで何か一本書けないものだろうか?面白そうだと思うんだがなぁ…
犬神VS狒狒とか九尾VS隠神形部とかからヌエ・猫又VS獏・犬神のタッグバトルとかさ
狒狒VS隠神形部とか組み合わせを考えるだけでけっこう楽しめる
456名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 22:43:06 ID:usJRNnGx
>>455
しで出るよ→咫 おもしろそうだな獣妖怪合戦

中二病風の妖怪四天王とか妖怪七福神とかできないかなーと妄想してる 十二支大妖怪とか
子……ねずみ男?
丑……牛鬼?
寅……白虎
卯……因幡の白兎?
辰……龍
巳……大蛇
午……馬頭?
未……??
猿……狒狒
酉……八咫烏
戌……犬神
亥……猪八戒?
で対抗する選ばれし十二妖怪
対子……猫娘 対丑……? 対寅……獅子 対卯……隠神刑部 対龍……鳳凰 対蛇……ガマ 対午……鹿? 対未……狼? 対猿……犬夜叉? 対酉……? 対亥……?
超中途半端orz それにしてもスレに人いないのかなあ……
457名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 00:05:39 ID:hzu6t5N5
>>456
未なら大陸の妖怪だがトウコツやカイチがおるでよ
458名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 00:35:29 ID:JLq0+BoO
>>456
因幡の白兎は妖怪扱いになるのか?つーか西遊記まで出てきたらもうカオス極まりないwww
459名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 01:08:20 ID:hFqr07Sn
因幡の白兎=因幡てゐ ですね、分かりますw

>>454
犬夜叉は原作が投げっぱなし打ち切りENDみたいなモンだからあまり気にしない方がいいかも
設定は良かったのに中盤から奈落おいかけっこばかりだったからなぁ…
最初の四魂の欠片の奪い合いは良かったのに、ね
460名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 01:26:53 ID:JLq0+BoO
確か追いかけて追い詰めて逃げられてまた追いかけて追い詰めて逃げられての繰り返しだったっけ?
殺し合いや奪い合いの話はダラダラ引っ張ってはいけない見本ではあったんじゃね?
伸ばすとこは伸ばして締めるとこは締める。話の勢いとスピードは物語では重要って教訓にはなったろ
461名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 01:30:19 ID:6AcBhuLo
追いかけて追い詰めて逃げられてまた追いかけて、たまに新しい分身が出てきて以下ループ、
ってだけの展開で後半35巻分くらい保たせたのは素直に凄いけどなw
462名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 01:33:09 ID:3HzCOuIi
ちょっと待てそんなに続いたのかwww
作中逃亡回数が二十回を超えるとは聞いたが、よくそんなに続いたな。
463名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 01:41:11 ID:6AcBhuLo
犬夜叉、コミックス全56巻(予定)でございます。
桔梗死んでからこっちストーリー動いてねえw
464名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 01:48:10 ID:hFqr07Sn
迷走し出してからの犬夜叉のスレタイを転載してみる

【迷走】犬夜叉 十三【戦国ラブ米】
【混迷】犬夜叉 十四【ドツボ】
★犬夜叉★15〜戦国あいのりの旅
【好きだから】犬夜叉 其の十六【終わって欲しい】
【無限】犬夜叉 其の十七【ループ】
【奈落逃亡】犬夜叉 其の十八【またですか】
【行き当たり】犬夜叉 其の十九【ばったり】
【TV終了】犬夜叉 其の二十【原作ループ脱出?】
【今年中に】 犬夜叉 其の二十一【終わってくれ】
【誰か止めて】 犬夜叉 其の二十二【500回宣言】
【作者にイライラ】 犬夜叉 其の二十三【読者爆発】
【我々読者は】 犬夜叉 其の二十四【疲れ果てました】
犬夜叉二十五
【狼は逝け】犬夜叉二十六【雑魚キャライラネ】
【増えるワカメの】 犬夜叉 其の二十七【KO・I・GO・KO・RO】
【いよいよ佳境?】犬夜叉其の二十八【さらば桔梗】
【佳境じゃ】犬夜叉其の二十九【ないじゃん】
【ノロノロ呪!】犬夜叉 三十【30スレ突入】
【10年経っても】犬夜叉其の三十一【話進まず】
【戌年過ぎても】犬夜叉其の三十二【終わりません】
【終わりなき】犬夜叉其の三十三【新展開】
【空しく過ぎ去る】犬夜叉其の三十四【500回記念】
【50巻ぐらいで】犬夜叉其の三十五【取り乱すな】
【一歩進んで】犬夜叉其の三十六【三歩下がる】
【苦悩するのは】犬夜叉其の三十七【琥珀だけ】
【何するつもりだい】犬夜叉38【何もない】
【勝手な】犬夜叉39【奈落】
【本当に】犬夜叉40【最終決戦?】
【やっぱり】犬夜叉41【逃げた】
【奈落】犬夜叉42【愛に餓えて】
【ずっと】犬夜叉43【最終回のターン!】
【終われ】犬夜叉44【さっさと】
【連載11年】犬夜叉45【ついに最終回】

ちなみに映画を含めて奈落の公式逃亡回数は23回らしい…
465名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 02:04:52 ID:6jABBwNl
うん、まあ、アンチスレ行っとけ
466名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 02:09:53 ID:3HzCOuIi
疲れ果てましたの後の簡素なタイトルには吹いたw

つまりそういうわけで現代まで逃げ延びたわけか、ここでは。
倒しはできても仕留めきるのは実に難しそーだ。
467名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 02:25:14 ID:hyzF+RXj
ちょっと待て!これは重要なヒントでもあるんじゃね?

SS登場キャラの一体が毎回登場→逃亡→再登場→逃亡を繰り返す
最初は雑魚キャラだったのに再登場するたびに強くなる
その間強いキャラが次々退場→段々逃亡キャラが強大になっていく
あ〜ら不思議!後半で重要キャラに大変身!最後はラスボス的な存在にもなれます

どうよこれ?よく考えたらすごくね!?
>>438の塵塚怪王とか妖怪では最弱クラスの奴でもこれで使えそうな予感!!
468名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 02:34:33 ID:hyzF+RXj
書き込んでから気付いたがこれってパクリだよな……
でも弱いくせに毎回登場する謎のキャラとか物語の鍵になったりして良いと思うんよ
でもこれには伏線を張る技術と書ききる努力と物語を書く才能が必要である
下手に書くと物語が伸びに伸びて読者に飽きられる可能性もある諸刃の剣
素人にはおすすめできない。まあ素人は短編読み切りでも書いておけってこった

……あれ?どうして吉野家コピペになってんだ…
469名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 03:43:16 ID:d6/KAvgo
基本はW主人公だろ、性格や考え方の違う両者が
チート級の影の黒幕の登場によって協力しあい、最後には倒す

これが一番盛り上がる
470名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 07:42:04 ID:dbuXdjAd
>弱いくせに毎回登場する
ねずみ男ですねわかります。

しかしPC規制中だから、書きたいのに書けないんだよなぁ。
携帯から頑張ってみるか……
471名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 08:44:41 ID:uFla9enc
俺なんて思わずモリタポ買っちゃったぜHAHAHA
……運営、はかった喃、はかってくれた喃

しかし再登場するたびに強くなるねずみ男ってのも想像できんw
472名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 18:02:48 ID:hzu6t5N5
登場する度に強くなれるよ
体臭とか
473名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 18:06:34 ID:tovScqTT
>>471
p2仲間にようこそ
でもp2以外と便利だぞ
設定やログ保存がローカルじゃないから
いつでもどのPCでも2ちゃんできるし

俺規制が解けてからもp2で2ちゃんしてるもん
474名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 19:13:43 ID:hyzF+RXj
誰か鈴鹿御前と大嶽丸の三刀の刀について知ってる人いないか?
大通連・小通連・顕明連の三刀なんだが鈴鹿御前の刀の説と大嶽丸の刀の説に別れてる
その意味が分からないんだ。一説では鈴鹿御前が大嶽丸に譲ったなんて説もあるしさ
敵対関係の二人が同じ刀の所有者とか譲ったとか説が多すぎて意味が分かんないんだ
これ正確な情報知ってる人がいたら教えてほしいんです。お願いします
475名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 19:23:46 ID:lsKmF2Ck
書いてある出展によって変わるっぽい
鈴鹿御前が鈴鹿山に持ち込んだのがまず最初の三刀

大嶽丸は阿修羅王から授かったとあるので
巡り巡って三刀が大嶽丸の手に渡ったでいいんじゃないんでしょうか?
476名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 19:52:23 ID:hFqr07Sn
そういえば話の舞台は現代?だと思うが弥勒ってどうやって来たんだろ?
やっぱり時空の歪み云々かな?
477名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 20:29:30 ID:85vEVMi1
鈴鹿御前自体も天女が落ちたんだったり魔王の娘だったりするのだとか
大嶽丸は大武王なのだろうか このへんはむずかしいやね

>>476
井戸を通ってきたのか、それともそこらへんは曖昧にして、とにかくみんながいる のか……
うしとらに時逆・時順という妖怪がいたな あいつらが色々つれてきたとか……
478名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 20:33:51 ID:V0vuGz72
そのへんの設定はSS内でがんがん追加しちゃっていいとおもうよー

ついでに報告。Wikiの人妖紹介のページに登場キャラ一覧を追加しました。
まだ個別ページには全く手をつけてないけど気にしてはいけない……
479名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 21:20:58 ID:85vEVMi1
>>478
おおー乙です
少しずつ増えていくと楽しいのう 今書いてる人もいるんだろうか

これから出るのは加藤保憲とかかな
480名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 22:41:44 ID:hyzF+RXj
>>475
ありがとうございます!う〜ん、やっぱそうなるしかないわな…。こんな矛盾があってはどうも書きにくい…
『田村三代記』を使うか『田村の草子』を使うかで話が変わるな…いや待てよ?
しかしこんな矛盾もシェアと考えれば逆転の発想で二つの説も使える……ッ!
>>477
鈴鹿御前盗賊説も鬼女説もあるよね。結局なんだったんだっつー話ですよ
481名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 23:56:39 ID:ikRNHpcv
>>478
乙っす
百鬼夜行出来るどころか妖怪大戦争ぐらい行ったらおもしろいですねー

>>479
最初の方は加藤が黒幕とか思ってたけどどうなんだろねぇ
とりあえずいつも通り日本滅亡を企みそうだけど
482名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 23:58:05 ID:ikRNHpcv
>>478
乙っす
百鬼夜行出来るどころか妖怪大戦争ぐらい行ったらおもしろいですねー

>>479
最初の方は加藤が黒幕とか思ってたけどどうなんだろねぇ
とりあえずいつも通り日本滅亡を企みそうだけど
483名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 23:58:45 ID:ikRNHpcv
あ、二重スマソ
484名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 03:38:38 ID:iKsrnp4N
大事なことなんで2回言ったんですね^^わかります
485世にも恐ろしいお化け ◆HjIIcihKyk :2008/10/01(水) 20:51:08 ID:Q9sk4vDl
 一つ目小僧と三つ目入道は、並んで街を歩いていた。
 一つ目小僧が、顔の中央にある大きな目で、三つ目入道を見上げて言った。
「なあ三つ目よ、最近よお、戦争戦争って物騒だナァ」
「なァに、俺たちには関係ねえやな。視野をよ、こう、広く持たにゃあいけねえぜ、一つ目」
 三つ目入道は三つの瞳を動かして笑った。
 一つ目小僧も大きな一つ目を愉快そうに光らせた。
「肝が座ってるねェ」
 戦争前夜の不穏な空気も、彼らにはあまり関係ないようだ。
「それにしても三つ目、すっかり迷子になっちゃったなあ。ここは何丁目だい?」
「どこでもいいじゃねェか、気にすんな。俺たちゃ妖怪、バガボンド。
 気のおもむくまま、風の吹くまま、ケ・セラ・セラぁー、ケセランパサランっとくらぁ。
 戦争なんかする奴らはバカだよ、腹が減るだけさ。オット、こっちの腹の虫が鳴りだしたぃ」
 二人は笑い合いながら、ハンバーガーショップに入っていった。
 まだ昼前で、店内に客はいない。カウンターの向こうで、女性店員が背を向けている。
 三つ目入道はカウンターに太い腕を置き、注文した。
「姉さん、ミミズバーガーセット、二つちょうだい。大至急でナ、ハハハ」
 女性店員はくるりと振り向き、顔を見せた。若い店員は二つの目で、優しく微笑んでいる。
「お持ち帰りですか?」
 若い女はすぐに顔を引きつらせ、悲鳴を上げた。
 直後、一つ目小僧と三つ目入道も、仰天して叫んだ。
「ふ、二つ目のお化けー!」
 二人は草履を鳴らし、あわてて店を出ていった。
486 ◆HjIIcihKyk :2008/10/01(水) 20:53:42 ID:Q9sk4vDl
一つ目小僧@伝承妖怪
三つ目入道@伝承妖怪
誰かおりますかのー ボツにしようかと思っていた話でしたがレスがないので投下しちゃいました。ありがちな小咄でした。
御粗末。
487名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 22:32:10 ID:kpsZRi7m
まさに小噺だねw
粋なオチでしたー
488名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 12:18:19 ID:es9CiwrH
おお!投下乙!そしてなんというありがち!w
このスレ人がいるのかいないのかよくわからんなあ
話題になるような話がないからかね?週末になれば人増えるだろうと思うけどさ
よーし、パパも頑張って投下しちゃうぞーってな人が増えてほしいよ
489名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 12:21:50 ID:hnR72dth
とりあえず今は俺がいるぞw
なんかこういう漫才あったよな
490名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 14:25:09 ID:PwzQOBG4
やっぱスレタイが問題なのかな
早く使いきって次スレ立てたいな
491名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 16:53:02 ID:1k+qqLdx
ちょいと遅いが投下乙!
こういう話…俺も、好きだぜw

もっと雑談で盛り上がってもいいんじゃないかなぁ
オススメの作品を紹介したり…
というわけでPS2版の「どろろ」は面白いぞ
全ての魔物を撃破して百鬼丸が人間に戻れるのがすごく良かったw
492名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 17:08:19 ID:xzZgX6Yw
あれはストーリーもしっかり作られてて良かったなあ
目を取り戻すと白黒からカラーになったりとか演出も凝ってた
493名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 17:40:15 ID:jwfzk2fg
マジでか、キャラデザがリアルっぽいから敬遠してたけど探してみるかな
とりあえず百鬼丸はぜひこの世界にも登場してほしいところw
494名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 18:10:01 ID:JzM1uK7m
PS2版とかあんのか
漫画のほうしか知らなかった
495名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 18:10:51 ID:lyio+uel
アニメ化もしてるよね
496名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 18:19:49 ID:xzZgX6Yw
キャラデザは無限の住人の作者だね
497名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 18:44:25 ID:vuPSshLl
映画化はしてないよね、そうだよね
498名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 20:09:12 ID:es9CiwrH
ゲームしないからPS2持ってない俺涙目www
どろろなら現在ヤングチャンピオンで連載中のどろろ梵がおすすめ
第一話からびっくりさせられる
499名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 20:16:32 ID:lyio+uel
小学生の頃図書館に唯一入ってた漫画が手塚治虫作品だったから
いろいろ読みふけったなー
500名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 22:10:31 ID:JPR8ZjsN
>>498
あぁおれもどろろボン好き
読んでない人は是非!
オリジナルとのクロスとか読みたいなぁ〜
501名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 22:31:26 ID:fhJXOdER
しかしヤンチャンと言えばウルフガイは・・いやあれは妖怪じゃないな、失敬失敬
502名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 22:52:59 ID:es9CiwrH
>>501
狼男の話だな。あれも面白いよな。でも男ってみんな夜になると狼になるんだぜ?
そう、男はみんな狼男なんだよ。俺も毎晩ベッドの上で羊の皮を脱いで狼に(ry
503名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/03(金) 08:05:46 ID:71dq1wUC
男は狼なのよ気をつけなさい〜
504名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/03(金) 08:12:12 ID:yaWtn2qw
年頃になったなら、気をつけなさい
505名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/03(金) 14:33:39 ID:j/IqK2sO
SOS!SOS!
506名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/03(金) 18:22:56 ID:71dq1wUC
意外とノリいいなw
というかがんばってスレ進行早めてはやくスレ使い切ろうとしてるのか
507名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/03(金) 19:11:14 ID:3Kx3M1EE
スレタイにロワが入ってると諸刃の剣の面あるかんな。
さっさと使いきっちゃった方がいいのかね?
508名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/03(金) 19:30:33 ID:uhzXQuKv
埋め目的のレス連発はあんまり見ていて気持ちいいものじゃないなぁ…

そういえばアニメ「学校の怪談」は話にあがらないね
日曜ゴールデンタイムに堂々パンチラをするすごいアニメだったけど、ワンピースの放送時間が変更されたせい?で終わってorzした記憶がある
509508:2008/10/03(金) 19:32:34 ID:uhzXQuKv
ぬおっ!読みにくい文になっちまった…スマヌorz
510名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/03(金) 19:42:59 ID:O36o4ZMs
パンチラとEDと天邪鬼のツンデレっぷりしか覚えてない>学校の怪談
511名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/03(金) 19:44:58 ID:71dq1wUC
アニメのほうの学校の階段は見たことないな
512名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/03(金) 20:20:54 ID:OuBLgOH/
記憶が間違ってなければEDの百鬼夜行絵は迫力あった>学校怪談
もう内容忘れちゃったけど本だかノートだかに妖怪の攻略法かなんか書いてあったんだっけ?
513名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/03(金) 21:54:47 ID:biurb0jV
>>510
それでほぼ95%くらい
あの天邪鬼は反則
514名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/03(金) 23:26:08 ID:y825iSWy
>>513
天の邪鬼最終話「テメェのせいで約束を守れなかったじゃねえか!」
うろ覚えだが号泣した。
天の邪鬼出したいな…、確認の為にビデオレンタルしにいくかな
515名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/04(土) 01:13:41 ID:CqVIUBNN
アニメ怪談の怪談の思い出

さつきのパンチラ
桃子のパンチラ

いい思い出ばかりだ
特に桃子は鉄壁のスカートだったのが最終回で初めてパンツを見せたという感動的なエピソードが
516名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/04(土) 12:48:17 ID:gLaHO77A
お前らパンチラしかないのかw
517名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/04(土) 17:52:04 ID:Ei/YgQyQ
このスレにバックベアード様の出番がまわってきたな
518名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/04(土) 20:08:06 ID:MYcvChg+
         (<、,,> ":::::::::::::::::::::::::::: 、
      〜〈/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::)
       〃:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::<、    ど ロ こ
     ~そ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,)   も リ の
  、_ ,, /::::::::::::::::::::::::、,ゝ===く:::::::,:::::ヽ  め コ
    `V::::::::::::::::::::、_γ      `ヾ,_ < ! ン
     l::::::::::::::::::::::く(   r,J三;ヾ   )> く,
 〜v,ん:::::::::::::::´:::::::=; {三●;= }  ,=ニ `/l/!/⌒Y
     l:::::::::::::::::::::::::::::ゝ≡三=イ ´::::゙:::::::::::::::::::::::::::::::
 、m,.. ,ゞ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
 ´ " ~ ヘ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::


519名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/04(土) 20:10:46 ID:HWfgPkI6
で、でたー
520名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/04(土) 20:16:17 ID:lBTpBi/V
ま、まだだ!まだ慌てるような時間じゃない!
521名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/04(土) 20:19:16 ID:s/ztwotI
おやバックベアード様いらっしゃい
522名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/04(土) 21:01:52 ID:Ei/YgQyQ
マジで現れよったwww
523名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/04(土) 21:31:04 ID:2yadQePo
光化学スモッグの化身か……いまや中国妖怪かもしれん
524名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/04(土) 23:47:13 ID:HWfgPkI6
一つ目妖怪だな、これは
525名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 00:19:34 ID:/NKkdMFJ
ベアード様は西洋妖怪の総大将だからな
いわば大妖クラスの大物だからそのへんの妖怪じゃ手に負えないw
526名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 00:22:35 ID:5G4KFzOG
そんなに凄い妖怪だったのか
527名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 00:27:36 ID:mYMe+m1c
なんにしても西洋妖怪の出番はSSではまだだろうな
528名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 06:37:52 ID:Q2b4Fxmk
十月三十一日ハロウィンに西洋妖怪日本襲来とか……
529名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 18:47:01 ID:mYMe+m1c
日曜なのにこの過疎っぷりは…
530名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 18:53:45 ID:J3RXApKw
他の目的向けに書いてるからこっちに手が回らないんだよな。
幾つかネタは有るんだけど。
531名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 18:54:46 ID:oLl6/MmU
スレが沈んでると目に見えて書き込みが減るぞこの板
532名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 18:57:41 ID:Q2b4Fxmk
板自体に人が少ないんだな……

うしおとか美神とか鬼太郎とか主役級のキャラや、人気のある妖怪を書くのに躊躇してしまうんだが
俺が書いたからって独り占めする気ないし、むしろどんどん書いちゃってほしいんだけど
どうしたらいいかな? 投下したあとそう書いといたらいいか

まあまだ書けてないけど
533名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 19:00:29 ID:5G4KFzOG
会話があると人が沸いてくるよ
書き込みがないと人がいても誰も書き込まない
534名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 20:16:53 ID:kzC55hwm
まぁそれは真理だな

>>532
どんどん書いちゃえ
同じ妖怪が何人いてもその矛盾が許容される世界なんだから
535名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 20:41:23 ID:NfPjfLbK
俺も今現在書いている最中の一人ですよ
複数の話を同時に書いているから遅いのなんのって…
しかも話が長くなりすぎて全何話になるのかすら不明だったりしてもうどうしようもない
今日中に投下しようとしてたらいつの間にかこんな時間に…しかも今日中に終わらない……
536名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 21:11:44 ID:Q2b4Fxmk
>>534
あんがとー じゃあ書いていくか
>>535
エライ! 期待してるよ 焦らずいってください

でもまあなんつーか自分の作品の創作が優先だよね
537名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 08:40:58 ID:tjN9+e8C
自分の小説書いててはかどらないときはこのスレの妄想して気分転換してる
こっちのほうがはかどるってことがある
538名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 09:20:39 ID:BhFtvCYN
その妄想をこのスレにぶつけようぜw
539名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 12:10:09 ID:YEd/LoZA
このスレの読み手でSSでこの妖怪を出してほしいとか書いてほしいのってのあるかな?
どんなSSになるかはわからないけど一本か二本書いてみようかと思う
540名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 12:54:22 ID:AqUvm+7R
版権物でもいいの?
541名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 14:09:18 ID:r2DwCsD3
二宮金次郎さんの石像とかどうよ?
542名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 16:54:23 ID:YEd/LoZA
版権もの…どうなっても良いならなんとか。うしとらとぬ〜べ〜とかくらいしか知らない……
書けるものと書けないものがあるんでそこらへんはリクエスト次第になります
リクエストがあれば頑張ってみます。でも期待に応えられるかどうかは分かりません
543名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 19:01:21 ID:tjN9+e8C
塵塚怪王が一時人気だったような……
個人的には女郎蜘蛛、雪女、ろくろ首といった綺麗所に出てきてほしいかな
スレの総意はわかりゃん
544名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 21:17:32 ID:8rCdN5IM
版権なら怪異いかさま博覧亭あたりを…
545名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 21:43:20 ID:yXbKona9
け、毛羽毛現を!
一心不乱の毛羽毛現を!
546名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 22:26:21 ID:YEd/LoZA
>>543
採用!理由はなんか書きやすそうだからッ!!
>>544
>>545
わ、わかんねぇ……。とりあえずネットで調べてみます

○○と××とか単体希望とか複数で希望とか具体的だとネタを考えやすくて嬉しいです
547名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 00:46:47 ID:d8mMEzXT
地獄少女とか出してくれたら嬉しいな
三藁は妖怪だったはず
548名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 02:19:04 ID:4vmE6H1H
地獄少女は考えてたけど(別の人です)まだネタ固まってないな。
配下は妖怪だし、地獄少女自身も妖怪みたいなもんだから有りだろうな。

そういや塵塚怪王はガープス妖魔夜行のリプレイで珍しく出てたっけ。
麒麟や案山子の精やセイレーンといった仲間達と共に、
旧約聖書の悪魔が企む東京崩壊の陰謀に立ち向かうお話w
549名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 20:02:57 ID:4P6nLf4s
あいたんと聞いて飛んできました
550名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 20:40:26 ID:K4fxorMd
>>545
一心不乱という作品があるの? 多岐に渡る知識が必要とされるスレだぜ

美神親子は雷で時間移動できるからどろろや犬夜叉関連を呼べるだろうか
やっぱり時空の歪みがその辺にあるとかでいいんかな
551名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 20:47:52 ID:XeY0PiUE
個人的には一本だたら@向こう側のまさか とか見たい
552名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 21:24:50 ID:JzquH6gp
>>550
ヘルシングネタじゃね?
553名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 21:39:25 ID:xAdiLYkM
毛羽毛現自体を鬼太郎以外で見たことがないw
554名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 22:04:15 ID:2X5/3+aW
塵塚も出ていたガープス妖魔夜行では見たぞ、毛羽毛現。
小説の方に出て多少バトル参戦までした。割と脇役だったけど。
555名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 22:16:10 ID:4P6nLf4s
諸君 私は妖怪が好きだ

悪四郎が好きだ 桂男が好きだ 逆柱が好きだ たんころりんが好きだ 納戸婆が好きだ
白蔵主が好きだ 枕返しが好きだ 夜行さんが好きだ 雷獣が好きだ 輪入道が好きだ
墓地で 辻で 廃墟で 草地で 雪山で 河原で 海上で 空中で 田沼で 戦場地で
この地上に現われる ありとあらゆる妖怪が大好きだ
垣根を囲んだ 家鳴りの一斉行動が 轟音と共に屋敷を揺らすのが好きだ
空中高く下げられたヤカンヅルが 旅人を驚かす時など 心がおどる
ひらひらと伸びあがる 板鬼が 侍衆を押しつぶすのが好きだ
悲鳴を上げて 以津真伝が 人間を追い回す時など 胸がすくような気持ちだった
足並みを揃えた 無耳豚の集団が 人の股をくぐるのが好きだ
恐慌状態の参列者が すでに飛び去った火車を 声をあげて指差している様など 感動すら覚える
縊れ鬼が 町民を門の外に 吊るし上げていく様などはもうたまらない
泣き叫ぶ船乗り達が 船幽霊のかかげる柄杓と共に ざぶざぶと沈んでいくのも最高だ
哀れな女房が 夜中に恐る恐る片車輪を一目見た隙に 子供を攫っていく時など 絶頂すら覚える
べとべとさんに あとをつけられるのが好きだ
西洋の大妖怪だったバックベアード様が ロリコン呼ばわりされる様は とてもとても悲しいものだ
共潜に出会って 海女が帰ってこなくなるのが好きだ
さとりに心をよまれ 顔を白黒させられるのは 屈辱の極みだ

諸君 私は戦争を 百鬼夜行の様な戦争を望んでいる
諸君 このスレをROMっている同士諸君 君達は一体 何を望んでいる?

更なる戦争を望むか? 情け容赦のない 糞の様な戦争を望むか?
鉄風雷火の限りを尽くし 三千世界の鴉を殺す 嵐の様な闘争を望むか?

石燕!!八雲!!しげる!!

よろしい ならば戦争だ
我々は推敲を重ねて 今まさに投下せんととするSSだ
だが この過疎板で 二週間もの間 堪え続けて来た我々に ただの戦争ではもはや足りない!!

大戦争を!! 一心不乱の妖怪大戦争を!!
556546:2008/10/07(火) 22:45:19 ID:ovMgzV7W
閻魔あいが制服の上から割烹着を着て毛羽毛現の全身の毛をバリカンで刈ったり
女郎蜘蛛と雪女とろくろ首が女子プロに入団したり二宮金次郎が砕かれたりする
SSが思いついたんだけどカオスすぎてオチが思いつかないorz
とりあえず
>>541・二宮金次郎(石像)
>>543・女郎蜘蛛・雪女・ろくろ首
>>545・毛羽毛現
>>547・地獄少女
これでなんか一本書いてみうおうかと思います

塵塚怪王と一本だたら、いかさま博覧亭はもしかしたら出すかもしれません
遅くなる上にどんなSSになるかわかりませんので期待はしないでください

>>555
よくそこまで思いついたもんだ。お前がNo.1だ

>石燕!!八雲!!(松崎)しげる!!
557名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 22:48:28 ID:ovMgzV7W
× これでなんか一本書いてみうおうかと思います
○ これでなんか一本書いてみようかと思います
もう書く前から駄目駄目な予感……
558名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 22:49:37 ID:z9T+GvOy
ここまで気合の入った改変なかなかないぞww
559名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 22:56:22 ID:K4fxorMd
>>555
これ自体がSS投下に等しいな GJ!
触発されるぜwネタ考えよっと
560名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 23:31:40 ID:vCLiZwTA
なんというスレスト……

妖怪じゃ!時を操る妖怪の仕業じゃ!(そんなのいるのか知らんけど)
561名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 23:34:24 ID:etAEkf3S
時を操る妖怪って結構いないか?
562名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 23:35:07 ID:VpYl16xQ
伝承妖怪にはいないかも
563名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 23:36:11 ID:I8D2axZP
時逆と時順て妖怪なら「うしおととら」に出てきたな
感覚を狂わせる妖怪はいても、時を操る妖怪は聞いたことないな……
ディオ様とかヨグ・ソトースとかかな
564名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 23:41:52 ID:vCLiZwTA
なんで十分足らずで三人も出てくるんだ、丸二日止まってたのにw
565名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 23:43:26 ID:I8D2axZP
それが創発Gクオリティ
566名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 23:44:28 ID:1SaBgt0l
いや更新してレスあったら書き込むだろ
567名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 00:25:48 ID:WefSjpPQ
なんとなくDIO様とPAD長の戦いを見てみたくなってきたw
568名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 00:27:43 ID:owqKeRBn
ヨグ様とはご親戚みたいな八雲紫(東方)もよろしく。
一応、昼と夜を混在させるくらいに時間の境界操れる。時間妖怪っていうか万能妖怪だけど。
後は糸車みたいな妖怪が時間操ってるのを何かで見た覚えは有る。妖魔夜行だっけか。

他は……あんまり思いつかないな、時間操る妖怪。
569名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 00:31:21 ID:uvTBQnUT
時間を操る人間ならともかく、妖怪は思いつかないな。
妖怪以上になると神とかのレベルだし。
570名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 02:26:05 ID:sq5J2L2h
鬼太郎に時を操って敵の周りの時間を数万年経過させる能力を持った妖怪がいたな
まあ、鬼太郎は数万年時が経って風化したくらいじゃ死なないから無意味だったんだが
571名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 08:37:59 ID:lHLlapVd
冷静に考えるとつくづくチートだな鬼太郎w
「強い」というよりも「しぶとい」って方向に特化してる気がするけど
572名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 21:38:31 ID:lK4ZQkPO
>鬼太郎は数万年時が経って風化したくらいじゃ死なない

鬼太郎はディープワンか何かかよw
寿命ってレベルじゃねーぞw
573名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 22:48:21 ID:oHpA4W/i
死因に風化って名前が出てくる時点でどうかと思う
574名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/11(土) 14:23:07 ID:9yWV2Me4
そもそも妖怪って寿命あるのか?
大抵の死因は誰かに討たれましたとかだよな
ま、偉い人も「お化けは死なない 病気もなんにもない」て言ってるしな
575名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/11(土) 15:04:59 ID:IFOUfQmF
いつのまにか弱って消えるっていう寿命はあるかも
記憶や伝承から消えるという意味で
5764589632J:2008/10/11(土) 21:05:59 ID:AyddQm9D
投下する子はいねがー
ネタはあるんだけど、狸大会議と世にも恐ろしいお化け連続で投下してる者じゃから投下しづらいです
途中まででも書いてるかたはできたら投下しておくれだよ
577名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/11(土) 21:09:15 ID:IFOUfQmF
連続とか気にせず、そこは投下こいこい!
578 ◆edbrH4JiJo :2008/10/11(土) 21:12:46 ID:AyddQm9D
#付け忘れてしまった トリップ変えるね
ではいくぞー 聞いて驚け見て笑え
579名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/11(土) 21:15:14 ID:IFOUfQmF
よっしゃ支援
580名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/11(土) 21:15:29 ID:aryzzmMj
支援
581眠れる森の美女! ◆edbrH4JiJo :2008/10/11(土) 21:18:55 ID:AyddQm9D
 空はよく晴れ、白い雲がいくつか、のんびり流れていた。
 道はゆるやかにうねって、両脇に木や草が茂っている。山村へと続いている道のはずだ。
 いつものごとく、犬夜叉たちは四魂のかけらを探して、旅をしていた。
 犬夜叉は長い銀髪で、頭に犬の耳をつけているが、見た目は人間の若い男に近い半妖だ。
 遠い時代に生まれた、中学の制服を着た少女かごめは、たまに意識を集中してみる。
 かすかだが、四魂のかけらの気配を、かごめは感じていた。
「後ろから、変な匂いの奴が近づいてるな」
 犬夜叉は鼻を動かしながら、振り向いた。
 道の向こうから、浪人風の侍らしい男がやってきた。
 長い髪を後ろで束ねて、鋭い目をして、古くなった着物をまとっている。腰に刀を差していて、隙の無いさまだ。
 近づくと、男は犬夜叉に口をきいた。
「おまえ、妖怪だな」
「なんでぇ、てめえは」
「俺の体を持っているなら返せ」
「何をわけのわからねえことをぬかしやがる」
 犬夜叉は短気が欠点だ。
 敵と見るや、侍は刀を抜いた。よく光る刃をした立派な刀だ。
 犬夜叉は牙をむき、刀の柄に手をかける。
「やるかっ」
「待ちなさい、犬夜叉。この方はただの人間です」
 弥勒法師が制止した。あまった後ろ髪を縛り、右手に数珠を巻いた、若い法師だ。
 犬夜叉はかまわず鉄砕牙を抜いた。鉄砕牙の刀身はとたんに反って大きくなった。
 犬夜叉の鉄砕牙がうなり、百鬼丸の刀がひらめく。刃がぶつかり合うと、火花が飛び散って互いの顔を一瞬照らした。
「うむっ、妖刀か」
 侍は地を蹴り、距離を取って身構えた。
 人間が鉄砕牙と対等にやりあえるとは、と犬夜叉は内心、あせる。
 かごめは戦いを止めようと、侍に説明した。
「待ってください、こいつは悪そうに見えるけど悪ぶってるだけで、本当は少し悪いだけの妖怪なんです」
「変な紹介するな!」
 犬夜叉は銀の髪を逆立てる。
「おい、待ちなよ、犬夜叉」
 珊瑚も犬夜叉を止めようとした。長い黒髪をした女で妖怪退治屋だが、今は村娘のような格好をしている。
「あれはかなりの使い手ですね。止めないとどちらかが大怪我しますよ」
 弥勒はむしろ、見知らぬ侍を心配した。
「よしっ、おらに任せい」
 子供のような姿の妖狐、七宝は飛び上がると、コマを投げた。コマは空中で大きくなって、侍に迫る。
「あっ、兄貴ィ」
 突然の子供の声に、かごめたちは驚いた。
 声にふさわしい小柄な子供が、木の裏から飛び出した。
「なんだ、ありゃあ」
 薄汚れた身なりをした子供は、大きなコマをさしてわめいた。
「落ち着け、どろろ。あれはあのチビ狐の幻術だ」
 侍はさほどあわてず、犬夜叉を警戒している。
「よーし、ならおいらがやってやる」
 どろろとよばれた子供は風のように素早く走ると、七宝にぶつかった。
 七宝が倒れると、大きなコマは消えた。どろろはまた走って、手に持つ袋を見せびらかした。
「へへん、いっただきィ」
 七宝が懐に入れていた袋だ。
「ああっ、おらの宝物、返せ!」
 七宝は半べそかいてどろろを追う。どろろは逃げながら中を確認した。
「何だぃ、ガラクタばっかりじゃねえか」
 どろろは中身のどんぐりや葉を投げ捨てた。
 あわてて拾う七宝。
 何やら戦いの雰囲気が壊れて、犬夜叉は戦意をそがれた。
「返してやれ、どろろ。こいつらは俺の体を持っていないようだ」
「なーんだあ、ザコ妖怪どもか」
 どろろが袋を投げると、七宝は大事そうに受け取った。
582名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/11(土) 21:21:58 ID:IFOUfQmF
支援
583名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/11(土) 21:23:22 ID:aryzzmMj
支援
584眠れる森の美女! ◆edbrH4JiJo :2008/10/11(土) 21:23:33 ID:AyddQm9D
 その時、何かが犬夜叉と侍の間に飛び込んだ。
 人ほどもある大きさの、虫の妖怪だ。黒い虫の妖怪は、ハサミのような手を向け、不快な声で鳴く。
 出やがったか、と犬夜叉は相手を変え、虫の妖怪を斬り付けた。
 悲鳴を上げて逃げようとする妖怪に、侍は足を向けた。足が取れ、すねから液体が飛び出す。
 液体を浴びると、虫の妖怪は体を溶かして倒れた。
 自分の毒のようなものか、だが義足に仕込むとは、と珊瑚は感心した。
 侍は何でもないように、足を戻した。
「こいつも俺の体を持ってはいないようだな」
「変な匂いはその薬か。何もんだ、おまえらは」
 鉄砕牙を油断なく構え、犬夜叉はきいた。
「俺は大泥棒どろろ様、こっちは百鬼丸の兄貴、おまえたちみたいな妖怪専門の殺し屋だ。兄貴を知らなきゃこの世界じゃモグリだぜ」
 まくしたてられるどろろの口上に、かごめたちはぽかんとした。
 百鬼丸は刀をさやにおさめると、歩きだした。
「あっ、待ってくれよぅ、兄貴」
 どろろは急いであとを追う。
 二人を見送ると、犬夜叉も鉄砕牙をさやに戻した。
「けっ、何だってんだ」
「泥棒の子供に浪人、ずいぶんと変わった取り合わせですなあ」
 弥勒がいうと、かごめは同意した。
「本当……。まあ、私たちもそう思われてるかも知れないけど」
 自分だけが普通だ、と思い、かごめたちはそれぞれうなずき合った。

