民俗学においては、フィールドワークという調査方法が用いられることが
多くありますが、そこには様々な問題が存在します
このスレは、それらの問題について語り合うスレです
皆様のご参加をお待ちしています
聞き取り調査の結果(活字になったもの)に意見・批判はもらえても、
聞き取り調査の生成される場そのもの・自分の聞き取り方法の良し悪しとかには
なんのチェックも入らない。
そんな聞き取り調査の方法でいいのか?
自分の調査に、そんな疑問を抑えられないんですが・・・
>>2 のつづき
だから別のスレにも書いたように、
調査の場、様子、聞き取りに要した時間などの情報を明記することで、
内容の信頼性(限界性)をす試みをしてみたり。
しかし、それとてあくまでも調査者の主観。
無いよりは読み手に対して親切だと自己満足するしかなくて。
みなさんはどうしてるんでしょう?
こんなスレ待ってました。
自分はまだ学部生でフィールドワークも二回しか経験してないんですが
夏に調査に入った集落では、収穫時期と重なって
なかなか話をうかがうことが出来ず、難儀しました。
でもいまふりかえると
聞き書きって、忙しい中生活の色々を根掘り葉掘り
他人に聞かれるということで
やっぱり土地の人からすれば気分のいいもんじゃないですよね。
ああ、どうも文章まとめるの下手ですいません。
ああ、書くのに手間取ってたら
2さんの話の腰折っちゃったよ。
たしかに調査してるその場の検証って
必要かもしれないですね。
「調査してるその場の検証」をするにしても、具体的にはどうすればいいの?
常に数人で調査をする?
第三者にチェックしてもらう?
校正段階で話者に確認を取る?
自信がないことは書かない?
なんかどれも現実的じゃないような気がするんだよな・・・・
>>6 >校正段階で話者に確認を取る?
>自信がないことは書かない?
この2つは「現実的じゃない」どころか、
必ずしなきゃ、と私なら思いますけど。
>「調査してるその場の検証」をするにしても、
>具体的にはどうすればいいの?
こういう議論、民俗学内部であんまり蓄積がないんですよね。
驚くべきことですが。
「調査地被害」にしろ「調査される側の眼」にしろ、
調査者の倫理を説くだけで、方法論の次元の話じゃないし。
調査は人と人が向かい合うわけですから・・・。
お話を聞くことができるかは運もありますよね・・・。
それから迷惑なようだったらそういう空気を感じ取って、
退散するしかないんですよね・・・。
でも限られた期間で更に調査項目があったりすると、
無理な調査もしてしまいがちですよね・・・。
話者の方を疲れさせたり・・・。
聞き取り方法の良し悪しとかは
あとで活字化したものを見れば
それなりに検証できると思うんですが・・・
うーんどうなんでしょう?
おれも何の気無しに2さんの意見に乗っかって
書いちゃったけど、「調査してるその場」って
あいまいな表現で掴みにくい言葉ですね
あ、いや批判とかじゃないんですけど
10 :
天之御名無主:01/10/18 23:08
調査をする時は、できれば丸一日かけて調査地をじっくりと歩きたいんだけど、
そうもいかないことが多いよね
地図と調査地の概要だけを渡されて、指定の場所に行って話を聞くだけだったり
することもあるわけで、なかなか自分のやりたい調査ができないんだよね
11 :
天之御名無主:01/10/18 23:11
>7
「話者に確認を取る」というのも本来当然なんだけど、
時間が限られてしまうことが一番困りものですよね・・・。
それで、いい加減な調査結果が報告されて・・・
困ったものです。まったく。
私は話者の方に了解を得て調査内容を録音してました。
こうすれば少しは確実??
そうすると「おこす」のが大変!!げっそり!
でもそんな「テープおこし」の作業も楽しめたりした。
調査は基本的に楽しかった。沢山の人に会えて!
好意的に協力して下さる方が多かったです。ガクセイに。
(私の調査内容はともかくとして)楽しかった・・・。
12 :
天之御名無主:01/10/18 23:22
>>11 「楽しい調査だった」が、必ずしも良い調査だったとは言えないわけで。
これは11さんへの批判ではなく、自戒を込めて。
録音テープかノート筆記か、ってのも、
古くて新しいテーマですね。
テープの方が「確実」とかいう、内容の正確さの問題ではなくて、
テープが、聞き取りの場に与える影響の検証とかって、
なされたことがあるんだろうか?
(これも11さんへの個人的質問ではなく、聞き取りの方法一般に関わる問題)
13 :
天之御名無主:01/10/18 23:29
卒業論文と修士論文の時は調査に時間をかけた。
調査のバイトとは違って、
調査したい、聞きたいことは、
自分の中に山ほどあったから。
調査した結果が面白いようにつながっていくと、
その地域で暮らしたことのない私なのに、
なんだか形として見えてきたような気分になって。
ま、このムラはコレコレこうでした、という、
調査報告書なら楽なんだけど、
論文となるとなんか主張しなくちゃいけなくて!
自分に不利な調査結果は黙殺!したりして!
ま、そんなのが論文だけど。
個人的にはテープに録音するのは嫌いだな
なんと言うか、調査をしている時の空気のようなものが失われて
しまうような気がするんだよな
まあ、確実と言えば確実なんだけどね
15 :
天之御名無主:01/10/18 23:33
最近小型で高性能のICレコーダーを買いました。これが調査の時に
かなり重宝しています。しかし、カセットとちがい小型で長時間
録音できるため、話者に断り無しで会話を録音したいます。鞄に入れたり、
胸ポケットに入れたりして。
もちろん個人の調査として録音しているのですが少し心が痛んだり
もします。カセットによる話者への影響がない方法なのでこれから
増えると思うのですけども皆さんの意見を聞かせてください。
16 :
天之御名無主:01/10/18 23:34
>>14 テープを止めた後で、話者の本音がどんどん出て、
うろたえた経験アリ(W
>12
テープに録音については、
はじめは話者を緊張させるよね。
それで「よそいき」の受け答えが返ってくる。
でも何時間もお話を聞いていたりすると
だんだんテープの存在が関係なくなってくるのが分かったり。
録音が確実と言ったのは、ノートに聞き書きして、
後でなんのことやら意味不明になるのを防ぐということで!
楽しい調査が必ずしも良い調査であったとは言えないけど、
楽しく思わなければきっと良い調査では無いと思う。
っていうか良い調査って何?ってことだけど。
18 :
天之御名無主:01/10/18 23:37
録音してしまうと後で確認できると思って油断してしまうことがある
それが悩みの種だな
19 :
天之御名無主:01/10/18 23:38
確かに。
20 :
天之御名無主:01/10/18 23:39
>>15 へ〜! 今やそういう時代なんですね。
私の場合、報告書にも論文にも、
「テープを回したか、ノート筆記か、
原稿を話者に事実確認してもらったか」
等を明記しているので、そんな裏技は使えません・・・
(使えたらいいだろうな〜)
>>17 >楽しい調査が必ずしも良い調査であったとは言えないけど、
>楽しく思わなければきっと良い調査では無いと思う。
確かにその通りかも。
ただ、私の場合、話者の皆さんと楽しくおしゃべりして、
大笑いしながら時間が過ぎて、こちらが聞きたいことが
ぜんぜん聞けずに終わったりすることが多々あって。
それって「良い調査」とは思えないと自省するわけです。
ま、何回も聞きに行けばいいんですけど、調査費が…(泣
そういうことありました!「おしゃべり」して!
収穫が!なーーーい。という調査・・・。
もう民俗調査ということも無いから、
そんな記憶も大切にします。
現役の12さん、がんばってください。
23 :
天之御名無主:01/10/19 09:10
聞き取り調査という方法自体も、歴史学からは批判されてましたね
資料としての信頼性に欠ける、とか
24 :
天之御名無主:01/10/19 15:09
>>23 今はもうさすがに「聞き取り自体」を批判するはいないよ。
そう意味では、網野善彦氏や宮田登氏の功績は大きかったですね
26 :
天之御名無主:01/10/19 16:29
24のつづき。
歴史学にも文献1本やりの批判は70年代からあるもん。
70年代、バリバリの講座派歴史学者の中村政則が
聞き取りを使って「労働者と農民」を書いて衝撃を与えたし、
80年代、歴史学研究会の大会で「オーラルヒストリー」の問題を取上げたし、
90年代はなんといっても従軍慰安婦の証言をどう扱うかが大問題になった。
歴史学にとっても、民俗学の聞き取りの方法には学ぶべき、
というのが、現在の状況では?
それに対して民俗学の側が、聞き取りの方法論を示せずにいるのが問題だと思うんだが…
27 :
天之御名無主:01/10/19 16:31
>>25 そうそう。神大グループの貢献は大きい。
中村政則さんも、現在神大にいるっていうし(驚き)。
28 :
天之御名無主:01/10/19 18:56
「聞き取り」なんですよね。
「聞き書き」がしたい。
29 :
天之御名無主:01/10/19 19:02
小正月の火祭り調査をしてたら、コートが燃えちゃったよ
こんな過酷な調査をした!という体験談をキボーン
30 :
天之御名無主 :01/10/20 00:15
大学時代、卒論の取材で、とある集落に行きました。
で、一人の人に声をかけたら、集落のお年寄りがみんな集まってしまって、
結局、集落の集会所で座談会を開くことになってしまいました(^^;
おばあちゃん達が、集会所に自分の家で漬けた漬物とか
栗ご飯を持ち寄ってきてすごく歓待してくれました。
若い人とお話したり、自分の話を聞いてもらえるのが嬉しかったんだろうなぁ。
ご馳走をたらふくいただいたし、集落の人が全員集まってくれたので
聞き取り調査もスムーズにいったし、初めてのフィールドワークは
大満足でした。
しかし、その時のつながりで、村で行事があると、
「ぜひ参加してください」と村役場の人が、私の家に電話してきます。
先日も、村の運動会に出て下さいと電話がありました(忙しいので断ったケド・・・)
でも、日本全国いろいろな土地柄があるから、
歓待してくれるところばかりじゃないんだろうなぁ。
とくに田舎の人に話を聞くのって、結構気を遣うしね・・・
31 :
天之御名無主:01/10/20 00:40
>>30さんは恵まれてると思いますよ!
住民の皆さんがいい人だったというだけでなく、
30さんがみなに受け入れられる人柄を
そなえていたのではないかと見ます。
30さんがそれ以外に、調査がうまくいった条件として
思い当たることはありますか?
受け入れる側や調査する側にどういった条件がそろうと、
そうなるのか? ぜひ参考に知りたいです!
自分もあまり調査経験はないが(苦笑)
>>12,17
確かに、おしゃべりしすぎて収穫がないというのもある(自分も経験あり)。
それに少し関係するかもしれないが、宮本常一が当時学生だった神崎宣武に「人は
みんな、話したいことをもっている、その人が話したいことをその人が話そうとし
ているときは、じっと聞いたらいい」と言ったという。
実際、初めてお会いする方のなかには、本当にこれを人に話したかったんだなとい
うことを感じさせる方が少なくない。最初の頃は、あせって自分の聞きたい事に話
をもっていこうとした。けれども、宮本と神崎さんのやりとりを読んでからは、ま
ず初日はお会いした方の話したい事に耳を傾けて(もちろんそのお話のメモをとり
つつ←話を邪魔してねーかと友人にいわれたが)、それ以降からゆっくり自分が聞
きたいことを聞くようにしている。
でも、時間がなくて切羽詰まっているとそうもいかないのも確かなのが難しい・・・。
33 :
天之御名無主:01/10/20 02:05
>>32 それが理想ですね。
>話を邪魔してねーかと友人にいわれたが
↑
これ、重要。
聞き取りの場で、自分がどう見えてるか
チェックされる機会って少ないし、
自分では自覚できないことも多い。
そういう機会に恵まれた32さんがうらやましい。
>31
やっぱり調査地にめぐまれていたのかなぁ。
だいたいどこの村に行っても、村を挙げて歓迎してくれましたね。
独特の文化を持っている村や集落は、住民達がその文化に
誇りを持っているから、こちらから興味を持って話し掛ければ
喜んでいろいろなことを話してくれます。
そういう意味では、文化的に特異性のない集落での聞き取り調査は
難しいのかも?どうかなぁ?
それから、調査地の住民と打ち解けるコツは、
すれ違う人に必ず挨拶して話しかけることかな。
ちょっとなれなれしいかな・・・っていうくらい話しかけた方がいい。
朝、村内の何人かの人に挨拶すれば、
お昼頃には村中に「よそから調査の人が来てるぞ」って広まります。
駐在さんも村役場の人も、みんな私が来てることを知っている・・・
田舎の情報の伝達の速さは、ほんとうにスゴい。
あとは、うろぼろす(>32)さんのおっしゃるように、
話者が話したいことを自由に喋らせてあげる方がいいみたいです。
その方が、目からウロコな話がいっぱい聞けますし、
調査から帰って報告をまとめる時に、内容に深みが増しました。
35 :
信じられない??:01/10/20 04:13
30さんは今までに何カ所くらいフィールドに入られているのでしょうか?
