レズ声優出張所Part13

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1名無しさん@ローカルルール変更議論中
ここは声優板「レズ声優」の出張スレです。

前スレ:レズ声優出張所Part12
http://babiru.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1226823968/

本スレ:レズ声優 Part41
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/voice/1237569882/

「この声優は絶対レズだ」とか「レズらせたい」という声優さんを
「エロ話中心で」思う存分マターリと語っちゃって下さい。
妄想捏造ドンと来い。
SSも書いちゃって結構です。っていうか、キボンヌ
執筆して下さると言う方はトリップだけは忘れないで下さいね。

それでは、思う存分楽しんで下さい。

SS保管庫
http://www.geocities.jp/le_lys_dans_la_vallee_sei_unica/ss-1.html
SS保管庫(改)
http://www.geocities.jp/re2sayyou/
出張所プラス
http://jbbs.livedoor.jp/music/17969/
第3の保管庫
http://voiceactorstory.web.fc2.com/
2名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/23(火) 05:39:22 ID:2ah2g/vF
3名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/23(火) 13:56:03 ID:6SIHYAh9
おつん
4名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/23(火) 17:03:46 ID:uFy83/xJ
田中理恵は一度小清水亜美にお尻の穴まで奪われてみたらどうだろう。
良いSM関係が築けそうなんだが。
5 ◆bVl3UIA/Z2 :2009/06/25(木) 00:04:40 ID:USMj+dP4
あちゃー、新スレ立っているのに気がつかず、
しかも512kb制限が近いのにも気づかず、
大型SS投稿したあげくに最後の一レスが入らない。。。
http://babiru.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1226823968/971-975

本当にすみません。
最後だけはった方がいい?↑を貼り直した方がいい?
6名無しさん@秘密の花園:2009/06/25(木) 00:10:11 ID:JNX2GFVH
>>5どんまい
前スレ職人さん多かったから容量超えてたんだな
オチだけ貼ってもよく解らないし、貼り直し希望します
7 ◆bVl3UIA/Z2 :2009/06/25(木) 00:22:15 ID:USMj+dP4
では改めて。前スレ>>548の続き。アーサー×アッキー

「ごめんね、せっかくアーサーんち来たのに、あたしもうダメ」
「いいよ。遊ぶのはまた今度で、いつでもうちにおいで」
それほど飲んだ訳じゃないけれど、今日ははしゃいで疲れてしまった。
アッキーと二人で体を支え合って、どうにか部屋へ転がり込む。
靴も蹴散らかし、上着をポイっとベッドに投げ捨てると、そのまま体を横たえた。
アッキーも床にへたり込んでしまった。

「あはは、あたしなんかもう汗臭い」
アッキーが四つん這いになって、襟の所をパタパタさせるのだけど、
そのたびに胸のあたりがチラチラと見えてしまう。ナイスバディなんだよなあ。
そういう魅力に自覚がないところが、またアッキーらしいんだけども。

「いいよ。先にシャワー使ってよ……先にシャワー、浴びてきな」
途中で言葉を打ち切って上半身を起こし、ぴしっとポーズを決めて言い直した。
「今夜は、寝かせないぜ」
「ばかぁ(笑)」


「もう大丈夫?落ち着いた?タオルと下着、ここにおいとくね」
ドア越しに尋ねる。しかし返事がない。
「アッキー?……入るね」
「え?あ、ちょっと待って。もう上がるから」
「じゃあタオル、手だけ出して」
カチャリとドアが開き、隙間から白い湯気とともに手が伸びる。
これ一枚隔てた向こうに、全裸のアッキーがいるんだよなあ。うほほほほ。
おっといかん、何考えてるんだあたしは。

そんなに酔ってるわけじゃないけれど。
あえて言うなら雰囲気に酔ったというか。
自分に酔ったというか。
恋人役の自分に酔ったというか。

ベッドに戻り、伸びをする。そのまま腕を頭の後ろで組み足を絡ませ、
バスルームから出てくる恋人を待つシチュエーションに酔う。
8 ◆bVl3UIA/Z2 :2009/06/25(木) 00:22:53 ID:USMj+dP4
扉が開いた。
「じゃーん。どう?あたしセクシー?」
「おおー!うわーっははぁw、せくしーぃ」
思わず吹き出して、それからテンションは急上昇。出てきたのは
バスタオル一枚だけ巻き付けた姿のアッキーだった。

「えーっ、それって下ハダカ?下着そこにあるよね。うわー、やっぱ
裸なんだ。はぁーん」
「いい匂いもするでしょー」
「そうきたか、あはっ、『磯くせー!』」
「でもほら?ちゃんと石けんで体洗ってきたから」
しゃなりしゃなりと歩いてきてベッドのそばへ。
「ちょ、ちょっとアッキー、近いよ」
「アーサー」
上半身を傾け、肩に手をかけてきた。

「冗談はなしにしてさ、寝よう、もうほら」
たじたじとなってそっぽを向こうとするも、思いも寄らない力で引き戻される。
「そうよ。あたし今日はアーサーと寝る」
「いやそうじゃなくて、アッキーも酔ってるから」
「もう酔いも覚めたもん。あたし本気だから」
「ええー!アッキーって、ほんと本気か嘘かわからないってばさ」
「本気ですー。ひっどーい。じゃあアーサーあたしが本気か嘘かわからないの?
あたしアーサーがいつも嫁って言ってくれてるの本気だと思ってるのに、嘘だったの?うえーんシクシク」
「ちょっとアッキー。もう……」
泣き真似を始めた。駄々っ子だ。

しかし、イヤイヤと肩を振っていた動作はやがて静かになり、
シクシクという声は、いつしか本当の嗚咽になっていった。
「あたし、あたし、繪里子さんみたいにずっとかわされ続けるの嫌なの」
9 ◆bVl3UIA/Z2 :2009/06/25(木) 00:24:05 ID:USMj+dP4
アッキーは不安なようだった。寂しいようだった。とりあえず言葉をかける。
「大丈夫だって。別に逃げたりしないから。それに今井さんたちだって、
あんまり表に出さないだけできっとうまくやってるって。あたしなんか、
表でもちゃんとアッキーのこと好きだよって言ってるよ」
「でも実際あたしに何もしてくれないじゃない」

う わ 、マ ジ で す か 。
もんのすごく失礼ながら、その衝撃を言葉にすると、そんな一言だった。

弄んだつもりはないし、もちろん嫌いじゃない。アッキーのことは大好きだ。
デートにも行き、愛を語り、人前でそれを公言した。アッキーは私の恋人、
ある意味一方的な宣言に、ついにアッキーも応えてくれた。
満願成就、少女漫画のような展開、ままごとのような恋愛。
それがいま、この目前のリアリティに行き着いてしまった。

アッキーは本気だ。アッキーはいつも「本気で言ってるの?」と言っていた。
「もちろん本気だよ」ずっとそう答えた。アッキーは本気になった。私は――

「しょうがないなあ。ほらこっちおいで」
ベッドの縁に腰掛けて、優しくアッキーの頭を抱き寄せる。
柔らかく頭を撫で、撫で、撫でて、、、
10 ◆bVl3UIA/Z2 :2009/06/25(木) 00:25:11 ID:USMj+dP4
「アーサー」
「ん?」
「あたしにキスできる?」
「う、マジで?」
「むぅ〜っ」
かるくふくれっ面になる。

「できる、と思う」
「じゃあ、して」
チュッとついばむようなキス。
すると次の瞬間アッキーの方から襲いかかるように唇を求めてきた。

私はそのまま押し倒された。
キス、キス、キス、そしてキス。キスの嵐だった。
アッキーの手が私のブラウスのボタンに伸びる。
それは、先に手をかけていた私の指にぶつかった。
一瞬、目が合う。

(大丈夫、すべて受け止めてあげる)
そんな会話をした。したと思う。

私の手は離れ、代わりにアッキーの手がぎこちなく、
そしてやや強引にボタンを外していった。
既にはだけつつあったバスタオルをアッキーが自ら
放り捨てると、ついに私たちは抱き合った。

「アーサー」
アッキーが呼びかける。体を触れあわせていながら、
なおも互いの存在を確かめるように。
「アーサー、好き」
アッキーが繰り返す。心にあるものすべてが、
このたった二つの言葉に凝縮されたかのように
「アーサーの胸、柔らかい」
アッキーがうっとりする。私の胸を存分に揉みしだき、
頬ずりし、その心地良さに没頭して。
「アーサーのここ、濡れてる」
アッキーの手が触る。私の身体が、いや私が、反応している。
抱き合いっこじゃなく、セックスをしている。
私はアッキーとセックスをしてる。
その事実が津波のように頭の中身全体を押し流そうと
ぐわぁっと駆け巡った刹那、
「あたし、アーサーのなら舐めれる」
「!」
11 ◆bVl3UIA/Z2 :2009/06/25(木) 00:25:45 ID:USMj+dP4
「まって」
私のもので濡れた指をくわえようとする腕を慌てて押しとどめた。
(――まだ体洗ってないから)
(――恥ずかしいから)
(――まだ初めてだし)
理由にならない理由が浮かんでは消える。
(だめだ)

眉毛を曲げて困惑したようなアッキー。でもヘタレな私を
見透かしたようにも、この状況を面白がってるようにも見える。
よく分からない。この口元は謎の微笑というやつだろうか。
(――小悪魔アッキー)
心の中でつぶやいてみたとき、なんだか楽になった。
(なんだ、私は小悪魔を口説いてたのか。それじゃしょうがないな)
アッキーの腕を掴んだ手から力が抜けた。
二、三度、フーッと深呼吸をする。アッキーはそんな私の姿を
静かに見守る。

そしてゆっくりとアッキーの空いた方の手が動き、私の手を下ろさせた。
再び胸に顔を寄せ、息が吹きかからんばかりの距離を保ったまま、
焦らすように下へ降りていく。

「アッキー……」
こんどは私が呼びかける番だった。
「あああ、アッキー」
呼びかけるというものではない。漏れ出るというやつだ。
胸から腹部のくすぐったさが、耐え難い焦れったさに変わり、
秘部に鮮烈のような快感を受けたときまで、私は“アッキー”以外の言葉を
知らなかった。

「アッキ…、アッキイ」
「気持ちいい?」
「気持ち……いい……気持ちいい」
「私のこと好き?」
「好き」
次々と新しい言葉を教えられていくけれども、
アッキーの舌が与える快感が片っ端から吹き飛ばしてしまう。
もはや私は“あ”しか言えなくなってしまった。
「あっ、あっ、あっ、あああ、あああああ!」
アッキーも最後のクライマックスに向けて言葉を捨てた。
「んー!んんんん!」
「あああああああああああっ!」
12 ◆bVl3UIA/Z2 :2009/06/25(木) 00:29:05 ID:USMj+dP4
二人寄り添って寝ている。
「明子はエッチだなあ」
「エッチなお嫁さんて、夫の夢でしょう」
「でもこんなに積極的だと思わなかった」
「先に俺の嫁って言い出したのはアーサーだからね。押しかけ女房とか
言わせないんだからあ」
「俺の嫁、か」

夫と嫁という関係が本当だろうが嘘だろうが、
二人はこれからも一緒。それだけは本当だ。


-------------------------
さすがに長かった。すみません。
超ラジアッキーゲスト回の頃に2回目ゲスト再登板という設定だったから
結構たってるな。あと意地でもA.I.E.N絡ませるのは趣味ですw

つくづく濡れ場を書けませぬ。
「この二人でエロになるかw」と言われたけど、問題は自分の力量のようで。
性は生を書く。内面描写を仮託したエロだろうが単純エロだろうが
濡れ場書ける人ってえろいなあと思う。
おっと訂正えらいなあと思う。

次はガチ百合声優カップル(架空か実在か)が各所に巻き起こす波紋を書きたい。
13名無しさん@秘密の花園:2009/06/25(木) 00:38:14 ID:JNX2GFVH
>>12
あらためてGJ! この二人が大好きだからずっと続きを待ってた
>濡れ場書ける人ってえろいなあと思う。
禿同、だが貴方が言うなw
次回作も期待してます、各所に波紋を巻き起こしている声優が実在しないでもない気がするw
14名無しさん@秘密の花園:2009/06/25(木) 04:12:30 ID:6kak3moN
>>12
乙!!
まさかの麻男さん受けと小悪魔アッキーを堪能させてもらったぜ!
15名無しさん@秘密の花園:2009/06/26(金) 14:50:52 ID:pb6osH8E
>>12
GJ
しかしこのカップリングでのSSは初めて見たかも

意外とアイマス系ってカップリング豊富なんだな
16名無しさん@秘密の花園:2009/06/26(金) 15:53:29 ID:6f2CMaBz
えりりんミンゴス
あさぽんアッキー
キングミンゴス
神ひろりん
はらみーぬーぬー

王道コンビ的なのはこんな感じだが派生は割と無限にある
しかし仁後ちゃんは相方らしい相方がいないな
17名無しさん@秘密の花園:2009/06/26(金) 16:50:41 ID:d+Fw5Xuq
>>16
個人的にはまやちょん×くぎゅが好きなんだがな
まやちょんの「りえ」呼びが、意外性もあってたまらん
18名無しさん@秘密の花園:2009/06/26(金) 17:43:16 ID:UbJgLMOK
>>17
年上組とくぎゅって結構仲良いよな
とりあえず樹里きちはみんなの嫁
19名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/26(金) 23:01:38 ID:jERCUl5L
神田さんとあいぽんがイベントで似たようなベストを着てたらしい。
偶然?いや、俺にはわかるよ

「神田さーん!明日のイベントですけど、アレ着ちゃいませんか?」
「あれ?藍ちゃん、あれってどれのこと言ってるの?」
「ベストですよ、ベ・ス・ト!こないだ一緒の買い物行ったときの・・・ね?」
「あぁ、あのベスト。藍ちゃん着るの?」
「えぇ、是非神田さんと一緒に!」
「一緒!?ばっ、ばっかじゃないの!藍ちゃんひとりで着なさい」
「えー、せっかくオソロなのに・・・」
「オソロって言わないで!たまたま、そうたまたま似たようなデザインのが気に入っただけで・・・」
「ちょこっとペアルック気分ですよね♪」
「っ!!着ません!!!」
「えー、かんださぁーん!着ましょうよ〜!!」


ってやりとりがあったってこと。
あいぽんがちょっとワガママっぽく甘えたに違いない。藍朱!!
20名無しさん@秘密の花園:2009/06/27(土) 16:20:12 ID:zVHBbWyv
>>19
仲間!これだな
http://www.pachinkovista.com/info/news.php?nid=200906242023227n
そして、あいぽんのブログを見てみろ。
その妄想は確信に変わっていく。
21アスパラ ◆voe.iCz7FY :2009/06/27(土) 22:40:38 ID:6r0P0L/P
空気よまずにほちゃます

元ネタはアニスパ

タイトル「アスパラ」


急に降り出した雨

ほりえさんとあさのさんは買い物を早めに切り上げあさのさんちへ
22アスパラ ◆voe.iCz7FY :2009/06/27(土) 22:50:58 ID:6r0P0L/P
「あさのさん傘持ってけばよかったねー」
「ほっちゃんこれタオル、良かったらシャワー浴びてって」

小一時間立ってもほっちゃんは風呂場から出てこない

「あれっ湯船…やだっ昨日の牛乳風呂に入ってる」
「あさのさん勝手にゴメンねー…これあれでしょ、白ますみんになるための」
「アニスパ聞いてたんだ」
「ねぇ一緒に入ろ」

やや上気したほりえさんの笑顔はまるでエンジェル
23アスパラ ◆voe.iCz7FY :2009/06/27(土) 23:01:34 ID:6r0P0L/P
「ほっちゃんの曲ここで生まれたんだ」
「うん、ありがと」

ユニットバスは二人で入るにはちょっと狭い

「何かのぼせてきちゃったな」
「アイスあるよ」
「食べる食べる」
「アイスと言えばさぁ、またユニットやりたいね」
「年齢的にちょっと厳しいかな」
「何言ってるかな、この17歳は」

二人は手早く髪をまとめバスルームを飛び出した
24アスパラ ◆voe.iCz7FY :2009/06/27(土) 23:07:57 ID:6r0P0L/P
アニスパで言ってたのは牛乳であく抜きすると白ますみんが生まれるとかいう話

妄想抑えきれず放送そっちのけでカキコ

お目汚しスマソ
25名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/28(日) 00:19:30 ID:fZfNTPtH
最近あみぺの絡みが多いな…


To:バオ〇ブ社長様
(前書き略)
私は小清水亜美さんと、三瓶由布子さんの絡みが好きです。特に小清水さんが「さんぺーちゃ〜ん」と言っている所では、語尾にハートが見えてとても可愛いです。もっと二人の絡みが増えたらいいなと思います。

ぺ「送信っと」

あ「最近ぺーとのお仕事増えたねっ」
ぺ「そだねー」
26名無しさん@秘密の花園:2009/06/28(日) 12:16:56 ID:PYU6CJ1O
>>25
ぺの方が送ってんのかwww
さすがツンデレだ
27名無しさん@秘密の花園:2009/06/28(日) 17:05:52 ID:eeVfNqoc
>>25
素晴らしい。じわじわくるw
28名無しさん@秘密の花園:2009/06/29(月) 22:02:45 ID:ddhyAUbc
>>25です

>>26-27さん、レスどうも。こういうネタというか、小話というか、そういったものを書いたことがなかったもんで、嬉しかったです。また機会があれば投下してみようと思います…

チラ裏でした
29 ◆7564h5uhPA :2009/06/29(月) 23:28:17 ID:dfVlKcPH
>>20 仲間ktkr!「神田せんぱ〜い!!」とか可愛すぎだろう。
妄想が確信になったか・・・一緒!w
藍朱が微笑ましくて頭から離れないのでSSもどきを投下させて頂く!


「藍ちゃん・・・ちょっといい?」

そう言って廊下の奥を指差す神田さんの眉間に少し皺がよっていて
あたしの心は急に不安でいっぱいになった。

最近何か神田さんを怒らせることしたかなぁ・・・
もしかして、さっきのイベントトークは自分が思ってるより調子に乗りすぎてしまっていたのもしれない。
ぐるぐる悪い考えばかりがめぐって泣きそうな気分になったとき、前を歩いていた神田さんが突然振り返った。


「藍ちゃんっ!」
「は、はいっ!」
「これ・・・あげる!」

勢いよく突き出された右手の先に、小さな白い紙袋。
なんだろう?あたし怒られるんだよね?でも神田さん「あげる」って言った気が・・・。
驚きで言葉につまるあたしに、神田さんは少しあせるように言葉をつむぐ。

「こ、これさ、・・・一生懸命、藍ちゃんに似合いそうなの選んだから受け取ってよ」
「え・・・?」
「だからっそのっ」
「神田さん?」
「誕生日プレゼント!!・・・遅くなって悪かったって。ごめん」


誕生日おめでと、とそれはそれは小さくつぶやいて顔を真っ赤にしてる神田さんに愛しさがつのる。

「神田さぁーん!!」
「わっ!藍ちゃんあぶないっ!」

気持ちの溢れるまま、両手を広げて抱きついた。少しよろめきながらもあたしの身体をぎゅっと受け止めてくれる。
嬉しいです。幸せです。大好きです。気持ちがどんどん加速する。

「神田さんっ、・・・ありがとうございますっ!」


ふわりと笑う気配が身体から伝わってくる。
ぐりぐりと頭を肩に押し付ければ、神田さんがぽんぽんと優しく撫でてくれて、
さっき悲しくて泣きたくなったのが嘘のように、今度は嬉しくて泣きたくなった。


以上。この二人はなんか和むw
30名無しさん@秘密の花園:2009/06/30(火) 00:09:23 ID:7XPHTZ+I
萌えた!藍朱というか朱藍GJ!
31名無しさん@秘密の花園:2009/07/01(水) 19:07:45 ID:NJ7po0sf
>>29
20だが、どうやらベストの話題もイベントで出たらしいな。
レポで見たよ。
とにかくGJだった!
32名無しさん@秘密の花園:2009/07/02(木) 21:08:46 ID:V2GDoomp
>>29
なんという…GJ!!二人とも可愛いぜw

そして浅野さんのブログの“アタイ”にパープルのオーラを感じたのは自分だけでいいww
33名無しさん@秘密の花園:2009/07/02(木) 21:40:08 ID:4o6eOCtF
>>32

「あれ?この部屋甘くない?」
「ん?気のせいじゃない?」
「甘いYO〜♪さてはケーキでも隠してる・・・!?食べたいYO!ますみぃ〜」
「もぅ、智秋ちゃん暑いっ!くっつかないで!」
「雨の日の真澄はツンデレイニーって・・・あれ?真澄から甘いにおいがする」
「ちょ、かぐなっ!犬かアンタは!!」
「うーん、犬っていうよりオオカミかも・・・」
「・・・へ?」
「甘くておいしそーな真澄を食べちゃうから♪」
「っ!!!!」


と、ますみんの無意識な誘い受ですね、わかります。
34名無しさん@秘密の花園:2009/07/02(木) 21:44:53 ID://U5jq1J
なんてったって「召しませ」だからなw
35名無しさん@秘密の花園:2009/07/03(金) 12:27:43 ID:pfLQVBHC
>>32
まったく同じことを思っていた
36名無しさん@秘密の花園:2009/07/06(月) 18:27:46 ID:hyCgxyrN
あみぺの京都旅行続編を正座して待っているのは俺だけでいい
37 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/06(月) 19:06:15 ID:fNN88Rdc
>>36
どもです。前スレ京都旅行の者です。
正座は足が痺れると思いますんで、ゴロゴロしながら期待せずに待っててください。ありがとう。

京都旅行続編のはもうちょいお待ちくだされ。
流れはできているんだけどあとからプロットに矛盾が出てくるのが怖くて、まだupできないのです。スマン。

気分転換に他のあみぺSS書きますた。
エロなし。某アニメの先行上映会でのあみすけがとても可愛かったので、ついカッとなって発作的に。
38オオカミ耳 1/5 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/06(月) 19:09:28 ID:fNN88Rdc
携帯に映し出された写真を見て、思わず飲んでいた紅茶を吹き出しそうになった。
すんでのところで無理に堪えて激しくむせ込む。

「ちょっ、ゆうゆ大丈夫!?どうしたの!?」

涙目になりながらゲホゲホとむせていると、テーブルの向かいに座っていたかおりんが心配そうに背をさすってくれた。
嬉しいけど情けない。

「……ああ、うん、ごめん。ゴホッ!平気……」

ごほんと咳払いを一つ。

持っていたカップを持ち直して、紅茶を一口改めてごくりと飲み込んだ。

そうだ。レディとのお茶の最中に、目の前で携帯をチェックするという失礼な行為をした報いだ。

携帯をそっとたたんでバッグの中に放り投げる。

不思議そうな顔をしてくるかおりんに、愛想笑いを返してごまかした。

むせた理由なんて言えるはずがない。

ーーオオカミ耳をつけた小清水があまりにも可愛くて、取り乱してしまったなんて。



かおりんと別れた後、その足で小清水のマンションに向かった。

『小清水が夕飯作ってくれるらしいんだけど、かおりんもどう?』

と誘ったけど、どうやらかおりんは私とお茶した後に用事があるらしく、『ごめん、また今度!』と両手を合わせて謝ってきた。

残念。まあ急だったし仕方がないか。

『二人のお邪魔はできないしね』なんて最後に付け加えていたセリフがすごく気になるけど。

玄関の自動ドアをくぐり、オートロック手前でインターホンを押すと、『はい』と小清水の声が聞こえた。

「おいーっす。小清水、私」

『はいはーい』

目の前で開いたオートロックのドアをくぐって、エレベーターの中に乗り込んだ。
奥の壁にもたれかかって目を閉じる。
するとさっき携帯で見た写真が頭の中に浮かんで、口元が緩む。

今度小清水が役を担当するアニメの、先行上映を兼ねたトークイベントがこの前行われた。
その時の小清水の服装も可愛かったけど、オオカミ耳をつけた小清水の姿に、目眩がした。

それにしても似合っていたと思う。

−−獣耳が、好きなのか?私。

−−いや!それは断じてない。もともと小清水は顔整ってて可愛いからああいうのも似合うってだけだ。

−−うん?顔整ってて可愛い?

−−ち、違う!これは私が思ってるんじゃなくて、あくまで客観的に見てだ!
39オオカミ耳 2/5 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/06(月) 19:11:21 ID:fNN88Rdc
なんて、脳内で対話を繰り広げていると、エレベーターが目的の階に到着した。
ドアが開く気配に、慌てて口元を引き締める。
盛大にため息をつきながら目を開けて、もたれていた身体を起こした。

いずれにせよ凹む。

オオカミ耳をつけた小清水に、不覚にもときめいてしまったんだから。



ピンポーン。

小清水の部屋のインターホンを鳴らしたと同時に玄関の扉が空いた。
思わず後ろにつんのめる。

「マイワイフ!おかえりー」

「おわっ!」

中から出てきた小清水にさらに抱きつかれて、危うく倒れかける。
数歩たたらを踏んでなんとか持ちこたえる。

「ぺ!」

「うん?」

「おかえりのキ、んむーー!」

抱きしめていた腕を解いてキスをしようとしてきた小清水に反応して、すかさず手でガードする。
私は靴を脱ぎながら部屋へとあがった。

「二人のときくらいラブラブしようよ〜」

小清水もすぐに後からついてきて、キッチンの方へと向かう。

「料理なんか手伝うことある?」

不満をもらしている小清水を無視して、バッグをその辺に置く。

「だいじょぶだいじょぶ。そこに座ってて。なんか飲む?」

「いや特には」

私は小清水の部屋にあるカピバラさんのぬいぐるみを手にしていじり始める。

ぬいぐるみをもふもふしながら「あのこと」を話題に出してみようと思った。

「そういやこの前さあ、小清水トークイベントやったじゃん。先行上映兼ねた」

「あー、うん。狼と香辛料?」

「そうそう。その時さあ、ホロだっけ?小清水の役。オオカミの耳つけてたじゃん」

「うん、あーーーー!」

そうそう!そうなのー!
とかなんとか興奮気味に私のいる部屋にやって来て、バッグをごそごそやりはじめた。
突然の行動にびっくりしながら、小清水の背中に声をかける。
40オオカミ耳 3/5 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/06(月) 19:12:56 ID:fNN88Rdc
「あのー、小清水さん?」

「じゃじゃじゃーーん!」

バッグから取り出して私の目の前にそれは掲げられた。

オオカミ耳のカチューシャだった。

「…なんでそれ、今持ってるの?」

「ぺにもつけてもらいたくて♪」

一秒。

「はあ?なんで私が!」

「絶っ対萌えだから!これであなたも気分はホロ!見た目もホロ!」

「いやいや気分も見た目もどうでもいいし!ってかほら料理は!?夕飯は!?」

「もう終わったよ!あとはご飯が炊けるの待つだけ♪」

「くっ!なんでそんな手際いいんだ……」

カピバラさんを定位置に戻して、反論しながら後ろに後ずさるけど、小清水もオオカミ耳を手ににじりよってくる。
そういやさっきキッチンの鍋の火を止めてやがったなコイツ。かなり本気だ。

「つ・け・て。マイワイフ!」

じりじり。

「い・や・だ。それにワイフじゃないっての!」

「じゃあ旦那?」

「……」

なんでそうなる。ってかなんでそこは日本語なんだ。

足を引いて、再度後ろに後ずさる。
足が固いものにあたった感触がして、ゴトッと音がした。
振り向くと小清水のベッド。
ヤバい。逃げ場がない。

「ああんぜったい三瓶ちゃん似合うよ!ツンデレだし!」

「意味分かんないし私はツンデレじゃない!それにお前は似合うかもだけど私は似合わないって!」

「……え?」

小清水がとまった。
41オオカミ耳 3/5 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/06(月) 19:15:17 ID:fNN88Rdc
あ。

しまった。すげえ失言。思わず頭を片手で押さえる。

小清水は一瞬きょとんとした顔をして、気持ち悪いぐらいににやけながら近づいて来た。

「なあんだ〜。三瓶ちゃんったらあ。亜美につけて欲しいならそう言ってくれればいいのに〜」

「ばっ、馬鹿ちがう!」

私の抗議をよそに、小清水がおもむろにオオカミ耳を頭に装着した。私の目の前で。

ふわふわの、障り心地がよさそうなオオカミ耳をつけた小清水の姿を見て、絶句する。

「ほらどう?どう?似合う?可愛い?」

「……」

これ以上なく小清水が近づいてきて、ほぼ密着状態でこちらを見てきた。

やっぱりだ。

かなり似合う。似合いすぎる。
似合うというよりハマりすぎて、ついてないはずのしっぽまで見える。

コイツに対しては死んでも言いたくないけど、すごく可愛い。

私は無言で小清水の背中に腕を回して抱きしめた。
そのままの勢いでベッドに倒れ込み、小清水を押し倒す。

「え、ぺ?」

「……小清水が、悪い」

ぽかんとした顔で見上げてくる小清水に、唇を重ねた。


---


ベッドサイドに落としたブラを手探りで拾い上げた。

オオカミ耳をつけた小清水が可愛すぎて押し倒すとか、なんて失態。なんて不覚。

最近は色々と小清水に毒されている気がしてならない。もう本当に色々と。

気まずい気持ちでもそもそと肩ひもを通してブラジャーをつけていると、小清水が私を抱きしめるように、後ろからしなだれかかってきた。

私の肩に顎をのせてきて、横目で顔を伺うと、超嬉しそうな小清水の顔があった。

少し乱れた髪の毛が、汗で小清水の白い肌に張りついている。クスクス笑いながらも、上気した顔で快楽の余韻に浸っている小清水が色っぽくて、慌てて目をそらした。
42オオカミ耳 4/5 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/06(月) 19:16:55 ID:fNN88Rdc
「ぺってば、激しーい」

耳元で囁かれ、顔が赤くなる。

「……うるさい」

「キスマークまでつけられちゃった」

「……黙れ」

「あーあ。ちゃんと隠れるかなあ〜」

セリフに音符マークがつきそうなくらいの弾んだ声を耳元で聞きながら、ため息をついてショーツを拾い上げる。

「悪かったって……」

「えー?なんで謝るの?」

「いや、だって、いきなり…」

と、歯切れ悪く話していると、背中をつーっとなぞられた。

「ッ……!」、

背中を仰け反らせてしまい、拾ったショーツを取り落としてしまう。小清水の方を振り返ると、強い力で抱きしめられた。

「ぺからしてくれる、ってあんまりないし、嬉しかった……」

「そーですか……」

赤くなった顔を見られたくなくて、顔を小清水の胸にあずける。

と、頭になにかがつけられたような感触がして、がばっ!と体を起こした。

ま、まさか……!

瞬間的に頭の上に持っていった手が、小清水の両手によって封じ込められた。

両方の腕を取られたら頭の上の物体を取りようがなくて、小清水の方を向かないようにしながら激しく抵抗する。

「は、離せー!」

「だめー!ぺのも見たい♪」

「いやだ!」

何度も押し問答を繰り返していたけど、結局諦めた。

睨むように上目遣いで小清水を見上げると、ジーッと私を凝視してくる。

正直落ち着かない。恥ずかしい。
目を逸らして、小清水の後ろの壁のあたりに視線を泳がす。
43オオカミ耳 5/5 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/06(月) 19:18:54 ID:fNN88Rdc
あんまりジロジロ見るなよ。

と言おうとした瞬間、

盛大に押し倒された。

「どわああ!!なんだよ!」

「ぺ!これはすごいね!」

「はあ!?」

「すごい破壊力……!鼻血出そう!これは萌え死ねるわ……」

「ちょっ……まっ……ゆ、夕飯は!?」

「だいじょーぶ!次は私の番だよね♪」

「……!」


普通、オオカミって襲うもんじゃないのか?オオカミが襲われるのってなんかおかしくない?

……ま、いいや。


END
44 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/06(月) 19:20:02 ID:fNN88Rdc
あとがきという名の言い訳。3/5が二つあるけど内容は重なっておりませんので気にしない(殴)。心底すみません。

ラブラブな二人を書きたかったんです。ちょっとキャラが変わっててすみません(土下座)。あああやっぱ、もうちょっとちゃんと上手く文章運びができるようになりたいです。

三瓶×小清水のエロ部分も書いたんですが、この二人のエロは、京都旅行の話を書ききってからじゃないと個人的に納得できなさそうだったんで、今度どっかでupします。
この板の多様性の保持に貢献するためにも、個人的には色々なカップリングに挑戦したいんですけど、今の俺にはなばいとかあみぺしかまだ無理なことがわかったorz
お目汚しすみませんでした。
45名無しさん@秘密の花園:2009/07/06(月) 19:56:37 ID:DbEK6BWZ
>>44
自分も正座してて足が痺れてたけど、これ読んだらさらに痺れたぁーー別の意味でー!!
46名無しさん@秘密の花園:2009/07/06(月) 19:59:18 ID:FomRuj/n
いつも受け身な方が我慢できなくなってつい、っていいよね(´∀`*)
>>44GJ!!
47名無しさん@秘密の花園:2009/07/06(月) 20:20:47 ID:Rg+egysD
GJ!!さんぺーかわいーな!!
エロ部分どっかでUPってどこだ!?ここじゃダメなのか?是非、ここでお願いする!
なばいとあみぺ書けるだけで十分だと思うぜ!めちゃ読みやすいし!特徴とられえてて萌える。
48名無しさん@秘密の花園:2009/07/06(月) 21:25:57 ID:GWblf7F3
ぺ様が襲うのって新鮮だな
49 ◆XibE9junJI :2009/07/06(月) 21:43:12 ID:unAP/UUg
あのぅ…Aice5のDVD見返したりラジオ聞き返したりしてたら、智ますが可愛すぎて
ヘヴン状態なってしまい、初めてss書いちゃったんですが載せてもいいでしょうか…。
50名無しさん@秘密の花園:2009/07/06(月) 21:45:32 ID:FomRuj/n
いいともさ!!
51愛をこめて花束を  ◆XibE9junJI :2009/07/06(月) 21:57:30 ID:unAP/UUg
某ソウルの神様の名曲と同じ名前のアーティストのアルバムを久々に聴いたので、
もろインスパイア(笑)されて書いてみましたww

では次からいってみます!
52愛をこめて花束を  ◆XibE9junJI :2009/07/06(月) 22:02:05 ID:unAP/UUg
辺り一面に黄色い花を咲かせた向日葵畑の真ん中で、
懸命に一眼レフのファインダーを覗いている彼女を見ていると思わず顔がにやけてしまう。



こんな顔見られたら「…智秋ちゃん気持ち悪い」ってまた言われちゃうかなぁ(笑)



そんな事考えてたら案の定「何?気持ち悪いよニヤニヤして」という聴き慣れた声とセリフが耳に入ってきた。

「えーっと…いや、なっ何でもないYO!」

慌てて答えたけど時すでにお寿司…じゃなくて時すでに遅しで

「何でもないワケないでしょ!考えてた事を全て吐けコノヤローヽ(`Д´)ノ」

と、これまた聴き慣れた声とセリフで詰め寄られる。



真澄知らないでしょー!?
切れ長で少し茶色いその瞳に見つめられたら、私の世界はあなたでいっぱいになるんだ。
53愛をこめて花束を  ◆XibE9junJI :2009/07/06(月) 22:06:20 ID:unAP/UUg


----------------そう遠くない過去のお話----------------



「…ねぇ真澄?少し距離置いたほうがいいかもね、私達」

「…うん、そうだね」



大喧嘩をした。きっかけなんて喧嘩の結論が出る頃にはすっかり忘れてしまうほど些細な事だった。

前から歯車のズレは感じていたのだ。でもお互い忙しい事を言い訳に、それに気づかないフリをしていた。

ズレは次第に大きくなって…そして…噛み合って動いていたはずの歯車は完全に止まってしまった。


どんな事があっても冷静でありたい真澄と、
ちょっとした事で泣いたり笑ったり忙しい私。


論理的に少ない言葉で本質を伝えようとする真澄と、
順序なんか関係なく浮かんだ言葉を口にする私。


案外上手くいくコンビだと思ってたんだけどなぁ…
何処で何を間違えちゃったのかな。


--------------------------------------------------
54愛をこめて花束を  ◆XibE9junJI :2009/07/06(月) 22:11:52 ID:unAP/UUg

「ん〜その、またこの景色を一緒に見れて嬉しいなぁと思ってさ〜♪」

「まぁね。」



私の何気無く言った一言に、さっきまでの勢いは何処へやら、真澄は急に顔を逸らし無言になる。
そんな様子を見て、思わず私は急いで言葉を続けてしまう。


「いや〜正直さすがのアタイでも、あん時はマジでもう駄目だと思ったね!」
「今ここでこうしてるのが不思議な位、アタイ達の関係は暗い状態だったね…なんちってなー!!」
「でも今は仲直りできて最高!ハッピー!超ハッピー!だZe!!」


「…うん…私も。」


変なテンションで捲くし立ててしまった事を少し後悔していたら、間を空けて真澄がポツリと一言。
俯いたその顔は真っ赤で、印象的な瞳も同じ色になってて。



そんな彼女を見ちゃったせいで、抑えてた気持ちが、涙と一緒に溢れ出す。



気付かれない様に小さく深呼吸。溢れた気持ちをかき集める。

そして、何時もの私で彼女に伝える。


「仲直りしたあの日からさ〜この向日葵畑には、絶対に真澄とまた来ようって決めてたんだ〜♪」


明るく、明るく、あくまで明るく。
気を張り詰めて、感情が乱れないようにあくまで明るく。



なのに真澄ときたらさぁ…。
55愛をこめて花束を  ◆XibE9junJI :2009/07/06(月) 22:18:56 ID:unAP/UUg



「…なんで?…って、智秋ちゃん泣いてんの!?
 あんなにハイテンションで喋ってて、どのタイミングで泣けんだよ〜」



やっと顔をあげてくれたと思ったら、私を見ていきなり笑い出すから何だか無性に腹が立って、


「なっ、なんだYO!バカバカ〜笑うなYO!今アタイ結構真剣だったんだから!
 もう真澄の事なんか知らない!」


そう返して子供みたいに膨れてみたけど、「で?理由は?」って優しい声で彼女が言うから、
勝手に顔が綻んでしまう。それが悔しくて、でも嬉しくて、また涙が溢れ出す。



まったくこれじゃあ真澄の思うツボだなぁ。



「あ〜もう分かった分かった!!教えればいいんしょ!?
 この沢山の向日葵は、8月生まれの真澄へのプレゼント企画第一弾のつもりだったの!」

「前に来た時は殆ど枯れてたじゃん?だから綺麗な向日葵を真澄と見たくてさ〜。
 何ていうか100万本の薔薇の花束の代わりに、美しい景色をあなたに!!みたいな?
 花の香りに乗せて、YOUに届けアタイのこの思い!!みたいな?」

「ちなみに、向日葵の花言葉は“あなただけを見つめます”なんだZe〜超ピュアガールでしょアタイ♪」



わざとふざけてサムカワも割り増しで話してみたけど、所謂チキンハートな私は真澄の事をまともに見れなくて。




急にどうしようもない恥ずかしさを覚えてしまい、「あっちの向日葵も見てこようかな〜」なんて
その場から逃げようとした瞬間、不意に腕を掴まれ、抱きしめられた。
56愛をこめて花束を  ◆XibE9junJI :2009/07/06(月) 22:25:23 ID:unAP/UUg



「…まっ、ますみサン?なっ、なに、どうし『智秋ちゃん!』…」



「智秋ちゃん…私の事を好きになってくれてありがとう。好きでい続けてくれてありがとう。
 私の所に戻ってきてくれてありがとう。本当にありがとう…」



人に涙は絶対見せない!なんていってる人物の、貴重な貴重な涙声。

うひょー今日は雹が降るかもNe♪なんて妙に冷静に考えてたら、何だが可笑しくなって
真澄の胸に顔を埋めてクスクス笑う。



「何?気持ち悪いよニヤニヤして」って、またお馴染みのあのセリフが聞こえてきたから、
顔をあげて私も答える。



「真澄?…ありがとね。好きになってくれて、好きでい続けてくれありがと。
 そばにいさせてくれてありがとう。そばにいてくれて…本当にありがとう。」




-END-
57 ◆XibE9junJI :2009/07/06(月) 22:36:29 ID:unAP/UUg
スレ汚しすみませんでした!そして読んで下さった方々ありがとうございます。

喧嘩して仲直りはしたんだけど、ほんの少しだけ溝が残ってた感を書きたかったんですが…。
あと、ますみんを涙目にさせたかったww
某曲からめちゃくちゃインスパイア(笑)させて貰いましたw

サムカワは本当に難しいですね〜こんな事毎日言ってるキングはマジ尊敬しますww
58名無しさん@秘密の花園:2009/07/06(月) 23:02:50 ID:DbEK6BWZ
GJ!!

今日は一日早い祭りじゃーー
59名無しさん@秘密の花園:2009/07/06(月) 23:25:20 ID:TsS17Y7n
>普通、オオカミって襲うもんじゃないのか?オオカミが襲われるのってなんかおかしくない?

それは簡単なことだよ、三瓶さん。
つまり、三瓶さんが襲えばいいんだよ。
あ、もう襲ってたか。
60名無しさん@秘密の花園:2009/07/06(月) 23:37:51 ID:FomRuj/n
>>57
涙声ますみん萌えた、GJ!
智ます大好きだから書き手さんが増えるのは嬉しい
61名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/07/07(火) 00:35:03 ID:FpxZsbss
あれ二日のぞかなかっただけで一体何が
二人ともGJ!ニヤニヤとまらんw
62名無しさん@秘密の花園:2009/07/07(火) 00:57:30 ID:MNefGAo/
>>37
正座した甲斐があったと全身全霊で叫んでる36ですが
なんだなんだGJすぎる
京都旅行も待ってるよ!自分で納得したらup頼む
63名無しさん@秘密の花園:2009/07/07(火) 01:17:55 ID:wyzY7TAT
>>44
あみぺ可愛いなあ、マジでGJ
てか十分エロいと思うぞw
短編も長編も好きなものを好きな時に投下してほしい
書きたくて書いたものほど読んでて楽しい物は無い

>>57
お前のせいで俺もヘヴン
64名無しさん@秘密の花園:2009/07/07(火) 02:00:47 ID:CtUL0Gxv
>>44

口から鼻血ふいた。
もう…GJすぎて言葉が出ません!!!
なんかもう、全力であんたにお礼を言いたい!!
ありがとうあみぺ書いてくれて!いちばん大好きなカップリングなんだ!!
ありがとう!!
あみぺのエロスはあまりなくて、読みたかったから嬉しかった!!
65名無しさん@秘密の花園:2009/07/07(火) 14:12:20 ID:NzE5lcTm
>>57GJ
やっぱり智ますは最高です
不仲説があったのが嘘みたいだよ
66 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/07(火) 15:47:03 ID:T4WwpFGF
みなさまレスありがとうございます。

>>47
エロ部分了解しました。京都旅行編が終了したらここでもUPするわー。

>>57
GJ!!!
智ますもいいっすよね〜。サムカワ書けるのマジ尊敬する。

>>64
そうそう。あみぺのエロスなSSはあんまりないんだよね。
SS書いたことのない俺が、あみぺSS書こうと思い立ったのはそれが理由なんです(笑)

京都旅行の続き、区切りのいいところまで投下します。休日万歳。
なんていうか、ちょっと暗いです。
67京都旅行二日目 side sanpei(前)1/4 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/07(火) 15:48:22 ID:T4WwpFGF
肌寒さと人の気配を感じて目が覚めた。
寝返りを打って窓の方を見ると、カーテンの隙間からはまだ日が射していなかった。

無音の部屋の中で、かすかな水音が浴室の方から聞こえる。
浴室の扉が細く開き、部屋の中に一筋の光が射し込んだ。

その光はやがて大きくなっていき、部屋の輪郭をあらわにしたが、スイッチの音が聞こえると同時に部屋がまた暗い状態に戻った。

「……小清水?」

気配のある方に声をかけると、影が一瞬止まる。

「ぺ、ごめん。もしかして起こしちゃった……?」

「いや、自然に起きた。寒いし……」

小清水がベッドサイドに来た気配がした。
私のベッドに腰をかけて、ベッドのスプリングがぎしりと音を立てる。

「……小清水、今何時?」

「まだ5時……ちょっと前かな」

「んー……」

小清水がゆるゆると私の頭を撫でてきた。気持ちがよくて、自然と意識がまどろむ。

「ぺ……」

「……ん?」

「……起きる時間まで、一緒に寝てもいい?」

「……んー」

いつもなら拒否するところだが、睡魔に襲われていて何も考えられなかった私には、その選択肢がなかった。
ぼんやりと小清水の言葉を頭の中で反芻する。

眠い。

「……だめ?だめなら」

「勝手にすれば……」

私の頭を撫でる小清水の手が止まった。

私は目をつむったまま、小清水が中に入れるように布団をちょっと持ち上げる。

急に両肩が外気にさらされ、思わずぶるりと身を震わした。
暖房がかすかに効いているホテルの部屋とはいえ、睡眠によって体温が下がった身体には刺激が強い。
68京都旅行二日目 side sanpei(前)2/4 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/07(火) 15:49:18 ID:T4WwpFGF
小清水はなかなか動かなかった。

寒さで若干浮上した意識で、瞼を持ち上げる。

暗さで表情を伺うことができないが、ごくり、と小清水の喉が鳴る音が聞こえたような気がする。

「うおーい……寒いんだけど、……来るの?来ないの?」

私がそういうと、小清水はおずおずとその細い足を布団の中に滑り込ませてきた。

冷たい外気も一緒に入ってきたけど、二人分の体温で、すぐに布団の中はじんわりと温かくなる。
私は寝返りをうって、小清水と反対方向に身体を向けた。
眠気に引きずられて、頭の中に薄く霞がかかる。

「…さん、ぺいちゃん……」

……ん?

「……ぺは、こういうことされるの嫌?」

なにが。

「……こういうの、気持ち悪いと思う?」

背中側の首筋の根元に、柔らかな感触が落ちてきた。

意識を手放す直前の小清水の声が、泣いているように聞こえた。




いつもと違う、やさしい石けんのような香りがした。寝返りを打とうとして、自分の肩にある感触に気がつく。

私は瞼を薄く開く。

そこには静かな寝息を立てて寝ている小清水の顔が目の前にあった。

……うん?

「っ!?」

ぱちっ。
瞼が音を立てて開いたような錯覚を覚える。
驚き慌てて起き上がろうとするも、私の右肩あたりから背中にかけて小清水の左腕がまわされていることに気がついて、すんでのところでやめた。

器用な寝方するなあコイツ…

小清水を起こさないように身をよじり、腕を解いてやる。
そうしてからゆっくりと起き上がり、ヘッドボードにもたれかかった。

ふう、とため息を一つついてベッドサイドに置いていた携帯を取り上げて開くと、7時半を回っている。
ぴくりとも動かずに小さな寝息を立てている小清水の顔を見る。

声をかけようとして、口をあけた瞬間にそれは目に入った。
69京都旅行二日目 side sanpei(前)3/4 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/07(火) 15:50:12 ID:T4WwpFGF
うっすらと見える、目の下の隈。

このくらいの近距離じゃないとわからないくらいの薄い隈。ファンデーションを塗ったらすぐに消えてしまうだろうと思われるくらいの。

昨日、キスしてきた時の小清水の顔を思い出す。なんだか気になって胸がざわついた。

小清水の目元に手を持っていって、そっと隈をなぞる。

……コイツ私より先に寝なかったっけ?

思案していると、「ん……」と小清水の口から声が漏れて、手を引っ込めた。

「小清水」

もぞり。小清水が動く。

「小清水。もう7時半過ぎてる」

さっきより少し大きめの声で呼んでやると、ゆっくりと小清水が起き上がった。寝ぼけ眼を擦りながら大あくびをする。

「ぺー……おはよう。」

小清水は2、3度瞬きをして目を閉じ、また枕に顔を突っ伏した。

「おいっ!」

「あと5分……」

「おーい。起きろー」

「んー……」

突っ伏した状態で5秒。
小清水が再びむくりと起き上がる。そしてその場で盛大な伸びをした。

私もヘッドボードから身体を起こす。
逡巡した後、気になっていることを口にした。

「……小清水、最近ちゃんと寝れてるの?」

「え?」

小清水がきょとんとした顔でこちらを振り向いた。
その顔を見た瞬間に、自分の質問の不毛さと愚かさに気がついて、質問をしたことを後悔した。
こんなこと聞いたって『ちゃんと寝てる』と答えるに決まってる。
あのぐらいの薄い隈だったら、睡眠不足に限らずできてしまうことだってあるんだし。

「ちゃんと寝てるよ?昨日だってぺより早く寝たでしょ?」

なんでそう思うの?という顔で小清水は小首を傾げる。

やっぱり。

思ったとおりの答えが返ってきて、口の中でため息を飲み込んだ。
70京都旅行二日目 side sanpei(前)4/4 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/07(火) 15:50:57 ID:T4WwpFGF
不思議そうに私の顔を見つめてくる小清水から目を外し、ベッドから下りる。

「……いや、ちょっと、なんとなく」

ーーおかしいって、最近。

「ふーん?三瓶ちゃんに心配してもらえるなんて嬉しいけど」

「あ、そ」

ーーなんで、はぐらかすんだよ。私にも、相談できないことなの?

窓の方に歩いていって遮光カーテンを開くと、朝日が眩しくて目に沁みた。

窓越しに外を眺めるけど、結露で滲んでよく見えない。手で拭ってもそれは一層見えにくくなるだけで、それはまるで真意を私に見せてくれない、小清水の心みたいだった。


小清水は自分の真意、特に負の部分をあまり他人に悟らせない。

突拍子もない奔放な発言をしょっちゅうするし、行動も変だし、奇声もよく発してるし、人前でべたべたしてきたりするし、うざいところはたくさんある。

だけど小清水は、実は周りをよく見ていて、常に周りをおもんぱかって行動している。頭の回転が速いし、機転も利く。
でもそれすらもあまり周りに悟らせようとはしない。

心のうちを表情に出すことをコントロールし慣れていて、どこからが演技でどこからが本質の部分か、たまにわからなくなる。

本質に触れようとすると、はぐらかされるし。

天真爛漫そうに見える表面的な部分とはまるで逆で、本質的な部分はガードが固いのだ。小清水は。

最近小清水がちょっと変だと思う。
もともと小清水はおかしなやつだけど、そういう意味ではなく。

時折、ほんの一瞬、
どこか無理をしているような、そんな堅さとよそよそしさを感じる瞬間がある。

それはずっと一緒に過ごしてきた私だから感じるくらいの微妙な瞬間。

最初は私の気のせいだと思っていた。

でもその瞬間瞬間が積み重なっていって、私の気のせいじゃないと思うようになって。

はっきりした「違和感」として確信したのが昨日。

夕飯前、小清水がキスしてきたときの、あの表情だ。

早朝に私のベッドに入って来たときの小清水の様子もおかしかったような気がしたけど、あのときは眠かったから記憶が曖昧で、うまく思い出せない。

ぼんやりとして、見えるようで見えない外の景色を眺めながら、唇をそっと噛んだ。


小清水、お前、

何一人で抱え込んでんの?
71 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/07(火) 15:52:06 ID:T4WwpFGF
今回はここまでです。ちょっと色々賛否両論ありそうな内容ですが、お手柔らかにお願いしますm(_ _)m
そういや前回のピンキーリングネタについて。ピンキーリングの色は写真の見た目でピンクシルバーかな〜と思っていたのですが、、、ゴールドで、しかも2月の誕生石のアメジストがついたピンキーだったんですね…orz
10月のブログはノーマークだったよあみすけ。。10月で既に2月のぺの誕生日プレゼントを予約してるとか愛が深すぎるよ…俺の負けだよ…
72名無しさん@秘密の花園:2009/07/07(火) 17:22:48 ID:fhbRmryn
>>71GGJ!!!
もやもやENDで続きが気になるんだぜ
そしてキスまでされといて気付かないぺはどんだけニブイんだw
全裸正座で続き待っとります
73名無しさん@秘密の花園:2009/07/07(火) 19:19:28 ID:CUvIYqka
>>71
GJすぎる。よすぎて逆に感想言いづらいw続きまってます。
74名無しさん@秘密の花園:2009/07/07(火) 20:51:48 ID:xVLWKVOB
>>71
GJ
75名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/07/07(火) 23:00:59 ID:FpxZsbss
>>71
これは…どうしようなんか俺までもやもやしてきた
心情が痛いほど伝わってくるやばい
続きも期待してまってるぜ、正座で!
76名無しさん@秘密の花園:2009/07/07(火) 23:03:41 ID:JHk9L+wk
>>71
ただただGJ。続き、じぃっと待ってます
77名無しさん@秘密の花園:2009/07/08(水) 20:42:47 ID:0XJBpFOk
>>71
あみぺキターー!

待ってたぜ京都編、こういうもどかしいの好きだ
78 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/12(日) 22:06:39 ID:0iJxe2zY
71です。みなさまレスありがとう ノシ

京都旅行の続きを投下します。なんか、他のSS投下しづらい雰囲気を作ってたらごめんなさい。

チキンな俺は最初に言い訳。

百合声優のカップリングってのは妄想の範疇を絶対に超えませんし、超えてはならないと思います。それは百合声優ファンとしての最低限のモラルだと思うし、、、なので、これもあくまで俺個人の妄想ですから。妄想ですから……!(土下座)

あみすけやさんぺいは、人間的に大好きだし、俺からみてちょっと年下だけれども、本当に尊敬してます。

では。

79京都旅行二日目 side koshimizu 1/8 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/12(日) 22:07:46 ID:0iJxe2zY
ルームキーを預けてホテルを出て、私たちは有名な仏堂へ足を運んだ。

国宝にも指定されているその仏堂の中には、たくさんの千手観音の仏像が立ち並んでいて、見る者を圧倒する。
お正月だから堂外は人で混み合っているのに、ここだけは空気が違っている。
畏敬の念を抱かせるその荘厳な雰囲気は、信仰に対してまったく敬虔ではない私ですら、敬虔な気持ちにさせた。

「えーとなになに?千の手と千の眼は、どのようなしゅうせいをも漏らさず救済し……」

「ちょっと待って、今なんつった?」

「え?千の手と千の眼?」

「違う。その後」

「『どのようなしゅうせいをも漏らさず救済しようと』」

「……あのね。それ、しゅじょう(衆生)って読むんだけど」

「……ぺ!ドンマイ!」

「お前だよ!漢字もっと勉強しろ!」

てへっ、と笑いながらごまかして、私はガイドブックから目を外す。

立ち並ぶ観音様を見つめた。


『千の手と千の眼は、どのような衆生をも漏らさず救済しようとする観音の慈悲と力の広大さを表している。』


どのような衆生をも。


心の中で言葉を反芻する。
漢字の読み方は間違えたけど、なんとなく意味は分かる。

ーー観音様は、

ぺの方を見た。頭のてっぺんにあるつむじが見える。
本当はぺの顔が見たかったけど、ぺにぴったりと寄り添っていられるのが嬉しいからいいや。
観音様に視線を戻す。

ーー大切な人に対して邪な思いを抱いている私なんかにも、手を差し伸べてくれるのかな。


立ち並ぶ観音様に、見つめられているような気がした。

80京都旅行二日目 side koshimizu 2/8 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/12(日) 22:08:33 ID:0iJxe2zY
仏堂拝観を終えた後、手打ちそば屋さんで一旦休憩して、その後清水寺に向かった。
近くのお店には人があふれていて、参道もとにかく人で混み合っている。

拝観料を払って境内の中に入っても人、人、人。
石段を登っていって、やっと長い行列の最後尾に到着する。

「……すごい人」

「ねー」

「去年もこんな感じだった?」

「うーんどうだったかな。去年の方が気温高かった気がするし、天気もよかったから、もうちょっと人多かったかも」

「へぇ〜」

さすが清水寺。
なんて言って、背伸びをして前の方を伺うぺがなんだかおかしくて、つい笑ってしまう。

私が言わんとしていることがわかったのか、ぺが口を尖らせて私の脇腹をつついてきた。

「言いたいことがあるんならはっきり言えー」

「いえいえ。別にー。背伸びしたって前見えないんじゃないかな〜とか思ってないよ?」

可愛いねえ。

なんて言いながら、手を口に当てて笑う。

「くっそ。もうちょい背がほしいな〜」

「ぺは今の身長で十分だって」

ぺはちょっと不満そうな顔をしたけれど、それ以上は言い返して来なかった。かかとを下げて、大人しく行列に倣う。

視線を下の方にずらすと、ぺの左手が目にとまった。嬉しくなって、その手を自分の右手でそっとつかむ。

「えへへ」

「なに……」

「なんでもないよー」

「なんだよ……変な人」

わかってるくせに。

ぺの左手にはめられたピンキーリングを触りながらそう言うと、ぺは照れくさそうにそっぽを向いた。
81京都旅行二日目 side koshimizu 3/8 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/12(日) 22:09:54 ID:0iJxe2zY
行列は一向に前に進まなかった。
下りの人も増えてきて、さっきからほとんど前に動いていない。
ぺと一緒だから飽きることはないんだけど、こうも動きがないとさすがにちょっとやきもきする。

退屈に感じ始めたころ、自分たちの目の前にいる男性二人組の存在に気がついた。

年は私たちと同じくらいかもしれない。
二人して何事か話をしながら笑いあって、肩で互いに小突き合っている。

もちろん人ごみの中だし、小突き合うといっても格好だけなんだけど。

すごく仲良しに見えた。

行列が少し前に移動し始めて、その二人組も歩を進める。

瞬間、目が離せなくなった。

その男性二人組が、互いに手をつないでいたのが見えたから。

ぺもその二人に気がついたみたいで、視線が前の二人組に向けられている。

その時、斜め後ろの方から、姿は見えないけど男女のカップルと思われる会話が聞こえてきた。決して大きい声ではなく、ぼそぼそとした話し声なのに、その会話の内容に耳が自然と言葉を拾う。

「……あの二人組って、カップルかな?」

女の子の言葉にどきりとする。

「……ゲイってやつ?手ぇつないでるけど。リアルで初めてみたわ俺……」

「私も……ちょっとびっくり……」

自分たちに向けられた言葉ではないことに安堵感を覚えつつも、他人事とは思えない会話内容に胸が抉られる。

「俺はちょっとどころかかなりびっくりしてるよ。うっわー現実にいるんだなー」

「何それ偏見〜」

耳から入ってきた言葉は心へ。

「いやだってさあ、身体の関係とか、想像するとけっこうアレじゃん?さすがにきっつくね?」

「わーやめて!それは気持ち悪いかも……」

周りの人の声が無意識に排除されて、その男女のカップルの会話以外、何も聞こえなくなる。

「だろ?俺らがやってるようなことやってるんだぜ?男同士で」

「ちょっとそういうこと言うのやめてくれるー?」

周りにとっては、カップルが笑いながら冗談を言い合っているようにしか聞こえないのかもしれない。

だけど二人の言葉は、私の心には深く刺さって、じわじわと毒のように広がっていった。

自分の表情がこわばったのがわかった。
82京都旅行二日目 side koshimizu 4/8 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/12(日) 22:10:50 ID:0iJxe2zY
そうだよ。

なんで気がつかなかったんだろう。

キス以上のことを望んでいた自分が恥ずかしい。
ぺとお揃いの、ペアのピンキーリングで浮かれていた自分が恥ずかしい。

普通の人にとっては、同性同士で付き合っているってこと自体変なことなのに、
キス以上のことなんて、気持ち悪いもの以外のなにものでもないんだ。

期待なんて、しちゃいけなかったんだ。

ぺの好きと、私の好きは違う。
ぺは、キス以上のことなんて、考えてない。

あくまでこれは私からの一方的な思いで、例えぺが許してくれたとしても、それはぺにとっては本意ではないこと。

自分が変な眼でみられるのはいいけど、でも、ぺが周りからそんな風に見られるのは絶対に嫌。

なんで気がつかなかったんだろう。ちょっと考えれば分かるはずのことなのに。


「小清水……」

隣から声がかかって、はっとして振り返る。

ぺが私を心配そうに見つめていた。

「何?三瓶ちゃん」

「……大丈夫?顔色あんまりよくないけど」

「えー?平気だよ?」

ぺの言葉を軽くいなして、再び動き始めた行列と一緒に、足を踏み出す。


そうだよ。

なんで気がつかなかったんだろう。

83京都旅行二日目 side koshimizu 5/8 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/12(日) 22:11:35 ID:0iJxe2zY
夕方近く、清水寺からホテルに戻ってきて、部屋で一息ついていた。ベッドに腰をかけて、ぼんやりと壁紙を見つめる。

あの後、ぺは私のハイテンションな会話にも、軽口にも、奇声にも、今ひとつな反応しかしてくれなかった。心配そうに私の顔ばかりを見ていた。

いつもどおりを演じていたはずなのに、ぺの目にはそうは映らなかったみたい。

まだまだ甘いなあ。演技なんて慣れてるはずなのに。

ドアの開く音がして、飲み物を買いに廊下に出ていたぺが戻ってきた。
両手に持っていたホットココアの缶を一本、私に差し出してくる。

驚いてぺとココアの缶を見比べると、私が遠慮していると勘違いしたのか、ぺはプルトップをあけて、無理矢理私に缶を持たせてきた。

「え、いいの?」

「うん。奢り」

「わーい!嬉しいー!ありがと」

カシュッという音を立てて、ぺも自分の分の缶を開ける。

「今日の夕飯はすき焼き食べたいなー。奮発して」

「ああ、昨日行けなかったお店ね」

「うん。楽しみ!」

「楽しみだねー」

「……」

「……」

会話がすぐに途切れ、ホテルの部屋の中の静寂が耳についた。

ぺと一緒にいて、沈黙が気まずくなるなんてことはないのに、今はなんだか気まずい。

「……さっきの気にしてるの?」

ココアを何口か飲んだところで、ぺが口を開いた。

「……何が?」

「行列に並んでた時、後ろのカップルが言ってた言葉」

「……」

「明らかに小清水、気にしてたでしょ」

……そりゃあ、うん。

ため息を一つついて、ぺを見上げる。
84京都旅行二日目 side koshimizu 6/8 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/12(日) 22:12:39 ID:0iJxe2zY
「三瓶ちゃんは、どう思ってるの?」

「……何が?」

さっきの私と同じ言葉を返されて苦笑してしまう。

「同性同士で付き合うのって気持ち悪いと、思う?」

ぺが缶を傾けて、ココアを一気に飲み干した。

「気持ち悪いと思ってたら、小清水と付き合ってないでしょ……」

一息ついて口を開いたぺは、ちょっと怒ってるみたいだった。

「じゃあさ、ぺは、キス以上のことを、同性同士でするのって気持ち悪いと思う?」

空になった缶を、両手でもて遊んでいたぺの動きが止まる。

「私がぺとそういうことしたいって思ってるの知ってた?」

缶を両手で握りしめて、ぺが表情を変えずにこちらを見てきた。
内心では驚愕していたのかもしれないし、薄々気がついてはいたのかもしれない。でも、そのどちらなのかは、ぺの表情からはつかめなかった。

私は続ける。

「私、ぺとえっちなこともすごくしたいと思ってるよ」

直接的な言い方に、ぺの顔が赤く染まった。
予想通りの反応が返ってきたのを見て、ぺは本当に可愛いなと思う。

「……最近、小清水変だったけど、」

ぺがゆっくりと口を開く。

「もしかして、それが理由?」

「どうかな……」

やっぱり気づかれてたんだ。

ーーぺは優しいから、最初は嫌がっても、もしかしたら受け入れてくれるかもしれない。

目を閉じて、昨日自分の中で湧き出た言葉を思い出す。

でも、だめ。それはあくまで一方通行だから。

ーー自分のわがままで、ぺに嫌な思いをさせたくない。

うん。そうだよ。
85京都旅行二日目 side koshimizu 7/8 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/12(日) 22:13:26 ID:0iJxe2zY
『気持ち悪い』という今日のカップルの言葉を思い出して、私は閉じていた目を開けた。

ベッドから立ち上がって、空になったココアの缶をドレッサーのテーブルの上に置く。

一歩、ぺに近づいた。

「ぺは、嫌でしょ?」

「……」

「私がぺとキス以上のことをしたいと思ってるって聞いて、気持ち悪いと思った?」

「そんなこと……!」

「ないって言い切れる?」

さらに一歩踏み出して、ぺの頬に手を伸ばして添えると、ぺの身体がびくりとこわばった。

少し顔を傾けて、素早くぺの唇にキスをした。
ぺの腕を引っ張って抱き寄せる。
下唇、上唇と優しく吸って、強く唇を押しつけると、ぺは大きく目を見開いたまま固まってしまった。

柔らかなぺの唇を存分に味わってから、閉じている唇をなぞるように舌先で舐める。

「!」

ぺの手からココアの缶が滑り落ちて、床のカーペットの上にボトッと転がった。
抵抗しようとしたぺの後頭部を抱きかかえるようにして押さえつけて、ぺの背中に手を滑らせる。

「っあ……!」

弾かれるようにおとがいを反らし、わずかに薄く開いたぺの唇に、私は素早く舌を潜り込ませる。
怯えて縮こまるぺの舌に、自分のそれを絡めて強く吸った。
さっき飲んだココアの味が口の中に広がる。

容赦なく舌を責め立てると、どうして良いか判らず、肩を掴むのが精一杯のぺはびくりと身体を震わせた。

音を立てて唇を離し、私はペの耳元に唇を寄せる。
舌先を伸ばしてぺの耳たぶを舐める。

「こ、小清水……!」

耳たぶを軽く噛むと、ぺがぎゅっと目をつぶった。私の肩を掴む手に、力が込められたのが分かった。

「や、やめ、て……!」

弱々しい、だけど、はっきりとした拒絶を聞いて、私はぺを解放した。
後頭部と腰に回していた腕を解くと、ぺがよろけて一歩後ろに下がる。

「……ね?嫌でしょ?」

唖然とした表情で、ぺは手の甲で口を拭う。

ーーごめんね、無理矢理キスして。でも、もうこれ以上はしないから。
86京都旅行二日目 side koshimizu 8/8 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/12(日) 22:14:22 ID:0iJxe2zY
「ぺの好きと私の好きはやっぱり違うんだよ」

私は独り言のようにつぶやいた。

これ以上、ぺが嫌がることを私がする前に。
ぺまで、変な目で見られないように。

ーー少しの間だけど、恋人になってくれてありがとう。本当に、夢みたいだった。

出すべき言葉を決めた。


「……別れた、方がいいのかな?」


ぺの息を飲む声が聞こえた。

疑問系にしたのは、自分の弱さとぺに対する未練だと思う。
勇気がくじけて、ぺに質問を投げかけるみたいな形になってしまった。
どこまで自己中なんだろう、私。

「やっぱり同性同士付き合うっていうのはよくない、よ」

「でも恋人同士の関係じゃなくてもさ、ぺとはいつも一緒にいるんだし、いつも通りの関係を続けられると思うし」

口が止まらなかった。

「……このまま付き合ってたら、私、期待しちゃうし、」

「私から付き合いたいって言い出したのに、勝手なことばっか言ってごめんね……」

心の中でわき上がってきた思いが、言葉になってこぼれ落ちていく。

本当は、別れたくなんかないけど、

「別れる、ってこと、考えておいてもらえたら嬉しい、かな……」

「小清水……」

ぺは、何か言いたそうな顔でずっと私を見ていたけど、私を小さく呼ぶだけだった。
ぺは部屋の壁にもたれて動かない。否、動けないのかもしれない。

「……ごめん。私、先、ちょっと、外の正面玄関で待ってるね」

その場の空気に居たたまれなくなって、私はドアへと足を向ける。

廊下を出る時、「ごめん……」と後ろからぺの声が聞こえた気がしたけど、私は振り返らなかった。

廊下に出て、閉じたドアに身体を預ける。

「ううっ……うあっ……!」

耐えきれずに嗚咽が口から漏れて、抑えていた涙がこぼれ落ちた。ぺに対する罪悪感、自分に対する嫌悪感、色々な感情がない交ぜになって、私の胸を締め付けた。

ーーなんでぺが、謝るのっ!?