 やがて、犬夜叉たちは山間の村に行き着いた。
 小さいがのどかで平和そうな村だ。だが、この辺りには妖怪が出るという噂だ。
 あいさつしようと弥勒を先頭に、一同は寺に向かった。この時代、寺も神社もごっちゃになっている。
 寺の前で、巫女の格好をした少女が、御輿のようなものに乗せられていた。
 神主が集まり、道士が何やら指示している。
 村の者が野次馬になって見物していた。
 弥勒は巫女に歩み寄ると、手を取り目を見つめる。
「私の子を産んでくださらんか」
「あ、あの……」
 巫女の格好をした女は困惑した様子だ。
 珊瑚が、飛来骨というくの字型の大きな武器を取り、弥勒の後頭部を打った。
 一連のこうした行動はよく知っているので、かごめたちは何とも思わない。
「何だ、おまえたちは」
 黒い服、黒い帽子の髭を生やした道士がとがめるようにした。
 犬夜叉や弥勒はそれほど悪い者ではなく、自分たちは妖怪退治をしながら旅している、とかごめは簡単に説明した。
「ここにも妖怪がいるってきいたんですけど」
「うむ。だが、すまないが、おまえたちにできることはない」
 道士は重い口調で話した。
 近くの山に、死津喪比女(しずもひめ)という、強力な妖怪が根をはっている。
 この妖怪は地脈から力を得ているため、封じるには地脈を断つしかない。
 そのためには、生命力ある若い女の命を使わねばならない。
「人身御供かい?」
 主人の声に、猫又の雲母(きらら)が反応して鳴いた。今は子猫のような姿だ。
「つまりはこちらのおなごを生け贄にする気ですか! いけません、そんなことは、やめなさい! やめるんだ、やめろ、コラてめー」
 弥勒は道士の胸ぐらつかみ、激しく揺さ振る。
「ま、待て……」
「その妖怪ってもしかして虫か? だったら来る途中に殺したぜ」
 犬夜叉の言葉に、道士は首を振った。
「それは死津喪比女が使う手下に過ぎん。本体はそんなものではない」
 村人の人垣を割って、きらびやかな着物をまとった、岩のような顔をした女が乱入した。
「おキヌ! 考え直せ! わらわを人身御供にするのだ!」
 髪飾りを鳴らす、鬼のような顔の女は恐ろしい。
 七宝は泣きだして珊瑚の後ろに隠れた。
585名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/11(土) 21:25:19 ID:IFOUfQmF
支援
586眠れる森の美女! ◆edbrH4JiJo :2008/10/11(土) 21:26:39 ID:AyddQm9D
 犬夜叉は鉄砕牙を抜き、弥勒は右手の数珠を取ろうとする。
「出やがったな、怪物!」「あれが死津喪比女か! なんと恐ろしい顔の妖怪だ、吸ってくれる」
「ばかもの、あれは女華姫(めがひめ)、領主の姫だ」
 道士があわてて止めた。
「わらわと代われ、おキヌ」
 顔はすさまじいが、女華姫は親友のおキヌの身代わりになろうという真心でやってきた。
「姫さま……」
「昔はよく一緒に遊んだものだ。わらわと代わるのだ、皆も内心はそう望んでおる!」
「そのお気持ちだけで、十分です」
「なぜじゃ、おまえはわらわと違って器量もよい、幸せを捨ててどうする?」
「姫、あなたには愛してくださる家族がいます」
 おキヌの声には、母の子に対するようなやさしさがあった。
「独りの私なら、誰も悲しみません」
 おキヌがさとすと、姫は肩をふるわし、地に伏し号泣した。
 つられて村人たちも涙した。
「顔は何だが、なんと心やさしい姫ではないか。おキヌというおなごもよきおなごだ」
 弥勒は錫杖を手に、何度もうなずく。妖怪と間違えて吸おうとしたくせに、と珊瑚はあきれた。
「雁首そろえて女を生け贄たあ情けねえ。要はその死津喪比女って奴をブッ殺せばいいんだろうが。やってやるぜ」
 犬夜叉は威勢よく啖呵を切った。だが、道士は首を振った。
「無駄だ、何人ものてだれがそう言って殺された。どうしてもと言うなら、少しは待ってもいいが」
 やや離れて、寺の塀に百鬼丸が寄りかかり座っているのに、かごめは気づいた。
「あなたも戦うんですか?」
 百鬼丸は頭を左右に振って、束ねられた髪を揺らした。
「その死津喪比女という妖怪も、俺の体を持っていない。俺は死にたくない」
「けっ、腰抜けが。そうしてな」
 犬夜叉は鼻をたよりに、さっさと歩きだした。弥勒も勇み足で、村の外へ向かう。
 かごめ、珊瑚、七宝もあとに続いた。
「いいのかよ、兄貴。手柄を取られちゃうぜ」
 どろろがやってきて言ったが、百鬼丸は答えなかった。

 山をしばらく歩くと、犬夜叉は赤い袖をひるがえし、鉄砕牙に手をかけた。
「来ましたか?」
 弥勒は法力を高めて、錫杖を構える。
 戦闘用の黒い服に着替え、髪をまとめた珊瑚も飛来骨を手にした。
 雲母は子猫の姿から、人よりも大きい獣の姿になって牙をむく。
 まもなく、木の陰、岩の陰から、黒い虫の妖怪が飛び出した。
 犬夜叉は鉄砕牙を振るって虫の妖怪を斬る。珊瑚が投げた飛来骨が、虫たちをなぎ倒した。
「てんでよええじゃねえか、こんなもんにビビりやがって」
 虫たちの後ろから、緑色の何かが伸びた。
「誰だえ、おまえらは」
 頭から長い葉を生やした、女の形をした妖怪だ。
「おまえが死津喪比女だな!」
 弥勒が錫杖を鳴らし、護符を指ではさむ。
「人間どもは何やら小娘をつこうてわしを封じようとしているようだぞえ。止めてくれて感謝するえ」
「やかましい、化け物!」
 犬夜叉は飛ぶと、鉄砕牙で妖怪を両断した。等分に裂けた妖怪は、左右に分かれて倒れた。
「なんでえ、あっけねえ」
 安心したのも束の間、地面が揺れ、そこかしこが盛り上がる。
 土が飛び、地面から女の形をした緑色の妖怪が、あとからあとからわいて出る。
 七宝は悲鳴を上げて、かごめに飛び付いた。
「こいつらは、地面に根をはった植物の妖怪だね」
 珊瑚はまた飛来骨を投げようとした。
 死津喪比女の群れは、頭の葉を伸ばして犬夜叉たちの手足をとらえようとする。
 死津喪比女は次々生えて増え、葉を伸ばす。
587名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/11(土) 21:28:36 ID:aryzzmMj
支援
588眠れる森の美女! ◆edbrH4JiJo :2008/10/11(土) 21:29:32 ID:AyddQm9D
 犬夜叉は鉄砕牙を振り回し、散魂鉄爪で死津喪比女の葉を斬った。
「ちくしょう、切りがねえぜ」
「風穴を使おうにも、奴らは地面の奥にまでつながっている。珊瑚!」
 弥勒は錫杖をわきにはさみ、右手の数珠をつかんだ。
 珊瑚はうなずき、飛来骨を低く投げた。地を這うような飛来骨が、死津喪比女を根から切り離していく。
 すぐさま、弥勒は風穴の封印を解いた。弥勒の右手には黒い穴が開いている。
 この穴は奈落の呪いで生まれた、何でも吸い込んでしまう恐ろしい穴だ。
「な、何だえ、この力は……」
 砂や木っ葉とともに、切り離された死津喪比女が次から次へと吸い込まれていく。
 犬夜叉は木につかまって難を逃れた。
 弥勒が再び数珠を巻いて封印すると、風穴の引力はおさまった。
 死津喪比女と虫はいなくなったが、あれらは本体ではない。
「今いた中には、四魂のかけらをもっていたのはいなかったみたい」
 かごめが伝えた。弥勒は力なくつぶやいた。
「やはり人身御供しか手はないのか……?」
 珊瑚は気づき、息を呑んだ。
「だとすれば、向こうが危ないよ。死津喪比女にすりゃあ、生け贄を出されちゃ困るわけだ」
「しまった、村へ戻りましょう」
 珊瑚、弥勒は雲母にまたがり、犬夜叉はかごめと七宝を背負って、一行は来た道を急ぎ引き返す。

 村に戻ってみると、死津喪比女の腕や胴体、大きな虫の頭やらが転がっていた。
 剣を光らせる百鬼丸が、死津喪比女、虫たちに囲まれている。
 百鬼丸の左手はなく、代わりに氷のような刃が出ていた。
 襲いかかる死津喪比女の葉を斬り落とし、虫を突き、百鬼丸は旋風となって妖怪を斬り裂く。
 林からどろろが飛びだし、大声で呼びかけた。
「兄貴ィーッ、村人は逃がしたぜ! 堅い岩の上に登らせたから、お化け植物も生えてこれないよ」
 犬夜叉たちは死津喪比女を寄せ付けず、百鬼丸に駆け寄った。
「あなたは、村の人を守るために残ったの?」
 息をはずませるかごめに、百鬼丸は冷淡に言った。
「それはどろろがやったことだ。俺は自分の身を守っているだけだ」
「かーっ、素直じゃねえ野郎だ」
 犬夜叉はあきれて、悪態をつく。かごめはほほえんだ。
「本当、犬夜叉みたい」
「どこがだ!」
 話している間にも、死津喪比女は地面から次々生えて、目を光らせた。
 いつのまにかいた神主が、おびえつつ口を動かした。
「なぜか、結界が破られてしまった。敵は力を増しているようだ」
「四魂のかけらのせいかも……」
 かごめは四魂のかけらの気配を近くに感じていた。
「おい、早くやっつけないと、おキヌって姉ちゃんが奥のほこらに行っちまったぜ!」
 どろろが後押しするように怒鳴ると、百鬼丸、犬夜叉は剣を動かす。
「切りがない。奴らは花にすぎないんだ。地面の中の根まで届く毒はないか」
 さすがの百鬼丸も肩で息をし、焦燥を見せた。
「やってみよう」
 珊瑚は肩当てを取って開き、弥勒の錫杖を借りて先端に毒を塗った。
 死津喪比女の一体に狙いを定め、錫杖を突き刺そうと珊瑚は構えた。
 その時、死津喪比女がうめいたかと思うと、しぼみ、ちぢんでいった。
「おお……お、おのれ……」
「何だ?」
 鉄砕牙を手にした犬夜叉は驚き、目を見張る。
 死津喪比女は乾いて、どれも茶色く枯れていった。
 百鬼丸は刀を下ろした。
「つまり、今、あの娘が生け贄になったんだ。地脈が封じられ、死津喪比女は死んだ。俺たちは何もできなかった。……くそっ!」
 初めて激しい感情を見せて、百鬼丸は地を蹴った。
「兄貴ィ……」
 どろろは目に涙をため、鼻をすすった。
「そんな……」
 かごめたちも絶望に包まれ、何もできずに立ち尽くした。
589名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/11(土) 21:30:30 ID:IFOUfQmF
 
590眠れる森の美女!4523698J:2008/10/11(土) 21:33:52 ID:AyddQm9D
 突如、地面が揺れたかと思うと、土が裂け、ひときわ大きな死津喪比女が顔を出した。
 土の塊、石が辺りに飛散した。大地がうねり、ゆがみ、恐ろしい声が響く。
「はははははッ! この四魂のかけら、これさえあれば地脈の養分がなくても花だけで生きられるえ!」
 頭の葉を伸ばし、大きな死津喪比女は地を打った。
 かごめ、七宝は葉から逃げ走る。百鬼丸が飛び、葉を斬って落とした。
 葉はまたすぐ伸びて、人間たちを執拗に追った。
「このっ!」
 珊瑚が毒つきの錫杖を投げた。錫杖は一直線に空間を突き進み、死津喪比女の眉間に刺さった。
「おおっ、おのれ人間……!」
「しつこい雑草がぁ、くたばりやがれ!」
 敵が一体なら、妖気の流れを読みやすい。
「風の傷!」
 妖気のぶつかり合う裂け目を鉄砕牙が斬ると、死津喪比女はいくつもの波動に裂かれた。
 地に響く妖怪の断末魔の叫びは、犬夜叉を呪うようでもあった。
 死津喪比女はバラバラの破片になって崩れた。立ちこめる砂埃の中に、残骸が醜い形を見せた。
「やったか!」
 七宝は勝利を喜び、跳ね飛んだ。
「だが、おキヌさんは、もう……」
 弥勒はうなだれ、首を振った。
 彼らの悲しみを割り裂くように、また葉が伸びる。
「まだ、まだだぞえ!」
 もはや人の形をとどめない、葉と蔓と根がうごめき、毒の花粉を撒き散らして犬夜叉たちを襲った。
「どこまでしぶてえんだ、こいつは」
 犬夜叉たちもどうすべきか、途方に暮れる思いだ。毒花粉のせいで、弥勒の風穴も使えない。
 突然、犬夜叉たちの前に、強い光が発した。
 犬夜叉、百鬼丸は身構え、刀に手をやる。
 光の中から、二人の影が浮かんだ。
「さあっ、死津喪比女にお困りの皆さん、このゴーストスイーパー美神が来たからには、もう大丈夫よ!」
 長い髪の、白い肩、白い脚を大胆に露出した女だ。
 もう一方は、バンダナを巻いた、ジージャン、ジーパンの若い男だった。
「死津喪比女っ! 呪い入り細菌弾をブチ込んでやるわ!」
 美神はピストルを右手に、神通棍を左手に、狙いを定める。
 銃声とともに放たれた銃弾は、死津喪比女の茎に命中した。
 醜悪な植物は、ひからび、朽ちていく。
「おお……だが、これはしょせん花一輪……わしは必ず甦るぞえ、必ず……」
 ついに死津喪比女は息を絶やした。
 弥勒はすぐさま女のもとへと走り、手を取って言う。
「私の子を産んでくださらんか」
 同じ速さで、若い男は珊瑚のもとへと駆け寄り、手を握る。
「俺横島って言います」
「法師さま!」
「横島ッ!」
「てめえ、何してやがる」
「俺の女に何しとんやー!」
 珊瑚が弥勒を、美神が横島を、横島が弥勒を、弥勒が横島を殴り、男二人が倒れた。
「何がどうなってやがんだ」
 犬夜叉は訳がわからず、目を白黒させるばかりだ。
「おキヌちゃんは?」
 美神がきくと、犬夜叉たちは目を伏せた。
「そう……、歴史どおり、死んだのね。それでいいのよ」
「歴史どおり? どういうことだい?」
 珊瑚が不思議そうに問う。
 村には、妖怪だった塊が、あちこちに散らばっていた。
 砂埃が晴れるのを見て、かごめは残骸から四魂のかけらを探した。
「あっ、あったあった」
 小さな光る破片を、かごめは拾いあげ、仲間に見せた。
 かごめは美神に歩み寄った。
「すみません、あなたは、『私の時代』の人じゃないですか?」
「日暮神社のかごめちゃんね? 私はオカルトGメンの代理で来た、美神令子よ」
 美神は改めて自己紹介した。
591名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/11(土) 21:34:06 ID:IFOUfQmF
 
592眠れる森の美女! ◆edbrH4JiJo :2008/10/11(土) 21:36:52 ID:AyddQm9D
「そして俺は横島忠男です」
 横島はかごめの手を取り、肩を抱いて目を輝かせる。
 美神に蹴られ、犬夜叉に殴られ、横島はまた倒れた。
「あーもー、話が進まん! 正しい歴史では、おキヌちゃんが命を落として地脈を封じ、数百年後のここから見て未来、幽霊としておキヌちゃんは私たちに出会うの」
 美神は簡単に説明した。
「でも、未来から過去に干渉し、死津喪比女に四魂のかけらを与えて、過去を書き替えようとした者がいるわ。
 それを阻止するために、私たちは未来から派遣されてきたの」
 さっぱりわからん、と犬夜叉は首をかしげた。かごめは多少、理解した。
「つまり、私の時代の妖怪が、この過去に影響を与えているんですか?」
「本来の歴史では、この時代に四魂のかけらは集まるわ。
 どのように集まるかは、詳しくは教えられないんだけどね。
 それなのに現代、つまりここから見て未来、なぜか四魂のかけらが存在するわ。
 歴史に異変が起きているの。時空のひずみを通って、邪悪な妖怪が過去と未来を行き来している疑いもあるわ」
 美神も真面目な顔をして、うなずいた。
「四魂のかけらの位置がわかるかごめちゃん、あなたが必要なのよ」
「なあ、よくわからんが、おらもかごめの世界に行かせてくれんか!」
 七宝は飛び跳ねて、美神に願った。
「それは、オカルトGメンが必要だと判断すれば、協力を要請するかもね」
 美神が答えると、弥勒はまた彼女の手を取った。
「おおっ、ではぜひ私も連れていってください。そちらには、あなたのようなおなごが大勢いらっしゃるのでしょうなあ」
「法師さまっ!」
 飛来骨に殴られ、弥勒はまたもや倒れた。横島がとどめに腹を蹴る。
「この、生臭坊主! こいつは俺の女やーっ!」
「やめんかっ、いつ私がおまえの女になったのよっ!」
 神通棍でぶったたかれる横島、響き渡る悲鳴。
 何だか大変な人たちだなあ、とかごめは口を開けっ放した。

 過去においても現代においても四魂のかけらを探すという、かごめの苦難が始まろうとしていた。
593名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/11(土) 21:38:07 ID:IFOUfQmF
594名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/11(土) 21:39:41 ID:IFOUfQmF
 
595 ◆edbrH4JiJo :2008/10/11(土) 21:47:04 ID:AyddQm9D
終了です
途中でまた#付け忘れてしもうた スマン
犬夜叉、かごめ、弥勒、珊瑚、七宝、雲母@犬夜叉
百鬼丸、どろろ@どろろ
美神、横島、おキヌ、女華姫、道士、死津喪比女、葉虫@GS美神 極楽大作戦!!
スターを使いまくっちゃったぜ 遠慮せずこれらのキャラ他のかたもどんどん書いてくだせえ
これでどの時代の人物妖怪が出てきてもこじつけられると思う
「オカルトGメンに呼ばれた」「時空のひずみを通ってきた」てなことで
本当はおキヌちゃんは戦国時代の人物ではないがくっつけてしまった 重ね重ねすまんねー 好きなエピソードだったので
596名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/11(土) 21:47:36 ID:IFOUfQmF
投下乙

ずいぶんとクロスさせまくったなw
597名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/11(土) 21:48:28 ID:aryzzmMj
投下乙
だけどここまで内容盛りだくさんじゃなくても良かったと思うな
なんかひたすら詰め込んでみたプロットそのままっぽい感じになってしまってる
598名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/11(土) 22:04:03 ID:AyddQm9D
>>597
詰め込みすぎたかなー 気を付けます
欲張りすぎるもんじゃないですね 短くまとめようとして変になってしまった
599名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/12(日) 00:35:54 ID:UX6gORYm
投下乙〜
過去と現在のつながり…
次に話をつなげやすい作品で創作意欲がすごく湧きましたw

俺も短編を書いてみたくなってきたよ〜
600595:2008/10/12(日) 01:02:28 ID:cl9bsQpy
>>599
ありがとうです
でもちょっと強引すぎたかもなーと反省
いらない設定とかはスルーしてください

次に書くときはもうちっとシンプルにいくか……
それともさらにごっちゃり詰め込んじまおうかなw
601名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/12(日) 01:51:57 ID:F8OJG7JI
>>600
投下乙!そして丑三つ時が終わりかけな今になって俺もこっそり投下します
602KAPPA ―episode.1― 前編  ◆.7EVb32OnU :2008/10/12(日) 01:55:59 ID:F8OJG7JI
 河童は陸地を走れるのか?
 答えは『YES』である。河童とて相撲を取ったり尻子玉を引っこ抜いたりきゅうりを食ったりするだけの
存在ではないのだ。河童も陸の上で走る。それもけっこう速い。どれくらい速いかというと、きゅうりを
盗んだのが人間に見つかったときに逃げ切れるだけの速さがある。もう少し分かりやすく言うなら、子供と
おいかけっこをしてもまず負けないくらいの速さである。

「―――ッハァ、ハァッ」

 そして、河童の好物はきゅうりだけかと聞かれると、実はそうでもない。
 河童は甘いものが大好きである。果物全般はなんでも食べるし、煎餅に饅頭、チョコレートに蜂蜜たっぷりの
ホットケーキまで食べたりする。他にも辛い物から苦い物まで好き嫌いせずに何でも食べる。好物は
イカの塩辛と砂肝、それにあんぱんとコロッケだ。ただし麺類は食べにくいから苦手である。

「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ―――」

 背中に背負っている甲羅は硬く、蹴り飛ばされたり石をぶつけられたりしてもなんともないという
素晴らしい盾にもなる。寝転がった時にも石や虫で不快な思いをしなくて済む便利性もある。
 相撲が強く、力自慢の大男にもそこいらの相撲取りにも負けない。角界なら大関、横綱クラスだ。
日本の伝統文化をこよなく愛し、それを守る妖怪は河童くらいのものだろう。ごっつぁんである。

「ハァ〜、ヒィ〜、ハァ〜、ヒィ〜、ハァ〜、ヒィ〜……」


 泳ぐ速さはそこらの魚に負けない速さだ。魚を捕まえる時は泳いでる魚を後ろから追いかけて
捕まえる事もある。それくらい速いのだ。しかし河童はそんな疲れることはしない。魚を捕まえる時は
釣り竿を使う。でも最近はブラックバスを釣ってばかりだ。

「―――ッハ、ブハッ、ゼヒ〜、ゼヒ〜、ハヒ〜……」

 総合的にみて、河童というのは実はかなりすごい妖怪なのだ。人間にはかなり三下妖怪に見られがちだが、
それは他の鬼とか天狗とかと比べるからであり妖怪としては決して弱くはない。むしろ知名度ならば
古今東西で他の追随を許さない。鬼、天狗、河童、サザエさんは日本人で知らぬ者はいないだろう。
 つまり、河童とは有名人であり、人気者であり、人間に親しまれている存在なのである。

「―――ッヒュ〜、ホヒュ〜、ハヒュ〜、ホヒュ〜,ハヒュ〜……」

 そんなわけで、現在とある地方のとある山道――――河童は全速力で夜の峠を走っている。
 追いかけてくるのが人間ならそれほど困ったりはしない。人間ならば体力的な問題で負けることはなく、仮に
追いつかれてもなんとかできる自信がある。まあ追いかけられて困る事に変わりはないのだが。

「った、たばべひゅ……ほあひゅ、ほあへひぇっ!!」

 だが、今河童を追いかけているのは人間ではなく、恐ろしい妖怪なのであった。しかもその妖怪は一体ではなく
複数で、とっても凶暴だったりする。文字通り命がけの鬼ごっこである。
 河童がどうして背後から迫る妖怪達から逃げているのか―――話は数時間前に遡ることになる。まあ別に遡る
必要は無いのだが、そのほうが河童が陸にいる理由と追われている理由が何かと説明しやすいのだ。
 ちなみに、謎の言語を口走っているのは、ただ単に呂律が回らない口で助けを求めているだけである。

603KAPPA ―episode.1― 前編  ◆.7EVb32OnU :2008/10/12(日) 01:57:19 ID:F8OJG7JI
「うほっ! 美ん味そうなスイカ!」

 長い河を泳いで泳いで、ちょうど一休みしようと河から上がったら、目と鼻の先にはスイカ畑があった。
 泳ぎながら魚を捕まえて食ったりしていたが、さすがに魚ばかりでは飽きてしまう。なんでも食べると
いうことはいろんな味を知っているという事。ということはつまり、舌が肥えてしまっているということだ。
 三食同じ物を食べ続ければ他の味が恋しくなる。甘いものばかり食べ続けていたら口直しに
酸っぱいものや辛いものが食べたくなる。野菜ばかりなら肉が食いたくなる。そんなもんである。
 ちょうどスイカも熟れてきた頃であり、目の前のスイカはどれも大きく実っている。スイカは水気が多いし
甘いし量がある。大喰らいな河童にとって、スイカは慣れ親しんだ好物の一つなのだ。
 周囲を見渡して人気が無いことを確認する。うっかり人間に見つかっては大騒ぎになってしまう。
 幸い周囲に民家はない。これなら安心してゆっくりスイカをいただくことができる。
 さっそくスイカ畑の中に入り、二つほどいただこうと物色し始めていると、近くから突然気配を感じた。
 さっきまで何も感じたはずなのにどうして? こんな夜更けに畑に? それよりもこの気配はなんだ?
 瞬時に複数の疑問が同時に頭の中を駆け巡る。しかし突然すぎてどうしていいかパニックになって分からない。
 慌ててスイカに紛れるように隠れると、息を止めて気配を殺し、河童はこの場を隠れて乗り切ることにした。

(今すぐ逃げる必要はねえ。オラの隠れ身の術は完璧だ。見つかってから逃げても河に逃げれば大丈夫だしな…)

 その気配の主はゆっくりと河童の元に近づいてくる。夜だというのに灯りも無しにやってくる何者かに、河童
の心音が高鳴る。
 足音はしない。気配からは緊張や警戒の類の空気も感じられない。そして、迷うことなくこちらの方に進んで
きている。緊張で集中力が高まり、様々な事が頭の中で推測される。惜しむらくは、見つからないように
隠れているため、その気配の主の姿が河童には見えないという状況だった。
 ふいに、動いていた気配が近くで止まる。心臓が跳ね上がり、喉から飛び出そうになるのをぐっと堪える。

「……なんや、こそ泥の犯人は人やなくて河童か」

 突然発せられた声――しかもその声の主は自分が河童である事に気づき、しかもそれに驚いてもいない。
 驚いて声の聞こえた方を向くと、そこには――二つの金色の眼が暗闇に浮いていた。

「ほ――ほぁっひゃあッッ!!」
「……なんちゅう阿呆な声を上げんねん」

 素っ頓狂な叫び声をあげる河童に対し、呆れたような声で喋る二つの小さな目。河童は慌てて河に
逃げ出そうとするが、腰が抜けて立てなかった。

「はぁっひひゃああぁぁ! すす、すんませんでしたああぁぁぁっ!! 」

 二つの目に尻を向け、四つんばいになってあたふたと逃げ出そうとする河童に、二つの目が細く光った。
 ぶるぶると尻を震わせて両手で頭を守るように抱えながら河童は縮こまる。『頭隠して尻隠さず』という
諺の良い見本である。
 もしかしたら数秒かもしれないし、数十秒かもしれない。だが、河童にとってはいつ襲い掛かってくるか
分からない、恐怖が肥大するだけの時間が流れる。河童は気付いていないが少しだけ漏らしていた。
 沈黙の中、ふいに河童の背後から声が聞こえてきた。それはくっくっという笑いを堪えるような小さな声。
 そして、背後にいる何者かは堪えきれなくなったのか、やがて大きな声で笑い出した。

「っくっくっくっく、あはははははははははっ! なんや、最近の物の怪は自分よりも小さなモンを見て
逃げ出すんか? こりゃあ愉快やわぁ!」
「…………へぁ?」

 河童は混乱しながらも声の主の方に振り返る。そこにはさっきよりも細くなった二つの眼。
 河童は怯えながらも眼を皿のように細くして、その声の主の正体を見ようと眼を凝らした。河童は眼が良い。
それこそ光のない暗い夜でもはっきりと物が見えるくらいなのだ。それなのに、目の前の声の主は二つの眼以外は
何も見えなかった。
 眼を凝らして見ていると、だんだんとその声の主の姿が闇から浮かぶように見えてきた。河童の目の前に
現れてきた声の主は――尻尾が二本生えた黒猫だった。

604KAPPA ―episode.1― 前編  ◆.7EVb32OnU :2008/10/12(日) 01:59:27 ID:F8OJG7JI
 その猫はとても気品があった。毛並みは美しく艶やかで、体はほっそりとしつつもしなやかさを感じさせる。
アーモンド形の双眸は金色で、全てを見透かすかのような不思議な力を感じさせる威圧感がある。
 二本の尻尾は対になってゆらゆらと揺れていて、しかしその『二本の尻尾』はその猫に違和感を感じさせず、
むしろその尻尾が二本あることこそが当たり前のように思わせた。

 『猫又(ねこまた)』猫が妖怪になった姿であり、日本全国で知らぬ者はいないであろう妖怪である。

「ようやくウチの姿が見えるようになったか?」
「あ、ああ。しかし驚いたなあ、猫又に会うなんて初めてだ……」
「お主は驚きすぎや。何百年と生きておるがお主ほど臆病な物の怪は見たことがないわ」

 あぐらで座っている河童と向かい合って、猫又が眼を細めて笑う。その声には呆れが混じっているものの、
侮蔑や嘲りの類は混じっていない。そのせいか河童は笑われても怒ることはなかった。

「くっくっ…しかしまあ無理もない。なにせウチは暗闇と同化しとったからなぁ。気配を感じ取っても姿が
見えんかったんは仕方ないことやわ。他の妖怪でも暗闇と同化したウチの姿はなかなか見えんやろうからなぁ」
「へえ、そうだったのかぁ……」

 猫又の言っている意味をまったく理解してはいなかったものの、納得したそぶりで河童はうなずいた。
 しかしどうしてこの猫がスイカ畑に居るのだろうか。このままではスイカが食えないではないか。

「ウチが此処に居んのはお主みたいな盗人からスイカを見張るためや。ここら辺の人間には世話になって
おるからな。まあ心配せんでもスイカならくれてやるわ。種族は違っても同じ妖怪やしな」
「……え? ええぇっ!?」

 どうしてコイツは自分が疑問に思ってた事を先に答えたのだろうか――河童にはたまらなく不思議だった。
 いろいろと疑問があったが、それらを聞こうにも混乱していて頭の中がこんがらがっているので何から聞いて
いいのか分からずに口をパクパクしていると、
 
「ウチは長いこと生きとるからなぁ、相手の心を読むことくらい造作もないわ。まあ、お主の場合は
顔に書いてあっただけや。あまりウチを甘く見るでない。それと、聞きたいことがあんなら一個ずつな」

 そう言って猫又は目を細めて笑う。河童は自分の頭の中を覗きこまれているような気がして寒気がした。
目の前にいる猫の妖怪は、自分以上に遥かに化け物じみている事に気づき、再び目の前の猫が少し恐ろしくなった。


605名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/12(日) 02:01:39 ID:yAv5ZzLX
支援
606KAPPA ―episode.1― 前編  ◆.7EVb32OnU :2008/10/12(日) 02:01:57 ID:F8OJG7JI
「――ほう、そんなことがあったのか。そりゃあ災難やったなあ」

 スイカ畑のスイカに囲まれながら、河童は己の今までの愚痴を猫又にこぼしていた。
 どうしてこんな所に現れてスイカを盗もうとしたのか――それまでの経緯を話す必要などない。
腹が減っていたから食おうとしたという理由だけで事足りるのに、河童がこれまでの境遇を話したのは
ただ単に、誰かに話を聞いてほしかったからである。
 誰かと会話をする事は久しぶりだった。ずっと独りなのは寂しいのだ。河童は己の身を隠しながら
生きる存在でありながら、独りでいることが寂しかったのである。
 別府に行ったのも温泉以外に同胞と会いたかったという理由があった。結局は誰にも会えなかったのだが。

「そうなんだ。オラもう怖くて嫌んなっちまってよ……それで琵琶湖に行こうと決めたんだ」
「ああ、やはり噂は本当やったんか。あの日の大きな地震と声はその巨人のせいやったんやな……」

 自分の言葉に耳を傾けてくれる者がいて、河童はそれはもう嬉しくて饒舌になり、聞いてもいないことまで
ペラペラと話していた。それを猫又はふむふむと親身になって(かどうかは分からないが)聞いていた。
 山を投げる巨人の話など荒唐無稽すぎて誰も信じないだろう話を猫又は疑うことなく聞いてくれた。それは、
河童よりも遥かに長いこと生きていた猫又が知る、伝説上の妖怪ならば在り得る話だからである。
 その伝説上の妖怪が現れたといわれる場所と河童が見た場所、そして大きな揺れと人外為らざる者の咆哮。
人間達が話していた地方の大災害。全てを繋げれば辻褄が合うのだ。

「ふむ……しかし琵琶湖とはまたえらい遠いなあ。河を泳いで行くにしてもすぐには辿り着けんし……おまけに
ここ最近は何処も物騒な噂ばかり聞こえてくる。それでも行くんか?」
「物騒だなんて言っていたら人間も妖怪も変わんねえよ。それに、あの大きなバケモンに比べたらどいつも
大したことねえさ」
(さっきはあんなに怯えていたのにのう……)

 猫又はそう言いたかったが、胸を張って自信満々に答えた河童があまりにも滑稽だったので、あえて
言うのを止めた。
 妖怪のくせに邪気のない河童は猫又から見るとまるで人間の子供のように見え、それがなんとも可笑しかった。

「ふむ、しかしそりゃあ困ったもんやなぁ」
「ん? なにがだ?」
「いやな、お主が泳いできた河なんやけどな、これから向かう方角、つまりお主が進む先は『濡女』の
棲んでおる場所なんやけどな……」
「…………は?」

 ――『濡女(ぬれおんな)』。その名前を聞いて、河童は口を半開きにしたまま固まった。

607KAPPA ―episode.1― 前編  ◆.7EVb32OnU :2008/10/12(日) 02:03:19 ID:F8OJG7JI
 胴から上は人間の女の姿、胴から下は蛇の妖怪がいる。
 その妖怪は『濡女』と呼ばれ、自分の棲む川に近づく人間を喰い殺すと伝えられている妖怪である。
 一説では、濡女は人間を喰い殺す妖怪であり、赤子を抱いた女の妖怪とも言われている。
 その妖怪は川や海などに棲み、言わば河童にとっては縄張り争いの相手でもある。もっとも、凶悪で残忍な
濡女と争う河童などいなく、できるだけ関わりあいになりたくない存在である。

 河童は過去に一度だけ濡れ女を見たことがある。それはかれこれ数十年以上も昔の話だが、それは偶然の
出会いであった。
 相手の存在に気付いたのは河童のほうだった。濡女はその時人間を襲っていて、その長く太い胴体で人間の
男を水中で絞め殺していた。
 水中で息をすることも出来ず、水上に上がる事もできない人間の男は濡女に全身を締め上げられてとてつもない
形相で苦しみぬいて死んでいった。断末魔の形相とでも言うのだろうか、その男の顔は河童がそれまで見たことの
ない恐ろしい死に顔だった。その顔を濡女は愉快そうに嗤いながらじっくりと眺めていた。
 河童はその男の死に顔と濡女の恐ろしい顔を見て驚き、思わず口から水泡を出してしまい、それに気付いた
濡女と目が合ってしまった。
 その時の濡女の表情は恐ろしいものだった。人間をその胴体から放すと、河童を射殺すような視線で
睨みつけ、その耳まで裂けた大きな口を開いて襲い掛かってきたのだ。
 もちろん、河童は一目散に逃げた。一刻も早くその場から逃れようと全力で水を掻き、元来た方向へ逃げ、
陸に上がって山まで逃げた。山から下りたのは三日後だった。
 河童はその時のことを思い出し、目を丸くして口をパクパクとしていた。

「なんや、お主は濡女に遭ったことがあるのか?」

 河童は小刻みに震えながら口をパクパク頭をこくこくとする。それ見て、猫又は大体の事情を察した。

「なら分かるやろ。河を泳いでは先に進めん。この辺り一帯で他に東へ続く長い河は他にないしな。
諦めて引き返すか他の土地に行った方がええんやないか?」

 猫又は諭すように河童に言う。それは河童を死なせたくないと気遣う猫又なりの優しさだった。出会ったばかり
だが、死ぬにはもったいない、面白い奴だと思ったのが猫又の諭す理由である。
 悩む必要など無いのに、河童は腕を組んでう〜んと唸り、頭を捻って考えはじめた。その姿は人間じみた
行為で、猫又はそれがまた近所の将棋好きな老人と似ていて少しおかしかった。
 しばらくして、河童は手のひらを頭の上に乗せてぐるぐると撫で回し始める。

 ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる――

 最初はゆっくりと円を描くように撫でていたが、ゆっくりと頭を撫で回していた手の動きが段々と
速度を上げていく。それはまるで車のホイールが高速で回っているかのような速度にまでなっていく。
 河童の突然の異常な行動に猫又はぽかんと口を開いて呆気に取られている。

(キモッ!! なんやのこれ? なにしとるん? 河童ゆぅんはようわからん生き物やなぁ……)