私も含めてまわりには大勢の民俗学者や民俗専攻の院生がいますが、今までに
30さんがおっしゃってるような状況になった人の話を聞いたことがありません。
いくらムラのお年寄りとはいえ、生活なされているところに、アポ無しで行く場合、
実際すんなり行くことはありません。今やどんな山奥にでもセールスマンや
新興宗教の勧誘が訪れていますし、彼らは我々民俗学関係や者よりもムラ人に挨拶もすれば
話しかけています。私も数えられないくらいセールスマンなどに間違えられ、耳の遠い
人には最期まで間違えられて怒鳴られて帰ったこともります。
疑って申し訳ないですが、自分の研究以外の行政関係なども含めればほぼ毎月のように
どこかに出かけて話を聞いています。そんな私でも30さんのような状況は十代後半からの
フィールド人生でも滅多にないです。30さんはよっぽど調査の上手い人なのでしょうか?
フェールド経験者の人、30さんのお話を読んでどう思われますか??
村の中の力関係を考えると村をあげて歓迎なんてあるのでしょすか?
しかもアポ無しで。学部生は基本的に調査で泣いて帰ってくるモノなんですけども。
私もそうでしたし。逆に失敗がないというのは可哀想な気もします。
民俗調査というのは、基本的に失敗するものなんだと思って入ってました
調査するのもされるのも人間ですから、なかなか思い通りの調査にならないので、
それならば最初から期待し過ぎないようにした方がいいな、と考えたからです
個人的な経験で言えば、話者の話に一つ一つ相槌を打つことは絶対に必要だと
思います
それができない人は、民俗調査にはあまり向いていないのかもしれません
お酒があまり飲めないので、祭りの調査は無茶苦茶辛かったですね
今となってはいい思い出ですけど・・・・
37 :
天之御名無主:01/10/20 10:19
あ〜、自分も晩酌のときにお邪魔してしまって
ずいぶん飲ませていただきました。
酔いながらも聞き書きはちゃんとやれ!って
そらあんた無理な話で(w
夜中に感情にまかせて書いたので滅茶苦茶な文章になっていますね。
申し訳ないです。30さん怒らないでくださいね。すみません。
祭の調査では飲まされることが多いですね。後でノートを見ても何を
書いているのかわからないことが自分もありました(笑)
でも本当に、フィールドでは失敗談の方が多いな〜。
だから逆に上手くいったときの感激も大きいのですけども。
>35
今レスを読ませてもらいました。
別に怒ってはいないですよ、今でも良い想い出ですから(^^)
ちなみに、なぜスムーズに聞き取りができたかと申しますと、
一番大きな理由は、私が女子学生で、一人ぼっちで
やっていたからだと思います。
普通に田舎道を歩いているだけで、知らないおじいちゃんに
声かけられて車に乗っけてくれたりしたんで、
相当頼りないというか、ほっとけなかったんでしょうね(^^;)
わたしが在学中にフィールドワークに回ったのは、
2県約6ヶ所くらい。そのうち複数日滞在したのは3ヶ所。
>35さんみたいに日本全国津々浦々を回ったわけではないので、
わたしの体験はあまり参考にはならないですね(^^;)
あと、さすがにアポなしではありません。
調査に入る前には必ず村役場に連絡を入れました。
宿泊施設とか村営バスの時間とか知っておきたいですしね。
調査地に入った時も、すぐに村役場にあいさつに行きましたよ。
どこの村役場の人もすごく親切で、頼んでもいないのに
調査集落の世話人の方に電話連絡してくれたりしました。
やはり女の子ゆえの役得でしょうか・・・
とある村で、偶然、東京の理科大学のゼミの
男子生徒さん達と鉢合わせることがありましたが、
博物館の職員さんの態度が、わたしに対するのとは違って
明らかにぞんざいでした(苦笑)
でも、前レスを読む限り、ほんとうにフィールドワークに関しては
恵まれていたんだなぁと思います。
わたしが大学院に進んで、さらに調査地域を広げたりすれば、
また違った体験もできたんでしょうかねぇ。
41 :
天之御名無主:01/10/20 22:44
>>40 現在は民俗学から離れてしまったのでしょうか?
惜しい人材を1人失ったのかも・・・?
お世辞ではなく一連のレス拝見してそう思いました。
42 :
天之御名無主:01/10/20 23:20
いいっすね、このスレ。
おいらも民俗系の大学院におりやすが、共同調査とか行っても、
地元の人に受け入れられるかどうかは、その人次第ってとこあります。
丁寧な言葉を使えばいいってモンじゃない。
話が盛り上がるに従って、たとえ言葉遣いがぞんざいになっても、
自然と突っ込み入れたり入れられたり、みたいな雰囲気になれば大成功でしょう。
それって、計算してできるわけじゃないからむつかしいけど。
要はその場の空気を読めるかどうか。
話題の引出しをどれだけたくさん持ってるか。
どなたかおっしゃってるように、
初めは話者の話したいことを自由に語ってもらう、これ、基本!
おいらの経験から例を挙げると、
孫の自慢話が始まっちゃって、「まいったな〜」って思ってたら、
それが現在の「家族・親族観」を知る手がかりになったり。
戦争体験の話が止まらなくなって「勘弁して〜!」と思っても、
戦場で得た体験が、日本に帰ってから村全体の生活を変えることにつながったり。
(それまで村になかった肉食の一般化とか、コンドームの使用とか)
あんまり狭いテーマで聞き取りなんかしようとしないことです。
)
43 :
天之御名無主:01/10/20 23:35
祭りで撮った写真のほとんどがピンぼけ、手ブレだった時はかなり焦った
やっぱり飲み過ぎはよくないですね
納得しました。いい思い出ができてよかったですね。他の学問では
味わえないようないい部分を体験できた事は幸せな事だと思います。
でも覚えていてほしいのは、多くの民俗学徒がフィールドで苦しみ、
悩み、傷ついて民俗学から離れていっているという現状があることを。
希望に満ちあふれて民俗学を志しても、フィールドワークのつらさに
耐えれない人は多くいます。事実、精神を病んでしまった人もいます。
いつも事前に連絡をしていけるわけではないですし、そもそも調査は
わからないから自分で探しに行くのであって、なかなか連絡していける
調査内容ばかりではありません。アポしていっても断られることなど
ざらにありますし、「なぜおまえたちの教材にならければならないのだ!」
とか厳しい言葉を投げかけられることもしょっちゅうです。
そのため、30さんのようないい思い出ばかりの人の話を聞くと無性に
心苦しくなってしまうのです。たった一人で誰も知らない土地で罵声を浴
びせられたりした経験などが多々ある自分にとっては、楽しいだけの
フェールドという経験が信じることができなかったのです。
それでも自分はフィールドが大好きです。人と話をするのが大好きです。
だから今でも民俗学と格闘しています。長々とすいません。
どうも、このスレの産みの親です
皆様のご協力もあって、すくすくと育ってくれてるようなので一安心です
調査での楽しい思い出、忘れてしまいたい忌まわしい事件、これから調査を
始める人へのアドバイスなど、どしどし書き込んで下さい
もちろん学術的な話も大歓迎です
46 :
天之御名無主:01/10/21 00:18
何かを質問して、話者の沈黙に耐え切れず、
ついこちらがせっかちに話題を変えたりしてはいけないのかも、
と反省することが多々ありました。
むこうは一生懸命、最初の話題について思い出そうとしてるのに、
それに気づかず、こちらの質問に困ってると早合点してつい・・・
話題をコロコロ変えられて、相手は混乱していたはずです。。
あの沈黙の意味を知るのに(間の取り方、空気の読み方を知るのに)、
相当の経験を要しました(今もなお途上)。
少なくとも、沈黙を恐がらなくなりました。
>44
わたしの場合は、事前にアポを取ったり、
調査先で出会った人とのコネをうまく使いながら
各所を回ったので、スムーズにいったのかもしれません。
行政などからの依頼で、いきなり知りもしない村で聞き取り
調査をしなければならないとしたら・・・やはり、きついと思います。
あと、都会育ちの若者は、田舎のあの独特の雰囲気には
なかなか溶け込めないでしょうね。
村や集落によって、またそれぞれ雰囲気がちがいますしね。
核家族で育った人は、お年寄りとコミュニケーションをとるのも
苦労するだろうし・・・。
最近の民俗学の学生がフィールドワークをしたがらないのも、
そのへんに原因があるのかも。。。
わたしは都会育ちですが、祖父母と同居していたので
年配の方との会話は苦ではありませんでした。
>>41 いまはOLやってます。
院に進もうかとも思ったのですが、学問でご飯を食べていける
自信がなかったもので。。。
仕事の合間にぼちぼち研究活動しています。
できれば、大学の後輩でわたしの研究を引き継いでくれる女の子が
いれば嬉しいんですが・・・フィールドワークまでやってくれる子は
なかなかいません。
さみし。。。
48 :
天之御名無主:01/10/21 02:35
はじめまして。一連のレスを拝見して、
>>44さんの書きこみに釘付けになりました。
>「なぜおまえたちの教材にならければならないのだ!」
>とか厳しい言葉を投げかけられることもしょっちゅうです。
>たった一人で誰も知らない土地で罵声を浴びせられたりした
>経験などが多々ある自分にとっては
私も偉そうに言えた義理ではありませんが、
幾度かの過去の聞き取り調査の経験からいっても、
こんなケースは「しょっちゅう」「多々ある」もんじゃありません。
44さんが冷静に振り返って、どんなことが原因で、
そういう結果を招いてしまったとお考えですか?