口を強く押さえながら嗚咽が漏れないようにして、足早に化粧室へと向かう。

ぺが、大好き。
87 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/12(日) 22:15:29 ID:0iJxe2zY
今回はここまでで。自分でも書いててかなり鬱っぽくなりました^^;

やっと起承転結の承転あたりにきました。今後の展開を決める部分でもあったので、一番書きにくかったです。

ここからは、巻き返します。(何を?)

ほんとお目汚しすみません。
88名無しさん@秘密の花園:2009/07/12(日) 22:24:42 ID:INbvSUgG
>>87
乙、そしてGJ
ここは読んでて精神的にくるなorz
俺はあみぺも貴方の妄想も大好きなんだぜ
89名無しさん@秘密の花園:2009/07/12(日) 22:33:53 ID:bUsipPuU
>>87
GJですがあうあうあー(T T)
巻き返し待ってます!
90名無しさん@秘密の花園:2009/07/12(日) 23:15:33 ID:XMauSQ9B
たまにリアルが妄想を越えてるカプがいて困る。

>>87
GJ
あみすけに感情移入して俺まで切ないww
91名無しさん@秘密の花園:2009/07/13(月) 02:07:44 ID:4mDfVzg8
>>87
GJ!!
巻き返し待ってるぜ!
92名無しさん@秘密の花園:2009/07/13(月) 02:08:36 ID:ScDOOF0o
>>87
乙です
……くぅ、れ、レイニー止めのようなもどかしさ…

続き期待してます!!
93名無しさん@秘密の花園:2009/07/16(木) 06:50:20 ID:MJepayZr
今週のアイレディはいろいろ広がりそうだな
94名無しさん@秘密の花園:2009/07/17(金) 17:30:53 ID:cyU+qAzp
自分はあみぺだけど、みんなの一番好きなカプって何?
95名無しさん@秘密の花園:2009/07/17(金) 19:30:47 ID:hDlA9WDi
なばいと・智ますと迷って、僅差でえりんごすの勝ち
96名無しさん@秘密の花園:2009/07/17(金) 21:51:56 ID:79bzFlev
なんだかんだいってチアミンに回帰しつつある自分がいる
97名無しさん@秘密の花園:2009/07/17(金) 21:52:03 ID:2UpqZ3EY
なばいと、智ます、ほちゃます、やまなこ、あみぺ…
…選べないな(;´Д`)
98名無しさん@秘密の花園:2009/07/17(金) 22:41:10 ID:HQrY02Hg
やっぱなばいとがジャスティスかなぁ
たまにお互いのこと話してるとほんわかするw
99名無しさん@秘密の花園:2009/07/17(金) 22:43:51 ID:geAgcCNC
つかず離れずの距離感が最高な
智ますが俺のなかの1番だな
100名無しさん@秘密の花園:2009/07/17(金) 22:59:24 ID:BeXqsruy
なばいとはジャスティス
あみぺも好き、最近はしゅがひよかな
どうやら婦妻漫才っぽいのが好きらしい
101名無しさん@秘密の花園:2009/07/17(金) 23:06:57 ID:QgOTy67s
あみぺも好きだけど、自分的1番はやっぱり智ますかなぁ〜

川`Д´)の事となると何か一言言わずにはいられない( `Д´)と、
( `Д´)に何を言われても「( `Д´)はツンデレかわいい」としか思わない川`Д´)に萌えるww

あみぺもそうだけど、ツンデレとアホの子(いい意味でw)って組み合わせに萌えるのかもw
102名無しさん@秘密の花園:2009/07/17(金) 23:30:03 ID:Mh5qrGB9
えりんごすが大好きなんだけど、あみぺのあの雰囲気も良いw
103名無しさん@秘密の花園:2009/07/18(土) 00:38:22 ID:e/aBQFYC
ネギま!やAice5関連で愛される神田さん総受けが好き。
…でも一番って言われると、藍朱かなぁ。
お互いいいとこも悪いとこも知ってて仲良しな姉妹みたいなとことかいいなぁ。
カップリングとしてはもちろん好きだけど、○○×あいぽん、とかの話でも
頼れる先輩的な位置で登場する神田さんって感じも好き。
二人が仲良しだと萌えるw
104名無しさん@秘密の花園:2009/07/18(土) 01:54:38 ID:9/VuJcI4
松来さんハーレム えりんごす 能登川澄 植田御前
アイマス関連は釘ゆりしーまで含めて何でも恋なんだけどなかなかないね
最近New谷さんが気になるけど誰とカプればいいのかわからない
105名無しさん@秘密の花園:2009/07/18(土) 02:27:01 ID:0eYo9RZX
アイマスはカプ豊富だよな、個人的にははらぬーが熱いんだがライブ以降燃料無いなあ
最近はけいおんの二組や、百合っぽくはないけどスフィアが好き
何かラジオで楽しそうに話してるのが好きなだけかもしれん
あみぺ・なばいと・えりんごす・キュ〜ルみたいなガチ夫婦も好きだけどね
てか一番なんて決められないんだぜ
106名無しさん@秘密の花園:2009/07/18(土) 09:37:49 ID:My41twj3
スフィアは昔っから幼なじみみたいな雰囲気あっていいよな、仲良しで
百合要素は…フィルターでなんとかw
107名無しさん@秘密の花園:2009/07/18(土) 09:49:30 ID:+Cn/1ddA
ここでコソーリtiarawayと叫んでみる
108名無しさん@秘密の花園:2009/07/18(土) 12:37:56 ID:g/Ly0Bad
>>107
ナカーマヽ(^o^)ノ
109名無しさん@秘密の花園:2009/07/18(土) 17:01:52 ID:VStB7+Xo
>>107-108
いまだに同志がいるとか…泣いた
tiarawayは永遠

スフィアは4人でほのぼのしてる感じがいいよね
↓フィルター使ってCP考えてみた
とまっちゃん×あいなまorぶっきー、あやひー総受
110名無しさん@秘密の花園:2009/07/18(土) 21:19:11 ID:w0p54G0q
色々カプあるんだな〜知らんかった。参考になる。
俺はなばいと、あみぺが一番好きで、智ます、えりんごすも好きだなあ。
まだまだ俺は知らないカプも多いから、一番好きなカプって選べないけど。
111名無しさん@秘密の花園:2009/07/18(土) 21:50:33 ID:WlqYJ7F0
普通知ってる範囲で答えるだろ
112名無しさん@秘密の花園:2009/07/18(土) 22:45:13 ID:GKizOy/B
誰かキタエリとカプになる強者はいないか
113名無しさん@秘密の花園:2009/07/18(土) 23:56:11 ID:wBQchDgW
キタエリだとあすみんか豊崎くらいしか思いつかんなー
114名無しさん@秘密の花園:2009/07/19(日) 00:10:16 ID:APhTbIWD
キタエリなら後藤さん(弱)かな


らじおん出張版が聴きたいんだけど、なかなかアニメディアが見つからん
早くひよしゅが分補充してええええ
115名無しさん@秘密の花園:2009/07/19(日) 00:31:00 ID:cf86bePK
キタエリなら門脇さんかなw
116名無しさん@秘密の花園:2009/07/19(日) 01:28:51 ID:Iva6v9P6
桑谷と望月
117名無しさん@秘密の花園:2009/07/19(日) 01:41:55 ID:wRHEmDSp
>>112
キタエリと聞くとしおんぬしか思い浮かばん
118名無しさん@秘密の花園:2009/07/19(日) 02:15:59 ID:CE+IbAvI
キタエリは新谷だと思ってた俺は異端だったのか…
119名無しさん@秘密の花園:2009/07/19(日) 02:18:30 ID:7+eBQ9hE
ここでほちゃます(逆でも可)が好きだと呟いてみる
ほっちゃんのアルバムにも詞提供したし
120名無しさん@秘密の花園:2009/07/19(日) 04:06:45 ID:J3UD64f4
キタエリ×しおんぬ派の俺が超異端なのは分かった。
121名無しさん@秘密の花園:2009/07/19(日) 04:42:07 ID:ec7mC5ST
キタエリ×あいなまに期待
122 ◆voe.iCz7FY :2009/07/19(日) 10:27:46 ID:HMRAZnS+
キタエリが隠れた人気者と判明したので投下

保管庫のスレ立てお願いデス


タイトル「エリの秋まつり」

「エリ、口元にお弁当付いてる」
「えっ、取って取って」
「じゃあ、目つぶって」
「…何で?」
「いいから、早く」 「これでいい?」

チュッ

「アキちゃん、ちょっ舌いれたでしょ!」
「フフッ、ごちそう様」
愛生×英梨のカプですが名前を入れ換えて楽しむのも好いかと
123 ◆voe.iCz7FY :2009/07/19(日) 10:37:18 ID:HMRAZnS+
あっ改行ミスった
お目汚しスマソ
124名無しさん@秘密の花園:2009/07/19(日) 22:44:25 ID:NRYeBw3M
>>122
GJ!こういう小話っぽいのもいいなぁ
125名無しさん@秘密の花園:2009/07/20(月) 12:18:13 ID:fR9Mlk2I
>>122
GJ!名前も入れ替えられるとはw

>>103
アレ、いつ自分書き込んだんだろうw
あんたとは良い酒が飲めそうだ。
126名無しさん@秘密の花園:2009/07/21(火) 01:24:50 ID:wy54MymC
京都旅行…
127名無しさん@秘密の花園:2009/07/21(火) 02:08:59 ID:tbGZoiBH
>>126
ここはじっといい子に職人を待とうぜw
128名無しさん@秘密の花園:2009/07/21(火) 16:08:03 ID:N5hUdItK
正座しすぎて膝から下が壊死しそうです
129名無しさん@秘密の花園:2009/07/21(火) 16:49:14 ID:Vx6osaGe
催促はやめようぜ
何か小ネタでも書こうと思ったが難しいな
130名無しさん@秘密の花園:2009/07/21(火) 21:41:34 ID:HgqaTVNt
>>94からの流れをみると智秋に人気がある気が…するのはさすがに気のせいか?w
智ます超小ネタ。


「JPY〜〜!」
「うぁ、あっつい!なんでくっつくの!」
「あーつーいー」
「じゃ、離れて。今すぐに」
「離れてもアタイの心には燃え下がる恋の炎が…!」
「いらない、そういうの今、すっごくいらない!」
「クールだね。クールビズだね真澄♪」
「さむい」
「おっと、サムカワ入りました〜!」
「…けど、涼しくなーーーーーい!!ヽ(`Д´)ノ」



以上。暑苦しい二人(イチャイチャ的な意味で
俺、正座得意じゃないから神くるまで超小ネタ考えて過ごすよ。
131名無しさん@秘密の花園:2009/07/21(火) 21:54:54 ID:GlzLvxFV
>>130
GJ!こういうノリは嫌いじゃナイ!!
132 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/22(水) 01:14:04 ID:YA1AtP+e
つたないSSを待っててくれてどうもありがとうございます。m(_ _)m京都旅行の者です。

リアルの方が忙しかったりしたことに加えて、今SSの内容を大幅に修正したりしているので、UPにまだ時間がかかりそうっす(;´Д`)ごみん。

そんな中、これまたごめん。勢いで智ますに浮気した。
初挑戦。サムカワ初体験☆(←黙れ)

つなぎになるかわからんのですが投下します。二人は付き合っていることを前提。

>>130
GJ!!!
そうそう、>>94からの流れを見るとなんか智ます人気ありそうなんだよね〜

では
133ポーリー参加後1/4 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/22(水) 01:15:25 ID:YA1AtP+e
「もしもし智秋ちゃん?」

『ジューシーポーリーフー!!アタシは誰でしょーう!』

「……智秋ちゃんに決まってるでしょ」

『正解!さっすが真澄!きてるねーー!』

「いや。智秋ちゃんの携帯にかけてるんだからさすがもなにもないでしょ。ってかどうしたの?」

私は軽くため息をつくと、机の上の置時計の時間を確かめた。時計の針は夜の11時を指している。

『ナイトな時間にごめんねー。電話してOK?』

という智秋ちゃんからのメールを確認して、なんだろうと思って電話をしてみたらこれだ。
さっきまで読んでいた文庫本に栞を挟んで本をしまう。

『真澄ー』

「なに?」

『今から真澄ん家いっていい?』

「は!?」

『ってかもう来てるんだけどねー。今、実は真澄のマンションの前』

「はあ!?マンションの前って、マンションの前ってどこ!?」

『真澄の部屋の扉の前』

その言葉を聞くや否や、私は急いで玄関に向かった。玄関に向かう途中、インターホンの音が部屋からも電話口からも聞こえてきた。

外にいる人を確認もせず、チェーンをはずして扉を開けると、満面の笑みを浮かべた智秋ちゃんの顔がそこにあった。
相変わらずの、サファリパークを髣髴とさせるような格好で。

「ジューシーポーリー!ま・す・みーん!きちゃった」

ウインクをしながらポーズを決める智秋ちゃんを見て絶句する。
私が驚いて何も返事をできずにいると、智秋ちゃんはごほんとひとつ咳払いをして言った。

「……ごめんねーいきなり。ちょっとだけ、真澄の部屋にお邪魔してもいい?」

「ああ、うんいいけど」

どうぞ、なんてスリッパを出しながら、智秋ちゃんを部屋に招き入れる。智秋ちゃんはサンキューと言ってスリッパを履いて、ペタペタと私の後をついてきた。

「どうしたのもー。来るなら来るってもうちょっと早く言ってよー」

「そんなカタイこと言いつつもちゃんと部屋に入れてくれるますみんが好きよ」

「はいはい」

「はあいアビちゃんジューシーポーリーイェイ!」

「ちょっとアビちゃんいじめないでね。そのテンションはアビちゃん、おびえるから」
134ポーリー参加後2/4 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/22(水) 01:16:26 ID:YA1AtP+e
ケージの前でアビちゃんにかまいだした智秋ちゃんをおいて、お茶でもだそうかとキッチンに向かおうとしたら、

「あ、真澄ー」

腕をとられた。

振り返って智秋ちゃんの視線を迎える。

「何?」

「別になんかさー、そんな気を使わなくていいからさ、その、」

智秋ちゃんは一瞬照れたように言いよどみ、抱きついてきた。

「わ、っと。ちょっとちょっと智秋ちゃん!?」

「あー真澄をハグすると落ち着くわー」

「……今日はどうしたの?」

さっきと声のトーンがちょっと違う気がする。
突然の行動にびっくりしたけど、おとなしく智秋ちゃんの背中に腕を回すことにした。

んーと、あー、と歯切れの悪い返事をしてしばらく沈黙した後、智秋ちゃんが口を開く。

「……付き合いでさあ、さっきポーリーに参加してきたわけよアタイ」

「うんそれは知ってる。それで?」

「なんかーその、セクシーチャーミングなアタイに惚れちゃったりする人も中にはねー、いるわけよ」

抱きしめる力が強くなった。
智秋ちゃんが私の胸に顔をうずめてきて、ちょっとくすぐったい。

「ふーん」

「アタシとしたことが今日はちょっと、うまく振り切れなくてさー苦労しちゃってさー」

「……ふーん」

「ちょっと疲れたかなー、なんつって」

「ふーん」

はあ、と私の腕の中でため息をつく智秋ちゃんをみて、よっぽど疲れたんだろうなと思った。
普段はそのテンションと言動で、どちらかというと相手を疲れさせることの方が多いのに。

「アタシには、真澄がいるのにさ……」

「ふーん……」
135ポーリー参加後3/4 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/22(水) 01:17:24 ID:YA1AtP+e
『真澄がいるのに』という言葉が嬉しくて頬が緩むけど、じゃあ参加しなきゃいいのに、なんてちょっと思ってしまう。
でも、智秋ちゃんは人脈が広いし友達を大切にする人だから、そんなわけにはいかないんだろうなあ。付き合いって大事だし。

そんな私の心情を知らず、声色だけで判断した智秋ちゃんは、むっとしたように顔を上げた。

「なによーさっきから真澄ふーんばっかり!」

「ふーん」

「そーんなノリ悪いと、そのキュートな唇にキスしちゃうよ〜?」

そう言ってエロイ手つきで私の唇をなぞってくる。唇の端から中心に向かって、触れるか触れないかの軽いタッチで指先を滑らす。

「……してもいいよ?」

「え、え!?」

私の言葉に智秋ちゃんはびっくりしたような顔をして、動かしていた指を止めた。

智秋ちゃんの動揺した顔がもっと見たくなって、私の唇をなぞったその指先を軽くくわえる。
ちゅうっ、と音を立てて指先を吸い上げ、爪を舐める。

すると目に見えて智秋ちゃんの顔が赤く染まっていった。

「……本当にしちゃうよ?いいの?」

私の唇に当てていた指を離して頬に手をそえる。

目を瞑って了解を示すと、やさしいキスが唇に落ちてきた。

唇の形を確かめるように触れ合わせて、ついばむようなキスを繰り返す。

私がちろりと出した舌先に、智秋ちゃんの舌先が触れたところでゆっくりと目を開けた。

「なんか今日、真澄がやさしい……」

智秋ちゃんの視線と私の視線がぶつかる。

「だって智秋ちゃんがやけに落ち込んでるんだもん。ここは空気読んでおこうかなと」

「そーなのなんか超落ち込んじゃってー。真澄慰めて!エロイ方向で!」

「あー、アビちゃんももう眠いよねー。ごめんねーうるさくて」

間髪入れずに話を始めた智秋ちゃんの腕を解き、アビちゃんのケージの前に行く。

ほら、やっぱりアビちゃんおびえちゃってるじゃん。
オカメインコは繊細だから、大きい声を聞いただけでもパニックになっちゃうんだぞー。

「真澄」

「何?」

「……妬いた?」

136ポーリー参加後4/4 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/22(水) 01:18:11 ID:YA1AtP+e
アビちゃんを気にしてか、さっきより小さな声で話す智秋ちゃんに対して、思わず笑みがこぼれる。

ーーそういうところは真面目なんだから。

「……そのさあ、サファリパークみたいな格好やめたほうがいいんじゃない?そんな格好してたらさ、そりゃあエロ過ぎて変な男も寄ってくるよ!」

「えー?これはアタシの基本路線だからさあ。やめるのは無理無理」

「ふーん」

智秋ちゃんスタイルいいんだから、そんな服着なくたって十分可愛いのにさあ。
褒めるときっと、もっとエロくなりそうだから言わないけど。

アビちゃんが落ち着いたのを確認してから、再び視線を智秋ちゃんの方に向ける。

「今日もう遅いから泊まっていきなよ。服貸すし」

「それ言ってくれると思ってた!真澄愛してるよー!」

「だから声大きいから!黙って!」


この後、二人の大きな声に驚いて、再度パニックを起こしたアビちゃんをなだめるのにまたしばらく時間がかかった。




おわり。
137 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/22(水) 01:19:13 ID:YA1AtP+e
以上です。なんか特に甘くもなくぐだぐだな感じになってしまった。orz
しかも前書いたあみぺSSと若干シチュがかぶっちゃったんでUPはやめようかな〜とか思ってたんですが、
せっかくなんでうpしました。本当に勢いで書いたんで、誤字脱字とか変なところがあったらスマン。

うーんこの二人の絡みはむずい…サムカワもむずい…

スレ汚しすみません。お粗末でした。
138名無しさん@秘密の花園:2009/07/22(水) 01:33:11 ID:5PonDBEb
>>137
浮気大歓迎GJ!
いやいや甘かったよ
すげーニヤニヤしました
139名無しさん@秘密の花園:2009/07/22(水) 01:41:41 ID:X0qonzPd
>>137
GJ! この二人はぐだぐだ喋ってるだけで面白いなw
智ますもあみぺもツンデレなんだが種類がだいぶ違うよな
あなたのSSはいつでも全力で待ってるが、好きなタイミングで投下してほしい
140名無しさん@秘密の花園:2009/07/22(水) 17:06:41 ID:ReurNMth
>>137
GJPY!智ますも好きだぁーー!!

催促してすまんかった。無理はしないでくれよ。
141名無しさん@秘密の花園:2009/07/23(木) 00:19:45 ID:iRJ9hY+g
>>137
浮気もイイ!GJ!!!
暑い時期なんで体大事にまずリアルを頑張ってくださいw
142 ◆aThLpAieOo :2009/07/23(木) 01:55:49 ID:MN1dcHzV
アイマスレディオ終了と聞いて勢いで書いてしまいました。
しかも初ssなので拙い文章だとは思いますがよかったら。

ミンゴス×キングです。
143 ◆aThLpAieOo :2009/07/23(木) 02:03:11 ID:MN1dcHzV
何で言えないかなぁ。
いつものようにハイテンションで話す彼女を目の前にして改めて思う。
いっそ言えたら楽なのに。
そしたら。
そしたら、彼女のこの笑顔も笑い声も全て私のものになるのかな。
二人、収録終わりに立ち寄った居酒屋で、そんな都合のいいことを考えてしまう。
身振り手振りを交えて、というかほとんどジェスチャーと擬音とわけのわからない英語だけで大袈裟に話す彼女。
自分の話に自分で笑っちゃったりする様子が何だかかわいい。
ぼんやりと眺めていると、なぜだか溜息がこぼれた。

「どうしたんだYO!元気ないじゃん、麻美〜」

当たり障りのない、でもなぜか核心を突く彼女の声で現実に呼び戻された。
ああ見えて意外と鋭いから困っちゃう。
「そう?疲れちゃったかな〜あはは」
何でもないふりをする。
まだ言えない、まだ。
まだ?じゃあいつか言えるの?
…言えないよ。
彼女にバレないように自嘲気味に笑った。

さっきまで楽しそうに話していた彼女は真剣な顔をしていた。
「何か…あった?」
今は彼女の優しさがつらい。
「ないない!ほんと、なんでもないから気にしないで?ね?」
ほら、元気でしょ?なんて無駄にアピールする。

そうでもしないと言っちゃいそうだから。
好きです、って…。
でも言えない。
優しい智秋のことだ。
どんなに困っても、無理してでも今までと同じように接してくれるだろう。
でも私にはできない。
言葉にしてしまえば、きっと今まで以上に智秋のことが好きになる。
もう普通の友達になんて戻れない。
だからこの気持ちは伝えちゃいけない。
智秋とずっと一緒にいたいから。

「ねぇ、もしかして…麻美の好きな人って…」
144 ◆aThLpAieOo :2009/07/23(木) 02:05:05 ID:MN1dcHzV
「そろそろ、出よっか。」

言いかけた智秋の言葉を遮って、席を立つ。
店を後にして、抗議の声が上がらないうちに話題を変えることにした。

「そういえば、アイマスレイディオ終わっちゃうね。」
「そうだねー。麻美と会う機会が減るのはさびしいな。」
何で天然でこういうこと言っちゃうんだろ、この人は。
智秋のこういうとこ好きだななんて思いながら、うんってちっちゃく答えた。

「麻美にいつも会うにはどうしたらいい?」

予想外な質問に私は言葉を失った。
は?どういうこと?
質問の意図が分からない。
「え…?メールとか、電話、とかしてくれれば…いつでも遊ぶよ?」
「そうじゃなくて!あぁ、もう鈍感すぎだYO!」

…智秋にだけは言われたくない。

「このまま会えなくなるのやだ。」
「うん…?だからまたちょくちょく前みたいに遊べば」
「ちっがーう!友達じゃいやなの!アンタのこと好きなの!気づけよっ!」
145 ◆aThLpAieOo :2009/07/23(木) 02:15:32 ID:MN1dcHzV
ゼーゼー息をつきながら肩を震わせて、この人は何を言っているんだろう…?

好き?

誰が誰を?


………あ、そういうこと。

理解した瞬間、自分の顔が赤くなったであろうことが分かった。
「うそ…」
「うそじゃない!麻美のことずっと好きだった。でも言えなかった。だって麻美は繪里子が好きでしょ?困ると思って。でももう会う機会減っちゃうし今しかないかなって…」
うつむきながら一息で話す智秋はいつもより弱々しくて、何だか無性に抱きしめたくなった。
「って、何でここでえりちゃん?」
「好きなんでしょ?」
「え、そりゃ好きだけど…そうじゃなくて。そういう好きじゃないよ。えりちゃんは親友だもん。」
恋愛の好きとは全く別物。
「それじゃアタシの勘違い…」
「デス。はい。」

智秋の上気した頬がさらに赤く染まる。
あ、可愛い。
146 ◆aThLpAieOo :2009/07/23(木) 02:18:31 ID:MN1dcHzV
「ってか智秋、今わたしのこと好きって言っ」
「言ってない!何にも言ってない!」

真っ赤になった彼女はバツの悪そうな顔をして、くるっと後ろを向いてしまった。
めったにない表情だっただけにもったいない。
もう少し見ていたかったのに。

「ねーぇー、智秋ー」
顔を覗きこむように声をかけると、真っ赤な彼女はちょっとムッとして、
「うるさいっ!帰るよ!」
照れているのか、ずんずんと先に歩いて私を置いていってしまう。

「帰るってどこに?」

「麻美んちに決まってるでしょ」

さも当然のように言い放つ。
強気な発言だけど、相変わらずその頬は赤い。
私はその様子にこっそりとほくそ笑み、彼女の耳元でこう囁くのだった。


「私も、好きだよ」
147 ◆aThLpAieOo :2009/07/23(木) 02:25:18 ID:MN1dcHzV
以上です。
微妙だ…実に微妙だ。
しかもタイトル付けそびれてるし。

スレ活性に少しでも役立てばと思い、投下させていただきました!
お目汚し失礼しました。
148名無しさん@秘密の花園:2009/07/23(木) 08:14:27 ID:Hm040e/Q
ちあミンきたー

>>147ありがとう
とてもありがとう。
149 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/23(木) 18:29:03 ID:sIoJnPo/
>>147
ちあミンSUGEEEEEE!!!GJ!GJ!!

さて、空気読まずに京都旅行続き投下。待っててくれた人本当にありがとう。

では。
150京都旅行二日目 side sanpei (後)1/4 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/23(木) 18:30:16 ID:sIoJnPo/
小清水が部屋を出て行った後、壁にもたれ掛かったままずるずると腰が落ちて床に座り込んだ。

小清水が最近変だったのは分かってた。
きっと私絡みなんだろうなとは思っていたけど。

ーー気づかなくて、ごめん。

ーーいや、気づいてなかったのか?私。

小清水をあそこまで苦しめて、悩ませてしまったことに対する罪悪感。
驚き以上に申し訳なさを感じている自分は、もしかしたら薄々気がついていたのかもしれないとも思う。

体育座りをして膝に額を押し付ける。

でも小清水と「恋人同士」になっても、ずっとそれまでと同じように過ごしてたから、
キス以上のことを想像したことがなかったってのは本当。
恋人同士がやることに対して、他人事みたいな感覚を持っていたことは否定できない。

ーーじゃあやっぱり気がついてなかったんじゃん。

自嘲の笑みが零れる。

ーーそれに加えて、今日のカップルの言葉、かあ。

ごつん。

頭の後ろを壁にあてて天井を仰ぐ。
あんまりにもたくさんのことが一遍に起こりすぎて、脳の処理が追いつかない。
緩慢な動作で首を動かすと、床の上に転がっているココアの缶が視界の端に映った。

さっきのキスを思い出して、耳の後ろが火傷をしたように熱くなっていく。

なんで小清水、あんなキスを知ってるんだろう……

思い出して、頭が沸騰しそうになった。
髪をくしゃくしゃとかきむしりたくなる。

「うわあーーーっ!」と叫びたくなる衝動を押さえ込んで、

思考を停止させた。

もう一度膝に額を押し付けて、頭を抱え込む。

ーー別れた、方がいいのかな?

ーーこのまま付き合ってたら、私、期待しちゃうし、

小清水の言葉が頭の中でぐるぐると回っている。

正直わからない。自分がどうしたいのか。どうすればいいのか。

頭を抱え込んでいた腕を解いて、のろのろと立ち上がる。
床の上に転がっている缶に手を伸ばしてそれを拾い上げる。

こん、という缶をテーブルの上に置く音が、やけに部屋に響いた。
151京都旅行二日目 side sanpei (後)2/4 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/23(木) 18:31:09 ID:sIoJnPo/
すき焼き屋に行ってからの小清水は、驚く程普通だった。

最近おかしかったのが嘘みたいで、吹っ切れたように、もうまんま小清水だった。
夕食前にあったことを忘れてしまいそうになるくらいで、こっちがとまどう。

お店の人にすき焼きを作ってもらって、写メも撮ってもらって、すき焼きをおいしくいただいて満腹になって、小清水とくだらない掛け合いをしながらホテルに帰ってきて、
そして、今日もじゃんけんに負けた私は小清水の後にシャワーを浴びて。

今は、ドライヤーで髪を乾かしてる。

こっちが、とまどう。

ーーちゃんと話し合った方がいいよね……夕食前は、私からはほとんど何もしゃべってないし。

ーーでもまだ、頭の中で整理ついてないのに、何話せばいいんだろ……

カチッ、とドライヤーを止める。
壁のコンセントからプラグを抜いて、軽くコードを束ねた。

ーーでも、なあなあにするのが一番よくない。

「……よし!」

鏡の前で気合いを入れて覚悟を決める。

ドライヤーを片手に、浴室の扉を開けた。





小清水は、ベッドの上で横になって眠っていた。

雑誌を読んでいるうちに眠くなって寝てしまったようで、横になった小清水の顔の横に、手と一緒に雑誌が置かれてある。

「なんだよ……」

せっかく覚悟決めてきたのに。

拍子抜けをしたと同時に、緊張から解放されてほっとしてしまう。

ドライヤーをテーブルの上に置いた。

手元にある雑誌を取り上げて、小清水に布団をかけてやる。

ちょうど小清水の指が挟まっていたところを開き、ページに目を落とすと、ある旅館の小さな広告が目に止まった。

『ご夫婦、恋人同士にオススメ!特典付きカップルプラン!』と書かれているその下の写真には、恋人同士と思われるカップルが、お互いに寄り添って景色を眺めていた。

いや、もしかしたら夫婦かもしれない。

どちらにせよ、その男女の二人組は、誰がどう見てもカップルに見られると思う。

小清水の顔に視線を落とした。
152京都旅行二日目 side sanpei (後)3/4 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/23(木) 18:32:00 ID:sIoJnPo/
カップルの証明、付き合っていることの証明なんて、いらないと思う。目に見えるような証明がないと安心できないような、そんな浅い付き合いなんてしていない。

でも、

確かに同性同士は異性との関係以上に自由で、確かなものがない不安も同時にあるんだろうなって思う。

キス以上のことは、確かに考えたことがなかった。
けど、小清水のことは、好きだと言い切れる。

そうじゃなかったら付き合ったりしない。

小清水が寝返りをうって仰向けになった。

ベッドサイドに雑誌をおいて、ベッドの上に腰をかける。

小清水の目の下にはやはり、うっすらとした隈があった。

そして今は、朝にはなかった涙の跡がある。

「ぺ……」

ぎくり。
急に声をかけられて身体に緊張が走った。

「あ、ごめん起きてた?」

その先に続く言葉を待つが、返事が返ってこない。

なんだ寝言か。と肩の力を抜こうとした瞬間、

「……ごめんね」

心臓が、跳ねた。

手を伸ばして、小清水の瞼にかかった前髪を手で払ってやる。

「……なんで、謝るの?」

ーー夢の中でまで。

動く桜色の唇に指をあててそっとなぞった。

小清水はくすぐったそうに身をよじる。

小清水の顔は綺麗だ。
だからこそなおさら今、目の下にあるうっすらとした隈と、涙の跡が痛々しいほどに目立つ。

小清水は、ホテルの部屋に備え付けてあるガウンを着ている。
その襟から覗く、細くて白い首元が、あまりにも儚くて色っぽい。

自分の喉が鳴ったのがわかった。

私は小清水の顔の横に手をついて、小清水の顔をのぞき込む。
153京都旅行二日目 side sanpei (後)4/4 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/23(木) 18:33:28 ID:sIoJnPo/
心臓が痛いくらいにどきどきしている。手のひらに汗が滲む。

もう一度ごくりと唾を飲み込んだ。

少しずつ顔を寄せる。

涙の跡が残る目尻に唇を触れさせた。

そしてそのまま唇を移動させ、小清水のそれにゆっくりと近づき、目を閉じた。

そっと小清水の唇に自分の唇を重ねる。

一回触れるだけのキスをして、今度は下唇をついばむように唇を優しく吸う。その柔らかな唇の感触に身体が震えた。

唇を離して目をあけると、自分のした行為が猛烈に恥ずかしくなって、上体を勢いよく起こした。
ベッドから離れると、スプリングがぎしりと音を立てた。

立ち上がったまま、小清水の顔を見つめる。

「気持ち悪いと、思ってたら」

拳を握りしめる。

ーーこんな風にキスなんて、できないでしょ……!

部屋の電気を落として隣のベッドの布団を乱暴にめくり、身体をすべりこませる。

自分の濡れた唇は、涙の味がした。


154 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/23(木) 18:34:27 ID:sIoJnPo/
やっと二日目終了です。待たせた割に進んでなくてごめん。相変わらず遅筆ですみません。巻き返せてないじゃん自分!!

お互い好きあっていても、相手に伝わらなきゃ意味がないと思います。
このカップルはぎりぎりまで、お互いに変に遠慮して、素直になれないんだろうなあ。

なーんつって。

今回ほど文才が欲しいと思ったことはないです。はああぁ……

がんばれあみぺ。もう一山だ!
155名無しさん@秘密の花園:2009/07/23(木) 19:28:11 ID:+Vo9WNvf
>>154
待ってました!GJ!

どうしようもなく涙の味がするんだが

本当にありがとう!
続きものんびりそわそわ待ってるっ!
156名無しさん@秘密の花園:2009/07/23(木) 20:53:58 ID:wg/EuVOd
ぺが可愛すぎるww
続き待ってます!
157名無しさん@秘密の花園:2009/07/23(木) 21:28:17 ID:ltncVhef
>>154
こ…これは……

ドキがムネムネ…あれ?胸が土器どk…ん?
ななな何コレ同期がおさまりま線よょよ
158名無しさん@秘密の花園:2009/07/23(木) 23:10:44 ID:UAHULjN1
>>154
GJすぎる!!!!
続き楽しみにしてるよ!!!!!
159 ◆eNIM4lH5t. :2009/07/24(金) 10:56:25 ID:TC6Dsmdf
最近活気づいているので、流れに乗って自分も投下
少し上の方で、まだ同志がいることがわかって嬉しかったので、tiaraway

2週間くらい前のFictionJunctionのライブネタ
記憶も風化気味なので、あちこちちょっとズレてるかも
そこは寛容に脳内補完をお願いします

あと、ちょっと長めかもしれません

タイトルは「その隔たりが、もどかしい」
160 ◆eNIM4lH5t. :2009/07/24(金) 10:57:27 ID:TC6Dsmdf
小気味のいいドラムの音が曲の終わりを告げる。
ふっ、と糸が切れるように爽快感が沸き上がる。
自然と頬が緩んだ。
曲の終わりをじっくり待ったお客さんから遅れて一斉に歓声。
客席にライトが回る。照らされたお客さんの瞳がきらきら輝いているのが見えた。

「改めまして、こんばんはー!」

沸き上がる声が身に心地よい。
懐かしい、この感覚。
あぁ、帰って来た。
ステージに上がった瞬間よりも深く、その思いで胸が満たされた。

歓声の大きさに思わず会場を見渡す。
名古屋も大阪もたくさんの人が来て下さったけど、やはりライブハウスとホールでは規模が違う。

「すごい…。すごい高い…!」

あまりの高さにふわぁ、と気の抜けた声を漏らしながら見上げていく。
このホールはなんと3階席まである。
しかし、奥行きがさほど無いためか、予想に反して3階席のお客さんの顔もしっかり見える。
期待に満ちて、きらきらした顔。
しっかり応えなきゃ。

見上げた視線は3階席の一角に、関係者席にを見つけた。
見知った顔がちらほら見える。
みんな来てくれたんだなぁ。
なんだか気恥ずかしい。けど、それ以上に嬉しい。
頑張るから、見ててね。
161 ◆eNIM4lH5t. :2009/07/24(金) 10:58:04 ID:TC6Dsmdf
そしてそこには…あの人も。

見上げた視線が絡み合う。
気付いたさぇこさんは柔らかく微笑んでくれた。
たったそれだけのこと。だけど。
数十メートルの距離を経ても、胸が高鳴る。
じぃんと心が温かい。
あぁ、私、やっぱり好きなんだ。さぇこさんのこと。

「…お母さ…」

…ん?今、なんて言った?私。

「お母さんじゃない…っ。すごい高いところまでお客さまがいらっしゃってます。」

会場に沸き上がる笑い。
あぁあ…もぅ。なにやってるんだぁ私。
さぇこさんが微笑みかけてくれただけなのに。
それだけで頭がいっぱいになって。
こんなにダメになっちゃうなんて。

右側を伺うと、梶浦さんはにやりと意味深な笑みを浮かべていた。
…あれはきっとバレている。
梶浦さんはあちこち抜けてるところがあるけど、そういうのはやたらと鋭い。

ひとつ大きく深呼吸。
ふぅ。うん。大丈夫。
顔はまだ赤いけど。
162 ◆eNIM4lH5t. :2009/07/24(金) 10:58:57 ID:TC6Dsmdf
落ち着いて、考えてきたことを話そう。

名古屋、大阪、東京。今日は千秋楽だってこと。
久々のきちんとしたライブってこと。
そして…。

「すごくワクワクしてますっ!」

たくさんのお客さんに聞いてもらえる。
…さぇこさんに聞いてもらえる。
これ以上喜ばしいことはなかなかない。


一曲一曲、一音一音、大切に。お客さんに届くように。
その思いを込めて、私は歌うときはお客さんの顔を、目を見て歌う。

今日ももちろんそう。
…なんだけど、どうしても顔が上を見たがる。
さぇこさんの優しい眼差しを感じたくて。
ぐっと堪えるんだけど、やっぱり耐え切れなくて。
見上げれば、必ず目が合う。
ずっと私を、私だけを、見ていてくれている証拠。
それだけで胸がいっぱいになる。
微笑みが似合わない曲でも、零れてしまいそうになって必死でしまい込んだ。


楽しい時間はすぐに過ぎ行く。
もうラストのMC。残すは一曲。
「この曲は……。」
梶浦さんが最後の曲についてコメントをしている。
163 ◆eNIM4lH5t. :2009/07/24(金) 10:59:48 ID:TC6Dsmdf
今なら、いいかな。
目線をすっと上げる。
すぐにさぇこさんと目が合う。

今日の私、どうだった?うまく出来てたかな?
私、歌ってる姿をさぇこさんに見てもらえてすごく楽しく歌えたし、嬉しかったよ。
さぇこさんも楽しんでもらえたかな?

そんな思いを視線に託して。
伝わったのか、さぇこさんは笑みで返してくれた。
嬉しくなって、私も微笑む。
距離があっても、言葉がなくても大丈夫。通じ合える。


「ね、ゆーかちゃん。」

その声に私の意識はステージ上に引き戻される。
少し油断しすぎていた。
梶浦さんの話はいつも長いんだけど、その間中、私たちは見つめ合っていたみたい。
まさに時間を忘れて、だ。

「…あっという間過ぎて。」

まだふわふわする心をこちらに戻して、思いを言葉に乗せる。
まだ歌いたい。まだ聞いてもらいたい。
あの優しい眼差しで見つめられたい。

「楽しかったし、あっという間過ぎたし、この“約束”って曲を最後に歌えることが…。あれ…?」
164 ◆eNIM4lH5t. :2009/07/24(金) 11:00:22 ID:TC6Dsmdf
……?
何かおかしい。
私も、お客さんも、一瞬止まった。
そして同時に気付く。
お客さんはどっと沸き、私は頭を抱えた。

「言っちゃったぁ…っ!」

曲名は最後まで伏せておく手筈。
最後の最後に派手にやらかしてしまった…。
客席からの歓声?が止まらない。
そろりと見上げると、さぇこさんは体をくの字に折って大笑い。
手で口元は隠してるけど、あはは、と声が聞こえてきそうな感じ。
うぁあ…。もぅ…!また…。
一気に顔に血が上る。

「でも、いい流れだと思いますよ?ゆーかちゃんらしくて。」

梶浦さんはさっき以上ににやにやしている。
…これはあとで散々からかわれる。間違いなく。

それよりも気になるのは。
さっきからぎょろりと私を見つめる無機質な眼。
…そう。今日はDVD収録のカメラが入っているのだ。

「これ…カットとか…。出来ませんか?」

ちょきちょきするジェスチャーをしながら尋ねる私。

「ふふ…無理無理。」

答える梶浦さんはとても嬉しそうに否定した。
165 ◆eNIM4lH5t. :2009/07/24(金) 11:01:05 ID:TC6Dsmdf
いつまでもこうしている訳にもいかないので、歓声が落ち着いてきたのを見計らって、コメントの続きに戻る。
きちんと考えていたのに、さっきのでぐちゃぐちゃになって、まとめるのに一苦労。つっかえつっかえだ。

「みなさんにまた会えるように、という“約束”を込めて。」

梶浦さんがそう締めるとイントロに入る。

みなさんにまた会えるように。
みなさんにまた歌を聞いていただけるように。

さぇこさんにまた歌を聞いてもらえるように。
むしろ…また同じステージで一緒に歌えるように。
数年前の光景が脳裏を掠める。
二人並んで、笑いあって、一緒に歌ったステージ。

叶うかはわからない。
けど“約束”。
なんだか胸がつまる。

イントロ中に不意に溢れそうになったいろんなものをどうにか飲み込んで歌い始める。
こんなところで決壊させるわけにはいかない。
歌い始めてみれば、いつも通り、曲の世界に入り込めた。もう大丈夫。
歌い終わるころには気持ちも落ち着いて、歓声に達成感と満足感を感じていた。

「ありがとうございましたーっ!」
166 ◆eNIM4lH5t. :2009/07/24(金) 11:01:41 ID:TC6Dsmdf
すごく楽しく歌わせてもらえました。
元気もたくさん貰いました。
とにかく楽しかったし、嬉しかったよ。

言ってしまうと、くどくなる気がして、深々お辞儀をして客席に手を振る。
3階席でさぇこさんが拍手の合間に小さく手を振るのが見えた。
大きく手を振り返す。
“ありがとう”の他に、“またあとで”の意味も込めて。

ライブが終わったらきっと楽屋に遊びに来てくれるはず。
梶浦さんには散々冷やかされるだろうし、さぇこさんにもさっきのことをからかわれるだろう。
…それすらも楽しみで仕方ない。

早く、もっと近くで会いたいな。
そしたら、ぎゅーっとさぇこさんを抱きしめよう。
そしてそれ以上に抱きしめてもらおう。
数十メートルの距離をゼロにすればきっともっといろんなことが伝わるはず。
伝え合うだけじゃなくて、満たされるはず。

そんなことを胸に秘めながら裾にはけていった。


167 ◆eNIM4lH5t. :2009/07/24(金) 11:02:41 ID:TC6Dsmdf
以上です

名古屋でも大阪でもギリギリ大丈夫だったゆーかのMCが大崩壊したのはこんな理由だったらいいな、という妄想
実際、さぇこさんが来てたかどうかは知りません

ゆーかのほわほわした感じが出しきれないなぁ…精進精進

とりあえずDVDが楽しみで仕方ありません
もう一度あのゆーかが見たい

それでは失礼
168名無しさん@秘密の花園:2009/07/24(金) 12:31:17 ID:+Hqe7AAB
>>167
GJ!何か知らんがちょっと泣けた
やっぱりtiaraway好きだわw切なくなるけどDVD見返してきます
169名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/07/24(金) 12:46:23 ID:H0Gv0uku
まさかあのライブのネタをこうもってくるとはw
正直GJ!ティアラいいなぁ
切ないけどやっぱ好きだ
170名無しさん@秘密の花園:2009/07/24(金) 18:02:37 ID:10b6isuX
>>167GJ!
うわー、ライブいけなかったんだよなー
そんなだったんだwDVD楽しみw
171名無しさん@秘密の花園:2009/07/25(土) 00:40:39 ID:qAncM/T2
>>167
GGGJ!!
すごいニヤけながら読んで
なぜか泣けた。。
やっぱりtiaraway…いいなぁ
172名無しさん@秘密の花園:2009/07/26(日) 11:31:00 ID:UK7kX8Q5
>>167GJ!
さえぽんとぱよとの食事にゆーかさんが乱入したり
この2人は今でも一緒に会ったりしてると思うんだ。
173名無しさん@秘密の花園:2009/07/26(日) 12:11:07 ID:j5EUMxDp
>>167

うわあぁぁぁGJ!!!
上でてぃあら好きと書きました!
読んでてものすごく切なくなったけど良かったw
あなたの文章好きなんです。ありがとう。ライブDVDは絶対ゲットするw
174 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/27(月) 09:37:50 ID:3WlJmGEe
>>167

GJ!!!俺もあなたのSSが好きだ!実はtiarawayのことはあんまり知らなかったんだけど、今回の読んではまりそうだぜ!


最近あみっけとぺの言葉遣いがよくわからなくなってきた俺です。すげえ混乱してきた。

京都旅行の続きを投下します。
175京都旅行三日目 side koshimizu 1/6 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/27(月) 09:38:59 ID:3WlJmGEe
天井が見えた。

2、3度瞬きをして、布団からゆっくりと起き上がる。
遮光カーテンの隙間から漏れる薄い光の筋を見て、もう朝なんだとぼんやりと自覚した。

ーーあれ、いつ眠ったんだっけ?

起きたばかりの働かない頭で、なんとか記憶を辿る。

サイドテーブルに置いてある旅行雑誌が目に入って、私はやっと状況を理解した。

あ、そうだ。

私、雑誌を読んでて、そのまま寝ちゃったんだ。

ーーぺが布団かけてくれたのかな……?

自分でかけた覚えのない布団をめくり、ベッドから足を下ろしながら考える。

瞼が重い。

指で瞼を触るとほんの少し熱を持っていて、自分の瞼が腫れていることに気がついた。

昨日はけっこう泣いちゃったからなあ……

首だけを動かして、ベッドサイドのデジタル時計を確認すると、6時35分。

ぺが起きる前に冷やそうと、ベッドから立ち上がって洗面所に向かう。
浴室の扉を開けて電気を点け、鏡を見ると、予想通りな自分の顔が映し出されて思わず声が漏れた。

「……わーお」

ばっちり瞼が腫れていた。ぺより先に起きてよかったと思いながら、ため息をついて蛇口をひねる。

冷水を出して、流れる水を手に受けて顔を洗う。ひんやりとした水が、瞼の火照りを落ち着けてくれた。

今の精神状態は、思ったより酷くない。

でもおそらくそれは、色々な感情でぐしゃぐしゃになったものを、ただ頭の片隅に追いやって、考えないようにしているだけだからだと思う。

ぺからの言葉を、聞いてないから。
昨日は私が一方的にキスをして、話をしただけだから。

ぺが好きで、ぺを自分だけのものにしたくて、ぺを抱きたくて、

でも、

ぺを傷つけたくなくて、ぺまで周りから変な目で見られるのは嫌で、ぺを悩ませたくなくて、

でも、

結局私はぺに対して酷いことをして。

今もきっと間違いなく、ぺを悩ませてしまっている。

176京都旅行三日目 side koshimizu 2/6 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/27(月) 09:40:05 ID:3WlJmGEe
ーーちゃんと話をしないと。

昨日はあの後、私がはぐらかしちゃったから。

ぺからの言葉を聞いて、ぺとの関係がはっきりとしたら、今頭の片隅で放置しているそれとちゃんと向き合わないといけない。

でも、せめて明日までは、
京都旅行をしている間だけは、

それは自分のわがままだって、分かってるけど、

「恋人同士でいたいな……」




30分以上たっぷりと流水で瞼を冷やしたら、大分瞼の腫れがひいた。
よく見るとまだほんの少し腫れているけど、これくらいなら問題ないと思う。

浴室を出て部屋に戻ると、ぺがベッドのヘッドボードにもたれかかって顔をこすっていた。

「ぺーおはよー」

「おはよう……」

「ぺ。昨日の夜のことなんだけどさ」

「……え!?」

がばり!と、音が聞こえそうな勢いでぺが私の方を見た。
私はその意味が分からず、ぺの勢いにちょっと怯む。

「や、やっぱり起きてたの!?」

「な、何が?」

ぺがなんか動揺してる。
なんで?私今なんか変なこと言ったっけ?

「ぺが雑誌片付けて布団かけてくれたんだよね?」

私のその言葉を聞いて、ぺが一瞬止まる。
よくわからないけど、気まずそうに私から目を逸らしてほっと息を吐いた。

「あ、ああうん。そうそう。小清水、寝ちゃってたから」

「ありがとね」

「いや……」

ぺが頭を垂れ、前髪をかきあげた。

177京都旅行三日目 side koshimizu 3/6 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/27(月) 09:40:54 ID:3WlJmGEe
「どうしたの?」

「いやー。うん。あー。私なんか寝ぼけてるわ……」

「なーんだ。寝ぼけてんなよ〜三瓶!えいっ!」

「うっわ!冷た!」

ぺに近づいて、冷水で冷えきった両手でぺの頬を包む。

「馬鹿ちょっ、やめろ!」

笑いながらぺが自分の両手を私の手にかけて、頬から引きはがそうとする。

「起きたかー!」

「起きた!ギブギブ!離っ……!」

顔を上げたぺと目が合った。

思った以上にぺの顔が近い位置にあって、息を飲む。

ぺの喉がごくりと動いたのを見て、私は慌てて目を逸らしてぺの頬から両手を離した。

「……さーて、今日の天気はどうでしょうか!」

なんて言いながら、早足で窓のそばに近寄って、遮光カーテンを勢いよく開けた。

心臓がドクドクと鳴っている。

外は小雨が降っていた。




私は去年も京都に来たけど、京都の寺社や仏閣、観光スポットの数は本当にすごいなと思う。
あらかた制覇したかな、なんて思うことが一度もなくて、毎回行く場所を変えて、毎回新鮮な気持ちで京都を観光できる。

今来ている神社は有名な場所だけど、私はここに来るのは初めてだった。

全国にある祗園社の総本社というだけあって、すれ違う人の数は昨日行った清水寺とさほど変わらない。

朝は小雨が降っていて、ここに到着するまでの間はぐずぐずした空模様だった。
お昼近くになったつい先ほどあたりから、やっと天気が回復し始め、雲の隙間から青空が覗き始めている。
おかげで傘を差して歩く必要もない。

拝殿でお参りを済ませてから授与所に向かい、私たちはおみくじを引いた。
授与所の窓口から少し離れた場所で、一緒におみくじの中身を見る。

「見て見て!三瓶ちゃん!大吉」

「いーなー!私は吉だよ。去年よりはいいけど」

占いは、当たるも八卦当たらぬも八卦。
おみくじもそうだと思うけど、新年早々『大凶』なんて引きたくなかった私は、この結果に心底ほっとした。
178京都旅行三日目 side koshimizu 4/6 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/27(月) 09:41:47 ID:3WlJmGEe
悪い結果じゃなくてよかった、なんて思いながら授与所の窓口の辺りに目を移す。
おみくじを引いたときから気になっていたものが目に入った。

恋のおみくじ。恋みくじ。

昨日のことがあったからぺの前では買いにくいんだけど、すごく気になる。

おみくじの結果がすべてなんかじゃないし、結果によっては大いに凹む可能性だってあるんだけど、今はそういう確実性のないものにまで手を出したい気分だった。

「ごめん小清水、ちょっとトイレ行ってきていい?」

そんなことを考えていたからか、私にとってタイミングが良すぎるぺのその言葉を把握するのに、一瞬の間を要した。

恋みくじを引くチャンスに、心臓が音を立て始める。

「……いいよー。バッグ持ってよっか?」

「いや平気平気。ありがと」

「じゃ、ここで待ってるね」

砂利を踏みしめる音を響かせて、ぺがトイレの方へと向かう。

そのぺの後ろ姿を見ながら、私は再び授与所の方に目を向けた。

どうしよう。

引くのはちょっと怖いけど、でも引きたい。

どうしよう。

ぺが向かった方をもう一度見る。引くなら早く引かないと、ぺが帰ってくる。

どうしよう。

おみくじの結果がすべてなんかじゃない。おみくじはただの気休めなんだから。

授与所の方へ足を踏み出す。

結局引きたいという気持ちが勝った。

まだぺが帰って来ないことを再々確認して、さっき授与所でおみくじを引いた時と同じ巫女さんに声をかけた。
179京都旅行三日目 side koshimizu 5/6 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/27(月) 09:42:23 ID:3WlJmGEe
「すみません。恋みくじ引きたいんですけどいいですか」

「はい。では200円お納めください」

「はい」

巫女さんに200円を渡して箱から恋みくじを引く。
気温は低くて寒いはずなのに、おみくじを引いた私の手の平は少し汗ばんでいた。

引いたおみくじを両手で包むように持ってさっきの場所まで戻り、ぺが歩いていった方を背にして、どきどきしながら恋みくじを開いた。

一番はじめに目に入った『運勢』を見て、私は息をのむ。

「大吉……」

現在の状況を考えるとこの運勢は疑わしいし、複雑な気持ちになったけど、この結果は素直に嬉しかった。

ーーただの気休めだって分かっているけどね。

ーーそれとも、好転したりして。

文字が全部読めるように紙をまっすぐに伸ばして恋みくじに目を落とす。

最初の方の古文の内容は読んでもよく分からなかった。
現代文が書かれている後ろの方に視点を移動させる。

一行目、

『出会い:身近な思わぬ人との縁が吉縁となり、やがては結婚へと進むものなり』

二行目、

『恋愛:互いに尽くしあう気持ちを大切に、実りある交際を続けましょう』

三行目、

「小清水」

最後の行を目に入れたと同時に、ぺの声が後ろから聞こえてきて、私は慌てて恋みくじを折り畳んだ。
それをバッグの中に片手で入れ、声のした方を向く。
人にぶつからないように避けながら、ぺがこちらに向かって歩いて来ていた。

180京都旅行三日目 side koshimizu 6/6 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/27(月) 09:43:32 ID:3WlJmGEe
おかえり。

と言った言葉は、もしかしたらぺの耳には届かなかったかもしれない。
神社に来ている人たちの、ガヤガヤとした話し声や笑い声の中にいても聞こえるくらいの、ひときわ大きな歓声が上がったから。

「虹だー!おかーさん、虹、虹!」

小学校低学年くらいの子供が、その母親と思しき女性の服の袖を引っ張って、空の方を指差している。

ちらほらと周りの人も空を見上げていて、指を指して場所を確認したり、写メを撮ったりしている。
私もぺもそれにつられて、周りが指差す方向を見上げた。

「あー本当だ!」

ぺの声は興奮で弾んでいる。

「……虹」

私の声は驚きで少し掠れている。

恋みくじの最後の行が頭の中をよぎり、どうしようもなく心臓がドキドキしてくるのを押さえられない。

ほんの少しの期待とかすかな高揚が心の底で生まれた。

偶然だって分かってる。

そんなよくあるドラマみたいな都合のいい話なんてあるわけがないと思う。

占いは、当たるも八卦当たらぬも八卦。
おみくじは、ただの気休め。

でも、こんなにもタイミングが良すぎることが重なると、そのほんの少しの期待と高揚に希望を持ちたくなる。


恋みくじの三行目に書かれていた内容、

『幸運の鍵:虹の架け橋』


この神社を囲んでいる鎮守の森の隙間から、社殿にかけて横に伸びている虹は、

まるで架け橋みたいに見えた。

181 ◆NgK5YCJ68I :2009/07/27(月) 09:45:56 ID:3WlJmGEe
今日はここまで。相変わらず長々とすみません。
引用元を一応明記します。八坂神社、恋みくじ『大吉』より引用。
太陽の角度の関係で、冬は日中にも虹が見えることがあるのです。まめちしきー。

今回は都合のいいようにかなりねつ造した。二人がおみくじを引いたのは、タイミング的にきっと1月1日だからorz

ラブい内容はものすごく書きやすいから、もしかしたら近日中にでも次の章投下できるかもしれない。もう一山あるけどね。

これを含め、おそらくあと5回くらいの投下でこの長かったシリーズ?、終わらせることができそう。そのうち2回は確実にエロなんで閲覧注意。

最後までお付き合いいただけましたら嬉しいです!

>第3の保管庫管理人様
この場をお借りして。
いつも保管庫へのUPありがとうございます。お仕事早くて毎回頭の下がる思いです。お仕事増やしてすみません。おそらくあと4、5回の投下で終わりますので……!
182名無しさん@秘密の花園:2009/07/27(月) 14:10:44 ID:AMRiw41c
>>181
京都旅行だあぁぁぁGJ!!あともう少しで終わりか〜待ち遠しいような、寂しいような・・・

言葉遣い、自分も分からないよ。最近ぺが「亜美ちゃん」とか呼んでるし(激萌)。でも、あなたの文章に全く違和感がないから、OKだっ!
183名無しさん@秘密の花園:2009/07/27(月) 19:04:33 ID:WfavwDGa
184名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/07/28(火) 07:49:31 ID:abYwGlfZ
>>181
GJGJ!SS上がってるの見て変な声でたわw
お互いが意識し始めてるってのが堪らん
うおおどうなるこれからの展開!
185 ◆5vjtwIGHpw :2009/07/28(火) 12:18:53 ID:49XPn63Y
メジャーなもので盛り上がってる所失礼します。
マイナーすぎて需要も供給も微妙な水樹×堀江。
時間軸がすごくオカシイのはスミマセン…。
186素直な言葉 ◆5vjtwIGHpw :2009/07/28(火) 12:22:10 ID:49XPn63Y
「ハッピーバースデー!」

仕事で疲れた身体を引きずって辿り着いた家。
けぇたんに癒されながら眠りにつこうと思っていたあたしを待っていたのは、ちょっと意外な人。

「どうしたの、由衣ちゃん?」

その人――堀江由衣ちゃんはあたしが結構疲れてることに気づいてくれたのか、にこにこだった笑顔を曇らせて、

「あっ、ごめんね水樹さん。急にきたの迷惑だった?」
「いや、そう言うのは全然ないけど!」
「でも、なんか冴えない顔してるから」
「……生まれつき、だと思いますよ」

冴えない顔。
この場合の意味はそっちじゃないことは分かってたんだけど、あたしは何でかそんな返答をしてしまって。

「ご、ゴメンねっ。そーゆー意味じゃなかったんだけど!」

なんでかな、そんな顔見たかったわけじゃないのに。
疲れてるから……なんて、言い訳にしちゃダメだろっ。

「水樹さんお疲れみたいだから、私お邪魔かな?」

あたしを気遣ってか、あんまり悲しそうな顔はしてないけど。
きっとすごく、悲しんでると思う。なんとなくわかるんだ。
由衣ちゃんは自分が年上なのを気にしてない素振りはしてるけど、行動はいつもお姉さんらしいんだもの。

「邪魔だなんてそんなっ! むしろ……」
「むしろ?」
187素直な言葉 ◆5vjtwIGHpw :2009/07/28(火) 12:23:35 ID:49XPn63Y
ああもう、すごく恥ずかしい台詞しか浮かばないよ!
相変わらず物事を進めるのが下手だなぁあたし。
好きな人の前限定で。

「だ、いっ……歓迎、です」

本音と照れ臭さが混ざった変な笑顔になってるんだろうな。
だけど、この人はそんなこと気にしないで

「そう? ならよかったー」

にこーって純粋に、可愛らしく笑うから困るんだ。
こんなとき、愛されてることをつくづく実感する。
幸せものだなぁ、水樹は。

「それで由衣ちゃん、明日はオフ?」
「ううん、仕事」
「えっ」

時計に目を向けてみる。
今は丁度、日付が変わってから1時間ほど過ぎたところだ。

「じゃあ午後から……とか?」

おそるおそる尋ねてみると、

「いや、朝からだけど」
「って、何してるんですか! じゃあ早く寝ないとっ!」
188素直な言葉 ◆5vjtwIGHpw :2009/07/28(火) 12:24:46 ID:49XPn63Y
当たり前に普通にこうしているから、てっきり余裕があるかと思えば。
朝から仕事なのにこんな時間まで待ってるなんてまったく、本当にこの人は。
柔らかそうな頬をむうっと膨らませて、反抗してくる。

「えー、せっかくのお誕生日なのに眠れないよー」

……それがあたしのため、だなんて思うととてつもなく嬉しいのは事実なんですが。
でもそんなことよりも!

「あたしは由衣ちゃんの体調のほうが心配だから寝てください」
「やだよ、まだ1時だよ? 問題ないって」
「じゃあ健康的な肌造りのために寝てください」
「肌よくなるのって2時までだし、もう遅いよ〜」

ああ言えばこう言う。
この人は本当に年齢と中身が時折一致しないから困る。
……いや、これが17歳の言動なら一致してるのかしら?

