ToHeart2 SS専用スレ 2

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1名無しさんだよもん
桜が舞う、暖かな季節。
新しい出会いや恋、そして友情に笑い、悲しみ。
すべてが始まり、終わるかもしれない季節。
季節といっしょに何かがやって来る、そんな気がする―――。


ToHeart2のSS専用スレです。
新人作家もどしどし募集中。

※SS投入は割り込み防止の為、出来るだけメモ帳等に書いてから一括投入したほうがいいです。


前スレ
ToHeart2 SS専用スレ
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1105005926/

AQUAPLUS『To Heart2』公式サイト
ttp://www.aquaplus.co.jp/th2/index.html

本スレ
To Heart2 その24
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1105965085/

ToHeart2 スレッド 過去ログ置き場(仮)
http://f55.aaa.livedoor.jp/~kuma/toheart2/

各キャラの呼称相関図は
ttp://botan.sakura.ne.jp/~siori/hth/index.html
内のToHaert2呼び方相関図を参照。
2名無しさんだよもん:05/01/23 20:58:47 ID:x/72UG4N
キャラスレ
「ヤダ…ここで寝る…」 柚原このみスレッド 三泊目
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1105620166/
「うん、初めて言ったから」 向坂環 5回目の告白
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1105972773/
小牧 愛佳 ぽよーん 5
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1106135832/
ToHeart2 姫百合姉妹スレ 3
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1105844286/
ルーシー・マリア・ミソラ 3
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1105800590/
十波由真スレッドその4
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1105762899/
笹森花梨スレ〜ミステリ研3日目〜
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1106240437/
草壁優季スレッド
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1098963344/
柚原春夏スレッド
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1097250311/
吉岡チエ
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1101484944/
みちるVS山田ミチル
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1099449650/
「メイド学食ってどっかにねえかな」向坂雄二スレ
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1100669002/
【HMX-17】イルファ【メイド服】
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1104220862/
菜々子ちゃんファンスレッド
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1105152708/
小牧郁乃を愛でるスレ
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1106043536/
3名無しさんだよもん:05/01/23 20:59:32 ID:x/72UG4N
前スレで他所にうpされた作品一覧

暗闇の中で
ミルファのいる生活
ttp://www2.tokai.or.jp/v-sat/ss/ss_index.html

真夏のミステリ
ttp://www.geocities.jp/karin_th2/index.html

押しかけメイドイルファさん
ttp://bcproject.h.fc2.com/maid.html
4名無しさんだよもん:05/01/23 21:01:45 ID:98a7VAQE
>>1
(゜w゜)<乙!!
5愛佳を犯してる奴:05/01/23 21:06:49 ID:M/b72vtX
新スレおめです。自身の都合でしばらく続きは書けませんがRAWデータはできてるの
で近日中には何とか・・・。
6名無しさんだよもん:05/01/23 21:16:08 ID:raj6pbvG
>>1
乙華麗
7名無しさんだよもん:05/01/23 21:32:27 ID:eUv5mO/l
>>1乙!


序盤の動きの遅さに一時はどうなることかと思ったが
かなり活発になってる模様でありがたいねぇ
8名無しさんだよもん:05/01/23 21:36:41 ID:P5sJKpzD
>>1
とりあえず乙
9名無しさんだよもん:05/01/23 21:41:33 ID:AlBKq9BG
ToHeart2 SideStory Links
ttp://toheart2.ss-links.net/

これも貼っておく
10双月:05/01/23 22:11:09 ID:U6z+4Gor
始めまして、いつもROMさせてもらってる双月といいます。タマ姉でSS書いたので投下したいと思います。
11さびしがり屋のネコ(1):05/01/23 22:12:55 ID:U6z+4Gor
「それで、これをこうすると」
「ん〜……あ、だからこうなるのか」
 そう言いながら貴明が答えをノートに書き込んでいく。そして、その答えを見て、確認すると。
「正解」
 そう言って、環は笑顔を見せた。が、すぐに曇ってしまう。
「ん?どうしたの?」
「……少し、休憩しましょ」
「え?」
 そう言って貴明が環を見つめる。と、貴明がこっちを見ているのを確認して、環は言った。
「集中力途切れてるでしょ。あんまり根詰めすぎても悪いし。少し息抜きしましょ」
 立ち上がって、お茶を取りに行くのか環が外に出る。扉が閉まったのを耳で聞くと、はぁと貴明は小さく息をついた。
「がんばんないといけないのは分かるけど……」
 そう言いながら、ずるずると背中から寝転がる。いつもとは違う環の部屋での勉強。それも環境を変えてがんばれという環なりのはげましかもしれない。
 しかし、テストの前に勉強をして、クラスの平均点より上を維持していた人間にとっていきなりの毎日勉強漬けというなれない状況は小さな変化でやれるようになるほど容易ではなかった。
「そりゃ、タマ姉と一緒に居たいさ。けど……」
 そう言ってつぶやく。高校2年の2学期。確かに受験勉強しなければいけない時期は近い。しかし、ここまで厳しいのには訳がある。
 なにせ、環と一緒の大学 九条院を受けるのだから。
「はぁ……」
 そう、また息を吐くと、首を横に向けた。
「あれ?なんだろ……」
 そう言って四つんばいになりながら、環のベッドの横に落ちている本を見る。
12さびしがり屋のネコ(2):05/01/23 22:13:51 ID:U6z+4Gor
「な!ななな」
(なんで)
 と声が出そうになる。それもそうだ。今まで貴明が隠しておいた男性雑誌が落ちていたのだから。
「なんでって、私が持ってきたから」
 その言葉と同時に、手を払われ、体をくるりと返された。後頭部を打たなかったのは環の手が後ろにあったからで、なければ、打っていただろう。
「た、タマ姉」
「へ〜。タカ坊って、こういうのが趣味なんだ」
 そう言って、環は不適に笑う。体をひっくり返され、嫌でも環の格好が目に映る。紺色のフリルのついたワンピース。そして同じくフリルの付いたエプロンにキャップと何故かメイド姿で立っていた。
「ち、違うって」
「あら。でも、その本にはメイドさん特集って書いてあったけど」
 そう言いながら、貴明にのしかかり、体を密着させる。
「そう、だけど。あれ雄二から押し付けられた物だし」
「そう、あの子の」
 そう言って環が目を細める。大体の予想は貴明の方もついた。が、自業自得だ。それよりも今、この状態の方が問題だ。
「で」
 そう言って、顔を近づけて環が笑う。
「タカ坊はこんな格好嫌い?」
13さびしがり屋のネコ(3):05/01/23 22:14:59 ID:U6z+4Gor
「そ、それは……そうだ。ほら、そろそろ勉強に戻らないと」
「だ〜め」
 そう言って顔が近づいてくる。そして、貴明の唇を奪った。強く唇同士が触れ合う。そして、環の舌が貴明の唇を味わうようになぞると、二人の唇の距離が離れた。
「ちゃんと、タカ坊の息抜きさせてあ・げ・る」
 そう言って、環が笑う。その笑みに貴明は何か背中を寒いものが通り過ぎていく。
「た……、タマ姉?」
「ふふふ。じっとしてなさい」
 強く奪うような口付け。ただ、さっきと違うのは、今度は環の舌が貴明の口の中に入って来たという事だ。
「んッ……ちゅっぷ……っちゃぷ」
「ふっ……っちゅ。ふふ、タカ坊のここ、おっきくなってる」
「んあ、だ、だめだってっ」
 拒否する前にチャックを下ろされ、中から少し大きくなった貴明の物が出てくる。
「ふふ〜。じゃあ、遠慮なく」
 そう言って、環の手が貴明のモノをこする。強くと言うわけじゃなく、優しく扱いていく。
「ぁっ、っくぅ」
「ふふっ、気持ちよさそうな顔しちゃって。そんなにいいの?」
 そう言い、舌で自分の唇を舐めながら環が聞いてくる。
「そ、それは……」
 男として、答えたら負けな気がして、そっぽを向く。と。
14さびしがり屋のネコ(4):05/01/23 22:15:50 ID:U6z+4Gor
「ふ〜ん。そんな態度取るんだ」
 そう言って、悪戯っぽい笑みを浮かべると。
「ひゃう!」
 ぴちゃっという音と共に、貴明のモノに今まで味わった事のない感触がうまれる。
 見ると、貴明のモノに環が舌を這わせていた。
「どう?あの本に書いてあったけど……」
 そう言って、舌で貴明のモノの先端部分を虐める。手で優しく包んでいるだけでなく、舌が与える生暖かい感触に、思わず声が出てしまう。
「ちょっ、タマ姉」
 そう言いながら、貴明の先走りを舌で味わう。浮き出た血管に添って唇を動かしたり、手に握った玉袋を優しく揉みほぐし、貴明のモノを弄んでいた。
「気持ちいいですか?ご・しゅ・じ・ん・さ・ま」
 悪戯っぽく見上げる目。そして、言われた瞬間に、貴明のモノがビクッと震えた。
「ふふ。こっちは正直ね〜。ご主人様って言われて、素直に返事しちゃって」
 そう言いながら、今度は口の中に含んで、味わい始めた。くちゅっと淫媚な音を立てながら、深く咥えこむ。そして、今度は口で貴明のモノをしごき始めた。
「だ、駄目だって!」
「きゃっ」
 環の口の中という心地よい誘惑を振り切って、貴明は何とか環の顔を自分のモノから離した。
「やっぱり駄目だって。やめよ」
 起き上がり、環の肩を掴んで言った言葉に環は目を閉じて『いや』と短く答えた。
15さびしがり屋のネコ(5):05/01/23 22:17:26 ID:U6z+4Gor
「タマ姉!」
「嫌よ。タカ坊が!」
 言わないでおこうと思った言葉なのだろう。一瞬環の表情がハッとした。そして、その次には曇ってしまった。
「俺が……なに?」
(なにも……してないよな?)
 自問自答。目を伏せてしまったために環がなにを考えているのか貴明には分からない。が、しばらくしてようやく口を開いた。
「タカ坊が悪いんじゃない。せっかく隣の部屋なのに……、夜這の一つもしてくれなくって」
(いや、それは……)
 勉強が終わる。そして、ベッドに飛び込むと次の瞬間にはもう朝なのだから、仕方が無いと言えば、仕方が無いのだが、一度口火を切ってしまった口はそれだけでは留まらなかった。
「私に魅力が無いのかなってタカ坊が好きそうな下着つけたりさ、夕飯に精の付くものだしたりさ。バカみたいじゃない。私ばっかり……」
 そう言いながら、貴明の胸に顔を埋める。手放さないようにと、貴明を強く抱きしめながら。
「何年も待ってたんだから……また待つなんてできないわよ……」
「……タマ姉、ごめん」
 そう言いながら、貴明も環の頭を抱きしめる。
「その……待たせた訳じゃくって、その。俺だって隣の部屋だから、嫌でも意識しちゃって、我慢できない時はあるけど。だからって、しちゃいけない気がして……」
 その言葉にブンブンと貴明の胸で首を振る。
「ばか。女の子は、好きな人が相手なら拒めないんだから」
 好きな人、それも女性にここまで言わせて、素直に口から『ごめん』と出てくる。その言葉に、ようやく環は顔を上げた。少し濡れたような瞳、真っ赤にした頬が貴明の目を引き付ける。
「謝るより……」
 そう言いながら、環が目を閉じる。
「タカ坊から……して」
 その言葉に初めて貴明は自分から環に口付けを交わした。
16さびしがり屋のネコ(6・終):05/01/23 22:18:13 ID:U6z+4Gor
「た、タマ姉ぇ〜」
 動けない。というより、寝返りを打つのも中々難しい。なぜなら、環に抱きしめられながら、同じ布団の中で寝ているのだから。環曰く、同衾らしい。
「ん〜、タカ坊の匂い、タカ坊の感触、最高の抱き枕げっと〜」
 そう言いながら抱きしめてはいるが、前みたいに力いっぱいではなく、軽く、でも逃げ出せないように手と足二つでで抱きしめていた。
「……ねえ」
「……なに?」
 急に優しい声で言われ、貴明が顔だけ環の方に向ける。
「勉強……辛い?なら……」
 そう言いながら、言葉に詰まる。が、何となく貴明にはその先の言葉が読めていた。
「いいよ。俺だってタマ姉と一緒の大学に行きたいし」
「そう?じゃあ、これから本腰入れないといけないわね」
 そう言って環は嬉しそうに笑う。が、その本腰と言う言葉に、貴明は嫌な予感しかない。
「……できれば、手加減して欲しいんですけど」
「大丈夫よ。タカ坊なら」
「……タマ姉が付いてるから?」
「そっ」
 根拠の無い自信。だが、環がついていると出来るような気がするから、不思議だ。
「でもま、こんな美人の彼女が居て、我慢できなくなったら、いつでも襲っていいから」
「……タマ姉が?って、ああああああたいたいたい」
 無言で強く締め付けられ、貴明は環の腕を叩いてギブアップを告げる。と、環はあっさり開放してくれた。
「タカ坊が!よ」
「分かってるって」
 そう言って思わず、苦笑いを浮かべてしまう。と、環が貴明の肩に顔を埋めた。
「でもね。あんまり我慢しないでよね。私、待つの苦手なんだから」 
17双月:05/01/23 22:22:06 ID:U6z+4Gor
 一発で『タマお姉ちゃん好き好き大好き大作戦』で落ちたのに。書いたSSのレベルが足りない。ああ、タマ姉の魅力はこんな物じゃないんだ!とタマ姉ファンの人に殺されそう(汗)
とりあえず、スレの保守になれば幸いです。また、ヴァレンタインにでもSSできたら投下したいと思います。それでは、失礼しました。
18名無しさんだよもん:05/01/23 22:31:33 ID:xLXJGxMf
>>17
GJ!
19名無しさんだよもん:05/01/23 22:38:41 ID:2xLDv0Cs
GJ!



・・・ところでこの元気になった俺の物はどうすれば?
学校からの帰り道、タマ姉は何か用事があると言って先に雄二を連れて帰ったらしく、
俺はこのみと草壁さんの二人と一緒に学校から帰っていた。
どうやら、草壁さんの家は俺の家から歩いて数分の距離にあるらしく、
途中まで一緒に行けるという事もあってこうやって三人で歩いて帰ってる訳である。
このみと草壁さんは、両方とも占いに興味があるという事で
(草壁さん曰く、占いは運命的じゃないですかって事らしいが、正直良く判らない……)
すぐに意気投合して俺の事をほったらかしで二人して話していた。
それを少し寂しく感じながらも俺の大事な妹であるこのみと、
大事な人である草壁さんが仲良く話しているのが微笑ましくて見守っていると
「そういえば、草壁さんってタカくんの幼馴染なんですよね?」
とこのみが言い出した。
恐らく昼休みに雄二から聞いたのであろうか、あいつ変な事このみに吹き込んでなかったらいいんだが……
と思いつつも肯定すると、
「え、えっと、じゃあ優季さんって呼んでいいかな」
などと言い出した。
「おいおい、幾らなんでもそれは……」
「貴明さん、私はかまいませんよ。それに私も袖原さんみたいな妹欲しかったですから」
「えへへー」
「仕方ない奴だなあ、このみは」
「えっとね、優季さん、じゃあ、このみの事も好きな風に呼んでいいよー」
その言葉にくすっと草壁さんは笑うと、
「じゃあ、このみちゃん、で」
「うん、宜しくね、優季さん!」
「ほんと、このみは人見知りをしないな」
そんな俺達のやりとりを優しく微笑んでいる草壁さん
「むー、違うよー
ユウくんがね、優季さんはタカくんの幼馴染だって
だから、このみと優季さんも幼馴染繋がりで仲良しさんなんだよ」
色々と誤解されるようなこのみの発言と、それを言わせた雄二を後で取り合えずどうにかしようと思いながら
草壁さんにこのみは隣に住んでる幼馴染で妹みたいな奴だって改めて説明した。
その最中、何故かずっと草壁さんが嬉しそうだったのが印象に残っていた。
その後、このみが、親睦を深める為に公園に行こう等と言い出した為
俺達三人は公園で夕暮れまで久しぶりに遊んだ。
そして、疲れてしまったのかこのみは草壁さんの膝の上で眠ってしまい、
起こそうとする俺を草壁さんが可愛そうだからもう少し寝かしてあげましょうと言い
草壁さんと俺は暖かくなって来たとはいえ夕暮れの公園のベンチの上二人で身を寄せて座っていた。
「ごめんね、草壁さん。このみがいきなり変な事言って」
「いえ」
草壁さんは微笑むとこのみの頭にゆっくり手を置くと優しく撫で始めた。
「私って今まで一人っ子でしたから、このみちゃんみたいな妹が欲しいなって思ってたんですよ」
このみは草壁さんの膝の上で熟睡してしまったのか先ほどから起き上がる気配が無く、
草壁さんはそんなこのみを愛しげに絶えず頭を撫ぜてやっていた。
「私ね……」
唐突に草壁さんが口を開いた。
「本当は、お父さんも、お母さんも嫌いだったんですよ」
俺は黙って草壁さんの言葉を聞いていた。
「小学校の頃、いつも家に帰ったら言い争いばっかりして──
お父さんも、お母さんも私を見てくれなくて」
草壁さんはこのみの頭を撫でるのを止めずに言葉を続けていく
「だからなのかな、私、小学校の頃からずっと物語を書いていたでしょう」
「あの、ダストノートだね」
草壁さんはその言葉を受けて儚げに微笑むと、
「あのノートにずっと書いてたんです、お父さんと、お母さん、そして私の三人が仲良くお茶会をしてる風景を」
草壁さんは一瞬、何かを懐かしむように顔を上げると、次の瞬間力なく頭を横に振った。
「でも、だめでした」
「離婚、されたんだものね……」
子供の時は漠然としか判らなかった「リコン」という言葉、
あの頃は単に一緒に居れないだけ、と思っていたが、現実はもっと重く、
その事が小学校4年生の草壁さんに与えていた影響は想像出来ない程重かったのであろう。
「私の家、小さい庭があって」
夕焼けの下
「小さいけど、でも家族三人が座れる白いテーブル」
謡う様に
「日曜日の昼下がり、家族みんなで紅茶を入れて飲んで──」
そこで一つ息をつくと草壁さんが言葉を続ける
「最初は、お茶うけに出るお菓子が好きで、日曜日のお茶会が待ち遠しかったんです
でも……小学校に入って、両親が不仲になってから、気付いたんです
自分が本当に求めていたのは、何気ない、家族の触れ合いだったんだって」
そこまで言うと、草壁さんは又このみの頭を撫で始めた。
俺の目には、それはまるで自分が与えられなかった愛情を、
代わりに誰かに与える事によって自分を形作っているように見えて──
「アメオニ」
「えっ?」
俺の思考は再び草壁さんの言葉によって遮られた。
草壁さんはこちらに顔を向けて、笑いかけた。
「アメオニですよ。貴明さんが私を誘ってくださった」
「ああ、アメオニね、でも何で又──」
草壁さんは俺の言葉を遮るように人差し指を口の所に持っていくと
まるで先生が出来の悪い生徒をしかるように、でも、優しく口を開いた。
「アメオニも、お茶会と同じなんですよ」
「同じ?」
「ええ、アメオニも、お茶会も、自分一人じゃ出来ないでしょう?」
「ああ…」
そこまで言われて俺は納得した。
「だから──あの時、貴明さんに一緒にアメオニしないかって誘われた時」
草壁さんはそこで言葉を止めると、ゆっくりとこちらを振り向いて、まっすぐ俺の目を見た。
「本当に、嬉しかったんですよ」
軽く微笑みながらそういう草壁さんは、夕日を受け紅潮した顔がとても魅力的だった。
でも、そんな草壁さんが何か今すぐにでもあの夜のように消えてしまいそうに感じて、
俺は思わず問いかけた。
「草壁さん、草壁さんは、今幸せ?」
いきなりの質問に草壁さんはちょっと小首を傾げた後、本当に綺麗な笑顔を浮かべながら言い切った。
「私は今とっても幸せですよ。あの日、全てが終わってしまった筈なのに、
でも、こうして、貴明さんと一緒に居られて……」
言い終わる前に俺は草壁さんを抱きしめた。
小さい嗚咽が抱きしめた腕から漏れてくる。
俺はそれを消せないけど、でも、俺が今現実にここに居るという事を草壁さんに伝えたくて、
抱きしめる力を強くした。
そして、二人夕暮れの下、
「──貴明さん」
「──何?」
「私──」
そういって草壁さんは顔を上げて──
「貴明さんに出会えて本当に嬉しかったです」
二人の唇を重ねた。
その後、流石に春とはいえ寒くなってきたのでこのみを起こして三人で帰宅した。
そして、家に入ろうとした瞬間
「そういえば、優季さん、タカくんね、一人暮らしだからって全然家事もしなくて、
ご飯もレトルトばっかりなんだよ」
「まあ、貴明さん、きちんとご飯を食べないと駄目ですよ」
「いや、ほら、色々とめんどくさくてね、洗物とか……」
女の子二人の集中砲火の中、しどろもどろになりながら言い訳をしていると
このみがまるでいい事を思いついたとでも言わんが勢いで
「そうだ、優季さん、タカくんにきっちりしたご飯作ってあげてよ」
「え」
二人してその言葉に固まって、
「い、いやほら、草壁さんも色々用事とかあるしもう遅いし」
「え、えっと、その、貴明さんさえご迷惑じゃなかったら私は、あのその」
「それじゃあ、タカくんとごゆっくり〜」
と、当の本人は言うだけ言ってさっさと家へと入ったと思ったら──柱の影からぴょこんと顔だけ出して
「あ、でも優季さんと二人っきりだから変な事したらだめだよ〜タカくん」
等ときっちり爆弾を置いていってくれたとさ。
ばたんとドアが閉まる。
このみは閉まったドアに背をもたらせかけてずっと俯いていた。
草壁優季。
雄二が言うには、小学校時代の貴明の幼馴染。
自分の知らない貴明を知ってる存在。
いい人だ、とは思う。暖かくて、包み込んでくれる様で。
そして、背も高く、体は自分よりもずっと丸みを帯びていて
ロングに伸ばした髪も綺麗な自分よりずっと女性らしい、綺麗な人。
「可愛い妹、か……タカくんにとっては妹でしかないのかな」
このみは玄関に備え付けられ居る姿見に映る自分のお世辞にもオトナっぽいとは言えない姿を見ながら
そんな事を思い、ずっと俯いていた。
嫌だ、と思った。あの人は好きだ。嫌いになる要素が無い。でも、嫌いだ。
タカくんを取るから。
今まではずっとお兄ちゃんだと思っていた。
でも、優季さんと手を繋いで帰る貴明を見ると胸が痛んだ。
変だな、お兄ちゃんが嬉しいのに、なんで私がこんなに悲しいんだろう。
お兄ちゃん、優季さんと居てあんなに嬉しそうだったのに、あんなにお似合いだったのに。
いつの間にか涙が溢れ、大きな雫がぽつりぽつりと地面を濡らしていく。
涙なんて出尽くしてしまえばいいと思った。
その時、ふわり、と誰かが優しくこのみを抱きしめた。
顔を上げると母の春夏が心配気に顔を覗き込んでいた。
泣いた。泣きたかった。誰でもいいからこの胸の内を聞いて欲しかった。
一通り泣いて、話した後、春夏は優しくこのみの頭を撫ぜた。
そして、言い含める様に言葉を紡ぎ出す
「ほんとに、タカくんが好きだったんだね、このみ……」
このみは何も言わず、ただ春夏にしがみ付いていた。
春夏はそんな我が娘をいとおしげに見つめると、突然無理やりこのみを立たせた
「痛っ、なにするの、おかあさん!」
不満気に声をあげるこのみに、春夏は優しく、でも強く断言した。
「このみ、あなたはね、タカくんが好きなの。
好きだから痛いって感じたの、胸が」
このみは母のその言葉を聞いて、ああ、そうかと思った。
自分は好きだったんだ、貴明を。兄としてではなく、一人の異性として。
だから、こんなにも胸が悲しくて、締め付けられるんだ。
「気付くのが遅かったんだね、私……」
春夏はもう一度このみを抱きしめてやりながら、ゆっくりと言葉をかけてやった。
「ねえ、このみ」
「なに……お母さん」
「まだ、タカくんの事好きなんでしょ?」
「……うん」
「なら、その子に負けない位アタックしなさい、タカくんに
いつか、振り向いてもらえるその日まで」
「お、お母さん」
「お母さんは好きな人が居る位で、自分の好きな人を諦める程柔じゃなかったわよぉ。
お父さんもこのスペシャルカレーで狙い撃ちしたんだからね」
「むーー……私、頑張るよお母さん」
春夏は娘のその言葉にもう一度頭を撫ぜてやると、
「今日はこのみの為にカレーね」
と優しく告げた。
その後、いいっていってるのに草壁さんは晩御飯を作ります!と言って聞かなくて、
俺が折れる形で仕方なく草壁さんを家に上げた。
タマ姉とこのみ以外は家に上げた事が無く、どきどきしている俺を尻目に
「ああ、一人暮らしの恋人の家に上がりこむなんてなんて運命的なんでしょう!」
などとトリップしてたので
「ていっ」
「あ、痛っ」
とデコピンで現世に引きずり戻したりしていた。
そして、食後、草壁さんがわざわざ淹れてくれた紅茶を二人で飲みながら
俺達二人は他愛ない会話をしていた。
だが、そうやって話してる間も俺の頭の中には、先程、草壁さんが見せた物悲しい顔がこびりついて離れなかった。
何とかして草壁さんを楽しませてあげたい、そう、辛い過去なんて全部吹き飛ぶまでに。
「そうだ」
俺は一つ思いついて草壁さんに提案する。
「なんですか、貴明さん」
「みんなでお茶会を開こうよ!
雄二も、このみも、タマ姉も呼んで、
皆で賑やかに紅茶を飲んでお菓子を食べよう」
「貴明さん……」
言葉を詰まらせる草壁さんに、
「やっぱり駄目かな、ああいう賑やかなのはお茶会に相応しくないかな」
だが、草壁さんは俺の言葉にふるふると首を振ると立ち上がって抱きついてきながら
「私、貴明さんと出会えた事を本当に感謝しています!」
この子の笑顔を護る為なら、俺はなんでもやっていこうとこの時心に決めた。

