1 :
名無しさん@お腹いっぱい。:
質問したいけどいいかな
・性別変化方法は自由?
(変身・入れ替わり・憑依・皮etc)
・H描写はどこまでセーフ?
(♂→♀だったら、乳もみくらいか?
オナニーはさすがにアウトかもしれんなぁ)
このスレに限らず、エロ表現の限界については俺も迷うところだ
男と男のカラミだったらありなんかな?
ローカルルールは細かく明文化
されてないし、ボーイズラブがギリなのかくそみそテクニックレベルがギリ
なのかようわからん
>>2 上はなんでもおk
エロはどれくらいが大丈夫なんだろうかね…
>>4 男と女だろうが男と男だろうが女と女だろうが基準は一緒だと思う
>>4 ここは新しい板だから、ルールに従う段階じゃなくてルールを作る段階
要は進んで皆叩き台になってほしい時期じゃないかな
だからとりあえず何も考えんでガンガン投下しつつ「この辺かな?」って探っていけばいいかと
とりあえずオナニーやらセックスやらを克明に描写するのは明らかにダメだろ
ぐらいでいいかも
漫画的なかんじでいうとムフフトーンとか暗転みたいな感じか
そういえばアップローダーとかはないけど
長編SSとか漫画はどっかから借りてきてうpか?
どうもです、ショートショートでもいいから作ろうかなあ……
12 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 20:14:29 ID:p3CxSkpT
軽くいくつか構想を練ってみたんですが、
間違いなくエロエロ展開になってしまいます
エロ直前暗転、朝チュンぐらいがいいのかな
To-LOVEるレベルなエッチなら大丈夫じゃない?
読んだことないんだけど、
パンチラとか
乳が体に触れたりとか?
ToLOVEるはチラってレベルじゃなかったりw
止まってますね
止まってるんじゃあない、今考えてるんだ……たぶん
もうすぐ上がるから待っててね
よし、じゃあ投下します。♂→♀変身モノです。
-------------------------------------------------------------
目を薄く開くと、見覚えのない真っ白な天井が目に飛び込んできた。
ここは……?
まだぼんやりとした頭で、記憶をたどってみる。
朝、学校に行く。そのまま何もなく授業時間を終える。そして……それから……そうだ、放課後の化学部の実験で薬品を混ぜ間違えて……?
どうやらその後に何かあったらしい。記憶の糸はそこで途絶えていた。
意識を今に戻す。すると大体の事情が読めてきた。
ここは病院のベッドの上。どうやら結構眠っていたらしい。テレビの上に置かれたカレンダーつきの時計の日付は、最後に見た日付の三日後を指していた。
病室を物色していると、僕の名前を呼ぶ声が聞こえた。
「まこと……?」
あ、母さん。彼女は病室の入り口のところで立ち尽くしていた。突然の訪問者に僕はうまく表情を返すことができなかった。
「まことっ! ああ、よかった!」
母さんは持っていた荷物も放り出して僕の胸に抱きついてきた。……胸?
「このまま目が覚めなかったらと思うと、心配で心配で……。」
「母さん、あの……。」
目に溢れんばかりの涙を浮かべている母さん。その話をさえぎるのは気が引けるが、落ち着いてはいられなかった。
「む、むね……。」
なぜなら、胸が、膨らんでいる。僕の胸が。腫れたような感じではない。これじゃあまるで……。
母さんは黙ってうつむいた。喉がごくりと鳴る音を聞いた。
しばらく沈黙が流れたが、やがて静かに優しい声で語りかけられた。
「まこと、驚かないで聞いてね。今のあなたの体は、完全に女の子なの。」
オンナノコ?
「お医者様も首をかしげていたわ。いったいどんな実験をしたらこうなるのかって。とにかく、現代の医学では元に戻す方法はない、と。」
モドスホウホウハナイ。
「それで、無理に男に戻る方法を探るより、このまま女として生きた方が幸せなんじゃないかって。まことはどう思う?」
シアワセ……。
「まこと?」
「あ、ごめん、何?」
母さんが話した言葉を、僕の脳はうまく解釈できなかった。あわてて返事を返すと、母さんはため息混じりに、
「そうよね、いきなりこんなこと言われても実感無いわよね。ゆっくり考えなさい。」
と、僕の頭をぽんぽんと叩いて出ていった。
母さんが帰った後、僕はあわててシーツの中に手を伸ばした。
少し逡巡した後、思い切って股の間に触れてみる。無い。たったそれだけのことで、人生を全て失ったかのような気がして、涙が溢れて止まらなかった。
夕日が弧を描いてビルの谷間に赤く揺らめいている。美しい。あれからまたいつの間にか眠っていたようだ。
ふと思い立ってテレビ台の中を探ってみる。そうして見つけ出した手鏡を恐る恐る眺めてみた。
お姉ちゃんそっくりの女の子が引きつった顔で見つめ返してきた。これが、今の僕なのか。今度は不思議と素直に受け入れることができた。
手鏡を元に戻し、しばらく外を眺めていると、病室の扉が開いた。
「先生……。」
増田先生。僕の通っている高校の、化学の先生。まだ新任二年目で、僕たちと同時に「入学」してきたのだが、生徒からの人気は高い。
「すまなかった!」
「や、やめてくださいよ、先生。」
いきなりの土下座。僕は慌てて声をかける。
「俺の監督責任だ。」
増田先生は僕の所属している化学部の顧問でもあった。
しかし先生が気に病む必要は無い。なぜならあの日彼は出張で、僕は自己責任で実験していたのだから。
という旨を伝えたはずなのだが、頑なに態度を変えようとはしなかった。
「だが、俺がちゃんと君に注意していればこんなことには……。」
「分かりました、分かりましたから頭を上げてください!」
結局、不毛なやりとりを半時間ほど続けた挙句、うちの家族が見舞いに来たので帰ってしまった。
まったく仕事熱心な人だ。
退院は、あれからすぐ翌日にできた。外傷も内傷もまったく無かったらしい。人体とは不思議なものだ。
「おかえり!」
玄関で満面の笑みで迎えてくれたお姉ちゃん。
それに反して、僕は適当にただいまを返して素通り。自分の部屋でベッドに倒れる。正直疲れた。
「入っていい?」
返事をするのも面倒くさくて黙っていると、肯定と取ったのかそのまま僕の部屋に入ってきた。まったく、姉という生き物は。
「今日はお風呂一緒に入ろうか。」
「は?」
何を言い出すんだ、この人は。
「ね!」
「う……。」
涙は女の武器とはよく言うが、笑顔もまた強力な武器なんじゃないだろうかと思う。
目、キラキラさせすぎです。逆らえません。
「分かったよ……。」
目のやり場に困る。
すぐ前には大きな鏡があるし、下には見慣れないふたつのカタマリ。後ろにはお姉ちゃんが上機嫌で僕の背中を洗っている。
「一緒に入るの、小学校のとき以来だね。」
人形のように固まったまま動くことができない。だって恥ずかしすぎるじゃないか。いくら家族とはいえ、もうすぐ成年を迎える、しかも昨日まで異性だった人が真っ裸で真後ろにいる。そして僕もまた、その「異性」の姿で一糸まとわぬ姿を晒している。
「おーい、聞いてる?」
聞いてますよ聞いてます。と心の中では返事をするのだが、まるで金縛りにでもあったかのように首一つ振れなかった。
「ふふ。心配しなくてもきっとすぐに慣れるから、大丈夫だよ。」
ひととおり僕の体を洗い終えると、お姉ちゃんは洗面器で浴槽からお湯をすくって、
「ばしゃーん!」
風呂場に響いた子供のいたずらのような声がおかしくて、僕は思わずふきだした。
「やっと笑った。」
「あ。」
「ほら、そこどいたどいた。」
言うが早く椅子を占領される。しかたがないので湯船につかる。
「何かあったらさ、」
「うん?」
「いつでも頼ってきなさいよ。」
タオルを泡立てながら語るお姉ちゃん。
「これでも一応、あんたより十九年も長く女やってるんだからね。」
「うん。」
背、縮んだのかな。お姉ちゃんの背中がいつもより少し大きく見えた。
後日、家庭裁判所にて、僕は社会的にも女として認められることとなった。割と、すんなり。
人生の転機というのは未知の力による性転換をもってしても簡単に訪れるものではないらしい。
それからの僕の日常は相変わらずだった。変わったことといえば、保健体育のカリキュラムと、月に一度面倒臭いことになるくらい。
と、そう思っていた――もしくはそう思いたかっただけかもしれない――僕が自分の変化に気付かされたのは半年ほど後、ある日の夕食の席だった。
何気ない会話の何気ない一言。それを発した本人であるお姉ちゃんは、きっとすぐに忘れたんだろう。
「そういえばまことさ、最近増田先生の話よくするよね。」
しかしそれは僕の中に眠っていた得体の知れない感情を呼び起こすには十分であった。
昼下がり。僕の視線はまっすぐと、教壇に立つ男性だけに注がれていた。
胸が苦しい。授業が早く終わればいいのに。いや、永遠に続けば。いっそ家庭教師なら……。
内容は頭の上をむなしく素通りする。もっとも、この科目に限っては、聞いていなければならないようなことはとっくに理解しているのだが。
突然視界がさえぎられた。見渡すと全員席を立っている。いつチャイム鳴ったんだろう。……最近はずっとこんな調子だった。
一礼をすませると、教室を出て行く先生の後を追う。悪いことをしているわけじゃないのに、なるべく目立たないように気を配る。
「増田先生、今日の部活のことですけど……。」
「おう、先にはじめておいていいぞ。」
「はい!」
たったこれだけの会話でも心臓が飛び出そうになる。我ながらかなり重症だ。
ガスバーナーに火をつけると、ビーカーの中の液体がごぽごぽ音を立てて泡立っていく。実に化学部らしい光景だ。
「先輩!」
一年生が呼んでいる。今この場にいるのは彼と僕の二人だけだから、当然僕のことなんだろう。そんなことに気付くにもいちいちいつもより時間がかかる。もう、しゃっきりしろ! 僕。
今行く、と机に手をついて……。
「熱っ!」
机に手をついたつもりが思わずバーナーに触ってしまった。まさかそんなことをする奴がいるなんて夢にも思ってもいなかったが、それが自分だとは。笑えない。
バーナーが倒れる。それに呼応してビーカーが音を立ててはじけた。
「きゃっ!」
すごく女っぽい声。僕の口から出たとはとても信じられない。
それはともかくとして、後輩が僕の腰あたりを指差して絶句していた。なんだろうと思って見てみると、制服の上から羽織っていたカーディガンが燃えている。
ええと、ええと、どうしよう。とりあえず脱がないと危ないな。それでええっと……。
後に思う。なんであんな馬鹿なことをしたんだろう。パニック状態に陥った人は何をしでかすか分からない。
僕は脱いだカーディガンを、ガスバーナーのほうに投げ出した。そんなことをしたから火がよりいっそう早く回る。当たり前だ。
もうそれから後はあまり覚えていない。とにかくおろおろしていたら先生がやってきて、そのときはもう手遅れで、避難訓練が実際に活かされるなんて生徒たちは初めてだっただろう。
後日、案の定増田先生に呼び出された。僕はいったいどんなお叱りを賜るのだろう。いや、もしかしたら優しくなだめてくれるのかも。なんて、考えが甘いかな。
しかし彼が最初に口にしたひとことは叱咤でも激励でもなかった。
「辞表出してきた。」
意味をすぐには飲み込めなかった。
数瞬後、はっと気付いた時には叫んでいだ。
「そんな! 僕のせいで。」
「君のせいじゃないよ、誰のせいでもない。」
「でも……。」
「本当に火事の件は関係ないよ。もともと俺には教師は向いてなかったんだ。」
顔が熱い。
「じゃあ、なんでわざわざ僕だけ呼び出したりして……。」
そこから先は言葉にならなかった。うつむくと雫がこぼれて、自分が泣いているんだと分かった。
「辛い思いをさせてしまったから。改めて謝りたかったんだ。本当にすまなかった。」
ただ首を横に振ることしかできなかった。
教室に僕のすすり泣く声だけが響いて、またいっそう不安になる。
どうにか落ち着きを取り戻すと、頭の中から指令が聞こえた。今だ、今しかない、言うんだ。
「先生。」
ばっちりと目が合って、少し怖気づく。頑張れ、まこと!
「好き、でした。」
最後は消え入りそうな声だった。もう返事も聞かずに逃げ出してしまおうかと思った。半年前まで男だった生徒なんて相手にしてくれるはずない。
と、そう思っていると肩が揺れた。先生の顔が目の前にある。つまり、これは、抱き合っている形だ。
「せ、先生!」
「手がかかる子ほど可愛い、か。」
それもすぐに解放された。もっとそうしていたかったという思いもあるが、あのままだといけない気持ちになってしまいそうだった。
「今はまだ無理だけど、いつか……。」
「本当にぼ……私なんか……。」
「ああ。」
嘘じゃないかとほっぺをつねりたくなるが手が動かない。多分、顔は真っ赤だろう。
言葉に詰まった。むしろこのまま無言の時間を共有するのもいいな、とも思ったが、無情にもタイムアップはやってきた。
「じゃあ、元気でな。」
「あ、はい。先生こそ、お元気で。」
もっと何か言えないのかという気もしたが、口がうまく回らなかった。
翌日、学年集会が開かれて、先生は発っていった。
いつか、その日が来るまでに、彼にふさわしい人になる。私の女としての人生は、その時始まったのだった。
[おわり]
GJ!
初めて性別変化ものを読んだわ。
俺もさわやかで甘酸っぱいものを書いてみたいものです。
GJ!
薬ネタはよくあるなあ
しかし、少しほろ苦いエンドだな
まぁこれはこれでありか
おお!GJだ。
これならテキストもうpできそうだ
街の郊外に位置する山林、鬱蒼とする中で隠れるようにと建てられた邸宅から、駆け出すように男達が走り出す。
周囲が喧騒に包まれ、軍服を身につけた男達がトラックへと飛び移ると
山道を駆け下りるように走り出した。
茂みの中から浮かび上がる薄緑の眼光、
スニーキングスーツに身を包み暗闇に潜む男は持っていたボトルを開けると
入っていたウォトカを一息に飲み下し、持っていた拳銃をゆっくりと構える。
『ターゲットが偽の情報にかかったよ、三舟用意はいい?』
「――清水か? 今ちょうど酔いがまわってきた所だ」
山道がライトで照らされ、先ほどのトラックがゆっくりと三舟の射程距離内へと進入してくる。
足元のスイッチを踏み、小気味よくカチリと音を立てると、
道路脇に仕掛けられていた指向性地雷が炸裂し、一瞬にしてトラックを炎上、横転させた。
「敵襲だ、全周防御ッ!」
「……フン」
トラックから投げ出された男達の中でターゲットが立ち上がり、指揮を始めるのを確認し、
ゆっくりとファイファー・ツェリスカの引き金を引く、山林に轟音が轟くと同時に潜んでいた野鳥達は散り散りに飛び立つなか
ターゲットの体が宙を舞うと、地面へと投げ出された。
「始末した、これから回収ポイントへと向かう」
『うっかり足を踏み外してあの世逝き、なんてことに、ならないように注意してね』
「フッ、俺を誰だと思って――」
三舟が立ち上がろうとしたその時、三舟は足元の苔に足を取られ、その場で真後ろにひっくり返ると
偶然地面からはり出していた石に頭をぶつけ、そのまま死んでしまった。
「――う、うーん、ハッ!?」
暗転した視界の中、僅かな光を瞼の奥に感じた三舟は、その場を飛び起きるように目覚めた。
周りを見渡すと窓から入り込んでくる穏やかな風にカーテンが揺れ、遠くからは子供たちの笑い声が聞こえてくる。
リアリスティックな夢にしばらく思考を奪われていたが、ふと傍らに視線を向けると、一人の青年が驚きの表情のまま固まっているのが見えた。
「清水か……こうして顔を合わすのは久しぶりだな」
「えッ!? えぇ、そ、そうだねッ!」
「なんだ――? 俺のこ、声が妙だぞ!」
自らの声に驚愕した三舟が腰を起こそうとするが、肩にのしかかるような重みを感じ
胸元を注視すると、再び仰天した。
「な、なっ……ななな、なッ!」
「なんじゃこりゃ?」
「なんじゃこりゃぁぁーッ!!」
本来あるべきではない位置、わずかばかりに膨らんだ胸元に三舟は錯乱状態に陥る。
はたと気を取り直し、次は股下へと腕を伸ばす、しかし、彼の期待していたブツはそこから忽然と姿を消していた。
「し、清〜水〜!? ど、どういうことなのか、説明してもらおうかぁ?」
「ざんねん! ミフネのぼうけんは ここでおわってしまった!」
「説明になってない! お、俺の体はどこ行った!?」
「三舟が生前――
『俺が死んだ時には、戦友達が眠っている地中海に埋葬してくれ』
――って、遠い目をして言ってたから、もう手配して火葬にしちゃったよ?」
そういうと清水は近くにおいてあった骨壷を手に取り、手を合わせるといい加減なお経を唱え始める。
「即身成仏」
「やかましいわ! って、本当に灰になってる……な、なんてことしてくれるんだよ、お前は」
「ちょうどいい具合に研究中の肉体転移施術の献体が一体余ってたから、
君の脳をそのまま移植したんだよ、脳に埋め込んだ、インプラントをそのままにして死なれるのも面倒だったしね……」
「――命があるだけ助かったと言うべきか、というかなんで女なんだ」
その言葉を聞くや否や清水は足元においてあった紙袋からファイルの束を取り出すと
ベットの上に腰を下ろす清水に投げ渡した。
「派手に暴れまわるのだけが諜報戦じゃないよ、君にはこれから財界・財閥の御曹司たちが集まる名門校へ転入し、
彼らと接触しながら、末端から情報を引き出して貰いたい」
「産業スパイかよ――娼婦にでもやらせとけっつの」
ベットの上であぐらをかいている三舟の頭を清水が軽く小突き、
ふところから学生証を取り出すと、ポーズを取りつつ三舟の前にその学生証を差し出した。
「えーと、『三舟愛璃』? なんだこの名前」
「ふふ!下の名前は僕が新しく付けたんだ……ナイスネーミングでしょ?」
(多いよなぁ、こういう親――ババァになって、そんな名前で呼ばれる身にもなってみろっての)
「ともかく、明日からさっそく学校に潜入してもらうからよろしく!」
こうして――学園の闇に潜む巨悪に立ち向かう、
三舟権三(2×)改め三舟愛璃(16)のスニーキングミッションが始まろうとしていた。
「明日からかよ!!」
投下終了、ギャグっぽく書いてみまんた。
乙
酉やタイトルはつけないのかな?
投下乙
なんかあれか、Mr.クリスみたいな
そういうノリなやつでいいなw
>>31 不定期に書いてますので、いらないかもですね
―――――
>>30 灰色に染まったビルの街並みを静寂が支配している、朝焼けとともに立ち込めた霧が晴れ
コバルトブルーの青空が頭上を染め上げる、三舟はベットからけだるい身を起こし窓際に立つと、
Yシャツと下着一枚だけの姿から、はだけた肢体を冷ますように大きく一つ溜め息をついた。
凛とした顔立ちに腰まで伸びたつややかな長髪がブラインドから差し込む光に当てられ
ゆらゆらと光を放つ、三舟は胸元のポケットからハイライトを1本取り出すと、
愛用のジッポで火をつけ大きく息を吸い――。
「ゲホッ! ゴホッ!ガハヘッ!!」
思いっきりむせた。
「――ゲホッ! か、体が受け付けないのか?
な、なんか一気にテンション下がったな……」
「大丈夫かい? 僕が背中をさすってあげよう」
「あぁ、悪いな清水……って! 何でお前が俺の部屋にいるんだ」
何故か先ほどまで三舟が寝ていたベットから清水がブリーフ一枚で現れると、
むせて無防備になった三舟の肩に手を伸ばし背中をさすり始める。
「えぇい、き、気色の悪いッ、触るなッ!」
「僕たちの仲じゃないか、遠慮はいらないよ――さぁ、二人でもう一度夢の続きを……」
「バカぬかせーッ!!」
肩に回した手首を捻り上げ背後に回ると、膝裏に蹴りを打ち込み清水の体勢を落とし、
そのままクローゼットへと頭から突っ込むように放り投げる。
「はぁはぁ……訓練中、同じ宿舎にいた頃から薄々怪しいとは思っていたが、
まさかモノホンだったとは……油断ならん奴」
「ふふ、照れ屋さんだなぁ、あぁそうそう学校で使う制服と教材はテーブルの上に置いておいたから
あと、登下校中に変な人に話しかけられても、ついてっちゃだめだよ」
「やかましいわ、変人はしばらくそこで寝てろ」
頭から激しく流血している清水をよそに、三舟は脱衣所で手早く着替えを済ませると
Cレーションを片手に通学路を走り抜けていった。
「へっへっへ、まだ持ってんだろ? 一之瀬君よォッ!」
「今日はそれだけしか持ってきてなッス、本当ッス」
「いいから飛んでみろや、森羅万象チョコの金箔レアシール出すまでここは通さねぇぜ!」
「ちょっと待ちにゃい!」
不良からカツアゲにあっている一之瀬の横から、台詞を噛みながら颯爽と三舟が現れた。
「あぁッ!?」(台詞噛んだッス)
「だ、誰だテメェは!?」(台詞噛みやがった)
「お前のようなチンピラに名乗る名前は持ち合わせちゃいないぜ、
さぁ、さっさとそのボンボンを放してやりな!」
三舟は年齢不相応の言動でチンピラにくってかかると、ゆっくりと腰を沈めて、
一糸の乱れも見せない構えを取り、チンピラを威圧する。
「ふっ、このクラヴマガは、いつ、いかなる時・場所でも効率的に
相手を倒す為に生み出された究極の軍隊格闘技、いわば殺人技――お前如きに見切れるかな?」
「さ、殺人技だと、上等じゃねぇかぁッ!」
チンピラが襲い掛かってくるよりも早く、三舟は携帯電話を取り出すと、
目にも留まらぬスピードで電話をかけた。
「あ、もしもし、警察ですか?」
「ち、ちくしょう――覚えてやがれッ!」
「す、凄いッス! あの屈強な男をたったの一撃でッ!
一之瀬が助けた礼を言う前に三舟が後ろを向きその場を立ち去ろうとすると、
ヒョこヒョコと子犬のように一之瀬が後を追いかけてくる。
「なんだ? なんか俺に用か?」
「おいら、一之瀬豊って言う名前ッス、それでその……貴女のお名前を」
「三舟権ぞ――じゃねぇ、三舟愛璃だ」
「み、三舟さんーッ! おいらを子分にして欲しいッス!
おいら、三舟さんの為なら、な、なんでもするッス!」
細身のあどけない美少年が、弱々しい上目遣いで子犬のように目をウルウルさせ懇願するのをみた三舟は
心の奥深くから嗜虐心フツフツとわきあがってくるのを感じた。
「――よし、じゃぁお手」
「はいッス!」
「――おかわり」
「余裕ッスよ!!」
一之瀬が調子に乗って指示にのってくると、三舟はニヤリと笑みを浮かべた。
「――チンチン」
「えッ! えぇぇッ!?」
「どうした?早くやれ」
「そ、そんな、おいら恥ずかしいッス……」
顔を真っ赤にしてモジモジしている一之瀬を尻目にそそくさと三舟はその場を離れ、学校へと辿りつくと、
指定されていた教室のドアをくぐった、クラスの全員が三舟に注目すると、担任と思しき中年の教師が
三舟を黒板の前へと誘導し、自己紹介を勧めた。
「さっ、みんなに自己紹介お願いね」
「今度からこのクラスでお世話になります三舟愛璃と申します
皆さん今後ともよろしくお願いします」
無難に挨拶を済ませると、周囲の男子達から冷やかすように口笛がなる。
多少不快感を感じたが、席に着いたとき、常に戦いの中に身を置いてきた三舟にとって、
何者からの束縛も受けない真の自由とも言える、この時が何事にも変えがたいものに感じられた――
「では本日から新しくこのクラスの担任になられる『清水幸也』先生です」
「清水です、皆さんよろしくね!」
「ブーッ!!」
清水がいつもの営業スマイルを振りまきながら教室へと入ると、女生徒たちの間で黄色い歓声が巻き起こる。
三舟は「お前がそうやって女生徒たぶらかせばいいんと違うか?」と思ったが口には出さないでおいた。
一方その頃――
「で、でもおいら、三舟さんの為なら……」
一之瀬はまだ悩んでいた。
終わりッス
ノリがいいな
>>33 それ余計に必要なんじゃ…
まあ強制はしないけど
物語中で性転換するんじゃなくて設定上男と女を入れ替えた
二次創作ってのはアリなのかな?
キョン子とハルヒコみたいなの?
別にいいんじゃね
別にいいと思うけど
投下前にそういう話だと注釈つけた方がいいかも
あらこんなとこにTSスレ
いやこんなところに落ちてるんですぜお嬢さん
_、_ ω
ヽ( ,_ノ`)ノ 残念、それは私のおいなりさんだ
へノ /
(i)ノ
>
このスレの作品に感動したので自分も投下
『 入れ子人形 』
♂→♀ 皮モノ(?)
