【ガスト】アトリエシリーズで百合 2

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1名無しさん@秘密の花園
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前スレ
【アトリエシリーズ】ロロナのアトリエで百合
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1245932280/
2名無しさん@秘密の花園:2011/07/20(水) 16:19:12.23 ID:WI3kQT4F
たーるっ
3名無しさん@秘密の花園:2011/07/20(水) 16:34:13.67 ID:KmnLIPAr
おーつっ
4名無しさん@秘密の花園:2011/07/20(水) 19:27:37.86 ID:C8SOVjJ7
>>1乙だったね
この調子だよ〜
5名無しさん@秘密の花園:2011/07/20(水) 19:45:08.76 ID:TngJyPyb
>>1
これは・・・完璧なスレ立てだよ〜

アトリエでの二人きりの生活でトトリ先生にムラムラするメルルちゃんを書いてるんだけど
バカみたいに長くなりそう
6名無しさん@秘密の花園:2011/07/20(水) 19:54:05.69 ID:xtSwxlNe
べ・・・別に乙ってわけじゃないんだから・・・
7名無しさん@秘密の花園:2011/07/20(水) 20:52:26.88 ID:7YvwgtSf
スレ立て乙です。

新スレ早々ですがSS投下します。
前スレ893-899の続き、メルケイ編になります。
8名無しさん@秘密の花園:2011/07/20(水) 20:54:01.85 ID:7YvwgtSf
 時刻はすでに夕刻に近い。西日に照らされた街の中を、メルルは一人、王城へ向かって駆けていた。
 いつも元気なメルルがいきせききって走っているのは、特に珍しいことでもない。普段と違っているのは、その表情にただならぬ焦りのようなものが見られることだ。
 城門前にたどり着いたところで、メルルはすぐ目についた人物――門番のライアスに声をかける。
「ライアス君!」
「メルルか。どうした? そんなに慌てて」
「ケイナはお城に帰ってきてる?」
 メルルのその質問に、ライアスは怪訝な色を目に浮かべる。
「いや。昼過ぎに買い物した後、アトリエに行くって出たきりだけど……会ってないのか?」
「えっと……会ったんだけど、ちょっと、ね。今どこに行ったか探してるんだけど」
「……お前、何かトラブル起こしたな」
「うっ……何で分かるの?」
「何かやっちまったってのが顔に出てるんだよ。まあ、何にしろケイナはここにはいないぜ」
「分かった。じゃあ私は別のところを探しにいくから」
「ああ。もしこっちで見かけたら、メルルが探してたって伝えとく」
「うん。お願い」

 トラブルとは言ったが、アトリエでメルルとミミが少し度を超えて仲良さげにしていたところをケイナとトトリに見られて誤解されたという、端から見ればしょーもない話である。
 しかしケイナの方は本気でショックを受けていた様子だし、今そのケイナを探しているメルルも必死である。
(ケイナのあんな悲しそうな顔見たの、これで二度目だ……)
 以前にメルルは、錬金術の勉強と開拓事業に忙しくて、何十日もケイナと疎遠になっていた頃があった。
 その時のケイナは傷心のあまり、仕事もろくに出来なくなり、何よりいつもメルルを支えてくれていた優しい笑顔が、悲しみに暗く曇っていた。
 それ以来、絶対にケイナを放っておかない。二度とケイナに寂しい思いはさせないと、固く心に誓っていたメルルである。
 だというのに、
(あーもうっ! 私のバカ!)
 誤解からとはいえ、またしてもケイナを傷つけてしまった。メルルの胸には、激しい後悔と自責の念が渦巻いている。
 しかし今は悔やんだりしている場合ではない。一刻も早くケイナを探し出して誤解を解き、傷つけたことを謝らなければならない。
9名無しさん@秘密の花園:2011/07/20(水) 20:58:55.69 ID:7YvwgtSf
 茜色に滲みはじめた街を、メルルは一人、ケイナの姿を求めながら、駆けていく。
 しかし、いたずらに時間だけが過ぎ、気付けばすでに日は沈みかけていた。ケイナは未だ見つからない。
「……そうだ」
 ふと、メルルは自問する。落ち込んだり、悩んだり、一人になりたい時、自分ならどこへ行くだろうか? そこにケイナもいる気がしたのだ。
 錬金術士になる以前なら、お城の自室のベッドで、大きな枕を頭の上からかぶっていた。しかし今はもうそんなこともない。お城やアトリエ以外で、今のメルルが一人になりたいとすれば――


「いた……! よかった……やっと見つけた」
 メルルが肩で息をしながらひとまずは安堵の声を上げたのは、街の外だった。
 街に出入りする門からすぐ近く。街道からはやや離れた雑木林。日没後の薄暗い中、ケイナは一人しょんぼり佇んでいた。
「……メルル」
 振り向いたケイナは、泣いてこそいなかったが、いつになく沈んだ表情だった。メルルの胸がズキリと痛む。
「ケイナ。さっきのことは、誤解だから」
「誤解って……何がでしょうか?」
「だからその、アトリエでミミさんとあんなことしてたのは、全部ただの冗談で、本気だったわけじゃなくて――」
 この言い方では何だか浮気のいいわけみたいだと思い、メルルは話の方向を転換する。
「最初はね、ミミさんが相談を持ちかけてきたの。トトリ先生に手作りのお菓子を差し入れしたいって。それで私も、ケイナにお菓子作ってあげてびっくりさせようと思って、二人で協力しようって話になったの」
 そして無事にお菓子を完成させて、その試食をしながら冗談まじりで戯れている時に、ケイナとトトリが最悪なタイミングでやってきたわけだ。
「――というわけなの。だからその……ミミさんと私が、そんなあやしい関係になったとかじゃないから」
「……それだけ、ですか?」
「うん。ただそれだけの話。変な誤解させてごめん」
「……」
 ケイナは顔をうつむかせたまま、メルルの方を見ようとしない。
「……ケイナ?」
「……本当に……誤解なんでしょうか?」
「え……?」
「メルルは、ミミ様といて……とても楽しそうでしたよね」
「それは……まあ、否定できないけど、ミミさんはあくまで友達だし」
「本当に、ただの友達ですか?」
10名無しさん@秘密の花園:2011/07/20(水) 21:03:29.71 ID:7YvwgtSf
「だからそれはさっきも言ったじゃない! そこまで特別な関係じゃないって」
「これからもそうだと言えますか?」
「これから……って?」
「ミミ様だけでなく、他の誰とも……」
 メルルは気が付いた。ケイナは何か別のことを言おうとしている。少しずつ、気持ちの堰を切ろうとしている。
「前から……ずっと不安でした。錬金術士になって、あちこちを冒険して、メルルはどんどん成長して、外へ向かっていく……
 私は……ずっとメルルの傍にいたいけれど、でも、ただのメイドでしかない私は、いつか、メルルの傍にはいられなくなるんじゃないかって……」
「な……なによそれ? そんなことあるわけないじゃない!」
「でもっ……今のメルルは……もう私がいなくても平気なんじゃないですか?」
 ポロポロと、大粒の涙がケイナの両目から零れ落ちる。
「私より強い人や凄い人がいっぱいメルルを慕ってくれて、何よりメルル自身が成長して……私はもう、いてもいなくてもいいんじゃないですか?」
「そんなわけない! ケイナがいなくていいなんて、私、考えたこともないよ!」
 心の底から、メルルはケイナの問いを否定する。
「どうしちゃったのケイナ? そんなこと言い出すなんて、ケイナらしくないよ!」
「らしくない……ですか。でも、これは私の本心です。お気づきでしょう? ただの醜い嫉妬です」
「ケイナ……」
「私……メイド失格ですね。こんな自分勝手な願望を仕える人にぶつけて……でも……でもっ……私は、メルルのことが好きなんです! メルルの一番でないと嫌なんです!
 だから、メルルが他の誰かと親しくしていると、いつもいつも、不安と嫉妬でどうにかなってしまいそうでした!」
 涙とともに、ケイナは抑えていた気持ちを、洗いざらい言葉に変えてはき出した。
「ごめんなさいメルル……私は、あなたの傍にいられるだけで良かったはずなのに……いつの間にか、こんなわがままなことを思うようになって」
「……そんなこと……ないよ」
 深呼吸を一つしてから、メルルは慎重に言葉を継いでいく。
「ケイナ。よく聞いて。ケイナは、二つ大きな間違いをしてる。一つは、私にとってケイナがいなくていいなんてことは、絶対に、金輪際あり得ないってこと。
 もう一つは、私にとっての一番は、ほかの誰でもない、私自身が決めるの」
11名無しさん@秘密の花園:2011/07/20(水) 21:03:33.23 ID:Fg+awP48
乙です
12名無しさん@秘密の花園:2011/07/20(水) 21:07:55.97 ID:7YvwgtSf
 メルルはケイナの傍へ歩み寄り、その両手を握った。
「ケイナ。私を見て」
「メルル……」
「ありがとう」
「え……?」
「気持ちを伝えてくれて、ありがとう。私もちゃんと言うよ」
 メルルは吐息が触れ合うほど顔を寄せ、ケイナの目を真っ直ぐに見据え、言った。
「私は、ケイナが好き。私にとっての一番はケイナしかあり得ない。他の誰と仲良くなっても、ケイナが一番なのは変わらない。今までも、これからも、ずっと」
「……っ」
 ケイナの両目から、また大粒の涙が零れだした。
「えっ、ちょっと……! 何でまた泣くの? 私、何か悪いこと言った?」
「いいえ……いいえ! そうじゃないんです」
 涙を拭ったケイナは、赤くなった目をメルルに向ける。
「メルル……本当に、私でいいんですか?」
「あったり前でしょ! ケイナ以外なんて考えられないよ」
「メルル……」
「さ、暗くなったからもう帰ろう。今日は私、お城に泊まるから」
「……はい!」
 ようやく戻ったケイナの笑顔に、メルルの胸は安堵と喜びで満たされていた。


 その夜。
「一つ、提案があるの」
 自室のベッドに腰掛けながら、メルルは一本指を立てた。目の前のケイナに示すように。
「提案というか、お願いかな。ケイナに一つお願い」
「どんなお願いですか?」
 今までだってメルルのお願いならば、ルーフェスと物理法則が許す限り何でも叶えてきたケイナである。どんな無理難題でもおっしゃってください、という余裕が顔に表れていた。
 が、
「ケイナには、これからもっとわがままになってほしいの」
「え……?」
 そのお願いの意図するところがすぐには飲み込めず、ケイナは硬まってしまう。
「ケイナっていつも私のこと優先で、自分がしたいこととかしてほしいことがあっても、二の次にしちゃうでしょ」
「それは、私にとっては、メルルが幸せなことが、なによりの望みだから……」
「じゃあケイナの幸せがなによりの望みな私はどうしたらいいの?」
「……それは……」
「だからさ」
 戸惑うケイナに、メルルは優しく笑みを浮かべる。
「ケイナも、私にしてほしいことがあったら何でも言って。ケイナが望むことを、私もしてあげたい」
「メルル……」
「お願い、聞いてくれる?」
「……はい」
 それがメルルの願いならば、ケイナに拒否する理由は無い。
13名無しさん@秘密の花園:2011/07/20(水) 21:10:49.66 ID:7YvwgtSf
「よかった! それじゃあ早速何か無い?」
「ええっ、いきなりですか?」
「ケイナがしてほしいこと、何でも言っていいんだよ。ささ、遠慮せず」
「えーと……」
 しばらく考え込んでいたケイナは、やがて頬を赤らめながら、口を開く。
「本当に……どんなことでもいいんでしょうか?」
「もちろん! アールズの姫に二言はないよ!」
「では……その……今夜、一緒に――」
「え? よく聞こえなかったけど、何て?」
「今夜……一緒に、寝てもいいでしょうか?」
「ああ、うん。全然いいよ。ケイナと一緒に寝るの久しぶりだね」
「いえ、あの、そうじゃなくて、その……」
「?」
 ケイナは耳まで真っ赤にして、ボソボソと呟くように言った。
「……恋人同士として、一緒に寝てもいいでしょうか……?」
「…………それって――」
 少しの間を置いてから、求められていることを理解したメルルは、途端に顔が真っ赤になった。
「つまり、それは……え、え、えええエッチなことがしたいって、こと?」
「……」
 ケイナは無言でコクリと頷いた。
「え、と……」
 お互いの思いを確かめ合った、その日の夜である。確かにそういうことになってもおかしくない。おかしくはないのだが、
「ご、ごめんなさい。やっぱり、嫌、ですか?」
 メルルの沈黙を拒否と受け取ったか、ケイナが謝りだした。
「違うよケイナ! 嫌なんじゃなくて、その、びっくりして……ケイナは、いいの? 本当に」
「はい。私は、心も体も……メルルと繋がりたいです」
「ケイナ……」
 深呼吸を一つ、二つと繰り返してから、メルルは再び口を開く。
「分かった……私も、ケイナと一つになりたい」
「メルル……」
「服……脱がせてくれる?」
「はい……」
 メルルの衣装をケイナが脱がす。毎日のように繰り返している作業だが、今夜は少し意味が違っていた。
 下着姿になったメルルは、振り返ってケイナに向き合う。
「それじゃ、次は私がケイナを脱がせてあげるね」
「え……い、いいですよそんな」
「遠慮しないの。ほら」
「あっ」
 アトリエでの生活を始めてから、最低限身の回りのことはできるようになったメルルである。ところどころ苦戦はしたが、ケイナのメイド服を無事脱がせて、自分と同じ下着姿にさせた。
14名無しさん@秘密の花園:2011/07/20(水) 21:14:28.76 ID:7YvwgtSf
「前から思ってたけど、ケイナって結構着やせするタイプだよね」
 清楚な白のブラに包まれたケイナの胸を見ながら、メルルが呟く。
「そ、そんなこと言わないで下さい……」
「別に照れることないのに」
 メルルはケイナの手をそっと握った。ケイナの体が、緊張のため微かに震える。
「……ベッドに、行こうか」
「……はい」
 部屋の照明を落とすと、窓から差す月明かりが、どこか神秘的な雰囲気で二人の空間を満たしてくれた。
 メルルとケイナは、ベッドの上に座って、見つめ合っている。
「あのさ、ケイナ……今さらなんだけど」
「何ですか?」
「私、こういうことって……知識はまあ、少しはあるんだけど、経験はゼロなんだよね……」
「それは……私も、同じです」
「やっぱり、そうだよね……どうしようか?」
「こ、ここまで来ちゃったんですから、あとはもう、メルルのしたいようにしてください」
「わ、分かった。それじゃ、えっと……キス、するね」
「はい……」
 目を閉じたケイナの唇に、メルルはそっと自分のそれを重ねた。
「ん……ケイナの唇、柔らかいね」
「メルルも、柔らかくて……暖かいです」
「ケイナ……んっ」
 二人は軽く触れ合う程度の優しいキスを繰り返す。唇を重ねるたびに、少しずつ体の奥が熱くなってくる。
「ん……ふ、っぁ……ケイナぁ」
「メルル……んっ、っ」
 やがて、どちらともなく、舌を絡ませていた。メルルとケイナは、夢中になって熱い舌を伸ばし、何度も何度も唇を重ね合う。
「んっ、は、ぁ……ケイナ……私、キスがこんなに気持ちいいなんて、知らなかったよ……」
「私も……です。でも、それはきっと、相手がメルルだから……」
「うん……私も、ケイナだからこんなに気持ちいいんだと思う……んっ」
「……っ!」
 抱きしめ合い、キスするたびに、熱く甘い疼きが体を支配していく。唇だけではもう我慢できなかった。
「ケイナ……ケイナぁっ!」
「あっ……!」
 強く抱きしめたまま、メルルはケイナを押し倒した。二人でも余裕のある大きなベッドが、きしんだ音を立てる。
15名無しさん@秘密の花園:2011/07/20(水) 21:18:21.92 ID:7YvwgtSf
 最初から全部脱いでしまうのは抵抗があって、二人ともブラとショーツは残していた。しかし今はその存在が、この上なくもどかしい。
 メルルはケイナのブラを強引に捲り上げた。ケイナの母性を象徴するように大きく柔らかな乳房。いつもはキッチリしたメイド服に隠れているそれが、メルルの目の前で露わになる。うっすらと汗ばんだ肌からは、どことなく甘い香りが漂う。
 メルルは、ツンと立った桜色の乳首を口に含んだ。そのまま舌先で転がすように舐める。
「あっ……メ、メルル、そんな、あっ、んぁ……っ!」
 メルルは何度も乳首を舐め回し、手は乳房をやわやわと愛撫する。
「あっ、あっ、あっ……ふ、っん……あっ」
「ケイナ……気持ちいい?」
「は……はい……恥ずかしいけど、メルルにされていると、何だか体がどんどん熱くなって、ふわふわします」
「それじゃあ、もっとしてあげるね」
「ひゃうっ!?」
 メルルが乳首を強く吸い上げ、ケイナの口から大きな声が漏れる。
「あ、あああっ……!」
「ん……っ」
 メルルは赤ん坊がおっぱいを飲むように、乳首を吸い続ける。
 そのまま指先を、ケイナの下腹部へ伸ばしていく。ショーツの上からそこに触れると、濡れているのがすぐに分かった。
「ケイナってば……もうこんなにしちゃってる。ほら」
「――っ!」
 テラテラと光る指先を見せられ、ケイナの顔は火がついたみたいに赤くなる。
「ケイナって、こんなにエッチだったんだぁ」
「メ、メルル……いじわるです」
「うふふ……可愛いなぁケイナ」
 メルルはケイナに軽くキスをすると、ショーツに手をかけ、優しく脱がせる。ついでに自分の下着も全て脱ぎ捨て、二人とも生まれたままの姿になった。
「それじゃあ……次はケイナが私にしてくれる?」
「分かりました。では……ご奉仕させていただきますね」
 ケイナは仰向けになったメルルの首筋に口づけた。そのまま肩、胸、お腹と下に向かってキスを繰り返し、足の付け根まで下りてきた。
「メルル、そんなに強く足を閉じてしまったら、ご奉仕できません」
「だ、だって、まさか……あそこにキスしようとしてない?」
「もちろんしようとしてます」
「やっぱり!? ダメダメ! 汚いよ!」
「メルルの体に汚いところなんてありません。それに、そうさせてもらうのが、私の望みです。さあ」
16名無しさん@秘密の花園:2011/07/20(水) 21:21:35.80 ID:7YvwgtSf
「うう……」
 顔を真っ赤にしながら、メルルはゆっくり足を広げた。
 ケイナの唇が、メルルの膣口に優しく触れる。そのまま舌を伸ばして這わせ始めた。
「あっ、んっ、ふぁ……」
 むずがゆさを伴う快感に、メルルが声を漏らす。
 ケイナの舌先が、陰唇の内側からクリトリスまで、丁寧に舐め回していく。
「人のことを言えませんね、メルル。もうこんなに濡れてきましたよ?」
「だ、だってケイナが、気持ち良くするから……あンっ」
 こんこんと溢れてくるメルルの蜜を、ケイナは丹念に舐めとっていく。ケイナの舌がそこに触れるたび、メルルは体の芯が痺れるような悦びを感じた。
「ケイナ……私も……私も、ケイナにしてあげたい」
「ん……分かりました。では……」
 ケイナは体の向きを変えて、メルルと頭の位置が互い違いになる体位を取った。目の前に、お互いの敏感な所が露わになっている。
「ケイナ……ん……」
 メルルの舌が、蜜に濡れたケイナのそこをなぞるように舐める。
「あ、っ……メルルぅ……」
 ケイナも負けじと、潤みを帯びたその中へと潜り込ませるように舌を這わせる。
 メルルはケイナに、ケイナはメルルに、何度もそこへの口づけを繰り返す。火照った体を重ねながら、溢れる蜜で唇を濡らしていく。
「っ……ケイナぁ……私、何か、おかしくなってきたよ……何だかすごく切なくて……体が疼いて仕方なくて……あぅ」
「メルル……いいんですよ。このまま、最後までしてあげます……」
「や……それは、やだ……これも気持ち良いけど、ケイナの顔が見れなきゃ、やだ……」
「メルル……」
「お願いケイナ……キス、して……」
「はい……」
 体を起こして、ケイナはメルルと唇を重ねた。そのまま、指を熱く濡れたメルルの中にもぐらせる。
「あっんっ……ケイナぁ、私も……」
 メルルの指がケイナのそこに触れる。指先が小さな突起を捉えて、優しく刺激する。
「っ、んぁ……! メルル……私も、もうっ……」
「ケイナっ……ケイナっ……もっと、もっと強くして……!」
 唇を重ね舌を絡ませ、汗ばんだ肌を抱きしめ合い、このまま一つに溶けてしまいそうなほど、メルルとケイナは深く睦み合う。
「ケイナ……ケイナ、ケイナぁ!」
「メルル、メルルっ……っ、ぁ」
17名無しさん@秘密の花園:2011/07/20(水) 21:26:39.22 ID:7YvwgtSf
 もう何十回繰り返したか分からないキスをしながら、二人は互いの下半身を強くこすりつける。そして、数秒も経たないうちに、ほぼ同時に頂きに達した。
「ケイナぁ、あ、あ、ああああっ……っ!」
「っ! ん、ぁ、あああっ!」
 高く声を上げた二人は、そのままベッドの上で抱きしめあったまま、ぐったりと脱力した。
「はぁ……さっきのが、イク、ってやつなんだ」
「そう……みたいですね」
 まだ呼吸も整わない中、メルルとケイナは鼻先が触れそうな距離で、見つめ合って会話を交わす。
「すごく……気持ちよかった。ケイナは?」
「私も……メルルと同じです」
「じゃあ……もう満足?」
「……」
 ケイナは黙って首を横に振った。
「私も……すごく満たされてるんだけど、まだしたいと思ってる。ケイナと、もっともっと繋がっていたい」
「メルルが望むなら、それが私の望みです」
「それじゃあ、もう一回……いい?」
「はい……一回じゃなくてもいいですよ」
 優しく微笑むケイナに、メルルは最上級の愛おしさを込めて口づけた。

18名無しさん@秘密の花園:2011/07/20(水) 21:29:45.24 ID:7YvwgtSf
 すでに夜は更けきっている。ひょっとしたら早朝と言っていい時間帯かもしれない。
「……一晩に五回っていうのは、普通なのかな?」
 初めて同士な上に知識も乏しいので、その辺りの平均値というのがふと気になって、メルルは呟く。
 しかし、隣でぐっすり眠るケイナは、その問いには答えてくれなかった。
 結局、最初の行為に一段落ついた後も、二人してひたすら繰り返し求め合い、覚えているだけでも先に呟いた回数を連続でしてしまった。
(明日は寝坊だろうなぁ……さすがにケイナも、この時間から熟睡じゃ厳しいだろうし)
 ところがメルルの予想を覆して、翌朝ケイナは全くいつも通りの時間に起床してメルルを起こしてくれるのだが、それは余談。
 メルルは窓の外に目をやる。見慣れた夜の景色だが、何だか違う気がするのは、大人の階段を一歩登ったからだろうか。
「ふあ……私も寝よう」
 すぐ目の前にある幸せそうな寝顔に、何とも言えない充足感を覚えながら、メルルは目を閉じた。
(長い一日だったなぁ……)
 ちょっとしたタイミングの悪さから誤解が生じて、ケイナを探して街中を走り回って、見つけて、泣かれて、告白されて、告白して――
 そして今、二人は心は体も一つにして、肌をじかに重ねて眠りにつこうとしている。
(そういえば……ミミさんは、トトリ先生と上手く仲直りできたのかな……)
 ふと、誤解騒動の片割れのことを思い出しながら、メルルは微睡んでいった。


(おわり)
19名無しさん@秘密の花園:2011/07/20(水) 21:31:17.19 ID:7YvwgtSf
以上。読んでくれた人、ありがとう。

トトミミ編は後日。不慮の事故でもない必ず限り投下しますので。
20名無しさん@秘密の花園:2011/07/20(水) 21:46:52.75 ID:6CFHUlWk
>>1
スレ立て乙!

>>7
GJ!
続き来るって私信じてた!
トトミミ編もwktkしながら待ってます
21名無しさん@秘密の花園:2011/07/20(水) 21:59:51.83 ID:vWV6WrnV
22名無しさん@秘密の花園:2011/07/21(木) 00:02:11.36 ID:ZaArfSsm
>>7
GJ!
やはりメルケイはいいですな
23名無しさん@秘密の花園:2011/07/21(木) 01:59:12.19 ID:FZzRVUUh
>>7
GJ!
トトミミ編も楽しみに待ってます
24名無しさん@秘密の花園:2011/07/21(木) 07:04:46.70 ID:8NEr2EeM
http://www1.axfc.net/uploader/Sc/so/257245

新スレ記念に魔女のお茶会EDが評判悪いみたいだから書いてみた
あんまり百合百合してないかも。モブキャラとか出るヨ
PassはMeruru
25名無しさん@秘密の花園:2011/07/21(木) 11:45:32.74 ID:pjfHBvfj
おつん
26名無しさん@秘密の花園:2011/07/21(木) 13:45:38.66 ID:0NS+RC9l
>>24
GJ!
個人的には魔女のお茶会EDは結構好きだったな
錬金術士の未来の形としては全然有りだと思った

27名無しさん@秘密の花園:2011/07/21(木) 13:55:29.99 ID:JpTBYHjT
おつ
師匠は……w
28名無しさん@秘密の花園:2011/07/21(木) 20:37:53.15 ID:NwHf423C
メルルとケイナってロロクートトミミに比べて最初からラブ度が高いよね
メルルの「2人でアトリエをやろう」発言とかほぼプロポーズじゃないのかと
29名無しさん@秘密の花園:2011/07/21(木) 20:55:51.59 ID:lroJZDU6
くーちゃんミミちゃんはメルケイをうらやましがりそうw
この二人は素直になれないのと相手が天然なところがあるからなw
305:2011/07/21(木) 21:02:47.27 ID:rf2FEiMc
http://www1.axfc.net/uploader/Sc/so/257407
できたあ〜
トトメルときどきメルケイ
書き出してから2週間ぐらいかかってしまった
長いので注意
読んでもらえるように短く編集しようかと思ったけどそれなり満足のいく出来だったからこのままうp

PASS Meruru
31名無しさん@秘密の花園:2011/07/21(木) 22:16:50.84 ID:NwHf423C
>>29
ケイナ「でも今はお2組ともラブラブなんですよね?」
ミミ「べ、べつにラブラブなんかじゃ」

くー「そ、そうよ!ロロナとはそんなんじゃなくて単に特別な関係っていうか一番大事な人っていうか」
ミミ「そうそう!トトリとはあくまで親友以上の関係であってそんなラブラブとかじゃないから!」
ケイナ「そ、そうでしたか。失礼しました」
メルル「ケイナ!そこでつっこみ入れないと!」


そういえば定番の放置イベントでも
くーちゃんミミちゃんは一気に交友値0になるのに
ケイナは据え置きなんだよねw
ケイナちゃんマジ健気
32名無しさん@秘密の花園:2011/07/22(金) 00:00:53.64 ID:zkDOzr92
>>30
いい作品だった
錬金術士は爛れた生活しても仕方ないね
33名無しさん@秘密の花園:2011/07/22(金) 00:35:33.28 ID:XjbX5ZYK
ニコ動でも観たが魔女のお茶会EDなんで評判悪いんだろうね〜?
アカイイトのサクケイ不老不死エンド並に好きなんだが〜

百合的に錬金術師不老不死、子供もその気になれば作れそうだしな〜
百合好き以外には不評なのかも男錬金術師がいない=ヘテロカップルが
成立しない未来だから
34名無しさん@秘密の花園:2011/07/22(金) 00:55:45.45 ID:btDW/+yb
>>30
GJ!
35名無しさん@秘密の花園:2011/07/22(金) 01:20:01.18 ID:K5BoCbck
>>33
あれは主人公の変わりっぷりも含めて好きだった

お茶会EDは錬金術士以外出てない分、
色々想像の余地が残ってて好きなんだけどな
36名無しさん@秘密の花園:2011/07/22(金) 01:57:50.42 ID:CHmzhoYo
どのEDも解釈次第だと思う

いっそのことロロクートトミミメルケイで合同結婚式あげるくらいぶっ飛んだEDがあればよかったのにw
37名無しさん@秘密の花園:2011/07/22(金) 03:10:02.44 ID:XjbX5ZYK
鬱に考えるとクー、ミミ、ケイと言った嫁達も不老不死にしてないと
普通の人間の彼女らとは永遠にお別れの悲しいエンディングとも言えるな〜
錬金術師同士で結ばれるしかないという
38名無しさん@秘密の花園:2011/07/22(金) 03:35:17.47 ID:K5BoCbck
孤独に押しつぶされそうになって錬金術士同士で身体を重ねるけど、
お互いに遠い昔に生き別れた恋人を忘れられず快楽だけの爛れた関係を続けるとか

お茶会EDの時にアストリッドはロロナを見ているけれど、
ロロナもトトリもメルルも誰も互いを見ずに想いが交わらない乾いた話を
誰かがきっと書いてくれる
39名無しさん@秘密の花園:2011/07/22(金) 03:40:53.60 ID:NUBc2OaF
お茶会エンドは人外な発言はまあおいといて
周囲の人間描写省いてるのが消化不良の原因だな
良く言えばご想像エンドでいろいろ可能性はありますだが
悪く言えば投げっぱなしの逃げ
40名無しさん@秘密の花園:2011/07/22(金) 04:12:31.05 ID:cO/DGZPN
>>30
GJ!
ロロアトの時から師弟カプって意外と無いから新鮮で良かった

>>36
何それすごい見たい
皆でウェディングドレスも良いが片方がタキシードなのも捨てがたいな…
41名無しさん@秘密の花園:2011/07/22(金) 13:14:05.47 ID:XBkc74EB
ミミ「まあ、私がタキシードでしょうね」
トト「えー、ミミちゃんのドレス姿も素敵だと思うよ?」
ミミ「消去法よ。あんたの男装は凄まじく似合いそうにないから」
トト「着てみないとわからないよ。意外と似合っちゃうかも」
ミミ「一生に一度の機会をそんなお試し感覚で……」
メル「さっきから何のお話ですか?」
トト「わたしとミミちゃんが結婚式をあげるなら、どっちが新郎役でタキシードを着るかって話」
ミミ「べ、べつに本気で言ってるんじゃないから。話のネタであって、
   私がトトリと結婚したいとかそういうことじゃないから、勘違いしないように」
メル「はあ(したいんだ……)どっちも新婦で、お揃いのドレスを着たらいいんじゃないですか?」
トト「それもいいんだけど……」
メル「じゃあ、お色直しでお互い一回ずつ着ちゃうとか」
トト「あ、それいいかもー」
ミミ「ああいうのって高いんじゃないの?」
トト「……ミミちゃんいっぱい稼いでね!」
ミミ「ば、ばか、なに調子のいいこと言ってんのよ。あんたのほうが稼ぎいいでしょ……」
メル(ミミさんすごい嬉しそうに!)
ミミ「……。私、ちょっと仕事思い出したから行ってくるわ」
メル「(早速やる気出してる!!)……アールズは同性婚は認められてませんよ」
トト「うん。だからわたしも頑張らないとね!」
メル(なにを!? 法改正を!?)
42名無しさん@秘密の花園:2011/07/22(金) 13:47:22.20 ID:g7wnqtlB
ミミちゃんはわかりやすいなぁw
書き下ろしで二人のドレスとかきたら萌え死ぬかも試練
43名無しさん@秘密の花園:2011/07/22(金) 18:06:50.85 ID:3X8INgyt
ふと、ちゃんと戦ってはいるけど
戦闘中チラチラと見えるトトリ先生のふとももが気になって仕方がない
というミミちゃんというのを思いついた
44名無しさん@秘密の花園:2011/07/22(金) 18:07:04.53 ID:CHmzhoYo
クー「私はドレスもタキシードも似合わないわね……この体型だし」
ロロ「そんなことないよ。くーちゃんのウェディングドレス絶対可愛いよ」
クー「そ、そう?……それならロロナとお揃いとかなら着てみてもいいけど」
ロロ「あーそれいいね!」
メル「ロロナ先生達まで……」
ロロ「だってウェディングドレスはやっぱり女の子の憧れだもん。くーちゃんならどんなの着ても可愛いだろうなあ……うふふ」
メル「まったく、みんなのろけちゃってー……あれ、ケイナさっきから何見てるの?」
ケイ「あ、いえ、別に何でも……」
メル「なになに……アーランド最新ウェディングドレスカタログ? はあ、ケイナってば何でこんな無意味なもの見てるの」
ケイ「い、いいじゃないですか。ちょっと見るくらい……」
メル「ケイナのウェディングドレスだったらこんな既製品じゃなくて国家予算組んで一からオーダーメイドに決まってるでしょ! ケイナの史上最高の花嫁っぷりを全世界に知らしめるためにも!」
一同「あんたが一番のろけてるじゃねーか!」
45名無しさん@秘密の花園:2011/07/22(金) 18:32:35.07 ID:g7wnqtlB
三作主人公親友組でウェディングドレスとか華やかだろうな
46名無しさん@秘密の花園:2011/07/22(金) 18:43:33.34 ID:GNk+zefQ
できたらまとめサイトにtxtでうpろだにうpされたのも収録してほしい
47名無しさん@秘密の花園:2011/07/23(土) 08:34:20.87 ID:ZHPfp78G
あそこのうpろだは長持ちするほうだったはずだから
リンクが死んだときに作者の方に掲載許可いただく形にしようかと思って
とりあえずあの状態にしてあるよ
48名無しさん@秘密の花園:2011/07/23(土) 17:26:04.88 ID:KVjOEzsr
>>47
なるほど
でも間が空くと音信普通になりそうだし
字数の都合でうpロダ使ってるなら直接書き込まれたのと同じ扱いでいいと思う
まあそれぞれの作者に聞いてみないとわからないか
あと管理乙
49名無しさん@秘密の花園:2011/07/23(土) 23:54:28.52 ID:xb8booUj
>>43
ミミ「ねえトトリ、あなたの服装って、その……だいぶ露出が多いわよね」
トト「そうかな? もう何年もこんな感じの服だし、気にならないけど」
ミミ「こっちは気にするわよ……動きやすいのはいいけど、あんまり無防備なのも考えものよ」
トト「どうして?」
ミミ「どうしてって……それはその、ふ、太ももとか胸元とか、視線を集めやすいし、戦いの最中なんかでも、つい白い柔肌が目に入ってムラムラしちゃうし……」
トト「ミミちゃん……そんなこと考えてたんだ」
ミミ「あっ、ち、違う! 一般論! そう一般論よ! 私はあくまでそういういやらしい目線でトトリのことを見るやつがいないか心配で」
トト「……(じとー)」
ミミ「だから、その……」
トト「……ミミちゃんのエッチ」
ミミ「……ごめんなさい」
50名無しさん@秘密の花園:2011/07/24(日) 00:56:58.16 ID:oim+K9UR
トトリちゃんの裸に慣れさせてムラムラしないようにさせたげればいいんじゃないかな
51名無しさん@秘密の花園:2011/07/24(日) 01:22:02.95 ID:2wG9Qbva
じゃあ、とりあえず一緒にお風呂入ればいいんじゃないかな
52名無しさん@秘密の花園:2011/07/24(日) 01:30:36.95 ID:Nm/VqaXn
そうだな、一緒に入って背中の流しっこでもすればいいんじゃないかな
53名無しさん@秘密の花園:2011/07/24(日) 02:59:30.63 ID:LtTJixW7
体のさわりっこもすれば耐性つくよね
54名無しさん@秘密の花園:2011/07/24(日) 08:43:50.24 ID:S6D2Jsn8
>>49続き
トト「ミミちゃん。今日は一緒にお風呂入ろうか」
ミミ「はい!? ななななんで!?」
トト「私の裸に慣れちゃえば、太ももとか胸が気になることもないでしょ。そんなことで戦いに集中できなかったりしたら危険だし」
ミミ「な……なるほど、一理あるわね」
トト「さあ、それじゃあ入ろう」
ミミ「ちょ、ちょっと待って! 心の準備が……」


トト「ふー、いいお湯。やっぱりお風呂は気持ちいいね」
ミミ「そうね……」
トト「ミミちゃん、さっきから何で目をそらしてるの?」
ミミ「な、何でもないわよ」
トト「……エッチなくせに、裸見るのは恥ずかしいんだ」
ミミ「んなっ……え、エッチとか言うな!」
トト「だって戦いの最中に私の体見て変な気持ちになったりするんでしょ。今だって」
ミミ「ひゃうっ!?」
トト「ほら。おっぱいの上からでもドキドキしてるのがわかるよ。乳首も立ってるし。やっぱりミミちゃんはエッチだね」
ミミ「〜っ」
トト「ミミちゃん、耳まで真っ赤だよ。触られるだけでそんなに恥ずかしいの? それとも感じてるの?」
ミミ「ち、ちがっ……」
トト「違うんだ。それじゃあ今度はミミちゃんが触ってくれる?」
ミミ「え……そ、そんなの……」
トト「……恥ずかしい?」
ミミ「……っ」
トト「恥ずかしいんだね」
ミミ「う……」
トト「んー……この調子だと裸に慣れるだけでもだいぶかかりそうだね。というわけで、明日からは毎日、ミミちゃんは私とお風呂に入ること。はい決定♪」
ミミ「なっ……!?」


ミミ「……という状況なの。メルル、何があっても理性を保てる薬ってない?」
メル「いや、どう考えても誘われてますし。そこまでいったならもう一線越えましょうよ。どんだけへたれなんですか」
55名無しさん@秘密の花園:2011/07/24(日) 13:42:51.37 ID:qENs4an0
トトリちゃんの裸が脳裏にちらついて普段の生活もままならなくなるミミちゃん
56名無しさん@秘密の花園:2011/07/24(日) 13:54:11.27 ID:LtTJixW7
トトリ先生の企みによって何があっても理性を保てる薬として
ピュアトリフ入りの強壮剤をミミちゃんに渡す悪事に加担してしまうメルル
ミミちゃんとその後のメルルの運命やいかに
57名無しさん@秘密の花園:2011/07/24(日) 14:11:56.20 ID:QY/eqQLf
それはミミちゃんにとってはご褒美なんじゃw
その日のアトリエの風呂場からはトトリちゃんの激しいあえぎ声が聞こえてきそうだな
58名無しさん@秘密の花園:2011/07/24(日) 14:40:20.31 ID:sCdXJByW
結局戦闘中のふとももチラ見せから一緒にお風呂、ピュアトリフ入り強壮剤まで
全てはトトリ先生の策略通りという訳か
トトリ先生マジ策士
59名無しさん@秘密の花園:2011/07/24(日) 18:37:13.83 ID:S6D2Jsn8
>>54続き みんな発想がすばらしすぎw

トト「メルルちゃん、おはよう」
メル「おはようございます。って何か……ツヤツヤしてますね、先生」
トト「えへへ……メルルちゃんがちゃんとあの薬渡してくれたからね。昨日のミミちゃんはすごかったよ」
メル「そうですか……先生の頼みとはいえ、ミミさんを騙すことになって胸が痛いですけど」
トト「ふーん……ちゃっかりケイナちゃんにあの薬試したくせに?」
メル「な、なぜそれを!?」
トト「やっぱり試したんだ」
メル「あ……かまかけたんですか」
トト「ううん。首にキスマーク残ってるから。しかもいっぱい」
メル「……っ!」
トト「言ってくれたらちゃんとメルルちゃんの分も用意したのに」
メル「結構です……ところでさっきから何を調合してるんですか?」
トト「今夜は私がリードするつもりだから。ちょっとしたものをね」
メル「そうですか……今夜もですか」


ミミ「はぁ……はぁ……」
トト「どうかなミミちゃん? そろそろ効き目が回ってきたと思うけど」
ミミ「トトリ……一体……何をしたの……?」
トト「安心して、危ないものじゃないから。ただ全身くまなく敏感になってるだけだよ。指でつつくだけで……」
ミミ「ふああっ……っ!」
トト「ほら、ね」
ミミ「だ……だめ……こんなの……おかしくなっちゃう……んあぁっ」
トト「大丈夫。優しくしてあげるから……こんな風に」
ミミ「ひゃうっ……」
トト「うふふ……さあミミちゃん、どこをいじってほしい? どんなところでも、すぐ天国にいかしてあげるからね……」


ケイ「メルル、最近は毎晩のようにお城で寝泊まりですね」
メル「うん……まあ、色々と事情があって」
ケイ「……ところで今夜は、夜伽の方は?」
メル「もちろんするよ。今夜は昨日みたいに一方的なのはダメだからね」
ケイ「あれはメルルが変なものを飲ませたからじゃないですか」
メル「う……と、とにかくリベンジよ! ケイナ、覚悟しなさい!」
ケイ「はいはい」
60名無しさん@秘密の花園:2011/07/24(日) 19:21:10.18 ID:QY/eqQLf
錬金術はほんと便利だなw(大人のおもちゃ的に)
メルケイは強力プレイなイメージだがミミちゃんはほんとトトリちゃんの手のひらの上だなw

もうミミちゃんはトトリちゃんに触られるだけでイッちゃうくらい開発されればいいよ
61名無しさん@秘密の花園:2011/07/24(日) 19:29:24.55 ID:jC7IHSX7
強力プレイってどんなプレイだと一瞬悩んだが協力プレイかw
確かにメルケイはそんなイメージあるな
62名無しさん@秘密の花園:2011/07/24(日) 20:40:34.20 ID:sCdXJByW
そして開発が進んだ結果
もう触られるどころかトトリ先生に見られるだけで体が熱くなっちゃうミミちゃん
戦闘中でもトトリ先生の視線が気になって仕方ないミミちゃんになるわけですねわかります
63名無しさん@秘密の花園:2011/07/24(日) 21:46:02.85 ID:qENs4an0
>>59
わざととはいえ受けにまわったトトリちゃんとすごかったミミちゃんもkwsk
最後は薬のせいとは知らずすごいことしちゃった事をひたすら謝り続けるミミちゃん
64名無しさん@秘密の花園:2011/07/24(日) 23:30:23.86 ID:f7c7eK0T
理性を保つ薬ってあれだろ?
副作用で意識も常に鮮明になって、気絶もできずに絶頂を味わい続けるんだろ?

ミミちゃんが壊れちゃう!><
65名無しさん@秘密の花園:2011/07/25(月) 00:17:38.66 ID:zqlirAWy
トトリ先生には是非服の上からミミちゃんをいぢめて欲しい
だってあの服薄そうなんだもん・・・きっと体の形とかくっきりと感じ取れるに違いない
66名無しさん@秘密の花園:2011/07/25(月) 01:10:31.13 ID:TARHzuoJ
プロレスごっこの次の日はトトリ先生はいつもつやつや
ミミちゃんはぐったりwでもやめられないとめられないw
67名無しさん@秘密の花園:2011/07/25(月) 02:15:40.34 ID:0U2Tcvi+
>>65
ミミちゃんも目のやり場に困る服装だよね。薄そうだしw
ブラとかしてんのかね?この二人は…してないとさすがに戦闘で一部すれて…
とりあえず二人で確認し合えばいい
68名無しさん@秘密の花園:2011/07/25(月) 13:38:30.81 ID:1rEf1m8l
>>67
特にミミちゃんの場合、動き回るのにどうしたら腕のあれがずり落ちないのか
考えながら仕事してたら、1000円打つところを1千万で打っちまった

69名無しさん@秘密の花園:2011/07/25(月) 14:14:56.53 ID:0U2Tcvi+
腕というと赤いケープの事?あれは首で交差してるからかな?
下の紐なしキャミ?とトトリ風の紫の上着はフアナさんみたいに
胸で引っかけられないからミミちゃんみたいに動いてたらずり落ちるよねw
トトリちゃんからしたらおっぱい揉みやすい服装なんだろうけどw
トトリちゃんがミミちゃんの服装注意するシチュもありかもしれない
恋人の胸を他の人には見せたくない的な感情ではぶてるとか
70名無しさん@秘密の花園:2011/07/25(月) 15:49:39.70 ID:ttyRLT99
メルル王冠とトトリ袖は謎重力
袖はゲーマガの設定資料だと胴体とつながってるらしいが
一点だけだと外側がだらーんとなるよな
ワイヤーで無理やり形維持してるのかな
慣れないと脱がしづらいな
71名無しさん@秘密の花園:2011/07/25(月) 21:15:26.31 ID:OPK4t9B9
これはお互いの服の構造を知るためにも、服を交換するしかないですね。
着替え中にトトリの服をクンカクンカするかしないか葛藤するミミちゃんとか想像に易い。
72名無しさん@秘密の花園:2011/07/25(月) 23:30:21.46 ID:zqlirAWy
>>71
スカート部が微妙に透けるのでモジモジするミミちゃん
実は普段着てるのより透けるようにしたトトリ先生
73名無しさん@秘密の花園:2011/07/25(月) 23:47:08.20 ID:RW+hj0tb
さすがトトリ先生やでぇ...
74名無しさん@秘密の花園:2011/07/26(火) 00:38:18.44 ID:EX7P90Ua
「ねえ、メルル姫。折り入って頼みがあるのだけど」
「なんですか?ミミさんの頼みならなんでも聞いちゃいますよ!」
「本当?それは良かったわ。じゃあ、あなた私の娘になりなさい」
「……あのー、唐突すぎて何がなんだか」
「トトリとずっと一緒に暮らしていくとなると、ひとつ問題があるのよ。
シュヴァルツラング家の家名を絶やさないためには養子を取る必要があるでしょ。
メルルが欲しいのよ」
「そんなー、それじゃアールズ家はどうなるんですか?私も一人娘ですよ」
「アールズは共和国になるんでしょ。
血統主義は終わったことを王家自ら示すいい機会じゃない」
「そういうもの……なのかな?でも、お父様もいるのに他所の子になんて」
「今日からは私がお母様よ。そしてトトリがお父様」
「ト、トトリ先生がお父様!?
それじゃ私、トトリ先生に、いっしょに下着洗わないでよーとか、
勝手に日記見たでしょ?もう大っきらい!とか言っちゃうんですか?」
「べつに言う必要はないけど」
「うわあ、なんだかすっごく楽しそうかも。
お母様ができるのも嬉しいし、それがミミさんだなんて!」
「そもそも私とあの子の仲をとりもったのはあなたなんだから。
責任があるでしょ」
「言われてみれば……わかりました、じゃあお父様に話してきますね!」

数時間後
「うう、お父様とルーフェスにすっごく叱られちゃった……」
「だろうとは思ったけど、やっぱりね……」
「わかっていたなら教えてくださいよー。
こうなったら駆け落ちしましょう!
三人で仲良く手を取り合って、分からず屋の親の手の届かない新天地へ!」
「駆け落ちっていうのかしら、そういうの」

数年後
「お父様、お母様、長らくお世話になりました。
メルルリンスはこの人と人生を共にすることに決めました」
「ケイナ・スウェーヤです。メルルは必ず幸せにしますね」
「ふつつかなメルルちゃんだけど、よろしくね。ケイナちゃん」
「あんたまで女の子とくっついたら意味がないじゃない!」

百合っぽくはないな
75名無しさん@秘密の花園:2011/07/26(火) 00:46:12.98 ID:F00TUNky
>>71
ミミ「メ……メルル、その格好は……?」
メル「あ、ミミさん。これですか? トトリ先生がお古を仕立て直してプレゼントしてくれたんです」
ミミ「そう……トトリのお古……」
メル「先生がアーランドで活躍してた頃は、これを着てたんですよね。何だかちょっとだけ、トトリ先生みたいな一流の錬金術士になれた気がするなぁ。なーんて……」
ミミ「メルル。お願いがあるの」
メル「え……どうしたんですかミミさん、急に真顔で……お願いって、何ですか?」
ミミ「匂いかがせて」
メル「どこの!? ていうか何で!?」
ミミ「トトリの服の匂いをかぎたいって言ってるの! こんなチャンス滅多にないんだから!」
メル「そんなのわざわざ私が着てるのじゃなくても、トトリ先生に直接頼めばいいじゃないですか!」
ミミ「そんな恥ずかしいこと言えるわけないでしょ! そもそも直接トトリの匂いなんてかいだら、確実に理性が保たないわよ! 間接的にでも保たないかもしれないけど」
メル「それじゃ私の身も危ないかもしれないじゃないですか! ダメですよ、私にはケイナがいるんですから!」
トト「メルルちゃん、ミミちゃん、何してるの?」
ミミ「トトリ!? ……いえ、別に、何でもないわよ」
トト「あ、メルルちゃん。早速その服着てみたんだ」
メル「はい。とっても可愛いですよね。気に入っちゃいました」
トト「うん。よく似合ってるよ。いつもの服も素敵だけど、こういうのって新鮮だよね」
メル「ありがとうございます。あ、そうだ。先生、ミミさんと服を取り替えっこしませんか?」
ミミ「なっ……!?」
トト「ミミちゃんと? どうして?」
メル「別に深い意味はないですけど、お二人のいつもと違う格好も見てみたいなーって」
ミミ「ちょっ……何を言い出すのよメルル! そんなのいきなり言われたってトトリが承知するわけ――」
トト「うんいいよ。私も一度ミミちゃんの服着てみたかったし」
ミミ「あとで何でもおごってあげるから覚悟してなさいメルル!」
メル「ほんっと分かりやすいなぁ、ミミさん……」
76名無しさん@秘密の花園:2011/07/26(火) 01:05:26.82 ID:SNtBRWeN
そしてくんかくんかしてるところをトトリちゃんに見られてしまうミミちゃん

>>74
このスレ的にはそうなりますよねーw
もう家名はホムンクルスか男になる薬つかって子種を…しか道はないですねw
77名無しさん@秘密の花園:2011/07/26(火) 02:08:31.93 ID:UmtZDk7t
>>75
メルルGJ!服の取り替えっこは永遠のロマンだな

本スレにあった
メルルの前ではしっかりした先生としてふるまいつつ
裏では昔みたいに失敗したりへこんだりしててミミに慰めてもらってるトトリ
ていうシチュいいな、トトリちゃんの掌の上で遊ばれてるミミちゃんも可愛いけど
たまには年上の貫録を見せてトトリちゃんを優しく包んであげるミミちゃんも見てみたい
78名無しさん@秘密の花園:2011/07/26(火) 02:35:16.25 ID:1VKB1fOc
>>77
いいね
自分もそういうシチュ好きだ
誰か書いてくれんかなぁ
79名無しさん@秘密の花園:2011/07/26(火) 17:21:38.38 ID:EX7P90Ua
ミミさんトトリちゃんより年上だっけな
ツェツィの代わりにぎゅっとするミミさんか
新任教師トトリちゃんの苦労話は確かに描写がないのがちょっと不満だな
前作より歳が近い師弟だしちむぐらいの子は素直にかわいがれても
ピアニャぐらいになると扱いが下手な末っ子タイプだから色々あったと思うんだが
80名無しさん@秘密の花園:2011/07/26(火) 18:27:59.64 ID:OxlK4Ok+
ミミちゃんに甘えるトトリちゃんか…
Sっ気なしの甘えん坊トトリちゃんとかミミちゃんは理性を保てるのだろうか?
81名無しさん@秘密の花園:2011/07/26(火) 21:13:13.27 ID:+R3FKQCX
>>76
罰としてトトリ先生に「直接」くんかくんかされるミミちゃん。
執拗に匂いを嗅がれて、触られてもいないのに軽く達しちゃう
82名無しさん@秘密の花園:2011/07/26(火) 22:28:45.23 ID:SNtBRWeN
トトリ「ミミちゃんのここ少しにおうね、でも嫌なにおいじゃないよ^^」

そして体の隅々までくんかされてどんなにおいかちくいちミミちゃんに説明してあげるトトリちゃん><
83名無しさん@秘密の花園:2011/07/27(水) 00:10:16.40 ID:z5eprv5P
SS投下します。
前スレ893-899、現スレ>>8-18の続き、トトミミ編になります。
84名無しさん@秘密の花園:2011/07/27(水) 00:14:34.64 ID:z5eprv5P
 火にかけられた錬金釜から、グツグツと何かの液体が煮える音が響く。
 時折中の様子を確認しながら、トトリは杖を手に釜の中身をぐーるぐーるとかき混ぜる。
 いつもと何一つ変わらない、ありふれたアトリエの光景である。
 だが、そんなトトリの後ろ姿を見ているミミは、さっきから背中に嫌な汗をかき続けていた。
 トトリが静かに調合に集中しているのは珍しくもない。だが、今日に限ってその沈黙が痛いのだ。
 しばらく時間が経ってから、トトリは釜をかき混ぜる手を止めた。どうやら作業が終わったようだ。
「あの……トトリ?」
「何?」
「う……」
 やはりいつもと違っている。いつもなら微笑みながら「なぁに? ミミちゃん」という感じなのに、つとめて無表情で「何?」と来た。
 だがしかし、これしきでへこたれるミミではない。
「さっきの話……ちゃんと聞いてくれてた?」
「話って?」
「だから、昼の……私とメルルがあんなことしてたのは――」
「私とケイナちゃんに差し入れのお菓子作るために協力して、完成したのを試食しながらふざけ合いっこしてたら、タイミング悪く私とケイナちゃんがそれを見てたって話だよね。聞いてたよ」
「あ、うん、そう……その通り」
 先ほど、説明をしようとするミミにトトリは「急いで作りたいものがあるから、話なら調合しながら聞くね」とすげない態度だったのだが、意外なほどしっかり聞いてくれていた。
「じゃあ……誤解だってことは分かってくれたのね?」
「うん」
 ミミはホッと胸を撫で下ろす。今の今までトトリの誤解が解けなかったらどうしようと、気が気ではなかったのだ。
「ミミちゃん」
「な、何?」
「晩ご飯作るけど、食べていくでしょ? もうだいぶ遅くなっちゃったし」
「あ……」
 目の前にあったのは、いつもと同じトトリの笑顔だった。ミミの心が安堵で満たされる。
「そ……そうね。いただいていくわ。あ、私も作るの手伝うわ」
「そう? それじゃあお願い」
 トトリと並んで台所に立つミミには、さっきまでの杞憂などきれいさっぱりなくなっていた。

 本日の夕飯はキノコたっぷりの野菜ソテーに新鮮なシャリオミルクを使ったクリームシチュー、メインには鶏肉の香草蒸しだ。
「よし、完成。ミミちゃん、私は食器出すからお料理テーブルに運んでくれる?」
「分かったわ」
85名無しさん@秘密の花園:2011/07/27(水) 00:20:52.01 ID:z5eprv5P
 メルルはお城に泊まると言っていたから、久しぶりに二人きりの夕飯だ。
「トトリの料理の腕もだいぶ上達したわね。今ならツェツィさんにだって負けないんじゃない?」
「ううん、まだまだお姉ちゃんにはかなわないよ」
 一緒に作った料理に舌鼓を打ちながら、トトリとミミは他愛ないお喋りに興じている。
 やがて和やかな食事も終わり、二人で後片付けをしてから、ソファで寛でいた。
「ミミちゃん、今夜は泊まっていったら?」
「え……あ……えっと」
 トトリと二人きりのアトリエにお泊まり。嬉しすぎる提案に戸惑いつつ喜ぶミミだが、長年の癖とでも言うべきか、口からは素直な言葉が出てこない。
「ど、どうしようかしらね。あんまり甘えさせてもらっても悪いし……」
「そんなことないよ。それに、どの道そろそろ効いてくる頃だから」
「は? 効いてくるって何の――……っ!?」
 突如、全身の異変を感じて、ミミは目を見開く。手の指からつま先まで、五体全てに力が入らない。たちまちソファに倒れ込んだ。
「んー、急拵えの割には上手く出来たかな。ミミちゃん、感覚はちゃんと残ってる?」
 ソファの上で動けないミミを見下ろしながら、トトリは淡々と話しかける。
「ト……トトリ、一体……何を……」
「遅効性のしびれ薬。晩ご飯に盛ったの」
「う、そ……だって、トトリも……食べたのに……」
「うん。料理じゃなくて食器の方に仕込んだんだよ」
「どうして……? 何で、こんな……」
「……どうしてだと思う?」
 トトリはミミの上に覆い被さった。そのまま顔を寄せる。トトリの吐息がミミの鼻先にかかる。
「ご……誤解、は……解けた、んでしょ……?」
「うん、そうだね。でも」
 トトリの右手が、ミミの服の上から控えめな乳房を強く押さえた。
「あっ……っ」
「許してあげる、なんて一言も言ってないよ?」
 トトリの左手が、ミミの下腹部に伸びる。そのままホットパンツの中にまで。薄い茂みを掻き分け、割れ目の中に指先を浅く潜らせる。
「つっ、ぁ……」
「痛いの? 少し我慢してね。すぐ気持ちよくしてあげるから……」
 トトリの声音は普段と全く変わらない。明るく話しかけてくるいつもと同じ調子で、こんなことを言う。
86名無しさん@秘密の花園:2011/07/27(水) 00:27:10.04 ID:z5eprv5P
「ト、トリ……なん、で、こんな、こと……を……?」
「何で……? ミミちゃん、本当に分からない?」
「……」
 分からなかった。ミミにはこんな――トトリに薬で体の自由を奪われ、猥褻な行為をされる理由など、何も思い浮かばない。
「ねえ、ミミちゃん」
 トトリは、恐いぐらい真っ直ぐ、ミミの目を見つめる。
「私はね、ミミちゃんが思ってるよりずっとずっと、ミミちゃんのことが好きなんだよ」
「え……」
「あのペンダントをくれたとき、私、すごくすごく嬉しかった。ミミちゃんの気持ちが、本当に伝わってきたから。
 でも、せっかく素直になれたのにミミちゃんは、それ以上は全然踏み込んできてくれなかった。私、ずっと待ってたのに。ミミちゃんになら全部あげてもいいって思ってたのに。
 今日……メルルちゃんと仲良くしてるミミちゃんを見て思ったの。待ってることなんてないんだ、遠慮なんてしてちゃダメだって。だから、私がミミちゃんをもらうことにしたの。今まで焦らされた分のお返しも兼ねて、ね」
「そ、んな……んぅっ!?」
 トトリはミミを抱きすくめ、唇を強引に重ねる。指先はさらに秘部への仕打ちを加える。
 トトリはねじ込むように、ミミの中へ舌を入れていく。縮こまったミミの舌を、トトリの舌が捕らえ、解きほぐすように絡ませ合う。
「んっ……ん……っ、はぁ……ミミちゃん、震えてるよ。怖いの?」
「こ……怖くなんか……ない……ただ、私は……私は……」
「私は……何なのかな?」
 トトリの指がミミの中で動く。熱い潤みが指先に絡みつき、いやらしい音を立てている。
「あぅ……く、ふ、ぁっ」
「もうこんなに濡れてきてる。いやらしいね、ミミちゃん」
 トトリは嗜虐的な笑みを浮かべながら、ミミの衣服に手をかけ、一枚一枚丁寧に脱がしていく。
「ミミちゃんの体……とってもキレイだね」
 生まれたままの姿になったミミを見て、トトリはうっとりした声を上げる。
 ほっそりと均整の取れたシルエットに、野性獣のようにしなやかな筋力と弾力を秘めた肉体。うっすら汗ばんだ肌からは、ほのかに甘酸っぱい匂いがする。
 そんなミミの体は、今、自由を奪われている。欲望の赴くまま、好きにしてしまえるのだ。そのことを思うだけで、トトリは目のくらむほどの興奮を覚えた。
87名無しさん@秘密の花園:2011/07/27(水) 00:31:57.03 ID:z5eprv5P
 トトリはミミの乳首を口に含み、舌先で軽く舐めてから歯を立てる。
「あ、んっ……!」
「ん……ミミちゃんの体、甘くておいしいよ」
「そん、な、こ……ひゃうっ!?」
 さらに強く歯を立てると、ミミは悲鳴を上げて体を震わせた。
「感度は十分だね。ミミちゃんも興奮してきたのかな?」
「っ……ちが……ぅ、っ」
「まだなの? そっか。それじゃあもっといっぱいしてあげないとね」
 トトリはミミの首筋に口づけ、強く吸い上げる。わざと跡を残すように。
「っぁ……トトリ……な、にを……」
 ようやく唇を放したと思うと、トトリはまたすぐその横に口づける。首筋から始まって、肩、腋、乳房、お腹、腰、太もも……ミミの全身に次々とキスの嵐を降らせていく。
「あっ、あっ、んっ……ふぁ、あ……っ」
 トトリにキスされるたび、ミミの体が熱くなる。肌に唇が触れる感触が、切ない疼きを全身に刻んでいく。
「ト……ト、リぃ……おねがい、だから……もう……」
 身体中にキスマークを付けられたミミは、赤く火照った体を震わせ、熱に潤んだ目に懇願の色を浮かべる。
「もう……何なのかな?」
「だから……キス、だけじゃ、もう……我慢、できない、から……もっと……激しく……して」
「分かったよ……ミミちゃん」
 トトリはミミを抱きしめ、唇を重ねた。舌を入れ、丹念に絡ませ合いながら、手はミミの秘部へ伸びる。
「ふぁ……ぁ」
 熱い蜜で満たされたそこへ指を這わせると、ミミは吐息を漏らした。舌を絡ませながら、指先はそこへ潜り込んでいく。
「あっ、んっ……」
 充血した小さな突起を優しく愛撫するトトリの指は、ミミの蜜ですっかり濡れそぼっていた。
「すごい……こんなに気持ちいいんだね、ミミちゃん」
「……〜っ」
「ふふ……真っ赤になっちゃって。可愛いねミミちゃん」
 トトリは愛撫する手に力を込めた。中まで潜らせた指先を、激しく小刻みに動かす。
「んっ、く……あ、あっ、ぅ……!」
「ミミちゃん、イキそう? いいよ、ミミちゃん。私の指でイっていいよ」
「あ、あ、あ、っ……っ、〜っ!」
 声を殺して、ミミは全身を一際大きく震わせた。そのまま目を閉じ、大きな息をつく。
「ミミちゃん……イっちゃった?」
「……」
「声、出してくれても良かったのに」
「……」
「……ミミちゃん?」
「トトリ……もうやめて」
「え……?」
88名無しさん@秘密の花園:2011/07/27(水) 00:41:30.04 ID:z5eprv5P
 ミミの閉じたまぶたから、涙が一筋、零れていた。
「ミミちゃん……そんなに嫌だったの……? そんな……そんなに――」
「ちがう……そうじゃない」
「え……」
「私は……私も、トトリのことが、好き……だから、トトリと、体を重ねたいって、思ってた……でも」
 ミミは声を震わせ、涙まじりに心情を吐露する。
「こんな……動くこともできない、トトリを抱きしめることもできないまま、ただ快楽を与えられるだけなんて……もどかしくて、仕方ないの……だから……」
「ミミちゃん……分かった。ちょっと待ってて」
 トトリはコンテナから薬のビンを一本取り出してきた。そして中身を自分の口に含み、そのまま口移しでミミに飲ませる。
 唇越しに伝わる薬を、ミミはゆっくり飲んでいく。清涼感を伴う薬効が全身に行き渡り、急速に痺れを和らげていくのが分かった。
「ミミちゃん、ごめんね。私……どうかしてた」
「トトリ……」
「ミミちゃんの気持ちも考えずに、勝手なこと言って、一方的なことして……本当にごめんね」
 謝るトトリの目に涙の粒が浮いている。ミミは自由になった指先で、そっとその涙を拭った。
「もういいわよ……トトリ」
「ミミちゃん……」
「別にされたこと自体は嫌じゃないし……少しやり方を間違えてただけなんだから」
「じゃあ……許してくれるの?」
「ええ」
「私のこと、嫌いになってない?」
「ええ」
「……う……ぐす」
「ちょっと、何でまた泣くのよ?」
「だって……ミミちゃんがいきなり泣いて、もう嫌われたかもって思ったんだもん」
「私があなたを嫌いになるわけがないでしょう。ほら、顔を上げて」
「うん……」
 ソファの上で身を起こしたミミは、涙目になっているトトリを優しく抱き寄せ、唇を重ねた。
「今から仕切り直しね……トトリも服、脱いでくれる?」
「うん……」
 素直に頷いたトトリは、その場でレオタードまで脱ぎ捨て、ミミの前に全てをさらけ出した。
「キレイよ、トトリ……」
「ミミちゃん……」
 ミミはトトリの背に腕を回し、優しく抱きしめた。二人の柔らかな肌が、ピタリと重ねられる。暖かな感触が、うっとりするほど心地よい。
「ん……ミミちゃん……大好き」
「私もよ……トトリ」
 甘い囁きを交わしながら、トトリとミミは口づけを繰り返す。何度も、何度も。
 二人の夜は、まだまだ長くなりそうだった。
89名無しさん@秘密の花園:2011/07/27(水) 00:48:41.67 ID:z5eprv5P
「おはようございまーす!」
 朝。元気な挨拶とともにアトリエへ帰ってきたメルル。傍らに控えるケイナも、丁寧にお辞儀をして朝の挨拶をする。
「おはようございます、トトリ様、ミミ様」
「おはようメルルちゃん、ケイナちゃん」
「おはよう。今朝も相変わらず元気ね」
 笑顔で挨拶を交わしながら、メルルとミミはアイコンタクトでやり取りをしていた。
(ちゃんと先生と仲直りできたみたいですね)
(まあね。そっちも上手くいったみたいで何よりだわ)
(はい。今後は気をつけましょうね。お互いに)
(ええ。分かってるわ)
「みんな、ちょっと早いけど午前のお茶にしない? 昨日ミミちゃん達が作ってくれたクッキーで」
「あ。そういえばそれの存在忘れるところでしたね」
「確かに、湿気る前に食べないともったいないわね」
「では早速お茶の用意をしますね。みなさん、席に着いてお待ち下さい」
「私も手伝うよ、ケイナ」
 ケイナとメルルがお茶の支度を整え、四人は和気あいあいとテーブルを囲んだ。
 まずはトトリとケイナが、メルル&ミミお手製のハニークッキーをいただく。
「……美味しい! すごいよミミちゃん、メルルちゃん」
「確かに美味しいですね。本当にお二人ともお菓子作りは初めてなんですか?」
 二人から揃って褒められ、メルルとミミはホッと息をつく。頑張った甲斐があるというものだった。
90名無しさん@秘密の花園:2011/07/27(水) 00:52:17.19 ID:z5eprv5P
「錬金術でなくても、これだけのものが作れるようになったんですね、メルル」
「えへへー、それほどでも」
「よかったら、これからは私とも一緒にお菓子作りしませんか? クッキー以外にも色々なレシピを教えてさしあげますよ」
「ホント!? あ……でも、開拓事業とかも忙しいし、そこまで時間は取れないかも」
「……そう、ですか」
「う゛っ……」
 しょんぼりと寂しげな目になるケイナに、メルルは言葉を詰まらせる。
 ――ケイナには、これからもっとわがままになってほしいの。
 他でもない、メルル自身が昨日、ケイナに言ったことである。
「あー、えっと……大丈夫! これから二人でお菓子作りしようケイナ!」
「え……本当に、大丈夫なんですか?」
「うん! よく考えたら結構余裕あるから。むしろなくても余裕作ってみせるから」
「……分かりました。でも無茶だけはしないでくださいね」

「お菓子作りかぁ。楽しそうだねミミちゃん」
「そうね……まあ、私はあんまり柄じゃないから、当分しないと思うけど」
「えー、どうして? こんなに美味しいのに」
「今回はその……気まぐれみたいなものよ。冒険者としての仕事もあるし、そんなにしょっちゅう作れないわ」
「そっか……残念だなぁ。ミミちゃんの差し入れ、すごく楽しみだったのに」
「……っ! ま、まあ、その、そのうち気が向いたら、差し入れしてあげるわよ。ひょっとしたら、意外にすぐ気が向いたりすることも……あるかもしれないし、ね」
「ミミちゃん……」
「な、何よ?」
「ありがとう。楽しみにしてるね」
「〜っ!」

 二組それぞれ仲睦まじく、朝のお茶会は穏やかに過ぎていった。


(おわり)
91名無しさん@秘密の花園:2011/07/27(水) 00:53:06.81 ID:z5eprv5P
以上。読んでくれた人、ありがとう。
92名無しさん@秘密の花園:2011/07/27(水) 00:55:11.89 ID:BMSs1Wlh
まごうことなきGJ
93名無しさん@秘密の花園:2011/07/27(水) 01:00:34.01 ID:PKUCZDbC
GJGJ!しょっぱなからトトリちゃん全開でフイタw
トトリちゃん怒らせたらミミちゃんマジで手も足もでなさそうw
94名無しさん@秘密の花園:2011/07/27(水) 01:03:44.19 ID:7vW1AusA
GJ!GJ!
読んでる最中2828しすぎて絶対気持ち悪い顔してたわw
本編がミミ→トトリだからかトトリ→ミミが強い作品は本当に好みだ
95名無しさん@秘密の花園:2011/07/27(水) 01:32:21.60 ID:NkZClJB7
GJでした!
甘々でいいトトミミだった
96名無しさん@秘密の花園:2011/07/27(水) 01:42:55.25 ID:ZNkgscvc
>>91
むしろ書いてくれてありがとう!
ミミちゃんが好きすぎるトトリさんとか最高です!GJ!!
97名無しさん@秘密の花園:2011/07/27(水) 02:48:56.36 ID:cU1sCk5B
GJ!
やっぱり甘々はいいなぁ
98名無しさん@秘密の花園:2011/07/27(水) 06:29:12.98 ID:0rnHaypd
http://www1.axfc.net/uploader/Sc/so/259154

PassはMeruru
トトミミも大好きだけど、たまにはこういうのもいいよね
99名無しさん@秘密の花園:2011/07/27(水) 06:59:54.31 ID:OpgkOWdl
アスロロなんかも、見てみたいな、って。
100名無しさん@秘密の花園:2011/07/27(水) 17:27:05.40 ID:EQf2kohh
トトロロ乙!
101名無しさん@秘密の花園:2011/07/27(水) 18:27:23.15 ID:hbkLdTkY
GJ!
最近投下される作品のバリエーションが豊かですごいな、本当職人さんには感謝してます

しかしこの話のミミちゃんがメルルに相談されたらどうするのか気になる
気が向いたら続き書いてくれたら嬉しいな
102名無しさん@秘密の花園:2011/07/27(水) 23:30:47.45 ID:56SqtNoR
歴代師弟が全員肉体関係のあるドロドロ錬金師弟とかいいよね
103名無しさん@秘密の花園:2011/07/28(木) 00:08:08.28 ID:+2V4Z1rA
>>75続き

トト「ミミちゃん、はいこれ。私の服だよ。こっちのは昨日洗ったばかりだから」
ミミ「え、そんな……って違う違う、なんでもないわ。えーと、はいこれ、私の服ね。予備のやつ」
トト「うん」
ミミ「それじゃあ私は隣の部屋で着替えてくるから」
トト「え? ここで一緒に着替えたらいいのに」
ミミ「よ、よくないわよ。私は一人で着替えたいの」


ミミ「……これが、トトリの服……昨日洗ったってことはつまり、昨日までトトリが着てたのよね……これがトトリの肌を包んで……
 べ、別に、悪いことするわけじゃないわよね。ちょっと……匂い……かぐくらい……
 …………ん…………はぁ……ん……………」
トト「……ミミちゃん」
ミミ「へ……!?」
トト「帽子の方、忘れてたから持って来たんだけど」
ミミ「あ……えっと……その……」
トト「ちゃんとノックもしたんだけど」
ミミ「……」
トト「気付かないくらい夢中で、私の服の匂いかいでたんだね」
ミミ「っ!」
トト「そのためにわざわざ隣の部屋で着替えるって言いだしたんだ」
ミミ「ち、ちがっ……」
トト「何がどう違うのかな? あんなにうっとりした顔で服の匂いかいで……変態さんだね、ミミちゃん」
ミミ「うう……」
トト「ひどいよね。せっかく人が貸してあげた服を、そんな風に使うなんて」
ミミ「……ごめんなさい」
トト「だーめ♪ 許さないよ」
ミミ「そんな……どうしたら許してくれるの?」
トト「んー……じゃあ、私もミミちゃんの匂いをかぐね。そしたらおあいこだし、許してあげる」
ミミ「……分かったわ。それで許してくれるなら」
トト「それじゃあミミちゃん、今着てるのを脱いで」
ミミ「え……? だって予備の服をさっき渡して」
トト「誰もあの服のなんて言ってないよ?」
ミミ「う……分かったわよ……………………はい、これでいい?」
トト「うん。それじゃまずはこれで」
ミミ「きゃっ!? ちょ、ちょっと、何よこれ? 縄?」
トト「生きているナワだよ。ミミちゃんが恥ずかしがって逃げないようにね」
ミミ「なっ……!? 服の匂いじゃ」
トト「誰も服のなんて言ってないよ? 私はミミちゃんの匂いって」
ミミ「あ……」
トト「ふふ……大人しくしててね。今からミミちゃんの体中、恥ずかしいところもぜーんぶ匂いをかいであげるからね……」

メル「こんな流れになるなんて……ごめんなさいミミさん……」
104名無しさん@秘密の花園:2011/07/28(木) 01:26:52.29 ID:gU46IFV9
ファミ通読んだらアトリエの新作で恋愛ゲーキター!
と思ったら別の会社作りの乙女ゲーだった〜!