優しい季節は終わらない第一部終
29名無しさんだよもん:05/01/23 22:52:30 ID:LUWHZSnu
ツー訳で第一部「草壁、大地に立つ」編終了デス
第二部書くとしたらお茶会がああなったり、ダークこのみんが色々画策したり、
タマ姉強襲型がタカ坊をさらったりさらわなかったり
草壁さんが刻の涙を見たり見なかったりします。
というか、このみスキーな皆さんゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ
どうしても他キャラで甘々の奴書こうとするとこのみには辛い選択に……
てか、当初の予定では
草壁「運命的ですね!」
貴明「(黙ってデコピン)」で締めるというギャグのつもりだったのに、
何故かこのみが凹んだり、タマ姉が企んだり、草壁貴明が馬鹿っぷるしたり……
まあでも、草壁補完〜vs委員ちょ、環、このみで殆ど書きたいもの出しつくしたんで
後は次の人にバトンタッチして、違うキャラのSSでも考えてみたいと思ったり思ってなかったり…
30名無しさんだよもん:05/01/23 23:01:28 ID:eUv5mO/l
本編でvs分が不足してる感じた俺にはこれぐらいが丁度いいでゲス。
なにはともあれお二方GJ。
31名無しさんだよもん:05/01/23 23:17:49 ID:rHQ4w0sk
しょっぱなから盛り上がってるなあ(*´ω`)
>>17>>29 もGJGJGJ!
32名無しさんだよもん:05/01/23 23:39:22 ID:nSFROZZI
>30
うむ! TH1のVSイベントはいろいろ妄想できてよかったな。
33名無しさんだよもん:05/01/23 23:46:56 ID:AlBKq9BG
これでリオンSS、草壁さんSSがひとまず完結か。それぞれの作家さんの
次回作に期待しつつもここで新たなる作家さんの力作にも期待。
34名無しさんだよもん:05/01/24 00:02:04 ID:rCgYVrjl
新作は構想が一切ないのでしばらくはなさそです。
メイドロボの(略 にしても、実は構想期間そこそこあったんで。
書くとしたら前作のアフターとかになりそ。
イルファさんとの関係がどうなるのか、とか書き残してますしね。

そゆわけで、とりあえず前作追いかけられるようにテキストファイルそのままですが、
ぶちあげるためだけのサイト用意しました。
残ってたメモなどもこの際ですからそのまま公開しときます。

我楽多工房.com
ttp://www.geocities.jp/koubou_com
35名無しさんだよもん:05/01/24 00:55:05 ID:RFG2Mitw
自分も、草壁さん第二幕はかなり後になりそうですね…
最初は草壁シナリオのフォローから始まって、このみの心中とか書く事がある程度決まってて、
最後は皆でお茶会で〆って判ってたんでかなりかけましたが、
正直第二幕になると、修羅場イベントとか必然的に入ってくるんで……
書けるとしたら皆でお茶会の情景程度かなあ
367月文月:05/01/24 01:18:47 ID:23tOaNa1
前スレの368です。

別の方法ということでSSを書き始めたんで再び投下します。

・・・ただ前の方々のクオリティーがあまりにも高すぎてどうも文章がチープに見えて仕方がありません
(実施チープなんでしょうけど)
スレ汚し程度の内容かもしれないですけどよかったら見てください。
37元祖!メイドロボのテスト:05/01/24 01:20:18 ID:23tOaNa1
「タカ君タカ君。はやく〜」
「ったぁ〜、ちょっとまってろー!!」
なんでまたリビングの時計が止まってるんだよ!
七時半だからまだ時間があると思っていつものようにソファーの上でこのみに『貴明パワー』をチャージながら
ゆっくりしているのにいつまでも時間が進まないなぁ、って思ったら気がついた時には八時過ぎになってからこのみの腕時計を見てからだった。
くそ!三月に両親が出かけたときと五月に修学旅行に行くときとこれで三度だぞ!
いい加減に『二度あることは三度ある』じゃなくて『三度目の正直』になれよ!
・・・って『三度目の正直』でもダメじゃんか。
「タ〜カ〜くーん。はーやーくー。遅れちゃうよー」
っと、そうだった。
「今行くから!うおわ〜」
ずで―ーん。
うう・・・カッコ悪・・・。
38元祖!メイドロボのテスト:05/01/24 01:21:06 ID:23tOaNa1
たったったったったっ。
「ぜぇ・・・ぜぇ・・・」
「ここまでくれば、大丈夫だね」
「ぜぇ・・・ぜぇ・・・」
お、おい。
確かに・・・全力で走ったんだよな、俺は。
なのに・・・こんなことを考えるなんてしょうがないかもしれないけど・・・なんでこいつは息があがってないんだ?
「大丈夫、タカ君?」
「あ、ああ」
「やっぱり最近運動不足だよ。もっと運動した方がいいと思うよ」
運動・・・。
運動すればこんな風になるのか、このみ。
「ずいぶんと急いだようね、タカ坊」
「あ、タマお姉ちゃん」
「はぁ・・・タマねぇ・・・お察しのとおりだよ・・・はぁ・・・」
「どうせ、『ねぇねぇ、タカ君。膝に座っていーい?』とかいわれて、
 そのままうたたねしたまま時計が止まってるのに気がつかなくて急いで走ってきた、ってなとこだろ」
ニヤニヤと俺の顔を見ながら雄二は一人でその場の状況の真似事を始めた。
しかしなぜお前はどうしてそこで見ていたように忠実な状況を説明できるんだよ!
もしかして俺のうちに監視カメラでもつけてるっていうのか。
うわ、そしたらこいつに毎日風呂にはいるところを見られてることになるじゃないか。
最悪だな〜。
しかもそれを見ながら雄二は欲情していると考えると・・・。
・・・・・・・・・はぁ・・・アホらし。
39元祖!メイドロボのテスト:05/01/24 01:21:59 ID:23tOaNa1
「るー☆」
学校の坂道まで来るといつものように姫百合姉妹が待っていてくれた。
「おはよう、あなたたち」
「おはようや〜。どないした、貴明。ごっつい疲れとる顔してるで」
「ああ・・・ちょっとね」
「どうせこのみぃとHぃことでもしてたんやろ」
・・・ちょっと待て。
「タカ坊・・・」
「だー!そんなわけないだろ!」
違うのなんてわかってるくせに目が冗談になってないって。
「なぁなぁ、瑠璃ちゃん、Hぃことってなんや?」
「さんちゃんは知らんでええんや」
「つまらんな〜」
ふぅ・・・。
このみと幼馴染から抜け出してからも毎日習慣化したこの登校風景。
相変わらず平和だな。
くいくいっ。
「ん?」
袖を引っ張られる感覚。
「珊瑚ちゃん?」
「なぁなぁ、貴明。今日な、学校終わったら家にきてほしいんや」
「珊瑚ちゃんちに?」
質問を返すと珊瑚ちゃんは『そうや〜』とにっこり笑って返した。
「ねぇねぇ、このみもいっていいかな?」
「このみも?」
「う、うん。できればタカ君と一緒に帰りたいし」
うおおおぉぉ。
これはまた何気に恥ずかしいというかうれしいというか・・・。
「そ、そうだなぁ。珊瑚ちゃん、いい?」
「ええよ〜」
や、やけにあっさりと答えを出したな。
そんなに重大な問題じゃない・・・と思っていいのかな?
40元祖!メイドロボのテスト:05/01/24 01:22:43 ID:23tOaNa1
「家を貸してほしい?!」
放課後、姫百合宅に行って言われた言葉はこれだった。
思いっきり重大な問題じゃないか!
「な、何でまたいきなりそんなことになるんだ?」
「いやなぁ、今おっちゃんがHMX-12のテスト場所を探してんねん」
―――HMX-12。
名前から推測すると少し前まで主流になっていたメイドロボ、HM-12の試作型のことだろう。
確か低コストが売りで売られたもののHM-13の『サテライトシステム』があまりにも便利すぎて期待されていたほど売れなかったらしく、
市場にもあんまり長い間いることがなかったちょっとかわいそうなメイドロボだ。
もっとも、HM-13自体も現在ではその技術が軍用技術を使ってたとかなんかで生産中止になっちまったがな。
「最初はうちがええかなぁって思ったんだけど、うちにはいっちゃんがおるやん。
 テストだっていうてるのにメイドロボが二体もいたら仕事にもテストにもならへんやろ」
珊瑚ちゃんが言ったいっちゃんとはHMX-17a『イルファ』
HMX-16のカスタムボディーに『だいこん・いんげん・あきてんじゃー』だったような機能を搭載した新たなメイドロボである。
以前、珊瑚ちゃんと瑠璃ちゃんがこのイルファさんが原因で仲たがいしかかったが、それも今ではいい思い出だ。
今となっては三人はちゃんと仲直りして珊瑚ちゃんいわくの『らぶらぶらぶ〜』な関係になっている。
「でも・・・またなんでそんな前に作られたメイドロボを今さらテストしたりするんだ?」
「ん〜、うちはよくわからんやけどな。HMX-12は特別な機体らしいんや。
 以前のメイドロボはな、感情システムをOSだけで動かしとったからいろいろソフト的に無理があったんや。
 HMX-12『マルチ』も例外じゃなかったんや」
少し悲しそうな表情を浮かべながらも珊瑚ちゃんはたんたんと話を続けた。
「でもうちが作った『だいこん・いんげん・あきてんじゃー』がちょうどいいらしくてな―――」
41元祖!メイドロボのテスト:05/01/24 01:23:29 ID:23tOaNa1
・・・・・・・・・
つまりは珊瑚ちゃんの話を聞いたことを簡単にまとめると、
そのHMX-12が『だいこん・いんげん・あきてんじゃー』を搭載したからそのテスト場所として家を提供してほしいとのことなのだ。
それもメイドロボだけじゃなくて同行者が二人もついている、ってな話だ。
そこだけを言えばいいのに何でシステムの詳細について説明を受けなきゃならなかったんだろう?
おまけに『これからのメイドロボはこうするべきなんや〜』なんて珊瑚ちゃんの思想まで聞くはハメになるし。
まぁ、それはともかく。
無論、そんな話しうけられるはずがない。
・・・のだが。
珊瑚ちゃんが下から俺の目を潤んだ瞳でじっと見ながら、
『あかんかなぁ・・・貴明』
なんて言うもんだからついつい断ることができずにあいまいにいたままでいたら瑠璃ちゃんに強引に了承させられるはめになってしまった。
しかも明後日から来るなんていうからあまりにも急だし。
「はぁ・・・どうすればいいんだろう」
話に何時間もかかったために帰るころには空はもう真っ暗だった。
「とりあえず明日は学校が終わったらお掃除しよう。明日は土曜日だから午前中で終わるし、このみも手伝うから」
このみはもう来る事を肯定か。
・・・はぁ、仕方がない。
しっかり断らなかった俺も悪いんだし、ここはやるしかないか。
「そうだな。じゃ、明日は頼むぞ」
「えへ〜、任せて」
ま、期限は一週間から二週間だっていうからな。
何とかなるだろう。
と、やっている間にもう家の前。
「もう今日もお別れなんだね」
「だーかーら、その言い方はやめろって」
なんかこそばゆいというかなんというか・・・。
「じゃ、おやすみ、タカ君」
「ん、おやすみな」
軽い口づけを交わすとこのみは『ただいまー』と元気よく家の中へと入っていった。
42名無しさんだよもん:05/01/24 03:31:12 ID:uPQ0DTYd
なんで止まってんだ。支援が必要なのか
43名無しさんだよもん:05/01/24 05:50:20 ID:OiDJk1tS
おっすおら雄二の人でつ。
あまり陽の当たらないキャラのSSを書こうと思うのでつが誰かいまつか?
とりあえず雄二と真委員長は制覇しますた。
他に思いつかないから
「こいつお奨めだぜ!」
みたいなキャラをキボン。
44名無しさんだよもん:05/01/24 07:12:20 ID:1CjHts6S
全キャラおわたーこれでネタバレ恐れずに全部読める!
45おら雄二の人:05/01/24 08:53:45 ID:OiDJk1tS
サブキャラのSSを書きたいのだがお奨めのヤシはいるか?
とりあえず雄二と真委員長以外で。
って投稿したが投稿されていないorz
他のスレに誤爆したかも…。
見掛けたら笑ってやってくれ…。
46雄二(ry:05/01/24 09:03:53 ID:OiDJk1tS
やばい…ちゃんと書き込まれてる…。

スマソ…吊ってくる…。

っか何でみれなかったのかorz
47名無しさんだよもん:05/01/24 09:20:32 ID:VHovGW9L
もちついでください。
ハルカさんの小説とか希望。
あんまなかったよね
48名無しさんだよもん:05/01/24 10:47:08 ID:ko5U6ak3
職人の人おつ。
でもちゃんと前スレ使いきろーぜ
49名無しさんだよもん:05/01/24 11:03:20 ID:2AQ0zScl
もうすぐ500kbじゃないの?
50名無しさんだよもん:05/01/24 12:00:55 ID:Fqh25gJH
よっち!よっち!
51名無しさんだよもん:05/01/24 13:52:39 ID:03By4cqN
おいおい
「元祖!メイドロボのテスト」こんなところで一時停止かよ

続きが気になって気になってしょうがねえじゃねぇか
はやいとこ続きを頼むぜ

…っと浩之調でお願いしてみる
作者殿、是非よろしくお願いします
52名無しさんだよもん:05/01/24 16:03:47 ID:Dw+2NpJr
漏れが書いたヘタレ花梨SSが一応仕上がってるのだが、
スレの空気が微妙だな。

投下してよいものか・・・。
53名無しさんだよもん:05/01/24 16:18:01 ID:ayrp92T7
いいんじゃないか?
内容が鬼のごとく本編の設定と違うとかじゃなきゃw
54名無しさんだよもん:05/01/24 16:19:31 ID:1CjHts6S
>>52
ぜひお願いしまつ
55名無しさんだよもん:05/01/24 16:22:00 ID:2iVsFQOY
かもりんカモーン
56名無しさんだよもん:05/01/24 16:36:24 ID:/PbgoNMH
>>52
щ(゚Д゚щ)カモーン щ(゚Д゚щ)カモーン щ(゚Д゚щ)カモーン
5752 ◆ifz.WJ2u.w :05/01/24 16:38:04 ID:Dw+2NpJr
SS書いたのは数年ぶりなので、うまく書けてるかわかんないし、
ちょっと花梨らしくないかもしれないけど投下開始します。
8か9レス、使うと思います。
58普通になりたい ◆ifz.WJ2u.w :05/01/24 16:39:53 ID:Dw+2NpJr
俺と花梨が付き合うことになってから時は過ぎ、「高校卒業」が目前まで迫ってきていた。

1月のとある土曜日の放課後、いつも通り部室に行くと花梨はなにか考え事をしているようだった。
俺はどうせまたよからぬことを考えてるんだろうと思ったのだが・・・
「あ、たかちゃん。ちょっと聞いてくれる?」
「ん?」
「あたしね・・・普通の女の子に・・・なれたらいいなって・・・思うの」
急に花梨らしくない言葉が飛び出してきて、俺はちょっと唖然とした。

「それでね、どうしたらいいのかなぁと・・・思ってね」
「あんまり深く考えなくてもいいんじゃないのか?花梨は花梨らしさってのがあるんだし」
「それもそうね。それよりたかちゃん!もうすぐ卒業なんだし、たかちゃんとは進路違うから今のうちにたっぷり遊んでおかない?」
「確かに今のうちじゃないと、遊べなくなりそうだな」

俺は既に大学進学が決定していて、花梨は俺の行く大学にいくのに成績が不足していたので、
進学はあきらめパン屋に就職が内定している。
理由は毎日タマゴサンドが食べられるかららしい。世の中そんなに甘くないと思うが・・・。

「俺は大学だから遊ぼうと思えば遊べるんだが、花梨が就職組だからなかなか一緒にはいかなくなるからな」
「本当は、たかちゃんと同じ大学に行きたかったんだけどね・・・」
「花梨は他の研究ばかりしてたからな」
「いろいろな研究は、今のとこあたしのエネルギー源だから、別にいいじゃん」

話が脱線してる感じだったので、話を戻すように花梨に話を振る。

「で、話戻すけど、花梨はどっかいきたい所でもあるのか?」
「んもぅ・・・たかちゃんと一緒なら・・・」
花梨の頬が少し赤らむ。こういう時の花梨はおねだりに近いことをしている場合が多い。
59普通になりたい ◆ifz.WJ2u.w :05/01/24 16:40:52 ID:Dw+2NpJr
「それじゃ答えになってないだろ」
「だから〜、たかちゃんに行き先を決めてほしいの!」
「どこでも文句ないんだな?」
「ちゃんと思い出になるところだったら、どこでもいいよ」
「じゃあちょっと遠いけど、ブルーベリーモールでもいくか?この前雑誌で特集されてたし」

ブルーベリーモールとは、喫茶店・雑貨・アウトレットショップ等がひしめきあう
女の子ウケがかなりいいショッピングモールである。

「あそこ一度行ってみたかったのよねー。そこでおっけー!どうせたかちゃんはヒマでしょ?明日いこうよ」
「え?明日?あまりにも唐突だなおい・・・」
「でも大学決まってるんだからそれまではヒマでしょ?」
「まぁ確かにそうなんだが・・・いろいろ準備ってモンが・・・」
「じゃあ決まり!明日のお昼に駅前で待ち合わせね」
「決定かよ・・・。俺に考える時間の猶予とかはないのか?」
「あたしが会長で、たかちゃんは会員第1号なんだから、あたしが決定権を持ってるの!」
「ここで都合のいいようにミステリ研の権限を使わないでくれ」

考える前に行動してる花梨らしい即決ぶりである。
そして花梨は俺の顔にに思いきり顔を近づけて・・・

「たかちゃん、わかった?」
「はいはい」

キスしそうなくらい近づかれ、一瞬ドキッとしてしまったが、
俺には有無を言わせたくなかったらしい。

こうして、明日花梨とブルーベリーモールでデートすることになった。
60普通になりたい ◆ifz.WJ2u.w :05/01/24 16:41:51 ID:Dw+2NpJr
そして次の日、二人はブルーベリーモールに到着した。

「ここって、結構キレイな所よね」
「そうだね。でも雑誌で見るのと実際に見るのとは、ちょっと違うね」
駅を降りるとすぐブルーベリーモール内に入るようになっている。
歩いている人の層を見ると、カップルと親子連れが多い。

「ねぇねぇたかちゃん、そういえばお昼食べてきた?」
「いや、食ってないけど」
「じゃあそこのカフェ入ろうよ〜」

俺は花梨に腕を組まれつつ引っ張られる格好になりながら、
駅の改札出てすぐ右手の建物内にあるカフェに入っていった。
中に入るとどうやら花梨はパンの陳列棚やワゴンに並んでるものを見て何かを探している様子。

「さっきから何を探してるんだ?」
「・・・タマゴサンド」
「ゆで卵のスライスしたのがはさんであるやつならあるみたいだね」
「それはちょっと微妙かな〜」
「11時まで限定メニューでミックスサンドあるじゃん。でももう時間過ぎてるから頼めないか」
「食べたかったなぁ・・・」
花梨は残念そうな顔をしているが、花梨をよそ目に貴明はカウンターのお姉さんに
注文を出している。花梨もあわてて注文する。

「花梨、座席キープしといて!花梨の分も持っていくから」
「おっけー。まかせとき!」
61普通になりたい ◆ifz.WJ2u.w :05/01/24 16:42:50 ID:Dw+2NpJr
店内の混み具合がお昼時のせいもあってか、9割に近いくらいだったので、俺は花梨に座席のキープをお願いした。
花梨は難なく2人用の席をみつけ、既に着席して俺を待っていてくれた。
俺は二人分の会計を済ませ、花梨の座っている席へと向かった。
そして俺と花梨はパンばかりの昼食を食べ始めた。

「このクロワッサン、美味しいぞ」
「あたしの食べてるパイもなかなかいけるわよ〜。たかちゃん半分食べる?」
「おっ、いいのか?悪いな」
「そのかわり・・・たかちゃんの分1個いただき!!」
「あっ!それ俺のドーナツ!」

俺が油断している隙に、花梨は一瞬で俺のドーナツを横取りすると、あっという間に完食してしまった。
花梨は本当に油断も隙もないという感じがするのだが、いちいち怒っていてはキリがないので軽く流すようにしている。

「あたしの半分あげたんだからいいでしょ〜1個くらい」
「花梨らしいな」
「それってどういう意味よぉ〜?」
「いや、なんでもないから無問題」

こんな調子で雑談しつつも食べ終わり、二人はカフェを後にした。
この建物の中には食料品スーパーのような店内にいくつかのテナントが入っていて、
カフェ以外にも紅茶のお店、花屋さん、お菓子やさん、回転寿司等がある。
62普通になりたい ◆ifz.WJ2u.w :05/01/24 16:44:01 ID:Dw+2NpJr
カップルらしく手をつないで、エスカレーターをのぼって橋を渡ると、
ありとあらゆるお店が並んでいるメインストリートへと出た。