 口に出さなかったのか出せなかったのか、猫又はとりあえず静観してその動きを見ていた。
 難しそうな顔をして何を考えているのやら、と猫又は河童の表情を見ながら考える。
 相手の心が読める―――河童にそう言ったのは実のところ嘘である。
 長年の経験で相手の仕草や表情、会話の内容などからなんとなく相手の心理を察するのが上手いだけで、
実際に相手の心が読める妖怪は『覚(さとり)』という妖怪くらいしか猫又は知らない。
 よって、河童が今どうして頭の皿を撫で回しているのか、何を考えているのかなど分かるはずもない。

 ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる―――

 河童が突然頭の皿を撫で回す事およそ3分。河童はくわっ!! と目を開き、ぴたりと手の動きを止めた。
 その河童の突然の停止に驚いて、猫又は思わず後ろに飛び下がる。
 河童は膝をぱちんと叩いて立ち上がる。背筋を伸ばして遠くの山を見つめるその表情は、何か力強さが
感じられた。

「うん、やっぱりオラは行くぞ。濡女にビビッてたらこの先どうしようもねえ!」

608名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/12(日) 02:04:48 ID:yAv5ZzLX
支援
609KAPPA ―episode.1― 前編  ◆.7EVb32OnU :2008/10/12(日) 02:05:43 ID:F8OJG7JI
 予想外の答えに、猫又は自分の耳を疑った。
 自分の話を聞いてなかったのかそれとも理解できなかったのか、とにかくどうしたらそのような結論に
達するのか皆目見当もつかない。
 勇気と無謀は違う。河童のそれは後者である。濡女に遭遇したら間違いなく殺されるだろう。

「……殺されてもええんか?」
「その前に逃げる! オラに泳ぎで敵う妖怪なんておらん!」
「堂々と胸を張って言うと立派に聞こえるが、そりゃ逃げ足が速いって言っとるだけやな」
「ああそうだ、オラ、逃げ足と相撲だけは誰にも負けねえ!」

 胸を張って誇らしそうに言う河童を猫又は見て、目の前の河童は自分が考えていた以上の阿呆だという事に
ようやく気がついた。目の前の河童は正真正銘のとんでもない本物の阿呆なのだ。自分から危険な場所に
行き、危険になったら逃げるという時点で矛盾の塊である。どうしてそこで行かないと選択しないのだろうか。
 逃げ足の早い妖怪なんて自慢にもならない。それを堂々と語る河童はとても妖怪とは思えなかった。

「どうしてそこまで危険を冒してまで琵琶湖に行きたいん? なんか理由とか目的があるんやろ? 良かったら
聞かしてくれへんか?」
「理由? そんなの行くって決めたからだ。目的なんてそんなもんねえよ」
「……はあ?」
「昔オラの仲間がな、「琵琶湖は良い所だ」って教えてくれたんだ。きっと住み心地が良いんだろうなあ……」
「……ホンマにそれだけなん?」
「ホンマにそれだけだぞ。それがどうかしたのか?」
「………ほんまもんの阿呆や……」

 琵琶湖を夢見る河童の顔を見ながら猫又は呆然とするしかなかった。
 行くって決めたから――そんな理由で死にそうな目に遭っても行くという河童は言ったのだ。おまけに目的は
ないときた。いや、河童の目的は『自分の理想の住処を求めてる』なのだろう。
 それならもっと近くの他の場所でもいいだろうに、どうしてそこで考えを曲げないのだろうか。
 きっと百年経っても河童の考えは理解できひんやろなぁ、と猫又は思って溜息を吐いた。
 しかしそれがまたこの河童らしい理由だとも思い、ほんの少し手助けもしたくなって、

「ふぅ……なら仕方ないの。そこまで行きたいのなら――陸地なら道案内できるで?」
「……は?」
「道や。お主も陸の上を歩けるんやろ? ようは濡女に遭わなければいいだけの話や」

610名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/12(日) 02:06:42 ID:yAv5ZzLX
支援
611名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/12(日) 02:07:05 ID:yAv5ZzLX
支援
612KAPPA ―episode.1― 前編  ◆.7EVb32OnU :2008/10/12(日) 02:07:38 ID:F8OJG7JI
「ようは濡女に遭わなければいいだけの話や。なら濡女の目の届かない範囲までは陸地を歩いて行けばええ。
 ちょうど小さな峠を一つ越えればその麓に河がある。そこの河と繋がっておる河がな」
「つまり山一つ歩けば問題ないってことだな。なぁんだ、そういうことは先に言ってくれよ。ビビッて損したなあ」

 悩みの種がなくなり、河童は今まで濡女に怯えたのが馬鹿馬鹿しくなった。そんな目の前のノータリンを猫又は
少しガリッと引っ掻きたくなったが、引っ掻いたら緑色の血が出そうなのでなんとか我慢する。

「しかし大丈夫なんか? 小さな峠とはいえどお主は河童やろ。山を歩くなんてできるんか?」
「大丈夫だ。峠の一つや二つ歩くなんてオラ慣れっこだ。オラ、やればできる子だからな」
「(どんな生き方してんねん…)そうか、それならええんやけどな。せやけど……」
「ん? なんだ?」
「いや……う〜ん…………何か伝え忘れておったような気がするんやけど……」
「なんだ。忘れてるって事はそりゃあ大したことじゃねえってことだろ?」
「いや、けっこう大したことやったような気が……まぁええか」

 ここで猫又が思い出していれば数時間後に河童が大変な事にならずに済むのであるが、河童があっけらかん
としているのもあって、猫又は思い出そうと深く考えるのをやめた。河童、自分の首を絞めた瞬間である。

「そうだ。スイカと道を教えてくれたお礼にコレをやるよ」

 河童は背中に手を回してなにやらごそごそと探っている。

(背中と甲羅の間に手を突っ込んどる……河童は甲羅の中に物を入れとるんか……)

 猫又は河童の秘密を知って少し驚いていた。河童の背中からはぽろぽろといろんな物が地面に落ちる。
 リカちゃん人形にビン底眼鏡、ペットボトルに野球のボールに犬の首輪とその他諸々。どうしてこれだけの
荷物が入っているのかと、猫又は口を開いて出てくるものを見ていた。必要そうな物より不要そうな物の方が
明らかに多い。しかも甲羅よりも荷物の質量のほうが多いのだ。中は異次元に繋がっているのかもしれない。
 ようやく目当ての物を見つけたのか「おっ?」と取り出したのは一袋の巾着袋だった。
 河童は巾着袋を開け、ごそごそと中から何かを取り出すと、それを猫又の前に差し出した。

「ほれ、綺麗だろ? 人間はこれを指に嵌めてんだぞ」

 河童の手のひらの上に乗っているのは、眩く光るダイヤモンドが付いた指輪だった。
 この指輪は以前河童が川の中で拾った物である。人間の女が川に泣きながら投げ捨てたのを拾い、キラキラと
光っていたので宝物としてとっておいたのだ。珍しい物はなんでも拾うのが河童の習性である。
 ちなみに河童はこの指輪の価値を知らない。小判なら価値が分かるが、宝石の類は光る珍しい石程度にしか
思っていない。ちなみにこの指輪は百万円以上の価値がある。
 猫又は指輪を見て感嘆の声をあげる。さすがに宝石の価値を知らない猫又ではなかった。

「おお、これは高価そうな指輪やなぁ。ウチが貰ってもええんか?」
「オラの宝物だけどお前さんには世話になったからな。そのお礼だ」
 どこからか取り出した紐を指輪に通して結び、ネックレスのようにして猫又の首にかけてやる。首から
ぶら下がった指輪を見て、河童は満足そうにうんうんと頷いた。猫又もまんざらではないのか、二本の尻尾が
逆立ちながらゆらゆらと揺れている。

「今から行けば朝には山の向こうに行けるやろ。気ぃつけて行きや」
「ああ、ありがとうな。また会うことがあったら魚をたっぷりやるよ」
「期待せんでおくわ。ま、縁があったらまた会うやろ。達者でな〜」
「おう! そんじゃな〜!」

 河童は猫又にお礼を言うと、二つのスイカを風呂敷に包んで抱え歩き出す。猫背で重そうに抱えて歩くその
後ろ姿を猫又は見送りながら、「あの調子じゃ朝までには無理やろうなぁ」と呆れながら思った。
 猫又は河童を見届けて大きなあくびをすると、小さな光と二本の尻尾を揺らし、暗闇の中に消えていった。


 これが数時間前の出来事である。
613 ◆.7EVb32OnU :2008/10/12(日) 02:09:16 ID:F8OJG7JI
投下終了!さるさん怖くて二回に分けることにしました
支援超サンクス!つーかなんでいるん!?夜更けですよみなさん
614名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/12(日) 02:11:53 ID:yAv5ZzLX
投下乙!
河童キタよ河童
俺こいつの性格好きなんだよなー
旅の同行猫もできたようでなによりなにより

>>613
なにいってるんだ
レスがあったら人は沸いてくる、そういうもんだ
615名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/12(日) 02:14:21 ID:F8OJG7JI
みなさんっつーか一人でしたか。なら納得。とにかくサンクスです
あとこの話(河童の話)はバトルロワイアルもシェアードも関係ない公開オナニーみたいなもんです
ですのでヒマな人以外はスルー推奨します
616名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/12(日) 02:16:35 ID:SA+/mmIv
投下乙!
スルーとかいうなよ
俺もこの河童の話好きだぜ
617名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/12(日) 05:59:16 ID:cl9bsQpy
夜中に乙でした
河童……道案内よりダイヤの価値教えてやれよ猫又W
河童はなんとなく俳優の生瀬のイメージで読んでる
618名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/12(日) 21:16:16 ID:veR8FJGr
ハロウィンの日に西洋妖怪のssが来そうな予感

あれ、前から言われてるか
619名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/12(日) 23:53:26 ID:BF6MjL6r
静かな夜ですね
620名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/12(日) 23:58:03 ID:yAv5ZzLX
そうですね
月が綺麗です
621名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/13(月) 00:01:13 ID:iwy3AAFL
こんな月が奇麗な夜には
622名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/13(月) 00:21:35 ID:gB2n8oQ6
あなたの部屋の窓の外に
623名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/13(月) 06:27:36 ID:ksWbtDCK
 |:::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::          おまえを見ているぞ……
 |:::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l<
 |:::::::::::::::|::::::::::,,ヅ彡ニミ;;,,::::::::::::::::::::F
 |:::::::::::::::||::::ィ<"  , ‐ 、 ゙ミ、:::::::::::::::l
 |:::::::::::::::||Fミミ、, ゝ__゚,ノ,, イ〃ノ::::::::::|=-<
 |:::::::::::::::||::::::::゙゙'ヾ三≡彡'":::::::::::::::::,'、
 |:::::::::::::::||::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/  ト
624名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/13(月) 07:24:05 ID:3VQ0SXfj
朝、窓を開けてみると、大きな目玉が浮かんでいました。
僕が驚いていると、目玉がしゃべりだしました。

「人ん家の窓開けんなボケ」
「あ、すみません……」

僕は窓を閉めて、また散歩を続けました。
625名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/13(月) 09:49:55 ID:EChkUz//
バックベアード様の眼力の怖さ>>>>三十路すぎて無職に対する世間と両親の視線
>>>>>>>>>>>>>自家発電中に部屋に入ってきた母親の視線【越えられない壁】授業中に
ウンコ漏らしたときのクラス中の視線
626名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/13(月) 09:54:11 ID:EChkUz//
ごめん間違えた
バックベアード様の眼力の怖さ>>>>三十路すぎて無職ひきこもり(童貞)に対する世間と両親の視線
>>>>>>>>>>>>>授業中にウンコ漏らしたときのクラス中の視線【越えられない壁】自家発電中に部屋に入ってきた母親の視線
627 ◆gSKTKjToFc :2008/10/13(月) 14:40:23 ID:/pozYpDj
tesutu
トリうまくいったら、飯食いに行ったあと投下予定
628名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/13(月) 15:42:00 ID:3VQ0SXfj
>>627
待たせていただきます
629魔人闇躍 ◆gSKTKjToFc :2008/10/13(月) 16:57:03 ID:/pozYpDj
某山中、深夜。
人も通わぬ奥山に、一瞬あやしい光が咲いた。

――――ゴミの山である。
途方も無く広がる、巨大な廃棄場。
ガラクタが山を成し、油は河となる。
積み上げられた無数の機械は、すっかりと壊れて古びたものもあれば、まだ使えるような新しいものもある。
正にごみくずの老若男女が、ここには集められ、捨て去られていた。

その塵屑の原、廃棄物の山の只中に立つ大煙突の上に、影が滲み出た。
闇を凝結させたかのような、黒い衣を身に纏う長身痩躯の男こそがその影である。
男の面貌は異様なもの。
顔は尋常で無いほど長く、頬はこけ、目にはどす黒い冷酷と情熱を滾らせている。
旧日本陸軍の軍服をまるで当然のように身に付けており、腰には刀を佩いていた。
そして男は腕を体の前まで上げると、白い手袋――五芒星の染め抜かれたそれ――を付けた手を、
眼前の塵の何かを捉えるように、下に向かい翳した。
瞬間、男に向かい魔風が吹き上げた。
尋常の風ではない、瘴気と妖気、そして何より負の感情を孕んだ風。
眼を閉じながら男は、心地良いものであるかの様な表情を浮かべながら、一身にその風を浴びた。
630魔人闇躍 ◆gSKTKjToFc :2008/10/13(月) 16:59:36 ID:/pozYpDj
.

『悲しい』『見えない』『動けない』『苦しい』『痛い』『しゃべれない』『さわれない』『憎い』

「聞こえるぞ、人間どもに使われ、捨てられし者どもの嘆き」

『助けて』『殺してやる』『間違えて壊された』『恨めしい』『憎い』『妬んでやる』『不要だと捨てられた』

「聞こえるぞ、人間どもに虐げられし御霊の憎悪」

『腹いせに壊された』『壊された』『助けてくれ』『勘違いで潰された』『なぐられた』『壊れて捨て去られた』

「聞こえるぞ、封じられし怨霊の憤怒」

『恨めしい』『新しいものに換えられた』『すてられた』『だれか助けてくれ』『痛い』『憎憎しい』『苦しい』

「……この加藤保憲の耳にも、確と聞こえたぞ。貴様ら不要のもの(ヤクタタズ)どもの呪い、復讐の聲がな」


ばさり、と外套を翻しながら、男――加藤保憲は下へと向けていた手を頭上高くに掲げた。
天へと向けられた掌の内に、ぼぉ、と火の玉が灯る。
その手が加藤の面前間近まで下ろされた。

「――――ふ、ふ。
 その嘆きをぶつけたいか! その憎悪に報いたいか! その憤怒を爆発させたいのか!」

加藤の手中の火球は、いよいよどす紅く染まってゆく。

「ならば甦れ! おれとともに来るのだ!」
631魔人闇躍 ◆gSKTKjToFc :2008/10/13(月) 17:01:30 ID:/pozYpDj
顔に悪鬼のような笑みを張りつかせながら、加藤はその火球にふぅ、と一息吹いた。
二度三度とひらりひらり、鳥の羽のように小さな火は舞い降り、そして真っ直ぐにゴミの山へと落ちてゆく。
爆裂。
眼下の塵屑の広がる光景は、火の玉が落ちた場所を中心とし、爆炎に焼かれ、融け落ちる。
そうして灼熱の烈火に包まれた大地が揺れた。直後轟音とともに闇が大地から噴出した。
地の底から吹きあがってくる闇は、あたかも大蛇の如くにのたうち回りながら上へと向かい、
加藤の周りを渦巻き吠える。

「ふ、ふ、ふ……そうか、憎いか。1500年余の長きにわたり、虐げられた魔のものどもよ。
 この加藤保憲が今こそ東京を、日本を、いや! ヤマトの全てを引っ繰り返し滅却することを誓おう!」

闇は天へと鎌首をもたげると、今度は大地に落ちてゆく。
復讐にのたうつ闇と、憎悪に身を焼く不要の者(ヤクタタズ)の山が、互いに相交わり、食らいあいながら、
巨大な鋼鉄と灼熱の魔城を形成してゆく。

「妖(あやかし)を以て兵と成し、人を以て贄とする!
 ハ、ハ、ハ――――さあ黄泉還れ、大怨霊!

 ――――ヨ・モ・ツ・モ・ノ!!」

そうして灼熱と暗黒の果てに、おぞましい巨大工場が生まれた。
歯車が軋み、巨大な鉄鎚が轟音を上げ、妖鉱炉が火を噴く。
この工場こそが、妖怪とガラクタを混ぜ合わせ機怪と成し、悪夢の軍勢を作り上げて復讐を遂げようとする、
先史以来のまつろわぬ怨霊と現代のすてられた怨念の化身、ヨモツモノ工場。
そしてそれを操る男こそは――――かつて幾度に渡り東京壊滅を目論んだ妖術師、加藤保憲。
日本の破滅を願う最凶最悪の魔人が、今再び動き出したのであった。
632 ◆gSKTKjToFc :2008/10/13(月) 17:04:25 ID:/pozYpDj
と、いうわけでここまで。

キャラというかなんというかは
加藤保憲@帝都物語、妖怪大戦争
ヨモツモノ@妖怪大戦争
ヤクタタズ(というか廃棄物の声)@大復活祭

加藤は帝都大戦争両作品のミックスな感じですが、うまく書けた……かな?
あともっとみなぎ作品のキャラも出ると俺に良し。
宵闇の虎蔵VS足洗の義鷹とか誰か書いてくれませんかね。
マジ読みたい。
633名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/13(月) 18:00:12 ID:3VQ0SXfj
>>632
投下乙です 魔人加藤かっこええー!
いよいよ戦争だぜ あずきに注意だ加藤!
634名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/13(月) 20:38:33 ID:EChkUz//
ウホッ!投下乙です!まさか加藤さん出てくるとは!
加藤一人で大多数の妖怪相手にできそうだからタチが悪いなw
635名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/14(火) 07:58:57 ID:YP/rz0jy
>>632
投下乙です。雰囲気あっていいよGJ
機怪は使えそうだな。すねこすりみたいに、あいつが機怪にされちゃった、みたいな感じで。
636名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/15(水) 18:43:07 ID:jr80QvoF
誰もおらんかのう
獣肉のことももんじいっていうんだなあ 百々爺ってここからきてるんかな
独り言でした
637名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/15(水) 20:53:37 ID:Nu5AU6vK
ここにいるぞ!
書いてるがどうにも進まねえ。
そういやぬらりの孫とか妖怪のお医者さんあたりからは、まだ誰もでてないんだな。
……怪物くんとかもありなんかね?
638名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/15(水) 21:21:22 ID:jr80QvoF
ぬら孫、俺コミックス一巻読んだだけだからおもしろいのかどうか判断つかないんだよなあ 人気あるのかね
怪物君ねえ……おもしろくできればいいかも知れないが むしろレベル高い気がするw
639名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/15(水) 21:42:21 ID:Nu5AU6vK
>>638
個人的には面白い。ただここだと鬼太郎のぬらりひょんがいるから出しづらいのかもな
やっぱ難しいよな。
カクレンジャー直撃世代としてはカクレンジャーも出したいが如何せん記憶が風化しとる。ガシャドクロとかくのいち5人衆とか出したいなぁ
640名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/15(水) 22:14:25 ID:jr80QvoF
>>639
おもしろいのかー じゃあチェックしようかな。
鬼太郎のぬらりひょんとは別人になるかな
カクレンジャーも昔ぬらりひょんが妖怪のボスだったって設定なんだな すげえなぬらりひょんw
641名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/15(水) 22:58:00 ID:eMemFdgA
>>637
まだ書くにも情報が微妙に少ないんだよ。
やられてもう出てこないような敵役ならともかく。
642名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/16(木) 07:59:36 ID:4l1OANAy
>>641
一話で死んだがごぜとかは使いやすいかな。ぐわごぜというのが鬼太郎に出てくるが近種ということで。
やっぱ完結している作品のほうがやりやすいわな。
643名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/17(金) 06:12:47 ID:mHI2K1yY
ぬらりひょんと言えば、最近ではGANTZ妖怪編のぬらりひょんがインパクト強かった
644名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/17(金) 21:22:33 ID:sbjy988K
ぐわんげ様ってこのスレ的にどうなの
645名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/17(金) 22:17:45 ID:fjgdyYsA
よく知らん 東方みたいなもの?
646名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/17(金) 23:50:09 ID:qjJM/C91
ぐわんげ様って何?
647名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 02:34:20 ID:pPTAdD7F
間違いなく妖怪だろう。ていうか公式でも妖怪って書いてあるし。

解説。
ぐわんげというSTGのラスボス……特に第二形態を指す。タイトルでもある。
名前の由来は獄門山から響くぐわんげぐわんげという鳴き声から。
鎌倉時代栄華を極めた北条一族の生き残りである北条魅笛が、
瘴気に満ちた獄門山に逃げ込み、そこで出産してしまった赤ん坊。
母子共に妖怪と化し、四百年以上生きている。
姿は10mくらいに肥大化している赤ん坊で、弾幕を放ちながら這い回る。
こいつと、こいつの母親(第一、第三(最終)形態担当。人の姿のままだが鬼強い)を倒せば、
ぐわんげ世界では力が強まりすぎると憑いてる奴の命を奪う、式神を祓える。

天狗を憑けた賞金稼ぎ、八尾の狐を憑けた巫女、鬼に憑かれ暴走している男が自機。
ちなみに舞台となる時代は室町時代。
648名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 03:39:23 ID:pPTAdD7F
あ、力が強まりすぎるとじゃなかった。一年経つとだ。
強力だけどたった一年しか生きられない。
(鬼に憑かれた者だけは、人を喰らい続ければ生きながらえる)
649名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 07:42:16 ID:beZxAxDA
でかい赤ん坊ってキモくていいなw
なんかあまりメジャーじゃないワードが出たら知ってる人が解説してくれると有り難いな。
650名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 14:46:05 ID:UaiFONNq
age
651名無し・1001議論中@自治スレ:2008/10/18(土) 17:54:28 ID:+6LXbosP
解説はいいな
それ見て興味もって調べたりもするだろし
652名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/19(日) 06:35:28 ID:Z64VmWBq
おはようさん 名無し決めるのかー ご苦労さんで
妖怪板があれば名無しは 「名無し首無し」とか「名無し顔無し」とかかな
「名無し人で無し」とか
653名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/21(火) 17:18:49 ID:/AN6pzXo
死んだ人にお薦めの危険な妖怪戦争

・のびあがりの8人なら大丈夫だろうとのびあがっていたら同じような体格の見越し入道20人に見越された
・四谷から徒歩1分の路上でお岩が頭から血を流してうらめしやしていた
・すねをこすられたのでござをめくってみるとすねこすりが転ばされていた
・腕に数珠をした黒坊主が襲撃され、目が覚めたら首がのびていた
・輪入道で行者に突っ込んで倒れた、というか轢いた後から垢とかをなめる
・宿が夜盗怪に借りられ、骨女も「桂男も」全員枕を返された
・朧車から賽の河原までの10mの間に奪衣婆に衣を奪われた。
・ネコバスに乗れば安全だろうと思ったら、バスの乗客が全員トトロだった
・七人ミサキの1/3が修験者。しかも口裂け女が人面疽を治すという都市伝説から「油赤子ほど危ない」
・「そんな袖を引かれるわけがない」といって出て行った山伏が5分後砂をかけられて袖を引かれてきた
・「何も持たなければ襲われるわけがない」と手の目で出て行った行者が沓つらと襟立てごろもを盗まれ蛇帯で戻ってきた
・最近流行っている怪異は「石投げんじょ」 石の転がる音が崖から聞こえてくるが誰もいない
・中心駅から半径200mはのっぺらぼうにあう確率が150%。一度のっぺらぼうにあってまたあう確率が50%の意味
・妖怪戦争における小豆荒いにとがれた小豆は1日平均120粒、うち約20粒が輸入小豆。
654名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/21(火) 22:21:37 ID:r8Xx/qB7
なんというヨハネスブルグw
いしなげんじょとかマニアック過ぎだろw
655名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/21(火) 23:18:25 ID:/AN6pzXo
あんがd
>>555の真似してみたけどあっちのがおもしろいかなー
最後間違えた 小豆荒い×小豆洗い くびれ鬼にくくられてくる
65610/26に名無し・1001投票@詳細は自治スレ:2008/10/23(木) 22:49:25 ID:xB2ppYzt
小豆荒いって逆に怖そうな気がしないでもない
657名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/24(金) 07:37:46 ID:HNlPu1bf
妖怪を語るスレ?
658名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/24(金) 07:49:34 ID:elvonOfS
バトロワやろうとしたけど何だかんだあって妖怪戦争クロスシェアードSSスレになった。
妖怪総合のような感じでもある。
659名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/24(金) 16:54:58 ID:kQpOwSX0
最近「夏目友人帳」ってマンガ読んだけど割りと面白かった。
少女マンガだからバトル物じゃなくて妖怪と人間の共生物?ぽい話だけどマンキツかなんか行ったら読んでみてもいいかも。
アニメにもなってるらしいが残念ながらもう終了したらしい。
660名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/24(金) 18:58:07 ID:iZcwgIuO
アニメは二期やるんじゃなかったっけか
661名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/24(金) 23:35:13 ID:ZTqvw6Wa
半年後だっけ?
またやるよ
662名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/25(土) 19:32:14 ID:a669S9p/
なんか他人が読んでおもしろいものを書こうと思って書いても、自己満足的になっちゃうんだよなあ。
結局「『他人が読んでおもしろいもの』と俺が思うもの」だからかな。
どうしたもんだろうか。
663名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/25(土) 19:40:26 ID:SQKbe/zc
自分が面白いと思ったものを、まずは書いてみればいいんじゃないだろうか
満足できる物が出来上がれば、少なからず共感してくれる人はいるはず
664名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/25(土) 19:52:53 ID:a669S9p/
そうかのー
俺は封神演義や水滸伝みたいな、登場人物がたくさん出てきてほとんどみんな死んでしまうような悲惨な救いのない話が大好きなんだが
なかなか共感を得られない気がする……。
665名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/25(土) 20:25:33 ID:beRNBZhE
まあ版権キャラだと厳しいだろうなぁ。うしとらのふすまやぬらりの旧鼠みたいなやられ役ならなんとかできそうだが。
666名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/25(土) 20:48:02 ID:a669S9p/
伝承妖怪とか作品の中で死んだ妖怪ならできると思ったんだけど、俺だけおもしろくてもしょうがないしなあ。
なんて思ったりしたんだよね。
667名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/25(土) 23:13:47 ID:wUZOk8Jj
妖怪は死んでも生き返る手段がいくらでもあるから大丈夫なんじゃない?
668大阪狐狸合戦秋の陣 ◆Omi/gSp4qg :2008/10/26(日) 04:25:36 ID:Dqoh2zmt
 明るい満月が夜空に浮かんで、無数の獣たちをよく照らした。
「月は出た、時は来た。腹を打つべし、敵を討つべし」
 金長狸の号令に、狸たちが腹を打って応える。
 狸たちは舟に化け、波打つ夜の海に浮かんだ。舟に化狸の軍団が乗り込み、大阪湾へと
突き進む。
 大勢の狸が大阪の街に押し寄せた。
「天まで届け腹つづみ、地を覆い尽くせ金玉袋三千畳。狸の支配が始まるのだ」
 大阪に狸があふれ、関西弁の悲鳴が響く。道路に、公園に、ホテルのバーに八百屋魚屋
居酒屋に、狸が駆け回ってやかましくした。
 道頓堀に狸が飛び込み、大きな尾のある食い倒れ太郎が練り歩く。
 なんば花月は狸のどつき漫才、芝右衛門狸ら大入り満員の狸が抱腹絶倒。
 ナンパ橋では狸が若い女のスカートをひっぱった。
 たこ焼きを食い荒らし、イモ畑をほじくり返す、カニの看板も狸が動くありさま。
 果ては大阪のオバチャンが着る服も狸の顔がつき、狸柄に模様替え。
 人間たちは恐れおののき、これは狸による天変地異、阪神大震災に並ぶ禍なり、と通天
閣ビリケン様に手を合わせて救いを求めた。
 困ったのはビリケン、妖怪戦争に神が手出しすれば事態は膨らむ一方、収集つかなくな
りかねない。
 尖った頭の児童神は、府知事に知恵を授けた。府知事は泣きながら公用車でゲゲゲの森
に駆け込む。
 木々が生い茂り、鳥がさえずる、そこは千年不変の森であった。
 鮮やかな花やキノコが森を彩り、珍獣奇虫が闊歩する。
 耳を澄ませば、聞こえてくるのは森の主を讃える歌声だ。
 道なき獣道の向こう、木の上に粗末な家があった。府知事と秘書が呼び掛けるが、応答
はない。
 そこへ、汚いなりの、ねずみ髭を生やした怪しい男がやってきた。
「これはこれは知事先生。何だか大阪は大変そうですね。鬼太郎ちゃんは不在です。よろ
しければこのねずみ男がお聞きしましょう」
 府知事は泣く泣く大阪の現状を訴えた。学力テストの結果公表どころではない。
「ご安心ください、あっしにお任せくだされば、狸なんぞ蟻も同然。ただまあ、先立つも
のがないと動くに動けませんが」
「それでしたら、公金からいくらでも」
 秘書が懐からまずは、と何枚か渡した。
「へへ、まいどおおきに。まさか葉に変わる金じゃないですよね。いえ、お任せを、あっ
しは朝日新聞のような大人じゃございませんので」
 では、と別れを告げると、ねずみ男はさっそく行動開始、妖怪しか知らない道を歩き進
んだ。

 やがて行き着いたるは岩に囲まれ、コケが光る地下世界。狐たちの王国だ。
 下級の狐、野狐たちがねずみ男を取り囲む。ただの狐ではない、二足歩行し、服を着た
のもいる。
「なんだ、おまえは」
「ねずみ男様を忘れたのかよ、霞ケ関の地下で世話してやったじゃないか」
「そうだったっけな」
 上位の気狐、空狐もやってきて、珍客を何重にも取り巻いた。
 ねずみ男は大阪の現状を脚色しつつ説明し、狸を撃退すべしと焚き付けた。
「稲荷を壊して信楽焼きの狸を置いて拝んでいるぜ。あいつらは狐を馬鹿にしてやがるの
さ」
「なんと、許せん」
 乗せられる狐たちを、ねずみ男はさらに煽る。
「思い知らせてやれ、やっつけて大阪を乗っ取れば、油揚げ食い放題よ」
 狐たちは舌なめずりし、目を輝かせた。
669大阪狐狸合戦秋の陣 ◆Omi/gSp4qg :2008/10/26(日) 04:28:47 ID:Dqoh2zmt
 かたや大阪戦地では、機動隊が打って出たが、変幻自在の妖術に手も出ず逃げた。
 ついに狸たちは大阪城を占拠し、呑めや歌えの大騒ぎ。
 金長狸は関白太閤の姿をして、上機嫌で座していた。
「タイガースもタヌキーズにするがいい」
「おお、そいつはいい」
 狸たちは腹をたたいて勝利と酒に酔いしれた。
「この調子で西日本を占領し、東まで攻め進もうぞ。ところで、刑部はどこにいった」
「さあ、何か用事でもあるのやら」
 団三郎狸が徳利を傾け、金長狸の杯を満たす。金長狸は杯をすぐ空にした。
「言い出しっぺのくせに。今度会ったら金玉引き伸ばしてやる」
 狸たちは下品な笑い声で城をうるさくした。
 にわかに外が騒がしくなってきた。何だ、と狸たちが城下を見下ろすと、狸とは別の獣
たちが、狸を追い回している。
「あれは狐じゃ。おのれ、わしらの手柄を奪い取る気だな」
 野狐、気狐が飛び回り、空狐が火を起こして狸を追いやる。
 狸も負けじと腹を打って妖気を発し、玉袋を広げてやり返した。
 狸と狐の大乱闘だ。
 獣たちの威嚇し合う声が浪速の空に何度も響いた。
 狸たちが犬に化ければ狐たちは猿に化け、狸がガマに化ければ狐は蛇に化け、虎に化け
たら龍に化け、獅子なら象、麒麟なら鳳凰、熊なら蜂、馬なら鹿、鶴に亀、タコにイカ豚
に真珠猫に小判鰻に梅干し羊頭狗肉と、もうめまぐるしい化け合戦。
 両者とも疲れ果て、狐も狸もそこらにぐったりと伸びた。
「これ、しっかりしろ」
 金長狸がはげますが、どうにも狸たちは足腰立たない。
 そこへ、明けつつある紫の空に何かが飛んだ。
「我は天狐である。おまえたち、ばか騒ぎもほどほどにせよ」
 大きな尾をなびかせる人のような姿の天狐は、狐の最上位だ。狐たちは手をつき頭を垂
れた。
 狸はどうとも思わない。
「まもなく人間どもが武器を持ってやってくる。金長よ、金長大明神とも呼ばれたおぬし
が大人気ないではないか」
「うむ、ちとやりすぎたかのう」
「来たるべき妖怪戦争のおりにはおおいに戦うがよい。だが、今はまだその時ではない」
「ではそういたそう。おまえたち、引き返すぞ」
 狸、狐は、それぞれ頭領に従い街を去る。
 そのすぐあとに府知事の指揮で猟友会、自衛隊が出撃したが、悪い夢であったかのよう
に、妖獣は影も形もない。
 往来はただゴミが散乱するのみ。風が吹くとレジ袋や紙パックが舞う。
 その向こうから、ねずみ男が府知事に駆け寄った。
「どうです先生、あっしが狸を追っ払ってやりました。公金から礼をくださる約束、覚え
てますよね?」
 府知事はねずみ男に一瞥くれると、冷たく突き放した。
「私は君のような汚い男は知らない。この騒動は私が解決したんだ。
 市民の税金をいただこうとは何たる腹だ、おまえが事件の首謀者だな」
「な、なんだと!」
 府知事の命令で、警察官がねずみ男を捕らえんとする。
 ねずみ男は尻を向けると空砲一発、ぶっ放して走り去った。
 黄色い悪臭毒ガス煙幕に、人間たちは涙し吐き気をもよおし、混乱恐慌におちいった。
 狸より狸なのは人間狸、とねずみ男は大阪の街を逃げ走りつつ、舌を巻くのであった。

 大阪狐狸合戦秋の陣は、かくしてひとまずの解決を見る。
670 ◆Omi/gSp4qg :2008/10/26(日) 04:42:34 ID:Dqoh2zmt
改行がうまくいかないなあ 見苦しくてすみません。
金長狸@伝承妖怪
芝右衛門狸@伝承妖怪、芝居を見るのが好きな狸
団三郎狸@伝承妖怪
ねずみ男@ゲゲゲの鬼太郎

いちおう狸大会議からの続き 時事ネタなど姑息に入れてしまった
書き始めは我ながらおもしろいとか思うんだけど、書きおわると自分ではよくわからんです……
671 ◆Omi/gSp4qg :2008/10/26(日) 05:43:36 ID:Dqoh2zmt
忘れてた
野狐、気狐、空狐、天狐@ゲゲゲの鬼太郎
偉さの序列は天狐>空狐>気狐>野狐。漫画内の設定で、一般的な狐の序列とは違うと思う。
672名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/26(日) 18:14:44 ID:sbHoID2P
投下乙ー!
昔の鬼太郎風な話だな。
大阪征服してるのにたぬき軍団は妙に微笑ましいw
673名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/26(日) 19:29:36 ID:Dqoh2zmt
ありがとう 俺の狸のイメージってこんな感じ。
鬼太郎は漫画好きで文庫版読んでる。今期アニメも見てるよ。
ちなみに俺べつに橋下府知事のこと好きでも嫌いでもないので特に深い意味はないです。

オチがいまいち弱かったかな……
67423:59まで名無し・1001投票@名無し・1001スレ:2008/10/26(日) 20:31:15 ID:c0zEw9ud
ねずみ男キター!
狸は確かに微笑ましいw
675名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/26(日) 21:24:23 ID:wWE/FcXe
タヌキは凶暴なイメージないしなあ。
まあこれって室町以後に作り出されたイメージらしいけど。
676名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/26(日) 21:25:53 ID:uKZiXujo
家康以後でしょ
67723:59まで名無し・1001投票@名無し・1001スレ:2008/10/26(日) 21:26:00 ID:c0zEw9ud
それ以前は狸って凶暴なものだったのか?
678名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/26(日) 21:30:11 ID:uKZiXujo
狐・狸・狢の類は人を騙す狡賢い生き物
679名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/26(日) 21:36:32 ID:Dqoh2zmt
昔は恐ろしい存在だったらしいな。
かちかち山の狸って本当は婆さん殺してじいさんに食わせるってひどい話だけど、あれは昔の狸のイメージの名残だそうな。
680名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/27(月) 16:46:12 ID:pLYwwtcV
本当はとか言われてもガキの頃から婆さん食わせるverしか聞いたことないから、違うverがあるなら聞きたい
681名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/27(月) 17:58:08 ID:TG/JTlVk
最初期の話は、狸が爺さんに婆汁喰わせて笑いながら逃げていく場面で終わりだったらしい
682名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/27(月) 19:25:37 ID:tqL+J5Uj
>>680
今一般に広まっているかちかち山は狸が婆さんケガさせて兎が仕返し、狸反省してみんな仲直りってな感じだと思う。
683名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/27(月) 21:39:24 ID:Kr78CPZI
自分が読んだ話では狸が婆さんに怪我させて、狸は泥舟で溺死してた。
だから長いことかちかち山への感想は「いくらなんでも兎やり過ぎだろw」だったな。
684名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/27(月) 22:18:00 ID:Jiszth1g
聞いたところによると、かちかち山は元々二つの話を繋ぎ合わせて勧善懲悪の教訓を持たせた話らしい
前半については>>681が言ってるが、後半も後半で兎が狸を特に理由もなく苛めた挙句殺すという酷い話だったそうだ
685名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/27(月) 22:32:42 ID:ayCb26kH
幼稚園の頃、お婆ちゃん子だったからババ汁のページで泣き出した
トラウマを思い出してしまった
686名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/27(月) 22:59:54 ID:vX4hXcug
俺は婆汁じゃなくて、婆さん殺すだけのバージョンだった気がする
687名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/29(水) 16:22:45 ID:8LjMhnI7
オカ板のヤヴァイ奴に遭遇ってスレで話題になってる新しい妖怪っぽいもの

「悪皿」アクロバティックサラサラの略:ただ現れるだけのものから、危険度が高いものまで様々。
マンション屋上から飛び降りてきて地面スレスレで消えたり、走ってる電車の前に急に現れたなどという、福島県での話が元となりアクロバティックな動きをするサラサラヘアーといった感じで命名。
目撃者が続出。他の地域からも目撃
自宅の風呂場で悪皿がでたという体験をした者が音信不通。(風呂皿)・赤い帽子・赤いコート・長い黒髪・目はないというか、真っ黒
霊か?