「とにかく、由衣ちゃんが明日眠たいながら仕事してるのは困るよ」
「……むー」

困る、って台詞が聞いたのか。由衣ちゃんはすぐにおとなしくはなった。
顔は相変わらず、膨れっ面ですけれど。
近くにあったクッションをおもむろに手に入れて、顔を埋めてる。

「水樹さんのケチ」
「ケチとかじゃなくってね、あたしは由衣ちゃんのことを思って」
「それはわかるけど……」
189素直な言葉 ◆5vjtwIGHpw :2009/07/28(火) 12:26:30 ID:49XPn63Y
手持ちのそれにぎゅーって力を込める姿は、まるで子どもだなぁ。
って言うか、子どもにしか見えない。
そんな仕草されたら、あたしもついつい弱くなっちゃうでしょ。

「だからね……」

ってフォローの言葉を入れようかとあたしが口を開いたのと同じタイミングで、由衣ちゃんも声を発した。

「私は水樹さんと、ただ一緒に……祝いたかっただけなのに」

ああ、そうだ。
なんであたしはそこに気を回してあげられなかったんだろう。
由衣ちゃんはただ、あたしの誕生日を祝いに来てくれたんだ。
ただそれだけのために、こんな遅くまで起きててくれて。
明日仕事があるにも関わらずに。
ならもっと何か、あたしは違う対応が出来たんじゃないの?
お説教とか言い訳とか無駄な気の遣い方じゃなくってもっと、一緒に居れる時間を大切に出来るような。

「……はぁ。ダメだなぁ、あたしってば」
「……?」
「由衣ちゃんといると、いつもいっぱいいっぱいになっちゃって」
「みずき、さん?」
「あたしね、もっと……伝えたいことたくさんあるはずなのに、」

由衣ちゃんの前だと、素直を出すのがすっごく難しい。
いつも他の人の前でなら普通に出来るはずなのに、なんでなのかな。
……大好き、だから?
だからいっぱい気遣っちゃうのだろうか。いっぱい良く見せたくなっちゃって。
だからそれより大事なことが、いつも見えなくなっていく。
あたしはただいつも、由衣ちゃんの笑顔が見たいだけなのに。
190素直な言葉 ◆5vjtwIGHpw :2009/07/28(火) 12:28:00 ID:49XPn63Y
「祝ってくれて、ありがとう」
「えっ」
「……嬉しかったの。疲れたときに由衣ちゃんの顔が見れたことが」

あなたはいっぱい、あたしに素直をくれるはずなのにいつも不器用でごめんなさい。

「うまく言えなくってごめんね」
「ううんっ、そんなことないよ! 私はただ、」

ぶんぶんって手を振って否定した後、少し頬を染めて一拍。

「……ただ?」
「水樹さんがね、笑ってくれたら……それだけでいいの」

少しはにかみながらのその笑顔は、いつものストレートな言動より何倍もあたしの心に深く刺さった。

「由衣ちゃんは卑怯だね」
「え、なにが?」
「一言一言が、魅力的過ぎるのが」
「なによそれー、私から見たら水樹さんの方がそうだよ」
「へ、そうなの?」
「1個1個がかっこいいんだもん」
「それって誉められてるのかしら」
「私からすれば最高に」
191素直な言葉 ◆5vjtwIGHpw :2009/07/28(火) 12:29:08 ID:49XPn63Y
この性別で生まれてきてその言葉は、あんまりな気がしないでもないけど。
由衣ちゃんに言われるのは、悪い気はしない……かな。

「ふふっ、じゃあ今後もっと格好良さに磨きをかけないとね。由衣ちゃんに好かれるためにも」

最後の方は冗談っぽく言ってみたんだけど、あたしがこんなことあんまり言わない所為もあってか、由衣ちゃんは目をぱちくりさせて。

「今のままでも十分、……好きだよ?」

素直な気持ちを口にしてくれるから。
あたしはやっぱり、この人が大好きだなぁって思い知らされるの。

その日は結局、そんな会話をしてすぐ由衣ちゃんを寝かしつけた。
不満そうにはしていたけど布団に入れると、疲れてたのかすぐにお姫さまは眠りについたようで。
次の日の仕事にもあまり支障をきたさなかったみたいで一安心。
そういえば、結局誕生日プレゼント的な物もらってなかった。
でもまぁ、いっか。
だってそれは今日考えればいいことだし。
今日はまだ始まったばっかりなんだから。
帰ったらケーキを買ってきて一緒に食べよう……って、あたしが買うのは変かな?
でも、まぁいいよね。
由衣ちゃんと一緒に、楽しい時間が過ごせればあたしはそれだけできっと満足出来るんだ。
192 ◆5vjtwIGHpw :2009/07/28(火) 12:32:20 ID:49XPn63Y
以上です。スペース頂きありがとうございました。
久しぶりに書いてみると堀江さんが白すぎる不思議。
だだ甘い感じが伝わればいいなと思いつつ、
今後の投下も楽しみにROMに戻らせていただきます。
失礼しました。
193名無しさん@秘密の花園:2009/07/28(火) 13:34:48 ID:TWOZvZwM
奈々さんとほちゃの組み合わせも好きだよー
GJ、ときめいてしまったぜw
194名無しさん@秘密の花園:2009/08/01(土) 10:10:49 ID:W4C7x1tJ
いきおいがとまったな
195名無しさん@秘密の花園:2009/08/01(土) 10:38:57 ID:klZqPlUR
ついROM専になってしまう
196名無しさん@秘密の花園:2009/08/01(土) 10:48:09 ID:tIy5qJKs
アイちゃん萌えです
197 ◆NgK5YCJ68I :2009/08/02(日) 09:45:56 ID:2QL8+PjM
どもです。京都旅行のものです。ごきげんよう。
待っててくださった方、遅くなりまして申し訳ありません。

>ラブい内容はものすごく書きやすいから、もしかしたら近日中にでも次の章投下できるかもしれない。

……こんなことをほざいていた過去の自分を全力で殴りたい。

かなーりボリュームが多くなったんで、途中で規制がかからないかちょと心配です。

続き投下します。
198京都旅行三日目 side sanpei 1/14 ◆NgK5YCJ68I :2009/08/02(日) 09:47:01 ID:2QL8+PjM
私と小清水は鴨川沿いの散歩道を歩いていた。
西日を浴びた川の水面がきらきらと輝いて揺れている。
時期が時期なだけに川沿いの風は冷たくて、一段と身体が冷える。

こういう川の土手ではカップルが寄り添って座っているのをよくみるけれど、じっとしているだけで凍えそうなこの時期に、そんな愚かしいことをしているカップルなんて一組もいない。
息をほうっと吐くと、白い息が冷たい空気に溶け込んで消えていった。

ーーどう切り出すべきなんだろう。

私は小清水と話をするタイミングを計りかねていた。

この期に及んでも、まだ私は躊躇している。

伝えたい気持ちをちゃんと言葉にできない自分が恨めしい。

ーーなんで、小清水には素直に好きって言えないんだろう。

他の人に対しては、簡単に言えるのに。

「鴨川等間隔の法則」

「は?」

小清水の突然の発言に、思考が遮られた。

「鴨川の土手沿いで座ってるカップル達ってね、カップルとカップルの間の距離が等しくなるように座るんだって。自然に等間隔に座っていくんだってさ」
 
「へー。何それトリビア?」

「そうそう。トリビアトリビア」
 
「小清水の口から『法則』なんて言葉を聞くと、すっごい違和感感じるんだけど」

「なんだと〜?」

小清水の抗議の声を笑いながら流して、河川敷の方を見る。さっきも見たけど、やはり土手に座っているカップルは一組もいない。

「さすがに今日はカップルいないから、その等間隔ってのは見れないね」

「そうだねー」

「……あのさ」

カップルという単語をきっかけにして、話題に持っていこうと思った。
緊張で喉が鳴って、乾いた唇を無意識に舌が舐める。

唐突な気もしたけど、これ以上引っ張ると、どんどん言いづらくなっていくような気がしたから。
……話していくうちに自分の思考がまとまっていくかもしれないし。

「……昨日、小清水が言ってたこ」

「ぺ!」

小清水は私の言葉を途中で遮り、こちらを振り向いた。

199京都旅行三日目 side sanpei 2/14 ◆NgK5YCJ68I :2009/08/02(日) 09:47:42 ID:2QL8+PjM
「……ごめんね、口挟んで。夜でもいい?話すの。ホテルに帰ってから」

最後まで言い切れなかったけど、私が何について話そうとしたのかは伝わったようだった。
西日が逆光になって、小清水の表情が見えない。

「……ん。わかった」

そこでまた会話が途切れた。

さっき小清水に遮られた思考を再び働かせる。

陽は更に傾き、もうすぐ日が沈みそうだった。




 
京都旅行最後の夜だったけど、夕飯は全国チェーンの居酒屋で食べた。

昨日行ったすき焼き屋がいいお値段のするお店だったし、働いてお金をもらっているとはいえ、自分たちはまだ20代前半。
懐具合を考えて、ここは堅実に節約していこうということになったのだ。

そこで全国チェーンの居酒屋というチョイスもどうなんだろうと思ったけれど、三が日ということもあり、開いているお店がそう多くなかったから仕方がない。

チェーン店といっても料理の味はまずまずだし、お酒の種類は豊富だ。
それに東京の店舗と変わらないメニューと味が、まるで自分たちが東京に戻ってきたような錯覚を起こさせて、終始リラックスして食事ができた。

適度にお酒や料理を楽しんだ私たちは会計をすませ、2階にある居酒屋を出て階段を下りていた。

階段を下りきったところで、ジャケットのポケットにいつもならある感触がないことに気がつく。

「あれ?」

「どうしたの?」

「……携帯がない」

「え!?忘れた?落とした?」

「わかんない。ちょっとお店戻ってみてくるわ。下で待ってて」

「おっけー」

何やってんだ私。

自分に呆れながら、たった今下りたばかりの階段を駆け上り、居酒屋の扉を開ける。

ドアベルが鳴って、「いらっしゃいませー」と女性店員さんが振り向いた。
私の顔を見て「あ」と小さく声を上げる。

200京都旅行三日目 side sanpei 3/14 ◆NgK5YCJ68I :2009/08/02(日) 09:48:25 ID:2QL8+PjM

「すみませんさっきこちらのお店で飲んでたんですけど、携帯忘れちゃったみたいで」

確認させていただいてもいいですか?と私が続ける前に、店員さんが「こちらの携帯電話ですよね?」とレジ下の棚から携帯電話を取り出して見せてきた。

それは間違いなく私の携帯電話だった。
携帯が見つかった安心感とともに、恥ずかしさがわき上がる。

「はいこれです!すみませんありがとうございます」

「いえいえよかったです」

「お手数をおかけしました」

ぺこりと頭を下げて、お店を出る。

ーーっとに、何やってんだ私。

盛大にため息をつきながら、ジャケットのポケットに携帯をつっこんで、一段一段階段を下りていく。

半分ほど階段を下りたところで、階下から男女二人の会話が聞こえてきた。階段を下りる足が止まる。

小清水の声と、

男の、声。

「……お兄さんごめん。とりあえず手、離してもらってもいいですか?」

「えー。君がいいって言ってくれたら手ぇ離すよ。お願いお願い!一緒に飲もうよ!」

右足を一段下ろした。
さらに聞こえてくる言葉に耳を傾ける。

「今、友達と一緒に来てるので、すみません」

「じゃあさ、その友達の子も一緒に飲もうよ。俺奢るから。ホント、ちょっとだけ頼むよお姉さん」

時間にして数秒もなかった。
ナンパ、の文字が頭に浮かび上がって、会話内容から事態を把握する。

止めた足を再び動かしはじめる。

お腹の底に火種が生まれていた。

201京都旅行三日目 side sanpei 4/14 ◆NgK5YCJ68I :2009/08/02(日) 09:49:06 ID:2QL8+PjM



階段を下りきると、見るからに酔っぱらいといった感じの男が小清水の横にいた。

小清水より背が高いその男は、へらへら笑いながらふざけるように小清水の腕をつかんでいた。

それを見て、お腹のそこに生まれた火種がくすぶり始める。

「じゃあさ、名前だけでも教えてください!ほんと、一目惚れ!君のこと大好き!」

苦いものがこみ上げてくる。

愛想笑いをしながら振りほどこうとしていた小清水と目が合った。
小清水の視線が自分以外に向いたことに気がついて、男もこちらを振り向いてきた。

「……おにーさん。何してるんですか?」

なんでもない風に言うつもりだったのに、私の口からは思いのほか低い声が出た。
酔っぱらい男にゆっくりと近づく。

「君がお友達?」

私を意識したその一瞬、小清水の腕を掴んでいた男の手が少し緩んだらしく、小清水が慌てて腕を振り払って腕を解いた。

「あ〜〜。残念〜」

謝りもせずへらへらと笑う姿に生理的な嫌悪感を覚える。

……なんで、小清水が嫌がっているのを見て分からないんだろう。
小清水に限ったことじゃない。
見知らぬ人にそういう強引なことをされて、喜ぶ女性がいるとでも思っているのか。
それとも単に酔っぱらっているだけなのか。

小清水は頭の回転が早いし、その場の機転で相手をあしらったり流したりするのは得意な方だ。
でも、それができていない今の状況を見ると、この酔っぱらいはよっぽどたちが悪くてしつこい相手らしかった。

足を一歩大きく踏み出して、小清水と酔っぱらいとの間に入り込んだ。

小清水より背が高いから、私がその酔っぱらいと対峙すると、見上げるような形になる。

よく見るとかなりのイケメンだった。
年齢は私たちよりちょっと年上なんじゃないか、ってくらい。

相当お酒が入っているのか顔は赤く、私を見る目の焦点があまり定まっていない。
少し足元もおぼつかないようで、時折身体がゆらりと揺れた。

「ナンパですか?」

「うんナンパ。二人も可愛い子と出会えて俺超ラッキーだよ!」

お腹の底で生まれた火種を鎮火させようとして、息を吸って冷たい空気を肺に送り込む。
202京都旅行三日目 side sanpei 5/14 ◆NgK5YCJ68I :2009/08/02(日) 09:49:44 ID:2QL8+PjM
「……だめですよ。この子ちゃんと恋人いるんで」

「……え?まじで?」

「私もですけどね」

酔っぱらいを一瞥し、小清水の方を振り向く。私は小清水の手を取って歩き出した。

「小清水、行こ」

「ちょっと待ってちょっと待って」

男が早歩きで私たちの前に回り込んでくる。

しつこい。

「でもさ、君たち二人で俺一人だったらいいでしょ?一対一で飲むわけじゃないんだしさ」

よっぽど自分に自信があるのか、それとも単にものすごく酔っぱらっているのか。

ーー『恋人がいる』と言っても食い下がってくるなんてね。

相手に気がつかれない程度に顔を歪める。

男の言葉を無視し、回り込んできた男を避けて歩を進めた。


「そーんな手なんか握っちゃって。レズじゃあるまいしさ〜。ね!どうすか俺と!」


続いた言葉に歩みが止まった。

さっき鎮火させたはずの、お腹の底の火種が完全な火になった。
わき上がった激情で身体がぶるりと震える。

男の方を振り返り、鋭く睨みつけると、その男はへらりと笑った。

無言で一歩、男に近づく。

私のただならぬ雰囲気に気圧されたのか、その男は一瞬怯み、一歩下がった。

「おいタカシ!何やってんだよお前!」

私が口を開こうとした瞬間、呼びかけるような大きな声が聞こえてきた。

はっとして声のした方を振り返ると、二人の男性が、こちらに向かって駆け寄ってきていた。

私の目の前にいる酔っぱらい男もまた、その二人の男性の方を向いていた。

203京都旅行三日目 side sanpei 6/14 ◆NgK5YCJ68I :2009/08/02(日) 09:50:38 ID:2QL8+PjM
「お前こんなとこにいたのかよ!」

どうやら『タカシ』というのはこの酔っぱらい男のことを指すらしく、男性二人はこの男の友人らしかった。

二人の男性は私と小清水を見て、心底申し訳ない、といった顔をする。

「なんだよ今いいところなんだって。邪魔すんなー」

「お前は黙ってろ!」

男性の一人が酔っぱらい男の頭を引っ叩き、もう一人が深々と頭を下げてくる。

「……本っ当にご迷惑をおかけしました!ごめんなさい!まじですみません!コイツになんかされてたら言ってください!なんかお詫びします!」

その言葉を受けて小清水の方を見ると、小清水はゆるゆると首を左右に振った。
私はもう一度男性の方に向き直る。

「いえ……大丈夫です。その人連れてってあげてください」

本当にごめんなさい!と言って、二人はぺこぺこと私たちに頭を下げながら、酔っぱらい男を引きずるように連行していった。

小清水の手を握ったまま、再びホテルの方向へと歩き出す。

「……三瓶ちゃん」

10歩ほど歩いたところで、私より少し後ろを歩いていた小清水が声をかけてきた。

「もうさっきの人いないし、手を離してもいいよ」

「……」

返事の代わりに繋いでいた手に力を込める。

私は手を離すつもりはなかった。

「携帯は、ちゃんとあったの?」

「……うん。あった」

私が手を離すつもりがないと判断した小清水もまた、握った手に力を込めてくる。

夜の冷え込みとビル風で、身体は冷える一方だったけど、

繋いだ手だけはすごく暖かかった。
204京都旅行三日目 side sanpei 7/14 ◆NgK5YCJ68I :2009/08/02(日) 09:51:32 ID:2QL8+PjM
フロントでルームキーをもらうときも、私は小清水の手を離さなかった。

ホテルの部屋についてから、やっと小清水の手を解放し、ベッドの端にどかりと座った。

膝の上で両手を軽く組み、私は床を見つめる。

立ったままの小清水から視線を感じたけど、私は小清水の方を見ることができなかった。

心の中で何かが揺れていた。

私の心の奥底にあって、今まで表面に浮かんでこなかった感情が、次々と浮かんできていた。
私は必死になってそれを抑え込もうとするけれど、抑えられない。

心の表面に浮かんできたそれらの感情が心の中で渦巻いて、まったく落ち着く気配がない。

これらの感情は、あの酔っぱらいに対するものよりも、自分に対する憤りの方が遥かに強かった。

自分の頭の中が激情で塗りつぶされて、涙が出そうだった。

今顔を上げたらきっと泣く。

言葉を出してもきっと泣く。

「……ぺ」

私は返事をしなかった。
顔も上げない。

「……泣いてるの?」

小清水の声が近くなった。

泣いてない。

「さっきの。私、そんな気にしてないよ?」

小清水が隣に座る気配がしたけど、まだ顔が上げられない。唇が震えてきた。

違う。

「……ごめんね。ぺにも不快な思いをさせちゃって」

抑えていたものが決壊した。

「違うっ……!」

顔をあげて小清水の顔を見たとき、目から雫がこぼれ落ちた。

私は慌ててぐしぐしと目をこするけれど、涙は拭う端からこぼれてくる。

「なん、で」

嗚咽になってしまいそうになるのを堪えて、私の声が震えた。

205京都旅行三日目 side sanpei 8/14 ◆NgK5YCJ68I :2009/08/02(日) 09:52:05 ID:2QL8+PjM
「なんで小清水がっ、謝るんだよ馬鹿っ……!」

「ぺ……」

胸の奥の深いところから嗚咽がせり上がってきて、今度は身体が震えた。泣いているのを見られたくなくて、私は深くうつむき片手で頭を押さえる。

その時、小清水がそっと私を両腕で抱きしめてきた。

小清水があやすように私の背中を優しく撫でてきて、いよいよ涙と嗚咽が止まらなくなる。
私は小清水の背中に腕を回した。

「う、うあああっ!」

小清水の胸に顔を埋め、嗚咽を漏らしながら私は泣いた。

ーーほんと、一目惚れ!君のこと大好き!

悔しかった。好きという言葉はそんなに安いものなのか。異性というだけで、男というだけで「好き」という言葉は、同性のそれより重くなるのか。

ーー手なんか握っちゃって。レズじゃあるまいしさ〜

その差別的な言葉で、どんなに小清水が葛藤して悩んだか。
向こうにとってのその言葉は、単に少しからかう程度のものだったのだとは思う。
それ以上の意味はなかったのは分かっていたけど、それでも悔しかった。


でも、違う。

私が一番悪い。

自分への憤りと悔しさで涙が止まらない。

もっと早く、小清水の思いにちゃんと気がついて、自分の気持ちに正直になって、
小清水に言葉として私の思いを伝えていればよかったのだ。

私が素直にきちんと、「好き」って伝えていたら、小清水は周りの言葉に翻弄されるようなことはなかったかもしれない。

携帯を忘れることがなかったら、あんな思いをさせずに済んだんじゃないかとか、それも確かにあるけれど、そんなことじゃない。

もっともっと、根本的なところ。

ーーこの子ちゃんと恋人いるんで

よくもそんなことが言えたもんだと思う。恋人としての自覚なんてなかったくせに。

結局私は自分のことばかりで、小清水のことを考えていなかった。

素直に言えなくて、恥ずかしいからという理由で、いつも向き合おうとしなかった。


206京都旅行三日目 side sanpei 9/14 ◆NgK5YCJ68I :2009/08/02(日) 09:52:49 ID:2QL8+PjM
私から何も言わなくても、恋愛というものに向き合おうとしなくたって、

小清水はいつもそばにいてくれたから。

そんなことをしなくても、当たり前のようにそばにいたから。

私が気まぐれに小清水の方に手を伸ばせば、いつでもその手を握ってくれるような、そんな位置に小清水はずっといてくれたんだ。
それが当たり前のようになっていて、私はそれに甘えていた。

その結果、小清水を不安にさせて、悩ませて、追いつめてしまった。



どのくらい泣いていたのか分からない。

涙がやっとおさまってきて、小清水の胸から顔を上げると、お互いの視線が交わった。
小清水が、私の背中に回した腕をそっと解く。

「落ち着いた?」

「ごめん……泣いたりして」

嫌な思いをしたのは小清水の方なのに。

「本当にどうしたの?私、さっきのそんなに気にしてないってば」

「違う……」

大きく息を吐いて呼吸を整える。

やっとまとまった。

自分の気持ちは定まった。

小清水に言うべき言葉も決めた。

「……今までごめん」

小清水に怪訝な顔をされた。

「小清水にちゃんと話さなきゃと思ってたんだけど」

「昨日、小清水さ、別れるってこと考えて欲しい、って言ってたじゃん」

小清水が息を飲む。

「考えたよ」

私は小清水の目をまっすぐと見つめた。

「私は、小清水と別れたくない」


小清水が、大好き。
207名無しさん@秘密の花園:2009/08/02(日) 10:30:32 ID:dmPpBjOq
支援いる?
208名無しさん@秘密の花園:2009/08/02(日) 10:54:16 ID:3354ZZTK
規制か? 支援
209 ◆NgK5YCJ68I :2009/08/02(日) 11:08:41 ID:sOrDD9iD
>>207
>>208

ありがとう!!携帯でも書き込めなくて本当に困ってたm(_ _)m

続き投下します!
210 ◆NgK5YCJ68I :2009/08/02(日) 11:09:43 ID:sOrDD9iD

「私は小清水のこと、大好きだから」

小清水の目が大きく見開かれた。

「昨日さ、小清水、言ってたじゃん。私の好きと小清水の好きは違うって」

私はその見開かれた目を見つめ返す。

「好きに違いがあるとか、正直考えたことなかった。キス以上のことも、確かに考えたことがなかったし、あんまりその、わかんないけど、でも、」

じっと見つめてくる小清水の目に耐えきれなくなり、視線を脇へと逸らす。
やっぱり恥ずかしい。
でもちゃんと伝えたくて、恥ずかしさで顔が赤くなっていくのを感じながらも、小清水の瞳にもう一度視線を移す。

「小清水とそういうことをするのを、気持ち悪いと思ったことなんて、本当に今の今まで一度もないよ」

小清水の視線は動かない。

「小清水と触れ合うのは、好きだし、どきどきするけど、落ち着くし」

「今までちゃんと言葉として伝えてなくて、……ごめん」

再び小清水から視線を外し、「やっぱり私、ツンデレってやつなのかも」と付け加えると、小清水は少し笑ってくれた。

「それに小清水が、他の人と、男性と付き合っているところ、想像したら」

誰がどう見ても違和感のないカップル。

私は、旅行雑誌の写真に映っていた男女の二人組の写真を思い出していた。

「……すごく嫌だった」

これが焼きもちなんだと思った。

私の言葉を受けての小清水からの反応がなくて、少し落ち着かない。

再々度小清水の方に視線を寄せると、小清水の瞳が揺れていた。

「……本当に?」

「や、嘘言ってどうすんの……」

小清水の瞳が濡れる。

「でも、ぺが、変な風に見られるのは、やだ……!」

「それはお互い様でしょ?私だって小清水がそんな風に見られるのは嫌だってば」

私は、言葉を続けた。

「でも、別にそういう人に分かってもらう必要ってなくない?」

「お互いに、好き合ってるのに別れるのっておかしいでしょ」

211京都旅行三日目 side sanpei 11/14 ◆NgK5YCJ68I :2009/08/02(日) 11:10:54 ID:sOrDD9iD
ああ、もう本当に恥ずかしい。

こんな台詞絶対に、二度と言わない。

今だけ。本当に今だけ。

自分が今までちゃんと言わなかったのが悪かったんだから。と、今から口にする言葉に自分で言い訳をしてから口を開いた。

「……世間体と、小清水だったら」

「私は小清水をとるよ」

まっすぐ小清水の目を見つめる。


「小清水の方が大事だし。大好きだから」


「だから、別れたくない」



小清水の目に溜まっていた涙が膨らんでいって、小清水の目から涙がこぼれ落ちていった。

「ぺー!!」

私に抱きついて、小清水が嗚咽を漏らし始める。私は小清水の背中にしっかり腕を回した。

今度は小清水が私の胸に顔を埋めて泣き始める。

「私も、ぺが大好きっ……!」

「別れたくないっ……!」


しばらく小清水の嗚咽を聞いていた。

嗚咽にしゃっくりが混ざり、嗚咽が完全に聞こえなくなったところで、私は小清水に声をかけた。軽く腕を解く。

「……落ち着いた?」

さっきの小清水と同じ台詞。

私の胸元あたりから、くぐもった声が聞こえてくる。

212京都旅行三日目 side sanpei 12/14 ◆NgK5YCJ68I :2009/08/02(日) 11:11:57 ID:sOrDD9iD

「……ぺのツンデレ」

「……うるさい」

「さっき認めたじゃん!」

「違う!『なのかも』ってつけたでしょ!」

「屁理屈!素直に認めろ!ツンデレー!」

私の腰に回した腕に、小清水がぎゅっと力を込めてくる。

「でも、ぺのそういうところも大好き……」

「そりゃどーも……」

部屋の壁の方に視線をさまよわせる。

「ぺ」

「ん?」

「嬉しすぎて私、死ぬかも」

「……それはそれは残念なことで」

「骨は拾ってね!」

「はー?なにそれ」

小清水が上半身を起こして私の顔を見つめてくる。

壁を見つめていた視界の端でそれを感じて、私も小清水の目を見つめ返した。

「さっきの言葉もっかい聞きたいな〜」

「……さっきの言葉?」

「世間と小清水だったら、私は小清水をとるよってやつ!」

瞬時に顔が沸騰した。

そんなことを言った自分がものすごく恥ずかしかった。
穴があったら今すぐそこに入り込んで、一生埋まっていたい。

213京都旅行三日目 side sanpei 13/14 ◆NgK5YCJ68I :2009/08/02(日) 11:12:34 ID:sOrDD9iD
「……絶っっ対に言わない。もう言わない。無理無理」

「なんで!いいじゃん別に!」

「人生の汚点だ……なんでそんな言葉を」

「うわひっどー!じゃー小清水のこと大好きって言って!これならいいよね!」

「……それも、嫌」

「三瓶ちゃんわがまま!」

「わがままじゃねーよ!」

赤くなった顔を手で隠しながら、私は叫んだ。

「……今日ぐらい素直に言ってくれたっていいのにー」

ぐ。

今の小清水の言葉は私をからかうためというのはわかっている。声もちょっと笑ってるし。

でも私がずっと素直に言わなかったことがそもそものすれ違いの原因であり、それに対する後ろめたさでいっぱいだった私は、思わず言葉に詰まってしまった。

でも、これ以上こんな恥ずかしい言葉を吐き続けたら、恥ずかし死にしそう。

小清水が嬉しくて死ぬんだったら、私は恥ずかしさで死ぬ。

「わかった、じゃあ、その代わり、っていうか……」

語尾をはぐらかしながら、上半身を起こしていた小清水の首に腕を回して、小清水の顔を正面から見つめた。

吐息が触れるほど、近くにある小清水の顔。

小清水の目が、見開かれた。

ーーね?嫌でしょ?

昨日の小清水の言葉を思い出しながら、顔を寄せる。

嫌なんかじゃないんだって。

好きなんだから。

214京都旅行三日目 side sanpei 14/14 ◆NgK5YCJ68I :2009/08/02(日) 11:13:31 ID:sOrDD9iD
私は顔をほんの少し傾けて目を瞑り、小清水の唇に自分の唇を重ねた。

小清水の唇のかすかな震えが、重ねた私の唇にも伝わってくる。

昨日小清水が私にしたように、下唇、上唇と優しく吸って、強く唇を押しつける。
角度を変えてついばむようなキスを繰り返して、閉じている唇をなぞるように舌先で舐めた。
うっすらと開いた小清水の唇の隙間に、おそるおそる自分の舌を伸ばして滑り込ませる。

小清水の口内に舌を伸ばし、私の舌先が小清水のそれに触れた瞬間、攻守が変わった。

私の腰に左手を回し、右手で私の後頭部を抱えてくる。
小清水の舌が私の口内に入ってきて、舌が絡めとられた。

お互いの吐息が混ざり合う。

小清水が身体全体を使って私を押し倒してきた。

二人が一緒になってベッドに沈んだ瞬間、私の腰とベッドとの間に挟まれた左腕を抜き、私の頬に手を添えてきた。

舌を強く吸われ、歯列をなぞられ、上あごをくすぐられる。

快感が口元をくすぐって、全身に電気が走った。

自分の体の反応に困惑しつつ、小清水に応えようと舌先を動かそうと試みる。
だけどまるで身体の感覚が奪われてしまったようで、上手く動かすことができなかった。

私は小清水の首にしがみついたまま、必死になって小清水のキスに応えた。

長いキスの後、いつの間にか閉じていた目を開けると、ちょうど小清水の舌が離れていくところだった。
濡れた音が部屋に響き、肩で浅い呼吸を繰り返しながらお互いに見つめ合った。

二人で額をくっつけあって、はにかむように笑う。

「ぺ……瞼、腫れてる」

私の頬に添えていた左手を、私の瞼に伸ばしてきた。
そっと瞼を触れた後、顔を近づけ私の瞼に唇を落とす。

「……小清水もでしょうが」

私も小清水の頬に手を添えて、頭を持ち上げ、瞼に唇を寄せた。

お互い照れくさくてクスクスと笑い合う。

「……これでよかった?」

「え?」

「さっきの、言葉の、代わり」

「……うん」

もう一度私を抱きしめて、耳の横で返事をした小清水の声は、涙で濡れていた。


215 ◆NgK5YCJ68I :2009/08/02(日) 11:15:57 ID:sOrDD9iD
>>207
>>208
支援まじでサンクスでした!

今日はここまで。
やっとここまでこれて、個人的には感無量でごわす。自分で今書いててテンションがおかしい。

やっと山を越えられました。もうこれからはラブしかありません。

夜は長いからな!(は?)

あ、全国のタカシさんごめんなさい。悪者にしちゃった☆

次も、期待せず気長に待ってていただけましたら嬉しいです。
216名無しさん@秘密の花園:2009/08/02(日) 11:29:50 ID:MgNSq/Bn
>>215
うはー。めちゃくちゃ悶えたぁ。悶え過ぎてちょっと泣いちゃったじゃないか!GJだ!

やったなさんぺー!やればできる子だって信じてた!!
217名無しさん@秘密の花園:2009/08/02(日) 11:39:25 ID:3354ZZTK
>>215
改めて乙
今回は14レスだ! 長い! 嬉しい!
とか軽い気持ちで読んでたら、幸せすぎて泣けてきた
夜は長い、期待してますw 本当にGJ!
218名無しさん@秘密の花園:2009/08/02(日) 12:13:17 ID:knnnZFA2
待ってました!長い!

切なすぎてなんだかもうもっとやれ!そしてもっと長いであろう夜ももちろん待ってる!
219名無しさん@秘密の花園:2009/08/02(日) 12:17:16 ID:DJQZBKjf
は――――――――――――――――!
素晴らしいじゃないかー!
待つよいくらでも待つよ
でも早く見たいものなのだね
素晴らしいよーありがとうー
220名無しさん@秘密の花園:2009/08/02(日) 17:08:12 ID:vCFx3v8q
俺が読みたいと想像してたSSがここにはある…!
乙乙!なんつう切なさだ
221名無しさん@秘密の花園:2009/08/02(日) 18:36:13 ID:mXdj4Gyw
最大限のGJですv
なんという理想系!!あざっす!!!!
222 ◆qwLOZtIV96 :2009/08/04(火) 20:18:47 ID:aJWzdY4S
京都旅行の方の作品待ちですが、ちょっとした場つなぎに小ネタ2つ。
1つ目はカンチ→ほっちゃん。
2つ目はうりょ朱。
全く関係ない2話ですが、両方ブログ参考にしてます。
最近うりょっちがナス(神田さんの大好物)のカレーを食べたり、
河口湖へ行ったり…神田さんが好きとしか思えなくなってきた自分は末期。
223小ネタ1・ブログ更新! ◆qwLOZtIV96 :2009/08/04(火) 20:19:56 ID:aJWzdY4S
スタジオの前で、堀江さんと会った。

「そういえばカンチさ、最近ブログの更新頑張ってない?」

「あ、堀江さん見てくれてたんですかっ!?」

「何?見ちゃいけなかったのー?」

「いや、あの…嬉しいです…」

「私もね、夏休みに入ってからブログ毎日更新に挑戦してるの!」

「そっ、そうなんですか…」

「あーっ、カンチは私のブログ見てくれてないんだ!私の片思いだったのかぁ〜。」

「いっ、いやそんなことないです、私もっ堀江さんのことっ…!」

そんな時に限って、無情にもスタッフさんが堀江さんを呼ぶ声。

「あ、スタッフさん呼んでる。じゃあね、カンチ!またご飯食べに行こ。」

「あ、はいっ!」

堀江さんに憧れてて、ついつい堀江さん見習ってブログ更新頑張ろうって思ったなんて言えない。
あーあ、また藍ちゃんにヘタレ餌袋って呼ばれるんだろうなぁ。
「へぇ、うりょっち河口湖のあたり行ったんだー。」

「ハイ!ブログにもいっぱい書いたんですけどね!」

「私もそこでアルバムのPVとったんだよねー。」

「ですよね〜、あたしもオルゴールの森とか行ったんすよっ!」

「へ〜。…ん?どしたのニヤニヤしちゃって。」

「あのですね、あのあたりの地域、今ならちょっとは詳しくなったんです。」

「うん。……で?」

「ヒドイっすよ、神田さーん!ここまで誘ってるのに!」

「はぁ!?」

「今度一緒に行きましょう、案内します!2人きりで行きたいんですっ。」

「なっ、何恥ずかしいことっ…」

「ホラ、最近神田さんは後輩の子とお仕事いっぱいしてるじゃないですか。」

「う、うん。」

「でも私は、もっと神田さんをどっ…どっ…」

「ど?」

「独占したいんですっ!大事な先輩兼彼女なんすから!」

「・・・・・・・・・っ・・・」

その時突如、横からツッコミが入る。
「はーい、事務所でいちゃつくのやめて下さいねっ!ただでさえこの暑い夏に、バカップル見せ付けられちゃ溶けちゃいますよ!」

「のっ、野中さん!?」
「藍ちゃん!」

こんな感じで、私達の日常は進む。

225 ◆qwLOZtIV96 :2009/08/04(火) 20:26:46 ID:aJWzdY4S
以上です!
暇つぶしくらいになっていれば良いのですが…

京都旅行の作者さん、次回も期待して待ってます!
226名無しさん@秘密の花園:2009/08/04(火) 22:18:01 ID:VraoVRMV
GJ!!!!!!
最近、神田さんがブログで自分撮りしてたのはそういうわけか!
ほちゃに影響されてたんだな!素直になればいいのに!

うりょ朱の河口湖行きはなんだかんだ言ってあいぽんも付いてきそうw
自分に向けられる好意には鈍感な神田さん可愛いなぁ。

どっちのCPもにやにやした!
227 ◆671GlLGLMo :2009/08/06(木) 22:05:14 ID:/ENJ2oU5
御前とうりょっちのブログネタです


タイトル「カレーそばどうヨ」

「静さん、こないだのカレー麺真似て作ってみたんですよ」
「涼子にお呼ばれして申し訳ないわ、じゃ頂きましょう」

ズルズル
ズルズル

「アアッ、こんな所におつゆが」
「布巾で拭きますからね」
「ちょっドコもんで、ウン…」
「日頃触られてますからね、お返しデス」


ちょっとムリあるかも
(汗
228 ◆voe.iCz7FY :2009/08/09(日) 13:23:32 ID:JV0pua3e
べ、別に好きでこんな事した訳じゃないからね!
229名無しさん@秘密の花園:2009/08/09(日) 23:08:00 ID:A3JvYXrC
誤爆?
230 ◆NgK5YCJ68I :2009/08/09(日) 23:28:30 ID:kH9ioiyB

>>225
小ネタ最高っす!顔がにやけるぜ!ありがとう!

>>227
御前はやっぱり受けだよな!GJ!!

こねたとか、別のCPのSSとか、投下しづらい雰囲気作っている気がしてなんかすごい申し訳ない気分っす。
京都旅行の者です。こっそり投下します。

エロなので閲覧注意。エロ嫌いな方、苦手な方は華麗にスルーしてくれ。どうかお願いします。
231京都旅行三日目(夜)side sanpei 1/6 ◆NgK5YCJ68I :2009/08/09(日) 23:31:30 ID:kH9ioiyB
壁の方を向きながら、私はベッドに横になって固まっていた。

端っこでアッパーシーツと布団にくるまって、小さく横向きになって丸まっている。

無地の壁をぼんやりと、半ば放心状態で見つめている。

今日は私がじゃんけんに勝ったために先にシャワーを浴びることになった。
髪も乾かしたし、歯磨きもしてしまったし、携帯をいじるのにも飽きたし、もうやることがない。

手持ち無沙汰な状態になってから、何度頭の中でさっきの言葉やキスが再生されたことか。

おかげで今や、恥ずかしさを通り越して放心状態に陥っている。

浴室の扉が開く音に、私は身を強ばらせた。
続いてスリッパでペタペタ歩いてくる音が聞こえてきて、その音はちょうど私の背中の辺りで止まった。

「さーんぺーい!」

ぎしりとベッドのスプリングを軋らせて、小清水がベッドに入ってきた。

ぴたりと身体を寄せてきて、私の心臓が跳ねる。

後ろから耳元にふうっと息を吹きかけられて、全身が総毛立った。
心臓の音がうるさい。

「大丈夫!私優しいから……肩の力抜いて」

やけに芝居がかった甘ったるい言葉を耳元で囁かれて、色々な意味で鳥肌が立った。

「何それキモイ……」

小清水の方を振り返らないで、ぼそりとそう呟くと、

「これだからもうツンデレはー!」

かぶっていた布団とアッパーシーツをいきなりひっぺがえされた。

「あー!卑怯!」

実力行使に出やがったコイツ……!

はがされた布団とシーツを取り戻そうと追いかけた時、思わず身体を仰向けてしまう。

その瞬間を見計らって、小清水が私に跨がり、体重をかけずに覆いかぶさってきた。

笑顔で上から見下ろしてくる小清水を私は直視できず、両腕を組んで顔を隠す。

小清水が、私の腰で結ばれているガウンの腰紐に手をかけて弄び始めた。
それを腕の隙間から見やって、私は観念をして声をかけた。

「小清水……」

「なーにー?」

腕を少し解いて、顔を背けながら口を開く。
232京都旅行三日目(夜)side sanpei 2/6 ◆NgK5YCJ68I :2009/08/09(日) 23:35:45 ID:kH9ioiyB
「……明るい」

「え?」

「部屋が……明るいんだけど」

腰紐を弄ぶ手がピタリと止まった。

ほんの少し首を動かして小清水の方を見ると、チェシャ猫のようににやにやと笑っている小清水と目が合った。

「ははーん?三瓶ちゃん乙女ー」

むかつく。コイツむかつく。

そんな私の心情と言葉をまったく意に介さず、腰紐の先端を引っぱり始めた小清水を見て、私は慌てて両腕を解いた。

「で、電気消すよ!?」

電気を消しに行こうと起き上がろうとして、私は軽く膝を立てた。

手をついて上半身を起こしたところで、小清水に肩を押さえられる。

起きるのを押しとどめられ、肩がヘッドボードに押し付けられるような格好になり、身動きが取れなくなった。

「ちょ……!」

抗議の声を上げようとして、唇を塞がれる。

唇を重ねて一呼吸後、いきなり生暖かな刺激が襲ってきた。
小清水の舌が素早く私の口腔内に入り込んで、激しく舌を絡めてくる。
何度も角度を変えては舌を絡ませてきて、そのキスの激しさに思わず身を強ばらせた。

「んんっ!」

肩だけヘッドボードにもたれ、自分の上半身を両腕で支えていた格好だった私はどうすることもできず、シーツをきつくつかむだけになってしまう。

やっぱりまだこういうキスはすごく恥ずかしくて、小清水と深いキスをしていると考えるだけで、羞恥で体中の感覚が敏感になるようだった。

頭の芯がぼんやりと痺れて、身体から力が抜けていく。

不意に、私の上半身を支えていた両腕からがくんと力が抜け、私はずるずるとベッドに崩れ落ちた。

「ふっ……ちゅ……ふぅん……」

完全に押し倒されている格好になった私に、耳、頬と口づけの雨を降らせてきて、顔中に柔らかな跡を残してきた。
小清水の唇が触れたところに熱を感じて、耳の後ろが熱くなる。

再び小清水が噛み付くようなキスをしてきた。

舌と一緒に流し込まれた唾液に驚いて目を見開くが、小清水の濡れた瞳に見つめられて、私はそれをゆっくりと飲み込んだ。

「んくっ……ん」

飲み込みきれなかった唾液が口の端から溢れ、首筋を伝い、胸元を濡らす。

233京都旅行三日目(夜)side sanpei 3/6 ◆NgK5YCJ68I :2009/08/09(日) 23:39:21 ID:kH9ioiyB
なおも続く激しいキスに、だんだん息が苦しくなっていく。

限界を伝えようと、私の顔の横にあった小清水の腕を軽く叩くと、やっと小清水がキスを止めた。

ちゅ、と唇が離れて唾液が糸を引き、雫がぽたりと私の首元に落ちた。
すかさず胸元から首筋にかけて小清水が舐めとってきて、私の背中がびくりと反り返る。

荒い息を吐きながら、小清水の瞳を見つめた。

言葉を発しようにも舌が上手く動かせなくて、だらしなく口が開くだけになってしまう。

一度口を噤み、静かに息を吸い込んで口を開いた。

「やっぱり電気、消そうよ……」

やっと喉から出た声はかすれていた。

「……ベッドサイドの電気くらいは、いいけどさ」

私の言葉を受けて、小清水が無言でベッドから下りて立ち上がった。

いまだにうまく動かすことのできない身体をベッドに横たえながら、私はその姿を目だけで追う。

ぱちりと電気が消されると、ベッドサイドの灯りを残して、部屋全体が薄暗くなった。

小清水が再びベッドに戻ってきて、さっきとはまったく異なる優しい口づけを私の唇に落とす。
わずか数センチの距離にある、濡れた瞳にじっと見つめられた。

「ぺ……」

私は小清水を見つめ返して、首を傾げて次の言葉を促した。

「さっき私、嘘ついた……」

「今、みたいに苦しかったり、嫌だったりしたら、すぐに、教えて……」

私の頬に、右手をそっと当ててきた。
囁くように僅かに開いた唇は、かすかに震えている。

「私、優しく、できないかも……」

不安げに揺れる小清水の目。

さっきの小清水のキスは、余裕がないような、いつになく感情的なキスだった。

そのキスの熱さは、小清水が今までどれだけ私を傷つけないように我慢して、耐えてきたのかを表しているようだった。

「今のは、息が……ちょっと、苦しかっただけだから」

私は頭を少し浮かせ、小清水の唇にちゅっと触れるだけのキスをした。

「大丈夫……」

それを聞いて小清水が、唇を震わせながら「大好き……」と呟いて、私を上から抱きしめてくる。

ーー私も、だよ。
234京都旅行三日目(夜)side sanpei 4/6 ◆NgK5YCJ68I :2009/08/09(日) 23:43:57 ID:kH9ioiyB

ガウンがはだけて覗いた私の肩に、キスを落としながら小清水が腰紐に手を伸ばしてきた。

「っ……!」

キスを落とされたところから、むず痒いような感覚が広がっていく。

紐を解いて私の身体からガウンを抜き取り、それを隣のベッドに放り投げた。
小清水自身も、自分が身につけているガウンを脱いで、同じように放り投げる。

「ブラ、外すね」

私が背中を浮かすと、小清水が私の背中に腕を回して、ブラのホックに手をかけた。

小清水の指が背中を滑り、それに反応して身体が震えてしまう。

その様子を見て、小清水がクスリと笑った。

「ぺ、すごい敏感だよね。嬉しー」

「……うるさい」

「いいじゃん。敏感なのはいいことだって」

はらりと肩ひもが落ちて、そのまま引っ張られて床の上へ落とされる。

上から小清水の視線を感じて、両腕を胸の前で交差させて、胸元を隠してしまう。

「なんで隠すのー」

「いやそりゃ恥ずかしいからに決まってんでしょうが……」

じゃあ、と言って小清水が、私に体重をのせないように覆いかぶさってくる。
私の頭を抱くように覆いかぶさってきたから、ちょうど小清水の胸元が私の目の前に来た。

視界に入る小清水の肌の白さに、目を奪われる。

「これで私からは見えないよ」

私の頭を撫でながら耳元に唇を寄せてきた。

「私のも、外して……」

耳に囁きが吹き込まれ、私はごくりと唾を飲み込んだ。

交差させた腕をゆっくりと解いて、小清水の背中に手を回す。
手探りでホックに手をかけて、引っ張るようにしながらどうにかブラを外すと、その後は小清水が自分で肩ひもを腕から抜き取った。

私より少し大きい、形良く整った乳房がすごく綺麗で、無意識に見入ってしまう。

「ぺ……」

私の頭の上にあった小清水の顔が下りてきた。
235京都旅行三日目(夜)side sanpei 5/6 ◆NgK5YCJ68I :2009/08/09(日) 23:44:56 ID:kH9ioiyB
慌てて再び隠そうとして、両手首を優しく掴まれシーツに押し付けられる。

「私も外したからいいでしょ?」

額にキスを落としてくる。

「……でも恥ずかしい」

顔を見られたくなくて、ふいっと横を向くと、小清水が頬に小さくキスを落として、首筋に顔を埋めてきた。

「綺麗だってば」

言葉とともに吐き出された熱い吐息が首筋を掠め、甘い痺れが背筋を這い上がる。

漏れそうになる声を必死に抑えていたが、生暖かい感触が首筋から耳たぶに移り、小清水が私の耳たぶを軽く噛んだ瞬間、身体が大きく跳ねた。

「ああっ……!」

鋭い快感が身体中を走る。

その私の反応に、小清水の唇が笑みを形どったのが分かった。
容赦なく耳たぶを攻めてきて、その度私の身体は反応して震えた。
散々耳たぶをなぶられ、すっかり私の身体から力が抜けたところで、首筋、鎖骨、胸元、とキスを落として少しずつ小清水が移動し始める。

時々強く吸い上げて、キスマークを残しながら、脇腹に添えられていた手を上に向かって滑らせてきた。
やんわりと乳房を包み込み、少しずつ力を加え揉みしだいてくる。

「くっ……ぅ……」

小清水が、もう片方の頂に口付けてきた。
乳首を舌で転がされて、身体が勢い良く反りかえる。

「はっ……!」

快感で体の芯が痺れる。

小清水の手と舌はとても優しくて、身体全体が痺れるような快感と、自分の身体を制御できなくなるような浮遊感を味わう。
敏感なところを触れられる度に自分の口から漏れる声が、自分でも信じられないくらい甘くて、顔が熱くなる。

唇を噛んで声が漏れるのを抑えていると、小清水が手を動かしたまま私の目の前にやってきた。

唇のすぐ横にキスを落とされる。

「ぺ、唇噛まないで」

「や、だ……」

「唇が切れちゃうよ」

「やだっ……声、が……!」

首を振って、なおも唇を噛んで声を抑えようとする私に、小清水が何度も唇を寄せてきた。
唇を触れるか触れないかのところでそっと舐め上げられて、その甘美な感覚に、口を薄く開けてしまう。
その瞬間、小清水が私の唇を覆うように強く口付けてきた。

236京都旅行三日目(夜)side sanpei 6/6 ◆NgK5YCJ68I :2009/08/09(日) 23:46:54 ID:kH9ioiyB
「……っ!」

肩、脇腹と小清水の手がゆるゆると下りていって、内腿を撫でられる。

私の身体が大きくしなった。

小清水が下着の上から中心の部分に触れてきて、そのとき私は初めて、自分の秘所が酷く濡れていることに気がついた 。
戸惑いと羞恥を感じて思わず足を閉じようとするも、小清水の膝が両足の間に割り込んで、それを妨げてくる。

小清水が中指だけを動かして、形を確かめるように下着の上から割れ目をなぞってきた。

「んんっ!」

短い悲鳴が、小清水に塞がれたままの口の中に消える。

上下にそこを擦られる度、甘い疼きが身体の隅々を走り抜けていって、しっとりと下着が濡れていくのが分かった。

その疼きに身を震わせて耐えていると、湿った水音が私の耳に届いてきて、羞恥に襲われる。

下着越しに秘所を擦られ、ある一点を掠めた時、反射的に声が漏れた。

「うあぁっ……!」

身体が反り返って頤が上がり、塞がれていた唇が離れる。

我を失いそうなほどの快感に、不安と怯えを感じて、小清水を手で探り寄せた。
私が伸ばした右手を小清水の左手が捕まえて、指を重ねて組み合わせる。
私はそれをきつく握りしめ、もう片方の手で小清水の背中にしがみついた。

「ぁ……っ…くっ……」

一番敏感な箇所を繰り返し擦られ、快楽がじりじりと高まっていく。
下着の上から押しつぶすように秘芯を強く擦られた瞬間、目の前が霞んだ。

「んっ! ぁ、う……」

強すぎる刺激に身をよじらせて逃れようとしたが、小清水にしっかりと抑え込まれる。
小清水の肩に顔を埋めて身悶えていた私は、逃がすことのできない快感に耐えるように、小清水の肩に噛み付いた。

「っ……!」

小清水は反射的に身を強ばらせたが、手を止めず、力をいれて快楽の中心を強く擦ってくる。

「由布子……!」

普段あまり呼ばれない下の名前で呼ばれた瞬間、蓄積していった快感が津波のように押し寄せてきて、私は限界を超えた。

「はっ……!あああぁっ……!」

感覚が爆発して、私は背中を弓のように反らせる。

目の前が真っ白くなって、意識がふわりと堕ちていった。

237 ◆NgK5YCJ68I :2009/08/09(日) 23:48:21 ID:kH9ioiyB
……ふう。エロはまだ続く。

エロってすげえ難しい。まじでむずい。バランスが最悪だ。すまん。

鬱々としていた導入部が長かったせいで、エロ部分は書いていて楽しくてしょうがないんだが、自分ばっかり楽しんでる気がするぜ。

ほんと気にしないでSSとか小ネタ投下してください(土下座)。レス消費しまくってごめん。
お粗末です。
238名無しさん@秘密の花園:2009/08/10(月) 03:00:05 ID:8JGzH4rH
つ、続きを・・・

投下乙です。とうとうここまできたかと感無量。
239名無しさん@秘密の花園:2009/08/10(月) 11:39:01 ID:DIRe5RtH
なんていうかさ…ハッピーエンドになることは分かってたんだけどさ、二人に「良かったなぁ」って言いたくなったよ。まだ話の途中だけど。GJです
240名無しさん@秘密の花園:2009/08/10(月) 23:51:23 ID:BLtrZ45s
わお!タイミングよく見てしまったぜ
241名無しさん@秘密の花園:2009/08/11(火) 01:15:35 ID:GTyA/4Vx
ふぅ・・・GJすぎる
242名無しさん@秘密の花園:2009/08/11(火) 07:02:53 ID:YTANr3a6
GJ!続き全力で待ってる!
243名無しさん@秘密の花園:2009/08/11(火) 21:39:27 ID:HEmAuinw
GJ!まだ続くなんて素敵すぎる!
正座して待ってます
244 ◆eNIM4lH5t. :2009/08/12(水) 02:19:10 ID:tvHGYPg6
>>237
超GJ!
ぺがかわいすぎる…たまらん!
エロをエロく綺麗に書けるのはすごいことだと思います。見習いたいなぁ。

さて、久々になばいと投下。
なばのブログネタ+本スレのネタ。

タイトルは「負け戦でも、構わない」
245 ◆eNIM4lH5t. :2009/08/12(水) 02:19:42 ID:tvHGYPg6
移動の合間、資料を取りに事務所へ寄ってみた。
方向的には微妙に遠回りだから、少し迷ったんだけど。
まぁ、時間あるし。行くか。

受け取った資料は意外と多かった。
ちょっと事務所に顔出さないとすぐにこうだ。
もう少しマメに来るようにしなければ。
どうにかこうにか鞄に資料をねじ込み、帰ろうとした矢先。

「あ、静さん。」

ドアの開く音。
そして、振り返るまでもない聞き慣れた声。
心臓が跳ねる。頬が緩む。

「やぁん!仁美さんじゃないのっ!」

期待を胸に振り返れば、予想に違わずそこには愛しい人。
思いの外、声も緩んでしまった。

事務所、来てよかった。ほんとに。

駆け寄って、思いっきり抱きしめる。
湧き上がる衝動は抑えられない。
抑える気なんて、端からないけれど。
246 ◆eNIM4lH5t. :2009/08/12(水) 02:20:17 ID:tvHGYPg6
柔らかい抱き心地。じわりと広がる温もり。
仁美さんもすぐに片腕で抱き返してくれた。
もう片方の手で頭を撫でてくれる。
いつも通り。
この手の優しさがすごく好き。
すごく安心する。満たされる。

最近、仕事でもプライベートでも会う機会が減ってる。
当然、こういうことをする機会も減るわけで。
満たされると同時に、飢えていた事を自覚した。

「突然どうしたの、静ぁ。」
「久々だったからガマン出来なくってさー。」

顔を上げて、えへへ、と二人で笑い合う。
仁美さんの肩越しに見えたデスクさんはくすくす笑っていた。
賢プロではこんなことは日常茶飯事。
デスクさんも慣れっこだ。

最後にきゅっと抱きしめて身体を離した。
ちょっと名残惜しい。
けど、そろそろ話もしたい。

身体を離すと、なんだか胸元に目がいった。
今日の仁美さんは少し胸元が開いた服を着ている。
開いた胸元に朱い跡が、ひとつ。
247 ◆eNIM4lH5t. :2009/08/12(水) 02:20:43 ID:tvHGYPg6
「まだ消えないね。」
「だいーぶ薄くはなったんだけどね。これでも。」

料理の油がハネた火傷。
その朱は肌の色によく映える。

「なんかさー、キスマークみたいだよねー。」
「すっごいよく言われる!ちょっと恥ずかしい。」
「じゃあ胸元開いた服着んなよ!」
「だって、忘れちゃうんだもん。で、言われて思い出すの。しまった!って。」
「あぁもう…。」

つっこみ切れなくなって溜息をついた。
やっぱり仁美さんは仁美さんだ。

気付けば跡に指を添わせていた。

こうやって触ったり、近くで見たりすると違うなってわかるんだけど。
でもやっぱりキスマークに見えて、胸がざわつく。
私が付けたものではない、跡。
他のヒトにとられる錯覚。

そんなことはありえない。
と、思っているけれど、いろんな人に懐かれ、好かれている仁美さんなら、とい
う思いは消しきれなくて。
胸が、ざわつく。

「なにやってんの?もう…。」

仁美さんの声が遠くに聞こえる。
引き寄せられるように唇を寄せていた。
248 ◆eNIM4lH5t. :2009/08/12(水) 02:21:10 ID:tvHGYPg6
「ちょ…静さん!?」

本当は吸い付きたいんだけど、ほんのひとかけら残った理性が引き止める。
火傷に吸い付いたら、きっと痛い。

かわりに舌でなぞった。
跡を私で塗り替える。
そんな幻想。

もう、何も見えない。聞こえない。
五感のうち残っているのは触覚のみ。
ゆっくり、何往復もしたところで、口を離した。
もう十分。きっと私色に塗りかわったことだろう。

口を離すと、ぼんやり頭にかかっていた靄が晴れだした。
忘れていた五感も徐々に戻ってくる。
外界からの情報が一気に流れ込んでくる。
事務所ってこんなに騒がしかったっけ。

醒めた頭で、ふと、気付く。
私、今すごい変態くさいことしなかった?
そもそも、ここ、事務所…。
うわぁ…。

一気に恥ずかしくなってきた。
頬が熱い。
急に周りが気になりだして、視線だけをぐるりと巡らせた。
見た感じ気付いて不審な行動を取っている人はいない…かな。
249 ◆eNIM4lH5t. :2009/08/12(水) 02:21:39 ID:tvHGYPg6
「もぅ、ちょっとどうしたの。びっくりしたじゃない。」

仁美さんの声は随分困惑していた。
そりゃそうだ。誰だってあんなことされたらびっくりする。
そもそもやった自分がびっくりしてるんだから。

とりあえず、何か言わないといけない。
けど、正直に言うのは絶対無理。
恥ずかし死にする。

「早く治るように、って。ほらツバ付けといたら治る的な?」
「うっそだぁ!そういう感じじゃなかったもん。顔が。」
「あぁもう、うっさい黙れ!」

にやにやしている仁美さんの額を小突いておいた。
小突かれても仁美さんはまだにやついている。
なんか、悔しい。

こういうの、私だけなんだろうか。
仁美さんはこういう気分になったりするのかな。
――浅ましい独占欲。

「今日、静さんいつ頃終わるー?」
「ん?早いよ。夕方には。」
「じゃ、そのあとうちにおいで。」

所在無く床を彷徨っていた視線が引き上げられる。
仁美さんの柔らかな笑み。
沈んだ心もふわりと浮上する。
250 ◆eNIM4lH5t. :2009/08/12(水) 02:22:13 ID:tvHGYPg6
「え…?いいの?」
「いーよいーよ。なんかそういう感じだったし。顔が。」
「…ったく、バカっ!」

笑みはもとの含みのあるにやにや笑いに戻っていた。
さっきのはなんだったんだよぅ、もう。

仁美さんが不意に右手を上げる。
軽く曲げた指の背で私の顎から唇の端にかけてをなぞる。
仁美さんの指が触れて初めて、唾液が筋を引いてしまっていたことに気付いた。

なんか…なんかもう…。
頬どころか耳まで熱い。
どうしようもなくなって俯いた私の頭にぽんぽん、と掌の感触。

完敗だ。完膚なきまでに。
いつだってそう。勝った試しがない。
でも、自分から負けることを望んでいる気がして仕方ない。
負けとともに胸が満たされることを知ってしまったから。
もうすっかり虜になってしまった。

いつの間にか床に落ちていた鞄が目に入る。
落としている上に、いつ落としたかわからない。
どれだけ自分がいっぱいいっぱいだったのかがよくわかる。

のろのろと拾い上げて、顔も上げた。
うん。そろそろ落ち着いた…はず。たぶん。
頬に軽く手を当てる。熱はいくぶん引いていた。
251 ◆eNIM4lH5t. :2009/08/12(水) 02:22:44 ID:tvHGYPg6
「んじゃ、終わったら連絡すんね。」
「おっけー。待ってるからね。」

声もちゃんと普通に出せた。普通の受け答え。これなら大丈夫。

ひらひらと手を振って笑みを交わし、事務所から出る。
建物を出るとむわっとした風が身体に纏わりついた。
それでも足取りは軽い。
たったあれだけのことなのに、こんなにも舞い上がっている。
なんて単純なんだろう。自分は。

よし、次の仕事もがんばろ。
数時間後の素敵な負け戦のために。


252 ◆eNIM4lH5t. :2009/08/12(水) 02:23:50 ID:tvHGYPg6
以上です。
あの画像から「御前が火傷を舐める」というところまで妄想した本スレの人はすごいと思う。
見てるかわからないけど、ネタお借りしました。どうもでした。

この後繰り広げられる御前の負け戦@なばんちは各自妄想で補完してください。
自分には書けません…orz

それではこれにて失礼。
253名無しさん@秘密の花園:2009/08/12(水) 04:02:53 ID:RbBSjY4h
>>252
余裕のない御前かわいいなw
自然なエロさと賢プロの適応力が素晴らしい
本スレの方共々GJです
254名無しさん@秘密の花園:2009/08/12(水) 13:54:16 ID:qOZp/LZ1
>>252
ktkr!待ってました
あなたの書くなばいとがめちゃくちゃに大好きです!
乙女な御前すげえ可愛い…
255名無しさん@秘密の花園:2009/08/13(木) 01:59:37 ID:tWFu5cuc
>>252
超GJ!!!
御前のエロさがにじみでてるなw
そしてそれを受け止めるなばも素敵。
なばいと最高だぜ!
256名無しさん@秘密の花園:2009/08/13(木) 05:13:30 ID:oeH2H6sy
>>252
GJ!なばいと大好物だ!懐深くて天然ななばに萌えたわ。


さて、京都旅行の続きを待ち続けるあまり、脳内があみぺ一色になっちまった。この二人で書くのは初なんでいろいろ微妙。待ち時間の暇潰しにもならんと思うけど、
数レスお借りします。
257名無しさん@秘密の花園:2009/08/13(木) 05:27:32 ID:oeH2H6sy
「三瓶アドベンチャー」

決して、あいつの為なんかじゃない。言い訳でもなんでもなく、これだけは断固として譲れない主張。

「声優」といえども、近年はメディアへの露出が当たり前のようになってきた。
だから、一応は人前に出るに相応しい身なりをしておくべきだ。そう思ったまでのこと。
あくまで、そう、プロ意識に根ざした考えの元ってだけ。うん。

手始めに、髪型と色を変えてみた。
丸みを帯びたボブカットは、サバサバした性格を身体全体で表現しているような私でさえも、柔らかく見せてくれる。
だというのに、服装は相変わらずジーパン にスニーカーで。首から上と下とでの差があまりに激しくなった。
慌てて家に帰って、クローゼットや箪笥を漁ってみても、紺やらベージュやら、「華やか」とは 程遠い色 のものばかり。
あれこれと組み合わせても、鏡の中に映る自分は、明らかに納得いかない表情を浮かべていた。

振り返って、壁にかけてある時計へ視線を向けると、夕方の4時をちょっと過ぎたところだった。
まだ時間は残されている。オフは今日だけで、明日からはまたしばらく仕事尽くめの毎日だ(ありがたいことだけど)。
今日のうちになんとかするしかない。

情報を仕入れようと思って、まずは本屋へ足を向けた。
手当たり次第に雑誌を読み、一番真似できそうな格好をしてるモデルさんの姿を脳裏に焼き付けた。

小清水に無理矢理付き合わされて買い物に行った店などを中心に、
例のモデルさんが着ていたものに出来るだけ近いものを探し出す旅に出かけた。
予備知識がほ とんど無い状態での買い物は、「ショッピング」というより「アドベンチャー」に近かった。
知識も技術も何も無く、装備も心もとない状態で、地図さえも持ち 合わせて いないのに、出掛けなければならない。
まさにちょっとしたRPGだ。

靴や小物などは案外あっさり見つかったが、肝心のワンピースが見つからず途方に暮れかけていた。
そんな中、すがるような思いで入ったお店で好機がやってきた。
「何かお探しですかー?」
にこにこと人懐こい笑顔で話しかけてくれた店員さんが、例のモデルさんに似ていた。
たったそれだけなんだけど、すっかり疲れきった身体と心が、半ば投げやりに「この人に聞けば、なんとかなるんじゃね?」と囁いた。
「あ、なんか、ワンピース探してるんですけど」
顔から火が出そうな思いを堪えてそれだけいうと、店員さんは笑顔を崩さずに片手を背後へ向けて言った。
「それでしたら、あちらにございますよ。『●●』っていう雑誌に掲載されたのも、今日ちょうど全色再入荷したばかりでー」
それはまさに、私がさっき見ていた雑誌だった。
店員さんの後をついていって、探し求めていたものを見つけ出した時の喜びは、囚われの姫を救出した時にも勝っていたと思う。

早速試着させてもらうことにし、いそいそと着替え始めた。
その瞬間に、また新たな敵と巡り合ってしまった。

(ベージュ大魔王、こんなところにまで潜んでいたのか!)