(例えば過去にひどい調査を受けた経験がある地域だったとか、
そこの生業を地域の人自信が「恥」だと考えていたとか、
「民俗学」なるものがどういうものか全く理解してもらえなかった…等)
たいへん失礼な問いかけとは思いますが、
失敗例を出し合い、その失敗の原因・条件を探ることで、
44さんの単なる嘆きのエピソードで終わらせるのではなく、
聞き取り調査の「方法論」みたいなものへつなげていけたら・・・
と思うのです。
49 :
天之御名無主:01/10/21 02:44
>>35さんの
>>44での発言に触発され、書きこみします。
自分はフィールドワークに耐えられず、逃げ出した口です。
大学に入る前から民俗学を志していたものの、
とあるフィールドでの大失敗をきっかけに、自らその道を断ってしまいました。
共同調査だったゆえに、その失敗で周りの人全ての信頼すら失ってしまいました。
夏祭の調査だったのですが、若者組に所属させていただいた上で「参与観察」をしていました。
当時、学部4年生。院の推薦状なども書いてもらっていた夏のことでした。
馴れない土地での行動と睡眠不足の上に大量の酒が加わったため、ノックダウン。
一日、お休みをいただくことになりました。
もともと人見知りをする方ではないのですが、「よそ者」としての視線を集中的に浴び、
かつ、祭独特の雰囲気に飲まれ、精神的にもかなり参っていたみたいです。
(フィールドワーク自体の経験は海外を含めて数回ありましたが、ここまで緊張したのは初めてでした)
夕方になって吐き気も収まり、少し落ち着いたので、別の調査者の女性の方と付近を散歩に出かけました。
ところがそこで若者組の方と遭遇。それを伝え聞いた長が激怒したそうです。
二度と来るな、と。
言い訳は通用しません。誤解されるようなことをするこちらが悪いのですから。
その夜、調査者全員でミーティング。
みなさん口調は静かでしたが、怒りを抑えていることだけはよくわかりました。
様々な選択肢を考えたあげく、翌日「誠意を見せる」(=黙々と仕事をする)ことで
解決を図ることになりました。
結果としては「来年も来てくださいね」という暖かい言葉と笑顔で調査を終えることができたのですが、
(向こうで仲良くなった人とは今でもメールのやりとりをしています)
現地の人をはじめ、他の調査者の方々に多大な迷惑をかけたことには変わりありません。
そればかりでなく、自分の今回の失敗でずっとそこをフィールドにしている人や、
今後そこで活動をする人にまで迷惑をかけたかもしれないのです。
そして、この事件が「それほど大きなダメージ」にならなかったのも、
その場にいた方々の適切な助言があったからこそでした。
自分の愚かさを嫌と言うほど思い知らされました。
今になって思うのは、自分がフィールドワークに向いていなかった、というよりは、
責任感や社会性に欠けていたのがそもそもの原因でしょう。
例えフィールドワーク向きでなくとも、その場に「調査者の一人」として入るという
最低限の責任感さえ持ち合わせていれば、あのような安易な行動はとらなかったと思います。
きっと学生としての甘えが抜け切れていなかったのでしょうね。
そして、結局自分は民俗学のロマンの部分だけを見ていたということもわかってしまいました。
もしかすると自分が好きなのは語りつがれる「神話」や「伝承」などの「伝奇ロマン」だけであり、
「民俗学」はファッションだったのかもしれません。
(そうではない、と自分自身、信じたいのですが)
「民衆史」に向き合うということは、それなりの覚悟と、
そして使命感と責任感が求められるということなんですよね。
自分にはそれはありませんでした。
そして自分が本当に「民俗学」という学問を専攻する覚悟も、その資格も、
そしてその意志すらないことにも気付きました。
(第一、「情熱」があれば、一回の失敗くらいでめげないはず)
問題はその後の進路でした(笑)
院にはとてもそのまま進む気にもなれず、かといって今から就職活動も出来ません。
指導教授にも相談せず、一人ふぬけた状態になっていた自分を見かねた
友人の一人が持ってきたのが情報工学系の院の入試要項。
もともと計算機が好きだったことも手伝って、
適当な研究計画書をでっちあげた上で、最初から落ちるつもりで受けたら
なぜか受かってしまいました。
(そっちの院にとっても、受験者にとっても失礼ですよね)
でも、はっきり言って今の生活は楽しいです。
書いたらすぐにリアクションのあるプログラミングは好きです。
元々人付き合いは嫌いな方ではないのですが、
理系特有のドライなつきあい方も結構性に合っているようです。
このままうまく就職できればいいな、と思っています。
もちろん、学部時代の恩師の講義もとっていますし、研究会にも出ます。
思い上がりかもしれませんが、知識量で言えば民俗学専攻の同期の院生よりも
自分の方が持っているかも知れません。
でも、それはもう趣味としてですよね。小説を読んでロマンを感じるのと同じ。
よく考えるとこれは挫折を克服したというよりかは、
単に逃げ出しただけと言えるかもしれません。
そして、一度「逃げ出した」という事実は、なにかつらいことがあったとき、
またもう一度また逃げ出すのではないかな、という不安を呼び起こさせます。
そうならないよう、もっと精神的に強くなる必要があるかもしれません。
なんか長々とどうにも煮え切らない書き込み、ごめんなさい。
民俗学を志す方の、なんらかの参考になれば幸いです。
叱責等、いただければと思います。
>>44 なぜ自分がよく怒られたりするのかといえば、最近はかなり少なくなりましたが、
学部時代や院生の時、自分の研究以外にも行政関係や大学のゼミでの調査など、
フィールドにでる機会が多かっので、必然的にいろんな目にあったということです。
先輩にはオウム真理教の逃亡中の凶悪な信者に間違えられ警察がきたという人もいます。
一番よく文句を言われるパターンは、そのムラの統計を取るために村中の家を回って話
を聞かなければならないときです。そんな場合は事前に区長さんなどにお願いしてお知ら
せしてもらうのですが、そういうのが嫌いな人にはものすごく文句を言われます。
まあ調査に承諾した区長さんに対する怒りなのかもしれないですが、ボロクソに文句言われます。
共同調査の時も大勢がムラを徘徊することに好感を持たない人もいます。
強烈だったのは、知らずに「身元調査お断り」と書かれているムラに入り
話を聞いているとき、ムラの若者が怒鳴り込んできた事がありました。
定点でじっくり腰を据えて調査する場合はだんだんムラにとけ込んでいけるのですが、
項目的に特定の事例だけの聞き取りのためにムラからムラへと渡り歩くときの方が
よく文句を言われる事が多いですね。
まあその他、なぜ怒っているのかわからない時もあるのですが・・・以前に嫌なこ
とでもあったのかもしれないですが。お年寄りなのでいろんな人がいますしね。
今年の夏は寺の住職になぜかものすごく叱責されました。
後で聞くとムラの偏屈ものだとムラの人が言っていたのですけども詳細は不明です。
ただ「すいません、OOから来たのですが、OOについてこの辺りのことについて
勉強させてもらっているのですけども時間がありましたら少しお話を聞かせてもら
えないでしょうか?」と言っただけでなのですけども。
今まででこの一言だけで激怒されたのは初めてでした。
怒られるのには自分に責任がある事ももちろんですが、何年やってても駄目な
ときは駄目なので、調査回数に比例して色んな目にあることも多くなるのでは
ないでしょうかね。フィールドにでる機会の多い人は皆同じような経験がある
と思うのですが、自分に責任があり、怒られる理由がわかれば対処もできるの
ですが、先に挙げた調査を承諾した人に対する怒りや、理由のわからないとき
は本当にどうしようもないです。
人間相手なので、多くの人と接すれば、その中には好意的に人もいれば、そうで
ない人もいるのは必然です。特に必死に自分であれこれ探し回っているときなどは
ムラの地形や環境、集落の景観などをみて「ここで聞き取りすれば出るかな?」
と飛び込みで聞き取りに入る機会が多くなります。行政調査のように「教育委員会」の
腕章をつけてさせてくれる場合や、事前にアポを取って調査するような気楽さはありません。
でもそのスリリングな感じが好きです。どうすればこの場でうまく聞き取りできるかと、
必死で思い悩むのが好きです。だからつらい目に遭う機会が多いと言うことは、それだけ
対処の方法が身に付くと言うことなので良いことだと今では思っていますし、また
先輩や先生にはそういわれます。みんな辛いけど面白いのだと。
>>49さんのような人もいますよね。気持ちはすごくわかります。こんな
調査には、特に調査を始めた初期の調査に「運」も絡んできます。
たまたま上手くいく人もいれば、失敗する人もいます。でも失敗する人のほうが、
人の痛みわかるので、民俗学においてはがんばれば成功すると思うのですが。
失敗して傷ついた人でないと、人の親切のありがたさや暖かみが本当にはわからないのでは
ないでしょうか。自分はまだわかってないからいまだにパッとしないのかもしれないですが(笑)
調査に行って嫌そうな顔をされたり、体よく追い返されたりはしょっちゅうでしたが、
「激怒された」ことはないですね
その住職さんにいったい何があったのでしょうか
以前とある行事の調査に行った時にこんなことがありました
その行事は子供が参加する行事でしたので、子供会の役員さんに話を聞いたり、
周囲の写真を撮ったりしていると、いつの間にやら周囲を子供たちに包囲されて
しまっていました
見なれない「おじさん」(その当時は学部生だったのに、30歳?とか聞かれた)が
よほど珍しかったらしく、なかなか離れてくれなくて、仕方なく調査をしながら子供と
遊ぶという貴重な経験をさせてもらいました
それを見ていた他の人たちに「もっと真面目に調査しろ」と言われたり、地元の人に
「幼稚園の先生みたいやね」と言われたり、なかなか楽しかったですね
まあ、たまにはそういった調査があってもいいかなと思います
>>54-55 レスどうもです。なるほど。
そもそもご本人の意思で始めた調査せなかったということですね。
それなら納得です。
動機付けの部分で自分の強い欲求がからんでないと、
地元の人にも伝わらないですもんね。
それにしても、
>知らずに「身元調査お断り」と書かれているムラに入り・・・
そりゃ、まずいですぜ!(笑)
事前に知っておかなきゃ。
そんなことが書かれてるムラって、
関西では特にデリケートな問題を含んでますよ。
58 :
天之御名無主:01/11/08 04:34
優良スレage
59 :
ななしですがな:01/11/09 00:07
調査でなくったってよそ者にはつらくあたるってーのが田舎よ。
慣れればこんないいところはないってなもんだがね。
反対に「客」ならその歓迎のしようと言ったら。
おいらはダンナに付きそってこの土地にはいったが大変だった。
嫁にはいったわけじゃあねぇんだがね。
はんたいにただの客のむすめっこなら大歓迎。
むすめっこでも嫁だったり学問や営利目的なんかだったりするとへってな感じ。
もちろんただのあまちょろ学生や片手間勉学だったらへらへらよしよしってな感じだが。
あくまで被験者(?)ってぇのはやなんだろう。自分らをネタになにかかかれちゃあ
ってなっ。
かく言う俺自身もいだかんな。
孫自慢?ああ、きいてやれ。その話したい気持ちの方が大事だ。
そんなこともわからんで長先取りするな。その前に心理学の勉強でもせぇ!
60 :
名無史の権兵衛:01/11/09 02:04
調査をやっているとき、こんなこと聞きました。
自分の利益(学問上のことですかね)ばっかでいいとこどりしてるだけという気がする。
そんなちょこっとだけの調査でこの土地のこんなことがわかるのか?と思う。
一面的で村の実態とはそぐわないこと書かれることもあるし、村の奴らとろくな話もせ
ず帰る奴らも多い。そういうのは自分の(学問的な)利益以外に何か村のことを思った
り還元しようという気があるとも思えない。そういうのは腹立たしい。
と言われたことがあります。その地では(少なくともその人のまわりにいる人達は)私たち
への印象は悪くないものだったようなのでそんなことも言ってくれたのですが、なんとな
くプレッシャーになったことを覚えてます・・・
61 :
GURU ◆AOHU.zVE :01/11/09 02:27
名スレの予感
と書いてみる。
私は専攻は史学なんですが、何度かフィールド調査に
出たことあります。
いつだったか、ムラのボス的な人たちに調査の内容を
説いているときに、突然「あんたアカやろ?」と言わ
れて、以後完全に接触を絶たれたことがあります。
山村工作隊じゃないけど、なんだか過去のとばっちりを
受けたようで、密かに親の世代に憎悪をいだいたことが
あります
>61
私も歴史学の者ですが、それは言われたことはありませんね・・・
むしろ村の歴史をしっかりおさえたいとか言われて、やりやすかったことがあったり。
ゴミレスです。失礼しました。
63 :
天之御名無主:01/11/09 03:34
>>61 どのように調査の内容を説いたのですか?
いきなり「アカやろ?」とは、普通言われないと思うんですが・・・
>>62,63
ま、いきなり「アカやろ」ではないんですが。
というか、誤解やら伏線がいろいろとあったうえでのことです。
このときの場所は北陸の浄土真宗の盛んな土地です。(つーかどこも盛んだけど)
あの辺って、寺の住職よりも檀家総代(信徒の長)のほうが
力があるんですものね。
寺院の方は快く調査に協力してくれたのですが、お坊さんと
檀家さんとの関係がどうも悪いらしくて、そこで苦労するうちに
浄土真宗の教義やら先の大戦の話に及んで、、、
それでまぁ、目的の調査に入る前に住職の連れてくる人間は
ロクなやつがおらんと。
説明するのもめんどうになってきたんですが、つまりそういうことで。
スレのお茶を濁したようですね。
65 :
天之御名無主:01/11/09 04:45
>>64 63です。
なるほど。おおよそは見当がつきました。
住職と檀家総代の関係がコトを左右していたと。
このスレで、こうしたケースを持ち寄ることで、
調査の失敗(64さん失礼!)のいろんな条件なんかが浮かび上がってくようで、
参考になります。
>>61-65 やっぱり「誰の紹介か」って重要ですねえ。
私も「どの経由で接触しようか」なんて
結構考えちゃいますよ。
ひさしぶりにのぞきにきました。
みなさんのつらい体験談を読んで、身につまされるというか、
ほんの少しの価値観のズレが、とんでもない誤解を生んでいたのかも…と、
ヒヤリとしました。
「田舎行って、温泉に浸かって、おじいちゃんの話し相手をしてあげて、
それで論文のネタが揃うんだから、いいよね〜」
と、同級生にうらやましがられていましたが、
やはり、調査地に入るときは、めちゃくちゃ緊張しましたよ。
トラブルを起こしたらどうしよう…と、
そればっかり気にしてました。なにせ、一人ぼっちですから。
だから余計に、知り合った方々の親切を有り難く感じられたんだと思います。
今となっては、楽しい思い出ばかりが思い出されますが、
このスレを読んで、調査中の不安な気持ちとか、
心細さも思い出すことができました。
ありがとうございました。>all
後輩にフィールドに出ろと、盛んに勧めていましたが、
安易な気持ちでフィールドに出るもんじゃないですよね、やっぱり。
これからは、フィールドの厳しさも教えることにします。
あと、みなさんの参考になるのかどうか分かりませんが…
村の若い人(村役場で働いてる若い子とか)とか、
Iターンでその村に住みながら働いている人との会話で
その村の力関係とか、村の後ろ暗い部分のお話をうかがうことができました。
とくにIターンで働いている方は、あこがれを抱きつつ
その村にやって来たけれど、実際住んでみて、
いろいろと村の現実を突きつけられた経験をお持ちのようです。
そういう方は、ヨソ者の視点からその村を客観的に見ている部分があるので
(もちろん、普段は村の人間として暮らしています)、
世間話の時におじいさんが言葉を濁した部分の事情とか、
調査中に感じた、なんともいえない違和感とか、
実際に住んでみなければ分からない深い部分を、ズバリと話してくださいます。
もちろんオフレコで、論文には書けませんが(書く気にもなれませんが)、
その村の有り様や問題点を把握する手がかりになりましたし、
いろいろと考えさせられました。
お年寄りだけでなく、調査中に時間があれば、
若い方やIターンの方、近隣の集落の方にお話を聞くのも良いと思いますよ。
69 :
名無しの笛の踊り:01/11/11 18:18
それは田舎でなくたってどこにでもあるがな。
会社の人間関係とかな。
あー、これが一番気をつかうよ、はあはあ。
人間同士の接触場面は本当に一筋縄では行きませんよね。
そいつを専門にするっていう人もいるわけです(ライフ
ヒストリーとか)からねえ。
先方がいくつかの党派に分かれているときは腹をくくる
しかありません。別派は同僚に任せることにしています。
(普通ですね、、、参考にはならないですね、ごめん)。
71 :
天之御名無主:01/11/14 15:42
地元の民衆史家なんかも、一筋縄でいかないことがありますね。
勿論、快く受け入れてくれる、話をしてくれる人が殆どですが、
たまにへそ曲がりというか、偏屈な人もいます。
こちらの誠実さ、謙虚さのようなものも大事ですが、どうしようも
ない場合もありますね。
スレ違いかもしれないです。違ったらごめんなさい。
MLなんかで、時々学生から「アンケートのお願い」というようなメールが
届くことがあります。
殆どが卒論に用いる為に調査をしている4回生のようですが、
不特定多数の人間に対して、かなりぶっきらぼうな聞き方を
している場合が多いです。
当然それらは相手にされず、たしなめられて引き下がるのが
関の山ですが、あまりに安易にアンケートを用いていると思い
ます。
在日外国人関係のMLで
「在日の方にお聞きします」・・学歴、収入、言葉、祖国意識、差別経験など
関東の大学社会学部四回生、本名、その他の素性は名乗らず。
なんてのもありました。おいおい。
73 :
天之御名無主:01/11/14 16:04
>>72 アンケートと聞き取りは違うところの方が多いが、
受ける側の気持ちは似たところあるのかも。
気を遣わないとね!
