動物の認知能力について

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1名無しゲノムのクローンさん
人間の認知と動物(特に猿)の認知能力の比較とか研究は
あるんでしょうか?板違いならすいません。
例えば人間の言語には単数と複数を文法的に区別したりしますが、
(例えば英語などの欧州語)動物は一つのモノと複数のものに
違った反応をしたりするんでしょうか?人間と人間以外の動物との
連続性(断続性)に興味があるんですが。。。
2名無しゲノムのクローンさん:01/10/01 16:29
単数と複数の理解など細かいことは知らないが、松沢哲郎、沢(澤)口俊之、
酒田英夫でGoogle検索してごらん。論文だけじゃなく関連書物も分かるよ。
京都大学霊長類研究所のホームページに行ってもいい。

それに、なにも霊長類に限らず動物と人間の認識の連続性を示す研究は数限りなくある。
関連書物を読めばそのような例はたくさん引用されていると思うけど。
31>2:01/10/01 21:18
完全、放置プレイかと思っていたところにレスどうもです。
教えていただいた名前で検索してみます。
41:01/10/01 21:25
その画像ならココ
http://www.f2.dion.ne.jp/~impact14/
5名無しゲノムのクローンさん:01/10/01 22:56
>>3
それで終わっちゃ面白くないよ。もっと自分が関心をもっていることを
詳しく書いたら? 認知能力には言語以外にもっといろんな側面があるでしょ。
6名無しゲノムのクローンさん:01/10/02 01:49
>5
>認知能力には言語以外にもっといろんな側面があるでしょ。
 おっしゃる通りなんですが、そもそも言語学畑の人間で、一般認知能力
というものそれ自体に関してはよく知らないですし、言語学板(特に
生成文法批判というスレ)では「一般認知能力ってなんじゃゴルァ」と
なっています。

 僕は専門ではないんですが、言語学には生成文法といって人間の脳には
生得的な言語システムが内蔵されている、という思想に基づいて文法理論を
組み上げている学派があります。それに対して、そんなものはない
(もしくはnegligible?)、経験によって人間は言語を獲得する、と主張する
人々もいます。

 生得説なら、どうやって進化の過程で生得の言語システムが脳に入って
きたかが問題になりますし、経験説にしても、言語システムは生物的認知的
基盤をもった構造なのか単に特に理由もなく構成されている恣意的な構造か、
という問題があります。

 言語ではobligatoryな要素、つまり無視できない文法要素と無視してよい
文法要素があり、前者は強制力をもっています。単数、複数といったのも、
英語では複数の犬を指して*dogとは言えず、dogsといわないといけません。
日本語では一匹でも複数でも「犬」は「犬」ですよね。「犬達」と言って
いえないことはないけれど義務的ではない。例えばこういう数を義務的に
表す言語の存在には何か生物認知学的な背景があるのか。あと主語動詞目的語
で文を構成し、ある完全な「考えproposition」を示していると考えられますが、
人間の言語がこのようなunitをもつには何か生物学的な背景はあるのか。
僕が書きなぐっているのはかなりつまらない類いの例ばかりだと思うん
ですが、いずれにしも人間の言語がある認識の発現である以上、他の動物の
認識とどういう連続性をもつのか、ということに興味があるわけなんです。
他の例だと、お猿さんも自分の体重を支えられない木の枝に飛びうつろうとは
しないわけですよね。これは彼等が「強度」という抽象的な観念をもっている
ことを示しているような気がするんですが。どういう観念、認識が動物には
存在せず人間だけのモノなのか、逆に人間になくて動物にある認識は何か、
など、特に類人猿との認識上の連続性に興味があります。最終的には
専門の言語と言う観点から考えるんですが。。。
7名無しゲノムのクローンさん:01/10/02 02:00
>>1
言語学なら、ピッカートンの言語進化論??なんかが
生物学的アプローチをしっかりやってなかったかな。

自分の私見なら、生物が認識できる脳内の空間イメージが
言語の構造を規定しているような気がします。
8名無しゲノムのクローンさん:01/10/02 02:21
>>6
なるほどねー。
言語の生物学的側面に関し、ヒトの脳は言語野に相当する部分が左脳の方が
面積が広い、ということは知られています。しかし、これはなにも生得的な
言語システムが内蔵されているかどうかということより、このような脳構造をもつ
個体が生存に有利だったことを示しているにすぎません。だから、生得的な言語
システムについては何も分かっていないと言っていいと思います。チョムスキーの
生成文法はあくまで仮説ね。ちなみに私自身は言語システムは恣意的な構造だと
考えています。これは多分、レヴィ=ストロースの研究に端を発する考え方。

例に挙げていらっしゃる単数複数に関しては、日本語ではそれはないわけだから、
生物学的な基盤などはなく、恣意的な体系でしょう。

>主語動詞目的語で文を構成し、ある完全な「考えproposition」を示していると
>考えられますが、人間の言語がこのようなunitをもつには何か生物学的な背景はあるのか
これに関しては私も非常に興味があります。ただ、これも私自身は生物学的な背景と
いうより、そのような要素がないことには物事を伝えることができないという
言語の本質に関連している、と考えています。つまりこれは宇宙に普遍的な言語の性質だと
考えているのです。

>>7
生物が認識できる脳内の空間イメージってなんじゃゴルァ
9名無しゲノムのクローンさん:01/10/02 02:36
それから、お猿さんが折れそうな枝には飛び移ろうとしないのは、最初はきっと
細い枝につかまって落ちた経験を積み重ねて学習していくものでしょうが、その
過程で、抽象的な概念が形成されるというより、見た目の太さと強度との関係を
理解していくのじゃないかなぁ。抽象的な概念の形成ということを言うと心理学者からは
叩かれます。理解と言っても叩かれるけど(笑 心理学にもいろいろ宗派があるみたいでね。
107:01/10/02 02:41
>>8
>つまりこれは宇宙に普遍的な言語の性質だと
>考えているのです。
例えば、生物を生成するDNAプログラムも同じ言語だと思いますか。

>生物が認識できる脳内の空間イメージってなんじゃゴルァ
口が悪いから教えてあげない。大したこと考えてる訳じゃないけど。
11名無しゲノムのクローンさん:01/10/02 02:52
>>10
なるほど。DNAの塩基配列も記号、言語の一種だろうね。ただ、いわゆる
言語とは伝達する対象が違う、というのかな。しかし塩基配列にも開始
コドン、終止コドン、プロモータとかの役割をもつ部位があるでしょう。
これがいわゆる言語の主語述語目的語にだいたい対応しているんじゃないかな。
ということが分かるようになる、と予想するね。

>生物が認識できる脳内の空間イメージ
確かに大したことじゃないだろうね。わけわからんもの。
127:01/10/02 03:37
>>11
悔しいから、説明してやる。
例えばだな、なめくじなんかは数秒ごとに、スライド映写のようにしか、世界を認識できないのだよ。
そして、たぶん、時間というものは存在せず、その瞬間、瞬間が彼にとってはそれが真実そのものであるわけだ。
そこに、言語能力を仮定するならば、
なめくじは、例えば、前へ進もうという内なる声を聞いているのかも知れない訳だ。つまり、認識こそが言語の原点なのだ。
つまり、人間的な言語といわれる会話などというものも
認識の進化というか高度化によってもたらされるもの。
つまり、脳内の空間イメージの音声化に他ならないということだ。
どうだ、わけわからんだろ・・・。
(酒のせいだ、難しいことにクビ突っ込むのは今後、慎もう、反省しつつアップ)
13名無しゲノムのクローンさん:01/10/02 07:08
>DNAの塩基配列も記号、言語の一種だろうね。
確か、クラシック音楽(バッハとか)に人間が心地よく
感じるのも実はDNAの配列かなんかと関係あるんじゃ
なかったっけ(誰の研究だったかな)?
音楽(認知)と言語の関連もあるんか、、、な?
無責任あげ
14名無しゲノムのクローンさん:01/10/02 10:45
>>12
>なめくじなんかは数秒ごとに、スライド映写のようにしか、世界を認識できないのだよ
誰がこんなこと言ってるの? 実験や観察の根拠は?

>なめくじは、例えば、前へ進もうという内なる声を聞いているのかも知れない
やめてくださいよ。

>>13
>クラシック音楽(バッハとか)に人間が心地よく感じるのも実はDNAの配列か
>なんかと関係あるんじゃ
これはどうせその辺の三文心理学者が言っているのでしょうが、なんの根拠も
ありません。こういう馬鹿なことを言う人間には死んでほしい。

>>1
12や13はでたらめなので、惑わされないように。
11もひどいね。文系の連中に生物を語らせると、どうしてこういつもドキュソな
議論になるかな。

>しかし塩基配列にも開始コドン、終止コドン、プロモータとかの役割をもつ
>部位があるでしょう。これがいわゆる言語の主語述語目的語にだいたい対応
>しているんじゃないかな。

してねぇよヴォケ。
1611:01/10/02 11:17
私も一応生物学出身なのだがね(笑

私は言語や、一般に記号には普遍的な構造があると考えているのです。
記号がなんらかの内容を伝えることを目的としている限り、なくては
ならない要素や性質がある。主語述語目的語などの要素はその一つに
当てはまると言っているのです。現時点ではDNAの塩基配列がすべて
明らかにされたわけでもないし、明らかにされたとしてもその機能が
すべて解明されるまでにはもう少し時間がかかる。しかし、解明された
時にはいわゆる言語に共通する構造がきっと見いだされるはず、と考えて
いるのです。
15の方こそ、もっと柔軟な思考方法を身につけないとね。君はまだせいぜい
学部生か修士あたりだろう。もう少し幅広く勉強してくれたまえ。
1715:01/10/02 11:40
それはそれは大変失礼。「一応」生物学出身とは存じませんで。正直言って、
理系の学術論文を書くことで飯食ってる人の文章とは、とても思えなかったもので。

>私は言語や、一般に記号には普遍的な構造があると考えているのです。

どうも「言語」とか「記号」とか、そのへんをきちんと定義していないので
意味不明だが、仮にことばどおり素直に解釈したとしても、やはり同意しかねるね。
意志伝達手段としての体系なんざ、時代や文化といった状況次第で千差万別だよ。
それらに共通する部分を抽出するなんざ意味なし(もちろん、相互に影響しあった
言語同士の場合は除く)。あんたの言ってるのは犬がワンとなくのは、英語の1と
関連があるとかいうアレかい?

「柔軟な思考」と「観念的な言葉遊び」は全く別物。人間が人間相手に情報を
伝える手段として発達した「言語」と、自然発生して複雑化した「塩基配列」と
では、そもそも比較の対象にはならない。

いつまでもあんたのいう「柔軟な思考」とやらで、非生産的な一人遊びを
続けてくれ給え。論理的裏付けのない思考は、妄想と同義なんだよ。
1811:01/10/02 11:46
17は荒らしにすぎないね。無視しよう。
1915:01/10/02 11:48
ははは、言い負かされた末の捨てぜりふにしては、陳腐だね。
この板はあんたが来るところじゃないとわかったかい?
2011:01/10/02 11:53
また荒らしの連発かい。君はこのスレのタイトルを読んだのかい?
21(´∀`):01/10/02 11:57
にゃっほー。言語学板から乱入失礼するにゃ。
(実は以前、この板に生成文法スレたてたことあるにゃ。全然盛り上がらなかったので
勝手に強制終了したにゃ。その折は悪かったにゃ……)

>>8
>このような脳構造をもつ個体が生存に有利だったことを示しているにすぎません
言語の左脳支配がどういう点で生存に有利なことになってるのか、教えて欲しいにゃ。

命題とか叙述の形式は客観的状況認識の一つのあり方で、そのような認識自体が種固有
のものである可能性はあると思うにゃ。いわばヒトはヒトの目を通した視覚世界しか
形成できないのと同じで、ヒトはヒトの言語構造を通して加工された世界しか言語に
よっては語れないにゃ。その形式が「宇宙に普遍的」とは個人的に予想しにくいにゃ。
宇宙や自然世界にはあらかじめ人間言語によって記述されるべき構造が内包されている
わけではないにゃ。人間が無理やり言語構造にあうように自然世界を変形させてるだけにゃ?

>>11
遺伝暗号とのアナロジーは面白いけど、開始コドン云々と主語述語の対応は意味不明
にゃ(万一、単純に主語が最初に来るからってことなら、そうでない言語はどうする
にゃ?)。まあ、コドンとアミノ酸の写像関係が恣意的である点が言語の形態音韻解釈
の恣意性と似ているとか、イントロンのような一見無駄・無意味な部分があるとか、
その程度のことはよく言われるにゃ。

>>12
「脳内の空間イメージ」は各個体の感覚器官に依存して形成されるにゃ? 生まれつき
目や耳が不自由なヒトの空間イメージはどうなってるにゃ。言語能力や言語獲得がそう
いった認識モードとは独立してることが、言語の自律性や領域固有性の証拠になるにゃ。
2215:01/10/02 12:00
おいおい。DNAにも「いわゆる言語の主語述語目的語がある」などという
電波入ったとしか思えない文章を書いてスレの趣旨からハズレたのは、
あんたの方が先だろ。しっかりしてくれたまえよ。
2315:01/10/02 12:02
うわ、またややこしそうなのが入ってきたなあ。
言うまでもないことだが、22の書き込みは、20=11にあててのもの
だからな。念のため。
2415:01/10/02 12:08
>21
どうでもいいけど、その文末の「にゃ」っていうの、やめてくれよ。
文書の内容そのものはかなりいい線いってるのに、だいなしだよそれじゃ。

>宇宙や自然世界にはあらかじめ人間言語によって記述されるべき
>構造が内包されているわけではないにゃ。

特にこのくだりは良いね。おおい、20=11、まだ読んでるか?
この猫みたいな21の方が、よっぽど良くわかってるぞ。にゃんにゃん。
2512:01/10/02 12:16
>>21
>生まれつき
>目や耳が不自由なヒトの空間イメージはどうなってるにゃ
まったく、あまい。脳内の空間イメージの基本は
自己の体、皮膚感覚と筋肉の神経網をベースと
する自己存在がベースになって、そこから感覚器の助けを
借りて、独自の脳内宇宙を形成するのだよ。えへん。
26(´∀`):01/10/02 12:18
>>17
>人間が人間相手に情報を伝える手段として発達した「言語」
という言語観だけがすべてではないにゃ。とりわけ人間言語の普遍的階層構造やそれを
定義する能力は、結果的には情報伝達という機能にも適したものでもあるけど、それを
目的として人間が意図的に設計したり工夫して獲得したりしたものではないと考える
立場もあるにゃ。

>>24
「にゃにゃにゃ語」は言語学板で超局所的に流行してるにゃ。これもミームにゃ?
すぐ廃れるだろうから我慢してにゃ(w
27名無しゲノムのクローンさん:01/10/02 12:19
>>21
ちょっとはましな奴が来たようだ(笑
>言語の左脳支配がどういう点で生存に有利なことになってるのか
言語野に相当する部分が左脳の方が広いということは、その部分の
神経細胞が多いということだよね。そのように遺伝的に準備されて
いるということだ。単純に考えれば神経細胞が多い方が処理能力は
高いだろう。それが言語能力を使う種にとっては有利だったんじゃ
ないか、と言っているだけだよ。それが左脳でなければならなかった
理由は知らない。

言語構造の普遍性については、私はその専門じゃないから強く主張する
気はないよ。ただまぁ言語に限らず、記号はなんらかの事柄を伝達すると
いう共通の目的を持っている以上、共通の仕組みや要素をもっていると
考えることはそんなにおかしなことではないと思うけど。

遺伝暗号とのアナロジーはひょっとして誤解を与えたかも知れないので、
補足しておくと、開始コドンが主語に、終止コドンが述語に対応していると
言っているわけではないよ。コドン云々はあくまで主語述語目的語などの
言語に共通する要素に対応する例としてあげただけであって、個別のコドンと
主語などの文法要素が対応していると言っているわけではない。
これに関しては私も独創的なことを言っているとは思っていないし。
まぁこの手の議論は言語畑では従来からなされているのでしょう。

脳内の空間イメージに関しては、まだ分からないことが多すぎて
まだそれに言及すべきではないと感じるね。
2812:01/10/02 12:32
>>11=27だよね
>脳内の空間イメージに関しては、まだ分からないことが多すぎて
>まだそれに言及すべきではないと感じるね。
おいおい、何故逃げるかな。このスレのテーマは動物の認知能力だろ。
このテーマをはずしたら、生物板でやる意味ないじゃんかよ。
さて、1さんはどうしてるんだろ。あきれて、消えたか・・・。
29名無しゲノムのクローンさん:01/10/02 12:40
12は黙ってろって。お前はどどど素人だ。
ついでに言うと、15も知ったかぶりのど素人。
3115:01/10/02 12:44
>26
>>人間が人間相手に情報を伝える手段として発達した「言語」
>という言語観だけがすべてではないにゃ。

それ以外に、いったいどんな「言語」が存在する?具体例を挙げられるか?
わかってると思うが、この場合俺が使った「人間」は、「情報の授受をする生物」
という意味だぞ。鯨同士の交信に使われる体系、とかいう逃げはナシで頼むぞ。
「情報伝達を目的として」「人間が意図的に作り上げた」のが「言語」だろ。
それを否定する立場ってのは、どういう立場なんだ?

>「にゃにゃにゃ語」は言語学板で超局所的に流行してるにゃ。これもミームにゃ?

ミームって用語自体は大嫌いだが、うむ、確かにミームだ。認める。

>27
>単純に考えれば神経細胞が多い方が処理能力は高いだろう。

んなこたぁない。どうもあんたはものごとを単純に考え過ぎ。

>ただまぁ言語に限らず、記号はなんらかの事柄を伝達すると
>いう共通の目的を持っている

この文章自体は正しい。だけどな、「なんらかの事柄を伝達する」などという
あまりにも広範囲かつ自由度の高すぎる事象を根拠に、全く異なる情報体系
を無理矢理比較しようという論法がまちがっているって俺は言ってるんだけど。

>開始コドンが主語に、終止コドンが述語に対応していると言っているわけではないよ。

もちろん、そんな揚げ足取りをしているつもりはないぜ。それじゃ聞くがな、
あんたのいう「言語に共通する要素」ってのが「主語述語目的語」じゃないと
するなら、具体的にはいったい何なんだよ。そこをはっきりしないから、あんたの
主張は「観念的な言葉遊び」に過ぎないって言ってるんだよ。いや、言ってるにゃ、か。
32名無しゲノムのクローンさん:01/10/02 12:52
言語を一般に記号と考えれば、クジラの交信もDNA塩基配列も私は記号の一種だと
思うね。そしてそれらがすべて意味を伝えようとする目的を持っている以上、共通の
普遍的な構造をもっていると考えることは間違っていないと思うよ。

言語に共通する要素の一つが主語述語目的語だと言っている。5W1Hもそうかも知れない。
33名無しゲノムのクローンさん:01/10/02 13:08
ところで主語だが、これは環境その他の文脈から見て自明である場合が
多い。だから明示的には示さず省略されることが多い。実際、日本語は
そういう性質を持つし、DNAの塩基配列やクジラの交信においても記号を
発信する主体が常に主語になるのでわざわざ明示せずに省略されているの
ではないかとも考えられる。
だから、必ず主語を明示しなければならない英語などはむしろ特殊な言語である
可能性がある。しかし、主語を省略されていても、それはあくまで自明だから
省略されているのであって主語という概念が記号にないわけではない。のではないかな。
3415:01/10/02 13:33
>そしてそれらがすべて意味を伝えようとする目的を持っている以上、共通の
>普遍的な構造をもっていると考えることは間違っていないと思うよ。

わからんかなぁ、そりゃ、「共通の普遍的な構造」とやらをどう定義するかで、
どんなものだって比較可能だよ。だが、そんなことをして何になる?
霞ヶ関ビルと弁当箱。どちらも「人間の役に立つ」という共通の目的を持って
開発された。両者に共通する普遍的な構造は、「どちらも四角い」。
あんたの主張はそういうことだよ。互いになんの関係も無いどんな
事柄だって、共通する要素を抽出することが可能なんだよ。それが普遍的な
構造か?そうした行為が意味があるかどうかをよく考えろ、って言ってるんだけどね。
あんたの行為は、言葉遊び以外の何だっていうのだ?

>言語に共通する要素の一つが主語述語目的語だと言っている。

その言語っていうのが、あんたにしてみれば、例えば日本語とDNA配列の両方を
意味しているんだろ。だから、それが間違い。塩基配列に記述されているのは、
動作性質状態(述語)・主体の及ぶ対象(目的語)を自身で具体化した
主体(主語)だけ。恣意性というものが完全に排除された状態で構築された
情報体系なんだから、主体・客体って区別をつける必要がないし、またできない。
5W1H? そりゃそうさ。それが俺が上に例として挙げた「四角い」って性質だよ。
35(´∀`):01/10/02 13:54
>>31
>「情報伝達を目的として」「人間が意図的に作り上げた」のが「言語」だろ。
生物学と同じで、言語学でもいわゆる構造主義(形式主義)と機能主義の対立ってのが
あるにゃ。ほんとは二者択一ではなく、相関論でなくてはいけないんだけど、にゃ。
端的に言えば、空を飛ぶために翼が生えてるんじゃなくて翼が生えてるからそれを
飛行という機能に(も)供することができる、情報伝達のために言語があるのではなく
言語があるからそれを情報伝達に(も)使える、という見方を俺らは採るにゃ。
とりわけ生成文法が関心をよせているのは、人間言語に普遍的に成り立つ構造制約と、
その反機能的特質、さらには反経験論的特質にゃ。これをもって自然選択万能の
ウルトラ・ダーウィニズムを批判することになってるにゃ。もし興味がおありならまず
言語学板の
http://mentai.2ch.net/test/read.cgi/gengo/988295604/
http://mentai.2ch.net/test/read.cgi/gengo/1000027749/
にひと通り目を通してもらって(特に(´∀`)とBOBって人の喧嘩)から、批判伺いたいにゃ。
ちょっと1氏の趣旨からはずれるけど、言語をめぐって生物学の立場からいろいろ
意見きかせて欲しいにゃー。
3612:01/10/02 14:04
そりゃ、ど素人さ。
でも、このまま消えるのも何だから、ピッカートンの引用を引用する。

原言語は、私たちヒトが類人猿と共有している神経系の指形に基礎を置いた意思伝達系
として発達したものだ。それに対して完全な言語のために神経学的基礎は、周囲の環境
について感覚的な情報を取り入れ、それを処理し、記憶として蓄積し、将来の行動の基
盤としてそれを評価するための複合的体系として進化した、と考える。彼の考えによれば、完全な言語のための基礎は、一種の地図作成機能、心の内部で世界を表現する手段
であったという。あらゆる動物は、ある程度自分たちの地図を作っている---マスは好
みの獲物の形、大きさ、行動についての絶妙に正確な指形持っている---が、複雑さと
精密さでヒトは他の動物のものを遙かに凌駕する、驚異的な程の込み入った表現を進化
させてきたのである。この内面の精神的表現体系が複雑になるほど、私たちは自分の前
にある実体からそれだけ距離を置いていることになる。

ついでに、ここでいう地図作成機能の進化を、ワーキングメモリーという視点で
脳科学的成果から論じたのがこれ
http://anthro.zool.kyoto-u.ac.jp/evo_anth.html

もう、勝手に記号論論議でも勝手にやっててちょ。
3712:01/10/02 14:13
ありゃりゃ、直リンクしてないので、
公開シンポジウムから、

言語の脳進化:ワーキングメモリ進化の観点から
澤口俊之(北海道大・文)

を探してね。
3812:01/10/02 15:54
なんか、まだ、むかむかするので最後っぺ
>>5=1
>一般認知能力というものそれ自体に関してはよく知らないですし、言語学板
>(特に生成文法批判というスレ)では「一般認知能力ってなんじゃゴル>ァ」
>となっています。
1さんは、こんな連中がいやで、生物板にスレを立てたのに、しかしまあ、
ろくでもないのがぞろぞろやってきて・・・

>>10=自己レス
>例えば、生物を生成するDNAプログラムも同じ言語だと思いますか。
まあ、これは11さんへの踏み絵です。しっかりと踏んでいただきましたが、
実はわたしもほぼ同意見です。ただ、人間言語は脳構造によってそのレベル
が規定されているだけです。基本構造は同じです。

>>14
>>なめくじなんかは数秒ごとに、スライド映写のようにしか、世界を認識で
>きないのだよ
>誰がこんなこと言ってるの? 実験や観察の根拠は?
いやあ何か、目の構造について論じている本で見かけたのですよ。
実験もやってました。新書だったような、記憶が・・・。スマソ

>>27
>脳内の空間イメージに関しては、まだ分からないことが多すぎて
>まだそれに言及すべきではないと感じるね。
11が、知識がたらんだけとみた。36に示したように、一部では言語の根幹部分と捉え
ているのですよ。

>>35
>人間言語に普遍的に成り立つ構造制約と、
>その反機能的特質、さらには反経験論的特質にゃ。これをもって自然選択万能の
>ウルトラ・ダーウィニズムを批判することになってるにゃ。
生物学の分野では、自然選択を認めない人をトンデモと呼んでいます。そのおかしな
結論も、おかしな論理の帰結か、脳機能の無理解によるものだと思います。
39(´∀`):01/10/02 16:30
>>38
>自然選択を認めない
自然選択「万能」を認めない、ってことにゃ。
進化の主要な要因だろうけど、それだけで全部説明できるのか、について
生物学では議論の余地がないのかにゃ?
4011:01/10/02 16:46
12の駄弁は終わったか?よかよか
41質問:01/10/03 05:55
生物学的起源を持つと想定されるヒト言語の普遍的特徴って例えば何?
その「ヒト言語的特徴」を持たない人工言語は例えばどういう感じになんの?
42pa:01/10/03 06:20
動物は認知地図cognitive map
をもってるんでしょうか?

ミツバチはもってるのでは?とおもってますが・・
渡り鳥やラットとか犬とかはどうなんだろう?
43かかり助詞:01/10/03 08:39
>>41言語学板から来ました。上で乱入していた顔文字の言語学者と
同じ学派のモノです。ただし、私は興味の対象が違って、生物学に
関してはド素人です。顔文字の人に集合かけられたのであえて
登場します。私はにゃぁにゃぁ言いません。

言語はある程度、抽象的なレベルでは多くの共通性があります。
例えば、以下のような英語と日本語の比較が例になるかと思います。

ご存じのように、英語はwh-の語は文頭に出ます。から、(1)の
ような言い方します。
(1)what do you think that Mary bought?
ただし、whを文頭に出せばいつでもいいと言うわけではない。(2)のような
文は英語としては不適格・非文法的です。
(2)(だめ)what do you believe in the claim that Mary bought?
"the claim that"の「主張」の内容を文頭に持ってきてはいけない、
と言うような規則があるためです。実はこの規則は日本語にも適用されます。
例えば、日本語は比較的語順が自由であるため、(3)を(4)の様にも言えます。
(3) 太郎が 花子がチョコを食べたと 言った。
(4)  チョコを 太郎が 花子が 食べたと 言った。
しかし、「主張」の内容を文頭に持ってきた(6)のような文は、日本語でも
言えません。(5)は自然だけど、(6)はダメです。
(5)  太郎が 花子が チョコを食べたという主張を 信じない。
(6) (だめ)チョコを 太郎が 花子が 食べたという主張を 信じない。
(6)はみなさんも日本語を母語とするのなら、おかしいと思うでしょう。

このように、ある程度抽象的なところでは、言語というのは同じ
原理に従っています。このような原理・制約は、言語習得中の
幼児期に誰かから教わったような知識ではありません。だから、
我々は生得的(故に人間に普遍的)だと考えている訳です。
44虚無好き:01/10/03 09:30
にゃにゃ? 強制集合だったのかにゃ?
わたしは、にゃあにゃあいうけど、生成文法には懐疑的にゃ。

HNが顔の先生は、自称生成バイオ派にゃ。
ただし、この先生(およびかかり博士)が本気で生物の視覚・聴覚・嗅覚などのシグナル体系と、
ヒト言語を比較できると考えているとは思えないにゃ。

ここは強調しておきたいところだけど、
ヒトの生得能力とされる統語計算能力は、
上で言ったような生物の個体識別・求愛・威嚇その他のコミュニケーション能力とは別に、
勝手に独立して発生したものとされてるにゃ。
結局この生得能力はコミュニケーションには利用されず、
ダンスかなんかの身振りの順列に写像されていたかもしれないのにゃ。
(しかもなにも意味しないとすれば、ミツバチ以下だにゃ。)
ちょっと、信じられないにゃ。
生成文法にはほかに、議論のプロセスとして怪しいところもあるにゃ。

とりあえず、今回はこれくらいにしとくにゃ…
4515:01/10/03 12:36
あーあー、なんかおどろおどろした論客がぞろぞろと・・・

>35
推してくれたスレ、いま読みはじめたところなんだが、さすがに言葉を
飯の種にしてる連中だけあって文章が論理的なのはいいんだけど、
俺が固有名詞を知らないから、読んでて疲れること疲れること。
門外漢にcritical readingなぞ無理に決まっているが、まあトライはしてみるよ。

ところで、その「生成文法」ってのが正直言ってよくわからないんだけどね。
6>言語学には生成文法といって人間の脳には
6>生得的な言語システムが内蔵されている、という思想
何を根拠にこんな思想が成立し得るのか?誰かわかりやすく説明してくれない?
具体的な(つまり生物学的な)証拠みたいなものは提示できる?
検索エンジン使って自分で調べてもいいんだけど、それこそ知ったかぶりの
付け焼き刃になるのは火を見るより明らかなんでね。聞いちゃった方が早いかと。

仕事の途中なんで、返しはまた明日。
46:01/10/03 13:04
生成文法についてですが
私も言語学は素人なんで、むしろ質問です

ピンカーの 言語を生み出す本能
という本では、
「約128ヶ国語において、文法の普遍的な要素がみいだされた」
ということやピジン語のクレオール化などをはじめとしていくつかの事項から
人間の言葉には普遍的な文法があり、言語の獲得は生得的なものである
ということを主張していたと理解しております。

これについてはトマセロなどの反論で、
「共通性は恣意的なものではないか?」
などをはじめとした主張がなされていました。
この辺について
現在のコンセンサスはどうなっているのでしょう?.

また、1の方の疑問としては他の種との違い、ということになる
ようですが、ティンバーゲンによると行動について調べる時には
4つの要因、 至近要因、進化的要因、発達要因、究極要因
(行動生態学 クレブス&デイビスを参照)
をまず考えるべし、という指導があるようです。

このうちの発達要因について

乳幼児から成長するにしたがっての
言語の獲得は生得性 から考えるとどのような
解釈がなされているのでしょうか?

カミロフ=スミスの著書では乳幼児の段階で音節にはんのう
することが明らかになっていると述べられていたと記憶してます。
また、岩波の 認知講座 言語では 否定証拠の欠如
といった問題点ものべられていました。この辺の発達心理学上の問題
に対しての解釈は
どうなってるのでしょう?
47名無しゲノムのクローンさん:01/10/03 13:08
>>43
構文解析できないほど複雑な文は許容されない、
なんていうのは、規則とすらいえない単に自明な前提だから、
そんなことわざわざ遺伝子に書き込む必要はないだろ。
48名無しゲノムのクローンさん:01/10/03 13:38
>>43が示した例は確かに面白いですが、>>41の問う「生物学的起源」を
持つと想定されるヒト言語の普遍的特徴に当てはまるかどうかは疑問です。
現時点では、生物学的には生物学的起源をもつ言語の普遍性については
何も分かっていないというのが本当だと思います。
49名無しゲノムのクローンさん:01/10/03 13:41
>>42のcognitive mapはまだまだその存在が想定されているだけに
すぎません。突き詰めると神経ネットワークによって実現されている
のでしょうが、その精度が種によって大きく違うだろうということは
言えると思います。
50名無しゲノムのクローンさん:01/10/03 13:42
精度というか、どういう手がかりを用いているかという点が種によって
大きく違うでしょうね。
51かかり助詞:01/10/03 14:16
47 私が上で挙げた例には構文解析が複雑だからだめ、という説明は
成り立たないと思われます。なぜなら、(6)と同程度に複雑に見える
(7)は(6)に比べると普通の文だからです。
(7) あのチョコは、太郎が花子が食べたという噂を信じない。

生成文法というのは、「言語知識には経験で学べる以上のものが
含まれている。その言語知識(43で紹介した制約を含む)は人間に
生得的なもので、言うならば英語、日本語、ホッテントット語
などの個別言語の"青写真(普遍文法)"のようなもの。我々が
幼児期に経過する言語習得とは、その青写真に経験で得た知識を
焼き付けるプロセス。言い換えれば、言語習得はあらかじめ生物
学的に定められていて、その点で思春期みたいなもの。」
という言語感を持つ言語学の一派です。まあ、そう考えない人も
中にはいますが。この学派は1950年代にNoam Chomskyによって
創始され、数々の理論的改訂を受けながら、少しづつ学問的にも
成長してきた、まだ比較的若い学問領域です。

46 Steven PinkerのLanguage instinctの邦訳ですね。訳本は
誤訳も多いのですが、Pinkerも生成文法的な言語感を持っていて、
何より説明が上手いのでとてもいい本です。43では難しい例を
あげましたが、例えば「SOVの語順を持つ言語は前置詞ではなく
後置詞(日本語の「に」「から」のような助詞)をもつ」とか、
「母音「あ」と「い」を持たない言語はない」とか、そういう
「普遍性」も発見されています。
52虚無好き:01/10/03 14:25
>何を根拠にこんな思想が成立し得るのか?
これはひとつには、幼児が、家庭環境とくに言語刺激の物理的・心理的差異にもかかわらず、
「一様な発達」をみせるという事実が根拠となってるにゃ。
また、おそくとも思春期までの時期に、最低限の言語刺激がないと、
その後不可逆的な言語獲得能力の(とくに統語部門の)損失がみられることにゃ。
これはしばしばimprintingと比定され、
生得能力に関連づけられる critical period hypothesis に合致する
生命現象とみなされているようにゃ。
あと、双子語とか、遺伝的失語に関しては、かかり博士にきいてにゃ。
なんにせよ、生成文法は言語学の枠をとびこえ、
生物学、脳生理学、発達・認知心理学、認識論哲学、数理論理学
ひとによっては熱力学や量子論までまきこむ大論争になってるにゃ。

とりあえずここでは、生物学の検証をうけたいにゃ。
わたしは、言語の構造解析は有効だと思うけれども、
基本的には批判勢力のつもりにゃ。
53かかり助詞:01/10/03 14:35
上のつづき。

こうした言語間の共通性は数多く発見されていますが、
統計学的に偶然であり得るハズはない、ことは明らかです。
我々が仮定してきた普遍文法のモデルは、まだまだその全てを
説明できるようなものではありません。しかし、43の
アプローチのように数少ない(あるいはひとつだけの)言語を
見て、経験から学べ得ない知識というものを摘出していって、
望ましくは最終的に人間の言語ならどれにでも当てはまる
共通の法則を体系化しようと言うわけです。

上でも少し書きましたが、幼児の言語習得について。
幼児の言語経験は、大人の言語知識を保証するほど豊かな
ものではありません。43の「教わったことがない知識を
誰もがもっている」というのもその現れです。しかも、幼児は
一定の順序を持って文法構造を習得していきます。例えば
canのような助動詞の後にing、といった具合です。これは
経験したことを片っ端から覚えていっているだけではないことを
示していると思われます。
54虚無好き:01/10/03 16:46
52で、まちがえた。puberty(思春期)はGenieのwebでよくみた語にゃ。
正しくは、
就学までの時期に、最低限の言語刺激がないと、にゃ。
わたしの知っている事例では、幼稚園児が自分の理解できない語(方言含む)を
ひとまとめにエイゴと呼んでいた例があるので、
このころまでに日本語がinternalizeされちゃうということかもにゃ。

このさいついでに、脳関係の先生に質問にゃ。ある機能が
p:脳に局在する
q:critical period hypothesisをみたす
r:生得的である
について、p、q、rの論理的関係を知りたいにゃ。
よろしくおねがいしますにゃ。だめかにゃ?
55pa 42:01/10/03 16:46
>>49
>>42のcognitive mapはまだまだその存在が想定されているだけに
すぎません。突き詰めると神経ネットワークによって実現されている
のでしょうが、その精度が種によって大きく違うだろうということは
言えると思います。

●cognitive map いわゆる認知地図とは、私は単純なものとしては頭の中に回りの空間のイメージを地図のように作り出している
状態を指すと解釈しております。以下はそのような解釈にもとづいてすすみます

たとえば,人間だとまわりの空間についてのイメージを頭の中に
持っている場合には他人に言葉で、西へ100メートル,東へ80メートルいけ
と指示され、頭の中でイメージすることで そこは森の中だ、川の中だ
という認識を実際にうごくことなく行えるとおもいます。動物でも同じように
振舞えるならば頭の中に地図のようなイメージをもっているのではないか?と
も考え、認知地図をもつことを支持するのでは?とおもっています。

●ミツバチは 8の字ダンスをおどり、それにしたがって仲間のハチは、餌場へと
でかけると考えられている。ここで
1・餌場を人工的に川の中につくる(船のなかにお花鉢をおいてもいいか)
2・そこにミツバチをはなす
3・そのミツバチは 巣に戻り、仲間に8の字ダンスをおどって場所を示す(当然川のなか)
4・仲間はそのミツバチのダンスに従わない
という報告がありました。
 これから、提示された8の字ダンスが翻訳され、その場所が川の中にあるという認識が仲間
のハチになされたとかんがえることも可能であろう。とすると、ナビゲーションにおいて
、パスインテグレイションでもなく、近くにある物体との関係のみを利用しているのではない
認知地図のようなものをつくりあげている(頭の中に地図のようなものを形成している)
可能性が考えられるのでは?とおもいます。

ただし、それはcognitive mapによるものではない、という意見もありそうですが。
この実験はずいぶん前に読んだので以後どのようになっているのかおきかせいただければ幸いです
5612:01/10/03 16:50
>>42
>動物は認知地図cognitive map
>をもってるんでしょうか?

ミツバチの例をあげておられましたが、認知地図cognitive map
と言いましても、いろいろなレベルや形態があると思います。

特にミツバチの場合、結果的には認知地図を持っているような振る舞いを
しますが脊椎動物(特にほ乳類)とは、全然違うシステムだと思います。

最近の昆虫の行動研究では、ホンの少しの命令形があればその動作のすべてが
決定される、専用マイコン見たいなものと理解されています。この考えからから
すると、ミツバチの場合は認知地図を持っていると言うより、巣にかえることが
できるプログラムを持っており、それをオンしたり、リセットしているのが
現実のような気がします。

一方、ほ乳類などの場合は、感覚の総体として認知地図を持っており、自分が
移動すれば、その位置が変わり、新しい情報があれば補正していつもその姿を
変えているとものと考えることができます。

また、渡り鳥などは、上記の2つの能力を持っていると考えれば良いと思います。
そして、人間などは、昆虫的能力を進化のどこかの段階で
無くしてしまったのかもしれません。
5712:01/10/03 16:58
>>55
読んで、いないのに・・・・
56のレスは、55のレスそのものになっている。
こういうのを、共時性と言うのでしょうか
5811:01/10/03 17:17
>>43
(6)チョコを太郎が花子が食べたという主張を信じない。
ですが、格助詞と係助詞の使用を誤っているだけと見ることもできますね。
(6')チョコを太郎は花子が食べたという主張を信じない。
なら通じるでしょ。

もちろんチョムスキーの生成文法は知っているし、私も言語の習得における
critical periodの存在は肯定しますが、生得的な知識が存在すると考える
のには警戒します。つまり批判勢力(笑

その、言語において経験から学べ得ない知識というものの例をもう少し挙げて
いただけませんか? 言語がなんらかの意味を伝えることを目的とする以上、
所有していなければならない特徴というものがあり、それを習得するという
のではダメなんですか? 教わったことがないのに誰もがもっている知識の
例をもう少し挙げてください。
習得に順序があるというのは、単に単純な概念から複雑な概念を習得することを
示していると考えてはいけないのですか?
59虚無好き:01/10/03 17:22
>数少ない(あるいはひとつだけの)言語を
>見て、経験から学べ得ない知識というものを摘出していって、
わたしは、この方法論は不本意にゃ。
どっかで、英語でさえよくわかってないのに、
他の言語はまだ本格的分析の段階ではない、という趣旨の発言をみたけど、
(みたところ、8〜9割がた英文が分析の対象にゃ。)
それでは地球でさえよくわからないのに、
木星や土星はまだまだというのといっしょにゃ。
惑星のばあい、質量、密度、自転周期、公転周期などなど、
普遍的なパラメタで記述できることはたくさんあるにゃ。
ラフでいいから、もっと広域なcoverageで言語の普遍性を記述すべきにゃ。
じっさい英語と仏語のあいだに、文法の一事項に関して深い一致が発見されても、
英仏語の交錯した歴史を考えるとあんまり驚かないにゃ。

もちろんかかり博士が日本語の通時的変化を考察していることは知ってるにゃ。
あくまで概論にゃ。
6011:01/10/03 17:22
認知地図ですが、そのような表象を脳内にもっているのではなく、
このタバコ屋を右に回れば目指すソープランドがあるという
具合に、空間内の手がかりを利用しているだけと考えることもできる
でしょ。
61(´∀`):01/10/03 17:25
にゃにゃ、昨日一日で死んだスレだと思ってたら、言語学板のお馴染みさんで賑わってて
驚いたにゃ。(全員集合!は冗談だったにゃ……すまんにゃ)
人間言語が(ほぼ定義上)人間という種に固有の生物学的能力であること、あるいは
そういう側面を含む認知能力であること自体を否定する言語学者はいないはずにゃ。
これは生成文法の専売特許でもなんでもないにゃ。
論点は、言語能力の領域固有性を認めるかどうか、言語は自律した(閉鎖ではないにゃ)
認知モジュールかどうか、言語専用の生得的能力があるのか、あたりにゃ。
そしてこれらにyesと答えた上での次の論点は、ではその言語モジュールは自然選択の
産物かどうか、にゃ。上で名前の出てきたピンカーは進化心理学よりの立場から自然選択
説を採るにゃ。なるほど、俺らが言語を持つこと自体は自然選択の結果といっていい
かもにゃ。しかしその言語能力を構成するとされる普遍的原理や制約の各々がすべて
自然選択によるとは思えないにゃ。ジョークまじりによく言うにゃ。例えば上でかかり氏
が紹介したのは複合名詞句制約(CNPC)の例だけど、では複合名詞句制約を守らない文法
を持つことがどうして子供作りに決定的に不利になるのか(w

言語にせよ他のどんな自然物にせよ、適応度とか生存価とか機能論的優位性とかとは
関係なしに物理数学的法則によって規定される一般特性を持っているにゃ。(結果的に
その特性がそれぞれの領域で何らかの機能的優位性を持つことはあっても、その機能を
目的にしてそのような特性が生まれたというテレオロジカルな物言いは断固拒否する
にゃ。)そういったことを手掛かりに言語しか見ようとしない言語学から脱却しようと
しているのも、生成の一側面にゃ。
発生生物学とかやってたら、L-systemよく知ってるにゃ? 生成文法(つっても昔の
句構造文法だけど)が植物の形態進化の記述に有効って話しにゃ。自然物の中に繰り返し
現れる数学的パターンの発見という作業を、人間言語を対象にやってるのが生成文法だと
も言えるにゃ、たぶん。

>>54
「s:言語が自律した認知モジュールである」
ってのもついでにきくにゃ。

しかしますますスレの趣旨から離れていくみたいにゃ。すまんにゃ……
6211:01/10/03 17:35
そうだね、4つの公理から導かれる数学的実在が存在して、数学者は
その数学的実在のいろんな側面を発見している(だけにすぎない)と
いう話ね。なんらかの意味を伝えるという目的、ただこれだけの公理から
ある実在が導かれると。言語を習得するとはその実在のいろんな側面を
発見していく作業である。?
6311:01/10/03 17:42
>>60削除ね(笑
ああ、8の字ダンスね。どうなんでしょうね。私も最近の知見を知りたい。
6412:01/10/03 18:10
>>61
>俺らが言語を持つこと自体は自然選択の結果といっていい
>かもにゃ。しかしその言語能力を構成するとされる普遍的原理や制約の各々がすべて
>自然選択によるとは思えないにゃ。

構造主義進化論てことで、いいのかな・・・。
この進化論は言語学をお手本としていると聞いたことがあるのですが。
で、この論は証明が難しいので苦労されている方がいるようです。
なんせ、違う経路から発生した同じ遺伝子構造を見つけなければ
ならないわけでして。
65(´∀`):01/10/03 18:36
>>58
まず確認だけど、「これは経験から学ぶ知識だ」と言えるためには、現在・過去・未来
を問わずすべてのその知識を持つ母語話者がそれを学ぶに足る刺激にさらされ、また
その刺激からその知識を形成するに足る学習や類推その他の知的能力を持っていること
が要請されるにゃ。そうでないのにみんなが「知っている」ことがあれば、そこに
領域固有の生得的知識の関与を疑うことができるにゃ。で
>経験から学べ得ない知識というものの例
だけど、たとえば俺もあなたも
1) 太郎が花子に自分の服を着せた。
2) 太郎が花子に自分の服を着させた。
で、「自分=花子」の解釈が(2)では成り立つのに(1)では成り立たないことを「知って」
いるにゃ。あなた自身は教育熱心なご両親からそのことを教えて貰ったかも知れない
けど、同じような明示的教育や経験に基づく学習がすべての日本語話者について起きる
とは絶対に言えないにゃ。俺を含む大多数の人はそんな学習をした覚えはないにゃ。
「自分」のような再帰代名詞の分布とその先行詞決定に関する構造的制約、あるいは
さらにその背景にある言語構造の知識は、すべての言語に普遍的でありすべてのヒトが
共有する生得的知識の一部である可能性が高いにゃ。
別の例だと、英語を母語にしつつある幼児が
3) What do you think what Cookie Monster eats?
みたいなことをいうことがあるにゃ。周りの大人なら
4) What do you think Cookie Monster eats?
としか言わない環境で、その子は勝手にwhatを重複させて発音してるにゃ。
これはwhを文頭に移動する操作が一発限りの長距離移動ではなく、
5) [ what-1 [ do you think [ what-2 [ CM eats what-3 ]]]]
みたいに連続循環的に適用することを最初から知っていなければ出せないオプション
にゃ。そして、言語や方言によっては実際に(3)のような音形化が大人の文法によって
も実現されることがあるにゃ。つまり、そもそも人間言語にありえるオプションが
あらかじめ用意されており、子供は経験に照らし合わせてどのオプションが自分の
ターゲットとする文法なのかを試行錯誤していると思われるにゃ。
言語獲得には、新たに何かを獲得するというより、もともと持っていたものの中から
不要なものを棄ててその分、必要なものを強化するといったアポトーシス的側面も
あるにゃ。
66(´∀`):01/10/03 18:44
>>64
>>構造主義進化論
そーにゃ。柴谷や池田の話しにゃ。桜萎えにゃ(意味不明にゃ)
構造主義っても、ソシュールに代表されるヨーロッパ構造主義にゃ。
>この論は証明が難しいので苦労されている方
解説して欲しいにゃ。
>違う経路から発生した同じ遺伝子構造
現在の人間言語の普遍的特性もそのようないわば収斂進化の例かも知れないにゃ。
普遍文法の仮説は言語単一起源説とは独立したものにゃ。
6712:01/10/03 19:17
>>65
>1) 太郎が花子に自分の服を着せた。
>2) 太郎が花子に自分の服を着させた。
言いたいことはわかるけど、あんまりいい例ではないな。
私の場合、どちらもどちらの意味にもとれる。

>>66
>解説して欲しいにゃ。
いや、一般論ですにゃ。友達がいるというわけではないです。
68(´∀`):01/10/03 20:02
>私の場合、どちらもどちらの意味にもとれる
びっくりにゃ。突然変異の事例として学界に報告するにゃ。うそにゃ。
でもこういった判断のゆらぎが多いので生成の分析がいまいち評判よくないというのも事実にゃ。
問題にしている言語知識以外のさまざまなノイズが入ってきた上での例文判断なので、ノイズを
取り除く作業が必要なのだが、それができるのは理論を知ってる専門家だけというジレンマが
あるにゃ。とにかく貴重な判断、感謝にゃ。ついでに
 太郎が花子を自分の車に乗せた。vs. 太郎が花子を自分の車に乗らせた。
も同じにゃ? あるいは最小対ではなくなるけども
 太郎が花子を自分の部屋で叱った。 vs. 太郎が花子を自分の部屋で反省させた。
とかもにゃ?

脱線し過ぎて申し訳けないので、ミツバチ語のことを言うと、言語学者の中には人間
言語と一番近いのはミツバチ語ではないかと見るむきもあるにゃ。昔、Hockettという
アメリカ構造主義の人がいろいろな動物言語を比較して、人間言語とミツバチ語にだけ、
displacement propertyが共通して見られるといったにゃ。時間空間的に「その場」に
限定されない、という程度のことだけど、この見方はいまだに有効にゃ?
691:01/10/03 20:10
7011:01/10/03 20:29
>>65
>俺を含む大多数の人はそんな学習をした覚えはないにゃ。
さぁどうだろう? 学習をした覚えがないことを証明するのは難しい。まだ言語を
しゃべることができない赤ん坊の頃から、ふつうの環境では最低両親の会話を聞く
ことができる。その会話からそのような規則を学習したかも知れないではないか。
この年代に両親が話した会話を聞いていても、そのことを覚えている人がいる
だろうか?
また、その例文の「自分=花子」の解釈が(2)では成り立つのに(1)では成り立たない
ことを皆が皆「知って」いるか? そのことをどうやって証明する? 正常な脳機能を
もつほんの1例でも、そのことを知らない人がいたら生得説は破綻する。

アポトーシス側面はなるほど、と思わせる説得力があるね。しかし、英語を母語に
しつつあるというがWhat do you think what Cookie Monster eats?という
発話を始めた時点でその小児は英語の他の言語的側面をすでに習得している、という
ことが考えられる。その他の言語的側面の中には連続循環的な使用を知らしめる
ような内容がなかったとは言い切れまい。
という反論は如何?
71(´∀`):01/10/03 22:50
>>70
典型的な反論パタンにゃ。言語学板でやったことの繰り返しは気が重いが、とりあえずレス感謝にゃ。
>ふつうの環境では最低両親の会話を聞くことができる
事実、言語刺激へのexposureは胎児期から始まってるにゃ。しかし重要なのはすべての個人の
初期言語経験の中に、例えば「自分」の解釈の仕方を学習するに必要十分なデータが含まれて
いるか、ということにゃ。それこそ一人でもそういった刺激の欠如にも関わらず、その知識を
持ってる個体がいれば、単純な経験論は却下されるにゃ。
>皆が皆「知って」いるか? 正常な脳機能をもつほんの1例でも、そのことを
>知らない人がいたら生得説は破綻する。
「知っている」というのは暗黙の知識を指すにゃ。今までそんなことを意識したことが一度もなくても、
言われてみればなるほどそうにゃ、と思えるようなことにゃ。その点、例えば語彙の獲得のような
経験主導型の明示的言語知識とははっきり区別されるにゃ。そして当然、文字通り全員が「知っている」
という証明はできにゃいので、反証主義をとらざるをえないのにゃ。現に>>67氏みたいに、理論内では
確固としたステータスを持つデータに対して違う判断をする人はいっぱいいるにゃ(あなたもにゃ?)
それは一つには上でいったような当該の言語知識以外の干渉もあるだろうし、同時にその知識の
モデル化の仕方が誤っている可能性ももちろん常にあるにゃ。反証可能な仮説だからこそいいと
思ってにゃ。ただ、「正常な脳機能をもつほんの1例でも」の部分は、言語の自律モジュール性の
主張と深く関わるので、一概に決めつけられないにゃ。むしろ他の面では正常な脳機能を持ちながら、
言語の、それもとある側面においてだけ障害が見られるという遺伝性の特異性言語障害の事例は、
むしろ自律性と生得性を支持するものにゃ。
>その他の言語的側面の中には連続循環的な使用を知らしめるような内容がなかったと
>は言い切れまい
その連続循環性自体が、経験に基づいて学習され得ないものだと主張されるにゃ。だから反対派は、
生得性が主張されていることの逐一についてこれこれのデータに基づいてこれこれのことをこうやって
全員が間違いなく学習するんだよヴォケ、と具体的に反論することが求められるにゃ。

70=11氏は塩基配列と人間言語のアナロジーを上で言ってた人にゃ。俺も同意見にゃ。
ただ主語・述語とかいったのは原始概念ではないので(理論次第にゃ)、それにはのれなかったにゃ。
セントラル・ドグマやRNAスプライシングなど、言語とのアナロジーを探す上で絶好のネタが他に
いっぱいあるにゃ。
72つうかさ:01/10/03 23:21
チョム派の持ち出す「証拠」って、
何で微妙でややこしい例ばっかなの?
生得文法があるとしても、実際のヒトの言語は、
生得の層を基盤に二次的発達した部分の方が大きいはずで、
書き言葉に近づくほど、生得文法とは距離が遠くなるはず。
普遍文法の例を挙げるんだったら、重層的でない文構造で、
「そうなる機能的理由は無いのに現れる普遍性」を挙げてくれよ。
73つうかさ:01/10/03 23:29
語調なんていうのは、哺乳類全般に共通しているね。
怒って威嚇するときは低い声を出すし、
何かをねだったりするときは高い声を出す。
そういう風になってる理由も推測が付く。
低い声を出すのは、戦う動物が体を膨らませるのと同じだし、
高い声を出すのは幼体保護本能に訴えているんだろう。
ヒトもイヌもネコもその点では共通(イルカはどうなんだろう?)
だから、内容の判らない言語でも感情的含意は読み取れるし、
イヌやネコの感情でもある程度は読み取れる。

言語の生物学的な基礎について語るなら、
そういうのと連続した議論として語ってくれよ。
74つうかさ:01/10/03 23:31
例えば疑問文の語尾を上げるイントネーションは、
系統を超えてかなり多くの言語に共通しているが、
これの起源は何だと説明されてんの?
75かかり助詞:01/10/03 23:59
こんなのはどうだろうね。前に「現代語の係り結び」(言語学板)
とかいうスレで、書いた例だけど。

(1) 誰が 生物学の本しか 読まないの?

(1)はごく普通の文。日本語の語順は比較的自由だけど、(1)の語順を
少し変えた(2)は言えない。

(2) 生物学の本しか 誰が 読まないの?

(1-2)より複雑な例。(3)は(2)が悪いのと同じくらい悪い。けど、
「良夫に」を「誰に」に代えた(4)はok。(3)から「何を」を
前に出した(5)もok。

(3) 太郎が 花子しか 何を 読まないと 良夫に 言ったの?
(4) 太郎が 花子しか 何を 読まないと 誰に 言ったの?
(5) 何を 太郎が 花子しか 読まないと 良夫に 言ったの?

判断には納得して貰えましたか。おそらく、こうした文を見るのは
みなさん初めてでしょう。にもかかわらず、判断ができる。まだ、
微妙だと思いますカネ。
76通行人:01/10/04 00:23
>(1) 誰が 生物学の本しか 読まないの?
>(1)はごく普通の文。

 普通かね?

「生物学の本しか読まない(という)のは誰(なの)?」

とかの方が普通っぽい。
77虚無好き:01/10/04 01:13
かかり博士、もうすこしゆっくりお願いしますにゃ。
76さんの反応はもっともにゃ。
生成文法では、おもに産出されて不思議じゃないのに
なんらかの制約をうけて産出されない文に関心をもつのにゃ。
だから、意味のわかる文をより洗練していくとか、
美しい文章をつくることには関心がないにゃ。

かかり博士、ここで現代語にもかかり結びが存在すると
主張されるのかにゃ?
だとしたら、その勇気に感銘するにゃ。
皮肉じゃないにゃ。
どのくらいすごい勇気かというと、
言語板で、DNAのイントロンにじつは隠された情報があった、と
とつぜん主張するくらいすごい勇気にゃ。
わたしにはできないにゃ…
78(´∀`):01/10/04 01:17
にゃは、ことほどさようにカタギの人のジャジメントはあなどれないにゃ。
a. 生物学の本しか読まない(という)のは誰(なの)
b. 誰が 生物学の本しか 読まないの
c. 生物学の本しか 誰が 読まないの
と並べてみて「普通っぽさ」の境い目はどこにあるにゃ。(a,b)vs.(c)か、(a)vs.(b.c)か、っていったらにゃ?

>何で微妙でややこしい例ばっかなの
一つには簡単な例だと分からないことがあるから、専門家は工夫して複雑な例文を考えるにゃ。
そして、そんな一度も見たこともないような複雑な構造でも、母語話者が一定の判断を下せるとしたら
それだけ生得的母語知識の解明に役立つかも、ということもあるにゃ。
単純な例)
a. 太郎が自分の車を修理した。
b. 太郎の友達が自分の車を修理した。
(b)で「自分=太郎」の解釈は可能にゃ?
7912:01/10/04 01:24
>>75
う〜む。何だかな。

(1)(2)については、何だか変だが意味がとれると言うしかない。
声優さんを呼んできたら、確実にわかるように読んでくれる。
まあ(1)の方が意味を取りやすいが。

(3)(4)(5)については、逆に何で(4)は意味を取ることが可能か
が不思議だ。(私は意味を感じない)

と思ったんだが、私の文章理解の傾向は、大体3つまでの項目で構成される
される文章なら、その中で理解可能な意味を探し一つのユニットとして処理し、
それを超えた4つ以上の項目が矛盾をきたしているときは意味理解を
放棄するみたいだ。
80kakari-joshi:01/10/04 01:24
So, nobody found my sentences convincing. I will come back with more.
8111:01/10/04 01:51
>>73,>>74
私もそれ、ものすごく面白いと思う。ただ、研究方法が思い
浮かばなひ。
>幼体保護本能に訴えているんだろう
この説明は私は好まないけどね。

>75
挙げていただいた文章は状況によってはどれもありで、どうおかしい
のか分かりません。私は翻訳屋なのですが、確かに
>(2) 生物学の本しか 誰が 読まないの?
みたいな文章はまず書かないとは思いますけどね。こう言わなければ
ならない状況が思いつきにくいというか、ね。日本語の場合、助詞さえ
うまく使えばほんとに語順は自由なんだという気がしますが。つまり、
助詞の係り方次第で語順とは無関係に意味を規定できるというか。

>>78
>a. 太郎が自分の車を修理した。
>b. 太郎の友達が自分の車を修理した。
>(b)で「自分=太郎」の解釈は可能にゃ?
この例は確かに面白い。でも、生得的と言えるのかなぁ。基本的に「自分」は
主語を指すということを習得しているんじゃないのかな。なんか、その文章を
見てから>>65
1) 太郎が花子に自分の服を着せた。
2) 太郎が花子に自分の服を着させた。
は、「自分」は太郎しか指せないような気がしてきた(笑
82Kyomsky:01/10/04 02:08
>Dr.Kakari
I think it'd be better to begin with so simple one as
the pork-cutlet sentence I made-meow.
Good luck-meow.
83名無しゲノムのクローンさん:01/10/04 02:15
>この例は確かに面白い。でも、生得的と言えるのかなぁ。
 そうなんだよね。言語に解釈上のルールとか制約が
あるからって、それが生得的に人間の頭の中にある、
ということとは別問題だと思うんだよ。
言語の構造的制約と生物学的生得性とは別問題なんだよね。
でも生成文法の人たちは、「これこれは教えてもらってないのに
これこれの解釈が誰にでもできる、はい生得的」と主張する。
84虚無好き:01/10/04 02:33
「批判勢力」が育ちつつあるのをみるのは、頼もしいにゃ。
学習不可能性については、語彙部門にもごろごろ例があるにゃ。
誰が「思う」と「考える」と「感じる」の違いを教えてくれたのにゃ?
ずきずき痛いと、しくしく痛いのちがいは?
これらは生得観念じゃないにゃ。(実証不可能な問題でもあるけどにゃ。)
85虚無好き:01/10/04 02:49
↑補足だけど、生成文法が生得観念を主張しているわけではないにゃ。
生成文法が行っている推論を行えば、
生得観念も主張されかねないということにゃ。
一種の帰謬法にゃ。またくるにゃ。
86言語学板からの流れ者:01/10/04 03:00
生物板にとってこのスレはほとんど荒らしなのではないか?(w
8712:01/10/04 03:28
このままじゃ、言語学板みたいので、話をそらそう。

生物学でいう形質を、言語学でいう意味に置き換えてみる。

前提として、現在、進化論では一つの形質に対して様々な遺伝子が関与している時、
その形質は、変化し新しい形質を得る可能性が高くなる。
つまり進化できると考えられています。

言語学で例えるならば
「思う」と「考える」と「感じる」という同じような意味を表現する言葉が
誕生すれば、意味(役割)を細分化できるし、ある言葉は意味が転化したり
消失する自体(すなわち進化)があっても、言語総体としての調和は保てると言
うわけです。

この論理を、言語を生みだす脳構造に置き換えた時、いかにも脳は進化や変化を
宿命づけられた器官だということがわかるのです。例えば、ものの存在を感じるとき
触覚で感じてもいいし、目で見てもいいし、匂いで感じてもいいわけです。どれで
感じても支障がない場合(淘汰に影響がない)は、これは中立遺伝ですから、
どの機能も偶然の作用によって、選択されていくわけで、また、ある機能が別の機能を
担いはじめてもいいわけです。そして、その別の機能が、人間的言語の発言を
支えるものなら、それが人間言語の発生そのものになるわけです。
あまり、良い例えではありませんが、こんな理由から言語も感覚総体の一つと
私は考えております。
8811:01/10/04 03:37
>>86
いや、少し言語に偏りすぎのきらいはあるが、面白いと思うよ。
私は文系の学問の中でも心理学と言語学は生物学の一分野では
ないかと前から考えていたくらいだから。あと、神話学も面白い
かもね。
8911:01/10/04 03:47
うーん、12氏はよく勉強されているんだろうけど、なんでか分からない
けれども、思弁だけというかお話だけで、根拠がないと感じるんだよねー
9012:01/10/04 04:30
>>89=11
そりゃ、そうですよ。ど素人ですから(まだ、こだわってる)
実は、11さんのご親戚と言うか、物書きなんです。
様々な分野のうわずみをすくい取って、うだうだ考えているだけなのです。
そろそろ、ホントに消えよかな・・・。
91虚無好き:01/10/04 05:07
すいません、またもどってきたにゃ。
生成文法はこの数十年、
ネコにはネコの視覚系が、ヒトにはヒトの視覚系が、
そしてヒトにはヒトの統語計算能力が生得的にそなわっていると主張してきた、
その限りにおいて、生物学の検証をうけないことはむしろ
異様な事態なのにゃ。
生成文法をかずある文法のひとつと考えてほしくないにゃ。
これはみずからすすんで、生物学のエリアにコミットしていると考えてもらっていいにゃ。

統語計算能力は、ヒトがヒトの腕を獲得するように、
ヒトに運命づけられているというのが彼らの主張にゃ。誇張はないにゃ。
だからこそ、生物学の諸先生の意見が求められるにゃ。
ちなみにHNが顔の先生は、統語能力は究極的には
万有引力のような物理法則にまで還元できると考えてるにゃ。
これは重力進化論にとっては、どういう意味合いをもつのかにゃ?
たとえばのはなしでいいんだけどにゃ。
92(´∀`):01/10/04 07:05
ふにゃあ、どうせバカにするなら量子重力脳とか言ってくれにゃ(w

>>81
>基本的に「自分」は主語を指すということを習得しているんじゃないのかな
いい線にゃ。「主語指向性」という性質にゃ。世界の言語の多くにこのような性質を
持つ再帰代名詞があるにゃ(英語にはないにゃ)。そこで問題は、どうやって「
「自分」は主語を指す」ということを経験だけに依存してすべての話者が学習できる
のか、にゃ。教養豊かな81氏と違って、世界の多くの話者はそもそも「主語」とか
いう概念を意識した上で再帰代名詞を使用しているわけではないにゃ。そして再帰
代名詞を含む文を幼児期に耳にする可能性はともかく、「主語以外は指せない」という
否定的情報を含む文を耳にする可能性は非常に低いにゃ。そしてもう一点。実は
「主語以外は指せない」というのは記述的に正確さを欠くにゃ。
a)  自分の論文がNatureに受理されたことが太郎の唯一の自慢だ。
b)  自分の論文がNatureに受理されたことが太郎の母親の唯一の自慢だ。
どうにゃ? どういう環境で「自分=太郎」がOKか、なぜそうと分かるのか、どう
やってそのことを経験的に習得するのか、不思議にゃ?

