1 :
名無しさん@秘密の花園 :
2006/12/31(日) 00:31:05 ID:ra3Jh6d9
おらおら、WWF(World Wide Fund for Nature:世界自然保護基金)の
愛くるしいパンダ様が
>>2 ゲットだぜ! 頭が高いんだよ、ボケ!
. ,:::-、 __ >1 クソスレ建ててんじゃねーよ。ビンスみてーに裁判で潰しちまうぞ。
,,r 〈:::::::::) ィ::::::ヽ >3
>>2 ゲットも満足にできねーお前は、俺の着ぐるみ着てプラカード持ってろ(プ
〃 ,::::;r‐'´ ヽ::ノ >4 お前はカキフライのAAでも貼ってりゃいいんだよ、リア厨ヒッキー(プ
,'::;' /::/ __ >5 汗臭いキモヲタデブは2ちゃんと一緒に人生終了させろ、バーカ。
. l:::l l::::l /:::::) ,:::::、 ji >6 いまさら
>>2 ゲット狙ってんじゃねーよ、タコ。すっトロいんだよ。
|::::ヽ j::::l、ゝ‐′ ゙:;;:ノ ,j:l >7 ラッキーセブンついでに教えてやるが、俺はストーンコールドが好きだぜ。
}:::::::ヽ!::::::::ゝ、 <:::.ァ __ノ::;! >8 知性のねーカキコだが、お前の人生の中で精一杯の自己表現かもな(プ
. {::::::::::::::::::::::::::::`='=‐'´:::::::::/ >9 つーか、自作自演でこのスレ盛り上げて何が楽しいんだ?
';::::::::::::ト、::::::::::::::i^i::::::::::::/ >10-999 WWEなんか見てるヒマがあったら、俺に募金しろカスども。
. `ー--' ヽ:::::::::::l l;;;;::::ノ >1000 1000ゲットしたって、WWF時代の映像物に販売許可は出さねーよ。
`ー-"
3 :
名無しさん@秘密の花園 :2006/12/31(日) 06:55:34 ID:Z4u4wR1o
なんでガラガラ蛇にしたのか…立ててくれたのは本当に感謝なんだけど
5 :
名無しさん@秘密の花園 :2006/12/31(日) 08:18:34 ID:9uJmA4zQ
テキサスラトルスネイクにした方がよかった
6 :
名無しさん@秘密の花園 :2006/12/31(日) 19:37:45 ID:Z4u4wR1o
せっかくだからこのスレで行こうよ そのうち愛着わくよ
7 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/01(月) 02:50:49 ID:rPo0t46X
他にたてるのかと思ってたんだがw
立ててもらっといてなんだけど「ツンデレ、健気」が良かったな……
9 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/01(月) 03:17:24 ID:1UySVNic
【笑って泣いて】沢尻エリカ×サエコ【君と出会えた】
10 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/01(月) 03:22:16 ID:zxsl0ptT
どうか前スレを消さないで下さい
11 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/01(月) 03:38:58 ID:rPo0t46X
だから専ブラいれて保存しろよ
12 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/01(月) 04:04:18 ID:zxsl0ptT
ブラウザって店とかで買うの? 無知でスイマセン
13 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/01(月) 04:10:46 ID:rPo0t46X
14 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/01(月) 04:24:14 ID:zxsl0ptT
15 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/01(月) 07:06:03 ID:arFI0Ovl
あけましておめでとう!今年もいい話読めるの楽しみ♪
16 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/01(月) 10:33:49 ID:2GGV1RFN
こっちのスレでもいい話がたくさん生まれるといいな
このスレでの初storyキボン!
踊るまでキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
ごめん!誤爆w
20 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/01(月) 22:15:31 ID:zxsl0ptT
誰か新しいstoryを・・・!
21 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/02(火) 02:10:14 ID:aKy56sin
エリカ「何よガラガラ蛇って!!!」 サエコ「私なんてひよこだよ…」 まさみ「前スレであんなに活躍したのに…」
みんなこのスレでも活躍してくれ
23 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/03(水) 11:28:04 ID:f5aQCrOn
沢尻さんとまさみさん仲いいのかな?
24 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/03(水) 12:02:35 ID:jLhp0QPo
25 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/03(水) 13:41:37 ID:37KlP+JK
本気で誰か書いてくれ・・・!
26 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/03(水) 17:22:58 ID:P4wlkNbB
そんな馬鹿な
28 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/03(水) 20:06:36 ID:988dUxdD
有り得ない… 仲悪いのは有名なはず
何で仲悪いの?
前スレ嫁
31 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/03(水) 23:14:47 ID:37KlP+JK
そんな事よりも誰か物語書いてくれ・・・! 死にそうだ・・・
メール調教!?
調教できんのかよ
結衣に告られたサエコの話 続き早く見たい
35 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/05(金) 04:47:01 ID:/0qCH9XA
あー エレベーター乗らなかったやつだよね あれどうなるんだろ
職人さんによればもうすぐ投下してくれるはず
37 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/05(金) 18:10:33 ID:qJ6KRx8O
38 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/05(金) 19:49:52 ID:EW7Emh55
39 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/05(金) 20:01:39 ID:/0qCH9XA
ガラガラ蛇なだけある
40 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/05(金) 20:13:25 ID:F9KCpqcO
そろそろ誰か投下してくれよ・・・ 新スレになってからレス少ないし・・・
ちょww8600年wwww
42 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/06(土) 12:36:52 ID:CNFrfrZk
年あけたばっかりだからしかたないさ
まあ1月10日あたりから投下ラッシュが始まるだろ
44 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/06(土) 23:55:34 ID:DXIqCw3t
早くサエ×エリがみたいお
45 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/07(日) 02:08:43 ID:qA57IrE9
とてもサエコが20に見えん 若く見えるorz
46 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/07(日) 05:53:00 ID:gUPkDWi+
さすがエリカ様 1万年以上生きそう
47 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/07(日) 09:52:32 ID:yUz5ezXZ
うはw
のだめの最終回、クライマックスのベト7を弾いているときのサエコの 最後のアップの泣きそうな顔がたまらないです。
49 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/07(日) 21:55:55 ID:gghCScNF
誰か投下して・・・!
50 :
展開を予想 :2007/01/07(日) 23:57:28 ID:t9FRDuKN
続き書けなくて放棄したネタでよければあげようか?
是非お願いします!
52 :
展開を予想 :2007/01/08(月) 00:14:20 ID:6gNbtDK+
それじゃぁ、放棄ネタなのですが、よろしくお願いします。
今、俺は猛烈に困ってる 何がって??それは私が担当している女優のことだ。 急に予定をしている仕事をキャンセルしたいって言い出して..... もー何を考えてるんだよ!あんないい仕事を! 自分も準備を重ね、スタッフと一緒に頑張ろうって 自分だってあんなにノリノリだったじゃないかよ゚Д゚)ゴルァ!! もう制作側と契約まで済んでるし。今さらキャンセルしたらベラボウな違約金がかかる ことくらい見当くらい付くだろう? それだけじゃない。この世界、信用がどれほど大切か。お前にだって判る筈だ! 駆け出し女優が仕事をキャンセルだぁ。「十年早い」って言うもんだ。 あーそれなのにそれなのに!あの頑固者めー。一旦言い出したら俺の言うことなんか聞きゃしない。 俺は上司になんてこの事を報告したらいいのよ(´Д⊂ヽウエーン
あ、上司がこっちみた。こっち見んな!! 「おーい!○○、例の件どうなった?」 「例の件?例の件と言いますと?」 うすらとぼけてやる。知らんぷりしてやる。お願いその件には触れないで! そう決めたけどそんな甘えた考えは許されるわけも無く・・・・ 「まさみの映画の件だけど順調にいってる?」 キタ━━━ヽ( ゚∀゚)人(゚∀゚ )メ( ゚∀゚)人(゚∀゚ )メ( ゚∀゚)人(゚∀゚ )ノ━━━!!!! さすがは上司、直球ですか?ストレートですか? 「はははぁぁぁ」 「どうした?何かトラブルか?」
駆け出しの女優一人さえも管理できない俺。リストラ? |出口| λ............トボトボ リストラだぁ!!!!!嫁と生まれたばかりの赤ん坊と家族で路頭に迷うんだ!´Д`゚)゜。ウァァァン 俺は悲惨な将来に思いをはせる 「部長;;首だけは勘弁して下さい_| ̄|○」 「君。妄想はいいから。映画の件の報告してよ」 あくまでも冷静な上司。 「はい、実は・・・・・・」 俺は正直に話すことにした。だってなんだか冷静な横顔がとっても素敵なんだもの。
翌日、上司と俺とまさみの3者で話し合いを持つことになった。 俺の上司は「○宝芸能にこの人有り」といわれ数々の女優を支えてきた名マネージャー ええ、うちの会社の女優は、みんな超美人で 、しかも日本を代表する演技派でもある(自慢!) だからこそ、一筋縄ではいかないのよ。女優様ってものはホント(泣き;;) それを見事な舵取りで、日本のトップにまで押し上げ続けた伝説の敏腕マネージャー。 でもね。その伝説のマネージャーにしても手こずっているんだ。まさみには・・・・・ 「どうして、この映画に出たくないのか理由を言ってくれないか」 まさみはいつものようにダンマリを決め込んでいる 「黙ってちゃ判らんだろ。俺たちに判るように説明してくれ 仕事を断るにしても相手に納得して貰わないと駄目だろ お前一人の行動が会社全体にも影響するし 下手したらこいつも首になるかもなしれない」 と言い上司は俺をジト見する。やっぱり俺は首 Σ(゚Д゚;)ガーーーン 「俺には嫁と生まれたばかりの赤ん坊がーーー」と大声で叫んでしまう 「君、落ち着いて。あくまでも仮定の話だから」 とっても冷静な上司。冷静って言うより冷酷?俺は少し焦り出す
57 :
展開を予想 :2007/01/08(月) 00:19:28 ID:6gNbtDK+
「まさみ、頼む。理由だけでも教えてくれ 問題があったとしても、なにか解決できるかもしれない、な」 まだ十代の女の子に恥も外聞もなく、俺は頭を下げる 「ごめんなさい」 まさみはポツリという。 「今、私、東京を離れるわけにはいかないんです」 「どうして」 「私が東京を離れると、あの人が・・・・」 そういうとまたダンマリだ。 なんだそれ、東京を離れられない?離れるとあの人が?? なんか聞いたことがあるぞ。そのフレーズ。 東京を離れられない?離れるとあの人が? そうだ、以前電撃結婚した美人お嬢様女優が彼の浮気を心配して仕事を断った時 そんな事を言っていたよな。うん。 『え?』 (((((((( ;゚Д゚))))))))ガクガクブルブルガタガタブルブル それって、まさか???? 「オトコか?まさみ??電撃結婚かぁ???」
58 :
展開を予想 :2007/01/08(月) 00:21:05 ID:6gNbtDK+
もう、その返答次第で女優の管理も出来ない無能なマネジャーの首は決定だ 「俺には嫁と生まれたばかりの赤ん坊がぁ」(´Д⊂グスン 俺の妄想に、まさみは慌てて否定する 「オトコォ?無い無い!マネジャー。そんなの全然無いから」 と、まさみは苦笑する 「本当に?結婚しない?」゚(*゚´∀`゚)゚ノ彡 「ないない!絶対に!」 よかったー、俺の嫁!また首はつながったーーー。 ってそれじゃ、どういうこと? 「私の大切な,,,,大切な友達に、ちょっと困ったことがあって、それで どうしても、今、その友達の力になりたいんです だから、今、私は東京から離れることはできません」 『そういうこと?でもそれで仕事を断るかぁ?』 いくら、まさみが友情を大切にするっていってもそこまでするか?少し腑に落ちない。 「今、私が東京を離れるわけにはいかないんです。今回は申し訳ありませんが」 まさみは俺たちに深く頭を下げる。その決断は強い意志だった。 俺は言葉を失ってしまう。
59 :
展開を予想 :2007/01/08(月) 00:22:19 ID:6gNbtDK+
まさみにも言ったが、なんだかんだ言ってもこの世界は信用が第一 一度失った信用は二度と取り戻せない可能性が高い それは女優にとって致命傷になりかねない。それが充分わかった上での決断なんだろう 俺は担当マネジャーとしてこいつに何て言ってやればいいのか? マネージャーの本分はタレントを手助けすること、なんとかこいつを助けてやれないのか 俺は上司を見る 上司は今度の映画の脚本を手に取る。 「いい脚本だな・・・」 「はい・・・」 「まさみ、この脚本何回読んだ?」 「・・・・・・」
60 :
展開を予想 :2007/01/08(月) 00:23:24 ID:6gNbtDK+
まさみは答えない。でも俺は知っている。まさみが何度も何度も繰り替えし脚本を読み込ん でいたことを。台本に無数の書き込みが入れられ、熱い思いでこの作品に臨んでいたことも 「本当にこの作品をまさみはやれなくてもいいのか?」 まさみは苦しげな様子だった。まさみの中にも葛藤があるのは確かだ。 脚本、共演者、監督。いままでまさみがやってきたアイドル映画とは一線を画していた まさみの女優としての本能がこの作品を失う痛みを隠せないでいるのが俺にもわかる その顔を見て、上司の顔に笑顔が戻る 「本当に、この作品はいいよな 舞台は沖縄だろ、もう最高だよな!沖縄!しかも季節は夏だし」 脚本のページをめくりながら上司はニヤニヤ笑い出す。 『はぁ、沖縄?夏?なにいってるの?』俺は上司が何を言いたいのか訳がわからない
61 :
展開を予想 :2007/01/08(月) 00:24:22 ID:6gNbtDK+
「昔、若い頃に俺もよく行ったなぁ、沖縄 ビーチに、青い海、青い空、白い砂浜 そして水着の女の子」 なんなんだ一体? 「夏は女の子を大胆にさせるよなぁ しかも、沖縄だよ まー、もてない俺でも、彼女を一発で落とせたもんね」 ニヤニヤ思いだし笑いする上司。正気ですかあんた? 十代の女の子相手にそんな話するなんて って思ってまさみの顔を見るが、あまり引いてない いや、逆に興味津々だ。 「それって、、、、本当ですか?」
「あー、もしかして、おまえ疑ってる? たとえ彼女に初めにそんな気がなくても、あの星が降るよな夜空の下で 夜の闇に月の光だけで僅かに照らし出される砂浜に 静かな波の音が響き そして二人をなぜる熱い風 そんな中をただ、彼女と歩くだろ 波の音と、俺が彼女にささやく愛の言葉だけの世界 それで、落ちないほうが不思議だっていうもんだろうがぁ」 上司の視線が遠い過去を振り返る、が、そんなことどうでもいいだろうが!!! あんたの自慢話イラネーっていうか、なんの話だ。映画の話はどこに行った!! だけど、まさみは変なところに食いついてるし 「落ちますか?彼女」 「落ちるな!確実に」 「夏は女の子を大胆にさせますよね!」 「そう、大胆にな」 「水着ですよね」 「ビキニだな!」 美少女のまさみとおっさんの上司がへんてこ沖縄話で盛りあがる。俺は思わず二人に割って入る。 「あのー、映画の話は??」
俺は思わず上司に聞く 「あ、そうそう、まさみ。いっそ、その友達に沖縄に遊びに来て貰えば? そうすればお前が沖縄にいても安心だろう でも、その友達が男なら絶対駄目だ!許可するわけにはいかんぞ!! 男友達と星降るビーチでロマンチックなんて絶対に許さん!」 「男は駄目なんですよね!」まさみの目が光る(キラッ) 「駄目だな、男は!絶対に」上司は断言する そして二人はがっしり握手をする。なんなんだこの二人は? ⊂⌒~⊃。Д。)⊃ ついていけねー 「まさみ、それじゃ、この映画の件、話を進めていい?のか?」 「エーもちろん、どんどん進めて下さい。ビキニと星の降るビーチも!」 「はぁ?」 「いやぁ、ハハハッ」まさみが笑う 「はははッ」訳がわからないが釣られて俺も笑う、上司も笑うヽ( ´ー)ノ フッ とにかく、俺と嫁と生まれたばかりの赤ん坊の未来もつながったってもんだぜ。イエィー!
出演話もまとまり、まさみが帰ったあと俺は上司に聞いてみた どうしてまさみが急にOKしたのかもう一つ判らなかったから。 「人間いろいろだからな 恋する乙女は止められないってことだな」 恋する乙女?どういうことよ?上司の答えはもう一つ俺には意味が判らない?? まぁいいか?俺の首もつながったことだしw 「そうそう、君、どうだ。今晩一杯でも ヤ ラ ナ イ カ?」 上司がニヤリと笑う。 上司が俺を誘うって今まで無かったな 俺は「アーーーーッ」って答えておくw ごめんね、嫁。今晩帰りは遅くなりそうです
羽田空港から沖縄に向かう飛行機の中 「一体どうしたんだろう?」 『サエコちゃん、沖縄に来て』って突然の電話とまさみから、送られてきた招待状 なぜか、その日から数日間、私のスケジュールがポッカリ空いてたんだよね こんなことって滅多にないのよ。超ラッキーじゃん。 それに何て言っても夏の沖縄だよ 私、海って大好きなんだよ。 しかも、泊まれるホテルは超豪華。話にしか聞いたこともない超リッチなスイートルーム もう、二つ返事でOKしちゃった(うふっ) 夏の沖縄に、まだ飛行機の中だというのに気分もウキウキ! 機内のアナウンスが高度を下げもうすぐ着陸態勢にはいることを告げる 『うわーもうすぐ沖縄だ。楽しみーー!!』 サエコの胸は期待に高鳴っていた。
サエコが向かう飛行機が沖縄に着こうとするのと同じ時刻 横田基地から一機のF-15ストライクイーグルが飛び出そうとしていた。 沖縄までアフターバーナー全開で飛行するために、空路には空中給油機まで待機している。 戦闘機の後席に座っているのは、戦闘機のパイロットにしてはえらく華奢に見える しかも、後席から前席に座るパイロットの座席をガンと蹴飛ばし、ヘッドセットに 「全力でとばせよ」と日本語で怒鳴る パイロットスーツに身を包み、ヘルメットで顔の大部分が隠されているとはいえ 濡れるような赤い唇がその人の美しさをを隠しきれていない 『沖縄か、決着をつけるにはいい場所ね』 後席に座るその人は冷たい微笑みを浮かべていた。 イーグルがグングン加速し滑走路を飛び立つ。 高度をとり、アフターバーナーが点火され、一気に音速を超え 沖縄に向けて飛び立ち始める イーグル戦闘機を操縦するパイロットには判っていた。 今まで数多くの戦場を渡り歩いてきたその経験が教えてくれる。 いくつもの死の危険の中を生き抜いてきたパイロットに一つの確信が生まれた。 「沖縄に血の雨が降る。俺はとんでも無い災いを沖縄に運ぼうとしている」 イーグルを駆るパイロットは後席に乗せた人物こそ、災いの元凶であることを 強く確信していた。 中東の空で、アフガニスタンの空で、アフリカの空で数々の戦闘の中ででも 感じたこともない冷たい恐怖を..... end
67 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/08(月) 00:58:30 ID:YOUxqsOK
乙〜途中ニヤニヤしながら読んでた(キモ
>>66 から続けるの難しいなら
>>65 の続きお願いします
>>66 GJ!!!!!!!!
とりあえず「アー」wwwww
まさみはサエコ狙ってますなww(ちょっと危ない方向か??)
>>65 の名前欄「涙そうそう」編って期待しちゃ駄目?
さっきめざましで名前出てた。 エリカ様、サエコ、上野樹里、香椎由宇 新成人おめでとう
おおー、舞台が沖縄ということはガッキーも・・・。 ところでさぁ俺、前スレで書いてたやつの続きを少し書いたんだけど、 また、最初の部分から書き込んでもいいかな? 読み返したら至らないところばかり目に付くんだが、それでも 脈絡がわからないとサエコとエリカと結衣それにまさみの関係が 把握しづらいと思って。
72 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/09(火) 00:17:04 ID:8aZAL8yc
ありがとう。 しかしそんなに期待せずに読んでくれよ。 マジで。
私は知っている。 沢尻会で長澤まさみが執拗に槍玉に挙げられるわけを。 恋する女の直感とでもいえばいいのだろうか。何かそういう 第六感のようなものが私の恋の先行きに非常ベルを鳴らしていた。 「サエコッ」 不意に私の名を呼ぶあの声に一瞬心臓が射抜かれたような錯覚を覚えた。 恐る恐る顔を向けると氷の微笑をたたえたエリカ様がゆったりとイスに座っている。 薄いピンクのワンピースに軽くカーディガンを羽織ったその姿は 私にとってミロのビーナスよりも芸術的で、ダイヤモンドよりも価値がある。 そして何よりも恐ろしい。 神を讃え敬う人は同時に神を恐れる。私のこの気持ちもきっとそれと同じだ。 そんな恐怖すら覚えるほどの美貌が口元から崩れる。 「まさみの次の仕事知ってる?」 ・・・やっぱりまさみのことか。 第六感は今日もしっかり働いている。 思わず顔がこわばりかけたけどもし顔に出しでもしたらただじゃすまない。 「えーと、次は確か3月からの連ドラがあったと思います。」 「・・・そう。どんなの?」 「北斗の拳の実写版でリン役をするんだとか。」 「ふーん。・・・よくわからないわねぇ。」 相変わらずまさみに興味津々のエリカ様。 私はそれに少しでも不満なそぶりを出さなかっただろうか。 もし出してしまったならとてつもなく酷い目にあうのは目に見えている。 なぜならあの人に生やさしいだけの愛なんてものはないんだから。 あの人の心にあるものは、もっと美しくて鋭利で残酷なものだけなのだ。 まさみなんてきっと愛を賛美するテレビドラマや映画なんかにしか接したことがないはずだ。 そのうえ金の卵として大事に育てられ、ろくな恋愛経験もないだろう。 もし、あの子がこの美しく鋭利で残酷な何かに少しでも触れてしまえば、 その瞬間、もう二度と這い上がれない漆黒の谷底に転げ落ちてしまうのは間違いない。 この私がそうであったように・・・。
いつの間にかまさみのことを考え、うつむいていた私は、誰かの気配を感じて顔を上げた。 !! エリカ様が専用のイス(通称玉座)からいつの間にか私の座るソファーに移動していて 体と体が触れんばかりの距離にまで接近している。 なぜかわからないけれどあぶら汗が体中から噴き出てきた。 好きすぎて苦しい、という他はないこの感覚。 思わず上げた顔は、普段直視することのできないエリカ様の顔を見つめたまま、 微動だにできない。 プルプルとした柔らかい唇が眼に飛び込んでくる。 最後に私にキスをしてくれたあの感触が勝手に体中を駆け巡る。 震えるほどのあの快感。忘れられない。 ん、今日はいつもと違うグロスを使っているようだ。 「すごく綺麗」 恍惚のあまり思わず思ったことを口に出してしまった。 「そう?今日はまさみと一緒に雑誌に表彰されてきたからね。」 「そんなにまさみのことが好きなんですか?」 !! 気づいたときにはもうエリカ様に嫉妬心をさらけ出してしまった後だった。 「・・・」 沈黙の中、エリカ様の端正な顔が不気味にゆがむ。 もう私は蛇ににらまれた蛙よりも無力だ。緊張に体がこわばっていうことをきかないし、 自分のことなのに何を考えているかすらよくわからない。 そんな一瞬のまどろみをエリカ様が突き崩す。 両手で私の頭を両側からがっちりと押さえ込み、新しいグロスでおめかししたプルプルの唇を グングンと近づけてくる。 そして唇が重なる、というよりも食べられると形容するほうがふさわしいほどの激しいキス。 魂ごと抜き取られるかと思うほどきつく舌を吸われた後、私の体は緊張から開放された。 でも今度は全身が弛緩しきってしまい指一本動かすことができなくなってしまっていた。
気がつくとベッドの上に大の字になっている。まだ体に力は戻ってこない。 私を見下ろしながらうすいピンクのワンピースをふわっと脱ぐエリカ様。 めまいのするような白い肢体があらわになる。 エリカ様は今日一日下着を着けていなかったのだろうか。・・・よくわからない。 何もかもがどうでもよくて、ただただ真っ白な肢体に目が釘付けになっている。 あれ、よく見たら手にはさみを持っている。ああ、いちいち服を脱がすなんて 面倒なことはしないんだなぁ。きっとあれで服を切り裂いてしまうつもりなんだ。 ・・・ジャキンジャキン 冷たい音が響く。 やっぱりね。今日はエリカ様に会うからと特別にお気に入りの服を着てきたのに・・・。 だけど不思議、全然嫌じゃない。 「サエコ、起きて。ほら。」 そう言うと脱力した私を抱えあげ、人形をすえつけるように鏡の前に座らせる、エリカ様。 そしてエリカ様は後ろから私を抱きかかえるようにして、肩口から鏡を覗き込んでいる。 「いやらしい子ね。」 そういうエリカ様の目は私の胸の中心でびくびくと震えながら自己主張する 突起をじっと見つめていた。
ギュウウウウッ すでにキリキリと痛いほどに勃起した私の乳首を力いっぱいつまみ上げるエリカ様。 「くぅぅぅぅぅ。」 私は同時に体を思いっきりのけぞらし、震えながら小さくあえいでしまった。 「変態。」 エリカ様の冷たい声がぐさりと胸に突き刺さる。 でも私だって初めてエリカ様に乳首をつまみ上げられたあのグラビア撮影の 休憩室では、痛くて怖いだけだった。だけどグラビア撮影で一緒になる度に乳首を つまみあげられ、もう今では会うたびにつまみあげられることを期待してしまう自分がいる。 ひょっとして、こんな変態にエリカ様は愛想をつかし、まさみに乗り換えるつもりなのだろうか。 不意に涙がこぼれる。 「泣いても許してあげないわよ。」 ええ、そんなことはいわれなくてもわかっています。思わず口にしかけた。
鋭く胸を責めていたエリカ様の手が徐々に下半身に降りてくる。 指先でやわやわとお腹をなぞりながら薄い茂みに迫ってくる。 期待と気恥ずかしさの相まった感覚が体を余計に敏感にしてしまうのだろうか、 ピクピクと手足が痙攣するのを抑えられない。呼吸も全力疾走直後のように荒れている。 目的地はもうすぐそこだ。 「顔が真っ赤になってるわね。変態さん。」 エリカ様はそう言うと目的地の直前で進路変更して 敏感なワレメの脇をさわさわとなで回してじらしてくる。 ホントにじれったい。思わず体がよじれた。 早く触って欲しい。入れて欲しい。えぐってください。目茶苦茶にして! 普段なら恥ずかしくて考えることすらためらわれるようなはしたない願望が、 頭の中を占領し、思わず口からこぼれ出る。 「・・・ェリカさまぁ、どぅかわたしぉめちゃくちゃにしてくださぃ。」 おかしな日本語で精一杯の懇願をしてしまう。 じらされ過ぎておかしくなってしまったのだろうか。 部屋の中が一面の白いもやに包まれるような錯覚に襲われる。 「しょうがなぃ子。やめてくださぃってぃってもゃめなぃんだからねぇ。」 エリカ様はそう言いながら、自らのクリスタルのような人差し指をねっとりとしゃぶりあげている。
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁ」 膨れ上がって爆発寸前の期待がため息ともあえぎ声ともいえない叫びとなって つい口元からこぼれてしまう。 「だれぇぇぇぇぇ。」 ん?エリカ様が何かを言っている。 ・・・そんなことよりも早くその輝くような指で私をめちゃくちゃにかき回してください。 「くるなぁぁ」 ・・・ちょっとしつこいなぁ。 ・・・あれ、そういえば鏡に誰か映っている。 よくよく見てみると、赤地に白の水玉模様のワンピースという女の子らしい服装とは裏腹に いかついガスマスクのようなものをかぶった人影が写っている。 え?だれ?! ようやく危機感のようなものが湧き上がってくる。 え?え?もしかしてこの白いもやのようなものって何かのガス? そんな! 「エリカ、お楽しみのところゴメンね。ちょっとお邪魔させてね。」 ガスマスクのせいでくぐもってはいるけれど、どこかで聞いた事のある声が部屋にひびく。 甘くて忘れられない声。 それでいて憎しみ、嫉妬、いら立ちいろんなネガティブな感情が呼び起こされる声。
まさか、まさみ?! 「こらぁぁ、まさみぃぃわたしのものにてぉだすなぁ。」 私がマスクの下の人物に気づくと同時にエリカ様が叫ぶ。 だけどその叫びと同時にエリカ様の体がスローモーションのようにベッドに倒れこんでいく。 ドサッ あのエリカ様の無力なお姿。にわかには信じられない。 「エリカ、もうおねんね?これからがいいところでしょ?」 さっきまでこの部屋に君臨していた絶対君主を見下ろしながらまさみが言い放つ。 「いうhfがえmj!!」 言い返したいけれどもう言葉にもならない。 体中がけだるく、力がどんどん抜けていく。 ああ、もしエリカ様の体をまさみが蹂躙することにでもなったなら・・・。 にじむ視界の中、まさみがゆっくりとしかし確実に近づいてくるのがわかる。 悪夢がてぐすねをひいて現実化するのを待ち構えていた。
・・・ズルルルゥ・・・クチュクチュ・・・チャプチャプ・・・ どこからか不快な水音が聞こえてくる。 うるさいなぁ。 何の音だろう。 まどろんだ意識に段々とイライラが募っていく。 それとともにまどろみが少しずつ晴れていく。 うっすらと目が開く。でもまだ猛烈に眠い。 眠いけれど何か得体の知れない焦燥感が胸の奥からどんどんと湧き上がってくる。 心臓が痛いほど脈を打っていて何かを私に伝えようとしている。 何なんだろうこの感覚。 「・・・クスクス・・・何言って・・の、バカ」 「だってキモチ・・ればいいんでしょ・・・」 この声誰だっけ。すごく好き。心臓の鼓動が一段と高鳴る。 でももう一人の甘い声はすごく嫌。聞いているとなぜか悔しくなってくる。 そういえば私は何で寝ているんだろう。 今日は確かエリカ様に会う日だったはず・・・。 はっ! 「エリカ様っ!!」 何があったのかを思い出し、私は思わず声を張り上げた。 もう眠たさなんて微塵もない。 私は目を見開き、鉛のように重い体を必死に起こしながらエリカ様を探す。 エリカ様お気に入りの大きな、大きなベットの中央で、私の何よりも大切な人が あの女に真正面からのしかかられていた。
知らず知らずのうちに唇を痛いほどかみ締めてしまう。 「まさみぃ!離れなさい!」 広いベットの端っこから私は一世一代の大見得を切る。 エリカ様とまさみが同時にこちらをちらりと見た。 しかしすぐさま何事もなかったかのようにお互いに見つめあう。 「ここ・・いいの?・・をかき回し・・らいいの?」 「はぁ・・ぁぁ、そう、そこを・・回して。グリ・・して。」 仲のよい恋人同士がするいやらしい会話のようなものがもれ聞こえてくる。 何がなんだかわからない。 こういうのを狐につままれたようだ、と表現するのだろうか。 ああ、二人がキスまでしている。しかもあきらかにエリカ様にも気が入っているキスだ。 よくよく見てみると、まさみの右腕がエリカ様の蜜壷をせわしなくかき混ぜているように見える。 体中に力が入って全身がカチコチに硬直してしまう。 私はまだ触れたこともない。いつかそっとあそこにキスをさせてもらうことが私のひそかな夢であった。 それをあのまさみが蹂躙している。 今すぐエリカ様のもとに駆け寄りまさみをぶっ飛ばして、エリカ様の大事な、大事なところをお守りしたい。 今すぐまさみの唾液で汚されているエリカ様の唇を、私に舐め清めさせてもらいたい。 だけど体は鉛のように重たく、芋虫のように動くことさえできなかった。 エリカ様のもとに近づくことさえできない私と、エリカ様を全身で感じているまさみ。 今の私にとってこの差異がすべてだった。
とても暖かいものにふんわりとつつまれるような幸福感を感じる。 なんだろうこれ。 目を開けるとエリカ様が私の体を抱きかかえてくれている。 いつもならこの上ない幸せを感じられるに違いないシチュエーション。 だけど今は素直にその幸せをかみ締められそうもない。 それにしても今日はよく気を失う日だ。 そういえば気を失わせている張本人のまさみはどこに行ったのだろうか。 「まさみはもうかえったわ。」 きょろきょろと周りを見回している私に気づいたエリカ様が優しい口調でそういう。 「エリカ様はなんで・・・」 間髪いれずにエリカ様を問い詰めようとするが声が詰まってそれ以上は言葉にならない。 エリカ様もそれ以上何も言わずにただ黙って私の髪をなでてくれている。 言葉にできない思いが胸を押しつぶすのと同時に私の目からは大粒の涙がポロポロとこぼれ始めた。 エリカ様は黙ってそれをぬぐってくれる。 ずるい。 そんな短い言葉すら声にできずただただ私は涙を流した。 ガスの充満した部屋を換気するためだろうか、窓は全開に開け放たれ少し冷たい。 その冷たさがエリカ様のぬくもりをよりはっきりと私に感じさせてくれていた。
あれから1週間と2日が過ぎた。 クリスマスも近づいてきて街にはベートーベンの第九が流れ始めている。 年末を前にわが沢尻会に2,3人の新人が入った。 沢尻会に対抗して長澤会ができたという噂もきいた。 でも今の私にはそんなことはどうでもよかった。 私にとって何より気がかりなのは、あれからまさみがエリカ様の部屋にたびたび来るようになったことだ。 私がいてもお構いなしにまさみは上がりこんでくる。 今日だってそうだ。 「ハハハ、すごーい。それでその記者なんて言ったの?」 「これは記事にさせてもらいますから、とか何とか言ってたなぁ。どうぞどうぞっていったやったけど。」 「さっすがエリカ。あいつ今度会ったらぶっ飛ばしてやってよね。」 何でこんなことになったんだろう。 だってどう考えてもおかしい。 まさみはエリカ様の部屋に侵入してへんなガスを使って、それでエリカ様の体を・・・。 それなのに何でこんなに平然と友達のような顔して部屋に上がりこんでるんだろう。 おまけに目を背けたくなるほど露骨なスキンシップまでとって。 どう見てもそのスキンシップは恋人同士のものにしか見えない。 ほら、今だって指と指を絡ませて楽しそうに笑いながら至近距離で見詰め合っている。 「・・・って・・・は・・・じゃないの?」 「そんな・・・ない・・・って・・・」 ささやくような会話は1mと離れていない私にも聞こえないほど小さい。 こんな状況不機嫌にならないほうがどうかしている。
するとそれを察してかまさみが不意に私のほうに視線を向ける。 あの大きくて丸い目がいたずらっぽい笑みをたたえながら私を見つめてくる。 「ねぇ、エリカ。今日正月特番の撮影があったんだけど、そこにスポーツ選手が来てたの。 私ねぇ、あのたくましい体の選手たちに一斉に襲いかかられたらどうなるんだろうって想像して 撮影中だったんだけどすっごく興奮しちゃった。」 急にまさみが私にもはっきりと聞こえる大きな声でしゃべり始める。エリカ様を呼び捨てにするのも 許せないがその卑猥な内容にも我慢がならない。 エリカ様に会うためにはいてきたお気に入りのスカートの中で、血がにじむほどこぶしを握り締める。 「まさみエロ過ぎ。やばいよ。ホントにありえないから。」 「んなこといったって、まさみは頭の中までクリトリスでいっぱいなんだから仕方ないじゃん。」 「ぷっ、そうだね。それなら仕方ないわね。クスクス。」 「サエコだって頭の中までクリトリスでいっぱいだもんね。二人でエリカにお仕置きしてもらおうか?」 もう我慢の限界だった。 無我夢中で部屋を飛び出した。 正直に言えばまさみがうらやましい。私はエリカ様の前に立てば何も話すことができなくなってしまう。 あれやこれやと話したいことは山ほどあるはずなのにエリカ様の前に立ってあの瞳に射すくめられると、 全部どっかに行ってしまう。 エリカ様だって貝のように押し黙ってしまう私なんかより天真爛漫なまさみの方が一緒にいて楽しいに決まっている。 まさみの言動はそれを私に見せつけようとしているに違いなかった。
外は冷たい雨が降っていたけど関係ない。 こんなことってホントにあるんだなぁ。 傘もささずに雨にうたれて走るなんて、ドラマの世界にしかないことだと思っていたのに。 どこに向かって走っているのか自分にもわからない。 気がつくと見知らぬ公園のベンチの前だった。雨の公園に人はほとんどいない。 お気に入りの服が全部びちゃびちゃになっている。 雨と涙で気合を入れたメイクもぐちゃぐちゃだ。 走りつかれた私はしばしベンチの前で座るでもなく呆然としていた。 パシャパシャパシャ あれ、急いで近づいてくる足音がする。 まさか!いや、そんなまさか。 あの人には生易しいだけの愛なんてない。 あの人のはずがない。 涙でにじむ視界に傘を差した女性の人影がうつる。 その人影は一直線に私をめがけて近づいてくる。 あるはずがないと思いながら、一方でそうかもしれないという期待が膨れ上がっていく。 ついにその人は目の前まで来たけれど、雨と涙でにじんだ視界のせいで誰だかわからない。
「ごめんね。エリカさんじゃなくて。」 ありえないことだとわかっていたけれど、どうしてもあってほしかった・・・。 でもそういう気持ちをくんで言葉をかけてくれるのは誰なんだろう。 「おぼえてる?わたし、結衣。」 「・・・結衣ちゃん。」 「これ以上ぬれたら風邪ひいちゃうよ。さ、傘に入って。」 おこるはずもない奇跡を期待して勝手に肩透かしを食らった私の手を結衣ちゃんは強引に引っ張る。 全速力でここまでかけてきた私は崩れるように結衣ちゃんの体に寄りかかってしまう。 「ごめん。メイクがついちゃった。」 「いいよ。」 結衣ちゃんはそれ以上何も言わずにただ髪をなでてくれる。 私はもう自分の力で立っていることなんてできなかった。 複雑に絡み合ってどうしようもない思いが一気に噴き出してくる。 声をあげて泣いた。 結衣ちゃんは何も言わずにただ涙をぬぐってくれた。
冬の冷たい雨にうたれた私の体を、結衣ちゃんは抱きかかえるようにして歩く。 あったかい。雨にぬれた私の体は結衣ちゃんのぬくもりをめいっぱいに感じられる。 ずっとこうしていたい。そう思ってまぶたを閉じる。 「ここが私のアパートだよ。」 だけど結衣ちゃんの言葉が私のひそかな望みを打ち崩した。 オートロックの解除のために少しだけ離れ離れになる二人。 改めて自分の体がどんなに冷え切っているかを思い知らされる。 すると私の意志とは無関係にがくがくと体が震え始めた。 それはちょうどオートロックを解除した結衣ちゃんが振り返った瞬間だった。 振り返った結衣ちゃんの笑顔からスーと血の気が引いていくのがわかる。 「だだだだ、だ、だいじょftgyふじこ。」 結衣ちゃんのあわてぶりったら少し異常だ。 痛いくらいに強く私の手を握ると全速力でエレベーターを目指して走り出す。 痛いくらいにされるのは嫌いじゃないけど、雨の中全速力で走り回った後だから これ以上走らされるのは勘弁して欲しい。 でもそんなことは絶対いえないだろうなぁ。 結衣ちゃんのこんなに必死な横顔を前にしてしまっては。
エレベーターは運よく1階に止まってくれていた。 ボタンをものすごい勢いで結衣ちゃんが連打している。 そんなことをしてもエレベーターの扉は0.1秒だってはやく動かない。 だけどそんな結衣ちゃんの姿を見ていたら、笑っちゃいけないのだろうけど おかしくてしかたなくなってきた。 結衣ちゃんの部屋があるらしい7階につくまでの間、エレベーターの中は静寂に包まれる。 それがさっきまでの喧騒と対比をなしてボタンを連打する結衣ちゃんの姿を一段と滑稽に思い出させる。 とうとう我慢ができなくなった私は結衣ちゃんのいないほうを向いて小さく肩を震わせた。 すると結衣ちゃんの手がそっと私の肩に回される。 どうやら私がまた泣いていると勘違いしているみたいだ。 勘違いした結衣ちゃんが両手でぎゅっと肩を抱き寄せると、余計に震えが大きくなってしまった。
エレベーターはやっとのことで7階に着いた。 エレベーターの扉が開くともうそこは結衣ちゃんの部屋の中だった。 かわいらしいぬいぐるみやカラフルな家具が私を出迎えてくれる。 清潔感のある木目調のフローリングは誠実な結衣ちゃんの人柄を代弁するように、 四隅まできっちりと掃除されている。 でもこんな構造でセキュリティは大丈夫なのだろうか?そんな心配をしていたら 「サエコちゃん、こっちこっち。」 と大急ぎで私を呼ぶ声がする。 「ここがバスルームだから、はやくお風呂に入って体温めれ。」 なんだか語尾がおかしい。 どうあっても私を笑わせるつもりなのだろうか。 私はうつむいたまま逃げ込むようにバスルームに走りこんだ。
シャワーから噴き出すお湯は青紫に変色した私の体を生気に満ちた薄桃色に変える。 バスルームの曇りガラスの向こうでは旅館の女将のような仕草で結衣ちゃんが働いている。 そういえばドラゴン桜で共演したときも何かと私の世話をしてくれたっけ。 私が体調を崩して撮影がずれ込んだときにつきっきりで看病してくれたこともあった。 おかげで結衣ちゃんも体調を崩して撮影がさらにずれ込んでしまったのだけれど。 私だってバカじゃない。結衣ちゃんがどういう気持ちで私によくしてくれているか大体想像がつく。 だいいち、結衣ちゃんが私の着替えをこっそり覗いていたのも、私の飲みかけのペットボトルと 自分のペットボトルを交換していたのも、私が入った直後のトイレに毎回駆けこんでいたのも、 私の着た衣装を裏で買い取っていたのも、私の生理用品をひそかに回収していたのも (これにはかなりゲンナリさせられたが)、偶然撮影を見学に来たエリカ様をどういう目で見ていたのかも、 全部知っている。 そうだ、ちょっと確かめてみよう。 少し意地悪な気持ちが私をけしかけた。
「お風呂とってもあったかいよ。ありがとうね、結衣ちゃん。」 「うんうん、全然気にしなくていいよ。」 「うん、ありがとう。でも結衣ちゃんも私のせいで少しぬれちゃったから寒いんじゃない?」 「大丈夫、大丈夫。後から入るから。」 「後からじゃなくて今一緒に入ろうよ。」 「な、な、なにいってんのぉサエコちゃんたら」 グワッシャァァァァァン 結衣ちゃんがどこかに豪快にぶつかった音がする。 漫画みたいな反応だ。 「・・・・・・・・・」 全くの静寂がしばらく続く。 生体反応がなくなったようで怖い。 たしかにちょっと派手にぶつかりすぎたような気がする。 「結衣ちゃん?」 「・・・・・・・・・」 物音ひとつしない。 大丈夫だろうか。結衣ちゃんて病的なドジっ子だからもしかしてホントに何かあったのかもしれない。 不安が加速度的に膨れ上がり始める。 ガラガラ 臨界点を越えた不安に押し出されるように曇りガラスをあけてお風呂場を飛び出すと 石鹸やらバスタオルやらドライヤーやらの散乱した部屋の中で 結衣ちゃんがぽつんと座っていた。 「わたしサエコちゃんのことが好きだよ。」 唐突な言葉に思わず動きが止まってしまう。 こういうときってなんて言えばいいんだろう。 結衣ちゃんの目が素っ裸の私に少しも動じることなく、じっと私を見つめていた。
・・・ちょっと長すぎるな。 俺の文は他の人みたいに軽快じゃないから こんなに大量投下すると食傷気味になっちゃうはずだ。 まだ新しく書いたところには届いてないけど 今日はこの辺にしておくよ。
95 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/09(火) 01:11:05 ID:8aZAL8yc
>>94 やめちゃうのか・・・
楽しみにしてるから早めに投下ヨロシク♪
96 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/09(火) 01:24:13 ID:HvWzbKH7
>>94 人によっていろいろあっていいと思うよ。
色んなのが読めるのってうれしいし。
「ユイ」って、新垣ユイちゃんのこと?
98 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/09(火) 03:01:51 ID:hXeCiOup
はやく続き読みたい!! どっぷりハマれて私は好きですよー!
》99 ガッキーの話ってなんだっけ?
>>100 新垣結衣がサエコをからかっているうちに告白してしまうやつ。
他にもト書きの人のとかでも好きなやつはいっぱいあった。
エリカがサエコの男を取って、サエコにそんなに私のことが嫌いなのってなじられて、
ええ大嫌いよっていいながらキスをする話とか。
だからこそスレを占領したくなかったりする。
ま、しかし現実とは矛盾に満ちたもの。
今から大量投下してこのスレを一時占領してしまうわけだが。
しばらくは書かないので許してくれ。
102 :
93のつづき :2007/01/10(水) 02:00:38 ID:Bz0nNqcR
私は、何もいえないままくるりと振り返ってバスルームの中に逃げ込んでしまった。 閉じられた曇りガラスの向こうで結衣ちゃんが固まっているのがわかる。 湯船の中に少し冷えた体を首までつける。 湯船に張られたお湯の暖かさはいつか私を抱いてくれたときのエリカ様の暖かさを思い出させてくれる。 髪を優しくなでてくれるエリカ様。 交差するように髪を優しくなでてくれた結衣ちゃんの姿が脳裏に浮かぶ。 記憶の中のエリカ様が、ずるいの一言すら言えない私の涙を黙ってぬぐってくれると、 再び交差するように、黙って涙をぬぐってくれた結衣ちゃんの姿が脳裏に浮かんだ。 でも私には結衣ちゃんを傷つけることしかできなかった。 ガラスの向こう側から結衣ちゃんの押し殺した泣き声が聞こえる。 私も結衣ちゃんのことが好きだよ。 そんな短いウソさえいえない自分が歯がゆくて仕方なかった。
お風呂から上がるのが少し怖くてなかなか上がれずに少しのぼせてしまった。 でも恐る恐るお風呂から出た私を待っていたのは、意外にも結衣ちゃんの笑顔だった。 「お風呂長すぎだぞ。最近お風呂に入ってなかったの?」 「え、・・・そ、そんなんじゃないよ。」 透き通るような結衣ちゃんの笑顔にちょっと戸惑ってしまう。 まるでさっきまでの出来事がなかったような錯覚すら覚える。 「ハーブティ入れるから飲んでく?」 あくまでも軽いタッチでたずねてくる結衣ちゃん。 「で、でも明日撮影が早いから。」 「そんなこと言わないで飲んでいきなよ。 ほらほら、そこ座って。」 結衣ちゃんは半ば強引に私を座らせると小走りでキッチンに向う。 お湯が沸くまでの少しの間結衣ちゃんの部屋でぽつんと待たされる。 しっかりとした防音設備の行き届いた部屋で一人になると 『ごめんね。エリカさんじゃなくて。』 というあのときの結衣ちゃんの言葉がなぜか思い出された。 ずぶ濡れの私を抱きかかえるように歩く結衣ちゃん。 痛いほど強く手を握って必死に走る結衣ちゃん。 エレベーターのボタンを真剣に連打する結衣ちゃん。 何も言わずにバスルームに逃げ込む私。 さっきまでの出来事が走馬灯のように頭の中でぐるぐると駆け巡りはじめる。 私ってこんなに泣き虫だったんだなぁ。 言葉にして口に出すことのできない思いが涙になって流れ出てしまうと切実にそう感じた。 「できたよー。京都の宇治茶だよー。」 ちょうどそのとき、そういいながらお盆を持ってそろそろとこちらに向かってくる 結衣ちゃんと目が合った。 ガシャーン 大き目のグラスに並々と注いだ緑茶が、湯気を立てながら一面に広がる。
「私がさっきお風呂の前で言ったのは冗談だよ。」 どうして私が泣いている理由がわかるのだろうか、 飛び掛ってくるような勢いで結衣ちゃんがすぐ目の前にまで顔を近づけてきて言った。 「最近ああいうジョークがマイブームなんだ。 だから真に受けちゃダメ。」 そういう結衣ちゃんの目も少し赤い。 「うんうん、わかったよ。 でもハーブティって言ってたのに宇治茶なの?」 「あ、そうだった!しかもこぼしちゃったw」 舌先を少し出しながら照れ笑いする結衣ちゃんの姿はまるで 幸せなホームドラマのワンシーンのようだ。 「だけど、泣いてばかりいるとサエコちゃんの魅力が半減しちゃうぞ。」 そして半分おどけた感じでそっと忠告してくれる。 うん、結衣ちゃんの言うとおりだ。 「そうだね。泣いてばかりいるような重たい女だから浮気なんかされるんだよね。」 「・・・・・私だったら浮気なんてしないけど・・・・。」 一瞬の沈黙の後に聞こえてきた言葉に自分の考えのなさを思い知らされる。 見る見るうちに結衣ちゃんの顔が曇っていく。 ・・・きっと私がこれ以上結衣ちゃんのそばにいれば、際限なく傷つけてしまうだろう。 私は決めた。いや、決めずにはいられなかった。 一刻も早くこの部屋を出る。そしてもう二度と結衣ちゃんに会わないと。 それがどんなに身勝手な行動だとしてもこれ以上結衣ちゃんを傷つけるよりは ずっとましなはずだ。
部屋を支配する重い沈黙を突き破るようにスッと立ち上がる。 何かを察したのか、結衣ちゃんがすがるような目で私を見上げるけれど決意は揺るがない。 玄関代わりのエレベーターまでの数メートルがやけに長く見える。 「もう帰るの?」 歩き出した私に結衣ちゃんが平静を装いながらたずねてくる。 だけど何も答えらない。 答えたら今のこの決意がすべてご破算になってしまうような気がして。 「私ね・・・。サエコちゃん聞いてる?」 結衣ちゃんが目の前に回り込んで通せんぼをする。 「私ね、今よりもずっとずっとキレイになってサエコちゃんを驚かせるから。」 そう言うと結衣ちゃんは必死につくり笑いを浮かべ手を振る。 気づけばもうエレベーターはすぐそこだった。 「うん。」 結衣ちゃんに視線を投げかけることもできず、やっとのことでしぼりだした言葉はこんなにも短い。 逃げるようにエレベーターのボタンを押す。 エレベーターは待ち焦がれたようにすぐに口を開いた。 そのとき、エレベーター内部に掲げられた鏡に結衣ちゃんの姿が映った。 その顔はさっきまでのつくり笑いをやめてもう泣き崩れている。 「・・・かえらないで・・・」 結衣ちゃんの消え入るような小さな声が私の胸を貫く。 エレベーターはお預けを食らった動物のように開いた口を閉じる。 『私はエリカ様のことを愛しているの』 こんなに短いフレーズすら言うことが出来ず、私は結衣ちゃんと唇を重ねた。
結衣ちゃんの部屋のベットはエリカ様のものとは対照的にこじんまりとしていて 二人で寝るには少し窮屈だった。 どうしてこんなことになってしまったのだろう。 自分でもよくわからない。 ただ、ずるい言い訳にしか聞こえないかもしれないけれど 今の二人を責めることができる人なんてどこにもいない。 それだけは確かなことのように思えた。
イルミネーションに彩られた街路樹のもとを二人で歩く。 クリスマスは昨日で終わったというのに街はまだ余韻を残していて カップルたちが夜の街をにぎわしている。 かくいう私たちもそのお手伝いをしていた。 「ねぇねぇ。ちょっとお茶買わない?」 唐突に満面の笑みをたたえた結衣ちゃんがたずねてくる。 「いいね、買っちゃう?」 「うん、買っちゃう、買っちゃう。 じゃあさぁ、買ってくるね。」 そう言って人ごみをかき分け自動販売機に駆けていく結衣ちゃんは本当に無邪気で、 純粋無垢って形容詞がぴったり当てはまる。 ガタンッ あったかいお茶が取り出し口に出てくると同時に結衣ちゃんの白い手がそれをつかむ。 あれ、一つしか買わないのかな? なんて疑問に思っていると、結衣ちゃんが横目でちらりとこちらを見る。 なんだか目をあわしちゃいけない気がして見てない振りをすると 取り出した缶を不自然に両手で抱えながら飲み口の部分を一瞬カプッとくわえた。 「はい、お茶。」 そしてそのまま何事もなかったかのようにそっと渡してくる。 目は微妙にそらしていた。 こみ上げてくる笑いを押し殺すのは一苦労だ。 なんて無邪気で純粋な謀略なんだろう。
プシュッ 独特の開封音を鳴らして缶を開けるともう結衣ちゃんの目は釘付けだ。 だめだ。どうしても笑いをこらえきれそうにない。 「ぷはははっ。」 思わずこぼれた笑い声に結衣ちゃんはきょとんとしている。 もういっぱいキスもしているのになんでわざわざ間接キスを狙うのかなぁ。 半分照れながら、半分あきれながら、グビッと一口飲むと 結衣ちゃんは気づかれないように小さくガッツポーズをする。 私はそれがかわいすぎてなんだかムラムラする。 このあと予約しているレストランでごはんを食べたら、 すぐに部屋に帰ってお仕置きだな、こりゃ。
冬の冷たい風が結衣ちゃんの長い髪の毛をさぁっとなでていく。 どこから湧いてきたのか通りがカップルたちでごった返し始めた。 人目を避けるように狭い路地に入る二人。 その狭い路地を少しはいったところに目的のレストランはあった。 この前、仕事終わりにじゃれあいながらこの辺りをうろうろして偶然見つけたお店。 雨の日に二人が再会したあの公園のすぐそばだった。 「やっとついたあ。意外に遠かったけど、バレないもんだね。」 お店の入り口に手をかけ、透き通るような笑顔で振り返る結衣ちゃん。 あまりにももの欲しそうに見るからあの飲みかけのお茶をあげると、 それからの結衣ちゃんはずっと笑顔を保っていた。 私の実家は猫を飼ってたから犬を飼ったことなんてないんだけど、 犬が尻尾を振って喜んでいる様子ってきっとこんな感じなんだろうな。 「ね、結衣ちゃん。ワンって言ってみて。」 「ワンッ!って何で?」 「ふふ、いや別に。」 「何で、何でぇ? ・・・何でだワンッ!」 「ぷははははっ。 ちょっとぉ、笑わさないでくれる。」 私たちってお店の入り口でいちゃつくけっこう迷惑なお客さんだろうなぁ。
ギイイイイィィィ 重厚な扉がいかにもな音を立てて開くと、店内にはわずかなボリュームで クラシック音楽が流れていた。 「いらっしゃいませ。」 すでに店員さんが私たちを待ち構えている。 「予約を入れていた道休ですけど。」 「はい。承っております。どうぞこちらに。」 きっちりとした正装に身を包んだ店員さんに、少し暗めの店内を奥へと案内される。 店内は扉こそついていないけれどテーブルごとに区分けされていて 周りをあまり気にしなくていい作りだ。芸能人には都合がいい。 案内された私たちの席にはすでにナイフやらフォークがセッティングされている。 席に座ってメニューを開く。そしてはじめてここがフレンチレストランだったことに気づいた。 ・・・フランス。 それは私にとって特別な国。 「ここってフレンチだったんだ。」 私の様子に気づいたのか結衣ちゃんがこちらをうかがうようしてにいう。 「うん、そうだったみたいだね。 じゃ、今度は沖縄料理のお店に行こうね。」 ちょっと大げさにウィンクしながら話したのは結衣ちゃんの心配を振り払うためだった。 うつむいて顔を真っ赤にする結衣ちゃん。 初めて手をつないで歩いたときもこういう顔してたっけ。 その後はしばらく沈黙が続いたけど、その沈黙は心地よかった。
ジャジャジャジャーン かすかに聞こえるクラシックが曲の始まりを告げる。 これは確か『運命』っていう曲だ。 「この料理はうんめいなぁ。」 すかさず結衣ちゃんがボケる。だけど笑うと調子にのってドンドン暴走し始めるから ここは我慢の一手だ。何せここは高級フレンチなんだから。 「この料理はう・ん・め・い・なぁ。」 すると私がボケに気づいていないと思ったのか結衣ちゃんがもう一度繰り返す。 さすがにもう降参だ。 「ぷははははっ。 ちょっとぉー、もうすこし雰囲気とか大事にしようよぉ。」 私の必死の抗議も結衣ちゃんは笑顔で受け流す。 確かにラム肉だか羊肉だかって説明してたこの料理はおいしい。 メインディッシュの面目躍如ってやつだろう。 でも赤ワインって独特の渋味があってちょっと苦手。 何でこんなのをありがたがって飲む人がいるんだろうと思う。 しかもおしっこにまで行きたくなってくるし。 ま、さっきお茶も飲んだからそれもあるのかもしれないんだけど。 「ごめん、トイレ行って来るね。」 私は結衣ちゃんにそう告げると我慢する必要もないのですぐに席を立つ。 「うん。」 結衣ちゃんの返事が妙に小気味いい。 その目は私のワインに向けられていた。
ごめん。 あと4回くらい書き込みたかったけど、連投規制にかかったみたいだ。 俺調子に乗って色々余計なこと書いてたからバチが当たったのかもな。 明日が無理ならあさってにでも書き込むよ。
113 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/10(水) 07:39:07 ID:QeVqw7k4
結衣可愛すぎ!今度は何やらかすんだろ!
連投規制とかあんのか… パソコンで書いてたんならケータイで書いてみたら? このシリーズ大好きです!
エリカとマリエって交遊あったんだ。
いけるかな?
かすかに聞こえるベートーベンの交響曲がなにかを訴えるような迫力で トイレに向かう私を包む。 廊下の突き当たりにトイレの入り口がみえる。 「でもパ・・の監督やスタッフには・・・って言われたの。」 一番トイレに近い、奥の端のテーブル席から声が聞こえる。 この声は・・・。 心臓が止まったかと思った。 自分が今、トイレに向かっていることさえ忘れてしまいそうだった。 「それ酷くない?」 あの日私からすべてを奪ったあの甘い声も聞こえる。 さっきまでのリラックスがウソのようだ。 体中が緊張して心臓が飛び出てきそうなほど力強く脈を打ちはじめている。 なんでだろう、とにかく一刻も早く逃げ出したい気持ちでいっぱいになる。 でも尿意は衰えるどころかむしろ一気に膨れ上がった。 行くしかなかった。 走るでもなく、ましてや歩くでもない不自然極まりないスピードでトイレに駆け込む。 絶対に間違いないんだけど横目で一瞬、テーブルに座る二人を確認しようとした。 でもどうしても見ることはできなかった。
118 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/10(水) 19:33:19 ID:dITla36Z
結衣ちゃん変態すぎw
「ふうー。」 トイレについた私がはじめにしたのは大きなため息をつくことだった。 目的地についたのに何も手につかない。 さっきはあれほどしたかったはずのおしっこも今は全然したくない。 ただ大きな鏡に映る自分をじーっと見つめる。 そのときだった、トイレのドアに手をかける音がした。 弾き飛ばされるような勢いで個室スペースに逃げ込む。 「あーあ。」 来客の声が聞こえた瞬間、全身から一気に汗が噴き出してくる。 まさみだ。 何の用もたしてないけれどもうここにはいられない。 ガタン まさみが個室に入った音を確認したと同時にトイレを飛び出る。 手を洗うのも忘れて。
トイレを飛び出したまではよかった。 でももしあの人が廊下側を向いて座っていたら帰り際にばれるかもしれない。 どうしよう・・・。 いくら逡巡しても答えは出そうもない。 だけどよくよく考えてみればあの人は今まさみとここに来ていて、 私は今結衣ちゃんとここに来ている。 何の気を使う必要があるというのだろう。 私とあの人の恋はもう終わっていてるじゃないか。 そう思うと心がぎゅっと引き締まって 至って普通に廊下を歩いていくぞと決意がわいてくる。 一歩、一歩、踏みしめるように歩く。 足を踏み出すってこんなに意識を集中する必要があっただろうか。 そしてついにテーブルの前にさしかかる。 目が合ったらいけないから絶対にテーブルのほうを見ないと決めていたのに 流れるように自然とテーブルに目がいく。 エリカ様は後ろを向いていた。 ほっとするような残念なような複雑な感情が押し寄せる。 心なしかエリカ様の背中が小さく感じた。 コツッ いつの間にか壁に隠れてテーブルを覗き込むような姿勢になっていたのに気づかず そのまま歩みを進めてしまった私は、壁に靴を軽く当ててしまった。
「まさみ?」 振り返らずにエリカ様が聞く。 そしてそのまま話し始める。 「いつかまさみは、人間は本当は大事でないもののために 本当に大事なものを傷つけてしまうんだ、って言ったよね。 あのときの私は、そんな台詞どこで覚えてきたのって相手にしなかったけど、 今ならあのときの言葉がよくわかる気がする。」 いつの間にか私の足は歩みを止めてしまっていた。 「そうでしょうね。」 突然背後から聞こえた声に小さく悲鳴をあげそうになる。 まさみは私の存在に気づいているはずなのにそのまま話をしながらゆっくりと席に戻っていく。 「二十歳の女の子がわがままを言うのも許せないほど子どもな大人たちに囲まれて、 それでも本当に大切なものを見分けられるほど、私たちは大人じゃないもの。」 そう言いながらまさみは私のほうをちらりと見てテーブルにつく。 「で、エリカの本当に大事なものって何なの?」 「・・・・・」 まさみの質問にエリカ様は黙りこむ。 心臓が痛いほど強く鼓動を刻む。 のどが何度も鳴った。 あれからどれくらい沈黙が続いたのだろうか。 1分かもしれないし10分かもしれなかった。 「・・・本当に大事なことって言葉にできないわ。」 エリカ様がしばらくぶりに口を開くと私はなぜか結衣ちゃんの言葉を思い出した。 『・・・かえらないで・・・』 あの日、私は消え入るような声で懇願する結衣ちゃんに、何一つ大事なことを言えないまま唇を重ねた。
「あの魔神エリカの口からこんなにロマンチックな台詞を聞こうとはね。」 記憶の中の私を現実に引き戻すかのようにまさみは言う。 「恋いや、サエコのなせるわざかな。」 そしてまさみの続けた言葉に瞬間われを忘れてしまった。 私はここでずっとこの言葉を待っていたのかもしれない。 でも次の瞬間エリカ様の言葉がもう一度私を引き戻す。 「そうね、あの子のせいね。」 なんでだろう。涙がポロポロとこぼれ落ちる。 もう泣かないって決めたのに。 そんな私をまさみのあの大きな目がじっとみつめている。 これ以上ここにいてはいけないような言い知れぬ不安に背中を押され、 私は自分のテーブルに戻ろうと視線を廊下に向ける。 鏡があるのかと思った。 そこには涙にぬれたもう一人の人影があったから。 「・・・結衣ちゃん。」 思わず声を上げてしまう。 ガタッ それとほとんど同時にテーブルのほうでイスを動かすような音がする。 反射的に顔を向けるとエリカ様と目が合う。 あんなエリカ様の目、初めてみた。 どこにも居場所がないようなそんな感覚に襲われる。 もうこの場を走って逃れる以外にできることはなかった。 ごめんね、結衣ちゃん。 私、どうしたらいいかわかんないよ。
いや、昨日は図らずもいいところで終わってしまってたけど みんなの期待通りには話は進まなかったかもしれんね。 今書いているのはとりあえずここまで。 また他の人のも読ませてください。
GJ!!!!! 誰も書かなかったときはまた書いて下さい!