74 :
天之御名無主:01/11/15 16:44
じじばば育ちは三文安いというけど聞き取り、聞き書きには役に立ってびっくり。
まず世間話、聞きたいことはさりげなく。相手に調子を合わせてれば大抵でてくる。
75 :
天之御名無主:01/11/16 00:57
っつーかのう、じじばば、わらしら、おなごしゅう、わかれん、おとこしゅ、
うやまいなさい、何か利益を得ようとする前に。
76 :
天之御名無主:01/11/16 01:23
・・・おとこしゅらを、の「らを」がぬけとったわ。
保守あげ
78 :
天之御名無主:01/11/21 01:17
このスレをざっと読まさせていただいたんですが、
同じフィールドワークという言葉を使っていても大分内容がちがうな〜と思いました。
あ、人類学系の人間です。こっちだと一つの調査地に数か月--数年かけるのが普通なんで
基本的に、年中行事というように集落のリズムは年単位で動いているので
最低一年、大体分かったところで二年は出掛けるというのがよくいわれます。
ま、この言い方も少し単純/素朴すぎますけど、一つの集落での様々な事象の有機的な
つながりの全体を対象とする学問の性格の問題かも知れませんね。
そう言うところからすると、地元の人々とぶつかることも/カルチャーショックを受けることも
すべて観察の対象となっていくわけですし。
「フィールドワーク」とはなにか、ということは人類学系では結構いろんな所で
問い直しが進んでいると思いますが、民俗学の方はちょっと分かりませんね。
どうなんでしょう?
ここでは、体験談もそうだけど
>>78のような方向で進んで欲しいな。
80 :
天之御名無主:01/12/26 22:32
>>79 『ライティングカルチャー』とか、そっちのほうの議論?
>>80 そうっす、そうっす。そっちのほうで。
民俗の方ってそういう議論が少なすぎると思う。
だからって、自分が文献読んでるかっていわれると読んでないけど。
民俗学の方では一応、大月隆寛が問題提起はしているよね、ずいぶん前だけど。
その後少し民俗誌論がはやった気もしますが、みなさんどう受け止めた
のでしょうか?
83 :
天之御名無主:01/12/28 16:22
「田主丸町誌」はけっこう実践的な成果では?
>>82 確かに大月隆寛は問題提起はしているけれど、その先がないから納得できない。
もちろん問題提起はいいと思いますけれど。
>>83 『田主丸町史』は、確かにそうかもしれないですね。
ただ、内容がそこまで良いのか判断がつきません。
この続きやりたいけれど、年末年始はネットから離れるからちょっと痛い…。
∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
( >∀<)< ってかお前ら多すぎ!
( ) \____________
| | |
(__)_)
>>82 大月って好きになれない。
彼の問題提起は逆に民俗学を国史の1カテゴリに矮小化させる
かのような印象を抱く。
まぁ漏れ自身、いまの民俗学が確固たる1学問として自立できてるとは思えないけどさ。
age
88 :
天之御名無主:02/01/04 20:15
>84
大月はおまえらよりは仕事してると思うが。
>>87 いや、だったら、こっちの仕事して欲しいな。
なんか、わけわかんない個人叩きはいいからさ。
それはそれで面白いかもしれないが。
90 :
天之御名無主:02/01/04 21:47
また本人が弁護してるよ(w
>>88 そうか、御本人であらされましたか。
とりあえず「ブンガク」に喧嘩売るのはいいからさ、こっちでもっといろいろやってくれよ。
92 :
天之御名無主:02/01/04 23:15
フィールドワークって騒いでるけどさ、
おまえら、真夏の沖縄を駆け回ったか?
漁船をチャーターして無人島まで行ったか?
宿もない真冬の山村で凍えたことがあるか?
松明の火の粉が降りかかる中でカメラを構えたか?
鬼に味噌持って追われたことがあるか?
俺はさすがに海外の未開の地まで入ったこと無いけど、
ここに書き込んでる奴らは、当然当たり前のことだろうな。
こんなアホがまだいるのか。
94 :
天之御名無主:02/01/05 03:28
>>92 相手にすべきぢゃないとは思うが・・・
>俺はさすがに海外の未開の地まで入ったこと無いけど、
~~~~~~~
もう一度最初からやり直そうね(^^;
95 :
ずれた・・・:02/01/05 03:29
>>92 相手にすべきぢゃないとは思うが・・・
>俺はさすがに海外の未開の地まで入ったこと無いけど、
~~~~~~~
もう一度最初からやり直そうね(^^;
>おまえら、真夏の沖縄を駆け回ったか?
海水浴?サーフィン?ダイビング?どれをしに行ったの?
>漁船をチャーターして無人島まで行ったか?
無人島でキャンプでもしたかったの?
>宿もない真冬の山村で凍えたことがあるか?
冬山は危険だから、遭難には注意したほうがいいんじゃない?
>松明の火の粉が降りかかる中でカメラを構えたか?
火遊びなんてして遊んじゃダメなんじゃない?
>鬼に味噌持って追われたことがあるか?
花祭りがすごく楽しかったから、自慢したいのかい?
>俺はさすがに海外の未開の地まで入ったこと無いけど
アマゾンの奥地に幻の古代文明でも探しに行けば?
97 :
学部生の戯言・・・:02/01/10 03:52
はじめまして。関西の大学で民俗学のゼミを取ってる者です。
ウチの大学は4回生の授業で1年間で調査報告書を作ります。
卒論での調査もあるのでこの時期に調査に入るのは正直キツイなって思う事があります。
入ってしまえば公会堂に集まってくれたお年寄りに感謝しますし、話をする事は楽しいです。
調査の方法って、どうすれば上手く話しが進められるか?とかいつも考えてしまいます。
皆さんの書き込みをみていると、聞き取り調査は大変で苦労が多いんだなと思いました。
公会堂を借りてくれて歓迎されるのって幸せですね。
もちろん、卒論の方でも2つの村に調査に入りました。
知り合いのコネを使ったのでこちらでも歓迎されました。
その後、市内の資料館に行った時に
「卒論なんか、本の寄せ集めで切って張って貼り付けてででしょ?」って言われて
凹みました。
学芸員からみたらツメの甘い卒論かもしれませんが、それはないよと思いました。
訳の分からないような書き込みになってしまいましたが、
結局のところ対人の調査は難しいって事なんですね。
今月また調査に行きます。集まってくれる事に本当に感謝したいです。
このスレを初めて調査に行く人が読んだら参考になるのではないのかな?と思いました。
98 :
天之御名無主:02/01/10 04:13
>97
気にしちゃいかんよ。そんなときには、件の学芸員の卒論が
その程度のものだったのだなあ、と哀れんでやるくらいの度量が欲しい。
99 :
天之御名無主:02/01/12 22:25
明治生まれの人がめっきりいなくなりましたね〜。5年くらい前にはまだ
結構話が聞けたのに・・・・・
100 :
天之御名無主:02/01/17 21:55
今の話者って昭和ヒトケタ生まれが多い。
大正生まれの人にもなかなか会えない…。
101 :
天之御名無主:02/01/18 03:08
>>100物心ついたら国民の生活が総力戦に向けて一気に画一化した時代。
明治生まれの人たちみたいに、それ以前の時代との比較の尺度を持ってないから
「昔はこうだった」みたいな話を眉に唾つけて聞かなきゃなんないんだよね。
ちょっと脱線しますが、フランスのピエール・ブルデュー氏の最近の
仕事って何してますか?
論文書きついでで読んでて、気になったので。
103 :
天之御名無主:02/01/18 16:19
>>97方法論の問題かな?
その学芸員氏はフィールドワークに余り向かない、資料に目を向けて研究室で考察するタイプで、
97さんは実際に出向いてそこで調査を行うタイプですか。
最近読んだ「文化とパーソナリティ」によれば、両方一長一短らしいですね。
前者は緻密でほぼ時間的制限に縛られない代わりに応用性が無く、それを活用する事は難しい。
後者は荒く、実際に調査を行う以上行き当たりばったりになりがちですが、その場に適応して臨機応変に行うもので結果を得られ易い。
しかし、その学芸員氏の言い分は少し酷いですね。
自分で異見を見出す意思すらないような…。
104 :
天之御名無主:02/01/18 16:51
>>104スマソ。
そのスレ見てて大体わかった。(2chのカキコで分かるというのもどうかと思うが)
でも、プルデューはかいつまんだら結構面白い読み物だと思う。
あたし専門は文化人類学だけど、プルデュー面白く読めたなぁ。
突然お邪魔しました。では。
106 :
天之御名無主:02/01/25 14:15
しばらくきていなかったらレスを頂いたようで・・・・ありがとうございます。
97です。
>98様
思ってみればそうですね。
あまりにもむかついたのでその資料館には、
あまり頼らないようにと別の所に聞きに行ってました。
逆にしつこく通ってやればよかったかしら・・・・
>103様
私は調査にでる方ですね。
ウチの大学は3回生でゼミを選ぶのですが、
私が民俗を選んだ理由ってとてつもなく不順で
“調査に出れば、あんまり本を読まなくて良さそうだから”というぐらい
本・文献を読むのが苦手なんです。
最近じゃ、どの分野でも一緒だなって思うんですけどね(笑)
さて、卒業論文は完成しました。
内容は・・・・調査報告ばかりとなりました。
まだまだ修行が足りないってヤツですね。
107 :
天之御名無主:02/01/25 18:49
>>102,105氏
ピエール・ブルデュー氏、お亡くなりになってますね。
71歳。ガンで闘病の末らしい。
108 :
天之御名無主:02/01/25 22:42
学部生ですが、授業で調査報告書を作っています。
村の人達に公会堂に集まって貰って聞き取りをしたり、
個人宅に伺って聞き取りをするのですが、
その度にお土産を持っていった方が良いのでしょうか?
過去5回以上調査に行ってるのですが、
その度にお土産を持って行くのは正直金銭的にも辛いのです。
交通費だけで往復3000円かかるし。。。。
このスレの皆様は調査に多くいかれてるようなので教えてください。
>>108 まあ、普通は持っていきますよね。
調査以前の、社会的な礼儀です。
研究だから、学生だから、謝礼金を免除してもらっているんだ、
と考えた方がいいですよ・・・・。
調査の経験談で傷舐めあってどうすんの?
だから民俗学は方法論が弱いんだよ。
経験を調査の枠組みの中でどうやって捉えるか
って議論をせんかい!
111 :
天之御名無主:02/01/26 00:28
>>108 どこかに集まってもらったりする時には持っていった方
がいいですね。みんなで食べれる茶菓子みないなものを。
でも道ばたで話を聞いたり飛び込みで家に行ったりする場合は
なかなか難しいので、だいたいの住所がわかれば郵便出来るので
名前を聞いてお礼状を出したり自分はしていますけども。
でもまあアポ取っていくならまず持っていった方がいいですね。
112 :
天之御名無主:02/01/26 18:51
言いたいことはわかる
だったら、自分たちから方法論についての話を振っていったらどうなの?