「たかちゃん、服みていこ〜」
「おっけー」

二人は橋に近いところにある服と生活雑貨を扱う店に入った。
入り口手前側が服、奥半分弱くらいが生活雑貨のコーナーになっている。

「うわぁ〜広いねぇ〜。あ、たかちゃんみてみて!!これどぉ〜?似合う?」

花梨は比較的シンプル目な淡いピンク色の春物の上着を手にとって、身体の前面に服を合わせ、俺に見せている。

「ん〜・・・似合うんじゃないか?とりあえず試着でもしてみたら?」
「たかちゃん、買ってくれるの〜?」
「どうして試着と俺が買ってあげる、ってことが繋がるんだよ?買ってあげるなんて一言も言ってないし・・・」
「な〜んだ、期待して損しちゃった」
「はいはいつべこべいわないの!」

値段的には買ってあげられるものの、俺が思うに花梨の性格を考えるとここで買ってあげちゃうと、
今後も調子にのっておねだりしそうな気がしたので、ここは回避するのが正解だろう。

ブルーベリーモール内には、メンズ、レディス、キッズ、雑貨を扱う店はもちろん、
ヤック、喫茶店、本屋、ベトナム料理の店、ペットショップ等もあり、デートするにはもってこいな場所である。
63普通になりたい ◆ifz.WJ2u.w :05/01/24 16:45:05 ID:Dw+2NpJr
あちこちの店を徘徊しているうちに、いつしか日が暮れかかっていた。
「たかちゃん、あそこのベンチに座らない?」
花梨は多少歩き疲れていたのだろう。なんとなしにそのことを察知した俺は、首を縦に振り、一緒に座ることにした。
時間帯が時間帯なのか、他のベンチに座ってるカップルに目線をやると、人目も気にせずいちゃついている姿が見受けられる。
花梨はその光景を目の当たりにしたのか、ふと切り出した。

「ね〜ぇ、たかちゃん。・・・あたしたちも・・・真似してみない?」
「なんだよいきなり・・・」
花梨の突然の豹変ぶりに、俺はすこし戸惑ってしまったものの、
とりあえず二人きりの世界をつくってみることにした。
若干不自然な格好ながらも、俺が花梨を受け止めるような形で抱き合っていた。

「たかちゃんあったか〜い」
俺と花梨はしばらく抱き合っていた。特に会話を交わすことはなかったものの、
お互いに気持ちが通じてる状態というのはこのことだろうなと、俺的に思った。

しばらくの沈黙の後・・・
「ねぇ・・・あたしと・・・同棲しない?」
なにを言い出すのかと思えば、即答で返事できるようなことではないことを俺に聞いてきた。

「今はちょっと、難しいよなそれ・・・」
俺は曖昧な返事をしてしまった。でもとりあえず俺の中ではもう少し保留にしておいて欲しい事である。

「どうして・・・どうしてたかちゃんは・・・いつもあたしと・・・微妙な距離を取ろうとするの・・・?あたしの事嫌いなの・・・?」
「そんなことはないよ・・・俺は・・・花梨のこと大好きだよ」
「じゃあなんで・・・あたしと一緒に・・・いたくないの・・・?」
「一緒にいたいけど・・・現実的なことを考えると、もうちょっと先にして欲しいかなと思ったんだ」
「たかちゃん・・・あたしが何を言いたいのかわかってない・・・」
「・・・」
64普通になりたい ◆ifz.WJ2u.w :05/01/24 16:46:04 ID:Dw+2NpJr
花梨の言葉に俺は絶句してしまった。ちょっと考えたが答えをすぐに導きだすことができなかった。
花梨の瞳からは、涙がぼろぼろと流れている。

「花梨・・・悪いんだけど、一晩考えさせてくれないか?花梨が何を言いたいのか、考える時間が欲しい」
「・・・わかった・・・じゃあ・・・明日の放課後に学校の屋上にきて・・・。その時に答え聞かせて・・・」
「ごめんな、花梨」
「ううん、いいの。すぐに答えだせるような事じゃないからね・・・」
「・・・」
「たかちゃん、今日はもう帰ろう」
「・・・そうだな。もうすっかり夜だし、ちょっと遠いからね」

そして俺たちは家路へと向かった。
「たかちゃん、今日はどうもありがとう。また明日ね」
「今日はよく考えて、明日、俺なりの答えをもっていくよ」
「うん・・・期待してるからね」

花梨を自宅まで送ってから俺は家に帰り、花梨の言いたい事、というのを一晩中考え続けた。
『一緒にいたい』これがポイントのような気がした。
65普通になりたい ◆ifz.WJ2u.w :05/01/24 16:47:11 ID:Dw+2NpJr
そして次の日。授業が終わって俺は屋上へとダッシュで向かっていった。
花梨のクラスの方が先にHR終わったらしく、花梨が待っていた。

「花梨!!待たせちゃってごめんな」
「あたしもさっき来たばっかりだから大丈夫よ」
花梨は真剣なまなざしで俺の目を見ている。少し間をおいて俺は言った。

「あれからずっと考えたよ。一昨日花梨が言ってた『思い出になるところなら・・・』っていう言葉に意味が込められてるんだなって。
 俺たち、卒業したら俺は大学、花梨は就職なんだよな。今より一緒にいられる時間が減ってしまう。
 恐らく花梨は、俺と一緒にいられる時間が減ってしまって、今より疎遠になってしまうことを恐れて、
 俺に唐突に『同棲しよう』という話を持ちかけてきた。
 でも俺は、その事に気づかずに花梨に中途半端な事を言って、花梨を傷つけてしまった」

「たかちゃん・・・」
花梨は瞳を潤ませて俺を見ている。

「俺だって、花梨とずっと一緒にいたい・・・離ればなれになんかなりたくない・・・だから・・・卒業したら一緒に暮らそう!」
「・・・やっと・・・わかってくれたんだね」
花梨は涙を堪えきれずに流していた。俺はそんな花梨を優しく抱きしめた。

「これで・・・これで・・・たかちゃんと・・・ずっと一緒にいられるね」
「俺と花梨はいつまでも一緒だよ」
「愛してる、たかちゃん・・・」
そして俺は、花梨と抱き合ったまま誓いのキスを交わした。

「ねぇ、たかちゃん・・・」
「ん?どうした?」
「昨日のあたし、普通の女の子に・・・なれてたかな?」
「そんなこと意識しなくたって、花梨は普通の女の子じゃないか」
「えっ・・・ありがとう・・・たかちゃん」
俺が花梨を想う気持ち、そして花梨が俺を想う気持ちは、確固たる揺るぎないものへと変わっていった。
66普通になりたい ◆ifz.WJ2u.w :05/01/24 16:48:40 ID:Dw+2NpJr
そして時が過ぎ、花梨との同棲生活が始まった。
「たかちゃ〜ん、今日布団干しておいてね〜!あと洗濯も掃除もとりあえず一通りよろしく〜」
「まるで主夫みたいだな・・・」
「仕方ないでしょ〜あたしは今日出勤なんだから〜。あたしが休みの日はあたしがやってるんだし、いいじゃん」
「そうだな。しかし俺がバイトしつつ大学通いのせいもあってか、本当になかなか休みがかぶらないな」
「だから一緒に住み始めてよかったでしょ?」
「花梨には感謝してるよ」
「ありがと!たかちゃんが、大学卒業して仕事するようになったら、結婚しようねっ!」

俺は花梨と軽くキスをした後、花梨を見送った。まるで新婚生活をしてるかのような浮かれっぷりだけど、
きっと俺は幸せをつかむことができたのだろう。

そして俺は心の中で呟いた。

『愛してるよ・・・花梨』
6752 ◆ifz.WJ2u.w :05/01/24 16:50:37 ID:Dw+2NpJr
おしまい

スレ汚しスマソ
あくまでも妄想で書いただけなので、細かいところは
あまり気にしないでおいて下さい。
68名無しさんだよもん:05/01/24 16:52:06 ID:1CjHts6S
>>67
乙&GJ!
おもしろかたですよー
69愛佳鬼畜SS(の続き):05/01/24 16:58:51 ID:dzuJQql5
[これまでのあらすじ]
愛佳と貴明は本編のシナリオの通り書庫の本にバーコードを貼っていく作業を続けて
いた。しかし図書室にCDが導入されることになり、書庫の本は処分されることとなっ
たが、図書委員長は愛佳が自分の性奴隷になることを条件にCD導入の撤回を提案して、
その条件を飲んだ愛佳は思う様体を弄ばれて毎日泣きの涙。そんな愛佳の様子がおか
しいことに気づいた貴明はこっそり愛佳の後をつけることを決意した。

 そして下校時刻まであと1時間ほどになって、愛佳が言った。
「それじゃあ今日はこのぐらいで終わりにしましょ。私これから…」
「うんうん、妹さんのお見舞いだよね。用事があるならいいから俺のことはあんまり
気にしないで行ってきて」
「たかあきくん、わざわざありがとう…」
 愛佳は一応礼を言ったが、その目は決して嬉しそうではなかった。そしてちょうど
定例会議が終わって解散する図書委員の中で、図書委員長と合流して教室に向かって
いった。
「愛佳君、ちょうど良かったよ。これから一緒に行こうか」
「あ、はい…」
「委員長、最近小牧さんとよく一緒にいますけどひょっとしてこれからデートですか
ぁ?」
 図書委員の誰かが冷やかしたが、
「ん、いや、そういう訳じゃないけど書庫のことで話があってさ。今日の定例会議の
ことも話しておきたい、それだけのことだよ」
 図書委員長は本当のことを気づかれないように冷静に答え、愛佳と連れ立って3階
の教室に向かっていった。
70愛佳鬼畜SS(の続き):05/01/24 17:00:28 ID:dzuJQql5
彼らが階段を上っていった頃、貴明が慌てて廊下を歩く図書委員を捕まえて聞いた。
「ええっと、今愛…いえ、小牧さんが図書委員長と話す声が聞こえたけどどこに行き
ましたか?」
「小牧さん?ああ、あなたと一緒に書庫の整理してくれてる娘ね。あの娘なら今委員
長と一緒に階段上っていったわよ。話があるって言ってたけど、この間定例会議の
なかった日ももそんなことがあったし、何をわざわざ話してるのかしらねえ…」
「(怪しい…これは絶対何かあるぞ)どうもすみませんでした」
「あ、ちょっと?」
 貴明は血相を変えて階段を上っていった。

「愛佳君…」
 教室に入るなり、図書委員長は愛佳を後ろから抱きすくめて耳元で囁いた。
「何とか今日の定例会議でCD導入を見直すことを考えてもらうようみんなにお願いす
ることができたよ。愛佳君が一生懸命やってくれてるって話したら少しずつだけど分
かってくれる人がいてさ」
「はい…ありがとうございます」
 図書委員長は愛佳の耳や耳の裏を舌でくすぐり、お腹に回した両手を愛佳の胸に置
いて服の上からおっぱいを揉んだ。
「でもまだ全員を説得できた訳じゃないよ……CD入荷に賛成してる人が多いクラスの
代表もいっぱいいるからね。彼らを説得するのは大変なんだよ。でも愛佳君が僕の言
うことを聞いてくれる牝犬でいてくれるなら…」
 図書委員長の舌が愛佳の首筋からうなじ、背中まで下がる。手のほうもタイを解き、
制服のボタンを外して前を開陳してブラジャーのカップをずり上げた。
「はい…書庫の本を残していただけるなら…愛佳は先輩のいやらしい牝犬でいつづけ
ます」
「よろしい。それなら賛成派と一緒になってでも反対派を説得してあげるよ」
 図書委員長の手が愛佳のおっぱいを直に触った。片方の手もスカートをめくって、
パンツの中に入ってくる。
71愛佳鬼畜SS(の続き):05/01/24 17:03:37 ID:dzuJQql5
「くふ、ん、あ、ああ…」
「愛佳君のおっぱい、柔かくて敏感だね。もう乳首こんなに立っちゃって…」
 図書委員長は愛佳のおっぱいを揉み、乳首を指先でプルプルと弄んだ。
「おまんこもクリが膨れて、パンツまでぐっしょり濡れてるよ……本当に愛佳君はお
となしそうな顔して実は淫乱な牝犬なんだな」
 図書委員長は愛佳の割れ目の奥の秘肉を撫で回し、上のほうにある豆を指でピンと
弾いた。
「ひゃうう、く、やぁ、そ、そんな…」
「ほらほら、僕は褒めてるんだよ?何か言うことあるだろ?」
「あ、はぁ、お、お気に召して…ひぅん、いただいて、愛佳は、ああっ、愛佳は、嬉
しいです…」
 おっぱいと秘部を弄られながら、牝奴隷の定番セリフを愛佳は口にした褒め言葉や
叱責に対して相応のセリフを言わないと乳首やクリトリスを痛いほどつままれる。そ
れだけでも愛佳にとっては怖いお仕置きだった。
「あ、ああっ、ああ…そこは…ん、ああ、あはぁあああんっ、く、うううっ、ひくっ
(ああ、たかあきくん、こんな私を許して……)」
 体を図書委員長に好きなようにされて、愛佳は涙をポロポロこぼしていた。恥ずか
しさと、貴明に対する申し訳なさで。だんだんよがり声に泣き声も混じってくる。
「さあ、こっちを向いて」
 ひとしきり愛佳の体をまさぐったところで図書委員長が体を離した。カチャカチャ
とベルトを緩める音が聞こえる。愛佳が体を反対に向けると、勃起した図書委員長の
一物が天を仰いでいた。
「入れる前にこいつを宥めておくれよ。さっきから愛佳君の中で暴れ回りたいって言っ
てるみたいでさ。一度落ち着かせてやらないと」
「はい、これから…先輩の逞しいおちんちんにご奉仕させていただきます」
 愛佳は涙声で答えて仁王立ちになっている図書委員長の前に跪き、一物を手に取っ
て舌でペロペロ舐めた。亀頭から雁首を舐め、裏筋をなぞり、袋越しに玉を転がし、
玉を口に含んでチュバ、チュバと音を立てて吸う。
「よしよし、愛佳君はすっかりフェラが上手くなったね。次はどうすればいいか分か
るね?」
72愛佳鬼畜SS(の続き):05/01/24 17:05:14 ID:dzuJQql5
「はい…愛佳のお口に咥えて、先輩のおちんちんを…満足させてさしあげます」
 愛佳は図書委員長の一物を口の中に頬張った。ローションの代わりに唾を亀頭から
竿までまぶして、音をさせながらしゃぶることも教えられている。愛佳はそれを慣れ
ない所作で実行しようとする。
「ん、んぐ、くふ…」
 数回根元と先端を往復して唾を塗り、クチュクチュ、ジュパジュパと唾と舌の絡む
音をさせながら愛佳は口の中で図書委員長の物を動かした。
「うう、く、んん…いいぞ、愛佳君…どうだ、美味しいかい?」
「ふ、ふぁい…おいひいれふ…こんら大きいおちんちんをくわえはへえもあって、愛
佳はうえひいでふ……」
 愛佳の舌と図書委員長の物が絡み合うチュパチュパという音と共に、愛佳はそう言
った。
「いい娘だ…僕も愛佳君が言うことをちゃんと聞いてくれて嬉しいよ」
 図書委員長の物も主人に同調するように愛佳の口の中でビクン、ビクンと震える。
そのたび亀頭の先が喉を付いて愛佳は幾度と咽返りそうになった。
「(く、苦しい…でも、ここで咳き込んで噛んじゃったりしたら…)」
 今の愛佳を支配しているのは図書委員長の機嫌を害した時、その先で待っている
恐怖だけである。愛佳はただ図書委員長に恣に体を貪られる苦しみから少しでも早
く解放されたい、それだけを思ってフェラチオを続けた。
「うう、そろそろ出るよ…ちゃんときれいに飲むんだよ?」
 言うが早いか、苦い味のする粘っこい液が愛佳の口一杯に広がった。
「くふ…ん、んくっ…」
 愛佳はまた咽返りそうになりながらも必死で口の中のホットミルクを飲み干し、
息をついて言った。
「ご、ごちそうさまでした…」
「はい、よくできました。さあ今度は下の口で咥えようか」
 図書委員長は愛佳のスカートをめくって、パンツに手をかけた。愛液の糸をツーッ
と引いて愛佳のパンツが下ろされて、ヘアに飾られた恥丘が露になっていく。もう何
度も見られているとは言え、愛佳は男性に性器を見られるのがたまらなく恥ずかしかっ
た。
73愛佳鬼畜SS(の続き):05/01/24 17:09:27 ID:dzuJQql5
「こんなにヨダレ垂らして…そんなに僕のおちんちんが欲しかったかい?」
 愛佳のアンダーヘアとその下の割れ目を射抜くように見て、ニヤニヤしながら訊く
図書委員長。
「い、嫌です、そんなに見られたら…」
「恥ずかしくて余計に感じちゃうってかい?君のおまんこはそう言ってるよ、ほら」
 図書委員長は指で愛佳の割れ目をなぞって愛液を掬い取り、愛佳の目の前に突きつ
けた。
「さあ、正直に言ってごらん。『愛液で濡れ濡れの愛佳のいやらしいおまんこに先輩
の大きいおちんちんを入れてください』って」
「あ…愛液で濡れ濡れの…愛佳の、いやらしいおまんこに…先輩の大きい、お、おお、
おちんちんを入れてください……あぁ、いやぁ」
 言い切ってしまって顔が火照るのを感じ、顔を覆って泣き出す愛佳。肩が小刻みに
震えて、しゃくり上げる声も聞こえる。
「よし、今日はちゃんといい娘でいてくれたからご褒美に愛佳のおまんこに僕のおち
んちんを咥えさせてあげるね」
「きゃあ」
 図書委員長は愛佳を机の上に仰向けに押し倒し、股間の割れ目にいきり立つ図書委
員長の物が突き立てられた。

「う、嘘だろ……」
 教室の扉の隙間から、愛佳が陵辱される様を見ている少年がいた。さっきまで愛佳
と一緒にいた貴明である。
「(何で愛佳があいつと…)」
 貴明の手が握り拳になった。このまま特攻を仕掛けて図書委員長をぶん殴ってやり
たかった。だがそれは同時に愛佳を傷つけることになりはしないかと思うと一歩が踏
み出せない。それに体格では自分と同じではあるが体力はありそうな相手に喧嘩を売
って勝てるかどうかも貴明は自信が持てなかった。
「相変わらず愛佳君のおまんこは締まりがいいね…うっ、き、気持ちいいよ…」
74愛佳鬼畜SS(の続き):05/01/24 17:11:27 ID:dzuJQql5
「んんっ、あっ、あああ…凄く、熱いです…先輩の、おちんちん……ああっ、そこは
…ああ、いや、そんなに突かないで、ああん」
 図書委員長が盛んに腰を動かすたびに愛佳はかわいい声で嬌声を上げた。制服の前
を寛げられて丸見えの愛佳の裸身が揺れる。ちょうど雄二に借りたAVでも見たような
光景を現実に目の当たりにして、貴明の物もパンツの中で疼いていた。
「(ごめん、愛佳…でも俺も我慢できない)」
 貴明はズボンのチャックを開けるとパンツの中から物を取り出し、グッと握り締め
て擦った。
「ひいっ、ひあぁぁっ、あうう…も、もう、私、イキそうです……あぁ、そんなに奥
突かないでぇ!」
「おいおい、僕はまだなのに君だけ先にイクのはずるいな。もうちょっと頑張ってよ」
「あっ、あああ、もう、許してくださいぃ…私、壊れちゃいます……」
 愛佳はいやいやをしながら許しを乞うが図書委員長はまだ物を抜いてくれない。そ
れどころか子宮の奥まで貪り尽くすように愛佳の体の中で物を激しく暴れ回らせる。
扉の向こうでまな板ショーを見ている貴明の手の動きもだんだん速くなっていた。
「うっ、く…あう、んん…(こ、こんなこと愛佳に知られたら…でも愛佳が裸で喘い
でるの見てるとセンズリが止まらない)」
「せ、先輩ぃ…私、もうだめです、死んじゃう、死んじゃうぅー!」
 グチュグチュと音をさせながら、図書委員長は何度も何度も愛佳の膣の中をかき回
していた。やがて、
「愛佳君…そろそろイクよ」
 図書委員長は言ったが、物を愛佳の中から抜こうとせず、逆に腰を愛佳の股間にグ
イと押し付けた。
「えっ、中は…嫌、中はやめてください、中に出さないで、お願い、中はやめ……あ
あああーっ」
 愛佳の哀願も聞き入れられることなく、図書委員長は愛佳の子宮にたっぷり精液を
注ぎ込んだ。物が引き抜かれると、トロトロと精液が割れ目からこぼれた。
75愛佳鬼畜SS(の続き):05/01/24 17:13:31 ID:dzuJQql5
「うぐっ、も、もう出る…」
 貴明も愛佳が昇天するところを見て絶頂に達していた。慌ててポケットに左手を入
れてティッシュを探すがない。貴明は体育の時間バスケットボールが顔に当たって鼻
血を出した奴にティッシュをやってしまったのを思い出した。そこで苦労して反対側
のポケットに手を入れて、今朝環に借りた猫柄のハンカチを亀頭に被せてそこに射精
した。ハンカチが一瞬間に合わず、物を押さえていた右手にも精液はかかってしまっ
たけど。
 ゴツン
 貴明が腕を動かした拍子に、肘が扉にぶつかった。
「誰だっ!」
 太い怒鳴り声が扉の向こうから聞こえてくる。
「(まずい、顔を見られないうちに逃げなきゃ!)」
 貴明は腕で顔を隠して大慌てで階段を降りていった。逃げ足が速かったので図書委
員長には見つからなかったのが幸いではあった。
「(やばいな…誰かに見られたか)」
 図書委員長は机に伏せてシクシク泣いている愛佳のことなど気にもかけずに廊下に
出て、さっきバタバタと足音のしたほうを睨みつけながらじっと思案を巡らせていた。ここを引き払って、どこか別の場所でいつもの「お楽しみ」をしなければならないと。

「(くそっ…何で愛佳があいつなんかに体を許してんだ)」
 水道で精液にまみれたハンカチと手を洗いながら、貴明は言いようのない怒りを覚
えていた。ヤリマンどころか、見ず知らずの男に愛佳が股を開くなんて絶対にありえ
ない。それはここ数日愛佳と話して貴明が感じたことだった。事実図書委員長に犯さ
れている間、愛佳は泣きながら嫌がっていたじゃないか?なぜその時自分は何もでき
ず、扉越しに愛佳の痴態を見ながらオナニーするだけしかしていなかったのか。愛
佳には約束したはずなのに。自分が愛佳にできることなら何でもすると。
「(ああ、俺って本当情けねえぜ。女の子絡みのことになるとからきしだめなんだ
からよう!)」
 濡れたハンカチを絞って広げたところで、誰かが貴明に声をかけてきた。
「タカ坊、随分探したわよ。たまには一緒に帰りましょ」
「え、た、タマ姉?」
「どうしたの?今日のタカ坊何か変だけど」
76愛佳鬼畜SS(の続き):05/01/24 17:20:28 ID:dzuJQql5
 貴明とは付き合いが長い上に勘の鋭い環だったから、貴明の様子がおかしければすぐに気づく。
「そ、そうかな?俺はいつもと変わらないよ」
「さては私に何か隠してるわね?こら、タカ坊、白状しなさい!」
「……分かったよ。でも約束してくれる?俺が何を言っても決して怒ったり、驚いた
りしないって」
「タカ坊、いつになくシリアスな顔ね…それはともかく、何があったのか聞かせて
ちょうだい。何も言わないから」