125 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/11(木) 22:37:33 ID:0/MgrOL4
ピッピラーピッピラー♪ 【表示:悪魔】 サエコ「……エリカちゃんからお電話………新年早々、絶対ロクでもないことに決まってる…… …ええい、無視しちゃえ!」 ピッ サエコ「……ふぅ、お正月ぐらい、サエコだってゆっくりしたいんだもんね!今日は雪だし!うんうん」 ピローン 【メールを着信しました From:悪魔 おい!おまえ!新年早々エリカに呼び出されるなんてロクでもないことに決まってるって思ってシカト しただろ!もっかいTELすっから次は出ろよ!】
126 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/11(木) 22:40:03 ID:0/MgrOL4
ピッピラーピッピラー♪ サエコ「………わたくしはなにをすればよろしいんでございましょうか…………」 エリカ『何よ、あらたまっちゃって。まるでエリカが無理矢理アンタを電話に出させたみたいじゃん。 まあそんなことより、アンタ今オフだよね?エリカってば海外行ってて、昨日日本に帰ったばかりだから まだ初詣で行ってないのよね。アンタ付き合ってよ』 サエコ「は〜い…… わぁ、うれしいなぁ………」 エリカ『アンタってほんとラッキーね!エリカの振袖が見られるなんて!そんじゃ、いつもの駅前でね!』 サエコ「わぁ…… たのしみだなぁ………」 ピッ サエコ「……………はぁ………お正月に着たお着物、もうしまったっけ……まあいいや、この服で……」 ピローン 【メールを着信しました From:悪魔 アンタも着てきなさいよ!ひとりだと恥ずかしいから】 サエコ「はぁ………」
127 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/11(木) 22:45:35 ID:0/MgrOL4
ピッピラーピッピラー♪ 長澤『もしもしサエコさん!新年明けましておめでとうございます!今年も仲良くしてくださいね!』 サエコ「…あ、まさみちゃーん、おめでとー……」 長澤『……サエコさんなんだか元気ない……そーですよね、年始めにわたしの声なんて聞きたくないですよね……』 サエコ「あっ ちっ違うのよ そうじゃなくてね…」 長澤『……いいんですいいんです、どうせわたしなんか……家でひとりでコンビニの黒豆でもつついてるのがお似合いなんです……』 サエコ「そっそんなことないよ!うん、わざわざおめでとう電話してくれて、サエコうれしいよ!」 長澤『ほんとですか!うれしいなー、やっぱりサエコさんは優しいなー! わたし、これから初詣で行くんです!それで、サエコさんをお誘いしようと思って!』 サエコ「ええっ! ど、どーしよ……」 長澤『……そーですよね、わたしとなんて行きたくないですよね……… どうせわたしなんか……せっかくのお正月三が日も家でプレステでもやってればいいんですよね……』 サエコ「だっだから そんなことないってば!行く行く!わぁ〜、サエコうれしいなー!まさみちゃんと初詣で行けて!」 長澤『ほんとですか!やっぱりサエコさんだなー!じゃあ待ってますね!』 ピッ サエコ「ふぅー、まさみちゃん、いい子なんだけどなぁ…… はっ!えらい約束してもうた! ど、どどどーしよ………エリカちゃんかまさみちゃんか…………」
128 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/11(木) 23:39:08 ID:0/MgrOL4
≪神社にて≫ がやがや… 長澤「よかったですねー、ピークの時間を避けたから人ごみに巻き込まれなくて済みました!」 サエコ「う、うん そうだね…」 長澤「サエコさんよく似合ってますよパステルイエローのお着物!ひよこみたいですよ!」 サエコ「あ、あいかわらずハキハキしてるね……」 長澤「ほらほら、お祈りしましょ!これからもサエコさんとずーっとずーっといられますように!」 サエコ「…(………エリカちゃんと出会うことが少なくなりますように……)」 【メールを送信しました Re: 実は風邪を引いて寝込んでいます。今日は行けそうにありません。エリカちゃんごめんなさい。】 サエコ「…(………元々はエリカちゃんが突然勝手に言い出したことだしね!ま、いっか)」
129 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/11(木) 23:42:24 ID:0/MgrOL4
長澤「今日はとっても楽しかったです!やっぱりサエコさんといる時間が一番だなー!これで今年も頑張れそうです!」 サエコ「うん、サエコも楽しかったよ。またお出かけしようね」 長澤「うれしー!じゃあ名残惜しいけど、わたしこれからお仕事で……どうせわたしなんて仕事するしか能がないですから……」 サエコ「そ、そんなことないってばっ。それじゃあ、がんばってね」 長澤「はい!がんばりまさみ!それじゃあまた!」 タッタッター サエコ「……がんばりまさみってなんだろう………まあ、まさみちゃん元気になってくれたからいいか。 まさみちゃんも大変なんだな。お仕事の合間をぬって来たんだ…… うん、ほんと、今日はエリカちゃんのわがままに付き合わなくて、まさみちゃんと初詣で来て正解だったよ! さぁ、帰って暖まろうっと」
130 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/11(木) 23:50:41 ID:0/MgrOL4
≪帰宅中≫ カツカツカツ… サエコ「ふーぅ、こういう履物って歩きづらいなぁ。特に雪の日は。あれ?家の前に誰か……」 エリカ「……………うー、さぶ………」 サエコ「エ、エリカちゃん……… やば、怒られる………」 エリカ「………あ、サエコ…………」 サエコ「(見つかった………)エ、エリカちゃん、これはね………………」 ひゅーん べしっ エリカ「……なによ、元気そうじゃん……」 サエコ「……っいったーいい!いきなり雪玉ぶつけることないじゃんっ」 エリカ「うっさい、サエコのくせに」 サエコ「もー……… あれ?エリカちゃんその袋は?マツモト○ヨシ………?もしかして、サエコにお薬を……?」 エリカ「………リ、リップとかハンドクリームとか買ったから……つ、ついでだからさっ」 サエコ「……ついでにサエコの家まで来てくれたんだ……」 エリカ「そ、そうそう、ついでだから…………………あー!めんどくさい!!大体サエコのくせに約束すっぽかすなんて 生意気なのよ!!」 ひゅーん ひゅーん ひゅーん サエコ「あー、照れてるんだー!きゃー、雪投げないでーー!!(笑)」 エリカ「うっさい、このこのこのっ」 きゃっきゃっ
131 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/11(木) 23:53:07 ID:0/MgrOL4
サエコ「(神様、ごめんなさい。さっきのお願い、無かったことにしてください)」 〜続く。 復活しますた。横からスマソ〜
132 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/12(金) 00:12:12 ID:3zxwNali
GJ!!【表示:悪魔】でワロタw
携帯の着信音はタイヨウのうただったりしてw
GJ!!!!! ト書きの人ですね!? 復活おめでとう! これからもよろしくお願いします!
ツンデレktkr GJです! まさみ暗すぎるよまさみw
136 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/12(金) 18:18:29 ID:XkA/iNWa
まさみイイキャラしてんな〜!
137 :
た :2007/01/12(金) 21:35:03 ID:COgGW40G
おもしろい
138 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/13(土) 00:20:19 ID:Ss9S9e4u
2ちゃんねる閉鎖するみたいだから 別のところでこのスレみたいなHP誰か作って欲しいです 誰かホントにお願いします。
139 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/13(土) 02:38:47 ID:0XIJZftB
bbspinkは2chとは別だってどこかで見たけどほんとかね?
140 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/13(土) 06:59:43 ID:CWjNLhrP
まさみのロッテのチョコレートのCMなぜか笑える しゃべり方がw
141 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/13(土) 21:24:50 ID:Ss9S9e4u
1月15日には2ちゃんねるが閉鎖するみたいです 本気で誰かこのスレみたいなHPを作ってください ほんとにお願いします 出来たら毎日行きます
誰か作ってくれよ… もっと職人さん達のstoryを読みたいよ…!
143 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/14(日) 14:37:04 ID:c/XWDiPl
HP作りたいけど作り方がわからない・・・ 誰も作らないなら、せめて作り方を教えて下さい!
144 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/14(日) 15:44:07 ID:MQmtsK1d
心配すんな。
》144 作ってくれるの?
サエコ「エリカちゃん大変!にちゃんねるが閉鎖するんだって!」 エリカ「うっさい、サエコのくせに!いい加減そのアニメ声やめれ!一体何回目の閉鎖騒動だよ? あんたはエリカの玩具なんだからだまって言うこと聞いてればいいの」
》146 過去にそんなことあったの? 最近2ちゃんねる見始めたから知らないけど… でも今回はマジっぽくない!? ニュースとかでもやってたし
148 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/15(月) 00:04:39 ID:U9AFEYLO
tesuto
149 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/15(月) 01:10:35 ID:JOx/4Yiw
サエコ「…。」
まさみ「どうしたの?サエコさん」
151 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/15(月) 09:15:01 ID:mFA84lUv
サエコ「ごほっごほっ!」
まさみ「ちょ、大丈夫?!サエコさん!」
153 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/15(月) 16:08:34 ID:JOx/4Yiw
サエコ「タスケテ…」
154 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/15(月) 16:38:45 ID:U9AFEYLO
なんだ閉鎖してないじゃん 心配して損した
まさみ「サエコさんしっかり!落ち着いて…何があったの?」
156 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/15(月) 17:10:05 ID:JOx/4Yiw
サエコ「お腹すいたぁ…」
157 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/15(月) 19:01:10 ID:jN3PuCbn
エリカ「あら?さっきクッキー作ってあげたじゃない。食べなかったの?」
158 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/15(月) 20:59:45 ID:mFA84lUv
なんだこの新しい流れw
159 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/15(月) 21:34:39 ID:zMBSET3x
サエコ「折角のエリカちゃんの手作りだから…勿体なくて食べれないよ」
160 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/15(月) 22:49:07 ID:U9AFEYLO
エリカ「そんな心配は無用よ。ちょっと材料買いすぎちゃって・・・ 100個ぐらいあるからたくさん食べてね♪」
161 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/15(月) 23:20:06 ID:JOx/4Yiw
サエコ「あわわ…ありがとう。空腹は一番のスパイスよね」
162 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/15(月) 23:23:23 ID:uMWK4/AZ
まさみ「待ってサエコさん!!そんな女の作ったものなんて食べちゃダメ!!」
163 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/15(月) 23:33:17 ID:U9AFEYLO
エリカ「なによアンタ、料理の一つも作れない女が エリカのクッキーにケチつける気?」
今やってるのもいいんだけど あのフレンチレストランの続きの話が早く観たい 2ちゃんねる閉鎖する前に完結してほしい
165 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/16(火) 01:20:48 ID:nG1H69J+
4714
166 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/16(火) 07:38:04 ID:1cXOTYGY
サエコと上野樹里は仲良いみたいだね 意外!
167 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/16(火) 10:00:31 ID:nx8aluHR
ぎゃぼー
168 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/16(火) 16:51:47 ID:NID2dxjm
サエコ「ごちそうさまエリカちゃんw」
エリカ「…って、アンタ本当に100個全部食べたの!?」
171 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/17(水) 06:41:34 ID:QB03zjqb
≪みんなでおしゃべり≫ 新垣「サエコちゃん、オーディションの時はイジめて悪かったさぁ……結衣の勘違いだったみたいで……」 サエコ「なぁん、もう全然怒っとらんよ!」 新垣「ほんとぉ?やっぱ、南国生まれ同士は気が合うさね!」 サエコ「そうそう、とーきょーは暖かくないけん、サエコはしょっちゅう宮崎戻りたいって思っとるよ!」 新垣「結衣も結衣も!なぁんでみんなこんなの我慢できるのかわからんさぁ。ほんと、おかしぃんじゃないかね」 サエコ「あ、でも宮崎はけっこー冬は寒いけん。沖縄って冬もぽかぽかだからよかね!」 新垣「常夏さァ〜!今度、遊び来る?」 サエコ「いくいく〜!絶対行くけん!あ、でもサエコはゴーヤは食べれん……」 新垣「なァに行ってるさぁ!おばぁのゴーヤチャンプル食べたらもう他は食べれんよ!」 サエコ「サエコも食べれるようになると〜?」 新垣「あったりまえさぁ〜!」 きゃぴきゃぴ エリカ「(…………な、なに?このコたち……なに喋ってるの……?……に、日本語………?)」
172 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/17(水) 06:44:41 ID:QB03zjqb
香椎「エリカ、んな顔してどーしたんだべ?」 エリカ「な、なに?あんたまで…………」 香椎「私はそんな変わらないかな?やっぱし地元っていいじゃん?」 エリカ「な、なんなのよ!変な喋り方しないでよ!!」 香椎「今日はみんなで地元語ごっこらしいんじゃん?」 エリカ「か、勝手に変な遊び始めないでよ!」 サエコ「あ、エリカちゃん!エリカちゃんも遠慮しないでどんどん喋ってよかとよ〜」 新垣「そうさぁ〜、なーんかのびのび出来てスッキリぃするさぁ」 香椎「なかなかいいもんだべ?だべ?」 エリカ「(な、なにこの疎外感………は、話に入れない………)」
173 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/17(水) 06:47:32 ID:QB03zjqb
上野「おーう、みんな集まっとる?今日は国の言葉で喋ってもええんやってなぁ。めっちゃ具合ええわ」 エリカ「(な、なにこのヤクザは…?)」 上野「もうすぐ翔子のボケも来る言うてるから、こらほんまおもろなりそやわ。な?エリカ」 エリカ「ふ、普段とのギャップがあるから余計恐い……」 上野「ああー、やっぱええわぁ。なんちゅうか、温かみがあるもんな。ん?そういえばエリカは とーきょーもんやったなぁ。とーきょーもんにはわからへんねんな。とーきょーもんには。 真っ黒いうどん食べてるから、そんな冷たい人間になってしまうんやな」 エリカ「う、うどんは関係ないでしょ!」 サエコ「そうかぁ、エリカちゃんはとーきょーじんやけんねぇ…」 新垣「そとなんちゅの中でも、とーきょーの人は気取ってるさぁ」 香椎「エリカ、江戸弁とかしゃべれねぇべ?」 上野「ほんま、とーきょーもんは見掛け倒しやなぁ」 サエコ「エリカちゃん」 新垣「かいちょー」 香椎「エリカぁ」 上野「ほらほら、どうしたんエリカ?」 プッチーーーン
174 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/17(水) 06:50:41 ID:QB03zjqb
エリカ「ジェティンズファシェ!ヴォンズエトゥストゥピディ!!!エヴォズアスゥッシンン!!!!」 サエコ「ぎゃー!!エリカちゃんがキれたとー!!」 香椎「ちょっとふざけすぎたみたいじゃん?」 新垣「かいちょー落ち着くさぁ!ほらほら、みんなで踊ればなんくるないさぁ!」 上野「喧嘩や喧嘩や!」 どっがーん どっがーん… エリカ「はーっ、はーっ……ううう、なによなによ!もーすぐ翔子が来るもんね!カムバック!東京語!!」 がちゃ 中川「あー、方言ギザヤバス。ちょ、なに暴れてるお?」 全員『結局おまえはいつもそれか!』 〜続くじゃん?〜
175 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/17(水) 07:00:34 ID:w6f5VGBJ
方言いいね!
翔子GJ!
177 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/17(水) 08:57:33 ID:KPHvHF+D
ワロタww最高!!GJ!!
ちょ、ココア噴き出したwww
179 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/18(木) 22:44:14 ID:IKhC9OKn
story見たいよ〜
180 :
573 :2007/01/19(金) 00:20:53 ID:axpZFORF
方言GJ!! 特にサエコとがっきーの九州便は可愛いかー。
181 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/19(金) 16:23:43 ID:4dqfcPLQ
上野面白い!
サエコ「あっ!SHINOBIやってる!!仲間さんきれーだなぁー!」 エリカ「…ねぇ、それエリカも出てるんだけど。怒」 サエコ「うん?だから見るんだよ?」 エリカ「…照」
183 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/19(金) 23:22:08 ID:GVLRPwDn
エリカは仲間様を守っておなくなりになりますた どうみても愛です ほんとうにry)
サエコは〜?
>>182 サエコ、無自覚でエリカを照れさせるなんて流石だwGJでした!
186 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/20(土) 06:25:34 ID:eBcQH1co
サエコ「エリカちゃん、SHIN○BIおもしろかったね」 エリカ「エリカが出てる映画は、もれなく全部名作よ」 サエコ「でも仲間さんはやっぱり凄いね」 エリカ「そ、そうね……」 サエコ「?どーしたの青い顔して?せいり?」 エリカ「べっ、別になんでもないわよ!おらぁおらぁ、最近ちょっと生意気なのよアンタ!」 ぐりぐり サエコ「ぶぇぇぇぇぇ〜、ごめんなしゃい〜〜!」 エリカ「あの人は……」
187 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/20(土) 06:28:02 ID:eBcQH1co
≪映画撮影中≫ 仲間「あ、エリカちゃんじゃなーい!今日から一緒ね!私、楽しみにしてたの!うふふふふ」 エリカ「ど、どーも…」 仲間「うふふ。エリカちゃんったら、私の事慕ってくれて、命懸けで守ってくれるのよねぇ……」 エリカ「え?えぇ?」 仲間「映画の話よ!うふふふふふ」 エリカ「は、はぁ…」 仲間「何固くなってるの?そんなんじゃ、いいお芝居は出来ないわよ?ほらほらリラックス!うふふふふ」 エリカ「あの……なんでそんなにエリカに触るんですか?」 仲間「コミュニケーションよ!スキンシップよ!だって、エリカちゃんは私を一途に愛してくれて…うふふふふ」 エリカ「そ、それは……」 仲間「嫌ぁねぇ。映画の話よ!うふふふふふふふ」 エリカ「そっそうですよね……あはははは……」 仲間「そうよ〜。エリカちゃんったら、最近すごい評判いいわね!おねぇさん、追い越されそうだわ〜うふふふふ」 エリカ「そ、そんなことないですって……だ、だからなんでそんなにエリカにベタベタ触るんですか!」 仲間「ただのスキンシップよ〜!うふふふふふふふふ」 エリカ「ふ、普通の人はお尻撫で回したりとかしないと思います……!」 仲間「あら?案外うぶなのね、エリカちゃんったら。噂は聞いてるのよ〜、とんだ小悪魔ちゃんなんですって?うふふふふ」 エリカ「そんなことないですって……だっだからお触りはやめてくださいって……っん…」 仲間「あらあら?可愛い声ね〜。おねぇさんにはまるっとお見通しよ〜。でもそういうギャップって素敵だわ〜うふふふ」 エリカ「んんんんっ………み、耳はやめて……… (う、上手いわこの人……)」 仲間「いい映画作りましょうね……うふふふふふふふふふふふ」
188 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/20(土) 06:31:54 ID:eBcQH1co
エリカ「(あの時はなんとか切り抜けたけど……その後クランクアップまでセクハラ天国だった……)」 サエコ「どーしたの?やっぱりお腹痛いの?ここらへん?」 撫で撫で エリカ「……エリカのケツに触るなーー!!」 ぺっちーん サエコ「ぶぇぇぇ−−−!…………お、お尻じゃなくてお腹なのに……」 エリカ「ぜー、ぜー…、ああ、トラウマが蘇る……」 サエコ「?? と、虎と馬がどうしたの……?エリカちゃん、顔が真っ赤だよ?もしかして熱もあるんじゃ……」 サエコが診てあげるよ!ほら、おでこ…」 エリカ「エリカの耳をいじるなーーーー!!!」 ばっちーん サエコ「ぶぇぇぇぇーーーーーー!!!!…………な、なんでサエコがぶたれるの……… ガクッ」 エリカ「ぜー、ぜー………あー、もう!なんでこんなにイライラするのかしら! ったく、このコったら変なこと思い出させて……… そうか!やっぱり全部サエコのせいだったのね! ちょっと!何寝てるのよ!まだまだお仕置きはこれからよ!起きなさいよ!」 サエコ「………な、なんでサエコばっかりこんな目に………」 エリカ「うっさい、サエコのくせに!」 〜続く。うふふふふふふ〜
189 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/20(土) 06:49:39 ID:Kxy4Y4tk
Gj!!
190 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/20(土) 07:39:06 ID:w0DilwDK
182の者ですー! 続き投下しよーと思ったら続き的なものがもうあったww 186>> 駄文に続きつけてくれてありがとう!
191 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/20(土) 12:39:27 ID:XL2P88Ex
仲間さんエロいなww
エリカにトラウマ作るなんて なかなかのやり手だな仲間w
ちょっと仲間っぽくないがGJ!! 仲間はもっと天然に悪気無くやらかす奴だぞ。一番の被害者である亜麻色のひとみちゃんなんか…
何があったの?
GJ!
196 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/22(月) 18:35:04 ID:UnTUhSE+
島谷は別に被害あってなくない?仲良いんだよね?
長編の続き見たいよ〜
199 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/23(火) 11:18:40 ID:AhRDPjdF
≪京都駅にて≫ エリカ「さぁ、来たわね!京都」 上野「突然『京都行こう!』なんて、エリカのやることはいつも想像つかないですぅ…せっかくのお休みが……」 エリカ「小さいことは気にしないの!だってあんた関西出身なんでしょ?ガイドがいないと困るじゃん!」 上野「でも他の子達は置いてけぼりですぅ…翔子なんて大阪行っちゃったですぅ。『日本橋行ってくるお』って」 エリカ「しょうがないコねまったく。でも日本橋って大阪にもあるのね。オシャレそうだから行ってみたいわ」 上野「大阪の日本橋は、エリカには合わないと思うですぅ…」 エリカ「それよりも他のコ達ね。由宇達は大丈夫だと思うけど、サエコは…」 上野「確実に迷子になりそうですぅ…。『すぐ追いついて合流するからね!』って言ってたけど…」 エリカ「……まあサエコだってもうハタチなんだし、大丈夫でしょ。さ、エリカ達は一足先に観光しましょ! んーと、USJってどっち?」 上野「エリカもそうとう危ないですぅ…」
200 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/23(火) 11:38:27 ID:AhRDPjdF
≪一時間後・同京都駅ビルにて≫ サエコ「エリカちゃんのおバカ……人に駅弁買いに行かせといて置いてけぼりなんて……まあ新幹線乗り遅れたのは サエコなんだけど……グスッ」 がやがやがや… サエコ「人多いなぁ……エリカちゃんってば、人が電話に出ないと怒るくせに、こっちから連絡しても無視だもんなぁ。 それにしても、ここほんとに京都だよね?……な、なんかすごいイマドキっぽい…どこから出ればいいのかな?」 がやがやがや… サエコ「とりあえず、この大きい階段登ってみようっと…上まで登れば街を見渡せるし」 じーっ……… 長澤「…(ふふふふふ、沢尻会だけ楽しい思いしようったってそうはいかないわ!邪魔してやるわ! サエコさん、京都の旅は私と一緒に……!!)」
201 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/23(火) 11:57:15 ID:AhRDPjdF
≪同刻、京都駅すぐ・京都タワー≫ 新垣「おねぇさま!ほらほら、望遠鏡覗いてみてください!あれってサエコちゃんじゃないですか!?」 香椎「お願い……静かにして……。それからおねぇさまはやめなさいと……」 新垣「すごーい!高ーい!ほらほら、人が蟻んこみたいですよ!」 香椎「あ、暴れないで……足にくるから………(高いところが苦手だなんて言えない…私のプライドが許せないわ…)」 新垣「そんなところに座ってたらよく見えないですよ!こっちこっち!」 香椎「キィヤヤヤァァァァ!引っ張らないでぇぇぇぇーーー!!」
202 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/23(火) 12:01:09 ID:AhRDPjdF
≪清水寺・五条坂≫ エリカ「エリカもう疲れた。ちょっと!なんでこんなとこ連れて来るのよ。坂ばっかじゃん」 上野「清水寺は京都観光の基本ですぅ。ほら、もうすぐですぅ」 エリカ「ちょっと休憩しよ………路面店寄ってみていい?あ、この油取り紙かわいいじゃん!」 上野「なかなか先に進まないのもここのポイントですぅ…」
203 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/23(火) 12:17:34 ID:AhRDPjdF
≪同刻、清水寺・地主神社≫ 新垣「わーい!もう着いちゃいましたね!会長たちも清水寺行くって言ってたけど、追い抜いちゃったかも!」 香椎「ハァ…ハァ…(この子ってなんでいつもこんなに元気なのかしら……)」 新垣「おねぇさま!これなんですか!?」 香椎「…それは音羽滝って言ってね、ここの水は万病に効くって云われてるのよ」 新垣「そうなんだー!おねぇさまって物知りー!よーし、たくさん飲んで結衣ももっと元気になろうっと!」 香椎「(お願い……やめて……)」 新垣「おねぇさま!これはこれは!?」 香椎「それは恋占いの石よ。対になっている石の間を目をつぶって歩ききれば良縁を授かるって云われてるわ」 新垣「すごーい!結衣もやるやるぅ!おねぇさま、そっち側の石で待っててくださいね!」 香椎「はいはい」 新垣「よっと…こらしょっと…………着いた!おねぇさま!ご褒美に抱っこ!」 抱きっ 香椎「(クス……大変だけど、こういうかわいいところもあるのよねぇこの子ったら……)」 新垣「おねぇさま!今度はあそこあそこ!あそこは!?」 香椎「ああ、あれはね、清水の舞台といって、そこからの絶景は京都の街を一望できると…… …………キィヤァァァ!!!」 新垣「どーしたんですか?ほらほら!高くて楽しいですよ!おねぇさまも早く!」 香椎「引っ張らないでぇぇぇぇっぇーーーー!!!」
職人さん京都詳しすぎww
205 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/23(火) 12:35:46 ID:AhRDPjdF
≪四条通≫ 上野「結局、途中で引き返したですぅ……エリカってば根性無さ過ぎですぅ」 エリカ「エリカの人生に努力とか頑張るとかって言葉は無いのよ!」 上野「威張って言うことじゃないですぅ…」 エリカ「いいのよ細かいことは!ほら、ここの方が賑やかで楽しそうじゃん」 上野「四条通は京都のメインストリートですぅ。となりの区間に三条、五条〜ってあって、京都の街は碁盤の目みたいに ブロックごとに整理されてるですぅ。ちょっと脇に入ると、寺町・新京極通りもあるですぅ」 エリカ「わかりやすくていいわね!あ、おみやげ買わないとね!このTシャツとかどう?」 上野「おもいっきり胸に『誠』って書いてあるですぅ…ベタですぅ……」 エリカ「じゃあじゃあ、このギザギザの青い模様のはっぴは?なんかかわいくない?」 上野「……………。 ……あ、お電話ですぅ。もしもし?あーっ、サエコちゃんですぅ!今どこにいるですかー?」
206 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/23(火) 12:42:45 ID:AhRDPjdF
≪同刻、嵯峨―嵐山・渡月橋≫ サエコ「もしもし、え、えーっと、橋があって、船があって……なんかきれーなとこ。テレビとかで見たことあるような……」 上野『もしかして、そこは嵐山ですかぁ?全然逆方向ですぅ!』 サエコ「えーー!……うわーん、迷子になっちゃったよ〜〜」 上野『気付くのが遅いですぅ!とりあえず、エリカと迎えに行くですぅ。絶対動いちゃダメですよぉ!』 サエコ「は〜い……」 ピッ サエコ「はぁ…………心細いなぁ。 あっ、向こうに竹林があるみたい!行ってみようっと〜」
207 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/23(火) 13:01:04 ID:AhRDPjdF
≪東山・銀閣寺≫ 香椎「渋い…渋いわ。私にピッタリね。やっぱりわびさびの文化ね」 新垣「うわぁ、素敵なお庭ですね!」 香椎「あなたにも分かるのね、この厳かな感じが」 新垣「はい!おごそかです!」 香椎「この石の配置とか苔の手入れの仕方とか…職人技だわ」 新垣「はい!しょくにんわざです!」 香椎「近くには『哲学の道』ていうところもあるのよ。行ってみましょうね」 新垣「はい!てつがくです!」 香椎「………本当にわかってる?」 新垣「はい!結衣はお腹が空きました!」 香椎「………そうね、お茶屋さんにでも行きましょうね……」 ≪同刻、北山・金閣寺≫ エリカ「眩しい…眩しいわ。なんて輝いてるのかしら!エリカにピッタリね!やっぱりゴールドっていいわね!」 上野「確かにエリカには似合ってると思うですぅ……って言うか、サエコちゃんを迎えに行かなくていいですか?」 エリカ「ほっときゃいいのよあんな方向音痴!どうせまた勝手にうろうろしてるわよ」 ≪同刻、嵯峨―嵐山・竹林≫ サエコ「素敵〜!この道、テレビで観たことあるある!うーん、空気も澄んでて気持ちいい〜。 あ、トロッコ電車もあるんだぁ〜乗りたいなぁ〜」
208 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/23(火) 13:14:25 ID:AhRDPjdF
≪北山・竜安寺≫ 香椎「またまた渋いところに来ちゃったわ。やっぱり私には禅の心が根付いているのね」 新垣「さっきメールしたら、会長たちも近くにいるらしいですよ!やっと合流できそうですね! でもなんだか静かでいいところですね…ふわぁ……」 香椎「ほら、見て御覧なさい。ここの石庭は15個の石が配置されているんだけど、どの方向から見ても 必ず1個が隠れてしまって見えなくなるの」 新垣「へぇ〜不思議ですね…」 香椎「ミステリアスね。そう、私みたいに……」 新垣「zzzzzz………」 香椎「寝ないで……」
209 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/23(火) 13:33:42 ID:AhRDPjdF
≪太秦・映画村≫ 上野「だいぶ嵐山に近づいたですぅ。っていうか寄り道しすぎですぅ!」 エリカ「すごーい!侍、サムライがいるよ!すげー、忍者もいる!」 上野「……聞いてないですぅ」 エリカ「日本にまだサムライっているのね!あ、芸者よゲイシャ!」 上野「エリカ……ここには黄門様も銭形平次もいないですよ……」 エリカ「え?だって、銭形平次の家もあるじゃん!」 上野「エリカ………まあ夢は壊さないであげるですぅ……」 舞妓「おいでやすぅ〜」 エリカ「あ、舞妓さんよ!いや、舞妓はんどすよ!」 上野「エリカ……変な京都弁になってるですぅ…」 舞妓「どうぞごゆるりと楽しんでいっておくれやすぅ〜」 エリカ「わかったでおくれやす!一緒に写真撮っていいどすか?」 舞妓「よろしおすぅ〜……だお」 上野「だお?……………あーー!この舞妓さん、翔子ですぅーー!!」 中川「ばれたどすお〜」 エリカ「えぇーーー?あんた、いつのまに……」 中川「むふふふ、コスプレ体験できると聞いたらしょこたんはじっとしてられないお」 エリカ「へぇー、衣装借りれるんだ………よし、エリカも着る!」 上野「何着るですか〜?やっぱり舞妓さん?」 エリカ「青いギザギザ模様のはっぴ!」
210 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/23(火) 13:49:13 ID:AhRDPjdF
≪嵯峨・大覚寺≫ サエコ「うわ〜ん、ここどこー?ちょっと歩きすぎちゃった……とりあえず目立つお寺に入っちゃったけど…。 あーあ、もう日も暮れそうだよ……結局、ひとりで観光か……なんかサエコっていっつもこうだよ…」 カァ〜、カァ〜…… サエコ「…カラスにまで馬鹿にされてる気がする……。あー、なんかほんとに涙出てきちゃった……ぅぅ」 『であえであえーーー!!曲者じゃあ!!」』 サエコ「……へ?」 ざざざざーーーー 男「くそう、もう逃げ切れぬ!かくなる上は、こやつを人質に………おい、娘!わしと来い!」 サエコ「えええええええーーーーー?き、き、急になにーーー??」 ??「待てぇーーーーーい」 ぱからんぱからんぱからん……ぶひひひーーーん 沖田「新撰組一番隊隊長、沖田総司見参!そこの浪人、もう逃げられんぞ!」
211 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/23(火) 13:56:05 ID:AhRDPjdF
サエコ「あわわわわわわ………なんか分からないけど、助けてーーーーー!!!」 浪人「おのれ、新撰組め!この娘がどうなってもいいのか!」 沖田「いい!」 サエコ&浪人「エエエエエエエーーーーーー!?」 沖田「食らえーー!馬キィィィィック!!」 ぱこーん サエコ&浪人「ぶぇぇぇぇぇぇぇーーーーーー!!!」 沖田「ふっ……決まったわ……」 『はーーーーい、カットカット!リハーサル終わりー!!』 沖田「なーに?もう終わり?エリカはもっとやりたいのに……」 上野「エリカーー!人質もいっしょにやっつけてどうするですか!」 沖田エリカ「いいじゃん、どうせリハだけなんだし」 中川「エリカはほんとめちゃくちゃだお……」 新垣「かいちょー、でもかっこよかったです!」 香椎「でもエリカが乗馬できるなんて知らなかったわ」 沖田エリカ「ふふん、お手の物よ。 あ、そこの人質ちゃん、勢いでやっちゃったけど大丈夫だった? ……………あれ?どこかで見たことあるコね?」
212 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/23(火) 14:12:35 ID:AhRDPjdF
≪夜・祇園―料亭≫ サエコ「まったく、なんでサエコばっかりこんな目に……」 上野「ごめんですぅ。ちょうど映画村で撮影やってて…エリカが出たい出たいって言い出して… ちょうど馬の乗り役の人が遅れてて…リハだけでもいいからって…」 香椎「大覚寺は時代劇の撮影でよく使われるのよ」 新垣「結衣達も、ちょうどそこらへんで合流したんですよねー」 中川「しょうこも街娘のコスプレで出たかったお」 エリカ「サエコのくせにあんなところでボケッとしてるからよ。あれだけ動くなって言ったのに」 サエコ「エリカちゃんだって、一向に迎えに来てくれなかったくせに……」 エリカ「なによ!ちょっと生意気よアンタ!もう一回成敗してあげようか!おらおら!」 サエコ「うわ〜ん、ずびばぜん、ほっぺたつねらないでぇぇーー」 上野「まあまあ、ですぅ〜。ほらほら、せっかくの祇園の夜ですぅ〜!みんなでどんちゃん騒ぎましょー!」 中川「おー!」 香椎「騒がしいのも、たまには悪くないわね」 エリカ「酒よ酒!じゃんじゃんもってこーい!」 新垣「結衣はオレンジジュースで!」 わいわいわい……
213 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/23(火) 14:31:59 ID:AhRDPjdF
上野「…でもなんで、急に京都に来ようと思ったですか?エリカ」 エリカ「え?今年ってまだ初詣で行ってなかったからさ」 香椎「…なんでわざわざ京都に?」 エリカ「神社とか御参りとか、京都が本場かなぁって……せっかく初詣で行くなら、とことん極めたいじゃん?」 中川「…それだけなのかお?」 エリカ「うん。それだけ」 新垣「…ほんとにほんとですか?」 エリカ「ほんとにほんとだけど?」 サエコ「………もー!なんでエリカちゃんはそんなにわがままなのよ! みんなだって他にも予定があって忙しいのよ!ひとりで来ればよかったじゃん!!」 エリカ「な、なによぅ………だって………今年一年の幸せを願うんだよ………? どうせなら、みんな一緒に幸せなほうがいいじゃん………」 上野「エリカ……」 香椎「エリカったら……」 中川「エリカ……ぅぅ」 新垣「かいちょー、結衣は感激です……!」 サエコ「…………(………エリカちゃん………この前は、初詣で一緒に行けなくてごめんね………)」 エリカ「あーー、もう!なによこの空気!エリカをそんな目で見るなーーー!!!」 上野「あははは、エリカの顔が真っ赤ですぅー!」 中川「エリカかわいいおー!」 香椎「もう、エリカったら…」 新垣「ほんとだ真っ赤だー!」 エリカ「うるさーーーい、これはお酒のせいよお酒の!」 サエコ「明日にでも、みんなで御参り行こうね!」
214 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/23(火) 14:38:31 ID:AhRDPjdF
長澤「……………サエコさん追いかけてたら迷子になっちゃった……ここはどこ………? ……………いいの、どうせわたしなんか…………………………」 〜続くどす。また調子に乗った。今は反省している。長文スマソ〜
GJ!!!!! 今回のはすごくいいと思う! また続きヨロ!
FLASHで燃料投下キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !! エリカのサエコ「虐め」を改めて文章で読むと、さすが「エリカ様」きついぜ!!
217 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/23(火) 16:21:46 ID:JkVl9jug
Gj!!!ワロタw最高!!
218 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/23(火) 16:58:53 ID:aX8F6QxL
ワロスwGJでした!
素晴らしい!かなり面白かったです。 次に京都行くときは、この小説を参考に観光して回りたい笑
220 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/24(水) 02:33:48 ID:iRPW9oNs
今にして思うとこのスレタイはいい
221 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/24(水) 03:19:39 ID:UF6388S1
いいオチだたGJ
222 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/24(水) 06:46:33 ID:at/drCOk
しょこたんがエリカ様って呼ぼうって決めたんだよね エリカがそう決めた風にみえるけど
関係ないけど今月号のJJにサエコがチラリしてたよ。 1.2ページしか出てなかったけどすごく可愛かったよ!見て見る価値あるぞっ
》223 情報サンクス!
いつみてもここのスレはいいなあ〜 こんな和気藹々とした「沢尻会」なら 実在して欲しいよ、まじで。
》223 何ページですか?
227 :
来栖 :2007/01/25(木) 19:01:03 ID:AhtDgyjk
228 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/26(金) 11:51:50 ID:M1hawc6f
新しいCMのエリカまじ綺麗
フレンチレストランの続き見たいよ〜
231 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/27(土) 22:36:21 ID:IAvaoIuY
そうそう!本当神のような雰囲気…エリカ様と呼ぶに相応しい姿かも
二人の関係はずっと続くんだと思ってた。 サエコは私の所有物で、私が彼女を捨てることはあっても 向こうから離れることなんてあるはずがないと思ってた。 でも現実は違った。 あのレストランを出た後、私はいったい何時間あの子のことを考えているんだろう。 「心臓がこんなにドキドキ言ってる。まだあの子のこと、考えてるの?」 キングサイズをはるかに越える巨大なベットの上で横になっている私。その脇からまさみがニョキッと顔を出す。 柔らかで弾力にとんだ肌と肌がお互いに絡まりあうように重なりあっている。 「エリカってさぁもっと何事にも動じない人間じゃなかったっけ?どうしちゃったの?」 「さあ、・・・自分でもよくわからないわ。」 「もしかして・・・ 本当はサエコがエリカをメロメロにしてたとか?」 私の弱い部分を見つけたことがよほどうれしいのだろうか、あれ以降まさみはずっとこの調子で 意地悪な質問を繰り返していた。 「・・・・・・・」 しばしの静寂。 二人で部屋の天井を見る。 「そうなのかな。」 街の明かりがわずかに窓から差し込むだけの部屋の中で 搾り出したような返事が虚空を舞う。 もう、まさみは返事なんて聞いていない。 やわらかい唇と唇が重なった。
>>229 とりあえず今日はこんなところ。
短くてごめん。
本当はまとめて書き込もうかなとおもってたけど
ちょっと時間がかかりそうだったから書けるところだけは書いてみた。
話ぶったぎってスマン。
また続き待ってます!
235 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/29(月) 02:11:10 ID:8iDYVk9E
236 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/29(月) 07:02:43 ID:pn4FhosE
長澤のイメージ下がる…
》235 何ページですか?
238 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/29(月) 17:09:21 ID:8iDYVk9E
>>237 別冊みたいな感じでついてる。髪型のやつ。
いつからだろう。憧れが愛に変わったのは。 エリカがここにいるだけなのに胸が何かで締め付けられているかと思うほど苦しい。 絡み合う舌に、まとわりつく長い髪。でも心はこんなにも遠い。 きっと大勢の人が撮影で「いま涙なんて出ない」って言ったエリカのことを、 わがままだって決め付けてるんだろう。 でも本当は、とても感情移入のできない幼稚なシナリオに、役者として当然のクレームをつけただけ。 そう、日本映画の復興なんてバカバカしい美辞麗句の実態が、漫画文化の財産を食い潰しているだけだってことを 現場で誰よりも早く気づいていたのは、他のだれでもなくエリカだった。 偶然現場を見学していたあの日。 初めて出会ったエリカは「本物の仕事がしたい」って泣きながら監督と言い争ってた。 今でもあの衝撃をどう表現したらいいのかわからない。 あの日芽生えた小さな憧れ。 それはお芝居にも色恋にもひたすら貪欲なエリカを知れば知るほど大きくなった。 今それは愛となって私を突き動かしている。
ひょうひょうとした態度の裏で私がどれだけエリカを愛しているか、彼女は知らない。 でも私が私である限り、思いのたけをすべてぶつけるなんて無理な話。 結局私とエリカはどこまでいっても違う人間なんだ。 だけど違う人間だからこそ出会うことができた。 悲しみも苦しみも喜びも何もかも全部ここにある。
愛っていうのは愛するものと愛さないものとを区別することから始まる。 私はエリカを愛し、サエコを愛さない。 そしてサエコを傷つける。 『愛なんて暴力の二つ名に過ぎないわ』 エリカは私の体を乱暴に愛撫した後よくこう言った。 そう、愛と暴力はいつも一緒。 その実情を知らないものは愛に打ちのめされてしまうだけだ。 でも意外ね。 それを一番よく知っているはずのあなたがこんなに打ちのめされてるなんて。
しかしいつになったら終わるんだろうな、これ。
いや、俺らに聞かれても… 職人さんの気分次第でもいいよ
244 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/30(火) 07:31:31 ID:jdMSO4+g
長澤4月の月9出るよね!楽しみ!
245 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/30(火) 10:43:16 ID:MdtjMYmi
もう今は劣化してるサエコ このままチョイ役だけで女優人生を終えるんだろうね
そんなことない サエコは進化するよ
247 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/30(火) 18:34:25 ID:3qFjOwZH
久しぶりにきたけどこのスレまだ盛り上がってんなあw
248 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/30(火) 18:58:19 ID:MdtjMYmi
チョイ役で進化もクソもあるかよ>サエコ
249 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/30(火) 18:59:05 ID:lwzkcfxF
サエコと沢尻 逆のほうがいぃ サエコがタチ
250 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/30(火) 19:02:16 ID:MdtjMYmi
最近はサエコの自作自演が多いね 仕事なくてヒマなんだな
こんな人ら放っといて 新しいstoryに期待しましょう
>>243 変なこと書き込んでごめん。
スレの空気汚しちゃったかな?
よし、じゃあ明日は明日の風が吹くでいくことにする。
253 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/30(火) 22:09:50 ID:MdtjMYmi
ブスサエコ2ちゃん意識してるから ブログに多忙を意識的に書いててアホ丸出し ZACCもいい迷惑だね
254 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/30(火) 22:15:01 ID:jdMSO4+g
なんでそんな考え方しかできないのか…多忙自慢などしてる風には見えないけどな
アンチはよそでやって
256 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/30(火) 22:40:13 ID:MdtjMYmi
反応早いねサエコ 携帯とパソコンから乙!
257 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/30(火) 23:05:46 ID:qQnx3a76
そりゃおまえだろ 中島鬼束スレも荒らしやがって
>>257 さすがのおれっちも荒らしにエサをやるのは駄目だと思
われ。
じゃっかん、同情しなくもないけどね。でもここはやっぱり
理性的にいこうよ。荒らしなんて2chの
エキストラでしかないんだし。主役はもっとこう
リンとしたらいいんじゃないの
かなぁ。
↑
259 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/31(水) 11:35:15 ID:37xGj71w
ここで弩エロSSきぼんぬ
ト書きの人きぼんぬ
261 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/31(水) 18:51:40 ID:FPXwYu2q
明治チョコレートのエリカはあまり好きじゃないな〜 ケバいつーか
262 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/31(水) 19:51:02 ID:gUxxI5Cx
≪TV局≫ サエコ「京都楽しかったね〜」 中川「二日酔いで、次の日ずっと不機嫌だったエリカを除けば楽しかったお」 エリカ「うっさいわね。いいお酒は何リットル飲んでもおいしいのよ」 サエコ「エリカちゃん…お酒は普通、リットル単位では数えないと思うよ……」 エリカ「……………」 サエコ「痛い痛い!無言でほっぺつねらないで〜!」 中川「なんだかんだ言ってふたりは仲良いんだお。あっ、ちゃんと前見て歩かないと危ない……」 ドンッ エリカ「……っ痛ったーい!ちょっと、どこ見て歩いてんのよ!」 ??「……あっ ごっめーーん、マジごめんね!」 ??「あ…すいません」 中川「あれ?……あー、なっきーだお!久しぶりだお!」 加藤「あーーー!しょこたーーん!いや〜ん、お久しぶりじゃーーん!」 中川「しょこたんはいっつもパーペキだおだお〜!」 加藤「や〜ん、なっきーもパーペキパーペキ〜!」 中川「そーいえば今度出た新しいエヴァのパチ、打ちに行くお〜!」 加藤「ちょ、なっきーも行く行くぅ〜!」
263 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/31(水) 19:52:35 ID:gUxxI5Cx
エリカ「ちょっと誰?このハイテンションなコ?」 サエコ「エリカちゃん…まがりなりにも女優なら、ドラマぐらいチェックしとこうよ……夏希ちゃんだよ」 井上「…すいません、怪我はなかったですか?」 エリカ「えぇーっと、ごめん、あんたも知らない顔だわ」 サエコ「エリカちゃん…もうちょっとすまなそうにしたら……。真央ちゃんだよ。サエコ達と同い年なんだから」 エリカ「あー!あー、あー、思い出した!あの生意気ながきんちょの!」 井上「いえ、あれはドラマですから…」 エリカ「そうだそうだ、この前テレビで観たわ!今ではすっかり虐められてるんだよね!うぷぷぷぷぷ」 井上「いえ、それもドラマのことですから…」 エリカ「まーなんかあったらエリカに言いなさいよ。ケジメつけてあげるから!」 井上「いえ、別に困ってないですから…」 エリカ「……なによ、ノリの悪いコね」 サエコ「エリカちゃんが図々しすぎるんだってば……もう、真央ちゃんは真面目な子なんだからエリカちゃんは 近づいたら駄目!しっ しっ!」 エリカ「キーッ!人をばい菌みたいに言うなーっ!この!この!」 サエコ「ぶぇぇぇー!げんこつはやめてーー!」 井上「…けっ喧嘩はよくないですよ…」 ドタバタドタバタ……
264 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/31(水) 19:55:01 ID:gUxxI5Cx
新垣「あー、会長たちじゃないですか!何楽しそうなことやってるんですかー!?結衣も混ぜてくださーい!」 サエコ「結衣ちゃん……一方的にボコボコにされてるサエコを見て楽しそうって……」 エリカ「あれ?あんたも誰か知らないコ連れてるわね?」 新垣「そうだそうだ、紹介しますね!恵梨香ちゃんです!」 戸田「う、うっす。どうもっす…」 新垣「可愛いでしょー?きゃ〜ん、恵梨香ちゃ〜ん!ちゅちゅ!でも由宇おねぇさまの前ではこんなの出来ませんね! …だって、おねぇさまがやきもち焼くから!きゃっ!」 戸田「は、ははは…」 サエコ「(いけない……さっきの暴力的なエリカちゃんを見て恵梨香ちゃんが怯えている……)だ、大丈夫、 おねーさんたちは怖くないからね、恵梨香ちゃん」 戸田「は、鼻血が出てるっすよ、サエコさん……」 エリカ「ふ〜ん、あんたも えりか って言うんだ……」 戸田「は、はい…そうっす…」 サエコ「(いけない……エリカちゃんに変に目を付けられたら恵梨香ちゃんもサエコの二の舞に……) と、とってもいい名前だよね!サエコは好きだなー!」 戸田「サ、サエコさん鼻血……」 エリカ「………よし、決めたわ!恵梨香、あんたも今日から沢尻会ね!」 戸田&サエコ「えええーーーー??」 エリカ「なんか楽しくなってきたわ!今日はきっと出会いの日なのね!めざま○テレビの占いでもそう言ってたし! よぅし、今日は歓迎パーティね!みんなまとめて集合よ!」 サエコ「そ、それはいいけど、みんな呼ぶのは大変だよ……それに場所も……」 エリカ「なに言ってんのよ、だからアンタがいるんじゃない」 サエコ「やっぱりサエコが幹事やるんだ……」
265 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/31(水) 20:02:46 ID:gUxxI5Cx
≪長澤宅≫ エリカ「で、なんでこのネクラ女の家なのよ?」 長澤「それはこっちの台詞よ」 サエコ「ご、ご、ごめんね……広くてみんなが来れる部屋って、ここしか思い浮かばなくて……」 長澤「サエコさんはいいんですよ!私、とっても嬉しいですよ、こんなにお友達が来てくれて! この女以外は!」 サエコ「あ、ありがとうまさみちゃん…」 長澤「もう!水臭いですよ!私とサエコさんは赤い糸で結ばれてるんですから!今日は他の子とも お友達になれるといいなー!この女以外は!」 エリカ「ふん、いちいち癇に障るわねっ」 長澤「私、お料理作りますね!今日はほんとに楽しいなー!この女がいる以外は!あははははー」 エリカ「…アンタも大変ね、あんなのに付きまとわれて」 サエコ「そんな。エリカちゃん程じゃないから」 エリカ「……………」 サエコ「痛い痛い!だから無言でほっぺつねらないで〜!」 中川「お〜い、みんな連れて来たお〜」
266 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/31(水) 20:05:17 ID:gUxxI5Cx
香椎「なかなか素敵な部屋じゃない」 新垣「結衣はもうお腹すきました〜」 上野「デザートは何ですかぁ〜?」 加藤「おっじゃまっしまーっす!」 井上「お邪魔します」 戸田「うっす、失礼しまっす」 宮崎「なんでわたし達まで…」 蒼井「うん、ほんと迷惑だよねあおいちゃん」 ワイワイ…… エリカ「さっ、固いことは抜きよ!好きに騒ぎましょう! あとはちょっとエリカを立ててくれればいいだけだから!」 サエコ「エリカちゃん…結局、自分が主役になりたいだけなんだ……」 ワイワイ……
267 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/31(水) 20:08:32 ID:gUxxI5Cx
サエコ「真央ちゃんって今忙しいのに、来てくれてありがとね」 井上「いいえ、とんでもないです。サエコさんや沢尻さんといると楽しいですよ」 サエコ「あ、敬語とか使わなくていいんだよ」 井上「あ、わかりました…わかったよ。えへへ、まだ慣れないや」 サエコ「うふふ(いい子だな真央ちゃん。ほんと真面目だし)」 加藤「なーになになに?おねぇさんもまぜてー!でへへへへー」 サエコ「わわわ……夏希ちゃん、かなり酔っ払ってるよ……」 加藤「なに!私のお酒が飲めないっての!オタクを舐めんなよ!」 サエコ「別に舐めてないですってば!(ちょっと疲れる……でも楽しいな……この人。うふふ)」 加藤「ほら!そこの細っちょの子!あんたもっ!」 戸田「……………じゃ、じゃあ一口……」 サエコ「わー!ダメダメ!恵梨香ちゃんは未成年だからダメー!」 エリカ「あん?誰が未成年だコラ!ひっく…」 サエコ「あわわわ……そっちのエリカちゃんじゃないってば!」 エリカ「未成年かどうか見せてやる!エリカの極上ボディを!うぃっく…」 サエコ「エリカちゃん飲みすぎだよ!脱いじゃダメだって!」 ワイワイワイ………
268 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/31(水) 20:11:32 ID:gUxxI5Cx
長澤「は〜い、みなさん!お料理できましたよ〜!今日はまさみ特製、煮込みラーメン……」 ……………………………… グーッ…グーッ…… ………… 長澤「………みんな酔いつぶれて寝てる………いいの、どうせ私なんか…………………」 宮崎「わたしにひとつちょうだい…………誰か、わたしの友達になって…………」 長澤「あんたは…………、そう、あんたも前スレであの女に酷い目に合わされたものね………」 宮崎「わたしもうダメ……もう輝けないわ………。これからはずっと暗い映画ばっかに出てやる………」 長澤「…………あなた、もう一度私と手を組まない?………というか相棒にならない?」 宮崎「え………?」 長澤「地べたを這いずり回ってこそ、見える光もあるのよ………」
269 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/01/31(水) 20:13:04 ID:gUxxI5Cx
≪翌日、沢尻宅≫ エリカ「あー、昨日は飲みすぎちゃった……頭痛っ………はー、やっと家着いたわ…… あれ?なんかポストに………封筒……?」 ぱさっ… エリカ「……ちょっと、なによこれ………昨日のパーティの写真?」 ぱさっ… エリカ「げっ………ちょっと、これって………もしかして、エリカの裸!? そうだ、昨日、調子に乗って裸踊りした記憶が……この下着は確かにエリカだし……… っていうか誰?こんなことするの!?エリカをどうしようってのよ!!」 〜〜次回へ続く〜〜
GJ!!!!! 新たな長編storyの予感ww
271 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/01(木) 01:43:03 ID:PcLcGVF/
サエコ乙
GJです! 若手女優が増えてきましたね。 恵梨香cも出てきたけど妄想少女真希cは出番無しかな? あ、国仲島も好きですw
273 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/03(土) 07:36:25 ID:OeF4eZ8D
サエコ、パン食うか?また買ってってやるよ
274 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/03(土) 12:25:04 ID:oQ3+zXgZ
まさみ「あ〜あ、あたしこれからどうなるんだろ。長澤会なんて正直どうでもいいんだけどな。」 新垣「まさみちゃん、沢尻なんかシカトでいいでしょ。勝手にやらせとけば」 まさみ「…そうねなんかもう争うのめんどくさいし細々と平和に仕事していきたい」なんて考えてそう…
275 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/03(土) 16:32:54 ID:way+rqAw
プレゼントやらなくてもパンやれば喜ぶバカ女、やりまんサエコ
早く続きみたいお…
277 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/04(日) 18:08:27 ID:zQXMxr6+
中川「今日のエリカ、ちょっとおかしいお。モグモグ」 上野「それはいつもの話ですぅ。モグモグ」 中川「なんか怖い顔してるお……。モグモグ」 上野「それもいつもですぅ。モグモグ」 中川「あっ!こっち向いたお……な、なんか般若のような顔でこっち見てるお……」 上野「危険レベルはいくつですかぁ?モグモグ」 中川「しょこたんスカウターでカウントすると……レベルB、人を疑いの目で見てるときのエリカだお」 上野「どうせ誰かがケーキの盗み食いしたとか、そんなことですぅ。モグモグ」 中川「ええ? し、しょこたんは知らないお!」 上野「それはそうですぅ。盗み食いしたのはあたしだし」 中川「ちょwww」 上野「しょうこが今食べてるのもそのケーキですぅ。モグモグ」 中川「うぇwwww生きて帰れないおwwwwwwwwww」 エリカ「(……いけない、いけないわよエリカ。沢尻会のみんなを疑うなんて……。 でも、あんな写真を撮れるのは昨日のパーティに来てた人間だけ……) ハ、ハロー!みんな今日も元気そうじゃん!」 中川「や、やっぱりなんかおかしいお……」 上野「目が死んでますぅ……」 エリカ「ねぇねぇ、今からお茶飲みに行かない?そうだ!おいしいスイーツのお店連れてってあげるよ?」 中川「や、やっぱりだお……。しょこたんスカウターの数値の上昇が止まらないお……」 上野「よし!逃げよう!2手に分かれるのよ!」 シュタタッタターー エリカ「あ!ちょっと、待ちなさいよ!……なによ……? まさか、ほんとに沢尻会の誰かが……」
278 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/04(日) 18:15:41 ID:zQXMxr6+
エリカ「やっぱりアンタ達でしょ?そうよ、それしか考えられないものね」 長澤「なによ、変な言いがかりは止めてくれないかしら。おほほほ!」 宮崎「そうよそうよ!キャハハハ!」 エリカ「……なに? なによその余裕……? まあいいわ! ほら! 写真とネガを返しなさいよっ!」 長澤「なんのこと?知らないわよそんなの。 それより、私は新・長澤会を結成するわよ! 最高の相棒が出来たもの。おほほほほ!」 宮崎「これからわたしとまさみちゃんは『地獄姉妹』よ!キャハハハ!」 エリカ「なにそれ……?だっさ………」 長澤「あんたはいいわよねぇ………どうせ、私達なんか……」 宮崎「いいわよねぇ……どうせ、わたしたちは日陰でしか暮らせないのよ……」 エリカ「また変なのが増えた……。まーそんなことはどうでもいいのよ! あんた達、ホントにホントに知らないのね?」 長澤「どうでもいいんだって私達……。いいわよねぇ、友達がたくさんいる人は……」 宮崎「誰か友達になって……」 長澤「おバカ!もう、友達なんて求めちゃ駄目なのよ!信じたって裏切られるだけよ!」 宮崎「ご、ごめんなさいまさみちゃん!お願い!わたしを見捨てないでっ!」 エリカ「(……関わるのも嫌だから帰ろ……) でも、こいつらじゃないとしたら誰……? パーティに来てた誰が……?」
279 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/04(日) 18:23:37 ID:zQXMxr6+
≪某テレビ局・楽屋≫ 中川「ふぅー、なんとか逃げきれたお……。樹里とははぐれちゃったけど…かくまってもらって助かったお!」 井上「いえ、どういたしまして」 加藤「この楽屋は関係者以外は入れないからさ、のんびりしていけばいいって! んじゃ、あたしらはこれから撮影本番だから!」 中川「はーい、行ってらっしゃいだお」 バタンッ 中川「はぁ、真央タンとなっきーがいて助かったお。 ん……?これは、日記帳? 鍵までかかってるお。 ……これぐらいだったら開けれちゃう自分が恐いお。 ………………ちょ、ちょっとだけ覗いてみようかな…… 駄目だお駄目だお、しょこたんったら…… い、一ページだけ…………」 かちゃ ぱらっ 中川「……こ、これは…………大変だお…………」 ??「見たんだ………」 中川「え……? はわわわわわ……」
280 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/04(日) 18:32:01 ID:zQXMxr6+
…………………… …………………… 【○月×日 今日もあの女をテレビで見た。とても目障りだ。あの顔を見ると、心が乱される。】 【○月×日 なぜあの女は私をこんなにも不快にさせるのか。私のほうが頑張ってきたのに。】 【○月×日 今日はあの女とテレビ局で会った。馬鹿な女だ。もうおまえの時代は終わったというのに。】 【○月×日 とても気分が悪い。私は騒がしいのが嫌いだ。そんな私をパーティに呼んでからかっているのだ、 あの女は。もう許せない。】 【○月×日 コロス サワジリコロス サワジリコロスサワジリコロスサワジリコロスサワジリコロスサワジリコロスサワジリコロス サワジリコロスサワジリコロスサワジリコロスサワジリコロスサワジリコロスサワジリコロス サワジリコロスサワジリコロスサワジリコロスサワジリコロスサワジリコロスサワジリコロス サワジリコロスサワジリコロスサワジリコロスサワジリコロスサワジリコロスサワジリコロス サワジリコロスサワジリコロスサワジリコロスサワジリコロスサワジリコロスサワジリコロス サワジリコロスサワジリコロスサワジリコロスサワジリコロスサワジリコロスサワジリコロス】 …………………… ……………………
281 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/04(日) 18:53:04 ID:zQXMxr6+
≪翌日・沢尻会行きつけのカフェにて≫ エリカ「(誰よ……、誰があんな写真……。とりあえず、ネガは回収しないと……)」 新垣「おねぇさま……会長がおかしいですよ……」 香椎「エリカがおかしいのはいつもじゃない」 新垣「なんか般若みたいな顔してますよ……」 香椎「危険レベルはいくつなの?」 新垣「ガッキーアイで感知したところ……危険レベルA、噴火寸前の活火山です……」 香椎「あら……エリカのケーキを勝手に食べてもそんなにはいかないわね……なにかあったのかしら?」 上野「(き、昨日のケーキのこと、まだ怒ってるのかなぁ……?)」 中川「……」 サエコ「あっ、みんないるいる!出来たよ!一昨日のパーティの写真!」 エリカ「…………! …………サエコ、なんでアンタが……?」 サエコ「へ?だって、写真係はサエコだもん」 新垣「へぇ〜、見せて見せて!」 サエコ「ダメダメ!まだちょっと秘密だよ!」 エリカ「……なんで見せれないわけ?」 サエコ「へ……?」 エリカ「見せなさいよ。今すぐ。なんか見せれない訳でもあんの?」 サエコ「そ……それは……」 エリカ「とにかく見せなさいよ!力づくでも見せてもらうよ!」 サエコ「やっ……引っ張らないで! 袋がやぶけちゃう!」 ビリビリビリ バサバサバサッ……
282 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/04(日) 19:07:07 ID:zQXMxr6+
香椎「これは……」 新垣「なにこれ……」 上野「あわわわわ……」 エリカ「……どーしてこんな、裸の写真ばっかなの? で、アンタはこれをどうしようってわけ?サエコ」 サエコ「え?……え……」 エリカ「……アンタの魂胆は分かってるわよ。エリカにいつも虐められて、むかついてたんだよねぇ? でもどういうつもり? エリカのうちのポストにこんな写真入れて。エリカを脅す気? いい度胸じゃない!」 サエコ「し、知らないってばそんなこと!」 中川「うそだお! サエコは、最初からエリカをハメる気だったんだお!しょこたんは全部知ってるお! いつもいつも、エリカの愚痴ばっか聞かされてて……いつか復讐するって言ってたお!」 サエコ「い、言ってないよそんなことっ……! おねがい! サエコの話を聞いてみんな!」 新垣「サエコちゃん……」 香椎「こんなに証拠が揃っちゃあねぇ……」 上野「見損なったよサエコちゃん……」 サエコ「そんな……みんな仲間じゃないの!」 エリカ「……いいえ。考えてみれば、アンタって別に沢尻会じゃないしね」 上野「そういえばそうですぅ……」 サエコ「そんな……そんな……」 エリカ「そうよ、最近ちょっとばっかし甘やかしすぎたのよね。いいわよ、アンタがそういう気なら 徹底的に虐めてあげるから!覚悟しなさいよ!」 ひゅん べちゃ サエコ「痛い!……そんな、ケーキ投げることないじゃない! 違う……サエコじゃない……サエコじゃない……!」 ダダダダダダー…
283 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/04(日) 19:13:34 ID:zQXMxr6+
≪夜の繁華街≫ サエコ「うううう……うえぇ……」 井上「あれ?サエコちゃんじゃない?」 加藤「あ、ほんとだ!どーした?なに泣いてるの?」 サエコ「うぇぇぇぇ。あのね……うぐぇ……ざえごのいうごどをね……ひっく……みんなむじじでね……うぇ」 井上「サエコちゃん落ち着いて。神谷明みたいな声になってる」 加藤「よしよし、かわいそうに」 サエコ「ぶぇぇ……ありがど……ひっく……」 加藤「とにかく、こんな遅くに一人で出歩いたら危ないって!」 井上「私が送っていくよ。家、おんなじ方向だったよね?」 井上「でもホント、サエコちゃんにそんなこと言うなんて酷いね」 サエコ「うう…」 井上「私、そういう人の話を聞かないような人って大嫌い。ちゃんと話し合って解決するべきだよ」 サエコ「真央ちゃんは真面目だから……。エリカちゃんには通じないんだよ……」 井上「コートがこんな汚れちゃってる……そうだ、こっちこっち、ここに寄って行こうよ」 サエコ「え……?ここって……」 井上「そう、ラ・ブ・ホ」
284 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/04(日) 19:54:28 ID:zQXMxr6+
≪ラブホテル内≫ サエコ「な、なんでこんなとこ……真央ちゃん……?」 井上「ほら、コート脱いで。ついでにインナーとパンツも。汚れを落とさないとね」 サエコ「は、はい……。あの……」 じゃぶじゃぶ…… 井上「でもほんとに馬鹿だよね」 サエコ「え……?」 井上「みーんな馬鹿ばっかり。そう思わない?サエコちゃん?」 サエコ「な、なにを……」 井上「クス。こんなにうまくいくとは思わなかったけど。クスクスクス……」 サエコ「ま、まさか……真央ちゃんが……」 井上「あらぁ、私はきっかけを与えてあげただけだよ。どうせあなた達はその程度の『オトモダチ』なのよ。 ……あの中川とかいう子とかもね」 サエコ「まさか……さっきのしょこたんの言ったこともあなたが……。 ……サエコ、帰る!」 井上「生意気言ってるんじゃねーよ!」 バチンッ
285 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/04(日) 19:59:03 ID:zQXMxr6+
サエコ「痛いッ!」 井上「ごめんねぇ、思わず手が出ちゃった。クスクス……。 帰さないよ。もう少し一緒に遊ぼうよ、サエコちゃん。それに、そんな格好でどうやって帰る気?クス」 サエコ「ううぅ……」 井上「私の言うことを聞いたら、服を返してあげる。そうだなぁ、写真が撮りたいなぁ。サエコちゃんの やらしー写真」 サエコ「もうこんなこと止めようよ……お願い……」 井上「駄目だよ、あんたは今日から私の犬よ。犬がご主人様に口答えしちゃ駄目でしょ? ……これからずっと仲良くしましょうね、サ・エ・コ」 〜次回に続く〜
286 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/04(日) 20:18:05 ID:eVm4Od/M
GJ!!!!! まさかまだ続きがあるとは… 超楽しみです! 期待してます!