114 :
天之御名無主:02/01/26 22:50
>>108 >交通費だけで往復3000円かかるし。。。。
ハア? ネタ? 安すぎるじゃねーか!
そんなら菓子折りのひとつくらいケチるな!
まあ、仲良くなれば謝礼などいらんときがくるもんだが・・・
それにしても交通費安すぎ。ウラヤマスィ〜!
115 :
天之御名無主:02/01/26 22:53
このスレあがってたから初めて見たけど、
>>110 >>112が
なにを言いたいのかよくわからん。
>>113の言うように、
お二人のご高説を賜りたいもんだな。
ここに来たの初めての者ですが、私は以前から
「民俗学は結局その調査対象にプラスになっているのか?」
と考えていました。
寺社等大きな団体の行事には学問的調査は確かに意義のあるものと思いますが
果たしてそれが民間の、村落などにも同じように言えるのでしょうか?
私は学部生でして、今後この学問を続けていくか今非常に悩んでます・・・
今一般的に採用されているのは、いわゆる「教育大方式」ていうやつで
東京教育大(筑波大)の和歌森太郎とその家来が大体の枠組みを作った。
「生業」とか「信仰」とか「伝説」とかの項目を設定して、それぞれの
担当者がそれぞれの項目を調べて、カードに起こして、その情報をみん
なで共有するというやつ。この項目設定という考え方は、そもそもヤナ
ギタが子分の情報を自分で使うために作ったもの。個人で行う調査でも
聞き取りの際はこの枠組みが基本的に遵守される。
この民俗学のやり方では、個人のテーマよりも当該地域の「使える」情報を
ほかの研究者に伝えるかという情報提供の役割が強い。そのために(情
報を提供するための基本設定として)教育大方式などの枠組みが共有さ
れてきた。しかし当然これでは、項目以外のことは聞かれないので、紋切り
型の(「こちらが期待するような」)民俗像しか出てこない。
まぁみんながみんなこういうことやってるわけではなくて、たとえば宮本
常一なんかはそんなことしなかったので、その弟子(k崎さんとかK月さんと
か)もそういうことはしない。若手でも教育大方式を今でもちゃんと守ってる
人って少ないんじゃないか?
>116
そりゃプラスにはなってないでしょうけど。じゃなんで民俗学はこれまで(あな
たが思う意味での)意義のないような調査を繰り返してきたのか、そこに民俗学が
何を見出そうとしているのかを、本なんかで勉強すればいいんじゃないすか? 無
理して調査にいく必要はないし、調査しなけりゃ民俗学じゃないなんて言う奴は信
じないほうがよい。民俗学者でも人類学者でもフィールド嫌いな人はたくさんいる。
118 :
天之御名無主:02/01/27 15:59
>>117 宮本常一も、戦時中の民俗誌では(戦後刊行されたものも含めて)、
調査項目にそって記録をまとめてるよ。
和歌森太郎以前の、柳田の例の「山村調査」の100項目に準じてだけど。
宮本も、だんだん、これじゃまずいと思ったんだろうね。
彼がそれにはっきり批判を持つようになるのが昭和30年代。
調査をはじめて15年くらいたってから。
自分で気づくまで、そのくらいの期間はいろいろなアプローチで
試行錯誤するのがよいと思うが。
スレの流れを無視するような書き込みでスミマセン。
108です。
レス下さった皆様ありがとうございます。
今回の調査もお土産持っていきました。
ここの皆様は経験豊富なので、未熟者には大変勉強になります。
ありがとうございました。
お礼が遅くなって申し訳ございません。
120 :
天之御名無主:02/01/28 00:21
>>119 どんな調査だったのかしら?
方法論につながるような体験はできたかな?
報恩講の調査でお金を包んだり、祭礼の調査に一升瓶を担いで
行ったりしたことはありますが、飛び入りの調査で手土産を持参
する必要はあるのでしょうか
区長さんや氏子総代さん、教育委員会などのお世話になることが
わかっている方にお菓子(京都なら八橋とか)を持って行くぐらいは
最低限の礼儀でしょうが、個人のお宅へお邪魔しての調査ならば、
毎回手土産が必要だとは思えないのですが…
行政の調査でテレカをお渡しするようにと指示を受けて行ったことも
あるのですが、それにも疑問を感じたものです
122 :
天之御名無主:02/01/28 23:31
123 :
天之御名無主:02/01/28 23:42
>>122 そうそう!個人宅に行く場合、あとからお礼状書いても良いんだし。
自分なんかその時々で違うから一貫性がないけども要は感謝の気持ち
が伝われば良いんじゃない?人間相手なんだから。
飛び込みでも御土産持っていきたい人は持っていったらイイと思うし、
感謝の表現の仕方に決まりはないのでは?臨機応変に相手を第一に考えるのが
大切でしょ?せっかく貴重な時間を割いてお話を聞かせていただくのだし。
でも一部地方の有名な話者なんかはお土産をもらうことが
当たり前って思ってる人もいてるらしいから有名な人や
頻繁に調査に入られてるところに行くときには注意した方が
いいですね。どこに誰とは言いませんが評判悪い話者の人も
いますね。謝礼や土産を要求する。
125 :
うろぼろす:02/01/30 20:32
基本的には122さんや123さんの言うとおりかもしれませんね。
そのなかでも、地元の方からお願いされたことにできるだけ応じるのもいいかもし
れませんね。例えば、行事の写真を焼き増ししてお渡しするとか。
そういえば以前に、大変お世話になった郷土史家的な方から、ある事象について調
べてきてくれないかと手紙でお願いされたことがありました。そこで、その筋の先
生からお話を聞くなどしてちょっとしたレポートを書いて送ったことがありました。
内容といえば、はっきりしたことはわからないが、一般的にはこうらしいというあ
いまいな結果に終わったわけですが。とはいえこうしたお願いに応えることで、地
元にある知識への変化に荷担するのではないか、という危惧にちかい気持ちも一方
ではありましたが・・・。
もちろんお願いに応じて良かったと思うし、民俗は常に変化するしいろいろな要素
が入り交じるものだと思いつつも、どこかひっかかりましたねえ。
そんなことをいうと調査できなくなるかもしれないけど。
119です。
調査の方法論とはズレて申し訳ないのですが・・・
調査に行った時、確認のために伝承者の方に調査報告書に載せる原稿を見ていただいたんです。
私たちは伝承者の表現を損なわないように書くのですが、
伝承者の方がそれを直して欲しいと言われるのです。
例えばこの地域では樒のことを“シキビ”と言われるので、
原稿に“シキビ”と書くと「漢字で樒にして欲しい」と言われました。
その他にも民俗語彙であるだろうと判断した言葉を漢字にして欲しいと言われました。
その意見を無視して報告書に載せてしまうと、当然伝承者にも報告書が手に渡りますので、
伝承者が嫌な思いをするのでは、またクレームがつくのではないかとヒヤヒヤしてます。
「調査被害にあった」なんて思われたらどうしようかと・・・。
このような事はよくあることなのですか?
ちなみに調査の方法は、各項目ごとに担当者を決めて聞き取りを行っています。
117様が仰っている「教育大方式」に該当するのではと思います。
>126
ある儀礼や習俗について地域の人が漢字を提示するのはいわば当然のことで、
それを「民俗語彙」としてカタカナで書くっていうのは、民俗語彙を何か特殊
な言葉として囲い込もうとする研究者の側の問題だ、という論文をどこかで見
たことがあったような・・・。関一敏編『民俗のことば』朝倉書店刊だったかな?
参考にしてみてください。具体的な対処法としては「シキビ(樒)」と表記す
るのが一般的だと思います。
某先住民の話者は、学生イヂメがダイスキ。
学生だけならまだいいが、必ず指導教授まで被害が及ぶ。
某大某研にも干渉したため、出入り禁止とか。
>>128 干渉というのは、どのようなことですか?
調査の際に、学生の振るまいが無礼だったん
でしょうか?
>127
126です。
ありがとうございます。
お礼を申し上げるのが遅くなってすみません。
調査報告書は先生の指示もあり、「シキビ(樒)」と表記する方向に落ち着きました。
もうすぐ報告書ができます。
自分の原稿が形になるのは緊張します。
何度も質問に答えてくださった皆様本当にありがとうございました。
132 :
天之御名無主:02/03/16 23:11
花粉症の季節に花粉の出所みたいなところに調査に行くのは
非常に辛い・・・・といいつつアゲときます。
菊T暁の新しい本(高い!当然立ち読み。)誰か読んだ?
おれは『日本民俗学』に載ったやつはちゃんと読んだんだけど。
ああいう研究ってこれから増えてくんのかな?
近代とかと絡めて118氏とかの意見キボンヌ。
134 :
天之御名無主:02/04/09 02:47
『火と水の民俗文化誌』において、古家信平氏が
>>118見たいな事書いてなかったっけ?
↑が手元に無いので、誰か確認してくれるとうれしいな。
135 :
天之御名無主:02/05/10 17:00
良スレ保守age
136 :
天の御名無主:02/05/10 23:05
ageついでに。
>134
書いてたけど、あんまぱっとしなかった。というより後半の民俗誌
的記述に全く反映されていないじゃん。
137 :
天之御名無主:02/05/14 02:02
保守。
138 :
天之御名無主:02/05/26 17:58
そろそろ田植えも終わったし、調査の季節じゃ〜age
139 :
天之御名無主:02/08/27 00:18
3ヶ月ぶりage
140 :
天之御名無主:02/08/28 01:06
そろそろ稲刈りだから、調査行くなら今のうち!できれば各地の稲刈り情報希望!
まあ農繁期っていっても、現在はアッという間に機会で刈ってしまうんでしょうけど。
それでもムラの中が忙しそうだと、やっぱり少し気が引けますもんね〜。
141 :
天之御名無主:02/08/28 13:52
こんな時期調査に行っても迷惑がられるだけ。
よほど仲良くなってるところじゃないと。
142 :
天之御名無主:02/08/28 15:04
調査に行った先の村の娘さんとイイ仲になってしまったら…
どうする?
>>142 そのままそこに住みついて、データとりまくりだね(w
144 :
天之御名無主:02/08/28 22:41
まだ稲刈りも終わってないところってどこだよ。
西日本はとっくに終わってるだろ。
145 :
天之御名無主:02/08/28 23:23
>>144 まだ関西は稲刈り終わってないところありますね〜大阪、滋賀、奈良、
など。場所にもよるけども。終わってるところあるし。まあ今週末には終わるかな。
でも奈良や三重なんかはまだまだって感じの田もあるんだけどもね〜。
146 :
天之御名無主:02/10/02 13:26
ちょっとスレの内容からずれるかもしれないんですけど、
私は関西の大学で民俗学を専攻している3回生です。
で、お聞きしたいんですけど民俗学ってやっぱり民俗調査に
行かないといけないんでしょうか?
とゆうのは私がやりたい研究テーマは少し社会学に近いような
テーマなんで、お祭とか民間信仰のように民俗調査で情報を
得るようなものではないんです。
でも先生はとにかく民俗調査に行ってほしいようで
テーマを変えるように言われてるんですけど、私としてはこのまま
いきたいなって思ってるんです。
147 :
山野野衾 ◆NDQJtGoM :02/10/02 13:31
>146
研究テーマを示されないとなんとも言えません。
>>146 テーマにもよりますが社会学でもガンガン調査に行く人もいてますし、
社会学の方が実証性を重視しているので、理論社会学でもしないかぎり
調査は重要なはずですけども??
149 :
天之御名無主:02/10/02 18:15
方法論でやればよろし。
そのかわり図書館でフィールドワークと相成りますが
150 :
146です。:02/10/03 00:35
テーマは現代の占いについて。
けどこれって民俗学の中に入るかなーと思ったりしてます。
実はテーマを決めかねてて、夏休みの課題を作成するために
かなり色々な本を読んだんですけど、これがやりたい!って
思えるものがなくて・・・
ってまたスレの内容とずれてますね。すいません。
151 :
天之御名無主:02/10/03 00:49
>>150 関西なら石切へフィールドワークへGO!
現代の占いのすべてがここにある!
>>150 現代の占いなら、事例研究するのか、宗教意識関係のセンサスを使って
やってしまうかって感じでしょうか。いかんせん、初学者に大人気の超メジャーな
研究対象(悪く言えば誰でも思いつく研究対象)なんで、膨大な先行研究が民俗学、
社会学、宗教学、人類学、心理学その他諸々であるので、よっぽど方法論で目新しくするか、
独自の事例を沢山あつめるか、自分で膨大な数のデータを集めるかしないと、
もの凄く分かり切ったありふれた研究になるので注意しましょう!
とにかく頑張れー!石切もイイし、その隣の生駒の研究は宗教社会学では有名ですよ〜。
154 :
山野野衾 ◆NDQJtGoM :02/10/03 07:51
>150
旧来の占いと現代の占いを比較して共通点と異なる点、古い点と新しい
点を明確して更に占いの受け手もお調べになられた方がよろしい。
155 :
天之御名無主:02/10/03 16:59
150です!