――――――――――――――――――――――――――――――
『「う、嘘だろ・・・。」
己の胸についているやけに大きな二つの塊が俺の呼吸とともに静かに上下している。
「まさか!」
とっさに自分の股間へ手を滑らせる。のっぺりした手触りに見慣れたモノの感触はない。
そばの鏡に目を走らせる。
「これが・・・俺・・・?」』
「うーむ、やっぱりTSモノのSSはいいねぇ。ラノベとかよりも断然こっちだなw。」
そういって俺はパソコンの画面を見つめながらひとりごちる。
「あーぁ、どこかで「○○」みたいなかわいい女の子に変身できるようなアイテムとかないかな
ぁ。」
もちろんそんなものが存在しないなんてことは先刻承知、まだ俺は現実と幻想の境界くらいはき
ちんとわきまえている。
まぁときどき踏み越えてしまいそうにはなるけど。
「さて、今日はもう寝るかな。」
と、俺は今まで読んでいたネット上にアップされていたテキストをメールで携帯に送る。
明日の昼休みにでも読もうという魂胆だ。
昼休みの教室。クラスメートたちがわいわいがやがやと騒いでいる。
「あっちゃん、何午前中の授業全部で寝てるのよ。夕べ何時に寝たの?」
「うるせぇなぁ。美香に言われたくはねぇよ。お前も朝のホームルームで爆睡してたじゃねぇか
。」
「はいはい二人ともストップ。俺にはどんぐりの背比べにしかみえないよ。」
「背比べって何よ!午前の授業全部を睡眠学習してるような奴と比べないでよ!私は」
「はいストップ。落ち着いて食べようよ。」
この女は飯原美香。かなり気が強くてことあるごとに俺と口げんかしている。
男のほうは篠原光也。結構無口な性格でいつも俺と美香の仲裁役である。そんな役どころからか
俺と美香からは『センセイ』って呼ばれている。
2人とも俺とは幼稚園からの腐れ縁で今でもよくつるんでいる。
ちなみに俺は高橋淳司。自分で言うのもなんだがごく普通の男子高校生である。まぁ、強いて普
通じゃないところをあげるとするならばTSモノの小説が好きだってことくらいかな。
飯を食っている間はさすがに美香も静かである。この間に夕べの小説を少しでも読み進めようと
俺は携帯を開く。
「何食べながら携帯いじってるのよ。」
といいつつ携帯の画面をヒョイと覗き込む。
「あー!なんかエロいの読んでるー!!!」
「ちょ、勝手に覗き込むなよ!」
と言いつつあわてて携帯を閉じる。
「いーけないんだーいけないんだー せーんせいに・・・」
お前はどっかの小学生か。
「まぁ、あれだ。真昼間からいかがわしいものを読むってのはあんまり感心できないぞ。」
「センセイまでそんなこというか。別にエロいものじゃねぇよ。」
「へぇぇー、そんなこと言うんだー。じゃあお姉ちゃんにみせてごらーん?」
「ちょ、うわ やめろtt・・・」
そんなこんなで今日も学校は平和であった。
そしてその夜のこと、俺は今日もTS関連の小説を読んでいた。
『「これさ、実は皮なんだよね。
こうして胸の前で爪を立てると――
ほらね。中身は男だろ?」 』
「こんな皮があったら絶対にほしいもんだなぁ。」
ため息をつきながらぼやく俺。
独り言を言いながら寝間着のシャツをまくりあげ
「それを着てさ、胸の真ん中あたりで爪を立ててこーしt・・・ってええええぇぇぇぇ―――っ!!!」
目の前の現実が信じられなかった。まさに目をうたがうとはこのことだろうと俺は思ったね。
だって信じられるか?まさにパソコンの画面に映っている小説の登場人物のごとく俺の胸の前がパックリ割れていたのだから。
あわてて裂け目を閉じる俺。するとその裂け目は何事もなかったように閉じてしまい、元に戻ってしまった。
すぐに閉じてしまったが今度はシャツを脱いだ上でもう一回爪を立ててみる。そもそも人間、特に男なんて生き物の目の前に「好奇心」という餌がぶらついてたとしたら、それをみすみす見過ごすか?否、俺なら絶対に見過ごさずに喰らいつくね。
何度か開けたり閉じたりを繰り返すうち、だんだんと開ける大きさが大きくなっていく。俺の目は裂け目の中の暗闇に吸い込まれていた。
幅にして20cmくらい開いたところだろうか。突然視界が真っ暗になった。
完全に真っ暗というのではなく一部分に穴が開いているようで、そこから部屋の景色が見えていた。
顔に手をやってみる。ごわごわしたものが自分の皮膚を覆っているようである。しかも頭だけではなく手もそれで覆われているらしい。
どうも体全体がなにかで宇宙服のような感じにすっぽりと覆われてしまっているのだと理解するのにそれほど時間はかからなかった。
どう好意的に考えても異常な状況なのだがそのときの俺の頭は正常な判断能力を失っていたようである。
まるで脱皮する動物のように、腕を、頭を動かして胸の前の裂け目から外に出ようともがく。
程なくして上半身が外に出る。脱いだ皮のようなものを見てみるとまるでどこぞの怪盗が脱ぎ捨てた変装用マスクを全身バージョンにしたようなものの上半身が力なく横たわっていた。
「ふぅ―、暑いなこれは。これはいったい・・・。あれ、なんだか声が・・・。」
はて、何故か声がおかしい。というかこれはもしかしてアレのお約束のせりふじゃないか。
脳がアドレナリンを大量放出しているのを感じる。
ふっと胸元を見る。男とは思えないほどに膨らんだ二つの塊が鎮座していた。
右手で包み込むように片方の固まりを触ってみる。大きすぎず、小さすぎず、そんな手で覆うのにちょうどいいくらいの大きさでそれはそこにあった。
「ゴクリ・・・」
俺が生唾を飲み込む音だけが部屋に響く。心臓の音が階下にいる両親に聞こえるんじゃないかってくらいに激しく波打っている。
ゆっくりと、震えながら、俺はまだ皮に包まれている股間に手を滑り込ませる。
果たして、其処には何もなかった。何もないというのには語弊があるかもしれない。正しくは其処にあるべき男性のシンボルがなかったというべきだろう。
俺は今や、完全な女になっていたのである。
つづく?
日頃から「このSSつまらないな」とか「俺ならもっとうまく書ける」なんて思い上がったことほざいていたけど、
自分で書いてみて初めて小説を創作する大変さを知りました。
もう二度とあんなことは言えませんし言いませんorz
感想:脱ぐのかよっ!!w
46 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 18:59:18 ID:/VRt62RQ
なるほど逆転の発想
乙
人が増えますようにage
もともと女だったってことか?
もともと、と言っても『皮の中身は一体何時発生したのか』を妄想すると、
色々と解釈も展開もあると思うのだけどね。
というわけで、続いたら嬉しいな。
『 入れ子人形 2 』
♂→♀ 皮モノ(?) 可逆
――――――――――――――――――――――――――――――
俺は悲鳴を上げることはなかった。常人ならここでパニックに陥ってしまうだろう。
なぜなら俺は、これまで読んできたTS小説によって仮想的にこうした状況に慣らされていたのである。
このあたりは俺の危機管理能力の高さが伺える。(ちょっと違うか)
まぁ、下手に悲鳴を上げて今の状況で親とご対面するのは極力避けたい事態である。
説明しても分かってもらえるはずもないし、ましてや俺自身もまだ理解できていない。
階下の気配を見る。幸い親はもうすでに寝ているのか大きな動きは感じない。
目下の心配が解消されると今度は別の大きな心配が頭をもたげてきた。
「これって戻れるのか・・・?」
TSにおいて可逆か不可逆かは非常に大きなファクターである。
それによりTSに対する心構えも大きく変わってくるのである。
もしも不可逆ならどうしてこうなってしまったのか原因らしい原因がない以上、
一生女として生きていく覚悟がいるかもしれない。
スキューバダイビングの潜水服を着るような感じで俺はまだ生暖かい自分の皮を身にまとう。
皮を着る際に何も引っかからずにこすれる股間の感覚が、自分が女になってしまったことを俺に突きつける。
ぶかぶかになってしまっているのは女になって体格が変わったせいだろう。TS小説ではよくあることである。
破ってしまわないように細心の注意を払いながら手、頭を皮の中に入れ、最後に胸の前の裂け目を閉じる。
まるで体に空気入れを接続されて風船みたいに膨らまされるような感覚とでも形容しようか、
はたして俺の体は元に戻っていた。人並みに筋肉のある手足、平らな胸、股間のモノ、人は故郷が一番とはよく言うが
その言葉がいかに的を射ているかがよく分かった。
これほどの安堵感を感じたのは高校の合格通知が来て以来だ。
「良かった、俺の場合は取り合えず可逆っと。」
しかし安心するにはまだ早い。脱いだ状態の皮を損傷してしまうことで今まで可逆だったものが
不可逆+ダークにまでなるということもありえない話ではない。
皮は細心の注意をもって扱わなければなるまい。
「さて、戻れることも確認したし、もう一度脱いでみようか。」
無事元に戻れることを確認した俺はもう一度胸に手をかけ、今度は足の先まで完全に脱いだ。
「元の皮はたたんで机の上においておこう。」
皮を畳む間にも二の腕に当たる自分の胸に俺のボルテージはいやでも上昇していく。
クローゼットを開けて鏡を見る
「これが・・・俺・・・?」もちろんお約束の台詞も忘れない。
鏡の中には黒髪の美しい裸の少女がいた。近づきがたい美しさではなく
誰もが寄ってくるようなかわいい的な美しさである。正直俺だと信じられない。
もし街で見かけたらぜひともお近づきになりたいと思ったことだろう。
その少女に向かって手を伸ばす。すると俺の視界に俺の手が見える。白くて、細い。
これが俺の手なんだと思うとなんだか興奮してくる
顔の前に持っていって手を握ったり開いたりしてみる。
手のひらはふっくらとしていて男のごつごつとした手とは比べ物にならないほど繊細で華奢である。
今度は手から視線を下に持っていく。形よく、ほどよく膨らんだ胸がそこにある。
「さっきはあまり触れなかったけど、こっちはどうなっているのかな。」
かすかに息が荒くなる。顔が紅くなるのを感じる。
親指と四本の指でつまむように揉んでみる。
とても柔らかい。前に太った男友達の胸をふざけて揉んでみたりしてみたが
このさわり心地は正直言ってそれをはるかに上回る。
今度は反対側の胸をわしづかみにしてみる。やはり同じように柔らかく、肌もすべすべしている。
そうやって胸をいじっているうちに体の奥からじんじんと疼くような感覚が湧き起こる。
そして俺は――――
日の出が近づき、雀たちが鳴き始める頃まで、俺は体の欲望に逆らえなかった。
つづく(?)
意外な好感触レスに感謝!
エロ表現はこんな感じでいいんでしょうかね。
とりあえず時間はかかっても今頭の中にある妄想は全部書いていきたいと思ってます。
自分は過剰なエロが好きではないのでこのスレが発展してくれることを願ってます。
おつおつ
>エロ表現はこんな感じでいいんでしょうかね。
そんなところでしょうね
セフセフですな
興味あったんでざっとスレ内容読んでみたんだけど。
あれだね、気を抜くとすぐエロに流れそうだ。……気持ちはわかり過ぎるほどわかるけどw
姉妹との入れ替わりものなら、そういうモヤモヤをクリア出来そうだけど、
そういうのって読む側としてはどうなんだろう? やっぱモヤモヤさせた方が良い?w
いらっしゃいませ。自由に書いてください
本音はモヤモヤさせた方が良いw
モヤリモヤリとやっていくのですな
おk把握いたしましたw
へ ノ
(´∀`)モヤモヤ
詳しくは語るまい。
不肖わたくし高坂諭吉(17歳)は、どういうわけか女の子になってしまったジーザス。
……いや、女の子は好きですよ? むしろ大好物ですよ?
でも、だからってだからこそ……俺を女の子にしなくてもいいじゃないですか神様!!
そりゃさ、初めは確かに喜んださ! 確かめたさ! むしろ触りまくったさ!!
もっと詳しく言えば×××××さ!!! 更に×××××さ!!!? (※板規制により削除されました。
……でもさ、虚しいんだよ。
だって、ないんですもの。
な い ん で す も の ! ! ! ! !
「無いって……何が無いのよ、ゆきっちゃんは」
訊ねてきたのはマイガール、同級生の佐藤さん。
「そりゃあ勿論、胸ですよ!?」
「わ、悪かったわね無くて!!? ていうか、マイガールって何よ!!?」
……ちょっと『フレンド』を略してみただけじゃないですか……そんなに怒らないでよ。
「お、怒ってないわよ! それに、私だって成長するもん!」
おやや。いけない、彼女は何やら勘違いされているようですよ?
生粋のジェントルっ子であるこのわたくしが、マイガール(フレンド)の胸のサイズの不満を口にするとでも思うたか!
……しかし、それをそのままに訂正するは言語道断。
何故ならば、マドモワゼルはチェスト(笑。バストではなく)のサイズを気に病んでおられるらしい。
婦女子の不都合な真実を抉るが如きは、紳士のなすべき所業ではありませぬ。
なればこそ、要すべきは婉曲な話題そらしとみつけたり!
「佐藤さん? それはもしかして『成長するもん』と『性徴ホルモン』とをかけてる訳ですな?」
「アホかーー!!」
……そう、アホです。
ないのです。
ほんと、どこ行っちゃったんだろう……胸。
だっておかしいじゃないですか。
こういう時って、
「あれれあれ? 俺なんで女になっちゃってるんだろう? こんな大きくて柔らかいボインまであるしどぎまぎ☆」
みたいに、なるものじゃないですか。
そりゃあ、アレですよ? 下半身なんて×××××で色だって素敵な×××××だったし!(再び規制削除
もうね、堪能させて頂きましたともさ!!
なのに!!
何で、胸だけ全然変わってないんですか!!?
「胸ってさ、揉めば大きくなるって、アレ本当なのかなぁ……?」
「それは独り言なのか? 私へのあてつけで言ってんのか!? そこんとこどうなの!?」
「…………」
「む、私の胸を見ないでよっ!?」
「佐藤さんは、胸が(俺より)大きくて良いよね」
「な……!?」
お口をぱくぱく佐藤さん。……あ、これ。指突っ込みたいなぁ。
突っ込むといえば。
いつの間に、夜ごと俺を悩ませたそういったリビドーは、霧が晴れるように無くなっていた。
元々が女顔である。最も顕著な男女差異である胸も、幸か不幸か小さいおかげで、日常生活もさほど変わらぬままだ。
もうしばらくは……それがいつまでなのかはわからないが、社会的には男のままで通せるだろう。
だからこそ俺は、今のこの状況を、深く思い悩まずにいられるのかもしれない。
「まあこれも、人生の大きなスパンから見れば、小さい悩みなのかもね」
「ち、小さいって言うな!?」
「…………」
彼女に。
この俺の最も大事な……ガールフレンドである、この女に。
今の俺の状況を話したとしたら……或いは、それも変わるのだろうか?
「佐藤さん?」
「何よ?」
「今度さ、俺の胸揉んでよ」
「な……!?」
二回目なので、今度は指を突っ込んでみた。
思いっきり噛まれた。
予定よりちょっと早い時間に起きちゃったので、勢いで書いてみた。
あぶねぇ、ぎりぎり60行だったぜ!
モヤモヤ分が全くないけど全然気にしないぜ!
勢いは伝わったぜ!
GJ! なんだか別種のモヤモヤを感じる。それが心地よい感じで良いな
やはりちょっと違ったか……むずいな。
TS百合コメディっぽくしたかったんだが、冷静に読み直してみたら全然違うねこれ。何だこのテンション。
やはり百合に必要なのは純潔さか……花言葉の通りだ。上手く出来てる。
よし! 森奈津子を読み直すことにするぜ!
別種のモヤモヤというか、感じたままそのものズバリで良かったのか!
表面上変わらない日常と変化した自分の交差点に彼女が居る状況が
たまらなく美味しいです。ごちそうさまでした。
想定と違うとしても良い意味で裏切られたのだけど、次回もそうなりそうな予感がw
『入れ子人形 3』
「・・・ん、・・・ちゃん・・・」
「あっちゃん!!!」
そんな大声にたたき起こされて俺は突っ伏していた机から顔を上げる。
「・・・なんだよ、美香。」
黙って指を指す美香、その先に目をやる。
「目が覚めたんなら教科書読んでくれるか。」
困り顔の先生がいた。
―――――――――――
その日の昼、いつものように3人が集まる。
「あっちゃんここ最近毎日のように寝てるよねー。もしかして、例の小説で毎日お楽しみ〜?」
ニヤニヤ笑いながらそう問いかける美香。
「うーん、まぁあれだ。若いのは結構なことだが・・・」
美香に追随する光也ことセンセイ。
当たらずとも遠からず、小説ではなくて現実なんだなこれが。
俺はもくもくと弁当を口に運ぶ。
つれない俺を見てつまらなそうな顔をしながら別の話題を振る
「そうそう、明日はどこいく?」
何のことはない毎週土曜日はいつも3人で遊びに行ったり図書館で勉強したりしているのである。
「あぁ、俺パス」
口に入った飯を飲み込みそう答える俺
「僕も今回は遠慮しておくよ。ちょっと用事があってね。」
他人の申し出を断るとはセンセイにしてはめずらしい。
「えぇー!二人とも来ないの!?センセイはともかくあっちゃんはなんで来ないのよ!」
「ともかくってなんだよともかくって。俺にだって用事くらいはあるんだよ!」
不機嫌そうな顔をする美香。
そんな美香をよそに、俺は自身の身に起こった一連の出来事に思いをはせていた。
人の中に人がいた。皮で変身するならともかくその逆とはTS系の小説にもそうそうないシチュエーションだろうな。(現実にはそうそうどころかありえない部類に入るが)
中の人などいない!なんて旧いネットのネタがしゃれにならないな。
さて、今日は金曜日、明日は待ちに待った休日だ。
普段なら休日は3人でつるむ以外にすることも別段なかったが今回は別だ。
俺の中の人のための服を最低限一着は買わなければならない。
今までは夜中、親の寝静まった時間にこっそり脱いで楽しんでいたのだがやっぱ家の中だけじゃつまらないんだよな。
せっかくの休日なんだから外へ出てなんぼだと思うわけだ。
「いーもんいーもん!一人で休みをエンジョイするもん!」
美香はセンセイに当り散らしていた。
土曜日の朝は良く晴れていた。
今日は折りよく両親は朝から出かけている。夜まで帰ってこないとのことだ。もしも出かける予定がなかったら親が起きる前に家を出なければならないところだった。幸先のいいことである。
親の車のエンジン音がすっかり消えたのを見計らって俺は自分の胸に手をかける。
そして俺の抜け殻とでも言うべきモノをベッドの上に広げる。
部屋の中を見回してみる。
「やっぱり、今まで感じてきたけど男のときよりも視線が低いな。」
身動きすると視界の端々に白くて細い腕や長くて柔らかい黒髪、豊満な胸(ちなみに目分量によると恐らく美香よりも大きい)が存在を主張する。
それら全てが自分が女になってしまっていることを実感させてくれる。
「さて、たしかここにあったはずだけど・・・」
しばらく裸で歩き回った後、衣装箱を引っ張り出して中身をかき回す。
確か着れなくなった昔の服がこの中に保管されているはずだった。
「これとこれと、これでよしっと。」
ほどなくして箱の中で一番小さいサイズのシャツと上着、ジーンズを引っ張り出す。
一番小さいものを選んだのだがそれでもシャツは少し大きいようだ。
女性向けの下着は流石になかったので無しで着る。
「やっぱりブラジャーがないと擦れて痛いな。まぁ店で買ってくるまで我慢するしかないか。」
ふと目に付いた三面鏡の前まで行ってクルリと回転してみる。
「やっぱりかわいいな。今でもこれが自分だなんて信じられないよ。」
ふわっと広がった髪と胸、ウェスト、ヒップにかけてのラインがそそられる。
まさに俺の理想の女子高生だぜ。
「私、前原美香。今日はショッピングに行くの。楽しみだなぁ♪」
なんて適当な偽名作ってノリノリでポーズをとりながら喋ってみる。意外に様になるから困る。
「まぁこんなぶりっ子口調は疲れるからやらないだろうな。」
箱を片付けながらごちる。
カバンの一番下に傷つかないように厳重に布で包んだ抜け殻と男のときの服をつめる。
それ以外は普通の外出で入用なものを見繕って詰め込む。
「さて、これで準備OK!さっさと買い物済ませてこの体でめいっぱい楽しもうか!」
俺は外へ飛び出した。
+ +
∧_∧ +
(0゜・∀・) ワクワクテカテカ
(0゜∪ ∪ +
と__)__) +
続きwktk
拝啓 姉上様(脳内)
麗しき貴女様の不肖にして最愛の弟、高坂諭吉(セヴントゥィーン)は、女の子になってしまいました。
「というわけでプールなんですよヒャホーイ!」
「ゆきっちゃんテンション高すぎ!?」
はい。そうなんです。
プール! そう、プー――――――ルなんです。 忘 れ て ま し た !
「……これは例年以上の浮かれ方だわ……」
失敬な、佐藤さん。浮かれてなどおりませぬ。ぬ。ぬ。
だってねぇ。
社会的にはどうあれ、今の俺は、乙女なんですよ? それなのに水泳パンツ一丁なんですよ? ダーリンほんまにどうするっちゃ?
「……私、プールが合同なのはすごく罪な事なんだって、君を見てて思ったわ……」
ファッキンジーザス!? またこの娘っ子は神をも恐れぬ勘違いを!?
「違うんですぜよ、佐藤さん!? 真に罪なのは、そのなだらかなベジェ曲線なのぜよ!?」
ベジェ曲線? 勿論俺も何なのか知りませんよ?
「って、これも違うのぜよ! 俺が悩んでいるのはもっと日本の夜明けを見据えたノーブル且つノーブラな」
「エロネタは禁止!! あとインチキ竜馬弁もやめなさい!」
なんてこったい! 俺の才谷梅太郎さん(偽名)語調を否定されるなんて!?
ではなくて。
そうです。身体が女でも社会的に男ってことは、プールも男として入るわけで。……これは!? ま、まいっちんぐ!!?
……ちくせう! 何でこういう時ばっか、俺は男じゃないんだよ。俺だってそんなの男として見たいよ!
ていうか、俺が見られちゃうんじゃん!!?
「……鬱だ。プール、休もうかな……」
「どどどどどど!? どうしたのよ、ゆきっちゃん!? おかしいよ! 君の大好きなスクール水着なのよ!?」
「反応がコミカルだ」
「……実験素体である諭吉君に起こった事象を、客観的かつ科学的に分析しましょう」
「反応がケミカルだ」
いや、適当にツッコんでますが。
佐藤さんが時々見せるこういうボケ、好きだなぁ。
「……デジカメを買いました」
「反応が……えっと、コニカミ○ルタ?」
もはやあってるんだか、いないんだか。
「じゃなくて。……そうだなぁ、佐藤さんは人前にパンツ一丁で出なきゃならなくなったら、どうする?」
「ぅゎ……唐突に何そのシチュエーション?」
退かないでよ! 正直自分でもそれってどうよって思ったさ!! ていうか乳丸出しは俺だってひくわ!!
でもでもでも! 実際そのまんまの悩みなんですもの……。
「んー、絶対にやらなきゃいけないの? ……そうだなぁ、開き直る、かな」
「えぇ!? やっちゃうの!?」
「何その反応!? 真面目に答えた私がアホみたいじゃん!?」
いえ、むしろ俺がというか。想定されるべき状況がアホです。
「パンツとか裸とか、気にしてられない状況なんでしょ? やらなきゃいけないなら、自分を騙してでも自分にやらせる」
「……でもさ。裸を見せて、それで人生が変わっちゃうのかもしれないんだよ?」
相手が佐藤さんだから、気楽に話せるけど……俺だって正直、怖いんだ。
俺を見る周囲の目が――決定的に変わってしまうかもしれないのは。
「でもそれは……まぁ、んー……選択の重さ次第かな」
「重さ、か。……確かにその通り、なんだよな」
「……でもさ? 女の子といっても、みんなのママと同じ物がついてるだけだよ? 妄想過剰なんじゃないの?」
「思春期特有の異性の身体への関心を一瞬で萎えさせた!?」
ごめん。ツッコミ長かった。
でも。
佐藤さんの言うとおり、気にしても仕方ないのかもしれない。
俺が皆に女の子だってばれる日までは――俺はこの身を偽る為、足掻き続けるしかないのだから。
……ありがとう。佐藤さん。
「……よし、やってみるか。まぁどうせ、ぺったんこなんだしねっ」
「き、貴様ァッ!! 真面目に答えてあげた私に、それが言う事かぁっ!!!」
……口は災いの元でした。
後日談。
何事もなく、普通にプール授業を受けられましたとさ。
……姉さん、ないものには確かに気付きようがないんだけど……それはそれでヘコむんだ……。
という訳で、まさかの第二弾でしたとさ
……TS+プールなんて美味しいシチュでなんでこんなことに……
乙
まあこの話的にはそれで正解じゃねw
上がっちった、まあいいけど
>「……でもさ? 女の子といっても、みんなのママと同じ物がついてるだけだよ? 妄想過剰なんじゃないの?」
いや、一人一人違ってそれを色々堪能するから楽しいんじゃないか
二週間もスレが止まってるのは誠に遺憾だぜ……
このままじゃいかんとは思ってるんだが…
という訳でGGGに出張して書いてきましたw
……あのシリーズに関しては、やたらと気楽に書いちゃってる気がするぜ……
現行Gスレが落ちた頃に、書き直して転載するのかもしれません???
こっそりカサカサ
TSってらんまみたいな感じだよな
何の略なんだ?
トランスフォーマー・スペシャル?
Tがトランスなんたらっていうのは確かだろうな
2回目ようこそw
>>76 うん。あとわりとよく代表で出るのがかしまし
なんとなく把握した
せくしゃるがとらんすするのか
理解理解〜
森永あいの「僕と彼女の×××」を思い出した
あれ?僕女の子になっちゃってるーとか
私、男になっちゃったの…とかやるわけだな
>>83 そういや入れ替わりってまだ来てないな
>>84 Yes! Yes! Yes!
2人同時に事故にあって中身が入れ替わるなんてのは王道だよな
朝。
窓から差し込む日の光で私は目を覚ましてしまった。
今日は休日なので遅くまで寝ていられるというのに。
太陽を睨みつけるわけにもいかないので、抗議のつもりで布団をかぶり直した。
寝返りをうつ。
「んんっ……」
……今の低い声は、一体誰のものだ?
自慢ではないが、私の声はもっと高くて澄んでいて綺麗なはずだ。
だから、可能性としては誰かが布団に忍び込んでいる線が濃厚だ。
「…………」
まあ、いいか。
減るものじゃないし。
「―――っ!?」
そんなわけがない。
私は跳ね起き、布団を体から引き剥がした。
目は完全に覚めてしまったが、そんな事を言っている場合ではない。
「……誰もいない?」
首をかしげた。
布団の中には私以外の人間はおらず、跳ね起き布団を剥がしたのも全くの無駄だった。
だが、おかげで自分の体に何が起こっているのかがハッキリとわかった。
股間に、全く見慣れないテントが張られていたのだから。
―――そう、声の主は私自身だったのだ。
鏡で自分の姿を確認した。
女顔の少年がそこにいたが、顔のつくりはほとんど変化がないので当然のことだろう。
目立った変化は、少し出ている喉仏。
「少し時期が早いけど、これならマフラーで隠せないこともないかな」
とりあえず病院に行こうと決めたが、道中変態扱いされるのも面白くはない。
私は女物の服しか持っていないので、男の体になっても女物の服を着るしかないのだ。
こんなことになるなら実家暮らしをしていれば良かったと思わなくもない。
……しかし、誰が自分の性別が突然変化すると予想出来るだろうか?
「保険証は……使えるのかな」
今は少々懐が寂しいのだ。
何を呑気な事をと思うかもしれないが、混乱していてもはじまらない。
それに、金銭は老若男女共通の問題だ。
「あっ」
違和感を感じ、声をあげた。
朝は元気になるとは知っていたが、こんなになるとは思ってはいなかった。
というか、いつこれは落ち着くのだろうか?
「どうしよう……」
こればっかりは、女物ではまずいだろう。
正直、締め付けられて痛いし。
「……男物のパンツが必要だよね」
結局保険証を使うことはなかったのだが、今考えてみるとあの時の私は大分混乱していた。
なにせ、そんなくだらない事を考えていたのだから。
こんな感じですかい?
おお、初♀→♂
続きが気になる終わり方だ
他の登場人物が出てこない孤独感みたいなのも、これまでの投下作にはなかったパターンかも?
……続きを期待しても良いのかい?
予定は未定で気が向いたらで〜
>>94 乙でしたっ
少しずつ女性に変化して行く主人公の心象を、季節とともに色を染める紅葉に託してる訳だね。
移り変わる心のグラデーションが美しい作品でした。重ねて乙です!
女の心象って何だ
と突っ込みたくなるけど
最下位記念
98 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/28(火) 08:29:10 ID:cjTq33ri
あげ
ビッテンフェルトがTSとな!?
100げと
今月は先にこっちに投下することにしようかな
103 :
創る名無しに見る名無し:2008/11/20(木) 22:59:16 ID:JtgbjLWH
風邪
把握
はっちゃけたらなんか割と早くできたw
悪友が風邪を引いた。
馬鹿は風邪を引かないということわざがあるが、それを無視して風邪を引くあたり相当の馬鹿なのだろう。
とりあえず授業を休んで見舞いに来てやった。ああ、俺ってなんて友達想いなんだろう。
インターホンを鳴らすとパジャマ姿の可愛い娘が出迎えてくれた。
ショートカットで顔つきはなんとなくアイツに似ているな。
「こんにちは……妹さん?」
「俺が一人っ子なの知ってるだろ。」
ん? 今この娘が言ったの? ダメだよお嬢さん、そんな乱暴な言葉遣いしちゃ。で、誰?