まあアーランドシリーズで男性向け寄りにはなったが
アトリエで男限定攻略の恋愛ゲーはねーと思うんだが〜
105名無しさん@秘密の花園:2011/07/28(木) 01:28:45.95 ID:aowUh953
逆に考えるんだ、女限定攻略のアトリエも出るかもと
106名無しさん@秘密の花園:2011/07/28(木) 01:48:21.24 ID:M6NZHmvL
あれはジャンルもADVらしいしアトリエの名前だけ借りた別物だと思ってるわ

このスレ民的には恋愛要素強めだけど百合要素も強めのアトリエと
恋愛要素薄いけど百合要素も薄いアトリエだったらどっちがいいんだろうか
107名無しさん@秘密の花園:2011/07/28(木) 02:27:56.65 ID:6+eclUQc
? 百合も恋愛のひとつでしょ、まあ前者で
108名無しさん@秘密の花園:2011/07/28(木) 02:50:17.14 ID:M6NZHmvL
あ、ごめん言葉が足りなかった
男女の恋愛要素の事ね、所謂乙女ゲー要素ってやつ
109名無しさん@秘密の花園:2011/07/28(木) 04:58:20.70 ID:NPhedyE6
http://www1.axfc.net/uploader/Sc/so/259453
百合要素は薄いけど魔女のお茶会エンド後をロロナとアストリッドメインで書いてみた
師匠を全力で擁護する内容になってるかもしれない
Pass Meruru
110名無しさん@秘密の花園:2011/07/28(木) 06:56:06.29 ID:1XmyCkrZ
>>103
くんかくんかって直接的なエロよりエロスを感じる…w
111名無しさん@秘密の花園:2011/07/28(木) 10:49:32.36 ID:ru673jel
GJ!
師匠好きにはたまらないですなあ
112名無しさん@秘密の花園:2011/07/28(木) 14:38:41.86 ID:05AUk6PN
GJ!
自分も師匠好きだ、DLCで仲間に出来るようにならないかなあ

電プレ買ってきた
トトリ先生作の魚の目玉人形、ミミちゃんだったら宝物にするらしいですよw
あとミミちゃんの衣装がトトリ先生っぽい理由をメルに聞いてくれた電撃のライターナイス
113名無しさん@秘密の花園:2011/07/28(木) 17:20:57.22 ID:xvSa9Y+o
電プレ買って帰るか
114名無しさん@秘密の花園:2011/07/28(木) 17:53:46.32 ID:J2wjxgz9
>>112
なんだと?それは買うしかない……んだが、電プレってなんだ?
TSUTAYAとかに売ってるもの?
115名無しさん@秘密の花園:2011/07/28(木) 17:59:08.68 ID:b9TvNzMO
電撃プレイステーションじゃね?
116名無しさん@秘密の花園:2011/07/28(木) 18:06:42.36 ID:05AUk6PN
>>114
電撃プレイステーションだよ、普通に本屋に売ってる
あと目玉人形のくだりはほんとにちょっとだけなんであまり期待しないでね
メルのインタビューは読む価値あると思うけど
あとライタートトミミ好き多くてワロタ
117名無しさん@秘密の花園:2011/07/28(木) 18:25:21.85 ID:xvSa9Y+o
まあ一文だけでも我々にはご褒美ですw

スタッフのカウントダウンでもトトミミ描いてくれた人いたし
今後のインタビューとかも期待
118名無しさん@秘密の花園:2011/07/28(木) 20:52:16.36 ID:uweeLIXo
メルル出荷停止?
119名無しさん@秘密の花園:2011/07/28(木) 21:36:01.42 ID:tacSlG1O
レート変えて出すでしょ
120名無しさん@秘密の花園:2011/07/28(木) 22:11:06.41 ID:+2V4Z1rA
>>103続き

ミミ「……はぁ………はぁ……」
トト「ミミちゃん、だいぶ汗かいてきたね。少しすっぱい匂いがしてきたよ。腋下なんか特にムワっとしてる」
ミミ「……っ」
トト「あれ、顔が真っ赤だねミミちゃん。熱でもあるの? それとも興奮してるのかな? さっきから指一本触ってないのに、体中くんくんされてるだけで感じてるの?」
ミミ「ち……違うわよ……」
トト「ほんとに? じゃあさっきから下着のここが湿ってるのは何でかな?」
ミミ「それは……汗で……」
トト「ふーん、そうなんだ……」
ミミ「ト、トトリ……もう、そろそろ終わりでいいでしょ……?」
トト「まだダメ。もっとミミちゃんの匂いかいでいたいもん」
ミミ「そんな……」
トト「さっきからミミちゃんてば、熟れてく果実みたいに体中赤くして、汗を滴らせて……匂いもだんだん濃くなってきてるよ」
ミミ「〜っ!」
トト「恥ずかしがらなくていいんだよ、ミミちゃん。とってもいい匂いだから。ほら、ここなんて……」
ミミ「あっ、やっ……そんなとこ、だめっ……!」
トト「ん……ふぁ……少しツンとしてるけど、いい匂いだね……もっとくんくんしてあげるね……」
ミミ「トトリっ、やめっ、っ……あ……――っ!」
トト「……ミミちゃん、ひょっとして今、イっちゃった?」
ミミ「あ……う……」
トト「イっちゃったんだ。匂いをかがれてるだけで……どうしようもないくらいエッチな子だね、ミミちゃん」
ミミ「く……っ」
トト「そんないけないミミちゃんは、もっともっと匂いをかいであげないとね……」


トト「……というようなことを一晩中やってたら、ミミちゃん本当に熱出しちゃって……泊まり込みで看病するから、私しばらくアトリエを留守にするね。ごめんね、メルルちゃん」
メル「いえ……私の提案が元で、まさかそんなプレイに発展するとは――じゃなくて、えーと、とにかくミミさんにお大事にとお伝え下さい」
121名無しさん@秘密の花園:2011/07/28(木) 22:23:40.49 ID:1XmyCkrZ
あまりの羞恥プレイにミミちゃん発汗中
122名無しさん@秘密の花園:2011/07/28(木) 23:42:03.34 ID:dLnuCbMr
まさかのCEROレート格下げワラタ
まああれでAですってやっちゃうガストもあれだけどw
123名無しさん@秘密の花園:2011/07/29(金) 00:06:09.11 ID:+YU5EGSg
このスレもますますエロくならないといけないのか・・・
124名無しさん@秘密の花園:2011/07/29(金) 00:06:24.78 ID:MnMH4bAW
>>120
ミミちゃんww

CEROルート格下げでいっそはっちゃけたシナリオを追加してくれないかな
125名無しさん@秘密の花園:2011/07/29(金) 00:09:52.40 ID:dgG13cVw
風呂場で絡み合うようなスチルだとCEROどんくらいになるんだろ?
126名無しさん@秘密の花園:2011/07/29(金) 00:16:09.79 ID:WeT+Tnew
てかこのゲーム買う層がCEROとか気にするとは思えないんだが
何でガストちゃんはそんなにCEROAにこだわったんだか

そんなことよりDLC落としたけど追加レシピまであるなんて豪華だな
白と黒の指輪だっけ?それつけたらミミちゃんの行動回数がやばい事に…
127名無しさん@秘密の花園:2011/07/29(金) 00:26:37.12 ID:kr2eg5n/
今回はキャライベントも追加されるんだな
さっそくフアナさんダウンしてくるか
128名無しさん@秘密の花園:2011/07/29(金) 06:55:25.25 ID:7AA1nvUa
イベント追加(CERO D対応)
各個別ED追加(スチルあり)

とかのDLCをおながいします
……仮に個別EDが追加されたとしてどういう内容になるんだろう
129名無しさん@秘密の花園:2011/07/29(金) 08:46:28.25 ID:VGmPEw9k
スチルは最初からDLCエンド有りを予定してないと厳しいんでない?メル的に。
エンディングに関しては賛否両論だからガストちゃんがまたメルに1、2点別ギャラ
あたりで頼むとかならあるかもしれんがそこまではさすがにしないかな?
DLCだとネット無い人は見れないエンドになるしね。まあ個人的には俺も追加エンドは見たいけどw

電プレメルインタは百合じゃなくても読みごたえあるね
ミミちゃんの衣装もミミエンドの二人を微妙にシャッフルしたデザインらしい
これはトトリちゃんのフードあたりも言ってんのかな?
130名無しさん@秘密の花園:2011/07/29(金) 12:41:39.90 ID:ntK+42Ss
っぽいね。あのフードといいミミちゃんエンドの二人の衣装って
すっげ可愛くて好きだったから嬉しかったわ
131名無しさん@秘密の花園:2011/07/29(金) 18:35:56.01 ID:LI15cX54
個別エンド見てみたいね、トトミミメルケイはもちろん好きだけど
メルルとトトリ、メルルとミミの関係性もすごく好きだから個別エンドないのは残念だった

電プレ良かったね、個人的にはミミちゃんだけじゃなくてトトリちゃんの衣装も
ミミちゃんエンドのデザイン準拠だっていうのが嬉しかった
何かデザインの段階からトトミミを意識してくれている感じがして
132名無しさん@秘密の花園:2011/07/29(金) 20:16:28.46 ID:+YU5EGSg
このスレでエスティさんがあまりご登場めされないのはどういうわけだ
リアルに性生活を妄想すると悲しくなるからか
133名無しさん@秘密の花園:2011/07/29(金) 21:17:45.29 ID:gRc4Yp5o
>>132
君がいるじゃないか
さあエスティさん絡みの百合妄想を思う存分たれ流すんだ

俺が思いつくのでは
腐ィリーさんとの姉妹百合は基本として
若返り薬の代償として師匠の怪しい実験に付き合わされるとか
悪酔いしてるところをケイナちゃんに介抱してもらうんだけどそのまま押し倒しちゃうとか
思春期まっさかりなメルルちゃんに性的な質問をされてそのまま実践しちゃうとか

ろくなのがないなw
134名無しさん@秘密の花園:2011/07/29(金) 21:28:24.94 ID:MnMH4bAW
ティファナさんが忘れられなくてアーランドに一時帰還するエスティさん
135名無しさん@秘密の花園:2011/07/29(金) 21:43:15.30 ID:+YU5EGSg
ラブリーシャドウを張り切りすぎてぎっくり腰をおこしてメルケイに介護されて
清拭されているとしばらくご無沙汰だったので身体が反応しだしちゃうエスティさん

やっぱあんまり想像したくない
136名無しさん@秘密の花園:2011/07/29(金) 21:43:44.26 ID:LI15cX54
エスティさんだったらメルルとの絡みが好き
若さでアタック状態で好き好きアピールしまくりのメルルと
嬉しいんだけどやっぱり年の差とか考えちゃって素直に受け入れられないエスティさん
エスティさんああ見えて乙女な所があるから相手に強気で来られると受けに回っちゃうんじゃないだろうか
137名無しさん@秘密の花園:2011/07/29(金) 21:59:22.79 ID:VGmPEw9k
酒乱イベントのあとティファナさんとナニしてたのかしらないけど
ティファナさんのセリフだと受けみたいな感じだったね
138名無しさん@秘密の花園:2011/07/29(金) 22:17:36.33 ID:L1mFg+MG
トトリスレを見てふと思ったんだが、トトリって体力も人並み以下なんだよな
激しいプレイとかやったら身体がもたなさそう
139名無しさん@秘密の花園:2011/07/29(金) 22:36:25.22 ID:dgG13cVw
ミミちゃんへたれな流れが多いけど実際は本気になったらミミちゃんが押し倒せるからねw
ミミちゃんが攻めるときは細心の注意が必要。まあたまにはトトリちゃんの華奢なばでぃ
にミミちゃん理性トンでちょっと激しめなプレイも妄想
140名無しさん@秘密の花園:2011/07/30(土) 00:35:10.34 ID:EKWruGfp
早くその妄想を形にする作業に戻るんだ!

今マキナ領域攻略中なんだが何あの錬金術士リスwそしてその姿を見た瞬間に

いくら魔物とはいえトトリの姿をした魔物を攻撃することなんて出来ないミミちゃん
そんなミミちゃんのせいで苦戦するも何とか倒すことができてトトリスにとどめを刺そうとするメルル
その時どこからともなく現れトトリスをかばうように立ちはだかる影が!
それは長く黒い耳を持ち、槍(のようなもの)を携えたリス、ミミリスの姿だった

という妄想が頭を駆け巡った俺は末期
141名無しさん@秘密の花園:2011/07/30(土) 00:47:41.42 ID:xPEnAuWC
じゃあ、なにそれ面白そうと思った俺も末期だな
142名無しさん@秘密の花園:2011/07/30(土) 00:57:53.16 ID:teBI2Qgq
カバン持ったケイナリスとデリンジャー持ったクーデリスも登場だな
おまけに人形つれたリオネラリスとハタキ持ったツェツィリスとブーメラン持ったフアナリスも参戦か

ここからが本当の地獄だ…
143名無しさん@秘密の花園:2011/07/30(土) 01:02:57.60 ID:kk3EebmS
ミ「私にはできない…この子たちを倒すなんて!」
ト「とんでけー^^」

或いは交尾を始めて気まずくなる展開か
144名無しさん@秘密の花園:2011/07/30(土) 01:28:12.39 ID:MtDe1Lr4
トトリちゃんとミミちゃんも交尾してしまえばいい
今の流れだとミミちゃん攻めの激しいの

>>142
勝てる気がしないw
145名無しさん@秘密の花園:2011/07/30(土) 14:50:09.20 ID:teBI2Qgq
SS投下します。
>>77のシチュをイメージして書いてみました。期待に沿えているかは分かりませんが。
146名無しさん@秘密の花園:2011/07/30(土) 14:53:35.29 ID:teBI2Qgq
 天気は快晴、気温は快適、風は優しくそよぐほど。絵に描いたように清々しい、そんなある日のこと。
 大自然が恵んでくれた清々しさに喧嘩を売るように、アールズ街はずれのアトリエから、凄まじい爆音が響きわたった。
「ケホッ……ケホッ……あうー、またやっちゃった」
 全身すすだらけなメルルが肩を落とす。毎度おなじみというほど頻繁ではないが、季節の変わり目程度には馴染みのある、調合失敗の光景だ。
「ごめんなさい先生……」
「落ち込まないでメルルちゃん。今のはかなり難しい調合だからね。失敗も良い経験だと思って、次に活かさないと」
 トトリは優しく、しかし毅然とした口調でメルルを励ます。だいぶガックリきていたメルルだが、トトリにそう言われると再び目に輝きが戻ってきた。
「先生……分かりました! もう一度チャレンジしますね!」
「その意気だよ。あ、でもその前にお掃除をしないとね」
「あー、そうでしたね。大変そうだなぁ、これ……でも」
 散らばった機材やすすだらけの床、壁、備品……見ているだけでうんざりするが、避けては通れない相手である。
 しかしその時、汚れきったアトリエに一人の救世主が。
「失礼します。先ほど爆発があったと外の子供達が……ああ、思った通りですね」
「やっばりきてくれたーっ! ケイナ! お掃除手伝ってー!」
「もちろんですよ。あとは私にお任せ下さい」
 アトリエ内の惨状を見るや、ケイナはメイドの本領発揮とばかりにイキイキとお掃除を始めた。
「ケイナちゃんが来てくれたらもう安心だね。私はちょっと用事があるから、出かけてくるね」
「あ、はーい。行ってらっしゃーい」
 ケイナと一緒にアトリエをお掃除しながら、メルルはトトリを見送った。


147名無しさん@秘密の花園:2011/07/30(土) 14:58:03.75 ID:teBI2Qgq
 並木通りから少し外れた小川のほとり。頭上に広がる木枝の隙間からは、キラキラと日の光がこぼれている。風に揺らぐ木々の音色、微かな川のせせらぎ。佇むだけで涼やかな気持ちになりそうな、そんな場所。
 そこに一人、地べたに座って、じっと川を眺めている人がいた。
「……はぁ」
 物憂げにため息をついているのは、先ほどアトリエを出てきたトトリだった。
「…………」
「こーら。何をため息なんてついてんのよ」
「えっ」
 不意に声をかけられ慌てて振り向くと、そこにはトトリの親友であるミミが立っていた。
「ミミちゃん……どうしてここに?」
「別に、偶然よ」
 そう言って、ミミはトトリの隣に腰を下ろす。
「――ていうのは半分嘘で、何だか暗い顔で歩いてる誰かさんを見かけたから、追っかけてきたんだけど」
「え……私、そんな暗い顔してた?」
 トトリは自分の表情を確かめるように、頬に手を当てる。
「してたわよ。まあ、あんまり他の人には分からないかもだけど……」
「そっか……ミミちゃんだからだね」
 トトリはホッとしたように表情を和らげる。
「それで? 何があったのよ?」
「何があったってわけでもないんだけど……」
「いいから話しなさいよ」
「うん……」
 問われるままに、トトリはポツポツと話し出す。胸の内にたまっていた澱を吐き出すように。
「私、これからもちゃんと先生やっていけるのか不安なんだ」
「どうして? メルルには十分過ぎるほど慕われてると思うけど」
「うん……メルルちゃんはいい子だよ。やる気もあるし。でも、私だってまだまだ勉強しなきゃいけないことがたくさんあるし、先生としての仕事をキチンと果たせるのかどうかが不安なの。
 さっきね、メルルちゃんが調合に失敗したの。励まして、それでメルルちゃんはまたやる気になったけど、後から思えば調合中にフォローできる部分があったんじゃないかって思って……
 たとえばロロナ先生だったら、そういうのはすぐに気付いてフォローしてくれるけど、私はそういうところがまだまだ鈍くて、今日みたいなことになっちゃうんだ」
「ふぅん……新米教師の悩みってやつね」
「メルルちゃんのことは好きだし、教え甲斐もあるの。でも私は……やっぱりまだ先生になるの早かった気がして……」
148名無しさん@秘密の花園:2011/07/30(土) 15:03:53.97 ID:teBI2Qgq
 トトリは肩を落としてため息をつく。ミミはその様子を見ながら、さもありなんと心の中で頷いていた。
 元々トトリは、素直だが内気で気の弱い性格だ。錬金術を身に付け冒険者としての経験を積むことで自信と積極性を身に付けたが、ミミと出会ったばかりのトトリには、多分に本来の性格が見て取れた。
 そんなトトリが、急遽ロロナの代理として故郷を遠く離れ、一人慣れないアールズでアトリエを経営する。それだけでもかなりのプレッシャーなのに、そこにさして年も離れていない押し掛け弟子ときた。
 おそらく、人には見せないところで、随分と思い悩んでいただろう。
「……トトリ」
「何? ミミちゃん」
「メルルがさっきの話を聞いたら、きっとこう言うわね」
 ミミは咳払いを一つして、口を開く。
「何言ってるんですか先生! 私にとってトトリ先生は最高の先生なんですよ!」
「うわっ、ミミちゃん今の似てる!」
 即興の声マネだったが、かなり似ていた。仕草までメルルをマネて握り拳だ。
「トトリ。あなたに錬金術を教えてくれたロロナさんは、完全無欠の優秀な先生だった?」
「え? ……それは、その……あんまり……」
 言葉を濁すトトリだが、事実を言えば答えは「否」だろう。教え方が感覚的すぎて、トトリ以前にはまともな教え子すら得られなかったぐらいだ。
「でも、トトリにとってロロナさんは最高の先生だった。違う?」
「ううん。違わないよ」
「だったらもう、答えは一つじゃない」
 ミミは優しく微笑みかけ、言葉を続ける。
「トトリ、あんたは頑張ってる。私もそれを知ってるけど、誰よりそれを分かってるのは、きっとメルルだと思うわ」
「メルルちゃんが……?」
「多分ね。頑張っていい先生になろうとしてる、そういうところも全部ひっくるめて、あの子はトトリを慕ってるのよ」
「そう……なのかな?」
「そうよ。だから、悩みながらでも、あの子の先生を続けるべきよ。トトリなら、きっとやり遂げられるわ。私が保証してあげる」
 真っ直ぐにトトリの目を見据えて、ミミは力強く言い切った。
 トトリも真っ直ぐにその視線を受け止め、頷いた。
「……分かった。私、もっと頑張ってみるね。ありがとうミミちゃん。ちょっと元気になれたよ」
「あら。ちょっとだけ?」
「あ、ううん。すごくだよ。すごく元気になれた」
「そう。それは何よりだわ」
 冗談めいた口調でミミがそう言うと、ようやくトトリの顔に笑みが戻った。
149名無しさん@秘密の花園:2011/07/30(土) 15:11:51.05 ID:teBI2Qgq
「ごめんねミミちゃん。急にこんな相談しちゃって」
「これくらい、なんでもないわよ。また何か悩むことがあったら、いつでも言いなさい」
「ミミちゃん……」
「何よ?」
「ありがとう……ミミちゃんのそういうとこ、大好きだよ」
「なっ……急に何よ改まって……」
 トトリのストレートな台詞に、たちまちミミの顔が真っ赤になる。
「ねえミミちゃん。もういっこわがまま言っていいかな?」
「いいけど……何?」
「その……」
 トトリは少し照れたように頬を赤らめる。
「ミミちゃんに、ぎゅってしてほしいの」
「え……な、何で?」
「してほしいから……じゃダメ?」
「だ……ダメじゃないわよ……じゃあ、えっと……」
 ミミはぎこちない手付きてトトリを抱き寄せた。
 トトリはミミの胸元に顔をうずめて、大きく息をつく。
「ミミちゃん、いい匂い……」
「ば、ばか。何言い出すのよ」
 恥ずかしがるミミだが、トトリを抱きしめる手は放さない。
「それにあったかい……こうしてると、ホッとする……」
 トトリは小さな子供のように、澄んだ笑みをうかべていた。
「まったく……いつまで経ってもあんたは甘えん坊ね」
「違うよ……ミミちゃんだからだもん」
「……」
 トトリの背に回した腕に、ミミは少しだけ力を込めた。大切な宝物を、優しく慈しむように。


150名無しさん@秘密の花園:2011/07/30(土) 15:14:08.56 ID:teBI2Qgq
 機材の洗浄、備品の整理、床、壁、窓の拭き清め。全てを終えたアトリエ内は、さっきまでとは見違えるほどピカピカになっていた。
「よしっ! お掃除完了! ケイナ、いつもありがとう!」
「いえ、どういたしまして」
 ほぼ九割ケイナのおかげでお掃除を終えたメルルは、気合い十分といった面持ちで調合釜の前に立つ。
「さて、それじゃあ調合再開――って、そういえば先生おそいなぁ」
 時計を見てメルルは首を傾げる。買い物にしろ酒場で依頼を受けるにしろ、随分と経っていた。
「うーん……」
 調合の手順自体は分かっているし、作業を始めても問題はない。今はケイナがいてくれるから、成功率も上がっている気がする。
 しかし、メルルは手にしていた杖を傍に立てかけた。
「やっぱり先生が帰ってくるまで待ってようっと」
「では、お茶を入れましょうか?」
「あ、それも先生が帰ってくるまで待って。せっかくのケイナのお茶だもん。先生と一緒がいいよ」
「分かりました……それにしても、メルルは本当にトトリ様のことを慕ってるんですね」
 ちょっぴり焼き餅な響きを含んだケイナの言葉だが、メルルは素直に大きく頷いた。
「もっちろん! 私にとってトトリ先生は最高の先生なんだから!」


(おわり)
151名無しさん@秘密の花園:2011/07/30(土) 15:15:12.37 ID:teBI2Qgq
以上。読んでくれた人、ありがとう。
152名無しさん@秘密の花園:2011/07/30(土) 15:19:30.20 ID:kmZU8m1o
GJGJ!よい話だな!
本編でやってほしいくらいだぜ
153名無しさん@秘密の花園:2011/07/30(土) 15:21:01.00 ID:wmaYyT2M
GJ
154名無しさん@秘密の花園:2011/07/30(土) 19:17:22.19 ID:k9xBL2IJ
GJ!GJ!
書いてくれてありがとう!期待通りどころか期待以上だったよ
本当に本編でやってもおかしくない話だな
155名無しさん@秘密の花園:2011/07/30(土) 20:30:25.96 ID:xPEnAuWC
GJ!
包容力のあるミミちゃんかっこいい&弱気なトトリ先生可愛い
本編でこういうのやってほしいなぁ
156名無しさん@秘密の花園:2011/07/30(土) 21:05:44.84 ID:kk3EebmS
いいねえ
歴代主人公の中でもとりわけ幼い感じだったトトリちゃんが
立派な先生やってるのは感慨深いけど
舞台裏の苦労描写がないのが物足りないんだよな
メルルの見てないところではトトアト時代のノリになるトトミミとか
妄想がふくらむわ
157名無しさん@秘密の花園:2011/07/31(日) 00:03:22.58 ID:6Fu05kHl
これはいいなあ。
こういう方向性の、シンプルだけどいい話を書けるのは素晴らしい。
158名無しさん@秘密の花園:2011/07/31(日) 00:05:37.83 ID:6Fu05kHl
それにしても、すすだらけになった部屋を掃除し終わるだけの時間が経つのにトトリが
帰ってこないってことは……
159名無しさん@秘密の花園:2011/07/31(日) 04:07:23.66 ID:XCvSoLDy
そりゃもうミミちゃんの部屋で親友以上の関係にステップアップしたに決まってますよ
問題はミミちゃんがこの勢いでかっこいいまま優しくリードする展開も
いつもの調子を取り戻したトトリちゃんが主導権を握る展開もどちらも捨てがたいという事だ
160名無しさん@秘密の花園:2011/07/31(日) 06:08:44.87 ID:hbTGgkrT
個人的にはこのままミミちゃんにかっこよくリードしてほしい
主導権握れることなんて滅多になさそうだし、ミミちゃん攻めも見てみたい
161名無しさん@秘密の花園:2011/07/31(日) 09:24:14.37 ID:SS7A3Ka9
トトリちゃんの感じてる姿を見てミミちゃんが理性を保てるはずが無い
押し倒してトトリちゃんの恥ずかしがることしまくればいい
次の日トトリちゃんによる倍返しはお約束だけどw
162名無しさん@秘密の花園:2011/07/31(日) 11:44:17.71 ID:/+11w7Ra
今更ながら電プレ見たけど静かにトトミミ推し過ぎな内容に戦慄した。
これは今後に期待せざるを得ない……
163名無しさん@秘密の花園:2011/07/31(日) 13:37:03.57 ID:LMxLmwd9
アールズコンテストから始まりライターのDeepさんのコメント、キャラレビュー
ライター別No.1イベント、更にはメルのインタビューまで素晴らしいトトミミ推しだったな
人気投票も1位2位だしこれだけ人気のトトミミを本編だけで終わらせるのはもったいないよガストちゃん
是非とも追加イベントやED、ドラマCDなど更なる発展をお願いしたい
164名無しさん@秘密の花園:2011/07/31(日) 15:37:35.64 ID:4xHbDewQ
二人がメインのドラマCDはほしいな
ロロクーも入れてくれればなおよし
数話構成にすればそれぞれメインで話は作れるし
メルルトゥルーはサブキャラのその後がご想像が大きすぎるから補完してくれると嬉しい
165名無しさん@秘密の花園:2011/07/31(日) 15:50:48.20 ID:SS7A3Ka9
>>163
あれライター三人ともトトミミ推しなんだよなw
記事全部見るとどこかで全員がトトリ×ミミについて触れてる
166名無しさん@秘密の花園:2011/08/01(月) 00:03:35.78 ID:dLLXtjaN
メルルハレームエンドはやはりトトミミ好きにはバッドエンドなんだろうか?
子供を取り合う夫婦として見ればいいのかもね

前作でスケさんハーレムエンドみたいなのを出したら百合好きから評判悪くて
百合ハレームにしたら今度はガチの百合カップル好きから評判悪くて
次回ではさらに改善されたハーレム百合エンドが出るかも?

あとメルケイの☆を見るイベントを見て願い叶うといいなと思った

☆:よかろうならば結婚だ
167名無しさん@秘密の花園:2011/08/01(月) 00:47:03.96 ID:U7n/aJD7
ん〜例えばくーちゃんがロロナよりリオちゃんや師匠を大事と言ったり
ケイナちゃんがメルルちゃんよりフアナさんや他の女キャラを大事といったらどう思う?

しかも各自用意されたエンドがそのハーレム系だけだとしたら。
とりあえずあのエンドは製作側は故意にやったのは明白だしネタで通じると思ったんだろうね
少し頭のいいやつなら利益的にもやらないとは思うが製作側がインタで発言しないかぎり
憶測に域を出ないのが歯がゆいけど
168名無しさん@秘密の花園:2011/08/01(月) 00:48:34.07 ID:1TwUJzk3
個人的にはEDそのものよりもその前のイベントの
トトリは親友だけどメルルはもっと大事な親友なのよ的な発言がきつかったな
ED自体は好きか嫌いかと聞かれれば嫌いだがまあ野郎がメルル取り合うEDよりはマシかなと思ってる

これも個人的にだけどたとえ百合でもハーレムエンドはいらないかなあ
皆で仲良くしてるならまだしも主人公を取り合って喧嘩するような内容はあまりいい気分しないし
こんなこと言ってるとカプ厨うぜえって言われそうだけど
169名無しさん@秘密の花園:2011/08/01(月) 02:22:05.09 ID:VELvkbUI
「メルル「も」大事な親友」じゃなかったっけか
ミミちゃん友達増えてよかったねぐらいの感覚でみてたわ

ロロナリメイク来ないかな〜。トトメルのモデリングで活躍するクーロロが見たい
170名無しさん@秘密の花園:2011/08/01(月) 02:30:12.61 ID:wPjeG8lO
遅ればせながら最近始めたぜ。まだまだ序盤だけどこれゲームとしても面白いぜ。
あとケイナさんが割とガチでニヤニヤしちゃった。ふひ。
171名無しさん@秘密の花園:2011/08/01(月) 03:03:53.51 ID:F2elUnEF
ロロナ関連でもやたら荒れたしネタエンドは今後自重すんじゃね?
次のアトリエがどうなるかは知らないけど
172名無しさん@秘密の花園:2011/08/01(月) 03:24:49.06 ID:09l8kkAx
ハエの家にメルケイの新作が来てるが虫が苦手だとかなりきつい内容だな
食事の前後には読めない
173名無しさん@秘密の花園:2011/08/01(月) 04:43:00.15 ID:0tUjkBcl
>>169
>>168の内容で合ってるよ
それまでのイベントがほぼ100%トトリ絡みだったから、おれにとっては唐突過ぎて完全にイミフだった
174名無しさん@秘密の花園:2011/08/01(月) 07:27:19.26 ID:iEezvtx2
あれは熱くなってつい口を滑らせたんじゃないかな
本当は違う言い方をするつもりだったのにうっかりトトリちゃんをないがしろにする発言が出ちゃったとか
きっとあのあと枕に顔をうずめて後悔しまくってるよ



あるいはトトリちゃんから直接お仕置きを…
175名無しさん@秘密の花園:2011/08/01(月) 10:22:22.85 ID:F2elUnEF
アレに関してのお仕置きとかされたら
最低でも数日間は解放されないなミミちゃんはw
薬で身体の自由を奪われ普段はミミちゃんを気遣いしないようなマニアックな
プレイでお仕置きとか…
176名無しさん@秘密の花園:2011/08/01(月) 11:46:20.09 ID:iEezvtx2
まずはピュアトリフから抽出したエキスをさらに純度を増して錬金術の力で強化した薬をミミちゃんに飲ませるところからだな
ミミちゃん本人ですら気付いていない隠された願望や性的嗜好を全てあばいてからはそれらを一つ一つ実践していくずっとトトリちゃんのターン
177名無しさん@秘密の花園:2011/08/01(月) 13:18:52.06 ID:tV5d61Ct
今聖魔の指輪を作ってたらふと
新しい装備品が出来たので早速ケイナに渡すメルル
いきなり指輪をプレゼントされたケイナはプロポーズされたと勘違いしてあたふた
そして真っ赤になったケイナを見て訳も分からず自分も赤くなるメルル
もしくはケイナが赤くなった理由を察したメルルは何も言わず指輪を左手の薬指に…
という妄想が降ってきた、ケイメルだけじゃなくてトトミミロロクーでもいいけど

他にも白と黒の指輪が2個しか作れなかったからトトミミに装備させてペアリング2828とか
全然それっぽくない所でも百合妄想してしまう体質なってきてて困る
178名無しさん@秘密の花園:2011/08/01(月) 18:12:02.69 ID:Avvi51+c
ケイナちゃんならブレイブマスクを渡しても誤解してくれる

ハエの家は面白いけどあそこまでキャラ壊すのはここじゃ許されないよなw
179名無しさん@秘密の花園:2011/08/01(月) 23:47:44.35 ID:dykKNawv
ミミちゃんなら魚の目玉人形で喜ぶ

タオルは通販開始されたらくーちゃんミミちゃんケイナちゃんが嫁のタオル買い占めるな
180名無しさん@秘密の花園:2011/08/02(火) 00:37:05.79 ID:4hpvqWZw
がすとちゃんに骨の髄までしゃぶられる錬金術士の嫁たち
キーボードも予約受付中ですの
181名無しさん@秘密の花園:2011/08/02(火) 00:48:47.24 ID:GysiGhQK
3人ともタオル買わんでも本人が隣にいるんだからいいじゃないですかー

しかしトトミミ1、2フィニッシュは嬉しいけどケイナが落ちちゃったのが残念だな
やっぱりトトミミに投票する層とかぶってたのかね
そういう自分もミミちゃんに入れちゃったけど
182名無しさん@秘密の花園:2011/08/02(火) 00:54:17.98 ID:7J3cZK/9
嫁のタオルを他人に使わせるわけにはいくまい
まあ俺たちはタオルという布媒体でしか楽しめぬが
嫁同士はお互いに抱き枕的なことが出来るからタオルに関しては大目に見てもらおうw
183名無しさん@秘密の花園:2011/08/02(火) 01:01:51.03 ID:4hpvqWZw
ケイナタオルはほんと残念だわ
パス忘れて投票できなかった俺を許してくれ
いっそメルルとセットにして二人で絡み合ってるイラストにしてくれてもいいのに
184名無しさん@秘密の花園:2011/08/02(火) 21:02:56.84 ID:b7Jh57IT
>>177
メルミミが仲良さげなのに嫉妬して、すこし悪戯してろうと>>176的な効果のある指輪を錬成するトトリさん。
いざ渡すと、ミミちゃんツンデレ風味に大喜び。トトリさん指輪を渡す意味に気づく。
ト「これはダメ!やっぱり返して!」
ミ「何でよ!?理由を言いなさい!」
ト「ダメったらだめなの!」

トトリさん咄嗟に自分に指輪を嵌めて大告白大会


まで妄想した。
185名無しさん@秘密の花園:2011/08/02(火) 21:32:38.77 ID:7J3cZK/9
もうお互いピュアトリフ食えばいいんじゃない

トト「ミミちゃん好き・・・大好き、愛してる・・・ry
ミミ「私もトトリが大好き・・・大好きなのトトリ・・・ry

ひたすら好きだと告白し続けて効果が切れた頃
二人とも顔真っ赤にして気まずくなればいいよ
186名無しさん@秘密の花園:2011/08/02(火) 21:49:21.06 ID:oJThEBRJ
二人でピュアトリフ食べる展開は本編やってた頃から妄想の定番だったな

トトリちゃんの隠された願望や性的嗜好ってどういう内容だろう
やっぱりこのスレ民でも想像出来ないような毒舌ドSなすごい願望が飛び出すのか
それとも意外と乙女でミミちゃんにもっと素直かつ強気に来てほしいと思っているのか
187名無しさん@秘密の花園:2011/08/02(火) 22:00:05.63 ID:7J3cZK/9
ネタ無しで考えればミミちゃんにもっと素直になってほしいってトコかな?
たぶんこの二人はすれ違いなことが多そうw
仲はいいけどもう一線越えた(性的な意味ではなく)新密度が少し足りない
虹のかけらでその一線も越えれたしあとはいくとこまでいけばいいw
188名無しさん@秘密の花園:2011/08/02(火) 22:20:39.42 ID:Xi7ZidzE
トトリちゃんの性的願望か…

トトリ「ミミちゃんにならなにされてもいいよ…

とかだったら萌え死ぬな。俺とミミちゃんが
189名無しさん@秘密の花園:2011/08/02(火) 22:47:46.81 ID:oJThEBRJ
そんな受けで可愛いトトリちゃんなんて…


お前とミミちゃんだけじゃなくて俺も萌え死ぬわ
190名無しさん@秘密の花園:2011/08/02(火) 23:27:06.55 ID:PbLNaE9b
あっちの方でロロナ先生とツェツィおねえちゃんも萌え死んでたぞ
191名無しさん@秘密の花園:2011/08/02(火) 23:30:39.41 ID:E7LFJ9RW
フィリー殿がまた死んでおられるぞー!
192名無しさん@秘密の花園:2011/08/03(水) 00:34:50.99 ID:cxJ1qJIw
なぜか二次創作のトトリちゃんはドSかオナニー大好き淫乱っ娘の二者択一の感があるからな
193名無しさん@秘密の花園:2011/08/03(水) 00:42:33.67 ID:CjkX4Vem
そしてトトリちゃんの蜜を欲す野獣と化すミミちゃん

>>192
どSはよくネタでも見るがオナ好きの淫乱とかあるのか?w
まあ俺はトトミミ以外のエロは同人でも何でも避けてるから目につかないだけかも試練がw
194名無しさん@秘密の花園:2011/08/03(水) 01:15:21.34 ID:CqgBCEgw
トトミミ表紙の同人誌の中身が男入りだった時の悲しみったらもう…

俺的にはヘタレ攻めのミミちゃん(時々暴走)と誘い受けのトトリちゃんがジャスティス
もちろんミミちゃん受けもトトリちゃん攻めも大好物だが
195名無しさん@秘密の花園:2011/08/03(水) 02:11:06.94 ID:oi2NMQ+J
>>194
( ´∀`)人(´∀` )ナカーマ
196名無しさん@秘密の花園:2011/08/03(水) 02:34:14.53 ID:4932WIDi
俺は地方だから委託やピク支部で宣伝してる同人しか知らないが
コミケ現地ではやっぱり宣伝してない掘り出し物の同人とかある?
メル氏は今回で完結したしアトリエの同人とか出さないのかなー
197名無しさん@秘密の花園:2011/08/03(水) 05:37:56.88 ID:KqzLGk/C
どうでもいいが、俺はメルって人が男だってのがすごいびっくりした
198名無しさん@秘密の花園:2011/08/03(水) 08:20:52.38 ID:LkKAg5ZZ
>>194
俺、こういう同人誌は「たるたるトトリ」しか知らんのだが
内容は「ジーノ君×トトリちゃん×ミミちゃん」だが

他のトトミミ表紙の同人誌は知ってる限り、中身はトトミミだが
199名無しさん@秘密の花園:2011/08/03(水) 10:31:41.56 ID:e2S9tjn6
同人は表紙詐欺が多いからな
それ以上にアトリエシリーズの百合は自分はあまり見たことないな
200名無しさん@秘密の花園:2011/08/03(水) 11:25:21.35 ID:4932WIDi
同人自体少ないね
服描くのがめんどいというのは聞いたことあるけど
201名無しさん@秘密の花園:2011/08/03(水) 12:52:54.69 ID:7eyWfZul
試しにトトリエ時代の色無しトトミミ描いたことあるけど
フリルと模様(ケープ!)と質感(スケルトンスカート!)がキツイな、あれ
描きこなせば上手く省略化できるんだろうが…
202名無しさん@秘密の花園:2011/08/03(水) 13:26:25.87 ID:t9fEGe64
まさかゆるゆりでカプ論争が起るとは一体誰が想像できただろうか。
いやまあただの荒らしだけど。
203名無しさん@秘密の花園:2011/08/03(水) 21:03:48.15 ID:r22cYr+G
悲しみとか大げさに言ったけど俺も現物で表紙詐欺同人誌みたのは2,3冊ぐらいなんだけどね
見た瞬間に記憶から抹消するからタイトルも内容も覚えてないし

発売日からコツコツプレイし続けてるがさすがにやる事が無くなってきたな
これからも追加DLCの予定とかあるんかね
最後なんだし思い切ってフィリーさんDLCとか来ないだろうか、姉妹PTとか組んだら楽しそう
戦闘スタイルはまったく想像できないけど

204名無しさん@秘密の花園:2011/08/03(水) 21:20:54.19 ID:tH8hPi7A
SS投下します。
絡みは薄いですが一応トトミミ&メルケイ(+ロロクー)。
205名無しさん@秘密の花園:2011/08/03(水) 21:26:06.43 ID:tH8hPi7A
「お邪魔するわよ」
「あ、ミミさん。ちょうど良いところに」
 ある日の昼下がり。アトリエを訪れたミミを、一人留守番をしていたメルルが笑顔で迎えた。
「ちょうど良いって、何かあったの?」
「えへへー、実はさっきあるものを完成させたところでして」
「あるもの?」
 首を傾げるミミだが、メルルはあからさまにもったいぶった笑みを浮かべて、すぐには答えない。
「ミミさん、ちむドールって覚えてます?」
「ちむドール……確かちむ達をモデルにした人形でしょ。今は鉱山のマスコットになってる」
「ええ。鉱夫さんだけじゃなく一般の人達にも人気な、私の自信作です」
「それがどうかしたの?」
「せっかくよく出来たんだから、ちむドールのレシピを改良して、もっと色んな人形を作ろうと前から試行錯誤してたんですよ」
 ここまで聞けばミミにも話の先が見えてきた。
「なるほど。その人形が完成したから、私に見せようというわけね」
「はい。ミミさん、人形って好きですか?」
「嫌いじゃないけど、さすがにこの年になって人形を愛玩したりはしないわね」
「そうですか……」
「でも、メルルの作ったものならぜひ見てみたいわね。どんなのかしら?」
「あ、はい。ちょっと待ってて下さい」
 メルルはコンテナから出来立ての人形を取り出し、誇らしげにミミの前に掲げてみせた。
「じゃじゃーん! メルル特製スペシャルドール第一段! トトリ先生人ぎょ――」
 言い切るより前に、ミミの両手がメルルの肩をガッシリ掴んだ。
「……何が望みだ? 地位か? 名誉か? それとも――力か」
「落ち着いて下さいミミさん。何で急に魔王みたいなこと言い出してるんですか」
「はっ!? ご……ごめんなさい。あまりにその人形がステキ過ぎたから、つい正気が……」
「えーと……ほめてくれてるんですよね。この人形のこと」
 メルル特製のトトリ人形。トトリの特徴をしっかり押さえた上で、愛らしくデフォルメされた上質の一品だ。複雑なデザインの衣装もちゃんと縮小再現されており、値段を付けるとすれば相当なものになるだろう。
「それでメルル、いくらなら譲ってくれるの? 言い値で買うわ。即金で無理なら月賦でも――」
 下手すれば家財を質に入れそうな勢いで迫るミミに、メルルは若干引きながら対応する。
206名無しさん@秘密の花園:2011/08/03(水) 21:29:21.69 ID:tH8hPi7A
「だから落ち着いて下さいってば、ミミさん。ただですよ。最初からプレゼントするつもりだったんです」
「え? プレゼント……この人形を……私に?」
「はい。どうぞ」
「あ……ありがとう」
 メルルから受け取った人形を、ミミはまるで初めて赤ん坊を抱く母親のように、慎重に優しく抱き締める。
「本当にありがとう、メルル。宝物にするわ」
「どういたしまして。それだけ喜んでもらえたら、作った甲斐があります」
「でも、本当にただでいいの? 相当作り込んであるし、材料を集める手間だって馬鹿にならないんじゃ」
「いつもお世話になってるお礼ですよ。ちなみに第二段はミミさん人形を作る予定ですけど、いいですよね? 送る相手はもちろんトトリ先生です」
「なっ……!?」
 それを聞いた途端、ミミの顔が真っ赤になる。
「わ……私の人形を、トトリが……? じ、じゃあ、トトリが、私の人形と……一緒にお風呂入ったり、ぎゅって抱き締めて眠ったり、時々キ、キスしちゃったりとか、するっていうの?」
「いや、さすがにそこまでは……ていうか、つまりミミさんはするんですねそういうこと」
「だ、だって仕方がないでしょ! こんなに可愛いトトリの人形をただ眺めるだけで我慢できるわけないじゃない!」
「はあ……まあ、大事にしてもらえそうで何よりです」
 今度何かでお返しするからと言うミミを見送ってから、メルルは満足げな笑みを浮かべた。
「ミミさん、想像以上に喜んでくれて、びっくりしたなぁ……よーし! この調子でもっとたくさん色んな人形を作ってみようっと!」


207名無しさん@秘密の花園:2011/08/03(水) 21:36:28.71 ID:tH8hPi7A
「――とまあ、そういうことがあって、最近は錬金術で人形作りにハマってるんだ」
 調合中のアトリエ。杖をぐーるぐーるしながら楽しそうに話すメルルを見て、傍らのケイナは自分も楽しそうに顔をほころばせていた。
「なるほど。それで、ミミ様の人形はどうなったのですか?」
「もちろんちゃんと作って、トトリ先生にプレゼントしたんだけど……」
「けど?」
「最初見せた時、ミミさんと同じようなリアクションされてすごく焦ったよ。怖いぐらい真剣な目で頼むんだもん。その人形ちょうだいって」
「それはまあ……あの二人の仲の良さもあるでしょうが、メルルの作った人形がそれだけ魅力的だったからでしょう」
「それからね、ロロナちゃんにも人形作ってあげようとしたんだけど、本人にどんなのがいい? って聞いたら、くーちゃん人形がいいのー、って言われて」
「くーちゃん……ですか?」
「クーデリアさんって言って、ロロナちゃんの大親友。アーランドの人なんだけど、私は面識が無いから困ってたんだよね」
「確かに、それは困りますね。会ったこともない人の人形を作るというのは……」
「そしたらフィリーさんがね、クーデリアさんとは何年も一緒の職場で仕事してたから特徴ならバッチリ分かるって、デザインを手伝ってくれたの」
「そうだったのですか。意外な援軍ですね」
「おかげで出来た人形はロロナちゃんに大好評。フィリーさんにもお礼に人形を作るって言ったら、ミニサイズでいいから『ロロナ×クーデリア』のカップル人形を作ってほしいって言われてね」
「その場合はカップルではなくペアと言うべきでは?」
「私もそう思ったけど、なんかそこは譲れないんだって。あと×の前と後ろも大事だから間違えないようにって。どういう意味だろ?」
「さあ……?」
「まあ、よく分からなかったけど、出来上がったカップル人形見て、フィリーさんすごく喜んでたよ。いずれ機会を見て残りの二組も……とかなんとか呟いてたけど」
「相変わらずよく分からない方ですね……ところでメルル。今作っているのも、誰かへプレゼントする人形ですか?」
「うん。正直言うと、照れくさくて、どうしようか迷ってたやつなんだけどね」
「照れくさい……ですか」
 ということは、照れてしまうくらい意識している相手ということだろうか。
 ケイナの胸が微かにざわついたが、表には出さず、調合を続けるメルルを静かに見守っていた。

208名無しさん@秘密の花園:2011/08/03(水) 21:44:40.13 ID:tH8hPi7A
「……できたー!」
 調合完了とともに、おなじみの歓声を上げるメルル。その手には出来立てホヤホヤの人形を抱えていた。
「それは……メルルの人形ですか?」
「うん。自分で自分の人形作るのって、何となく恥ずかしいけど、思い切ってやっちゃった」
 本人が作っただけあって、よく出来ている。ケイナも思わず感心して見とれてしまったぐらいだ。
(照れくさいって、そういう意味だったんですね……)
 ホッとするケイナだが、また新たな問題が浮上していた。すなわち、このメルル人形は誰にプレゼントされるのか? ということだ。
 トトリ人形はミミに、ミミ人形はトトリに、そしてロロナにはくーちゃん人形……一連の流れから見れば、ケイナにくれそうな気がする。少なくともケイナは、あつかましいことだとは思いながら、期待せずにはいられなかった。
 そんな気持ちは努めて抑えつつ、ケイナはメルルに訊ねてみる。
「その人形は、誰にプレゼントするんですか?」
「お父様にだよ」
「え……」
 ケイナの表情が一瞬固まるが、メルルは気付かず話を続ける。
「こないだルーフェスが言ってたんだけどさ、お父様ってば最近私が会いに来てくれないからってマジ凹みしてるんだって。まあ、忙しさにかまけてお父様と全然話してなかったのは事実だけど」
 そういうわけでデジエのために、気合いを入れて自分の人形を作ったのだという。
「お父様だって毎日この国のために頑張ってるんだもんね。たまには感謝の気持ちを表さないと」
「確かに……そうですね」
 メルルの思いやりに心を打たれたケイナは、自分の浅はかな期待を反省していた。
「とても良いことだと思います。デジエ様もきっと喜びますよ」
「だといいなぁ……ところでケイナ」
「はい、何でしょう?」
「ひょっとしてケイナもこの人形欲しい? さっきお父様にって言った時、微妙にショック受けてたし」
「っ!」
 普通に見抜かれていた。ケイナは内心動揺しつつ、あくまで平静を装う。
「いえ別に……欲しくはないですよ」
「そうなの?」
「はい」
「本当に?」
「はい」
「私の人形なのに?」
「……」
「こんなに上手に出来たのに?」
「……」
「ケイナは欲しくないんだ?」
「……」
「…………嘘ついたらケイナのこと嫌いになるよ?」
「ごめんなさい正直に言います。すごく欲しいです。毎日抱いて寝たいぐらいです」
209名無しさん@秘密の花園:2011/08/03(水) 21:48:56.61 ID:tH8hPi7A
 白旗を上げたケイナは、包み隠さず自分の願望を打ち明けた。
 メルルはというと、ニンマリと嬉しそうな笑みを浮かべている。
「そっかぁ、じゃあケイナの分もすぐ作らないとね」
「いえ、あの……そんなに急がなくてもいいのですけど」
「急ぐに決まってるじゃない。私だってずっと前から欲しかったんだし」
「欲しかった……って、メルルの人形をですか?」
「違うよ。ケイナが私の人形を持つなら、私はケイナの人形を持つのが当然でしょ」
「えっ……! わ、私の人形ですか!? そんな、恥ずかしいですよメルル!」
「だーめ。今さらもうやめないもん。さあて、今から使う素材を厳選しないとねー。なんてったって、いよいよケイナの人形を作るんだから!」
「だ、だからメルルってば、もう……」
 やたらウキウキしているメルルに、戸惑いながらもどこか嬉しそうなケイナだった。




 余談。
 アーランドで連日激務をこなしていたクーデリアの元に、ある日アールズのメルル姫から荷物が届けられた。荷物の中身は、手作りの人形だった。
 関係があるのかは不明だが、その人形が届けられた翌日のクーデリアは異様なほど機嫌がよく、ギルドを訪れた冒険者達からは、
「ギルド内の空気が違いすぎる」
「どんなフラグ立てたらあの人があんなにこやかになるんだ」
「ロロナさんが不在であのデレは異常」
「明らかに中の人が違う」
「うちの受付嬢がこんなに可愛いわけがない」
 と評判(?)だったそうな。

(おわり)
210名無しさん@秘密の花園:2011/08/03(水) 21:50:03.92 ID:tH8hPi7A
以上。読んでくれた人、ありがとう。
魚の目玉人形のエピソードで思いついた話だけど、魚の目玉人形は出てこないという。


>>203
フィリーさん参戦→酒場の受付が不在に→至急アーランドから人員の補充を→くーちゃん登場
という流れですね、わかります。
211名無しさん@秘密の花園:2011/08/03(水) 21:57:02.66 ID:4932WIDi
GJGJ!メルケイトトミミフィリーちゃんの絡ませやすさは異常w
カプが複数絡むとにぎやかだし世界が広がるな!
いっそSSでくーちゃんアールズ訪問話して三カップル勢揃いも読んでみたいw
212名無しさん@秘密の花園:2011/08/03(水) 22:28:17.50 ID:r22cYr+G
GJ!
直接的な会話が無くてもトトミミメルケイロロクーのラブラブっぷりが伝わってきて良かった
そしてトトリちゃんはミミちゃん人形を何に使うのかが気になるw
トトリちゃんの技術を持ってすればどんな改造もお手の物だろうし夢が広がるわー
213名無しさん@秘密の花園:2011/08/03(水) 22:54:16.24 ID:CjkX4Vem
gj!

凝りに凝りすぎてミミドールを元に1/1ミミちゃんラブドールを作ってしまうトトリちゃn・・・いや、なんでもない・・・
214名無しさん@秘密の花園:2011/08/03(水) 22:56:35.80 ID:7eyWfZul
そして自立するミミちゃんドール……!
>>210GJ!
215名無しさん@秘密の花園:2011/08/03(水) 23:24:12.03 ID:cxJ1qJIw
動く機能つけたら手を取り合って駆け落ちしてしまう人形たち
216名無しさん@秘密の花園:2011/08/03(水) 23:32:16.04 ID:56NMc1rh
ここにはメルトト好きの同士はいないのかな。マイナーカプがほとんど語られなくてちょっと寂しいんだぜ…
217名無しさん@秘密の花園:2011/08/03(水) 23:44:55.59 ID:cxJ1qJIw
ここにいるぞー
みんな仲いいからいろんなパターン考えられると思うけど
トトミミのインパクトに圧迫されちゃうね
218名無しさん@秘密の花園:2011/08/03(水) 23:56:02.74 ID:CjkX4Vem
トトミミ好きだがこちらは気にせず語ればいい
個別カプスレでもないし攻撃的なレスでなければ
こちらもスルーするなりするよ
219名無しさん@秘密の花園:2011/08/04(木) 00:00:46.98 ID:ghpH5q/K
ここにもいるよー
てかトトミミメルケイクーロロだけじゃなくメルトトロロトトメルミミメルエスetc…
アトリエの百合はどの組み合わせでも大好物です
220名無しさん@秘密の花園:2011/08/04(木) 00:17:30.30 ID:a4gxh0P3
SS錬金術士がマキナ領域材料採取の旅から帰ってきて
投下しまくってくれるに違いない 
DLCでケイナを驚かせるパメラさんとか良かった
色々妄想するフィリーさんとかも見たいよね
221名無しさん@秘密の花園:2011/08/04(木) 00:23:40.41 ID:ghpH5q/K
フィリーさんが参戦したらPTが女の子だけだとステータスupするスキルとかありそう
あと妄想でHP回復とか
222名無しさん@秘密の花園:2011/08/04(木) 00:24:37.12 ID:zxoctpBS
おぉ、よかった同士いた!とりあえずED前トトリに話しかけた時の「ぎゅーっ」には萌えさせていただきました
223名無しさん@秘密の花園:2011/08/04(木) 00:39:23.17 ID:zxoctpBS
安価忘れてるし…
<<222は217,219に対する安価ね。書き込みタイミング悪いな俺。すまん…orz
224名無しさん@秘密の花園:2011/08/04(木) 06:27:54.80 ID:M2ubvsy9
〈百合スレ住民からの手紙〉
姫様のおかげで百合スレの開拓も順調に進み、住民の数も増えてきました。
ところで最近は人の増加に伴い、マイナーカップリングの需要が高まっているようです。さらなるスレの発展のため、多様な組み合わせを扱った話題やSSの提供をお願いします。
225名無しさん@秘密の花園:2011/08/04(木) 06:41:49.79 ID:W7CPTqc1
ここは原点に戻ってロロリオあたりをだな
226名無しさん@秘密の花園:2011/08/04(木) 07:32:04.58 ID:a4gxh0P3
大切なお友達から恋人になって人目を気にせずちゅっちゅするロロリオも
共依存に陥ってアトリエに篭りっきりになっちゃうリオロロも
どっちも好物です
227名無しさん@秘密の花園:2011/08/04(木) 14:23:32.08 ID:rI07gqtD
トトリ→あかり
ミミ→ちなつ
ツェツィ→あかねさん

で七巻お泊まり話変換余裕でした
228名無しさん@秘密の花園:2011/08/04(木) 17:00:11.31 ID:zU5h6yeQ
なんの七巻?
229名無しさん@秘密の花園:2011/08/04(木) 17:54:45.14 ID:IG+pjt6r
ロロリオいいねえ、ロロナの時に一番好きなカップリングだったよ
旅の途中で偶然アールズに立ち寄ってロロナと再会するところが見てみたい
お互い感極まって皆の見てる前で抱き合ってイチャイチャしだしちゃうところが見てみたい
この場合ロリナもいいけどやっぱり大人ロロナの方が萌える
230名無しさん@秘密の花園:2011/08/04(木) 19:22:57.36 ID:pYpNI/4u
トトリ「――ん。ミミちゃんのご飯、ツェツィお姉ちゃんの味がする」
ミミ「でしょうね。誰かさんがテーブルに座ってポケ〜っとしている間、
   お夕飯のお手伝いの傍らツェツィさんに色々と教えてもらったのは私だもの。
   他人の私がヘルモルト家の味を継いでどうするのよ」
トト「えへへ。お姉ちゃん、ミミちゃんがそうやって訊いてくれるの嬉しかったみたい。
   お父さんもう帰ってきてるのに、まだご飯の用意ができてなくって
   ふたりで待ちぼうけ食らった時もあったっけ」
ミミ「わかってたのなら、きちんと教えてもらえばよかったのよ。
   私なんかよりも妹のあなたに伝えるほうがツェツィさんも楽しかったでしょうに」
トト「うーん……そういうのはミミちゃんの役かな、って思って」
ミミ「? 私の役って?」
トト「ひみつ」
ミミ「余計に気になるわよ。言いなさい」
トト「えー……だから、あのね――わたしはお姉ちゃんの妹でしょ?
   ミミちゃんはわたしの大事なお友達で……だから、うちの味を継ぐのはミミちゃん」
ミミ「さっぱり意味が分からないんだけれど」
トト「わたしも上手く説明できないから、ひみつって言ったのに……」
ミミ「……。要するに、あなたは私に同情したってことかしらね」
トト「どうじょう?」
ミミ「前に話したことがあったじゃない。
   私にはお母様がいなくて、あなたも当時はお母様がいなくなったものだと思っていて。
   だけど、あなたにはお姉さん――ツェツィさんがいた」
トト「うん」
ミミ「だから……トトリは私に、お姉さんがいる気分を味合わせようとしたんじゃない?」
トト「……そんなこと考えてなかったよ?」
ミミ「でも無意識のうちに『そういうのはミミちゃんの役かな』って思ったんでしょう?」
トト「…………」
ミミ「変なこと考えるのはよしなさいよ。どうやったって、私があなたやツェツィさんと
   姉妹になることなんて出来ないし、なるつもりもないんだから」
トト「……ごめんね」
ミミ「べつに。言っておくけど、怒ってるわけじゃないから、誤解しないように」
トト「……。わたし、ミミちゃんが『お姉ちゃんのいもうと』だったらいいのにって
   思ったことあった」
ミミ「『わたしのお姉ちゃん』じゃなくて?」
トト「うん。なんかね、同じことのようで、違うの。ミミちゃんにはわかる?」
ミミ「さあ。あなたがわからないことを私が理解できるはずないじゃない」
トト「わたしのことは、わたしよりもミミちゃんのほうがよく知ってるみたいだったから」
ミミ「さっきのはあくまでも私の推論であって、必ずしもそうとは言い切れないわよ」
トト「もっと違うものかもしれない?」
ミミ「そうね。同情とかじゃなくて、べつの何かかもしれない」
トト「だったら、なんだろ?」
ミミ「だから知らないってば。ほら、早く食べなさいよ。せっかくの料理が冷えるじゃない」
トト「んー……うん、それもそうだね。こんなご馳走、めったに食べられないし」
トト「キノコ鍋なんて、作り方さえ覚えれば毎日だって食べられるわよ。
   あなた、料理はからっきしよね。これぐらいはできないと将来困るんじゃない?」
トト「うーん。でも、いざとなったら錬金術でも作れるし、
   わたしがやらなくても美味しい料理作ってもらえるからべつにいいかな〜って」
ミミ「……三十四十超えてもツェツィさんにご飯の面倒みてもらうつもりなのね」
トト「え? 違うよ。あれ? ……ミミちゃん、作ってくれないの?」
ミミ「は? ……な、ななななんで、私が!?」
トト「だってヘルモルト家の味を継いでくれたのはミミちゃんだよ?」
ミミ「どんな関係があるのよっ?」
トト「ヘルモルト家の味はヘルモルト家のひとに食べさせるべきだよ」
ミミ「うわ、いまちょっと納得しかけた……待って。トトリ、あなたまさかこのために――」
トト「?」
ミミ「――なんでもない、私の考えすぎよね」
トト「変なミミちゃん」
ミミ「トトリには負けるわよ。……ほんと、あなたってよくわからないわ」

ロロリオまだー?
231名無しさん@秘密の花園:2011/08/04(木) 19:46:17.37 ID:zU5h6yeQ
嫁として家族になるわけか
主婦してるミミちゃんも見てみたい
232名無しさん@秘密の花園:2011/08/04(木) 21:09:28.63 ID:IG+pjt6r
毎朝君の作った味噌汁が飲みたい的なアレですねわかります
233名無しさん@秘密の花園:2011/08/04(木) 21:24:33.22 ID:zU5h6yeQ
ミミ「おかえりなさいトトリ。お、お食事にする?お風呂?
  ……そ、そそそれともわ、わた、わたわた……し……に、しゅ…/////////////」
234名無しさん@秘密の花園:2011/08/04(木) 22:03:36.45 ID:M2ubvsy9
>>233
トト「ミミちゃん? 何してるの?」
ミミ「うわっ!? トトリいつの間に!? ……べ、別に大したことじゃ……ちょっと、将来の予行演習というか、なんというか」
トト「ふーん……あれ? ごはん作ってあるし、お風呂も沸かしてある。ミミちゃんがしてくれたの?」
ミミ「ま……まあね。暇だったから」
トト「そっか。ありがとうミミちゃん。えへへ……」
ミミ「何よ? 急に笑い出したりして」
トト「うん。何だかこれだと、私が旦那さんでミミちゃんがお嫁さんみたいだなって思って」ミミ「なっ……ば、ば、ば、ばかなこと、いいい言ってるんじゃ……」
トト「ねえ。せっかくだから、一緒にごはん食べて、一緒にお風呂入って、一緒のベッドで寝よっか♪」
ミミ「――っ!」
235名無しさん@秘密の花園:2011/08/05(金) 00:56:54.37 ID:6DaOBuwG
エスフィリは有りか考えてみた
フィリーさんの理想の仕事のできる人はエスティさんのイメージが入ってる気がするし
百合好きだけど自分が絡むのは無しなのも姉への屈折した思いから来ているとすると
一気にデレるのも有りかもしれない
エスティさんも頼りなかった妹が成長して自分が斡旋した仕事をどうにかこなしてるのは
かわいくないはずがないと思う

ツェツィトト妄想をメルルに聞かせてたら「フィリーさんにも
素敵なお姉さんがいるじゃないですかー」って指摘されて意識しだすとか
ティファナさんに食われた同士で思い出しながら慰めあうとか
「あんたも私に似て顔はいいんだから、高望みさえしなければ大丈夫よ」
「やだ、おねーちゃんそんなに見つめないでよう><」な流れとか
酔った勢いでふざけて唇を奪ったら「ファーストキスだったのに!」って泣かれて
「あんたその歳でファーストキスって…」と若干引きながらも責任を取らされるエスティさんとか
ただ30代と40代の未婚の娘同士が百合百合してるとエアハルト家のご両親が泣くかもしれない
236名無しさん@秘密の花園:2011/08/05(金) 07:09:10.34 ID:g4ZZQu/J
三つ子の魂百までというし、幼少時のフィリーさんは
「おっきくなったらおねえちゃんのおよめさんになるー」
とか言ってたかも
237名無しさん@秘密の花園:2011/08/05(金) 07:23:27.03 ID:mZRAIiDw
あんなにきれいな30代40代なんだからいいじゃねーか
いいよね……いいはずだ……少なくともフィリーちゃんの10年後はエスティさんで証明されてるし……
238名無しさん@秘密の花園:2011/08/05(金) 07:25:18.28 ID:mZRAIiDw
ひぃ、読み間違えた俺が一番ひどいこと言ってる!
239名無しさん@秘密の花園:2011/08/05(金) 08:26:48.58 ID:0JnKj/mG
10年後のフィリーさんもエスティさんと同じように
未婚という趣旨の発言をした>>237のところに
アーランドのアラフォーエージェントが向かったようです
240名無しさん@秘密の花園:2011/08/05(金) 09:34:05.54 ID:WEILMDgS
その後>>237の姿を見た者はいない…
241名無しさん@秘密の花園:2011/08/05(金) 11:41:13.08 ID:g4ZZQu/J
アーランドとアールズで法律の改正がない限り
エスティさんもフィリーさんもロロナ先生もくーちゃんもりおちゃんも師匠もホムちゃんもパメラさんもトトリ先生もミミちゃんもツェツィさんもメルヴィアもピアニャちゃんもメルルちゃんもケイナちゃんもフアナさんも、戸籍上は未婚だろ
このスレ的に

ティファナさんもおそらく再婚はあるまい

ホムちゃんとパメラさんはそもそも戸籍あるのか怪しいがw
242名無しさん@秘密の花園:2011/08/05(金) 11:43:32.13 ID:K3+NLOYd
ttp://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0010/24/88/040010248893.html
ttp://nagomiweb.jp/cgi-bin/search.cgi?user=et080948&rm=search&word=%A5%C8%A5%C8%A5%DF%A5%DF&kubun=&search_num=&search_order=2&part=1&stock=1
ttp://www.suruga-ya.jp/database/ZHOI24376.html
トト×ミミ同人はこれあればあとはもう探さなくていいやと思った

同人ショップで原作百合カプが男と絡む同人を店のポスターやネット通販
の特設ですすめて来ると何か萎えて買い物する気が失せる
(特にメロンとかそういうの多いような)まあ同人ショップの空気読みなんて
そんなもんか
243名無しさん@秘密の花園:2011/08/05(金) 12:24:04.61 ID:W9HPoG3I
百合は生やさせないと体位の見せ方が限られるからね腰ふる動作がないとおっぱい揺らせないし
まあアトリエは錬金術という逃げ道があるからオモチャとか色々工夫できそうw
あとは萌えるキスシーンのある同人は誉め称えたい
244名無しさん@秘密の花園:2011/08/05(金) 12:32:02.42 ID:0JnKj/mG
>>241だがちょっと待って欲しい
アーランドもアールズも同性婚が認められていないとは限らないのではないだろうか
某作品のように仲が進めば当たり前のように女の子同士でちゅーしたり結婚したりするかも。

ロロナ先生にトトリちゃんが恋愛相談をするけど、りおちゃんくーちゃんの板挟みな事を
思い出して笑ってごまかしたり、わたしとちゅーの練習しようかとか言ったりするそんなアトリエ。
245名無しさん@秘密の花園:2011/08/05(金) 12:43:53.61 ID:g4ZZQu/J
>>244それはつまり同性にまで範囲を広げてもエスティさんには貰い手が無いと言うのか…
246名無しさん@秘密の花園:2011/08/05(金) 13:15:05.71 ID:K3+NLOYd
エスティさんはカップリング無視の独身熟女処女路線属性かも公式で

>243
激しい貝合わせは結構乳揺れてると思う、そういうのいくつか見たし
247名無しさん@秘密の花園:2011/08/05(金) 14:03:31.37 ID:W9HPoG3I
激しい貝合わせは興奮するねw
しかし揺らす乳がないトトミミ…
愛があれば生やすのは個人的にはアリだか百合って感じじゃないしな
名前忘れたが女の子同士で挿れ合う両先端がキノコのオモチャならギリ百合かな?
248名無しさん@秘密の花園:2011/08/05(金) 16:08:34.37 ID:4KBTc+ai
道具はダメ!

邪道だから!
249名無しさん@秘密の花園:2011/08/05(金) 18:16:47.51 ID:JwhggG1P
>>242
ttp://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0020/01/45/040020014563.html
こいつもトト×ミミ同人としては個人的にありかなと思う
基本的にぬしがトトミミを犯す内容だけど、その真っ最中にキスしたり乳首と乳首を擦り合せたり、
見本に載ってない最後の数ページではミミちゃん×トトリちゃんの二人っきりの百合プレイだったり…
250名無しさん@秘密の花園:2011/08/05(金) 21:02:42.08 ID:hTp/7uLR
>>244
実際に同性婚可能な国も増えてきてるしアールズやアーランドがそうでも何もおかしくはないな

例え今は無理だとしてもそんな法律はとっとと改正してしまえばいい
あの錬金術士達が本気を出せば世の中に不可能な事など無いだろう
251名無しさん@秘密の花園:2011/08/05(金) 22:04:20.36 ID:6DaOBuwG
ついでに一等親以内の血族もOKにしてくれないかしら
252名無しさん@秘密の花園:2011/08/05(金) 22:25:53.47 ID:A7GWuiXG
ツェツィおねえちゃんかと思ったら
一等親以内だからギゼラさんなのか……ヘルモルトの血、恐るべし
253名無しさん@秘密の花園:2011/08/05(金) 22:36:01.20 ID:g4ZZQu/J
ロウラさんという可能性も…
254名無しさん@秘密の花園:2011/08/05(金) 23:43:48.79 ID:jMyu+WlX
>>249
ポチってきた

お砂糖スパイスエトセトラって同人もトトミミ少しある
エロなしのコメディだけど
255名無しさん@秘密の花園:2011/08/06(土) 17:47:35.65 ID:lPQKXBPt
百合Hってお互いの処女どうすんの?
やっぱ指で喪失?喪失無しでずっとHするんかな?
ミミちゃんは痛がるトトリちゃんとか耐えれそうにない感じだが
256名無しさん@秘密の花園:2011/08/06(土) 20:23:37.10 ID:wqkdsARr
ミ「トトリ、そんなに辛いならもうやめましょう?無理にこんな事しなくたって……」
ト「だめ、やめないで……わたしなら大丈夫だから……
  お願い、わたしの初めてをミミちゃんに貰ってほしいの。わたしを、ミミちゃんのものにして……」
ミ「トトリ……そんな事言われたら私っ……もう止められる自信無いわよ? 本当に良いのね?」
ト「もう……本当にミミちゃんはヘタレさんなんだから。良いよミミちゃん……来て……」

みたいな感じにトトリちゃんがリードする展開になると予想
ぶっちゃけ錬金術の力があれば痛みを消す薬ぐらい簡単に作れそうな気もするが
257名無しさん@秘密の花園:2011/08/06(土) 20:40:08.68 ID:6ICxMFxm
初めてのHは胸がキュンキュンするな
ヴァージンに関しては錬金術無しでいってほしいな
痛いのは辛いだろうけど
しかしトトリちゃんは体力ないわ華奢だわで色々大変そうだ
泣き出しそうだしミミちゃん責任重大だな
258名無しさん@秘密の花園:2011/08/06(土) 21:03:11.35 ID:yIq72KdC
ミミちゃんの肩には、はじめての時に付けたトトリさんの噛み痕が…!

うん、お互い責任とって結婚するべきだね。
259名無しさん@秘密の花園:2011/08/06(土) 22:17:19.69 ID:vU0IrD0h
「痛っ……」
トトリの小さな悲鳴に、私は動きを止めた。
自分でも臆病だと思うくらい慎重にしていたのに、それでもトトリには辛かったのだ。
「トトリ……やっぱり、無理しなくても――」
「ううん……お願い、続けて」「でも……」
「お願い……ミミちゃん……ミミちゃんでなきゃ……嫌なの……だから……」
「……」
ここまで言われても、まだ私の中には迷いがあった。
たとえ望まれてのことであっても、自分の手でトトリに苦痛を与えることに、私は怯えていた。
(……そうだ)
「ねえ、錬金術なら痛みを消す薬とか作れるんじゃ」
私は思い付きを即座に口にした。だけどトトリは首を横に振った。
「いいの……痛みも全部、ミミちゃんとの大切な思い出だから……消したくない」
トトリは涙を滲ませた目で、私を見つめている。
「トトリ……」
その視線の強さに、胸が熱くなる。めまいがしそうなほどに、この子が好きな自分を再確認する。
「ミミちゃん、こわいんでしょ?」
「っ……」
その通りだ。こわい。
私の大好きなトトリが、痛くて苦しんでるところを見るのがこわい。
トトリは黙っている私を見て、優しく微笑んだ。
「こわいのは、私もだよ……でも、そのこわさより、ミミちゃんを好きな気持ちの方が、ずっと大きいの……ミミちゃんは?」
そんなこと、問われるまでもない。
「私も……トトリを好きな気持ちは、他の何より大きいわ」
私の答えに、トトリは力強く頷いた。
「それなら大丈夫だよ……ミミちゃんの気持ちで、私の中をいっぱいにして」
「……本当に……いいのね?」
「うん……私の初めてを……もらってください」
あらん限りの愛しさを込めて、私はトトリを抱きしめた。そのまま唇を重ねて
(省略されました。続きを読むには師匠の寝顔に落書きをして下さい)
260名無しさん@秘密の花園:2011/08/06(土) 22:36:57.38 ID:6ICxMFxm
皆は下がってろ…
死ぬのは俺一人だけでいい…

そして俺はマジックを片手に握り締めアストリッドのもとへと向かった
261名無しさん@秘密の花園:2011/08/06(土) 22:43:25.26 ID:wqkdsARr
待て!お前一人を行かせはしない!
俺達は皆同士じゃないか…死ぬ時は一緒たぜ
262名無しさん@秘密の花園:2011/08/06(土) 22:52:50.59 ID:wqkdsARr
やだ…大事な場面なのに噛んじゃった…恥ずかしい
263名無しさん@秘密の花園:2011/08/06(土) 22:55:55.96 ID:79Nf4cm2
トトリ「ミミちゃんになら、痛くしてもらうのも嬉しいから……」
264名無しさん@秘密の花園:2011/08/06(土) 23:03:44.91 ID:LS7iVkM7
これがトトリが被虐の悦楽を知ったきっかけである
265名無しさん@秘密の花園:2011/08/07(日) 00:45:44.86 ID:0BlXFqnl
>>259
ミミちゃんはじめてば〜じょんもよろ
師匠?師匠なんて俺にかかればイチコロだぜwww






あ、いえ嘘ですごめんなさい、ほんとすいませんチョーシのってました
266名無しさん@秘密の花園:2011/08/07(日) 01:35:58.88 ID:dFixWWvV
>>265
まずは>>260-265までをSSしてからだなw
267名無しさん@秘密の花園:2011/08/07(日) 02:05:14.68 ID:nLQ6HhZ9
女の子同士は妊娠リスクがないからただの遊びの延長の感覚になってしまいがちなので
性的興奮が一定に達すると孕むお薬を飲んでるトトリちゃん
でもそれをミミちゃんにお知らせするのは事後
268名無しさん@秘密の花園:2011/08/07(日) 02:25:15.20 ID:0HYpnNw4
中出しの緊迫感、ねっとり具合が百合だと出せないからな
いかに激しくそしてべとべと感だすか…百合の永遠のテーマだな
お互いの密を摂取し続けると媚薬効果ありの嫁への中毒依存症とか色々考えちまうぜ
そして効果が出始め濃厚エンドレスプレイ
269名無しさん@秘密の花園:2011/08/07(日) 03:37:38.05 ID:J74k1+ze
精子(かその代替物)は人工的に作れるって京大の研究であきらかになったからな。
錬金術なら余裕。
270名無しさん@秘密の花園:2011/08/07(日) 05:52:03.69 ID:dFixWWvV
>>269
え、マジで?
271名無しさん@秘密の花園:2011/08/07(日) 09:40:20.62 ID:TyPGdV9t
二人の血と、世界霊魂&生命の水あたりで錬成できそうw
錬成した代替精子でどっちがママになるかで揉めるメルケイ

結局トトリ先生にデュプリしてもらって二人で産むことに。
272名無しさん@秘密の花園:2011/08/07(日) 09:43:18.98 ID:FjK1ElaY
>>265ミミちゃんVer.