みなさんありがとうございます!!
石切や生駒ならけっこう近いので行ってみたいと思います。
とりあえず占いについての文献を民俗学、社会学など関係なく
読んでみます!
今までは図書館の民俗学のとこにあるものを中心に読んでたんですけど
色々と読んでみます!!
156 :
天之御名無主:02/10/03 21:48
石切や生駒なら、民俗学では、栗山一夫がいち早くやってる。
明石書店から赤松啓介名義で選集がでてるから読んでみ。
157 :
天之御名無主:02/10/10 22:40
香月洋一郎が吉川弘文館歴史文化ライブラリーだっけ?で本出したね。
読んだ?
共感するけど、何か引っかかるものがある。
158 :
山野野衾 ◆W7NDQJtGoM :02/10/10 22:46
>157
どの辺がですか?
159 :
天之御名無主:02/10/10 22:52
>>158 なんなんだろね、うまく説明できないね。だめだな。
今ちょっと、本が手元にないもんで。
説明できそうだったら、今度書くよ。
160 :
天之御名無主:02/10/10 22:53
161 :
山野野衾 ◆W7NDQJtGoM :02/10/10 22:55
>159
私は宮本常一先生御在世の頃からあの先生の文章は好きなのですが・
・・やはり人によるのか。
>>161 うーん、別に嫌いというわけでもないし、好き嫌いで云々言うつもりはないけどな。
(^^)
民俗学についての知識はないが、過疎で消滅寸前の我が村の昔について調べている。
昔の悪ガキ3人で、暇を見てやっている。
昭和20年前後の生活に焦点をしぼっているが、それでも頼れる語り部は少ない。
ましては、蓑やワラボウシの作れる者は希にしか居ない。
今、聞き取り、記録に残さないと闇の中に葬られてしまい調べるすべもない。
全国各地で調査をされているみなさんに、お聞きしたいことがあります。
我が村には昔から、小正月の祝い膳を頂くとき、ご飯を盛りつけた茶碗に小皿の
蓋をしておき、食べるときに蓋を取り傾けて、たくさん滴が落ちると「長生きする」
「豊作となる」などの言い伝えられ、昔からこの風習が伝わっていますが、そん
な話をどこかで聞いたことがありますか。
166 :
天之御名無主:03/01/28 00:02
文化人類学を専攻しているものなんですが、うちの学校実習がないんですよ
なので独習できるフィールドワークの教科書、あるいは外部からでも入れる
研究会などありましたら教えて下さい
よろしくお願いします
167 :
天之御名無主:03/01/28 02:18
>>166 実習がない???
安楽椅子育ててどうするつもりなんでしょうか。
その学校は(汗
168 :
天之御名無主:03/01/28 02:21
佐藤郁哉氏の本は大学でも薦められたなぁ。
訳書・共著も含めると3、4冊ありますね
ま、しかし
読めば何とかなるというものではないという罠w
169 :
天之御名無主:03/02/02 12:42
大学の実習や参考書に頼る必要もあろうが、まず、自分の住んでいる町や村について
調べては、どうか。
170 :
天之御名無主:03/02/03 01:19
佐藤郁哉の本は、本人が言っているようにエスノグラフィー(参与観察+
インフォーマルインタビュー中心)の本ですね。そういう方法でいきたいなら
ともかく読んでおくべきでしょう。ストラウスの本とかロフランド&ロフランド
の本も日本語訳が出ているはずなので、必読。(当方人類学です)
先に話の出ていたライティングカルチャー系の議論やポスコロ批判は、
さすがに今はそこにはまり込んでないで自分なりの乗り越えの方向性を
ある程度はっきりさせて前に進まないと、周囲に相手にしてもらえません。
(まあそういうのが好きな人たちもいますが。特に社会学の一部。)
ただし、ここのスレで中心的な話題になっている(セミ)フォーマル
インタビューに関してはあまりよく知りません。
ここの議論を拝見する限り、やはり人類学とはだいぶん雰囲気や
関心が違うみたいだなあと感じました。
うちでは研究関心と方法論は不可分だという理解が一般的なので、
対象に関する理論的なスタンスをある程度固めておくこと、
方法論についてしっかりとした方向性を決めておくことは
フィールドに入る前の前提条件と考えられています。
(もちろん探索型の研究なのでそれは出発点に過ぎないのですが)
それをしないでいきなりフィールドに出るのは、様子見程度なら
いいですが、「調査」としてというのは却下です。
169さんの発言を、頭でっかちにならずに、地に足をつけて
対象・関心に即した方法論を模索しろということだと解釈するなら、
それにはもちろん同意です。
173 :
nanashi:03/02/04 16:34
ethnographyの訳語に民族誌学というのがあったのですが、いまいちイメージが
沸きません。文献調査をした上で、実際に観察をすると考えればよいのでしょうか。
174 :
天之御名無主:03/02/04 21:21
文献調査もするし、フィールドにも出るけど、
それは民族誌以外でも同じことだなあ。
175 :
nanashi:03/02/04 21:42
>174
ありがとうございました。民族誌の“誌”がどんな意味か分からないもので。
176 :
天之御名無主:03/02/09 19:19
民俗学は、その時代を生きた人間の生活を生活のぬくもりと共に記録に残すことだ。
177 :
天之御名無主:03/02/19 11:10
一昨日、村の最後の茅葺き職人を取材してきた。
針、けしき、屋根ばさみ、つち、などの道具も見せてもらいデジカメで撮ってきた。
この人は、15の時に弟子入りして以後55年間、職人として働いたという。
現在、八十に近い。まだまだ仕事はできると元気だが、すでに仕事はないという。
あぼーん
179 :
天之御名無主:03/03/02 07:09
誰か、このスレに命を吹き込んだ酢毘野座氏の質問に答えてあげてください。
(残念ながら、オレは街の子なので無理)
(´`)
>>179
応援をいただき感謝します。
私の町は、新潟県のみならず全国一の過疎地といってもよいでしょう。
昭和30年に1万人を超えて村から町になったのですが、今は、2千人ばかりに
なってしまいました。
私が生まれた村は、その町でももっとも過疎が進んでいる地区ですから、
どんなところか想像がつくと思います。
村には七つの集落がありますが、小学生は、たったの2人です。村の平均年齢は
67歳を超しています。
早晩、村は消滅するでしょう。
そこで、何とか、何百年も続いた村の生活の記録、それも私たちが、少年時代を
過ごした終戦前後の生活の様子を残そうと、昔の悪ガキ3人が暇を見て
取り組んでいるのです。
年中行事、四季の農作業、日常の暮らし、子供の暮らし、方言と俗信、伝説と民話
昔の集落図と道、などA4判で300ページほどにほぼまとめたのですが、
もともと、集落出身の村外在住者に、なつかしんで読んでもらうことを第一に編集
したものでみなさんが勉強しておいでの民俗学的な価値のあるものではないのです。
とにかく、今年中には出版する予定ですが、できれば、民俗誌として堪えうる内容
のものを残したいと考え、改めて聞き取り調査をしたり、資料を収集したりして
来年から新たに、村の民俗誌編集に取り組むことを計画しているのです。
しかし、まあ、民俗学の勉強などはしたことのない3人なので、こういう場で、
みなさんから、学びたいのです。
先般、村の最後の茅葺き職人を訪ね、七つ道具をデジカメに収めてきました。
村は、まだ140pの積雪です。今夜は30pの降雪が予報されています。
三寒四温の頃であります。みなさま、ご自愛ください。
182 :
山野野衾 ◆UJr4Al4ZYM :03/03/05 11:59
>181
購入したいので名前伏せないで教えて頂けませんか。訪れるかもしれませんし・・・。
>>182 今年中には、出版する予定です。代金は未定ですが、まあ、正直のところ、金を出し
て買うほどの価値はないものと思われます。
また、村出身の人たちが楽しく読めるようにあちこちの文献から写真を入れてあり、
非販売品です。
その道の研究者にとっては、何の参考にもならないと思いますが、どうしてもと
いうことであれば、村人向けに作る予定の案内状を秋に送ります。
3人とも達者でいれば、来年から五年がかりで、少しは民俗誌的な内容のものに
まとめたいと考えてます。
とはいえ、民俗誌とは何かの認識も持っていない3人なのです。そのうえ、晴耕雨読
雨降り仕事ですから、期待はできません。
あぼーん
185 :
山野野衾 ◆UJr4Al4ZYM :03/03/05 15:03
>183
行動を起こすというだけでも(無いよりましと言っては失礼ですが)たいへ
ん素晴らしいことだと思われます。頑張って下さい。
(^^)
四五日前に、村で糀屋をしていた家に聞き取りに行ってきました。
工程は、本で調べても分かりますが、直に仕事を何十年もしていた人間が語ると
やはり、違いますね。何か、それが血の通ったホントの知識理解と言うか・・・
(糀だねは、京都と長野のものが良質であったため、戦後は、わざわざ京都まで
新潟の山奥から米を背負って仕入れに行ったというのですからねぇ)
しかし、聞き取り調査のあとの記述作業に手間取ります。一日聞き取りして来て
あれこれと四五日かかってしまいます。
れにしても、ICレコーダーは便利ですね。一枚のCDに何時間でも保存できる
のですから。
188 :
天之御名無主:03/03/25 08:46
民俗調査の視点というもの、つまり、自然との関わり方とか人間関係などの観点から
調べていく意義はあるものか教えてください。
189 :
山野野衾 ◆F6mxNHihgE :03/03/25 09:15
>188
「山は半分殺してちょうどいい。」という言葉が聞かれたという話が
ありますね。里山というものは里人が手入れをして来たものでありそ
れが無くなると下草が茂らなくなって雨水が受け止められなくなり地
下水が得られなくなった。
日本人は自然を畏れかしこむだけでは無くちゃんと自分たちの意思で
切り開いて来たという一面もあった。
190 :
天之御名無主:03/03/25 09:50
ということは、民俗調査を計画する段階で、それなりの視点を決める必要が
あるということになりますか。
それとも、正確かつ詳細な調査をするなら、調査結果から、自然との関わり方も
人との関わり方も十分学べるということでしょうか。
191 :
山野野衾 ◆F6mxNHihgE :03/03/25 10:19
>190
視点を定めたうえで正確かつ詳細・・・というのが必要でしょう。な
にも民俗学に限らないのでは。
192 :
天之御名無主:03/03/26 18:20
やはり、民俗誌としてまとめるためには、始める前に視点を決めるための
哲学が必要ということですね。
193 :
山野野衾 ◆F6mxNHihgE :03/03/26 20:56
>192
いえ、それだと先入観になりかねないでしょう。テーマというか方向性を定
めておくという意味です。はじめに結論ありきではいけない。
194 :
天之御名無主:03/03/26 22:01
なるほど、そうですね。
ただ、自分は、自然との関わり、人と人との関わりに方向性を定めるにも
それだけの認識(哲学)がないと、己のテーマとはならないと思うのです。
それでは、調査活動に興味も意欲も湧かないのではないかと思うのです。
(^^)
∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
197 :
天之御名無主:03/04/24 18:36
昔の暮らしの聞き取りでは、聞き取り事項をあらかじめまとめて訪問する
ことは、言うまでもないことですが、自分は、聞き取りの個人ファイル(20人ほど) を
作っておいて、まとめ作業の段階で確認や聞き取りの必要を感じたら、すぐに個人
ファイルのフォルダを開いて適任者のファイルにメモしておくように心がけている。
そして、ある程度まとまった段階で訪問するようにしている。
やってみて、この方法がベストのように思います。
あぼーん
あぼーん
200 :
天之御名無主:03/04/24 23:32
方法論無き分析なんてのはありえないわけで
あぼーん
202 :
天之御名無主:03/05/26 03:28
>197
聞き取り事項をあらかじめまとめるのは自分の視点を整理する点では大事だが。
絶対に必要なものではない。というか、あなたの口ぶりからはその聞き取り事項
自体も調査の課程で検証されて再構成されていくものであるという視点がまるで
抜け落ちているように感じられる。
それが一番あらわれてるのは「適任者」なる言葉。なんだよ、適任者って。
それって結局自分の「仮説」に一番都合のいい答えを与えてくれる人ってのと何が違う?
どうもその調査からは調査している自分の位置が客観的絶対者の位置に後退して
しまっているんじゃないか?