「八尺様」大きな女の姿。(身長八尺=242.4cm)伝承妖怪の高女に似ているとも。「ぼぼぼぼ」と男のような声で変な笑い方。人によって見え方が違う。(喪服、留袖の老婆、野良着姿の年増など)
頭に何か載せている。昔、旅人に憑いて来たという噂も。八尺様に魅入られると、数日のうちに取り殺されてしまう。
八尺様の被害は数年から十数年に一度くらい。成人前の若い人、子供が被害に遭うことが多い。顔を見ると死ぬらしい。
八尺様は、目ではなく、気配で対象を見分ける?地蔵に封印されていた?2008年頃に封印が壊され、全国放浪中?

「アルミホイルマン」・肌の質感がアルミホイルの裏面に似ている・髪は白か銀・頭が異常に大きく、背は低い、ミート君程度・「キーッキーッ」と猿そのものの鳴き声・生臭い。古い生ゴミのような臭い
宇宙人?

あと白児(しらちご、犬神に関連)も話題になっていた。
現代妖怪としてネタになるかな…
688名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/01(土) 11:55:04 ID:Lm2FOLwC
糞みてーな設定のオリキャラ持ってくんな
巣に帰れ
689名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/01(土) 17:13:37 ID:fW9hElkx
つっこみが遅いw
690名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/01(土) 23:42:49 ID:N79ncI2x
ぬらりの最新話が良かったなどと言ってみる
691名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/02(日) 00:02:33 ID:kZMAJ4OU
河童の旅シリーズが好き
692名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/02(日) 04:11:03 ID:7ujD9h3K
ジャック・スケリントンと脳噛ネウロと不死身探偵オルロックとデスノの死神は妖怪にあたるだろうか
ブレイド、アンダーワールド、デビルメイクライとかも妖怪?
693名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/02(日) 04:52:32 ID:ss6aMoPl
そこら辺は流石にちがくね? 確かに広義の妖怪には入るだろうけど、
そこまで広げちゃうと科学的な物以外なんでも有りになっちゃう。
和風妖怪物の中で出てきた西洋妖怪や神様くらいが限度かなって思う。
694名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/02(日) 13:07:04 ID:7ujD9h3K
レスどうも
日本もの中心かぁ
695名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/02(日) 13:07:16 ID:0rT1CYdC
「妖怪が出てくる作品」に出てくる悪魔とかはありでいいのかな。
696名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/02(日) 21:17:24 ID:jzhTzCqD
毎日がデスマーチすぎてSSを書く時間がない件

まともに書けた日は何週間前なんだろう…。明日だ…明日は二時間だけ書ける時間ができる……
697名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/02(日) 21:27:06 ID:tf29J0bj
>>695
いいんじゃね?
百目がOKならメフィストだって出てもOKさ!

とりあえず、身の回りが落ち着いたら妄想をSSにすればいいと思うよ
それまではネタ雑談で保守してればいい
698名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/03(月) 00:21:12 ID:kPvILLun
このスレってさ、岸辺露伴はOKなのかな?
ジョジョ自体に出てくるのは吸血鬼とかしかいないけど、前に月刊ジャンプに載ってた外伝で
露伴が妖怪の取材をするっていうのがあったんだが
699名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/03(月) 01:15:10 ID:fF9J3KYC
>>698
岸部露伴はOKだけどスタンドはNGじゃね?
しかしなんでもありは危険だから少しはルールを作るべきじゃないかと思う
700名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/03(月) 11:09:56 ID:x8E33itc
たとえば、判断が難しいのは書く前に「こんなん出していい?」ときいて雑談的に了承してもらうとか。
やんわりした予約のような。そのあと結局書かないのはマナー違反だから、その場合は「やっぱ書けません」ていっとくとか。
まああんまり面倒だと投下しづらくなってしまうかもしれないけど。
701名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/03(月) 11:14:12 ID:2i1dK36S
普通にNGだろ
702名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/03(月) 11:30:42 ID:qNH8Elh+
何故NGを恐れる
703名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/03(月) 13:07:22 ID:x8E33itc
意味がわからんw
704名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/03(月) 15:26:13 ID:kPvILLun
スタンドはNGか……
露伴は書けなさそうだな
705名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/03(月) 15:57:35 ID:ZzBSn44Y
スタ…ンド……?
何だねそれは?
706名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/03(月) 23:35:41 ID:x8E33itc
ジョジョならどこかに需要あると思うよ 二次創作総合に書いてもいいだろうし
707名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/05(水) 21:36:51 ID:UENpGvWf
露伴自体は妖怪でも霊能力者でもないんだからダメでしょ
その取材された妖怪の方ならいいと思うけど
708名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/05(水) 21:43:12 ID:kvOpjOxD
オバリヨン「写真焼いて、ね、写真焼いて、ね、」
露伴「こ、こいつ、いつのまに!」
709名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/07(金) 21:23:53 ID:7RT9ribU
そういえばおんぶお化けみたいのがいたな
振り返ると手がいっぱい出てきて死ぬ路地とか
710名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/07(金) 21:32:34 ID:ifwXbjtT
ディアボロ「もしもし、私ボス。今、あなたの近くにいるの」
ドッピオ「ボ、ボス、いるのですか?近くにいるのですか?いるならでてください!」
711名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/07(金) 23:01:37 ID:VAm+n93z
東方や結界師、夏目に登場する妖怪以外のキャラクター(蓬莱人や幽霊、半人半獣)なんかはここに登場させていいのか?
妖怪を退治する人間なんかは大丈夫ぽいが。
712名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/08(土) 03:15:46 ID:Z5x9eheg
方向性が定まらない内にあんまり厳しく制限してもしょうがないし、基本的にありじゃない?
ただ、一応妖怪スレだから基本的に主役は妖怪にしてもらえると嬉しいな。
713創る名無しに見る名無し:2008/11/08(土) 14:50:15 ID:ZfVcaHOl
人間側が書きづらいな
714創る名無しに見る名無し:2008/11/08(土) 23:39:58 ID:05E9klOM
>>713
そうなのか?

関係ないけど妖怪大戦争って映画と小説で結末が違うんだなあ。
最近知った。映画はやっぱお子さま向けなんだろうか。
715創る名無しに見る名無し:2008/11/09(日) 00:22:30 ID:/SXZfPsM
妖怪VS人間って殺伐とした殺しあいってイメージがあるなぁ…

あと版権キャラって書きにくいのかね?
716創る名無しに見る名無し:2008/11/09(日) 01:40:12 ID:RMQn155J
あたし?

貞子

彼?

殺られたから殺っちゃった

みたいな

ヒマだからイベントやってみる

的な?

電話、かける
「今度みんなで呪殺大会やろーよ」
『マジ?でも私のが念動力系強いよ』

友達の、メリー
ムカツク

お前ハリウッド化されたことあんのか

「いいよ別に。あたし、今ならツベとかニコで大量感染狙えるし」
『あ、狡い!』

ぶりっこすんな

とにかく、メリーは参加決定

「もし?あ、みっちゃん?」
『あら、貞子さん?久しぶりね』

電話二人目

ほの暗い水の底からの
みっちゃん

こいつヒッキー

「今度みんなで呪殺大会をね〜」
『ごめんなさい……私、給水塔から出られなくって』
「あー、やっぱそうだよね」
マジきもい

三人目

着信アリのあいつ
メリーと呪殺時の接触媒体が同じ
電話
きっと揉める

マジ楽しみ

みたいな
717創る名無しに見る名無し:2008/11/09(日) 01:43:58 ID:kWUiYU0B
版権は主人公がハンターか、
そうでなくとも人間を守る立場なのが多いからね。
人間は勿論、妖怪や半妖の主人公でも。
718創る名無しに見る名無し:2008/11/09(日) 07:14:44 ID:t84jyq7j
>>716
現代妖怪大集合かw貞子が動画配信されたら人類滅亡の危機だな
メリーさんとか通信機器を媒体にできる奴にはいい時代だ
719創る名無しに見る名無し:2008/11/09(日) 15:35:11 ID:0j/WHVSh
>>716
あたし彼女風貞子は新鮮だなw
720創る名無しに見る名無し:2008/11/10(月) 23:04:44 ID:K/C8Zjoy
俺、メリーさんのかわいさに目覚めてしまったかもしれん
721創る名無しに見る名無し:2008/11/10(月) 23:07:37 ID:TLBaEdXn
見返り美人ってやつか
722創る名無しに見る名無し:2008/11/10(月) 23:20:37 ID:AfyuG+1h
メリーさんのスレが立ったなあ
まさか個別にスレが立つほど人気があるとは思わなかった
723 ◆Omi/gSp4qg :2008/11/11(火) 17:31:34 ID:ELOgKc9D
ハロウィーンに投下しようと思って書いたけど自信ないからどーすっかな
と迷ってるうちにクリスマスシーズンになっちゃいそうだから投下してみるか
俺ばっか投下してるみたいで悪い気がすんだけども
724ハロウィーン・パニック! ◆Omi/gSp4qg :2008/11/11(火) 17:35:50 ID:ELOgKc9D
 うっそうと生い茂る木々の奥に鬼太郎の家はあった。木の上に粗末な家があり、ハシゴ
がかかっている。
 神秘的で、どこか懐かしいようなにおいがする。
 今日はめずらしく人間の客が来ていた。
「西洋妖怪に動きがあるようです。協力願えませんか」
 訪れていたのは、スーツに身を包む青年だ。長めの黒髪で、顔立ちはよく整っていた。
 ICPO超常犯罪課・通称オカルトGメンに所属する、西条という人間の男だ。

「おまえの働きが認められたんじゃ。名誉なことじゃないか」
 茶碗風呂に入る目玉の親父が、息子をうながした。呼び名の通り目玉に体がついた姿だ。
 鬼太郎の見た目は噂の通り子供のようで、顔の左半分を髪で隠し、学童服の上に黄と黒
の縞のちゃんちゃんこを羽織っている。
「そんなに人類のために奉仕してたら、いまにベトナム和平にまで手を出さなきゃならな
くなってきますよ」
 鬼太郎はあまり乗り気ではない。

「では、出直してきます」
 察して、西条は家を出ていった。
 妖怪退治が専門のような人間たちだ、息子が協力を嫌がるのも無理はない。
 と、目玉の親父は茶碗の中で息子の心情を推測し、目玉を縦に振った。
「昼だし、散歩でも楽しみます」
 鬼太郎は愛用の下駄をはき、家を出てハシゴを降りた。
 手付かずの草木が息づいて、木の幹にはキノコがあり、虫やカエル、鳥がたまに声をきか
せる。
 森は平安が支配して、妖怪には心地いい。何百何千年、ここは変わらない。だが、これから
はわからない。
 妖怪戦争の接近を思うと、鬼太郎は憂欝になった。
 人類愛につき動かされ、人々の幸福のため戦ってきた鬼太郎だったが、西条のような正
義は我にあり、といった人間を見ると、違和感を抱かずにいられない。

 不意に、静寂を裂くような悲鳴がとどろいた。何事かと、鬼太郎は下駄を鳴らして急いだ。
 一面の花畑で、花びらを散らして、誰かがあわてたようすで走っている。
「妖精の花子さん!」
 普段は鬼太郎たちを軽蔑して口もきかない、妖精の花子だ。
 頭に短い角をつけた可愛らしい少女の姿で、天衣のような服を揺らし、花子は必死に駆
ける。
 だが、小さないくつかの何かにつかまり、花子は浮かび上がった。
「花子さーん!」
 鬼太郎の呼び声もむなしく、花子は空へと運ばれ、小さくなっていく。
 雲の向こうへと、花子はさらわれてしまった。

 呆然とする鬼太郎の足元に、丸い毛の塊のようなものが集まった。
 丸毛という妖怪たちだ。
「鬼太郎さん、花子さんはカボチャのお化けにさらわれました」
「そんな妖怪が日本にいたっけなあ。父さんにきこう」
 家に帰る道すがら、鬼太郎は見慣れた顔に会った。
 ねずみ男だ。汚い布で頭から身を包んで、ねずみのような髭を顔の左右に生やしている。
 鬼太郎は今起きたことを話した。

 ねずみ男は思い当たったらしく、手を打った。
「前にハゲのおっさんから仕入れたカボチャの種を、安く売ったっけなあ」
「それがお化けカボチャの種だったんだ」
「花子さんを助けに行くなら俺もつれていけ」
「このすけべめ」
「人のこというなよ」
 気が合うのか合わないのか。

 二人はまず鬼太郎の家に戻って親父に出来事を伝えた。
725ハロウィーン・パニック! ◆Omi/gSp4qg :2008/11/11(火) 17:41:03 ID:ELOgKc9D
「あの人間がいっていた、あちら(西洋)の妖怪かのう」
 親父も目玉をかしげる。風呂を出て体を布でふくと、目玉の親父は息子の頭に乗った。
「ねずみ男、その男と会ったところへ行くんじゃ」
「あいよ」
 ねずみ男を先頭に、三人は人間の街へと走った。

 夕闇が迫る頃、街についてみると、そこは混乱のさなかにあった。
 建物の隙間、道路、地下道にまで、オレンジ色のカボチャが飛び跳ねた。
 顔の形にくりぬかれたカボチャは、目鼻口を光らせて、人間たちに襲いかかる。
 カボチャに食い付かれ、頭を打たれて、人間たちは泣き叫び、逃げ惑った。

 ビル群が切り取る空に、彗星を思わせる巨大な黒い球体が浮かんでいる。
 毒素をまとい、目玉をぎらつかせる球体は、西洋妖怪の大統領バックベアードだ。バック
ベアードが空から号令をかける。
「歌え、わがしもべたちよ。トリック・オア・トリート!」
 西洋妖怪たちは歌声とともに、やってきた。
 暗闇に光るのはジャック・オ・ランタン、カボチャの妖怪だ。
「トリック・オア・トリート! トリック・オア・トリート!」
 たくさんのカボチャに続き、狼男、フランケンシュタインといった西洋妖怪たちが群れ
をなす。

 人間たちの足音、悲鳴がビルの間に響いた。まさにこの世の終わりかといったさまだ。
 だが、これはハロウィンのイベントで、全ては作り物なのではないかとたかをくくる人
間も何割かいた。
 男が陸橋で騒ぎをながめている。丸い頭ははげ上がって、黒い髭、ローブに身を包む、欧
州人らしい男だ。
「ほーほっほっほ、暴れるがいい、わが作品よ」
「あいつだ、カボチャの種を売ったのは」
 ねずみ男が指さすので、鬼太郎は下駄で地を蹴り、駆け付けた。
「おまえがさらった花子さんを返せ」
「おまえをおびき寄せるため、とバックベアードに命令されたのです。バックベアードにい
いなさい」
「おまえは何者じゃ」
 鬼太郎の髪から、目玉が飛び出して問う。

「私はプロフェッサー・ヌル。七百年前、東洋の未来人とドクター・カオスに地獄炉から地獄
に落とされたが、バックベアードに協力を要請され引き上げられたのです」
 プロフェッサー・ヌルは冷酷そうな目を光らせ、曲がった木の杖を鬼太郎に向けた。
「カエルになりなさい!」
 杖から光が飛び、鬼太郎を襲った。鬼太郎の体はちぢんでいき、太ったカエルになってし
まった。
 地面をはうカエルに、目玉の親父が手をやり、なげいた。
「いやあ、さすがはヌル先生」
 ねずみ男がもみ手でヌルに擦り寄る。
「ねずみ男君、カボチャの種を広めてくれてご苦労。あれはハロウィンの夜に発動する時限
式モンスターなのですよ。
 約束どおり、あなたには金と地位を与えましょう」
726ハロウィーン・パニック! ◆Omi/gSp4qg :2008/11/11(火) 17:44:28 ID:ELOgKc9D
 カエルを見下げて勝ち誇るヌルに、ねずみ男は息を吹きかけた。

 あまりの悪臭にひるむヌルへ、ねずみ男は体当たり、杖をぶんどって叫ぶ。
「鬼太郎、戻れ!」
 カエルは光り輝いて大きくなり、鬼太郎へと戻っていった。
 鼻を押さえ、ヌルはうろたえた。
「ねずみ男、なぜ裏切ったのです」
「花子さんをさらうとはきいてなかったからよ。さあ、覚悟しな」
 ねずみ男に杖を向けられるが、ヌルは落ち着きを取り戻した。
「私にそんなものは効きませんよ」
 ヌルは体を何倍にも膨らまし、触手を何本も生やした。体は柔らかくぬめって、なんとも
奇っ怪だ。

 吸盤のある足が迫ると、鬼太郎は下駄を鳴らして下がった。
「ヌル、おまえはタコだったのか」
「そうとも、これが私の真の姿、恐れるがいい」
 ヌルは足から炎を吹き、冷気を飛ばす。この大タコの魔物は、八種の能力を足に持ってい
た。
 陸橋の上で暴れるタコに、人間たちは恐怖して叫び、西洋妖怪は歓声を揚げる。
 鬼太郎は飛び跳ねて火をかわし、冷気を避ける。火と冷気はぶつかり合って水蒸気を起
こした。
「おのれ、雷の足!」
「体内電気!」
 まぶしい閃光が走って衝突し、空中に火花が散った。

 鬼太郎の電気はヌルの力に勝り、ヌルの電気までも逆流させ、大タコを感電させた。
 ヌルは悲鳴を上げて身をふるわし、焼け焦げた匂いを振りまくと、ぐったり伸びた。
 大タコが動かなくなると、鬼太郎は空を見上げた。
「バックベアード、花子さんを返せ、ばかやろう!」
 凶悪な黒い球体は一つ目を見開いて、怒鳴りつけた。
「僕は認めないよ、こんないんちきな戦い」
 そこへ、暗雲をまとう、獣のような妖怪が飛んできた。赤舌という妖怪だ。
「何だともういっぺん言ってみろ」
「いえ何でもないです」
 何を恐れたのか、バックベアードはさっさとその場を離れていく。
 赤舌を本能的に嫌ったのかもしれない。いずれにせよ、今回はまだ西洋妖怪は本気で日
本を侵略しようとしたのではなかった。

 ジャック・オ・ランタンたちは花子を地面に置き、バックベアードに従い、去っていった。
「花子さん」
「よかったよかった」
 花子のもとに駆け寄り、無事を喜ぶ鬼太郎、ねずみ男。
 街は平静を取り戻していく。陸橋で焼けた大タコをながめて、鬼太郎は腕を組んだ。
 香ばしいにおいがただよう。
「なあねずみ男、このままこいつを放っておいても腐ってしまうだけだ。それは生命への冒
涜だと思わないか」
「ぼくもそれがいいたかったのだよ、鬼太郎君。人生は苦戦の連続で、我々は他者の死を糧
とし、血とし肉とせねば生きてはいけない」
 鬼太郎とねずみ男は、二人でタコをかついで人気のない場所を探した。

「まあ、そんなものを食べようだなんて、なんて下品なんでしょう」
 あきれた花子は、改めて二人の妖怪を差別した。
「ふられたみたいだな、鬼太郎」
「こうなりゃやけ食い競争だ」
 人間たちは、タコを運ぶ妖怪二人を見送った。
727創る名無しに見る名無し:2008/11/11(火) 17:45:20 ID:XVrNhZ+5
支援
728ハロウィーン・パニック! ◆Omi/gSp4qg :2008/11/11(火) 17:49:03 ID:ELOgKc9D
 誰もいない公園に焼けた大タコを担ぎ込み、二人はタコの足を餓鬼のごとくにむさぼり
食う。
 飢えた狼のごとく、彼らはタコを頬張った。見る間に噛みちぎられていき、タコは足を無
くしてしまった。
 ボリューム満点の食事に鬼太郎は大満足だ。

 足を無くして袋のようになったタコが、わずかに動いた。
「む、無念。鬼太郎、最期の頼みをきいてください」
「なんだこのタコ、まだ生きていたのか」
 ゲップすると、鬼太郎はタコの頭を平手でたたいた。
「もうすぐ死にますので、どうか。私のライバルにドクター・カオスという奴がいます。
 この国でまだ生きているはずですので、一つきいてほしいことがあります。
 私はマリア姫と結婚したかったが、あいつに邪魔されました。カオスはマリア姫と結婚
したのかどうか、きいてください」
「きいてやってもいいが、その時おまえは死んでるだろう」
「あなたがたの胃で、また血肉となり、それだけを確認してからまた地獄へ行きますのでど
うか」

「俺にはわからねえ、もてない男の悲しみだな。鬼太郎、きいてやろうじゃねえか」
 ねずみ男はもっともらしく、大きな頭を何度も縦に振った。
 鬼太郎は膨れた腹をたたいた。
「よし、もう少し頑張って食うか」
 二人はいっそう張り切って、あごを動かし、タコの肉、内蔵を飲み込んだ。
 食うことこそ生命の賛美、死者への尊敬であり追悼、といわんばかりの光景だ。
 とうとう、大タコは影も形もなく平らげられた。
 鬼太郎とねずみ男は風船のようになった腹をもてあまして、その場に寝転んだ。

 アパートのせまい部屋で、老人が茶を飲んでいた。白髪の、西洋人らしい老人で、黒いマ
ントに大柄な身を包んでいる。
「でがらしばかり飲むのも飽きたのー。どこかにうまい儲け話でもないもんか」
 その時、ドアをノックする音が響いた。
「NHK受信料なら払わんぞ」
「ゲゲゲの鬼太郎といいます。ききたいことがありまして」
「鬼太郎? きいたような名前だな」
 カオスがドアを開けると、子供のような妖怪と、汚い男の妖怪二人連れがいた。
 実は、と鬼太郎は事情を説明した。カオスは照れて赤くなり、頭に手をやった。
「なんと、それはご苦労じゃったな。いやあ、マリア姫には何度もプロポーズしたんじゃが、
断られた。
 それで、アンドロイドにマリアなんて名前を付けちまってな」
「俺たちと話の合いそうなじいさんじゃないか。それに頭もいい」
 ねずみ男は気に入った、と言うようにうなずいた。
「そうか? まあでがらしの茶しかないが、上がってくれ」
 人外の三人は、でがらしの茶を飲みつつ、やけに人間くさい話で盛り上がるのだった。

 どこからともなく、虫たちの鬼太郎をたたえるゲゲゲの歌がこだました。
729 ◆Omi/gSp4qg :2008/11/11(火) 17:58:09 ID:ELOgKc9D
終わり。行開け変かな。
鬼太郎@ゲゲゲの鬼太郎
西条@GS美神極楽大作戦!!
妖精の花子、丸毛@ゲゲゲの鬼太郎
ねずみ男@ゲゲゲの鬼太郎
ジャック・オ・ランタン@伝承妖怪 ……か?
プロフェッサー・ヌル@GS美神
七百年前モンスターを造るなどした魔族。
バックベアード@ゲゲゲの鬼太郎
ドクター・カオス@GS美神

妖怪じゃない連中も混じってるがまあ大目に見てくれ。
730 ◆Omi/gSp4qg :2008/11/11(火) 18:00:59 ID:ELOgKc9D
あと
赤舌@ゲゲゲの鬼太郎
妖怪ラリーの審判でなぜかバックベアードにいうことをきかせたりした。
アニメにも出た。そっちは水を操る妖怪。
731創る名無しに見る名無し:2008/11/11(火) 18:02:12 ID:XVrNhZ+5
投下乙!
またキャラ多いなw
ハロウィンパニックだからか
732 ◆Omi/gSp4qg :2008/11/11(火) 18:39:20 ID:ELOgKc9D
あと、
目玉の親父、狼男、フランケンシュタイン@ゲゲゲの鬼太郎
やっぱ多すぎたかな……
絞ったつもりだったんだけどいつのまにか増えてしまった
733 ◆Omi/gSp4qg :2008/11/11(火) 23:14:06 ID:ELOgKc9D
このスレを盛り上げたかったのじゃが 俺には無理かっ

ところで俺のIDエロだな……
734創る名無しに見る名無し:2008/11/11(火) 23:26:37 ID:hTXyA886
おお、投下乙!
いいなぁ、これ。
なんというか古きよき時代のにおいがするぜ。
しかしキャラ多いな。鬼太郎勢の一部が思い出せないぜ。
735 ◆Omi/gSp4qg :2008/11/11(火) 23:34:51 ID:ELOgKc9D
妖精の花子と丸毛かな。
漫画の逆柱の話に出てきた。マイナーだから無理もないと思う……
妖精だから妖怪じゃないし。
736 ◆.7EVb32OnU :2008/11/13(木) 15:01:31 ID:xB+4z4Ty
こんな時間に投下します。今なら誰もいないはずっ!!
737KAPPA ―episode.1― 後編  ◆.7EVb32OnU :2008/11/13(木) 15:05:26 ID:xB+4z4Ty
「ほんぎゃああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!」
 
 峠の坂道に河童の悲鳴が響き渡る。空気が震え、遠く離れた麓まで河童の悲鳴が木霊する。
 断末魔の叫びに近いその声は、背後を走る者たちの顔を喜悦に歪ませた。目の前の獲物が自分達よりも圧倒的な
弱者である事を認識し、自分達の腹を満たすだけの餌だと確信したからだ。
 走りながら叫ぶ河童を、舌なめずりをして追いかける三匹の獣。
 『狒々(ひひ)』猿を大型化したような姿をしており、山に棲む獰猛な妖怪である。体格は並の成人男性
よりも大きく、体毛は固く、牙と爪は大型の猛獣のように鋭い。

「たばべひぇ、たばべひぇえええええぇぇぇぇぇぇ!!!(助けて、助けてえええええぇぇぇぇぇぇ!!!)」

 謎の言語で助けを求めながら走る河童。少しでもスピードを落としたら追いつかれてしまう。
 両腕を大きく交互に振り、大地を踏みしめる足に更に力を入れる。前のめりに倒れそうな体勢で全力疾走する
その姿はまるで人間そのものである。
 緑色の弾丸となって暗闇を駆け抜ける河童。これほど本気で走ったのは実に十数年ぶりである。猪の大群に
襲われたときは本気で死を覚悟したが、今回はその時よりも危険な状況だ。
 走りながら河童は後悔していた。そしてこれでもかというくらい混乱していた。
 どうしてこんな事になってしまったのか――

(いやいやいやいやいや、ちょっ、待って待って待って! いやもうホントマジで待ってくださいホント勘弁して
くださいっつーかなんで? ねえ? なんで追っかけてくるの?? なんでオラ追いかけられなきゃいけねぇの!?
 いやいやこんなのいるなんて聞いてねえって!! これってもしかしてあの猫又の嫌がらせ? イジメ? オラ
なんかした? もしかしてあの石のついた指輪が気に入らなかったのか? それともスイカ盗もうとしたことを
実は怒ってたとか? でもそんならわざわざスイカくれる意味ねえじゃん!?
ってゆーかさ、お前らなんなのマジで? なんでオラを追っかけてくんの? オラなんもしてねえよ? あれか?
 スイカか? スイカ欲しかったの? お前らそんなにスイカ食いたかったの? お前らバナナの方が似合うって!
そんなことよりもうホント勘弁してくださいってかなんでお前らそんなに大きいの? 猿だよね? お前らいつも
オラよりちっさいよね? いや馬鹿にしてないよ。縄張りなんて荒らしたことないよ?? だからもういい加減
諦めてくださいホント誰か助けてっ!! 助けてくれたら今度超美味いキュウリあげるからっっ!!!!)
(この間およそ三秒)

 ウサ○ン・ボルトを彷彿とさせるフォームで河童が走る。緩やかなカーブを体を傾けながら走り、見事な
曲線を描いて曲がりきる。しかし狒々の群れはぴったりと背後について離れない。まるで天皇賞を見てるかのような
素晴らしい熾烈なレースである。
 水辺で生息する河童が山に生息する狒々に対し、ここまで対等に渡り合って逃げているだけでも驚愕すべき
ことなのだ。しかも峠は自分が不利な場所で相手に有利な場所である。河童を知る者なら信じられない事だ。
 だが河童とは謎の多い妖怪なのである。相撲が得意できゅうりが大好きで尻子玉を引っこ抜くしかとりえのない
妖怪なんてイメージであるが、それは昔の人の考えである。河童も人間と同様、常に進化し続けているのだ。
 しかし追いかけられているという現実は紛れもない事実であり、どうしようもない窮地に立たされているという
事もまた事実。
 皺くちゃの真っ赤な顔を歪ませ狒々が吠える。聞いたことのない獣の声は身の毛がよだつほど恐ろしい咆哮で、
それを聞いた河童は心底怯え、振り向くことなく走る速度を更に上げた。

 時刻はちょうど丑三つ時――夜明けにはまだ幾ばくかの時間がある。

738KAPPA ―episode.1― 後編  ◆.7EVb32OnU :2008/11/13(木) 15:06:56 ID:xB+4z4Ty
 どうして追われているのか―――もう一度遡ること少し前。

 峠に電灯は無く、月も雲に隠れて峠道は灯り一つない真っ暗闇だ。
 滅多に車が通らないこともあり、河童は堂々と山の斜面の草むらに腰掛けてスイカを食べていた。
 堂々といっても座っている山の斜面は車が通っても気付かれないだろう場所である。もし誰かが気づいたとしても
目の錯覚だろうと思うか、気のせいだと思うだろう。長年人から隠れて生きている河童にとって、人に見つからない
場所を探す事は造作もないことなのだ。
 そんなわけで、河童は人目を気にすることなくスイカをシャクシャクと貪っているのである。

 峠を歩いて数時間、スイカを二つも背負って山道を歩くのはキツイと河童はようやく気付き、荷物に
なっているスイカを食べる事にしたのだ。疲れて空腹になるまで気付かなかったのだが、それはそれで気付かなかった
のだからしょうがない。けっして河童がマヌケだということではないのだ。
 半分に割ったスイカ(手刀で割ろうとして失敗)の半分をペロリとたいらげ、もう一つに手を伸ばそうとした
とき、後ろの上の方から草の擦れる小さな音が聞こえた。

「ん?」

 山の動物かと思い、振り返ろうと首を捻らせると、何かが空から河童に向かって跳び掛かってきた。

「んおぁっ!?」

 突如襲い掛かってきた何者かが鋭い爪を河童の頭上に振り下ろす。
 慌てて転がるようにして横に避け、何者かの奇襲を回避できたのは奇跡に近かった。あと少しでも遅ければ
河童の頭は飛び降りてきた何者かの攻撃によって砕け散ったスイカのようになっていただろう。河童とは意外と
反射神経が良いのだ。
 突如襲ってきた何者かと距離をおき、河童は警戒しつつ何者かの正体を見定めようと目を凝らしていると、更に
もう一体が上の方から飛び降りてきた。
 頭上から飛び降りてきた目の前の二体は大きな猿にしか見えない。問題は、猿にしては体が異常に大きく、
そして猿よりも凶悪な貌をしているということ。そしてまだ食っていないスイカが砕かれた事。
 何よりも一番の問題は、自分を襲ってきたという事実である。
 その二体の狒々は、黄色い牙を見せて不気味な顔でニィっと嗤う。その顔はけっして好意的な顔ではなく、
獲物に対して見せる捕食者の顔であり、獲物を捉えたと確信したときに見せる笑み。
 河童はその笑みの意味に気付いた瞬間――本能で逃げることを選択した。
 本能――それが逃げることに繋がり、すばやくその場から動いたのは河童にとって最高の選択だった。
 河童が背を向けて走り出した直後に、河童の居たその場所にもう一体の狒々が飛び降りてきたのだ。
 紙一重のタイミング――その場から逃げるのがあと少しでも遅ければ、河童は上から襲ってきた狒々によって、
やはりその命は終わっていただろう。つまり、偶然にも河童は狒々の二度の奇襲から逃れたのだ。
 

 一度目の奇襲が失敗に終わっても二度目で捕まえる。その奇襲が失敗に終わり、狒々たちは驚きと同時に怒りを
あらわにした。
 簡単に仕留められると思っていた獲物を逃し、それが狒々の怒りに火をつけたのだ。しかし、それと同時に
仕留めがいのある敵と判断し、狒々たちはなんとしても河童を捕まえようと、逃げる河童を追いかけだした。
 奇跡的に死の危機から逃れる事ができたと同時に、河童は火に油を注ぐことになったのだ。
 
 こうして、河童と狒々の命がけの鬼ごっこが始まることになったのである。

739KAPPA ―episode.1― 後編  ◆.7EVb32OnU :2008/11/13(木) 15:08:06 ID:xB+4z4Ty
 ――時は再び現在に戻る。

 現在走っている場所は峠の頂上付近であり、ガードレールの向こう側は切り立った崖で、飛び降りて逃げる
ことは不可能である。道のない暗い山の中に逃げ込むことは狒々の領域に逃げ込むことと同義。
 隠れる場所はなく、立て篭もる場所もない。よって、河童は峠道をひたすら走って狒々を振り切るしか逃げ切る
道は無い。
 このままでは狒々に追いつかれて捕まるのは時間の問題である。しかも、すでに河童の体力は限界であり、
諦めたらそこで試合終了的な状況である。
 河童は余力を残す事など考えずに全力で逃げているが、狒々たちはいまだ余力を残している。全力で走れば
捕まえる事ができるのにそれをしないのは、二度の奇襲を避けた河童への警戒心が心の奥底でまだ残っているから
である。山という自然の中で生きる狒々は、獰猛でありながら警戒心が強い妖怪なのだ。
 下手に捕まえようとして、思わぬ反撃を受けるかもしれない。それが慎重な狒々が河童をまだ仕留めない理由の
一つであった。
 もう一つの理由。それは肉食獣が確実に獲物を仕留める狩りの方法に沿って行動しているからである。
 獲物が疲れきって反撃をする力も体力も無くした時に確実に仕留める。それは自分達が獲物より絶対的優位な
立場になり、確実に安心して仕留めるためである。
 しかしこれは自分達と獲物の力の差が分かっていないと無理な事である。逃げ切られるかもしれない獲物には
有効ではないし、相手の体力が自分達より上回っている場合では意味が無くなる。その点、眼前の獲物は確実に
自分達よりも体力も走る速さも劣っていることが分かっているからこの方法が使えるのであった。
 そして最後にもう一つ。
 それは、ここが自分達のテリトリーであり、河童が大声で叫んだことが理由なのである。

 体力には自信のある河童だが、全力で坂道を長時間走るということは経験がなかった。おまけに走りながら
絶叫してよけいに疲れる羽目にもなっていた。
 河童は追いかけてくる猿が諦めてくれる事だけを願って走っていた。謝って逃してもらおうとしなかったのは
謝った所で逃してくれなさそうだと初見で思ったからである。それほど狒々の貌は凶悪で、その殺気は全身に
痛いほど伝わってきたのだ。
 緩やかなカーブが何度も続く坂道を走り、頂上を走りすぎて上りから下りになる。これで少しは走るのが楽に
なったと思い、少しだけ背後を見る。そして河童は振り向いた事を後悔した。
 距離にして数メートル。背後には、追いかけてくる狒々の数がさらに増えていた。

「ほ、ほああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 哀れ河童。空を見上げなかったのが不幸中の幸いである。だって死兆星が輝いているから。
 何度目かの叫び声を上げて更に河童は加速する。
 足が重くなり、体力も無くなりかけていたが、狒々が増えていた事に対する恐怖で河童は己の限界を超えて走った。
 狒々の数は五体に増えていた。河童は気付いていないが、叫んでいた事が裏目に出ていたのだ。河童の叫び声
と狒々の咆哮を聞きつけ、二体の狒々が合流したのである。
 そして、この河童の叫びで事態はさらに悪化する。

740KAPPA ―episode.1― 後編  ◆.7EVb32OnU :2008/11/13(木) 15:10:10 ID:xB+4z4Ty
 下りのカーブに差し掛かったところで、河童の左上の坂道から何かが並んで走っていた。河童がカーブを
曲がりきったところでその傾斜を走っていた何かは河童を追い抜いて道路に飛び下りてくる。
 山の上のほうから降りてきたのは二体の狒々。それによって、河童は前を塞がれて逃げられなくなった。
 背後からは五体の狒々、前にはニ体の狒々。河童はあっという間に囲まれ、逃げ切ることができない状況に
なった。
 すでに限界を超えていた河童は立ち止まったところで動けなくなっていた。
 頭の中まで酸素が回らなくなっているのか、考える力もなくなっていて、「ああ、もうお終いだぁ」としか
思わなかった。
 狒々の群れに囲まれて、ペタリと河童が座り込む。呼吸をするだけで精一杯で、もう立ち上がれそうにもない。