「……はぁ……はぁ……」
ミミちゃんは全身真っ赤に火照らせて、目を潤ませている。呼吸も荒くて、だいぶ興奮していた。
「ミミちゃん……んっ」
「ぁ……」
今日で何度目かも分からないキス。ミミちゃんの唇は何だか甘くて、気持ちいい。私は夢中になって舌まで入れてしまう。
ミミちゃんもキスするのが気持ちいいみたい。真っ赤な顔をとろけさせてるのがもう可愛くて、私はますます夢中になってミミちゃんとキスを繰り返す。
キスをしながら、手をミミちゃんのあそこへ伸ばす。指先で軽く触れた途端、ミミちゃんは怯えた子猫みたいに体を震わせた。
「ミミちゃん……やっぱり、こわい?」
「っ……平気よ。こわくなんか……ないわ」
こんなときでもミミちゃんは意地っ張りだ。でも私は、そんなミミちゃんが好きで好きでしかたない。
今すぐミミちゃんを全部食べちゃいたい。そんな衝動が胸に湧き上がってきて、抑えるのに結構苦労した。
もう一度、指でそこに触れると、ミミちゃんはやっぱり震えてた。
「ミミちゃん……あの薬、使う? ちゃんと痛みだけ消してくれるから……」
「いい。いらない」
「そんな意地張らなくても……」
「意地じゃないの」
ミミちゃんはまっすぐに私を見つめる。いつもと同じ、ミミちゃんのちょっときつめな目つき。そんな目も、私は大好きだ。
「私は……トトリが本当に……好き、だから……その気持ちも結果も、誤魔化したりしたくないの。痛みだって……」
「ミミちゃん……」
「だから、お願い……このまま……私の、初めてを……もらって」
「……分かった」
私はミミちゃんを安心させるために、もう一度口づけた。優しく唇を重ねながら、指を
(省略されました。続きを読むにはガイアブレイクを真剣白刃取りして下さい)
273名無しさん@秘密の花園:2011/08/07(日) 10:02:25.54 ID:SnQwztu6
>249
百合してても、男やうにょうにょがいたら百合ってるカップル犯しすのが
メインとしてだから、そういうのばっか出ても百合が人気出たとは思えないんだが・・・
かなめもの地雷同人観て以来、百合のカップルが何らかの理由で男とヤル
(助けようとしたり、男に売ろうとしたり)の同人描いてる人とは同じオタクでも
住む世界違い過ぎて一生仲間になれそうにないや

>254
ローゼン同人だったけどおまけとしてあるのかな?トトミミ
274名無しさん@秘密の花園:2011/08/07(日) 10:34:25.80 ID:SnQwztu6
尻尾を使っての
挿入中出し孕み百合エロはいかがか?
275名無しさん@秘密の花園:2011/08/07(日) 10:45:29.67 ID:0BlXFqnl
>>272
むひょおおおおおおおおお!!トトリちゃん視点でニヤニヤw
ガイアブレイク?んなもん俺の小指一本で十分だぜwww

>>273
完全なトトリ本だよ前半がトトリロロナステルクのギャグ
後半がトトリミミロロナのコメディ

シブでジャンル問わず百合18漁ってるけど漫画とか読むと生やさなくても
結構興奮するのもあるし工夫次第だね
バックからやられるアングル大好きだから百合では難しいのが悩ましいぜw
276名無しさん@秘密の花園:2011/08/07(日) 11:52:28.23 ID:SnQwztu6
バックからはやはり道具しかないか?
むりやりクリ押し付けるか、あるいわ足絡めて貝合せで何とかバックに
なるか
277名無しさん@秘密の花園:2011/08/07(日) 12:23:10.02 ID:0HYpnNw4
後ろからは舐めるor指か
後ろからは受け手側は相手の顔見えない、丸見えで興奮
攻め手側は征服感があるからね〜指コンドームして二穴責めとかありじゃね?

トトリ「ミミちゃんそっちはだめだよぉ…」
と恥ずかしいのにミミちゃんの女として調教されていく自分に
興奮しお汁がとまらないトトリ先生
278名無しさん@秘密の花園:2011/08/07(日) 12:44:43.20 ID:4J++auNH
>>277
>トトリ「ミミちゃんそっちはだめだよぉ…」

後ろの処女も貫かれてるのか
279名無しさん@秘密の花園:2011/08/07(日) 13:54:15.51 ID:WyeNONY7
お前ら休日の昼間から元気だなw

道具にしてもキノコ的なアレは邪道でもローターとかだったらありなんじゃないか?
トトリ先生にローター挿入したままでの調合プレイを強要するドSミミちゃん
280名無しさん@秘密の花園:2011/08/07(日) 14:06:14.67 ID:J74k1+ze
281名無しさん@秘密の花園:2011/08/07(日) 14:09:47.42 ID:9IelJzo6
メルルのアトリエのソファに座って様子を眺めるミミちゃん
なんだか艶かしいトトリ先生にちょっとどきどきするメルルちゃん
突然ローターの振動が強くなったりで気が気じゃないトトリ先生
全て見抜いていて自分もメルルにして欲しいとか考えてるケイナちゃん
282名無しさん@秘密の花園:2011/08/07(日) 14:20:43.68 ID:FjK1ElaY
ミミちゃん攻めの傾向が強くて嬉しいw

>>279
その調合で出来たのが>>271で、今夜はシュヴァルツラング家の跡取りを作るために色々頑張ると…
283名無しさん@秘密の花園:2011/08/07(日) 14:42:46.30 ID:0HYpnNw4
メルケイで道具アリなら
1人でもポテンシャライズ出来るよう特訓したメルルちゃんが
メルル「アイテムの力解放します!」
そしてケイナちゃんの全身に仕込まれたローターの振動が…

ミミちゃんはネクタルつかって何度も何度もトトリちゃん気持ち良くさせてあげて
ミミちゃん無しでは物足りない体に教育
284名無しさん@秘密の花園:2011/08/07(日) 14:52:32.55 ID:nLQ6HhZ9
プレイ内容よりプレイ前後の心の動きが重要だって偉い貴族の方が言ってた
285名無しさん@秘密の花園:2011/08/07(日) 15:44:09.22 ID:0HYpnNw4
まあアフターケアは基本だなどんなプレイでも最後は優しく抱きしめてキス
お互い同意の上でベッドの上で正座。もじもじ赤面お見合いで開始とか萌えるし
お約束の不意の事故で押し倒し。どぎまぎしつつ…ってのも捨てがたい
286名無しさん@秘密の花園:2011/08/07(日) 20:28:53.62 ID:0BlXFqnl
例のぬし本読んだがやはりタイマン百合が読みたい

むぅ…生粋のトトミミ好きの同人はなかなか出会えないねぇ
メルケイロロクーも手に入れるのは難しそうだ
287名無しさん@秘密の花園:2011/08/07(日) 20:48:53.19 ID:4J++auNH
トトミミ本だったら>>242が一番かな
ふたなりじゃないし、基本ミミちゃんが攻め(ヘタレ攻め)だけどトトリちゃんもミミちゃんを気持ちよくしたり、
凄く良かった

ロロクー本はこれしか知らない
ttp://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0010/21/00/040010210089.html
288名無しさん@秘密の花園:2011/08/07(日) 21:37:22.84 ID:WyeNONY7
>>242は本当オススメ
このサークルが冬コミあたりでメルルの新刊出さないか期待してる
289名無しさん@秘密の花園:2011/08/07(日) 21:43:34.13 ID:0BlXFqnl
>>242は以前ここで紹介されててすぐ買ったw

中身分からず表紙買いは何度かあったけどこれ読んだ時は百合100%で感動した
290名無しさん@秘密の花園:2011/08/07(日) 22:43:36.39 ID:4J++auNH
>>288
このサークル、トトミミ本(メルル版)出すつもりはあるらしいけど、
メルルをプレイして嵌ったら描くかもしれないというのと、
百合はくだんのトトミミ本でやりきったから、レベルアップしたいとHPの日記に書いてたから、
出すかどうかは際どいかも
291名無しさん@秘密の花園:2011/08/07(日) 23:01:28.39 ID:WyeNONY7
>>290
そうなんだ、まあ同人はモチベーションが大事だからその辺はしょうがないね
メルルは百合的にかなり美味しかったしこの本の他にもこれからアトリエ百合本が増えるといいな
292名無しさん@秘密の花園:2011/08/08(月) 00:35:27.59 ID:34Tc34l6
>287
それも中古で探してみよう

>289
タイトルが「トトミミ」でも表紙が女の子単品だからな〜(作者行ってたが
裏表紙のトトミミの絵の方が表紙向きだと言ってた)このサークルも
百合はマジアカとか少々あったぐらいだったか?
まあ通販でサンプルやコメント見れば分かったんじゃないかね〜?
ちなみに俺は表紙の女の子一人で中身100%百合エロ同人は三冊見てきた

>290
そうそう言ってたね〜オトナ版トトミミ2を期待したが今回の夏では出さない
らしいね〜まあ次を待つか〜
その人はまあ無いと思うが、以前まどマギ百合エロ描いた人が次のまどマギ
本を出して期待してサンプルみたら、今度はただのエロ同人であのガッカリ
感は百合好きじゃなきゃ味わえない

男同士の表紙はマズ100%ぽも同人だが
表紙が女の子しかいなくても、最後まで読んで見ないと分からない
(サンプルですら分からない事もある)また本編百合だがゲスト絵などの
オマケ絵が余計な時もある(まあ少量だからいいけど)

表紙が女の子だけの方が「見栄える」らしい〜
ならば中身も「見栄える」ようにすればいいじゃんと思うのだが
293名無しさん@秘密の花園:2011/08/08(月) 01:48:41.53 ID:j5j4DqgH
SS投下します。
トトリエ時代で(ロロナ+ミミ)×トトリ、他にモブの女性キャラあり。
294名無しさん@秘密の花園:2011/08/08(月) 01:51:53.47 ID:j5j4DqgH
「ひゃ〜……さぶ〜い!」
 船から降りた途端、ロロナは歯の根が合わない叫びを上げた。
 およそ視界の及ぶ限り、雪、雪、雪の銀世界。アランヤ村から遥か遠く。大海原を越えた先にある、北の大地。
「ううぅ……話には聞いてたけど本当に見渡す限り雪景色なんだねぇ……この冷え込みはシュテル高地以上だよ」
「先生、はいこれ。先生の分のマントです」
「ありがとうトトリちゃん。おおーあったかーい」
 寒冷地用にこしらえたトトリ特製の外套に身を包んだロロナは、そのぬくぬくっぷりに頬を緩ませる。
「それじゃあ行きましょうか。ミミちゃんも準備いい?」
「ええ。この近くじゃ滅多に魔物は出ないけど、油断は禁物よ」
「うん。あ、先生、雪が深いから注意して下さいね」
「はーい」
 トトリ、ロロナ、ミミの三人は、雪深い中を歩いていく。
「二人とも何度もここに来てるだけあって慣れてるねー」
「そうですね。これでもう四回目ですし。お父さんとマークさんのおかげで、片道にかかる時間も短くなりましたから」
「毎回付き合わされるこっちは、結構大変なんだけどねー」
 殿を歩いているミミが、ちょっぴりいじわるなことを言ったりするが、
「ごめんね。でもやっぱりミミちゃんがいてくれると一番安心だから」
「っ……ま、まあそうよね。こっちには強い魔物も多いし、私を頼りたくなるのは当然だわ」
 トトリの素直な返しでたちまち顔を真っ赤にしていた。
「トトリちゃん」
「はい?」
 後ろのミミには聞こえないように、ロロナはトトリの耳元でそっと囁く。
「本当はミミちゃんがいないと寂しいんでしょ?」
「! な、何言い出すんですか、そんなこと……」
「照れなくてもいいのに。寒いところでも二人は熱々だね♪」
「もうっ、先生ってば……」
 肌がこわばるような寒さの中だというのに、約二名が頬を赤く染めながら、三人はサクサクと雪の上を歩いていった。

295名無しさん@秘密の花園:2011/08/08(月) 01:56:00.54 ID:j5j4DqgH
 最果ての村――それが正式な名ではないが、人も寄り付かない極寒の地に忘れられたように存在している小さな村は、まさに最果てというに相応しいかもしれない。
「へえ……ここがピアニャちゃんの故郷かぁ」
 村の入り口で、ロロナが声を上げた。
「小さいけど、キレイなところだね」
「はい。住んでる人もみんな良い人ですよ」
 村人が親切なのはトトリとトトリの母親の功績があってこそ――とミミは思ったが、言わでものことだと口をつぐんだ。
「それでトトリちゃん、今日はどうするの?」
「もう時間が遅いですし、とりあえずピルカさんのところに挨拶に行って、明日から採取に出発しましょう」
「それじゃあ私は宿の交渉をしてくるわね」
「うん。お願いね、ミミちゃん」
「トトリちゃん、宿の交渉って?」
「この村は宿屋さんが無いから、普通のお家に泊めてもらうよう頼むんです」
「なるほどー」

 この村では両手の指で足りるほどしか家がない。そこでは血縁ではなく、同じ立場――塔の悪魔への生贄として捧げられた者達が、いつか来る終わりの時に怯えながら、お互い寄り添うように暮らしていた。
 もっとも、今ではその塔の悪魔も退治され、村にはかつてない明るい空気が満ちている。
 そしてその退治した張本人であるトトリ達は、いつ来ても歓迎ムード全開だ。ミミは宿を探すというより、うちに泊まってけという村人から引っ張りだこになりながら、ようやく今夜泊まるところを決めて、長老の家でトトリ達と合流した。
「色んな人に声かけられたけど、結局この前と同じとこに頼んだわ」
「分かった。それじゃ先生、行きましょうか」
 ミミが今夜の宿を頼んだ家は、村にある家屋の中では平均的な大きさだが、住人が二人しかいないのでトトリ達三人がお邪魔しても余裕があった。
「トトリちゃん、久しぶりー」
「こんにちは。またお世話になります」
「いらっしゃい。トトリさん達ならいつでも歓迎よ。自分の家だと思ってゆっくりしていってね」
 家主のお姉さん達は、気さくな笑みでトトリ達を迎えてくれた。二人とも美人で、雪国育ちらしい白く綺麗な肌をしている。
 年齢はトトリの姉と同じぐらいだろう。年齢だけではなく、一人は家事が得意な世話焼き女房で、もう一人は自由奔放な明るいお姉さんという、どことなくツェツィとメルヴィアを思い出すコンビだ。初めて会ったとき、トトリには他人と思えなかった。
296名無しさん@秘密の花園:2011/08/08(月) 02:00:17.90 ID:j5j4DqgH
「トトリさん達が来たなら、今日の夕飯は気合い入れないとね」
「ってことは、いつも私に食べさせてくれるごはんは気ぃ抜いてるんだ?」
「こーら。あげあし取らない」
 こんなやり取り一つも、トトリには何だか懐かしくて、自然と笑みがこぼれてしまう。
(何だかこっちにもお姉ちゃん達がいるみたい……)
 トトリにとってこの家は、故郷に近い温もりを感じられて、非常に居心地が良かった。
 日が沈む頃になって、心尽くしの暖かい食事を振る舞われた後、トトリ達は明日からの冒険に備えて早めに寝床に付いた。
 夜――村中が寝静まった頃。トトリはふと目を覚ました。すぐ横ではロロナとミミの二人が、毛布にくるまって小さな寝息を立てている。
 トトリは二人を起こさないように、足音を殺して部屋を出た。
 特別用事があるわけではない。ただ目が冴えてしまったので、外で星でも眺めようかと思ったのだ。
 この家に寝室は二つで、その一つにトトリ達が寝させてもらっていた。トトリが出てきた寝室のすぐ隣に、家主のお姉さん達の寝室がある。暖炉の温もりを通すために、部屋にはドアがなく、薄い布をかけて仕切ってあるだけだ。
(起こさないようにしないとね……)
 トトリは抜き足差し足忍び足で、音を立てないように気をつけて歩いていく。
 ――と、
「……ぃ……っ……」
(……声?)
 お姉さん達の部屋から、何か声が聞こえた。普通、起きているような時間ではない。それに、どこかくぐもったような声だった。
(もしかして、体調が悪いとか……? だったらお薬渡してあげないと……)
 心配になったトトリは、様子を確認しようと部屋に近付いた。
 入り口の傍で耳を澄ませると、やはり声が聞こえた。
(ちょっとだけ……中を)
 トトリは入り口に仕切り布にそっと指をかけ、中を覗き込んだ。
(……え?)
 それを見た直後、トトリは本気でわけがわからなく、頭が真っ白になった。
「…………っ!」
 そして次の瞬間、全てを理解して顔から火が出そうになった。
 部屋の中、ベッドの上で、家主のお姉さん二人が、裸で抱き合っていたのだ。小さな声で睦言を交わしながら。
(あ……あれって、エ、エッチなこと、してるんだよね……女の人同士で……)
 二人は唇を重ね、互いに愛撫を繰り返している。トトリは見てはいけないと思いながら、どうしても目が離せない。
297名無しさん@秘密の花園:2011/08/08(月) 02:03:57.61 ID:j5j4DqgH
(うわ……あんなに舌絡ませて……指も、あんな風に……しちゃうんだ……)
 人の情事を覗くという背徳感からか、トトリはいつになく興奮していた。眼前で繰り広げられていることを、頭の中で自分に置き換えたりしてしまう。
(私も……あんな風に……――ちゃんと……)
 想像の中で、トトリとその相手は一糸纏わぬ姿になって、家主のお姉さんと同じ行為を演じている。
(ダメ……こんなところで……ダメなのに……)
 トトリの体はどうしようもなく熱く、疼いてしまっていた。
(でも……でも……!)
 震える手が、下腹部に伸びていく。罪悪感と板挟みになりながら、指先は少しずつそこへ向かっていく。
 その時、
「……――っ!?」
 不意に誰かの手が、トトリの口をふさいでいた。
「しーっ……トトリちゃん、落ち着いて」
(ロロナ先生?)
 トトリの耳元で、ロロナは囁く。
「このまま静かに外に……ね?」
「……」
 逆らう理由はなかった。トトリはそのまま、ロロナと一緒に外へ出た。

 晴天の夜。常冬の澄んだ大気に映える星と月が、辺りを明るく照らしている。
「はい、トトリちゃんのマント」
「あ、ありがとうございます」
 暖房の効いている家を出たら、外は身を切るような寒さだった。
 村の薪割り場まで来たトトリとロロナは、大きな切り株の上に腰掛けた。
「あの……先生」
「大丈夫。誰にも言わないよ」
「……」
 トトリは頬を赤くしながら、ひとまずはホッとした。家主のお姉さん達のエッチを覗き見して、自分も一人でエッチなことをしようとしたなんて、人に知られたら死にたくなる恥ずかしさだ。
「別に気にすることないよ。トトリちゃんもお年頃で、そういう興味が湧くのも当たり前だし」
「いえ、あの……最初から、その……覗くつもりじゃなかったんです。変な声が聞こえたから、ひょっとして体調が悪いんじゃないかって思って、それで……」
「様子を見たら、ああいうことだったんだ」
「はい……」
 見た内容を思い出してしまったトトリは、耳まで真っ赤にして頷いた。
「びっくりしました……まさか、女の人同士であんなこと」
「そうかな? この村では自然なことじゃない?」
「自然……ですか?」
「この村には、女の人しかいないでしょ。だから、そういう感情も女同士で持つようにしかならないんだよ」
298名無しさん@秘密の花園:2011/08/08(月) 02:08:43.78 ID:j5j4DqgH
「そうなんでしょうか?」
「うん。何だかんだで、エッチなことって、食べたり寝たりするのと同じ、人間の根本的欲求だからね。トトリちゃんだってそうでしょ」
「え……!?」
 驚くトトリに、ロロナは顔を近付ける。
「さっき、すごく興奮してたよね」
「そ、それは、その……」
「あんなところで、オナニーしようとしてたでしょ」
「あう……」
「もじもじしてるトトリちゃん、すごく可愛かったよ」
「あの、ロロナ先生……?」
「トトリちゃん……ん」
「っ!?」
 不意打ちだった。ぐいと顔を寄せたロロナは、遠慮会釈なくトトリと唇を重ねていた。
「ん〜……♪」 
「〜〜っ! 〜〜っ!?」
 ロロナはたっぷり時間をかけてトトリの唇を吸い、ちょっぴり舌まで入れた。その瞳は微妙に熱っぽく潤んでいる。
「ロっ、ロロナ先生、何を――うわっ!」
 戸惑うトトリを、ロロナは強引に引き寄せ、抱き締めた。
「ちょっと先生! こんな――んんっ!?」
 トトリの言葉など聞く耳持たず、再び唇が重ねられる。今度は深く。ロロナの舌が入ってくる。火のように熱いそれが、トトリの口内をゆるゆるとまさぐる。
「んっ……んぁ……ぷはぁ……」
 ロロナが唇を離した。舌と舌との間に、銀色の糸が引かれている。
「トトリちゃんの……おいしい」
「〜っ!」
 バカなこと言ってないで放してください! と怒鳴りたいのだが、顔を真っ赤にしたトトリは言葉を忘れたかのように口をパクパクさせている。
 それを分かっているのかいないのか、ロロナはにんまり笑みを浮かべた。
「もういっかいしたいの? いいよ……」
 三度目。唇というか舌に吸い付くようなキスだった。
 唇を合わせながら、ロロナの両手はトトリの体をしっかり抱き締めて放さない。
 トトリが本気で力を込めれば、脱出はできるだろう。だが、錯乱しているのが半分。もう半分は、さっき覗いていた時の余韻もあって、重ねられている唇の柔らかさや肌の温もり、そういう感触を、茹だった頭の中で心地よいと感じてしまっている。
 つまるところ、トトリはなし崩し的に状況を受け入れつつあった。
 繰り返し唇を合わせながら、ロロナの手はトトリの外套の下をまさぐる。レオタードごしに、小振りだが張りのある乳房を撫で回す。
「えへへ……トトリちゃんのおっぱい、かわいいよ」
 ロロナが手の平に軽く力を込めた。
「ひゃっ……ちょっと先生……」
299名無しさん@秘密の花園:2011/08/08(月) 02:12:51.68 ID:j5j4DqgH
「大丈夫。痛くしないからね」
 子供をあやすような口調でそんなことを言いながら、ロロナはトトリの首筋に口づけた。
「あっ、んっ……」
「トトリちゃん……敏感だね」
「そんなこと――ぁ」
 首筋に吸い付くロロナの感触に、トトリは声を漏らしてしまう。
 あとはもう、ロロナにされるがままに――

「――何をしてるんですか」

 不意に響いた鋭い声に、二人は動きを止めた。
「……ミミちゃん?」
 月明かりの下。雪の上に立って、ミミは二人を見ていた。いや、睨みつけていた。丸腰だったが、もし槍を持っていれば今にも突きかからんばかりの剣幕だった。
 ふと夜中に目を覚ましてみると、同じ部屋で寝ていたはずの二人がいない。心配になって――というのは建て前で、仲良しな師弟二人でいなくなっていることに色々想像を働かせて焼き餅を焼きながら、ミミは村の中を探し歩いていた。
 そして見つけた二人は、ミミの想像の斜め上な行為をしていたというわけだ。
「あの……ミミちゃん、これは、その……」
 しどろもどろなトトリを黙殺し、ミミはロロナに目をやる。「何をしてるんですか、ロロナさん」
「トトリちゃんにエッチなことしてたの」
 ロロナがケロリと答えた途端、ミミの目つきがさらに鋭くなる。
「あ……あなたは……弟子に対してそんな、破廉恥な……!」
「ダメ?」
「ダメに決まってるじゃないですか! そんなの!」
「どうして?」
「どうしてって……あなたは先生で、トトリは弟子で……だから」
「それじゃあダメな理由にはならないよ、ミミちゃん」
「なっ……」
「私はトトリちゃんの先生だけど、トトリちゃんのことが好きだもん」
「えぇ……!?」
 驚きの声を上げたのは、ロロナに抱き締められたままのトトリだ。
「それにトトリちゃんも嫌がってないし。ね?」
「え……あ……」
 それは事実だが、ミミの目の前で認めることはできなかった。
「そんな……そんなことで――」
「ミミちゃんもトトリちゃんのこと好きなの?」
「……っ!」
 ロロナから突然の問い掛けに、ミミは言葉を詰まらせる。
「ねえ? ミミちゃんもトトリちゃんが好きだから、私がこういうことしてるの、嫌なんじゃないの?」
「そっ……あ……っ」
「違うの? だったらトトリちゃんは私がもらっちゃうよ」
 ロロナはミミに見せつけるように、トトリに顔を寄せ、そのまま唇を――
300名無しさん@秘密の花園:2011/08/08(月) 02:17:38.07 ID:j5j4DqgH
「――ダメっ!!」
 悲鳴のようなミミの叫びが、夜空に吸い込まれた。
「ダメ……私の……私のトトリを……とらないで……お願い……」
 ミミは泣いていた。涙をこぼしながら、懇願するような目をロロナとトトリに向けていた。
「……ミミちゃんは、トトリちゃんが好きなんだね?」
「……」
 ミミは無言で頷く。
「じゃあ、そのことをちゃんと伝えてあげて。はい」
「あ……」
 ロロナはトトリを手放し、自由にした。
 立ち上がったトトリは、ミミと向き合った。
「……トトリ」
「は、はい」
 涙を拭ったミミは、真っ直ぐトトリを見つめて、言った。
「好きよ。他の誰よりも、あんたのことが、好き」
「――っ」
 その告白を聞いて、トトリの体は火がついたみたいに熱くなった。
 自覚がなかったわけではないが、真正面からミミの、そして自分のそういう気持ちに向き合うのは初めてだった。
 ここに至って、逃げたり誤魔化したりはできない。深呼吸をして、トトリは口を開いた。
「あ、あの、えっと……わ、わ、私も、ミミちゃんのこと……好き……だよ」
 これ以上ないくらいに照れながら、トトリもミミに気持ちを伝えた。
「トトリ――」
「二人ともストップ」
 何か言おうとしたミミを、ロロナが横から止めた。
「続きは戻ってからにしよう。ずっと外にいたら風邪ひいちゃうよ」
 確かに、だいぶ体も冷えている。三人は宿へ戻ることにした。


「あの……ロロナ先生? 続きって、何でこの続きなんですか?」
 部屋に戻った途端、ロロナはベッドの上でトトリに抱き付いて、さっき外でしていたのと同じような状態になっていた。
「だってものすごく中途半端なとこで止められたんだもん。トトリちゃんも途中だったから色々不満でしょ?」
「それは……」
「だっ、ダメですロロナさんっ!」
「ミミちゃん、しーっ。隣のお姉さん達起きちゃう」
「あ……」
 人の家だということを思い出し、ミミは声のトーンを落とす。
「ロロナさん、さっき私がトトリに告白したの見てたでしょう」
「うん。私もトトリちゃん好きだから、おあいこだね」
「なっ……!」
「それにトトリちゃんだって私とエッチするの同意だったし」
「……トトリ。そうなの?」
 氷のようなミミの声。トトリは怯えながらも、嘘はつけなかった。
「その……なし崩しに同意みたくなっちゃったというか」
「ふーん……」
301名無しさん@秘密の花園:2011/08/08(月) 02:22:01.36 ID:j5j4DqgH
「ねえミミちゃん。ミミちゃんも一緒にエッチしない?」
「な、何言い出すんですか先生?」
「私とミミちゃんとでトトリちゃんを可愛がってあげたら、平等でしょ?」
「……確かに、そうかもしれませんね」
「ええぇ……ミミちゃんまで何言ってるの?」
「よし。決まりだね」
「あの、先生……さっきから私の意思が無視されてるような」
「まあまあ。三人でするのも楽しいよ? 私も昔、くーちゃんりおちゃんと――ゴホン。とにかく始めよ」
「ロロナさん。一応、一緒にすることに同意しますけど、あくまでトトリは私のものですからね」
「はいはい。それじゃあミミちゃん、トトリちゃん緊張してるみたいだから、まずは優しくキスしてあげて」
 ロロナはトトリを後ろから抱き締めた。つまり、動けなくした。
「トトリ……」
「え、あの、ミミちゃん……あ」
 ミミの唇が、トトリのそれと重なる。
 ロロナのキスに比べたら、ぎこちなく、まだどこか遠慮があった。しかしトトリは、ミミにキスされていると思うだけで、頭の芯が熱くなっていた。
「トトリちゃんてば、キスだけですごくドキドキしてる……妬けちゃうなー」
「あっ、んっ……先生、やっ……」
 ロロナは後ろから、トトリのレオタードの下に手を潜らせていた。小さなトトリの胸をもみしだき、指先で乳首を弄ぶ。
「あっ、あっ……」
「ほら、ミミちゃん。もっとトトリちゃんをドキドキさせなきゃ。舌とか入れちゃっていいよ」
 ロロナの言うとおり、ミミはもう一度トトリに口づけた。そのまま、少しずつ舌を入れていく。
「んっ……ふ、ぁ……トトリぃ……んっ」
 ミミは何度もキスをして、舌を絡ませる。そのたびにトトリの肌は、上気したように熱くなっていく。
「トトリちゃん、感じてきてるね……乳首もビンビンに立ってるよ」
 耳元で囁くと、ロロナはそのままトトリの耳の後ろにキスをした。
「あっ……! ん、っ……ぁ」
 後ろからはロロナに胸を揉まれ耳の回りを攻められ、前からはミミに繰り返しキスされる。最初は戸惑いの方が勝っていたトトリも、二人の与える快感に呑まれてきた。
 ロロナはトトリのレオタードをはだけさせ、微かに汗ばんだ肌を露わにさせる。
「トトリ……キレイよ……んん」
 ミミはトトリの胸元に口づけた。それから舌先で転がすように薄桃色の先端を舐め回す。
「あっ、んっ……ふぁっ、あっ」
 乳首に軽く歯を立てると、トトリは高い声を上げた。
302名無しさん@秘密の花園:2011/08/08(月) 02:27:14.45 ID:j5j4DqgH
「トトリちゃん、やっぱり敏感だね……可愛い……もう食べちゃいたいくらい」
 後ろから抱き締めたまま、ロロナはトトリにキスをする。先ほどよりもっと激しく舌を絡ませる。
「ふ……んっ……ちゅ……」
「あの……ロロナさん。私も、トトリを抱き締めたいです」
「ん……いいよ。その前に、服全部脱いじゃおっか」
 ロロナとミミは着ていたものを全て脱ぎ、生まれたままの姿になった。さすがに肌寒いが、どうせすぐに温まるだろう。
 トトリのレオタードも全て脱がせて、ロロナはまた後ろからトトリを抱き締める。
「はい、ミミちゃん。トトリちゃんをぎゅってしてあげて」
 ロロナはさっきより腕を緩めて、ミミが前から抱きやすいようにしてあげた。
 ミミは腕を回して、トトリの体をぎゅっと抱き締める。
「ああ……トトリの体……すごく暖かい」
「ミミちゃんも……暖かくて、気持ちいいよ……」
 前後からミミとロロナに抱かれたトトリは、興奮を通り越して、意識がふわふわとしてきた。
「トトリ……もっと、してあげるから……ん」
 キスをしながら強く抱き締めると、ミミとトトリの乳首がこすれ合う。
「あっ……あっ……ミミちゃん……先生ぇ……私、何だか、変……体の中が……じんじんして、すごく切なくて……」
「トトリちゃん、イきそうなんだ。それじゃあ、このままイかせてあげるね」
 ロロナはトトリの首筋にキスすると、トトリのお尻に手を伸ばし、後ろから秘部へと指を這わせる。十分潤んでいたそこに軽く触れるだけで、トトリは全身を震わせた。
「せ、先生、そこは……」
「力を抜いて。怖くないからね……ミミちゃんも、トトリちゃんのアソコ、触ってあげて」
「はい……」
 ミミがトトリのそこに触れた。指先を浅く潜らせると、熱い蜜の滴る感触があった。
「っ……ぁ」
「トトリ、大丈夫? 痛くない?」
「うん……平気……もっと、深くしていいよ。先生も……」
 ロロナとミミの指が、トトリのそこへ同時に触れる。
 蜜に潤んだそこを刺激されるたび、快感がトトリの体を熱くしていき、その熱がさらに快感を高めていく。
「あっ、んっ……先生っ……ミミちゃんっ……んあっ、あっ」
 二人に愛撫されながら、トトリは昂ぶっていく。やがて強い快感が全身を貫き、トトリは最初の頂に達した。
303名無しさん@秘密の花園:2011/08/08(月) 02:30:36.85 ID:j5j4DqgH
「はぁ……はぁ……」
「トトリちゃん、イっちゃったみたいだね」
「は……はい」
「そっか……でも、お楽しみはこれからだよ。ねえ、ミミちゃん?」
「そうね……少なくとも私は、もっともっとトトリを愛してあげたいわ」
「え……あの、さすがにきついというか……せめて、休憩させてほしいんですけど」
「もちろんいいよ。しっかり休憩して二ラウンド目に備えてね。エリキシル剤飲んどく?」
「あ、はい。いただきます」
 この状況が嫌ではないし、どちらかといえば嬉しいのだが、
(体が二つ欲しいって、つまりこういうことなのかなぁ……)
 心の中で、トトリは大きなため息をついていた。

 翌日。予定していた出発が延期されたのは、言うまでもない。


(おわり)
304名無しさん@秘密の花園:2011/08/08(月) 02:35:25.20 ID:j5j4DqgH
以上。読んでくれた人、ありがとう。
ピアニャの故郷って百合的にすごく美味しい設定だよなーっということに今さら気付いて書いてみた。
メルルでピアニャが出てこなかったのは本当に残念。と言いながらこのSSにもピアニャ不在だったりする。
305名無しさん@秘密の花園:2011/08/08(月) 06:55:21.49 ID:G0/CjEj5

やっぱり師匠権限で食っちゃったり教えてあげたりな展開はおいしい
306名無しさん@秘密の花園:2011/08/08(月) 10:51:20.80 ID:34Tc34l6
ttp://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0010/10/86/040010108601.html
昔のだがヴィオの同人あった〜絵がちょい好みじゃないけど〜
なるほどニンジンを使うのか〜
307名無しさん@秘密の花園:2011/08/08(月) 10:52:30.00 ID:34Tc34l6
言い忘れたが上のヴィオの同人、カテゴリーがマリーのアトリエになってる
な〜同じシリーズに含まれてるのかな
308名無しさん@秘密の花園:2011/08/08(月) 12:39:38.53 ID:L7XTzZkl
>>304
おつおつ
トトリエ時代のロロナせんせーはエロ可愛いな…
309名無しさん@秘密の花園:2011/08/08(月) 20:06:38.23 ID:w0uqr5m8
>>304
GJob!
昨日、まさにその面子で塔の悪魔倒した身としては、タイムリーすぎる

トドメはロロナ先生の必殺技でした……
ロロナ先生は最高です!
310名無しさん@秘密の花園:2011/08/08(月) 20:29:33.08 ID:eLmhniWZ
>>304 GJ!
ロリナせんせーも可愛いけどやっぱりトトリ時代のロロナ先生が一番可愛いなあ
しかしミミちゃんはそれでいいのかw
ロロナ先生のおかげで両想いになれたわけだから感謝しないといけないんだけどw
311名無しさん@秘密の花園:2011/08/08(月) 21:42:10.54 ID:9XnUwRSx
百合あんま関係ないけど成長したトトミミ+メルルで塔の悪魔再撃退ってのもいいよね
ちゃっかりBGMもTerminusの再アレンジだし
312名無しさん@秘密の花園:2011/08/08(月) 21:52:01.64 ID:eLmhniWZ
むしろ俺的には塔の悪魔戦っていうとそのPT以外は考えられなかったな
トトリ組でPT組んで行くと何かイベント有とかだったら面白かったのに
313名無しさん@秘密の花園:2011/08/08(月) 23:13:34.59 ID:g3m4yGoX
トトリエでロロナ先生が「明日からロロナさんって呼んだりしないよね!?」的なことを聞いて
トトリさんが否定するイベントがあったんだけど、
むしろロロトトで結婚後、トトリさんがロロナ先生の呼び方を
ものすごく恥ずかしがりながらロロナさんに改める妄想がとまらねぇ
314名無しさん@秘密の花園:2011/08/09(火) 03:56:17.64 ID:HRIajDpH
初々しい新婚生活らしくていいね、そこから更に
結婚後も他の人の前では恥ずかしくて今まで通りにロロナ先生としか呼べないトトリちゃん
その分二人っきりの時には恥ずかしがるトトリちゃんにロロナさんと呼ばせまくるロロナ先生
まで妄想した


この前暇だったから何となく反省会スレというものを覗いてみたんだけど
てっきりメルルのここが悪かったから次はこうして欲しいね、みたいな話をしてるのかと思ったら
作品内容はおろかメーカーまで全否定状態で見ててちょっと落ち込んじゃったわ
やっぱり好きな作品の反省会スレなんて興味本意で覗くものじゃないな
315名無しさん@秘密の花園:2011/08/09(火) 20:51:27.84 ID:kr3qn6Jo
8歳のイメージが根付いて元に戻ってもなんか軽く扱われるロロナ先生

ロ「うう、私先生なのにトトリちゃんが子ども扱いする…」
ト「そ、そんなことないですよー。お利口さんだから機嫌直してください。なでなで^^」
316名無しさん@秘密の花園:2011/08/09(火) 21:22:20.84 ID:c6dMjAQW
お風呂入れてあげたり絵本読み聞かせてあげた子が自分より年上の大人の女性に成長し
それが本来の姿なのはわかっていても違和感を覚えてしまうメルルとアラサーロロナ先生はまだか
317名無しさん@秘密の花園:2011/08/09(火) 21:28:40.66 ID:KYYo93j1
「ごめんねくーちゃん、錬金術士のお仕事が詰まってて」
「お仕事の内容?えっと、ブガイヒのコッカキミツだから誰にも喋っちゃダメってジオさんが」
「来週……は、えっと、ぷ、ぷ、ぷれぜんてーしょん?をしないとならないから忙しくて」


「最近、ロロナと遊べない」
「王宮付き錬金術士のロロナに会いに行こうにもアトリエは城内だし、そもそも非公開」
「……こうなったらやるしかないわ」

「あれ、ジオさん……もう、またステルクさんから逃げてきたんですか?」
「ああ、いや、そうではない。急な話なのだが、君に紹介しなければならない人が出来てな」
(ま、まさか以前に言ってた身近にいるっていうジオさんの意中の人じゃ!)
「入ってきなさい」
「失礼します」
「く、く、くくく、くーちゃん!?くーちゃんがジオさんと結婚するの!?」
「いきなり何を口走っているのだね君は……
 彼女は多方面の貴族からの強い圧りょ……む、ごほん。
 本人の強い希望でどうしても君に弟子入りしたいと言うので特別にここに連れてきた」
「クーデリア・フォン・フォイエルバッハです、よろしくお願いします……ロロナ先生?」
「え……ええー!?」
「すまないがしばらく面倒を見てやってくれ、それじゃ私はこれで」
「弟子なんていくらなんでもわたしには早いですよ!
 あ、ちょっと、ジオさん、どこに行くんですか、ジオさんってばー!?」

王宮付き錬金術士になったロロナの元に現れた押しかけ弟子は、最強の幼馴染
別の未来を迎えたアーランド王国を描くifの物語
クーデリアのアトリエ 〜アーランドの錬金術士2’〜

というのを思いついたので誰か書いてくれ
318名無しさん@秘密の花園:2011/08/09(火) 21:38:58.32 ID:c6dMjAQW
最終目的が身長を伸ばす薬になりそうだな……そして巨人エンド
319名無しさん@秘密の花園:2011/08/09(火) 22:02:50.96 ID:CJl/zw4N
ロロ「ねえねえメルルちゃん」
メル「なぁにロロナちゃん? ……じゃなかった、ロロナ先生」
ロロ「む〜……元に戻ってだいぶ経つのに、メルルちゃんってばまだ子供扱いする」
メル「う……仕方ないじゃないですか。何年もの間ずっとロロナちゃんだったんですから。急に切り替えるのも難しいですよ」
ロロ「それはそうなんだけど……最近はメルルちゃんだけじゃなくて、トトリちゃんにまでなんだか子供扱いされてるっぽいし」
メル(……それは素なんじゃないかな)
ロロ「……よしっ! 決めた!」
メル「決めたって、何をですか?」
ロロ「メルルちゃん達に子供扱いされないように、これからは大人の女を目指すの! というわけでこれからはちゃん付けもやめるからね」
メル「あの、ロロナ先生」
ロロ「何かしらメルルさん」
メル「これから大人の女を目指すってことは、今の今まで子供だったことを認めるんですか? 3X歳にもなって」


ロロ「トトリちゃ〜〜ん! メルルちゃんがいじめる〜〜っ!」
トト「ああ、先生泣かないで下さい。メルルちゃんには後で私から言っておきますからねー。よしよし……いい子だから泣かないで」


ミミ(最近、似なくていいところがトトリに似てきたわね、メルルは……)
320名無しさん@秘密の花園:2011/08/11(木) 14:16:33.96 ID:G0qgo026
電プレ買ってきた、まあ今回は皆買うだろうけど
個人的に気になったのはアーランドシリーズの今後についてかな
具体的に何か動いてるわけじゃないけど開発としては作りたい気持ちはあるし
ユーザーからの声をお待ちしてますという事らしい

もし次回作があった時に少しでも百合度を上げてもらうためにも
アンケとか面倒でもちゃんと書いて自分の意思表示をしないとだめだな
とりあえず俺はくーちゃんを出して欲しいっていうのとトトミミのその後が見たいっていうのは絶対書こうと思う
あと正直に次回作も今作ぐらい百合度高めでお願いしますってはっきり書くのも大事か
321名無しさん@秘密の花園:2011/08/11(木) 14:45:00.65 ID:FHrv7/od
やべw電プレ忘れたw

アンケートかぁ…出したことないんだよな
書くならやっぱ件のエンドだろうな。あと後日談補完
322名無しさん@秘密の花園:2011/08/11(木) 17:38:30.48 ID:sKACRZVr
>>317
くーちゃんエンドでの上司っぷりから考えると、すぐにどっちが上の立場か分からなくなりそうだなw
続きマダー?
323名無しさん@秘密の花園:2011/08/11(木) 19:58:41.99 ID:FiurIyjU
今回の同人、見た感じトトミミもメルケイも扱ってるサークル無さそうだな
324名無しさん@秘密の花園:2011/08/11(木) 20:29:18.67 ID:QEvVVzwY
>>319
「何かしらメルルさん」にすごい違和感とときめきを覚えた。
ロロナ先生かわいいよ!

あぁ、それとミミちゃんには、トトリ先生から
「どんな所が似たのか詳しく聞きたいな^^」
との伝言が……
325名無しさん@秘密の花園:2011/08/11(木) 20:31:22.48 ID:sKACRZVr
電撃のミズ・アールズ王国コンテスト
ジーノ君のやっつけみたいなコメントが入ってたのは、トトリ先生にコメントもらおうとしたらミミちゃんへの愛が深すぎて雑誌に乗せられないレベルだったからだな。きっと。
326名無しさん@秘密の花園:2011/08/11(木) 20:41:52.06 ID:vX/bSDRR
>>323
陵辱系やら乱交系が多そうでがっかりだよな
まあ他の人気タイトルでも愛のあるカプ同人てなかなか見かけないし
しょうがないのかもな・・・

>>325
今回ミミちゃんだったん?そこはトトリちゃんでコメントでしょw
ってツッコミたくなるなw
327名無しさん@秘密の花園:2011/08/11(木) 21:01:45.77 ID:fXj83VdE
>>322
「フォイエルバッハが来てから寝坊をしなくなったようだな。まったく、以前は毎日のように寝過ごして、
 王の肝煎りとは言え城内にアトリエなど最初はどうなるかと思ったが……多少なりとも自覚が出てきたようだな」
「うっ、大臣さんありがとうございます……(毎朝くーちゃんに起こしてもらってるなんて言えないよ)」

「錬金術で作成した栄養剤による土壌改良のレポートを読ませてもらったよ。
 以前はレポートの半分くらいが擬音で埋まっていて解読不能だったが、今回はよくまとまっていた」
「ううっ、ジオさん、それはその……ありがとうございます(結局くーちゃんが全部まとめたなんて言えない)」

「最近は真面目に仕事をしているようだな。以前は王と一緒になって城から抜け出していたものだが。
 身だしなみにも気を使っているようだし、やはり弟子を持ったおかげかな」
「うううっ、ステルクさんまで……(抜け出せないのも身だしなみもくーちゃんが見てるからなんだけど……)」

王宮内でのロロナの評価はうなぎのぼり。だけれど当の本人はなんだか不満そう……。

「評判がよくなったのは嬉しいけど、全部くーちゃんのやったことだから素直に喜べないよ……」
「ロロナ、口を動かしてないで手を動かす! 今日中に終わらせないと明日一緒のお休みが取れないわよ!」
「なんでわたし、くーちゃんの指示で仕事してるんだろう……わたし上司なんだよ!先生なんだよ!偉いんだよ!」
「そういう事は一人で朝起きてちゃんと朝ご飯をとって身支度して遅刻しないで出仕して仕事をこなして
 夕ご飯を食べて一人でお風呂に入って一人で寝れるようになってから言いなさい」
「わ、わたし一人でお風呂くらい入れるもん!」
「あんた忙しいと疲れてるからってお風呂入らないで着替えもしないで寝て、次の日そのまま出仕しようとするでしょうが!」
「ひ、一人で寝れるもん」
「寝ぼけて城のあんたの部屋の古い内装や隙間風に怯えて、『くーちゃんお化けが怖くて眠れないよー』って泣きついてきたのはあんたじゃない……。
 だったら今日から一人で寝なさいよ、いいわね?」
「うう、それは嫌、だって天井の染みが怖いんだもん……おかしいなあ、なんでこうなっちゃったんだろう?」

くーちゃん相手だとこんな感じの未来しか浮かばないのはなんでだろう
328名無しさん@秘密の花園:2011/08/11(木) 21:44:10.06 ID:G0qgo026
>>325
あそこは何でよりによってお前なんだ!って俺も思ったな
まあこの微妙に報われない感じもミミちゃんの魅力の一つなのかもしれないがw

>>327
本人の意思はともかくもうくーちゃん無しでは生きていけないな、ロロナ先生w
329名無しさん@秘密の花園:2011/08/12(金) 00:21:22.06 ID:chmbRt/D
――次回のミズ・アールズ王国コンテストはミミさんがエントリーしてるので、トトリ先生からミミさんの魅力についてコメントをお願いします。
トトリ:うん、いいよ。ミミちゃんはね、やっぱり可愛いところが一番魅力的かな。
――そうなんですか。どっちかというとカッコいいタイプだと思うんですけど。
トトリ:もちろん凛々しくて強くてカッコいいけど、結構恥ずかしがり屋さんだったりして、照れて顔を赤くしてるところとか可愛いくてたまらないの。
――なるほど。もっと具体的なエピソードを聞かせてもらっていいですか?
トトリ:具体的かぁ……う〜ん、いっぱいあるけど……そうだ。昨日の夜のことなんだけど。
――昨日は先生、ミミさんのとこにお泊まりでしたよね。
トトリ:うん。それで昨日はピュアトリフのエキスを使ったローションをミミちゃんに試してみたんだけど。
――え? あの、先生?
トトリ:効果バツグンで、体の方がすごく素直になっちゃってね。ミミちゃん、はじめのうちは顔を真っ赤にしながらこらえようとしてたんだけど、感度を高める薬を合わせて使ったら、もうすごかったよ。
――えっと、コンテストは普通に一般の方が見られるので、あまりそういう内容は……
トトリ:それからミミちゃん、腋が弱いんだよね。だからあえてそこ以外を刺激して焦らせたりして――
――あ、あのっ、時間押してるので私そろそろ行きますね! ローションのレシピはあとで教えてくださいね!
330名無しさん@秘密の花園:2011/08/12(金) 00:42:07.75 ID:zTZP+K33
ミミちゃんは焦らしに弱そうw
もうとことんミミちゃんをトトリちゃん漬けにしてしまうトトリ先生><
331名無しさん@秘密の花園:2011/08/12(金) 01:44:13.19 ID:3WDwKppw
トトリ先生自重しなさいw
確かにこんな内容のコメント乗せたら電プレが成人指定になってしまうなw
332名無しさん@秘密の花園:2011/08/12(金) 18:56:31.28 ID:tw55QBrf
女の子同士なのに…って葛藤するキャラはいないんだろうか
メルルちゃんはトトミミが全裸でプロレスごっこしても仲のいい親友って認識するんだろうな
333名無しさん@秘密の花園:2011/08/12(金) 19:32:51.53 ID:7cUtZjK5
ミミちゃんは気にしてても違和感はない
家名のこともあるし本編でも本人に好きだと言葉にだしてないし
ピュアトリフがなければ誰にも願望は言うつもり無かっただろうし
まあガチでやるとシリアスすぎるしうるさい層もいるからな
334名無しさん@秘密の花園:2011/08/12(金) 19:34:17.91 ID:qoQnTcED
りおちゃんはどうみてもガチですありがとうございましただし
ミミちゃんはトトコンをこじらせた結果、吹っ切れちゃってるし
ケイナは求められたら形だけ葛藤してみせてメルルを受け入れそうな気しかしない……
案外くーちゃんとか? でも突撃爆弾娘だしなあ……

むしろ当事者よりまわりのステルクさんやらツェツィおねえちゃんやらルーフェスやらが
女の子同士なんてやめさせなければ……でも幸せそうだし、みたいな間違った方向に葛藤したりして
335名無しさん@秘密の花園:2011/08/12(金) 20:55:44.24 ID:sh38RkJ0
葛藤byツェツィお姉ちゃんなら、
「ダメよトトリちゃん!私たち女の子同士なのよ!あぁ、でも家族の時点で恋の障害としては充分ハイレベルよね。つまり女の子同士は些細な問題なのかしら??(ハァハァ」くねくね
「お姉ちゃん!お姉ちゃんてば!帰ってきて!!」

シリアスにならない!ふしぎ!
336名無しさん@秘密の花園:2011/08/12(金) 21:14:16.42 ID:chmbRt/D
ツェツィお姉ちゃんとのカップリングって

本命トトリ
対抗メルヴィア
単穴ピアニャ
連下ミミ

結構豊富だよね
337名無しさん@秘密の花園:2011/08/12(金) 21:23:19.62 ID:tw55QBrf
>>336
ピアニャちゃんだとトトリちゃんとの間がすんごいドロドロしそう
ちむちゃんにイタズラしちゃってるところをトトリちゃんに目撃されるお姉ちゃんは
有り得ないですよねそうですよね
338名無しさん@秘密の花園:2011/08/12(金) 21:24:56.52 ID:qoQnTcED
メルヴィアさんはツェツィお姉ちゃん大好きっぽいし
おっぱいマイスターなのにここだとあんまり話題にならない気がする

メルルのアトリエ時代はギゼラさんに
「ツェツィが欲しければあたしを倒してごらん!」
って言われて一緒に冒険してるってグイードさんが言ってた。
339名無しさん@秘密の花園:2011/08/12(金) 21:32:48.41 ID:tw55QBrf
ロロクーとかの親友関係は「俺の知ってる親友と違う」状態だったけど
ツェツィメルは俺の知ってる親友だったから
百合百合になりそうな気がしない

油断イベントでは典型的なヒーローとヒロイン状態だったのになあ
340名無しさん@秘密の花園:2011/08/12(金) 21:43:38.32 ID:chmbRt/D
ツェツィメルはこってり百合ではないけど、冗談で軽めのキスとかはしてそう

そしてそれを目撃したトトリちゃんがあとでミミちゃんに
「女の子同士でキスってどう思う?」
と質問して、質問だけで終わってミミちゃん生殺しの巻
341名無しさん@秘密の花園:2011/08/12(金) 22:08:12.38 ID:3WDwKppw
友達同士でもキスってするんだね。ねえミミちゃん、わたし達もしてみない?
みたいな流れになって勢いでキスしちゃった後
あれ?ミミちゃん(トトリ)とは友達のはずなのに、どうしてこんなに胸がどきどきするんだろう…

という展開なトトリちゃんとミミちゃんお互いを意識しはじめるの巻。も良いと思います
342名無しさん@秘密の花園:2011/08/12(金) 22:12:43.60 ID:zTZP+K33
キスといえば事故ちゅーも捨てがたいですぜ旦那
343名無しさん@秘密の花園:2011/08/12(金) 22:16:33.64 ID:gPQCMTY3
お姉ちゃんたちって可愛いキスするんだねーと先輩風を吹かせてミミちゃんを慌てさせるトトリちゃん
344名無しさん@秘密の花園:2011/08/12(金) 22:19:50.07 ID:3WDwKppw
等身大タオルの予約開始きたね、描き下ろしなのはトトミミメルルだけなのか

しかし一番重要な描き下ろしの内容が出てないってのはどういう事なの…
予約締め切りまでには絵柄公表されるのかね
345名無しさん@秘密の花園:2011/08/13(土) 02:47:55.64 ID:87Nll7BX
>>342
事故押し倒しからの事故ちゅー、そしてタイミング良く登場する第三者ってのはセットだな

調合失敗の爆発からトトリちゃんを庇おうとして
事故で押し倒してしまった上にちゅーしてしまったミミちゃん
何かスイッチ入っちゃってそのままイチャイチャしだそうとした所で帰ってくるメルル姫
そして固まる三人と場の空気
346名無しさん@秘密の花園:2011/08/13(土) 03:50:37.95 ID:MsETqXgY
電プレライターすらも、人気者エンディング納得いかないと言ってるとは
やはりトトミミ好きライターがいたんだな

つーかペーターいつの間に嫁いたんだ、ツェツィでは無いと公式で言ってるが
メルヴィア説が濃厚でメルツェツィとかやりにくくなったかな
347名無しさん@秘密の花園:2011/08/13(土) 06:45:42.55 ID:p/y3NDWa
電プレはロロクートトミミ好きがいるんだろうなw
相関図ではロロクートトミミにはハートマークいれてるしw
愛する〜とか愛が深い〜とか書き方が親友超えてんじゃんwてきなw
348名無しさん@秘密の花園:2011/08/13(土) 09:50:51.18 ID:MxWFQzSL
>>345
なにその深夜いい雰囲気になったところで、子どもが起きてくる夫婦。
超萌える!

自分の危機に反射的にサポートガードに入るミミちゃんのナイトっぷりに、トトリちゃんもメロメロです。
349名無しさん@秘密の花園:2011/08/13(土) 16:10:48.70 ID:1Jkk+Qmx
メルお姉ちゃんはわたしのおねえちゃんの事が好きみたいです。
でも、女の子同士だし無頼な冒険者と普通の村娘っていう差もあって思いを伝えられないみたい。
わたしはメルお姉ちゃんの事が昔から好きなのに、メルお姉ちゃんはわたしのお姉ちゃんの事ばっかり見てます。
わたしの事は親友からの預かり物なんて思ってるみたい。だから、採取で遠出した時の夜、わたしは仕掛ける事にしました。
「トトリ、どうしたの?」「ううん、なんでもないよ」
粉末ジュースに混ぜた惚れ薬の効果が気になってちらちらとメルお姉ちゃんの方を見てしまいます。
すっごい甘くしてあるから味の異常には気が付いていないみたいだけれど、なかなか効果が出ないみたい。
しばらくすると、しきりに汗を拭ったりなんだか落ち着きがなくなってきたのを見計らって、身を寄せます。
「なんだか今日は寒いね」「そうかしら、暑いくらいだと思うけど」
さりげなく身を離そうとするけれど、わたしは腕にしがみつくようにして逃がしません。
腕には胸を当てるようにします。わたしのおっぱいは小さいけれど効果はあるはずです。
「メルお姉ちゃん、たまにおねえちゃんとキスしてるよね、わたしもしてみたいな」
わざと冗談めかして言います。惚れ薬が聞いてるのか、上の空で生返事をしていたメルお姉ちゃんもこれには驚いたみたい。
最初は難色を示していたけれど、駄々をこねたらじゃあ1回だけね、って言ってくれました。
もちろん、メルお姉ちゃんがしようとしたのは触れるだけのキスだけれど、唇が触れるとわたしは舌を入れました。
メルお姉ちゃんは思わず逃れようとするけれど、首に腕を回して逃がしません。
ロロナ先生で何回もキスの練習はしたから、それほど拙い、ということはなかったと自分では思います。
「好きなの、メルお姉ちゃん」
唇を離して、そう告げます。わたしが本気なのをわかったのか、メルお姉ちゃんは困惑しているようでした。
「あたしたち女の子同士じゃない」
「でも、メルお姉ちゃんはわたしのお姉ちゃんとこうしたいって思ってるんだよね?」
気づかれていないと思っていたみたいで、メルお姉ちゃんはびっくりしていました。
「メルお姉ちゃん、わたし、おねえちゃんに似てきたと思わない?」
冒険者になってから何年か経って、背も伸びました。まあ、胸はおねえちゃんと大分開きがあるれど。
服を肌蹴させて、胸を露にして、メルお姉ちゃんの手を取って、わたしの胸に触れさせながら。
「わたしだって、もう子供じゃないんだよ……メルお姉ちゃん」
この時ばかりは凄くどきどきしたけれど、自分の作った惚れ薬と言う名の媚薬の効果を信じました。
メルお姉ちゃんは大分長く葛藤して――返事の代わりに、わたしにキスをしてくれました。
それ以上の事も、いっぱいしました。
350名無しさん@秘密の花園:2011/08/13(土) 16:11:21.63 ID:1Jkk+Qmx
一度踏み越えてしまうと、抵抗が薄らいでしまうもので、採取の旅の間、わたしは何度もメルお姉ちゃんに愛されました。
旅の最後の方ではメルお姉ちゃんの方からわたしを求めてきたほどです。
だけれど、アランヤ村に帰ってからのメルお姉ちゃんは、罪悪感からか、やっぱりわたしのおねえちゃんの顔が
真っ直ぐに見れなくなってしまったみたいで、すぐ異常に気が付いたおねえちゃんに問い詰められていました。
二人のいるダイニングの様子をドアの影からそっと窺っていると、メルお姉ちゃんは耐え切れなかったのか、
とうとうわたしを抱いた事を白状してしまいました。
おねえちゃんは最初、信じられなかったみたいで、何度も冗談よね?って言ってたけど、メルお姉ちゃんが
否定せず俯いてるのを見て、メルお姉ちゃんのことを引っ叩きました。
涙を浮かべながら、どうして、信じてたのに、って言うおねえちゃんに、メルお姉ちゃんは黙ったまま答えずにいました。
とうとう、今すぐ出て行ってメルヴィ、もう顔も見たくないって叫んだのを見て、わたしは扉の影から飛び出しました。
メルお姉ちゃんは悪くないよ、わたしの方から誘惑したんだから。
そう言った一瞬後、わたしはおねえちゃんにひっぱたかれていました。
どうして。メルお姉ちゃんが好きだからだよ。女同士じゃない。そんなの関係ないよ。
どうしてもダメっていうなら、わたしも出て行くんだから。そう言うとまたひっぱたかれました。
「私だって、トトリちゃんの事が好きなのに!」「……ええっ!?」
半狂乱になって思わず口走ったおねえちゃんの言葉にわたしはびっくりしました。
思わず呆然としていると、おねえちゃんはわたしの手を引いて抱き寄せ、わたしの唇を奪いました。
トトリちゃんは絶対に渡さないんだから、ずっと一緒に暮らすんだから、と言って痛いくらいにわたしの事を抱きしめます。
(メルお姉ちゃん、どうしよう)(どうしようって……どうすりゃいいのよ)
思わず目と目で会話してしまいますが、どうしようもありません。
ところが、そこに家のドアを開いて闖入してくる人がいました。
「ちょっと待ってよ二人とも!」「ロロナ先生!?」
話を立ち聞きしていたのか、それはロロナ先生でした。
わたしは、もしかしてこの場を上手く収めてくれるのかとちょっと期待したのですが。
「トトリちゃんはわたしのなんだから、取っちゃダメ!」
「ぅえええええっ!? いきなり何を言い出すんですか!?」
「嘘じゃないよ、トトリちゃんのファーストキスはわたしだもん!もちろん、ぺろちゅーの事だよ!」
「ちょっとトトリ、どういうことなの!?」「トトリちゃん!?」
メルお姉ちゃんたちがわたしに食って掛かります。困った事にロロナ先生の言っている事は本当なので弁明のしようがありません。
どう説明しようかと考えていると、ロロナ先生がわたしをおねえちゃんからひったくるようにして抱き寄せて、わたしにキスをしました。
メルお姉ちゃんも、おねえちゃんも、悲鳴のような声をあげます。それを皮切りに、三人の言い争いが始まって収拾が付かなくなってしまいました。
ちなみに、最初からダイニングにいたおとうさんが、俺の娘はもてるなあ、って呟いてるのには誰も気がついてないみたいでした。


っていうのを思いついたんだが誰か書いてくれ
351名無しさん@秘密の花園:2011/08/13(土) 18:24:30.35 ID:YYIjQBTq
トトミミ探しにとらのあなへといったがなかった。
トトミミ分が足りない
352名無しさん@秘密の花園:2011/08/13(土) 19:53:36.14 ID:etnV90YS
ロロナ先生はただの練習台なのか
トトリちゃんまじ年上キラー
353名無しさん@秘密の花園:2011/08/13(土) 22:16:51.52 ID:odpOv0I1
>>350
途中からギャグになってわろす
……おーい!ミミちゃんが泣いてるぞー!
354名無しさん@秘密の花園:2011/08/13(土) 22:50:50.59 ID:1Jkk+Qmx
>>352

メルお姉ちゃん攻略のために、ロロナ先生に教えを請うことにしました。

「ロロナ先生、教えて欲しい事があるんですけど……」
「なになにトトリちゃん、先生に聞いて、なんでも教えてあげる!」
「キスを教えて欲しいんです、わたし、まだした事がなくて」
「えっ……あ、あのね、トトリちゃん、そういうのはちょっと」
「でも、今さっきなんでも教えてあげるって言いましたよね」
「ううっ、とにかくそういうのはもっと大人になってからじゃないとダメなの!」
「うーん、でもロロナ先生は大人ですよね」
「そうだよ、わたし大人だよ!」
「やっぱり、いざという時のために、一度くらい練習しておいた方がいいかなって思うんですよ。で、大人のロロナ先生の時はどうでした?」
(う、ううっ、まだしたことがないなんて言えない……
 わわっ、トトリちゃんの顔が間近に、目を閉じて……ど、どうしよう)
「や……」「や?」「やっぱりダメっ!」「今更そんなのなしですよ先生!」
「やだやだやだ、わたしだって初めてだもん!」
「だったらなおさら練習しましょうよ、大丈夫です、女の子同士ならノーカウントですから!」
「うわーん、くーちゃん、師匠、誰かー!」「ちむちゃん、先生を捕まえてっ!」「ちむっ!」
「ロロナ先生、捕まえたっ」「トトリちゃん落ち着いて、早まらないで、わたし先生なんだよ!こんなこといけないよ!」
「大丈夫ですよ、練習っ、ただの練習ですからっ」「ト、トトリちゃ……んんっ」

「ロロナー、遊びに来たわよー………………すみません間違えました」

「ぷはっ……ああっ、く、くーちゃん待って! トトリちゃんどいて、くーちゃんに誤解されちゃう!」
「ロロナ先生、今のは納得行かなかったのでちょっともう一度、ちゅーっ」「んん〜〜っ!!」

その後も納得がいかなかったので角度を変えたり、舌の使い方を変えたりしてキスの練習をしました。
ロロナ先生は最初のうちは納得していなかったのか足をばたつかせたりしていたんですけど、
そのうちなんだか身体の力を抜いて、わたしの練習に付き合ってくれました。
途中でなんだかびくびく身体が震えてた気もしましたけど。
それと、20回を過ぎた頃からロロナ先生もなんだか恍惚として舌を絡めてくるようになったので、
わたしもちょっと気持ちよかったりして、とにかくいい練習になったと思います。

「……はぁ……はぁ」
「うーん、今の感じでいいのかなあ。
 ロロナ先生、ありがとうございました、それじゃちょっとわたし行ってきますね!」
「あっ、トトリちゃん待って……ううっ、もうお嫁にいけない、トトリちゃんに責任取ってもらうしかないよね。
 それにこのままじゃ生殺しだし……あれ、腰が抜けて立てないよ……ぐすん」


多分こういう話があったんだよ
ミミちゃん成分に関しては誰か頼む
355名無しさん@秘密の花園:2011/08/13(土) 23:03:24.17 ID:em7nOvXA
電プレ見てきた
かなりよかったんだが製作インタビューがスケロロ推奨みたいな書き方してて腹がたった
神経質すぎると言われそうだが、カプとかそれを連想させるようなことを迂闊に言うのマジ勘弁

このシリーズじゃないが続編で前作キャラがなぜか結婚してて悲しみ背負ったことあるからこのシリーズだけは続編あったとしてもやめてほしいわ
356名無しさん@秘密の花園:2011/08/14(日) 01:32:16.85 ID:/j1NYb03
俺もトトリの時のスケロロ公式っぽい雰囲気に腹立ったから気持ちは良くわかるわ

まあ今のアトリエのユーザー層から考えて
続編でカプ成立とかましてや結婚しましたなんてやらないだろうから
そういう所は適当にスルーして百合な部分だけ楽しもうぜ
357名無しさん@秘密の花園:2011/08/14(日) 02:12:09.80 ID:waXqXqDp
くっつければ俺嫁派と百合派を敵に回すからな
男女カプで人気あろうと全体の半分占めるほどでは
ないだろうし明確にする事はこの先もまずないだろう(商業的にも)
逆に言えば百合派もガチ展開は望み薄という事だがw
まあそこは妄想でカバーだな

最初からガスト側が発売前に王道ボーイミーツガール主張しないかぎりは
大丈夫と思う。恋愛ゲーじゃないし
358名無しさん@秘密の花園:2011/08/14(日) 02:49:08.84 ID:+dAkRD5S
ミミちゃんはこっそりコミケに参加してトトミミ本を探すのだろうか
それとも自分がタチのミミトト本を探すのだろうか
自分の嗜好に合致した本を見つけて、これください、って言った相手が
サークル参加してるトトリちゃんだったりするのだろうか
359名無しさん@秘密の花園:2011/08/14(日) 04:12:24.30 ID:Jq6pB1W7
その場から逃げ出しトトリちゃん作同人を読み
自分とこういう事がしたいのか?と顔を真っ赤にするミミちゃん
あとでトトリちゃんと会うもののお互い聞くに聞けず二人とも顔を赤くさせ
気まずい空気に
360名無しさん@秘密の花園:2011/08/14(日) 18:16:09.61 ID:NeA89ZK4
SS投下します。
今回はメルケイ+メルル総受け風味。あまり百合っぽくはなく、結構ハチャメチャな内容です。
それからライアス君が割と出てきますので「百合創作に野郎なんざ必要ねえ!」という方はあしからずご了承下さい。
361名無しさん@秘密の花園:2011/08/14(日) 18:19:35.82 ID:NeA89ZK4
「ふんふふんふふ〜ん♪」
 ある日のアールズのアトリエ。ちっちゃなロロナがハミングしながら錬金釜の中をかき混ぜている。毎度おなじみのパイ作りだ。
「今日はロロナちゃん、どんなパイを作るのかな?」
 調合の様子を見守るメルル。トトリもホムちゃん達も不在のため、完成したパイを食すのは、おそらく彼女の役目だろう。
 今度はどんな変わった効果のパイなのか。メルルの表情は、期待と不安が8:2といった割合だ。
「できた〜!」
 元気いっぱいに声を上げて、ロロナは出来立てのパイをメルルに差し出した。
「できたよメルルちゃん! なづけて、すきすきパイ!」
「す、すきすきパイ!? ずいぶんストレートな名前だけど……まさか、惚れ薬的なパイとか?」
「あのね、このパイをたべると、たべたひとのことをみんながすきになるの。みんなのにんきものになりたいあなたにおすすめのいっぴんです!」
「何故に宣伝口調……でも、みんなの人気者かぁ……それはちょっとなってみたいかも」
「メルルちゃん、たべてみてー」
「いいの? それじゃあ遠慮なく」
 ロロナからもらったすきすきパイを、メルルは早速その場で食べてみた。
「あー美味しかったー……けど、別に変わった感じしないなぁ。ねえロロナちゃん、これってもう効果出てるの?」
「……」
「ロロナちゃん?」
 ロロナは何だかぼんやりした様子で、メルルの顔をじっと見ている。
「どうしたの? 何だか顔赤いけど、熱とかじゃないよね」
「メルルちゃん……だっこして」
「え? いいけど……」
 せがまれるまま、メルルはロロナを抱っこしてあげる。
「これでいいの?」
「うん……このままぎゅってして」
 ロロナはメルルにぎゅっと抱きついて、離れようとしない。
(何だか急にロロナちゃんが甘えてきた……ひょっとして、パイの効果なのかな? まあ可愛いからどっちでもいいけど)
「……メルルちゃん」
「なぁに? ロロナちゃん」
「あのね……えっと……」
 ロロナは顔を赤らめ、何やら恥ずかしそうにもじもじしている。
「メルルちゃん、ロロナのことすき?」
「もちろん。ロロナちゃんのこと好きだよ」
「ほんとう?」
「うん」
「じゃあ……ちゅーして」
「え……?」
 驚くメルルを、ロロナは潤んだ目でじっと見つめている。
「おねがい、メルルちゃん」
362名無しさん@秘密の花園:2011/08/14(日) 18:23:11.49 ID:NeA89ZK4
「えっと、それは、その、ほっぺとかおでこでいいんだよね?」
「ちがうの。ちゃんとちゅーしてほしいの」
 興奮しているのか、ロロナの呼吸が荒い。
「それからね、ちゅーだけじゃなくて、もっといろいろしてほしいの」
「い、色々って……」
「メルルちゃん、すき……すきなの。ロロナのこと、いっぱいすきにして、ね?」
「いやいやいやいや! 同意であっても犯罪だからそれ! っていうかこれパイの効果だよね!? 人気者どころじゃないし! どう考えても惚れ薬以上だよ!?」
「ん〜……ちょっとききめつよすぎたかも……でもそんなことより、メルルちゃんとひとつになりたいの……」
「いやだから無理だって! 八歳児と一つになったら人生終了だよ!」
 その場を逃れようとするメルルだが、ロロナはしがみついて離れようとしない。
(何とかしないと……でもロロナちゃんに乱暴なことするわけにはいかないし……そうだ!)
 メルルは常に身に付けている秘密バッグから、目当てのアイテムを取り出した。
「ロロナちゃん、ごめん!」
 眠らせる効果の付いた王家のアロマ。ダメージは無いが直撃を食らったロロナは、たちまち倒れてしまった。
 スヤスヤと眠るロロナをソファに寝かせ、メルルは冷や汗を拭って息をつく。
「危なかった……今回のパイはちょっと危険過ぎるかも。でも、考えようによっては食べたのが私でよかったかな。もしロロナちゃん本人が食べたりしてたら……」
 ほぼ確実に犯罪者を量産することになっただろう。
「みんなが好きになる……って言ってたから、もう誰かに会うのは危険だよね。効果がいつ切れるか分からないけど、今日一日はアトリエで大人しくしてた方が――」
「ただいまー」
「とっ、トトリ先生!?」
 買い物から帰ってきたトトリは、ドアを開けた途端大声を出されてキョトンとしていた。
「どうしたのメルルちゃん? そんなに仰天して」
「いえ、その……」
「あれ、ロロナ先生お昼寝してるんだ。パイはもう完成したの?」
「それがその……かくかくしかじかで――」
 メルルは先ほどの出来事をかいつまんでトトリに説明した。
363名無しさん@秘密の花園:2011/08/14(日) 18:26:19.72 ID:NeA89ZK4
「そうなんだ……ロロナ先生、またすごいパイを」
「すごいですけど、困りますよ本当に……とにかく今日一日はアトリエで大人しくしてようかと」
「うん、それがいいよ。私が一緒にいてあげるから何も心配いらないよ。ずっと二人きりでいようね、メルルちゃん」
「あの……トトリ先生? さっきから、異様に顔が近いんですけど」
 吐息が触れ合うほどに距離を詰めているトトリは、真っ直ぐな視線でメルルに語りかける。
「気にしないで。私に任せておけばいいからね。メルルちゃんのことは私が守ってあげるから。さあ、抱きしめてあげるね……」
「ちょっ……もしかしなくても、トトリ先生もやっぱりパイの効果受けてますよね!?」
「うん……そうみたい。メルルちゃんを見てると、もうそれだけで体が熱くなってきて……」
 トトリはメルルの肩に腕を回し、さらに顔を近付ける。
「メルルちゃん……」
「だっ、ダメですよ先生! 先生にはミミさんという人がいるじゃないですか!」
「分かってる……頭ではいけないって分かってるんだよ。でも無理なの。メルルちゃんが欲しくて欲しくてたまらないの!」
「あーもうっ、やっぱり説得は無理か」
 再び王家のアロマを取り出し、即ふっかける。興奮していたトトリだが、あっさり倒れた。メルルは今日ほど、このアイテムを頼もしく思ったことはなかった。
「危機一髪……けど、このあとどうしよう?」
 ソファで眠るロロナとトトリを見ながら、メルルはため息をつく。
「よく考えたら、アトリエって結構人が来ること多いんだよね。そのたびにこんなことしてたら……」
 怪しいパイの効果で心を奪われ言い寄ってくる人達を、次々と薬で眠らせアトリエに軟禁していく錬金術士……。
「うわあ、端から見たら言い訳不可能なぐらい犯罪者だ」
 このままアトリエに留まるわけにはいかない。しかしアトリエ以外で落ち着いて身を隠せるところというと、
「お城……しかないよね」
 結論は出たが、問題はまだある。お城にも当然だが人がいる。ケイナ、ライアス、ルーフェス、デジエ、それ以外にも兵士達や家庭教師補佐など、それらと一切顔を合わさないというのは、とてもではないが不可能だろう。
「やっぱりここは……ケイナに頼るしかないか」
 ケイナに事情を話して、メルルの自室には誰も入れないようにしてもらう。そしてパイの効果が切れるのを待つ。
364名無しさん@秘密の花園:2011/08/14(日) 18:29:36.23 ID:NeA89ZK4
「うん! これしかない! ケイナに襲われるかもしれないけど、ケイナならいいよね! むしろ私が襲いたいぐらいだもんね!」
 テンパっているせいか、いささか錯乱気味なことを言いながら、メルルは今後の行動指針を決定した。
 残る問題は、ケイナの元へ辿り着くまでの道のりだ。
「なるべく誰にも会わないように……会っても何とかできるように、アイテムの準備しておかないと。一応、みえないクロークとかも装備して……」
 諸々の用意を整えたメルルは、いざアトリエの外に――出る前にドアを半開きにして様子をうかがう。
(ミミさんは……いない。マリエちゃんも、いない。子供らはうに投げの真っ最中。ブタさんはいつも通り……よしっ)
 アトリエ周りの安全を確認したメルルは、脇目も振らずに並木通りへ向けて走り出した。