これは面白い展開!!
289 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/05(月) 16:03:56 ID:drE5Xyi/
290 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/05(月) 16:12:57 ID:drE5Xyi/
>「蒼井優が某スポーツ紙の新人賞を受賞した時のことです。 >一昨年同賞に輝いているS(ここも自主規制)女王さまが壇上に登場。蒼井を舞台のそでまでエスコートしたんです。 >しかも以前同じティーン誌で活躍していたというエピソードまで披露し、“仲良し”をアピール。 >その直前に『S会が蒼井潰しを画策!』という記事が出ていましたから、 >Sが“火消しに必死”というダジャレ見出しが思わず頭に浮かんじゃいましたよ」(スポーツ紙記者)
291 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/06(火) 13:54:18 ID:LjXeri0+
沢尻会は話題に事欠かないなww しょっちゅう芸スポ板を覗いてスレを検索してしまう
292 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/06(火) 19:54:22 ID:aUti2YVx
落ち目のサエコと大違いだな、沢尻最高
>>290 「火消しに必死」って駄洒落になってるかな?
そんなリアルな話はいいから 物語の続きがみたいお
680:名無しさん@恐縮です 2007/02/04(日) 03:10:31 ID:jK4m1bzB0 沢尻「おーし!、おっしおしおし・・・」 長澤「何やってんだガムクチャ」 沢尻「チョコ作ってんだよ。男はコレに弱いんだ。」 長澤「嘘くせえ、チョコなんかもらって喜ぶ奴はいねえよ」 沢尻「それ問題発言じゃね?お前もチョコのCMやってんだろ」 長澤「知ったことか」 〜翌日〜 沢尻「ほらよ、姫さん」 長澤「え・・・?私?」 沢尻「ふ、惚れんなよ」
296 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/08(木) 16:08:00 ID:rTyJPdC1
おまえら ほんと 馬鹿もいいとこだな。
297 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/08(木) 18:01:00 ID:fsy6uLE8
そんなおまいらが大好きだ
続きみたいお〜
299 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/09(金) 00:30:23 ID:2d5hqRsM
いい年ぶっこいて、馬鹿じゃあねえか。 キモイつらしてんだろう。腐れオスブタが。 メスブタに群がりたいってか?wwww ペニスおっ立っててんじゃあねえよ。 クズどもが! 死ねよ!
いきめぺくし
いろんな沢尻長澤スレ荒らしているのにワロタw こんなところにもカキコしているとは。
302 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/09(金) 06:10:55 ID:EcnfKn1f
よっぽど暇なんだろう
まあ、とりあえずstoryヨロシク
304 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/09(金) 20:44:48 ID:Aw9tH2RB
井上「ほーらぁ、やっぱりよく似合うよ、その首輪! クスクスクス……。御礼言いなさいよ、サエコ」 サエコ「……あ、ありがとうございます……」 井上「“私はあなたの犬です、わんわん” ほら、言いなさいよ」 サエコ「……私はあなたの……い、いぬ…… ぅぅぅぅ……」 井上「ちょっと、なに泣いてるのよ? 犬のくせにさぁ」 サエコ「ぅぅぅ……ごめんなさい……」 井上「もういいわよ。犬だもんね、人間の言葉が分からないんだよねぇ?」 サエコ「そ、そんなこと……」 井上「もういいよ。そこに座んなさいよ。ほら、おすわりよ」 サエコ「は、はい……」 井上「私の足を舐めてよ。犬っぽくね」 サエコ「……そんな……」 井上「ご主人様の言うこと聞けないわけぇ? あんたの写真、どうしようかしら? 欲しがる人は、きっと 何人もいるわよ?」 サエコ「……それだけはっ! それだけは止めてくださいっ!……ぅぅぅ」 井上「まったく、すぐ泣く子ねぇ。まあいいわ、ゆっくり躾ていってあげるから。クスクスクス……。 ……それにね、私の最終目的はあんたじゃないよ。……あの女なんだから……」 サエコ「……やっぱり……エリカちゃんを……」 井上「イチバンは、私1人でいいのよ! ……クス、次のターゲットは……あいつね」
305 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/09(金) 20:56:11 ID:Aw9tH2RB
≪そのころ沢尻会は≫ エリカ「あのバカッ! ボケッ! ちんちくりんっ!」 新垣「……会長の怒りのゲージがMAXになってますよ」 香椎「触らぬ神に祟り無しね」 上野「恐いですぅ恐いですぅ」 中川「……」 エリカ「なんなのよサエコのくせに! 絶対絶対許せないっ!」 中川「……あ、あの……、そんな、サエコちゃんもきっと出来心であんなことやったんだと思うお……」 エリカ「なーに? アンタ、あいつの肩持つわけ? 大体アンタじゃない、アイツの嘘をバラしたの」 中川「それはそうだけど……」 エリカ「もしかして、アンタもなんか隠してるんじゃない?」 中川「え?」 エリカ「アンタもエリカに恨みがあるんじゃない? 怪しいわね」 中川「そっ、そんなことないお!」 エリカ「もういいわ。 大体、仲間を売るようなヤツなんて信用できないしね。アンタは今日限り クビよ! どこにでも行けば?」
306 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/09(金) 20:58:48 ID:Aw9tH2RB
中川「ひ、ひどいお……」 香椎「ちょっとエリカ、やりすぎよ」 エリカ「なによ? 由宇、いくらアンタでも容赦はしないわよ」 新垣「会長言いすぎですよ! おねぇさまがかわいそうです!」 上野「そーだよそーだよ!」 エリカ「うっさーい! アンタ達も文句あるんなら沢尻会を抜ければっ!? 第一、もうこんなガキくさい“仲良し会”なんてもう飽きたのよっ」 香椎「……わかったわ。エリカがそうまで言うのならもうお終いね私達」 上野「な、なに言ってるですか! 沢尻会は永久不滅ですぅ!」 新垣「おねぇさまがそう言うなら……」 上野「結衣ちゃんまで……。みんなみんなおかしくなってますぅ! もう一度落ち着いて……」 エリカ「じゃあね!」 香椎「それじゃ」 新垣「さよなら……」 上野「みんな待つですぅ! こんなの絶対おかしいですぅ!!」 中川「……」 上野「しょうこ! なにを隠してるですか!? あたしにはわかるよ! 話すですぅ!」 中川「じ、実は……」
307 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/09(金) 21:41:32 ID:Aw9tH2RB
≪そのころ地獄姉妹は≫ 長澤「はぁ……雲はいいわよねぇ……どこまでも行けて……どうせ私達なんか……」 宮崎「どうせわたしたちなんか……飼い慣らされた文鳥よね……」 井上「ふたりとも、どうしたんですか?」 長澤「あんたは……。 いいわよねぇ、あんたは……現在絶好調って感じで……」 宮崎「うらやましいよねぇ、まさみちゃん……」 井上「そんな、私なんてふたりに比べたらまだまだ……。クスクス」 長澤「あなた、今笑ったわね? 私のこと……」 井上「いえいえなんでも。実は、今日はとってもおもしろいお話があるんです」 長澤「……おもしろい話?」 井上「はい。あなた達の大嫌いな、“あの女”のことです。どうです? 私と手を組んで、あの女を潰しませんか?」 長澤「あんたと……?」 宮崎「手を組む……? それってお友達になるってこと? ねぇねぇ? わたしとお友達になってくれるの?」 井上「はい。お友達です。実は、こんな写真持ってるんです私。ほら、まさみちゃん、あなたの 大好きなサエコちゃんの貴重なスナップですよ」 ピラッ
308 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/09(金) 21:47:49 ID:Aw9tH2RB
長澤「これは……サエコさん……でもなんでこんな裸の写真……」 井上「私とサエコちゃんも、もうとっても仲良しなんです。だからこんなの撮らせてくれたんですよ」 宮崎「これは……まさに、わたしがやろうとして失敗したこと……」 井上「そう。聞きましたよ、あおいさん。“あの女”にさえ邪魔されなければ、今ごろお友達にいっぱい 囲まれて幸せだったんですよねぇ? どうです? 私と組めば友達もたくさん出来てもっともっと 幸せになれますよ? クスクスクス……」 宮崎「ステキだわ! ね、まさみちゃん! 真央ちゃんと組もうよ! わたしは真央ちゃんと行くよ!」 井上「そうしましょう? ねぇ、まさみちゃん」 長澤「……考えとくわ」
309 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/09(金) 21:55:16 ID:Aw9tH2RB
≪井上宅≫ 井上「さぁ、いらっしゃい、ここは私のセカンドハウスなんですよ」 宮崎「わぁ、こんなに広いとお友達もたくさん集まれるね!」 井上「ええ、それはもう。 サーエーコ、出ておいで」 サエコ「はい……」 じゃら…… 宮崎「……サ、サエコちゃん……その格好は……」 井上「クスクスクス……、かわいいでしょ? サエコは、私のワンちゃんなの。 ワンちゃんは、鎖でつないであげないとね……」 宮崎「なんてこと……。あなた、裸の写真を撮って脅してただけなのね! なにがお友達よ!」 井上「あーらぁ、あんたが言えた義理? あんたも同じように裸の写真を撮ってお友達ごっこしてたんでしょ? あんたもやっていたことじゃない」 宮崎「そっ それは……」 井上「私はあんたのやり方を真似しただけだよ? クス、でもあんたと違って私はヘマはしなかったけどね」 宮崎「や、やめて……」 井上「もうあんたの時代ではないのよ。さっさと消えてくれないかしら? 後ろがつっかえてるのよ。 ……これからは、私の時代なのよ!」 宮崎「やめて! やめてー!!」 ダダダダダダダダッ…… 井上「……これでまたひとり消えたね。ほんとはサエコみたいに犬として飼って上げたかったんだけど。クス」 サエコ「あおいさん……」 ※あおいは前スレで「裸の写真を撮ってお友達」計画を実行しようとしてエリカに阻止された過去があります。
310 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/09(金) 22:21:01 ID:Aw9tH2RB
≪そのころエリカは≫ 戸田「あ、エリカさーん」 エリカ「ああん?」 戸田「(な、なんか機嫌悪い……)あの……なにかあったんすか? パーティの日からなんか沢尻会の雰囲気が おかしいって聞いて……」 エリカ「……もう終わったのよ、うちの会は」 戸田「ええ? なんで……」 エリカ「お、大人の事情よ!」 戸田「(絶対つまらないことでだな……)じゃ、じゃあこの写真……もういいっすね……」 エリカ「写真って?」 戸田「パーティのときの写真っす。カメラのフィルムまるまる二個使って撮ったんすけど、そのうちの ひとつっす。みんなで楽しく飲んでるときのやつっす」 エリカ「? パーティの写真はアレだけじゃなかったの?」 戸田「アレって? ……あー、実は片一方のフィルムを途中で無くしたんですよね、 サエコさんが必死で探してたんすけど。『あの写真が入ったフィルムを無くすとエリカちゃんに 殺される!』って」 エリカ「(そりゃ、エリカの裸の写真だもんね……。でもあいつ、それを使ってエリカを……許せん!) でもよく無くしたフィルム見つけたね」 戸田「ああ、それは次の日に井上さんが見つけてくれたんっす。やっぱ頭のいい人は勘もいいんすかね」 エリカ「……? ねぇ、そのコ、なんか様子おかしくなかった?」 戸田「そういえば井上さん、みんなが寝静まった頃に起きてどっか行ってたな……なんでだろ。 頭のいい人がやることってわかんないっすね」 エリカ「……そう……。 なんとなく、読めてきたわ……」
311 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/09(金) 22:31:42 ID:jPNbxFrd
エリカktkr
312 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/09(金) 22:38:36 ID:Aw9tH2RB
≪井上宅≫ 中川「や、やっぱりまずいお……」 上野「何言ってるですか! 絶対写真は取り返すですぅ! しょうこはこのまま真央ちゃんの言いなりに なってていいんですかぁ!?」 中川「それは嫌だけど……」 上野「ほら! さっさとドアの鍵を開けるですぅ! こういうの得意なんでしょ!?」 中川「……い、今やってるお」 がちゃがちゃ…… がちんっ 上野「開いた! さぁ、写真はどこに…… あー! サエコちゃん!」 サエコ「樹里ちゃん、しょうこちゃん……ぅぅ」 上野「今助けてあげるですぅ! しょうこは首輪を外してあげて! あたしは写真を探すですぅ!」 中川「わかったお!」 がちゃがちゃ…… 中川「よし! 外れたお!」 サエコ「うわーーん、恐かったよー!」 中川「よしよし、かわいそうにだお……」 上野「えーい、写真はどこですかぁー!?」 井上「人の家でなにやってるのかしら?」
313 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/09(金) 23:02:28 ID:Aw9tH2RB
中川「み、見つかったお……」 井上「随分荒らしまわってくれたじゃない……この泥棒ネコさんたち」 上野「なにがですかっ! しょうこの恥ずかしい写真を撮って言うことを聞かせて! そればかりか、サエコちゃんをこんなとこに閉じ込めて! あたし達になんの恨みがあってこんなことするんですか!」 井上「別に恨みなんかないのよ。ただ邪魔なだけ。私がイチバンになるためのね」 上野「このぉー! 許せないですぅ! じゅりキーック!!」 井上「なめてんじゃねーよ!」 ドカンッ 上野「ぎゃぼー!!! ……つ、強いですぅ」 井上「こうみえてもガキの頃はちょっと馴らしたもんよ。あんたごときでは私は倒せないよ」 中川「ま、まずいお……みんな、逃げるお! ほら、サエコちゃん立って!」 井上「逃がさないよ!」 ドタドタドタドタッ
314 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/09(金) 23:12:34 ID:Aw9tH2RB
井上「待て待て待てー!!」 中川「やばいお! 逃げ切れないお!」 上野「がんばるですぅ! 捕まったら終わりですよぉー!」 サエコ「ぅぅぅ……あうっ!」 バタンッ 上野「ああ! サエコちゃーん!」 中川「早く立つんだお!」 井上「あははははー! どいつもこいつも邪魔なのよ! 消してやるわよーっ! ほらぁ、捕まえたー!」 バシンッ 井上「……っく、誰よっ!?」 エリカ「……その汚い手をどけな!」 サエコ「エ、エリカちゃんっ」
315 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/09(金) 23:38:42 ID:Aw9tH2RB
中川「エ、エリカキターーーーー!」 上野「来てくれると信じてたよぉー!」 エリカ「フン。ほら、サエコしっかりしなさいよ」 サエコ「エ、エリカちゃん…… うわーん!」 エリカ「またすぐ泣くぅ。……ちょっとどいてなサエコ」 井上「あーらぁ、大本命の登場だね、エリカ女・王・様。クスクスクス」 エリカ「アンタにはすっかり騙されたわ。いい子ぶって随分やってくれたじゃん、ええ? あのパーティの日、夜中抜け出してエリカの裸写真を現像してポストに入れたわけだ」 井上「お馬鹿さんばっかりだから簡単だったわよ。クスクスクス」 エリカ「訳もなく恨まれるのはごめんだわ。なにが目的よ?」 井上「みんな邪魔だからよ! 特にアンタがね! ……なにが若手女優隆盛よ! 誰が……誰が今まで一番頑張ってきたと思ってるんだよ! ちょっと私がテレビ出ないうちに……調子乗ってんじゃねーよ!」 エリカ「それでエリカ達を潰しにかかったってわけね」 井上「ボスのあんたさえ潰せれば、あとは簡単だったんだよ。 まーでも、こうなったら力づくでも構わないんだよ私は!」 エリカ「フン、それがアンタの本性ってわけね。エリカもその方が分かりやすくて好きだわ! とりゃあ!」 ブンッ 井上「へぇ、いい蹴りしてるじゃないの。でも甘いんだよ!!」
316 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/09(金) 23:40:44 ID:Aw9tH2RB
ドカッ! エリカ「かはっ! ……やるじゃない……」 井上「キッズでウォーしてたもんでねこっちは。頭も体力もあんたに負ける気がしないね。 それに、こっちにはまだネガと写真があるんだよ。 ばら撒いてあげようか? あれ。クスクスクス……」 エリカ「くっ……」 上野「まずいですまずいですぅ」 中川「やっぱりダメなのかお……」 サエコ「エリカちゃん……」 長澤「これのことかしら? ネガと写真って」 サエコ「ま、まさみちゃん!」 エリカ「アンタ……」 井上「なっ…… あんたどこでそれを!」 長澤「あなたかしら? 私の相棒を笑ったのは」
317 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/09(金) 23:52:40 ID:Aw9tH2RB
長澤「あんたがそこの3人を追いかけたあと、あんたの部屋でね。私は最初からあんたと組む気なんか無いわよ」 井上「ちぃ……」 長澤「写真もネガも全部回収したわよ。私の相棒を随分酷い目にあわせてくれたじゃない。それにサエコさんまで……」 エリカ「アンタにしてはよくやったわね。褒めてあげるわ」 長澤「別にあなたの為じゃないわよ。相棒とサエコさんの為よ」 エリカ「つーかさ、来るならさっさと来いよこのデカ女」 長澤「うるさい俺様女」 エリカ「この二重人格ネクラ女。友達ゼロ」 長澤「生意気暴力女。女王様気取り」 エリカ「ブリッコ」 長澤「ガムクチャ野郎」 エリカ「チョコレート女」 長澤「そりゃあんたもでしょ」 エリカ「バーカ、ブース」 長澤「ドブス、ビッチ」 サエコ「もう! 2人ともいい加減にしなさい!」 エリカ「……うっさいわかってるわよ」 長澤「……サエコさんがそう言うならこれぐらいで勘弁してあげるわよ」 井上「ちょっと! 私を無視してるんじゃないよ!」
318 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/10(土) 00:03:04 ID:2lKejck1
エリカ「それにしても、アンタもいろいろやってくれたわよねぇ」 井上「別に。みーんなあんた達がやってきたことじゃない。 ……苛めたり、さらって監禁したり、写真とって脅したり。 同じことしただけよ私は」 エリカ「フン。分かったような口利いてるんじゃないわよ。アンタはそれを口実に好き勝手やってるだけじゃん。 その結果どうなの? 結局、アンタも同じじゃない」 井上「なんですって……」 エリカ「いつか自分も痛い目みるわよ。そう、アンタもエリカに倒されるのよ!」 井上「なにがよ……なにがよ! あんたなんかに私の気持ちがわかるもんかー!」 エリカ「フン、真面目なコほど、どこか歪んでいるものなのよね」 井上「はー、はー、……もう許せないっ! みんなぶっ潰してやるーーー!!!」 エリカ「行くわよ! 同時攻撃よ!」 長澤「偉そうに命令しないで!」 井上・エリカ・長澤『であーーーーーーーーーーーーー!!!!!』 …………………………… ………………… …………
319 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/10(土) 00:16:44 ID:2lKejck1
新垣「会長、みんな! こんなところにいたんですか! やっぱり私達はみんなで一心同体です!」 香椎「他に行くところなんてないものね。でも、この様子は一体なんなの?」 エリカ「もう全部終わったのよ」 中川「今回ばかりは大変だったお……」 上野「でもでも、みんな元通りになってよかったですぅ。写真もネガも全部取り返して燃やしたし!」 サエコ「よかった……ぅぅ……」 エリカ「ところでサエコ、なんでアンタ、エリカの裸の写真なんか撮ったのよ。あんな写真がなかったら こんなことにはならなかったのにさ」 サエコ「エリカちゃんが撮れって言ったんじゃん……憶えてないの?」 エリカ「え?……そうだっけ……」 サエコ「『誰が未成年だ! エリカの体を見せてやる! さぁ、どんどん撮れ!』って……」 エリカ「酔ってたから……あははは」 上野「あはは、じゃないですぅ。サエコちゃんに謝るですぅ」 中川「そうだお」 新垣「かいちょー、いけませんよ」 香椎「今回ばかりはエリカが悪いわね」 エリカ「わかったわよ……。サエコ、……ご、ごめ……」 サエコ「うんうん」
320 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/10(土) 00:21:41 ID:2lKejck1
エリカ「ごめ…………あー!うっさい!誰がサエコなんかに謝るかー!」 サエコ「ええええー?」 エリカ「アンタを助けてあげたんだからこれでお互い様よ!」 サエコ「……やっぱりエリカちゃんはエリカちゃんだ……」 エリカ「……Excusez-moi. Saeko……」 サエコ「え? なになになんて言ったのエリカちゃん」 エリカ「帰るわよ バカサエコ って言ったのよ! ……そっちのアンタも、タクシー呼んどいたから帰んな。怪我は病院行きなさいよ」 井上「………ふん! 憶えてなさいよ!………っ痛……」
321 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/10(土) 00:26:21 ID:2lKejck1
宮崎「まさみちゃーん!」 長澤「相棒、あなたのカタキは取ってあげたわよ」 宮崎「うん、それがね、わたし分かったんだ! やっぱりわたしの帰る所は優ちゃんのところだって!」 長澤「へ?」 宮崎「やっぱりわたしは“地獄姉妹”より“Wあおい”なんだよ! ねぇ、優ちゃん!」 蒼井「うん、そうだねあおいちゃん」 宮崎「それじゃーね! また遊ぼうね! キャハハハ!」 長澤「……いいのよ……どうせ私なんか……」 〜終。そして続く。 ごめん、連作ゆえ、前スレから見てない人には分からないところが多々あって〜
322 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/10(土) 00:29:27 ID:FsjJ/7t1
Gj!!!!イイっ!(・∀・)地獄姉妹ワロスw
ちょうど今来た!
>>321 GJです!まさかまさみが活躍するとは…
オチにもワロタw
次スレはスレタイに【まさみ】も入れてあげて!
325 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/11(日) 00:33:57 ID:THWGvQbM
いい提案だがここはあくまで 「エリカ」と「サエコ」のスレだからさ
つか、今書いてくれてる職人さんって二人しかいないよね? 前スレみたいな色んな物語があった時代が懐かしい…
>326 そう思うなら自分で書いてくれ。書けないならそういうことを書くのは止めよう。 そういうのが原因で書いてくれてた職人さんが書きにくくなって、 すたれたSSスレがいくつもある。
〉327 マジっすか!? そんなつもりは全然なかったんだけど… じゃあ久々に自分書くわ! なんかテーマとかあったら言って下さい あと、職人さんもガンガン書き込んでね
329 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/11(日) 07:01:23 ID:cVN8UJHZ
みんな、いつも読んでくれてありがとう。
>>321 です。
いつもみんなが書いてくれる感想とかがまた次のモチベーションになります。
とりあえず、一区切りはつきました。
みんながお許しくだされば、まだ続けようとは思ってるんですけど……
キャラも増えてきて、新しく読んでくれてる人にはわかりずらくなっていると
思います。(近いうちに人物まとめ作ります)
>>328 氏の言うように、自分としてもこのスレを活気づけていきたいです。
330 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/12(月) 09:24:09 ID:P3TOJ9JG
時代…
〉329 書いていいに決まってるじゃないですか!! て言うか書いて下さい!
番外編で まさみ主人公希望
久々にシリアス系とかみたいね
334 :
涙そうそう編 :2007/02/15(木) 02:02:48 ID:fAcxP12K
「やっと着いた〜!」 来ました沖縄!少し暑いけど… やっぱ東京とは違う空気に新鮮さを感じるよ! えっと…確か空港にまさみちゃんが迎えにきてくれるはずなんだけど… 「サエコちゃん〜!」 おっ!この声は… 「まさみちゃ〜ん!」 笑顔満点のまさみちゃんが小走りで私に向かってくるやっぱりカワイイな〜 「飛行機大変だったでしょ?」 「いや、そんなことないよ」
335 :
涙そうそう編 :2007/02/15(木) 02:09:46 ID:fAcxP12K
「じゃあホテルにいこ!タクシー呼んでるから!」 「うん!」 このとき、二人はまだ気付いていなかった。 この沖縄にあの破天荒な女王が舞い降りたことを… つづく
やたら前のやつを引っ張ってきました 誰か続けてくれると嬉しいです
誰か書いてくれだお
日本アカデミー賞会場に二人が居合わせてるね…
エリカ様はほんとにエリカ様でしたね
誰がいたの?
341 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/18(日) 08:50:54 ID:WoF64g6h
アゲ
storyみたいお…
343 :
名無し :2007/02/18(日) 11:21:21 ID:JhziEgEY
まさみ「あんた金曜日は何しに来たわけ?」 エリカ「プレゼンターだよ」 まさみ「あんた、新人賞のデブを睨んでたでしょ?」 エリカ「あァ、いいじゃん」 まさみ「ケバイ化粧だったわね」 エリカ「黙れ、あばずれ女」
344 :
名無し :2007/02/18(日) 11:28:23 ID:JhziEgEY
ガムクチャスタイルエリカ最高
345 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/18(日) 22:28:23 ID:WMzU0G0N
346 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/18(日) 22:30:12 ID:WMzU0G0N
エリカ貫禄あった まさみはなんだかソワソワしてた気が
エリカ「ほら!ちゃんと脚開いて。エリカが洗ったげる」 サエコ「やだァ…エリカちゃん恥ずかしいよぉ」 エリカ「アタシが後で舐めるんだからキレイにしておかなきゃね(ニヤリ)」 サエコ「あッ!!エリ…カ…ちゃぁ…」 エリカ「洗ってるだけなのに感じちゃって…サエコの変態♪」 さっき風呂で電波キャッチしますた。
349 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/19(月) 04:16:39 ID:8ErjMYiG
351 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/20(火) 22:25:25 ID:asciMWVA
最近エリカ復活してきてうれしい サエコもドラマ撮ってるみたいだし楽しみ まさみもついでに楽しみ
新storyヨロ
354 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/24(土) 23:35:27 ID:u3gYV1Fa
あげ
355 :
1 :2007/02/25(日) 19:09:03 ID:EFBrKzIW
みんなこんにちは。 もうだいぶ暖かくなってきましたね。 ……前置きはいいか。 今日は、なぜ私がこういう境遇にいるのかということについてお話しようと思います。 彼女と初めて会ったのはいつだったでしょうか。 そう、某番組で私達は共演することになったんです。 どういう番組かというと、アイドルがたくさん出てキャピキャピする番組です。 懐かしいなぁ、私もバリバリの女子高生でした。 当時、私はゴールデンのバラエティーにもレギュラーで出ていました。 16、7の小娘がそういう扱いをされるとどうでしょう。 当然勘違いしてしまいますね。 そう、私はとっても天狗になっていたと思います。 彼女が現れるまでは。 では、しばしのお付き合いを……
356 :
2 :2007/02/25(日) 19:27:51 ID:EFBrKzIW
「みんな、おっはよー」 「あっ、サエコちゃんおはよー!」 「サエコちゃんおはよう! 昨日テレビ観たよ! 凄いね、バラエティのレギュラーなんて!」 わわっ、みんな観てたんだ……なんか照れくさいな。 「ほんと凄いよ! うちらの中じゃあ一番の出世じゃない?」 「よ、社長!」 わわわっ、ほんと止めてよ……。 でも……ちょっと快感だ。 「ねぇねぇ、サエコちゃんのサインちょうだい! 友達に頼まれちゃってさ!」 「私も私も!」 はぁ、やっぱりゴールデンって凄いんだなぁ。ここにいるみんな、一応タレントなんだよ? 「私もいつかああなれるかなぁ……」 そう、私達はアイドルの卵なんだ。 私達はこれから、とあるアイドル育成バラエティ番組に出演する。今日はその初顔合わせだ。 その卵達の中で、私はいち早く他番組のレギュラー(しかもゴールデン枠だ!)をゲットした。 でもいけない、天狗になっちゃあ。 調子に乗ると、私の中の“わがままサエコ”が出てきちゃうのだ。 いけないいけないと分かっているのに……。 「いいよ、サインだよね? あ、名前も入れてあげようか?」 さらさらー、っと。小慣れたもんだね私も。 「ありがとー! 絶対大切にするね!」 「あ、次は私なんだから!」 はいはい、人気者はつらいね、てへへ。 「サエコちゃん、お腹すいてない? お菓子食べる?」 「サエコちゃん、私とお話しない?」 「サエコちゃん、ねぇねぇ」 悪くない気分だ。 一番って気持ちいいね。
357 :
3 :2007/02/25(日) 19:52:34 ID:EFBrKzIW
出番が来るまで私達は楽屋で談笑した。もちろん話題の中心は私。 みんな私を慕ってくれてる。いい子ばっかりだ。 「ねぇねぇ、やっぱり緊張とかするの?」 ありきたりな質問だ。でも、スーパーアイドル・サエコは笑顔で返すわよ。 「えー、サエコは別にしないかな」 嘘だ。ほんとはすっごくドキドキする。でも、大物はこういうときは「しない」って言うの。 「へぇー! すごーい! 私なんか、これからの収録のこと考えただけでもう心臓バクバクだよ」 まあ、普通の子ならそんなもんだよね。やっぱり私は人とは違うというかー。 うん、やっぱり私は選ばれた人間なんだよ。 そんな事を考えていた。が、その時…… 「おはよう」
358 :
4 :2007/02/25(日) 20:24:38 ID:EFBrKzIW
一人、遅れて来たようだ。時計を見ると、もう本番10分前である。 新人にしては遅い。 でも、その遅れて来たその子は悪びれる様子も無い。 おおっと、ここはみんなの“リーダー”である私が一声掛けるべきか。 そうだ、初めてのことで勝手が分からないんだな。 教育してあげなくちゃっ。 「おはよ。知ってると思うけど、私、サエコ。今日はよろしくね」 手を差し出す。 だが…… 「はぁ? 誰アンタ? リーダー気取り?」
359 :
5 :2007/02/25(日) 20:48:03 ID:EFBrKzIW
ええっ? 予想外の反応…… 「そ、そんなつもりじゃないよ……」 「ばっかじゃないの。遅れて来た子に優しくして点数稼ごう、って魂胆が見え見えなんだけど。 アンタなんかに気を使ってもらわなくて結構」 なんだこの子は……。それに、こっちを見もしない。 「そ、そういう言い方は無いんじゃないかなぁ。一応、私ってこの中じゃあ一番売れてるっていうか……」 「先輩風でも吹かせようって気? 言っとくけどね、エリカは芸暦は長いのよ。 どーせアンタなんて田舎のポッと出でしょ?」 ぐさっ。 いちいち痛いところを……。 「と、とりあえず仲良くしようね。これからもよろしく、エリカちゃん」 「言っとくけどね、エリカはアンタみたいなおべっか使いは大嫌いなの。Tais-toi!」 な、なんか知らない言葉を喋ったぞ…… 「な、なによ。ちょっとはこっち向いて喋ったら?」 すぅ
360 :
6 :2007/02/25(日) 21:02:03 ID:EFBrKzIW
「……」 「なによ? 顔見せろって言ったのはアンタでしょ? エリカの顔になんか付いてる?」 びっくりした。 白い肌、くりくりした目。ぶすっとしてるのに、それでもはっきりと分かる、お人形さんのような端正な顔。 こんな子がいるんだぁ……。 エリカというその子は、怪訝な顔でずっと私を見ている。 「なにガン付けてるのよ? ぶっとばすよ」 でも、なんだか恐い子だ……。
361 :
7 :2007/02/25(日) 21:23:15 ID:EFBrKzIW
番組の第一回収録は無事終わった。自分でもなかなか頑張ったと思う。 だが、気になるのは例のエリカちゃん。 なにが「おべっか使いは嫌いだ」だよ。 自分も思いっきりブリッコしてたじゃん。 私は心の中でプリプリ怒りながら楽屋に戻った。 「えー、エリカちゃんってハーフなんだ!」 「じゃあ地でお肌がきれいなんだ、納得だよ」 あれ? あのエリカちゃんを中心に輪が出来ている? 「そんなことないわよ。エリカだって努力してるって」 エリカちゃんはめんどくさそうに答えている。 なんかすごい。 彼女は、人を引き付ける魅力があるんだ。 瞬時にそう思った。 でも認めたくない。私だってこの中じゃ一番だ。 「ほ、ほんとかわいいよねぇー、エリカちゃんって」 そう言って、私もみんなの輪に割って入ってみる。 「あ、サエコちゃんお疲れー」 「お疲れー。あ、エリカちゃんそれでね……」 なによ、私にはそれだけ? さっきまでのはなんだったのよ? 「エリカちゃんってほんと全然緊張とかしないよね。なんかかっこいいねー」 私にもした質問をしている。ふん、ボキャブラリーの少ない子だこと! 「別に。緊張ぐらいはするよ。でもそんなの当たり前じゃん、人間なんだし。 緊張しないなんてバカか嘘つきね」
362 :
8 :2007/02/25(日) 21:32:16 ID:EFBrKzIW
あ……。 ぐさっときた。 そう、私は嘘をついていた。 いつのまにか、『アイドル・サエコ』像を勝手に作り上げていた自分に気が付いた。 そうか、この子は素直でまっすぐなんだ。 だから、こんなにみんなに好かれてるんだ。 「で、でも、エリカちゃんって収録の時と普段とじゃあ随分違うよね」 こんな意地悪な質問をしてしまう自分がちょっと嫌いだ。 「しょうがないじゃん、台本もあるんだし。エリカはね、もっともっとビッグになるの。 女優になってたくさん賞貰うの。まあ今はその練習みたいなもんよ。 それにいつまでもいい子ぶっててもすぐばれるし、今だけよ。 とりあえず今は精一杯アイドルを楽しんでみたいのよ」 なんだそれ……。 「あははー、エリカちゃんって面白い子だね!」 「ほんとほんと! あはははは」 私以外のみんなが一斉に笑いだした。 「あら、エリカは本気だけど?」 エリカちゃんは、一気にみんなの人気者になってしまった。 そうか、これが本物の『アイドル』なんだ……。
363 :
9 :2007/02/25(日) 21:50:14 ID:EFBrKzIW
それからしばらく経って、エリカちゃんはすっかりみんなのリーダーに収まってしまった。 番組内でも1番人気だ。 私としては目の上のたんこぶだが、まあ彼女は特別だと思って諦めることにした。 それよりも困ったことに、どうやら私はエリカちゃんに目を付けられてしまったようだ。 やたらと「サエコ、サエコ」とエリカちゃんに話し掛けられるようになった。 まあその内容はと言えば「ジュース買ってきて」とか「今日着てる服変だよね」とか。 苛められてるのかな? 私。 今日も今からパンを買いに行かされるところである。
364 :
10 :2007/02/25(日) 22:09:16 ID:EFBrKzIW
「ねぇ、サエコちゃん。ちょっといいかな?」 「私達、ちょっと話があるんだぁ……」 番組で共演している子たちがなにやら私に話を持ちかけてきた。 初対面の時、私にサインをねだった子たちである。 「実はね……私達を紹介して欲しいんだ、もっと大きい番組のプロデューサーさんとかに」 「サエコちゃんって今すごくテレビとか雑誌とかにも出てるじゃん? ね、お願い!」 これは困った。こればっかりは私の力ではどうしようもないのが現実だ。 「む、無理だよ……そんな、簡単にはいかないよ」 「えぇー? だって、サエコちゃん一番の売れっ子じゃん! それぐらいいいでしょ?」 「そうそう、サエコちゃんだけずるいよ! 私達ももっと売れたいもん」 正直、たかが高校生アイドルには過ぎた相談だ。 「ごめん……ほんと、そういうのは無理なんだ……ごめんね」 私は精一杯の申し訳なさそうな顔で謝っておいた。 「そうなんだ。わかった、じゃーね」 「じゃーね、サエコちゃん」 彼女達は行ってしまった。
365 :
11 :2007/02/25(日) 22:13:58 ID:EFBrKzIW
私はエリカちゃんに言われたとおり3色パンを買って楽屋に帰ってきた。 はぁ、なんで私がこんなこと……。 でも思うだけである。こんなことエリカちゃんに言ったら悪魔のような顔になるからだ。 「……でもさぁ、マジ調子乗ってるよねサエコって」 「ほんとほんと、ちょっと先に売れたからってなんか勘違いしてるんじゃない?」 私は足を止めた。女子トイレのほうから聞こえてくる。さっきの子たちだ。 「そーそー、最初なんてなんかリーダーぶってて超うざかったよね」 「まーでも、今は“エリカ様”の天下だよね。キャハハハハ!」 「おめーのサインなんてほんとはいらねーっつうの、って感じだしぃ」 「仲良くしとけばなんかいいことあるかと思ったんだけどね、もう使えないわあいつ」 分かってはいた。分かってはいたつもりだけど…… 「ほんとケチだよね。どうせあいつ、スタッフとかと寝て仕事取ってるんだよ」 「きゃー、枕営業ってほんとにあるんだね! こわーい」 私は耐え切れなくなって、その場から走り出した。 ううん、逃げ出したんだ。
366 :
12 :2007/02/25(日) 22:39:02 ID:EFBrKzIW
ここはテレビ局の屋上だ。ここは一人になりたいときにいつも来る。それは泣きたい時だ。 私の目は真っ赤だった。悔しさと悲しさが同時にやってきて、とても情けない気分だった。 そうだ、ちょっとちやほやされたからって調子に乗ってた自分が悪いんだ。 そう自分に言い聞かせても、涙が止まらない。 「何泣いてんの? アンタ」 ふと気がつくと、エリカちゃんが後ろに立っていた。 不思議そうな目でこっちを見ている。 「なんでこんなとこにいるのよ。あ、ちゃんとパン買ってきた? 3色パン」 「うぐぅ……ひっく……エ、エリカちゃんこそ、なんでここに……」 「エリカは一人になりたい時はいつもここに来るのよ。空を眺めたい時ね。スカッとするじゃん」 やっぱりこの人は違うな、私とは。 エリカちゃんにはいつも驚かされる。すごい人だなぁって。 でもそれと同時に、エリカちゃんに対するなんだかわからないごちゃごちゃした感情が湧いてきた。 「……サエコを苛めて楽しい?」
367 :
13 :2007/02/25(日) 22:48:54 ID:EFBrKzIW
「はぁ?」 「なにがパン買って来いよ! バカにしないで!」 私はエリカちゃんに3色パンを投げつけながら叫んだ。 「サ、サエコだって、ずっとずっと一生懸命なんだよ! そりゃあさぁ、ちょっと思い上がってたし、さぞムカついてたでしょうよ! でもさ、でもさ……嫌いなら嫌いって言えばいいじゃん! サエコの嫌なところなんて……自分が一番よく分かってるよ……!」 もう立っていられなかった。 もう辞める、こんな仕事。 田舎へ帰ろう。 もともと向いてなかったんだ、私には。 きっと、エリカちゃんみたいな図々しい人しか生きていけない世界なんだ。 もう……逃げ出したい。 楽になりたい。 「なんか知らないけどさ……つらい時や寂しい時は上を向いてればいいんだって」
368 :
14 :2007/02/25(日) 22:55:33 ID:EFBrKzIW
「え……?」 「上向いてたら涙もこぼれないじゃん。だから、エリカもよく眺めるんだ、空」 「……」 「なによ、その顔。エリカがノー天気にお空を眺めてぼけっとしてるとでも思ってたわけ?」 「エリカちゃんでも、つらくなったり寂しくなったりするんだ……」 「エリカを何だと思ってるのよ。エリカだって、女の子なんだから」 ……胸が熱くなった。 私ってほんとバカだ。いつも自分のことばかりで……。 他人の気持ちなんて考えてこなかった。 「……そっか、そうだよね、女の子だもんね!」 「なによ、今泣いてた子がもう笑ってる」 「うん、サエコもこれからは空を眺めることにする!」 「なにニヤニヤしてるのよ気持ち悪い。あ、アンタもパン食べる?」 「うん、いただきまーす!」 「嘘だよバーカ」
369 :
15 :2007/02/25(日) 23:20:47 ID:EFBrKzIW
まあその後もいろいろあった。 後に、番組には翔子ちゃんも加わった。 最初から変な子だったけど、やっぱり今でも変だ。 私が番組を卒業した後もエリカちゃんは出演を続けた。 そうそう、由宇ちゃんと最初に会ったのはいつだっけ? 今でも彼女はちょっと恐いかな。 樹里ちゃんと結衣ちゃんとはとっても仲良しだ。 またドライブ行こうね。 まさみちゃんは……とってもいい子だな、うんうん。 でもエリカちゃんと仲良くしてね。 あおいさんに優ちゃん、真央ちゃんもほんとはとてもいい人だと思う。 ……別にエリカちゃんが悪い人だと言ってるわけではないよ? さて、そんなこんなで、今、「沢尻会」なるものも存在しているわけで……
370 :
16 :2007/02/25(日) 23:29:37 ID:EFBrKzIW
エリカ「ちょっと、なにボケッとしてるのよ、キモい」 サエコ「へっ? ちょ、ちょっと昔を思い出して……」 エリカ「フン、どうせエリカの昔の失敗とか思い出して笑ってるんでしょ?この陰険女!」 サエコ「痛い痛い! ほっぺつねらにゃいで! もう! 違うってば!」 エリカ「じゃーなによ? 分かった! どうせアンタのことだから、食べ物のこととかでしょ?」 サエコ「うーん……まあ、当たらずとも遠からずかな……」 エリカ「ほらごらんなさい! エリカの目はごまかせないのよ!」 サエコ「はいはい、エリカちゃんには敵わないよ、まったく」 エリカ「なんだかお腹すいてきたわ! サエコ、パン買ってきて!」 サエコ「はーいはいはい。 ……ねぇ、久々に屋上で食べようか?」 エリカ「なによ唐突に。別にいいけど。 あ、エリカはね……」 サエコ「3色パンでしょ?」 エリカ「当たり!」 ……………………………………………………… 〜続く〜
371 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/26(月) 00:14:22 ID:Msckaeyc
久々にktkr GJ!
GJです! こんな出会いだったのか… ええ話や。・゚・(ノД`)・゚・。
GJ!!!!! 待ってました!!
エリカってたまにネットで自分のうわさを検索したりするんだってよ。 週刊誌のインタビューで言ってたよ。 おーい、見てますかー?
あ、それと
>>370 GJ!
ト書きじゃなくてもうまいのは知ってたけど、
よかったよ。
376 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/26(月) 15:41:47 ID:adTglEsk
サエコ「……………」 エリカ「おーい?もしもーし?」 サエコ「……………」 エリカ「……サエコ?」 サエコ「……何よあのガムのCM!キモ面眼鏡に芸人のくせに本で稼いでる馬鹿!」 エリカ「……おぎやはぎと劇団ひとりね?それがどうしたの?」 サエコ「エリカちゃんに触っていいのは私だけなんだからぁー!!!!!!」 エリカ「ちょ、サエコ待ちなさいよ!………あの子も中々酷い事言うわね本人達がいる前で」 おぎやはぎ・劇団「orz」 スマン
377 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/26(月) 18:38:24 ID:WAuuMuXm
ワロタwwwwwwww
378 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/26(月) 18:43:37 ID:66zZihEk
さすがサエコだww
380 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/28(水) 23:27:01 ID:Bhme1uEG
ブィーン ゴゴゴゴ…… エリカ「ちょっとサエコ! もっと丁寧に運転しなさいよ! お尻が痛いじゃない!」 サエコ「もう! しょうがないじゃない雪道なんだから!」 エリカ「出発してからもう3時間よ! 何時になった着くのよ!」 翔子「急にスキーに行きたいって言い出したのはエリカだお」 樹里「そうだべぇ〜、んだからわざわざこんな山奥さ来たんだべ?」 エリカ「うっさいわね、暖冬で近場のスキー場どこもやってないからしょうがないでしょ!? それに何よ樹里、また役の喋り方が移ったの!?」 樹里「仕方ねぇべさぁ〜、あたしはしばらくはこれでいぐべ」 由宇「あなた達、もう少し静かにしなさいな。この美しい雪景色をもっと楽しめないの?」 結衣「わーい、雪だ雪だ! 沖縄では見たことないからうれしいです!」 翔子「ブログにうpうp!」 樹里「はぁ〜、またサックス吹きたくなってきたべ〜!」 エリカ「もう退屈で死にそう! こらサエコ! もっと急ぎなさいよ!」 サエコ「痛い痛い! 蹴らないでってば! 危ないってば!」 由宇「ちょっと、前、前!」 樹里「ぎぃやぁぁぁー!」 翔子「ちょぉぉぉぉぉ!」 エリカ「危なかった! ちょっと、どこ見て運転してるのよ! このバカサエコ!」 サエコ「うわ〜ん、エリカちゃんのせいじゃない!」 結衣「わぁ〜、雪綺麗だなぁ〜」 ブィーン ゴゴゴゴ……
381 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/28(水) 23:34:53 ID:Bhme1uEG
エリカ「やっと着いたわ! やっほーい! さっそく滑りに行って来るわ! サエコ、スノボ借りてきて」 サエコ「いいけど、エリカちゃんスノボ出来るの?」 エリカ「これから練習する! 大丈夫、エリカは天才だから出来ないことなんてないのよ! そうそうみんな、今日はロッジを貸しきって泊まるからね」 由宇「バレンタインパーティ出来なかったから、今日はチョコの交換会よ」 樹里「楽しみだべ〜、砂糖を目一杯入れたから甘くておいしいべよ」 翔子「ふふふ……しょこたんの魔法のチョコを楽しみにしておくお」 結衣「結衣はゴーヤチョコを作ってきました! おいしいですよ! 多分!」 サエコ「……(この人達のチョコが当たりませんように……)」 エリカ「まーとりあえず、まずは一滑りね! 行くわよサエコ!」 サエコ「はいはい」 ドンドン ガチャ まさみ「おーっほっほっほ! 私の目を盗んであなた達だけ楽しもうったってそうは問屋が卸さないわよ! ふっ、まさかワゴンの椅子の下に潜んでいたなんて思いもしなかったでしょう?」 エリカ「……そうそう、サエコ、アンタ滑れるの?」 サエコ「滑れるわけないよー、南国育ちなのに」 由宇「あ、私は先にロッジに行って部屋を整理しておくから」 翔子「しょこたんと樹里は荷物運ぶお」 結衣「結衣は雪だるま作ってますね〜」 わいわい がやがや…… まさみ「……いいの、どうせ私なんか……」
382 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/28(水) 23:43:48 ID:Bhme1uEG
サエコ「よいしょっと。はぁ、リフト恐かったぁ」 エリカ「よーし、行くわよ!」 サエコ「でもエリカちゃん、いきなりこんな急な斜面で大丈夫なの?」 エリカ「大丈夫大丈夫! ゴー!」 サーーーーー シューーーーーーーー エリカ「きゃー! 気持ちいいー!」 サエコ「エリカちゃんすごーい! めちゃくちゃ滑れてるよ!」 エリカ「あったりまえじゃん! やっほほーい!」 サーーーーー シューーーーーーーー エリカ「ところでさぁー、サエコ!」 サエコ「なーに、エリカちゃーん!」 エリカ「これ、どうやって止まればいいのー!?」 サエコ「えええええー! サエコが知ってるわけないよー!」 エリカ「えー! ちょっと、どうすんのよこれー!」 サエコ「エリカちゃーん! 前! 木があるよ! あぶなーい!」 エリカ「どわーーーー!!」 ごっつーーーーん……
383 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/02/28(水) 23:48:52 ID:Bhme1uEG
サエコ「あわわわわ……、エリカちゃーん、しっかりしてー!」 エリカ「……」 サエコ「どこ打ったの!? 頭!? エリカちゃん起きてー!」 エリカ「……ぅぅん……」 サエコ「あ! 目が覚めた! エリカちゃん、立てる!?」 エリカ「……ここは?」 サエコ「もう、何言ってるのよエリカちゃん。ああ、よかった気がついて……」 エリカ「あの……あなた……誰?」 サエコ「へ……?」 エリカ「ここは……どこ? 私は……誰?」 サエコ「あわわわわわわ……た、大変だー!」
384 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/01(木) 00:02:30 ID:jm6NSzmO
【ロッジ】 翔子「本当に何も憶えてないのかお?」 エリカ「は、はい……」 樹里「うちらのことも忘れちゃったべ?」 エリカ「はい……ごめんなさい……」 結衣「なんか感じも変わりましたね……エリカさんっぽくないです」 エリカ「はい……なにせ、憶えてないもので……」 由宇「脳にショックを受けたことによる一時的な記憶障害ね。しばらくすれば治るかもしれないけど……。 あなたの名前はエリカよ、エ・リ・カ。私達はそう呼んでるわ」 エリカ「はい……じゃあ、エリカでいいです……」 翔子「エリカがこんな状態じゃあ、今日のチョコ交換会はどうなるんだお……?」 樹里「もー、それどころじゃないべさ! エリカ! しっかりするべさ!」 結衣「結衣のこと思い出してください!」 エリカ「ご、ごごごめんなさい……! 本当にわからないんです……うぅ……」 サエコ「みんな落ち着いてよ! もう! エリカちゃんが泣いちゃったじゃない!」 エリカ「ぅぅ……ぐす……」 サエコ「よしよしエリカちゃん、恐かったね」 樹里「こんな……こんなかわいいのなんて、エリカじゃないべさー!」 由宇「ふー、幸い怪我の方は大したことないわ。 でも心配だから山を降りて地元の病院の予約を取りに行ってくるわね。 もしかしたら入院しなきゃいけないかもしれないし……」 結衣「あ! 結衣は買出し行ってきます!」 樹里「あたしも行くべ……こんなエリカ見てられないっから……」 翔子「よーし、一口食べれば治るようなショッキングなチョコでエリカの記憶を戻してやるお! しょこたんも材料買いに行くお!」 由宇「じゃあエリカをお願いね」 サエコ「うん、わかった!」
385 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/01(木) 00:12:30 ID:jm6NSzmO
エリカ「ごめんなさい……私のせいでこんなことになって……」 サエコ「ううん、気にしないでエリカちゃん。元々こうなったのはエリカちゃんのせい……だけど、 きっと治るって信じてるから」 エリカ「ありがとうございます。ええっと……」 サエコ「サエコだよ、サエコ」 エリカ「サエコさん。サエコさんって優しいんですね」 サエコ「え? えへへ、ありがと」 エリカ「きっと記憶が無くなる前の私って嫌なコだったんですよね……なんとなく分かります。 それなのに、こんな私に親切にしてくれて……」 サエコ「そ、そんなこと……(いけない……あのエリカちゃんがかわいくなってる)」 エリカ「私ってほんといけないコですよね……いっそ、このまま記憶が戻らなければいいのかも……」 サエコ「そんなこと言っちゃ駄目だよ!(それもちょっといいかも……)」 エリカ「ありがとうございます……。私、なんだかサエコさんのこと好きになっちゃいそうです、ふふ…」 サエコ「あ、ありがと……(やめてー! そんなかわいい目で見つめないでー!)」 バタンッ
386 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/01(木) 00:17:30 ID:jm6NSzmO
まさみ「おーほっほっほ! こんなところに宿を取っていたのね! 私の目はごまかせないわよ! さぁサエコさん、二人っきりで暖まりましょう! こんな女は放っといて!」 サエコ「ま、まさみちゃん……わざわざ雪の中を探し回ってたの?」 エリカ「あっ、サエコさんのお知り合いの方ですか? 初めまして」 まさみ「な、なによ……拍子抜けするわね。 なに? もしかして私のことはもう眼中にないってことかしら!?」 エリカ「よかったら一緒に暖まりませんか? 外は寒かったでしょう」 まさみ「なな、なんなのよ気味が悪い……。一体なにを企んでいるのよ?」 エリカ「あはは、なんだかかわいい人ですね。ねぇ、サエコさん」 サエコ「そうだね……あはは……」 エリカ「仲良くしてくださいね、えーっと、まさみちゃん」 まさみ「や、やめて! 近寄らないで!」 エリカ「どうしたんですか? まさみちゃん」 まさみ「そのかわいい純粋な少女のような瞳は何なの! そんな目で私を見るのはやめて!」 エリカ「まさみちゃん?」 まさみ「こ、ここここっちに来ないでーーー!!」
387 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/01(木) 00:17:36 ID:fhmoTJ9R
エリカ可愛いwwwww
388 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/01(木) 00:29:55 ID:jm6NSzmO
【山のふもとの街】 結衣「買い出し行ってきましたよー!」 樹里「はぁ……エリカ、治るんだべか……」 翔子「大丈夫! しょこたんにおまかせだお! とかげのしっぽもマグロの目玉も買ってきたからこれで…」 由宇「みんなごくろうさま。でも、どうやらまずいことになったわ……」 結衣「どうしたんですか?」 由宇「山の天気が急変したの……しばらくはロッジに戻れそうにないわ」 翔子「えー! エ、エリカ達はどうなるんだお?」 由宇「非常用の蓄えはあると思うから大丈夫だと思うけど……長引けば危険だわ。 車も私達が乗ってきちゃったし」 樹里「駄目だべ……携帯もロッジまでは届かないべ……。レスキューのヘリも飛べないって……」 由宇「エリカ……」
389 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/01(木) 00:39:24 ID:jm6NSzmO
【ロッジ】 ゴォォォォーーーーーーー …… サエコ「そうそう、そっちの指で親指のをすくって……」 エリカ「こうですか? あは、出来ました!」 サエコ「すごーい! エリカちゃん、上手上手!」 まさみ「ちょっと! あやとりなんてしてる場合じゃないですよサエコさん! なんだか外の天気がおかしいですよ!」 サエコ「慌てなくても大丈夫だって。いざとなったら食料はあるから。ストーブの灯油だって…… あー!」 まさみ「どうしたんですか!?」 サエコ「ここのロッジは無理言って今日借りたから……これから管理の人が持ってくるんだった!」 まさみ「えー! で、でも食料はありますよね……?」 サエコ「ダメ……それもまだ……」 まさみ「えー! そんな……」 エリカ「で、でも大丈夫ですよ! 電気は生きてますし……」 プツン…… サエコ「きゃー! 電気が落ちちゃったー!」 エリカ「真っ暗ですー!」 まさみ「ろうそくとかランプはないんですか!」 サエコ「えーっと、あったあった!」
390 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/01(木) 01:02:38 ID:jm6NSzmO
ゴォォォーーー …… サエコ「結局、サエコ達に残されたのは一人分の非常用食料とランプだけ……」 まさみ「もうストーブも灯油切れてしまいましたね……あとは、毛布に包まってるしか……」 サエコ「少し登ったところに、2号ロッジがあるのを見たわ……せめてあそこなら少しは蓄えが……」 エリカ「ぅぅ……ぐすん……」 まさみ「何泣いてるのよ! まったく、元を正せば全部あんたのせいじゃない!」 エリカ「ごめんなさい……ごめんなさい……」 サエコ「もう! やめなよ! 何も分からない今のエリカちゃんに言ってもしょうがないでしょ!」 エリカ「いいんです……。きっと私のせいだと思うから……」 まさみ「そーよ、あんたのせいよ! なんとかしなさいよこのグズ!」 サエコ「まさみちゃんやめて!」 エリカ「ほんとうにごめんなさい……ごめんなさい……」
391 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/01(木) 01:05:59 ID:jm6NSzmO
ゴォォォーーーーー …… サエコ「……うぅん……(……いけない……いつのまにかウトウトしちゃってた……) エリカちゃんまさみちゃん、ちゃんと起きてる?」 まさみ「……は、はい……なんとか……」 サエコ「エリカちゃんは……?」 まさみ「あれ? いませんね……」 サエコ「ほんとだ、いない…… ま、まさかっ」 まさみ「サエコさん、これ!」 サエコ「メモ……それに、チョコレート……」 『ご迷惑をおかけしました。私が2号ロッジに行って食料と燃料を取ってきます。 そのチョコレートはポケットに入ってました。多分、私が作ったものだと思います。 少しは足しになると思います。二人で食べてください』 サエコ「無茶だよ……1m先も見えない猛吹雪なのに……エリカちゃん……」 ……………………… サエコ「こんな悲しいバレンタインチョコレート……いらないよ……」 フラッ…… サエコ「いけない……目の前がふらついてきた……もうダメかも…… ……エリカちゃん……」
392 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/01(木) 01:13:46 ID:jm6NSzmO
ゴォォォーーーーー エリカ「ハァ、ハァ……そろそろ2号ロッジがあるはず……」 ゴォォォーーー エリカ「諦めたら駄目よ! 私が諦めたら二人はどうなるの!」 ゴォォォーーーー エリカ「サエコさん待ってて! 私が絶対助けるから!」 ゴォォォーーーー エリカ「クッ……あ……」 どさっ エリカ「もう……体が言うことを利かない…… ……え?」 ぎぃ……ぎぃ…… エリカ「あった……2号ロッジ……」
393 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/01(木) 01:16:27 ID:jm6NSzmO
エリカ「よし、これだけあれば雪が止むまでは持つはず……あとは1号ロッジまでどうやって戻るか…… あっ!」 ゴトッ エリカ「スノーボードがある……よし、これで一気に下れる!」 カチャカチャ エリカ「よし、準備OK! エリカ、行きまーす!」 サーーーーーーーー シューーーーーーーー エリカ「いやーん、私、止まり方知らないよー!」 サーーーーーーーー シューーーーーーーー エリカ「キャーーー、1号ロッジは見えたけど…… ぶつかるよーーーーー!」 ごっつーーーーん
394 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/01(木) 01:20:07 ID:jm6NSzmO
ゴォォォォォーーーー …… サエコ「(……もうだめ……エリカちゃん、さようなら……)」 きぃ…… カツ カツ カツ…… サエコ「(……誰? エリカちゃん?)」 エリカ「サエコさん、しっかり。ほら、口を開けてください。気付けのワインです。非常用のですけど」 サエコ「(エリカちゃん……よかった、帰って来れたんだ……)」 エリカ「今、飲ませてあげますから」 ちゅ…… サエコ「(口移しで……エリカちゃんがワインを……)」 エリカ「サエコさん、目を開けて……私を、一人にしないで……!」 サエコ「(エリカちゃん……) あっ……」 エリカ「サエコさん! 気がついたんですね! よかった……よかった……」 サエコ「エリカちゃん……」 ゴォォォォォーーーーーーー ……
395 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/01(木) 01:26:23 ID:jm6NSzmO
ブィーン キィィーーー 翔子「やっと雪が止んだお! エリカ、サエコちゃん! 無事かおー!?」 樹里「い、生きてるべかぁー!」 結衣「エリカさん! サエコちゃーん!」 由宇「お願い……神様……!」 バタンッ
396 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/01(木) 01:35:18 ID:jm6NSzmO
エリカ「……ちょっと、来るのが遅いっつーの」 翔子「エリカ! よかった、無事で! サエコちゃんは!」 エリカ「ちょっと眠ったけど、今はもう大丈夫よ。ほら、サエコ起きなさいよ! いつまでエリカにくっついてるのよ! うっとうしぃ!」 パンパンパンッ サエコ「痛い……せめてもっと優しく起こして……」 エリカ「これがエリカの優しさよっ」 由宇「エリカ、その様子じゃあ……もしかして、記憶が戻ったの!?」 エリカ「ええ、もうバッチリ」 翔子「なにがあったか知らないけど、一件落着だお……」 樹里「はぁ〜〜、ほんとに心配したんだべよ?」 結衣「結衣は二人とも天使になっちゃったのかと……ぅぅ、よかったよー」 エリカ「縁起でもないこと言わないでよ。エリカは無敵よ」 由宇「ふ……、そうね。エリカはころしたってしなないわよ。ふふふ……」 エリカ「はーあ、ほんと酷い目にあったわ! ほら、サエコ、もう立てるでしょ? 自分の足で歩きなさい」 サエコ「はぁい……もうちょっと、抱っこしてて欲しかったな……」 エリカ「なんか言った?」 サエコ「いいえ、なんでも……。ねぇ、エリカちゃん一つ聞かせて。 サエコにワイン飲ませてくれたとき、もう記憶は戻ってたの?」 エリカ「さぁ、どうだか」 サエコ「……チョコレート、ありがとね。おいしかったよ……」 エリカ「なーんにも憶えてないわよ、もう」 サエコ「嘘つき……」
397 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/01(木) 01:39:38 ID:jm6NSzmO
レスキュー『おーい、一人、娘っこが寝てるっぺよ〜』 レスキュー『なしてこんなロッジに一人でいるんだっぺ?』 レスキュー『おお、意識はあるっぺ』 まさみ「ぶるぶる……私を置いていくなんて一体…… どうせ私なんか……」 ………………………………………………………… 〜 *:.。.:*゜ 続く ゜*:.。.:* 〜
398 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/01(木) 09:43:01 ID:eJK++L+T
Gj!!!!かなり才能があるww脚本家目指して欲しいw
神降臨!!! GJ!!!!!