「えっと……じゃあどちらさまでしょうか。」
美少女はため息をついてオーバーに告げた。
「目に映るものに惑わされるなんて、俺たちの友情はそんな程度だったのか。悲しいぞ、親友。」
リビングに案内されソファに腰掛けると、俺は早速問い詰めた。
「で、なんでそんなことになってるんだ?」
「こーゆー風邪なんだよ。」
ふーん、と適当に相槌を打ちながら全身を眺める。すっかり女の子だ。しかも俺好みの体型。
俺の視線に気付いたのか、奴は慌てて付け加えた。
「しばらくしたら治る。」
「治るのかよ。」
時計の秒針の音だけが三回ほど響いて、
「治らないほうがいいのか。」
「そりゃそうだろ。」
「……ばか。」
なんだよその反応。いつもみたいにもっと憎まれ口を叩けよ。
可愛いじゃねえかちくしょう。
「さあ、じゃあせっかく来てもらった、ん……」
「おいっ!」
奴は立ち上がろうとしてこっちに倒れてきた。
熱があるみたいだ。ちゃんと風邪の症状も出てるんじゃないか。
「あれ……?」
「お目覚めですか、お姫様。」
あれからアイツの部屋に担ぎ込んだ。
「変なこと……してないよね。」
「するわけねえだろ。」
ごめんなさい、ごめんなさい。すました顔してるけど本当は何かやりたくてたまりませんでした。
だってお前が悪いんだぞ、そんなやらかくていい匂いしてるから。
だが神に誓ってもいい。俺は本当に何もしていない。
「ぷっ。」
「なんだよ。」
長い付き合いだ、きっと俺が内心焦ってることもバレてるんだろう。
沈黙が襲った。元はどうあれ若い男女が同じ部屋にいるという状況、気まずい。
「あ、ごめん。俺もう帰るわ。」
「え?」
そんな意外そうとも残念そうとも思える声を出されると困るじゃないか。
「俺学校行かないと卒業ヤバいんだわ。」
本当に行くかどうかは気分次第だが。
「そんなの今更変わんないだろ。」
と、彼女は笑ってくれた。
ああ、君の笑顔。もう二度と会うことがなくても忘れないよ。
さようなら、三十二回目の初恋。
数日後。
「よっ、美少女!」
「うるせえ! 前のお前ほどじゃねえよ。」
うつされました。
本当はことわざじゃないから間違えないでね><
引き続きお題募集
可愛いなw
萌えました。
御題…
「女子高」もしくは「男子校」で
>>104の「風邪」で書いてみました。
とりあえず前半投下。
喉が、かわいていた。
理由は判っている。口で息をしていたからだ。
鼻が詰まりに詰まりきっていた。キムチラーメンの匂いさえ、今のオレにはわかりそうにない。
「う゛ー」
濁った声を漏らして、オレは重たい布団をはねのけ、体を起こした。
「くすりのばなきゃ」
ハンテンを羽織って、ベッドから降りる。フローリングの床の冷たさに、背筋が震えた。
台所に出て、水をコップに半分もらう。
何の変哲もない、秋も深まった週の火曜日だ。家族はあらかた出払っていて、オレのような病人が一人だけ、ぽつんと取り残されている。
体が弱っていると、そんなことが妙に寂しく感じられるものだ。
(藤枝みやこさん)
病人特有の脈絡のないインスピレーションで、クラスメートの女子の可憐な横顔を思い浮かべる。
(みたいな、かわいい女の子が看病してくれたらなあ)
……訂正。風邪とかあんまり関係なく、やっぱりオレは石和亮だった。あんまり嬉しくないことに。
オレは風邪薬をてのひらに出し、いっきにあおった。ぬるい水道水が、じわりと喉を滑り落ち――
数秒もせずに、強烈な眠気が襲ってくる。
「……ふあ?」
半端なうめき声を、オレは絞り出した。
「えむ……ねぶ……」
ろれつが回らない。
何だこれ。おかしい。絶対おかしい。何か。なんだか。
そこから先の思考は、深い深い眠りに溶けてしまった。
*****
わたしは小さく咳をして、口元を押さえた。
喉が痛い。もう三日もこんな感じだ。
(日曜日、つぶれちゃったよー)
未練たらしくそんなことを考えて、がっくりと肩を落とす。
(あーあ……)
布団の中で、寝返りを打つ。
わたしとママしかいない藤枝家は妙に静かで、なんだかちょっと白々しい。まるで、自分の家じゃないみたいに。
(石和クンみたいな明るい男の子が、遊びに来てくれたらなあ)
そんなことを考えてしまう。風邪をひいてても、考えることはあんまり変わらないようだ。わたしって子は。
わたしはベッドサイドへ視線をやった。お気に入りのビーンズテーブルに、ぬるま湯のポットと切り分けた錠剤の包みが置かれている。
寝ている間に、ママが置いてくれたみたいだ。
「ありがとねー」
がらがら声で呟いて、わたしは薬に手を伸ばす。
薬の封を外して、そっと飲み込んで――
コップに手を伸ばすころには、わたしは泥のように眠り込んでいた。
*****
朝陽が差し込んでいる。
オレは目を覚ました。
体が軽い。鼻ももう詰まっていない。その代わり、喉が少しだけ痛んだ。
(……治りかけてんのに、今更別のことが痛み始めてきたんかよ)
明るい光の中で身を起し、喉をそっと押える。
三日も伏せっていると、人間も変わるものだ。オレの喉はなぜか、どきっとするほど細くなっていた。
「やつれたかなあ」
――世にも妙なる可憐な声が、オレの耳朶をそっと叩いた。
「え?」
ああ、ほれぼれするほど可愛い声!
「あれ?」
いいなあ、実にいい!
「……」
オレが黙ると、声も黙った。
オレは恐る恐る、もう一度口を開く。
「拇印」
こら! そんな声でそんなこと言うんじゃありません!
「なめこのみそしる」
なんですかはしたない!
「……マンギョンボン号」
まったく! そんなこと!
そしてオレはまた、ふつりと沈黙した。
当然のようにまた、声も聞こえなくなってしまう。
オレはおもむろに視線を下げ、自分の手をじっと見つめた。
白魚を並べたような、というのだろうか。そんななまぐさそうなのはみじんも感じられない、とにかく清潔で白く、美しい手だった。いつ見てもどの時期でも竹刀の握りダコや古傷でボロボロなオレの手とは、比べ物にならないくらいに。
オレの手とは、比べ物に――
オレは周囲を見回した。
綺麗な部屋だ。本棚その他には淡い色合いのカーテンがかけられ、勉強机の上には消しゴムのかす一つ落ちていない。
何よりマンガが見当たらない。オレのバイブルであるところの「六三四の剣」も、ぼろぼろになるまで読み返された「DRAGON BALL完全版」も、この清潔な部屋には影も形も見当たらなかった。
片付けられたとか捨てられたとか、そういうレベルじゃない。
これでは、まるで。
「女の子の、部屋?」
ああっ、戸惑い気味のこの声がまた可愛いったらありゃしないのだ! こんな至近距離で女の子の声聞いたこと、今までなかったぜ!
無駄にテンションを上げながら、オレはベッドを降りた。
もこもこした部屋履きがベッドサイドに揃えてあるのに気付き、恐る恐る爪先を差し込む。
すげえ、ちょう暖かい。何これ、文明の勝利?
部屋の隅には、学生鞄が置かれていた。オレと同じ学校の、同じくらいにすり減った、真っ黒な手提げ鞄。
カチリ、と音を立てて留め金を外し、中に手を突っ込む。
「……」
申し訳なくなるくらいにびっしり書き込まれてボロボロになった数学の教科書を、オレのやたらに美しい左手が掴んだ。
裏表紙に書かれた綺麗な字へ、目を通す。
『2-B 藤枝みやこ』
オレは迷わず、邪魔なパジャマを脱ぎ捨てた。
*****
「何、これえ……」
律儀に学校に来ていながら、わたしは頭を抱えていた。
いや、うん。わたしは頭を抱えているけど、頭を抱えているのはわたしじゃない。
今って、そんな状況だ。
「よっス!」
勢いよく声がかけられて、わたしの背中を誰かがばあん! と叩いた。
「きゃあ?!」
そんなに痛いわけでもなかったけど、そんなに乱暴にされたことなんてなくって、わたしは思わずよろめいてしまう。
「イサワあ?」
なんかすごく嫌そうな声で、わたしの後ろに立っていた男の子が言った。
「何お前、今日はカマキャラで押すの?」
何を言っているのかいまいちよくわかんなくて、わたしは曖昧に微笑んだ。
詰まったままの鼻を、すん、と鳴らす。
クラスの男の子だ。いつも石和くんといっしょにいる。石和くんはこの子のこと、なんて呼んでたっけ――
「キーチ、おはよっ」
ぎこちなく言ったわたしの言葉に、なぜだか彼は「うえー」と呻いた。
「面白くないとは言わねーけどさあ。たぶんアレだぜ、あとから思い出したらぜってー黒歴史だぜ?」
「歴史? 今日テストだったっけ」
「……イサワあ〜?」
ああ、もう。会話できてないじゃない、わたしのバカ!
*****
ブラジャーのつけかたはそんなに間違っていないはずだ。ただ妙に、背中がちくちくした。
オレはしきりに背中を気にしながら、鞄を片手にぶらぶら下げて道を歩く。
思ってたより短いスカートが、歩くたびにさらさら揺れて腿を撫でた。
またこの腿がほっそいのだ。ぴっちり閉じると丁度付け根のところに小さな逆三角形の隙間ができる。魅惑のバミューダ・トライアングル! かなうことならここにダイブして溺れ死にたい。
――とりあえず間違いなく、オレは今、違う人間の体を動かしていた。
それもほぼ100%、クラスメイトの藤枝みやびの体をだ。
おへその横に小さなほくろがあるのと、右乳首の脇に薄茶のほくろのようなしみのような斑点がひとつぽつんとあるのだけは、朝の少ない時間の中でも確認できた。
あと、藤枝はたぶん母親似だというのも、この少ない時間で得た貴重な情報だった。
朝の食卓で見た、藤枝オヤジのごつさといったらなかった。ウチの道場の師範より、さらに一回りでかい。
だというのに嫁は妙に色っぽい、若々しい美人で、エプロンの上からもわかるボンキュッボン(死語)で、声もやっぱり妙に色っぽくて、畜生返す返すもうらやましいオレに代われ藤枝オヤジ。代わってくださいお願いします。
「おはよっ、みやこちゃん。風邪大丈夫だった?」
いきなり背後から掛けられた声に、オレはくるりと振り向いてスカートのすそをちょいと摘まんだ。
「おはようございませませ、ごめんうるわしくていかが?」
「……は?」
唖然と立っているクラスの女子に、嫣然と微笑む。
「あたくしたった今この瞬間に少々なんというか小用がこさえられてしまいましたの。ごきげんあそばせ」
「み、みやこちゃん?」
「チャーオ!」
二、三回勢いよくターンをしてスカートの裾を綺麗に開き、オレはそのままの勢いで、校門近くに立つ学ラン二人組の方へ突撃した。
*****
「なんだよイサワよお、熱でちょっと頭アレしたのか?」
「ち、違うの。ほら、いや、うん、そう、まだ熱で頭が――」
あたふたと言い訳を続けるわたしの視界に、信じられないものが飛び込んでくる。
両腕を真っ直ぐ横に広げ――
前のめりに走ってきて――
「キーイィィィィン!」
そんなことを叫んでいる――
「わたしいいぃぃぃぃ?!」
どん。
わたしが、人をはねた。
今までわたしを不信の目で見ていた男子生徒の顔があっさりと視界の外に吹っ飛んで、わたしの顔がそれに入れ替わる。
「あ……あ」
口をぱくぱくさせ続けるわたしに、わたしの顔はやたら可愛らしく、アイドルのような仕草で角度をつけてウインクしてみせた。
「おはよっ、オレ様ちゃん!」
「お、おれ?」
わたしの見慣れた腕が、分厚い学生服の下のたくましい右腕にそっと絡められる。
それを石和くんの視点から見るというのはなんだかとても倒錯的で、幻想的な感じがした。
「秘密のイケナイ密談のお時間でしてよ。さあさあゴアヘッ」
――そんなわたしの思いをあっさり蹴散らかして、わたしの顔をした誰か――中身はたぶん、なんとなくわかるけど――は、石和くんの顔をしたわたしをぐいぐいと引っ張っていった。
*****
朝の屋上に、人気はない。
冷たい風が屋上の砂埃を巻き上げ、鉛色の空に消えていく。
オレは風に乱れるさらさらしたショートボブを押さえ、優しい目つきで隣に立つ男――いや女? いややっぱり男――を、見た。
「あ、あの……」
おどおどした様子で、オレの顔をした何かが、オレの声で言う。
「い、石和くん? よね……」
オレは答えない。
くちもとにニヒルな笑みを浮かべ、一気に身を乗り出す。
どきりとしてのけぞるオレの、我ながら硬く鍛え上げられた背中へ腕を回す。
ちょい、と背伸びをすると、日焼けしたオレの顔が間近に迫る。
「へっ」
間抜けた声を漏らすがさがさした唇へ、オレの柔らかく小さく桃色でジューシーでとにかくビューティフルな唇が触れた。
「……!」
湿り気を与えるようにちゅっ、と音を立てて吸い、こぼれた唾液をなめとって、おもむろに唇を離す。
そこにはなんだか悪夢に見そうなくらいにとりみだし、うろたえ、顔を真っ赤に染めた、オレがいた。
……ちょっと、これはキツいかも。
「あー、やっぱ戻らねーかー」
唇を親指の縁で拭いながら、オレは可憐な声で言う。
「キスすりゃ戻るもんじゃないかと思ったんだがなー」
「な、なっ、ななななななな」
拳を震わせ、俯き、目に涙をためる、うちの部随一の体格と剣勢を誇る剣道少年、石和亮。
オレ以外に見られなてよかったと、しんそこ思った。
「な、ななな、なにするのよう?!」
鼻づまりぎみの声――やっぱり治ってなかったか。痛む喉を、オレは軽く押える。
「だから、こーいうのってキスしたら治るパターンじゃね? って思ってさあ」
「こ、こーいうのって、どういうのなの?」
震える声で言うオレの鼻先を、細い指先でつん、とつつく。
「愛しあう男女に理不尽な災難が降りかかったときさ」
「あ、愛……」
また真っ赤になる。やめろよもう、オレの血が足りなくなっちゃうだろベイベ?
やたらいい気になりながら、オレは頭の後ろで腕を組んだ。
「藤枝さんのコト考えながら寝てたんだよ、オレさあ。そしたらこんなことになっちゃって――」
にい、と口元を歪める。
「だから、藤枝さんもそうなんだろ? オレのこと、考えてたんじゃねーの?」
「お、おれって、だから、石和くんの――」
お茶を濁そうとするようなあいまいな笑みに、ぴしゃりと応える。
「そう、このオレ! かっこよくてすてきでハンサムなクラスメートであるところの石和亮くんのこと、考えてたんでしょ?」
沈黙が落ちた。
俺の鋭い目が潤みがちに宙を泳いで、乙女チックにそっと伏せられる。
「うん……考えてた、よ」
よっしゃオッケイ!
俺は勢い良くガッツポーズを決めた。
やべー俺こんなひょんなことであっさり大人の階段登っちゃったぜおふくろ! おやじ! ありがとう! なんかすごくいろいろありがとう!
感涙にむせぶ俺に、新品のマイハニーは勢いよく水を差してくる。
「って、そんなことじゃなくってえ!」
いきなりひでえな、オイ。
「そ、その……」
少し言い淀んで、オレの声は恐る恐る言った。
「あ、あたしのこと、見たの?」
俺は爽やかな笑顔で、親指を立てた。
「彼女がおっぱい大きいとかまじ嬉しい! ありがとな!」
「……ひどい」
あ、やっはりちょっとサイテーだったみたいだ。
涙を溜めて俯く俺の顔を、俺は慌てて覗きこむ。
「いや、べつにそーいうスケベ心じゃなくてだな……パッドはいらないんじゃないかとか、ほくろかわいいよねとか」
「ひどい!」
野太い一喝と共に、すさまじい衝撃が頬を殴りつけた。
「げぶあっ」
迫力満点の悲鳴をあげて俺は吹っ飛ぶ。回る。世界が回る。意識が回る。
……ヘイ、マイハニー。
お前今、自分のパンチ力が三桁いってんの知ってたか……?
たぶん、声には出なかったのだろう。
そもそも俺の惨状になど回す余裕は、ないようだった。
踵を返して走り去る俺の広い背中が、次第に暗くなっていく。
自業自得か。
わかってるんだよ、ンなこたあ……
俺の意識は、また闇に溶けた。
*****
はみだしたorz
ワッフルワッフル
ワッフルワッフル
これは入れ替わりネタか?
少し情景が思い浮かんだ。
まったく、ニヤニヤすんなぁ!
投下乙
人が増えてうれしい
スピード感あふれる感じがいいな
後編にwktk
その異変はまず、ひとりの生徒の身に降りかかりました。
「キャー!」
太い悲鳴が寮内にこだましました。
ここは全寮制の女子学園。国内の各地から生徒を集めるほどの規模を誇ります。
「どうしたの?」
彼女たちの中には、小等部からこの学園に就学する者も多くいます。
「朝起きたら……男の子に……。」
ゆえに、
「本当? ねえ、ちょっと体見せて!」
「えっ、や……あっ!」
男性と接する機会があまり無かった者もまた多いのです。
彼女はその典型的な一例。友人の身に起きた変化に興味津々です。
これからこの部屋で何が起こったのかは皆さんのご想像におまかせします。
一人の少女を襲った、いまだ病気とも呪いとも分からぬ異変は、瞬く間に学園内を覆い尽くしました。
廊下を歩く数人の少年たち。もうすっかりこの生活にも慣れてしまったようです。
「みんな結構変わったな。」
「そう言うお前こそ。」
「男って楽でいいよね。」
どこを見渡しても男、男、男。既に学園は男子校へと化していました。
「そういえばマコトはあんまり変わんないね。」
「むしろ男の子になって可愛くなったかも。」
一番小柄なマコトくんに彼らの視線が集まります。
「えっと……そのことなんだけど、実は……。」
と、マコトくんは彼らにカードのようなものを見せました。
「健康保険証?」
「あれ? 性別欄見て。」
「おとこ……? たしか調査が終わるまでは性別変更はできないんじゃなかったっけ?」
「ってことは……。」
そうです。マコトくんは最初から男の子だったのです。
「女装して女子高へ潜入……? アニメみたいでカッコイイ!」
「今まで騙しててごめん……。」
「いいよいいよ、マコトっち可愛いし。」
「なるほどね。元から男だから変わらなかったのか。」
「いや……、その……。」
なんだか歯切れが悪いマコトくん。どうやらまだ何か隠してるようです。
「なんだよ、男らしくないぞ。はっきり言いなよ。」
「……女の子になってしまいました。」
マコトくんがそう言うや否や、一人の少年が後ろからマコトくんの制服の中に手を入れました。
「ひゃっ!」
「おお、小ぶりながらこれはこれは。」
彼にしてみれば女の子同士のスキンシップのつもりでしょうが、客観的に見るとただの痴漢行為です。
「ちょっと……やめ……。」
マコトくんはその後素敵な学園生活を送りましたとさ。
我ながらタイトル適当すぎるぜ
まだまだお題募集
これはwww
学校全体が性転換とはw
なあに学校全体とかまだまだ狭いほうだぜ
ま、まさか国全体とかのプロットもあるのか?
プロットというか…
「ぼくは、おんなのこ」でググれ
ぐぐってみた
世界中の性別逆転とかw
こんな漫画があったのね
132 :
創る名無しに見る名無し:2008/11/24(月) 23:35:29 ID:duLK8pSQ
お題募集age
じゃあ…「みんなには内緒♪」
早っw
把握
+(0゜・∀・)+
/| /^|
/|_/ |
/||| |
/||| ヽ ジー…
/| ● |
壁|人_) =;
/|γ"ヽ ノ
/|| ゙
/|ヽ_ノ|
/| |
∧_∧ ∧_∧ ∧_∧+
(0゜・∀・)0゜・∀・)0゜・∀・)
(0゜∪ ∪0゜∪ ∪0゜∪ ∪ + みんなでワクテカ
と__)_)__)_)__)_) +
今日はwktk員多いなw
ちょっと間あいたけど1レス投下するよー
「ミンナニ ナイショダヨ」
モンスターは勇者にこの世界での通貨である宝石を与えた。
「しかしよく動いたな。」
「まあね。物持ちは良い方だし。」
今僕たちは某聖三角をめぐるゲームのシリーズ第一作をプレイしている。
「別のゲームもあるよ。やってみる?」
えんじ色と白を基調としたボディに四角いコントローラ。
今ではエミュレートできる後継機も発売されているようだが、やはりオリジナルで遊ぶのは感慨深い。
いや、本当の目的はそんなことじゃなくて……わざわざ押入れをゴソゴソ探って彼にその背中を長い間見せていた理由は別にある。
「お、何があるんだ? 見せてくれよ。」
「うん。」
まだ言ってくれない。こんなに分かりやすくポーズをとっているのに。
僕はまた押入れをあさりはじめた。
「そういえばさ。」
「ん?」
「お前、最近雰囲気変わった?」
きた! 待ちに待った言葉。気付いてほしくて、ここのところずっと近くにいたのに全然何も言ってくれなくて……。
手を止めてそっと振り向く。
「やっと気付いた?」
僕は彼の手を取って、僕の左胸に当てた。心臓の鼓動が激しくなるのを感じる。
「なっ……。」
彼はその感触がなにかおかしいことに気付くと慌てて手を引っ込めた。
「お前……。」
「こっちも確かめる?」
僕はおへその辺りをぽんぽんと叩く。
「……遠慮しとく。」
笑みが止まらない。止めようとも思わないけど。
これで、あの日の約束を果たせる。
「お前、どうやって?」
「ふふ。妖精さんが来て願いを叶えてくれたの。」
あの日、一方的に取り付けた約束。男同士ではなれないと言われた関係になれる。
「僕をカノジョにしてください。」
時計の針がひとまわり、ふたまわり、とにかく長い間経って、ようやく彼は首を縦に振った。
僕が変わったことはまだ彼にしか言っていない。秘密の恋。その響きがくすぐったくて、もうしばらくこのままでいたいなと思う。
だから今のところは……、
「みんなには内緒だよ♪」
140 :
◆KazZxBP5Rc :2008/12/02(火) 21:11:00 ID:tUobGz7S
投下完了です。そして叫ぶ
*'``・* 。
| `*。
,。∩ * 書き手増え〜れ☆
+ (´・ω・`) *。+゚
`*。 ヽ、 つ *゚*
`・+。*・' ゚⊃ +゚
☆ ∪~ 。*゚
`・+。*・ ゚
お、元同姓だった恋愛成就系TSか!
いいねいいねー
>>141 TSは恋愛のパターンが増えるのがひとつの利点?だよね
投下いくよー
今回はS-1のお題に漏れた「鍋」で。
四人の男がアパートに上がってきた。田中、山田、村山、そしてここの住人である中村だ。
彼らは会社の同僚で、皆独り者である。
中村の部屋に入ると四人は準備を始めた。
買ってきた野菜を切る。コンロを取り出す。鍋にパックの煮汁をあけ火をつける。
ひととおりのセッティングが終わると、中村以外の三人はコタツに着いた。
「全員ポン酢でいいな?」
中村はキッチンに立つと、冷蔵庫からふたつのビンを取り出した。
ひとつはさきほどの発言どおりポン酢。そしてもうひとつは、中国に行ったときに買ってきた秘薬だ。
「中村! 電話鳴ってるぞ!」
誰だ、邪魔しやがって。と思ったが、すぐに部屋に戻る。
「もしもし? え? いえ、違いますが……。」
間違い電話だったようだ。
さて、気を取り直して液を小鉢に注ぐ。まずはポン酢を全員に。そして秘薬を自分以外の分に。
「ふふふ、これで俺も勝ち組だな。」
不敵な笑みを浮かべる中村。
なんでもこの薬には古い言い伝えがある。
昔々呪いによって男子しか生まれなくなった村があった。その村が存亡をかけて生み出した女体化の秘薬がこれだというのだ。
湯気が一気に部屋の中に広がる。
「さて、じゃあ鍋パーティを始めますか。」
「パーティって柄じゃないだろ。」
「はい、皆さんジョッキを持ちましてー。カンパーイ!」
四人はアツアツの鍋をつつきはじめた。
「おい、中村、大丈夫か?」
早くも酔いが回ったのだろうか。少しして中村は強烈なめまいに襲われた。
「ん。ちょっと横になるわ。」
三人の変化を目の当たりにできないのは残念だが、目が覚めたら三人の美女が……と思うと楽しみでもあった。
「ん……。」
「気がついたか。」
薄目を開けると三人の男たち。まだ効いてなかったのか。体を起こそうとしたそのとき。
「あれ?」
目の前には二つの山。声も、出してみて分かったが高い気がする。
ぺたぺたと体を触ってみる。
「うそ……なんで俺が……。」
中村は気付かなかった。電話から戻ったときビンを取り違えていたことに。そして――おそらく製造者も――知らなかった。ポン酢に秘薬を打ち消す効果があったなんて。
美女になったのは中村のほうだった。
「その口ぶりは私達の身に起こるはずのことが自分に起こった感じだな。」
「しまっ……いや、そ、そんな……!」
「なるほど、これはお仕置きが必要だな。」
「えっ……ちょっと……いやあああああ!」
冬の夜は長い。
145 :
◆KazZxBP5Rc :2008/12/05(金) 00:16:18 ID:haFQJHRC
そろそろ続き物やろうかな…
まだまだお題も募集中
こいつら仲いいなwww
ポン酢に秘薬を打ち消す効果ワロタwww
反応速度に全俺が泣いた
あり
そもそも秘薬ポン酢に似てたのかw
>>148 勝手に漁られてもバレないようにラベルはがしてたとか脳内補完してくれw
まあ色は似てたんじゃね
その後全員に薬をもって
全員女にするんだろ
恋人と一緒に野球中継を見ていたら、私が男の子だった頃を思い出した。
それは、ずっと昔の話である。
「よっし! アツシ、次はスクリューだからな!」
茶色く汚れたボールを空に指し揚げて、僕は高らかに変化球を予告する。
イメージは、テレビで見たエースピッチャーの投球モーション。
ワインドアップと同時に、存在しない走者の牽制が動揺を誘う。
だがサイドスローは迷いがあってはいけない。この一球に全てを賭ける。
しかし、リリースに入るより先に、キャッチャー・アツシの抗議の声が飛んできた。
「待てって! リョウの球が本当に曲がった事、今まで一度もないぞ!」
「投げる途中で声をかけるなよ。投球妨害だぞ」
「受けるのは俺なんだよ! 変な投げ方するより、ちゃんとまっすぐ投げてくれ!」
「今度は曲がるよ!!」
そう絶対に。
もう一度、スポーツ雑誌で見たエースの写真の通りに握りこむ。
あれ? 僕とあの投手って利き腕が逆だっけ? じゃ、こうか?
でもスクリューは縦の変化だから関係ないのかな?