>>87
>言語も感覚総体の一つと私は考えております
その前の文章は難しくて分からにゃいが、この部分は激しく同意にゃ。
人間にとって言語は第一義的に周囲の世界を感知する(モデル化して脳内に再現
する)感覚器官だと思うにゃ。
93pa=55:01/10/04 07:42
>>56=12氏
>>60=11氏
フォローサンクスです。 もうすこし・・

>一方、ほ乳類などの場合は、感覚の総体として認知地図を持っており、自分が
移動すれば、その位置が変わり、新しい情報があれば補正していつもその姿を
変えているとものと考えることができます。

この点については,水迷路などで一見検証されたのかと
私もおもっていましたが,心理学研究に掲載された岡市さんのレビューや
Animal Behviourに掲載された no evidence for cognitive mapという
論文を読む限りでは,ラットやサルなどでも実験的に検証は
まだなされていないという風に解釈しておりますがどうなんでしょ。
つまり,スナップショット仮説,pass integration,あるいは
近くの物体の視覚的情報や嗅覚的,聴覚的手がかりを利用して
(ラットは嗅覚依存がつよいので)
navigationをおこなっているというメカニズムで充分説明できる範囲内におさまっているという風にいえる。あるいは「賢いハンス」効果では?という可能性も
あるとか。


> ミツバチの場合は認知地図を持っていると言うより、巣にかえることが
できるプログラムを持っており、それをオンしたり、リセットしている

>認知地図ですが、そのような表象を脳内にもっているのではなく、
このタバコ屋を右に回れば目指すソープランドがあるという
具合に、空間内の手がかりを利用しているだけと考えることもできる
でしょ。

○これですが,55で示した実験では
1・8の字ダンスを提示された 巣にいるミツバチは巣から移動していない
2・巣にいたミツバチは仲間の8の字ダンスのみを手がかりにしている
3・8の字ダンスは川の中をさしていた
ということで巣にいたミツバチはいつものように飛び立つことはなかった
という結果から,
・単に空間的な手がかりを利用しているわけではない?(移動してないのに
判断を下した)
・巣に戻るプログラムではない?

と考えられます。もちろん,人間のもっているような認知地図とは進化的要因
も発達要因も,おそらくことなると思いますが。
この辺はどういう議論が最近はなされているのでしょう?
94pa:01/10/04 07:47
あ,そうだ 認知能力で・・

ネズミのカウンティング能力については
ラットで10以上をカウントできるという報告が数年前の遺伝に
のってました。
(画面上に複数の点を提示してその数を識別させるいわゆる
シュービタイジング(英語しらないんですまんです)
とはことなるメカニズムによるのだろうとのべていたと記憶しております。

数といえば,言語獲得前の赤ちゃんが1足す1は2であるという認識が
おこなえるという実験があったときいたことがあったのですが
この辺はどうなんでしょう?
95かかり助詞:01/10/04 09:11
上の例は評判悪かったので、違う路線で行きましょう。これなら、
生物学の人たちとdiscussionできる(ハズ)。

「ぱ(pa)」という音と「ば(ba)」という音は、違う音だけど言語学的には
よく似ています。どちらもp,bという唇をあわせてから空気を解き放つ
「両唇音」といわれる音で始まる。pは声帯を震わせない無声音。bは
声帯を震わせる有声音。しかし「pa」は後ろにaという母音(有声)が
あるため、唇の解放後ある程度すると有声化が始まります。この、唇の
解放から有声化が始まるまでが25ミリsecond以上だと「pa」に聞こえ、
25ミリsecより短いと「ba」に聞こえます。この、25ミリsecという
規準はp、bの音を持つほとんどの言語に当てはまる、境目です。
そこで、「もしかすると、これはあらゆる言語に普遍的(生得的)な
規準ではないか、そうなら、新生児でも「pa」と「ba」の違いは
識別できるはずだ」と考えられました。そこで実験。

幼児は同じ刺激を与え続けると飽きて、ミルクを与えていても、ミルクを飲む
ペースが落ちます。違う刺激を与えるとそうだとするとその直後にミルクを
飲むペースが上がる。もし新生児が「pa」と「ba」の違いが識別できるなら
「pa,pa,pa,pa,pa,pa...」という刺激を与えながらミルクを与えると、
しだいにペースが落ちるけど、「pa,pa,pa,pa,ba,ba,ba,ba」だと途中で
ペースが上がるはず。実験結果は...つづく。
96cntd from 95:01/10/04 09:30
生後2週間の新生児をsubjectに実験が行われました。結果は
「2週間の幼児でも「pa」と「ba」を聞き分けられる」という
ものでした。この実験結果には幾つかの異なる解釈があります。

その一、言語能力はやはり生得的なもの。だから、いろいろな
言語が25ミリsecを境にしているし、新生児も聞き分けができた。
これは普遍文法の一部でDNAに書いてある情報のひとつである。

その二、実は25ミリsecというのは、言語に固有のカテゴリー認識
ではなく、人間の一般的な認知能力に基づくものだ。多くの言語が
それを利用して「pa」と「ba」の識別をしているにすぎない。だから、
幼児が識別できても、言語知識は生得的、という結論にはならない。

どうすれば、この二つの解釈のどちらが正しいか決められますカネ。
猿が「言語は持たないけど一般的なカテゴリー認識(大きさ、色等
の識別)はできる」という仮定の下、同じような実験を猿でやると「その一」
が正しかったら、猿は言語音(「pa」と「ba」)の違いには
反応しないけど、色の違いには反応することになる。どうでしょうね。
お知恵拝借したい。
97っつーか:01/10/04 11:22
言語に関連する知識とかで生得のモノが全くないと信じてるひとなんて
いるの?そのBOBとかいう人は、生得のモノが全くないといってるのかな?
98思いつき:01/10/04 13:31
>>74
>例えば疑問文の語尾を上げるイントネーションは、
>系統を超えてかなり多くの言語に共通しているが、
>これの起源は何だと説明されてんの?

命令のイントネーションは威嚇のイントネーションの変形、
質問のイントネーションはおねだりのイントネーションの変形、
というのはどうでしょう?
実証する方法は思いつかないけど、感覚的には近いと思う。
99かかり助詞:01/10/04 13:50
97 そうなんでげすよ。言っても聞かないんでげすよ。
というよりも、私にもBOB君の言っていることはよく
ワカランのですよ。前に顔文字の人が喧嘩したけど、
今度は私が喧嘩しちゃったでげすよ。
なんとか言ってあげて下さいよ。
10011:01/10/04 14:46
>>91
>ネコにはネコの視覚系が、ヒトにはヒトの視覚系が、
>そしてヒトにはヒトの統語計算能力が生得的にそなわっていると主張してきた、
>その限りにおいて、生物学の検証をうけないことはむしろ
>異様な事態なのにゃ。
これは、視覚系の場合は視覚野の明らかに異なる神経階層構造、視放線等々、
解剖学的に識別しやすい構造があり、また視覚という感覚に特徴的な一対一
対応性があるため、比較的研究しやすかったから進んだという事情があると
思います。それに比べて、同じ事情から聴覚系は研究が遅れているし、
統語計算能力となってくると、まだその解剖学的証拠さえ乏しい状況で
しょう。ただ、言語学の方で研究が進めば、言語に特徴的な神経活動を
捉える手法が開発されるかも知れないので、生物学側もまだまだ言語学の
先生方の考えを聞きたいという状況なんですよ。

>>92
いつもいろんな例を挙げていただいて楽しんでおりますが、まぁ難しいし不思議ですね。
>a)  自分の論文がNatureに受理されたことが太郎の唯一の自慢だ。
>b)  自分の論文がNatureに受理されたことが太郎の母親の唯一の自慢だ。
>どうにゃ? どういう環境で「自分=太郎」がOKか、なぜそうと分かるのか
これは、体言に付いた格助詞「の」の学習の問題ではないかと(笑
a)の「太郎の」の「の」は主格を現す格助詞でしょ。対し、
b)の「太郎の」の「の」は所有格を現す格助詞で「母親の」の「の」が
主格を現す格助詞であることを、今までに読んだ膨大な文章から学習したのでは
ないでしょうか?となるのですが。で、すでに述べたように、「自分」は
一般に主語または主格を指すわけでしょう。

>>93
認知地図に関しては、むしろミツバチの8の字ダンスのデータが綺麗すぎる
という印象を持っています。もう一度、8の字ダンスを一から検証し直した
方がいいのではないかなぁ。

>>95>>96
面白い研究ですね。でも、よく分かりません。ただ、
>普遍文法の一部でDNAに書いてある情報のひとつである
この言い方は気をつけた方がいいですね。脳内の神経ネットワーク構造は
同じ種であれば極めてよく似ているのですが、だからといってその構造が
DNAに書かれているとは言えない。神経線維の先端が伸びる時にいろんな
化学物質の勾配を検知しながら伸びて「結果的に」あのような構造を
形成すると考えられており、したがってDNAに書かれているのは線維の
先端が検知する物質とそのタイミングであって、構造ではないと
考えるのが普通です。
10111:01/10/04 16:32
>>100
ああ、ちょっと補足しておくと、
>a)  自分の論文がNatureに受理されたことが太郎の唯一の自慢だ。
で、なぜ
>a)の「太郎の」の「の」は主格を現す格助詞
なのかというと、私は仕事柄、他の言語に翻訳しやすいように日本語を並べ替える
という作業を日常的に行っており、a)は意味の上で、
a')太郎は自分の論文がNatureに受理されたことのみを自慢している。
                      (しか自慢できない)
となるので元の文の「太郎の」の「の」は主格を表しているんだな、と判断した
からです。

p.s. 英語のonlyは「のみ」と「しか...ない」の両方に訳出することが可能なの
ですが、日本語の文章に当てはめてみると微妙にニュアンスが違うんだよねー。
よく悩みます。
102虚無好き:01/10/04 17:28
11先生、言語板にきても立派に議論になるにゃ。
こちらにいらしてはいかがかにゃ?
いうまでもなく言語板は人材不足なのにゃ…
103(´∀`):01/10/04 17:39
>>100
>主格を現す格助詞であることを、今までに読んだ膨大な文章から学習したのでは
>ないでしょうか?
ますますいい線にゃ。言語学に転向するにゃ?
教養ある人なら「主格を現す格助詞」と表現できる概念を、大多数の母語話者は膨大な
文章を読まなくても直観的に知ってるってことがポイントにゃ。この直観は各個人の
言語経験の絶対量とは関係なく、あなたのような博識者でなくたって誰でも共有する
ものにゃ。「主語志向性」という特徴付けが正しいとして、その特性をすべての母語話者
が各自の言語経験から学習することが可能とは思えないにゃ。とりわけ「主語以外は
指せない」というネガティブな制約を知ることは経験論的には不可能とされるにゃ。
「自分」を主語以外を指そうとして使い、それを訂正されるということが
「自分」の主語指向性を「知って」いる全員の経験に含まれてはいないからにゃ。
>a)は意味の上で、a')太郎は自分の論文がNatureに受理されたことのみを自慢してい
>る。(しか自慢できない)となるので元の文の「太郎の」の「の」は主格を表してい
>るんだな、と判断したから
素晴らしいにゃ。その判断自体がなぜ可能か、こそを考えて欲しいにゃ。あなたが明晰な
内省でもって気づいたことを、すべての母語話者は暗黙の知識として持っており、その
知識の由来が問題になっているのにゃ。
104(´∀`):01/10/04 18:15
ついでに上の>>33氏の書き込みも素晴らしいにゃ。
言語学板にスカウトしたいにゃ。
10511:01/10/04 20:59
>>103
 >>32>>33も私だったりする。

 >>100の最後に書いたことがかなり重要なこと。つまり、遺伝子DNAにできるのは
酵素を含む蛋白質のアミノ酸配列を決定することだけであり、つまり、蛋白の
構造は決められるが、それが合わさった巨大な構造までは決められないという点。
私の考えでは遺伝子には言語皮質となる脳領域の構造を決定することはできない。
ただし、>>100の最後に述べたようなやり方で「結果的に」形成された構造に
なんらかの情報が蓄えられている可能性はある。以上が下から攻めた言語機能の
生得説の可能性。しかし、それを説明できるようになるまでの道のりは長い。

 逆に言語機能の生得説の可能性を上から見た場合に解決されなければならない
問題のひとつは、ヒトには言語能力より前に論理的推論能力、とくに帰納と演繹を
行う能力が備わっており、そのおかげで、少量の言語体験から帰納した法則を
いまだ経験していない文章にも演繹できるという可能性。制約自体も法則から
演繹できるかも知れない。また、その演繹推論がけっこう当たるのであれば、
訂正された経験を持つ個体は少ないだろう。
 言語能力より先に論理的推論能力が発達したという可能性はでたらめではなく、
今とっさには思いつかないが、言語を介さない推論能力が他の哺乳動物にもある
ことが認知心理学に例が示されているはず。
10611:01/10/04 21:06
なんかおかしいな・・・
×いまだ経験していない文章にも演繹できるという可能性。
○いまだ経験していない文章に敷衍でき、また新たな文章を演繹できる可能性。
かな。
107(´∀`):01/10/04 22:54
>>33も私だったりする。
知ってて誘いかけてみたにゃ。塩基配列と言語のアナロジー、もっと続けて欲しいにゃ。
>「結果的に」形成された構造になんらかの情報が蓄えられている可能性はある
もちろん、そういう意味にゃ。DNAに再帰代名詞のふるまいが直接書いてある、とは
誰も思ってないにゃ。ちょっと言語学板でも引用した
http://www.sciencenews.org/sn_arc98/1_31_98/fob3.htm
を見て欲しいにゃ。数年前のNature Geneticsの論文の紹介で、第7染色体上の特定
遺伝子のトラブルにより、遺伝性の言語障害が起きるという発見にゃ。ここから
「言語能力を遺伝子一つひとつごとに分けることができるようになる」とされてるにゃ。
そこまで言われると逆に引いてしまうにゃ……。

推論による言語獲得の可能性も既に十分検討され、却下されているにゃ。
推論が無関係だというのではなく、推論では説明できないこともある、という意味にゃ。
例えば、幼稚な例で悪いけど、
John believes Mary to be happy. → Mary is believed to be happy.
という能動・受動交替を経験したとするにゃ。
推論を働かせて
John wants Mary to be happy. → *Mary is wanted to be happy.
としそうなもんだが、英語に*Mary is wanted to be happy.などという表現は
ないにゃ。日本の中学生みたいに間違えて*Mary is wanted to be happy.と言ったのを
先生に訂正されるのではなく、最初からそんな表現は不可能なことを知っている、
つまりその表現の論理的可能性が探るまでもなく排除されているにゃ。
(「*」は非文法性のマークにゃ。)同様に
I want to win. → I want Mary to win.
と平行的に
I tried to win. → *I tried Mary to win.
なんて推論も起こらないにゃ。
この点、例えば walk/walkedからgo/*goedと実際に多くの幼児がやってしまう
推論による過度の一般化とは異質のものにゃ。
考えられる反論は、推論により「*I tried Mary to win.と言えそうなのに周りの人は
誰もそんなことは言わない、だからきっと言えないのだ」と学習する、というもの
だにゃ。しかしこの説明は、逆に一度も聞いたことがなくても文法的に正しいものを
理解したり発したりできるという言語能力の本質的特徴と折り合いがつかないにゃ。
108名無しゲノムのクローンさん:01/10/04 23:47
なんか、密かにレベルが高かったりするのかも・・・このスレ。
言語の生得性。自分もずっと疑問に思っていたのだが、
この結論は、言語の多様性の中に発達の初期段階で共通の構造が、
あるというチョムスキーがすごかったのかなと思うが、どうなんでしょう?
一方で、生得性であるなら、遺伝子にその手がかりがあるはずで、
それを突き止めようという進め方もあるわけで、実際にその考えに
乗った話を耳にするが、いまいちだ。
結局、共通な構造としてモデルを提出したチョムスキーの影響が強すぎる
と感じる。なんで、言語ってこんなにいっぱいあるの?という問いに
クリアに答えてくれるのがあればなぁ・・・。
10911:01/10/04 23:49
>>107
いきなり深みに引き込まないで〜
記事を読ませていただきました。Nature Geneticsの原著もあとで
読んでみますね。ただ、autismも関連しているとはかなり広い脳障害を
もたらすようですね。

推論説は却下されているんですね。そですか。そりゃ、思いつきでは
敵うはずがありませんが、
>考えられる反論は、推論により「*I tried Mary to win.と言えそうなのに周りの人は
>誰もそんなことは言わない、だからきっと言えないのだ」と学習する、というもの
先に言わないでー。
>逆に一度も聞いたことがなくても文法的に正しいものを
>理解したり発したりできるという言語能力の本質的特徴と折り合いがつかない
なるほど。これは以前なにかで読んだ覚えがあります。

実は先ほど、言語学板を覗いたんですけど、ちょっとついていけそうに
ないな、という印象で・・・笑
110虚無好き:01/10/05 01:40
11先生へ。
「推論説」も、機能的言語観も、言語=制度観も、言語=道具観も、
言下に否定されるしろものじゃないにゃ。
だから、HPSGの看板をしょって、
BOBというひとががんばってるにゃ。

音声学ではよく知られた例だけど、
日本人の多くが、音韻規則にしたがって「じ」と「ぢ」を発音しわけているにゃ。
「記事」の「じ」と「時期」の「じ」は、違うにゃ。
(両者、一拍目が高いアクセント)
このような無意識的推論も幼児はおこなっているわけであり、この音韻論的計算は
まったく架空の語、じゃっぽんぱじゃ〜にも起こるにゃ。(ふつう)
誰が教えてくれたのにゃ?
それともこんなローカルな音韻現象が生得的なのかにゃ?

ちなみにBOB先生は、もとわたしの論敵にゃ。いろいろあるにゃ。じゃにゃ。
11111:01/10/05 02:24
>>110
そかそか。ここは生物学板で、私も脳の機能に興味がある関係で言語学も
少しかじった程度なのだが、その動機から見て言語=制度観や言語=
道具観にはあまり興味を持てそうにないね。
(´∀`)さんはたまたま推論では説明できない例を挙げただけで、
実際は推論で有効な例も多々あると。で、それで説明できないものは
生得的な要素を想定せざるを得ないということね。
たぶん、何もかも生得というわけではないだろうね。
では、この辺で、生得的とそうではないものの境目はどういうものだと
思われます?
112虚無好き:01/10/05 02:53
>何もかも生得というわけではないだろうね

これはもちろんにゃ。
ふつう音韻部門、語彙意味部門、統語部門というわけかたがなされるにゃ。
で、生成文法が特にヒト固有の生得的言語特性とみなしているのが
統語部門、すなわち語の順列の心的計算の部門だにゃ。
コア領域とかよばれてるにゃ。
他の部門からの影響は、事実上考えなくていいという意味で、閉じた領域にゃ。

で、わたしなんかは、この「セントラルドグマ」にいどむために
110なんかで、生成的推論を他の部門で行なって、
その閉域を内部から崩していこうという考えにゃ。
BOB先生は、外側からガンガンいくタイプだにゃ。ちょとちがう。

で、110にちょっと補足させてにゃ。
おおくの日本人で、「じ」と「ぢ」の聴覚による弁別能力は失われてるにゃ。
意識されない項の、さらに意識されない心的計算は、思弁的な構成物ではなくて、
他の認知能力にもみいだされる可能性は高いにゃ。
ふつうの推論が無効になる現象は、統語部門の専売特許じゃないと思うにゃ。
(ちなみに生成音韻論というのもあるにゃ。)
113名無しゲノムのクローンさん:01/10/05 03:04
なるほど。言語学板はみなコテハンで頑張ってるのね。いい傾向だなー。
だからこそ、各人が何を考えているかがよく分かるんだね。

虚無好き先生はずっと音韻論からコア領域を攻めようとしているんですか?

あ、それから、言語学は用語が難しいので、なにか言語学必携の辞書が
あれば紹介してもらえません?
114虚無好き:01/10/05 03:21
いちおう84で、意味論にもちょっとふみこんでるにゃ。

生成文法用語はかなり難解にゃ。
それに理論の根本的見直し・更改がしばしば行なわれるため、(最近では1998?)
たぶん邦訳されているものは役にたたないにゃ…
独学は、かなりむずかしいにゃ…。とりあえずこれみて、感想がききたいにゃ。

ttp://www.kufs.ac.jp/English/faculty/ono/hp-ono4.htm

わたしがやってる批判は、理念的なもので、あんまり相手にされてないにゃ。
115虚無好き:01/10/05 04:46
生物板なので、わたしもちょっと生物学っぽいことを書くにゃ。

>蛋白の
>構造は決められるが、それが合わさった巨大な構造までは決められないという点。
パリティの情報は、どこにあるのか知りたいにゃ。
解剖学的構造を単位として左右反転しているとどっかに書いてあったので、
1bitの情報単位が構造発生を最初から制御しているように思われるにゃ。
言語による情報を考えてみると
@)右とは箸を持つ手のある方向である。
A)右とは、北に向かって東の方向である。
B)右とは、→の方向である。
のうち、@の言表は、「右」についての知識については述べているが、
「右」の定義に関しては無効にゃ。
@の言表をしたものが、右がどっちかわからないことはありうるにゃ。
Aは、totologyか、何も意味してないかのどっちかにゃ。
Bについては、直示的定義ではあるが、矢印の象徴可能性に疑問が残るにゃ。
したがって、(ひろい意味で)言語による伝達はムリっぽいにゃ。
幾何学でも一般に諦めてるにゃ。(右手と左手は合同)
(われわれの宇宙のパリティ対称性が破れているのは知ってるにゃ。)

パリティについての情報は、ヒトの知識としては結局身体性に訴えるいがいないにゃ。
誤解をおそれずにいえば、パリティを「伝達」するためには、
モノに刻み付ける以外に定義しようがないと思われるにゃ。
コドンのデジタル性を考えると、これはとてもフシギにゃ…

あんまり生物学っぽくならなかったにゃ。意味わかってもらえたかにゃ?
1161:01/10/05 05:10
117(´∀`):01/10/05 05:37
虚無好きセンセ、すっかりこっちに入り浸りにゃ。住民票移しちゃったのかにゃ?
パリティの破れからhead parameterまで、そう遠くはなさそうにゃ。
118言語遺伝子発見!!:01/10/05 09:58

2001/10 BBC News Scientists unlock mysteries of speech
http://news.bbc.co.uk/hi/english/sci/tech/newsid_1575000/1575471.stm
2001/10 Yahoo! News Researchers Find Language Gene
http://dailynews.yahoo.com/htx/ap/20011003/hl/language_gene_2.html
2001/10 Yahoo! News British Scientists Identify First Language Gene
http://dailynews.yahoo.com/htx/nm/20011003/sc/science_language_dc_1.html
2001/10 Ananova Speech scientists make gene breakthrough
http://www.ananova.com/news/story/sm_413945.html?menu=news.scienceanddiscove
ry.genetics
2001/10 The Times
 Speech gene discovery proves Darwin's instinct was right
http://www.thetimes.co.uk/article/0,,2-2001343842,00.html
2001/10 Guardian Team pinpoints first gene key to language
http://www.guardian.co.uk/Archive/Article/0,4273,4269884,00.html
2001/10 New York Times Scientists Report Finding a Gene for Speech
http://www.nytimes.com/2001/10/04/science/04LANG.html
2001/10 Nature 413, 519 - 523
 A forkhead-domain gene is mutated in a severe speech and language disorder
http://www.nature.com/cgi-taf/DynaPage.taf?file=/nature/journal/v413/n6855/a
bs/413519a0_r.html&dynoptions=
2001/10 Independent Scientists find gene behind learning to talk
http://www.independent.co.uk/story.jsp?story=97573
2001/10 NewsMax.com First Language Gene Identified
http://www.newsmax.com/archives/articles/2001/10/3/201415.shtml
2001/10 Wired First Language Gene Found
http://www.wired.com/news/medtech/0,1286,47273,00.html
2001/10 CNEWS Researchers find gene linked to speech disorders
http://www.canoe.ca/CNEWSScience0110/03_language-ap.html
2001/10 washingtonpost.com A Language Gene Is Identified
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A2745-2001Oct3.html
2001/10 Telegraph First gene of language and speech discovered
http://news.telegraph.co.uk/news/main.jhtml?xml=/news/2001/10/04/nlang04.xml
2001/10 The Age Language gene isolated
http://www.theage.com.au/breaking/2001/10/04/FFXIHN9GDSC.html
2001/10 MSNBC First language gene identified
http://www.msnbc.com/news/637430.asp?cp1=1
2001/10 FOXNews.com
 Researchers Find First Gene Linked to Language and Speech Disorders
http://www.foxnews.com/story/0,2933,35660,00.html
2001/10 CNN.com Gene found linking language and speech
http://europe.cnn.com/2001/HEALTH/10/03/language.gene.ap/index.html
119かかり助詞:01/10/05 11:24
少し遅くなりすぎた感があるけど、
>>100DNAに書かれているとは言えない。神経線維の先端が伸びる時にいろんな
化学物質の勾配を検知しながら伸びて「結果的に」あのような構造を
形成すると考えられており、したがってDNAに書かれているのは線維の
先端が検知する物質とそのタイミングであって、構造ではないと
考えるのが普通です。

なるほど、知りませんでした。ご教授ありがとう御座います。
同じ種なら極めて似ている、からこそ、色彩などの連続的な
波長をカテゴリー認識できる様になるのでしょうか。

118のリンクは沢山ありすぎて見るのも大変だ。もしかして
全部同じニュースかな。言語学板にもリンク出てたけど、
今度みてみヨット。それにしても生物学板て面白いな。
12011:01/10/05 11:59
>>114
リンク先のglossaryを拝見しましたが、各用語の説明に用いられて
いる用語が分からんですー(笑

>>115
パリティが何を指しているのか分からないのですが、おそらく地球上の
生命の特徴である、光学異性体がL型しかないという話から始めると
いいのかな。炭素原子には4つの原子が結合できますが、この4つの
原子がすべて違うものである場合(このような炭素原子を不斉炭素と
言います)、二種類の構造がありえるのです。それが光学異性体または
鏡像異性体といわれるもので、確かX線回析で光を当てた時に光が左に
曲がる(L型)か右に曲がるか(D型)の二つです。普通に化学合成すると
L型とD型は半々にできるのです。ところが、地球上の生物はすべてL型の
物質しかないし、L型しか合成できないのです。有名な例が味の素の
グルタミン酸で、石油から合成したらL型とD型が半々にでき、しかもD型は
味がない。ところが昆布から抽出したグルタミン酸は皆L型なのです。
これが実は、生命は1個の生物から進化したことを示す一つの論拠に
なっているのです。
そんなわけで地球上にはD型生物はいないわけですが、これがたぶん
一番根元的な左右の問題。
12111:01/10/05 12:09
で、もちろんDNAもコドンもすべてL型で占められている。

もう一つは受精卵(球体)が発生する時は卵割で始まるわけですが、
受精卵はまず二つに分かれざるを得ない。このときに左右が発生する。
それと、発生が進むと脊髄の元になる構造が現れてきますよね。この脊髄の
軸と第一卵割の軸が一致しているかどうかは、私は浅学にして知らない
けれども。
12211:01/10/05 12:13
パリティを「伝達」するためには、モノに刻み付ける以外に定義しよう
がない、とおっしゃる虚無好き先生の言い方になぞらえると、左右は
受精卵の発生において現れる左右対称構造に刻まれている・・・
123かかり助詞:01/10/05 15:19
120 言語学専門にしない方がややっこしいだけの専門用語を
覚えても仕方ないから、取りあえず上で誰かが書いていた
steven pinkerをお読みになったら。英語学にならないのだったら
英語のほうがいいけど、日本語訳でもいいと思いますが。
この本はホーキングのbrief history of timeとか、ノルウェー人の
人が書いた「ソフィーの世界」の言語学版です。生物には
素人でも解る、それでいて全体を上手いこと概説している、
かつ気軽に読める本ないのでしょうか?
124虚無好き:01/10/05 15:34
ことばたらずで申し訳ないにゃ。
モトネタは、「内臓逆位スレ」にゃ。

「しかし実際には中途半端に
胸腔は逆位で腹腔臓器は正常とか(heterotaxia)、両方左/右
(left/right isomerism)とか(後略)」

パリティ情報とは、このような異常がおこらないための情報のつもりでいったにゃ。
話のレベルはちがうけど、外界の認知・記憶にさいして、
どうやって脳にパリティ情報を刻み込む(記憶する)のかという問題もあるにゃ。
認知マップとの関連もあると思われるにゃ。

head parameterとの関連は…なんとなく察しがつくにゃ。
生成文法では、言語の多様性を、パラメタの設定によって説明するにゃ。
ソフトをインストールするとき、いろいろyes-no questionのダイアログに
答えなきゃならないようなもんにゃ。
で、head parameterをinitialに設定すると、
まあだいたいSVO型の言語を獲得する環境が、個体のなかに作り出されるにゃ。

そのあたりの非対称性を想定しているものと思われ。にゃ。
ホントに物理の好きな先生だにゃ。≫(´∀`)センセ
いまからでも経済評論家になれば、もっと世のため人のためになるのににゃ。
個人消費者のほうがよっぽどボルツマン分布してるにゃ。しらんけどにゃ。
125名無しゲノムのクローンさん:01/10/05 16:14
>>120-122
カエルの卵では第一卵割面=左右境界面だから脊髄とも一致しているよ。
ヒトっつうか哺乳類の場合はごく最近、精子侵入点と卵割面と着床面の
間に一定の関係があることがわかってきたけど、キメラ胚作っても何も
起こらないことからわかるように、役割として必須なものでもないらしい。
個体にキラリティが現れるのは結節といわれる部位の繊毛が時計回り回転
するところからで、その回転方向は繊毛を構成するタンパクのキラルな
構造にコードされてて、その構造はDNA配列にコードされてるはず・・・
だから、解剖学的には
>蛋白の構造は決められるが、それが合わさった巨大な構造までは決められない
というわけでもなく、極論すれば蛋白の構造が体の右側を決めてるという
シンプルな理解でいいと思う。
12611:01/10/05 18:12
>>123
なるほど、Steven Pinkerですね。探してみます。

>>124
なるほど、内臓逆位ね。遺伝子には書かれていないでしょうけど、意外と
単純なメカニズムかも知れません。手がかりは例の神経細胞の先端が
さまざまな物質の濃度勾配を検出しながらも、同じ種なら極めて類似した
ネットワーク構造を「結果的に」形成する現象かなぁ。
>head parameterをinitialに設定すると、
>まあだいたいSVO型の言語を獲得する環境が、個体のなかに作り出される
この意味がよく分からないんですけど、先にhead parameterってなんですか?

>>125
>カエルの卵では第一卵割面=左右境界面だから脊髄とも一致しているよ。
おー、やっぱりそうか。カエルがそうなら、同じように等割する哺乳
動物にも当てはまるんでしょうね。

>ヒトっつうか哺乳類の場合はごく最近、精子侵入点と卵割面と着床面の
>間に一定の関係があることがわかってきたけど
着床面はともかく、精子侵入点と卵割面の関連性はショウジョウバエでも
知られていますね。役割としてはあまり重要ではないと。

そうそう、繊毛がそうでしたね。
>回転方向は繊毛を構成するタンパクのキラルな構造にコードされてて、
この意味がよく分からないんだけど、ここではあまり深入りすべきじゃないかな。
DNA配列がd-型のアミノ酸からなる蛋白をコードしているわけじゃないんでしょう?
仮にd-型アミノ酸生物がいたら逆に回転するんでしょう。
127125:01/10/05 19:27
>>126
>カエルがそうなら、同じように等割する哺乳動物にも当てはまるんでしょうね。
カエルは不等割では・・・?それはおいといて、哺乳類の卵割は胚体−
胚体外組織(羊膜とかになる部分)で分かれるらしい。方向としては
いちおう背腹軸に垂直な面だと理解しているのだけど。

>>回転方向は繊毛を構成するタンパクのキラルな構造にコードされてて、
>この意味がよく分からないんだけど
そんな深い意味じゃないので気にしなくていいっす。片一方のキラリティ
もつアミノ酸から成る以上、当然蛋白もキラリティを持つでしょ?って
だけのこと。繊毛の回転方向も別にアミノ酸のキラリティから必然的に
決まるわけでもないだろし(たぶん)。まったく同じアミノ酸配列の
d-型アミノ酸生物がいれば逆回転するでしょうとは言えるけど。
128(´∀`):01/10/06 01:28
>先にhead parameterってなんですか
せっかく生物学板らしくなってきたのを邪魔したくないので、ごく簡単にお答えするにゃ。
ヒトの生得的言語知識である普遍文法の中には、基本語順の選択肢としてhead-initial /
head-final の二つだけが用意されており、各幼児は自分の僅かの言語経験に照らして
いずれかの選択をするだけで母語の基本語順を決定できる、という考え方があるのにゃ。
このhead parameterを含めて、言語獲得は普遍文法内の少数のparameterの値を決定
することに他ならず、個別言語の多様性は異なるparamete値の組み合わせによって
生じる、と考えるにゃ。表層の多様性は深層の普遍性より、初期条件の僅かの変動に
よって表出するものにゃ。その変動部分に当たるのがparameterにゃ。で、対称性の
破れとの関連は、なぜそもそもそのようなparameterがあるのか、どうして個別言語内
ではすべての構造が同じ方向に偏ってしまうのか、というより踏み入った問題が残って
いるからにゃ。ご教示願いたいのだけど
>地球上の生物はすべてL型の物質しかない
として、その理由というのは分かっているのかにゃ? どちらか一方に偏ったほうが
安定するのは事実だとしても、ではなぜRではなくLなのか、にゃ?
言語の語順の問題についても同じようなとこがあるのにゃ。
129(´∀`):01/10/06 01:34
DではなくLなのか、にゃ。
ついでに言語学板にもリンクしたのだけど、>>118関連のPinkerの寄稿にゃ↓

言語学:遺伝学の話とその逆
Talk of genetics and vice versa
STEVEN�PINKER
話す能力は遺伝子に由来するのだろうか。ある遺伝子の発見でこの見方が裏づけられた。この遺伝子は、言語に
必要な脳回路の発達のしかたに影響を与えているらしい。
http://www.nature.com/cgi-taf/DynaPage.taf?file=/nature/journal/v413/n6855/abs/413465a0_fs.html
130pa=93 認知地図について:01/10/06 02:33
>>100 =11 フォローサンクスです。
>>93
認知地図に関しては、むしろミツバチの8の字ダンスのデータが綺麗すぎる
という印象を持っています。もう一度、8の字ダンスを一から検証し直した
方がいいのではないかなぁ。



 93に例にあげた実験について,この場合の議論としてはさかのぼって
1・まず実験の結果をみとめるとしての解釈
2・ではその実験の妥当性
3・その実験の前提の妥当性
の3つにわけられ, 100=11氏のいってるのは3の段階のことになる
おもわれます。 ここで
動物行動学辞典では 「過去にミツバチのダンスについて受け手が利用しているのかどうかについての疑問が提示されたが,これは追試によって
確認されているという」記述がなされていました。この辞典は1993年に
翻訳されたものですが,その後さらに新しい議論があるようでしたら
その要点について おしえていただければ幸いです。

また,1についてはナビゲーションについてどのような他の解釈があるのか
についてもしご存じでしたらお願いしたいところです。


なお,93でミツバチの認知地図についての実験として挙げたのは
◆Animal mind 、Carol Grant Gould、1994 中で紹介されたいた
Fred Dyerによる実験を参照しております

また ラットなど哺乳類の認知地図にたいしての疑問を提示する実験は
◆No evidence for cognitive mapping in rats.
Simon Benhamou
Animal Behaviour 1996, 52 201-212
を参照にしております。
この実験によって 認知地図があればできるであろう課題を
ラットができなかったということが
示されておりました。 もっともだからといって認知地図が「ない」
とはいえず,「あるとはまだいえない」という段階だろうと解釈してますが。
131名無しゲノムのクローンさん:01/10/06 03:45
>>128
parameterに関し、踏み入った問題に関してはよく分からなかった
けれども、だいたい雰囲気は分かりました。

>地球上の生物はすべてL型
これはですね、味の素を石油から化学合成した時はL型とD型が半々に
できることからみて、生命誕生前の原始地球の海にはL型アミノ酸と
D型アミノ酸が混在していたと考えられ、たぶんどちらも生命になりうる
機会があっただろうけど、たまたまできたのがL型だったか、現に両方の
生物が出現したけれども有利不利というわけではないがたまたまL型の方が
勝ち残った、と考えるのが正統派ですね。L型アミノ酸を含む隕石が
起源だとする説、宇宙全体を見たらL型の方が多いんだ、という説も
聞いたことはありますけど。

>>129
それに関する一連の記事で
http://dailynews.yahoo.com/htx/ap/20011003/hl/language_gene_2.html
これなんかはわりと批判的な見地を含め、公平な見方してるな、と
感じましたね。

>>130
私もミツバチの8の字ダンスはよく知らないんですよ。こちらこそ、
最近の動向を教えてほしい。
それより、ラットに認知地図能力はないという方が興味があるな(笑
ざっとabstractだけ読んでみましたけど、定位のメカニズムを利用する
機会を与えない条件で訓練した(during the tests in which they
were given no opportunities to use any other orientation mechanism)
という箇所がよく分からなかったです。
しかし、だいたいラットで認知地図のことを最初に主張したO'Keefe
and Nadelの実験の根拠もラットの頭部の向きによって海馬の神経細胞の
活動が変化したことを示すデータだけでしょ(笑
132pa:01/10/06 04:18
>>131
>定位のメカニズムを利用する
機会を与えない条件で訓練した(during the tests in which they
were given no opportunities to use any other orientation mechanism)
という箇所がよく分からなかったです。

○これは実験の図をみるとすぐわかるんですが,
ちょっと説明が難しいデス。

私たちは普通,
1 a,cという物体の位置関係を把握し,
2 さらにa,bという物体の位置関係を把握すると
3 つづいてb,cとの位置関係も類推することができるだろう,と。

もしラットが認知地図の能力をもっているならば,おなじようなことが
できるのでは?ということで 1,2のあとで3ができるのかを
水迷路をつかったというわけなのだと解釈しております。
で,氏の引用部分については,

最後のテストでは aが見えない状態なのでaを定位の直接の手がかりに
つかえないってことだとおもうわけですね。

詳細は本文参照してくださいな。
13315:01/10/06 05:32
>120=11
なんかアンタにばかりからんでちょっと悪いなって気もするんだけどね。なんで
このスレのなかで11の書き込みばかりがカチンとくるのか、わかった気がするよ。
原因は、アンタの生半可な知識だ。例えば、120の書き込みもまちがいだらけ。

>それが光学異性体または鏡像異性体といわれるもので
厳密には両者は違うもの。

>X線回析で光を当てた時に光が左に曲がる(L型)か右に曲がるか(D型)の二つ
旋光度をはかるときに使うのは、通常ナトリウムD線(589nm)。X線は10nm以下。

>地球上の生物はすべてL型の物質しかないし、L型しか合成できないのです。
そんなことはない。L型アミノ酸を合成できる生物はいるし、実際、それを
使っている生物も知られている。いうまでもないが、D体だけで構成されている
生物なんて、もちろん知られていないけれども。

>で、もちろんDNAもコドンもすべてL型で占められている。
これはどちらの意味にもとれるので、突っ込むべきじゃないかもなあ。
まず、「DNAやコドンは、L型アミノ酸を積極的に利用するようコードされている」
という意味なら、必ずしも間違いではない。ただし、どちらかといえば、単に
細胞内で利用できるアミノ酸がL型しかないというのがL型を使う主な理由だと思う。
実際、tRNAにD型アミノ酸をつなげば、それが蛋白質にとりこまれるって報告もあるし。
一方、「DNAやコドンがL型で構成されている」という意味なら、それは完全に間違い。
DNAに用いられているリボースはむしろD型であって、L型ではない。また、DNAの
塩基のみに関していえば、不斉炭素は含まれないので、鏡像異性体は存在しない。

議論の本筋とは関係ないから、まあどうでもいいっちゃどうでもいいんだけどね。
アンタの主張する「塩基配列と言語のアナロジー」については俺はあいかわらず
否定的だが、それ以外の論点については許容範囲。なんだか人の粗探しばかりする
意地悪じいさんにでもなった気分だが、生物板は中高生のロムもいることだし、
一応訂正しとこうと思ってね。悪く思わんでくれや。
13415:01/10/06 05:36
おっと。
「そんなことはない。L型アミノ酸を合成できる生物はいるし、」
ここは
「そんなことはない。D型アミノ酸を合成できる生物はいるし、」
だった。失礼。俺も人のことは言えないね。
135pa:01/10/06 06:24
>134
> 「そんなことはない。D型アミノ酸を合成できる生物はいるし、」

○え? そうなんです?
たとえば,どんな生物なんでしょう?興味あります。
136虚無好き:01/10/06 06:43
ふにゃ。納豆菌の細胞壁がD-アミノ酸だと思ったけどにゃ。
またくるにゃ。
13715:01/10/06 06:47
>135
そんなものいくらでもあるけど。一番身近な生物を教えてあげようか。
人間。

136も正解のひとつ。
138虚無好き:01/10/06 07:29
HNが顔の先生は、にゃっほ〜とかいって乱入しておいて、
もう撤収しちゃうのかにゃ。
>どうして個別言語内
>ではすべての構造が同じ方向に偏ってしまうのか
これで、たぶんピンとくるひとはあまりいないと思うのにゃ。
主要部−補語 head-complemwntというユニットは、
動詞−補語(目的語)、名詞−形容詞(関係節)、前置詞−目的語などの語順を
一括して制御していると考えられているにゃ。
おおまかに日本語と英語の語順が、うえのようないろいろな部位で逆転しているのは、
日本語ではhead parameterがfinalに設定してあるから、と説明されるにゃ。
(形容詞−名詞は例外)
でもこの仮説に、よりふかい生物学的根拠ってあるのかにゃ。
とりあえず、内蔵反転について考えてくれたひと、ありがとにゃ。

人間におけるD−アミノ酸の例は、神経伝達物質のことをいっているのかにゃ?
面白そうだから、もうちょっといるにゃ。
13915:01/10/06 07:39
>人間におけるD−アミノ酸の例は、神経伝達物質のことをいっているのかにゃ?
違うよ。生体内のD型アミノ酸を研究しているラボは探せばたくさんあるはず。
日本国内だと、そうだな、有名ドコロだと黒田のレイちゃん。人間で使われて
いる例は、えーと、確か京都大学の連中が、目玉(水晶体のクリスタリン)とか
皮膚に、D型が蓄積するってのをやってたな、確か。

これ以上は話の腰を折りたくないんで、ゴグールかパブメドーで自分で検索してくれ。
俺、このスレの議論が結構気に入ってるんでね。
140(´∀`):01/10/06 07:52
>>138
>名詞−形容詞(関係節)
は関係ないにゃ。名詞と補部との関係でいうと
英語 [ teacher → [ of → biology ]] と右向き(head-initial)
日本語 [[ 生物 ← の ] ← センセ ]と左向き(head-final)
みたいなやつにゃ。
ついでにいうと、最近の見方としてUGのデフォルト値はどちらか一方に決まっており、
もう一方はそこから派生する、というのもあるにゃ。
141虚無好き:01/10/06 08:30
ウソ教えちゃったみたいにゃ。ごめんにゃ…

で、右向きとか左向きとかは線状性において問題になると思うんだけど、
どっかで線状性はPFの問題(コアからは乖離的)という議論なかったかにゃ?
頭こんがらがってくるにゃ。
>俺、このスレの議論が結構気に入ってるんでね
ごめんにゃ。そろそろ撤収するにゃ。
14215:01/10/06 08:41
>>俺、このスレの議論が結構気に入ってるんでね
>ごめんにゃ。そろそろ撤収するにゃ。

違うよ。スレの議論ってのは、あんたらが展開してる言語学の話だって。
俺はなんにも生産的なこと書いてないけどさ。
俺にかまわず続けてくれ。名スレの予感がする。
143pa:01/10/06 10:01
>136,137 氏 フォローサンクスです。

私も言語学の話については勉強になりますが,>>1の

>人間の認知と動物(特に猿)の認知能力の比較とか研究は?

というのもあるのでできれば 人間以外の動物の言語についての研究の
最近の知見(この辺はネット上でしることができるとして)
や問題となってる議論,学術会での反応なんかもしりたいところです。
144(´∀`):01/10/06 10:56
……とおっしゃる143 氏には気の毒だが、脱線ついでにゃ。
「統語構造内に線状性は定義されていない」という見方を俺も採るにゃ。
いわば補部は主要部という原子核の周りを回ってる電子のようなもんで、この線状性
(linear order)のない階層構造において、人間言語の構造は唯一普遍とされるにゃ。
ところがこの構造を音声信号に変換する際、どうしても線状性という異物を持ち込む
必要が生じるにゃ。order out of disorderにゃ(w
個別言語はこの線状性をどう定義するかで多様性を示すにゃ。個別文法は電子をどの
位置で観測すべきかの取り決めをしているとも言えるにゃ。で、やっぱり同じ問題が
生じるにゃ。どうして各個別文法は、常に一定の観測の仕方をするのか、どうして
バラバラにならないのか、にゃ。一定にしておいたほうが安定する、というのは
分かるにゃ。普通でいうルールのレベルでにゃ。しかし、どうして英語は右向きで
左向きではないのか、に対する根源的な答えがないにゃ。あるいは、デフォルト値が
どちらかに決まっていたとしても、にゃ。
>どちらも生命になりうる機会があっただろうけど、たまたまできたのがL型だった
みたいなことしか言えそうにないのにゃ……
14515:01/10/06 12:28
>144
>しかし、どうして英語は右向きで左向きではないのか、に対する
>根源的な答えがないにゃ。
これはその後に書いてあるように、「なぜ地球上のアミノ酸はL体が主に使われて
いて、D体はレアケースでしかないのか?」と比較しているわけだよな?

アミノ酸の場合は、D体とL体で化学的性質は全く同じ。違うのは物理的性質のみ。
だから、最初にどちらがたまたま用いられるかについては確率的に全く等しかった。
その意味でDとLとは完全に対称だ。したがって、なぜDが優勢か、という問いに
答えるのは極めて難しい。131の言うように、根源的な答はないかもしれない。

だけど、英語の場合は、話したり書いたりする順序ってものがあるでしょ。
だから、修飾の向きが右向きか左向きかってのは、完全な対称ではないよね?
それなら、どちらか一方が優先的に用いられるようになり、やがてそれが
ルールという形で固定していった、と単純に考えればいいんじゃないの?

なんかあんまり簡単すぎる解釈なんで、あっさり論破されそうな気もするが。
ぜひ論破してみて下さいや。>(´∀`)氏
146名無しゲノムのクローンさん:01/10/06 13:34
>>15
>なんかアンタにばかりからんでちょっと悪いなって気もするんだけどね。なんで
>このスレのなかで11の書き込みばかりがカチンとくるのか、わかった気がするよ。
>原因は、アンタの生半可な知識だ。例えば、120の書き込みもまちがいだらけ。
すまんね(笑 X線解析のところは自信がなかったから、ちゃんと「確か」と断っている。
ただまぁ、今は例外は捨象して概念だけを伝えるようにしているんだよ。
ついでに131も私だ。それで許してくれ。

>>132
>1 a,cという物体の位置関係を把握し,
>2 さらにa,bという物体の位置関係を把握すると
>3 つづいてb,cとの位置関係も類推することができるだろう,と。
なるほど。言語によらない三段論法がラットにできるか?と問うている感じだね。
これはけっこう難しいと感じるね。実は私も大変な方向音痴で、もちろん地図を見れば
迷うことはないが、自分の頭の中では鳥瞰的な平面図の表象(認知地図)は用いて
いない。それができないんだ。これは断言できるね。町並みが碁盤の目ならいいんだが、
うちの近所には川が合流する地点があり、道もそれに沿って入っているため碁盤の
目は適用できないんだ。私は未だに地図を見ない限り、この地点の構造を理解していない。
それでも、辺りの家や看板などの手かがりを用いて曲がるところを覚えているから、
車で家に帰ることができる(笑

>>138>>140
なるほど。head parameterの意味が何となく分かりました。名詞-形容詞はフランス語
なんか、その辺もっと徹底していますね。

>>144
音という性質上、どうしても順番に(線状に)品詞を並べないといけないわけですね。
で、その並べ方が言語によって違うということが、とりもなおさずそれは生得的ではないと。
一つの言語の中では一貫していた(一定の)方が分かりやすいですよね。で、
日本語の場合はhead-tailという語順をとる傾向はあるものの、むしろ助詞で係り方を
決めるという方策を採っている、と考える方を私は好みます。
どうして英語と言う特定の言語においては右向きであって左向きではないのか、
というのは、純粋に言語学上の問題ですね。
147名無しゲノムのクローンさん:01/10/06 13:47
数学用語では「ポーランド型」「逆ポーランド型」に対応するね。
でも、算数の記号表記はどちらでもなく、主要部中心型。
そういう型として英語を記述することもできると思う。

主要部後置と主要部前置が混ざると、優先順位が判らなくなる。
Queen of England's colony は、
「英国女王の植民地」「英国植民地の女王」の
両義解釈が可能になって、文法が曖昧になってしまう。
学校教育という制度が無ければ、
英語の文法は主要部前置型の純粋型に移行するはずだったのかも。
148>15:01/10/06 13:51
>それなら、どちらか一方が優先的に用いられるようになり、
>やがてそれが ルールという形で固定していった、と単純に
>考えればいいんじゃないの?

 その最初の一歩が何故(英語の場合)右向きへの衝動をもった
ものだったかについては神のみぞ知る、という領域だと思い
ますが、15さんが考えてられることはBranching Directinal
Theory(BDT)と言って、processingの観点からの仮説があります。
つまり、言語の構造が右向きだったり左向きだったりしては
喋っているうちに頭がおかしくなってしまう、
というわけです(笑)。中国語がかなり例外的なmixed
branchingを持っていると聞いたことがあります。言語の
普遍性を巡っては顔文字さんなどが書いている以外にも
このようなprocessingの観点からの分析もあるのです。
「言語は使ってなんぼじゃゴラァ」という、「言語は本質的に
使うためのモノではない」という生成文法の立場とは正反対の
立場だと思います。
14911:01/10/06 13:54
>>145
>英語の場合は、話したり書いたりする順序ってものがあるでしょ。
>だから、修飾の向きが右向きか左向きかってのは、完全な対称では
>ないよね?
これに関しては言語学の先生方の解答を待った方がいいけど、私自身は
イギリスはもともと確か(笑)ゲルマン語族の地だったが、ラテン語族の
フランスに占領されたりしているよね。だから英語の体系はけっこう混乱して
いると思うんだ。発音にもそれは現れているよね。machineはマチャインと
発音したいところだが、なぜかマシーンという。これは明らかにフランス語の
影響を受けている。それに対し、古代のフランスはラテン語で一貫してきたから、
文法にも英語にはない一貫性がある。
150148:01/10/06 13:56
Directinal > Directional
151名無しゲノムのクローンさん:01/10/06 14:01
>イギリスはもともと確か(笑)ゲルマン語族の地だったが、
>ラテン語族のフランスに占領されたりしているよね。だから
>英語の体系はけっこう混乱して いると思うんだ。

 鋭いですね。

>Queen of England's colony

 これなんかいい例で、属格genitive(日本語だと
「太郎の本」の「の」にあたる)がふたつもある言語は英語
位のモノなんだそうです。149さん御指摘の歴史の産物
ということの様ですね。
15211:01/10/06 14:03
149はもちろん、元のゲルマンやラテン語が右向きや左向きの順序を
持っていた理由については説明していないよ。これはもう言語の
恣意性とか言いようがないという気がする。L型生物が選ばれたのと
同じ感じだね。
15315:01/10/06 14:06
>146
>すまんね(笑 X線解析のところは自信がなかったから、ちゃんと「確か」と断っている。
実は、あえて「確か」をハズしてコピペして煽ってみた。無視されちゃ哀しいんでね。

>ただまぁ、今は例外は捨象して概念だけを伝えるようにしているんだよ。
同意する。そうあるべきだ。もうつまらん揚げ足はとるのは止めておくよ。
ただひとつだけ、これは嫌みじゃ無しに、マジの親切で教えてあげるよ。
アンタ、「D体・L体」と「d体・l体」の区別ができてないぞ。生物系出身なら、
復習しておくがよかろう。

>むしろ助詞で係り方を決めるという方策を採っている

英語だって助詞で掛り方を決めてるぞ。もっとも、それは左向きだけどな。
だが、形容詞とか形容句なんかは右向きだよな。「Alexander the great」なんかは
むしろ強調するための例外的な用法のような気がする。とすると、英語の助詞も、
被修飾語を強調するための目印として、本来例外的に用いられるべきものってこと
ではないか? だったら、英語も日本語も同じ、右向き(あるいは前から後方向き)
ってのが、「どんな言語にも普遍的なルール」ということか? これが生成文法?
なんか違う??? んー、たまに専門と違うことを思考するとビールが欲しくなるなぁ。
15415:01/10/06 14:17
ちょっと待った。

>148
>その最初の一歩が何故(英語の場合)右向きへの衝動をもった
>ものだったかについては神のみぞ知る、という領域だと思い
>ますが、

>152
>L型生物が選ばれたのと 同じ感じだね。

二人とも、俺の本意をなんだか誤解している。アミノ酸のL型が選ばれ
たのは、「神のみぞ知る」「同じ感じ」でいい。だけど、英語が右向き
ってのは、きっと何か理由があるに違いない、ってのが俺の主張。
それが何なのかは知らないけどさ。たとえば、国民性というか、民族的
メンタリティというか、そんなものに関して、結論を後に言いたがる
気質があれば、右向きになるんじゃないか? くどいようだが、アミノ酸の
D・Lは等価だが、修飾の右・左は等価じゃない。違う?
15511:01/10/06 14:21
>>153
英語には助詞なんかないぞ(笑
じっさい、英語を書く時、teacher of biologyとbiological teacherの
どちらで書いたらいいのかよく迷うのだ。フランス語だとbiologyに相当する
語に名詞があればteacher de biologieというし、形容詞があればteacher biologicale
みたいにどちらも後ろから掛かるだろう? あ、上で書いたフランス語の
正しさについてはまったく保証していないので悪しからず。
15611:01/10/06 14:26
>>154
民族的メンタリティーでも国民性でもいいが、それを指して私は
恣意的だと言ったんだよ。
15715:01/10/06 14:28
>155
>英語には助詞なんかないぞ(笑
そうだ、助詞じゃない、前置詞だった・・・くそ、一本取り返されたな。今に見てろ。

「生物学の先生」の英語なら、どちらで書いてもいいんじゃないのか?
何が問題?俺の素人考えでは、英語も修飾の方向は右向きだから、本来は
biological teacherがまっとうだった。しかし、たまに気分を換えたいとき
(あるいはラテン語の影響で)、左向きの修飾をさせたい場合、その目印として
わざわざ余計な前置詞を付けて明示的に示す必要があった、って解釈でどう?
15815:01/10/06 14:36
>156
>民族的メンタリティーでも国民性でもいいが、それを指して私は
>恣意的だと言ったんだよ。

いや、だから、仮に気質として結論を後に言いたがるようなら、修飾の
方向は右向きになるようなバイアスがかかるでしょ、って言いたいわけ。
一切何のバイアスもかからずたまたま偶然L体が選ばれた例とは全く違うだろ。
「恣意的」って、どういう意味で使ってる?
「意識的・わざと」?それとも「勝手気まま・偶然」?
15911:01/10/06 14:39
>>157
どちらでもいいんだが、1本の論文、つまり同じ一人の著者が書いた
はずの文章ではどちらかに統一するようにしているよ。ただ複数の語からなる
複合語が形容詞になってしまうような時はofでつなぐことが多いね。
うまく言えないんだが、いろんな著者の文章を読みつつ、同じ著者の
論文をたくさん読むと文体に癖があるのに気がついてくるね。
160エロ画像:01/10/06 14:41
16111:01/10/06 14:42
>>158
任意、だ。とくに縛るものがないから、as you likeだよ。
16215:01/10/06 14:57
>159
俺は・・・どうしてるかな。ofでダラダラつなげるのはあまり美しくない、って
のが、俺の言語感覚だな。英語で論文書くときは、前から後ろにつなげていって、
ハイフンで結ぶか、クォーテーションでくくるかすることが多いな。ひょっとして
悪文か?