 忙しい合間縫って何とか新展開まで漕ぎ着けますた。これまでの作品読んでると
エロ無しで引っ張っていける他の方が羨ましいでつ。逆にエロが無いと書けない
(エロをとったら何も残らない話しかかけないと同義)俺が却ってスレ汚してるんじゃ…。
77名無しさんだよもん:05/01/24 17:22:11 ID:1CjHts6S
>>76
激しくGJ!
スレ汚しなんてとんでもない!続きが気になってしかたないぜ!
78名無しさんだよもん:05/01/24 17:41:44 ID:rCgYVrjl
>>76
GJ!
エロを気にされちゃ、今考えてるエロメインの話が書けなくなっちゃうじゃないか。
楽しんだもの勝ちだぜ。
79名無しさんだよもん:05/01/24 20:02:25 ID:4322ctu0
やっぱり、花梨は、いいモノだ
80元祖!メイドロボのテスト:05/01/24 20:50:32 ID:YkR8ajfy
翌日。
いつものように朝にはこのみと一緒に食事をとってから登校し、日々眠たくなるような授業を受けた。
しかも今日は授業の代行等で三時間とも英語だって言うからなぁ。
「おーまいがぁぁぁぁぁーーー!!!」
さらに数日前の小テストの結果まで返ってきた。
無論、雄二の点数はタマ姉なんかに見せたらアイアンクローものの点数だ。
っと、そんなことより俺の点数は・・・お、意外といい。
やっぱりここ最近このみと一緒に勉強している結果が出たんだな。
努力ってするもんなんだな。
「あ〜あ、何で世の中にはテストなんてものがあるんだか」
「再テスト確定だな」
「くそ〜。どうしてお前はあんな難しいテストで80以上もとれんだよ。一番いい委員ちょだって89だぞ」
ちらっと委員長である愛佳の答案用紙を盗み見する。
おー、確かに愛佳も90点を超してないな。
「勉強の成果だ。お前ももっと勉強することだな」
ここは思いっきり勝ち誇った顔を見せてやるか。
「くーーー、その勝ち誇ったような顔。今に見てろよ。いつかビッグになってやるからな」
その言葉って聞くといつも思うんだけど自分が小さいことを認めてるんだよな、結局。
81元祖!メイドロボのテスト:05/01/24 20:51:19 ID:YkR8ajfy
「タカ君タカ君」
「お?」
いつのまにかこのみが俺の席の隣まできていた。
時計を見ると12時20分。
ま、来てもおかしくはないか。
「一緒に帰ろ」
「おう、ちょっと待ってろな」
「うん」
家に持って帰るのに必要な最低限の教科書を詰め込み雄二の肩にぽん、と手をのせ、
「お前も早くこうなれよ・・・」
と、ささやいてやった。
「きーーーー!お前なんて友達じゃねえ!絶交だ絶交・・・」
「向坂くん」
俺にいろいろ文句を垂れているとクラスの女子の一人が雄二に向かって声をかけた。
「いえぇーい、なんだい、ボクに何か用かい?」
「あ、あはは。あの、買い物に付き合ってほしかったんだけど、忙しそうだから・・・」
「いやいやいや、忙しくなんかないさ〜。いつでもオールデイ24時間暇だから〜」
いや、それも問題があると思うぞ。
「よし、行くんだったら『善は急げ』だ、はやくいこうよ〜」
「え。あ、あの・・・」
「と、言うわけで〜、貴明もがんばれよ〜」
こちらに向かってびしっと指を二本立てると雄二は女の子の手を引っ張って教室を出て行ってしまった。
82元祖!メイドロボのテスト:05/01/24 20:52:06 ID:YkR8ajfy
でも・・・あの子の彼氏、確か三年の柔道部主将だったはずだよなぁ。
・・・まぁ・・・後で妙なことにならないことを祈ろう。
「あはは・・・」
どうやらこのみも同じことを考えていたらしい。
「で、今日はどうする。ヤックにでもまわってくか」
「それよりお買い物が先だよ。タカ君ちの冷蔵庫の中、もう空っぽになっちゃったもん」
その原因はこのみがその食材で料理を作って七割方自分が食べてしまうことなのですが。
「それに明日から新しい人とメイドロボが来るんでしょ。しっかり掃除するように昨日言ったはずだよ」
「そっか、そういえばそうだったな」
いつものことだが忘れてた。
「んじゃ、とりあえず行くか」
「うん」
席を立つとこのみはがばっ、と教室の中でありながらも俺の腕に自分の腕を巻きつけてくる。
無論、中に残っていたクラスメイトたちからは『河野、らぶらぶ〜』とか『ひゅーひゅー』とか冷やかされるし。
うう・・・恥ずかしい・・・。
でも不思議といやな感じじゃないんだよな、これが。
・・・もしかして俺って恥ずかしいところを見られて快感を得る変態タイプなのか?

昼飯はヤック・・・にしようかと思ったが最近このみが食事を作ってくれるおかげでお金が浮いているので珍しくファミレスで昼食を取った。
ふっ・・・やっぱりことをするとちょっと大人になった気分になれるよな。
「ここのケーキ、おいしいねぇ」
・・・・・・・・・
やっぱりまだ当分大人にならなくてもいいかも。
ってか今度はバイキングの店の方がよさそうだな。
83元祖!メイドロボのテスト:05/01/24 20:52:48 ID:YkR8ajfy
「あれ?」
家まで戻ってくると青髪で耳カバーというよく知っている人物がインターホンを何度も押していた。
「イルファさん?」
「あ、貴明様にこのみ様」
「どうしたの?うちにきて」
前に来たのは珊瑚ちゃんと瑠璃ちゃんの一件以来だ。
あの時は俺とイルファさんが瑠璃ちゃんを必死になって説得したんだっけ。
さすがにあの強烈な告白は今でも忘れようとしても忘れられない。
「明日からマルチお義姉様がここでお世話になるということを聞いたのでなにか手伝うことがないかと思いまして」
「え、でも悪いよ。イルファさんは姫百合家の家事があるんだし」
「はい。でも今日は瑠璃様が『貴明のことだからビービー泣いて困ってるやろうから行ってきいや』と言われましたので」
瑠璃ちゃん・・・その心遣いはうれしいんだけどなんかうれしくないなぁ。
「それに、今日は家事を瑠璃様がやる、と言ってますので私自身も仕事がなくて・・・」
なるほど、メイドロボということとまじめなイルファさんのことだ。
やはり何か仕事がしたくてたまらないのだろう。
「わかったよ。ちょうど今からこのみと家を掃除しようってことになってたからね」
「このみ様と?」
イルファさんは少しの間何か考えた後にはっとしたような表情を浮かべた。
84元祖!メイドロボのテスト:05/01/24 20:53:40 ID:YkR8ajfy
「も、申し訳ありません。せっかくのこのみ様との愛する時間を邪魔してしまうなんて」
ちょっと待てー!
どこをどうすればこのみと掃除するだけの話がそんな時間になるんだよ!
「・・・・・・た、タカ君。やっぱりそういうことがしたいんだ?」
このみは顔を真っ赤にしながらそんなことを聞いてきた。
「い、いや、断じてそんな気は」
と、否定すると今度はだんだん不機嫌な顔へと変わっていく。
「むー、そんなに強く否定しなくても〜」
じゃあどんな風に否定をすればいいんだよー!
「ふふふ・・・」
「「あ」」
「お二人は本当に中がよろしいんですね」
うう・・・イルファさん、相変わらずだ。
「貴明様、そろそろ始めなくてよろしいんですか?」
「そ、そうだね。このみ、それじゃ後からきてくれな」
「う、うん」
真っ赤になったこのみはあっという間に家の中に消えていった。
「ふふっ、すみませんね」
「そう思うなら最初から言わないでくださいよ」
「それじゃからかいがいがないじゃないですか」
はぁ、やっぱりイルファさんは人間じゃないのか?
「やっぱりDIAってすげーなぁ」
「何か言いましたか?」
「いや、別に」
まさかとは思うけどHMX-12もイルファさんみたいな子じゃないよなぁ。
だとしたら・・・うう・・・毎日が精神的に疲れそうだ。
不安がよぎりながらもポケットの鍵を取り出してかちゃりとドアを開けた。
「じゃ、どうぞ」
857月文月:05/01/24 20:56:22 ID:YkR8ajfy
えっと、とりあえず書き終わったところまであげていきます。
いろいろあるんでなかなか進まないかもしれないですしものすごく長くなりそうなんで気長に見ていてもらえばありがたいです。
86名無しさんだよもん:05/01/24 20:59:33 ID:hnABtANI
GJ!
期待してますぜ〜
87元祖!メイドロボのテスト:05/01/24 22:15:54 ID:YkR8ajfy
買ってきた食材はイルファさんが冷蔵庫にしまっといてくれるというから俺は部屋に鞄を置いて着替えをタンスから取り出した。
ばさっ
「ん?」
と、タンスの上から何かが落ちた。
「あ・・・」
これは雄二が無理やり渡してきた・・・。
やばいなぁ・・・昨日寝る前にここに置きっぱなしにしてたんだっけ。
あぶないあぶない。
とにかくしまっとかないと。
「あの、貴明様」
「うぉわぁ!」
と、後ろにはイルファさん。
「どうかなさったのですか?」
「い、いや。そ、それより何?」
「冷蔵庫に食材を入れ終わったので何をしたらよろしいかと思いまして」
「そ、そうか」
よ、よかった。とりあえず気づかれてはないみたいだ。
「とりあえずこのみがくるまで下でゆっくり待っててよ」
「はい、わかりました」
にこっと笑ってイルファさんは部屋から出て行った。
88元祖!メイドロボのテスト:05/01/24 22:16:44 ID:YkR8ajfy
「はぁぁぁぁ・・・」
焦ったーーー。
こんなのイルファさんに見られたらどうなってたろう。
ちなみにこれは以前雄二が言っていたメイドロボがプログラムされて一緒に絡み合うとかいう内容のやつだ。
「はぁ・・・貴明様はこういうものが好きだったんですね」
「のわぁ?!」
い、イルファさん?!
下に行ったんじゃなかったのか?!
「そうですか・・・さっきお邪魔じゃないと言ったのは私も混ぜてやるからと言うわけで」
「ちょっと待ったー!」
邪魔じゃないなんて一言もいってないし、だいたいそんなことはしないって言ったよな、俺は。
「でも・・・私。貴明様だったら・・・」
イルファさんが擦り寄ってくる。
完璧に誘惑してる。
や、やばい。このままじゃ俺の貞操がイルファさんに・・・
89元祖!メイドロボのテスト:05/01/24 22:17:45 ID:YkR8ajfy
ピンポーーーン。
『タカくーん。入るよ〜』
「あらら・・・このみ様がきてしまいましたね」
インターホンの合図を機にイルファさんは立ち上がって出てこのみを迎えに行った。
た、助かったぁ〜。
このみぃ!何とか貞操はとっておいたからな。
「タカく〜ん」
とてとてとてと階段を上ってくる音。
「おーう、この―」
と、あげた手に持ってるもの。
や、やば!
かなり早いスピードで持っているものをタンスにしまう。
「あれ〜?まだ着替えてなかったの?」
「あ、ああ。今着替えるとこだったんだ。もうちょっと遅かったら脱いでるとこに入ってきてたぞ」
「あ・・・」
みるみる顔が赤くなっていく。
「ご、ごめんなさい」
このみはすぐに部屋を出て行って再びとてとてとてと音を立てて階段を下りていった。
ごめんな、このみ。
90名無しさんだよもん:05/01/24 22:57:35 ID:rCgYVrjl
|-`).。oO(ちょっとばかり書いたんだけど、投下していいんかな?
91名無しさんだよもん:05/01/24 23:01:24 ID:b3Ossip5
щ(゚Д゚щ)カモォン
92名無しさんだよもん:05/01/24 23:02:34 ID:KQsyOPUL
>>89
GJ!
だが、このまま三人ですればいいのにとか思ったのは秘密だ。

>>90
どんとこい。
931/6 日溜りの詩1:05/01/24 23:02:46 ID:rCgYVrjl
「む〜〜、つまんないー」
 吉岡チエ”よっち”はそう言って三段重ねのアイスにがぶりとかぶりついた。
「ん、私も飽きてきた、ちょっとだけ」
 山田ミチル”ちゃる”もまた手に持った三段重ねのアイスを口に運ぶ。
「ああなると、もうからかいがいもないね」
 はぁ、とため息をついたよっちの視線の先には、夏をさらに熱くしたような二人がいた。

日溜りの詩

「ハイ、タカくん、あ〜んして」
 あいよ、とばかりに口をあけると飛び込んでくる冷たいストロベリーのアイス。
「今度はこのみだよ。あ〜ん」
 そう言って小鳥の雛のように口をあけるこのみ。
 お返しはブルーベリーのアイス。
「おいしいね〜」
「ああ、おいしいな」
 このみと気持ちを確かめ合って二ヶ月近くが過ぎ、夏がやってきていた。その間変わったことといえば、ほ
とんどない。ひとつだけあるとすれば、だんだんこのみの甘えに慣れてきてる自分がいることだ。以前のよう
に恥ずかしがって突っぱねることも無く、素直にそれを受け入れられるようになった。これって恋愛としてはど
うなんだろうか? むしろ幼児時代くらいまで逆行しているような気がする。
 でもまあいいじゃないか。このみの料理の腕は日々上達しているし、なんでもかんでもテキパキこなすよう
になっていいこと尽くめだ。これでまだ贅沢を言ったらバチが当たるに違いない。
941/6 日溜りの詩1:05/01/24 23:03:36 ID:rCgYVrjl
「はいはいはい〜、おふたりさん、今日はそこまでッス!」
 ずばっとこのみとの間に割り込んでくるのはよっちだ。
 ぐあ、しまった。またしてもこの二人の存在を忘れていた。
 ――とは言っても以前ほどの動揺はない。女の子そのものが苦手だという意識は消えてはいなかった
が、今ではこの二人も例外に近づきつつあった。というのもこのみに付き合っていれば、この二人と顔を合わ
すことも必然的に増えるわけで、日々の積み重ねは着実に苦手意識を塗りつぶしつつあった。
 よっちはアイスにがぶりと噛り付くと、
「まったくこれ以上続けられたらお店のアイスが全部溶けちゃうッスよ。大損害が出て潰れちゃっては一大
事なので、ここはひとつ穏便にッス」
 そう言ってまたがぶり。
「まわりのお客さんも熱さにあてられて、アイスでも食わなきゃやってられないってなもんッスよ」
 がぶり。
 それなら商売繁盛で大歓迎じゃないか。
 がぶり。
「――あ、頭いたい」
 それはアイスのせいだ。
「このみ、……時間」
 ちゃるに言われてこのみが自分の腕時計を確認して、あっ、と声をあげる。
「ごめん。タカくん。約束があるから行くねー」
「おう、いってこい」
「それじゃこのみを借りていくッス」
「……また」
953/6 日溜りの詩1 ↑バンゴウミス:05/01/24 23:04:30 ID:rCgYVrjl
 夜になってカップ麺でも食べるかとお湯を沸かしているとチャイムが鳴った。
「はいは〜い」
 こんな遅くに誰だ?
 玄関に向かうとがちゃりと鍵の開く音がした。ということは――。
 慌ててキッチンに戻って火を止め、お湯を捨てる。もったいないがここは仕方ない。
「おじゃましまーす」
 ぱたぱたとこのみがリビングに顔を出す。
「タカくん?」
 なんでもない顔でこのみを迎える。
「お、おう、やっぱりこのみか。どうしたこんな時間に?」
 しかしそれには答えずに、このみはそのままキッチンまでやってきて、こちらを一瞥。そしてぎゅ〜っとこち
らの頬をつねってきた。
「いた、いたたたた!」
「はぁ〜、またカップ麺食べようとしてたでしょ」
 な、なぜそれを。
「お湯を捨てたのくらい分かるし、カップ麺が出しっぱなしだよ。もぉ、ちゃんとしたもの食べてっていつも言っ
てるでしょ」
 はい、すみません。
964/6 日溜りの詩1:05/01/24 23:05:20 ID:rCgYVrjl
 このみは冷蔵庫にあるもので、適当なものを作るのもすっかり手際良くなった。
「しっかし随分急な話だよな」
「しかたないよ〜」
 というのも急におじさんが出張になったとかで、おばさんは後を追いかけていってしまったのだそうだ。まあ
急な話とは言ってもいつものことなので、そんなに気にはならない。
 むしろ晩飯にこのみの手料理が食えてラッキーくらいなもんである。
 晩飯を食って、先に風呂入って、テレビを見ていると風呂上りのこのみがやってきて、
「てりゃー」
 とソファにダイブ。そしてそのまま
「タカくん枕でありますよ」
 膝の上に頭を乗せてくる。
「まったくこのみは甘えんぼだな」
「タカくんほどじゃないでありますよ」
 ごろごろ。
「説得力ないぞ」
「そんなこと言うと朝ごはん作りに来てあげないのですよ」
 それは困る。毎朝炊き立てのご飯と味噌汁が食える身分になると、それを手放すのは惜しいというもの
だ。ああ、確かにそういう意味ではすっかりこのみに甘えきっているのかも知れない。悪いから無理しないで
いいぞ、なんて言ってたのは最初の頃だけだ。
「負けたよ。甘えんぼなのは俺のほうだな」
「えへー」
975/6 日溜りの詩1:05/01/24 23:06:10 ID:rCgYVrjl
「とぅわっ!」
 このみが再びダイブしたその先はベッドだった。ぐるぐると転がってタオルケットを体に巻きつけて笑う。
「タカくんも早くおいでよ〜」
 まったく寝る前だと言うのに、そんなに元気だと眠れなくなるぞ。苦笑しながら電気を消して、このみからタ
オルケットを取り上げて、ふわっと広げる。
「おやすみ、このみ」
「え〜、タカくん、お話しようよ。お話」
「明日も学校だろ。早く寝ないと起きられなくなるぞ」
「学校に遅刻するのは毎日できるよ〜」
 するなよ。
「でもタカくんとこうやってお話は毎日できないんだよ」
「話するだけなら毎日してるじゃないか」
「わかってない、タカくんはわかってないのですよ」
「――なに?」
 正直、もう眠い。このみの話を聞きながらうとうとしてしまう。
「タカくん、起きて、起きてよ」
 揺すられて、いい感じのまどろみからまた引き戻される。
「だからなんだよ」
「タカくんは眠くならないとこのみに好きって言ってくれないから――」
「ああ、わかったわかった。このみ、好きだよ。はい、おやすみ」
「えへー」
986/6 日溜りの詩1:05/01/24 23:07:00 ID:rCgYVrjl
 朝の日差しで自然に目が覚めると、もうこのみは隣にはいなかった。
 階下から朝食の匂いが漂ってきている。
 昨夜は結構遅くまで起きてたような気もするけど、日々の習慣にしてしまえば早起きというのはさほど苦
痛ではないのかもしれない。
 俺も少しは見習ったほうがいいかもな。
 明日からは目覚ましを鳴らす時間を5分早めることにしよう。無理な努力は体を壊すだけだ。
 着替えてリビングに降りると、朝食の準備はほぼできあがっていた。
「タカくん、おはよ〜」
「おはよう。このみ」
 かくしてまた新しい一日が始まる。
 このみの日溜りのような笑顔に包まれるように、暖かい日々が過ぎていく。 

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 普通にショートストーリーなので、あんま期待せずに気軽にお付き合いください。
99名無しさんだよもん:05/01/24 23:08:49 ID:uPQ0DTYd
GJ、しかし一瞬よっちSSだと思って期待してしまった。

次こそは(ry
100名無しさんだよもん:05/01/24 23:09:35 ID:rCgYVrjl
 >>93
 GJ!
 