ま、いいか。投げちゃえ。
「って、あぶねえぇぇっ!!? 顔! 今、顔狙って飛んできたぞ!」
「ねえ、今の落ちなかった?」
「落ちてねえし、そういう問題じゃねえ!」
「ちぇー。僕も、もうちょっと手が大きかったらなぁ」
僕がそう言うと、アツシは少し顔を曇らせたようだった。
「……小学生だから仕方ないだろ?」
「うん、まあね。リトルリーグでも変化球は禁止されてるし」
日差しが強い。
僕は帽子のつばを少し下げた。
「いつか、スクリュー投げれるかなぁ?」
なんとはなしの、それは小さな呟き。
でも。
対するアツシの返答は、僕の想像もしないものだった。
「……リョウには、無理だろ」
「……私は男の子だったよね」
あの頃より大人になった私が、恋人に問い掛ける。
「ん? どうしたの、急に?」
「昔の話。スクリューボール、って言ったら思い出してくれる?」
「あぁ……あの」
何度も頷きながら、恋人は微笑んだ。
「僕も覚えてるよ」
私が、僕から私へ変わったように。
彼も、俺から僕へと変わっていた。
それは小さな、しかし戻る事の無い、時の流れの象徴だ。
「懐かしいな……」
テレビの野球では、久しぶりのヒットが出たところだった。
私の恋人――アツシはそれを一瞥するだけで、ゆっくりと天井の角を見上げた。
あの高かった空を思い出すように。
「お前とは、絶交だ!」
僕はその日から、アツシと絶交をする事になった。
といっても、一方的に僕がアツシを避けていただけなのだけど。
……何でアツシはあんな事を言ったのか。
近所の石塀に、何度もボールをぶつけている内に、何となく理解できた。
理解、出来たのだけれど。
どうして僕は、仲直りが出来なかったのだろう。
こんな形で大事な親友を失ってしまうなんて。
一人では、キャッチボールは出来ないのに。
小学校を卒業して、アツシと学校が別れる事になっても、僕らの仲が元通りになる事はなかった。
やがて中学生になった僕は、制服のスカートを穿く事にも慣れてしまった。
塀に向かってボールを投げる事も、もうない。
僕は、否――私は、女の子になったのだ。
「……それから。高校を卒業するまで、私達殆ど話さなかったよね」
「そうだったね。はは、あの頃を思い出すとなんだか照れるな」
アツシは言って、本当に照れくさそうに頭を掻いた。
私にとっては未だに苦い思い出でしかないのだが。
「ねぇ? どうしてアツシは、あんな事を言ったの?」
「んー、あれはね……」
「私が――女の子だったから?」
結局のところ、女の私が変化球を投げる事は難しい。
体格だとか手の大きさとかの、非常に単純な問題だ。
それがどうにもならない事くらい、今の私にはわかる。
あの頃は……それが悔しくて堪らなかったのだが。
「え? 違う、それは誤解だよ」
しかし、アツシは慌てて手を振ってそれを否定した。
「もっと単純な事さ。……ねぇリョウコ?」
自分の名前ながら、彼にリョウコと呼ばれるのだけは、未だに慣れない。何故かドキッとしてしまう。
「何?」
「リョウコは右利きだよね?」
「そうだけど?」
「あの頃、僕らが憧れていたピッチャー、彼は左利きだったんだけど。
実はスクリューボールっていうのは、左投げ選手の変化球の名称なんだ。
右利きの場合は同じ変化球でも、名前はシンカーに変わる」
…………。
「えっと」
それはつまり。
「私が右利きだから、スクリューは無理だっていう事?」
「うん、そうだよ」
アツシは、実に事も無げに言った。
……あぁ何だろう、目眩がする。
「ふぅ」
なんという――誤解。
思わず体中の力が抜ける。
私は。こんな勘違いで、小学生時代の彼を絶交してしまったのか。
「……ごめんなさい」
「え? なんでリョウコが謝ってるの?」
「なんか、すごく、申し訳ないです」
本気で反省。
「ちっとも女の子らしくなくて、ごめんなさい」
「ええと、まだなにか誤解があるみたいだけど。……君はね、昔から女の子らしかったよ?」
「嘘ばっかり! 慰めはいらないんだから!」
「嘘じゃないよ! 野球をしている君は、とてもかわ」
「かわ?」
アツシはしまったという顔。
だが、私だってそれは聞き捨てならない。
「とてもかわ、何?」
「ええと。
……そうそう、久しぶりにキャッチボールしようか」
何か大事な事を誤魔化された気がする。しかも下手糞に。
「まぁいいけど……その代わり、変化球の練習ね」
「ええ!?」
その提案にアツシは大げさに驚いて見せた。ふふん、大事な事をはっきり言わない彼が悪い。
テレビの野球中継も、それに同意するように歓声を上げてくれた。サヨナラヒットで試合終了だ。
「大分遅くなっちゃったけど、今こそスクリュー、じゃなくてシンカーをものにするわよ!」
今度は、ちゃんと曲がるまで付き合って貰うんだから。
おしまい
でもハルトシュラー、これだけは言わせてくれ。
内容はアレだけど、最初は確かにTS書いてたつもりだったんだゴメンよ……
やっぱりこれ実際には性別変化してないんだよな?
俺の読解力がないのかと思っちまったぜ
でも、ある意味で性別変化ではあるのか
セックスじゃなくてジェンダー的な意味では
投下キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
男の子の時から女っぽくて可愛かったアッー!で妄想変換余裕でした^^
よし、お題だ!
つ「拳銃」
やばい、だんだん短くなる病を患った。
「おい、本当に『開発者』のことは知らないんだな?」
「だから知らないって言ってるだろ!」
俺は彼に銃口を向けた。
「や、やめてくれ……頼む、それだけはやめてくれ!」
黙殺し引き金に手を掛ける。
「私には妻も子供も!」
「恨むんならあんたんとこのボスを恨みな。」
引き金を……引いた。
ここもはずれか。
彼――すでに彼女だが――が後ろで泣き喚いているここが、最後の部屋だ。
この銃がこの組織で造られたことは分かっている。
造った奴を見つけ出して絶対に元の体に戻ってやる。
改めて深く、そう決意して俺は奴らのアジトを後にした。
次から連載始まるかもです
ROMは結構いると見た
みんなかこうぜ!
いいんだな?
本当に書いちゃうぞ?
スレ凍りついて次の投下が厳しくなるぞ?
イインダヨー
162 :
近親フラグ:2008/12/11(木) 00:01:29 ID:J2sPozQM
無限に増殖し続けるお兄ちゃんを拳銃で次々撃ち殺していく夢を見て
寝汗ぐっしょりで目覚めたあたしの耳に
隣りの、お兄ちゃんの部屋から妙に甲高い、女の人のような悲鳴が聞こえ
そしてあたしは、股間に妙な異物感を感じた
さあスレよ凍れ
>>158 ぜひその組織から薬を手に入れて各地にばらまいてほしね
元に戻る?しなくていいよw
>>162 両方かよww
かき氷が食べられると聞いて
「これはね、撃つと性別が変わっちゃうピストルなのさぁ☆」
「相変わらず博士はマッドですね……しかし、それは良い事を聞きました」
「はっ!? 助手君、何を!?」
「ふはははっ、貴方のその可愛いさが私の股間を疼かせるのがいけないんですよっ博士!!」
ぱんっ☆
「ふはははっ、これで博士はおにゃのこに……ってあれ?」
「……あのね助手君。撃つと性別が変わるって、僕ちゃんと言ったじゃない」
「え? え? そっちなんですか? 撃った私が変わるってそんな……」
「でもまぁ、これで君も目的が達せられるのではないかね? ……正直、今の君を見てたら僕も///」
「そんな! 私は博士を自分のXXXでXXEXしてXXXXXした挙句、XXXXXXしてやりたかったのに!!」
「……やっぱ君クビね」
助手までキタww
博士と助手…だと…
あれ?かわいいおにゃのこの助手?
これは・・・
>>158 だんだん短くなる病と聞いて、ナニが? と思ったのはヒミツ
白い肌に、ほんのりと赤く色づく頬。
よく手入れされた小さな手が僕の体をやさしく包む。
うっとりと目をつむる顔は天使のように可愛らしい。
だけど……。
ふたりの身体の間で押しつぶされる四つのふくらみ。
その心地良い感触は、けれども僕の心まで押しつぶしていく。
僕はもう彼女と同じ生き物なんだ。
迷いを振り払うように固く目を閉じて、そっと唇を重ねた。
涙が自然とあふれてきた。
何かが足りない。
僕は、彼女と一緒になっちゃいけないんだろうか。
こうなる前に、もっと早く想いを伝えていればよかったのだろうか。
未練がましく唇を離す。
泣いている僕を見た彼女は、優しく微笑んで、手を頭の後ろに回してくれた。
きっと良い母親になれるだろう。
けれども僕といる限りそれは望めない。
僕はどうしたらいいんだろう。
なぜこんな身体になってしまったんだろう。
さまざまな思いがめぐる。
でも、今だけは何も考えたくない。
今だけは、彼女の胸の中で心ゆくまで泣いていたい。
連載の方がまだ書きあがらないのと某所が百合の流れだったので
ぼくのご主人様!?買って補給してきたぜ
百合百合だー
GJGJ!
百合だー
百合だねー
ユリだー!!
ヒャッハー百合だー!!
百合が予想以上の食いつきだなw
待たせたか待ってないかは知らないが、今回から連載はじめるぜ!
第1話『魔法少女誕生!』
夕刻、空が茜色に染まり巣に帰るカラスの黒が映える。
そして同じく我が家に帰り着く少年が一人、名前は椎名唯人。
唯人が玄関の扉を開けると、いきなりその胸に飛び込む影があった。
「ただいま、ジュニア。」
「あんっ!」
ジュニア――正式にはジャッキー・ジュニア――はこの家の愛犬である。
「おかえり。学校どうだった?」
「別にどうっていうこともないよ。」
「そっか。」
ジュニアの後ろから姿を現した女性。Tシャツにスウェットという格好で出てきたのは、唯人の姉、つかさであった。
以上、これが唯人が暮らす家の住人の全てである。
というのも、実家から遠方の高校に入学することになった唯人は、たまたま学校の近くに住んでいた社会人の姉の家に居候することになったのだ。
「姉ちゃんのほうはどうなの?」
「私も会社ではうまくやってるよ。」
「それはいいんだけどさ、そろそろ恋人とか……。」
「別に。」
「美人なのにもったいない。」
最後の言葉はつぶやく程度だったのだが睨み返されてしまった。
「もうにじゅうは……ぐはっ!」
今度は唇をちょっと動かしただけで殴られた。こんなことは椎名家では日常茶飯事だ。
「ほら、夕飯作るから、さっさと食べたいんなら手伝いなさい。」
「あいあい。」
まだ痛む頬をかばいながら唯人はキッチンへと向かった。
ご飯に味噌汁、そしてコロッケに千切りキャベツを添えた、日本ではありふれたメニュー。
いただきますを言うと、唯人はソースをかけて早速コロッケにかぶりついた。
「ただと。」
「むご?」
「いや、噛んでからでいい。」
それを聞いて一個目のコロッケをむりやり押し込んで食べきる。
「で、なに?」
「これあげる。」
手を開いて受け取ると、それはピンクのキーホルダーのようなものだった。
「何これ?」
「うーん、お守りみたいなものかな。危険が迫ったらそれに祈ってみて。ただし人のいるところはダメ。」
「お守りにしては指示が具体的じゃないか?」
「まあまあ、やってみてのお楽しみ。」
うん、これは絶対にお守りではないな。唯人は確信した。
「さ、はやく食べないと冷めちゃうぞ。」
その日はもう『お守り』に関する話はこれっきりだった。
翌日のお昼時。唯人は姉のお手製弁当を広げながら友人とだべっていた。
話題はテレビの話だの近所の美味い店だの他愛のないものだ。
皆が食べ終わった頃、一度会話がさえぎられた。
「順平! はい、借りてたCD。」
「お、サンキュ。」
すぐに再び会話が始まった後も、唯人はさっきの彼女、海瀬雅を目で追っていた。
「みやびのこと好きなんだろ?」
横からささやくのは先ほどのCDの主であり雅の幼馴染である順平。
「協力してやるぜ。」
「順平遅いね、自分から言っておいて。」
ナイス幼馴染……と言いたいところだが、いきなり二人きりというのはどうなんだろう。
放課後、唯人は雅と一緒に下駄箱のところにいた。
「ちょっと急用ができたから先に行ってて、ってさ。」
もちろん本当はそんなものはない。後ろめたさと恥ずかしさが手伝って体が汗ばむ。
「ふーん、じゃあ行きますか。」
「う、うん。」
「どんなお店かな?」
「ごめん、俺も場所しか聞いてないんだ。」
「そうなんだ。」
さっきからこんな感じでちょっと喋っては会話が止まる。気まずい沈黙がもう何度目だろう。
「すみません、ちょっとよろしいですか。」
突然目の前に男がいた。近くに曲がり角もないのに一瞬で現れた男をいぶかしがっていると、彼はこう続けた。
「あなたたちを襲わせてもらいます。」
「は?」
男が指を鳴らす。すると唯人たちの背後に影が三つでき、その中からせり上がってくるようにして異形の魔物が生まれてくる。
「椎名君、これは……?」
俺に聞かれても知らねえよ、と思ったが昨日の姉の言葉を思い出した。危険が迫ったら? このことを知っていたのか?
人のいないところ……か。まさに危害を加えようとしてるこの男は勘定外としても、雅だけは逃さなくては。
「俺があの男を抑えるから、その間に逃げて。」
「でも……。」
「いいから!」
小声で話したが、聞かれたか? どっちみちすぐに行動に移さなくては。唯人は男に飛び掛った。
「早く!」
雅は一瞬躊躇したが、このままだと二人とも危険だと判断し駆け出した。
「ちっ……。」
掴んでいた男の様子がおかしい。慌てて手を離すと男も影の魔物に変形していく。
どうすればいいんだ。いや、やることは決まっている。
「何も起きなかったら呪ってやる。」
ポケットから『お守り』を取り出すと両手で包んで祈った。神様でも仏様でもいいから助けてくれますように!
次の瞬間、唯人は時間が止まったのかと感じた。さっきまでうなっていた魔物の声も聞こえない。風も凪いでいる。それに、そろそろあるはずの攻撃も未だ受けていない。
目を開けてみるといつの間にかステッキを持っていた。それは『お守り』を大きくしたような形をしていた。
いや、「ような」ではなくてまさにそれが大きくなったものだ。唯人はすぐにそれを理解した。
しかしそれ以上のことを考える間もなく魔物が襲ってくる。唯人は反射的にはたき倒した。
「ちょっ、まだ待って! ……え?」
声が変。喉が枯れたとかそういうのではなくて、元から違っているようでむずがゆい。
喉に手を当てようと腕を体に近づけると、先にやわらかいものが腕に触れた。
「え? え?」
服装も変わっているが些細なことだ。胸が膨らんでいる。触ってみると触られた感触がある。確かに自分の胸だ。
先ほど倒した魔物が起き上がってくる。体について考えるのは後だ。
このステッキ、よく見るとちょうど持ちやすいところにボタンが四つ付いている。赤・青・緑・黄。
「なんか強そうだし赤でいいか!」
赤いボタンを押すとステッキの先から火が出た。そのまま炎はマッチのようにステッキの先に留まっている。
「あれ? 熱く……ない?」
手を近づけても、恐る恐る触れてみても、熱さも痛みも無い。しかしこれでいいようだ。なぜなら魔物たちが怖がっているから。
「いっけぇー!!」
ステッキを振り下ろすと炎は瞬く間に飛んでいき、魔物の体を焼き焦がした。
「よしっ!」
すかざず振り返って残りの二匹も始末する。
「はぁ……。」
緊張から解放されて思いっきりその場に座り込んだ。
さっきまで焦っていたので気付かなかったのだが、どうして自分はミニスカートなど履いているんだろう。
両手ですそを押さえ込む。
「あれ?」
また違和感がある。そういえば胸も膨らんでいた。もしかして……。唯人はゆっくりと手を股間に持っていく。
「ない……。」
頭が真っ白になった。これって、つまり、そういうことなんだろう。
「俺、女の子になってる?」
現実逃避のためかどうかは知らないが、唯人の頭は直ちに別のことを思い出させていた。
「……一匹足りない。」
最初に現れた魔物は三匹、男が変化したのが一匹。しかし唯人が倒したのは三匹だった。
追わなくちゃ。それに、必死に追っている間は体のことを考えなくてすむ。
悲鳴が聞こえた。あっちの方角にいる。走っているときにちらりとカーブミラーに美少女が映ったような気がするが気にしない。
唯人が駆けつけたときに見たものは、今にも魔物に襲われようとしている雅だった。
「ふぁ、ファイヤー!」
ギリギリで炎を浴びせると、魔物はもがき、溶けていった。
「ありがとうございます。えっと、お名前は?」
彼女は目の前の少女が唯人であることを知らない。
唯人は瞬間考えた。自分が唯人だと名乗るのもおかしいし、祈るところを見られてはいけないということは正体も秘密なんだろう。
しかし突然適当な名前を思いつけと言われてもな。元の名前が唯人……だから……。
「私はユイ。椎名君から聞いたわ。あなたが海瀬さんね。」
よくもまあうまく口が回るものだ、と本人も思った。
とにかくこうして、魔法少女ユイは誕生した。
182 :
◆KazZxBP5Rc :2008/12/17(水) 02:28:57 ID:HCvFFJ1t
つづく
全8話を予定しています
もうちょっと早く書き上げていればよかった…
お姉ちゃんが怪しいな!
乙
ここって二次創作もあり?
衛宮志保とかキョン子とか
ありあり
ごめん
テンプレすらしっかり読んでなかったとか恥ずかしすぎて埋まりたい気分だ
>>182 魔法少女ものだ!
続きにwktkしてます
男の娘魔法少女とはわかってるじゃないか!
続き投下します
第2話『謎の仮面男の巻』
――椎名唯人です。俺は今、走っています。
話は前日、唯人が初めてユイに変身した時にさかのぼる。
すんでのところで想い人の雅を助けた唯人は、そのまま一直線に家まで駆け込んだ。
「姉ちゃん! これどうやったら治るんだ!?」
探してみると、姉のつかさは自分の部屋のベッドの上で寝転んで漫画を読んでいた。
「あら、かわいくなっちゃって。」
「そんなことどうでもいいから戻り方を教えてくれ!」
つかさは漫画を横に置くと、起き上がって真面目な顔でこう続けた。
「ごめんね、唯人。いいお嫁さんになれるように、私もできるだけサポートするけど……。」
「……うそだろ。」
血の気がすっと引いていく。そんな。まだ何の覚悟もできてないぞ。
目が合うと、つかさの顔が申し訳なさそうに少しうつむく。
そしてつかさは言った。
「うん、うそ。」
つかさは小さく笑っているが唯人にとっては笑い事じゃない。
一度も返済されたことのない仕返しの残高がひとつ増えた。
しかしそれと同時に胸に安堵が広がったのも事実。
「あ、でも男とキスすると二度と戻れないらしいよ。」
「しねえよ。それより早くやり方を!」
「変身したときと同じようにすれば解けるんだって。」
聞き終わるより早く唯人はステッキに祈り始めた。
また時間の止まるような感覚が襲ってきて、制服姿の椎名唯人が現れた。
「ところで唯人、カバンどうしたの?」
「あ。」
そういえば道に置きっぱなしだ。取りに戻ろうと部屋を出るとき、つかさにもう一声掛けられた。
「明日から五時起きね。特訓するから。」
そんなわけで唯人は今、走っている。
「はぁ、はぁ……、ちょっと、待って。」
「まだ五キロだぞ、だらしない。」
「そんなこと、言ったって、女の体で、これは……。」
「しょうがないじゃない。戦うときはその姿なんだぞ。」
唯人はとうとう道端に座り込んでしまった。
「そもそも、なんで女になるんだよ。」
「女のほうが魔法の伝導率がいいのよ。」
自転車の上のつかさはこともなげに言った。
「じゃあ、生まれながらの女にやらせればいいじゃないか。」
それだけの説明でこう思うのは当然だ。だがつかさはさらに付け加える。
「確かに伝導率は女のほうが上なんだけどね、元から持ってる魔力自体は男女に関わらず個人個人で差があって……。」
「俺には人一倍強い魔力があるけど、そのままだと通りにくいから女にしたってこと?」
「そういうこと。」
ああ、そう。理由は分かったが納得はいかない。
「じゃあ私はこのまま出勤するから、がんばって帰ってね。」
ステッキは家に置かされている。ここまでほぼ直線で走ってきた。つまり男に戻ったり近道したりすることはできない。
これまでの距離をもう一回、か。唯人は溜息をひとつついて元来た道を走り出した。
一時間目は爆睡だった。起床時刻と疲労を考えるとしょうがない。
休み時間に入って誰かにノートを見せてもらおうと思ったところで……。
「きゃあああああ!」
「うわぁああああ!」
悲鳴。上からだ。男女合わせて五、六人といったところか。
教室を出ると見知った顔が一人階段を駆け下りてくる。隣のクラスの神野。
神野は唯人たちのいる階まで降りてきて叫んだ。
「化け物だ! 屋上に化け物がいる!」
神野の周りには既に人だかりができているが、唯人はそれを無視して屋上に向かった。
ちくしょう、こんなに早く来るとは。敵は待ってはくれないか。
みんな逃げ切れたのか、幸いなことに屋上には既に生徒はいなかった。
念のため入り口から死角となるところで変身。
「よし、時間無いからさっさと片付けるか!」
今回の敵はゴーレム。岩の化け物だ。
「ええっと、姉ちゃんの話によると……。」
ボタンの色の赤は炎、青は水、緑は風、黄色は地の属性をそれぞれ表している。
昨日の影の魔物は影だけに強力な光を嫌うのだろう。だから強力な光を発する炎で倒せた。
こいつは何が効くのか。
まずどう見ても炎はダメだ。効く気がしない。
「わっ、と!」
ゴーレムがやたら長い腕を振り降ろしてきた。慌てて飛びのく。
ふとひらめいた。ウォーターカッターというものをどこかで聞いたことがある。それは水を細く噴射し、その圧力で物体を切断したりできる。
「よーし……。」
青のボタンを押した。ステッキの先に水が溜まって浮いている。不思議な感覚だ。
意識をステッキの先に集中すると、勢いよく水が噴出した。試し射ちだったのであらぬ方向に飛んでいったが、これならいける。
腰に左手を当ててゴーレムに右手のステッキを向ける。
「おしおきの時間よ! なんてな。」
後悔は時間差で襲ってきた。何をやってるんだ、こんなの見られたらお嫁に……じゃなかった、お婿に行けない。
恥ずかしさを頭の外に押しやって、ステッキに意識をこめる。
「あれ?」
水は確かにゴーレムに向かってまっしぐらに飛んでいった。しかしゴーレムはそれを大ジャンプでかわした。
「ちょっ、こういう奴って普通重いから動きが鈍いはずだろ!」
文句を言っても仕方がない。唯人はゴーレムに水弾を発射し続けた。だが避ける避ける。ゴーレムは跳ねたり転がったり、的確に水弾をかわし続けた。
それだけでなく、合間合間を狙って向こうからも積極的に攻撃を仕掛けてくる。
「大きいくせにちょこまか……と……え?」
気付いたときには、唯人の体は屋上の外側の宙を舞っていた。
届かないと思いつつも伸ばした腕に、上から抑えられるような力がかかった。
びっくりして見上げると、仮面を被った男が目に映った。
呆然としている間に体は元の屋上へと戻っていく。
「大丈夫?」
何と返せばいいのか。唯人が迷っていると男はさらに言葉を重ねる。
「地学の勉強。」
「へ?」
こんなときに何を言っているんだ。目の前のゴーレムが見えないわけではないだろうに。
「岩石が年月を経ることによって削れることを何と言うか。」
本当に問題を出しやがった。この人は何なんだろう。まさか教師じゃないだろうな。
「君が考えている間に、あの剣を取りに行く。」
「あの剣って……ゴーレムがじゃれてるあれ?」
「そうだ。」
「危ないよ。それに剣なんかで倒せないでしょ。」
じゃないと自分が魔法少女になる必要なんてこれっぽっちも無いんだからな。
「たしかに倒せはしないが……見てのとおり、あの剣には魔物を引き寄せる性質がある。」
男が魔物を引き寄せてる間に考えろ、ということか。
「じゃあ、頼んだよ。」
そう言って男はゴーレムの方に向かって突進した。
こうなると時間が無い。なあに、答えは四択なんだ。
「岩を削る……地震か?」
地のボタンを押しそうになったが、思いとどまった。
「そういえばここは屋上だから、地のパワーを使おうとすると地面との間にある校舎にも影響が出るんじゃ……。」
そうなると今まで頭に浮かばかった風か? 恐る恐る緑のボタンを押す。
風の流れが変わった。それを合図に男は剣を鞘に収め唯人の方に寄ってきた。
「そう、答えは『風化』だ。何千、何万年と風に晒されてきた岩石は朽ちて砂となる。」
「何千年って……。」
「それだけの風を君は起こせる。」
そんなわけ……と反論したかったが飲み込んだ。信じるしかないようだ。唯人はステッキに両手を添えて精神を統一した。
異様な光景だった。ステッキを境にゴーレムの方向にだけ嵐のごとく風が吹いている。唯人の側はいつもどおりの空気の流れだ。
この高さから落ちたらその岩の体が砕かれるのが分かっているのだろう。ゴーレムは落ちまいとこの風に向かってくる。しかしそれが相対的にゴーレムに対する風速をさらに強めることとなる。
ゴーレムの表皮が剥がれ落ちるにつれて、こちらに向かってくる力も失っているようだ。
唯人が最後の力を振り絞ると、ゴーレムは塵となって消えていった。
そして、精神力を使い果たした唯人はその場に座り込んでしまった。
「これが……俺の、力?」
ハッと辺りを見回す。うっかり「俺」と言ってしまったのに気付いて慌てて取り繕おうとしたが、その相手は既にいなかった。
「なんだったんだ、あいつ。」
風のように現れて、風の話をして、風のように去っていって。その間唯人はあっけに取られているだけだった。
何者か心当たりは無いか、と自問したちょうどそのときにチャイムの音が耳に響いた。
「やべっ! 遅刻だ!」
変身を解いて授業に向かう唯人は、もう男のこととは別のことを思っていた。二時間目も、爆睡だな。
つづく
これは期待
野暮な推測は身を滅ぼす気がするからやめておく
新キャラだー。
続きにwktk!