 なるべく人通りの少ない道を、目立たないように、かつ急いで進む。うまくいっているのかは不明だが、今のところは誰とも顔を合わせていなかった。
(よし……この調子で)
「おいメルル。こんなとこでコソコソ何やってんだ?」
「っ! ライアス君……!」
 最悪だ。いや、ライアスが最悪なのではなく、異性と出くわしてしまうのは最も避けたい事態だった。
 個人の感覚にもよるだろうが、女の子同士であれば多少の行き過ぎた行為であってもある程度はなあなあで済ませられる。しかし男性が相手となるとそうはいかない。
(気の毒だけど……)
 こんなことで貞操を失うわけにはいかないし、身内から性犯罪者を出すわけにもいかない。メルルは隙あらば王家のアロマを使えるよう身構える。
 が、
「……さっきから何で人の顔を睨んでるんだ?」
 ライアスは普段と何も変わらない様子で、メルルの挙動を怪訝そうに見ている。
「えっと……ライアス君、何ともないの?」
「何がだよ?」
「その、私のこと見て、変な気持ちになったりしてない?」
「はぁ? いきなり何言い出すんだお前?」
 素で返すライアス。やはりパイの効果が及んだ様子は見られない。
「ううん何でもない。じゃあね」
 ライアスが全く正気なことが分かったメルルは、安堵してその場を去っていった。

365名無しさん@秘密の花園:2011/08/14(日) 18:34:46.89 ID:NeA89ZK4
「ライアス君、全然普通だったなぁ……ってことは、もうパイの効果切れてるのかも」
 だとしたらめでたしめでたしだが、ちゃんと確認するためにもう一人ぐらい誰かに会っておきたい。そう思った矢先、タイミングよく声をかけられた。
「お〜い、メルちゃ〜ん!」
「あ、フアナさん」
 フアナはいつもと変わらない気さくな笑みを浮かべて、メルルの傍へ寄ってきた。
「今日はお店の方寄ってかないの?」
「うん。ちょっとお城に用があって」
「そっかー……メルちゃんは頼れる年上のお姉さんよりも、従順な年下のメイドさんの方がいいんだ」
「いやいや、何で急にそんな話になるんですか!」
「あっはっは。冗談だって」
「もうっ、フアナさんてば」
 フアナの軽口に付き合いながら、メルルはホッとしていた。フアナの様子から見て、やはりパイの効果は切れているようだ。
「そうだ。ついさっきケイちゃんに会ったよ。メルちゃんのこと探してた」
「あ、そうなんですか。どこでですか?」
「すぐそこ。案内してあげるよ」
 メルルはフアナのあとについて、並木通りを歩いていく。
 のだが、
(何か……どんどんひと気の無いとこに行ってるような……?)
 こんなところにケイナがいるのだろうかと思ったが、とりあえずついて行く。
「メルちゃん」
「はい?」
 不意にフアナが足を止めた。
 周囲を林で囲まれ、視界も音も遠くへは届きにくい。そんな場所。
「……!」
 今さらになって嫌な予感を覚えたメルルだったが、もう遅い。
「えいっ!」
「うわあっ!?」
 いきなりフアナが抱きついてきた。
「ごめんメルちゃん。ケイちゃんが探してたってのは嘘。さっきからメルちゃん見てたらムラムラしてどうしようもなくて」
 どうやらパイの効果は切れていなかったらしい。フアナは上気した表情で、メルルの耳元に口を寄せる。
「あんまり優しくするとか気ぃ遣えそうにないから、先に謝っとくね」
「ま、待ってフアナさん、落ち着いて下さい!」
「無理。もうメルちゃんにエッチなことする以外考えられない」
「くっ……!」
 やむを得ずメルルは秘密バッグに手を伸ばす。
「おっと! 危ないオモチャを出しちゃダメだよ〜」
「あっ」
 しかし、攻撃の気配を素早く察知したフアナに腕を掴まれた。
 肝心のアイテムを封じられたら、フアナにはとてもかなわない。万事休す――
366名無しさん@秘密の花園:2011/08/14(日) 18:38:57.45 ID:NeA89ZK4
 その時である。
「伏せてメルル!」
「!」
 気合いとともに一閃された槍の穂先が、コンマ一秒前までフアナがいた空間を切り裂いた。
「ミ……ミミさん!」
「あらまあ……ツンデレちゃんってば、いいとこだったのに邪魔してくれちゃって」
 背後からの一撃を辛くもかわしたフアナは、油断なく身構える。
 ミミは自然体に槍を構えたまま、フアナを睨みつけた。
「ふん……どうも様子がおかしいと思ってつけてみたら、正解だったわね。メルルに手出しはさせないわよ」
「ミミさん……」
「この私が来たからには、安心なさいメルル」
「は、はい!」
 出来過ぎなタイミングにこの台詞。思わず惚れ惚れしてしまうメルルだったが、
「この女を追い払ってから、私が存分に可愛がってあげるからね」
「え゛……」
 案の定、ミミもパイの効果をもろに受けていた。
「なんだ。あんたも同じ穴のムジナじゃん」
「何とでも言いなさい。とにかくこの場は譲れないわ」
「ふん……こっちの台詞だね」
 フアナはブーメランを手に、いつでも飛び出せるように軽く身を沈めた。
 互いに相当な実力者だ。容易には動かない。
「あのー……二人とも聞いてほしいんですけど」
 ミミとフアナが静止したままなので、メルルは一応事情を説明してみる。
「――というわけでして、二人が私に、その、変な気持ちを抱いてるのは、そのパイのせいなんです」
「なるほど……」
 ミミは得心して頷いた。
「分かってもらえました?」
「ええ。さっきから自分の中で矛盾を感じてたけど、そういうことだったのね」
「私も、今日に限って何でこんなにメルちゃんに欲情してるんだろって思ってたけど、そういうことだったんだ」
「じゃあ、ミミさんもフアナさんも、落ち着いて喧嘩はやめて――」
「「それは無理」」
 異口同音に即答する二人。
「理屈が分かっても、どうしようもないのよ……メルルが欲しくて、体が疼いて仕方ないの」
「同じく。ほっといたら頭ん中がどうにかなっちゃいそうなくらい、メルちゃんが欲しい」
「そ、そんなぁ……」
 このままでは、この勝負に勝った方がメルルをいただきますすることになる。それは勘弁してほしい。
(こうなったら逃げるしかないよね。二人が勝負に集中してる隙に……)
 気付かれないように足音を忍ばせて、その場を離れるメルル。二人は互いの挙動に意識を集中しており、メルルの動きには気付かない。どうやらうまく逃げられそうだ。
367名無しさん@秘密の花園:2011/08/14(日) 18:42:16.41 ID:NeA89ZK4
 しかしその時、運命の神様のいたずらか、あるいはただの本人のドジか。落ちていた小枝を踏み折り、かなり大きな音を立てた。
「……メルル」
「……メルちゃん」
「えーっと……」
 メルルが恐る恐る振り向くと、ミミとフアナは妙に優しげな笑顔だった。
「まさかとは思うけど、私達が争ってるのをいいことに、さっさと逃げ出そうなんてしてないわよね?」
「ま……まさかぁ……あはは」
 乾いた笑いを浮かべながら、メルルの背中は嫌な汗でぐっしょりだ。
「そうね。まさかよね。でも――」
 ミミは戦意の矛先を、メルルに向けた。同時にフアナも。
「まずあなたの身柄を押さえておいた方がよさそうだわ」
「同感。メルちゃん、目離すとどっか飛んでっちゃいそいだし」
「うわあ……」
 ただでさえミミもフアナも、直接の戦闘能力ではメルルより上なのに、二人同時ときた。
 一応、超が付くほど強力な攻撃アイテムもあるので、勝ち目はゼロではない。しかし、正気を失っているとはいえ、友達にそんな物を使うのは避けたい。
 となるとやはり、
「逃げるが勝ちっ!」
 全力でダッシュするメルル。ミミとフアナがそれを追う。
 必死で駆けるメルルだが、如何せん地の脚力が違っている。たちまち二人の足音が近くなってきた。
(ここまでか……!)
 諦めの思考がメルルの脳裏をよぎる。
 しかし、天は彼女を見捨てなかった。
「あっ! ライっ、ライアス君!」
「ん? 何だまたメルルか――おわっ!?」
 街の見回りを続けていたライアスに、メルルは全力疾走のままタックルよろしく腹に突っ込んだ。
「げほっ……何すんだお前!」
「ごめんブレーキ代わりにした。それより助けてライアス君! 追われてるの!」
「! 何だ!? 暴漢か!?」
 さすがに護衛を任されているだけあって、ライアスは異変を察知するや即座にメルルをかばって身構える。
「……おいメルル」
「何?」
「追われてるって、あの二人にか?」
 現れたミミとフアナを見て、ライアスは確認のためメルルに尋ねる。
「うん、そう。ちょっと事情があって」
「ただの喧嘩とかじゃないのか?」
「うん。真面目に追われてる」
「そうか、真面目にか……」
 となると、護衛であるライアスは、真面目に相手をしなければならない。あの猛者を、二人同時に。
368名無しさん@秘密の花園:2011/08/14(日) 18:46:32.32 ID:NeA89ZK4
「厳しそうだが……俺だって伊達に修行を積んできたわけじゃない。メルル、回復アイテムで援護を――って、あれ?」
 ライアスの背中のすぐ後ろにいたはずのメルルは、すたこらさっさと逃げ出していた。
「おいこら! 俺一人に丸投げする気か!?」
「口では色々言うけどライアス君なら私のために喜んで犠牲になってくれるよね! 大丈夫! きっと勝てるって私信じてるから! 負けるにしてもできるだけ時間かせいでね!」
「よくもまあそんな図々しい矛盾だらけの台詞を元気良く言えるなお前!?」
 ライアスの怒鳴り声を背中に受けて、メルルはお城に向かって走っていった。


「着いた……!」
 見慣れたはずのお城が、今は妙に懐かしく、涙がこぼれそうになった。
「早くケイナに会わなくちゃ……」
 メルルはお城に入っていく。その際、見張りの兵士と挨拶をかわしたが、特に変わった様子はなかった。どうやら男性にはパイの効果はないと見て間違いなさそうだ。
(女の子にしか効かないっていうのは、失敗したのかな……? まあ、深く考えないようにしよう)
 とりあえずは自分の部屋を目指して、メルルはお城の中を歩いていく。
「メルル、こっちです」
「あっ、ケイナ」
「しー……早くお部屋の中へ」
 部屋の前で待っていたケイナに手招きされ、メルルはその中へ。
「ケイナ、実は――」
「事情はトトリ様から聞きました。大変だったそうですね」
「え? トトリ先生に?」
「はい、先ほどアトリエに行った際に。それで、メルルはきっとお城に行くと思って、急いで戻ったんです」
「そっか、トトリ先生は正気に戻ったんだ……それで今まで待っててくれたんだね、ケイナ」
「はい。メルルは、ここに来るまで大丈夫でしたか?」
「うん。うまく切り抜けてきたからね」
 正確には面倒事を全てライアスに押し付けてとんずらこいたのだが。
「ところで、その……ケイナは、平気なの? 私の傍にいて」
「平気です。……と、言いたいのですけど、実はさっきから、自分を抑えるのに必死です」
「ああ、やっぱり……」
 ケイナは顔を赤らめ、息も少し荒い。潤んだ瞳が、時折メルルに向けて物欲しげな光を放っている。
「話には聞いていましたけど、これは本当に……とても抗えないくらい……」
「ケイナ、辛いの?」
「ああっ、ダメですメルル! 私から離れて下さい……私が、メルルを汚すわけには……」
369名無しさん@秘密の花園:2011/08/14(日) 18:52:03.36 ID:NeA89ZK4
「ケイナ……」
 抗うことすら困難な衝動の発露に、ケイナは必死で耐えていた。ロロナもトトリもフアナもミミも、今までみんな、耐えられなかったというのに。
 ケイナだったら、許してもいい。むしろ、ケイナにしか許せない。メルルは改めて、その気持ちに確信を持てた。
「いいよ。ケイナ」
「メルル……?」
 メルルはケイナの肩に手を置き、優しく語りかける。
「ケイナならいいよ。私を好きにして」
「っ! そんな……今そんなこと言われたら……私、もう……もう……!」
「我慢しないで。これは同情とかじゃないから。私、前からケイナのこと……」
「メルル……」
 言葉は無粋だと思った。
 微かに震えるケイナの肩を抱き寄せる。柔らかなぬくもりを感じながら、目を閉じたケイナに、唇を――
「ちょおっとまったーっ!」
「うわあっ!?」
 いきなり響いた大声に、メルルとケイナは飛び上がるほど驚いた。
「ロ、ロロナちゃん!? トトリ先生も!?」
「ずるいよ! ケイちゃんばっかりメルルちゃんをひとりじめにして!」
「ごめんねメルルちゃん。私もロロナ先生も、メルルちゃんのこと諦められなくて」
「ええっ!? トトリ先生、正気に戻ったんじゃなかったの!?」
「先ほどは普通にやり取りしていたのですが……」
「戻ってないよ。ケイナちゃんには聞かれたことにちゃんと答えただけだし」
「それだけ冷静ならもう元の先生に戻って下さいよ!」
「だから無理なの。頭でいくら分かってても、どうしようもなくて」
 あれこれ話している間にも、トトリとロロナはじりじりとにじり寄ってくる。
(こうなったら、また王家のアロマで……!)
「あまーいっ!」
「わっ!?」
 ロロナの投げたうにがメルルの秘密バッグを直撃、弾き飛ばした。
「しまった……!」
「ロロナにおなじてはつーよーしないんだから!」
 えっへん、と胸を張るロロナ。メルルは急いでバッグを拾おうとする。が、
「悪いけど、これは預からせてもらうわよ」
「メルちゃん、お久しぶりー♪」
「ミミさん!? フアナさんまで!」
 いつの間にか室内に侵入していた二人。ライアスとの戦いでいくらか傷を負ったようだが、まだピンピンしていた。
「これは……大ピンチ……だよね」
 相手は四人。頼みのアイテムはバッグごと奪われ、まともに戦えば勝ち目はない。
370名無しさん@秘密の花園:2011/08/14(日) 19:02:31.24 ID:NeA89ZK4
「メルル、どうしますか?」
「どうするもこうするも……」
 メルルは手に持つ杖を強く握り締めた。
「何とか切り抜けるしかないでしょ! いくよケイナ!」
「分かりました! あの、こんな時になんですけど、今の私達って冒険物語のヒーローとヒロインみたいですね」
「狙われてるのがヒーローの体でさえなければね……あーもう、いつまで続くんだろこれ……」
 あまりといえばあんまりな状況に、肩を落としてため息をつくメルルだった。


 結局その後、パイの効果は日没まで続き、それまでメルルとケイナはひたすら逃亡劇を続けるはめになりましたとさ。
「でもこれってある意味、愛の逃避行じゃないですか?」
「こんな体力的にギリギリの愛は勘弁してよ……」


(おわり)
371名無しさん@秘密の花園:2011/08/14(日) 19:03:57.81 ID:NeA89ZK4
以上。読んでくれた人、ありがとう。
※撮影に使われたライアス君はスタッフが回収しました。


>>354
〈トトリの野望〉シナリオ03:第四の勢力
ツェツィ、メルヴィア、ロロナ……三人の猛者がトトリ争奪の激戦を繰り広げる中、ミミは未だ戦場に上がってすらいなかった。
このまま傍観していれば、モブキャラ同然の立場に落ちることは必至である。
そのような事態は避けねばならない。そして、このままただの親友程度の地位に納まるつもりは毛頭無い。ミミは参戦を決意する。
ツンの仮面をかなぐり捨ててストレートに好意を伝えるか、知恵を巡らせ他者を蹴落とすか、あるいは外部の勢力と一時的に手を結ぶか……圧倒的に不利な状況を前に、ミミは如何にして立ち回るのか。
貴族の誇りと、トトリへの思いを胸に、今、ミミの孤独な戦いが始まる……。


>>358-359
トトリちゃんをサークルに誘ったのはフィリーちゃん。
ミミちゃんにコミケのことをレクチャーしたのもフィリーちゃん。

腐ィ「計画通り!」
372名無しさん@秘密の花園:2011/08/14(日) 19:47:16.74 ID:jvVZNtmx
>>371
フィリーさん後でお礼と称して酷い目に遭いそうな気がする…
373名無しさん@秘密の花園:2011/08/14(日) 20:14:44.36 ID:PUwC2QZO
メルル総受けはいいな。人気者エンドもそうだが、メルルは誰からも愛される空気を出しているイメージ
374名無しさん@秘密の花園:2011/08/14(日) 20:30:27.41 ID:ns4SBRKM

ロロナちゃんは完全にドラえもん
375名無しさん@秘密の花園:2011/08/14(日) 21:51:57.17 ID:/j1NYb03
GJ!
もうこれが真の人気者エンドでいいんじゃないかと思うの
そしてロロナせんせーのパイの可能性は無限大
376名無しさん@秘密の花園:2011/08/14(日) 22:12:32.98 ID:B7SODdqV
> 真の人気者エンド
これなら納得!
377名無しさん@秘密の花園:2011/08/15(月) 00:00:06.57 ID:LbIOE0EN
ロロナを幼くしたのはガスト側の反省かも知れない
スケロロ派はあれで参ったらしいし

作中でいえばアストリッド師匠のロロナは私の娘!的に年齢固定して
誰にも渡さなさそうではあるが
378名無しさん@秘密の花園:2011/08/15(月) 01:01:07.54 ID:Fxuoyd/I
俺はくーちゃんりおちゃんが出てれば相手がロリナでも十分萌えられる自信あるけどな
元に戻った後の事は妄想で補完すれば良いし
スケロロ派の人はステルクがメルルにメインキャラで出てて
更にイベントで二人の絡みもあるというのにそれ以上何を望んでいるのか

勿論大人ロロナ先生が見てみたい気持ちはあるけどね
メルルにくーちゃんがどれだけ可愛いかを語るロロナ先生とか見てみたい
そして段々エスカレートしていって最終的にロロトトメルによる第一回彼女自慢大会開催
379名無しさん@秘密の花園:2011/08/15(月) 01:11:46.10 ID:h5Pugwsr
子供化とか幼児化はむしろ元に戻った後も小さくなってたときの
記憶を保持しているのが美味しいという話もある

>>378
力いっぱいくーちゃんとりおちゃんの自慢をして
で、どっちが彼女なんですかって言われちゃうロロナ先生
380名無しさん@秘密の花園:2011/08/15(月) 02:10:10.75 ID:l1UaDAv6
>>371
GJ
なんというか爽やかな感じがしてよかった
そしてロロナパイに不可能はなかった

>>378
イベントがあるのは構わんのだが露骨な助贔屓にはうんざりする
まあどうでもいい野郎に関して愚痴るよりも俺も主人公側の嫁自慢が聞きたいぞ誰かかいてくれ
381名無しさん@秘密の花園:2011/08/15(月) 07:42:59.35 ID:y2ZBpLPQ
第一回 錬金術士嫁自慢合戦(錬金術士サイド)

ロロ「やっぱり一番可愛いのはくーちゃんだよね。ちっちゃくて柔らかくて……ちょっぴり厳しいとこもあるけど、何だかんだで甘えさせてくれるし」
メル「それは聞き捨てなりませんね。可愛さならうちのケイナこそ至高ですよ。可愛くて気立てが良くて、家事全般オールマスター。おまけに周囲にまで影響するぐらい幸運に恵まれて、さらに戦いに関する素質も超一級。まさに完璧な私の嫁です」
トト「ミミちゃんだって二人に負けてないよ。ちょっと意地っ張りで素直になれないところもあるけど、本当はとっても純情で優しくて、私のこと大事に思ってくれてるんだ。私もそんなミミちゃんが大好きなの」
ロロ「私だってくーちゃんのこと大好きだもん。くーちゃんのためなら何だって出来るよ」
メル「私も、大好きなケイナのためならたとえ火の中水の中ですよ!」
トト「うーん……みんな自分のパートナーが一番可愛くて大好きだから、誰が一番っていう話にしたら平行線だね」
メル「確かに不毛な気がしますね……」
ロロ「じゃあ結論として一番のお嫁さんはくーちゃんってことで」
メル「何でですか!? 空気読んで下さいよロロナ先生!」
ロロ「あう……軽いジョークだったのに怒られた」
トト「ああ先生、泣かないで下さい。メルルちゃんも熱くならない」
メル「すみません、つい……」
382名無しさん@秘密の花園:2011/08/15(月) 07:45:19.79 ID:y2ZBpLPQ
第一回 錬金術士嫁自慢合戦(嫁サイド)

ミミ「一番可愛いのはひとまず置いておいて、三人の中で一番大人なのはトトリよね」
クー「不本意ながら、それは認めざるを得ないわね……全く、最年長のくせにロロナはいつまでも子供っぽさが抜けないんだから」
ケイ「でも、クーデリア様はロロナ様のそんなところも好きなんですよね?」
クー「なっ……わ、分かったようなこと言うんじゃないわよ! 確かに、まあ、そういうところがロロナらしさでもあるし、甘えられるのは嬉しくないこともないけど……」
ミミ「あーあ、顔真っ赤にして。分かりやすいわね」
クー「そういうあんただってトトリにデレデレでしょうが!」
ケイ「そういえばミミ様、以前に野宿した時、こんな寝言を言っておられましたね。トトリの○○○○を×××――」
ミミ「うわあああ!? い、い、言ってないわよそんな寝言!」
ケイ「メルルも聞いてましたから、確かですよ」
ミミ「うう……さっきから人のことばっかり言ってるけど、ケイナはどうなのよ。メルルのこと」
ケイ「もちろん大好きですよ。メルルは私にとって世界で一番大切な人です」
クー&ミミ(これだけ素直だと、いじりようがない……)



ピア「みんな可愛いお嫁さんがいていいなー……ピアニャも錬金術の勉強頑張ったら、お嫁さん見つかるかな?」
ツェ「そんな! トトリちゃんだけじゃなくて、ピアニャちゃんまでそんなことになったら、私はどうしたら!?」
383名無しさん@秘密の花園:2011/08/15(月) 09:32:29.40 ID:zz4t7WZn
据え置き機の歴代の錬金術士はマリーさん以外お嫁さんゲットに成功してるからな…
ノルディス?あいつにアイゼルは任せられないって、
武闘大会で優勝したエリーさんがタイマンでぶちのめしましたし
ドミニク?幼女ふたりに悪影響なのでリリーさんが図書室に封印しましたし
384名無しさん@秘密の花園:2011/08/15(月) 09:34:25.38 ID:+n5teZmj
マリーにはシアが居るじゃない!
385名無しさん@秘密の花園:2011/08/15(月) 13:21:11.63 ID:zz4t7WZn
シア結婚しちゃったし…いや、うちのシアはハタキで並みいる敵をぶちのめしてましたが
386名無しさん@秘密の花園:2011/08/15(月) 18:45:43.98 ID:Fxuoyd/I
シアか……
長い事アトリエやってるけどあの時ほど悲しみに包まれた事もないな

>>382
ツェツィさんにはメルお姉ちゃんがいるじゃない!
もしくは今の内からピアニャちゃんを自分の好みの嫁に育て上げる逆?光源氏計画とか
387名無しさん@秘密の花園:2011/08/15(月) 19:50:31.37 ID:exfM6I0/
思ったんだが、ピュアトリフのイベントでミミちゃんはトトリちゃんと一緒に風呂に入ったり一緒の布団で寝たいと暴露してたんだよな?

…という事は、トトリちゃんはミミちゃんに心は許しても、身体は許してなかったって事なんだろうか
トトリちゃんはミミちゃんに裸を見せた事も一度も無かったという事にも
388名無しさん@秘密の花園:2011/08/15(月) 20:11:54.49 ID:MDsR7BKH
>>371
パイの効果が切れた後のトトミミを妄想すると二度おいしい!GJ
ケイナに襲われたい願望があるメルルとかいいね!

>>381
嫁自慢大会(護衛者の部)は、ツンデレ二人には分が悪そうw
389名無しさん@秘密の花園:2011/08/15(月) 20:12:12.67 ID:zz4t7WZn
ミミちゃんスレに誤爆ったから最投下したのかと思ったら微妙に内容違うのかよww
390名無しさん@秘密の花園:2011/08/15(月) 20:15:47.78 ID:PgnkTFuQ
ミミちゃんが素直になれなかったからね
私情友情愛情のあとは毎晩ギシアンだよ
391名無しさん@秘密の花園:2011/08/15(月) 20:23:06.40 ID:Maf8n5dP
トトリちゃんもミミちゃんの気持ちがどうなのかはっきりわからなくてモヤモヤしてただろうね

ペンダント渡した後は二人ともそれまで溜まってた分、愛情たっぷりで激しくニャンニャンしてるよ
392名無しさん@秘密の花園:2011/08/15(月) 20:26:24.15 ID:h5Pugwsr
期間的にヘタすると10年越しで溜まってるよな……
毎晩激しくした結果の妊娠は時間の問題ですねわかります
393名無しさん@秘密の花園:2011/08/15(月) 20:44:04.12 ID:Fxuoyd/I
錬金術の力があれば同姓で子供作るくらい造作もない事だろうからな
これでミミちゃんの跡継ぎ問題も解決だし何の心配もなく結婚出来るな

私情友情愛情といえば前から思ってたんだかガストちゃんは何を思ってこの名前にしたんだろうね
とても友情イベントに付けるタイトルとは思えないんだが、勿論良い意味で
394名無しさん@秘密の花園:2011/08/15(月) 21:12:15.07 ID:rOqgu4Bk
最初は私情で錬金術師に近づいたミミちゃん
数年間一緒に旅したことで芽生えた友情
離れて気付いた自分の大切な人。友情を超えた愛情
395名無しさん@秘密の花園:2011/08/15(月) 21:13:12.60 ID:q0c3uIe1
さりげなさを装ってトトリを冒険に連れてきて!→私情
一緒にお風呂入ったり、寝たりしたい!→友情
虹のかけらのペンダントをプレゼント=レインボー=ガチ→愛情
396名無しさん@秘密の花園:2011/08/15(月) 22:29:16.69 ID:Fxuoyd/I
>>394
もうこの二人の関係を追うだけで一本ゲームが作れそう
トトリとミミの大冒険 〜アーランドの錬金術士2 外伝〜 みたいな感じで

>>395
>虹のかけらのペンダントをプレゼント=レインボー=ガチ→愛情
これは思いつかなかったw不器用なミミちゃんなりの愛情表現だったのか
あるいは一般ユーザーに配慮して友達という事にしてるけど本当はこの二人はガチなんだよという
ガストちゃんからの分かる人にしか分からないサインなのか
397名無しさん@秘密の花園:2011/08/15(月) 23:28:16.72 ID:uAlDXU4z
百合ってなんでこう、こんなにも魅力的なんや!!
トトミミのスチルを見る度にほっこりするわ
398名無しさん@秘密の花園:2011/08/16(火) 00:11:04.01 ID:AktHZPK/
SS投下します。
今回はトトミミ。
399名無しさん@秘密の花園:2011/08/16(火) 00:14:01.82 ID:AktHZPK/
「くーちゃんが〜♪ このあじいいねといったから〜♪ ○月×日はパイのきねんび〜♪」
 ご機嫌で歌をうたいながら、ロロナは錬金釜の中をぐーるぐーるとかき混ぜている。もはやアトリエの日常風景になった感のある、ロロナのパイ作りだ。
「さて……今回はどうでしょうね」
「どうなんだろうね」
 見守るメルルとトトリは、どことなく緊張の面持ちだ。
「ここ最近、絶好調ですもんねロロナちゃん。前回のタイムリープパイで『作っちゃだめリスト』とうとう三枚目に突入しましたし」
 メルルの手にしているリストには、あべこべパイから始まって、周囲への影響や危険性を考慮して封印されたパイの数々が列挙されている。
「その前のドラゴンパイmk2もびっくりしたよね。まさか本当にドラゴンに変身するなんて」
「ライアス君、反動で三日間寝込んでましたけど……」
「それから改良型ねこさんパイも」
「ねこ耳と尻尾が生えちゃうやつですよね。先生とかケイナだったら可愛かったのに、よりによってハゲルさんが……」
「あとすごかったのが、おばけパイ……おばけっていうか幽体離脱だけど」
「それは思い出させないで下さいよ。あの時、先生が本当に死んじゃったと思って大泣きしたんですから」
 メルル達がそんな会話をしているうちに、ロロナの調合は大詰めに入っていた。
「よ〜し……このままきあいをいれて〜……!」
 釜の中から光が溢れる。そして――
「できた〜!」
 パイの完成とともに、ロロナが嬉しそうな声を上げる。
「できたよメルルちゃん、トトリちゃん! こんどのはものすっごいんだから!」
「も、ものすごい? わざわざそんな前置きされると恐いんだけど」
「ふっふっふ……なづけて、なんでもパイ!」
「なんでもパイ? 何だかアバウトでよく分かんないけど、食べたらどうなるの?」
「なんでもできるんだよ」
「なんでもって?」
「だからなんでも」
「……ひょっとして」
 メルルはただ首を傾げていたが、トトリは急に真剣な目になってロロナに問いかける。
「ロロナ先生。このパイ、どんな材料でどう作ったか、教えてくれますか」
「え? んーとね……ぐにゃぐにゃーてしたのときらきらーてしたのとしゅぱーってしてるのを、ぐーるぐーるしてからぐるぐるぐるーってしたの」
「ふむふむ……」
400名無しさん@秘密の花園:2011/08/16(火) 00:18:01.40 ID:AktHZPK/
「トトリ先生、まさか今の説明で分かったんですか?」
「大雑把なところはね。でも、できたらもっと細かいところも知りたいんだけど……」
「それなら、絵に描いてもらったらどうでしょう」
「そっか、メルルちゃんナイスアイディア! ロロナ先生、このパイの作り方を、絵で描いてほしいんですけど」
「おえかき? うん、いいよー」
 ロロナはスケッチブックとクレヨンを手に、鼻歌をうたいながらお絵描きしていく。
「できたよトトリちゃん。このパイはこうやってつくったの」
「はい。ちょっと見せて下さいね」
 トトリは一見ただの落書きにしか見えないその絵を、隅々まで丹念にチェックする。その表情は、次第に険しいものになってきた。
「メルルちゃん。アトリエに、このパイがしまえるほどの鍵付きの箱ってある?」
「ええっ!? 何ですか急に。このパイ、そんなに危険なんですか?」
「うん。危険だよ」
「い、一体どんな?」
 トトリは深呼吸を一つして、説明を始める。
「一言で言うとこのパイは、食べた人の願い事を何でもかなえてくれるの」
「な……何ですかそれ!? ほとんど反則じゃないですか!」
「うん。そして恐ろしいのは、本当の意味で『何でも』かなえてしまうということ」
「……どういう意味ですか?」
「もっと詳しく調べないと結論は出せないけど、このパイの想定しうる最大の効果が発揮されたら、地盤や地軸レベルからの自然環境、時間や空間、さらには因果律にまで影響を及ぼすかもしれないの」
「それってつまり……食べた人の願い事によっては、世界のあり方そのものが変わってしまうってことですか?」
 トトリは無言で頷く。メルルの背筋に冷たいものが走った。
「ひょっとしてこのパイは、錬金術が神の領域に辿り着いた証なのかも……」
「そんなこと言ってる場合じゃないですよ! 万が一にも悪用されないように、対策を立てないと!」
「そうだね。急いで処分――するのはもったいなさ過ぎるから、どこかへ隠さないと」
「それならお城の金庫はどうですか? 管理してるのがあのルーフェスですから、ありんこ一匹入れませんよ」
「うん、それがよさそうだね。じゃあ早速行こう。ロロナ先生、私達出かけてきますから、お留守番してて下さいね」
「いいけど……パイたべないでもってっちゃうの?」
「また今度いただきますから……それじゃ」
 パタリとドアを閉じて、メルルとトトリは行ってしまった。
401名無しさん@秘密の花園:2011/08/16(火) 00:22:23.80 ID:AktHZPK/
「……ぶー。ロロナつまんない」
 一人放置されたロロナは、ふくれっ面になって拗ねてしまう。
 しかし、しばらくしてからタイミングよく来客があった。
「お邪魔するわよ」
「あー、ミミちゃんだー!」
「あら、ロロナさんだけなの?」
「うん……ロロナひとりでさびしいの……ミミちゃん、あそんで?」
 トトリに会うためにやって来たミミだが、ロロナにこんなことを言われてしまったら、じゃあ帰るわねというわけにもいくまい。
「ロロナさんはお留守番してたの?」
「うん。せっかくロロナがパイつくったのに、メルルちゃんもトトリちゃんもたべないでもっていっちゃったの」
「持っていった? 何でまた?」
「さー? ミミちゃん、よかったらロロナのつくったパイたべていって」
「いいけど……そのパイって、トトリ達が持っていったんじゃないの?」
「ざいりょうがあまってたから、ふたつつくってたの。どーぞめしあがれ」
「そうなの。じゃあ、遠慮なくいただくわね」
「あ、ちょっとまって。たべるまえにね、おねがいごとをして」
「お願い事?」
「うん。ミミちゃんのおねがいごと。こころのなかでおねがいしながらたべてみて」
「おまじないか何かかしら? 分かったわ」
 心の中で願いを言葉にして、ミミはロロナのパイにかじりついた。


「ただいまー。ロロナちゃん、一人にしてごめんね」
 数十分ほどして、アトリエにメルルが帰ってきた。トトリはパイの保管についてルーフェスと話し合うため、城に残っている。
「おかえりメルルちゃん。ロロナひとりでもちっともさびしくなかったよ」
「そう。偉いねロロナちゃん」
「えへへ。そういえばさっきミミちゃんがきてたよ」
「ミミさんが? 何してたの?」
「えっとね、パイをごちそうしたあと、ちょっとおはなししてたの」
「そうなんだ。ところでパイって、作り置きのパイを出したの?」
「ううん。さっきロロナがつくったなんでもパイだよ」
「…………え?」
 メルルの表情が固まった。
「ちょっと待って。さっきロロナちゃんが作ったなんでもパイは、私とトトリ先生がお城に持っていったよね?」
「うん。でもふたつつくってたから、もうひとつをミミちゃんにあげたの」
「ふっ、二つーっ!?」
 世界そのものを改変するほどの力を持つパイが、まさか二つもあったとは。しかも既に食べられてしまったという。
402名無しさん@秘密の花園:2011/08/16(火) 00:31:11.87 ID:AktHZPK/
「ロロナちゃん! ミミさんはどんな願い事してたの!?」
「ロロナもききたかったけど、ミミちゃんはずかしがっておしえてくれなかったよ」
「やっぱりそうなるか……ごめんロロナちゃん。また出かけてくるね!」
 そう言い残すや、メルルはアトリエの外に飛び出していた。
(ミミさんのことだから、絶対に悪い願い事とかはしてないだろうけど……多分、トトリ先生絡みなんだろうなぁ。ひょっとしたら今頃、先生が百人ぐらいに増えてたりして……)
 場合によっては、城に保管してあるもう一つのパイを使って、ミミの願い事を打ち消さなければならない。
「とにかくミミさんを探さないと……!」
 ミミの姿を求めて、メルルは必死で走っていく。
 幸いなことに、さして時間をかけることなく、並木通りで見つけることができた。
「ミミさーんっ!」
「メルル? どうしたのそんなに慌てて」
 息を整える時間も惜しいメルルは、単刀直入に用件を切り出す。
「さっき、アトリエでロロナちゃんのパイを食べましたよね。その時、どんな願い事をしましたか?」
「え……な、何でそんなこと、教えなくちゃいけないのよ?」
「真面目に必要なことなんです! 絶対他言はしませんから、教えて下さい! お願いします!」
 ドが付くほど真剣なメルルの気迫に、ミミはしばらくたじろいでいたが、やがて観念して肩を落とした。
「分かったわよ。まあ、今さらあなたに隠すようなことでもないし」
「じゃあ……」
「言っておくけど、本当につまらない願い事よ?」
「それでもいいです。教えて下さい」
「……」
 ミミは一つ、息をついてから、微かに頬を赤くして、言った。
「トトリと……ずっと仲良く、一緒にいたい」
「……それだけですか?」
「ええ。それだけよ」
「……なるほど。分かりました」
「で? どうしてこれが必要なことなの?」
「いえ、気にしないで下さい。こっちのちょっとした事情なんで」
「ふーん……まあ、言いたくないなら無理には聞かないけど。用事はそれだけ?」
「はい。ありがとうございました」
「それじゃ、私はもう行くわね」
403名無しさん@秘密の花園:2011/08/16(火) 00:34:00.00 ID:AktHZPK/
 去っていくミミの背中を見送りながら、メルルは安堵の笑みを浮かべ、二人の未来に思いを馳せていた。
「なんて言うか……ある意味、願い事の無駄使いだよね。無茶な内容じゃなくてホッとしたけど」
 ロロナのパイの力が確かならば、トトリとミミは、これからもずっと仲良く、一緒だろう。
 しかしそれはパイの力によらなくても、今まで二人が築いてきた絆と、これから積み重ねていく思いがあれば、十二分に実現可能な未来である。ただ今回、その未来にちょっとした保証がされただけの話だ。
 だから、このことは誰にも言う必要はないだろう。メルルは胸の内で二人を祝福しながら、そう結論付けた。
「ちょっとだけ……うらやましい気もするけど、私とケイナだって、いつまでも一緒だもんね」
 理屈ではない確信を改めて胸に刻み、メルルはアトリエへ向かって歩き出した。


(おわり)
404名無しさん@秘密の花園:2011/08/16(火) 00:35:35.89 ID:AktHZPK/
以上。読んでくれた人、ありがとう。
トトミミと言っておきながら、トトリとミミの直接の絡みが全く無くてすみませんでした。
405名無しさん@秘密の花園:2011/08/16(火) 00:46:42.01 ID:fV3wHIq1
GJ!
絡みがないからこそ、想像する楽しみが生まれるもんだと思ってる
406名無しさん@秘密の花園:2011/08/16(火) 01:27:01.93 ID:+XniC5Lu
GJ!
良い話だなあ、読んだ後ほっこりした気分になったよ
407名無しさん@秘密の花園:2011/08/16(火) 01:39:34.32 ID:zkuHbcHb
GJ!
直接的な絡みなくても十分萌えたし、温かい気持ちになったよ
あとねこ耳生えたハゲルさん想像して吹いたw
408名無しさん@秘密の花園:2011/08/16(火) 22:57:08.88 ID:iMHLT1cI
>>403
GJ!トトミミは世界公認カップルってことですね!

もし猫耳が生えたら……
ロロナ先生は黒猫、トトリ先生はスコティッシュフォールドですかね
中の人つながりで
409名無しさん@秘密の花園:2011/08/17(水) 01:54:33.87 ID:7dySdf59
パンツじゃないから恥ずかしくない的なアレですね

もしミミちゃんが錬金術のせいか何かで猫になっちゃったらトトリちゃんはミミちゃんに気づくだろうか
他の誰も分からないのに何故かその猫がミミちゃんだと分かるトトリちゃん
そして元に戻る薬が出来るまでアトリエで一緒に暮らす、というか飼われる事になるミミちゃん
410名無しさん@秘密の花園:2011/08/17(水) 02:03:27.03 ID:Bnxe9dgW
パンツじゃなくてレオタードだしな

メルルでのミミちゃんの服が、何となく昔のトトリの服に似てていい
青とかトトリの色を服に入れるミミちゃんかわいい
411名無しさん@秘密の花園:2011/08/17(水) 06:57:38.82 ID:+hQ5CtiT
ロロナパイつくっちゃだめリスト(一部抜粋)

【名前】
あべこべパイ
【効果】
食べた人があべこべになっちゃう。何があべこべなのかはハッキリしないんだけど……。
【封印理由】
言っちゃいけないことを言っちゃう人が続出して危険。
でもミミさんは可愛かったよ。

【名前】
すきすきパイ
【効果】
食べた人のことをみんなが好きになる……を通り越して、発情しちゃう。
意志の力じゃどうしようもないくらいに。
効果は何故か女の子限定。
【封印理由】
食べた人の貞操が危ない。
それから、悪用しようとする人もいるかもだし……アス(※この部分は慌ててかき消されている)

【名前】
改良型ねこさんパイ
【効果】
食べるとねこ耳と尻尾が生えちゃう。
色とか種類はその人によってランダム。
ちゃんと感覚もあって動かせるよ。
【封印理由】
食べる人によっては色々危険。
トトリ先生が食べたらミミさんの理性が危ない。ミミさんが食べたらトトリ先生の理性がもっと危ない。
ケイナが食べたらとか想像しただけで鼻血出るよ。

【名前】
リリーパイ
【効果】
フィリーさんの意見を取り入れて作られた、百合の花をモチーフにした素敵なパイ。
だけど、食べたら何故か女の子同士でイチャイチャしたい気持ちになっちゃう。フィリーさん……。
【封印理由】
イチャイチャしたがるケイナはすごく可愛かったけど、さすがに人目をはばからないとね。

【名前】
ローズパイ
【効果】
これもフィリーさん考案で、リリーパイと対になってる素敵な薔薇のパイ。
甘い薔薇の香りが紅茶とよく合うんだ。
特に変わった効果はないみたい。
【封印理由】
すごく美味しかったからライアス君にも差し入れしたんだけど、あとになって青ざめた顔で二度とこのパイは作っちゃいけないって……何があったのかな?

【名前】
なかよしパイ
【効果】
すきすきパイの失敗を取り返すため、ロロナちゃんが同じテーマのパイにチャレンジ。
今度のはエッチなことにはならない……って言われて油断して食べたら、その日のうちに何人もから結婚を前提にした真面目なお付き合いを申し込まれたよ。
しかもまた女の子ばっかり。
【封印理由】
前回も今回も「好き」の度合いがおかしすぎるから。
どう考えても人気者とかいうレベルじゃないからね。
412名無しさん@秘密の花園:2011/08/17(水) 19:17:29.39 ID:8XG6S1oO
>>409
ミミちゃんが変身してるとは気付かずに、
どことなくミミちゃんに似てる黒猫相手にのろけ話をするトトリ先生。
というのもアリかとッ!

そして、のろけトークの最中に変身解除→二人とも赤面MAX


>>411
ロロナパイは一騎当千のSSポテンシャルを秘めてるね!
理性が危ないトトリ先生について詳しく!
413名無しさん@秘密の花園:2011/08/17(水) 20:45:59.48 ID:UN6vZcBZ
>>404
GJGJ!こういうのもほっこりするね

ろろなてんてーのぱいはバリエーション豊かでネタに活用しやすいねw
414名無しさん@秘密の花園:2011/08/17(水) 22:32:09.99 ID:7dySdf59
>>411
すきすきパイといいなかよしパイといい対象を女の子に限定するロロナてんてーに感動した
あとリリーパイは今すぐ封印を解除するべき
415名無しさん@秘密の花園:2011/08/18(木) 00:45:22.22 ID:bILJ8Z0w
そろそろ物理的にくっついちゃうパイとかできてもおかしくない
手をつないだまま離れなくなっちゃうトトミミとか
416名無しさん@秘密の花園:2011/08/18(木) 01:17:22.51 ID:ko7EY+ba
くっついちゃうパイのせいでくっついちゃった!と言うトトリちゃん
食事やベッドはもちろんトイレやお風呂も共同作業で行わなくてはならず
ミミちゃんの理性と精神力が試されることに……

ミミ「あのときは本当に大変だったわね……」
メルル「そんなパイもあったんですかー」
トトリちゃん「あ、ごめんね、あれウソ」
ミミメルル「 ! ? 」
417名無しさん@秘密の花園:2011/08/18(木) 04:20:10.54 ID:YwQa6aHY
トトリちゃんマジ策士w
色々な策でどんどんミミちゃんドギマギさせたげてw
418名無しさん@秘密の花園:2011/08/18(木) 15:40:27.62 ID:xmBlK3s2
乙女ゲーのアトリエが出るみたいだからいつか完全百合のアトリエが出ることを願う。
419名無しさん@秘密の花園:2011/08/18(木) 19:01:37.55 ID:ZgkBykQA
完全百合ゲーのアトリエが出るとしたらキャラとしては

プライドの高いツンデレお嬢様(例:アイゼル、リリア、クーデリア、ミミ等)
主人公の親友or幼なじみだけど病弱(例:シア、ブリギット、フィロ等)
このどちらかがまず正ヒロインとして鉄板だな。ブリギットなんかは両方の属性備えてるけどw

それから
頼りになる年上のお姉さん(例:ロマージュ、カタリーナ、メルヴィア、フアナ等)
明るく楽天的な女友達(例:ミュー、ネル、ニケ等)
主人公に健気に尽くすメイドさん(例:ウィム、ケイナ等)
クールで物静かなタイプ(例:キリー、フィー等)
主人公の妹的存在(例:幼ヘルミーナ、幼イングリット、ノルン、ぷによ等)
このあたりも押さえておきたい

あと隠し要素として
見かけ幼女の超高齢者(例:ゼルダリア)
街を騒がす怪盗(例:デアヒメル)
幽霊(言わずと知れた)
このへんが欲しいな
420名無しさん@秘密の花園:2011/08/18(木) 23:20:22.76 ID:aDmYkBlM
>>419見てて思ったけどアーランドシリーズってクール系のキャラいないよね
クールで物静かな年上のお姉さんが好きな自分としては次回作辺りで是非入れて欲しい

完全百合が一番だけどそれが無理だったら百合と男女恋愛の選択制のアトリエとか出ないかな
リリーのペンダントシステムみたいに最初に百合か男女恋愛かどっちも無しか選択出来るっていう
421名無しさん@秘密の花園:2011/08/18(木) 23:33:27.64 ID:YwQa6aHY
昔のアトリエってそんなシステムがあったのかよwww
まあガチを一組でも入れてくれればいい
フラグもあっちにたてたりこっちに立てたりとかしなければ
カプ問題も起きないし
422名無しさん@秘密の花園:2011/08/19(金) 00:09:51.07 ID:BKCVVsnP
そんなシステムがあったのよ
あくまでも百合は自分の希望であって実際は男女恋愛の有無を選べるってだけだけどね
間違っても男との恋愛なんて見たくない俺にとってはありがたいシステムだった
423名無しさん@秘密の花園:2011/08/19(金) 00:24:02.67 ID:D2Phdp81
メルルでシステムを導入してみた(担当者:フィリー)

フィ「――酒場の依頼についての説明は大体こんな感じかな。ところで話は変わるんだけど、メルルちゃんは男女の惚れた腫れたに興味はある?」

   はい
→  いいえ

フィ「そうなんだ。じゃあ、女の子同士の恋愛はどうかな? 興味ある?」

   はい
→  いいえ

フィ「あ、ごめん。よく聞こえなかった。もう一度聞くけど、女の子同士の恋愛には興味ある?」

   はい
→  いいえ

フィ「あ、ごめん。よく聞こえなかった。もう一度聞くけど、女の子同士の恋愛には興味ある?」

   はい
→  いいえ

フィ「あ、ごめん。よく聞こえなかった。もう一度聞くけど、女の子同士の恋愛には興味ある?」

   はい
→  いいえ

フィ「あ、ごめん。よく聞こえなかった。もう一度聞くけど、女の子同士の恋愛には興味ある?」

   はい
→  いいえ

フィ「あ、ごめん。よく聞こえなかった。もう一度聞くけど、女の子同士の恋愛には興味ある?」

   はい
→  はい

フィ「そうなんだ! ひょっとしてもう誰か意中の人がいるの? あるいはすでに両思い? それともやっぱり片思い? あ〜気になるなぁ! もし女の子との恋愛で悩むことがあったらぜひ私に相談してね! 約束だからね! 待ってるからね!」
424名無しさん@秘密の花園:2011/08/19(金) 00:47:54.15 ID:2SoULFqq
→一緒のお布団で寝る
 一緒のお布団で寝る
 一緒のお布団で寝る

を思い出した。

一緒のベッドで寝てドキドキミミちゃんと寝たふりトトリちゃん
425名無しさん@秘密の花園:2011/08/19(金) 01:58:16.74 ID:r79gFkrI
アトリエ錬金術士のなかで本当に自分の欲望のためだけに錬金術を使えそうなのは誰だろう
たぶん大多数が師匠と答えそうだが、師匠は何だかんだで最後の一線は越えるようなことはしないイメージなんだよね
メルル版の師匠は別人だからノーカンですよ

個人的にトトリが一番使いそうなんだよね
ただのイメージだけど母親のことがあって置いていかれるくらいならいっそ縛り付けてしまおう的な

ミミが冒険者として有名人になるにつれ、いつか自分は必要とされなくなるんじゃないかと不安になって、ずっと私だけに依存してほしいと思い錬金術を使ってうんたらかんたらっていうテンプレ的に病んでいくトトリ先生がみたいです
426名無しさん@秘密の花園:2011/08/19(金) 03:26:31.76 ID:Ez4jbYsh
ヤンデレトトリちゃんか…トトリちゃん敵に回すと恐ろしい事になりそうだw
まあ被害を被るのは主にミミちゃんだろうけどwミミちゃん既成事実作るためにレイプされちゃうな><
いや、ミミちゃんはトトコンだからおkか…?好き同士でも無理やりだと半レイプか?
最終的には和解ちゅっちゅ必要だけど

>>423
他ルート選ばせる気ないフィリーちゃんさすがです^^
427名無しさん@秘密の花園:2011/08/19(金) 05:02:54.77 ID:r79gFkrI
基本は両思いだから病んだトトリをミミの愛で救う王道展開もいいし、病んだままでいるトトリとそのトトリに愛され過ぎて壊れたミミの二人だけの歪んだ世界みたいなものもいいかなと
愛があればなんでもとは言わないけど、愛が溢れた結果別のベクトルにぶっとんでしまったものも見てみたいなと思った
愛ではなく依存みたいな
428名無しさん@秘密の花園:2011/08/19(金) 09:34:04.19 ID:Du9FHKDZ
>>424
「 大切な人がいなくなってしまった 」ですね。分かります。

実際、ベッドが一つしかなくて、既に相方がそこに寝てしまっている状況だったら
選択肢は一つしか残されていないよね。
429名無しさん@秘密の花園:2011/08/19(金) 11:17:24.81 ID:MmvP1FWF
師匠はわからないけど確かに一線は越えなさそうだし、
主人公3人だとトトリだけは手段として錬金術士になった感があるから
トトリが確かに一番やってしまいそうなイメージだな……

でもミミちゃんやツェツィおねえちゃんやメルお姉ちゃんやロロナ先生が
周りにいる間はきっと大丈夫。悪いことしそうになったトトリちゃんを
めっ、ってしてくれるよ。トトリは周囲の人に恵まれてるな
430名無しさん@秘密の花園:2011/08/19(金) 11:41:45.17 ID:wbsp7v2L
実験「ベッドが一つしかなくて、既に相方がそこに寝てしまっている状況だったら」

・パターン1 某受付嬢の場合
しばらく戸惑うが「仕方ないわよね」とか自分に言い聞かせて、なるべく距離を置いてベッドの中に。
しかし入った途端、熟睡してるはずの相方が野生獣のような速さで捕獲。抱き枕にされる。

・パターン2 某メイドさんの場合
「メイドである私が仕える方と一緒のベッドで寝るわけにはいきませんから」と最初から入る気ゼロ。
数秒後、実は起きてた相方に引きずり込まれる。

・パターン3 某貴族の場合
「べ、別に悪いことでも何でもないわよね。ベッドが一つしかないのに、さっさと寝ちゃってるこの子が悪いんだから……」
と言いながらいつまでも悶々と悩んで葛藤し続ける。相方は寝たふりで今か今かと待ち構え中。
でも結局悩み続けて気付いたら朝。

以上、F女史の報告書より抜粋。
431名無しさん@秘密の花園:2011/08/19(金) 12:49:31.32 ID:/F8F7Ktf
主人公勢w

パターン1「受付嬢」をフィリーちゃんのことかと勘違いし
獣のように荒々しく妹を抱き枕にする寝ぼけたエスティさんを想像して
一瞬エアハルト百合姉妹に目覚めた
432名無しさん@秘密の花園:2011/08/19(金) 22:19:22.99 ID:EqWCVfG1
>>430
ミミちゃんがいつまでも一線越えられず悶々と葛藤するものだから、
トトリちゃんは抱いてくれないのがもどかしくて悶々として、一人で寂しく自分を慰める訳ですか

そして、毎日自分を慰め続けた結果、いざミミちゃんが抱いた時はすぐに絶頂してしまい、長時間持たない身体に…
433名無しさん@秘密の花園:2011/08/19(金) 23:39:23.88 ID:JqHLBGfr
SS投下します。
>>411で書いている改良型ねこさんパイのお話です。一応前スレ810-816と話がつながってますが、前回読んでなくても特に問題はないです
>>399でハゲルさんにねこ耳尻尾が生えたという話をしていますが、今回のお話はその流れとは別のパラレルワールドということで。
434名無しさん@秘密の花園:2011/08/19(金) 23:39:44.80 ID:BKCVVsnP
>>431
俺も最初フィリーさんの事だと思って同じ想像したw
エアハルト姉妹百合、良いと思います
435名無しさん@秘密の花園:2011/08/19(金) 23:43:00.37 ID:JqHLBGfr
「れんきんは〜♪ あるいてこない〜♪ だ〜からぐ〜るぐ〜るま〜わすんだよ〜♪」
 今日も今日とてパイ作りなロロナは、奇妙な歌をうたいながら釜の中を一生懸命かき混ぜている。
「パイを作ってる時のロロナちゃんって、本当に楽しそうですね」
「パイ作りはロロナ先生の生き甲斐だからね。アーランドにいた時も、暇があるとパイを作ってたよ」
 メルルとトトリは調合中のロロナを傍で見守りながら、和やかに会話している。
「そういえばアールズに来る途中のご飯も、三食全部ロロナ先生のパイだったなぁ」
「三食パイって、ロロナちゃんじゃなくてトトリ先生がですか?」
「うん。本来はロロナ先生がアールズに派遣される予定だったのが、直前になって私に替わったでしょ。だからロロナ先生の旅の支度をそのまま引き継いだの」
「なるほど、それで三食パイ……大変でしたね」
「ううん、そんなことないよ。バリエーションが色々あって、どれもすごく美味しかったから。お姉ちゃん直伝のお魚パイもあって嬉しかったな」
「できた〜!」
「あ。おしゃべりしてるうちにパイできちゃったみたいですね」
 ロロナは満面の笑みで出来たてのパイを抱えて、二人の元へやってきた。
「こんかいのパイはおーよーへんだよ」
「応用編? というと?」
「きそんのレシピをパワーアップしてみたの。なづけて、かいりょーがたねこさんパイ!」
「ねこさんパイといえば……」
「食べると語尾に『にゃ』がついちゃうパイだよね」
「そうでしたね。それを改良したとなると……ロロナちゃん、この改良型ねこさんパイを食べたらどうなるの?」
 メルルは若干の不安があったので、効果についてロロナに尋ねてみる。
「えっとねー、ねこさんになっちゃうの」
「それは、どういう風に?」
「だからねこさんになるんだよ」
「……トトリ先生、まさか、本当に猫になっちゃうとかじゃないですよね?」
「あり得ないって言い切れないのが、ロロナ先生の恐いところだよ……」
「じゃあまずロロナがたべてみるね」
 メルル達が躊躇っているうちに、ロロナは改良型ねこさんパイを一切れ、パクリと食べてしまった。
「……あれ? ロロナちゃん、何も起きない?」
「ちょっとまって……あ。きたきた」
 ロロナが急に頭を押さえたと思うと、
「耳!?」
436名無しさん@秘密の花園:2011/08/19(金) 23:43:28.05 ID:0YAG9ZyF
「ふぁ…ひゃん……ミミちゃんそんなに激しくしちゃ……」
「トトリ…その…そんな強くしたつもりじゃ……」
「もう…ミミちゃんのせいだからね。こんな風になったのは…」
「その……私も色々考えてやって……」
「だって……ミミちゃんがしてくれないから……いつもひとりで…///////」
「トトリ…それって…もしかして……」

トトリちゃんがミミちゃんのことを考えて自慰をするってものすごく興奮するwww
437名無しさん@秘密の花園:2011/08/19(金) 23:46:57.59 ID:JqHLBGfr
 ロロナの頭の上に、ピョコンと猫の耳のようなものが生えてきた。小麦色したふわふわの毛並みで、撫でたりしたらとても気持ちが良さそうだ。
「ねこさんになっちゃうって、猫耳が生えるって意味だったの?」
「みみだけじゃないよ。ほらっ」
「わっ! 尻尾まで?」
 ロロナがくるりと振り向くと、スカートの下からこれまたふわふわの猫しっぽが生えていた。下でパンツがどういう状態になっているかは、紳士淑女たる者、考えてはならない。
「じゃーん! ねこロロナだにゃー♪」
 ロロナは両手を猫の手にしてポーズを取った。
「か……」
「か?」
「「可愛いーっ!!」」
 メルルとトトリは目を輝かせて、異口同音に感動の叫びを上げた。
「可愛すぎますよこの生き物! アールズの最重要指定特別天然記念物として保護しましょう!」
「落ち着いてメルルちゃん。気持ちはすごく分かるけど、あくまでロロナ先生だからね」
「はっ!? そ、そうでしたね。あまりの可愛さについ……」
「えへへー、ロロナかわいい?」
「可愛い! 可愛すぎる! 最強の可愛さだよ! もし可愛くないなんて言う人がいたら、その人の眼球に直接エリキシル剤流し込んであげる!」
「だから落ち着いてメルルちゃん。その発想はちょっと恐いよ」
 猫耳ロロナのあまりの愛らしさに錯乱気味なメルルである。トトリはやや冷静だったが、それでもだいぶ興奮していた。
「可愛いなぁ……あの、ロロナ先生、ちょっとさわってもいいですか?」
「うん、いいよ」
「それじゃあ……」
「ああっ、ずるいですよトトリ先生! 私もさわりたい!」
「ちょっと押さないでよメルルちゃん」
 メルルとトトリは二人して、争うようにロロナの猫耳と尻尾をなでなでする。
「ふあ……くすぐったいよぅ」
「くすぐったいってことは、作り物じゃなくて、本物みたいに感覚あるんだ」
「うん。ちゃんとうごかせるんだよ」
 そう言ってロロナは二人の目の前で尻尾をフリフリ、耳をピクピクしてみせる。
「すごいでしょ?」
「かーわーいーいーっ! ねえロロナちゃん! 抱きしめていい? 頬ずりしていい? 匂いかいでもいい? いっそ食べちゃっても――」
「メルルちゃん、さっきからヒートアップしすぎ。はいこれ、知恵熱シロップ飲んで落ち着いて」
 トトリにたしなめられ、シロップを一口飲んで、メルルはようやく平常心を取り戻した。
438名無しさん@秘密の花園:2011/08/19(金) 23:53:45.27 ID:JqHLBGfr
「ふぅ……」
「少しは落ち着いた?」
「はい。ちょっと我を忘れてました」
「無理もないけどね……はあ、可愛いなぁ、ロロナ先生……」
「トトリちゃんとメルルちゃんも、パイたべてみて。いっしょにねこさんになろー♪」
「いいの? それじゃあ――」
「待ってメルルちゃん」
 不意にトトリが、真剣な声音でメルルを呼び止めた。
「ロロナ先生、改良型ねこさんパイは、あと何人分ありますか?」
「んーとね……ロロナがひとつたべたから、あとみっつだよ」
「じゃあ、トトリ先生と私が食べてあと一人――ハッ!」

 そう。メルル達が食べてしまえば、あと一人しか猫耳尻尾を生やすことはできないのだ。
「……」
「……」
 メルル、トトリ、二人の視線が牽制の光を含んで交錯する。
「……メルルちゃん。何考えてるのかな?」
「いえ……別に」
「そう? ケイナちゃんにこのパイ食べさせて、猫ケイナちゃんにして抱いて寝ようとか考えてるんじゃ」
「なななな何を根拠にそんなことを? トトリ先生こそ猫耳モードなミミさんをモフモフしようとか企んでるんじゃないですか?」
「そ、そんなこと考えてないもん! ミミちゃんそういうの嫌がるだろうし」
「つまりミミさんが了承すればモフモフしたいんですね」
「だから考えてないってば! 私はただこの前作った首輪を――じゃなくて、猫耳なミミちゃんにあんなことやこんなことしたいなんて思ってないもん!」
「いや、思いっきり首輪って聞こえましたから……そんなもの用意してたんですか」
「ち、違うよ! 世の中には首輪を武器にする錬金術士もいるって前に聞いたから、試しに作ってみただけで」
 正確には、首輪を武器にしているのはとある錬金術士の相棒の猫&とある錬金術士に仕えるメイドさん(notケイナ)だが。それはさておき。
「知り合いにそんな人いないのに作ってどうするんですか? それに武器だったらハゲルさんに頼むべきでしょう」
「うぐ……」
 的確に矛盾点を突かれたトトリは、言葉を詰まらせる。
 そんなトトリに対し、メルルは先ほどまでの攻撃的な口調を、不意に和らげた。
「猫耳ミミさんに、首輪をつけてほしい……そうですよね?」
「……うん」
「分かります。猫耳に尻尾とくれば、首輪をつけたくなるのはもはや人類のサガです。むしろ正装です」
「メルルちゃん……」
439名無しさん@秘密の花園:2011/08/20(土) 00:04:36.92 ID:JA2Jn/jf
「トトリ先生……私達が言い争っても不毛なだけですよ。現に今、改良型ねこさんパイは三人分あるんですから。このうちの二つを……」
「うん……そうだね」
「首輪のレシピ、私にも教えてもらえますか」
「分かった。二つ作ってあるから、今日は一つ貸してあげるね」
「ありがとうございます。それじゃあ早速ケイナとミミさんを探しに――」
「私ならここにいますよメルル」
「同じく。私もね」
「「え……?」」
 メルルとトトリが恐る恐る振り向くと、アトリエのドアの前に、ケイナとミミが立っていた。
「ふ……二人とも、いつから?」
「あんた達が二人して、ロロナさんに可愛い可愛い言ってたとこからよ」
「私もミミ様もきちんと声をおかけしましたが、メルルもトトリ様も全く気付かれなかったようですね」
 ほとんど初めから見られていたし聞かれていた。メルルとトトリの顔が青くなる。
「何だか面白い話をしてたわねぇ、トトリ。私とケイナを猫耳にして、ペットみたいに首輪をはめようとしてたとか……」
「えと、それは、その……違うの、ミミちゃん。ちょっとした出来心で……」
「メルルがまさかそんなことを考えていたなんて……所詮、姫様にとって私との関係は主従に過ぎなかったのですね」
「ご、誤解だよケイナ! そういうのじゃなくて、あくまで愛情表現の一種っていうか……」
 氷のように冷ややかなケイナとミミの態度に、メルルとトトリは冷や汗をかきながら弁解を繰り返す。
「別にミミちゃんを騙そうとかじゃなくて、あくまで遊びで、だからその、ミミちゃんをペットにしたいとかそういうんじゃないの。お願いだから信じて」
「ケイナは私にとって大事な人だから! そんな玩具みたいに扱おうとなんてしてないってば! 頼むから機嫌なおしてよ〜!」
 必死に言い訳するメルルとトトリだが、それを聞く二人はあくまでも冷ややかだった。
 実際にはケイナもミミも、メルル達に悪気はなく、ただちょっと悪ノリが過ぎただけというのは理解していた。
 しかし、ちょっとお灸を据えておくべきだろうということで、表向き態度を硬化させているのだった。
「ねーねー、だれもロロナのパイたべないのー?」
 一人置いてけぼりにされている猫耳ロロナが、不満そうにぶーたれていた。


440名無しさん@秘密の花園:2011/08/20(土) 00:09:23.73 ID:JA2Jn/jf
「へー……本物の猫耳みたいね。こんなことができるなんて、さすがはロロナさんだわ」
「えっへん! すごいでしょ」
「ロロナ様のパイには、いつも驚かされますね」
「うん。この尻尾の感触がまた……」
「ひゃうっ……ミミちゃん、くすぐったいよぅ……」
「こら、じっとしてなさいトトリ」
「うふふ……メルルの尻尾も可愛いですね」
「あう……ケイナ、その、あんまり撫でられると、何だか恥ずかしいんだけど……」
「あら、何を言ってるのかしら。今日一日はトトリもメルルも、私達の猫になるって約束でしょ。猫はいちいち恥ずかしがったりしないわよ」
「うん、そうだね……」
「うう……どうしてこんなことに……」
 しょぼんとしているトトリとメルル。二人の頭とお尻には、ふわふわの猫耳尻尾が生えていた。
「ううむ……たかが猫耳と侮ってたけど、これは破壊力が高いわね……」
「確かに……メルル達が心を乱していたのも頷けますね」
 まさしく借りてきた猫のように大人しいトトリとメルル。そんな従順な様子も、ミミとケイナの心をくすぐる。
「……お持ち帰りとかOKかしら?」
「そうですね。今日一日という約束ですから、明日の朝までを今日と解釈すれば……」
「ちょ、ちょっと待ってよミミちゃん! ケイナちゃんも!」
「お黙りなさいトトリ。今のあんたは私の猫さんでしょう?」
「……はい」
「うふふ……メルルも、今日は私の猫さんとしていっぱい可愛がってあげますからね♪」
「うう……ケイナがいつになくSっぽいよぅ……」
「ミミちゃんも珍しく完全に強気だよ……」
 観念し、ガックリと肩を落としながら、心の片隅では(これはこれで……)と思ったりしないこともない、メルルとトトリであった。


(おわり)
441名無しさん@秘密の花園:2011/08/20(土) 00:10:59.03 ID:JA2Jn/jf
以上。読んでくれた人、ありがとう。
たまにはミミトト&ケイメルもいいよね! ってことで攻守逆転落ち。
442名無しさん@秘密の花園:2011/08/20(土) 00:23:26.41 ID:J8pB6Hp7
GJ!
勿論今夜は別の意味でも二人がネコになるんですね
攻守逆転な夜の様子も是非詳しくお願いしたい
443名無しさん@秘密の花園:2011/08/20(土) 00:26:42.51 ID:tVMyKXWd
GJ!