(・∀・)ジサクジエンデシタ とぉ、見せかけてこのまま第二話が投下されるなんて誰が予想しただろうか!
 てぃやっ!
1011/10 日溜りの詩2:05/01/24 23:10:30 ID:rCgYVrjl
 放課後、ぶらぶらと街を歩いているとふと見知った顔を見つけた。
 向こうもぶらぶら歩いていただけだったようで、適当に店の軒先を覗き込んでは、次の店と、歩き回ってい
る。かと思うと、こちらの姿に気がついたらしい。
「あ、センパイ! こんにちはーッス」
 てててと軽快に走りよってきて挨拶。このみの友達のよっちだ。
「こんにちは」
「そんなかしこまることないッスよ。センパイとあたしの仲じゃないッスか。よっ、とかでいいんスよ」
「それじゃ、よっ」
「こんにちはーッス!」
「珍しいね。今日はひとり?」
「はいっ、いつでもちゃると一緒にいるわけじゃないッスよ」
 いつも一緒にいるもんだと思ってた。っていうか、もうセットでの印象しかない。
「センパイこそ、このみはどうしたんスか?」
「いつでもこのみと一緒にいるわけじゃないよ」
 そのままお返ししてみる。
「む〜〜」
 一瞬不満げな様子を見せるが、ぱっと表情が明るくなる。
「あ、そうだ。ちょうどよかった。センパイ、ちょっと相談があるんスよ!」
1022/10 日溜りの詩2:05/01/24 23:11:20 ID:rCgYVrjl
「相談? 俺に? このみにじゃなくて?」
「そッス、このみじゃアテになんない分野の質問ッス」
 ん、このみじゃアテにならない? 学校の勉強? それだったら俺だってそんなにアテにはならないだろ
う。寺女のレベルはかなり高いはずだ。
「まあ、別に断るような用事もないけど」
「そッスか、そッスか。できればセンパイの家なんかがいいんですけど、いいッスか? あんまり人に聞かれ
たくない話なんスよ」
 珍しく声を潜めるよっち。
 むむ、なんか謎めいてきたな。それに家で二人きりというのはちょっと。できればオープンスペースでの話
し合いが好ましいんだけど。
「というわけでセンパイの家に決定ッスよ。いっきまっしょー!」
 そう言うとよっちは問答無用で俺の腕を掴んで歩き出した。
 うわわわ、拒否権なしッスか。
 腕を引っ張られるように連行されていく。というか、俺の家を知ってるの?
「センパイんちは、このみんちの隣でしたよね〜」
 そうか、このみとは仲いいんだから知ってて当然か。
1033/10 日溜りの詩2:05/01/24 23:12:10 ID:rCgYVrjl
「おじゃましまーッス」
 とりあえずリビングに通して、冷蔵庫から冷えた麦茶を持ってくる。
「ありがとうございまッス」
 流石に見知らぬ家にいるからか、よっちも少しかしこまっているように見える。
「で、相談って?」
 できれば早めに切り上げたかったので、単刀直入に聞いてみる。
「先に聞きたいんスけど、このみとはどこまでいきました?」
 ぶふーっ!
 お茶を吹いた。盛大にテーブルの上に。慌ててふきんを取ってきて麦茶を染み込ませる。
「その反応、まっさかキスだけとか言うことはないッスよね?」
 まさかもなにもその通りだ。というか、キスすらほとんどないぞ。あの最初の一回を加えて、片手で足りる
な、うん。
「――というわけだけど」
「あちゃー、これは予想外っしょ」
 ぶつぶつとよっちが呟く。
「でも、それがどうしたのさ?」
 流しでふきんをしぼりあげる。
「あ〜、男の人ってよくわかんないッスよ」
 そう言ってよっちはソファにごろんと横になった。最初のかしこまり具合はどこに消えた?
1044/10 日溜りの詩2:05/01/24 23:13:00 ID:rCgYVrjl
「それってつまり恋愛相談?」
 洗ったふきんでもう一度テーブルを拭く。
「まあ、そんなとこッス」
 髪の毛を指でくるくる。
「へぇ」
 ちょっと意外な感じがした。こう、なんというか、恋愛に興味はあっても、興味だけというタイプに見えたから
だ。まあそういうのも俺の勝手な偏見だけどな。
「――あ、相手は秘密ッスよ」
 そんなこと聞いちゃいないし。
「本当、男の人ってワケわかんないッスよねー」
「俺に同意を求められても困るけどな。男からしたら女の子ってワケわかんないよ」
「そういうもんなんスかね〜」
「そういうもんだよ」
 思ってたより気楽な受け答え。こっちも最初の緊張がだんだん解け始めたのを感じた。
「まー、なに言ったとこで終わったんスけどね〜」
 はぁぁ〜と大きなため息。
 あ、そうだったのか。返事に困って俺は自分のコップに麦茶を注ぐためにキッチンに逃げ込む。
「ね〜、センパイ、最近の男の人ってちっちゃいの好きな人のほうがおおいんスかねえ?」
「ちっちゃい、ってなにが?」
 麦茶を補給したコップを持ってリビングに入ったところで硬直した。
 そこには制服をブラごと大きくまくりあげて、胸をあらわにしたよっちがいた。
1055/10 日溜りの詩2:05/01/24 23:13:45 ID:rCgYVrjl
「な、ななな、な――」
 言葉がでない。
 一方でよっちはよっちなりに真面目に自分の胸を品定めしているようだ。
「センパイもちっちゃいのが好きって言ってたッスもんね〜」
 そのままの格好で普通に聞いてくる。ちょちょちょ、ちょっと待って。これって普通なの? 最近の女子高
生って男に胸見せても全然平気なワケ?
「センパイから見てどう思います? センパイ的におっきすぎるッスか?」
 目があって、ようやく自分がまじまじとよっちの体を見ていたことに自分で気づいた。慌てて目を逸らす。
「マジメに聞いてるんスから、ちゃんと答えてくださいッス!」
 いや、そんなこと聞かれても困る。
「む〜、やっぱりこのみのをまだ見てないから分からないとか、そういうことッスか」
「いやいやいや、そういう問題じゃないだろ」
 目を逸らしても、しっかりと焼きついてしまった光景が消えてくれない。
「それじゃ答えてくださいッス」
「い、いいい、いいと思うよ」
「それじゃセンパイはあたしの胸が好きってことッスか?」
 ええーー!?
「いや、もっと、こうグローバルな感じで、それくらいの大きさもいいかなってことであって」
「む〜〜、なんか気に入らないッス」
 ぴとっと背中に押し当てられる柔らかい感触。
「ほれほれ、うりうり〜」
1066/10 日溜りの詩2:05/01/24 23:14:30 ID:rCgYVrjl
 なんだこれは、拷問かなにかか。
 振り払おうに手の麦茶が邪魔で大きな仕草が取れない。というか根本的に体が固まってしまっている。
「センパイ、あたし振られちゃったんスよ」
 ぎゅっと両手が回された。
「胸のちっちゃい女に奪われちゃったんス」
 それで俺を恨んでも筋違いだ。少なくとも俺は胸の大きさでこのみを選んだわけじゃないぞ。
「でも、それでセンパイにこんなことしてもなんにもならないッスよね」
 おお、分かってくれたか。
「だってセンパイ、まだこのみに何もしてないような意気地なしッスもんね」
 ――――。
 ちょっとカチンときた。
 違うぞ、少なくともこのみとはまだそんな関係じゃないってだけだ。このみのことは好きだけど、それは恋
人であると同時に幼馴染であり、妹でもあるそんな関係だ。だからいずれ時がくればそういうことにもなるか
もしれない。なるかもしれないけど、それは今じゃない。だから意気地なしだなんていわれる筋合いはない。
「そんなこと言って、本当は勇気がないだけなんじゃないッスか? このみに嫌がられたらどうしよう〜っと
か。だってちょっと抱きつかれただけで石みたいに固まっちゃってるじゃないッスか」
 ムカついた。体に回された手を振り払って――とりあえず麦茶をカウンターに置くのを忘れない――、振り
返るとよっちの肩を掴んでソファに突き飛ばした。
「きゃんっ」
 なんか知らんが、どうせまたからかわれてるだけだ。ちょっと脅せば逃げ出すに違いない。
1077/10 日溜りの詩2:05/01/24 23:15:15 ID:rCgYVrjl
 しかし――
「乱暴にしたいんすか? いいッスよ。できるんならッスけど」
 ソファの上でよっちはだらりと力を抜いた。
「あ、それとも抵抗されるほうが好きッスか? このみが嫌がってもヤれるように練習しときます?」
「ふざけんなよ」
 引き下がれなくなってよっちに覆いかぶさった。どうせどこかで泣きが入るに違いない。まだどこかでそう
思っていた。
 乱暴に唇を奪う。こんなキスはこのみにしたことはない。このみとしたことがあるのは、ついばむような優し
いキスだけだ。だがよっちはそれに情熱的に答えてくる。
 優しいキスなんてしてやるもんか。いきなり舌を突き入れ、口の中をかき回す。よっちの舌がそれに絡み付
いて答える。咥内全体に舌を這わせる。歯も歯の裏も歯茎もなぞる。いやというほど唾液を流し込んでやる
と、こくんとよっちの喉が鳴った。舌を戻すと、代わりによっちの舌が追いかけてきたので歯を当てる。下唇を
噛む。
「ぷはぁ――、なんスか、センパイ、キスしかしたことないだけあって手はお留守じゃないッスか」
 まだ言うか。
 乱暴に胸を掴むと、よっちの体がびくりと震えた。手に余る大きさのそれを掴み、揉み、さする。
「手を使い始めたら手しか使ってないなんてまだまだッスよ」
 なんでそんなこと言わないといけないんだよ。胸をもみしだきながら、唇を塞いだ。
1088/10 日溜りの詩2:05/01/24 23:16:00 ID:rCgYVrjl
 ずいぶんと長い時間そういうことを続けた気がする。唇を開放すれば、何かを言われて、その度にむかつ
いて。胸に触れ、背中に触れ、服を脱がし、大事なところに触れてもまだよっちは逃げ出さなかった。
 くそくそくそ、俺は何をやってるんだ。手には嫌というほど柔肌の感触が張り付いてきて、唇はお互いの唾
液でもうどろどろだ。大事なところを直接触られて、びしょびしょにしてるくせに、唇を離せばよっちは「そんな
もんッスか?」と言ってくる。
 ただ乗せられてるだけだ。と、心のどこかでは分かってる。
 だが、しかし、このメスの臭いにどう抗えばいいというのか? 噛み付いて、引き裂いて、蹂躙する以外に
なにかできることがあるというのか?
 最後の一枚を乱暴に剥ぎ取ると、俺はよっちに突き入れようと自分のものを取り出した。ぐちょぐちょになっ
たよっちにあてる。
 もう嫌がっても遅いからな。泣いたって知らないぞ。
 ぐっと、突き入れ――ようとすると、つるんと滑った。
 おいおい、待てよ。こんな冗談ありかよ。
 もう一度狙いを定めて――つるん。も一度――つるん。焦って――つるん。むかついて――つるん。
 冗談だろ。だってさっきまであそこに指まで入れてたのに、どうしてこれが入らないっていうんだ。
「はぁ〜〜」
 ため息が聞こえて、もう怒りはすっとんで一気に恥ずかしさが襲い掛かってきた。あれだけ息巻いてこれは
カッコ悪すぎる。
「センパイ、焦っちゃダメッスよ」
 よっちの手が添えられて、そのまま腰を突き出すと、今度こそずぶりと押し込まれていった。
1098/10 日溜りの詩2:05/01/24 23:16:45 ID:rCgYVrjl
 ぐ、きつい。女の子の膣ってこんなにきついものだったのか。
 抵抗に負けないように一番深くまで押し込んで、引き戻す。その肉と肉のこすれる感触が、まるで電流の
ように体中を駆け巡る。
 濡れて、熱くて、きつくて、苦しい。
「んっ――ふっ――」
 よっちは自分の脱いだ制服を噛んで声を抑えている。
 突き入れて、引き戻す。ぐちゅりと粘膜と粘膜が絡み合って音を立てる。
 ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ――。
「ふっ――あ、あぁ」
 少し無理な体勢で出し入れを繰り返す。繰り返す。繰り返す。
 もうそれ以外考えられない。
「ぁんっ、んんっん!」
 よっちは辛そうに顔をしかめる。それとも気持ちいいのか。よく、わからない。
 わからない。わからない。なんでこんなことになってるのかわからない。
 でも気持ちいい。すごく気持ちいい。
 堪えきれない射精感が腰の辺りから沸きあがって――もうどうにでもなれ――そのままよっちの奥に突き
入れて俺は果てた。
「あ、あああ――」
 どくっ、どくっと何度も脈打って注ぎ込まれていく。
11010/10 日溜りの詩2 ↑マタミスタ:05/01/24 23:17:30 ID:rCgYVrjl
 射精の後でよっちの膣に包まれていた体が急速に冷えていく。慌てて引き抜くと、どろりと桜色の粘液が
あふれ出してきた。
 ――え?
 思考が止まる。
「あわ、わたた」
 よっちはあふれ出るそれを手で受け止めて、
「あわ、センパイ、ティッシュティッシュ」
 と、妙に現実的なことを言う。慌ててティッシュを箱ごと渡すと、あふれ出たそれと、自分自身を丁寧に拭
いていく。
「あっちゃあ、処女だったのバレちゃったッスね」
「ど、どういうことだよ」
「いやぁ、血、出ないかなって思ったんスけどねえ」
「そういうことじゃなくて!」
 てへへ、と、頭をかきながらよっちは照れ笑い。
「分かりません?」
「全然分からないよ」
「最初はムカついたんッスよ。このみと楽しそうにしてる二人をみたらすっごくムカムカしたんス。最初はこの
みを取られたせいかなっておもってたんスけど、気がついたらセンパイのこと考えてるんスよ。いつだってセ
ンパイのこと考えてたんスよ」
 そう言ってよっちは「ていっ」と自分自身を拭いたティッシュを顔めがけて投げてきた。
111日溜りの詩のひと:05/01/24 23:18:25 ID:rCgYVrjl
 お前のエロの特徴は、女の子が喘がない!m9っ(・ω・)
 分かってる。分かってるのよ。 orz
 というわけで、自分的に鬼門のエロありでいってみました。
 今度はのんびり連載したいです。ホントに。
112名無しさんだよもん:05/01/24 23:22:13 ID:KQsyOPUL
うわー。
修羅場? 修羅場だよね? VSイベントを期待してもいいんだよな!?
113名無しさんだよもん:05/01/24 23:27:19 ID:CEbm1jbz
乙です。WAみたいな展開になったりして。
このみのビンタきぼん!
114名無しさんだよもん:05/01/24 23:29:37 ID:b3Ossip5
GJ!
続き期待してまっせー
115日溜りの詩のひと:05/01/24 23:32:20 ID:rCgYVrjl
あ、そうそう言い忘れてた。前スレ823に捧ぐ、であります。
あれで よっちSSかぁ、から広がったので。(・ω・)ゝ
116名無しさんだよもん:05/01/24 23:34:52 ID:9Tl+LPWg
GJ!!!
よっちやるなぁ・・・
117名無しさんだよもん:05/01/24 23:53:16 ID:uPQ0DTYd
>>115
(|||´Д`)俺かよ!身に有り余る光栄でありますよ閣下!?

(つД`)グスン、閣下の心遣いに癒されますた。
よっち攻略不可のショックから半分ぐらい放置していたTH2を崩そうと思いますた。
118名無しさんだよもん:05/01/25 00:02:36 ID:mR2yrrUG
>>115
むむ、リオンSS終了から早くも次作品とは…。
あなた、神すなわちゴッド?
1197月文月:05/01/25 00:05:24 ID:lxOqqQrQ
ちょっと聞きたいんすけどみんなはエロありとエロなしのどっちがいいのですか?
個人的にはTH2にはあんまりエロはないほうがいいかなぁとは思ってるんですが
いれた方がいいと言う意見が多ければところどころでいれていきたいと思ってるんですが
120名無しさんだよもん:05/01/25 00:11:01 ID:dPYTd7Cq
>>119
無理して入れてテンポが崩れるぐらいなら入れない方が良い。
と思います。
121名無しさんだよもん:05/01/25 00:18:32 ID:2RVD7jDB
>>119
別にエロはいらんなぁ
元からエロを書きたくて書くなら楽しみだけど、不自然に挿入されるようなら無い方が良いな
122名無しさんだよもん:05/01/25 00:19:34 ID:LzlEUmVJ
>>119
エロ有りにするならそういう方向に上手く誘導して欲しいです。
主人公には紳士的な対応をお願いしたい所存であります。

前スレのこのみのえちぃSSの続きまだー?
123名無しさんだよもん:05/01/25 00:21:34 ID:JwDzT+Vw
ちょっとスレ汚しに来た。

えちぃくないがご容赦を
124名無しさんだよもん:05/01/25 00:22:49 ID:mR2yrrUG
>>119
エロなしのほうがいいかなぁ。このままほのぼので行くと思ってたんで。
125名無しさんだよもん:05/01/25 00:22:58 ID:JwDzT+Vw
翌日、俺は再び病院に行くことにした。
郁乃が地方の病院に行くことは分かった。
だけど、どうして愛佳まで転校しないといけないんだ?
とにかく、話をしないと分からないよな。
話出来るかすら分からないけど・・・。

コンコン
ノックをして部屋に入る。そこには
「くか〜〜・・・」
寝てるのかよ。もう昼だぞ、まったく・・・。
でも、起こすのは悪いよな。
そう思い、横にあった椅子に座る。
目に巻かれた包帯。先生は『視力は回復している』と言っていたけど、
それならなぜ、こんなことをする必要があるんだ?
「んん・・・んぐっ・・・・・・かぁ〜」
それにしてもすげぇいびきだな。昨日とは大違いだぞ。
本当に病人か?と疑ってしまうのもしょうがないと思うぞ。うん。

(あたしのせいで姉を失うのに・・・)

そういえば、昨日そんなこと言ってたっけ。
結局どういうことなんだ?そんなことを考えていたとき
ガチャ
ドアが開く音と共に姿を現したのは・・・
「たかあき・・・くん」
「愛佳・・・」
126:05/01/25 00:24:00 ID:JwDzT+Vw
「どうしてここに?」
俺と愛佳は郁乃の病室を出て中庭にやってきた。
「ちょっと、ね」
そう言うと、愛佳は黙ってしまった。
近くにベンチを見つけ、俺達はそこに座った。
「郁乃のやつ、体調崩したの?」
「うん、最初の方は順調に回復していったんだけど・・・。また悪くなっちゃって。」
「そっか。で、地方の病院に移ることになったんだ」
え?という表情で顔を上げて、愛佳はまたうつむいた。
「・・・また、嘘ついちゃった」
「いいよ、それくらい」
「ごめんなさい・・・」
「いいって。それより、聞きたいんだけど」
俺が質問しようとすると、愛佳はまるで聞かれるのがわかっていたように話し出した。
「あたしの転校の理由はね、両親の転勤じゃないの。
 ううん、それどころか両親は転勤しないの。
 あたしと郁乃だけ。向こうに行くのは・・・。」
127:05/01/25 00:24:51 ID:JwDzT+Vw
先日、早退した日にね、あたし達は先生に呼び出されて、こう告げられたの。
郁乃の具合が思わしくなく、予定していた新しい治療法が今の状態では出来なくなった、って。
せっかく視力も回復してきたのに、どうして郁乃にはこんなに辛いことばかり・・・。
でも、先生は、
地方の病院に移って治療をしましょう。そこでまず、身体と視力の回復に専念しましょう。
って言ったの。
父も母も、もちろんあたしも、それに同意した。
でもね、あたしの両親はそこには行けなかった。
療養費だってばかにならないし、それに地方に行ってまともな仕事があるかどうかも分からないから・・・
だから、あたしが郁乃と一緒に行くことになったの
それであたしが郁乃と暮らすことにしたの・・・

「そういう理由だから・・・」
「そっか・・・」
だから郁乃があんなこと言ったのか。
「郁乃の治療ってどのくらいかかるの?」
「わからない・・・」
「愛佳は、向こうに行ってどうするの?」
「あたしは、とりあえずむこうの高校に行って、朝夕は郁乃の面倒を見るよ」
「・・・高校卒業したら?」
「わからない・・・。もし大学行けたとしても、向こうで進学すると思う」
「そっか、もうここには戻ってこないのか・・・」
「うん・・・」
128:05/01/25 00:25:56 ID:JwDzT+Vw
「それじゃあたし、郁乃のところ行かなきゃ・・・。たかあきくんは・・・?」
「行く」
「そう・・・」
俺は愛佳について、郁乃の部屋に向かった
今はまだ、愛佳と離れたくない。
だが俺が行っても大丈夫なんだろうか?郁乃は何を言うだろうか・・・。
そんな心配をよそに、病室では郁乃が熟睡していた。つーかどんだけ寝てるんだ?
「あたし、洗濯行ってくるね」
「あ、うん」
そう言って愛佳は洗濯に行ってしまった。
どうしよう。愛佳は行っちゃったし、郁乃は寝てるし。
「懲りずにまた来たのね・・・」
「へ?」
突然の声に驚いた。俺は声の方に向き直る。
「起きてたのか?」
「まあね」
昨日のこと、謝っとくか。
「昨日は悪かった。何も知らないで勝手なこと言ってスマン」
「えっ・・・」
非礼を詫びる俺に、郁乃は驚いていた。
「俺知らなかったんだよ、郁乃の状態とかさ。だからごめん」
「い、いいわよ、別に。寝たら忘れちゃったから」
そう言って郁乃は顔をそむける。
「照れてる・・・?」
「・・・怒るわよ」
129:05/01/25 00:27:09 ID:JwDzT+Vw
「その包帯ってさ、ずっとつけてるのか?」
俺は郁乃の目に巻かれた包帯について尋ねる。
「これ?別に外せるわ。ただ・・・まぶしいの駄目だから、昼間とかはつけてるの。開けないようにね」
そうなのか、だから俺が行った時も巻いていたんだな。
「カーテン閉めて」
「ん?あ、ああ」
俺がカーテンを閉めると、郁乃は包帯を外しだす。
「お、おい。外して大丈夫なのか?」
「大丈夫よ、ちょっとくらいなら平気」
そう言って大きな目が開かれた。
「あんたのばか面見るのも久しぶりね」
「そりゃどうも」
そう言って、俺は横にあったお菓子を取って食べ始める。
「あんたってさ、見舞いに来てるわけ?それともお菓子食べにきてるの?」
「しょうがないだろ、メシ食ってないんだよ」
「そういう時ってふつう食べていいか聞かない?」
「食っていいか?」
「食べながら言うな!」
130:05/01/25 00:28:09 ID:JwDzT+Vw
「あたしのこと恨んでたりする?姉を奪っていくあたしを・・・」
「べつに」
俺は普通に返した。
「お前が頼んだわけじゃないだろ。愛佳について来てくれって」
郁乃のことだ。口では何言ってても、愛佳のこと大切に思ってるから頼むことはしなかっただろう。
「でも、あたしの病気のせいで・・・」
「そう、お前の病気のせい。でも生まれつきなものをどうこうできる奴なんていない。
 だからお前のせいじゃないんだよ」
「ふん・・・」
そう言って顔をそむける郁乃の顔は、少し赤みを帯びていた気がした。
「でも、悪かったわね・・・。姉のこと」
「・・・いいさ。遠くに行っても、一生会えないってわけじゃないんだから」
「ふうん・・・。でもここまでするなんてホントお人好しね、あんた」
「自覚してるよ」
ほんと、お人好しだよな。別れた彼女のことに首突っ込んだりしてさ。
いや!別れてない、別れてないから!
「別れたの?」
「別れてないって!・・・え?」
「姉のことだから、あんたに迷惑かけたくないとか言って、別れたんでしょ?」
一瞬、心が読まれたのかと思って驚いた。
「別れよって言われた。だけど、俺は別れる気ないから」
「ふうん、なんでそこまで出来るの?」
そんなの決まっている。
「愛佳が好きだから」

「くさっ」
「じゃあ聞くなよ!恥ずかしい」
「まあ、いいわ。せいぜい頑張れば?」
「そうするさ」
131:05/01/25 00:29:01 ID:JwDzT+Vw
「ただいまぁ・・・」
しばらくしてようやく愛佳が戻ってきた。
俺しかいないと思ったのだろう、愛佳は恐る恐る入ってきた。
「あれ?郁乃起きて・・・あぁ〜だめじゃない、包帯取ったりしちゃ・・・」
「ん、いいのよ。少しくらい」
「でも、でもぉ〜」
「もう、お姉ちゃん心配しすぎ。ちょっとなら大丈夫だって先生も言ってたから」
「うぅ〜、そう・・・?」
ここだとなんか、いつもの愛佳だな。
「それよりお姉ちゃん。時間いいの?」
「え・・・、あ。そろそろ帰らなきゃ・・・。でも・・・」
「あたしのことなんか気にしてないで、帰って準備しなよ」
「そ、そう?ごめんね。ほとんど話も出来なくて・・・」
「むこう行ったらいくらでも話せるから、ほら、もう行ってよ」
そう言うと郁乃は布団をかぶってしまった。
愛佳はというと、しょんぼりして帰ってしまった。
「そんな言い方しなくてもいいじゃないか」
「うるさいわね〜。それよりあんたこそ、いつまでそこにいるの?」
「え・・・」
「早く姉を追いかけなさいよ、ばか」
そっか、そうだよな。愛佳と話さないとな。
「ありがとな」
「ふん・・・・・」
俺は愛佳のもとに向かった。


「お姉ちゃんを泣かすんじゃないわよ。ばか・・・」

132:05/01/25 00:29:56 ID:JwDzT+Vw
「愛佳っ」
俺は愛佳に追いつくと、肩を並べて話し掛けた。
「ごめんな、勝手に押しかけて」
「ううん・・・」
愛佳はうつむきながら、小さな声で言った。
「ありがとね」
「ん?なにが?」
「来てくれて・・・。郁乃ね、たかあきくんが来ると元気になってくれるの」
「あいつが?勘違いじゃないのか?」
「ううん、勘違いじゃないよ・・・」
「ふうん」
郁乃がか?冗談だろ?会う度につっかかってくるんだぞ。
まぁ、その点で言えば元気にはなってるかもな・・・。
あ、そうだ。愛佳の行く日を聞かないと。
「愛佳。いつ向こうに行くの?」
「えっと、明日の・・・」
そこまで言って愛佳は口篭もる。
「見送りには行きたいからさ・・・。だから、教えて」
「い、1時に・・・病院をでるの・・・」
昼休み終わりぎりぎりか。まぁ何とかなるか。
いざとなればサボればいいし。
「わかった。じゃあ・・・見送りに行くから。」
「うん・・・」
いつのまにか、俺達のいつもの別れるところまで来ていた。
「それじゃあね・・・」
「うん」
そして、俺はそこで別れた。
133:05/01/25 00:30:52 ID:JwDzT+Vw
翌日、俺は学校に来ていた。
家にいようかと思ったけど、家にいた方が緊張するからだ。
「貴明、委員ちょっていつ引っ越すんだ?」
「ん、ああ、今日の1時。だから、俺昼いけねぇんだわ」
「そっか。それにしても・・・」
雄二が真剣な顔になる。
「いいのか?行かせて」
「いいんだよ。遠くに行っても会えないってわけじゃないんだから。
 それに、どうしようもないことだってある」
「ま、お前がそう言うんならそれでいいや」
その時、突然由真が入ってきた。
「あ、あんた!なんでここにいるのよ!」
突然大声でどなり上げて、どうしたんだ?
「あぁ〜もう!来いっ!」
「なんで?お、おい!」
「いいから来いってば!」
由真は俺の腕をつかむと外に連れ出した。

「お、おい!どこ行くんだよ!」
由真に急かされ、俺は靴を履きながら尋ねた。
「どこって、愛佳のとこに決まってるじゃない!」
こんなに早く行ってどうするんだよ!
「あんた、今日愛佳が引っ越すのよ!聞いてないの!?」
「聞いてるって!1時だろ!なんでこんなに早く行くんだよ。
まだ3時間目が終わったところだぞっ!
「なに言ってるのよ!愛佳が出るのは12時なのよ!」
「なに!?」
「あ〜もう、聞いてなかったの!?」
「え?どういうことだよ!?」
「今はいいからっ、とにかく病院行くわよ!」
134:05/01/25 00:34:16 ID:JwDzT+Vw
ようやく病院に着いた時、時計は11時50分を過ぎていた。
病院の前には、一台の車が停まっていた。
愛佳は・・・いた!医者たちと話してるっ!
「愛佳!」
俺は愛佳に駆け寄った。
「ど、どうして、たかあきくんが・・・?」
愛佳は驚きと困惑の表情で俺を見た。
「由真から聞いた!どうして最後まで嘘なんか!?」
「ごめんっ・・・あたし・・・」
「たかあき違うのっ!」
遅れて来た由真が駆け寄ってきた。
「はぁ・・・はぁ・・・、あのね、時間変わったのは、今日なの!」
「ごめん・・・。変わったの、さっきだから・・・伝えられなくて・・・」
「そ、そうなのか・・・?」
でもよかった〜、変わったの分からなかったら、見送り出来なかったぜ。
「コンコン」車の窓を叩く音。
「あ・・・。そろそろ行かなきゃ・・・」
「え!?もう?」
来たばっかりなのに、もう時間かよっ!
「それじゃあね。二人とも元気でね・・・」
「あ、ああ・・・」
愛佳が行っちまうんだぞ!いいのかよ!?
「ま、愛佳!たかあき!愛佳行っちゃうよ、いいの!?」
分かってるって!でも、なんて言えばいいんだよ!?
「あほ!!!たかあきのあほ!何しにここまで来たのよ!?
 愛佳と一緒にいたいんでしょ!?諦めないんでしょ!?
 愛佳のこと、好きなんでしょ!?
 何も出来ないって言うんだったら、せめて口だけでも動かせっ!」
そうだ!何も言わなかったら、俺達はこのまま終わってしまうっつーの!
あ〜もう!どうにでもなれっ!