第3話『仮面男は敵? 味方?』
例の男についてつかさが何か知っているのではないかという唯人のあては外れた。まあこの姉はすっとぼけるのが得意だから隠している可能性も否めないが。
結局何も知ることはできず、翌日もまた、朝の筋トレとランニングによって一日が始まるのであった。
「はあ……魔法少女ってもっとこう、なんて言うか、可憐な感じなんじゃないの?」
それを言うならそもそも男が魔法少女になっていること自体間違っているのだが、どちらにしろ元から望んでなったわけではないので唯人を責めることはできない。
学校ではいつまた魔物が襲ってくるか気が抜けなかったが、その日は何事も無く授業を終え家路に着くことができた。
つかさは今日は遅くなると言っていた。けれど、もうひとりの家族が尻尾を振って迎えてくれた。
「あんっ、あんっ!」
「よしジュニア、散歩行くか。」
唯人は冷蔵庫を開けジュースを一杯飲み干すと、自分の部屋に入り私服に着替える。そしてリードを手にまた玄関まで戻ってきた。
「さあ出発だ。」
ジュニアは緑の多いところが好きである。彼のお気に入りの散歩コースは山道だ。
椎名家からなら一番近い山まででも歩くと小一時間かかる。そのため連れて行くほう――主に唯人だが――は帰ってくる頃にはいつもへとへとだ。
山までは住宅街を通って最後に商店街を抜ける。その商店街に入る頃、ジュニアが突然騒ぎ出した。
「くーっ!」
「お、おい! どうしたんだ!」
散歩の途中で突然暴れるような犬ではない。何かあったのだろう。
「待てって!」
ついに走り出した。押さえられないほどではないが強い力で引っ張ってくる。唯人もあきらめて少し駆け足で進み始めた。
途中、商店街の中で見知った顔に声を掛けられた。
「よう。」
「おお、順平。」
「昨日からお疲れのようだったから聞けなかったけど、どうだった?」
順平はなにやらにやにやと笑いをこらえているようである。
「何が?」
「決まってるだろ、雅のことだよ! うまくいったのか?」
「ああ……それどころじゃなかった。」
「ん? 何があったんだ?」
魔物が襲ってきて魔法少女になりました、なんてさすがに言えない。
「ふー、ふーっ!」
「ごめん、こいつが急ぎたいみたいだからまた今度な!」
両手をあわせてごめんのポーズをとりながらも、内心ではうまぐしのげたとジュニアに感謝して、唯人は商店街を後にした。
アーケードを抜けると山は目の前だ。そこまで来てようやく唯人は異変に気付いた。
「煙?」
商店街のこちら側ではあまり人が通らないため誰も気付いていないようだ。
なおもジュニアに誘われるままに山に入っていく。
「あんっ!」
「これは……!」
中腹あたりでジュニアが一声上げた。火の手が上がっているのが見える。山火事だ。
「これに気付いてたのか。よくやったぞジュニア。」
ご褒美のなでなで。あらためて犬の嗅覚の凄さを実感する。
「さて、消防署に連絡……はできないみたいだな。」
よく見ると炎は不思議な動きをしている。まるで生きているかのような……いや、実際生きている。あれは魔物だ。
「ずっと持っとけとは言われたけど、できるだけ使いたくなかったのに……。」
近くに人がいないことを確認。ポケットから手のひらサイズのステッキを取り出し祈ると、先ほどまでそこにいた少年は消え、代わりに少女が現れた。
「さて、手っ取り早く雨でも降らせますか。」
青いボタンを押して水のパワーを溜める。そしてステッキを天に向かって掲げた。
ステッキの先から雲が造られ山の斜面の上に広がっていく。雲は次第に大きくなり雨を降らす。
火は見る見るうちに消えていくのだが、二箇所だけ大きな塊となって消えない部分がある。
「あれが本体だな。ジュニア、ちょっとここで待ってろよ。」
愛犬はその場に腰を下ろして意思を見せた。
それを見て安心し、唯人は魔物の目の前に飛び出していく。
「こいつら、かなりのろいぞ。」
この魔物達は唯人にも気付いておらず、徘徊しているだけのようだ。
これなら昨日は失敗したあの手が使える。唯人は二匹の魔物に向けて水弾を正確に打ち込んだ。
「今回はあっけなかったかな。」
変身を解こうとしたその時、物陰から動くものが見えた。
「こんにちは、椎名唯人君。」
「なっ……!」
現れたのは昨日の仮面の男であった。なぜ本名を知っているのか、唯人が尋ねる前に男は再び口を開く。
「昨日は悪いと思いながら観察させてもらった。」
「観察? どういうことだ?」
しかし唯人の問いには答えず、男はなにやら赤い液体の入ったビンを取り出して魔物の亡骸に中身を半分ずつかけた。
「また会おう。」
それだけ言い残して男は去って行った。
「待て!」
さっぱり訳の分からない唯人は、追いかけようとしたところを巨大な物体に阻まれた。
それは先ほどの炎の魔物が二匹合体したものであった。
唯人は当然水弾を浴びせる。しかし今度はまったくダメージがない。
「どうすれば……きゃっ!」
自分で降らせた雨のせいで地面がぬかるんで滑ってしまった。
それ自体は大したことではないのだが、女の子みたいな声を出してしまった。愛犬と目が合った。穴があったら入りたい。
「ん、ちょっと待てよ? 穴……そうだ!」
ステッキを地面に付ける。まずは水だ。水を魔物の足元に集める。
魔物は再び山に火をつけ始めた。しかし焦ってはいけない。この作戦はひたすら待つことしかできないのだから。
魔物がぐちゃぐちゃになった地面を踏みしめた。もう片方の足を上げた瞬間、スリップし、その巨体が宙に浮いた。
「今だっ! 地!」
ボンっと大きな音がして地面に大穴が開いた。穴の分の土はどこへ行ったかというと、その場に巻き上げられて、その瞬間を外から見ると筒状に土がそびえ立っているように見える。
魔物は吸い込まれるように穴に落ち、その上から大量の土でふたをされた。
残りの火を消すと唯人は変身を解いてジュニアの側へ戻った。
「それにしても……。」
仮面の男は明らかに魔物を復活させて自分を襲わせた。この先直接戦うことになるのだろうか。魔物だけではなく人間と戦う。そのことに不安を覚える唯人であった。
つづけ
次はある意味クライマックスw
わあ、気になるところで終わってる
続き楽しみにしてます
いつもありがとう
ユイでクリスマスネタ書こうとしようとしたけどなかなか難しいな
別の話にするか
ラジオ聞きながら投下
いつものように会社から帰り、疲れきった体をベッドに沈めた。
そのまま寝てしまいたいのは山々だが、資料に目を通さなくてはいけない。
「もうすぐクリスマス、か。」
壁掛けのカレンダーを眺めて溜息をつく。
携帯電話を取り出し、淡い期待を胸に数人しかいない女友達にクリスマスの予定を聞くメールを送った。
玄関のチャイムが鳴ったのはその直後のことだ。
扉を開けるとそこには真っ赤な衣装の初老の男が立っていた。
「こんばんは。わたくし、世界サンタクロース協会所属の『あわてんぼうのサンタクロース』と申します。」
「はあ……。」
自分であわてんぼうとか言うか? いや、それ以外にもツッコミ所は多々あるが。
「あなたは『サンタクロースに願い事を何でもひとつ叶えてもらえる権利』に当選しました。」
詐欺なんだろうか、こんな詐欺は聞いたことないが。どうせなら叶えられるわけもない本音を晒してみようか。
「じゃあ恋人がほしい。」
「かしこまりました。」
サンタはどこかに電話を掛け始めた。美人局というやつか? だがそれなら普通最初から女を遣すよな。
「……はい……はいはい、了解いたしました。」
そして俺のほうに向き直って、
「手配は完了しました。」
と告げた。
奇妙な来客のせいでさらに疲れた。
シャワーでも浴びようとバスルームに向かう。
服を脱ごうとして途中に何かつっかえたことに気付いた。
胸?
わずかながら胸にふくらみがある。どこかで刺されでもしたのだろうか。
などと笑っていられたのもそこまでで、下半身の衣服も脱ぎ終わったときには声も出せなかった。
無い。
思考停止。なんとかして体を流してバスタオルを巻いたことだけは覚えている。
上がり際に鏡をのぞいてみた。顔はほとんど変わっていないが、乗っけているものが違うだけでずいぶんと雰囲気が違って見えた。
体のことは置いておいて、メールの返信を確かめる。
まあ予想通りの結果だ。彼氏とデート、彼氏とデート、バイト、合コン、彼氏とデート。
「あれ?」
それ以外にもう一件着信があった。高校大学時代の男友達だ。久しぶりだな、元気でやっているんだろうか。
内容は今から飲みに行かないか、というものだった。今から? またずいぶん唐突だ。
俺はバスタオルを巻いている体を見た。まあ、厚着すればバレないかな。
「急で悪かったな。ええっと、どれくらいぶりだっけ。」
「先輩の結婚式以来だから、半年だな。」
「そうか。全然変わってないな。」
「どうだろうな。」
「え?」
「なあ、もし俺が実は女だったって言ったらどうする?」
「何馬鹿なこと言ってるんだよ。そりゃあよく女っぽいって言われたり女装させられてたけどさ。修学旅行で一緒に風呂入ったじゃねえか。」
「まあな。」
「ま、お前が本当に女だったら良かったかもな。」
「……なあ、どうせ二十四日も暇だろ。」
「うるせえ、お前もだろ。」
「また、飲まないか。今度は駅まで迎えに行くから。」
「? ああ、いいぞ。」
何を考えているんだろう俺は。ただの冗談に決まっている。あいつは俺が本当に女になったなんて思ってないはずだ。
それでも俺は……。
クリスマス前最後の休みの日。俺は偶然にでもあいつに見つからないように慎重に路線を選び、ある街に向かった。
まず店をはしごして女の服装をしている自分を思い浮かべる。
十何件か回ったところで見つけたセーターが俺の目を引いた。
今度はそれに合うように残りのパーツを選んでいく。
「次は……やっぱり入らないといけないか。」
店の前で散々うろうろして覚悟を決めた。
ランジェリーショップ。それはなんだか立ち入ってはならない領域のように思えて、中にいる間、まともに顔を上げられなかった。
その後、化粧品のことはよく分からないので、真っ赤な口紅を一本だけ購入。
最後に美容院に入って「できるだけ女らしく」と注文した。
ロングスカートが風にたなびく。ストッキングのおかげで意外と寒さは少ないが、やはりどうも脚の感覚が頼りない。
約束の時間五分前に待ち人は現れた。
「よ、よお。」
自分に話しかけたのが女だったこと、それがついこの前に会った俺だったことに愕然としているようだった。
「サンタクロースに、女にされちゃった。」
本当のことだが、言っている俺の耳にも間抜けにしか聞こえない。
「なんなら体確かめてみるか?」
何も言ってくれないので焦って変なことを口走ってしまった。訂正しようとしたとき、ようやく口を開いてくれた。
「いや、いい。お前が冗談でそんなこと言う奴じゃないって分かってる。それに、女装のときとは全然……。」
それって……。自分の心臓の音があいつにも聞こえているんじゃないだろうかというくらい響く。
沈黙が降りて何時間くらい経ったんだろう、と感じたが実際は約束の時間にたどり着いただけだった。
俺はようやく決心してその言葉をつむぎ出した。
「いきなりなんだけど、俺、お前の言葉にときめいたりしちゃって、その……好き、です。」
全部伝えたいのに、全然言葉が思いつかない。こんなので伝わるとは思えないけど、恥ずかしすぎて目もあわせられなくなってしまった。
どうやっていいかわからずもじもじしていると、思わぬ答えが返ってきた。
「ひゃっ!」
彼は俺の背中に腕を回して抱き寄せてきたのだ。
「あ、ごめん……。」
「いや、びっくりしただけだから。」
自分の胸が彼の胸に押しつぶされている感覚で、改めて女になったんだと実感させられる。男の体ってこんなに大きかったんだ。
私も彼の体に腕を回して体を預けた。
彼の肩越しに流れ星がひとつ見えた。
終わりー
乙乙乙乙乙乙乙乙乙♪
メリークリスマス!!
彼女じゃなくて彼氏ができちゃったなw
初詣先でデートですか? と四日ぶりにレス
>>215 書けってことですか、わかりません><
今年中は俺は多分無理だな
217 :
【大吉】 :2009/01/01(木) 00:58:50 ID:PzpI83bL
姉「あけましておめでと〜!」
女弟「おめでとう…」
姉「どうした、元気が無いぞ妹よ」
女弟「この格好、恥ずかしいよ…」
姉「ホルスタインの着ぐるみ?」
女弟「特にこのお乳のところが…」
姉「せっかくおっぱいができたんだから活用しないと」
女弟「関係ないでしょ…」
姉「隠しお題だしね」
女弟「何の話?」
みたいな妄想
GJ!
リコかわいいよリコ
さて、年越してようやく再開
第4話『お姉様とお買い物』
ある休日の朝、唯人は全身の違和感で目を覚ました。
まず気付いたのは頭の痛みである。自分の体が大きくゆっくりと回転しているかのような錯覚を受ける。
それに衣服の感覚がおかしい。ビシッと締め付けられるような服は寝るときに着るようなものではない。
このとき、昨日寝る前に何をしていたのかさっぱり思い出せないということに唯人は気付いた。大方疲れて着替えもせずに寝てしまったのだろう。
とりあえず布団から出ようと体を起こしてみると、胸に妙な重みを感じる。そういうことか……。
唯人はユイに変身していた。
しかし何時からだ? もしかしたら魔物との戦いで負傷してその時の記憶が飛んでいるのだろうか。そうだとしたら、そんな強力な魔物を野放しにはできない。
唯人は勢いよく部屋から飛び出そうとした。だが、頭がフラフラしてうまく歩けない。
「おはよー!」
唯人が結局ベッドに腰掛けたままでいると、大きな姿見を持って姉のつかさが部屋に入ってきた。
「姉ちゃん、これどういうこと?」
「あー、あんた覚えてないんだ。無理もないかもね……。」
「なんだよ。何か知ってるんだったら、もったいぶってないで早く言って。」
「いやあ、唯人って飲ませたらすっごく素直ないい子になるみたいね。」
「……。」
「昨日の晩にお酒買ってきてふたりで飲んだのよ。でね、ノッてきたところでちょっと変身してみてって頼んだの。」
「……。」
それにしても気持ちのいい朝だ。外ではすずめがさえずっている。
「未成年になんてことするんだーっ!」
「一緒に買い物行ってくれたらステッキ返してあげる。」
この女は聞く耳を持たないようだ。自分の用件だけ伝えてくる。
「ちょっと待て、買い物ってもしかしてこのまま?」
「まさか。そんな、いかにも『魔法少女です』って格好で出るわけないでしょ。すぐ着替え持ってくるから、それ脱いでおいてね。」
そう言うとつかさはとっとと出ていってしまった。唯人が聞きたかったのは「女のままで?」という意味だったのだが、話の流れからするとやはりそういうことなのだろう。
しばしためらったが、好奇心も手伝ってコスチュームを脱ぐ決断は割と早かった。
肩にかかっている布をはずすと、解放されたふたつのかたまりがぷるんと波打って新鮮な感覚を与えてくれる。
そこでもう一度、この先の領域に踏み込んでいいものかと悩む。
だがやはり唯人は男の子だった。
自分自身だということを棚にあげれば、同じ年頃の女の子の裸が見れるめったに無いチャンスだ。
唯人は覚悟を決めると両脇に宙ぶらりんになっている布地を持つと一気に下へ引っ張った。
脱いでみて分かったのだが、このコスチュームはワンピースの水着のようなつくりで、スカートもそこに縫い付けられている装飾のひとつであった。
そしてこのコスチュームは肌に直に触れるようになっていて、これだけ脱ぐともう魔法少女は全裸となってしまう。
唯人は姉が担いできた姿見を覗き込んだ。滑らかな肌をあらわにして少し恥ずかしそうにこちらを見つめる少女。それが自分だと理解してはいるが信じられない。
しばらくぼーっと眺めていると、視界の端からもう一人の女性がやってきて、持ってきたものを少女の胸にあてがった。
「ほら、手上げて。」
いつものような憎まれ口を叩かず、ただ淡々とブラジャーを着せようとするつかさに戸惑いを感じながらも、言われたとおりに万歳のポーズをとる。
「着け心地はどう?」
「……なんでこんなにぴったりなんだよ。姉ちゃんのじゃないだろ?」
「目測よ。この日のために準備しておいたの。」
嬉しそうに語るつかさに、唯人は軽い恐怖を覚えた。
「じゃあ後は自分でできるよね。服は私のから適当に選んでおいたから。」
つかさはまた部屋を出ていった。残されたのは、あえて女らしいものを選んだとしか思えないブラウスやスカートたちであった。
唯人たちの家から郊外のショッピングモールまでは自動車で三十分ほどである。
こういった施設では専門店の八割で婦人服を売っているというのだから、女性たちは日が暮れるまでコーディネートにいそしむことができる。
ここに着いてから唯人はつかさの着せ替え人形に徹した。ステッキという質を取られているからしょうがなく、らしい。
最初のうちは普通の女物であった。このときは唯人もまだ余裕で、試着室の鏡に向かってポーズを取ってみたりもした。
だが、徐々に露出の多い服が増えてきて、早く終わってくれないかと思うようになる。
「これ、下着姿の方がまだマシなんじゃ……。」
「ユイー、ちゃんと着れた?」
「わわわわわのぞいちゃダメっ!」
最終的につかさはコスプレ専門店に目をつけた。メイド服やチャイナ服に袖を通す頃にはすっかり無我の境地を切り拓いていた唯人であった。
「じゃあ私は一旦荷物置きに車に戻るから、その辺でブラブラしててね。」
一旦、か。それにしてもあれだけ買ったけどいったい誰が着るのだろう。今度こそ騙されて変身することのないようにしないと。
決意を新たにした後、唯人はせっかくだから男の姿では入りにくい店を物色しようと思った。なんだかんだで割とこの状況を楽しんでいるように見える。
しばらくして、唯人は雅のことを思い出していた。何かプレゼントを贈ろう。そう考えてアクセサリー店に入り、散々悩んでブレスレットを購入した。
「お、いたいた。」
つかさと合流したのはそれからすぐだった。荷物を置きに行ったはずなのに、手には紙袋をひとつ提げている。
疑問に思ったのも束の間、人波の中に怪しい影がうごめいた。
「ユイ!」
追おうとした唯人を呼び止めて、つかさは紙袋の中からステッキを取り出し投げ渡した。
換わりに先ほどのブレスレットが入った買い物袋を預けると、小さくうなずいて唯人は影を追った。
あれはかつて、唯人が初めて戦った影の魔物だ。あの時は火の魔法で倒したが、今この混雑で火をつけるわけにはいかない。
とにかく人の少ないところまで追い詰めようと考えたのだが、魔物は最悪の方向に向かっていた。
「キキキキキキ! ハイパーマンよ、我々の科学力に対抗できるのかな?」
「黙れ、ジャ・アークの怪人よ! 正義の心は必ずお前たちを打ち倒すのだ。さあ、良い子のみんな! 私に力を分けてくれ!」
子供たちの声援が吹き抜けの広場を埋め尽くす。本日この時間はヒーローショーの真っ最中であった。
唯人は三階からこの吹き抜けにたどり着いた。だが時既に遅し。魔物は壁を伝って一階へ降り、ヒーローショーの悪役に取り付いてしまった。
「くそ、あいつあんなことができたのか。」
ためらっている時間は無い。下手をすると子供が襲われる。それだけは避けなければいけない。
「飛び降りる!」
唯人はショーの舞台めがけて地のパワーを送った。そしてそのとおりの場所に平然と着地。実は最初に放ったのは着地の衝撃を吸収するための魔法だったのだ。
思わぬ登場をしたヒロインに子供たちは大歓声。
「あ、あの……ちょっと、君……。」
「これは遊びじゃないんだから離れてて!」
申し訳なさそうに話しかけるハイパーマンを一蹴。魔物とのにらみ合いに入った。
さて、どうすれば怪人役から魔物を引き離せるかだが、正直まったく思いつかない。おねーちゃんがんばってー! の声援が耳に痛い。
いろいろと考えているうちに、しびれを切らして魔物が飛び掛かってきた。
とっさに、操られている人体を傷つけないように風を使って受けた。その時、魔物の影が少しだけ浮き出たのを唯人は見逃さなかった。
物理的な風は魔物には効かず人の体だけを吹き飛ばす。それならば逆に影の方を吹き飛ばす「概念的な」風があれば……。そして、それは魔法で創れる。魔法は精神の力だから。
会場に爽やかな空気が流れた。
「あー! あれなんだ!」
「すっげー!」
子供たちは、ジャ・アークの怪人が倒れ、そこから世にも恐ろしい影の本体が姿を現すのを目撃した。
そしてその影は、突然現れた魔法少女の炎によっていとも簡単にかき消された。
「ありがとう。みんなの応援のおかげだよ! これからも困ったことがあったら、魔法少女ユイをよろしくね!」
ポーズもばっちり。こういうときはすぐに調子に乗る唯人だった。
「おつかれさまー。カッコ良かったよ。」
からかうように笑う姉を無視して唯人は適当な店の試着室に入った。
しばらくしてそこから腕から先だけが出てきて手招き。
つかさが駆け寄って中を覗くとそこには女装した男の姿の唯人がいた。
「服が戻らないんだけど……。」
「当たり前じゃない。今頃家に置いてあるコスチュームが昨日着てた服に戻ってるはずよ。」
「じゃあもう一回変身したら?」
「その服がコスチュームになるに決まってるじゃん。」
「……どうすれば?」
「一回全部脱いで変身して着替えなおしなさい。」
「はあ……。」
「あ、やっぱ可愛い服買ってきてあげるからそこで待ってなさい。」
「な……!」
さっき無視した仕返しなんだろうか。よく考えれば男物を買ってくれればいいだけじゃないか。まあ、それを言ったところでそうしてくれる確率は限りなくゼロだが。
日没の頃、駐車場に白いワンピースの少女と年の離れた姉が仲良く口ゲンカしながら出てくるのが見えた。
オチに笑ったw
コスチューム無限増殖とかも可能なのね
裸で変身したら解除後裸に戻るだけだから無限増殖は無理なんだぜ
ん?タオルでもなんでもイイから新しい服を身に着けていたら…と思ったけど
変身といた時点で古いほうが戻るから無理なのか
そういうことだぜ
前回ブーツのことすっかり忘れてたぜ
ヽ○ノ 「まあいいか!」
/
ノ)
投下します
第5話『俺ってガチホモ!?』
「はぁ……。」
学校からの帰り道、唯人は大きな溜息をひとつ吐き出した。
「今日もダメだったか。」
思いつきで買ってはみたものの、よく考えると、何でもないのにいきなりプレゼントを渡してくる男なんてどうなんだろう。
唯人は例のブレスレットを雅に渡すきっかけが掴めずにいた。
とぼとぼと歩いていつの間にか家の前。ドアを開けるといつものようにジュニアが尻尾を振って出迎えてくれた。
「ただいま、ジュニア。」
「わんっ!」
続いて、これもいつものことだが、ジュニアの様子に気付いてつかさも玄関に出てくる。
「おかえり。」
「姉ちゃんただいま。」
「ちょっと買い物行って欲しいんだけど、大丈夫? ユイちゃん。」
「……うん。」
ショッピングモールのハイパーマンショーに突如現れた魔法少女は、一躍地域の有名人となっていった。
そこで、何を思ったかつかさは唯人にある脅しをかけてきたのだ。
それはお願いを聞かないと唯人が例の魔法少女であるということをバラすというもの。
人のいないところで変身しろと言ったのはつかさ自身なんだから、そこだけ考えれば本当にバラすとは思えない。
しかし人にバレてはいけない理由があるのかどうかも分からないし、なにより、この姉の性格をよく知る唯人には彼女ならやりかねないと思えてしまう。
そういうわけでつかさは好きなときに弟を女にする権利を得た。
悲しいかなすっかり慣れた手つきで着替えを済ませ、財布を預かって再び家を出た。
ちなみにステッキはいつも持っていろと言われているので大きな買い物バッグの中にある。
夕日を背景に自転車を飛ばす唯人。
運転中、いろいろと考えをめぐらせるのが癖だ。
「そういえばあいつは一体なんだったんだろう。」
仮面の男のことである。山で会って以来一度も姿を見たことがない。
結局敵だったのだろうか。だとしたらなぜあれから積極的に襲ってこないのか。
商店街まであと少しというところで足と思考が止まった。
空を見ると大きな紫の雲のようでいてもうちょっと透き通った何かが浮遊している。魔物だ。
別に何を襲うわけでもなさそうなので放っておいてもいいのかもしれないが、気になるので追いかけることにした。
立ちはだかったのは険しい崖。
実はこの山は商店街をはさんでまったく表情が変わる。
向こう側はいつかジュニアに導かれて行ったなだらかな遊歩道だが、こちら側はこのように人はまず立ち入ることができない。
この上に先ほどの魔物は姿を消した。
普通の人間ならここであきらめるのだが、そこは魔法少女、ステッキを取り出すと地のパワーを自分に一振り。
「よっ……ほっ……はっ……。」
超人的な跳躍で崖をぴょんぴょんと上がっていく。地のパワーは力の象徴、肉体を強化することにも使えるのだ。
高さとしてはかなり登ったと思えるところで、踊り場のようになっているところを発見した。
一際強く岩肌を蹴って、空中でくるっと前回り。見事にやわらかい地面に着地した。
「ん? やわらかい?」
そこは魔物の巣窟だった。まさに四面楚歌。いや、唯人が着地のときに踏みつけた魔物が一匹、さらに飛んでいるのもいるので六面かもしれない。
「や、ちょっと待て、ここは穏便に……な?」
などと弁明しても通じるはずもなく、魔物達は一斉に襲い掛かってきた。
唯人もそれに応じて慌てて魔力を解放。すさまじい爆発が起きる。
畳み掛けるようにあらゆる能力をむやみやたらに放つ唯人。その度に弱点を突かれた魔物が消滅していく。
「はぁ……はぁ……。」
さすがに無駄撃ちしすぎたのか肩で息をするようになってきたが、残る魔物もわずかとなってきた。
「よし!」
火の力を逆に利用し、熱を奪ってスライム状の魔物を凍りつかせる。
あと一匹。機械仕掛けの魔物だけが残った。しかしこれがかなり頑丈で何をしてもびくともしない。
「ひょっとして電気でも流すのか? でもやり方が……。」
考えている間にも襲ってくる。避けようと思ったところで膝をついてしまった。
まさかこんなに消耗していたとは。逃げられない。強烈な一撃がやってくる!
その時、唯人の背後、崖の上の方から人影が降りてきた。
それから先は一瞬の出来事。まず唯人のいる地面がぐらつき始めた。かと思うと影にぐいっと引き寄せられ、岩場ごと魔物が落ちていく。
影は仮面の男だった。大剣を抜いている。信じられないことだが、これで崖の先端を切り落としたのだ。
「君には生きていてもらわないといけない。」
だが男の言葉は唯人の耳には入らなかった。顔が近い。それに、力が入らないので唯人は男に寄りかかる格好になってしまっている。
心臓の鼓動が、聞こえているんじゃないかと心配になるくらいの大音量に思える。早く離れてくれないものか。
しばらくして、男は一言だけ告げた。
「もうすぐだ。」
「え?」
それっきり、男はまた行ってしまった。
「もうすぐだ。」
「え?」
順平の言葉にさほど考えもせず聞き返す唯人。
「もうすぐ雅の誕生日だって言ってるんだよ。」
「ああ、ごめん。」
「本当お前ここ何日かぼーっとしてるよな。」
「うん、ごめん。」
唯人の一番の関心は、もはや仮面の男に移ってしまった。
何者なのか。あの剣にはどんな力が秘められているのか。どういうつもりで自分に接してきたのか。
このごろ唯人は一人の時に意味もなく変身してみることが多くなっていた。
こんな調子なので、つかさもつい気になってしょうがない。
「最近どうしたの?」
「別になんともないよ。」
これだけはバレたくないので隠す。ところがさすがは姉。
「あの人のことが気になって夜も眠れない、とか?」
「なっ!」
別につかさは具体的に知っているわけではない。だが「あの人」などと言われると、心当たりがあればつい反応してしまうのが人間。
「やっぱり恋の悩みなのね。で、どんな子?」
男だとは思われていないようだが、ショックを受けたのは「恋」という単語が出てきたことだった。
まさか……俺が男に恋している? つかさの言葉で唯人は余計に眠れぬ日々を過ごすこととなった。
人気のない公園に制服の男女が入ってくるのが見える。
雅を呼び出したとき、唯人は一旦は決心を固めていた。
「海瀬……。」
でも、こんな中途半端な気持ちで想いを告げることなんてできるのだろうか。
「誕生日おめでとう。」
結局唯人は逃げを打ってプレゼントを渡すだけに留まった。
「ありがとう。……わあ、かわいい!」
ほんのり赤く染まった笑顔に胸を打たれる。
やっぱり、雅のことも好きだ。
だからこそ自分が、自分と雅を裏切ることが許せない。
「じゃあ、また。」
男の涙なんて見せるものじゃない。
公園を出るとき、唯人は一度も振り返らなかった。
今まで生きてきた中で一番重い荷物が唯人の心にのしかかっていた。
つづく
雑談したら盛り上がるかもって言われたんだけどどうだろう
さて、色々と展開の気になるところだな
男の正体はアレなんじゃないかと思っていたりする
先週の土曜日には投下してるはずだったのに…
いっきまーす
第6話『仮面男の正体!?』
唯人は闇の中にいた。
右も左も、何も見えない完全な闇。
やがて遠くから足音が聞こえてきた。
音が近づくにつれて徐々にその音の主の姿が晴れてくる。
「お前は……一体何なんだ。」
唯人は彼――仮面の男に問いかけた。
もちろん期待した答えが返ってくるとは思えなかった。だが、男が口にしたのはそれ以上に唯人の想像を超えた一言。
「愛してる。」
何を言っているんだ。自分は男で……雅のこともあるし……。
しかし訳の分からない感情が沸き起こってくるのを唯人は抑えることができない。
「心配しなくていい。君はすぐに完全な女の子になれる。」
「なっ……!?」
思わず漏れた自分の声は女のものだった。そんな、いつの間に変身してたんだ?