400 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/02(金) 16:35:53 ID:Xc77aHY4
エリカ「くっ……くく…」 サエコ「……エリカちゃん何一人で笑ってるの?ちょっと不気味…」 エリカ「失礼ね!!これよ」 サエコ「…しょこたん☆ぶろぐ?」 中川「ちょwwエリカ見てたのかおwwテラウレシスwwwwwうはwwwww」
前スレの頃からちょくちょく見てて、 ひさびさにきたけど やっぱこのスレおもしろい!一気に読み倒しました。 SSどれもGJです!!職人さん乙です。 美しくて凛々しいエリカ様。好きだー。 もちろんサエコも可愛くて好き。
翔子面白いw
403 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/04(日) 12:24:20 ID:P0sf0wSB
エリカ
404 :
交差店DAYS :2007/03/04(日) 15:17:29 ID:mGJRKIxS
翔子「で、今日はエリカは何の用なんだお?」 サエコ「『大至急、エリカん家に来い!』だなんて……まあ、急なのはいつものことだけど」 翔子「もしかして病気とか……」 サエコ「まさかぁ、そんな」 翔子「いんやぁ、もっと大変なことが……」 サエコ「そ、そんなことないって……」 翔子「エリカ……今までありがとうだお……チーン……」 サエコ「やめてよう! エリカちゃんに限ってそんなことないって!」 翔子「そうこう言ってるうちに着いたお」 サエコ「なんかドキドキしてきたじゃない……じゃあ、インターホン押すね……」 ピンポーン…… 翔子「……無反応だお」 サエコ「まさか……本当に何かあったんじゃあ…… エリカちゃん! ドア開けるよ!」 ガチャ ズドドドドドドド…… サエコ「だあああああぁぁ!?」 翔子「ちょぉぉぉぉぉぉ!?」
405 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/04(日) 15:21:18 ID:mGJRKIxS
サエコ「こ、これなーに?」 翔子「衣装の山だお……部屋から溢れる程の……」 エリカ「あっ、アンタ達遅かったじゃない! 早く手伝ってよ!」 サエコ「エ、エリカちゃん、これは……?」 エリカ「見てのとおりよ! エリカの服で部屋が一杯で足の踏み場も無いの! 処分するから手伝って!」 翔子「なんでこんなになるまでほっとくんだお……ていうか買いすぎだお」 エリカ「エリカほどの人気者が毎日同じ服なんて着てたらみんなに失礼じゃない! だからよ」 サエコ「エリカちゃんはなんでいつもそんなに極端なのよ……モノには限度ってあるじゃない」 エリカ「うっさいサエコのくせに! 説教する暇があるなら手伝いなさいよ!」 サエコ「うわ〜ん、エリカちゃんの服に埋まっちゃって動けないんだよ〜」 翔子「これ全部捨てるのかお? 勿体ないお」 エリカ「しょうがないでしょ、置くところないんだから」 サエコ「そうだ! サエコにいい考えがあるよ!」 エリカ「いい考え?」
406 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/04(日) 15:25:34 ID:mGJRKIxS
【フリマ会場】 がやがや…… エリカ「なるほど、フリーマーケットとはね! サエコもたまには機転が利くじゃない!」 サエコ「えへへ、いいアイデアでしょ? サエコも時々お店出すんだよ。今日はサエコにまかせといて!」 翔子「変装もばっちりだお。エリカは金髪、サエコたんはエクステ、しょこたんはアフロだお」 エリカ「さぁ、全部売りさばくわよ! 儲けたお金で豪遊よ!」 サエコ「でもエリカちゃんの持ってる服ってちょっと……」 翔子「こんな豹柄のコートなんてどこで売ってるんだお? 裏地までオール豹柄だお」 サエコ「このジーンズなんて破れすぎだよ……おパンツ丸見えじゃない」 エリカ「うっさいわね! 通販よ通販! こっちはイギリス製、これはフランス製なんだから!」 翔子「絶対だまされてるお……」
407 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/04(日) 15:30:58 ID:mGJRKIxS
まさみ「おーっほっほ! 奇遇ね、こんなところで会うなんて!」 綾瀬「こ、こここんにちは……」 エリカ「……やだ、変な人がこっち見てるわ……いい? 目を合わせちゃダメよ」 まさみ「ちょっと! 私よ私!」 サエコ「もしかしてまさみちゃん? そんなレゲエミュージシャンみたいな変装してるから気づかなかった…… えーっと、そっちの眼鏡の子は……はるかちゃん? 久しぶりだね!」 はるか「おおお久しぶりです……」 エリカ「なんだ、アンタ達か。言っとくけど今日はアンタ達と遊んでる暇なんて無いのよ、しっしっ」 まさみ「おーっほっほ! 悪いわね、私達もこれからお店出すのよ。どうやら隣同士みたいね! ……あらぁ、その極悪なセンスの服は何なのかしらぁ?」 かちーん エリカ「……誰の服のこと言ってるのかしらぁ?」 まさみ「あーらぁ、あなた以外に誰がいらっしゃるのかしらぁ?」 エリカ「凡人には理解できないのよねぇ、エリカのファッションセンスは」 まさみ「あらあらぁ? もしかして怒ったのかしらぁ? ごめんなさぁい、ついつい本音が出ちゃってぇ」 エリカ「いーえ、ぜーんぜん気にしてないわよ、おほほほほ」 まさみ「ごめんなさぁい、私って正直だからぁ、おほほほほ」 エリカ「あらぁ、じゃあどっちのお店が繁盛するか勝負しましょうかぁ?」 まさみ「そちらがどうしてもって言うんなら、その申し出引き受けて差し上げてもよろしくてよぉ?」 エリカ「エリカが勝つって分かりきった勝負なんだけど、理解してない方が1人いらっしゃるようなのでぇ」 まさみ「……あらぁ、ごめんあそばせぇ」 エリカ「ではぁ、タイムリミットは今日の午後5時までということでぇ」 まさみ「よろしいわよぉ。おほほほほ」 エリカ「ではぁ、ご健闘をお祈りしますわぁ、おほほほほ」
408 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/04(日) 15:35:36 ID:mGJRKIxS
エリカ「いい? 絶対勝つわよ! アンタ達、死ぬ気で売りなさいよ!」 サエコ「はぁい……。まったく、なんで2人ともそんな戦い好きなのよ……」 翔子「なんかもう、当初の目的とは全然違ってきたお……」 エリカ「まーエリカが勝つことは分かりきってることなんだけどね! あのバカの鼻を明かすには ぶっちぎりで勝つことなんだから!」 サエコ「はいはい……とりあえず、サエコは服を畳むから。翔子ちゃんは得意のイラストでポップと値札を書いてね。 エリカちゃんは……何もしなくていいや」 エリカ「ちょっとなによそれ!」 サエコ「だって、エリカちゃん絶対めちゃくちゃにするでしょ?」 翔子「おーいエリカ、この豹柄のコートいくらで売るんだお?」 エリカ「そうね、安く見積もって10万ってとこかしら!」 サエコ「ほらぁ……誰がそんなもの10万円で買うのよ……。 百円でも売れないよ……」 エリカ「キーッ! もういっぺん言ってみなさいよ!」 サエコ「痛い痛い! 蹴らないでってば! もう、だったら呼び込みでもしてきて!」 エリカ「オッケー! それだったら得意だわ! はいはーい、お客さん寄ってらっしゃい見てらっしゃい!」 サエコ「はぁ……。さぁ、早いところ陳列しないとね」
409 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/04(日) 15:40:02 ID:mGJRKIxS
はるか「ああああの……ハ、ハンガーが足りなくなったから貸してもらっていい?」 サエコ「あっ はるかちゃん。いいよ、困ったときはお互い様だもんね」 はるか「あありがとう……」 サエコ「はるかちゃんもフリマとかよく来るの?」 はるか「うう、うん……服とか、捨てるのが勿体ないし……それに……」 サエコ「それに?」 はるか「……着なくなった服でも、別の人が着ればまた輝けるし…… そうすれば、服たちも喜んでると思うの……」 サエコ「はるかちゃん……」 はるか「お、おかしいよね、こういうこと考えるのって……あはは……」 サエコ「ううん、とっても素敵だと思うよ! 今日は頑張って売ろうね!」 はるか「う、うん!」
410 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/04(日) 15:44:53 ID:mGJRKIxS
サエコ「そういえば、今日はまさみちゃんに言われて来たの? 前もそうだったけど、仲いいんだね!」 はるか「う、うん。私、“長澤会”っていうのに入ってるらしくて……」 サエコ「でもよかった、まさみちゃんってお友達がいないいないって言ってたから心配してたんだ」 はるか「で、でもまさみちゃんは私のことペットぐらいにしか思ってないかも……」 サエコ「そうなんだ……。はるかちゃんも大変なんだね、なんだかすごく気持ちわかるよ……」 はるか「わ、私、東京出てきたばかりのころはひとりぼっちで寂しくて……いつも広島に帰りたいって思ってたの……。 でっでもね、そんな時にまさみちゃんが長澤会に強制的に加入…ううん誘ってくれて……。 だから、私、まさみちゃんのこと……」 サエコ「まさみちゃんのこと?」 はるか「まさみちゃんのこと……すっ……す……」 サエコ「す……?」 はるか「……だめじゃあ! これ以上は恥かしくて言えんけぇ!」 ドンッ サエコ「ぎゃぁぁぁぁぁーーー!!」 ゴロゴロゴロゴロー どがーん …… はるか「ああ! やっちゃった! ごめんサエコちゃん! 私、馬鹿力だから……」
411 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/04(日) 15:57:42 ID:mGJRKIxS
エリカ「へいへい! らっしゃいらっしゃい!」 まさみ「安いですよー! かわいい服がいっぱいありますよー!」 エリカ「ちょっと、何無視してるのよ! いいから寄って行きなさいよ!」 まさみ「お客さ〜ん、そっちのお店では買ってはいけませんよ〜! ぼったくりですよ〜!」 エリカ「アンタ営業妨害よ! お客さーん! そっちのお店はぼろ布しか売ってませんよー!」 まさみ「なによ! あんたこそいい加減なこと言わないでよ!」 エリカ「キーッ! アンタが先に言ったんじゃん!」 サエコ「はぁーぁ……いい加減にしてほしいよ……」 翔子「せめて店の前で騒ぐのは止めてほしいお……」 エリカ「あーあ! 全然売れないじゃない! こんなにいい品が売ってるって言うのに! 全部あいつのせいだわ!」 サエコ「品にも少し問題あると思うよ……」 エリカ「あーイライラする! やっぱりエリカには客商売なんて向いてないのね! どーすんのよ! これじゃあ負けちゃうじゃない!」 翔子「あっちの売り上げはギザ順調だお……人もいっぱいだお」 エリカ「こーなったら値段を下げるわよ! 全部半額セールだわ!」 サエコ「ええええ? そんなむちゃくちゃな……」 エリカ「なぁに、こっちは数で上回ってるのよ! 薄利多売! これでいくわよ!」
412 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/04(日) 16:03:11 ID:mGJRKIxS
がやがや…… エリカ「あ、ちょっと! 見ているだけじゃなくて買っていきなさいよ! ……あれ? おかしいわねぇ……なんで売れないのかしら」 翔子「値段を下げても、お客さんの数はあんまり変わらないお」 エリカ「なんでよ! もう!」 サエコ「ふぅ……、エリカちゃん、はるかちゃんを見てごらんよ」 エリカ「な、なによ?」 はるか「……いらっしゃいませ! あ、こちらの服ですか? どうぞ、手にとってみてください。 かわいいですよね、私もとっても気に入ってるんです。きっとお客さんにぴったりだと思いますよ。 はい、この服もお客さんに買ってもらって喜んでると思いますよ!」 エリカ「……」 サエコ「分かる? はるかちゃんはすっごく楽しそうにしてるでしょ? フリマってね、買う人も売る人もみんな楽しんでやってるんだよ。 お客さんにお買い物を楽しんでもらうなら、まず自分が目一杯楽しまないと。 そういう気持ちってとっても大事なんだから」 エリカ「……」 サエコ「エリカちゃんって儲けることばっかり考えてるじゃない。それに、そんなカリカリしてたら お客さんにも伝わっちゃうんだから」 エリカ「う、うっさいわね! 綺麗ごとはたくさんだわ! ……で、でもしょうがないわね、売れなかったからって持って帰るわけにもいかないし……」 サエコ「ね? もっと楽しくやろうよ!」 翔子「よーし、しょこたんがとっておきを出すお! 実は着ぐるみ持ってきてたんだお! これでファミリーのハートをゲットだお!」 サエコ「さっすがしょこたん! かわいい猫ちゃんの着ぐるみだね! ……えーっと、狸かな?」 エリカ「よぉーっし! やってやろうじゃない! それ、エリカが着るわ! 女優魂を見せてやるわよ!」
413 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/04(日) 16:10:11 ID:mGJRKIxS
外国人客「Oh, Wonderful Clothes!」 外国人客「Lovely!」 サエコ「いらっしゃいませ! 凄い! エリカちゃんの服、外国の人に受けてるよ!」 エリカ「だから言ったじゃない、エリカの服は外国製だって。向こうじゃ受けるのよ」 翔子「あれ本当だったのかお……」 『すごーい、あそこのお店流行ってるよ』 『かわいい豚さんの着ぐるみもいるよー』『寄っていかない?』 サエコ「はーい! どんどんいらっしゃいませー!」 わいわいわい…… ………………
414 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/04(日) 16:14:25 ID:mGJRKIxS
【夕刻 午後5時】 サエコ「……えーっと、結果を発表します。 売れた数はうちのお店、売り上げはまさみちゃんのお店の方が上だね」 まさみ「うちの勝ちね! 売り上げが上なんだし」 エリカ「何言ってるのよ、うちは途中で値段を半額にしたんだから元々の値段で売ってたらうちの圧勝よ」 まさみ「イーッ! 潔く負けを認めたらどうなのよ!」 エリカ「なによ! それはこっちの台詞よ!」 翔子「もうどっちでもいいお」 サエコ「そうそう」 はるか「わわ私は……今日はとっても楽しめたからよかったです…… それに、まさみちゃんとお店できてうれしかったし……」 サエコ「よかったね、はるかちゃん!」 はるか「い、いいいやだぁー! ほんと 恥かしいけぇー!」 ドンッ ゴロゴロゴロー どっがーん はるか「ごごごごごごめんなさい! ついつい!」 サエコ「あ、あはははは……だ、だいじょうぶ……いたたた……」 まさみ「はるか、帰りましょう! 勝負は預けたわよ!」 エリカ「フン! 二度と顔見せるなっつーの!」 サエコ「まさみちゃん、はるかちゃん、またねー!」
415 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/04(日) 16:16:33 ID:mGJRKIxS
エリカ「はーあ、なんかどっと疲れたわね。しかし、けっこう売れ残ったわね」 サエコ「元が多すぎるんだってば。これだけ売れたら大成功だよ」 翔子「大丈夫、しょこたんに任せるお」 エリカ「ん? なんか良い考えあんの?」 翔子「簡単だお。ネットオークションに出せばいいんだお」 サエコ「あ……」 エリカ「……最初っからそうすれば良かったんじゃない? だったらこんな苦労しなくても……」 翔子「いやぁ、なんか楽しそうだったからお邪魔するのも悪いと思ったんだお」 エリカ「……このアホー! 最初から言えー!」 翔子「ちょおおおお! 面白かったからよかったじゃないかおー!!」 エリカ「うるさーい! 待てコラー!!」 サエコ「あはははは…… ……ハァ……」 ………………………………………… 〜続く〜
416 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/04(日) 18:00:56 ID:RyjVpmQe
GJ!!!!!ナイス!
GJ!!!!!
418 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/05(月) 00:16:32 ID:q6KB/sGc
このスレ最高だね〜。 長澤まさみ嫌いだったのにこれみてちょっと好きになってきた。
419 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/05(月) 00:27:20 ID:q6KB/sGc
あげちゃえ
おもしろすぎて怖くなってきたwいったいどういうイマジネーションをしてるんだ
綾瀬にまでキャラがつくとは思わなかったwww
422 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/06(火) 02:20:08 ID:xjHjTIGf
まさみ「ふふふ〜ん」 エリカ「鼻唄なんて歌って気持ち悪っ」 まさみ「失礼ね!あなたも見たでしょう?今度私と共演してるかわいい男の子w」 エリカ「あぁあれね…」 まさみ「何よ!あっもしかして嫉妬かしら?w」 エリカ「別に」 まさみ「………羨ましいでしょ?」 エリカ「全然」 まさみ「…………」 エリカ「私はサエコがいればそれでいい」 まさみ「!」 エリカ「おっと撮影の時間だ。じゃあね〜」 まさみ「完全に私の負け…か…」
423 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/06(火) 09:50:14 ID:NHz4y/kz
エリカかっこいいw
424 :
ローレライの憂鬱 :2007/03/07(水) 20:53:34 ID:Hwej19T+
He---y Lyla! A star's about to fall So what d'you sa--y Lyla ♪ サエコ「エリカちゃん、何のCD聴いてるの? あ、これ知ってるよ! エリカちゃんと一緒に出た映画のやつだね。 エリカちゃん好きなんだ!」 エリカ「……」 サエコ「オアシスとかいうやつだったっけ? この曲がどうしたの?」 エリカ「……」 サエコ「……ヘーイ、ライラ♪ あすたーずあばうとぅふぉーる♪」 エリカ「あー、うっさいヘタクソ! 分かったわよ! 明日、若手女優の合同親睦パーティがあってね、そこで弾き語りするのよ! 何十人って来るんだから失敗できないの! 集中して聴いてるんだから邪魔するなっての!」 サエコ「そんなのあるんだ! サエコも行きたーい!」 エリカ「フン、勝手に来ればいいでしょうが」 サエコ「えへへ〜、おいしいもの食べれるかなぁ」 エリカ「言っとくけどね、参加するからには出し物をしなければいけないのよ」 サエコ「だ、出し物って……?」 エリカ「歌」 サエコ「サ、サエコやっぱり行かない……」 エリカ「まあ、アンタの歌唱力じゃね」 サエコ「そんな大勢の前で歌うぐらいなら、サエコは飢え死にする……」 エリカ「前カラオケ行ったときも酷かったもんねアンタ」 サエコ「で、でも、知らない子たちともお友達になれるかもしれないチャンスだし、ごちそうも……」
425 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/07(水) 20:58:18 ID:Hwej19T+
エリカ「あー、しょうがないなー! じゃあ、アンタにレッスンしてあげるわよ!」 サエコ「本当? やったぁ!」 エリカ「でもエリカ一人じゃあね……アンタの歌を矯正するのは難関だし…… そうだ! コーチをつけてあげるわ!」 サエコ「コーチ?」 エリカ「甘ちゃんのアンタにはちょうどいいわよ、フフフ……」
426 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/07(水) 21:07:05 ID:Hwej19T+
【貸しスタジオ】 サエコ「ド〜レ〜ミ〜♪」 由宇「違う! 音が2つもずれてるじゃない! もう一度、最初から!」 サエコ「はぁい…… ド〜〜レ〜〜ミ〜〜♪」 由宇「ちゃんとピアノの音を聴きなさい! はい、もう一度!」 サエコ「ドーーレーーミーー!」 由宇「喧嘩売ってるのあなた!? もういい! 一旦休憩!」 由宇「ふう……」 エリカ「どう? アイツ」 由宇「声がアニメすぎるわ」 エリカ「……治る?」 由宇「地声を生かせる曲を歌えばいいんだけど…… なんでよりにもよって『夜桜お七』なのよ」 エリカ「安室ちゃんがいいって言ってたんだけど、他の子とかぶるからって演歌にね」 由宇「個性を主張するならそれに見合う力をつけてからにしなさいよ、まったく」 エリカ「まあさ、アイツなりに一生懸命なんじゃん? サエコはサエコなりに」 由宇「一生懸命ね……でも、他の子達はあの子をどう思うかしら。 ……エリカって優しいのね」 エリカ「なっ、何言ってんのよ! あのままだったら、アイツを連れていったエリカまで恥を欠くからよ! あーあ、もう付き合ってられないわ! エリカだって弾き語りやるんだから練習しなきゃね! 帰る!」
427 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/07(水) 21:15:56 ID:Hwej19T+
由宇「ほら、立ちなさい。レッスンはまだまだこれからよ」 サエコ「なんだか、余計自信無くしちゃった……」 由宇「そんなことはもう少し“歌”ってものを歌えるようになってからいいなさい」 サエコ「でも……」 由宇「シャーラップ! 口答えは許しません」 サエコ「うわ〜ん」
428 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/07(水) 21:27:48 ID:Hwej19T+
アー アー アーーー♪ 由宇「ふう、だいぶ発声はマシになってきたわね」 サエコ「ごえがガラガラになっでぎまじた……」 由宇「ふふふ、いい感じに潰れてきたわね。リスクなくして本当の力は得られないわよ」 サエコ「ぢょっど飲み物を……ゴクゴク……ぷはぁ……。 ……サエコ、本当に歌えるようになるかなぁ……」 由宇「ここまできて何を言ってるのよ。私のレッスンを無駄にする気?」 サエコ「自信が無いんだ……だって、サエコって元気だけが取り柄だし……」 由宇「あのねぇあなた……歌のことぐらいでなにを……」 サエコ「由宇ちゃんやエリカちゃんみたいな、特別な子達には分からないんだよ…… サエコみたいなフツーの女の子の気持ちが……」 由宇「ふぅ…… となり、座っていいかしら?」 サエコ「う、うん、どうぞ」 由宇「……私には、あなたがうらやましいわよ?」
429 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/07(水) 21:41:58 ID:Hwej19T+
サエコ「え……?」 由宇「私みたいなの、いわゆる雰囲気女優っていうのかしら……こういう顔つきだから仕方ないんだけれど。 あなたやエリカみたいにかわいい女の子の役ってあまり経験無いの。 あなた、私のこと最初は恐そうとか冷たそうとか思ってたでしょ?」 サエコ「う、うん、ぶっちゃけ……」 由宇「だからうらやましいの。自分がもっと素直で可愛らしい子だったらって。あなたことも最初は疎ましくて苛めたわ。 おかしいでしょう、ふふ。 でもね……私だって、いつもクールじゃあいられないんだから」 サエコ「由宇ちゃん……」 由宇「きっと、私には私にしかできないことがあるって思うの。だからもう気にしないことにしたわ」 サエコ「由宇ちゃん……ぅぅ、そんな鉄仮面みたいな表情の下にはそんな想いが……」 由宇「誰が鉄仮面よ」 サエコ「サエコがんばる! 絶対、ちゃんと歌えるようになるね!」 由宇「その意気よ。じゃあもう一度最初からね」 サエコ「うわ〜ん」
430 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/07(水) 21:53:18 ID:Hwej19T+
由宇「ほら、差し入れよ。喉にいいハチミツジュース」 サエコ「ありがとー! 由宇ちゃんが?」 由宇「エリカよ。引き返してきて、これだけ置いていったわ。なんだかんだで心配なのね、ふふ」 サエコ「エリカちゃんってば…… そうだ、由宇ちゃんは明日何歌うの?」 由宇「私? 私はシャンソンを何曲かピアノで……」 サエコ「由宇ちゃん! 由宇ちゃんも、自分の殻を打ち破ろう!」 由宇「ええ? どういうこと?」 サエコ「大丈夫! サエコが振り付け教えてあげるよ!」 由宇「ふ、振り付けって……いったい何を……」 …………………………………………… ………………………………
431 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/07(水) 22:01:46 ID:Hwej19T+
【翌日、パーティ会場にて】 翔子「しょーおーねーんよ 神話になれっ! ♪」 ワーッ、パチパチパチ 『しょこたんかわいー!』『うまーい』 エリカ「……翔子って歌上手かったのね」 翔子「イエーイ! 楽しかったお!」 結衣「いよいよサエコちゃんの番ですねー!」 樹里「ドキドキするべさぁ〜、こんな大勢の前で大丈夫なんだべか?」 由宇「……」
432 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/07(水) 22:09:41 ID:Hwej19T+
サエコ『み、みなさんこんにちは。サエコ、歌います。聴いてください、“夜桜お七”』 エリカ&結衣&樹里&由宇「ゴク……」 サエコ『……ぁーかはぁーーいぃはーなーぉがぁーープツンとほぉーーーー♪』 ズコーーー …… 樹里「……これは……」 翔子「ぜ、ぜんぜん変わってないお……」 結衣「酷すぎます……」 由宇「ごめんなさい……やっぱり、一夜漬けでどうにかなるものじゃなかったわ……」 エリカ「はぁ……」
433 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/07(水) 22:19:48 ID:Hwej19T+
ざわざわ…… 『やだぁ、何あれクスクス……』『よくあんなので人前で歌えるよね』『だっさぁ』 サエコ「……うぅ……やっぱりこんな思いするぐらいなら歌わなきゃよかったよ……」 由宇「何言ってるのよ。あなたはよく頑張ったわ」 樹里「ん、んだべ! 元気出すべ!」 結衣「ゆ、結衣は好きだなぁ、サエコちゃんの歌!」 翔子「今度はしょこたんが教えてあげるお」 エリカ「いつまでも泣いてんじゃないわよバーカ。次はエリカの出番ね」 サエコ「はい……」 由宇「エリカ、がんばってね」 エリカ「まあ見てなさいって」 『あ、エリカちゃんだ』『洋楽やるんだってね』『弾き語りなんだぁ』 エリカ『ちわーっす、エリカでっす。今日はLylaを歌う予定だったんですが…… 曲変えます。 この会場にいる、友達と1人のバカに捧げます。 同じOasisなんすけど、“Whatever”』 ジャンジャージャンジャン…… ---------------------------♪
434 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/07(水) 22:29:10 ID:Hwej19T+
エリカ『 I'm free to be whatever I Whatever I choose And I'll sing the blues if I want ♪ 』 サエコ「……なんか素敵な曲……」 由宇「エリカッたら……ふふ……」 サエコ「え?」 由宇「Oasisってね、すごく傍若無人で自己中な俺様バンドなの。みんなを振り回してばかりで。 この曲の歌い出しは “おれは自由なんだ なんでも自由になれる 歌いたいときに歌う”」 サエコ「エリカちゃんそのまんまじゃん……だから好きなんだな、エリカちゃん」 由宇「でもね、作る曲はどれもとっても元気が出て信じられないぐらい素敵なメロディーばかりなのよ」 サエコ「……そうなんだ……」 エリカ『 Always seems to me You only see what people want you to see ♪ 』 由宇「“あなたはいつも人目を気にしてる 人が望むことしか見ていない”……」 サエコ「え……?」 由宇「歌詞の意味よ。そして最後は……」 エリカ『 Whatever you do Whatever you say Yeah I know it's alright! ♪ 』 由宇「“アンタが何をしても、何を言っても構わない、気にするな。私は正しいって分かってる” ……って感じかしら」 サエコ「エリカちゃん……」 由宇「エリカも口に出して言えばいいのに。素直じゃないんだから」
435 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/07(水) 22:34:06 ID:Hwej19T+
♪ジャーーン…… エリカ『ありがとうございました』 ……… …… ワーッ! パチパチパチッ 翔子「イエーイ、エリカ!」 樹里「かーーっこいいべ!」 結衣「感動しましたー!」 エリカ「あったりまえじゃん。フフン」 由宇「エリカ……ありがとね。おかげで勇気出たわ」 エリカ「あら? 由宇がそんなこと言うなんて珍しいじゃん」 サエコ「えりがぢゃ〜ん、よがっだよぉ〜 グスッ」 エリカ「ちょっと、泣きすぎだってば!」 由宇「じゃあ、次は私の番だから行って来るわね」 翔子「由宇たんは何歌うんだお?」 樹里「シャンソンって言ってたけど……ポップスに変えるらしいべ」 サエコ「えへへ、きっと一皮向けた由宇ちゃんが見れると思うよ!」 エリカ「うん? なによそれ」 由宇『みなさん御機嫌よう。では、一曲歌わせていただきます。 聴いてください、“?桃色片想い?”』 ………………………
436 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/07(水) 22:46:21 ID:b3+kwQC7
GJ!!
437 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/07(水) 22:48:05 ID:Hwej19T+
438 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/08(木) 00:10:47 ID:6g/5/Sjv
GJ!!!!!
439 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/08(木) 02:07:55 ID:MyAN60nh
夜桜お七は俺ぜんぜんありだと思う
>>439 無理に「俺」を使おうとして不自然な文章に
なってる。そんなとこに一人称入れる必要もないし、
かえって変な文章になってる。ばかみたい。
441 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/08(木) 09:09:45 ID:Xk0XhVx4
GJ!!! oasisのCD欲しくなってきた・・・
442 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/08(木) 23:41:48 ID:R1cD/eOp
確かにサエコの歌唱力はすごいです
443 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/08(木) 23:42:23 ID:b0BMhmf7
v
444 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/09(金) 02:24:20 ID:C2T3R2Cf
でも声がカワイイから好きです
445 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/09(金) 23:26:41 ID:kHWJYvzy
あげ
446 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/09(金) 23:53:36 ID:Mb4qXmTr
447 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/10(土) 08:56:59 ID:tKLi7uvn
エリカ「げっ…」 まさみ「ちょっと!いきなりそれはないでしょう!」 エリカ「だって今1番会いたくない奴に朝から会っちゃったんだもの…それよりあんた太った?丸くなってるわよ」 まさみ「ひ、酷い……って!よくも人が気にしてる事を何のためらいもなく言ってくれるわね!あんただって少し太っ」 スタイリストさん「あれー?エリカさんまた痩せました?」 エリカ「あ、分かる?私としてはもう少し太りたいけど私太りにくい体質なのよねー」 スタイリストさん「いーなー私もエリカさんみたいにスラッと美人になりたーい」 エリカ「あんたじゃ無理よ」 スタイリストさん「あー!ひっどーい!」 エリカ「うふふ」 まさみ「何よ何よ…どーせ私は………うぅ…」 正直スマンカッタ しかし反省はしてない
448 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/10(土) 11:56:00 ID:MIqAn9gc
449 :
スイング・ぎゃあるズ :2007/03/11(日) 14:40:03 ID:okbFXeob
サエコ「なによ、エリカちゃんのバカッ!」 エリカ「はぁ〜? バカはアンタだっつーの! 大体サエコのくせにナマイキなのよ!!」 ギャー ギャー …… 由宇「……なあに? また喧嘩してるの?」 翔子「そうみたいだお」 結衣「サエコちゃんのプリンをエリカさんが勝手に食べちゃったみたいなんです」 サエコ「もー! これで何回目なのよ! なんで冷蔵庫に入ってるからって勝手に食べるのよ!」 エリカ「うっさいなー、そんなに大事なら名前でも書いとけばっ!?」 サエコ「どーせ名前書いてても食べるくせにー! 『あっ、気づかなかった〜』とか言ってさ!」 エリカ「そこまで分かってんだったらもう諦めろっつーの! あ、もしかしてアンタ生理!? だからイライラしてんでしょ!? アハハハハーッ!」 サエコ「ムッキー!! なんでエリカちゃんはそうデリカシーが無いのよ! なによ、せいりだったら悪いの!? バカバカバカバカッ!!」 エリカ「だからバカはアンタのことでしょー!? きゃー寄らないでー、バカとせいりが移るからー!!」 由宇「なんという低次元……」 翔子「プリンのことでここまで喧嘩できるのは凄いお」 結衣「でもでも、どうせお互いすぐ忘れちゃいますよ。いつものことですし」
450 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/11(日) 14:43:55 ID:okbFXeob
樹里「おーっす、みんな今日も元気だべかぁ?」 エリカ「……大体さぁ、ここはエリカの部屋なんだからここにあるものは全部エリカのものじゃん!」 サエコ「買ってきたのはサエコでしょう!? みんなのは食べないくせに、なんでサエコのだけは食べるのよ!?」 エリカ「うっさいわねー、アンタのものはエリカのもの、エリカのものはエリカのものよ!」 樹里「……なんだべ? まただべかぁ?」 由宇「かれこれ2時間になるわね」 翔子「記録更新だお。おめでとーだお」 結衣「今日は一段と凄いですね」 サエコ「うわ〜ん、サエコもう帰る〜!」 エリカ「あーそうしたら!? もう二度と来んなよ!」 サエコ「うぇぇ……樹里ちゃん、樹里ちゃんはサエコと一緒に来てくれるよね?」 樹里「へぇ? えぇぇぇー?」 バタンッ 由宇「樹里ったらかわいそうに。間が悪いわね」 翔子「まあでも、樹里ならなんとかしてくれると思うお」 由宇「そうね、樹里だしね」 結衣「? なんで樹里さんだと大丈夫なんですか?」 由宇「まあ、彼女は天才だから」 翔子「うん、天才だお」 結衣「??」
451 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/11(日) 14:51:08 ID:okbFXeob
【居酒屋】 サエコ「それでねそれでね、エリカちゃんたら昨日もね……」 樹里「zzzz……」 サエコ「ちょっと、寝ないで!」 樹里「あはははは、それは傑作だべ!」 サエコ「もー、笑い話なんてしてないでしょ!」 樹里「あ、店員さーんおかわり」 サエコ「ちゃんと聴いてよー!」 樹里「わかってるべわかってるべ。エリカは人間のクズでゴミでフンコロガシなんだべ?」 サエコ「そ、そこまでは言ってないけど……」 樹里「いんや、確かに最近のエリカの理不尽は目に余るものがあるべ。 そうだ、サエコちゃん、これからうちに来るべか?」 サエコ「え?」
452 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/11(日) 14:58:45 ID:okbFXeob
【樹里宅】 サエコ「お邪魔しまーす」 樹里「どーぞどーぞ、ちょっと散らかってるけど気にするなべさ」 サエコ「(……物凄く散らかってるけど言わないでおこう……)」 樹里「むふふふ、サエコちゃーん、いいことしようか?」 サエコ「え? い、いいことって……」 樹里「決まってるべ。セックスだべ」 サエコ「ぶぇぇぇぇ!!」 樹里「何言ってるんだべか。部屋にまで来ておいて今さら」 サエコ「で、でも……」 樹里「うへへへぇ、純情ぶったってこっちはすっかりお見通しだべぇ」 サエコ「樹里ちゃん……女の子のセリフじゃないよそれ…… そうか、さっきのお店で飲みすぎたんだ……」 樹里「酔ってねぇべ! さぁ、たっぷり可愛がってやるべ! ヒック」 サエコ「うわーん! 樹里ちゃん、絶対酔ってるよー!」 樹里「わははは! ほらほらぁ、ここがいいんだべぇ?」 サエコ「ああ……ちょっと……や、やめ……あっ……」 樹里「むふふふ、可愛い声で鳴くべなぁ」 サエコ「樹里ちゃん……お願い、こんなの……ああっ!」 「ちょっと! なにしてるのよ!」
453 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/11(日) 15:02:54 ID:okbFXeob
サエコ「あ、エ、エリカちゃん! どうしてここに……」 樹里「あ〜、もしかしてサエコちゃんを追いかけて来たんだべかぁ? なんだかんだ言ってピュアだべなぁ」 エリカ「な、何言ってるのよ……それよりアンタ達なにしてるのよ!」 樹里「そんなの見たら分かるべさぁ〜、ヒック。 そうそう、うちらはもう沢尻会を抜けることにしたべぇ」 エリカ「んなっ!?」 サエコ「えええええ! なに言ってるの樹里ちゃん!」 樹里「もうエリカの理不尽にはついていけないんだべ。これからはサエコちゃんと 2人で仲良くやっていくことにしたんだべ〜。この状況が証拠だべぇ ヒック」 サエコ「樹里ちゃんダメだよそんなこと言っちゃあ! エリカちゃん違うの! 樹里ちゃんってば、お酒が入ってるからこんなこと……」 樹里「なぁにが違うんだべぇ〜? サエコちゃんも言ってたべさぁ、エリカなんて大嫌いだって」 サエコ「そ、そんなこと無いよ! 今日はたまたま喧嘩して……」 樹里「エリカだってそうだべぇ? ほんとはサエコちゃんのことがうっとうしかったんだべぇ? だからプリンのことを口実にしてサエコちゃんのこと追い出そうとして……」 エリカ「な、なななに言ってるのよ! エリカがたかがプリンのことぐらいでそんなこと……」 樹里「嘘だべ嘘だべぇ、ほんとはお互い大嫌いなんだべぇ? ……うっ!」 バタッ
454 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/11(日) 15:10:06 ID:okbFXeob
サエコ「きゃー! 樹里ちゃんが倒れたー!」 エリカ「ちょっと! 冗談はやめてよね! どうしたのよっ!」 樹里「……じ、実は……今まで黙ってたけど……あたしは、体内のプリン体が生まれつき少ない病気なんだべ…… い、一刻も早くプリン体を摂取しないと……身体が……」 サエコ「ええええ!」 エリカ「樹里! しっかり!」 樹里「おねがいだべ……早く、早くプリン体の含まれているものを……」 サエコ「どどどどーしよ! た、たしかプリン体ってどんな食べ物にも入ってるって習ったけど……」 エリカ「バカね! プリン体って言うぐらいだからプリンが一番に決まってるでしょ! ひとっ走りしてプリン買ってくる! アンタは樹里を看てて!!」 ダダダダダダーーーー サエコ「樹里ちゃん、しっかり! 今エリカちゃんがプリンを……」 スクッ 樹里「あ、治ったべ」 サエコ「へぇ?」
455 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/11(日) 15:13:37 ID:okbFXeob
ダダダダダーー エリカ「ハァ、ハァ…… 樹里、大丈夫!?」 サエコ「あ……エリカちゃんお疲れ」 樹里「あ、エリカ、あたしはもう大丈夫だべ」 エリカ「はぁ……? どうなってるのよ……」 樹里「2人とも、もう帰っていいべよ。明日も早いんだべ?」 がちゃ バタン エリカ「……」 サエコ「……」
456 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/11(日) 15:21:51 ID:okbFXeob
【帰り道】 エリカ「ほら、プリン、アンタにあげるわよ。もう必要ないし」 サエコ「あ、ありがと……」 エリカ「これで貸し借りなしだからね」 サエコ「う、うん……許してあげるよ……」 エリカ「そう」 サエコ「……ねぇ、なんで樹里ちゃんの家に来たの?」 エリカ「はぁ? アンタがメールで呼んだんでしょ? 謝りたいからって。 なんでエリカが行かなきゃならないのよって思ったけど、まあプリン勝手に食べたのはエリカだし……」 サエコ「え? サエコはメールなんて……はっ! (もしかして、樹里ちゃんに襲われたとき……そうだ、サエコの服に手を突っ込んで……サエコの身体を 触ってる振りして……ポッケの携帯をいじってメールを……)」 エリカ「ん? どーしたのよ? あ、そーいえばアンタうちらから抜けるって……」 サエコ「あはははは……なんか、もうどうでもよくなっちゃった……(そっか、樹里ちゃんってば……)」 エリカ「ったく、なんなのよ」 サエコ「あはははは……(知らぬはエリカちゃんばかりなり、ってか……)」 エリカ「まーそれにしても、やっぱり天才役者だわアイツ。ちょっとエリカも敵わないわ」 サエコ「えっ?」 エリカ「そんじゃまた明日ね。気をつけて帰りなさいよ」 サエコ「え? え? ……また明日ね」 エリカ「今度はプリンに鍵でも掛けときなさいよ」 サエコ「ふふ、鍵を叩き壊してでも食べるでしょ? エリカちゃんなら」
457 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/11(日) 15:24:29 ID:okbFXeob
ピロリロリン♪ サエコ「樹里ちゃんからメールだ。 『あああああ! やっぱりプリン食べとけばよかったべ!』 ……分からない人だ……」 ………………………………………… 〜続く〜
458 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/11(日) 22:38:28 ID:/aY6e5gV
樹里あとでお仕置きされそうだな
GJ!!!!! 個人的にのだめの樹里が好きです
460 :
アール子 :2007/03/11(日) 23:20:53 ID:e3DaSNcm
私の作品の方がいいかも。
461 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/11(日) 23:27:23 ID:okr1lTBm
462 :
ギザ萌ユルス :2007/03/13(火) 02:10:01 ID:7N94hMtC
エリカ「翔子! なんなのよコレ!」 翔子「ちょwwwwwwwエリカwwwwwwwwwwwwwハルヒコス似合い杉wwwwwwwwww」 サエコ「な、ななんなのこれ? どうしてこんなの着させられてるの?」 翔子「サエコたんってばwwwwwみくるのまんまwwwwwwwwwwwうぇwwwwwwwwwwwww」 エリカ「なーにが『今日は翔子がいろいろプレイスポットを案内してあげるお』よ!」 サエコ「予想通りといえば予想通りだけど……この格好は恥かしいよ〜」 翔子「とりあえず写真写真!! さぁ、次はゲーセン行くお!」
463 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/13(火) 02:12:17 ID:7N94hMtC
ドカッ バキッ 翔子「ちょwwwwwwエリカwwwwwwwwwwwwストUウマスwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」 エリカ「あったりまえよ。子供のころスーファミ5台壊すぐらいやってたんだからねエリカは」 翔子「おまwwwwwwwwwwww待ちガイルハメとかwwwwwwwっうぇうぇwwwwwwwwwwwwwww」 サエコ「じゃあ次はサエコね。んーと、じゃあしゅんれい? って女の子のキャラで」 ドカッ バキッ 翔子「ちょwwwwwwwwwwサエコたんてばwwwwwwwwサガット秒殺wwwwwwwwwwwっうぇwwwww」 サエコ「な、なーに? そんなに凄いことなの?」
464 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/13(火) 02:16:19 ID:7N94hMtC
エリカ「なんかもう疲れた! エリカ帰るからね!!」 サエコ「エリカちゃん、またそんなこと言って……」 翔子「しょぼーんだお……」 エリカ「翔子ってばもっとフツーの女の子が行くところとかで遊びなさいよ! だからアンタはオタクなのよ!」 翔子「今更そんなこと言われてもオタクなんだからしょうがないお」 エリカ「もっとあるでしょうが、渋谷とか原宿とか!」 翔子「そんなとこ恐くてめったに行けないお。服買うときぐらいしか……」 エリカ「あーもう、あーいえばこー言う! エリカ達なんか誘わないで一人で遊べば?」 翔子「一人だと家でネットするしかないお」 エリカ「じゃあずっと引きこもってれば!?」 サエコ「エリカちゃんひどい! 言いすぎだよ!」 翔子「……じゃあそうするお……。 引っ張りまわしてごめんだお……」 サエコ「翔子ちゃん待って!」 とぼとぼ……
465 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/13(火) 02:19:42 ID:7N94hMtC
サエコ「エリカちゃん、翔子ちゃんを追いかけよう!」 エリカ「イヤよ。勝手にすれば?」 サエコ「もー! エリカちゃんは今日が何の日か忘れてるでしょ!?」 エリカ「え?」 サエコ「翔子ちゃんとサエコとエリカちゃんが初めて一緒にテレビに出た日だよ! みんなで番組を一緒にやった記念日! あの日から沢尻会の全てが始まったんだから!」 エリカ「あっ……」 サエコ「翔子ちゃんって、エリカちゃんのことが大好きですっごく喜んでたんだよ! 覚えてるでしょ!」 エリカ「う、うん……」 サエコ「今日は翔子ちゃん張り切って遊びに連れて来てくれたのに! それなのにあんな言い方は無いよ!」 エリカ「……」 サエコ「もういいよ! サエコと翔子ちゃんだけで遊ぶからっ!」
466 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/13(火) 02:25:34 ID:7N94hMtC
サエコ「翔子ちゃーん! 待ってー!」 翔子「サエコたん…… いいんだお、しょうこみたいなオタクは一歩も家から出ないでゲームとかやってるべきなんだお…… 教室の隅っこで漫画とか描いてればいいんだお……ヒーローショー見るために徹夜とかしていればいいんだお……」 サエコ「そんなことないよ翔子ちゃん! ほら、だったらカラオケ行こう! それなら楽しいでしょ!」 翔子「いいんだおいいんだお。どうせアニソンしか歌えないお……」 サエコ「じゃ、じゃあボーリングとか……」 翔子「しょうこの運動神経を知ってて言ってるのかお……? 精々、しょうこにはお家でwiiが精一杯だお……」 サエコ「翔子ちゃん……」 エリカ「何言ってるのよ、みんななら何してたって楽しいもんよ」
467 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/13(火) 02:27:38 ID:7N94hMtC
サエコ「エリカちゃん! やっぱり来てくれたんだ!」 エリカ「フ、フン! しょうがないじゃない、記念日だからね!」 翔子「エリカ……」 エリカ「べっ別に翔子に気を使ってるわけじゃないんだからねっ! エリカだってあんな別れ方したら後味悪いからってだけだからね!」 翔子「……ツンデレキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!」 エリカ「えぇ!? なっ なんなのよ!」 翔子「エリカってばwwwwwwwwギザ萌ユルスwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」 エリカ「なんなのよー!」 翔子「うはっwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwこれだからエリカはwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」 サエコ「な、なんかわからないけどよかったね翔子ちゃん!」 翔子「うぇwwwwwwwwwwwwwwもうねwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww やっぱり最後は満喫で締めだおwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」 エリカ「あーーーーーーもう! どこにでも付き合ってあげるわよ!」
468 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/13(火) 02:32:08 ID:7N94hMtC
【漫画喫茶】 エリカ「……サエコ、ジュースお代わり取ってきて」 サエコ「ごめん、サエコ今手が離せないから。この巻読み終わるまでは」 エリカ「ったく。あー、このマッサージチェア最高だわ。ここってなんでもあるのね」 翔子「だお? だお? こういうところも悪くないお?」 エリカ「……まあね。べっ別に気に入ったわけじゃないんだからね、たまにはいいわねってだけだからね!」 翔子「またツンデレwwwwwwwエリカwwwwwwwwこれだからwwwwwwwwwwwwwwwww」 エリカ「フ、フンッ!」 ………………………………………………… 〜続く〜
469 :
アール子 :2007/03/13(火) 03:21:11 ID:bydBMAnu
↑ 続かなくていいから 下手糞文章のコピペうざいだけ うざいだけ
470 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/13(火) 05:32:08 ID:Cc1WdL9s
コピペだろ。 書き込みの間隔が不自然に短い。
472 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/13(火) 14:12:01 ID:Vyx1Qvq3
コピペでも文句ばっかたれてる奴よりはマシだけどな
473 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/13(火) 16:40:23 ID:i5xtJEV+
コピペっていうか 職人さんが直書きなんてしないと思うんだけどw
下書き後、投下。別に普通じゃん。
つかつまんない煽りと自演しかできないんだからもう消えていいよ
>>469
475 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/14(水) 00:19:50 ID:fbWAV1Qv
相手にしなきゃいいんだよ 相手にするから面白がって調子に乗るんだよ
次は結衣の出番だね
477 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/15(木) 22:53:40 ID:ITIpboT3
まさみって好きな映画にパッチギあげてるよね ツンデレめww
映画オトシモノでは、エリカの心は若槻千夏にわしづかみにされているんだよね。 ま、でも映画は糞だったな。エリカの心を掴むなら、もうちょい二人のシーンを 増やしてほしかった。
シュガー&スパイスってどう? エリカとサエコの共演シーンとか
つーか、文章下手糞すぎ。 小学生?
>>480 460 :アール子:2007/03/11(日) 23:20:53 ID:e3DaSNcm
私の作品の方がいいかも。
461 :名無しさん@秘密の花園:2007/03/11(日) 23:27:23 ID:okr1lTBm
>>460 じゃあうpヨロシク
☆ チン
☆ チン 〃 ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ ___\(\・∀・)< 投下まだー?
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483 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/16(金) 23:44:13 ID:Jzy2i5rH
484 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/17(土) 00:14:02 ID:KY3OT7bz
>>483 そんなことしてるから、もう47歳になってしまったのだろw。
もちろんサエコ。 のはず。
487 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/17(土) 01:05:17 ID:Z7ki6dXP
マジ画像?これ
>>482 ありがとう!
ラブラブたまらん(*´Д`)
制コレの写真だよね? 2003年は制コレイベント、アイドル道と一緒の仕事多かったんだよね 見たかったなー
左はエリカ様?
エリカだね。しかしなんで水着?なのかとw 超ラブラブだし
あのさぁ、もうホワイトデーすら終わったんだがバレンタインネタを 書いてしまったんだ。 一応、投下するからさ。 趣味じゃない&興味ない人はスルーしてくれ。
サエコはどうして結衣と別れたのだろう。 ライバルの私が見たってあの娘はいい娘なのに。 もしかして・・・いやそんなはずはない。 でも、もしかして、もしかしたら、サエコの隣にはまだ私の座る場所があるのかな。 2月13日の深夜。 私は、慣れない手作りチョコレートに悪戦苦闘しながら、完成したチョコの届け先に 思いをはせている。 これを手渡したとき、サエコはどんな顔をするだろう。 それを想像すると胸がきゅっと締め付けられるように苦しい。 苦しいけれど、なんていうか少しうれしくもある。 誰かのことを一途に想うのって、想像してたよりも悪くない。 ******************************** 運命の2月14日の朝。 天気はあいにくの雨。でも今日ばかりは無機質なコンクリートの要塞都市東京にも 心なしかチョコレートの香りが漂っている気がする。 決戦は後5分で始まる。そしてすぐに終わるだろう。 結果がどうなるのかは私にはわからない。 それはこの楽屋に帰ってきたサエコが決めることだ。 今はまだ主のいないこの部屋で心臓だけが、 恋する乙女の感情を私に教えてくれている。
5分ってこんなに長かったっけ? 1分前にもこう思った。キリキリとさしこむようにお腹が痛む。 こんな思いをするくらいならサエコに少しでも早く来てもらいたい。 いや、でもやっぱりそれはそれで困るなぁ。 こんな葛藤を何回繰り返しただろう。 急に楽屋の外がガヤガヤしはじめる。 撮影が終わったんだ。 予定より2分早い。ほら、やっぱりそれはそれで困るじゃない。 「マ・・・ジャー・・・」 「・・・・何の日・・・」 サエコの声だ! やばい!心の準備が。どんな顔したらいいのかな。なんて声かけたらいいのかな。 ガチャ こちらの都合にお構いなしでドアの開く音が部屋の中に低く響き渡ると、 私は両手でチョコレートを差し出したまま硬く目をつむった。
「あ、エリカさん・・・。」 聞こえてきたのはサエコの声ではなかった。 ぎょっとして目を開くとそこにはサエコと結衣が二人で立ちすくんでいる。 さっきまでの甘く息苦しい緊張感がいっぺんに吹き飛んだ。 代わりに、小ばかにされたときに感じるような憤りで心の中が満たされていく。 「何で二人なわけ?」 差し出したチョコレートを後ろ手に隠しながら、思わず思ったことが口をつく。 「・・・・・・・」 サエコはただ呆然としていた。 「違うんです。これは、あの、私が勝手に・・・。」 見かねたように結衣が二人の間に割って入る。 でもそれが気に食わない。 「あんたは黙ってなさいよ。私はサエコに聞いてるの。」 「・・・・・・・」 「サエコ、黙ってちゃ何もわからないわよ。」 「だから、私が勝手にサエコちゃんに付きまとってただけなんです、って。」 「ちょ、ちょっとあんたうるさいってば。そこどきなさいよ。」 「やめてください。サエコちゃんには乱暴しないでください。」 突き飛ばそうとしたのはサエコじゃなくて結衣なのに、結衣は 子どもをかばう親のような、過剰なまでの防衛本能を発揮する。 それがますますもって気に食わない。 「あんたサエコのなんのよ。」 「・・・・・・」 あれ、予想外に効き目があったようだ。
「なんでもないんだったら黙ってて頂戴。」 「・・・・・・」 「で、サエコはいつまでだんまりを決め込んでるつもりなの?」 「・・・サエコちゃんが私と別れた理由くらい、エリカさんだってわかってるんでしょ。」 「・・・・・・」 「それでエリカさんはサエコちゃんとよりを戻そうと思って、 チョコレートをもって来たんじゃないんですか。」 「・・・・・・」 「だったら人目なんて気にしないで、きちんとサエコちゃんに気持ちを伝えてください。」 「・・・・・・」 「そうじゃなきゃ、そうじゃなきゃ、引き下がった私が浮かばれません。」 「・・・・・・」 今度は私が黙る番だった。
結衣は目にいっぱいの涙をためて、訴えるようなまなざしでこちらを見つめている。 サエコは相変わらず黙ったまま、こちらを見ようともしない。 「う、うるさい。誰がサエコなんかにあげるってのよ。」 バシン 思わず渾身の力をこめてチョコレートを床に投げつけた。 「こんなもの、こんなもの。」 そのままグリグリと乱暴に踏みつける。 ラッピングも含めると6時間もかかった大作が、一瞬のうちに無残な姿になってゆく。 それを見ていた結衣の目からダムが決壊するような勢いで涙がこぼれ始めた。 「何であんたが泣くのよ!」 小さい部屋が私の叫びで満たされると、一瞬で水を打ったような静寂が訪れる。 泣きたいのは私のほうなのに。続く言葉をぐっと飲み込み、私は飛び出すように サエコの楽屋を出た。 結局サエコは一言も言葉を発しなかった。 結衣の言うとおりに、もう少し素直にできれば結果は違っていたのだろうか。 そんなことを考えながら、私は努めて冷静にしかし早足でスタジオのタクシー乗り場へと歩いてゆく。
行き先を告げ走り出すタクシーの中は高級車特有の静寂に満たされていた。 こういう時はたいてい思い出したくもないことを思い出す。 予想どおりに脳裏にさっきの出来事が浮かび上がってきた。 『そうじゃなきゃ、そうじゃなきゃ、引き下がった私が浮かばれません。』 瞳を潤ませながら私とサエコを元の鞘に戻そうとする結衣。 無惨に変わり果てたチョコレート見て泣き出す結衣。 なんで結衣がこんなに必死になるんだろう。 ・・・いや、わかってる。でもそれを認めたくない。 それを認めることはサエコと結衣が、サエコと私よりも深い絆で結ばれていると 認めるような気がしてしょうがないから。 やっぱり誰かのことを一途に想うのって楽じゃないなぁ。 ひょっとして、もうサエコの隣には私の座る場所なんてないのかなぁ。 もしかしてもう少し素直に振舞えたら違う今があったりしたのかなぁ。 そんなことを思いながらいつの間にか私は無意識に携帯を手にとっていた。 「・・・もしもーし、まさみ?今ちょっといい?」 「ほんと?・・・」 「あのさぁ、わたし、もう沢尻エリカでいるの疲れちゃった・・・。」 もっともっと言いたいことがあるはずなのに、それ以上は言葉が詰まってしまって出てこない。 電話はかみ殺した嗚咽だけを淡々と伝送し続けていた。
超ガンバレ
凄く良い!続き超気になる。
超久々!GJ!
DJでした!!!
503 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/22(木) 23:41:05 ID:ZCn3hcd1
「沢尻エリカ サエコ レズ」でググると エリカとサエコレズ説 と出てくる件についてw
2006年10月27日 <沢尻エリカとサエコがレズ説 画像あり> 歌に映画に大活躍の沢尻エリカ “沢尻会”と称する会を結成し、長澤まさみをライバル視しているという噂があるが、 実は沢尻が本当に仲がいいのは女優・サエコだ 以前サエコはジャニーズJr.の1人と親密な関係だったが、 沢尻もその男を気に入って、ちょっかいを出した。 そこから発展してなんとレズ関係に! 果たして真実はどうなのか! 関係筋からの話では、どうやらベッドの上で男を取り合っている! そのジャニーズJr.が撮影した画像が流出! 実態はまさに レズビアン!!! >以前サエコはジャニーズJr.の1人と親密な関係だったが、 >沢尻もその男を気に入って、ちょっかいを出した。 >そこから発展してなんとレズ関係に! この強引な展開ワロスw
505 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/23(金) 13:31:43 ID:QEULWVxY
やたら前の話だろ。それ
506 :
雪女の夜・1 :2007/03/23(金) 21:00:10 ID:DpJj2WiM
「あー、見えてきた見えてきた!」 エリカと一向はとある奥深い山奥の温泉街にやって来ていた。この街の温泉は、行楽シーズンには事情通の 温泉マニアやハイカーも訪れる、知る人ぞ知る名湯・秘湯である。 その温泉街からさらに奥、一日に数名のお客しか予約を取らないという秘密の温泉旅館がある。 エリカ、サエコ、由宇、樹里、翔子、結衣。久しぶりの休暇を皆で楽しもうと遠くその旅館に向かっていたのだ。 もう三月だというのに、遅れてきた寒波がこの山奥の温泉街を一面の雪景色に変えていた。 「うぅー、寒いわね! サエコ、なんとかしなさいよ!」 エリカは苛立ちをサエコにぶつけた。これはエリカの癖のようなものであって、本人には大して悪気が無かったりする。 「もう! 寒いのはサエコのせいじゃないよ! 大体エリカちゃんはさぁ……あっ!」 サエコが次の言葉を紡ぎ出そうとした瞬間、足元の凍った水溜りに足を取られサエコはずるりと転んでしまった。 「痛ぁーい!」 「アハハハ、エリカに生意気な口を利いた天罰よ」 エリカはサエコの失敗を心底面白がって笑った。天使のような可愛らしい顔にこの性格である。とてもタチが悪い。 見てられないとばかりに樹里と由宇が割って入った。 「なんであなた達は仲良くできないの。エリカ、いい加減大人になりなさい」 「んだべんだべぇ。あ、サエコちゃんどこか打ってないべかぁ?」 樹里は心配して、転倒したサエコに駆け寄った。 「だっ大丈夫! 手ついて踏ん張ったし」 サエコは心配ないとばかりに立ち上がってその場で小躍りしてみせた。 「アハハ! またこけるわよバーカ! 大体アンタのでっかいお尻じゃあ、転んだって怪我なんてしないって! ……きゃっ!」 今度はエリカがどすんと尻餅をついてしまった。サエコに構うあまり足元に注意を向けてなかったからだ。 「天罰だね……」 サエコはぼそりとつぶやいた。
507 :
雪女の夜・2 :2007/03/23(金) 21:24:18 ID:DpJj2WiM
「あっ、見えてきましたよ!」 車を降りてから雪道を歩くこと30分、一向の先頭を行く結衣が大きな声で言った。 小ぶりだが風情のありそうな、いかにも古い日本家屋の佇まいを残した感のある建物が見えてきた。雪の中に ぽつんと立つ姿が周りの情景とマッチして、ひとつの絵画のようにも見える。 「はぁー、こんな山奥にもあるのね旅館なんて」 エリカは感心したように言った。他の面々も同じく感嘆とした顔でその風景に見とれていた。 「えへへ、来て良かったでしょ?」 「何よ、計画を立てたのはエリカでしょ。前のスキーのときがアレだったから、やり直しだって」 そうである。前回の旅行はエリカの記憶喪失や吹雪でのトラブルもあってほとんど楽しめなかった。今回の温泉旅行は そのリベンジの意味合いが強いのだ。さすがのエリカも迷惑をかけて悪かったと思ったのか、温泉旅行は彼女の発案である。 「でも、紹介したのはサエコだからね。やっぱり、持つべきものは友達だなぁ」 行き先をみんなに紹介したのはサエコである。いや、性格にはサエコの友人なのだが。 「そういえば彼女はもう先に着いてるのかお?」 翔子がサエコに尋ねた。 「うん、一足先に行って旅館の手配とか全部してくれたんだ。お客はサエコ達だけ、貸切なんだって!」 わぁい、と一向は喜びの声を上げた。 「さぁ、急ごう!」 足取りも軽く、一向は旅館に向かった。
508 :
3 :2007/03/23(金) 21:50:41 ID:DpJj2WiM
「いらっしゃい、寒かったでしょ? 奥に暖炉があるからそこで上着を乾かすといいよ」 旅館に着いた一向を出迎えた女性はあさみである。ドラマで樹里・サエコと競演し、あっという間に仲良くなった。特に サエコとはちょくちょく食事もする仲になっていた。この旅館を取って皆を招待してくれたのは彼女である。この旅館は彼女の 遠い親類が経営しており、一向が来ることもあって貸切にしてくれたのだ。 「あさみちゃんありがとね。エリカちゃんがいろいろ迷惑をかけると思うけどごめんね。先に謝っとくから」 「ちょっと、どういう意味よそれ! このバカサエコ!」 「たははは! ほーんと、面白いわねあんたら。まあ、ゆっくり楽しんでいってよ。あ、そうそう今日は本当に貸切だから。 この宿にはあたし達しかいないからね」 あさみはふたりのやりとりを笑い飛ばした後、思い出したようにそう言った。 「えーっ! ちょっと、じゃあ食事はどうすんのよ?」 エリカが不満気な顔をして尋ねる。 「Do It Yourself だよ。その分好きなだけ温泉も入れるんだし、好きなだけ騒げるんだから。なぁに、食材ならたーんと あるからさ! 新鮮な川魚、取れたての山菜、おいしい天然水!」 「えー、でもさぁ……」 「あらぁ、いいじゃない。素敵なお夕食になりそうね。こういう渋いのって好きだわ。私は大賛成よ」 由宇は大層興味深そうである。 「結衣もご飯はみんなで作ってみんなで食べるのが一番おいしいと思います!」 「たしかにこんな経験はめったにできないお。経験値がたまるお」 「んだべぇ、和食は大好きだべ」 「せっかくあさみちゃんが招待してくれたんだよ。エリカちゃんはすぐわがまま言うんだから」 エリカを除く一同はこのプランに大いに賛成のようである。 「……あーっ、もう! わかったわかった! でも言っとくけどね、エリカは一切手伝わないからね! 大体、エリカは 温泉に入りにきたんだかんね! そう、温泉よ温泉! あー寒い寒い! 先に1人で入ってくる!」 エリカはふてくされたように旅館の奥に入っていった。 「おーい、そっちはトイレだよー。お風呂は渡り廊下を渡ったとこだよー」 あさみはエリカの背中に呼びかけた。エリカは後ろから見ても分かるぐらい耳まで真っ赤にしながら踵を返して渡り廊下を 早足で歩いて行った。
509 :
4 :2007/03/23(金) 22:28:55 ID:DpJj2WiM
この宿『水川』は外見は古風な一階建ての日本家屋であるが、ロビーは洋風レトロな作りであり、客室も2つの和室と1つの洋室と バランスよく配置されている。温泉は渡り廊下を渡った離れにあり露天風呂になっている。一向が泊まる部屋は3部屋に2人づつ、 あさみは従業員用の別室に泊まる手はずになっている。 本来ならこの旅館のシステムでは食事は各自の部屋で取るが、今晩はロビーで鍋を囲むことになった。ロビーには台所が隣接していて 直接料理を運んで楽しむことができる。 「あ〜、贅沢だわ。こんな広いお風呂を独り占めなんて最高!」 バシャバシャと足をバタつかせながらエリカは露天風呂を堪能していた。実は香りの出る入浴剤も持参していたのだが、それだけは 止めてくれと全員に懇願されたので置いてきた。 「早くごはん出来ないかな〜。あ、そうだ、食事の前に一杯飲っとこう。おーいサエコ、お銚子1本持ってきてぇー」 台所まで届くようにエリカは大声でサエコを呼んだ。 しかし返事は無い。 「ったく、なにやってんのよ。聞こえてないのかしら」 ざばぁとエリカは露天風呂から上がり、浴衣に着替えた。渡り廊下を戻りロビーを通り台所にひょこっと顔を出した。 「おーい、サエ……」 そこまで言ってエリカは言葉を止めた。顔から血の気が引き、がくがくと足が震える。 「……そんな……」 エリカが『それ』を認識するまで何秒とかからなかった。 そこには体からおびただしい血を流した死体が横たわっていた。
510 :
5 :2007/03/23(金) 22:58:04 ID:DpJj2WiM
「あれ? どうしたのエリカちゃん、もうお風呂上がったの?」 ふと後ろから現れたサエコがエリカに呼びかけた。 「サエコ……あんたどこに……」 「水汲みに行ってたんだけど?」 「そっ、それよりこれ……これ見て……」 「ん? なぁにどうしたのよ」 サエコは首をかしげながらエリカに促されるまま台所の床に目を向けた。すぅっとサエコの顔から表情が消え、がくんと膝が崩れる。 「な……なにこれ……」 「……死んでるみたいね……」 腰が抜けて動けなくなってしまったサエコの肩をエリカは抱きながら、ごくりと唾を飲み込みそっと死体の顔を確かめるため覗き込んだ。 そこにあった顔は…… 「翔子……?」 カッと目は見開き、頭から流れた血で髪と顔は真っ赤に染まっていた。その隙間から伺える顔は確かに翔子のものであった。 「うぅぅぅ……」 がくがくと震えるサエコをエリカはしっかりと抱いて言った。 「落ち着きなさい。いい? アンタはみんなを呼んできて。ロビーに全員集めるのよ。 これは……殺人よ。翔子は殺されたのよ!」
511 :
6 :2007/03/24(土) 00:13:14 ID:lJ9D4Ts/
ロビーは静まり返っていた。『水川』のロビーは長方形の机を中心にソファと椅子が置かれている。翔子を除く6人が座るには 充分だ。そこに座っているのは泣きじゃくるサエコとそれをなだめる結衣と樹里の3人。 残りのエリカ、由宇、あさみの3人は翔子の死の謎を解こうと立ち上がってあれこれ相談をしていた。しかし、さすがに死体のある台所には もう足を踏み入れようとはしない。 「警察に連絡は?」 「それが駄目なの。ここ、おじさんの……あ、おじさんてのはここのオーナーのことなんだけど、オーナーの意向で電話置いてないのよ。ごめん」 「ケータイもダメね。街に降りれば電波も届くんだろうけど……。あー、なんでこういつも……!」 相談の結果、とにかく車で街まで降りてみようと言うことになった。 「急いだほうがいいわね。天候が崩れてるわ」 あさみの言ったとおり宿の外はビュウビュウと音を立て始めていた。 「じゃあエリカが行ってくるわ。由宇とあさみはこの子達と……翔子をお願い」 「わかった、気をつけて」 エリカは心の奥のもやもやとした不安を抑えつつ、ダウンジャケットを羽織り玄関に向かった。 ドアノブに手をかけて扉を引く。 しかし次の瞬間…… ドサッ 「きゃあ!」 エリカに倒れ掛かるように雪の塊が飛び込んできた。 「なによこれ!」 エリカの叫び声に全員がそちらを向く。 「どうしたのエリカ!?」 由宇が武器になりそうな物がないか辺りを見渡し、近くにあった暖炉の木材を一本掴みエリカの元に駆け寄った。 エリカに大きな雪の塊が覆いかぶさっている。 それは人の形をしていた。 「まさか……あの伝説の……」 あさみが何か言いかけたがそこで止めた。が、それに代わって雪の塊が何か喋り始めた。 「……私よ……まさみだって……」
512 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/24(土) 00:13:29 ID:/iYa7ONo
あわわわわわ GJ!!