>161
それなら、ゲルマン・アングロサクソン系は攻撃的で用心深いから、結論は後。
ラテン系は陽気で開放的だから、結論を先に言う。どうだ?恣意的だろ?
しかしここまでステレオタイプな主張は、自分で書いていて笑いがこみあげて
くるな。とても科学者の推論とは思えん。コメントは無用だ。
163名無しゲノムのクローンさん:01/10/06 15:35
主要部前置と主要部後置のどっちかに決まっている方が、
情報処理の観点からすれば、覚えやすいね。
プログラミング言語はポーランド型か逆ポーランド型かだけど、
両方を混用するプログラミング言語があったとしたら、
「この関数は前から掛かるんだっけ、後ろからだっけ」と、
いちいち考え込まないといけなくなって効率が悪くなるだろう。
人間の言語に置き換えると、前置後置混用型は、
修飾句のカテゴリーを細分する必要が生じてエレガントじゃないわけだ。
164名無しゲノムのクローンさん:01/10/06 15:51
エレガントかどうかってのは、ある言語のルールを決める上で重要だろうか?
それなら、どんな言語も、もっと最適化というか、シンプルな構造に収斂しそうな
ものじゃない?
むしろ、話者のいいたいことをより忠実に表現できるって方向に向かうと思うんだが。
それがエレガントかどうかに関わらず。これって機能主義?
16511:01/10/06 15:57
>>163
現時点ではそうかも知れないが、将来ロボットに自然言語で命令する
ような時代が来た時は前置後置混用型の言語が現に存在する以上、
その命令も理解できなくてはならない。ここで英語なら理解できる
ロボット、日本語なら理解できるロボットを作るという方法もあるが、
むしろ、言語に共通する構造を知識としてあらかじめ入力しておき、
あとは各言語の変換規則を適用するというシステムを構築する方が資源の
節約になる、という考え方もある。そして、たぶん各言語の変換規則を
研究することが従来の言語学だったが、生成文法(普遍文法)は言語に
共通する構造を模索しているんだろう。だから生得的なものが問われる
ことになる。ただ、今までの流れから見ると、言語に共通する構造の
中にも生得的な仕組みによらない構造が多々あることが分かってきた
と状況じゃないの? ここで、それには言語によらない概念の形成を
問題にすべきだと考える人は認知心理学に行く。言語に共通する構造の
中でもとくに生得的な側面を見極めたいと思う人はここに来る、んじゃないかな。
16611:01/10/06 16:18
>>165
個人的には、機能主義的にみたら前置後置混用型の言語の方が言いたい
ことを忠実に表現できると感じているよ。
16722:01/10/06 16:25
168(´∀`):01/10/06 23:28
にゃにゃ、まるで言語学板の出張所みたいになってしまったにゃ。
まずhead-parameterは主要部(head)-補部(complement)の線状性のみに関するもの
だから、形容詞-名詞の語順はそもそも関係ないのにゃ。すまんにゃ。

>>146
>日本語の場合はhead-tailという語順をとる傾向はあるものの、むしろ助詞で
>係り方を決めるという方策を採っている
助詞もheadなのにゃ。英語が「前」置詞なのに対して、日本語の助詞は「後」置詞
にゃ。

>>154
>国民性というか、民族的メンタリティというか、そんなものに関して、結論を後に
>言いたがる気質があれば、右向きになるんじゃないか
ん? 逆のことを言う人は多いにゃ。つまり日本語で否定(これもhead)を最後に
持ってくるのは、最後まで態度を保留したがるとか、大事なことを後回しにしたがる、
とか、にゃ。しかし主要部というのは、そういう意味内容を伴うものだけではないにゃ。
例えば I think that John is handsome. の接続詞that は日本語では「〜と思う」の
「と」にあたり(専門的にはC =complementizerと呼ぶ)、やはりその補語である
埋め込み文より先行するか、後続するかで対称的になってるにゃ。他にもheadが
いろいろあるが、それら全部に上のような機能論的(?)理由付けをするのはたいへん
そうにゃ。

>>148
>中国語がかなり例外的なmixed branchingを持っている
その通りにゃ。head parameterは同一言語内ではすべてのheadが必ずどちらか一方向に
ならぶと規定するから、このようなケースが一見問題になるにゃ。ところが人間言語
には「移動」という操作があり、ある要素が別の位置に転位することがあるのにゃ。
上でみた受け身は、目的語が主語の位置に移動する例にゃ。昔はこの移動などを「変形
操作」として個別的に定義していて、当時の文法を変形文法と呼んでいたにゃ。
で、本来head-initialの言語で、complementがheadを越えて左方移動すれば
head-finalの語順が表出するにゃ。ドイツ語で主節と従属節で語順が違うのも、従属
節内では起きない移動が主節では起きるから(またはその逆)と理解されているにゃ。
で、お気づきのように、この移動による語順変化によれば、普遍文法のデフォルトとして
例えばhead-initialだけが指定されており、head-finalはこれから移動によって派生する
(またはその逆)という考え方もできるのにゃ。もしそうだとして、ではなぜ人間言語
は本来、普遍的にhead-initialなのか、という元の問題に還ってしまうのにゃ。
169(´∀`):01/10/06 23:31
>>164
>それなら、どんな言語も、もっと最適化というか、シンプルな構造に収斂しそうな
>ものじゃない?
鋭いにゃ。生物学にも多様性のパラドクスというのがあるにゃ。最適者生存なら
唯一の勝者が残り後は全部消えるはずなのに、どうしてたくさんの種が現存するのか?
言語でも、個別言語の多様性は、上でいったような異なるparameter値の組み合わせに
起因するものの、実際に多様性が許されているのは、いわば異なるニッチでそれぞれが
棲み分けているようなものと考えればいいのかも、にゃ。唯一の厳密最適解ではなく、
複数の準最適解が共存共生しているというわけにゃ。そして実際、政治的・文化的・
軍事的・経済的その他いろんな競合が生じる場では、言語の絶滅が繰り返されて
いるにゃ。
ところが、普遍文法レベルでみると、人間言語はまさに最適設計をなしている、という
のが生成文法の見方にゃ。例えば統語計算系は、一切の無駄を許さず、最も効率的な
演算しか許さないような仕組みをしてる、と言われるにゃ。例えば上で移動のはなしを
したけど、この移動は常に最小作用の原理、最短距離則に従うとされるにゃ。
日本語の例を出すにゃ。(雰囲気だけ理解してもらうため、かなり乱暴な言い方する
にゃ。)
 太郎が花子に次郎を殴らせた。
から受け身文をつくるとするにゃ。花子を主語にして
 花子が(太郎によって)次郎を殴らされた。
はいいのに、次郎を主語にして
 次郎が(太郎によって)花子に殴らされた。
とは言えないにゃ。なぜかにゃ? どうして母語話者には(経験なしで)それが分かる
のかにゃ?
元の構造は:  太郎 ... 花子 ... 次郎
となっていて、太郎がいる主語の位置に花子ないし次郎が移動して受け身文ができる
にゃ。花子の移動のほうが次郎の移動より距離が短い、というのが大まかな説明にゃ。
別の言い方をすると、構造内を探索していって最初に検出した花子しか見えない
ような設計に言語はなっている、ということにゃ。人間の推測や予測能力はたいした
もので、先読みはお手のものなのに、言語はこのような超ド近眼な仕組みをしている
にゃ。こんなことも、言語能力が他の認知モジュールと独立した自律性、および反機能
的側面を持っていると考えられる理由、そしてその説明が物理・数学的法則に求められ
るべきだとされる理由かもしれない、にゃ。

書きすぎたにゃ。反省するにゃ……
170虚無好き:01/10/07 04:56
>にゃにゃ、まるで言語学板の出張所みたいになってしまったにゃ
にゃにゃにゃにゃ!ちがうにゃ!これじゃ、生成文法の分校にゃ!
head-parameterは「生成文法用語」なので、チョムスキ−寄りの言語学入門書でもなければ、
のってないにゃ!
ってゆーかパラメタ概念はいわゆるGB理論以降のものだと思うにゃ。

わたしは文法の構造解析や、とくに「移動」に関してはまずまず有効だとは思ってるが、
169の、てれっとした顔がHNの先生のコメントのなかの
「移動」のリクツにもしも恣意的な匂いをかんじとった先生方がいても、まったく当然にゃ。
さすがに生成文法も、例外的な統語現象を、ぜんぶ移動で説明しようとはしてないにゃ。
だがしかし
I love you.
のような単文も、移動なしでは説明できないとはどういう文法だにゃ?
(これはBOBというひとも言ってたこと)
これはあまりに多くの統語現象を一般化しようとした結果とも考えられないかにゃ?
疑え〜疑え〜疑うのにゃ〜。

さらにたとえば、動詞ではなく、主語に時制があるという未知の言語があったとすると、
I bought a book.は
<過去のわたし><買う(不定詞)><本>と翻訳されると思うにゃ。
ところが生成文法(GB理論以降)の文法の一般化は非常に強いので、
こんな架空の火星語?でもパラメタ一個追加することで、原理的に説明可能になるにゃ。
そして生成文法で説明可能ならば、とりもなおさず生得的になってしまうのにゃ。
「原理と変数の理論」で定義可能な文法の集合なんて、じっさい無規定かもしれないのにゃ。
パラメタの実在的検証はどうなっているのにゃ?
疑え〜疑え〜疑うのにゃ〜。

煽りおわりにゃ。
171そうだね:01/10/07 05:51
生成文法の想定する「生得文法」に反する言語というのは
例えばどういうものなのか、何度も繰り返し訊ねているのに、
まともな回答が一度も返って来ないよ。
17211:01/10/07 06:45
両先生のおっしゃることがすべて分かったわけではないのですが、
とりあえず今浮かんだ感想。

>生物学にも多様性のパラドクスというのがあるにゃ。最適者生存なら
>唯一の勝者が残り後は全部消えるはずなのに、どうしてたくさんの種が現存するのか?
生物学におけるこれに対する説明は、生物は種ではなく個々の個体
(の遺伝子)がおのおの自分の遺伝子を残そうと闘っているからと
説明します。これがドーキンスの利己的遺伝子理論の一つの要諦。個々の
個体が勝手に自分だけが生き延びようとしているのだから当然、バラバラに、
言い換えれば多様性が増すことになります。

それから「生得的」をあまり一般化すると、言語を持つ異星人の脳
(ここでは言語を処理するためのモジュール)内にも生得的構造があると
主張することになりかねない。異星人の身体構造はまったく分からないにも
かかわらず、です。
これに対する説明になっているのが、私が最初の方で言った、言語は
なんらかの事柄を伝えるという共通の目的を持つゆえに、宇宙に普遍的な
構造を持っていなければならない、とする考え方でないかと。伝えたい
なんらかの事柄の内容は主観的であれ、客観的であれ、物事の記述および
因果律に関係する事柄であり、それは光学、音響学からその他さまざまな
物理学の法則に従っており、宇宙に普遍的であることが明らか。つまり、
伝えたい内容の背後にある法則自体が宇宙に普遍的なのだから、言語の
基本構造も宇宙に普遍的とならざるを得ない。トートロジーになって
いません、よね?(笑
つまり私は言語の普遍構造は認めるが、生得性は否定しているのです。
問題の言語に関する遺伝子については、遺伝子はあくまで機能ではなく
蛋白質の構造を決定しているものであり、その遺伝子が決定している
蛋白質によって規定される脳構造はさまざまな機能を持ち得、その一部が
言語能力にも関係しているということに過ぎないのではないか。ただし、
これに関しては今後のさらなる研究が待たれる。

まず知りたいのはその遺伝子は脳構造に対してはどのような作用を
持っているか、ですね。脳は仮にある部位が損傷を受けても、他の
部位がその役割を代わりに引き受けることができることは知られています。
これはもちろん他の部位はすべて正常な個体であれば、です。
しかし問題の遺伝子は脳構造に対して広範な影響を及ぼすので、他の部位が
代わりの役割を引き受けることもできず、また言語能力以外のさまざまな
機能に影響を及ぼしている可能性がある。のではないか。
17315:01/10/07 09:49
そちらのフィールドの用語で挑戦してみようかね。一蹴されそうな気もするが。

>169
>次郎が(太郎によって)花子に殴らされた。
>とは言えないにゃ。なぜかにゃ?
最初の文の「花子に殴らせた」の「せ」は使役の助動詞だな?使役されるのは
花子だ。つまりこの助動詞は、そうさせた太郎の行動を説明するためのものだ。
この場合、主語が太郎だから、全く問題はない。

次の「花子が次郎を殴らされた」には、使役の「さ」に加えて、新たに
「れ」が加わっている。この受け身の助動詞は花子を主語にするために必要なだけ
ではなく、同時に使役の「れ」が受け身であることも示している。ふたつの
助動詞はそれぞれ太郎と花子の行動を説明するためのものだが、受け身の使役で
あることから、殴る主体の主語が花子であるということと矛盾はない。

ところが、最後の文では主語が次郎だ。こうなると、もはや太郎や花子の行動を
説明するための助動詞群は使用不可だ。これが違和感の正体であり、
「なぜかにゃ?」に対する答だ。この違和感を解消するためには、一度それらの
助動詞を御破算にして、新たに次郎のための助動詞を付けてやればいい。
次郎が(太郎の指示で)花子に殴られた。
これで意味が通る。この場合の「れ」はたまたま2番目の文と同じ受け身だが、
あの場合とは動作主体が異なっており、この文では言うまでもなく受け身の主体は
次郎だ。この文の「殴る」に使役の助動詞を付けることはできない。なぜなら、
主語の次郎は、使役する側でも使役される側でもないからだ。

日本語を母国語にする者は、こうした、助動詞が誰の行動を説明するためのものかと
いう情報を、意識せずとも知っているのではないか?どこで知ったかと問われれば、
それはやはり経験から、というのがもっとも単純な回答の気がする。耳で聞いたり
口に出したりしているうちに、無意識レベルで、主語と助動詞の齟齬の違和感を
徐々に訂正しているという解釈で、169で展開されたような移動の理屈を採用
しなくても、十分説明可能だと思うが如何か。
ただまあ、
>言語能力が他の認知モジュールと独立した自律性、および反機能的側面を
>持っていると考えられる理由、
ここに異論を挟む理由はない。

>そしてその説明が物理・数学的法則に求められるべきだとされる理由かも
>しれない、にゃ。
これは、ちょっと・・・飛躍し過ぎな気が・・・
17415:01/10/07 09:50
>172
>つまり私は言語の普遍構造は認めるが、生得性は否定しているのです。
俺の理解では、精製派、もとい、生成派というのは「全ての言語能力が生得的である」
ことを主張しているのではなく、「言語能力を司る機能の一部が、生得的である
可能性がある」と言っているように思える。一般的に、この手のテーゼを実験科学で
完全否定することは、反対派にとってはきわめて難しい。仮に俺が反対派だとしても、
勝ち目のないケンカは売らないね。それに、個人的には、可能性として大いに
ありそうだとも思うしね。本能のような、言語活動ほどではないにしろ高次な
活動が生得的であることは明らかだし、もしそれが蛋白質とクロマチンの立体構造
だけで決まるとしたら、分子生物学に携わる一学徒としては、甚だつまらん。

ただ、生成文法の構文構造解析というアプローチは、脳内の言語活動の方法論というか、
思考の流れを明らかにすることは可能でも、それを具現化する生物学的メカニズムまで
には踏み込めないとも思うね。ソフトウェアとハードウェアというか、アルゴリズム
と処理系というか。なぜなら、言語そのものは思考活動の結果産物、あるいは上澄み
にすぎないわけだから。それらの生成プロセスが各人の脳内で異なっていても、
結果が同じになる可能性は否定しきれまい?とすれば、生得的なのはある種の「論理」
であって、「機構」ではない、と、こういう理解で良いのだろうか?

前後するが、
>170
>そして生成文法で説明可能ならば、とりもなおさず生得的になってしまうのにゃ。
それはむしろ、「生成文法で説明可能な構文は、生得的と考えても矛盾しない」と
受け取るべきではないのか?俺、間違ってる?
175虚無好き:01/10/07 13:30
>「生成文法で説明可能な構文は、生得的と考えても矛盾しない」
そうにゃ。
同様に、ひとはガウスやヒルベルトなみの数学能力が
じつは生得的に備わってると考えても矛盾はないにゃ。
ところが、UGは可能性として考えられているわけじゃないにゃ。
生成文法論者に、そう考えるにとどまるような謙虚さがあれば …
やめとこ。
ところで15先生、「次郎が花子に殴らされた。」の文は
てれっとした顔が目印の先生の、お得意の問題にゃ。
緻密に解析すればするほど、自分の生得知識を披露させられてしまうという
イヤ〜な問題設定にゃ。とりあえず
>無意識レベルで、主語と助動詞の齟齬の違和感を
>徐々に訂正しているという解釈で
のところを正確に理論化しないと、逆に生得説をいきおいづかせるにゃ。
わたしはそうは思ってないけどにゃ。いちおう関連部分を引用しとくにゃ。

>「太郎が花子に論文を読ませた。」で「論文」を前景化しようと思ってもこれを受け身の
>主語にすることはできない。「* 論文が花子に読ませられた。」受け身という形式と
>その形式が果たす機能は別物であり、機能が可能な形式を決めるのではなく、機能とは
>関係のない原理によって生み出された形式が、ある機能を果たしたり果たさなかったり
>するだけのこと、という主旨。ちなみにフランス語などでは日本語と逆転し、「花子が
>論文を読まされた」とは言えず「論文が花子に読まされた」がOKとなる。日本語とフラ
>ンス語では受動形成の仕組みやその派生制約は同じでもその基底構造が違うのでこの差が
>生じる。機能だけ論じていたのでは理解できない言語の側面の一例だね。

ほかの部分にもレスするにゃ。
たぶん。
17611:01/10/07 13:48
>>174
大胆な言い方をすると、私は宇宙に普遍的な言語構造が存在するという信念を
持っているのにゃ。しかし、そこに少しでも生得的なものを導入してしまうと
>>172で述べた異星人問題が発生するにゃ。また、脳は一部が損傷を受けても他の
部位が損傷を受けた部分の役割を引き受けることができる、という事実も逆方向
からの生得性否定の強力な根拠になると私は考えるにゃ。
しかし、人間言語には普遍的な構造にそぐわない癖や性向みたいなものがあることは
感じるにょ。これは人間の脳の限界か、音声は線的しか伝えられないという物理的
特性に依存していると考えるにょ(私ゃ、昔、音楽が時間軸に沿ってしか伝えられ
ないのはなんでか、と考えたことがあるにゃ。これと同じやね)。

>それらの生成プロセスが各人の脳内で異なっていても、
>結果が同じになる可能性は否定しきれまい?とすれば、生得的なのはある種の「論理」
>であって、「機構」ではない
ここのところは、私にゃら、生成プロセスは各人でほぼ同じまたは若干異なっていても、
同じ言語圏に属する人間はその言語変換システムにしたがって同じ結果を得ることができる。
そして変換システムは言語によって異なっているにょ。したがって、生得的なのはある種の
(脳)の「構造」であって、「(言語)機能」ではにゃいと言い換えたいにぇ。
17711:01/10/07 14:04
補足しておくと、
>人間言語には普遍的な構造にそぐわない癖や性向みたいなものがあることは
>感じるにょ。これは人間の脳の限界か、
この限界こそが生得的。
178虚無好き:01/10/07 14:33
にゃにゃ。レスがぜんぜんまにあってないにゃ。ま、いいにゃ。

>トートロジーになっていません、よね?
これは言語による認識が、そもそもなんらかのバイアスをもっており、
それを宇宙そのものに投影した結果、
言語の構造と類比的なトコロしか認識できないという意味でのトートロジーを
いっているのだとおもうけどにゃ。
わたしは、すくなくともヒトの種としての認知能力に関しては、
トートロジーは否定できないと思うにゃ。
それに伝えたい内容と、構造の類比という、別の類比もからんでるにゃ。
ウィトゲンシュタインの写像理論のようなものかにゃ?
これはいろいろなアポリアを生み出すので、もうちょっと考えてみるにゃ。
もし、幼児あるいは個体の言語獲得を考慮にいれるとき、
ほんとうに生得説への反論になっているのかという疑問もあるにゃ。
この議論は、もし言語が個体に内在化されるものならば、
マクロコスモスとミクロコスモスの対応のような、神秘思想も思わせるにゃ。
むしろ脳の構造が宇宙の構造と類比的といったほうが自然にゃ。
すると、生得説との違いはかなり微妙になってくるにゃ。
そうじゃないとはおもうけどにゃ。
ほかの読み方もあるにゃ。極端な、意味の物質還元主義にゃ。
「おれはカレーが食いたい」の意味は、身体の代謝系のある状態と、
対象となる水分と塩、炭水化物、タンパク質などの混合物に関する言明とみなす考えにゃ。
この考えも問題含みだにゃ。
これだけのテキストだけでは、よくわからんにゃ。ごめんにゃ。
179虚無好き:01/10/07 14:44
11先生、こんどはわかりやすいにゃ。
critical period と脳の両半球の構造化の時期とは一致しているように
思われるにゃ。どうなのかにゃ?
>生得的なのはある種の
>(脳)の「構造」であって、「(言語)機能」ではにゃいと言い換えたいにぇ。
には賛成したいにゃ。

にゃーにゃー語族の新語あらわるにゃ。ちょっと一休みにゃ。
18011:01/10/07 15:08
>>178
トートロジーの問題は宇宙に普遍的な言語構造が存在するという信念に
関わる部分ですね。>>176では最初から信念を持っていると言い切る
ことによってこのトートロジーの議論を解決済みとして回避しております。
でも、>>178の問題は再考を要する問題として保留しておきます。
>>176でも言語を持つ異星人のその言語をヒトは必ず理解できるはず
という信念が隠れておりますね。)

critical periodの問題は、普通の正常な環境ではその時期に適当な
刺激(この場合は言語刺激)を受けるはずで、遺伝子はその刺激との
相互作用があって初めて正常に発達するような構造を準備していると
考えるのです。これはもうローレンツの言う刷り込みから雛の親鳥
後追い行動、視覚系や聴覚系の発達にも適用できます。
ただ、critical periodは現象を記述しただけの概念に過ぎず、両半球の
構造化といっても今分かっているのはごく粗いことだけ。あるいは
その時期と眼球から伸びる長線維と視覚皮質がシナプス結合を形成する
時期とが一致している、という程度の事実が知られているだけで、
critical period自体が詳細に解明されているわけではないのですよ。
181(´∀`):01/10/07 19:34
>>170
>head-parameterは「生成文法用語」なので
しかしそれは生成以前のGreenberg的言語普遍性に対する説明を提案するものでも
あるにゃ。
>I love you.のような単文も、移動なしでは説明できないとはどういう文法だにゃ
VP内主語のことにゃ? 逆にそう考えないと説明できないことがいっぱいあるから
にゃ。それらを無視して I love you だけ考えてるわけにはいかないにゃ。
>動詞ではなく、主語に時制があるという未知の言語
未知でもなんでもないにゃ。ネイティヴアメリカンに多く見られるにゃ。
ちなみに日本語は形容詞に時制があるにゃ。だからこそ、単語とか品詞ではなく
素性が重要にゃ。普遍文法は素性のレパートリだけ規定するにゃ。各個別言語は
それらを恣意的に選択し組み合わせて自分の語彙をつくるにゃ。
>「原理と変数の理論」で定義可能な文法の集合なんて、じっさい無規定かも
>しれないのにゃ
可能なパラメタを厳密に制限しないとなんでもありになってしまう、というのは
昔から生成が常に念頭においてきた問題にゃ。それに対する伝統的な申し合わせと
して、functional parametrizationがあるにゃ。パラメタは語彙内の機能範疇に
関するものだけに限られる、とするにゃ。当然、移動は機能範疇の素性によって
引き起こされるにゃ。

>>171
>何度も繰り返し訊ねているのに
気付かなかったにゃ。失礼したにゃ。例えば上であげた最小作用則が普遍文法の
原理だとして、これを遵守しないような言語がそうにゃ。もっと単純な話しだと、
人間言語は階層構造に依存して意味解釈や音声解釈を行うにゃ(構造依存性)。
そうではない言語、たとえば線状性だけに依存する言語も論理的にはあり得るが、
人間言語はそうではないにゃ。
182(´∀`):01/10/07 19:36
>>172
>言語を持つ異星人の脳内にも生得的構造がある
実際、そのような架空の話しをするのにゃ。火星人の普遍文法なら地球人の普遍文法と
は違う特性をもっているのかも知れにゃい、と。
だから
>言語はなんらかの事柄を伝えるという共通の目的を持つゆえに、宇宙に普遍的な
>構造を持っていなければならない
にはのれないのにゃ。地球人の脳に地球人語の普遍文法が発生したのは、地球という
環境下でのさまざまな偶然の出来事の積み重ねの結果で、同じ出来事が宇宙の別の
ところで再現される保証はないと思うにゃ。早い話、地球人が音声言語を獲得したのは
咽喉部の解剖学的構造の突然変異に一部起因するにゃ。宇宙人が同様に音声言語を
持つという可能性はそんなに高くないと思うにゃ。
>遺伝子が決定している蛋白質によって規定される脳構造はさまざまな機能を持ち得、
>その一部が言語能力にも関係しているということに過ぎないのではないか
この部分は同感にゃ。

>>173
詳しく考察してもらってすまんにゃ。結論から言うと、提案された分析には一般性
がないので却下、にゃ。すまんにゃ。
科学はできるだけ多くの現象をできるだけ簡潔な法則で説明し、それらの間の関係性を
明らかにしようとするにゃ。ではお説の分析が問題の使役文のケース以外にどれだけ
多くの適用範囲を持つだろうかにゃ。
上で言った最小作用則は、一般に
   [ A ... [ B ... [ C ... ]]]
という構造配列においてA-B間またはB-C間に関係Rが成立するとき、A-C間に同じ関係
Rは成立しない、という局所性の原理として述べられているにゃ。
少しだけ具体例を出すにゃ。
英語で複数のwh表現を含む場合。
a. you think [ who saw what ] から
b. who do you think [ t saw what ] とは言えても
c. *what do you think [ who saw t ] とは言えないにゃ。
受動化の場合、
a. John believes [ Mary to love Bill ] から
b. Mary is believed [ t to love Bill ]とは言えても
c. *Bill is believed [ Mary to love t ] とは言えないにゃ。
日本語の再帰代名詞「自分自身」の解釈の場合、
a. 太郎が [ 花子が [ 自分自身が天才だと ] 思っていることを ] 知っている。
で、自分自身=花子という解釈はできても=太郎という解釈はできないにゃ。
個々のケースについてバラバラに分析するのではなく、全部まとめて局所性効果として
分析したほうがエレガントにゃ。そして生得的知識として、そのような一般法則だけが
与えられており、個々のケースはそこから自動的にfollow する、と考えるのにゃ。
183虚無好き:01/10/07 19:53
>ネイティヴアメリカンに多く見られるにゃ。
ホピ語とかのはなしかにゃ?あれは形態素あつかいにゃ。
議論の筋と関係ないにゃ。
つづく。
つづかんかも。にゃ。
184虚無好き:01/10/07 19:57
にゃにゃ。エラーで書き込みとんでったにゃ?
ホピ語とかのはなしなら。あれは形態素にゃ。
もういいにゃ。
185虚無好き:01/10/07 20:03
さっきからよんどめのとらいにゃ。@
ホピ語とかのことをいってるにゃ。
あれは形態素にゃ。
つかれたにゃ。
186虚無好き:01/10/07 20:11
↑スマソ
187(´∀`):01/10/07 20:11
>あれは形態素あつかいにゃ
意味わからんにゃ。英語の動詞に過去時制形態素-edがつく場合、
動詞自体には時制情報はないってことにゃ?
188虚無好き:01/10/07 20:39
にゃにゃ先生元気だにゃ。
こっちも意味わかんないにゃ。
主格情報も目的語情報も、形態素としてくっつくのではなかったかにゃ?
ホピ語には単語はないにゃ。
抱合語の生成文法の見解を知りたいにゃ。

時間帯わるいのかにゃ?
18911:01/10/07 21:09
まだ(´∀`)先生の追加のカキコがあると思われるので、今は
詳しくは述べませんが、>>182>>172に対するコメントについては
にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃーー、私の方が勝ってる(笑

                            いじょ
190虚無好き:01/10/07 21:16
>単語とか品詞ではなく
>素性が重要にゃ。普遍文法は素性のレパートリだけ規定するにゃ。

ここまでいいきったのは、初めてみたにゃ。
抱合・複合語もなんかだいたい見当ついてきたからもういいにゃ。
191(´∀`):01/10/07 22:05
>>189
>私の方が勝ってる
にゃ? 「にゃ」の回数のことにゃ?(w

>>190
もういい、と言われてもにゃー
>抱合語の生成文法の見解を知りたいにゃ
一般に編入(incorporation)と呼ばれる移動操作によって分析されてるにゃ。
もちろん編入という特別の移動があるのではなく、移動の一例ということにゃ。
動詞の項が動詞の中に取り込まれる場合が分かりやすいにゃ。
Hopiの例文が手元にないので、日本語でいうと、「勉強をする」だと「勉強」が
本動詞「する」の目的語だが、この目的語が動詞の位置に移動すると「勉強する」
になるにゃ。さらに他の要素が動詞に取り込まれていくと、例えば一見、一語で
「太郎が昨日、大きな川で魚を釣った」みたいな表現ができるようになるにゃ。
要するに、基本統語構造は唯一普遍、その後、どのような移動が起きるか次第で
様々な語順や、あるいは抱合語vs.屈折語みたいなタイポロジカルな違いが生じるにゃ。
単語か形態素か、は構造が形態音韻解釈を受けた結果なので、それにとらわれてると
もとの構造の普遍性が見えなくなるにゃ。
>ここまでいいきったのは、初めてみたにゃ
にゃにゃ、少なくとも後半は昔からチョムが言ってることにゃ。
19211:01/10/07 22:31
>>191
ありゃあ、追加レスなしですかぁ・・・
私の場合、やはり言語学のあまり細かいことには興味がもてないので、下から、
つまり生物学や自然科学から言語の生得性という問題を攻めようとしているのは
お分かりいただけていると思います。
で、私も本業が忙しくなってきたのであまり細かいレスはできませんが、>>172では
私は火星人、地球人を問わず、宇宙に普遍的な文法があるはずと主張しているのです。
言うまでもありませんが、ここで言う言語とか文法は音声とかで表示された表層構造
ではなく、深層構造を指しています。普遍的な深層構造があるはずだと言っているのです。
で、人間言語がその普遍的な深層構造に沿わない構造があるのは、むしろ人間の脳に限界が
あるせいだと考える。この限界こそ生得的と呼ぶべきだ、と思うのです。
19311:01/10/07 22:41
私はアラン・コンヌという数学者の、「4つの公理によって決まる数学的
実在が存在する」という考え方に共鳴しています(心を持つ物質、海鳴社)。
私は言語も数学と同じように、物事を伝えるという目的によって決まる
普遍的な実在が存在するといっているのです。
虚無好き先生の>>178はいろいろ考えさせられましたが、私の基本的な
立場は物質還元主義です、と一応お応えしておきます。
194虚無好き:01/10/07 23:21
笑顔が目印の先生ありがとにゃ。
周辺環境のせいでちょっとあつくなっちゃってたにゃ。
で、素性のレパートリ? やっぱり思い当たらないにゃ。
とにかくいままで以上に抽象度が高まっていないのならいいにゃ。
I love you に関してはわかってるにゃ。180はアオリにゃ。
もちろん唯一の説明とは思えないけどにゃ。

ついでにその他の感想も書くにゃ。
局所性の原理は、やっぱり線状性を条件としないと、成立しないにゃ。
だいたい距離の規定がわかんなくなるにゃ。
なんか、統語計算はPF(音声形)でやったほうが都合よくなっちゃうにゃ。
線状性を前提としない距離ってなんにゃ?
電子の位置エネルギーみたいなもんかにゃ?
↑べつにバカにしてないにゃ。

あと、非常に多くの地球上の生物が別個の契機と、別個の原理で
音声器官を獲得していると思われるにゃ。
だいたいこういう例をだされると、UGとPFへの写像
あるいは線状性への写像の必然性がまた問題になっちゃうにゃ。
どうなってんのにゃ?

11先生は、もうすでに確固たる言語学的立場をとったにゃ。
ここはおもしろいにゃ。
またくるにゃ。
19511:01/10/08 00:18
>>194
>11先生は、もうすでに確固たる言語学的立場をとったにゃ。
ぎくーん。そ、そ、そ、そうなるんですか? たぶん専門家はいろんな
ことを知っているためにかえって特定の立場をとりにくい、ということが
あって、特定の立場をとってしまうと攻撃にさらされやすい、という
ことがあるかも知れませんね・・・

>非常に多くの地球上の生物が別個の契機と、別個の原理で
>音声器官を獲得していると思われるにゃ
これを読んだ時、季節柄、秋の虫を思い出しましたが、普遍文法と
いうより物事を伝える上でまず必要なことは存在を知らしめることである、
で、そのためには周りと違うことをする必要がある。それが秋の虫に
とっては鳴くことであって、それがうまくいったからこそ異性に出会えて
子孫を残すことができた(最初に鳴きだした個体が成功した)。
ここで注意しなければならないのは、向こうから人が歩いてくる。それを
見た人はある人が近づいて来るという情報を受け取る。しかし、だからといって、
近づいてくる人が自分が近づいてくるということを伝えようとしているとは
考えることはできない。つまりこれは言語ではない。
また逃げる時に鳥などが甲高い鳴き声を上げるが、これは自分が小さいとるに足らない
鳥であることを伝えようとしていると考えるべきではなく、逃げる時は全身の筋肉が
緊張するのでそのため鳥の発声器官(名前忘れた)の径が小さくなり、
かつ強い呼気が放出されるために甲高い声が出るだけであって、これは言語では
ないと。
しかし、言語がなんらかの事柄を伝えようという目的を持っていると考えると
言語が発せられる時には背後に意図があると考えざるを得ない。
しかし、この「意図」が難問なんだなー。・・・・
196虚無好き:01/10/08 00:42
11先生はむしろ哲学者肌のひとかにゃ。
なにかもっとレス検討するにゃ。

抱合語については、納得した、というより予想の範囲だけど、
(もっとはやく形態論的差異など決定的問題にならずと気づくべきだったにゃ。)
漢語のはなしに結びつくとは思わなかったにゃ。
じつにこれは、興味の範囲内。にゃ。
漢語動詞のなかには、中国語の文相当のものも含まれてるので、
形態論的にはおもしろいにゃ。
たとえば「読書」は、そもそもVOにゃ。
この構造が、「古本を読書する」を排除してるともいえるにゃ。
まあ、たんに自動詞といえばすむのだけどにゃ。
例外もやまほどあるしにゃ。「首相を解任する。」

ただの与太話になってしまったにゃ。
こんどは、11先生の難解な唯物言語学について語るにゃ。たぶんにゃ。
わたしは、数学については、どっちかというと構成主義にゃ。つづく。
197(´∀`):01/10/08 01:44
>>192
>宇宙に普遍的な文法
だいたいどんなものを想定しているのか教えてもらわないと、なんとも言えないけど、
俺が最初にこのスレに乱入したときに書いた
>宇宙や自然世界にはあらかじめ人間言語によって記述されるべき構造が内包されて
>いるわけではないにゃ
の部分がやっぱりひっかかるので宇宙文法には懐疑的にゃ。人間は人間言語の構造を
宇宙に押しつけて無理やり言語で表現している、その形式に合わず表現できない部分は
表現しないでおく、と思うにゃ。(科学理論も同じようなところがあって、人間が思い
つく説明方法が宇宙全体に通用する保証はどこにもないにゃ。それでうまくいく部分
だけを宇宙に押しつけているだけにゃ。)その表現できない部分というのが、普遍文法
の制約だと思うにゃ。その制約が人間の脳の構造の特殊性、固有性に由来するから、
同様の制約を受けない火星人なら人間の普遍文法とは違うものを持っている可能性が
あると思うにゃ。

>>194
>素性のレパートリ?
単純な例だと、範疇素性にゃ。名詞とか動詞とかいう品詞は原始概念ではないにゃ。
[+/-N]、[+/-V]の素性値の組み合わせによって個別言語が恣意的に自分の言語で
使う品詞を決めているにゃ。音声素性でも、人間言語にとってそもそも使える素性
から、各言語は自分のとこで使うものを選択してるにゃ。

>局所性の原理は、やっぱり線状性を条件としないと、成立しないにゃ。
>だいたい距離の規定がわかんなくなるにゃ。
距離は、階層構造上の高低関係によって定義されるにゃ。単純な上下関係ではなく
c-commandと呼ばれる構造関係にゃ。簡単にいうと、AがBを直接支配せず、Aを
支配するすべての節点がBを支配する時、AはBをc-commandする、というにゃ。
別の言い方をすると、Aは派生において自分が結合した相手の中に含まれるすべての
要素をc-command するにゃ。で、AがBを一方的にc-commandし、BがCを一方的に
c-commandするなら、Aから見てBがCより近いし、Cから見てBがAより近いにゃ。
線状性が重要であるように見えるのは、線状性自体がこのc-commandによって
定義されるからにゃ。一般にA がBをc-commandしてれば音形化されたときAはB
に先行するにゃ。
人間言語が線状性より階層性を尊重することは、例えば
A man who is-1 poor is-2 happy.
を疑問文にする時、
 Is-2 a man who is-1 poor happy? / *Is-1 a man who poor is-2 happy?
とis-1ではなくis-2を繰り上げることからも例証されるにゃ。にゃに? is-2が
主節動詞だから当たり前だろ、ってかにゃ? それこそが階層性ということにゃ。
もし火星人の言語だったら、とにかく線形順序で最初に出てきた動詞を繰り上げるかも
知れないが、人間言語はそうなってない、という話しにゃ。
もうひとつの例は照応語の先行詞決定にゃ。
 太郎が自分が犯人だと認めた。 / *自分が太郎が犯人だと認めた。
これだけだと、先行詞が先に出て、「自分」はその後に出なければならないという
線状性の条件があるようにみえるにゃ。しかし
 自分が犯人であることが太郎を悩ませた。
では線状性条件は守られていないのにOKにゃ。
198(´∀`):01/10/08 01:45
>>195
ようやく>>1氏の最初の関心に戻りそうで、内心ホッとするにゃ。
>最初に鳴きだした個体が成功した
敵がきたときにそれを鳴き声で仲間に知らせる鳥の自己犠牲的利他行動がよく
議論されるにゃ。鳴かずに黙ってれば自分は助かるかもしれにゃいのに、どうして
わざわざ目立って敵に発見されたがるにゃ? 利己的遺伝子は、還元的なところが
俺も好きだけど、こういう個々のケースについてなんでも話しをでっち上げられるから
困るにゃ。これはドーキンズ本人より、それを悪用してる連中の責任だけど、にゃ。
で、たとえば敵が空から来るのか、陸から来るのかで鳴き声が違うという話しも
よく聞くにゃ。これは擬人化すれば自然世界を空と陸に下位区分し範疇化して認識
していることになるにゃ。こういったあたりから、だれか動物と人間の言語能力の
連続性について語ってみてくれにゃー。
199名無しゲノムのクローンさん:01/10/08 02:36
>>198
>敵がきたときにそれを鳴き声で仲間に知らせる鳥の自己犠牲的利他行動がよく
>議論されるにゃ。
これはその鳥の生態をひっくるめて計算して得られる包括的適応度で
よく説明されますけど、説明のアルゴリズムを忘れたのでそれは本に
任せるとして、そもそもその鳥は仲間に知らせようとして鳴くのか、敵を
見て思わず鳴いてしまうのか、どちらだと思います? 思わず鳴いたと
しても、それが味方に身を隠させるなどの利点、包括適応度を高める
効果があれば進化する可能性がありますよね。後者なら言語とは呼べない
ですよね?
敵が空から来た場合と地上から来た場合で鳴き声が違う話も、認識している
可能性もあるし、単に鳥が上を向いている時と下を向いている時では鳴管の
開き具合が違うので音が変化するだけかも知れない。
このように、言語機能を考えた場合、そこに伝えようとする意図がある
のか、また認識しているのかという問題が常につきまとう。したがって
言語能力より先に意図や認識を問題にせざるを得ないんだが、そこで
認識はともかく、意図を心理学の文脈で語るともめるんだよねー、
絶望するくらい。
200名無しゲノムのクローンさん:01/10/08 02:37
まだ起きてるんだ?
オレとあんたと、あと何人いるんだろう。
201名無しゲノムのクローンさん:01/10/08 02:42
わたしゃ、仕事中・・・
20211:01/10/08 02:43
199は私、11ね
203名無しゲノムのクローンさん:01/10/08 03:01
204real 1:01/10/08 14:42
こんなに続くとは思いませんでした。実質、ほんの数人で
まわしていたスレだと思いますし、生物学を本職とされている
方の書き込みは少なかったように思いますが、文系、理系という
縦割りを超えて、こういう学際的なスレが増えて行けばいいなと
思います。日本ではまだまだinterdiciplinaryというのはかけ声
止まりのような気がしますが、こういう自由な掲示板ですら
そういう空気がかなり強い気がしますし、少し憂れうるところです。
205虚無好き:01/10/08 16:25
にゃにゃ。まだ続けるとこまで続けるにゃ。いくにゃ。

>このように、言語機能を考えた場合、そこに伝えようとする意図がある
>のか、また認識しているのかという問題が常につきまとう。したがって
>言語能力より先に意図や認識を問題にせざるを得ないんだが、そこで
>認識はともかく、意図を心理学の文脈で語るともめるんだよねー、
>絶望するくらい。
だいたいアメリカの言語学は、めんどうな心理主義はすてちゃうにゃ。
チョムスキーは、言語知識の心的実在を主張したけど、発話意図なんてのは最初から
自然科学の文脈にのらないものとして、かえりみてないにゃ。
そして言語の機能も、構造解析には無関係とされてるにゃ。
むりやり生物学の比喩を使えば、ある動物は爪を、あるものは牙を、
あるものは角を攻撃に使うからといって、解剖学的に同じカテゴリーにいれるようなもんにゃ。
で、生成文法のいう言語構造とは、あの「にゃっほー」とかいって登場した、
ふにゃら顔が目印の先生が直接例示してくれたものだにゃ。
11先生のいう言語構造とは、さらにメタレベルにあるようにみえるにゃ。
もしそれが記述不可能なものであれば、完全に議論はすれちがっているにゃ。
勝利宣言の根拠もわたしにはわからないにゃ。
まず11先生が向き合わなければならないのは、「素朴普遍論」という批判にゃ。
これは突然哲学にめざめた物理学者がおちいりがちなものにゃ。
コペンハーゲン学派とかにゃ。
いや、それを曲解するひとたちが悪いのかにゃ?
不完全性定理の人文科学的おおさわぎもそうにゃ。
とりあえず、もう少し勝利宣言の内実について知りたいにゃ。

ちなみにわたしは、言語学プロパーの人間ではないにゃ。わかってると思うけどにゃ。
あの「にゃっほー」とかいって登場した、ふにゃら顔が目印の先生が一流シェフだとすると、
わたしはコンビニでおでんをつついている店員に相当するのにゃ。
206名無しゲノムのクローンさん:01/10/08 17:11
ーーーっかぁぁぁぁぁぁぁっこいぃぃぃぃぃぃ
.
.
.
.

.
.
.
.

.
.
.
.
つもり?
207虚無好き:01/10/08 18:09
そのとぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


りにゃ。
文句あっか?
20811:01/10/08 18:54
>>205
>だいたいアメリカの言語学は、めんどうな心理主義はすてちゃうにゃ。
>チョムスキーは、言語知識の心的実在を主張したけど、発話意図なんてのは最初から
>自然科学の文脈にのらないものとして、かえりみてないにゃ。
>そして言語の機能も、構造解析には無関係とされてるにゃ。
かも知れません。しかし、これは20世紀中葉の心理学の憂うべき歴史とも関連して
いると思われる。
私自身は脳の機能に対する関心というのが根本にあって、その関心から言語学や
心理学、認知科学も少しかじってみたというところです。
「宇宙に普遍的な文法」というのは現在のところは立場の相違としか言いようがない。
これは言語学や脳科学がもう少し進歩した後に、もう一度振り返って検討することに
なるのではないか、しか今は言いようがありません。勝利宣言なんてものではなく、私は
個別の人間言語の普遍性ではなく、もっと広い意味で普遍性を見ているということを
言いたかっただけ。

個人的な関心を述べると、私は本気で脳による意図の発現を研究できたらと考えて
います。この点に関しては言語学よりむしろ、分子生物の15先生その他の生物学の
先生のお考えを知りたい。
209名無しゲノムのクローンさん:01/10/08 18:59
>>207
大変よろしい。が、>>206はちょっといやみかも。
210国語@言語学板:01/10/08 19:19
最近、言語学板とともにここも覗いてます。
>208 の最後の3行が話題として続いてゆくなら、
「意図」は「意思」とは別物?(意識と言ってしまうと心理へ行ってしまうのかな?)
脳のない生物の行動には「意図」という概念を設定することはできない?
といった辺りから始めていただけると素人には嬉しいのですが。
21111:01/10/08 20:40
>>210
意図、意思、企図などは日本語では微妙に意味合いが違うのかも
知れませんが、私は"intention"を念頭に書いています。
先に問題になった「恣意的」というのも、私は"arbitrary"が念頭に
ありました。平たく言えば、do as you likeですよね。

で、まぁ今は高等生物のみを考えるとして、脳の構造を見るとだいたい
後ろ側は感覚(入力情報)の処理を担当する皮質、前方は運動(出力)を
司る領域になっているのに気がつくと思います。そして、意図らしいもの、
行動の実行計画(出力を命令すること)は前頭葉で行われているという
のが現在の大部分の脳科学者の考えではないかと思います。しかし、
ここで「機械の中の幽霊」に代表される有名な批判がある。この批判に
脳科学はどう応えるのか・・・

(この批判に応えるため、私自身はひそかにある仮説を持っています。
この仮説に従うと脳のない生物の「意図的と思われる行動」さえ説明
できると考えているのですが、その仮説にまで言及することになるか
どうかはここでの議論の発展にかかっています。)
21211:01/10/08 20:55
>>210
意図、意思、企図などは日本語では微妙に意味合いが違うのかも
知れませんが、私は"intention"を念頭に書いています。
先に問題になった「恣意的」というのも、私は"arbitrary"が念頭に
ありました。平たく言えば、do as you likeですよね。

で、まぁ今は高等生物のみを考えるとして、脳の構造を見るとだいたい
後ろ側は感覚(入力情報)の処理を担当する皮質、前方は運動(出力)を
司る領域になっているのに気がつくと思います。そして、意図らしいもの、
行動の実行計画(出力を命令すること)は前頭葉で行われているという
のが現在の大部分の脳科学者の考えではないかと思います。しかし、
ここで「機械の中の幽霊」に代表される有名な批判がある。この批判に
脳科学はどう応えるのか・・・

(この批判に応えるため、私自身はひそかにある仮説を持っています。
この仮説に従うと脳のない生物の「意図的と思われる行動」さえ説明
できると考えているのですが、その仮説にまで言及することになるか
どうかはここでの議論の発展にかかっています。いきなり書いて、心理
学板で起こったような混乱に陥りたくないのです)
21311:01/10/08 20:58
あれれ、なんか2ちゃんねるがおかしい。。。二重投稿になってすみません。
214名無しゲノムのクローンさん:01/10/08 23:04
>「意図」は「意思」は別?
分けることは可能です。例えば、悪ガキがガラスを割ろうとして
石を投げるとします。腕を振って石を放すまでは彼の「意志」
ですが、ガラスが割れるのは彼の「意図」です。もちろん両者は
overlapもしています(します)が。
215国語@言語学板:01/10/09 00:00
レスありがとうございます。>11様、214様
用語にこだわるつもりはないのでintentionでOKです。(でも「意志」はwillかな……と)

>この仮説に従うと脳のない生物の「意図的と思われる行動」さえ説明できる
興味津々です。高等な動物の「意思」も、意思や意図といったものからは一見縁遠く、
しかも既に多くの生物で観察されている比較的単純な行動原理の組み合わせのような
もので説明可能になってしまう仮説なのかな、などと想像してみました。
21611:01/10/09 00:11
>>215
まず、どういう行動を見た時に、その行動を示した個体は意図をもって行動した
と思いますか?

すでに見たように、敵が来た時に鳴いて味方に知らせようとしていると思われる
行動を示す鳥は一概に意図をもって行動したとは言えませんよね。
217虚無好き:01/10/09 03:59
>既に多くの生物で観察されている比較的単純な行動原理の組み合わせのような
>もので説明可能になってしまう仮説なのかな、などと想像してみました
にゃにゃ。なんとなくここには人間中心主義のにおいがするにゃ。
言下に否定しないけど、
むしろ、非常に「下等」な生物が
じつに合理的でシステマティックな行動を獲得していることもみるべきにゃ。
昆虫の社会行動やら、他の生物との共生などについてみていると、
一般に脳の発達が、行動の複雑性の必要条件であるという見解を否定するように思われるにゃ。
ヒトは合目的的な生活環境を「創造」することで、行動じたいは単調になったとさえいえるにゃ。
ま、↑には循環があるけどにゃ。

わたし的には人間中心主義は、ダメダメなのにゃ。
なおこれは、科学の認識論について述べたもので、エコロジーとは無関係にゃ。
念のため。にゃ。
218虚無好き:01/10/09 04:02
にゃにゃ?国語の先生もこっち来たのかにゃ?
ども失礼しました。にゃ。
219名無しゲノムのクローンさん:01/10/09 04:13
キミの活動時間って…

.
220虚無好き:01/10/09 04:19
顔が目印の先生は、撤収しちゃたのかにゃ?
c-commandについてご教授いただいたのは恐縮にゃ。
言語学板にも
「わたしがチョムスキーだ。なんでも質問しなさい」
みたいなスレが立ってくれるといいのににゃ…
要するにc-commandと局所性の条件の関係がこんがらがるにゃ。
樹系図が出せないので、右側の枝だけが分岐する系列を考えてにゃ。

第1項 R
第2項 L,R
第3項 φ/LR,RR
第4項 φ/φ/LRR,RRR
第5項 φ/φ/φ/LRRR,RRRR

ここで、LがLRをc-commandし、LRがLRRをc-cmmandするとして、
LがLRRをc-commandしてはいけないのはなぜなのかにゃ?
わけわかんなかったらスマソ…
221虚無好き:01/10/09 04:21
>>219
わたしは、量子的といわれてるにゃ。
気にしないように。にゃ。
22211:01/10/09 04:31
>>217
ご心配には及びません(笑 私の考えている仮説は国語先生の
おっしゃるものとはまったく違いますし、人間中心主義とも縁の
ないものです。行動よりむしろ神経細胞の活動で説明するものです。

下等な生物といえども、その身体構造も含めて時間をかけて進化して
きたものであり、実に合理的で環境に適応しているのです。しかし、
神経系(脳)の複雑さと行動の複雑さが相関していないというお説には
同意しかねますが。行動が単調に見えるというのは行動の組織化とも
関連するかも知れませんね。

虚無好き先生はどういう行動を見た時に、背後に意図があると感じますか?
223(´∀`):01/10/09 05:29
にゃー、ちょっと体調不良でずっと寝てたにゃー

>>199
面白い話しだにゃ。
>敵を見て思わず鳴いてしまう
>単に鳥が上を向いている時と下を向いている時では鳴管の開き具合が違う
これは系統発生のレベルの話しだと思うにゃ。そうやって最初は偶然に支配されていた
行動が徐々に生得的本能に変化するというシナリオはだめかにゃ。
それから敵を見て最初に鳴くことが、敵に発見される可能性を高めるとしたら、
そのような行動はむしろ淘汰されてしまわないのかにゃ? 逆説的に、騒ぎたてることで
他の仲間も一斉に逃げ出すから、敵の目をそっちにそらしといて自分は逃げるという
利己的戦略かも知れにゃい……(うそばっか)

>「宇宙に普遍的な文法」
しかしそのような普遍性を人間が発見するとして、それはやはり人間の認知パタンや
言語構造というフィルターを通してしか見えないものだと思うにゃ。人間言語の普遍性を
宇宙に投影しているだけというか……。早い話、自然が階層構造を持っているという
アイデア自体(思弁としての原子論)、言語の階層性とのアナロジーだったと思うにゃ。

>行動よりむしろ神経細胞の活動で説明するものです
マイクロチューブルとかかにゃ?(w
言語とのアナロジーということでは、免疫系も面白いと思うにゃ。
224(´∀`):01/10/09 05:43
>>220
言語学板のロゴ・スレにtreeを上手に書いてる人がいるにゃ。
テキトーにコピペして使うにゃ。
では、また寝るにゃ
22511:01/10/09 06:23
>>223
実は私は>>199辺りから意図的に話題を「意図」にもってこようと画策している
んですけどね(笑 この辺りは背後に「意図」があるとしか考えられない行動を
これから抽出するための前戯みたいなもんです。

>これは系統発生のレベルの話しだと思うにゃ。そうやって最初は偶然に支配されていた
>行動が徐々に生得的本能に変化するというシナリオはだめかにゃ。
用いられている言葉がちょっと気にくわないけれども、要はそういうことですよ。
敵を見て鳴いた理由は分からなくても、とにかくその個体が子孫を残して増えたら、
つまりその行動に包括的適応度を高める利点があるなら、その行動傾向をもたらす
遺伝子がその集団に増えるでしょ。これが進化です。

>それから敵を見て最初に鳴くことが、敵に発見される可能性を高めるとしたら、
>そのような行動はむしろ淘汰されてしまわないのかにゃ?
いや、現に淘汰されずにいろんな鳥でそういう行動が見られる以上、敵に発見される
可能性を高めるという不利を凌駕する利点があるはずだと考えるのです。

>しかしそのような普遍性を人間が発見するとして、それはやはり人間の認知パタンや
>言語構造というフィルターを通してしか見えないものだと思うにゃ。
いや、それを人間は発見できないと考えるのです(爆) 人間の認知パタンや
言語構造というフィルターというのは要するに人間の脳の能力の限界を示している。
だから発見できない。しかしそれでも宇宙に普遍的な文法は存在するはずだと。
・・・これでは観念論ですね・・・
いやいや、言語学の先生はそれを発見するのです。そして、それと人間言語の普遍
文法との違いを見つけだす。その違いこそが生得的だ、と考えているのです。
おかしいかなー。
226虚無好き:01/10/09 06:50
(´∀`)先生、メロンパンは30個までにしとくにゃ…
c-commandはもう諦めたにゃ。

>神経系(脳)の複雑さと行動の複雑さが
むにゃ。複雑さを予測可能性とみれば、たしかにそうにゃ。
仔猫はひとりあそびをするにゃ。予測不可能だにゃあ。
合理的で且つ、なんたらかんたらとは、たとえばある種のハチが、
宿主となる別のムシの幼虫に産卵するとき、
外科手術を思わせるような巧妙な段取りで麻酔注射をするというような話にゃ。
皆さんご存知だと思うけどにゃ。
わたしの興味は、このような本能行動がいかに生じたかもさることながら、
どのようなかたちで個体に内在化されてるかだにゃ。
これはあきらかにたんなる環境への適応ではないにゃ。
この問いに関しては、脳のでっかさはあんまり関係ないような気がするにゃ。
どうなのかにゃ?

さあ、ニュー速、もといタリ板にいって暴れるにゃ。戦争にゃ!
227虚無好き:01/10/09 07:08
>複雑さを予測可能性とみれば
複雑さを予測不可能性とみれば

さあ、サヨ攻撃にゃ!
>>226
>これはあきらかにたんなる環境への適応ではないにゃ。
理由や過程が理解できないからといって否定するのは短絡的。
共生による驚くべきドラマが過去にあったと見るのが一般的な見解。
聞くに値する新説があるのなら別だけど・・。
22911:01/10/09 17:50
>>226
予想通りの反論を返してくれましたね(笑
もちろん、そのハチの一見複雑そうに見える行動が個体内に内在されているかは
極めて興味深い研究対象だけれども、いずれにしても神経ネットワークの系列的
活動がそのような行動を生むという説明に落ち着くだろうということは予想できます。
ところで、そのハチの行動は極めて固く融通の利かないものなんですね。(この辺、
ミツバチの8の字ダンスの話は融通性がありそうで、あまりにうまくできすぎて
いるのでかえって私は懐疑的になっているのですが。というか、ほんとは昆虫は
実にうまくできている。大部分が固い融通の利かないものだとしても)
もちろん、このハチの行動は融通の利かないものだとしても、普通の環境では
うまくいくようになっている。これがつまり適応しているということを指す。
その経緯については>>228のおっしゃるとおり。

ところが一方、我々の行動は足を歩くためにも、ボールを蹴るためにも、跳躍する
ためにも、高いところに登るためにも用いることができるという具合に融通に
富んだものなんですよ。この融通性は複雑な神経系によって可能になっているのです。

複雑さを予測不可能性と考えれば、まさに融通性はそれに当てはまるでしょ(融通が
利かない方が予測が容易であり、したがって単純)。
230虚無好き:01/10/10 00:53
こっちの反論予想はみごとにはずれたにゃ。
わたしの発言は、じつは「女心はフクザツだ」ていどの、
通俗的な意味しかもってないにゃ。あるいは確率の話にふれば、
予測可能性と、事象の発生システムの複雑さとは何の関連もないにゃ。
結局は、サイコロの目の予測不可能性を考えればすむことにゃ。
通俗的には、複雑さと予想困難性は混同されてるにゃ。
秋の気象(秋の空)もだにゃ。

わたしは、なにげに先生の、脳のない生物の「意図的と思われる行動」に
水を向けるつもりだったんだけど、
なかなかうまくいかないにゃ。
行動をなんにせよ、神経システムに還元しようとすれば、
自由意志の存在と決定論の、古典的な対立は平行線のままにゃ。
うえの議論をみるかぎりでは、いくらヒトの創発性を論じようと、
どうも古典的な決定論におちつきそうにゃ。
そしてふたたび「意図」とはなんなのかにゃ?
それはあるいみ「自由」を含意しなければ、革新的問題設定とは思えないにゃ。
ちがうかにゃ?
231国語:01/10/10 01:30
>230 ちがわないです、おそらく。
あることを「図る」には、その主体に複数の選択肢と決定権という二つの要素が
与えられねばならない、とは言ってよいものでしょうか。

時々考える事があります。
サンゴがグレートバリアリーフを作るのと、人間が万里の長城を築くのと
どれほどの違いがあるのだろう……
てな事です。前者は生物学関係で、後者は人類学+社会学+工学+…etc.
総動員で説明するのが筋なのでしょうけれど、ある種の高みに立ったら、
全く同じ原理の帰結としてわりかし単純に説明できてしまうようなことは
ないのだろうか、などと思う事もあるのです。

(強引に話を戻すと)
サンゴにはサンゴ礁形成の意図はあるのでしょうか。庶民の感覚では普通
「意図」などという言葉とともには語りません。
万里の長城は、普通に、人間が何かを意図してそれが実現された結果だと
考えることができるものです。が、ヒトという生物が集団で物質を移動し
てある種の構造物を作ったという点では、珊瑚礁とそれほどの差はないか
も知れない。現代の超高層ビル群だってそうです。アリ塚とどれほどの差
があるというのか。
23211:01/10/10 02:00
>>230
なるほど。
>自由意志の存在と決定論の、古典的な対立は平行線のままにゃ。
>うえの議論をみるかぎりでは、いくらヒトの創発性を論じようと、
>どうも古典的な決定論におちつきそうにゃ。
私もなにも素粒子論まで降りて決定論は破綻しているとまで言う気はありません。
基本的に決定論です。しかし、まだ手の内は明かせません(笑 そんなにこたえて
いないよ、とだけ申し上げておきます(笑

>>231
>あることを「図る」には、その主体に複数の選択肢と決定権という二つの要素が
>与えられねばならない、とは言ってよいものでしょうか。
これは面白い。「背後に意図があると思われる行動」を考えた場合、非常に重要な
ことですね。で、先生は言ってもよいとお考えなのですか?
珊瑚礁形成に意図はあるか。うーむ。ではその前に、地球ではさまざまな地殻変動や
マグマの対流の結果、多くの山々が形成されました。これは宇宙や地球の意図による
ものなのでしょうか?

どうも意図は生命現象と深い関係がありそうですよね。
23312:01/10/10 11:51
恥ずかしながら、復活です
さて、自然現象と意図による構築物のお話。
そりゃーそうなんだけど、どっかに境界線を引かなくちゃいけない。
そこで、その境界線を生物的な学習があるかないかを境界線に考えるのはどうでしょう。
ご存知のように、ある一定のレベルの生物は、学習がなければ種としての機能を
発現できませんし、種の生態も維持できません。
シンプルな物では、鳥類がはじめてみた物を刷り込みで親と認識するお話。
人間レベルでは、言語の発生(クリティカルポイント有り)。
そして、ミームも含みます。
この分類からすると、蟻塚は微妙なところ、
高層ビル群は、意図による構築物ということになります。
23411:01/10/10 17:02
学習ですか・・・うーん
話が広がりすぎて収拾がつかなくなる前に、やっぱり一種の決めつけ、定義づけ
を行わなければならないようですね。
珊瑚礁の発達についてはよくご存じでしょうけど、簡単に復習すると珊瑚を形成
するのはサンゴチュウという動物なわけですが、この動物が活動するするためには
水と光が必要なんですね。だから、海のあまり深いところでは生存できない。珊瑚
礁はその大部分がサンゴチュウの死骸であって、それが生きているのは海面付近の
部分でしかないわけです。珊瑚の形成はダーウィンの唱えた沈降説で説明されます
が、海底が徐々に沈降することによりサンゴチュウは深くなったところでは生きて
いけないので必然的に浅い海面に生存の場を移していく。それで結果的に珊瑚礁が
形成された。つまり珊瑚礁はサンゴチュウの行う必然的な生命活動に伴って形成された
ものなので、こういうのは意図的な行動とは呼ばない。高層ビルはなくてもヒトは
生存できるので、高層ビルの建築はヒトの必然的な生命活動ではない。だから高層
ビルの建築は意図的では「ない」行動には当てはまらない。ただし、現時点では
それが意図的な行動である、とも断言しないでおきます。
蟻塚はアリが地中に巣を作る過程で土を掘り出すことによってできた塊である。アリは
巣が完成した後は蟻塚にはいっさい寄りつかない。要するに蟻塚は一種の排泄物で
ある。このように、その生物の必然的な活動に付随してできた構築物であって、その
生物にはまったく必要のない構築物の構築は意図的な行動ではない。高層ビルは
そうではありませんね。
まとめると、
1.ある動物の必然的な生命活動の結果として生み出される構造物の構築は意図的な行動
ではない。
2.ある動物の必然的な生命活動に付随して生み出される構造物で、その生物にとって
必要のない構造物の構築は意図的な行動ではない。
だから、これ以降、上の定義に当てはまる行動は扱いません。また、意図的な行動は
動物自身の行動であるので、それに当てはまらないミームも排除します。
さて、では上記の定義を念頭に、意図的な行動に必ず存在すると思われる性質、
意図的な行動の特質を考えてください。
235国語:01/10/10 21:11
私自身は超高層ビル「群」を「意図」というもので説明し切ることに躊躇します。
一つ一つのビルは、オーナー?の意図が働いた構造物だといえるのですが、例えばNYのスカイスクレイパー、
あの壮観すべてを一つのモノと見立てた場合においては、いかがなものでしょうか。
アリ塚との対比も、そんな意味あいで漠然と考えたりしました。

なんと言えばよいか、……
ターミネーターが未来から人殺しにやってきた映画で、ターミネーターは目的を達成するため、人間社会の
中で、小さなレベルにおいては意図的と説明できる行動を繰り返しながら主人公を的確に追い詰めます。
ところが終盤において、体をぼろくそにしつつも前へ前へと進む銀色の彼の姿は、結局大きなレベルに
おいて彼には、行動上の自己決定権が全くないことを示しているのですね。彼自身は「やめる」ことを選択
することができない。そもそも彼が殺人を「意図」していたといえるでしょうか?

・何らかのプログラムに基づく決定的活動
・主体自身の推論と目的設定に基づく自律的活動
人間など高等な生物に関しては、上記の二種類の活動は、前者から後者へ進化するといった単純な流れで
捉えるべきではなく、重層的に積み重なった姿で現れるもののような気がします。
23611:01/10/10 21:54
>>235
 すみません。高層ビルは非常に高度な技術と多くの人間の共同作業によって
構築されるものなので、問題が複雑になりすぎます。今は脇にどけておいて
ください。動物一個体の行動で考えてください。

 ターミネーターはその映画を観ておりませんのでよく分かりません、シクシク。
が、
>結局大きなレベルにおいて彼には、行動上の自己決定権が全くないことを
>示している
この辺、分かりやすく説明してください。お願いします。

>・何らかのプログラムに基づく決定的活動
>・主体自身の推論と目的設定に基づく自律的活動
>人間など高等な生物に関しては、上記の二種類の活動は、前者から後者へ進化するといった単純な流れで
>捉えるべきではなく、重層的に積み重なった姿で現れるもののような気がします。
人間ではそうかも知れません。しかし、物事を科学的に追究する際はなるべく単純な
もので考えるというのが有効です。重層構造はまだ難しいので、まず、決定や推論、
自律的な活動を行うためには、生体は最初にどのような能力が必要でしょうか?
237国語:01/10/10 23:43
「ターミネーター」は、ある人物を抹殺するようプログラムされた人造人間?です。
だから彼の全行動は、彼自身からは決して中止することができないその目的を達成
するためのプロセスといえますし、実際、身体が半裂きになってもその人物を襲おう
とギシギシ動いていました。そこには「意図」の面影は全くありません。
A.シュワルツェネガーが演じていました。 というわけで、
アナロジーにもならない喩え話(いわばネタ)なのでお忘れ下さい。

>生体は最初にどのような能力が必要でしょうか?
理屈をこねればまことしやかな話もひねりだせましょうが、思弁的に急いで試案を
出してしまうより、皆様の挙げて下さる境界線的な実例をもう少し知りたい感じです。
下等側と高等側と両方から攻めていって、特異点をあぶり出しましょう。
238虚無好き:01/10/11 08:25
あんまり時間ないけど、いうにゃ。
>・何らかのプログラムに基づく決定的活動
>・主体自身の推論と目的設定に基づく自律的活動
この二本立ての議論は、問題含みにゃ。
先生なら、どんな初歩的なプロラムも、アルゴリズム上で条件にもとづいた
自律的な決定を行っていることをご存知のはずにゃ。
もちろん目的ももっているにゃ。
生体がプログラムにもとづいて行動しているとすれば、
それはすくなくともからくり人形ではないという解釈もできるにゃ。
すべては「主体」ということばの有効性にかかっているにゃ。
にゃにゃにゃ。
とりあえずおわりにゃ。
23911:01/10/11 13:12
どうも当初は言語能力の方に傾きすぎたせいか、肝心の生物学の専門家が撤退して
しまったように見えるのが残念ですが。。。

>>237
まだ内容は明かせませんが、私はその特異点に関して確たる案をもっており、この案は
虚無好き先生の幾多の批判にもかかわらず、その批判をうまくかわしていると感じて
います。しかし、その案の有効性をもっと広く検証するため、私の方こそ例がほしい
と感じています。一人で考えられる例は限られていますので。

一応確認しておきたいのですが、「何らかのプログラムに基づく決定的活動」の決定的
活動というのは決定論的活動ではなく、意思決定を行う活動という意味ですよね?