男の顔が近づいてくる。唯人は金縛りにあったように動けない。
ついに男の左手が唯人の肩に触れる。そして男は仮面に右手を掛け――そこで唯人は目を覚ました。
「椎名君、大丈夫?」
「うん……。」
ある日の放課後。このごろ雅ともよく話すようになってきたというのに、唯人の心は沈んでいく一方だ。
これ以下は無いだろうと思っていても、次から次へと憂鬱の原因が増えていく。例えば今朝の夢のように。
「今日一緒に帰らない?」
そんな気分ではないのだが、雅の心配そうな顔を見ると断るに断れなかった。
早足で歩く唯人。ついていくのがやっとな雅に気付かないふりをする。
「……ねえ。」
「ん?」
「……ううん、なんでもない。」
なんとか唯人に話しかけようとする雅だが、雰囲気に負けてしまう。
そんなことが何度かあって、そのうち二人は人通りの無い小道へ差し掛かった。
その中ごろで、ついに二人の足が止まった。
「痛っ。」
「えっ、何?」
唯人は道の途中の何も無いところで何かにぶつかったのだ。
壁のパントマイム。反対側から見るとそう見えただろう。しかし本当に目に見えない壁がそこにあることが手探りで分かった。
「こっちはダメだ。」
「え?」
急いで引き返そうとするが遅かった。唯人の顔はまたもや見えない壁に叩きつけられた。
「閉じ込められた!」
いつの間にか壁は左右にも存在していた。手を上に伸ばすとそこにもまた同じ感触。
どうしたものかと考えていると、上空から白いUFOのような生き物が現れた。
敵の魔物に違いない。しかし今変身するのは……いや、そうも言ってられないか。
「海瀬、俺がいいって言うまで目つぶっててくれないか。」
「え……う、うん。」
雅が手で顔を覆ったのを確認すると、唯人はステッキを取り出し祈りをささげた。
変身後、いろいろ試してみたが、どうやらこの壁は魔法も通さないようだ。
それでは逆に向こうも攻撃できないのではと思ったのだがどうやらそうではないらしい。
魔物はビームを撃ってきた。それは壁を貫通して唯人たちのいる空間に入ってくる。
慌てて避けるとビームは壁を反射して路面を焦がした。要するに入ることはできても出ることはできないようだ。
だがそれと同時に唯人には突破口が見えた。
下だ。地面にはバリアが張られていない。
地面にパワーをこめると壁の向こうのアスファルトが噴火して魔物を襲った。
バリアが消えたのを感じる。しかしまだだ。止めを刺しに魔物の元へ駆け寄る。
きっと弱点はビームを出すときに現れる核だ。
唯人が構えを取る。すると魔物は……消えた。
後ろを振り返ると、今にも雅が襲われようとしているところだった。魔物は瞬間移動の能力も持っていたようだ。
「海瀬っ!」
思わず叫んでダッシュ。すんでのところで雅を抱きかかえビームを避けた。
「大丈夫か?」
雅は口を開こうか止めようか迷っているようだった。
とりあえず今は魔物のことだ。魔物はビームを出す体勢に入っている。
唯人は狙いをつけて水弾を核に撃ち込んだ。もう慣れたものだ。予想通り魔物は弱点を突かれて消滅した。
「終わったよ。」
雅はまだ不審がっているようだったが、すぐに不安げに声を出した。
「ユイ……さん?」
その言葉を聞いて初めて唯人は雅が何を考えているのかに気付いた。
バレたかもしれない。そう思うと一気に恐怖が襲ってきた。
「ごめん!」
唯人はただそこから逃げ出すことしかできなかった。
それから数日。
「唯人、今日も学校行かないつもり?」
「ん……。」
唯人は逃げ続けていた。このままじゃいけないとは思っていても、ちゃんと向き合うことができない。
やる気の無いベッドの上の唯人に、つかさは服を投げつけた。
「外に出て、気分転換でもしなさい。」
「でも……。」
「提案じゃなくて、命令よ。」
唯人は返事もせず、溜息を吐いて着替えを始めた。
久しぶりの朝日がまぶしい。唯人は当ても無く歩き始めた。
「しかしこんな朝っぱらから追い出されても行く所無いよなぁ。」
「あぅーん。」
「ああ、そういやお前がいるからどっちみち建物は入れないか。」
「はふはふ。」
尻尾を振って存在を主張する同行者。唯人は続ける。
「姉ちゃん昼に帰ってくるって言ってたけど、それまで鍵無いから帰れないしな。」
そこで初めてジュニアのほうを向いて問いかける。
「なあ、お前どこに行きたい?」
「わんっ!」
なるべく学校とは逆方向を目指していたら、川原に辿り着いた。
はしゃぐジュニア。川岸に寄り添って水を飲み始めた。
しばらくその様子を見ていた唯人だが、川の中に不思議な光を目撃する。
そして直後、そこから唯人めがけて水が飛んできたのだ。
新手の魔物だろうか。唯人は変身を済ませると、ジュニアを置いて光を追って上流に走り出した。
どれだけ上ってきたのか。だが光は一向に本性を現さない。
もうちょっと、と思っていると光はふっと消えてしまった。唯人の勘違いだったのだろうか。
その時、後ろから声がした。
「我々の仲間にならないか。」
もはや見慣れた仮面姿がそこにあった。
「……お前の目的はなんなんだ?」
「ボスは、この辺り一帯を魔物に明け渡せば、不老不死の魔族となれる契約を交わした。」
どうやら男には上司がいたらしい。
だが唯人はそれよりも、そんなことに加担している男を許せない。あれだけ唯人を悩ませていた情は、きれいさっぱり吹き飛んだ。
「君が仲間になってくれればもう怖いものは無い。さあ、どうだ。」
「断るに、決まってんだろうがっ!」
唯人が叫んだ瞬間、男の後ろから植物のつるが飛んできて男を叩き付け、男から何かを弾き飛ばした。
「くっ、卑怯な!」
「悪者相手に手を選んでやる必要なんて無いね。」
唯人は男に近づいてさらに攻撃を重ねようとして……手を止めた。
「お前は……!」
先ほど男から弾き飛んだのは仮面であった。唯人はその中身を見てしまったのだ。
隣のクラスの神野。それが奴の正体だった。
唯人が呆然としているうちに神野は仮面を拾い、逃げてしまった。
彼は優等生で通っている。その彼がなぜ? 唯人はしばらくその場で立ち尽くしていた。
午後になって、唯人の元に訪問者があった。
つかさに連れられて部屋まで来たその訪問者は、唯人を見るなり掴みかかってきた。
「おい、お前雅に何したんだよ!」
何も言わない唯人に訪問者、順平の怒りは膨れ上がっているようだ。それを見てすかさずつかさが順平をなだめる。
「……雅から伝言だ。自分は何も気にしてないから学校来い、ってさ。」
唯人はやっぱり何も言わずに、しかししっかりと首を縦に振った。
つづく
GJ!!
仮面の正体も判ってこれから急展開ですかね
鬱展開を見ると「あぁ最終回が近いんだな」って感じするわw
もうすぐ、あと二話で終わっちゃうんだな…
ダレモイナイ トウカスルナライマノウチ
第7話『対面』
どんなに嫌がっても明日は必ずやって来る。それならば同じその日をどのように迎えるのか。
唯人は「その日」を、やる気に満ち溢れた心で迎えた。
「椎名君!」
教室に入ると真っ先に雅が駆け寄ってきた。
「おはよう。心配かけてごめん。」
まだ不安げな表情を浮かべている雅に、そう笑って返す唯人。
遅れて順平も唯人の近くへ歩いてくる。
言葉は交わさなかったがハンドシグナルで大丈夫だと伝えた。
ちょうどその時、真後ろの扉が開いた。
振り返ると、立っていたのは神野。
唯人は眉を寄せた。彼は隣のクラスのはずだ。となれば自分に用があるとしか思えない。なにしろ昨日の今日だから。
果たしてそれは正解だった。
「今夜九時、商店街裏の山。」
たったそれだけをつぶやくように告げて、神野は自分の教室に戻っていった。
授業が始まると、唯人はここ数日の遅れを取り戻すかのように熱心に聞き入った。
それは周りから見ると恐ろしさを感じるほどのものだったという。
チャイムが鳴ってからも、分からない部分を真っ先に聞きに行き、教師によって感心されたり不審がられたりだった。
「どうしたんだお前、熱でもあるのか?」
いつもなら噛み付く言葉にも、爽やかに白い歯を見せて返す。
「自分のやるべきことが分かっただけだよ。」
充実した時間はあっという間に過ぎてゆく。
学校が終わって家路につくと、唯人はいつもと違い真っ先に宿題に取り組んだ。
それが済むと今度はしばらくサボっていた家の掃除を始めた。掃除機を掛け雑巾を掛け、徐々に綺麗になっていく家の中が気持ちいい。
ちょうど帰ってきたつかさの夕飯作りを手伝い、食べ終わる頃には出発にぴったりの時間になっていた。
玄関でジュニアを抱きかかえるつかさは、最後に唯人に念を押した。
「本当に行くの? 罠かもしれないよ?」
「大丈夫。それにどうせいつかは戦わなきゃならないんだ。」
そして唯人は、ポケットからステッキを取り出し祈りをささげた。
身体中の触覚が失せ、重力さえも感じなくなる不思議な感覚。徐々に感覚が戻ってくると唯人はピンクの衣装に身を包んだ少女となっていた。
「じゃあ、行ってくる。」
どこも閉店していて切れかけの街灯だけが点いている商店街。
その不気味さを振り切るように唯人はアーケードの中を疾走してゆく。
最後の看板をくぐるとそこは闇の世界。一歩一歩踏みしめるにつれて、唯人の姿が闇に溶けてゆく。
足元に注意しながら山を上り、広い平地になっているところに、仮面の男はいた。
いたのだが、どちらが神野なのか分からない。というのも、その場所で二人の仮面の男が戦っていたのだ。
二人は全く唯人に気付いていない。二本の剣が時々月の光を反射して輝きながら激しい金属音を立てる。
唯人は今ようやく分かった。自分を助けてくれた男は神野とは別人だったのだ。
しかし一体どちらを応援していいのか分からない。
唯人が戸惑っているうち、その時はやってきた。
片方の男の剣が緩んだ。その隙を狙って攻勢に転じようとした男は、逆に足を払われて体勢を崩した。
その顔を鋭く剣が襲う。仮面が宙を舞った。月が映し出した神野の顔。
次の瞬間、神野でないほうの男が神野の耳の辺りを正確に突いた。そして、神野は倒れた。
神野を倒した男は自ら仮面を脱いだ。現れた顔は知らないはずなのに、どこかで見たことがあるような気がする。
「彼は操られていただけだ。」
顔をぼーっと眺めていた唯人は、その声にビクッとする。男は神野の耳から取り出した宝石を見せた。
それから、こう続けた。
「私の祖先は昔魔族からこの剣を奪い、代々守り続けてきた。
この剣には魔物を惹きつける力があると言っただろう。どうやら使い方によっては魔物を操ることもできるらしい。
彼が持っている剣はレプリカで完全な力が出せなかったんだ。」
「それで取り戻しに来たって訳か。」
神野のほうを見やる唯人。倒れているその姿に近づこうとした瞬間のことだった。
「危ない!」
声が聞こえたのとまばゆいばかりの光球を感じたのはほぼ同時。
直後、男の肩が唯人を弾き飛ばした。
唯人は男に光球が直撃するのを、ただ見ていることしかできなかった。
そのまま弾き飛ばされる男。
彼が倒れたとき、破れた袖から見えたのは、あの日唯人が雅に渡したブレスレットだった。
;゚д゚)<次回最終回らしいよ
Σ(゚Д゚;エーッ!!
251 :
◆KazZxBP5Rc :2009/02/08(日) 21:50:21 ID:nalqDV3o
べっ、別にレスが無くたって寂しくなんてないんだからっ!
あっ、そうそう、そんなことより最終話、いくわよ!
第8話『今、全てに決着を』
「海……瀬……?」
唯人がつぶやくと、男は倒れたままむりやり笑顔を作ってみせた。
まだ頭の整理ができていない。ふらふらと男の側に歩いていく。
気付いてみるとあの目は確かに雅の目だ。
唯人は雅の隣にしゃがみこんだ。
「どうして……?」
「力が、欲しかったの。私には、魔力は無いから。」
そんなことが聞きたいんじゃない。だけど目の奥が熱くなって、言葉が声にならない。
とうとう目から涙があふれ始めた。
泣きじゃくる唯人にそれでもなお優しく微笑みかける雅。こんなの、逆じゃないか。
唯人の涙が治まるのを待ち、雅は少し顔をそらし気味にして言った。
「私ね、椎名君のこと……、」
その時、二人を光が包んだ。
唯人はとっさにステッキを使ってガードを取った。
しかし強大な力には耐え切れず、ステッキは折れてしまっている。
いや、ステッキのことなどどうでもいい。
吹き飛ばされた唯人は、慌てて再び雅の元へ駆け寄る。
手首を握ってみる。脈は感じられない。
雅の顔に耳を近づけてみるが、呼吸の音も聞こえない。
「そんな……。」
そして唯人は、無意識のうちに自分の唇と雅の唇を重ね合わせていた。
強い力が自分の内側から沸き起こってくるのを感じる。その力を唇から唇へ受け渡すイメージを強く思い描く。
宇宙に二人しかいない。そんな、魔法少女の変身のときのような、しかし全く違うような感覚を受けながら……。
立ち上がった唯は、家を出る前に着ていた男物の服装になっていた。
男とキスをすると男に戻ることはできない。その掟は、本来女である雅との間でも変わることはなかった。
もう二度と変身することもない。
雅と神野を草陰まで運ぶと、唯は闇の中をにらみつけた。
「まったく、親子ともども役立たずめ!」
現れたのは小柄な老人だった。
だからといって唯にためらいの気持ちは全く無い。
唯は試しに指の先から炎を出してみせた。いける。
今まで、ステッキが無いと魔法を使えないと思っていた。
だが考えてみれば魔力の源は自分なのだ。
ステッキは確かに魔力を外に伝導しやすくしてくれたかもしれない。
でも、イメージさえしっかりとつかめれば、ステッキに頼らなくても魔力を行使できる。
それが先ほどの体験で理解できたことであった。
「ふん!」
老人は掌から光球を作り出し、投げつけてきた。
しかしそれは唯に直撃する直前で虹色のバリアに跳ね返された。
もはや四元素に縛られる必要も無い。イメージの続く限り新たな魔法を作ることができる。
ひとつでは無駄と見たのか、老人は光球を自分の周りにいくつも生み出し飛ばしてきた。
唯は焦った。これでは近づけない。流石にバリアを張りながら動けるほどの集中力は無い。
バリアのために当たりはしないが、老人の攻撃は無尽蔵だった。魔族の力の一端を与えられているのだろう。
これではいずれ唯のほうの体力が尽きて負けてしまう。
唯がこの事態をどう打破しようか考えていたとき、倒れていた神野の口が動いた。
「じい……さん……。」
それは、うわ言だったはずなのに不思議に心強く闇に響き、唯の耳にも届いた。
唯はこの戦いの結末を全く考えていなかった。
あの老人を倒したとして、それで諦めるのだろうか。老いた身にとって若さと永遠の命がどれほどの魅力か、唯に量るすべも無い。
だからといって二度と立ち上がれないほど痛めつけたり、殺したり、同じ人間にそんなことができるほど唯は図太くない。
説得? そんなことができるほどならこんなことにはなっていないはずだ。
「でも……。」
でも、唯にはひとつだけ不確かながら希望があった。
言葉で伝わる情報には限界がある。だから人は誤解したり疑ったりする。
一方、魔法とは気持ちの力だ。気持ちに直接気持ちをぶつける。そうすれば分かってくれるかもしれない。
危険な賭けだ。でもこれ以外に全員を救える道は無い。
かなりの時間が経った。
だが無駄に時間を過ごしていたのではない。人がものを適当に並べるとき、そこに必ず癖が出る。唯は光球のパターンを見ていた。
魔力も限界に近い。唯はバリアを外すと、自分に向かってくる光球に手を突き出した。
集中。掌すれすれのところで唯は光球を自分のものにした。
それを別の光球に投げつける。互いに触れ合って爆発する光球。その間を唯は潜り抜け、老人の懐にもぐりこんだ。
「これが……俺の気持ちだ!」
全部の魔力を出し切った唯は、その場に倒れこんで……。
唯が目を覚ますと、そこは自分の部屋のベッドだった。
昨日のことがまるで全部夢だったかのように感じられる。
「あ、起きたんだ。」
タイミングよくつかさが部屋に入ってきた。
「うん……。」
当たり前なのだが自分の声がやっぱり高い声だったのに少しショックを受ける。
もう一時的なものじゃないんだ、早く慣れなくちゃ。
「神野のジジイは改心したってさ。」
なんとなく返事する気になれない。それを聞いてほっとしたことは事実ではあるのだが。
「それにしても、やっぱり血は争えない……か。」
「何のことだよ。」
「……私もね、昔魔法少女やってたんだ。」
やけに詳しいとは思っていたので、特に驚くことも無い。
「元男でね。」
「は?」
それは寝耳に水だった。
「その時も神野は親子で向かってきてね、息子さえ倒せば止まると思ってたんだけど、ジジイのほうが問題だったとはね。」
淡々と話すつかさ。大事な部分をスルーされている気がする。
「それより姉ちゃん、男とキスって……?」
「ああ、あの子の父親いたでしょ。」
「わんっ!」
「ジャッキーがどうしたって?」
ジュニアの父親ジャッキーは、椎名家の実家で飼われていた犬だ。
「うっかり変身解くの忘れてジャッキーと遊んでたんだよね。」
呆れて声も出ない。
どうやら男というのは人間でなくても良いらしい。
「それじゃそろそろ邪魔者は退散しますか。」
「え?」
「彼が家まで運んできてくれたのよ。」
つかさと入れ違いに現れたのは、男の姿の雅だった。
唯は慌ててベッドから立ち上がる。
「海瀬……。」
「みや……ううん、マサって呼んで。」
「雅?」
「私も、元に戻れなくなっちゃって。」
女から男に変身するときも、同じような条件があるようだ。
「ごめん……。」
「気にしないで。」
いたずらそうに微笑むと、雅は唯を抱き寄せた。
唯の肩がビクッと跳ね上がる。
でも、不思議と悪い気はしない。相手が雅だからなのか、それとももう既に女としての感覚が身に付きはじめているのか。
そんなことを考えているうちに、男としてはやわらかそうな雅の唇が近づいてきて……。
唇が離れたとき、唯は「もっと」と言いそうになったが、さすがに恥ずかしすぎてやめた。
「気絶してたから覚えてないんだよね。だから、仕返し。」
楽しそうに話すこの雅の笑顔を、いつまでも守りたい。
唯はそう心に深く誓い、雅に笑い返した。
おしまい。ありがとうございました
これからどうするかは未定
投下乙。性転換モノ連載おつかれさまです。
こういう積極的に作品を書いてくれる人、好きです
お疲れ様でした
GJです
お疲れさまでしたぜー
263 :
◆KazZxBP5Rc :2009/02/13(金) 23:29:59 ID:Phn/A7z5
ユイ番外編投下するよー
こいー
それは2月に入ってまもなくのこと。
椎名姉妹は夕食を食べ終わってコタツでテレビを見ていた。
「そういえばさ、あんたバレンタインどうするの?」
姉のつかさが尋ねる。
「ん、姉ちゃん今年は何かくれるの?」
みかんを片手に妹の唯が答えた。
「あのねえ……。バレンタインよバレンタイン。何の日だか知ってる?」
「女の子が好きな男にチョコあげる日。」
正しくは「今の日本では」が付く。
「そうそう。で、あんたはどっち?」
「どっちって……あ――っ!」
まだ女の子としての自覚が足りない唯だった。
「という訳で朋、手伝って。」
女になってからの唯は一気に女友達が増えた。その中でも特に仲良くなったのが朋である。
「いいねえ、ラブラブで。」
「かっ、からかうなよ!」
顔を真っ赤にして反応する唯。それがイタズラ心をくすぐるのだということを本人は知らない。
「じゃあ、十三日に私ん家ね。」
「さんきゅ。」
お菓子作り当日。買い物を終えた二人は朋の家に向かった。
「ただいま。」
「おじゃましまーす。」
朋に続いて唯も玄関に入ってゆく。
スカートなので足を後ろに跳ね上げて靴を脱ぐ。つかさに教わったやり方だ。
中に上がると朋の母親が出迎えてくれた。
「あら、お友達? いらっしゃい。」
「お母さん、キッチン使っていい?」
「ああ、そうね。……どうせ買い物してくるんだったら頼めばよかったわ。」
「今から行くの?」
「そうよ。すみませんね、バタバタして。」
最後の一言を唯に向けて放ち、朋の母親は出て行ってしまった。
「さてと、じゃあやろっか、愛しの雅ちゃんのために。」
不意打ちに雅の名前が出たのが気恥ずかしくて、つい朋をにらんでしまう唯。
朋はそんな初々しい唯を眺めるのが大好きなのだ。だからしょっちゅうからかってしまう。
その後、二人はキッチンに入って準備を始めた。
「料理はよくやるの?」
「うん、姉ちゃんと二人だから。でもお菓子は作ったことないな。」
「大丈夫、混ぜながら順番に入れてくだけだから。」
話している間にも準備は整った。今回二人が作ることにしたのはクッキーだ。
唯は最初のバターをボウルに入れる。
ヘラを取り出そうとした朋を唯は制止した。よく見るとバターは勝手にやわらかくなっていっている。
「魔法?」
「ボウルの中の空気を回しているんだよ。」
「……いつもこんなことやってるの?」
「だって体動かすより楽だもん。」
「……太るよ。」
「大丈夫だよ、毎朝トレーニングしてるから。」
呆れたり羨ましかったり、複雑な思いを抱く朋。
「よし、全部混ぜ終わった。」
「あとは小さくこねてオーブンで焼くだけだよ。」
「魔法で焼いちゃダメ?」
「うちを火事にする気か!」
クッキーを焼いている間、二人はジュースを飲みながら話していた。
「で、雅ちゃんとはどこまでいったの?」
危うく噴き出すところだった。
「どどどどどどどどどこまでってキスだけだよ!」
「えー、つまんない。」
「つまんないってなあ……俺、男だったんだぞ?」
「知ってるよ。」
「だから、その、まだ……。」
恥じらう唯が可愛すぎて、朋は笑ってしまった。
「ま、あんたたちなら大丈夫でしょ。ゆっくり大人の階段上っていきなさい。」
そう言って唯の肩を叩く朋。
なんだかんだ言って良い友達だな、と唯は思った。
翌日、教室ではさまざまな思惑が渦巻いていた。
一触即発、そんな空気をよそに、登校してきたばかりの唯は雅に話しかけた。
「雅、これ……。」
「え? あ、ありがとう。」
なんだか様子がおかしい雅。
「実はね、くれるとは思ってなかったから、こっちでも用意してたの。」
換わりに赤い紙で包装された箱を受け取る。
なんだ、そういうことだったのか。唯は自然とにやける。それにつられて雅にも笑顔が浮かぶ。誰にも入れない二人の世界がつくられていた。
少し遅れて、順平が教室に入ってきた。順平と雅の席は前後同士で、唯は今度は席についた順平に話しかけた。
「よう、お前にもいろいろ世話になったから、これ。」
「なんだ?」
「バレンタインの。」
「お前なあ……彼氏の目の前で他の男に渡すなよ。」
わざと強調された「彼氏」の言葉に唯が真っ赤になるのは言うまでもなかった。
おわり
番号間違えてごめんなしあ><
またしばらく単発ネタでがんばろう
1レス投下
「真冬にわざわざコタツでアイスなんて、どうかしてるよ」
「そうか? うまいぞ」
「……まあ、どうかしてるのは分かってたけどね
男だったボクをわざわざ女にして彼女にするくらいだから」
「嫌なのか?」
「……ズルいよ、好きになっちゃってからそんなこと聞いてくるなんて」
「まあ、なんだ、お前もアイス食えよ」
「寒くなるよ」
「寒くなったら暖めあえばいいんだよ」
「バ、バカ! 何言って……
……モナカ、あったかな…………」
真冬のアイスは至高
だがその発想はなかったwww
中身は男の子同士なのにとか考えちゃう俺はTSに向いてないんだろうな
少しずつ中身が女の子に染まっていくのがいいんじゃないか
中身男のままで百合も素敵だけどね!
TSモノの醍醐味はギャップなのだよ
可憐な女の子の中身が実はざっくばらんな男みたいなのを想像すると
もうそれだけで体全身が濡れる
その情熱を創作に注ごうぜ
うむむ、TSというジャンルを誤解していたかもしれん
誰もが何かしら持ってる変身願望を満たすようなもんだと思ってたよ
すぐには無理だけど、いつか何か書いてみるよ
それもある
それもあるけどもっと深かったのだよ
肝心なこと言い忘れたw
wktk
単発ネタでがんばるとキッパリ言ったばっかりなのに……
スマンありゃウソだった
俺の名はアルナ。幼なじみの魔法使い・ネミとともに気ままに旅を続けている。
差し当たっての目的は、旅の中で立ち寄った町で頼まれた、モニュモニュの丘にある木の実を採りに行くことだ。
「ずいぶん歩いたな。」
「あそこの小川の側で休憩しよっか。」
太陽は南中。見渡す限りの草原。爽やかな風。
こう気持ちが良いと昼寝でもしたくなる。
しかし丘まではまる二日。惰眠を貪っている訳にはいかないのだ。
俺達はちょうど小川の近くに立っていた木に寄り掛かり、昼飯の仕度を始めた。
と、その時。木の上からモンスターが落ちてきた。
不思議なモンスターだ。体はゲル状の物質で構成されているようだか、形状は獣のかたちを保っている。
とにかく、飯の邪魔。こういうのはさっさと片付けるに限る。
剣を抜いてモンスターに襲い掛かる。こいつ、意外と斬れにくい。
「どんな能力持ってるか分からないから、距離を置いて戦いなさいよ!」
ネミの声が耳に届くが、あいつは分かっていない。
攻撃は最大の防御だ。相手に攻撃させる隙を与えないのが最も効率的な戦い方なんだ。
素早く、強い力で攻撃を叩き込むほど相手は怯む。
そのために俺は日々トレーニングを欠かさない。
なかなかしぶとい奴だ。
俺は戦いに夢中で周りの異常な事態に気付いていなかった。
ふと目を上げると俺の周囲は赤い霧で覆われている。
驚いているうちにモンスターは逃げ出してしまった。
追おうとしたが、体が動かない。
「しまった! しびれ……」
俺の意識はそこで途切れた。
目を開けて最初に思ったことは「まだ太陽は高いな」ということだった。
「ネミ……?」
自分の口から漏れる声がいやに高い。喉をやられたかな。
「体、よく見てみなよ。」
そう答える彼女の声は震えていた。
仰向けの体勢から顔を上げるとまず目に飛び込んできたのは大きな膨らみだった。
そしてそれはどうやら俺の胸に付いているらしい。
薄い装備越しに触ってみるとそれが実感できる。
もしかして下も……と思い中を覗き込むと、果たしてそこには平地が広がっていた。
顔でも洗おう。異常な事態に巻き込まれると、人は現実逃避に突然こういうなんでもないことを思いつく。
小川の水に手を伸ばそうとした時、見知らぬ女のはかなげな姿が水面に映っていた。
ネミもなかなかの容姿だが、この女は今まで見たこともないような絶世の美女だ。
「これが……俺?」
つづく
職人さん絶賛募集中です
GJだ
これはよい中二
続きはマダー?
少しずつ毎日投下するほうがいいと知ったので
いいなあ。期待期待
ネタが少ないので1週間ちょっとで終わる…かも
今日の分投下ー
チキンにかぶりついているうちに落ち着いてきた。
「じゃあ行くか!」
「え?」
おいおい、そんなピジョンホークが豆鉄砲食らったような顔するなよ。
「どうせくだらねえ呪いだろ? 後で解呪すればいいって。」
「でも……」
「それに、この辺りには大したモンスターはいねえよ。」
「うん……」
なんか調子が狂うな。いつもはすぐ突っかかってくるのに。
俺達は荷物をまとめてまた歩き出した。
体のバランスが変わって動きにくいが一時間もすれば慣れるだろう。
「ちょっと待って。休憩。」
「また? もう三回目だよ。」
そんなこと言われても、体が追いついていかない。足が棒のようだ。
太陽はもう傾き始めている。そんなことは分かっているけど。
「十分だけ、な。」
「もう……」
腰を下ろしてしばらくすると、近くの草むらが揺れだした。
まずい、ここまで引き寄せるまで気付かなかったとは。
こんなに近いと戦闘は避けられそうにもない。
飛び出したのはラージウルフだ。
なんだ、デカいだけで弱っちいヤツじゃないか。
俺は剣を取り、反対側を見張っていたネミに戦闘の開始を告げた。
まずは挨拶にと一太刀。だったつもりが、かすり傷を負わせただけ。
ウルフは全く意に介さず突進してくる。
くそ、剣が重い。いつもの俺なら三撃以内で仕留められる敵なのに。
片手剣を両手に持って振るう。
「ガウゥゥゥゥゥ!!」
よしっ、効いた! と思ったのも束の間、ウルフは逆上してさらに攻撃の手を強めてきた。
防戦一方の俺。ちっ、ネミはまだ詠唱中か?