513 :
7 :2007/03/24(土) 00:23:42 ID:lJ9D4Ts/
「はー、助かったわ。雪に埋まりそうだったわ。まったく、この私があんた達だけ楽しい思いさせるわけないでしょ?」 パチパチと音を立てる暖炉に身を寄せながらまさみはここに来るまでの経緯を話していた。しかし全員のまさみを見る目が 疑いの眼差しであることにはまさみは気づかない。 「……でさぁー、最初は天気もよかったんだけど、すぐ吹雪になって遭難しかけたんだから。大体 あんた達も山奥が好きだよね。近場にしろっての。ねぇー、サエコさん!」 話しかけられたサエコはビクンと身を強張らせながら静かに頷くだけである。 「それで? エリカ達を追いかけてここに来ただけなの? アンタ」 エリカがまさみに強い口調で尋ねる。 「そりゃそうよ。さっきから言ってるじゃん。 ……何よ、何なのよあんた達。私に何か言いたいことでもあるの?」 「ホントにホントなのね? アンタ、とぼけたってムダだからね」 「はぁ? さっきから何のこと言ってるのよ」 「……こっち来て」 エリカはまさみを促して台所に向かった。そこにあるのはもちろん……。 「ちょっと……冗談でしょう?」 まさみは青ざめた顔でエリカの方を向く。 「これが冗談だったらどんなにいいかしらね」 その場の全員が再度落胆した。いっそ、まさみが翔子を殺した犯人ならどれだけ気分が楽になったことだろう。 そう、翔子を殺した犯人の正体はまだ分かっていないのだ。ロビーにいる全員がその恐怖と戦っている。 「警察には……? 電話は?」 「ここに電話は無いの。……こんなことしてらんないわ。警察を呼んでこないと」 エリカが外に出ようとするが、まさみは腕を掴んで引き止める。 「やめときなさい。とても車を出せる天気じゃないわ。どおりでおかしいと思ってたのよ。ここに来るまでに私、一台も車が止めてあるのを見てないわ……」 全員の顔がハッとなった。まさかこんなことが……。 誰もが思っていても口にはしたくないことをエリカは呟いた。 「閉じ込められたってわけね、エリカたち」
初ミステリーGJ!
515 :
8 :2007/03/24(土) 00:35:30 ID:lJ9D4Ts/
「でっ、でも、もしかしたら犯人が車に乗って逃げちゃったのかもしれませんよ! そしたら逆に安心じゃないですか?」 重苦しい空気の中、結衣が口を開いた。 しかしあさみは不安を隠しきれず言った。 「あたしの車も止めてあったはずよ。それも無くなってるって事は……」 車は何らかの方法で処分された……ブレーキを壊して少し押せばこの雪道である。谷底にズドンだ。 「で、でも犯人が2人以上いたら2台使って逃げたかも……」 「確かにそうかもしれないわね。犯人が乗って逃げたとすればそれはそれでラッキーなのかもね……」 そうだ、そうに違いない。誰もがそう思いたくて頭の中でそのことに辻褄を合わせようとしている。 しかしエリカの心には言い知れぬ不安がしこりのように残っている。 「ねぇあさみ、アンタさっきなんか言いかけて止めたわよね。伝説のナントカって……」 エリカの突然の問いかけに、ギョッとした顔であさみはエリカの方を向いた。 「なんでもないよ。ただの……ここら辺の地方に伝わる、古い言い伝えだから……」 「お願い。話してくれない? 今はとにかく手がかりが欲しいの。なんで、翔子が殺されなきゃならないのか……」 あさみは不安気に目を泳がし、なにかごにょごにょと呟いたかと思えば今度は腕を組んで考え始めた。 しばらくそうしたあと、全員の顔をじろりと見渡しぶつぶつと話し始めた。 「いい? ただの言い伝えだから……。私もおじさんに聞いただけなんだけど……」
516 :
9 :2007/03/24(土) 00:41:10 ID:lJ9D4Ts/
この地方には古く伝わる「雪女」の伝説がある。それは貧しい農家が多かったこの地方の風習で、食べさせられなくなった子供を 雪山に置いてくる、という悪習から始まった。ある家でまたその悪習が行われることになった。その家の3人目の娘で年のころは十ほどであった。 その娘には同い年の幼馴染の仲良しの女の子がいた。その女の子は娘が捨てられるのを知ると泣いて嫌がったという。捨てられる娘には、 自身が捨てられることなど知らされていなかったがなんともなく娘は気がついていた。しかし家の苦しい事情も分かっており、自分の 運命だと受け入れていた。そしてある晩、“それ”が行われるはずだったが、寝ている娘を両親がいつまでたっても迎えに来ない。不思議に 思った娘が両親の寝床を覗くと、両親とも頭を鎌で切り割られ死んでいた。そして、そこには鎌を持った幼馴染の女の子がいた。女の 子は、娘が連れて行かれるぐらいならと娘の両親を殺してしまったのだ。「さあ、これでもう大丈夫だよ」と女の子は娘に笑いかける が娘は叫び声をあげて「人殺し」と女の子を罵った。悲しみに打ちひがれた女の子は娘の家を出て行った。女の子は自分から雪山へと 入っていって帰ってこなかった。そしてその年から毎年、その日になると鎌を持った女の子が山から降りてきて娘を探して歩き回ると いう。両親を殺された娘は発狂して1年と立たずに死んだ。
めちゃくちゃGJ! ミステリー、ドキドキするねぇw
518 :
10 :2007/03/24(土) 11:49:33 ID:3vVZ57l6
「雪女、ね……」 あさみの話を聞き終えたエリカはやはり納得がいってなかった。そんな伝説が……そんな言い伝えが翔子を殺すはずがない。 ロビーにいる全員が黙っていた。みんなも同じことを思っているのか、それともこの雪女の伝説を信じているのか……。 そんな様子を見かねてエリカはわざとうるさいぐらいの大声で言った。 「いい? 警察も来ない、この天気じゃこの旅館からも出られない、でも翔子を殺した奴はまだその辺をうろついてるかもしれない。 そんな状況なら自分達でなんとかするしかないのよ! うちらは女の子しかいないんだし、協力してこの窮地を抜け出すこと だけを考えるのよ!」 エリカの言葉に勇気付けられたのか、その場にいる全員の顔が少しホッとした顔になった。 「そ、そうだよ。と、とりあえずテレビで天気予報でも……」 とにかくこの緊張感から抜け出したかったのか、サエコはテレビのスイッチを入れてチャンネルを回した。 「民放はどこも映らないなぁ。あ、天気予報だよ」 全員がテレビに注目した。 『……以前として寒波は衰えず、明日の夜まで晴れることはないでしょう……』 わずかな希望さえ途切れ、全員の顔に再び落胆の色が浮かんだ。 こんな殺人鬼が潜んでいるかもしれない旅館で一夜を過ごさねばならないのか……。 「とにかくロビーにみんなでいれば絶対大丈夫だから! いい? 絶対1人で部屋に戻ったりしちゃダメだからね!」 エリカはみんなを奮い立たせようと、もう一度声を張り上げた。 「由宇、あさみ、ちょっと来て!」 「どうしたのエリカ?」 「決まってるでしょ、翔子の死体を調べるのよ!」
519 :
11 :2007/03/24(土) 11:57:50 ID:3vVZ57l6
「なにか手がかりがあるかもしれない。結衣、サエコ、アンタ達には刺激が強すぎるからやめときな。樹里は2人を見てて。 えーっとまさみ、アンタは……そーね、見張りでもしといて」 「ちょっと、私を仲間はずれにするなっての! それにあんた達だけじゃあなんとなく不安だし私も付き合うわ!」 エリカ・由宇・あさみ、そしてまさみが台所の翔子の死体を調べ、サエコ・結衣・樹里はロビーで様子を見守ることになった。 ロビーと台所は隣接しているのでなにかあったときにもお互いの動向が分かり素早く対処できる。 エリカ達4人は重い足取りで台所に向かい、再び翔子の死体と対面した。 ……やはり、何度見てもその冷たい塊は翔子である。エリカは胸の奥がグッとなるのを堪え、翔子の身体を調べた。 「……この傷が致命傷ね」 傷は2箇所あった。1つは頭を切りつけられた傷。 そして背中には、刃物で刺された傷跡がくっきりと残っていた。近くには太い刀身の和包丁が落ちている。 「この包丁で翔子を殺ったわけね」 包丁を拾い上げたエリカは憎憎しげにそれを見つめた。 「どうやら、頭の傷もそれでやられたみたいね」 あさみが翔子の頭を調べながら言った。 「鎌ってわけじゃあ……ないわよね」 先ほどの話を気にしてるのか、まさみはポツンと呟いた。 「この傷は……」 由宇が何かに気づいたようだった。 「見て、エリカ。頭の傷なんだけど、額の左部分を斜めに割られている」 「それがどうしたのよ?」 「額に傷があることから、正面から翔子の頭に切りかかったのよ。そして切り傷は左の額に左上から右下についてる。 つまり、右利きの人間がやった可能性が高いわ。こう、投げるように包丁を振り下ろすとこういう傷になる。 それに自前の道具を使わずにこの台所の道具を使ったところから見ると、突発的にやったと見ていいわね。 ……少なくとも、鎌は関係ないわね」 「さっすが由宇。つまり犯人は右利きで、突然この包丁で翔子の頭に斬りつけて……」 「逃げようとする翔子の背中を一突き、というところかしら……」
520 :
12 :2007/03/24(土) 12:12:49 ID:3vVZ57l6
「どうだったべか?」 ロビーに戻ってきた4人に樹里は尋ねた。 「とりあえず殺害方法は分かったわ。……まあ雪女の仕業ってことは無さそうね」 すっかりいつもどおりの落ち着きを取り戻した由宇は翔子の死体の様子をロビーに残った3人に言って聞かせた。 「うぅ……翔子ちゃん……」 「結衣はつらいです……ふぇぇ……」 サエコと結衣は相変わらず泣くばかりである。 外の天気も相変わらずだ。まったく吹雪は衰えることはない。このまま本当に、どこかに殺人者のいるかもしれない恐怖と一晩戦わなければ ならないようである。 また全員に沈黙が訪れた。時を刻む柱時計の音と外の吹雪の音だけが響いてくる。 ふと、まさみが沈黙を破った。 「……ねぇ、ここに右利きの人間は何人いる?」 誰もが思っていて絶対に口にしなかった言葉だ。それはつまり、この中に翔子を殺した犯人がいるということである。 「ねぇ、何人よ?」 まさみは続けた。 「結衣は……左利きです……」 まさみの強い口調に負けたのか、結衣が始めに口を開いた。 「サエコも……左利きだよ」 サエコが続く。 「他は? 他の4人は右利きなのね?」 まさみは念を押すように言った。 「そうよ、アンタも含めてね」 問い詰めるようなまさみの口ぶりに苛立ちを覚えたエリカがまさみに言い放った。 そしてそれが疑心暗鬼の始まりとなって、ロビーの沈黙を一気に吹き飛ばした。
521 :
13 :2007/03/24(土) 12:17:01 ID:3vVZ57l6
「どういう意味よ!」 猛烈な勢いでまさみがエリカに食って掛かった。 「どういう意味も何もそういう意味よ! 大体アンタが一番怪しいでしょうが! わざとらしく遅れて来ちゃってさ、ホントは翔子を殺した後に身を隠して、それから何食わぬ顔して……!」 「馬鹿なこと言ってんじゃないわよ! あんたこそ一番怪しいんだからね! 第一発見者はあんたでしょ?」 獣が吠えあってけん制し合う様に2人は言い争い始めた。いつものつまらない喧嘩どころではない、人を殺したかどうかの 事なのである。 「アンタには動機があるわね! エリカ達のことよっぽど気に入らないんでしょ? だからまずは翔子を殺してそれからみんなも!」 「あんたこそ動機たっぷりじゃない! 気に入らないメンバーを1人殺すぐらい簡単にやりそうだもんねあんたって!」 2人の罵りあいを由宇は目を閉じて黙って聴いているだけである。しかし時折目を開けて全員を品定めするように見渡した。 あさみの目は泳ぎっぱなしで、苛立つように爪を噛んでいる。 樹里はひたすらオロオロし、結衣は下を向いて泣くばかり。サエコはがたがたと怯えている。 もしかしたら隣のこの子が……。そんな疑心暗鬼に全員が陥っていた。
522 :
14 :2007/03/24(土) 15:09:23 ID:3vVZ57l6
「待って。とりあえず、翔子が殺されたときのアリバイを1人づつ聞いていきましょう」 やはり一番落ち着いているのは由宇である。ひとまずの議題を提供することで皆を落ち着かせる。 「まずエリカ、あなたが最初に翔子の死体を発見したのよね? それは何時頃かしら?」 「ええと、7時だっけ……お酒を取りに台所に行ったら翔子が……。それまではずっと露天風呂にいたわよ」 「最後に生きてる翔子を見たのは?」 「露天風呂に入る前、みんなと別れてからそれっきり」 「そう……じゃあ、次あさみさんは?」 由宇は1人1人に確認を取っていった。 まとめると、台所で料理の下準備をしていたのは翔子、あさみ、サエコ。その後、サエコは水を汲みに外の井戸にいて、 あさみは蔵に野菜を取りに行っていた。結衣と樹里、由宇はそれぞれの3つの客室で寝床の準備と荷物の整理、掃除をしていた。 そしてまさみは一向を追って山を登ってきていた。 「じゃあ、翔子はサエコちゃんとあさみさんと料理の準備をしているまでは生きていたということね? それが6時45分頃。 で、エリカが翔子の死体を発見したのは7時。この15分の間、翔子は台所で1人だった。そして、翔子は殺された……」 由宇は紙に鉛筆でタイムテーブルを書いて確認を取っていた。そしてまたひとつの恐ろしい事実に気付く。 「……全員、その間にお互いの姿は見ていないのね。 つまり……」 ごくん、と誰かが唾を飲み込む音が聞こえた。 「全員にアリバイがなく、誰もが翔子を殺すことが出来た……」
523 :
15 :2007/03/24(土) 15:45:47 ID:3vVZ57l6
「そっ、そんなの馬鹿馬鹿しいです! もうやめましょう! 皆さん変になってますよ! 犯人は車で逃げたんです! き、きききっとそうに決まってます!!」 たまらなくなった結衣が立ち上がって叫んだ。この中で一番若く純粋な結衣には、この息が詰まるような空気感は限界にきていたので あろう。長く綺麗な髪は乱れ、顔は憔悴しきっていた。 だがその場にいる全員も結衣と同じ気持ちである。叫びだしたい気持ちでいっぱいだった。 ところが、こういう時に必ず大騒ぎするはずのエリカだけはずっと黙って考え込んでいた。 何かがおかしい、なんだろうこの違和感は。 ふとエリカはソファから立ち上がって、皆が寝る予定だった3つの客室がある方向に向かって歩き始めた。 「どこ行くのよあんた?」 まさみが尋ねる。 「とにかく旅館の中を片っ端から調べる。なんか分かりそうなの」 「あんたが犯人で証拠を消そうとしているかもしれないわね?」 「そう思うんなら誰かついてくれば? ほら、誰かエリカと一緒に現場検証する人は?」 エリカは全員に問いかけた。 「……サエコが行く……」 意外にも最初に手をあげたのは最も臆病だと思われていたサエコだった。ふらふらと立ち上がってエリカの元に駆け寄る。 「サエコさんが行くなら私も行くわ!」 まさみも立ち上がった。 「あたしも行くべ! このままみんなにばっかいい格好はさせられねぇべさ!」 樹里も加わり、エリカ・サエコ・まさみ・樹里の4人で旅館の捜索に当たることになった。
524 :
16 :2007/03/24(土) 16:01:49 ID:3vVZ57l6
ロビーから細い廊下が伸び、その壁にそれぞれ客室のドアがある。廊下の突き当たりに1つ、向かって右の壁に1つ、左の壁に 1つ。 「あたしは突き当たりの部屋で掃除とベッドメイキングしてたべ」 樹里が説明する。 「じゃあ、その突き当たりの部屋から調べようかしら」 がちゃ。廊下に立てかけてあった柄の長いモップを手に取り構え、エリカはそろりとドアを開けた。真っ暗でなにも見えない。 パチンと電気のスイッチを入れる。見渡したところ、何もなさそうだ。 「こんなとこ調べたって何もないわよ。あの子は台所で殺されたんだから」 まさみも言うことはエリカも充分わかっていた。しかし、もしかしたらこの旅館にまだ翔子を殺した犯人が潜んでいるかも しれない。その犯人を見つけ、自分達の仲間が人殺しでないという確信を得たいがためにもエリカはくまなく部屋の様子を調べた。 「窓は閉めっぱなしで打ち付けられてる。開かないわね」 その後、左の部屋と右の部屋も調べたが何もない。 4人は細い廊下を戻って今度は渡り廊下を通り露天風呂に向かった。 「エリカはここに居たわ。見ての通りよ」 強い吹雪の中でも、露天風呂は変わらず湯気を立てていた。簡素な岩風呂であるが作りは丁寧だ。 「……ここからだと、台所の様子は見えないべな」 樹里がそれだけ言うと、まさみがそうね、と頷くだけで露天風呂の検証は終わった。 「後は蔵と井戸だけど……外は凄い吹雪ね。サエコ、井戸の方向は分かる?」 「ええと……ちょっと遠くだから危ないと思うよ」 「そっか……」 前回のスキーの時の教訓もある。エリカは外に出るのを断念した。 結局、なんの成果も得られなかった。4人はうなだれたままロビーに戻ろうと歩き出した。 「エリカちゃん……恐い……」 ぶるぶる震えるサエコの右腕がエリカの左腕にまとわりついてくる。エリカはサエコをぎゅっと抱きしめて言った。 「大丈夫、アンタはエリカが絶対守ってあげるから」
525 :
17 :2007/03/24(土) 16:22:48 ID:3vVZ57l6
4人がロビーに戻ると、由宇とあさみが紅茶を入れてくれていた。幸い、ポットは台所ではなくロビーの棚に設置されていた。結衣は まだ憔悴した顔でふさぎ込んでソファに体育座りをしている。 「何か分かったかしら?」 由宇がエリカに尋ねる。 「いいえ、なーんにも」 エリカはがっかりしていた。やはり、この中に犯人がいるのか……。そう考えるとやりきれない気分だった。そのエリカに由宇が一枚の紙を 見せてくれた。 「これ、私が頼んであさみさんに旅館の全体図を描いてもらったんだけど。何かの役に立つかしら?」 「ああ、ありがと」 紅茶をすすりながらエリカはボケッとその全体図が描かれた紙を眺めていた。 が、その図のある一部分に目が留まったとき、エリカの顔は一気に険しくなった。 「……どういうこと? まさか……!」 エリカは紙から目を離し、ロビーにいる皆の方に目を向けた。 サエコ、あさみ、由宇、樹里は静かに紅茶を飲んでいる。まさみは毒が入っているかもしれないと紅茶を口にしなかった。結衣は相変わらず ふさぎこんだままである。 「やっぱり……。 でもまさか……でも、でも何故……」 エリカの頭の片隅でずっと離れなかった違和感が消え、点と点が線で繋がっていく。そして、ある恐ろしい結論を導き出そうとしていた。
つ、続きを…続きを頼む!
527 :
18 解決編 :2007/03/24(土) 19:49:30 ID:3vVZ57l6
サエコは黙って紅茶を飲んでいる。いや、元々サエコ以外の誰もほとんど言葉を発してはいないのだが。こうやって紅茶を飲んでいる間にも、 犯人は心の中でこの光景をあざ笑っているのだろう、そういう不安感が一同を支配している。 「サエコ、砂糖取ってくれない?」 ふと、エリカがサエコに言った。 「あ、うん」 サエコのちょうど左手前に砂糖の入ったボトルが置いてあった。サエコはそれを右手を伸ばして取ってエリカに手渡す。 「ねぇ、アンタ今、なんで右手を使ったの?」 サエコの動きがピタリと止まった。 「左手前にあるんだから左手で取ればいいじゃない。それにアンタ、左利きなんでしょ? なんで?」 エリカの言葉にギクリとした一同は、一斉にサエコを見た。 サエコの体がわずかに震えている。 「もしかして、使わないんじゃなくて使えないんじゃないの? 左腕、上がらないんでしょ。どうなの? サエコ」
528 :
19 :2007/03/24(土) 19:53:55 ID:3vVZ57l6
「えっへへー、分かった? 実は旅館に来る途中で尻餅ついちゃったじゃない? その時に左手でかばちゃって……」 急にサエコが明るくそう言って、着ていたセーターの袖を捲くってあざを見せた。 エリカはサエコのその様子を見た後、静かに話を続けた。 「やっぱり、おかしいと思ってたのよ。アンタはさっきから右手でカップを持って紅茶を飲んでる。さっきエリカに抱きついてきたときも 右手だった。それを見て少しづつ疑問が解けてきたのよ。頭の中にあったもやもやした違和感が全部晴れてきた」 サエコは黙ってエリカの言葉を聞いている。 「最初は、アンタが左利きだったから翔子を殺した犯人から真っ先にはずしてた。でも違う。左手を使いたくても使えなかった。だから 右手で包丁を持って翔子を殺した。慣れない右手を使ったものだから、頭への最初の一撃はうまく決まらなかったのね。それで致命傷を負わなかった 翔子は逃げようとしたけど、そこを後ろからズブリ。止めを刺した」 「そ、それがどうしたの? それって“サエコも翔子ちゃんを殺した可能性が高くなった”っていうだけでしょ? 他のみんなはどうなのかなぁ、 みんな右利きでしょ? それに結衣ちゃんだって右手を使えば……」 「それともうひとつ」 エリカはサエコの言葉を遮って続けた。 「あさみが描いてくれたこの旅館の全体図を見て」
529 :
20 :2007/03/24(土) 20:04:26 ID:3vVZ57l6
「これがどうしたの? エリカ」 由宇がエリカに尋ねた。 「実はエリカ、あの時、露天風呂から大きい声でサエコを呼んだのよ。それで反応がなかったから台所に行ったわけ。その頃、サエコは 井戸に水汲みに行っていた」 「そうだよ、わざわざ離れの井戸まで……あっ!」 サエコは旅館の全体図を見て言葉を失った。 「エリカのいた露天風呂と井戸って、すぐ近くなのよ。これならエリカの声は聞こえてるはず。けどアンタはなんの返事もよこさなかった。 それはなぜか? アンタは水汲みに行ってたんじゃなくてずっと翔子と台所で料理をしていたのよ。そして翔子を殺したアンタは身を隠し、 エリカが台所に来て翔子の死体を発見した後、何食わぬ顔で現れた」 一同のサエコを見る目がどんどん険しくなっていく。固唾を呑んでサエコの次の言葉を待っていた。 「め、面倒くさかったから無視しちゃったんだよ。エリカちゃんってわがままなんだから……」 「じゃあ、あの時エリカがなんて言ってアンタを呼んだか言える?」 「それは……」 サエコから次の言葉が出てこない。顔は真っ青になり、唇は乾ききっている。
530 :
21 :2007/03/24(土) 20:10:26 ID:3vVZ57l6
「人殺し!」 静かに話を聞いていた結衣が立ち上がりサエコに飛び掛った。普段大人しく穏やかな結衣が見せた狂気のような行動に一瞬とまどった 一同だったが、すぐにハッと我に返り結衣をサエコから引き剥がす。 「うわぁぁぁあん、あぁーん」 正気を失っている結衣を由宇は必死に抱きしめてなだめた。結衣に襲われたサエコは床に倒れこんだまま立ち上がらない。 「なんで? アンタなんでこんなことをしたの?」 エリカは静かにサエコに尋ねる。が、サエコはピクリともせずただ呆然した目で天井を見ているだけだ。 そのサエコの様子を厳しい眼差しで睨みつけるエリカの心の中は落胆と無念の想いが一杯であった。 「でもしょうがないわね、こうなった以上はアンタをこのままにしておけない。しばらくおとなしくしてもらうわよ。あさみ、紐か 何か縛るものある?」 「あ、うん……」 あさみは玄関に吊るしてある多用途のロープをエリカに手渡した。 「ちょっと、サエコさんをそんなもので縛らなくても……」 まさみが口を出すがエリカは一切聞き入れない。サエコの身体を何十にもロープで縛り上げ椅子に括りつけた。 「2人づつでも交代で見張りを立てましょう。残った4人はその間に休む。そうしてるうちに吹雪も止むでしょうから、そうしたらみんなで 山を降りましょう」
531 :
22 :2007/03/24(土) 21:45:25 ID:3vVZ57l6
見張りの組み分けはエリカとあさみ、由宇と結衣、樹里とまさみという3組になった。1組がロビーで起きてサエコを見張る。そして残りの2組は その間に客室で仮眠を取る。まずはエリカとあさみの組だ。残りの4人はぐったりとした様子で客室に入っていった。 椅子に縛り付けられたサエコはうつむいたまま一言も発しない。 目はうつろなままだった。 エリカとあさみはそのサエコの様子を片目に見ながらホッとしたようなつらいような複雑な表情のまま黙っていた。 沈黙の中、先に口を開いたのはあさみだった。 「でも、なぜサエコちゃんはこんなこと……」 「本人がこんな様子じゃ何を聞いてもムダそうね」 エリカは冷たくそう言う。 「伝説の雪女……」 「えっ?」 「サエコちゃんに乗り移ったのかしら……」 「何バカなこと言ってんのよ。そんなのただの迷信よ。あーあ、バカバカしい。トイレに行って来るからしばらくお願いね」 エリカは軽口を叩きながら席を立った。 あさみは黙ってそれを見送る。 ふいに、あさみは立ち上がりサエコに近づいた。 クイッ、っとサエコのあごを指で持ち上げ上を向かせる。 「……まだまだ、お楽しみはこれからよ。今ほどいてあげるわ」 あさみはサエコに巻きつけられたロープをポケットから取り出したナイフで切り裂いた。
532 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/24(土) 21:46:24 ID:/iYa7ONo
サエコどうなる…
533 :
23 :2007/03/24(土) 21:59:46 ID:3vVZ57l6
「そこまでよ!」 サエコの緊縛を解いたあさみの背中に、エリカの声が投げかけられた。 あさみが振り向くとそこにはエリカ以外の4人も勢ぞろいしていた。 「やっぱり、アンタが裏で手を引いていたのね!」 エリカは確信に満ちたような口調で叫んだ。他の4人はまだ信じられないという表情であさみとサエコを見ている。 しかし驚きもせずあさみは、いつものような冷ややかな目線でエリカ達を一瞥した。 「……いつから気付いていたの?」 「ずぅーっとよ。最初はアンタに目をつけていた。でも翔子を殺したのはサエコだった。ずっと心に引っかかってたの。 まず、普通なら手馴れてるはずのアンタが料理をしているべきなのになぜか翔子が台所にいた。翔子はテレビでも見てたのねきっと。 アンタはサエコと料理をしていて、野菜を取りに行って来るから翔子に料理を代わってくれって言った。そしてサエコは包丁で翔子を殺害 した。殺害現場を台所にしたのは、旅館にいる全員に疑いを掛けるためよ。台所はロビーに隣接しててこの旅館のほぼ中央だから誰でも どこからでも殺しに来れる。それに、武器をその場にある包丁にすれば突発的に誰かが殺したようにも見えるわ。凶器をわざと残して逆に 疑いをそらすなんて考えたものね」 あさみはエリカの話を黙って聞いている。エリカはさらに続けた。 「この温泉旅行の場所を紹介したのはアンタとサエコ。そうだったよねぇ? だったらアンタ達2人は組んでる可能性が高い。サエコに翔子を殺させて、 自分は知らん振りをする。その後、エリカが何か行動を起こしても必ず2人のどちらかが付いて来た。エリカ達を監視してたわけね。 もしサエコがミスを犯して捕まってもまだ自分が残っている。きっとアンタはなにか行動を起こすと思っていたわ。 で、カマをかけてみたわけ。そしたら案の定これだわ」 「そこまで予想してて、なんであたしと一緒に見張りをしたのかしら? あたしはあんたをさっさと殺してたかもしれないのよ?」 あさみは聞いた。 「あぶない子からは目を離しちゃダメでしょ?」 パチリとエリカはウインクして見せた。しかし、目は笑っていない。 「あっはははは、あんた、大したタマだわ。でも全部あんたの推測よねぇ。もし間違ってたらどうする気だったのよ? そこにいる4人だって完全なシロではなかったはずよ」
534 :
24 :2007/03/24(土) 22:06:31 ID:3vVZ57l6
「それはね、みんなを信じてるからよ。確実な犯人であるサエコは仕方が無い。でも、他の子は違うと信じてた。それに客室を調べたときに きれいに整理されて布団も敷いてあった。翔子を殺しに行ってる暇は無さそうだったわね。客室同士も近すぎるし、誰かがドアを開ければうっかり 物音がして気付かれかねない。まさみはまぁ、そんな大それたことできるような奴じゃないし……」 「ちょっとどういう意味よそれ!」 まさみがエリカにつっこむがエリカはいちいち相手にしない。闘わなくてはいけない相手はあさみ、そしてサエコだ。 「でもなんでこんな面倒くさい方法をとったのよ? さっさと毒ででもみんなを殺せばよかったじゃない。それになんでこんなことをしたのよ。 なんで翔子を殺さなきゃいけなかったのよ!」 穏やかに話してエリカだったが、とうとう我慢できずに感情をむき出しにした。 そうだ、なぜこんなことを……。 サエコ……。 「それはね、あの子……翔子が今回の計画に気付いたからよ。でも殺すのは翔子だけじゃないわ。あんた達全員をここから生きて返す気なんて無い。 毒なんかじゃ駄目。血の生贄じゃないと。そう、あたしとサエコでね」 あさみはまったく表情を変えずにそう言った。そして、恐るべき真実と悲しい運命を語り始めた。
535 :
25 :2007/03/24(土) 22:25:16 ID:3vVZ57l6
「あんた達に話した雪女の伝説……その雪女が山から降りてくると伝えられてる日ってね、明日なのよ。いいえ、もう12時を回ってるわね。 すなわち今日。その雪女の御霊に若い娘の血と命を捧げるのがこの村の掟なの。今まで毎年、村の娘を殺してきたわ。時には他所からさらって来てでもね」 あさみは冷静に語っていた。サエコは相変わらず黙ったままだ。 エリカと他の4人は立ちすくんだまま、固唾を呑んであさみの語る嘘のような現実を聞いた。 「あたしとサエコはこの村の出身なの。でも幼い頃、それぞれ大阪と宮崎に分かれて預けられた。ある時テレビ局で久々にサエコと再開したわ。 そんなある時、生まれ故郷のこの村から2人とも呼ばれたの。お互い久々に故郷を見てみたいって思ってここに来たわ。でもそこで待っていたのは 村の人の歓迎じゃなかった。そして、この村の恐るべき掟を聞かされたわ……」 恐怖のあまりか、結衣の身体は大きくガタガタと震えていた。樹里は目に一杯の涙を溜めている。 「今年はね、あたしとサエコの番なの。最初はもちろん拒んだけど、小さい頃生き別れたあたし達の姉がすでに雪女に捧げられていることを知ったとき 全てが諦めに変わった。拒んでも、村の人達に殺される。あたし達は自分達の運命を呪ったわ。でも、1つだけあたし達が死ななくてもいい方法があるの……」 ごくん。由宇が唾を飲み込む音が聞こえる。 「それは、代わりの生贄を雪女の御霊に捧げること。今日、この日に必ずね。でも翔子は気付いてしまった。台所で作業をしていたとき、 あたし達の計画が書かれた計画書をサエコがポケットから翔子の目の前で落としちゃったのよ。 笑っちゃうわよね、こんなつまらないミスで。とっさにサエコは包丁で翔子を襲った。 エリカ、あんたが推理した翔子のことだけどほんとは全部偶然だったのよ。あたしが野菜を取ってきて台所に戻ると、包丁を持ったサエコと、 翔子の死体があった。完全に計画外だったわ。生贄を捧げる日は次の日じゃなければならなかったのに」 「それでとっさに、サエコと口裏を合わせたのね?」 「そう。でももっと想定外だったのはアンタの名推理振りね。サエコが捕まるところまではまあ仕方がないと 思ってたけど、まさかあたしまでうまくハメるなんて」
536 :
26 :2007/03/24(土) 22:54:18 ID:3vVZ57l6
「それでどうするの? 5対2じゃあ分が悪いと思うけど? 言っとくけどね、みんなに手出しはさせないわよ!」 エリカはあさみ達を睨みつけた。 あさみとサエコの目つきが変わった。あさみはナイフをもう一本取り出しサエコに渡す。 「あたし達の気持ちは誰にも分からない! あたし達は自分で運命を変えてみせる!」 「お願い……由宇ちゃん樹里ちゃん結衣ちゃんまさみちゃん、それにエリカちゃん……サエコの為に死んで……」 サエコは上がらない左腕を右手で支え、両手でナイフを握りなおしわなわなと震えている。 そのサエコの様子を見てエリカは唇を噛み締めた。なぜこの子がこんな想いをしなければいけないのか。 エリカは一瞬目を閉じて切迫した表情をしたかと思うと、キッと目を見開きさっきから胸の奥にしまっていたある決意を口にした。 「分かった。サエコ、アンタにエリカの命をあげる」 「んなっ、何を言ってるのよあんた!」 まさみが驚きの表情でエリカを見て言った。だがエリカはすでに心を決めた顔している。 「エリカをそのナイフで刺しなさい。生贄はエリカ1人で充分でしょ。 でも約束して。他の4人は解放してあげて」 エリカの決意を聞いたサエコは、目を大きく開き涙を流し始めた。 あさみはそのサエコの様子を見てとまどいを隠せない。だがやがて、ゆっくりとうなずいた。 「待って! まだ、まだなんとかする方法はあるはずよ! みんなおかしくなってるって! サエコさんやめて、殺さないで!!」 まさみはあらん限りの声で叫んだ。 しかし、2人の決意に変わりは無い。 サエコは一直線にエリカに向かい、エリカは大きく手を広げてサエコの刃を胸に受けた。
537 :
27 :2007/03/24(土) 22:58:12 ID:3vVZ57l6
「エリカちゃん、ごめんね、ごめんね……」 「いいんだよ、サエコ……。アンタに殺されるなら……」 ポタッ ポタッ…… エリカの胸から血が滴り落ちる。 「サエコも……すぐ、後を追うから……」 サエコはエリカの胸からナイフを引き抜いた。ドサリ、とエリカの身体が床に倒れる。 「サエコさん、駄目ぇー!!」 まさみは叫んだ。 サエコはニコリと笑い自分の胸にナイフを突き立てた。 ガクン、とサエコは膝から崩れ落ち、エリカの身体に覆いかぶさって倒れた。 由宇・結衣・樹里はもう言葉も無く、ただ涙を流していた。 あさみはグッと何かを堪える様な表情でその光景を黙って見つめている。 そして、まさみは覆いかぶさって倒れているエリカとサエコの身体に抱きつき大声を出して泣いた。 「2人ともなんでぇー! なんでこんなことに! お願い、死なないでぇー! エリカ、あんたが死んだら私は誰と喧嘩すればいいのよ! サエコさん、まだまだお話したいことがたくさんあったのにぃー! うあああああーーーーん」 「……あー、もううっさいなぁ」
538 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/24(土) 23:15:03 ID:3vVZ57l6
エリカ「まあこんなもんかしらね。どうだったみんな?」 あさみ「もーだめ我慢できない! あははっはははっははははははっは!!!!」 エリカ「あさみったら笑いすぎよ。ほらサエコ、重いからどきなさいよもう」 サエコ「痛ーい、もうちょっと優しくしてよ」 樹里「いやー、かなり迫力あったべ! やっぱ場所が場所だと盛り上がるべな」 結衣「みんなで合宿したのは正解でしたね!」 由宇「結構スリルあるわね。勉強になるわ」 まさみ「え? え? えぇぇぇぇぇぇぇーーーーーー!?」 エリカ「なに驚いてんのよ。エリカがそんな簡単に死ぬわけ無いでしょ。しかもサエコなんかに殺されるなんて」 サエコ「まさみちゃんが途中で加わったのは想定外だったね」 あさみ「お芝居を中断するのもなんだしね。そのまま続けようと」 まさみ「し、し、し、芝居ですってー!? じゃあ、あの死体は!?」 翔子「呼んだかお??」 まさみ「ぎゃー!」 翔子「なんで翔子だけ死体の役なんだお。思わず途中で寝ちゃったお」 由宇「あなたはお芝居なんて経験無いでしょ? でもその特殊メイクよく出来てるわね」 まさみ「えー! えー! えー!!」 エリカ「うっさいはねー、全部お芝居よお芝居。みんなで合宿してたのよ。分かった?」
539 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/24(土) 23:19:58 ID:3vVZ57l6
エリカ「でもなんでエリカが最後に殺されるのよ! ぷんぷん!」 翔子「その方がドラマチックなんだお。せっかく血糊まで用意したのに」 まさみ「じゃあじゃあ車は? ほんとに処分しちゃったの? 電話は?」 あさみ「この地方は雪が深くてね、車がまるごと埋まっちゃうことなんてしょっちゅうよ。それで見なかったのね」 エリカ「今どき電話も無い旅館なんてあるわけ無いでしょ。ここにはFAXもインターネットもあるわよ」 結衣「でも吹雪になるなんてビックリしましたねー! ほんとに雪女が出てきそうでしたよ」 サエコ「ほんとほんと、あさみちゃんよく考えたね」 あさみ「あらぁ、雪女伝説は本当よ」 結衣「えー!」 由宇「恐いわね……」 樹里「ぶるぶる……」 エリカ「そんなの迷信よ迷信。でもまさみ、アンタよく歩いてここまで来れたわね。 さすがしつこさはゴキブリ並みっつーか」 まさみ「うん、まあね。だって私……」 ひゅううううううーーーーーーー …… まさみ「私、本当は……雪女だから」 全員『ぎゃーーーーーーーーーーーーーー』 ………………………………………………… 〜続く。ごめん長くて〜☆
540 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/24(土) 23:26:13 ID:/iYa7ONo
GJ!! なんかありがとうw
GJ! 今までと違う作風で楽しかった! 初ミステリー乙です!
542 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/25(日) 00:08:38 ID:ueztgNtA
いやぁおもしろい! 読み応えあるね
平和なオチで良かった… GJ!
まさみいいキャラしてるなあwwGJでした
545 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/25(日) 13:20:02 ID:9wqLWX5B
Gj! ラストワロタwwww
546 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/25(日) 21:21:00 ID:ueztgNtA
まだ続くよね?
547 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/25(日) 22:28:59 ID:lJ4T9MyH
泣いてしまった…
ナイスキャスティング!!
このスレの最初から一気に読んだ、かなり面白い!!w 良スレですね、職人さん方GJです、ありがとう!!
551 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/27(火) 02:35:00 ID:SwbxQE5J
今週の我らがエリカ姫 【芸能】沢尻エリカ、急にヤル気を見せ始めた (ゲンダイネット) 生意気発言とわがままな行動で一時、猛バッシングを浴びた女優の沢尻エリカ(20)が 最近になって俄然、やる気を見せている。沢尻に影響を与えたのはライバルの活躍ぶりだ。 「長澤まさみを意識しているのは当然として、ショックだったのが同じU―21組の相武紗季の存在です。 人気のバロメーターのCM出演数が11本でU―21組のトップに立った。 ちなみに、沢尻は10本、長澤9本。それを聞いた沢尻は朝まで飲んで悔しがったとか。 彼女にはU―21のCM女王は自分という自負があるからね」(芸能プロ関係者) そんな沢尻が“女王”の意地とプライドを懸けて出演したのがソニー・エリクソンの携帯電話“W51S”の新CM。 「このCMは1月中旬に計3日間もかけ制作された大作。アフロや和服、セレブ、OLなど 15スタイルの衣装を使い分け、それぞれのキャラクターを演じるという超ハードな内容。 以前の沢尻なら手間がかかるCMには必ず文句を言っていた。 でも、今回は自らダメ出しをしたり、撮影した素材をその場でチェックし、 明らかに以前の沢尻とは違っていた。CMのコンセプト作りにも参加していた」(広告代理店関係者) このCMは10代後半から30代の男女から、絶大な支持を受けていることもイメージ調査で明らかになった。 「沢尻の“生意気フェロモン”がうまく表現されて好感度アップにつながった。 これを見たメーカー数社が沢尻にオファーを出していて飲料水のCMも決まった」(関係者) 来月5日にはドラマ「1リットルの涙・特別版」(フジ)の放送が決定。 7月には沢尻主演の連ドラ企画が進行している。 【2007年3月23日掲載記事】
552 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/27(火) 02:39:50 ID:SwbxQE5J
ちなみにサエコはNHKのドラマGood jobに出演中です
553 :
サヨナラ鉄仮面 :2007/03/28(水) 21:14:38 ID:N+Bvy7YA
【みんなでショッピング中】 サエコ「えー! 由宇ちゃん、留学するの?」 由宇「そうなの。今まで黙っててごめんなさい」 結衣「い、いつですか!? どれぐらいの間ですか!?」 由宇「春になったらすぐによ。カナダへ3ヶ月ほどね」 樹里「寂しくなるべなぁ……グスッ」 翔子「おおお……がっくしだお……」 結衣「そんなのイヤですイヤです! 結衣も一緒に行きます!」 由宇「何馬鹿なこと言ってるの。そんなこと出来るわけ無いでしょう」 エリカ「まー、しょうがないんじゃん? 本人が決めたことだし」 結衣「イヤですイヤですイヤです! おねぇさまが遠くに行っちゃうなんて絶対イヤです! 分かった! おねぇさまはもうみんなの事なんてどうでもいいって思ってるんでしょっ!?」 由宇「違うわよ……落ち着きなさい、結衣」 エリカ「そーよ、いちいち大騒ぎするんじゃないわよバーカ」 結衣「なんですかエリカさんまでっ! もういいです! もうおねぇさまの顔なんて見たくないですっ!!」 ダダダダダダッ…
554 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/28(水) 21:24:25 ID:N+Bvy7YA
由宇「結衣ったら……」 エリカ「行っちゃった。ったく、騒がしいコなんだから」 サエコ「もうっ、エリカちゃんはもっと人の気持ちを考えたら?」 エリカ「ムカッ! 何よサエコのくせに! このこのっ!」 サエコ「痛いってば!」 ジーッ…… 由宇「……」 樹里「あれぇ? 何のショーケース見てるんだべ由宇?」
555 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/28(水) 21:37:26 ID:N+Bvy7YA
翔子「カメラかお?」 由宇「え、ええ……ニコンのこれなんだけど――もう生産終了してて、店頭で見つけるの珍しくって。 私が使ってるのと同じモデルなんだけど、私のは調子悪くなっちゃって」 樹里「欲しいんだべか?」 由宇「いいえ、眺めてるだけ。これからいろいろお金掛かるし……」 翔子「いくらなんだお? いち、じゅう、ひゃく、せん、いちまん、じゅうまん……げっ」 由宇「いいの、見てるだけだから」 サエコ「でも由宇ちゃん、目がキラキラーってなってたよ?」 エリカ「フフフ、ホントは欲しいんでしょ? 由宇。 こういうのはね、欲しいときに手に入れないと後悔するもんだよ」 樹里「今日たくさんお買い物したし……みんなお金残ってるべかぁ?」 サエコ「ごめん、すっからかんだよ」 由宇「ちょっと、駄目よそんなの。どっちにしろ、そんなお金はもらえないわ」 エリカ「じゃあどうするの? 諦めんの?」 由宇「うん……」 エリカ「みんな、何かいい手はない?」 翔子「そうだお! 翔子が昔やってたバイトがあるんだけど、それ紹介するお! 日給がいいからみんなで頑張ればなんとかなるお!」 エリカ「いい、それいいね翔子! それやろう!」 サエコ「さんせー!」 樹里「同じく!」 由宇「でも悪いわそんなの……」 エリカ「いいのいいの、アンタに餞別だよ」 翔子「それじゃあ、明日の朝集合だお!」
556 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/28(水) 21:58:13 ID:N+Bvy7YA
【テーマパークにて】 『バナナクレープひとつ!』 『こっちはチョコね』 『まだぁー?』 サエコ「はいはい、少々おまちください! あさみちゃん、もう焼けた!?」 あさみ「はい、終わったよ! えーっと、次はいくつだっけ?」 由宇「3つです、あ、冷やしてたバナナ残ってたかしら!?」 わいわいがやがや…… サエコ「ありがとうございましたー! ふーっ、ようやく一段落ついたね。あさみちゃん、来てくれてありがとう」 あさみ「どういたしまして。なんか面白そうだったしね、首突っ込みたくなっちゃって。へへ」 由宇「でもほんと、この時期はお客さん多いわね。春休みだし」 サエコ「たしかに高額バイトなわけだよ。 ――結衣ちゃん、結局来なかったね……」 由宇「そうね……」 あさみ「まあまあ、元気出しなって! そういえばエリカ達の方はどうなってんのかね?」
557 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/28(水) 22:09:29 ID:N+Bvy7YA
【テーマパーク・中央広場】 翔子お姉さん「は〜い、みなさん、今日はご来園ありがとうございま〜す! ちびっこのみんな〜、お姉さんの言うことをよ〜く聞いて楽しんで行ってね〜」 『はぁーい!』 マングースさん「モガモガ〜」 ガラガラ蛇さん「ベロベロベロ〜」 翔子お姉さん「ほ〜ら、お利口にしてないとマングースさんとガラガラ蛇さんに食べられちゃいますよ〜」 『えぇー!』 『こんなのこわくないよぉー!』 『けっちゃえ!』 『どうせだれかなかにはいってるんだろぉー』 ポカポカポカッ ガラガラ蛇さん「ベロベロ〜! (痛い! 痛いってば! なにすんのよこのガキンチョ!)」 マングースさん「モガモガ〜! (エリカ、我慢だべ! 絶対怒ったらダメだべよ!)」 ガラガラ蛇さん「ベロベロ〜! (もう! これだから子供って嫌いなのよ!)」 翔子お姉さん「は〜い、お昼からはみなさんおまちかね、スーパーヒーロー・デンシレンジャーショーがありま〜す。 いい子にしてればきっとデンシレンジャーも来てくれるからね〜、だお」
558 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/28(水) 22:28:24 ID:N+Bvy7YA
エリカ「あー疲れた! あの悪ガキたち、後で絶対シメてやる!」 樹里「それだけは絶対絶対やっちゃダメだべよ」 翔子「お疲れだお〜。午後からはデンシレンジャーショーがあるからちょっとは休めるお。翔子は打ち合わせ行って来るお」 ヒョッコリ サエコ「やっほー、みんなもお昼休憩? はい、ジュースだよ」 樹里「おほ〜、ありがとだべ」 エリカ「ゴクゴク……ぷはぁー! この着ぐるみ、ほんと風通らないからさー。まあ、いいダイエットにはなるか」 サエコ「でも、めんどくさがりのエリカちゃんがこんなこと言い出すなんてね〜」 エリカ「え? うん、なんつーか――由宇ってさ、いつもああいうブスっとした顔してるじゃん? その由宇がさぁ、あーんな物欲しそうな子供みたいな顔してんの見たらさ、なんとかしてあげたくなっちゃって……」 樹里「エリカってば……」 サエコ「えへへ、そうだね、もう由宇ちゃんも外国に行っちゃうし、最後になにかしてあげたいよね」 ダダダダダーッ 翔子「みんな〜! た、たいへんだお〜! デンシレンジャーショーのスーツアクターさん達が事故で来れなくなったらしいおー!」 エリカ「へー、大変そうね」 樹里「代わりはどうするんだべか?」 翔子「それが……比較的手が空いてるスタッフが代わりにデンシレンジャーをやることになったんだけど……」 サエコ「そ、それって、もしかして……」
559 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/28(水) 22:36:07 ID:N+Bvy7YA
【中央広場・特設ステージ】 チャチャチャチャーーーン♪ パンパカパカパン♪ 翔子お姉さん「は〜い、みなさんお昼ごはんは食べたかな〜? みんながいい子にしてたから、デンシレンジャー達が来てくれたよ〜!」 『わぁーーい!!!』 バンバンバンバン……♪ 翔子お姉さん「こ、この音楽は……」 アサミリアン「おほほほほほっ! 子供たちよ、このアサミリアン女王の暗黒世界へようこそっ! おーっと、もうこの世界からは逃げられやしないよ! 戦闘員ども、その女を捕まえなっ!」 《ウキーッ!》 《ウキーッ!》 翔子お姉さん「きゃあ〜! 誰か助けて〜!(アサミリアン女王…いやいや、あさみさんてばノリノリだお) そうだ、ちびっこのみんな、大きい声でデンシレンジャーを呼んでみよう! いい? せ〜の……」 『デンシレンジャーーー!!!』
560 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/28(水) 22:49:26 ID:N+Bvy7YA
パカパパンパーン パカパパンパーン♪ 「待てーーーい、アサミリアン女王!」 アサミリアン「なにぃ、貴様達は……!」 デンシレッド「とうっ! 燃える心は情熱の赤、世界は私を中心に回っている! デンシレッド!!」 デンシブルー「いつも沈着冷静、瞳に映るは遠く海の青、デンシブルー!!」 デンシイエロー「東北訛りで食べるの大好き、黄色はカレーの色、デンシイエロー!!」 デンシピンク「可愛いものが大好き、イジメられっこだけどがんばり屋! ピンク色が好きだからピンク、デンシピンク!!」 デンシレンジャー『家電戦隊、デンシレンジャー、参上!!!」 ピッカーーーーン…… デンシレッド(決まったわ……)
561 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/28(水) 22:53:22 ID:N+Bvy7YA
シーン…… ざわざわざわ…… デンシレッド(ちょっと! なんかリアクションが悪いじゃない……!) デンシイエロー(や、やっぱり全員女の子ってのがバレてるんじゃないべか?) デンシピンク(だ、大丈夫! みんな、自信持とうよ!) デンシブルー(ええ、問題はたぶん……) 『デンシグリーンがいないよー?』 『なんでー?』 『デンシレンジャーは5にんだよぉー?』 デンシレッド(どーすんのよ! 1人ぐらいなんとかならなかったの!?) デンシイエロー(これでも人数きつきつだったんだべぇ! もう勢いで誤魔化すしかねぇべさ!) デンシピンク(あわわわわ、もうバトルが始まっちゃうよ……!) デンシブルー(とりあえず、ショーを進めましょう!)
562 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/28(水) 22:56:36 ID:N+Bvy7YA
《ウキーッ!》 《ウキーッ!》 《ウキーッ!》 デンシレッド「とう! とう! てやーっ! ちょっとアンタどこ触ってんのよ! どりゃ!!」 デンシイエロ「たー! とやー! これでも喰らうべ!」 デンシピンク「うわーん、恐いよー! えい、えい!」 デンシブルー「はっ! はっ! さぁ、どこからでもいらっしゃい!」 ドカッ バキッ ドスンッ 《ウキーッ!!》 デンシブルー「あっ!」 ガッ! ガクン…… デンシレッド「いけない! 由宇……いやいや、デンシブルーが!」 《ウキーッ!》 「待てーーーーーーーーい、そこまでだ!」
563 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/28(水) 23:03:24 ID:N+Bvy7YA
『あーーー! デンシグリーンだ!』 『やっぱりいたんだぁー!』 『わぁーい!』 デンシグリーン「デンシブルー! 大丈夫!?」 デンシブルー「え、ええ……(あ、あなた一体誰……?)」 デンシレッド(もしかして……アンタ……) デンシピンク(結衣ちゃん!?) デンシグリーン(やっぱり来ちゃいました! おねぇさまの為ですもんね!) アサミリアン「おーのーれー、デンシレンジャーめ! このわたくしが相手してやる! かかってこぉい!」 デンシレッド「望むところだ! アサミリアン女王!! (よーしみんな、はりきって行くよ! せっかくだからガキどもを死ぬほど喜ばせてあげようじゃない! 女優魂見せてやるわよ!!)」 デンシレンジャー『おーーーーーーー!!』 …………………………………… ……………………… ……………
564 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/28(水) 23:06:05 ID:N+Bvy7YA
【夕刻・バイト終了後】 サエコ「よかったぁ〜、一時はどうなるかと思ったけど……」 翔子「大成功だったお。ちびっ子達も大喜びだったお」 あさみ「バイト代、随分奮発してもらったね!」 エリカ「ほら、由宇。こんだけあればカメラ買えるでしょ? はい」 パサパサ…… 樹里「どーしたんだべ? いらないんだべか?」 由宇「……あ、あの……お金、やっぱりみんなで分けない? 今使ってるカメラ、直せば使えないことないし……」 サエコ「え? どうして?」 翔子「欲しんだお? 新しいカメラ」 由宇「うん……そうだけど……なんか……」 由宇「みっ、みんなの気持ちが本当に嬉しいっていうか……その、お金じゃなくてね…… それだけで、胸がいっぱいになっちゃって……ごめんなさい……なんか、うまく言えない……」 …………………………… あさみ「……ふぅん、私は、なんとなくわかるなぁ、由宇っちの気持ち」 サエコ「うん……サエコもなんとなく分かるかも……」 翔子「うん、だお……」 樹里「あたしも……」 エリカ「なによ? 遠慮することなんてないのに」 サエコ「エリカちゃんは子供なんだよ…… って痛い痛い! 蹴らないで!」 エリカ「じゃあ、バイト代どうするの? 自分で持って帰るなんて、エリカのプライドが許さないわよ」 あさみ「貯金でもするか! 由宇っちが帰ってきて、またみんなで旅行行くときの足しにしよう」 サエコ「賛成!」
565 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/28(水) 23:07:41 ID:N+Bvy7YA
由宇「じゃあ、今日はありがとうみんな。最後にいい思い出になったわ」 サエコ「ほんとに出発の日にお見送りしなくていいの?」 由宇「ええ……そういう湿っぽいの苦手なの」 樹里「じゃあ、これでお別れだべな……」 由宇「ええ……」 翔子「またきっと会えるお……?」 由宇「当たり前じゃない。大げさね」 あさみ「付き合いは短かったけど……元気でね」 由宇「あさみさん、この子達をお願いします。あさみさんみたいな人がいてくれたら安心だわ」 エリカ「あーあ、口うるさい奴がいなくなってせいせいするわ、へへ」 由宇「あーら、私もようやく1人で落ち着いた生活が出来るわ。ふふ」 エリカ「ほら、結衣。いつまで拗ねてるのよ。ちゃんとお別れ言いなさいよ」 結衣「……帰ってきたら、また、バイクの後ろに乗せてドライヴ連れてってくれますか……?」 由宇「ええ、いいわよ」 結衣「結衣のこと、忘れないでくださいね……」 由宇「忘れるわけないじゃない、馬鹿ね」 結衣「嘘ついたら、シーサーぶつけちゃいますよ……」 由宇「ふふ、はいはい」 結衣「……うああーーーーん! さようならー!!」 ぎゅっ……
566 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/28(水) 23:09:18 ID:N+Bvy7YA
ヴィーン……ブゥーーーーーーン…… サエコ「行っちゃったね……」 翔子「グッバーイだお……」 樹里「はぁ……」 エリカ「さぁさぁ、いつまでしょんぼりしてるのよ!」 あさみ「ほっほーう、エリカってば強がっちゃって。ほんとはめちゃくちゃ寂しいくせに」 エリカ「だ、誰がよっ! あー、由宇がいなくなったと思ったらまた妙なのがくっついてきたわね!」 あさみ「まあよろしくね、エリカ女・王・様」 サエコ「結衣ちゃん、ちゃんとお別れ言えたね」 結衣「うん……結衣は、絶対絶対頑張って立派な女優になってみせる!」 樹里「お腹空いたべ、なんか食べて帰るべ〜」 エリカ「よーし、由宇の門出の祝いにお寿司でも食べに行くか! お金もたっぷりあるし!」 サエコ・あさみ・樹里・翔子・結衣 『バカッ!』 エリカ「じょ、冗談よ……」 ………………………………… 〜続くのだ〜
567 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/28(水) 23:12:02 ID:N+Bvy7YA
しまったGoodJobサエコの主役回でした!
568 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/28(水) 23:59:41 ID:4QjNa8jB
Gj!!! ところであさみって誰?
569 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/29(木) 00:43:28 ID:gUvvk7bu
GJ!
>>567 のオチもワロスww
でも香椎がいないとサミシス(´・ω・`)
571 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/30(金) 00:13:11 ID:mrI4+Rrw
ごめんなさい説明不足でした 「あさみ」は水川あさみさんです
572 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/03/30(金) 23:54:28 ID:01c6sRSu
age
573 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/01(日) 01:03:59 ID:xJ+qN55x
福山ライブに妻夫木&沢尻がサプライズ登場!サントリー新CM発表 歌手の福山雅治(38)、俳優の妻夫木聡(26)、女優の沢尻エリカ(20)の3人が25日、横浜アリーナで開催された人気炭酸飲料「ペプシネックス」(サントリー)の新CM公開記者発表会に登場した。 福山のライブ中に行われたサプライズイベントで、妻夫木と沢尻が飛び入り参加。同商品のCMキャラクターを務める3人が出演するCMが上映され、約1万2000人の大観衆を驚かせた。 青いドレスで登場した沢尻に福山が「ディーバみたい。このまま歌っても違和感がない感じだね」と声をかけると、沢尻は照れくさそうな笑顔を浮かべていた。CMは27日から全国オンエア。
ペプシのエリカ様美しい! サエコもCMでてるね。コムスン?
575 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/01(日) 21:02:34 ID:0mHjiWHX
コムスンってサエコだったのか。
ペプシのCM見たがエリカ様カコイイよエリカ様 あれ見て本気で惚れそうになったw サエコもCM出てるのか、チェックしなければ!
579 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/02(月) 23:36:36 ID:Lo1YetUj
おお、dクス
580 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/03(火) 00:13:48 ID:qiGfJ7e8
581 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/03(火) 23:17:56 ID:EElPXs63
ペプシエリカの金ぴかの衣装ワロス あれを着こなすのはエリカしかいない
ペプシCMのエリカさんが福山、妻夫木よりかっこいい件
オモタw 明日は1リットルだー
584 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/04(水) 23:38:02 ID:qBzR8vq1
おお、また白エリカが見れるw サエコもラジオオメ
エリカとサエコが映画で共演!!!!!!!!!!