>>238
プログラムと聞くと、私はたとえばボールを蹴る場合であれば、そのために筋肉を
系統的に動かすための一連の命令群と解釈します。この命令群によってボールを蹴ると
いう動作が組織化されている。したがって、成熟した個体であれば今までの学習によって
さまざまな命令群=プログラムを獲得している。ボールを蹴るのも車を運転するのも皆、
そのための個別のプログラムを駆動している。問題は、すでに準備されたこのような
多数のプログラムの中からどれを選んで駆動するよう命令を与えるかであり、この活動が
一般に「意図」と呼ばれている。(この場合、プログラムの中にすでに目的が埋め
込まれていると考える(そのプログラム自体がボールを蹴ることを目的としたプログラムである、
という具合に)。したがって、ひとつのプログラムを選択すること自体が目的を
設定していることになる。)

それから意図的な行動を行う際は、必ずしも先に推論が行われるわけではない。車を
加速するためにアクセルを踏む、これは多数のプログラムの中からアクセルを踏むと
いうプログラムを選んで駆動させるという意図的行動。推論はむしろアクセルを踏んでも
思うように加速されなかった場合にこそ行われる。というわけで、推論は意図的な
行動に必要な要素ではない。

意図というのはまず最初に主体が行う能動的な、または自発的な活動である、と
いうことが見えてきませんか?
と、ここまでいうと答えを半分言ってしまったことになるのですが・・・
240虚無好き:01/10/12 10:40
むにゃむにゃ。
ふつうプログラムは、条件分岐して命令を遂行し、
目的が達成されたかどうかまで自己管理してるにゃ。
その意味では、たんなるシステム化された命令群ではないにゃ。この比喩は混乱するにゃ。
>意図というのはまず最初に主体が行う能動的な、または自発的な活動である、と
>いうことが見えてきませんか?

見えてこないにゃー。
まず最初にというのが、第一義的にということなのか、時間的先行をいうのかわからんにゃ。
自発的は、なんにせよ因果律の断絶を意味するとしかよめないにゃー。
能動的は多義的でわからないにゃ。
たとえば、感覚=受動的、運動=能動的では単純すぎるにゃ。
意図はけっきょく、活動のひとつなにかにゃ?このテーゼは
意図的な活動というのはまず最初に主体が行う能動的な、または自発的な活動である
のまちがいではないかにゃ?にゃにゃにゃ。

推理小説のような展開になったにゃ。
ま、いいにゃ。おやすみにゃ。ZZZ…
24111:01/10/12 18:25
>>240
>ふつうプログラムは、条件分岐して命令を遂行し、
>目的が達成されたかどうかまで自己管理してるにゃ。
>その意味では、たんなるシステム化された命令群ではないにゃ。この比喩は混乱するにゃ。
うんと、これはですね、たとえばボールを蹴るプログラムの習得時を考えるとまず
勢いをつけるために蹴る足を後ろに上げますね。そのとき軸足の緊張や身体のバランスと
いった感覚情報が入力されますね。我々はこのフィードバック情報を常に監視しているわけです。
後ろに上げた足を蹴り出す時もずっとこのフィードバック情報を監視しながら動作を行い、
そのプログラムの目的であるボールの蹴りがうまくいったかどうか、つまり目的が
達成されたかどうかまで監視し続けるわけでしょう。で、もちろん監視している情報が
異常を示したら一からやり直す。こうやって我々はプログラムを習得していき、
習得が完了した時はなめらかな動作を獲得する。習得時にはこのフィードバック
情報の監視に脳の情報処理資源が多く消費されるが、習得が完了した時にはこの資源の
消費が節約され、言い換えれば無意識に処理できるようになる。動作の自動化ですね。
しかしフィードバック情報の監視は怠っていないはず。だからこそアクセルを踏み
込んだ時に加速されないとあれ?と思うわけでしょう。
このフィードバック情報の監視も含めてプログラムされていると考えるわけです。

なぜ「自発性」を重要視するかというと、我々は常に刺激に反応して行動する、
言い換えれば常に刺激が先行するとする刺激反応理論が取り入る隙を与えない、
という意図があるのです。刺激反応理論は生体側のもつ要因をまったく考慮しません
から、こんな理論に「意図」の研究が蹂躙されることがあってはならない(笑
というわけです。
それで、動物が自発的な行動を起こす時は何が起こっているかを考えることになるのです。
24211:01/10/12 22:01
Intentional behavior is activities originated in an organism itself.
意図的な行動は有機体それ自体に起源を有する活動である。

Although stimulus can induce intentional behavior, the behavior is
spontaneously initiated by the organism.
刺激は意図的な行動の端緒になりえるが、行動自体は有機体が自発的に発動する。

ごちゃごちゃしたので、まとめるとこうなるのではないか、と。
243国語:01/10/13 00:44
思うに「自律的」と「自発的」と「意図的」との間には、それぞれだいぶ距離が
ありそうです。他者から与えられたプログラムに従って、メッセージに対する
イベント処理をするだけでも、スタンスによっては確かにそれを「自律的な活動」
と呼んで構わないでしょう。
プログラムを自分にLoadするのでなく、自分をCodingする所までいかないと、
意図的行動の喩えになりずらい感じです。ですから、

>239
>それから意図的な行動を行う際は、必ずしも先に推論が行われるわけではない。
>車を加速するためにアクセルを踏む、これは多数のプログラムの中からアクセル
>を踏むというプログラムを選んで駆動させるという意図的行動。

私がべたべたの文系人間だからでしょうか、
「黄色信号だ」-A->「急いで通過する」-B->「加速する」-C->「アクセルを踏む」
において「意図」が問題になるのは -A-> までで、「止まる」「赤になっても無視
して通過」など複数の選択肢の中から「急いで通過」を選べる(他の肢を選んでも
よい)という「自由」が、「意図」という言葉を許す下地であるように思えます。
「急いで通過するために加速する」「加速するためにアクセルを踏む」は、通常の
運転行為に関して言えば(運転技能の習得後は)すでに反射的活動の域であって、
「意図的」といいずらい……

>推論はむしろアクセルを踏んでも思うように加速されなかった場合にこそ行われる。
>というわけで、推論は意図的な行動に必要な要素ではない。
上記「黄色信号」をどうやりすごすか決定するには、それぞれの選択肢を選んだ
際の結果について予測し、比較検討する能力が必要。

ニンゲンが「腹が減ったので狩りをする」のは意図的行動?
チーターが「腹が減ったので狩りをする」のは意図的行動?
象の花子が「腹が減ったので芸をしてみせる」のは意図的行動?
カラスが「クルミを割りたいので自動車の行き交う道路に落とす」のは意図的行動?
24411:01/10/13 00:55
>自分をCodingする所までいかないと、意図的行動の喩えになりずらい感じです。
そう、一般に習得された運動は小脳や錐体外路と呼ばれる脳領域に
Codingされていると考えられています。

>上記「黄色信号」をどうやりすごすか決定するには、それぞれの選択肢を選んだ
>際の結果について予測し、比較検討する能力が必要。
選択肢を選んだ際の結果が>>241で述べたフィードバック情報ですね。
で、もちろんそのフィードバック情報は絶えず入力されるので、それが
期待した結果を伝えているかを常にチェックしているわけです。習得された
行動の場合はそれはほとんど意識に上ることなく行われているのです。
24511:01/10/13 01:08
腹が減った(空腹)、これは動因、動機ですね。しかし、チーターは
闇雲に狩りを始めるのではない。無限に選択肢のある方向のうち、どちらの
方向を選んで走り始めるかは何が決めているのでしょう? 獲物の匂いが
決めているというのはおかしいでしょう? では二方向から獲物の匂いが
来たらどちらを選ぶのでしょう?それはなにかが決めているのでしょう?
また、そもそも走り出す時は右足から踏み出すか、左足から踏み出すかを
決めないといけない。それは何が決めているのでしょう? これを問うて
いるのです。
age
247国語:01/10/13 22:33
私(素人)が11様に応えてしまうとさらに専門家の方の登場を妨げてしまうかな?

行動プログラムがフィードバック情報によって最適化され、ついにはカプセル化とでも
いえばいいのでしょうか、半ば自動化されることのご説明については全く異論がな
いのですが、これは、いわば学習に関する理論ですよね。
走る時どちらの足から出すかなどは、体勢(その時の重心等)・環境(傾斜等)・癖(フィード
バック等によるどちらかへの強化)などをパラメータとした一意の関数による出力として、
運動機能の、比較的低次のレベルで処理される事柄ではないのでしょうか。もちろん習熟
までには「どっちから出そうかな」といった逡巡の瞬間もあるでしょうが、その際に下さ
れる決定は、意図よりも、その場の勢いとか、ふんぎりとか、だめなら次があるさとりあ
えず、といった衝動に近い後押しによって決まることの方が多いかなあと。
モンテカルロ法みたいなもんです。違うかな?(^^;)

一方、五輪で金メダルを取るために自分だったらどちらの足から踏み出すべきか、といった
話であれば、その選択には意思または意図といったものの力が大きく働きそう。
こんな「意図」観はやはりニンゲン中心主義でしょうか……
248超文系でスマソ:01/10/14 01:14
意図があるかないかという概念にこだわること自体、科学的というより
非常に人間の文化に依存した思想的なものだと思います。
たとえば、アメーバー・虫・捕食される側の動物などは
己の意図や意志と無関係にその命を簡単に奪われます。
文化といえるような無駄なや歪みをもつほどの複雑なシステムを環境と個人が共有しないかぎり
個体は生き延びるプログラムをまっとうするだけで意図が生まれる余地はないと思います。
戦時下の人に限りなく自己の意志決定が無くなる状態に似ていると思う。
また、自然の中で一人自給自足で暮らしていたりすると
自分の意志という観念が(良い意味で)希薄になり環境の中での一体感を強く覚えるとか
文化と切り離されるだけで自分の(感覚的な)意図や自発性を疑う人も多いようです。
なぜキリスト教的なヒューマニズムのトラウマとも思える
「意図性善説」で生物を観察する必要があるのかな?
ごく単純に個体が自発し生み出す意図というのは一神教の「神」のような存在からの『評価』のように
私には思えてあまり好きな考え方ではありません。
システムの中にある自分、ループの中にある自分、それらを自覚してこそ
違うシステムに移ったり、異なるループを発見したり出来るのだと思います。

っと、長文&電波&文系でひたすらスマンです。
でも、絶対的な意図っていう考え方はこの電波レスと同じくらい
ちょいと宗教っぽい前提を元にしていると思いますよ。
24911:01/10/14 01:55
私としては>>245で精一杯具体的に、「意図」という言葉によってどういう現象を
指し、どういうメカニズムでそれが行われているかという私の関心を示したつもり
だったのですが、どうも伝わらなかったようです。ことほどさように「意図」を
科学的に研究するのは難しいのですね。思い知らされました(笑
残念ですが、この話題はいったん打ち止めにします。

しかし、動物の認知能力ということでしたら、他にもさまざまな話題があるはず
なので、またどなたか話題を提供してください。
250虚無好き:01/10/14 05:03
なんかのりおくれちゃったにゃ。
11先生がなんで性善説なのか理解不能だにゃ。
絶対的意図って言い方はこれまであったのかにゃ?
宇宙普遍文法は、結局なんだかわかんないけど、
ヘーゲルの精神現象学の目的論的な普遍的時間論か歴史観か、
そのあたりの類推をうんだのかもにゃ。
そもそも生物の意図の存在と、「自由の自覚」みたいな議論は関係ないにゃ。

いわゆる文系のひとの陥りがちな、自由/抑圧の対立項は、
「鳥かごモデル」を前提としていることが多いにゃ。
かごから放たれた小鳥は、すなわち自由にゃ。
それがあるべき姿なのか、それとも批難すべき秩序からの逸脱なのかにかかわらず、だにゃ。
それに反して、わたしは自由の数学的記述は原理的に排除されないと思ってるにゃ。
いかにそれが、権力の抑圧装置にみえようとも、だにゃ。
ま、運動の記述が、方程式であろうと放物線グラフであろうと、
実際には「運動的」ではないのとちょっと似てるかもにゃ。

で、
>違うシステムに移ったり、異なるループを発見したり出来るのだと思います。
はなんだか脱−構造主義関係の思想を思わせるにゃ。
ここを深追いすると、本当に収拾がつかなくなるにゃ。やめるにゃ。
>残念ですが、この話題はいったん打ち止めにします。
それはないにゃ…
251名無しゲノムのクローンさん:01/10/14 05:20
客観的にどのような現象がみられたら
「生物の意図」と認められるのか
このスレだけの定義でもいいから「生物の意図」の科学的条件を決めとくれ。
んじゃないと意図を魂に置き換えても議論が進みそだよん。
252虚無好き:01/10/14 05:25
とはいえ、いちおう話題はふっておくにゃ。
「をっさん」スレにでも書こうと思ってたんだけどにゃ。
わたしの唯一の身近な動物はネコだにゃ。
ネコは、飼い主の起床、というより目覚めに非常に敏感にゃ。
屋外のネコでさえ、目が醒めてしばらくじっと静かにしていても、
しばらくすると窓際に現れるにゃ。
定期的にそこに現れていたとは考えにくいにゃ。
どうもわたしの覚醒に気づいているとしか思えないにゃ。
まさか脳波を感知しているとは思えないので、
呼吸音の違いではないかと推測しているのだけどにゃ。
つまんない話だったかにゃ…

「をっさん」は、野生生物板でもがんばってるにゃ。いいキャラにゃ。
253名無しゲノムのクローンさん:01/10/14 05:58
>>251
11爺様は神経細胞の自発発火が『生物の意図の存在』と考えていらっしゃるようですよ。
http://yasai.2ch.net/test/read.cgi/psycho/1000789154/
11爺様が煽られて「去る!消える!」と怒りながらも元気なアフォーダンスpart1-2スレッドを御参考に……
25411:01/10/14 06:25
もう少しやってみますか。

>>247
>行動プログラムがフィードバック情報によって最適化され、ついにはカプセル化とでも
>いえばいいのでしょうか、半ば自動化されることのご説明については全く異論がな
>いのですが、これは、いわば学習に関する理論ですよね。
これはカプセルというより機能単位としてのモジュールと言われるもの
ではないかと思うのですが、様々な経験を積んだ成熟個体にはそういう
モジュールがたくさんあるわけです。すでに習得済みのある行動を
とる時にはそれらのモジュールの中からひとつのモジュールが選ばれて
いるのだろうと考えるのです。(学習ではありません。複数のすでに学習した
行動の中からひとつの行動を選ぶことをいっているのです)。この複数の
モジュールからひとつのモジュールを選択する、これを意図的行動と
呼ぶべきだろうと言っているのです。その選択がどういうメカニズムで
行われるかを私は問題にしたいのです。

>走る時どちらの足から出すかなどは、体勢(その時の重心等)・環境(傾斜等)・癖(フィード
>バック等によるどちらかへの強化)などをパラメータとした一意の関数による出力として、
>運動機能の、比較的低次のレベルで処理される事柄ではないのでしょうか。
先生の考えでは動物はすべて刺激によってコントロールされていることになる。
しかし、動物はそんなに素直じゃないでしょう。むしろ逆らうということを
日常的にやっている。立ち上がるというのがそもそも重力に逆らった行動。
動物を板の上においてその板を傾けると、動物は素直に落ちようとはしない、
むしろその傾斜を上ろうとする。これを癖といってはいけない。癖も
学習された行動であり、地面が傾いた時は重力に逆らって上ろうとする
行動を多くのすでに習得した行動の中から選んで発動する。

>>248氏の文章は実は何をおっしゃりたいのかよく分かりません。

>>250
宇宙に普遍的な文法が存在するかどうかに関しては、人間言語のみを
対象とした現在の言語学ではまだなにも言えないはずです。だから、
現状では立場の相違としか言いようがない。将来、もしも異星人と
コンタクトする機会があれば、そのときに答えが出るかも知れない。
今はとりあえず、自明な場合を除いて5W1Hはなんらかの情報を伝える上で
欠かすことのできない要素で、すべての言語は5W1Hをつなぎ合わせる
ための規則から構成されている、という共通の性質を持つはずだ、と
考えています。
25511:01/10/14 06:27
>>251
>>254で示しました。
25611:01/10/14 06:33
>>251
>>245では不満ですか?
25711:01/10/14 06:36
>>253
あのスレに対しては、私はあまりいい感情を持っていません。
ここまで荒らしに来ないでくださいね。
258国語:01/10/14 11:51
連休なので昼真っから来てしまいました。

>虚無家の猫 確証バイアスはカンペキですか?(^^) 猫というのはこれだから神秘的な
イメージが生まれるんですかね。我が家には犬がいて、家のものの車が入ってきても
決して吠えませんが、他人の車はかなり遠くから近づいてきても察して吠えます。でも
この程度では犬の優れた聴覚で簡単に説明できてしまいますね……(なぜ身内だと
吠えず、他人だと吠えるのか、あたりになると本スレのここ最近の話題と重なるのか)

>254の11様 アフォーダンススレPart2のぞいてきました。Part1の最初のあたりは
実はもともと読んでいたのですが、こちらと並行して話が進んでいたのですね。
>先生の考えでは動物はすべて刺激によってコントロールされていることになる。
「刺激」という語でどの範囲まで捉えるかについて、私は生物学の方々の共通理解
と知りません。私は毎朝職場に行くため、距離的には変わらない2本の通勤ルートを
使い分けます。片方が工事中であれば、もう片方を使います。途中でコンビニに寄ろう
と思った場合は、車をとめやすい左車線にコンビニのある方の道を使います。何も理由が
ない時でも、とにかくどちらかに道を選びます。
最後の「とにかく」の場合、では自分はどうやって決めているのかというと、前日車を止
めた時の傾き具合(家から右に出やすいか左に出やすいかがちょっとだけ変わる)とか、
ここ一週間の選択実績とかその日の体調とか気分とか(笑)、潜在意識のレベルで様々な
入力を思考回路に受けた結果の出力なのでしょう。気分の形成にはこれまた、健康状態、
天候、今日の仕事の予定といった多くのパラメータが関与します。私自身はたかだか通勤
ルートを選ぶ際、結果として心に浮かんだ右/左にあまり逆らうことなく発車します。
この時の私を「刺激にコントロールされている」いうことが可能であれば、私の生活の
ほとんどは、実は刺激に対する反応の域を超えないかもしれません。
259国語:01/10/14 12:24
プログラムの自律性の話が少しでましたが、PCで処理する程度のプログラムを
組むのに乱数を必要とする場合(それこそモンテカルロ法とか)で使う乱数は、
言語の関数ライブラリに用意された擬似乱数関数です。厳密にはある数式による
演算結果でしかないのですが、実際のプログラミングでは、乱数関数に任意の
初期値を与えてできるだけ本当の乱数っぽくしています。その初期値に与える
のは現在日時のシリアル値とかユーザーが実行キーを押すまでの間にループした
回数といった、プログラムのアルゴリズムの外にある要素を持ち込むことが多い
ようです。

言いたいのは、神経細胞の自然発火やそれに類するネットワーク内のノイズが
動物の行動に影響を及ぼすにしても、それは非常に重層的で複雑なシステムの中の、
限定されたモジュール内の乱数パラメータ程度の関与ではないか、ということ
なんですが。それに、私が創造主ならば、ノイズ(自然発火など)が起こった場合に
それが通常の処理に影響しない程度に吸収するエラートラップを必ず用意します。
それがないと、脳内は「不正な処理」による赤×の嵐(Winユーザーにしかわからないか)
になるような気がするのですが……
260名無しゲノムのクローンさん:01/10/14 13:18
「神経細胞の自然発火」=「生物の意図の存在」ではないんですね。
「習得済みの機能単位としてのモジュール」の選択が意図の定義ってことなのかな?
ん〜〜。「入力の無い出力の可能性」が意図だという主張では無いのか・・・選択か・・・
刺激に対して他の選択もあるのに、実行したものを選ぶのが意図だと・・・
261虚無好き:01/10/14 13:28
>5W1Hはなんらかの情報を伝える上で
>欠かすことのできない要素で、すべての言語は5W1Hをつなぎ合わせる
>ための規則から構成されている、という共通の性質を持つはずだ、と
>考えています。
これはどうも物質的還元というより、論理的還元だにゃ。
さいしょ11先生の言語観は行動主義言語学ことにブルームフィールド学派に
近いものかと思ってたけどチョトちがうにゃ。
言語学と普遍的論理学の関係は深く、
というより、文法の学としては、論理学は言語学の母体ともいえるにゃ。
にゃにゃ。言語学の歴史はいいのにゃ。
早い話、こういう方向の還元はいままで語用論的に破綻してきたにゃ。
いい例ではないけど、投身自殺した人間について、「彼はなぜ死んだのか」と問われたばあい、
「重力のせい」という答えは、真理値はTであるが、語用論的には別の解釈がなされるにゃ。
あるいは、平叙文の「わたしは人間である」は、それじしん不安の表明でもあるにゃ。
よほど人間性への深い倫理的哲学的その他SF的限界状況がなければふつうこのような言明はなされないにゃ。
いくら真理とはいえ、夕飯のとき「わたしは人間である」とは言わないにゃ。
現実の言語運用というのは、このような語用論的解釈に幅広く汚染されており、
言語がほんとうに情報伝達のためのツールかどうかに深い疑念をもたらし、
けっきょく論理学的還元が正当で有効かどうか、わけわかんなくなっちゃうにゃ。
後期ウィトゲンシュタインの転向もこのへんにわけがあるにゃ。と思うにゃ。
とはいえ、これは反論ではないにゃ。
語用論のハナシはあくまで問題提起にゃ。
はやく切り札を出すのにゃ。出せ〜出せ〜出すのにゃ〜。
262一日一禅。:01/10/14 15:50
 先程、伝書鳩が出てくるTVを観て思ったのですが、
帰巣本能とは、所謂、第六感にあるのでしょうか?
鳩や犬のような帰巣本能は人間には理解できないモノ
なのでしょうか?
263虚無好き:01/10/14 17:10
11先生へ。
切り札は、どうも宇宙人になりそうなので、出さなくていいにゃ。

一般論からいえば、個体の行動を時間軸にそって記述したばあい
実際に行動の選択があったかどうかを直接実証するのはムリにゃ。
ただし、ネコの行動を観察したかぎりでいえば、
行動の連続体は無規定な運動の非分節的集合ではなく、
有限なユニットの連鎖であることは疑えないにゃ。
わたしは、このユニット群が、
脳内のなんらかの構造にoriginateすることには賛成だにゃ。
かといって、それらがいちいち選択されたと主張すると、
物理学的因果律からの反論と、生得的な機械論からの反論が予想されるにゃ。
しかも、いまの段階では、
11先生の選択肢の規定に、ちょっと恣意的なものも感じるにゃ。
たぶん生得的行動ユニットが十分考慮されてないからじゃないかにゃ。
ある生物の個体を、ぽつんと見知らぬ空間に置き、
その次の行動の選択肢をどう規定するかは、難しい問題にゃ。
移動する方向が無限にあるという理由で、
選択肢も無限にあるとして有効な議論ができるのかにゃ?
わたしもちょと考えるにゃ。

国語の先生へ。
わたしはネコが神秘的だと思ったことは一度もないにゃ。
電極ネコが無意味に攻撃行動をとっているのを冷静に観察できる人間にゃ。
264虚無好き:01/10/14 17:16
二重カキコになる可能性があるにゃ。

11先生へ。
切り札は、どうも宇宙人になりそうなので、出さなくていいにゃ。
一般論からいえば、個体の行動を時間軸にそって記述したばあい
実際に行動の選択があったかどうかを直接実証するのはムリにゃ。
ただし、ネコの行動を観察したかぎりでいえば、
行動の連続体は無規定な運動の非分節的集合ではなく、
有限なユニットの連鎖であることは疑えないにゃ。
わたしは、このユニット群が、
脳内のなんらかの構造にoriginateすることには賛成だにゃ。
かといって、それらがいちいち選択されたと主張すると、
物理学的因果律からの反論と、生得的な機械論からの反論が予想されるにゃ。
しかも、いまの段階では、
11先生の選択肢の想定に、ちょっと恣意的なものも感じるにゃ。
たぶん生得的行動ユニットが十分考慮されてないからじゃないかにゃ。
ある生物の個体を、ぽつんと見知らぬ空間に置く。
その次の行動の選択肢をどう規定するかは、難しい問題にゃ。
移動する方向が無限にあるという理由で、
選択肢も無限にあるとして有効な議論ができるのかにゃ?
わたしもちょと考えるにゃ。
265虚無好き:01/10/14 17:18
スンマソ
26611:01/10/14 21:47
私はまだこのスレの展開の中では「神経細胞の自発発火」に言及するのは時期尚早
と考えていた。その意味で>>253は迷惑な発言だった。
>>258>>259の国語先生の発言に対しては今のところ、取り上げる意義を認めません。
悪しからず。

>>260
>「習得済みの機能単位としてのモジュール」の選択が意図の定義ってことなのかな?
そうです。

>ん〜〜。「入力の無い出力の可能性」が意図だという主張では無いのか・・・選択か・・・
>刺激に対して他の選択もあるのに、実行したものを選ぶのが意図だと・・・
「実行したものを選ぶ」ということのおっしゃる意味がよく分からないのですが、
入力のない状態ではむしろ、さまざまな出力を行う余地が与えられていると見るべきです。
言い換えれば、入力のない状態ではさまざまな出力という無限の選択肢が存在するのであって、
その無限の選択肢の中からひとつの選択肢を選択して行動するのであるから、これも
「意図」の発現でしょう。このことに対して私が好む比喩は、刺激の均等な空間に動物を
放せば、動物はじっとしておらずになんらかの行動を開始する、という例で、このとき
動物にとっては身体を掻く、前足を踏み出す、後ろ足で地面を蹴る、跳ねる、寝る
等々、さまざまな行動をとる選択肢が与えられていると見るのです。現実には動物は
その中からひとつの行動を選択してその行動を示す。まさに「意図」の発現でしょう。
267名無しゲノムのクローンさん:01/10/14 22:11
>>263
>わたしは、このユニット群が(注、正確にはユニット群の活動が)、
>脳内のなんらかの構造にoriginateすることには賛成だにゃ。
心理学者はこの辺からすでに否定するんですけどね(笑 ま、それは
ともかく、
>物理学的因果律からの反論と、生得的な機械論からの反論が予想されるにゃ。
神経細胞の自発発火はこのうち、物理学的因果律からの反論に答えることも
意図しているのです。この自発発火はランダムかも知れない、つまり
物理学的因果律に抵抗している(実際は神経細胞内の物質やエネルギー
動態を見れば因果律に従っているのですが)。しかし、この自発発火は
個々の神経細胞は自発発火する傾向があるということを言ってはいるが、
実際は個々の神経細胞は独立しているのではなく、周囲の同じく自発発火
する神経細胞から数千ものシナプス入力を受けてコントロールされつつネット
ワークを構成しているというのが現実です。だから、むしろそのような
自発発火する神経細胞から構成されたネットワークの性質や機能を問題と
すべきなのです。しかし、そのネットワークが自動的に活動している(ように見える)
以上、エネルギーを利用したなんらかの自ら活動する実体を想定しないことには
ネットワークの活動を説明できないと私は感じる。それに対する回答が
自発発火する神経細胞であり、この自発的な活動が実は生命現象に共通する
性質なのだ、と言いたいのです。
この自発的な活動は、おそらく数十億年前の生命誕生時に発生した。生命誕生
時には遺伝子DNAの出現が重視されているが、と同時に遺伝子を取り巻き、その
遺伝子を機能させる環境も同時に出現して現在まで維持されてきたはず。
このことが今まで軽視されてきたか、無視されてきたと私は感じている。
268名無しゲノムのクローンさん:01/10/14 22:17
この遺伝子を機能させる環境というのが、言うまでもなく細胞内環境を
指している。この細胞内環境と遺伝子の相互作用こそが生命現象の本質であり、
その出現は数十億年前の生命誕生時にさかのぼることができる。
神経細胞の自発発火はこの細胞内環境と遺伝子の相互作用発現の一形態。
269国語:01/10/14 23:01
>時期尚早
自然発火云々については勇み足をお許し下さい。11様自身の説明がある前では
当然のことです(私が11様の考えを正しく理解した上で論じているとは思えない)。

入力のない状態での出力については、じっとしておれない(出力せざるを
得ない)のなら、デフォルトの出力が用意されていると見るのが妥当と
思います。
「入力のない状態で出力される行動選択には、意図の発現が観察できる」だと、
11様のいう「意図」が、行動選択のどの部分に関与するのか私にはわかり
ずらいです。「意図」は、他の刺激と同じく、行動選択関数に与える入力
(パラメータ)のひとつとする考え方とはどう違うのだろう???
27011:01/10/15 00:13
お分かりとは思いますけど、>>267>>268も私の発言です。

>>263>>269
生得的な機械論からの反論に対しては、遺伝子は生得的な行動を行う
ための構造を与えるだけで、その構造が機能するためにはエネルギーや
物質の代謝を介したさまざまな細胞の活動が必要である。まったく学習が
起こっていない状態でのその構造の機能が生得的な機能と呼ばれ、その機能が>>269
先生のおっしゃるデフォルト出力である、と応えます。学習はその構造に
生得的な機能以外のさまざまな機能を付け加える活動と考えることもできます。
こうして成熟個体は自分のもつ構造に対してさまざまな機能を与え、それを
利用できるからこそ、さらに広範な環境(状況)に適応できる。
翻って、意図を見る場合は、何々しなければならないという強制的な
状況より、いろんな活動が許されている状況を考える方が分かりやすい
でしょう。
>「入力のない状態で出力される行動選択には、意図の発現が観察できる」
ではなく、入力のない状態で出力する行動を選択する機能を「意図」と
呼び、その機能は脳(前頭葉など)に起源を有するとするのが私の立場。
パラメータはその出力を修飾する要因。
271pa:01/10/15 01:23
★”意図”という言葉についての質問ですが,

色々と議論されてきたようですが,結局のところ
よくわからんです。

で1つ質問

意図 とは意識(この場合は”自覚”というような意味ととってください)
とどのような関係にあると想定してるんでしょ?

自覚できないけど 意図的な行動というのは定義にふくめるのかどうか?

とりあえずこの点。

>>199
>そもそもその鳥は仲間に知らせようとして鳴くのか、敵を
見て思わず鳴いてしまうのか、どちらだと思います?

警戒声については 簡単な調査から
「単に生理的な変化の結果 おもわずないてしまってる」
というのではない場合があることが考察されると解釈しておりますが,
詳細はちょっとまとめてあとで説明します。
27211:01/10/15 02:19
>>271
>>260氏が述べてくれたことを少し改変して、「習得済みの機能単位と
してのモジュールを選択すること」を当面、意図の定義にしましょう。
「意識」については今のところ、まったく触れていません。それこそ
意識の解釈は人によって千差万別、また定義でもめたくないのです。

>「単に生理的な変化の結果 おもわずないてしまってる」
>というのではない場合があることが考察されると解釈しておりますが,
>詳細はちょっとまとめてあとで説明します。
お願いします。この辺りの文脈では「意図」の概念を抽出するために、
紛らわしい行動はあえて除外することを目的としていました。従って、
「仲間に知らせようとして鳴く」可能性を排除しているものではありません。
「機能単位としてのモジュールを選択すること」を暫定的に
このスレでの「意図」の概念とするとして(肯定や否定があるとしても)
もしも、その「意図」の存在が実験などの科学的手法で確認されたと仮定したら
人間と人間以外の動物との連続性にどのような影響があると考えられるでしょうか?
鳥の例とかは「単に生理的な変化の結果」が排除されたりするのかな。
27411:01/10/15 03:08
>>273
機能単位としてのモジュールとは、足という構造を考えるならボールを
蹴る、跳ぶ、走る、登るなどができるでしょ? これらひとつひとつを
モジュールと考え、動物はそれらのモジュールのひとつを選択して
行動できる、これを意図と定義するわけですから、
>もしも、その「意図」の存在が実験などの科学的手法で確認されたと仮定したら
では意図の有無はすでに問題ではなく、次はそれを可能にしている
メカニズムを問うことになるのです。

で、連続性に関しては、>>267
>自発発火する神経細胞から構成されたネットワークの性質や機能
が問題にされるべきと考えるならば、すくなくとも神経系をもつ動物に
関しては連続性が失われることはないのです。
275名無しゲノムのクローンさん:01/10/15 03:29
>意図の有無はすでに問題ではなく、次はそれを可能にしているメカニズムを問うこと
??逆では?メカニズムに対する科学的な問いが先になければ
「意図」の定義を確認し解答となる実証などもありえないことにはならんかい?
27611:01/10/15 03:47
>>275
なんでよ。動物はそれらのモジュールのひとつを選択して行動できる、
それを可能にしているメカニズムを問うているんだよ。この現象を
「意図」と呼ぶかどうかはほんとはどうでもいいこと。ただ、文章を
簡潔にするために「意図」を上記のように定義しただけだよ。もちろん、
この定義は一般的な意図の概念になるべく沿うように立てたつもりだ
けれどね。
277PA:01/10/15 04:40
>>276=11氏
>ただ、文章を
簡潔にするために「意図」を上記のように定義しただけだよ。もちろん、
この定義は一般的な意図の概念になるべく沿うように立てたつもりだ
けれどね。


じゃぁ,とりあえず人間で考えましょう。一般化する前にまず人間でかんがえておけばいいでしょうし,
人間に意識があることはみとめてもいいとおもいますしね。

で,自覚する  ということと 意図 との間にはどのような関係があるのでしょう?

たとえば,自覚はないが意図はあるってことがありえるのか?
あるのならそれはなにをいみするのか?
278275:01/10/15 05:11
>>276
いや、批判するつもりはないのですが。。。
272の定義の妥当性を皆でいじくりまわすのか
その問いとなるメカニズムをネタにするのか
どっちがスレの趣旨に近くなるかな?って程度です。
279pa:01/10/15 05:37
警戒声について。

ごちゃごちゃするのでこっちにおいときました。
画像は重いかも・・

ttp://isweb33.infoseek.co.jp/play/cybele02/keikoku/keikoku.html

あと、動物行動学辞典でも生物学辞典でも
動物の「意図的行動」には限定された意味が付与されている
ので、そんないみでも、意図って言葉はそもそもあつかいづらいんです。
もしその言葉をつかうなら、もちっとクリアにしてもらえると
ありがたいです。
でまずは人間に限定して、 自覚してるってことと 意図との関係・・。
自覚してるってことを科学的に実証した例ってあるの?
28111:01/10/15 05:48
>>277
意識とか自覚をこの段階で論じるのはやめましょうよ。たとえば私なら、
意識をある個体がそのとき知覚している情報の総体、とか、作業記憶の
内容とか言うことはありますけどねぇ。じゃ、自覚を定義してよ、人間で
あることの自覚ですか?自分が愚か者であることの自覚ですか?とか訊き
たくなるしさ。とにかく、意識については今はやめておきましょうよ。

第一に、ここは生物学板であることを理解してくださいね。
28211:01/10/15 06:01
281の最後の行はちょっと暴言だったかも知れませんが(笑

>>279
今読ませてもらってます。
283虚無好き:01/10/15 06:09
>たとえば,自覚はないが意図はあるってことがありえるのか?
むにゃむにゃ。かってにこたえるにゃ。
たぶん寝ていてかゆいところをかくというのがそれにゃ。
これは機能をもったモジュールといっていいにゃ。
わたしは、一般能力において、心的構造の実在を認める立場にゃ。
解剖学的に摘出できるとは限らないので「心的」といってるけど、
ま、脳的ということにゃ。
11先生の口振りだと、モジュールがかなり領域的に考えられているみたいだけど、
わたしは重層的であるばかりでなく、かなりplasticなモデルを考えてるにゃ。
「生成文法批判スレ」での関連部分で、そのちがいがわかるかもにゃ。
(にゃあにゃあいってないけど、わたしにゃ。)

「「左脚」を動かすという単純な能力でさえ、次のように分類されうる。
(1)意識的に、単純に動かすばあい
(2)歩行のような、パタン化された行動の一部であるばあい
(3)ダンス、ペダルオルガンなど、与えられた規則に従って動かすばあい
健常者で、(3)のような趣味のあるひとで、
左脚を動かそうとして左手が動いてしまうことは、きわめて普通である。
<いちぶの>失行障害では、(1)が遂行できないが、ふつうに歩行はできる。

わたしの考えでは、きわめて一般的な能力が、このような心的構造を予測させる。
言語は特殊能力ではないと思われ。」

で、neurobiologyを否定する心理学ってなんにゃ?
精神を豆腐のように均等で構造のないものとみるみかたには反対にゃ。
28411:01/10/15 06:24
>>279
> 結果は 血縁個体がそばにいないときは声を上げる割合が有意にひくくなった。
>この結果は
>1・警戒の声をあげる行動は、血縁者を利する行動であるという仮説を支持する
>2・警戒の声はただ生理的な反応によってでた声ではない。
>のように解釈されると考えられる。
確かにこの解釈は正しいと思います。ただ「意図」を問題にする限り、
あまりふさわしい例ではないと思うんですよ。動物行動学のように、
行動の観察を主体とする分野では脳内過程は想像するレベルに留まるん
ですね。私としてはethologyでもneuroethologyや、電気生理と課題を組み
合わせた脳研究の方に期待しているんです。

一応、出典をお教えいただけます? E.O.Wilsonの社会生物学だったりして・・・
28511:01/10/15 06:40
>>283
>11先生の口振りだと、モジュールがかなり領域的に考えられているみたいだけど、
>わたしは重層的であるばかりでなく、かなりplasticなモデルを考えてるにゃ。
いやぁ、もちろんそうです。私も同じです。で、まだ詳しくは書いていませんが、
自発発火する神経細胞が相互に数千のシナプス入力を受けながら構成している
神経ネットワークというものを考えると、重層的、plasticかつダイナミックに
動作するシステムが構築できそうな気がするんですよ(笑 ネットワーク構造は
固定していないんですよ。さまざまな組み合わせの神経細胞によるネットワーク
構造が瞬時に形成されては消え去っていくようなシステムです。イメージ的には
多数のシナプスで接続されたすべての神経細胞の細胞膜が発火閾値付近まで
脱分極しているようなモデルです。
28611:01/10/15 06:57
>>285
ちょっと補足すると、上記のネットワークが感覚器官と接続していることで、
わずかな刺激の入力でもネットワーク全体にその情報が瞬時に行き渡ると同時に、
神経細胞が自発的に活動すると考えることでそのネットワークから産み出される
活動というものを想定することが可能になる。この活動こそが「意図」の
起源だと言いたいんですよ。以上が私の仮説の概要です。
287pa:01/10/15 07:38
>284
出典は クレブス&デイビスの行動生態学(第二版)です。

自覚と意図については
>>216にそもそも
>まず、どういう行動を見た時に、その行動を示した個体は意図をもって行動した
と思いますか?
というのがありますのでケリをつけておきたいです。

○私としてはまずは単純な例からかんがえていきたいので・・

自覚・・ここではとりあえず次のような意味合いにしておきます。

言語報告できる人によって「私は○●しようとした」とか「○○だったからこうした」
といったようにちゃんと言語報告できる状態です。先行研究にならえば
たとえば,「意識とはなにか? 苧阪直行 岩波書店」でのべられている意識の3つの状態のうちの
「リカーシブな意識」によって自身をモニターしている状態です。
識閾下刺激提示などの実験では刺激が見えたっていう自覚がありません。

 また,283の虚無好き氏のいうとおり寝ているときには自覚がないという風に考えております。

とりあえずはそれ以上の意味合いはもちません。
自覚ってなに?というよりはむしろ次のような状況をどのように考えるか?ってことで。

たとえば, 243であげられた状況での行動で
こんな活動があったらそれは意図的といえるかどうか?

・寝ているときに,背中がかゆい・・右手で掻こうとする・・右手は彼女の下だった・・
左手をのばして掻く

11氏が>>242などで以前あげた意図についての説明文のように,
・個体に起因してますし,自発的な行動ですし,
右手が使えないというアクシデンタルな状況
で左手に切り替えております。


 目がさめているときにこの行動をとれば,
当然 意図があるとかかんがえるでしょうが
ねているので自覚しておりませんね。

 どういう風にもんだいになるかというと 例えば,
「故意の殺人」という刑法上の問題があるというのがその1つ。
もし 「自覚」してないのに殺人の「意図」があるってことになると
タイヘンです。

>>284
>ただ,意図を問題にする限り,あまりふさわしい例とは・・
○私が先に挙げた研究で問題にしていたのは,意図ではなく,>>199
の疑問にならい
 >「単に生理的な変化の結果 おもわずないてしまってる」というのではない場合があること

ということです。文章のどこにも意図ってことばはいれてないのはそのためです,ハイ。


>動物行動学のように、
行動の観察を主体とする分野では脳内過程は想像するレベルに留まるん
ですね。

○ただし,実験室でおなじ状況をつくり,電極さしこむなりMRIで神経生理学的な変化をしらべればいいんでは?
28811:01/10/15 08:14
>>287
確認したいのですが、ご質問の趣旨は、
>・寝ているときに,背中がかゆい・・右手で掻こうとする・・右手は彼女の下だった・・
>左手をのばして掻く
これは意図的な行動といえるのかどうか?ということですね?
まず実際にこのような行動が起こるかどうかが問題ですよね。私は大変寝相が悪い
らしくて、目が覚めたときにはかぶっていた布団はどこへやら、頭と足が逆転して
いることもままあります。寝ているときは彼女に対する思いやりの気持ちも働かない
だろうから、その彼女の体重が軽ければ右手で彼女の身体を押しやってでも右手で
背中を掻こうとするかも知れません。その彼女が大変な巨漢で私の右手が万力のように
押さえつけられていたら、さてどうするでしょう? 分かりません。寝ているのです
から。・・・やっぱり質問の趣旨がよく分かりません。

>ただし,実験室でおなじ状況をつくり,電極さしこむなりMRIで神経生理学的な変化をしらべればいいんでは?
これは普通、動物行動学的研究とは言いませんよね・・・
289PA:01/10/15 08:44
>>288=11氏,
>まず実際にこのような行動が起こるかどうかが問題ですよね

 あります。自覚できない状態での問題解決について様々な実験とかもなされてます。
結果もわかってます。ちゃんと自覚できるときと同じように
試行錯誤のはて問題かいけつするのです。

で,どうなんでしょ?
質問の趣旨は「自覚できないときには意図的な行動はありえるか?」
ということです,はい。

>>288
> これは普通、動物行動学的研究とは言いませんよね・・・

いや,動物行動学は ローレンツ以来のエソグラムつくって
統計分析する行動学と,脳の神経生理学的なメカニズムと
行動の関係をしらべる行動学があるのねん。
日本動物行動学学会のパンフとかみると半々であるよん。

 また,たとえば,東大農学部の森さん。 あそこは動物行動学って研究室
だけどやってるのは行動の神経生理学的分析。
 
29011:01/10/15 09:15
>>289
>あります。自覚できない状態での問題解決について様々な実験とかもなされてます。
なるほど。覚醒水準の問題が一つありますね。寝ているといっても、脳全体が
お休みしているんじゃありませんよね。苧阪直行先生、懐かしい。実は、
数年前、まさに今書いているテーマで先生の研究室におじゃましたことが
あります。その後私の環境が変わってしまったのでご無沙汰していますが。
まだ今は意識や意図の座がどこにあるのか、そもそもそんなものがあるのか
までは言えませんけど、覚醒水準によってはその部位が活動していることも
あるかも知れませんね。

>統計分析する行動学と,脳の神経生理学的なメカニズムと
>行動の関係をしらべる行動学があるのねん。
なるほど。>>284で触れたneuroethologyがだいたい後者の研究を指し
ますよね。でも、実際は学問の分類なんてあまり意味がないのですね。
将来は言語学が脳内の言語領野の神経ネットワークを研究する分野として
認知されるようになるかも知れないしさ。
29111:01/10/15 09:19
あ、覚醒水準は睡眠の深さに読み替えてくださいね。
29211:01/10/15 09:36
そうだ。今のテーマではまさにこれなんか適当かな。
http://www.moriyama.com/netscience/Kanzaki_Ryohei/index.html
とくにNo.06の17辺りね。
293国語:01/10/15 22:33
活気付いてきましたね。そろそろ素人は撤退の潮時かな…
285あたりを読むと、11様の興味の対象を呼ぶには、ひとまず「意図(intention)」と言う
言葉を捨てた方が、より有意義な議論を呼び込めそう。だったら何がよいかというと思い
つかないのですが。意図の起源にあたる何物かを直接指し示すような言葉。刑法の話まで
飛び出すのもあながち脱線ではないかと思えるくらい、「意」の字は人間くさいものを
どうしても引きずると思います。

292の先生のお話、面白いと思います。
一箇所の自発的活動がネットワーク全体に瞬時に行き渡ると云々の話で頭に浮かぶのは
ミズクラゲなどの腔腸動物。身体全体に渡って網のような神経系がめぐらされていて、
くらげの身体はそれ全体が脳であり、心臓であるというような言い方(もちろん例え話
でしょうが)がされているのを聞いた事があります。くらげの神経細胞が自発発火する
かどうかとか、くらげのともすると意識ありげな行動の観察など、詳しい研究はあるの
でしょうか。
29411:01/10/16 00:31
>>293
前半に関しては、>>276を示しておくのが有効かな。

>一箇所の自発的活動がネットワーク全体に瞬時に行き渡ると云々の話で
>>286で書いたことはちょっと違うんです。>>285
>さまざまな組み合わせの神経細胞によるネットワーク構造が瞬時に形成されては
>消え去っていく
これがまさに私のもつ「思考」のイメージで、と同時に刺激(=入力情報)の処理を
いつでも行えるように準備している状態、いわば覚醒状態なんです。このような
状態にあるネットワークに感覚器官からの刺激が入力されるとそれを直ちに処理できる
わけです。ここまでは中枢を介した刺激反応理論(SOR理論)と何ら変わりがない
のです。しかし、私は長い間、刺激によって反応が引き起こされるとする一方向の
刺激反応理論に疑問を抱いてきた。生体は刺激によって反応が引き起こされるような
単なる受け身の存在ではない、もっと主体的な存在なのだ(これは私の信念の表明に
すぎないけれども、定義にうるさい心理学者諸氏はともかく生物学者には受け入れて
もらえると信じる)。自発発火する神経細胞というのは、この一方向の刺激反応理論を
克服するためのアイディアなんですよ。これを想定することで、脳に起源する
(originateする)活動が可能になるだろうということなんです。

クラゲの行動は知りませんけど、むしろPAさんにお伺いしたいのは、動物行動学会の
抄録に刺激反応理論では説明できないような行動の研究例はありませんか?
295名無しゲノムのクローンさん:01/10/16 20:25
age
296PA:01/10/17 08:26
> 刺激反応理論では説明できないような行動

洞察とか真空行動とかはどうなるのです?また,
説明できるとしたらどのように説明されているんでしょう?
29711:01/10/17 09:17
>>296
あれ? いや、ですから、刺激によって反応が引き起こされるような
受け身の行動ではなく、主体的というか自発的な行動を扱っている研究
事例はございませんか?とお伺いしているのですが。
>>292もおもしろい現象だと思いませんか? 視運動反射とは逆の行動を
示すわけですからね。

洞察というとゲシュタルト心理学者ケーラーの実験を思い出しますが、
洞察としては今はどのような行動が扱われていますか? ただ、洞察って
難しいですよね。脳内ではどういう処理が行われているのか、まだそこ
まで行けていないんじゃないですかね。かなり高度だと感じます。

真空行動というのはどんな行動ですか?
298pa:01/10/17 09:36
★11氏
>刺激反応理論
私は心理学はよくわからないので,そもそも歴史的な意味としても
パラダイムとしても刺激反応理論がなにをいみするのか?
(11氏のいう刺激反応理論と歴史的な意味合いでの刺激反応理論
もことなるかもしれませんし)
きかれてもこたえられないとおもいます。

認知科学講座 (岩波)の記憶と学習 では
学習についていろいろな分類がなされてますが,オペラント学習や古典的条件付け以外にも洞察や慣れなどが学習として記述されていましたので,

まず”洞察”についてどうだろうか?ということをまずこちらから聞いておきます。



>真空行動というのはどんな行動ですか?

ローレンツのいう,真空行動です,詳細は今は時間がないので,ネットなり
動物行動学辞典なり動物行動学の本なりでしらべてください。
29911:01/10/17 16:32
>>298
ああ、刺激反応理論はどうでもいいんです(笑 伺いたいのは、刺激によって
反応が引き起こされるような受け身の行動ではなく(これが刺激反応理論に
基づく行動を言い換えているんですが)、主体的というか自発的な行動を
扱っている研究事例は動物行動学会の口演の抄録には掲載されていませんか?
ということなんですけど。

認知科学講座(岩波)の記憶と学習、今引っぱりだしてみましたけど
「洞察」については記載されていませんけど。私の感覚では「洞察」は
少なくとも学習ではないですね。すでに獲得した知識と知識のそれまで
気づかれていなかった関連性を発見するとか、演繹または帰納などの論理
推論能力のような感じです。私は関連性の発見とか、論理推論能力には
自発的な活動が関与していると思うし、それは脳内で生じているプロセス
だと思うけれども、洞察という言葉は一つでも複雑な機能なのではないかな。

真空行動は分かりました。何もない空間をつかむようなそぶりや、獲物を
捕らえるふりをするような行動ですね。よく、将来獲物を捕まえたときの
ために練習しているんだと説明されますね。しかし、私はこういう説明は
あまり好きではないし、意味がないと思う。むしろ、その動物は目の前に
敵の存在を思い浮かべているのだろうか? それとも遺伝的に構造が決定
されている、筋肉につながった神経ネットワークが誤って活動したんだ
ろうか? 捕食側の動物だけではなく、被捕食側の動物にもこの行動は
観察されるんだろうか?という疑問が生じる。この行動に関する最近の
知見はご存じですか?
30011:01/10/17 16:40
×洞察という言葉は一つでも複雑な機能なのではないかな。
○「洞察」という言葉は一つでも複数の機能から構成されているのではないかな。
301虚無好き:01/10/19 19:09
またシロウト乱入にゃ。
作曲の行動主義的説明をどこかでみて、

アホ

としか思わなかったにゃ。
ドのつぎにミを抑えたら快感を感じ、次にファを押さえたらまたまた快楽を生じ、
みたいな説明だったにゃ。こんな理論に将来性はないにゃ。
と思ったら、いまだに伝承されているのかにゃ?

ぜんぜん11先生の疑問にこたえてないけど、
K・ローレンツは本能行動については、力学的モデルを考えてたにゃ。
抑圧していると、いつか爆発するということにゃ。
これは一種の平衡をもたらすものだと考えれば、かならずしも誤作動ではないにゃ。

とりあえず、あげにゃ。
302国語:01/10/19 21:24
上がったと思ったら虚無好き様ですか。先生の発言は何についてのにせよいつも楽しみ。
11さんがほんとうに対象とすべき「意図」の起源によさそうな言葉をさっき思いつきました。
 「衝動」(implus)
だめかな。
30311:01/10/19 23:51
>>301
久しぶりにお越しやす。行動主義は心理学の世界ではまだまだ生き続けている
ようですよ。彼らの人間観は薄っぺらいものでね、あれが20世紀前半から中葉に
かけて流行したというのはほとんど信じがたい思いです。そのくせ、やたら攻撃的で
傲慢な人が多くてね、それを後生大事に守っている人が日本にはいまだに多いのです。
学部教育にも浸透している有様ですよ。
ローレンツもねぇ、今ではほとんど・・・

>>302
神経細胞の発火、この1発1発をimplusと言うんです・・・
304名無しゲノムのクローンさん:01/10/20 11:28
>>303
あの,impulseではないでしょうか?
発言全体の信頼性が下がりますので御注意を。

また,別の板で虐められたうらみつらみを
ここで書くのもやめて下さい。
かっこわるいですよ。
30511:01/10/20 12:31
>>304
ああ、ごめんなさい。impulseでしたね。でも、紛らわしいじゃん。
べつにうらみつらみじゃないですよ(笑 虚無先生の発言に同調した
だけ。行動主義に批判的であることには変わりません。
306国語:01/10/20 18:09
つづりの間違いは私のミスですから(言い訳:酔った勢いでした^^;) >304

>神経細胞の発火、この1発1発をimplusと言うんです・・・
そうか、特定の用語に既に使われちゃってるのか。「衝動殺人」なんて場合の「衝動」も
入力無しに殺人を選択してるわけですよね。これと「意図しての殺人」との間には
一線があると思うわけです。少し高次のレベルで「衝動」を表すには同じimpulseを
使う以外にないのかな(driveは心理っぽくて却下ですよねきっと)……
307虚無好き:01/10/20 18:32
11先生の同調は心強いにゃ。
なにぶん、あまりにも行動主義が浅薄に思えたので、
その内実については、
SR図式からSOR図式に変わったくらいしか知らないのにゃ。
わたしの批判はあるいみ、非常にありがちな素朴な生成文法批判に似ているにゃ。
そういうふうにはなりたくないにゃ。
やっぱり、マウスの行動については一定の成果があったのかにゃ?

ちょっと注目したいのは、ヒトの行動がいかに進化したとはいえ、
物理的条件にアナログ的に直接左右されるとみられるパタンが、反射的行動ばかりではなく、
意識レベルの上位行動にもひろく見られることにゃ。
不登校児童が、家と学校のあいだを行ったり来たりするような振る舞いは、
電磁場での粒子に似ているとさえいえるにゃ。
学校や家が近づくにつれて、その恐怖も増大するという現象はプリミティブだし、
それをシミュレートすることは、
センサ付きのマイクロロボットでも容易に可能だけども、
容易にできるからこそ、安易なコンピュータの類比は慎重でなければならない気がするにゃ。
このへんは、学校がらみでもあるので、
国語の先生にも意見をききたいところにゃ…
308 ◆A7SFFo6c :01/10/20 21:01
>11=164氏(w
見に来ました。ちょっとした話題提供です。

最近、とある研究会でハトの認知機能について心理学の方が発表しているのを
聞く機会がありました。詳しい内容は割愛しますが、曰く「人間とは全然違う動物
なのにどうしてこういう似た能力が出てきたのかというところから、人間の心の
特性みたいなものが浮かび上がってくるから」研究に取り組んでいるのだそうです。

部外者なのでsageます。
309国語:01/10/20 22:50
>307 プライバシー保護の限界に挑戦して不登校児の話。
現在、表面的な観察からすると全く異なるタイプの不登校生徒若干名を抱えています。
(文部省の調査「1クラスに1人」は既に過去のもの……)
Aは登校放棄とでもいえる状態。家庭訪問で会話をする時も、学校の話以外はOKなのに、
「そろそろどうだ」でも水を向けた途端に表情が硬直し、絶対に行かない事を態度で表現します。
家でも一切勉強はしません。休日は友人と外で元気に遊びます。
Bは自分の状態に非常に危機感を持っており、毎日、翌日に登校する準備を整え登校するものの、
教室に入ると体調を崩します。じゃあ授業に出なくていいから別室で好きにしてなさいというと
途端に血の気が戻ってきて、にこにこしながら自習します(勉強嫌いではありません)。
不登校といっても千差万別です。学校との距離にしても、物理的な距離が問題であるというより
は、心理的距離の方が問題かも知れません。電波少年よろしくアイマスクをかぶせた不登校児
を学校へ近づけた時(もちろん正確には近づいていることがわかる--道順が体感されてしまう
とか特有の音とか匂いとか--あらゆる情報が慎重に排除されて)、不登校児の体調・心理にどの
ような変化があるのか、私には想像もつきません。
でも一方、
>容易にできるからこそ、安易なコンピュータの類比は慎重でなければならない気がするにゃ。
本当に有効なシミュレートが可能ならば、心理分析的手法で生徒一人一人を個別に理解してゆく
ような複雑な心的過程の記述とは全く別の、シンプルな原理が彼らの行動を支配していると考え
たっていいと思うのです。出来上がったアルゴリズムを実現するに十分な心的システムをあとから
発見すればいい。例えば物理や天文の最先端分野などは今日、現象の発見→それを説明できる
理論の構築よりは、理論上の帰結(予測)→証拠の発見の流れが主流なのでしょうから、それと
同じことです(違うかな)。
310名無しゲノムのクローンさん:01/10/20 23:42
>>308
それだけではどうにも・・・笑
ただ、ちょっと心当たりがあるので、発表した方の名前でも分かりませんか?

>>309
Aのケースですけど、なんでそこまで放っておいたのだ、と親と教師に怒りを
覚えますが(笑
311名無しゲノムのクローンさん:01/10/20 23:45
>>307
自分の行動主義への考えが「イメージに基づくありがちな批判に過ぎない」
のではないかという内省が持てる感性には脱帽。

虚無好きさんには生成文法をめぐるチョムスキーと
行動主義の親玉であるスキナーとの論争など読んでもらいたいのだが,
現在まとまって読めるメディアが紹介できないのが残念。

>>307のレスの後半部分など,心理学で行動主義が考えていることと
ほとんど一致するのですがね。
312311=心理屋:01/10/20 23:58
>>308
動物の認知と人間の認知に類似性があるということは,
もちろん,動物にも人間と同じような心がある,って
話ではなくて,おそらく意識とか意識表象とかを
持たない動物でも,それを持つ人間と基本的に
おなじ認知能力を持てる,ということ,すなわち
人間の認知能力が「人間特有の過程」に支えられているわけでは
必ずしもないのでは?という話です。あるいは,意識とか
表象とか(あるいは意図とか判断とか)が認知過程の本質では
ないのでは?という話に展開していきます。
認知を支えている機構は実は動物人間共通のごくシンプルなもので,
意識や表象,意図や判断など人間に観察される「心的現象」は
認知の附随物に過ぎないのでは?とも考えられています。

>>309
行動療法という心理療法があって,基本的には「条件づけ」の
ごくシンプルなパラダイムだけで神経症などの治療をしています。
とくに恐怖症など特定の対象と結びついた問題行動の
治療においては,他のあらゆる心理療法より早く,よく治ります。
不登校などでも,それが恐怖感などの負の感情に帰因する場合には,
行動療法の効果が高いです。
313心理屋:01/10/21 00:03
ハトの認知の話はおそらく慶応の渡辺先生でしょう。
あるいはそこから派生したネタ。
NHKブックスに「ピカソを見わけるハト〜人間はどこまでハトか」という
すごく面白い本があります。スレの前の方きちんと読んでないので
がいしゅつだったら失礼。
31411:01/10/21 00:16
渡辺茂先生なら知ってるんだけど・・・
京大系にいなかったっけ? 10年くらい前、ジョンズホプキンスに
留学していた人。お名前が想い出せない・・・
315国語:01/10/21 00:56
心理屋様、ありがとうございます。
脱線レスに思わぬ収穫、書いてみるもんですね。私も、一部の不登校については
早い段階で一種の恐怖症ライクなものとみなして対策を立てるべきだと常々思っています。
310様などの反応は一般によくある感想だと思いますが(実はただの煽り?)、
「家庭や教師の不適切な扱い」では説明しずらいケース(それはしばしば通常の指導で復学
しずらいケースでもある)が存在するんですよね。むしろ増えてきてるかも。
もっと知りたいのですがこのスレでは邪魔かと思うので、当該の行動療法に関するよいサイト
などご存知でしたらお教えいただければありがたいです。
316 ◆A7SFFo6c :01/10/21 01:37
>>313-314
お二方ともご明察です。w
公人ということで名前を出してもよかったのでしょうか?
31711:01/10/21 02:04
そうか、渡辺先生の方か。
で、面白かった?>316
318 ◆A7SFFo6c :01/10/21 02:14
>>317
面白かったといえば面白かったですね。
確か、数を数えるタスク(ハトに対して行うものも心理タスクと呼んで
良いのかどうかはわかりませんが)と、提示した特定の画像を識別する
タスクとを行わせて、報酬としてエサをやるというようなものだった記憶があります。
ドイツのTV局に取材を受けた時の映像というのを見せながら発表されていました。

結論としては、ヒトの脳とハトの脳とでは構造的には全く異なるながらも、
双方とも環境に適応しようとする認知能力を持ち合わせている、ということでした。
ちなみに、ハトの脳は皮質が単一な構造をしていて、哺乳類のように層化して
いないんですね。視覚経路もやはりヒトとは異なっていて、上丘〜視床(様のもの)を
経由する方が主経路だとか。
31911:01/10/21 04:16
>>318
画像の識別はシャガールとゴッホの絵を何枚か見せて、たとえばゴッホの絵を
見せた時だけボタンを押したら餌を与えるという課題を習得された後に、まだ見せて
いない新しいシャガールとゴッホの絵を見せると、ハトはゴッホの描いた絵だけに
反応することができた、という研究ですよね。これは確かにハトは視覚情報処理に
優れた能力を持つことは示しているんですが・・・

視覚経路はほ乳類と鳥類という大きな違いがあるので、そりゃ経路も異なっているで
しょう。もちろんその経路を調べ上げるのは価値があるのですが。
32011:01/10/21 04:33
Computational Neuroscienceスレでなんか面白いことになっていますよ。
http://cheese.2ch.net/test/read.cgi/life/1003415735/l50
321 ◆A7SFFo6c :01/10/21 04:52
>>320
実は、36と33は僕です。ww
322PA:01/10/21 05:56
> 「洞察」については記載されていませんけど
あ,これは申し訳ない。 動物行動学辞典と混乱していたようだ。
こっちには記載されてます。で,この2冊の学習についての項目はかいつまんでいえば,
学習とは「経験によってそれ以降の行動に特定の変化が生じること」
っていう定義をしていたと解釈しております。
 オペラント条件付けなんてのは レバーを押してエサがでる練習をする前と後では
 行動に差が生じているので学習って言えるわけですね。

で例えば,洞察によってチンパンジーが棒でバナナをとる行動についても
チンパンジーに何日か棒をいじらせた場合といじらせない場合では
「棒を道具として使う」行動に有意な差がでたとのこと。
従って「棒をいじる経験」が洞察を得るためには必要ではないか?とも考えられる。

 また,洞察をもっと広義にとれば,「ものごとの関連をみつける」
ってなことになり,たとえば,パブロフの古典的条件付けでも
犬は様々な刺激のなかから「鈴の音」と「エサ」を関連づけるいわゆる「洞察力」を
もっていたともいえるのでは?とも考えられるわけです。

 こう考えると 洞察も学習には含まれる,と考えられます。
とはいえ,要するに「学習ということば」の定義の問題で実体の問題ではないとおもわれますが。

★ところで,何度か出てくる「自発的」というのがなんなのかよくわかりません。

>>299 :11 :01/10/17 16:32
>主体的というか自発的な行動
>刺激によって反応が引き起こされるような受け身の行動ではなく

  動物の行動の要因としては,外的な刺激の他にも
「成長」「ケガ」「学習」「内的動機付け」などが挙げられます。
真空行動は 虚無好き氏のいうとおり,ローレンツの水力学的な仮説にもとづいてる
ものであるという考えがありますが,この場合には成長とか内的動機付けによって説明されうる可能性があります。

さて,自発的,主体的 な行動はこれ以外のものなのか?,そうならば
どういう状態を指すのでしょうか?