つば競り合いの末、とうとう剣が弾き飛ばされた。
「アルナっ!」
逃げろ。脳がそう命令してるのに体がすくんで動けない。
なんでこんなヤツに俺は恐怖を感じているんだ。
心なしか勝ち誇ったような顔のウルフ。その大きな口が俺の頭を……。
「キャ――――ッ!」
「ファイリア!」
きつく閉じた目をゆっくり開けると、ウルフは炎に焼かれてその場に倒れていた。
「あ……」
「ほら、しゃんとしなさい!」
「あ、ああ。」
ネミに腕を引っ張ってもらい立ち上がるが、思わず彼女に寄りかかってしまう。
そこで初めて、腰が抜けているのだということに気付かされた。
「どうする? 町に戻る?」
その言葉に俺はうなずかざるを得なかった。
つづく
つづいた
まだ4日の25時だよねっ
…投下します
医者は俺の体に手をかざした。
やがて、手を下ろした医者は、俺に向かって告げた。
「気の流れを読みましたが正常です。完全に健康な女性の体です。」
「なんだって?」
「ですから、これは呪いの類ではないということです。物理的に体を造り変えてるとしか思えません。」
後ろからネミが口を挟む。
「元に……戻れないのですか?」
「長い間この仕事をやっていますが、こんな現象は聞いたこともありません。おそらく難しいでしょう。」
町に戻った俺達はその足でまず医者に向かった。
それがさっきのことだ。
「これから、どうする?」
ネミが恐る恐る聞いてくる。
傷つけないようにか、それとも俺が怒っていると思っているのか。
「とりあえず、今日のところはもう遅いし、宿を取ろう。」
俺はなるべく笑顔を作って返した。
宿屋の個室でなんとなく眠れずに暇をもてあましていると、ネミが俺の部屋に入ってきた。
「アルナ、一緒に寝てもいいかな。」
「なっ……」
返事も待たずにネミはベッドに座る俺の隣に腰掛けた。
「明日は装備買い替えに行きましょ。」
「ああ、そうだな。」
「……」
「……」
気まずい沈黙が流れる。
「私ね……」
ネミの真剣な横顔を間近で見つめる。
女になって目線が同じ高さになったから、頬と頬が触れそうなぐらいだ。
「ごめん、やっぱなんでもない。」
おいおい、気になるじゃんか。
「さあさあ寝よ寝よっ!」
不意を突かれて、俺はベッドの上に引っ張り倒された。
もうすぐ満月か。
窓から漏れる月の光は俺達を照らしていた。
ネミは俺の腕に絡み付いて、すやすや眠っている。
そのせいもあってか、俺は未だ全く寝付けない。
何せ彼女の胸の感触が直に伝わってきている。
今では――本人の前では言えないが――俺の方が大きいとはいえ、このやわらかさの前では自制心を保つのが大変だ。
もっとも、俺が寝付けない一番の理由はそれではない。
これからのこと。
あるのかどうかも分からない、男に戻る方法を探すのか。
それとも諦めてこのまま一生を女として過ごすのか。
「アオ――――ン!」
犬の遠吠えが響いた。
まあ、時間はたっぷりある。これからじっくり考えていけばいいか。
そう結論付けて、俺は目を閉じた。
つづけ
医者は気でみるのか
ファンタジーっぽいなー
久しくこのスレは見て無かったが、
>>295を読んで、
1から読んでみる気になった。なんだろう、この湧き上がる気持ちは
昔は医術はオカルトだったらしい
>>299 さあその湧き上がる気持ちを表現するんだ
男から女になったってことは、精神面では公然と(?)百合ができて
百合百合していいてっことなんだな。素晴らしいぜ、性別変化!
いや、その百合の背徳感が素晴らしいってことも確かに分かるが、
男が女になっちゃったその戸惑い、何より男の夢、みたいなもんは素晴らしいな
うん、素晴らしい
これでいいんですね><
それでヒロインの方が意外と男らしくて
元男である自分のアイデンティティに悩むとかいうパターンも萌える
いいんですけど作品で表現してくれるともっと嬉しいな><
>>302 な、なるほど。奥が深いぜTS道。確かにそれもたまらん物があるな
作品とか勘弁してくだしあ><
これか!このもやもや感が俺の書いたアレには足りなかったのか!orz
生きろ、そして続きを!
最近俺以外の投下がないので
なりふりかまわず噛み付いてるけどごめんね
続きは書く!たぶん!
他所でやってる某アレやら某コレやらの後になるけど、ここ流れの遅いスレだからきっとだいじょぶ!orz
三日坊主とか最低ですね!
投下します!
「こ、こんなの着るのか……」
俺は町の防具屋の中で立ち尽くしていた。
誰だってそう思うだろ。防具のくせになんでこんなに露出が高いんだ。
「女性の方は体力が劣るので、なるべく軽くなるように仕立てられています。」
店員によると、そういうことらしい。
しかしこれで身を守れるものか? 確かに胴は鉄板で覆われているから大丈夫そうだが。
「動きを制限される方が命に関わりますからねえ。」
なるほど、一理ある。
試着室に入ると女の店員が待ち受けていた。
「ではサイズをお測り致しますので服をお脱ぎください。」
「へ?」
そりゃそうだ。サイズが分からなくては防具は買えない。そんな当たり前のことを今さら思い出した。
店員は部屋の隅ですました顔で待っている。
きっと向こうは仕事だから何とも思わないんだろう。
……って、なんで俺は上半身裸になるくらいでこんなに恥ずかしがってるんだ。
思い直した俺は皮のシャツを思いっきりカゴに投げた。
「んっ……」
胸に当たるメジャーと店員の手の感触がくすぐったい。
このままだと変な気を起こしてしまいそうだ。
そう思った途端だった。
「終わりましたよ。」
助かったような、残念なような。
やっぱり騙されたんじゃないだろうか。
肩も太ももも丸出しで恥ずかしいったらない。
「カッコイイよ、アルナ。」
隣を歩くネミが笑って言う。
「からかうなよ。」
「あー、ひどい! 本気だよ。」
頬を膨らますネミ。こいつを見ていると不思議とどうでもよくなってくる。
「あとは剣だね。」
「ああ。」
夕刻、俺は新品の細身剣を持って再びラージウルフと対峙していた。
「昨日のようにはいかないぜ!」
剣を一振り、二振り。なるほど、これは今の俺には扱いやすい。
「くっ……」
なかなか致命傷を与えられず肉迫するが昨日ほどの必死さは無い。
ウルフとの距離が離れた。剣を持ち直す。
「うぉぉぉぉぉ!」
突進してくるウルフの口の中に剣を突き刺した。
そして呼吸を止めたウルフはその場に崩れ落ちた。
「よしっ。」
「やったね!」
これからの旅、何とかなりそうだ。
乙
珍道中どうなる事やら
つづく
違う数字まで増やしてたw
そろそろ正式タイトル考えないと
だよな、ファンタジー系の女戦士の防具って絶対おかしいよな
実は某ゲーム雑誌の受け売りな話題だったりw
ここで空気を読まずに要望
もっと色々着せ替えさせようぜw
残念ながら現実でもファンタジーでもファッションには詳しくないので
着せ替えさせる能力がないのです
なんだかTSの魅力が分かってきたきがするよ!
続き投下期待
なんだかんだで1週間引っ張っちゃったよ
投下します
俺達は再びモニュモニュの実を採りに行くことにした。
今度は見知らぬモンスターに遭遇することもなく順調に丘までたどり着いた。
結局俺をこんな風にした張本人も見つからなかったわけだが。
モニュモニュの実は玉虫色をしていて異様な雰囲気を漂わせている。
これをすりつぶすことである種の解毒剤になるらしい。
俺達は袋いっぱいに実をつめて丘を後にした。
町へと戻る道の最初の夜。テントの外で俺は見張りをしていた。
「今夜は満月か。」
頭上には満点の星空が広がっている。
その中に輝くひときわ大きな真円の光の玉。
俺はそれにひたすら魅せられていた。
「アルナ、交代。」
ネミの声にはっと我に返った。
「おう。」
なんだか頭がぼーっとする。
ここはネミに任せて早く寝よう。
…………
「ん……」
「あ、気付いた? 朝だよ。」
「ああ……」
夜中にもう一度見張りを交代しようと思っていたのに、寝過ごしてしまったらしい。
昨日は寝つきが良すぎた。
でもその割にはまだダルさが取れていない。
「どうかしたの?」
寝転んだままの俺にネミが不思議そうに話しかける。
「なんか腹の下辺りが重くってさ。」
「それって……」
「ん?」
「あのね。」
ネミの表情が真剣なものに変わる。
それを見て思わず俺は体を起こした。
その後、一時間にも及ぶ女の子授業の開講となった。
「はぁ、俺これからやっていけるんだろうか。」
「大丈夫大丈夫、私がついてるから。」
俺の頭をそっとなでるネミ。
この時の彼女はやけに頼もしく思えた。
つづく
投下終わり
ぼ、ぼくわかんないよう
わーい女の子になった夢見たよー
中学の体育の時間だった
お尻重かったw
今週のワンピースが大変なことになってた
325 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/02(木) 18:43:28 ID:nSUaoI7W
>>324 母二人娘一人のくだりに少しばかり感動してしまった
ここまで投下止めるとは思ってなかった…
つづきいきます
俺達は木の実を届け、町へしばらく滞在した後、次の町を目指すことにした。
出発の日、朝早くから多くの町人が見送りに集まった。
「では、お気をつけて。」
「力になれなくてすまなかったな。」
「機会がありましたらまた来てください。」
俺達はお礼を済ませると、果てしなく広がる草原へと足を踏み出した。
「この森を抜けたらすぐ次の町のようだな。」
「なんだか薄気味悪くない?」
「だいじょーぶだいじょーぶ。」
柄にもなく怖がるネミを適当にあしらう。
大体この辺りの魔物ならまだまだ余裕で倒せるだろ。
日が落ち始めて薄暗い森の中を歩いてゆく。
「きゃっ!」
「チュチュッ。」
「ほら、ネズミだろ。」
「う、うん……」
なんだか調子が狂うな。
さらに歩いたところでネミがまた話しかけてきた。
「ねえ、やっぱりさっきから何かいない?」
「森なんだし動物や魔物くらいいるだろ。」
「そう……よね……」
近くの草むらがざわざわと揺れている。
「それか風で草が揺れてるだけじゃ……」
くそ、油断してた。草の中から山賊らしき男共が顔を現した。
三十人は下らないな。既に俺達は取り囲まれていたようだ。
「へっへっへ、お嬢ちゃんたちよ、そんなに急いでどこへ行くんだ。」
鞘に手をかけて奴らをにらみつける。
「そんな怖い顔しなさんな、綺麗な顔が台無しだぜ。」
あいにく男に綺麗と言われて喜ぶような趣味はないんでな。
「おとなしく捕まってくれそうにゃあないな……野郎共! かかれ!」
ちっ、この人数を相手にするにはネミの魔法が必要だな。
でも詠唱の間どうやって彼女を守るか。
「へへ、覚悟っ!」
あー、もうとにかくがむしゃらにやるしかないか。
とその時、ネミに三人がかりで飛びつこうとしている奴らが目に入った。
「てめえら!」
「アルナ!」
ネミが叫んだのとほぼ同時に、後頭部に強い衝撃を感じた。
そして、俺の意識はそこで途切れた。
まだつづく
うあああああああ
これはPINK板への誘導を用意した方がいいかもわからんね
あらゆる意味で完全にピンチな件
投下しまーす
目を覚ましたとき、俺は手足を壁につながれていた。
「よう、おはようさん。」
下衆な声が牢内に響く。
「そんなににらみなさんな。まだ何もしてねえよ。ボスに会わせるまではな。」
ちくしょう、こんな鎖さえ外れればあんな奴……。
「そうだ、賢いことを思いついたぞ。お前が『何も覚えてなければ』ボスにはバレない。」
「俺は……男だ……」
「そんな体して何言ってんだか。」
やめろ、近づくな。
「すぐに女に生まれて良かったって思えるようにしてやるよ。」
女に生まれてねえから。
くそ、その手を近づけるんじゃねえ。
自分の頬をつたうものを感じた。
こんな野郎が怖くて涙を流してるなんて、情けなくて、悔しい。
しずくが地面に落ちた。と同時に、
「サンデリア!」
野郎は強烈な電撃を浴びて崩れ落ちた。
「アルナっ! 大丈夫?」
「ネミ……どうして……」
言いながら、自分が泣いてるのを思い出して彼女から目をそらした。
「奴らったら、お金が無いのか頭が無いのか、魔封具付けてなかったから楽勝だったよ。」
みるみるうちに俺の手足にはまっていた枷が外されていく。
「さ、行こ。」
彼女の手には、取り返したのであろう俺の剣が握られていた。
アジトの廊下を走る俺たち。
「なあ、こんな堂々と逃げて大丈夫なのか?」
「通路が狭いからさっきみたいなことにはならないでしょ。」
それはそうかもしれない。
「ねえ、アルナ今回ちょっと弱気じゃない?」
「そ、そんなことねえよ!」
結局戦闘にはならずに済んだ。奴ら、大した連絡網だ。
外に出るとアジトは山の中腹にあったことが判明した。
町の明かりが見えている。俺達は急いで町まで逃げ込んだ。
ここまで来たら奴らもうかつに手は出せないだろう。
バーに入って一息ついたところで、決心したことをネミに話し始めた。
「俺、村に帰ろうと思う。」
つづく
( ゚Д゚)……
( ゚Д゚)PINKに誘導しようと思ったのに……
( ゚Д゚)……
( ゚Д゚ )
これでアウトとか厳しすぎです><
これくらいおっけーさー
「ハリー・ポッター」もので、二次創作です。
スネイプ教授が、原作と違い、100%先天性の女性です。
○ 設定捏造。元々は同じ世界だったが、スネ母妊娠の時点で、分離したパラレル
ワールド設定。女スネイプは、母の妹似設定。
○ 元のネタは、原作5巻の“Snape’s Worst Memory”。一種のオマージュ物。
○ 原作7巻まで、全部ネタバレあり。ネタバレが嫌な方は、読まないで下さい。
○ スネイプ教授は、原作の男設定以外、絶対受け付けない〜という方は、是非スルー
推奨お願いいたします。
○ “簒奪者”(マローダー。ジェームズ・ポッター、シリウス・ブラック、リーマス・
ルーピン、ピーター・ペティグリュー)Loveなファンの方は、読まないで下さい。気分
が害される可能性大です。
○ 色物でも断然OKという、心の広い方歓迎。
女版教授は、「十二国記シリーズ」(小野不由美)の中嶋陽子が黒髪になって、髪を
下ろしているイメージで。
NGワードは【スネイプ最悪の記憶】で、お願いします。
スコットランド。ホグワーツ魔術魔法学校 -------1976年、春。
「試験終了!」
普通の成人男性の半分の背しか無い、フリットウィック教授が、試験の終了を高らかに
宣言する。
15、16歳の若き魔法使いたちや魔女たちの将来を決める、大事な試験であるOWLの
最終日。この年は、DADA(対闇の魔術防衛学=Defence Against the Dark Arts)の
筆記試験が、たまたま最後だった。
「解答用紙は、そのままにして、各自退出するように」
老教授の指示に、生徒達は一斉に羽根ペンを置き、ようやく苦行の2週間が無事に終了
した事に、とりあえず安堵する。
この試験の結果を元に、それぞれの担当教科の教授達の判断基準によって、
次の6・7年次のNEWTクラスに進級できるかどうかが決定され、それによって
生徒達の将来の進める進路も決定するのだ。
しかし、大半の生徒達は、試験の結果の事は、とりあえず結果が届いてから改めて
考える事にして、やっと地獄の2週間が終わった事に、一斉にほっとする。
私も、問題用紙をバックに入れると、それぞれバックを持って大広間を出て行く同級生
たちと一緒に出る。そして、いつものように、出口の扉の所に、バックを持って
寄りかかっている、赤毛の親友に、気軽に声をかける。
「リリー。結果どうだった?」
「うーん。まあまあじゃない。それよりも、セブの方はどうなのよ?」
「まあ。私もまあまあかな?」
彼女、リリー・エバンズは、彼女と私が住んでいるところがたまたま近所という事も
あり、お互いに8歳の頃からずっと仲良くしている、私の大事な親友だ。
一年の始めからずっと、週の半分は、リリーと二人きりで“必要の部屋”に入り浸り、
お互いに得意科目を教えあったり、宿題をこなしたりして、実に楽しく過ごしていた。
私は、変化学の方がお世辞にも余り得意では無くて、リリーは得意。彼女は、反対に
余りポーションが得意ではなくて、私は大得意だったのだ。
で、試験の時は、リリーと二人で、仲良く試験の答えあわせをするのが、いつの間
に習慣になっていた。
「あっ。いけない。私、寮に忘れ物しちゃった。セブ、先に行っていてくれない?」
「うん。いつものところだね。じゃ、先に行っているよ」
「すぐに行くから、待っていてね」
軽く私に手を振ると、リリーは、グリフィンドール寮のある、城の上部に向かう階段を
上がっていく。
彼女がいるグリフィンドール寮と、私がいるスリザリン寮は、何故か昔からライバル
関係にある寮同士であり、生徒同士のいざこざは日常茶飯事で、絶えることは無かった。
しかし、私達は、お互いの所属する寮がライバル同士という悪条件にも拘らず、ずっと
親友の間柄だ。
今日は、5年生が受けるOWLだけでなくて、7年生が受けるNEWTの最終日という
事もあり、いつもの静かな筈の湖の湖畔は、開放感に溢れる生徒達で、賑わっていた。
(うわあ。今日は“必要な部屋”の方が、良かったみたいだな。ま、リリーが来たら、
そちらに行けばいいか……)
いつもの定位置である、湖畔の大きな木の下の木陰に座る。そして、先ほど格闘
したばかりのDADAの問題用紙をバックから取り出し、忘れない内に、答えた回答を
思い出し、羽根ペンで書いていく。
問3の問題の所を書いている途中で、突然私の視界が上下逆さになっていた。
(えっ? 何? 何だ、これ? 何で、私は、いきなり空中に上下逆さまになって
いるの?)
事態を把握しようと必死の私に、声をかける者が居た。
「よお。スネイプ。君も僕達の要求どおりに、さっさとエバンズと別れてくれれば、
こんな事にはならなかったんだよ」
(この声は……アイツか!……ゲッ。最悪だ)
あのダサ眼鏡が、ニコニコ笑いながら、物陰からあのいつもの面々と一緒に現れた。
“歩く悪夢”と、私とリリーが密かにあだ名をつけて、嫌っているのが、自称
“簒奪者”(Marauder)達だ。
グリフィンドール寮の同学年で、ジェームズ・ポッター、シリウス・ブラック、
リーマス・ルーピン、ピーター・ペティグリューの4人組ギャング達で、教授陣の前
では、完璧に猫被って“ちょっとやんちゃな、悪戯好きな元気な男子たち”を、
無邪気に演じていた。
一転して、教師がいない場だと、同学年か下の学年の、自分達より力が弱そうな男子
を捕まえては、良く苛めている最低の輩だ。スリザリンの男子学生とハッフルパフの
男子学生数人が、彼らの被害者になっていた。
アイツらの苛め方は、それは陰湿かつ巧妙なもので、1対1じゃなくて、必ず4対1
なのだ。正々堂々と紳士らしく一対一で相手と対峙するのではなく、必ず苛める対象が
一人でいるところを襲うのだ。つまり、自分達がどうみても、圧倒的に優位に立って
居る状態でのみ、手出しをする卑怯な奴らなのだ。
奴らのお陰で、楽しい筈の学生生活が“生き地獄”と化したであろう、苛められた
男子生徒が本当に可哀想で、私は、匿名で、マクゴナガル教授とかスラッグホーン
教授やスプラウト教授には、何度か手紙は出したけど、何も改善されなかった。
リーダー格のジェームズ・ポッターは、とにかく傲慢で自信過剰な男で、自分の寮の
クィディッチチームのチェーサーとかで、活躍しているから、私達女は全員自分に
ひれ伏して跪くと思っているらしくて、トンでもなく嫌な男だった。
あの10人並の容姿の傲慢な男のどこがよいのか、同性として良く分からないが、
グリフィンドールの女子生徒達がメインでキャーキャー騒いでいて、聞くところに
よるとアイツのファンクラブもあるという話だ。
3年の途中までは、彼らの所業は、所詮“対岸の火事”であり、リリーと二人きりで
楽しく過ごしていたのだが、突然ポッターと、そのとても不愉快な仲間達が、
ことごとく私達の前に現れて、私達の仲の邪魔をしだしたのだ。
どうやら、キャーキャーと騒ぐ他のグリフィンドール生の女子生徒の中で、一切アイツ
らにヘイコラしないリリーが、かえってあいつらの目には、新鮮に映ってしまった
らしい。ジェームズ・ポッターが、リリーにしきりにアタックを掛けてくるように
なって、心底ウンザリしたリリーが、私に愚痴をこぼすようになった。
仲良くホグズミード村の訪問をしている最中にも、何かと邪魔しかけてきたので、
私達は、他の店をさっさと回ると、男性客一切入店お断りの“マダム・エメラルダの
ティー・パーティ”という、女性専用の喫茶店でのんびりと過ごすようになった。
そうして、リリーが一切相手にしないと分かると、今度はなんと私に矛先を変えて
くるようになった。リリーととても親しい私が離れれば、リリーと仲良くなるチャンス
発生と、脳天気に考えたらしい。
事ある毎に、私の方に嫌がらせをしてくるようになり、勿論、その度にリリーには相談
し、二人して上級のクラスのDADAの本を読んだりして、自分達の身は自分達で守れる
ように、ふたりで自主的にDADAの実践練習を始めたのだ。
あいつらの相手をすると、あいつらの馬鹿が移りそうで、私は、ずっとひたすら無視
していたのだが……。
空中に浮かんでいた私は、ひたすらスカートが落ちようとするのを、両手で必死に
押さえていた。
(そ、そうだ。取りあえず、杖を取らないと……)
私は、パニックになりながらも、アクシオを唱える。
途端に、ブラックの奴が「エクスペリアームズ」を唱え、私の杖を取ってしまった。
「おっと。これで、反撃は一切出来ないだろう」
私の杖を握ったブラックが、ニヤニヤして笑っていた。
「……で、もう一回言わせてもらうよ。スネイプ。君がエバンズと仲良くしているせいで、
全然エバンズが僕の方を見てくれないんだよ。
ねぇ、エバンズと別れてくれない?もし、よかったらその分に見合った“金”も、
あげてもいいんだよ。何しろ、僕の家はお金持ちだし、両親は僕に大甘だから、
いくらでも理由なんて都合つくし……」
(……この甘やかされた、クソボンボン!)
「……だれが、お前の言うとおりになるものか……」
私は、キッとポッターを睨みつける。
「……そんな強がりを言っていられるのも、今のうちだけどねぇ。スネイプ」
ダサメガネは、私を見て、ニタニタとした下卑た笑いを浮かべる。
「……じゃ、こうはどう? 君がエバンズと別れなければ、今、君のパンティ
取っちゃうよ。……いいのかな? 結婚前の可愛い女の子が、みんなの前で、
アソコを晒しちゃうなんて、お嫁にいけなくなっちゃうよねぇ……」
(……このカス!クズ男!……こいつらの一体どこが、“勇気の寮の寮生”なんだ?)
「誰か助け……」
私は、心の中で悪態をつきながら、余りの事態に助けを呼ぼうと、大声で叫びかける。
いち早く気がついたブラックが、私の喉に消音魔法を施し、私は完全に無防備の状態に
置かれてしまった。
「パッドフット。サンキュ」
「たいした事ねぇよ。このくらい。プロングス」
ダサ眼鏡とブラックが、ニヤニヤと笑いながら、最早完全に“凶暴な狼の群れの中に
投げ込まれた、一匹の哀れな子羊”状態の私のほうを見る。
「……ねぇ。もう一回聞くよ。スネイプ。エバンズと別れてくれることにOKなら、
そのまま頭を前後に振ってくれ。そうすれば、直ぐに開放してあげるから……」
「……ねえ。ジェームズ。あのさ……このまま、エバンズの件が片付いたら、あっさり
とスネイプを開放しちゃうの……?」
それまで、リーダー格二人の傍で、私とのやり取りを黙ってみていた“腰巾着”が、
会話に突然割り込んで来た。
「……もちろん、そのつもりだよ。ピーター」
「ええっ?!勿体無いよ。これだけ綺麗な顔しているんだし。 ……折角だから、
楽しまない?……」
(ゲッ!言うに事欠いて、なんてこと言うんだ。この馬鹿男!)
「…! ……そうだな……。今までエバンズの事しか考えていなかったから、
気がつかなかったけど、この女も確かに上玉だったな。……胸も結構あるから、
身体の方も楽しめそうだしな……」
そういうと、ダサメガネは好色な眼で、私の全身を眺めた。
「で、誰が、一番初めにする?」
「俺は、昨日女とヤッたばかりだから、後でもいいぞ。プロングス」
「じゃ、ねぇねぇ。僕に最初は、駄目〜?」
「駄目だよ。ウォームテール。お前はね、俺達の最後だよ」
「ええっ〜〜!」
「……だったら、僕が最初でいい?」
その後、奴らは“誰が、一番初めにヤルか?”と、三人でひそひそと談義を始めた。
(冗談じゃない! 何で、いまだ男とファーストキスすらしていない私が、よりによって、
あいつらが初めての男達になるなんて……。いつの日か、本当にこころの底から好きに
なった男性と、思っていたのに。…もう、嫌だ……。いっその事、あいつらに汚される
前に、このまま綺麗な身体のままで死んでしまいたいよ)
私は、私の最初の相手が、あんな奴らかと思うと、ひたすらおぞましくてただ泣く事
しか出来なかった。
「……じゃ、僕がやはり最初だね。次は、パッドフット。次はウォームテールだね」
私にとっては、なんともおぞましい相談が終わると、意気揚々と私に近づくダサ眼鏡。
(何で、私が……あんな奴らに汚されなければいけないんだ? 嫌だ。
……本当に最悪だよ)
「……誰が、最初だって……?」
「……そりゃ、勿論僕………って、エバンズ?」
よく知っている親友の声が聞こえた次の瞬間、私は空中から地上に戻され、芝生の上にへたりと座っていた。ずっと頭を下にしていたせいか、軽い眩暈がした。
私の目の前には、杖を構えたままで、心配そうに私を見下ろすリリーがいた。
彼女は、私の喉の消音魔法を解除し、私の荷物を呼び寄せると、そのまま冷たい怒り
に満ちた目で、ポッター達を睨みつける。
「リリー……」
(リリー。ああ、良かった。私助かったんだ。……ううっ。有難う、リリー。この恩は
一生忘れないよ)
私は、感極まって泣きながら、感謝の篭った目で、“救いの女神”と化した大の親友
を見上げる。
「………エバンズ。お前、いつから居たんだよ」
ブラックが、少し狼狽しながら、リリーに問う。
「“君がエバンズと別れなければ、今、君のパ……”の辺りから……よ。ブラック」
その途端、メガネは、たちまち顔が真っ青になる。
「……よくも、私の大事な親友を、此処まで酷い目に合わせてくれたわねぇ?このお礼
は、あとでキッチリさせて貰うわよ。……このクズ男ども!………セブ。大丈夫
だった?……立てる?」
まだショックで泣きじゃくっていたが、黙ったまま頷く私にハンカチを差し出すと、
手を握り、座り込んだままの私を起こす。
そして、リリーは、私の手を握ったまま、ホグワーツ城に向かってさっさと歩き出した。
ジェームズ・ポッターは、単独で、私達の後を必死で追いかける。
「……待ってくれ!……エバンズ。 ……アレは、単なる“冗談”だったのさ。
……なっ、そうだろう?スネイプ」
「……」
(あれのどこが、“冗談”だ。リリーが現れなかったら、100%確実に、私を集団レイプ
していたくせに!)
私は、泣きながらも、ありったけの憎悪の篭った目で、この期に及んでも言い訳をして
どうにか誤魔化そうとする、ダサメガネを睨む。
「……へえぇぇぇ〜〜。セブのショックの状態からみると、到底そうは思えないけどねぇ。
……下手な嘘つくの、もういい加減にして。……アンタの顔を見ていると、ホント吐き気
がするのよねぇ……」
リリーがいかにも馬鹿にしたように、きっぱりと断言する。
「……そ、そんな。……ねぇ、だって、君が僕と付き合ってくれないから、どうしても
仕方なく……」
なおも言い訳タラタラのポッターの態度に、これまで2年半の間、ずっと我慢して
いたリリーの中で、とうとう怒りの臨界点に達したらしい。
彼女は、鬼のような冷たい表情で、くるりと振り返ると、ダサ眼鏡に向かって、
辺り一面に聞こえるような、大声で叫んだ。
「誰がアンタみたいな、所詮集団苛めだけがお得意の、ウルトラお馬鹿と付き合うか!