「ゼハ〜、ハヒュ〜、ゼハ〜、ハヒュ〜、ゼハ〜、ハヒュ〜……」

 じりじりと迫ってくる狒々たちを見上げ、河童は半泣きでどうしようか考えていた。
 諦めの悪い河童だが、状況はどうしようもなく最悪であり、諦めるしかないというのが現状である。
 一対一でも勝てそうにない狒々がよりによって七体。しかも囲まれて逃げ場はなく、走る体力もすでにない。
 リーチ一発ツモ。試合終了五秒前。九回裏ツーストライク。走馬灯がそろそろ見えますな状態である。

(もう無理、もう無理だって。なんなのこれ? 死ぬの? 死ぬのっつーか絶対死ぬわこれ。だってこれ濡女から
逃げるのより無理あるって。しかもなんか増えるしもう反則だって。しかもみんな同じ顔に見えるけどもしかして
お前ら家族ですか? 家族揃って今夜の飯がオラってことですか?
 あ〜考えたらだんだん腹立ってきた。なんでオラがこいつらに追っかけられなきゃならねぇんだ? 食っても
絶対美味くねえぞ? っつーか河童が猿に食われるなんて聞いたことねえぞ? そういや猿と言えば前に行った
日光ってとこは猿が多かったなぁ。あん時も確か柿食ってたら猿の集団に追いかけられたなぁ……ってよく考えたら
オラってもしかして猿と相性悪いのか? 猿に嫌われるタチなのか?
 日光と言えばその前に行った――――)

 ふいに昔の事を思い出し、次々と過去の事を回想をしだす。脳が現実から逃避しようとしているのか死に直面して
走馬灯が走る準備をしているのか。
 思い出す記憶はやたら苦い思い出ばかりで、河童は自分の事ながらろくな人生送ってねえなぁ、と苦笑いを
しながら自分の過去を人事のように思った。
 じりじりと狒々たちが詰め寄ってくる。もう飛び掛れば爪が届く間合いである。襲い掛かってきたら逃げ切ることは
不可能だ。
 狒々たちを見ていると怖いからうなだれる。地面を見下ろしながら河童はぼんやりと考えていた。

(死んだら琵琶湖に行けねえなぁ……行きたかったなぁ……。琵琶湖に行ったら仲間が居るかもしんねえしきっと
楽しいんだろうなぁ。魚だって美味ぇだろうし水もきれいなんだろうなぁ……そういやきゅうり畑とか近くに
あんのかな? まあ探せばきっとあんだろ。っつってももう行けそうもないけどな。
ああ、でもやっぱ行きてぇなぁ……まだ死にたくねえなぁ…………)

 考え終わったと同時に、周囲の狒々が一斉に襲い掛かってくる。
 狒々たちが襲い掛かってくる気配を感じ、河童はギュッと目を瞑った。

 そして、

「――――――――――――――――」

 声が聞こえた。その声はどこか聞き覚えがあり、河童には何故かハッキリと聞こえた。

741KAPPA ―episode.1― 後編  ◆.7EVb32OnU :2008/11/13(木) 15:12:23 ID:xB+4z4Ty
 河童に訪れた感触は切り裂かれる痛みではなく、首根っこを掴まれた感覚と、宙に浮く浮遊感だった。
 河童は目を瞑っているため、自分がどうなっているのか分からない。
 ふわっと浮いたような感覚から落下するような感覚。それは今まで感じたことのない感覚で、河童は自分が
死んだのだとぼんやりと思った。
 そして次の瞬間、全身に衝撃を受けて「ぐぇっ」とカエルのような呻き声を出した。
 高いところからべちゃっと地面に落ちたような衝撃を受け、河童は痛みに堪えながら不思議に思った。

(なんだ? 一体何がどうなっているんだ? あの世ってのは地面があるのか? あの世でも痛みとかあんのか?
地獄なのか天国なのかどっち? っつーか死ぬのってやけにあっさりなんだな……)

 目を瞑りっぱなしで地面にうつ伏せに倒れていると、頭上から「大丈夫か?」と声が聞こえた。
 先程も聞こえた聞き覚えのある声に、河童は恐る恐る目を開いた。

「よう頑張ったな。おかげで間に合ったわ」

 驚く事に、河童の目の前には人間の女が立っていた。
 その女は河童を見下ろし、目を細めてにんまりと笑っている。
 突如目の前に現れた人間を見上げ、河童は状況が分からずに混乱していた。それはもうこれでもかというくらい
混乱していた。
 死んだと思っていたが自分はどうやらまだ生きているらしい。それはそれでどうして目の前に人間がいるのだ?
 この人間が何者なのか分からないし、言っていることの意味も分からない。しかしこの人間は自分のことを
知っているらしい。
 自分を囲んで襲ってきた大猿たちはどうしたのだろうかと辺りを見渡すと、大猿たちは離れたところにいた。
 しかも、その中の一体がいつの間にか倒れている。遠目でよく分からないが、倒れている大猿はどうやら血を
流しているようだ。一体何が起きたのだろうか。
 目を瞑る瞬間まで自分は大猿たちに囲まれていたはず。それなのにどうして離れた場所にいるのだろうか。
 まるで頭の中に手を突っ込まれ、ぐちゃぐちゃにかき回されたような気分だった。
 様々な疑問が一気に頭の中で浮かんで混ざり、答えらしい答えがでてこないのだ。状況が状況なだけに冷静になる
余裕などない。
 目の前の人間は覗き込むように河童をじろじろと舐めまわす様に見て、女はうんうんと満足そうに頷いた。

「どうやら怪我はない様やな。狒々のことをすっかり忘れておってなぁ、慌てて来てみたら囲まれてるんで
びっくりしたわ。まあ、無事でなによりや」

 目の前の人間は笑いながら意味不明なことを言うが、河童にはこの人間の言っていることの意味が分からない。
 どうやら突然現れたこの人間が自分を助けてくれたらしいということはなんとなく理解できた。だが、人間が
どうして助けてくれるのかという疑問と、人間がどうやってあの状況で自分を助ける事ができたのかが分からない。
 そもそもどうして会ったこともない人間が自分を助けてくれたのだろうか。逆に疑問が新たな混乱を呼び、河童の
頭の中はぐちゃぐちゃになって溶ける寸前にまでなっていた。

(だ、誰だこいつ? なにもんだ?)

 その女は河童を見下ろすと、覗き込むようにして顔を近付けてにやっと笑う。その眼は金色で、口には牙が
二本覗いて見えた。

「ウチやウチ、もう忘れたんか? 姿形が変わって分からんか?」

 愉快そうな顔で女は首から下げられたものを指でつまんで河童に見せる。それは、数時間前に河童が猫又に
譲った指輪だった。
742KAPPA ―episode.1― 後編  ◆.7EVb32OnU :2008/11/13(木) 15:15:41 ID:xB+4z4Ty
「…………あ、あああっ!!」
「やっと分かったか? どや、ええ女でびっくりしたか?」

 その女は二本の尻尾を振って河童に見せる。それは紛れも無く猫又の尻尾であり、そして頭には人間には
生えていない猫のような(猫だけど)耳が確かに生えている。
 人間に変化した猫又は美しい容姿をしていた。整った顔に大きな金色の瞳。髪は肩にかかる程度の
ショートで、白いシャツにデニムのショートパンツ姿と身軽で動きやすい服装をしている。無駄な贅肉の
無い体つきで、手足はしなやかに伸びている。腰は引き締まっていて、胸は大きく盛り上がって白いシャツを
押し上げている。耳と尻尾がなければ紛れも無く普通の人間にしか見えない。

 女――猫又は視線を横の狒々たちに向ける。六体になった狒々たちは、突然現れた猫又に警戒しつつ、
それでも襲いかかれるようにじわじわと迫ってきている。

「さぁて、それじゃそろそろあの猿共をなんとかせんとなぁ。ひいふうみい……六匹か。ちぃと面倒やなぁ」

 猫又はそう言うと、スタスタと狒々の群れに歩み寄っていく。その歩みはあまりにもごく自然で、狒々たちは
目の前の獲物の行動が計りかねていた。


 その女は突然空から降ってくると、河童と狒々たちの間に舞い降りた。
 狒々の爪が河童に届く寸前、女は河童の首根っこを掴むと、そのまま宙に飛んだ。女は河童を掴んだまま
空高く跳び、狒々の群れから遠く離れたところに着地する。
 その動きは俊敏で、人間にはありえない跳躍であり、そして人間とは違う獣の臭いがした。
 突如現れた人間の姿をした何者かに狒々たちは驚いた。
 それはそのはず。獲物を仕留めたと思った矢先、突然現れた人間の女に獲物を持っていかれたのだ。しかも
信じられないことに、人間の女の姿をした何者かはその一瞬の間に仲間を一体、何らかの方法で殺していった。
 死体は鋭利な刃物か何かで切られている。頭から縦に三つに切断され、臓物が地面に溢れ落ちている。
 一瞬の間に何が起きたのか――狒々たちは驚きと疑問、そして恐怖と混乱が混じりあって動揺していた。
 唯一つだけわかっていること――目の前に現れたのは『獲物』ではなく『敵』であり、しかも容易な相手ではない
ということ。
 本能が告げる『危険』という直感。それが狒々たちが再び襲い掛からなかった理由である。
 だがやる事は決まっている。
 突然現れた敵を始末し、奪われた獲物を取り返す。
 仲間を殺し、獲物を奪っていったのだ。相手が何者であれど、許される事ではない。
 狒々たちは混乱から抜け出すと、新たな標的に向かい、じりじりと歩き出した。


 やがて、狒々たちが襲い掛かれる間合いまで近づいて猫又は立ち止まる。

「この中で話のできる奴はおらんか? 一匹殺してしもうたができれば穏便に済ませたいんや。アレはウチの
客人みたいなもんでなぁ、できればこのまま引いてほしいんや。おぬし等も河童一匹で死にとぉないやろ?」

 穏便に済ませようとしているのか挑発しているのか、猫又は余裕のある声で狒々たちに話しかける。それは
まるで世間話をするような気楽な口調で、そしてどこか余裕を感じさせるものがあった。

(いやいやいや、やべぇって、殺されるって! 話し合いが通じる相手じゃねぇっての!!)

 体格差は歴然。しかも相手は六体もいるのだ。どう考えても猫又が勝てる相手ではない。
 どうやって一体を倒したのかは知らないが、猫又は武器の一つも持っていない丸腰の状態。そして大猿たちは
どうやらもの凄く怒っているようだ。そんな状況で近づくのは死にに行くようなものである。
 河童が止めようと声を出そうとするのと狒々の群れが猫又に襲い掛かるのはほぼ同時。三体の狒々が猫又に
一斉に飛び掛るのを見て、河童は八つ裂きにされる姿を一瞬で想像した。
 
 ――だが、次の瞬間目にしたのは、一瞬でバラバラに弾け飛んだ三体の狒々の姿だった。
743KAPPA ―episode.1― 後編  ◆.7EVb32OnU :2008/11/13(木) 15:18:25 ID:xB+4z4Ty
「にげ――――あれ? ……え?」

 目の前の光景に河童は自分の目を疑った。
 確かに襲われたのは猫又で、自分の目には狒々の爪が猫又に届いたようにしか見えなかった。
 それなのに、殺されたのは猫又ではなく狒々たちで、しかも血を撒き散らしてバラバラに弾けたのだ。
 信じられない光景に、河童は呆けたように口を開いたまま固まっていた。

「所詮は猿やなぁ。自分と相手の力量の差も分からん獣ほど愚かなもんはないわ」

 呆けたような顔の河童を尻目に、猫又は長く伸びた爪を軽く振る。血の飛沫が地面に飛び散り、それを
見た残りの狒々たちが大きく飛びずさる。
 刹那ともいえる一瞬――その猫又の動きは河童にはまったく見えなかった。河童の目に映ったのは、猫又の
手がブレて消えたように見えたのと、空中でバラバラになった狒々の姿と、変わらず立っている猫又の姿だった。
 唯一つ違うのは、猫又の爪が異常に長く伸びていることだ。長く伸びた爪からは狒々のものであろう血がぽたぽた
と滴り落ちている。 
 それは瞬きをする間もないほどのあっという間の出来事だった。たった一瞬で猫又の前から三体の狒々が消え、
代わりに周囲には狒々『だったもの』の残骸がばら撒かれていた。


 狒々たちの表情はさっきまでとはうって変わり、目の前の仲間の屍骸を見て狼狽した表情になっていた。
 それを見て、猫又はニヤリと意地の悪そうな顔になる。

「どないした? 仲間がえらい目に遭うてんのになんとも思わんのか? それとも何されたんかまだ分からんのか?」

 挑発するように言いながら猫又は残りの狒々たちに歩み寄る。両手から伸びる十本の爪を動かしながら
猫又はじわじわと距離を詰める。

「ほれ、ぬし等の間合いや。全員で飛び掛ればウチに勝てるかもしれんで?」

 猫又は愉しそうな声で話しかけながら狒々に歩み寄る。だが、狒々たちは猫又から距離をとろうと大きく
後退する。

「ほれ、こいこい。ウチはか弱い女子やで? ほれ? どないしたん?」

 猫又が一歩近づく度に狒々たちが後ずさる。跳びかかれる距離にいるというのに、怯えているかのように近寄ろう
としない。
 河童はその異様な光景を呆然としながらただ眺めていた。ついさっきまで自分に襲い掛かってきていた
狒々たちが、自分たちよりも小さな人間の姿をした猫又を相手に後退しているのだ。それはまるで
怯えている様にも見え、恐ろしかった狒々たちが哀れにも思えるほどだった。

「なんや寂しいなぁ。せっかく近寄ってんのに誰も来ぃひんのか? 誰か遊んでくれんと拗ねてまうで?」

 拗ねたように言いながら猫又が近き、そして狒々たちは遠ざかる。
 襲い掛かれば一瞬で殺されるかもしれないのだ。いや、間違いなく殺される。
 獣でもむざむざ死にに行くようなことはしない。いや、危険に敏感な獣だからこそ近づこうとしないのだ。
 それでも逃げようとしないのは、獲物を捕らえる寸前までいったのに、それを逃すことへの躊躇いと、仲間を
殺された怒り。そして、逃走が無意味であるという直感が狒々たちの『逃げる』という行動を阻んでいた。
 やがて、猫又は立ち止まり大きく溜息を吐いた。そして、くるりと振り向き、河童のほうに歩みだした。
744KAPPA ―episode.1― 後編  ◆.7EVb32OnU :2008/11/13(木) 15:21:07 ID:xB+4z4Ty
「もうええわ、止めや。ウチはおぬし等と違うて弱い者いじめは好きやないしな。さっさと山に帰り」

 そう言って猫又は伸ばしていた長い爪を戻していく。もうすでに興味を無くしたと言わんばかりに無防備な
背中を狒々に向け、河童に手を振りながら笑顔で歩いてきた。

「危ねえって。いつ襲い掛かってくるかわかんねえんだから―――」

 緊張の欠片も無く歩いてくる猫又に警戒するように矢先に叫んだ矢先、狒々たちが隙だらけの猫又に一斉に
襲い掛かる。猫又は背後に気付いてないそぶりで歩いてくる。
 それは恐らく狒々たちの最初で最後の好機であり、本気の襲撃。それは河童が叫ぶよりも早く、背後を向いた
猫又には避けられないであろう速度だった。
 だが――――

「やっぱ、所詮は猿やなぁ」

 狒々たちの爪が頭上から振り下ろされ、猫又の姿が消える。そして、再びバラバラに弾け飛ぶ三体の狒々。
 血の雨を一滴も浴びることなく、猫又はその場に立っていた。唯一血に濡れているのは、その長い爪だけで
あり、それも手を振って血飛沫を飛ばすと、いつの間にか長い爪は元に戻っていた。


「どや、惚れ惚れしたやろ?」
「すごかったなぁ……おめぇさん、とんでもなく強ぇんだな」

 峠の坂道を歩きながら河童は猫又を褒める。猫又は横に並んで歩き、まんざらでもない顔で笑っている。
 すでに狒々たちの屍骸のある場所からは遠く離れている。狒々に追われて走ったおかげか、予定よりも
少し早く麓に辿り着きそうだった。

「ウチがあんな百年生きたかどうかも分からん猿共に殺られるわけないわ。お主もあいつらもウチにとっては
小僧もええとこやからなぁ」
「どんだけ長生きしてんだよ。まあいいや、とにかくありがとうな。おかげで命拾いしたよ」
「ええてええて、狒々のことをすっかり忘れてて伝えんかったウチが悪かったんや」
「そりゃあそうだな。っつーかホントにそうだ。おかげで寿命が十年は縮んだぞ」
「せやから謝っとるやないか。もう過ぎた事やし無事に済んだからええやないか」
「ま、そうだな。助けてくれたんだしオラも無事だしな」

 さっきまで腰が抜けて立てなかったくせに、もうすでにそのことさえ忘れているかのような様子の河童を見て猫又は
少し呆れた。
 どうして助けに来たのか――狒々のことを伝えなかった自分の負い目もある。だが、それだけが理由ではない。
 ただ単に河童が気に入ったのだ。死なせるには惜しい。それに高価な指輪まで貰ったからにはそれなりのお返しを
しなければと思ったのだ。
 それに――琵琶湖まで無事に辿り着いてくれないと琵琶湖の話が聞けないではないか。この河童ならきっと面白い
土産話を持って再びやってくるだろう。
 夜が明けかけている。空は紫色になり、遠く地平線の先は白みがかったオレンジ色にうっすらと変わってきている。
 もう少しで麓に辿り着くだろう。麓には数件の民家があるが、まだこの時間なら人目につく事もない。だらだらと
歩いていたら山の上で夜を明かしていたかもしれない。前向きに考えると、狒々に襲われて走ったのはちょうど都合が
良かったのかもしれない。
745KAPPA ―episode.1― 後編  ◆.7EVb32OnU :2008/11/13(木) 15:24:07 ID:xB+4z4Ty
「のう、琵琶湖に行ったらまず何がしたい?」
「なんだよいきなり?」
「ええからええから。なんか一つくらいあるやろ?」
「したいこと……う〜ん……まずは泳ぐだろ。そんで魚食って寝床探して……あとは釣りだな」
「ぶはっ! あっはっはっは!! 釣りって……これやからお主は面白いわ」
「なんだよそれ? おめぇが聞いてきたんじゃねえか。面白ぇんだぞ釣りって」
「そうなんやけどな、うん、お主らしくてついな、あっはっはっ」
「なんだそれ?」

 心底おかしそうに笑う猫又を見て、河童は何がそんなにおかしいのか分からなかった。
 たわいもない話をしながらてくてくと坂道を下っていく。猫又が着いてきてくれる理由は多分護衛なのだろう。
 もしかしたらまた狒々が現れるかもしれない。そのことを考えたら猫又がついてきてくれるのは心強い。
 ふと、猫又の首元で揺れる指輪が朝日に反射して綺麗な光を放つ。それを見て、河童は不思議に思った。

「なぁ、なんでそれぶら下げたまんまで指につけねえんだ? 人間の姿をしてんだから嵌めてみたらどうだ?」
「ええんや。これはぴったり合う指が指やしな。それに、コレは自分で嵌めるより誰かに嵌めてもらうもんなんや」
「ふ〜ん、そうなのか。なんならオラが嵌めてやろうか?」

 河童の申し出に猫又がくすりと笑う。

「遠慮しとくわ。お主に嵌めてもらうと後が大変そうやしな。それに、これはそういったもんやないんや」
「そんなもんなんか? なんか面倒なもんなんだな」
「ホンマ、面倒なもんをもろうたもんやわ」

 河童がしげしげと指輪を見る。猫又は目を細めて微笑むと、

「せやな、お主が琵琶湖に着いて、ウチとまた会うたらそん時に嵌めてもらおうかな」
「何年後になるかわかんねえぞ?」
「そんなもんでええんや。ウチ等の寿命は長い。数年数十年なんてあっという間や」
「ま、そうだな。そんじゃ、そん時はたっぷり土産話を聞かせてやるよ。その代わり、またスイカ食わせてくれよ」
「お主はホンマに面白い奴やなぁ。ま、期待せんで待っとるわ」

 小さな約束を交し合い、互いに笑う。それは果たされるかも分からない小さな約束。
 だが、猫又はなんとなく確信していた。
 もし生きていたら、無事に河童が辿り着いたなら、この約束は果たされるだろう。河童はそういう奴だ。
 それは数年後かもしれないし、数十年後かもしれない。数百年後かもしれない。それでも、互いに生きていれば
この約束は破られる事はないだろう。
 妖怪の寿命は長い。自分が何百年生きているのかももうすでに覚えてないのだ。時間の流れなど妖怪にとっては
意味の無いものである。
 いつ死ぬのかも分からない。何時また会うのかも分からない。それだけは、人間や他の動物と変わることはない。
 だから――

「そろそろお別れや。これから先大変やろうけど、お主ならなんとかなるやろ。気ぃつけてな」
「ああ、そんじゃあな。どんだけ先になるかわかんねぇけどまた会いに来るよ」
「達者でな」
「お前さんもな」

 軽い口調で別れの挨拶。猫又は立ち止まり、河童は足を進める。
 それはしんみりしたものはなく、まるで家路に着く者を見送る別れ。
 ぺたぺたと坂道を下っていく河童の後ろ姿を、猫又は小さくなって見えなくなるまで眺め続けた。
 やがて、河童が見えなくなると首に下げている指輪を紐から外し、それを左手の薬指に嵌めて眺める。
 朝日に反射して、指輪が眩しく輝いている。

「ホンマ、なんも知らんかったんやなぁ……」

 猫又は小さく呟くと、飽きるまで左手の薬指を眺めていた。
 初夏の風が峠の道を通り抜ける。心地良い風が猫又の頬を撫で、指の隙間を通り抜けていった。

746 ◆.7EVb32OnU :2008/11/13(木) 15:32:41 ID:p9/eTLoQ
投下終了と同時にさるさん!なんか毎回恒例と化してきましたよ……。
9割書き上げてデータ消失して書き直しはじめた頃から休み無しのデスマーチが遅くなった理由です。
次回投下は月末か翌月上旬予定です。ハロウィンネタ書きたかった……。
747創る名無しに見る名無し:2008/11/13(木) 20:52:02 ID:ac3ifuWo
乙! 真面目な文体で河童ボケボケだから笑えるなw
猫又つええ そして何というよさげなエンドw
お疲れさまでした!
748創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 01:57:34 ID:yInroIWe
河童きてる!この話大好きなんだよGJ!
749創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 03:41:33 ID:WbOIp1ZW
猫又さんに惚れそうです。すてきー。
750東方拝金娘:2008/11/15(土) 01:06:22 ID:LfML0hcG
 彼女が自分の屋敷から散歩に出かけたのは気紛れだったし、特に理由も無かった。
 ただ、地上の妖怪達が人間界でイタズラに遊び呆けていると聞いて自分も交わりたかったのだ。

 彼女への「畏れ」は時を重ねるごとに強くなっていった。

 昔、彼女はあまり畏れられていなかった。
 臆病な妖怪である彼女は人との接触を避け、近寄られる前にその場から逃げるのが常であった。
 だが、人間達が光の世界に住まい、夜の闇を遠ざけた頃から彼女は恐ろしい存在になった。
 というのも、世界から祓われた闇が彼等の心に逃げ込んだからである。

 妖怪、神、悪霊、その他諸々が畏れられなくなった今でも彼女は畏れられる。
 彼女のような人間がいるのではないか? むしろ、彼女は自分を常に見ているのではないか?

 その呪わしき特性を持つ者は映画、漫画、小説、あらゆるフィクションに現れては
 周囲に分け隔てなく恐怖をバラ撒いた。
 彼女に対する恐怖は姿変え形変え、人間達を恐怖の底に突き落とす。



 彼女の名前は、古明地さとり。

 戦闘はサッパリ得意ではないし、性格が悪いわけでもない。
 だが、彼女は「さとり」である。
 「さとり」は相手の心を読む妖怪で、人に知られたくない秘密を抱えた多くの者は彼女を恐れるし、
そもそもそんな秘密が無くたって自分の心の中を読み上げられるのは恐ろしい。

 夜の支配者、山そのもの、伝説の鬼、狸の首領、その誰よりも彼女は恐ろしく、誰からも恐れられていた。
 事実、鬼でさえ彼女に近づくのを嫌がり、地獄を彷徨う怨霊達も彼女を避けた。
 結果として「友達がいない」とか「風評が最悪」といった望まぬ名誉まで得てしまったのだが……

 とにかく、誰も近寄ってくれないならば、彼女自ら歩み寄って行くしかあるまい。
 自分のペット以外にも話相手は欲しいし、彼女の妹は心を閉ざしてチンプンカンプンな事しか言わないしで
……たまには誰かと話がしたいのだ。

 そんなこんなで、彼女は外の世界に足を運んだ。
751東方拝金娘:2008/11/15(土) 01:07:15 ID:LfML0hcG
「誰を驚かそうかな♪」

 友達が居なくて寂しいとはいってもそこは妖怪、人を怖がらせるのが大好きである。
 どうせ一期一会なんだし、思いっきり怖がらせても後腐れはないだろう。

 これから久々に人間を驚かすのが楽しみで、普段ローテンションの彼女でも少しご機嫌だ。
 語尾に「♪」なんてつけてもたまにはいいだろう。

 自分の妹なら、それこそ陰惨な大量殺戮でも楽しむんだろうが、別にそんな事までしたいとは思わない。
 ただ、捕まえた人間の恥ずかしい秘密……
 若い頃のノートに書いた妄想やポエム、隠し持ったアブナイ本の題名、趣味や隠れた性癖等を
朗読でもして相手が悶絶するのでも見れれば満足なのだ。



 ……お解かりいただけただろうか。

 彼女は現代日本において、とても恐ろしい妖怪なのである。
別に「嘘だッ!!!」と般若のような顔で怒鳴る事も、
「頭冷やそうか」と病んだ目で極太ビームを打つ事も、
愛しの彼とnice boat.する必要も彼女には無い。

そりゃ鬼だって避けるし怨霊も恐れるわ。


「あ、あの女の子にしよう」

 彼女の最初の犠牲者は決まったようだ。
 奇しくも、最近自分と弾幕ごっこを繰り広げた巫女と同じカラーである。
 暢気にラン、ラランと歌う金髪碧眼の彼女がターゲットだ。

「こんばんは、そこの紅白さん」

「あら、だぁれ?」

「・・・・・・」

「?」

「・・・・・・・・・・」

「?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「??」
752東方拝金娘:2008/11/15(土) 01:07:50 ID:LfML0hcG
「っきゃあああああああああ!!!!!!」


 挨拶から先の会話は何も無かった。
 ただ、さとりは全速力でその場から逃げ出した。

 冗談じゃないわ、こんな事なら地霊殿から出てくるんじゃなかった!

 少女さとりは、自分の愚かさを呪った。
 あんなのが居るとは夢にも思わなかった。
 人間とは何と恐ろしいイキモノなんだろう。
 最初から青い顔は更に真っ青で、汗だか涙だかわからない物が顔を流れている。




 後に残された少女は頭に「?」マークを浮かべるだけだった。

 彼女、バレッタは一流のダークハンターである。
 闇に生きる者達を退治して懸賞金を得たり、生きたまま捕獲して高額で売り飛ばすのが彼女の仕事。
 その可憐な顔には見合わず、本性は邪悪そのもので、「金」以外に価値観を置かないのが彼女。
 可愛らしい外見に騙されてホイホイ近づいて来た魔物をズガンと殺すのが彼女の得意技。
 だが、真に恐ろしいのは魔物以上にドス黒い魂で、本来の人間は魔物を見ただけで動けなくなるところだが、
逆に彼女の魂の片鱗を見た魔物の方が命乞いをする程である。
 そんな彼女の心の中がどれだけヤバいかは、皆さんの想像にお任せしよう。


 可哀想に、古明地さとりは、世界で最も恐ろしいモノの一つを覗き込んでしまった様だ。


「結局なんなのよ、アレ」

 脱兎の如く逃げた少女を尻目に、彼女は考え込む。
 日本で大量のダークストーカーが涌いたっていうから狩りに来たのに……
 知らぬ少女に話しかけられたと思ったら逃げられた。
 何処となく高貴な格好してたし、金目のモノでも持ってるかと思ったんだけどなぁ。

「ま、いっか」

 大事なのは逃げた小銭より涌いて出る小銭。
 他のハンターにオイシイ所を持って行かれる前に私が皆殺しにしなくちゃ♪

 手篭の中には火炎瓶、リンゴ型爆弾、マシンガンにロケットランチャー。
 スカートの中には対人機雷とミサイル。

 真っ赤な頭巾の中には底知れぬ黒い魂。

 彼女が向かうのはどこだろうか?
753東方拝金娘:2008/11/15(土) 01:09:06 ID:LfML0hcG
人間は何も考えていなくても恐ろしいが、
何か考えていても恐ろしい。

触らぬ人間に弾幕無し、くわばらくわばら……




古明地さとり@東方project
バレッタ@ヴァンパイア
754創る名無しに見る名無し:2008/11/15(土) 01:11:03 ID:AgxbjT4j
さとりちゃんかわいそうに
だが、こっちには来ないでくれw
755創る名無しに見る名無し:2008/11/15(土) 20:59:54 ID:VdsRGrbB
乙!バレッタ腹黒ぇwww
756創る名無しに見る名無し:2008/11/20(木) 01:14:37 ID:gN2TDgLP
ここ数日書き込みがないということはみんな執筆中というわけですかな?
もう少し作品が多くてもいいと思うんだ…
757創る名無しに見る名無し:2008/11/20(木) 08:09:38 ID:6Ijj8Gmi
飽きられて人がいなくなった
…んじゃなければいいがな
758創る名無しに見る名無し:2008/11/20(木) 08:12:26 ID:b2N2bGZ0
こんな下の方に沈んでいたら来る人も来なくなるぞ。
というわけでage
759創る名無しに見る名無し:2008/11/20(木) 08:14:35 ID:AcIT1zVu
ネタはあるが
時間がない
760創る名無しに見る名無し:2008/11/20(木) 17:57:30 ID:BveFSX71
仮面ライダー響鬼はありかな?
761創る名無しに見る名無し:2008/11/20(木) 18:39:40 ID:UulncOfx
なにげにもう出てる。>>392-397
762創る名無しに見る名無し:2008/11/20(木) 20:44:27 ID:6Ijj8Gmi
>>750-753
亀だけど今読んだ 乙
763創る名無しに見る名無し:2008/11/21(金) 18:37:09 ID:vQ0Ibbtm
なにげにもう800近いんだな
早く次スレ移行してスレタイ変えたいところ
764創る名無しに見る名無し:2008/11/22(土) 01:17:40 ID:z9oRcdCS
そのためには作品が投下されて活気づかないとな
それにしてもWikiが更新されないままだ
765創る名無しに見る名無し:2008/11/22(土) 08:37:26 ID:5jws41aq
誰でもできるのん?
編集したことないからよくわかんないんだよなあ。
余計なことして変なんなっちゃったら申し訳ないし。
766創る名無しに見る名無し:2008/11/22(土) 23:20:26 ID:Fz8oktc5
>>765
誰でも簡単に編集できるよ
失敗してもすぐもとに戻せるし
767創る名無しに見る名無し:2008/11/22(土) 23:21:04 ID:Fz8oktc5
しかし、雑談スレでも話題になったことだし、早くこのスレ消費して次スレ移行したいね
768創る名無しに見る名無し:2008/11/22(土) 23:48:14 ID:5jws41aq
>>766
d そーなのかー
でも自信ないな そのうち見てみようかな
769創る名無しに見る名無し:2008/11/23(日) 18:59:51 ID:aQdLNZVf
されてなかった分の作品のwiki収録終わったよ〜
ただ辞典とかの収録はまだなので、よろしくお願いします
770創る名無しに見る名無し:2008/11/23(日) 19:09:53 ID:a5n7oBnl
>>769
乙だよ!
771創る名無しに見る名無し:2008/11/23(日) 21:37:39 ID:l2XzRCfU
>>769
乙です!
あたし彼女風貞子までとはっ!
772創る名無しに見る名無し:2008/11/24(月) 15:54:30 ID:WIzt64+R
貞子もかw
アレなんか思い付いたから適当に書いたんだがスマンかったw
773創る名無しに見る名無し:2008/11/24(月) 16:17:53 ID:M7x9+xDw
やっぱ>1にまとめサイト載ってないと探すのメンドイのう…
774創る名無しに見る名無し:2008/11/24(月) 16:19:58 ID:BybjDEQf
早くこのスレ埋めちゃいたいね
775創る名無しに見る名無し:2008/11/24(月) 17:23:54 ID:M7x9+xDw
きゅうりのきゅうちゃんかっぱっぱー♪
だけでkskすっか
776創る名無しに見る名無し:2008/11/24(月) 18:47:52 ID:BybjDEQf
かっぱかっぱかっぱとてちてた♪
777創る名無しに見る名無し:2008/11/24(月) 23:44:47 ID:6ojqRQgZ
かっぱっぱーかっぱっぱーにーとーりー♪
778創る名無しに見る名無し:2008/11/24(月) 23:47:32 ID:BybjDEQf
お値段いじょう、にーとりー♪
779創る名無しに見る名無し:2008/11/25(火) 07:58:19 ID:tjEkLX/J
そう簡単に埋まらんでしょう
古代中世ファンタジースレなんか900手前でとまってるし

俺が考えた不完全な妖怪年表でも晒してみよう
780創る名無しに見る名無し:2008/11/25(火) 08:01:57 ID:tjEkLX/J
・?年前 混沌から陰陽が生まれ、陰から白面の者が生まれる(うしおととら)

・数万年前 ぬらりひょん、先祖流しでマンモスの時代へ(漫画ゲゲゲの鬼太郎)

・数千年前 インドで白面が国を滅ぼす(うしとら)
・約2000年以上前
 獣の槍ができる
 中国で白面が国を滅ぼす(うしとら)

・紀元前660年 神武東征、神武天皇即位(神話。若干の史実を含むか?)
・弥生時代 卑弥呼の支配(史実)

・飛鳥時代
・西暦645年 中大兄皇子、蘇我入鹿を殺す(史実)

・平安時代
・約1200年前
 平安京遷都
 坂上田村麻呂活躍、アテルイ処刑される(史実)

 菅原道真死去
・西暦940年頃 平将門の乱(史実)

・約1000年前
 横島の前世高島、死ぬ
 美神の前世メフィスト、葛の葉になる(晴明の母?)(GS美神極楽大作戦)

 安倍晴明活躍(史実)

 加藤保憲暗躍、鬼、ヨモツモノを率いて戦う
 川姫ら妖怪は加藤と同盟(妖怪大戦争)

 朝倉ハオ、マタムネを飼う ハオ封印される(シャーマンキング)

 鬼太郎、鵺に呼ばれて来る、化け灯籠退治(今期アニメ鬼太郎)

 酒呑童子、源頼光らに退治される(伝承)
781創る名無しに見る名無し:2008/11/25(火) 08:13:05 ID:tjEkLX/J
・約850年前 玉藻前退治される(伝承)
 源平合戦(史実)
・約800年前 白面の者と人間・妖怪の戦い、白面封印される(うしとら)
・鎌倉時代
 元寇(史実)
・室町時代
・戦国時代
 百鬼丸、どろろ活躍(どろろ)
・約550年前 犬夜叉封印、桔梗が死ぬ(犬夜叉) ・約500年前
 マタムネ、朝倉葉賢のオーバーソウルになりハオを殺す(シャーマンキング)
 かごめが未来から来る、犬夜叉復活、桔梗復活(犬夜叉)
 斑尾(銀露)が生まれる(結界師)
 長飛丸・とら、槍に刺され封印(うしとら)

・西暦1600年 関ケ原の戦い(史実)
・約400年前 間流結界術の始まり
 白眉が間時守に飼われる(結界師)
 鎌鼬かがりたち兄妹生まれる(うしとら)

・江戸時代
・400〜350年前 ねずみ男生まれる(鬼太郎作品)
・西暦1637年 島原の乱(史実)
・約300年前 おキヌが死ぬ(GS美神)
・鳥山石燕、画図百鬼夜行などを著す(史実)

・明治
 日清戦争
 日露戦争(史実)
・大正
 関東大震災(史実)
 地下鉄建設に加藤保憲暗躍(帝都物語)
・昭和
・西暦1936年 二・二六事件(史実)
 加藤保憲暗躍(帝都物語)
 日中戦争
 第二次大戦〜終戦(史実)

・約50年前? 鬼太郎誕生
 鬼太郎の父が目玉になる(鬼太郎作品)

・現代
・約十五年前 紅煉がヒョウの家族を殺す(うしとら)
 鬼太郎、鬼界ヶ島で西洋妖怪を撃退(今期アニメ鬼太郎)
 桔梗が生まれ変わり、日暮かごめ生まれる(犬夜叉)
 ぬらりひょん、先祖流しでマンモスの時代へ(漫画鬼太郎)
・五年以上前 マタムネ地獄に行く(シャーマンキング)
・四年前 リクオ覚醒(ぬらりひょんの孫)
 とら(長飛丸)復活
 かごめ、過去へ行ったり来たり
 犬夜叉、過去から来たり帰ったり(犬夜叉)
782創る名無しに見る名無し:2008/11/25(火) 08:17:04 ID:tjEkLX/J
不勉強のため間違っていたらごめん
別にこれをシェアードしろってんじゃないよ
783創る名無しに見る名無し:2008/11/25(火) 16:27:56 ID:8zOyfCDu
間違ってるかどうかは知らないけど、これを一体どうしろって言うの?
784創る名無しに見る名無し:2008/11/25(火) 16:39:12 ID:T98SlI/I
別にどうしろってこともないでしょ
ただ、クロスを書くときに時系列とかまとめてあると結構便利。同じ世界なら特に
785創る名無しに見る名無し:2008/11/25(火) 19:53:07 ID:FU7Nju2V
妖怪や神話を時系列で表すと、どうしても矛盾する場面が出てくるんだよね。
ヤマタノオロチ討伐時期とかさぁ。
786創る名無しに見る名無し:2008/11/26(水) 00:45:37 ID:eQhDFizT
ぬらりひょんてさ、鬼太郎で妖怪の大将って扱いされてるけど実際は妖怪の大将でもなんでもないただの
妖怪じゃなかったか?
それより平将門とか天草四郎とか出してもOKなのか気になる
787創る名無しに見る名無し:2008/11/26(水) 08:06:37 ID:Tbv7dYNQ
平将門はありのような
天草四郎はいろんな創作に使われてるし関連ってことじゃないの
平清盛が骸骨にらみ返したとか、崇徳院が魔王になったとか
豊臣秀吉や宮本武蔵が刑部姫に会ったとか
実在の人物と妖怪が関係した話は多いよ
788創る名無しに見る名無し:2008/11/26(水) 11:04:29 ID:mCZu9uiv
将門は妖怪として伝承も残ってるしいんじゃない?
天草は…ゲームだったような気がするなぁ。
789創る名無しに見る名無し:2008/11/26(水) 14:28:15 ID:YWBqkLyZ
鬼武者を出したくなる不思議
790創る名無しに見る名無し:2008/11/26(水) 14:40:47 ID:7rOqfaew
山田風太郎ってこのスレ的にはありなのか?