普段振り回されちゃう二人が、ここぞとばかりに攻めるのはたまらん

いちゃいちゃ編はまだですかね?!
444名無しさん@秘密の花園:2011/08/21(日) 07:13:07.85 ID:+AZHS9Xl
GJGJ!ミミちゃんもたまには攻めないとねw
よく受け攻めでネコとか使われてるけどネコが受け?
445名無しさん@秘密の花園:2011/08/21(日) 10:06:47.39 ID:ureIAP0j
タチネコっていってタチが攻めでネコが受けだよ
師匠なんかはバリタチ(攻め専門)っぽいよね
りおちゃんなんかはバリネコ(受け専門)っぽいよね
メルルちゃんとケイナちゃんはリバ(受け攻め両方可)っぽいよね
フアナさんは普段お姉さん風吹かせておいてベッドの上だとネコになっちゃうとかだと嬉しいよね
ミミちゃんは本人はタチっぽく振る舞ってるのにいつもなし崩しでネコにされちゃうのが様式美だよね
でもたまには強気でトトリちゃんを攻めまくる逆襲のミミちゃんとかもいいよね
その次の日は戦闘力(タチ的な意味で)を十倍にアップさせた魔女っ子トトリちゃんが錬金術の力を駆使してミミちゃんを可愛がるのはお約束だよね
446名無しさん@秘密の花園:2011/08/21(日) 11:59:21.37 ID:pxXu3dZH
フィリーさん乙
447名無しさん@秘密の花園:2011/08/21(日) 12:15:28.97 ID:S7skpfZq
>>445
ちょっと、仕事してくださいよ
448名無しさん@秘密の花園:2011/08/22(月) 02:00:53.87 ID:vUNCposd
品質100超えの虹のかけらを渡すうちのメルルちゃんマジ恋のキューピット
449444:2011/08/22(月) 02:20:37.73 ID:niuH1BeR
>>445
フィリーさんありがとうございますw
450名無しさん@秘密の花園:2011/08/22(月) 02:34:58.82 ID:dZCt/Xk/
師匠以外の錬金術士は皆リバ有りのタチっぽいな、個人的にはトトリ先生は受けの方が好きだけど
師匠に関しては受けの姿が想像出来ないw
でも普段はあんな感じなのにいざとなると可愛くなっちゃう師匠ってのも良いかもしれない
問題は相手は誰かって事だけどやっぱりロロナかなあ、師匠の師匠が女性だったら良かったのに
451名無しさん@秘密の花園:2011/08/22(月) 02:44:25.11 ID:niuH1BeR
師匠の師匠って男だったっけ?記憶が曖昧
しかし師匠の受けは確かに想像しがたいw
よくてロロホムあたりへの誘い受け?強制的に攻めさせる系かなぁ?
452名無しさん@秘密の花園:2011/08/22(月) 03:08:13.32 ID:qbyD560I
師匠の師匠は確か女性だったと思う

あと師匠はもとからひねくれてたわけではないから案外優しくされたら受けに回ると思うよ
ロロナのEDとか師匠の回想とか見ると師匠の師匠の一件以前は身近な人のために頑張るけなげな娘だったはずなんですよまじで
453名無しさん@秘密の花園:2011/08/22(月) 03:21:29.08 ID:hkuj4bGm
>>445
¶<他人とは思えないピヨ
454名無しさん@秘密の花園:2011/08/22(月) 21:52:03.40 ID:kATivZMy
SS投下します。
今回はカップリング特に無しです。
455名無しさん@秘密の花園:2011/08/22(月) 21:56:26.84 ID:kATivZMy
 春は出会いの季節である。
 しかし一年を通して気候の穏やかなアールズでは、四季の実感は乏しい。それに、錬金術士になってからのメルルは、季節に関係なく、日々新しい出会いの連続だった。
 だからこの出会いが春であったのも、単なる偶然か、あるいは何かのフラグが最近立ったというだけのことだろう。
 とにもかくにも、ある春の日のこと。アールズのアトリエのドアがノックされた。
「はーい、どうぞー」
 トトリもロロナもホムちゃん達も出かけていて、一人アトリエでお留守番をしていたメルルは、お客さんを迎えるためドアの前に向かう。
 ドアを開けて入ってきたのは、メルルの知らない少女だった。
「お邪魔しまーす。トトリ、いるー?」
(うわ……綺麗な女の子だなぁ……)
 サラサラした金色の髪に、雪のような白い肌。澄んだ翠色の瞳が、どこか神秘的な雰囲気を漂わせている。アールズではちょっと見ないタイプの別嬪さんだ。
「今トトリ先生は留守ですけど……あの、先生のお知り合いですか?」
「うん。ところであなたは?」
「私はメルルって言います。一応、この国のお姫様で――」
「ええっ、お姫様? ホントに?」
「あはは……そうは見えないかもしれませんけど、本当です」
「あ、ごめん。そういう意味じゃなくて、どうしてお姫様がトトリのアトリエに?」
「それは私がトトリ先生に弟子入りしたからですよ」
「トトリの弟子……ってことは、あなたも錬金術士なんだ」
「まだ修行中ですけどね……ん? あなたも、ってことは、あなたも?」
「うん。錬金術士だよ」
「そうだったんですか! あの、お名前は――」
「メルルちゃん、ただいまー……あれっ?」
 メルルが名前を尋ねようとした時、ちょうど帰ってきたトトリがその女の子の顔を見てびっくりしていた。
「トトリ! 久しぶりーっ!」
 女の子の方は、トトリの顔を見るや、満面の笑みで抱きついていた。
「ピアニャちゃん! どうしてここに?」
「トトリに会いに来たんだよ」
「村のお仕事は?」
「一区切り付いたから、トトリ達に報告がてら少し羽を伸ばしてこいって、おばあちゃんが」
「それじゃあ、村おこしは上手くいったんだ?」
「うん! それでアランヤ村に行ったんだけど、トトリはいなかったの」
「ごめんね。ピアニャちゃんが村に帰った後で、いきなり私がアールズに行くことが決まったから。そっちに伝える暇がなくて」
456名無しさん@秘密の花園:2011/08/22(月) 22:01:19.44 ID:kATivZMy
「だからすぐアールズに行こうとしたんだけど、ツェツィがなかなか放してくれなくて」
「あはは……お姉ちゃんったら相変わらずなんだから」
「あのー、トトリ先生?」
「あっ、ごめんメルルちゃん」
 置いてけぼりにされていたメルルが声をかけると、トトリは咳払いを一つして、改めて紹介をする。
「この子は私の友達のピアニャちゃん。アランヤ村よりもっと向こうの、海を越えた先の村から来たの」
「ええ!? アーランドの向こうにあるアランヤ村のさらに向こうで海を越えるって、とんでもない距離じゃないですか!?」
「確かに、普通に旅行できるような距離じゃないけど……」
「大丈夫だよ。トラベルゲート作れるから、海を越えるのはあっという間だし」
「あ、やっぱり。独学でそんなの作れるようになるなんて、ピアニャちゃんはすごいね」
「独学ですか!?」
 メルルが思わず声を上げる。
 トトリに指導されながら勉強しているメルルでも、トラベルゲートクラスの調合は未だに危なっかしいのに、おそらく同年代のピアニャは独学で成功しているという。少なからずショックだった。
「ピアニャちゃんも私と同じで、ロロナ先生に錬金術を習ったんだけど、正式に弟子入りはしなかったの。故郷に帰らなきゃいけないっていうのが理由だけど、弟子入りする必要もなかったっていうか……」
「どうしてですか?」
「身も蓋もない話だけど、天才だから。多分、才能だけならアストリッドさんより上だと思うよ。基本的なことだけ教わったら、あとはレシピを見るだけでどんどん新しいものを作ってたし」
「大げさだよ、トトリってば。村ではしょっちゅう失敗してたし、全然そんなんじゃないよ」
 謙遜するピアニャだが、トトリの話は事実である。現に故郷の村に帰ってから、教える人など誰もいない状況で、一人前を名乗るに相応しい腕前まで成長しているのだから。
「そうそう。ピアニャちゃんは錬金術を使って故郷の村おこしをしてるんだよ。そこはメルルちゃんと一緒だね」
「へー、そうなんですか」
「トトリ、一緒ってどういう意味?」
「メルルちゃんは、錬金術を使ってアールズ王国の開拓をしてるの。いわば国おこしだね」
「すっごーい! お姫様が自分で国おこししてるんだ!」
「いえ、別にそんな……私一人でやってることじゃないし……」
 ピアニャはメルルに向けて目を輝かせる。メルルとしては、そうストレートに感心されると、何だかこそばゆかった。
457名無しさん@秘密の花園:2011/08/22(月) 22:06:35.24 ID:kATivZMy
「それにしてもピアニャちゃん、ちょっと見ない間にすごく美人になったね」
「えー……そうかな?」
「うん。出会った頃も可愛かったけど、その可愛さを残したまま綺麗さを大増量した感じ」
「確かに、私も綺麗って思いましたよ。アールズにはいないタイプの美人ですよね」
「そ、そんな、二人ともからかっちゃいやだよ」
 ピアニャは照れて顔を赤くする。そんな仕草もまた可愛らしい。
「私と同じ錬金術士で年も同じくらいで、故郷を発展させるために頑張ってて……でも、すごく美人で、錬金術の才能もピカイチで……すごいなぁ、ピアニャさん」
「だからそんなことないってば。あ、できたらさん付けしないで、ピアニャって呼んでほしいな。話し方ももっと崩してほしい」
「分かった。じゃあ私のこともメルルって呼んでね」
「りょーかい。よろしくねメルル♪」
「こちらこそ。よろしくピアニャ」
 笑顔で握手を交わすメルルとピアニャ。どうやら二人とも良い友達になれそうだ。
「ピアニャちゃん、アーランドから長旅だったんでしょ。お腹空いてない?」
「大丈夫だよ。ツェツィが食べ物いっぱい持たせてくれたし、秘密バッグもあるからご飯には困らなかったよ」
「さすがだね。……そういえば、ロロナ先生はそういう状態からでも遭難してたなぁ」
「そうだ! ロロナは?」
「あ、うん……ロロナ先生なんだけどね、今ちょっと大変なことになってて――」
「知ってるよ。悪い錬金術士に体をちっちゃくされたんだよね」
「え? どうして知ってるの? しかもかなり歪んだ伝わり方で……」
「アーランドで教えてもらったから。そろそろ追い付くと思うんだけど」
「追い付くって……?」
 その時。もう一人の来訪者がアトリエのドアを開いた。
「お邪魔するわよ」
「クーデリアさん!?」
 そこに現れたのは、ロロナの大親友にしてアーランド指折りの有力貴族の令嬢にして冒険者ギルドの責任者兼受付嬢にして自身も一流の冒険者にしてロロナの大親友(大事なことなので二回言いました)、クーデリアであった。
「久しぶりねトトリ。元気そうでなによりだわ」
「はい。お久しぶりです。クーデリアさんも――」
 お変わりなく、と言おうとしたが、余計なスイッチに触れるかもしれないと思ってトトリは口を噤んだ。具体的には、身長とか、身長とか、身長とか。
458名無しさん@秘密の花園:2011/08/22(月) 22:13:59.48 ID:kATivZMy
 トトリの(余計な)気遣いには気付かず、クーデリアはメルルの方に目を向ける。
「あなたがメルル姫ね。はじめまして。ジオ様からアーランド冒険者ギルドの長を任されている、クーデリア・フォン・フォイエルバッハよ」
「は、はい。はじめまして。メルルリンス・レーデ・アールズです」
「あなたの活躍はアーランドでも近頃評判よ。王族でありながら先陣を切ってアールズの開拓を進める、麗しの姫君ってね」
「麗しのって……いやぁ、それほどでも」
「まあ、ロロナやトトリを知ってる人なら、その弟子の錬金術士って聞いた時点で『ああ……』って感じだけど」
「ちょっ……その『ああ……』ってどういう意味を含んでるんですか!? 何かやたら奥深そうなんですけど!」
「気にしないでメルルちゃん。ところでクーデリアさん、メルルちゃんのこと、やけに詳しいですね。顔も知ってたみたいですし」
「フィリーからの報告書を読んだのよ。あと……ロロナも手紙をくれたからね。手紙って言ってもほとんど絵ばっかり、大きな便箋に何枚も詰め込んで。あなた達二人のことが一番よく描かれてたわ」
「そうだったんですか……」
「二人とも、小さくなったロロナのことを、とても大切にしてくれているのが分かったわ。あの子の両親に代わって、それからアーランドの友人を代表してお礼を言わせてもらうわね。ありがとう、トトリ、メルル姫」
「いえそんな……」
 お礼を言われたメルルの方がかえって恐縮するぐらい、クーデリアの態度は丁寧だった。
(クーデリアさんか……見かけは何だか小さくて可愛い人だけど、優しい大人の女性って感じだなぁ……)
「さて……まず言っておかなきゃならないことは済んだから、お次はお説教ね」
「へ?」
 今し方メルルの中で固まったクーデリアのイメージを覆すドスの効いた声音。その矛先が向いているのは、ピアニャだ。
「ピアニャ! いくら待ちきれないからって、一人で突っ走るなってあれほど言ったでしょうが!」
「うー、またクーデリアが怒る……だってトトリに早く会いたかったんだもん」
「小さい子供かあんたは! 早く会いたいのは私も同じ――じゃなくて、もういい年なんだから少しは落ち着きなさい」
「だって――」
「だってじゃない!」
459名無しさん@秘密の花園:2011/08/22(月) 22:19:38.99 ID:kATivZMy
 中途半端な反論などぴしゃりとはねのける気迫。見かけに似合わぬ気性の激しさにメルルは驚き、トトリに小声で話しかける。
「あの、クーデリアさんって、いつもこんな感じなんですか? なんと言いますか、雰囲気が……」
「ミミちゃんに似てるでしょ。でもミミちゃん怒るから、それ言っちゃだめだよ」
「そうなんですか……」
 それはまぎれもなく同族嫌悪ですね。という台詞は胸に留めておくメルルだった。
 ピアニャへのお説教が一通り終わると、クーデリアは改めてメルルに向き合った。ちなみにピアニャはトトリに慰めてもらっていた。
「ところで……ロロナはどこかしら? このアトリエにいるって聞いたんだけど」
「ロロナちゃんでしたら、外に遊びに行ってますよ」
「そう。それじゃあ先にアストリッドのとこに行ってくるわ」
「クーデリアさん、アストリッドさんと仲いいんですか?」
「っざけんじゃないわよ! いいわけないでしょ! 冗談じゃないわ!」
「うひゃあ!? ご、ごめんなさい!」
 いきなり怒鳴りつけられたメルルは、訳も分からずとりあえず謝ってしまう。
「クーデリアさん、押さえて押さえて」
「ハッ!?」
 トトリに声をかけられ、クーデリアは我に返った。
「ご、ごめん。あまりに身の毛のよだつこと言われたから、つい」
「はぁ……とりあえず、アストリッドさんと仲が悪いのは分かりました。でも、それなら何で会いに行くんですか?」
「とっととロロナを元に戻すよう、どやしつけに行くのよ。あいつのことだからどーせこっちでもダラダラ昼寝三昧の生活してるんだろうし」
「そんなことは……多分、ないと思いますけど。まあ、確かにロロナ先生のことに関しては進展してる様子はなさげですね」
「でしょ? だから私が行くのよ。一刻も早くロロナを元に戻させるんだから」
「何だかクーデリアさん、ロロナちゃんのことに必死ですね」
 メルルの言葉に、クーデリアは微かに眉をひそめた。
「必死? 当たり前のことでしょ。確かに小さくなったロロナは可愛いけど、そのために今まであの子が積み重ねてきたものを台無しにするなんて、許されることじゃないわよ」
「あ……」
「それじゃあ行くわね。しばらくはこっちに滞在してるから、また顔出すわ」
 軽く手を振って、クーデリアはアトリエを後にした。
460名無しさん@秘密の花園:2011/08/22(月) 22:23:53.36 ID:kATivZMy
「……ちょっと、怒らせちゃいました?」
「怒ってるとしたらそれはアストリッドさんに対してで、メルルちゃんが気にすることはないよ。クーデリアさんは、誰よりもロロナ先生のことを見ていた人だからね」
「はあ……アストリッドさんも悪気はなかったんですから、穏便に話ができたらいいんですけど」
「そうだね……」
 メルルの言葉に相槌を打ち、トトリは小さくため息のようなものをついた。
「ところで、ピアニャちゃんはこのあとどうするの?」
「んー、別に考えてないけど……そうだ! メルル、この国を案内してよ!」
「あ、それなら任せて! 何年か前なら案内するところなんてほとんどなかったけど、今のアールズは見所たっぷりだからね!」
「そうなんだ! 楽しみだなぁ」
「ピアニャちゃん、お姫様に手ずから国を案内してもらうなんて贅沢だね」
「そういえばそうだね。すっごい贅沢」
「そんなことないってば。それじゃあ先生、行ってきますね」
「行ってきまーす!」
「行ってらっしゃい」
 メルルとピアニャは、二人そろって外へ飛び出していった。
「二人とも、会ったばかりなのにもう仲良しになっちゃった……ケイナちゃんが焼き餅やかなきゃいいけど」
 一人アトリエに残ったトトリは、
「……私もミミちゃんに会いに行こうかな」
 何となくそんなことを呟いていた。


(おわり)
461名無しさん@秘密の花園:2011/08/22(月) 22:27:52.88 ID:kATivZMy
以上。読んでくれた人、ありがとう。

今回のSSは「クーデリアとピアニャがアールズにやって来る話が書きたい」ただその一点のみで書きました。
メルアトでこの二人が不在だったのが本当に残念だったので……ピアニャに至っては名前すら出ないし。
言うまでもないことですが拙作でのピアニャの設定(故郷の村おこし云々)は妄想によるオリジナル設定です。
ピアニャはピアニャで、村おこし中にお嫁さんの一人や二人ゲットしてそうですが、さすがにそんなものまで出したらオリジナル臭が強すぎますしね。
462名無しさん@秘密の花園:2011/08/22(月) 22:47:16.59 ID:tXaZQopM
gj!
こういうのドラマCDとかでやってくれないものか…

そして、師匠の元から帰ってきたクーデリアさんは、見事にくーちゃん(8さい)になっていたとか、いないとか
463名無しさん@秘密の花園:2011/08/22(月) 23:59:38.49 ID:dZCt/Xk/
GJ!
メルアトは楽しかっただけにこの二人が出ないのは本当に残念だったよ
今からでも何らかの形で出してくれないものかね

>>452
師匠の師匠って男性じゃなかったっけ?
一応グーグル先生にも確認したんだけど勘違いだったかな
464名無しさん@秘密の花園:2011/08/23(火) 01:34:38.52 ID:L2RREEgm
ピアニャ良いなあ。

師匠の師匠は女性だったような。
ロロナやり直さないとはっきりしないけど。
465名無しさん@秘密の花園:2011/08/23(火) 02:10:19.71 ID:i6D6dJ5I
師匠の師匠の性別は不明じゃなかった?
ロロナのようなお人よしだったけど錬金術の才能がなかったって程度の設定だけだったと思う
466名無しさん@秘密の花園:2011/08/23(火) 13:19:11.88 ID:qmT74iOv
てゆうかあの世界男性は錬金術師になれないんじゃないか?
ぐらいいないよな〜可愛い衣装を着なくちゃいけないからとかでも
あったりして
467名無しさん@秘密の花園:2011/08/23(火) 13:50:03.81 ID:LD+D+aTq
ロロアトの漫画版(ファミ通クリアコミックスの方)だと師匠の師匠は女性
一応公式に出してる作品なんだから女性で確定と考えていいと思う

ていうか今まで錬金術士といえば女性ばっかりなんだから、今さら師匠の師匠だけ男性っていわれてもねぇ
男性錬金術士がありなんだったら女の子だけじゃなくて、かっこかわいい男の子が沢山いてもいいじゃない
そんでもってジーノ君やライアス君やステルクさんと男の友情を深め合ったり男だけで野宿したり錬金術の力で性別逆転起こしたり女の子みたいフリフリの服着ちゃったりいっそ男の娘になっちゃったりすればいいじゃない
イイジャナーイ


…と、腐海の毒にあてられたフィリーさんが言っていました
現在治療のためフアナさん秘蔵のかわら版にはとても載せられない百合百合写真集を投与しています
468名無しさん@秘密の花園:2011/08/23(火) 14:22:52.89 ID:qmT74iOv
フィリーさんは百合はノーマルには興味あっても
腐の話題は出さなかったような〜

アトリエシリーズでは男同士ネタはやはり駄目なんだろうな〜
469名無しさん@秘密の花園:2011/08/23(火) 20:00:01.13 ID:8O/Dvts/
いくら女性人気のある作品といっても男性ユーザーの方が多いだろうし、女性でも腐要素は好き嫌いあるだろうからな
このスレ的にはむしろ男同士でくっついてくれた方が百合の邪魔をする奴が居なくなって良い気もするが

>>467
そうなのか、本スレかどこかで作中で彼って言われてたから男性っていうのを見た記憶があって
それ以来男だと思い込んでたよ
そうなると師匠の過去話を見てみたいな、正史だと悲恋にしかならないのが残念だけど
470名無しさん@秘密の花園:2011/08/23(火) 22:47:37.13 ID:LD+D+aTq
>>469
ハッキリ女性と言われてるわけじゃないんだけど、回想シーンの後ろ姿や最期にアストリッドに微笑むところを見るに女性と思われる
まあ、どっちか分からないなら女性にしておくのがこのスレのジャスティスってことでw

それはさておき漫画版を読み返してたが
幼少時のロロナが助けてくれた師匠にお礼を言うシーン
師匠可愛すぎるだろ…
471名無しさん@秘密の花園:2011/08/24(水) 00:28:08.87 ID:dkLmeZDV
(ガストつながりで)師匠発案、マークさん開発のダイブマシンとかできちゃったら、
それぞれのカプはどっちがどっちに潜るのか
472名無しさん@秘密の花園:2011/08/24(水) 04:25:21.74 ID:Oq+87U4P
トトリ「ミミちゃんの心の中はもうお見通しだよ^^
   私をつかってあんなことやこんなこと考えてたんだねー♪
473名無しさん@秘密の花園:2011/08/24(水) 10:13:17.14 ID:p6B06aY+
師匠がロリコンになった理由は師匠の師匠が原因だったりして〜
474名無しさん@秘密の花園:2011/08/24(水) 19:37:57.46 ID:nOwA2Lef
>>471
もしもトトリちゃんがレーヴァテイルでミミちゃんがパートナーだったら

トトリのコスモスフィアで自分に対する激しい(激しすぎる)思いを知ったミミ。精神世界での出来事だからトトリ本人は覚えていない。
トトリに言えるわけがないし、誰かに相談するわけにもいかない。かといって自分からアクションを起こす勇気も無く、ミミはひたすら悶々と悩み続ける。
悶々としながらトトリへのダイブを続け、気が付いたらレベル9(精神世界で挙式)に到達。でも現実世界では相変わらず素直になれないツンデレっぷり。
「トトリとはただの腐れ縁のパートナーで、別にそんな、と、特別な関係なんかじゃないわよ!」
誰もが「レベル9まで行っといてそれはないわ」と突っ込む中、ついに我慢の限界を超えたトトリが動き出す……
475名無しさん@秘密の花園:2011/08/25(木) 02:54:22.58 ID:fb3TTzJ7
ミミちゃんに関してはもうトトリちゃんが押せ押せにならないかぎり
これ以上の発展はない気がするw

というわけで遠慮せずヤッちゃってくださいトトリ先生
476名無しさん@秘密の花園:2011/08/25(木) 06:37:25.74 ID:qFbqRPLk
仮にメルルでキャラエンドがあるとしたらどんなのだろう?
ケイナエンドがラブラブ新婚生活なのは当然として
トトリ&ミミエンドではメルルちゃんが二人の仲人を勤めたりとか
ロロナエンドでは無事元に戻ったロロナ先生が今まで以上にメルルちゃんに懐いてくーちゃんスーパー焼き餅モードとか
477名無しさん@秘密の花園:2011/08/25(木) 19:49:50.25 ID:g/9E04Lu
>>474
トトリちゃんの精神世界には、裸Yシャツやら魔女っ娘、仕舞いにはウエディングなトトリちゃんがいるわけですね!

そんで、深層心理で小悪魔トトリちゃんに洗脳されかけるミミちゃん
478名無しさん@秘密の花園:2011/08/25(木) 23:13:19.41 ID:29cwNHuV
>>476
ケイナエンドは本編でも言ってた二人でアトリエを経営しながら甘々新婚生活だな

ミミちゃんエンドは愛情イベ以降のトトリ先生とのラブラブっぷりをメルルにのろけまくるミミさん
調子に乗って言わんで良い事まで話してるといつの間にか背後に氷の笑みを浮かべたトトリ先生が…
慌てて弁解するも時すでに遅し、有無を言わせぬ笑みを浮かべたトトリ先生に連行されるミミさん
のろけ攻撃から解放されてほっとしつつも、ミミさんの無事を祈るメルルだった
479名無しさん@秘密の花園:2011/08/25(木) 23:55:14.19 ID:qFbqRPLk
>>478
しかし実はトトリ先生もケイナ相手にミミちゃんとのラブラブっぷりをのろけまくっていた
そのことがばれると開き直って

「だってミミちゃんが悪いんだよ! ミミちゃんがあんまり可愛すぎるから!」
「どういう言い訳よ!? それを言うならトトリの可愛さこそ反則よ! 私が普段どれだけあんたのこと抱き締めたり匂いかいだりするの我慢してると思ってるのよ!?」
「我慢してないじゃない! 夜になったらいつもしてるし!」
「昼間の話よ! 日の高いうちはさすがに控えなきゃと思って、理性を保つのに必死なんだからね!」
「そんなの私だって一緒だもん! いつでもどこでもミミちゃんをぎゅーってしたいのに、我慢してるんだから!」

口喧嘩とのろけを同時に行う高等テクニックに、横で聞かされてるメルルとケイナはもうお腹いっぱい
480名無しさん@秘密の花園:2011/08/26(金) 00:18:22.31 ID:6uPwn6V/
これはたまらないwwwww
481名無しさん@秘密の花園:2011/08/26(金) 01:10:20.00 ID:+JAOcYPr
>>479を読んでからニヤニヤが止まらない…ッ!
明日思い出しニヤケしないか心配になるレベル

なぜトトミミはこんなにも、くんかくんかが馴染むのか…
482名無しさん@秘密の花園:2011/08/26(金) 03:36:22.56 ID:sFqFPl1B
ここは生き残ってんの?
俺が保守してたスレとか全滅…
アトリエキャラスレも落ちてるし
なにもしなくても時期に復活すんのかな?
それとも立て直さんといかんのかね
483名無しさん@秘密の花園:2011/08/26(金) 10:24:59.88 ID:TLVZAaf1
>>482
ほっとけば復活する(というか書き込める奴が書き込めば)
立て直すのはスレが重複するから駄目
484名無しさん@秘密の花園:2011/08/26(金) 13:19:35.22 ID:OGq3+gLv
アーランドシリーズの服が透けるバグは、ロロナ、トトリ、ケイナだっけ?
ケイナだけ主人公じゃないけど

あの仕様は相方の女の子を誘ってるような仕様に思える
485名無しさん@秘密の花園:2011/08/26(金) 17:40:16.28 ID:2ww32vqE
逆に考えるんだ
相方の女の子に透ける仕様を強制させられていると考えるんだ
486名無しさん@秘密の花園:2011/08/26(金) 20:21:17.68 ID:zZkZobVw
くーちゃんとアトリエなやつ書いたので落とします


通いなれた道を歩く。少しドキドキしながら。
いつもの角を曲がる。少しワクワクしながら。

なんであたしがドキドキしなきゃいけないのかしら、なんて思いながらも動く足はだんだん速くなっていく。

アーランドの錬金術士のいる、アトリエへ向かって。



あたしは、クーデリア・フォン・フォイエルバッハ。
周りからはクーデリアさんとか、クーデリア先輩とか、まあ当たり障りのない呼び方よね。
ただ、あの子だけは『くーちゃん』なんて呼んでたりするけど……。

あたしを『くーちゃん』と呼ぶあの子――ロロナはこの国一番、いいえ世界一の錬金術士。
その前にあたしの親友で幼なじみでもあるんだけどね。
いつもぼーっとして、ちょっとズレてて。
でもいつも一生懸命で、健気で、素直で、優しくて、とっても強い子。
だけど魔女の弟子になるって言ったときはどうなるかと思ったわ……。なにかされてやしないかいつも不安で不安で……。

そうだからこうしてアトリエに行ってロロナのほわんとした顔を見ないと気が済まないの!
別にただ会いたいからとか話したいとかじゃ……なくはないけど。


487名無しさん@秘密の花園:2011/08/26(金) 20:24:01.25 ID:zZkZobVw
ロロナと一緒にいると退屈しなくってね。
退屈しないって言い方はちょっと違うかしら。楽しくて、うれしくて、っていうのがほんと。
身振り手振り全身を使って一生懸命話すロロナに定期的にツッコミを入れながら、幸せな感覚を味わっている。

たまに、思うのよね。
あたしは、ロロナが好きなんじゃないかって。
もちろん、親友としては大好きよ? それは当たり前なんだけど。
女の子が女の子を、恋愛感情で見るのって…どうなのかしら。
本当に親友としてだけなのかしら、って。

ふふ、フィリーにはできない相談ね。

……ロロナはあたしをどう思ってるのかしら。
すき? 友だちとして? それとも。
まあ少なくとも嫌われてはないはずよ、たぶん。

だって――


どこか不思議なデザインの家。
『ロロナのアトリエ』と書かれた看板のある家。
そのドアを叩く。

「あ、くーちゃん、いらっしゃい!」


とびきりの笑顔で迎え入れてくれるのだから。

END

短いですが終わり
恋心に気づきつつあるけどそんな気持ちもっていいのかしらとか
あの子は私のことどう思ってるのかしらとかに激しくもにゅります
488名無しさん@秘密の花園:2011/08/26(金) 22:01:07.58 ID:2ww32vqE
ほんわかGJ
くーちゃん可愛いよくーちゃん
489名無しさん@秘密の花園:2011/08/26(金) 23:24:24.64 ID:/WBMv1Kz
GJ!
くーちゃんは自分の気持ちに気づいてもなかなかそれを認められなさそうだ
ロロナはそもそもくーちゃんに対する気持ちが友情ではなく恋愛感情だと気づくまでに時間がかかりそうw
490名無しさん@秘密の花園:2011/08/27(土) 08:04:29.12 ID:xeU44pUR
「ツンデレが足りないと思うの」
「何ですかメルル? ツンデレって」
「例のアレでケイナの得票数がナニだったことについて考えてたんだけどね」
「え、あの……すみません。全く意味が分からないです」
「まあ細かいことは気にしないで。とにかくケイナにはツンデレが足りないの」
「そのツンデレというのは、どういうものなんですか?」
「んー、色々あるけど、一言で言うとミミさんみたいな人のことかな。素直になれないでいつもツンツンしてて、でも心の中はデレデレで。つまりそんな感じ」
「はあ……」
「普段のきつめな素振りと、ふとした時に見せる本心が、ギャップで人を惹き付けるんだよ」
「それって、必要なものなんですか?」
「そりゃ必要だよ。古来から偉大な錬金術士の傍には必ずツンデレの存在があったと言われてるんだから。現にトトリ先生にはミミさんがいるし、ロロナちゃんの大親友のクーデリアさんもツンデレらしいし」
「そうなんですか」
「うん。だからちょっとケイナもツンデレを練習してみよう」
「練習って……具体的にどうすればいいんですか?」
「まずは台詞からだね。例えばケイナ、お掃除が終わったら何て言う?」
「メルル、アトリエのお掃除が終わりましたよ」
「違う違う! それじゃ普通のメイドさんじゃない」
「実際そうなんですけど……」
「いい? ツンデレってのはあくまで本心を見せずに、あえてひねくれたことを言うの。だからこの場合の模範解答としては……勘違いしないでよね! 掃除が好きでやっただけで、あんたの為なんかじゃないんだから! ……と、こんな感じ」
「そ、そんな台詞言えません! 私は掃除が好きで、なおかつメルルの為にやってるんですから!」
「いや、だからその本心を隠して、ひねくれたことを言うのがツンデレなんだってば」
「だからって……」
「ただの練習だから。演技だと思って言ってみてよ」
「分かりました……か、勘違い、しないで、ください。単に掃除が好きでやっただけで、メルルの為に……為に……やったわけじゃ……」
「ちょっ……何で涙目になってるの?」
「だって……私の好きなメルルに、こんなこと言うのは、辛くて……」
「わー! 泣かないでケイナ! ごめん私が悪かった!」
「ぐす……でも、私にはツンデレが必要なんですよね。メルルのためにも、頑張ります」
「もういいってば! その気持ちだけで十分だよ! ツンデレじゃなくてもケイナは私にとって一番だから!」
491名無しさん@秘密の花園:2011/08/27(土) 15:41:48.91 ID:3t1qBxoK
>>490
gj!がんばれケイナさん!
ツンデレがダメなら、クーデレも素直クールもあるんだよ
ヤンデレ?メルルならきっと受け入れてくれるよ!

>>487
gj!くーちゃんマジ乙女!

>>484
ミミメルルには効果抜群だけど、
クーデリア女史には「馬鹿やってないで早く服を着なさい。風邪引くわよ?」
と言われて膨れるロロナ先生
492名無しさん@秘密の花園:2011/08/28(日) 02:28:33.69 ID:zQtrnn/N
とある二次創作サイトのトトミミ読んで思ったんだが
ヤンデレといえばケイナな感じだけど、トトリも結構ヤンデレ化する素質あるんじゃないだろうか

ミミちゃんを常に束縛したい、ミミちゃんの気持ちが自分に向いてないと許せない
ちょっとでも他の子と仲良くしたりしたら嫉妬して監禁しておしおき
もし浮気しようものならミミちゃんを殺してわたしも死ぬ、なヤンデレトトリと
それでもそんなトトリを受け入れて愛し続けるミミちゃん

ラブラブいちゃいちゃは勿論良い物だが両想い前提の暗いトトミミとかも萌える
493名無しさん@秘密の花園:2011/08/28(日) 16:25:39.09 ID:stMrl3zF
トトリ先生がアールズに行くとき最初からミミちゃんを護衛として連れて行けば良かったのに
そうしなかったのはナチュラルに放置プレイをするため
数ヶ月でミミちゃんがギブアップしてアールズに来たけど
実はトトリ先生も限界であと数日遅ければトラベルゲートを使うところだった
494名無しさん@秘密の花園:2011/08/28(日) 19:48:38.82 ID:N9xit8ed
トトリちゃんがミミちゃんに依存しだしたらそれこそヤヴァイレベルになりそうw
ヤンデレは怖いが最終的にハッピーになればありかな

上のSSであった無理やりミミちゃんとHしちゃうトトリちゃんとか
興奮する。もちろん最後は合意の上でね
495名無しさん@秘密の花園:2011/08/28(日) 22:14:53.91 ID:shn1uH8P
ヤンデレたトトリ先生なら、ミミちゃんに口移しで不老不死薬投与とかしそうなイメージ。

>>493
トトリ先生がいつの間にか里帰りしてて、マサルさん的な表現で『ガビーン!』ってなってるメルル姫を想像してしまうw
496名無しさん@秘密の花園:2011/08/29(月) 02:03:17.33 ID:a2sG6GJ6
ミミちゃんが追いかけて来てはくれたものの
またまた素直になってくれずすれ違いばかりで
悶々とした日々をおくるトトリ先生
497名無しさん@秘密の花園:2011/08/30(火) 13:00:15.37 ID:8ZCOTx+f
トトリ×ケイナの可能性について考えてみる

留守番がちなトトリ先生とメルルがいない時でも甲斐甲斐しくアトリエのお掃除をしにくるケイナ
自然と会話も多くなり、二人で食事したり買い物に行ったりすることも
そのうちにケイナはメルルを愛しく思いながら、トトリの優しい人柄に惹かれている自分に気が付く
トトリの方も健気で可愛らしいケイナに好意を抱くようになっていた
そして――

(1)二人の浮気心に気付いたメルル&ミミがスーパー焼き餅モード発動。あわや大喧嘩かというところまでもつれるが、最終的には仲直りして元鞘に。むしろ前より仲良しに。

(2)板挟み状態のケイナを巡って、メルルVSトトリの師弟対決が勃発。ことあるごとに自分を取り合って喧嘩をするメルル達に、どうしたものかと本気で悩むケイナ。
そしてこのままでは立場が無いミミはどう動くのか。

(3)罪悪感を抱きながら、ケイナとトトリは関係を持ってしまう。様子のおかしいケイナを問い詰め、トトリとのことを知ったメルル。たとえ先生でもケイナを奪ったことは許せないと、師弟の縁を切ってしまう。そしてそのままドロドロの愛憎劇へ……。
498名無しさん@秘密の花園:2011/08/30(火) 20:25:51.01 ID:i4RSS8gi
トトケイか…それは新境地だな

(4)傷心のメルルとミミはお互いを慰めあっている内に相手に惹かれている自分がいる事に気付く
中々自分の気持ちを認める事が出来ない二人、しかし自分の気持ちに嘘をつき続ける事は出来ない…
矢印が飛び交う四角関係が展開されるが
最終的にはトトケイメルミミで丸く?収まってハッピー?エンドに
499名無しさん@秘密の花園:2011/08/31(水) 01:14:14.47 ID:IzN2kwMN
トトケイナのデートを右往左往しながら尾行するミミメルル
トトケイナがちゅーしそうになったところでリミットブレイク
二人の前に飛び出して、今まで寂しい思いをさせたことを謝ったり、勢い余って告白したりする。

と、ここでネタばらし!なんとミミメルル以外は全員仕掛け人。
これにはターゲットも思わず赤面。
二人の尾行は最初から全てバレていたのだ。

そんなトトケイナの当て付けデート作戦と、やっぱり嫁にはかなわないミミメルル
500名無しさん@秘密の花園:2011/08/31(水) 06:43:21.86 ID:3Efm4Urs
それにしてもこの錬金術士、ノリノリである。
501名無しさん@秘密の花園:2011/09/01(木) 00:18:50.83 ID:Lr1wRw/7
SS投下します。
カップリング特になし。強いて言うならトトミミ。
メルルとフィリーが酒場で会話をしているだけな内容です。
502名無しさん@秘密の花園:2011/09/01(木) 00:20:47.36 ID:Lr1wRw/7
「まったく分かってないのよね!」
 ある日のこと。メルルが酒場に仕事を探しに来ると、そこには珍しく荒れているフィリーがいた。
「どうしたんですフィリーさん? 何が分かってないんですか?」
「あっ、メルルちゃん! ちょっと聞いてよ! これなんだけど――」
 メルルの姿を見るや、フィリーは一冊の本を取り出した。
「これは……小説ですか?」
「うん。この前アーランドで出たばっかりの新作の恋愛小説」
 人口の増加に伴う物流の促進、加えて印刷所や図書館といった施設の充実によって、ド田舎だったアールズでも新しい書籍が手に入りやすくなっている。
 フィリーが手にしている小説も、そういう経緯でここにある、ごく普通の読み物である。一体何が問題なのか、メルルは首を傾げた。
「この本がどうかしたんですか?」
「どうしたもこうしたもないわよ! 期待してたのに内容がひどいのよ!」
「はあ……どうひどかったんですか?」
 別にさしたる興味はなかったが、フィリーの方が話したがるだろうと思い、メルルは尋ねてみる。
「まずね、この小説の謳い文句はこうよ! 『禁断の恋に堕ちる二人の少女を描く、魅惑の純愛ファンタジー!』」
「禁断の恋って、やっぱりそっち系ですか……」
「もちろん! 私のメインディッシュだもん!」
「偏食は良くないですよフィリーさん」
 メルルの突っ込みはスルーして、フィリーは話を進める。
「それで内容なんだけどね、主人公はとある小さな国のお姫様で、あるときそのお姫様が悪いドラゴンに誘拐されちゃうの」
「これでもかってくらいファンタジーの王道展開ですね」
「捕らわれの身になったお姫様があわやドラゴンの餌食に――というところで助けに来たのが」
「王子様とか勇者様、ではないんですよね?」
「そう! お姫様を助けたのは、たまたまドラゴンの巣に材料探しに来ていた魔法使いの女の子なの!」
「ドラゴンの巣に材料探しって、何だか錬金術士みたいですね」
「まあ、実際作中で似たようなことしてるけど。それはさておき、ドラゴンをやっつけた魔法使いに感動したお姫様は、そのまま魔法使いの押し掛け弟子になっちゃうの」
503名無しさん@秘密の花園:2011/09/01(木) 00:25:08.88 ID:Lr1wRw/7
「はあ……お姫様だったり押し掛け弟子だったり、何だか私に似てるなぁ」
「魔法使いの方は最初迷惑がるんだけど、姫様のひたむきさにだんだんと心を開いていくの。
 お姫様の方も王様や周りの人に魔法使いになることを反対されたりするんだけど、少しずつ問題を解決していって……そうしていくうちに、お姫様と魔法使いの間には、師弟関係とは違った淡い思いが芽生えていくの……」
「ふむふむ……その話しぶりだと、フィリーさん好みの展開で問題ないようですけど」
「あるのよ。このあと大いに」
 フィリーは声を落とし、表情をこれ以上ないほど曇らせる。
「紆余曲折を経て二人がお互いに抱く気持ちを恋だとハッキリ自覚して、あとは告白とその後のチョメチョメを残すのみとなったところでね――」
 フィリーは声を震わせ、天を仰いだ。
「あろうことかっ、魔法使いの女の子がっ、魔法の薬でっ、自分を男の子にしちゃうのよーっ!」
 涙さえ浮かべて、フィリーは悲痛な叫びを上げた。
「えーと……つまり、女の子同士だと結婚やら色々できないから、男の子になったってわけですよね。ファンタジーなんだから、それくらいいいんじゃないですか?」
「いいわけないでしょ! 私は純粋な女の子同士のラブラブだけを期待してたのに、何で余計なもの生やしたりするのよーっ!」
「あの、フィリーさん……ここ、一応公共の場所っていうか、あなたの職場……」
 生やしたり、はまずいだろうと思ったが、幸い聞き耳を立てているような人はいなかった。
「お姫様は男の子になった魔法使いのプロポーズを受け入れて、二人はいつまでも幸せに暮らしましたとさ……そんなわけでお話はめでたしめでたしだけど、百合百合詐欺にあった私の心は深〜く傷ついてるの」
「何ですか百合百合詐欺って」
「よくあるのよ! 百合ものを匂わせておいて、蓋を開けたらふたなりだったり、男の人が混じってハーレムになったり、純粋な百合を求める私達百合女子と一部百合男子を絶望の淵に陥れる、悪鬼の如き所業よ」
「そこまで言うほどのことですか……?」
「言うほどのことなのよ! というわけでメルルちゃん! 傷ついた私の心を癒すために、何か新鮮なネタをちょうだい!」
「新鮮なネタですか? さっき釣りに行ってたステルクさんが、新鮮な川魚をお裾分けしてくれたんですけど、持ってきましょうか?」
504名無しさん@秘密の花園:2011/09/01(木) 00:30:02.59 ID:Lr1wRw/7
「そういう意味のネタじゃなくて、リアルなエピソードを聞きたいのよ。何かあるでしょ。最近ケイナちゃんとアトリエでイチャイチャしてたとか、お城でイチャイチャしてたとか、採取先でイチャイチャしてたとか、ソファの上でイチャイチャしてたとか、ベッドの中で――」
「どんだけイチャイチャさせる気ですか。ケイナは真面目ですから、人目につくようなところでそんなことしません」
「つまり人目につかないところでは――」
「ノーコメント!」
 フィリーの質問をピシャリと遮るメルルだが、『答えない』という答えを与えているのは、嘘のつけない素直な性格ゆえか。
「じゃあ他に何かない? イチャイチャじゃなくてもいいし、他の人の話でもいいし」
「うーん……そういえば、この間アトリエにミミさんが来てた時にですね、お姫様抱っこの話題になったんですよ。ミミさん、昔ケガしたトトリ先生をお姫様抱っこで運んだことがあるとか」
「おお! それはぜひとも見てみたいシーンね!」
「ミミさんが『あの頃のトトリはすごいひ弱だったのよね。まあ今もあんまり変わってないけど』みたいなことを言うと、トトリ先生が『そんなことないもん! 今だったら私の方がミミちゃんをお姫様抱っこできるよ!』と返しまして」
「ふんふん」
 フィリーは興味津々といった面持ちで、メルルの話に聞き入っている。
「それでミミさんが『ああいう持ち方は見かけより難しいのよ? あんたじゃ一秒も保たず倒れるに決まってるわ』て言うと、先生なんだかムキになっちゃいまして『平気だよ。ミミちゃんぐらいならラクラク持ち上げるんだから』
 するとミミさん『面白いわね。じゃあやってみなさいよ。ホントにラクラク持ち上げられたら、あんたの言うこと何でも聞いてあげるわよ』と、今思えば負けフラグ満々なことを言っちゃいまして」
「てことは、トトリちゃんお姫様抱っこできたんだ。ラクラク」
「そこはホラ、錬金術士ですから。腕力を増強するアクセサリーとか色々」
「なるほど。それでどうなったの?」
「貴族に二言は無い、ってことでミミさんはトトリ先生の言うことを聞くことになりまして。
 それで先生『せっかくお姫様抱っこされたんだから、お姫様みたいな格好してるミミちゃんが見たいな』ってことでミミさん、普段なら絶対着ないようなフリフリのドレス姿にされてしまいました」
505名無しさん@秘密の花園:2011/09/01(木) 00:34:46.34 ID:Lr1wRw/7
「ちょっとメルルちゃん! そんな美味しすぎるシチュエーションで私を呼んでくれないなんてひどいじゃない!」
「そんなこと言われましても……それでまあ、衣装は私の滅多に着ないやつを貸しまして、いかにも女の子らしいデザインのドレスをケイナがささっとサイズ調整したんですけど……
 何ていうかミミさん、貴族の肩書きは伊達じゃないっていうか、すっごい可憐で、私よりよっぽどお姫様みたいで」
「う〜……それは見たかった……女房を質に入れてでも見たかった〜」
「いないものをどうやって質入れするんですか。それでですね、大変身したミミさんにトトリ先生のテンションがものすごいことになりまして。
 興奮を隠そうともせず『こんなこともあろうかとマークさんから借りてて正解だったよ!』とか言いながら、三脚付きのごっついカメラでミミさんを激写しまくってました。ミミさんはずっと恥ずかしがってたんですけど、その様子がまた可愛らしいのなんのって」
「写真あるの!? 焼き増し! 焼き増ししてメルルちゃん!」
「無理ですよ。トトリ先生用に一枚ずつだけ現像したあと、ミミさんがフィルムを没収しちゃいましたから」
「そんなぁ……」
506名無しさん@秘密の花園:2011/09/01(木) 00:36:30.54 ID:Lr1wRw/7
「まあとにかく、そんなことがありました」
「え? それだけ? 終わり?」
「はい。終わりですけど」
「え〜? その先があるんじゃないの? 可憐に変身したミミさんを、トトリちゃんがお持ち帰りしちゃったり、部屋まで送って行ってそのまま狼さんになっちゃったり!」
「ありませんてば」
「そっかぁ……でも面白いお話だったよ。ありがとうメルルちゃん。傷付いた心がだいぶ癒されたよ」
「それは良かったです」
「今度トトリちゃんに写真見せてくれるよう頼んでみるね」
「その時はミミさんと遭遇しないよう注意してくださいね。それじゃあ」
「うん、またね」
 軽く手を振ってフィリーと別れ、メルルは酒場を出た。
「フィリーさんの趣味って、やっぱり変わってるなぁ……」
 そんなことを呟きながら、メルルはアトリエへの帰り道を歩いていく。
「そういえば何かを忘れているような…………あ」
 はたと立ち止まり、メルルは呟く。
「お仕事探しに行ってたの忘れてた……!」
 間抜けな自分に呆れながら、メルルは今歩いてきた道を慌てて引き返していった。

 しかしこのあと戻った酒場で、またしてもトトリやミミやケイナのことでフィリーと話し込んでしまい、仕事のことを忘れそうになってしまう。何だかんだで、フィリーの趣味に馴染みつつあるメルルだった。


おわり
507名無しさん@秘密の花園:2011/09/01(木) 00:37:08.18 ID:Lr1wRw/7
以上。読んでくれた人、ありがとう。
508名無しさん@秘密の花園:2011/09/01(木) 00:44:32.11 ID:TcP/dYBQ
GJGJ!カメラマントトリちゃんワロタwww
こういう間接的なネタ系大好きだw
509名無しさん@秘密の花園:2011/09/01(木) 01:19:14.79 ID:JYrHlUDm
>>490
ツンデレワロタw
ケイナって本当天使可愛いね。

>>501
フィリーさんマジ俺たち。ていうか、同じ本読んだら絶対同じ感想持つよw
そしてミミさんチョロイw
510名無しさん@秘密の花園:2011/09/01(木) 03:09:46.78 ID:fsBS0c6g
アクセサリー使用を黙認してる辺り、本当はお姫様だっこされたかったんじゃないかミミちゃん
511名無しさん@秘密の花園:2011/09/01(木) 03:11:32.21 ID:g2kdznzm
GJ!
フィリーさんわかります、期待してた作品で百合百合詐欺にあうと本当辛いよね…
ミミちゃんは貴族なだけあってドレスとかの正装系がすごく似合いそう
折角主人公がお姫様なんだし本編で舞踏会的なイベントとかあってもよかったと思うんだ
512名無しさん@秘密の花園:2011/09/01(木) 11:10:30.55 ID:IHApYrsi
>503
フィリーさんマジ百合厨!百合百合詐欺に絶望する発言する
女の子の発言新鮮だわ〜
513名無しさん@秘密の花園:2011/09/02(金) 01:18:08.29 ID:SIUtYnub
貝あわせスレなるものを見つけたので覗いてみたが
身体的な気持ちよさより気持ち的な気持ちよさなのか
やり方次第らしいけど
514名無しさん@秘密の花園:2011/09/03(土) 14:01:20.68 ID:i9TOw7gN
SS投下します。
>>361-370の話とつながっており、>>441のリストも絡んできますが、前回読んでなくても特に問題はないと思われます。
515名無しさん@秘密の花園:2011/09/03(土) 14:02:54.46 ID:i9TOw7gN
訂正。
>>411のリストです。
516名無しさん@秘密の花園:2011/09/03(土) 14:06:45.96 ID:i9TOw7gN
「ふっふっふ……ついにかんせーしたよ、メルルちゃん……」
 ある穏やかな日のこと。アトリエの中で小さなロロナが腕を組み、不敵な(つもりだろう。多分)笑みを浮かべていた。
「どうしたのロロナちゃん? 何が完成したの?」
 尋ねなくても、さっきまでロロナが新作パイを作るために錬金釜をぐーるぐーるしていたのを見ているのだが、ここは向こうのノリを優先するメルルである。
「すきすきパイ、なかよしパイにつづく、みんなのにんきものになれるパイの、だいさんだん!」
「へーそうなんだ。さて、『つくっちゃだめリスト』五枚目を用意しないと」
 しかし時には相手のノリを殺すことも必要である。たとえ相手が年端もいかない幼女であったとしても。
「まってよメルルちゃん! こんどはだいじょーぶだから!」
 冷たいリアクションにもめげず、ロロナはメルルにすがりつく。
「前回もそんなこと言って、大変だったじゃないの。そもそも、もうそのシリーズ作っちゃダメって言ったでしょ」
「うん。だからこんどのは、こんせぷとをねっこからかえてみたの」
「コンセプトを? どういう風に?」
 メルルが聞くと、ロロナは「えっへん!」と胸を張って語り始めた。
「すきすきパイとなかよしパイは、たべるとみんなからすきになってもらえるっていうふうにつくったの」
「うん。でも……」
「なんでかふたつともしっぱいしちゃって、おんなのこにしかきかなくて、おまけにすきになりすぎちゃってたんだよね」
 そのおかげで、食べたメルルはひどい目にあったのだ。しかし今回はパイの発想自体を変えているという。
「それでね、ロロナおもったの。おんなのこにしかきかなくて、すきになりすぎちゃうなら――」
「うんうん」
 一体どのような発想で問題点をクリアしたのか、メルルは興味深げに耳を傾ける。
「さいしょっからおんなのこにモテモテになれるパイをつくっちゃえばいいんだよ!」
「ダメな方向に開き直ったーっ!?」
「というわけでかんせーしたのがこのラブコメパイだよ。メルルちゃんのためにがんばってつくったの」
「女の子にモテモテになるパイを女の子のために作ってどうすんの! 名前からして嫌な予感しかしないし!」
517名無しさん@秘密の花園:2011/09/03(土) 14:11:34.20 ID:i9TOw7gN
「そんなことないってば。これをたべればまさにラブコメ! あさはおさななじみのおんなのこがおこしにきてくれたり、としうえのおっぱいおおきなおねーさんがしょっちゅうおすそわけしてくれたり、
 ツンデレびじんなぼうけんしゃさんがまもってくれたり、かわいいせんせーがやさしくいろいろおしえてくれたり、ちっちゃいおんなのこがなついてくれたり」
「今言ったの全部間に合ってるんだけど」
「だいじょーぶ。もっとすごいこともあるから。さあ、だれもがあこがれるラブコメしゅじんこうにきみもなろう!」
「憧れないし、なりたくないから。そもそもそういうのって男の子向けのものでしょ。どうせなら私よりもライアス君とか――いや、ダメだ。あの不幸体質でラブコメ主人公なんかになったら、悲惨な結末しか見えない」
「む〜……じゃあ、メルルちゃんはロロナのパイたべてくれないの? せっかくつくったのに……」
 メルルの冷たい態度に、ロロナは目にじんわり涙を浮かべる。
「う……そんな顔したってダメなものはダメだから。さすがに三回もあんな目に合うのは……」
「じー……」
「いや、だからそんな目で見たって……」
「じー……」
「うう……」
「じー……(うるうる)」
「……ああもうっ! 分かったから! 食べるから!」
 結局、ロロナには甘いメルルだった。
「えへへー。メルルちゃんだいすき!」
 屈託のない笑顔。この小悪魔め、とはメルルも言わないが、この子がアストリッドの弟子というのが、何となく実感できた気がする。
(食べたらすぐにお城に行って、効果が切れるまで大人しくしてよう。ケイナとだったらラブコメも悪くないし……)
 そんなことを考えながら、メルルはパイを口に運び、はたと何かに気付いて手を止めた。
「ロロナちゃん、このパイだけど……すきすきパイの時みたいにエッチなことになったりしないよね?」
「うん。ちゃんとぜんねんれいたいしょーだよ」
「そう……それじゃあ、いただきます」
 出来たてのパイにかじりつく。中身はラブコメのイメージを意識してか、甘酸っぱいアップルパイ。香ばしい匂い、サックリフワフワな生地の食感、程よいリンゴの甘さ。相変わらず、効果はともかく味は最高だ。
「ごちそうさま。美味しかったよロロナちゃん。さて、それじゃあトラブルが起きる前にお城に――」
「ただいまー」
「あ、先生。おかえりなさい」
518名無しさん@秘密の花園:2011/09/03(土) 14:15:54.51 ID:i9TOw7gN
 用事で出かけていたトトリが帰ってきた。タイミングが悪いが、これくらいはメルルの予想の範囲だ。
「先生、私ちょっと急用でお城に行ってきますね。ひょっとしたら明日までかかるかもしれません」
「え? ちょっとメルルちゃん――」
 事情はあとで説明すればいい。今はとにかく女の子(ケイナ以外)との接触を避けることが重要だ。
 過去の経験を活かしたメルルは、わき目もふらずアトリエを出――ようとしたところで、何故か足がもつれてバランスを崩し、ドアの前で呼び止めようとしていたトトリを巻き込んで、
「えっ、わっ、わっ!?」
「きゃっ!?」
 二人そろって転んでしまった。
「いたた……すみません先生……」
「あ、あの、メルルちゃん……手が……」
「へ? ……わあっ!?」
 一体どういう転び方をすればこうなるのか。二人は思いっきり体を密着させ、メルルの手のひらはトトリの胸をばっちり押さえていた。
「ふっふっふ……さっそくききめがでてきたね」
 ロロナがまた不敵な(つもりの)笑みを浮かべている。
「ど、どういうことなのロロナちゃん!?」
「これぞラブコメめいぶつ、ちょっとエッチなハプニング! あのパイをたべたメルルちゃんには、ラッキースケベがめじろおし!」
「何それ!? さっきエッチなことにはならないって言ったじゃない!」
「うん。あくまでぜんねんれいたいしょーのはんいでだから、あんしんしてね」
「そういう問題じゃ――」
「あの、メルルちゃん、事情は何となく分かったから、そろそろ手を」
「あっ、すみません先生」
 ずっとメルルに胸を押さえられていたトトリは、恥ずかしそうに頬を赤らめている。
 メルルはすぐ手をのけようとする。のたが、
「あれ? 袖のところが引っかかって……」
「ひゃうっ!? メルルちゃんどこ触ってるの!」
「わああっ、すみませんわざとじゃないんです!」
 反対側の手がうっかり大変なところを触っていた。どれだけうっかりすればそうなるんだ、という突っ込みはするだけ無駄だろう。
 おまけに胸を触っている手は、袖が引っかかってなかなか取れない。
「あれ、これどうなってるんだろ……?」
「メルルちゃん、まだ?」
「待って下さいね……もうちょっと……」
「あっ……んっ……」
「ちょっ……変な声出さないで下さいよ、先生」
「だ、だってメルルちゃんが……」
「別にわざとやってるわけじゃ――」
519名無しさん@秘密の花園:2011/09/03(土) 14:20:03.11 ID:i9TOw7gN
 その時。不意にメルルのすぐそばで、ドサッと何かが落ちる音がした。
 音の方向に目を向けると、アトリエのドアが開いていて、そこに落ちている食材入りの紙袋。そして誰かの足――見覚えのありすぎる、花柄の靴下。
「ケ……ケイナ?」
 恐る恐る視線を上げると、そこには両の目に涙を浮かべ、体を震わせているケイナがいた。
 そして、
「っ……」
 メルルが何か言うよりも早く、涙の粒を散らしてその場を走り去っていった。
「あああーっ! ケイナ! 待ってケイナーっ! あれ完全に誤解してるうう!!」
「これぞラブコメめいぶつそのに! メインヒロインとのあいだにはっせいするこいのしょうがいぶつ! ごかいがごかいをよぶ、ごかいすぱいらる!」
「ローローナーちゃーんっ!!」
 メルルの悲痛極まりない叫びが、アトリエにこだました。

 その後、ケイナの誤解を解くために火の玉のような勢いでお城に向かったメルルだが、途中でミミやフアナやフィリーやエスティやホムちゃんやパメラと出くわして、いちいちラブコメチックなハプニングに巻き込まれていた。
 最終的にケイナの誤解は解けたのだが、この手のパイはもう本当に勘弁してくれとロロナに懇願するメルルだった。


おわり
520名無しさん@秘密の花園:2011/09/03(土) 14:22:58.52 ID:i9TOw7gN
ロロナパイつくっちゃだめリスト(一部抜粋)※前回>>411

【名前】
スーパーウルトラねこさんパイ
【効果】
猫になる。
比喩とか専門用語とかじゃなくて、掛け値無しに本物の猫になる。
【封印理由】
楽しいんだけど、本当にただの猫になっちゃって色々大変だったよ。
元に戻ったらお約束のように全裸だったし……見られたのがケイナだったから良かったけど……いや、全然良くないけど。

【名前】
ツンデレパイ
【効果】
ツンデレを身に付けたいケイナ(>>490)のために、ロロナちゃんが作ったパイ。食べるとその名の通りツンデレになっちゃう。
と思ったら、確かにツンデレにはなったんだけど、何故か対象がロロナちゃん限定。しかもデレ分多め。
どうやらツンデレになるんじゃなくて、ロロナちゃんの好きなツンデレさんの人格が乗り移っちゃうみたい。
【封印理由】
他人の人格が乗り移るなんてよくないよね。
……か、勘違いしないでよね! ケイナをとられたみたいで悔しいからとかじゃないんだから!

【名前】
リリーパイ第二楽章〜契り〜
【効果】
フィリーさんプロデュースパイ第三段。ネーミングに関してはもう突っ込む気にもなれない。
効果はリリーパイを強化したものだけど、パイの付け合わせとして何故か婚姻届が。フィリーさん……。
【封印理由】
法律的に無理ですから。

【名前】
ラブコメパイ
【効果】
すきすきパイ、なかよしパイに続く第三段……なんだけど、これは初めから女の子にモテモテになるように作られてる。
モテモテっていうか、ちょっとエッチなハプニングの方がメインになってる気がするけど。
【封印理由】
不自然極まりないハプニングは起こるし、ケイナには誤解されるし、巻き込んだ人とはあとで気まずくなるし、散々だったよ……とほほ。


【名前】
でかパイ
【効果】
食べると胸が大きくなる。
……もうちょっとこう、なんて言うかオブラートに包めないかな、名前。
【封印理由】
半日ほどで効果が切れちゃうので、切れた時のガッカリ具合がハンパない。
いえ、トトリ先生の胸がガッカリなんじゃなくて、あくまで使った人の気持ちを代弁し
(※記述はここで途絶している……)
521名無しさん@秘密の花園:2011/09/03(土) 14:23:48.92 ID:i9TOw7gN
以上。読んでくれた人、ありがとう。
522名無しさん@秘密の花園:2011/09/03(土) 23:39:54.33 ID:0gw+bE7g
GJ!
ロロナせんせい今回も素晴らしい仕事です
すきすきパイとなかよしパイが女の子にしか効果が無かったのはわざとじゃなかったのねw
きっとロロナ先生の潜在的願望がパイの効果に表れちゃったんだな
523名無しさん@秘密の花園:2011/09/05(月) 18:04:17.56 ID:Kf+MZQwO
>>255-272
亀レスだけど、トトミミ百合Hで処女喪失なんて事になる場合、どういう流れになるんだろ?
トトリもミミも同時に、一緒に指で喪失?
それとも順番に喪失?(ミミは痛がるトトリの姿に耐えられなさそうだから、先にミミの方が処女喪失か)
524名無しさん@秘密の花園:2011/09/05(月) 21:29:11.04 ID:HrmVb6iL
個人的にはトトリS攻めが好きだけど真面目に考えるとトトリちゃんが受けになりそう
だからトトリちゃんが最初かな?ミミちゃんも初めてだからへたっぴであまりの痛さに
トトリちゃん泣き出しちゃってそのまま終了でミミちゃんのヴァージンは後日
トトリちゃんは事前に色々調べてミミちゃんのあそこ丹念に濡らしてあげたりして
ミミちゃんよりはスムーズに処女奪いそう
525名無しさん@秘密の花園:2011/09/05(月) 23:39:32.51 ID:raxzFA+/
SS投下します。
今回はトトミミ。
526名無しさん@秘密の花園:2011/09/05(月) 23:41:53.20 ID:raxzFA+/
 夜。誰もかも寝静まるような、そんな時間。ヴェルス山付近にある温泉に、一つ、人影があった。
 別に怪しい人物ではない。時間が遅過ぎることを覗けば、ごく普通の入浴者だ。
 夜に吹く風は優しく、空を見上げれば満天の星と月が、きらきらと視界を埋め尽くす。
(明るい時も悪くないけど、夜はまた格別ね……)
 夜の温泉の風情を満喫しながら、ミミは大きな息をついた。いつもは凛々しく引き締まっている相貌も、この時ばかりはほっこりふやけ気味だ。
 風情を楽しむためというには、アールズから遠すぎるこの温泉だが、別にそのために来たわけではない。
 メルル、トトリと三人でヴェルス山に採取に来て、せっかく近くまで来たんだから、というわけで今日(そろそろ昨日か)の昼下がりから温泉で半日休暇と洒落込んでいたのだ。
 たっぷり温泉に浸かって体の疲れを癒やし、夜になってからは近くで野営していたのだが、どうにも寝付けなかったミミは、もう一度温泉に入ってまったりしていた。
「ふう……」
 無意識に吐息が漏れる。風呂は命の洗濯というが、ここに来るとそれを実感できる。いくら名湯とはいえ、この時間、こんな辺鄙な場所に人など滅多に来ない。だからこその貸し切り状態というのがまた良い。
 と思っていたのだが、
「あ、やっぱりミミちゃんだ」
 静かだった浴場に響いた聞き覚えのありすぎる声に、ミミはビクリと身を震わせた。
「ト、トトリ?」
「うん。何だか目が冴えちゃって、お風呂入りに来たの」
 トトリは裸体にタオル一枚を当てただけの姿で、温泉の縁に立っている。いくら真夜中の温泉とはいえ、いささか無防備過ぎないだろうか。湯着とか用意すればいいのに……と、ミミは自分のことを棚に上げてそんなことを思う。
 トトリはゆっくり温泉の中を歩き、そのままミミのそばまできて、湯の中に体を沈めた。
「ふぅ〜……夜の温泉って、風情があって良いね」
「そうね……」
 ミミは上の空で相槌を打つ。トトリとは、手を伸ばせばすぐにでも触れ合える距離だ。
「ミミちゃん? 何だかのぼせてない?」
「だ、大丈夫よ。まだ入ったばかりだし」
 星と月明かりしかない夜だから、ミミの顔が耳まで真っ赤になっていることは気付かれなかった。
527名無しさん@秘密の花園:2011/09/05(月) 23:44:51.73 ID:raxzFA+/
 ミミにとって、トトリと温泉に入ることは初めてではない。ただ、最初に来たときはかなりの大人数だったし、昨日はメルルも一緒で三人だった。トトリと二人きりで入るのは、これが初めてなのだ。
 意識してはいけないと思いながら、視線はついトトリに吸い寄せられてしまう。
 トトリの体は全体にほっそりとしていて、やや華奢な印象がある。しかし決して痩せぎすではなく、ちゃんと女の子らしい柔らかな丸みを帯びている(胸に関してはいまいち栄養が行き届いていないようだが……)。
 ミミはうっかりすると、お湯で火照ったトトリの肌を触りたくなってしまう。それだけでなく、今すぐ熱い湯にくるまれながら、抱き締めてその肌に唇を当て――
(――って、何を想像してるのよ私は!)
 自分の頭に浮かんだけしからん情景を消しさろうと、ミミは両手ですくったお湯を顔にかける。
「……ミミちゃんの体って、キレイだね」
「え?」
 いつの間にか、トトリの方がミミに向けて視線を送っていた。別に変な目ではなく、純粋にミミの体に感心している様子だった。
 ミミの体は、一流の冒険者に相応しく完成された美しさだ。均整の取れたしなやかな体のライン。きめ細やかなその肌の下には、野性獣のようにしなやかな筋力と弾力が秘められている(胸に関しては以下略)。
「すごく引き締まってて、でも女の子らしくて柔らかそうで……いいなぁ」
「そ、そんなジロジロ見ないでよ」
「ミミちゃんだって見てたくせに」
「う……」
 ばれていた。気まずげに目をそらすミミだが、トトリは頓着せずにつつと体を寄せ、
「ひゃっ!?」
 ミミの二の腕に手を触れた。
「あ、ごめん。冷たかった?」
「そ、そうじゃないけど、何するのよ?」
「うん……何だか、触りたいなって思って、つい」
「ついって……」
 つい、で触っていいのなら、ミミだってトトリの体に触りたかった。触るだけでなく、抱き締めたり口付けたり匂いをかいだり他にも色々――
(だから想像するなってば!)
 自分の妄想に自分で突っ込んでいたミミは、すぐ背後にトトリが忍び寄っているのに気付いていなかった。
「えいっ」
「うわっ!?」
 いきなり後ろからトトリに抱きつかれて、そのことをどうこう思うより先に、とにかく驚く。
528名無しさん@秘密の花園:2011/09/05(月) 23:48:50.88 ID:raxzFA+/
「な、な、何? どうしたのよ?」
「うん……ミミちゃんのキレイな背中見てたら、我慢できなくて」
「が、我慢できないって……」
 ミミからは、トトリの顔が見えない。一体どんな表情でこんなことを言っているのかも分からない。
「ねえ、ミミちゃん……」
 ミミの耳元で、トトリが囁く。
「このまま、ぎゅーって抱き締めていい……?」
「……〜っ」
 頭の中が真っ白になってわけが分からなかったが、それでもミミの首は縦に動いて了承の意思を伝えていた。
 ミミの体に回された腕に、優しく力が込められる。背中にトトリの柔らかさをじかに感じる。体が熱くなってくるのは、お湯のせいではないだろう。
「ぁ……っ……」
 頭の中で何かがぐるぐると渦巻いている。何か言おうとしても、金魚みたいに口をパクパクさせるだけで言葉が出てこない。
(ああ……このままだと、私……私……このままじゃ――!)
 不意に、ミミはトトリの腕を振りほどき、水音を立てて立ち上がった。
「ちょ、ちょっとのぼせてきたわ! このままだと押し倒――じゃなくて倒れるかもしれないから、先に上がるわね!」
 早口でまくし立てるや、ザブザブお湯の中を早歩きして温泉から上がり、慌ただしく体を拭いて服を着て、トトリの方には一度も振り返らずにその場を去っていった。


「はぁ……本当にのぼせたかも」
 体の火照りが引かないまま野営地に戻ったミミは、グッスリ眠っているメルルを起こさないよう注意しながら、夜具の中に潜り込んだ。
「…………………………あー」
 やはりというか何というか、眠れない。目を閉じると、肌の火照りを感じるのと同時に、背中全体で受け止めたトトリの感触を思い出してしまって、どうにもこうにも……そして体はさらに熱くなる。
(どうせトトリのことだし……あんなの友達同士のスキンシップの延長で、他意なんてないんでしょうね……全く、人の気も知らないで……)
 心の中でぶつくさ呟きながら、どうしても体の火照りはおさまらず、寝苦しい夜を過ごすミミだった。


529名無しさん@秘密の花園:2011/09/05(月) 23:53:23.07 ID:raxzFA+/
 ミミが上がった後――
「ん……っ……」
 静かになった温泉に、小さな声が響いている。
「ぁ……はぁ……」
 裸のままのトトリは、温泉の縁に腰掛けながら、下腹部に手を伸ばし、指先で自らの秘所に触れていた。
 蜜に濡れたその中に、指を這わせる。動かすたびに、湿った音が漏れる。
「ん……ぅ……っ」
 こんな時間に誰もいるはずがないのだが、屋外だという後ろめたさが、自然と声を押し殺したものにしていた。
「は、ぁ……んっ……」
 留守だった片方の手を、胸に当てた。乳首を押しつぶすように、指先で掴む。
「はぁ……ミ……ミ、ちゃ…………」
 自慰にふけりながら、トトリは目を閉じ、さっきまで抱き締めていた肌の感触を思い浮かべる。
「ミミちゃ、っ……んっ……んぁっ……ああっ……!」
 指先に力を込め、頂に達して、トトリは体を震わせた。
「はあ……」
 深く息をついて、トトリはそのままズルズルとすべるように、お湯の中に体を沈めた。
「ミミちゃん……」
 夜空に視線を投げながら、何度も呟いていた名前を、もう一度呟く。
「……人の気も知らないで……」
 すねたように頬を膨らませ、トトリはお湯に顔を半分沈めてブクブクと泡を吹いていた。


おわり
530名無しさん@秘密の花園:2011/09/05(月) 23:54:49.51 ID:raxzFA+/
以上。読んでくれた人、ありがとう。
トトミミ、夜のお風呂で生殺しでござるの巻。

書きたいネタは色々あるけど、どうもマンネリ気味になりつつあるような……他の人のSSがもっと読みたいよう。

>>523
同時でもどっちが先でも違和感はないけど、>>524はかなりありそう。ミミちゃんは悪戦苦闘しそうなイメージw
それから、破瓜の瞬間流れたトトリちゃんの涙を唇で拭うミミちゃんと、涙をこらえて破瓜の痛みに耐えるミミちゃんを抱き締めてよしよししてあげるトトリちゃんは外せないと思います。
531名無しさん@秘密の花園:2011/09/06(火) 01:31:38.70 ID:CNiGAjuc
>>530
GJ!
読み手としては、マンネリ化なんて気にせずに好きに書いていただければと思います。
トトミミ至高!
532名無しさん@秘密の花園:2011/09/06(火) 06:35:09.38 ID:8dV8SOek
GJGJ!温泉ネタは読みたいな〜と思ってたところw
ムラムラトトリちゃんもいいね!ミミちゃんがへたれだから
ある意味一番の放置プレイを受けているのはトトリちゃんかもw
533名無しさん@秘密の花園:2011/09/06(火) 22:01:41.38 ID:12fYCTvh
>>529
GJです!
このトトリちゃんの深層心理はまじで>>188な気がする。
534名無しさん@秘密の花園:2011/09/06(火) 22:15:36.58 ID:M0e1NklA
GJ!
ミミちゃん相変わらずへたれすぎてトトリちゃんは大変だなw
マンネリ化してるってのは全然感じないけどな、なんでその書きたいネタをどんどん形にしてくれると嬉しい
妄想は浮かんできてもそれを形にする能力の無い俺にとってはこのスレは貴重な燃料補給所だよ

535名無しさん@秘密の花園:2011/09/06(火) 23:42:22.56 ID:xGZ+79Wc
>>523
トトリちゃん→ミミちゃん:
トトリちゃんに心配かけまいと痛いのを必死に我慢するミミちゃん

ミミちゃん→トトリちゃん:
トトリちゃんの処女喪失の激痛に耐えている苦悶の表情と、
流れ出る破瓜の血に、不安と罪悪感とトトリちゃんの処女を貰った征服感が入り混じった感情を抱くミミちゃん

これが頭に浮かんだ
536名無しさん@秘密の花園:2011/09/07(水) 02:26:21.31 ID:PW/Yq4if
トトリちゃんの初めてを全部奪っていくミミちゃん
マニアックなプレイにも文句も言わずされるがままのトトリちゃん
537名無しさん@秘密の花園:2011/09/08(木) 21:03:46.62 ID:Bhn5AXyc
ミミちゃんが耐えきれなくなってトトリちゃんに素早くちゅーしてそっぽ向いてると
一瞬惚けてたトトリちゃんの表情がぱぁーっと明るくなって、
ミミちゃんに抱きついて、そのまま押し倒すのが理想
538名無しさん@秘密の花園:2011/09/08(木) 23:50:09.01 ID:uQObwMg7
つい本能に身を任せたというか、我慢の限界だったというか、欲望が理性を上回ったというか……。
いいわけにもならない理由なら、いくらでも挙げられる。
だけど、結局のところもっとも正しい理由は「したかったから」だろう。
とにもかくにも、二人きりのアトリエで、私はトトリにキスをした。
ソファーに座ってぼんやりしているトトリを見ていたら、何だか頭の中が白くなってきて、柔らかそうな唇に視線が吸い寄せられて――
気が付いたら、私の唇とトトリの唇が重なっていた。
トトリは目を白黒させていた。私も自分の行動に驚いていたけど、向こうのショックの方が大きかっただろう。
「あ……」
断りもせず、悪いことをした。
冷静になった私は、気まずくて目をそらした。
すぐに謝らなくちゃいけない。そう思うのに、なかなか口が開かない。
頭の中では謝罪の言葉の代わりに、トトリの唇の暖かさや柔らかい感触や、その瞬間にふっと感じた甘い香りや……そんなことばかりがどうしようもなくぐるぐると渦巻いている。
このままじゃいけない。私は深呼吸を一つして、視線を戻した。
「トト――」
「ミミちゃん……!」
……え?
何その満面の笑み? さっきまで鳩が豆鉄砲食らったみたいな顔してたわよね?
あと距離近い。凄い近い。キスしといて何を今さらだけど、ホントに顔が近い。
「やっと……その気になってくれたんだ」
その気ってどの気だ。さっきから何でぐいぐい距離を詰めてくるのよ……ちょっ……バランスが……!
「ミミちゃんっ!」
「きゃあ!?」
いきなりガバーッと、トトリが抱き付いてきて、そのままソファーの上に押し倒された。
「な、な、何を……!?」
「えへへ……いっぱいいっぱい気持ちいいことしてあげるね、ミミちゃん……♪」
「あっ……」
私の首筋に熱いものが当たる。それが唇の熱さだと気付いた時には、トトリの指が私の
(省略されました。続きを読むにはマシーナオブゴッドちゃんを無傷で捕獲して下さい)
539名無しさん@秘密の花園:2011/09/12(月) 20:37:46.24 ID:2odqdoyM
結局マシーナちゃんにまだ会ってない俺…
540名無しさん@秘密の花園:2011/09/16(金) 00:24:14.60 ID:mzW0AuIl
メル「ケイナ、ちょっとこっち来て」
ケイ「何ですかメルル?」
メル「耳掃除してあげるから、はい、膝枕」
ケイ「ええっ!? な、なんでですか急に?」
メル「実はトトリ先生と一緒に、錬金術で新型の耳かきを作ったの。で、せっかくだからケイナに使ってあげたいなって」
ケイ「そ、そうですか……でも、本当にその、私がメルルに膝枕してもらうなんて……いいんですか?」
メル「もちろん! さあ、遠慮しないで。さっきトトリ先生がミミさんにしてあげてたんだけど、従来の耳かきとは比べものにならない性能らしいから」
ケイ「ミミ様が……あの、さっきから気になっていたんですけど、ソファのそこについてる赤い染みは……」
メル「あ、それミミさんの鼻血。何だか体調が悪かったみたいなんだけど、トトリ先生が部屋まで送って様子見てるから大丈夫だよ。まあそれはさておき。ささ、どーぞケイナ」
ケイ「えっと……念のため、下にタオルを敷いておきますね。私も同じ道を辿るかもしれませんし……」
メル「?」
541名無しさん@秘密の花園:2011/09/16(金) 16:29:02.63 ID:hYYvGKm7
いいぞもっとやれお願いします
542名無しさん@秘密の花園:2011/09/16(金) 20:31:45.69 ID:G09uJSW6
>>540
良かった…血痕はトトリ先生の手元が狂ったんじゃなかったのね

膝枕耳掻きでキマシてたら、「ケイナの耳最初から綺麗なんだもん」とか言われて速攻終了でしょんぼりケイナさん。
交代して姫様の耳掃除したり、息吹き掛けたりすれば良いよ!