地球上で、もしアンタしか男がいなくなったとしても、まだセブルスとレズった方が
千倍マシよ。もう二度と私達に関わるな。バーカ!」
ミネルバ・マクゴナガル教授のオフィス------同日の夜。
「……貴方方は、どうして此処へ呼ばれたか、分かっていますか?」
このホグワーツ魔術魔法学校の副校長&グリフィンドール寮の寮監である、ミネルバ・
マクゴナガル教授が、自分のオフィスの椅子に座り、冷ややかなキツイ目で、
机を挟んで立つ四人の男子生徒に詰問した。
「俺達は、何も、特に呼ばれるような事はしていません」
白々しく嘘を言うシリウス・ブラックの態度に、寮監は、ますます冷ややかに、自分の
チャージである生徒達を見据える。
「……貴方がたは、アレだけの事をしでかしておきながら、いまだに反省のかけらもない
のですね。つくづく呆れました。……貴方がたが、今日湖の畔で、ミス・スネイプに
対してしでかした事は、泣きじゃくる彼女を連れてやって来た、ミス・エバンズから
全部聞きましたよ。
それから、今に至るまでの2年半もの間、貴方がたが行った、二人に対する執拗な
“ストーカー行為”についてもね。……本当に、貴方方は、一体何を考えているのですか?」
「あっ。アレは、ほんのジョークですよ。それに、“ストーカー”なんて、大げさな……。
マクゴナガル教授。それはですね、単にスネイプが、過剰に反応しているだけですよ。
……ホントに、あの女は大げさなんだから」
「そうです。あの女は、元から俺達のことを嫌っていたし、俺達を陥れようとして……」
マクゴナガルは、慌てて都合のいい言い訳を言い始める、二人の男子生徒を冷たい瞳で
見つめる。
「……お黙りなさい!ミスター・ポッターに、ミスター・ブラック。……貴方がたには、
本当に失望しました。貴方がたのような、破廉恥な生徒が、ウチの寮生であることは、
ウチの寮の恥です。
貴方がたの、今日の恥知らずな下劣な行動に対して、それぞれ60点ずつ減点します。
合計240点の減点ですね。それに、四人とも、卒業するその日まで続くディテンションを
受けて貰います」
「60点も!そんな!」
「教授。少なくともリーマスは、全く関与していないから、彼から引く必要はないのでは?」
「彼の場合は、監督生でありながら、貴方がたを一切止めもしなかった行為に対して、
ですよ。……そうですね。ミスター・ルーピンは、これまで見てきましたが、とても
監督生としての職務を果たしているとは、到底思えません。ですから、ミスター・
ルーピンの監督生職は、本日もって解任します」
リーマス・ルーピンは、途端に真っ青になる。
「ええっ!そんな。あんまりですよ。リーマスが可哀想過ぎます」
「そうです。そこまでする必要はないかと……」
「……貴方がたに、公衆の面前で逆さ釣りにされ、下着をみんなに見られて、挙句の
果てに、貴方がたに危うく輪姦されそうになった、ミス・スネイプの方が、遥かに
気の毒で可哀想でしょうが! 監督生として、当然そこまで行く前の段階で、静止すべき
でしょう? ミスター・ルーピン。……私の言っていることは、間違っていますか?」
正論そのもののマクゴナガルの言葉に、黙ったまま、うなだれるルーピン。
「ミスター・ルーピンに変わって、ランディ・スタンを監督生にします。彼は、貴方がた
を罰するのに、何の義理も制約もありませんから、キチンとその職務を存分に果たして
くれる事でしょう。
……そして、ミスター・ポッター。貴方が、この件の首謀者のようですから、貴方には、
卒業するまで、一切のクィディッチ試合に参加する事を禁止します」
「ええっ!そんな。僕が居ないと、グリフィンドールは勝てませんよ。 ……そんな事を
して、本当にいいのですか? マクゴナガル教授」
ジェームズ・ポッターは、反感の篭った挑戦的な目で、自分の寮監を見る。
「なら、チームメイトに、その禁止になった“理由”を説明するといいですね。
そうすれば、貴方がしでかした事の重大性が、身にしみて、よく分かるでしょうし。
これだけは言っておきますよ。もし、またミス・スネイプに一回でも手を出すような事
があったら、私の副校長である権限&寮監としての権限をフルに遣って、校長が
どんなに反対しようが、貴方方全員を即刻退学にしますよ」
「ええっ!そんな横暴な……」
「俺達は、そこまで悪くはないですよ。俺達が、あれだけ警告したのに、俺達のいう事
を一切聞かずに、相変わらずエバンズと仲良くしている、スネイプが悪いんだ。……全て
は、あのスリザリン女のせいだ」
「……ミス・スネイプが、誰と友達になろうが、全て彼女の自由意志でしょう。貴方
がたには、彼女の行動を、あれこれ言う権利も資格も、全く無い筈ですが。
……どうやら、世の中の全ては、貴方がたを中心にして、動いていると思い込んでいる
ようですね。
ここまで、貴方がたが、傲慢で愚かだとは気がつきませんでした。……このまま帰しても、
貴方方は、未だに性懲りも無く、今後も執拗に、ミス・エバンズやミス・スネイプに、
纏わり着く事は明らかですね。
……あなた方全員に、今後一切、リリー・エバンズ並びにセブルス・スネイプの、
20メートル以内には近づかない事を、“Oathの誓い”で、誓って貰います」
四人は、強制的に“Oathの誓い”を誓わされた後、自分の寮監が課した処分の重さにも
拘らず、未だ反省もせずに、ふて腐れてぶつくさと文句を呟く。
彼らが、オフィスのドアから退出しかけた時、マクゴナガルは、更に冷たい声をかける。
「……貴方がたは、これで全部無事に済んだと思うのでしょうが、それは残念ながら、
違うのですよ。
通常だったら、この手の話は寮監である、私一人の胸の中に秘されるのです。
が、貴方方はこの期に及んでも、一向に反省すらしていないようですし、事の重大性から、
他のホグワーツの全教授達に、本日貴方がたのしでかした事を一切全て話します。
貴方がたは、此処を卒業するまで、“あの時、あっさりと退学になっておけば、よかった”
と、きっと心のそこから、後悔することになるでしょうねぇ。
特に、女性教授方が、猥褻行為&集団レイプ未遂事件を起こした、言わば“女性の敵”
である貴方がたをどう扱うか。もう、貴方方には、これまでの当たり前のようにあった、
教師達による甘いお目こぼしや、特別待遇は、この先一切ないでしょうねぇ………」
ニヤリと冷たく笑うミネルバ・マクゴナガルの言葉に、四人組は、ここに至って、
初めて事の重大性を自覚し、揃って血の気が失せる。
ジェームズ・ポッターとシリウス・ブラックは、一転して、憎しみの篭った目で、
自分の寮の寮監を睨みつける。リーマス・ルーピンは、監督生を解任されたショック
で、ずっとうつむいたままだ。ピーター・ペティグリューは、ただひたすら
自分達のリーダーの動向を観察していた。
「……あら、今頃やっと“後悔”ですか? 私を逆恨みするのは、残念ながらお門違い
ですよ。ミスター・ポッターに、ミスター・ブラック。……恨むなら、そもそも最初
に馬鹿なことをしでかした、自分達自身を恨むのですね……」
「…………」
------その後
お馬鹿4人組は、マクゴナガル教授の予告どおり、その日の翌日からホグワーツを
卒業するその日まで、教授達から……特に女性教授達から、徹底的に冷たい待遇を
受けたのは、言うまでもない。
THE END
349 :
339:2009/05/01(金) 07:14:39 ID:+ubXtYnM
以上です。
拙いSS、失礼しました。
パンチラは、OKだったのでしょうか?
ラブラブものでなくて、すみません。
乙
おおっと、投下乙
ハリポタわかんないのが残念だ
予想通りレズ厨の巣か。ここの住民の質を考えれば仕方の無いことかもしれないが
353 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 18:30:13 ID:EvT+BGcM
一周年だからここもageてしまおう
誰かいないのかー
物書き修行と妄想昇華のために何か書こうと思うんだが…
気にせず投下していいんじゃね?
いや、むしろ投下するんだ、さあ早く!
誰かお題を…
っ『TST爆弾』
駄目だー
妄想を色々と膨らませて何か書こうと思ったのに全く筋書きが浮かばない…
シチュエーションはそれなりにあるんだが
359 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 17:53:40 ID:4pohx/qD
上げるぜ
只今妄想中…妄想を作品に仕上げるのがこれほど難しいものだとは
ならばその妄想をひそかに応援させて頂こう
TS!TS!
これだけ人がいないならいける!
ぬるぽ
363 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/16(金) 22:05:38 ID:hLo6WBGW
漏れら極悪非道のageブラザーズ!
今日もネタもないのにageてやるからな!
 ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧_∧ ∧_∧ age
(・∀・∩)(∩・∀・) age
(つ 丿 ( ⊂) age
( ヽノ ヽ/ ) age
し(_) (_)J
364 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/16(金) 22:17:54 ID:+o89vurY
>>361 スレ違いのうえに3時間でやられてるぞww
>>365 VIPに立ってたスレが原作の奴だな
同名の小説が元ネタだが、うまく台詞系に合うようにしてあるからさらさら読める
某少年漫画の先天性TSをクリスマスに絡めたのを書いてるけど、今日明日中に書き終わるかな……
ダイの大冒険の二次創作で、ダイとレオナが反転。先天性です。
一応、クリスマスネタ、のはず。
NGワードにはトリップ(◆kmbxgHC1NY)を指定してください。
コンコン、部屋のドアがノックされた。
……こんな時間に誰だろう。
今は夜の10時。もう大分遅い時間だ。
あたしも、そろそろ寝ようと思っていたのだけど……。
とりあえず、ドアを叩いた人物に「どうぞ」と声をかける。
それから殆ど間を置かずに、ドアが開かれた。
「ダイ君、よかったら一緒にケーキ、食べない?」
そう言いながら部屋に入ってきたのは、レオナだった。
片手には、ケーキが入っているのだろうか。箱を持って。
もう片手にはワインとジュース、それぞれ一瓶ずつが入った籠をぶら下げて。
あたしは、甘いモノが大好きなので二つ返事で「食べる!」と返した。
眠気はもうどこかへ行ってしまう。
それよりも今は、ケーキ!
「そう言ってくれるって思ってたよ」
レオナは、そう笑いながら持っていた箱と籠をテーブルへと降ろす。
あたしはとりあえずグラスを2つ用意して、席へと着いた。
レオナが、そのグラスにジュースとワインを注ぐ。
もちろん、あたしはジュース。レオナがワインだ。
「……ねぇ、レオナ」
「ん、なに?」
二枚のお皿にケーキを取り分けながら、レオナが先を促す。
あたしは、グラスに注がれた赤いワインを見つめながら問いかけた。
「……お酒、美味しいの?」
その問いかけにレオナは、
「うん、美味しいよ」
って即答した。
飲んでみる?って言われたけど、あたしは首を横に振る。
一度だけ、一口ほど飲まされたことはあるが、あたしは美味しいとは到底思えなかったのだ。
だって、何だか苦いし、頭はクラクラするし……。
そう言ったら、彼は笑った。
「お酒弱いんだね」
って。
そんな彼の一言に、あたしは頬を膨らませる、が、目の前に置かれたソレに思わず頬を綻ばせた。
真っ白なお皿に乗っかった、真っ白なクリームと真っ赤なイチゴがとっても美味しそうなケーキ!
「さて、食べようか」
「うん、いただきます!」
言って、あたしはフォークでケーキを一口、口の中に放り込む。
スポンジのふわふわ柔らかな感触、生クリームの甘み、スポンジの間に挟まれたイチゴの甘酸っぱさが、口の中に広がる。
んーっ、幸せ!!
「……ダイ君、美味しい?」
レオナが笑みながら、あたしに尋ねる。
それに頷いて、あたしも笑う。
「うん、とっても!!レオナ、ありがとう」
言って、ケーキをもう一口。
再び広がる甘みに、幸せすぎて涙が出そうになる。
いや、本当に泣いたりはしないけど。
そんなあたしを、レオナがじぃっと見つめてくる。
……なんだろう。あたしは首を傾ける。
「ねぇ、ダイ君」
しばらくして、レオナが口を開く。
その顔は笑んでいるけど、口調は何だか真剣で。
「今日が何の日か、知ってる?」
問われて、あたしは傾げている首を、更に傾ける。
何か特別な意味合いのある日なのだろうか……
さっぱり見当がつかない。
そんなあたしの様子に、「やっぱり」なんて笑いながら、レオナが教えてくれる。
「今日はクリスマスだよ」
って。
……くりすます。初めて聞く言葉。
一体どういう日何だろう。
「んーと、簡単に言うと神様の誕生日なんだ。で、それをお祝いする日なんだよ。もっとも」
そこまで言って、グラスを傾けワインを一口。
一旦、言葉を区切った。
「ほとんどの人は関係なく、ただおめでたい日って感じで騒いでるんだけどね」
軽く笑いながら、もう一口、二口。レオナがグラスを傾ける。
あたしもそれにつられるように、グラスを傾ける。
オレンジの香りが鼻先をくすぐって、口の中にケーキの甘さとは違った甘酸っぱい味が広がる。
そうやってお互いにグラスの中の液体を、喉に流し込み、暫くして。
レオナが、何だか多少気恥ずかしそうにしながら口を開いた。
「で、えっと。……クリスマスには、プレゼントを贈る習慣もあって」
言いながら、懐を探って……
コトン、とあたしの目の前に、小さな箱が置かれた。
可愛らしい包装紙に包まれて、綺麗なリボンがかけられた、それが、あたしの、前に。
え……と……?
「受け取ってほしいな」
少しだけ頬を赤らめて、レオナが言う。
……多分、あたしの頬も赤くなっているに違いない。
促されるままに、リボンを解いて包装紙から中の箱を取り出す。
……そして、小さく息を飲んで、箱を開けた。
「……わぁ」
中に入っていたのは、指輪だった。
青い石がきらきらしてて、とっても綺麗。
でも、本当にもらってしまって良いのだろうか。
だって、あたしは……
「レオナ、あたしは何もあげられる物がないよ……」
申し訳なくなって、小声になる。
それでも、レオナはあたしに笑ってくれる。
「僕があげたいだけだから、気にしないで」
言って、またワインを一口。
もう、彼のグラスには一滴の雫も残っていない。
「それに」
がたん、と音をたててレオナが立ち上がって、そのままイスを引いてあたしの隣へ。
「別にモノでなくったって、構わないんだよ?」
あたしの髪を一房、摘まんで、彼が口付ける。
その仕草に、いつもより少し低くて、でも甘い声音に。
あたしは、
「ね、ダイ君。僕のこと嫌い?」
ドキドキ、心臓が飛び出しそう。
レオナが、あたしの髪を束ねたリボンをスルリ、とほどく。
あたしの腰まで伸ばした黒髪がふわりと広がった。
彼はそんなあたしの髪を撫でながら「嫌い?」ってもう一度問いかけてくる。
「き、嫌いじゃ……ない」
何とかそれだけを答えて、あたしはレオナから視線をそらす。
けれど、彼はそうはさせない、とでも言うようにあたしの肩を掴んで……と、いうよりは抱いて、顔を覗きこんでくる。
少しだけ笑んだその顔は、でもとても真剣で。
「僕のこと、好き?」
口を開けたら、何だか訳のわからないことを言ってしまいそうで、あたしはただ小さく頷く。
「じゃあ」
耳元に、彼の唇が、寄せられた。
そして囁かれる言葉に、あたしは
「その‘好き’は、他の皆への‘好き’と同じ?それとも、」
『僕だけの特別?』
あたしは、何も言えない。
……わからない。ううん、違う。必死でわからないふりをしてるだけだ。
だって、彼以外にはこんなに胸が苦しくならない。こんなに頬が熱くなんてならない。
「ダイ君……」
彼があたしの名前を呼んで、耳元から唇を離す。
それでも、彼とあたしの顔の距離はとても近いのだけど。
頬を優しく撫でられる。彼の琥珀色の瞳に、あたしが映っている。
さらり、金色の髪が、頬に触れた。
「れお、な……」
どうしたらいいかわからなくて、助けを求めるように彼の名を呼んだ。
彼がくすり、と笑って「目、閉じて」って優しく呟く。
言われるままに、あたしは瞳を閉じて
「ん……」
柔らかくてあたたかいものが、あたしの唇を塞いだ。
……微かに香る甘い香りは、彼が先程まで飲んでいたワインのモノだろうか。
何だか、お酒を飲んだときみたい。頭がくらくらする……。
唇は重ねたまま、レオナが、あたしをぎゅって抱きしめる。
あたしも彼を抱き返して、唇を一度離して。もう一度、重ね合う。
さっきの触れ合うだけのキスとは違って、今度は彼の舌があたしの口内を這い回る。
あたしの舌に絡めて、軽く甘噛みされて……
「ん、ふ……ぁ」
最初はよくわからなくて、ただひたすら受け身でいたのだけど、なんだかとても気持ちが良くって……
気がついたら、自分から舌を絡めていた。
……唇を重ねる、というよりは、むさぼりあう、と言った方が適切だろうか。
口の端から、どちらのモノかもわからない唾液が零れても構わない。
あたし達は、ただひたすらに互いの唇をむさぼりあう。
「ふぁ、は……ぁ」
どれくらいの間、それに没頭していただろうか。
ようやくあたし達の唇は離れた。
お互いに荒くなった息を整えて、しばらくの間、無言になる。
先に口を開いたのは、レオナで……
「ごめん、我慢できそうにない」
言いながら、彼はあたしを抱き上げた。
「え、ちょ……レオナ!?」
意外にも、レオナはあたしを軽々と抱き上げている。
……あたしが守ってあげなくちゃ、なんて思っていたけどでもやっぱり、彼は男なんだなぁ…………なんて暢気な事を言ってる場合じゃない!
だって、レオナがあたしを降ろした場所は、ベッドなんだから……!
「れ、レオナ!」
確かにあたしは鈍いけど、でもこれがどういう事かは……何となくだけどわかる。
流石に抗議の声をあげる、けど。
「……嫌?」
とても真剣な顔で、声で。
そんな事を言われてしまったら、あたしは何も言えなくなってしまう。
だって、嫌では……ないから。否定も肯定も、あたしはしない。
そんなあたしに彼は笑って、髪を撫でた。
そして三度目のキスを……
「ダイー、まだ起きってか?起きてんならちょっと一杯つきあ……え……よ?」
する直前。
ガチャリ、と勢い良くドアを開けられた。
ドアを開けたのは、あたしの兄弟子で親友でもある魔法使い‐ポップ。
ポップはドアを開けたままの格好で固まっていた。
……というか、今、この場にいる全員が固まった、と言った方が正しいか。
とっても気まずい雰囲気のなか、一番最初に口を開いたのはポップ。
「あー、えーと。お取り込み中?」
そんな風に問いかけられたって、うんともなんとも言えない。
言えるわけがない。
「……鍵、かけ忘れた」
小さく呟いて、レオナはあたしの肩のすぐ横に顔を埋める。
「れ、レオナ!とりあえずどいて!」
あたしは、何とか彼の体の下から脱け出そうとするが、焦っているからなのか全然うまくいかない。
そんなあたし達から僅かに目をそらし、頬を掻きながらポップは言う。
「その……邪魔して悪かった。おれは退散するから、気にせず続けてくれ」
ビミョーな笑みを浮かべて、ポップは部屋の扉をパタンと閉めた。
……部屋は一気に静かになって……
「え、えっと……続き、する?」
レオナが取り繕うように笑いながら、あたしに問う。
それに対する答えは、もう決まっていた。
絶対に……
「嫌!」
思いっきり拒絶して、あたしはそのまま布団にもぐりこむ。
もうこうなったら不貞寝しかない。寝て忘れてやる。
そんな感じで半ばやけくそにあたしは目を閉じた。レオナの顔は振り返ってやらない。
はぁ、とため息をつくのが聞えたけどしるものか。
……とりあえず明日の朝までは口を聞いてやらないんだから。
そんな風に思っていたんだけど
「……ダイ君、おやすみ」
直ぐ耳元で、その声は聞えた。
そして頬に柔らかい感触。……またキスされちゃった。
……恥ずかしいやら腹立たしいやらで、レオナの顔なんて見てあげない!なんて思ってたのに、少しだけその気持ちが揺らぐ。
何だか癪にさわるので、あたしは頭までズッポリと布団を被った。
……でも、一言くらいなら……
「……指輪、ありがとう」
あたしは、小さく呟く。
それがレオナに聞こえたのかどうなのかはわからない。
でも、「また明日」って、彼が今日最後にくれた言葉は、何だかとても嬉しそうに聞こえた。
以上です。
またこの二人で話しを書きにくるかも知れないです。そのときはまたよろしくお願いします。
先天性じゃないのも書きたい。
久々の投下乙
これから性別変化するのか?
某年元日、俺は加賀美神社に初詣に来ていた。
思えばいつもと同じような一年で、時の流れの速さを実感する。
今年こそ何かを変えたい。そう、例えば「彼女をつくる」だとか。
そう思って、ほんのすこ――しだけ奮発した五百円玉を賽銭箱に投げ、この神社名物の大きな鏡に向かって手を合わせた。
(絶世の美少女を俺の前に……)
願いはすぐに叶った。
目を開けたとき、俺の目に飛び込んできたのは鏡に映った可憐な少女の姿。
その姿に見惚れていた俺が事態を正確に把握したのは10分ほど経ってからだった。
おわり。あけおめ
大友の姫(ryみたいに
貴族とか女王とかに転生して
戦に内政に大忙しみたいな
SSないかなぁ
age
382 :
ルーズ その8 ◆KazZxBP5Rc :2010/01/29(金) 00:17:47 ID:CfWjR7xS
かなり長い間空いたけど
>>282-334のつづきです
タイトルつきました
「ただいま、父さん、母さん。」
ふたつ並んだ石の前で俺は祈りを捧げた。
この村は俺が小さい頃魔物の襲撃を受けた。
生き残った村人たちは次々に別の町に越してゆき、もう残っているのは俺の剣の師匠とネミの両親だけだ。
「アルナ、お墓参りはもういいの?」
「ああ……」
今はこれからのことで頭がいっぱいだった。
「そうか……」
話を聞き終えたおじさん――ネミの父親――は一言だけつぶやいた。
「辛いでしょうけど、今はゆっくりしていきなさい。」
おばさんもどことなく歯切れが悪い。
なんだか居心地の悪さを感じる。
「俺、ちょっと師匠のところに行ってきます。」
逃げ出すように早足で家の外に向かう。
「アルナっ!」
「ネミ。あなたにはお話があるからここにいてちょうだい。」
後ろから母娘の声が聞こえた。
もうボロボロになった道場で、師匠は座禅を組んでいた。
「アルナ、か。」
「お分かりですか。」
「気の流れでな。どうしてそのような姿になったのかは知らぬが。」
俺はあの魔物に襲われてからの一部始終を話して聞かせた。
「なるほどな……」
ネミが道場に飛び込んできたのは、ちょうどそのときだった。
「どうしよう! 私の婚約の話が進められてて、婚約者がこっちに来るって……」
つづく
383 :
創る名無しに見る名無し:2010/02/03(水) 18:53:13 ID:ESUj6JQe
漏れら極悪非道のageブラザーズ!
今日もネタもないのにageてやるからな!
 ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧_∧ ∧_∧ age
(・∀・∩)(∩・∀・) age
(つ 丿 ( ⊂) age
( ヽノ ヽ/ ) age
し(_) (_)J
久しぶりに続き来てた!おっつです!
ageブラザーズもいい仕事!
今回は続きじゃないです
投下
386 :
◆KazZxBP5Rc :2010/02/14(日) 07:12:21 ID:eQ5dCMsZ
2月12日金曜日、放課後。
休日前だし早く帰ろうと教科書やノートを鞄に詰めているところにアイツが話しかけてきた。
「よう、明後日は何の日か知ってるか?」
「お前の誕生日か?」
「違う! バレンタインデーだよバレンタインデー」
「俺たちには関係無いだろ」
「去年まではな。だが今年は違う」
「何だよ、その妙な自信は」
「くれ」
「は?」
これには手を止めざるを得なかった。
「おいおい、聞いてなかったのか? バレンタインだよ
女の子が男にチョコくれる日。で、俺は男。今のお前は?」
「う……」
そう、2か月前、俺は100万人に1人といわれる性転換症にかかり、今では一応女子高生生活を送っている。
「って、別にお前にやる義理なんてねえだろ。俺だって姉ちゃん以外から貰ったことないのに」
387 :
◆KazZxBP5Rc :2010/02/14(日) 07:13:01 ID:eQ5dCMsZ
土曜日、昼食を終えて自分の部屋に戻ろうとすると、仁王立ちの姉ちゃんが立ちふさがった。
「あんたももう女の子なんだから、手伝いなさい」
まったく、せっかくの休みが……。
「はぁ、疲れた……」
できあがったカップケーキを前に俺はうなだれた。
「だらしないわね」
混ぜる作業はほとんど押し付けたくせによく言うよ。
「じゃあ、はい、ふたつあげる」
「ふたつ?」
「あんたの分と……誰かにあげるんでしょ」
「ねえよ!」
そんな「分かってる」って顔されても勘違いだからなっ!
388 :
◆KazZxBP5Rc :2010/02/14(日) 07:13:41 ID:eQ5dCMsZ
そして日曜日。
昼になってちょうど姉ちゃんが出掛けていった直後に電話が鳴った。
「おっす。今から駅前に来てくれよ」
「別にいいけど、俺が何か持ってくるとか期待すんなよ」
「ああ、分かってる」
アイツ、何考えてるんだよ。
……しょうがないな。
1日ぶりに会ったアイツは今まで見たこともない洒落た格好をしていた。
「ほれ。姉ちゃんに手伝わされて余ったからやるよ」
「信じてたぜ」
もう。姉ちゃんといいコイツといい、深読みのしすぎだ。
「俺からもプレゼント」
換わりに渡された小さな紙袋。
「な、なんだよ」
「貰ったことないって言ってたから」
「男から貰っても嬉しくねえよ」
嬉しくない。うん、そのはず。なのに。
あれ? なんだか……。
「おっ、おい! 待てよ!」
俺はアイツに背を向けて逃げ出すしかなかった。
だって、涙を流しているところなんて見られたくなかったから。
おわり
これはいいTS
>>388 乙です! Trans Sexualものって読んだこと無かったけど、
雰囲気よさげですね。ちょっと読んでみようかな
>>390 さあハマれ
そして思いのたけを投下するんだ!
>>388 言葉ではうまく言えないけどときめいた。
GJ!
393 :
創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 11:43:53 ID:sHIdoTww
漏れら極悪非道のageブラザーズ!
今日もネタもないのにageてやるからな!
 ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧_∧ ∧_∧ age
(・∀・∩)(∩・∀・) age
(つ 丿 ( ⊂) age
( ヽノ ヽ/ ) age
し(_) (_)J
394 :
創る名無しに見る名無し:2010/04/04(日) 08:08:49 ID:k+YGO+Ib
こんな世界を希望。
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性別を完全に変える医学が確立された世界。誰でも一生に一度は性別を選べる法律が制定される。
第二次成長期前の9歳から10歳《小学3年の終わり》に、性別を決めることが出来る。
そんな世界が当たり前になり100年が過ぎた世界。
------------------------------------
家が隣近所の男の子同士が幼稚園で
《ボク大きくなったらタケシくんのお嫁さんになるよ。》
が、当然のことに。
幼稚園からの馴染みの親友を片方を性別変えてカップルにするパターンが続出。
世の中はカップルだらけになる。
>>394 実際になるんならもちろん嬉しいけど
フィクションとして読むのは個人的に微妙
最初から自分で選べるのはすぐ馴染んじゃいそうだから
チェンジH yellow発売でみなぎってきた
今書いてるんだが中々難しいな・・・
俺の妄想を具現化させるのって苦労するZE
wktk
創作も大変ですね。
400ゲット!
では頑張ってください。
期待しています。