忍法帖の連中とかもはや妖怪といっても過言じゃないし。
OKなら山風忍者VS妖怪を書いてみたい
791創る名無しに見る名無し:2008/11/26(水) 14:50:29 ID:oyNOZRc+
いいんじゃないかな
792創る名無しに見る名無し:2008/11/26(水) 18:31:28 ID:9/KwUxmk
>>786
妖怪の扱いなんて文献や時代によって全然違うもんだよ。
所詮大半は創作物なんだし。
793創る名無しに見る名無し:2008/11/27(木) 19:10:41 ID:WTFVgTdZ
お前らの好きな妖怪を聞きたい

俺はぬらりひょんと河童とメリーさん
794創る名無しに見る名無し:2008/11/27(木) 19:56:19 ID:5FTHK3a0
ぺとぺとさん
795創る名無しに見る名無し:2008/11/27(木) 20:09:45 ID:WVJ05ciF
七人ミサキ
文車妖妃

べとべとさんは俺も好きだ
796創る名無しに見る名無し:2008/11/27(木) 21:12:30 ID:YO5ieftl
座敷童子と一反もめん
正直出したいけど出しにくい妖怪でもある。まあ出すけどさ
797創る名無しに見る名無し:2008/11/27(木) 23:51:11 ID:d6hU3Osf
八雲紫を直接出したら荒れるだろうなwww
798創る名無しに見る名無し:2008/11/29(土) 23:17:08 ID:s9yh5hCA
ドラマのしゃばけ見た なんか主演がきもいな
灰皿の食い倒れ人形な妖怪はおもしろかった
799創る名無しに見る名無し:2008/11/30(日) 01:32:57 ID:K+TL9Qew
なんて言うんだっけ
ひしゃく幽霊?
海坊主?
あれ好き
800創る名無しに見る名無し:2008/11/30(日) 02:24:32 ID:aPZ88lu0
女郎蜘蛛とのっぺらぼうも捨てがたい。妖怪ってのはどいつもこいつも魅力的でいやがる…
801創る名無しに見る名無し:2008/11/30(日) 06:30:36 ID:EcQ1ojij
女郎蜘蛛を、絡新婦って書くことを知ったのは最近だった。
802創る名無しに見る名無し:2008/11/30(日) 08:35:33 ID:OI1SVRkP
>>799
舟幽霊かな
>>801
ろくろ首を飛頭蛮と書いたり
当時の中二病かもな
803創る名無しに見る名無し:2008/11/30(日) 08:36:59 ID:OI1SVRkP
>>799
舟幽霊かな
>>801
ろくろ首を飛頭蛮と書いたり
当時の中二病かもな
804創る名無しに見る名無し:2008/12/01(月) 07:29:50 ID:iZSNpwHo
>>803
飛頭蛮とろくろ首だったら、ろくろ首のほうが後じゃね?
805創る名無しに見る名無し:2008/12/01(月) 08:31:11 ID:KNx+EALZ
飛頭蛮は中国人の異民族差別からきてるんじゃないかな
順番的には飛頭蛮が先だと思うが
806創る名無しに見る名無し:2008/12/01(月) 19:16:41 ID:5ciqJI90
井戸のにある滑車のような首をもつ妖怪…ろくろ首
夜になると、首が抜けて飛んだり伸びたりする

中国南部にいる、部族…飛頭蛮
夜になると耳を翼にして首だけ空を飛び、虫などを食べる

双方とも、首筋などに傷痕や痣などが見受けられるが、厳密には別物
807創る名無しに見る名無し:2008/12/01(月) 19:55:47 ID:iZSNpwHo
絡新婦もこっちのほうが先に出てるような気がする。
漢字って難しいものが簡略化されるのが多いし。
808創る名無しに見る名無し:2008/12/01(月) 21:31:20 ID:yYED4VFG
というか妖怪に限らず和名に中国の似たものの漢字を当てることはよくあるな、官名とか
鬼は元々幽霊を指して蛟は日本じゃ蛇だけど大陸じゃ龍だ

それにしても何か書きたいし時間もあるけどネタがねえ
809創る名無しに見る名無し:2008/12/01(月) 21:38:40 ID:GBMxDW76
同じ妖怪でも違う漢字があることあるしな
810創る名無しに見る名無し:2008/12/01(月) 21:45:42 ID:QCcU9YWt
>>808
ちょっと俺と代われ。ネタが腐るほどあるのに書きたくても時間がねえんだ
今月なんざ丸一日書ける休日は3週間後に一度あるかないかっつうのに……
811創る名無しに見る名無し:2008/12/01(月) 21:48:21 ID:GBMxDW76
>>810がプロット書いて>>808が書いたらいいんじゃね?
812創る名無しに見る名無し:2008/12/07(日) 00:19:35 ID:n7TiCwCH
そういえば規制とかれてるの忘れてた。
813創る名無しに見る名無し:2008/12/07(日) 21:19:27 ID:JUwhuual
やっぱ投下がないと過疎るね
814創る名無しに見る名無し:2008/12/07(日) 21:28:56 ID:NbJ7xAF6
スレタイがバトロワだから見てないって人もいると思う
さっさとスレ潰して「妖怪でSSを作るスレ」辺りに直したい
815創る名無しに見る名無し:2008/12/07(日) 21:31:36 ID:v/nGKiE1
そのためにゃ雑談でも点呼でもいいから1000行かないとな

マガジンオリジナル版のゲゲゲの鬼太郎を読んだ。
やっぱ面白いわー
816創る名無しに見る名無し:2008/12/07(日) 21:36:57 ID:GyoZQWtA
まとめwikiでは妖怪大戦争だっけ?
これでいんじゃね。
817創る名無しに見る名無し:2008/12/07(日) 21:42:11 ID:GyoZQWtA
妖怪クロスシェアード(仮)
だったか。そっか…まだタイトルも決まってないんだ…
818創る名無しに見る名無し:2008/12/07(日) 21:45:11 ID:NbJ7xAF6
残りスレでテンプレ案とか議論する?

・妖怪が戦ったり話し合ったりのそんなスレです
・なぜ彼等は戦うのか?危ぶむなかれ、行けばわかるさ!
・言う事聞かない荒らしは夜中迎えにくるんだよ

タイトルは「妖怪大戦争」がいいと思う
シェアードにするとある程度整合性とらないといけないし、パラレルばっかりでもいいと思うんだ
ある話じゃ負けてるけど、ある話じゃ勝ってるとか
そうしないと後の人が書きづらいでしょ?
819創る名無しに見る名無し:2008/12/08(月) 03:55:36 ID:ZSS6I91z
むしろ妖怪系総合スレでもいい気がする
820 ◆.7EVb32OnU :2008/12/08(月) 16:15:15 ID:Qz/gjT3O
山ノ本五郎左衛門書こうと思ってたらジャンプのぬらりひょんの孫に先に出てきそうな予感
もういくらかプロット出来上がってんのに……
821創る名無しに見る名無し:2008/12/08(月) 16:17:17 ID:Qz/gjT3O
ほぎゃー!!トリ消し忘れたーーー!!
ちょっと貞子に呪い殺してくれるよう頼みに井戸に行ってきます……
822創る名無しに見る名無し:2008/12/08(月) 20:33:43 ID:SMCpHMY0
井戸に行ってもいねえからニコニコで呪いの動画探せw
823創る名無しに見る名無し:2008/12/08(月) 21:20:00 ID:f23RkNeg
別にぬら孫に出ようがトリ消し忘れようがいいじゃねーかw
824創る名無しに見る名無し:2008/12/08(月) 23:11:27 ID:ni3abNrt
うしとらに五郎出てないか?
825創る名無しに見る名無し:2008/12/10(水) 17:46:42 ID:+lUOPE4n
妖怪に近い人間が出たりまたは妖怪と関わる人間が出ても良いよね?
天草四郎とか空海とかさ。人間→妖怪化とか別に許可取らなくてもOK?

つーかどろろで誰か一本書いてくれんかのぅ…
826創る名無しに見る名無し:2008/12/10(水) 17:54:02 ID:Pqw972jW
もう書いた人いるってばよ…

それよりトトロを(ry
827創る名無しに見る名無し:2008/12/11(木) 22:29:16 ID:P77kXiVg
過疎…?誰もおらんのかえ?
828創る名無しに見る名無し:2008/12/11(木) 22:33:26 ID:0DLc6Vr0
俺がいるよ
829創る名無しに見る名無し:2008/12/11(木) 23:28:33 ID:8aJWjkij
俺もいるぜ
830創る名無しに見る名無し:2008/12/11(木) 23:57:54 ID:H3v2fsZG
この間まで規制食らってました

別のSSスレへの投下が終われば、こちらにも手をつけたいが。
831創る名無しに見る名無し:2008/12/12(金) 00:08:03 ID:mCQppeTU
>>830
優先順位を間違えてるな。こっちが最初だ!!
832 ◆Omi/gSp4qg :2008/12/16(火) 17:15:43 ID:9BZJoGI6
懲りずに投下してしまおう
そろそろ7EVb32OnUさんが来そうな気もするが
833メガネ侍対カニ仮面!1 ◆Omi/gSp4qg :2008/12/16(火) 17:17:43 ID:9BZJoGI6
 潮風が列を作る客たちをなでた。
 九十九里浜に近い海沿いの町で、最近このうどん屋が繁盛している。
 本にも取り上げられた話題の店だ。老若男女の客たちは、並んで携帯電話をいじるなど
して、自分の番を待つ。
 店の窓からは湯気が出て、ダシのいい香が振りまかれる。客たちは待ち遠しさに腹も鳴
る思いだ。
 小さな町はちょっとしたうどんブームに沸いていた。

 突如、列の一部で騒ぎが起きた。
 大岩のような赤い何かが、車道から歩道へと動いている。順番待ちの客たちは恐れ、悲鳴
を上げて散った。
 低い声でうなり、人々を追うのは、赤い巨体に髭のある顔をつけ、赤いハサミ、いくつか
の足を持つ甲殻類だ。
 海から出たばかりらしい、体を濡らした節足動物は、客たちを遠ざけると店の入り口に
向かった。進行速度は遅い。

「そこまでだ、蟹坊主」

 男の声に、大きな蟹は向きを変えた。
 海からの風に黒い長髪を乱し、黒いマフラーをなびかせて、メガネを掛けた男が、異様に
大振りの刀を構えている。

「メガネ一刀流、武光!」
 名乗った直後、メガネをかけ、侍のような服に身を包んだ男は空に舞う。大刀が蟹を打っ
て火花を散らした。
 蟹坊主は泡をいくつも吐いた。泡は辺りに広がって、蟹坊主の大きな体を隠す。

「くそっ」
 メガネ侍が刀で泡を払ううちに、蟹坊主は去っていった。
 店から、料理人らしい格好の、三十歳程度と見られる男が出てきた。主人らしい。

「どなたか存じませんが、ありがとうございました」

 メガネの位置を直しつつ、侍はうなずいた。メガネ侍のあとから、仲間と思われる人物
が二人、歩いてきた。
 一人は男で、腕をむき出しにした、短髪の男だ。

「あまり人前で戦うのはな……」
「仕方ないだろ、あっちが堂々と出てくるんだし。たいした奴じゃないと思ったんだが、甲
羅は堅かった」

 悔しそうにメガネ侍は口をゆがめる。
 もう一人は若い女で、豊かな胸をして浅黒い肌、快活そうな顔をしていた。

「間接を斬ればいいんだよ」
「あー、そうか。よし、次はハサミを落としてやる」
834メガネ侍対カニ仮面!2 ◆Omi/gSp4qg :2008/12/16(火) 17:19:46 ID:9BZJoGI6
 やりとりを眺めてから、うどん屋の主人は遠慮がちに口をきいた。
「あのう、あなた方はGSのかたでしょうか」
「いや、俺たちはガソリンスタンドの者ではない」
 短髪の男は真面目に答えた。

「行正、ゴーストスイーパーか、ってきかれてるんだよ」
 女は虎模様のバンダナを首に巻いていて、波打つ黒髪を揺らしている。

「いや、我々は裏……、さる組織から調査にきた者だ。拙者のことはメガネ侍と呼んでくれ」
「俺は行正」
「私は花島亜十羅」

 うどん屋の主人は頭を下げた。
「そうでしたか、失礼しました。GSのかたに依頼をしましたら、保留といわれましたので」
「客が大蟹に襲撃されるというのですね。噂を聞いて来ました、まあお任せください。あれ
は見た目ほど強い妖(あやかし)ではありません」

 メガネ侍は自身有りげに胸を張り、メガネを光らせた。
 その時、道の向こうから別の若い男がやってきた。

「美人の人妻がいらっしゃるうどん屋はどこかなーっと……おおっ!」

 バンダナを頭に巻いて、ジージャンジーパンの男は、亜十羅を見るなり、顔つきを変えた。
「ええちちしとるおねーさん! 名前教えてくださーい! ちちさわらせてくださーい!
パンツくださーい!」

 猛烈な勢いで迫る、燃えるような目の若者に、亜十羅は反射的な拳を繰り出す。
 殴られた男は、鼻血を撒き散らして歩道に倒れた。

「なんだこの変態は」
 亜十羅は手を拭き、汚いものを見るような目をした。妖獣使いの亜十羅だが、腕力もかな
りのものだ。

「横島さーん! 大丈夫ですか?」
 つづいてやってくるのは、巫女の格好をした、長い髪の、おとなしそうな顔の女だった。
 巫女風の女は地面から浮いて移動している。しかも、体の近くに人魂を浮かべていた。

「幽霊か」
 メガネ侍はいまさら幽霊などには驚かなかった。だが、この女幽霊は妙に安定したとい
おうか、独特の存在感があった。

「うわっ、ゆ、幽霊?」
 うどん屋の主人は青い顔をして飛び上がった。

「普通の人にも見えるのか。よほど定着した幽霊だな」
 行正がつぶやいた。直後、店の戸が横に滑り、和服に割烹着、黒髪の女が出てきた。
うどん屋のおかみらしい。
835メガネ侍対カニ仮面!3 ◆Omi/gSp4qg :2008/12/16(火) 17:21:25 ID:9BZJoGI6
 倒れていた横島は飛び起きると、おかみの白い手を取った。

「奥さん! このGS横島が来たからにはもう安心です! 旦那さんが相手してくれないさ
みしい夜にはぜひ呼んでください! この横島が体を張って……」

「なんなんだこの変態は!」
 メガネ侍が大きな刀の平で横島の頭をはたいた。横島は吹っ飛ばされて頭を壁にめりこ
ませる。

「横島さんったら、いつもこうなんだから……」

 女幽霊はたいして心配してもいない様子だ。

「GSっていってたね」
 亜十羅がきくと、空中に浮かぶ巫女姿の幽霊はお辞儀した。

「はい、私たち、美神除霊事務所から来ました。こっちが横島さん、私はおキヌです」
「ふん、そうか。だが、もう帰っていいぞ。拙者たちが来たからには、民間GSに仕事は
ない。今も蟹坊主を撃退したところだ」

 メガネ侍は誇るように、メガネの位置を指で直した。

「えっ、じゃあ蟹、死んじゃったのか?」
 強烈な一撃を二度食らった横島だったが、もう治癒していた。横島の肉体は不滅だ。

「いや、逃げた。なかなかに逃げ足は速くてな……」
 メガネ侍は顔をそらした。

「そうか、よかった」
 横島は安堵して胸に手をやる。
「何がよかったんだ」
「え? あ、いや、俺たちが来る前に仕事がなくならなくてよかったなーと」
 あわてたような仕草をして、横島は笑顔を作った。

「不謹慎な奴だな。一般人が妖の被害にあっているというのに」
 メガネ侍は眉間を狭め、うなるように言った。
 こんなところで立ち話も、とうどん屋の主人は夜行とGSを店内に招いた。
 メガネ侍は横島に敵意を見せつつ、テーブル席に座る。横島は亜十羅にまとわりついて、
 隣に座った。おキヌは座らず、横島のそばに浮かんだ。うどんをおごると言われ、夜行の
三人は喜んだが、横島は断った。

「いやー、俺は亜十羅さんの美しさとちちに胸が一杯というか」

 頭に手をやり、横島は亜十羅に擦り寄る。亜十羅はうんざりした様子で横島から遠のく。

「GSは金の亡者ばかりだと聞いていたが、それ以下だな」
 出されたうどんにメガネをくもらせながら、メガネ侍は苦い顔をした。
836メガネ侍対カニ仮面!4 ◆Omi/gSp4qg :2008/12/16(火) 17:24:21 ID:9BZJoGI6
「うまいなあ」
 行正はあまり関心なさそうに、うどんをすすった。
 うどん屋の夫婦は並んで立つ。主人が説明した。
 最近店が評判なのだが、海から大蟹がやってきて客を追い散らしてしまう。
 しかも、蟹は妻をさらおうとまでする。

「大変困っているんです」 主人は弱り切ったな顔だ。若いおかみの顔も浮かない。
 うどんに舌鼓打ち、メガネ侍はうなずいた。

「なーに、拙者たちにかかればあのくらいの妖はなんてことありません。むしろ拍子抜けなほ
どですよ。神佑地は関係なさそうですが、お助けいたしましょう」
 メガネ侍は笑ってみせた。
「神佑地?」
「いや、こっちのこと、気にしないで結構」
 メガネ侍はまたうどんをすすった。最近、各地で局地的な地震が起き、神社が被害にあっ
ている。その調査で彼らは派遣された。

 おかみの表情は沈んだままだった。
 主人が心配そうに言う。
「うちは昼と夜の一日二回営業します。また来るかも知れません」
「都合がいい、ではその時退治しましょう」

 さらりと言い、メガネ侍は丼を口に当てのどを鳴らし、汁を飲んだ。
「あー、こりゃうまい。売れるのもわかりますよ」
「ありがとうございます、何杯でもどうぞ遠慮なく」 主人はうれしそうに頭を下げた。

「じゃあ、お言葉に甘えてもう一杯」
「俺も」
「私も」

 夜行の三人はそれぞれ二杯ずつうどんを食べたが、やはり横島は食べなかった。
 食べ終わると、メガネ侍は立ち上がった。

「では、夜また来ます。その時があの蟹の最後ですよ」
 腹をさすり、メガネ侍は満足そうだ。
 はあ、とおかみは微笑したが、その目にはやはり怯えのような何かがあった。
 そんな空気を破るように、横島は亜十羅の浅黒い肌に顔を寄せてしゃべる。

「じゃ、時間まで亜十羅さん! 俺とデートでもして、ちちでもさわらせてくださ」

 言い終わらないうちに、横島の顔にムササビに似た妖獣がへばりついた。

「そいつと遊んでな」
 亜十羅たちは店を出ていった。

「いやぁー! 何これ! 亜十羅さーん!」
 横島は店内を走り回ってイスにつまずき、壁に激突してぶっ倒れる。妖獣はいなくなっ
ていた。
 いつものことながら、おキヌは呆れて額に手を当てた。
「もーっ、横島さんったら……」
「あんたは出てってください!」
 主人に怒鳴られ、たたき出されるようにして横島とおキヌは店を後にした。た。
837メガネ侍対カニ仮面!5 ◆Omi/gSp4qg :2008/12/16(火) 17:25:49 ID:9BZJoGI6
 日は沈み、海は黒くなってゆく。夜の潮風は冷たかった。
 穏やかな浜辺の一部があわ立った。
 大岩にも似た蟹が浜に上がり、いくつかの足を動かしてその巨体を運んだ。
 蟹坊主はうどん屋の前に行き着く。客が今かと待って並んでいた。
 大きな蟹はハサミを振り上げ威嚇した。夜の町に動く甲殻類は異様で、人を恐怖させる。
 すでに聞いていた客は、整然とその場を離れた。
 店から、メガネ侍が大振りの刀を手に出てくる。

「メガネ一刀流、武光。相手になろう」

 大きな刀を構える侍の姿にすきは無い。
 大蟹の妖怪は、ハサミを開いて相手に向ける。体の刀痕が痛々しい。昼の一撃はかなりの
ダメージだったようだ。
 遠巻きに見守る客たちは携帯で写メを撮ろうとした。

「まずいな」と、行正がつぶやいた。裏会は一般人に知られてはならない。

「夜一、出番よ」
 亜十羅は妖獣・夜一を呼んだ。大きな黒い馬のようで眼球のような目をいくつも持ち、頭
に長い角を生やしている。
 夜一は黒い砂のようになると、壁を作るように広がった。
 黒い砂煙は一般人と亜十羅たちを隔てる壁になる。

「亜十羅、あいつを使役できないか?」
 行正は蟹坊主を指差した。妖獣を使役できる亜十羅が来たのも、蟹の妖怪と聞いていた
からだ。
 亜十羅は手を振った。
「できるかも知れないけど、いらないよ」

「ならば用はない。まずはそのハサミもらった!」

 メガネ侍が地を蹴ると同時に、何かが突進した。

「亜十羅さーん! そのちちもらったー!」

 すっ飛んできた横島に、メガネ侍は刀を止めた。
「またおまえか!」

 蟹のハサミがメガネ侍に襲い掛かった。
 横島はお構いなしに、亜十羅に向かって猛進する。

「いい加減にしろ! 雷蔵!」
 亜十羅が叫ぶと、民家の屋根から熊のような妖獣があらわれた。主とお揃いの柄をした
バンダナを首に巻いている。浮かぶ雲が光ると、閃光を飛ばした。
 雷が横島を打って破裂した。大音が辺りに響く。
「ギャーッ!」
 煙を上げ、焦げ臭いにおいをさせる横島は黒くなって倒れた。
 亜十羅はコウモリに似た妖獣・魔耳郎を背につけ、夜空に舞い上がった。魔耳郎はコウモ
リのような羽根を亜十羅のためにつかって主を飛行させる。
838メガネ侍対カニ仮面!5 ◆Omi/gSp4qg :2008/12/16(火) 17:28:18 ID:9BZJoGI6
「雷蔵、そっちもおまえがやりな!」

 亜十羅に命じられ、熊のような雷蔵は電撃を発した。大蟹は発光してうめき、ハサミを上
げて苦しんだ。

「とどめだ!」

 メガネ侍が大刀を構え、蟹を斬り付けようとした。
 突然、雷に打たれたはずの横島が飛び出し、メガネ侍の刀を足場にして跳ね上がった。

「なっ、なんだとーっ!」 メガネ侍はメガネも割れるかというほど驚愕した。
 弾丸のように宙を駆ける横島は、空中の亜十羅をめざす。

「うおおーっ! ちちーっ!」
「こいつ、妖混じり?」
 さすがの亜十羅も不死身の横島を恐れた。主の危機を察知し、雷蔵が助けに動く。
 雷蔵の重い手に殴られ、横島は地面に落下した。直撃した横島は、人型にアスファルトを
へこませた。
「お、俺はあきらめん、あきらめんぞーっ!」

「怪物か……」
 行正も思わず冷や汗をかく横島の執念。
 そうしている間に、蟹坊主は逃げ去っていった。

「待てぇっ、蟹!」
 追い掛けようとするメガネ侍を、亜十羅が止めた。「やめな、蟹と海で勝負したら分が悪いよ」

 亜十羅は魔耳郎をおさめて、車道に降り立った。

「くそっ! この変態! おまえのせいでまた逃げられたじゃないか!」

 メガネ侍は地面にのびている横島に悪態をついた。

「す、すみませんでした……。男横島忠男、この若い体で払わせていただきまーす!」

 横島は素早く服を脱ぎ捨て、パンツ一枚で亜十羅に飛び掛かった。
 亜十羅の強烈なキックが横島の顔面にヒットする。同時にメガネ侍の大きな刀が、横島
の背を割るように峰で打った。

「蟹より先に貴様を成敗してくれる!」
 大きな刀は何度も横島の頭、体を打ち付ける。
「かんにんやー! 蟹だけにかんにんやー! あのちちが、あのちちが俺を惑わすんやー!」

 打ちのめされた横島をほうっておいて、メガネ侍たちは店に入った。

「すまん、ご主人。また逃がしてしまった」
 メガネ侍は頭を下げて、長髪を垂らした。

「いえ、とんでもない。うどんを出しますんで、暖まってください。おまえ」
 主人がいい、妻ははい、と食器を用意した。

「これではタダ飯食らいだなあ。それというのもあのエロガキが……」
 心苦しく思い、メガネ侍は憎らしそうに愚痴をこぼした。
839メガネ侍対カニ仮面!7 ◆Omi/gSp4qg :2008/12/16(火) 17:30:15 ID:9BZJoGI6
 草木も寝静まる深夜、夜行の三人は念のためにと、うどん屋周辺を懐中電灯片手に歩いた。
 町はすっかり闇夜に包まれ、遠くから波音だけが聞こえてくる。
 何か気配を察知し、行正はうどん屋の裏手へと急いだ。亜十羅、メガネ侍もつづく。
 裏はうどん屋夫婦の家になっている。小窓から湯気が出ていた。風呂らしい。
 小窓を覗く黒い人影があった。

「覗きか、さては」
 メガネ侍は大きな刀を握り締め、人影に近づく。果たして、横島がいた。
「もう許さん」

 横島はメガネ侍たちに気付くと、風のごとくに逃げていった。

「性犯罪者め……。警察に連絡してやる」

 怒気にメガネもくもるといったさまのメガネ侍は、携帯電話を手にした。

「待ってくださーい」

 上から声がするので見上げると、巫女の姿をした幽霊が、青白い人魂を浮かべている。

「あいつの連れか。止めても無駄だ、あんな奴は刑務所に入れてもらったほうが世のためだ」
 メガネ侍が息も荒く、携帯の数字ボタンを押そうとする。
 おキヌは首を振って長い髪を揺らした。
「違うんです……。亜十羅さん、お風呂を覗いてみてください」

「何で私がそんなことしなきゃならないの」
「お願いします」
 おキヌが手を合わせて拝むようにするので、亜十羅は渋々、小窓から浴室を覗き見た。
「あれは……」
 亜十羅はそれ以上の言葉を失った。明かりの下で湯ぶねにつかるのは、大きな貝だった。
 湯気に包まれ、人ほどもある二枚貝が静かに湯にひたっている。

「どうした、花島?」
 不思議そうに、行正がきく。

「あれは妖?」
 亜十羅がおキヌに顔を向け尋ねると、おキヌはうなずく。
「蛤女房(はまぐりにょうぼう)さんです。普段は人間のおかみさんに変身しているんです」

「おかみは人間じゃなかったのか……?」
 メガネ侍は携帯電話を持つ手を下ろした。
「はい。蛤女房さんは、ああしておうどんのおダシをとってるんです」
「昼見たときは、全然妖気を感じなかったぞ」
 行正はあごに手をやり、首をかしげた。妖怪が化けただけなら、彼らなら見破れるはずだ。

「それほどに妖力が弱まっているんです。このままでは、蛤女房さんは死んでしまいます」
 おキヌは涙ぐむ。亜十羅はまたきいた。
「そんな……。なぜ、そこまでしてダシを」
840メガネ侍対カニ仮面!8 ◆Omi/gSp4qg :2008/12/16(火) 17:31:40 ID:9BZJoGI6
「昔、うどん屋のご主人さんが大きな蛤が打ち上げられているのを助けたんだそうです。
 それが蛤女房さんだったんです。ご主人さんはそうとは知らず、蛤女房さんを人間だと
思っています。私たちの事前の調査でわかっていました」

 鶴ならぬ蛤の恩返し、助けてくれたうどん屋のため、蛤女房は女に化け正体を隠して妻
になり、命を削ってうどんのダシを提供しているのだという。

「それで、蟹坊主さんはわざとお客さんを追い払って、おうどんを作らせないようにしてい
たんです。たくさんのおうどんを作ればそれだけ蛤女房さんは命を縮めますから」
 おキヌの話に、三人は聞き入って口も開かなかった。蟹坊主は蛤女房を救おうとしてい
た。おキヌの話は巫女の祈りのようだった。

「うちの美神さんはほうっておけといったんです。蛤女房さんが死んでしまうならそれも
自分の意志だし、蟹坊主さんが蛤女房さんを助けて夫婦が別れるとしても、それは仕方が
ないことだって」

 うどんを何杯も食ってしまったことを、メガネ侍は後悔し、体を震わせた。

「でも、横島さんはほうっておけないって言って、来てしまったんです。本当は、優しすぎ
る人だから……。今も、蛤女房さんを説得していたんです、海へ帰ったほうがいいって」

 おキヌの言葉には、明らかに横島への好意があった。

「じゃあ……ということは、つまり」
 メガネ侍は信じがたい、という顔をした。
「奴はわざと、俺たちを妨害し、蟹坊主を助けて蛤女房をさらわせようとしたのか! 海へ
帰して命を救うために?」

 おキヌはゆっくりうなずいた。
「本当はこのこと、口止めされてたんです。ご主人さんに、奥さんが妖怪だとばれてはいけ
ないから、なるべく誰にも言うなって……。でも、このままじゃ横島さんが悪者にされちゃ
うから……」
 おキヌは人魂をともなって、浮かび上がった。
「それじゃ……、おやすみなさい」

 巫女姿の幽霊は夜空に消えた。
 夜行の三人は、言葉もなく、ただ立っていた。
841メガネ侍対カニ仮面!9 ◆Omi/gSp4qg :2008/12/16(火) 17:35:05 ID:9BZJoGI6
 次の日、昼前、やはり店の前には客が並んでいた。
 待ち合わせを守るように、蟹坊主が巨体を揺らしてやってくる。
 満身創痍の蟹の背に、何者かが乗っていた。

「はーっはっはっは! 俺は悪の化身カニ仮面やーっ!」

 赤く塗った画用紙でできた蟹のお面をかぶり、体を漁に使う網で包んだ男が、蟹坊主の
背で高笑いしている。
 客たちはまたも逃げていく。

「どうしても悪役になりたいらしいな……」
 いらだった様子で、メガネ侍は大きな刀を構えた。
「おまえたち、手を出すなよ!」
 メガネ侍は大声で亜十羅、行正に言った。

「うおーっ、そこのねーちゃん、ええちちしとるやんけーっ、もませろーっ!」
 カニ仮面は卑猥な手つきをする。
 変装してもその言動でバレバレだろ、と突っ込みたいのをメガネ侍はぐっとこらえた。
 カニ仮面は蟹坊主の背から飛び降りると、右手を変質させた。
 獣か虫を思わせる形になった手から、霊波の刀が飛び出す。

「カニ仮面様と勝負する気かーっ?」
 少々びびりつつ、カニ仮面は霊波刀を構える。
「メガネ一刀流・武光、お相手いたす」
 メガネを光らせぞうりで地をこすり、メガネ侍は大きな刀を振った。
 カニ仮面は霊波刀で防ぐ。
 何度か切り結ぶと、カニ仮面の一撃がメガネ侍の腹に当たった。

「ぐわーっ、やーらーれーたー」
 わざとうどん屋の中へ聞こえるように叫び、メガネ侍は倒れた。
 カニ仮面は勝ち誇って、霊波刀を振りかざした。
「わっはっは、メガネ一刀流、破れたり!」

(調子に乗りやがって)
 メガネ侍はいきどおるが我慢した。
842メガネ侍対カニ仮面!10 ◆Omi/gSp4qg :2008/12/16(火) 18:04:18 ID:9BZJoGI6
 カニ仮面はうどん屋に押し入ると、霊波刀を振り回し、おかみの腕を引いて無理矢理連
れ出す。
「きれーな人妻は俺がもらった!」
「お、おまえーっ!」
 主人はあとを追うが、霊波刀になすすべもない。
「あんたーっ!」
 おかみは泣きながら、カニ仮面に引きずられる。

「はっはっは、うらむならこのカニ仮面様をうらむがいいわっ!」
 カニ仮面は強引に、おかみの蛤女房を蟹坊主の背に乗せた。
 傷だらけの蟹坊主が這っていく。
 引き裂かれる夫婦の叫びが空に突き刺さる。
「おまえーっ!」
「あんたーっ!」

 立ち上がったメガネ侍は、力なく見送った。
 蟹坊主の背に乗るカニ仮面こと横島は、わざと負けてくれたことに感謝して小さく頭を
下げた。
 気が付くと、メガネ侍の隣におキヌが浮いていた。

「蟹坊主は、その……蛤女房のことを」
 メガネ侍はメガネを直しながらきいた。おキヌは悲しげに頭を縦に振る。
「はい……。でも、あんなことしても蛤女房さんは蟹坊主さんを好きにはなりません。むし
ろ憎むでしょう。蟹坊主さんもそれはわかってるんです。それでも、蛤女房さんの命を救
うため……」

「あんたーっ……」
「おまえーっ!」

 九十九里、聞こえる気がする浪花節。
 やがて、蟹坊主と、おかみ、カニ仮面の姿は見えなくなった。
 うどん屋の主人は歩道に手をついて泣いた。
 メガネ侍はすまなそうに近づいた。
「すみません、ご主人……。カニ仮面に、負けました」

 主人は首を振った。
「いえ、こんな日がくると思っていました。あいつはどこから来たかもわかりません、どう
やってダシを調達してくるのかもわかりません。いつか、私の知らないどこかへ帰るのだ
ろうと思っていました」
 涙を流しながら、主人は自分の言葉に何度もうなずいた。
843メガネ侍対カニ仮面!11 ◆Omi/gSp4qg :2008/12/16(火) 18:08:48 ID:9BZJoGI6
 メガネ侍は頭を下げ、長い黒髪を下に垂らした。
 そうしていると、車の走る音が近づいた。車は彼らのそばでとまった。
 クラクションが鳴り響く。
 見ると、左ハンドルのオープンカーに乗った若い女が微笑している。
 派手な色の長髪、体の線を強調する服で、肩、腕、足を露出した、強い目をした女だ。
 オープンカーに合わせたような、絵になる美女だった。

「美神さん!」
 おキヌが飛んで、女に近寄った。
「どうも、美神除霊事務所の美神令子よ。うちの横島クンが迷惑かけたでしょ?」
 美神にきかれ、メガネ侍は頭に手をやった。
「あ、はあ……」

 どうやって嗅ぎ取ったのか、変装を解いた横島が猛スピードで駆けてくる。
「美神さーん! わざわざ俺を迎えにくるなんて! やっぱりあんたは俺の女やー!」
「誰が!」
 飛び付く横島を、美神のコークスクリューブローが迎撃した。
 熟練の夫婦漫才のようなテンポだ。

「おキヌちゃんを迎えに来たのよ。ついでにあんたも乗っていきなさい」
「はい……」
 頭から血を流し、横島はよろよろと助手席に座った。
「じゃ、またどこかで会いましょう」
 美神は夜行の三人に、白い手を振った。

「あんた、仕事は失敗したんでしょ? 給料は無しね」
「そっ、そんなぁー! 今月何食ったらいいんスかー!」
「横島さん、カニカマ料理作りますよ」
「おキヌちゃんだけやー、俺をわかってくれるのは……」

 和気あいあいとした三人は、オープンカーで去っていった。
 メガネ侍はいまいましそうにつぶやいた。
「『うちの横島クン』だとよ。両手に花かよ、くそっ」
 刀の峰を肩に乗せ、メガネ侍は小石を蹴った。
 波の音が聞こえてくる。海鳥が鳴いていた。

「片方は幽霊だけどな……。とんだモテ男だったってわけだ」
 行正も、笑顔ではあったが何か敗北感のようなものを見せていた。
 腰に手を当て、亜十羅はため息混じりに言った。
「借りができたね」