>>538
まさか文にしてもらえるとは!!
gj!!
543名無しさん@秘密の花園:2011/09/16(金) 21:28:10.92 ID:0jrwEsPQ
1、膝枕の感触と微かに伝わる体温にミミちゃんメーターが限界数値を振り切った
2、体勢を変えるときにトトリのデルタ地帯をチラ見してしまった
3、屈強な男どもの道路工事に負けた(他ネタ)

「えへへ、こうしてるとなんだか新婚さんみたいだね」ってトトリが恥ずかしそうに言うから
とっさに想像して悶え死んだに100トトミミ
544名無しさん@秘密の花園:2011/09/17(土) 02:34:26.19 ID:UR3Vtbvp
3はテクニシャントトリちゃんにミッミリーン的なポジで耳工事させられるわけですね
そしてメガネをはずして妄想モードする人ばりのトトミミ妄想を自分でして鼻血ミミちゃんに100トトミミ
545名無しさん@秘密の花園:2011/09/18(日) 23:55:45.61 ID:G3nXuaAs
ロロ「クンクン……くーちゃんって良い匂いだよね」
クー「ちょっ……いきなりかぐんじゃないわよ」
ロロ「……ペロペロ」
クー「ひぁっ!? な、な、なめるな!」
ロロ「……チュ〜」
クー「やっ……吸うな!」
ロロ「ふ〜」
クー「ひうっ!? ふ、ふきかけるな!」
ロロ「もー、さっきからくーちゃん、あれダメこれダメってワガママだよ」
クー「何で私がワガママになるのよ! そもそも何もしないっていう選択はないわけ?」
ロロ「ないよ」
クー「即答か!」


トト(ミミちゃんもあれくらい積極的になってくれたらなぁ……)

ミミ(トトリもあれくらいのことなら、私にしてくれていいのに……)

ケイ(私もメルルの匂いをかいだり、首筋を舐めたり……ああっ、いけませんそんなことを想像したりしては!)

メル「ねえねえケイナ。私もケイナの匂いかいだり、舐めたりしていい?」
トト&ミミ&ケイ「――っ!」
546名無しさん@秘密の花園:2011/09/19(月) 01:19:05.29 ID:iabI747P
みなが言いたくても言えない一言を平然と言ってのけるメルルたん
547名無しさん@秘密の花園:2011/09/21(水) 17:51:12.62 ID:exr9BiO4
最近すっかり過疎ってきたな
548名無しさん@秘密の花園:2011/09/21(水) 17:57:59.03 ID:HrUQ1jlH
いや、元の状態に戻ったんだよ。
メルルが発売してからの勢いが凄かった
549名無しさん@秘密の花園:2011/09/21(水) 18:24:56.83 ID:bmHwPAYL
メルケイも良かったけどトトミミが予想以上に百合ん百合んで盛り上がったからね
私情友情愛情イベントを初めて見たときは感動した
550名無しさん@秘密の花園:2011/09/22(木) 02:12:48.43 ID:yrpCCeWj
まあ週ごとに燃料供給できるアニメや週刊漫画とちがって
ゲームはクリアまでは盛り上がるけどそれ以降は新しいネタがなくなるからね
551名無しさん@秘密の花園:2011/09/22(木) 23:25:11.32 ID:4pUFLSD/
アトリエがアニメ化したら百合の話題も盛り上がるだろうなー
と思わなくもないが、ゆっくりまったり百合について語るのも悪くない

メルルトゥルーエンド後のミミちゃんはどうしてるんだろう
相変わらずアトリエ前を定位置にしてるのか、それとももうトトリちゃんと籍を入れたのか
552名無しさん@秘密の花園:2011/09/23(金) 09:17:12.46 ID:mv9Gb/Rd
とりあえずお付き合いから。恋人同士だから
もう出待ちせず約束の時間にアトリエ前に
来ればいいようになるミミちゃん
553名無しさん@秘密の花園:2011/09/23(金) 09:28:33.08 ID:XPJtH0ND
ミミちゃん律儀だから約束の何時間か前から庭で待機してそう……あれ?
554名無しさん@秘密の花園:2011/09/24(土) 02:56:01.14 ID:iLrh/hXS
メルルが採取とか買い物とか水汲みとかでドア開ける度にビクッとするミミちゃん
555名無しさん@秘密の花園:2011/09/24(土) 04:37:49.73 ID:vU9yaH46
その様子をこっそり窓から覗いてるトトリちゃん
556名無しさん@秘密の花園:2011/09/25(日) 11:55:37.85 ID:7ds4Lkdn
SS投下します。
今回はトトミミ(微量のメルトト分も含む)。
557名無しさん@秘密の花園:2011/09/25(日) 11:58:29.05 ID:7ds4Lkdn
「うーんと……ここがこうなって、これがああなって……」
 ある日のアトリエ。メルルは机に向かって本を広げ、熱心に錬金術の勉強をしていた。
「えっーと、それで……あー……うー……」
 文字と数字の羅列と格闘していたメルルの口から、意味を持たないうめき声が多くなる。
「……トトリ先生〜、質問が〜」
 そしてギブアップ。いや、メルルは弟子でトトリは先生なのだから、質問したって別に負けでも何でもないのだが。
 とにかく、分からないところを教えてもらおうと、メルルはトトリに声をかけた。
「……あれ?」
 反応がない。よく見ると、ソファに座ったトトリは、目を閉じて小さな寝息を立てていた。
「寝ちゃってる……そういえば先生、昨日は遅くまでレシピの改良について考えてたっけ」
 メルルはタオルケットを取ってきて、トトリの腰から下に掛けてあげる。日中とはいえ、そのままだと体を冷やすだろう(特にトトリは格好が格好なので)。
「トトリ先生って、結構ソファで寝ちゃってること多いよね……」
 気持ちよさそうに眠るトトリを見つめながら、メルルは何となく呟く。
(……可愛い寝顔だなぁ)
 いつもは立派に先生をしているトトリだが、寝顔のあどけなさは年より幼く、愛らしい。
 ほっぺたを指で軽くつついてみる。小さな子供の頬みたいな、ぷにぷにの感触。反応はない。
(熟睡してる……ちょっといたずらしたぐらいじゃ、起きないかも)
 そんなことを考えたりするが、もちろん考えただけで実行したりはしない。
「……」
 はず、
「…………」
 なのだが、
「………………」
 魔が差す、という言葉がある。
 すっかり熟睡しているトトリの、その顔に見入っていたメルルは、まるで吸い寄せられるように自分の顔を近付け――
「……――」
 トトリの唇に、軽く、自分のそれを重ねていた。
「……〜っ!」
 その行為の時間は一秒にも満たなかったが、メルルはすぐさまトトリの傍から二歩も三歩も身をはなして、顔を真っ赤にしていた。
(わわわわ私ってば一体なにを……!? 寝ている先生にち、ち、チューするなんて、そんないけないことを……)
 大慌てで自分の行為を反省するが、すでにしてしまったことはどうしようもない。
558名無しさん@秘密の花園:2011/09/25(日) 12:02:46.97 ID:7ds4Lkdn
(あ〜っ、ごめんなさい先生! きっと疲れた私の心の隙に、主に酒場のカウンターあたりから悪い電波が発信されたんです! そしてごめんなさいミミさん! なんとなくケイナにもごめんなさい!)
 心の中であちこちに謝罪するメルルだが、それで罪悪感が消え去るはずもなく、アトリエの真ん中で苦悩に身もだえていた。
「うぁ〜……」
「どうしたのよメルル。頭なんか抱えて」
「どうしたもこうしたも、私としたことがこんな悪魔に魂を売るような行為を――って、わひゃあっ!? ミミさんいつからそこに!?」
 いつの間にか、ミミがメルルの目の前に立っていた。
「今さっきよ。入る前に声もかけたんだけど」
「そ、そうですか……」
「で、一体何をやったの? 悪魔に魂を売ったとか言ってたけど」
「う……」
 誤魔化せないことはないだろう。しかし、
「……実はですね、さっき寝てるトトリ先生に――」
 メルルは背負った罪を隠すことより、懺悔の道を選んだ。


「ふうん……トトリにキスね」
 話を聞いたミミは、今もまだソファで熟睡中なトトリに視線を送る。
「す、す、すみません! 出来心だったんです! トトリ先生寝顔が可愛くて、見てたらつい、チューとかしてみたいなーっとか思って、思った時にはすでに行動は終わっていたといいますか……」
 涙を浮かべながら必死に弁解するメルルだが、ミミの反応はあっさりしたものだった。
「まあ、それくらいのいたずら、別に気にしなくていいんじゃない?」
「へ? お……怒らないんですか?」
「私が怒るようなことじゃないし、トトリが知ったとしても、その程度のお茶目は許してくれるでしょ」
「そう……ですか……」
 あれだけトトリ大好きなミミのことだから、寝ている隙に唇を奪ったなどと言えば鬼神の如き表情で怒り狂うかと思っていたのだが。
「何だかミミさん、余裕ですね。これぐらいじゃ動じないなんて……」
「そりゃまあ、もう大人だし」
「大人……ということは、もうトトリ先生とは大人としてお付き合いしてるってことですか!? チューとかもう挨拶代わりレベルですか!?」
「う……えーと、まあ、それなりに、ね……?」
「はぁー……さすがですね」
 微妙に目をそらして答えるミミだったが、メルルは感心の声を上げていた。
559名無しさん@秘密の花園:2011/09/25(日) 12:06:45.74 ID:7ds4Lkdn
「そういえばメルル。パメラが呼んでたわよ。この前品切れだった商品を補充したからって」
「あ、はい。わざわざありがとうございます」
「留守番しといてあげるから、行ってきたら?」
「いいんですか? それじゃあお願いしますね」
 メルルはそのまま買い物に出かけ、アトリエにはトトリ(眠)とミミの二人きりになった。
「……」
 トトリは相変わらず静かに寝入っている。そしてミミは、その寝顔にじっと視線を注いでいる。
 ミミは手を伸ばし、指先でそっとトトリの前髪を撫でてみる。反応は無い。
(無防備ね……こんなだから、寝ている間に……されたりするのよ)
「……むぅ」
 思い出すと、何やら言い知れぬ感情がお腹のあたりから湧き上がってくる。今さらメルルに対して怒ったりはしないが、正直に言えば、悔しい。
 先ほどは冷静に振る舞っていたが、やせ我慢ではなかったと言えば、嘘になるかもしれない。
「……」
 これだけ熟睡していれば、滅多なことでは起きないだろう。だから、
「……」
 ミミはゆっくり、トトリに顔を寄せる。
(悪いこと、しようとしてるわね……)
 さっきのメルルほどではないだろうが、罪悪感はある。しかし、今さらそんなものに躊躇ったりはしない。
 ミミはそのまま唇を寄せ――
「ミミちゃん?」
 いきなりパッチリ目を開いたトトリと、超至近距離で目が合った。
「――っっ!!?」
 心臓の鼓動が跳ね上がる音が、ハッキリ耳に聞こえるほど驚いた。
「ミミちゃん……何か、してた?」
「えっと……その……ごめん」
 未遂とはいえ、言い逃れできるような状況ではなかったので、ミミは素直に謝る。
「ふふ……」
 トトリは目を開けてはいたが、どこかとろんとして正気とは程遠い様子だった。寝ぼけているのか、それとも――
「ふ〜ん……やっぱりミミちゃんだったんだぁ」
「な、何が……わっ!?」
 いきなりトトリがミミの体を抱き締めて、強引に引き倒した。形としては、ミミがソファの上でトトリを押し倒したような。だけど実際には、真逆な状況で。
「ミミちゃん……私が寝てるときに、キスしたでしょ」
 吐息が鼻先にかかるような距離で、トトリがそんなことを呟く。
「え……あ、ち、ちが」
「寝てたけど、ちゃんと分かったんだよ」
「だから、それは、その……」
560名無しさん@秘密の花園:2011/09/25(日) 12:09:54.11 ID:7ds4Lkdn
 メルルがやったことで――と言いたいのだが、その直後に自分も同じことをしようとしていたわけで、おまけにその現場を見られていて。
 結局のところ、完全に否定はし辛い。
「そんないけないことするミミちゃんには……お仕置きしないとね」
「お、お仕置きって何よ? ていうかトトリ、あんた寝ぼけ――んぐっ」
 何か言おうとするミミの唇が、唇でふさがれた。長く、長く。
「ぁ――は、んっ……ト、トリ、やっ……ん、ぁ」
「ミミちゃん……んんっ」
 時折、息継ぎをするように唇が離れて、またすぐにくっついて、四度目あたりから舌まで入ってきて、
「んっ――ちょ、ちょっと待ってトトリ」
「だーめ。待たない。これはお仕置きなんだからね」
 お仕置きと称して、トトリはミミにキスを繰り返す。
 トトリの舌がミミの舌をくすぐるように舐めて、絡んで、弄ぶ。
 ミミの方が離れようとしても、すぐにまたトトリの唇に捉えられる。そもそも体ごとソファの上で抱き締められているのだ。逃げられない。
 徹底的に唇を吸われて、舌を絡ませて、息継ぎの回数が二桁になる頃には、ミミの意識もぼんやりと白くなっていった。


561名無しさん@秘密の花園:2011/09/25(日) 12:14:04.50 ID:7ds4Lkdn
 少し時間が経って、買い物に行っていたメルルが帰ってきた。
「ただいまー。ミミさん、留守番ありがとうございました」
「おかえりなさい、メルル……」
「あれ? ミミさん、何だか疲れてません?」
 どこか精気の抜けたような様子に、メルルが心配して声をかけるが、ミミは慌てて首を横に振った。
「そ、そんなことないわよ! それじゃあ、私は帰るわね」
 そそくさと逃げるようにアトリエを去っていったミミに、メルルは首を傾げていた。
「何かあったのかな……トトリ先生はまだ寝てるけど……」
「……ん……ふあ……」
「あ、先生」
 小さくあくびをしながら、トトリが目を覚ました。
「ん……メルルちゃん? そっか、私、眠ってて……わ、もうこんな時間」
 時計を見てトトリが少し驚く。ちょっとお昼寝、とかいうには長すぎる時間だ。
「きっと疲れてたんですよ。たまにはたっぷりお昼寝するのもいいですよ」
「んー……そうかもね。何だか良い夢も見れたし」
「どんな夢ですか?」
「う〜ん、あんまり内容は思い出せないんだけど……」
「けど?」
「すごーく気持ちいい夢だったよ」
「へえ……」
「でも……」
 トトリは指先を自分の口元に伸ばして、そこに触れてみる。
「唇と舌が痺れてるのは何でだろ……?」


おわり
562名無しさん@秘密の花園:2011/09/25(日) 12:14:40.67 ID:7ds4Lkdn
以上。読んでくれた人、ありがとう。
563名無しさん@秘密の花園:2011/09/25(日) 19:34:32.79 ID:8UQ+zZmE
GJ!
トトリに主導権とられるのはお約束だよね
564名無しさん@秘密の花園:2011/09/25(日) 20:06:21.51 ID:kKCN3Zyd
ミミさんメルルのせいで災難だったんだか、幸運だったんだかw
寝ぼけながらでもこの攻撃力とかトトリ先生スゲェ
565名無しさん@秘密の花園:2011/09/27(火) 20:47:27.07 ID:H9Fb/MIr

http://www1.axfc.net/uploader/Sc/so/278568
ドキドキの初投稿
今更ながらロロナのアトリエをリオネラエンドでクリアして、ロロリオに目覚めたから書いてみた
ちょっとリオ→ロロ的な内容
もしかしたらロロナ視点で続き書くかも
Pass rororio

>>557 GJです
寝ぼけてても主導権握るトトリ先生まじトトリ先生
566名無しさん@秘密の花園:2011/09/28(水) 17:55:41.93 ID:/zcKdK/E
>>565
このままロロリオでラブラブなのもいいけど
くーちゃん参戦で三角関係な展開も悪くない
りおちゃんとくーちゃんがロロナをめぐって激しく争い
最終的にはロロナとりおちゃんが
二人仲良くベッドの上でくーちゃんを攻め……あれ?


それにしてもりおちゃんは何故リストラされたのか
四十路のエスティさんがあの若々しさなんだから全然大丈夫だろうに…
年齢が問題ならいっそ開き直ってロロリオクーの三人とも師匠の実験台にしちゃうとか
でもアールズとの合併で人手が足りなくなってて
その上ギゼラさんが復帰したおかげで処理しなきゃならない問題が山積みで
そんな時にくーちゃんがいなくなるとメリオダスさんあたりが過労で倒れそうだな
そしてメルルのアトリエは保育所状態に
567名無しさん@秘密の花園:2011/10/02(日) 17:57:09.98 ID:BvQPPWDK
中の人の事務所関連とか?金ケチったりとか
想像の粋をでないけど。
りおちゃんは人気的にはリストラは無いだろうし
568名無しさん@秘密の花園:2011/10/03(月) 19:29:39.59 ID:eLg1jxDE
SS投下します。
トトミミ。メルルのトゥルーエンド後のお話です。
569名無しさん@秘密の花園:2011/10/03(月) 19:37:06.78 ID:eLg1jxDE
【A面】

「ミミちゃん、私と一緒に暮らさない?」

 ――心臓が止まるかと思った。いや実際、一秒くらい止まった気がする。

 アールズとアーランドとの合併はめでたく成立し、アーランドから派遣された人間の仕事は、ひとまず終わりになった。
 ほとんどの冒険者や技術者は帰っていったけど、何割かは個人的にアールズに残ることを選択した。私やトトリもその口だ。
 トトリはメルルの師匠として、愛弟子のことを手助けしたいっていうのが残る理由だった。
 私にとってもメルルは大切な友達で、彼女を守ってあげたいという気持ちは、もちろん大きい。
 だけど正直に本音を言えば、私がここに残ったのは、トトリがいるからだ。あの子のそばにいたいからだ。
 そういう私情100%で私はアールズにいる。別に悪いことじゃない。メルルの護衛はちゃんとしてるし(トトリと一緒のがいいけど……)。冒険者としての仕事もしてるし(トトリと一緒のがいいけど……)。
 そのメルルだけど、彼女は開拓事業を通じ、錬金術士として飛躍的に成長した。お客も仕事も増えて忙しくなり、手狭になってきた街はずれのアトリエを引き払って、元アールズ王城の中に新しいアトリエを作ることになった。
 そうなると一つ困ることが、トトリの住む場所だ。今まではアトリエでメルルと二人で暮らしていた(羨ましくなんかない。決して)わけだけど、さすがにお城に寝泊まりするわけにはいかないし、新しく住む場所を探さないといけない。
 そして、さっきの提案になる。場所は引っ越し作業の終わってガランとしたアトリエ。時刻はお昼を過ぎた頃。他には誰もいない……二人きり。
「……嫌、かな?」
 トトリは少し頬を赤くしながら、不安そうな上目遣いで私を見つめる。
 こちとらただでさえ心臓が止まりそうな提案をされていっぱいいっぱいな状態なのに、そんな破壊力に満ち溢れた表情とか私を殺す気か。今なら押し倒しても道理として正当防衛な気がする。やらないけど。やりたいけど。
「い……嫌じゃないわよ……でも、まず詳しい話を聞かせなさい」
 緩みそうになる頬を必死で引き締め、私は冷静に、あくまで冷静に話を進める。
570名無しさん@秘密の花園:2011/10/03(月) 19:40:16.19 ID:eLg1jxDE
「新しいお家なんだけど、フアナさんの紹介で、並木通りにある一軒家を安く借りられそうなの。でも、一人で住むにはちょっと大きいところで……それで、ミミちゃんさえよかったら……って、思ったんだけど……」
 どうかな? と言うように、トトリは小首を傾げながら目で尋ねてくる。だからいちいち可愛らしい仕草をするなっての。しまいにゃ食べるわよ。
「当然下見はしたのよね? どんな感じの家なの?」
「前の人が大事に使ってたみたいで、とってもキレイだよ。キッチンも広くて使いやすそうで、収納も多いし、それから家具もいくつか備え付けだし。タンスとかソファとか……」
「ふーん……悪くなさそうね」
 並木通りの一軒家か……閑静そうでいい感じよね。そこでトトリと二人っきりの生活を……朝は一緒に目を覚まして、一緒にご飯を食べて、休日なんかは一緒にお出かけして……そして、よ、夜は……夜は、ベッドで……っ!
「いけないっ!」
「えっ?」
 私としたことが何てふしだらな! トトリのことだから、これはそんな、ど、同棲のお誘いとかじゃなくて、単に借家をシェアしようって話に決まってるでしょ!
 仮に……仮によ! 結果として"そのような事態"が発生する可能性がなきにしもあらずだとしても、それは別に私の意図が介在したわけではなく、トトリのあまりの可愛さによって起こされる、さながら自然現象の如き――
「ミミちゃん……ダメだった?」
 はっ!? ……しまった。少し錯乱していた。
「だ、ダメじゃないわよ。その、私もちゃんと自分の目で下見しなくちゃいけないって思ったから」
「あ、それもそうだね。それじゃあ、今から行こっか」
「そうね……行きましょうか」
 笑顔のトトリと一緒に、私はその、新しい住処の予定地へ向かう。
「ミミちゃんもきっと気に入ると思うよ。楽しみだなぁ」
 トトリの方は、すっかり私が了解するつもりでいるみたいだ。
 私としても、ポーズとして下見なんて言ったけど、答えはもう決まっている。
 トトリと二人で並木通りを歩きながら、私はつい、新居探しをする新婚夫婦みたいな気分になっていた。これからの新生活に思いを馳せながら……。


571名無しさん@秘密の花園:2011/10/03(月) 19:46:22.46 ID:eLg1jxDE
【B面】

「ミミちゃん、私と一緒に暮らさない?」

 ――この一言のために、ものすごい勇気が必要だった。それこそ心臓が止まっちゃいそうなくらい。
 きっとOKしてくれると思うけど、不安が全然無いって言ったら嘘になる。ミミちゃん照れ屋だし、あまのじゃくだし……そんなところも大好きだけど。
 ミミちゃんにとっては唐突な提案かもしれないけど、私にとっては随分前から考えてたことだった。具体的な計画としては半年くらい前から。単なる想像としてなら……多分、十年近く前から。
 ミミちゃんは何だか渋い顔をしているけど、これは嬉しいのを顔に出さないようにしてる表情だ。
「……嫌、かな?」
 だから私がそう聞くと、すぐ赤くした顔を横に振った。
「い……嫌じゃないわよ……でも、まず詳しい話を聞かせなさい」
 分かりやすい反応に、つい頬が緩んじゃう。うん、これなら大丈夫。
「新しいお家なんだけど、フアナさんの紹介で、並木通りにある一軒家を安く借りられそうなの。でも、一人で住むにはちょっと大きいところで……それで、ミミちゃんさえよかったら……って、思ったんだけど……」
 どうかな? って心の中で尋ねながら、ミミちゃんの様子をうかがう。
「当然下見はしたのよね? どんな感じの家なの?」
 質問するミミちゃんは少し落ち着いたみたいで、表情もシャキッとしてる。照れ屋なミミちゃんも可愛いけど、きちんとしてて格好いいミミちゃんもすごく良いよね。堪らないよね。
「前の人が大事に使ってたみたいで、とってもキレイだよ。キッチンも広くて使いやすそうで、収納も多いし、それから家具もいくつか備え付けだし。タンスとかソファとか……」
「ふーん……悪くなさそうね」 そう言ってから、ミミちゃんは聞きとれないくらい小さな声で何かブツブツ呟いてる。
572名無しさん@秘密の花園:2011/10/03(月) 19:48:21.11 ID:eLg1jxDE
「いけないっ!」
「えっ?」
 びっくりした。ミミちゃんいきなり大声出すんだもん。いけないって、いけないってことじゃないよね? 何かやらしいこととか考えて挙動不審になっただけだよね?
「ミミちゃん……ダメだった?」
「だ、ダメじゃないわよ。その、私もちゃんと自分の目で下見しなくちゃいけないって思ったから」
 ホッとした。ミミちゃんのことなら何でも分かるつもりだけど、やっぱり行動が読めないときってあるよね。
「あ、それもそうだね。それじゃあ、今から行こっか」
「そうね……行きましょうか」 そういうわけで、私とミミちゃんは一緒に新居の予定地に向かう。
「ミミちゃんもきっと気に入ると思うよ。楽しみだなぁ」
 まだちゃんと返事してもらったわけじゃないけど、きっと大丈夫。だってミミちゃん、すごく嬉しそうだし。
 でも……ミミちゃんのことだから、単に借家をシェアしようって話だと思ってるんだろうなぁ……ちゃんとした意味で『一緒に暮らそう』って言ってるのに……結構勇気出したのに。
 だけど、いいよね。今までも一緒だったけど、これからはもっと一緒だもん。時間もチャンスもたくさんあるし。
 私はミミちゃんのことが好きで、ミミちゃんもきっと私のことが好きで……でも、ミミちゃん"そういうこと"には引っ込み思案だから、まず私が行動してあげないと。
 二人きりのお家で、私がどれだけミミちゃんのこと好きなのか、じっくりたっぷり教えてあげるからね……。


おわり
573名無しさん@秘密の花園:2011/10/03(月) 19:50:54.96 ID:eLg1jxDE
以上。読んでくれた人、ありがとう。

トゥルーエンド後のトトミミ、自分としてはラブラブ新婚生活編を推したい。
というわけでその導入ともいうべきエピソードを書いてみました。
でも、かたや錬金術士として仕事(作る物によっては何日も帰れない)、かたや冒険者として仕事(遠出になるとこれまた何日も帰れない)だから、あんまり二人きりの時間は取れなさそう。
まあその分、二人ともお休みの日とかはすごいことになりそうだけど。
あるいはミミちゃんがしばらく冒険者の方を休業して専業主婦になるか。でも新妻ミミちゃんのエプロン姿とか、トトリ先生の理性が保たないな……。
574名無しさん@秘密の花園:2011/10/03(月) 19:54:27.23 ID:+k0yUXk+
GJGJ!B面はA面の答えあわせみたいな感じだねw
ミミちゃんの考えバレバレwトトリちゃんが頼めばミミちゃん
休業か近場だけで仕事しそうだw
575名無しさん@秘密の花園:2011/10/04(火) 19:13:25.46 ID:A+H5lGsO
大変素晴らしいものを読んだ
亀だがGJです
576名無しさん@秘密の花園:2011/10/06(木) 19:24:53.14 ID:GYzrX1eW
ふと思ったけどトトミミには百合ジェラシーが足りない
ロロクーリオだと
デートに誘おうとしたらりおちゃんと先約があるって言われて歯がみするくーちゃんとか
ロロナとくーちゃんの仲むつまじさに嫉妬と自己嫌悪におちいるりおちゃんとか
色々幅広く妄想できるのにトトミミはそういう要素が少ない
たとえばピアニャと仲直り後にピアトトでいちゃいちゃしてて
それを目撃したミミちゃんがぐぬぬとかあれば良かったのに
その状況だとミミちゃんの横でツェツィお姉ちゃんとロロナ先生もハンカチ噛んでそうだけど
577名無しさん@秘密の花園:2011/10/07(金) 02:22:27.12 ID:TtKhUKYw
ハーレム好きか一対一好きで感想が割れそうな展開だが
たしかにやきもち成分がトトミミにはなかったな
トトリちゃんは主人公・前主人公でもしやきもちやいちゃうと
フラグが確定されるから他キャラファン配慮でやらないだろうけど
ミミちゃんはやきもち展開できそうだな

一応高原でメルルちゃんにちょっとだけ嫉妬するイベントあるけど
578名無しさん@秘密の花園:2011/10/08(土) 07:44:20.05 ID:uAcsHQKZ
ミミちゃんにはくーちゃんに対するりおちゃんみたいなライバルになるような相手がいないからなあ
ジーノが女の子だったら色々とおいしかったのに

そういえば公式でアンケが始まってるぞ
設定資料に載るランキングのアンケートとかもあったし
なにより次回作以降のアトリエを百合百合しくしてもらうためにも
意見のある奴は出来るだけ書いた方が良いぞ
579名無しさん@秘密の花園:2011/10/08(土) 10:10:34.89 ID:F4+6FFSk
トトミミが見たくてしょうがなくてそういやメルケイイベント見てないと思っていまやっと見れたんだが

な ん だ こ の 告 白 大 会
580名無しさん@秘密の花園:2011/10/08(土) 19:10:06.81 ID:vaSVnOG3
衣装チェンジや外見がごちゃまぜイベントとかもよかったな、メルケイ
入れ替わるイベントはトトミミでもやってほしかった
581名無しさん@秘密の花園:2011/10/10(月) 17:24:10.81 ID:fbJxQOGp
SS投下します。
トトミミ。>>569-572の続きですが、前のを読んでなくても特に問題はないです。
582名無しさん@秘密の花園:2011/10/10(月) 17:29:14.52 ID:fbJxQOGp
 朝の光が寝室に差し込んでくる。まだ日の出からそう間もない時間だ。
 少し開けた窓からは、素肌で感じるにはやや冷たい風が吹き込んでいる。
 今朝は少々冷え込んでいるようだ。
 だからというわけではないだろうが、
「ちょっと、トトリ……放してってば」
「ん〜……やぁだ。寒いもん」
「もう朝だし、食事の支度しないと……」
「今日はお休みだし……ちょっとぐらいいいでしょ」
「いやでも、昨日の夜あれだけ――んぐ」
 朝っぱらからベッドの上で私に抱き付いていたトトリは、それだけじゃ飽き足らなくなったのか、唇まで重ねてきた。
 シーツの下では私もトトリも、何も身に付けていない。
「んっ……ん……はぁ……」
 たっぷり私の唇を吸い上げたトトリは、半分寝ぼけた目つきをにんまりと細める。
「ふふ……昨日のミミちゃん、すごく可愛かったよね。思い出したらまたしたくなってきちゃった」
「あ、あんたねぇ……こんな朝早くから……んんっ」
 今まさに正論をぶつけようとした私の口に、トトリは問答無用と言わんばかりに舌をねじ込んできた。
 トトリのぬくもりと甘い感触が口の中に広がり、私はついそのまま身を任せそうになってしまう。
 が、そうはいかない。私はまだ秩序ある思考を手放さない。
 そもそも昨晩あれだけ……その……何というか、攻撃と守備のバランスという観点から見て非常に不公平な仕打ちを受けて、さらにその翌朝も流されるままになど、絶対にあってはならない事態だ。
 ――というようなことを私は冷静に考えてはいるのだけど……。
 貪欲なトトリは唇だけでは飽きたらず、額から頬から首筋から胸からおへそから……私の体のありとあらゆるところにキスの雨を降らせていく。
 唇を当てて、舌でねぶって、時々歯を立てたりして。口だけじゃなく指も使って。
 トトリの唇や指が触れるたび、私の体にしびれるような感覚が走り、声を上げそうになる。
 だけど、そう簡単には――
「ミミちゃん」
 私の耳元にトトリの口が寄せられる。吐息がかかってこそばゆい。
「さっきからずっと我慢してるね」
「……っ!」
 その通りだ。我慢している。休日とはいえ朝っぱらからなんて、あまりにもだらしがないし、何度も何度もトトリに主導権を握られるのも気に入らない。
583名無しさん@秘密の花園:2011/10/10(月) 17:33:05.95 ID:fbJxQOGp
「ミミちゃん……そういうのってね」
「あっ……」
 トトリの暖かい舌先が、私の耳たぶを捕らえる。
「……無駄な抵抗って言うんだよ」
 トトリは私の弱いところを熟知している。どこをどういう風にいじれば私が気持ちいいのか。どういうことをすれば私の心が白旗を上げてしまうのか。完璧に分かっている。
 私の敏感な部分が容赦なく暴かれて、柔らかい舌と指が的確にそこを攻める。
 快感に翻弄され、私は正気を手放しそうになる。耐えようと、歯を食いしばる。
 だけどダメだ。
「くっ……っ、あ……」
 声が漏れそうになる。体が熱い。頭の中が何だかフワフワする。
 いけないと思っていても、理性以外の全てが、トトリをもっと欲しがっている。
「もう観念してよミミちゃん。ミミちゃんの感じてる声、聞かせてほしいな」
「――っ……ぃ」
「ここもほら……こんなにびしょ濡れになってる。中も熱くて……」
「っあ……っ!」
 奥に、トトリの指がきている。丁寧に爪を手入れされている中指と人差し指が、私の中をかき回す。目の前が、思考が、白く染まっていく。
「ミミちゃん、感じてる? すごく切なそうな顔してるよ。ほら、もっと激しくしてあげる」
「はっ……トトリ……んっ、あっ、あっ」
「気持ちいい?」
「っ………………うん」
 ああ……やっぱり耐えられなかった。私は私の忍耐力の無さに脱力し、そのままトトリの行為に身を任せた。
「良かった……もっと、もっと気持ちよくしてあげるからね。ミミちゃん」
 何度目かなんてもうとっくに分からないキス。存分に絡ませた舌と舌が銀色の糸を引く。
「ミミちゃん……好き……大好き……」
 甘い囁きを繰り返しながら、トトリは少しずつ、動きのリズムを強く、早くしていく。
 さっきまで耐えていた反動か。私ははしたないぐらい声を上げていた。トトリの名前も「好き」っていう単語も、多分数え切れないぐらい声に出していた。
「ミミちゃん、いきそう? いいよ、いって」
 その声が頭に響いた瞬間、私の中で大きな何かがはじけ――

 ――数秒、記憶が飛んだ。
「ミミちゃん、朝からすごい声……」
 誰のせいだ。誰の。
「うう……」
 少し冷静さを取り戻したおかげで、さっきまでの自分の振る舞いが死ぬほど恥ずかしい。
584名無しさん@秘密の花園:2011/10/10(月) 17:38:05.64 ID:fbJxQOGp
「そんなに恥ずかしがること無いのに」
「あるわよ! 清々しい朝だっていうのに、こんな……」
「ミミちゃん」
「何? ――っ!」
 呼ばれて視線をトトリに向けた途端、キスされていた。
「ん……ミミちゃん、私とエッチして気持ち良かったでしょ?」
「いや、それは――んっ」
 また、キス。さっきより少し長く。
「……気持ち良かったでしょ?」
「いやだから――んんーっ!?」
 三度、キス。より深く、長く。
「ん〜〜……ぷはぁ……気持ち良かったでしょ?」
 えーと……これはつまり、イエスと言わない限りキスされ続けるのか。何というたちの悪さだ。
「…………気持ち、良かったわよ」
 呟くように答えると、トトリはにっこり微笑んだ。
「じゃあ……今度は私も気持ち良くしてほしいな」
「え……」
 トトリは肌を寄せて、ねだるような視線を私に送る。
「な、何を……ついさっき、あんなに……」
「だって、私はほとんどしてもらってないんだもん。昨日だって、あんまりミミちゃんが可愛すぎるから、つい最初から最後まで私が一方的にしちゃったし……」
 トトリが顔を寄せる。澄んだ瞳で、私を真っ直ぐ見据える。
「ね? ミミちゃん……私のこと、ミミちゃんの好きにして」
「〜〜っ!」
 ……結局のところ、私の理性なんて、私自身が望むほど頑丈じゃない。むしろ脆い。
 ベッドの上でトトリを抱き締めながら、頭の片隅でそんなことを思う。
 そうして私は、シーツの海に溺れていった。


 夜に散々さかっておいて、その翌日の朝にまたいやらしいことを長々と……。
「これでもかってぐらいにただれた生活……ツェツィさんが知ったら泣くわね」
 私とトトリが、アールズの並木通りの一軒家に同居していることは、事後になってからだけど、アランヤ村のツェツィさんに報告してある。
 だけどまさか、妹さんとこういう関係になりましたなんて、お姉さんに言えるわけがない。何となく勘付かれていそうな節はあるんだけど……。
 とにかく、ツェツィさんからも「トトリちゃんをくれぐれもよろしくね!」と怖いぐらい真剣な目で任されてるんだから、トトリにあんまりだらけた生活を送らせるわけにはいかない。
 私はまずベッドを抜け出し、部屋着にしているバスローブを羽織った。
 そして今もなお絶好調で夢の中な相方を起こしにかかる。性欲の次は睡眠欲……本能の赴くままかこいつは。
585名無しさん@秘密の花園:2011/10/10(月) 17:42:22.49 ID:fbJxQOGp
「起きなさいトトリ。このままじゃお昼になっちゃうわよ」
「ん〜……もうちょっと……あと二日くらい」
「それ寝坊ってレベルじゃないだろ! 寝るな! 起きろ!」
 軽く頭をはたくと、トトリはようやく寝ぼけ眼をこすりながら体を起こした。
「ふあぁ……ん〜……ミミちゃん……」
「何?」
「おはようのキスは?」
「……さっきまで舌が痺れるほどしてたでしょうが」
 さすがにもうこれ以上は流されない。うん。流されませんとも。
「ふみゅぅ……zzz」
「だから寝るなってば。起きて、シャキッとしなさい」
「…………キス」
 トトリは目を閉じて、唇を突き出す。このままじゃテコでも動かなさそうだ。
「……あー、もうっ」
 これは決して流されたわけじゃない。トトリのわがままに仕方なく付き合うだけだ。だから私は努めて事務的に、トトリとキスをした。流されてない。絶対に流されてないんだから。
「ん…………おはようミミちゃん」
「……おはよう。何か飲む?」
「うん……あれ、欲しいな。ハチミツレモン」
「はいはい。ちょっと待っててね」
 キッチンまで行って食品用のコンテナから、ハチミツレモンの元――輪切りレモンを漬け込んだハチミツの瓶――を取り出す。グラスに適量注いで水と混ぜ、家庭用の小型氷室から出した氷を浮かべて出来上がりだ。
「お待たせ。こぼさないようにね」
「ありがと」
 ベッドに腰掛けてグラスを傾けるトトリを眺めながら、私は今朝の朝食――ギリギリまだ朝食の時間帯だ――について考える。
 早めに使いたいのはベーコンと卵と葉物野菜……まあ、錬金術製のコンテナ&氷室のおかげで、食べ物が腐る心配なんてほとんど無いんだけど、やっぱり生ものを長く置いておくのはよくない気がするし。
 ベーコンエッグとサラダを作って、昨日挽いた豆でコーヒー(トトリはカフェオレ)を入れて、朝ご飯はそれでよし。パンは今日食べる分で終わりそうだから、また生地を作らないと。それからジャムも新しいのを作りたいわね……。
 最近、ソースやジャムなんかを作ってストックするのが、実は密かな趣味になりつつある。コンテナのおかげで腐る心配がないから、ついつい作りすぎちゃうんだけど。
 ちなみに今トトリが飲んでるハチミツレモンも、私のお手製だ。
586名無しさん@秘密の花園:2011/10/10(月) 17:49:37.81 ID:fbJxQOGp
「それじゃあ、私はシャワー浴びて朝ご飯の支度するから。あんたはそれ飲んだら、しっかり目を覚ますこと。いいわね」
「うん。分かった」
 笑顔で頷くトトリに、つい頬が緩みそうになって、慌てて引き締めた。あまり甘やかしてはいけない。トトリのためにも、私のためにも。
 ……今の時点で十分すぎるほど甘やかしてるだろ、というツッコミなんて、聞こえないんだから。


「んー、いい匂い」
 ちょうど朝食が出来たところで、すっかり目を覚ました様子のトトリが食卓にきた。
 焼き立てトーストと厚めに切ったベーコンエッグ。それからレタスとキュウリのサラダ。簡単なものばかりだけど、トトリは本当に嬉しそうだ。
「今日のご飯も美味しそう……それにしても一緒に暮らすって決めたときは、ミミちゃんがこんなに家事してくれるなんて思わなかったよ」
「あら。それはつまり、その気になったらあんたの方が家事全般やってくれるってことかしら?」
「え……えっと、それはその……やれなくもないんだけど」
「冗談よ。あんたはアトリエの仕事が忙しいでしょ。私の方はそのへん調整し易いし、家事自体も嫌いじゃないし」
 こういうときにトトリの喜ぶ顔を見るのが嬉しいし……なんてことはもちろん言わない。
「ミミちゃん……」
「何?」
「ん」
「っ!」
 ほっぺたに、小鳥みたいなキスをされた。
「な、何よ? 急に」
「えへへ……何でもない。さ、ご飯食べよ」
「……ったく」
 いつもこうだ。ベッドの上でもそれ以外でも、私はこの子のペースに乗せられる。
 そして最大級に困ったことは、私自身がどこかで、それを心地良く思ってしまっているということで……。
「どうしたの、ミミちゃん?」
「……何でもないわ」
 ……でもまあ、いいか。私は結局、トトリのことが好きなんだから。
 ただ、私もトトリも女で、そのことで一つ将来に不安……というか、懸念事項はあるんだけど、それは今考えても仕方のないことだし。
 さて。冷めないうちに朝ご飯をいただこう。
587名無しさん@秘密の花園:2011/10/10(月) 17:51:58.08 ID:fbJxQOGp
「ところでトトリ、最近帰りが遅くなりがちだけど、そんなに忙しいの?」
「ううん。そうでもないよ。実は今、錬金術を使った新しい技術の研究しててね、それで遅くなってるの」
「ふーん……それってどんな技術なの?」
「うーんとね……内緒♪」
「何よそれ」
 確かに私が錬金術のことなんか聞いてもチンプンカンプンかもしれないけど、ちょっと教えてくれるぐらいいいじゃない。
「完成したらミミちゃんにも教えてあげるから、楽しみにしててね」
「そう。それじゃあ、せいぜい楽しみにしてるわ」
 新しい薬か爆弾か……何にせよ、おかしなものじゃないといいけどね……。




 ――アールズ城内。メルルのアトリエ。
「メルル、お茶が入りましたよ」
「ありがとうケイナ。こっちに置いといて」
「さっきから何を読んでるんですか?」
「昨日貸してもらったトトリ先生の研究レポート。色々興味深くて」
「どういう内容なんですか?」
「一言で言うと、子供の作り方」
「え……?」
「あ、変な意味じゃなくて、例えば不妊症とか事情があって子供が欲しくても授かれない人のために、錬金術を使って何とかするって話」
「ああ、なるほど」
「まだ実用段階じゃないんだけど、これはすごいよ。この研究が完成したら、女の子同士とかでも赤ちゃんできるんだって」
「ええっ……そ、そんなことが可能なんですか……?」
「うん。さすがは錬金術、っていうか、さすがはトトリ先生だよね」
「そうですね……」
「ねえ。もし良かったら私、ケイナの赤ちゃん生んでもいいかな? それかケイナが私の赤ちゃん生むとか」
「――っ!!?」
「……なーんてね。冗談だよ。さすがにお父様やルーフェスが許してくれないだろうし」
「あ……そ……そうですよね……冗談、ですよね…………私は、構いませんけど……」
「ん? ケイナ、何か言った?」
「いえ、何も……」


おわり
588名無しさん@秘密の花園:2011/10/10(月) 17:52:43.82 ID:fbJxQOGp
以上。読んでくれた人、ありがとう。
589名無しさん@秘密の花園:2011/10/10(月) 20:06:33.73 ID:tn6Ck7m8
GJGJ!くはwww2828がとまらんwww
女の子同士の赤ちゃんはiPSしかり錬金術しかり百合界の希望ですね!
590名無しさん@秘密の花園:2011/10/10(月) 20:38:42.33 ID:6b2Em10l
GJ
591名無しさん@秘密の花園:2011/10/10(月) 20:46:29.70 ID:PULevUdM
GJ!
592名無しさん@秘密の花園:2011/10/13(木) 18:11:29.94 ID:5VUyuv9m
メル「トトリ先生、さっきアーランドの冒険者さんから『魔法の鎖』っていうアイテムを取り扱ってないか聞かれたんですけど、知ってますか?」
トト「うん、それなら知ってるよ。私がアーランドで作ってたアイテムだね」
メル「そうなんですか。あれ? じゃあどうして私が先生からもらった本に載ってないんですか?」
トト「魔法の鎖を使うと、生きているナワとかよりも、なんて言うか、こう……背徳感が強くて嗜虐的な気分になっちゃうんだよね。それでつい犯罪スレスレなことしちゃって、ミミちゃんから禁止されて……」
メル「え、あの、すみません。話の意味がよく分からないんですけど」
トト「あ、ううん。何でもないから気にしないで。それじゃあレシピを教えてあげるね」
メル「はい! よろしくお願いします」
トト「個人的な用途で使うときは、肌を痛めないよう注意してね」
メル「だから意味が分かりませんってば!」
593名無しさん@秘密の花園:2011/10/14(金) 00:37:54.40 ID:R9Kw8916
鎖というと奴隷的なイメージが湧いてしまう…
トトリちゃん専用奴隷ミミちゃん
594名無しさん@秘密の花園:2011/10/14(金) 17:34:40.37 ID:Z49TDw97
間違ってはいないな
身も心もトトリちゃんのもの的な意味で
595名無しさん@秘密の花園:2011/10/16(日) 00:41:06.99 ID:daKeKmbC
SS投下します。
トトリエ時代のお話で、内容はトトミミなんだけど、直接の絡みはなし。トトリちゃんがロロナ先生に恋愛(?)相談するお話です。
596名無しさん@秘密の花園:2011/10/16(日) 00:47:57.35 ID:daKeKmbC
「あの、ロロナ先生……」
 ある日のアーランドのアトリエ。何やら神妙な顔をしたトトリが、ロロナに話しかけた。
「何かなトトリちゃん?」
「相談があるんですけど、えっと……錬金術に関係のない話なんですけど……いいですか?」
「水くさいなぁ。トトリちゃんの相談だったら何でも乗るよ。ささ、遠慮しないで」
 笑顔で話を促すロロナに、トトリはおずおずと口を開いた。
「その……ミミちゃんのことなんですけど……」
「ミミちゃんの? ま、まさかまたケンカしちゃったとか……」
 トトリとミミが些細なことから絶交してしまい、ロロナやクーデリアの助力もあって仲直りしたのが、つい先月のことである。
「いえ、違います。あれからは仲良くしてるんですけど……」
「ほっ……」
 早とちりと分かって、ロロナは胸をなで下ろした。
 トトリは恥ずかしい話でもするかのように、頬を赤くしている。
「その……私……ミミちゃんのことが……」
「ミミちゃんのことが?」
「ミミちゃんのことが…………好き、みたいなんです」
 蚊の鳴くような声で、トトリは言った。
「……? それって、当たり前なんじゃないの? トトリちゃんとミミちゃんは親友でしょ」
「違うんです。そうじゃなくて、その……最近、ミミちゃんと一緒にいると、私、変なんです」
「変って?」
「近くにいると、体が熱くなって、胸がドキドキして、顔も真っ直ぐ見られなくて……」
「それって……つまり……」
「なのに、心の中では抱き締めたり、き……キス、とかしたいとか……他にも色々、いけないこととか、考えて……」
「ト、トトリちゃん、分かったから、もう……」
「一人でいるときもずっとミミちゃんのこと考えて、夜もなかなか寝付けなくて、ついミミちゃんのこと思い浮かべながら何度もオナ――」
「すとぉーっぷ!!」
 年頃の女の子としてギリアウトな発言が出そうになり、ロロナがブレーキをかける。
「落ち着いてトトリちゃん。分かったから。ね?」
「は、はい……」
 興奮していきすぎたことまで話してしまったトトリは、顔を真っ赤にして俯いた。
「つまりトトリちゃんはミミちゃんのことを女の子として――じゃなくて、えーと……その、とにかく好きになったと」
「はい……先生、私、変ですよね。女の子なのに、女の子を好きだなんて……ひょっとして、病気とか……」
「そんなことないよ。トトリちゃんはおかしくなんかないから」
597名無しさん@秘密の花園:2011/10/16(日) 00:53:29.45 ID:daKeKmbC
「でも……」
「そういうことも女の子にはあるから。大丈夫。安心して」
 ロロナはトトリの肩に手を置いて、優しく諭す。
(とは言ったものの……どうしたらいいのかな。ミミちゃんの方がトトリちゃんのことどう思ってるか分からないし……こういう場合は、えーと……)
 ロロナは普段あんまりやらない論理的な思考をしようとするが、なかなか頭が回らない。
「先生……私、どうしたらいいんでしょうか」
「ちょ、ちょっと待ってね。えーと……」
(どうしたらいいのかな……私もくーちゃんのこと好きだけど、トトリちゃんの言う好きとは違うし……まあ、くーちゃんだったら抱き締めたりキスしたりしてもいいけど。むしろしたいけど……
 あれ? ってことは私もくーちゃんのこと"そういう意味"で好きなのかな……まあ、どっちでもいっか。今はトトリちゃんのことだよね)
「うーんと……まず、トトリちゃんはどうしたいのかな?」
「どう、って……」
「ミミちゃんとこのまま親友でいたいのか、それとももっと、えーと……深い仲になりたいのか。どっち?」
「…………分かりません。ミミちゃんのこと、すごく好きだけど、それを求めたら今までの関係が壊れてしまいそうだし……」
「それは……うーん……」
 まるで自分のことかのように、ロロナは盛大に悩む。
(つまりミミちゃんの方が拒絶しなかったら、めでたしめでたしなんだよね……でも私じゃそんなの判断できないし、まさか本人に『トトリちゃんに押し倒されたらどうする?』なんて聞けないし……うーん、こんな時くーちゃんだったら……あ)
「そうだ! その手があったよ!」
「え? どうしたんですか先生?」
「ちょっと待っててトトリちゃん。最高のアドバイザーがいるから、その人に聞いてみる」
「え、でも」
「大丈夫。トトリちゃんの名前は出さないから」
 善は急げとばかりに、ロロナは慌ただしくアトリエを飛び出ししていった。


「くーちゃーん!」
 冒険者ギルド。受付に立つクーデリアのところに、ロロナが駆け込んできた。
「どうしたのよロロナ。そんなに急いで」
「くーちゃん、ちょっと聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」
「今? ……まあ、混んでるわけじゃないし、いいけど。何?」
598名無しさん@秘密の花園:2011/10/16(日) 00:57:23.07 ID:daKeKmbC
「あのね、もしもだけどね、くーちゃんが女の子の親友から愛の告白されたらどうする?」
「ぶっ!?」
 あまりに唐突な質問に、思わずむせるクーデリア。かなりの距離があるにも関わらず、会話の内容を正解にキャッチし始めるフィリー。
「何をいきなり言い出すのよあんたは!? ふざけてるの?」
「ふざけてないよ! 真剣な質問なの!」
「し、真剣って……」
 言葉の通り、ロロナの目は真剣だった。真っ直ぐにクーデリアを見つめ、その答えを待っている。
(真剣だなんて、そんな……だって、私の親友はロロナで、ロロナの親友は私で……それでそんな質問するなんて、つまり、それは、その……)
「くーちゃん?」
「――っ!」
 間近から顔を覗き込まれ、胸の鼓動が跳ね上がる。距離の近さにドギマギするクーデリア。距離が遠いのにテンションMAXなフィリー。
「そんな……そんなこと、こんなところで、急に言われても……」
「別に難しく考えないで。もしくーちゃんがそんなことになったら、嫌か、嫌じゃないかを教えて」
「い……嫌じゃ……ないわよ」
 ほのかに頬を染めながら、クーデリアはか細い声で答えた。
「それじゃあ、もしくーちゃんがその親友に押し倒されたら?」
「なっ――!?」
 あまりに大胆な質問に、クーデリアの顔はたちまち茹で蛸みたいに真っ赤になった。
「ああああんた昼間っから何を……」
「いいから答えて。もしくーちゃんだったら、どう?」
「どうって、言われても……それはその、つまり、押し倒された後の、えと……」
「押し倒されてエッチなことされそうになったら、どうするかってこと。やっぱり拒絶する? それとも受け入れる?」
「……っ」
 もはやロロナの顔を見ていることもできず、クーデリアは顔を俯かせる。
「お願い。教えてくーちゃん。くーちゃんの答えが知りたいの」
 ロロナはあくまで真剣だ。本気でその答えを知りたがっている。その気持ちは、クーデリアにも伝わった。
「……――――わ」
「え?」
「……受け……入れるわ。私だったら」
 今が仕事中だということも、ここが職場だということも忘れ、ついでにさっきからフィリーが心のシャッターを切りまくっていることも気付かず、クーデリアは精一杯の勇気で、ロロナの目を見据え、答える。
599名無しさん@秘密の花園:2011/10/16(日) 01:00:51.97 ID:daKeKmbC
「本気で私のことを好きで、本気で私と……したいなら、受け入れるわ。ロロナ」
「くーちゃん……本当に、いいの?」
「ええ。覚悟は出来てるわ」
「ひょっとしたら、すごい激しいことになるかもしれなくても?」
「……っ! へ、平気よ!」
「全力でいっていいの?」
「構わないわ! 応えてみせるわよ!」
「分かったよ……全力でいっていいんだね」
「ええ……」
「ありがとうくーちゃん。それじゃあ、それで伝えてくるね」
「あ、うん。え。あれ。えーと」
 にこやかに手を振ってその場を去るロロナを、クーデリアは何となくそのまま見送った。
「……伝えるって……誰に?」


「全力でいけ! とのことだよ!」
 アトリエに戻るや否や、ロロナは言い放った。
「ぜ、全力ですか?」
「うん! トトリちゃんの望むまま、全力でミミちゃんにぶつかるといいよ!」
「本当に、それでいいんですか?」
「もちろん! 成功は私が保証するよ!」
 変に自信満々なロロナだが、その根拠は『ミミちゃんとくーちゃんて似たもの同士だから、考えることも似てるよね』という推測だけである。
「……分かりました。先生のこと、信じてやってみます」
「頑張ってトトリちゃん!」
「はい! それじゃあ早速準備しますね!」
「うん! 私にできることがあったら何でも言ってね!」

 こうしてトトリは、ミミに対して色々と全力で走り始めた。その結果が果たしてどうなるのか、まだ分からない。
 今はただ、口ではとても言えないような特性を付けた生きているナワと魔女の秘薬をせっせと作るトトリを、優しく見守るロロナだった。


おわり
600名無しさん@秘密の花園:2011/10/16(日) 01:01:41.32 ID:daKeKmbC
以上。読んでくれた人、ありがとう。

ミミちゃん→トトリちゃんでウブな感じのが多いから、たまには逆も書いてみよう。
と思っていたのに、どうしてこうなった。
601名無しさん@秘密の花園:2011/10/16(日) 01:18:01.85 ID:BCpVJnWv
いろいろワロタww
602名無しさん@秘密の花園:2011/10/16(日) 01:28:51.51 ID:WmpWlYnj
ロロクー編もたもむお!
603名無しさん@秘密の花園:2011/10/16(日) 02:59:09.95 ID:4F8zkosH
>>600
GJGJ!ちょwww最後w
その後とロロクー編も気になるw
604名無しさん@秘密の花園:2011/10/16(日) 05:30:41.76 ID:WrHMxRaW
生きているナワの汎用性がwww
605名無しさん@秘密の花園:2011/10/18(火) 17:14:04.15 ID:11+Rsp7l
「ねえミミちゃん。今さらだけど、どうして私のことはトトリちゃんって呼んでくれなかったの?」
「本当に今さらね……そんなの単に恥ずかしいからよ。それにあの頃の私はあんたと馴れ合う気なんて全く無かったんだから」
「そうなの? でも初めて私がミミちゃんって呼んだとき、ミミちゃん嬉しそうだったよね」
「なっ……そ、そんなわけないでしょ。あんたの気のせいよ」
「本当に仲良くする気が無かったら、私がちゃん付けするのも、もっと嫌がるはずだし」
「それは……あの時はつまり、錬金術士としてのあんたを利用しようとしてて、それでその、そのために多少は友好的に振る舞っておこうっていう作戦の一環で」
「でもすぐに本当の友達になったよね。私の方は最初からそのつもりだったけど」
「うぅ……さっきから何が言いたいのよあんたは?」
「ミミちゃんはいつから私のこと好きになったの?」
「っ! そ……そんなの覚えてないわよ!」
「じゃあ思い出して」
「嫌よ! そもそも何でそんなの知りたがるのよ!?」
「気になるから。ねえ、いいでしょ。教えてミミちゃん」
「嫌だって言ってるでしょ!」
「む〜……ミミちゃんのけちんぼ」
「そんなの普通言えるわけないでしょうが!」
「そんなことないよ。例えば――」


「ねえねえケイナ。ケイナが私のこと好きになったのっていつ?」
「メルルと出会った瞬間に決まってるじゃないですか」


「――ね?」
「いや、そんな『あれがお手本です』みたいな顔されても……」
606名無しさん@秘密の花園:2011/10/19(水) 01:00:09.95 ID:E+kCskhv
トトリに隠れてケイナのセリフを練習するミミちゃん
607名無しさん@秘密の花園:2011/10/19(水) 17:54:31.58 ID:5BaehJ7G
今度トトミミ新刊出るそうだけど、見本を見たらふたなりだった…orz
608名無しさん@秘密の花園:2011/10/19(水) 19:32:19.49 ID:dRiVXT+D
見本でちゃんとふたなり明示してるなら別にいいじゃないか
「混ぜもの無しの純粋女子100%百合同人でございます」みたいな表紙と煽り文句で、中身が百合百合詐欺だったら目も当てられない

純粋なアトリエ百合同人が欲しいのは激しく同意
このスレの住民で絵心ある人がいたら作ってくれないかなぁ…
609名無しさん@秘密の花園:2011/10/20(木) 00:30:10.40 ID:LWx6Ou/a
〈もしもアーランドにハロウィンがあったら〉

その1 メルル&ケイナ

メル「トリック・オア・トリート! ケイナ、お菓子できてる?」
ケイ「はいはい。ちゃんと用意してますよ」
メル「わぁい! いただきまーす!」
ケイ「ふふ……そんなに喜んでくれると、頑張った甲斐がありますね」
メル「ねえケイナ」
ケイ「何ですか?」
メル「お菓子食べ終わったら、イタズラもしていいかな?」
ケイ「え……そ、それは、その……メルルがそう望むのでしたら、私は――」
メル「……ケイナ? 冗談なんだけど、何で顔赤くしてるの?」
ケイ「あっ……な、何でもありません! 変な勘違いなんてしてませんから!」



その2 トトリ&ミミ

トト「トリック・オア・トリート!」
ミミ「……うちに来るなら事前に言いなさいよ」
トト「あれ、言ってなかったっけ?」
ミミ「ええ。急に来られても、お菓子の用意してないわよ」
トト「そっか。じゃあミミちゃんにはイタズラしないとね」
ミミ「な、何でそうなるのよ!? そっちの連絡不備が原因でしょ!」
トト「ミミちゃん、生きているナワと魔法の鎖とどっちがいい?」
ミミ「何でそんなの持って来てるのよ!? さてはあんた最初から私をはめるつもりで――やっ、ちょっ、やめ……あーっ!」



その3 ロロナ&くーちゃん

ロロ「トリック・オンリー!」
クー「選択肢すら無いとは!」
610名無しさん@秘密の花園:2011/10/20(木) 02:09:31.64 ID:NnVtWfJi
ロロナwww
611名無しさん@秘密の花園:2011/10/20(木) 02:52:05.88 ID:RCgCCwiV
トトリちゃんは予想通りというかw
612名無しさん@秘密の花園:2011/10/20(木) 12:43:20.04 ID:3xjCEiY7
トリックだけww
613名無しさん@秘密の花園:2011/10/21(金) 00:21:15.85 ID:at9n5WCx
トリック・オンリー!に不覚にも吹いたw
614名無しさん@秘密の花園:2011/10/21(金) 00:31:56.00 ID:e/aLYWO1
家のために子どもを産みたいけどトトリと一緒に生きていきたいとか懊悩した挙句
見失った本音を明らかにするために自らピュアトリフを食べるトトミミ話が書きたいけど時間と心の余裕となにより筆力が足りない!
615名無しさん@秘密の花園:2011/10/21(金) 00:35:41.52 ID:kjFTq4CX
とりあえずセリフだけでもネタふりするんだ

ミミ「トトリの赤ちゃんが欲しい・・・」
トトリ「ミミちゃん・・・」
616614:2011/10/21(金) 10:00:01.30 ID:e/aLYWO1
アールズに滞在していたミミの許に届いた手紙。実家から送られてきたその手紙には、お見合いに関する連絡がしたためられていた。
爵位に価値がなくなった以上、政略結婚に意味はないが、家名を継ぐものとして子を為すのは彼女の役目。
だけど、彼女には胸に恋心を秘めており──
どうせ叶わぬ恋ならば、諦めてしまった方が楽になれるのだろうかと、諦観の後押しを求めてルーフェスの許を
訪れたミミに、彼は云う──大切な事は、後悔しない選択肢を選ぶことなのだと。

「自分を納得させられないままに選んだ道で幸福になれないとは申しません。ですが、選ぶことが出来なかったという
後悔だけは、決して消えては呉れないのです」

自分と向き合うこと、それが大切なのだと諭されたミミは、隠された自分の本音と向き合うために、ピュアトリフを用いることを
思いつく──

という流れだけれど、書ける気がしない。
617名無しさん@秘密の花園:2011/10/21(金) 20:32:32.09 ID:kjFTq4CX
トトリ「へ〜ミミちゃんがお見合い・・・ふ〜〜〜ん・・・」
ミミ「ト、トトリ・・・?」

後日
メルル「トトリ先生ちむちゃんたち連れてどこかいくんですか?それにその爆弾の量・・・」
トトリ「ちょっとアーランドまで人に会いにね・・・お留守番お願いねメルルちゃん^^」

後日
ミミ「なぜか先方から会う前にお断りの連絡が来たのよね。ま、まぁ?私はまだけ、結婚する気はなかったんだけど!」
トトリ「^^」
メルル(・・・ま、まさかね。。。)
618名無しさん@秘密の花園:2011/10/21(金) 23:11:33.95 ID:ZnMHcAdL
ミミちゃんのお婿さんになりたい
→最低条件:完全武装のちむレンジャー&レベル99テンプレ装備テンプレ爆弾常備のトトリちゃんを撃破


トトリちゃんのお婿さんになりたい
→最低条件:レベル99テンプレ装備のミミちゃん&ツェツィ&ギゼラ&一流錬金術士に成長したピアニャ&覚醒グイードを撃破


無理ゲーにもほどがあるな
619名無しさん@秘密の花園:2011/10/21(金) 23:22:35.30 ID:e9PjKr8T
>>618
それプラス全員必殺ゲージ常時MAXですねわかります
620名無しさん@秘密の花園:2011/10/22(土) 07:14:37.50 ID:HJ4C4TtC
トトリ「ミミちゃんがお見合い…そろそろ既成事実もつくっとかないと…ぶつぶつ…」
621名無しさん@秘密の花園:2011/10/22(土) 21:48:56.90 ID:+sSOV7o4
 ずっと前から思ってた。ミミちゃんには赤いリボンが似合うって。
 真っ赤な薔薇を咲かせるように、赤いリボンを結んであげる。ミミちゃんの、細くて白い両の手首に。
「ち、ちょっとトトリ! 何する気よ!?」
「んーと……既成事実作り?」
「なっ……!?」
 ミミちゃんはベッドの上で仰向けになってる。赤いリボンで両手をくくられて。
 今すぐどうにかしてしまいたいけど、もうちょっとだけガマンしよう。
「ふ、ふざけないでよ……こんな、薬まで使って……」
「ふざけてないよ。真剣だもん」
 私はミミちゃんの上に覆い被さるようにして、顔を寄せる。まだ触れたりはしない。吐息だけが絡む距離で、ミミちゃんに話しかける。
「ミミちゃん……最近、アーランドからお見合いの話がいっぱい来てるよね。大きな商家の次男さんとか、若手の実業家さんとか……色んな人が婿入りしたいって。クーデリアさんの方にも、口利きしてってお願いがひっきりなしだって」
「そ、そんなの片っ端から断ってるわよ」
「うん、知ってる。でもね」
 ミミちゃんの耳元に、触れるか触れないぐらいまで唇を寄せる。くすぐったいのかな、ミミちゃんの体が小さく震えてた。
「正直言って、私はもう気が気じゃないの。ミミちゃんが他の誰かに狙われてるっていうだけで、不安で不安で堪らないの」
 もしも、ミミちゃんが他の誰かのものになってしまったら……それは、私にとって世界の終わりとおんなじだ。
「私が誰よりミミちゃんを好きなのに。私が誰よりミミちゃんをいっぱいいっぱい感じたいのに。ミミちゃんをメチャクチャにして、恥ずかしがりながら感じてる顔も、エッチでいやらしい声も、全部全部、私のものにしたいのに」
「そんな……そんなこと……」
「嫌なら抵抗していいよ……できるなら」
 唇を、重ねた。
 無理矢理に、舌をねじ込むように。
 ミミちゃんはされるがままだ。
 薬で自由を奪われて、手首を縛られて、そんな状態で抵抗できるわけがない。
 ……きっとそれを、自分に言い聞かせてる。
 さっき飲み物に混ぜた痺れ薬は、実はあんまり強くなくて、効果がすぐに弱まってくる。その気になれば簡単にリボンを引きちぎって抵抗できるんだけど、それを教えてあげるのは、もうちょっと後にしよう。
 ミミちゃんが、身も心も私のものになってから、ね……。


622名無しさん@秘密の花園:2011/10/22(土) 21:50:51.88 ID:+sSOV7o4


「――というようなことが起こらないようにっ! 可及的速やかにアールズ・アーランドにおける同性婚の合法化を進めるべきだと思うのよ!」
「いやいや起こりませんから! トトリ先生メチャクチャ冷静ですから! 冷静すぎてミミさんの方が何だかヤキモキしてるレベルですから!」

 真っ昼間の酒場。カウンターを挟んでメルルとフィリーが何やら論争をしている。
 少し離れたところで、ケイナがハラハラしながら二人を見守っていた。
「おーい、ケイちゃん」
「あ、フアナさん。こんにちは」
 昼休憩にと酒場にやってきたフアナだが、メルルとフィリーはそれにも気付かない。
「何やってんのあの二人?」
「先日のミミ様のお見合い話の行方に関して、フィリーさんが予知夢を見たと言って、メルルが話を聞いてるんですけど……」

「表面上はそう見えても、本当は爆発寸前かもしれないでしょ!? 今こうしている間にもトトリちゃんがバッドエンドルートに入ってるかもしれないのよ!」
「言ってることの意味が分かりませんから! ミミさんはお見合い全部断るって言ってましたし、何も問題ないですよ!」
「だからそれじゃあ一時しのぎにしかならないでしょ! 一刻も早く法改正して二人が名実ともに一緒になれるように――」
「簡単に言わないで下さいよ! そもそも――」

「はあ……あれ、いつになったら終わるんでしょうか」
「まあ、放っといたらそのうち冷静になるでしょ。ところでケイちゃん」
「何ですか?」
「ケイちゃんはやっぱり同性婚賛成だったりする? メルちゃんのお嫁さん的な意味で」
「――っ!」
 図星か、はたまたその可能性に今気付いたか……顔を真っ赤にして黙り込むケイナだった。

おわり
623名無しさん@秘密の花園:2011/10/22(土) 21:51:32.47 ID:+sSOV7o4
以上。読んでくれた人、ありがとう。

トトリ先生ヤンデレ風味でミミちゃん押し倒すも夢オチだったでござるの巻。
624名無しさん@秘密の花園:2011/10/23(日) 02:12:36.83 ID:gwcYJ/k1
>>623
GJ!
まぁ、夢オチは時として正夢だったりするわけだが……(チラッチラッ
625名無しさん@秘密の花園:2011/10/23(日) 03:51:46.79 ID:IS+avc7a
あ〜よくあるよくある(チラッチラッ
626名無しさん@秘密の花園:2011/10/23(日) 13:37:52.35 ID:TBXi5pvJ
トトリ「も〜フィリーさんたら^^ほんとはもっとすごいことやあんなにマニアックだったのにね?ミミちゃん^^」
ミミ「//////////]
トトリ「ミミちゃんたら全然抵抗しないんだもん^^あんな姿他の人が見たら引いちゃうかもね〜^^」
ミミ「〜〜〜〜〜っ//////////]
トトリ「あんな姿私以外に見せちゃ駄目だよ?ミミちゃんはもう私のものなんだから・・・」
ミミ「・・・・・・はい////////]
627名無しさん@秘密の花園:2011/10/25(火) 22:51:19.76 ID:VPvTZDcQ
SS投下します。
カップリングは特に無し。あえて言うならメルフィリ……?
>>502-506と似た感じの、二人が酒場で会話してる内容です。
628名無しさん@秘密の花園:2011/10/25(火) 22:56:28.30 ID:VPvTZDcQ
 アールズ王城の執務室。奥のデスクには、多種多量でありながら『雑然と』という表現は不思議と当てはまらない妙に整頓された書類の山が、うずたかく積まれている。
 その中に、大きめのクリップで簡単に束ねられた書類があった。規定の書式ではなく、紙の大きさもまちまちだ。
「ねえルーフェス、これって何?」
 開拓事業の報告を終えたメルルは、相変わらずデスクワークに忙しそうなルーフェスに、その書類束について尋ねてみる。
「それは……施設に関する国民からの投書ですね。こういう施設を建てて欲しい、この施設にこういうものを加えて欲しい、といった要望です」
「へー。こういうのも集めてるんだ」
「民衆の声に積極的に耳を傾けるのも、政治に携わる者として大事なことですよ。そのために様々な窓口を設けていますので」
「なるほど。これ、読んでみていい?」
「ええ、構いませんが……それはまだ私も目を通していないので、おかしな意見やイタズラ紛いの投書もあるかもしれません」
「ふーん、どれどれ……」

『アールズに女学校を作って下さい。できればスール制度ありで』
『図書館に百合文学&百合漫画のコーナーが欲しいです』
『女の子の女の子による女の子のためのオシャレな喫茶店を作って欲しい。男子禁制で!』
『メルルちゃんとケイナちゃんは一刻も早く結婚するべき』
 ………
 ……
 …