     「愛佳っ!!!」
135:05/01/25 00:35:32 ID:JwDzT+Vw
ドアに近づく愛佳の手が止まる。
こっちを見る愛佳の目には涙があった。

「愛佳のこと大好きだっ!別れてくれって言われたって納得出来ないよ!
 愛佳がどこに行っても、愛佳になんて言われても、この気持ち変えられないよ!
 だからっ!愛佳の後、追いかけるからっ!
 愛佳のこと助けるからっ!愛佳の支えになるからっ!
 だから・・・っ!」

俺は愛佳に駆け寄り、抱き寄せた。

「もっと迷惑かけてくれよっ!!!」

もう、愛佳の悲しい顔は見たくない。愛佳を困らせたくない。
愛佳の助けになりたい。同じ道を歩いていきたいっ!

「いっぱい、迷惑かけるよ・・・?嫌な思いも、させちゃうよ・・・?
 それでも・・・いいの?こんなあたしでいいの?」

俺は、抱きしめる手に力をこめ、叫んだ。


「いいにきまってるだろっ!!!」

136:05/01/25 00:36:34 ID:JwDzT+Vw
「たか・・・あ・・・きくん、たかあきくんっ・・・!」
俺を抱きしめる愛佳の手にも力がこもる。
「ったく、何回言えば分かるんだよ・・・」
「ごめん・・・これ以上に、迷惑・・・かけたくなかったから」
「そんなの全然迷惑じゃないんだよ。俺にとっての迷惑は、愛佳と別れることだって」
「ごめ・・・ん・・・。ほん・・・とに、ごめん・・・」
俺の愛しい人は、俺の腕の中で泣きつづける。
「ばか・・・そんなに泣くなよ」
「たかあきくんだって・・・泣いてる」
「あ・・・はは、ほんとだ・・・」
俺は、自分の頬に伝う涙に驚いた。

「「「「「おめでと〜〜〜〜」」」」」

あれ!?いつのまにか俺達の周りにクラスの・・・
いや、学年・・・ってか3学年全員じゃねえかこれ!?
俺達の周りに大勢の人が集まっていた。
「小牧委員長ばんざ〜〜〜〜い!」
「祝杯だぞ!とっておきのシャンパン・・・いや、シャンパン全部あけろー!」
「小牧さーん、今のお気持ちは!?」
「貴明、お幸せにな〜〜〜」
「河野君、がんばってね〜!」
「小牧さん泣かしたら、許さねえからなぁ〜〜〜!」
な、なんでみんないるの?
「貴明ぃ〜、お前らのバカップルぶりにはあきれるぜ・・・。でも、やっぱりうらやましいぞぉー!」
「雄二!これどういう・・・」
「たかくん、すごいね〜。まるでドラマ見てるみたいだよ〜」
「このみ!」
「タカ坊・・・。大人になったわね・・・」
「タマ姉まで!どうなってるんだよ!?」
137:05/01/25 00:39:18 ID:JwDzT+Vw
「たかちゃん、すごいね〜。これはUFOもびっくりだよ〜」
「うーには本当に驚かされたぞ。うー」
「らぶらぶらぶやー☆」
「らぶらぶらぶやなー」
「運命的ですね〜」
「みんなまで・・・。あ!そうだ時間は!?」
慌てて時計を見る。時間はすでに12時を過ぎていた。
「愛佳!時間時間っ!」
出発の時間はとうに過ぎてしまった。
「え、ええ?あのあのっ!」
いきなりの状況に愛佳は慌てている。
「もう・・・何の騒ぎ?人がせっかく気持ちよく寝てたのに」
郁乃が車の窓から顔を出した。
「郁乃〜、もう時間だよねぇ・・・」
「何の話?出発は1時よ」
「「え"っ?」」
「あ、先生。この度はお世話になりました」
「いやいや、郁乃君。私も楽しませてもらったよ。若いというのはいいねぇ。いやはや全く」
まじかよ・・・。
「そうだ!由真っ!どこに行った由真!?」
「なによ、うるっさいわね〜。なに?」
「お前12時って言っただろ!?」
「え?えーっと、何のことかな〜?ねっ、郁乃ちゃん」
こいつら・・・グルだったのか・・・
「それじゃ、時間も出来たことだしっ!小牧愛佳の送別会及び、祝!貴明と小牧の大恋愛成就のお祝いでもするかー!!」
「「「おーーー!!」」」
雄二の声に、みんなが声を上げる。
「お前ら!学校はいいのかぁーーーーー!!!」
「「「「「いいの〜〜〜〜!!!」」」」」

こうして、俺と愛佳のお別れは、この上なく騒々しいものになった。
138:05/01/25 00:42:08 ID:JwDzT+Vw
その後、教師達に見つかったみんなは速攻で学校に連れ戻された。
そんな中、俺はクラスのみんなのおかげで、なんとか見つからずにすんだ。
「それじゃ・・・夏休みにでもそっちに行くよ」
「うん・・・待ってる」
夏まで会えないってことを考えると、正直辛くなってくる。
「たかあきくん、あのさ・・・」
「ん?」
「夏までお別れだからさ・・・その・・・」
愛佳はモジモジしながら指をいじっている。
「き・・・キス・・・しよ」
「キス!?」
愛佳からこの単語を聞くとは思わなかった。
「もう・・・誰もいないから」
「う、うん」
そうだよな、ここでやらないと男じゃないよな・・・
俺は愛佳の肩を寄せた。
愛佳は顔を真っ赤にして目を閉じる。
俺は愛佳の唇にくちづけ・・・
「おねーちゃん、そろそろ行くよ?」
「「うわわっ」」
郁乃が窓から顔を出した。
「ああ、じゃましたわね・・・。でも早くすませてよ」
そう言うと郁乃は顔を引っ込める。
「あはは、邪魔入っちゃったな・・・」
照れ笑いでごまかす俺。かっこわり〜・・・。
「たかあきくん・・・」
言葉と同時に、俺の唇に愛佳の唇が触れた。
「あたしも大好きだよ・・・たかあきくん。また・・・会おうね」
「うん・・・またな」
139:05/01/25 00:43:06 ID:JwDzT+Vw
5月。あれから2年後。
タマ姉は九条院に帰り、雄二は学校を卒業して大学に進み、このみはもう3年生になってしまった。
そんな中俺は・・・

「たかあきくーん、郁乃ー。朝ご飯できたよぉ〜」
「「はーい」」
あれから俺は、愛佳の住むこの地に進路を決めた。
そして、今、俺達はともに暮らしている。
この片田舎の土地で、俺、愛佳、そして郁乃の3人の生活を過ごしている。
「たかあき、しょうゆ」
「ん」
郁乃はと言うと、視力もだいぶ回復し、自由に歩ける体力もついた。
最近は高校過程の勉強をしているようだ。
「たかあきくん。おかわりいる?」
「おねがい」
「はぁい」
愛佳もこっちの高校を卒業し、大学に行く許しもでたらしい。
もちろん俺と同じ大学。
「はい、たかあきくん」
「ありがと」
まだ見知らぬこの土地で、これから一体何が待ってるのだろうか?
一体何が起こるのだろうか?
俺にはそれは分からない。
だけど、分かっていることが1つだけある。

「ん〜?なに〜?」
「ううん、なんでもないよ」
「また、お姉ちゃんに見とれてたのね」

俺は、この人と愛しているということを。
140名無しさんだよもん:05/01/25 00:44:50 ID:JwDzT+Vw
いじょです。相変わらず長いです。
今日になってついに「文章長すぎます」って言われますた
というわけでこれにて終わります。
オーマイゴッ(゚Д゚)
1417月文月:05/01/25 00:46:38 ID:lxOqqQrQ
>>120-121
エロの部分はすでにネタは頭の中にはあります。
ただいれるならいれるでそこにいくネタを取りますしいかない場合は行かないなりにそっちのネタを取るように考えてます。
ですからいれるいれないでペースを崩すと言うことはないと思います。

その代わりエロは濃厚なのは期待できないと思います。
なんせエロはあんまり書かないので。

>>125-139
本来は切ない話になるはずのものを終盤で盛り上げて最後にうまいハッピーエンドにまとめてありますね
僕はこういう話、結構好きです
GJですよ。
長すぎることもなかと思いますけどねぇ
これくらいならボリュームとしてもちょうどいいんじゃないかと思います
142名無しさんだよもん:05/01/25 00:47:10 ID:Fmr6b+J9
>>140
GJ!!
俺が書いてたら別れの話になってただろうな。
そゆところが書き手のパワーなんだと思う。
乙でした。

で、結局30行制限でいいんかね?
143名無しさんだよもん:05/01/25 00:47:55 ID:mR2yrrUG
>>140
素直にいい話で告白のとこやみんなが祝福してくれるシーンとか
ちょっと泣けたよ…。こういう話に弱いな、俺。でも好きだな。
GJ!
144名無しさんだよもん:05/01/25 00:50:28 ID:JwDzT+Vw
>>142
30行辺りで弾かれたんで、それぐらいを目安に考えるとよろしかと
145名無しさんだよもん:05/01/25 00:50:45 ID:BLU+Rr6A
GJ!!
キャラの使い方が上手いですね。
俺もこういうの好きですね。

>>142
30行だと思う。30行ジャストは大丈夫
146名無しさんだよもん:05/01/25 00:52:42 ID:Fmr6b+J9
>>144-145
サンクス
これまでは26行を最大にするよう注意して書いてたけど、
これで余裕ができた。
1477月文月:05/01/25 00:53:10 ID:lxOqqQrQ
改行制限は32行の2048Bまでですよ
専用ブラウザ等で見れますよ(ちなみに自分はJaneStyle)
148名無しさんだよもん:05/01/25 00:55:10 ID:EVHMaoPN
>>140
リアルタイムで読ませて頂いた。GJ!
よかったなぁ、このバカップルどもめ(つД`)

やっぱり、愛佳は切なくなったり悲しんだりするよりも幸せでいるべき。
そうあって欲しい。
149名無しさんだよもん:05/01/25 00:58:41 ID:4O1e1UHQ
>>140
切ない結末もそれはそれで好きなんだが…
こういうのはもっと好きだ!!おつかれ様でした!!
150名無しさんだよもん:05/01/25 01:01:22 ID:Fmr6b+J9
>>147
詳細サンクス
そうか、かちゅ使いなんだが、なんかこれからは書き込めんのだ。
だから書き込みはいつもIEから。
そろそろ別の専ブラいれるか。
151名無しさんだよもん:05/01/25 02:14:42 ID:iedmIpgh
>113
ああ、WAのあれか……いいものだった。
152名無しさんだよもん:05/01/25 03:24:38 ID:00geOm7W
『ミルファのいる生活』第五話 up
例によってリンクのみ
ttp://www2.tokai.or.jp/v-sat/ss/toheart511.html
ttp://www2.tokai.or.jp/v-sat/ss/toheart512.html
ttp://www2.tokai.or.jp/v-sat/ss/toheart513.html

ごめんね、イルファさん
153名無しさんだよもん:05/01/25 03:53:29 ID:ZGKODgNH
>>152
お疲れ様、そしてGJ!
続きも楽しみにしてます!
154名無しさんだよもん:05/01/25 05:59:47 ID:kdBYppvx
>>152
たかあき頑張れたかあき

ていうか頼りないなぁ・・・orz
155名無しさんだよもん:05/01/25 10:33:46 ID:vCOm7MF0
ごまん。SS投下するからちと書き込みしないでほす〜ぃ…かも
156ラッキーストライク1:05/01/25 10:46:58 ID:vCOm7MF0
…ポーン…ピンポーン…

このみ
「タカくーん!タカくーーん!!」
外からこのみの声がする…。

ガチャガチャ…ギィー…バタン!
ドンドンドン!!
玄関の扉が開き、階段を駆け上がる音。

貴明
(うう…このみか?)

ガチャリッ!と音を立て扉が開き…と同時に元気な声が部屋に響く。

このみ
「もータカ君!いつまで寝てるの!!早くしないと遅刻…ってあれ、タカ君?」 
そこでようやく俺の様子がおかしい事に気付く。
157ラッキーストライク2:05/01/25 10:57:27 ID:vCOm7MF0
このみ
「タカ君!どっ…どうしたの?」

このみが枕元に近付いてくる。

貴明
「あ…ああ…このみ…。何か熱があるみたいなんだ…。」

このみ
「えっ!大丈夫!わー!どっ…どうしよう?どうしよう?タカ君!?」

パニックに陥るこのみ。
貴明
(お、大袈裟な…)

このみのあまりの慌てぶりに逆に驚かされてしまう。

貴明
「…取り合えず落ち着け!」

ズビシッ!!とこのみの頭に突っ込みを入れる。もちろん手加減はする。
158ラッキーストライク3:05/01/25 11:10:42 ID:vCOm7MF0
このみ
「あうーーー…」

情けない声を上げるこのみ。

貴明
「えーっとだ、たぶん風邪っぽい。」

そう言って軽く咳き込む。

貴明
「…で雄二に今日は学校休む、って伝えてくれないか?」

このみ
「うっ…うん。分かったよ。でも…ほんとに大丈夫なの、タカ君?」

心配そうに俺を見下ろすこのみ。

貴明
「大丈夫。ちょっと寝たらすぐ治るよ。…ほらっ!早く行かないと遅刻するぞ。」

時計の壁を見ながらそう言う。

このみ
「う…うん。じゃあ、タカ君お大事にね…。」

そう言ってこのみは部屋をあとにした。
159ラッキーストライク4:05/01/25 11:20:56 ID:vCOm7MF0
静かになった部屋に一人。

貴明
(ふーっ…。ちょっと寝るか。)


……
………ポーン。ピンポーン。

貴明
(うっ…う〜ん。誰だ?)

階下で鳴る呼び鈴の音に目を覚ます。
時計をみる。時間は12時過ぎ。

貴明
(ふぁ〜あ…よく寝たな。)

体を動かす。まだ少し調子が悪いのを感じる。

ピンポーン。ピンポーン。

貴明
(おっ…と忘れてた。ってまあ、新聞の勧誘か何かだろ。ほっとこっと…。)
160ラッキーストライク5:05/01/25 11:32:44 ID:vCOm7MF0
そう思い、また枕に頭を埋める貴明。
しかし…寝起きの下半身に血が集まり寝つけない。

貴明
(若いなぁ〜、俺も。これぞ朝立ちならぬ昼立ち…。)

など馬鹿な事を考えつつ、雄二から借りたエロ本に手を伸ばす。適当にページをめくり自分のモノをしごきだす。

貴明
「うんっ…ふっ…」

シコシコシコ…と上下運動を繰り返す。

貴明
「うくっ…うっ…ん…」

??
「ふーん…。タカ君はこういう娘が好みなんだ…。」

貴明
「うひぇあっ!!」

行為中に突然声をかけられ貴明は情けない声を上げる。
161ラッキーストライク6:05/01/25 11:45:12 ID:vCOm7MF0
??
「もー!十分元気そうじゃない。」

貴明
「はっ…春夏さん!?」

気が付くとなぜか部屋の中に春夏さん(このみの母親)がいるではないか!

貴明
「えっ!?あっ…わーーー!!」

慌てて下半身とエロ本を隠す。

貴明
(なっ…何で春夏さんが俺の部屋に!)

取り合えず思考を中断し、貴明は苦笑いを浮かべながら春夏の方に目をやる。

貴明
(あっ!)

部屋のテーブルに…お粥らしき物が湯気を立てているではないか。
そしてその横にはコップに入った水と小さな瓶―おそらく風邪薬―が置かれていた。
162ラッキーストライク7:05/01/25 11:53:13 ID:vCOm7MF0
貴明
(春夏さん…昼飯作ってきてくれたんだ。)

…と気付いた時、『コホン』と春夏が咳ばらいをする。

春夏
「あのね…声はかけたのよ。ドアも何度かノックしたし…。」

春夏さんが少し困った顔でそう言う。

貴明
「へっ!?」

その時、自分のしていた事を思い出す。
急速に体が熱くなるのは風邪のせいではない。

続く
163名無しさんだよもん:05/01/25 11:58:57 ID:ZWgpIoQH
禁断の母娘丼のヨカ━―━―━(゚∀゚)━―━―━ン!!!!!
164名無しさんだよもん:05/01/25 11:59:08 ID:vCOm7MF0
…と言うわけで雄二の人の最新作はリクエスト通り春夏さんにしました。
ちと諸事情で今回はここまでにしますが…多分今日中にうpしまつから気長に待っててくだつぁい。
165名無しさんだよもん:05/01/25 12:04:30 ID:Fmr6b+J9
>>164
オトナの魅力キ・キ・キ・キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!?!?
今後の展開に色んな妄想が広がります。
166名無しさんだよもん:05/01/25 19:17:51 ID:Fmr6b+J9
   | \
   |Д`) ダレモイナイ・・SSトウカスルナラ イマノウチ
   |⊂
   |
1671/11 日溜りの詩3:05/01/25 19:18:50 ID:Fmr6b+J9
 ピピピピピ、ピピピピ――。
 目覚ましを止める。
 朝の日差しはまだ強さには程遠かったが、ピリピリと目から脳を刺激して睡眠から意識を揺り起こした。二
度三度頭を振ると、頭の奥が疼いた。あまり眠れていない。
 階下には人の気配。服を着替えカバンを持って扉に手をかけたが、そこで動きが止まった。
 出て行きづらい。
 一体どんな顔でこのみと顔を合わせればいいというのか?