ベージュのブラに、パンツは…。薄いピンクといえば聞こえはいいけど、要はおばさんパンツカラーだ。
服が可愛いだけに、下着がこれはいただけない。
私が脱がす立場だったら、完全にやる気無くす。

ワンピースをすぐさま買い上げ、今度は下着を探す旅に出た。
一難去って、また一難。
全ての目的を果たし、パンパンになった足を引きずるように帰宅すると、もう夜の九時を過ぎていた。
けど、目的のものを全て買えた喜びで一杯だった。
手洗いとうがいを済ませると、すぐさま袋から戦利品を取り出し、うきうきと着替えた。

美容院に行く前とは、同一人物と思えないほどの自分が、鏡の中で照れくさそうに立っていた。
思わずくるりと一回転したり、色んな角度から自分を見てみた り、少し前までの自分だったら絶対にしないであろう行動が、自然と出てくる。
ぽふっとベッドに座ってみると、自然と膝を揃えて座っていた。
スカートなんだ から当たり 前なんだけど、「男らしい」と賞賛(?)された座り方をする三瓶由布子は、もうここにはいなかった。
258名無しさん@秘密の花園:2009/08/13(木) 05:45:51 ID:oeH2H6sy
誰かに見て欲しくて、驚いて欲しくて、居ても立ってもいられなくなった。
こんな時に真っ先に顔が浮かぶ人物が小清水ってのが、なんだかとっても癪なんだけど、まあ仕方ないか。
一応、その、なんだ、あのー、まぁ、つ、付き合ってる人、なわけですし。
とりあえずメールしてみようと、鞄の中から携帯を取り出そうとしたけれど、見当たらない。
逆さにして、中身を全部出してみたけど、やっぱり無い。
まさかと思って振り返ってみると、案の定ベッドの上に無造作に置かれていた。
どうやら、最初から(美容院に行く前から)ケータイ不携帯状態で出かけていたらしい。
なんとなく嫌な予感がして、慌てて携帯を開いてみると、やっぱりおびただしい量のメールと着信が残されていた。

『おっはよーん、マイワイフ!ぺの久々のお休みの日が晴れてて、あみもなんだかハッピーです☆』
『さ〜んぺ〜いちゃんっ!まだ寝てるのかな??
あみも一緒にお昼寝したかったけど、お仕事はお休みできないので、代わりにあみすけ2号を枕元にお届けしとくね!
魂は常に一つ!』
『ゆうゆう〜。もう夕方だよー。ねぼすけさんにも程があるよー』
『ぺー!!!生きてるー?!ノーマイワイフ、ノーマイライフだよー!!!』
『どうしたの??何かあったの??
なんでもないならいーんだけど、私なにかしたかなぁ??』

あの万年暴走列車のあいつが、思わず弱気になるほど心配をかけてしまったらしい。
最後の着信は、夜の7時。2時間前だ。
まだ仕事は終わってないのだろうか。電話すべきか、メールにすべきか。
別にどっちでもいいんだろうけど、すっかり焦ってしまっている脳内では正常な判断が出来なくなっていた。

一人でうーうー唸っていると、鬼のようなピンポンラッシュが部屋に響き渡った。
それと同時にドアをものすごい勢いで叩く音も。
ピポピポガンガンガンッピピピポピポピンポガンガンって感じ?
名乗らなくても、扉の向こうにいる人物が誰なのかは、分かりきっていた。
「ぺー!?生きてるー!!!?生きてないなら生きてないって返事してー!!!!」

さすがは少女時代から鍛え上げた発声だ。
この部屋を通り抜けて向かいのマンションにまで突き刺さりそうなほどの声だ。
でも、迷惑なことこの上ない。

「るっさい、馬鹿!!近所迷惑だろうがっ!」
さっきまでの申し訳ない気持ちなど微塵も残らず消し飛び、ドアを開けると同時に、いつも通りに全力で怒鳴った。

「ぺー!!!!よかったぁ、生きてたぁ〜……」
まるで戦争から帰ってきた夫を出迎えた妻のように、涙で顔をグシャグシャにしながら、小清水が抱きついてきた。
思わず息が詰まりそうになるほどの力強さに、また申し訳なさが揺り返してきた。
「…小清水?」
「うわーん!もう、ぺの馬鹿ー!あみがどんだけ心配したと思ってんのさー!」「…うん、ごめん」
「すっごい、すっごい心配で、不安で!…でもお仕事はちゃんとしてきたよ」
「…うん。小清水のそういうところ、好き」

それは恋愛云々の「好き」ではなく、同業者として、プロとしての「好き」だから、これは別に言っても恥ずかしくない。
けど、小清水は私が素直に「好き」という言葉を発すること自体がレアだと思ってるらしく、
その言葉を耳した瞬間、私の身体を離して、目をまん丸にしていた。
「なにさ」
「いや、あ、あれ?なんか、ぺ、どしたの?」
「なにが」
「え、だって、すっごい可愛くなってる…」

すっかり忘れていたが、今の私は、戦利品で身を固めていた。
髪を切りに行くことさえ話していなかったから、小清水からしてみれば、何がなんだかさっぱり分からないだろう。
「いや、これは…………」「やーん!もう、ぺってば超ツンデレ!!」

説明しようとした言葉は、音速を超える速さで遮られてしまった。
259名無しさん@秘密の花園:2009/08/13(木) 05:54:11 ID:oeH2H6sy
「は?」

「めちゃくちゃ心配かけておいて、家に駆けつけさせて、蓋を開けてみたら、超乙女チックゆうゆうのおでまし、みたいな??みたいな??
ツンツンしてやきもきさせといて、でも極上のデレでお出迎えってことでしょー?」

「い、いや、違うっ…」

先ほどの涙は実は演技だったのではないか。不意にそんな疑問が浮かんできた。
それほど、今の小清水の顔は光り輝いている。

確かに、小清水に喜んで貰えたら嬉しいな、とは思っていた。
でも、それはあくまで完成後の話で。きっかけは「自分自身のため」に過ぎない。

「何が違うの?」

「…ぶっちゃけ言えば、一番真っ先に見てほしいなと思ったのは小清水だよ」

「ぺー!!」

「ま、待て!話は最後まで聞け!でもな、別にお前のためにってわけではない。
あくまで、こう、仕事のためというか…。アイドル声優ブームの余波を受けたっていうか…」

「…ふむ。そりゃねー。ペは可愛いんだから、可愛いカッコしないの勿体無いなーとは、あみも思ってたからね。ファンの人も、どーせなら可愛いペが見たいだろうし」

いや、可愛くはねーだろう。私なんかのファンでいてくれる人が、私に可愛さを求めてるとも思えん。
が、いちいち否定するのも、なんだか面倒くさい。

「ま、そういうプロ意識的な感じでやっただけだから、あんま調子にのんな」

「ふーん。…でもさ、これはファンの人関係ないよね?」

「あ?」

「こ・れ♪」

自然に伸ばされた指は、私の左胸をぷにっと刺した。
「どっ!どこ触ってんだ!」

思わず腕で胸をかばって、抗議の目を小清水に向けたが、小清水はニヤついた表情を浮かべていた。

260名無しさん@秘密の花園:2009/08/13(木) 05:54:43 ID:oeH2H6sy
「駄目だよー、ぺ。こんな薄手のワンピースに、そんなしっかりレースのブラ着けちゃ」

言われてみると、角度によっては、襟ぐりの隙間から、レースの一部が覗いてしまっていた。

「あみに言ってくれれば、色々アドバイスしたのにー。
ま、恋人のためにこっそり準備したかったっていう乙女心も分かるんですけどー。えへへ」

「キモい、ウザい、黙れ!」

「何言われても、ペがあみのためにお色気大作戦してくれたことはバレバレですもんねー」

「んなもん考えてねーっつの!」

「じゃあ、何考えて買ったの?」
それは…。
(私が脱がす立場だったら、絶対やる気無くす)
試着室で思い浮かべた言葉がリフレインした。
無意識だったとはいえ、小清水のことを考えていたのは事実だった。

「図星でしょ?」

「う、うるさいっ!もう帰れ!」

「嫌ですー。こんな可愛いペを見て、このまま帰るなんて無理!」

相変わらず犬みたいに全力で飛びついてくる小清水の勢いを受けきれず、そのまま崩れるように尻餅をついた。

「いったっ!この馬鹿!」
「声優界一の恋人馬鹿ですから!」

「自信満々に言うな!」

いいから離れろ、と腕を突っ張ろうとした瞬間、唇を小清水のそれによって塞がれた。

卑怯だよなぁ。これされると、私の力が全部抜けるの分かっててやるんだから。
「…………本当に、可愛いよ」
わざと甘い声で、耳元で囁くのも同じ。マジでズルい。
ゆっくりと触れるか触れないかぐらいで、身体中を撫でてくる手が、やたらと熱くて。
すっかり脳内を痺れさせられて。

「ぺ、大好き」
留めの一撃をくらって、もう、ヒットポイントは底をついてしまった。
どうやらこの冒険の大魔王は、こいつだったらしい。
「…小清水」

「ん?」

「…せめて、ベッドまで連れてけ」

勇者が負けを認めないとハッピーエンドにならないなんて、そんなRPG、たまったもんじゃない。
だからこれは、負けじゃない。勇気ある撤退ってやつだ。
いつか大魔王が腰抜かすほど綺麗になって、絶対に見返してやるんだからな!
261名無しさん@秘密の花園:2009/08/13(木) 05:59:09 ID:oeH2H6sy
以上です。
ボーイッシュな子が、ある日急に乙女になったりすんのに弱いんだが、盛大にネタかぶりしてそうで申し訳ない。

凡人は大人しく、神から続きが与えられるのを待ちます。

区切りめちゃくちゃ・無駄にレス消費してすみません。
262名無しさん@秘密の花園:2009/08/13(木) 06:02:44 ID:/+zYOxfx
早起きって言うか徹夜してたんだが素晴らしいものをリアルタイムで見てしまったw
GJ!超GJ!!
263名無しさん@秘密の花園:2009/08/13(木) 08:03:54 ID:8hT6hjFx
うむ、早起きしてよかった
264名無しさん@秘密の花園:2009/08/13(木) 11:10:42 ID:wzkNWxSF
ぺー可愛い過ぎだろ!ピンポンラッシュで吹いたw

おもしろかったよ、GJ!!
265名無しさん@秘密の花園:2009/08/13(木) 13:41:04 ID:gyZlE6GD
GJ!充分神の領域だとおもうw
266名無しさん@秘密の花園:2009/08/13(木) 14:26:30 ID:tWFu5cuc
うわああああ!ぺがかわええええ!!!GJ!
是非コテつけて今後も投下してほしいぜ!
267名無しさん@秘密の花園:2009/08/14(金) 05:57:19 ID:n9Fu/qvp
RPGの要素を使ってこんな2828する文章を書けるなんて凄すぎる
大魔王はとっくの昔に勇者にやられてるんですよねw
268 ◆.B5jKMCOuc :2009/08/16(日) 19:31:34 ID:ixvt0U21
GJありがとうございます。幸せです!!!三瓶アドベンチャー書いたものです。
トリの付け方いまいち分かってないんだが、これでいいんかな

連投&流れ読んでないけど、なばのブログでたいそうニヤニヤしたので投下。
御前が若干病んでるのが好きなので、そんなんが嫌な人はスルーして下さい


269 ◆.B5jKMCOuc :2009/08/16(日) 19:34:59 ID:ixvt0U21
『うわ〜ん!しずかぁ〜!助けて〜ぇ』

いきなり電話で呼び出された…というより、泣き付かれてしぶしぶ仁美さんの家にやってきた。
玄関を開けたそばから抱きつかれて、事情も何も分からないまま、私はただ背中を撫でているだけだった。

(あの仁美さんが、こんなに泣くなんて…)

ぽや〜んとしてて、おっとりしてて、女の子とご飯があれば幸せって生き方を堪能しまくってるけど、
誰よりもプロ意識は強くて、我慢強い人だ。
その仁美さんが、わんわん泣き喚くなんて、生半可なことじゃない。
明日仕事が早いとか、ここ数日間まともに寝てないとか、今はそんなこと忘れて、好きなだけ泣かせてあげよう。
だってこんな時に呼んでくれたの、実は嬉しかったりするしね。

…な〜んて優しい気持ちでいられたのも最初だけ。
じっくり話しを聞いてみれば、あまりに下らなく、そしてあまりに無神経な話しだった。

他の女のために作った料理が、パクりだとあっさりばれて、かえって別な女の存在を実感させられて悔し泣き。
「サラダの時点でばれちゃったんだよっ!メインなんか出せるわけないじゃんか〜」
そんなこと私に言われたって、なんて答えればいいのか。

まあ、仁美さんの自由っぷり、女好きっぷりは重々承知だ。ここまでなら、「はいはい残念でしたね」って慰めてやれる。
でも、いくら私でもさ。
「だからね、メインのビーフシチューが鍋一杯分残ってるの。助けて〜!」
そこまで言われて、怒らないわけがない。

「あのね、仁美さん」
「ん?」
「甘えてくれるのは嬉しいんだけど」
「…?私いつ甘えた?」
「いや、そこはもういいんだけどさ。はっきりさせとく。甘えるのはいい。でも、私のこと舐めないで」
大好きで大好きで仕方ない仁美さんの顔。でも、今は見たくなかった。
その顔で、その手で、他の女のために料理をした。
同じ顔で私に愛を囁き、同じ手で私に触れる。
そんなこと、許せるはずがない。
「静…?
……静、ごめん、私っ…」

今さら気付いても遅いんだよ。
270 ◆.B5jKMCOuc :2009/08/16(日) 19:35:59 ID:ixvt0U21
カバンを手に取り、出ていこうとした腕を捕まれた。それを思わず、全力で振りほどいてしまった。
ここまでするつもりじゃなかった。
でも、自覚してるよりも、私の中で蠢く怒りは激しくて。とても自分で制御できるものではなかった。

あからさまに傷ついた顔をする仁美さんに、苛立ちが更に募る。
なんで。なんであなたがそんな顔するの。
被害者は私でしょう。
あなたにそんな顔をする権利は無い。

「…ごめんなさい」

だから、今さらそんなの遅いんだって。
もっと、もっとこう…。

こう、なんだ?
私は何を求めてるんだろう。謝罪の言葉ではないのか。反省か。
いや、どちらも違う。
私が求めてるのは…

「静…?」

――その手が、他の女のためになんか動かないように。
その顔が、他の女には見せないようなものに。――

私が求めてるのは、独占だった。
子供染みた、ある種の純粋さを帯びた、あまりにあんまりな下らない感情。

「ねぇ、静、どうしたら許してくれる?」

そう。それだ。
懇願して。すがりついて。私しか見てないと、幸福な幻想を抱かせて。

「今夜、気を失わないでいられたら、許してあげる」
怯えた顔も抱きしめてあげるから。
271 ◆.B5jKMCOuc :2009/08/16(日) 19:41:01 ID:ixvt0U21
以上です。
タイトル忘れてました。
そのまま「独占欲」で。

恋敵のレシピ盗むのは、能登を自宅に連れ込むためとかいうナイス妄想されてる方がいらしたので、ネタ借りました。
ありがとうございました&お粗末様でした。

以下から元の流れ。
272名無しさん@秘密の花園:2009/08/16(日) 22:13:49 ID:yPwMtRLp
ナバってど直球で「この前綾ちゃんに習ったんだ〜」って言ってその上で麻美子を誘う気がする。
最近はともかく昔のナバの料理トークだと自分アレンジで魔改造になってたり。
麻美子も気を使ってフォローするけど、自分で食べてorzで静さんに泣きに行くんじゃないかな。
そいでつっこみつつ妬いてるのは隠す静さんなら余裕で想像つく。
273名無しさん@秘密の花園:2009/08/16(日) 22:28:30 ID:fPQQRFhC
>>272
ナバなら教えてもらったと包み隠さず言いそうだな。でもどっちにしても撃沈フラグが立つのかw
274名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 14:48:37 ID:Htq9QDdK
>>271
GJ!妄想描きたてられるぜw
275名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 23:38:01 ID:H38fCRLR
昨夜のラジオの生天目さんは、いつものとおり可愛かった
276名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 03:04:08 ID:Xk2tebxe
チアミンと智ますとえりんごすの四つ巴の電波を受信したのだが、文章化できるスキルが無い
277名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 09:09:16 ID:lU30YNHh
>>276
キングとミンゴスが自重すれば問題解決なんじゃね?と一瞬思ったけど、
自重するような2人じゃない事をすぐ思い出したw
278名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 10:38:33 ID:lHZQx677
智ます、えりんごす前提で、智秋とミンゴスが恋愛話とか相談し合ったりしてる…みたいなのは妄想するけど同じく文章化できない
えりりんと浅野さんは二人の仲の良さにやきもきしてると良い
279名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 22:37:13 ID:wJGOGJJJ
じゃあ、ますみんとえりりんで仲良くすれば良いんだよ

あだ名が似た感じだし
280名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 22:38:58 ID:j4LHwdLj
そこで大穴の
ちあえり・ますミンですよw
281名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 22:46:23 ID:Qd6k1/W5
チアえりはありだな
智秋に対するえりりんの態度を恋愛絡めてみるとかなり面白い
282名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 23:16:57 ID:rPXURNxM
ますみんとえりりん、全く絡み(エロい意味じゃないぞ)が想像つかん
283名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 01:16:36 ID:TYE/bx36
なんかもう四つ巴どころじゃないなw

ID変わったかもしれないが、>>279(自分)のIDがものすごいGJしてる
チラ裏スマソ
284 ◆NgK5YCJ68I :2009/08/19(水) 04:09:42 ID:WZqNnc7H
四つ巴で盛り上がっているところ、すみません。京都旅行のものでふ。

京都旅行の続き投下します。前半がっちりエロなので、閲覧注意です。

では。
私の背中にしがみついていたぺの腕から力が抜けた。
弛緩した体がどさりとベッドに沈み込んで、スプリングが跳ねる。

私もぺの横に倒れ込んで、大きく息を吐いた。

ぺの頬に手を当ててから髪を梳きはじめると、ぺの眉間がぴくりと動き、薄く目を開けてきた。

「……私、寝てた?」

「んーん。ちょっと意識飛んでたみたいだけど寝てはいないよ?」

「……ん」

小さく返事をしてこちらを向いたぺの視線が、私の肩で留まる。

「ごめん……痛かったっしょ」

私の肩に手を伸ばし、歯形のついた肌の部分にそっと指を触れさせて、ゆるゆると撫でてくる。

「大丈夫だよ」

ぺがそれだけ感じてくれたってことだから、嬉しい。

私の肩を撫でる感触がちょっとくすぐったくて、私はぺの指を捕まえて、その指先にキスを落とした。

うっすらと鬱血したような跡が私の肩に残っているけど、血は出ていない。
2、3日は跡が残るかもしれないけど、きっと無意識に手加減してくれたんだと思う。

「ね、今だけ由布子って呼んでもいい?」

ぺの頬にそっとキスを落としながら、私は囁いた。

「……さっきすでにそう呼ばれた気がするんだけど」

くっくっ、とぺが喉を鳴らして笑う。

「……じゃあ私も亜美って呼んだほうがいいの?」

「うん。お願い」

私もつられて笑いながら、ちゅっと由布子の唇に口づける。

由布子のショーツに手をかけて、目をじっと見つめると、由布子も私の目を見つめ返してくれた。

「……いい?」
その言葉に由布子は頬を赤く染め、視線を逸らして小さく頷いた。

由布子の了解を得た私は、もう一度唇に口づけを落として、手にかけたショーツをゆっくりと下げる。

立ててくれた膝を通って、足首からショーツを抜くと、由布子の茂みがあらわになった。

恥ずかしそうに身を捩る、由布子の扇情的な姿に目を奪われる。

「……あんま、見ないで、よ」

「うん……でも、すごく綺麗……」

頭の芯が痺れる。
感嘆のため息を吐きながら、私は由布子のおへそに恭しくキスをした。

私も自分のショーツを脱いで、由布子のそれに重ねるように床に落とす。

由布子に覆いかぶさって、足の間に私の膝を割り込ませた。

手を少しずつ下ろしていって、由布子の足の間に指を滑らすと、薄い繁みに掌が触れる。

感動で身体が少し震える。

一回絶頂を迎えたそこはしっとりと濡れていて、私の指先が熱い蜜で濡れた。
そっと割れ目に触れてから、蜜の溢れるその入り口と秘芯との間をなぞるように行き来させると、由布子の口から甘い吐息が漏れ始める。

「あ……ん……ぅ……」

入り口のごく浅い部分に指先を沈め、内壁をなぞるように丁寧に動かす。

由布子がその動きに耐えるように、シーツを握り締めた。

「……ぁ……ふ、うぁ……!」

由布子の腰が、内壁をなぞる度にびくびくと揺れた。
恥ずかしさと快感に耐えるように、由布子は自分の頬をシーツに押し付けている。

湿った音と、由布子の小さな喘ぎ声が耳について、私の下腹部にも快感が走った。

私は首筋を舌先でなぞりながら、指をゆっくりと奥へと進めていく。

と、その時。

入り込む異物を締め付けるような感触を指先に感じて、私は動きを止めた。

ーー狭い。

浅い部分とは異なる内壁の狭さに、さっきまで感じていなかった緊張に襲われる。

女性のここは、男性のものを受け入れるだけの柔軟さと伸縮性はあるけれど、指でも傷つける恐れがあるくらいにデリケートな場所だ。

ーーどうしよう。

鎖骨にキスを落とす。
由布子を傷つけてしまうかもしれないという恐怖と不安から、指を進めることを躊躇してしまう。

「亜美……?」

急に動きを止めた私を怪訝に思ったのか、掠れた声で由布子が私を呼んだ。

その声にはっとして、由布子の唇にキスをする。

「ごめん。続けるね……」

ーー初めての感覚に不安なのは、由布子の方なんだから。

私はそれ以上指を進めるのをやめて、より大きな反応を示す場所を探すことにした。
狭い内壁をゆるくかき混ぜ、差し入れた指をお腹側に曲げる。

「……っ、ふぅ……!」

指の腹で円を描きながら、ゆっくりと内壁を撫でる。
内壁の一点、ざらりとした感触を指に感じて、私はそこを押し上げた。

「……ぁ、やあぁっ!!」

途端に由布子の背が反り返り、悲鳴のような喘ぎ声が上がる。
その一点を集中的に攻めると、由布子が小刻みに身体を震わせ、逃げるように激しく身を捩った。

「やっ、そこ、だ……め……あぁっ!」

跳ね上がる由布子の身体を押さえつけるようにのしかかる。
何度もそこを押し上げるように指を動かし、由布子を高みへと導く。

「はぁっ、ぁぁあ……っ……んんっ!」

耳に唇を這わせながら、一際強くそこをなぞり上げた瞬間、太ももを痙攣させて由布子が達した。

一気に脱力したその瞬間を逃さず、私は指を奥に進める。

「はっ……!」

ずるり、と指が滑るように奥まで入り込んだ。

由布子の目が見開かれ、組み敷いた身体が再び跳ねる。

達したすぐ直後のためか、立て続けに攻められた由布子のそこは、恐ろしいくらいに敏感になっていた。

「ぅあっっ!!……あ……くっ、うぅっ……!」

私が少し指を動かすだけで、由布子の足ががくがくと震え、中心から溢れ出た蜜が内腿を伝って滑り落ちる。

由布子の柔らかい内壁が私の指に熱く絡み付いてきた。

しっとりと汗ばんで桜色に染まった肌を吸い上げると、由布子の口から途切れ途切れの甘い息が零れる。

その激しい反応に欲望をかき立てられて、私は緩急をつけて内壁を刺激した。

由布子がぎゅっと目を瞑り、私の背中にしがみつく。

「ああっ……ッ、く…………ふうぁっ!」

眉間にしわを寄せながら身悶えていた由布子の腰が、差し入れた指の動きに合わせて動き始めた。

私の指を無意識に求める由布子のその動きが、強烈な快感を私にもたらしてくる。

覆いかぶさったまま、由布子の太腿に擦り付けるように自分の腰を揺らすと、私の中心からも蜜が溢れ出た。

一緒に由布子の下半身を揺らす。

「は、ぁっ……由布子……」

「っふ……あぁ……」

私の声に促され、由布子は瞼を少し持ち上げた。
その顔には羞恥と恍惚の表情が浮かんでいる。

不意に由布子の目尻から涙が零れ落ちて、私は指を動かしたままその涙に唇を寄せた。

「気持ち、いい……?」

「っぁ……!」

由布子の耳に唇を寄せて囁く。

その問いかけに返ってきた、由布子の掠れた甘い言葉に、私は衝撃を受けた。


「……亜、美……気持ち、いい……」

「!!」

完全な不意打ちだった。
 
「!……っ…ぁ……!!」

快感を伝える素直な言葉が私の耳に届いた瞬間、全身に快感が走り抜けて、私は達した。

由布子の上に崩れ落ちそうになるのをすんでのところで抑え込み、私は中に差し入れた指に力を入れる。

「っっ……っは、あぁ……あっ!」

由布子の中は熱く潤んでいて、まるで私の指を引き込もうとするかのように強く収縮している。
私は由布子の乳首をしゃぶりながら指の動きを速めていって、何度も指を往復させた。

私の指が動く度に、その中心から湿った水音が響き、由布子の腰が浮く。

私は内壁を強く擦り上げながら、親指で外側の秘芯を押し潰した。

「はっ……んっ、あぁっ!……亜、美……っ!!」
 
限界を告げてきた由布子の背中が弓なりに反る。
再び絶頂を迎えた由布子はベッドに沈み込み、身体を震わせた。

指から伝わる温かな感触と律動が気持ちよくて、私は由布子の中に指を入れたままにする。

しばらくすると、由布子の身体の痙攣は収まって、呼吸が戻り始めた。
それを見て、私はゆっくりと指を引き抜く。

指に絡まった蜜が空気に触れて、一瞬卑猥な音を立てた。

その感触にすら反応を示さず、ぼんやりと絶頂の余韻に浸る由布子の頬に唇を寄せる。

虚空を彷徨っていた瞳が、私の姿を捉えて見つめてくる。

私は由布子を抱きしめて、自分の唇を由布子のそれにしっかりと重ね合わせた。




触れ合う肌が心地よくて、私たちは身体を寄せて抱き合っていた。

お互い何もしゃべらず無言だったけど、不意に由布子が私の指をそっと掴み、口を開いてきた。

「……小清水」

「今は亜美ー」

「……亜美、爪」

由布子の声には、驚きと意外そうな響きが含まれている。

「……ネイル落としたの?」

その言葉を受けて、私は自分の指先に目を移した。

いつもは綺麗にデコレートされている爪がそこにはなく、健康的なピンク色をした爪がそこにある。
爪の長さは深爪にならない程度に、短く切りそろえられている。

ーーだって、

「うん。これはさっきシャワー浴びる前に落としたんだ。ネイルファイルで」

「……全部を?」

「うん」

すっごい落とすの時間かかっちゃった。

由布子の横に仰向けになって寝転び、指先を自分の目の前に掲げて見上げた。

「これからは爪どうしようかなあ。……スカルプとかジェルだと落とすのがちょっと大変だし」

悩むわー。なんて言ってひとりごちていると、

「なんで?亜美ネイルアート好きなのに」

由布子の言葉に固まった。

私の周りの空気が軋む。

「由布子……それ本気で言ってる?」

「え?」

説明に困り、恥ずかしさで自分の顔が熱くなる。

「……由布子は痛いのが好きなの?」

一瞬きょとんとし、私の言葉の意味を理解したのか、由布子はみるみるうちに顔を赤くさせて俯いた。

「あ、ああ。そっか……ごめん。……ありがと」

「いいけどさー」

ーーだって、由布子のこと傷つけたくないもん。

野暮な質問をしたお詫びの印なのか、由布子は私の指を組み合わせて手を握り、赤い顔をしながら頬にキスをしてきた。

キスをした後、また恥ずかしそうに俯いた由布子を見て、私の心臓が跳ねる。

「……」

ツンデレで天然って、卑怯。

どうしてこう絶妙なタイミングで萌えることしてくるんだろう。
いつもはツンツンしてばかりのくせに。

横になったまま由布子をぎゅっと抱き寄せて、耳元に唇を寄せる。

「私、由布子のこと大好き」

「……ありがとう」

「由布子はー?」

「……」

「言わないと、もう一回するよ?」

「ちょっ……!」

内腿に手を滑らせて脅すと、由布子がびくりと身体を震わせた。

「わっ、……わかった言うって!」

なんだよもうさっきちゃんと言ったのに、とかぶつぶつ不満を漏らしながらも、由布子は私の目をまっすぐと見つめてきてくれる。

「大好き、だよ。本当に……」
由布子の言葉に目の奥が熱くなった。
ぼんやりと歪み始めた視界をごまかすように、由布子の唇に口づける。

ありがとうの気持ちを込めて、横になったまま下の方に移動しながら、由布子の身体にキスを落としていく。

「ちょ!」

慌てたような声が頭上から聞こえてきた。

「ちゃんと、言ったじゃん!」

「うん。やらないよ?キスだけ」

「そ、そう」

私はまだ足りない気持ちもあったけど、初めての由布子にそんな負担をかけるようなことはさすがにしない。
由布子の身体にキスするだけでも、十分満足できる。

しばらくずっと、由布子の身体に口づけを繰り返していたら、

「……亜美」

由布子が少し掠れた声で、私を呼んできた。

「ん?」

肌を吸い上げてキスマークをつける。

服で隠れる位置とはいえ、かなりキスマークつけちゃったけど、後で由布子これ見たら怒るかなあ。

「それっ……!疲れ、ない?」

「え?全然疲れないよ?由布子にキスするの好きだし。……由布子はこうされるの、嫌?」

「っつ……!嫌、じゃないけど、そのっ、なんか悪いっていうか」

恥ずかしいっていうか、と続けてきた由布子の言葉を無視して脇腹にキスを落とす。

由布子の身体がびくりと反応した。

「こっ、小清水!」

「……」

「亜美!!」

「何ー?」

唇を肌に寄せたまま、視線だけ由布子の顔に向ける。

「……来て、よ」

え?

言葉の意味がよくわからなくて顔を上げると、真っ赤な顔をして、ちらちらと恥ずかしそうにこちらを見てくる由布子の視線とぶつかった。
「そこじゃなくて、ここ……来てよ」

ここ?ここって私ここにいるけど?どういう意味?

なんだろうと思い、由布子の顔のすぐ側まで身体を移動させる。
すると由布子がぴたりと身体を寄せてきて、呟いた。

「……小清水に、そういうことされるのは嫌じゃないし、……き、気持ちいいからいいんだけどさ、でも、」

私の胸に顔を埋めて、モゴモゴと何かを言い続けている。
声が小さくて聞き取れない。

「え?何?」

「だっ、だから!」

上目遣いで私の方を一瞬見た。

「小清水が、見えないのが嫌なんだってば……」

小さな声だったけど、今度は辛うじて聞き取れた。
ゆでダコみたいに顔を赤くさせた由布子が、もう一度私の胸に顔を埋めてくる。

「しばらく、こうさせてよ……」

「……ぺ」

ずきゅーん。

ベタな効果音とともに、心臓が打ち抜かれた。
由布子と呼ぶのも思わず忘れ、私の胸元に身体を寄せるぺをまじまじと見つめる。

ツンデレで天然って、卑怯。

さっき思ったことをまた反芻する。

落ち着きかけた熱がまた上がりそうになったけど、残った理性を総動員させて、私はそれを抑え込んだ。
私の胸に寄り添って、眠そうにしているぺの額にキスを落とすだけでとどめる。

「小清水……眠い……」

今度は特に、呼び方を言い直させなかった。

ぺには『小清水』って呼ばれるのが、やっぱり一番しっくりくるなあ、なんて思って。

私も、『ぺ』って呼ぶのが一番しっくりくるなあ、なんて思って。

「うん……お休み、ぺ……」

返事は無い。

静かな寝息を立て始めたぺを見て、私は大きく欠伸をした。
足下にあった布団を、私とぺの肩まで引っ張り上げる。

隣にいるぺの温もりを感じながら、私も眠りについた。
293 ◆NgK5YCJ68I :2009/08/19(水) 04:19:08 ID:WZqNnc7H
はふーい。やふーい。ラブは書いていて楽しいZE☆

次回の投下でやっとこの長編も終了します。

今日はこれにてドロン。
294名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 04:38:05 ID:Bu4z/+Jz
>>293
待ってました!待ってました!!!GJGJ!惜しみないGJ!
二人が幸せになってよかったぁあ!最終話も楽しみに待ってます!
295名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 10:52:45 ID:TYE/bx36
>>293
やられたぜ…由布子のひきょーものーー!

丁寧な描写ですごいドキドキするよ。次でついに最後か、寂しいけど楽しみにしてます
296名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 12:48:09 ID:YI/NcyM8
>>293
私も読んでて楽しいZE☆
あーーー幸せだ、それしか言えない
297名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 15:51:58 ID:me6My2xl
>>293
GJとしか言いようがない
298sage:2009/08/19(水) 20:17:30 ID:+CEr8PU9
>>293
GJ過ぎて何か漏れそう
299名無しさん@秘密の花園:2009/08/20(木) 00:43:52 ID:R9gVza20
>>298
sageがメル欄から漏れてますよ
300名無しさん@秘密の花園:2009/08/20(木) 00:51:29 ID:9IXJbiMi
>>299 ワロタwwwwwwwww
301名無しさん@秘密の花園:2009/08/20(木) 08:56:10 ID:LG/bieC7
>>299
まじで吹いたw
302 ◆IS0zEXOaMs :2009/08/20(木) 22:56:39 ID:Xt5L35TR
巻き添え解除される気がしないのでロダ上げで。
両方、桑谷夏子×松来未祐。話は直接には繋りなし。エロもなし。
桑谷さんの口が悪いのは仕様です。知らないと読みにくいと思います。
もし興味ある方いたらどうぞ。
今月いっぱいまで公開
DLkey:natsumew

『discover』片想い話
ttp://www1.axfc.net/uploader/Sc/so/28509

『present』両想い話
ttp://www1.axfc.net/uploader/Sc/so/28511
303名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 07:09:10 ID:s/mK7xUB
ぐっじょぶ
304名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 08:19:10 ID:PwUhyIsu
>>302
上が好みだが両方なっちゃんらしくてGJ!
305名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 12:51:25 ID:MSfG6ema
>>302
GJ! 植田・清水もいい味出してるなあw
まつらいさんが誰かを振り回すのも良いものだ
306名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 18:47:08 ID:wIbw0sJF
>>302
ぐっじょぶ!
欲を言うと他のも読みたいんだが
経緯が気になるw
307名無しさん@秘密の花園:2009/08/22(土) 00:50:06 ID:e8cn3L0J
>>302
GJ!俺の中で新しい扉がひらいたわ
308名無しさん@秘密の花園:2009/08/22(土) 18:55:28 ID:nlxMrNof
GJ!!!
309302:2009/08/23(日) 04:21:46 ID:iV1ec/pA
読んでくれてありがとうです
>>307ごめんなさい三行プロットしかないです
桑谷さんBD記念に、こうなったらいいな〜という両想い物を書いただけなので話が繋がる以前に続き書けるかも未定
もし書けたらまた投下させてもらおうと思います
310名無しさん@秘密の花園:2009/08/23(日) 06:41:46 ID:tiI5CTA0
うりょっちのブログより
楽屋で絡むうりょっち萌え。そしてゆうさんとの絡みがなにげにエロい。
誰かゆう×うりょ書ける人いないかな?
311名無しさん@秘密の花園:2009/08/23(日) 09:12:53 ID:7oSIMB5B
相変わらずミンゴスも自重しとらんな
312名無しさん@秘密の花園:2009/08/23(日) 14:36:45 ID:PPq4a0cM
>>310
野中さんごめんなさい思い出した
313名無しさん@秘密の花園:2009/08/23(日) 21:43:47 ID:nx8/uGTN
何げにゆううりょって仲いいんだよね
ネギまの時からの付き合いだし、しかもその頃からゆうさんは
「涼ちゃん」呼びのタメ口だし
しかし二人とも熱烈な野中信者なのでカプを見ないww
314名無しさん@秘密の花園:2009/08/23(日) 22:21:53 ID:tiI5CTA0
あいぽんも罪な女だなww
315名無しさん@秘密の花園:2009/08/23(日) 22:38:29 ID:C1Ihdo36
ため口+ちゃん付け ってゆうさんの交友関係の中では珍しいのになぁ
二人とも「いかに野中さんが可愛いか」と語り合ってる姿しか想像できんw
316名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 07:29:23 ID:NftA+NQn
あ〜。アニサマ関連のブログ見てたらうりょ藍ゆうとか読みたくなるな。
315のシチュで何か妄想した。
317名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 07:31:50 ID:NftA+NQn
連投ゴメ
312って何のこと?もちっとkwsk!
318名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 08:13:16 ID:MfZ00pl1
>>317
以前うりょのブログで、小林と抱き合ってる写真のあとに書いてあった
小林の時だけ謝るってあたり興味深いw
319名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 08:40:57 ID:HoVu2L4K
アニサマステージでのの並び順はりょーこ→ゆう→オーケン→あいぽん→みゆきちだったかな。
りょーこのブログの集合写真で藍ゆう仲良く並んでてニヤニヤした。
320名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 09:13:52 ID:NftA+NQn
ゆうさんがかなり屈んであいぽんの頭の高さに合わせてるんだな。
やっぱいいよ藍ゆう。
321名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 00:07:37 ID:9KP6P5Ti
ゆううりょの次は藍ゆうとか妄想が止まらん
322名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 15:15:07 ID:08AMSLkU
そういえば最近うりょは甲斐田さんにも手をだされてたね
323名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 19:06:55 ID:5k3AByOm
妹キャラっていうか反応がいちいち可愛いからみんな可愛がりたくなるんだろうな。
つまりカップリングだと受けタイプだと。
324名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 20:57:23 ID:7x1CShtO
野中さんをヘタレ攻めしようとするも、気がつけば誘い受けになって
しまっているんですね、わかります
325名無しさん@秘密の花園:2009/08/26(水) 00:48:14 ID:jDDAKTcM
あいぽんとうりょっちとゆうさんで3P
326名無しさん@秘密の花園:2009/08/26(水) 23:34:00 ID:VdXfHg+0
>>323妹よりも生粋の後輩キャラっぽい。あいぽん&カンチに「〜ッスよ」とかよく使ってたし。

まぁホントに後輩だからかもしれんがw
327名無しさん@秘密の花園:2009/08/27(木) 01:30:52 ID:ZMNt60HX
滅多にゲストのないラリるれにうりょが出て「なんてうりょ藍!」と思いきや、
(仮)DVDにはゆうさんご指名で藍ぽんが出るらしい。
今からwktkが止まらない。
ゆうさんの愛が溢れてるよ!
328名無しさん@秘密の花園:2009/08/27(木) 01:50:07 ID:HwK8ho0l
>>326
激しく同意。意外に甘え上手とみた。

>>327
それなんてあいぽん争奪戦?
329名無しさん@秘密の花園:2009/08/27(木) 11:20:32 ID:duLWYzVu
今週のアニスパは藍ゆうでニヤニヤできそうだなw

あとは↓に対する浅野さんのツンデレに期待ww
【声優】32歳のたかはし智秋さんがまたしても『sabra』グラビアでヤッチャッターマン
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/moeplus/1251304426/
330名無しさん@秘密の花園:2009/08/28(金) 00:08:49 ID:5vfheBzO
>>329
藍ゆうでニヤニヤできそうなラジオはいつですか?
331名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 04:56:01 ID:XSZEllms
全く寝られないんで、数年ぶりになんかtiaraな駄文を書いてみた
本当に久しぶりなので、寝ぼけ眼で見直したつもりだけど展開が超展開だったり
意味不明だったり誤字脱字あったらすまんです
332名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 04:57:07 ID:XSZEllms
(遅くなっちゃったな)

予定よりも大幅に遅くなってしまった帰り道を小走りで急ぐ
汗で胸に張り付くシャツを少し気持ち悪く感じながら、思い出すのはあの人の顔
(紗子さん、まだ起きてるのかなぁ)
遅くなるから先に寝ていていいよ…と、昨夜伝えたのは確かに私だ
だけど、複雑な乙女心はわがままで理不尽なものなのです
少しでも話をしたい、笑顔を見たい、笑ってお疲れ様といって欲しい
そんなわがままで理不尽な願望が私を家路に急がせる

最近の私は少し変だ
紗子さんの声が聞きたい。私だけに笑って欲しい。私だけを見ていて欲しい
そんな汚くて醜い欲望が、胸の中で大きく膨らんでいくのがわかる

(……早く帰ろう)
どんどんと心を塗りつぶしていく自己嫌悪に潰されそうになる前に、私は走る速度を一段階あげる

今日あったことを話そう。明日の予定を話そう。今度の週末のデートの行き先を話そう
話す内容なんて何でもいい。過去の話でも今の話でも未来の話でもいい
何年前も何年後も、私たちはずっと一緒なんだから

滲む涙がこぼれてしまわないよう。醜い嫉妬に押しつぶされないよう
縺れそうになる足と限界を訴える胸の苦しさを無視し、躓きそうになりながら私は走った
メイクさんが綺麗にしてくれた髪もぼさぼさになり、今朝紗江子さんが「可愛い」と褒めてくれたワンピースも
よれよれになってすっかり可愛くなくなってしまった頃
ようやく私は目的地にたどり着いた

(ふふっ、先に寝ててもいいよって言ったのに)

周りが真っ暗の中、申し訳なさそうに自己主張をする一つの明かり
それを見つけただけで涙を流してしまうなんて、やっぱり私はどこか壊れてしまっているのかも知れない
333名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 04:58:34 ID:XSZEllms
「ただいまー」
疲れなんて見せないように、精一杯明るく
でもご近所迷惑にならない程度の挨拶に、お帰りと出迎えてくれるはずの返事がなかなか聞こえてこない

(出迎えてくれるなんて新婚さんみたいだな)
(パタパタ走ってくる紗子さん、可愛いだろうなー)
(ご飯にする、お風呂にする…それとも………なんて、何一人で盛り上がってるのよ)

一人でニヤついたり真っ赤になったり漫才をしても、待ち人来ず
夏とはいえ深夜の玄関先は流石に少し肌寒い上に、先ほどの汗も伴いこのままでは風邪を引いてしまう
「紗子さん?さえこさーん。何処にいるのー」
周りを見渡しながら歩を進める私の視界が、ようやく待ち望んでいた人影を捕らえる

「んにゃ、ゆーかにゃあ、おきゃえり…まってたんだにょー」

可愛い可愛い若奥様
待ち望み楽しみにしていた出迎えは、何故か呂律が回ってなく真っ赤っ赤だった

「何でお酒飲んでるの」
「だってーゆーかさんおそくてぇ、さびしかったんだもん」
「だからって……これは飲みすぎでしょ」
テーブルに散乱する空き缶は、乙女が飲むにはちょっとふさわしくない量に達している
ぶつぶつ文句を言いながらゴミ箱とテーブルを往復していると、ぼふっと言う効果音と共に視界が揺れた
「ちょっ、危ないでしょ」
「おかえりーゆーかさんおかえりー」
「もう、わかったってば」
酔っ払ってるせいなのか…普段と比べ、抱きしめられる力は強く、感じる体温は暖かくて
何故か普段よりも、紗子さんに抱きしめられていると言う事実を強く認識させられる

(美人は酔っ払っていても美人なんだなぁ)

酔っ払い相手に勝手に上昇する情けない心拍数を落ち着かせるため、間抜けなことを考えていると
嬉しそうだった紗子さんの笑顔が、急に泣きだしそうな子供の瞳に変化した
334名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 05:02:15 ID:XSZEllms
「どっ、どうしたの紗子さん?気持ち悪い?」
「ゆーか……何かあったの?」
「べっ、別に何も無いよ」
「ほんとに?真っ赤だよ」

優しく私の頬を撫でてくれる紗子さんの指に、ようやく彼女が何を言いたいのかがわかった

「ごみが入っただけだよ」
「ほんとに?何か嫌な事言われたの」
「何も言われてないってば」

何時もより真っ直ぐで、純粋な眼差しが私を捕らえる
恥ずかしさと嬉しさが混じった何ともいえない気持ちが広がり、私の心を惑わせる
(紗子さん…ありがとう)
言葉にできない思いを伝えたくて、細い背中に腕を回すと安心したように紗子さんの笑顔が戻る

「ふふっ、今日のゆーか、なんだか子供みたい」
「……今日だけは絶対紗子さんの方が子供みたいだよ」
「そんなことありませんよー私の方が紗子さんだからお姉さんなんですよ」
「もう、酔っ払いは迷惑だから早く寝てください」

名残惜しさを振り払うよう最後に強く抱きしめると、余計離れたくなくなってしまった
335名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 05:03:21 ID:XSZEllms
こんなに長かっただろうか?
間違いなく今後の人生の中で一番長く感じるであろう寝室への道のりを、私は一歩ずつゆっくりと進んでいく

「ねーまだー」
「もっ、もうちょっとだから」
「ねーわたし、もう歩けないよー」
「紗子さんは殆ど歩いてないでしょ」

どうしてこううなったのか?
曰く、酔っ払いの一人歩きは危険だ。躓いてしまう。危ない。
そんなに飲まかったらよかったじゃない、と言うと「鬼。鬼ゆーかさん」と鬼扱い
寝室まで手をつなぐからという提案も「私がこけても心配じゃないのね」と泣きべそを掻かれる始末

そんなこんなで、背中に当たる胸の感触とか暖かい紗子さんの体温や一人分の体重とかほのかに香る紗子さんの匂い
いろいろな物と戦い、我慢しながら、おんぶと言う名目で紗子さんを引きずるようにしてようやく寝室へとたどり着く

「んーありがと、ゆーかさん大好き」
「もう、我侭なんだから」
「あいしてるー」
「わかったってば」

やたらご機嫌にべたべたしてくる紗子さんに、先ほどから続く我慢もそろそろ限界が見え隠れ
寝室と言う場所柄、間違えが起こってもそれは間違いではないのです
(ああ、私よく我慢したよね、もう限界だよね)
と悪魔が言えば
(だめだよ、相手は酔っ払いだよ。そんなの良くないよ)
と勝手に天使と悪魔が脳内戦争

(うんそうだ、私は変態じゃないもん。我慢できるよ)

よくやった天使。よく耐えた私。悪魔はもう出てこないで下さいね
脳内戦争に見事勝利した天使を称え、まとわりつく紗子さんにニコっと微笑む

「紗子さん、私お風呂に行って来るね」
「えーっどうして?」
「どうしてって言われても」

甘えてくるあなたに我慢の限界が来そうだからです、正直我慢なんてとっくに限界なんです
336名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 05:05:19 ID:XSZEllms
「あのさ、汗臭いからさっぱりしたくって。それにもう眠たいから」
「んー私は気にしないよ」
「紗子さんは良くても、私は嫌なの」

誤魔化すように強引に切り上げようと、紗子さんをベッドに座らせる
先に寝ていていいよ、と意志が揺れないよう背中を向けバスルームに向かおうとする
向かおうとするんだけど、ほんのちょっとの小さな抵抗が私を目的地へと進ませてくれない

「あの、紗子さん。手、離してくれない」
「なんで?」
「なんでって……お風呂にいけないでしょ」

くすくすと笑いながら、決してワンピースの裾を離してくれない紗子さん
試しにニコッと微笑んでも、どうやら相手の意思も固いみたいだ
手ごわい強敵を説得させるため、まずは屈んで相手と目線を合わせる

「あのね、どうしたら離してくれるのかな?」
「んーじゃあ、お休みのキスしてくれたら離してあげる」
「んーキスかぁ……って、ええっ」
「ねぇ、ちゅーしてよぉ」

頭の中を殴られたような衝撃と共に、凄く遠くの方から聞こえる幻聴のような声
キスしてくれたらおとなしく寝るよ。ゆーかもお風呂に入ってさっぱりするよ。
我侭で甘えたな紗子さんは大人しくなって、私は酔っ払いに欲情する変態と言う汚名を被らないで済む
(なんだ、よく考えれば破格の条件じゃん)
どこか麻痺したような頭で今できる精一杯の計算で結論を出した私の口は、紗子さんに目を閉じるようお願いをした

「ん、じゃあ目を閉じててね」
「はやくー」
「もっ、もう、急かさないでよ」

紗子さんまつげ長いなーとか、よく考えれば私からキスするのは珍しいなとか、色々な事が頭をよぎり頬が熱くなってくるのを感じる
(こっ、こういうのは勢いが肝心だよね。女は度胸だもん)
覚悟を決めて瞳を閉じた瞬間、私の後頭部が誰かに強引に抱き寄せられる

「ちょっ、んんっや………んんんっ」
「ふふっ、我慢できなくなっちゃった」
「さぇこさっ……ふっ……やあぁっ」

急激に靄がかかる思考回路で考えた結果、何故かキスしようとしていたのにキスされていること
やたら脳内にイヤラシイ水音が響き、やっぱり私の我慢なんてとっくの昔に限界だったこと
絡んでくる紗子さんの舌が気持ちよすぎて、私も必死に舌を伸ばしている事ぐらいしか理解できない

「ねっ、ゆーかぁ、私眠たくなくなってきちゃった……もっといっぱいキスしよ?」

ああ、悪魔はさっき負けたはずなのになぁ―なんてどこか頭の遠くで思いながら、明日の寝不足だけは確定のようだった
337名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 05:08:05 ID:XSZEllms
以上です。読んでいただいた方ありがとうございます
やっぱり長いなぁなんて思いながら、次があれば生かせるよう頑張ります
久しぶりにSS書くのすげー楽しかったですw
338名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 13:44:46 ID:4ZrRPumS
>>329
過去最高級のデレが来ましたww
ますみんブログで智秋大絶賛w
339名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 22:20:30 ID:O4TVexwU
>>337
乙です。
てあらはやっぱいいなぁ。
340 ◆qwLOZtIV96 :2009/08/30(日) 16:29:20 ID:1C/RUPms
8月29日のうりょっちブログから小ネタ。
ブログに書けない部分は、ご想像にお任せします。

野中さんは、うりょっちをすねさせるところまですねさせて、最後にデレるはず。
341あたしだけのお姫様 ◆qwLOZtIV96 :2009/08/30(日) 16:30:47 ID:1C/RUPms
「のーなーかーさんっっ!」
私が話しかけても、野中さんはゲームに夢中なご様子。
「せっかく私んちに来たんだから、何か話しましょうよー!」
「んー、じゃあ何か話してていいよー。」
「ひどっ、一緒に話したいのに!放置っすか、私放置なんすか?」


「うーん、仕方ないなぁ。あと10分待って。」
「それさっきも言われましたよ、あれから20分はたちましたっ!」

こうなったらスネてやります、なんて言って野中さんに背を向ける。

パタンという音が耳に届いた。
DSのフタを野中さんが閉じた音。

「しょうがないなあ、もう。」

衣擦れの音で、野中さんがこっちに向き直ってくれたのが分かる。
「野中さんは、私よりゲームの方が大事なんだ・・・!」
「うりょっちー…」ちょっと困ったような野中さんの声。

「野中さんなんてもう知りません…」

ぎゅーっ、野中さんが後ろから抱きしめてくれると落ち着く。
「私さ、終電までここにいるから。今からいっぱい話そう?ね?」
くっそー悔しい、いつもこの可愛い先輩の声に私はやられる。
「仕方ないです、許してあげます。ただし…」

「…ただし?」

「ペルソナの収録現場での可愛い野中さんエピソードを、ブログに書きます!」

「結構前の話なのに今更!?何、その罰ゲームみたいなの!」

「もちろん書ける部分までしか書きませんから!」

「…っ…」

あーあ、野中さんの顔真っ赤。

「野中さんは私のものだ、って皆に分からせてやりますよ!」

「ばーか。」

「馬鹿とは何ですか、馬鹿とは!」

あいぽん先輩は、誰にも渡さないんすから!




342 ◆qwLOZtIV96 :2009/08/30(日) 16:32:31 ID:1C/RUPms
以上です。
読んでいただいた方、どうもありがとうございました!
最近小ネタばかりで、なんだか申し訳ないです!
343名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 18:04:01 ID:cdau3tI1
良いよ、マジいいようりょ藍!
あいぽん髪切ってからますます可愛くなったから
デレてblogネタに使えないうりょっちも妄想した!
344名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 18:35:25 ID:ycp3Vwz6
>>342まじGJすぎるw

てかうりょブログ読んで「おまwあいぽんの事どんだけ好きなんだw」と自然に言葉にしてた。
345名無しさん@秘密の花園:2009/08/31(月) 14:24:59 ID:KZkGh53g
>>337乙です!やっぱりtiarawayの2人大好きだっ!
舞-HiMEで共演するみたいだし何か動きがあったらいいなぁ
>>342乙!小ネタも大歓迎です!
346 ◆NgK5YCJ68I :2009/09/01(火) 03:12:26 ID:qd7FCiH2
素敵なSSがいっぱい投下されていてウハウハです。

京都旅行の者です。最後投下します。

347京都旅行四日目 side sanpei (了)1/7 ◆NgK5YCJ68I :2009/09/01(火) 03:13:56 ID:qd7FCiH2
身体が重い。

風邪を引いたときのような、嫌な感じのだるさではないけれど、長距離走をした後みたいに身体が重かった。

ベッドサイドのテーブルに手を伸ばして私は携帯を掴む。

欠伸をしながら携帯を開けてディスプレイを見ると、そこには『8:58』の文字。

「9時……」

もう一度枕に顔を突っ伏して、目を閉じて脳を少しずつ回転させていく。

そーか、さっきから浴室の方からシャワーの音が聞こえるのは、小清水がシャワー浴びてるからか。どうりで隣にいないわけだ。
起きたんなら起こしてくれてもいいのに。もう9時じゃん。小清水の次にシャワー浴びよ。あ、シャワーの音が止まった。チェックアウトは10時だからあと1時間で……って、

「9時!?」

がばっ!と起き上がってもう一度時間を確認すると、さっきより時間が進んだ『8:59』の数字が見えた。

起き上がったその拍子に布団とシーツが肩からずり落ちて、露になった自分の身体にふと目が止まる。

途端にすごく恥ずかしくなって、自分の顔に急激に熱が集まった。

ガチャッ。

浴室の扉が開く音が聞こえてきて、私は慌ててシーツを引き上げ布団の中に潜り込む。

小清水が鼻歌を歌いながら、隣のベッドに座る気配がした。

「小清水……」

「あれ?起きてたんだ?おはよーぺー」

「お前……」

布団から目だけ出すと、バスタオルで髪を乾かしている小清水と視線が合った。きょとんとした表情をしている小清水が憎らしい。

「お前キスマークつけすぎでしょ……」

赤くなりながらギロリと小清水を睨みつける。

「え、そう?どんくらいつけたっけ?見てもいい?」

「ふざけんな!」

手を伸ばして布団をはぐろうとしてきた小清水からガードするように、私はもう一度布団の中に潜り込んだ。

「そんな怒んないでよー。ごめんって」

「……」

だめだ。

昨日の夜のことを思い出して、恥ずかしすぎて小清水の顔が直視できない。

「……私の下着とってこい。そしたら許す」
348京都旅行四日目 side sanpei (了)2/7 ◆NgK5YCJ68I :2009/09/01(火) 03:15:11 ID:qd7FCiH2
そこに落ちてるやつじゃなくて、と付け加えて腕だけ布団から出す。

「バッグ漁っていいの?」

「うん。あとガウンも。ガウンはそこにあるやつでいいから」

小清水はまず、近くにあるガウンを私の手に握らせてきた。
私はそれを布団の中に引っ張り込む。

ペタペタとスリッパの音が遠ざかっていき、代わりに「あー、この下着可愛い〜」とか聞こえよがしの小清水の声が聞こえてきた。
うざい。

またペタペタと音がして、すぐ近くから小清水の声が降ってくる。

「三瓶ちゃん持ってきたよ」

「早くよこしなさい」

ベッドからだらりと出していた腕を上げて手のひらを上に向ける。

「由布子お嬢様。刺繍が可愛い爽やかなミントグリーンの上下セットをお持ちしました」

自分の手に下着の生地の感触を確認して、私はそれをぎゅっと握った。

頭の下にあった枕を素早くつかみ、小清水の方に投げつける。

「わぷっ!」

投げた枕は、小清水の顔面に見事にヒットしたようだった。
聞こえてきたうめき声を無視して、小清水の手から奪い取った下着を布団の中に引っ張り込む。

下着とガウンをなんとか身につけて布団から出ると、小清水が鼻を押さえながら隣のベッドに腰をかけていた。

「……シャワー浴びてくるわ」

小清水の方を見ないようにしながらベッドから足を下ろし、浴室に向かおうと足を踏み出す。

「ぺ」

途端に私の身体が後ろにつんのめった。

ガウンの腰紐が解けそうになり、私は慌ててそれを手で押さえながら振り返る。

小清水が腰紐を引っ張っていた。

「小清水、ちょっと離して」

「やだ」

「チェックアウト10時でしょーが。もうあんま時間ないじゃん」

「うん。だからちょっとだけ」

小清水の手から腰紐を取り戻そうと引っ張るが、小清水は頑に放さない。

349京都旅行四日目 side sanpei (了)3/7 ◆NgK5YCJ68I :2009/09/01(火) 03:15:54 ID:qd7FCiH2
「だって三瓶ちゃん外じゃ絶対にいちゃいちゃさせてくれないでしょ」

「いや当たり前じゃんそんなの。でしょって何」

「だから三瓶分を今のうちに補給させて」

私は栄養ドリンクかなんかかよ。

腰紐を引っ張る力を抜いて、私はため息をついた。
浴室に行くのを諦めて小清水の隣に座る。

「変なことしたら殴るよ?」

「うわ……恋人なのに」

ぴたりと身体を寄せてきた小清水にそう忠告をすると、小清水が文字通り苦笑した。

「ぺ」

「……何」

私の頭に手を伸ばして髪を撫でてくる。

「こっち向いてー」

「やだ」

「なんでさっきから目合わせてくれないの?」

恥ずかしいからに決まってんでしょうが!と心の中で毒づいてから、小清水の顔をちらっと見る。

その時目に入った小清水の顔がすごく優しい表情をしていて、思わずうろたえてしまう。

「あ」

ふと頭の中をよぎったことがあって、もう一度小清水の方に顔を向けた。
ずいっと顔を近づけて、小清水の顔をまじまじと見つめる。

「な、何?三瓶ちゃん」

「隈」

「え?」

「目の下の隈、消えてるじゃん」

「え?隈なんてあった?」

「うん。薄い隈だったけど」

手を伸ばし、そっと目の下に指先を滑らせると、小清水がびくりと身を強ばらせた。

「消えてよかったね」

350京都旅行四日目 side sanpei (了)4/7 ◆NgK5YCJ68I :2009/09/01(火) 03:16:35 ID:qd7FCiH2
そう言ってから自分の台詞にちょっと恥ずかしくなって、手を下ろす。
その手に小清水が手を重ねてきて、今度は私が身体を強ばらせた。

「大丈夫。何もしないよー」

困ったように笑いながら、「でも本当にツンデレってすごいわ」と小清水が言葉を続けた。

「今キスとかハグしたら、それ以上のこともしたくなっちゃうから抑えてるのに。三瓶ちゃん、もしかして誘ってる?」

「は!?そんなわけないでしょ!?」

「え〜残念」

そんなことを言いながらも、小清水は本当に、それ以上は何もしてこなかった。
キスしてきたり抱きしめてきたりすることはなく、ただ私の顔を見つめ、ゆっくりと髪を撫でてくる。

いつもならこの距離だったら、何かしてきそうなものなのに。

……恥ずかしい。

小清水とは付き合いが長くて気の置けない間柄だから、こういうことされるのって、キスされるのと同じくらい照れる。

「小清水、私シャワー浴びたいんだけど……」

そろそろ恥ずかしさに耐えきれなくなってきて、私は口を開いた。

「……うん。あともうちょい」

その後5分くらい、小清水はずっと私の頭を撫でていた。




351京都旅行四日目 side sanpei (了)5/7 ◆NgK5YCJ68I :2009/09/01(火) 03:17:06 ID:qd7FCiH2
車窓を流れる風景が、全体的に鮮やかで、絵の具で塗りつぶしたような綺麗な青空が広がっている。東京までたった2時間半しかかからないなんて、新幹線は本当に文明の利器の結晶だと思う。

透き通った青空のように心も澄んでいて、気分が晴れやかだ。

「ちょっ、三瓶ちゃん!富士山!!」

「おぉ、またきた!」

「今日はてっぺんもよく見えるよ!すっごぉい!やっぱでかい!」

「すーげー!」

これはやっぱコイツで撮るしかないな。

デジタル一眼を急いでバッグから取り出し、レンズカバーを外す。
カメラを構え、ファインダー越しに富士山を見つめた。

富士山。
写真。

「……小清水」

興奮して窓に張りついている小清水に声をかけた。

「うん?」

あ、ごめん邪魔だった?と、小清水が座席に腰を下ろす。

「違う。……入りなよ」

「え?」

「写真撮ってあげるから」

「ええ!?いいの!?」

「早くしろ!富士山が消える!」

「う、うん」

デジタル一眼のシャッター音とともに、液晶画面に青空と富士山と小清水が映し出された。

撮れた写真を確認してからスイッチを切り、レンズカバーをはめる。

352京都旅行四日目 side sanpei (了)6/7 ◆NgK5YCJ68I :2009/09/01(火) 03:17:42 ID:qd7FCiH2
「ぺー」

「何」

「ありがとっ」

「……どういたしまして」

今度画像やるから、と言ってから、バッグの中にカメラをしまい込んだ。

小清水が座っている座席の反対側にある肘掛に肘をつき、私は手のひらに顎を乗せて反対側の車窓を眺める。

すると、小清水側の肘掛けに置いていた私の左手を、小清水が撫でてきた。
いや正確に言うと、ピンキーリングが嵌められた私の左手の小指を。

別段振り払ったりせず、好きなように触らせていたら、小清水が声をかけてきた。

「そうそう。ぺ」

「ん?」

「神社のおみくじはあたるよ」

「あー。昨日引いたヤツ?大吉のこと?」

「うん。あ、でも三瓶ちゃんと一緒に引いたくじとはまた別のなんだけど」

「ふーん?」

どのおみくじのことを指しているんだろうと思ったけど、その後に続く小清水の言葉がなかったから、特に言及はしなかった。

353京都旅行四日目 side sanpei (了)7/7 ◆NgK5YCJ68I :2009/09/01(火) 03:18:23 ID:qd7FCiH2
「ぺー」

「何?」

「ラジオでさ、三瓶ちゃんと一緒に京都に旅行に行ったこと話してもいい?」

「別に。ブログにだってUPするし」

「ピンキーリングの話もしていい?」

「……いーけど」

「ペアだけどいいの?」

「……別に、これに限らずお揃いの服とかあるんだし、今更でしょ」

「でもリングだよ?けっこう深い意味あると思うんだけど」

「ないない。それに小清水がなんか言ったところで誰も本気にはしないって」

「ひっどーい」

ピンキーリングを触っていた小清水の手を捕まえて握り、私は大きく息を吐いた。

「……バレたとしても、それも今更でしょ」

「え?何?」

「いやなんでも」

右手に乗せていた顎を外し、反対側の窓を眺めながら、小清水の肩に自分の頭を預けた。
ゆっくりと目を閉じる。

「お、三瓶ちゃんデレ?」

「うるさい」

私の頭にも小清水の頭がもたれかかってくる感触を感じながら、東京駅に着くまでの間、私は眠りにつくことにした。



END



※この作品はフィクションです。実在する名称、団体、場所、人物などとはあまり関係がありません。

354 ◆NgK5YCJ68I :2009/09/01(火) 03:21:17 ID:qd7FCiH2
あとがき的な。

すまん。最後に1レスお借りします。スレチな内容とは分かっているんだがどうしてもこれは書かせてくれ。(土下座)あ、保管庫管理人様、このレスは入れないでください。お手数をおかけします。

あみぺ京都旅行。

こんな長編になるとは正直思ってなくて、そしてその計画性のなさから、多くの住人さんに迷惑をかけた。これは本当に謝らせてくれ。申し訳なかった。
ここの住人さん優しいから、ここでは誰も何も言わなかったけどさ、特定のカップリングだし、他のカプ好きな人にとっては微妙だと思うんだよ。これだけスレ埋めて占領してさ。
書き始めた当初は自分のHPとかもなかったから、ここで投下はじめちゃって途中すげえ後悔したのを覚えてる。事実、お叱りの言葉をいただいたりもした。
辛辣な言葉って言う側の方がつらかったりするのに、ちゃんと言ってくれてありがとうな。このあとがきにもイラっとされるかもしれないが、最後なので大目に見てくれ。頼む。

いつぞやのあみぺSSの18禁部分は、約束なので投下しますが、今後はここでは投下はしないのでご安心くだされ。

前置きが長くなったんだけど、ここの住人さんには心の底からお礼を言いたい。本当にありがとう。
SSを書いたことなかった俺がちゃんと最後まで書ききれたのは、間違いなくここの住人さんがいてくれたおかげだ。本当に感謝してる。
「催促してすまんかった」って謝ってくれたりした住人さんもいらっしゃったが、むしろ催促は嬉しかったよ。待っててもらえてるんだ、って思ったし。

以上、言い訳とお詫びと感謝でした。ちょくちょくROMしには来るので色々なSSの神投下を待ってるぜ!ノシ
355名無しさん@秘密の花園:2009/09/01(火) 03:29:08 ID:woh57rd9
>>354
もったいなくてまだ今回の分を読んでないのですが、今からじっくり読ませてもらいます
長かったような短かったような、ただ言えるのは『幸せだなあ』ってことだけです
本当はもっとちゃんとした感想が書きたいのですが、これ以上のことが言えません
出来れば今後もまたここで作品を投下してくれることを願ってます
本当にお疲れ様でした。ありがとうございます
356名無しさん@秘密の花園:2009/09/01(火) 03:43:23 ID:1QnxP9yB
>>354
乙!
こんな読みごたえのある長編は久々だな、これが泣けるエロってやつか
迷惑とかは俺は思わなかったが人それぞれだしな
ロダに上げれば問題ないからまた来てほしいな、短編も良かったし
まあHP持ってるみたいだし無理にとは言わないが、とにかくGJでした!
357名無しさん@秘密の花園:2009/09/01(火) 11:01:22 ID:GGSXj7Vj
>>354
うーん、思い入れが強すぎるせいか何書けばいいか分からんなぁ…。

自分は毎回感想っていうかレスしてたけど、そんなこと初めてだったし、こんなに住人に楽しみにされるってあまりないと思う。文章がすごく丁寧で、良い意味でやきもきさせられたよ。

あみぺは一番好きなカプだから、完成度の高い小説が読めて嬉しかった。無理は言いたくないけど、是非また投下してもらいたい。

本当にお疲れさまでした。
358名無しさん@秘密の花園:2009/09/01(火) 21:12:10 ID:ZMJdb3z9
>>354
えがった(*´Д`*)
359名無しさん@秘密の花園:2009/09/01(火) 23:23:57 ID:U7y1Nadu
>>354
前に催促したことあるんだけどそうゆうのもうざかったりしたのかな
読めてよかった。

ほんとにお疲れさまでした。
360名無しさん@秘密の花園:2009/09/02(水) 00:46:41 ID:tCznm17P
>>354
GJ!そして完結お疲れ様でした!
途中ハラハラしたとこも含めておもしろかったっす。さんぺー超かわいい!
小清水も一途でまっすぐでよかった。
HP作ったのかな…?ググって探させてもらうぜ!
もうここには例のもの以外投下しないようだがまた気がむいたら頼む。待ってる!
361名無しさん@秘密の花園:2009/09/02(水) 01:51:56 ID:9t0XUjvw
誘い受け作者の作品がやっと終わるのな
362名無しさん@秘密の花園:2009/09/02(水) 13:46:25 ID:5usEI9IE
一部の空気読めないのがヨイショするせいで作者が鬱陶しがられるって光景は前にも見たことあるような気がしないでもない
馴れ合いは他所でやれ、な!
363名無しさん@秘密の花園:2009/09/02(水) 14:22:48 ID:mQHjTSCx
とりあえずお疲れ様なんだぜ。楽しかったよありがとう!あみぺはいいものだ
投下は好きな時にしても大丈夫だと思うぞ、だってここにちゃんだしな。

神聖化しすぎたり催促しすぎたりせずにまったり行こうぜー
364名無しさん@秘密の花園:2009/09/02(水) 17:56:33 ID:ZtKIj5Lw
結局ホムペの宣伝かよ
晒しておきますね^^
ttp://book.geocities.jp/tatekichi_hervibore/
365名無しさん@秘密の花園:2009/09/02(水) 20:07:38 ID:xnqytadz
野中のブログ、あんまし進んでこういうのするイメージじゃなかったんだが、いよいよ目覚めたのか?
366名無しさん@秘密の花園:2009/09/02(水) 21:40:33 ID:fAvR4jOH
みんなやってたから羨ましくなったに一票
367名無しさん@秘密の花園:2009/09/02(水) 22:31:01 ID:8XVZ/Zx3
個人的には、みゆきちもノリノリで参加していることに和んだ
368名無しさん@秘密の花園:2009/09/02(水) 23:27:22 ID:20ppPX9b
>>364
見てねえけど検索避けとかちゃんとしてんのか?
ジャンルがジャンルだから気を遣えよ
369名無しさん@秘密の花園:2009/09/04(金) 00:15:37 ID:BqM7W2Qq
ちょっと変に反応しすぎじゃね?
ヨイショとか神聖視は確かにうざいけど、そこまででもなかったろうに
370名無しさん@秘密の花園:2009/09/04(金) 00:23:20 ID:GmcQa5zJ
ここに限らず、口数の多い職人はとかく疎まれがち
371名無しさん@秘密の花園:2009/09/04(金) 00:34:50 ID:ByUOXnvf
>>369
気にいらん話題が続くと出てくるやつがいるんだよ。
いちいち反応せずにほっとけ。反応するからますます雰囲気がおかしくなる。
372名無しさん@秘密の花園:2009/09/04(金) 02:16:06 ID:VdNMCjCk
夏休みは終わったんじゃないのか?
373名無しさん@秘密の花園:2009/09/04(金) 02:38:15 ID:i2ZwUkxY
そのまま話題を引きずっているのも荒らしと同類だから気を付けてね

誰かキタエリがなぜモテないのか教えてくれ
374名無しさん@秘密の花園:2009/09/04(金) 03:02:32 ID:jQFvGs/n
>>373
キタエリはまつらいさんと比べられるぐらいモテないよなw
本人がネタキャラ過ぎて、言ってることが殆ど冗談にしか聞こえないからじゃない?
キタエリは軽過ぎて、まつらいさんは必死過ぎだから
でもこの二人は気付かない所でモテてそうなんだよなあ
375名無しさん@秘密の花園:2009/09/04(金) 03:28:23 ID:mEvVS230
つまり、キタエリとまつらいさんがくっつけば全て丸く収まるというワケか
376名無しさん@秘密の花園:2009/09/04(金) 12:21:23 ID:s1xAHm3T
キタエリと丸くなったまつらいさんなんてなんて俺得
いや二人がくっついたら泣く声優が山のように出るぞ
377名無しさん@秘密の花園:2009/09/04(金) 12:34:46 ID:4zTZ2h/z
キタエリは結構周囲に可愛がられてたらいいな、と思う。
典型的な年下キャラっていうか、バカな子ほど可愛いって感じだし
378名無しさん@秘密の花園:2009/09/04(金) 18:13:46 ID:VdNMCjCk
にゃんこいの楽屋写真を見て見事なにゃんこ百合を妄想してしまいました

うりょっちなんか妙にかわいいww
379 ◆voe.iCz7FY :2009/09/04(金) 21:05:07 ID:QV/mKJ8b
キタエリとまつらいさん共演の現場あったっけ?