ーーーーーーーーーーーーーーーーー
あと,ネコかってる人がいるようですが,ためしてほしいことが1つ

苧阪氏の書にもあるけど3つの意識のうちのいわゆる自己認識については
「自己という表象を持つか?」ってのがあってこの検証として
「寝ている間に額にシールなり色なりをつける」→「動物の前にかがみをおく」
→「動物は自己認識ができていれば自分の額を探るはずだ」

ってのがあって 「チンパンジーの心」て本によると
チンパンジーと1歳半以上の子供はこれができるらしい。
でもネコはできないらしい。では実際にはなにをするんだろう?って
のが気になっていたのですね。
323心理屋:01/10/22 08:39
「洞察」というのは「学習についての解釈」です。
自己や他者にある学習が生じた時に,その学習の直接の原因,
それを強化した直接の環境要因が観察できない,
あるいは(意図的に,あるいは無意識に)それを観察しない時に,
それを「洞察」と呼ぶのです。逆にそれらがきちんと観察されていれば
それは単なる学習と呼ばれるでしょう。

違うのは観察者側が持っている情報の質や量であって,
実際の行為者側に単なる学習と洞察とで違う過程が
働いていると考える理由はありません。

「自発性」なども同じ,行為を観察する側が行動を
解釈するために使う言葉であって,行為者側,
行動する生体の側に「自発性」が存在するわけではありません。

と,これは心理学者が普通に考える話ですが?
324虚無好き:01/10/22 17:38
だいたい対立の構図がみえてきたにゃ。「意図」も行動の解釈だにゃ?
たぶんチョムスキーvsスキナーの対立も同じ性質の問題にゃ。
ある現象の説明に必要なassumptionが、もっぱら観察者の推論において用いられる
論理記号以上のものでないとすれば、自然科学全般にわたる問題になるにゃ。
「遺伝子」もその分子生物学的な実体的同定がなされるまでは、
それいぜんにその数理的な法則が発見されていたにもかかわらず、
もっぱら個体間の形質や行動の類似に関する観察者側の「解釈」であったということかにゃ?
つまり、被観察体の内的メカニズムについては、
なにも述べていないということかにゃ?
たぶんこれは形式的な反論にゃ。
が、とりあえずお答え待ってますにゃ。(ぺこり)
325心理屋:01/10/22 18:26
>>324
えーと,それは概念の性質によりますね。
仮説的構成概念といって,観察に還元できない剰余意味を
もった構成概念については,それに対応するなんらかの実体を
仮定することも可能だし,「解釈」ではないものと考えることが
可能です。ただ,ある概念がそうした剰余意味を持っているか
どうかは,たとえば我々が扱うような心的概念では,それと対応する
「内的過程」の実在,あるいは実在の仮定と,
それが実在しなければ説明できない現象の存在が必要です。

遺伝子の問題でも,数理的な規則性はわかっていても,
最低,その「実体」についての明確な仮説があって,
それがある程度証明されないなら,仮説的構成概念は
得られません。遺伝についてダーウインが考えていたような
概念は,まだ仮説的構成概念とは呼べないでしょう。
326心理屋:01/10/22 18:27
つまり,ある現象的規則性が観察された時に,それを説明したり
予測したりする時に用いる概念が,仮説的構成概念であると
考えられるなら,それは「解釈」ではない,というわけです。
いっぽう,それがすべて観察に還元される,観察の内容を
抽象したに過ぎない概念であるなら,それは「解釈」だと
いうことになります。これは懐かしいカルナップの議論なので
御存じでしたら失礼。

そういう意味では「対立の構図」は,とくにメンタルな概念
(意図とか,意志とか,志向性とか,計画とか)が,理論的
構成概念なのか,そうでないのかというところに生じます。
スキナーはたとえば心理学のほとんどすべての概念は理論的
構成概念ではない(観察やその「解釈」に還元される)と
喝破してしまったので,他の心理学との対立が生まれました。
327心理屋:01/10/22 18:36
それから,遺伝子のような「現象が先にあって,それを説明するために
科学者によって作られる」概念と,意志や意図,志向性などのような
日常概念由来の概念(科学者がそれと対応する現象を発見する,あるいは
問題にする前から,素朴に使われていた概念)とでは,いろいろな
ことが異なると思います。

心理学や,その近接領域で意識などの「メンタル」な問題を扱う科学では,
そこで使われる概念が日常概念由来,というか日常概念と同じ意味で
無反省に使われていて,それと対応する現象や事実が明確に定義されないまま,
「心は内的なものである」というアプリオリな信念に基づいて
概念が「仮説的構成概念のふりをしている」ことが多いという
特殊事情もあります。また,そうした領域に入ってくる理系の人が,
ことメンタルな概念については全くのしろうとと同じような素朴な
用法を平気ですることも,心理学者にとっては気にかかることです。

これ,全くの自分の専門の問題(私の主著はこうした問題)ですので
かえってわかりやすく書けません。ごめんなさい。
328心理屋:01/10/22 18:38
失礼しました,仮説的構成概念という言葉と理論的構成概念という言葉を
ごっちゃに使ってしまいました。しかし,普通このふたつは互換的に使われます。
329名無しゲノムのクローンさん:01/10/23 03:49
age
330名無しゲノムのクローンさん:01/10/23 04:15
>>322
神経科学の論文でspontaneous behaviorとかvoluntary movementと
という語句が現れるんだけど、これはどちらも日本語にすると自発的な
行動とか運動という意味になるんだけど、たぶん前者は理由は分からない
けれども動物が勝手に動き回る行動を指していて、後者はサルやヒトに
課題を与えてそれを被験者が実行している時の行動を指しているような
感じなんだけど、要するにこれらの行動が生じる仕組みを知りたいと
いうことだよ。
こういう研究を心理屋さんは価値がないと考えているようですけどね。
「心理屋」さんは自発性というものを定義する時の危険を言っているだけは?
あれもこれも一つ現象から結びつく自発性だとラベリングせずに
自発性という概念に必要以上と思えるほど気をつけたうえで
科学的に実証できる意味を持たせて欲しいと……
私には>>325-328は「価値がない」と考えているのではなく
「価値がなくなる」危惧を示唆しているだけなように読めますが。
>>331
それは他板で表明されているんだよ。心理学者は自発的な行動という
のはランダムに発生するので予測できないから研究する価値がないと
おっしゃっています。
333心理屋:01/10/23 05:59
ここではあなたと議論する気はありません。
心理板の方で十分でしょう。

ただ,あなたの主張される「自発性」については,
1.自発性というのがどのような現象をさすのか明確でない
 (あなたの概念の定義が不十分)
2.客観的に「自発的」といえる行動が存在するか疑問
3.客観的に「自発的」といえる行動として確実に存在するもの
  は突然変異やオペラントのようにランダムである(ランダムで
  あるからこそ有用である)ものである。ランダムだとわかって
  いるものを予測しようとすることに意味があるか
ということです。研究する意味がないのは,あなたの説と,
あなたが主張するような「自発性」であって,自発性一般に
研究の意味がないわけではあありません。あなたとの議論はここでは
これで終わり。
  
334名無しゲノムのクローンさん:01/10/23 06:21
>>324
>「遺伝子」もその分子生物学的な実体的同定がなされるまでは、
>それいぜんにその数理的な法則が発見されていたにもかかわらず、
>もっぱら個体間の形質や行動の類似に関する観察者側の「解釈」であったということかにゃ?
>つまり、被観察体の内的メカニズムについては、
>なにも述べていないということかにゃ?
というよりもですね、遺伝の数理的な法則は、なんらかの性質を世代を
越えて伝える実体が粒子のようなものとして存在することを強く示唆して
いるとみるんです。粒子のようなものが存在すると考えないことには数理
法則が説明できない、ということを生物学者は認識したのです。そして、
この路線にしたがって細胞核から抽出されたものが酸性の性質を持っていた。
核酸といわれる由来ですね。そういう具合にしていろんな知見が蓄積された
結果、遺伝の実体はかくかくしかじかの性質を持っていなければならない、
ということが分かってくる。この段階ではDNAの正確な構造は分からなくても
その実体の性質はかなり分かっていたはずで、すでに遺伝子と呼ばれていたと
思います。
行動に関しては、どちらかというと医学の領域で脳損傷患者の持つ特性が
19世紀末から知られており、脳構造と行動との因果関係が示唆されていた。
ただ、不幸にしてこの分野と心理学の交流が長い間なく、内的過程をなんら
介入させることなく行動を予想し制御しようとする行動主義が勃興したために、
この分野における心理学の研究が遅れてしまったということがあると思うのです。
これは歴史的な不幸ですね。
335名無しゲノムのクローンさん:01/10/23 06:33
でね、心理学というのは名前が紛らわしいんだけど、心の科学ではなく
中身は行動の科学なんですね。行動を客観的に観るけれども、その行動を
起こす原因については扱わない。その原因を扱いたければ心理学ではなく、
脳損傷患者の観察や神経学から発達した神経科学にいかないとダメなんですよ。
以上、心理学屋さんとのお話は終わり。
336名無しさん:01/10/23 09:53
>>「心理屋」さん

ここで、こういうことを聞くのはスレ違いのような気がしないでもないけど、
Thomas Young が提唱した三原色説ってゆーのは、
その当時のレベルでは「概念」であって「仮説構成概念」ではないと
考えられるの?

>>335
あれだけ色んなスレでコメントもらってるはずなのにわからない人だなー
おいらが道端に落っこちてる1000円札を見つけて、ニヤっと笑ったと
するじゃない、その時に、原因を1000円札を見つけるという行動に
求めるのか、何らかのPositive emotionが生起したからと見るのか、
笑うという行動に対応する脳部位が興奮したからと見るのか、
それは研究対象とする分野の枠組みによって「原因」の意味が
違うからであって、どれがイイとか、どれがダメって話じゃないでしょ。
335のダメというのはイイ、ワルイじゃなくて、できる、できないという
意味じゃないのかなぁ。
338虚無好き:01/10/23 10:15
>「心は内的なものである」というアプリオリな信念
を否定することと、乗り越えることとはちがってくるにゃ。
わたしは、心理学がいまでもinput/outputの図式をもっているのであれば、
単純な内在/外在図式からのがれていないと考えるにゃ。
で、
単純にヒフを領域の境界とおもったり、
「脳」をいわゆる内面と信じているひとはあまりいないと思うのにゃ。
『結納論』にあったような例でわるいけど、幻肢感覚をもつひとが
存在しない右腕の中指に痛覚をおぼえるというような症例について、
痛覚刺激が外部から内部への直接的なものではなく、
なんらかの中間的な身体座標に写像されるとみるのは正しいにゃ。
そしてこの仮想的身体が「表象されている」とみなすのも正しいと思うにゃ。
ここで示唆されていることは、実在するimpulseとしての刺激一般が、
内部/外部の対項を無効にしているのでは? ということにゃ。
はっきりいって、脳の自己触発の可能性も考えてるにゃ。
にゃにゃ。唯脳論っぽい?
で、
>その原因を扱いたければ心理学ではなく、
>脳損傷患者の観察や神経学から発達した神経科学にいかないとダメなんですよ。
は、口調は皮肉っぽいけど、読みようによっては建設的な提案ではないかにゃ?
それとも対象領域のちがいの問題なのかにゃ?わからんにゃ。

ほかにも論点あるけど、とりあえずこれだけにしとくにゃ。
33911:01/10/23 10:40
>>335
>(心理学は)行動を客観的に観るけれども、その行動を
>起こす原因については扱わない。その原因を扱いたければ心理学ではなく、
>脳損傷患者の観察や神経学から発達した神経科学にいかないとダメなんですよ。
これは正確ではないですね。心理学は行動を客観的に観て、その行動を
引き起こす環境要因を研究する。その行動を引き起こす内的要因を扱いたければ、
以下同じ。というべきですね。で、やっぱり生物学を志す人は普通は後者に行くのね。

>>338
>単純にヒフを領域の境界とおもったり、
>「脳」をいわゆる内面と信じているひとはあまりいないと思うのにゃ。
いや、私なんかはそうみてますよ(笑 なんでかというと、神経系(脳と
末梢神経の総体)だけを取り出してみると人型をしているんですよ(笑)。
そして皮膚表面に受容器(感覚器)をたくさん持ってるでしょ。だから、
外界と内面の境界は皮膚だと私は思いますよ。
340心理屋:01/10/23 11:23
>>338

はっきり対象領域の問題です。

「行動の原因」については,普通われわれは行動を

 環境要因 → 内的過程 → 行動 → 環境要因 → ........

というループで考えます。なんらかの環境刺激があり,それが
内的過程を活性化させ,それが行動を引き起こし,その行動がまた
新しい環境刺激を生み出す,というループです。行動についての
科学はどれも,このループのどこかのアスペクトをそれぞれ
分析しているわけです。行動を直接生み出しているのは筋肉運動などを
制御する内的過程ですが,その内的過程は環境要因に対応すべく
動いているわけです。つまり,行動の近接原因は内的過程,
遠隔要因は環境要因です。因果的な連関をいうなら,環境要因を
究極原因と呼ぶのは間違いではないですが,実際には生体と環境の
相互作用では生体の行動がこんどは環境要因を変化させていくので
どのみち卵が先かニワトリが先かの話になります。

っていうか,環境刺激にきちんと適応した行動が継続的に
生み出され続け,それがこんどは環境にフィードバックしているという
「正常な環境/生体相互作用」の中では,行動の原因というのは
どことも特定できないのです。あえていえば,相互作用全体が行動の原因。

しかし,この相互作用になんらかの問題,あるいは異常が生じている時には,
その「異常な行動の原因」ははっきり特定できます。たとえば環境要因に
適応した行動を生み出せない生体がいる,あるいは(こんなことあるかわかりませんが)
生体の行動にきちんとフィードバックできない環境がある,といった時には,
その「異常」は相互作用の特定の箇所に定位可能でしょうし,生体の側に
定位できたなら,それは生体の特定の機能(必ずしも神経科学的に扱うべき
ものだけとは限らないと思います)に定位することもできるでしょう。
その時はじめて,行動を(正確には行動の異常を)内的過程「だけ」から
分析する必要が生じます。
341心理屋:01/10/23 11:23
つまり,生体と環境との相互作用がうまく行っている時には,行動は
相互作用全体の結果として生み出されている。だから,心理学者は条件づけなど
その相互作用全体を捉える枠組みで行動を予測,制御しようとします。
(条件づけは環境が起こす?生体が起こす? 答:どちらでもありません。)
もし相互作用がうまく行っていないのなら,初めて相互作用を構成する特定の
要素を分析し,もしそれが生体で,かつ異常の原因が神経科学的な対象であれば
神経科学的に分析するでしょう。

ちなみに,ちょっと前に戻りますが,スキナーなど「徹底的行動主義者」
(私もその一員と目されていますが)は,「学習」や「条件づけ」など,
自分たちが用いる主要な概念も仮説的構成概念ではなく、単に事象を記述する,
観察に完全還元できる概念だと考えています。行動主義が「理論を持たない」と
いわれるのは,そのためです。
34211:01/10/23 11:28
>>338
>はっきりいって、脳の自己触発の可能性も考えてるにゃ。
これを読むと、少なくとも虚無好き先生は私と同じことを考えていると
感じるんです。言葉の細かな違いなどどうでもいいのね。どういう現象を
指そうとしているかが重要なんですよ。

残念ながら心理の人は言葉の細かな違いや用法の間違いをあげつらって
議論をわけの分からないものにしてしまい、挙げ句の果ては相手の
言い分を頭ごなしに否定しておしまいにするんですよ。こちらは、
なるほど、そういう捉え方もあるのかと気がついてなんとか正確に
表現しようとするんだけど、結局、彼らの方は何も変わらない。
34311:01/10/23 11:36
>環境要因 → 内的過程 → 行動 → 環境要因 → ........
ここなんですけどね、私は学習が成立した(神経ネットワークがなんらかの
変化を起こした)「後」は
内的過程 → 行動 → 環境要因 → ........
が起こるということを言っているんですよ。そして、事実上さまざまな
学習を習得した成熟個体はほとんどこちらをやっていると思うのです。
344心理屋:01/10/23 11:46
>>336
三原色説の歴史については良く知らないので
正確なことは言えませんが,最初から
仮説的構成概念であるような構成概念はありません。
最初は観察された規則性に名称がつけられます。
これが概念の誕生。

それが,観察に還元できないさまざまな一貫した事実を示すこと,
また内的実体などの存在を推測させる事実が積み重ねられること
などを通じて仮説的構成概念となり,そのうちのいくつかは
それと対応する実体が「発見」されます。遺伝子がそうであったし,
三原色説では網膜のスイタイとカンタイ(漢字に自信がないので)
の発見がそれに当たるのかな?
345 ◆A7SFFo6c :01/10/23 14:13
>>344
Youngの3原色説→忘れ去られる→Helmholtzの3色説→錐体の研究が発展

の流れだったと思います。
Youngがバークレー記念講演で3原色説を提唱したというよりは、光の波動性に
ついて語る際にたまたま光の「色」について言及した、という程度のことだった
そうで、Youngは3原色説を適当な仮説とした語った、とも言われています。
以上、豆知識でしたw
34611:01/10/23 16:21
私だって生体と環境の相互作用については認めていますよ。この辺は同じことです。
結局ですね、学習が成立した後は
内的過程 → 行動 → 環境要因 → 内的過程 ........
という具合にループは内的過程から始まるようになる、ということを主張すると、
外側から生体の行動を分析しただけでは行動を予測、制御することができなくなる。
このために(行動主義の)心理学者は激しく抵抗するのです。どうしてかというと、
心理学者は環境情報(外界刺激)をコントロールすることによって行動は制御できる
ということをアプリオリに信じているからなんじゃないか、私にはそうとしか思えない。

私がなぜ行動は内的過程から始まると考えるかというと、生物は化学反応の連鎖に
よって生きている、それゆえ生命は本来自発性を内包していると考えるからなんです。
上では「学習が成立した後は」と断っていますけれども、本当は生物は生まれた時から
自発的、行動は内的過程から始まるのです。その自発的な行動のおかげで環境と相互
作用することができ、その結果、さまざまなことを学習していく。そして、学習した
ことは直ちに利用しようとする(泣くと母親が飛んでくることを覚えると、今度は
泣いて母親を呼ぼうとするんです)。泣いて母親を呼ぼうとする、これがつまり内的
過程によって行われている、ループは内的過程から始まるということなのです。
347名乗るほどのものでわ:01/10/23 16:50
>>11
ループは内的過程から始まるようになるという具体的な例を示してくれ。
「泣くと母親が飛んでくることを覚えると、今度は
泣いて母親を呼ぼうとするんです)。泣いて母親を呼ぼうとする、これがつまり内的
過程によって行われている」
という例は適当ではないよ。

泣いて母親を呼ぼうとしたというのは11の推測にすぎないのだから。
34811:01/10/23 17:20
>>347
おおっとー、意外なコメント・・・
◆A7SFFo6cさん、被験者にvoluntary movementを行わせると前頭部で
活動が認められるという話をなさってましたよね。これは時間的に
voluntary movementの前でしたか?後でしたか?
voluntary movementの前なら内的過程から始まっているということで
よろしいね。私も確信はないんだよ。fMRIはそれほどの時間的解像度が
あったかどうかも自信がない。ただ、運動皮質は対応する部位の運動の
前に活動しますよね。一方で「期待」ニューロンの反応は後だったという
話も知ってる。
こういう検証方法は許容しますか?
349名乗るほどのものでわ:01/10/23 17:40

voluntary movementを行わせるという実験文脈下での
voluntaryは内的活動から始まるっていうことじゃないでしょ。

あー日本語がヘタだなー<自分

要するに、実験環境下で、何か反応してよって要請されてる
わけだからして、内的過程から始まってるわけじゃないよね。

さらに付け加えると、fMRIだろうが、MEGだろうが、ERPだろうが
基本的には、加算平均してシグナルを抽出しているということ
で、実際は多数回の刺激や課題の反復から得られた反応だからねー
外部の文脈には依存していない反応だとは思えないなー

運動準備電位が、運動の開始に先行して生じるということが、
内的過程から始まる例とも思えない。運動準備電位が生じる前に
環境要因が存在しないという例を示してくれれば話は別だけど。

それから「期待」ニューロンなんていうわかりにくい言い方
しないで、ちゃんと術語で記述してよ。
そうじゃないと、何のこと話してるのか正確な理解がしずらいから。

というわけで、そういう検証方法は検証になってないと思います。
35011:01/10/23 17:54
予想通りの反論(笑 そうか、これではダメか。
「期待」ニューロンのことは忘れてくれたまい。有名な話のはずなん
だが、私も詳しくは知らない。
一つはvoluntaryかspontaneousかという問題でしょ。これ、日本語に
したら同じになっちゃうんだよね。でもねぇ、voluntaryは要請されて
いるけれども、出所は内的過程だと思うけどねぇ。
あなた自身は環境要因が存在しないのに運動準備電位が生じることを
示すデータは持っていませんか?
351心理屋:01/10/23 18:18
>>346

確かに,いちど学習が生じると,その後は環境からの
「インプット」(この言葉はあくまでも比喩として使っています)
がなくても,一定の条件下で同様の行動が生じます。
このとき,脳の神経になんらかのネットワークが
出来ていると考えても,別にかまわないでしょう。

問題は,その後です。そのネットワークが持続するのは
それによって生じる行動パターンが「環境に適応している」
あいだだけです。もし環境が変化して,その行動が適応的で
なくなれば,そのネットワークは消滅する(あるいは非活性化
される),すなわち「学習の消去」が起き,おそらくは新しい環境に
適応した新しいネットワークに置き換えられるでしょう。

つまり,ネットワークの形成,維持,消滅はすべて
環境との相互作用によって(あるいは生体の環境への最適化によって)
定まるわけです。

>>350
それに影響する環境要因が(時間的に遡っても)まったく
存在しないのに生じる運動準備電位というものがあるとすれば,
それはノイズか,ノイズでないにしてもランダムなものでしょうね。
35211:01/10/23 21:45
>>351
 私は346で、生まれたときから習得時も学習成立後もループは一貫して
内的過程から始まることを主張しましたね。かつ、このループは絶えず
活動しているはずなんです。その基盤は化学反応の連鎖なので、止まれば
死ぬわけですから(睡眠時はループの活動は低下していることにしましょう)。
 この、絶えず活動していることを前提に、環境が変化してしまうような長い時間
ではなく、ごく短い時間について考えてみましょう。また>>346では「泣いて母親を
呼ぶ行動」に異論が入ってしまいましたけれど、今度は成熟個体について考えて
みましょうか。成熟個体はすでに多くの事柄を学習しているので、同じ目的を達成
するのに複数の解決策を知っていることでしょう。その際、それらの解決策を一度に
行えないのであれば、どれか一つを選ばないといけませんね。しかも、我々は必ず
しもいつも正しい選択、つまり環境に適応した選択をするわけではありませんよね。
例として道順を考えると、一つの目的地に行くのに複数の経路があることが多いです
よね。どの経路が環境に適応した選択かを判断するのは難しいですが、仮に最短距離の
経路を選ぶのが環境に適応した選択ということにしましょう。しかし、我々は必ずしも
常に最短コースを採るとは限らないですよね。この場合の道順の選択という行為は何に
よって決められるのでしょうか? 環境でしょうか? 内的過程でしょうか? 環境
との相互作用でしょうか?(工事中とか、通りたくない道があるというのはなしね。
痩せたいという願望、気分を変えたい、は内的過程の一部ね)

 私の主張は、生物では絶えず内的過程がその行動をドライブしているということ
です。その行動の結果、行き止まりという環境にぶち当たれば別の道を選ぶという
のも内的過程がやっている、と考えるのですが。


 ノイズとかランダムというのは「分からない」ということを言い換えているに
過ぎないと私は思います。あるいは、今の技術や方法論では有意味な信号を捉え
られないだけかも知れない。方法論は大事ですよね。刺激に対する反応しか見て
いないのでは、自発的な活動は見落としてしまうかも知れない。
353国語:01/10/23 22:05
今夜は電波入り。
>>346
>私がなぜ行動は内的過程から始まると考えるかというと、生物は化学反応の連鎖に
>よって生きている、それゆえ生命は本来自発性を内包していると考えるからなんです。
>上では「学習が成立した後は」と断っていますけれども、本当は生物は生まれた時から
>自発的、行動は内的過程から始まるのです。
私は、総体としての生命活動というものは、太陽から圧倒的に降り注いでくるエネルギーが地表に
ぶつかった際の、ほんの跳ねっ返りみたいなもんだと思っています。それは、人間の近視的な視点
からすれば自発的、創造的と評価される活動の全てを含めてのことです。
(だから私は、結局人類は太陽系から脱出できないかもしれないと思っています)
生まれた個体が行動するにも、産み落とす個体がゼンマイを巻いて、背中を押した瞬間から全てが
始まると思います。全くのゼロから個体の活動が自発的に開始することはないと思います。
(だから私は、一度死んだ生物は蘇生できないと思っています)
354 ◆A7SFFo6c :01/10/23 22:38
お返事ついでにあげておきます。

>>348
一応、MEGとERPで見た範囲では前頭葉の活動はvoluntary movementの前に、
起きていたと思います。なお、fMRIの時間分解能は非常に低い(最悪の場合は
1.5秒ぐらいにしかならない)ので、前後関係はほとんどわからないでしょう。w
運動野は、実際に運動しようがしまいが対応する領野が必ず運動の前に活動します。

ちなみに、>>349でも指摘されているようなことは脳計測屋も認識していますよ。
というより、それが最大の悩みどころですね。
多数回加算を避けるために、信号処理技術によって単発の計測データに
対して劇的なノイズ軽減を達成する方法の研究もなされていますが。。。
(実用化はまだ当分先だと思います)
35512:01/10/23 23:38
>>351
脳内ネットワークは常に活動しています。
それは、環境を考慮に入れなくても常に変動していると考えられます。
一度、動き始めた複合的なネットワークは安定を目指して活動を続けます。
よって、環境が関与する同一の刺激に対していつも異なる反応をします。
同じ反応と観察されたとしてもそれは結果としての表現形にすぎません。
時系列というものを内包した時点で脳は自発性を獲得したと考えます。
356ちょっと口出し:01/10/24 02:32
>>346
>私がなぜ行動は内的過程から始まると考えるかというと、生物は化学反応の連鎖に
>よって生きている、それゆえ生命は本来自発性を内包していると考えるからなんです。
>上では「学習が成立した後は」と断っていますけれども、本当は生物は生まれた時から
>自発的、行動は内的過程から始まるのです。その自発的な行動のおかげで環境と相互
>作用することができ、その結果、さまざまなことを学習していく。そして、学習した
>ことは直ちに利用しようとする(泣くと母親が飛んでくることを覚えると、今度は
>泣いて母親を呼ぼうとするんです)。泣いて母親を呼ぼうとする、これがつまり内的
>過程によって行われている、ループは内的過程から始まるということなのです。

あのう、飛躍の連続としか思えないんだけど。
心理学者のアプリオリな信念を批判しておきながら、これではあなたもアプリオリな信念を持っているように見えますよ。
ただ興味がないわけでもないので、>>347,349に対してちゃんと答えてほしい。

この赤ん坊の例もそうだけど、あなたの主張の根拠として挙げられる例はあまり適切ではないように思う。
>>352の例も、むしろ心理屋さんが詳しそうだし。
学習関係の本などには、
最適化理論の応用をはじめ、マッチング法則、melioration理論、瞬時最大化理論、遅延低減理論、Ainslie-Rachlinモデル、etc.
「選択」の心理学的研究は膨大にあるようだよね。
このあたりの心理学の先行研究とも折り合いはつかないということ?
35711:01/10/24 03:52
>>356
どの部分が論理の飛躍と感じましたか?

>ただ興味がないわけでもないので、>>347,349に対してちゃんと答えてほしい。
泣いて母親を呼ぶ例は私の推測に過ぎないと言われてしまったから
こそ、代わる例として>>352で道筋の選択をもってきたのですが。

心理学の中にもいろいろありますからね。認知心理学で扱われている現象は
面白いものが多いです。認知心理学のこれらの現象に対する説明方法は
ともかく、脳科学に利用できるものは多いと思っています。ただし、これらの
現象は多くが行動主義では扱えないでしょう。ここでは私は一貫して
その行動主義に対して疑念を提出していることを理解してください。

また、細胞内では化学反応の連鎖が生じているから生命は本来自発的で
あり、したがって内的過程(自発的な活動をする細胞で構成されたネット
ワーク)も自発的なのだ、という主張は私以外に知らない。
358心理屋:01/10/24 06:18
たしかに,たとえば「オペラント条件づけ」では
まずオペラント行動(自発的な行動)が生じて,
それが生体にとって適応的な結果を導くと,その後
それと類似した行動の頻度が増加する(強化),
非適応的な結果を導くと減少する(罰,あるいは弱化)という
のが基本パラダイムです。たしかに,最初のオペラントは
「自発」されます。しかし,オペラントは「ランダム」です。
これは,進化のパラダイムにおいて突然変異の内容が
ランダムであるのと似ています。同様に,オペラントは
「〜しようとして」などの目的性や意図性は持ちません。
それが環境と相互作用して引き出す「結果」に
制御され,それによって行動が環境に最適化されていくと
考えます。

そこに目的性や意図を仮定するのは,進化に目的性や
意図を仮定するのと同じです。それが正しいとか,
間違っているとかいうつもりはありません(笑)。
35911:01/10/24 06:44
>>358
突然変異を起こす仕組みは詳細に研究されています。分子レベルでは
突然変異は全くのランダムではなく癖があるんです。T-T二量体を形成し
やすい、折り畳まれた染色体の内側より外側で突然変異は起こりやすい
等々です。こういうことが生物学では研究されてきているということです。
私はオペラントはランダムと言い切るのは「分からない」ことを言い換えている
に過ぎないと同時に、研究する意志を放棄した発言と読みます。

また、生命現象の自発性自体はランダムであっても、その細胞が集まって
ネットワークを形成したときはそのネットワーク構造の中に情報や機能が
内包されるようになると考えられる。この情報や機能を研究するのは
私は非科学的とは思いません。
36011:01/10/24 07:12
>>359
なぜオペラントは自発的と言い切ることで研究を放棄するのか。その理由を、
私はたかだか20世紀前葉に現れたスキナーの徹底的行動主義を完成された
体系として受け入れているせいだと考えています。
この姿勢こそが非科学的であり、行動主義心理学は科学ではなく技術に
過ぎないと私が考える一つの理由なのです。
361心理屋:01/10/24 07:14
>>359
ジェノタイプとしてはそうかもしれませんが,
突然変異のフェノタイプがランダムであることに
変わりがありません。

心理板でも繰り替えしていいましたが,オペラントや
突然変異が予測できないからランダムだと言っているのではなく,
オペラントはランダムであるから環境の変異に
柔軟に対応できるのだし,突然変異もランダムだから
進化の多様性が生じるのです。それらがランダムであるのは,
ランダムである方が生存や繁殖に明らかに有利だからです。
362心理屋:01/10/24 07:20
もちろん,オペラントとして自発される行動の種類は
種に応じて生物学的に限定されるし,突然変異が
どの部位にどのように生じやすいかも生物学的に
限定されるでしょうが,限定された範囲の内部では
ランダムである,あるいはその生物の生活環境の
なかで機能としてランダムであることが重要と
思います。

いずれにしても,ランダムであることの意味も
きちんと考えてランダムだと言っているのですから,
それは研究の放棄ではありません。もしそれが
研究の放棄であれば,偶然を認めることはすべて
研究の放棄になります。偶然を認めず,すべてに
「原因」があると「考えなければならない」体系は,
科学ではなく宗教です。
363心理屋:01/10/24 07:34
>>360
別に行動主義心理学が技術であってもかまわないと思います。
有効な技術には必ず科学の文脈で述べられる根拠があるものです。
(それがすでに説明されているかどうかはともかく。)
行動主義心理学による行動の予測や制御が有効であり,
その根拠が体系の外側から援用されてきていない以上,
行動主義心理学が技術として成り立っているなら,
その体系の内部にかならず科学としての要素が存在するからです。

むしろ,いくら「科学」を主張しても,その体系が事象の
予測や制御に役立たないなら,その科学としての妥当性は
疑問です。たとえば「実験」が理論の妥当性検証の道具に
なるのは,実験の中で理論による事象の予測や制御という
「技術的有効性」が確認されるからでしょう?

要はあなたの説または体系が,たとえば行動主義心理学が
予測できない行動を予測した,行動主義心理学では
制御できない行動を制御した,という「技術的優位性」を
示せるかどうかだけが問題なのです。こんなところで
議論していないで,早くデータをとって調べてみて下さい。
364心理屋:01/10/24 07:35
>>みなさま
横から突っ込んでお邪魔しました。
もとの板に戻ります。
36511:01/10/24 07:37
>>361
>ジェノタイプとしてはそうかもしれませんが,突然変異のフェノタイプが
>ランダムであることに変わりがありません。
これも、今はまだ分かっていないだけですね。これを研究する分野が発生
生物学であり、将来どうなるかなんて誰にも分かりません。

>突然変異もランダムだから
突然変異は必ずしもランダムに起こらないことは>>359ですでに示した
じゃないですか。

>進化の多様性が生じるのです。それらがランダムであるのは,
>ランダムである方が生存や繁殖に明らかに有利だからです。
これも今現在の考え方。もちろん、このことには私も同意するけれども、
突然変異は必ずしもランダムに起こらないことを示す研究が進めば、将来、
実は進化には方向性があった、なんてことにもなりかねない。考えにくい
けどね・・・
我々は事実に謙虚であるべきです。人間の考えたことなど、いつひっくり
返るか分からない。人間の考えた理論と事実を混同してはいけません。

と、この辺で第三者のご判断を・・・
366名乗るほどのものでわ:01/10/24 10:56
349&347です

ここまでずらずらと読んできましたが、
結局、「ループは内的過程から始まるようになるという具体的な例」は
ないという理解でいいのかな?

おいら、一応、実験心理屋で生理心理屋だけどさ、
運動準備電位に関して言っとくと、あれはとにかく運動に先行して
生じるわけだけど、運動を生起させる原因とは関係ないよ。
だから、それでどうのこうのと論じるのは筋違いだと思うな。

じゃね。
36711:01/10/24 14:28
>>366
「具体的」とはどのレベルをいうのでしょうか。「泣いて母親を呼ぼうとする」
のは、べつの方からそれは適当な例ではないと言われましたね。赤ん坊は生まれ
落ちたら泣き始めるというのはどうか、といっても、おそらく先行する刺激を
探してきてこじつけるんでしょう。受精卵が卵割を開始するのは精子との合体が
刺激になるというんでしょう。では、数十億年前の生命誕生時に化学反応の連鎖が
始まったときもやはり何か先行する刺激があったのでしょうか?

どうも「行動は刺激に先行する」が我々の固定観念になっている、とは思いません
か? 一つの個体というものはどこから始まると考えるのでしょう。それは受精卵
であるとするなら、卵割が始まるのは自発的、と考えてはいけませんか?
出生をもって個体の始まりとするなら、生まれて最初に泣くのは自発的と考えては
いけないのでしょうか。

運動準備電位は運動に先行して生じる(時間的因果関係がある)のに、それは
運動を生起させる原因ではない、というのはどうして言えるのでしょう? 神経
結合でみると、運動野は前頭前野から入力を受けて活動するらしい。では運動野の
活動の原因は前頭前野の活動だと言ってはいけないのですか? では前頭前野の活動は
どうやって始まるのでしょう? しかし、これは技術的制約のためにまだ捉えられて
いないらしい。だから、>>354で述べられていることが可能になることを期待する
ことになる。

結局、自発性についてはまだ何も分かっていないのです。私があえて自発性を取り
上げるのは、実は「行動は刺激に先行する」という我々の固定観念に疑義を唱えて
いるのです。これは何も因果関係を疑っているのではない。神経細胞のレベルで
その活動は自発的であることを認めるならば、その細胞によって構成されたネット
ワークも自発的に活動する性質を持ち、そのネットワークの活動すなわち内的過程を
介して行われる行動は自発的で、刺激=環境情報のみからでは予測できない。
368名乗るほどのものでわ:01/10/24 14:55
別に固定観念がどーのこーのっていうレベルの話ではないように思われますな。

人の行動というのは環境と個体の交互作用の結果として定まるのだと。。。
その最に、先行する環境が行動を予測するのにとても有益な例が多いというだけの
話で、そうではないケースが在り得ないとは言ってないよ。

自発性という意味を恣意的にいじくりまわしてるヒマがあったら、
11さんのモデルで説明した方がすっきりするような
人間行動のケースを例示して見せてよ。

そうすれば、一発でスパンと納得するわけだからさー

んじゃね。
36911:01/10/24 15:49
>>367
で、我々の固定観念は
×「行動は刺激に先行する」
○「刺激は行動に先行する」
です。何を書き間違えていたのやら。
37011:01/10/24 16:31
>>367
「自発性」の意味は恣意的ではなく、細胞内では化学反応が連鎖的に
継続されている意味だということはすでに書いていますよ。

あらかじめお伺いしますが、367さんは一つの個体はどこから始まる
とお考えですか? 受精卵が個体の始まりとするなら、卵割は自発的に
起こっていると言ってはいけませんか? 出生時を個体の始まりと考える
なら、呼吸は自発的ではありませんか?先行する刺激はありますか?
37111:01/10/24 16:34
またまちがった。>>370>>368
372名乗るほどのものでわ:01/10/24 16:38
自発性を「細胞内で化学反応が連鎖的に継続されている状態」と
定義するのはかまわないけど、だとすると、ヒトの「自発」行動が
あるかないかという議論とは何ら関係ない分野での定義っていう
ことになるよね。
それはそれで、ありだと思うけど、だったら、マクロなヒトの行動を
どーのこーの言うのはおかしいと思うな。

個体の始まりをどう考えるかでしょ、おいらは心理屋だから、
とりあえず出産をもって始まりと考えます。
これは、あくまで「とりあえず」ね。
で、呼吸は自発的じゃないでしょ。出産にともなう諸々の環境の変化が
あって呼吸が生じるんじゃないの?

じゃね。
37311:01/10/24 16:55
ちょっとまとめる意味で図式的に示しておこうかな。

従来の心理学や脳科学の考え方
(環境から受けた)刺激 → 神経ネットワーク → 活動 → 刺激 →.....

私の主張
上の図式に加えて以下のことが起こると考える。
自発的に活動する神経細胞から
構成された神経ネットワーク  → 活動 → 刺激 → 神経ネットワーク → 活動.....

>>372
>>367から引用
>赤ん坊は生まれ
>落ちたら泣き始めるというのはどうか、といっても、おそらく先行する刺激を
>探してきてこじつけるんでしょう。(中略)では、数十億年前の生命誕生時に
>化学反応の連鎖(注:自発性)が始まったときもやはり何か先行する刺激があったので
>しょうか?
つまり、突き詰めると「刺激が行動に先行する」とは言えなくなりますよ、
ということね。
374名乗るほどのものでわ:01/10/24 19:32
系統発生を数十億年も遡って、だからなんだとゆーのだかさっぱりわからんです。
生命誕生時に先行する刺激がなかったとゆーことを証明してみせろとか(笑)、
いや、地球上での生命の誕生とゆーのは、実は他の星からやってきた
宇宙人の仕業でとか(笑)、そーゆードキュソなネタをふるつもりはありませんが、
せめて個体発生のスパンに限って話しを進めてください。

というわけで、11さんは未だに、
「ループは内的過程から始まるようになるという具体的な例」とゆーのを
示してくれないよーなので、差し戻しです。

じゃね。
実験室などでもいいから、ある条件下におかれた個体が
こーんな行動をしたときに
予想されるあんな結果が計測されたら
「内的過程から始まるようになる」という実証がなされるのかもよ?
なんていう具体例が欲しい???
「いまはそういうことになっているが,そうでないかもしれない」
ってのは,あらゆることについて言える。あらゆることについて言えることには,
言うことの情報価がないので,言っても意味がない。

言って意味があるのは,これこれこういう証拠があるので「そういう
ことになってること」は間違いかもしれない,ということだけ。
天動説が地動説に転換したのは,天動説が間違いかもしれない,
俺はこう思う,という人が現れたからでなく,地動説では説明できない
事象を説明し,予測できる体系,あるいは天動説よりシンプルに
事象を説明し,予測できる体系が現れたからだ。

11の体系は,従来の体系で説明できないことを説明したり,
予測できないことを予測できる要素が何も示されないし,
致命的なことに,同じことを説明する時に既存の体系より多数の
概念を必要とする,煩雑なものだ。無価値だろう。
377名無しゲノムのクローンさん:01/10/25 01:17
age
378口出しは終了:01/10/25 02:29
>>357
いろいろ指摘しようと思ったが、書き始めたら脱力してきたのでやめた。
動物屋の私も、>>374その他の生理心理屋さんと同じ印象を持ちますね。
ただし、今のままではあなたがいくら具体例を出しても「???」って思われそう。
足りない部分を論理的に補強し、用語や説明のレベルを統一してくれれば
意味のある仮説になるかもしれないのに。

「選択」については、生態学者や経済学者もそうだけど、
あなたの嫌いな心理学者も盛んに研究している(行動主義者だけではないだろう)のだから、
それらの膨大な研究をどう考えるのか、または折り合いがつかないから無視するのか、
と探りを入れてみたのです。
具体的な反応がないということはよく知らないということのようなので、まあいいや。
379口出しは終了:01/10/25 02:47
終了ついでに、気になる点があったのでもう一言ね。
別に行動心理学者の肩を持つわけではないが、
11さんが行動心理学者の研究を否定するのと同じ理屈で、
「選択」についての経済学者の研究も、脳の神経細胞に言及しないから駄目だということになりそう。
説明のレベルが違うだけでしょう?
380虚無好き:01/10/25 03:00
あまり興味をひかなかった問題について書くにゃ。
視覚像、聴覚像、身体表象が構成的であること、
さらにこれらが、やはり構成的な認知マップのうえで統合されることから、
「外的刺激」と、「内的表象」の差別が相対的であることをいいたいにゃ。
われわれは、見るべきものを見出し、
知られるべきものを知るという循環を、原理的に排除できないにゃ。
無意味な情報は最初から排除されたほうが生体にとって有利だし、
もしも冗長な情報を脳が受け入れる能力があるなら、
それらの多くを捨て去る能力もなければ存在条件として不利にゃ。
知られるべきものを知るという循環は、
とりあえず検証できないにゃ。
だがしかし、認知がたんに受動的なものでないとはいえると思うにゃ。

われわれはあるいみ、認知内容をつねに探しているのにゃ。
38111:01/10/25 04:19
>>374に対しては、その直前の>>373で答えていると思うし、>>375
煽り、>>376は行動はすべて内的過程から始まる統一的な過程と捉えて
いる、(費用効果の高い笑考え方)ことに気がついていないとしか思えないし、
>>378に対しては、従来の理論を適用すれば個体の採る「選択」はすべて
予想できるのか?と逆に問いたい。必ずしも予想できないのなら、それらの
理論には欠けている見方があるんじゃないか?
ひとつ言いたいことは、私がわざわざ生命誕生時まで遡ってみせるのは、
生命の自発性を根本から見直してみないか?ということを提案しているんだよ。

>>380
哲学的で漠然としているというか、虚無好き先生がおっしゃりたい論旨が
ここではよく分からない。しかし、
>われわれは、見るべきものを見出し、
>知られるべきものを知るという循環を、原理的に排除できないにゃ。
>知られるべきものを知るという循環は、
>とりあえず検証できないにゃ。
>だがしかし、認知がたんに受動的なものでないとはいえる
>われわれはあるいみ、認知内容をつねに探しているのにゃ。
という言い回しからみて、私の主張する可能性は原理的に排除できない
から、頭から否定すべきではなく、逆にあり得るんじゃないか?と
言っているように思える。
38211:01/10/25 04:34
量子脳力学ってありますよね。私だって途中で投げ出したけれども、
ただ、生体の行動は環境情報や生体の受ける刺激だけからでは予想できない
という直観を私と共有しているように思うんだよ。

とんでも科学だからといって一から十まで否定されるべきではない。
それは結論に至るまでの論理的過程のどこかで誤りを犯しているかも
知れないが、従来の科学理論だけでは説明できない現象があるという
直観から始まっていることが多い。この直観を、科学は一つの批判として
受け止めるべきだと思うんだ。科学も完全な体系だとは誰も信じていない
だろう?
38311:01/10/25 04:41
>>382の後段の「直観」は「観察」と言い直した方がいいかな。
38411:01/10/25 05:41
どうも、わざわざ書かなくても分かると思って書かなかったことが、実は分かって
もらえていないということがあるという気がしてきたので、ちょっと書くね。

>私の主張
>上の図式に加えて以下のことが起こると考える。
>自発的に活動する神経細胞から
>構成された神経ネットワーク  → 活動 → 刺激 → 神経ネットワーク → 活動.....

ここでね、自発的に活動する神経細胞の活動自体はランダムかも知れない(これも
本当にランダムかどうかは分からないんだけど)。しかし、そのような素子から構成された
ネットワークはなんらかの機能や情報を内包するようになる。トランジスターv.s.
集積回路から容易に類推できるよね。しかも、トランジスターは静的あるいは受動的で、
電圧をかけないとその性質を表さないが、神経細胞は生理状態では自ら活動している
動的または自動的に活動する素子だよね。だから、そのような動的な素子から構成された
ネットワークはそれ全体が自動的に活動するだろう。ここに仮定が入っているが、比較的
受け入れやすい仮定だろう。したがって、そのネットワークのもつ機能も自動的に
発現する。その機能はネットワークの構造によって異なるが、それが日常的に「意図」
等といわれている機能。その機能の発現は自発的。

生まれ落ちた赤ん坊は泣き出すと。もちろん、泣き出す前には先行する刺激が数え切れない
くらいあるだろう。しかし、それらの刺激の一つ一つのすべてについて泣き出す
効果を持つかどうかを調べた研究はなされているのだろうか? ないだろう?
真に泣き出す行動は刺激によって誘発されると断定するためにはこの研究が
なされなければならないはずなのだが、どこかで妥協されている(>>368
>人の行動というのは環境と個体の交互作用の結果として定まるとしか言わないのは
妥協の例だ。少数の証拠を全体に当てはめようとしているのだ)。そうである以上、
生まれ落ちた赤ん坊は自発的に泣き出すという主張はいつまでたっても否定できない。
この主張を否定するために努力しなければならないのは従来科学の方だ。
38511:01/10/25 06:02
>>384の前段に付け加えるね。

でね、
>私の主張
>上の図式に加えて以下のことが起こると考える。
と一応譲歩しているけれども、全体を読めば
刺激 → 神経ネットワーク → 活動.....という従来のスキーマが
当てはまることはない、ということが分かるはずなんだよ。けっきょく、
>>376の批判は全体を読まずに直前の言い回しだけに反応した揚げ足どりに
過ぎないんだよ。
>それらの刺激の一つ一つのすべてについて泣き出す効果を持つかどうかを調べた研究はなされているのだろうか? ないだろう?
>真に泣き出す行動は刺激によって誘発されると断定するためにはこの研究がなされなければならないはず
不可能な研究を自分の持論の支持に利用するのは、これはいくらなんでもあんまりじゃ…
>この主張を否定するために努力しなければならないのは従来科学の方だ。
これも科学が間違っているような言説。
科学者という立場なら口が裂けても言ってはならない立脚では…哲学者ならいいけど。
味方が減ってしまうから言葉を大切にして、もうすこし落ち着きなされ。
煽られても焦らずマターリと。
11さんの気持ちはわかるけどね。
でも誰かが言っていたが、論理に飛躍がありすぎるよ。
これじゃあ何も言ってないことと同じじゃないかいって
思われても仕方ないんじゃないかな?
388心理屋:01/10/25 06:32
>>380

撤退するつもりでしたが重要な指摘なので
もう少しだけ。

たとえば「適応に最適な特徴が存続する」と
いうときに,なにが最適であったかは,
存続しているかどうかで判断される,
というトートロジーは進化論の最大の
論理的な問題でしょう。「知るべきものと
そうでないものの区別が進化的に決定されて
きた」と言ったとしても,結局は「残っている
ものが適応的なもの」という循環からは
逃れられません。

オペラント条件づけにおける強化とか罰にも,
そうした問題があります。行動が強化されると
その頻度が上がりますが,なにが強化であるかは
究極的には,それが行動の頻度を増やすかどうかでしか
判断できませんし,行動の頻度を減らすという
こと以外に,罰を判別する方法はありません。
スキナーが条件づけパラダイムは「理論ではない」と
言っているのは,そういう意味です。

ただ,もし脳科学的なアプローチをとり,
中枢神経系での「学習の過程」を解明したとしても,
この循環からは,やはり脱出できないと思います。
解明されるのは,循環を支える機構に過ぎず,
循環の原因ではないからです。生命科学,行動科学の
ほとんどすべての「理論」は
「再帰的」だという批判を免れないでしょう。
38911:01/10/25 06:41
>>388
だから、その「再帰的」という批判に応えようとしているのが、生命現象は本来
自発的とする主張なんですよ。
39011:01/10/25 06:59
もう「自発的」の意味はいいですね。細胞内では化学反応の連鎖が
持続している、これが「自発的」。
生物学者に向けて言っておくと、生命の誕生は遺伝子DNAの出現だけ
じゃない。その複製を支える環境、すなわち現在言われる「細胞内環境」も
同時に出現する必要があった。この細胞内環境こそが化学反応の連鎖を
持続させているのです。
39111:01/10/25 07:22
>>386
>>この主張を否定するために努力しなければならないのは従来科学の方だ。
>これも科学が間違っているような言説。
そんな努力は意味がない。生命の方が自発的なんだから、と続くんだよ。
なにも科学が誤っているとは言っていない。発想を逆転させるんだよ。
それだけだ。
39211:01/10/25 08:19
進化は環境に適応するのではなく、環境に左右されない構造を獲得していく
過程だ、と見なすこともできるかも知れない。細胞膜、固い殻、移動能力、保水
能力、恒常性、そしてついには環境を変えることで環境に左右されない能力を
獲得するに至った、とみる。
393pa:01/10/25 08:47
>>388氏 はおそらくご存じの上でかかれたのでしょうが,
ちょっと気になる文章があったので,
>たとえば「適応に最適な特徴が存続する」と
いうときに,なにが最適であったかは,
存続しているかどうかで判断される,
というトートロジーは進化論の最大の
論理的な問題でしょう。

★これはドーキンスなどの本でも言及されてきたとおもいますが,
「適応に最適な特徴が存続する」
の文章については,そもそも適応度は「生き残ったから最適」
というのではなく,
「確率的,統計的なレベルでの生涯繁殖成功度」であり,
よって

「統計的に見たときの適応度が高いものが存続する(確率が高い)のではないか?」

ということだと解釈しております。不測の事故などについて
「延長された表現型」の6つの拘束要因の項目で述べられていますが
こういったことを考慮するとトートロジーではないといえるのではないかとおもいます。
39411:01/10/25 09:43
>>393
すみません。
>「延長された表現型」の6つの拘束要因の項目で述べられていますが
書かれているページを教えてください。
39511:01/10/25 10:05
分かりました。第3章 完全化に対する拘束のタイム・ラグ以降ですね。
396名乗るほどのものでわ:01/10/25 11:16
おはよーございます。とりあえずここまでズラズラ読みました。

でね、この板の趣旨は「生物板は、生命科学等の学術的な話題の場です」
とゆーことなので、とんでも科学をどー思うかとかにはコメントしません。

でもって、自発性を「細胞内で化学反応が連鎖的に継続されている状態」
と定義されてるわけですから、マクロな人間行動における「行動の自発性」という
文脈では、この定義は使えませんね。今後「人間行動の自発性」という
言い方はお控えになるか、そうでなければ行動レベルでの「自発性」について
11さんなりの定義を示してください。よろぴく。

>>383
んでね「382の後段の「直観」は「観察」と言い直した方がいいかな」
なーんて本人が言ってるくらいだからさ、そういう観察例を教えてくれって
再三お尋ねしてるわけですよ。別に、実験室実験の結果でなくても、
既にペーパーになってるものじゃなくても、日常経験でも何でも結構です。

確かに、科学者には「直観」ってすごく大切だと思うけど、
「直観」がきっかけになったすばらしい研究の数々の陰には、
誰にも省みられることのなかった、ただの思いつき、思い込み
とんでも科学的発想のなれの果てがゴロゴロしてるわけじゃない。
そーゆー意味では、その「直観」が本当に有益かどうかは、
その後の(まっとうな)研究でしか示せないわけでしょ。

そこまでは要求しないけど、その「直観」を得るに至った
現象を教えてくれって言ってるわけですよ。

それがなければ、分子生物学から行動心理学まで、その分野の
学問体系を無視して、自分の都合のいいとこだけ継ぎ接ぎして
適当に作った作文扱いされてもしょうがないと思うですよね。

でね、おいらは、今の人間行動に対する11さんの説がどうなの?
ってとこでコメントしてるわけで、進化がどーのこーのとか、
生命誕生がどーのこーのとかは勘弁してください。

じゃね
397名乗るほどのものでわ:01/10/25 11:19
ところでさ(笑)
進化がどーのこーのは勘弁してくれって言っといてナンなんだけど、
>>392 に対する生物屋さんのコメント希望だなー

ま、それとこれとは話が違うと思うけどね。

じゃね
39811:01/10/25 12:38
>>396
私はまだ一度も「人間行動の自発性」という言葉を用いたことはありませんね。

>行動レベルでの「自発性」について11さんなりの定義
>>384の前段をお読みください。

>>382では、前段は量子脳力学と私の直観、後段はとんでも科学が行っている観察
ですね。よーく読んでくださいね(皮肉)
後はコメントする価値なし。
399名乗るほどのものでわ:01/10/25 13:30
ども。
11さんの思想体系の中で「価値」ありって言われるのもどーかなーと
ドキドキしてたんですが。。。

>>384 の前段に何が書いてあるかっていうと、単なる思い込み。
あれが思い込みじゃないっていうんなら、該当するデータなり論文なりを
示してちょうだいね。

でね、どうして途中で投げ出した量子脳力学から直観が得られるんだか
よーわからんですが、要するに、なーんにもわかってないんだけど、
とにかくおいらはこう思う〜!!!ってことですかい?

それなら、そう言ってくれればいいのに。

じゃね
最初に思いついた人じゃなくて
最初に実証した人が評価されるのが科学でしょう。
従来科学が間違ってる!と言い放ったら
自分で実証するまでは「科学者」でなくなるのはしかないねえ。
40111:01/10/25 17:02
ちょっと別のまとめ方をしてみようか。

昔から脳、とくに前頭葉損傷患者の、自分からゲームに参加しようとしない(日常的な
意味で自発性がない)、計画性のある行動ができない、人格が変わったようだ等の
観察はなされていたんだよね。前頭葉に行動を計画し開始させる機能があると言い
たかった人はたくさんいただろう。しかし、神経学からそれを支持するうまい証拠が
なかった。また、生体は刺激に反応するものという暗黙的な信念もあった。
しかしここで、細胞は体内で化学反応の連鎖を持続させている(このこと自体は誰でも
知っている事実)、したがって生命現象は本来自発的と言えるのだ、ということをこの
文脈で発言したのはそれなりに意味があったと私は思う。
そこから発展させて、そのような自発的な素子で構成された(神経)ネットワークは
なんらかの機能や情報を持ち、素子が自発的に活動するゆえにネットワークも自発的に
活動する(したがって言うまでもなく自発的に行動できる)、というのは、私は掛け値
なしで説得力のある試案だと思う(自画自賛じゃないんだよ。私が他人から聞いても、
なるほどと思えるだろうから)。しかし、おっしゃるとおり、私が考えただけの話だ。
だから今はここで止まっている。

ところで>>367で行った質問、
>運動準備電位は運動に先行して生じる(時間的因果関係がある)のに、それは
>運動を生起させる原因ではない、というのはどうして言えるのでしょう?
にはまだ答えてもらっていませんよね。これはどうしてそう言えるのでしょうか?
402名乗るほどのものでわ:01/10/25 19:00
前半部分には別にコメントはいいですね(笑)

で、後半部分ですが、素朴な否定と、熟慮した否定と二種類準備してみました(笑)

MRCP(movement-related cortical potentials)を構成する主要な成分である
BP(bereitschaftspotential)は一時運動野の両側の電位の総和で、
NS'(Negative slope)は、両側の補足運動野の電位と、運動の対側の
一時運動野に側性化した電位の総和と考えられています。

でだね、「運動野の活動が運動を生起させる原因です」という文脈で
「運動の原因」を語ってヨイのかい? ってのがまず疑問ですな。
だったら、なんでもありじゃない。この個体が×××という運動を
行った原因は×××を担当する運動野が興奮したからだって、それじゃ
ほとんどトートロジーじゃないですか。

それでいいんだって言うんなら、その枠組みでは人間行動を捉えることは
まず無理だと思うので、話はここまでね。

んで、もうひとつ補足しとくと、これは孫引きで元文献は手元にないので
細かいトコ突っ込まれると困るんだけど、実際に運動をともなわないで
運動をイメージするだけでも出現するという報告もあるからね。
MRCPが運動を生起させる原因だったら、こーゆーことはないんじゃないですかね。

じゃね。
403名乗るほどのものでわ:01/10/25 20:34
う。。。誤字だ。。。

言わずもがなですが、
一時運動野 → 一次運動野 です。

鬱だ。。。
40411:01/10/25 21:41
>>402
一次運動野、ペンフィールドが発見した中心溝前方の運動のホモン
クルスですね。あそこは全身の筋肉の運動をrepresentしており、上腕
二頭筋なら上腕二頭筋に対応する皮質と二頭筋が錐体路で連絡しているん
ですね。皮質の活動が先行するというのは、要するに錐体路を伝わる
時間だけ実際の運動の発現が遅れるということですね。
また一次運動野は補足運動野、運動前野と相互に連絡し、これらの領野での
計算結果が最終的に一次運動野から出力される、と考えられているはず。
>実際に運動をともなわないで
>運動をイメージするだけでも出現するという報告もあるからね。
これは補足運動野と運動前野で計算はされたけれども、一次運動野には
出力されない場合という話だったと思います。
細かいことは間違っているかも知れないけれど、だいたいこんな線だったと
思います。
しかし、まだこれで終わりじゃない。これらの運動皮質は基底核から
入力を受けているんですよね。基底核は小脳とも相互に連絡している。
そして、基底核はさらに前頭前野から入力を受けているんですよね。
とりあえず、ここまでにしておきましょう。

で、先生の熟慮した否定とはどういうものですか?
405名無しゲノムのクローンさん:01/10/25 22:13
11さん
自己組織化って知ってる?
40611:01/10/25 22:16
>>405
Computational Neuroscienceスレ、読みました?
40711:01/10/25 22:28
>>405
ごめんなさい。言葉だけで、内容はよく知らないですね。簡単に
ご説明いただけます?
40811:01/10/25 22:37
>>405
自己組織化に対して持っている興味や疑問を要約すると、
自己組織化は前頭前野にも適用できるのか、自己組織化と自発的な
活動とは相容れるのか?ということになります。
409405:01/10/25 22:43
>>406 今読みました。

あなたのいう仮説は既存の概念では神経活動の自己組織化と神経ネットワーク
(もちろん神経系以外も含めた系も考えることもできますが)の構造自体
の自己組織という概念にかなり近いと私は思うのです。

プリゴジン(化学)の散逸構造論あたりからきた概念でモデル屋さんたち
はさかんにやってますよ。

まあ世の中的には複雑系ageなんでしょうが検証はかなり難しいですね。
410405:01/10/25 22:59
>408
>自己組織化に対して持っている興味や疑問を要約すると、
>自己組織化は前頭前野にも適用できるのか、

これはわかりませんね。脳自体に適用できるかどうか誰も実証したわけ
ではないので。

>自己組織化と自発的な
>活動とは相容れるのか?ということになります

自発的な活動自体は自己組織化を促進する可能性はあるかも。
41111:01/10/25 23:06
>>409
す、す、数学がー(泣)となるんですが、その前に自己組織化では
学習の習得時は入力は必須でしょうが、習得後は入力がなくても活動する
ようなモデルは可能なのか(入力は出力の検証に利用する程度)、この
辺の見込みはどうでしょう?
412405:01/10/25 23:25
>>411
>す、す、数学がー(泣)となるんですが、その前に自己組織化では
>学習の習得時は入力は必須でしょうが、習得後は入力がなくても活動する
>ようなモデルは可能なのか(入力は出力の検証に利用する程度)、この
>辺の見込みはどうでしょう?