 ――昨日、シャワーから出てきたよっちは、何かを言おうとした俺の唇に人差し指を当てて言った。
「このみには秘密ッスよ。センパイ」
 自分が何を言おうとしていたかが分からなかった。そして何を言うことができるというのだろう。
「あたしはこのみからセンパイを奪うなんて考えてないッスから」
 それは、――助かる。
 そんな自分の思いに愕然とする。
 助かる? 助かるだって――。
 果たして世の中にそれほど酷い考えがあるだろうか。
 いったい何が助かる、というのか。
 このみへの裏切りか。
 それともこの関係が後を引かないからか。
 しかし、それでもどこかでほっと肩の荷が下りたのを感じずにはいられないのもまた事実だった。
「それじゃセンパイ、またッス」
 靴をとんとんと履いて、よっちは背を向ける。と、そこで数秒立ち止まった。
「――やっぱり」
 くるりと振り返る。
「もっかいだけキス、してくれませんか?」
 上目遣いに見つめられる。
 体が固まった。思考も止まる。さっきのは過ちだ。でもこれは――。
「んも〜、勝手にするッス」
 ぐいと襟元を引っ張られて、抵抗もできずに素早く唇が重ねられた。
「センパイ、ゴチッス」
 そしてよっちは扉の外を気にしながら、そして誰もいないのを確認して、駆け出していった。
1682/11 日溜りの詩3:05/01/25 19:19:44 ID:Fmr6b+J9
 もちろんいつまでも扉の前で固まっているわけにもいかなくて、階段を下りてリビングに向かう。
「あ、タカくん、おはよー」
 このみの声を聞いた途端、ぐ、と胸の中に重い塊が生まれる。
「ああ、おはよう、このみ」
 できるだけ顔を見ないようにしてリビングのソファに腰掛けてテレビをつける。しかしそれがいけなかった。
そのソファで昨日あったことがフラッシュバックされる。鼓膜の奥でよっちの押し殺した声が今だ反響を続け
る。
「朝ごはんできてるよー」
「ああ、分かった。今行く」
 いいか、不自然にするなよ。ちゃんとこのみの顔を見て話せ。なにも気取られるな。
 あれは一回だけの過ちなんだ。だから胸の奥にしまってなかったことにしてしまえばいい。このみに知られ
るようなことをして悲しませることなんてないんだ。
 このみのためだぞ。このみのためなんだ。
 ダイニングに入るとこのみがテーブルに朝食を並べていっているところだった。
「おはよう。このみ」
「タカくん、おはよー」
 元気にそう返事してからきょとんと首をかしげる。
「あれ、タカくん。さっきも挨拶したよ」
「そうだったかな」
「そうだよー」
 ふわぁと温もりが広がる笑み。日溜りのような笑顔が俺の心の重りを溶かしていく。
 大丈夫、俺は大丈夫だ。
「ひゃっ」
 ご飯をよそうこのみを後ろからやさしく抱きしめる。
「――もーダメだよ。タカくん。ほら朝ごはん食べないと」
1693/11 日溜りの詩3:05/01/25 19:20:29 ID:Fmr6b+J9
「もーすぐ夏休みだねー」
 いつもと同じ登校の風景。
「そうだな」
「いーっぱい、いーっぱい、いろんなとこいって遊ぼうね」
「どっか行きたいとことかあるのか?」
「うーんと、うーんと、海でしょ。山でしょ。遊園地にも行きたいし、プールも――」
 指折り数えていく。
「――映画とかも行きたいし、お買い物も付き合ってもらうよ」
 両手じゃ足りなくなって、このみはぱぁーっと両手をあげた。
「でもね、本当はタカくんがいればどこでもいいよー」
「それじゃ毎日家でごろごろするか」
「それは却下であります」
「だって俺がいればいいって今言ったじゃないか」
「何を言ってもそれは却下なのでありますよ」
1704/11 日溜りの詩3:05/01/25 19:21:40 ID:Fmr6b+J9
「タカくん、はい、あ〜ん」
 ぱくり。
 お昼休みは屋上で昼食。
「はぁ、なんで私たちがここにいるのかしらね。雄二」
「なんだよ。姉貴が「タカ坊とこのみが付き合いだしてもお昼は一緒にしましょ」って強引に押し切ったんだ
ろ。今更アテられてるからって、愚痴るのはよくないぜ」
「まあ悪ことばっかりじゃないのよ。はい、タカ坊。あ〜ん」
 ぱくり。
「まったくこのみの影響ですっかり素直になっちゃって。はい、雄二。あ〜ん」
「姉貴、それはバランだ。って、うわ。やめろ。やめて、むごご」
「結構楽しいのよね。この餌付けって」
 ペット扱いかなにかか。俺は。
 とはいっても差し出されたものを躊躇なく口に入れてる以上否定はできない。
「それにしても本当、このみは料理が上手になったわね」
「えへ〜」
 そう、いつの間にかお昼のお弁当はこのみのお手製のものになっていた。
「これじゃそのうち私がこのみに教えてもらうことになるかもね」
「そ、そんなことはないよ〜。タマお姉ちゃんのほうがもっとずっとすごいもん」
「今は、ね。でも近い将来には――、このみが私よりも料理が上手で、背も高くなるかも知れないわよ」
「え? 私が? た、タカくん、どうしよう」
「あー、知らん知らん。そのときになって考えればいいだろ。今は今のこのみのままでいいんだよ」
「あらあら、ノロケられちゃったわね」
1715/11 日溜りの詩3:05/01/25 19:22:27 ID:Fmr6b+J9
 放課後にこのみと駅前を歩いていると、馴染みのある声がかけられた。
「このみ〜!」
 わからいでか、よっちとちゃるの二人組みだ。
「……やあ」
「ちゃる、よっち〜! 二人とも今帰り?」
「見て分からないかね」
「……帰り」
「キツネが答えるなー」
 そしてよっちはこちらに向き直り、
「センパイもこんにちはッス!」
「……こんにちは」
「よっす」
 片手を挙げて挨拶。なんだか妙に気恥ずかしい。それはよっちも同じようで、微妙に視線がずれてたり。
「あ、そうだ。お邪魔しちゃ悪いッスよね」
 やっぱり気まずいのか、そそくさとちゃるの背中を押して立ち去ろうとする。
「……邪魔、か?」
「そんなことないよ〜。タカくんとはいつも一緒だもん。ねぇこの前言ってたお店行こうよ。もちろんタカくんも
一緒だよ」
「あ、いや、俺は帰って観たいテレビがあるかな〜」
「却下でありますよ」
 ぐいっと腕を組まれる。そしてそのままよりによって女子の溢れかえったファンシーショップに連れ込まれ
た。いや、ちょっとは慣れてきたのはよっちとちゃるに対してであって、それ以外の子はちょっと――勘弁。
1726/11 日溜りの詩3:05/01/25 19:23:08 ID:Fmr6b+J9
「タカくん、またねー」
「ああ――」
 意気消沈して家に入る。
 ああ、全部生気を吸い取られたかと思った。なんなんだ、あのピンク色の空気は。吸い込んだだけでむせ
そうになったぞ。さらに女の子らが騒ぐ声が耳鳴りみたいに鼓膜に残っている。あー、気持ち悪い。単体です
ら苦手なのに、集団となるともう兵器だ。
 階段を上がる気力すらなく、ずるずると床を這うように進み、リビングのソファに仰向けになる。
 頼む、ちょっと休ませてくれ。
 だらりと力を抜いて目を閉じると、耳鳴りがさらに強くなった。こりゃたまらん。かと言ってもうテレビをつけに
リモコンを探すのすら億劫だ。まず女の子分の含まれていない空気の補給をしなくては。
 しばらく吸って吐いてに集中する。
 ――少し動悸が治まってきた。
「あー、疲れた」
「センパイ、お疲れ様ッスー」
 ぱさっと顔に冷たいものがかぶせられる。
 お〜、こりゃ気持ちいいな。
「じゃねぇっっ!」
「ひゃっ」
 がばっと上半身を起こすと、よっちが驚いてちょっと飛び上がる。
「お、驚かせないでくださいッスよ。センパイ」
「驚いたのはこっちだー!」
1737/11 日溜りの詩3:05/01/25 19:23:49 ID:Fmr6b+J9
 起き上がった拍子に床に落ちたタオルを拾いつつ、よっちは真面目くさった顔で、
「何を驚くんスか?」
「どうやって入ってきたんだよ」
「普通に玄関からッスよ。センパイ、戸締り忘れちゃダメッス。ちゃんとあたしが鍵閉めておきましたから」
 あー、そりゃ助かるわ。
 ――じゃねぇだろ。
 だけど怒る気力もそんな残ってない。
「で、何しに来たんだよ」
「何しに来たと思います?」
「とりあえずその濡れタオルはグッドアイデアだ」
「光栄ッス。サー」
 差し出された濡れタオルを4つ折にして、額に当てる。
 あー、色んな意味で頭が痛いぜ。
「では――」
 ――三等兵は自宅にまっすぐ帰りたまえ、と、言いかけてふと思えば、俺よっちの本名を覚えてないの
か、ちゃんと聞いたことがないのか、とにかく今は知らない。
 っていうか、俺、本名も知らない娘としちゃったのか――。
 ますます頭痛が増しただけのような気がする。
「センパイ、顔色悪いッスよ。大丈夫ッスか?」
 半分くらいはよっちの所為だ。間違いない。
1748/11 日溜りの詩3:05/01/25 19:24:29 ID:Fmr6b+J9
「よっち」
「イエッサー!」
 びしっと敬礼。そういやこのみもたまにエセ軍人になるな。と、思い出して胸まで苦しくなる。
「本名――」
「はい?」
「本名、まだ聞いてなかった」
「あ、そうだったッスか? 吉岡チエッス!」
「吉岡ちえっす?」
「違うッスよ! 吉岡チ・エ・ッス!」
「吉岡ち・え・っす」
「チーエーーー!!」
「――チエ」
「そッス!」
 よしおか ちえ の苗字と名前の頭文字をとって、よっち、か。単純なくせにややこしいあだ名のつけかた
だな。
「あー、今古臭い名前とか思ったっしょ! これでも気にしてるんスから訂正してください! 訂正!」
 と、一気に詰め寄ってくる。
「いや、そんなこと思ってないし」
「いーや、その目は思った目ッス。これまで生きてきた中であたしはその目をした相手を決して許さなかった
ことだけを誇りにして生きてるんスから、よってセンパイも制裁を甘んじて受けてもらいたいッス」
 そりゃ随分誤解による犠牲者も多いことだろう。
 もう頭ん中もなにもかもワケが分からなくなって、ため息と同時に首をがっくりと後ろにうなだれる。
「――センパイ? 大丈夫ッスか?」
「いや、大丈夫。疲れただけだよ」
 実際そうなんだろう。昨夜はあんまり寝れてないし、ゆっくり眠れば大丈夫。明日には調子も戻ってくるさ。
 もう一度大きくため息。
「お疲れッスね。センパイ」
 そう、だから放っておいてくれ。
「そしたらこのよっちが一肌脱ぐッスよ!」
1759/11 日溜りの詩3:05/01/25 19:25:09 ID:Fmr6b+J9
 ――悪寒。
 天井から視線を引き下げるにもう手遅れだった。疲れ切って大股開いてたのが災いしたか――。
 よっちは足の間にしゃがみこんで、手際よくジッパーを下ろすとその中から取り出した。
「センパイに元気になってもらうッス」
 あむっと咥える。生暖かい包まれる感触に思わずビクリと体が震えた。
「ひゃぅ」
 一気に屹立したソレにびっくりしてよっちは思わず顔を離す。
「うひゃぁ、こんなのが入っちゃったんスねぇ」
 興味深げに眺めながら、指先でつんつん。
「ほら、もう元気になったからいいだろ」
 最後の抵抗を試みる。
「なに言ってんスか。こんなに腫らしちゃって、本当に止めてもいいんスか?」
 優しく両手で包み込まれて、腰の辺りから抗いがたい電流が全身を駆け巡る。
「どうなんス〜〜?」
 上目遣いでこちらを見上げながら、ゆっくりと手を上下する。
 しゅるり、しゅるりと優しい刺激が上下する。
「ニヒヒ、センパイったら息が荒いッスよ。可愛〜」
 そう言って亀頭だけを唇ではさんで、むにむにと刺激する。その間も手は上下している。
「ありゃ、センパイ、ちょっと出てきちゃってるスよ」
 上目遣いでニヤリと笑うと、ぷっくりと出てきた先走り汁をベロンと舐めとる。
「むぅ、美味しいもんじゃないッスね」
 正直でいいことだ。
17610/11 日溜りの詩3:05/01/25 19:26:31 ID:Fmr6b+J9
「センパイ、制服汚れちゃったら困るッスから、出すときは言ってくださいッスよ」
 そう宣言して、手を離すと、よっちの唇が再び大きくソレを飲み込む。
「む、ん、ふぅ」
 そして頭を上下に動かして、ソレを刺激する。
「んぷ、ぷはぁ、んむ、んんっ」
 何度も、何度も、ただその動作を繰り返す。
「んっんっんっんっ、んふっ、んっ」
 鼻息がかかる。
 一生懸命に頭を動かすよっちを見ていて、なにか愛しい気持ちが湧き上がってくる。
 仕方ないじゃないか。だって、こんなに――。
「んぅ、んん、んっ、んっ」
 頭に触れる。髪を指に絡める。よっちが咥えたままで上目遣いで見つめてくる。そして目だけで笑うと、ま
た一生懸命な動きに戻った。
 単調な動きではあったが、それでもあんまりにも気持ちよくて、あっという間に腰の辺りにぞくぞくっと射精
感がこみ上げてくる。
「ぐ――、イク、イッちまう」
 喉の奥から引き絞られた悲鳴のような声が上がる。
 それを聞いてか、よっちの動きがさらに早まる。
 ――くぅ、もう、ダメだ。
 耐え切れなくてよっちの咥内に解き放った。
17711/11 日溜りの詩3:05/01/25 19:27:12 ID:Fmr6b+J9
 どく、どく、どくっ、と、信じられない量の精液が射精されるのが分かる。
 なんで、こんなに。
 よっちは動きを止めて、ほとばしる精液を受け止めるがままにしている。
 やがて射精が止まり、よっちの咥内から引き抜くと、唇との間につぅと白い糸が伸びた。
「ん、ん〜〜んん〜〜」
 よっちは目を白黒させて勢い良く立ち上がると、洗面所のほうに走っていった。
 ――水音。
「うぇ〜、さすがに飲めないッスよ」
 苦りきった表情で戻ってくる。
 飲む気だったのか。
 そしてソファの俺の隣にぴたりと寄り添うように座るって
「――男の人のってイク直前にまだおっきくなるんスねぇ。びっくりしちゃったッスよ」
 耳元にそう囁きかけてきた。
「センパイの舐めてたら、あたしこんなになっちゃったし、続き、しちゃうッスか?」
 指先がスカートの裾を掴んで持ち上げた。濡れたそこに目が釘付けになる。収まったかと思った興奮が再
び体の中から湧き上がってくるのを感じる。
 ――もう、ダメだ。
 俺は立ち上がって、よっちの手をとった。
「センパイ?」
「俺の部屋のベッドで――」
「はい、ついていくッス」
 ――俺は踏み絵を踏んでしまった。
178日溜りの詩のひと:05/01/25 19:28:20 ID:Fmr6b+J9
 や、や、や、手抜きなんてことはありませんよ。ほんとほんと。本当なんだってば〜。
 エロ擬音とかないのはよっちが初心者だからですよ。そうなんだってばー。
 委員ちょは初めてでもちゅぴちゅぱしちゃいそうな気がするけどな(・ω・)中の人パワーか。
 そしてあえてこのみシナリオを再プレイしながら書く俺はホント外道だ。よっちの出てくる部分でのセーブ
データ作りなんですけどね。よっちが出てくるシーンだと筆が進むな。これが愛か。
 自分的には納得の行ってない文章が数箇所ありますが、そこまで根詰めて書くほどのもんでもないので
放置。疲れるし。100点の文章一本より、60点の文章二本のほうがいいですよね。
 とりあえずSS書くときは皆さんもリスク管理はしっかりと。短編のはずが超長編とかシャレになりませんか
らね。こちらを見てしっかり気を引き締めてください。
ttp://www.geocities.jp/navyfrog993/HibiZakkan/05/Jan05/Jan05.htm
179名無しさんだよもん:05/01/25 19:30:29 ID:BN7akVFh
(・∀・)ミタヨー

リアルタイムで読ませてもらったッス
GJッスよ
180名無しさんだよもん:05/01/25 19:30:39 ID:JI8H8BOf
>>178
乙です。これみてたらよっちシナリオあってもいいと思ってしまった
181名無しさんだよもん:05/01/25 19:32:07 ID:JI8H8BOf
この画像11月ごろ見たことあるよー
外国。
182日溜りの詩のひと:05/01/25 19:35:40 ID:Fmr6b+J9
>>181
ありゃ、そうだったですか。今日見つけて大爆笑したものでつい貼っちゃったでしたよ。
183名無しさんだよもん:05/01/25 19:42:34 ID:af3114kA
うう、このみ好きにはツライSSだ。貴明め…。
しかし結末まで見届けるよ。ガンガレ
184名無しさんだよもん:05/01/25 19:48:04 ID:JI8H8BOf
でも、1乗用車ひきあげ 2落ちる 3でかいレッカー車くる 4また落ちる
だけだったから画像多くてよかった。
185名無しさんだよもん:05/01/25 20:06:30 ID:U+Vd/ipk
あれ?ちゃるとの3Pじゃないの('A`)
186名無しさんだよもん:05/01/25 20:24:57 ID:u/deoxXH
修羅場だよ修羅場〜
(・∀・)イイ!!
187名無しさんだよもん:05/01/25 20:26:22 ID:80+Y832W
修羅場
のち
3Pだぜ。

よし、男の甲斐性見せてみろっ
188雄二の人:05/01/25 20:37:33 ID:vCOm7MF0
日溜まり詩のひとGJ!

個人的にはこのみとの修羅場キボンヌ!とか言ってみるテスツ

ガンガレ!⊂(∀゜)
189名無しさんだよもん:05/01/25 20:54:16 ID:iedmIpgh
たまにはいいだろッ!? たまには良いよな?
黒々としたドロッドロの話も。……ビンタ応酬・ビンタ応酬・ビンタ応酬……ぬぅううぅううううん!!(祈)
190名無しさんだよもん:05/01/25 21:12:24 ID:73wjLqqv
>>178
乙であります。
まさに、こんなのが読みたかった。
ちゃるはちゃるでまた違った展開になりそうなので安易に3Pとかにしなくてよかったと思う。
191名無しさんだよもん:05/01/25 21:15:58 ID:sL8rud2m
>>141の書いた心温まる話のほうが好きなのは俺だけでいい…
192名無しさんだよもん:05/01/25 21:44:58 ID:gZYh6fEI
>>178
バラン食わされる雄二萌え。本筋のよっちがらみじゃない部分もクスッとさせられて読み応えあるっす
楽しみにしてますよ〜
193名無しさんだよもん:05/01/25 21:51:19 ID:O9kOjweT
常連さんのSSも良いんだけど、新しい書き手さんもっと増えないかな。
様々なキャラシチュをもっと読んでみたいと言ってみるテスト。
194名無しさんだよもん:05/01/25 22:18:35 ID:YksBWGam
>>193が書けばいいジャマイカ
195名無しさんだよもん:05/01/25 22:35:40 ID:zShIRRg2
催眠にかかったフリをする貴明に花梨がHなことを始めてしまう。
というようなシチュエーションが俺的に萌える。
1967月文月:05/01/25 22:51:40 ID:AeyKKsoT
このみ好きのおいらにはちょっとつらいですなぁ
でも見ます、面白いですから

これから書きたいと思います
予定では11時ころまではあげたいと思ってます
1977月文月:05/01/25 22:56:09 ID:AeyKKsoT
とと、串規制で書き込めなかったから一時間前のものをそのまま投稿してしまった。
でももうすぐ出来上がりますので予定通りすぐに上げます
1987月文月:05/01/25 23:07:56 ID:AeyKKsoT
その日、一日どっぷりかかって家の中の掃除を行った。
もちろん俺の部屋以外ではあるが。
なぜ俺の部屋だけ掃除されなかったかと言うとそんなのは答えはたった一つ、シンプルな答えだ。
テメーは俺を怒らせた・・・じゃないって。
部屋にある漫画の一説をとってどうするんだ?
ま、話を戻すとして、ただ単に俺が拒否しただけなんだが。
あの部屋には雄二から渡されたものが置いてある唯一の部屋だからさすがにそこを掃除させられると見つけ出されそうで怖い。
・・・こりゃそろそろ処分しなきゃならないかな。
雄二には悪いが雑誌類は全部撤去するか。
DVDやビデオは・・・返すか。
おそらく三日でタマ姉に見つかって雑誌と同じ運命をたどることになるんだろうが。
「ふわああぁぁぁ〜」
休日の割には比較的早めに起きたなぁ。
とはいっても時計を見るとすでに9時をまわっている。
ピンポーーーン。
「あれ?もう来ちゃったかな」
ピンポーーーン。
「はいはい、今出ますか少しお待ちくださいませ」
風呂場で昨日の服を着なおして寝巻きを洗濯機のなかにほおりこんだ。
後は顔を洗って適当に軽く寝癖をなおして…と。
さて、HMX-12ってのはどんなのかな?
鍵をあけ、ドアを開いた。
「おはよ〜」
こいつは驚いた。
髪を二箇所で止め、背はちょっと小さめで胸も小さい。
まるでこのみそのもののようだ。
「タカ君、どうしたの?」
って、このみか。
そりゃそうだよな。
いくらなんでもこんなにこのみにそっくりなわけないよな。
「どうしたんだ?」
「だって、今日はタカ君ちに新しいメイドロボが来るんだよ。自分も見たいでありますよ、隊長」
「ああ、だからきたわけか。それじゃほら、とっととあがれよ」
「はーい、おじゃましまーす」
200元祖!メイドロボのテスト:05/01/25 23:10:05 ID:AeyKKsoT
「ねえ、タカ君。もう朝ご飯食べた?」
「いや、今さっき起きたばっかりだから食ってない」
「じゃあ、せっかくだから朝ご飯作ってあげるよ」
「いつも悪いな」
「いいよ、このみが好きでやってるんだから」
にっこりと笑うと我が家の台所に最近登場した花柄のエプロンを身につけると冷蔵庫の中を開けた。
こうしてみるとこのみも結構エプロンが似合うよな。
春夏さんもいつもエプロンでいるし、やっぱり親子なんだろうな。
「そういやこのみは朝飯食ってきたのか?」
「私もまだだよ。タカ君といっしょに食べようと思ってたから」
こいつ・・・俺が食ってないと最初から踏んでたな。
「えっと・・・お魚を焼いて・・・お味噌はあっちに入れておいたはずだから・・・」
テレビをつけてソファーに座りながら台所の方を見るとこのみは一生懸命に二人分の朝食を作っていた。
以前に比べてだいぶ手際がよくなってきたな。
最近になっては『お料理は私がやるからタカ君は休んでて』とか言われて台所を追い出されるのもしばしばだ。
高校入学前なんかは手際が悪くていつ手を切ってもおかしくないと見ていてはらはらしていたのに今となってはそんな姿は微塵も感じられない。
案外、このみは料理の才能があるのかもしれない。
春夏さんの作る料理だってプロ顔負けなほど美味い。
そんな料理をいつも食べているようなこのみのことだ、味覚はかなり鍛えられているだろう。
普通、料理は腕はよくても最後に味を判断するのは味覚だ。
結局のところ味覚は食べて鍛えるしかない。
と、あるゲームの主人公がそんなことを言っていた覚えがある。
201元祖!メイドロボのテスト:05/01/25 23:10:53 ID:AeyKKsoT
台所からの味噌汁の香りと魚の焼ける香ばしい匂いが鼻をくすぐる。
その匂いは魔法のように腹が減っているのをさらに空腹にさせる。
「なぁ、このみ。まだか〜?」
「ちょっと待っててね。もうちょっとでできるから」
それじゃ、ちょっと手伝ってお椀を出してテーブルでも拭いておくか。
「このみ、ちょっと入るぞ」
台所に入って食器棚から茶碗と平皿にお椀をそれぞれ二つ取り出して流しの近くに置いた。
そして台拭き用のナプキンが入ってる引出しを開けて取り出そうとした。
「あれ?」
が、中には一枚も入ってない。
「このみ、台拭き用のナプキン知らないか?」
「あ、ごめん。昨日お掃除したときに全部洗って庭に干しておいたままにしっぱなしだよ」
と、言うことは庭か。
「んじゃ、ちょっと取ってくるよ」
「ん、ごめんね」
「いいさ、手伝ってくれてるんだからさ」
本当に助かってるんだぞ。
お前がいなかったら絶対に掃除なんかしてないだろうし増してや洗濯物なんかも溜まりっ放しになりがちだったからな。
・・・思えばこのみに想いを告げてからほとんどの家事を任せっきりだな。
もうちょっと自分でできることは自分でやってこのみに負担をかけないようにしないとな。
2027月文月:05/01/25 23:12:33 ID:AeyKKsoT
以上です。
串の状態復旧に時間がかかってたいした量が書けんカッタ・・・
楽しみにしている人には申し訳ないです。

本題の方に入るまではもう少しかかりそうです。
もうちょっと・・・もうちょっとだけお待ちを・・・
203名無しさんだよもん:05/01/25 23:14:32 ID:IgINmHCP
>>202
GJ。気にせずじっくりやってくれい。
新たなマルチの登場が楽しみだ。
204雄二きゅんの話 上:05/01/25 23:39:08 ID:UAO+lBLT
厄介払いのつもりで貴明にタマお姉さんをあてがった雄二きゅん。
これでやっと姉貴から開放される、という喜びで嬉しいはずなのになぜか心には、
ポッカリと穴が空いたような喪失間が。
最初はその原因すらわからなかった雄二きゅんですが、
貴明と楽しそうにすごしているタマお姉さんの姿をみて悟るのです。
本当は自分も姉のことを慕っていたのだ。ということを…。
そして悔いました。姉も望んだこととはいえロクに考えもせず姉と貴明を結びつけたことを。

ある日、雄二きゅんは貴明を呼び出して言いました。
「貴明、本当におまえが姉貴を任せるのに相応しい男かどうか確かめさせてくれ!」
殴りかかる雄二きゅん。ポコスカポン☆ ボコポッコン☆
やがて、突然のことに最初は、されるがままだった貴明も、
親友の理不尽な行動に腹を立てた(?)のか応戦してきました。
夕暮れの下、殴り合う貴明と雄二きゅん。
あれあれ? どういうことでしょう。よく見るとなぜか二人とも顔は嬉しそうです。
ずって〜ん! どちらからともなく倒れる二人。
草むらの上に大の字になり言葉を交わしあっています。
「貴明、姉貴のこと頼むぞ」 「…ああ」
205雄二きゅんの話 下:05/01/25 23:40:01 ID:UAO+lBLT
遠くから声がきこえてきます。タマお姉さんの声です。
どうやら二人が喧嘩してるのをどこかで聞いたらしく、慌ててやってきたようです。
(貴明のとこに行くんだろうな)
雄二きゅんはタマお姉さんが真っ先に駆け寄るのは自分ではなく恋人の貴明の方だと思いました。
ところが…。
「まったく、世話の焼ける弟なんだから」
意外にもタマお姉さんが先に駆け寄ったのは貴明ではなく雄二きゅんの方でした。
「すまね…」
言葉少なに謝罪をする雄二きゅん。涙で視界がボヤけお姉さんの顔を直視できません。
「…今夜は晩御飯ぬきだからね(グスッ)」
そういうタマお姉さんもまた泣いてるようです。そんな二人を見て貴明は思いました。
姉弟愛美しきかな、と。

−完−
2067月文月:05/01/26 00:26:29 ID:5Tn493qU
いいですね!その書体。
ちょっと小さめな子供たちに読ませるような物語長で味が出てますね
207名無しさんだよもん:05/01/26 02:55:48 ID:OaykNjsy
>>日溜まりの人
これでよっちスレはあと十年は戦えるであります!
208名無しさんだよもん:05/01/26 08:34:06 ID:1xAjjmEG
春夏さんの続きマダー?
209名無しさんだよもん:05/01/26 08:55:28 ID:HKWRTjyS
マターリ待つのが基本です
210一発ネタ:05/01/26 12:33:03 ID:wQgd9LLB
「それじゃ、タカ君、このみをお願いね」
今日は月に一度、このみが泊まりに来る日だ。色々あって恋人同士になった俺たちだが、それといった進展もなく、未だにこの日は恥ずかしいものがあった。
「あ、それと、ハイこれ、春夏さんから愛の差し入れ」
「いつもすみません――ってこれ…」
ぽんっと手渡されたものは
コンドームだった――。
「は、ははは春夏さん!?」
「じゃあ行ってくるわね、このみ、がんばるのよ」
ちらっと横にいるこのみを見ると、首の裏まで真っ赤になって固まっていた。