こっさんこと小清水さんを仲人にしてみたらいいのかな

タイトル『史上最大の決戦』
380 ◆voe.iCz7FY :2009/09/04(金) 21:15:24 ID:QV/mKJ8b
「こんばんは喜多村英梨です。夏休みの思い出は浴衣姿での収録です。」
「こんばんは松来未祐です。夏休みの思い出は番組コラボのロールケーキです。」
「なんとこっさんはインフルエンザでお休み。代打でみゆみゆに来ていただきました。」
「どうしてもとお願いされて来ちゃいました。お礼はカラダでして欲しいな。」
「コラコラ、現場に早く来すぎたのを、たまたま代打を探してたここのスタッフに見つかったんでしょう。」
381 ◆voe.iCz7FY :2009/09/04(金) 21:25:35 ID:QV/mKJ8b
−今日のお題は早口パーティーです。
負けた方は勝った方に告白していただきます。
「先輩からどうぞ。」
「えー、後からカッコいいところ聞かせたいー。」
「面倒くさいなぁ…アオマキガミアカマキガミキマキマキって、うそっ!」
「じゃあいくね。坊主が上手に屏風に坊主の絵を描いたっ。」
−じゃあ、喜多村さん、松来さんに告白してください!
382 ◆voe.iCz7FY :2009/09/04(金) 21:35:45 ID:QV/mKJ8b
「先輩、ずっと自宅までいつも後からつけていました…これからは朝から追いかけていいですか?」
「何ソレ、ほかにはないの?」
「ハアハア、オレみゆみゆのこと考えだけで飯3杯イケるっすよ。」
「アハハ、おかしい…動物ネタやって。」
「ニャンニャン、ニャンニャン」
「あっ、かわいい。抱きしめていい?」 「ちょっと、目がマジ…く、苦し…この胸、結構いいかもしれない…。」
「今度お食事しましょう。できれば夜に。」
383 ◆voe.iCz7FY :2009/09/04(金) 21:45:18 ID:QV/mKJ8b
脱字1字と改行ミス
まだまだ精進足らぬ


元ネタのラジオ、実は聞いたことがないのだが大丈夫か?
それにしても過去のゲストが能登さんあやちーになばいとって、どんだけ百合成分多いのやら…
384名無しさん@秘密の花園:2009/09/05(土) 22:55:01 ID:x2DOTxDW
あれー?
385名無しさん@秘密の花園:2009/09/06(日) 15:52:01 ID:kQWo6aC0
>>383
GJwこれは面白いw良い小ネタ

過去にはあみすけの嫁も来てたりするからな
あのラジオは中々だぞ
386名無しさん@秘密の花園:2009/09/08(火) 12:34:38 ID:1JEJMpOt
ところで荒鷲が舞太に誕生祝い送った件
387名無しさん@秘密の花園:2009/09/08(火) 16:07:47 ID:DJap3HWL
>>386
仲良かったのか、意外だな
388名無しさん@秘密の花園:2009/09/08(火) 20:01:52 ID:jtkSb2Fm
ほら、戦友ですから
389名無しさん@秘密の花園:2009/09/09(水) 03:51:43 ID:oy6F6OZn
御前のblogのプロフィールに「既婚」と書いてある件
390名無しさん@秘密の花園:2009/09/09(水) 09:00:38 ID:28vPAukq
いや、何の疑問もなく「ナバじゃね?」とツッコミ
391名無しさん@秘密の花園:2009/09/09(水) 17:09:06 ID:oy6F6OZn
デスヨネー
392名無しさん@秘密の花園:2009/09/09(水) 17:33:01 ID:HQnAFUED
多分その既婚の欄をなばに見つけさせて一波乱起こさせようとしてるんじゃないかと!

今更智ますに興味を持ったんだけど…アイスのラジオとか聞けばいいのかな?
393名無しさん@秘密の花園:2009/09/09(水) 18:27:11 ID:1c19RRVE
>>389-390
御前が既婚→ああ、この間ナバと結婚式もしたしなー
と納得するのに3秒とかかりませんでしたw

>>392
Aiceラジオは全員集合回の1、11、12、21、22、27、33、34、45、46、57回と
ツンデレ絵描き歌の9回、真澄による智秋評が聞ける28回、クッキーの話の38回、
ツアー打ち上げの話の43回、「真澄」についての44回、4つの成分ますみん回の53回あたりがオススメ
合わせてスタチャ公式のブログとか見ると更に吉
それで興味が出たらDVD買ってオフショットとかコメンタリーにニヤニヤすればいい
394名無しさん@秘密の花園:2009/09/09(水) 20:23:45 ID:qoHl/940
>>393
ちょうど今Aice5ラジオを聴いていたが…
お主とは良い酒が飲めそうだw
395名無しさん@秘密の花園:2009/09/10(木) 00:20:00 ID:Mc+BxxAk
>>393
あ な た が 神 か

クレクレに反応ありがとう
とりあえず全部DLしたからこれから聞くぜw
しかしまあ五人でラジオってすげえな
396名無しさん@秘密の花園:2009/09/10(木) 01:40:41 ID:IeHely+v
Aice5だとQ&Aで二人のある意味気が合ってる感じもよかったけど
まだサイトに残ってるんだっけ
まぁ写真集買ったからいつでも読めるけど
397名無しさん@秘密の花園:2009/09/10(木) 01:49:04 ID:r7rEkKDo
>>393
ちょw神ww
瞬時にそこまで答えられるなんて素で尊敬するw

智ますといえば自分はライブDVDでの
川`Д´)<百合る?
( `Д´)<百合らない!!
のやりとりが超好きだ!wべったりくっついて言うセリフじゃないだろうとww
智ますはますみんのツンデレっぷりが可愛いよなぁw
398名無しさん@秘密の花園:2009/09/10(木) 01:56:22 ID:REPtQB20
>>396
Q&Aはサイトには残ってない
まあ探せば載せてるブログとかはあるだろうけど
写真集で本人達も言ってたけど、あの変な息の合いっぷりは面白かったなw

>>394
(・∀・)人(・∀・)
語るぜぇ〜超語るぜぇ〜
399名無しさん@秘密の花園:2009/09/10(木) 02:03:15 ID:TEFAktaZ
全部DLに引っ掛かったのは俺だけか
400名無しさん@秘密の花園:2009/09/10(木) 06:38:49 ID:lVBsTVWM
いや、まあいいんじゃない
目を瞑る事も必要だと思うぞ
401名無しさん@秘密の花園:2009/09/10(木) 10:22:56 ID:1vz8da+r
中国人並みのモラルだな。
402名無しさん@秘密の花園:2009/09/10(木) 11:51:39 ID:oj4E4DDz
女性のSS職人って、やっぱり自分の体で試してから書いてんのかな。
鏡見ながら、いろいろな場所を触って、自らの表情の変化とかも観察しながら。
403名無しさん@秘密の花園:2009/09/10(木) 11:55:28 ID:23idcXcP
「あのさ静……静のブログの、プロフィールのことなんだけど……」
「! 何?どうかした?(よっしゃキター!)」
「あれ、『既婚』ってなってたけど、どゆこと?」
「ぇ、そのままの意味だって(仁美さんが気にしてくれてる…)」
「そっか…静結婚してたのかぁ……知らなかったな」
「ひ、仁美さん…?(あれ、なんか雲行き怪しい?)」
「なんで隠してたの?私には言いたくなかった?
佳奈とかは知ってるの?きみこは?知らなかったの私だけ?ねぇ静、答えてよ」
「ま、待って仁美さ…」
「静にとってはその程度だったわけだ、私は?」
「――!違う!」
「何が?」
「私が好きなのは仁美さんだけだから!」
「……じゃあ、プロフィールは?」
「あれは!…あれはだって、仁美さんと結婚、したじゃん……法的には関係ないけど、私は…」
「ふぅん…?」
「……本気なの。あの結婚式は、私にとって『本物』の結婚式だったから…」
「――静」
「ごめんなさい、仁美さん…ホントに、ごめ…っ」
「許さない」
「――っ」
「今日は、許さないから。……私、本気で驚いて、怖くなって、悲しかったんだから」
「うん…」
「だから今日一日、付き合ってもらうよ?」
「ぇ、ちょっ…、私、明日……」
「頑張って、ね?」
「〜〜!」


>>392
こうですか、わかりません(><)
404名無しさん@秘密の花園:2009/09/10(木) 13:55:34 ID:jhgBqvOX
>>403
正解だな
405名無しさん@秘密の花園:2009/09/10(木) 20:36:08 ID:LJUbC/xS
>>398
Aice5のQ&A言えば、ますみんを遊園地の乗り物に例えるなら?って質問で、
智秋が堂々と「お化け屋敷!!」って答えててwその時のますみんの答えが、
「お化け屋敷って言ったヤツいたらマウントポジションで殴る!」だったのはワロタww
406名無しさん@秘密の花園:2009/09/11(金) 01:13:26 ID:Bw9ml7oa
>>405
あぁ、そんなのあったなw
あの企画はニヤニヤできておもしろかったw
407名無しさん@秘密の花園:2009/09/11(金) 17:31:51 ID:qPK5r113
自分以外のメンバーを母、姉、妹、ペットにするなら? って質問で、
他の3人は智秋を姉とか母とか、年上ポジションに置いてるのに、
ますみんだけ「ペット」って答えてたり

あのしょうもない質問満載のQ&Aには案外妄想の種が転がってる
408名無しさん@秘密の花園:2009/09/11(金) 17:53:15 ID:HFzPvvGB
409名無しさん@秘密の花園:2009/09/11(金) 18:38:38 ID:ecSfQa7g
>>408
これの一枚目には載ってない

( `Д´)「これから、本番さながらに“ランスルー”をします。ね」
川`Д´)「ウン。アタシのギャグはいつもスルー、みたいな」
(`Д´ )「…………」
川`Д´)「ほらスルー」
( `Д´)川`Д´)「www」
( `Д´)「このようにw このようにw」

ってやり取りが好きだw
410名無しさん@秘密の花園:2009/09/11(金) 19:23:35 ID:lUsVtwdh
智ますって何気にベタな漫画みたいなキャラ設定なんだよなw
体育会系と文化系、茶髪と黒髪、派手なスタイルと落ち着いたスタイル、
呼び捨てとちゃん付け等々、所謂ベッタベタな正反対の二人組みっていうやつww
411名無しさん@秘密の花園:2009/09/11(金) 19:57:59 ID:2r5pXS8j
DVDのオーディオコメンタリーで、ますみんの付けまつげが取れている映像を見て
必死にフォローを入れようとするも、結局ますみんに突っ込まれる智秋さんが
可愛すぎて2人に萌えたw
412名無しさん@秘密の花園:2009/09/11(金) 23:31:57 ID:oA8G0TgL
智ます好きなヤツ多すぎww
おまえらみんなとAice5のライブDVD見ながら酒のんで語り合いてーw
413名無しさん@秘密の花園:2009/09/12(土) 08:00:15 ID:YPOEcrUd
これは次は智ますがウザがられる流れだな…
お仲間がいて嬉しいのは分かるけどもう少し落ち着こうぜ、な
414名無しさん@秘密の花園:2009/09/12(土) 08:17:25 ID:1XOWgQgi
一応出張所だし、SS待ちの人が智ます語りを延々見せられたら良い気はしないだろう
DL擁護発言もあったし、語れれば良い、仲間が増えれば何でも良い、みたいなノリは嫌だな
415名無しさん@秘密の花園:2009/09/12(土) 08:44:00 ID:fEiDddyJ
どうでもいいがあすみん絡みのSSの少なさに驚いた
416名無しさん@秘密の花園:2009/09/12(土) 10:23:20 ID:BzIO1pMa
語りスレで語るの控えろとはどういうこっちゃ
417名無しさん@秘密の花園:2009/09/12(土) 12:01:53 ID:dxYBOsJc
>>416
ほどほどにしとけって事だよ
智ますに限らずあまりにもしつこいと嫌がられる
418名無しさん@秘密の花園:2009/09/12(土) 12:05:25 ID:cKUjDIgF
>>415
アスミスにはなんか百合的な妄想をかき立てられる要素がいまいちないような気がする
419名無しさん@秘密の花園:2009/09/12(土) 13:26:39 ID:BzIO1pMa
>>417
何か話題があればそれで盛り上がる、別の話題が出ればまたそっちが盛り上がる。普通の流れだろ。
気にいらない話なら別の話を振るか静かにしてるもんじゃないのか。
それにアンチが湧きやすいネタはみんな比較的控え目にしてると思われる。
420名無しさん@秘密の花園:2009/09/12(土) 14:10:44 ID:0P/Qa2JY
他のCP貶してるわけじゃないし、普通の盛り上がりだと思うんだが…
こういう流れで智ますに興味もつやついるかもしれんし、と思うのは勝手な心理なのだろうか。
なるべく語りは本スレで!とも思うけど、どっちつかずな話も多いしなー。むずかしいぜ。


>>415
おまえさんが読みたい話をおまえさんが書く!そうすれば感化されたやつが絶対でてくるぜw
俺はまつらいさんとの絡みとか好きだw
421名無しさん@秘密の花園:2009/09/12(土) 16:49:32 ID:CBycBFMy
あすみんはどうして百合設定を嫌がるのだろうか
422名無しさん@秘密の花園:2009/09/12(土) 18:09:09 ID:TBsahlrW
本スレは新しいネタについての話題が多いからな…
423名無しさん@秘密の花園:2009/09/12(土) 18:58:06 ID:BzIO1pMa
>>421
うかつに認めていろいろ赤裸々になると困るから
424名無しさん@秘密の花園:2009/09/12(土) 23:06:08 ID:GJkaMsu5
もう時期が過ぎてしまったんだろうけどあやちーのSSを心待ちにして早一年
425名無しさん@秘密の花園:2009/09/13(日) 01:42:50 ID:Md+tgLK8
さりげに藍ゆう待ち
426名無しさん@秘密の花園:2009/09/13(日) 03:45:50 ID:ybkxkbaV
藍ゆうは消えていい
427名無しさん@秘密の花園:2009/09/13(日) 20:07:32 ID:e6WFrx9N
消えていいカプなんてネーヨッ
428名無しさん@秘密の花園:2009/09/13(日) 22:12:31 ID:AodSF7cP
426は消えていい
429名無しさん@秘密の花園:2009/09/13(日) 22:14:48 ID:ybkxkbaV
信者の嫉妬乙www
430名無しさん@秘密の花園:2009/09/13(日) 22:24:20 ID:4n/PBWeX
特別に、NG Wordという方法を教えてやろう
これでお前の嫌いな文字列を二度と見なくて済むぞ
431名無しさん@秘密の花園:2009/09/13(日) 23:32:13 ID:Da6sQIos
藍ゆうアンチが誰ヲタなのか気になるねぇ
432名無しさん@秘密の花園:2009/09/13(日) 23:50:07 ID:iAHJKsWO
何故藍ゆうの流れになるとアンチがわくんだ
433名無しさん@秘密の花園:2009/09/14(月) 01:53:21 ID:1wJZso/i
カプじゃなく声優にアンチ信者がついてるんじゃね?
434名無しさん@秘密の花園:2009/09/14(月) 06:30:02 ID:utYMOlME
>信者の嫉妬乙www

嫉妬の意味わかってないなこれ
435名無しさん@秘密の花園:2009/09/14(月) 07:38:02 ID:On+RxLpm
>>434
日本語不自由な人なんだよ、察してやれ
436名無しさん@秘密の花園:2009/09/14(月) 16:27:16 ID:NoaLaAbv
藍ゆうは一時期アホが目立ちすぎてアレルギーになった人もいる。
だからって単語見ただけで即座に拒否反応起こすのはどうかと思うがな。
437名無しさん@秘密の花園:2009/09/14(月) 19:53:29 ID:oChWePVn
雑食でどのCPも楽しめる俺、大勝利!ってことですね、わかります!

最近またAice5のDVD見返してニヤニヤしてる。
かんちがまどかのラジオにゲストとか、ますみんと一緒に学園祭でるとか、
ほっちゃんの聖誕祭に呼ばれてないわけがないとか、夜中いきなり智秋に来訪されてるだろうとか、
愛されかんちを妄想する日々だw
438名無しさん@秘密の花園:2009/09/14(月) 21:01:32 ID:6hOY4y5K
なばいと一択な俺参上
439名無しさん@秘密の花園:2009/09/14(月) 22:14:58 ID:NoaLaAbv
俺の中でアサカワ×キングがじわじわキテるw
440名無しさん@秘密の花園:2009/09/14(月) 22:23:06 ID:BpvGEeGF
>>439
あのアラサービッチ(←褒め言葉)二人組かわいいよなw
キングなんか土下座させられて喜んでるし
悠chanって呼び方もいい
441名無しさん@秘密の花園:2009/09/14(月) 22:32:32 ID:wZaQvcwS
キングがMなのかSなのかわからん
442名無しさん@秘密の花園:2009/09/14(月) 22:33:07 ID:BpvGEeGF
自称ドMだYO
443名無しさん@秘密の花園:2009/09/14(月) 22:44:03 ID:VVsObJg+
キングは見た目と反してドMなんだよなw
Aice5の時はますみんのスルー対応に興奮したり、リーダーの無邪気な毒気に興奮したり、
カンチの冷静なツッコミに興奮したり、mdkのブチキレに興奮したりとMっ気丸出しで忙しそうだったww
444名無しさん@秘密の花園:2009/09/14(月) 23:08:59 ID:EmJZAb1H
アスミは状況によってキャラがブレまくるのでなんか妄想しにくい
445名無しさん@秘密の花園:2009/09/15(火) 00:24:53 ID:a+WxSrVM
あすみん自身はフラグ折りたがるが、だいぶ愛されまくってるよな
主に松来さんとキタエリにw
446名無しさん@秘密の花園:2009/09/15(火) 00:35:23 ID:o/l1ad/A
フラグ折りまくりなのに、まつらいさんの誕生日に一緒にシーに行くアスミス…
意外とジゴロなのか?w
447名無しさん@秘密の花園:2009/09/15(火) 01:35:21 ID:gHnz+z+n
アスミンはロリコンだから松来さんはストライクだけど
三次元を解禁していいものか悩んでいると思えばいい
448名無しさん@秘密の花園:2009/09/15(火) 08:09:04 ID:QAaRHNnU
みゆみゆは合法ロリだから大丈夫なのよあすみん!
449名無しさん@秘密の花園:2009/09/15(火) 17:14:39 ID:LCVCdg5q
合法ロリと言えば`_`_もあすみんに興味を示していたな。
450名無しさん@秘密の花園:2009/09/15(火) 22:13:45 ID:NhDZ8oAs
きみきみ「(いい乳を)ありがとうございます…」
あすみん「い、いえ…(先輩だからしかたない…)」
451名無しさん@秘密の花園:2009/09/16(水) 04:54:49 ID:qKoxaceW
戸松遥と花澤香菜と早見沙織と遠藤綾と藤村歩のいずれかを登場させたSSください
4521/4『Angel Voice』  ◆IS0zEXOaMs :2009/09/17(木) 01:06:53 ID:JnilsONu
超ラジ後藤(酒)さんのBD回を見たら初っ端に熱い曲がかかったのでそのイメージに引っ張られて1本

出てくるのは後藤邑子さんと友永朱音さん。ほぼ二人の友情話。
後藤さんの相手は決められなかったのでぼかしています。
百合分薄め、オチも薄め。エロなし。
頼りがいがあって、少しヘタレで、下ネタいけて、たまに色っぽい。
そんな邑子姐のSSがもっとあってもいいと思う。



『Angel Voice』



細かい雨がポツポツと増えていく。
視界がだんだんボヤけていく。
泣いてなんかいないのに、どんどんドンドン。

あたしはいつから泣いていないんだろう?
泣くもんか、と誓ったのは遠い昔。まだあたしがピヨピヨの頃。
もう我慢なんてしなくても、涙の一滴も溢れやしない。
泣き方が分からなくなっていた事に、今更ながら気が付いた。

細かい粒同士がくっついて、飽和状態になって流れていく。
フレームの下に溜まった水滴が、また溢れてあたしの頬に伝う。
泣けなくなったあたしの代わりに泣いてくれているようだった。

なんで人の事でこんなに心が揺さぶられてるんだ?
あたし、関係ねーじゃんよー。
アイツ等が勝手に喧嘩して、勝手に仲直っただけじゃんね。だろ?


「………て、事があったんだわ」
「邑子それって、」
「うん?」
朱音の声が少し揺らいだ気がした。

久々に美味い酒。
料理も美味ければ尚酒が進む。泡盛サイコー!
気心の知れた相手とのお酒はやっぱりウマイ。
あたしを何でも知っている朱音となら、普段言わないような事まで口から流れてくる。
「邑子は、こう見えてホント乙女だよね」
「どう見えてんだよっ?」
「あははは。センチメンタルでロマンチストな、漢?」
「男じゃねー!」
「そうだよ。男の人じゃないのに。邑子、たまに無理してるんじゃないかって思う」
ゴトゥーザ様が一人歩きし過ぎないようにね。朱音が優しく言ってくれる。
「うん」
朱音はホントあたしを見てくれていて、いつも驚かされる。
4532/4『Angel Voice』  ◆IS0zEXOaMs :2009/09/17(木) 01:07:35 ID:JnilsONu

「最近の邑子は誰彼ともなくモテそうで、ちょっと嫉妬しちゃうな」
「言う程はないよ。それに、女子にモテても仕方ねーじゃん?」
「男子だったら、いいの?」
「え、と…」
微妙に鋭い。
朱音に誤魔化しなんて効かない、か。
「嘘、どっちでも一緒。好きになって欲しい人じゃないと意味ないよな」

ねぇ、朱音。
好きが分からない時はどうしたらいい?

*

「そうだ!休み貰えたんだって!まだ先だけど」
店を出ると、もう夜も更けていて。
タクシー乗り場へ向かいながら話していた。

今度の休みは神奈川にツーリングの予定。
休みがないと、仕事のバイク移動禁止がジワジワ首を締め出す。
やっと可愛いコを動かしてやれると思うと、テンションも鰻登りになる。
「雨にならないといいね」
もう妄想では休みの前日辺りまですっ飛んでしまって、ニヤケているあたしに朱音が一言呟いた。
「うん、ありがと。大丈夫だよ」
朱音はあたしを止めない。
馬鹿みたいにバイク好きなのは知ってるから、危険だから乗るななんて絶対に言わない。
でも、朱音だけじゃなくて。
あたしが大切にしたいと思う人達が、あたしを心配してくれているのは知ってる。
怪我をした時に泣かせてしまう事も分かってる。

いつか。
傷付けたくない誰かの為に、バイクを降りるという選択肢を選ぶんだろうか。
そんな誰かが、いつかはあたしの前に現れるんだろうか?
「心配だから…」って、あの声で言ってくれるんだろうか?
4543/4『Angel Voice』  ◆IS0zEXOaMs :2009/09/17(木) 01:08:19 ID:JnilsONu

白、白、白。
ヘッドライトが流れていく。
下に見えるイルミネーションが近付いてくる。
レンズが汚れていて左側の視界が少しボヤけて見えた。
気になって眼鏡を拭こうと外したら、逆の昇りエレベーターで擦れ違った女の子達の声が一瞬途切れた。
いや、あたしの知っている声だけが聞こえなくなった。

(──いる!)
耳につく声。
意識なんてしていない筈なのに、耳から離れないあの声。
確かめようと振り向いても、眼鏡を外したばかりの視力なんて無いも同じ、何も見えやしない。
慌て眼鏡をかけてみたけれど、思わず握っていたのか手の油がベッタリ付いてて、さっきよりも視界がボヤけた。

苛々すんだよ。
見掛けたんなら声掛けてくればいいのに、黙って気付かないふりとか。
きっと次回会ってもその話にはなんないだろう。
「クソッ!」
何に遠慮してんだよ!
あたしのこと嫌いなんじゃないなら、そんな変な気の使い方すんなよ。
「邑子?!」
あたしを、好きなんだろ!

使えない眼鏡を投げ捨てて、降りていたエレベーターを逆走する。
後ろから聞こえる朱音の声が徐々に小さくなる。
思ったように進まない自分の立ち位置が、もどかしい気持ちをなぞるようでウザったい。

息を切らして上まで上がると、そこにはもう誰もいなくて。
逃げられた!と床にしゃがみ込んでいたら、聞き馴染みのある声があたしを呼んだ。
「邑子」
顔を上げると、「はい」とあたしが投げ捨てていった眼鏡を渡してくれる。
キレイに汚れを拭き取ってくれていて、クリアになった視界には見慣れた朱音の顔が見えた。

困ったように笑う朱音の顔がドンドン近付いて、合わさっていた視線が外れると、二人の距離は0になる。
そうだ。人の肌が暖かいって事もあたしは忘れていた。
「あれ?ゴメン。泣き出しそうな邑子見てたら、つい」
離れてから聞こえてくる朱音の声。
なんだ?今の?え?泣き出しそう?
誰が?…あたし?

何だよ。
年甲斐もなく走った挙げ句に、何も出来なかったからか?
体力バテバテで情けない事この上ないからか?
朱音に格好悪いトコ見られちゃったからか?
どうしても、アイツの名前呼べなかったからか。

悲しくても寂しくても泣けないのに、悔しさが涙腺を叩く。
こんな事に拘って悔しがっている自分の器が小さくて、情けなくて。
「あたし達、もういい年じゃん?この年で誰かを本気で想えるって中々ないよ」
後、何十時間でまた一つ増えるしね。
やり残した宿題は、ブッチ出来ない物ばかりが年々溜まっていく。
「そうやって思わず追い掛けるくらい気持ちが動いてんなら、ちゃんと好きだって認めてやりなよ」
4554/4『Angel Voice』  ◆IS0zEXOaMs :2009/09/17(木) 01:09:01 ID:JnilsONu

その子にも、自分にも。
邑子自身がはっきりしないのに、相手に動いてもらおうなんて狡いな、と朱音は言う。

いくつになっても…逆かな?
年を取れば取る程に、他人とマジで向き合う事を躊躇してしまう。
茶化したり、流したりばかりが上手くなっていく。
「不安なのは、あたしだけじゃないって事か…」
「……………」
朱音は何も答えない。
問いかけた言葉は、人気のなくなったホールに少しだけ響いて、消えた。


「走ったからスッカリお酒抜けちゃったよ」
「戻る?」
さっきまで居た沖縄料理屋の方を指差して聞く。
確か並びにバーがあったような気がする。
「邑子ん家でいいよ」
「あー?」
「明日のスタジオはアンタん家の方が近いんだわ」
「ん、わーった。じゃ行くべ」
このままタクで帰って、確実に朝まで飲んで喋るんだろうな。
でも、さっきの話はきっと出ない。
あたしがキッチリ決着つけるまで、朱音は何も言わないんだろう。

ホント、いい奴。あたしには勿体無いくらいの、いい奴。
これから、あたしの中に色んな人が増えたり減ったりしても、お前の場所だけはドッシリと動かしようがないよ。

左手に馴染みのない重さを感じて、目をやると朱音に貰った時計があった。
4つしか点のない文字盤に、うっすらと映り込む月が見える。
空を見上げても今は半分しか光っていないけど。

「あ、あそこ一台あんじゃん?」
「マジ?」
「ここ捕まんないんだよ、急げっ!」
「おぅ!」

どんなに形を変えてもそこにある。
お前とはずっと、そうあれたらいいな。



end.
456名無しさん@秘密の花園:2009/09/17(木) 02:34:59 ID:gX8bIH+b
>>452
gj!
ゴットゥーザ様・・・ついていきます!!
相手が分からないって所がまた良い。
457名無しさん@秘密の花園:2009/09/17(木) 04:48:54 ID:gy9j4ODp
引き込まれてつい読んでしまった
GJ
458名無しさん@秘密の花園:2009/09/17(木) 09:28:45 ID:d1ZSVqCd
>>452
GJ、ファンから見ると漢な印象が強いが、親友だと色んな面が見れるんだろうなあ

>頼りがいがあって、少しヘタレで、下ネタいけて、たまに色っぽい。
>そんな邑子姐のSSがもっとあってもいいと思う。
↑に全面的に同意
459名無しさん@秘密の花園:2009/09/17(木) 12:44:04 ID:OCrbfwlB
>>452
邑子がむらこで脳内再生される
オッサンには反則な選曲やんwwwwGJGJ!
460名無しさん@秘密の花園:2009/09/17(木) 20:09:15 ID:P4E855/Y
>>452
GJ!
男らしくて色っぽい。むらこの良いとこが伝わってきたぜ。
相手ぼかしてるとこもいいな。
461保管庫の”管理”人さん宛  ◆IS0zEXOaMs :2009/09/17(木) 22:23:47 ID:JnilsONu
あまりにもゴトゥーさん達が超人になってしまうので、
>>454の5行目と23行目の『エレベーター』を『エスカレーター』に訂正願えませんか?
【訂正後】
5行目:気になって眼鏡を拭こうと外したら、逆の昇りエスカレーターで擦れ違った女の子達の声が一瞬途切れた。
23行目:使えない眼鏡を投げ捨てて、降りていたエスカレーターを逆走する。

お手数おかけします。色々とごめんなさい。
読んでくれてありがとう。
462名無しさん@秘密の花園:2009/09/18(金) 01:51:20 ID:1IRDzwAn
井上麻里奈、甲斐田裕子、サトリナなんかもありそうなのに保管所にはないな。
なばいとみたくブログ書きが多いとか?
463名無しさん@秘密の花園:2009/09/18(金) 03:45:41 ID:OOSlwb5t
みなみけの中の人中心ってサイトはよく見かける
甲斐田さんは見たことないな
464名無しさん@秘密の花園:2009/09/18(金) 03:50:01 ID:ET/jvsu6
ネギま・Aice5・ななゆか
この辺のサイトは異常なまでに多いよな
465名無しさん@秘密の花園:2009/09/18(金) 09:34:03 ID:P8ovD9TM
なばいとがジャスティスの人が多いのに
サイトが少ないとはどういう事だ
466名無しさん@秘密の花園:2009/09/18(金) 10:11:58 ID:Vrn6YCIa
三瓶さんと田中理恵さんとのラブラブ写真に
嫉妬する小清水さんw
 
467名無しさん@秘密の花園:2009/09/18(金) 14:46:43 ID:zyUK0k5t
まぁサイトは書き手側がいるかどうかってことだからな
468名無しさん@秘密の花園:2009/09/18(金) 19:03:17 ID:Zv9S6wbj
それはサイトに限らず言えることかと
469名無しさん@秘密の花園:2009/09/18(金) 21:31:26 ID:/scuqDEu
>>465
本人たちのブログ発言でいくらでも妄想できるからねえw
470名無しさん@秘密の花園:2009/09/18(金) 22:51:25 ID:/o9WvCgV
>>464
携帯サイトでその3つになばいと、えりんごすがあるって感じだな
471名無しさん@秘密の花園:2009/09/18(金) 23:55:23 ID:8NyRh24f
>>465
なばいとは現実が妄想を超えるからだぜ!!
元なばいと書きの俺が言うから間違いない。
472名無しさん@秘密の花園:2009/09/19(土) 00:05:40 ID:qytFvPz6
えりんごすも同様に書きにくいわ
動画でいろいろ残ってるからなあw
473名無し募集中。。。:2009/09/19(土) 00:27:36 ID:MKNUB1WA
たしかにw
適度に妄想の余地がある方が書き易いわ

なばいともえりんごすも書くけどww
474名無しさん@秘密の花園:2009/09/19(土) 00:41:22 ID:D2sjoQHU
書くための資料にアニメのコメンタリーや雑誌やCDトークやラジオやら
集めたくなるからその消化だけでお腹一杯になったりする
買えないのも多いしラジオ起こしとか見つけると本当に助かる
475名無しさん@秘密の花園:2009/09/19(土) 03:19:09 ID:d1nTltOS
見つけられないというのもある。安心は安心だけどね。やっぱり生物だし
476名無しさん@秘密の花園:2009/09/19(土) 03:21:21 ID:x+8eu0L/
ランキングサイトとか辿らんと見つけられない
まあ検索避けがきちんとしてるのはいいことだよな
477名無しさん@秘密の花園:2009/09/19(土) 03:43:12 ID:0xRD5PV3
ランキングとかサーチ登録なんて余計にタチ悪くね?
478名無しさん@秘密の花園:2009/09/19(土) 06:48:23 ID:7rOIT9wf
>>477
手間なしで普通の検索で出るほうがマズイだろ
検索よけの意味理解してないのか?
479名無しさん@秘密の花園:2009/09/19(土) 10:43:53 ID:R5qFJ0DA
まぁそのランキングが検索に引っ掛かるわけですけどね
登録してたら意味なくね?
480名無しさん@秘密の花園:2009/09/19(土) 11:20:24 ID:7rOIT9wf
>>479
それいったら2chのスレだってでるんだが、このスレ消すのか?レ
481名無し募集中。。。:2009/09/19(土) 13:58:48 ID:Ym8K9zkU
サイト自体がきちんと検索避けされてて入り口もパスとかついてたら
ある程度は閲覧者の振り分けはできてると思うけどな
まあ、あからさまな名称のランキングは俺もどうかと思うけど

どっちにしろここでする話じゃない
482名無しさん@秘密の花園:2009/09/20(日) 13:33:38 ID:1nChT4mV
`_`_`_`_は素人にまで手を出してをのか
483名無しさん@秘密の花園:2009/09/21(月) 00:05:49 ID:/cx4J4IA
画伯がライブで愛しの野中さん発言をしたそうですね
藍ゆうが育まれてて密かにwktkした
484名無しさん@秘密の花園:2009/09/21(月) 10:27:51 ID:M3tlNgDf
ほっちゃんどれだけ愛されてるんだか
周りからのアピール度が凄いな
485名無しさん@秘密の花園:2009/09/21(月) 12:17:30 ID:jlMyOSgZ
藍ゆうってなんか相思相愛な感じがしないんだけど…。
486名無しさん@秘密の花園:2009/09/21(月) 12:21:06 ID:/cx4J4IA
それだとうりょ藍は浮気なん?てなるなww
隠れデートしてたみたいだし。
487名無しさん@秘密の花園:2009/09/21(月) 12:49:04 ID:LDdlUyA6
そもそも野中は百合アピールしないからな
488名無しさん@秘密の花園:2009/09/21(月) 13:04:38 ID:2PYsA57D
ゆうさんのライブ当日に浮気デートか
気を使ってデート相手を書かなかったうりょと
さらっとブログでバラしちゃうあいぽん
489名無しさん@秘密の花園:2009/09/21(月) 16:25:06 ID:mh7I9qJN
藍ぽんがやたらとうりょと仲良しアピールしてるのが気になる
うりょ藍前提に考えてもやっぱりゆうさんがチラつくねぇ
490名無しさん@秘密の花園:2009/09/21(月) 21:24:14 ID:AjWXCESA
何故藍ぽんと一緒だった事を書かなかったんだろ?。何時もなら、嬉しそうに藍ぽんの事を書くのに。物凄い違和感。次の日記も写真だけで藍ぽんの事にはふれていない。
491名無しさん@秘密の花園:2009/09/21(月) 21:43:10 ID:OsnA1S1V
一方その頃、ゆうさんは自分のラジオから派生したアニメのヒロイン役に藍ぽんをキャスティングしていた
492名無しさん@秘密の花園:2009/09/21(月) 22:46:08 ID:54+PLKe+
きっと言えないようなラブラブなことがあって、うりょっちはヘタレゆえに照れて書けなかったんだ!
とか考えてしまう自分は末期
493名無しさん@秘密の花園:2009/09/22(火) 16:08:00 ID:5mAO+19K
小林ゆうスレ見てて



まじガチ百合かもしれない件
494名無しさん@秘密の花園:2009/09/22(火) 17:47:11 ID:CYbV670e
スレは知らんがラジオとか聞いてるとガチ臭がする
495名無しさん@秘密の花園:2009/09/22(火) 20:40:10 ID:VM8z8TGg
なんか、小林ゆうは百合的な意味ですっごくドロドロしてそうな感じがするのは彼女の描く絵のせい
496名無しさん@秘密の花園:2009/09/22(火) 21:18:34 ID:Og6uMLnv
>>493
爪の事とか?
497名無しさん@秘密の花園:2009/09/22(火) 21:26:43 ID:toyAcnpB
たしかに画伯がつけ爪してるところも見たことないね
498名無しさん@秘密の花園:2009/09/22(火) 22:00:14 ID:Erlp6cVS
画伯の百合エピソードは他にはないの?
4991/3『9.21 09:21』  ◆IS0zEXOaMs :2009/09/22(火) 22:05:15 ID:0Q5WLthn
いつも流れ切ってすいません
白石涼子×野中 藍
話題に上がっていたブログ見に行ったら可愛らしいことをしていたので前日を妄想
口調に違和感があるかと思うので脳内変換かスルーでお願いします


『9.21 09:21』


「あたしも行ってみたかったんですよねー!」

若干食い気味に口から出た言葉は、見事なまでに嘘だった。
パンとエスプレッソのお店なんて、下手したら一生入ろうなんて思わなかったかも知れない。
こんなおしゃれカフェ。。。気後れしちゃう。
だから、さっきの言葉を正しく言うなら、
『あたしも(野中さんとならどこへだって)行ってみたかったんですよねー!』かな?
こんな風に、気持ちをスラスラ言えるような器用な子だったらよかったのにな。

だんだんと気が滅入ってくるのは、目の前のお皿にちょこんと鎮座している可愛い子。
エスプレッソちゃんの扱いにほとほと困ってしまっているから。
ミニマムなボディにエスプリの効いた苦味がドーン!!
慌て砂糖を入れたら、加減が分からずに甘くなりすぎちゃって……もう最悪。

隣をチランて見ると、優雅にカップを傾けている野中さんの横顔が見えた。
可愛くて、様になっていて。ついジーッと見とれていたら、こっちを向いてニコッて笑ってくれた。
(ド、ドキッ?!)
思わず心の中でベタな擬音を黙読してしまう。

ハァー…。
今日、来て良かった。
場違いなカフェに戸惑っても、小っちゃなコーヒーに弄ばれてても。
野中さんと二人っきりって、シアワセ。
「アレ?苦手だった?」
もう一回幸せのため息をついていると、野中さんが心配そうに声をかけてくれた。
「いえっ、全然!大好きですよ〜」
…野中さんの笑顔が。

ふた口飲んでから止まったままのエスプレッソのことだとは分かっていたけど、ついつい、また嘘を重ねてしまう。
それを自分自身にまで言い訳しているのが何だか情けなくなってきた。
一人で上がったり下がったりしているあたしを見て、野中さんがクスクスと笑っている。
「うりょっちは面白いなぁ〜」
「そんなことないですよー」
「そんなことあるよ〜、あたしそういうトコ大好きだもん」
「え?えっ?あっ、あたしもです!」
「え〜?」
あれ?何かニュアンスが違う?ような?
逆か!逆だよっ!
「やっ!違った!自分が好きってんじゃなくて、あの…あーっ!何言ってんだ?あたし」
「アハハハ〜。やっぱりうりょっち面白い〜!」
あぁ…、最悪。
もう、野中さんが笑ってくれたことしか救いがないよ。
ガックリと落ち込んでいるあたしを気にしてか、そうでないのか、野中さんは話題を変えた。
「そうだ、うりょっち。欲しいものってある?」
「え?」
顔を上げると野中さんはやっぱり笑顔であたしを見ていた。
5002/3『9.21 09:21』  ◆IS0zEXOaMs :2009/09/22(火) 22:05:50 ID:0Q5WLthn

欲しいもの。
ずっと知りたいのは、野中さんの気持ち。
ふわふわと掴み所のない野中さん。
確実にあたしの方が好きなのは分かっているけど、それでも少しは野中さんもあたしのコトを…。
なんてないですよね?
分かってます。分かってますって!

それでもあたし頑張りますから。
野中さんに相応しくなれるように、野中さんが惚れちゃうような魅力的なあたしになれるように。
頑張りますから。だからあたしのコト、ちょっとだけでも見ていて欲しいな、なんて…。
「うん、分かった」
え?!の、野中さん、テレパシー?
「コレだぁ〜!」
背中からジャーン!と現れた小さな手提げ袋。
戸惑っているあたしは若干放置気味に、ズイッと差し出された小袋。
「誕生日の。遅れてゴメンね」
「え?ホントですか?もらっちゃって、」
「もちろん!やっと渡せたよ〜。うりょっち、おめでと」
「うゎー!うゎーありがとうございます!」
ウキウキで包み紙を開けるあたしの横で、野中さんは少し苦笑しながら口を開いた。
「あは。想像したのと違うよね?」
いや、いやいやいや。
ある意味ビンゴですよー。
“モノより思い出”!!
誕生日よりこっち、野中さんがあたしのことを思っていてくれたなんて、嬉し過ぎです。

「欲しかったです」
野中さんからの気持ちの形。
コレが、欲しかったです。
「ウッソだぁ〜?」
「ホントですよー」
「え〜?うりょっちはスグに合わせちゃうからな〜?」
怪訝そうに笑う野中さん。
その顔も好きです。その声も好きです。
野中さんを好きな気持ちは嘘偽りないんですよ。
「すっごく、嬉しいですっ!」
噛みしめて言ったら、お笑いの“悔しいです!”みたいになって、また笑われた。

「うりょっちサイコー!あ、ホント。さっき言ったのも本当だから」
「はい?」
「遅れちゃった分、リクエスト受けようと思って。欲しいの言ってね」
「そんなっ!もう十分ですよ!」
「え〜?遠慮しなくていいのに。じゃあ、やって欲しいことでもいいよ」
やって欲しい、コト。

…………。
少し考えて、ブンブンブンと首を振る。
気持ちはもらうモノじゃないからね。
「じゃあ、」

明日、今日のことをブログに書いて下さい。
あたしも書きますから。
明日は21日だから、何時でもいいんで“21分”にUPして下さいね。
で、もし。もし同じ時間にブログ書けたら。

──また今度デートして下さいっ。
5013/3『9.21 09:21』  ◆IS0zEXOaMs :2009/09/22(火) 22:06:39 ID:0Q5WLthn

な〜んだ、コレ?
時間が重要なんじゃない、もちろん日付も。
商品のデートですら最重要項目じゃない。
野中さんと示し合わせてブログ書きたかっただけ。
ただ、それだけ。

だからあたしは、はやる心を抑えられなかった。
野中さんはきっと、朝か昼頃にUPするんだろうと予想は出来たけれど。
日付が変わってスグ。
もう下書きは終えていた日記をUPした。

『いいけど、うりょっちちゃんと正直に感想書いてね?また適当なの書いたら、UPした日記消すよぉ?』
『え゛?それは困る』
『なら、ちゃんとね。“ココ”の感想だよっ』
あたし達が座っていたカウンターを、人差し指でコンコンとしながら野中さんは言った。

やっぱりバレてました?よね。
ちゃんと正直に書きましたよ、野中さん。
あたしももう大人ッスから!なんて。
さて寝ようか、と充電器に挿した携帯が突然震え出した。
見知った番号、好きな人の名前。

 野中さん(あいぽん)

一瞬、画面に表示された字に見とれてしまったけど、我に返って通話ボタンを押す。
「はい?」
『何だよ〜アレ!明日って言ったじゃん?まだ今日…アレ?もう今日?』
「あはは、スミマセン」
『もぉ、デートはするからね!』
「え?でも、」
『するよ!約束でも景品でもプレゼントでもないの!あたしがうりょっちとデートしたいの!』

ズッギュゥウウウウーーーーッン!!
これは、本日一番のビックウェーブ。アレ?もう昨日か?
ええいどうでもいいや!
破壊力抜群の野中さんの言葉に、あたしの思考回路もオーバーヒートする。
「のな…あ、えーっとあい、あい…っ」
『なぁに呼び捨て?』
「んなコトっ、出来るワケないじゃないですか!」
『そう?それもいいかな?って思ったのに』
「だっ?!」
『ウッソ♪』
「野中さーーんっ!!」

この先も、この人に敵うはずなんてない気がする。
尻に敷かれたままで十分ですから。
急にどうこうなんて望まないですから。
少しずつでも近くに。野中さんの近くに行きますからね!
絶対、待ってて下さいね!ねっ、あ…あいぽん。


end.
502名無しさん@秘密の花園:2009/09/22(火) 22:16:10 ID:fBFTKgjx
>>501
GJ!藍ぽん先輩かわいいなぁ

>>498
女子高時代に同級生から告白されたり
憧れの人の話になったとき、女性にしか憧れたことがないと言ったり
デートの妄想したときに、自然に相手が女性になってたり

基本男性声優と絡まないからか、探せば色々ある
さらにあんまりプライベートの話しないから、妄想のしがいがあるお方ですw
503名無しさん@秘密の花園:2009/09/22(火) 23:03:54 ID:XzJYerEG
うりょ藍GJ!
お互いのブログ見返して、ニヤニヤしちゃうな
504名無しさん@秘密の花園:2009/09/22(火) 23:26:11 ID:5mAO+19K
>>501
早速萌え話が!
これが真実だよね?ヘタレうりょっちが書けなかった本音ww
505名無しさん@秘密の花園:2009/09/23(水) 22:34:33 ID:V/RC+zf0
白石涼子は男の臭いが強すぎてダメだわ
506名無しさん@秘密の花園:2009/09/24(木) 02:09:45 ID:5XaYuQw1
板間違えてる
507名無しさん@秘密の花園:2009/09/24(木) 09:09:01 ID:izpHjRZ3
>>496
人差し指だけとかリアルすぎるww
付け爪とかで隠せるのにな自然すぎるゆうさんw
508 ◆eNIM4lH5t. :2009/09/24(木) 09:59:48 ID:SjfEgAq+
SS投下します。
ずいぶん遅くなりましたが阿澄×松来、誕生日@ディズニーシーネタ。
結構長めです。すみません。

タイトルは「そのぬくもりが、嬉しくて」
509 ◆eNIM4lH5t. :2009/09/24(木) 10:00:37 ID:SjfEgAq+
ぼんやりと遠くを眺めていると、慌ただしい足音が近づいてくるのに気がついた。
せわしない雑踏の中でも目立ってしまっている。余裕は欠片もない。
そちらに振り返ると、やはり見慣れた待ち人の顔。
彼女の表情は若干険しい。目が合うとさらにそこに申し訳なさが加わってしまった。

「松来さん!すみません!遅くなってしまって…!」
「あすみんおはよー。いいよいいよ。今来たばっかりだし。」

定番の言葉を返すと、あすみんは息絶え絶えのままぺこりと頭を下げた。

分け目がちらりと見えて、衝動的に頭に手を伸ばす。
そういえば、あすみんの頭って撫でたことないなぁ。
そもそもなんで手を伸ばしちゃったんだろ?
なんとなく心地がよいので、ぽんぽんと撫で続けているとあすみんは上目遣いで少し頭を上げた。

「松来さん…?」

困惑の混じった大きな瞳に見つめられてぐっと言葉が詰まる。
真っ直ぐ私へ向けられた視線。
不意打ちもいいところ。
心が、射止められる。

「…私とて懐は狭くない。許してつかわそーぞ!」
「ははーっ!ありがたきお言葉っ。」

なんだかわからなくなったのでとりあえず茶化しとこう。
あすみんもしっかり乗ってくれたから満足。
顔を上げたあすみんが笑ってくれたからさらに満足。
つられて私の頬も緩んだ。
510 ◆eNIM4lH5t. :2009/09/24(木) 10:01:19 ID:SjfEgAq+
でも許すも何も…そもそも待ち時間は苦にならなかった。
頭の中はこれからのことでいっぱい。
夢の国に思いを馳せて、ひとりほくほくしていた。
誕生日にあすみんとふたりででぇと。しかも夢の国。
楽しいこと間違いなし。期待が高まらないわけがない。

「殿ぉ、参りましょー!」
「よぉし!出陣じゃ!」

些細なやり取りだけど楽しくなってきて、顔を見合わせて笑いながら出発した。


今回の夢の国への旅はあすみんからのお誘いだ。

とある現場のロビーでスケジュールを確認していたら、隣にあすみんが座った。
ちら、と覗き込んだあすみんが一言。

「あれ?誕生日、予定空いてるんですか?」

ぽっかり空いた9月14日が目にとまったらしい。
誕生日、ちゃんと覚えててくれたんだ。

「そーですよーぅ。ひとりでトシを取るんですよーっ。」

嬉しいな、と思ったけど、素直に出せずにひがんだ口調になってしまった。
あすみんは少し大人の顔で苦笑を漏らす。
が、一瞬後にはすっかりいたずらっ子になっていた。
511 ◆eNIM4lH5t. :2009/09/24(木) 10:01:59 ID:SjfEgAq+
「一緒に過ごしてくれるイイヒトとかいないんですかぁ?」
「どーせいませんよー!まだまだ独り身ですよー!」
「あれぇ?今年中に結婚…。」
「あ″ーっ!もー!!」

勢いのまま、あすみんの肩を持って揺さぶる。
にやにやしたまま揺さぶられるにまかせていたあすみんだったけど、ひとしきり揺さぶられた後、ふと真顔に戻った。

「ほんとに空いてるんですか?」
「空いてるよー。一日ガラ空き。」
「じゃあ一緒に遊びに行きましょうよ。私も空いてますし。」

あすみんは言葉とともに、柔らかい微笑みを向けた。
さっきまでのいたずらっ子とは大違い。
あすみんはたまにこういうギャップを見せる。
なんか、ずるい。

微笑みに心を取られて、返事をするのが少し遅れてしまった。
あすみんの怪訝そうな表情が目に入る。

「あ、うん。行く行く。超行く!」

普段、人を誘ったりとかしないタイプなのに。だいぶ珍しい。
そして、すごく嬉しい。
512 ◆eNIM4lH5t. :2009/09/24(木) 10:02:33 ID:SjfEgAq+
目的地に近づくにつれ、空気はだんだん現実から遠退いてゆく。
心地よい非現実性に胸がときめく。
来るたびに思うけど、雰囲気作りが徹底してるよね。

入園ゲートをくぐると、もうそこは完全に。

「来ちゃった!夢の国ー!!」
「わーい!来ちゃったー!」

ただ入園しただけなのに二人ともむやみに楽しくなってしまった。
少し声が大きかったのか、何人かを振り返らせてしまう。
だめだめ。大人大人。
落ち着かないと。

「平日なのに結構人いるねー。」
「あー、あれじゃないですか?大学生はまだ夏休みだから…。」
「そっか。いいなー大学生。」

流れに従ってゆるゆる歩きながら見渡すと、確かにそれくらいの年頃の人が多いような気がする。
それと同時に目に付くもの。

「耳!買おうよ!」
「いいですね耳!必須ですよね。」

入口から離れるにつれ、人々の頭についた耳が目に付くようになってきた。
遅れちゃいけない。全力でのっていかないと。
逸る気持ちに、ふたりとも自然と早足になってショップに入った。
513 ◆eNIM4lH5t. :2009/09/24(木) 10:03:12 ID:SjfEgAq+
「カチューシャのとパッチンのと、どっちにします?」
「んー…。」

とりあえずつけてみて考えよっか。
何も言わずに、一番手近だった、マリーちゃんのカチューシャをあすみんにつけてみた。

「に″ゃー。」
「あすみ〜ん?もっとかわいくできるでしょー?」
「に″ゃーっ!!」

どう聞いてもドラ猫でした。
見た目はすっごくかわいいんだけどな。

ああだこうだとつけあって、きゃっきゃした結果。

「あたしこれー。」
「じゃあこれにするー!」

ふたりとも、手に取ったのはパッチンタイプのネズミ耳。
帽子に小さく耳がついた感じのものだ。
あすみんはピンク、私は赤。

「松来さん真似しないでくださいよぅ。」
「あすみんこそ真似すんなよぅ。」
「なんだとぉ?」
「このっ!」

しばらくにらめっこしてみたけど、堪えられなくなって、ふたり同時に噴き出す。
何の打ち合わせもなく色違いに落ち着いたのはびっくりだ。
気が合う証拠…なのかな?
514 ◆eNIM4lH5t. :2009/09/24(木) 10:03:42 ID:SjfEgAq+
ショップを出てすぐにお互いにつけあった。
あすみんの髪はさらさらしていて指に心地よい。

「ん!ついたよ〜。」
「ありがとうごさいますっ。」

身長差のために少し屈んでいたあすみんが顔をあげてぱっと微笑む。
おかえしとばかりに、さりげなさを装ってまた頭をぽんぽんしておいた。
ほわっと温かい気分になる。
頭撫でるのってなんかいいなぁ。
515 ◆eNIM4lH5t. :2009/09/24(木) 10:04:21 ID:SjfEgAq+
準備も調ったところでいざアトラクション。

「何乗りますか〜?」
「そうだね、どうしようか…。」
「私、最初はまったり系がいいです。」
「そっか。じゃあタワーオブテラー乗ろっか!」
「松来さん、話、聞いてました?」

うぇー、なんて言いながらもあすみんはついてきてくれた。
だけど、並びだしてから、自分でも無茶振りをしたかな、と後悔し始めたりして。

「あすみん、流石に無謀過ぎたかなぁ。」
「そうですよ。最初からハード過ぎますよぉ。」

あすみんはため息混じりに吐き出した。
なんだかすごく申し訳ない気分になってきた。

「でも、並んだからには乗らないともったいないですよね。」
「だね。どーしようか?」
「こうなったらテンションで乗り切ったらいいんじゃないですかね!もう!」

あすみんの作戦に忠実に行動した結果、乗る頃にはテンションが上がりすぎてふたりして訳がわからなくなっていた。

乗ってからはさらに騒ぎまくった。
仕事柄ふたりとも声はしっかり出る。
そのふたりが本気で騒いだとなると。
一緒に乗った他のお客さんには迷惑をかけたと思う。ごめんなさい。

あすみんは始終文字に表現しづらい奇声をあげていた。
その時のあすみんの表情を見る余裕はなかったけれど、声だけでもずいぶんと楽しませてもらった。
516 ◆eNIM4lH5t. :2009/09/24(木) 10:04:57 ID:SjfEgAq+
一通り騒いで、降りた後に満足感とともに疲労感がどっと押し寄せて来た。
もう…若くないかもしれない。
出てすぐのところで立ち尽くす。

「楽しかったですね。」
「でもなんかすごい疲れたね。」
「ですね。」

ふたりでため息をひとつ。
やはり無茶はよくない。身に染みた。

「今度こそまったり行こっか。」
「そうですね…。」

そのあとはがっつかずにふたりでぶらぶらした。
時期柄、あちこちがハロウィン仕様になっていて、かわいい。
あちこちかぼちゃまみれだ。

ぶらぶらして、他愛もない話で笑いあって、たまにアトラクションに乗って。
普段ならしっかりアトラクションに乗らないともったいない!って気分になるはずなのに、それだけで楽しかった。

隣にあすみんがいるからかな?
あすみんとでぇと、ってだけで舞い上がってしまっている自分がいる。
517 ◆eNIM4lH5t. :2009/09/24(木) 10:05:37 ID:SjfEgAq+
ここ最近、秋の訪れを感じさせるような天気が続いていた。
一転、今日は夏に戻ったように暑い。
天気予報でそうなることを知っていた私は、それに合わせて服を選んできた。私、えらい。
ただ、舞い上がっていたので、少し、抜けていた。
上着、忘れた…。

日が傾くにつれ、気温が下がってきた。
加えて、ここは海が近い。
風は時に激しく吹き付ける。
正直、寒い。

日が傾く、といってもまだ夕方といったところ。
今日は閉園近くまでいるつもりなのに。
弱ったな。どうしよう?

「寒いんですか?」

無意識のうちに腕をさすっていたのに気付かれたみたい。

「あ、うん。ちょっと…。」
「松来さん、今日薄着ですもんね。」
「天気予報で暑くなる、って言ってたし。」
「上着、持ってきましょうよ〜。」

やれやれ、といった風情であすみんは手持ちの荷物を下に置いた。
あれ?と置いた荷物に目を取られているうちに肩に暖かい感触。
目に入ったのは見慣れたベージュ。
あすみんが自分が来ていたカーディガンを私にかけてくれていた。
518 ◆eNIM4lH5t. :2009/09/24(木) 10:06:14 ID:SjfEgAq+
あったかい。
カーディガンもそうなんだけど、そうじゃなくて、もっとこう…。

「え…あ…いいの?」

わたわたしている私を見てあすみんが微笑んだ。
あの、柔らかい微笑みだ。

「風邪ひかれたりしたら困りますからね。」

ぽんぽん、と頭を撫でられた。
子ども扱いされた気がする。私、先輩なのに。

でもそれ以上に、あったかくて、柔らかくて、嬉しい。
掌ってこんなに柔らかくて温かいんだ。気付かなかった。

掌から伝わる優しさが心地よくて。
頭を撫でるより撫でられる方がもっと好きだなって思った。
もう一回、って思ったけど、勇気が出なくて、かわりにありがとって言った。

「どういたしまして。今度は自分で持ってきてくださいよ?」

それも、なんだけど、そうじゃなくて。
まぁいいや。
確かに、さっきまでの寒さはどこかにいっちゃったし。
身体も心もあたたかい。

「じゃ、行きましょうか!」

荷物をとってあすみんは満足気に笑った。
夕日を受けたその笑顔はとても眩しかった。
519 ◆eNIM4lH5t. :2009/09/24(木) 10:29:58 ID:Avk+KKa6
以上です。

阿澄ブログにて、1枚目の写メではあすみんが着てるカーディガンを2枚目ではみゆみゆが着てる?というところから。
このふたり、普段からもうちょいいちゃいちゃしてくれるといいんだけどな。

それでは失礼。
520名無しさん@秘密の花園:2009/09/24(木) 10:49:44 ID:BuZ9PYFv
>>519
gj!
ついにあすみんネタがw
521名無しさん@秘密の花園:2009/09/24(木) 13:03:49 ID:RmU91d0s
>>508これはよいあすみゆだ最大限のGJを!
ただマツキスは落ち物とコースター系が死ぬほど苦手

522名無しさん@秘密の花園:2009/09/24(木) 18:52:47 ID:Tg4LLMbr
>>519
GJ!この二人はかわいいなw
誕生日に後輩と夢の国って、普通なら寂しい人だが
まつらいさんは普通に楽しんでそうだな
523名無しさん@秘密の花園:2009/09/24(木) 20:51:00 ID:ZrwrUCoJ
>>522
ブログの写真
後輩:自分→先輩
先輩:食い物→2ショット→食い物→食い物
でウケるぞw
524名無しさん@秘密の花園:2009/09/24(木) 20:54:22 ID:GgzvZPlp
>>523
○さんのブログで食い物・猫・女性以外を見た記憶が無いw
525名無しさん@秘密の花園:2009/09/24(木) 21:55:37 ID:Zux412DJ
このあとおいしくいただきました…と激しく妄想
526名無しさん@秘密の花園:2009/09/24(木) 22:06:34 ID:5XaYuQw1
○<ご飯、おにゃのこ、ぬこを食べている時くらい幸せなことってありますか〜?ないですよね〜
527ngr ◆/OrXe8AwXFr8 :2009/09/25(金) 00:28:07 ID:fDEtnocw
Aice5解散からもう2年も経ったなんて恐ろしい。
記念日からは数日過ぎちゃってますが、SS載せます。長いです。
内容は「まどか→智秋→真澄」ですが、ますみんは名前しか出てきません。
苦手な人はスルーでお願いします。
528<君の後ろ姿>ngr ◆/OrXe8AwXFr8 :2009/09/25(金) 00:31:30 ID:fDEtnocw

ずっと……好きだった。
私にはこれといった特技も自慢出来るような事もないけれど、でもこの気持ちは、
この想いだけは誰にも負けないって言える自信がある。
それくらい彼女が好きだった。

でも彼女には好きな女性(ひと)がいて――。
しかもその相手も私にとって大事だったとしたら?

ね、もう決まってる。2人共、大好きなんだもん。
私に出来る事なんて、一つしかないじゃない。


『友達でいる事』だけ――。



<君の後ろ姿>


529<君の後ろ姿>ngr ◆/OrXe8AwXFr8 :2009/09/25(金) 00:33:53 ID:fDEtnocw

「まどかー、お待たせ〜!」

大きく手を振りながら待ち合わせ場所にやってきた彼女は、今日も少し薄着気味。
寒くないのかな? って思うけど、これが彼女のスタイルだもんね。
寒さなんてものともしないで笑顔で駆け寄ってくるその姿につい、見惚れてしまう。

「智秋さん。私も今さっき来たばかりですよ」

笑顔を返して彼女を迎える。
本当言うと今日会える事が嬉しくて、1時間も早く着いてしまっていたのだけど。
ソワソワしながらも、智秋さんが来たら一番に見つけられるようにって、
ずっと人通りを眺めていたから時間なんてすぐ過ぎちゃった。

「そ? 良かったぁ。今日はよろしくねン。んじゃ、行こーゼッ!」

「はい!」と返事をして一緒に歩き出す。

今日は智秋さんとデート……な訳では全然なくて、智秋さんのお買い物の付き添い。
あ、違う違う。正確には“お買い物をもうすぐするからそれの下見の付き添い”だったね。
そのお買い物の正体、それは、


『好きな人へのクリスマスプレゼント』


『好きな人』、それはもちろん私ではなく、お相手は――ますみん。

智秋さんがいつになく真面目な顔で『好きな人がいるんだけど……』って相談してきて
くれたあの日から、私は専ら智秋さんの恋愛相談室的存在になってきた。
だけど、どんなに親身にアドバイスしても2人の距離は一向に縮まらない。
智秋さんってガンガン行くタイプっぽいのに、こと恋愛に関しては、
てんで弱々になっちゃうんだからなぁ。

でもそこが可愛いところでもあるんだけど、ね。
530<君の後ろ姿>ngr ◆/OrXe8AwXFr8 :2009/09/25(金) 00:36:50 ID:fDEtnocw

だけど今回、意を決してついに告白するんだって。
こないだ電話越しにそう教えてくれた。
今日下見に来たのも、その告白の時に一緒に渡すプレゼントを探す為。
いくら一生懸命考えても何が良いんだか全然分からなかったらしい智秋さんが、
私に助けを求めてきたのが先週。
そして今日、一緒に探す事になったんだ。

……大丈夫。ちゃんと探すよ? 
本当の本気で2人が上手くいけば良いのにって……今は思っているから。
それに、智秋さんが私を頼ってきてくれた事……とっても、嬉しかったから。
だから、私はそれだけで良い。それだけで幸せ。

プレゼントに関してだって、傾向と対策さえ立てとけば結構良い物が見つかると思うんだよね。
つまりは、ますみんの趣味の範囲と最近欲しがっている物!
あ、そう言えば智秋さんからそういう話聞いてないや。聞いとかなきゃ。

「ねぇねぇ〜、真澄ってどんなのが好きなのかな?」

お店にディスプレイされている商品にも目を光らせつつ、今まさに智秋さんに聞こうと
していた事を智秋さんから質問されてしまった。
え……、ちょ……智秋さん。

「そ、そういうのは事前にリサーチしとくものですよ!?」
「え? そうなの?」

ち、智秋さんらしいなぁ……もう。
相手の好きそうなものとか、そういう事何も知らずに智秋さん一人で考えてたなら……、
そりゃ答えは出ないだろうなぁ、とかちょっぴり失礼な事を思っちゃった。
うーん、困ったな。これって、いきなり行き詰まっちゃったって事?

これはもう私が頑張らないと決まらないかもしれない。
智秋さんに選ばせるのが一番良いんだとは思うけど、こう言ったらなんだけど、
智秋さんって常人が選ばないようなものばっかり選ぶ傾向があるんだよね。
一言で言えば、“奇抜”。
だから智秋さんだけに選ばせるのは心配な訳で。
……よし! 何か更にやる気出てきた! 智秋さんの為に何とか突破口を見つけよう!
531<君の後ろ姿>ngr ◆/OrXe8AwXFr8 :2009/09/25(金) 00:38:28 ID:fDEtnocw

そうだなぁ。ますみん、ますみんは……っと。
何が欲しいって言ってたっけ? なーんか聞いた事があったような……。
ますみんって何が好きだったかな? ……あ! カメラ。そう、カメラ好きだよね。
カメラ……カメラ……、……あ!!

「智秋さん! ますみんって、えっと……名前は……そう! “マクロレンズ”! 
それ欲しがってませんでしたっけ!?」

そうだそうだ! “マクロレンズ”ってやつを欲しがってたよね! 
今ますみんの表情付きで思い出した。
Aice5の時から何回か聞いていたその名前。ますみんずっと、欲しいって言ってた!