 十分後、酒場。
「フィリーさん。こういう偏った意見を投書しまくるのは止めて下さい」
「な、何で匿名で出したのに私だって分かったの!? メルルちゃん、まさかエスパー!?」
「分からいでか!」
 投書の中にかなりの割合で混ざっていたフィリー発の欲望書――もとい要望書を、メルルは酒場のカウンターにいくつか広げてみせる。
「確信できたのはいつも酒場で見慣れてる字だからですけどね、それにしたって内容が分かり易すぎます。何なんですかこれは」
「うう……そんなに怒らないでよぅ。別にふざけて出したわけじゃないんだから」
「じゃあ、それぞれの意見にちゃんとした考えがあるんですか?」
「もちろん! 例えば女学校だけど、男女平等の時代になってだいぶ経つけど、女性への高等教育っていう分野は大抵どこの国でも遅れがちなの。今のアーランドもね」
「そうなんですか?」
「そうなの。お姉ちゃんやクーデリア先輩みたいな例外もいるけど、やっぱり全体的に見て女性の地位っていうのが教育レベルと比例して低いのよ」
629名無しさん@秘密の花園:2011/10/25(火) 23:02:19.54 ID:VPvTZDcQ
「うーん……私の実感としては、そういうの全然無いんですけど」
「それはメルルちゃん本人も含めて、周りの女の人が凄い人ばっかりだからだよ。そういう特別じゃない、一般女性の教育レベルを向上させて社会参加の機会を増やすことは、他国に対するアドバンテージになるし、それを売りにして人口のさらなる増加も見込めるわけ」
「おお……フィリーさんが珍しくまともっぽいことを言ってる」
「えーと、誉めてくれてるんだよね? ……というわけで、女学校――女性に対する高等教育の充実について、真面目に検討してほしいの」
 一通りの説明を終えたフィリーは、真摯な目でメルルを見つめる。
 本気の思いは、人に伝わるものである。これはフィリーの真剣な願いであることを、メルルは確かに受け取った。
「……分かりました。ルーフェスに掛け合ってみますね」
「ホント!? ありがとうメルルちゃん! あ。でも、ただ普通の学校を建てるだけじゃダメだよ。女学校ならではの工夫をしないと」
「といいますと?」
「まず当たり前のことだけど、校則で『異性との交際を禁ずる』ってしっかり定めること! "異性"っていうのがポイントだからね! 逆手に取ること前提だからね!
 制服は活動的なセーラーも捨てがたいけど、やっぱりお嬢様っぽく清楚なブレザーで、色も落ち着いた感じのをチョイス!
 あ、でも家政科を作るとしたら、そこの制服は制服という名のメイド服でも良し! むしろ推奨! 女学校に通うお嬢様&メイドさん! 何というドリーム空間!
 それから施設についてだけど、構内に数ヶ所、女の子が二人っきりになれるのにちょうどいいエアスポットを設けること! 人通りがなくて適度に視界と音を防いでくれて、それでいて日当たり良好ならなお良し!
 カップルが仲良くお昼休みを過ごしたり、放課後の甘酸っぱい密会を楽しむのに必須だからね!
 それから出会いに最適なロケーションとして、きれいな女神像と、雰囲気抜群な噴水を最低一つずつは設置すること!
 寮ももちろん完備だけど、入寮は強制しない! 何でかって? 長期休暇での『これから何日も○○ちゃんに会えないんだ……』なシチュエーションのために決まってるでしょ! 一時的に距離を取ることで、絆がさらに深まるの! トトリちゃんとミミさんなんか好例よね!
630名無しさん@秘密の花園:2011/10/25(火) 23:06:37.79 ID:VPvTZDcQ
 建材なんかの細かいところにも気を遣うべきね。音楽室は無論のこと、更衣室や社会科資料室、家庭科準備室、体育用具室なんかの利用率が高そうなエリアは防音処理にすること! それから壁に手を突いてことに及んだりする時、手のひらを痛めないよう壁の材質も吟味すべし!
 それから投書にも書いたスール制度について――」
「スト――――ップ!!」
 放っておいたらいつまでもしゃべり続けそうなフィリーに、さすがにメルルがブレーキを掛けた。
「何なんですかさっきからおかしなことばっかり! 完全にフィリーさんの趣味の話じゃないですか! さっきの真面目な提案は何だったんですかもう!」
「おかしなことって失礼ね。私はただ、趣味と実益を兼ねようとしてるだけなんだから」
「明らかに趣味の方に傾きまくってますよね。ほぼ垂直なぐらい」
「そんなこと無いってば。これくらい常識の範囲内よ。百合的に考えて」
「どこの世界の常識ですか……じゃあ女学校の件はひとまず置いて、他の要望はちゃんとした考えがあるんですか? この図書館のやつとか」
「当然よ! マイナーだけど一定の需要は確実にあるジャンルだし、独立したコーナーを作ることで、膨大な作品群の中から百合ものを探し当てる手間が省けて、百合好き乙女と一部百合男子達は大助かりよ!
 今まで百合ジャンルの作品に触れたことが無い人も、コーナーを見て興味を持ってくれるかもしれないしね。
 それに図書館のその一角が、出会いのチャンスを作る可能性だって無きにしも非ずじゃない。例えば――
 ある日、一人の少女が一冊の百合小説に手を伸ばす……その時、少女の手に不意に重なるもう一つの手。ハッとして視線を上げると、そこにいたのは自分と同年代の少女……
 同じ時、同じ場所で、同じ百合小説に手を伸ばしていた二人。同好の士として友達になった二人は、やがて互いに惹かれ合い、現実の中で小説のように甘く切ない――」
「ストップ! まーた話が脱線してるじゃないですか!」
「何を言ってるのメルルちゃん。百合学問に王道無し……最初っから線路なんて無いから脱線しようがないのよ」
「いや、意味が分かりませんから」
「そんなわけで、百合好きの需要を満たすとともに、アールズ国民全体の百合的教養を高めるために、是非とも図書館に百合コーナーを」
631名無しさん@秘密の花園:2011/10/25(火) 23:15:54.52 ID:VPvTZDcQ
「私の国の人達をどこへ連れてく気ですかあなたは……図書館の件については保留で。何か話聞くのも疲れてきましたけど、次。女の子のための喫茶店っていうのは?」
「よくぞ聞いてくれました! 女の子が安心して楽しめる場所っていうのが必要だと思うのよ。アールズもアーランドに負けないぐらい平和な国だけど、やっぱりたまにガラの悪い人もいるし、騒ぎなんかも起こるじゃない」
「確かに……そうですね。開拓が始まる前は、事件や事故なんてめったになかったんですけど」
「人が増えてくるとどうしてもね……ここの酒場なんかは、お客さんみんな良い人だし居心地もいいけど、やっぱり場所柄、普通の女の子が憩うようなこと出来ないでしょ。特に夜とか」
「ですね。たまに悪い酔い方してる人もいますし……そういえば前に夜の酒場に来た時、酔っ払った冒険者さんにナンパみたいなことされたっけ。次の瞬間ステルクさんが鬼のような速さで連行していったけど」
「そういうわけで、女の子だけで安心して楽しめる憩いの場所を作るべきだと思うの」
「それで喫茶店……なるほど。確かに良いアイデアかもしれませんね。オシャレな喫茶店って、ちょっと憧れでもありますし」
「でしょでしょ! 良いと思うでしょ! 男子禁制の秘密の花園……白いテーブルクロスに並ぶ甘いお菓子と香り高い紅茶……見つめ合う少女達……そしていつしか二人は手を取り、顔を寄せ合い、熱く激しい――」
「ストップ! ストーップ! おかしいでしょそれ! 喫茶店でしょそこ!?」
「うん。喫茶店の個室だよ」
「え……? 喫茶店って、個室とかあるんですか?」
「お店によるけど、普通にあるよ」
「そうでしたか……いや、それにしてもおかしいでしょ! 喫茶店じゃなくて何か別の目的のお店ですよそれ!」
「宿泊OKの喫茶店ってことで問題ないでしょ」
「大ありですってば! その案は却下です!」
「そんなぁ……あ。じゃあこれは? 女性専用のマッサージ専門店で、美人のマッサージ師さんをたくさん揃えて――」
「いや、もう勘弁して下さい……」
 全くめげずに要望を繰り出すフィリーに対し、海よりも深いため息をつくメルルだった。


おわり
632名無しさん@秘密の花園:2011/10/25(火) 23:16:25.44 ID:VPvTZDcQ
以上。読んでくれた人、ありがとう。
633名無しさん@秘密の花園:2011/10/25(火) 23:41:47.27 ID:gUNDKQGZ
GJ。フィリーさんは百合の鏡だなw
百合男子なる言葉は最近某雑誌で知ったがフィリーさんは百合男子と
百合話は出来るんだろうか
634名無しさん@秘密の花園:2011/10/26(水) 23:57:28.56 ID:RlJfX3AU
人見知り克服して受付嬢の仕事もちゃんとできるようになったから
趣味の合う人と普通にお喋りするくらいならできそう
でも「可愛い女の子が自分以外の男とくっつくのが嫌。それならむしろ女の子同士の方が」というような動機で百合好きを自称する似非百合男子は
即座に見抜かれて氷のように冷たい対応をされます

あと百合の話題をダシにしてフィリーちゃんとお近づきになろうなんて企む不逞の輩は
エスティさんの手によって闇に葬られます
635名無しさん@秘密の花園:2011/10/27(木) 03:23:39.15 ID:15kZGt8R
ノーマルもおkなカプ厨男子な俺じゃ駄目だよね?フィリーさん
といってもアトリエで好きなのは全部百合カプだけど
636名無しさん@秘密の花園:2011/10/27(木) 19:38:31.24 ID:OREGICsJ
>>635
フィリーさんもノーマルいける口だし
大丈夫だよきっと


ところで話は変わるけど
リトルウィッチパルフェがPSPでリメイクされるとか
ゲーム業界にも百合の波が来ている気がする今日この頃
ガストちゃんもこの波に乗って完全百合仕様のアトリエを出してくれないものか…
レネットみたいにミミちゃん視点でトトリちゃんを落とすAVGとか

それか思い切ったジャンル変更で
トトリエでのミミちゃんエンド後を舞台にした錬金アクションゲームとか
アクションパートではミミちゃんを操作してモンスターとスピード感溢れるバトルを展開
錬金術パートではトトリちゃんが色んな武器やアイテムを作ってミミちゃんをカスタマイズする
そして夜はトトリちゃんが別の意味でミミちゃんを調教(カスタマイズ)すればいいんじゃないかなと思います
637名無しさん@秘密の花園:2011/10/28(金) 00:29:16.77 ID:hfoCJWex
特定のカップルエンド後はオフィシャルでは出しづらかろうよ
同人で頼む。買うから。
638名無しさん@秘密の花園:2011/10/28(金) 00:47:55.41 ID:DK4d22cq
実は案外シスコンなエスティさんフィリーちゃん姉妹の話はまだか
639名無しさん@秘密の花園:2011/10/28(金) 01:15:18.86 ID:xNRzOgJ2
ガストちゃんはもう少しトトリちゃんとミミちゃんで儲けてもいいと思います
だから>>636みたいなのを発売してもいいのよ?(ちら
まあカプ確定みたいな流れがNGでもトトミミ主役のゲームをPSPあたりで・・・
640名無しさん@秘密の花園:2011/10/30(日) 01:04:08.39 ID:g3zHkJbV
SS投下します。
>>636な感じのトトリエのミミED後のお話です。同人ゲーム作る知識も技術も無いので、SSで堪忍して下さい。
641名無しさん@秘密の花園:2011/10/30(日) 01:07:03.53 ID:g3zHkJbV
 青々と葉を茂らせた樹木が広がる森の中。頭上の枝の隙間からは、日の光が幾重も零れ、降り注いでいる。
 時折、遠くから鳥の声が聞こえる。耳を澄ませば、どこからか川のせせらぎを感じられる。草いきれと静寂に満たされた空間。
 不意に、短く地響きが鳴った。木々に止まったいた鳥達が、慌ただしくその場を飛び去っていく。
 また、鳴った。ゆっくりと、断続的に。
 地震ではない。
 足音である。
 短く重い地響きとともに、生木をへし折る悲鳴のような音が響く。
 やがて、足音の主が姿を現した。
 それは、燃えるような赤い巨体を震わせ、黄色い眼を鋭く光らせる、巨大なドラゴンだった。
 唸り声を上げながら、ドラゴンは森を闊歩していく。遮るものなど何も無いと言わんばかりに、傲慢に歩を進めていく。

「見つけた……あれが今回の標的ね」
 森の一角の小高い丘。大身の槍を携えたミミは、彼方のドラゴンを視認して呟いた。
「うう……物凄く大きくて強そうなんだけど、本当に大丈夫かな?」
 その横で杖を持つトトリは、やや不安げな表情だ。
「何言ってんのよ。むしろあれぐらいの相手じゃなきゃ張り合いが無いわ。さあ、行くわよ!」
「ちょっと待ってミミちゃん! 作戦は?」
「決まってるでしょ」
 ミミは槍を振り上げ、口端に獣めいた笑みを浮かべて、答える。
「真っ向勝負よ!」
 深い森の中、ドラゴン目掛けて先陣を切り駆けていく。そんなミミの背中を追いかけながら、トトリは小さくため息をついた。
「無理しないでね、ミミちゃん……」
 呟きながら、トトリは頭の中で秘密バッグから取り出せる爆弾、薬、マジックアイテムetcを素早く吟味していた。


 現在、トトリとミミが滞在している街の付近の森で、巨大なドラゴンが目撃された。人的被害はまだ出ていないが、このままでは迂闊に街の外に出るのも危険である
 世界一の冒険者を目指す二人がこんな美味しい話――ではなくて、困っている人達を見捨てておけるはずもない。
 というわけで、今回のミッションはドラゴン退治である。


642名無しさん@秘密の花園:2011/10/30(日) 01:10:55.28 ID:g3zHkJbV
 体長も体重も自分の何十倍という相手に向かって、ミミは微塵の恐れも見せず正面から突撃する。
 小枝のような武器を振り立て突っ込んでくる小さな小さな存在に気付いたドラゴンは、不快げに息を鳴らすと、そちらへ向けて大きく口を開けた。
 その口から、灼熱の炎が放射される。赤い渦が、真正面からミミの体に迫る。
 だが次の瞬間、ミミは身にまとったマントを翻し、平然と炎の壁を駆け抜けていた
 ミミが身に付けているのは、ただの外套ではない。パートナーのトトリが彼女のためにあつらえた、極めて高い対属性効果を持つ防具だ。
「はあああっ!」
 ミミは一気に間合いを詰め、穂を振るってドラゴンに斬りつける。が、浅い。二の太刀を振るう間も無く、ドラゴンが丸太のような尻尾を振るってきた。周囲の木々が瓦礫のように砕け散るが、ミミは素早く飛び下がり、かすり傷一つ負っていない。
 ドラゴンが低く唸る。縄張りに踏み込んできた小さな生き物が、ただの畜生ではないと気付いたようだ。
 咆哮。ドラゴンの放つ剥き出しの気迫が、それ自体が巨砲の弾であるかのように、ミミの肉体を打つ。常人であれば萎縮しきって倒れてしまうほどの強烈な覇気。
 だがミミは見かけ通りの少女ではない。歴戦の冒険者だ。これぐらいの気勢に晒されるのは、突風が吹いた程度と変わらない。
 巨大な翼を威嚇するかのように広げ、ドラゴンはミミを睨め付ける。明確な敵意を込めて。
「ふん……見かけ倒しじゃなさそうで安心したわ」
 体勢を立て直したミミは、槍を上段に、高く掲げるように構える。
「……来い!」
 猛るドラゴンが翼を唸らせミミに突っ込み、渾身の力を込めた右手の爪で斬りかかる。
 鉄柱でもへし折れそうな一撃を、ミミは一瞬で見切り、足を捌いてかわす。
 初撃をスカされたドラゴンは、間髪入れず左の爪を振り下ろす。ミミはそれをくぐるように避け、胴体目掛けて田楽刺しに槍を突く。
 これは効いた。ミミの槍にはドラゴンに対する特効の魔力が掛かっているから堪らない。腹の真ん中に刃を突き立てられたドラゴンは苦痛の声を上げる。
「まだまだっ!」
 ミミは深く突き刺さった穂先を引き抜き、手首を返して刺し傷を抉るように斬りつける。
 立て続けの攻撃に、ドラゴンが怯み、身を仰け反らせる。
「よしっ、このまま――」
「ミミちゃん! 下がって!」
「――っ!」
643名無しさん@秘密の花園:2011/10/30(日) 01:14:52.14 ID:g3zHkJbV
 その声を聞いた途端、ミミはほとんど反射のような勢いで後ろに飛ぶ。
 次の瞬間、ミミが立っていた地面を、ドラゴンの放った巨大な火炎の弾が抉っていた。先に吐いた炎より、数段密度の高い一撃だ。あれを食らっていればただでは済まなかっただろう。
 十分にドラゴンから距離を取ったミミは、小さく安堵の息をついた。
「怯んだようにみせたのは罠か……多少は知恵も働くみたいね」
 ドラゴンをミミを睨みながら、その場を動こうとはしない。迂闊に突っ込めば危険だと認識しているようだ。
 ミミは傍らに立つトトリに声をかける。
「助かったわトトリ」
「うん。やっぱり力押しだと難しいみたいだね」
「そうね……」
「やっぱりここは二人で力を合わせないと。えーと……」
 トトリは話をしながら、秘密バッグをゴソゴソと漁っている。
「何探してるの?」
「とりあえずドラゴンの動きを止めようと思って……あ、あったあった」
 トトリが取り出したのは、お手製の『魔法の鎖』だ。かつてアーランドで使っていた物に比べ、改良を施してその効果は遥かに強化されている。
 ついでに『ドナークリスタル』も取り出したトトリは、その二つのアイテムを手に作戦を提案する。
「電撃は大して効かないと思うけど、牽制ぐらいにはなるから――」
「その隙に私が間合いを詰めて攻撃。ドラゴンが私に気を取られているうちに、あんたが魔法の鎖で奴の動きを止める」
「うん。あとはミミちゃんがトドメを刺す」
「OK。それでいきましょう」
 以心伝心頷き合った二人は、それぞれの得物を構えてドラゴンに向き合った。
「ええーい!」
 この状況ではいささか気の抜けたように響くかけ声を上げて、トトリがドナークリスタルを掲げる。たちまち周囲に雷鳴が轟き、空を割るような稲光がドラゴン目掛けて落ちた。
 ダメージはさほどではないが、超高圧の電撃による衝撃に、ドラゴンは一瞬動きを止めた。
「せやああっ!」
 一閃。空中高く飛んだミミが、ドラゴンの顔面に斬りつけた。角の生え際から顔の側面を切り裂くが致命傷にはとても至らない。
 着地したミミに向かって、ドラゴンが横薙ぎに腕を薙払う。まともに受ければ身体中の骨が砕けそうな一撃を、ミミは深く地に伏せてかわす。自慢の黒髪が数本ちぎれ飛んだが、命には代えられない。
644名無しさん@秘密の花園:2011/10/30(日) 01:18:10.10 ID:g3zHkJbV
 息つく暇もなく爪が、牙が、時に尾が、次々と襲い来る。ミミは飛び下がってそれらをかわしながら、隙を見ては斬り込んでいく。
 数合の撃ち合いの後、ミミは深く地を蹴って間合いを外した。即座にドラゴンは追撃を加えようとする。
 が、無駄だった。気付いた時には既に遅い。背後に回り込んだトトリの放った魔法の鎖が、ドラゴンの下半身をがんじがらめに絡め捕っていた。
「今だよミミちゃん!」
「任せなさい!」
 短く助走をつけ、ミミが飛んだ。渾身の力を込めた一撃を、ドラゴンの脳天に振り下ろす。
 しかし、
「なっ……!?」
 今まさに突き刺さろうとしていた槍の穂先を、ドラゴンの牙が噛み止めていた。柄を握るミミの体は、その瞬間、完全に無防備なまま敵の眼前に晒される。
「ミミちゃん!?」
 トトリの叫びと、ドラゴンの爪がミミの体を容赦なく引き裂くのはほぼ同時だった。
 血潮を撒き散らし、ミミの小さな体が宙に舞う。そして次の瞬間、それは陽炎のように、大気の中に溶けて消えた。
「残念。それはただの影よ」
 ドラゴンの顔に真上から槍を突き立て、本物のミミは不敵な笑みを浮かべた。
 脳天から顎まで存分に貫通させた槍を引き抜き、ミミは地面に飛び降りる。
 ドラゴンの赤い巨体は、ゆっくりと地に伏し、動かなくなった。
645名無しさん@秘密の花園:2011/10/30(日) 01:20:42.57 ID:g3zHkJbV
「ふう……一丁上がりね」
「ミ〜ミ〜ちゃ〜んっ!」
「うわっ!?」
 ホッと息をついていたミミに向かって、トトリが体当たりのような勢いで抱き付いてきた。その表情は怒りと安堵が七対三といったところだ。
「びっくりさせないでよもう! ミミちゃんがやられた瞬間、心臓が止まるかと思ったよ!」
「やられてないでしょ。ていうか、この腕輪作ったのあんたなんだから、すぐ気付きなさいよ」
 そう言ってミミは自分の右腕を示す。そこに光っているのは実影の腕輪。実体を持つ影を作り出すマジックアイテムだ。
 使用すると体力を消費するのであまり多用はできないが、ミミはここぞという時の切り札にしている。今回はトドメを刺す際、念には念を入れて影を囮に使ったわけだ。
 しかし事前に知らされていなかったトトリにとっては、心の底から肝が冷える光景だったろう。涙目でミミを睨んでいる。
「む〜……」
「勝ったんだからもういいでしょ。早く街に戻るわよ」
「……いいもん……今夜はミミちゃん魔法の鎖でお仕置きだもん……」
「ちょっ……何か今、凄く物騒なこと呟かなかった!?」
「…………」
「わ、悪かったわよ! 今度からああいう使い方する時は事前に言うから! 頼むから、その、機嫌直してよ!」
「……つーんだ」
「トトリってばーっ!」

 ドラゴン退治のミッションは無事終了したが、このままでは、ミミには今夜もう一つ。トトリのお仕置きという名のミッションが待ち受けていそうだった……。


おわり
646名無しさん@秘密の花園:2011/10/30(日) 01:22:21.24 ID:g3zHkJbV
以上。読んでくれた人、ありがとう。
何か最近定期的にトトミミとか百合SS書かないと体の調子がおかしくなる。
これはあれか。百合中毒とか何かそんな感じの現代の心の病かな。

それにしてもトトミミのスピンオフ作品は本当に作って欲しい。ゲームじゃなくてもいいから。漫画とか小説とかで十分だから。
内容もそんな全力全開百合ん百合んブレイカーじゃなくてもいいから。ほんのり百合風味程度でいいから。
647名無しさん@秘密の花園:2011/10/30(日) 02:06:02.41 ID:5sJpaOxw

ドラゴンをガンガン攻撃するミミちゃんもトトリとの夜の戦闘では受けに回ってしまうんだな

トトリとミミの関係はなんかいいな
出会ってお互いのことを知りながら絆を深めていってるのがよくわかる
トトリとメルルの間あたりで二人が何していたのかを書いた小説とか読んでみたい
648名無しさん@秘密の花園:2011/10/30(日) 04:20:14.15 ID:VyJ4ebCn
>>646
GJ! 続きもあるみたいだし、今後の楽しみにさせてもらいます。

>>647
書くことを考えたらば、メルル後の方が発展させやすいけど、確かに気にはなるよね<トトリエとメルリエの間
一線を超えてないこと確実だから、書くと延々とミミちゃんがモンモンとし続ける展開にしかならない……いや、まぁ、それはそれでありだけれども。是非読みたいけれども。
649名無しさん@秘密の花園:2011/10/31(月) 18:50:38.11 ID:qEOPMeK9
トトリエでミミちゃんエンドが正史になったらその後のアーランドとアールズの流れとしては…


三十路目前だけど相変わらずなロロナ先生が当初の予定通りアールズへ派遣。

→メルル、ロロナ先生に弟子入り。ロロナ語の解読に苦労するが、ホムちゃん&ホムくんのサポートによって無事に錬金術習得。

→メルル、アールズ開拓に乗り出す。ロロナ先生、パイばっかり作る。

→2〜3年後、開拓の噂を聞きつけたトトリ&ミミがアールズへ。この頃には既に伝説的な冒険者に。

→メルル「まさかあの超有名な伝説の冒険者コンビに会えるなんて……!」と大興奮。
ロロナ先生「う〜……私だってかなり有名だし伝説っぽいこと言われてるのに、メルルちゃんってばトトリちゃんとミミちゃんばっかり……トトリちゃんもメルルちゃんばっかり構って私と全然遊んでくれないし……う゛〜!」と大いじけ。
ケイナ「メルル……メルルが最近、私に構ってくれない……」と小ヤンデレ。

→アーランドにて暇を持て余したアストリッドが、たまたま捕獲したりおちゃんを騙くらかして若返り実験。そして失敗。記憶は保ったままだが8歳に。でもくーちゃんより年上に見えるというプチイリュージョン。主に胸が。

→「リオネラを元に戻すのにアストリッドじゃ当てにならないわ!」というのを口実にくーちゃん&りおちゃんがアールズのロロナの元へ(ギルドの仕事は髪の毛が生え揃ったタントリスに押し付けた)。

→3カップルの勢揃い(ロロクーかロロリオかの議論も含めて)に、テンションメガロマックスなフィリーちゃん。「ロロナさんとの組み合わせだと、どっちに転んでも絵面が犯罪チックなのよね……だがそれがいい」という不用意な一言のために危うく左遷されそうに。

→色々あった後、エンディングで3カップルの合同結婚式。ロロナ先生だけ一婦多妻。
650名無しさん@秘密の花園:2011/11/05(土) 18:21:30.82 ID:0YdeJ8+I
http://www.4gamer.net/games/130/G013030/20111104078/

イラストのチョイスが素晴らしい
流石にこれは買えないけどw
651名無しさん@秘密の花園:2011/11/05(土) 22:05:08.17 ID:vvKyEx9t
SS投下します。
今回はトトミミ。あまり百合っぽくはなく、直接的な絡みは少ないです。
あと前半に多少のメルケイ分含む。
652名無しさん@秘密の花園:2011/11/05(土) 22:10:22.96 ID:vvKyEx9t
 錬金術士の朝は早い。
 ……ではなく、メルルとトトリの朝は早い。こう言わなければ、某師匠の存在がパラドックスになってしまう。
「先生、おはようございまーす!」
「おはよ――って、え、あれ……あ。メルルちゃんか」
 窓から差す光も清々しいアトリエ。今日も元気なメルルと朝の挨拶を交わそうとして、何故か言葉を詰まらせたトトリ。そのわけは、
「メルルちゃん、今日はロロナ先生の服着てるんだね」
「はい。トトリ先生のレオタードも可愛いですけど、これも良いですよね」
 メルルが着ているのは、アーランドで昔ロロナが着ていた赤色基調の洋服だ。
 普段着ているケイナお手製のドレスや、トトリのお古を仕立て直したレオタードに比べると若干地味だが、これはこれでよく似合っている。関係ないが以前酒場で「若くてスタイルが良いと、基本何着ても似合うのよねー」と、エスティが少々ぼやき気味に呟いていた。
「うん。よく似合ってるよ。さっき一瞬、ロロナ先生が大人に戻ったのかと思っちゃった」
「大人のロロナ先生……うーん、私は今のちっちゃいロロナちゃんしか知らないから、あんまり想像がつかないんですよね……」
「基本的には今のロロナ先生が、そのまま成長したと思えばいいよ。そこに年相応な落ち着きと、いつまでも童心を失わない無邪気さをプラスした感じかな」
「先生、それプラマイゼロでは?」
 こんな感じにまったり朝の会話していると、アトリエのドアがノックされた。
「おはようございます。メルル、トトリ様」
「おはよーケイナ」
「おはようケイナちゃん」
 ケイナはメイドらしく、折り目正しいお辞儀とともに朝の挨拶をする。
「今朝は早いね。何かあったっけ?」
「いえ、特には。ただメルルが朝食に卵を食べたがっていると思って、フアナさんのお店で朝取りのを買ってきました」
「おー。まさにその通りだよ。ちなみに作ってほしいのは――」
「ミルクを入れたふわふわのオムレツですね。すぐに支度しますから。トトリ様も何かリクエストはありますか?」
「私も同じ物をお願い。いつもありがとうね、ケイナちゃん」
「いえいえ」
 以心伝心ってレベルじゃねーぞ! ってぐらいメルルと通じ合っているケイナは、笑顔でアトリエの台所に立つ。
653名無しさん@秘密の花園:2011/11/05(土) 22:15:07.32 ID:vvKyEx9t
「ケイナちゃんって凄いよね。メルルちゃんにとって、まさに理想のメイドさんっていうか……」
 むしろお嫁さんだよね、とは言わずもがなと考えるトトリだった。
「ですねー。私もうケイナがいなかったら生きていけませんよ。いない生活なんて想像もできませんし」
「ふぅん……それくらい大事な人ってことなんだろうけど、一方通行ばっかりじゃダメだよ。たまにはメルルちゃんも、ケイナちゃんのために何かしてあげてる?」
 十年ほど前まで姉ツェツィに世話を焼かれっぱなしだったトトリだからこその、説得力ある言葉である。むしろツェツィの方がトトリに依存気味というか、溺愛し過ぎな観もあったが……。
「そりゃあもちろん――……あれ? えーと、その……んー……」
 首を捻って考え込んでしまうメルル。
「ちょ、ちょっと待って下さいね……そういうことも確かあったような気が……」
「私にとっては、メルルが幸せでいてくれることが、何より私自身が幸せでためになることですよ」
「あ、ケイナ」
「もう少し待って下さいね。先にお皿を並べてしまいますから」
「わ、私も手伝うよ」
「そうですか? では、スープ皿とスプーンを取ってもらえますか」
「はーい。ふふ……」
「どうしたんですかメルル? 楽しそうに」
「だってさ、ケイナは私が幸せでいることが幸せなんでしょ」
「ええ。その通りですよ」
「私の方は、ケイナがそばにいるだけで幸せなの。だから私達って、一緒にいるだけで二人とも幸せってことなんだよね」
「ああ、確かにそうなってしまいますね」
「えへへ……これからも幸せでいようね、ケイナ♪」
「はい♪」
 朝っぱらから飛ばしている二人に、食事の前から「ごちそうさま」と言いたくなるトトリだった。


「そうだ、メイド服を着よう」
 朝食後のお茶を飲みながらメルルが、仕事に疲れたOLさんが旅行に行くかのような調子で、そんなことを言い出した。
「どうしたんですかメルル? 急にメイド服だなんて」
「ほら、私今、ロロナちゃんの昔の服着てるでしょ」
「着てますね」
「たまにトトリ先生の昔の服を着たりもするでしょ」
「着たりしますね」
「だったらケイナの服を着るのもありだと思うの!」
 メルルは妙に力を込め、握り拳で主張する。
「はあ、それは……まあ、予備のメイド服を貸すぐらいならいいですけど。でも、ルーフェスさんやデジエ様がなんて言うか……」
654名無しさん@秘密の花園:2011/11/05(土) 22:26:34.26 ID:vvKyEx9t
「さすがにお城には着ていかないから大丈夫。前からメイド服って着てみたかったんだ。なんて言うかこう、雰囲気が暖かいっていうか、ギュッてしたら柔らかそうな感じするよね。ケイナは素で柔らかいけど」
「メイド服かぁ……懐かしいなぁ」
 ふと呟いたトトリの言葉に、メルルが反応する。
「トトリ先生、懐かしいって、何でですか?」
「うん。私も一度着たことがあったんだ。メイド服」
「ええっ!? トトリ先生がメイド服って、どうしてそんなリーサルウェポンを!?(対ミミさん的な意味で)」
「昔ね、ミミちゃんの一日メイドさんになったことがあったの」
「うわ、しかも直撃……だけど何でそんなことを?」
「誕生日プレゼントだよ。形のある物もいいけど、そういうのより、何か別のものがいいんじゃないかと思って」
「なーるほど。それでメイドさんと話がつなが――いやいやいや、決してつながりませんよ。誕生日プレゼントから一日メイドさんって飛びすぎですよ。危うく納得するところでした」
「私も、突飛だなぁとは思ったんだけど……実は私、同年代の女の子の友達って、ミミちゃんが初めてだったの。
 それで、誕生日を祝ってあげようと決めたのはいいけど、どういう風にすればいいのか分からなくて、ロロナ先生に相談したりしたんだけど、どんどん発想が変なとこ行っちゃって」
(……多分、分岐点はロロナ先生に相談したところだろうなぁ)
「気がついたら誕生日当日、ロロナ先生が気合い入れまくって作ったメイド服を着てたの」
「フリフリのですか」
「フリフリのだね」
 現物が残っているとのことなので、トトリはアーランド・アランヤ村のコンテナに直結している秘密バッグから、件のメイド服を取り出した。
「これは……どうケイナ? プロの目から見て」
 メイドとしては無論のこと、服飾に関しても玄人はだしなケイナは、トトリから受け取ったメイド服を子細にチェックする。
「……素晴らしいですね。フリルをふんだんに使ったデザイン重視の品でありながら、機能性を全く損なっていません。一般的なエプロンドレスより露出が多いですけど、それでいて上品な雰囲気を出すことに成功しています。
 素材やその他の、見えない部分のこだわりも凄いです。スカートの裏地にまで刺繍が入ってるなんて……」
(……めくられること前提……とかじゃないよね?)
 とにかく、アーランド時代のロロナが気合いを入れまくっただけのことはある一品だった。
655名無しさん@秘密の花園:2011/11/05(土) 22:30:20.66 ID:vvKyEx9t
「それでこの、破壊力抜群なメイド服着て、トトリ先生がミミさんのとこに行ったんですか」
「うん。ミミちゃん最初は驚いて目を白黒させてたよ」
「そりゃしますとも……一日メイドさんって、具体的にどういうことをしたんですか?」
「普通のメイドさんの仕事してたよ。ご飯作ったり、お洗濯したり、お掃除したり――」
「ふむふむ……一般的な雑役女中ってやつですね」
「膝枕で耳掃除してあげたり、お風呂で背中流してあげたり、ベッドで添い寝――」
「はいストーップ! そのへんおかしいですから! 『普通のメイドさん』の上限ぶっちぎってますから!」
「えー? でもメルルちゃんとケイナちゃんも、これくらいのことしてるんじゃないの?」
「ケイナはほぼ私のお嫁さんだからいいんです! よりにもよって昔のミミさんにそんな……」
 最近になってようやく、本当にようやく、トトリへの気持ちを(ある程度)素直に表せるようななったミミである。
 だというのに、まだツンの色合いが濃かったアーランド時代のミミに対して、そんな赤ん坊に餅を食わせるような真似を……メルルはその日のミミの生殺しっぷりを想像し、深く同情する。
「でもミミちゃん、別に普通にしてたよ? ご飯も美味しいって言ってくれたし」
「……お風呂でのぼせたり、翌朝全然眠れてなかったりとかしてませんでした?」
「あ、うん。してた。すごいねメルルちゃん。どうして分かったの?」
「ミミさん……」
 おそらく早い段階で、緊張レベルが限界突破していたのだろう。
「トトリ先生。先生の選択は間違っていません。一日メイドさん(という名の新婚さんプレイ)というのは素晴らしいアイデアです。しかし……」
「しかし?」
「当時のミミさんにしてあげるには、いささか早過ぎたかと思います」
「そうなの?」
「はい」
 深く頷くメルル。トトリは頬に手を当てて、何やら考え込む。
「う〜ん……確かに、今思えば急な話だったし、ミミちゃんも緊張してたよね……ご主人様を緊張させるなんて、メイドさんとしてはダメだよね……あ、そうだ」
「どうしたんですか?」
「実はもうすぐミミちゃんの誕生日なんだけど、改めて一日メイドさんしてあげるのはどうかな?」
「ああ、良いかもしれませんね。今のミミさんなら耐えられ――じゃなくて、緊張せずに喜んでくれそうですし」
「そうだね。事前に誕生日のお祝いって知らせておけば、ビックリすることもないだろうし」
656名無しさん@秘密の花園:2011/11/05(土) 22:34:42.02 ID:vvKyEx9t
「あ、それなら、私も一緒にやらせてくれませんか?」
「メルルちゃんも手伝ってくれるの?」
「もちろん! ミミさんにはお世話になってますからね」
「では、私も微力ながらお手伝いさせていただきます。メルルがお世話になっているなら、私にとっても同然のことですから」
「ケイナがいてくれたら百人力だね! よぉーし、それじゃあ早速計画を――」
「ちょぉっとまったー!」
「!?」
 威勢良く響いた声に一同が振り向く。そこにいたのは、
「ロロナちゃん?」
「ふっふっふ……はなしはきかせてもらったよ」
 いつの間にやらアトリエにいたロロナは、悪役っぽい笑みを浮かべながら、腰に手を当て胸を張る。小さな体ではあまり意味も無いが。
「ロロナもいっしょにメイドさんやるからね!」
「ロロナ先生も? いいんですか?」
「もっちろん! ミミちゃんはトトリちゃんのしんゆーだから、ロロナのしんゆーなのとおんなじだもん!」
「ロロナ先生……ありがとうございます!」
「何だか大人数になってきたなぁ……」
「お祝いですから、賑やかでいいんじゃないでしょうか」
「そうだけど、こうなると一日メイドさんとかよりも、何か別の形にした方がいいのかも……」
「別の形、ですか?」
「うん――」



 数日後。ミミの誕生日当日。
「お誕生日のお祝いだなんて、この年になってやられてもねぇ……」
 いささかおばさんくさいことを呟きながら、その独語とは裏腹に、アトリエへと進むミミの歩調は軽やかだ。
 何だかんだで祝ってもらえるというのは嬉しいし、トトリも出席するとのこと(最重要)である。
『そんなに大袈裟なものじゃないですから。アトリエでお茶とお菓子を用意して、ちょっと豪華なお茶会みたいな感じですから、いつもと同じで気軽に来て下さい』
 と、事前にメルルから言われた通り、ミミは全くいつもの通りの格好で、いつもの通り並木通りを抜け、いつもの通り街はずれに入り、いつもの通りアトリエのドアの前に立った。
「…………」
 あとはいつもの通り、ドアをノックして中に入るだけである。
 なのだが、
(……変ね。どうして今頃になって緊張しているのかしら)
 ミミがもしこの時、一流の冒険者としての感覚を研ぎ澄ませたのならば、気付けただろう。それは、過去の経験を下敷きとした無意識の警告であると。
 だがしかし、今のミミは、緊張をただの気のせいだと片付けて、とっととドアをノックしてしまった。
657名無しさん@秘密の花園:2011/11/05(土) 22:38:57.40 ID:vvKyEx9t
 そしてアトリエの中で待ち構えていたのは――

「「「「おかえりなさいませ、ご主人様ー!」」」」

「なっ――!?」
 一瞬、何が何だか本当に分からなかった。
 ミミがドアを開けた途端、トトリ、メルル、ケイナ、ロロナの四人が、可憐なメイド姿と「ご主人様」コールでお出迎えときたのだ。
「ななな何やってるのよあんた達……?」
「何って、誕生日のお祝いですよ。ミミさ――ご主人様のために、今日は私達、一生懸命ご奉仕しますからね」
「ご奉仕って……ち、ちょっとトトリ! あんたアーランドでも似たようなことしてたけど、メルル達まで巻き込んで、何考えてんのよ!?」
「す、すみません。お気に召しませんでしたか? ご主人様……」
「――ッッ!」
 トトリ+メイド服+上目遣いのコンボに、ミミの精神の均衡がたちまち危うくなる。
「さあさあご主人様。お茶が覚めないうちにお席へどうぞ」
「ロロナがつくったパイもあるよー」
 赤面して固まっているミミを、メルルとロロナがさっさと座らせ、ケイナが手際よくお茶とお菓子をセッティング。準備万端だ。
「うう……」
 以前の一日メイドさんとはまた違った緊張をしているミミに、トトリが後ろからそっと耳打ちをする。
(また驚かせてごめんねミミちゃん。でもみんな、ミミちゃんに喜んで貰いたくて頑張ったの)
 ミミが視線を振り向けると、メイド服のトトリは、茶目っ気のある笑顔をミミに向けた。
「ちょっとくらい羽目を外して楽しんで下さいね。ご主人様♪」
「……」
 観念したようにため息をつくと、ミミはようやく笑みをこぼした。
「……分かったわ。こんなに可愛いメイドさん達を前にして、ご主人様が仏頂面なわけにはいかないものね」
 こういう趣向のお祝いならば、楽しまなければ損というものだ。
 ようやく乗り気になったミミは、メイドさん達との楽しい一時を過ごしたのだった。

 ――夕刻になってメイド服のトトリがミミを家まで送って行って、何故か翌朝に帰ってきたなんてことが、あったようななかったようなだが、それはまた別のお話。



 後日。
 アールズの街はずれに極上のメイドさんを揃えたメイド喫茶が存在する、という噂がまことしやかに囁かれた。
 多くの男性と約一名の受付嬢がその幻のメイド喫茶を探し求めたが、ついぞその片鱗すら見つからなかったという……。


おわり
658名無しさん@秘密の花園:2011/11/05(土) 22:41:38.70 ID:vvKyEx9t
以上。読んでくれた人、ありがとう。
659名無しさん@秘密の花園:2011/11/06(日) 00:43:04.53 ID:SfdVX1m+
GJGJ!4人のメイドさんに祝われるミミちゃん…なんて幸せなんだ…!
そしてトトリ先生をお持ち帰り…!萌える…!
660名無しさん@秘密の花園:2011/11/06(日) 07:56:42.32 ID:uWp3quS/
GJ!!!!
661名無しさん@秘密の花園:2011/11/06(日) 19:26:36.66 ID:s7UnGiZS
GJ!!
もしその噂を師匠が知ったら……
662名無しさん@秘密の花園:2011/11/07(月) 22:16:50.43 ID:mEUuWSEY
SS投下します。
トトリエ時代のトトミミ。
663名無しさん@秘密の花園:2011/11/07(月) 22:20:34.64 ID:mEUuWSEY
 よく晴れたある日のこと。
 アランヤ村のアトリエで、トトリはいつものように杖を手に、上機嫌で錬金釜をかき混ぜていた。
「〜〜♪」
 鼻歌まじりで作業しているトトリを、奥のソファに腰掛けたミミが眺めている。特に何か用事があって来たわけではなく、ただ暇だから時間を潰しに来た。……というのは本人の言い分で、素直にトトリに会いに来たと言えないあたりがミミのミミたる由縁だろう。
「……ねえトトリ」
「なぁにミミちゃん?」
 ミミが呼び掛けると、トトリは嬉しそうに振り向く。その微笑みに他意は無いのだろうが、ミミにとってはいささか気恥ずかしく、
「その……楽しそうね」
 つい「だからどうした」なことを言ってしまった。しかしトトリは笑顔を崩さず頷く。
「うん。錬金術で色んなものが作れるのは楽しいし、ミミちゃんが見てくれてるのも嬉しいから」
「なっ……ば、馬鹿なこと言ってるんじゃないわよ。私はその、ただ暇つぶしに立ち寄っただけで、別に、あんたを、その……」
 ミミの語尾が段々小さくなり、ゴニョゴニョと何か呟きながら、結局黙り込んでしまった。トトリは微かに首を傾げていたが、割とよくあることなので気にせず調合を再開する。
 ミミ本人がどう言おうが、こうしてアトリエを訪ねてきてくれるのは、トトリにとってとても嬉しいことだった。
 最初のうちは、初めて同年代の女の子の友達ができたから嬉しいと思っていた。しかし最近は、ミミが来てくれることそのものが嬉しかった。
 何だかんだ言いながら、ミミはアランヤ村に滞在している間、ちょくちょくアトリエにやってくる。
 特別用事があるわけではなく、調合中のトトリの横で本を読んでいたり、何でもない世間話をしたり、ツェツィの作るご飯を一緒に食べていったりと、ごく普通の友達のように過ごしている。
 そんな風に何でもない時間をミミと過ごすことが、トトリにとっては何よりも楽しかった。理由はよく分からないが、ミミがそばにいるだけで、胸の奥が暖かいようなこそばゆいような、不思議な気持ちになる。
(ミミちゃんも同じ気持ちだったりするのかな?)
 時折そんなことを考え、そうだったら嬉しいと思う。
 さすがに向こうの心の中までは分からない。しかしこうして頻繁に訪ねてくるということは、少なくともミミにとってこのアトリエが、居心地の悪くない空間だということだ。
(一度聞いてみようかな……私と一緒にいたらどんな気持ちか、って)
664名無しさん@秘密の花園:2011/11/07(月) 22:22:55.12 ID:mEUuWSEY
 調合作業に一段落付けて、トトリは釜の中から杖を抜く。
 ミミは変わらず、アトリエ奥のソファに腰掛けていた。
「ミミちゃ――」
 声をかけようとして、気がついた。ミミは目蓋を閉じ、すやすやと船をこいでいた。
「ミミちゃん……寝ちゃったんだ」
 トトリは窓の外に目をやる。日差しはポカポカと柔らかく、お昼寝するにはもってこいの日和だ。
 起こすのも悪いと思い、トトリは音を立てないようにタオルケットを一枚取り出し、
「…………」
 少し考えた末、自分もソファに腰掛けた。二人の肩と肩とにタオルケットをかけ、寄り添うような形になる。
(……ミミちゃん怒るかな? でも、一緒にお昼寝するくらい、いいよね)
 心の中でいいわけめいたことを呟きながら、トトリはミミの体にピタリと寄り添う。すぐそばにミミの体温を感じて、それだけで何だか嬉しくなる。
(……ミミちゃん……いい匂い……)
 化粧気はなく、香水の類も使っていない。ミミの肌そのままの香りだが、どこか果実のように甘い気がする。
 鼻腔をくすぐるその感覚に、トトリはしばし夢中になってしまう。ミミの首筋に顔を寄せ、子犬のように鼻を鳴らす。
(うう……こんなことしてるの、ミミちゃんにバレたら怒られるだろうなぁ)
 そう思いながらも、行為自体はなかなか止められない。止めるタイミングが掴めないというか何というか……有り体に言うと、もっと嗅いでいたいのだ。
「……ん」
「っ!」
 ミミが微かに身じろぎした途端、トトリは慌てて首筋から顔を離す。
 起きてはいない。ミミはまたすぐに穏やかな寝息を立て始める。
「……ふぅ」
 ホッとして息をつくが、まだ胸はドキドキしていた。
(ビックリした……やっぱりダメだよね、女の子の匂いクンクン嗅いだりするなんて……私も寝よっと)
 トトリは目を閉じ、起こさない程度に、ミミにもたれかかる。
 そのままゆっくり眠りにつく――はずだったのだが。
(あれ……なんだろ?)
 胸のドキドキが収まらない。先ほどミミが起きたかと思って驚いて、それからずっとだ。
(何でかな……? 何でこんなにドキドキしてるんだろ……) 考えても分からない。分かるのは、このドキドキが、ミミのせいだということだ。
 匂いを嗅いでいたことで何か触発されたのか、トトリはミミに対し、潤んだ目を向ける。
665名無しさん@秘密の花園:2011/11/07(月) 22:26:10.48 ID:mEUuWSEY
(何だろう……何か、すごく足りない……ミミちゃんの……匂いだけじゃなくて、何か、もっと欲しい……!)
 今すぐにミミの体を力いっぱい抱き締めたい衝動を、トトリは精一杯に抑え込む。そんなことをしてはいけない、そんなことでは足りない……そう思いながら、視線は一点を見つめる。
 ミミの、静かに寝息を立てる、その口元に。
(ミミちゃんの……唇……触りたい……どこで……? ………………唇で、触りたい……!)
 そう考え、想像してしまったら、もう抑えきれなかった。
 トトリは震えながら、ミミの唇に自分のそれを寄せ――
「…………!」
 触れた。思っていたより、ずっとあっさりと。
(……キス、しちゃった……ミミちゃんと)
 唇と唇が、表面で触れ合っているだけの、それでも歴としたキスだ。
「〜っ!」
 キスそのものの興奮と、人が寝ている隙に悪いことをしてしまったという罪悪感で、トトリの頭の中はパンクしそうになる。
(ごめんなさいミミちゃん! でも……でも、我慢できなくて……こうでもしないと、ミミちゃんのことどうにかしちゃいそうで……!)
 心の中で繰り返し謝りながら、トトリはもう一度ミミに唇を重ねる。今度はもっと長く、その熱さも感じられるくらいに。
「っ……は、ぁ」
 ミミにキスするたび、トトリの体が熱くなる。体が熱くなると、ますますミミが欲しくなる。
 悪循環に陥っていると分かりながら、どうにも止められない。
 そうしてトトリは三度、ミミに唇を寄せ――
「……トトリ?」
「あっ……!?」
 今まさに触れ合おうとした瞬間、ミミと目が合った。すぐに体を離すが、もう遅い。
「っ! ちょっ……あんた、何してたのよ!?」
 ミミは怒気を孕んだ声でトトリに詰問する。
 言い逃れは、できない。トトリはうなだれながら、ミミに嫌われたくないという未練から、なかなか口を開けなかった。
 しかし、なあなあで済ませてくれそうにないミミの厳しい目に、トトリは観念して話し出した。
「ミミちゃんに……キス、してたの」
「っ……何で、そんなっ……」
「分からないの……ミミちゃんのそばにいたら、何だかすごく切なくて堪らなくなって、ミミちゃんと、もっともっとくっつきたいって思って、我慢できなくて……」
 しどろもどろにいいわけをしながら、トトリの目に涙が浮かぶ。
666名無しさん@秘密の花園:2011/11/07(月) 22:29:43.99 ID:mEUuWSEY
「な……何なのよそれ? もっと、その……理由を、ちゃんと言いなさいよ!」
「だからそれが分からないの! 前からミミちゃんと一緒にいたら、嬉しくて楽しくて、胸が何だか暖かくなってたけど、今日は何だか急に、変な気持ちが強くなって……
 何だか分からないけど、ミミちゃんが欲しいの! もっとずっと、ミミちゃんとキスとか、いっぱいしたいの!」
「なっ、きっ……そっ……」
 ミミは茹で蛸みたいに顔を真っ赤にして、パクパクと口を開くが、言葉が出てこない。
「……でも、一つだけ分かることがあるよ」
「ト……トトリ……?」
 手の甲で涙を拭ったトトリは、急に落ち着いた口調になっていた。
「私がこんな気持ちになってるのは……ミミちゃんのせいだよ」
「な、何で?」
「だってミミちゃんが悪いんだよ! ミミちゃんが可愛いすぎるから! ミミちゃんのこともっともっと欲しくなるから! だからきっとこんな変な気持ちになってるんだよ!」
 支離滅裂なことを一気にまくし立てたトトリは、唖然としているミミを、ソファの上に押し倒した。
「何を――んんっ!?」
 ミミの唇が、唇で塞がれる。トトリの舌が、真っ直ぐに入ってくる。
「んっ……ん……ふ、ぁ……ん……」
 たっぷり時間をかけてミミの中を舐ったトトリは、少し顔を離した。
 顔中真っ赤に火照らせたミミを見下ろしながら、口を開く。
「ミミちゃん……」
「っ……」
 キス一つで、トトリはミミに対し、圧倒的有利な立場になっていた。
 ミミは怯えにも似た光を目に宿しながら、トトリの言葉を待つ。
 そして、トトリは言った。
「…………………………女の子同士でキスの次って、どうしたらいいの?」
「…………………………しっ」
 一瞬にして素面に戻ったミミは、
「知るか――――っ!!」
 恥ずかしさやら何やら諸々の感情を、怒声とゲンコツに乗せて吐き出した。


667名無しさん@秘密の花園:2011/11/07(月) 22:32:34.08 ID:mEUuWSEY

「うぅ……何もグーでぶたなくたって」
 ゲンコツを食らった頭を押さえながら、涙目のトトリが呟く。
「それくらいで済んで良かったと思いなさい」
 トトリの知識不足のおかげで貞操の危機を脱したミミは、大きなため息を一つつき、アトリエのドアへ向かった。
「それじゃ、私は帰るわね」
「あ、あの、ミミちゃん」
「何?」
 振り返るその声がどこかトゲトゲしく、怯みそうになるが、トトリは勇気を出して口を開く。
「えと……怒ってる、よね?」
「そりゃまあ、ね」
「……私のこと、嫌いになった……かな?」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………ぅぅ」
「…………はあ」
 ミミ、再び大きなため息。
「……嫌ってないわよ」
「……ホントに?」
「ええ」
「また、アトリエに来てくれる?」
「ええ。でも勘違いしないでよ。今日みたいなことを許すわけじゃないからね」
「うん、分かった! なるべく我慢するね!」
「……やっぱり来るのやめようかしら」
「あっ、違う違う。しないよ、うん。もう勝手にキスしたりしないから」
「ったく……」
 今ひとつ頼りないトトリの言葉を背中に、ミミはアトリエを後にする。
 村の広場へ向かう道すがら、ミミが唇にそっと指を当て、照れたように顔を赤らめていたのは、幸い誰にも目撃されてはいなかった。


おわり
668名無しさん@秘密の花園:2011/11/07(月) 22:33:56.57 ID:mEUuWSEY
以上。読んでくれた人、ありがとう。

>>600と同じく
ミミちゃん→トトリちゃんでウブな感じのが多いから、たまには逆も書いてみようシリーズ第二段。
なんでこーなるの。


雑談が少なくなってちょっと寂しい今日この頃。
今度出る設定資料集に百合ネタとして美味しい情報とかあればいいんですが。
669名無しさん@秘密の花園:2011/11/08(火) 00:49:09.99 ID:yUDEKm5s
なんて・・・なんて素晴らしいんだ!
圧倒的GJ!
670名無しさん@秘密の花園:2011/11/08(火) 02:54:38.63 ID:OW/+QDBo
いいねいいねgjgj
トトリちゃん視点は読んでて楽しいね
雑談はなんだかんだでメルリエ発売から半年ちかく経つから
しょうがないとは思うけど職人がいてくれることは本当にありがたいね
いちお常にjaneにはココとキャラスレはタグ入れてるからネタさえあれば反応するんだが
671名無しさん@秘密の花園:2011/11/10(木) 14:43:08.47 ID:S7PylDNa
ミミトトGJ!

設定資料集でリオちゃんのその後とかロリナ見たくーちゃんの反応とか
ピアニャちゃんはお姉ちゃんに捕まっているのかとかミミちゃんのお家の詳細とか
エアハルト姉妹のご両親はいつまで経っても結婚しない娘二人をどう思っているのかとか
明かされてくれたらいいな…
672名無しさん@秘密の花園:2011/11/12(土) 21:39:31.30 ID:mC7M9gk1
SS投下します。
>>569-572>>582-587に引き続き、トトミミ新婚生活編です。
673名無しさん@秘密の花園:2011/11/12(土) 21:43:19.16 ID:mC7M9gk1
 もしも私に兄弟がいたら……。
 昔から、たまにそんなことを考える。
 一人っ子だから寂しいとかそんな感傷的な理由ではなく、家名の存続というシビアな問題のためだ。
 今また日も出ていない時刻、ベッドの中で微睡みながらこんなことを思うのは、久しぶりに母の夢を見たからだろう。

 私が生まれて間もなく父は他界し、母は女の身でシュヴァルツラング家の当主となった。
 形の上では王制でも、現代アーランドの貴族は名ばかりの存在だ。
 フォイエルバッハ家のような例外は別として、名門と呼ばれる貴族のほとんどは、その名前の立派さとは裏腹に経済的には惨憺たる有り様だ。シュヴァルツラングもご多分に漏れず、母は当主の責務とともにそういう重みも背負うはめになった。
 だが母は、いくら窮乏しても、銅貨一枚たりとも借金をしなかった。無論、貴族の名を売り払うこともしなかった。
 日々の生活と家財の維持ができるように、それこそ爪に火をともすように倹約をしながら生きて、それでいて私のことは貴族の令嬢として何不自由なく育ててくれた。
 そして何より、私にとって、最愛の母でいてくれたのだ。
 しかし、そういう諸々の無理が祟ったのだろう。元々体のあまり丈夫でなかった母は、次第に床に伏せることが多くなった。

 ……そして、あっけなくその時はやってきた。

 最期に、母は言った。「何も残してあげられなくて、ごめんなさい」と。
 冗談じゃない。母が私に残してくれたものは、言葉で言い尽くせないほどだ。
 だけどその時の私は、ただ母を失う辛さに泣き喚くばかりだった。非常に親不孝だったと思う。あれでは母も心配で、なかなか眠りにつけなかっただろう。
 こうして、まだ幼かった私は、シュヴァルツラング家の当主となった。母のおかげで体は丈夫で、貴族として恥ずかしくないだけの作法と教養を身に付け、おまけに一切の借財・負債無しという、世間の基準から見ればいわゆる没落貴族の子でありながら、大変健全な身の上で。
 多くの貴族が貴族としての生き方を捨てていく中、私は時代に逆行するように、ことさら貴族であろうとした。
 私は決意したのだ。母が守り、残してくれた貴族の名を、私の手で、世界中に知れ渡るぐらい立派にしてみせると。
 だから私は、まだ小さかった手に家伝の槍を握りしめ、ひたすら武芸を磨いた。同い年の子供達が当たり前のようにやる遊びに見向きもせず、友達も作らずに。
674名無しさん@秘密の花園:2011/11/12(土) 21:47:08.16 ID:mC7M9gk1
 今思えば、私は理由を付けて何かに没入することで、母を失った悲しみを紛らわそうとしていたのかもしれない。

 アーランドは共和制に移行し、それ以前から名ばかりだった貴族の存在が、本格的に無意味になった。
 しかし、捨てる神あればなんとやら。共和制となったアーランドで、冒険者というものが制度化されたのだ。腕に覚えのある私にとって、渡りに船の話だった。
 私は、十四歳で冒険者の免許を取った。そして――



「――…………」
 追憶は二度寝とともに。そんな言葉が頭に浮かぶ。
 窓から吹く朝の大気が心地よい。
 私は上半身を起こすと、傍らに眠る相方に目をやった。
 と――
「おはようミミちゃん」
「……おはよう」
 起きていた。体こそまだシーツの中だが、トトリの両目はパッチリ開いて私のことを見ていた。
 少し意外だったのは、今日みたいな休日に限って、トトリが私より早く、もしくは同時に起きていることなど、かつてなかったからだ。
「ミミちゃん……」
「な、何?」
 おかしい。何もしてないし、むしろ昨夜に関してはこっちがされた方なのに、トトリの機嫌が悪い。
「……誰か女の人のこと考えてたでしょ」
「……な」
 エスパーかこいつは。いや、まあこの子が人間離れしているのは置いておいて。
 トトリと一緒に暮らしてみて、改めて分かったことの一つ。トトリは意外とヤキモキ焼きだ。メルルやケイナといった、トトリも親しくしている女の子のことなら、割と寛容というか、別段問題ないのだが……。
「私の知らない人のこと考えてたでしょ」
 そりゃたまには考えもするわよ。でも、あんたが想像するような"考え"を起こすことなんて絶対ないんだからね。
 隠すようなことでもない。私は軽く息をついて、有り体に話す。
「……お母様の夢を見たのよ」
「ミミちゃんの……お母さん?」
「ええ。久しぶりにね」
「そっか……お母さんの……」
 そう言ってトトリはいつも通りの柔らかい表情に戻った。……シーツの下に隠してた秘密バッグから何を出す気だったかは、聞かない方がいいわよね?
「ミミちゃん」
「何? ――っ」
 何故だろう。一流の冒険者として、相手の気配や行動の機敏を察することには敏感な私だが、不思議とこの子の動きは読めないことが多い。メルルに言わせると「それこそ惚れた弱みってやつじゃないですか?」……こういう実質的な弱みとして現れるものなのかしら。
675名無しさん@秘密の花園:2011/11/12(土) 21:51:26.08 ID:mC7M9gk1
 兎にも角にも、私はトトリにキスされていた。
 これは、おはようのキス――じゃないわよね。シーツの下は二人とも昨夜のままで、つまり裸で。そしてトトリの表情は、なんて言うか……すごく楽しそうで。
 たっぷり私の唇を吸ったトトリは、満面と表現していい笑顔で言った。
「ミミちゃん……しよ」
「んな……あんたはまた休日の朝っぱらから……」
「お休みだからでしょ。いっぱい気持ち良くすると、二度寝も気持ち良いし」
 私は早朝すでに一度起きてるから三度寝になるんだけど。いやそうじゃなくて。
「せっかくのお休みなんだから、もっと時間を有効に使おうと思わないの?」
 するとトトリは、軽くショックを受けた表情になる。
「……ミミちゃんは、私と一緒にいることよりも楽しいことがあるの?」
 だからそうじゃなくて……こういう時のトトリはすこぶる面倒くさい。可愛いと思わないこともないけど。
「だらだらベッドで過ごすよりも、二人でどこか遊びに行くとか、買い物とか、色々あるでしょ」
「あ、そっか。最近、二人きりでお出かけってしてないもんね」
「でしょ? 分かったら早く起き――〜〜っ」
 また、キスされた。仕事しろ私の反射神経。
「じゃあ今朝は控え目にしてあげる♪」
 ……結局、するんだ。トトリの細い腕に押し倒されながら、私は心の中で諦観のため息をついた。


 教訓:トトリの言う「控え目」は信用しない。
 人にはとても見せられない乱れた姿をどうにか整え、私はベッドから這い出す。トトリは――先に言っていた通り、気持ちよさそうに二度寝していた。
 浴室に向かう。トトリの指や唇の感触が、まだ残って肌を火照らせている。不快じゃない、むしろ名残惜しいけど、このまま日常生活は送れない。
 それにしても、今朝は強引だった。いや、今朝も、か?
 おかげで母の夢の余韻は、どこかへ行ってしまったけど……ひょっとしてトトリは、最初からそのつもりだったのかしら。だとしたら感謝半分、もう半分は余計なお世話だ。
 シャワーを浴びて、着替えて、時計を確認したら時刻はまだ十分に朝。
 よしっ。出だしつまづいたけど、ここからは有意義な休日を過ごすわよ。


676名無しさん@秘密の花園:2011/11/12(土) 21:58:36.10 ID:mC7M9gk1
「ふぁ〜……ミミちゃん、おはよぅ」
 朝食の支度があらかた終わったところで、トトリが寝ぼけ眼をこすりながら、匂いに釣られて起きてきた。一応この子の名誉のために言っておくけど、こんな風にだらけているのは休日だけだからね。仕事のある日はもっとちゃんとしてるんだから。
 今朝のメニューはこんがりトーストにやや半熟の目玉焼き、カリカリに焼いたベーコン、レタスとトマトを添えたポテトサラダ。それから、寝坊助トトリの目を覚まさせるための熱〜い紅茶だ。この前、ケイナからちょっと良い茶葉を分けてもらったのよね。
「ん〜……良い匂い」
「ご飯の前に、まず顔を洗って、シャキッとしてきなさい」
「分かった」
 こういう時はいつにも増して素直だ。いつもこうなら、夜も楽――いや、それはそれで刺激が足りないかも……って、爽やかな朝の時間に何考えてんのよ私は。
 トトリと二人でテーブルにつく頃には、紅茶は程よい温度に下がっていた。
「そういえばトトリ。この前少しだけアランヤ村に帰ってたけど、ギゼラさんとはお話できたの?」
 二人で朝食を楽しみながら、私は何気なく母親の話を振る。
「あ、うん。お母さん、メルお姉ちゃんと遠くまで冒険に出てたんだけど、何かトトリがいそうな気がしたからって、凄い速さで村に帰ってきたよ」
「勘働きまで規格外ね、あの人は……まあ、それも母の愛ってやつかしら」
 トトリの母親、ギゼラ・ヘルモルトは、冒険者として私が乗り越えるべき目標の一人だ。冒険者としてだけじゃなくて、何というか、トトリのパートナーとしても、その、色々と認めて頂きたいこともあるわけだけど。
「ギゼラさんって、家ではどんな感じなの?」
「う〜ん……割と、外のイメージと一緒かな。豪快な人だよ。不器用だから家事とかはお姉ちゃん任せだし。そういえば私のことよく抱っことかするんだよね。嬉しいんだけど、小さい子みたいに扱われるとちょっと複雑というか……たまにお姉ちゃんにも同じことするし」
「なるほど。子供好きなのかしら」
「うん。ピアニャちゃんもすっごく可愛がられてたし」
 鬼神の如し、とまで喩えられる伝説の冒険者も、家では子煩悩なお母さん、か。
 それはさておき。
「……ねえ、ミミちゃんのお母さんって、どんな人だったの?」
 そう。それでよし。
677名無しさん@秘密の花園:2011/11/12(土) 22:02:02.90 ID:mC7M9gk1
 どうもこの子は私とサシで母親の話題を出すのに、引け目みたいなものがあるのよね。多分、私の母が故人で、死んだと思っていたトトリの母親が生きていた、ってことから。そんなこと気にするわけないのに。
 だからもういっそ、こっちから母親の話題を振ってみた。トトリも意を汲んでくれたようで何よりだわ。
 それから私は努めて明るく、母のことをトトリに話して聞かせた。母が如何に立派な人だったか。そしてどれだけ私を大事にしてくれたかを。

「――そういうわけで、今の私があるのは、お母様のおかげなのよ。お母様がいなければ、シュヴァルツラングの名を盛り立てようと奮起することも、冒険者になることもなかったし……トトリと出会うことも、なかったでしょうね」
「そっか……今さらだけど、私達って似た者同士だね」
「どうして?」
「私が冒険者になったのも、お母さんがきっかけだから。お母さんを探すために、冒険者になって、錬金術も頑張って……変な話だけど、お母さんが行方不明になってなかったら、ミミちゃんとも出会わなかったかも」
「確かにね……ギゼラさんの放浪癖に、感謝すべきなのかしら」
「う〜ん……私としては、そろそろ落ち着いてほしいんだけどね」
 トトリはちょっと困り顔でため息をつく。母親が健在なのは何よりだが、あまりにエネルギッシュなのもそれはそれで大変らしい。
 話が途切れた。トトリは一口お茶を飲んで、話題を転換する。
「ねえ。ミミちゃんはもしなるとしたら、お母さんとお父さん、どっちがいい?」
「はい?」
 いきなり投げかけられた意味不明の質問に、目が点になった。
「もしなるとしたら、って、私は女なんだから、なるとしたら母親しか有り得ないでしょ」
「あー、えっと、そういう意味じゃなくて……あのね、もし私達に子供が出来るとして」
「ぶっ」
 紅茶を口に含む前で良かった。って、そうじゃなくて。
「い、いきなり何言い出すのよあんたは!?」
「ただのもしものお話だよ。もし私達に子供が出来るとしたら、私にミミちゃんの子供を産んで欲しい? それとも、ミミちゃんが私の子供を産みたい?」
「なっ、そっ……」
 トトリが私の子供を……あるいは、私がトトリの子供を……?
「両方とも、っていうのもOKだよ」
「っ! そ、そ、そんなの決められるわけないでしょ! 大体、そんな、女同士で子供を作るだなんて、できっこないじゃない」
678名無しさん@秘密の花園:2011/11/12(土) 22:03:29.10 ID:mC7M9gk1
「うん、まあ、そうなんだけどね……」
「でしょ。さあ、有り得ない話なんてしてないで、朝ご飯済ませて出かけましょう」
「あ、もう一つだけ質問。ミミちゃんは子供が出来るとしたら、男の子と女の子、それぞれ何人ぐらい欲しい?」
「だからさっきから何なのよ!? その具体的な質問は!?」
「んー、別に。そろそろ具体的な段階になってきたから、希望を聞いておこうとか思ってないよ」
「何の話よ!?」

 トトリと一緒に暮らしてみて、改めて分かったことの一つ。
 ……まだまだよく分からないことが多い。


おわり
679名無しさん@秘密の花園:2011/11/12(土) 22:06:24.77 ID:mC7M9gk1
以上。読んでくれた人、ありがとう。
ミミちゃんの両親等に関するエピソードは、勝手に考えた拙作独自のものですので悪しからずご了承下さい。

>>671
ピアニャちゃん関連の情報は是非とも欲しいところ。
680名無しさん@秘密の花園:2011/11/12(土) 22:10:39.79 ID:eODKEpGw

まさか子供の予定までとは
681名無しさん@秘密の花園:2011/11/12(土) 23:58:18.98 ID:09ocvAN5
GJGJ!トトリちゃんのお父さんとお母さんどっちがいいって質問あたりから
2828が止まらなくて一人PCの前で悶絶してたwww
682名無しさん@秘密の花園:2011/11/13(日) 13:47:13.56 ID:1VNtfrTg
GJ!
個人的にはミミちゃんパパ希望←
683名無しさん@秘密の花園:2011/11/13(日) 23:16:45.04 ID:nHO6XnnW
どっちもママでいいじゃない
女親2人、ダブルのママで幸せ倍々さらに倍だぜ

でもミミママって言いにくそうだな
684名無しさん@秘密の花園:2011/11/14(月) 00:18:39.63 ID:sq7e67co
ミミちゃんは子供からもミミちゃん呼びを推してみたい
685名無しさん@秘密の花園:2011/11/14(月) 01:07:02.59 ID:u7DX57GI
トトリの真似をして「ミミたん!」と呼んでくる娘に威厳を見せようとツンツンしつつも
内心ではトトリ似の娘が可愛くてデレデレなミミちゃん

…をちょっと睨んじゃうトトリちゃん
686名無しさん@秘密の花園:2011/11/14(月) 01:18:56.36 ID:sq7e67co
あ、それやヴぁいw
そのシチュ想像しただけで2828が止まらないw
687名無しさん@秘密の花園:2011/11/14(月) 14:52:45.66 ID:5VEd8WCb
>>685
くそ萌えたなにそれ禿げる
688名無しさん@秘密の花園:2011/11/14(月) 18:25:01.69 ID:9bcq9lyn
トト娘「ねえねえミミたんミミたん!」
ミミ娘「ちがうでしょ。ミミおかあさんでしょ」
トト娘「えー、でもトトリママはミミたんってよんでるよー」
ミミ娘「それはママたちふたりっきりのときだけなの」
トト娘「ちがうよー。ママたちがね、ちゅーしたりベッドでだきあいっこしてるときだよー」
ミミ娘「なにそれ?」
トト娘「あのね、このまえよるにね――」

買い物中、周りに人がたくさんいる中こんな会話されてミミお母さんナチュラル羞恥プレイ。
689名無しさん@秘密の花園:2011/11/14(月) 21:13:45.77 ID:hpWCwLZ9
夜中子供にプロレスごっこ目撃されるのは鉄板ですな

娘「トトリママがミミたんいじめてる〜めー!」
トト「ちがうよ?これはミミちゃん悦んでるんだよ^^」
娘「でもミミちゃん泣いてるよ?」
トト「これはミミちゃんが気持ちよかったからだよ^^
  ただちょっとママがやりすぎたせいもあるんだけどね
娘「???・・・」
690名無しさん@秘密の花園:2011/11/19(土) 08:53:55.39 ID:VvdFSFOy
カレンダーの11〜12月が…
http://shop.salburg.com/product/gustcalendar_2012/
691名無しさん@秘密の花園:2011/11/19(土) 15:06:24.24 ID:OHVqHakB
クリスマスケーキと見せかけたウェディングケーキか。
692名無しさん@秘密の花園:2011/11/19(土) 18:22:31.17 ID:rSG+WkyR
魚ダイレクトに盛りすぎwww
ミミちゃん笑って手伝わないでツッコんであげてー><
693名無しさん@秘密の花園:2011/11/19(土) 18:33:30.58 ID:9ZL4vHwP
ちょwwwクリスマスツリーにメテオールのってるwwwこわいわww
694名無しさん@秘密の花園:2011/11/20(日) 10:25:56.95 ID:sXs2Skr2
なかなか妄想の余地が多いイラストだな…


トト「ふー……ケーキはこれで完成だね。ミミちゃん、ありがとう」
ミミ「どういたしまして」
トト「あと、お料理とか飲み物はメルルちゃんとケイナちゃんが用意してくれてるし」
ミミ「飾り付けもちむ達が済ませてるわね。じゃあ、あとはパーティーを待つばかりね」
トト「そうだね。楽しみだなぁ」
ミミ「そうね。……」
トト「……ミミちゃん? どうかしたの?」
ミミ「ん……みんなでパーティーもいいんだけど、その……トトリと二人きりのクリスマスも悪くないって、思ってたんだけど……」
トト「え? どうして?」
ミミ「どうしてって……」
トト「パーティーはお昼だから、夜はミミちゃんと二人きりの聖夜だと思ってたんだけど……何か用事あったの?」
ミミ「え、あ……なななな無いわよ! 無いに決まってるでしょ! し、仕方ないわね、付き合ってあげるわよ!」
トト「そっか。良かったぁ。ミミちゃんへの夜の飾り付けが無駄になるかと……」
ミミ「え? 何か言った?」
トト「ううん。何でもないよ♪」
695名無しさん@秘密の花園:2011/11/20(日) 12:35:33.12 ID:ORKPuBcG
夜はトトリちゃんにおいしく食べられちゃうミミちゃんか・・・
696名無しさん@秘密の花園:2011/11/21(月) 00:57:18.51 ID:T269bycI
ロリナと師匠イイジャナイカ
697名無しさん@秘密の花園:2011/11/21(月) 01:49:06.72 ID:sh8YVYC6
カレンダーのあの絵は
ロロナが弟子入りしたての頃か
若返りの薬を使われた後か
どちらと見るかで師匠の印象変わるな

まあ服装とか考えたら後者なんだろうけど
何となく前者であってほしかったり
698名無しさん@秘密の花園:2011/11/22(火) 00:17:24.45 ID:Zy/FQDKI
百合スレ的には11・12月が目を引くけど

3・4月のトトリ先生のスケスケ度が増しているのも見過ごせない
これ以上ミミちゃんを誘惑してどうしようっていうんだトトリ先生…!
699名無しさん@秘密の花園:2011/11/22(火) 16:20:27.03 ID:afNrBBFr
ロリナになってちっちゃくてかわいかったロロナせんせーだけど、
元に戻って大きくなって帰ってきたのを見てなんだかんだで嬉しくなって人目もはばからず抱きついてきちゃうくーちゃん

32歳くーちゃんはどこですか?
700名無しさん@秘密の花園:2011/11/22(火) 16:44:09.79 ID:Zy/FQDKI
>>699
このやろう
想像したら激しく萌えてしまったじゃないか
先生とくーちゃんは揃って三十路も過ぎたことだし
そろそろ籍を入れて落ち着くべき

りおちゃんと重婚?
わたしは一向にかまわんッッ
701名無しさん@秘密の花園:2011/11/26(土) 12:02:01.03 ID:36i/fF9I
>>242のトトミミ同人誌、コミケ81に出る総集編に再録される
ttp://www.toranoana.jp/mailorder/cot/pagekit/0000/00/04/000000048168/index.html
702名無しさん@秘密の花園:2011/11/27(日) 11:58:21.33 ID:z84uPHho
今頃、ロロナのアトリエをプレイして激ハマり中
アトリエシリーズ自体が初めてだけど、ロロナとくーちゃんが可愛過ぎて困る
このままEDまでいちゃいちゃしてて欲しいな
あと、ロロナにちゃんとパイを作らせてやりたい…
703名無しさん@秘密の花園:2011/11/28(月) 20:28:27.36 ID:pbkKMsZn
SS投下します。
>>569-572>>582-587>>673-678に引き続き、トトミミ新婚生活編。
今回は名無しのオリキャラ(男性)が話に絡んできますので、あらかじめご了承のほどを。
あと割と長かったりするんで、規制とか食らったらごめんなさい。
704名無しさん@秘密の花園:2011/11/28(月) 20:34:58.86 ID:pbkKMsZn
「お邪魔するわよ」
 ある晴れた日のこと。アールズ城内にある新しいメルルのアトリエに、ミミがやってきた。
「あ、いらっしゃいミミさん。トトリ先生なら外出中ですけど」
「ああ、いいのよ。今日はメルルに頼みがあってきたの」
「私にですか? 珍しいですね」
 現在、ミミはトトリと並木通りの一軒家で同居中の身。アトリエで依頼するような用件なら、トトリに直接頼めばずっと早いはずだが。
「まあ立ち話もなんですから、どうぞかけてください。今ケイナがお茶入れてますから」
 あえてメルルに頼むということは、それなりの事情があるのだろう。メルルはまず話を聞くことにする。