それは一冊のノートによって結ばれていく、世界でたったひとつの絆
教育大に通う女子大生・香恵(沢尻エリカ)は、引越しの時に前の住人が忘れていった一冊のノートを見つける。
しかし大学の授業とマンドリン部での部活動、万年筆店でのバイトと日常を過ごすなか、いつしか香恵はノートの存在を忘れていた。
ある日、万年筆を買いに来た画家の石飛(伊勢谷友介)に恋をする。しかしそのことを相談しようにも、親友のハナ(サエコ)は海外留学に行ってしまって、連絡もままならない。
さらにハナの恋人の鹿島(田中哲司)から告白されてしまう始末。もやもやした気持ちのまま、寂しさを紛らわすかのように、香恵は「ノート」を開いてしまう。
ページをパラパラと捲ると、破られた最後のページ。そして一枚の集合写真が。そこには生徒に囲まれ写るノートの持ち主・伊吹先生(竹内結子)がいた。
先生になることを夢見ていた香恵は、あこがれからノートを読み始める。
そこに綴られている学校行事に関する日記。そして恋の苦悩。読み進めるごとに、香恵の想像の世界がどんどん広がっていく。
やがて香恵は、石飛に「絵のモデルになって欲しい」と頼まれ有頂天になる。日記の中の伊吹の人生にシンクロするかのように過ぎ行く香恵の日常。
伊吹の恋に刺激され、香恵もまた石飛への想いを募らせていく。
沢尻エリカさん、竹内結子さんが、「セカチュー」の行定勲監督最新作で初共演!
http://www.toho.co.jp/movienews/0704/02closednote_sk.html
586 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/05(木) 22:43:30 ID:891zpTyM
初めて観たけど涙が止まりません>1リットル
588 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/06(金) 22:49:47 ID:GFncL9MS
タイヨウも泣けたがリットルはもっと泣けた
589 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/06(金) 23:08:31 ID:xF/XT0Gt
>>587 ノシ 見てみるわ。
エリカが泣くシーンとかすごい自然で上手かった。
そして追加シーン(最後のカットかな?)で見事に白エリカに戻っててさすがとおもたw
化粧なんて変わるけど髪は染めると残るからやっぱ目立ってた
591 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/07(土) 14:36:21 ID:EjeDZI6g
サエコ「ふんふんふん〜♪ よーし、今日もきれいにネイル塗れた。 いやーんサエコって天才かも!」 ………………………… サエコ「ずずー…… はぁ、お茶がおいしい」 ………………………… サエコ「……久々にのんびりした時間を過ごせてるなぁ……。最近ドラマとかで忙しかったし……」 ………………………… サエコ「でもなんか……すごく重要なことを忘れてるような……」 ………………………… ………………………… ………………………… サエコ「……うわああああああああああーーーーーーー!! た、たたったたた大変だーーーー!!!!」
592 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/07(土) 14:40:25 ID:EjeDZI6g
翔子「マミタスマミタス〜♪ おほっ! 上手に描けたお! さっそくブログにうpうp!」 ………………………… 翔子「いけ! ゲキレンジャー! とあー!」 ………………………… 翔子「おほぉ〜、疲れたから一眠り……」 ………………………… 翔子「はっ! ……いやまさかもしかして……ええと、スケジュール帳はどこだお……」 ………………………… 翔子「ちょwwwwwwwwwwwヤバスwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
593 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/07(土) 14:49:50 ID:EjeDZI6g
樹里「ええと、次はチョコバナナパフェで!」 ………………………… 樹里「おいしいべぇ〜、幸せだべなぁ、あさみん!」 あさみ「あんた食べすぎなんじゃないの?」 樹里「いいんだべ! 最近休み無しだったから、自分にご褒美だべ!」 あさみ「売れっ子だからねー、あんた」 樹里「なぁに言ってるべかぁ? あさみんだって仕事いっぱいもらってるべ! ほらほら、遠慮しないで食べるべ! 今日はおごりだべ!」 あさみ「サンキュー。まあでも、たまにはこんな日もあってもいいよね。1年に1回ぐらいは。 ん……? 1年に1回……」 樹里「どしたんだべか?」 あさみ「ねぇ、何か忘れてない……? 何か……」 樹里「えぇー? 今日はオフだべよ。あたしがどれだけ楽しみにしてたか……。 ちょっと待つべ、ええっと、手帳はっと……」 あさみ「何か分かった?」 樹里「……」 あさみ「どうしたの? どれ、見せてみてよ」 樹里「……」 あさみ「……」 ガクガクガク…… 樹里「ああああああああーーーーーー!」 あさみ「樹里っぺ、落ち着いて!! なんとかなる、きっとまだなんとかなる!!!」
594 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/07(土) 14:57:28 ID:EjeDZI6g
結衣「んーと、なんて書こうかな……『おねぇさま、お元気ですか?』 ……なんか普通だなぁ……ん? そういえばエアメールってどうやって出すんだろ……」 ………………………… 結衣「……『おねぇさまもがんばってくださいね。』 よし、書けた! ちゃんと届くといいなー! えへへ」 ………………………… 結衣「んーと、いつ届くのかな? カレンダーカレンダーは…… 今日は4月7日だから明日は…… はっ!」 ………………………… 結衣「……おねぇさま……結衣は二度と生きてお会いできないかもしれません……」
595 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/07(土) 16:42:18 ID:LKVeNn/E
wktk
596 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/07(土) 18:57:08 ID:EjeDZI6g
サエコ「みんなー!」 あさみ「サエ、遅いよっ!」 サエコ「ごめんねごめんね! やっぱりみんなも……」 翔子「すっかり忘れてたお!」 樹里「はわわわわわ……最近忙しすぎて、自分のことで精一杯だったから……!」 サエコ「絶対怒ってるよね……。ていうか、何にもイベント考えてないよ……」 結衣「でも、エリカさんもなんで何も言わなかったんでしょうか……せめて、自分で言ってくれてれば」 サエコ「去年は一週間前から大騒ぎしてたから……今年はサプライズ的なものを期待して待ってるのかも……」 あさみ「でもどうしよ! まさか忘れてたなんて言えない……」 樹里「エリカのことだから、うちらが忘れてたことに気付いている可能性大だべ……」 翔子「でもでも、もしかしたらってこともあるお……」 結衣「そうですよ! 諦めたらいけませんよ! まだ7日です! まだごまかせます!」 サエコ「とりあえず、みんなプレゼントは買ってきた!?」 樹里「それは……ダッシュで買いに行ってきたけど……」 結衣「すいません……ケーキ探したんですけど、バースデーケーキはもう間に合いませんでした……」 あさみ「ケーキ無いと怒るよね……」 翔子「鬼のような顔になると思うお……」 サエコ「みんな、とりあえずエリカちゃん家に行こう! エ、エリカちゃんも鬼じゃないんだし…… でも、やっぱ言えないよね……明日がエリカちゃんのお誕生日だったことを忘れてたなんて……」」
597 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/07(土) 19:28:25 ID:EjeDZI6g
【エリカ宅】 ぶるぶるぶる…… あさみ「サエ、指が震えてる……」 サエコ「だ、だだだ大丈夫…… じゃ、じゃあインターホン押すよ?」 ピンポーン 翔子「地獄の鐘の音だお……」 ………………………… ………………………… 『はぁーい、どなたですか?』 サエコ「エ、エエエエエリカちゃん? おおお誕生日おめでとう、ササササエコだよ……。 みみ、みみんなも一緒にいるよ……」 『あっ、いらっしゃい、今開けるね』 ガチャ
598 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/07(土) 19:40:34 ID:EjeDZI6g
エリカ「みんな、いらっしゃい! 寒かったでしょう? ほら、上がって」 サエコ「へぇ?」 あさみ「ほぇ? ……エ、エリカだよね?」 エリカ「そうだよ? どうしたの、ほら上がって」 翔子(なんか様子が変だお……エリカが優しいお……) 結衣(ほ、ほら、やっぱり怒ってないんじゃないですか? ひょっとしたら、エリカさんも忘れてるのかも……) 樹里(いや、もしかしてこれは……) 樹里「――またどこかで頭打って、天使エリカになってるんじゃあないべか……?」
599 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/07(土) 19:49:16 ID:EjeDZI6g
エリカ「でも嬉しいなぁ、みんなが私のお誕生日憶えててくれて、わざわざ来てくれるなんて……夢みたい」 サエコ「あ、あははは……」(……やっぱり、エリカちゃんまた頭打ったのかな……?) あさみ「や、やっぱり誕生日はみんなで迎えないとね」(……なに? 頭打ったとかなんとかって……?) 結衣「エリカさんの為なら当然ですよー」(……エリカさんは、強く頭を打つと、記憶が飛んで可愛らしい天使のような性格になるんです……) 樹里「みんなでカウントダウンするべ」(……でも怪しいべ……演技してる可能性もあるべ……) 翔子「プレゼントも買ってきたお」(……妙に明るいのが余計怖いお……とりあえず、少し様子を見るお……) エリカ「わぁ、ありがとう! そうだ、私、ケーキ作ってたんだ。みんなで食べましょう」
600 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/07(土) 19:56:23 ID:EjeDZI6g
エリカ「はい、どうぞ!」 ドンッ エリカ「あっ、私、お紅茶入れてくるね。よかったら、先に食べててね」 スタスタスタ…… ………………………… サエコ「……どうしよう……」 あさみ「ど、毒とか入ってないよね……?」 翔子「とりあえず、見たところ普通のホイップケーキだお……」 樹里「あ、あたしはさっきパフェ食べたばかりだから……お先にどうぞ」 結衣「じゃ、じゃあ、結衣がいってみます……」 パクリ 結衣「……」 サエコ「どう?」 結衣「……おいしいです……すごく……」 あさみ「辛いとか、ない……?」 結衣「いえ、とっても甘いです……」 樹里「変なもの、入ってないべか?」 結衣「いえ、スポンジとフルーツの歯ごたえだけです……」 翔子「……考えすぎなんだべかな? 翔子たちの……」 エリカ「お待たせ」
601 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/07(土) 20:02:15 ID:EjeDZI6g
エリカ「はい、サエコちゃん、どうぞ」 カチャ サエコ「ヒィ! ……あ、ありがとう」 エリカ「はい、これは結衣ちゃんね。このカップ、結衣ちゃんをイメージして選んでみたんだよ」 結衣「はいぃ! あ、ありがとうございますっ……」 あさみ(……サエ! 結衣! もっと普通にしてないと、余計あやしいよっ!) サエコ(わ、わかってるけど……) 結衣(ゆ、結衣はこのプレッシャーに耐えられそうにありません……) エリカ「樹里ちゃん、ケーキ食べないの?」 樹里「へぇ! ……ご、ごめんだべ……ここ来る前にちょっとパフェ食べすぎちゃって……」 エリカ「そう……残念だね。翔子ちゃんは?」 翔子「はひっ! あ、あとでいただくお……」 エリカ「そうだ、プレゼント、開けていい? あ、かわいいマグカップ! こっちはおしゃれな写真立てだね。ありがとう、みんな! そうそう、私からもみんなにプレゼントがあってね……」 あさみ「いいかげんにしろー!!」
602 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/07(土) 20:16:56 ID:EjeDZI6g
あさみ「言いたいことがあるんだったら言えばいいじゃんか! なんだよ、そういう回りくどいことして! もう我慢できないっ!」 サエコ「あさみちゃん、落ち着いて……」 あさみ「いいや、ここはガツンと言わないと! エリカ! いい加減に本性見せたら!?」 エリカ「えっ……なんでそんなこと言うの……?」 あさみ「まだとぼけるか! この!」 ドタバタッ サエコ「あさみちゃんやめて! みんなも止めて!」 樹里「あさみんそこまでだおー!」 結衣「エ、エリカさんが泣いてますよ……」 エリカ「うっ……うぅぅぅぅ……ごめんなさい、ごめんなさい……」 ダダダダダッ…… 翔子「あーっ、エリカ、出ていっちゃったお!」 サエコ「みんな、追いかけよう!」
603 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/07(土) 20:50:41 ID:EjeDZI6g
【公園】 サエコ「エリカちゃーん! あ、いた!」 樹里「あそこ! 桜の樹の下だべ!」 ………………………… サエコ「エリカちゃん! さっきはごめんね! 実はサエコ達ね、お誕生日……」 エリカ「……私、桜って好きなの……」 サエコ「え?」 エリカ「……私が生まれたとき、満開の桜が咲いていたらしいの。だからかな、桜を見ると安心する……」 樹里「エリカ……」 エリカ「私の名前は、エリカっていう花の名前からきてるらしいんだけれどね。えへへ、笑っちゃうね」 翔子「エリカァ……」 エリカ「みんなごめんね。やっぱり、私って悪い子なんだね……。せっかくみんなが来てくれたのに、悪い気分にさせちゃって……」 結衣「エリカさぁん……グスッ……違うんです……」 エリカ「今日は、1人でおうちに帰るね。あ、これ、みんなに私からのプレゼント。お誕生日に来てくれたお礼だから……」 あさみ「エリカ……。ごめん、謝らなけりゃならないのは私の方だよ……」 エリカ「恥かしいから、家に帰ってから開けてね……。 それじゃあ、みんな今日はほんとにありがとう」 …………………………
604 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/07(土) 21:00:58 ID:EjeDZI6g
【サエコ宅】 サエコ「はぁ……ほんと、エリカちゃんに悪いことしたかなぁ……。もう一回、ちゃんとお祝いしてあげないとね……。 そうだ、エリカちゃんにプレゼントまでもらったんだ。 なにくれたんだろ? どれどれ……? ん? なんか変な音がする……」 カチカチカチ…… ピカッ! チュドーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!! ………………………… サエコ「…………………げほっ けほっ……… こ、これは……なぜ爆発……」 ヒラヒラヒラ〜…… サエコ「……何この紙? なんか書いてある……ええと、『机の引き出しの中を見ろ』? 」 ゴソゴソ…… サエコ「また紙……『窓を開けて目の前の塀を見ろ』」 ガラッ “サエコのバーーーーーーーカ! アホー! マヌケ!” サエコ「なにこの張り紙……子供かあの人は……」
605 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/07(土) 21:03:47 ID:EjeDZI6g
プルルルルル…… サエコ「……はい、もしもし……」 あさみ『あっ サエ!? いい、そのプレゼントの箱、絶対絶対開けたらダメだよっ! ぎゃー!! こっち来ないでっ! シッ シッ! へ、蛇がっ! 生きてる蛇がっ! 大量の!!』 サエコ「……あさみちゃんもか……ということは――」 プルルルルルル…… サエコ「……はい」 樹里『プ、プレゼントの箱開けたらクッキーが入ってて……食べたら……ぐぎゃーーー!!!」 サエコ「もしもし、翔子ちゃん、プレゼントのことなんだけど……」 翔子『CD−ROMが入ってて……パソコンに入れたら画面いっぱいにウンチのマークが……それにエリカの笑い声……それからパソコンから煙が出て――』 サエコ「……結衣ちゃんは?」 結衣『結衣のプレゼントには何も入ってなかったけど……なんだかさっきからおなかが猛烈に痛いの…… まさかさっきのケーキが……も、もうだめ……」 サエコ「エリカちゃん、やっぱり怒ってたんだ……。何が天使だよ……」 「おーーーーーーい、バカサエコーー!!! こっちこっち! 外だよ外!」
606 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/07(土) 21:08:09 ID:EjeDZI6g
サエコ「エリカちゃん!」 エリカ「エリカのバースデーを忘れてただで済むと思ってたの!? だからアンタはバカなのよ! アーッハッハッハッハ!! あ、そうそう明日はちゃんとした“エリカ様大生誕祭”をやるからねー!! 絶対来なさいよ! 来ないとコロすからねー! とりあえず桜花賞があるからウインズに集合ね! じゃーね、バァーーーーーイ!!」 ………………………… サエコ「……あの人は……やっぱり悪魔だ……」 ………………………… サエコ「……あれ? まだなんか箱にメモが入ってる…… 『お祝いに来てくれてありがとね。それだけはお礼言っとく』」
607 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/07(土) 21:11:22 ID:EjeDZI6g
【長澤宅】 まさみ「うぎゃああああああーーーーーーーーー!! なによこれ!? なんでゴキブリが入ってるのよ! あの女めー! いきなりこんなもの送ってくるなんて、私が何したっていうのよーーーーー!!!」 カサカサカサ まさみ「こっち来るなーーーー!!」 〜続く〜★
608 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/07(土) 23:15:15 ID:LKVeNn/E
Gj! それにしても長沢はとことん可哀相なキャラだww
GJです! まさみカワイソスww エリカ様誕生日おめでとう! これからもガンガレ!
610 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/08(日) 07:26:08 ID:2M84g9yz
ハッピーバースディ エリカ〜
611 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/11(水) 00:22:10 ID:irGnlNBh
エリカとサエコが出る今度の映画、どういう絡みなんだろう
しっかり者のハナちゃん(サエコ) 優柔不断で天然の香恵(エリカ) マンドリンサークル仲間の親友
613 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/11(水) 23:34:55 ID:9LrCgyQm
614 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/12(木) 21:52:53 ID:XQhtwGGY
サエコブログに木村佳乃が。 サエコがあぶない!
昨日のイッテQみたか? ブスどもよ
616 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/16(月) 19:41:10 ID:QVpa+C/d
>>616 サエコのおっぱいに感動した。
その実力、知らんかった。
618 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/16(月) 21:15:43 ID:QVpa+C/d
今夜はサエコ祭り!
620 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/18(水) 08:06:07 ID:OiLkRKYV
age
621 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/20(金) 07:08:31 ID:1WlA983U
age
622 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/22(日) 18:11:10 ID:sx97AoHs
age
623 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/25(水) 18:21:49 ID:OayctdWi
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624 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/27(金) 14:36:13 ID:7H4BR1YB
ストーリー出来ました。よろしければ、しばしのお付き合いを。 ↓
625 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/27(金) 14:43:17 ID:7H4BR1YB
「いつからなの?」 みきがサエコに尋ねた。 「わ、わたしが最後に連絡を取れたのは、二日前の夜です……」 サエコは泣きそうな顔で答えた。 「家にも居なくて、おまけに連絡が取れない。仕事場にも来ていない。おかしいわよね、確かに」 みきは手帳にメモを取りながら、さして動揺した様子も無く冷静な口調で話す。 「まあ、仕事に嫌気が差して失踪、ってとこが妥当かしら。よくあるのよね、こういうパターン」 みきはふぅと溜め息をついて座っているパイプ椅子の背もたれに身体を預けた。こういう一件を 任されるとき、みきは自身が昔所属していた宝塚歌劇団の厳しさを思い出す。最近の役者の子って、 なんでこんなに根性無いのかしらね。きっと可愛い可愛いってもてはやされ過ぎているのよ。そん な事を考えながら、正面に座っているサエコを一瞥する。サエコはなにやら落ち着かない様子で膝 の上で携帯電話を弄っている。が、突然、みきを真っ直ぐ見つめて強い口調で言った。 「あのっ、エリカちゃんは、仕事がつらいからって逃げるような人じゃありませんっ」 サエコは先程のみきの言葉に納得がいってなかった。エリカちゃんは負けず嫌いでお芝居の事で 何か言われたらお芝居で返すような人なんだ。サエコはそう考えている。 「じゃあ何なの? 誘拐されたとでも言う気?」 みきはサエコの思わぬ反撃に少し苛立った様子でサエコに尋ねる。 「も、もしかしたら、たぶん……」 サエコはそのみきの迫力に、彼女から少し目を逸らしながら答える。 「そう。まあどちらにしろ今回の件は私に任せておいて。芸能界、特に女優さんの揉め事を解決 に導くのが我々、“芸能界・真矢みき捜査部”の仕事だから」
626 :
2 私達に明日はない :2007/04/27(金) 14:49:30 ID:7H4BR1YB
芸能界には公に知られてはならない秘密が多く存在する。争いごとの仲介や、恋愛問題、個人の プライバシーに関わる問題。そういった問題を秘密裏に解決に導くのが“芸能界捜査部”である。 その捜査部の女優部門の担当が、真矢みきその人である。捜査部は、時には事件性の高い用件も多 く扱う。警察に任せる前に、独自の捜査を行うことによって円満な解決に導こうというのが捜査部 の役割である。とかく、芸能界という所はタレントのイメージを重要視するので、警察の前に必ず と言っていいほどこの捜査部に事件を託すのだ。 そして“真矢みき捜査部”はいくつかある芸能界捜査部の中でもトップクラスの解決率を誇る。 その“真矢みき捜査部”にまた1つの案件が持ち込まれた。 沢尻エリカ失踪。 現在、若手トップを走る有名女優が突然消えた。この件が捜査部に持ち込まれたのは昨晩。みき は早速、沢尻エリカと交流のあった若手女優達を何人か呼び出し取調べを行った。沢尻エリカが “沢尻会”なるものを結成していたのはすでに調査済。その沢尻会のメンバーを中心に話を聞き出 す。みきは、始めはただの失踪だと考えていた。情緒不安定な芸能人の、いわゆるプッツンである と。しかし、どうやら沢尻エリカという子は失踪という言葉と結びつかない人物像のようだ。確か にわがままな性格ではあるが、逃げるのを極端に嫌う性格であると。 では、なぜそんな沢尻エリカが誰にも何も言わずに行方を晦ますのか。思い浮かぶことは、何か 事件に巻き込まれたのではないかということ。 そう、例えば誘拐。 みきは今回の件にこれまでに無い不気味な事件性を感じていた。
627 :
3 :2007/04/27(金) 14:56:12 ID:7H4BR1YB
「サエは何聴かれたの?」 あさみがサエコに尋ねる。 「うん、いろいろと……」 サエコは生返事を返す。 みきの事情聴取は終わった。沢尻会の面々はそれぞれ自宅待機を命じられた。後の事は、捜査部 に全て任せておくようにと。 取調べからの帰り道、一様に沈んだ顔をして歩いていた。エリカの居ない沢尻会は、まるで太陽 が無くなってしまった様だ。 ふと、サエコが呟いた。 「ねぇ、これでいいのかな……」 一同は黙ったままだ。 「エリカちゃんは友達なのに……このままでいいのかな」 「じゃあ、どうするんだべ?」 樹里が尋ねる。 「みんなで、みんなでエリカちゃんを探そうよ!」 サエコの目は本気だ。 「それはいいけど……どうやって探すんだお?」 翔子の指摘にサエコは黙る。そもそも、エリカに最も近いはずの関係の自分達にさえエリカの消 息はまったく分からないのだ。いや、それは言い訳かもしれない。このところの沢尻会のメンバー はあまりの仕事の忙しさにお互い会って話したり食事に行ったりする機会が皆無だった。 最近のエリカは、何をして何を考えていたんだろう。 それが正確に把握できているメンバーはいないのだ。 「探すと言っても、私達なんかじゃあ、捜査部の皆さんの邪魔になるだけなんじゃあないでしょう か……」 結衣はしょんぼりとそうこぼす。全員が、結衣の意見に何も言えずにいた。 だが。 「じ、実は……1人、心当たりがあるの……あの、その、解決してくれそうな人……」 サエコは途切れ途切れそう言った。
628 :
4 :2007/04/27(金) 15:05:22 ID:7H4BR1YB
暖かい日差しが差す真昼の公園。その公園のベンチの1つに腰掛けて本を読んでいる眼鏡を掛け た女の子。傍らには小径の折り畳み式自転車が置いてある。 沢尻会の面々を代表して、サエコがその女性に声を掛ける。 「あの、真央ちゃん、ひ、久しぶりだね……」 本を読んでいた女性は井上真央。かつて、周到な計画で沢尻会の内部崩壊を狙ってエリカと敵対 したが、最後に敗れた。サエコの言う“事件を解決してくれそうな人”とは、真央のことであった。 「……」 サエコのぎこちない挨拶に、わずかにサエコの方を向いた真央だったが、直ぐに本に目を戻した。 サエコはそんな真央の態度に戸惑いながらも、言葉を続ける。 「ん、んっとね、実はね、エ、エリカちゃんが行方不明になっちゃってね、だけど私達だけじゃど うしようもなくってね……」 サエコは、真央の頭脳を借りたい、と言うことを切々と訴えた。だが一向に真央は応えない。 「ちょっと、少しは返事ぐらいしたらどうなのよっ」 あさみがそんな真央の様子に苛立ち、真央の読んでいた本を取り上げ文句を言った。 「……それが人にものを頼む態度?」 真央は特に取り乱した様子も無く、冷たくそう言って本を奪い返した。 「ったく、キツネみたいな顔して……」 真央のその言葉に完全に切れたあさみは顔を真っ赤にした。 「何よこいつムカつくー!! サエ、私はこんな奴を頼りにするのは反対だよ! こいつと組むっ て言うなら、私は私でエリカを探すから!」 あさみはドタドタと早足で去って行ってしまった。 「翔子も、なんだか気が進まないお」 「あたしも」 真央に酷い目に遭わされた思い出のある翔子と樹里も、あさみの後を追って行ってしまった。
629 :
5 :2007/04/27(金) 15:13:43 ID:7H4BR1YB
「行っちゃったね、あんたのお友達。あんたも下手に動くの止めて大人しくお家でじっとしてれば?」 真央はサエコにそう言って、本を開いて読書の続きを始めた。 あさみ達に取り残された形の結衣は、サエコと真央を交互に見てオロオロとしている。 サエコは寂しげにあさみ達を見送っていたが、やがてじんわりと目に涙を貯めて泣き始めた。 「うぇ……えっ……」 「サエコちゃん、泣かないで……」 結衣はサエコを懸命になだめる。真央は2人のその様子をただうざったそうに横目で見ているだけ だ。 「うぅ……だって……エリカちゃんが……うぇ……こんな黙って居なくなっちゃうなんて初めてで… …なんか、居なくなったらすっごく寂しくて……ぇぐ……あさみちゃん達も行っちゃって……サエコ もうどうしたらいいかわがんないよ……」 サエコの心からの言葉だった。いつもあんなに自分のことをいじめているエリカなのに、いなくな るとこんなにも気持ちが揺れるなんて。サエコの涙は止まらない。 「――All the world's a stage, And all the men and women merely players」 突然、真央が妙なことを口にする。 「え……?」 「シェイクスピアだよ。 あー、うざい。分かったよ。ただし、面白そうかどうか、様子を見てからね」 真央は本を閉じてバッグにしまい、自転車に跨る。 「で、とりあえず沢尻エリカのマンションに案内しなさいよ」
630 :
6 :2007/04/27(金) 15:50:40 ID:7H4BR1YB
エリカの住むマンションの部屋に訪れた真央たちを待っていたのはみきだった。彼女は数人の部下 を引き連れて、エリカの部屋をくまなく調べていたようだった。 何やら、1人の中年男性に話を聴いている。サエコはその人物に見覚えがあった。エリカを時々送 り迎えしていたハイヤーの運転手だ。みきは一通り話を聞き男を帰した後、他の捜査員にテキパキと 指示を出しエリカの部屋を調べさせている。その部屋を所在無さ気に、エリカの愛犬のポチがうろう ろと彷徨っていた。 「あなた達、家に戻ってなさいと言ったでしょう。後は我々に任せなさい」 エリカの部屋に入ろうとした真央たちを、みきは冷たくあしらう。みきは真央の乗ってきた自転車 を隅にどけようと掴んだ。 「私のBD−1に触らないで下さい。おばさんこそ出て行ってよ」 真央が見下したように言った。その真央の言葉に、明らかに怒りのスイッチが入ったみきは真央の 方を向きジロジロと品定めするように真央とサエコと結衣を1人づつゆっくり見渡した。 「……あなた達みたいな“子供”に何が出来るって言うのかしら?」 みきは挑発するように言った。その言葉に今度は真央がピクリと反応する。 「私達は子供じゃありません。今回の件は、私達が解決してみせます」 「真央ちゃん、それじゃあ……!」 真央の言葉にサエコは嬉しそうに笑った。そのサエコとは対照的に、真央とみきはお互い目も逸ら さずに睨み合っている。 「まあいいわ。でも私達の捜査の邪魔だけはしないようにね。お嬢ちゃん」 「おばさんこそ、年なんだからあんまり無理しない方がいいですよ」 バチバチと2人の間に見えない火花が散っている。 が、その時。 リーン、リーン。 エリカの部屋の電話が鳴った。
631 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/27(金) 15:50:53 ID:+eN1c7dq
続きwktk
632 :
7 :2007/04/27(金) 15:54:56 ID:7H4BR1YB
先に指示を出したのはみきだった。 「サエコちゃん、あなたが出て」 「え? サ、サエコがですが?」 サエコは動揺する。 「私が出ると不自然だわ。この中で、沢尻エリカに最も近い人物はあなたよ」 みきはサエコにそう言いながら、連れてきた捜査員を使って録音を指示する。 「用意できたわ。もし本人ならなるべくつまらない話でもいいから話を聞き出して。そうじゃない 場合も同様に、少しでも会話を繋げて情報を聞き出すように」 サエコは手を震わせながら受話器に手を伸ばす。がちゃりと受話器を取り、恐る恐る耳にあてた。 「……もしもし……エリカちゃん……?」 サエコの声は怯えた子供のように高く裏返った。 『――沢尻エリカは我々が預かっている。今すぐ1億円を用意しろ。警察には連絡するな。これは本 気だ。繰り返す。今すぐ1億円を用意しろ。また連絡する』 プツン。ツー。ツー。 電話が切れると同時に、サエコの身体は崩れ落ちた。そのサエコを結衣が慌てて支える。サエコの 顔は打ちひしがれて呆然となっていた。 その場にいる全員も、ただ無言だった。考える限り、最悪の事態になってしまったのだ。 沢尻エリカは誘拐され身代金を要求された。1億円と引き換えにエリカの命を握られている。 みきは額に手を当て、ふぅと深い溜め息をつき真央に言った。 「これで分かったでしょう? 子供の遊びじゃないのよ。これ以上、コトが発展すれば警察にも連絡 しないといけないかもしれない。そうすれば事件として扱われる。あなた達のタレントイメージにも 傷が付くかもしれないのよ。分かったら――」 そこまで言って真央の方を向いたみきはギョッとした。真央は腕を組み、顎を手でさすって、顔に 薄笑いを浮かべている。 「面白い、面白いわ。これはこの私に対する挑戦だね!」
633 :
8 :2007/04/27(金) 16:41:47 ID:7H4BR1YB
真央はエリカの部屋の1つを自分達に提供するようにみきに言った。みきは真央を説得するのを諦 め、エリカの寝室を真央たちに開放した。みきと捜査部はリビングに捜査本部を置いた。 真央は早速、先ほどの電話のテープの複製とラジカセを借りてサエコと誘拐犯の会話をメモに取り 始めた。サエコはポチを膝に抱き結衣と共にベッドに腰掛けて真央の様子を黙って見守っている。 「会話が短すぎて得られた情報は不完全。相手は『我々』って使っている以上、複数人だね。声の様 子からわりと年配の男。要求は1億。案外少ないね……。逆探知使えば簡単だけど、警察でもない一 般人の私達には無理……犯人達も警戒して携帯や端末を変えているかもしれないし」 真央は寝室の端から端をうろうろと行ったり来たりしながらぶつぶつと1人で呟いて何かを考えて いる。 しばらくそうした後、ピタリと立ち止まりサエコと結衣に言った。 「次に犯人達から電話が掛かってきたら私が出るから。もうコソコソする必要は無いよ。犯人達がこ こに直接、電話を掛けてきたってことは、私達がここにいるという事を知っている。どこからか見張 られているかもしれない。そうなったら、外部で動いてもらう人間が必要よ。もう1人ぐらい味方が 必要だね。サエコ、誰か知り合いに連絡取って。そうだね、なるべく体力がありそうなやつ」
634 :
9 :2007/04/27(金) 16:55:02 ID:7H4BR1YB
「あっ、もしもしまさみちゃん? 実は、協力して欲しいことがあって……」 『サエコさん、何水臭いこと言ってるんですか! 私とサエコさんの仲じゃないですか!』 サエコは携帯電話で長澤まさみに連絡を取った。大好きなサエコからの電話にまさみの声は弾ん でいる。 「あっ、ま、真央ちゃんと代わるね……」 そのサエコの携帯電話を奪って、真央がまさみに話しかける。 「あ、もしもし? あんたこれから私の言うとおりに動いてよ。沢尻エリカが誘拐されちゃってさ。 とりあえず目立たない服装で今すぐこっち来て」 『はぁー? 何それどういうことよ?』 「どういうことも何もそういうことだよ。2回も同じこと言わせないでよ馬鹿」 『ムキーッ! ちょっとあんた待ってなさいよ! 今すぐしばきに行ってあげるから!』 「家にまで来なくていいから。私達、沢尻のマンションに居るんだけど、あんたはマンションの近く を探って。誰か不審な奴や危なそうな奴がいたら連絡すること。いい? くれぐれも慎重にね。は い、分かったら復唱」 真央は一方的に話を進める。 『ちょっと、勝手に決めないでよ! 大体ね――』 「いいから復唱。私は今からこの誘拐事件を解決に導くために協力を惜しみません。はい」 『ったく。私は今からこの誘拐事件を解決に導くために協力を惜しみません』 「真央様の為に力を尽くします。はい復唱」 『なによそれ! 言っとくけどサエコさんにお願いされたからだからね! あんたに出来る限り協力 します。はいはい』 「私は薄汚いメス狸です。はい復唱」 『私は薄汚いメス狸……ちょっと、それと事件とどーいう関係があんのよ』 「別に。ただ言わせてみたかっただけ」 真央はまさみの怒鳴り声が聞こえてくる携帯電話をサエコに投げて返す。サエコは必死にまさみに 謝った。 「……真央さんって、お友達いないでしょ?」 結衣が聞いた。 「うん、よく言われる」
635 :
10 :2007/04/27(金) 19:48:17 ID:7H4BR1YB
「あんた暇なんだったらコーヒー入れてよ。砂糖は1個で、ミルクは抜きね」 真央はぶっきらぼうに結衣にそう言い、ぶつぶつ言いながらまた手帳にメモを取り始めた。 犯人からの最初の電話から早1時間。部屋のデジタル時計は20:00を表示していた。みきはエ リカの事務所に連絡を取り、1億円を工面するように伝えた。 と、少しの静寂を取り戻していたエリカの部屋に再び電話のベルが鳴る。 みきが立ち上がるが、それより先にリビングに入って来た真央が電話を取った。 「……もしもし」 『警察には連絡していないだろうな?』 「うっさい」 がちゃん。なんと、真央は電話を切ってしまった。全員が驚きの顔で真央を見つめる。 しかし。 プルルルル。 また電話のベルが鳴った。真央が再び電話を取る。 『どういうつもりだ?』 電話の声が、不審気に尋ねてくる。 「そっちこそどういうつもりよ。金が欲しんでしょ? 回りくどいこと言ってないで、どこで取引す るかとっとと言え馬鹿」 『ははは、面白いお嬢ちゃんだ』 がちゃん。また真央は電話を切ってしまった。そして、また電話が鳴る。 『いい加減にしろ。とにかく金の受け渡し場所は後でまた連絡する。身代金を増額する。3億だ』 「多過ぎよ馬鹿。こんなに遅くにどうやって3億も用意するのよ。どうしても現金で欲しけりゃ明日 にすれば?」 『駄目だ。今夜中にだ。また連絡する』 相手は電話を切った。
636 :
11 :2007/04/27(金) 19:52:20 ID:7H4BR1YB
「あなたどういうつもり!」 みきが真央に強い口調で問い詰める。 「主導権を向こうに渡さないようにです。交渉術の基本でしょ。まあ向こうも馬鹿じゃないみたいだ から乗ってこなかったけど。とにかく、奴らはどうしても今すぐ金が欲しいみたいだね。切ってもす ぐ掛けなおしてきた。余裕ぶっているけど、気は短いほうね。でも3億か」 真央は淡々とそう言った。 「で、でも、もし犯人達が腹を立ててエリカちゃんに危害を加えたりしたら……」 サエコが心配そうに言う。 「そんなの私の知ったこっちゃないよ」 真央は冷たくそう言い放った。サエコは、真央に事件の手伝いを依頼したことを後悔し始めていた。 真央は本当にこんな冷たい子なのだろうか。そう思いながら真央の顔を見つめるが、真央の表情は 変わず冷ややかなままだ。 「さて、あのメス狸、何やってんだろ。そろそろ――」 寝室に戻った真央は時計を見る。と同時に真央の携帯電話が鳴った。 『もしもしっ。取りあえず近くを探索してみたけど何にも無しよ。この辺は住宅街だからもう人はほ とんど出歩いてないわ。変な奴がいたらすぐ分かるはずだけど、だーれもいない』 「そう。それじゃまた後で」 まさみからの電話を受けてまた真央は何か考え始めている。時折、ちらりとサエコと結衣の方を見 るがまたすぐ目を逸らし1人の世界に戻る。
637 :
12 :2007/04/27(金) 20:15:21 ID:7H4BR1YB
「そういえば聞いてなかったね。沢尻エリカはどこでどうやって消えたの?」 ふと、真央がサエコに尋ねた。 「ううんとね、マネージャーさんの話ではね――」 サエコはエリカの居なくなった時の情報を説明した。エリカはいつものように自宅から事務所の依 頼した専属運転手のハイヤーで仕事現場に向かった。今、撮影を行っているメインの映画の仕事以外 の、比較的小さな映画会社の映画の現場にである。事務所はその仕事に消却的であったが、エリカの たっての希望でその小さな映画会社との仕事が叶えられた。 そして、その現場に向かう途中で沢尻エリカは忽然と消えたという。運転手の話によると、エリカ は途中で降ろしてくれと言いデパートに立ち寄った。が、いつまで経ってもエリカは戻ってこない。 不審に思った運転手がデパート中を探したがエリカはどこにもおらず、それからエリカとの連絡は途 絶えた。携帯電話の電源も切られているようだ。 「なるほどね……」 真央は変わらず淡々とそう言って、今度は携帯電話でどこかに連絡を取り始めた。なにやら小さな 声で相手と喋っており、サエコと結衣には聴き取れない。真央の謎の行動に、2人は顔を見合わせて 首を傾げた。 リーン、リーン。 その時、リビングの電話が再び鳴った。真央はすぐさま携帯を切りリビングに向かうが、今度はみ きがすでに電話を取っていた。
638 :
13 :2007/04/27(金) 20:37:07 ID:7H4BR1YB
『今から受け渡し場所を指定する。まず、3億円を1億ずつに分けてバッグに詰めろ。そしてそれを 3人に持たせろ。そうだな、男では無く女がいい。何人かいるだろう? それぞれ電車で埼玉、山梨、 横浜に向かえ。細かい場所は後でまた指定する』 誘拐犯はそれだけ一方的に告げると電話を切った。みきは苦々しい顔をして受話器を叩きつける。 「奴らは関東圏に潜んでいる……でもどういうこと? 受け渡し場所を3つに分けるなんて」 真央は再び思案を巡らす。だが、余り考えている時間は無い。 「沢尻エリカの事務所と連絡が取れたわ。3億、現金で用意出来たって。これから持って来るそうよ、 さすがね。これを誰が運ぶか……」 みきの連れてきた捜査員達は全員、男である。女となると、選択肢は少ない。 「1つは私が運ぶわ。あとは……」 みきは真央たちの方を見る。 「まあ1つは外のメス狸に運ばせましょ。体力には自信有りそうだし。あと1つは、サエコ、あんた でいいでしょ。私はまだやることあるし」 真央はサエコを指名した。
639 :
14 :2007/04/27(金) 20:39:57 ID:7H4BR1YB
みきは埼玉、まさみは山梨、サエコは横浜に向かうことになった。それぞれ携帯電話を持ち、バッ グには発信機が取り付けられる。3億円はエリカのマネージャーがオドオドしながら車で運んできた。 エリカの事務所は、お金は渡してしまってもいい、とにかくエリカを無事に取り戻して欲しいとのこ とだった。まだビクビクと怯えているマネージャーを真央は「よく途中で犯人達に襲われなかったね」 といたずらっぽく脅かした。 「悪いわね、あなた達にお願いしちゃって……気をつけるのよ、なにかあったらお金なんか放ってお いて自分の身の安全を確保するのよ。いいわね?」 みきはサエコとまさみにそう言い聞かせる。2人ははい、と返事してタクシーで駅に向かった。2 人を見送ったみきは自分も出発するべくリビングに戻り服を軽装に着替える。 が、そんな慌しい様子を気にも留めず、真央はヘッドホンを耳に当て、犯人からの電話のテープを 何度も巻き戻して聴いていた。 そんな真央を軽蔑したように見つめ、みきは言った。 「あなた、他の子に危ない事やらせて自分はのんきなものね」 「のんきなわけじゃないですよ。これが私の今やる事。仕事に対して真摯だと言って欲しいですね」 そう言って真央は振り返り 「事件は会議室で起きてるんでしょ?」 と、みきの映画の台詞を引用して言った。
640 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/27(金) 20:51:37 ID:zA5QyFxx
細木数子に噛み付いた沢尻は偉い
救世主キタコレ 続きに期待
642 :
15 :2007/04/28(土) 13:22:32 ID:U+LTf08t
みきが出発してすぐ、犯人から4度目の連絡が入った。 『いいか、金の受け渡し場所を伝える。まず埼玉は――』 犯人は、それぞれ場所を指定した。埼玉は、大宮駅を降りた近くのデパートの屋上、山梨は富士急 ハイランド、横浜は横浜港のとあるふ頭。 それだけ伝えた犯人はすぐさま電話を切る。 真央はちっと舌打ちをして、携帯電話で出発した3人に連絡を取る。そして路線図を見ながら3人 をそれぞれ指定の場所に向かう電車に乗るよう指示した。
643 :
16 :2007/04/28(土) 13:49:31 ID:U+LTf08t
真央はひたすら電話のテープを聴き続けていた。なぜ犯人達は受け渡し場所を3つに分けたのか。 何の意図があるのか。何かヒントがあるはず。 「あの、遅くなったけど、コーヒーどうぞ」 残っていた結衣がコーヒーを淹れてくれていた。真央は結衣の方を見もせず、カップだけ受け取る。 コーヒーに口を付け、飲もうとした真央はテープの“ある音”に気付いた。犯人からの4度目の電話 の時である。が。 「ぶぇ、ちょっと、なんでこんな甘いのよっ。砂糖は1個にしろって言ったでしょ!」 真央は結衣に怒鳴りつける。 「す、すいません……結衣は甘いのが好きなので思わず何個も……」 「ったく、思わずじゃないでしょうが。大体、1個でいいって言ったものを――」 そこまで言って真央はハッと何かに気がついた。 真央は今度は犯人からの2度目の連絡のテープを巻き戻した。 「やっぱり……おかしいわね、なんで奴らはこんなこと……。 そうか、もしかしたら奴らの狙いは――」 真央は再度、4度目の犯人からのテープを聴いた。遠くで、微かだがポォンと汽笛の音がする。 「この音は……やっぱり間違いない」 そう言った真央の、携帯電話がプルルと音を立てる。 「あ、もしもし夏希? ごくろうさん。あ、やっぱりそうだったの。サンキュー、助かった」 不思議そうにその様子を見ている結衣の方を真央は向き、ニヤリと笑った。 「一応、私にも友達ぐらいはいんのよ。そうそう、ところであんた」 真央は結衣を見て再びニヤリと笑った。 「な、なんですか……?」 「あんたの携帯、ちょっと見せてくんない?」
644 :
17 :2007/04/28(土) 14:21:31 ID:U+LTf08t
サエコは1億円の入ったバッグを重そうに抱え、駅で横浜港行きの電車を待っていた。と、1人の 少年がサエコに近づいて来て携帯電話をサエコに差し出した。 「変なおじちゃんが、これ、お姉ちゃんに渡せって」 サエコは恐る恐る携帯電話を少年から受け取る。辺りを見渡すが乗客の数は多く判別できない。少 年は走り去っていった。 ブゥンとバイブレーターが着信に反応する。サエコはビクンと身体を震わせ驚く。震える指で通話 ボタンを押した。 「……はい」 『あと1時間そのまま待て。その後、電車に乗れ。その間、仲間とは一切連絡を取るな』 サエコは言われるがまま、胸が締め付けられるような恐怖を感じながら、ベンチに腰掛け待つこと になった。
645 :
18 :2007/04/28(土) 14:39:08 ID:U+LTf08t
1時間後、再び携帯電話のバイブが鳴り、次の電車に乗るよう指示された。サエコは言われるまま に電車に乗り、人もまばらな車内の四人がけの椅子にちょこんと座る。サエコはただひたすら不安と 戦いながら暗い外の景色を見つめていた。海が近づいてきたのか、遠くに船の灯りが見える。エリカ ちゃんも私と同じように不安でいるに違いない。いや、自分なんかよりもずっと恐い想いをしている はずだ。自分がここで頑張らないと。そう考えながら己を奮い立たせる。 犯人が指定した電車は、目的地までかなりの遠回りの鈍行列車だった。そのせいか時間帯のせいか、 乗り降りする乗客の数もどんどん減っていく。乗ってくる乗客も残業帰りのサラリーマンや夜遊びし ていると思われる女子高生などほんの数人。 サエコの不安はどんどん増していった。なぜ犯人は目的地まで時間の掛かる電車に自分を乗せたの か。それに1時間も待たせて。乗客もほとんど居なくなった。 まるで人が減るのを待っているかのよう。 そこまで考えて、サエコはふと立ち上がってキョロキョロと車内を見渡した。 帽子を深く被りサングラスを掛けた男が、サエコをじっと見ていた。
646 :
19 :2007/04/28(土) 14:46:00 ID:U+LTf08t
サエコはブルブルと震え、1億円の入ったバッグを胸に抱いてしゃがみこんだ。コツコツコツ、と サングラスの男が近づいてくる足音が聞こえる。 どうしよう、犯人は最初から港じゃなく電車の中で1億を奪う気だったんだ。自分も連れて行かれ るのか。 椅子に丸まって腰掛け、今にも泣きそうなサエコに男がじわりじわりと近づいてくる。 が、その時。 「はい、そこまでだよ!」 ベースボールキャップを被った1人のセーラー服の女子高生が仁王立ちしてサングラス男の前に立 ちふさがった。男は驚いた様子で後ずさりする。 女子高生はベースボールキャップを脱いで髪をかき上げ、ニヤリと笑った。 「ま、真央ちゃん!」 サエコは驚きの声を上げた。
647 :
20 :2007/04/28(土) 14:56:43 ID:U+LTf08t
横浜港の、とある1つの空き倉庫。 あさみと樹里は薄い明かりがこぼれているその空き倉庫の詰め所に踏み込んだ。 「エリカ!」 「無事だべか!」 「……だからさぁ、そんなんだから社長は馬券が当たらないのよ。いいから天皇賞は黙ってデルタブ ルースを買えばいいんだって、エリカの言うとおりにさ」 部屋の中では、中年の男とエリカがスポーツ新聞を広げて競馬の予想をしていた。 勢い勇んで入って来たあさみと樹里はその光景にぽかんとするが、ほっとしたのか呆れたのか、肩 でふぅと息をした。 「なんだ、元気そうだべ……」 樹里は安堵の表情を浮かべてそう言った。 「あれー? もう見つかっちゃったの? クッソー、結衣やつ、もう見破られたか……」 「クッソーじゃないっつーの! 真央に連絡もらって車で飛んできたんだから。エリカ、悪ふざけが 過ぎるんじゃないの?」 あさみは頬を膨らましてそう言う。 「別にふざけてるわけじゃないよ。だってこの社長、可哀想じゃん。1億ぐらい、融資したつもりで くれてあげなさいよ」 エリカと競馬談義をしていた中年の男は、申し訳なさそうに謝っている。
648 :
21 :2007/04/28(土) 15:07:45 ID:U+LTf08t
「沢尻エリカは、ある小さな映画会社から出演の依頼を受けた。でもその映画会社の経営状況は芳し くない。でも、そこの映画会社の作る映画を沢尻エリカは大層気に入っていたみたいだね。事務所の 反対を押し切って出演を決めた。ところが、肝心の制作費が足りない。友達に調べてもらったけど、 随分お金で苦労してたみたいだね。そこでその映画会社の社長さんが思いついたのは、身代金目的の 誘拐。で、沢尻エリカがそれに乗っかっちゃって感じかしらね」 すでに真央とサエコとサングラスの男しかいなくなった車内。 真央は無言のサングラスの男に語り続ける。 「不思議だったんだ。私達をまるで見張ってるみたいにこちらの様子を知っている感じが。で、裏切 りものを探したら案の定、ヒット。新垣結衣ちゃんが逐一、メールであんたらに連絡してたわけだ」 「そ、それじゃあ、最初からエリカちゃんが仕組んだ狂言誘拐!?」 サエコは真央に飛びつくような勢いで尋ねる。 「まあ落ち着きなさいよサエコ」 慌てるサエコを真央は嗜める。 「でも、考えたもんだね、3億用意して3つに分けろって。最初に1億って言ってきて、突然3億に 変えたのは不自然だね。どういうわけかは知らないけど。 でも元々、あんたらは1億だけしか奪う気はなかったんでしょ? 最初から、ここ横浜だけが狙い だった。かく乱作戦にしてはまあまあだね。でも、あんたが掛けた電話の後ろで大型船の汽笛の音が 鳴っていた。埼玉、山梨、横浜で、海に面しているのはただ1つ。 でも助かった。あんたがだらだらと金を奪うのを引き延ばしたおかげで私がサエコに追いつけちゃ ったもんね。快速電車に乗り継いで、移動はこいつで全速力。怒られたわよー、駅員さんに。無視し たけど」 真央は折り畳んだ自転車を持ち上げ不敵に笑う。
649 :
22 :2007/04/28(土) 15:12:16 ID:U+LTf08t
「だって、このエリカがたったの1億の価値とかありえないでしょ?」 「それで3億にしろって言ったの?」 「ううん、最初は5億」 「欲張りだべなぁ……」 エリカの言葉にあさみと樹里は心底呆れていた。 「まあ間を取って3億にしたわけ。でも社長は1億でいいって言うからさぁ、そんじゃあ3億奪う ってことにして1億だけ掠め取ろうと思いついたわけ。あいつが」 「あいつって?」
650 :
23 :2007/04/28(土) 15:19:42 ID:U+LTf08t
「調べてもらった情報によると、その映画会社の社長さんってお人良しで有名でね、それで何度も騙 されてお金無くなっちゃったみたい。じゃあなんでそんなお人良しの社長さんが誘拐なんてやろうと 思ったのか」 真央の顔から笑顔が消え、ジロリとサングラスの男を睨みつける。 「あんたにそそのかされた。そうだよね? 運転手のおじさん」 真央にそう言われたサングラスの男は、帽子とサングラスを取り素顔を見せる。サエコは見覚えの あるその顔にあっと驚きの声を上げた。 「エ、エリカちゃんの専属の運転手さん……?」 「あんたの、沢尻が消えたときの証言は全部嘘。協力者だもんね。今回の事件は、このおじさんが計 画し映画会社の社長さんが乗せられて、社長さんに同情した沢尻エリカと新垣結衣が協力したってこ とね。でもおじさん、あんた、本当は上手くやって1人で1億円持ち逃げする気だったでしょ?」 「……」 男は何も言わない。 「金の受け渡しは、本当は横浜港のどこかでするはずだった。全部、新垣結衣が吐いたわよ。今ごろ みんなが沢尻と社長さんの居場所を突き止めてるはずだよ。本当はその場所でサエコから金を奪う手 はずだった。でもあんたは、社長さんと沢尻エリカと新垣結衣、3人を上手く利用して自分だけ金を 持って逃げる気だった。ここでサエコから金を奪ってね。社長さんは悲しんでるだろうね。また裏切 られたって」 電車は、次の駅に到着しようとしていた。
651 :
24 :2007/04/28(土) 15:26:49 ID:U+LTf08t
電車のドアが開くと同時に、男は電車から飛び出した。 「待てっ!」 真央も電車を飛び出し、男を追って走って追いかける。 その時、逃げていた男がホームを歩いていた1人の老婆にぶつかった。杖をついて歩いていた老婆 はその衝撃で杖を落としてしまいその場に倒れこむ。 男を追っていた真央はその老婆の横で立ち止まり、痛そうに膝を摩る老婆と走り去る男を見比べる。 くっ、と歯軋りをして逃げる男の背中を睨みつけた後、老婆に寄り添い「大丈夫ですか?」と声を掛 け老婆を助け起こす。 1億円の入ったバッグと真央の自転車を抱えたサエコが息を切らせて真央に追いついてきた時には、 男はホームを降りフェンスをよじ登って駅の外に走り去ってしまっていた。
652 :
25 :2007/04/28(土) 15:38:24 ID:U+LTf08t
『なんですって!? 逃がした!?』 みきの怒鳴る声が携帯電話から響く。真央から連絡を受けていたみきとまさみは、エリカの家に戻っ ていた。そのみきに、真央は犯人を逃がしてしまったことを電話で伝えた。 『あなたねぇ、あれだけ偉そうにしといて……!』 「すいません……」 真央の素直な謝罪に、みきの声も少し和らぐ。 『……まあ、あなた達はよく頑張ったわ。もう責める気は無いわよ。実はその運転手の男、中国マフィ アの一味だって情報も流れてきてるの。金のありそうな芸能プロに近づいて色々と汚い手を画策してる ってうちの捜査部でも最近要チェックリストに入ってたの。でもまさか、誘拐まで考えるとはね。イメ ージダウンを恐れて公に出来ないこの業界の弱点を巧妙に付いてきたってわけね』 「そうですか……」 『とにかく、今から迎えに行くわ。もうそろそろ終電でしょ。近くのコンビニででも待ってなさい』 みきからの電話が切れると、真央はより一層落ち込んだ顔になった。そんな真央を心配そうにサエコ は見つめていた。
653 :
26 :2007/04/28(土) 15:51:25 ID:U+LTf08t
2人はとぼとぼと暗い夜道を歩いた。真央は自転車を押して歩き、その少し後ろを1億円の入ったバ ッグを持ったサエコが付いていく。 「で、でも、サエコは、真央ちゃんのしたことはとっても偉いと思うよっ」 努めて明るく、サエコがそう言った。 「真央ちゃんって、もっと冷たい人かと思ってたけど、なんか安心したって言うか……」 サエコの言葉を、真央は黙って聴いている。 「サエコは、真央ちゃんのこと好きになったよ」 「近所のおばあちゃんがね……」 「えっ?」 「うちの近所のおばあちゃんが、『真央ちゃんがテレビで頑張ってるからわたしも長生きするよ』って 私に言ったことがあるんだ」 「真央ちゃん……」 「……笑いたかったら笑えば?」
654 :
27 :2007/04/28(土) 15:54:38 ID:U+LTf08t
「ううん、笑わないよ! だって、とっても素敵じゃない!」 「……」 「それに真央ちゃんってとっても凄いよ! お芝居は上手だし、勉強もできるし」 「そんなことないよ。小さいときからテレビに出てるだけ。勉強だってめちゃくちゃ頑張ってやっと大 学入れたし。他に遊ぶ暇もほとんどなくて今どきの女の子の遊びとかあんまり知らないし。つまらない 人間だよ」 「じゃあ、サエコが今度遊びに連れて行ってあげるよ! 一緒にお茶しようよ! そうだ、真央ちゃん の出る映画がもうすぐ始まるし一緒に観に行こう、ね!」 「えっ……」 「ね?」 「うん……ありがとう……サエコ……」 「ほら、元気出そうよ! ほら、歌おう! あーあ、あーなたのこえーがーとーおくなーるー♪」 「ぷっ、何よその歌」 「チャットモンチーって言うバンドなんだよ、今、マイブームなの!」 「へぇ、なんて曲?」 「ええとね、“女子達に明日はない”」 「何それ、ハハハ――」 真央とサエコは顔を見合わせて笑いあった。真央は自身の心の奥が暖かい気持ちに包まれて行っている のに気付き、今まで感じたことの無い不思議な温もりを感じていた。
655 :
28 :2007/04/28(土) 16:03:28 ID:U+LTf08t
しかし、その時。 サエコの身体が宙に浮いた。と、同時に一台の車が真央を掠めるように走り去っていく。 「真央ちゃーん!!」 サエコの叫び声が響く。サエコが、車に一瞬で連れ込まれたのだ。1億円の入ったバッグと共に。 真央は、サエコを連れ去った男の顔をはっきり見た。さっきのサングラスの男だ。それと、男の仲間 と思われる何人かが車に同乗していた。男は仲間を引き連れて戻ってきたのだ。まだ1億円を諦めてい なかった。真央は男が金の受け渡し場所を横浜港にした理由が分かった。中国マフィアの仲間が多数潜 む、海に近い場所を選んだのだ。もし失敗しても力づくで金を奪う気だったのだ。 真央は必死で自転車で車を追いかけた。しかし、追いつく間もなくあっという間に置いて行かれてし まう。スピードを出しすぎた自転車は、カーブでハンドルを取られ真央は前のめりに自転車から転げ落 ちた。 真央は落車の痛みで眩暈を起こしながらも、走り去る車を目で追う。 真央は自分の見通しの甘さとサエコを奪われた悔しさに唇を噛んで血を流した。 だが、やがて意識はだんだんと遠のいていった――。
656 :
29 :2007/04/28(土) 17:59:24 ID:U+LTf08t
「大丈夫!? しっかり!!」 真央は目を覚ました。 真央に呼びかけていたのは、車で横浜に到着したみきとまさみ、結衣。 「ちょっとあんた、サエコさんは!?」 まさみのその言葉に真央はぴくんと反応し、身体を起こす。 「そうだ、サエコ……奴らにさらわれて……1億円も一緒に……」 「なんですって! あんた、サエコさんがさらわれたってのにこんなとこで寝てたのっ!」 真央に食って掛かるまさみを結衣は必死に止める。 「べ、別に真央さんだってただ寝てたわけじゃないですよ!」 ぎゃあぎゃあと騒ぐまさみと結衣を放っておき、真央は必死で考える。 「目的を達した奴らは、船で海に逃げるはず……」 真央の言葉に、みきも頷く。 「行きましょう、とにかく港よ。バッグに発信機が付いているからきっとすぐ見つけられるわ」
657 :
30 :2007/04/28(土) 19:40:32 ID:U+LTf08t
「むぐぐぅ〜、むぐむぐ〜」 猿ぐつわを噛まされ、手足を縛られたサエコが大きな漁船に運び込まれていく。その漁船は見かけだ けのダミーの漁船で、実際はマフィアの乗る高速船だ。 その船に数十人ほどの男達がせっせと荷物を運び込んでいた。 その男達を指揮しているのは、エリカの専属運転手に成りすまし1億円強奪計画を立てたサングラス の男。彼はこのマフィアのボスであった。 「お嬢ちゃん、静かにするアルね」 苦しそうなサエコの顎を掴み、ボスの男はそう言った。 「私の組織は、まだまだ小さいアル。組織を大きくするには金がいるネ。お嬢ちゃんも、一緒に来ても らうアルよ。お嬢ちゃん、可愛いからきっと高く売れるヨ」 ボスのその言葉を聞いたサエコは目に涙を浮かべ顔を横に振っていやいやとする。 「ボス、これを」 マフィアの下っ端の男がボスに1億円の入っていたバッグを見せる。ボスが底を剥がすと、小型の発 信機が現れた。 「……中々舐めたマネをしてくれるアルね」 ボスはサエコの方を向きギロリと睨む。サエコは発信機を発見されてしまい、さらに絶望感に打ちの めされた。 だがそこに。 ブォォォと爆音を鳴らしながらヘッドライトを照らして走ってくる1台の車。マフィア達はライトの 眩しさに目を覆いながら、走ってきた車を四方に散って避ける。 キィィィィーーッ。 「サエコ、助けに来たよ!」 「サエコさん! 私のサエコさん!!」 車の中から真央とまさみが勢いよく飛び出した。
658 :
31 :2007/04/28(土) 20:01:26 ID:U+LTf08t
「むぐぐ〜むぐ〜!」 サエコは必死に叫ぶが猿ぐつわのせいで言葉にならない。 「サエコ、もうちょっとの我慢だよ!」 「サエコさん、今すぐほどいてあげますから!」 そう言ってサエコの元に駆け寄ろうとする真央とまさみの前にマフィア達が立ちはだかる。 しかし、まだ出来たばかりの小さな組織ということもあり、マフィア達は余り喧嘩慣れしていない様 子でマフィアと言っても名前だけのただのチンピラだった。 「これならいけそうねっ」 真央はマフィア達を見渡してそう言った。 「真央さーん、まさみさーん、頑張って〜」 怯えた様子の結衣は車の中から2人に声援を送る。みきも車を降りたものの、そんな結衣を守るのに 精一杯な様子である。 「どう、あんた闘れる!?」 真央がまさみに聞く。 「誰に向かってもの言ってんのよ!」 まさみが威勢よく応える。 2人は背中合わせになり、その周りを数十人のマフィア達がぐるりと囲む。 「さぁ、いらっしゃい!」
659 :
32 :2007/04/28(土) 20:08:14 ID:U+LTf08t
マフィア達が一斉に2人に襲い掛かった。まさみは長い足から繰り出す得意の蹴りで飛び掛ってきた マフィアを蹴り飛ばす。真央は着ていたセーラー服のスカーフを抜き取り襲ってきたのマフィアの首に 巻きつけ締め上げる。 大人しそうな女の子2人の思わぬ奮戦に、マフィア達はたじろいだ。だが、2人の実力を見たマフィ ア達は近くに落ちている木材や鉄パイプを拾って構え、じわりじわりと距離を詰めてきた。 鉄パイプを振り上げたマフィアが真央に襲い掛かる。真央は寸でのところでそれをかわすが、死角か ら襲ってきた別のマフィアの木材の一撃を腕に受けてしまう。 「うっ……」 落車で腕を傷めていた真央はたまらず膝を着いた。その真央の頭上を再び木材が襲う。だが、まさみ の蹴りがそれを弾き飛ばし真央は救われる。 「なにしてんのよ! しっかり立ちなさいよ!」 まさみは自分に襲い掛かってくるマフィア達をいなしながら真央を抱き起こす。 みきは自分に襲い掛かってこようとするマフィア達を牽制しながら苦戦する真央とまさみを見る。 2人はこのままでは勝ち目がない。みきの顔に焦りが浮かぶ。 「さぁ、そろそろ楽にしてあげるアルよ!」 ボスの声と共に、真央とまさみに一斉にマフィア達が襲い掛かってきた。 もうだめだ、そう誰もが思った。
660 :
33 :2007/04/28(土) 20:18:59 ID:U+LTf08t
ドゴォン! 凄まじい音を立て、倉庫の壁を突き破ってまたもう一台車が現れた。車はふらふらと蛇行しながらも 猛スピードで真央達の方に突っ込んでくる。 うわああ、と叫び声を上げながらマフィア達はその車から逃げ回る。真央とまさみもなんだか分から ないままその車から逃げる。 しばらくふらふらとしていた車はキィッと高い音を発し、前のめりになり急停車した。がちゃ、とド アが開き、なにやら騒がしい女の子達が降りてくる。 「ちょっとあさみ! アンタもっとちゃんと運転しなさいよ!」 「しょーがないでしょ、ペーパードライバーなんだから!」 「き、気分悪いべ……おぇ……」 女の子達は大声で喧嘩をしている。 その様子を真央達もマフィア達もぽかんとした表情で見ている。 その中で一番騒がしい1人の女の子が、くるくると周りを見渡し思い出したように言った。 「ん? ああそうそう、やっと見つけたわよアンタ達! エリカとその愉快な仲間達、推参! やっぱりヒーローは最後に現れるのよねっ!!」
661 :
34 :2007/04/28(土) 23:16:39 ID:U+LTf08t
呆気に取られていたマフィアのボスは、ハッと我に返り部下達に指示を出す。
「まとめてやってしまうアル!」
マフィア達が一斉に武器を手に取りエリカ達を取り囲む。さっきの闘いで手傷を追った真央とまさみ
は素早くエリカ達の車に隠れ、不安気にエリカ達を見守る。
「フフン、アンタ達みたいな雑魚、このエリカが直接手を下すまでもないっての。ブルース、出番よ!」
エリカは不敵に笑いながら、勢いよく車のトランクを開けた。そのトランクの中から、ゆっくりと
1人の女が立ち上がる。女は黄色いジャージを着ていて片手にヌンチャクを構え、小刻みに顔の筋肉を
震わせている。身体からは匂い立つような凄まじい闘気を発していた。
「おお、いつにも増して気合が入ってるね、翔子! ヌンチャクを持った翔子は強いよ!」」
あさみが頼もし気にジャージの女を見て言った。
しょこたんブルース・リー
http://www.youtube.com/watch?v=wyxfYlI9y0c
662 :
35 :2007/04/28(土) 23:25:29 ID:U+LTf08t
「ほあたーーーーっ!」 トランクの中からカンガルーのような華麗な跳躍で飛び出した翔子はヌンチャクを一閃する。その一撃 で4人のマフィアが後ろに大きく吹き飛んだ。 「あちょ! あちょ! あたー!」 翔子は華麗なヌンチャク捌きで次々とマフィア達をなぎ倒していく。あさみは飛ばされてきたマフィア をどこからか取り出したフライパンで叩いて止めを刺す。樹里は墨汁入りの水鉄砲でマフィア達の顔を次 々狙い打っている。目の前が見えなくなったマフィアの足をエリカが引っ掛けて転ばせ、ぐいぐいとかか との尖ったヒールで踏む。 あまりに見事なエリカ達の戦いぶりに、マフィアのボスは恐れをなしたのか船に逃げ込んだ。中にいた サエコを掴み上げ、奥に引っ張っていく。 「あっ、あのバカ、何捕まってんのよ」 エリカは船内に逃げるボスの後を追おうとする。 「待ちなさいよ! あんただけにいい格好はさせないからね!」 「サエコは、私が取り返す」 そのエリカをまさみと真央がエリカを呼び止めた。 「大丈夫、ここはうちらに任せて! 今の翔子はヒョードルより強いから!」 あさみがにこやかに3人にそう言った。 うん、とうなずいて3人はサエコを取り返すべく走り出した。
663 :
36 :2007/04/28(土) 23:41:21 ID:U+LTf08t
「待ちなさい!」 みきが、3人を呼び止めた。 「なーに? まだなんか用?」 エリカが口を尖がらせて言った。 「これ以上は危険よ! あんた達みたいな若い子達をこれ以上危険な目に遭わすわけにはいかない。ここか らは私の仕事よ!」 みきは真剣な目で3人を見つめてそう言った。 「そうは言ってもね、トモダチは自分達の手で助けなきゃね」 「そうね。この女の意見に同意するのは癪だけど」 「ごめんなさい。ここは私達で行きます」 3人は口々にそう言う。 みきはその3人を改めて見比べ、分からないといった顔で聞いた。 「あなた達、一体どういう……」 3人はそれぞれ首を傾げて考えていたが、お互いの顔を見合わせてフンとそっぽを向いた。 「エリカはこいつらのことが気に入らないわね」 「私も大っ嫌いだわ、こんなガムクチャ女とサル顔女」 「私はテレビにこの人達が映るたびにさっさと消えて欲しいと思っていますけど」 3人は口々に勝手なことを言い合い、まったく目も合わせず、船の奥に消えていった。
664 :
37 :2007/04/28(土) 23:47:15 ID:U+LTf08t
「むぐむぐ〜!」 「ええい、静かにするアルね!」 サエコを連れたマフィアのボスは船の操舵室に向かっていた。広い貨物置場を奥に進もうとする がサエコが暴れて言うことを聞かない。 「このアマ! うるさいアル!」 サエコを殴って黙らせようとボスは手を振り上げた。 「待てーい!」 ボスはその声に振り返る。 そこには、エリカ、まさみ、真央。 「まったく、あんまり面倒かけないでよサエコ」 エリカが呆れた口調でそう言った。 「サエコさんに手を上げたらあんた殺すわよ!」 まさみはギラギラとした眼差しで鼻息も荒い。 「サエコ、もうちょっとの我慢だから」 真央は穏やかだが強い口調でそう言った。 「むぐむぐむぐ〜!!」 サエコは涙を流して必死に3人に応えた。 「ハッハッハ、お前達、ここがお前達の墓場アルね!」 ボスは自信たっぷりに懐からトカレフを取り出し、サエコのこめかみに突きつけた。いやらしい笑いを 浮かべながらサエコの頭ににゴリゴリとトカレフをこすりつける。 「おおっと、一歩も動くんじゃないアルよ。こいつの頭が吹っ飛ぶアルね」 ボスは挑発的に3人にそう告げる。 しかし、エリカとまさみと真央はハァ、と溜め息を吐きつまらなそうな顔をした。 「今どき、語尾が〜アルって。まあ前から無口な運転手だと思ってたけどまさかホントはそんな喋り方だ ったなんて。つか普通に日本語喋ってたじゃん」 「どんだけステレオタイプなのよ。昭和?」 「あの計画立てた同一人物とはとても思えない。なんか頭悪そう」
665 :
38 :2007/04/28(土) 23:54:11 ID:U+LTf08t
「あー、うざー。もうやってらんないわこんな小悪党と。バーカ」 「さっさとサエコさんを返しなさいよバカ」 「なんでこんなバカに踊らされたんだろ。ちょっと自己嫌悪」 3人の罵倒は止まらない。 「バカの日本チャンピオンじゃない?」 「いや、バカの世界王者かも」 「やだ、こっち見ないでよ、バカが移るから」 ブルブルと怒りに震えるボスはトカレフの銃口を3人の方に向けた。 「バカにバカって言う方がバカアルよー! お母さんに教えて貰わなかったアルかー!!」 ボスは引き金を引こうとする。その刹那、 「今よ!」 エリカと真央が左右に飛びのいた。ボスは3人の誰を打つか躊躇したが 「ハハッ! 逃げ遅れたアルねっ!」 真ん中に取り残されたまさみの胸を打ち抜いた。まさみは後ろに大きく吹き飛び倒れた。 ボスは倒れたまさみに止めを刺そうと近づく。 「やったアルね」 ボスは起き上がらないまさみを見て薄笑いを浮かべる。が、死んだはずのまさみは目を開け、ニコリと笑っ た。 ギョッと仰け反ったボスの頭上に、凄まじい勢いで煙が吹き付けられる。真央が船のバルブを回していたの だ。 熱い煙を頭に被ったボスはヒィヒィと言いながら酔っ払いのようにフラフラとよろめく。そのボスの肩をぽ んぽんとエリカの手が叩いた。 「はい、おやすみ」 ぐしゃ、と鈍い音と共にエリカの右ストレートがボスの顔面にめり込んだ。
666 :
39 :2007/04/29(日) 00:07:40 ID:76LF9NaU
「ほらサエコ、しっかりしなさいよ」 エリカはサエコの猿ぐつわと、身体を縛っていた縄をほどいてやった。 「ぷはっ。あ、ありがとっ。うわ〜ん、ほんとにほんとに恐かった! もう希望も無くなりそうだったよ〜!」 「希望なんて無くったっていーのよ」 エリカは事も無げに言った。 「ま、まさみちゃん、何ともないの?」 「ああ、これですか?」 まさみは服の下から分厚い鉄板を取り出して、サエコに見せた。 「その鉄板と、アンタの不必要にでかい乳のおかげだね」 「何言ってるのよ。作戦を考案したのはこの私だよ」 真央が突っ込む。 「まったく、危ない作戦よね。私が死んじゃったらどうするつもりだったのよ」 「アンタみたいなバカは死ななきゃ治らないわよ」 「ムキーッ! あんたこそくたばっちゃえば良かったのにね! その減らず口を聴かずに済むわ!」 「もう面倒だから2人ともしねば?」 3人の罵りあいは止まらず加速するばかりだ。 「ぷ、クスクスクスクスクス……」 さっきまで泣きそうな顔をしていたサエコは、そんな3人を見て思わず噴き出してしまった。 「サエコは、エリカちゃんも、まさみちゃんも、真央ちゃんも大好きだよっ!」
667 :
40 :2007/04/29(日) 00:36:49 ID:76LF9NaU
「おっかえりー! こっちも片付いたよ」 あさみ達は明るくエリカ達を迎えた。辺り一面にはボロ布のようになったマフィア達が転がっていた。 みきは無事に帰ってきた4人を見てほっとした様子だ。 「……警察呼んだから、もうすぐ来るわよ。後は私達捜査部に任せといて。もちろん、誘拐事件の事は 言わないつもりだから安心して。マフィアの仲間割れとでも言っておくわ」 「あの、映画会社の社長のことは……」 エリカはみきに恐る恐る尋ねる。 「それは、あなたとあなたの事務所に任せるわ。お金も全額返ってきたし、あなた達タレントも無事だ ったし。それに、誰かさんも共犯だしね〜」 いたずらっぽくみきはエリカにウインクして見せた。 「あ、あははは〜。ありがと、お姉様〜」 エリカは苦笑いを浮かべる。 「それじゃ、みんな帰ろっか!」 あちこちがへこんで傷だらけになった車にエリカ達は乗り込んだ。その車内でも狭いだのなんだので、 大騒ぎをしている。 「それー! 明日に向かって走れー!」 エリカのやたら威勢のいい叫びとは逆に、その騒がしい車はまた来たときと同じようにふらふらと蛇 行して走り去って行った。それと入れ替わるようにパトカーのサイレンがみきに近づいてくる。 「――ほんと、不思議な娘たちね」 みきはまるで子供を見守る母親のような気持ちになっていた。 「ったく、もう子供のお守りはもうこりごりね、フフッ」
668 :
41 END :2007/04/29(日) 00:47:52 ID:76LF9NaU
エリカ「サエコ、カラオケ行くよ」
まさみ「何言ってるのよ! サエコさんは私とデートするんだから!」
真央「サエコ、私をお茶に連れてってくれる約束は?」
サエコ「い、一度に言わないで……」
ワイワイ……
翔子「なんだかサエコたん、いつにも増してモテモテだお」
あさみ「まーでも、こんな人達に気に入られちゃあ大変だよね」
樹里「モテル女の宿命だべ、うんうん」
結衣「愛って素敵ですね」
エリカ「大体、サエコのくせにナマイキなのよ。黙ってエリカに付いてくればいいのよ」
まさみ「今回、死にそうな思いで頑張ったのはこの私よ! だから今日は私と遊ぶの!」
真央「約束、忘れてないよね? どう考えても一番頑張ったのは私だし」
サエコ「じゃ、じゃあみんなで仲良く遊ぼう、ね?」
エリカ・まさみ・真央 『死んでもイヤだ!!!』
〜終。でも続く〜∞
チャットモンチー − 女子たちに明日はない
http://www.youtube.com/watch?v=tDMv3fCfZEc&mode=related&search=
669 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/29(日) 00:57:01 ID:s8g8Niem
Gj!!!超大作ですね!いつにも増して読み応えあったよ〜
素晴らしい物語をありがとう
GJ、超GJ
672 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/29(日) 09:33:46 ID:jRluE5gv
真央はエリカ好きだったはず でもGJ
673 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/29(日) 13:41:52 ID:5rwgFKUs
GJ
超大作GJ! 展開が全く読めなくてハラハラだったし、真矢みきも好きだから嬉しかったw
GJ!! これ、女バージョンにしたいけど上手くできない・・・ 提供:名無しさん sage 2007/04/26(木) 18:41:55 O 沢尻エリカに足コキされながら 全裸の長澤まさみに膝枕されたい 沢尻「なにこいつ、ビンビンじゃんw」 長澤「しょうがないよ、気持ちいんだもんね」 って頭なでなでされたい
このスレ読み手が多いなぁ・・・羨まし・・
677 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/29(日) 18:38:57 ID:c2FqpLhr
エリカ「サエコさん、わたしゃ年金もらいに行って来るよ」 まさみ「なんじゃエリカさん、まだ銀行振り込みにしとらんのか?」 エリカ「なんか書類が細かくてなぁ。老眼鏡かけてもようわからんで。」 真央「わたしゃぁ、ちょっと病院行ってくるでな。」 サエコ「わたしゃも一緒に行こうかのお……」 まさみ「んだ、んだ。いくべか?」
↑つまんね
679 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/29(日) 19:21:19 ID:c2FqpLhr
激同。つまんないよね。このスレ。
680 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/29(日) 19:40:09 ID:lvu5RAzj
>>675 お口に合うかどうかはわからんが、書いてみた。
*************
サエコは沢尻エリカに足で乳首をいじられながら
全裸の長澤まさみに膝枕されている。
沢尻「なにこいつ、ビンビンじゃんw」
長澤「しょうがないよ、気持ちいんだもんね」
まさみの白い指はやさしくサエコの髪をなでていた。
681 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/29(日) 19:45:27 ID:c2FqpLhr
>【ガラガラ蛇】沢尻エリカ×サエコ2【ヒヨコ】 実在の人物の名前入りでポルノ小説を書いて不特定多数が目にする掲示板 にUPするのは名誉毀損で削除対象。 実際に自分の名前入りのポルノ小説をUPされた高校生からの訴えで警察が 捜査に乗り出した事例もある。
ID:c2FqpLhr はいつもの荒らしなんでスルーしてくらさい。
683 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/30(月) 03:13:20 ID:KkDI8+xY
684 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/30(月) 03:44:48 ID:32suKnJr
###### 警告 犯罪です!!!! ####### 実在の人物の名前入りでポルノ小説を書いて不特定多数が目にする掲示板 にUPするのは名誉毀損で削除対象。 実際に自分の名前入りのポルノ小説をUPされた高校生からの訴えで警察が 捜査に乗り出した事例もある。 ################################
>>680 まさみに膝枕されながら
ブラウスの隙間からエリカの指が入ってくる
↓
エリカ:なにこいつ、ビンビンじゃんw
↓
まさみ:しょうがないよね、気持ちいんだもんね。
っていう展開の方がよかったかな。
そもそもその高校生とやらは 捜査されただけでなにも措置されてない罠と マジレスしてみる(笑)
687 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/30(月) 14:50:34 ID:32suKnJr
###### 警告 犯罪です!!!! ####### 実在の人物の名前入りでポルノ小説を書いて不特定多数が目にする掲示板 にUPするのは名誉毀損で削除対象。 実際に自分の名前入りのポルノ小説をUPされた高校生からの訴えで警察が 捜査に乗り出した事例もある。 ################################
688 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/04/30(月) 14:57:02 ID:32suKnJr
>>686 老眼鏡かけてニュースをよく読め。糞ばばあ。
マジレスすると、書き込んでいた同じ高校の高校生3名が
保護観察処分を受け、同校卒業生の会社員1名が書類送検と
なっている。
ばあさんも書類送検されて、会社と近所の笑いものにw。
そろそろエリカも映画の撮影に入る頃かな。 サエコとの絡みwktk
>>688 |
|
∩___∩ |
| ノ _, ,_ ヽ (( | プラプラ
/ ● ● | (=)
| ( _●_) ミ _ (⌒) J ))
彡、 |∪| ノ
⊂⌒ヽ / ヽノ ヽ /⌒つ
\ ヽ / ヽ /
\_,,ノ |、_ノ
(゚Д゚)ハァ? 童貞ヒッキーがほざいてるお プゲラ。らいらいおっおっ クマー(笑)
692 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/05/08(火) 06:55:37 ID:4jU77CAi
age
693 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/05/09(水) 02:12:04 ID:/Nlh8R5q
>>691 その童貞の書き込みに恐れをなしたババアが小説書くのやめてらぁ。
ぷっ。
現在サエコは活躍中 次はそろそろエリカか
695 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/05/14(月) 02:57:11 ID:RSp2om90
んげらー
sage進行で頼む。
このスレにババアはいないな 寧ろジジィしかな(ぷ) 俺もだが、おまえもそろそろ働こうぜ?