可能でしょうねえ。極端な話、構造ができてしまえば
二個のニューロンが単純に相互抑制するようなモデルは入力がなくて
も発振し続けるでしょう。

ただ、妥当性のないモデルなど思考実験にしかすぎないわけですし、
外界からの入力がない生体なんて死ぬだけじゃないんですか?
少なくとも外界からのノイズ入力は現実には常にあるわけですから
完全な「自発性」活動という概念自体を仮定するとしたら危ういと
思われますがどう思われます?
413405:01/10/25 23:37
>>412
相互抑制じゃなくて相互促通でした。スマソ
41411:01/10/25 23:49
>>411
うーん(笑) 「自発性」と言ってはいかんのかな。ちょっと考えさせてくださいね。

それはともかく、ネットを漁っていたらJose Delgadoという人の書いた文章があった
のですね。この人はかつて、脳内報償系を電気刺激する研究をしていました。
見つけたのが、
http://www.angelfire.com/or/mctrl/delgado.htm
の、
http://www.angelfire.com/or/mctrl/chap18.htm
これなんか、私と非常に近いと感じましたね。
41511:01/10/25 23:51
>>414
>>412宛ね。
416405:01/10/26 00:15
>>414

まあ同じ現象でもいろんな解釈のしかたがありますしモデルなんて
いくらでも勝手に立てられますよね。そこら辺は現段階での脳に関
する知見ではあまりこだわってもなあと思います。ポリシーがない
といわれるのでしょうが。
そういった意味でもアフォすれはイタいところですねえ。
417名無しゲノムのクローンさん:01/10/26 00:34
動物認知age
41811:01/10/26 06:51
>>416
アフォスレは結果的にバカバカしかったですが、あなた自身は工学屋、生物屋、
心理屋のうち、どれが一番当てはまります?
どうも話を聞いている限り、生物屋ではなさそうですね。生命観が現在の「自己複製
する存在」から「自発的に活動する存在」に変われば、生物学のとくに進化学、
心理学、言語学、人類学等々、広範な領域でプラスの変革が訪れるはずです(これは
決して誇大妄想ではありません)。このことに気がついていらっしゃらないよう
だからです。
そして、すくなくともあなたの話を聞いている限り、自発的に活動する素子から
構成されたネットワークはまんざら捨てたものじゃない。今はこの手応えだけで
いいですよ。
419405:01/10/26 11:45
>>418

私はいろんなところ渡り歩いてきたのでこれだというバックグラウンドがないん
ですよ。少なくとも心理屋さんではありませんがアフォーダンスは諸刃の剣的作
業仮説あるいは宗教(何でも説明できてしまうから)としては面白いと思います。

11さんが少なくとも脳内素子の結合系での自発性活動を考えているなら現実的に
はモデルの妥当性に問題があると思います。
なぜかというと生体では完全に閉じた系というのを仮定するのはほぼ無理でしょ
う。特定の系での自発的な活動に一見みえても実際には常に系の外から入力によっ
て影響を受けているはずです。
そうすると系の定義を広げようと考えるわけですが、まあ外界、他の個体も含めた
広い系を仮定するとすべては自発的な活動と定義できてしまいませんか?
そうしたところで検証のしようもないし、何も語ってないのと同じではないかと
思ってしまうのです。

もちろん程度問題で、ヒトの行動レベルでの自由意志の決定が11さんのいう
ところの脳の一見局所的な自発的な活動に大きく左右されるという証拠がでて
くれば興味深いとは思いますが。そんな流れってあるのですか?
420405:01/10/26 11:53
>>419
自己レス
ヒトの自由意志(あるかないか。。)にかぎらず、動物の自由意志(そもそもないか。。)
に関してでもいいのです。
42111:01/10/26 13:27
>>419
>私はいろんなところ渡り歩いてきたのでこれだというバックグラウンドがないんですよ。
これは私もよく似てます(笑

まだちょっと誤解されていると思いましたので説明しますね。
ゾウリムシの運動は確かに水の温度やpH、浸透圧などの外部環境の影響を受けて
いるでしょう。しかし、水温10-30℃、pH7.0前後、生理食塩水と同程度の
浸透圧では活発に動き回ることができる。すなわち、環境刺激に完全に
支配されているわけではない、むしろその自由度に注目してくださいね。
この運動は細胞「内部」で行われている物質代謝とそれによって生じた
エネルギーを利用した鞭毛運動のおかげですよね。これを自発的な運動と
呼ぶことにしました。これと同じことが、多細胞生物やヒトまですべての
動物で生じているのです。もちろん自発的な運動や活動の性質は細胞の
種類によって異なる。神経細胞ではそれが自発的な発火として現れている
のです。その素子で構成されたネットワークも自発的に活動し、結果、
自発的な運動として現れる。ここまではいいですね。
ヒトは自分自身との類推で同種個体のことをある程度知ることができる。
それで、今までに述べた自発的な活動には自分との類推からその背後に
「意志」があると考える。でも、それを「意志」と呼ぶかどうかはどうでも
いいのです。大事なことは生命は自発的な存在だという主張なんですよ。
動物でも同じことです。
422405:01/10/26 13:53
>ゾウリムシの運動は確かに水の温度やpH、浸透圧などの外部環境の影響を受けて
>いるでしょう。しかし、水温10-30℃、pH7.0前後、生理食塩水と同程度の
>浸透圧では活発に動き回ることができる。すなわち、環境刺激に完全に
>支配されているわけではない、むしろその自由度に注目してくださいね。
>この運動は細胞「内部」で行われている物質代謝とそれによって生じた
>エネルギーを利用した鞭毛運動のおかげですよね。これを自発的な運動と
>呼ぶことにしました。

ここがわかりません。
明らかにゾウリムシの運動は外部環境からの物理入力の影響をうけてますよね。
非線形な応答なのでしょうが環境刺激との相互作用でゾウリムシの運動は決まっ
ているんじゃないですか?
外部環境とゾウリムシを含んだ系を考えれば「自発性」ですが。
423405:01/10/26 13:56
422
>>421 desu
42411:01/10/26 14:05
うーん。外部環境からの物理入力の影響というのはたとえばどういう
ものですか? 光とか熱でしょうか・・・・
環境刺激との相互作用をいうためには細胞膜を介した物質輸送、または
どの程度外界と内部を隔絶させているか、が問題になりますね・・・

>外部環境とゾウリムシを含んだ系を考えれば「自発性」ですが。
意味がよく分からないのですが・・・
42511:01/10/26 14:11
結局、自発性というと因果関係を無視している、ということになるの
でしょうか?
42611:01/10/26 14:36
>>419
うん。
>もちろん程度問題で、ヒトの行動レベルでの自由意志の決定が11さんのいう
>ところの脳の一見局所的な自発的な活動に大きく左右されるという証拠がでて
>くれば興味深いとは思いますが。そんな流れってあるのですか?
これは重要ですね。脳計測の方からは技術的にまだ時間的解像度が低いのと、
ノイズのせいか、<弱いかも知れない、その一見局所的な自発的な活動>は
まだ捉えられないという話でしたが。
427405:01/10/26 15:04
>>424

>うーん。外部環境からの物理入力の影響というのはたとえばどういう
>ものですか? 光とか熱でしょうか・・・・
>環境刺激との相互作用をいうためには細胞膜を介した物質輸送、または
>どの程度外界と内部を隔絶させているか、が問題になりますね・・・

私のいう物理入力はゾウリムシの細胞外からの光、水の分子運動から化学的
なものも含めてすべてです。

>>外部環境とゾウリムシを含んだ系を考えれば「自発性」ですが。

ゾウリムシとその周りの水?を含んだ系を仮定すれば、ほぼその一つの
系は閉じた系と仮定することができるでしょうか。
その系全体では自発的に活動が起きていると考えることができるのかとは
思います。
しかしゾウリムシの体内限定で自発性の運動が起きているとはいえないの
ではないですか?
428405:01/10/26 17:56
>>425

因果関係を無視しているというか、少なくとも生体内の系にはなんらかの
エネルギーの流入はかならずあるわけです。

複雑系での自己組織化現象では微弱な入力や初期値の違いが出力に決定論
的に予測不能な影響を与える可能性は常にあるわけですし、
本当に神経系での「自発性」の現象かどうかを確認するのは原理的に困難
なのではないでしょうか?
429名無しゲノムのクローンさん:01/10/26 21:24
11タンハァハァ
430 ◆A7SFFo6c :01/10/26 23:48
自発性ということで、以前心理学板で取り上げた話題ですが。

「確率共振」という現象がありますよね。
一定の周期で振動する、閾値を伴う系に「適切な(有利な?)」ノイズが加わると、
ある確率で閾値を超えるような挙動が発生するという代物です。
僕が聞いた範囲では氷河期が到来する理由の説明に用いられたことがある、
ということですが、これをニューロンに適用しようという動きもあるようです。
これについては皆さんいかが思われますか?

>>426
脳計測の時間分解能は十分確保されていますよ。
むしろ、データ処理そのものに限界があると見た方がいいと思います。。。
431405:01/10/27 00:19
>>430

実際に生体でおきているとしたら非常に興味深いですよね。

ノイズ入力次第ということですから、ニューロンレベルでも
よりマクロなレベルでも「自発的」な活動は否定されるとい
うことでしょうか?
432 ◆A7SFFo6c :01/10/27 00:57
>>431
その辺りは微妙な話だと思います。
即ち、11氏の立場から見ればひとりでにニューロンが発火するという
ことですから、「自発的だ」と言えるでしょう。逆に、否定的な見方を
する人にとっては外部入力が自然発火を招くのですから、
「自発的ではない」という結論になるでしょう。

似たような事例で少々電子回路のことになりますが、
積分器の出力を別の積分器の入力につないだフィードバック回路は、
放っておくと出力が発振するんですね。これは、積分器素子内の
雑音が引き金になって起きる。。。のだそうです(うろ覚え)。

と、いうことでこれを「自発性」の顕れと見るかどうかは、
僕にもよくわかりません。
433虚無好き:01/10/27 01:11
むにゃむにゃ。
>私の主張する可能性は原理的に排除できない
>から、頭から否定すべきではなく、逆にあり得るんじゃないか?と
>言っているように思える。
その通りにゃ。とはいえ、わたしの言ったことは、
主観がかわれば客観もかわるみたいな、ヘーゲル精神現象学のようにとられたかもにゃ…

それよりもいま、べつのいみで、
内部と外部の相対性が言われていることは興味深いにゃ。
たとえば、「台風」は存在せず、実在するのは空気の分子だけだという主張があるとすると、
個々の空気分子は「台風」を構成せず、つねに通過していくだけという事実は、
「台風」という現象領域の正当性、あるいは同一性について、
強い懐疑を投げかけているともいえるにゃ。
(これはもうすでに内部と外部の問題なのにゃ)
すると「台風」という概念は、恣意的なのかにゃ?
わたしは台風という現象は実在するし、それは個々の分子に注目しただけでは決して与えられないような
因果律が規定されると思うにゃ。
ま、たぶん自己組織化を視野にいれた熱力学によるものだにゃ。
そしてたぶん台風は、太陽系的な気象にゃ。

察しのいいひとは、またこれかとかいうかもしれないけど、
生物もまた、いろいろな物質が通過していくだけの、実在しない経過点ともいえるにゃ。
逆にまた生物は、構造として同一性をもった実在ともいえるにゃ。
そして生物は、固有のレベルの因果律をもつ可能性があるにゃ。

↑う〜ん、いまいちにゃ。またくるにゃ。
434405:01/10/27 01:35
>>432
>その辺りは微妙な話だと思います。
>即ち、11氏の立場から見ればひとりでにニューロンが発火するという
>ことですから、「自発的だ」と言えるでしょう。逆に、否定的な見方を
>する人にとっては外部入力が自然発火を招くのですから、
>「自発的ではない」という結論になるでしょう。


確率共振は系および入力信号、ノイズ、出力をきちんと定義した上での話なので
はないですか?

その定義さえしっかりすれば立場によらず結論は一つかと。11氏の系の定義は
よくわかりません。
435 ◆A7SFFo6c :01/10/27 01:41
>>434
系と入力と出力は定義されていますが、
ノイズについては今のところ未定義です。ノイズの種類の選択が
恣意的であれば、結果もまた恣意的になるようです。

制御工学・信号処理が専門の知人から又聞きしただけですので、
詳しい説明はご容赦を。一応、その人は振動子モデルによる
計算機シミュレーションを行っていますが、その際に加えているノイズは
白色雑音ということでした。
436405:01/10/27 01:54
>>435
>系と入力と出力は定義されていますが、
>ノイズについては今のところ未定義です。

11さんは入力がなく出力のみがある系を仮定しているような印象があります。
もしそうであればそんな系に妥当性はないと思います。

まだ11さんは確率共振については何も語っていませんでしたね。

>>ノイズの種類の選択が
>>恣意的であれば、結果もまた恣意的になるようです。

そのようですね。
437405:01/10/27 02:04
>>433

>察しのいいひとは、またこれかとかいうかもしれないけど、
>生物もまた、いろいろな物質が通過していくだけの、実在しない経過点ともいえるにゃ。
>逆にまた生物は、構造として同一性をもった実在ともいえるにゃ。
>そして生物は、固有のレベルの因果律をもつ可能性があるにゃ。

脳またはニューロン群レベルの構造を考えると内部と外部の境界
があいまいなだけに固有レベルの因果律がなりたたない?
438 ◆A7SFFo6c :01/10/27 02:05
>>436
入力についても、あやふやなことをその知人は言っていましたが。
つまり、定常的な周期信号(sinカーブ)の入力があればとか、そんな感じです。
ただ、上で挙げた積分器同士のフィードバック回路という代物は、
見かけ上は「入力のない」系ですね。積分器への電源入力はあるでしょうが。w

ところで、こんなところを見つけました。
Java appletをONにして、ご覧になってみてください。
ttp://www.expm.t.u-tokyo.ac.jp/~kanamaru/Chaos/SR/Sr.html
439405:01/10/27 02:14
>>438

一瞬ブラクラかと疑ってしまいました失礼。ニュー速板から流れてきたので。

>入力についても、あやふやなことをその知人は言っていましたが。
>つまり、定常的な周期信号(sinカーブ)の入力があればとか、そんな感じです。

普通は微弱な閾値下の入力信号を検出するという話ですよね。

>ただ、上で挙げた積分器同士のフィードバック回路という代物は、
>見かけ上は「入力のない」系ですね。積分器への電源入力はあるでしょうが。w

そうですねえ。おもしろい。
440 ◆A7SFFo6c :01/10/27 02:21
>>439
そこでブラクラを貼るという悪行も可能だったのですが。w

閾値下の入力信号を検出する、ということからニューロンの
発火モデルへの応用が考えられたのも道理ですね。
実際、知人は二値化する場合についても計算機シミュレーションを
行っていました。結果は>>438のサイトのような感じでした。
441405:01/10/27 02:40
>>440

モデリングはいろいろあるみたいですが、
ヒトでも実験的な研究ってあるんですかねえ?
442 ◆A7SFFo6c :01/10/27 02:45
>>441
僕にはちょっとわからないです。。。
生理屋というより、むしろ医用生体工学に近い筋ですので。
確かに、以前、心理学板でノイズと「確率共振」が話題になりかけたのですが、
それは単語が提示されただけでその説明はなかったのですね。このスレでその現象を
説明していただけたのは収穫だったと思います。
だから、私は「確率共振」については何も言えなかった。>>426辺りではまだそれを
知らなかったから。

>>436
>11さんは入力がなく出力のみがある系を仮定しているような印象があります。
確かにその通りです。が・・・
今はなぜか>>438のリンクが開かないので私はその内容は知らないということを
前提に、
ゾウリムシの例で405氏から自発的な活動そのものに疑念が提出されたので私は困って
しまったのですが、とりあえずここでは神経細胞は自発発火するものと考え、まず
脳ではその自発発火するたくさんの神経細胞が数千のシナプスを介して相互に入力を
受けているので、各神経細胞は常時、発火閾値付近まで細胞膜が脱分極、または発火
閾値が低下している、発火閾値付近で揺らいでいると考えることができるでしょう。
神経細胞は自発的に発火する傾向があると同時に、周囲の神経細胞から自発発火の
入力を受けてさらに発火傾向が高まり、現にあちこちで発火していると考えるのです。
これが私が元々考えていたマクロな神経ネットワークの自発的な活動です。

と同時に、上記のようなネットワークでは、本来は発火閾値下のごく弱い刺激がネット
ワークに入力されるだけでもその影響がネットワーク全体に急速に波及する、と考える
こともできるでしょう。このことを確率共振の現象が支持していると見ることができる
かも知れない。ただし、この本来は発火閾値下のごく弱い刺激をノイズと呼ぶのは私は
抵抗があるのですが。
>>430の「確率共振」のご説明の
一定の周期で振動する、閾値を伴う系に「適切な(有利な?)」ノイズが加わると、
ある確率で閾値を超えるような挙動が発生するという代物です。
「一定の周期で振動する」というのがよく分からないのですが、この感じに近いです
よね。

私としては一番最初にくる「神経細胞の自発発火」のこと、神経細胞は本当に自発発火
すると言ってよいのかどうか、をもう少し考えてみたいと思うのですが。これが一番
根本ですよね。

>>433
援護射撃をありがとうございます。
44411:01/10/27 10:03
>>443にちょっと補足すると、自発的に活動する神経ネットワークとして前頭前野を
疑っているということを念頭に、ネットワーク全体の自発的な活動は脳幹網様体賦活
系にサポートされていると考えてもいいかも知れない、脳幹網様体から非特異的に
投射される入力によってネットワークの自発発火の閾値が低下していると考えるのです。
でも、じゃ、脳幹網様体賦活系の活動はどこから来ているのか、と考えたら最後には
どこかで自発的に活動している実体を想定しないことには説明できない、という気が
しませんか?

それと、閉鎖系と開放系は有るか無いか、そうなっているかいないかではなく、細胞膜や
頭蓋骨から血液脳関門までさまざまな生体の防護機構は、生体が完全な開放系になって
しまわないように進化によって生まれた仕組みなんだと。完全な開放系になって
しまったらそれは死ぬことなんだ、と考えてみたらどうでしょう。
44511:01/10/27 10:11
>>444
脳幹網様体から非特異的に投射される入力が
×ネットワークの自発発火の閾値が低下していると考えるのです。
○ネットワークを構成する神経細胞が自発的に発火するための閾値を
低下させていると考えるのです
446虚無好き:01/10/27 10:53
台風は、またわかりにくいアナロジーになってしまったにゃ。
とりあえず11先生は、生命現象特有の、一般原理を追究しているという理解でいいのかにゃ?
わたしはまず、生命が、
物質を代謝しながら、同一性が観測される構造をもった現象だとおもうにゃ。
自由エネルギーを消費しながら、一定期間存続する構造としては、
木星の大赤斑のような熱力学的な気象現象があるにゃ。
これは、個々の大気分子のふるまいからはうまく説明できないにゃ。
で、ボルツマン方程式ということになるけど、
これは、少なくともタンパク質のフォールディングまでは射程距離になってるかんじにゃ。
で、このあたりから生命固有の現象がでてくるかんじがするけど、
たぶん還元主義ではうまくいかないにゃ。

で、シロウトには
>各神経細胞は常時、発火閾値付近まで細胞膜が脱分極、
ときくと、常時アセチルコリン大量分泌か?とか思っちゃうんだけどにゃ…
44711:01/10/27 10:59
>>444に補足して(ごめんね、追加ばかりで。。。)

だから
>>428
>複雑系での自己組織化現象では微弱な入力や初期値の違いが出力に決定論
>的に予測不能な影響を与える可能性は常にあるわけですし、
>本当に神経系での「自発性」の現象かどうかを確認するのは原理的に困難
>なのではないでしょうか?
に対しては、もちろん出力に決定論的に予測不能な影響を与える入力というのは
あるけれども、生体は完全な閉鎖系ではあり得ないと同時に完全な開放系でもない
(完全な開放系になると死んでしまう、つまりそれは生命ではない)。
だから、生体内部の活動によってもたらされる「自発性」も否定できない。
ゾウリムシのような貧弱な防御機構では保護できない入力も、さまざまな防護機構を
備えた生体ではそれが保護できるようになっている(つまり閉鎖系に近づいている、
もちろん完全ではない)、というのはどうでしょう。
448405:01/10/27 11:31
私の「自発性」の活動に対する疑念は、仮に局所的に自発性活動をするニュー
ロン群があったとしても、そのニューロン群の活動は外界や、他のニューロ
ン群からの入力を受けて予測不能な挙動を示すのではないかということにあり
ます。
さらに確率共振のような非線形現象がおきるような系が脳内に存在すると、
ノイズ次第でその出力は大きく影響されるわけですよね。

そうなった場合、その特定のニューロン群の活動を「自発性」の活動と
よぶことはもうできないのではないですか?

ゾウリムシの例にしても個体外の環境からの入力に大きく影響をうけて
生体内の系は動いているという好例に思えます。
44911:01/10/27 11:32
>>446
生命の定義は「物質交代」「自己修復」「自己複製」とされているらしいんです。
>物質を代謝しながら、同一性が観測される構造をもった現象だとおもうにゃ。
はこれと同じことをおっしゃっている。
私もこれに異を唱えたり、ここまで立ち入る気はないんです。
ただ、これらのことを行うためには生命体内では常時、化学反応が連鎖的に継続されて
いなければならないだろう。このことを「自発的」と呼ぼうではないか、ということ
ですね。

>>各神経細胞は常時、発火閾値付近まで細胞膜が脱分極、
>ときくと、常時アセチルコリン大量分泌か?とか思っちゃうんだけどにゃ…
アセチルコリンやグルタミン酸は興奮性(神経細胞膜を脱分極させる)の神経伝達
物質です。脳内にはこれを伝達物質とする神経細胞が多く含まれている。と同時にγ-
アミノ酪酸のような抑制性(過分極させる)の神経伝達物質を伝達物質とする神経
細胞も含まれているんです(興奮性、抑制性の神経細胞によってネットワークは
構成されている)。だから、
>各神経細胞は常時、発火閾値付近まで細胞膜が脱分極、または発火
>閾値が低下している、発火閾値付近で揺らいでいると考えることができるでしょう
これを言うためには、たとえば前頭前野では抑制性より興奮性の神経細胞の方が多い、
ということも明らかにする必要があるかも知れません。ただ、脳をすりつぶして測定
する生化学的方法で得られた証拠では決定打にはならないんですよね。問題のネット
ワークを構成する神経細胞のみを測定するのはまだできないから・・・
450405:01/10/27 11:36
447>>
>あるけれども、生体は完全な閉鎖系ではあり得ないと同時に完全な開放系でもない
>(完全な開放系になると死んでしまう、つまりそれは生命ではない)。
>だから、生体内部の活動によってもたらされる「自発性」も否定できない。

中途半端な開放系であるわけですから、むしろ完全な意味での自発性が否定される
のではないかと思うわけです。
451405:01/10/27 11:43
>>449
>ただ、これらのことを行うためには生命体内では常時、化学反応が連鎖的に継続されて
>いなければならないだろう。このことを「自発的」と呼ぼうではないか、ということ
>ですね。

ここがひっかかります。
これを「自発的」とよべるなら生体内のすべての連鎖している化学反応
は自発的とよべてしまうはずです。

それよりは外界も含めた系で自己組織的に創発する現象と捉えるほうが
説明原理としてはすっきりするかと。
いつのまにか私は複雑系屋さんになってますね。かならずしもそうでは
ないのですが(藁
45211:01/10/27 11:50
>>448
>そうなった場合、その特定のニューロン群の活動を「自発性」の活動と
>よぶことはもうできないのではないですか?
だからこれは呼ぶことができるかどうかはまだ言えないんじゃないで
しょうか。今後の研究にかかっている(笑)のです。

>ゾウリムシの例にしても個体外の環境からの入力に大きく影響をうけて
>生体内の系は動いているという好例に思えます。
これは不幸にしてゾウリムシの防護機構は貧弱だからで、すぐれた防護
機構を備えた生体ではその影響は小さくなっているんじゃないですか?
影響は無いとは言わないよ、もちろん。
453名無しゲノムのクローンさん:01/10/27 11:56
ちょっと話題ずれちゃうけど・・・

「確率共振」って、stochastic resonance のこと?
それなら「確率共鳴」のほうが一般的な訳語では?

それと、量子脳理論について・・・
高橋康の場の理論を使ったアプローチ(QBDね)とか、最近のペンローズ
の微小管とかあるけど、あんなのウソっぱちだよ。大学で物理やって
たら、脳の中でコヒーレントな状態ができてるはずがないってすぐわかる
はず。11さんが >>382 で言ってることってたぶん、「量子力学の波束の
収束は予測不可能であり、それは(ここでいってる)自発的な活動と
関係があるのかもしれない」ってことのように聞こえるんだけど。
まあ量子力学と意識を関係づけようって人はいるけど、全部トンデモだね。

自己組織化なんて量子力学より簡単だから、11さん、勉強してみたら。
それといままでのモデルの批判をするなら、それらを理解して的確な批判を
してね。いままでんところ、全部ズレテルヨ。

じゃあね。
454405:01/10/27 11:57
452
>これは不幸にしてゾウリムシの防護機構は貧弱だからで、すぐれた防護
>機構を備えた生体ではその影響は小さくなっているんじゃないですか?
>影響は無いとは言わないよ、もちろん。

そんなことはないんじゃないですか。
ヒトだって大いに外界の影響をうけるんじゃあないですか?
455405:01/10/27 12:02
>>453

>「確率共振」って、stochastic resonance のこと?
>それなら「確率共鳴」のほうが一般的な訳語では?

どっちも使われてますよ。
でも工学系は共振?
45611:01/10/27 12:03
量子脳力学には>>453さんほど深入りしていないですよ。
でも、自己組織化にはいずれ行くかも知れません。
457名無しゲノムのクローンさん:01/10/27 12:10
453です。
>>455
「共振」ってあんまり聞いたことないけど、使うんですね。
ありがとう、勉強になりました。工学と理学で違うのかな。
「超電導」と「超伝導」みたいな。

>>456
だから・・・僕も量子脳なんてやってませんって、あんなもの。
でも理解してないものまで自説の根拠にしちゃう11さんって
すごいよねー。理解してからモノ言おうねー。

じゃあバイバイ。
45811:01/10/27 12:13
>>457
>すごいよねー。理解してからモノ言おうねー。
あなた、性格悪いね。

ちょっと休憩。
459名無しゲノムのクローンさん:01/10/27 12:16
>>458
ありがとう。でもあなたよりモノゴトわかってるからいいよ〜。
少なくとも物理の話は引き合いに出さないほうがいいと思うよ。
わかってないの丸ワカリだから。
460名無しゲノムのクローンさん:01/10/27 12:19
11タン
ハァハァ
46111:01/10/27 13:46
そうだなー、私が不思議で仕方ないことをみんなに共有してもらう
のがいいのかも知れない。
それは私たちの行動全般に当てはまることなんだけど、たとえば
私たちが寝返りを打つのは、必ずしも背中に圧迫感を感じて寝返りを
打つわけじゃないよね。虫に刺されてかゆくなればそこを掻くけれども、
かゆくなくても掻くことがある。寝ながら指をタップする。これは別に
そうしなければならないわけがないのにすることがある。足を組まなければ
ならない理由はとくにないのに足を組む。つまりとくに先行する刺激や、
そうしなければならない理由はないのに、私たちがふだんにしている行動が
たくさんあるでしょ。また、親や教師、環境はすべて左に行くことを指し
示しているのに、あえて右に行くことだってある。これらの行動は一部は
癖とか条件づけで説明できるかも知れないけれども、その説明では納得
できないことも多く、もっと統一的に説明する方法はないのだろうか、
というのがあるんです。有れば教えてほしいんだけど。
自分の能力に見合ったいろんな書物を読み、それなりにいろんな発見は
あったけれども、振り返って、では上の疑問が解けたかというと、まだ
解けた気がしない。
そうした中で思いついたのが、生物は本来自発的なんだ、という考えなんですよ。
この考えで私たちの行動をどこまで理解できるか、この十数年間はほとんど
それを確認するための歴史だったと同時に、この考えを捨て去れると
感じられる理論の探索でしたね。
誰かこの私の疑問に解を与えてくれー。ですよ。それが与えられない限り、
私は「生物は本来自発的なんだ」という考えを捨てられない。
46211:01/10/27 14:16
>>461に書いたような疑問を持っているからこそ、行動主義がオペラントの自発を
ランダムとしか言わないのでは行動を説明したことにはならないと感じるのです。
アフォーダンススレで書いた、椅子は座ることも薪にもできるのはなぜか?という
疑問も、結局のところ、>>461で述べた疑問に端を発しているのです。で、いろいろ
書物を読んできたところで、同じ疑問かそれに近い疑問をもって研究に取り組んで
いる分野は脳科学しかなく、そして注目すべきはやっぱり前頭前野なんだろうと
いうことが分かってくる、とこんな感じですよ。
46311:01/10/27 14:28
だから>>457さんや>>459さんには、いくらいろんなことを知っていると偉そうに
言っても、私にすれば>>461の疑問に答えられないのでは何も知らないのと同じ
なんですよ。だからもっと謙虚になって考えてみない?と言いたいんですけど。
46411:01/10/27 14:32
煽りを予防するために言うけど、もちろん私だって知らないし分からない。
だから>>461の疑問に対して同じように不思議と思うなら一緒に考えてほしいな、
ということね。
>つまりとくに先行する刺激や、そうしなければならない理由はない
それは意識や記憶に残らなかったり、主体の視点からは把握できないだけで
科学的に調べてみると「先行する刺激」がある疑いってのが事実なのでは?
疑いをどう調べ定義するかは学問や主義によってずいぶん異なるけど。
>生物は本来自発的なんだ
という11様のロマンなんですね。オートポイエーシスですか?それはちょっと分かるような気がする。
でも生体の特性を昇華するより無限の環境と因果律を共にするにゃ!ってな憧れも
分かるような気がする。キリスト的ロマンと仏教的ロマンの違い??
46611:01/10/27 15:07
>>465
>それは意識や記憶に残らなかったり、主体の視点からは把握できないだけで
>科学的に調べてみると「先行する刺激」がある疑いってのが事実なのでは?
あなた自身は本当に(もう一回繰り返そう、本当に(笑)それで納得できる?
前に研究不可能な研究を楯に持論を支持しようとしていると批判されたけれどもさ、
現在報告されているのは刺激が特定された研究だけだ(刺激が特定できずにうやむやに
なっている研究が実は山ほどある)とか思わない?

私がロマンチストなのは認めるけどさ(笑) オートポイエーシスってどういう
意味ですか?
46711:01/10/27 15:30
オートポイエーシス、分かりましたよ。インターネットが普及した現在、語句の
意味を問うのは愚かだよね。

オートポイエーシスの視点は次の4点に集約される。
自律性
個体性
境界の自己決定
入力と出力の不在
ですか。もう少し調べてみますね。
オートポイエーシスか…11さんが「内部と外部の相対性」を肯定したら
虚無先生あたりが出してくるかな〜と思ってましたが…
詳しく無いしスレ違いなのでsage
46911:01/10/27 15:49
>>468
>>433で虚無好き先生のおっしゃった「内部と外部の相対性」の意味がよく分から
なかった。後の文章を読んで、要するに全体は部分の総和ではないという話を
されているのかな、と思っていたんですよ。
47011:01/10/27 17:05
>従来の生物学の視点に対するラディカルな異議申立てであり、そして生命体の能動性の
>復権を企てたものである。
これでんがなー(笑) オートポイエーシスは手持ちの中では多田富雄氏の
「免疫の意味論」で出てましたね。
よーし、しばらくオートポイエーシスを追いかけてみますよ。どうもありがとう。
471名無しゲノムのクローンさん:01/10/27 18:57
メタファはいくらでもあると思われ
47211:01/10/27 19:05
わかった、分かったよ。私は一生懸命、主観でモノを見ようとしていた。これが
つまり、システム内部から見るオートポイエーシスと同じだったんだ。最近では
>>466がこのことを明瞭に示している。そしてこのことが、行動を徹底的に外側から
見ようとする行動主義と私が相容れなかった理由なんだ。そして、私が採ろうと
している方法を少なくともオートポイエーシスは支持している。これは有りなんだ。
まだほんの直観だけど、上で書いたことは今の感じをまだ十分には伝えてはいないが、
これはおもしろい。
473国語:01/10/27 19:37
11氏が >461 で書いてたような疑問を統一的に説明する理論がもしあったとしたら、
それは
バクテリオファージが大腸菌を食い物にするのとコマユバチがあおむしを食い物にするのと
仕手筋が企業を食い物にするのとコンピュータウィルスがサーバーをダウンさせつつネット上に
拡散してゆくのと……
を統一的に説明する理論(そんなもんあるか?)みたいな位置付けのものになるような気が
する。神経や脳の分野から理論立てをしてゆくと、やっぱり >465 さんのような理解の仕方
より分が悪いように思われます。

一つ仮説を立ててみようかな。理由もないのに足を組む時。過去のある時点で今現在ととても
そっくりな瞬間を体験していて、その時足を組んだら、とある状況がその後好転したという
記憶を持っている。一方、今現在(その時とは異なる種類だが)打開したい状況を一つかかえて
いる。それで、現状を打開したいと言う無意識に近いレベルでの要求が過去の記憶を検索し、
「足を組み替えてみる」という一案を計上した。しかもこの仮説は、条件付けと、ニンゲンの持つ
類推能力を二本柱に据えて、「げんをかつぐ」行為さらには「忌み言葉」の発生までカバーできる
統一理論の一部を形成する。
なんちゃって。
(後半の文章、11氏をおちょくるような意図は毛頭ありません。ちょっと書いてみたかっただけ)
474 ◆A7SFFo6c :01/10/27 19:50
>>453-457
まさしくstochastic resonanceです。
はっきり言って僕は共振でも共鳴でもどちらでも構わないのですがw
(そういえば、MRIのRは「共鳴」になりますね)
工学系なので「共振」にしているのだということで。
LC回路も、振動子モデルも僕のイメージだと「共振」です。

ところで、自発性についてですが、
いまいち外部からの入力と無相関に発生する出力というものが、
どうもイメージしにくいのです。。。ただ、例の積分器FB回路の例も
ありますので、何とも。ノイズが鍵にはなるのでしょうけど。
47511:01/10/27 19:50
>>472では客観的に観るのが悪いように書いてしまったが、そうでは
なく、それだけでは重要な情報が抜け落ちてしまうということだな。
従来の外側から生命現象を見たのでは、生体は刺激に反応することで
自己を維持しようとする受け身のシステムしか導かれない、ということ
なんだろう。「自発性」はまさにこのことに異議を唱えているんだ。
オートポイエーシスに関するウェブに掲載された解説文を流し読みして
みることで、この構造が見えてきたという感じ。
47611:01/10/27 20:00
>>474
>いまいち外部からの入力と無相関に発生する出力というものが、
>どうもイメージしにくいのです。。。
これがオートポイエーシスの解説によると、システムを外側から見る
視点から離れられないからじゃないか、と書いてある。もっと自分の
こととして考えてみる。自分は常になんらかの刺激に反応しているに
過ぎないのかどうか。この見方がシステム内部から見るということに
なるんじゃないかな。
ただ、私だってまだ読みかじったばかりのことでまだ云々したくない。
どなたかオートポイエーシスに詳しい方いらっしゃいます?
47711:01/10/27 20:16
>>465氏のいう
>>つまりとくに先行する刺激や、そうしなければならない理由はない
>それは意識や記憶に残らなかったり、主体の視点からは把握できないだけで
>科学的に調べてみると「先行する刺激」がある疑いってのが事実なのでは?
もちろん、普通はこのように説明されることは知っている。しかし、
生体側から見ると、そんな刺激はあったとしても生体には意味がない、
つまり反応を左右する刺激にはなり得ない、というのが真実なんじゃ
ないのかなぁ。
478405:01/10/27 20:30
>>477

知覚閾値下の刺激が行為に大きく影響を与える現象は認知科学系でプライミング
とか研究されてますよね。確率共振も閾値下信号の検出の話ですから、生体の反
応は閾値下の信号やノイズに大きく左右されているということではないでしょう
か。

つまり、一見たいしたことがない刺激が生体の反応に大きく影響を与えている
可能性があるということがわかりつつあるということだと思います。
479 ◆A7SFFo6c :01/10/27 20:47
>>478
少々脱線しますが、負のプライミングという現象は知覚閾値下の刺激に
対して起こるものではないのではありませんか? むしろ、注意効果による
情報処理の促進を受けていない生の情報が、注意による集中処理を
受けている(受けるべき)情報に干渉するものと僕は理解しているのですが。
(心理屋ではないので正確なところはわかりません)

ただ、微弱なノイズが生体の反応に大きな影響を及ぼしているのでは、
という考え方はかなり妥当だと思います。しかしながら、出力の特性が
そのノイズの特性に依存するということも、既に述べた通りです。
48011:01/10/27 20:48
知覚閾値下というのはサブリミナル効果の方じゃないの? プライミングは
不完全な情報を提示することで完全な知覚が導かれる現象じゃなかったっけ。
確率共振が生体で生じているのかどうかは、、、実例があるのかな。
481405:01/10/27 21:00
>>479
>>480
一般的なプライミングは適切な例ではなかったかもしれませんね。
私も専門家ではまったくないので失礼しました。

でも閾値下の先行刺激をいれることで、反応がかわるというのは
あるようです。

>>確率共振が生体で生じているのかどうかは、、、実例があるのかな。

ヒトも含めていくつか最近あるようですね。
482405:01/10/27 21:09
ヒトで触覚閾値下の刺激が、弱い電気刺激ノイズ与えることによって
知覚できるようになるというのがあるようですね。
48311:01/10/27 21:12
>>482
なにか、学会の抄録とか見てます?
484405:01/10/27 21:24
>>483
いいえ雑誌検索です。
ヒトで機械的刺激を信号とノイズにするのもnatureにも出てますよ。
48511:01/10/27 21:57
ふむ。PubMedで調べたらstochastic resonance*brainで数は多くない
けどありますね。脳幹とか海馬とか。みんなノイズが絡んでますね。
486名無しゲノムのクローンさん:01/10/28 00:18
11の脳のカオス的シナリオスレだなここは。
487 ◆A7SFFo6c :01/10/28 02:16
>>481
いえいえ、僕の方こそ「負の」プライミングについて答えてしまいました。
どうも議論がすれ違ってしまったような印象が。。。

>>485
脳幹・海馬ということは、モデル化もしくは電気生理的な実験でしょうか?
48811:01/10/28 06:14
>>487
電気生理学的な実験、でしょうか。神経細胞集団である核から来る電気信号と
ノイズの相互作用みたいな研究かなぁ。要約しか読めないし、私には今ひとつ
意義が分かりません。
489pa:01/10/28 09:57

 外部(この場合は皮膚の外)からの刺激がなくても
リズムを刻むというのであれば,サーカディアンリズム
があり,たとえば,
「時間を知る生物  富岡憲治 裳華房」
のなかでは孵化直前からコオロギの卵を恒暗,恒明条件においといても
行動に日周リズムがみられているという記述があり,とすると
1回も24時間周期の日長にさらされなくってもよいことになり,
「おそらく生得的にプログラムされているのであろう」
とのべられています。

ただし,これがどのようにしてはじまるかについては以前心理屋氏が
のべたとおりの問題があるとはおもいますが,とりあえず
「外部から有意な刺激がなくても,リズムを刻める」
くらいのことはいえるとおもいます。

ところで,これもそうですが,「外部刺激を必要としないループ」を
自発性っていうのはどうでしょうか?
「遺伝的にプログラム」された行動が例え外部環境からの
刺激に全く左右されないっていう場合があるとしても(fixed action patternなど ・・ハイイロガンの卵を巣に戻す行動とかですか)
これを・つまりプログラムされただけの行動を
一般的な意味合いで「自発的な行動」とよべるかどうかというのは
例えば,人間の行動に比類させてみれば一目瞭然であるようにおもわれます。

私個人の意見としては
むしろ外部から独立してはたらきうる,ってな意味で自律的
っていう方がいいのではないかとも思われますが。


>11氏
>知覚閾値下というのはサブリミナル効果の方じゃないの? プライミングは
不完全な情報を提示することで完全な知覚が導かれる現象じゃなかったっけ。

★プライミング実験の1つには,顕在記憶にのこらない短い時間,刺激を提示する。
そのあとしばらくたって,いくつかの単語を提示すると,最初に提示した
刺激に関連するものをより選択する,という結果がしめされている,
と「サブリミナル・マインド」にて記述されていました。
このとき,最初の刺激はあまりに短い時間なので「閾下提示刺激」となって
顕在記憶にはのこらない・・
つまり,自覚できない刺激であり,そのいみあいでは

知覚閾値下

といってもいいのではないかとおもわれます。ただし「知覚」というのが
「自覚できるレベルの意識」あるいは「顕在記憶として残る」
という意味であればですが・・。

11氏は>>299より岩波の認知科学講座をもっているようなのでどの巻かには,これについて
記述があるとおもわれますが,本ではどうなっていました?
49011:01/10/28 10:58
>>489
私のかつての同僚の友人が視交差上核のリズムの研究をしていました
ね。詳細はウェブを調べてみてください。一言でいうと、視交差上核は
とにかくリズムを刻んでおり、外界刺激はその周期を合わせるのみ、
という感じですね。

「遺伝的にプログラムされた行動」はまだ明記はしていなかったと
思いますが、前に書いた生まれ落ちた赤ん坊は泣き出すという話は
それを念頭に書いています。そして、泣けば母親が飛んでくることから
泣いて母親を呼ぼうとするようになる、という話は、個体の行動は
「遺伝的にプログラムされた自発的な行動」として最初に出現し、その
行動(泣く)から刺激(母親が飛んでくる)を受けて、また行動(母親を
呼ぶために泣く)が始まる、つまりループは刺激ではなく行動に始まる
ということを言うための例だったのです。

閾下知覚(subliminal perception)は岩波認知科学講座第9巻「注意と意識」の
苧阪先生が書かれた章の10ページに載っていましたが、あまり詳しくは
書かれていません。「単に無意識的な情報処理があることを認めるだけ
である」で締めくくられており、あまりまともに相手にしていない印象でしたけど。
49111:01/10/28 11:19
こういうことを言うとまたお叱りを受けそうですが(笑)、学界を含めた
外界からは雑多な情報が何ら区別されることなく流されてくるんですね。
それらの中から意味のある重要な情報とそうではない情報を識別する能力が
大事だと私は思うんですよ。これは選択的注意といった学術的な意味で
言っているのではなく、人間が生きていく上で重要な能力だと私は思う。

閾値下知覚は確かにあるかも知れない、しかし、それは定義から閾値下で
あるゆえに重要な知覚ではない、という直観が私にはあるんです。だから
私は自分の関心から見てあまり重要な研究分野だとは思えないんです。
492通りすがり:01/10/28 15:51
>>491

>こういうことを言うとまたお叱りを受けそうですが(笑)、学界を含めた
>外界からは雑多な情報が何ら区別されることなく流されてくるんですね。
>それらの中から意味のある重要な情報とそうではない情報を識別する能力が
>大事だと私は思うんですよ。これは選択的注意といった学術的な意味で
>言っているのではなく、人間が生きていく上で重要な能力だと私は思う。

11には負の嗅覚があるとは思われ(w   




 
負でもいいじゃん。でも、直感こそ閾値下知覚の賜物。
直感でちゃんと識別しているって言ったら
そりゃあ叱ってくれよん、言っているようなものでわ(笑
なんというか、既存の科学に異議申立てをしたい!という過去や陶酔を捨てて
もちっと自分の主張を科学的に改良する事に前向きなほうが良いように思われ。
494405:01/10/28 16:35
>>491
前半部はそのとおりだとおもいますが(笑)


しかし以下がわかりません。

>閾値下知覚は確かにあるかも知れない、しかし、それは定義から閾値下で
>あるゆえに重要な知覚ではない、という直観が私にはあるんです。だから
>私は自分の関心から見てあまり重要な研究分野だとは思えないんです。


「知覚」閾値下であるのでしょうが、その刺激に対する神経活動はあるので
しょうし、それが高次の認知活動の結果に影響を与えている証拠があれば
ヒトの行動を説明するために重要な知見なんじゃないでしょうか。

確率共振に関してニューロン群レベルでの話も考えると、11さんの仮定する自
発的な活動をするニューロン群がたとえあったとしてもその出力は最終的な出
力にいたるまでの経路でノイズや外界からの刺激で大きく修飾をうける可能性
があるということだと思います。

11さんの直感の背景がまったくわからないのですがもうすこし説明してもらえ
ませんか?
495名無しゲノムのクローンさん:01/10/28 18:00
11は必死で勉強してるとおもわれ
49611:01/10/28 18:51
うーん、405氏ですら>>491の言わんとしている意味が解せませんか?

>>491の前半は情報に対する私の一つの考え方といってもいいような
もんです。後半は閾値下知覚の研究を例に挙げてそれを具体的に説明して
いるわけですよ。>>491の前半と後半は同じことを言っているのです。
私が閾値下知覚にあまり興味を持っていないことは前後の文脈から
分かるでしょ。>>490最後の苧阪先生の文章に対して私が持った印象、
これが>>491の伏線になっているんですけどね。
論文に限らず、筆者が示す文章の論理の流れというものをあなた方は
ちゃんと理解できているのかな。私は強い危惧を抱かずにはおれませんね。
この辺の論理、このスレでは虚無好き先生にはお分かりになると信じて
いますけど。

>>490を繰り返すことになってしまいますけれども、無意識的な情報
処理があることは私も理解しますが、それは撹乱因子のようなもので、
知覚の本来の機能とはあまり関係がないのではないか、というのが私の
見方です。
49711:01/10/28 19:03
言うまでもないと思うけれども、>>496の無意識的な情報処理は
閾値下知覚のことを指しています。
11は意識をそんなに重要視してたっけ。
神経系の自然発火や脳の自立性などが11の主張だったはずだが…
つうか、ここは11の主張を皆にわかってもらうスレなのか?
499 ◆A7SFFo6c :01/10/28 19:20
>>497
閾値下知覚≠非注意対象情報

と理解してよろしいですか?多少曖昧になっているので。
500!

>>496
つぅかこれ11の直感の背景の何の説明にもなってないじゃん。
笑うなあ。
501405:01/10/28 20:22
>>495

>前半は情報に対する私の一つの考え方といってもいいようなもんです。
>後半は閾値下知覚の研究を例に挙げてそれを具体的に説明して
>いるわけですよ。>>491の前半と後半は同じことを言っているのです。

前半も後半もいずれも直感で研究分野の重要度を判断しているとい
うことですよね。その論理のつながりはよくわかるのですが、
後半でおっしゃっている
「それは定義から閾値下であるゆえに重要な知覚ではない、という
直感」
この11さんの直感の背景に何かデータ等があるか伺いたかったのです。

さらに私は493氏のいうようにこの文自体に矛盾を感じております。
11さんの「直感」という出力を決定しているのはある意味では閾値下
の情報処理の結果なのではないですか?

閾値下の情報処理は瑣末なもので本質にはまったく関係ないという
ことを積極的に支持するような根拠を何かご存知ですか?
それともこれは生理学的にはむしろ定説ということでしょうか?

確率共振の例を持ち出すとそもそも神経素子自体がそのような瑣末
と思われるノイズ入力の影響を強く受けるものだということに私は
インパクトを感じています。
502405:01/10/28 20:23
>>501
>>495ではなく>>496でしたね。失礼。
503405:01/10/28 20:53
>>497>>498>>499

この際、閾値下「知覚」の問題はむしろたなあげすべきかもしれ
ませんね。

意識とか注意の問題がでてくると議論が非常にややこしくなるよ
うな気がします。

むしろ11氏のいうような自発性発火が外界や他のニューロンから
の入力(発火閾値下であろうと閾値上であろうと)に左右されな
いで行動のレベルでの自発的な活動を生み出すことができるかと
いうことを議論したほうがいいと思うのですがいかがですか?
504 ◆A7SFFo6c :01/10/28 20:59
>>503
そうすると、またしても前頭葉〜視床〜海馬といったような
議論になりそうですね。堂々巡りのような気もします。
505405:01/10/28 21:01
>>504
dead endですかねえ。。
506名無しゲノムのクローンさん:01/10/28 21:08
なんだこのスレは。
11が王様だな。
50711:01/10/28 21:09
頭痛いなぁ・・・
>>496の「無意識的な情報処理」は>>490で引用した苧阪先生の言い方を
借用したものよ。苧阪先生の文章では無意識的な情報処理=閾値下知覚
だし、私もそのつもりで書いているの。これくらい分かってくださいよ・・・

だから、
>>499に対しては、私の言いたいことは
閾値下知覚=非注意対象情報です。ただ、言うまでもなくこれは私の考え方。
他の人は意見が違うのかも知れません。

>>501
>閾値下の情報処理は瑣末なもので本質にはまったく関係ないという
>ことを積極的に支持するような根拠を何かご存知ですか?
ないよ。少なくとも私は知らない。しかし、私はまさに、閾値下の
情報処理は瑣末なもので、本質にはまったく関係ないと考えている。
いくら閾値下の情報処理の存在を支持するデータがあっても、私は
それはかく乱因子に過ぎないと思っている。それだけ。根拠はない、
だから直観と言った。

いくらデータ(情報)があっても、あまり価値がないなと思う情報って
あるでしょう? 閾値下の情報処理を示すデータはその種の情報だと
私は思っているだけだよ。ただし私の直観に過ぎない。根拠はない。
正直言って、私は閾値下知覚やプライミングはあまり発展性のない研究
分野だと思っているよ。
508 ◆A7SFFo6c :01/10/28 21:10
>>505
以前ここではないところでチラッと書いたんですが、
結局のところ「自発的」かそうではないかという議論は、
最終的には哲学の領域に入りかねないんですよね。

完全に環境からの入力を排した「自発性」が定義できるか否かは、
少なくとも僕にとっては大いなる謎です。いっそのこと、真っ暗な
シールドルームで眼・耳・鼻・口・その他全ての体勢感覚に関連する
部分を覆うか、麻酔をかけて感覚を失わせるかして脳活動を測定して
みれば何かわかるかもしれませんが。w
50911:01/10/28 21:11
私も>>503に賛成。
510 ◆A7SFFo6c :01/10/28 21:12
>>499
それはおかしいですね。脳計測をやってみればわかります。
Unilateral Neglectなどはまさしくそうでしょう。
もしくは、聴性脳幹電位とか。
51111:01/10/28 21:14
>>508
むしろ、真っ暗なシールドルームで眼・耳・鼻・口・その他全ての体性
感覚に関連する部分を覆うか、麻酔をかけて感覚を失わせるかしても
我々は死ぬことはないでしょう。まったく刺激を遮断しても我々は死なずに
おれる。このことの方が大事。
512405:01/10/28 21:25
>>508
>>511

外界とのあらゆる物質交換、入力遮断したら当然
死ぬんじゃないですか??
513405:01/10/28 21:30
>>508
>以前ここではないところでチラッと書いたんですが、
>結局のところ「自発的」かそうではないかという議論は、
>最終的には哲学の領域に入りかねないんですよね。

そうですね。
でも皆が納得できる哲学的記述だったらいいのではない
ですか?
51411:01/10/28 21:32
感覚器からの外来刺激の入力と、物質交換の入出力は別だよ。

うー、俺はほんとにオートポイエーシスを受け入れる素地がすでにできて
いたのかも知れない・・・
515虚無好き:01/10/28 21:33
>>507
むにゃむにゃ。わたしへの言及があるにゃ…
subliminalとunconsciousを事実上同一視する考えには抵抗があるにゃ。
たしか11先生は、行動が重層的な命令群だという見解をお持ちだと思うにゃ。
で、
これらの下位の命令処理は、まさしく無意識的情報処理ではないのかにゃ?
ヒトは、わずかな起伏によって、歩行中に転倒するにゃ。
それは視覚情報で、怠りなくチェックされているにゃ。
だからといってわれわれは常に歩くときそんなに慎重になっているのかにゃ?

行動を階層のある構造としてみるとき、
「意図」にも展望がひらけるというのがわたしの考えにゃ。
ヒトは歩くために歩くこともありえるし、
食欲を満たすために歩くこともあるにゃ。
後者のばあい、結局歩くことも意識にのぼらないこともありうると思うにゃ。

また、内省不可能な知覚群があることも、認知の例証のなかにいろいろあるにゃ。
なかには、逆に可聴領域外の基音が知覚される例もあるにゃ。
これらが瑣末なことかどうか、ちょっといまは判断しかねるにゃ。
気がむいたら、もう少し上のほうをよく読んで、補足するにゃ。
51611:01/10/28 21:35
情報の入出力と、物質やエネルギーの入出力は分けて考えないといけない。
いわゆる開放系は物質やエネルギーの入出力に開かれた系だよね。
しかし、生体のとくに脳にとっては情報の入出力が問題にされなければ
ならない。
517405:01/10/28 21:43
>>514
>感覚器からの外来刺激の入力と、物質交換の入出力は別だよ。

>>516
>いわゆる開放系は物質やエネルギーの入出力に開かれた系だよね。
>しかし、生体のとくに脳にとっては情報の入出力が問題にされなければ
>ならない。

そんなことはないでしょう。
酸素がいかなくなった時点で脳機能は明らかに不全を起こします。
脳の情報処理を考えるときに両者を分けて考えることなどできない
のではないですか?


これらは明らかに相互作用がありますよ。
分離なんてできないのではないですか?
518名無しゲノムのクローンさん:01/10/28 21:46
11がオートポイエーシス理解しているとは思えずage
51911:01/10/28 21:49
>>515
>それは視覚情報で、怠りなくチェックされているにゃ。
>だからといってわれわれは常に歩くときそんなに慎重になっているのかにゃ?
んー、これは確かにおっしゃるとおり。ただ、怠りなくチェックしているのは
視覚情報だけじゃないですね。さまざまな感覚、とくに内部からの筋肉感覚と
触覚は重要だ。音楽家には聴覚も重要か・・・
subliminalとunconsciousか。subliminalはあまり重要ではない、と
言い替えるかな。

オートポイエーシスについて、なにか情報はお持ちですか?
52011:01/10/28 21:56
>>518
じゃ、君の言葉でオートポイエーシスを解説してよ。

>>517
>酸素がいかなくなった時点で脳機能は明らかに不全を起こします。
そりゃもちろんそうだけどさ。でも酸素を含め身体機能の維持は完全でも、
刺激(情報)の入力が無くても生きておれるでしょ(完全な感覚遮断は
不可能なので予想に過ぎないけれどね)。ここに、感覚器からの外来
刺激の入力と物質交換の入出力は別と考える根拠がある。
521 ◆A7SFFo6c :01/10/28 21:59
あの、意識と無意識という書き方になって曖昧になっていますが、
「注意」とか「認知」というようなある程度専門化の著しい分野の
用語の使用にはご注意くださいませ。。。>ALL
52211:01/10/28 22:08
>>517
感覚器からの外来刺激の入出力と物質交換の入出力は別の系と私は
考えられるんだけど、これをどう説明したらよいか・・・
確かに神経細胞が発火するときはブドウ糖やエネルギーを消費する
よね。しかしその消費量と、伝えられる情報の内容とは別のもの、
無関係だ、という説明はどうかな?
523名無しゲノムのクローンさん:01/10/28 22:12
520>>
>じゃ、君の言葉でオートポイエーシスを解説してよ。

2chやってる暇にマトゥラーナとヴァレラの著書から読んで
自分のものにしろ。
いくらここで読んだって自分のものにならないだろう。
52411:01/10/28 22:13
>>517
あるいはテレビの消費電力(エネルギーの入出力)と、我々がどの番組を
見ているのか(情報の入出力)とは無関係、という説明はどうかな?
52511:01/10/28 22:26
つまりだ、十分なエネルギー(+生存に要する材料)さえ供給されておれば、脳は
可能な限りどんな種類の情報処理だって行えるんだよ。
52611:01/10/28 22:30
>>525を訂正
つまりだ、十分なエネルギー(+生存に要する材料)さえ供給されておれば、脳は
刺激が有ろうが無かろうが、可能な限りどんな種類の情報処理だって行えるんだよ。
ほんとうは出力のあるなしも関係がない。
527405:01/10/28 22:35
>>520
>>524
私はオートポイエーシスやルーマンの社会システム論はあまり
知らないのですが異なるシステム間の相互作用は否定しているのですか?