「えぇ〜……そうだっけ?」

えー。ほ、本気ですか智秋さん。
絶対の自信で出した答えに返ってきた智秋さんのあまりの反応の悪さに、
ズッコケそうになっちゃったよ……。

「言ってましたよ〜〜〜! 
『レンズ越しの世界はすっごい綺麗なんだよ』って言ってたじゃないですか〜〜〜!
覚えてないんですか!?」

「そ、う言われれば、言ってた気もすんだけどぉ……。
ほら、アタイ機械系ぜ〜んぜんダメだからさぁ♪ 話聞いても右から左でさぁ」

大袈裟に“右から左”を両手で表現している智秋さんを見ていたら、
何だか大発見をしたかの如くおっきな声を出した自分が恥ずかしくなってきたんですけど。
でも確かにそういうのって苦手だよね、智秋さん。
覚えてなくても仕方ないの、かなぁ。うーん。

……まぁ一応ますみんが欲しがっていたのは確かだし、

「取り敢えずカメラ屋さんに行ってみませんか? 見てみましょうよ、マクロレンズ」

うん、折角道が開けそうなんだし悩んでいてもしょうがないもんね。
智秋さんの了解を得て、私達はカメラ屋さんへと向かった。

532<君の後ろ姿>ngr ◆/OrXe8AwXFr8 :2009/09/25(金) 00:41:03 ID:fDEtnocw

******************************

「うーわー……、種類た〜くさんありますねー……」

行き慣れないカメラ専門店へ恐る恐る足を踏み入れて、マクロレンズの場所を教えて
もらった先には、豊富な種類のそれがどどーんと並んでいた。

「うひょ〜これ全部そうなの? なんか……全部おんなじに見えるんだけど」
「そう、ですよね……。うわっ! 値段ピンキリ! 10万とかするのもありますよ!?」

正直、どれが何でどうなっててどう違うのかが全く分からない……。
思い切って店員さんに違いを聞いてみたりしたけど、元々カメラに関するスキルが
ほぼ無い私では、店員さんから語られる言葉はまるで呪文。
智秋さんなんて言わずもがな。

説明をしてくれた店員さんにお礼を言って、私達はスゴスゴとお店から退散。
値段が全然違うってのもあるけど、良く考えたらマクロレンズと名が付くものだけでも
あれだけ種類あるんだもん、ますみんが欲しいレンズはもう決まっているのかも。
ほら、使ってるメーカーとかにもよるだろうし。

「えっと、これはちょっとやめにしときましょうか」
「アハハハ……参っちんぐだね、こりゃ」

あぁ、何だかカメラって難しい世界なんだなぁ。智秋さんも少し放心しちゃってるし。
私達が分かった事と言えば、『全く分からなかった』という事だけだったなぁ。
よし! やめやめ! 他いこ他。えっとー。
533<君の後ろ姿>ngr ◆/OrXe8AwXFr8 :2009/09/25(金) 00:43:55 ID:fDEtnocw

「あ! 絵本とかはどうYO!?」

閃いた! って表情の智秋さんのその提案に一瞬、良いかも! って思ったけど、
絵本もやっぱり趣味があると思うし、それに私達よりもますみんの方が先に
買っている可能性が高いような気がする。

「う〜ん、でもカブッちゃうかもしれませんよ?」
「あ〜、その可能性有りまくりングだわな〜」

2人してシュンとなる。
それにさ、いくら絵本が好きとはいえ、大人の女性へのクリスマスプレゼントが
絵本ってのも……ちょっと、ね。
詰まりました、完全に。見事に振り出しに戻っちゃいましたよ。
はぁ……智秋さんが喜びそうなプレゼントならいくらでも思いつくのに、
ますみんとなると、難しい。全然分からないんだもん。

そうだな、……ここは無難に手袋とか、そういう実用的なのが良いのかもしれない。
ますみんの事だから、クリスマス限定の商品とかは喜ばない気がするんだよね。
ほら、ますみんって“もったいない”の精神を地で行く人だから。
ちょっとの時期しか使えないクリスマスグッズはきっとそれほど喜ばないように思う。

その点、智秋さんはそういうの好きだよね。ふふっ、ほら今だって向かいのお店の
クリスマスグッズに興味津々。
あの変なキャラクターがサンタの格好してる、何か妙に愛嬌のあるストラップとか
気に入りそう、智秋さん。

「ねぇねぇ! まどか、見て見てぇ。コイツ、超キモカワいくなぁい?」

あ! やっぱり。それ変だけど、私もちょっと可愛いと思ったんですよ。
智秋さんは相当気に入ったのか「ちょっと買ってくる〜」と言って、
店内に入っていってしまった。
……あーあ、智秋さんのなら絶対良い物見つけられる自信あるのになぁ。
あ、でも逆に悩み過ぎて選べないかも。うーん、有りそう……。
534<君の後ろ姿>ngr ◆/OrXe8AwXFr8 :2009/09/25(金) 00:46:00 ID:fDEtnocw

……もしも、もしもの話だけど。
もし智秋さんが一生懸命に選んでくれているプレゼントが私の為だったとしたら、
私どうする?
……。
…………。
………………あぁもうバカバカ! 何考えてるんだろ!! ないない。ないってば。
そんな事あるわけない。智秋さんが好きなのは、ますみんなんだから。
もう、私ったら。“もしも”の話に真剣になったりしちゃってさ。

ああ、でも。
もし、もしそんな事が本当にあるとしたなら――。

凄く嬉しくて……泣いちゃうかも。えへへ……。
だって、私の為に選んでくれている時はきっと、きっと私の事を考えてくれているから。

「……どか」

はぁ。私、諦めたはずなのに……応援するって決めたのに。まだそんな事考えてる。
ダメ、だなぁ……。

「まーどか! しっかりしろ〜!」

「ひゃっ!!」

気付いたら至近距離に智秋さんの顔があって、驚いて思わず体が数センチ浮いた。

「だぁいじょぶ? ボーっとしてたわよん?」

不意なドアップに慌てながらも、心配してくれる智秋さんに「大丈夫です!」と伝えると、
誤魔化すみたいに話を変えたりして。

「あー、きょ、今日寒いですねー! 12月になったとはいえ尋常じゃないですよね、これ!」

誤魔化しの為の話が天候の話とか……なんかベタって感じもしなくもないけど。
唐突な振りだったけど、それでも気持ち良いくらい晴れ渡った空を眺めてみると、
さっきまでの悶々とした気持ちが少し晴れたような気がした。

535<君の後ろ姿>ngr ◆/OrXe8AwXFr8 :2009/09/25(金) 00:47:28 ID:fDEtnocw

この気持ちを伝えないって決めたのは自分じゃないか。
その選択に後悔がない訳じゃないけれど、でも自分で決めた道を今更悩むなんて、
私らしくない。
智秋さんといると楽しくて、つい気持ちが揺らぎそうになってしまうけど、これではダメ。
しっかりしないと。

「お、ヘリコプター! しっかしあ〜んなプロペラだけでよく飛べるよねぇ?」

智秋さんの言葉通りに、私の視界に拡がる狭くてちっちゃく切り取られたような
東京の空にスッと入り込んできたヘリコプター。
ゴチャゴチャした場所ではなく、何の障害もない広い空を自由に飛び回るそれが
羨ましいような……そんな気持ちになる。

「ヘリコプターかぁ。あれで空を飛ぶのはどんな気持ちなんでしょうねぇ」

何の気なしにそう呟いた。

「アタシ前に乗った事あるよん♪ 最っ高に素敵な景色だったYO〜」

一緒に空を見上げながら、智秋さんが言う。
あぁ、そうだった。
前に聞いたことある。確か2月くらいに乗って凄く感動したって言っ……、

「あ!!!」
「うおっ! な、何!?」

そうだ。その手があるじゃない! 閃いちゃったかも!
そうだよ。プレゼントは、何も形に残るものじゃなくっても良いんだよね!

「智秋さん! それって一般の人でも乗れるんですよね?」
「え? う、うん。予約すれば誰でもOKだったはずYO」

やった! それだ! 一気に視界が開けた気がする。
536<君の後ろ姿>ngr ◆/OrXe8AwXFr8 :2009/09/25(金) 00:50:50 ID:fDEtnocw

『クリスマスにヘリでのナイトフライト』
普段見上げるだけのビル群をその日だけは眼下に見渡して、しかもいつもより華やかな
特別な夜景……。
うん! これはいくらますみんだって絶対感動するって! 私、自信ある!

「プレゼント、それで行きませんか!? ますみんの!」
「へ?」

今さっき思いついたプランを智秋さんにザッと説明する。

「……oh〜。まどかっ、マジRespect! それ良いかもぉ」

智秋さんの目がキラキラと輝きだす。プレゼントはこれに決定かな? 
……良かった。智秋さん凄く嬉しそう。
笑顔の智秋さんが見られて私だって本当に嬉しいんだけど、
ほんの、ほんの一瞬。胸がチクッとなった。ほんの一瞬。

537名無しさん@秘密の花園:2009/09/25(金) 00:55:08 ID:MqV0ULYV
支援いる?
538ngr ◆/OrXe8AwXFr8 :2009/09/25(金) 01:06:04 ID:fDEtnocw
すいません!
続き書きます。
539<君の後ろ姿>ngr ◆/OrXe8AwXFr8 :2009/09/25(金) 01:08:16 ID:fDEtnocw
*************************

「意外にあっさり取れましたね」
「ホ〜ント。Lucky girlだわ〜ん、アタイらっ」

クリスマスだし、結構早い者勝ちなのかとドキドキしていたのに
意外なほど簡単に予約が取れてしまって拍子抜け。
あんまり知られてないのかな? そう考えるとやっぱり智秋さんが言うところの
“Lucky girl”なのかも、本当に。
それに横浜だけなのかと思ってたけど、どうやら東京のもあるらしいって事で、
智秋さんはまだ乗った事のない東京のクルージングを予約した。

「本当ですね〜! それにその日はますみんのお仕事もお休みなんですよね? 
ラッキーでしたね、智秋さん」

仕事が入っていたら無理だもんね、時間的に。
智秋さんって本当にラッキーな人だなぁって思う。

「え?」
「……え?」

そ、その反応は何ですか? ま、まさか。

「あ、真澄の予定聞いてないや……あは」
「えぇ!?」

智秋さ〜ん……そ、それはマズイのでは? 
まぁ確かにいくら事前に聞いておいても急に予定が入る可能性もあるんだけど、
でも夜に仕事が入りそうかどうかだけでも聞いておいた方が良かったんじゃ……。

「ん〜、だ〜いじょぶじょぶ! 何とかなるってぇ」

智秋さんがニカッと笑う。
も〜う。智秋さんたら。でも智秋さんが言うと本当に大丈夫な気がしちゃう。
思わず釣られて私も笑った。
540<君の後ろ姿>ngr ◆/OrXe8AwXFr8 :2009/09/25(金) 01:10:05 ID:fDEtnocw

「おっ、……と!! ヤベ。そろそろ行かないと現場遅れる!」

智秋さんはバッと時計を見て、少し慌てた様子。
……そっか。夕方から仕事入ってるって言ってたっけ。

「まどか、今日は本当にありがと。このお礼は日を改めてするからさ」
「え! 良いですよ、そんなの!」
「いーや、する! させてYO♪ ほ〜んとに助かったんだからさ!」

そこまで言われちゃうと、もう断れないよね。
……なんて。本当はまた会える約束が出来て嬉しいって思っちゃってるんだけどね。

「分かりました。じゃあ楽しみにしてますから」
「まっかせて!! お薦めのお店あるからそこ連れてってあ・げ・る♪」

ウインクを一つ飛ばしてそう言う智秋さんに、私は笑顔を返す。
そして智秋さんの隣に並ぶと「駅まで一緒に行きましょう」と誘って、私達は歩き出した。
541<君の後ろ姿>ngr ◆/OrXe8AwXFr8 :2009/09/25(金) 01:11:33 ID:fDEtnocw

丁度今いる場所が駅から遠くなかったから、着くまでに何分もかからない。
ああ。楽しい時間は、何でこんなに早く過ぎてしまうんだろう。
どうせだったらもうちょっと駅から離れた場所にいれば良かったなぁ、とか、ね。
ちょっとくらいこんな風に思うだけなら、許されるかな。
少しでも長く一緒にいたくて気持ちゆっくりめに歩いてみたりしたけど、ほら、
もう見えてきたゴール地点。

「んじゃ、またね!」
「はい。お仕事頑張ってきてくださいね」

使う線が違うから、改札前でお別れ。
せめて、せめて見えなくなるまでは見送っていたいなって、そう思った。
別れの挨拶をして、背中を向けて歩き出した智秋さん。
でも途中で「あっ!」と声を出したかと思うと立ち止まって、またこっちに向き直る。
そして私がまだいる事を確認すると、笑顔で私の目の前まで戻ってきた。

「どうしたんですか?」
「わっすれっもの〜」

不思議顔で問う私に、智秋さんはそう答えて。

「はぁい、これ」

スッと私の方に差し出された手の平には、どこかで見覚えのある可愛い袋がちょこんと
乗っていた。
542<君の後ろ姿>ngr ◆/OrXe8AwXFr8 :2009/09/25(金) 01:14:10 ID:fDEtnocw

「これ、まどかにアゲル〜。アタイのコレとオソロだYOん」

バッグから取り出してユラユラと振りながら見せてくれた“オソロ”なそれを見て、
「あっ!」と声が出た。
だって、それって……、

「途中で買ってたストラップじゃないですか!」

それは、途中で智秋さんが気に入って買っていた、変なキャラクターがサンタの格好をした
ストラップだった。

「え……? これを私に? 良いんですか?」
「もちろん! 今日のお礼って訳じゃないけど、何かあげたくなっちゃってさぁ。
まどかもこういうの好きじゃんねぇ」

智秋さんの手からそれを受け取る。微笑む智秋さんとは反対に、私はちょっと目頭が危ないよ。
だってさ、“もしも”の話がほんの少し、叶ったんだもん。
それが例え智秋さんのちょっとした思い付きだったとしても、一瞬だけだったとしても、
その時間だけはきっと私の事を考えながら選んでくれていた……。
――そうですよね、智秋さん。

「あ、ありがとうございます! 私、大事にしますね!」

大袈裟だよって智秋さんは笑ったけど、私にしてみたら全然大袈裟でも何でもない、
本当に凄く嬉しい出来事。

改めて、またねと手を振る智秋さんに私も精一杯振り返す。
そして智秋さんが背中を向けて歩き出しても、私は手を振り続けた。
543<君の後ろ姿>ngr ◆/OrXe8AwXFr8 :2009/09/25(金) 01:16:17 ID:fDEtnocw

――あのね、智秋さん。
智秋さんがますみんを好きだって事、智秋さんに言われる前から、私は知っていたんだよ。

だって私ずっと……ずっと……智秋さんの事を見ていたから。
智秋さんの気持ちがどんどんますみんに向かって行くのを、ずっと近くで見ていたから。
私や他の人を見る時の目と、ますみんを見る時の目。あからさまに色が変わる事に、
……きっとあなたは気付いていないよね。

そして、そんな智秋さんを見てきたからこそ分かってしまったもう一つの事。

多分……ううん、絶対ますみんも智秋さんの事を想ってる。
本人は、まだ気付いていないみたいだけれど。

智秋さんを見詰める彼女の瞳が、私のそれと同じ色をしている事に、いつからか
気付いてしまった。

気付いてしまえば意外と分かり易い反応をみせているますみんに、
智秋さんは全然気付いてないんだもん。
でもますみんもあんな性格だから、上手く気持ちを現せないままずっと来てしまった
2人だったけど……そっか、変わってしまうんだね。
544<君の後ろ姿>ngr ◆/OrXe8AwXFr8 :2009/09/25(金) 01:19:00 ID:fDEtnocw

本当言うとね、このままがずっと続けば良いのにって思ってしまった事もあったんだ。
私のものにならなくても良いから、せめて誰のものにもならないで――って。
でも、そんな自分勝手な事を思う一方で、大好きだからこそ智秋さんの力になりたいって
思う自分も確かにいたの。
そして両方の気持ちを天秤にかけてみたら、やっぱり智秋さんもますみんも私には
とても大切で。
だからこの想いを諦めようって、友達でいようって本気で思ってきた。

なのに……どうしよう。智秋さん、やっぱり私、当分諦められなさそうだよ。
だから……もう少しだけ、あと少しだけ、智秋さんを好きなままでいても
――良いですか?  

あぁ……きっとクリスマスには、智秋さんはますみんのものになってしまうのだろう。

だから、今だけ。
智秋さんの後ろ姿を見送っている今だけ。

私の本当の想い、言えなかった言葉を、


「智秋さん……」

今だけ――。





「好きです……」




終わり
545ngr ◆/OrXe8AwXFr8 :2009/09/25(金) 01:23:30 ID:fDEtnocw
以上です、途中時間空いてしまいすいませんでした。

時期的には2007年12月初旬のつもりで書きました。
自分的にはAice5では『智まど』が一番好きです。・・が、今回は結果『智ます』
ですね。
546名無しさん@秘密の花園:2009/09/25(金) 19:03:18 ID:xOj6jws5
いつも智ます智ます言ってんのは浅野オタなんだな
547名無しさん@秘密の花園:2009/09/25(金) 21:11:53 ID:QLy9EVRN
>>545
GJ!!まどか切ないぜ!!!
まどかって幸せになってほしいと思う反面、片思いがすげー似合うんだよなぁ

Aice5時代にまどかは智秋に対してはよく大声で怒ったりツッこんだりと
楽しそうだったなぁと思い出した。ほんとGJ!
548名無しさん@秘密の花園:2009/09/26(土) 00:33:17 ID:hDh6DAMZ
>>545
久々のまどかSSきてた!GJ!
読み応えあって、片思いだけど悲しすぎないのも良かった
やっぱり智まどもいいなぁ、っていうかAice5はどう組み合わせてもおいしいんだよなw
549名無しさん@秘密の花園:2009/09/26(土) 00:55:26 ID:CsVJ54bX
今更まつらいさん&金朋さんの組み合わせにハマったんだけど
これだけは押さえとけっていうのありますか?
勿論百合的な意味で
550名無しさん@秘密の花園:2009/09/26(土) 14:05:45 ID:X+vfGe59
難易度高いな
しかし介護者と患者に見えないのであればどれ見ても聞いても萌えられる
金朋は松来さんに絶対の信頼を置いて無茶するし松来さんはまず全てを受け入れる
まだ買えるかわからないけどデコピンやSDチルド辺りで十分楽しめるんじゃない?
DAやこないだのおしゃ3の絡みはそこまで美味しくなかった
551名無しさん@秘密の花園:2009/09/26(土) 16:00:06 ID:3GNQCYCG
デコピンミッドナイトはどうかしら
いま入手できるかどうか知らんけど
552名無しさん@秘密の花園:2009/09/27(日) 00:52:11 ID:PIFXaLvR
デコピンはおもしろかったけど、百合的な意味でいうと…や、フィルター通したらあるいは。
いっつも名前を間違える金朋先生に、みゆみゆが「“み”と“ゆ”で“みゆ”です!」と
半ば泣きながら訴えたエピソードが個人的には好きだ。
553名無しさん@秘密の花園:2009/09/27(日) 11:53:20 ID:E8z6iM1F
個人的になら、何かのキャスティングでみゆみゆが大人の役を振られたと聞いて
朋センセが「それミスキャストじゃ?」と言ってしまってみゆみゆ泣きキレしちゃって
珍しく朋センセがフォローしたりオロオロゴメンねってやってたのは萌えた
554名無しさん@秘密の花園:2009/09/27(日) 12:08:55 ID:9b3z+Tsi
ネトスタの第一回公録の時の二人の絡みは面白かった。
まさに夫婦漫才でさ。
555名無しさん@秘密の花園:2009/09/27(日) 21:26:52 ID:LOUITlCr
hack//Linkってゲームで主人公の声が三瓶由布子でヒロインの声が小清水亜美だとっ!!!
それだけでテンション上がるぜぃ。
556名無しさん@秘密の花園:2009/09/27(日) 21:32:23 ID:+SIJqRFY
大分前に本スレでちょっと話題になってたね
557名無しさん@秘密の花園:2009/10/01(木) 23:09:45 ID:vDL5YFcn
うりょっちのブログがここのSS見たかのような締めになっていてフイタ
558 ◆voe.iCz7FY :2009/10/02(金) 03:06:08 ID:4JQNK+u7
なんとなく浮かんだストーリー



タイトル「眠れなくて」

降りしきる雨の中、傘もささず向かいあう二人

「ゆかりたん、最近あたしに冷たくない?」

「あら、離れていったのはほっちゃんでしょう!」

「だって…共演する娘がみんな構ってくれるよ」

「そうやって次から次に手をつけるからレズ声優なんて言われるんじゃない…あたしにももっと構ってよ…」

ひしと抱き合い見つめあう二人

髪からもスカートの裾からも雫がとめどなくしたたり落ちた
「ゴメン、やっぱ新しい娘の方がいいや」

「ちょwww何それwww信じらんない」

これぞやまなこ休止の真相なり…ってウソ

けんぷファーに期待w
559名無しさん@秘密の花園:2009/10/02(金) 09:44:49 ID:H5pqloLE
あんまりこんなこと言いたくないけどさ、せめてお互いの呼び方くらい調べて書いてくれないか?
560 ◆voe.iCz7FY :2009/10/02(金) 12:12:41 ID:4JQNK+u7
>559
あーっ、ほんとだ
ありがとう

「ゆいたん」「ゆかりたん」だった

保管庫では修正お願いします
561名無しさん@秘密の花園:2009/10/04(日) 13:41:04 ID:fpPjY6fJ
>>550->>554
遅くなってすみません
550さんが仰るように、「絶対の信頼」感に萌えて仕方ありません
皆様に挙げて頂いたものに片っ端からあたります
ありがとうございました!
562名無しさん@秘密の花園:2009/10/06(火) 02:06:36 ID:o+cpEL44
戸松と豊崎と花澤を出したSS書いてください
563名無しさん@秘密の花園:2009/10/06(火) 12:57:04 ID:a5TuwUzd
>>562
だが断る。
564名無しさん@秘密の花園:2009/10/06(火) 20:58:07 ID:/nR94EeZ
生天目さんがブログでのろけています
5651/3  ◆IS0zEXOaMs :2009/10/08(木) 20:37:59 ID:Bbp+2joi
じゃ、嫁もノロケてみよう。
9/16-17のブログネタ。
エロシーンはあるけれどエロ描写は皆無。




「うん。ブログ書いてる途中だった」

まだ起きてる?と携帯から聞こえるだんなさまの声。
やっぱりこの声は落ち着くなぁ〜と思う。
「今、帰り?」
『そう。面白かったよ、静も来られたら良かったのにね』
「あたしも行きたかったー!佳奈に美佳子に、サイコーじゃん?」
夜、あたしが仕事をしていた頃。
仁美さんは美佳子んチのアラサー会に行っていた。

『ははは、そーだね。佳奈も会いたがってたよ』
「ありゃ?毎週会ってんのに?」
『仕事外で会えないって』
「あーそっか。佳奈は外出ないからなぁー、また家行くかな?」
「そうしてやりなよ」
仁美さんは優しい。
みんなに優しいから、たまに不安になりそうになる。
ウソ、嘘。うんにゃ…嘘でもないけど。
それ以上に誰よりも愛してくれてるの知ってるから。
誰よりも優しく。
優しく優しく、丁寧に。
そのフレーズは昼間の出来事を思い出させる。
さっきの今だから、慌ててティッシュの場所を目で確認してしまった。

*
5662/3  ◆IS0zEXOaMs :2009/10/08(木) 20:38:37 ID:Bbp+2joi

「ねぇ、コレさ。鳥、居すぎじゃない?」
目の前に居ただんなさまに聞かれたけど、あたしは答えられるような状態じゃなくて。
頭の中まで痺れてしまいそうな感覚に支配されていた。
「あ、悪い。もう辛い?」
ゆっくりソフトではあったけど、結構な時間かけてされるのは逆にジワジワと延々焦らされているようなものだった。
確かに、夕方から仕事だからあまり声出さなくていいように、とリクエストしたのはあたしだけど。
こんなに丁寧にねちっこくされたのは初めてで。
気持ちもそうだけど、それより身体が求めてしまう。
弱い刺激の連続は、もっともっと欲しいと言う渇望しか残らなかった。

「……っ、…ぅあ!」
仁美さんの指が中でモジモジと蠢く。
どうしたらいいんだろう?と躊躇っているみたい。
少しでも気を抜いたら、今の刺激でも達してしまいそうだけど、そんなの勿体ない。
「ひ…とみ、お願…、」
身体中に燻った火を、全部仁美さんに塗り替えて欲しい。

一度、優しく内壁を撫でてから、一気に指を動かしてきた。
咄嗟に側にあったシーツか服かを噛んで声を殺す。
もう大分前からギリギリの所にいたあたしは、いとも簡単に弾けてしまう。
耳に聞こえるくぐもった自分の声と、頭に響く叫び声とが混ざり合って消えていった。


「ねぇ。静さんのその服、鳥、居すぎじゃない?」
たくし上げられていたあたしの服を元に戻しながら、仁美さんがポソリと呟いた。
さっきも聞いた台詞。
よっぽど気になったんだろうか?
「ん〜、そう?パッと見の一目惚れで即買いだったから、じっくりとは見てないんだよね」
でも、可愛くない?可愛いと思ったんだけどなぁ〜。
Tシャツの裾を両手で引っ張りながら首を傾げていると、仁美さんの手があたしの頭に伸びてきた。
「そっか」
ポンポンと叩く手が柔らかくて、仁美さんの声が暖かくて。
あたし仁美が好きなんだなーって実感させられる。

嬉しい気持ちと同時にフツフツと沸き上がってくる幸せの産物。
溢れる気持ちが押さえられなくて、思わずマウントポジにして仁美さんを見下ろした。
「うわ!…なに?何、どした?し…ずかさん?」
不安そうにあたしを見上げてくる。
ゴメン。気持ちのコントロールも出来ない子供でゴメン。
「好き…」
そう呟いて、噛み付くようにキスをした。

*

あの後、当然ながら「もいっかい」となる訳で。
ギリギリまで仁美さんを堪能し、仁美さんに堪能させられたあたしは危うく現場に遅刻しかけた。
スタジオまで小走りで駆け込み、気持ちも身体も昂ったままで臨んだ収録は、
ど頭からハイテンション全開になって、邑子に「お前バカかっ!」と突っ込まれまくりだった。
5673/3  ◆IS0zEXOaMs :2009/10/08(木) 20:39:04 ID:Bbp+2joi

「で、ブログ書こうかなってしたらさー、仁美さんとのこと思い出して鼻血噴いたよ。ビックリ!」
電話が鳴る直前。
何となくTシャツの鳥を思い出して数えようとしたら、鼻血が止まらなくなって驚くやら笑えるやら。
『ハァ?ちょっ、ちょっと!静さん?』
「ん〜?」
『ん〜…じゃないよっ!まさかソレ、本気で書く気じゃないよね?!』
「え?ブログ?」
勿論、こんな面白いネタ、書かずにいられる訳ないじゃん?
正に今、送信しようってトコで仁美さんからかかってきたんじゃん。
コレ(電話)切ったらUPするよ〜って言ったら、散々「バカかっ!」って飽きれられちったよ。

なんで?ダメ?
仁美さんのコト思い出して鼻血噴いたって、NGかぁ〜?そうか。
んふふふ。仁美、ウブだな。
お前可愛いな〜って言ったら、またバカっ!って言われた。
今日は何回その台詞を言われるんだろう?
何かもう、言われる度にゾクゾクしてきちゃうんだけど、どうしよう?
それ言ったら、きっとまたバカって言われるんだろうな。

息遣いまでこんなに近くで聞こえるのに。
携帯越しにピッタリとくっついているのに、仁美さんに触れられないのがもどかしい。
あんなに感じ合ってもまだ足りない。

手を取るように抱き合っていたい。
抱き締めるように手を繋いでいたい。
もっとずっと、仁美と肌を重ねていたい。
言葉足らずで伝え切れない想いの分まで、ずっと。

今度会う時は、仁美が思い出し鼻血するくらい愛しまくってあげる。
だからそれまでは、自分で慰めちゃったりなんかダメだからね。
「仁美さん。愛してるよ」
「うん、あたしも…」
ひと呼吸置いて、嬉しそうな笑顔が見えるような声で「愛してるよ、静」と言ってくれた。

キャー!仁美さん大好きーーっ!!
興奮して床をゴロゴロ転がっていたら、鏡に映った自分と目が合った。
少しだけ冷静になって、中のニヤケた奴に心の中で呟いてみる。
(ヘヘン、いーだろ?コレ、あたしのだんなさまなんだぜ)
ブッ、
「ァハハハハハーーッ!」
『わっ!ど、どした?静?』
「違…っアハハ。鏡の中の自分にノロケたら、直にノロケ返されたー」
また仁美さんに「バカか?」と言われたけど、その声色はやっぱり暖かかったからいいや。



深夜のちょっとしたノロケ話。おわり。
568名無しさん@秘密の花園:2009/10/08(木) 22:15:35 ID:maxNN54y
すてきな萌えをありがとう
可愛いな御前!w
569名無しさん@秘密の花園:2009/10/09(金) 00:43:52 ID:lepjzwcu
ちょっとみなラジ聞いてくる。

ちなみに浅野さんもブログでノロけてます。
誰か何とかしてくれ!!
570名無しさん@秘密の花園:2009/10/09(金) 01:47:16 ID:XsoVmZ7A
なんだこの御前…破壊力ありすぎじゃね?
乙女すぎてすげえ可愛いです
GJ!
571名無しさん@秘密の花園:2009/10/09(金) 02:04:50 ID:szSPzgiK
>>565 GJ!
もっとエロあってもじっちゃは怒らないってばっちゃが言ってた
572名無しさん@秘密の花園:2009/10/09(金) 21:18:30 ID:7O/H8+wU
>>565
熟年夫婦なのに可愛いって卑怯だろ…!w
鳥、居すぎ発言がよもやこんな状況で行われていたとは!!!
萌えました。GJ!
573名無しさん@秘密の花園:2009/10/11(日) 00:58:14 ID:WYSq3W7t
本スレで大人気のひよっちはまだ少年の印象が抜けないが
将来有望な百合声優に育って欲しい
574名無しさん@秘密の花園:2009/10/11(日) 01:42:11 ID:bjL+WCcy
この界隈では有力トレーナーとして知られる中村先生がひよっちを調教してるから心配はないはずだ
575名無しさん@秘密の花園:2009/10/11(日) 02:46:25 ID:fanSaQBj
一瞬、有 カトレーヌってなんだ?と思ったw
調教しようとしたはずのえりりんがミイラ取りに・・・ないな
個人的には面白い組み合わせなんだが、どう見ても女芸人コンビです本当にあry
576 ◆voe.iCz7FY :2009/10/12(月) 16:00:57 ID:sO3ziYaW
またつまらぬ妄想をしてしまった


「みゆちゃーん、だーいすきー」
トットットットッ

「朋ちゃーん、わたしもよー」
ドッドッドッドッ

ムギュッ!

ブッチュー!!


タイトル「再開」
577名無しさん@秘密の花園:2009/10/18(日) 16:57:24 ID:tIjcOFyG
ところでうりょっちとますみんが打ち上げでパンを食べあった件
578名無しさん@秘密の花園:2009/10/18(日) 21:49:21 ID:BmC8PqEy
うりょますかますうりょか、そこが問題だ
579名無しさん@秘密の花園:2009/10/19(月) 01:28:20 ID:hMug2x3t
ますみんになつきまくりなうりょっち→押しが強い→ますみん流され受け

かな?
580名無しさん@秘密の花園:2009/10/19(月) 21:03:02 ID:k10cdvmX
>>579


「浅野さんっ!はいっ、シールです!」
「おぉー!シール娘よ!くるしゅうないちこう寄れ!」
「はいっ、お言葉に甘えて!」
「うぁっ、あぶなっ!…いきなり何すんの!」
「え?だって浅野さんが言ったんじゃないッスか?」
「だからっていきなり、だ、だき、抱きつくことないでしょー!しかもこんな廊下で!誰がみてるかわからな…」
「廊下じゃなかったらいいッスか?」
「え?」
「誰もいなかったらいいッスか?」
「ちょ、まってうりょっち」
「帰りましょう、今すぐ帰りましょう!もうこの後何もないッスね?いざ、我が家へ!」
「うりょっち聞いて!お願いだから!手、ひっぱらないで、うりょっちー!」

うりょっちは子犬のようにじゃれつくと思う。それに流されるますみんw
581名無しさん@秘密の花園:2009/10/20(火) 01:20:04 ID:uFIfMXkh
このあとおいしくいただきましたとさw
582名無しさん@秘密の花園:2009/10/20(火) 07:54:38 ID:LqoNP+EC
「ねえ藍ちゃん、うりょっちの扱い方教えてくんない?」
「そうですねえ……。ここじゃ何ですから私の家でじっくり教えますよ?」



とか言ってあいぽんにまで食われるますみんを妄想した
583名無しさん@秘密の花園:2009/10/20(火) 22:44:02 ID:uFIfMXkh
ら、らめぇ〜
584名無しさん@秘密の花園:2009/10/21(水) 01:06:42 ID:SyH8ACQT
>>582

「ちょっと、かんち!どうなってんのあんたの後輩は!」
「どうしたんですか血相変えて現れて」
「だーかーらー、かんちの後輩のこと!うりょっちと藍ちゃん!」
「あぁ、あの二人。浅野さんにとって先輩ですよ?」
「今はそんな話してるんじゃなーーーーーーい!」
「もぅ、大きな声ださないで下さいよ。で、その二人がどうしたって?」
「あの二人があたしを!あた、あたしを…」
「浅野さんを?」
「………だから、その…なんでもない!忘れた!」
「…しょーがないですね。ウチ来ます?」
「え?」
「今、うちに頂きもののマカロンがあるんですけど一人じゃ食べ切れなくて」
「…いいの?」
「おいしいもの食べたら気持ちも落ち着くんじゃないですか?」
「うん・・・じゃあ、行く」

Aice5時代から続くよきライバルにしてパートナーのほんわかムードを漂わせたとみせかけて
結果、話を聞いたかんちが落ち着かなくなってますみんを頂く、という妄想。
青二でわっふる!わっふる!
585名無しさん@秘密の花園:2009/10/21(水) 06:48:46 ID:abKPQNLs
や…っ、そんな…
586名無しさん@秘密の花園:2009/10/21(水) 07:23:58 ID:kZcXoSnD
>>584

「あ、浅野さんから電話だ。もしもしー?」
『ほっちゃーーーん!!』
「わ、ど、どうしたの?」
『エサ袋が苛めるんだよぉ〜!』
「かんちが?」
『うぅ……いや、かんちがっていうか青二ぐるみでって言うか……』
「何かされたの?」
『ナニっていうか、その、えぇっと……』
「……ふーん。わかった。かんちのことは私に任せて」
『え、ホント?』
「うん。私から、浅野さんを苛めないようにちゃんと言っておいてあげる」
『ありがとう、ほっちゃん!』
「ううん、いいの。ところで、今から浅野さんのお家に行ってもいいかな?」
『うちに? いいけど、散らかってるよ?』
「大丈夫。じゃあ途中で美味しいケーキでも買っていくね。最近オススメのお店があるんだ」
『わ、本当? わーい、じゃあちょっと掃除しておくねー』
「うん、30分くらいで着くと思うから……」


かんちも浅野さんも私のだもん(#┃ヮ┃)なリーダー登場
587名無しさん@秘密の花園:2009/10/21(水) 11:29:24 ID:BwFvx8ma
スタチャ組にやられ過ぎw
個人的にうりょますに目覚めた
588名無しさん@秘密の花園:2009/10/21(水) 12:05:55 ID:GeaVHEj+
何この流れww
神多すぎw
589名無しさん@秘密の花園:2009/10/21(水) 20:26:41 ID:SyH8ACQT
>>586

ピンポーン!

「あ、ほっちゃんいらっしゃ……って、智秋ちゃん!?」
「ジューシィーポーリーおひさしぶりー♪アナタの智秋よぉん♪」
「ひっつくなー!うっわ、お酒くさっ!もう智秋ちゃんって言うより酒粕に近い・・・」
「最近ますみがかまってくれないからさぁ・・・お酒が恋人っていうかブランデーとランデブー?」
「智秋ちゃんがお酒好きなのはいつものことでしょ!ってかいい加減離れて!においだけで酔いそう…」
「む、それは困る!」
「へ?智秋ちゃんにしてはやけに聞き分けがいいというか、あっさりというか…」
「ふふーん、…ますみを酔わせるのはお酒じゃなくて、このアタシ自身!!」
「・・・はぁ!?!?」
「秋・・・それはフォール。二人がアタイとますみが恋に落ちる季節…」
「え、それ意味ちが…、っ!」


ジューシィーポーリー突撃だコロン。
なんだかんだ言って智秋にいちいちつっこむ(別名、言葉のスキンシップ)な浅野さんw
590名無しさん@秘密の花園:2009/10/21(水) 21:50:31 ID:abKPQNLs
…今いらっしゃるんじゃないかと思ってた所なんすYO!
591名無しさん@秘密の花園:2009/10/22(木) 09:29:00 ID:DW7OBCr9
>589
言葉のボクシング
○王者たかはし智秋VSあさのますみ●
90秒フォール勝ち
592名無しさん@秘密の花園:2009/10/23(金) 00:48:22 ID:XjadmkQK
やっぱりますみんは総受けなんだなw
593名無しさん@秘密の花園:2009/10/24(土) 21:42:29 ID:PRTJ7C3U
一方その頃木村まどかはブログを更新していた。
594あみぺ ◆tsGpSwX8mo :2009/10/25(日) 13:29:59 ID:OjXnrl9y
ぺ様があみっけのこと内心めっちゃ好きだったら禿萌えるという観点の小ネタ



小清水があたしの名前を呼ぶ。
それが心地よく聞こえることに気が付いてから、何年たったかわからないけれど、その間に流れた時間は、あたしの中を変えるには十分すぎる長さだったらしい。
ひょろ長く伸びた背丈があたしを追い越したのはいつだった?。
その頃、あいつのことをどう思っていた?。
始まりなんか覚えていなくて、いつから宿った思いなのかもわからない。
だけど、あたしは認めたくない感情を燻らせながら、最近あいつと接していることだけは確かだった。
その燻りがなんなのかなんて、……絶対に言いたくないけど。
言わないけど、でも、あたしはあたしだから知っている。
あたしの気持ちを知っている。
恐らく、あたしは小清水が好きなんだろう。
……いつからかは、知らないけど。

「さーんぺーっ、ちゃん」
「ん」

無駄と知りつつあたしが抵抗するのは最早二人の中ではお約束。
わざとらしく伸ばしてきた腕をぺしん、と叩いて落とすと、小清水が角度を変えて攻撃してくる。
あまりに決まりきっていて、最近じゃ少し笑えてしまう。
まあ、もっと笑えるのは、あたしがこのやりとりをとても好きだと思ってることだけど。
じゃれた口調が可愛い、なんて言ったらなんて返すんだろう。
こいつが無邪気すぎるせいで、時々あたしはあたしが嫌になる。
あたしが何考えてるかも知らないくせに、……そんな顔すんなって。
そのくせ、あたしのことを分かったような顔もするからいやだ。
たかだか10年程度の付き合いで分かった顔されちゃ困る。そんなに底の浅い人間だなんて思われたくないね。

「さんぺーちゃんは亜美のこと好きオーラが出まくりで困っちゃう!照れるわぁ〜」
「返しに困ること言うのそろそろやめませんかねー」
「いーの、さんぺーちゃんだから!他の人にはしないよ?引かれるから!」
「……なんだそれ」

こういうところ、勘弁してほしい。
特別扱いされているのはわかってる。あんたがあたしを好きなことも分かってる。
だから、……そんなに無防備な姿勢で信用するなよ。
あたしは、……あたしは。
あんたが、可愛い。
そんなこと思って、今お前を見てるんだよ。
知らないだろ絶対、お前。
こいつは、だきしめたらどんな感触がするんだろう。
何かが外れる気がするから、小清水がそれをしてきてもすぐに抜け出す癖がついたのはなんとも言い難い。
とうに知っていそうなその感触を、未だにあたしは知らない。
何されても文句言えないようなことばっかしやがって、ふざけんなよ、……なあ。
ドラえもんが30日どら焼き我慢しろって言われたとしたら、彼とはものすごい盛り上がるかもしれない。
そんなくだらないことを考えて一人笑いそうになった。

「んふー、ぺぇは可愛いねっ、さぁすがツンデレ!よくわかってる!」

可愛いのはあんただよ、バーカ、死ね。
595名無しさん@秘密の花園:2009/10/25(日) 13:45:30 ID:4LoSOXFt
>>594
電車の中でにやけちまったじゃねーか!
GJ!!
596名無しさん@秘密の花園:2009/10/25(日) 19:21:11 ID:q/1umshC
問・下の画像を見たますみんの反応を記述しなさい
ttp://ranobe.com/up/src/up408281.jpg
ttp://ranobe.com/up/src/up408282.jpg
597名無しさん@秘密の花園:2009/10/25(日) 22:05:10 ID:j/wlEUZq
相変わらずキングはやりたい放題で安心した
598名無しさん@秘密の花園:2009/10/25(日) 23:39:06 ID:LmmMhQJu
>>595
アニスパで実物を手にしてふにふに触りながら

「……もっと実物のほうが大きいしやわらかいよ?」


ってとこまで想像した。
599名無しさん@秘密の花園:2009/10/27(火) 03:00:11 ID:lT66kpIm
>>598
ヤメレwwww
600名無しさん@秘密の花園:2009/10/29(木) 03:18:12 ID:MvTQvFol
うりょ藍のブログより
あいぽんに遊ばれるうりょっちを妄想したw

にゃんこいで行ったんならゆうさんもいたのかな?
601名無しさん@秘密の花園:2009/10/29(木) 06:51:55 ID:FN3Jd23m
>>600
遊んであげている内に、夢中になり、ふと我に返って、赤くなる藍ぽん。
其処を攻めるんだ!うりょっち!

ゆうちゃんの打ち上げとか食事会の写真って見かけない気がする。忙しいとか収録日じゃなかったんだろうけど。オフのゆうちゃんが垣間見えない。
602名無しさん@秘密の花園:2009/10/29(木) 21:34:26 ID:wx3DX7Bb
ゆうちゃんは忙しすぎてオフ無い気がする…最近は特に
603名無しさん@秘密の花園:2009/11/02(月) 23:02:41 ID:+JIEWoAZ
 
604名無しさん@秘密の花園:2009/11/04(水) 11:32:45 ID:on1RSDV4
不具合?
605名無しさん@秘密の花園:2009/11/11(水) 12:34:14 ID:k4ND6Kng
過疎ったな…
606名無しさん@秘密の花園:2009/11/11(水) 18:57:50 ID:YP4tkiEl
うりょっちブログに百合な香りが・・・。
607名無しさん@秘密の花園:2009/11/11(水) 19:48:24 ID:LiJL4qTu
そんなこと、ぶすレズりゅうちん
に聞いてみれば?
608名無しさん@秘密の花園:2009/11/12(木) 22:29:21 ID:dgaobtDZ
ちんげ
609名無しさん@秘密の花園:2009/11/15(日) 01:23:40 ID:IrlK0cHX
過疎ってるなあ
610名無しさん@秘密の花園:2009/11/17(火) 08:45:28 ID:hemaQ7W5
うみらじでゲスト愛生さん
あすみすと寿さん楽しそうだったが儀武ハブw
611名無しさん@秘密の花園:2009/11/17(火) 19:08:31 ID:xAP2M6Xi
あいぽんがうりょっちての愛をとうとう白状した模様です。
612名無しさん@秘密の花園:2009/11/19(木) 12:43:34 ID:siGJFab+
出張所向けの話題が無さ過ぎるので質問
ガチの人から見て「この人はガチだな」と思う声優っている?
613名無しさん@秘密の花園:2009/11/19(木) 13:53:21 ID:M83sDYDm
マジレスすると御前
バイ寄りな気がするけど
614名無しさん@秘密の花園:2009/11/19(木) 14:11:48 ID:IEOa/R2J
>>613
女性もおkなだけな気もするな
酔ってのいじの足ベロベロ舐めたり変態行為酷いがw
615名無しさん@秘密の花園:2009/11/19(木) 14:59:15 ID:pPIpG4AO
>>612
あすみん、異論は認める
あとひよっちは女子から本気で告白されたことがありそう
御前と松来さんは別格、えりんごすは夫婦
正直ガチな人から見るとあからさまに営業百合な人は結構いるよね……
616名無しさん@秘密の花園:2009/11/19(木) 18:29:24 ID:KY4BC2KN
百合ネタ的に派手なミンゴスは実はネタ百合で、中村先生は地味だけどガチ気味?
って感じするけどどうだろうw
617名無しさん@秘密の花園:2009/11/19(木) 18:33:07 ID:FWg6wGD9
地味にゆかりんからガチ臭を感じるのは私だけですか
618名無しさん@秘密の花園:2009/11/19(木) 19:06:01 ID:SelvHtdn
>>612
画伯・・・かなりガチ臭ありと思う。
619名無しさん@秘密の花園:2009/11/19(木) 20:00:21 ID:y93gOLNt
>>612
小林ゆうに一票。境界線とかなさそう。
620名無しさん@秘密の花園:2009/11/19(木) 20:06:12 ID:M83sDYDm
ゆうちゃんはたしかに男とか女とか関係なさそうな感じだよね
あとかわいいもの、柔らかいものが好きそう
621名無しさん@秘密の花園:2009/11/19(木) 21:22:22 ID:f0ukeIbS
みゆみゆの元相方の原田ひとみも女好きが溢れている
622名無しさん@秘密の花園:2009/11/19(木) 23:17:00 ID:/K+oM12M
原田ぢゃーんかw
623名無しさん@秘密の花園:2009/11/20(金) 00:25:04 ID:fISss278
小林ゆうさんは、読書モデル時代に、かなり仲のいい女性がいて、
かなりのスキンシップをとっていて、相手も自分も同じ気持ちかもしれないと思って、
おもいきって告白してみたら全然違くて、一気に気まずくなってしまったという過去が。

そして、比較的女性同士の恋愛に寛容な声優業界を目指し、
見事、声優になった。
でも、また読者モデル時代のように、気まずい思いはしたくない、
そういう理由で、本当に好きな人も、下の名前ではなく、上の名前にさんづけ。

これだけだと不自然だから、日頃の言動も常に丁寧を心がけていて、
言葉遣いがやたらと丁寧になっている。

という妄想が。
624名無しさん@秘密の花園:2009/11/20(金) 00:39:38 ID:8Tw/oF1L
不純な転職動機だなw
625名無しさん@秘密の花園:2009/11/20(金) 00:44:27 ID:vhNb1kh9
読者モデルじゃなくてモデルだけどね
もしそんな動機だったら相手役が女の子ばかりで幸せなんだろうなw
626名無しさん@秘密の花園:2009/11/20(金) 01:22:29 ID:BJ07dUY8
自分もゆうちゃんはかなりガチだと思う。
言動とか見てて、素で女の子好きだし、
女の子をそういう対象として見れてる感じがする。
627名無しさん@秘密の花園:2009/11/20(金) 04:20:18 ID:4Vq7ZnuO
なんだ迷走中`_`_`_`_の名前があがっていないじゃないか
俺はやっぱり御前だなたまに真面目に語ってるの聞くとこっちがヒヤヒヤする
あと某スレで倉田まりやって子が重度の百合ヲタと知って今注目中
ロリ傾向ドルヲタで3次元OKとか素晴らしい
628名無しさん@秘密の花園:2009/11/20(金) 07:52:45 ID:7QBTfGf6
uwaaa
629名無しさん@秘密の花園:2009/11/20(金) 15:04:30 ID:nCdqlRXn
御前も相当アレだが…
やっぱ一番は`_`_じゃなかろうか
630名無しさん@秘密の花園:2009/11/20(金) 21:31:20 ID:RjeyKKW/
>>616
えりりんはミンゴスにだけガチな感じがまた良い
631名無しさん@秘密の花園:2009/11/20(金) 21:59:00 ID:TMgnGFGP
浮気なしの本命夫婦といえばえりんごすぐらいか?
ナナカナはなっさん、キュールはきみこ、小清水三n、中原清水と
夫婦と言われてもどっちかが気が多い。
ミンゴスのは百合とか浮気と言うよりロリ志向っぽいし。
632名無しさん@秘密の花園:2009/11/20(金) 22:05:15 ID:bLC+l5SF
ミンゴスは帰る場所があることに甘えた上での浮気だな
怒られるまで調子乗ってて後から焦るという…
633名無しさん@秘密の花園:2009/11/21(土) 21:24:00 ID:KLTeOYsI
浮気なしの話題にかすりもされないなばいとな二人www
634名無しさん@秘密の花園:2009/11/21(土) 21:59:13 ID:WclGuIMV
熟年夫婦とはね、浮気すら恋愛のスパイスなんだぜ?ww
よく静さんが「波風たてたい!」とか言ってたしw
635名無しさん@秘密の花園:2009/11/21(土) 22:38:15 ID:YGnVI51s
うりょっちブログに愛しの野中さんツーショット登場!
なにげに肩を組む関係に発展してみたり。
636名無しさん@秘密の花園:2009/11/21(土) 23:17:05 ID:IVw219lL
うりょっちの右手が気になるww
637名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 16:41:56 ID:2DOKsD7U
ゆうさんと静さんはバイな感じするけど
理由はなんとなくだから説明の仕様もないけどな
638名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 19:01:33 ID:50w2nu0t
女の子もいけるってタイプは芸能界に多そうだよね
その中でも御前は恋愛に積極的、ゆうさんは恋より仕事っていうイメージがある
639名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 19:45:46 ID:ZRb54PXu
恋より仕事っていう建前。
640名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 19:52:18 ID:50w2nu0t
あくまでも個人的なイメージねw
641名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 21:47:26 ID:ZRb54PXu
建前だったらっていう妄想だよ。
642名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 22:31:34 ID:rdtfFaVf
今日の明大イベントでアサ姉に抱きついてた>ゆうさん
次に見つめ合ってた。そして耐えきれなくて吹き出してた。
643名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 00:00:52 ID:50w2nu0t
>>642
自信たっぷりに見つめるまではよかったのに、先に吹き出してしまうのが可愛かったw
絶望少女会にはゆうさん不参加か。藍ゆうはすれ違うなぁ・・・
644名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 00:08:41 ID:01S43Nov
>>643
そういや豚のアニメ出てたけどなんかネタ無いんかね
645名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 00:16:52 ID:e7Io7g26
>>644
ラジオにゲストとして呼んで、アニメに関するお話を聴いてみたいって言ってたくらいかな
公録にゲスト呼ぶらしいから可能性はあるね
646名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 00:27:03 ID:Bilx30Kv
>>643
2回やって2回共だからねww
でもアサ姉の「もう…この子はww」って言ってたのが二人の関係表しててよかった。
やっぱり百合というより姉と手のかかる妹って感じだと思った
647名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 21:17:20 ID:CSuOomiJ
>>642 >>646
どういう流れでそうなったの?
648名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 21:53:27 ID:rcyFHzwt
>>647
ゆうさんとアサ姉で答えを一致させるコーナーがあって
「意思疎通させよう!」って見つめ合うことをゆうさんが提案した
実際見つめ合ったらゆうさんのほうが吹き出してしまったw
649名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 22:52:28 ID:RFWlgE1V
ゆうちゃんはガチだなぁwww
他は営業ばっかだがゆうちゃんだけはガチで安心だよ
650名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 02:16:56 ID:RJHDcOmO
私ガチなんだけど、営業(←女子校のノリとでも言うか)とガチの違いは感じるね、やっぱり
ゆうさんは結構な可能性でガチだと思う
>>638
「恋をしていないと生きていけない女の子もいるし、そういう生き方もあると思うけど
私は違う。私は仕事が好きだから仕事のことしか考えていない。結婚も考えていない」
みたいな発言を過去にしていたよね(もちろんゆうさんの言い方はもっと優しい感じだけど)
ゆうさんカッコよすぎるわ
651名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 07:04:44 ID:Mt2NwBZ7
私はみんなが営業って言ってるような女子校ノリの感じも見てるのは好きなんだけど、
自分とか周りのビアンと比較するとガチではないなーと思ってしまうことが多い

>>650
ゆうさんがガチっぽく見えるのは、仕事に関してストイックで、一般的な「恋愛・結婚による幸せ」
にはあまり興味がなさそうなところも関係してるのかもしれないね
本当のところはわかんないけど、ゆうさんがガチだったら個人的にかなり嬉しいw
652名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 07:31:58 ID:RJHDcOmO
>>651
私も女子校のノリとか営業百合とか、そういうのも好きだよ
でもわかっちゃうよね。分かった上で楽しいっ、て感じかな
だからあえて「あれは営業だ!」とかそういう空気壊すのはイヤだな

ゆうさんは「仕事が恋人」らしいからね
だから「人が私の隙間に入ってくることはできない」・・・惚れてまうy(ry
私もゆうさんがガチだったら生まれてきてよかったー!って織田裕二ばりに叫んじゃうわw
653名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 12:10:43 ID:x3j2uRa/
すごく、きもちわるいです
654名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 16:05:38 ID:RI1p/dYS
とりあえずあすみんはガチでロリコン
かな恵ちゃんに小さい言い過ぎw
背が伸びたら喋らないとかヒドいww
655名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 16:55:11 ID:7M7ECqYK
とりあえず小林ゆうオタにろくなのがいないのはわかった
自己紹介してずに声優同士の話しろよ
656名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 17:13:23 ID:/Pi0Xb4Y
>>655
文句言う前にネタふれよw
657名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 17:15:35 ID:f0MqaSBx
あすみんはどうなのかな
ちょっと描写が際どくなってくると途端に拒否るんだが
かな恵ちゃんがスイートエンジェルだったり
500円だったりおはよーあすみんぱふっだったりわけわからん
658名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 17:40:11 ID:Mt2NwBZ7
あすみん関係はひだまりラジオとうみものラジオしか聴いたことないんだけど
ロリコンっぽいっていうのは何となくわかるようなw
個人的にガチ臭はあまり感じないんだけどね
659名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 18:46:25 ID:RJHDcOmO
>>655
言っておくが、ゆうさんのファンではない
他に好きな女性声優がいる
おまえこそ文句かいてないで何かネタ書けよ

うーんあすみんは百合ではない気がするけど・・・
女性声優に人気だけどね(特に胸あたりが)
キタエリが猛アタックして撃沈していた記憶がw
660名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 19:54:23 ID:iBr53TmZ
あすみんの、あの百合っぽさへの拒否り方が逆に怪しいとか思ってしまったりw
拒否ってはいるけど、基本女の子は好きそうな気がする
661名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 20:39:16 ID:iFarYVh5
あすみんは男に興味無し、百合ネタには乗らない、だが女の子は好き
これだけ挙げるとただのロリコンだなw
ちっちゃ可愛い子が好きだからウメスやかなえちゃんには攻めてくのか
662名無しさん@秘密の花園:2009/11/26(木) 06:45:40 ID:1VPiBRaw
キタエリは総攻めで総フラれを繰り返しているw
松来さんと別ベクトルでいい勝負
663名無しさん@秘密の花園:2009/11/26(木) 07:07:13 ID:vyydYYU1
キタエリはある意味残念な人だしな
664名無しさん@秘密の花園:2009/11/26(木) 14:18:51 ID:fa5v4mwg
松来さんとキタエリが遭遇したらどうなるんだろうなw

ドS総攻め×ドM総誘い受けって最強な気がするがいかんせん接点がない…
665名無しさん@秘密の花園:2009/11/26(木) 14:26:25 ID:WR87IcEv
666名無しさん@秘密の花園:2009/11/26(木) 18:04:50 ID:a0MJXES6
かな恵ちゃん
君の二の腕
ぼくのもの
667名無しさん@秘密の花園:2009/11/26(木) 23:06:29 ID:B1jxzqWp
あけのんと何か関連あったっけ?
668名無しさん@秘密の花園:2009/11/27(金) 00:55:12 ID:wk5e+2Mb
しゅごキャラのラジオでの事だろ
669名無しさん@秘密の花園:2009/11/27(金) 16:04:14 ID:DM1/BlHx
なばいと夫婦は定期的に2828くれるからいい…和むわーw
670名無しさん@秘密の花園:2009/11/27(金) 19:01:41 ID:orvOFMEU
そろそろなばいとはお泊りの話がでてしかるべきだ
今回もニヤニヤとまらん
671名無しさん@秘密の花園:2009/11/27(金) 22:25:44 ID:tG1z1yKG
今週のDLラジオ…ミンゴスが水を得た魚状態になってるなw
672名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 03:44:30 ID:Ayoim3e5
各所で燃料投下されすぎて逆にSS書けないw
673名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 09:54:00 ID:HhFgOVFC
確かにw
あっちのスレついていくので精いっぱいだw
674名無しさん@秘密の花園:2009/12/06(日) 08:10:48 ID:S2XVz4jj
クェイサーラジオ聞いてると何か2828してしまう
675名無しさん@秘密の花園:2009/12/09(水) 17:13:24 ID:LlhoRvKp
舞台も終わったし、なばいと旅行が楽しみだな
676名無しさん@秘密の花園:2009/12/09(水) 17:35:53 ID:xnCyrIF5
うりょっちブログ
藍ぽんに萌えるうりょっち
677名無しさん@秘密の花園:2009/12/10(木) 23:50:38 ID:MhEH49vs
いつものことだが、それでも萌える。
678 ◆eNIM4lH5t. :2009/12/12(土) 20:31:52 ID:ES/5eQut
お久しぶりです。投下します。
なばいと誕生日ネタ。
ちんたら書いていたら、1週間もたってしまいました…。

タイトルは「その一日が、待てなくて」
679 ◆eNIM4lH5t. :2009/12/12(土) 20:32:57 ID:ES/5eQut
コートの袖を少し捲って時計を見た。
袖口から冷気がひんやり入り込んできて、思わず身を竦めてしまう。寒い。
もう夜も深いので針がよく見えない。ちらちら傾けて僅かな光をどうにか拾う。
23時59分25秒。
さっき時報で合わせたから完璧に合ってるはず。

あと、35秒。

もう少し。
私、なにやってんだろ?って思いが首をもたげかけたけど、必死で押さえ込む。
寒空の下、もう結構な時間立っているのだ。
ここで諦めたらそれこそバカみたい。

そんなことを思う間にも針は進んでいく。
寒くて張り詰めた空気の中、針の音まで聞こえる気がする。

48秒。

ポケットからケータイを取り出して、電話帳から見慣れた番号を表示させた。
通話ボタンの上に親指を置いて静かに待つ。

5、4、3、2。

残り1秒になったところで通話ボタンを押した。
なんだか顔が変に強張っている。
寒さで、じゃなくて、期待と不安で。
680 ◆eNIM4lH5t. :2009/12/12(土) 20:33:46 ID:ES/5eQut
『もしもし?』

コール音をほとんど聞く間も無く、すぐに出てくれた。
耳に心地良い聞き慣れた声。
少し声が大きい。驚いてくれたのかな?

「おたんじょーびおめでとー。しずかさんっ。」
『…っ。ありがとぉっ!』

静さんは噛み締めるように一息入れてから、言葉を返した。
搾り出すように抑えた声はすごく嬉しそう。

『電話、すごいびっくりした!』
「メールよりやっぱり声で伝えた方がいいかなって。」

どんなに頑張っても文字は文字だから。
「コトバ」しか伝えられない。
声の方がもっとたくさんのことを伝えられる気がして。

『うん。ちょー嬉しいっ。』
「それとね、どうしてもいちばんに言いたくて。」

それだけじゃ、ないんだけどね。
声だけでは、まだ足りない。
私はつくづく欲張りだ。

『もう遅いのに、ほんとありがとうね。』
「喜んでもらえたみたいでなによりです。」
681 ◆eNIM4lH5t. :2009/12/12(土) 20:34:30 ID:ES/5eQut
電話越しにえへへ、と笑いあう。
そろそろいいかな?

「それでね。」
『なぁに?』
「…来ちゃった。」

ドアを隔てても聞こえる慌ただしい足音。
チェーンと鍵を開ける音は乱暴で、もどかしいと言わんばかり。
深夜だということをすっかり忘れてしまった勢いでドアが開いた。

ケータイ片手にドアを開けた静さんは、私の姿を視界に入れると、目を見開いて
固まってしまった。
大成功。
笑みが抑えきれない。
してやったり、の笑みと、愛しい人に会えた喜びの笑み。

隙だらけの静さんに抱き着いた。
静さんの手がドアノブから離れたのか、後ろでドアが閉まる音がした。

冷えた身体に室内の空気は暖かい。
けど、それも腕の中の温もりにはやはり敵わない。

温もりが心まで溶かしてゆくような気がして、ぎゅっと抱きしめた。

「誕生日おめでと。静。」

耳元に吹き込むと、固まっていた静さんの身体がようやく緩みだした。
背中に腕が回ってくる。頭も私の胸に預けてきた。
ふわり、とシャンプーの匂いが鼻先を掠める。
お風呂上がりなのかな。
682 ◆eNIM4lH5t. :2009/12/12(土) 20:35:13 ID:ES/5eQut
電話だと声で伝えられる。
でも距離を隔てて、機械越しでは伝わらないことはたくさんある。
温度とか。匂いとか。感触とか。
どれもここにいないと感じられないもの。

「…ありがと。」

胸元でくぐもった声。
返事の代わりに頭を撫でた。

「明日、会えるのに。」
「どうしても今、会いたくなっちゃって。」
「…うん。」

静さんには明日の舞台のチケットを渡してる。
わざわざこんなことしなくてもそう遠くない先に会えるのはわかってた。

でも、我慢できなくて。
顔はよく見えないけど、静さんの声色はなんだかはにかんだみたいで、すごくか
わいい。
来てよかったなぁ。


「ちょっとね、エネルギー不足なの。」
「ん?」

唐突に話題がずれたので、静さんは驚いたように顔を上げた。
頬が少し赤い。

「舞台、すごく楽しいし、たくさん勉強になるんだけど、やっぱり消耗しちゃっ
て。」
683 ◆eNIM4lH5t. :2009/12/12(土) 20:38:37 ID:ES/5eQut
始まる前は緊張と期待で昂揚するからいいんだけど。
最中はお客さんのきらきらした目を見ると堪らなく嬉しいからいいんだけど。
…終わって帰途につくと、どっとくる。

「明日まで、全力でやりきるためにはチャージが必要だなって。」

電車の中で、ケータイを見て、あと数時間で静さんの誕生日だなって気づいた時

私の心の中に静さんが浮かんだ、その時。
いてもたってもいられなくなってしまった。

「今日はちょっと甘えたさんなの?」

上目遣いの笑みはとても柔らかくて。
胸の奥がじんわり温かくなる。
でも言葉には出来なくて、素直に返事も出来なくて。
ただ、強く抱きしめた。


どれくらいそのままでいただろう。
言葉もなく、抱き合ったままでいた。
むしろ、言葉はいらない気がした。

「おめでとう、って言いに来たんだけどさ。」
「ん?」

心地良い静寂を破るのは躊躇われた。
けど、これは言っておかないと。しておかないと。
684 ◆eNIM4lH5t. :2009/12/12(土) 20:39:47 ID:ES/5eQut
「思い付きで来ちゃったからプレゼントとか持ってきてなくて。」
「…いーよ。来てくれただけですごく嬉しいから。」

くす、と笑う静さん。
首元に息がかかってくすぐったい。

「家にはあるから。明日渡すね?」
「ありがと。期待してる。」
「んでね、だから…。」

気が急いて、言葉がまとまらない。
まどろっこしい。
右手が勝手に静さんの背中から離れた。
静さんの顎に軽く添えて少し上を向かせる。

静さんは、一瞬きょとんとしたけど、すぐに目を閉じた。
以心伝心。

私も目を閉じて、唇を重ねる。
柔らかくて甘い感触。
しばらくその感触を楽しんで、さらにもっと…。
と行きたいけど、そこでぐっと我慢。
ここで踏み止まらないと、止まれなくなる。

触れただけで離れてしまった私に向けられた静さんの顔には、不安と疑問の色が浮かんでいた。
685 ◆eNIM4lH5t. :2009/12/12(土) 20:40:32 ID:ES/5eQut
「明日があるから。自制自制。」

仮にもプロなのだ。そのあたりはきっちり心得ないと。
むしろこの時間にこんなところにいるというところで、本当はもう、少しアウトなんだろうけど。

「とりあえず、今日のところはプレゼントはこれで手をうっておいて?」
「ん。ありがと。」

本当はプレゼントをあげるというより、私が貰ったんだけどね。
いろんなもの。
外身だけ繕っていて、なんだか悪い大人みたいだ。


「…帰る?」
「そうね。明日あるし。ごめんね?押しかけるだけ押しかけて、すぐ帰っちゃって。」
「ううん。」

ふと一瞬言葉が途絶える。
小さく息を吐くと、静さんはまた私の胸に頭を預けた。

「明日、頑張ってね?」
「うん。」
「期待、してるから。」
「ん。」

声が胸に響く。身体に染み入る感じがする。
随分とハードルを上げられてしまった。
でも、今いろいろ貰ってしまったから。
貰ったからには、明日は全力以上を出せるように頑張らなねば。
686 ◆eNIM4lH5t. :2009/12/12(土) 20:41:06 ID:ES/5eQut
さて、そろそろ帰らないと。
帰りたくはないんだけどな。
だけど、そうも言っていられないのが大人の悲しいところ。

嫌がる身体を無理矢理、静さんから引きはがす。
温もりが身体から離れていく。空気が私たちを隔てていく。
名残惜しい。

意を決して、ドアノブに手を掛けた。
身も心も温まった私にはドアノブはとても冷たい。

「じゃあね。」
「また明日。」

小さく手を振り、笑顔を交わして外に出る。
後ろでドアの閉まる音。鍵の閉まる音。
完全に静さんと隔たってしまった。


「うー…さぶっ。」

吐いた息がふわりと白くなる。
冬の夜の空気は刺すように冷たい。

とはいえ、胸の奥はまだ温かい。
静さんに貰ったばかりの温もり。

冷めてしまう前に、急いで家に帰ろう。
少し足早に家路を急いだ。


687 ◆eNIM4lH5t. :2009/12/12(土) 20:41:38 ID:ES/5eQut
以上です。
ちょいちょい改行が変です。すみません。
珍しくなば視点。なんか書いてて新鮮でした。
約束の旅行でなにかやらかしてくれないかと期待するばかりです。
ではこれにて失礼。
688名無しさん@秘密の花園:2009/12/13(日) 00:02:05 ID:YdHP2SSE
>>687
GJ! 貴方のSSは毎回ニヤニヤが止まらんぜ

>冷めてしまう前に、急いで家に帰ろう。
一緒に暮らせば万事解決ですね!
689名無しさん@秘密の花園:2009/12/13(日) 08:14:09 ID:RzxHgDuc
GJすぎる!
なばいとはやはり良い。癒されるぜ
690名無しさん@秘密の花園:2009/12/13(日) 15:27:20 ID:IyRnXwp0
とりあえずsageようぜ
691 ◆eNIM4lH5t. :2009/12/14(月) 23:36:25 ID:WLhR/W6m
改行ミスった上にsage忘れとか…orz
申し訳ない
692カイキャク遊戯 ◆gqNkam1SwU :2009/12/16(水) 01:29:16 ID:LUbYxjdA
この間のアニスパを聞いて、智ます1レスアホ小ネタ。
会話文のみ。

------------------------------------------------------------
「真澄ぃ〜!!」
「うっわ、智秋ちゃん。……寒いのに元気だねぇ」
「アタシは冬でもジューシーなのYO! それはいいんだけどサ、アンタ腰大丈夫なの?」
「うんまあ、おかげさまで。大分良くなったかな。まだ激しい動きとかは出来ないけど」
「そっかー、良かったぁ。もう、言ってくれればパンツくらいアタシが履かせてあげたのに」
「……なんで知ってるの? その話」
「ん? 風の噂で?」
「ウワサで?」
「っていうか、なんかインタビューとか流してくれたじゃん。アニスパで」
「ああ、あの全然近況になってない無駄コメントね」
「無駄ってなにYO! ちゃんとセクシーにお送りしたでしょ!」
「無駄セクシーね」
「でさでさ、何字開脚がいいと思う?」
「は? ああ、あれ本気だったんだ」
「アタシはいつでも本気よん♪」
「わたし、放送でA字開脚って言ったんだけどさ、」
「エー?」
「そう、開いた脚と脚の間に棒を仕込むの。それ以上閉じれないように」
「あー、ナルホドねぇ……」
「でさ、考えたんだけど、棒は固定するよりも、落とさないように自分で挟んでなきゃいけないってどう?」
「んぅ?」
「そっちの方がエロくない?」
「……そぅお?」
「いや、エロいでしょ! だって、何されても棒は落としちゃいけないんだよ?」
「あの、アタクシ別に何かされたりする予定はないんデスけど……」
「あっれ、そうなの?」
「そうなのって、アタシいつも言ってるじゃん! 『お触りナシよ』って」
「わたしにも?」
「いや、真澄は別……って、ん?」
「という訳で、ここにちょうどいい長さの棒があります」
「ま、真澄?」
「はい足開いてー、はいこれ挟んでー」
「まっ、真澄サン!?」
「よし。じゃあ、落としちゃだめだよ?」
「あのちょっ、まっ……あッ……」



……ちょっと吊ってくる。
693名無しさん@秘密の花園:2009/12/16(水) 08:33:47 ID:K9p4bzh5
規制明けなので朝っぱらから投下します。
内容は新谷良子×田村ゆかりです。
694声優物語 〜田村ゆかり・新谷良子〜:2009/12/16(水) 08:37:29 ID:K9p4bzh5


醒めないユメノツヅキを、いつまでも見ていたいから

心が涙で濡れてしまわないように、笑顔を枯らさないように。




声優物語 〜田村ゆかり・新谷良子〜




「初めまして、ミルフィーユ・桜葉役の、新谷良子です」

 それが、最初の出逢いだった。
 初めての声優での本格的な仕事『ギャラクシーエンジェル』の主役として抜擢され、
緊張しっぱなしだった私は、目の前にいる人たちと上手くやっていけるか、
芝居を失敗しないようにできるか……頭の中が真っ白になっていた。

「こちらこそ、みんなで楽しくやっていこう!」

 かないみかさんは、先輩らしく真っ先に優しく笑顔で出迎え、手を伸ばす。
 握手をするのかと思いきや、その手は、どこか下のほう……って!?