そんな調査では結局自分の見たいものを自分の見たいように対象の中に幻視して
しかもそれをぬけぬけと実態視して報告書いっちょあがりで終わると思われる。
∧_∧
ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
=〔~∪ ̄ ̄〕
= ◎――◎ 山崎渉
204 :
天之御名無主:03/06/01 08:57
ご意見参考になりました。
自分は、民俗学の知識もないまま、昔の暮らしの記録を残そうと聞き取り調査を
している者ですが。
具体的には、燃料となるボイ(低木)を春一番に切り出すのですが、自分の山を
持たない家は、4qも離れた入山(共有林)で切るのです。
そのことについて聞き取りをして記録にまとめる作業中に、いろいろの新しい疑問
が湧いてくる。たとえば、
切る場所は勝手に選ばれたか、切る木の太さに決まりがあったか、切ったボイを束ねるに使った粘りのある木
には、マンサク、雪ツバキの他にどんなものがあったか、その結わえ方の実際を
を映像で残したいなど、様々な発想が湧く。
それをその場でメモをしておいて、ボイを実際にネジキで束ねることのできる技を
持った適任者を捜し依頼して訪問するとというようなやり方をしていると言う意味
です。このようにして聞き取りを深めていくと当時の村人の生活感情までわかる
ような気もします。
さらに、ご指導ねがいます。
205 :
通りすがり:03/06/01 09:50
>>204 素晴らしい♪これぞ民俗学の調査内容と言った感じで言い聞き取りだと思います♪
燃料の木を取りに行くという行為から色んなことが見えてきますね〜。
この辺りのことでよく言われるのが、一人前の基準なんかも有ったりとかかな。
一人前の大人の男ならこれだけの量を一回で持って来るとか、女性なら少ないとか。
運搬方法も天秤棒なのか背負い運搬なのかとかね。燃料の木の種類から
それぞれの木の灰の利用法までまだまだふくらんでいくイイ内容の調査ですね〜。
とにかくイイ感じの内容なので、こんな匿名の掲示板で内容の多くをさらさずに、
なにか形にして世に出してくださいね〜頑張れ〜♪
あぼーん
あぼーん
208 :
天之御名無主:03/06/14 20:09
他スレで紹介されたのできました。
ここの人達に聞きたんのですが、仮に神社や祭祀を調査することになったとして
神に断り無く写真撮影しまくり、ってどう思いますか?
せめて手を合わせてから写真を取った方が良いような気がする私は変でしょうか?
確かにこれは信仰上の問題かもしれないけれど、いくら事前に地域の上役が許可を出していても
祭の参加者は著しく気分を害すると思うのですが如何でしょう?
それがいかなる宗教であったとしても・・・ 調査被害ってこういう小さなところから起きるような気がします。
209 :
天之御名無主:03/06/15 00:01
>>208 そういう問題意識は大切ですが、実際には個別に対処するしかないのでは?
万能の方法はありませんよね。何か具体的な懸案がおありのようですが、
それを書いてはいただけませんか?
210 :
天之御名無主:03/06/15 01:29
>>209 ありがとうございます。
これは半ばトラウマに近いのですが。学生時代、私は調査実習に行った折、教授達は
非常に腰低く接していたのですが、調査が始まると、いわゆる実証主義というか、ドライになりまして・・・
調査対象は神社だったのですが、事前に地域の実力者には了解は取っていたとは思われますが
写真を取る前に手を合わせることも無く神社の奥のご神体などへフラッシュを焚いて撮影を行っておりました。
私は、これを見たときに、「あぁ、こういう方法を続けなければならないならば民俗学は向かないな」
と重い、現在はほかの道へ進んでおります。
というのも、私自身が、調査対象となるような地域の出身者であり、伝統芸能の継承者でしたから
取材を受ける側の視点と取材を行う側の視点の両方があったのではないかと思います。
今思えば、調査される側の自分が指導教授らに強く反発していたのだと思います。
そして、調査終了後、再び調査地域から祭等の、お誘いがあったのですが、「もう調査の終わったところだから」
と一顧だにしなかった事に反発を覚えました。
ここの過去ログを読んでいるうちに自分の中でようやく客観化刷ることができたので書いてみました。
何というか、文化人類学的に科学的調査というだけでは、物的・情報的調査という視点でのみ
調査を行っていると、祭祀や行事を行っている、その背景に有る、空気のようなものを侵害してしまう、
と私は感じました。
211 :
天之御名無主:03/06/15 01:50
>>209
あなたの感覚は素晴らしいものです。民俗学、文化人類学は、紛らわしい表現を使って申し訳ないですが、
”科学でなく、文学”としての側面を大切にしないと、ガラクタの寄せ集めで終わってしまうと思います。
対象に対する敬意は非常に大切ですが、個人でできる範囲で示せばよいのでは。
下っ端の学生でどうしようもない場合?は、心の中で手を合わすだけでも、すばらしいと思いますが。
少し慣れると、1人での調査が主になるでしょうから、そのときにあなたの思うとおりのスタイルで接すればよい。
212 :
天之御名無主:03/06/15 01:52
>>210
あなたの感覚は素晴らしいものです。民俗学、文化人類学は、紛らわしい表現を使って申し訳ないですが、
”科学でなく、文学”としての側面を大切にしないと、ガラクタの寄せ集めで終わってしまうと思います。
対象に対する敬意は非常に大切ですが、個人でできる範囲で示せばよいのでは。
下っ端の学生でどうしようもない場合?は、心の中で手を合わすだけでも、すばらしいと思いますが。
少し慣れると、1人での調査が主になるでしょうから、そのときにあなたの思うとおりのスタイルで接すればよい。
213 :
天之御名無主:03/06/23 04:57
>>210 同感を覚えます。
私は、民俗学的な調査は、あくまでその時代の人間の生活習慣から生活感情まで
つまりは、その時代の文化を調べてることが、基本であろうと思います。
神社仏閣の御神体の撮影もあっても良いと思いますが、それほど重要なこと
とは思われません。
重要なものは、その時代のその地域の人々が、それ(神社など)とどのようにかか
わって生活していたかということ、当時は、村の神社にお参りすることは、現在の
ように形骸化した習慣ではなく、日常の暮らしや年中行事などと直結した生き生きとした
生活文化であったことを、その時代の人と直接話すことや、その時代の行事や習慣を
調べることで知ることだと思います。
また、昔の暮らしの習慣などは、集落のみならず各家によって随分異なることを
念頭に置いて、同一集落とて広く深く聞き取り調査をする事が大切だと感じます。
一回でや二回では、なかなか語り部も本質的な部分を語ってはくれません。
私は、このことを信条しして、山仕事の合間に、今、焦らず根気よく今聞き取り
調査を続けています。
あぼーん
あぼーん
216 :
天之御名無主:03/06/23 06:23
>>211 ありがとうございます。
現在は民俗から離れてしまいましたが・・・近所は老人が多いですので聞き取りでもやってみようかな。
>>213 年中行事は多重的円環型螺旋構造とでも言うべきような幾つかの周期が重なり合って動いていますよね。
たとえば、「タルをするからスーツ着てこい」と言われ、何かと思ったら、「人前結婚式」だったり
それこそ、過疎化の中で数十年に一度と言う行事も増えてきています。
私の祖母は90越えていますが、語り部としては【壊れた検索エンジン】なのでとても魅力的です。
普段は何も返ってこないけれど、たまに、とんでもない深い情報が手に入ることがあります。
そう言う意味では、同じ話が出ても繰り返し聞いて、関心の有ることを会話するのは良いことかも
しれないですね。あぁ・・今年は鹿が多いな・・・草取りしなきゃ。
あぼーん
あぼーん
あぼーん
220 :
天之御名無主:03/06/26 09:10
先日、村で畑仕事をしていたら、通りかかった隣村のおばあさんあり、挨拶から色々村の
昔の暮らしの話になったところ、非常に詳しいので、山小屋に寄ってもらい、3時間
ほど、話を聞きました。
今、78歳ですがご自身も昔の暮らしに興味も持っておれられるらしく、方言など
ノートに書き出したものも持っておられるほどで大変参考になる話をしてください
ました。
以前に、東京の大学生が聞き取りに来たことがあるとも言っておられました。
まあ、調査対象の村に住んでいると、どこでもいつでも聞き取りのチャンスはある
ものなのですね。反面、いつでも聞けるという気持ちのゆるみもありますが・・・。
あぼーん
222 :
天之御名無主:03/07/12 13:40
梅雨に入り、雨の日が続き聞き取り訪問の好機なのですが、雑草も驚異的に
伸びるので、畑の草取りや、林の下草刈りに追われて思うようにできません。
その内その内と先送りしていると語り部が高齢だけに心配です。
一昨日も、その内機会をみて色々聞きたいと思っていたおばあさんが、家の下の
畑で倒れていたのを近所の人が見つけ救急車で運ばれました。
幸い、命には異常はなかったようですが、こちらでの生活に見切りをつけて関東の
子どもの所へ移転するとのこと、残念です。
223 :
天之御名無主:03/07/14 19:05
調査の動機を自分の内面とか生き方の切実な問題に見出せないなら、
しない方が誠実だと思います。
224 :
天之御名無主:03/07/16 00:32
保守
そういう方は、子供のいる地域で伝承者になる可能性もあるだろうね。
昔そういう故郷から移ってきた年配の方から、お話をうかがってちょっとし
たレポート(学校の宿題)を書いたことがある。
以前に、老人ホームの機関紙で「自分の故郷を語る」というコーナーを見た
ことがあるけど、故郷以外の場所から故郷はどう見えるのだろうか?
226 :
天之御名無主:03/07/22 06:53
今、7集落の婚姻圏についての調査をしています。大正の終わりから
昭和の初めに村に県外から嫁いできた人が必ずどこの集落にもいることに驚きます。
日本一と言われる豪雪地に嫁いできた人はどのように感じたものでしょうか。
婚姻圏にも昔からの集落同士の関係が如実に表れていることがわかります。
梅雨明け前に、聞き取り調査につとめています。
板違いかもしれませんが、花粉分析の問題点というのが分かる方、教えてください・・・。
ほとんど分からないので・・・。
228 :
天之御名無主:03/09/19 18:59
民俗学の意義というか魅力は、ある程度歳をとらないとわからないのではないか。
229 :
天之御名無主:03/09/29 21:35
>>228 でも民俗誌の傑作って、その人の若い頃の著作に多いと思いません?
あぼーん
231 :
天之御名無主:04/01/07 09:56
>229
概論的なものは、若いときに書かれた熱のこもった物もあるが、地道な調査に
基づいたものでしかも人の文化に対する熱意の感じられるような民俗誌は
ある程度歳をとってからの著作ではないかなぁ。
232 :
天之御名無主:04/01/23 18:43
菊池照雄という民俗学者の短文を読んでおもしろいと思った。何でも柳田国男の
遠野物語の舞台となった土地に生まれた人とのこと。
誰かこの人について聞かせてくれないでしょうか。
233 :
天之御名無主:04/06/09 22:29
ようやく五月に四百五十ページほどのものをまとめてみました。
これは、民俗誌というより、過疎の村から遠く離れた都会で年取った
村人に昔を懐かしんで読んでもらうという目的でまとめたものです。
題は「ブナ話の里歳時記」としました。
これを元にさらに聞き取り調査を進め民族誌として村に残るものに
仕上げて生きたいと考えています。
234 :
天之御名無主:04/06/09 22:42
書き間違えました「ブナ林の里歳時記」です。
235 :
石黒:04/11/05 19:20:21
ブナ林の里歳時記のHPをやっと作りました。
重くてイライラするかも知れませんが、興味があったら見てください。
できたら、受信時間についての感想を教えてください。
要改造でしょうね。
もちろん内容についても皆さんの専門的な立場での意見を切望します。
http://www.geocities.jp/kounit
236 :
天之御名無主:04/11/16 13:38:24
>235
石黒って何県の何町なのかわかりません。
地理情報をつけてください。
237 :
石黒:04/11/17 23:10:15
>>236 最初のページに石黒の概要をつける計画です。
他の方からもご指摘をうけました。
ありがとうございました。
238 :
天之御名無主:04/11/18 21:39:09
>237
村落景観の復元などされていますが、それに関連して
社会組織を書いて貰うと地図が活きるのではと思ったり、
葬列の必ず通る道をかいてもらったり、祭礼行列の
通る道をかいてもらったりすると活きるのではと思ったり、
伝承者の話を録音したものがあれば、デジタル化して
聞けるようにしてもらえるとすごいなーと思ったりしました。
239 :
石黒:04/11/19 08:34:49
>>238 貴重なご意見感謝します。
いずれも参考になります。
虫送りの通る道など集落図に示すと村出身者以外の方にも分かりますね。
伝承者の話の音声は、現在収録中です。
ところで受信の早さは、どうでしたか。
速い、気にならない時間、やや気になる時間、気になる時間、
のどれだったでしょうか。
240 :
添削してください。:2005/08/08(月) 16:52:31
都 はるみ(李春美) 和田アキ子(金現子) 安田 成美(鄭成美)
マッハ文朱(李文朱) 岡本 夏生(李夏生)
沢田 研二(李研二) 大山 倍達(尹泰植)
つかこうへい(金峰雄) 力道山(金信洛)
岩城晃一
伊原剛志
和田アキ子
阪神の桧山
阪神の金本
横浜の金城
ジョニー大倉
大鶴義丹
石田百合子
豊原功補
松田勇作
ビートたけし
小林 旭 五木ひろし 布施 明 春日 八郎 西城 秀樹
神戸 一郎 北原 賢治 野村 真樹 内田 裕也 ジョニー大倉
にしきのあきら 井上 陽水 柳ジョージ 矢沢 永吉
ビートたけし 沢田 研二 松山 千春 小畑 実 フランク永井
河島 英吾 井沢 八郎 坂本 九 宝田 明 堤 大二郎
児玉 清 松田 優作 岩城 混一 つかこうへい 菅原 文太
高倉 健 金田 賢一 隆 大介 小坂 一也 勝呂 誉
松村 雄基 大鶴 義丹 孫 正義 大山 倍達 星野貫太郎
なべおさみ
チョコボール向井
マグナム北斗
徳光和夫・桂文珍・島田珠代・南原清隆・間寛平
堂本コーイチ
間違っていりもの、もしくは足りないものがあったら
レス下さい。
何?