 メガネ侍はメガネを光らせ、車が走り去った向こう、東京方面をながめた。

「侍は、借りは返す」


 彼らが借りを返すチャンスは、のちにやってくる。
844 ◆Omi/gSp4qg :2008/12/16(火) 18:13:34 ID:9BZJoGI6
ページ数間違えた ゴメン5の次6です
途中でさるさん食らった

蟹坊主@ゲゲゲの鬼太郎
大きな蟹に髭のある顔がついた妖怪。4期鬼太郎では正体は上海ガニで河童を操った。
今期鬼太郎ではぬらりひょんの部下。

メガネ侍@結界師
裏会・夜行、戦闘班所属。メガネ、長髪、着物、やたらデカイ刀を持つ。
メガネ一刀流・武光はアニメで先に出た名前らしい。行正@結界師
裏会・夜行、戦闘班所属。短髪、ノースリーブ、マフラー、オーラをまとう特殊な剣を使う。
花島亜十羅@結界師
裏会・夜行。褐色肌、胸大きめ、妖獣使い。教育係のような仕事をしているらしい。

横島忠男@GS美神 極楽大作戦!!
おキヌ@GS美神
ここでは幽霊のバージョン。

夜一@結界師
亜十羅が使役する妖獣。ユニコーンのようで黒く、目がたくさんある。
体を砂のようにして相手の動きを封じる。
雷蔵@結界師
亜十羅が使役する妖獣。熊のようで雷雲を操る。自身も雷を放つ上にすばしこく力もある。
魔耳郎@結界師
亜十羅が使役する妖獣。コウモリのようで亜十羅を飛ばす役割を果たす。レーダーのような能力もある。

蛤女房@伝承妖怪 ぬーべーなどにも。
伝承では助けてくれた漁師のため、女に化け妻になり、おしっこを入れた味噌汁を作った。
作っているところを見られて漁師に追い出される。
ぬーべーでは全身ダシの妖怪で、広をめぐって響子と料理勝負した。

美神令子@GS美神


今まで無責任に書き散らしてしまったので
次の投下でこれまで書いたのを何とか一つにしたい……
と思っている
845創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 13:35:27 ID:3Y2lnsHw
>>844
乙!これからどう一つにまとまっていくのか期待!横島活躍してほしいw
つーかぬ〜べ〜とGS美神と鬼太郎ってなんたるカオスwww

そんで◆.7EVb32OnUは現在人生の崖っぷちで紐無しバンジーチャレンジ寸前なんで
書き上げて投下するのは(生きてれば)超早くて年末か新年で遅くて一月末らしいよ
今月上旬に投下するって言っていたのに超嘘つきのウンコ野郎だよねあははは……
もう閻魔様に舌引っこ抜かれるなり貞子に殺られるなりすればいいのにね

でも次回予告・『女二人』『百鬼夜行』『天狗』のどれか一本です。
846創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 21:52:09 ID:+IpfMO38
乙!
ちょw横島www自重しろw
とおもってたら理由があったとは

だから、ちち揉ませてくれとかルパンダイブとか…いや絶対それだけじゃないw煩悩7割だw
そしてメガネ侍とは結界師好きの俺歓喜
847創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 22:04:45 ID:eb+xEO56
これだけの数のキャラをまとめあげるとは期待wktk
しかし蛤女房健気だなぁ
848創る名無しに見る名無し:2008/12/18(木) 09:06:32 ID:LxhcFivK
「1000まで行くぞ!」と言ったはいいが乳…遅々として進まんのう。
849創る名無しに見る名無し:2008/12/18(木) 10:29:36 ID:v+MOG4ou
んー手段選ばずどうしても埋めたい?
850創る名無しに見る名無し:2008/12/18(木) 12:19:52 ID:jcFnYhYN
別に無理して埋める必要はなかろうて。おとなしく流れに任せようや
851ひゃあ! 私中国じゃありません〜:2008/12/23(火) 02:17:33 ID:bbMC9zWl
昔か今か、あるのか無いのか分からない場所に秘境がある(あった)という。
そのあやふやな世界に、確固たるアイデンティティをもって君臨する建物がある(あった)。
どの素材に染み込んでもすぐにそれと分かる、血の色をした大屋敷。

「紅魔館」と言えば、秘境「幻想郷」の民ならば
その名を聞いただけで震え上がる悪魔の住処である(あった)。

館の主、無双の実力を持つ吸血鬼の姉妹。悠久を生き、自然の摂理を操る魔法使い。
時空間を支配する異能者。妖精と悪魔で構成された異形の兵団……

この世にある非常識の粋を極めたその館に、
幻想郷の民の半分は恐怖で震え上がる。
もう半分は胸のときめきに震え上がる。

後者は、カリスマに惚れ込む者、圧倒的な力に挑戦しようとする者、
主に魔法使いが所持している至宝を狙う者(これが八割)など様々だが、
彼らが紅魔館に足を踏み入れる場合は、一つの関門を潜り抜ける必要がある。

紅魔館には門番がいる。守護する館に似合った紅蓮の髪、
それを引き立たせる緑のチャイナドレスを着た少女である。
いや、その顔立ちは確かに幼い少女なのである。
眠たいのかと勘違いするような「とろん」とした目つきに、
頬は柔らかな曲線を描き、うす紅に染まっているのだ。
だかしかし、女性としては飛びぬけた長身にぴんとした背筋、
ドレスのスリットから垣間見える無駄の無い筋肉からは、
一瞬男性の武術家と見紛う様な、強者の「気」が発せられてもいる。
852ひゃあ! 私中国じゃありません〜:2008/12/23(火) 02:18:14 ID:bbMC9zWl
「気」、現代の日本人やアメリカ人がイメージする、
映画や漫画によくある通りの、あの「気」を操る中国妖怪、
それが紅魔館の門番であり、彼女の名は――

「よう中国、また図書館に邪魔するよ」
「家計がやばいからこっちから紅茶をたかりに来たわ。
 さっさと負けてそこを通しなさい、中国」
「また“白黒”と“紅白”の進入を許したわね。
 中国の××のシワは何処まで増えるのかしら」

「……ちょ、ちょっと、咲夜さんまで!
 最近みんなひどいですよ! いくらチャイナだからって
 それは安直すぎやしません!?」
中国と呼ばれた少女は爆発した。
いや、呼ばれた、ではない。
この所ずっと呼ばれ続けているのだ。
彼女が「咲夜さん」と呼んだ、同じ吸血鬼の従者、長らく共に過ごした同僚にすら、である。
きっかけらしいきっかけは(少なくとも彼女の目には)特に何も見当たらない。
まあ、あだ名の定着とは得てしてそういうものだが……

「お仕置きされるのは仕方ないとして、
 咲夜さんくらいは私のことちゃんと呼んでくださいよっ」
お説教とお仕置きをしているはずの「咲夜さん」と呼ばれた銀髪の少女、
紅魔館メイド長の十六夜咲夜は、逆に門番の少女に叱られ、困惑の表情を浮かべた。
「そ、そうなの、それはまあ、悪かったわ」
そして、おずおずとその名を口ずさみ始めた。
「え、ええと、ほ……紅(ホン)、美鈴(メイリン)」
853ひゃあ! 私中国じゃありません〜:2008/12/23(火) 02:19:04 ID:bbMC9zWl
……ぞわり。
「えっ」
ついに名前を呼ばれた少女は、自分の考えていたものとは真逆の気持ち、
何だか不快な違和感が込み上がって来る事に対し、
狼狽の表情を浮かべた。その時ばかりは、彼女は自分の「気」を全く信用できなかった。

「あ、……あの……」
「ん、何かこう、ダメね。悪いけどはっきり言うわ、
 最近ね、気持ち悪くなるのよ、あんたの名前を呼ぶと。
 ついこの間まではそんなこと無かったのに……
 あんたのこと嫌いになったわけでもないわよ。本当に、何だか分からないのだけれど」

次に彼女は、後頭部にちくりとした痛みを感じた。それは何と言うか――
(私は)
「みんな、め……中国の事嫌いになったわけではないの。でもみんな、
 あんたの名前を呼び難くなってるのよ。レミリアお嬢様ですら
 ……あ、いや、でもお嬢様は少し違う……あの表情は、何か含んでいる様な――」
(私は大切なことを忘れてしまっていたのではないか)
咲夜の台詞を聞き、ある「二つの」女性の顔がフラッシュバックした瞬間、
美鈴は紅魔館の奥へ、赤黒い深遠へと走り出した。
「ちょ、中国! お説教の途中よ! 待ちなさい!」
(私は……お嬢様、ご主人様、いや、本当は、ご主人様は……)

紅魔館最上階にあるその部屋は、「館」の部屋ではなかった。
そこには玉座があった。巨大な真紅の椅子、真っ赤な内装、ステンドグラスは赤い月。
色彩的に殆ど意味を成さないレッドカーペットの端に美鈴は立ち、玉座の人物と対峙していた。
854ひゃあ! 私中国じゃありません〜:2008/12/23(火) 02:19:50 ID:bbMC9zWl
「やっと来たのね、……中国」
吸血鬼レミリア・スカーレットは、どうにか美鈴を名前で呼ぼうとしたが、
結局は「中国」と呼んでしまったことに対し、面白くなさそうな笑みを浮かべた。
「お嬢様、私は、私が『中国』と呼ばれているのは」
「思い出したのかしら?」
レミリアは玉座より立ち上がり、己の「気」を周囲に放ちながら美鈴に歩み寄っていく。
吸血鬼が種族として受け継いでいくその王者の「気」に、普段の美鈴は
本当に倒れてしまいそうなほどに、まさに圧倒されていたのだが、
今の彼女は全く物怖じもせずに、言葉を続けた。
「いえ……あともう少しのところなんです。お嬢様なら、何かご存知かと」
「その判断は正しいわ、中国。まさに私の尊厳に強く関わる、重要な問題なのよ」

吸血鬼レミリアは「運命を操る程度の能力」を持つ、と言われている。
実際に因果の操作を確認したもの、あるいは本当に因果を操作できたら、
恐らくその力を行使された対象はその事を観測できはしないのだろうが、
多数の強者を従え、掌握しているそのカリスマは、
まさに「運命の支配者」であり、運命操作の能力があってもおかしくは無いと、
幻想郷の民からは思われている。
「私より先に、貴方の運命(名)を縛り付けた者がいるのよ、中国」
855ひゃあ! 私中国じゃありません〜:2008/12/23(火) 02:20:22 ID:bbMC9zWl
「お嬢様より先、つまり、お嬢様より前の、私の――」
「『仮にも』今の主人の前でそれを言うのかしら?」
「あっ、すみません」
「運命の束縛は、最近になって再びその効力を発揮し始めた様ね。
 わかるかしら?」
「それで、私は中国と」
「そんな事を言ってるんじゃないのよ。ふ、ふ、ふ……
 もはや『前の』じゃないの。
 『今の』貴方の主人は、私ではない。
 すでに貴方の名前は奴の――」

「れい子の手中にあるわ」
「!!」
“れい子”、幻想郷では一度たりとも耳にしなかった名である。
しかし、その名を聞いた瞬間、彼女の全身にに凄まじいほどの……
郷愁の思いが、駆け巡ったのだ。

「お嬢様、私……暫くお暇を頂きます」
「そうね、良い機会だわ。奴と決着をつけてきなさい。
 そうして貴方は本当の意味で私のものになる。
 力の満ちたこの幻想郷、更にその中で、私達のそばにずっと貴方はいた。
 私が手を貸すまでもないわ、軽くひねりつぶしてきなさいな。
 外の力を減らすんだもの、紫だって快く協力してくれるはずよ
 ……いってらっしゃい」

***

その時から、急に彼女の言葉が理解出来るようになった。
856ひゃあ! 私中国じゃありません〜:2008/12/23(火) 02:22:22 ID:bbMC9zWl
私ノ勝チネ。

アナタ、キレイナ名前ナノネ。

響キモステキ。コノ国ラシイワ。

コレデアナタハ私ノ子分。
名前ヲ呼ンダラ……

ええ、海を越えてでも飛んでいくわ。
だからお願い、私を――

***

小さな頃から時々変なものを見た。

それはおそらく妖怪といわれているものの類。

それはさておき。
857ひゃあ! 私中国じゃありません〜:2008/12/23(火) 02:23:17 ID:bbMC9zWl
「タカシサーン、オハヨーザイマース」

最近隣に引っ越してきたのは
中国人留学生の紅美鈴(ホン メイリン)さん。

「うん、おはよう、美鈴さん」

……ふわり。
「くーっ……!」
時折彼女は、凄く嬉しそうな、独特の表情をする。
それは、随分昔のことに対する思い出し笑いの様で、
あるいは、まるで……
「ちょっと、また飲んでるの?」

「もー、私ソンな飲んでばっかりいナイヨー
 本当に、嬉しい気持ちなのよ、ご主……れ……ゲホッ、タカシサーン」

美人で優しくて気立てが良くて、
でもそれ以上に物凄くヘンで
(どう考えても日本語が流暢なのにエセ中国人ぶるところとか)
……とても楽しくて、話しているだけで僕も楽しくなってしまう。

ニャンコ先生、藤原夫妻、いまはもう沢山いてくれる、友人たち……
そしてまた一人、かけがえの無い人が増え、
僕は過去の孤独から遠ざかっていく。
858ひゃあ! 私中国じゃありません〜:2008/12/23(火) 02:36:21 ID:bbMC9zWl
まさかプロローグ部分で力尽きるとは思わなかった…
脳内ではこれから本格クロスオーバーが始まっていくのに…

紅美鈴@東方紅魔郷
作者が同人(二次創作)に寛容なシューティングゲームに出てくる妖怪。
作者が同人に寛容すぎて、「名前で呼んでもらえない」という
ギャグ漫画みたいな設定を同人の世界で公用語化されてしまった。
今回のコンセプトは、不名誉な二次設定を有効活用し、
プラス方向にキャラを立ててみよう、というものです。

夏目貴志@夏目友人帳
拳に霊力を宿して戦える、「でろでろ」の日野耳雄と同じタイプの霊能者。
祖母が多数の妖怪の名前を支配し、意のままに操れる「友人帳」というものを残している。
拳で戦「えて」、妖怪使役の技を持つにもかかわらずかなりの確率で円満に物事を解決する。
少女漫画の主人公なのに全く浮いた話が無い。
かといってクロスオーバーで男女の組み合わせはかなり危険な領域の気がする。
859創る名無しに見る名無し:2008/12/23(火) 04:38:52 ID:RVVHaCNw
乙です!
中国ネタは荒れることもあるだけに
タイトルと序盤読んだときは不安だったのだけど、
夏目友人帳の設定と絡めてしまうとはw
860創る名無しに見る名無し:2008/12/23(火) 08:45:04 ID:FOq3Nocw
乙 続き期待します
元ネタよく知らないから勉強しよう…
861創る名無しに見る名無し:2008/12/23(火) 09:02:10 ID:S9PCk+iH
友人帳キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
続きに超期待です!
862創る名無しに見る名無し:2008/12/23(火) 21:18:49 ID:P2isoLFZ
乙!力尽きずに続き頑張ってくれ!
863創る名無しに見る名無し:2008/12/27(土) 18:00:56 ID:DIGZTxU8
おおう!先を越されてしまった・・・
同じように夏目と東方のクロスを考えていたんだがなぁ
ちなみに勇義姉さんと絡ませる予定でした
さて、他ので何か考えるかな・・・
864創る名無しに見る名無し:2008/12/27(土) 23:17:46 ID:y+RVHXZW
865851:2008/12/28(日) 01:27:27 ID:puJq9HB7
こんなに暖かい声を頂けるとは思いませんでした。
誰かの新作来るかなーと思って毎日チェックしてるけど、今日になっても反響が来るとは。

>>863
いやいや、是非とも書いてくださいよそれ! 地霊まだやってないので凄く楽しみ
上のレスでも言ってくださってますけど、どんどんパラレルでクロスしていって欲しい

というか自分のあんな文章で夏目×東方クロスの芽が摘まれるようなことがあったら
本当に申し訳なさ過ぎるんで…
866863:2008/12/28(日) 16:45:13 ID:1IDaJyGu
わかった!パラレルでもいいからかいてみるぜ!
867創る名無しに見る名無し:2008/12/28(日) 18:41:52 ID:m9j+cgm9
そうか!
せかいのきょうかい が くずれたから そういうのも ありなんだ!

紫がお手上げしてるし、つまりはそういうことなんだろうな。
はてさて、ぬらりひょんは事態を収拾できるのか?
868 【大凶】 【1460円】 :2009/01/01(木) 00:37:56 ID:oZnl3aCN
妖怪スレでもあけおめ
このスレに投下出来る良いネタが浮かびますように
このスレに良作が集いますように
869創る名無しに見る名無し:2009/01/01(木) 00:38:54 ID:oZnl3aCN
ウボァー
870創る名無しに見る名無し:2009/01/01(木) 00:44:57 ID:VNXXUFQ/
実にすばらしいじゃないか
871 【凶】 【1842円】 :2009/01/01(木) 01:43:07 ID:s6YUiJqB
さて、コマンドはなんだったか…
872おみくじ:2009/01/01(木) 10:51:19 ID:b28pVut0
とりあえずあけましておめでとう!

今年は人がたくさんくればいいなぁ…
873創る名無しに見る名無し:2009/01/01(木) 10:52:57 ID:b28pVut0
新年早々コケるとわ…
スマヌ…orz
874創る名無しに見る名無し:2009/01/01(木) 12:52:27 ID:5qvSFRZb
あけおめことよろ!!このスレに良作・神作が投下されますように

さっさと作りかけのが完成して投下できますように……
875トビラの向こう側 ◆7w9eWF42Jk :2009/01/04(日) 22:00:38 ID:fyI6HvyV
init 0
876創る名無しに見る名無し:2009/01/05(月) 08:30:50 ID:RFDZOj+n
あけおめことよろ!!このスレに良作・神作が投下されますように

さっさと作りかけのが完成して投下できますように……
877創る名無しに見る名無し:2009/01/06(火) 01:54:11 ID:xldWOV6i
 彼の来訪は突然だった。

「久方ぶり。いや……初めまして、か?」

 永きに渡って閉じていた瞼を動かすと、そこには赤紫色の瞳をした黒髪の男が立っていた。
 ――見覚えがある。
 こうして接触するのは初めてだが、お互いに存在の認識はしていた。
 『世界』との接続を切り、我は彼と向き合った。
「何をしに訪れた? ここはそなたの使命とは無縁の場所」
 闇にもたれていた身体を起こし、顔にかかる髪を鬱陶しく掻き流した。
彼は苦笑して我の傍に歩み寄る。
「使命とはおかしな物言いをする。私達には使命を与えるべく存在もいないだろうに」
 無表情に見下ろしてくる相手を仰ぎながら、我は記憶を手繰り寄せた。 

 彼――現在の名である松下一郎は、世界の一つにおいて『鍵』の捜索していた。
 二十年前。とある秘密結社から身を隠すため、彼は理を伝導する学院に身を寄せ、そこで未覚醒の『鍵』たる人々と出会った。
 そして学院の地下で自身の『欠片』を見つけた後に学院を去り、再び秘密結社へ戻った。
 待っていたのは覚醒した『鍵』の少女。少女は自らの『答え』を口にして、その世界から姿を消した。
 直後にイギリスで危篤状態にあった佐藤から、正式に松下家を継ぐことを承諾。
 そして――。

 口を閉ざしたまま、一向にここへ来た理由を語らない相手から目を逸らし、我は片手を前にかざして闇の中に映像を浮かび上がらせた。
 数人の黒ずくめの人間が暗闇に紛れて、松下家を取り囲んでいる場面が鮮明に映される。
 片手を下げて接続を切ると、映像は再び闇に融けて消えた。
「派手に動きすぎたようだな。ロゴスに目を付けられては、いくら我でも覚らせずに事象を創り替えるのは容易ではない。
 そもそも、我らは世界への介入は最低限行うべきではない」
 分かっているだろう、と問いかけると。暫し無言の後にようやく彼が口を開いた。
「では貴方……いや、お前はしなかったというのか」
「何?」
 言わんとすることが見えず、眉を顰める。
 背を向けている彼がどのような面持ちでいるのか分からない。
「私達は世界の中に在って『答え』を見極めなければならない。見極めるにあたり、世界に影響を与えることはあってはならない。私達の存在は、世界に認識されてはいないからだ。つまりそれは、私達の存在をロゴスが認識していないのと同意だ。
 ロゴスに存在を知られれば、世界は私達を世界の一部として取り込み、私達は自らの存在意義を失うことになる」
 教科書を読み上げるように淡々と語る彼に、訝りながらも頷いた。
「そうだ。だが世界の中に在って、完全な無接触は不可能だ。世界に接触をすれば必ずロゴスは我らに気が付く。そのために我らは存在するという事象を創り替えて、ロゴスの監視を欺いている。
 しかし、我ら単体だけで事象を完璧に創り替えるのは容易ではない。対処しきれない場合も出てくるだろう」
「だから貴方は……自らからに課した使命を終えた貴方は、世界から離れた後に多数世界の外で私達のサポートをしている」
 そこでふいに彼は言葉を切って、我を見据えた。
「世界の中にいるということは、そこに生きる者たちと接するということだ。
 お前は、お前がいた世界の中で、人と接しながらも一切の介入をしなかったというのか? お前のいた世界は――」

 今、どうなっている?

 言葉を紡がなかった理由など、我は知りたいとは思わなかった。
878創る名無しに見る名無し:2009/01/06(火) 10:42:18 ID:HdLr/RDP
早く続きを……
879創る名無しに見る名無し:2009/01/06(火) 11:51:48 ID:P1Q1MsQu
乙ですが
スレ合ってるのだろうか
880創る名無しに見る名無し:2009/01/06(火) 14:56:21 ID:7332b/4S
面白そうなでだしだけど、これ続き来るんだろうか
881創る名無しに見る名無し:2009/01/06(火) 22:36:19 ID:4aKxm+p7
埋めないとね

まとめwiki
http://www1.atwiki.jp/souhatsu_youkai/
882創る名無しに見る名無し:2009/01/07(水) 07:24:38 ID:Qj3cHdMV
まとめwikiを?このスレを?
883創る名無しに見る名無し:2009/01/07(水) 10:35:18 ID:uYxHST6r
>>877続きがないのなら対象外の方向で
884創る名無しに見る名無し:2009/01/10(土) 01:17:21 ID:yMiMNB8s
うめましょう
885創る名無しに見る名無し:2009/01/10(土) 01:18:02 ID:yMiMNB8s
残り115レス
886創る名無しに見る名無し:2009/01/10(土) 01:19:02 ID:yMiMNB8s
そういや次のテンプレはどこにある?
887創る名無しに見る名無し:2009/01/10(土) 08:02:39 ID:udJApfgU
スレタイもテンプレも決まってないよ
決めていきましょう
妖怪小説 PART2
じゃシンプル過ぎるか
888 ◆xGDhADqMt. :2009/01/10(土) 10:03:00 ID:HP4h/oxU
「ここ……どこなの……。心葉君……」
天野遠子は薄暗い道を、一人、とぼとぼと歩いていた。
朝起きて見れば、暗い路地裏に制服姿で倒れていたのだ。わけもわからず、あわてふためいて路地裏から飛び出して見れば
そこは現代的な都市。にも関わらず、辺りは微妙な暗さに包まれていて人気がない。
見覚えのない光景、看板に書かれている知らない地名。天野遠子は唇をぎゅっと結んだまま
大通りを進む。通りには人影もなければ、車も一台も走っていない。
そして道端に建っているコンビニすら締まっていた。何かがおかしい……。
周囲を包む静けさと、不気味さになれることができず、遠子は泣きそうだった。「遠子姉」
突然、背後から聞き覚えのある声がかかった。
「流人!」
遠子は反射的にすぐさま振り向いた。そこには見覚えのある、にくたらしくなるくらいの笑顔を浮かべた男が立っていた。
「よかったぁ―。誰もいなくて、不安で、怖くて、どうしようもなかったのよ」
「もう大丈夫だよ、遠子姉。俺が来たから」
遠子は、体中の力が抜けていくのを感じていた。安心のあまり、感極まって涙が出そうになる。
「ねぇ、流人。ここ、どこだかわかる?なんで私はこんなとこにいるの?」
遠子の質問に、流人は口元を緩め、うつむき、不気味に笑った。
「ここはバトルロワイアルの会場。遠子姉は、心葉さんが言っていたように本を食べる『妖怪』なんでしょ?だから招待されたんだ」
「何言ってるの。私は妖怪なんかじゃな……」
そこまで言って、遠子は心臓が飛び跳ねるほどの衝撃を受けた。薄く笑う流人の足元……そこには一本の足しかなかったのだ。
「り、流人……。足……どうしたのよ。な、何で一本しか……」
しかも、その足は腰の真ん中から出て、バランスを支えているようだった。まるで生まれつき一本足であったかのような安定感。
「何驚いてるの?俺も『妖怪』だから当たり前じゃん」
遠子は後退り、それから腰が抜けて地面にぺたりと、へたりこんでしまった。
「あーあ、可哀想に。遠子姉はそのまんまでこっちの世界に来ちゃったからなぁ」
流人は立ったまま、中性的な顔立ちに似合った妖艶な笑みを浮かべ、見下ろしている。
889 ◆/e.DI9dwo. :2009/01/10(土) 10:04:24 ID:HP4h/oxU
酉間違えました
890 ◆/e.DI9dwo. :2009/01/10(土) 10:05:44 ID:HP4h/oxU
恐怖のあまり、涙が自然と溢れ出てきて頬を伝う。
「でも大丈夫。俺が殺してあげるから。すぐ終わるよ」
流人は、そう言って遠子の首に手を当てた。人間のものとは思えない冷たい手。
「じゃあね遠……!」
最後まで言い終わらないうちに、流人は崩れ落ちるように脇に倒れ込んだ。そして涙でぼやけているものの、目の前に誰かが立っているのが見えた。
「大丈夫でしたか?遠子先輩。遅れてすみませんでした」
そこに立っていたのは、井上心葉だった。




心葉の腕にしがみつき、遠子はびくつきながら歩を進める。
「なんで私がこんな目に合わなきゃいけないのよ〜」
「仕方ないじゃないですか。遠子先輩は本を食べる『妖怪』なんだから」
「私は妖怪じゃありません!ただの文学少女です!」
お決まりのやりとりをして、心が和む。心葉君が来てくれて本当に良かった、遠子は心からそう思った。
「でも心葉君、私達これからどうすればいいのかしら……」
「え?遠子先輩、何にも知らないんですか?」
呆れたような口調で心葉は言った。
「ここは妖怪限定バトルロワイアルの会場。生き残った者だけが生還できるんです」
「なによ……それ……」
「知りませんよ。でも、そういうものだから仕方ないですよ。頑張りましょう」
「だ、大体、心葉君は正真正銘のただの人間じゃない」
「ここではそうでもないみたいです。ほら」
そう言うと、心葉は帽子を取った。頭に、水をたたえた皿がくっついているのが見えた。
「河童です」
頭にテカテカ光る円盤をつけたまま真顔で言う心葉が可笑しくて、遠子は小さく笑った。
「笑わないでくださいよ。僕だって、好きで河童になったわけじゃないんですから。まぁでも……」
心葉は手袋を外した。中から水かきと鋭い爪のついた手が出てきた。
「戦いでは有利ですね。馬を池に引きずり込めるくらいですから、力も相当ありますし、鉤爪を立てるだけでもかなりの殺傷能力がありますし」
言うことに普段の心葉とは違う何かを感じつつも、安らぎを覚えるような暖かな雰囲気は、心葉そのものだ。
891 ◆/e.DI9dwo. :2009/01/10(土) 10:07:20 ID:HP4h/oxU
「あ、そういえば……さっき流人のこと、殺しちゃったの……?」
流人がなぜか倒れ込んだ後、心葉は遠子の腕を取り、むりやり立たせ、すぐに逃げ出したのだ。
倒れた後にどうなったのかは見ていない。
「殺してないですよ。一本足の妖怪とはいえ、流人君ですから。
爪を背中に刺しただけです。もしかしたら復讐に来るかもしれませんね……。そのときは……」
「わかってるわ。あれは流人じゃなかったもの」
声の冷たい響き、妖艶で不気味な笑み……思い出しただけでも、背筋に冷たいものが走る。
「芥川君とか、ななせちゃんとか、麻貴とか……みんな妖怪になってここにいるのかしら……」
「どうでしょうね。わかりませんが、麻貴先輩がいたら全力で逃げましょう。色々な意味で勝てる気がしないですから」
「そうね」
相槌を打ちながら、妖怪になった麻貴の姿を思い浮かべて、くすりと笑ってしまう。座敷わらしにでもなってればいいのに。

心葉と話しながら通りを歩いて、しばらく経ったものの依然として周囲の環境は変わっていない。
明け方なのか夕方なのかもわからない暗さに、静まりかえった街並み……。
でも今は、最初ほどの恐怖は感じていない。それどころか、わずかながらある種の高揚を感じていた。
「遠子先輩、離れないでくださいね。どこかにエミリーブロンテの本が落ちていたりしても不用意に近づいたりしないでくださいよ」
「わかってるわ。罠かもしれないものね。お腹が空いてもちゃんと我慢して、離れたりしません」
遠子はそう言って、心葉にしがみつく腕に力を込めた。
暖かい体温が服を通して伝わってくる。
今の、この、ある種の高揚感……。これが何に由来するのか遠子にはわかっていた。
この先、何があっても大丈夫な気がする。騎士が姫を……いや、河童が文学少女を守ってくれるのだから。
892 ◆/e.DI9dwo. :2009/01/10(土) 10:09:14 ID:HP4h/oxU
投下してから言うのもなんですが、人間を無理やり妖怪にしちゃうのはNGですかね?
893創る名無しに見る名無し:2009/01/10(土) 11:05:29 ID:udJApfgU
乙です
投下できるならアリでいいんじゃないかな
わかってるかも知れませんがこのスレバトロワじゃなくなってるので
パラレルな世界を書くことになるのかなと思うけど
894創る名無しに見る名無し:2009/01/10(土) 18:12:58 ID:6vzLMvv+
面白ければなんでもいいさー
しかし微妙にブラックな心葉くんこえーなw
895創る名無しに見る名無し:2009/01/10(土) 21:05:10 ID:4lNeuhIi
>>892
登場作品もキャラ名も書かれてないし、
そもそも流れを読んでいただけたように見えない。

「妖怪化」と言われて「なんかようかい」としか言えない。
896創る名無しに見る名無し:2009/01/10(土) 22:09:01 ID:udJApfgU
いろんな投下があっていいと思いますが……
これまでの流れを踏まえての妖怪になっちゃうの
ありかなしかって質問だろうし
897創る名無しに見る名無し:2009/01/10(土) 22:12:36 ID:6vzLMvv+
いろんな人がいろんな投下してるほうがいろんな話が読めて面白いじゃない
どうせ最初から整合性とろうとしてるスレじゃないんだし
898創る名無しに見る名無し:2009/01/10(土) 23:16:21 ID:EmpXohf/
どこかで誰かが蠱毒を作ってるのかも>妖怪バトルロワイヤル
899 ◆/e.DI9dwo. :2009/01/11(日) 00:19:07 ID:GQQ7lmoW
書き込みは初めの方を軽く見ただけです。流れ読んでないのは事実っすね。すいませんですた(´A`)

900創る名無しに見る名無し:2009/01/11(日) 01:48:08 ID:h42PGQWx
気にするな
一部で妖怪蠱毒計画が進行してるのかもしれぬ
901 ◆.7EVb32OnU :2009/01/11(日) 02:46:40 ID:z0ZK4aJf
あけましておめでとうございます。投下します
902女二人 ◆.7EVb32OnU :2009/01/11(日) 02:49:12 ID:z0ZK4aJf
「あ〜、そりゃとんでもない男に引っかかったね。あんた美人だからね。悪い男が寄ってくるんだよ」
「ぐすっ、酷い方なんです……。うぅっ、あんなに「愛してる」って言ってくれたのに……」
「そりゃとんだ女ったらしだねぇ。あんたも運が悪いよ。そんな男を好きになっちまったんだからさ」
「ううぅ、はい、そうなんです。私はこれほどあの方を愛しているのに……なのにあの方は私から逃げ回って……
ぐすっ、ひっく……」

 藍色の着物の女が泣き、それをもう一人の紅色の着物の女が慰めている。暗いお堂の中、蝋燭が四隅と中央に
置かれており、お堂はそれなりの明るさになっている。
 二人の話題の内容はどうやら色恋沙汰のそれのようで、男が入り込める内容のものではないらしい。泣いている
女はどうやら悪い男に引っかかってしまったようだ。
 その女はいかにも男運がなさそうな相をしている。ほっそりとした顔は色白く、目は涙が流れ落ちやすそうな
目尻の下がった輪郭をしている。
 泣き顔が良く似合いそうな顔つきで、これほど嘆いてる姿が似合う女はそうそういないだろう。悪い男なら
嗜虐心が煽られる女だろうし、良い男なら身を挺してでも守ってやりたくなる女である。
 腰まで伸びた髪は艶やかで、まるで絹のような滑らかさがある。慎ましやかな物腰で座っており、高価そうな
藍染の着物を纏っていることからどこかのお姫様か良家の娘に思える。
 その女を慰めているもう一人の女はどっしりとあぐらで座っており、いかにも姉御肌な雰囲気と口調で、両腕を
大きな胸の下で組みながらうんうんと頷いている。
 その女は快活な印象を与える女である。笑った顔がよく似合いそうな顔で、凛とした目つきは気の強さを感じさせ、
形の整った顔は遊郭の遊女のような艶やかさと華やかさがあり、妖艶とも言える色香が漂っている。
 着崩した紅色の着物は胸元が大きく開かれ、豊満な胸がこぼれそうになっている。
 紅く長い髪は後頭部で結んであり、垂れ下がる髪の房は臀部近くまである。
 座っている脇には漆塗りの鞘に納められた刀が一本置かれており、手が届く位置に置かれていることから
その刀は女の物であるだろうとうかがえる。
 美しい女が二人して暗いお堂の中にいるのを男が見れば、こっそり話を盗み聞きしたくなるのは無理もない。
 正反対の印象を持った二人――どういうわけか、話は色恋話の相談をしているらしい。

「で、あんたはどうして男が自分から逃げるのか理由が分からないと」
「はい、そうなんです……。私の気持ちは分かっておられているはずなのにどうして……」

 女は消え入るような声でそう言うと、また両手で顔を覆いぐすぐすと泣き始める。
 慰めていた女も困った表情で泣くのを止めようとする。迂闊にも女が泣いてしまうような問い掛けをして
しまい、墓穴を掘ってしまったと後悔した表情で頭を掻く。

「あ〜あ〜、もう泣きやみなよ。泣いても何も始まんないんだしさ。それでもあんた、まだその男が好きなんだろ?
 好きになっちまったもんは仕方ないよなぁ」
「うぐ、ひっく、ぐすっ…はい、その通りです……。あの方のことを誰よりも愛していて……想わなかった日など
一日たりとてありません。あの方を諦める事なんてとても私には……」

 思わず歯が浮きそうな台詞を聞きながら、女は勿体ないなあと思っていた。
 惚れた男がもっとしっかりした男ならばこの女も幸せになれていただろうに。男運が悪いというか男を見る目が
ないというか。
 しかし恋とは理屈や道理で語れるものではないのだ。良い男でも駄目な男でも、好きになってしまったら
そんなものはどうしようもないのである。
 本当に不運な女である。着ている着物から察するに、かなりの良家の娘なのは間違いない。物腰も気品があるし
顔立ちも美しい。会話からも夫に尽くす女であろうことも分かる。そこいらの男が黙ってそのままにしておくはずが
ないであろう。ただ、その前に出会ってしまった男がいけなかったのだ。
 良く言えば一途、悪く言えば世間知らず。純粋無垢と言えば聞こえは良いが、その手の女に限って色恋沙汰
になれば周りが見えなくなる口である。恐らくその男と会うまで恋とは無縁だったのだろう。
903創る名無しに見る名無し:2009/01/11(日) 02:50:20 ID:8CVgpwYS
支援
904創る名無しに見る名無し:2009/01/11(日) 02:50:28 ID:sK+2RhTn
905女二人 ◆.7EVb32OnU :2009/01/11(日) 02:50:38 ID:z0ZK4aJf
 それにしても、どうしてその男はこんなにも慕ってくれる良い娘から逃げたのだろうか。もしかしたらその男は
衆道に入った男なのかもしれない。それとも、何かこの娘に不満に思うところがあったのだろうか。
 男と寝たのかどうかを聞きたいが、どうにも今は聞きづらい。しかし話を聞くところから察するに、寝たと考えて
間違いはないだろう。これで未通女だと言ったら今までの話はなんだったのだとなってしまう。
 それはともかく――いつまでも泣かれていては面倒だ。このままではお堂の床が水浸しになってしまう。
泣いている女を横にして酒を飲んでは上手い酒も不味くなってしまう。それだけは勘弁願いたい。
 女は自分の膝をパシンと叩き、もう片方の手を女の肩におく。肩に手をおかれた女は両手で覆っていた顔を
上げて、目の前の女の顔を見る。

「だったら泣くのをやめて前を向かなきゃさ。ずっと追いかけてたんだろ? ならそのうち振り向いてくれるさ」
「ぐすっ……本当にそう思いますか? あの方は振り向いてくれると思いますか?」
「ああ、そう思わなきゃやってられないだろ?」
「……」
「美人ってのはなんでも苦労するようにできてんのさ。アタシの旦那も酷い男だからね〜」
「……ッ! 旦那様がいるのですか?」