「実は……アーランドに帰らなきゃならないの。一時的にだけど」
 ただ故郷に帰る、というわけではないのだろう。その証拠に、ミミの表情は苦りきっている。
「それで、すぐ行き帰りできるように、トラベルゲートを一つ貸してほしいのよ」
「はあ、それは全然構わないんですけど……あの、トトリ先生に言えないような用事なんですか?」
「……」
 メルルの質問に、ミミはしばし目を閉じ考え、やがて決心したようにメルルと、傍らに立つケイナを見やった。
「変に話が広がると嫌だから、二人とも他言しないでね」
 そう言うと、大きめの封筒を一通差し出した。
 受け取ったメルルが中身を取り出すと、まず写真が一枚。柔和な笑みを浮かべた男性が、きっちりしたスーツ姿で姿勢よく立っている。年はルーフェスと同じくらいだろうか。やや線の細い印象だが、なかなかの好青年だ。
 写真の次に出てきたのは、丁寧に折り畳まれた書状。内容は――
「名前と年齢、学歴、家系図……写真の人のプロフィール?」
「これって……ひょっとして釣書ですか?」
 ケイナの問いに、ミミは無言で頷いた。
705名無しさん@秘密の花園:2011/11/28(月) 20:38:17.22 ID:pbkKMsZn
「ええっ!? 釣書って、まさかミミさんお見合いするんですか!?」
「不本意ながらね」
「だ、だってミミさん、トトリ先生と――」
「不本意ながらって言ってるでしょ。最初から断る気満々だから」
「でも、それならどうしてわざわざアーランドまで……」
「色々とね……貴族同士のしがらみっていうか、立てなきゃならない顔もあったりするのよ。釣書にも書いてあるけど、相手はシュヴァルツラングに負けず劣らずの名門貴族の次男坊よ」
「はあ……それは……大変ですね」
「ええ。正直、気が重いわ」
 海よりも深いため息をつくミミに、メルルは同情の眼差しを向ける。
「話は分かりました。トラベルゲート、お貸ししますね」
「助かるわ。こんな用件でなければ、ゆっくり里帰りでもしたいところなんだけど……」
「あの、ミミ様……」
 メルルの傍らに控えていたケイナが、遠慮がちに口を開いた。
「トトリ様には、何と?」
「トトリには……二、三日、仕事で家を空けるって伝えるつもりだけど」
「うーん……事情が事情ですしね。先生に変な心配かけるよりはそっちの方が……」
 頷きかけるメルルだが、ケイナは真剣な目でミミを見つめながら、話の穂を継ぐ。
「あの、差し出がましいようですが、トトリ様には事情を伝えた方がいいと思います」
「……どうしてかしら?」
「キチンと説明すれば、トトリ様は取り乱したりしないはずです。むしろ、後になって事実を知る方が、嫌な気持ちになるかと……」
「……」
 ケイナの言葉に、ミミはしばし黙考する。
「……確かに、ケイナの言う通りかもしれないわね。嘘をついてまで隠すよりは、正直に言っておいた方がいい、か……」


706名無しさん@秘密の花園:2011/11/28(月) 20:41:58.43 ID:pbkKMsZn

「へー。ミミちゃん、お見合いするんだぁ」
「ええ……もちろん断るつもりだからね。先方が『一度会うだけでも』ってしつこいから仕方なく……」
「うんうん、仕方ないよね。貴族同士の人付き合いとかあるもんね」
「そう、そうなのよ。困ったものよね。こっちはそんな気ないって言ってるのに、何でそんなに食い下がるんだか……」
 場所は二人の愛の巣――もとい共同住宅の居間。仕事から帰ってきたトトリに、お見合いのため帰省することを説明するミミだが、
「そりゃあミミちゃんは、美人で若くて、名門の貴族で、冒険者としても有名だもん。結婚したい人はいっぱいいるよねー」
 ニコニコと張り付いたような笑みを浮かべるトトリに、冷や汗をかきっぱなしだった。
「だ、だとしても私はそんな、会ったこともない人と結婚する気なんてないわよ。今回のは本当に、下手したら向こうがアールズにまで来るかもしれなかったから、仕方なくこっちが出向くわけで……」
「へー、そうなんだー。ミミちゃん、モテモテだねー」
「あ、いや、だからそういうんじゃなくてね……」
 トトリの表情は相変わらず笑顔だが、ミミにはその笑顔の下に隠れた"何か"がまざまざと感じられる。
「聞いてトトリ。正直そこまでの価値は私には無いのよ。親戚はみんな一般庶民として生活してるし、資産家との縁も無いから、経済的にも政治的にも、シュヴァルツラング家には大したうま味が無いの。
 そもそも共和制になって貴族制度自体形骸化してるしね。だからこそ私は冒険者として好きに出来たわけだし」
「でも結婚ってそういうんじゃ……」
707名無しさん@秘密の花園:2011/11/28(月) 20:44:03.18 ID:pbkKMsZn
「貴族同士の婚姻ていうのは、まず政略ありきなのよ。そういう意味で私が持つ価値は、シュヴァルツラングの名前と、冒険者としてかなり顔が利くこと。この程度よ。だから向こうもそこまで執着はしないわ。もっと条件の良い相手は、探せばいくらでも見つかるだろうし」
「だけど向こうの人、変にしつこいんでしょ?」
「多分、引っ込みがつかないか、面子の問題かでしょう。こっちが出向いて穏便に、この話は無かったことに、とすればそれでOK。何も問題無いわ。だから大丈夫」
 誠心誠意、今回のお見合いは形だけのことだと説明しきったミミは、じっとトトリの目を見る。
「……本当に?」
 トトリは不安と心配の色を目に浮かべながら、ミミに念を押す。
「ええ。即破談にしてくるわ」
「……分かった。じゃあ心配なんてしないで待ってるからね」
「……そう言いながら、まだ表情が暗いんだけど」
「だって……ミミちゃんがしばらくいなくなっちゃうんだもん。寂しいよ」
「何言ってんの。大きな仕事が入った時とか、何日も顔合わせないのが普通じゃない」
「そうだよ。そのたびにすっごく寂しいんだから。ミミちゃんは寂しくないの?」
「私は――」
 数年前のミミなら、意地を張って強がりを言っただろう。だが今は違う。ありのままに、素直な気持ちを言葉にできる。
「――寂しいわよ。すごく。だから、なるべく早く帰ってくるから」
「……」
 トトリは一つ息をつくと、ミミに向けて、いつも通りの笑みを浮かべた。
「明日、出発するんだよね」
「ええ。早ければ二日で帰ってくるわ」
「そう。それじゃあ今日の夕飯は私が作るね。ミミちゃんが早く帰ってきたくなるように、とびきりのご馳走作ってあげる」
「あら。それは楽しみね」
708名無しさん@秘密の花園:2011/11/28(月) 20:47:06.96 ID:pbkKMsZn
「じゃあちょっと買い物行ってくるね。精の付くものいっぱい買ってこないと」
「いやいやいやいや待て待て待て待て。何でこのタイミングで精を付ける必要があるのよ!?」
「そりゃあミミちゃんが早く帰ってきたくなるように、そっちの方も今夜は頑張ろうかなって……」
 何か問題でも? と言わんばかりにトトリは首を傾げる。
「いやあの……明日の朝に出るんだけど」
「大丈夫! 短期決戦でいくから!」
「そういう問題じゃなくて! ちょっとトトリ! 聞いてる!?」
「えーと、確かコンテナにやる気まんまんとミミちゃん特攻が付いたピュアトリフのエキスが――」
「それを何に使う気よ!? ていうか何その新特性!?」
「あ、白と黒の指輪も装備しとかないと。えーと……小指なら付けたままで問題ないよね」
「――っ!」
 準備が本気過ぎるトトリに、もはやなす術を持たないミミだった。

 翌朝。出発時のミミは何だか疲れた様子で、対してトトリの方は妙にツヤツヤしていた。が、見送りに来たメルルとケイナはそのことには一切つっこまず、ミミは理解ある友人達に感謝した。

 アーランドに出発したミミを見送った後、メルルは酒場に立ち寄った。
「おはようございます、フィリーさん」
「あ、メルルちゃん。いらっしゃい」
 アーランド・アールズ合併の後、本来ならアーランドの冒険者ギルドに帰るはずだったフィリーだが、本人の強い希望によってアールズに残り、現在もギルドのスタッフとして冒険者達をサポートしている。
「そういえばメルルちゃん、知ってる?」
「知ってるって、何をですか?」
 メルルが聞き返すと、フィリーは周囲を見回し声を潜める。
「ここだけの話なんだけどね……何と、ミミさんがお見合いをするんだって!」
「ああ、そのことですか」
709名無しさん@秘密の花園:2011/11/28(月) 20:50:43.29 ID:pbkKMsZn
「何だ。知ってたんだ」
 あっさりとしたメルルのリアクションに、拍子抜けするフィリーだった。
「はい。本人から聞きました。ていうか、フィリーさんの方こそよく知ってましたね」
「まあ、私にもちょっとした情報網がね。って、それよりもミミさんのお見合いの話よ。これって結構緊急事態じゃない? トトリちゃん的に考えて。断固阻止すべきだと思うんだけど」
「阻止って、もう今朝ミミさん出発しちゃいましたよ。さっきケイナとトトリ先生と三人で見送って――」
「ええーっ!? ほ、本当に? もう行っちゃったの? 一人で?」
「ええ……肝心なとこで情報遅いですねフィリーさん」
「ううぅ……そんな……ミミさんがトトリちゃんを置いて行ってしまうなんて〜……」
「大丈夫ですよ。ミミさんはキチンと断るつもりですし、トトリ先生も事情は了解済みですから」
 不安そうなフィリーに対し、メルルは心配無用と太鼓判を押す。
 が、フィリーの表情は晴れなかった。
「メルルちゃん……本当にそれで大丈夫だと思う?」
「え……どういうことですか?」
「結婚っていうのは個人じゃなくて、家と家の問題でもあるの。ましてや貴族とかの場合は、当人同士の感情なんて考慮されないこともままあるのよ」
「ま、まさかぁ。昔ならともかく、今になってそんな時代錯誤なこと……」
 メルルの言葉に、フィリーは静かに首を横に振る。
「時代錯誤なんかじゃないの。こういういわゆる政略結婚は、例えば貴族以外の、商家や資本家なんかでも普通に行われてることなの」
「そう、なんですか……?」
「うん。そもそも時代錯誤っていうなら、ミミさんこそまさに時代錯誤の代表みたいな人だし」
「そういえば……そうでしたね」
710名無しさん@秘密の花園:2011/11/28(月) 20:54:02.40 ID:pbkKMsZn
 意味を失った貴族の名を、何よりも重んじていたのは、他ならぬミミである。そのことに思い至ると、一つの連想がメルルの頭に浮かぶ。
「あの、ミミさんって兄弟はいるんでしょうか?」
「いたら、小さな頃から当主になんかなってないでしょ」
「じゃあ、その……家の跡継ぎは」
「……そう。それが何よりの問題なのよね」
 フィリーはまるで自分のことかのように、深いため息をついた。



 慣れないドレスアップとメイクをして、ミミはお見合いの席についていた。
 場所は相手の家のお屋敷の一室。広々とした空間に柔らかな絨毯が敷き詰められ、家具や調度品も高級であり且つ品が良い。シュヴァルツラングとは違って、数少ない経済的成功を果たした貴族だけのことはある。今のミミにとっては割とどうでもいいことだが。
 今部屋にいるのは、二人だけだ。
 テーブルを挟んで向かい合っているお見合い相手は、事前に送られた写真と同じ柔和な笑みを浮かべている。
 作り笑いではなく、本当に人柄からくるものなのだろう。
 それが分かるミミは、悪くない印象を持つとともに、だからこそ自分みたいなじゃじゃ馬の婿になるよりも、慎ましやかな良家の子女さんあたりに嫁を求めてほしいと切に思う。
 どう言って断ろうかと、そればかり考えているミミの思惑などつゆ知らず、お見合い相手は少し緊張した様子で口を開いた。
「お久しぶり、ですね。ミミさん」
「え?」
 話の頭から意外な単語が飛び出してきたので、ミミはついキョトンとしてしまう。
「あ、失礼。やはり覚えていませんよね。あなたはまだ小さかったし、私もまだほんの子供でしたから」
「ええ……」
(パーティーか何かで顔を合わせてたかしら……でも私はそういう席にはあまり縁が無かったし……そもそもお母様が亡くなってからは、ひたすら稽古と勉強ばっかりだったし)
711名無しさん@秘密の花園:2011/11/28(月) 20:56:46.33 ID:pbkKMsZn
「その……先代のシュヴァルツラングの当主……あなたのお母様のご実家と当家は、遠縁でもありまして」
 それは知っている。同じ国の貴族同士だから、そういうことは珍しくもない。
(……ひょっとして)
「お会いしたのは、母の葬儀でですか?」
「はい。そうです」
「……」
 ミミは記憶の糸を手繰り寄せ、ふと思い至る。
「……もしかしてその時、私にハンカチを貸して下さった?」
「あ……はい。覚えていてくれましたか」
「ええ、まあ……」
 ミミにとっては、どちらかというと恥ずかしいから忘れたい出来事だが。
 その時のミミは、母の棺に取りすがってボロボロと涙をこぼしていた。棺が埋められる段になってもまだ泣き止まないミミに、誰かがハンカチを貸してくれて、一生懸命なだめてくれたのだ。それが誰だったかは、全く記憶に無かったのだが、
(この人だったかー……)
 何というか、こっちとしてはほぼ初対面なのに、向こうはそうでなくて、しかも恥ずかしい思い出話の当事者という。何ともいたたまれない気分になるミミだった。
「その後、お目にかかる機会は無かったのですが、冒険者になってからのミミさんのご活躍は、よく存じています。最初のうちは、あの時のあの女の子が? って半信半疑でしたけど」
「確かに、そうでしょうね。そもそも貴族の子女が槍を担いで冒険稼業だなんて、とっても相応しくありませんもの」
 早いところお断りの糸口を掴もうと、ミミは皮肉っぽい口調で返す。
 しかし敵もさるもの。
「いえっ、私はそうは思いません! 冒険者としてシュヴァルツラング家の名を上げようというミミさんの信念を知ってからは、ずっと応援していました」
「は、はあ……」
 言葉に熱を込めて、お見合い相手は話を続ける。
712名無しさん@秘密の花園:2011/11/28(月) 21:01:10.32 ID:pbkKMsZn
「アーランドが共和制になる以前からも、貴族というものは飾り同然でした。私はそれを疑問に思うこともなく、貴族の自覚など無いまま生きていました。
 しかしミミさん、あなたのことを知ってから、私も思うようになったのです。時代や制度が変わったとしても、変わらないものがあると!」
「……」
 見かけによらず、意外に熱い男だ。多少暑苦しいが、貴族の生き方も誇りも捨てた輩よりは、ミミにとってよっぽどマシに見えた。
「ミミさん。正直に言うと、私はあなたに憧れています。いや、嫉妬と言ってもいいかもしれない。貴族としての誇りを求め、自分自身の力でその生き方を貫いている。私は、あなたのようになりたいと思っていました。だから――」
(ああ、これは……参ったわね――)
 ここに至ってようやく、このお見合いの発端が政略ではなく感情なのだと、ミミは気がついた。
「……コホン」
 ミミは咳払いを一つ。お見合い相手はハッとして居住まいを正した。
「すみません、つい、熱くなってしまって……」
「いえ……」
 少しの沈黙が場を支配する。
「ミミさん」
「……はい」
「私は、叶うことならあなたのそばにいたい。あなたとともに、シュヴァルツラングの名を支えていきたい。そう思っています」
「……」
「ゆっくりでもいいです。どうか、考えていただけませんか」
「…………」
 経験上、ミミは人を見る目に自信がある。
 相手の言葉に嘘はない。何とも正直で、誠実な人だ。短い間でもそれがよく分かった。
 そして彼の家は、今ではアーランドで数少ない有力貴族だ。
(……私の感情を抜きにして、シュヴァルツラングの家として考えれば、これほど良い話も無いわね……)
 結婚は個人だけの問題ではない。ましてやミミは、シュヴァルツラング家の当主である。
(だとしたら、私は――……)

713名無しさん@秘密の花園:2011/11/28(月) 21:04:41.92 ID:pbkKMsZn

「う〜〜〜〜ん……」
 アールズ城内、メルルのアトリエ。仕事もあらかた片付いた夕刻のこと。メルルは椅子に腰掛け、眉をハの字にして何やら考え込んでいた。
「メルル、お茶が入りましたよ」
「ああうん……こっちに置いといて」
 ケイナが声をかけても上の空だ。
「メルル……またミミ様のことを考えてるんですか?」
「だって二、三日で帰るって言ってたのに、もう二週間だよ!? ケイナは心配じゃないの!?」
「それはもちろん心配ですけど……」
「でしょう! やっぱり私がアーランドに行って――」
「待って下さい! 今一番アーランドに行きたい人は、メルルではないでしょう」
「う……」
 ケイナの言葉に、メルルはシュンとしてしまう。
「トトリ先生……いつもと変わらず仕事してたけど、あれやっぱり無理してるよね」
 当のトトリは昨日まで普段通りに仕事をこなし、今日は家で休みを取っている。
「そのトトリ様が耐えているんですから。私達が出しゃばるのは筋が違います」
「う〜……でも、ちょっと様子を見てくるぐらいなら」
「メルル」
「はい……」
 毅然としたケイナに、大人しく従うメルルだった。
「はあ……せめて連絡ぐらいくれたらいいのに」
「変に雰囲気が暗いわね。どうしたのよメルル」
「あ、ミミさんこんにちは。どうしたもこうしたも、ミミさんがアーランドに行ったきりもう二週間も――って、ミミさんじゃないですかーっ!?」
 ベッタベタなノリつっこみは置いといて、アトリエに顔を見せたミミに、驚き慌てるメルルである。
「ミミさん! 二週間も何やってたんですか!? ま、まさかお見合い断れなかったとか――」
「ああ、それなら会ったその日にキッパリ断ったわよ。良い人だったけど、元々そのつもりだったし」
714名無しさん@秘密の花園:2011/11/28(月) 21:10:19.66 ID:pbkKMsZn
 ミミの言葉に、まずはひたすらホッとするメルルとケイナ。しかし問題はそれだけではない。
「じゃあ、どうして帰ってくるのがこんなに遅かったんですか?」
「色々とね、あったのよ」
 心底疲れた様子でため息をつき、ミミは話し始める。
「お見合いが終わったあと、ちょっと顔を出しておこうと冒険者ギルドに行ったのよ。そしたらちょうど前日に元大臣が過労で倒れたとかで、凄まじく忙しいことになっててね。そのまま無理矢理仕事を手伝わされたのよ」
「はあ……それは大変でしたね」
「それだけじゃないのよ。どうにかギルドの仕事が落ち着いてようやく解放されたと思ったら、いきなりマークさんが来て、
『新たな機械遺跡が発見されたが調査員が足りずに困っていたんだ! というわけで護衛は君に決めた!』
 って言われた次の瞬間、ジェットで出撃するマクヴェリオンmk2の手のひらに乗せられてたわ」
「え、あの、マクヴェリオンって何ですか?」
「アーランドのちょっとした名物よ。まあ、そのうち嫌でも見ることになるわ。それでその後、機械遺跡の調査に付き合って、それが済んでアーランドに戻って、その時はもう遅かったから夕飯食べようと思ってサンライズ食堂に入ったら……」
「ま、また何かあったんですか?」
「……どういう経緯か知らないけど、大陸中の腕利き料理人達が一堂に会して、天下一料理人決定戦をする話をしててね。たまたま居合わせた私が、イクセルさんの推薦で何故か審査員の一人をやらされるはめになったのよ」
「ええ!? それはちょっと羨ましいじゃないですか! 美味しいものいっぱい食べられるし、いいなぁ」
「よくないわよ! 翌朝アールズに帰るつもりだったのに、おかげでまた予定が大幅に遅れたんだから!」
715名無しさん@秘密の花園:2011/11/28(月) 21:14:22.56 ID:pbkKMsZn
「あれ? それなら調査が終わったあと遺跡から直接トラベルゲート使えばよかったんじゃ?」
「何言ってるの。護衛を頼まれたのに、途中で放り出すようなことできるわけないでしょ」
「あ、そっか」
 仕事として依頼されたのなら、プロの冒険者であるミミがそれをおろそかにするわけがない。
「それにしても、ミミさんって結構人気者なんですね」
「……何でそうなるのよ?」
「だってそれだけ色んな人に頼られてるんじゃないですか。そういうのって、人望があるからこそですよ」
「人望なんて、そんなんじゃ――」
「それにミミさん、何だかんだで頼まれたこと全部引き受けたんでしょう」
「それはまあ、その」
「やっぱり良い人ですよね、ミミさん」
「う……どちらかと言えば、ああいう役回りはトトリの方が……そ、そういえばトトリは? この時間ならまだアトリエだと思ったんだけど」
「トトリ先生、今日はお休みです。多分お家にいると思いますから、早く顔を見せてあげて下さい」
「そう。それじゃあね」
 話を切り上げ、ミミはそそくさとアトリエを後にした。
「ミミさん、何事もなく帰ってきて良かったね」
「そうですね」
「家に帰ってから何事もないといいけどね(対トトリ先生的な意味で)」
「……そうですね」


716名無しさん@秘密の花園:2011/11/28(月) 21:17:35.10 ID:pbkKMsZn
 並木通り、トトリとミミの家。
 トトリは一人、キッチンに立っていた。鍋を火にかけながら、立ち上る湯気を見るともなしに見つめている。
 静かに佇むその背中を見た瞬間、ミミの胸がチクリと痛んだ。
「……トトリ」
 帰りが遅くなったことを何と言って謝ろうかと、迷いながら声をかけていた。
 はじかれたように振り向いたトトリは、丸く開いた目でじっとミミを見返す。
「ミミちゃん……」
「……あの」
「――っ」
 黙って、トトリはミミに駆け寄り、その胸に顔をうずめた。
「…………ごめんなさい、遅くなって」
「……っ……っ」
 トトリの肩が震えている。ミミの胸に、熱いものが染みている。
「……何泣いてるのよ。そんなに心配だったの?」
 ミミの胸に顔を押し付けたまま、トトリは頭を振る。
「心、配……なんてっ、して、ないっ……寂しかった……だけ、だもんっ……っ」
 嗚咽まじりに強がりを言うトトリの頭を、ミミは優しく撫でた。
「ごめんなさいね。すぐに帰るつもりだったんだけど、色々仕事とか頼まれちゃって」
「……お仕事……だったの?」
「ええ」
「グス……じゃあ、いい……怒らない……」
(……仕事じゃなかったら怒ってたか)
 早ければ二日で帰ると言っておいて、ふたを開けたら二週間である。怒られたとしても文句は一切言えないところだ。
「ミミちゃん……」
「ん?」
 トトリが、涙で濡れた顔をミミに向ける。そしてそのまま、キスをした。9cmの差を、ほんの少しつま先立ちで。
「……おかえり、ミミちゃん」
「……ただいま」
 言葉を交わしてから、もう一度、今度はミミからキスをする。9cmの差を、ほんの少し前かがみで。
「……本当に、寂しかったんだからね」
「私も……早くトトリに会いたかったわ」
717名無しさん@秘密の花園:2011/11/28(月) 21:21:30.78 ID:pbkKMsZn
「ミミちゃん……」
「あ、ちょっ……待って」
 もう一度キスしようとしたトトリを、ミミが慌てて止める。
「む。どうして止めるの」
「音で気付きなさいよ! お鍋!」
「あっ……」
 火にかけていた鍋が、ふきこぼれていた。トトリは慌てて火を止める。
「ふう……危なかったー」
「もう、帰ってきた日に我が家でぼや騒ぎなんて勘弁してよ」
「ごめん。気をつけるね」
「今夜はシチュー?」
「うん。あと、他にも色々……」
「色々……って」
 改めてキッチンを見ると、かなりのご馳走の準備がしてある。明らかに一人分の夕飯ではない。
「……今日誰か来るの?」
「ううん、そうじゃなくて、その……いつミミちゃんが帰ってきてもいいように、毎日ご馳走作ってたから……」
「毎日って……」
(前に聞いたツェツィさんの行動パターンと一緒じゃないの……さすがは姉妹だわ)
 そんなトトリを、呆れつつも愛おしく、ミミは抱き締めた。
「あ……ミミちゃん……」
 ギュッと力を込めると、トトリの温もりが全身で感じられる。「バカね、あんたは……毎日こんなに作ってたら、太ったんじゃないの」
「それは大丈夫だよ。食べきれない分は錬金術の素材に回してるから」
「リサイクルに強いわね、錬金術は……とにかく、せっかくのご馳走なんだから、今夜はきっちり食べきらないとね」
「あ、うん。すぐに支度するから――」
「待って」
 ミミはトトリを抱き締めたまま、また長いキスをする。
「ん…………」
「…………夕飯は、少し遅れてもいいでしょ」
「……うん」
 もう一度、キス。二人の舌が絡み合って、銀の糸を引く。
 二週間分の空白を埋めるように、トトリとミミはひたすら口付けを交わし合う。
「ミミちゃん……もっと、欲しいな……」
「……ベッドに行きましょうか」
718名無しさん@秘密の花園:2011/11/28(月) 21:25:02.21 ID:pbkKMsZn
 寝室に移り、二人して服を脱ぐ間も惜しんでベッドに倒れ込んだ。
 トトリのはだけた胸に、ミミが唇を当てる。ツンと立った乳首を口に含んで転がすように舐めると、トトリは体を震わせた。
「ミミちゃん……んっ……っ、ぁ……んぁ、ん」
「トトリっ……っ」
 首筋や胸元にキスの雨を振らせながら、ミミの指先はトトリの下腹部をまさぐる。レオタードの布地越しにも、濡れているのが分かった。
 指を布地の下に潜らせ、そこに触れる。
「あっ……!」
 ミミの指先を熱く濡れた感触が包むと同時に、トトリが声を上げた。
「トトリ……何だかいつもよりも敏感ね。そんなに寂しかった?」
「ん……ミミちゃんこそ、いつもより積極的だね……そんなに私が恋しかったの?」
「そうね……その通りよ」
「ん……」
 唇を重ねながら、ミミの指がより深くトトリを求める。
「あっ、んっ、っ!」
 ミミの動きが、少しずつ強くなる。そして、
「っぁ……あ、あっ、ミミ、ちゃ……あっ、やっ、あああっ……!」
 頂に達したトトリは、一際大きな声を上げると、そのまま仰向けに脱力した。
「はぁ……はぁ……ミミちゃん……」
「……トトリ、今日は本当に感じやすいわね」
「はぁ……だって……ミミちゃんが、こんなに激しくしてくれるの、久しぶりだから」
「そ、そう?」
「うん……ねえ、もっと……してほしいな」
「……」
 返事の代わりに、口付けを交わす。飽くことなく、何度も、何度も。
「トトリ……んっ、ん」
「ぁ……っ、ミミちゃ、んっ……」
 ベッドの上でトトリの体を押し倒すようにして、ミミはひたすら唇を重ね、舌を絡ませる。火照った体を一つにするように、強く抱き締める。
 ミミも、トトリも、熾火のように冷めない感情の赴くまま、激しい睦み合いを続けていった……。


719名無しさん@秘密の花園:2011/11/28(月) 21:29:27.75 ID:pbkKMsZn

「……ミミちゃん。怒らないから、正直に答えてほしいんだけど」
 数え切れないくらい行為を繰り返した後、ベッドの上でミミの体に寄り添うトトリが、そんなことを言い出した。
「……何?」
「お見合いの話ね。ちょっとは考えたり迷ったりしなかった?」
「……」
 トトリはじっとミミの目を見ている。その目に浮かんでいるのは不安でも怒りでもなく、ただ真摯に答えを待っていた。
 ミミは大きく吐息をついて、答える。
「……半分、その通りね」
「半分って?」
「シュヴァルツラング家の当主としてどうするべきか……それを考えたのは確かだわ」
「……」
「だけどね」
 ミミは柔らかな笑みを浮かべ、トトリのおでこにキスをする。そして言った。
「迷うことは全然なかったわ。だから、その場でハッキリお断りした」
「ミミちゃん……」
「……そろそろ、夕飯の支度に戻りましょうか。時間もかなり遅いし、お腹空いてるでしょ」
「んー……」
 トトリは少し考えて「そうだね」と笑って頷いた。

 身繕いをして、二人はキッチンに戻ってきた。
「さて、ミミちゃんのために張り切らないと」
 トトリはエプロンを身に付け、気合いも新たに包丁を手に取った。
「私も手伝うわ。あんまり長く包丁握らないと、料理の腕が鈍りそうだし」
 そう言って、ミミもキッチンに立つ。
 その横に、トトリがピタリと寄り添った。
「あの……トトリ? そんなにくっつかれると作業し辛いんだけど」
「だってミミちゃんのそばにいたいんだもん」
「包丁持ってる間は我慢しなさい」
「……」
「トトリ?」
「……ご飯の後で、もっとくっついてもいい?」
「……その前にお風呂でしょ」
「じゃあお風呂も。一緒に入っていい?」
「……いいわよ」
720名無しさん@秘密の花園:2011/11/28(月) 21:33:10.13 ID:pbkKMsZn
「その後も……いい?」
「……あんたね……」
 ミミは心の中でため息をつく。別に嫌ではないのだが。何だかんだで好きなのだが。
「……ええ。今夜はもう、トトリの好きにしていいわよ」
「ミミちゃん……ん」
 満面の笑みを浮かべて、トトリはミミにキスをする。
「っ! ま、まずは夕飯を済ませてから!」
「うんっ♪ 今夜は寝かせないからね!」
「いや、できれば寝かせては欲しいんだけど……」
「分かった。努力してみる」
「努力の問題なのか」
 夕飯の後どうなるのか、果てしなく不安なミミだった。




「私が産むことにしたから」
「…………はい?」
 ミミがアーランドから帰ってきた翌日の朝。朝食の席でトトリが意味のよく分からないことを言い出した。
「トトリ、今何て?」
「だから、私が産むことにしたから」
 寝不足による聞き違いではなかった。しかし改めて聞いても、ミミには意味が分からない。
「産むって……何を?」
「赤ちゃん」
「……………………誰の?」
「ミミちゃんの」
「……どうやって?」
「錬金術で。女の子同士でも子供を作る方法が完成したの」
「ああ、なるほど。それなら――って、えええええええっ!?」
 話の筋が理解できたところで、ようやく慌てふためくミミ。
「ちょっ……ま、待ってよ。いきなりそんなこと言われても、あ、あ、赤ちゃん産むって、そんな……!」
「ダメなの?」
「だ、ダメじゃないわよ! だけどその、あまりに話が唐突っていうか……ていうか、今まで私が散々悩んでたことをそんなあっさり……そんな方法があるなら何でもっと早く言ってくれなかったのよ……!」
721名無しさん@秘密の花園:2011/11/28(月) 21:37:44.93 ID:pbkKMsZn
「それは……お家の跡継ぎのことでミミちゃんが悩んでたのは薄々気付いてたんだけど、研究の成果が確実になるまでは、ぬか喜びになるかもしれないから言えなくて……」
「ああ、そう……そういうことなら……」
 一口お茶を飲んで落ち着いたミミは、表情を引き締めてトトリに向き合う。
「でもトトリ……本当に、いいの?」
「うん。むしろ、私がお願いしたいぐらいだから」
「……分かったわ。それで、その錬金術の方法って、私はどうしたらいいの?」
「あ、ううん。もう何もしなくていいよ」
「…………"もう"?」
「うん」
 トトリは愛おしげに、自分のお腹を撫でる。

「――もう"ここ"にいるから」

「△×☆◇ーっ!?」
 幸せそうな笑みを浮かべるトトリと、声にならない悲鳴を上げるミミ。
「い、い、い、いつできたのよ!?」
「昨日の夜だよ」
「き、昨日の夜って……」
 夜の後半戦はほぼずっとトトリのターンで、ミミの記憶は半分ほど飛んでしまっている。
「い、いつの間に、何したの!?」
「さー? それはコウノトリさんに聞いてみないと」
「とぼけないでよ! そもそも昨日の今日でそんな確実に分かるものなの!?」
「うん、そのへんは確実だから安心していいよ」
「安心できるかっ!」
「あ。それから私、正式にシュヴァルツラング家の籍に入れるようになったから。もちろんミミちゃんの配偶者としてね」
「えっ、なっ、ちょっ……い…………色々と待ってーっ!」
 立て続けに襲い来る事実に、処理が追い付かないミミだった。

722名無しさん@秘密の花園:2011/11/28(月) 21:39:56.97 ID:pbkKMsZn

 その後の顛末としては……
 トトリが正式にミミの嫁になるということでヘルモルト家が大いに揺れたり(ていうか主にツェツィが暴走したり)。
 メルルが私もケイナと結婚すると言い出してデジエとルーフェスを大いに悩ませたり。
 結婚式でトトリとミミの晴れ姿を見たフィリーが感動のあまり親族以上に号泣したり。
 ロロナが作ったお祝いのウェディングパイが気合い入りすぎて生命を宿すを通り越して良縁成就の御神体になったり。
 等々……
 色々あったが、結末としてこう締めくくろう。


 二人はそれから、幸せに暮らしましたとさ。


おわり
723名無しさん@秘密の花園:2011/11/28(月) 21:41:59.91 ID:pbkKMsZn
以上。読んでくれた人、ありがとう。
おめでたでめでたし。「トトミミの新婚生活はこれからだ!」な流れですが、これにてシリーズ完結ということで。


>>701
それは朗報ですね。

先日その花の新作買いに行ったついでに同人誌を色々見てたけど、アトリエの百合はやはり無い……というかアトリエの同人誌自体が少ない。
やはり百合業界全体で見たら、マイナーなのは否めないのか……。
724名無しさん@秘密の花園:2011/11/29(火) 00:51:42.13 ID:1WiE2yLy
>>723
マーベラス!! マァァァァァァべラス!!
楽しみにしてた続きキター!! と思ったら今回で最終回だったー!!? orz
……うう、たいへん楽しませて頂きました。ありがとうございます……欲を言えば、もっと色々読ませていただきたいけれど。
何はともあれ、まずはお疲れ様でした。新作を楽しみにしております。
725名無しさん@秘密の花園:2011/11/29(火) 01:05:32.78 ID:GJIDR2bV
ついに子供がデキタアァァァァァァァァァ!!GJです
やはりトトリが嫁ですよね

トトミミに出会えてよかった
726 忍法帖【Lv=13,xxxPT】 :2011/11/29(火) 22:10:17.22 ID:PPGk6oPD
>>723
毎度毎度GJですな
トトミミが特別好きなわけではなかったのに、クオリティ高すぎてヤラれました
またどこかで会えるといいなあ
727名無しさん@秘密の花園:2011/11/30(水) 10:51:39.86 ID:BUlCtXgw
>>723
GJすぎてもう
次はトトミミ子育て編ですね把握
728名無しさん@秘密の花園:2011/12/04(日) 18:30:13.87 ID:p+UxhySO
>>723
いいなー幸せいっぱいだ やっぱチュッスが多いのは愛情感じていいね!

トトリさんが奥さまの顔になってきて燃える。
729名無しさん@秘密の花園:2011/12/05(月) 00:48:42.09 ID:XMw8xetd
SS投下します。
今回はロロリエ時代のロロクー。
スレの容量は……大丈夫だと思いますが、途中で切れたらごめんなさい。
730名無しさん@秘密の花園:2011/12/05(月) 00:51:47.30 ID:XMw8xetd
「ねえねえくーちゃん。キスしていい?」
「……は?」
 おそらく私の目は点になっていただろう。
 アトリエのソファに並んで座るロロナは、真剣な表情で私の顔をじっと見つめている。
「ロロナ……今、何て?」
 そんな馬鹿げた要求、冗談じゃなきゃありえない。そして今のロロナは、冗談を言っているような表情には見えない。
 つまりさっきのロロナの台詞は、私の聞き間違いということだ。うん。間違いなくそうだ。確認してもきっと――
「キスしていい? って訊いたんだけど」
「――っ、なっ、ばっ……!?」
「くーちゃん? どうしたの、口パクパクさせて」
 そりゃパクパクもバクバクもするわ! 久しぶりにアストリッドもホムもいない二人っきりのアトリエで、ロロナといい感じに過ごせると思ってたら、いきなり何を言い出すのよ!?
「な……何で!?」
「何でって……したいから、じゃダメ?」
「だ、ダメじゃないけどダメに決まってるでしょ! 理由を言いなさい! 理由を!」
「理由って言われても、私にもハッキリ分からないんだけど……」
 ハッキリもしない理由で人のファーストキスを奪おうとしたのかこいつは。怒鳴ってやりたかったが、我慢して話を聞く。
「あのね、この前くーちゃんと喧嘩してた時ね……」
「……」
 あの時の話は、私にとってちょっと苦い。喧嘩の原因は私の勝手で余計なお節介。それを拒絶された末に逆ギレして、ロロナを傷つけてしまった。
 まあ、もう仲直りも済んだわけだけど。
「私、くーちゃんと仲直りできるまでの間、ずっとくーちゃんのこと考えてたの。このままだったらどうしよう、早くくーちゃんと仲直りしたいって、寝ても覚めても、くーちゃんのことばっかり」
「……私も、似たようなもんだったわよ」
731名無しさん@秘密の花園:2011/12/05(月) 00:54:35.57 ID:XMw8xetd
 早くロロナと仲直りしなくちゃって気ばかり焦って、なのに正面から謝りに行く勇気もなくて……
「……悪かったわ。あの時は」
「あ、ううん。もうそれはいいんだよ。仲直りしたんだし」
「……それで、その話とあんたがキ、キ……っ、〜……したいのと、どういう関係があるのよ」
「えっとね……何かね……くーちゃんと仲直りしてからもね、私、くーちゃんのことばっかり考えてるの」
「な……え……」
「くーちゃんのこと考えてるとね、胸の中があったかくて気持ち良くて、でも少し寂しいような切ないような、変な感じがしてね」
「そ、それって……」
「くーちゃん。これってひょっとして恋なのかな?」
「――っ!」
 ハッキリ言うな馬鹿!
「私、くーちゃんのこと好きなのかな?」
 重ねて確認するな大馬鹿!
「ねえ――」
「そ、そ、そんなこと、私に分かるわけないでしょ!」
 ロロナが私に恋してるかどうかなんて、ロロナ本人が分からないのに、私に分かるはずがないでしょうが!
「うん……そうだよね。分からないよね」
「……っ!」
 頷くロロナの距離が、いつの間にか近い。やたら近い。
「だからね……確かめたいんだ」
「た、確かめるって……」
 こっちを見つめてるロロナの目は、怖いぐらい真っ直ぐで……私は、自分の声が震えているのが分かった。
「私がくーちゃんのこと、本当に好きなのか……だから、キス、してもいい?」
「な、何でそうなるのよ!?」
「くーちゃんのこと、好きなのかは分からないけど……何だか、抱きしめたり、キスしたいっていう気持ちが、すごく強いの。だから、実際にやってみたら何か分かるかなって……」

「そ、そんなのっ……順序が変でしょ! 好きだからっ、キ、キスとかっ、したくなるんじゃない!」
「あ」
732名無しさん@秘密の花園:2011/12/05(月) 00:58:28.04 ID:XMw8xetd
 私の一言に、ロロナはハトが豆鉄砲を食ったような顔になった。
「ロ……ロロナ?」
「そっか……じゃあやっぱり、私くーちゃんのこと好きなんだ」
「え、ちょっ……」
 早々と結論を付けたロロナは、さらにズイっと距離を詰めて――危ない! 当たる! 既に当たってる部分とは別に色々と! あと匂い! ああもうっ、ロロナの髪の毛いい匂いするわね!
「くーちゃん……好き」
「〜〜っ!!」
 私の顔は今、多分テラフラムみたいに真っ赤になっている。これ以上は火気厳禁――
「キス、してもいい?」
「なっ……」
 だというのにこいつはー!
「くーちゃん……くーちゃんは、私のこと嫌い?」
「きっ……嫌いじゃないわよ! 全然!」
「じゃあ好き?」
「すっ……〜〜!」
「……」
 じっと見つめて答えを待つな!
「……くーちゃん……答えられない?」
「…………」
 沈黙で返す。情けないけど、そうしてしまう。私の気持ちを言ったら――
「じゃあ、嫌なら抵抗してね」
「え?」

 ……――〜〜……っっ!!?

 気がついたら、ロロナの唇が、私の唇に重なってて、私の唇が、ロロナの唇に触れてて……
 つまり……キスしていた。
「――っ! ――っ!」
 パニックになっていたけど、そのくせ私は頭の芯では割と冷静だった。
 ロロナは私の頬をしっかり両手で抑えて、目を閉じキスを続けている。
「――……っ!?」
 舌……ちょっと、いくら何でも、早すぎるでしょ!
「ん……ちゅ……ふぁ、っ」
「……や、ぁ」
 ロロナの舌が、遠慮会釈なく私の中に入ってくる。暖かくて柔らかくて、少し甘いのはさっき食べたパイの名残か。
「……ん…………は、ぁ……」
733名無しさん@秘密の花園:2011/12/05(月) 01:02:07.28 ID:XMw8xetd
 ……これでもかってくらい私の唇と舌を堪能して、ロロナはようやくキスを止めた。その顔は、何だかお風呂上がりみたいに上気している。
「くーちゃん……」
「……」
 何よ? と不機嫌に返してやりたかったけど、あいにくこっちはまともな受け答えができないくらい参っていた。初めてで、相手がロロナで、舌まで絡めるディープキス……
「……もう一回、するね」
 ……………………
「はい? え? や……〜〜っ!?」
 問答無用とばかりにロロナはまた唇を重ねてきて――ソファの上で、押し倒した。私を。
「くーちゃん……くーちゃんとキスすると、すごく気持ちいいよ……くーちゃんは?」
「なっ、こっ……!」
 答えられるかそんなの!
 私が黙っていると、ロロナは沈黙を是と受け取ったのか、押し倒した態勢のまま、もう一度キスしてきた。
「ん……くーちゃん……くーちゃんのこと、もっと欲しい……」
「ロ……ロロナ……」
 潤んだ目で、ロロナは私を見つめる。そしてそのまま――そのまま――
 …………
 ……


734名無しさん@秘密の花園:2011/12/05(月) 01:05:46.81 ID:XMw8xetd


「あのさ……私、キスとか初めてだったのよ」
「うん……」
「そもそもハッキリ同意もしてなかったのよ」
「はい……」
 場所は変わらずアトリエ。そして変わらず二人っきり。だけど、ロロナを起立させて、私はお説教モードに入っていた。
「……なのにあんたはっ! キスした上に舌まで入れて押し倒して、おまけにっ、い、いかがわしいことまでしようとして!」
「ご、ごめんなさ〜い! くーちゃんがあんまり可愛かったから、つい……」
「そんないいわけがあるかっ!」
 つい、で許されるなら法律はいらないわよ! こちとら危うくバージンまで奪わるところだったんから……ギリギリ死守したけど……死守、したわよね? ……あれはセーフよね?
「……とにかく、今日のことは借りにしておくから。覚悟してなさいよ」
「覚悟って……ま、まさか今度はくーちゃんが私に――」
「違うわっ!」
 微妙に期待を込めた目をするな!
「私もう帰るから。反省してなさいよ、ロロナ」
「はぁい……あ。くーちゃん」
「何よ?」
 アトリエを出ようとした私を、ロロナが呼び止めた。振り向くと、ロロナは全くいつもと変わらない笑顔で。
「返事はくれないの?」
「返事、って……〜〜っ!」
 そういえば、告白、されたのよね、私。
 返事は――
「お、おあずけよっ! そんなのっ!」
「え〜、そんなぁ」
「文句言わない! じゃあね!」
 そう言い捨てて、私はアトリエを飛び出した。
 去り際につい、
「……抵抗しなかったでしょうが、馬鹿ロロナ」
 そんなことを呟いてしまったけど、幸いあの子には聞こえていなかった。


おわり
735名無しさん@秘密の花園:2011/12/05(月) 01:06:54.90 ID:XMw8xetd
以上。読んでくれた人、ありがとう。
最近トトミミに偏り過ぎかなと思い、アーランドにおける百合の原点ともいうべきロロクーを一つ。
736名無しさん@秘密の花園:2011/12/05(月) 01:30:47.27 ID:fbqoPQQN
俺のマイベストカプきたか・・・GJ
もちろん後の話も書いてくれますよね?
737名無しさん@秘密の花園:2011/12/05(月) 12:30:54.16 ID:Y6qCKeus
久しぶりのロロクーGJ
738名無しさん@秘密の花園:2011/12/05(月) 12:45:51.26 ID:wcLmvAG0
クーちゃん受け体質過ぎるw超GJ!!
こういうのええな!凄くええな!
739名無しさん@秘密の花園:2011/12/05(月) 18:47:00.65 ID:1hCteZ4F
GJ!!!!
740名無しさん@秘密の花園:2011/12/07(水) 01:06:17.17 ID:HBPeB5Ha
うむ、やはりこの二人はいいコンビ、もといカップルだ
GJ
741名無しさん@秘密の花園:2011/12/09(金) 01:04:06.69 ID:h2Mznvuv
ttp://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0030/00/14/040030001478.html
メルケイあった〜子供はみちゃ駄目
742名無しさん@秘密の花園:2011/12/11(日) 21:15:59.77 ID:eYEjyejI
SS投下します。
ロロクー。>>730-734の続きだけど前作読んでなくても特に問題はないと思います。
スレの容量がそろそろいっぱいなので、今スレはこれがラスト。もし途中で切れたりしたらごめんなさい。
743名無しさん@秘密の花園:2011/12/11(日) 21:30:13.90 ID:eYEjyejI
ごめんなさい。何か長文が書き込めないみたいなので、すごいぶつ切りになります。
744名無しさん@秘密の花園:2011/12/11(日) 21:34:58.58 ID:eYEjyejI
 後悔先に立たず。
 私は今、その言葉を重く噛みしめている。

「くーちゃん……キスしていい?」
 二人っきりのアトリエで、ロロナはそんなことを言う。
「ねえ?」
「…………」
 いいけど、よくない。けど、私はそれを拒めない。
 何故なら、それを受け入れたのは私だから。
745名無しさん@秘密の花園:2011/12/11(日) 21:38:06.39 ID:eYEjyejI
「くーちゃん……」
 返事を待たず、ロロナの手が私の肩を掴んで、その唇が重なる。表面で触れ合うだけの優しいキス。
 ロロナの唇の柔らかい感触と、間近に感じる体温と匂い。それだけで頭の中が茹で上がりそうになる。だけど努めて表情には出さないように……しているつもりではあるんだけど。
「ふふ……くーちゃん、顔真っ赤だね」
「……っ」
746名無しさん@秘密の花園:2011/12/11(日) 21:41:08.63 ID:eYEjyejI
 ああそうですとも。真っ赤っ赤ですとも。あんたのせいでね!
「くーちゃん、可愛い♪」
 そんなことを言いながら、ロロナはもう一度、私にキスをする。本当に嬉しそうに。あくまでキスだけを。
「ん……」
 唇を重ねながら、ロロナの温かい舌先が少しずつ入ってくる。縮こまっている私の舌をつつくように解きほぐし、絡ませ、歯までねぶられて――
747名無しさん@秘密の花園:2011/12/11(日) 21:43:53.69 ID:eYEjyejI
「〜〜っ……ロ、ロロナ、ちょっと、長いわよ」
「キスだけならいくらでもしていいんでしょ」
「ぐ……」
 言葉に詰まる。それを言ったのは、間違いなく私だからだ。

 ロロナが私のことを好きだと言って、キスして押し倒して……それ以上は危うく未遂になった先日の一件の後。
748名無しさん@秘密の花園:2011/12/11(日) 21:45:59.14 ID:eYEjyejI
 改めて私の側の気持ちを確認するロロナに、私はその気持ち受け入れた……と言えないこともないと捉えて概ね差し支えないと推測するにやぶさかでない返事をした。
 はっきりイエスと言わないでやったのは、先日の件に対する意趣返しであって、断じて照れ隠しの類ではない。
 曖昧な返事をする私にロロナは「じゃあキスとかは? していいの? どうなの?」と訊いてきた。
749名無しさん@秘密の花園:2011/12/11(日) 21:48:48.15 ID:eYEjyejI
 私が返事を濁していると、ロロナは何故か、その、なんて言うか……キス以上の行為の是非について尋ねてきた。
 何で質問のグレードがアップするんだと私は突っ込んだが、ロロナは返事してくれるまで帰さないと言う。
 食い下がるロロナに、私はつい「キスまでならいくらでもいいけど、それ以上はダメ!」と答えてしまった。
750名無しさん@秘密の花園:2011/12/11(日) 21:50:52.23 ID:eYEjyejI
「キスまでならいいの?」
「ええ」
「それ以上はダメなの?」
「ええ」
「じゃあこれからはキスだけするね」
「ええ。……え?」
 ……その後、帰る時間までいっぱいキスされた。ひたすらキスだけ。
 それからというもの、二人っきりで会うたびにちょくちょくキスを迫られている。自分で許可してしまった手前、強いて断ることもできない私は、されるがままになっている。
751名無しさん@秘密の花園:2011/12/11(日) 21:53:18.29 ID:eYEjyejI
 そして今に至る。
「今日のくーちゃんのキスは、ハチミツ味だね」
「そりゃさっきハニーパイを食べたからでしょ」
「じゃあドラゴンパイを食べた後ならドラゴン味?」
「……味なんてどうでもいいでしょうが」
「えー、どうでもよくないよ。くーちゃんだって私とキスした時に変な味したら嫌じゃない?」
752名無しさん@秘密の花園:2011/12/11(日) 21:56:12.51 ID:eYEjyejI
「嫌じゃないわよ! あ、いや、ロロナとキスするのが嫌じゃないんじゃ……いや、それは実際嫌じゃないけど……ってそうじゃなくて!」
 自分でも何言ってんだか分からなくなってきた。
「くーちゃん……ん」
「……!」
 テンパっている私に、ロロナがまたキスをした。
753名無しさん@秘密の花園:2011/12/11(日) 21:58:13.58 ID:eYEjyejI
 何度繰り返しても、ロロナは律儀に約束通り、キスだけをする。私はそれをもどかしく思――何でもない。そんなこと思ってないから。決して。
「……くーちゃん、落ち着いた?」
 落ち着けるか! と突っ込みたかったけど、その暇もなくまたキスされる。
 本当にもう……絶対条件として、周りに誰もいない二人きりの時って言い聞かせてるけど、こんな調子じゃいつ誰に気付かれるか――
754名無しさん@秘密の花園:2011/12/11(日) 22:00:19.03 ID:eYEjyejI
「マスター、ただいま帰りまし――」
「――っっ!!?」
 ……言わんこっちゃない。
 ロロナとキスしていた私と、少女型のホムンクルスの目があって、
「……」
 そのまま静かに、ドアが閉められた。
「って、ちょっ、黙ってフェードアウトす――」
「失礼。一言、伝え忘れていました」
「うわっ!?」
 またドアが開けられ、ホムが顔を覗かせる。
755名無しさん@秘密の花園:2011/12/11(日) 22:03:29.91 ID:eYEjyejI
「……どうぞごゆっくり」
 ホムが無表情でそれだけ言って、またドアが閉められた。
「ちょっ……待ちなさいってばーっ!」
 頑なにアトリエから離れようとするホムをロロナと一緒に引き止め、話をする。
「グランドマスターから、あのような場面に出くわした際には、先ほどの一言を残して静かにその場を去るのが礼儀だと教わりました」
「あの女は……」
756名無しさん@秘密の花園:2011/12/11(日) 22:05:34.74 ID:eYEjyejI
「そして翌朝『ゆうべはおたのしみでしたね』と言うのが、古来からのしきたりだと」
「どこの世界のしきたりよ!」
「もちろんその間、現場で起きていることを観察・記録することも忘れないようにと」
「それ犯罪だから!」
「マスターの性交、もとい成長を積極的に見守るのもホムの勤めだと」
「見守るなそんなもん!」
757名無しさん@秘密の花園:2011/12/11(日) 22:07:37.26 ID:eYEjyejI
 突っ込みを入れ続ける私だけど、当人はボケでもなんでもなく、アストリッドに言われたことを馬鹿正直かつ真面目に言っているだけだから質が悪い。
「マスター……ホムは間違っていたのでしょうか?」
「うーん……間違ってるけど、ホムちゃんは悪くないよ。師匠が変なこと教えたせいだし、あとタイミングが悪かっただけで」
「そうですか」
758名無しさん@秘密の花園:2011/12/11(日) 22:09:40.31 ID:eYEjyejI
 ロロナの言葉に、ホムは心なしかホッとしたような顔になる。基本無表情だけど、感情が無いわけじゃないのよね。
「あの、ホムちゃん……さっき見ちゃったことは、誰にも内緒にしてほしいんだけど」
「見ちゃったこととは、マスターとくーちゃんとの接吻行為のことでしょうか?」
「うん、そう」
「了解しました……マスター、一つ質問してもよろしいですか?」
「何かな?」
759名無しさん@秘密の花園:2011/12/11(日) 22:12:15.34 ID:eYEjyejI
「接吻とは、どのような気持ちがするのでしょうか?」
「え……どのようなって……」
「教えて下さい」
「えーっと……」
 真剣な目で聞くホムに、ロロナが困っている。当然よね、あんな質問されたら。
「なんて言うか……嬉しくて、胸があったかくなるような……こう、ギューッてしたくなるような……」
「……よく分かりません」
760名無しさん@秘密の花園:2011/12/11(日) 22:15:13.16 ID:eYEjyejI
「うーん……私も上手く説明できないかな。こういうのって実際やってみないと」
「なるほど、実際に……ではマスター」
「ん?」
「差し支えなければ、マスターと接吻させてもらいたいのですが」
「ええっ!?」
「なっ……何言い出すのよあんたは!?」
 んなもん差し支えあるに決まってるでしょうが!
「だ、ダメだよホムちゃん! そういうのは好きな人同士とじゃないと」
761名無しさん@秘密の花園:2011/12/11(日) 22:17:20.21 ID:eYEjyejI
「……それはつまり、マスターはホムのことが好きではないのですね」
「あ、違うの。ホムちゃんのことは好きだけどそうじゃなくてね……」
「では接吻を」
「えっと、だから、その……」
「ロロナ! ウダウダ言ってないではっきり断りなさいよ!」
「う、うん。ホムちゃん、くーちゃんもああ言ってるから……」
「マスターと接吻するには、くーちゃんの許可が必要なのですか?」
762名無しさん@秘密の花園:2011/12/11(日) 22:19:44.56 ID:eYEjyejI
「そう……かな」
 そうかな、じゃないでしょうが。全く……。
「把握しました。現時点で許可が下りる見込みはなさそうなので、諦めます」
 分かればいいのよ。分かれば。
「ちなみにくーちゃんの許可を得るにはどのようにすればよいのでしょうか?」
 ってオイ! 諦めてないし!
「許可なんかするわけないでしょうが! あとさっきからくーちゃんって言うな!」
763名無しさん@秘密の花園:2011/12/11(日) 22:22:04.92 ID:eYEjyejI
「それは、許可の下りることは絶対に無いということですか?」
「そうよ!」
「了解です……マスターと接吻する権利は、くーちゃんだけのものということですね」
 それで納得したのか、ホムは大きく頷いた。
「では、ホムは席を外しますので、改めて……どうぞごゆっくり」
 そう言って、ホムはさっさとアトリエを出て行った。
764名無しさん@秘密の花園:2011/12/11(日) 22:24:17.95 ID:eYEjyejI
「行っちゃった……」
「……口止め、あれで大丈夫でしょうね?」
「そのへんは大丈夫だよ。ホムちゃん口固いから。私が言わないでって言ったことは、師匠にも言わないでくれるし」
「そう……」
「それじゃあ、キスの続きしよっか」
「ちょっ……自重しなさいよ! 今さっき人に見られたのよ!」
「えー、でも」
「でももへちまもない! 今日はもうダメ!」
「ぶー」
765名無しさん@秘密の花園:2011/12/11(日) 22:26:18.21 ID:eYEjyejI
「ぶーたれてもダメ。さあ、今日はもう――〜〜っ!」
 また……何でこう、聞き分けがないのかしらね。
「ロ、ロロナ……いい加減に怒るわよ、このキス魔……!」
「だって、私とキスするのはくーちゃんだけの権利だし」
 ロロナは私を抱き締め、耳元で囁く。
「くーちゃんとキスするのは、私だけの権利だもん♪」
766名無しさん@秘密の花園:2011/12/11(日) 22:28:19.44 ID:eYEjyejI
 ……そんなこんなで今日もまた、ロロナはキスを繰り返す。
 それを受け入れながら私は、どうしようもなくこの子を好きな自分を、諦めにも似た気持ちで認めていた。


おわり
767名無しさん@秘密の花園:2011/12/11(日) 22:30:56.90 ID:eYEjyejI
以上。読んでくれた人、ありがとう。
トトミミとロロクーの違いって何だろう? と考えていたけど、
トトミミ→焦らしプレイ(適度に)
ロロクー→焦らさないプレイ(徹底的に)
てな感じで漠然とだけど方向性が見えてきた。


書きたいネタはいっぱいあるけど、時間とガッツがたりない。
ともあれ次があるとしたら次スレで。それでは。
768名無しさん@秘密の花園:2011/12/12(月) 00:33:54.56 ID:HCFKPGht
乙!!
769名無しさん@秘密の花園:2011/12/12(月) 00:38:18.16 ID:8jibr1PR
GJ
いいものが読めた
770名無しさん@秘密の花園:2011/12/12(月) 01:50:02.61 ID:GQ6nHtRM
GJ!! イヤッホオオオオオオオオオオオウ!!

トトミミとロロクーの違いは主人公に毒があるかないk…ゴホゴホ
771名無しさん@秘密の花園:2011/12/12(月) 02:10:10.10 ID:nmZRsl+b
>701
トトミミ本を中古で探した方がいいと思うかな〜ヘテロエロ同人と一緒
に収録だとねえ〜手に入れられなかった人は買ってから不純物ページカット
して練成しなおすとよい
772名無しさん@秘密の花園:2011/12/12(月) 07:02:36.56 ID:4PSefLXq
GJ!!
773名無しさん@秘密の花園:2011/12/12(月) 18:39:39.97 ID:MHkEgdVh
>>767氏GJ!
久々にロロクー読ませて頂きました!

>>771
この前、くだんのトトミミ本を中古で見つけたけど、>>701の総集編買った方が安くつくぞ
774名無しさん@秘密の花園:2011/12/13(火) 01:13:52.03 ID:ac0VHvHm
>>703のひとの素晴らしい作品に触発されて、トトミミを書いてみた。
濡れ場は初めて書いたから、拙いのには目をつむってくれると嬉しい。
775名無しさん@秘密の花園:2011/12/13(火) 01:14:08.00 ID:ac0VHvHm
 ──トトリの舌は長い。

 キスをせがまれたときに、ふと気になって、何度も焦らして舌を誘い出したことがある。その

時見た桃色のそれは、そこまで長いと云うほどではなかったようにも思うのだけど。
 だけど、今、わたしを舐め回すそれは、まるで蛇かなにかのように、ひどく長い尾を引いて、

柔肌に唾液を塗り込んで行く。その跡を撫でる吐息には、火傷しそうなくらいに熱が篭っていて

。彼女が昂ぶっている証拠。茹だった脳、思考、よろこびで、ふるえる。
 トトリ。
 舌が這いまわった跡が、ヌメった触感が、いつまで経っても消えてくれない。その上をなぞる

細いゆびが、消えることのない快感を身体に刻み込んでいく。
 脳がしびれる。ことばが消える。からだが解ける。開いた口のすきまから、こえ、こぼれて─

─湿気を含む嬌声が、思考に波紋を広げていく。それが、自分の喉から発せられた声音とは思え

ぬほどに艶やかだったから、反射的に唇を閉めた。
 かんばせが、羞恥と興奮で、より一層の朱に染まる。
 恥ずかしい。みっともない。いやらしい。きかれたくない──

「──だめ。こえ、きかせて?」

 囁き声と同時に、首筋に歯が立てられる。コリコリと、肌越しに血管を甘噛みされて、思わず

開いた口からは、大音声の喘ぎ声が飛び出してしまって。
 恥ずかしい。みっともない。いやらしい。きかれたくない──だけど、もう悦びを声にするこ

とを我慢できない。だって、それらは全部、彼女に食べられてしまったんだから。
 指。舌。唇。肌。てのひら。髪。汗。唾液。吐息。言葉。トトリからもたらされるすべてのも

のが、わたしを昂らせ、いただきへと導いていく。

「──っぁああ!!」

 そうして、ほどなく絶頂へ。
 視界が明滅し、感覚が失せて、意識が融けて、思考が沸騰して、頭の中が城一食で塗りつぶさ

れて──肺の中が空っぽになるまで嬌声を絞り上げてようやく、全身の筋肉が弛緩した。
776名無しさん@秘密の花園:2011/12/13(火) 01:14:24.39 ID:ac0VHvHm
「……ミミちゃん?」

 はぁはぁと荒い呼吸を繰り返しても、まるで酸素が不足してる。粘性の高い澱のような空気は

、喉の唾液に引っかかって、肺の中まで落ちてこない。このままじゃ窒息してしまうんじゃない

か──そんな恐怖を誘う錯覚さえ、脳髄を甘くしびれさせるスパイスで。
 彼女が、わたしの肌から舌を離す。
 身体が離れて空いた隙間を、白銀の唾液(いと)が繋いでいる。
 垂らされた舌は、やはり長い。てらてらと、ぬめぬめと、月の光を浴びて輝いている。

「……ミミちゃん?」

 彼女が、改めてわたしの名前を呼ぶ。
 わたしは──そう、わたしは──そんななまえだっただろうか。そうじゃない、そうじゃない

はず。わたしは、おんなだ。あなたの舌に、あなたの指に、あなたの声に、操られて喘ぐ婢女だ

。それでいいじゃないの。いまだけは。そう、いまだけは。
 覆いかぶさる彼女の頭を抱え込んで、わたしははしたなくキスをねだる。
 差し出された舌を、自分の舌を差し出すことで、口内へと誘引する。唇で舌をはさみ、舌を絡

めとろうとすると、彼女は逆にわたしの舌を捻るように巻き込んだ。

「……っ、ふ、っん」

 零れた鼻息を彩る艶色は、隠しようもない。合わさった唇の隙間から響く濁音の淫猥な響きが

耳朶を愛撫する。合わさった肌は汗で絖って、近しい体温が融け合う錯覚を与えてくれる。
 トトリ。
 頬に添えられた手に指を添えると、その意図を汲み取ったのか、指を絡めて手を繋いでくれる

。手の甲を撫でる細い指。心の水位が安定する。
 繋がりたい。
 絆がれたい。
 自由なんていらない。
 注ぎ込まれた唾液を燃料に、わたしは情欲の火を灯す。
 トトリ。
 ────ふかい口づけをかわして。
 トトリ。
 ────しずめられた指をしめつけて。
 ととり。
 ────あたえられた愛撫をよろこんで。
 ととり。
 いつまでも、あなたに接がれるものになりたいと、それだけを祈る。
777名無しさん@秘密の花園:2011/12/13(火) 01:15:39.34 ID:ac0VHvHm



† † †


 夜明けの気配を感じて目を覚ます。
 カーテン越しに部屋を照らす光は仄暗い。部屋の隅積みまでを見渡すにはとても足りないとこ

ろから逆算すると、太陽が顔をのぞかせるまで、あと一時間といったところか。
 耳を澄ませると、馬車の車輪が道行く音が聞こえてくる。今頃パン屋の釜はフル稼働だろう。
 起きようか、と思ったけれど、どうも身体がいうことを聞かない。全身を倦怠感が覆っている

し、筋肉は悲鳴を上げている。わたしも一端の冒険者なわけで、スタミナも回復力も人並み以上

ではあるはずなのだけど、それでもこの有様なのだから、昨夜、どれほどの痴態を晒したのか、

想像さえもしたくない。
 肌に触れるシーツの感触がゴワゴワしてるのも、羞恥心に油を注ぐ。
 ええい、これしき! と、ヤケクソになって掛け布団をはねとばそうとした所で、「……うう

ん、ぅう」と淡い寝息が頬を撫でた。そちらに視線をやると、穏やかな寝顔を晒して眠るトトリ

の姿が目に映る。
 部屋の空気は、ベッドから出ることを躊躇ってしまうほどに肌寒い。だから、掛け布団を開く

と、彼女を起こしてしまうかも知れない。ただでさえ、ふたりとも肌着も纏わぬ姿なのだから。
 仕方ないから、もうすこしだけ、ベッドの中にとどまることにする。

「まったく……あんた、冒険者だって自覚してるの?」

 冒険者は早寝早起きが原則だ。徒歩で街道をゆく時は、陽が出ている時間しか移動できないこ

とも少なくない。だから、陽が登る前に目を覚まし、陽が沈む前に寝所を整える生活規則は冒険

者の基本だし、トトリもそれは承知しているはずなのだけど。
 でもまぁ、昨晩のことを思うと仕方ない面も──って、なにを考えているんだか。頭を振って

思考を散らし、わたしは大きく深呼吸。
 ふわりと香る花の匂いは、トトリが好きな香油の匂い。
 トトリの寝顔に目を遣ると、柔らかい光に照らされて、長い睫毛が仄かに輝いている。冒険者

らしからぬ白い肌は、陶器のようとも月の表面のようにも見えた。

 ──幽かな胸の痛みを自覚する。
778名無しさん@秘密の花園:2011/12/13(火) 01:15:52.96 ID:ac0VHvHm
 美しい少女だと思う。彼女は、トトリは、美しい。
 外見だけを云うなら、彼女よりも優れた容姿を持つひとは少なくない。彼女の姉のツェツィは

もとより、ロロナさんもメルル姫も、いずれも劣らぬ美女である。だけど、その上で、わたしが

トトリに心惹かれるのは、彼女の内面の美しさに触れたからだろう。それは、長い時間を共に過

ごし、苦楽を共にし、心を交わし合ったからこそ見えるようになった魂の輝きだ。
 わたしにだけ見える、トトリの煌き。それに魅せられ、彼女に心奪われて。
 そうして、わたしとトトリは、わたしたちになった。
 それはとても幸運なことだと思うし、かけがえのないものだと知っている。
 でも、偶に、本当に偶に、泣きたくなるわたしがいるのを自覚するんだ。
 わたしは貴族だ。だから、貴族の責務を果たさなければならない。先祖から受け継いだものは

、子孫へ受け継いでゆかねばならない。土地も資産も家さえも失ってなお残された貴族の誇りを

受け継いだんだ。だから、それを伝えていくのは、わたしの義務だ。それが貴族と云う名のシス

テムなんだ。国と民を治めるために、血で鎖を編み上げるのは。
 わたしは名目だけの貴族だけれど。シュヴァルツラングの血には、歴史がある。わたしがそれ

を絶えさせるのは、許されることではないと思う。
 わたしはトトリが好きだ。言葉にしたことこそ数えるほどだけど、この想いは嘘偽りなく真実

だと胸を張れる。
 だけど、こんなときには。
 トトリの寝顔を見つめるときや、彼女と離れて冒険するときや、彼女の帰りを家で待つときに

は、心の隙間から疑念の囁き声が聞こえてくる。

 ──トトリのことが好きだと云いながら、貴族であることは辞められないの?

 ──貴族の女なのだから、いずれはトトリと離れて貴族に嫁がないとね?

 ──シュヴァルツラングの血を継ぐ子どもを産むのは、わたししかいないんだから。

 わかってる。わかってるんだ、そんなことは。
 だけど、わたしはトトリが好きだ。トトリが好きで、好きで、好きで、好きで。
 眠る彼女の手を握る。その暖かさに涙腺が緩んだか、涙がこぼれて堪らない。
 好きだ。この子が好きだ。ああ、もっと自由なものだったら良かった。あるいは、もっと不自

由なものであったなら、わたしはこんなに苦しくなかった筈なのに。

「──」

 泣き声を口に閉じ込めて、わたしは深く瞑目する。
 トトリ。


 ──いつまでも、あなたに接がれるものになりたいと、それだけを祈る。
779名無しさん@秘密の花園:2011/12/13(火) 01:16:44.06 ID:ac0VHvHm
以上。なんか改行が狂った orz
駄文失礼。

トトミミバンザイ!
780名無しさん@秘密の花園:2011/12/13(火) 09:18:02.81 ID:lB96axdJ
GJ
最近SS多くて嬉しいな
781名無しさん@秘密の花園:2011/12/13(火) 18:37:12.92 ID:l5YzojTj
そうか、すっかり子どもが出来て当たり前と思っていたが、本来女同士じゃできないんだったな

ミミの涙を見たトトリが二人の子を成すために研究を始めるんですねわかります
782名無しさん@秘密の花園:2011/12/13(火) 18:54:37.27 ID:Y7VrqwqA
GJ
783名無しさん@秘密の花園:2011/12/14(水) 17:53:29.42 ID:KyXq8ztk
トトミミといえば、私情友情愛情イベントは作中屈指の百合名シーンだけど、
あれって屋外で、しかもすぐそばにメルルがいる(ひょっとしたらウニ投げの子供達とかも見てる)状態であれなんだよな。
メルルがもっと気を利かせてアトリエ内で2人っきりとかにしたらどうなっていたのやら…
784名無しさん@秘密の花園:2011/12/16(金) 00:37:25.16 ID:f9GK2J85
>773
俺が買ったときは600円ぐらいだったか値上がりしたかな?
俺は通販だったけど、中古の同人ショップのケース入りはプレミア付いた
値段だったりするから、そういう所は高い〜
あといずれにしてもヘテロと混じってる同人誌はどうも買う気がしない
んだよな〜おいらは
785名無しさん@秘密の花園:2011/12/17(土) 06:11:53.17 ID:R1GjK4LQ
中古の同人誌は見本が見られない事が多いので、知らないサークルを百合ネタ目当てに買うのは恐いな〜。
表紙買いしてみたら…なんて事もあるし。
786名無しさん@秘密の花園:2011/12/18(日) 00:15:38.51 ID:qa5TpmEP
あ〜確かに中古は通販でも店でも見本が見れないよね〜
だからとら等で在庫無しで昔のを探して見本見てから安全確認して
買う〜

中古はむしろこんな同人出てたら新品で欲しかったけど、出てるの知らなくて
中古で買うしかないってのが悔しかったりする〜

>表紙買いしたら

プレミア価格で買って地雷だったら立ち直れないよな
787名無しさん@秘密の花園:2011/12/18(日) 04:39:25.41 ID:+J9itO0g
総集編が出るのを知ってからとらでポチった
反省も後悔もしていない
788名無しさん@秘密の花園:2011/12/18(日) 13:54:36.18 ID:E3/zXue4
アトリエじゃないけど
百合ものかと予想して表紙買いした中古同人誌が百合ん百合んな内容で当たりだと思ってたら最後の方になって男が混じったときの敗北感
何でイチゴパフェにトンカツ乗っけるような真似するかな
そういうのは別個でいいっつーの


ところでまとめサイトの管理人さんはお元気?
もうすぐ500KBになっちゃうけど大丈夫かな
789名無しさん@秘密の花園:2011/12/18(日) 23:56:14.56 ID:qa5TpmEP
>787
とらって中古販売してたっけ?あるいは総集編出ると未来予想して新品で
買ったとか?

>788
表紙は見栄えをよくするために女だけにするらしい〜じゃあ中身も見栄える
ようにしろって感じだが〜表紙男×男と表紙女×女でホモとレズを当てる
難易度は天と地
>苺パフェにトンカツ
まだ美化した表現だよ〜
百合に男は言うなれば、宝石や美花に糞をまみれさせるに等しい
まあエロ同人好きは大抵美しいのが穢れさせるのハァハァだろうからな〜
790名無しさん@秘密の花園:2011/12/24(土) 16:37:04.24 ID:18uHKvy6
「あっ……や、ちょっと、待ってトトリ」
「動いちゃダメだよミミちゃん」
赤いリボンで両手を縛られて、ソファの上で子猫みたいに震えてるミミちゃんに、クリームのついた泡立て器をそっと近づける。
生まれたままの姿になっているミミちゃんの胸元に、そのクリームをぽとりと落とす。
「ひゃっ」
冷たさに、ミミちゃんが声を上げる。その反応が可愛くてたまらなくて、今すぐ食べてしまいたいけど、がまんがまん。
「まだまだだよー。もっともっとミミちゃんを甘くしてあげるからね」
ミミちゃんの体のそこかしこに、クリームを塗ってあげる。食べ物を粗末にするのはダメだけど、これはちゃんと残さず食べるから大丈夫。もちろんミミちゃんごと、ね。
「うふふ……ミミちゃんとっても美味しそう」
「っ……」
恥ずかしいのかな。ミミちゃんは顔を真っ赤にしてる。体中真っ白なクリームまみれ。確かに人に見られたら引かれちゃうかもね。
でも大丈夫だよ。今夜のミミちゃんは、私だけのクリスマスケーキなんだから。
「ミミちゃんも、ちょっと味見してみる?」
「え? ――っっ!」
私の口にクリームを含んで、それをミミちゃんに口移しで食べさせてあげる。もちろん、ちゃんと味わえるように奥まで舌を入れて。
「ふっ……ん、ちゅ……ぷは……どう? 美味しい?」
「……ぁ……っ……」
ミミちゃんはトロンとした表情で、かすかに頷いた。今日のために作った特製のクリームだからね。美味しくないはずがないよね。
まあ、普通のクリームには入ってないものも色々入ってるけど……体に塗って、直接食べて、十分効き目も出てきたみたい。
「さて……ミミちゃんの体も温まってきたし、パーティーを始めようか?」
私はクリームまみれのミミちゃんに、もう一度キスをする。
「ミミちゃん……今夜は一晩中食べ尽くしてあげるからね」
白いクリームの乗ったミミちゃんの体が、赤く火照ってる。私はそのまま夢中になって
(省略されました。続きを読むにはよいお年をお迎えください)
791名無しさん@秘密の花園
次スレ立ててもらった
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1324896324/

ガストちゃんの次回作アトリエじゃないっぽいけど
とりあえずまったり百合について語る場所ってことで