698 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/05/14(月) 22:30:36 ID:jqGJZfJT
新作、はやく読みたいお お願いします!!
「クローズノート」が上映開始したら 投下がくるだろ
700 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/05/18(金) 13:52:34 ID:qNQKS8fv
今は今でいいんだが、前スレみたいな エリカ×サエコ純愛 エリカ×サエコエロ も見たいもんだ
701 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/05/18(金) 17:06:42 ID:tCABNfxv
>>691 その童貞の書き込みに恐れをなしたババアが小説書くのやめてらぁ。
ぷっ。
>>691 その童貞の書き込みに恐れをなしたババアが小説書くのやめてらぁ。
ぷっ。
>>691 その童貞の書き込みに恐れをなしたババアが小説書くのやめてらぁ。
ぷっ。
sage進行で。
703 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/05/23(水) 16:21:48 ID:mHmVy4Lx
hosyu
sage
705 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/05/27(日) 22:53:41 ID:n1P+nS11
あげ
書いてみた。よかったら読んでくれ。
「イタッ!」 頭に何か当たった? 痛みに思わずしゃがみこむ。 「ゴメン。ゴメン。空き缶投げるつもりが中身入り投げちゃった」 転がってるペプシNEXを拾って差し出したのは、 完璧な笑顔のエリカだった。 「これあげるから許して。飲めば痛みも消えるよ。サエコ」 痛みと怒りでなかなか声が出てこない。 「どうした。打ち所でも悪かった?」 「も、もう、わけわかんない」 めちゃくちゃに繰り出した猫殴りパンチがエリカの手元をヒット。 地面にたたきつけられたペプシNEXは、くるくる回りながら褐色の泡を吹き出した。 ああ、このままだとエリカが汚れちゃう。 怒りも痛みも忘れて、私はパニクった。
そこで目が覚めた。 近頃こんな夢をよく見る。 自分がサエコになっている夢だ。 夢の中で私はエリカ、つまり自分のいじめをうけている。 いっとくけど、私はサエコにこんなひどいことしない。 空き缶を投げつけたことはあるけれど、中身入りなんてとんでもない。 もしかして他人になりきる女優の性かな? サエコの天然さを参考にしたい女優としての自分がいるのかもしれない。 な、わけないか。 私は止まらない涙を両手で受けとめた。 手のひらがイタかった。
サエコが鏡の前に立っている。 自分の写真を撮ろうとしてるみたいだ。 なんだか笑顔つくったりしてるよ。 あれだ。サエコ栽培(笑)にでも載せるつもりか? なんかムカついたので、そっと近寄りサエコの肩を軽くたたいた。 人差し指は伸ばしたままだ。指先には… 「イタッ!」 振り向いたサエコの頬っぺたには画鋲が深々と突き刺さっていた。 「ゴメン。ゴメン。そんなに思いっきり振り向くとは思わなかったからさ」 サエコの目にみるみる涙が溜まっていった。 「その、あれよ。前サエコ言ってたじゃん。 子供のころよく怪我して、顔に穴を開けてたって。 だから大丈夫だよ。私、自分の画鋲は殺菌してるし。 感染症は洒落になんないもんね」 サエコは泣きながら私に言った。 「エリカ。一緒に写真撮ろう」 サエコは画鋲の突き刺さったままの頬っぺたを私の頬にくっつけカメラを構えた。 フラッシュの光に思わず目を閉じた瞬間。
目が覚めた。 変なの。 最近見る夢はいつもこんな感じ。 夢の中だと、私はエリカになって、そしてサエコ、つまり私をイジめている。 自分は自分を苛めたいってこと? それともエリカから苛められたい私の願望? でも画鋲を頬っぺたはひどいよエリカ。 って酷いのは私か。 ふと自分の頬が気になり、鏡の前に立った。 鏡の中で、私はなんだかとっても幸せそうに笑っていた。
以上。続くかも。 続いたらサエコスリラーになる予定。 ていうか、ト書きの人待ってます。
お? なんだか手のこんでそうな作品ですね。 久しぶりの投下嬉しいっす。 続きまってます!
貴重な投下をありがとう!! 続き待ってます♪
714 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/06/06(水) 07:55:39 ID:8v95lRiJ
エリカ&サエコの3Pなら…
715 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/06/06(水) 14:36:19 ID:N7zl6WSc
エリカ歌手デビュー
>>712 ,713
レスありがとです。
なんか現実がネタを追い越しそうなので、
あわててまとめちゃいました。
>>707-710 の続きです。
「おはようございま〜す」 今日はリアルエリカの収録日。 せっかくハイテンション意識してスタジオ入りしたのに、 スタッフはパソコンの前で深刻な顔をしていた。 「あっ、沢尻さん。おはようございます」 「どうしたんですか」 「いやそれが。メール爆弾くらってるんですよ」 番組宛てに大量のメールが送りつけられてるようだ。 「どんなメールなの?」 つい口調がきつくなる。 「いや沢尻さんは見ないほうが…」 「ちょっと見せて」 無理やりモニターを覗き込んだ。 件名:沢尻はサエコいじめやめろ。 同じ件名のメールが画面を埋め尽くしていた。 「私は大丈夫です。中身も見せてください」
件名:沢尻はサエコいじめやめろ。 エリカさん、こんにちは。 リアルエリカ、いつも楽しく聞いています。 ところでエリカさん。 「沢尻はサエコいじめやめろ」 ってコピペ、知ってますか。 ほんとムカつきますよね。 そこで提案です。 サエコをゲストに呼んでほしいんです。 ぜったい呼んでほしいんです。 お願いです。 ラジオネーム サエコ
「いや、メールの内容自体は、他愛無いんですよ」 あれ? 「件名とラジオネームがちょっとあれですけど」 この文面、覚えある。 「ここ数日、深夜に万単位で送られてきてるんですよね」 思い出した。 「メールサーバが不安定になっちゃって」 夢の中のサエコな私が、夢の中のエリカに書かされたメールだ。 「業務にも支障でてきそうなんで、警察に届け…」 私が出したの?たぶん。 「沢尻さん。どうかしました?」 いつのまにか涙が流れ落ちていた。 「ごめんなさい。キーボード壊れちゃう」
まずいよ。 何も書けない。 JUNON 新連載の原稿、今日が締め切りなのに。 ああいつのまにか日付変わっちゃってる。 編集さんはライターの人がインタビューまとめるからって 言ってくれたんだけど何だか自分が許せなくて 無理やりお願いして自分でかかせてもらえることになったのに。 おかしいな。 これもあの変な夢のせいだ。 そうエリカのせいよ。 あっ、またヒトのせいにしてる。 そんな自分がイヤになる。 サエコのバカバカバカ…
携帯の着信音に目が覚めた。 事務所からだ。 まずい。いつの間にか眠ってたみたいだ。 「なんですか?」 「どうしたのサエコ。何かあった?」 社長からだった。 「あなた変な原稿、送ったでしょ。 編集の人がびっくりして、私に連絡くれたのよ」 「えっ?まだ原稿送ってませんけど」 モニター見ると、書きかけのメールはなくなっていた。 「あっ。途中で送っちゃったのかも」 送信済みフォルダー内のメールを開いてみた。
件名:JUNON サエコの原稿 いつも遅くまでご苦労様です。原稿を送ります。 私はエリカ 私はエリカ 私はエリカ 私は エリカ 私はエリカ 私はエリカ 私はエリ カ 私はエリカ 私はエリカ 私はエリカ 私はエリカ 私はエリカ 私はエリカ 私は エリカ 私はエリカ 私はエリカ 私はエリ カ 私はエリカ 私はエリカ 私はエリカ 私はエリカ 私はエリカ 私はエリカ 私は エリカ 私はエリカ 私はエリカ 私はエリ カ 私はエリカ 私はエリカ 私はエリカ 私はエリカ 私はエリカ 私はエリカ 私は エリカ 私はエリカ 私はエリカ 私はエリ カ 私はエリカ 私はエリカ 私はエリカ 私はエリカ 私はエリカ 私はエリカ 私は エリカ 私はエリカ 私はエリカ 私はエリ カ 私はエリカ 私はエリカ 私はエリカ よろしくお願いします。 サエコ
思わずパソコンの電源を切った。 「サエコ。聞いてるの?」 あっ。大丈夫。思い出した。 「これからそっちに行くわよ」 なんだかうれしくなってきた。 「社長。心配ないです。 サエコが眠ってる間にエリカがいたずらしたみたい。 原稿、送りなおしますから」 「お友達がいっしょな…」 携帯の電源も切った。
♪〜(ジングル) リアルエリカ。今日のテーマは『アイドル道』ゲストはこの方 「サエコで〜す」 「超久しぶり」 「こないだ映画の現場であったじゃん」 「いや仕事中はなんか会えてる気がしないのよ」 「これも仕事じゃん」 「ラジオはちょっと違うのよ。適当でいいというか。適当がいいというか」 「確かに最近いっしょに遊べてはないよね」 「サエコはクラブとか苦手だもんね」 「エリカは写生とかポエムとか興味ないもんね」 「ポ、ポエムって、キャハハハハハ」 「サ、サエコは人前で片乳出したりできないし!」 「ちょっとやめてくれる。そんな噂、わたし信じてないもん」 「信じてないって。エリカ、当事者じゃん」 「…」 「エリカは自分のこと見えてないのよ」 「そんなこと言ってほしくない」 「ただ心配…」 「なに勝手に泣いてるのよ。バカみたい」
「ちょ、ちょっと止めます。 なんか変ですよ。二人とも。 とりあえず、沢尻さん。どうしたんです。 急に泣き出したりして。 サエコさんも笑いすぎです」 あれ? 泣いてるのは誰? 笑ってるのは誰?
ラジオの収録は結局中止になった。 二人とも今日は早く帰って眠るように言われた。 私たちはいっしょにスタジオを出た。 「今日、泊まっていい?」 「うん。もちろん」 私たちはいっしょに並んで歩いた。 スタジオからはけっこう近い。 「夕食、どうする?」 「いっしょに何かつくろ」 私たちはいっしょに食事をつくった。 「サエコ料理うまくなったよ」 「エリカほどじゃないけどね」 私たちはいっしょにお風呂に入った。 時間をかけて丁寧に洗った。 私たちはいっしょに寝た。 お風呂上りの匂いがそれぞれ本来の香りに変わっていく。 私たちはいっしょに眠った。 もちろん同じ夢を見た。
終わり。 ホラーにはちょっとならず。純愛ものです。 とりあえず今週のリアルエリカ必聴ということで。 お粗末さまでした。
なんとなく変わっていて面白い作品ですね GJ
ポエトリーリーディングにしたら面白そう
731 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/06/10(日) 14:08:07 ID:rFmkp6yS
1枚目だけでご飯3杯は行けそうだw
>>731 の二枚目は・・・
初夏の風薫る、ある日の昼休み・・・
エリカ『あーイイ天気ぃー、もう夏じゃね?暑っちぃよー』
サエコ『じゃあ木陰でゆっくりしようよ、ホラひざまくら』
エリカ『うほっ。サエコの太もも柔らかすぎ。超気持ちいぃーよー』
サエコ『ちょ、エリカ・・頭が当たっ・・・。私も気持ちイイかも・・・』
と勝手に空想した。他の二人はオレには見えん!
735 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/06/17(日) 09:56:20 ID:sDZVeLGD
3Pしたい。
736 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/06/27(水) 07:08:36 ID:pyRrAviy
新作きぼん
ワシの新作ならUPしてやらんでもない
お願いします
「合同結婚式、6500人の行方を捜して」被害者家族が訴え
日本基督教団統一原理問題連絡会主催の統一協会問題日韓教会フォーラムで、日本側は、韓国で統一協会の合同結婚式に参加した後、
行方不明になった日本人女性6500人の捜索を韓国教会に要請した。韓国教会側は教団と団体が協力し、問題解決に積極的に対処していくことに合意した。
韓国教会百周年記念館で18、19日開催された統一協会問題日韓教会フォーラムで、
日本の統一協会被害者家族の会関係者は「合同結婚式のために韓国に出国した日本人女性らと連絡が途絶えた状況」と述べ、韓国教会の積極的な協力を要請した。
19日参加した日本キリスト教会側と韓国キリスト教会側は、6500人のための相談窓口を開設し、被害者発見時には、日本の教会へ導くこと、
さらに今後も徹底した情報交換によって統一協会の対処法を両国キリスト教界が合同で模索することに意見を合わせた。
また、参加者らは、統一協会の韓国ヨス市浸透問題に関しても、積極的な対応策を模索することにした。日本側は、
統一協会のヨス市開発費が日本人被害者から騙し取った資金によって運営されているとして、
資金の出処を徹底的に究明して統一協会のヨス市開発を食い止めるため努力することを明らかにした。
今回のフォーラムでは、日本側から統一原理問題連絡会の日本カトリック教会、日本基督教団、日本聖公会、日本バプテスト同盟、日本福音ルーテル教会、
在日大韓基督教会、など6個教団と全国霊感商法被害対策弁護士連絡会、統一協会被害者家族の会などから28名が参加した。
韓国側からは、大韓イエス長老会統合異端対策委員会、大韓イエス長老会類似キリスト教相談所、韓国基督教統一教対策協議会などから21名が参加した。
日韓両国のキリスト教の牧会者、弁護士、被害者代表が参加し、合同で統一協会に対する対策を議論したのは今回が初めてである。
ttp://www.christiantoday.co.jp/news.htm?id=393&code=sn
“彼女は新別府町のジャスコにいた。 エレキギターを抱えて、惣菜を見てた。 わたしが小学5年生のときだ” サエコとERIKA、夏の邂逅。 ご期待ください。
ご期待します
743 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/07/03(火) 13:07:02 ID:g4mwjsxV
744 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/07/06(金) 07:57:16 ID:HPgBR2id
age
おはよー……。 「なにエリカの膝で寝てんの? うざい早くどいて」 いったいっ、なんでそんな意地悪なの。あ、日焼けしちゃったかもクリームクリーム。 「サエ、全然起きないんだもんねー。エリカのお膝で見る夢ってどんなん?」 アサミンったら。そうだなあ、食べ物の夢? ハムとか? 「ちょっと、それってエリカの膝がお肉みたいだってこと? 言ってみなさいよ! おら!」 もう、違うってば。ほっぺたつねらないでよエリカちゃんのバーカバーカ。 「バカにバカって言うバカがバカなのよバーカバーカブァーカ!」 なんでそんな負けず嫌いなのよあなたは。 「でもまだお昼前なのに暑いですぅ〜」 ほんとだねジュリちゃん。 「むむむ、これはいかんよ。みんな、脱水症状には気をつけるようにな」 ユイちゃんってばタチヒロシが抜けてない。あ、そうだ引きこもりのショコタンとか ヤバクなくない? 「どうせみんなはショウコが引きこもりだから太陽が苦手とか思ってるんだお? だお?」 すいません。 「芝生の上って反則よね。120パー癒されることが保障されるもん」 エリカちゃんってば超詩人。超同意。 「ねぇねぇなんか危なくない? あれ」 なにが? 「おっきいトラックだお」 まさか。公園に? 「ちょ、こっち来るんだけど」 なにそれ? 「あ……やば」
私に出撃命令が下ったのはその日の午後、ヒトヨンマルマル時ちょうどのことであった。 私はコロニーを出てソー星人との戦いに向かわなければならない。私は行かなければいけ ない。私が行かないとみんな死んじゃうんだ。ジュリアード、ショコルアン、A・アサミ ィ、ユイボ。戦友が、ううん、私の大切な友達がみんな消えてしまうんだ。 心残りもある。彼を置いてきたことだ。彼は私に行くなと言ってくれたがそんなわけに はいかないでしょう? と言い聞かせて置いてきた。普段はああしろこうしろと女に偉そう に言うくせにお別れになるとてんで駄目なのだ彼は。私がいつも遠くから会いに行っても さも当然のように振舞ってきた天罰だ。ざまあみろだ。 うそ。ほんとは少しだけ胸に針を刺されたみたいで痛い。でも知らない。今は他のこと はもう考えられない。頼りになるのは、己の力のみ。 スペースメタルで精製されたコンバットアーマーを身に纏い私は行く。みんなが助けを 待っている。私はヘルメットを被りゴーグルを下げる。ヘルメットのスイッチを入れると 戦況を伝える無線と3D視レーダーが私の聴覚と視覚に情報を流し込む。ソー星人の軍団 はコロニーの手前100キロまで接近している。 馬鹿な。こんな簡単に奴らの侵入を許すなんて、放熱スペースシールドは機能していな いのか? 「サエキュードへ、こちら前線、……聞こえているか? こちらエリアA−10、すまな い、もう持ちそうにない。……今までありがとう、サエ」 馴染みのあるA・アサミィの声が無線で入ってきた。その後、爆発音。私がA・アサミ ィの声を聴いたのはそれが最後だった。
抑えるんだ、サエキュードよ。感情的になってはいけない。いつも教官の言っていたこ とだ。有事ほど平静に。でなければ次にソー星人にやられるのは私になる。私はこのコロ ニーの最終防衛ラインとして的確に機能しなければいけない。それがA・アサミィの死に 報いることだ。それに、まだ救える命はある。 私は右腕のボードの赤いボタンを2度押した。私の足元が火を噴いて私の身体は3m浮 かび上がった。不安は胸にしまった。もう、闘うのみ。 私の身体は轟音と共にコロニーから離れ、真っ暗な宇宙の中に飛び出していった。暗い 暗い宇宙の闇の中をレーダーだけを頼りに私は突き進む。ただただ、真っ直ぐにみんなが 闘っているはずのエリアA−10へ向かう。途中でいくつもの戦士達の死骸に遭遇した。 死骸といっても残されているのはコンバットアーマーのみ。ソー星人は、私たちの肉を 自らの身体に取り込むから。 右腕のボードがけたたましい音をさせた。ようし、エリアA−10に入った。みんな、 どこなの? ジュリアード、ショコルアン、ユイボ。 ――静かだ。おかしい、レーダーが狂ったのか? 先程まで激しい戦闘が行われていた はずだ。でも何もないんだ。今、このエリアA−10には。 ソー星人にやられた? そんな……でも、ソー星人のあの独特のいやらしい気配は感じ ない。 何もない。今、この空間には。 私は無線でジュリアードとショコルアンとユイボを呼び出すが3人からの応答はおろか 生体反応もレーダーで確認できない。私はエリア情報を何度も何度も何度も確認するがヘ ルメットに内蔵されているコンピューターが導き出す答えは変わらずエリアA−10だ。 なんということだ、ソー星人はみんなを皆殺しにして別ルートでコロニーに向かったって いうのか? では、戦えなかった私はどうすればいいんだ。男のことを考えていてみんな を見殺しにしてコロニーまで危機に晒してしまった私はどうすればいい? 私は大変な罪を犯してしまったのではないか?
私は右腕のボードのダイヤルをゼロに合わせ、青いボタンを3度押した。ぺコーンぺコ ーンと腑抜けた音が鳴った。自爆コード。私は生きている意味も意志も失ってしまった。 「ちょっとアンタ、何やってるわけ?」 耳元で声がした。 「きょうび自爆とか流行んないから。あ、それとも何? あんたこの世界でそういう役割 なわけ? 爆弾岩だ、メガンテメガンテ〜とか」 真っ白な羽を身体中に生やした女の子が宇宙空間にぷかぷか浮いて私に語りかけている。 瞬間、天使だと思った。でも違う、自爆する私を向かえに来るのは決まっている。死神だ って。 「ちょっと止めるねそれ」 天使の姿をした死神が私の右腕をなぞる。ピッ……っと。音が止まった。 「アンタさぁ、もうちょっとさぁ、考えた方がいいよ、マジで。なんか見ててイタいんだ けど」 「関係ないでしょう。死神なら早く私をあの世へ連れて行って」 「イヤだね。エリカにだって選ぶ権利はあるもん」 「じゃあエリカさん、早く私を選んで」 「だからやだつってんじゃん。爆弾岩のクセにナマイキだぞぉ〜」 エリカはそう言って私のおでこをヘルメット越しに人差し指でツンってやった。私はそ の手を邪険に振り払う。 「みんなを見殺しにし、ソー星人とも戦えなかった私に帰る場所なんてない」 「次頑張ればいいんじゃん?」 「次なんてない。ソー星人はすでに私のコロニーに到着しているだろうし。私は友達ばか りか応援してくれたコロニーの人たちまで……私が遅れたせいで……」 「え? なんでなんで?」 「私がいれば全員の力を合わせてギャラクティカキャノンが使えた。私ひとりが欠けたせ いでみんなは厳しい白兵戦を戦わなくてはいけなくなったんだ」 「いやいやそーじゃなくてさ、なんで遅れたのさ?」 「それは……」 「いやいやいや、みなまで言わなくてよろしい。ほら、どうせ男なんでしょ?」
「それは……」 「ビンゴ? ねえマジビンゴ? イエスイエス!」 「はしゃがないで」 「まーでもそりゃ重いよね。ずっしりだわ。超スカイドン級」 エリカは私の肩を叩いてうんうんと頷く。私のエリカに対する苛立ちのメーターがレッ ドゾーンを超えそうになる。 「何を分かったような……あなたみたいな死神に何が分かる!」 「はぁ? 逆ギレそれ? エリカに八つ当たりしないでくんない?」 メーターがブルーに戻った。 「アンタが言ってる男ってさぁ、もしかしてこいつ?」 エリカが懐からなにやら薄く光るまあるいものを取り出して私に見せた。水晶玉に近い が色がグリーンなのでおそらく違う。でもその玉が問題なのではない。その玉に映りこむ 一人の茶色い髪の男。 「ユデル!」 「こいつ、もうしんだよ」 エリカが言った。 「……そうなんだ」 「飲み込み早いね」 「こんな宇宙空間にあなたみたいな得体の知れない死神といればこそだけどね」 「よろしい」 エリカはニコリと笑った。 私はどうすればいいんだろう。もう何も考えたくない。早く自爆スイッチを元に戻して。
「アンタってほんとカワイイ顔して性悪だね。仲間をホッといてまでオトコに会いたかっ たわけ?」 違う。お別れを言いにいっただけだ。 「コロニーのみんなにも《私はみなさんを守るために戦うんですぅ〜》とか言って結局は オトコがいればそれでいいんだ? ねえ?」 違う。私が戦うのはみんなの幸せのため……。みんなも私に大いに力を分けてくれた。 「うっそだぁ、ほらほら、スキルアップとか自分磨きとかそういうのでしょ? コロニー の人たちのことなんてほんとはどうでもいいと思ってるんだ」 違う違う。 「ほんとのこと言っちゃいなよ。私は自分の為に戦うんですって。それに自爆してさよう なら〜とか自分に酔ってて超キモいんだけど」 違うって言ってるでしょう。 「そう言いきれる?」 分からない。 「自分のことなのに?」 うるさい! 私が私を生きてはいけないのか! ――エリカが、私を薄い膜で包んだ。あれ? 私、どうなって……。 分かった。私はしんだのだ。もう何も不安はないんだ。驚かされることもソー星人と戦 うこともなにもないんだ。私はこうなることを選んだから。 歌。歌が私の耳から大脳に溶けこんでくる。FANTASY? センチメンタルタイム。ファニースタディー。悲しみを超えたよステイ。世界はそっと散ってく。 何これヘンなの。でも、ここが私の到達した世界。
「それでそれで? サエキュードはどうなったの?」 ベッドに潜り込んで私の話を聴いていたエリカーナ姫が私に尋ねてくる。 「ええ、そのあと鎌を持ったエリカに精神だけを八つ裂きにされてしまったんです。そして サエキュードは声を失い、連合軍の救援部隊に発見されたときにはまともに身体を動かすこ ともできないぐらい衰弱していたそうで」 「えっ、じばくしちゃったんじゃないの?」 「それは許されませんでした。エリカにとっては等価値をなさなかったのでは?」 「なんか意味わかんないんだけど」 エリカーナ姫はぷくうとむくれた。 「どうなんでしょうねぇ」 「ふーん、ま、サエコも知らないんなら仕方ないか」 「さぁ、もうお話は済みました。そろそろ眠りましょう。明日の朝もエビマヨネーズパイを 焼いてさしあげますから」 「やったー! 庶民の味もなかなかいけるのよね」 「では、ランプを消しますね」 私はテーブルの上のランプを吹き消した。
i⌒i ( ̄  ̄)  ̄| | ̄,_, /二 二 ヽ / ./ | |.ノ ノヽ.ヽ .( \,ノ / ) ) ○ ○ ○ ヽ__、 ,i ( ̄.ノ . ̄  ̄ あ、点点点、じゃないっての!
┏━┓ ┏┓ ┏┓ ┗━┛ ┏┓ ┏┓┏┳┓┏┓ ┏━━━━━┓ ┃┃ ┏┛┗━━━┓ ┃┃┏━┛┗┻╋┛┃┃ ┏┓ ┗━━━━┓┃ ┃┃ ┗┓┏━━┓┃ ┃┃┗━┓┏━┛ ┃┃ ┃┃ ┏┛┃ ┃┃ ┃┃ ┏┛┃┏┛┃ ┃┃ ┏┛┃ ┃┃ ┏━┛┏┛ ┃┃ ┃┃ ┗━┛┃┏┛┏━┛┗━┓┃┏┛ ┃┃ ┏━━┓ ┏┛┏━┛ ┃┃ ┃┃ ┃┃ ┃┏┓┏━┛┃┃ ┏┛┃ ┗━┓┃ ┃┏┛ ┗┛ ┃┃ ┃┗┓┃┗┛┃ ┃┗┓ ┗━┛ ┏┛┃ ┃┗━━━┓ ┏┓ ┗┛ ┗━┛┗━━┛ ┗━┛ ┗━┛ ┗━━━━┛ ┗┛ やばいよね。やられる前にやらなきゃね。
_,,,,,,,,,_ .r‐ー'''二ニニミ\ ./,,ン―ー√'i、 ./゙'、 l゙~l ._、 ゚''''"^.,,,,、.,,,/.,ノ .!ミ'''ん-'" .,,,、 ゙l ,l゙ r‐ー'" 二,,,,,ノ \゙"/゛ .,-'ニ'-,r‐"゙'ニヒi,/゙,,ノ .| | ゙"゙^l,/` _ │|、 ‘''゛.゙l/,!「゙‐',!ル.|′ | ,! ,,、 .,/| ,,,;;,,,,,,,,i、 ゙l ゙l .,/,!,ニニ"― |i\ .)| ,/,l゙ ./│ ″ .| .| ,-''ン ゙'''"゙l |゙゙″ヽ`'、、 | ゙l .,/,/ ,/ / .ハ,,_ 〈ヘ--゙ / ゙‐'" l¬"/ .゙'-″.゙l, ゙''''彡‐" 〈_,/′ ‘ー二,,゙゙,,ソ ~'''''ー" `'''" `゙゙゙` ` 多謝。
ちょ、なにトラックって? 「サエ! なにボーっとしてるの! ほら立つのよ!」 アサミンが私を立たせようとするが身体が動かない。なんで? 「ダメ! 先行くからね!」 待って。置いていかないで。なんでなんで? なんで声が出ないの? みんなみんな行っちゃう、ユイちゃんもショコタンもジュリちゃんも。 エリカちゃんは? 「サエコ、寝てる場合じゃないよ! 轢かれちゃう!」 エリカちゃんは私を抱いて叫んでいる。トラックが芝生を踏み荒らして迫ってくるのが見え る。茶髪の若い男が乗っている。コンテナにはハムソーセージって書かれてる。 「……って……」 待って。そう言いたいのに声が出ない。かろうじて、左手だけが動く。エリカちゃんにまで 置いていかれちゃう。行かないで。 私は手当たり次第に左手でそこいらを探る。と、固い感触が伝わってきた。目でそれを 確認する。 鎌だ。かわいい、ピンクの色の鎌。 私を引きずっていたエリカちゃんが私を地面に寝かせてその場から去ろうとする。トラック の薄気味悪いタイヤの音がぐいんぐいんと振動で伝わってくる。 待って、エリカちゃん。エリカちゃんのきれいな太ももが目の前にある。そんで鎌。 待って、行かないで。
行かないで。
758 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/07/09(月) 18:13:13 ID:l9uB0fYM
これはどこで話がつながってるんですか?
759 :
世界の中心で愛を叫んだ獣 1 :2007/07/13(金) 11:17:58 ID:MyCeQCeh
……ちゃん…… ……まさみちゃん…… え? ……まさみちゃん……呼んで…… 呼ぶ? 呼ぶって? ……私を、呼んで……
760 :
2 :2007/07/13(金) 11:46:21 ID:MyCeQCeh
私の夢にそのヘンな声が響いてきたのは偶然ではない。私はそれを知っている。 朝、目が覚めると泣いていた。セカチューか。違う違う、そういう愛の話じゃなくて。も っと大きなモノ。 よいしょっ、っと。私はベッドから起き上がる。伸びをする。そして枕元にある目覚ま し時計を見る。あれえ、もうお昼じゃない。 ……あ。 白い丸い目覚まし時計の横っちょに、将棋の駒ぐらいの大きさの四角い石ころが置いて ある。その石ころはへらべったくて表面には太陽みたいな紋様が描かれていて、手にとっ てみると僅かに発光し熱を帯びていた。 私はこれを知っている。これはインファントの石。 これが私の元に届いているというということは、地球に危機が迫っているということだ。 そうそうちひろ、ちひろに連絡しないと。私はまだベッドに入ったままケータイを取って ピポパと電話帳から名前と電話番号を呼び出す。あ行を下にピッピッとやって『大塚ちひ ろ』を探して通話ボタンを押す。とぅるるるるん。 「はいもしもし、まさみちゃんどうしたの?」 「あっ、ちひろ、実はね今起きたらねインファントの石があってねそれでね……」 詳しいことは言わなくてもちひろならすぐ理解する。だって、私の大切なパートナーだ ったコだから。
761 :
3 :2007/07/13(金) 11:58:39 ID:MyCeQCeh
「そうなんだ……でもごめんまさみちゃん、私にはインファントの石は届いてないの……」 え? ほんとに? えー! それじゃあ、私は誰と組めばいいの? 「きっと新しいパートナーを探せってことなんじゃないかな」 「やっぱそう思う? でも私はちひろ以外は考えられないよ……」 「うん、まさみちゃんと離れるのは私も悲しいけど……でも、きっとまさみゃんなら新しい コとも上手くやっていけるよ」 「うん……分かった、ちひろ、ありがとね」 「ううん、私こそ力になれなくてごめんね」 「そんなことないよ、ちひろ」 「……お願い、地球を救ってね」 「うん!」 ピッ。 ヤバい、ちょっと泣きそう。うう。でもしょげてられない、早く新しいパートナーを見つけないとっ。 >>>>>>>>>>>>>>>>>><<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<
762 :
4 :2007/07/13(金) 12:10:27 ID:MyCeQCeh
私は顔洗って歯を磨いてショートボトムはいてタンクトップ着て髪をわしゃわしゃーっ てやってルーズに整えてリュックにポーチとかチョコとかお財布とか放り込んで家を出る。 家から10mのとこにある自動販売機でカルピスウオーター買ってゴクゴク飲んでプハー ッと一息ついた私は考える。今日は異常に暑い。でも考える。まず、可能性のありそうな 人──やっぱサエコさんかなぁーえへ。えーっと、さ行さ行、ピポパッ、とぅるるるる。 「もしもし」 「サエコさーん、お久しぶりですぅー、あのですね」 「ごめんね! 今、北海道でロケやってるんだけど超忙しいの! 後でもいい?」 「そ、そうですか……あのあの、ひとつだけいいですか? サエコさん、何かヘンな紋様 が描いてある石とか持ってませんか?」 「うーん、ごめん、知らないよ」 「そうですか……分かりました」 ピッ。はぁ。サエコさんじゃないのか。残念なり。サエコさんがパートナーだったらま さみすっごくけっぱれるのに。はぁ。気を取り直して次だ。とぅるるるる。 「も、もしもし、まさみちゃん?」 「あ、はるかー? はるかさぁ、なんかちっちゃい石持ってない? 紋様が入ってるんだけど」 「え? え? ち、ちちちょっと待ってて探してみるけん……えーと……いたっ! きゃあああ!」 「はるかどーしたの? またドジやってるの?」 「だだ大丈夫……ご、ごめんね、ごめんね……も、持ってないみたいやけん……ごめんねごめんね……」 「あっそう、わかったそんじゃあね」 「あっまさみちゃ……」 ピッ。うーんはるかでも無しかあ。
763 :
5 :2007/07/13(金) 12:11:51 ID:MyCeQCeh
杏。親友その1の杏ならきっとインファントの石を持ってる! だって、杏じゃなかっ たら他にはいない。電話帳で『鈴木杏』を呼び出す。とぅるるるる。 「おー! まっさんどしたの?」 「杏? あのさー、突然ヘンなこと聞くけど、石持ってない? 紋様の……」 「そーそー、あたし今ちょうど腹減ってたの! 飯食いに行かない?」 「いやだからさ、石を……」 「いやぁっはー、なに食いに行く? あたしラーメン食いてぇ!」 「石……」 「石? 石焼ビビンバか! おし、予約しとくね、そうそう……」 ピッ。どうしよう、他に私と近しい人物で、波長が合いそうな人──。
764 :
6 :2007/07/13(金) 12:13:58 ID:MyCeQCeh
むわぁっとした湿気と太陽の熱でホットプレートになったアスファルトが私から思考と 体力を削っていく。暑いよ。とぼとぼと当てもなく歩く。 ブロロロロン。ふと、1台の軽自動車が歩道にいる私に車体を寄せてくる。スバルのステラ。 何? ブーン。助手席のウインドウが開いた。 「アンタ、このクソ暑い中なにしてんの?」 無視無視。 「ちょっと! このエリカがわざわざ声掛けてやってんのにシカトするってどういうつもりよ!」 あーうるさい。この困難な状況の中、この女に構ってる暇なんてないんだ。 「なによ、せっかく乗せてあげようと思ったのにさ。いいでしょ、もらっちゃったのこれ。なかなかよく走るんだよねー」 エリカはハンドルを軽快に叩いてそう言う。勝手に言ってろっての。 「それから見て見てこのペンダント。超レトロでイケてない? いつ買ったか忘れたんだ けどさー、いつの間にか家にあったんだよね」 はあ、そうですか。 「なんか知んないけど微妙に光るんだよねこれ。光る石とか初めて見たよ」 ちょっと。 私は開いたステラのウインドウから身体を突っ込ませてエリカの首に掛かってい るペンダントのトップを掴んで確認する。間違いない、インファントの石。嘘でしょう? 「ってか、なんであんた、石に穴あけてるのよ!」 「なんでって、穴あけないと紐とおせないでしょーが」 「きゃー! 最低! ほんと信じられない! あんたこれが何か分かってんの!?」 「知らないわよ。でもエリカの家にあったんだからエリカのものだしぃ」 「だしぃ、じゃないわよ! バカバカッ! ホントバカッ!」 「はぁー!? なにキレてんの意味わかんない! もーとっととどきなさいよ! アンタみたいなデカイ女がいつまでもそうしてると新車がへこむでしょ!」 「そんな訳ないでしょうが! いい、これはね、インファントの石なの!」 「いんふぁん……何?」 「インファント島の石! これはね、モスラと意志を通わせる為の大事な石なの!」 「石で意志って……きゃー絶望的につまんない。そんでラモスがどうしたの?」 「あんたバカ! ほんとバカバカウルトラバカ! バーカ!!」
765 :
7 :2007/07/13(金) 12:17:14 ID:MyCeQCeh
“日本列島から遠く離れた南海の孤島、インファント島。かつては核実験が頻繁に行わ れ荒廃していたが、今では島に緑と平和が戻り土着の民族が平穏に暮らしている。 時は昭和、そのインファント島で1つの巨大な生物の卵が発見された。そして、これは 公式に確認された事ではないが、『小美人』と呼ばれる人間の姿をした20センチにも満 たない2人の少女が発見された。その『小美人』は巨大な卵から孵った巨大生物と意志を 通わせることが出来たという。そして巨大生物は『モスラ』と呼称された”
766 :
8 :2007/07/13(金) 12:23:52 ID:MyCeQCeh
「へぇー、今流行ってるもんね都市伝説」 ハンドルを握るエリカはさも興味なさ気にそう言った。 「伝説とかじゃないのよほんとのことなの。私が証人よ」 それにしても荒っぽい運転だよ。もうちょっと同乗者のことに気を使いなさいよ。考えてい るだけで言わないけど。だって、乗せてもらっているのは私なので。ああ、この女にさえ 気を使う私って損してる。 「ロイホでいいっしょ? アンタたくさん食べそうだし。一応年上だからおごったげるよ」 何? 気前いいじゃない。たくさん食べそうは余計だけどね。 エリカは道路沿いのロイヤルホストにステラで乗りつける。そしてぶっきらぼうにキー ロックして指でキーをぷらんぷらんさせてロイヤルホストの店内に入っていく。芸能人オ ーラ、無し。席に座ったエリカは水をもってきたウェイターに「パーコーメンひとつ」と メニューも開かずに注文する。 「アンタは?」 「ハンバーグステーキオニオンペッパーソースとビーフカレーとミックスフライ」 ふん、おごりだおごりだ喰ってやるもん。 「お子様ランチはいらないの?」 お水ぶっかけてやろうかしら。 駄目駄目、こんな奴でも今は我慢しないといけない。私は今からこの女を説得しなけれ ばいけないのだから。 地球の未来の為に。 でもなんでよりにもよってこの女が……はあ。『小美人』として選ばれるのは強く美し く綺麗な精神の持ち主のはずなのに。例えば私みたいに。
767 :
9 :2007/07/13(金) 12:27:00 ID:MyCeQCeh
エリカは羽織っていたロング丈のワンピースを脱いでTシャツ一枚になってパーコーメ ンをすする。 「ほんでぇ、しょうびびんがろうしたってへぇ?」 口に物入れて話さないでよ。ま、それぐらい私の話に真剣になっていないってことなんだろう。 「あんたは私と同じくモスラによって小美人に選ばれたのよ。ほんとは私のパートナーは ちひろのはずなんだけど、まあモスラの意志なら仕方がないわよね。あんたとやっていく しかないわけよ。その石があんたの手元にあるってことはそういうことなのよ」 「やるってなにほぉ?」 「地球の危機を救うのよ。まだ私にも分からないんだけど、間違いなく危機が迫っている」 「またまたぁ、ろっきりてれびとかれしょ?」 「違うの。いい、これはマジ話なの。私たちがやらないとみんな死ぬかもしれないの」 エリカの箸が止まった。口から麺を垂らしながら目を細める。 「まじれ?」 「マジ」 ずず、っとエリカは麺を飲み込んだ。そしてテーブルに突っ伏してゴロン、ってする。 「めんどくさぁ〜い」 ……はぁーーーーー!? 「エリカそういうめんどくさいのやだ。ほらぁ、ケーサツとかに頼めば?」 ぱしゃん。 私はエリカにお水をぶっ掛けて椅子から立ち上がって一直線に出口に向かった。なによ なによなによホントバカウルトラバカッ! いっつもはツンケンしてるけどこういう時は マジにやってくれる人だって思ってたけど違った! かい被りすぎた! トンマ! なに よりあんな奴に真剣に話した自分に一番腹が立った! もういい! 「……ちょっとー、ちゃんと食べていきなさいよ、エリカこんなに食べれないんだけどー」 うるさい! あんたなんかブタになってしまえ!
768 :
10 :2007/07/13(金) 12:30:08 ID:MyCeQCeh
「いつまでそうしてんのよ」 エリカが背中越しに声を掛けてくる。私はロイヤルホストを勢いよく飛び出してきたも ののどうすればいいかわからず途方にくれて、結局エリカのステラの側でしゃがみこんで 泣いている。溢れてくる悔しさとかむなしさとかそういうのが涙になって勝手に眼から出てくる。 「ねーねー」 エリカが私の背中をつんつんする。 「……もういいわよ。グス。あんたみたいなのに信じてもらおうとした私がウルトラバカ だった。そうよね、こんな馬鹿げた話まともに聞いてくれるわけ無いもんね。もういいよ、 どこにでも好きにいけば?」 「もー、何すねてんのさ」 「すねてないわよ! 全然すねてないわよ!」 「いや、すねてるじゃん」 ムカつく。なんでこんなのが小美人に選ばれたんだろう。 なんだか日も暮れてきた。もう4時? 私、ずいぶん泣いてたんだな。お腹すいた。さ っきは全然食べないまま飛び出してきちゃったから。 「グス……なによなによ、あんたのせいで鼻水は出るし眼は腫れるし最悪」 「はー、もう。大体、なんであんたそんなにマジになるの?」 「うるさい」 「ねーねー」 「……約束なの」
769 :
11 :2007/07/13(金) 12:32:50 ID:MyCeQCeh
「え?」 「モスラとの大切な約束。昔ね、日本が怪獣によって滅亡しそうになったことがあるのよ。 それをモスラが何度も救ってきたのよ。インファント島の人たちは何度も島を荒らされて ひどい目に遭わされて来たのにちゃんとモスラで助けてくれたんだよ。私とちひろは5代 目の小美人の精神を継いでいたの。インファント島以外の、人間の代表としてね。私たち はこの地球の平和を守るってお互い約束したの。それなのに……なんであんたみたいなの が私の新しいパートナーなのよ。グスッ」 「そーだったんだ」 「そーだったんだ、じゃないわよ! この無神経!」 なによ、もういい、ほんともういい。しんじゃえバーカ。 なに? 背中にのっかかってこないでよ重いってば。って、なに腕回してるのよスリー パーホールドかけようって気? ってあれ……。 ──違う。私を後ろから抱きしめてる。 「エリカが悪かった。だからさ、とりあえずご飯ぐらい食べようよ、お腹すいたっしょ、ね?」 なによバカ。見透かしたようなこと言わないでよ……グスッ。 >>>>>>>>>>>>>>>>>><<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<
770 :
12 :2007/07/13(金) 12:40:22 ID:MyCeQCeh
「ねー、ここ入っていいの? ヤバくない?」 フェンスを乗り越える私にエリカが尋ねてくる。 午後9時。東京郊外の山奥のとある電力会社の施設に忍び込んだ私たちは、『第3鉄塔 他建設予定地』と看板がある広大な空き地にやってきた。 「これぐらい広くないと駄目なの。モスラが降りてこれない」 「へー、そのラモスっておっきいんだね」 もう訂正するのも面倒なのでほうっておく。 私はその『建設予定地』をぐるんと見渡してみる。今夜は綺麗な月が出ていて、灯りが なくても十分目が利く。 ようし。 私は落ちていた太目の木の枝を一本拾い上げ、その先っぽを土の地面にどすんと落とし て引きずってダッシュする。うりゃああああ。 「ちょ、ちょっと、なにしてんのよ? 頭大丈夫?」 エリカがいらぬ心配をするが私は本気だ。それより。 「私のリュックにポータブルDVDプレイヤーが入ってるから、そこに入ってる動画を見て!」 私はダッシュしながらエリカにそう伝えた。 「ハァ……何か分かんないけど……えっと、これだね」 「その動画の歌とダンス、今すぐ完コピしてよ!」 「歌とダンス?」
771 :
13 :2007/07/13(金) 12:42:13 ID:MyCeQCeh
そのDVDプレイヤーに入っているのは、モスラを呼ぶ歌と舞。小美人の基本中の基本
だ。今、エリカの耳と目には謎の言語の歌とクネクネした珍妙な舞踏が飛び込んでいるはず。
「これに映ってんのアンタよね? って、なにこれー! これエリカにやれっていうの!?」
「それを私とあんたで完璧にユニゾンしないといけないのよ! でないとモスラを呼ぶことは出来ない!」
「無理だから! 恥かしいから!」
「あーら、出来ないからそう言ってるんでしょ? 言っておくけど私は5分でマスターしたけどね!」
「な、なななによ! アンタに出来てこのエリカ様に出来ないわけないでしょ!」
「じゃーおねがいね!」
よかった、こういう奴で。
Mothra Song Music Video
ttp://jp.youtube.com/watch?v=iBdRLW3v5xQ&mode=related&search=
772 :
14 :2007/07/13(金) 12:45:50 ID:MyCeQCeh
よしよし、終わった。私がやっていたことは、地上絵を描くことだ。空き地いっぱいに インファントの石と同じ紋様を描く。これでモスラを呼ぶ準備が出来た。 あとは──。 「……カサックヤーンム……モスラーヤモスラ〜……」 エリカは身体をクネクネしながら汗を流してモスラの歌とダンスを練習している。完全 に自分の世界に入っている。集中しているときのこの人は何気に凄いときがあるな。 なんだか声を掛けるのが悪い気もするがそろそろ。 「どう? ちゃんとできるんでしょうね?」 わざと挑発的に訊いてみる。 「ふう。あったりまえでしょ、速攻だっつぅの」 エリカは息を切らしているが、平気そうにニコリと笑ってみせる。よし。 「じゃあ、やりましょうか」 「オッケー。あーはずかし」 私とエリカは地上絵の中心に行き、そこでまず天に向かい祈る。祈る。祈る。モスラよ、こーい。 私はエリカと顔を見合わせて、 「モ〜スラ〜」 と一声上げた。 ざわざわざわ。辺りの木々が騒がしく声をあげ、これから起こるであろう神秘に身体を 躍らせる。そして、私たちはそれを伴奏にモスラの歌を歌った。 モスラヤ モスラ ドゥンガンカサクヤン インドゥムゥー ルスト ウィラードア ハンバ ハンバムヤン ランダ バンウンラダン トゥンジュカンラ カサックヤーンム
773 :
15 :2007/07/13(金) 12:52:31 ID:MyCeQCeh
3度、4度、5度目。私たちはモスラの歌とダンスを繰り返す。私はもしやと思いエリカ の顔をちらりと窺ってみた。やっぱり。飽きてきているようで、眉間に皺がよっている。 6度目、7度目。エリカは切れた。 「なによ! 全然そのラモスとか言うやつ来ないじゃないの! アンタ、エリカをからかったの!?」 この人はまったく。 「いいから黙って続けなさいよ! 遠くから飛んでくるんだから時間は掛かるに決まってるでしょ」 「飛んでくる? あーよかった、ラモスって空飛べるんだ、ノシノシ歩いてきてるんだった らマジブッ飛ばしてやるとこだった」 「あんたにモスラをブッ飛ばせるわけないでしょ。100メートルはあるんだから」 「そんな生き物いるわけないでしょーが! あーあ時間損した。帰ろ」 「ちょっと……」 私がエリカを呼び止めようとした時。 キィ、と甲高い音が空で鳴った。 エリカは空を見上げて目をぱちくりさせてる。来たよ来た来た。 モスラ。 「わぶっ!」 エリカは天から吹き付けてきた強烈な風を手で顔を覆って防ぐ。びゅうびゅうと規則的に 吹き付ける風はモスラの羽ばたきによるものだ。そしてびゅうんと一際大きな羽音がして二 秒ほど空が真っ暗になる。月の光に照らされた、カラフルなステンドグラスみたいな巨大な 翼が瞳に飛び込んでくる。そのステンドグラスは大きく空に飛び上がり、月に向かって昇っ ていきその美しいシルエットをさらした。そして月の光の中に消えたそれが旋回し、私たち の所へ降ってくる。 ふわっ。そんな擬音が適当だと思う。巨体からは考えられないような優しく軽い羽ばたき で、体長30メートル、翼長100メートルのモスラは空き地に着陸した。
774 :
16 :2007/07/13(金) 12:54:34 ID:MyCeQCeh
「なにやってるの?」 私の背中に隠れてエリカが巨大なモスラをちらちら観察している。 「……でっかい蛾じゃん、ラモスって。超キモいんだけど」 この罰当たりめ。 「インファント島の守護神になに失礼なこと言ってるのよ! 可愛いじゃん、ふさふさしてて!」 「無理」 まあいい、少しづつ慣れていけばいい。 そうだ、フェアリー、フェアリーを呼ばなきゃ。っと、呼ぶまでもない、向こうから現れ てくれた。モスラの頭のちょうど真ん中あたりから淡いピンク色の光につつまれたミニモス ラがふんわりとこっちに飛んでくる。およそ30センチほど。 「ヤダヤダ、蛾がこっち飛んでくるじゃん」 「だから蛾じゃないつってんでしょう。あの子はフェアリーモスラ。私たちにモスラの意志 を言葉で伝えてくれる貴重な存在よ」 そのフェアリーは私の目の前にやってきてペコリと挨拶した。
775 :
17 :2007/07/13(金) 12:56:22 ID:MyCeQCeh
《まさみちゃんお久しぶり。ちゃんと呼んでくれたんですね》 「夢にまで出てきたくせに。どう? 元気してた?」 《はい、おかげさまで》 私とフェアリーは再会を喜び合った。いつ以来だっけ、そうそう、4年ぶり。4年前、私 はモスラと出会って小美人に選ばれたのだ。 「カイジューと友達の知り合いを持ってエリカも鼻が高いわ」 エリカがつまらない皮肉を言った。もうあんたもカイジューの友達になってるって。だっ て、私と一緒にモスラを呼んじゃった張本人だし。 「で、今回は一体?」 私はフェアリーに尋ねる。 《はい、単刀直入に言います。X星人の円盤が地球に迫っています》 「X星人? 宇宙人ってこと?」 《はい、かつて地球に怪獣を送り込んできたことのある宇宙人です。そのX星人が、この日本に向かってきています》 「もしかして、また怪獣を?」 《はい。まさみちゃんと出会う遥か昔、一万年前、モスラの先祖と戦って封印された凶悪怪獣ガイガンを蘇らせるためだと》
776 :
18 :2007/07/13(金) 12:58:59 ID:MyCeQCeh
「えっくすせいじんってなに? ガンガンって?」 エリカが割り込んでくる。ガイガンだっつうの。 「悪い宇宙人が地球にやってきてガイガンっていう凶暴な怪獣を蘇らせようとしてるのよ」 私の言葉にエリカはハァ? という顔。 「面白そうな映画だね。公開されたら観に行くよ」 エリカはハハハと笑った。 「現実を受け入れなさいよ。地球なんてね、裏ではけっこう何度も危ない橋を渡ってきたのよ。 報道されないだけでね。ま、私もモスラに出会うまではそんなの信じなかったんだけどね」 「何かすっごいめんどくさくてすっごいやばそうなことに首突っ込んじゃったんだけど」 「運命と思って受け入れなさい。誰かがやらなきゃいけないことなのよ」 「そっか……ハァ、めんどくさ」 エリカはやっと観念したみたいだが、指で髪をくるくるさせて口を尖がらせてまだぶつぶ つ言っている。この人はめんどくさいとか面白いとかいう基準で地球の危機を量っているのか。 阿呆なのか超人なのかよくわからない。
777 :
19 :2007/07/13(金) 13:00:43 ID:MyCeQCeh
「それでX星人の現在の居所は? 日本に向かってきてるって本当?」 フェアリーに尋ねる。 《はい。ガイガンが眠っているのは、現在の北海道のどこかだと》 北海道か、遠いな。ん? 北海道……。 「あー!」 思わず声を上げてしまう。 「な、なによいきなり?」 エリカが訊く。 「サエコさん、今、映画のロケで札幌にいるんだ……」 なんてこと。いや、もちろん道民の皆さん500万人の命も危ないのだけど。 「まったく、あのおバカはどうしてこう毎度毎度……」 エリカが顔に手を当ててため息をつく。 「こうしちゃいられないわ! さっさと行くわよ!」 「行くって、今から飛行機で?」 「そんな必要ないわよ、モスラがいるもの!」 >>>>>>>>>>>>>>>>>>>><<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<
778 :
20 :2007/07/13(金) 13:06:08 ID:MyCeQCeh
「すっごーい! 超はやーい! きゃー! すっごい雲の上飛んでるし!」 エリカはモスラの背中を走り回ってはしゃいでいる。緊張感とかないのか。それにさっきま でキモいとか言ってたくせに。 「いくらモスラの力で守られているからって調子に乗ってると落ちるからね」 そう、私とエリカはモスラに乗って東京から北海道にマッハの速度で向かっている。 ただ乗っているだけだと振り落とされてお釈迦になるけど今はモスラの制御能力により私たち の身体はモスラの体と気で繋がっているので落ちることはない。私が初めてモスラに乗っ たときはそういう神秘にむちゃくちゃ驚かされたものだがエリカはあまり動じていない。 やはりただの変人かこの人は。 ごぉぉぉ、と空気を切り裂く轟音を上げてモスラは北に向かって飛行する。しかし分か らないのはX星人という宇宙人たちだ。果たしてどういう目的で地球にやって来るのか。 向こうの戦力は? ガイガンとかいう怪獣を蘇らせようとするあたり、話し合いに来ると は思えない。でも宇宙人とかは大体が秘密裏にやってくるもんだからこっそりなにかしで かすつもりなのかな。それなら私たちにとっても逆に都合がいい。 《まさみちゃん、どこに降りましょうか?》 私の肩に乗っているフェアリーが尋ねてくる。え、もう着いたんだ、さすがはやい。 「とりあえず、札幌に降りましょう、なにかUFOを見たとかそういう情報を得られるかも」
779 :
21 :2007/07/13(金) 13:07:56 ID:MyCeQCeh
郊外に着陸したモスラをひとまずそこに待機させ、私とエリカとフェアリーはステラで札 幌中心部に向かった。ステラはモスラが足で掴んで運んでくれたのだ。 ピポパっと私はサエコさんに電話をかける。お願い、無事でいて。 「もしもし」 「あーっ、サエコさんいまどこに?」 「これから深夜ロケだよ、んっとね、羊蹄山って山の近くにいる」 「そのロケ中止に出来ないんですか? 実はこれから北海道は大変な事に……」 ピーッガガガガガ……。何? 通じない……。 「どしたの?」 運転するエリカが前を向いたまま訊いてくる。 「分からない……電波悪いみたい。とりあえず、ようていざんって所にいるってサエコさんが」 「へー、まあ北海道って広いんだし電波が届かないようなところにいるんだったらむしろ 安心じゃない?」 なるほど、そういう考え方も出来る。 「そんじゃ、エリカたちは思う存分X星人とかいうやつらの探索をしようか」 そうね、と私が応えようとした時。 《空を見てください!》 私の肩でフェアリーが声を上げる。 えっ? ──まん丸の、黒い塊がピィーンというテルミンに似た電子音を鳴らして札幌の上空に浮い ている。夜なのでよく全体像がつかめないが、ビル1つ分ぐらいの大きさはゆうにある。札幌の 人々は一様に空を見上げてぼーぜんとなっている。 「……なんか超堂々としてるんだけど、宇宙人」 エリカが言った。 確かに。
780 :
22 :2007/07/13(金) 13:13:39 ID:MyCeQCeh
私たちはステラを道路わきに止めて空を見上げた。電気屋の街灯テレビは電波障害を起 こしているようで砂嵐交じりにニュースを伝えている。 どうしようっていうの、まさか札幌を破壊する気じゃあ……。 沈黙したままの宇宙船だったが、突如、プゥンと妙にまぬけな音を鳴らすとゆっくりと 移動を始めた。 「どこいくんだろ?」 エリカが言った。 「追いかけるのみ!」 再びステラを発進させて私たちは宇宙船から目を離さないようにして後を追う。やつら の第一の目的はガイガンを蘇らせることのはず。だとしたらガイガンの眠る場所に向かっているのだろうか。 「今のうちにモスラであの宇宙船叩き落しちゃえばいいんじゃん?」 エリカがそう言うが、 「ダメダメ、こんな街中であれを墜落させたらとんでもない大惨事になるよ」 と返す。私はフェアリーに「モスラにもこっそり後をつけさせて」と言っておいた。 私はカーナビを操作して北海道地図を呼び出し、宇宙船の向かう先を推測する。 「札幌から南西に向かっている。ええと、その先は……」 「なによ、何があるのよ」 「洞爺湖、支笏湖、でもない、もうちょっと西……羊蹄山」 エリカの首ががくんとする。私も同じくそうなる。 「ったく、サエコって疫病神に取り憑かれてるんじゃない?」 そうかもしれない。
781 :
23 :2007/07/13(金) 13:17:46 ID:MyCeQCeh
私たちが宇宙船を追いかけながら車の中であれこれ作戦を練っていると、ゆっくりと飛 行していた宇宙船が急速に速度を上げた。しまった、行っちゃう、車ではもう追いつけそ うにない。 モスラ! 私の考えが通じたようで、モスラが低空飛行で飛んできてステラを足で掴んで空に持ち 上げた。 「よーし、宇宙船を落としちゃえ!」 エリカは勇ましく叫ぶ。 《わかりました!》 フェアリーが応える。もう市街地からは大分離れた。ガイガンを蘇らせる前に宇宙船を叩き落す! 私たちを乗せたステラを掴んだモスラが宇宙船に真っ直ぐに向かっていく。モスラは少 し身体を傾けていて、どうやら翼で宇宙船にチョップをくらわせる気だ。 が、甘くはなかった。宇宙船から筒状のものが何本もにょきにょき生えてきてそこから レーザー光線で攻撃してきたのだ。モスラはそれを身体をひねって交わすが、ステラの中 にいる私たちは、 「いったい! ちょ! からだがっ!」 「もう! バカバカ! 舌噛むって! おぇ!!」 空中で車酔いしそうになっていた。 《あれ、見てください!》 広い北海道の夜の平原に、一際高くそびえる山が見える。ごつごつしてるけど、神秘的。 「着いちゃったじゃない……」 羊蹄山のふもとにキャンプ場や明りの灯った建物がいくつか見える。このどこかにサエ コさんが?