「うん、これはなかなかの大きさ」
「きゃぁ〜〜!!なにするんですかぁ!?」
「オトメチェック」
「胸触ることがですか!?」
「ゆかりんよりもあるね?」

 そういって、かないみかさんは、後ろで、こっちを見つめるゆかりんを見た。
 その目は、どこか不安な目…まるで怯える猫のようで、容姿も可愛らしくて……そんなゆかりんと視線が合う。
 ゆかりんは、目が合った瞬間、何か喋らなくちゃいけないと思いながら、あたふたしながら、周りを見渡しつつ


「あ、ああ……わ、私だって負けないよ?って違うか……初めまして、良子ちゃん」
「アハハハ…こちらこそ、ゆかり…さん」

 ゆかりんは、あの頃から乗っかり癖は相変わらずだったよね。
 ギャラクシーエンジェル放映前から、ラジオが始まり、ゆかりんとの距離はそこから縮まり始めた。
 最初は、時間とか、噛んじゃダメだとかいろいろと気にしていたけれど…。

「ワッフル食べちゃお〜〜」
「ちょっと!!まだ本番……ってあ〜〜!」

 ゆかりんとのラジオは凄く楽しくて…。
 あっという間に過ぎていったっていったら全部が全部よかったってことになっちゃうよね。
 やっぱり声優って言う仕事は大変で、棒読みだなんてことを、よく監督に注意されていた。
695声優物語 〜田村ゆかり・新谷良子〜:2009/12/16(水) 08:39:56 ID:K9p4bzh5

自分では一生懸命に、やっているつもりだけれど、それが上手くできない時は、悔しくて……。
自分より年下でありながら、声優歴は年上の沢城さ……じゃなくてみゆきちゃんは、あんなに上手に出来ているのに……。

「はあ……」

 アフレコ後には、思わず溜息が漏れてしまう。

「ん?」

 そんな中、自分によりそうにように後からやってくるゆかりん。
 ゆかりんは黙って、自分にワッフルをくれる。
 ゆかりんは、物を渡すと、自分より前を歩いていく。
 振り返ると、私のほうを見てゆかりんは笑顔で

「今日もう終わりでしょ?帰ろう?」

 優しく言ってくれる。
 私は、そんな優しいゆかりんと一緒に歩いていく。
 ゆかりんは何も聞かない、何も言わない。
 でも、それでも…私はゆかりんの優しさが身に染みていた。
 嬉しかった……本当に。






 だってさ?ゆかりにとって、良子は本当に大切な友達だったから。

 ゆかりは、小さい頃から人見知りが強くて、
 養成所にいた時は、誰とも話すことができなくて…みんなは仲良くしている中で、裏では互いの悪口を言い合う、
 そんな表だけの関係にいつも、ゆかりは怯えてた。

 ゆかりが、少しだけ声が変わっていて目立っていたのが原因で、イジメもあって、養成所に行くのが怖かった。
 売れ始めて、堀江由衣…ゆいたんと『やまとなでしこ』ができても、プロデューサーの人形のようにされるだけ…自由がなくて、
 ゆいたんとは楽しく話せていたけれど、そんな窮屈な空間で、ゆかりは本当に、友達を作るのが怖かった。
 周りの大人たちが怖くて……声優に自信がなくなりそうで……

 そんなときにね?良子と出会ったの。

696声優物語 〜田村ゆかり・新谷良子〜:2009/12/16(水) 08:42:56 ID:K9p4bzh5

「良子ちゃん、ゆかりちゃん…今日は別のアニメ制作会社をよく担当する音響監督がきてるみたいだから、ちょっと顔出さない?」

 プロデューサーがラジオ終わりに声をかけてくる。
 私は見知らぬ人のところには行きたくなくて、断ろうと持ったけれど、良子が『行こう?』っていうから、ついていった。

 でも、誰も見なかった。

 ずっと、良子の隣で、良子の髪の毛を引っ張ったりして……自分にだけ見てくれるように、って恥かしいなぁ、もう。


「ギャラクシーエンジェルも、第二期決まったんでしょ?もっと、いろいろな作品にでるべきだよ、こんなところで燻ぶってるんじゃ勿体無いな」


 飲み屋にと向った私達……。
 プロデューサーに促されるがままに、音響監督の隣にと良子とゆかりは、勧められた。

「2人とも、歌も上手いんだね?」

 酒臭い匂いに、酔っ払っている音響監督は、良子の肩に手を乗せながら笑っている。
 良子も、合わせるように笑っているけれど、その良子の笑顔が、自分に向けられるものとは違ったことに、私は、スカートを握っていることしか出来なかった。



 声優に、こういう仕事……社会的な付き合いがあることを始めて知った瞬間だった。



「良子〜〜」
「ゆ、ゆかりん髪の毛引っ張らないでぇ〜〜」

 その後、結局明日も仕事だから〜と言いつけて、良子を連れて飲み屋から出て行く。
 困惑顔の良子にあたしはいってやる。

「あんなの、放っておけばいいんだから」
「え?」
「良子は、今のままでいいんだから!誰の力も必要ないよ?」

 難しい言葉がでてこなかったけれど、でも、ゆかりの知っている中での言葉で、良子に言った。
 だってこんなことで、声優が嫌になったって思われたくなかったから……。
 ごめん、こんなの嘘だよね。
 ゆかりは、良子が離れていくのが怖かったんだ。
 大切で身近な友達を失いたくなかったから……。

697声優物語 〜田村ゆかり・新谷良子〜:2009/12/16(水) 08:44:05 ID:K9p4bzh5

「あっ、ゆかりん?虹、虹!」

 ある、雨の降ったアフレコの帰り道、空を見上げるとそこには大きな虹がかかっていた。
 ゆかりんは、おお〜っと声を上げて、虹を眺める。
 東京の町並みの中だったけれど、それでも、その虹ははっきりと見えた。

「綺麗」
「本当だね〜」

 私は、ゆかりんと繋いだ手を、ちょっと強く握ってみた。

「?」
「ごめん、なんかね……こういった日々がずっと続けばいいな〜って」

 首をかしげるゆかりん。私は虹を見ながら

「これからどうなるか、わかないけどね?でも、ゆかりんとこうしてまた一緒に虹を見て歩ければいいな〜って」
「できるよ!!」

 ゆかりんは大きな声で私を見て言う。
 私は、コクリと頷いて誓い合った。
 また、こうやって……お互い、声優として、友達として一緒に虹を見ながら歩こうって。



 人気作となったギャラクシーエンジェルがつづいて…
 パーソナリティに新人の後藤沙緒里ちゃんが加入、続くシーズンでは、ゆかりんがいなくなる……。
 ギャラクシーエンジェルが終了するともっと、ゆかりんと話す機会は減っていくことになる。

 ゆかりんの声は、よく聞くのに…。
 良子の声は、よく聞こえるのに…。

 貴方はいない。

 メールは知っているけれど、でも、お互い、相手が仕事で忙しいことを知っているから、余計なメールを送ることが出来なくて……。



698声優物語 〜田村ゆかり・新谷良子〜:2009/12/16(水) 08:46:22 ID:K9p4bzh5

「あっ!良子!」
「ゆかりん、久し振り〜〜」

 久し振りに一緒になった仕事場で、私達はいろいろと話した。
 でも、ゆかりんは変わった。
 うぅん、本人は何もかわっていなかったけれど……
 あの頃とは違って、ゆかりんは友達がたくさんいた。
 自分だけの小さな空間じゃなくて……、植田佳奈さんや、ますみんもいて……ゆかりんの世界は大きく広がっていった。

 だから、私はちょっとひいて見ることにした。

 だってそうでしょ?ゆかりんは大きく世界を広げようとしている。
 オトメ会…ゆかりんと2人で楽しむお茶会でのとき、話をしていた、友達がいないゆかりんはもうそこにはいない。
 だから自分がそこで、ゆかりんの友達をつくる機会を奪うのはゆかりんに申し訳ない。
 だから、私は傍で見ていることにした。

 水樹奈々ちゃん、小清水亜美ちゃん……みんな、ゆかりんのことを尊敬し、愛している。
 ゆかりんはもう1人じゃない。ゆかりんにはみんながいてくれる。





 気にしすぎな良子。
 って、これじゃー凄く私がかわいそうな子みたいじゃん。

 良子、ゆかりは、友達がそんな物凄く多くなくてもいいんだよ?
 良子や、ゆいたん……少ない友達で、ゆかりのことをいっぱいいっぱい知ってくれていることのほうが、ゆかりはうれしい。


「良子?」

 久し振りに楽屋が隣で会ったとき、甘えながら良子が抱きしめてくれる中…あたしは、良子に聞いた。

「良子、ゆかりのこと嫌い?」

 その言葉に驚いたのか、良子はゆかりをみて

「嫌いなわけないじゃん!!どうしたの?」
「だって、最近、良子、ゆかりと話をしないからさ」

 ゆかりは……養成所のことがあって以後、凄くそういうのが敏感になっていた。
 自分のことを本当は嫌いなんじゃないか?
 ただ合わせているだけなんじゃないか…って、凄くそういうの考えるようになっちゃって…。

「そんなことないよ!!ただ…」
「ただ?」
「んー……ゆかりたんの邪魔になっちゃうんじゃないかなって?」
「え?なんでなんで?ならないよ〜」
「ゆかりたん、友達いっぱいつくってるのに、私は、ほら、いつでも話せるじゃん?だから……」



「良子のバカ」


699声優物語 〜田村ゆかり・新谷良子〜:2009/12/16(水) 08:48:46 ID:K9p4bzh5


 本当はね。

 寂しかったんだ。

 私から離れていってしまうゆかりさんに。

 ギャラクシーエンジェルのときに、最初に出会って尊敬して、友達になって

 私のことをいつも大切にしてくれた、貴方が離れてしまうことに。


「ちょっと、良子借りますね!」
「え、えぇ!?ゆかりん、わ、私今から収録っ!!」

 本当に、良子は普段は大人っぽいのに…。
 こういうところはまだまだなんだから。
 いつ、どこで、ゆかりが良子と離れたいっていった?
 いつ、どこで、ゆかりが良子に気を使って欲しいなんていった?

 ゆかりは……。

 手を引っ張って良子を連れて行きたかった場所。
 良子は最初は嫌がっていたけれど…そりゃー仕事があるからね。
 でも、気がつけば何も言わなくなっていた。
 良子を一生懸命に引っ張って、連れてきた場所。

 そこはただの街中の道だった。
 人通りの多いその場所。
 そこで私達は立ち止まる。


「覚えてる?」
「……」


 ゆかりんはゆっくりと話し始める。


「良子は、ここで虹をまた一緒に見ようっていったんだよ?」


 青空の中、虹は見えない。
 だけど、いつか、ここでまた虹を私達は一緒に見ようって。

 ゆかりんは
 良子は

 空を眺めた。
700声優物語 〜田村ゆかり・新谷良子〜:2009/12/16(水) 08:51:33 ID:K9p4bzh5

「だから、そんな寂しいこと言わないでよ、良子……」
「ごめん……ゆかりん、ごめんね」

 振り返ったゆかりんに私は抱きついて、その胸の中で目を閉じる。
 今、私達は売れる前……最初に出会ったときの田村ゆかりと新谷良子に戻っていた。
 毎日会えることは、少なくなるかもしれない。
 だけど、私にとってゆかりんは、昔も、今も、そしてこれからも……変わらない。

「ゆかりん?」
「なに?」


「……大好き」

 私は、その言葉に、胸が熱くなるのを感じた。
 まったくこの子は……自分が異性だったらこのまま、駆け落ちでもしてしまいそうだよ。
 良子の温かい体を抱きながら、私は恥かしさを感じつつ良子の耳元に口を近づける。

「ゆかりも……大好きだよ、良子」




 ねぇ、良子…。

 なに?

 みんなが私達を見てるんだけど…。

 恥かしい?

 だ、だってぇ〜〜!!

 それじゃあ、もう少しこうしてよ

 り、良子〜〜!!!




 声優になってよかった。
 彼女と出会えることができて……私は、幸せだ。

701声優物語 〜田村ゆかり・新谷良子〜:2009/12/16(水) 08:53:25 ID:K9p4bzh5
以上です。
ゆかりんの一人称が『私』『ゆかり』と変わるところは、
話の流れ真面目な部分になるところで変えました。

普段は大人、根はまだ子供の新谷さんと
普段は子供、根は大人な田村さんが出ればなと…。
702名無しさん@秘密の花園:2009/12/17(木) 00:47:23 ID:IJf7ZjKA
智ますにやにやした

最近保管庫を携帯から見ると
ページ変換されるのなんとかならないの?見づらい
703名無しさん@秘密の花園:2009/12/18(金) 01:14:05 ID:8r/fMoQy
あれ、なにこのニヤニヤ三連発
俺の顔面どうしてくれるw
704名無しさん@秘密の花園:2009/12/20(日) 02:27:22 ID:XxhflSoK
なんだろう
声優のSSって肉体は興奮しないのにものすっごい勢いでニヤニヤする
なんだろう
705名無しさん@秘密の花園:2009/12/21(月) 18:03:43 ID:CFOO6dVJ
本スレから
「小清水三瓶ユニットを結成します!」
ttp://pro-baobab.jp/sk/
706名無しさん@秘密の花園:2009/12/22(火) 05:14:10 ID:Hk95Pck8
>>705
なにやってんだバオバブもっとやれww
二人でラジオとか始めたら泣いて喜ぶぞ
707名無しさん@秘密の花園:2009/12/25(金) 18:58:42 ID:e3I29q24
三瓶小清水!来年に楽しみが出来た!
708名無しさん@秘密の花園:2009/12/28(月) 17:13:31 ID:ZGA+2T42
流れを切るようで申し訳ないんですが、Sphereって需要あんまりないんですかね?
ラジオとかで、戸松が『愛生は俺の嫁!』とかたまに言ってるんですけど…まだ広まってない?
709名無しさん@秘密の花園:2009/12/28(月) 18:30:24 ID:IOGmuHni
愛生ちゃんの総攻めっぷリはSphereにとどまらない
710名無しさん@秘密の花園:2009/12/29(火) 00:40:07 ID:4k5QjQ6U
なばいとが妖しい一夜を
711名無しさん@秘密の花園:2009/12/29(火) 20:09:18 ID:spksOcu1
>>708
Sphereはなんか各人とも彼氏いそうなイメージがある、個人的にだが
712名無しさん@秘密の花園:2009/12/30(水) 13:25:07 ID:cGZent+n
コミケのスフィア本は飛ぶように売れたらしいけどなwwwww
値上げしたykrnn本も利益出まくりだから羨ましいな
713名無しさん@秘密の花園:2009/12/30(水) 14:12:08 ID:lrYUtga1
あースフィアは百合な雰囲気しないなあまり
でもコミケで売れてんだw人気組み合わせは誰と誰だ?
714名無しさん@秘密の花園:2009/12/31(木) 03:21:16 ID:1nB/aBEN
美菜ちゃん×愛生さんが個人的に良い
日頃から密かに愛生さんに想いを寄せてる美菜ちゃんがへたれ攻めで
愛生さんはバリバリ誘い受けで
715名無しさん@秘密の花園:2009/12/31(木) 08:12:23 ID:jsJtKZZD
>>714
素晴らしい!
716名無しさん@秘密の花園:2009/12/31(木) 09:54:26 ID:nI8uosmH
>>714
らじおんやコメンタリーであまり喋れない美菜ちゃんに
愛生ちゃんがネタを振ったりフォローしたりしてたのにずっと萌えてたわ
いまではうみものらじおでだいぶ鍛えられたけどなw
717名無しさん@秘密の花園:2009/12/31(木) 16:55:14 ID:1nB/aBEN
スフィアライブの前に愛生さんが緊張しまくりで心臓ドキドキしてたから、
隣にいた美菜ちゃんに
「ねぇちょっと胸触ってみて」って言って、美菜ちゃんに触らせた
みたいな話をラジオでしてたときから
ああこの子は誘い受けだと確信した
718名無しさん@秘密の花園:2009/12/31(木) 17:33:33 ID:nI8uosmH
胸を触らせると言ったら松木さん
手に向かって胸から当たりに行く人は一人しか知らない
719名無しさん@秘密の花園:2009/12/31(木) 21:35:30 ID:4BY9a4vI
TVの前で「奈々さん頑張って!」と応援するミサトンを想像して2828
720名無しさん@秘密の花園:2010/01/03(日) 22:38:58 ID:UyKHycGt
竹達と沼倉のラジオがやばい萌える
どっちも変態でやばい。特に沼倉。
721名無しさん@秘密の花園:2010/01/14(木) 11:54:20 ID:TmaNrZTy
娘にまでとは本当に歪みないなw
722名無しさん@秘密の花園:2010/01/14(木) 11:55:44 ID:TmaNrZTy
誤爆
723名無しさん@秘密の花園:2010/01/14(木) 17:40:42 ID:CAFDiN7W
>>721-722
誤爆ではないと思うよw

「おしゃべりやってま〜す第3放送」1月13日予告、松来さんのコメント
ttp://www.youtube.com/watch?v=nUUJ-Wu-UCs
724名無しさん@秘密の花園:2010/01/20(水) 04:20:44 ID:WBcMnSEg
ぴかしゅが妄想が溢れ出ちった。
しゅがは天然攻めだと思う。




「なんか最近よく一緒にいる気がする」

「そうだねっ♪」

「なんで、なんで!?今日も一緒にご飯食べてるし!」

「ぴかしゃがオススメのお店ないー?って聞いてきたから」

「なんなの!?しゅがと私はカップルなの!?」

「私はぴかしゃが側にいると、すごく、嬉しい…よ//」

「照れんな!!もう…なんなんだよう」

「ぴかしゃは私のこと、好き?」

「えっ!あの、いや、うん。好き、かな。しゅがとは趣味も合うし、それと、えっと…」

「私はぴかしゃのこと大好きだよ」

「ありがと…」

「多分勘違いしてると思うけど、この好きは特別な、ただ一人の人に対する好き、だよ?」

「えっ、ちょっ、おまっ、それ告白!?」

「うん」

「しゅがが私に…ってえええ!!!」

「一応それなりのムードのお店チョイスしたんだけどなぁ。居酒屋のがよかった?」

「落ち着け私。仲の良い友達とご飯を食べていたと思ったらいきなり告白された。しかも同性だ。なんなんだいったいこれは」

「ぴかしゃー!どうしたの?」

「いや、ちょっと頭の中でちっちゃい日笠が審議中で…」

「ぴかしゃ、ぴかしゃは私のこと、好き?私、ぴかしゃの彼女にしてほしい…よ…」

「えーっと…そう!飲み過ぎだよ、しゅが。もう帰ろう?」

「やだ」

「いやじゃないの。もう時間も遅いし、お家帰れなくなるよ?」

「私はぴかしゃとずっと一緒にいたいんだよう…」


終われ
725名無しさん@秘密の花園:2010/01/20(水) 10:47:40 ID:1oUYWJk8
ぴかしゅがktkr
726名無しさん@秘密の花園:2010/01/27(水) 18:46:00 ID:LpVutupa
>>724
GJwこれは良い2828

>>714
なんという俺得
うみらじで阿澄さんに甘えてる感じの美菜ちゃんも良かったな
727名無しさん@秘密の花園:2010/01/30(土) 00:14:46 ID:z2HZ5p8A
>>724
ひよっちの口調ワロタw 脳内でスムーズ再生余裕でした
728名無しさん@秘密の花園:2010/02/01(月) 21:53:33 ID:VTZRmLo8
過疎ってるのでほちゃます燃料投下
ttp://twitter.com/masumi_asano/statuses/8496839970
729名無しさん@秘密の花園:2010/02/05(金) 00:32:39 ID:jtePGfxa
730名無しさん@秘密の花園:2010/02/05(金) 23:27:52 ID:uGfwIuey
「やほーゆかりたーん」
「………なに?」
インターホンがしつこく鳴るから玄関に向かえば笑顔のゆいたん。
今日の堀江由衣テンション高い、嫌な予感。
「やっほーって返してよー!」
「うっせっ。なに?なんか用ー?」
「ひどいなぁー、ほらお土産」
大袈裟な反応の後にガサガサと聞き慣れた音。
有名なマークが印刷された薄いビニールの袋。
ただのコンビニ袋だけど。
「いろいろ買ってきたんだよー」
「なにー、いちごとかー?いちごじゃないとお家に入れてあげなーい」
「いちっ……………」
「…ふふっ、入れば?」
ピタッと動きを止めて少し不安そうな顔するんだもん、笑っちゃうよ。
ホントに入れてもらえないと思ったんだろうな。
ゆいたんは昔からそうだし。
コンビニにいちごは売ってないよ…なんて言いながらゆかりより先にリビングのソファーに座った。
「あー、ゆかりたんのお家久しぶり!」
「ゆかりより先に座んないでよ!」
「いーいじゃん。」
悔しいからゆいたんの手から袋を奪い取った。
横にどかっと座って中身を全部出してみる。もちろんゆいたんの膝の上にね。
お菓子にジュースにお菓子にお菓子。
なにこれ!
女子高生じゃん!
………そっか、17歳か…。
ゆかりよりそういうとこちゃっかりしてるもんな。
「ほらほらおいしそうでしょー、これ!」
もう袋開けてるし!
雑誌とかでは見せない八重歯を見せて笑うから、なんだかこっちが恥ずかしい。
だって、なんか。
「なに照れてるのゆかりたん!?」
「照れてなーい!照れてないー!!」
「うそだー!だって」
ころんと手の平に転がるほんのりぴんく。
「ゆかりたんの顔こんな色だよ?」
「いちごの飴…」
「ゆかりたんいちご好きでしょー?」
「もうっ、知らないっ!」
731名無しさん@秘密の花園:2010/02/06(土) 11:02:19 ID:li5oXx0Z
これ続くのか?
732名無しさん@秘密の花園:2010/02/06(土) 11:32:59 ID:sA6WM6gw
続くかどうかより終わるかどうかだな。
甘くてオチつかない
733綺麗だ。 ◆CSZ6G0yP9Q :2010/02/06(土) 13:04:49 ID:KH5gqHvI
麻里奈×実里で初投下します

今年も、だぱん。広い大きな濃紺に、色とりどりの華が咲いた。綺麗だね、彼女の呟きも一緒に消えてしまうほどだった。
そう、確か1年前のこの花火大会も、こうやってここで2人で見てたっけと思い出すだけで笑顔が零れる。着付けしてあげるから、
一緒に着ようって。浴衣って気分上がるよね、ってまりなちゃんが笑った顔、子どもみたいだったからね、
わたしもなんだか嬉しくなっちゃったんだ。

「ねぇ、まりなちゃん」
「ん?」
「花火さあ、あとどのぐらいで終わっちゃうかなあ」

きゅう、って重ねた手に力込めた。まだ始まったばっかだしなぁ、って言った横顔が緑色の淡い光に縁取られて、
溶けちゃいそうなぐらい綺麗だった。なんとなく触れたくなったから、彼女の肩にこめかみを合わせて、そっと目を閉じる。
なんか勿体ないね。微かだけど響く音。それだけでも、なかなかに風流だよ。瞼を開いて彼女に視線をずらすと、あ、目合った。
愁いを含んだような瞳、控え目な瞬きを一つ。するりと近付いて、どちらともなく、そっと触れる唇は、溶けちゃいそうなぐらいに柔らかい。
頬に伝わる指の温もりにわたしも重ねて、求めて、離れる。ゆっくり、

「…もっと、キスしたいよ」
734綺麗だ。 ◆CSZ6G0yP9Q :2010/02/06(土) 13:05:49 ID:KH5gqHvI
貴女が崩れるの知ってて、ホントはズルイの、わたし。
啄むようなキスのあと、ゆっくりと唇、歯列、舌。しっかり向かい合って、くちゃりといやらしい音とか。
なーんかすごい襲われちゃってるみたい。我慢できない、なんて、気安く言っちゃうんだから血の気が多いって少し得だなあ、って思うよね。
唾液が行ったり来たり、まりなちゃんのは少し甘いの。ね、女の子。いくら普段が格好よくても、そんなに息荒いと後が辛くなるよ。
赤い舌がゆっくり這うのと同時にわたしの胸元が強引に開く。鎖骨をゆっくりねぶって、ちぅ、と小さな痛み。
思わずしかめた顔に間髪を入れず、痛い?だって。心配するなら痛くしないでよ。でも、優しいね。もっと好きになっちゃう。

「好きにしていいよ」

顔を少し傾け、すぐ横の耳にそっと囁きながらそっと彼女の髪を撫でる。ふわり、

「どこでもいいの…?」

ぎらぎらと輝く瞳は完全に理性を失っていた。ぞくりと背筋に電気が走って、ひくんっ、下着が濡れた。
流れるような指先は脇腹を掠り、ホックを外す。どこでもって、見える場所は困るからね。
外気に触れた胸、彼女は手を伸ばし、搾るように下から上、ゆっくりと揉みしだく。びくんっ、あ、やだ、その触り方。
丁寧で優しい手つきに余計に身体が、疼く。捩れる。きゅっ、と艶やかな青い裾を掴んで、頭をそっと引き寄せる。
赤ちゃんみたいにそのまま舌を伸ばして、生暖かい湿った感覚。乳首、わざと外されてる、焦れったいなぁ。
やってる方は楽しいかも知れないけど、やられてる側にしてみたら軽い拷問だ。ここでいい?
そんな至近距離で囁かれる濡れた胸、吐息だけで大分感じちゃう。白い浴衣、自らの手でまさぐり、指で下腹部を下へ下へ。
既にそこはヌルリと滑り、内腿にまで流れ出していた。堤防もへったくれもないなぁ。入口を下着の上から爪で軽く擦っただけで果てそうだった。
視点が定まらない。ひくりと小さく痙攣。熱い、溶けそうなぐらいに、熱い。あぁ、そんなことがバレたら、また、イジワル、されちゃう。
まぁ、満更でもないね。まりなちゃんが発する言葉、一つ一つ、わたしが欲しいものばかりで、可愛くてたまらないの。
一心不乱に胸に吸い付く彼女はまだ気付いていない。先端がぬらぬら光る中指をそっと口に運ぶ。どうも自分のってあんまり美味しくない。
と考えていた矢先。左胸に針で刺されたような痛みが走る。吸い上げて、離して、吸い上げて、また離す。い、ったぁ…
押し返すように肩を手をかけても、力が入らない。剥き出した犬歯が押しつけられる。刺さる。もっと。もっと。
痕は真っ赤で、夜の暗さによく映えた。先程の激しさの反動か、子犬のようにぺろぺろと優しく舐められ、わたしも大分危ない。
無意識のうちに擦り合わせていた膝。そっと開かれて、ゆっくりと視界が反転する。

「もう我慢できない?」

それはこっちの台詞なんだけどなぁ。上目遣いに感じてるみたいだから、ゆっくりと瞬きをして、優しく微笑んだ。
彼女の腕が背中に回っているから身体は痛くない。細かいとこに気遣えるのは紳士の常識。…紳士?うーん、ちょーっと違うかなぁ。
甘い吐息に身体を震わせるんだから、まだウブなもんだよねぇ。ホントは余裕なんて全く無いくせに。イニシアティブは、わたしのものだよ。
不敵な笑みも、ほら、引きつってるようにしか見えないの。ねぇ、もっと可愛い顔で笑ってよ。痛いこと、いっぱいしていいから。

「花火、綺麗だけど、」

低音。水音を含んだような、いやらしい掠れ声。耳の奥で旋律を描く。
…実里の身体の方が、もっと綺麗
そっと抱き締められる。苦しいぐらいに照る身体。2人の間で、ひしゃげるわたしの胸。まったく、そんな台詞はアニメの中だけで言ってよね。
嘲笑しながら、伸ばした指先で頬に触れて、キザな年下王子様の耳朶に優しく噛み付いた。
735名無しさん@秘密の花園:2010/02/06(土) 15:23:53 ID:li5oXx0Z
>>733-734
GJ
初めてとは思えぬ

夏に外でやるときは蚊に気をつけてねw
736通りすがり:2010/02/06(土) 23:22:09 ID:j4rhl61v
>>730
晒し乙。
737通りすがり:2010/02/06(土) 23:24:33 ID:j4rhl61v
>>730
晒し乙。
738名無しさん@秘密の花園:2010/02/07(日) 02:46:44 ID:YxUQcGPR
>>734
GJ!!すげぇ!このカプのSS初めて読んだぞw
まりなみのりにハマるには、みなきけを聴けばいいのか!?
739名無しさん@秘密の花園:2010/02/07(日) 14:27:19 ID:Iwer+lgn
>>730
オチなんかいらない。甘けりゃそれでいい。

やまなこはジャスティス。
740名無しさん@秘密の花園:2010/02/07(日) 18:25:35 ID:7/FaXtzm
「ぁぅ…、は、…んっ!」
「どんな感じですか?堀江さん」
「…変、なの…あつ、いの…に……ぞくぞく、するっ…」
「…床にまで…すごい、触ってもいいですか?」
「ふぇ!?…や、…だめっ」

クチュ…

「や?!…っ、ぁ、〜〜〜っ!?」
「あれ?イッちゃいました?」
「…ぁ、はっ…はっ…」
「イッてますね、少し触っただけなんですけど…何回イケるんでしょうね?」
「…や、かん…ち…やめ、て」
「ん、治まりました?じゃあ二回目いきますよ?今度はもう少し我慢してくださいね」

ずっ、ずず…ずる

「ひっ、…ぁ、………、…ぅ…んっ、んぁああっ!」
「入れただけなのに、またイキましたね?」
「ぅあ?!…だ、だめぇ…っ!まだっ、まだぁ…う、ごかし…ちゃ、……ぃクッ、……くぁは、あああぁあっ」
「三回目、可愛いですね堀江さん…たくさん溢れてきてますよ?それにキツくて、まだ中がヒクヒクしてます」
「……ゃ、…は、ゆるひて…かんひ…」
「三回目にして舌が廻らなくなってきてますよ?キモチイイんですね…でもちゃんと喋らないと駄目です」

ずりゅ、ずず…

「ぅ、ひゃ、ぁあっ…?!む…むりぃ、…た…またっ、……んっんんんん〜〜!……ぁっ」
「四回目……早いなぁ」
「も、…やら、…やだ、よぉっ…!」
「駄目ですよ、悪い子にはお仕置きって相場が決まってますから」
「く、…ぁあ、…ひ、うっ、ひくっ…ぅう…」
「あは、泣かせちゃった………カワイイです。」
741名無しさん@秘密の花園:2010/02/07(日) 18:25:57 ID:7/FaXtzm
「ヒドイ!いくらかんちでもあれはひどいと思うっ!」
「ですから、何度も謝ってるじゃないですかぁ;それに元はと言えば堀江さんがあんなの私に使おうとしなければ……、」
「うわ、わぁ!;言うな言うな言うな〜っ、と、とにかく!かんちが悪いのっ」
「…眉薬で私から襲わせようだなんて、」
「わ、わ、わぁあ!言わないでよっ、恥ずかしいじゃん!」
「しかもバレて自分に使われt…むぐっ;」
「か、かんちの、ばかばかばかぁ!」
「んん、む、……ぷは、まぁそれはそれとして…残りどうします?また使いますか?」
「捨てるっ、今すぐ!」
「…………あ、今度はちゃんと私が使ってみましょうか?」
「や、やだ!もうかんちが隠れSだってわかったから、またあんなのされたら私の身体もたないよっ;」
「…何を言ってるんですか、『十七歳』っていったらまだまだ大丈夫ですよ♪」
742名無しさん@秘密の花園:2010/02/07(日) 23:26:58 ID:bcrW4oAJ
GJ!
743 ◆CSZ6G0yP9Q :2010/02/09(火) 00:11:05 ID:O5SYbFaA
test
744名無しさん@秘密の花園:2010/02/09(火) 19:01:45 ID:XjkzIJQI
t
745名無しさん@秘密の花園:2010/02/09(火) 19:14:57 ID:XjkzIJQI
746名無しさん@秘密の花園:2010/02/10(水) 00:12:20 ID:x+x0ztJr
test
747名無しさん@秘密の花園:2010/02/10(水) 01:01:50 ID:J9vW/xty
>>733
GJ!
748名無しさん@秘密の花園:2010/02/12(金) 03:23:05 ID:f/hzsP/v
保管庫にななゆか入れるならアイマスとかやまなこスレも入れればいいのに
管理人はnnykr信者ですかww
749名無しさん@秘密の花園:2010/02/12(金) 05:08:04 ID:cI573sbO
管理人がななゆか信者なのは前から言われてることだ
確か前にえりんごすスレのも保管して欲しいって頼んだ人が居たがスルーされてた
でも本スレのSSの保管漏れがある訳じゃないし、特に問題は無いから皆触れないだけ

ただ、ななゆかスレのSSは1レスの小ネタも欠かさず保管してるから
更新履歴がごちゃごちゃして分かり難くなるのはどうにかならんかな
750 ◆td9b9.aXes :2010/02/12(金) 22:36:53 ID:FkMdW1xq
信者に見られていたんですね。
えりんごすスレでも言われていました。
それほど詳しいというわけではないのですが。

あちらのスレは、派生スレということで保管しています。
更新履歴がごちゃごちゃして分かり難くなるというのは、
なんとか対策を考えてみます。
751名無しさん@秘密の花園:2010/02/13(土) 03:46:19 ID:U3ZPDrUd
>>750
いつも乙です
保管庫は善意でやってるものだし、まとめ方やレイアウト等はやりやすいようにすれば良いと思われ
関連スレを全部保管する必要も、派生スレを別ページに分けて纏める必要もない
752名無しさん@秘密の花園:2010/02/13(土) 12:16:36 ID:ZpgOpUna
同意
管理人さんいつも乙です
753名無しさん@秘密の花園:2010/02/14(日) 13:00:11 ID:My/NJtE2
善意で、しかもあれだけきちんとまとめてくれてる人に対してガタガタ言うなら自分で作ればいいだろうと思ってしまうな
まとめ抜けあるかもしれんし、自分の好みが反映されたって仕方ないだろうに

なんにせよ管理人さん乙です
いつも助かってます
754名無しさん@秘密の花園:2010/02/14(日) 19:34:22 ID:N74W/Qct
マンセーが続いてるので新参の俺から長文苦言失礼、見たくない人はNG・スルーお願いします

wikiならば上記の苦情に対応できる(皆で更新でき、履歴も残り、携帯でも観れる)
それでもwikiで作らなかったのは、検索避けの為だと思ってた
しかし普通に引っかかり、パスも無し
トップページや注意書きも無いので、知らない人でもリンクを進みSSを見てしまうかもしれない

ジャンルがなまもの百合なので、一般ファン・仕事関係者・身内の方が、誤って観ることの無いような配慮が必要なのでは?
今では100以上の名前が載っていて、更に検索に掛かりやすくなり、気分を害する人も増えているのでは?
ttp://vamner.web.fc2.com/
ttp://hzs.gozaru.jp/last.html

同じようなことを言った人も過去に居たかも知れませんが
声優のラジオ等が増え、声優個人の人気が急増しやすく
ネットや創作の知識が薄くとも、簡単に作品を上げられる今、再確認すべきことだと思います
755名無しさん@秘密の花園:2010/02/14(日) 21:25:29 ID:+RdGIJqQ
女性向けの(主にBL)2次では検索避けは当たり前みたくなっているけど
それ以外では昔からそんなに検索避けなんてしてたかなー

元々が違う。ナマモノジャンルといってもね。
注意書きをつけるなどのある程度の配慮は必要かもしれないが、パスが必要だとかになったらそれは違和感ある。
756名無しさん@秘密の花園:2010/02/14(日) 22:50:22 ID:6wY73fLY
>>755
最後まで読んで書き込んでんならどうかと思うわ
パスはともかく検索避けは必須だろ
昔と今じゃ違うし、腐女子向けはダメで他は良いとか意味分からん
声優名3,4人分纏めて検索するだけで、上位ではないが実名レズエロSSが引っかかるんだぞ
757名無しさん@秘密の花園:2010/02/14(日) 23:49:56 ID:Sqnhllpf
エロSS書いてゴメンナサイ
ファンがどう思おうといいんだけどそれによって事務所や本人にアクション取る奴が出たり
ましてやSS自体が本人の目に入ったり(既に入っているだろうが)は避けたいと思うな
758名無しさん@秘密の花園:2010/02/15(月) 00:54:49 ID:xfgIq8Gp
同人誌渡した奴もいたしなw

保管庫っつっても、SSの無断転載を『便利だから』って理由で黙認されてるだけだし
書き手や読み手への配慮がなけりゃ成り立たんわな
俺は好きな声優やそのファンに害が出んのは勘弁だ
759名無しさん@秘密の花園:2010/02/15(月) 13:24:25 ID:yMjMF7kW
無知だから詳しいことは分からないけど、まぁ最低限注意書きが必要なことだけは分かる
と言っても管理人を批判してる訳じゃないぞ
嫌な雰囲気になるのは嫌だし、皆で改善していけばいい
760 ◆td9b9.aXes :2010/02/15(月) 20:00:26 ID:5q8br5QK
検索よけはともかくとして、注意書きは必要になってきますね。

ttp://voiceactorstory3.web.fc2.com/

注意書きを入れてみました。
もう少し良い注意書きがあると思うので、これは暫定的な注意書きということで。

検索よけに関しては、今のところ、SSページ及びTOPページ(index.html)以外の
すべてのページに、metaタグを入れておきました。
SSページは、徐々に入れていきます。

robots.txtもアップしたので、少しは検索よけにはなっていると思います。
URLも新しくなっているので、しばらくは検索結果には表示されないと思います。

とはいえ、インターネットで公開している以上、
検索結果に表示されるのも時間の問題でしょう。

あとは訪問者様の善意に期待するしかありません。
761名無しさん@秘密の花園:2010/02/15(月) 20:06:42 ID:gX0uRTSF
>>760
乙です
762名無しさん@秘密の花園:2010/02/15(月) 20:18:19 ID:xfgIq8Gp
>>760
乙です
招かれざる客が来ない程度の対策で良いのでこれで十分かと
あと、不要なリンク・URL掲載不許可とか、一部年齢制限有りくらいですかね
763名無しさん@秘密の花園:2010/02/15(月) 21:22:54 ID:94zSi8OP
>>760
乙、手間だとは思うけどすごい大事なことなのでよろ

>>754
指摘とんくす
問題点に気付きつつもスルーしててすいません
書き手も作品投げっぱじゃなく、ちゃんと考えないと駄目ですね
764 ◆td9b9.aXes :2010/02/15(月) 22:00:58 ID:5q8br5QK
ほぼすべてのページにTOPというリンクがありますが、
リンク先が一番最初のページ(index.html)になっています。
これは徐々に直していきますので、気長にお待ち願います。


必要になってくると思うので、意見・要望・議論の専用スレッドを作りました。
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/20800/1266237902/
765名無しさん@秘密の花園:2010/02/15(月) 23:38:46 ID:yMjMF7kW
>>764
乙!!
766名無しさん@秘密の花園:2010/02/16(火) 15:36:47 ID:cbMmYP0i
糞保管庫早く潰せばいいのにな
マンセーされすぎて気持ち悪い
そんな暇あるなら作品投下できる空気作れよw
767名無しさん@秘密の花園:2010/02/16(火) 19:55:17 ID:x2MqIsvE
つーかこの糞スレ自体がいらない
768名無しさん@秘密の花園:2010/02/17(水) 04:10:24 ID:VqHLaneS
あらあらw
769名無しさん@秘密の花園:2010/02/17(水) 04:12:08 ID:fR5vvGX4
保管庫は便利だが管理者がウザイwwww
作品やスレ贔屓が目に見えてて痛々しい
770名無しさん@秘密の花園:2010/02/17(水) 04:48:16 ID:VqHLaneS
>>769
お、じゃあお前がどんな作品にも公平な新しい保管庫作ってくれるんだな?
ありがとう!
771名無しさん@秘密の花園:2010/02/17(水) 13:14:58 ID:MCqec5li
荒らしより煽り混じりでそれに触れる奴の方がうざい
772名無しさん@秘密の花園:2010/02/17(水) 14:54:14 ID:xTYFGBZI
バカばっかw
773名無しさん@秘密の花園:2010/02/18(木) 02:07:33 ID:UR7d/5mI
こういう風になるから誰も触れなかったのに
>>754しねよ
774名無しさん@秘密の花園:2010/02/18(木) 15:39:29 ID:EANw3F5S
>>773
お前が逝けバーカ
775名無しさん@秘密の花園:2010/02/19(金) 02:11:04 ID:Ki4ObFmE
(_,''' ▽ '')<やめて! 私の為に争わないで!
776名無しさん@秘密の花園:2010/02/19(金) 05:07:49 ID:d8xPdqIY
よし、俺がひとつ萌えたぎる燃料を投下しようじゃないか


気持ちだけ
777名無しさん@秘密の花園:2010/02/19(金) 17:39:58 ID:4fbZOphD
(_,''' ▽ '')<気持ちより食べ物か女の子を下さい
778名無しさん@秘密の花園:2010/02/19(金) 18:46:48 ID:b7SlM+i1
じゃあプリキュアdx2のアフレコ現場でのまつらい×水沢
でも。

松木「あ、ふみえちゃんだ。おーい」
スタッフ「じゃあキュアの皆さんはあちらに、小動物の皆さんはそちらに集合してください」
水樹「私たちあっちみたいですよ?」
水沢「おうよ相棒」
松木「あ、ちょ、ふみえちゃん!ふみえちゃーん!」
関智「んだよ、松木。早く行けよ」
太紀ちゃん「そーよそーよ」
ぱく「しょーがねーな。よっこいしょー」肩に担がれました。
松木「ふみえちゃん!ああでもこれはこれで!」

今はこれが俺の精一杯。
779名無しさん@秘密の花園:2010/02/19(金) 21:54:48 ID:SARRaNSb
保管庫が気使ってるのに大元のここが普通に投下してたらダメなんじゃないのか
誰にでも見えるぞ
780名無しさん@秘密の花園:2010/02/19(金) 23:06:06 ID:J0ZjdUm/
ここはスレタイと>>1でどんな内容かわかるからおkだろ
781名無しさん@秘密の花園:2010/02/20(土) 02:53:37 ID:4TdWYFyD
>>779
それはおかしいだろw
782名無しさん@秘密の花園:2010/02/20(土) 07:01:11 ID:t1TIgdp8
>>779
それ言い出したらスレ終了なんだがw
妄想すら禁じろとか言う気か
783名無しさん@秘密の花園:2010/02/20(土) 14:14:24 ID:M+g7AjtT
同じ条件なのに、ここには直書きOKというのもおかしい

が、べつに今まで通りでいいと思う
784名無しさん@秘密の花園:2010/02/20(土) 15:28:43 ID:lRF9S67y
>>779
>>762が言うように、招かれざる客が来なければ良いと思う
板のローカルルールで、18歳未満立入禁止でレズ・百合を語らう場であること
スレタイ、テンプレで声優について妄想・捏造する場であることが分かる
何も知らずにここに来ました、って奴がいたらそいつの方が問題
785名無しさん@秘密の花園:2010/02/20(土) 22:05:54 ID:dr1SINRO
>>779
投下が駄目とか、
声優だけじゃない芸能人の個人とか
お笑いグループとか音楽ユニットとかのアンチスレのほうが酷いだろ。
ずっと対象に対してきもいだの氏ねだの罵詈雑言ばっかりだぞ
あんたの危惧する「誰にでも見える」状態だし
786名無しさん@秘密の花園:2010/02/20(土) 23:50:52 ID:M+g7AjtT
>>785
他スレは全く関係無いし投下駄目なんて一言も言ってない
ただ保管庫への指摘が、検索にも引っかかる公開掲示板でやってることと矛盾してると言っただけだ
今の保管庫の管理もここへの投下も文句あるわけじゃ無いんでもういい
787名無しさん@秘密の花園:2010/02/21(日) 00:07:40 ID:HfXjEhs6
779 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2010/02/19(金) 21:54:48 ID:SARRaNSb
保管庫が気使ってるのに大元のここが普通に投下してたらダメ
788名無しさん@秘密の花園:2010/02/21(日) 00:28:15 ID:TwZtGM6y
>>787
普通に投下してたら
789名無しさん@秘密の花園:2010/02/21(日) 00:42:11 ID:/EFWUzzb
いい加減まつらいさんのために争うのは止めろよ
790名無しさん@秘密の花園:2010/02/21(日) 00:46:35 ID:91cpnoCT
(_,''' ▽ '')<やめて! 私の為に争わないで!
791名無しさん@秘密の花園:2010/02/21(日) 21:24:02 ID:xD9x0L/J
久しぶりに来たらヘンな流れになっとる
792名無しさん@秘密の花園:2010/02/22(月) 00:21:52 ID:n+CUBds+
>>791
○さんが大人気ですみません
793名無しさん@秘密の花園:2010/02/24(水) 17:54:41 ID:Quu5b0dR
うりょっちは相変わらずあいぽんへの愛に溢れてるな
794名無しさん@秘密の花園:2010/02/25(木) 06:39:55 ID:U1TJdkHW
なんか最近、一方通行な感じが若干減ってきたよね<うりょ
躊躇わずに「あいぽん」って書くようになったし。
795名無しさん@秘密の花園:2010/02/28(日) 03:15:57 ID:mWB4D25I
いつまでゆかななだけ特別扱いしてんの自己中管理人?
あいつらは保管庫作る気ねえんだから、作品消せよ
796名無しさん@秘密の花園:2010/02/28(日) 10:04:41 ID:vbu6nCgm
じゃあお前が管理人になって新しい保管庫でも作れよ
797名無しさん@秘密の花園:2010/02/28(日) 10:18:06 ID:n66B4N8D
糞スレ廃棄処分
798名無しさん@秘密の花園:2010/02/28(日) 15:33:02 ID:nTjsVrn0
ゆかりななスレでの◆td9b9.aXesの盛大なスルーされっぷりにわらたwww
799名無しさん@秘密の花園:2010/03/02(火) 19:31:15 ID:yaCWTqo3
嫌いなCP追い出しておkになったみたいだし、自分が嫌いなCPでも発表しようぜ
俺は能登のCP全部w
800名無しさん@秘密の花園:2010/03/03(水) 11:34:36 ID:ui9RsNYt
嫌いなカップリングを叫ぶスレで大人気のなばいと
801名無しさん@秘密の花園:2010/03/03(水) 11:49:33 ID:FLVGUEzf
>>800
あのスレ初めの方は面白かったけど一定までいくと話がループするから最近見てないわ
802名無しさん@秘密の花園:2010/03/06(土) 16:54:04 ID:yxVWMyYj
智ます推し
803名無しさん@秘密の花園:2010/03/07(日) 15:28:11 ID:5D0spYxa
廃墟
804名無しさん@秘密の花園:2010/03/08(月) 03:56:50 ID:dSfzwm0L
廃墟巡りに来ますた。
805名無しさん@秘密の花園:2010/03/10(水) 17:43:44 ID:WCd3JyIT
青ニ3人娘が相変わらず可愛すぎる件について
806名無しさん@秘密の花園:2010/03/11(木) 00:56:26 ID:6joD/Oz8
それって誰と誰と誰よ?
807名無しさん@秘密の花園:2010/03/11(木) 01:32:06 ID:MII9+aZh
神田と野中と白石
うりょっちのブログだね
808名無しさん@秘密の花園:2010/03/11(木) 02:41:25 ID:J7yJVrq6
>>800
あそこ同じ奴が何回もしつこく同じカプを書き込んだりしてるから注意
ソースは俺
809名無しさん@秘密の花園:2010/03/12(金) 01:16:01 ID:rCCd64cG
なんでゆかなな削除しねーの?
保管庫管理者屑すぎ
810名無しさん@秘密の花園:2010/03/12(金) 01:26:56 ID:+3G+PUZQ
おまえが削除されろよ
811名無しさん@秘密の花園:2010/03/12(金) 02:39:59 ID:7rBsWevg
748 名前:名無しさん@秘密の花園[age] 投稿日:2010/02/12(金) 03:23:05 ID:f/hzsP/v
保管庫にななゆか入れるならアイマスとかやまなこスレも入れればいいのに
管理人はnnykr信者ですかww

809 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 01:16:01 ID:rCCd64cG
なんでゆかなな削除しねーの?
保管庫管理者屑すぎ


一ヶ月もよく続くわ
812名無しさん@秘密の花園:2010/03/12(金) 02:53:49 ID:xQT4tzpr
そんなに保管庫の管理者嫌いなら保管庫見なければいいだろうに
813名無しさん@秘密の花園:2010/03/12(金) 15:06:24 ID:L+brpJPq
一々触れるなよ、荒らしのこと大好きかお前ら
814名無しさん@秘密の花園:2010/03/12(金) 15:33:42 ID:gYSTp6q9
す、好きとかそんな訳ないじゃん……ばか
815名無しさん@秘密の花園:2010/03/13(土) 01:31:09 ID:aImNekro
バカ、バカバカバカ好き!
816名無しさん@秘密の花園:2010/03/13(土) 03:10:54 ID:zlbdPssp
おいおい、なんだよ萌えるじゃないか
817名無しさん@秘密の花園:2010/03/13(土) 04:30:38 ID:Qnc2wxRr
>>815
なんで公共の電波でうんたらかんたら
818名無しさん@秘密の花園:2010/03/14(日) 08:08:11 ID:t2lmQZdJ
何か保管庫消えてね?
久しぶりに来たから状況が分からん
819名無しさん@秘密の花園:2010/03/14(日) 08:38:33 ID:/WcTFvY8
>>818
現行スレくらい読め
820名無しさん@秘密の花園:2010/03/14(日) 08:40:33 ID:t2lmQZdJ
いや、話題になってるCPのだけ消すのかと…
丸々消す事になったのか?
821名無しさん@秘密の花園:2010/03/14(日) 08:48:57 ID:/WcTFvY8
>>820
◆td9b9.aXesで抽出

保管庫の質問はここでしないで直接聞け、あと保管庫はちゃんと有る
822名無しさん@秘密の花園:2010/03/14(日) 08:55:02 ID:t2lmQZdJ
>>821
>>1のURL見てたわ
すまん、ありがと
823名無しさん@秘密の花園:2010/03/15(月) 14:34:36 ID:TkUIPgW1
あさの先生の著作はなんで百合萌えポイントだらけなの?
狙ってるの?それとも素なの?
824名無しさん@秘密の花園:2010/03/15(月) 15:32:19 ID:wdofbamo
>>823
脳内におっさん飼ってるからw
825名無しさん@秘密の花園:2010/03/16(火) 11:02:57 ID:u6X/tL0u
???「(ドンドンドン)おさん!…(ドンドンドン)中尾さん!(ドンドンドン)起きてください!中尾さん!」

中尾「ん゙ん゙〜、朝からゔるざいなぁ…新聞はお断りですよ〜」
???「寝ぼけて馬鹿な事言っていないで、早くドア開けてください!」
(ガチャ)
中尾「(ガチャ)あれ゙〜、香奈ちゃん、どうじたの?」
花澤「『どうしたの?』って…もう、11時半ですよ…監督、カンカンに怒ってますよ…電話も出ないし」
中尾「あ゛〜〜〜〜!昨日、4時ぐらいまでゲームしてたから!すぐ準備するから待ってて!」
花澤(ったく!いい歳こいてアニメやゲームばっかり何だから…これじゃどっちが年上だかわかんないよ)

〜数分後〜

中尾「ふぅ…仕度できたよ。ゴメンね〜ダメな先輩で」
花澤「な、中尾さんはダメな先輩なんかじゃありません!ちょっと変な所があるけど素敵な先輩です!…あっ」
中尾「ありがとう(ニッコリ) 私も香奈ちゃんみたいな可愛い後輩がいて嬉しいよ」
花澤「きゅ、急に真面目な態度にならないで下さい!
    そ、それに私の方が芸歴は長いんですから私の方が先輩なんですからね!///
    ほらっ!急ぎますよ!
中尾「あ゛〜!まってよ゛〜!」

花澤(でも…でも、私はそんな中尾さんが大好きですよ)
826名無しさん@秘密の花園:2010/03/22(月) 17:42:12 ID:lyWzNBxV

日笠「はぁ〜今日も生放送疲れたぁ」
亀「肩揉んであげようか?」
日「いいよ。あたしはばーちゃんか」
亀「ふふふっ」
日「あ。そうだ、この後しゅがと約束してるんだった」
亀「……こんな時間から?」
日「ご飯食べるだけだよ」
亀「ふぅん」
日「……何。なになに?もしもし亀よ〜亀さんよ〜?」
亀「…」
日「まさか妬いてるのかー?」
亀「…違うもん」
日「はいはい拗ねないの」
亀「拗ねてないもん!」
日「んじゃ、明日二人でどっか行くか!」
亀「えっ…?」
日「この日笠陽子を、一日独占させてやるゾ☆」
亀「………なんかイラッとした。もういい。いってらっしゃい」
日「え、ちょ、亀ぇ!?」

亀(ひよのばかぁ……)
827名無しさん@秘密の花園:2010/03/23(火) 01:56:15 ID:ijVH4cDU
久々に来たら萌エスなことになってた
828名無しさん@秘密の花園:2010/03/24(水) 07:20:39 ID:pgi/mvYD
>>825
この二人の絡みはダメ姉、しっかり妹みたいで好きw
ラジオの公録のときもビンゴだったw
829名無しさん@秘密の花園:2010/03/25(木) 13:13:27 ID:FS2xXxen
鬱陶しいやつ来てるんだが何とかしてくれ
830名無しさん@秘密の花園:2010/03/25(木) 19:29:25 ID:EhbbBEqo
831名無しさん@秘密の花園:2010/03/26(金) 06:55:02 ID:mIiGRkRy
新アニメのラジオが気になる
832名無しさん@秘密の花園:2010/03/27(土) 23:16:00 ID:kfq3uuKA
>>831
新ラジオって何かあるっけ?
とりあえず俺はひだらじでニヤニヤしとくか、百合って感じじゃないが仲良すぎる
833名無しさん@秘密の花園:2010/03/31(水) 22:59:25 ID:S+kdpyAC
ハヤラジは良かった…
834名無しさん@秘密の花園:2010/04/02(金) 19:52:53 ID:p8z+WGMc
誰か>>714をSSにしてくれないか…
835名無しさん@秘密の花園:2010/04/04(日) 01:07:45 ID:3FLqLjlJ
ないなら自分で作ればいいのよ
836名無しさん@秘密の花園:2010/04/04(日) 03:23:45 ID:geR94T3h
寿さんヘタレ攻めとかぱねぇ

>>834頼んだぞ
837名無しさん@秘密の花園:2010/04/11(日) 10:10:51 ID:6q8Pt1e5
>>834
おい早くしろ
全裸でまってるから
838名無しさん@秘密の花園:2010/04/13(火) 02:08:34 ID:W4VoJrb2
戸松×寿
839昨日の二人 ◆vvcd1111Og :2010/04/13(火) 03:43:41 ID:TbhKNvam
 朝の匂いが、澄んだ空気に澄み渡っている。横目で見る新幹線の窓の外には、流れ
行く景色が広がっていた。段々と田圃や森林が少なくなっていく。鄙びた風景から、街
の景色へと移り行くのを眺めながら。私は、どんな意味かもよく分からない溜め息をひ
とつ吐く。
 窓際に座っているあやひの双眸が、次第に爛々と輝いていくのが、こちらから見てい
ても分かる。何だか、意外だ。こういう風景には、あまり興味ないのかなと思っていたけ
ど。
「ねぇ、あきちゃんの家はどこー?」
「こんな都会の方じゃないよ」
 馬鹿にされているのかとも思ったが、そんな皮肉を言える性格でないことは知ってる。
「でも、ここら辺なんでしょ?」
 はるちゃんはトッポをカリカリ、鼠みたいに齧りながら、退屈そうに私に聞く。
「ここら辺だけど、もっと田舎の方」
 新幹線はゆっくりと、徳島の街を南下していく。
 久々に目にする故郷の街の表情は、何だか昔とは少し、この目には違って映る。もし
かしたら、というか、絶対に、私が変わってしまっただけなのだろうけど。
 背もたれに重く体を預け、つまんなそうな表情で先ほどから一言も口を聞かない彼女
を、横目で盗み見る。
 うつむき加減のままで、こちらから見るとその顔半分は、暗く翳っている。容貌だけは
大人っぽい彼女のこんな表情を見ると、改めて、まだまだ子供なんだなと考えさせられ
るのだ。ついこの間、高校を卒業したばかりなんだし、それも仕方ない。
「ねぇ、みなちゃん」
 私ってほんと、意地悪い性格してるな。って、こんなときにいつも思う。そんな表情され
たら、だって私、彼女をからかいたくなってしょうがなくなる。
「なに」
 冷たい声色の割りに、その横顔には少しだけ嬉々とした色が混じっているのを、私は
見逃さなかった。
 そんなに嬉しい? 私に話しかけられるのが。
「ううん。やっぱ、なんでもない」
 私がそう言うと、彼女は隣の私にしか聞こえないくらいにちっちゃく舌打ちする。
 謝る気はあるけれど、もちろんこんなところでは出来ない。みんながいるから。
 昨晩、私が少しベッドの中でみなちゃんをいじめすぎてしまったのが、今日の彼女の
子供みたいに拗ねている原因。
 まあ、実際まだまだ子供なんですけどね。私から見たら。
 未成年に手出してるご身分で、故郷の街に帰ってきちゃいました。何だか、お父さん
お母さんに土下座したい気分。
840昨日の二人 ◆vvcd1111Og :2010/04/13(火) 03:45:05 ID:TbhKNvam


「さ、そろそろ駅だよ。準備して」
 マネージャーさんの掛け声がして、ようやく彼女はその顔を少しこちらに向けた。
 一瞬だけ目が合うけど、すぐに睨まれて、逸らされる。ああもう、そういうことされると、
またいじめたくなっちゃうんだよ。って、何回言ったらわかるんだろう。そろそろ学習しよ
うよ、若者よ。
「さーて、あきちゃんの生まれ故郷を堪能しますか!」
「何が名産なんだっけ? 渦潮?」
 真っ先に電車から降りるはるちゃんとあやひの浮き足立ったような声が前で聞こえ
る。まったく、この二人は、遠方にライブに来たりすると、いつだって修学旅行気分なん
だから。
 マネージャーさんも、先に降りていく。開いた扉からは、外の空気が車内に澄み渡っ
てくる。それが少し火照った頬に触れると、心地いい。
 隣でいそいそと荷物を纏めて、ようやく立ち上がった彼女を見て、私の中ではまたも
少し、悪戯心が生まれてしまった。もうこの感情は、生まれ付いてのものだから、一生
消えそうにない。
「ねえ。今日の夜、スケジュール空いてるらしいよ。私たち」
 話しかけても返事は無い。まあ、予想してたけど。
「とっておきの観光スポット、連れてってあげよっか。みなちゃんだけに」
 少しだけピクリと反応したけれど、意地でも答えは返さないつもりらしい。
「――それとも今夜も、昨日の続きがいい?」
 彼女の耳元に唇を寄せて、とっておきの台詞を呟いた。その瞬間、彼女の耳が段々
と林檎みたいに赤くなっていくのがわかって、思わず吹き出してしまいそうになった。
 引いて見ると、頬にもすっかり赤味が差している。壊れるくらいに、抱きしめてしまい
たい。
 今すぐにでも押倒してしまいたい衝動を、何とか理性で抑える。我慢、我慢。お楽しみ
は全部、夜のために残しておくのが、通ってものよ。
 っていうか、さ。故郷に着いて早々、何てこと考えてんだろ。私ってやつは。



おしまい。

Sっ気あきちゃんと、素直になれないみなちゃん。
徳島にライブに行く途中の新幹線の様子を妄想してみました。
エロはなくてごめんなさい。
841名無しさん@秘密の花園:2010/04/13(火) 07:03:57 ID:UohErfyT
GJ!