確かに一つのシステムを仮定してそこでの自己言及による自己組織化
のプロセスを仮定した概念だと思うのですが、
もしそうであれば
脳等の明らかにさまざまなシステムの相互作用がある場面での説明原理
としてはなかなか困難なのではと勝手に理解しております。11さんこの
辺りいかがなんでしょうか?
528虚無好き:01/10/28 22:36
すまんにゃ。
オートボイエーシスは、たぶんギリシア語の男性名詞だろうということしかわからんにゃ。
システム論にかかわることだと思うので、わたしも知りたいにゃ。

内部と外部の相対性については、強弁しないにゃ。
ただし、ヒフが絶対的な内外の境界だとしても、
これまでの議論で内部環境の知覚
(このなかには、原理的に内省不可能なものも含まれているが、)
には必要な考察がなされていないような気がするにゃ。
これはたとえば、血糖値の情報のようなものを言ってるにゃ。
わたしはひょっとすると「意図」が行動選択のみならず、
情報選択も含むモデルも可能だと思うにゃ。
だがしかしこれはさまざまな議論をよびおこすことが予想されるにゃ。
それについては、のちほど。

また、生得的資質について、11先生の論点も見失ったにゃ…。
古典的な自由意志の論議では、空腹(内界)によって惹起される行動も、
外界からの刺激による行動も、同様に機械論的なものにゃ。
そして、生得性も内部環境とみなしていいと思うにゃ。
このあたりを、「自発性」との関連でおたずねしたいにゃ。
わたしはとりあえず意図をめぐる議論と、
自発性をめぐる議論は区別するにゃ。

↑ここですでに二種類の「外部」、
皮膚外の外部環境と、脳の「外」の内部環境がでてくるが、
議論はそんなに難しくならないと思うにゃ。
52911:01/10/28 22:39
>>525を追訂正(笑)
つまりだ、脳は十分なエネルギー(+生存に要する材料)さえ供給されておれば
(この意味で脳は開放系)、刺激が有ろうが無かろうが、可能な限りどんな
種類の情報処理も行うことができ、出力のあるなしも関係がない
(この意味で脳は閉鎖系)。
53011:01/10/28 22:41
>>527
だから今から勉強するんです(笑 今日注文したからね。
ただ、>>529は本質をついている予感あり。
53111:01/10/28 22:50
刺激が有ろうが無かろうが、可能な限りどんな種類の情報処理も行う
ことができ、出力のあるなしも関係がない、この脳の挙動を指して
私は今まで「自発性」と呼んでいたらしい、ということがウェブに
掲載されたオートポイエーシスの解説から見えてきたんだ。
532名無しゲノムのクローンさん:01/10/28 22:58
オートポイエーシスなんかに入れあげて
11氏はますます論文書けなくなると思われage
533 ◆A7SFFo6c :01/10/28 23:00
・・・ということになるかどうか、実験してみますかねw
実験屋としてはそちらの方に興味がありますが。

オートポイエーシスが視覚系の神経生理学的な研究から出てきた、
という解説をどこかで見かけましたが、その説明は少々僕には奇妙に映りました。
何というか、色彩視に関する論争を想起させるというか。
534405:01/10/28 23:13
あと神経系をオートポイエティックなシステムとして考える場合
生み出される要素は神経発火のパルスなのか、ニューロンそのもの
あるいはシナプス結合なのかがよくわかりません。

このあたりよくわかってらっしゃる方が降臨してくれないかと
思ってますがいらっしゃらないでしょうか(笑)。
オートポイエーシスって外と内の区別に対する思想だと漠然と思ってたけど。
多分11さんが読んだのと 同じWEBサイトにはバタフライ効果と並べてあったような。
>脳は十分なエネルギー(+生存に要する材料)さえ供給されて
脳に対するエネルギー供給も十分過ぎる刺激だと思う。
酸素不足やエネルギー過剰で現れる挙動も脳にとっては閾値下知覚だと?
つうか外部環境と切られた状態で自発性に「価値」を認める思想にはやはり無理があると。
その自発性にどんな価値が?既成の科学が間違っている!と勝ち誇る価値が?
それとも脳のある生体は神経発火の電気的な自発性に束縛されているとでも?
>>503の方向がいいと思うな。
このまま語ると電波強くなりすぎて
「生体の自発性と生きる意味の関係」まで言及しなきゃならなくなるぞ。
53611:01/10/28 23:24
>>528
とりあえず今把握しているのが
第1世代システムを外界と物質代謝を行いながら自己維持する動的平衡システム、
第2世代システムを結晶などの環境条件に対応して形態変化しながら成長する
自己組織化システムと考え、オートポイエーシスが第3世代システムと
目されているらしい。生物学における普通の考え方は第1世代システム、
大脳皮質は第2世代システムとみる方向で現在研究が進められているらしい。
で、虚無好き先生も第1世代システムで見ていらっしゃるよう。
>>529>>531はこれだけではないけれどもオートポイエーシスの一つの帰結。
>>529の開放系のみで見るのが第1世代システムで、>>529後半の
閉鎖系が自己言及システムなのかな?という感じ。

>>532
私にまた論文を書く機会が来ればいいけどねー(笑)

>>533
たしかにオートポイエーシスの発端は視覚系の神経生理学的研究で、
ようするに刺激と神経系の反応が1対1の写像関係になっていないことを
発見したのがきっかけらしい。
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Kenji/1637/auto.html
http://www.hannan-u.ac.jp/~nomura/docs/autopoiesis/node4.html
とかを挙げとく。
53711:01/10/28 23:29
>>535
今言えることは、刺激というのはあくまで「情報」としての刺激
なんだよ。物質やエネルギーの刺激はまた別の系に属すると考える。
>>537入出力があるとされる刺激情報をターゲットにした
あくまで仮定の話ですね。了解。
んでも脳内の自然発火にこだわると無理が出て想像力働かなくなるから
系全体の話題にもっていったほうが思想的にもおもしろくなると思ふ…
539 :01/10/28 23:53
けっこうな勢いで伸びてるなこのスレ
540 ◆A7SFFo6c :01/10/29 00:03
>>538
案の定、色覚が関係していましたね。
ただ、色覚系の刺激と神経細胞の応答との関係については、
Zekiを引くまでもなく既に色々な説明がなされていると思うのですが。
1973年に提唱されたということですが、この当時はまだ視覚系全体に
ついての(神経生理学に関しては)現在有力とされる理論は出ていませんし、
色覚に関しても同様だと思います。

僕も>>503の方向性の方が良いと思うのですが。。。
541虚無好き:01/10/29 00:06
>で、虚無好き先生も第1世代システムで見ていらっしゃるよう。
にゃにゃ?
わたしは動的平衡システムは、タンパク質のフォールディングが
射程の限界だとたしか言ったとおもったけどにゃ。
心脳問題のcrucialな部分は、理解してもらえなかったので、
しかもたしかに現象学phenomenology的なぶぶんもあるので、差し控えてるにゃ。

いまオートポイエーシスを概観したけれども、
内部と外部を否定したモデルは、アフォーダンスの文脈で読むことも可能にゃ。
だからここは慎重を期すところだにゃ。
この問題は、要約することは難しいけれども、
わたしは主客問題、内部と外部の問題は、極性をもつと思ってるにゃ。
絶対的な境界がないという理由で、二項をともに否定する論調があるけれども、
わたしはそれにはくみしないにゃ。
(それでは、棒磁石の磁性まで否定されるにゃ。)
それからわたしはいくぶん古典的な実証主義者だということも付け加えておくにゃ。
542 ◆A7SFFo6c :01/10/29 00:21
アフォーダンス。。。w

気付いたら、動物の認知能力の話から随分遠ざかっているような。
543名無しゲノムのクローンさん:01/10/29 00:28
>>542
確かに。オートポイエーシスと動物の認知能力の関係についてだれか論じて
ください。
54411:01/10/29 00:45
あかん、わからんことが多すぎる・・・
>>540
>1973年に提唱されたということですが、この当時はまだ視覚系全体に
>ついての(神経生理学に関しては)現在有力とされる理論は出ていませんし、
>色覚に関しても同様だと思います。
簡単に例示して。

>>541
>わたしは動的平衡システムは、タンパク質のフォールディングが
>射程の限界だとたしか言ったとおもったけどにゃ。
その文章は読みましたけど、意味が分かりません。
>わたしは主客問題、内部と外部の問題は、極性をもつと思ってるにゃ。
分かりません。

>>543
生物はその能力の範囲内でそれぞれが勝手気ままにふるまって世界を
認識しようとしているという洞察→生物は自発的だという洞察→
オートポイエーシスです(爆)
ごめんね。ここは私が私の個人的な疑問と持論を提示することによって
推進している独りよがりなスレであることは認めるよ。本が来たら沈黙する。
545名無しゲノムのクローンさん:01/10/29 00:54
>>500
もともと背景もへったくれもないんだから説明のしようがないと思われ(藁

生物板だから知覚屋がいないとでも思ってるんだか、好き勝手言い放題だね.
受容器レベルでの閾値と行動レベルでの閾値は違うし、行動レベルでの閾値以下の
刺激だってヒトの情報処理は影響を受けてるってペーパーは山ほどあるが.
546 ◆A7SFFo6c :01/10/29 01:03
>>544
LandやZekiといった人々が、
現在知られているようなV4野の神経細胞についての理論を
提唱するようになったのは70年代後半から80年代ですね。
それより前だと、まだ色覚の研究はそれ自体が黎明期の中でしょう。
547 :01/10/29 01:05
11氏の直感に同意しながら祭りをするスレと思われ
11抜きで論議したほうがよいのでは

学問の議論で直感とかいってるやつはドキュソ厨房学部生以下
1がイヤだと言わないかぎりそれもまた、祭りじゃ!な。
イインジャネーノ。アフォースレみたいに「迷惑だ」っていう発言も少ないようだから。
1はいずこに。
55011:01/10/29 01:12
>>545
すくなくとも閾値下知覚に関しては、そういう情報処理があるのは認める
けれども、あまり重要な意味はないんじゃないか、と言っただけだよ。
ペーパーにするだけならいくらでもできるけど、それは撹乱要因、
いわば枝葉末節、重箱の隅であって、知覚の本質ではないんじゃないか?
と思うんだよ。
55111:01/10/29 01:14
>>546
LandやZekiといった人々が提唱したV4野の神経細胞についての理論って
どういうの?
552 ◆A7SFFo6c :01/10/29 01:16
>>550
閾値下知覚=非注意対象情報
というのであれば、「負のプライミング」という重要な現象がありますが。
working memory(behavioral inhibition)との関連も指摘されていますよ。
553どれどれ:01/10/29 01:21
スレの伸びがアフォー板を凌駕してるな。
11恐るべし。
55411:01/10/29 01:22
>>548
そしたら君は枝葉末節のくだらない研究に人生を捧げたらいいのさ。
というのは言い過ぎだけど、大きなテーマと些細なテーマを見分ける
眼も必要だよ、と老婆心で言ってるんだよ。
555 ◆A7SFFo6c :01/10/29 01:24
>>551
色覚は僕も専門ではないので多少あやふやですけど、
脳は3種類の波長帯域(RGBというより、LMS各錐体に対応する波長帯域)の
それぞれによって同時に得られるsceneの明るさの比較を行うことに
よって、それが「何色であるか」を決定するというものです。
この理論に従えばある程度色の恒常性なども議論できるのですが、
1973年当時にはまだわかっていなかったようです。
V4野自体の研究が進んでいなかったということもあり、またV1野が
色情報をどう投射しているかもまだわかっていなかった。。。はずです(あやふや
556405:01/10/29 01:29
>>552
すいません。これどういう現象か軽く教えてもらえませんか?
working memory(behavioral inhibition)との関連とはどう
いうことですか?
557名無しゲノムのクローンさん:01/10/29 01:33
>>554

苦しくなったら「直感」で逃げるのはド窮鼠
真摯に言葉を尽くすのが一流研究者(w
558 ◆A7SFFo6c :01/10/29 01:35
>>556
「負のプライミング」についてはご存知ですか?
注意を「向けない」でおいた刺激(distractor)を、
直後の試行でtargetにすると反応時間が低下するというものです。
これは、決められた試行を反復する手続きを保存するworking memoryと、
そうでない試行を無視する手続きを保存するinhibitionと関連する、
と考えられませんか?(某助教授氏はそう睨んでいるようです)

最近、いくつかのjournalでworking memoryとinhibitionに関する
脳計測の研究が出始めていて、結構面白いデータを載せていますよ。
55911:01/10/29 01:41
>>555
なるほど。もちろん、その研究は重要だけれども、それとは違うレベルの
研究もありなんだよ。オートポイエーシスの場合はシステム論という、
分野の違う研究と見ることもできるし、対象の見方(パラダイムとか
言われるけれども)を変える研究というのもあるんだよ。その見方に
立つことで従来にはなかった研究分野が開けるとかさ。
生命に能動性を導入することで、生物学では生命現象に対する見方が
大きく変わると私は思うよ。
深く追究する方向と、見方をがらっと変えさせる方向、私は後者の方が
面白いと思う傾向はあるけどね。
560405:01/10/29 01:43
>>558
なるほど知りませんでした。。
復帰抑制などというのは聞いたことありましたが、
面白い現象ですね。勉強になりました。
どうもでした。
56111:01/10/29 01:48
>>558
それじゃ分からない。
>注意を「向けない」でおいた刺激(distractor)を、
刺激の種類と呈示方法を言わないと分からない
>直後の試行でtargetにすると反応時間が低下するというものです。
「直後」の経過時間が分からない。
562 ◆A7SFFo6c :01/10/29 01:50
>>559
完全に話が反れましたが、僕が言いたかったのは「あれ?色彩視の
研究からそんな思想が生まれるような背景なんてあったかな?」という
程度のことですのでw 思想としてはそれなりに面白いとは思いますよ。
563 ◆A7SFFo6c :01/10/29 01:59
>>561
刺激は視覚刺激で、一般には図形です。図形が有意味・無意味の
どちらであってもよいことがわかっています。提示方法はモニタか
プロジェクタでよいでしょう。この辺は通常の心理学的手法です。

例えば、青で着色された「ア」の字と、白抜きの「イ」の字を
少しだけ空間的にずれた位置に同時に提示します。この場合、targetは
青い方で、distractorを白抜きということにしておきましょう。
この2つの図形を提示して反応時間を計測する過程を1セットとします。
ITIは、常識的にfMRI脳計測でもしない限りは1000ms以下でしょう。
(元の論文を当たったわけではないので、詳しくはわかりません)
しかしながら、次の試行で青い方に「ウ」を提示して、白抜きの方に
「イ」を提示した場合、反応時間が延びてしまうというものです。
(低下、と書いてしまいました。ごめんなさい)

似たようなパラダイムは色々なところで提唱されていて、
Neill(1977)、Tripper(1985)、Driver&Tripper(1989)などがあります。
564 ◆A7SFFo6c :01/10/29 02:01
また間違えました。

>>563
>しかしながら、次の試行で青い方に「ウ」を提示して、白抜きの方に
>「イ」を提示した場合、反応時間が延びてしまうというものです。

しかしながら、次の試行で青い方に「イ」を提示して、白抜きの方に
「ウ」を提示した場合、反応時間が延びてしまうというものです。

に訂正お願いします。
56511:01/10/29 02:06
しつこくてごめんね。反応時間は何をする反応に要する時間?
566 ◆A7SFFo6c :01/10/29 02:08
>>565
targetが提示されてから、(おそらく)ボタンを押すまでに要する時間です。
一般的なattentionに関するパラダイムとその辺は同じだと思います。
56711:01/10/29 02:17
遅延非見本合わせ、delayed matching to...(忘れた)という課題やね。
文字じゃなくて色に反応するのよね。
手続き自体はよくある方法ですよね。これも負のプライミングと呼ぶのか。
作業記憶、行動抑制と、これ以外に色と文字の処理の干渉もあるんじゃないの?
568 ◆A7SFFo6c :01/10/29 02:29
>>567
その辺は、かなり研究されているみたいですよ。
(既に最初にこのパラダイムが出てから20年以上経ってますし)

色・文字といった属性以外の属性、例えば空間位置とか単なる同一色の
文字同士の組み合わせとか、targetの数などという属性に対しても、
同じように負のプライミングが起きるそうです。
色が関係するのなら、脳計測でやってみようかと考えたりもしていますが。。。
56911:01/10/29 02:34
いや、教科書ではサルを使った実験がよく紹介されているよね。こういうのは
破壊実験(もちろん前頭葉の破壊で影響が表れる。Go/NoGoの発展系みたいな
課題だし)が多いけど、脳計測が進歩したのでヒトでもやってみようというところ
なのかな。
57011:01/10/29 02:45
>>568
その、上で出てきたV4野の活動はヒトででも捉えられるの?
571 ◆A7SFFo6c :01/10/29 02:48
>>570
fMRIならとれます。EEG/MEGだと多少とりづらいですが、
V4固有のパターンは存在します。信号源推定は難しそうですけど。
57211:01/10/29 02:54
なるほど。いや、こういう実験もプライミングと言われるのは知らなかった。
僕はもっと限定的に考えていたよ。アルファベットがいくつか欠けた単語を
思い出すやつね。
573 ◆A7SFFo6c :01/10/29 03:02
>>572
いや、僕が紹介したパラダイムは「負の」プライミングです。w
普通プライミングといえばその場にないものを想起する方を指すわけですが、
これがNegativeになると積極的に「その場にあるものを無視する」方向に向かいます。
いわば、意図的に情報処理を抑制した状態が出現するわけですね。

ということで、これで僕は寝ます。おやすみなさい。
57411:01/10/29 06:24
寝ていて思いついたので書いておこう。

>>573
「負のプライミング」ですが、「注意」という集中性で焦点性の情報の選択が生じた
時、相対的にそうでない部分が無視されることになる、と考えることはできないか?
つまり、>>558の先生のおっしゃるworking memoryとinhibitionは表裏をいって
いるに過ぎず、本来どちらか一方しかないのではないか。または、いまだ
working memoryとinhibitionが分離できていないか。

もう一つの可能性は、注意という集中性で焦点性の情報の選択が生じるのであれば、
逆に集中性で焦点性の情報の無視が生じるのかどうか。この現象が見出されたとき、
初めてworking memoryとinhibitionが分離できたと感じる。分離できないので
あればどちらか一方のみ。
(上でworking memoryとinhibitionはともに機能を指す)

思いついたときはこれはなかなかいけそう、と思うが、書いてしまうとこんなこと
誰でも考えるかと思うのが世の常・・・
57511:01/10/29 07:09
閾値下知覚≠注意対象情報、これは間違いない。
だからと言って、閾値下知覚=非注意対象情報とも言えないな。
そもそも閾値下知覚は注意しようにも知覚すらされないんだからな・・・
576pa:01/10/29 09:52
>>11氏 2つの点で問題があるようにおもわれますが,

>>545
すくなくとも閾値下知覚に関しては、そういう情報処理があるのは認める
けれども、あまり重要な意味はないんじゃないか、と言っただけだよ。
ペーパーにするだけならいくらでもできるけど、それは撹乱要因、
いわば枝葉末節、重箱の隅であって、知覚の本質ではないんじゃないか?
と思うんだよ。


★まず知覚って言葉が問題ですが,
苧阪氏が意識の3つのレベルで
・覚醒
・アウェアネス
・リカーシブな意識
ってのをあげてるのですが知覚ってのはこのアウェアネスなのか?それとも
「自覚できるレベル」なのか?ってことが疑問二のぼってきます。

私は,「知覚閾下」という言葉などについては
「3つめのリカーシブな意識について,自覚できないレベル」
という意味でかい釈しております。
 たとえば,「識閾下刺激提示」というと「なにが提示されていたか
言語報告できないような短い時間提示された刺激」ってな意味合い
として。(あるいは顕在記憶にのこらない)

11氏がいったいどういうつもりで「知覚閾下」ってかいてるのか?
読んでも今ひとつはっきりしませんし,また
おそらく認知科学や心理学では
知覚には様々な意味があるとおもわれますが,その点を各自はっきりして
から議論をすすめてくれるとありがたい
私は上のような意味でつかいますが・・

★で第二点
識閾下 つまり 自覚できないレベルでの人間の認知は
かなり高度なものがあるってことは入門書なら「サブリミナルマインド」
を読むとよくわかります。
そもそも記憶には顕在記憶と潜在記憶とに便宜上わけられてますが,
潜在記憶の1つである,手続き的記憶は
「自覚できなくとも高度な認知処理を行える」
ことの1つの証拠ですし,間接プライミングも識閾下で言語認識を含めた高度な
認知処理がおこなわれているってことの証拠であるとかんがえられます。

また,とくに,逆行性健忘症患者や,
脳分割患者のブラインドサイトを利用した実験とかを読むと
は私たちは「自覚的な意識」など必要とはしないのでは?とも
おもえることしばしです。

当書の著者 下条氏は「自覚できるレベルでの意識」というのは
無自覚なレベル(識閾下の)での膨大な処理の一部をただモニター
してるだけではないのか?
とまで考察してるくらいですが・・・さてどうなんでしょね?
577 ◆A7SFFo6c :01/10/29 11:45
>>574-575
現在、fMRIを用いたworking memory & inhibition誘発時の脳計測に
関する研究がいくつか出ていますが、後者は前者のサブセットである、
と主張しているグループは確かにありますね。
ところで、閾値下知覚≠非注意対象情報かどうかについては心理学系と
生理学系とでおそらく見方が違うと思いますので、前にも指摘されましたが
棚上げした方がいいような気がするのですが、どうですか?
例えば、注意のre-orientingが阻害されるUnilateral Neglectの患者でも、
無視された視野の対側の視覚野が活動しているということは有名な事実なわけで。
(知覚閾下でも情報処理は存在する例)その点では>>576に同意です。


どうでもいいことですが、僕はこれから実験室です。
ちょっと思い付いた実験がありますので。
57811:01/10/29 16:11
>>576
苧阪先生が従来の日本語の概念(知覚や意識など)にはないカテゴリーを表現する
用語として「アウェアネス」を提唱されているのは知っているけれども、現状では
言葉遊びになっている感じは否めないとは思いませんか? paさんが「意識」に関心を
お持ちなのはこれまでの文章からよく分かっているし、私もいずれは心脳問題を
考えたいと思っているけれども、405氏や◆A7SFFo6c氏は「意識」や「閾値下知覚」の
話題は哲学的になりがちなので今は棚上げにしておきたいという希望を述べて
おられます。私もこれに同意します。

それから、>>576最後の下条氏の文章は、私が>>490最後に挙げた苧阪先生の文章と
言わんとする趣旨が一致していると感じます。すなわち、閾値下知覚に関しては、
そういう情報処理があるのは認めるけれども、あまり重要な意味はないんじゃないか、
ということですね。
57911:01/10/29 16:22
ああ、下条先生の主張は苧阪先生のそれより強いのか。であれば、モニターすら
していない知覚はますます考察する意味が無くなる、と言っているような気も
します。あるいはその逆か。意識はモニター機能に過ぎないのか。
ま、いいや。いったん棚上げ(笑
58011:01/10/29 17:26
さて、>>503で405氏がなされた提案、
>むしろ11氏のいうような自発性発火が外界や他のニューロンから
>の入力(発火閾値下であろうと閾値上であろうと)に左右されな
>いで行動のレベルでの自発的な活動を生み出すことができるかと
>いうことを議論したほうがいいと思うのですがいかがですか?
に対しては、
>>529の私の追訂正、
>脳は十分なエネルギー(+生存に要する材料)さえ供給されておれば
>(この意味で脳は開放系)、刺激が有ろうが無かろうが、可能な限り
>どんな種類の情報処理も行うことができ、出力のあるなしも関係がない
>(この意味で脳は閉鎖系)。
が「外界」に関する一つの答えになっている。すなわち、脳は物質やエネルギーに
関しては開放系であるおかげで、外界から事実上無尽蔵の物質やエネルギーを得る
ことができる。より厳密には、血液脳関門のおかげで脳が外界とやり取りする物質
(エネルギー源)は事実上ブドウ糖のみ。ブドウ糖のみについて開放系であることで、
ブドウ糖を通じて外界から無尽蔵のエネルギーを得ることができる。したがって
外界からの物質やエネルギーの入出力の影響は考慮する必要がない(もちろん生理
条件下では)。ここまではいいですね?

一方、「他のニューロンからの伝達物質を介した刺激(これは情報であって、伝達
物質にはエネルギーの価値はない。まさに電子のようなもの)入力に左右されない」
とは決して言っていない。単一ニューロンを取り出して生理条件下で培養すると
ランダムの発火を示すが、体内では数千のシナプスによって相互に入力を受け合って
おり、この入力が個々の神経の発火を強くコントロールしている。
このことは実はすでに述べていた。すなわち、
>>443
>とりあえずここでは神経細胞は自発発火するものと考え、まず脳ではその自発発火する
>たくさんの神経細胞が数千のシナプスを介して相互に入力を受けているので、各神経
>細胞は常時、発火閾値付近まで細胞膜が脱分極、または発火閾値が低下している、発火
>閾値付近で揺らいでいると考えることができるでしょう。神経細胞は自発的に発火する
>傾向があると同時に、周囲の神経細胞から自発発火の入力を受けてさらに発火傾向が
>高まり、現にあちこちで発火していると考えるのです。これが私が元々考えていた
>マクロな神経ネットワークの自発的な活動です。
これが情報に関する閉鎖系としての脳の活動イメージ。そのマクロな神経ネット
ワークが内包する情報が行動として外部に表出される。ただし、この活動は本来
「思考」と呼ぶべき活動であって、従って必ずしも行動として表出(出力)されるとは
限らない。また、素子自体が自発的に活動することから、このマクロな神経ネット
ワークも自発的に活動する。したがって入力がなくとも活動を開始することができる。
また、>>443のイメージから、そのマクロな神経ネットワークは柔軟かつ瞬時に再構成
したり、重層的に活動することが可能になっている。

「遺伝的に決定されたマクロな神経ネットワーク」が内包する情報が行動として外部に
表出されることが、個体レベルで一番最初に表出される自発的な行動。これが「遺伝
的にプログラムされた行動」と呼ばれる。それ、すなわちマクロな神経ネットワークを
構成する素子であるニューロンが自発的に活動する起源は、数十億年前に誕生した
「自己複製される物質」と「その自己複製を支える化学反応の連鎖を持続させる環境」
(この両者が見落とされてはならない)であり、その物質と環境が数十億年の時を
通じて連綿と伝えられ、継続して活動している。これが生命システムなんだ。

以上が私の主張の全体像であり、これがオートポイエーシスと一致するという指摘が
なされた。ただし、現状では私の主張する生命システムはオートポイエティック・
マシンとの類似性は認めるものの、同じものであるという証拠はない。だから、それを
今から原典に当たって調べる予定。

私の主張と、今までの経緯のまとめです。
58111:01/10/29 18:29
おそらく、>>580で述べた主張はいくつかの点で、従来の行動や生命に対する
見方の変更を迫っている。
それを最も簡略して述べたのが「生命は本来自発的だ」という主張なんです。
58211:01/10/29 18:44
誤解されそうな点を補足。
>その物質と環境が数十億年の時を通じて連綿と伝えられ、継続して活動している。
この物質が言うまでもなく遺伝子である。この環境とは現在言われるところの
「細胞内環境」であり、生体内の環境。外界を指しているのではない。
その主張を叩いてくれという前提で話を進めて欲しいわけ?
んで、動物の認知能力という点については
動物にも「脳」あるという事で
人と動物に違いは無いという結論??
584虚無好き:01/10/29 21:25
なんだか読めない展開だにゃ。
「入力と出力がない」とは、脳が入力がなくても活動できるとか、
活動があっても出力されるとは限らないといった話ではないと思うにゃ。
むしろ「生命」が活動している限り、内部と外部の境界はつねに再生産されており、
内からの視点にたてば、あたかも当然のごとくそれは前提とされているということにゃ。
外部とはなにかというと、いろんなものが動いたり、叫んだりしているわたしの周りにゃ。
そんなあたりまえのこときくな!てゆーくらいあたりまえのことにゃ。
視覚についていえば、わたしにあるものが見えるのは、
対象を起源とする光学的物理与件がかくかくの神経細胞の発火をうながし、
視覚情報が脳のある部位で統合されるからだ、といった客観記述は「オートポイエティック」に棄却されたのにゃ。
まずこのような説明は、刺激については脳はつねに受動的にゃ。
だがしかし、わたしのいいかたになっちゃうけど、
「見える」ということにも能動的な要素がからんでいるのでは?
だから見えるべくして見えるのでは?
そゆことじゃにゃいの?
わたしのレスは評判がよくないので、このくらいにしとくにゃ。

心脳問題は面白いよ!なんてにゃ。
展開が読めないというか11はどうしたいのか分からない。
主張を分かってもらいたいだけなら、分かってあげるのは簡単だが…
脳がなにもしなくても受動的に養ってもらえるのを条件にして
脳の自発的が賛成されて、既存の科学が否定されて
「生命は本来自発的だ」と言われてもこのスレッドでそれをどうしろと…
586名乗るほどのものでわ:01/10/29 22:03
>>585
そう言わずに生物板でめんどーみてやってくださいな.
他板の平和のためにも(w

えいやっと感覚入力を遮断してやった実験なら、昔アメリカの方であったよね.
ぜひ、そーゆー体験をしてもらいたいものだが...
587名乗るほどのものでわ:01/10/29 22:04
あ、言わずもがなですが>>586の後半の文章は、
>>585さんあてではありませんので...
588405:01/10/29 22:05
>>580

情報に関して個体の脳は閉鎖系ではないと思います。
なぜなら外界から受容器を通して神経インパルスの入力が常に存在するか
らです。もちろん神経系がその個体内の系であることは確かですし当然イ
ンパルスは個体内にしか存在してないという意味では閉鎖しています。し
かし情報に関しては閉鎖していません。

たとえば二人のヒトが話しているときに各自に生まれる思考や行動は脳内
の自発性の活動によると11さんはお考えですか?
これは両者の脳の活動の相互作用と捉えた方が自然なのではないのでしょう
か。この場合両者の脳には直接のインパルス列のやりとりはありませんが明
らかに相互作用は存在しているわけです。

局所的には自発性の活動をしていて出力のみを他のニューロンに与えている
ニューロン群も存在しているのかもしれません。しかし私はむしろ他の個体
や外界(ノイズも含んでいる)と相互作用するなかで自己組織的に生まれて
くる神経の構造や発火パターンの変遷が神経系の機能の本質に近いと感じます。
589405:01/10/29 22:10
>>588の最後の主張のような大それたことは決してここ以外では
いいませんが皆様ご容赦を(笑)

ご批判よろしくお願いします。
590七誌:01/10/29 22:53
名スレだな。
まさに11のおかげで自己組織化するスレ。
>>586>えいやっと感覚入力を遮断して
http://homepage2.nifty.com/sachiyo-inami/ronbun/3-3.HTML
↑こんな感じですか?映画の「アルタード・ステイツ」思い出したよ・・・
592 ◆A7SFFo6c :01/10/29 23:39
>>586
「例のところ」はだいぶ平穏になりましたよ。w
593名無しゲノムのクローンさん:01/10/29 23:47
こらこら11タン祭りが終わるではないか
594名乗るほどのものでわ:01/10/29 23:56
>>591
面白いものを引っ張ってきましたな。。。

でも、どっちかっつーと
http://www.bio.brandeis.edu/~sekuler/senpro/topic_1_stuff/sensory_deprivation.html
とか
http://www.findarticles.com/cf_dls/g2699/0003/2699000310/p1/article.jhtml
辞書的な意味では、こっち(↑)とかですかね。
595名無しゲノムのクローンさん:01/10/30 00:16
完全に感覚遮断して放置するとやばそうだな。
>>594
punishment in prisonsってイヤ〜〜!…なんか、ただの拷問でわ……
途中で実験止めるかどうかが観察されてたりして(笑
>>596
非侵襲的で証拠が残らない素敵な拷問でしょ?(笑)

ってゆーか、このネタは心理系の人なら心理学概論で話くらいは
聞いてると思いますです。
他に刺激入力ネタだと、知覚系の人の場合は静止網膜像の実験のお話とかが
加わるんですけどね。。。

スレの本筋とまったく関係ないので下げます
◆◆◆在日=強制連行なんて大ウソ、ダマされた日本人◆◆◆

1974年の法務省編「在留外国人統計」によれば、在日韓国・朝鮮人の
日本上陸は日本政府が朝鮮人の来日を取締まっていた昭和10年までに
渡来したものが全体の53.7%と、半分以上になる。

昭和11〜15年はまだ民 間の自由募集の期間だし、次の16〜19年の中
でも、国民徴用令による徴集は19年の9月以降のわずか4ヵ月間である
から、単純に計算すると、この期間に徴用されたものは16〜19年間の
1万4514人の12分の1、つまり1210人(全体 の1.46%)に過ぎない
ことになる。

これに、次項「昭和20年9月1日以前」 の679名(0.8%)を加えた
概算1889人(2.3%)ほどが、真に強制連行の名に値する在日朝鮮人
だということになる。かりに「官あっせん」を強制徴用の概念の中に
入れ、官あっせんが行われていた昭和17年2月〜19年8月来日者の推計
数を全部加えても、約1万1300人余(14%)にすぎない。

この推定は、昭和16〜19年間の月間 来日数を均等として考えたもの
であるが、実際には、関釜連絡船の運航は終戦が近くなるにつれ次第に
困難になりつつあったから、19年後半の来日徴用者も減少している
はずである。

すなわち、どんなに強制連行の概念を広く解釈しても、10%を大きく
超えることは決して有り得ないのである。
59911の誤解:01/10/30 01:33
心理板のアフォーダンススレッドからずっと読んでいるが、11は
spontaneousという単語とvoluntaryという単語の違いが分かって
いないようだ。
ともに「自発的」と訳されることがあるが、意味は全く違う。
前者は「自然発生的」の略で、automaticという単語に近い意味。
後者は「自己発動的」の略で、intentionalという単語に近い。
11はspontaneousとvoluntaryの区別がついていないので、
前者を「意図的」と読み違えている。
600 ◆A7SFFo6c :01/10/30 02:12
すっかり今日は凪ってますね。

>>597
スレ題と全く無関係ですが、「非侵襲」と銘打っておきながら、
どう見てもPETは違いますよね。。。w

どうやら600getのようです。
60111:01/10/30 03:44
>>584
>「入力と出力がない」とは、脳が入力がなくても活動できるとか、
>活動があっても出力されるとは限らないといった話ではないと思うにゃ。
いや、だから私の考えとオートポイエーシスが同じだとはまだ限ったわけではない
でしょう?
オートポイエーシス的にはたぶん、私が11のHNでここに書き込む(これが11の
出力)ことによって、私が11であることの境界を産出し続けているという感じじゃ
ないのかな。ただし、私がここに書き込まない(出力しない)からといって、私が
何もしていないわけではない。

>>588
>しかし私はむしろ他の個体
>や外界(ノイズも含んでいる)と相互作用するなかで自己組織的に生まれて
>くる神経の構造や発火パターンの変遷が神経系の機能の本質に近いと感じます。
たしかに神経系が閉鎖系というのは言い過ぎだったかな。べつに私だってまだ、
こうだと言いきる気はないのよ。いくらでも改めていくさ。
ただ、自分から発信することができることの方をもっと注目しようじゃないか、と
いうことだよ。普通の環境ではそれが不断に補正されている。無条件でリズムを発信
する視交差上核の波動が、光を当てることによってその都度同期するように。

>>599
その議論はすでに何度かしているけど。あなたの方こそ、本当にずっと読んでる?
それとも、あなたに日本語読解力がないのかな?
神経細胞はおそらくspontaneousに発火する。そして、そのspontaneousに発火する
神経細胞から構成されたマクロな神経ネットワークはさまざまな機能や情報を内包する
ようになり、その機能をvoluntaryに発揮する。

下手な批判はかえって恥をかく。しかし、無視しようとするのは恥をかくことを恐れる
臆病者。
60211:01/10/30 04:37
生命は自発的(spontaneous)だ、という洞察の意義が理解できない、ということ
なのかな・・・
603名無しゲノムのクローンさん:01/10/30 05:27
自発的な活動なら、「自発的対称性の破れ」で説明できるよ。
例えば、2つの干草の山があってその真中にヤギがいるとする。
ヤギにとって2つの干草の山は対等だから、どちらにいけないで
食べられないかっていうとそうではなく、どっちかに行くはず。
これは対称性の破れの一つの例。 
60411:01/10/30 05:39
ふむ。そのヤギの比喩は面白いので、今後利用させていただくかも
知れない。
ただ、それは従来通りの超越的な視点(外側から見た視点)でヤギの
行動を記述したに過ぎないよね。問題はむしろ、ヤギはどういう
仕組みでどちらかを選ぶことができるのか、ということ。この問いには
答えていない。
605名無しゲノムのクローンさん:01/10/30 05:46
いやいや、11さんのよくないところって多分中身を理解しないで
言葉を使うことだと思うよ。みんなそういうところを気にしてる
と思うんだけど。
ヤギの話も別に使っていいけど(僕が考え出したんじゃないし)、
自発的対称性の破れを勉強してからのほうが周りに突っ込まれな
くっていいんじゃない?
どういう仕組みでどちらかを選ぶかは記述できてるよ
(勉強してね)。
60611:01/10/30 05:49
おお、「自発的対称性の破れ」で検索できるね。ちょっと調べてみるね。
60711:01/10/30 06:08
「自発的対称性の破れ」は素粒子論で出てくる話みたいだね。ヤギの話は
なんらかの素粒子の挙動を比喩的に示しているんだろうけど、では
本当の意味で生物個体のヤギにまで「自発的対称性の破れ」が適用できると
思う? それに、これはやはり素粒子のふるまいを記述したものでしょう?
素粒子論では素粒子の挙動の原因まで扱うのかな。
60811:01/10/30 06:47
>>603 >>605
応答がないですね。
とんでも科学は素粒子の世界の出来事をなんの根拠もなくマクロな
物体にまで当てはめたり、現象を記述したに過ぎない法則を原因と
取り違えるという誤りをよく犯します。結局、あなたの方こそ、
とんでも科学の学徒じゃないんですか?
609pa:01/10/30 07:28
1つ訂正・
>>576
×逆行性健忘症 →◎順行性健忘症
 順行性健忘症とは 見たり聞いたりしても10分くらいするとわすれてしまい言語報告できなくなるって現象です。
映画でいえば,「メメント」ってのにでてくる主人公ですね。

>>578
> 405氏や◆A7SFFo6c氏は「意識」や「閾値下知覚」の
話題は哲学的になりがちなので今は棚上げにしておきたいという希望を述べて
おられます。私もこれに同意します

★とはいっても,もしここを中高生の方がみているのであれば,11氏が何度も繰り返している

>。すなわち、閾値下知覚に関しては、
  そういう情報処理があるのは認めるけれども、あまり重要な意味はない んじゃないか、
  ということですね。

という仮説にたいして相反する先行研究の結果を提示しておくのは有用だとおもうので後日いくつか提示しておきます。また,「自覚的」でないレベルで
の高度な認知処理と行動がおこなわれているということは,動物の行動
(リカーシブな意識が見られない種)における考察にもつながることですし。


と,その前に私の文章576


> 当書の著者 下条氏は「自覚できるレベルでの意識」というのは
無自覚なレベル(識閾下の)での膨大な処理の一部をただモニター
してるだけではないのか?
とまで考察してる

と記述したのにたいして,

>>578 で11氏が
>それから、>>576最後の下条氏の文章は、私が>>490最後に挙げた苧阪先生の文章と
言わんとする趣旨が一致していると感じます。すなわち、閾値下知覚に関しては、
そういう情報処理があるのは認めるけれども、あまり重要な意味はないんじゃないか、
ということですね。

★とかえしているのはどういうことなのだろう?

11氏には,どうしてこのような解釈になったのかおしえてほしいところです。
610名無しゲノムのクローンさん:01/10/30 07:36
11さん、
あなたのようにそんなにヒマじゃないので、そんなにホイホイ
返事してられないんですよ。たかだか2時間席を外しただけで
トンデモ扱いされるとは・・・。セミナー出てたんで。
ちなみに私海外なので、日本時間ではまともじゃない時間に
返事しますけど。あなたこそこんなによく書き込めますね。
仕事してるんですか?(私も仕事の途中に2ちゃん書いてるけど、
その時点でダメだな→自分)
自発的対称性の破れは素粒子の話でもありますが、もともとは
物性論の話です。自己組織化と自発的対称性の破れを
ニューラルネットに持ち込んであなたの言ってるようなことは
実現できます。説明してもいいかなと思ったけど、>>608
ような対応をされた時点で、もうダメね。
反論するなら、もうちょっと勉強してからね。
61111:01/10/30 07:42
>>609
>>578の後半での>>576に対する解釈が間違っているかな、と感じたので>>579
書き直しています。いずれにしても、今はあまり深入りしたくないというのが
正直なところです。

>動物の行動(リカーシブな意識が見られない種)
本当にリカーシブな意識がないかどうかを行動だけから把握できるかどうか、
私は分からないと考えています
>>580の、そのマクロな神経ネットワークが内包する情報が行動として外部に表出
される。ただし、この活動は本来「思考」と呼ぶべき活動であって、従って必ず
しも行動として表出(出力)されるとは限らない。を参照)。
したがって、今は何も分からないと言うのが正直です。
612pa:01/10/30 07:47
>>490にて 11氏は曰く

閾下知覚(subliminal perception)は岩波認知科学講座第9巻「注意と意識」の
苧阪先生が書かれた章の10ページに載っていましたが、あまり詳しくは
書かれていません。「単に無意識的な情報処理があることを認めるだけ
である」で締めくくられており、あまりまともに相手にしていない印象でしたけど。


★その本 認知講座図書館で借りてみましたが,苧阪氏の章でも盲視とよばれる
認知障害者が例にあげられていました。
これは視野のある領域にものを提示されても
患者にとって「見えない」という状況になるとのこと。

ここでその「見えない」視野に刺激を提示してたとえば
「ある文字がでたらスイッチをおしてください」
ってな質問をしたとしましょう。本人にとっては「見えた」
という自覚がない。にもかかわらず偶然よりも有意に
高い正解率を示しているという結果がだされている

本人にはまったく見えてないのにちゃんと
正解しているのを考えると,「識閾下」にて
高度な認知処理がなされ,「自覚しない間」に
ただしい選択をほどこしているということが
考えられるのではないだろうか?

★また同じく苧阪氏の文章にてLIbet1983
の実験があげられている。これは上で既にあげられていたことに
も関連しますが

時計をみせながら「ある時刻に脚をあげてください」
って指示をだす。
とするとその被験者が「脚をあげようと思った」とき
の350ミリ秒前に脳の運動準備電位が変化したという結果がでたとのこと。つまり,私たちが「自覚的に指令を出す」前に
すでに脳の方では識閾下で運動をおこなうように指令をだしているのではないだろうか?などなどと考えられます。


つまり,苧阪氏の文章においても,

>あまりまともに相手にしていない印象でしたけど。

などということは決してないのでは?と考えられます。
11氏がいったいどのようにこの苧阪氏の文章を読み解釈したのか
その根拠は如何に?
61311:01/10/30 07:53
>>610
私も仕事の合間に書いてます。ここでの議論は私にとって極めて
重要です。数十年間に温めた構想の有効性を試しているのですから。
その場がたまたま2ちゃんねるであるということに過ぎません。
だから、とにかく誤解だけは排除しておきたいと願っています。
「自発的対称性の破れ」については不幸な結果になりましたが、心の
隅にとどめておきます。将来、再び「自発的対称性の破れ」に遭遇する
ことを期待して。
614名無しゲノムのクローンさん:01/10/30 08:11
610です。
有益な議論をしたいと心から望むのであれば、失礼な言動は
控えたほうがいいですよ。たとえ2ちゃんでもね。
ちょっとした言葉遣いで損をしているような気がして、もったい
ないなぁと思ったので。
「興味をもってくれるかな」と思って書き込んだのにも関わらず、
トンデモ扱いされたら悲しいでしょ?
61511:01/10/30 08:14
>>612
盲視はV1が損傷された患者の例ですね。視覚は主要経路以外の経路があるのかも知れ
ないし、外側膝状体あたりで何かしているのかも知れない。いろんな解釈があり得、
まだ確定していないんじゃないのですか?
脳の運動準備電位と自覚の関連についてもいろんな説明があり得る。それをここで
ああだこうだと議論しても得るものがあるかどうか・・・
でも、これは私の考え。paさんは意義があると感じるならお続けください。私も勉強
させてもらいます。
616名無しゲノムのクローンさん:01/10/30 08:18
>>615
盲視は上丘(superior colliculus)です。確定してます。
61711:01/10/30 08:33
第二の視覚系としての皮質下を通過する上丘経路ですね。了解です。
618PA:01/10/30 08:34
>>616
11氏>それをここで ああだこうだと議論しても得るものがあるかどうか・・・

★ちょっとちがう
11氏が 苧阪氏が識閾下の認知について
>あまりまともに相手にしていない印象でしたけど。
という解釈をしていたことについて,反論したのです。
また

>盲視はV1が損傷された患者の例ですね。視覚は主要経路以外の経路があるのかも知れ
ないし、外側膝状体あたりで何かしているのかも知れない。いろんな解釈があり得、
まだ確定していないんじゃないのですか?

★問題なのは,「自覚できないレベル」で高度な認知処理と判断が
おこなわれているってことであり,この場合にかぎるならば,
「自覚できない」のであれば
どの経路かなんてことは問題にならないとおもわれます。

★私がここで問題にしてるのは
「識閾下にても 高度な認知処理が行われ,行動にもあらわれる」
ということであり,それは11氏の

 >。すなわち、閾値下知覚に関しては、
  そういう情報処理があるのは認めるけれども、あまり重要な意味はない んじゃないか、
  ということですね。

★に対しての反論として行っています。やめたいと仰るかもしれないですが,
それでは議論において発言に責任がなさすぎます。

ところで
>脳の運動準備電位と自覚の関連についてもいろんな説明があり得る。

★他の説明については興味あります。私が上で提示した
「自覚的な意識」の前に「脳の運動準備電位」が変化する現象について

 原典を示した上で(一般書で結構ですから)様々な説明を提示していただければありがたい。
619名無しゲノムのクローンさん:01/10/30 08:41
>>613
驚いた。数十年考えたのに議論してることがこんなに幼稚とは。
これだけ続いて反論が絶えないというのは、万人から見て
明らかにおかしいってことじゃないだろうか?
言葉はよく知っていて確かに勉強しているように見えるが、
他人を説得できるほどの論理がまったくない。それこそ
前頭葉の障害ではないだろうかと疑ってしまうほど。
620PA:01/10/30 08:52
>619
そういうメタ的な中傷はやめれ
621名無しゲノムのクローンさん:01/10/30 09:01
>>620
確かに。メタでごめんね。
でもね、真面目なコメント書いてあっても、11氏ちゃんととり
あってないよ。誰かがせっかくいいこと書いても、変な返しして
るし。誰かがせっかく解説しても、お礼も言わない。
2ちゃんねるでそんなこといってもしゃーないけど、本人が好き
勝手なこといってるだけでは議論にならないのでは?
おかしいところ全部挙げてもいいけど、それでも聞かないでしょ?
それをもって前頭葉の障害といったわけ。
622学部生:01/10/30 09:22
卒論関係でみてるんですけど11氏自体実はすべて
ネタなんじゃないですか。
彼も学部生のような気がします。
623学部生:01/10/30 09:25
周りの人のレベルが高いので勉強になります。
続けてお願いします!
62411:01/10/30 09:26
>>618
無責任といわれるとやっぱり放置はできません。
>あまりまともに相手にしていない印象でしたけど。
この発言は取り下げます。閾値下知覚に関する書き込みはすべて取り下げます。
これで許してください。

>★他の説明については興味あります。私が上で提示した
>「自覚的な意識」の前に「脳の運動準備電位」が変化する現象について
これは以前、言葉だけ触れた「期待ニューロン」と関連しています。
個体が期待を意識する前にこのニューロンは反応を開始するという話です。
これはどう解釈していいのか、まったく分からない。人によっては期待は
行為の後で生じる意識だと説明するが、私には受け入れられない(測定された
事実と説明を混同してはいけないし、私にはこの説明で納得できること自体が
信じられない)。今回の場合は「自覚的な意識」の前の「脳の運動準備
電位」よりも前に活動する何かがあると考えたい。神経線維の長さの関係で
たまたまモニターしている意識の方が運動準備電位より後に来ただけかも
知れないし。だいたんに言ってしまうと、まず「意図」のネットワークが
活動し、それが運動皮質と「(自)意識」のネットワークに同時に出力するが、
その空間的距離によっては到達時間が逆転することがあるのではないか。
62511:01/10/30 09:27
ああ、私が今、学部生だったらどんなにうれしいか・・・
>>622
卒論関係でこんなとこ見るなよー(笑)
>>600=◆A7SFFo6c
医者の考える「非侵襲」と心理屋の考える「非侵襲」には
どーもズレがあるらしい(笑)

関係ないのでまたまたsage
62811:01/10/30 09:36
>>580で挙げた>>443のイメージで行くと、「意図」を構成するネットワークは
前頭前野の右側とか左側とか下側で瞬時に構成され得、それがたまたま前頭前野の
右側で生まれたネットワークであって、命令が右手を動かすことであれば、左側で
生まれた場合と比較して右手の動作の発動には時間がかかるだろうね。
629名乗るほどのものでわ:01/10/30 09:53
また、「意図」だの「(自)意識」だの、訳のわからん呪文を持ってくるし。。。
630名無しゲノムのクローンさん:01/10/30 09:54
>>622
ネタだと思うと結構楽しめるね、ナルホド。
63111:01/10/30 10:09
>>624>>628はpa氏に宛てた発言ね。
63211:01/10/30 10:28
まだ実体の分からないものについて論じるときは、叩き台を示すのが
有効なんだ。ただし、その叩き台をちゃんと理解した上で叩く批判なら
大歓迎なんだが、理解せずに叩く批判に対してはやはり叩き台を
守らないといけない。そして、残念ながら、まだ叩き台をちゃんと
理解している人はオートポイエーシスに最初に言及した方を除いて
ほとんどいないのが現状なんだよ。

悪いがもう一度、現行最新バージョンの叩き台>>580をもう一度読んで
ほしい。また、>>461で述べた私の持つ疑問を共有してほしい。
633名無しゲノムのクローンさん:01/10/30 10:36
580を読んだ。
ニューロンってシナプスからの入力なければ発火しないって知ってる?
634学部生:01/10/30 10:38
11先生の>>580の叩き台は皆に叩かれまくってますけど
その叩きに11先生が叩かれっぱなしでまともに反論できて
いないだけじゃないのですか?
矛盾だらけの叩き台は引っ込めるのが筋でしょう。

理解を求めるならまともな反論キボンヌ。
63511:01/10/30 10:39
>>633
ニューロンを1個取り出して培養したとき、時々ぽっぽっと発火する
のは知ってます?
63611:01/10/30 10:40
>>634
矛盾と思うのは理解していないから、とは考えない?
637名無しゲノムのクローンさん:01/10/30 10:41
>>635
知りません。初めて聞きました。
文献を教えてもらえませんか?
ホントだったら謝ります。
63811:01/10/30 10:45
文献・・・いつまで遡ればいいんだろう(笑
いろんな神経細胞を取り出して生理条件で培養してみてくださいよ。
639名無しゲノムのクローンさん:01/10/30 10:47
文献でも教科書でもいいです。無知なもんでごめんなさい。
実験屋じゃないもんで。
ちゃんと記述している本を教えてください。
640405:01/10/30 11:27
けっこうなペースでスレ伸びてますねえ。

脳を結合振動子系と考えると、例え自発性に活動する振動子が混ざっ
ていたとしても系全体のマクロな挙動を考える場合個々の振動子
(自発性な振動子でも自発性ではない振動子でも)に系全体の挙動
を決める特権があると考えるのはちょっといびつな考えのような気が
します。

私は11氏のいう自発性の活動をするネットワークがたとえあったとし
ても、そこからの出力を中心に脳全体の挙動を説明する理由がちょっ
とわからないのですが教えていただけますか?
641名無しゲノムのクローンさん:01/10/30 11:48
>>637
これだけたたかれるのは、自分が間違ってるからだとは考えられない?
642405:01/10/30 12:05
>>640

補足をしますと、自発性活動をする振動子(出力のみの振動子)はも
ちろんマクロな系の挙動に影響をあたえているのですが、それは入出
力がある他の振動子が系のマクロな挙動に影響を与えているのとまっ
たく同じ意味で影響を与えているということしかいえないということ
です。

脳でいうと、自発性に発火するニューロン(群)があったとしても、
他のニューロン(群)からの入力をうけて発火するニューロン(群)
と比べて、脳全体の発火パターンの形成における役割を重視する理
由がわかりません。
643学部生:01/10/30 12:11
授業でてました。
11先生も授業受けにいってるんじゃ。。
644 :01/10/30 12:29
11は悲惨だな。
人には向き不向きがあるな。
645 :01/10/30 12:38
11が上司だったら脳内で自発性発火をするニューロンを
探し出す仕事をやらされるのか。。

漏れはいやだ。
646名乗るほどのものでわ:01/10/30 12:51
>>632=11
ふつーわ、疑問に思うことがあったらそれが何故かを調べるもんだと
思うんだが、自分が理解出来ないからと言って、それを自分以外のセイに
されちゃたまったもんじゃないわな(笑)

でね、君の疑問はどうも共有できそうもないんだわ。

・「私たちが寝返りを打つのは」 床(ベッドでも布団でも可)平面での
 単位面積あたりの過重が不均一だからでしょ。
 「必ずしも背中に圧迫感を感じて寝返りを打つわけじゃない」かどうかなんて
 寝てる身でどうしてわかる?(笑)

・「かゆくなくても掻くことがある」 って、人が皮膚を掻く理由なんて
 「かゆい」という以外にも山ほどある。

なんていちいち反駁してたら面倒くさくなってきた。

「そうした中で思いついたのが、生物は本来自発的なんだ、という考えなんですよ」
って、なんで単一細胞の発火から、ヒトの進路選択まで説明できるんだか、
そっちの方が、不思議ですね。だいたい自発的ってのは細胞の活動の定義であって
個体の活動のことじゃなかったはずじゃないのかなー?

もう一つ指摘しとくと、先行する刺激や環境に依存しないってことは、
それらの条件に対してはランダムに反応が起こるってことになるけど、
そんな現象なんかあるんすか?

自画自賛してる割には、生物屋にすら賛同者がいないのはどーゆーわけだろーね?

じゃね
647 ◆A7SFFo6c :01/10/30 13:17
遅レスなので、興味のない人は無視して下さいw

>>618
今更ですが、盲視が本当に上丘〜視床枕のルートを介しているかどうかは
まだ確定していないと思います。今のところ1番人気だとは思いますが。
Zekiも暗に戒めている通り、「わからない事柄に出会ったらまだわかって
いないもののせいにする」(多少曲解?)のは安直かと思われますので、
僕自身は積極的にはこの説を採らないことにしています。。。
非常に強力な脳計測手段が来年あたり登場するかもしれないということなので、
視床系に関してはそちらに期待です。

ところで、その「自発性」を実際に見ることのできる実験パラダイムは
思い付かないものでしょうかね。実験屋としてはそちらに興味が湧くのですが。
648名無しゲノムのクローンさん:01/10/30 13:25
◆A7SFFo6c さんへ、
11さんよりよくわかってらっしゃるようなので再度質問を。
生体から取り出してひとつだけ培養されてるニューロンって
自発発火することがあるんですか?(入力なしで)
649虚無好き:01/10/30 13:27
にゃにゃ。すごいことになってるにゃ。取り急ぎレスしとくにゃ。
>オートポイエーシス的にはたぶん、私が11のHNでここに書き込む(これが11の
>出力)ことによって、私が11であることの境界を産出し続けているという感じじゃ
>ないのかな。ただし、私がここに書き込まない(出力しない)からといって、私が
>何もしていないわけではない。
オートポイエーシス的には、システム内活動が終わった時点で
システムは終焉したとみなすのではないかにゃ?
たしかに活動はシステムの構成素といわれるものに先行するけれども、
その後、絶えざる自己形成がすなわちシステム維持とみなされると思うにゃ。
だから、「わたし」が2ちゃんねるに「出力」したりしなかったりにかかわらず、
「わたし」の自己同一性が維持されているというような言い回しは、
あまりオートポイエティックではないにゃ。
オートポイエティック・マシンというのは、あるいみ外部に無関心に、
ひたすら活動を続ける。そゆことじゃないのかにゃ?
だから引用部分の後半は、ちょっと疑問にゃ。
でも核心部分ではないような気もするにゃ。
揚げ足取りみたいだったらごめんにゃ…。
650 ◆A7SFFo6c :01/10/30 13:28
>>648
医用生体工学屋なので、培養関係は全くわからないのです。。。
ごめんなさい。
65111:01/10/30 13:37
まぁ、「名乗るほどのものでは」氏のような刺激→反応のパラダイムから逃れられ
ない心理学者氏にとっては受け入れられないでしょうが・・・

>>648
培養神経細胞が自発的に活動することを書いた本が見当たりませんでしたが、
こういう話は入門書的な教科書には書いてありません。ウェブで探すしたところ、
http://niseiri2.med.hokudai.ac.jp/~nokagaku/DataBase/SatoHonma/
http://media.dj.kit.ac.jp/HMT/chap02b.html
こういうのを読むと神経細胞は発達中から自発的に発火するんだなということが
分かると思います。

私自身の考えは
http://www.ics.kyoto-su.ac.jp/~fujii/JHomePage2/kagaku.html
http://www.google.com/search?q=cache:0DZ5shKFsuQ:www.erato.atr.co.jp/~doya/niss99/text/sakurai.pdf+%8E%A9%94%AD%94%AD%89%CE%81%40%90_%8Co%81%40%94%5D&hl=ja&lr=lang_ja
にかなり近いものです。

405氏や虚無好き先生への応答は後ほど。
652pa:01/10/30 13:49
>>624
11氏曰く
>たまたまモニターしている意識の方が運動準備電位より後に来ただけかも
知れないし。だいたんに言ってしまうと、まず「意図」のネットワークが
活動し、それが運動皮質と「(自)意識」のネットワークに同時に出力するが、
その空間的距離によっては到達時間が逆転することがあるのではないか。

★疑問があり,

>まず「意図」のネットワークが活動し,
>自意識のネットワークに出力

 となると結局最初は,「自覚できないレベルで」「意図」があって
それをモニターする形で「意識」があるってことになるように
おもわれますが・・

例えば,  「無自覚なレベルでの脳内活動(識閾下の認知)による処理」
       ↓        ↓
       運動を指令  「意識へと出力」
       ↓        ↓
       筋電位の変化  自覚する
というモデルになりそうですが・・?
これだと意識はただモニターしてるだけであり,
 脳の変化が先におこるのは当然というか・・


★ところで期待ニューロンってのは
前注意過程とはなんらかの関係はあるんでしょか?

★あと自然発火については
http://www.gifu-nct.ac.jp/elec/deguchi/sotsuron/suzuki/node8.html
に文章があったが参考文献がわからん。
とりあえず一般書で教えて欲しい。
具体的に細胞膜に なにがおこってるのか興味あるので。
膜電位が勝手に脱分極するってことでしょうか?
65311:01/10/30 13:49
>>405
>>651で挙げた後半の二件のサイトを見ると、ヒントになるかも知れません。

>>649
>オートポイエーシス的には、システム内活動が終わった時点で
>システムは終焉したとみなすのではないかにゃ?
終わらないですよね、生命システムは。それは活動が終わったのではなく、継続して
いるからですよ。
まぁ何度も申し上げますが、私の考えとオートポイエーシスが同じだという保証は
今のところまだありません。
654名無しゲノムのクローンさん:01/10/30 13:52
>>651

近いといわれた先生達がかわいそう。
655 ◆A7SFFo6c :01/10/30 13:52
>>651
後半のサイトを見ましたが、GO/NOGO課題をモチーフとして出てきた
発想というのであればそれなりに注目すべきものだと僕個人は考えますね。
視覚系が専門なので、色彩視の(しかも当時の未発達な)研究から出た
オートポイエーシスよりは、説得力があるような気はします。
(単なる感想です。。。)
656名無しゲノムのクローンさん:01/10/30 13:58
>>651

教えていただいたサイトをざっと読みました。

以下抜粋
>視交叉上核の器官培養において神経ペプチド放出リズムを測定し、
>視交叉上核の生物時計が2つの部位特異的ペースメーカーにより構成
>されることをしめし、さらにマルチ電極上の器官培養により、
>サーカディアン振動細胞の割合が両ペースメーカーをで異なることを示した。

本間さんはひとつのニューロンを培養したのではなく、ひとつの器官を培養
したとありますが。ネットワークとして自発発火するのは(もしくは共鳴するのは)
あたりまえでしょう。私は「ひとつの孤立したニューロンが自発発火するのか?」
と聞いてるんです。
657pa:01/10/30 14:00
>>646
>・「私たちが寝返りを打つのは」 床(ベッドでも布団でも可)平面での
 単位面積あたりの過重が不均一だからでしょ。


★この文章自体は至近要因と究極要因をごっちゃにしてるようにおもわれます。
 もとの文脈ではとりあえず至近要因(この場合は内的にどのようなメカニズムが?)を問題にしてるのであり
究極要因(何故)とはもうすこし明確に区別するほうがわかりやすいかと。

ギャグでいってるのでしょうが一応
65811:01/10/30 14:00
>>652
意識については分かりません。許してください。
659pa:01/10/30 14:05
>私は「ひとつの孤立したニューロンが自発発火するのか?」
と聞いてるんです。

私もそれを知りたい。あとどういうメカニズムなのか?
興味津々ですね。

また,仮に殆どのニューロンがランダムに自発発火してるようなら
全体としては「白色ノイズ」のようになってしまわないのか?とか
66011:01/10/30 14:05
>>653
二件目も読んでください。

>>654
一応、櫻井先生と私は知り合いです。
66111:01/10/30 14:11
>>656
二件目も読んでください。
66211:01/10/30 14:15
>>659
1996年時点で、自発発火のメカニズムは分かっていない、と書いて
ありますね。たぶん、従来はノイズとして切り捨てられてきたんだと
思います。「白色ノイズ」にならないかどうかについては、たとえば
興奮性と抑制性の細胞が一緒に活動したらどうなります?
663名無しゲノムのクローンさん:01/10/30 14:22
>>661
どこに自発発火の説明があるのかわからない。単なる神経科学の説明のみの
ような気がするのだけど。
また 652 にあるサイトの説明、

>他の細胞からの入力がないにも関わらず自然に発火する自然発火があるが、
>そのメカニズムは分かっていない。

これだけじゃ、どういう状況のどういう実験かわからない。
自説を認めて欲しいんなら、もうちょっとましな文献・もしくは解説をしたほうが
よいと思われ。
66411:01/10/30 14:31
>>663
そこの文章は長いので「自発発火」でページ検索してみてください。
自発発火については私も見ただけで、現場にいた当時はそれを追究を
していませんでした。

>>642
>脳でいうと、自発性に発火するニューロン(群)があったとしても、
>他のニューロン(群)からの入力をうけて発火するニューロン(群)
>と比べて、脳全体の発火パターンの形成における役割を重視する理
>由がわかりません。
これが、生命は自発的だと考える私の着想というものです。
665名無しゲノムのクローンさん:01/10/30 14:35
>>664
そんな希薄な根拠で主張してるわけ?真面目に取り合って損した。
そもそも論文提示しないで、 Web を出してくるところがオワってる。
66611:01/10/30 14:39
>>665
PubMedを調べたらうんざりするほど出てきたし、培養神経細胞なのか
in situで単一ニューロンを見ているのか区別できなかったので示すのを
あきらめたのです。もちろん、自室の教科書も調べたけれども、その記述が
見つからなかった。仕方がないのでウェブから検索したのではありませんか。
関心があるなら、あなたの方で調べてください。
667名無しゲノムのクローンさん:01/10/30 14:41
>>666
今家なので PubMed 使えません。ひとつ典型的な文献を教えてもらえませんか?
これってあなたの説の根本でしょう?そこをはっきりさせないと議論できない
と思うんですが。
668  :01/10/30 14:45
解剖学的に他のニューロンから投射を受けてない単一ニューロンって
存在しますか??
66911:01/10/30 14:50
>>668
単一培養神経細胞で自発的に発火するなら、実際の脳内では投射を
受けていても同じ性質は保っているでしょう。
670名無しゲノムのクローンさん:01/10/30 14:54
>単一培養神経細胞で自発的に発火するなら、実際の脳内では投射を
>受けていても同じ性質は保っているでしょう。

???
入力受けたら変わるに決まってるよ。
一個のニューロンが他からの入力を受けずに発火する実験結果を
示したら、言ってることを信じますけど、そうじゃなかったら単なる
妄想でしょう。
67111:01/10/30 14:55
いくら数千のシナプスで数億個の神経細胞が連絡していても、各神経細胞が
じっとしていたのでは何も起こらないでしょう?
672名無しゲノムのクローンさん:01/10/30 14:58
>いくら数千のシナプスで数億個の神経細胞が連絡していても、各神経細胞が
>じっとしていたのでは何も起こらないでしょう?

つながっているニューロン全部が活動していないわけ?
そんなの死なない限りありえないよ。
67311:01/10/30 15:00
同じことじゃないですか? それじゃ、どこかで自発的に活動する
神経細胞が存在すると考えないことには説明できないでしょう。
674名無しゲノムのクローンさん:01/10/30 15:04
>同じことじゃないですか? それじゃ、どこかで自発的に活動する
>神経細胞が存在すると考えないことには説明できないでしょう。

何が同じなの?自発的なニューロンがないと何が説明できないの?
外部からの入力と recurrent なネットワークで何がダメなの?
あなたの言ってること、さっぱりわからん?

つうかさ、議論の根拠となる論文示してくださいって言ってるんですが。
ニューロンの自発発火ね。まあこれ以上言っても無駄か。はぁ。
67511:01/10/30 15:05
反論する方法を教えましょうか?(笑)
刺激の入力、ですよ。
でも、じゃ、現実には不可能だけれども完全な感覚遮断を行ったら、
我々は死ぬだろうか?
676  :01/10/30 15:06
>>673
圧倒的に外部入力が大きいでしょう。

ついでにいうと因果律というものをしらないようだね。
67711:01/10/30 15:06
recurrentでもどこかに「最初に」活動するものがなければ動かない
でしょう。
678  :01/10/30 15:08
>>675
感覚遮断するとそもそも発達過程で機能的なネットワークはできない。
67911:01/10/30 15:09
成熟個体でですよ>感覚遮断
680名無しゲノムのクローンさん:01/10/30 15:10
>>675
>反論する方法を教えましょうか?(笑)
>刺激の入力、ですよ。

なんに対して反論する方法なの分からない?そして答えが
「刺激の入力」?何のことやら???