朝○人タレント名鑑?
242 :
天之御名無主:2005/08/08(月) 19:55:40
人
(_)
(___)
( ・◇・) ウンコ-
( O┬O
≡ ◎-ヽJ┴◎
みぃな ◆miina.mFwQ
245 :
天之御名無主:2006/09/03(日) 01:46:32
246 :
天之御名無主:2006/09/03(日) 03:22:20
調査方法から話題がずれるかもしれませんが、過去の海外共同調査のことがトラウマになっています。
中国の農村調査で、窓から川がみえるロケーションの招待所に泊まっていました。
川では農村女性が下着姿で水浴びをして、それは道や家屋からは死角だったけど、招待所の窓からはみえていたそうです。
それで同行していたある男の先生がカメラで女性たちの下着姿を隠し撮りしていました。
それだけでも驚きだったけど、帰国後の研究会でみんなに写真をみせて、「苦労して隠し撮りしたけど、よう撮れてるやろ?」と自慢した。
すごいショックで血の気のひく思いがし、憤ったけれど、相手が目上の男の先生なので、その場では何もいえませんでした。
調査地の人たちにも本当に申し訳ないと思った。
その人は考古学の人だから(考古学から干されて、40歳を過ぎて民俗学に手を染め始めたような人だから)仕方ないかとも思ったけど、
やっぱり納得できなかった。
その人もメンバーの共同調査がまたあるのですが、再びその調査に行くべきかどうか、悩んでいます。
247 :
天之御名無主:2006/09/03(日) 03:44:50
246です。ここでは、みなさんが非常に真摯に民俗調査の方法と問題について意見を交わしていますよね。
調査地に足を運ぶ中で失敗したり苦しんだり、ときには幸運に恵まれたりするなかで、それぞれが身に着けてきた方法論や倫理観があると思います。
そうしたみなさんのレベルの話からみると、わたしの先の話はほんとうに低レベルな話題、悩みかもしれません。
が、ほんとうに調査地の人に対して、今後どのように接していったらよいのか(某氏の隠し撮りはバレはいないみたいですが)。
同じ女性として、調査地の人、隠し撮りされた人にはほんとうに申し訳ない気持ちでいっぱいです。
また彼のような研究者と一緒に共同調査をしなければならないとき、どのように対応し接したらよいのか、考えれば考るほど混乱するばかりです。
まだこのトラウマから抜けきれてないのに。
同じような経験をされた方も、そうでない方も、なにかアドバイスをいただけないでしょうか。
本当に藁にもすがりたいほどの気持ちなのです。
文字通り「トラウマ」なら、
精神科行って専門医の指示を仰いでください。
249 :
天之御名無主:2007/05/18(金) 01:40:09
>>246 >考古学から干されて、40歳を過ぎて民俗学に手を染め始めたような人
誰?
250 :
天之御名無主:2008/07/09(水) 14:59:36
特定できないけど・・・
251 :
天之御名無主:2008/07/09(水) 20:08:37
民俗学や文化人類学のフィールドワーカーの人が集まって居られるんですね。
趣味で郷土史研究関係の調査をやってるんですが、民俗学調査って調査対象の
ムラの歴史については深入りしないんでしょうか。
江戸時代に複数の領主がいた、いわゆる相給のムラを調査した民俗学の報告書を
読んだことがあるのですが、江戸時代のムラの歴史的背景については、序文に
少々不正確な記述があるだけで、例えばムラの中にいくつかある集落の歴史や、
調査対象にした各家が過去にどういった稼業を経てきたかなどは、意図的に排除
しているような印象さえ受けました。
赤松啓介の本などを読むと、ムラの習慣は、(特にヨバイに関して)どこでも同じと
自分達は思っていながらすぐ隣のムラとも全く異なる習慣を持っているなどと
書いています。そういった状況で、ムラの、小字レベルの集落の、あるいは
各家の歴史といった要素を排除して、民俗学が目標とする研究が可能なので
しょうか。
喩えるなら、昆虫をむやみやたらと採集して標本にし、その生態などには全く
興味を示さずに死んだ虫の標本の形状を観察することのみを昆虫の研究と考えて
いるようなもののようにさえ感じます。
あえて挑発的な言葉で表現するなら、かつての文化人類学がそうであったように、
単なる博物学的興味から情報を無闇にかき集め、ほとんど未開の地域がなくなった
調査対象を前に、停滞している学問であるかのようにさえ見えます。
民俗学は、21世紀の今でも生きている学問なのでしょうか。
まったく逆で、
>>251がやっていることのほうが昆虫採集に近いと思う。
254 :
天之御名無主:2008/07/13(日) 06:17:42
過去の業績と代わり映えのしないフィールドを繰り返しほじくり回し、マンネリに陥っている。
多くの学問分野は、他の学問の知見を取り入れることで、異なる視点での分析対象理解や
自分野の活性化を図ってきた。
同時に史学の知見の収集を行うことを昆虫採集(言い換えれば博物学的な標本採集)と
捉えるとしたら、それは単に民俗学が史学などに虐められるあまり、殻に閉じこもって
唾棄すべき権威主義に陥ってるんじゃないか。民俗学に史学の視点を取り入れるだけの
アクティビティが失われているためではないか。民俗学は民族学などの知見については
取り入れて比較研究の視点も養っているようだし。
民俗学改め日本民族学とでもした方が、まだしも建設的では。民俗学を標榜し続けるのは、
先人の名声に胡坐をかいて、発展を阻害する弊害が大きいのでは?
256 :
天之御名無主:2008/07/15(火) 07:27:38
民俗学なんてカテゴリーを標榜する理由が希薄になっていることは分かった。
単に民俗学研究者の英語能力が低くて、グローバルな民族学研究の枠に
入れないだけじゃないのかと。
民俗学研究者の英語能力が低いのは、有名な話。
しかし、最近は東大や筑波、阪大の院生の論文には、英語の原書が参考文献としてあげられていることが多いよ。
至文堂 国文学解釈と鑑賞 平成20年8月号 特集フォークロア研究の最前線
■総論
・民俗研究の新しい流れ (小池淳一)
・「おまえはすでに〈民俗学者〉だ」―〈民俗学〉の「可能性」なるものの語り方 (菊池 暁)
■歴史と思想のフォークロア
・天変とフォークロア (杉 岳志)
・都市祭礼における起源伝承の創出と活用−近現代の博多祇園山笠を例に (宇野功一)
・国学とフォークロア−宮負定雄における民俗 (小田真裕)
・皮をむく境界の神 (鯨井千佐登)
■近代とフォークロア
・近代規範意識とフォークロア−若者文化との対峙 (青木隆浩)
・民俗誌映画の課題 (内田順子)
・漫談とは何か−口承文芸研究の新たな課題として (真鍋昌賢)
・軍隊のフォークロア−航空兵の記憶 (丸山泰明)
・歩く人生−秋田県八郎潟周辺の生業の変貌とその労働観 (渡部鮎美)
■現代社会のフォークロア
・現代儀礼研究の課題と方法−葬送儀礼研究を中心にして (山田慎也)
・通過儀礼の新視角 (板橋春夫)
・老人と過疎−民俗芸能の継承から (大石泰夫)
・政治/選挙をめぐる民俗学的思考−その意義と若干の展望 (室井康成)
・〈遊撃〉の街へ−新自由主義の時代を走るタクシー (重信幸彦)
解釈と鑑賞とは、また乙な雑誌に…。
しかし収録論文は玉石混淆っぽいな
259 :
天之御名無主:2008/07/16(水) 06:16:43
つまり、民俗学が文化人類学・民族学に太刀打ちできないことは認識
しており、ようやく学生レベルで、明治時代の日本のアカデミックの
ような、「翻訳すれば学問」というレベルに達したと言いたいわけか。
「翻訳すれば学問」という明治の時代風潮に、反旗をひるがえして、
日本人が自らを省察し新しい学問を確立しようとしたのが、柳田だけどね。
もっとも柳田は、西洋の学問を完全に咀嚼吸収して、その上で己の立ち位置を見定め、
日本民俗学をうち立てたわけだが。
261 :
天之御名無主:2008/07/20(日) 09:02:10
で、後継者がその遺産に胡坐をかいているうちに今の体たらく、というわけか。
263 :
天之御名無主:2008/07/21(月) 10:56:30
民俗学が抱えた問題は、どうやら当事者もわかっているが、自分達ではどうにも出来ないということらしい。
じゃあ、予算を史学にでも回せばすべて解決じゃんw
264 :
天之御名無主:2008/07/21(月) 23:23:48
>251
私は日本民俗学じゃなくて、民族学に近いほうですが、まったく賛成です。
これをやっちゃだめ、なんていう制限はないし、意義があると思う研究をすればいいと思いますよ。
「集落の歴史」は面白いじゃないですか。もちろんプライヴァシーの問題はありますが。
「記述に何の意味があるのか」「どのように記述するのか」はやればやるほど面白い。
それは「民族学」「民俗学」「文化人類学」に共通する問題ですし。
265 :
天之御名無主:2008/07/22(火) 20:22:04
といふことで、これからは民俗学を単なる生活史の一カテゴリーとして扱ふことにしませう。
266 :
天之御名無主:2008/07/22(火) 20:49:35
生きていることは生活なので
人が考え感じることは生活です
その過去のこと、未来のことが生活史です
したがってすべてのことは生活史のカテゴリーです
と 9歳の卓美ちゃんが教えてくれました
267 :
天之御名無主:2008/07/24(木) 17:21:31
>>246 人格の問題とフィールドでの行動の問題は別です。
両方気に入らないなら関わらないほうがよいでしょう。
人格面の欠点だけなら目をつぶるという選択もありだと思います。
行動面についてはフィールドによります。
私のフィールドだったら、その方の行動は要注意です。
いつか重大なトラブルを起こしかねません。
人格的に信頼できる先生を見つけたほうが気持ちよく研究できますよ。
今後も一緒にやっていくなら、いざというときの自分の身の処し方を考えておくと気が楽です。
268 :
天之御名無主:2008/07/25(金) 13:28:25
若い女性が農村部に農業研修とかに入ると、無闇にヨバイをかけられ、
旗振り役の町村役場とかにクレームを上げても当たり前のこととして
まともに取り合ってくれないとかいう話があるらしいですが、民俗学
調査ではそういうことはないんですか?
269 :
天之御名無主:2008/07/25(金) 22:56:22
今時、このような話題ではあまり釣れないと思うのだがw。
270 :
天之御名無主:2008/07/27(日) 07:15:39
じゃあどのような話題でなら釣れるのかね。裸祭りにおけるゲイの生態とかか。
そんな、2ちゃんねるで散々語られているようなことを・・・
272 :
天之御名無主:2008/07/27(日) 11:01:05
結論は「過疎板で釣りなど不可能」だな。
273 :
天之御名無主:2008/08/14(木) 12:40:05
民俗学者の民俗を研究してみたらいいんじゃね。
民俗学の民俗学、
メタ民俗学、
民俗生態学。
どれも、10年以上前に、すでに言われていたことですなぁ。
研究史に無知というか、研究自体に進展がないというかw。
275 :
天之御名無主:2008/08/15(金) 06:06:02
史学屋に馬鹿にされるわけだ。
276 :
天之御名無主:2008/08/15(金) 06:30:59
研究自体に進展がないのではなく、民俗学の枠ではもはや研究の
発展可能性がないのだろう。郷土史研究にでも移行しろ。
277 :
天之御名無主:2008/11/05(水) 02:26:54
スレ違いかも知れませんがどなたか教えてください。
みこしのようなもので、人形を台座に乗せて担ぐ祭りが瀬戸内の島にあったのですが、他の地域でもあるのでしょうか???
278 :
天之御名無主:2009/06/24(水) 14:06:20
民俗学は、日本国内で誕生・発展したもの。社会学や文化人類学は、外国から輸入
された学問。
これが大きな違いですね。
ふぉーくろあ ってことばしってる?