 旦那という言葉を聞いて、女が驚いて目を大きく開く。目の前の快活な女に夫がいるとは思っていなかったの
だろう。そして、『自分の旦那も酷い男』という内容に、女は目の前の自分を慰めてくれている女も不遇な
境遇であることに、自分と重なるものを感じた。
 あぐらで座っている女は何かを思い出しているのか、しみじみとした様子ではぁ〜っと大きく溜息を吐いた。
その様子を見て、女は妙な親近感が湧いてきた。同類相憐れむといった感じである。

「まあね。って言ってもコッチが追いかけてばかりさ。最初はあっちの方からやってきたのにねぇ。自分の物に
なったと思ったらすぐにこれさ。男ってのはあっちにふらふらこっちにふらふらとホント自分勝手なんだから。
それでアタシが追いかけたら逃げるし、捕まえて反省したと思えばまた逃げ出すだろ。まったく、自分の男運の
無さが恨めしいよ……」
「で、では貴女も私と同じ……!?」
「ああそうさ。だからあんたの気持ちは痛いほどよ〜く分かるってもんさ」
「嗚呼……なんという偶然なのでしょう。まさか同じ境遇の方とお話をすることができるなんて……」

 女は感極まったといわんばかりに目の前の女の手を取り、ぎゅっと握り締める。思ったよりも握る力が強く、
紅い着物の女は少し驚いた。女とは見た目とは色々違うものである。

「あっはっは、そういうこったよ。アタシも昔はよく旦那の愚痴をこぼしながら泣いたもんさ。でもさ、ある時
気付いたんだよ。泣いて愚痴っていても仕方ないってね。それで自分の気持ちに正直になろうって思ったんだ。
ハナから諦めるつもりなんてないんだしさ。あんたもそうなんだろ?」
「はい。あの方に逃げられて逃げられてやっと捕まえたかと思ったらまた離れ離れになって……。もしかしたら
あの人と結ばれぬ運命なのかもと諦めかけていたんです。でもやっぱり諦められなくて……」
「大丈夫、女に追いかけられるってのは男冥利に尽きるってもんさ。大方その男もまんざらじゃなかっただろうよ。
もしかしたら追いかけられて喜んでたんじゃないかい? 俺はこんな美人に追いかけられる男なんだってさ」

 紅色の着物の女の話を聞き、女の顔が赤らんだ。初々しい乙女の顔はあっという間に真っ赤になり、今にも
火を吹きそうな勢いである。
 両手で頬を抑え、恥ずかしそうに、嬉しそうに女が身をくねらせる。それを見て、紅色の着物の女はうんうんと
笑顔で頷いた。

「まあ! まあまあまあっ! だったら嫌われてなんかいなかったんですね? 良かった……。
 夜這いをかけたり山道を裸足で追いかけたり金縛りを自力で解いたり蛇になって河を泳いで追いかけたりしても
喜ばれていたのですね。あの方に近寄る薄汚い糞牝猫共を何匹も呪い殺しても問題なかったのですね。嗚呼……
嫌われてなくて本当に良かった……」
906創る名無しに見る名無し:2009/01/11(日) 02:51:25 ID:8CVgpwYS
支援
907女二人 ◆.7EVb32OnU :2009/01/11(日) 02:51:44 ID:z0ZK4aJf
 うんうんと頷いていた頭が途中で止まる。女は(あれ?)と思いながら今聞いた話を頭の中でもう一度反芻する。
 なにやら色々と物騒な背景が見え隠れする発言が聞こえた気がする。

「良かった…。あの方を匿った寺を燃やしてもあの方を匿おうとしたお坊様を絞め殺してもあの方に近寄る者全てを
殺しても鐘ごとあの方を捕まえても嫌われてなかったのですね。嗚呼、そういえばあの方は自分の気持ちを表に出す
のが苦手な方でしたものね。少々怖がらせたかもしれないと思っていましたけれどあの方は喜んでいたのですね。
ええ、そうですともあの方は私にあんなに愛していると囁いてくれたのですもの。ええ、ええ、私はあの方の妻となる
女なのですからこれくらいのことくらいなんでもないです。そうですよ、あの方は考えてみれば私が蛇に成ったときも
今思えば喜んでいたのかもしれませんいいえきっとそうですだって私はあの方の妻となる女ですから」

 紅色の着物の女は少し引き気味な顔で頬を引き攣らせる。
 なんとなく逃げた男の気持ちを悟った。こりゃ逃げたくもなるわ、と。
 気弱そうで嗜虐心を煽る美女と思いきや、中身はとんだ化物が潜んでいたのだ。これはどんなに誠実な男でも
屈強な男でも手に余る女だ。手にあまるというよりも手に負えない。
 目の前の女はいまだうっとりとした表情で語り続ける。

「ええ…そうですよ。今思えばあの方が逃げる理由など無いのですもの。だって私達は夫婦になることを誓い合った
仲なのですから……。ああ、どうして逃げたのかが分かりましたわ。きっとあの方は私の愛を確かめていたのですね。
自分をどれだけ想っているのかを確かめたくなる気持ちは分かりますもの。でもそれならそうとはっきり言って
くだされば良いのに……だって私は身も心もあの方に捧げているのですからなのに私ったらついうっかり殺す必要の
無い人たちまで殺してしまったのですねでもしょうがないじゃないですかだってこうしないと私の気持ちをあの方に
伝えることができなかったのですからでも大丈夫きっと皆さん私たちのことを許してくれるはずだわだって私達の
ために死んでくれたのですものだからきっと私達が幸せになるのをあの世で見守ってくれますよねもちろん私達は
幸せになりますわだってこれは全て正しい――――」

 いまだ夢心地で自分がした様々なことを語っているが、いつから恋愛話は平成残酷物語になったのだろうか。
おまけに自分がやったことを都合よく解釈して正当化しはじめている。今彼女の脳内はお花畑になっているのであろう。
 藍染めの着物の女の執念深さは蛇になるほどだ。いくら美人でも中身がこれなら逃げたくもなる。多分、というより
とんでもなく嫉妬深いのだろう。それだけその男のことを愛しているということとも言えるが。
 自分もそれなりに執念深いというか嫉妬深い女だと思っていたが、この女の場合ちょっと度が過ぎている。
夫に知らない女が近寄ってきても自分の場合は夫を怒るが、この女の場合は知らない女のほうに怒りを向けるクチだ。
 今なら女の背後にドス黒い気配(オーラ)が見え隠れしているのが分かる。きっと逃げた男は女の本性に気付いて
逃げたのだろう。心底怯えて逃げ回る男の姿が目に浮かぶ。

「……あんた、すごい根性してるね」
「いいえ、そんなことないですよ。さすがに蛇になったのはやりすぎたかな? って思いましたけど」
「…………アタシ、あんたの事ちょっと見直すわ。うん」
「え? なにがですか?」
「いや、なんでも」

 きょとんとした顔で首をかしげる女を見て、これ以上何も言うまい、と女はしんみり思った。
 薄暗いお堂の中、蝋燭の火が幸せそうに微笑む女と微妙な顔をした女を照らしていた。
 
908創る名無しに見る名無し:2009/01/11(日) 02:52:32 ID:8CVgpwYS
支援
909女二人 ◆.7EVb32OnU :2009/01/11(日) 02:52:34 ID:z0ZK4aJf
「そん時さ、アタシは言ってやったね。「女は“くびれ”と“尻の形”だ」ってね。そしたら旦那なんて言ったと
思う? 「いいや、女は“胸の大きさと形”だ」って言ったんだよ。アタシはもう腹が立ってさ、「アタシの胸が
気に入らないってのか!!」って言って旦那の頭を石で殴ってやったんだよ」
「まあ、それでどうしたんです?」
「旦那の頭と一緒に石が割れた。でね、まあアタシも少し悪かったって反省してたんだよ。頭くらいの大きさの
石で思いっきり殴ったからさ。そりゃあそんくらいじゃ死なない旦那だけどやったのは悪かったって思ったよ。
でもさ、翌朝に旦那の置き手紙があってさ、それなんて書いてあったと思う? 『お前の胸は牛並だ。子を身篭った
女でもお前ほど大きいのはそういない。もう少し痩せろ。あと女らしくないから都の女達を見て慎ましさを覚えろ』
だってさ。もうね、あんだけ腹が立ったのは生まれて初めてだったね。「女は胸の大きさと形だ」って言ったのは
どの口だい。そんで旦那を追いかけて捜しに行ったらなんとさ、都で胸の小さな女に囲まれて酒飲んでやがったんだ。
もうね、後にも先にも旦那を本気で殺しかけたのはあの時だけだよ」
「私だったら周りにいる女達を皆殺しにしますね。それで連れ帰って三日三晩かけて……」

 二人の間には空になった二本の一升瓶と、半分まで減っている一升瓶が置かれている。床にはスルメやらさきいか
など酒のつまみが所狭しと置かれており、とても二人で食べきれる量ではない。
 二人の脇にはまだ開けていない一升瓶が三本置いてあり、どれだけ呑むつもりなのだろうかと目を疑いたくなる。

 杯の酒を飲み干し、紅色の着物を着た女がぷは〜っと大きな息を吐く。空になった大皿のような杯に酒を
注ぎながらスルメを咥えると、ろくに噛まずに飲み込んだ。
 それにしてもこの女、いい飲みっぷりである。なんというか、豪快というか親父臭い。
 もう一方の藍染めの着物の女の方といえば、小さな杯を両手で持ち、足を崩すことなく上品に飲んでいる。
 ほうっと息を吐く表情には色気があり、男なら酒の席で酌をされたら鼻の下を伸ばしてどうやって口説き
落とそうかと考えるであろう。
 問題は飲むペースが衰えることなく、いくら飲んでも潰れる気配が見えないことだ。小さな杯とはいえ、それは
大皿型の杯と比べてのものである。実際にはお猪口のニ杯分は入る大きさだ。
 二人の間にある一升瓶の中は、あっという間に空になっていった。 

「ぷっは〜! あ……そういや互いに名乗ってなかったね。アタシの名はイバラ。『茨木童子(いばらきどうじ)』
って名前で呼ばれてた事もあるけどね。こんないい女なのに『童子』ってのも失礼な話だよねぇ。ま、ただの
『鬼』だよ。ああ、人を喰ったことなんてないから安心して。で、あんたの名は?」
「私の名は『清姫(きよひめ)』と申します。人の身から蛇に成った、ただの哀れな女ですよ。……初めて鬼に
会いましたけど、イバラさんは角が生えていませんよね?」

 清姫はしげしげとイバラの頭を見るが、角なんてどこにも見当たらない。
 どこにあるのかと不思議そうに頭を見られ、イバラはおかしそうに笑った。

「でさ、アタシは夜が明けたら都に行くわけだけどさ、清姫はどこに行くんだい? 男の行方は知ってるのかい?」
「奇遇ですね。私も都に参ろうとしていたのです。そこにあの方がいると、とある御老人から聞きまして」
「へぇ〜、そりゃ奇遇だねえ。あたしも旦那が都にいるって変な爺さんから聞いてさ」
「ふふふ、本当に奇遇ですね〜」
「追いかけてる男の行方も同じ場所で教えてくれた相手も爺さんねぇ。あっはっは、こりゃ傑作だ。アタシら
ホント似た者同士だねぇ」

 そう言ってイバラは笑いながら手に持っている酒をぐいぐいと飲んでいく。

「ほんとう、奇遇ですね……」

 一方の清姫は、飲みかけた手を止め、杯の中に入っている酒をじっと見つめている。何かを考えているのか、
整った細い眉をひそめ、自分にしか聞こえないような小さな声で何かを呟いている。
910創る名無しに見る名無し:2009/01/11(日) 02:53:06 ID:8CVgpwYS
支援
911女二人 ◆.7EVb32OnU :2009/01/11(日) 02:53:25 ID:z0ZK4aJf
「……行方、都、爺さん、御老人、旦那、あの方、御老人……御老人……ごろ―――――あれ?」

 呟き声が途切れる。杯の中の酒が小さく揺れ、清姫の表情が変わる。

「ん? どうしたんだい?」

 清姫の異変に気付き、イバラが問いかける。

「いえ、その……今になって気付くのもおかしいのですけど、考えてみたらおかしな話なんです」
「だから、何がだい?」
「あの方の居場所を教えてくれた方なんですけど、どうしてあの方の居場所を知っていたのでしょうか?」
「そりゃあ、清姫の旦那と知り合いだからじゃないのかい?」
「いいえ、その可能性はないと思います。仮にあの方と知り合った方だとしても“私とは初対面”だったんです。
そうするとおかしいじゃないですか。どうして初対面の私とあの方の関係をあの御老人が知っているのでしょう。
仮に知っていたとしても、どうして私の捜している人の顔が分かるのでしょう。
私とあの方のことを知っている人なら問題は無いんです。でも片方しか面識がないとなると話は別じゃないですか。
つまり、あの御老人は“初めて会った私に、分かるはずもない私の探し人の行方を教えた”んですよ」
「……あ〜、なるほどね」

 ほうほう、と納得した表情でイバラが頷いた。そして、先ほどの清姫と同様に、今度はイバラの表情が変わる。

「そういえば、どうしてアタシの旦那のことを会った事もない爺さんが知っているんだい? どうして爺さんは
旦那が都にいると知っている? っていうかこれ、清姫と全く同じじゃないかい」

 それを聞いて、清姫はやっぱりといった表情で頷く。

「しかし変な話だねえ。どうしてその爺さんはアタシと清姫にそんなことを言ったんだい? その話だと爺さんは
アタシたちを都に来させるために言ったんだろうけどさ、都に行かせようとする理由が分からないじゃないか」
「そうなんです。そこは私も理由は分かりません。――それはそうとイバラさん……その御老人のお顔を思い出せ
ますか?」
「あの爺さんの顔? それなら―――――あれ?」

 先ほどの清姫と同様に、今度はイバラの表情が変わる。

「やはりですか。実は私も同じなんです。ものすごく特徴的な方だったとは覚えているのですが、不思議と特徴が
思い出せないんです。なんというか、その―――」
「なんなんだいこりゃあ……。あ〜なんかもやもやするっ! 胡散臭い顔だったってのは覚えてるのに!」
「頭が禿げてて異様に大きかったとか、背が低かったとかは覚えているんですよ。なのにはっきりと思い出せない
んです。そして最後にもう一つ――――どうして私達は簡単にあの御老人の話を信じてしまったんでしょう?」

 そう、二人のもう一つの共通点。それは『その老人の話をあっさり信じてしまったこと』である。
 普通ならば、そんな突然会った老人の話は真っ先に疑問に思うことである。初対面の相手の話を簡単に信じるには
それなりの根拠がなければならない。そして、その老人の話にはその根拠が全くないのだ。
 会話の内容に違和感を感じたり、疑惑が一つでもあれば警戒し、信じる前にその疑惑を問いただすものである。
なのに、二人は疑うことなくそれを信用し、疑問に思うことさえなかったのである。
 本来ならありえない。気付かず、疑わず、思い出せない。まるで深い森の中に迷い込んだような感覚。
 二人には、老人の存在自体が黒い不気味な霧のように感じられた。 

「私、本当に初対面だったんですよ。なのにどうしてそんな疑わしい話をあっさりと信じてしまったのでしょう?
今になってやっと気付くなんておかしな話なんですけど……」

 そう、どうして気付かなかったのか?
 もっともおかしいのは、謎の人物の話を簡単に信じてしまっていたことだ。不思議なことに、何の疑問も違和感も
感じることなく信じていた。
912創る名無しに見る名無し:2009/01/11(日) 02:54:01 ID:8CVgpwYS
支援
913女二人 ◆.7EVb32OnU :2009/01/11(日) 02:54:56 ID:z0ZK4aJf
「あんのクソジジイ……」

 イバラが怒気を含ませた声で呟く。その声色だけで、どれほど怒っているのかを清姫は察した。
 騙されているのかどうかは分からない。本当か嘘かさえ分からないのだ。だが、気付いてしまえば疑惑が増し、
真偽がどうであれ老人の話は到底信じられる話ではない。 
 全てが謎の老人―――理由も目的も分からない。それが二人の疑問を暗く肥大化させていく。
 重苦しい沈黙が二人の間に流れる。御堂の中の蝋燭の火が揺らぎ、二人の影が揺れる。
 痛いくらいの沈黙の中、ようやくイバラが口を開いた。

「――――あのジジイはアタシたちを来させたいわけだ。こりゃ都になんかあるって考えて間違いないね。まあ
アタシたちが行かなきゃ問題ないんだけどさ。でもあのジジイは一発ぶん殴って問いたださないと気が済まないね。
なんかジジイに踊らされているようで癪だけどさ―――どうする? アタシは都に行くけど清姫は?」
「そうですね……あの老人のことは気になりますけど、他にあの方の行方の手がかりはありません。
もし本当にあの方が居たら問題ないですし、居なかったら――――殺します」

 二人の視線が交差する。それだけで二人には充分だった。

「そんじゃ、ちょっくら都に行こうかね。どうする? 女一人での道中は危険だろ。行き先も同じだし、良かったら
一緒に行くかい?」
「よろしいのですか?」
「ああ、長い道のりも一人よりは二人のほうが楽しいだろうしねえ」

 イバラの提案に清姫は表情を綻ばせた。

「ありがとうございます。実のところ、少し心細かったんです。この子と一緒だけど、もし何かあったらって」
「この子?」
「ええ、この子――『橋姫(はしひめ)』は『蛇帯(じゃたい)』っていう妖怪なんですけどね。昔から可愛
がってる子なんです」

 そう言って、清姫は胴に巻かれている蛇の目模様の帯を撫でる。すると、帯は不思議なことにうねる様に
動きだした。
 ゆるゆると解かれていく帯が次第に蛇に変化していく。清姫に蛇が巻きつきながら、その細長い舌をイバラの
眼前にちろちろと出し、蛇特有の鳴き声をあげた。

「へぇ〜、こりゃ驚いた。帯に化ける蛇ねぇ。珍しい妖怪がいたもんだ」

 感心した様子でイバラはしげしげと蛇を眺める。
 胴に巻きついている橋姫と呼ばれた蛇の妖怪は、イバラの視線から逃れるようにして元の姿に戻っていった。

「あら珍しい。この子ったら恥ずかしがってるのかしら?」
「その蛇帯ってのは蛇が帯になったのか、それとも帯が蛇になったのかどっちなんだい?」
「帯が蛇に変化した妖怪ですよ。長年使っていたらいつの間にか蛇に変化するようになっていたんです。最初は
私も驚きましたよ」
「そりゃあねえ。アタシだって帯が蛇になったら驚くさね」
「ですよね」

 そう言って、二人はくすくすと笑いあう。清姫が帯を撫でると、蛇帯は少しだけもぞりと動き、小さく鳴いた。

「それじゃ、呑み直すとするかね。まだ夜は長いんだ。じゃんじゃん呑もう」
「はい」

 新しい一升瓶を取り出し、イバラが清姫の杯に酒を注ぐ。そして、今度は清姫がイバラの杯に酒を注いだ。
 その時になって、ようやく二人は互いに酌をしたことに気付き、軽く微笑んだ。


 イバラは知らない。自分が旦那と呼ぶ男がその地にまだ辿り着いていないことに。
 清姫は知らない。自分の探している男が、すでに成仏してこの世に存在していない事に。
 二人は知らない。二人の行く先に、数多の妖怪が集っている事に。

914創る名無しに見る名無し:2009/01/11(日) 02:55:30 ID:8CVgpwYS
支援
915 ◆.7EVb32OnU :2009/01/11(日) 02:56:53 ID:z0ZK4aJf
 登場人物

 茨木童子

 道成寺清姫

 蛇帯(橋姫)

 参考文献・出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 というわけで投下終了です
 予定より大幅に遅くの投下になりました。申し訳ありません。そして今年もよろしくお願いします
 読んでくれている方々、本当にいつも感謝しています。この気持ち届け!

 あと ID:8CVgpwYSさん、支援ありがとうございます。つーか支援しすぎwww
916創る名無しに見る名無し:2009/01/11(日) 02:58:27 ID:8CVgpwYS
投下乙

一人称が“アタシ”の人妻と見て支援余裕でした
917創る名無しに見る名無し:2009/01/11(日) 03:09:44 ID:sK+2RhTn
清姫こえー
イバラ思いっきり引くかと思ったけど
普通に仲良くなって酒盛りするとか豪胆だなw
918創る名無しに見る名無し:2009/01/11(日) 03:14:19 ID:8CVgpwYS
>女は“くびれ”と“尻の形”だ

これは果てしなく共感出来る
というか、二人共話してる内容は物凄く物騒なのに何故楽しそうに見えるんだw
おもろかったです!
919創る名無しに見る名無し:2009/01/11(日) 07:48:31 ID:Os4xCeRA
投下乙です
清姫はかわいそうな気もするな
伝承では菩薩になったとかフォローがあった気もしたが
はじめから蛇の妖怪だったのか人間が蛇の妖怪に変化したのか
茨木さんは腕を切られないよう気を付けてほしいw
920創る名無しに見る名無し:2009/01/11(日) 13:47:53 ID:AlyhlWzb
今気付いたけど、容量500KBまであと22か
1000より先に容量オーバーで埋まる方が早いかも分からんね

というわけで、そろそろ次スレのスレタイとテンプレを決めないかい?
ついでにスレタイは「妖怪クロスオーバー総合 弐ノ巻」とかどうだろうと案を出してみる
921創る名無しに見る名無し:2009/01/11(日) 14:36:36 ID:GQQ7lmoW
「KOY キングオブ妖怪 2009」は?
922創る名無しに見る名無し:2009/01/11(日) 15:33:56 ID:sK+2RhTn
そうだね相談してしまおう
>>920はなかなかいい案だと思う
923創る名無しに見る名無し:2009/01/11(日) 17:20:46 ID:Os4xCeRA
俺も>>920がよいかと テンプレは

妖怪の一次創作・二次創作を幅広く扱うスレです。
小説・SSから漫画・イラストまで何でもどうぞ。

有名作の個別専用スレが立った場合は
そちらに移動するかどうかは各自判断で。
とりあえず、スレが立つまでは全部ここで受け入れる方向で。

まとめwiki
http://www1.atwiki.jp/souhatsu_youkai/

妖怪バトルロワイアル
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1221929601/


基本はこんな感じですか?とりあえず別の総合のテンプレを改変してみましたが
おもしろみがないかな
俺はスレ立てられません…
924創る名無しに見る名無し:2009/01/11(日) 18:25:36 ID:6BaCtaAI
>>923
それで良いんじゃね?私は一向にかまわんッ!!
925創る名無しに見る名無し:2009/01/11(日) 20:58:14 ID:sK+2RhTn
うんいいんじゃないかなー
それプラスこのスレでやってた妖怪大戦争ネタのまとめが欲しいところ
926創る名無しに見る名無し:2009/01/11(日) 22:41:07 ID:GQQ7lmoW
「妖怪」の定義もあったほうがよろしいのでは?アルクェイドやホロは認められないわけでしょう?てろてろぽむ☆
927創る名無しに見る名無し:2009/01/11(日) 22:47:08 ID:sK+2RhTn
つ「あなたがそうだと思うものが妖怪です。ただし他人の同意を得られるとは限りません」
928創る名無しに見る名無し:2009/01/11(日) 22:50:58 ID:04CbjeDY
ラ板のテンプレは便利だなw
もうそれでいいんじゃあないかと思う

あと20KBか、まだスレ立てには早いのかそうでもないのか
929創る名無しに見る名無し:2009/01/11(日) 22:55:38 ID:XpPg4Qf4
ホロは作中には出てきてないけど作中キャラの雑談には出てたな。
あの位は有りだと思うし、要は書き方の問題か。
930創る名無しに見る名無し:2009/01/11(日) 22:58:04 ID:sK+2RhTn
テンプレさえまとまったら立てていいと思うんだけど
誰か妖怪大戦争のまとめ書けないかい?
931創る名無しに見る名無し:2009/01/12(月) 00:04:39 ID:Os4xCeRA
妖怪大戦争のまとめって何ですか? >>555のこと?
932創る名無しに見る名無し:2009/01/12(月) 00:07:12 ID:hxl6Dgcb
なんかこのスレの流れのまとめ的なやつー
933創る名無しに見る名無し:2009/01/12(月) 00:08:09 ID:0OnWL9wW
ホロが許されるなら妖怪より意味の広い【物の怪】がいいなぁ……
934創る名無しに見る名無し:2009/01/12(月) 00:19:23 ID:PC5/0950
>>932
>>169みたいなことでしょうか
935創る名無しに見る名無し:2009/01/12(月) 00:21:52 ID:hxl6Dgcb
そうそうそんな感じ
936創る名無しに見る名無し:2009/01/12(月) 00:57:13 ID:j1/jel02
>妖怪バトルロワイアル
>http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1221929601/

ここ「前スレ」ってつけないと分からなくね?
937創る名無しに見る名無し:2009/01/12(月) 01:13:26 ID:1uwpWoi0
だよね。バトロワじゃなくなった事も書くべきかと。
938創る名無しに見る名無し:2009/01/12(月) 02:51:35 ID:D5qdNLDN
シェアード、クロスオーバー、人間vs妖怪、は外せない
939創る名無しに見る名無し:2009/01/12(月) 05:44:41 ID:rffUDZ83
940創る名無しに見る名無し:2009/01/12(月) 10:38:34 ID:PC5/0950
>>935
>>169をもとにしてみた


【このスレの立った経緯】
某したらばの「パロロワ妄想スレ」にて、妖怪ロワの話題が盛り上がる
→一人が突然創発板に妖怪バトルロワイヤルを立てる

【あとの流れ】
人間との絡みや、妖怪vs人間あるいは妖怪同士の戦争という
スレ立て主の思惑とは違う流れができ
→「妖怪作品をクロスオーバーさせた二次創作シェアードワールド」にしよう
もう妖怪大戦争だ! という流れに

悪魔、吸血鬼など西洋妖怪の扱いについては
妖怪がかかわる作品に登場する悪魔などは有りの方向

伝承妖怪を扱うにあたって一次創作は有り
妖怪がかぶったらどうするのか?という話題になり
例 ぬらりひょん@伝承、ゲゲゲの鬼太郎、ぬらりひょんの孫 ほか
→早いもん勝ちじゃね? 二人以上いてもいいんじゃね? 等の意見が出る

いくつかの投下のあと、戦争じゃなくても妖怪のSSならよくね?
シェアードだと整合性とるの難しい、あとの人に気を遣うし
もうパラレルでいいんじゃね?
という流れに
クロス・シェアードも自由

投下の作法としては、投下したあとなるべく出典を明らかにしましょう
例 河童@伝承妖怪
  鬼太郎@ゲゲゲの鬼太郎


長いかな…数百のレスをまとめるのはちとホネです
941創る名無しに見る名無し:2009/01/12(月) 16:04:35 ID:hxl6Dgcb
おおー乙です
今大体どんな感じでスレが進んでるよ的なまとめがあるといいかなと思ったんだけど
まさかここまでのものが来るとは
942創る名無しに見る名無し:2009/01/12(月) 16:09:55 ID:U1XyNc1Y
こりゃあ次のスレタイが決まって新スレ立つまで投下は無理そうですな
1000いくまでに決まれば良いが…

しかしあれだね、最低限の制限だけは必要だと思うよ
吸血鬼のアルクェイドなら西洋妖怪としてともかく、ホロはなんか違う気がする
面白ければ何でもいいってのはのちのち混乱を招くだけだと思うんだよなぁ
“妖怪”ってテーマなら妖怪だけでちゃんと制限したほうが良いと思うよ
この問題はそう簡単に解決しそうにないね
943創る名無しに見る名無し:2009/01/12(月) 16:17:21 ID:RTaHAwA7
んー、細かく考える必要ない気がするけどなあ
最近はシェアードの枠からも外れた単発ものも多いし、ギリギリならパラレル扱いでいいんじゃないかしら
だいたい妖怪の定義なんて結論出なさそうだしなー、作品や伝承ごとに振れ幅大きいし
944創る名無しに見る名無し:2009/01/12(月) 16:19:02 ID:hxl6Dgcb
だよねー
あなたが妖怪だと思ったものが〜でおkだと思う
スレタイは>>920でいいと思う
945創る名無しに見る名無し:2009/01/12(月) 17:30:37 ID:hxl6Dgcb
こんな感じでどない?

【スレタイ】
妖怪クロスオーバー総合 弐ノ巻

【1の本文】
妖怪の一次創作・二次創作等を幅広く扱うスレです。
小説・SSから漫画・イラストまで何でもどうぞ。

有名作の個別専用スレが立った場合は
そちらに移動するかどうかは各自判断で。
とりあえず、スレが立つまでは全部ここで受け入れる方向で。

【まとめwiki】
http://www1.atwiki.jp/souhatsu_youkai/

【前スレ】(乱立スレを再利用しました)
妖怪バトルロワイアル
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1221929601/

【関連スレ】
私メリーさん
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1226239443/

>>2>>940のスレの経緯をぺったり


946創る名無しに見る名無し:2009/01/12(月) 17:46:32 ID:U1XyNc1Y
う〜ん、まあみんながそれでいいならそれでいいのかな?
ホロとかアルクとか自分の中の妖怪のイメージとは違うからなあ
妖怪のイメージは自分の中ではどうしても日本古来のものとしか頭に浮かばないんだ
場を乱すような発言スマソ
947創る名無しに見る名無し:2009/01/12(月) 17:56:04 ID:PC5/0950
>>945
それでよいと思います
と940が言ってみる 制限などは次スレでも話し合えるし
948創る名無しに見る名無し:2009/01/12(月) 18:09:04 ID:RTaHAwA7
>>945
いいんじゃないかと思うよ
スレタイが変わったことで今まで来なかった人が来てくれるといいねえ

そうこうしてるうちにあと14KBか
スレ立てにはまだ早いのかどうか、微妙な線だ
949創る名無しに見る名無し:2009/01/12(月) 18:34:10 ID:IiuYXMcB
投下しようと思っていたものをメモ帳でサイズ見てみたら20KBだったんで、
945案でもうスレ立てちゃって良いですか。

って、答えてくれる人が>>950取る事になっちゃうんだけど……
準備はしときます。
950創る名無しに見る名無し:2009/01/12(月) 18:45:38 ID:hxl6Dgcb
じゃあ立ててくるー
951創る名無しに見る名無し:2009/01/12(月) 18:48:42 ID:hxl6Dgcb
952創る名無しに見る名無し:2009/01/12(月) 18:54:12 ID:Tk4wkW8e
アルクとかホロは、普通に出されるとなんか違うなーって思う。
特にアルクは吸血鬼の中でさえ異端だし。
(血を吸わないってだけでなく、背後の設定がかなり特殊)

でも例えば、ホロを日本の土地神と組ませると西洋の土地神みたいな印象になると思う。
ホロ自体は妖怪じゃなくても話としては妖怪の話になるんじゃないかって事。
なんかルール作るにしても心がけ程度で良いんじゃないかな。
953創る名無しに見る名無し:2009/01/12(月) 18:56:24 ID:Tk4wkW8e
スレ立て乙ですー。
954創る名無しに見る名無し:2009/01/12(月) 19:50:17 ID:LkJYxYh/
面白そうなので埋めておく
955創る名無しに見る名無し:2009/01/12(月) 20:29:11 ID:PC5/0950
>>951
乙です!
956創る名無しに見る名無し:2009/01/12(月) 20:41:35 ID:U1XyNc1Y
遅くなったが>>951乙!
957創る名無しに見る名無し:2009/01/12(月) 21:45:42 ID:v44vKTM8
>>951
乙!
958創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 23:15:03 ID:nQFmedzR
うめうめ
959創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 23:15:57 ID:pQ7//sf8
うめっこ
960 [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 23:16:21 ID:68J6cNSm
埋め
961 [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 23:17:24 ID:68J6cNSm
ksks
962創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 23:17:24 ID:nQFmedzR
うめらりあん
963創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 23:19:26 ID:nQFmedzR
ksks
964創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 23:19:38 ID:nQFmedzR
カッサリ
965創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 23:21:34 ID:nQFmedzR
kskskskssk
966創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 23:22:22 ID:zwewImRN
うめとくよ
967創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 23:23:10 ID:zwewImRN
はやくにんげんになりたーい!
968創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 23:24:30 ID:I6Vf+BTw
ちょwwふと思ったことを言ってみたらwww
969創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 23:25:54 ID:zwewImRN
どろろんおどろんでろでろばあ
970創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 23:26:51 ID:zwewImRN
どろろんおどろんでろでろばあ
971創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 23:27:32 ID:zwewImRN
じごくのやみからでろでろばあ
972創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 23:28:08 ID:zwewImRN
わいてでたのはなんだろばあ
973創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 23:28:51 ID:zwewImRN
かわいこちゃんのまくらもと
974創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 23:29:27 ID:zwewImRN
けけけとわらうのだれだらばあ
975創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 23:30:33 ID:nQFmedzR
ksksks
976創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 23:30:36 ID:zwewImRN
きかいかいかいようかいだらけ
977 [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 23:30:40 ID:68J6cNSm
ksks
978創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 23:31:15 ID:zwewImRN
にほんはようかいふきだまり
979創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 23:33:38 ID:7RzMG6Xu
かっぱからげて よーかいざー
980創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 23:34:35 ID:7RzMG6Xu
いくもかえるも いーつーも
981創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 23:36:28 ID:7RzMG6Xu
ちゃんとゆめみて よーかいざー
982創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 23:37:21 ID:7RzMG6Xu
あるきつづける きーみとーともに
983創る名無しに見る名無し:2009/01/14(水) 00:10:24 ID:sBpobeGB
ヨーカイザー懐かしいw
984創る名無しに見る名無し:2009/01/14(水) 01:07:03 ID:FbFKrIFw
かーいかいかい かーいかいかい
ゆかいつーかい かいぶつくんは
かいぶつらんどのぷりんすだい
かわいこちゃんにはよわいけど
あくまかいじゅうなんでもこい なんでもこい
ねんりきしゅうちゅう ぴーきぴき どかん
かいぶつらんどはだいふんか
985創る名無しに見る名無し:2009/01/14(水) 01:14:48 ID:FbFKrIFw
ハッハッハッハッ ハックション
可愛い顔して色白で知恵が回って明るくて
笑い上戸は良いけれど派手ないたずら玉に瑕
アレはどこの子、魔法の子 アクビ娘と人は言う
シュワーシュビードゥワー
アクビ娘は素敵な子
986創る名無しに見る名無し:2009/01/14(水) 01:18:29 ID:FbFKrIFw
やみにかくれていきる
おれたちゃよーかいにんげんなのさ
ひとにすがたをみせられぬ
けもののようなこのからだ
「はやくにんげんになりたい!」
くらいさだめをふきとばせ
べむべらべろ ようかいにんげん
987創る名無しに見る名無し:2009/01/14(水) 01:29:46 ID:FbFKrIFw
となりのとっとろとっとーろ
988創る名無しに見る名無し:2009/01/14(水) 01:31:11 ID:FbFKrIFw
きゅっきゅっきゅ きゅっきゅっきゅきゅ
くえすちょんくえすちょん きみはだれ
けがさんぼん あっというまに きゅうたろー
989創る名無しに見る名無し:2009/01/14(水) 01:32:59 ID:FbFKrIFw
ぐるぐるめだまん おばけだぞー
990創る名無しに見る名無し:2009/01/14(水) 01:34:45 ID:FbFKrIFw
とにかくうめるぞー
991創る名無しに見る名無し:2009/01/14(水) 01:35:54 ID:H7qp06gR
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992創る名無しに見る名無し:2009/01/14(水) 01:36:25 ID:H7qp06gR
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993創る名無しに見る名無し:2009/01/14(水) 01:36:56 ID:H7qp06gR
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994創る名無しに見る名無し:2009/01/14(水) 01:37:27 ID:H7qp06gR
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995創る名無しに見る名無し:2009/01/14(水) 01:37:59 ID:H7qp06gR
対象のスレを埋葬する
996創る名無しに見る名無し:2009/01/14(水) 01:38:44 ID:H7qp06gR
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997創る名無しに見る名無し:2009/01/14(水) 01:39:33 ID:H7qp06gR
俺は連投をする。その時、1000を取らない事を選んでも良い
998創る名無しに見る名無し:2009/01/14(水) 01:40:16 ID:H7qp06gR
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999創る名無しに見る名無し:2009/01/14(水) 01:40:58 ID:H7qp06gR
どぞ
1000創る名無しに見る名無し:2009/01/14(水) 01:44:21 ID:FbFKrIFw
恥辱のワイフが君を狙っている
勇気を出すんだ 戦いはこれから
平和な楽園 夢見てやって来た
不思議な仲間が気の命令を待ってる
笛が歌えばヒューヒュー 嵐を呼ぶぜゴーゴー
手強い敵がうじゃうじゃいるぞ
ここにもそこにもあそこにも ワオ
エロいのきぼんぬ エロいのきぼんぬ
さあバランガバランガ 涙も金になる
エロいのきぼんぬ エロいのきぼんぬ
さあ熱い夢が僕らの魔法だぜ
10011001
             /■\
             (_´∀`)_     創る阿呆に見る阿呆!
           /,/-_-_-_-_-_\     同じ阿呆なら
    ( (   /,, /― ((神輿))―\    創らにゃソンソン!! //
        (。'。、。@,。,。,。,。,。,。,。,。,。,。,。@  ) )
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