あたまいたくなってきたよ。
つうかさ、みんな11さんの言ってること、理解できてるの?
68111:01/10/30 15:12
刺激の入力=あなたのいう外部入力じゃないですか
682    :01/10/30 15:13
頭痛い。
時間スケールという概念がないようだな。
11氏には。
683    :01/10/30 15:14
漏れは別人。
ちょっと実験してきます。
684名無しゲノムのクローンさん:01/10/30 15:14
で、この話は実験できるの?
68511:01/10/30 15:15
>いくら数千のシナプスで数億個の神経細胞が連絡していても、各神経細胞が
>じっとしていたのでは何も起こらないでしょう?
このことはなにか活動する実体が存在するはずだ、ということを言って
いるのですよ。そして、それを支持しているのが培養系で神経細胞が自発
発火する事実ですよ。
686名無しゲノムのクローンさん:01/10/30 15:16
根拠ないんでしょ?
68711:01/10/30 15:16
>>682
あまり人を中傷するものじゃないですよ。私もあなたとしゃべるのが
苦痛になってきた。
688名無しゲノムのクローンさん:01/10/30 15:23
>>687
11さんのほうが人を中傷してるのでは?
わたし、トンデモ呼ばわりされましたよ。
あんなに温厚で親切、ユーモアもわきまえていた生物板の人達が……シカタナイネ...
11さんも説得する事ばかりを頑張らずに
反論受けるのはあたりまえぐらいに考えて
「自論を2chにおける反論で改良」してみたら
叩き台とこんなに変わった!ウヒョ!!、程度の気持ちで意見を受け入れて
おもしろがって変更してみたら?
こんなにも皆がヒントを調べて書き込んでくれてるんだから。
2chなんかで全人格や人生の主張を露出させる必要もないんだし。気軽にね。
690405  :01/10/30 16:02
>>664
>>脳でいうと、自発性に発火するニューロン(群)があったとしても、
>>他のニューロン(群)からの入力をうけて発火するニューロン(群)
>>に比べて、脳全体の発火パターンの形成における役割を重視する理
>>由がわかりません。
>これが、生命は自発的だと考える私の着想というものです。


逆に入力のあるニューロンは本質的には重要ではないというこ
とでしょうか?そしてこの自発性ニューロンの発火なしには
本質的な機能はうまれないということですか?
691405  :01/10/30 16:15
11さんにもう一つ質問なのですが、
培養ニューロンの自発性発火は周期的なものではないのですか?
69211:01/10/30 16:25
>>689
反論というのは理解した上でするものだ。
ただし、>>580で示した主張は生物学では聞いたことのない話で
しょう? もめるのは前から分かっていたよ。

>>690
開放系か閉鎖系かのところでも感じたけれども、あなたの考え方は
全か無かの法則みたい。有りか無しか、どちらかでないと気がすまない
性格とお見受けする。
>逆に入力のあるニューロンは本質的には重要ではないというこ
>とでしょうか?そしてこの自発性ニューロンの発火なしには
>本質的な機能はうまれないということですか?
そんなことは言っていない。ただ、自発する神経細胞の存在を考えない
ことには系が動き出さないだろう、ということです。そして、一般に
細胞の活動は、数十億年前に出現した(自己複製する物質を複製する
という)化学反応の連鎖が起源であり、それが現在まで連綿と維持されて
いると言いたいわけ。何度も言うけれども、生命の誕生は自己複製する物質と、
その複製を継続させる環境(現在でいう細胞内環境)の両者が出現して初めて
可能になったこと。その両者が連綿と止まることなく維持されている。
地球上の生命は現在数十億歳なんですよ。
69311:01/10/30 16:39
>>691
それはニューロンの種類によるんじゃないですか?
視交差上核のニューロンは規則的に発火するみたいですけど。
>>692
つうか、その「自分の主張を板の連中が理解すべき。」という考え方が反発買ってるのだYO!
もめるのが分かってて、もめさせるのは「煽り」の定義そのものです。
11さんはこのスレの客人にすぎないのだから、
もう自分の主張の正しさについて書くべき事は全部書いてしまったわけで
正しさを議論しても無駄だから、スレッドという共有の場所でそれがどのような形になるのか
あなたが他の人の意見に理解を示し意見を変えていったらどうだ、と言っているのです。
その主張が正しいかどうかは実世界で示せばいいのだから。
695405:01/10/30 16:56
>>692
>開放系か閉鎖系かのところでも感じたけれども、あなたの考え方は
>全か無かの法則みたい。有りか無しか、どちらかでないと気がすまない
>性格とお見受けする。

そうかもしれませんね。議論する上でどうしても定義から
始める環境にいるもので(汗

>ただ、自発する神経細胞の存在を考えない
>ことには系が動き出さないだろう、ということです。

なるほど。
ここが決定的に私の考え方と違います。
神経系に限って言えば自発する神経細胞を仮定しなくても
何らかの外界からの刺激入力があれば系は動くと思ってい
ます。

また結合振動子のモデルでも自発性の活動による入力は外
界からの入力ですべて代用できるはずです。
696405:01/10/30 17:29
進化や生命の起源の問題を持ち出すとさらに揉めそうなので
少なくとも構造が(ある程度は)できている神経系の話をし
たほうがよろしいかと思います。
697405:01/10/30 17:35
>>694
1のお方はどこかにいらっしゃるのでしょうかねえ(笑)。
698虚無好き:01/10/30 17:46
ここはレスがつくのはあるがたいんだけど、
すっかり殺伐としちゃったにゃ。
吉野屋コピペのせいかにゃ?

とりあえずαπの話についてはおいといて、
全生物史を考えると、そして11先生の話の流れから考えると、
神経系のある生物に認められる自発性は、
植物にも認められなければならないにゃ。
そして、たしかに先生は脳のない生物の自発性についても言及してたと思うにゃ。
植物の自発性とは、葉の全体面積と枝の分岐が、
太陽光の摂取が最大効率になるように自己組織化するというようなことかにゃ?
わからんにゃ。
マターリとね。マターリと。
700名無しゲノムのクローンさん:01/10/30 21:26
刺激−反応パラダイムの時代に教育受けた人は
アレルギー強すぎるのかねえ。若い衆は比較的
柔軟と思われ。
701名乗るほどのものでわ:01/10/30 22:06
>>700
受け入れてやりたいのは、やまやまだが(笑)
あんな支離滅裂で、嘘っこ引用連発の、なんの現象も説明出来ないお話を
素直に受け入れろっつーのは、無理だよ。

だいたい、このスレにそんな柔軟な若い衆なんかいたっけっか?
702 :01/10/30 22:15
>>701
学部生ぐらいだな(w
703名無しゲノムのクローンさん:01/10/30 23:17
こんなところでぼろぼろにされる研究者っていったい。。
仮に11様の主張が科学的に正しいとしてもそれでどうなるの?
11様は今までの歴史や考えが否定される、か
主張の先進性が分からない人には説明する意味もない
そんな事しか言って無いような。
705   :01/10/30 23:49
ルサンチマンの塊だな。
706虚無好き:01/10/31 00:45
698で植物にハナシをふったのはまずかったにゃ。
スレタイトルに「動物」とあったにゃ。
イタタ…

>仮に11様の主張が科学的に正しいとしてもそれでどうなるの?
強要されてもいないのに、このスレに来てしまう理由がわかるのにゃ。
707 ◆A7SFFo6c :01/10/31 00:51
段々話のスケールが大きくなってきましたね(笑

動物の認知能力はどこへやら。
ハトの認知機能の研究についてならわかりますが。
708  :01/10/31 00:55
そんなことより11よ、聞いてくれ。

やめときます。。
709名無しゲノムのクローンさん:01/10/31 03:00
>>707
ハトに印象派の絵を見せる話おもしろかったね。
もっとキボン!!
「名乗るほどのものでわ」のおっさん見てると思うんですけど、ここでは
エラそうにしたら偉うみてもらえるんでっか?
71111:01/10/31 05:01
ハトがゴッホとシャガールを見分ける話は正直なところ、私には何が
面白いのかまったく分からなかった。苦し紛れに出した、単に世間
受けするだけの研究。渡辺先生も、あれが自分の代表的な業績と
見なされたら戸惑うだろう。
712名無しゲノムのクローンさん:01/10/31 07:15
自作自演ハケーン放置
713名無しゲノムのクローンさん:01/10/31 07:34
悲惨な11がいるスレ
714名無しゲノムのクローンさん:01/10/31 07:44
11のアイディアの証明ができた!

11の脳は自発発火していて、自発性を持って活動している
          ↓
外界からの影響(他人の意見)は脳の活動に効かない
          ↓
よって、人の意見をまともに取り入れて議論することができない

かわいそうにねぇ。
715  :01/10/31 08:08
11先生の代表的な業績=2chのカキコ
716名無しゲノムのクローンさん:01/10/31 08:23
>>11>>711

ほんとに驚いた。
人間においては「高度な認知過程」が前提とされるような
行動と,機能的には等価の行動が,人間と同等の
認知過程を持たないと推定される生物においても
成立する,という事実の重みがわからないの?

11氏にはある種の科学的イマジネーションが決定的に
欠けているね。オカルト的イマジネーションは豊富なのに。
あなたが研究者になれなかったのは偶然や運ではないよ。
717名乗るほどのものでわ:01/10/31 10:50
>>710
このスレで一番エラソーにいっぱい書き込んでるお方が、
偉くみてもらってると思う?(w それで判断してくださいな。

>>716
おおむね同意。
でさ、ふと思ったんだけど、ゴッホとシャガールを見分ける実験、
ヒトの被験者を対象にやったとして、どれくらい弁別可能なんだろうね。
もちろんディストラクターも入れるとして。

あと、作者を推定して弁別してるわけじゃなくて、
もっと物理的な視覚的な手がかりで弁別してるって可能性もあるのかな。。。
718   :01/10/31 10:56
>>717
>このスレで一番エラソーにいっぱい書き込んでるお方が、
>偉くみてもらってると思う?(w それで判断してくださいな

禿しくワラタ
71911:01/10/31 11:08
>>717
>あと、作者を推定して弁別してるわけじゃなくて、
>もっと物理的な視覚的な手がかりで弁別してるって可能性もあるのかな。。。
そんなこと分かり切っていると思うんですけど。どうもやっぱり心理学
出身者と生物学出身者の考え方の違いを感じるね。弁別刺激を探した
結果が結局、作者の筆致といった視覚刺激に落ち着いたら、「やっぱり」と
思うだけで新鮮な発見はないと感じるのですよ。

>>716
君には分からないかも知れないが、結局は各人の興味の問題だと
思うよ。ハトがヒトと機能的に同等の視覚情報処理能力をもっていると。
ハトはすごいんだねぇ、で、だからどうだというの?
マスコミには受けるのかも知れないがね。
720名無しゲノムのクローンさん:01/10/31 12:13
>>719

ほんとにわかってないんだな。ハトが人と同等,なのじゃなくて,
人がハトと同等,という可能性が重要なんだよ。

われわれが人独特の高度な認知や行動を説明するのに用いている
「高度な認知過程(発達した脳,など)」の仮説が実際には
間違っており,人の認知や行動ももっとシンプルな,他の動物と同じ
システムで動いている可能性が示唆されてるんだよ。

むしろ,同じシステムでありながら,人とハトとの
日常的な行動の違い(もちろん人の方が高度で複雑)が
生み出されている原因はなに?という話になる。
「人の認知過程(あるいは脳や神経系)は複雑,ハトは単純」
という説明はできないのかもしれない,ということ。

これでもわからないなら,もういいけど。
しかし,そういう感覚ではほとんどの発見の意味は
わからないのでは? たとえば錯視の研究の意味なんて,
わからないでしょう?
721名無しゲノムのクローンさん:01/10/31 12:17
>>719
もう相手にしないほうがいいのでは?
いくら言っても無駄じゃないかなぁ?
722721:01/10/31 12:24
もちろん>>719>>720の間違いでした。
72311:01/10/31 12:24
>>720
>むしろ,同じシステムでありながら,人とハトとの
>日常的な行動の違い(もちろん人の方が高度で複雑)が
>生み出されている原因はなに?という話になる。
>「人の認知過程(あるいは脳や神経系)は複雑,ハトは単純」
>という説明はできないのかもしれない,ということ。
なるほど。しかし、人の認知過程は複雑,ハトは単純という概念は
心理学がもっている先入観であって、生物学にはそのようなものは
ないんだ。私のいう「自発性」は生命誕生時に遡れるというのは、とりも
なおさず、自発性はヒトやハトはおろか生命システムすべてに当てはまると
言っているんだよ。
>>723
そろそろほんとに壊れてきたのかな?

何でも説明できる「オープンな理論」は,何も説明していないのと同じ。
説明対象と説明範囲の限定が必要。たとえば「自発性」と「動物精気」や
「エーテル」との差異を述べよ。
72511:01/10/31 12:31
生物学はもちろん、見た目は特定の種(ウイルス、大腸菌からヒト
までな)を対象とした研究をしているように見えるが、その目的は生命
現象全体に共通する原理を探求しているんだよ。その成功例の一つがDNA、
遺伝子というわけさ。
72611:01/10/31 12:33
その、壊れてきただとか、言っても無駄だとか、そういう先入観を
読者に与える言い回しが私は大嫌いなんだ。こういうことをする
人間はほんと、氏んでほしいと思うよ。
727虚無好き:01/10/31 12:58
11先生へ。
おかしいにゃ?反行動主義の根拠のひとつは、
その薄っぺらい人間観じゃなかったのかにゃ?
わたしはその点で、11先生と同じ見解だったのににゃあ。
>人の認知過程は複雑,ハトは単純という
のは、いわば素朴な観察にもとづく一般人の通念に属するもので、
スキナーに感化された心理学者の先入観念とは別にゃ。
いぜん心理屋先生が言ってた、
人間の表象や意識は、認知の付属物にすぎないという発言を考えてほしいにゃ。
またくるにゃ。
728学部生:01/10/31 13:07
ううう勉強になります。
72911:01/10/31 13:53
>>727
>>人の認知過程は複雑,ハトは単純という
>のは、いわば素朴な観察にもとづく一般人の通念に属するもので、
ごめんなさい。確かにおっしゃるとおりです。

>スキナーに感化された心理学者の先入観念とは別にゃ。
スキナーに感化された心理学者の先入観念は、内的過程を考慮せずとも
行動はすべて理解(彼らの言葉で予想し制御すること)できるという
ものですね。というか、本来は内的過程はいったん棚上げにしておこう
という立場であったにもかかわらず、内的過程をなき物とする方向で
進んできてしまった、と私は見ています。結局、今回のハトの話も、内的
過程がないと思われるハトの行動とヒトの行動は同じものだ、と主張したい
のだと感じます。
ところが、私やおそらくPA氏はハトにも(ヒトとは異なるかも知れないが)
内的過程が存在すると考えている。結局、スキナーに感化された心理学者
とは逆の意味で、ハトとヒトとの連続性を見ているわけです。そして、
その種を超えて連続する内的過程の起源は生命誕生時に開始された化学
反応の連鎖であり、それが連綿と継続されていることから生命は本来
自発的、というのが私の主張というわけです。
>>729
オッカムの剃刀って知ってる?
73111:01/10/31 14:24
>>730
はい、まさにそのオッカムの剃刀の原則を取り違えたことにより、
行動主義の行動に対する理解は薄っぺらいものになってしまったのです。
73211:01/10/31 14:26
ああ、間違い。
×行動主義の行動に対する理解は薄っぺらいものになってしまったのです。
○行動主義の人間理解は薄っぺらいものになってしまったのです。
733 ◆A7SFFo6c :01/10/31 14:46
>>729
僕はハトの認知機能研究にはあまり興味がないのですが(笑、
慶應の渡辺先生から直に伺った時には、
「ヒトとハトが似たような認知機能を発現しているとして、
それがなぜ異なる構造の脳でも生じるのかを調べることでヒトの
認知の成り立ちが見えてくる」
ようなことをおっしゃっていました。この辺はいかがでしょう?

(話題が遅れていたらごめんなさい)
脳みたいな複雑なものの働きを考えるのに
オッカムとか言ってそう簡単にスッキリしたほうを
取りたがってもいいもんかね?
73511:01/10/31 15:26
>>733
私もハトの絵画を見分けるという実験自体はあまり興味がないんです。
ただ、渡辺先生の論文タイトルをざっと見た感じでは、あの先生は行動の
系統発生に興味をお持ちのようだ。◆A7SFFo6cさんのおっしゃるのは
そういう意味でしょう?
では、ヒトとの連続性を見たいのであれば、同じほ乳類のラットやサルで
研究した方が分かりやすいのに、なぜ脳構造の違うハトを用いるのか。
これが新奇性、ということかも知れません。
・・・もう一つ意地の悪い見方があるんだけど、それは伏せておきます。
736虚無好き:01/10/31 16:33
11先生、ちょっと安心したにゃ。
言語学のほうでは、行動主義言語学は数十年前に影響力を失ってるのにゃ。
それはまあ、わたしからみれば納得のいかないチョムスキー言語学によって
根本的にパラダイムが変わってしまったからだけどにゃ。
それはともかく、言語活動には特徴的に
行動主義の限界が現れてしまったといえるかもにゃ。

行動主義が理論を必要としないという真意はよくわからんにゃ。
ひとつ思いつくのは、完全に統計的操作にうったえるということだにゃ?
つまり、ひとつの状況で予測されるのは、
行動の分布であり、その因果関係ではないということにゃ。
天気予報については、気圧配置や海水温度などについて何もかんがえなくても、
統計だけで予測可能という話もあるにゃ。11月3日は、特異日とかにゃ。
なんとなく、それと似てるのかにゃ?
ま、いいにゃ。
737名乗るほどのものでわ:01/10/31 17:21
>>736
スキナリアンもギブソニアンも、あまりの話の通じなさにうんざりしてると
思われるので、多分出てこないと思いますが(笑)、
そーゆーネタは、まっとうなスキナリアンに尋ねた方が話しが早いと思いますな。


>>719
>結果が結局、作者の筆致といった視覚刺激に落ち着いたら

「作者の筆致」が既に確立している視覚刺激の属性であるかのように
平気でこういう言葉を使うかね。。。
「自発性」にしろ「意識」にしろ「意図」にしろ、同じだけどさ、
ちゃんと科学の術語として使ってよ。人間理解以前の問題だと思うな。

で、>>223だけど、心理学が「人の認知過程は複雑,ハトは単純」という
先入観を持ってるなんて、どっから出てくるのかね。
ま、何事につけ優劣つけないと気がすまないみたいだから、
そーゆー発想になりがちなのわ、わからないでもないけど、
学部学生がこんなこと言ったら、ぶっ飛ばされると思うな(笑)

それよりさ「私のいう「自発性」は生命誕生時に遡れるというのは、とりも
なおさず、自発性はヒトやハトはおろか生命システムすべてに当てはまると
言っているんだよ。」なんて、すばらしいこと言ってるんだから、
それだと、何がうまく説明できるのか例示しれ見せろってしつこく聞いてるのに
いっこうに教えてくれませんね。
73811:01/10/31 17:30
>>736
736に関しては心理屋さんがなにか言ってくるかも知れませんが、私の
方からあえて言うことは何もありません。

ただ、生物学では行動主義が目に見える形で影響を及ぼすことはありません
でしたが、生理学から神経科学、さらには先端の認知神経科学から計算
神経科学では、生物は刺激に反応する(S-R理論)というパラダイムが
今なお強く支配している。しかし私は、生物の刺激に対する反応しか
見ていないのでは刺激に対する反応しか見えませんよ、と言いたい。
生物は本来自発的で、それは生命誕生時から絶えることなく伝えられて
きた生命の特徴の一つなのだ、という私の主張はこのパラダイムに異議を
唱えるものであり、このことに気づいてもらわないことには私の主張は
伝わったことにはならないのです。

で、先に述べた第1世代システムとしての動的平衡システムや第2世代
システムとしての自己組織化システムはいずれも刺激-反応パラダイムに
縛られたシステムに過ぎないよ、ということね。これに変わるシステムは
何か? それがオートポイエーシスかも知れないけど、今はまだ分からないよ、
という段階なのです。
73911:01/10/31 17:36
>>737
昨日の段階で、一つの根拠として、神経細胞は自発発火するという
ことは受け入れてもらえたと思っているんですけど? メカニズムはまだよ。
74011:01/10/31 17:40
>>737
はっきり言いましょうか。私は今さら行動主義を振り返ったり、
相手にする必要は全くないと思っているんです。相手にするのは
時間の無駄です。
741 :01/10/31 17:51
さらしage!
742405:01/10/31 18:00
>>738
>で、先に述べた第1世代システムとしての動的平衡システムや第2世代
>システムとしての自己組織化システムはいずれも刺激-反応パラダイムに
>縛られたシステムに過ぎないよ、ということね。

これは違います。
入力と出力があるシステムはすべて刺激−反応パラダイムに縛られて
いるとお考えでしょうか。
74311:01/10/31 18:11
>>742
じゃ、こう言い替えましょうか。
現在のシステムはすべて入力−出力パラダイムに縛られている。
必ずしも入力がなくても活動し、必ずしも出力しないシステムが
あり得る。それでも中でなんらかの処理を行っているシステムがあり得る。
74411:01/10/31 18:31
>>742
ちょっと補足しましょうか。私の中では入力=刺激、出力=反応なん
です。そうである以上、>>742の問いはおかしいでしょう?

問いの前提がすでにおかしいのです。必ず入力と出力があるシステム、
これは人間が作ったシステムです。生命システムはそうじゃない。
というのが私の主張ね(笑 勘違いしないで。
74511:01/10/31 18:53
こういう比喩はどうかな。今、PCに電源を入れました。そしたら
Windowsが立ち上がって起動を済ましたら、そのままじっとしている
よね。人間がキーボードやマウスをいじってやらないと何もしようと
しないね。
ところが生命はそうじゃない。上で言ったPCに電源を入れる操作、
これが生命誕生時に起こったんだ。言うまでもなく、これが遺伝子の
複製を継続させる細胞内環境が生じたことで、それは物質もエネルギーの
交代も行う開放系だ。そのPCは最初はごく単純だったが、電源が入ったまま
数十億年の時を経て動き続け、キーボードやモニターなどの入出力装置を
手に入れながらさまざまなプログラムを産み出してきたんだ。キーボードが
たまに押されることはあったけれども動き続けていたし、これからも動き
続けることは変わらない。
残念ながら、もうこのスレで自説を理解してもらおうと
説得するのは止めた方がいいのでは?
あきらめも肝心。というかそれが大人の態度。
11さんが受け入れられる事はあっても
11さんの主張が叩き台のまま、このスレで賛成される見込みは無いと思うな。
どちらに問題があるとしても11さんは孤独な戦いになるからBBSへの印象悪くなるばかりだよ。
なにか別の展開を考えた方がいいと思われ…
747405:01/10/31 20:22
>>743

>現在のシステムはすべて入力−出力パラダイムに縛られている。
>必ずしも入力がなくても活動し、必ずしも出力しないシステムが
>あり得る。それでも中でなんらかの処理を行っているシステムがあり得る。

あり得る?いやもちろんこれは既存の概念にありますよ。。。。。
孤立系(エネルギー入出力なし)もしくは閉鎖系(エネルギーの入出力はあり)
ですね。

>>744
>問いの前提がすでにおかしいのです。必ず入力と出力があるシステム、
>これは人間が作ったシステムです。

人間が考えた開放系の概念はそうでしょう。もちろん閉鎖系や孤立系
のようなシステムも人間は考えているわけですが。

>>744
>生命システムはそうじゃない。 というのが私の主張ね(笑 勘違いしないで。

生命システムは孤立系?閉鎖系? よくわからないのですが、、
すみませんがもう少し説明していただけませんか?
私には少なくとも個体の脳は開放系にしか思えません。

かりに11さんがいう自発性のニューロン以外に入力もなく出力もない
という条件では脳は閉鎖系の概念に近いものなりますが、エネルギー
の流入は当然のことながらあるわけです。

とここまで書いて。。
>>745
>これが遺伝子の
>複製を継続させる細胞内環境が生じたことで、それは物質もエネルギーの
>交代も行う開放系だ。

なんだ開放系なんですか。前二つのスレと矛盾しているようですね。
そういうことだったのか。
入力出力を考えればみんな行動主義だったのかいな。
てことは認知科学屋もコンピュータ屋もみーーんな行動主義者だなそりゃ。
もうムチャクチャでんがな。
749名乗るほどのものでわ:01/10/31 21:17
>>747=405さん
一番オイシイとこが、隠れちゃってクリックしないと読めません(笑)

>>748
このムチャクチャぶりが楽しくて、覗きに来てる輩も多いと思われ(笑)

っつーわけで>>740=11 さん
生物板でイキがって行動主義心理学の悪口言ってどーするんですか。
だいたい心理屋さんは来週の日心の準備で忙しいんですからね。

>>739=11
結局、細胞が自然発火するっていうデータを示さなかったように
記憶しとりますが? 視交差上核はともかくとして、それ以外の
ニューロンの発火(のように見える現象)がノイズじゃないっていう
のは、もう広く認められてるの?

それから、ついでにもひとつ質問なんだけど、仮にノイズじゃない
として、その自然発火(の頻度やパターン)によって、より上位の
ニューロンの活動が変化するっていうevidenceはあるんすか?
75011:01/10/31 21:18
>>747
ふむふむ。私の方でまだ混乱があるようです。

前、テレビの例を挙げて、電源(エネルギーの流れ)とブラウン管から
表示される番組(情報の流れ)は別の系だという話をしましたよね。

もう一度、一個の神経細胞を考えてみると、どうも培養神経細胞は自発
発火するらしい、ということになりましたよね、昨日(そのメカニズムは
まだ分かっていないが)。それはともかく、神経細胞は常時ナトリウム・
カリウムポンプでナトリウムを体外に放出してはカリウムを取り込む活動を
行っている。そしてこの活動を行い、細胞が生きていくためにはエネルギーが
いる、と。この側面が物質とエネルギーを交換しているという本来の意味で
神経細胞は開放系ですよね。ただし、生理状態では事実上無尽蔵のエネルギーが
利用できる、と。

他方、受容体からは神経伝達物質を受け取ると同時に、軸索末端からは
神経伝達物質を放出すると(培養した単一の細胞では前者は起こらない
ですが)。そして、この神経伝達物質自体にはエネルギーの価値がない
(つまり、純粋に情報を伝達するための粒子、電子みたいなものだ)。
つまり神経伝達物質の入出力というエネルギーの入出力を伴わない系が
存在する。これは従来の意味での開放系ではありませんよね。

ここまではよろしいですか? なお、この後者のエネルギーの入出力を
伴わない、情報のみの入出力が行われる系はなんと呼ばれるのでしょうか?
神経伝達物質にはエネルギーがないんですか?
それでどうやって「情報」が伝達されるんですか?
そもそも,11さんのいう「情報」ってなんですか?
そもそも細胞が自発発火する(入力に依存しない)のだったら,
情報にはどんな意味があるんですか?
752405  :01/10/31 22:38
>>750

あくまでも熱力学のメタファーですから、脳に適用する場合何が熱力学的
な意味での物質で何がエネルギーかは考え方次第だと思います。
したがって厳密な意味での開放系とも閉鎖系とも考えることはできない
のではないかと実は思っています。
生体内のひとつの系だけでものごとを考えると必ずこの結論に達して
しまうのですが。

まあわかっていたら私が壮大な理論を打ち立てたいところなのですが(笑

>749 書き込むまでわかりませんねえ。笑いました。

75311:01/10/31 23:07
うーん、難しい。とうとう壁にぶち当たったか・・・

>>752
いや、別の系と考えられるか?と言うことだけ伺いたいんですけどね。

>まあわかっていたら私が壮大な理論を打ち立てたいところなのですが(笑
とんでもなく壮大なことを考えていることは見えてきましたか?

しかし、それよりも
>>751
>神経伝達物質にはエネルギーがないんですか?
ちょっと参りました。よく調べてみますが。。。
>それでどうやって「情報」が伝達されるんですか?
構想では、細胞自体にそのための装置が備わっていると考えるのです。受容体毎に
神経伝達物質の種類に応じて伝達される情報の種類が決められている、神経伝達
物質が放出される量や放出頻度が情報になっている等です。
なお、fMRIで捉えられる像も、伝達物質を受けた細胞自体の活動を見ているのです。
シナプス部位でのエネルギー交換はないと考えていたのですが、これも調べて
おきます。
>そもそも,11さんのいう「情報」ってなんですか?
これはもういいですね。上で説明しました。
>そもそも細胞が自発発火する(入力に依存しない)のだったら,
>情報にはどんな意味があるんですか?
それは細胞は自発発火する能力はあるが、実際には数千のシナプスを介して多数の
細胞と連絡しているので相互にコントロールされながら、そのネットワーク全体の
もつ情報を発信したり機能を発現すると考えるのです。そもそも自発的に活動する
ものがなければそのネットワークは動かないだろうと考えるのです。外部からの刺激が
ある場合はもちろん動きます。
754匿名希望:01/11/01 00:17
>>753
>fMRIで捉えられる像も、伝達物質を受けた細胞自体の活動を見ているのです

は間違いです.fMRIで測定しているのは局所血流量です.
75511:01/11/01 00:32
>>754
失礼しました。fMRIはヘモグロビンと酸素の結合状態を反映した静磁場の変化を
みており、脳の代謝レベルを反映していると考えられているのでしたね。

主張の本質的な部分以外での間違いで評判を落とすのは哀しいことです・・・
756 ◆A7SFFo6c :01/11/01 00:36
>>754
もっと嫌らしい言い方をすれば、酸素化ヘモグロビンの挙動ですねw
fMRIが神経細胞の活動そのものを反映しているわけではない、という批判に
対して生理学出身の医用生体工学屋の方々はだいぶ苦慮しているようですよ。
最近になって、これを解決する手段が現れましたが。
(相変わらず話題と関連のないことに口出しばかりしてすみません)
757名無しゲノムのクローンさん:01/11/01 00:38
>>754
ナイスコメント。
もちょっというと酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの
磁場に対する感受率の違いね。

11って基本的な科学の知識がかけてるよね。
75811:01/11/01 00:53
>>756>>757
残念でした。私の方が先に返事を済ませてしまいました。

それより、fMRIやPETの所見は神経線維よりシナプス近傍でのエネルギー消費を
反映しているみたいですね。だから、神経細胞の活動そのものではないにしても
それにかなり近いもの(活動の結果というべきか)を見ているようですね。
759名無しゲノムのクローンさん:01/11/01 01:06
つうかさ、大学教養の教科書程度の知識もあやふやで、
何か新しいことを言ってるつもりなのがすごいよね。

そんなすごい事なんだったら、2ちゃんねるでごちゃごちゃ
言ってないで、学会でも行けばいいのに。もっとも2ちゃんで
さえ相手にされないものが他で通用するとはとても思えないが。
760 ◆A7SFFo6c :01/11/01 01:10
>>758
また脱線しますが、fMRIやPETが神経細胞の代謝活動(≒エネルギー消費)
を見ているのは確かです。ですが、その応答が活動量に比例しているわけでは
ないようです。以前どこかで例にあげたかもしれませんが、fMRIで指に対する
電気刺激の実験を行った場合、同時に刺激を与える指の本数を1本、2本と
増やしていった場合、体性感覚野からの信号強度の増加が線型にはならないのです。
EEGやMEGでは線型になるのですが。
76111:01/11/01 01:16
君たちはちゃんと書いているときは黙っていて、ちょっとでも間違うと
鬼の首でも取ったみたいに騒ぐのね。

ま、それはともかく、>>750>>753は系を厳密に分けることに固執し
すぎたのかも知れません。テレビの比喩はやはり有効だ。脳の代謝
(物質とエネルギー代謝を行う開放系。その内容は細胞の栄養分の代謝と
グルタミン酸のリサイクリング)と、情報伝達の系(系の性質はまだ不明)
に分けて考えるのは有効だろう。
762 ◆A7SFFo6c :01/11/01 01:32
>>761
積分器を二つつないだ発振回路の話でも同じですね。

電源入力を積分器につながない限り、確率共振による発振は起きません。
ですが、回路への入力そのものは要らない。
76311:01/11/01 01:41
一般に、細胞がエネルギー源や養分を取り込んで不用物を排出する
活動(代謝とよばれる入出力系で明らかに開放系)と、生理活性物質の
放出と受容体を介した取り込み(情報を伝える分子の入出力系)に分け
られる。そして生理状態では前者の活動は自発的な化学反応の連鎖に
よって保証されているゆえ、考慮する必要がない(保証されないと死んで
しまう=生命でなくなるから)。このシステムが従来の視点で描かれる、
開放系の動的平衡システムである、と。
だから生命は動的平衡システムと、情報を伝える分子の入出力システムの
二重構造をとっている、という見方はどうでしょう?
で、今問題にすべきは後者なんだ。。。
ちょっと飽きてきたね。祭りもそろそろ終盤だなあ。1はいずこ…
765心理屋:01/11/01 06:40
遅レスですが,

>>736
その「現在のパラダイム」である生成文法が実質的な「停滞」で
あったと考えれば,古いものが間違いとは言えないかも.
(これは11さんが良く使うレトリック.古いといわれれば,
新しいものが正しいとは限らない,常識と違うといわれれば,
常識が正しいとは限らない,というやつ.)チョムスキー自身は
特にその政治的立場など共感する部分も多いですが生成文法は
なんであんなものが主流になってしまったのか私にはよくわかりません.

>>727
「薄っぺらい」といいますが,物理や化学の特定の理論が「薄っぺらい」と
いった表現で批判されることはまずないですよね.こと人間や人間行動に
関わる理論に対してだけ,そういった批判が生じるし,そのとき
「薄っぺらい」という評価の根拠が明確に示されることはなく,もっぱら
印象に基づいた評価です.これはむしろわれわれが自分自身に関する
説明にある種の「深み」を求める,そして,その深みというのは概して
常識的で素朴なメンタリズムとの親和性によるということでは?
(たとえば行動主義より精神分析のほうが圧倒的に「深み」がある
でしょう?そして,素人に理解されやすいのも精神分析です.)
766心理屋:01/11/01 08:49
言語の問題でも,(後天的な)単語の意味や用法の学習が
条件づけの原理に基づいて生じることには,現在でも
とくに疑問はないと思います。(単語とレファレントの
対提示=古典的条件づけによる意味の学習,単語の使用と
効果との関係=オペラント条件づけによる用法の学習,など)。
現に,障害児教育などの現場で言語障害児に用いられている
訓練技法は基本的に行動主義的なものです。

ただ,言語学者が主に興味を持つ複雑な文法の獲得の問題や,
基本的文法の異文化一致といった「高度な問題」に行動主義的
言語学がはっきりした答えを(すくなくとも当時は)
提供できなかったこともたしかです。でもそのオルターナティブは
生成文法であったわけで......

言語の問題は人間の認識や「こころ」とも直結する,非常に重要で,
かつ事実上ほとんど未知の領域です。それを行動主義がスパっと説明できる
なんていう気はさらさらありませんが,スキナーの言語行動研究に
後継者がいないことはちょっと残念です。チョムスキーのある種の「わかりやすさ」
に比べて,スキナーのVerbal Behaviorの難解さは「定評のある」ものですからね。

読んですぐわかる(わかった気になれる)ものには「薄っぺらさ」を感じ,
何度も何度も繰り返し読み,考えて考えてやっとわかるもののほうに
「深み」を感じやすい私は異常でしょうか(笑)。
767心理屋:01/11/01 08:57
っていうか,すごく正直にいうと,文法についての生成文法的な
議論は,私には何の意味があるのかさっぱりわかりません。
ウイトゲンシュタイン的な議論はすごく重要だし,有意義だと
思って勉強してますが。まあこれじゃあ11さんと同じ論法ですけどね。
76811:01/11/01 13:05
>心理屋さん
いつになく弱含み(テンションが低いということね)ではありませんか?(笑)
今回、神経細胞が自発的に活動するという記述を探すために古い教科書を見直す
機会があり、自分が本に書き込んでいたことを読み直したりしてみて改めて気が
ついたのが、1970年代(チョムスキーはもう少し前なのですが)を通じて日本では
いざ知らず、世界的に行動主義からの脱却が生じたのではないかということです。
パラダイムの変換と一言で言ってもいいのかも知れないけれど、むしろ行動主義
では行動を説明できない、それでは行動を説明したことにはならない、という
ことに人が気づき始めたということじゃないのかな。それとやっぱり、心理学が
扱う現象も言語も生物学的基盤をもつということ。その機能を担う神経ネット
ワークの構造や機能を想定せずに、いくら外側からの観察だけで行動を説明しよう
としてオペラント条件づけ、強化、随伴性などと言っても、それは精神分析の用語と
同様に人間が考え出した概念に過ぎず、それでは人は納得しなくなったということ
ですよ。オペラントの自発はなぜ生じるのかという問いに対して、あなた方はそれは
ランダムに生じる行動であり、その行動には意味がないとしか言わない。しかし、
この説明では誰も納得しないということです。
少し明かすと、私が心理学の学習に最初に利用した教科書はスキナーらのものでは
なく、D.O.ヘッブの教科書だった。これが私にはよく合っていた。

生成文法的な議論は何の意味があるのかわからないというご発言は言語学そのものを
否定していることに気がついていますか? それどころか、ただ生物を理解しようと
する学問である生物学すらも否定している。前から気になっていたのだが、あなたは
なにかに応用できること、平たく言うと人に役に立つことにしか関心を持てなくなって
いるように感じる。あなたは心理屋と言いつつ、行動主義の文脈以外の研究、たとえば
メンタルローテーション実験などにも関心が持てないのではありませんか? 私は
役に立つ立たないということより、この現象自体が面白くて仕方がない。言語にしても
同じです。
769名無しゲノムのクローンさん:01/11/01 13:20
盛り上がってまいりました。
メンタルローテーションでも,実験(検証)ができるということは
予測や制御ができるということです。予測や制御に役立たない
理論というのは,実験(検証)のできない理論です。11さんの
「理論」はどのように検証できますか?
77111:01/11/01 14:41
>>770
そのご質問に対する答えは用意してありますが、今は>>765>>768
対する心理屋さんと虚無好き先生のご回答を待っているところです。
だから、もう少し待ってくださいね。答えがなければ再度質問して
いただいても構いません。
772名無しゲノムのクローンさん:01/11/01 14:51
ひまな研究者だらけだな(w
正直、もうおもしろくないです…
11の反応も先が見えてるし言い合いも同じ所をグルグル。
774名無しゲノムのクローンさん:01/11/01 15:37
>>772
だから11は研究者じゃないんだって。
77511:01/11/01 16:01
またくだらんカキコが続いてるな、やれやれ。
>>774
今は現場にいないということだよ。
776名無しゲノムのクローンさん:01/11/01 16:12
11は学部卒だよ。
777名無しゲノムのクローンさん:01/11/01 17:30
777!
778>>775:01/11/01 17:32
教授?研究部長?
779名無しゲノムのクローンさん:01/11/01 18:22
>>778
これだけ暇な人は他には考えられないということね(笑。
780虚無好き:01/11/01 19:21
むにゃむにゃ。わたしの書き込みは、つまらんにゃ。
言語学に興味のないひとは、読み飛ばしてにゃ。
そいでわたしが、生成文法諸派を代弁する立場にないということもわかってほしいにゃ。
で、
>言語の問題は人間の認識や「こころ」とも直結する,非常に重要で,
>かつ事実上ほとんど未知の領域です。
チョムスキーは、このような見解をとってないにゃ。
まずそこが、行動主義とのちがいになるかにゃ。

チョムスキー言語学の対象は、言語とかかわる人間行為の広大な領域の存在を認めたうえで、
みずからの研究対象を、慎重に絞り込んでるにゃ。
そして、コトバは何かを伝えるための道具あるいは制度という伝統的見解を捨て、
コミュニケーション能力とは独立して規定される「言語能力」に対象を絞ったのにゃ。
要するに言語能力の研究は、人間精神の解明にあるていど貢献するかもしれないが、
とりあえずベツモノにゃ。
チョムスキーはいわゆる「言語」とよばれるものには、
興味がないとさえ言ってるにゃ。「文化」はなおさらだろうにゃ。
このあたりで、生成文法が、
人間精神の「奥深さ」とはなんの関係もないということがわかってもらえると思うにゃ。
したがって、チョムスキーが伝統的に信じられてはいるが、
じつはまったく根拠のない「人間的」概念を好んで用いて、
通俗的な理論を立ちあげたと(心理屋先生が)おっしゃるなら、
まったくの誤りにゃ。
ついでに、チョムスキーが政治的・哲学的文脈で述べたことが
どんなにわかりやすかったかは知らないけどにゃ。
生成文法は理論としては非常に難解にゃ。
こっちにも定評があるにゃ。
そして生成文法は「迷走」しているといったほうが、ピンとくるにゃ。

あえて、言語の<内在性>や<生得性>は除外して書いてみたにゃ。
あえて、にゃ。
11先生にもなにか書きたいけど、深夜になるかもにゃ。
78111:01/11/01 23:08
>>780
虚無好き先生が生成文法家でいらっしゃらないことは分かっていたのですが、
最初の頃、たぶんバリバリの生成文法家の(´∀`)先生が言語能力の生得性を
問題にしていらっしゃったじゃないですか。もちろん私は生成文法なんて全然
知らないし分からないでしょうが、この問題提起から生成文法は脳の言語領野内に
生得的に符号化された言語能力を記号化する試みを行っていると私は思いましたし、
これは「認知革命(H.ガードナー)」や「パラダイムの迷宮(J.キャスティ)」に
書かれているチョムスキー言語学のイメージとも一致していたのですが・・・
追加発言を待っております。
782虚無好き:01/11/02 04:48
わたしはひそかに、誰かが乱入してくれることを望んでいたのににゃ…
いまとなっては、板違いのレスは気が重いにゃ…

チョムスキーが視覚の認知処理を好んでひきあいにだし、
言語の能力もそれぞれ入力と出力をもつ
自律したモジュールの<並列的>情報処理であるとしたことはじじつにゃ。
そのいみで、認知心理学と歩調を同じくしていることは、まあいいだろうにゃ。
で、
<生得性>はtouchyな問題だにゃあ。
深入りしていいものか、ちょっと迷うにゃ。
>生得的に符号化された言語能力を記号化する
符号というのは、code のことかにゃ?
遺伝コードとの関連でおっしゃっているのか、ちょっと不明にゃ。
刺激についていえば、ヒトの子供は、最低限の言語刺激によって、
有限のパラメタ値を設定し、(Head-finalの議論を思い出すのにゃ)
あとは自発的に完全な母国語の文法体系に達するといわれているにゃ。
>>52でそのことに触れてるにゃ。
このことは、事実ならば自己組織化といういみで興味のはんいにゃ。
しかし、言語獲得のツールLAD language advance device が
検証にたえうるかどうかはわからないにゃ。
先天的な言語獲得障害はいくつか報告されているけどにゃ。

なんにせよ、チョムスキー理論にこのスレで問題となっているような
行動主義を「乗り越える」パラダイムのみをみいだすのは危険だにゃ。
まえにも書いたけど、言語の使用 performance に関する知識は、
言語の能力 competence からは外的な、非本質的問題とされ、
(おそらく心理屋先生がもっぱら興味の対象としている、ウィトゲンシュタイン的問題群にゃ)
(自称)デカルト的心理学には手におえないとして、放棄しちゃってるにゃ。
そういういみでは、生成文法は復古的な自然科学のパラダイムから出発したともいえるし、
現実問題として、ほとんどの生成文法家は自然科学に興味ないにゃ。
ま、言語学者だから当然だけどにゃ。

もの知らないくせに、書きすぎにゃ!
783pa質問:01/11/02 08:50
>虚無好き 氏
私的な興味としては「ではいったい人間は最低限どの程度の知識を
あたえられれば言語を習得できるのか?」
というのが挙げられますがこの辺どうなんでしょ?


 例えば,先出のピンカー「言語を生み出す本能」のなかでも
ピジン語(英語などからできたカタコト言葉)やアメスラン(アメリカ式手話)
などの不完全な言語を流暢な自然言語に
復元してしまった子供のことがでていたわけですがこの辺は
いったいどの程度信頼おけるのか?
また,有名なカスパーハウザーのエピソードですが,
隔離された場合には,言語をどのような形で発達させるのか?
あるいはまったく発達させないのか?(その彼の特有の
言語がだれかに理解される,されないってのとは別問題として)


これはそもそも,言語学習以外にも,成長の際のスキンシップやコミュニケーション
の意義ってなんだろうってのも興味ありまして,
 animal behaviourにのった論文からだとマガモが母親のコール(duck call)に
反応するには,同胎ヒナとのスキンシップが必要だという研究があったし,
また,例えば,コンラート・ローレンツの
ハイイロガンにカンする本のはじめにはあるハイイロガンの雛を人間に刷り込ませ
てそだてたとき,1羽だけ雛と全くコミュニケーションをとらない
場合には,非常に乱暴な個体に成長することが記述されていた。

また,犬を閉じこめて,飼っている人間,他の犬個体と全く接触させずにずっとそだてる
と「火にむかって脚を突っ込んだり」と異常な発達をすることも
明らかになっているようです(こっちはグリフィンの 動物の心 ヨリ)

そういうことから「外部環境からの刺激」は「”正常”な認知の発達」
に重要な影響を与えるのであろうとおもってるのです。そんなわけで
「発達」にいったいどういった要因が最低限必要なのか?ってのは
色々な意味から重要だとおもうわけでありまして
その辺について上にあげたような質問を出すわけです。


★もう一つ
行動主義・・現在の行動主義ってのがあるのかどうか?また
あるならそれは動物の内的過程についてどのような認識でいるのか?
ってのが気になるところです。
784心理屋:01/11/02 09:40
>>783

心理学では行動主義,というときにはまず大きくふたつにわけます。

 方法論的行動主義 客観的に観察可能な行動だけを研究対象にする心理学。
          直接観察可能な行動だけを指標に直接観察不能な過程を
          分析する心理学も含む。心的過程を操作的に定義して
          客観データから研究するような研究がその代表だし,
          その意味では認知心理学も方法論的には行動主義です。

 徹底的行動主義  生物の行動を環境との直接の相互作用から分析しようとする
          心理学。主な概念装置はオペラント条件づけ。また,心的過程は
          行動の原因ではなく,心的過程自体も環境と相互作用する
          行動であると考える。「自称」行動分析学,あるいはいわゆる
          スキナリアン。

方法論的には「科学的」と自称する心理学はすべて行動主義です。
徹底的行動主義は「スキナー的行動主義の原理主義者」で,日本の心理学界では
いま500名くらいの勢力です。

で,誤解してもらいたくないのは,徹底的行動主義は「内的過程を否定」などまったく
していません。環境と生体の相互作用で行動が成立,変化していくことを内的に支えて
いる生理的,物理的過程の存在はもちろん肯定しています。ただ,そうした過程の
活動は基本的には「環境の構造を行動につなぐ」ことだと考えていること,環境の
構造と行動との直接の関係を分析すれば,内的過程を考慮しなくても行動の予測や
制御が可能であること,などから,内的過程を自分たちの研究対象にしていない
だけです。スキナーは,内的過程の分析も行動の全体的理解に必要だが,それは
生理学者の領域であり,われわれはその成果を利用した方が合理的だと言っています。
785心理屋:01/11/02 09:52
で,徹底的行動主義が何かを否定しているとすれば,
それは「心的過程が行動の原因である」というテーゼです。
他の心理学が原因的,あるいは過程的に心的過程の行動への
先行性,因果性を考えている,あるいは行動の内的過程イコール
心的過程と考えているのに対し,徹底的行動主義は
行動を支える内的過程は心的過程ではないこと,そして,
心的過程(たとえば意識,意思決定など)は環境と人との
相互作用が行動を決定する時に,それに随伴して生じる現象である,
また,心的過程も環境の構造に影響される「行動」であり,
外的行動と同じ原理で予測,制御が可能だと考えています。

ですから,行動の内的過程の生理学的,生物学的分析は
徹底的行動主義とはなんら対立的ではなく,相補的です。
行動主義が認知心理学と対立するのは,それが内的過程を
扱っているからではなく,認知心理学が内的過程として
提唱している諸概念の多くがが生理学的,生物学的な基盤を
もたない心的過程の概念にすぎないからです。

それから,「現在の行動主義」ということに興味をお持ちでしたら,
国内なら「行動分析学研究」「行動療法研究」など,
国外でしたらJournal of experimental behavior analysis,
Journal of applied behavior analysisなどに徹底的行動主義の
現状が示されていますし,方法論的行動主義の現状としては
国内では「行動科学」などのジャーナルをご覧になったらよいかと思います。
いずれも心理学科,教育学部(障害児教育)のある大学であれば
所蔵されていると思います。
786脳計測屋 ◆A7SFFo6c :01/11/02 11:46
>>784-785
(横レス失礼)
なるほど、行動主義というのはそういう立場なのですね。
勉強になりました。
78711:01/11/02 13:12
>>782 虚無好き先生
>>生得的に符号化された言語能力を記号化する
>符号というのは、code のことかにゃ?
>遺伝コードとの関連でおっしゃっているのか、ちょっと不明にゃ。
私の言っている「生得的な符号化」は厳密には遺伝コードとは違います。遺伝子は
アミノ酸配列とそれを合成する時期などを規定しており、神経回路の構造そのものを
規定しているわけではない。しかし、正常な発達過程ではさまざまな物質の濃度
(または存在)といういわば体内環境が遺伝子によってこしらえられており、神経
線維の先端はそれを検出しながら「結果的に」正常な神経回路を形成する。この神経
回路になんらかの情報が符号化されており、とくに言語領野に符号化された情報を
明示的に記号化しようとする試みがチョムスキー言語学なのではないか、と見ている
のです。
で、
>言語の使用 performance に関する知識は、
>言語の能力 competence からは外的な、非本質的問題とされ、
については、大脳皮質のブローカ領がperformance、ウェルニッケ領がcompetenceに
対応しているというのはもちろん単純化し過ぎた話ではあるが、神経科学の教科書には
それとなく暗示されているような気がする。

>>783 PAさん
言語に関するカスパルハウザーの話は譲るとして、
>犬を閉じこめて,飼っている人間,他の犬個体と全く接触させずにずっとそだてる
>と「火にむかって脚を突っ込んだり」と異常な発達をする
これは以前、ラットでも同じ話を聞いたことがあり、普通に群飼育されたラットは
他個体と出会うと挨拶してすっとすれ違うが、隔離飼育されたラットは出会った相手を
乗り越えていく、ということです。

>>心理屋さん
その徹底的行動主義の定義にもかかわらず、「内的過程を否定」などしていないにも
関わらず、「心的過程が行動の原因である」というテーゼを否定し、行動を支える
内的過程は心的過程ではないというテーゼをアプリオリかどうかは知らないが固持して
いるではありませんか。内的過程を否定していないにも関わらず、なき物のように
扱っているではありませんか。これに私はずっと異議を唱えているということです。
この異議に象徴される問いが「オペラントの自発はなぜ生じるのか?」なんですよ。

それと、学習行動の習得「中」はまだ行動に先立って刺激を呈示しなければならない
ので心的過程を無視しても構わないのかも知れないが、その行動の成立「後」は動物が
その行動を勝手にやってしまうではないですか。言語に引き寄せると、まだ学習が中途
半端にしか進んでいない段階から我々は喃語を発声するではありませんか。これはなぜ
起こるのか。これと、オペラントはまだ理由は分からないけれどもとにかく自発する
という事実等々から、徹底的行動主義のテーゼとはまったく逆の「生命は本来自発的
なんだ」という洞察が生まれてくるのです。
788心理屋:01/11/02 13:41
>>787

11さんは心的過程という言葉をどういう意味で使っておられるのでしょうか?
単に,いつものように用語の意味について誤解されているだけだと思います。
このことについては>>323>>327あたりでも説明しました。

オペラント条件づけはオペラント行動がランダムに自発し,行動の結果に
よって類似した行動の頻度が増減することで,個体の行動が環境に適応していく
というシステムです。11さんとの違いは,その自発性そのものに意味(11さんの
言葉を借りれば意図や志向性)を見い出そうとするか,自発性そのものは
ランダムで,それが環境との関係によって意味を「生み出す」と考えるかです。

喃語は典型的なオペラントです。喃語そのものはランダムで,声帯を調整して
言語の発達を準備するとともに,養育者との相互作用の中で言語様なものに
変化していくことが分かっています。喃語そのものには意図も志向性もありません。
環境から与えられる結果がそれを分化強化し,意味のある言語につながっていきます。
喃語を生み出すシステムはもちろん内的な過程でしょうが,それが喃語に
なにかの意味を与えているわけではありません。

11さんの「自発性」に関する議論は,生物学的(あるいは心理学的)に意味のある
議論というよりも,むしろ「自発性」という用語の使用に関する「カテゴリー錯誤」に
基づいた議論なので,私はそれについて論ずることは無意味だと思います。
789心理屋:01/11/02 13:59
それから,

>その行動の成立「後」は動物が
>その行動を勝手にやってしまうではないですか。

については>>351で説明しました。学習した行動が
その後維持されるかどうかも,環境に依存します。
べつに,環境と独立に自発的に生じているわけではありません。
せめて,前に書いたことは読んで議論してくださると幸いです。
790外野:01/11/02 13:59
神経系の発火になんらかの意味を与えたいのは分かるが
それの未来が練れて無いために協賛する人がいない、ってのが事実だね。
791 :01/11/02 14:07
タリバソ終わったな。
79211:01/11/02 14:21
>>789
「消去」とか「般化」でしょう。でもそれでは説明になっていないと
いうことなんですよ。確かに時間をかければそれらは起こる。しかし、
消去や般化はスイッチを入れ換えるように生じるのではない。消去なら
消えるまでの間は何をしているのか? それから、再度伺いますが、
オペラントの自発はなぜ起こるのか? オペラントを自発するのが
進化の過程で有利だったからというのは説明になっていない。現に目の
前でオペラントが自発するのはどうしてかを聞いているのです。

>>790
はいなー、それは難しい問題です・・・
79311:01/11/02 14:34
>>789
>>351だけを挙げるのは卑怯なやり方です。その後にも議論が続いて
おり、その中で私が呈示して疑問には答えてないではありませんか?
79411:01/11/02 14:44
>>788
先ほどは788を見落としておりました。すみません。
「自発性」自体には「意図」や「志向性」が介在しているとは私は
一切言っておりません。「意図」や「志向性」は神経ネットワークの
機能です。そのネットワークが自発するのは「意図」や「志向性」とは
無関係な神経細胞の自発的な活動によると言っているのです。
79511:01/11/02 14:51
個体と行動の相互作用をいうのは徹底的行動主義を拡張しようとする
試みなのでしょうが、私は徹底的行動主義が根本にもつテーゼを批判
している。その批判を受け入れたら徹底的行動主義は瓦解してしまう
から、その批判を受け入れられないのはよく分かる。
いずれにしても、この根本的なテーゼが異なるために議論にならない
のです。だからもうやめましょう。私も疲れるだけだ。
796心理屋:01/11/02 15:28
>>792

あなたのいう「説明」とはなんですか? どういうことが「説明」なのですか?
たとえば,生物学で「説明」であるような命題はなんですか?そして,
それはなにかの「なぜ」を説明していますか?

>>795

その「徹底的行動主義が根本にもつテーゼ」ってなんですか?
もしそういうものがあるとすれば「生物の行動は,その行動が
引き起こした(その行動に随伴して環境から与えられた)結果によって,
その頻度を増減する」ということですが,それになにか問題がありますか?
もちろん,このテーゼは最初から個体と環境の相互作用を含んでおり,
拡張でも何でもありません。

あなたが批判する行動主義というのは,あなたの頭の中にだけあるものの
ように思えます。議論が噛み合わないのは,あなたが批判しているようなものが,
(あなたが主張しているようなことと同様に)どこにも実在しないからです。
79711:01/11/02 15:33
もう心理屋さんと語ることは何もありません。
79811:01/11/02 15:36
議論を蒸し返しているのはあなた(方)の方だということに気がついてください。
799詳しくはないが:01/11/02 15:50
その蒸し返されてる問題、つまり11が不注意に使うあいまいな言葉の定義の問題だけど、
それがクリアされない限り、11の主張はだれにもまじめに聞いてはもらえないものだと
思うけどな。ただ、そこに問題がある、ってことに11があくまでも気づかないのが
歯がゆいというか、哀れだよね。みんなが11の話を真面目に聞かないのは、
11が思っているような理由からではないんだよ。
800名乗るほどのものでわ:01/11/02 16:17
相当失礼な対応されてるのに、「心理屋」さんは丁寧で親切ですねー
感心して読んでました。

このスレで一番いっぱい書いてる内容はさておき(笑)、
それに対する反論は読んでて面白かったな。
ちょっと残念なのは、生物系(神経生理系)っぽい人を見かけなかったことかな…
ま、出てくる気が起こらない気持ちもわからないでわないけど(笑)
801名乗るほどのものでわ:01/11/02 16:19
「サイズが496KBを超えています。512KBを超えると表示できなくなるよ。」
なーんて表示されたので、>>800 で感想を述べてみました(笑)
80211:01/11/02 16:51
徹底的行動主義が頭を突っ込んでくるのがそもそも間違いだと
言いたいね。
私は徹底的行動主義は20世紀心理学界に咲いたあだ花としか見て
いないし。まだ枯れずに生き残っているのが驚きだったよ。正直な
ところ。
80311:01/11/02 16:56
こんな種をまいたスキナーは実に罪が重い。
偏差値の高い優秀な心理学徒がこれに汚染されていくのを見るのは
哀れで仕方がない。
804詳しくはないが:01/11/02 17:30
あれ、たしかもともとは11が行動主義批判をひっさげて
心理学板に乱入したのが11と心理学者とのバトルの
はじまりだったと思ったが?
どっちにしても、動物の認知能力というこのスレ本来のテーマだったら、
11のヨタ話よりむしろ行動主義心理学者の方がはるかに適任だよ。
少なくとも彼らの一部はマウスやラットやハトを日夜動かし、彼らふうにいえば
「認知能力と解釈されるような行動の形成」に生涯を捧げているんだからな。
80511:01/11/02 17:36
心理学板ではなりゆきで行動主義(実は徹底的行動主義)批判になって
しまったが、君たちには言っても無駄だと思って出ていったのさ。
ここでも徹底的行動主義批判なんかする気はなかったけれど、今回は
君らが乗り込んできたので成りゆきでそうなってしまったんじゃないか。
だいたいこのスレでもアホなことを書いているのは心理学板の連中だろう?
806ろむお:01/11/02 17:39
アホなこと一番書いてるのは間違いなく11(w
807ろむお:01/11/02 17:40
思い込みが激しすぎ。論理的な思考能力0。
ルサンチマンだけが先走り。
808詳しくはないが:01/11/02 17:45
11は心理屋氏の方法論的行動主義/徹底的行動主義の二元論に
完全に洗脳されたようだが、その時点で行動主義心理学をなにも知らないこと
決定だよ。そんな分類はスキナリアンしかしないもの。スキナリアンだけが
行動主義じゃないぞ。まあ知らないものを自分の先入観だけで批判するのは
やめろや。
809ろむお:01/11/02 17:46
>>799がイイこといった。

分野の違いなどという以前の問題。
言葉の使い方が決定的に甘すぎ。
81011:01/11/02 17:53
>>808
ここに来ている心理屋氏は心理学を代表するものでも行動主義を
代表するものでもない、あくまで徹底的行動主義の伝道者でしょうが。
つまりこのスレの心理屋氏こそスキナリアンであり、その心理屋氏の
徹底的行動主義の定義を疑ってどうする。だから私はその定義とテーゼに
則って、そのテーゼを批判しているんじゃないか。この流れくらい分かって
くれよ。
811ろむお:01/11/02 17:54
ろくに勉強もせずにいろんな理論のおいしいところだけを
ネット上で集めてきて物語を作っているからぼろが出る。
本質的なところを理解するまでとことん勉強してからものを
逝った方がいいと思いますよ。例え2chであろうともね(w。
812405:01/11/02 18:05
ちょっと目を離しているすきにこんな展開になっているとは。。

>>心理屋氏
大変勉強になりました。
81311:01/11/02 18:06
>>811
うん? ここではかなり広範な知識を動員したはずなんだけど、君は
ちゃんと読んできたのかな? 相手するのに疲れるからもうやめようね。
814ろむお:01/11/02 18:13
>>813

知識の量や広さの問題ではなし(大藁。
個々の知識の自体やその背景に対する正しい理解がまったく
なってなし。
さらにそれを勝手に組み合わせて物語を作ってるだけだから
ボロボロ。悲惨だな。みてて面白いからいいんですがね(www
815ろむお:01/11/02 18:15
>>814
笑いながら書いたので文章がめちゃくちゃスマソ(w
816ろむお:01/11/02 18:19
11=トンデモ科学の学徒。
>>816
そんなこといったら祭りが終わっちゃうYO!
818名無しゲノムのクローンさん:01/11/02 18:24
アマチュアでも大発見できる歴史学や文系の学問ならともかく、
テクニカルな思考や技術がずっと求められる理系の学問や実験系の心理学では
独学は結局無理ってことだ。考えれば考えるほどトンデモになっちゃうもんね。
819ろむお:01/11/02 18:32
>>818
そうだね。
相当なビッグネームでも広範な生命の問題扱うと最後はトンデモっぽい
大理論になってしまう人もいるぐらいだからね。

なんか典型的なトンデモ科学者みたYOひさびさに。
82011:01/11/02 18:52
いや、よく分かったことは我々が書物に書かれていない新しい考え方に
寛容ではないということだよ。私だって事実がそれを支持しなければ
いつでも捨てる用意がある。
刺激に対する反応を見ていたのでは刺激に対する反応しか見えない、
従来の研究はこればっかりだったのだ。私の主張を本気で否定する気なら、
刺激に対する反応ではなく、自然界で動き回る動物の自発的な活動こそ
研究しなければならないということだ。おしまい。お疲れさん。
821ろむお:01/11/02 19:02
>>820
新しい考え方は現場の人間からでてこないと説得力0だYO。
お疲れ(www
実験してくるね。
822名無しゲノムのクローンさん:01/11/02 19:30
あの、そもそも11の考え方って「新しい」の?
なんかアニミズムとか、動物精気論とか、うんと古いものに
むしろ近いような気がするんだけど?
823名乗るほどのものでわ:01/11/02 19:35
>>820
>私だって事実がそれを支持しなければいつでも捨てる用意がある

よしわかった。それじゃ、その事実ってものをまず提示してもらおうか。
いいかい、事実だよ。君の頭の中の妄想じゃなくて事実だからね。

まずわ、神経細胞が自己発火するっちゅーとこからね、それがノイズじゃない
ってゆー考察をしてる人のペーパーでも持ってきてもらおうか。
あ、それから自己発火が中枢神経系ニューロンの持つ一般的性質であることを
示したペーパーもね。視交差上核ニューロンだけじゃダメだからね。よろぴく。

んで、それが済んだら、今度はその自己発火によって、そのニューロンが
連結してる系の活動は影響を受けるんだよってゆーペーパーもってきてね。

事実ってゆーのは、君の勝手な解釈や思い込みじゃないんだから、
そこんとこよろぴく(^^)v
82411:01/11/02 19:45
>>823
分からない人だなぁ。
>刺激に対する反応を見ていたのでは刺激に対する反応しか見えない、
>従来の研究はこればっかりだったのだ。
という意味が分かる? 新しい実験パラダイムが必要だと言っているんだよ。
その方向での研究が今まで行われてこなかった以上、データはないんだよ。
どんな新しい実験パラダイムが必要なのか、それは私にはアイディアがあるが、
ここで言うことじゃない。皆さんが考えてください。
825国語:01/11/02 20:01
818 >アマチュアでも大発見できる歴史学や文系の学問ならともかく、
たぶん取り下げた方がいいと思うな、ここだけ……。
史学や文系の学問に十分造詣がある上での発言?
82611
従来の科学的知識に基づく概念からほんの少し踏み出した研究なら
いざ知らず、生命に対する見方を根本から変えてしまおうという、
自分で言うのも変な話だが(笑)だいたんで壮大な目論見の前では
小手先のデータでは通用しない、根本的に新しい研究方法を産み出す
必要があるんだよ。でも、それがどういうものであるかは皆さんが
考えてくださいね。ではおしまい。