朝から萌えちらかした!!!
842名無しさん@秘密の花園:2010/04/13(火) 13:59:28 ID:BDdi3v/j
>>839-840
GJ!
S愛生ちゃんイイネー
843名無しさん@秘密の花園:2010/04/13(火) 18:18:55 ID:/WhHjNB8
>>840
GJすぎる!
のんきな他二人もいいなw
844名無しさん@秘密の花園:2010/04/13(火) 20:31:39 ID:A+1u7q92
徳島に新幹線が開通している状況が気になっちゃう俺は鉄なのか。
845名無しさん@秘密の花園:2010/04/13(火) 22:50:44 ID:anPidvqs
>>844
同意w新幹線は寿県か隣の県か隣の府で下車して(ryかと
846名無しさん@秘密の花園:2010/04/13(火) 23:10:05 ID:/v+8sXVM
スフィア時空なんだよ
847名無しさん@秘密の花園:2010/04/14(水) 03:12:32 ID:HFDMaPJ6
良いよい、萌える
848名無しさん@秘密の花園:2010/04/14(水) 10:02:46 ID:2EELuG6s
>>840
GJすぎる
好みすぎて死にそうになった
849名無しさん@秘密の花園:2010/04/14(水) 15:50:25 ID:AJE3nD+W
徳島の町を駆け抜ける新幹線ワロタwww
850名無しさん@秘密の花園:2010/04/14(水) 17:30:18 ID:el5AtIg6
日程にもよるけど、仕事で東京から徳島市内に行くのなら飛行機を使う方が普通かも。
851名無しさん@秘密の花園:2010/04/14(水) 22:32:03 ID:IU6NU3YP
>>841
ギブ乙
852名無しさん@秘密の花園:2010/04/19(月) 02:38:58 ID:wuS9ZB8P
>>840
お前のせいで今日のライブの電車内コントを純粋な目で見れなかったんだぜ…
853週末の街 ◆vvcd1111Og :2010/05/06(木) 15:10:17 ID:yeqZ1evg
 週末の街は町衆に溢れかえり、辺りが混沌としていている。駅を中心にあわただしく
右へ左へ行きかう人の群れが、長く居座っているカフェの窓際の席からは十分に見て
取れた。
 少しだけ開けた窓からは涼しい風が忍び込む。まるで実家の縁側にいるような心地
で、オレンジジュースを片手に、仄かに忍び寄る夏の匂いを感じ取っている。
「一人暮らし?」
「そう。始めることにしたんだ」
 予想通りの反応が返ってきたものだから、少しだけ吹きだしてしまう。目を大きく見開
いて、漫画みたいにベタな驚き方をしている彼女は、年上にこんなこと思うのも失礼だ
けど、何だか子供みたいで可愛いのだ。
「そんな。みなこ、大丈夫なの?」
「え。なにが?」
「炊事。洗濯、掃除……エトセトラ」
 ぶつぶつ呟きながら、空中の一点をぼんやり見つめている。
 心配されるのは嬉しいのだけれど、あまり度が過ぎると、何だかお節介だ。私だって、
それくらい、最低限は出来るつもりだもの。
 駅前のファッション・ビルの前が何だか賑やかに騒いでいる。何かの催しものが開か
れているらしい。
854週末の街 ◆vvcd1111Og :2010/05/06(木) 15:10:56 ID:yeqZ1evg
「――無理だね。みなこ。あんたには」
 目の前の彼女は、きっぱりと、そう断言した。言い返してやりたい感情がめらめらと胸
の内で燃え行くのを感じる。けれど、一人暮らしの先輩である彼女の意見を素直に飲
み込もうと、何とか冷静に自分自身を嗜める。
「そんなに、大変なの?」
「……だってあんた、これからもっと忙しくなるのに」
 遠まわしな皮肉か。はたまた額面通り、心から褒めてくれているのか。
 私にはうまく、判別がつかない。眉根を寄せながら口にしたオレンジジュースは、氷と
混ざってしまって、味がすっかり薄くなってしまっていた。
「さあねぇ。忙しくなってくれるといいんですけど」
「まあね。私には負けるわさ。あはは」
 皮肉など言える性格ではないのだと、今更ながら気付かされる。彼女の言った言葉
は冗談交じりなはずなのに、胸の中では鋭利なものが心臓を擦過したような感触が響
いて、仄かに鼻腔の奥がツンと鳴る。
「……ばか。冗談にきまってるでしょが」
 そう呟きながら、彼女は私の頭をコツンと軽く小突く。――なんて顔してるのよ。と叱ら
れると、何だかお母さんの面影を、彼女に重ねてしまう。
「帰りたい」
「何処に?」
 きょとんとして、首を傾げる彼女の肩を透かした窓の向こうには、黄昏に暮れ行くオレ
ンジの街並みが小さく覗けた。
 隣の女性客二人組が、先ほどからこちらをちらちらと盗み見てくる。もしかして、顔を
知ってくれてるのかもしれない。
「実家」
 そう短く告げると、しばらくぼんやり私の顔を見つめていた彼女が、また私のおでこを
小突いたのだ。
 私が呆然としていると、彼女は眉根を寄せて、いぶかしげな表情で私の双眸をきつく
睨んでいた。
「なに?」
「弱音吐いてるみなこなんて、好きじゃないっ」
「じゃあ、嫌い?」
 私がそう問うと、彼女はしゅんとなって、自らの手にあるアイスコーヒーの角の削れて
行く氷を見つめていた。
「嫌いでは、ないよ」
「そっか。なら、良かった」
 ストローで氷をかき混ぜているその手を取って、細く長い指に、自分の指を絡ませる。
すると、途端に赤味がさす彼女の頬が、私には可笑しくて仕方がなかった。
「なんで笑うのよ。バカ」
「だって、妹みたいなんだもん」
 私の方が年下だけど。と胸の奥で呟いて、それきりにした。あんまり馬鹿にすると、今
度は彼女は拗ねはじめるから、そうなると少し、面倒だもの。
「そろそろ、帰ろっか。私たち、忙しいし」
 そう言って、繋いだ手を上に引っ張ると、素直すぎるくらいに彼女はひょいと席から腰
を上げた。何だか意外だった。仕草のひとつひとつ、何から何まで子供らしく私の目に
は映って、微笑ましくて頬がニヤけてしまう。
「だから、なに笑ってんだよぉ」
 耳まで火みたいに赤くしてる彼女の唇に人差し指を当てて、――内緒。と、耳元で呟く
と、ようやく彼女は静かに俯いて、それから、私の手を握る彼女の指の力が、何かに応
えるみたいに少しだけ強くなったのだ。

855週末の街 ◆vvcd1111Og :2010/05/06(木) 15:13:39 ID:yeqZ1evg
おしまい

またスフィアで書かせてもらいました。
みなさん知っていましたか?
徳島に新幹線は開通していないことを。
856名無しさん@秘密の花園:2010/05/06(木) 15:19:36 ID:yeqZ1evg
あ、あと、>>853>>854は美菜×遥のつもりでした。
はるちゃんの名前どっかに出すの忘れてました。ではでは。
857名無しさん@秘密の花園:2010/05/06(木) 21:25:59 ID:DoH4YOww



博多デリヘル ピカソ に元アイドルが・・・
858名無しさん@秘密の花園:2010/05/06(木) 21:46:37 ID:c2F+Q9xC
>>856
心からGJ…
美菜子禿萌える
859名無しさん@秘密の花園:2010/05/06(木) 22:28:51 ID:egnWIbfT
>>855
GJ! スフィア仲良すぎてニヤニヤするw
しっ新幹線が無いのは知ってたんだからねっ!
860名無しさん@秘密の花園:2010/05/07(金) 03:49:33 ID:MaicHlyT
>>855
良いよー萌えるよー
スフィアは美菜子総受けかな
861名無しさん@秘密の花園:2010/05/10(月) 00:38:12 ID:sT1Oyem6
>>855
スフィアいいなぁ
愛生ちゃんに続きはるちゃんも美菜ちゃんと…GJです
862名無しさん@秘密の花園:2010/05/10(月) 03:24:54 ID:JKi/GKpT
あやひー×美菜子だと一方的に興奮する変態あやひーしか思い浮かばないな
863名無しさん@秘密の花園:2010/05/11(火) 09:41:02 ID:5D+WHoaE
もうスフィアを純粋に見れなくなった…GJです
864名無しさん@秘密の花園:2010/05/11(火) 22:44:46 ID:gI/w4X9y
>>855
徳島にはそれどころか電車が(ry
865亀ひよ 1/2:2010/05/13(木) 02:00:53 ID:TTZWB1cZ



「何なに、失敗作〜?」

クッキーの包みを出した途端、ひよはニヤニヤと変な顔をした。

「そ、そんなことないもん!」

せっかく喜んでもらおうと思って頑張ったのに、あんまりだ。私は一度出した包みをすぐにバッグへ引っ込めた。

「そういうこと言うならもう、なしね」

ぷいっと反対側を向くと、すぐに「えぇー!」という残念そうな叫び。

「ごめんなさい!亀様!」
「……もう」

そんな顔でお願いされたら、怒ってた気持ちが萎えちゃうよ。
私は俯きながら向き直って、怖ず怖ずと包みを差し出した。

「はい。ひよのために頑張ったんだからね…?」

あぁ、この台詞はもっと軽い感じで言うつもりだったのに。
きっといっぱいいっぱいなのがバレバレだ。

「か、亀?」
「何…」
「今のめっちゃ可愛い!キュンキュンしたっ」
「え?」

見上げると、ひよはすごく嬉しそうな表情で口元に手を当てていた。

「あ、ありがと」

ひよからストレートに褒められるのは珍しい。思わず頬が緩んでしまう。

「あーやばい。抱きしめちゃうとこだったわぁ」

笑いながらそう言って、クッキーの包みを受け取る。

「………」

なら、抱きしめてよ。
そう言いたいけど、言えるわけもない。きっと、いつもみたいに警戒されて、冗談だと済まされるだけだ。
866亀ひよ 2/3:2010/05/13(木) 02:04:34 ID:TTZWB1cZ

「一緒に食べよっか!」

見れば、もう包みを開けて目を輝かせている。

「もぅ、子供みたいなんだから」

こっちこそ抱きしめたくなっちゃうじゃん、ばか。
ひよは「亀に言われるなんて心外だな〜」と文句を垂れながら、テレビのリモコンをいじり始めた。

「何観るの?」
「映画だよー。借りてきたから、一緒に観よ」
「うん!」

一緒にクッキーを食べながら、隣同士で一緒に映画を観る。
夢みたいなシチュエーションに思わず胸が高鳴る。

「でもこれ長いんだよねぇ…二時間ちょっとって書いてある」

レンタル特有の簡素なDVDパッケージを睨むひよ。対して私はもっと頬が緩んでしまう。

「三時間でも四時間でもいいよ?ひよといられるなら」
「はぁ?なにこの子は、怖いわっ」
「うふふふ」

いつもと同じ軽口。ひよにとってはそうだろう。
でも、私にとっては……。

「…本気だよ?」

あ、今日はちょっと意地悪だ、私。
ひよをじっと見上げる。

「な、なに、どうしたの」

焦ってる焦ってる。
笑って視線を泳がせながら、若干赤くなるひよっち。
もう、本当に可愛いんだから。

「ひよっちは?」

可愛いせいで、意地悪が止まらない。
私は床についたひよの左手に手を重ねた。私より大きくて細い手が、ぴくりと震える。

「か、亀……?」

その頬が、より赤く染まる。
ダメ、そんな表情しないで。
冗談だよって、言えなくなってしまう。

「……答えてよ」
867亀ひよ 3/3:2010/05/13(木) 02:05:33 ID:TTZWB1cZ

もう離さなきゃいけないのに。
嘘だよー、って笑わなきゃいけないのに。
私は気付いたら顔が熱くてたまらなくなっていた。心なしか、目も潤んでしまっている気がする。

「う…え……」
「………」
「……だ、だぁーーーっ!」
「っ!?」

ひよは両手を挙げていきなり奇声を発し始めた。もちろん重ねていた手は弾かれる。

「ひ、ひよ?あいたたたっ」
「このばか野郎!からかうのもほどほどにしろーっ!」

ぐりぐりとげんこつを頭に押し付けられる。

「いたいいたいっ!ギブ〜!」

元ピッチャーの腕力で思い切り攻撃されたのだから、堪ったものじゃない。私が目尻に涙を溜めた頃、ようやく解放してくれた。

「年上をからかった罰じゃ」

ひよっちはフフン、と満足気に、それでも僅かに耳を赤くして言った。
年齢のことを言われるとなんだかムカムカする。一生縮まらない二年間が、まるで私たちの間にある壁のように感じるのだ。

「痛かった……」
「ほら拗ねないの。再生するよー」

目線はテレビに向けたまま、頬を膨らましている私の頭をぽんっと叩く。
やった方にとっては、何気ない行動だ。
でもやられた方は、不意に訪れた感触にドキドキしないわけはなくて。

「ずるい……」
「へ?なにが?」


やっぱり、惚れた方が負け、ってつくづく本当だと思う。
868名無しさん@秘密の花園:2010/05/13(木) 02:07:49 ID:TTZWB1cZ
ふははは!需要も文才もない亀ひよ投下しちゃったよ!ふははは!
ひよっちが亀を部屋に上げるわけないってのはスルーだよ!
1/2とか2/3とかgdgdだけどスルーだよ!
ふははは!
869名無しさん@秘密の花園:2010/05/13(木) 02:18:47 ID:Iriwg12X
なにこれいい
>>865-867
870名無しさん@秘密の花園:2010/05/13(木) 06:15:26 ID:8zRB1BiA
>>868
需要有るぞ! 亀ちゃんかわええ、GJ過ぎる
ぜひトリップ付けてまた投下してください
871名無しさん@秘密の花園:2010/05/13(木) 23:03:06 ID:UNz/c6OF
>714を書いてみたんだが文字数が3000くらいで、

何分割すればいいと思いますか???
872名無しさん@秘密の花園:2010/05/13(木) 23:33:56 ID:3D+6yc5T
確か六十行くらいまでが最高だから
実際やってみて調整してくれ

wktk
873ホームシック ◆bE/ytXRb4o :2010/05/14(金) 00:04:56 ID:wKJwufMx

「あきちゃんは、さみしくなったりしないの?」

彼女らしくない声でされた質問に、私はゲームのスイッチを切った。

最初は仕事終わりに一緒にご飯を食べてそこで別れるつもりだったが、
彼女を見てたらほっとけなくなって自宅まで連れて来てしまった。

「う〜ん、最近は…大丈夫かなぁ」
そう言いながらベッドに座っていた彼女のとなりに腰を下ろした。
「そっか…」
疲れもあいまって、いつもの覇気はどこえやら。
「ホームシック?」
「そんなこと…ない…」
やっぱり頑固だなぁ。
「私もね、最初はさみしいって思うことがいっぱいあったよ」
「ほんと?」
ちょっとだけ表情が明るくなった。
うんうん、クールな表情のみなちゃんも好きだけど、そっちのみなちゃんのほうが私は好きだ。
「朝は元気だけど、夜になると急にさみしくなったり」
無言で見つめてくる。
その瞳には不安たっぷりの少しだけ希望の光が見えてるって感じ。
むむむ、かわいいなぁ。
「そんなときはね、楽しいことをいっぱい考えるの」
「楽しいこと?」
「そう、楽しいこと。明日はあれ食べようとか、あそこに行ってみようとか、あのゲームしようとか、とにかくいっぱい」
彼女の表情はまだ曇ってる。
「それでも、それでも耐え切れなくなった時が来ちゃうんだよね」
「………うん」
「そんなときはね、甘えるのが一番」
「甘える?」
「いっぱい甘えるの」
私はニコッと彼女に笑いかける。
彼女の表情が少しずつ和らいでいくのがわかる。
「甘えても…いいのかな?」
「んふふ〜、いいんだよ」
「じゃあ少しだけ…」
そう言って彼女は私の肩に頭を乗せた。
なんともいいようのない心地よい重さに感じられた。
「ねえ、あきちゃん」
「ん〜、なあに?」
「あきちゃんもいっぱい甘えたの?」
874ホームシック ◆bE/ytXRb4o :2010/05/14(金) 00:08:03 ID:wKJwufMx
「もちろんね〜」
「今の私みたいに?」
「えっとね〜私の場合は電話やメールで甘えてたかな」
「お母さんとかお父さんに?」
「ぬふふふ〜甘いよ甘いのだよ、みなちゃん!」
「だめなの?」
肩にあった重さが取れると彼女が私の顔を覗きこむようにして見てきた。
「お母さんやお父さんだと余計にさみしくなっちゃうからね〜。甘えるときは友達に甘えてたんだ」
「そうなんだ…」
「覚えてないかな?」
「ん?」
「2年くらい前かな、夜になるたびに彩陽ちゃんやはるちゃん、みなちゃんにメールしてたんだよ」
「そういえば、そうだったような…」
「ちなみにみなちゃんに一番多くメールしてたんだよ」
ちょっと誇らしげに言ってみる。
「…それは私が暇そうだったってこと?」
ちょっと不機嫌な表情になる彼女。

「違うよ、それはね…」

「それは?」

「みなちゃんのことが一番好きだからだよ」

近年稀に見る緊張に心臓の音が体中に響き渡ってるのがわかる。
それでも声が震えてない。
声優やっててよかったと思える瞬間がこんなところで味わえるとは。
「好きって、えええええええええええええええええええっんんぐっ」
あまりの叫び声にこっちのほうが驚いた。
となりの人に怒られる前に急いで彼女の口を塞いだ。
こういう経験も珍しいよね。
「すっ好き!?」
「うん」
「好きってレイクじゃなくって…」
「ライク。レイクは湖だよ」
「ローブ!?」
「ラブ。ローブは装備品」
これが世にいう寿ホールなのかな。
こんなに慌ててるみなちゃんを見るなんて初めてかもしれない。
「ど、どっちの………好き…なの?」
「ん〜ラブだよ」
ちょっといじめたくなっちゃうのはしょうがないよね。

「みなちゃんは、私のこと好き?」

「えっと、その………うん…好きだよ」

顔を真っ赤にして答えてくれた。
今すぐ頭をナデナデするか、抱きしめたくなってしまう
だがしかし豊崎愛生、暴走モードに入ります。
875ホームシック ◆bE/ytXRb4o :2010/05/14(金) 00:10:06 ID:wKJwufMx
「ラブ?それともライク?」
「…ラ」
「ラ?」
「………ラブ」

「み、な、ちゃーーーん!」

「わっ!?」
気がつくとみなちゃんにダイブしていました。
豊崎愛生、本能のままに生きてます。
「く、苦しいよ、あきちゃん!」
「あ、ごめんごめん」
慌てて彼女を引き起こす。
「もう…」
どっちが年上かわからない。
「いや〜あまりの衝撃に理性が吹きとんじゃったんだよ」
彼女の表情には不満の色が見える。
「えと〜、あっ怪我してない?」
「大丈夫だよ」
私のおかしな質問に笑顔がこぼれた。
つられて私も笑顔になる。

「ねえ、みなちゃん」
「なに?」
「キスしていい?」
「なっ、はっ、ほえっ!?」
初めて聞く三段活用だ。
彼女の顔はさっきと同じか、それ以上の焦りが見える。
「だめ…かな?」
「だ、だめじゃないけど、その、こころの準備というか…」
「じゃあ深呼吸しよう」
「う、うん」
私は彼女の手を握り深呼吸を促した。
「はい、目つぶって、吸ってー吐いてー、吸ってー吐いてー」

三回目。

彼女が空気を吸う瞬間。

………チュッ。

「えへへへ〜隙ありだよ、みなちゃん」
「な、なっ」
彼女は口をパクパクさせて、いかにも動揺してるといった感じだ。
そんな彼女から出た最初の言葉は。
「ず、ずるい!」
「これが大人ってやつだよ〜」
876ホームシック ◆bE/ytXRb4o :2010/05/14(金) 00:12:13 ID:wKJwufMx
誇らしげに振舞う私に対して彼女はムッとした表情で睨みつける。
「もっと…」
「ん?」

「もっと、ちゃんと………キス…したかったのに…」

そんなことを言われるとは思いもよらなかった。
こっちのほうが照れてしまう。
「じゃあ今度は、みなちゃんから」
「わ、私から!?」
「そ、みなちゃんから」
「う、うん、でも恥ずかしいからあきちゃん、目つぶって」
「りょ〜かい」
私は目をつぶり、唇を少しだけ前に出す。
「じゃあ、いくよ…」
数秒後に彼女の吐息が顔に触れるのがわかった。

吐息の次は唇が触れるのがわかった。

ゆっくり目を開けると、彼女が顔を真っ赤に染めてこちらを見つめているのがわかった。
そんな彼女に追い討ちをかけるように私はつぶやいた。

「いやぁ〜、みなちゃんに唇奪われちゃったよぉ」
「そ、そういう言い方しないでよー」
「で、どうだった?」
「ど、どう?」
「私の唇はどうだった?」
「い、言えない…」
「だーめ、言って」
「言わなきゃ、…だめ?」
「そんなかわいい顔で拒否したって、お姉さん許しませんよ」
「別にかわいい顔はしてないけど…」
「いいから感想、感想」
「…とっても、やわらかかったです」
「あとは?」
「…いいにおいがした」
「そんでもって?」
「もういいでしょ!」
やりすぎてしまった。
でもみなちゃんの反応がかわいすぎるから、ついついいじめたくなっちゃうんだよ。
それだけはわかってほしいんだけどなぁ。
「ごめんね、もう聞かないから」
「もう…あきちゃんのいじわる」
「ゆるしてつかぁさい〜」
「あっ唯ちゃんだ」
私は少しだけ誇らしげになる。
彼女の表情はすっかり明るくなっていたのがわかった。
877ホームシック ◆bE/ytXRb4o :2010/05/14(金) 00:16:07 ID:wKJwufMx
「みなちゃん、少しは元気出た?」
「うん、ありがとうあきちゃん」
「いやいや、私のほうこそありがとうだよ」
「どういうこと?」
「たまには、先輩らしいことできたかなぁって」
「あきちゃん…」
「えへへ…」
自分で言っておいてなんだが、ものすごく恥ずかしい。
彼女のまっすぐな瞳で見つめられると余計に恥ずかしくなる。
それにしてもじっと見つめてくる。
…みなちゃん?もしかしてよくないこと言っちゃったのかな?
…怒ってる!?先輩らしくなかったかな…。
「…みなちゃん?もしかしておこって…」

「あきちゃん!」

「ほぇ!?」

気がつくとみなちゃんにダイブされてました。

「みなちゃん!?」

「あきちゃんは私にとって一番の先輩!」

「みな…ちゃん」

「だから、これからも私を引っ張っていってほしいな」

彼女が私の手を強く握る。

「かしこまりました、お姫様」

彼女に負けないように強く握り返す。

「ふふふ」
「えへへ」



しばらく彼女は私の上で気持ちよさそうにしていた。

そんな彼女の口からでた言葉は私の理性を一撃で粉砕するのだった。

「あきちゃん」

「なぁに?」



「だーいすき!」
878ホームシック ◆bE/ytXRb4o :2010/05/14(金) 00:26:06 ID:wKJwufMx
勝手な想像で書いてみました。
文章を書くっておもしろかったです。

まぁ下手の横好きなんですがね(^^;)

もうちょい推敲したかったのですが、
欲望をとめられませんでした。

今度はスフィアで別カプも書いてみようかなんて
でも個人的には豊崎×寿が安定です
あと戸松×寿もおもしろそうです

最後にリクエストがあればがんばってみようかとおもいます
シチュもあるとやる気倍増です
879名無しさん@秘密の花園:2010/05/14(金) 01:27:44 ID:V7doIiv2
何この最近のスフィアラッシュ
最高過ぎる GJです
ちなみに俺のジャスティスは豊崎×戸松
880名無しさん@秘密の花園:2010/05/14(金) 09:37:38 ID:16KZ803T
遂にスフィアの時代が来たのか…なんという俺得

>>878
GJ!戸松×寿も待ってます
>>879
個人的には戸松×豊崎
ジャスティスは豊崎×寿だが
881名無しさん@秘密の花園:2010/05/14(金) 21:06:57 ID:beOShzNC
GJ!!
個人的には戸松×豊崎希望!
882名無しさん@秘密の花園:2010/05/15(土) 11:51:16 ID:2h+7lTVO
美菜子受けやべぇよ…
883名無しさん@秘密の花園:2010/05/15(土) 22:53:44 ID:bCrOyySr
美愛子じゃないのか。
884名無しさん@秘密の花園:2010/05/15(土) 23:45:30 ID:daKfzhZo
結婚するなら?(声グラより)

寿→高垣(付き合うなら戸松)
高垣→寿
戸松→寿
豊崎→高垣
885名無しさん@秘密の花園:2010/05/16(日) 00:21:34 ID:XZTb7h1X
>>884
声グラは「一番大食いなのは?」で吹いたw
もう愛生ちゃんは性的な意味でみんな食べちゃえよ
886名無しさん@秘密の花園:2010/05/16(日) 03:47:15 ID:YqLO9uKF
887名無しさん@秘密の花園:2010/05/16(日) 03:48:47 ID:YqLO9uKF
書き込みミスった…

>>885
(性的に)大食いか…
だったらスフィアのメンバー以外にも(ry
888名無しさん@秘密の花園:2010/05/20(木) 03:43:26 ID:YHjmSfjE
保管庫、ななゆかりだけじゃなく他スレのも保管すりゃいいのに
ななゆかりがここの派生だなんて誰も思ってねえんだし

けいおん組SS探しマンドクセ…
このスレ空気なんだし、他スレにももっと目向けろよ
889名無しさん@秘密の花園:2010/05/20(木) 07:52:03 ID:qtZdenef
またお前か
890sage:2010/05/23(日) 14:09:05 ID:qdOuR9ui
戸松のブログ→一足先に自宅に帰ってる <br> 愛生のブログ→戸松と名古屋観光 <br> 美菜子のブログ→海を見に行った <br> <br> <br> 戸松が愛生を両親に紹介したとしか思えないのは <br> 私だけ?ww
891名無しさん@秘密の花園:2010/05/23(日) 16:07:07 ID:7y6h38EL
>>890
なるほど、いよいよ結婚というわけか
892名無しさん@秘密の花園:2010/05/23(日) 21:54:09 ID:CVgbyMUQ
婚約発表前だから>>884の質問もはぐらかしたわけか
893名無しさん@秘密の花園:2010/05/23(日) 21:57:15 ID:F4g93AQa
>>890
流石愛生は俺の嫁と豪語するだけの事はあるな
894名無しさん@秘密の花園:2010/05/23(日) 22:04:31 ID:Gwj92D+m
>>890
きっと徳島では
豊崎が戸松を両親に紹介したんだぜ
895名無しさん@秘密の花園:2010/05/25(火) 00:15:08 ID:AESjYiw+
やばい…徳島のあっきょの実家で
「愛生ちゃんを私にください!!」って言ってるとまっちゃんが浮かんだww

じゃあ、大阪公演は
あやひーが、美菜子の実家にご挨拶ですねw
896名無しさん@秘密の花園:2010/05/25(火) 00:18:48 ID:74H956e9
最近あやひを慰めるみなこの妄想がとまらん
どうしよう!?
897名無しさん@秘密の花園:2010/05/25(火) 00:41:02 ID:vni2lhd9
>>884からして両想いだしな
898名無しさん@秘密の花園:2010/05/25(火) 01:29:17 ID:AESjYiw+
>>896
すごくわかる
年上だからって、必死に頑張るあやひーを
優しく慰める、年下美菜子…いいな、これ
899名無しさん@秘密の花園:2010/05/25(火) 09:01:25 ID:ExzIBItp
なんだスフィアも百合萌えできるじゃねえか
気付くの遅かったわ
900名無しさん@秘密の花園:2010/05/25(火) 19:07:16 ID:B5F0djOR
突然ですが、新谷良子×後藤沙緒里のSS(エロ)書いてもいいですか?
901名無しさん@秘密の花園:2010/05/25(火) 19:09:39 ID:1R/AGZzt
是非お願いします、正座して待ってる
俺得なカプだけどこのスレじゃ見ないから嬉しい
902名無しさん@秘密の花園:2010/05/26(水) 00:57:44 ID:2pTpWSw+
前回、美菜子×愛生を投下したものです。

遥×愛生ができたのですが、トリップって前回と同じほうがいいんですかね?

というより正直言いますとトリップ忘れちゃいました(・_・、)
903名無しさん@秘密の花園:2010/05/26(水) 01:05:50 ID:tG+H8Ali
>>902
忘れたならしゃあない
新しく付けたら良いじゃない

それより遥×愛生の方をですね…
904五月晴れ  ◆CqMexTjMF6 :2010/05/26(水) 01:09:23 ID:2pTpWSw+

彼女は私の部屋のベッドにうつぶせになって雑誌をパラパラとめくっている。
私もベッドの脇に腰掛けて雑誌をめくっている。

雨がしとしとと降る中、退屈を味わっていた。

「はるちゃんさぁ」

少しでも退屈でなくなるために話しかける。
「うん」
彼女からはやる気のない返事。
「この間さぁ」
そんな波長にあわせるように会話を続ける。
「うん」
若者よ、やる気をだしなさい。

「みなちゃんとデートしたんだって?」

自分の中にあった黒いものを排出。

「うん、したよ〜」
彼女は相変わらずの調子。
ちょっとだけいらっとしてしまう。
「楽しかった?」
嫌味な質問。
「そりゃもうね」
彼女の声のトーンが変わった。
喜怒哀楽がわかりやすいって一長一短だと思う。
「ふ〜ん」
最悪の応対だった。
そんな私のことなど気にせず彼女は思い出を楽しそうに語りだした。
「いや〜やっぱり、みなちゃんはかわいいね」
そんなことは百も承知だ。
「あんな天然な子はそうそういないよ。10年いや50年に一度の存在だね」
「へぇ〜」
「いつもはしっかりしてるけど、たま〜にみせるドジっぷりがたまらないよね〜」
「…うん」

心折れました。

もう無理です。

「あやひちゃんだって、あやひちゃんだって、ドジっ娘だよ」
最後の力を振り絞って話題を変えようとした。
「あやひちゃんがドジっ娘っていうのはある程度想像できちゃうでしょ。でも、みなちゃんがドジっ娘っていうのは、全くもって想像できない」
彼女の熱弁は止まらない。
905名無しさん@秘密の花園:2010/05/26(水) 01:11:18 ID:PYjjXSKX
◆bE/ytXRb4o氏ですよね?忘れてしまったなら仕方ないので
手打ちで入れるか、元って事にして新しいトリップつけるのが良いかと
906五月晴れ  ◆CqMexTjMF6 :2010/05/26(水) 01:11:49 ID:2pTpWSw+

「つまり、ギャップだよギャップ」
「…うん」

耳を塞ぎたくなった。
私にわざわざ言わなくてもいいのに。

しとしとと雨の音だけが部屋に響く。

私の心を映し出すように。



「こらーーーっ!」

腰に衝撃を覚えると同時にぬくもりを感じた。

「はるちゃん?いきなり何を?」

私の腰をこれでもかと彼女は抱きしめてきた。
彼女の表情は怒りと哀しみが混ざったような。

「ほらほら、早くー」
彼女が何を言っているのかよくわからない。
「早くって何を?」

「やきもちだよー、やきもち!」

彼女の言葉を聞いて不思議な心地になった。

うれしいというか安心したというか。

「はる…ちゃん」

「遥は愛生の嫁なんだから、ちゃんとやきもち焼いてくれないと…」

「焼いて…くれないと?」

「どっかいっちゃうんだから…」

彼女の抱きしめる力が強くなる。



頭の中がめちゃくちゃになっている。

悪いのは、私?

先に浮気したのははるちゃんなのに。



…でも。



「ごめんね」
907五月晴れ  ◆CqMexTjMF6 :2010/05/26(水) 01:13:19 ID:2pTpWSw+

やさしく彼女の頭をなでる。

彼女の表情に暖かさが戻る。

「今回だけなんだからね」

偉そうに語る彼女。

「それはこっちのセリフだよ」

そういいながら彼女のおでこにでこピンをしてやった。

「あたっ」

彼女は手のひらでおでこをさする。

「あ、そうだ、今度あやひちゃんとデートしようかな〜」
「だめっ!だめなんだから!」
「え〜どうして?」
「だめったら!だめ!」
「だから、どうして?」
「それは…その…」

彼女の顔がどんどん赤くなっていく。
私はわざとらしく携帯電話を操作する。



「愛生は遥の嫁だからだめ!」





「それじゃあ、しょうがないか」

携帯電話をぱたんと閉じる。



雨はしとしと降るけれど、私の心は五月晴れ。
908五月晴れ  ◆CqMexTjMF6 :2010/05/26(水) 01:22:37 ID:2pTpWSw+
そろそろ記憶のほうがだめになってきてますね(^^;)

書き出したのが少し前だったのでこんな感じです
期待に添えられた内容になっているとうれしいです

今回は短めでした
そして最後の一行の古いこと古いこと

最後に、またなにかカプとかシチュがあれば頑張りたいと思います

あと896は自分です
なので次は…
909名無しさん@秘密の花園:2010/05/26(水) 01:39:31 ID:wlYQcx9I
>>908
GJ!まじGJ!
次は高垣×寿か、くどいけど豊崎×戸松希望です
910名無しさん@秘密の花園:2010/05/26(水) 01:41:59 ID:+2YqxELT
好きこそ物の上手なれ
ないなら自分で書けばいいじゃない
911名無しさん@秘密の花園:2010/05/26(水) 01:53:43 ID:tG+H8Ali
>>908
GJ!
スフィアのどのCPでも萌えるから困る
912雨やどり ◆vvcd1111Og :2010/05/27(木) 00:41:56 ID:7xPWCCFZ
 昨日の予報では午後から雨が降るってしきりに訴えてたくせに、硝子戸の内から
見上げる空には、霞みたいに薄い雲しかかかっていない。
 初夏の昼下がりだった。彼女の部屋の、趣味の良いカーテンやコーヒーテーブル
などが、やわらかい陽に照っている。僅かに開けた窓硝子の隙間からは、登下校途
中の小学生たちの色めいた声が届いてきた。
「愛生ちゃんて、子供、嫌いそう」
 そんな突然の言葉にも慣れたように、私の背中の方で淑やかに淹れたてのコー
ヒーを口元に運んでいる。彼女のこういう格好つけたところが、昔は嫌いだった。
「よく、わかったね。そう。大嫌い」
「懐かれそうだけどね」
 立っている足が疲れてきた。私も彼女の方に寄っていって、隣の椅子に腰掛ける。
 すると彼女がすぐに立ち上がって、私のための紅茶を淹れに、キッチンまで向かっ
ていく。
 無言のままで、億劫がるような素振りを、一切みせず。
913雨やどり ◆vvcd1111Og :2010/05/27(木) 00:43:19 ID:7xPWCCFZ
 どれだけ砂糖を入れてもミルクを入れても、私がコーヒーを飲めないことを、出会
ったばかりの頃、彼女は馬鹿にしてきた。
 そんなこと、会話の中でのちょっとしたジョークみたいなものなのに、そのときの私
は今よりもずっと子供だった。わざと彼女にわかるように思い切り膨れて、それから
一言も話をしなかった。
 カーテンの僅かに開けた隙間から、窓の外を見やると、だんだんと空が曇り始め
てきていた。灰色の雲がどこからかやってきて、青い空を覆い始める。
 傘など、持ってきていなかった。
 今朝方に家を出るとき、玄関の扉を開けてから見上げた空の色を思い出す。あん
なに良い天気から、雨の降る未来を予想して、傘なんて持ってくる人が一体どこに
いるだろう。
 今になって、空は泣き出しそうに膨れている。まるで、あのときの私みたい。
「雨、ふりそうじゃない」
 私が見上げている視線の先を彼女も見上げた。密かにルールを破っているところ
を見つかってしまった子供のように、嘆かわしい感情が胸の上澄みを薄く覆っていく。
「そう、かな。どうだろうね」
「送ってくよ」
 コーヒーを飲んでいる中途で手を止めて彼女は立ち上がる。
「……いいよ。もう少し、いる」
 頭のいかれた人間を見るような目つきで彼女は私を見てくる。本当に、そんな目
つきだった。
 そういう仕草のひとつひとつに、どうしようもなく腹が立つ。だから、嫌いだったのだ。
「明々後日には、休み取れるから」
 だからなに?って思った。それを、そのまま言葉に出してみた。
「だから、なんなの」
「……近いうち、また会えるから。って言ってるの」
 だから、今日のところは帰ってくれって。彼女はそう言ってるんだろう。
914雨やどり ◆vvcd1111Og :2010/05/27(木) 00:44:21 ID:7xPWCCFZ
「じゃあ、今日の夜、私はなにをして過ごせばいいの?」
 拗ねた子供みたいな声色になってしまったことに後悔するけれど、彼女はそれに
も気がついてない。
「美菜ちゃんが思うままに、自由に過ごせばいいんじゃない?」
 大きめな長袖のシャツの袖口に半分覆われた彼女の掌が、私の頬を優しく包み
込む。その場しのぎみたいなキスをひとつ、彼女は私の唇に落とした。
 私は、ハンバート・ハンバートも、トム・ウェイツも、ドクター・フィールグッドも、聴い
たことがない。コーヒーだって、少しも飲めない。年だって全然違う。
 そういう細かい差異の全てが、私には苛立たしい。
 だからと言って無理矢理合わせるのは、もっと腹が立つ。
 とうとう、雨が降り出した。三角窓の開けた隙間からは、陰うつに響く雨音が聞こえた。
「わかったよ」
 くすくす笑いながら、彼女は諦めたように溜め息を吐いた。
 それは嫌味が少しもない笑い方だった。彼女のその表情を見て、初めて彼女に心
を奪われたあの瞬間のことを、何故だか思い浮かべずにはいられなくなっていた。
「ここにいたけりゃ、好きなだけいればいいよ」
 そう言って彼女はまたキッチンに向かって、空になったコーヒー・カップにコーヒー
を淹れていく。
「本だって、音楽だってさ。なにより、私がいるんだから、ここは退屈しないでしょ」
 それは、まさしくその通りだった。
 だから私は何も言わずに、後ろから彼女を抱きしめることが出来た。
「こら。コーヒー、こぼれちゃうでしょうが」
 彼女が何か言ったのは聞こえたけれど、無視してしまう。
 無理矢理、私の胸を背中に押し付けると、彼女はいつの間にか、微動だにしなく
なっていた。怖いくらいに深い沈黙のあと、彼女は言った。
「……ねぇ、美菜ちゃん」
 甘く、官能な響きを持ったその言葉は、ゆるやかに私の意識の隙間へと入り込ん
でいく。
「わかってるよね。……そういうことしたら、どうなるかくらい」
 その問いかけに、私は一度だけ小さく頷いた。
 この部屋には、本があって、音楽があって。そして何より、彼女がいるのだ。
 彼女は、私の手を強く引いて、ひどくあわてたように寝室に向かっていく。私は、魔
王に連れ去れて行くお姫様のような心持だった。
 近い未来に待ち受けている己の運命を、静かに受け入れるだけの、お姫様――。
 扉を開けてすぐに見えるベッドの中央で、私は押し倒されてしまった。嗚呼、これ
から一体、どんな運命が私を待ち受けているのだろうか。
 助けに来てくれるお節介な王子様なんて、私にはいらない。
 ただ、遠い憧憬の中にいる魔王の腕に、抱かれていたいだけ。
 


おしまい
915名無しさん@秘密の花園:2010/05/27(木) 00:46:22 ID:7xPWCCFZ
愛生×美菜ちゃんです。美菜ちゃんは相変わらず誘い受け。
黙々と書いてるうちに、
これ別にこの二人じゃなくても良くね?
ってちょっと思ったけど気にしない。

ではでは。
916名無しさん@秘密の花園:2010/05/27(木) 01:01:35 ID:3MvVDIcV
なんというGJ!!!

そんでもって勉強になります!!!
917名無しさん@秘密の花園:2010/05/27(木) 02:45:40 ID:QQIDiRlp
GJすぎるだろ
918名無しさん@秘密の花園:2010/05/27(木) 16:54:42 ID:4wSVNe/p
>>908>>915
どっちもGJ
スフィアラッシュが嬉しすぎて禿げそうです
919 ◆nj3Wb472zc :2010/05/31(月) 02:21:33 ID:6XfB8yoe
以前亀ひよ投下した者です
トリップ付けたらとアドバイスされたんで付けました

また適当なの書いちゃったんで1、2レス程お借りしまーす
920ひよ亀〜横国その後〜 ◆nj3Wb472zc :2010/05/31(月) 02:22:36 ID:6XfB8yoe


「ふー…」

イベントが終わって控室に戻ると、急に疲労感に襲われた。
喋ってる時は無我夢中だけど、こうしてみて初めて、トークも体力使うもんだなぁ…と。私はいつも仕事が終わった時にしみじみ実感する。

「お疲れ様、ひよっ」

それなのに。
なんでこの子はいつも、こんなに底無しの笑顔を私に向けてくるんだろうか。あ、若さってやつ?

「亀もね」
「私は疲れてないよぉー」

言いながら、スタッフさんが用意してくれていたらしいお茶をさりげなく私の前へ差し出してくれる。

「…なに、妻アピール?」
「えへへ〜」
「どや顔しない!」
「してないよー!」

また、ころころと子犬みたいに笑う。
いつもの笑顔。曇りがなくて、明るくて、悩みなんてありません、っていう顔。

「……亀」
「ん?なあにー?」

でも、そんなわけない。
皆にそう見えたって、私には分かる。
私は目線と同じくらいのところにある亀の頭にぽん、と手を置いた。

「わぁっ」

嬉しそうに顔を綻ばせる亀。本当に子犬だ。

「……お疲れ様、亀」
「え?だから私は…」
「いいから!お疲れっ」
「………」
921ひよ亀〜横国その後〜2 ◆nj3Wb472zc :2010/05/31(月) 02:23:34 ID:6XfB8yoe


しばらくキョトンとしていたその目が、ふっと細められる。
いつもの子供みたいな笑顔じゃなくて、一仕事終えたお母さんが見せるような、安心しきった穏やかな笑顔。

「…ありがと、ひよ」

少しはにかんで見せたその頬はほんのり赤らんでいて、うわっと思った。
引いてるんじゃなくて、何だこいつ、可愛いっ…!っていう方。
でも、そんな風に褒めるとまたどや顔で「も一度言ってー!」とか言ってくるんだろうから、やめておく。

「ひよ」
「ん」
「…これは夫アピール?」
「違うわっ!」

あぁ、こいつは褒めなくたって調子乗るんだった。
922 ◆nj3Wb472zc :2010/05/31(月) 02:26:29 ID:6XfB8yoe
以上\(^o^)/
923名無しさん@秘密の花園:2010/05/31(月) 10:25:25 ID:jhboqlHt
GJ!!!

何んだこの夫婦ww
924名無しさん@秘密の花園:2010/06/01(火) 00:16:33 ID:x7gZYU6e
待ってました!
いつでも全力な亀ちゃんと、押し切られる一歩手前でかわすひよっちは
傍からはただのバカップルにしか見えないw
925名無しさん@秘密の花園:2010/06/06(日) 11:34:05 ID:dtVB0Naq
もうやまなこの時代はこないのか..
今やまなこでネタ作ってるんだがなかなかうまくいかん
926名無しさん@秘密の花園:2010/06/07(月) 06:55:26 ID:4ds1ksnW
別に時代とか、世代交代とかないから好きに書いてくれ
まだまだ○さん並に食い足りないんだぜー
927名無しさん@秘密の花園:2010/06/08(火) 05:20:18 ID:3llJDlNm
夏はまたスフィア厨から金がとれるって声オタラジオで話してたな
スフィアなだけで300売れるとかお前らどんだけ同人に落としてんだよwww
928名無しさん@秘密の花園:2010/06/08(火) 09:50:28 ID:7Vl1CgHp
○さんの周りには何故美人が多いのか
そして何故フラグが立たないのか
929名無しさん@秘密の花園:2010/06/08(火) 15:41:00 ID:Wd8nUdQH
○さんもキタエリさんも原田さんも
いざ相手が向かって来たらビビって引いてしまうタイプにみえる
930名無しさん@秘密の花園:2010/06/08(火) 21:50:43 ID:SV4E7W3x
○さんに関しては、それはない(キッパリ
931名無しさん@秘密の花園:2010/06/08(火) 22:44:31 ID:irBzjl+9
>>927
赤字だったって言ってたじゃん、あれ
932名無しさん@秘密の花園:2010/06/09(水) 05:07:02 ID:GTH7LWB+
みんな○さん大好きだなw
933名無しさん@秘密の花園:2010/06/09(水) 13:41:50 ID:WeLyiTpm
中堅も新人もオールおk
934名無しさん@秘密の花園:2010/06/09(水) 19:42:46 ID:Px9NkgXg
久々にSS保管庫を見たらSSがかなり減ってんだけどどうなってんの?
935名無しさん@秘密の花園:2010/06/10(木) 03:56:17 ID:5+AWRRLN
減ってないよ、上の方のレス嫁
936名無しさん@秘密の花園:2010/06/10(木) 23:19:07 ID:DfT+NNXK
>>935
上のレスを漁ったがわからん
937名無しさん@秘密の花園:2010/06/11(金) 02:27:37 ID:OqOrj4pD
938名無しさん@秘密の花園:2010/06/11(金) 07:25:24 ID:0jVKEMYy
>>937
ありがとう
939名無しさん@秘密の花園:2010/06/12(土) 14:39:53 ID:lSHQUAJk
940名無しさん@秘密の花園:2010/06/13(日) 01:38:24 ID:zfXOv77W
接点あまりないですけど、伊藤かな恵さんと後藤沙緒里さんのSS書いていいですか?
941名無しさん@秘密の花園:2010/06/13(日) 03:32:24 ID:zo+8zidk
バッチコーイ!щ(゚Д゚щ)
942名無しさん@秘密の花園:2010/06/13(日) 11:16:29 ID:zfXOv77W
とりあえず予告を

沙緒里×かな恵

初めてあった時、私は清楚なお人形のように可愛いと思った

二人ともね、お互い興味を持ったのか、よくお話したら私と同じタメだったとかいろんなことがわかったね

沙緒里ちゃんは私のこと、うらやましいって言ってくれて嬉しかったけどね、私もうらやましいって思ったんだよ

時が経つにつれて私と沙緒里ちゃんとの関係は奇妙な友情………ううん、これは恋をしたかもしれない………けど

好きって言ったら………沙緒里ちゃんは私を遠ざけるのかな?


どうして……友情ではなく恋なんてしたんだろう
943名無しさん@秘密の花園:2010/06/13(日) 18:51:13 ID:UCDjaRr7
wktk
944名無しさん@秘密の花園:2010/06/14(月) 02:11:52 ID:tKQPAdUQ
今日の夕方頃には後藤沙緒里と伊藤かな恵のSSができます……今更ですがあまり接点なくてもいいでしょうか?
945名無しさん@秘密の花園:2010/06/14(月) 05:05:25 ID:kpGCt7KF
需要のないカップリングとかない、いちいち聞かなくても大丈夫
946名無しさん@秘密の花園:2010/06/14(月) 08:14:46 ID:895HkoeJ
誘い受けしてコメもらいたいんだろ
そっとしといてやれよw
947名無しさん@秘密の花園:2010/06/14(月) 08:28:50 ID:FVFv2Lt9
書くのは自由。スルーが怖けりゃ投下しなければいい、慣れ合いたいなら余所へ
あとトリップ付けろ、テンプレ読んで無いことを露呈している

それ以上予告するとただの荒らしにしか見えない
948名無しさん@秘密の花園:2010/06/14(月) 10:59:27 ID:8F0EHaZs
カップリングなんてたかはし智秋×石橋朋子を書き落とした俺みたいやつがいるんだから
スルー上等で基本的に気にせずやればいいんじゃね
949名無しさん@秘密の花園:2010/06/14(月) 12:26:27 ID:vmQnS9gU
>>948
それと鈴木ナンは盛大に吹いたw
何故か知らんけど凄く印象に残ってる
950名無しさん@秘密の花園:2010/06/14(月) 22:49:22 ID:tKQPAdUQ
そうですね、これからは以後気よつけます

遅くなりましたが、
後藤沙緒里×伊藤かな恵のSSを投稿します
951後藤沙緒里×伊藤かな恵:2010/06/14(月) 22:52:42 ID:tKQPAdUQ
〜恋物語〜

〜かな恵視点〜

私と沙緒里ちゃんが出会ったのは、大正野球娘のアフレコだった

「かな恵ちゃん久しぶり〜♪」

「麻衣さんお久しぶりです」

中原麻衣さんとは前から面識あった

「ってなんで抱きつくんですか(汗)?」

「だって、かな恵ちゃんが小さくて可愛いんだもん♪」

アハハ(汗)と笑ってたら、ふと向こうの少女の存在に気がついた

「あの、麻衣さん……あの人は?」

「後藤沙緒里ちゃんよ、沙緒里ちゃ〜ん!♪」

後藤沙緒里さんかぁ〜……あ、お人形さんみたいで可愛い

「お呼びですか麻衣さん?」

「沙緒里ちゃんとかな恵ちゃん初めて会うよね」

オーディションで見たような見ないような……ま、いいか

「はい、後藤さんとは初めて会います」

後藤さんも少し考えて

「はい私も初めて会います」

「じゃぁ役名と自己紹介したら?」

麻衣さんの言うことにも一理ある、これから一緒にアフレコする仲だから

「鈴川小梅役の伊藤かな恵です」

「菊坂胡蝶役の後藤沙緒里と申します」

これが私と沙緒里ちゃんの出会いだった
952後藤沙緒里×伊藤かな恵:2010/06/14(月) 22:53:56 ID:tKQPAdUQ
それから私と沙緒里ちゃんの距離が縮まった

沙緒里ちゃんのことを話していろいろわかったことがある

まず私とタメだったと言うこと……けど声優業は学生の頃から仕事をしていること

あと、ありがとうよりすみませんをよく使うこと、いろいろとわかった

だから、後藤さんから沙緒里ちゃんと呼ぶようになって

沙緒里ちゃんも私のこと、伊藤さんからかな恵ちゃんと呼んでくれた

そんなある日

ラジオの企画で私と麻衣さんと遅れてきた沙緒里ちゃんとバッティングセンターにやって来た、企画が終わって移動するまで時間が余ってしまった

そんな時麻衣さんが

「ねぇねぇ、かな恵ちゃん、沙緒里ちゃん」

「「はいなんですか?」」

「せっかくだからキャッチボールやらない?」

次の移動するまで時間が余って……なんでキャッチボールなんだ(汗)って思ったけど、グローブとボールを借りて近くの公園でやることにした
953後藤沙緒里×伊藤かな恵:2010/06/14(月) 22:55:26 ID:tKQPAdUQ
私が麻衣さんに投げて、麻衣さんが沙緒里ちゃんに投げて、沙緒里ちゃんが私に投げる

配置としては上から見たら三角形かな

「ど、どこに投げたらい、いいんですか?」

なんだかわかんないけど、私も沙緒里ちゃんもキャッチボールで緊張している

でもソフトボール経験者の私が教えなきゃ

「私に向かって真っ直ぐに投げるんだよ!」

「う、うん、わかりました」

「頑張って〜沙緒里ちゃん♪」

沙緒里ちゃんが私に向かって真っ直ぐ投げて、私はグローブでしっかりと受け止める

「うん♪全然うまいよ上手上手」

「本当ですか?」

今度は麻衣さんに向かってボールを投げ、キャッチボールを一回も落とさず、話ながら時間いっぱい遊んだ
954後藤沙緒里×伊藤かな恵:2010/06/14(月) 22:56:58 ID:tKQPAdUQ
た……しばらくは沙緒里ちゃんとは会えないかな?お互い別々の仕事が入っているから……でも会えるよね

「あの、かな恵ちゃん」

「えっ、どうしたの?」

また会えるかなって思ったとたん、また沙緒里ちゃんと会ったと言うか、さっきまで収録してたんだけどね(汗)

「今日はありがとうございました」

「えっ?なんか私したっけ?」

「もう……とぼけないでくださいよ、キャッチボール教えてくれではありませんか」

う〜ん……それでもお礼言われる程なのかな?

そしたら沙緒里ちゃんが

「………うらやましい」

「えっ?」

「うらやましいです……私と同じタメなのに、いろいろ出来て…ちょっと天然なところもあるけど、凄いなって……かな恵ちゃんがうらやましいです」

うらやましい?私のこと?

恥ずかしかったのか?どうしてなのか頭がいっぱいだったけど

「ありがとう……なんだか恥ずかしい……でも天然ってどう言うこと?」

「だって〜……あ、次の仕事があるので行きますね」

「あ、こら!逃げるな!」

そう言って沙緒里ちゃんは次の仕事に迎った
あのね……沙緒里ちゃんは私にうらやましいって言ってくれたけどね……私のほう沙緒里ちゃんのことうらやましいの………それとね、最近ドキドキするの……この気持ち……なんだろね
955後藤沙緒里×伊藤かな恵:2010/06/14(月) 22:58:25 ID:tKQPAdUQ
私も残りの仕事が終わって帰宅した

「ふぅ〜……」

引き寄せるかのようにベッドに迎にダイブした

沙緒里ちゃんのこと考えているとドキドキするなんだろ………前はこんなことなかった、麻衣さんの時は平気なのに、沙緒里ちゃんの時は胸が苦しいと言うか……胸がドキドキする感じか?

わかんないよ………こんな気持ちになったことないよ………沙緒里ちゃん…沙緒里ちゃん、沙織里ちゃん………!

……………そっかぁ、ようやくわかった、私

沙緒里ちゃんのこと好きなんだ……友情としてじゃなくて恋として

でもね……もう一つ知ったんだ……それって私が………そう言う目で見ていたことなんだ

この気持ち知ったらどう思うかな?………好きって言ったら……今の関係が壊れてしまうのかな?私のこと、うらやましいって言ってくれた私じゃなくなるの?………やだよ……嫌だ!嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!

恋って楽しくてわくわくするものでしょ?

なのに……なんで!!不安と絶望しかないの!?こんなこと誰に相談できないしどうすればいいの?

ねぇ…………ねぇ!!

しばらく枕にしがみつき嗚咽しながら涙を流していた

どうして……友情ではなく恋なんて……したんだろう
956後藤沙緒里×伊藤かな恵:2010/06/14(月) 22:59:29 ID:tKQPAdUQ
涙を流したあの日

私は沙緒里ちゃんを避けるようになった

メールしても仕事があるとか嘘をついて短いメールしか返さなかったり、電話も忙しいと言う理由で出なかった……それを繰り返してた

ごめんね、酷いよね?私のことうらやましいって言ってくれたのに…嘘をついて避けるなんて最低だよね………

それから二人は全くと言うほど、メールも電話もピタリと止まってしまった

一つ年を越え、4月に入った

「あ………」

「あ………」

たまたま二人は別の収録でスタジオに来てばったり会った

気まずい………でもこの状況を作ったのは私の原因でもあるの……苦しいけど私を恨んでいいから……

「後藤さんお久しぶり……私、次の収録あるからいくね」

本当はこれで終わり収録なんてない……ますます酷いよね

歩き出したら、沙緒里ちゃんが口を開いた

「どうして……私を避けているんですか?」

「!?」

それは………沙緒里のことが好きだけど、今の関係が壊れるが怖くて避けているとは言えないよ

私も私だよね……避けているのに、まだ沙緒里ちゃんのこと好きだなんて
957後藤沙緒里×伊藤かな恵:2010/06/14(月) 23:01:05 ID:tKQPAdUQ
「かな恵ちゃん………私あの時うらやましいって言ったから避けているのね……ごめんなさい、もうメールも電話もしないから……じゃぁ私、もう行くね」

えっ……違う!私が勝手に好きになって避けているだけだから!沙緒里ちゃんはけして悪くない!

「待って!!」

そう言って私は沙緒里ちゃんの手を掴んで、そのまま屋上に迎って移動した

沙緒里ちゃんは最初は驚いただけで何も言わなかった

屋上につき私の思いを言った

「違うの……沙緒里ちゃんは悪くないの!全部私のせいなの……謝るのは私だよ……」

「かな恵ちゃん……あのね、本当は違う理由なの」

「えっ違う理由って?」

「私ね……………………かな恵ちゃんのこと、友情としてではなくてね、恋として好きなの?」

えっ………私のこと好き?恋として?期待を裏切った私に?

沙緒里ちゃんは私に今までの思いをぶつけた
958後藤沙緒里×伊藤かな恵:2010/06/14(月) 23:02:24 ID:tKQPAdUQ
〜沙緒里視点〜

いつの間にか、かな恵ちゃんを好きになっていた……彼女をうらやましいと思った

また会えると思った……けどかな恵ちゃんは私よりも忙しくてなかなか会えなかった

会いたい……会いたい…会いたいのにどうして!?

私が……好きになったら?だから私を避けているの?もうあの頃には戻れないの?寂しいのに…………好きなのに、どうして……胸が締め付けられるように苦しいんだろう?

だから私も……避けることにしたの……この思い言ったら、かな恵ちゃんは私のこと、気持ち悪い目で見られるのが怖かったから……臆病な私に希望なんてない………そんな時今日…久しぶりに会ったの

〜かな恵視点〜

私よりも…早く恋をしてたんだ

「気持ち悪いよね?……でもね、かな恵ちゃんは私のこと好きならなくていい……だから!私を気持ち悪がらないで……お願い……」

そう言うとうつむいたまま、涙を流していた

そっかぁ……怖かったんだね……でも怖い思いは今日まで……

私は沙緒里ちゃんをそっと抱きしめた
959後藤沙緒里×伊藤かな恵:2010/06/14(月) 23:03:57 ID:tKQPAdUQ
「えっ……?」

「私もね……沙緒里ちゃんのこと好きなの……同じ嫌わたくないから避けて傷つけた…ごめんね、寂しいかったでしょ?」

「ぐすっ……はい……寂しいかったです……けど……そんなこと言ったら迷惑かかると思って、怖くて怖くて」

「もう怖い思いは今日でおしまい、寂しい思いも今日でおしまい……今日から私達は恋人同士……」

そうあの頃のバカけていた私はもうおさらば

「私がうらやましいって言ってくれた沙緒里ちゃんを幸せにしてくれる………だから泣かないで」

沙緒里ちゃんの涙を手で拭き取る

「う、うん………」

沙緒里ちゃんは笑顔を見せた……久しぶりの笑顔

「かな恵ちゃん………ふつつか者ですが……よろしくお願いします」

「沙緒里ちゃん……お嫁さんじゃないんだから………でも、幸せにするから…一緒に居よ」

「かな恵ちゃん………うん」

いつの間にか彼女の涙は止まっていた、かな恵と沙緒里はお互いに目を閉じ、互いに唇にキスをする

「んっ………」

「んっ………んんっ」

これからはいつも一緒……だけど今が長く続けていたらいいと思った

沙緒里ちゃん……貴女に会えたこと……苦しい時期とか会ったけど、今は楽しくてしょうがない……苦しいんで楽しむ、これが恋なんだって……ようやくわかった気がする

愛しています……沙緒里ちゃん

END
960後藤沙緒里×伊藤かな恵:2010/06/14(月) 23:05:53 ID:tKQPAdUQ
以上です……初めて書いたので駄作文だと思いますが、近いうちにまた投稿したいと思います………それでは
961名無しさん@秘密の花園:2010/06/15(火) 01:39:19 ID:suLBXEOI
ごちゃごちゃ言いたくないが、せめて注意されたことくらいはちゃんと聞いとけ
テンプレ読まない、レスも見ない
そんなやつのSSはスルーされてもしょうがないぞ
962名無しさん@秘密の花園:2010/06/15(火) 01:42:06 ID:mTKntjjj
乙です。折角だから小手つけときな。
963名無しさん@秘密の花園:2010/06/15(火) 01:47:10 ID:opeLcM6t
気よつけるなんて日本語を使う18歳以上がいるとは思いたくない
964名無しさん@秘密の花園:2010/06/15(火) 02:23:04 ID:A/VFGPYh
>>960
二度と来るな。
965亀ひよ アイス1/3 ◆nj3Wb472zc :2010/06/15(火) 04:14:37 ID:WqCPtafG



「なんか亀っぽいね、それ選ぶとこが」
「そうかなー?」

お気に入りのパピコのアイス。
私は昔からこれが大好きだ。
ぴったりと二つくっついていて、まるで…

「私とひよみたい!」
「………」

ひよは苦そうな顔をした後、私からパピコを奪い取った。

「…ぽきっ」
「ああ〜っ!」

そしてあろうことか、繋がっていたパピコたちを二つに分解してしまった。
ひどい、ひどすぎる。

「いや、こうしないと食べれないでしょうが」
「でもひどいよ、今のタイミングは〜…」

はい、と離ればなれになったパピコたちを手渡される。
まだキンキンに冷たいそれは、表面にいくつも水滴が浮かんでいる。

「…ほら、パピコも泣いてるよ、ひよ」
「それ汗だよ汗」
「………」

ひよには分からないんだろうか。夢見る女の子の、ロマンというものが。
966亀ひよ アイス2/3 ◆nj3Wb472zc :2010/06/15(火) 04:15:54 ID:WqCPtafG


ぼんやりと離ればなれになったパピコを眺めていたら、無性に切なくなってきた。

「…ちょっと何、本気で拗ねるなよ〜」

少し動揺で上擦ったひよの声。
私が何も答えないでいると、またひょい、とパピコを取り上げられた。

「だ、だからね?くっついたままだと、ほら身動き取れなくて窮屈だけど…」

私をあやすように優しい声。変なジェスチャーは、焦ってる証拠だろう。

「こうやって離れると、くっつくことも出来るし、遠くから見守ることも出来るの。ね、理想的な友達関係でしょ?」

ひよにしては、なかなか説得力のある後付け設定だ。
でも、その言葉が今どれだけ私の心を傷つけてるか、きっと本人には分からない。

「全然理想的じゃないよ、そんなの……」

遠くから見守られたくなんかない。
遠くから見守るのは、もっと嫌。
私は窮屈でいいから、ずっとひよのそばにいたいのに。

「か、亀……?」
「………」
「ごめん、私…」
「…なぁんてねーっ!」
「へ?」

呆気に取られるひよっちから、パピコを奪い取る。
967亀ひよ アイス3/3 ◆nj3Wb472zc :2010/06/15(火) 04:16:30 ID:WqCPtafG


「ひよがあんまり動揺するから、楽しくなっちゃった!」
「…お、お前なぁああー!」

顔を真っ赤にしながら、安心したように笑うひよ。
私もいつものニコニコ笑顔を顔にはりつける。

これでいいんだ。
遠くから見守るのは嫌だけど、近付くことも出来なくなるよりは、今の方がずっといい。

離ればなれになったパピコをぎゅっと握り締めていたら、ぽつぽつと水滴が垂れて、机が濡れた。
968名無しさん@秘密の花園:2010/06/15(火) 04:17:36 ID:WqCPtafG
もしかしたらタイミング悪かったかな?スマソ
いつもの適当な亀ひよでしたー
969名無しさん@秘密の花園:2010/06/15(火) 04:49:18 ID:wONvvEqV
>>965-968
いや、非常にGJ。
今日も元気に仕事できそうです。ありがとー
970名無しさん@秘密の花園:2010/06/15(火) 11:01:26 ID:suLBXEOI
>>968
GJ!
会話自体は楽しげな分、亀ちゃん超切ないなあ……
971名無しさん@秘密の花園:2010/06/16(水) 11:01:38 ID:/OJLpts9
若手の追い上げがすごい
中堅の書き手もいつでも待ってるぞー
972 ◆fAm9o9tO6o :2010/06/16(水) 23:49:42 ID:JUWPQVwy
阿澄佳奈(以下、阿)
「こんにちは、高校数学講座の時間です。アシスタントの阿澄佳奈です」
松来未祐(以下、松)
「講師の松来未祐です。今日は分母の有理化についで学習します」

阿「松来先生、今日もよろしくお願いします」
松「よろしくね、あすみん」
阿「松来先生、さっそく分母の有理化の方法を教えてください」   
松「うーん、先生は、分母を有理化するより、あすみんを有理化したいな」
阿「何言ってるんですか、先生。あたしを有理化ってどういうことですか?」
松「気になる? じゃあ、今夜うちに遊びにおいでよ。そのとき、ちゃんと教えてあげるから」  
阿「そうですね、あたしを有利化する方法はそのときに教えてもらうとして――」
松「分母の有理化の方法でしょ?(早く終わらせて夜の準備しなくちゃ)」          
阿「そうです、先生、ちゃんと教えてください」
973 ◆fAm9o9tO6o :2010/06/17(木) 00:03:18 ID:JI20t0kD
阿澄佳奈(以下、阿)
「こんにちは、高校数学講座の時間です。アシスタントの阿澄佳奈です」
松来未祐(以下、松)
「講師の松来未祐です。」

阿「先生、前回の放送を見た視聴者からメールが届いています」
松「どんなメール?」
阿「『あすみんを有理化ってどういうことですか?』というメールが何通も来ています」
松「けっこう来てるね」
阿「どうするんですか? 説明するんですか?」
松「うーん、高校の範囲じゃないからね。視聴者のご想像にお任せするということで」
阿「…」
松「どうしたの、あすみん、顔赤いよ」
阿「な、なんでもありません」
松「そう? ならいいんだけど。今日は場合の数について学習します」

<おわり>
974名無しさん@秘密の花園:2010/06/17(木) 02:13:37 ID:mZdOPNVK
何?そんなバカな!
あの狙った獲物は全部逃がすみゆみゆが、SSとは言え無事お持ち帰りしてるdatte!?
975名無しさん@秘密の花園:2010/06/17(木) 02:36:02 ID:A4+TruMa
>>973
こんなNHKなら受信料払うわw
976 ◆nj3Wb472zc :2010/06/19(土) 00:21:05 ID:lziNNCXD
亀ひよ
3レスほど借りるね
977亀ひよ ポッキーゲーム1/3 ◆nj3Wb472zc :2010/06/19(土) 00:22:56 ID:lziNNCXD



「早くぅー、ひよー」

満面の笑みで、両手を広げる亀。
その小さい口には一本のポッキーがくわえられていて。
要するに、私はポッキーゲームを要求されているのである。

「無理、絶対無理!」
「えぇ〜〜」
「亀は酔ってるからいいだろうけどさ…」

飲み始めて10分足らずでは、私はそこまで判断力を失うほどアルコールが回らない。
同じ飲みの席にいるはずのデジスタスタッフは、助け舟を出してくれるわけでもなく、ニヤニヤしながら遠巻きに私たちを眺めている。

完全に宴会の余興にされてるんですが…。

「ひよ〜…」
「そ、そんな顔するなバカっ」
「お願い…」
「上目遣いやめなさい!」

何がピンチかって、瞳をうるうるさせて懇願してくる亀に、私の鋼のように堅いガードが今にも崩れ去ってしまいそうなことだ。

ダメダメ、陽子。正気を保ちなさい。
ここで落ちたら、意地の悪い顔で亀にポッキーを渡したスタッフたちの思うツボよ。

「…ひよ?」

首を傾げて、依然として両手を広げている亀。

「う……」
978亀ひよ ポッキーゲーム2/3 ◆nj3Wb472zc :2010/06/19(土) 00:23:48 ID:lziNNCXD

…酔っ払ってる女の子というものには、不思議な魔力があると思う。
それは、今まで積み上げてきたイメージとか色んなものを、全部投げ捨ててしまいそうな気にさせる、危険な魔力。

まぁ、そんな魔力に掛かるのは、せいぜい若い子に飢えてるオッサンか、思春期盛りの健全な男の子くら……

「ふふふふー♪」
「………あれ?」

気づいたら、満足げな亀の顔が僅か15cm先の距離にあった。
舌先には、チョコレートのほのかな甘味を感じる。

おいおいおい。どうしちゃったの私。
まさかたったあれだけのお酒で思考回路が捩曲がってしまったのだろうか。

「え、えっと…」

不思議なもので、一度くわえてしまったら、引き付けられてるみたいに唇を離すことが出来ない。

「ん…」

とろんとした目で私を見つめながら、徐々にポッキーをかじってくる亀。
当然、私たちの距離もその分縮まる。

…ごくり。
思わず生唾を飲み込んだ。
普段からそうだけど、間近で見る亀はより一層かわいらしいと思う。

「チュー!チュー!」

外野のオッサンたち、うるさい。
あとであいつらには絶対同じことさせてやる。

「…えへへ」

そんなことを考えてる間に、私と亀の間にはほんの2、3cmのポッキーが、小川の吊橋のように掛かっているだけになった。
恥ずかしながらここしばらく人とキスなんてしてない私は、これだけで胸が高鳴ってしまう。
979亀ひよ ポッキーゲーム3/3 ◆nj3Wb472zc :2010/06/19(土) 00:24:20 ID:lziNNCXD

「か、亀……」

思わずきゅ、と目をつぶってしまった。けれど、いつまで経っても柔らかい感触は訪れない。
恐る恐る目を開けてみると、同じように目を閉じて待ち体勢に入っている亀。
その頬は酔っていることを差し引いても十分紅潮していて、睫毛は小動物のように震えている。

えーとこれは、私から来いと?

「………」

もう、どうにでもなれ。

私は自分を鼓舞するように強く手を握り締め、最後の吊橋にかじりつこうとした……時だった。

ポキッ

私の決心より先に、軽快な音をたてて、吊橋…ポッキーは折れた。

「……え」
「残念ー!折れちゃったねぇ〜!」

途端、「あちゃー」と悔しがるポーズを見せる亀と、愉快そうにブーイングする外野たち。
私だけぽつんと、取り残されたように固まっている。

違う。今のは偶然じゃない。
今のは……

「どうしたの、ひよ?」
「…だって亀、わざと…」
「そんな寂しそうな顔しないでよ。……私、勘違いしちゃうよ?」

そっと私の頭を撫でながらそう呟いた亀の瞳は、切なげに揺れている。
でもすぐにいつもの屈託のない笑顔に切り替わって、オッサンたちにポッキーゲームを要求し始めた。

…そんな風に、急に切り替えられても。
一度高鳴りだした私の胸は、しばらく収まりそうにない。
980名無しさん@秘密の花園:2010/06/19(土) 05:13:16 ID:VeBRyEq8
>私の鋼のように堅いガードが
私の胸のように堅いガードがに見えて何を言ってるんだお前はとか思ってしまいましたごめんなさい
壊れてるのは俺の頭のようです
981名無しさん@秘密の花園
久々に来たらなかなかGJなものが読めた。