782 :
24 :2007/07/13(金) 13:19:21 ID:MyCeQCeh
「こうなったら、特攻するしかないよね! 中から破壊してやるわよ!」 ふいに、エリカがそんなことを口にした。やばい、ヘンな事考えてる絶対。 「特攻って?」 恐る恐る尋ねてみる。 「レーザー撃ってくる大砲あるでしょ、その大砲が宇宙船から出てるときに少しだけ隙間 があいてるじゃん。そこにこいつで突っ込む。なんかちょうど車一台分通れそうなんだよね」 エリカがステラのハンドルをぽんぽん叩く。それはヤメテ。 「大砲の上をさあ、こうルパン三世みたいにギュイーンって走ってけばいけそうじゃない?」 それはルパンだから出来ることなの! アニメだから! 「やっば、超ワクワクしてきた!」 目を輝かせないで!
783 :
25 :2007/07/13(金) 13:21:02 ID:MyCeQCeh
「そんなの出来ないわよ! お願いやめて!」 「やるまえから諦めてんじゃないわよ! 成せばなるのよ! 無理を通せば道理も意味無しってね!」 やめて! エンジン入れるのやめて! 「準備はいい? フェアリー」 《は、はい》 は、はい、じゃないって! あわわわわ、モスラがスピード上げて宇宙船との距離を一気に詰めてる! 目の前に、巨大な宇宙船が広がる! 「よし、今よ!!」 ギュワーーン。 ステラはレーザー光線をかいくぐって、見事に大砲の上に着地(落下だよ!)した。でも 少しだけステラの車幅が大砲より広い。と、エリカは右に急ハンドルを切りなんとステラ を右タイヤだけの片輪走行にさせる。ぎゅわわわわっと鈍い音がして私の足元が浮かび上がった。 「ほらアンタ、もうちょっと運転席側に寄りなさいよ! アンタのデカイ身体が重しになるから!」 「ちょ、失礼ねー! そんなに太ってないわよ!」 「オラオラオラオラ! このまま突っ込むよ!」 「いやーーーーーーー!!」 ドーン!
784 :
26 :2007/07/13(金) 13:23:14 ID:MyCeQCeh
──ステラのいたるところからなんか煙が噴き出してる。で、私とエリカはエアバッグに 顔を突っ込ませてる。大砲の隙間に突入して、さらに中に何十メートルか進んだと思う。金 属質の壁をいくつか突き破って、ステラは止まった。 私たちは宇宙船の内部に侵入することに成功した。 「ゲホッ、ゲホッ……あんたねえ、女優は顔が命なのよ、分かってんの!?」 「うっさいわね、結果オーライよ! 奇跡を呼ぶ女、エリカ様ね!」 「ああそうね、あんたってほんとミラクルバカ! ウルトラバカからミラクルバカに格上げよ!」 これでも少しだけ褒めてるつもり。あっそうだフェアリーは? ……いた。フロントガラスに潰れた虫みたいに張り付いている。でも生きてる。とりあえずよかった。 私たちはステラを降りた。ああ、頭がまたくらくらする。しかし、そのくらくらも目の前 にある光景で一気に吹っ飛んだ。 ──宇宙船の内部はオレンジ色をしていて洞窟みたいな雰囲気だった。もっと機械的なも のを想像していたが、随分違った。 そしてそのオレンジの洞窟の中央にたたずむロングコートの男。顔つきは地球人、それも 日本人に近くてちょっと北村一輝に似ていた。
785 :
27 :2007/07/13(金) 13:25:10 ID:MyCeQCeh
「ようこそ、我がX星人の宇宙船へ、ふふん」 北村一輝の顔をしたX星人がそう言った。 「へー、どんなエイリアン面してんのかと思ったら案外まともじゃん」 エリカがそう言った。 「いや、これは君たちの姿を借りているだけさ。なかなか気に入っててね」 X星人は顎を擦って笑った。 「なんかムカつく。侵略者のクセに同じ顔しないでよ。さっさと化けの皮剥いでやるからね」 エリカは一歩も引かない。 「おっと、動かないように」 X星人は懐から変わった形の拳銃らしきものを取り出した。そしてそれを一発放つ。 銃口からビーッ、とレーザーが飛び出してきてそれが私の側にいたフェアリーの左翼を捕えた。 フェアリーは飛ぶ力を失いひらひらと床に落ちた。 「フェアリー!」 私はフェアリーを拾い上げる。やだやだ、フェアリー死んじゃう。
786 :
28 :2007/07/13(金) 13:26:38 ID:MyCeQCeh
《大丈夫です……》 フェアリーは再び飛ぼうと必死に翼を動かすが動かない。なんてこと。 「やってくれるじゃないの!」 エリカはX星人をにらみつける。X星人は銃口をこちらに向けたままニヤニヤ笑っている。 「これを見ろ」 X星人はポケットからリモコンを取り出し、銃を持っていない方の左手でそれを操作し た。すると、洞窟みたいだった宇宙船の壁が割れて巨大なモニターが飛び出した。そして そのモニターには──。 「サエコさん!」「サエコ!」 サエコさんをはじめ、多くの人間が牢に捕らわれている映像が映し出された。 「我が宇宙船の内部に捕えてある。私としてはあまりこういう手は好かんが、君たちには おとなしくしていてもらわないとな、ふふん」 くっそ、なんかこいつの喋り方腹が立つ。それはエリカも同じだったようで、 「うっせーこのチキン宇宙人! 鉄砲使ってる上に人質までとってマジカスね! あとジャッキーチェンの 映画の中ボスみたいな喋り方が超ムカつく!」 と怒鳴りつける。 この人のこういうはっきりしたところは見習いたくないけど好きだ。
787 :
29 :2007/07/13(金) 13:29:48 ID:MyCeQCeh
「ふふん、まあ、そこでガイガンの復活をゆっくり見守っていたまえ。我々X星人は、ガ
イガンを使いまずは文明を滅ぼす。そして、ゆっくりと地球の統治を始める」
目的は地球征服! なんてべたべたな宇宙人なの。
「そんなことはね、モスラがさせないわよ!」
「ふふん、一万年前、モスラはガイガンを封印したと思っているが違うのだよ。ガイガン
は自ら眠りについたのだ。モスラに敗れたわけではない」
「べーっだ! そんなの負け惜しみでしょ!」
「戦ってみれば分かる。ふふん」
X星人はぱちんと指を鳴らした。
モニターが羊蹄山を写す風景に変わる。その美しい羊蹄山の中腹辺りがびきびきとひび割れ始めた。そして。
ガイガン
http://jp.youtube.com/watch?v=ydFonmn365g
788 :
30 :2007/07/13(金) 13:32:37 ID:MyCeQCeh
両腕には鎌、そして尖った頭にくちばし、胸にはのこぎりが仕込んであるのか鋭い切っ 先が剥き出しで飛び出している。目は血塗られたように赤く、不気味に発光している。 こいつが、ガイガン。全身凶器の怪物だった。 「やれ、モスラをやってしまえ」 X星人がそう言ってリモコンのスイッチをいくつか押した。ガイガンはピェーッと鳴き 声を上げて空を舞うモスラを追いかけて空中に浮かび上がった。 「ラモス! そんなモヒカン頭に負けちゃだけだよ!」 エリカが必死にモニターに叫ぶ。 モスラとガイガンの大空中戦が始まった。上空に飛び上がるモスラをガイガンが猛スピ ードで追いかけている。ガイガンのスピードはモスラよりも僅かに速く、通り過ぎざまに モスラを胸ののこぎりで切りつけた。ガリガリガリ、と嫌な音が鳴ってモスラが悲鳴を上 げる。モスラは耐え切れないのか、ぐるぐるきりもみ状になって地上に落下した。 「あー! クソ、やっぱ虫じゃああんなサイボーグ野郎に勝てないのかな……」 悔しそうにそう言うエリカと対象的にX星人は心底楽しそうだ。 って、さっきから……X星人のやつ隙だらけだ。エリカとX星人はモニターにすっかり 集中していてお互い声を張り上げてモスラとガイガンを応援している。 しめた、この宇宙人、意外と阿呆だわ。それとも女だと思って舐めてるのか。
789 :
31 :2007/07/13(金) 13:34:15 ID:MyCeQCeh
私は瀕死の状態のフェアリーを胸にしまい、そろそろとX星人の背後に忍び寄ってレー ザー銃を持っている右腕を蹴り上げた。 「うおっ!」 間抜けな声を上げてレーザー銃を放り出したX星人はじろりと私をにらみ遠くに 落ちたレーザー銃を慌てて拾いに行こうとするが、 「へへん、形勢逆転ね」 手早くエリカがレーザー銃を回収してX星人に向けて構えた。ナイス。 「ふふん、銃はもう一丁あるのだよ」 動じないX星人はコートに手を入れて同じタイプのレーザー銃を取り出した。そして抜きざまに 1発、2発、3発とレーザーを放った。エリカはそれを柱に隠れて防ぎ応戦する。 ビーッ、ズガガガン。 X星人とエリカの激しい銃撃戦が始まった。
790 :
32 :2007/07/13(金) 13:36:24 ID:MyCeQCeh
モニターには倒れているモスラにガイガンが鎌を打ち下ろしている様子が映し出されて いる。見ているだけで痛々しい、早く何とかしてあげないと。きっとガイガンを操ってい るのはあのX星人の持っているリモコンで、あれさえぶっ壊しちゃえば制御は利かなくなる、と思うんだけど。 でもこの銃撃戦の中、身動きが取れない。さっきの間抜け振りとちがってX星人は私とエ リカを的確に狙って撃ってくるし。 《まさみちゃん、私をX星人に向かって投げて……》 私の胸からフェアリーのか細い声がした。まさに虫の息。冗談言っている場合じゃない。 「ダメだよ! フェアリーがしんじゃうよ!」 《いいえ、私が死んでも大きい方のモスラが命がけで戦ってくれますから……それに、まさみちゃんたちもこんなに必死になって……》 「それは地球を守るために……」 《私もです。私の命はもう長く持たないでしょう。だから、最後に少しでも役に立つように……》 「でも……フェアリー……」 《エリカちゃんと仲良くね》 「グス……それは難しいかも……」 《ふふふ……彼女は、本当はとってもいい子ですから。じゃあ、お願いします》
791 :
33 :2007/07/13(金) 13:37:35 ID:MyCeQCeh
私はタンクトップからフェアリーを取り出し、えいや、とX星人の顔面近くに投げつけた。 コントロールは多少狂ったかもしれない。だって、涙で前が見えないんだもん。 X星人は私からの意外な攻撃にとまどったのか、反応がワンテンポ遅れた。そのX星人の 目の前で、フェアリーは最後の命の炎を燃やして光り輝いた。目潰し。太陽拳。決まった。 X星人は目を押さえて分けのわからない言葉でなにか叫び始めた。きっと地球外の言語なん だろう、私には聞き取ることも発音することも出来そうにない。 私は一気にX星人との距離をつめ、リモコンを奪い取った。そしてリモコンを床に叩きつ けて力の限り踏んづける、踏んづける。ピボーンって音がして、リモコンは煙を上げて火花 が散った。モニターに映るガイガンの動きが止まる。そして狂ったようにあさっての方向に 鎌を振り回して暴れ始めた。 やばい、ガイガンがこっちに向かってくる。ガイガンは赤く光る一つ目から突如ビームを 発射した。ドーン。宇宙船がぐらぐら揺れて床が崩れ、ぽっかり穴が空いた。 「★Ь†Ш&!!」 気味悪い言葉を発してX星人はその穴に落っこちていった。そして、私も。エリカが私に手を伸ばすが 間に合わない。ずるずるずる。引きこまれるようにその暗い穴に私は落ちた。 >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>><<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<
792 :
34 :2007/07/13(金) 13:41:58 ID:MyCeQCeh
……身体が思ったように動かない。節々がギシギシ痛い。それでも何とか立ち上がる。 ここから、生きてかえるんだ。そして戦いの結末を見届けなければ。 私は壁に寄りかかりながら身体を引きずって歩く。ガイガンの一撃で壊れたのか、宇宙船 はバランスを失いよろめいている。このままじゃあこの宇宙船と共にあの世行きだよ。 エリカは大丈夫かな、それに捕まえられている人たちも……そうだ、サエコさん、サエコさ んは──。 そう考えて歩いていると暗い通路の向こうからよろよろと誰かが近づいてくるのが見えた。 ──サエコさん! 間違いない。そうか、さっきの衝撃で牢から脱出できたんだ。 「サエコさ……」 私が呼びかけようとすると背後から「待って!」という女の声がした。 エリカ。エリカがレーザー銃を構えてサエコさんを睨みつけている。 「ちょっと、そんなのをサエコさんに向けないでよ」 私はエリカのレーザー銃の前に立つが、エリカは表情を変えずに黙ってレーザー銃を構えたまま。なんなの? 「そこをどいて。そいつはサエコじゃない」 エリカは冷たくそう言った。 「違う! サエコはサエコだよ! 信じてまさみちゃん!」 サエコさんが泣きそうな声で訴えてくる。 「エリカを信じろ」 エリカは今だ表情を変えない。 「まさみちゃん! 助けて!」 サエコさんが叫ぶ。 どっちなの……どっちが正しいの……? ううん、どっちも本当かもしれないしどっちの 言うことも間違っているかもしれない。分からないよ。ただエリカとサエコさんを天秤にかけるという単純な話ではない。 「まさみ、エリカの眼を見て」 何よそれ、嘘を言っている眼かどうか判断しろってこと? 分かるわけないじゃんそんなの。 ──ふと、エリカは恐い顔をしたまま私にウインクした。……まさか。 今度は振り返ってサエコさんの眼を見てみる。つぶらな大きな瞳。でもおかしい。サエコさんは少しもまばたきをしていない。
793 :
35 :2007/07/13(金) 13:44:04 ID:MyCeQCeh
咄嗟に私はしゃがみこんだ。その私の頭の上をレーザーが通り抜けてはサエコさんの右肩を打ち抜き、 サエコさんは後ろに吹っ飛んでぐしゃって倒れた。 ジジジ、と機械音がしてサエコさんの顔がトータルリコールみたいに2つに割れて中から銀色の のっぺらぼうが顔を出した。レーザー銃が利いたみたいでそいつは小刻みに身体を痙攣させて動かなくなった。 「それはさっきのX星人。こいつ人間の身体をコピーして外に着てるだけなんだよ。」 エリカがレーザー銃の先をカウボーイみたくフッてやってニコリと笑った。 「じゃあ本物のサエコさんは?」 「おそらく誰も捕まってないんじゃないの? うちらが後をつけててそんな暇無かったはずだ し。全部狂言だったんだよ。さあて、それじゃあ沈みかけた船から脱出するとしますか! ってイタイイタイ!」 むぎゅ。私は一応エリカのほっぺをつねって確認してみた。 「なにすんのよ!」 「いや、X星人かなって」 「んなわけないでしょ! そういえばアンタも確認してなかった! オラオラオラ!」 「ちょっと痛いってば! なにすんのよこのミラクルバカ!」 「うっさい! オラオラもっとやってやろうか!」 間違いない。こんな性格なのは宇宙で1人しかいないな。
794 :
36 :2007/07/13(金) 13:45:51 ID:MyCeQCeh
私たちは出口を探してひたすら宇宙船内を歩き回る。どうやら今いる場所は動力部らしくて 訳わかんないみょうちくりんな機械がそこら辺から突き出ている。 エリカの肩を借りて歩く私はほとんど役に立たないのでとにかく眼だけでも動かして出口を 探す。今日は満月が出ていた。どこからか光が漏れるはず。 ──見つけた。階段らしき金属の板が上に続いているその終点。ドアになってる。私はエリ カにそこを指差して伝える。あそこだよ、あの階段。 よし、とエリカが私をおんぶして階段をうりゃああと一気に駆け上がった。おおすごいすごい。 「言っとくけど面倒だったからだけだからね!」 はい、感謝しとりますおねえさま。 エリカはドアに手をかけ一気に横に引いた。その先に広がっていたのは。
795 :
37 :2007/07/13(金) 13:47:07 ID:MyCeQCeh
「やば……超高いんだけど」 エリカが後ずさる。羊蹄山の空の上。強い風が宇宙船の中に吹き込んでくる。 「どうする?」 エリカが訊いてくる。 「飛び降りましょう」 「マジで?」 「きっと、モスラが拾ってくれる」 私はパンツのポケットからインファントの石を取り出しぎゅって握る。するとエリカも真似を してペンダントをぎゅって握った。私たちはどちらからともなく手を差し出し、しっかりと繋いだ。 静かに目をつぶる。そして祈る。フェアリー、私たちを守って……。 ふわっ。私とエリカの身体は大空に投げ出された。 お願いお願いお願い……。 私の身体には、風の当たる感触だけがする。全祈りを込めたフリーフォール。まだ来ない。 やっぱりダメなの? ぱふっ。ほんとに、そんな音がした。 目を開けると私とエリカはモスラのふかふか羽毛の背中にねっころがっていた。ふう。 なんだか急に恥かしくなって、私たちはお互いばばっと手を放す。 「……やっぱエリカは奇跡を起こす女だわ」 「……調子に乗るなってのミラクルバカ」
796 :
38 :2007/07/13(金) 13:48:56 ID:MyCeQCeh
モスラは私たちを気遣ってゆっくり着地し、そして降ろした後、ガイガンに向かっていった。完 全にコントロールを失ったガイガンはめったやたらに鎌の腕を振り回して暴れている。ずしんずし んと私たちのところ地響きが届いてきてとても立っていられない。 モスラがキィ、と一声鳴いた。するとモスラの身体が深紅の炎につつまれ始め、辺りがまる で昼間のように明るくなった。 モスラは再びキィと甲高く鳴いて炎を身に纏った姿でガイガンに突っ込んだ。そしてX星人の宇 宙船もそれに巻き込む。 ぼぅむ! 花火が爆発したみたいな炸裂音が空に響く。眩しくて、とても目を開けていられない。 つまんないことが頭に浮かぶ。どっかの国の爆竹使ったお祭りみたいだって。そういう思考をす るべき場面ではないのに私の脳はそんなイメージを引っ張ってくる。 十秒ほどしてゆっくりと瞳を開くと、そこに顔のなくなったガイガンが腕をブランとさせて立っ ていた。そして、ぐらりとその巨体が傾きはじめた。 「ぼさっとしてないで走るの!」 エリカが私の肩をかついで引っ張る。でも私の身体がうまく動かない。身体のダメージもそうだ けど、私はモスラを探していたから。 モスラ、まさかさっきの突撃で? 「伏せて!」 エリカが叫ぶ。私はエリカに頭を押さえつけられて地面に倒れこんだ。 ずぅんとガイガンが前のめりになり、地上に倒れこむと同時にその山のような巨体が大爆発した。 ごごごごごっごおん! 凄まじい揺れと熱い風が私たちを襲う。でも私はその時、自分のことよりモスラの心配をしていた。 モスラモスラモスラ……。自分を犠牲にしてまでガイガンを倒してくれたの? >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>><<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<
797 :
39 :2007/07/13(金) 13:50:31 ID:MyCeQCeh
──綺麗な月だ。 私とエリカは並んで寝っころがって月を見ている。服はぼろぼろだし顔は真っ黒だしいつの間にか 裸足だし。車は宇宙船と一緒に爆発したから帰れないし。 モスラは死んじゃったし。 「エリカたちさぁー、一応、地球を救ったってことになったんだよね?」 エリカが月を見たまま言った。たぶん、本気でそんなことは思っていない。 「うん。英雄だね。あんたそういうの好きでしょ」「うん。好きだけど」「好きだけど何?」「なん かこういうのは違うっていうか後味が悪いって言うか」「私もだ」「モスラが超頑張ってくれたのに ね」「でも死んじゃった」「うん」「フェアリーもおっきいモスラも」「うん」「うんじゃないって」 「エリカさぁー、ほんとのこというと最初はちょっとびびってたんだよね」「そうなんだ」「だって いきなり地球を救えとかさぁ、恐いじゃん。だからめんどくさいとか言ってた」「そうなんだ」 「正直、今でもまだちょっと身体がびくびくしてる」「そうなんだ」「でももうびくびくしてない」 「どっちなのよ」「ねえ、モスラ天国いけたかな?」「いけなかったら神様はそうとうイケズね」 そう思う。 でもモスラ自体が神様みたいなもんだし、そういう祈りはナンセンスなのかとも思う。祈りっての は願いみたいなものでそうなって欲しいとかって思う願望で欲望でエゴだ。でもモスラには祈りとか じゃなく、ちゃんと生きていて欲しかった。死んで欲しくなかった。そういう祈りじゃダメなのかな。 「誰も命無駄にしないようにと、君は命に終わり作ったよ」 「なにそれ?」 エリカが尋ねてくる。 「ラッドウィンプスの歌。お気に入りだからチャックしといて」「エリカはツェッペリンが好きなの」 「そうだったね」「でも今度、ツタヤで借りてみるわ」「かしてあげようか?」「じゃあ借りてあげる」 「素直じゃないんだから」
798 :
40 :2007/07/13(金) 13:52:13 ID:MyCeQCeh
それから。 なんとサエコさんたちとロケのスタッフの車が通りかかった。災害避難放送が流れて公民館に避難し ていたらしい。こうやって民衆が気付かないうちに地球に危機は訪れているのだ。 「それでね、UFOみたんだよ! ユーフォー! ほんとなの、信じて!」とサエコさんは言っていた。 「でもなんでエリカちゃんとまさみちゃんが北海道にいるの?」と聞かれたが「ちょっと牛乳を買いに」 と答えておいた。それ以上は何も聞かれなかった。だって、エリカが鬼の顔でサエコさんを睨んで「聞 くな!」オーラを発していたから。 >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>><<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<
799 :
41 :2007/07/13(金) 13:55:02 ID:MyCeQCeh
ボボボボボボボボ……って年季の入ったエンジン音。
ところどころ傷みがある古い漁船。その甲板にサングラスを掛けてでっかいハイビスカスがついた帽
子を被ったエリカがぼけっと座っている。そして私も座っている。
成田から6時間。さらそこから船で2時間。私たちはインファント島にやってきていた。
──あれから一週間が経った。私たちはいても立ってもいられなくなり、結局インファント島まで来
てしまったわけだ。来たからってなにかできるわけじゃあないしモスラも生き返らない。でも、なにか
呼ばれたような気がしていた。
「お待ちしておりました」
港で、原住民のおじさんが私たちの船を待っていた。知らない言葉なのに、ちゃんと理解できる。
私はインファントの石を取り出してみる。いつもより暖かく、ずっと輝いていた。
私たちは島の奥に案内されて、そこで驚くべきものに遭遇する。
おっきな卵。
そう、モスラの卵だった。
「歌っていただけませんか」
おじさんがそう言って私たちに頭を下げた。
私とエリカは卵の前に立ち、静かに目をつぶって優しく歌声を紡ぎだした。
モスラヤ モスラ
ドゥンガンカサクヤン インドゥムゥー
ルスト ウィラードア ハンバ ハンバムヤン
ランダ バンウンラダン トゥンジュカンラ
カサックヤーンム
Mothra Song
http://jp.youtube.com/watch?v=BBNo0943qUA&mode=related&search=
800 :
42 END :2007/07/13(金) 13:56:13 ID:MyCeQCeh
ピシピシって音を立てて卵が割れ始める。破片がミニチュアみたいにはじけ飛んでいく。 ピュイピュイ。鳴き声がして、卵から幼虫が孵った。でっかいクロワッサンみたい。 それも一匹じゃない、なんと双子。 「名前、つけてあげなきゃね」 エリカが腕を組んで考えている。 「マナカナちゃんとかは?」「ちゃんと考えなさいよ」 「そんじゃあ、キキとララ」「もういるじゃん」 「もー、じゃあシナモンとロール」「かわいいけど却下」 「じゃあもうエリ子とマサ子ね! はい決定!」 エリ子とマサ子に決まってしまった。まあ、自分の分身が出来たみたいで悪くないか。 あんまり情が移ると離れにくくなるので、私たちはその日のうちに帰ることにした。 なんとなくエリ子とマサ子が寂しそうな顔をしていた気がする。ごめんね。 でもその帰り道、私とエリカは見た。私たちにそっくりな顔をした小さな小さな2人の女の子が手を振っているのを。 「これでよかったんだよね」 帰りの船の上でエリカがふいにそんなことを口走る。 「精一杯のことはやったしさ、いいんじゃないかな」「そうかな」「そうだよ」 「エリ子とマサ子、元気で暮らすといいね。またピンチになったら来てくれるかな?」 「きっと来てくれるよ」「でもいいところだった。あんな素敵な島だったらエリ子もマサ子も長生きするよ」 「知ってる? インファント島ってずっとずっと昔から単独の島だったんだよ」「へぇー、そうなんだ」 「ここは、一説では地球のへそだって云う人もいるらしいし」「へえ、じゃあ世界の中心なんだ」 「そうかもね」「ここが、エリカの世界の中心」「なに自分のものみたいに言ってるのよ」 「ま、世界はエリカを中心に廻ってるからさ」「言ってろってば、このミラクルバカ」 「うっさいバーカ」「バーカ」「バカにかまってらんない。エリカは寝るからね」「私も」 「ねえ」「なーに?」「また、来ようね」「そうね、スケジュールがあえばね」 〜了〜
GJ!!!!! 次はもっとサエコを出して下さい
乙 楽しめました。
ちょっと見ないうちに(ゴメン)こんな大作がぁ! GJ!!
804 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/07/17(火) 21:53:59 ID:lTKezbyB
age
ケータイからすみません
>>756 続きめっちゃ気になる!!
うp待ってます!!
Pleasure!
807 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/07/24(火) 00:57:53 ID:uAuqkqJF
age
そういえば映画の予告で一緒の画面に出てるね
サエコがギターやりはじめたのが、エリカの影響とかだったらちょっと萌える。
810 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/07/28(土) 11:02:00 ID:lflM9jvR
サエコ エリカどっちがオッパイ大きいかな?
そりゃあサエコでしょ
エリカ様もなかなかのぶつをお持ちですぜ!
エリカ様、素敵です
814 :
名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 16:19:46 ID:UidlKI9G
エリカの尻もみたいな…
エリカの露出が増えてきてうれしいよ。
816 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/07/30(月) 16:40:03 ID:1MGh1be9
エリカ いい匂いするね…
エリカを嗅いだことあるんですか?
818 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/07/31(火) 18:09:54 ID:w9x2LDvX
エリカ様 ああエリカ様 エリカ様
今日1リットルの涙再放送してたね。白エリカ・・・
俺はサエコがみたいよ
こなぁああああああゆきぃいいいいいいいい
822 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/08/04(土) 10:48:59 ID:pbcHdO2z
エリカがサエコをいじめてても ぼくはエリカの味方だよエリカ エリカかわいいよエリカ エリカ昨日もエリカニーしちゃったよエリカ
ギターエリカかっこいい! なんつーか男前w
サエコ…(´・ω・`)
エリカ×まさみスレとして再利用するとか
826 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/08/07(火) 20:34:40 ID:aP2nCN07
サエコおめでとー。寂しくなるけど。幸せになってね!
828 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/08/08(水) 17:10:26 ID:v/Q9C6zN
サエコちゃん ここでネタ書いてた僕からも祝福させてください 幸せになってね
829 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/08/08(水) 19:38:23 ID:i+pZTWID
サエコオメ!このスレ的にはまさみは涙目www
サエコがばっ婚… いやだな… 今後ダルビッシュを見たら泣きたくなるんかな ずっと憧れだったからショック とりあえずおめトン エリカ×まさみスレは他でやってください… 結婚は無かったことにするか不倫ネタで続行希望
サエコが結婚したってサエば×エリは永遠さ! だから新ssよろしく
「サエコぉ、あんた結婚するんだって?」 「ビクッ!あっエリカちゃん、そ、そうなの、あたし結婚・・」 「あたしに何の断りもなくよくもまあそんな大それたことできたわよね」 「う・・・・」 「アンタ今日から夜道に気をつけなさいよ。クククク、アハハハハ!!」 「・・・・・ブルブル」
834 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/08/09(木) 14:14:43 ID:bG7cvtUN
>>823 ほーんとかっこいいよね!ギター侍みたいでw
「サエコちゃーん、結婚するんだって?おめでとー!」 「まさみちゃん!ありがとー!」 「新聞でみて知ったからさあ、ほんとびっくりしたよー」 「報告が遅れてごめんね」 「ねえ、ちょっと耳かして?」 「ん?なになに?」 「あのね・・・私、あなたに裏切られるなんて思いもしなかった・・」 「え・・?」 「一生あなたを許さないから・・」 「・・・・」 「なぁんて冗談!あはっ!サエコちゃん顔真っ青だよ?おもしろーいw じゃあそろそろいくね!お幸せに!」 「・・・ブルブル」
「サエコたん結婚するんだお?」 「うん!そうだよ!」 「そうなのかお…さみしくなるお…」 「いつでも会えるじゃん!」 「くれぐれも命は大切にしてくれお。しょこたんは手助けできないお」 「え…?それってまさか…」 「あ、もう仕事の時間だお。じゃあお幸せにだお〜」 「…ブルブル」
837 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/08/10(金) 12:06:34 ID:RabEK16F
まとめ 〜NEWS小山慶一郎(23)と熱愛発覚 2006.9 若手俳優・小出恵介(23)と熱愛発覚 2007.3 ダルビッシュと知り合う 2007.5 ダルビッシュと交際⇒小出と破局 2007.6.28 ダルビッシュと中出 2007.8.8 妊娠6週目、マスコミにバレる 8.9 ダルビッシュ、サエコ結婚宣言 ★サエコは早稲田の「通信」です。書類選考と面接のみ。お金があれば入れます。 ★妊娠6週目は、まだ赤ちゃんの心音すらわからない頃です。 ★最終生理が終わってから1〜3週が「妊娠1ヶ月」です。 ★現在6週目ということは、生理が来なくて「アレ?」っと思って2週間後。 ★マスコミにバレるにしては早すぎる。 ★サエコサイドからのリーク?
グラビアイドル時代に全然売れなかったのにw 持ち上げられてますねぇw
「あっ結衣ちゃん!私ね、今度結婚するんだ!今赤ちゃんが・・」 「なんだと!?見ればまだ子どもじゃないか!君は親になる自覚があるのか!」 「え・・・あるょ・・ちょっと不安だけどね・・」 「そんなことでどうするんだ!子供を作った以上、親としてだなあ!」 新垣さーんそろそろ出番でーす 「わかった今行く!まったく、小梅の友達か何か知らんが、最近の若いのは・・ブツブツ」 「舘さんに会うのが怖い・・・」
841 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/08/11(土) 14:21:00 ID:Xgsaz/j1
843 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/08/12(日) 00:37:54 ID:h7ABrRqS
∧_∧ ∩ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ( ´∀`)/ < 菌徹 凶徒液の巣儀喪徒ってオナニー好きみたいよ! _ / / / \______ \⊂ノ ̄ ̄ ̄ ̄\ ||\ \ ||\|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| .|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
844 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/08/12(日) 09:58:06 ID:ae/Ao+g+
昨日、西麻布の某グラブバーで、 君がいるだけで飛べる女優さんのS・Eさんを見ました。 服装は、テレビか何かで見たことのある豹柄のトップスに、 上にピンクのベロアっぽい光沢のある生地のパーカを羽織ってました。 ボトムはたしかインディゴっぽい色のデニムミニでした。 なんか、最初入ってきたときにずっと年上の男の人二人連れてて、 三人で入ってきたんですが、Sさんがすごく顔が小さくて目立ってました。 私以外にも彼女に気付いていた人いると思うのに、 彼女は見せびらかすみたいに片方の男の人の腰に手をまわして顔寄せあって話してて (店の中はうるさかったから、顔を近づけないと話せないのはわかるんですが) そのまま抱き合うみたいにして、奥のVIPルームに入っていきました。 もう一人の人も、歩きながらSさんの肩に手をやったりしてて、かなり仲のいい感じでした。 男の人は、抱き合ってた方の人はモスグリーンのジャケットに黒いパンツで、色黒で髭を生やしていて、 Sさんより背の低い人でした。 もう一人の人は、服装はあまり覚えていないんですが、太っていて、 サングラスしててアゴのところだけ髭があったのは覚えてます。 そのあと、3人はVIPルームに入っていったので、中の様子はよくわからないんですが、 トイレに行くとき前を通ったときに、カーテンから覗いたときには、 (そのお店のVIPルームは、バーカウンターからトイレへ向かうときにちょうどVIPの前を通れるんです) 彼女はやっぱり背が低いほうの男の人の前にひざまづいて、男の人の 、 股間に顔をうずめてました。 性的なイメージとかなかったので、かなりびっくりしました。 あの様子だったら、精子も飲んでたと思うんですけど、 彼女ってもう処女じゃないんでしょうか? この間までドラマで高校生の役やってたし、少女のイメージがあったからかなり驚きました。 こういうレポ(?)って初めてするので、わかりにくかったらすみません。 あまりにびっくりしたので、どうしても誰かに言いたくなって、 ここに書き込んでしまいました。
今後はダルビッシュ加えた3P路線で
ガチャン! 「おい!なんだぁこのクソまずい飯は!こんな飯食えっかよ!」 「ご、ごめんなさい!でも、今日は有くんの好きなものばかりだよ?」 「うるせえ!てめえ自分の作った飯食ったことあんのかよ。 ったく。てめえが妊娠なんかしやがるから世間の目をごまかすために 結婚なんかしなくちゃならなくなって、こっちはいい迷惑だぜ」 「そんな!あのときだってムリヤリ有君が押し倒して・・」 「うるせえ!お前だってノリノリだったじゃねえか。いやあ助けてえってw そういうのが男を興奮させるって知っててやってるんだろ?あ?」 「いや、こないで・・」 「そう怖がるなよ・・満足させてやるからよ・・」 「いやああああああああ!!」 このスレ的には有くんは悪役でいいよね(´・ω・`)
このスレで終了だろうし 好き放題って事でw
何を言う。このスレは永遠さ
「あーサエコだあ♪またからかってやろーっと。サーエコ!」 「あ、エリカちゃん。おはよ・・」 「!ちょっとあんたそのあざどうしたのよ」 「こ、これはなんでもないの!」 「ふふん、わかった、どーせあんたのことだからボケッとしてて 電柱にでもぶつかったんでしょ?アンタどんくさいからさー」 「そ、そうだね、私バカだから、あはは・・・」 「・・・」 「じゃあそろそろいくね?ばいばい・・」 「・・・何かにおうわね・・」 しょこた「おならしたのがばれたお。さすがエリカだお」 エリカ「アンタはどっかいくお!」
結衣「最近サエコちゃんの様子おかしいと思いません?」 由宇「そうね…、なんか元気がないってゆうか…全体的に暗くなったわね」 「そうですよね?!おかしいですよね?!多分サエコちゃんが結婚するって言ってからだと思うんですけど…」 「……これは調べがいがありそうね…」 「?」 「なにボケっとしてるの、いくわよ」 「え?どこに行くんですか? あ、ちょっと待って下さ〜い!」 エリカ「由宇達もいきずたみたいね…」 しょこ「え?!由宇たん、誰とキスしたんだお?!」 エリカ「…あんたは黙ってて」
いきずた→きずいた です。誤字スマソ
なんかリアルすぎて笑えないおw
855 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/08/13(月) 11:51:44 ID:2DmCR4hX
>>853 誰もそんな糞コピペ読まねぇから訂正する必要ねぇよ
そういえばまさみちゃんも二宮君と・・・
ついにまさみちゃんまで…噂どおりただの宣伝だといいなぁ
サエコへのバッシングを身体を張って逸らしてみせたまさみちゃんの愛に感動しますた
そういう考え方もあるわね
860 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/08/16(木) 10:22:55 ID:u5s5c6NE
ダルビ「ゴルァ!てめえなんで味噌汁に生クリームなんか入れんだよ!」 サエコ「だって・・甘い方がおいしいと思って」 ダルビ「生クリームってお前パティシエか!」 サエコ「・・・」 ダルビ「オラ、なんか言いたいことがあんなら言ってみろよ」 サエコ「グスッ、だって、有くん疲れてると思って・・元気になってほしくて・・」 ダルビ「・・・」 サエコ「ごめんなさい!でも、有くんに笑顔でいてほしくて・・」 ダルビ「ったく、わかったよ。悪かったよ。食うよ、食うからもう泣くな」 サエコ「えっ?」 ダルビ「か、勘違いすんなよ!俺はマスコミを欺くためにお前の飯を食うんだからな!」 サエコ「・・・有くん・・」 由宇「なあんだ。結構優しいとこあるじゃない。私たちの勘違いだったようね」 エリカ「でもあのコ怪我してたわよ。あれはどう見ても・・」 ダルビ「そういやお前電柱にぶつかったときの傷なかなか治らねえなあ。 妊娠してんだから気をつけろよ」サエコ「うん、ごめんね」 エリカ「えええええええええええええええ」
こんなオチなのか… お願いだからまだ続いてくれ
863 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/08/17(金) 23:38:50 ID:Al5fJSEl
このスレあのころのにぎわいを取り戻してほしい
もう ○○ぽい
そんなときこそしょこたんの出番だお
866 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/08/20(月) 00:34:52 ID:44A+gao8
しょうこ「おっおっおー」 終
じゃあ香椎姉さん。
868 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/08/20(月) 20:07:03 ID:44A+gao8
由宇「左右対称とか聞きあきたわ」 終
今日、私の一番大切な人が、私の知らない人のものになる。 失って初めて気づくなんてよく言うけど、今までそんなの信じたこともなかった。 でも・・ あーあ、馬鹿馬鹿しい。あまりに馬鹿みたいでやってられないわ・・・。 エリカ、起きるお!エリカ! あら、この馬鹿っぽいしゃべり方は・・・ しょうこ「エリカ!早く起きるお!」 エリカ「うーん、気持ち悪い・・ここはどこ?」 しょうこ「寝惚けてる場合じゃないお。ここはサエコたんの結婚式の披露宴会場だお。 エリカは来てすぐワインをがぶ飲みして寝ちゃったんだお」 そっか。私やけ酒なんてわかりやすいこと・・・ エリカ「私もう帰るから、後はよろしく言っといてよ」 しょうこ「ちょwww式もう始まるからwwもう遅いおwww」 エリカ「離してよ、もう、こんなとこに・・いたくない・・!」 ―――それでは新婦の入場です!みなさま、拍手でお迎えください!―――
パパパパーン パパパパーン みたくなかった。サエコのこんな姿。でも・・ 「きれい・・サエコ・・」 純白のドレスを身に纏ったサエコは、まるで天使みたいに見えた。 いつもの笑顔、見慣れた笑顔、でもあの人なつっこい笑顔は、 もう私のものじゃない。そう思うと、胸が苦しくなった。 樹里「パパパパーンパパパパーンパパパパーンパパパパーン アーイラービューフォエーバー」 由宇「あなたこんなときにはしゃぐのはやめなさいよ」 樹里「やーいてつかめーんてつかめーん」 由宇「この・・気にしてるのにぃ!」 しょうこ「サエコたんのウエディングコスはすばらしいお(;´Д`)ハァハァ」 エリカ「・・・・・・」
式は順調に進行し、事務所の偉い人や、親戚の人が次々と挨拶していく。 このまま何事もなく終わればいい。早く終わってしまえばいい。 徳光「えーそれでは最後に、同じ女優仲間であり、 旧友の仲でもある、沢尻エリカさんから一言・・」 え!そんなの聞いてない! しょうこ「こんな大舞台を用意されるなんてさすがエリカだお」 由宇「私たちには言ってくれてもよかったんじゃない?」 樹里「ひゅーひゅー!エリカひゅー!」 もう、馬鹿ばっか・・ 徳光「それでは沢尻さん、壇上にお上がり下さい」 ・・・・なるようになるわ。こういう場ではうまくやる自信があるもの 「サエコ、結婚、」 でも・・・ 「お、おめ・・」 おめでとうなんて・・・嘘でも言えないよ・・・ 「結婚・・・・・・・ おめでとう・・・」 言った瞬間、胸が熱くなった
「まさか、アンタが先に結婚するなんて思わなかったわ。 ドジで、ばかで、のろまでさ、私より何やっても遅かったのに」 言葉がどんどん出てきて止まらない 「私がいないとダメだと思ってたのにさっ、それなのに・・」 やばい、涙がでてくる 「ずっと、ずっと、私は・・サエコがいると思ってたのに・・」 サエコも顔ぐしょぐしょだ 私も多分そんな顔で泣いてる 「・・・なあんてね、ちょっと盛り上げるために演出してみただけ。 とにかくっ!私がめでたいって言ったらめでたいの!わかった?」 サエコが鼻水だらけになってうなずく。まったくブサイクなんだから 「きっと幸せになりなさいよね」 私は多分いっぱい泣いた顔だったけど、最後に思いっきり笑って言ってやった。 サエコも同じような顔で笑っていた。
しょうこ「あとは徳光がうまいこと鎮火してくれたお」 由宇「なかなかいい祝辞だったわよ」 樹里「ううううう・・思わず泣いちゃったよぉぉ」 エリカ「ふふん、私の芝居、アカデミー賞ものだったでしょ? サエコのやつ、勘違いしてなきゃいいけどっ」 サエコ「エリカちゃああああんうわああああん!」 エリカ「ちょっと寄らないでよ!あんなの演技に決まってるでしょ」 サエコ「ぐすっ!わかってるよ!とってもいい演技だったよ!」 エリカ「そう?わかればいいのよ、わかれば」 サエコ「うふふっ、エリカちゃんこれからもずーっと好きだよ!」 エリカ「私は好きじゃない」 サエコ「素直じゃないなあ」 エリカ「うるさいっ」 おわり
874 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/08/21(火) 02:55:30 ID:3SnFD6km
,r=''""゙゙゙li, _,、r=====、、,,_ ,r!' ...::;il! ,r!'゙゙´ `'ヾ;、, ..::::;r!'゙ ,i{゙‐'_,,_ :l}..::;r!゙ . ,r!'゙´ ´-ー‐‐==、;;;:.... :;l!:;r゙ ,rジ `~''=;;:;il!::'li . ill゙ .... .:;ll:::: ゙li ..il' ' ' '‐‐===、;;;;;;;:.... .;;il!:: ,il! ..ll `"゙''l{::: ,,;r'゙ ..'l! . . . . . . ::l}::;rll(, 'i, ' ' -=====‐ー《:::il::゙ヾ;、 ゙i、 ::li:il:: ゙'\ ゙li、 ..........,,ノ;i!:.... `' 、 ∧∧ `'=、:::::;;、:、===''ジ゙'==-、、,,,__ ` (゚∀゚ ) Good━━━━━━━━Job!!!! `~''''===''"゙´ ~`''ー( ) u~u
875 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/08/21(火) 14:13:18 ID:MvHb0tDo
あぁもう切な過ぎるよぉぉぉおお!!!!gj
876 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/08/24(金) 16:22:57 ID:ErGC/YN0
877 :
マヂ :2007/08/24(金) 17:22:11 ID:VUqg1umJ
878 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/08/25(土) 21:20:30 ID:qHeuAnuE
CMのエリカ様綺麗すぎ
なぜエリカさんはあんなにカッコイイんだ… 男ながら恥ずかしくなる…
しょうこの扱いwwwwwww 素直じゃないエリカ様(´Д`*)
まさみ「サエコちゃん、あっ、そういえばもうサエコちゃんじゃなくて ダルビッシュサエコちゃんだったわね。ねえダルビッシュサエコちゃん」 サエコ「やだなあ、今までどおりサエコでいいよ〜」 まさみ「そんな常識ないことできないよ。ダルビッシュサエコちゃんに失礼だもん」 サエコ「う、でもその呼び方はやめてよ・・」 まさみ「ダルビッシュサエコちゃんが否定したって これからはずっとこの名前で呼ぶからね?ダルビッシュサエコちゃん」 サエコ「ぶええええええええええええおがあざーん!!」 まさみ「ダルビッシュサエコ・・ダルビッシュサエコ・・(ネチネチ)」
エリカ「ダルコぉ」 サエコ「え」 エリカ「アンタ今日からダルコだから」 サエコ「・・・」 エリカ「ダルコぉ、ちょっとお茶いれてぇ」 サエコ「ぶええええええええええええええおがあざーん!!」 エリカ「(ニヤニヤ)」
883 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/08/28(火) 15:36:32 ID:Pb5qAQEP
つまんねー
おもしれー
885 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/08/29(水) 00:34:40 ID:+v/U25Ja
沢尻エリカとサセコだったら沢尻のほうが女優らしい
886 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/08/29(水) 00:40:36 ID:++OupHXJ
サエコ「エリカ様、平山さんとレズってみない?」
エリカ=ナナ サエコ=ハチ 有君=タクミ
890 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/08/30(木) 21:18:07 ID:SOKFT8Mh
ERIKA様に「サエ公見てなよ、アンタの望みは絶対叶えてやるから」 ってテレビで言って欲しい
NANA編突入
サエコ「私は運命とか信じるタチだから エリカちゃんと出会えたことは 運命だって思うよ♪」
893 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/08/31(金) 22:06:23 ID:0zL/fz7r
俺は、舞台挨拶に参加する行定監督を激励しようと、スタッフ達の到着を待ちわびていたんだ。 そうこうするうちにスタッフ達を乗せたバスが駐車場に到着して、スタッフ達が会場へ向けて 歩いてきたんだ。そうこうするうちに、佐藤寛子や永作博美なんかの今となっては地味な俳優達 (ファンの人、ゴメンねw)に混じって、明らかにオーラが出てる女優が二人、こっちへ 歩いてきたんだ。それが沢尻エリカとサエコだった。二人で並んで歩いて来た。仲良かったん だろうな。俺、ミーハーみたいに凄ぇって思ったよw 俺は、目の前まで歩いて来たエリカと サエコに 「サイン頂けますか?」と訊ねたんだ。するとエリカは、にっこり微笑んで 「もちろん」と答えてくれた。 そうしたらサエコは俺を無視してスタスタ歩いて行こうと したんだ。そうしたら、今までニコニコ微笑んでいたエリカが急に険しい顔になって 「おい!サエコ!!」・・・ってサエコを呼び止めたんだ。 びっくりして振り返るサエコにエリカは 「おめぇ、プロだろ?」・・・って語りかけたんだ。そうしたら、サエコ、こっちへ戻ってきて サインしてくれたよ。 そん時のエリカ、おしっこちびるくらい格好良かったよ。
895 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/09/01(土) 08:03:44 ID:2HKZLiq0
エリカさすが(`・ω・´)
896 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/09/04(火) 14:06:54 ID:GrBtrvfS
それ、ホントの話し?すげーなエリカ様。サエコ…
たしか、橋本真也コピペのひとつだった気がするけど…
エリカさんがメントレGに…!
899 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/09/14(金) 13:15:26 ID:CcepArK3
陰毛ソバージュ最悪 スマスマのヒョウ柄も似合わない
900 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/09/14(金) 19:36:26 ID:DQq/BAlu
ストレートにしてデコ隠せ!
エリカ「アンタがいたから、アタシは変われたんだよ。ありがとね、サエ公」
902 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/09/18(火) 18:25:50 ID:bGVBn0hn
道休サエコ 寺の娘みたいな名前 結婚してマジ消えてくれ あの声耳ざわり
┏┓┏┳┓ ┏┓ ┏┓┏┳┓ ┏┓ ┃┗┻╋┛┏┛┗━┓┃┗┻╋┛┏┛┗━┓ ┃┏━┛ ┗┓┏┓┃┃┏━┛ ┗┓┏┓┃ ┃┗━┓ ┃┃┃┃┃┗━┓ ┃┃┃┃ になってきた 沢尻エリカ ┗━━┛ ┗┛┗┛┗━━┛ ┗┛┗┛
904 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/09/27(木) 16:37:20 ID:fZwABfXH
本名 ダルビッシュ サエコ。
907 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/09/29(土) 13:03:34 ID:S59X6RPa
ニンテンドーDS の DS は ダルビッシュサエコ
益々調子込んじゃうね。 ダルの活躍のお陰で。 他力本願な女。
いやもうみんな忘れてるよ
911 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/09/30(日) 19:52:45 ID:KU7+msQ2
912 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/10/01(月) 17:27:54 ID:HpU067s9
エリカ様「サエコ、今日はどうもありがとう・・・」 サエコ 「…今までなんでサエコのことイジメテたの?」 エリカ様「べつに・・・」 サエコ 「サエコがエリカちゃんになにか悪い事した?」 エリカ様「特にないし」
ちょwwww
結婚されてふてくされてる? 『ひまな妊婦なんだから、初日くらい見にきなさいよ!!サエコの分際で私に許可なくはらんだくせに。』
915 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/10/02(火) 00:23:29 ID:UwSXO4sS
ダメな女
ウヒョー、クローズド・ノートで二人ホーヨーしてる〜
917 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/10/02(火) 17:44:49 ID:aJvf6/6Z
>>1 いまさらながら
ヒヨコというネーミングセンスに
age!
沢尻のあれはネタとか演技じゃなくて
素であれなのか?
なんかデスノートに似た?名前の映画で揉めてた
大変そうw
かなり久々にちょっと書いてみた。 あいかわらずのノリだけど趣味が合うようなら見てくれ。 んじゃいくぜ。
919 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/10/02(火) 21:37:44 ID:n1Tb9XT1
かもーん
むせ返るような熱気をすっかり失ってしまった東京の風が私のほほをなでる。 日本中が敵になったような騒ぎの中で、都会の雑踏だけは私をやさしく包んでくれていた。 人ごみを心地いいなんて思ったのは生まれて初めてかもしれない。 だけど、人ごみの中をあてどなくさまよっていると色々なことが頭をよぎるものだ。 おんなじ質問ばかりするくだらないテレビ番組、 事務的な舞台挨拶、そして・・・。 街が段々とオレンジ色に染まり始める。 歩きつかれた私はうまい具合に空いていた茶色いベンチに腰をかけた。 なんであの人たちはあんなに怒ってるんだろ。 腰をかけるのと同時にふとそんな思いに駆られる。 たかが21歳の女の子の無作法がこんなにゆるされないのは何か変だ。 それに私のしたことが許されない無作法だとしたら、 私をシメるだとなんとか言っている大人たちは、どんな礼儀作法にのっとっているというんだろう。
・・・やーめた。 考えるだけバカらしい。 きっと気持ちの悪い大人たちの気持ちの悪いエネルギーが、 お相撲さんの次に私めがけて飛んできただけの話だ。 私はベンチの上で大げさに伸びをして、ふうっとひとつため息をつくと、四角く区切られた空を見上げた。 空の色はもうオレンジ色からグレーに変わりつつあった。
あれからどのくらい空を見上げていたのだろう。 首筋に走る鈍い痛みでわれに返る。 すでに街は昼間にはないきらめきを見せ始めていた。 幾分、人通りも減っている。 あんなにたくさんの人たちにもそれぞれに帰るべき場所があるなんて、何か不思議だった。 不意に都会のネオンがにじんでいくのがわかる。 まだ私に帰るべき場所なんてあるのかな。 そんなことを考えたからだった。 「誰か待ってんの?」 ・・・人が感傷に浸っているときになんて間の悪い男だろう。 私は無視してベンチをたつ。 そのとき自然にベンチの色が目に入った。 夕日に照らされていたからだろうか、ずっと茶色だと思っていたベンチの色は実は黄色だった。 黄色って結構好きな色だ。 私はいつもそうだ。 気付くのが遅い。
こんなところです。 んじゃ、また。
GJ! でも続きが気になるぅぅぅぅうぅうぅ
文章上手い!!続きが楽しみ。
はっきりいって超GJ
927 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/10/04(木) 21:24:22 ID:i50fwXGL
、 丿''、 / ゝ ./ ゝ / 1 ! l ゝ ./ 丶-..-‐′ ./'、 / '、 / ヘ j 」 号泣した未熟な 沢尻エリカ 丶 ,,/  ̄´
好みの文章だ
929 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/10/09(火) 01:12:05 ID:yE7ctKbE
すげえ文豪キタコレ 赤川次郎っぽい
931 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/10/10(水) 22:27:23 ID:KCMewXhd
サエコ「エリカ様平山あやちゃんとソニンちゃんつれてきました〜」 その後のエリカ反応は?
エ「hiroは?」
933 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/10/11(木) 09:16:58 ID:7GYnDpM5
サエコ「千春(若槻)ちゃんと大沢あかねっちとマンガ喫茶行った見たいなんですけど・・・・・」 エ「あのアマ(若槻)・・・・・・・許せねぇ・・・」 この後エリカ、サエコ、平山、ソニンの命運は一体・・・・
お、新シリーズか?
若槻はブログでエリカを擁護?してたね。
936 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/10/13(土) 07:03:22 ID:SlnwNpIN
今更だけどスレタイワロタ
937 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/10/13(土) 10:14:05 ID:VV0uxnrb
678 :通行人さん@無名タレント:2007/10/13(土) 09:48:02 ID:SLGnJ7mb0 女が男に逆らうからだよバ〜カwww by スポンサーCM担当の醜男(うちの会社は、もちろん沢尻なんかCMに使ってないけどww) 117 :名前をあたえないでください:2007/10/02(火) 14:40:38 ID:5SK4ZOEj 沢尻は枕営業を拒んだためにマスコミから攻撃されています 所属事務所は出番前に沢尻をわざとキレさせカメラの前に出すのです まだ精神的にも大人になりきれていない彼女の性格を見越しての計画的なイメージダウン戦略を遂行しています 沢尻は「マネージャーが信じられない、事務所もどうかしている」と友人に愚痴をこぼしていたようです 事務所の取引先の男性との枕を強要されたようですが、それを沢尻節で突っぱねた 専属だった衣装やスタイリストがはずされマネージャーが用意した衣装を着て出るといった嫌がらせが今回 以前は下着が盗難被害にあい下着を着けずに舞台挨拶を行ったことがあったようです 事務所との確執はかなり以前からあったと思われます 今回の沢尻の件は、所属タレントの中でも噂されておりそれが業界全体にに広まっています 枕営業が当たり前だった時代のタレントは鼻で笑うかもしれませんが 今を生きるタレントは今後どういう生き方をしなければならないのか 体を売らなければ仕事がこない現実は昔から変わっておらず そのほとんどが取引先のスポンサーに抱かれているのが現状です 679 :通行人さん@無名タレント:2007/10/13(土) 09:48:45 ID:SLGnJ7mb0 俺との枕営業断るからいけねえんだよバ〜カwww by スポンサーCM担当の醜男(うちの会社は、もちろん沢尻なんかCMに使ってないけどww)
在日は日本のお荷物 在日は韓国の汚物
サエコをどう扱っていいかわからないから 続きがかけないや。 ト書きの人もそうなのかな。 どうしたもんだろ。
940 :
名無しさん@秘密の花園 :2007/10/14(日) 12:45:09 ID:C2boGIcZ
しょこたん「しょうこ、痴漢に胸触られちゃったお…」
しょこたん「しょうこ、痴漢に胸触られちゃったお…」
>>939 妄想スレなんだし、最終的にエリカとくっつけちゃっても良いんじゃない?
TBSお得意の在日が差別と戦うというドキュメンタリーの最後で ふ〜ん、ご立派ですねぇって筑紫がコメントしてみればどうなるかわかるだろ
エリカ&赤江アナでなにかひとつ頼みたい。
韓国人で整形してない人の方が少ない 見栄っ張りな上にもとがあり得ないくらい不細工だから