――その夜
いつものように俺の布団に潜り込んでくるこのみ。
「タ、タカ君となら、このみ…このみ…」
そしておもむろにパジャマの下をずり落とす。
ピンクのフリフリの下着だった。
タマ姉の言葉が脳裏によみがえる。
「ああ、そうさっ!俺はフリフリムッツリだ!!」
「タ、タカ君!?」
何かが切れた俺はこのみを押し倒した。

――その頃、
「今頃がんばってるかしらね…」
懐から取り出した画鋲を眺めながらつぶやく。
「春夏さん?その画鋲どしたの?」
「これはね、春夏さん直伝必殺画鋲よ」
このみパパは少し青くなった。

「ひあっ、た、たかくん?な、なんか…」
「ん?うおっ、も、もれてる!?」

その後俺たちは結婚した。
終われ
211名無しさんだよもん:05/01/26 13:11:23 ID:tmMP82mt
ジョブジョブ。
212名無しさんだよもん:05/01/26 13:22:56 ID:LkDPSXan
>>210
メッサワロタ
春夏さんGJ!
213名無しさんだよもん:05/01/26 13:31:11 ID:neLUWuFH
春夏さん((((;゚Д゚)))ガクガクブルブル
214名無しさんだよもん:05/01/26 14:27:29 ID:URCVxTtO
なんでも必殺つけば良いって風潮にならなきゃいいもんだ
215名無しさんだよもん:05/01/26 14:33:23 ID:vdNP5eGJ
でもこれはまさに必殺だわ
216名無しさんだよもん:05/01/26 15:33:16 ID:iA4PBwDG
このみスレに春夏さんが必殺コンドームを渡すっていうネタがあったな。
2171/8 日溜りの詩4:05/01/26 20:30:46 ID:LkDPSXan
「いやぁ、あたしは2号さんでいいんスよ。センパイがこのみのこと大事にしてるの知ってるし、あたしもこの
み好きっしょ」
 よっちは天井を見ながら髪の毛をくるくるといじる。
 それは腹が立つほど俺にとって都合のいい言葉だった。
 肌という肌に、指先に、唇に、性器に残ったよっちの余韻は心地よく体全体を支配している。腕にかかる重
みすら心地よい。
「でも、それは――」
 ころんと俺の腕の上でよっちの頭がこちらに向いて転がる。
「いいんスよ。センパイ。今はなにも考えないで欲しいッス」
 唇が軽く重ねられる。
「あたしといるときだけ、あたしのこと考えて、感じてくれればそれでいいんス」
 胸が締め付けられて――それすらも気持ちいい――、よっちの乗った腕を曲げてその頭を抱くように髪を
撫でる。よっちは心地良さそうに目を閉じる。
 空いたほうの手でよっちの頬に触れる。そして唇を撫ぜ、首を伝い、胸を軽く包み、腰へ――。
「んふ……」
 吐息を軽く唇ですくう。
「センパイ?」
 よっちが薄く目を開ける。
「もっかいしたくなった」
「ありゃ」
 クスリと笑って、よっちの目が優しく伏せられる。
「でも今度はさっきみたいな激しいのより、優しくして欲しいッス」
2182/8 日溜りの詩4:05/01/26 20:31:27 ID:LkDPSXan
「んあっ! センパイ、いいっ!」
 熱くたぎった性器をよっちの奥に突き入れて強く抱きしめる。
「ああ――、気持ちいい。センパイ、もっと――動いて」
 要望どおりに腰を動かす。ゆっくり小さく突いては上下に揺らす。
「あぅ、うぅ、んふぅ、そゆのも好きッスけど、あん、今日はもっと激しく――あああっ!」
 望みのままにとばかりにストロークを大きくして、強く腰に打ち付けると、背中に回されたよっちの指が、強
く背中に食い込んだ。ずきりと背中に走る痛み。しかしそれも快楽の一要素に過ぎない。
「うあっ、あっあっあっあっああっ、ダメ、センパイっ、今度は激しすぎっ、んんっ」
「激しくって言ったろ」
 耳朶を軽く噛んで、耳の中に息を吹き込むように囁く。
「でもっ、だって、ああっ」
 両手をよっちの背中でクロスして肩を抱き、強すぎる快楽から逃れようと左右に体を捻ろうとするよっちの
体を組み敷く。よっちの手は俺の両肩を押してこの拘束から、快楽から逃れようとしている。
「あぅっ、センパイ、おかしくなる、あたし、おかしくなるよっ」
「いいよ、おかしくなって」
 ぎゅぅとよっちの膣が強く締め付けてくる。
「ダメッ、あたしっ、センパイ、一緒に――ぃっ!!」
「だーめ、一緒にはイッてあげない」
「そんな、いじわあぅ、ああっ、ん、んん――――」
 肩を掴む手がぎゅうと掴まれて、爪が食い込む。体全体が一度強く緊張して、――弛緩した。だが膣だけ
がまだきつく俺自身を締め付け続けている。
「あふ……」
 とろんとした目で見上げてくるよっちの唇を優しく吸う。
「センパ……、ッ!!」
 そしてイッたばかりのよっちに、また激しく突きたてた。
「まだ俺がイッてないよ」
「ちょ、ちょっと待って、ああっ、ひゃぅ」
2193/8 日溜りの詩4:05/01/26 20:32:09 ID:LkDPSXan
「う〜〜、センパイ、いじわるッスよ」
 目に涙をためたよっちの抗議を、頭をくしゃりと撫でて黙らせる。
 あれからというもの度々よっちは突然現れては、短い逢瀬を重ねて、帰っていく。そんな日々が続いてい
た。自分はよっちの体に溺れているだけだ。そういう意識はたまに心の奥底からそっと這い出てきては、湖
面を揺らす。だってそうだろう? 本当によっちを愛してしまったのならば、このみとは別れてしまえばいいの
だから。でもどうしてもそういう気にはなれない。
 結局のところよっちとの関係は確実な肉の繋がりこそあるものの、このみとの間にある確実な心の繋がり
は、ない。絶対的に捨てられないのはそちらのほうで、よっちとの関係はある日、彼女が尋ねてこなくなれ
ばそれで終わってしまうものだ。そういう無言の契約が成立している。
 それに二人きりでいるときのよっちはとても献身的だ。それが恋なのか、愛なのか、それともただの興味
なのかは分からないが、そうやってよっちが向けていてくれる気持ちはとても嬉しい。大事にしたくなる。
「センパイ? なに考えてんスか?」
 胸の上でよっちがきょとんとこちらを見つめている。
「よっちのこと考えてた」
 そう言うと、にまぁと嬉しさが表情に染み出してくる。
 ――ああ、この娘を傷つけたくない。
 それが愛しさというものなのだろうか?
「もぉ、センパイってばいつもイジワルッスけど、時々急に優しいこというの卑怯ッスよ」
 よっちはぺたぁと胸に頬を押し当てるようにする。照れ隠しのつもりらしい。かと思うと急にがばっと起き上
がる。
「ああ、もう、センパイが3回もするからこんな時間じゃないッスか! シャワー借りるッス!」
「あ、ああ、またね」
「はい、またッス!」
2204/8 日溜りの詩4:05/01/26 20:32:51 ID:LkDPSXan
「なあ、このみ。朝、大変だろ。別にこなくてもいいんだぞ」
 ふと朝食の場でそんな言葉が口をついた。
「えっ? どうしたの急に?」
「だって早くから弁当を作って朝ごはんまで別メニューで作ってるだろ。大変じゃないか」
「全然いいのに。何度も言ったけど好きでやってるんだよ」
 そう返されることはとっくに分かっていた。しかし、そんな言葉がつい口をついたのは――。
 今ではこの家にはよっちの匂いが染み付いてしまってるから。いつこのみがその痕跡に気づくかもしれな
い。そんな自分勝手な不安だった。
「そう言って無理してるんじゃないか? 学校で寝てるとか」
「う――」
 このみの動きが一瞬固まる。それからわたわたと両手を振り回した。
「そ、それはもしかしたらそんなこともあるかも知れないけど、でも、それならちゃんと夜はやく寝るよ」
「そういうのが無理してるって言うんじゃないのか?」
「そんなことないよ。このみがね、タカくんのためになにかするたびにね、このみの中でパワーがどんどん増
えていくんだよ」
 このみは両手をぎゅっと胸のところに押し付ける。まるでそこがそのパワーの貯蔵庫だとでも言うかのよう
に。
「このパワーがなくなるとこのみは動けなくなっちゃうから、だからこのみはいつもタカくんと一緒にいるんだ
よ」
2215/8 日溜りの詩4:05/01/26 20:33:33 ID:LkDPSXan
 登校中になってもずっとその続きを考えていた。
「――なら、おじさんの出張のとき、うち泊まりにくるの止めないか」
「えっ? どうして? タカくん、どうしたの?」
「おじさん、おばさんに俺たちが付き合ってるのちゃんとまだ話してないだろ?」
「えー? でも知ってるよー」
「だったらなおのこと良くないよ。おじさん、おばさんは俺たちのこと信用してくれてるんだろうけど、世間的に
よくない。ひとりで家に残るのが心配だっていうことなら、タマ姉のところにいけば何の問題もないし」
「タカくん、どうしちゃったの?」
 首を傾げてこのみが俺の前に回りこんでくる。
 どうしたもこうしたもない。よっちと何度も肌を重ねあったあのベッドでこのみと一緒に寝るなんて絶対に耐
えられない。このみとどうこうしたいわけじゃない。ただ平気な顔して同じベッドに寝ることなんて絶対に――
今はまだ――できない。
「……このみといるのイヤになっちゃったの?」
 不安げな表情。すまない。そんな顔をさせたいんじゃないんだ。
「そんなワケないだろ。ただ――いい加減なことをしたくないだけだよ」
 そう言ってこのみの頭をくしゃりと撫でた。
「そうなんだ。うん。タマお姉ちゃんに聞いてみるね」
 少し不安げにこのみはそう呟いた。
 俺は嘘吐きだ。
 そしてなにより恐ろしいのはウソを吐くことに慣れてきていることだ。
2226/8 日溜りの詩4:05/01/26 20:34:16 ID:LkDPSXan
「ターカー坊ー、ちょーーーっといいかしら」
 なんとなくこのみに会うのを避けて、さっさと帰ろうとしたら、校門で仁王様が両腕を組んでお待ちになって
いた。作り笑いを浮かべるつもりすらないようだ。これは死んだかも。
 そのまま首根っこを掴まれた猫のような気分でお洒落なカフェに連行される。とっても居心地が悪い。それ
もタマ姉の狙いなんだろうか。
「で、どういうことなの? 話の内容如何によっては――」
 ドスの効いた低い声が鼓膜に突き刺さる。
 なぜそこで言葉を止めるのでしょうか?
「ど、どういうことってなんのことかな?」
 一応話の再確認、変にこっちから話し出すとどこまで喋らされるか分かったもんじゃない。タマ姉に内容を
しっかり設定させてそこからはみ出ないように話をしよう。
「どういうこともなにも、タカ坊、このみに泊まりに来るなって言ったそうね。このみ、嫌われたんじゃないかっ
て不安がってたわよ」
「そんなことあるわけないだろ。このみを嫌いになるなんて」
「それは私も分かってるわ。で・も・ね、私が聞きたいのはそのことじゃなくて、なんでお泊りを断ったのかっ
てこと。貴方たちにしてみれば昔からの習慣みたいなものでしょう? それを急に断られたんじゃ、このみ
だって不安になるわよ」
「それは、その――」
 もちろん本当のことなんて言えるわけがない。
 ――他の女とセックスしまくってて、それと同じベッドでこのみと寝るなんてとてもできないんです。タマ
姉。
 沈む。絶対に海に沈む。それか埋められる。首だけ残して埋められて、隣にはのこぎりと[この者重罪人に
つき、一回ずつ引くことを許可する]なんて看板が立てられる。それとも残飯を頭からぶちまけられて、腹を空
かせた野犬を周囲に放たれるか。どちらにしても、つまりろくなことにはなりそうにない。
2237/8 日溜りの詩4:05/01/26 20:34:58 ID:LkDPSXan
「どうしたの、タカ坊。なにかお姉ちゃんに言えないようなことでもあるのかしら?」
「……その、だから、年頃の娘が男の家に泊まりにくるなんて世間的に……」
「それはまあそうだけど、貴方たちの場合は幼いときからそうなんだし、今更気にすることでもないんではな
いかしら?」
「でも、今はちゃんと付き合ってるわけで……」
「周りから見たら以前とちっとも変わってないわよ。貴方たち」
 ダメだ。タマ姉には中途半端な言い訳は通じない。こうなったらちょっとだけでも本当のことを言うべきか。
 例えば、そう、他に気になる人ができた、とか。
 いやいやいや、それも絶対ダメだ。そしたらしつこく相手を追及するに決まってる。よっちにまでたどり着か
れたら後はもう終わりだ。タマ姉がよっちを拷問してなにもかも聞き出すに違いない。
 と、なるとここがもう水際なワケで、なんとしてもここでなんとかタマ姉を説得する以外に道はない。
 じぃとタマ姉の目がこちらを突き刺している。
「はぁ、分かったよ。タマ姉。降参」
 両手を挙げて降参ポーズ。全面的に降伏――したふり。
 イヤだな。だんだんウソが上手くなってる気がする。
「素直でよろしい。で、どういうことなのかしら?」
2248/8 日溜りの詩4:05/01/26 20:35:40 ID:LkDPSXan
「このみが好きだ」
 ストレートな物言いに一瞬タマ姉は面食らったようだった。このまま押し込もう。
「――このみを抱きたい、と思うことがあるんだ」
 大嘘だった。このみには未だに性を感じることはない。ぞっとするような話ではあるのだが、ほんの一瞬足
りとも。
 タマ姉は目を白黒させた後で、かーっと真っ赤になってしまった。
「あ、あら、あらら、そ、そういうことだったの」
「でもこのみにはまだ早いと思う。だから――」
「ああ、い、いいのよ。タカ坊。そういうことだったら分かったわ。そっか、タカ坊も男なんだね」
 まだ顔を赤らめたままで、タマ姉のほうがすっかり挙動不審者になってしまった。胸に手を当ててすーはー
と深呼吸している。けっこうショックだったようだな。
「だから、タマ姉……」
「うんうん、みなまで言うな。そういうことならおじさまが出張のときはちゃんとこのみは家で預かります。この
みもちゃんと私のほうから説得する。でも朝ごはんを作りにいくくらいはいいわよね? まさかタカ坊、このみ
のエプロン姿に――」
「う、それはちょっとあるかも……」
 咄嗟に出たこの言葉すらウソだ。
「はぁぁ〜、男ってば、もう」
 大きなため息。
「分かったわ。このみのほうにはそれとなく伝えておく。けど、もし――」
 伝票を手にタマ姉が立ち上がり、びしりとこちらを指差した。
「このみの準備ができてると私が判断した場合は突貫させるから、覚悟しておきなさい」

 ――こうして俺はこのみに吐いたウソを守るために、タマ姉までも騙すことになってしまった。
 ウソは次のウソを――って話、本当なんだな。
 でも今更もう引き返せない。
 どうすればいいのか、どうなっていくのか、今はまだ分からないけど、この小さな温もりを、日溜りをまだ失
いたくはなかった。
225日溜りの詩のひと:05/01/26 20:36:22 ID:LkDPSXan
 エロ書いてると、自分のセックスを人に公開してるようで恥ずかしいですな。
 どうにも修羅場を臨まれる声が多いようですが、自分の筆力でいい修羅場が書けるのかどうか、そして修
羅場に行ってくれるのかどうか、不安は多々ありますが、これからもよろしくお付き合いくださいませ。
226名無しさんだよもん:05/01/26 20:37:52 ID:qEGorvTM
>>225
GJ!
続きが気になって今日は眠れねぇ
2277月文月:05/01/26 20:40:00 ID:UaWQJad4
リアルタイム乙です。
このこと、タマ姉にばれたら・・・あわわわわわぁぁぁぁ
228名無しさんだよもん:05/01/26 20:45:49 ID:USGiGgMm
タカ坊さいあくーぅ
でもこのスリルは癖になりそうだ(;´Д`)ハァハァ
229名無しさんだよもん:05/01/26 21:21:21 ID:cpdIs2zi
なんか別のゲームみたいだ…。
でもイイ!!(・∀・)
230名無しさんだよもん:05/01/26 21:23:23 ID:cpdIs2zi
やべ、すげー時間に書き込んじまった
231名無しさんだよもん:05/01/26 21:29:39 ID:TGb0H/0g
またそろってるよ
232名無しさんだよもん:05/01/26 21:36:25 ID:iA4PBwDG
どうなるんだよ、これから……
そのままよっちに流れたら、完璧に幼なじみグループから絶縁されるというか、タマ姉に殺されるな。
233名無しさんだよもん:05/01/26 21:50:31 ID:RKsAMjXb
タカ坊というよりWAの冬弥だな。モロ。
状況に流されすぎ。タマ姉に見つかってこのみとも破局エンドきぼんw
234名無しさんだよもん:05/01/26 22:21:43 ID:dpYzp21z
ヤバい、ヤバいよ
俺もよっちSS書いてたんですけど、日溜まりの詩の人が凄すぎて出すにだせないよ…
235名無しさんだよもん:05/01/26 22:37:19 ID:Mnoe6LoT
>>234
まああんまり気にせず出してみたまえ。良作ならみんな面白がって読んでくれるからさ。
236名無しさんだよもん:05/01/26 22:40:03 ID:9h9RBm9D
背徳感がたまらなく(・∀・)イイ!!
続きが楽しみです
237名無しさんだよもん:05/01/26 22:40:10 ID:q/OcDJuV
ヤベッ、普通に面白いわけだが、よっちち
238名無しさんだよもん:05/01/26 22:43:12 ID:Fcvnsx42
>>234
ちと重過ぎるから軽めのキボン
239愛佳鬼畜SS(いよいよ終盤):05/01/26 22:55:26 ID:Mnoe6LoT
 貴明は感情を抑えて、環にさっき教室で見たことを話した。
「そう、タカ坊の彼女にそんなことするなんて男の風上にも置けない奴だわ…」
 そう言う環の口調は冷静だったが、こめかみはヒクヒクと動いていた。
「タマ姉、俺は悔しいよ。愛佳に俺が力になれるなら何でもするって誓ったのに結局
何もできないで…俺は愛佳を助けてやりたいのに」
「分かってるわよ。タカ坊はさぞかしショックだったでしょうね…今の話、約束通り
に私の胸だけにしまっておくから安心して。小牧さんは私が助けてあげる」
「タマ姉…いいの?」
「当たり前でしょ。かわいい弟分のタカ坊が困ってるんだもん。ここはこのタマお姉
ちゃんが一肌脱いであげる」
「ありがたい、恩に着るよ」
 貴明は環が味方についてくれたことに心底感謝した。しかし
「ふふふ、久しぶりに腕が鳴るわ…」
 などという環の呟きを聞いてすぐに一抹の不安を感じたのだが。
 そして帰ってから、貴明は別のある人物に一通のメールを送った。

「はい、貴明が昨日メールで頼んどった装置やで。こんなんでええん?」
「うん、これなら十分使えるよ。ありがとう珊瑚ちゃん。それとこれはお礼の気持ち」
「わー、おおきに。こないようさんいっぺんに食べられへんけど嬉しいわー」
 翌日の昼休み、貴明は電算室で珊瑚からあんばた5個と引き換えに小型のGPSを受け
取った。送信機は親指の先ほどのサイズで、受信機もPDAほどのコンパクトなもので
ある。本来はメイドロボに搭載するパーツであったが、貴明はこれを愛佳の髪留めに
付けて、愛佳がどこに連れて行かれてもすぐ居所が分かるようにしたいと思って、付
けていても目立たないくらい小さいGPSはないかと珊瑚に相談したのだった。すると
メイドロボが迷子になってもすぐ見つかるようにと開発された小型GPSを貸すと珊瑚
は快諾してくれた。
「でも貴明、このGPS何に使うん?」
「え、いや、この間このみの犬が逃げて連れ戻すのに苦労してさ。次から迷子になっ
ても困らないようにしたいと思ったんだ。あいつはものぐさな犬でさ、普段から散歩
嫌がるもんだから土地勘が鈍いんだよ」
240愛佳鬼畜SS(いよいよ終盤):05/01/26 22:57:21 ID:Mnoe6LoT
「ふーん、貴明て優しいね。そういうとこうち大好きやわ」
 貴明が真相を適当にごまかして話しているところへ、足音が近づいてきた。
「こらー貴明ー、またさんちゃんにえっちいことしょう思て近づいとるなー!」
 嫉妬に怒り狂う瑠璃である。
「おっと、じゃあ俺まだ用があるからそろそろ失礼するよ」
「えー、うちもっと貴明と話したいねんけどなあ」
 寂しそうな目でこっちを見る珊瑚をチラリと見て、貴明は尻に帆をかけて退散した。

「今日もおいしかったよ。ごちそうさま」
 作業の合間のティータイムに、貴明はいつもより早く愛佳の淹れてくれた紅茶を飲
み干し、お茶菓子もきれいに食べてしまうとスッと立ち上がった。愛佳のほうはまだ
お茶もお茶菓子も半分ほど残っている。
「たかあきくん、今日はお代わりいいの?」
「うん、それよりもね…」
「あっ…」
 貴明は愛佳の髪留めを外し、指で髪を梳り始めた。柔かい髪の触り心地が貴明には
いつものように心地よく感じられた。
「嫌かい?」
「や、や…たかあきくんが何の予告もなしにいきなりそんなことするから…」
「俺が愛佳にそんなことするはずないじゃない。ただ…」
「ただ?」
「………愛佳がここ最近前より元気なさそうだったから。少しでも俺がこうしてあげ
ることで愛佳の気持ちが楽になったらいいなって思ってさ」
「…………」
 愛佳は黙っていたが、その顔は穏やかに微笑んでいた。陵辱されて深く傷ついた心
を貴明に癒して欲しいと思っていたことを貴明が察して、今まさにそうしてくれてい
ることが嬉しかった。
 サラサラ…サラサラサラ…
 貴明の指が愛佳の髪を何度も往復する。程よく髪がほぐれたところで貴明は髪留め
を手に取って愛佳に渡した。愛佳には気づかれないようにGPSの送信機を取り付けて。
「たかあきくん…」
「ん?」
241愛佳鬼畜SS(いよいよ終盤):05/01/26 22:59:16 ID:Mnoe6LoT
「ん?」
「ありがとう。少し気持ちが楽になったよ」
「そりゃ良かった」
「でも…あたしもう行かないと」
 時計をチラリと見て、そう言った愛佳の顔は明らかに哀しそうだった。
「ああ…」
 真相を知っている貴明は、曖昧な返事で誤魔化すしかなかった。愛佳をこれ以上傷
つけないためにも。
「(少しの間我慢してておくれ。必ず助けに行くから)」
 愛佳が出て行った後、環と合流して愛佳を助けに行こうと決意した貴明は図書室の
前で待ち構えていた図書委員長と愛佳がどこかへ消えるのを見届けてから廊下へ飛び
出した。
「こらっ、廊下を走るんじゃない」
 しかし出るや否や、運悪く貴明は通りがかりの生活指導の教師に捕まってしまった。
口うるさいことでは悪評の高い教師で、そこから長々と説教が始まる。貴明はただ早
く終わって欲しい、それだけを思いながら説教を聞き流していた。

 今日のところはここまで。果たして貴明とタマ姉は無事に愛佳を助けられるのでしょうか
(などと抜かすとなんか紙芝居のオサーンみたい)。
242名無しさんだよもん:05/01/26 23:38:48 ID:0ZHNQvuo
タマ姉まで餌食になる予感
キタイシテマツヨ
243名無しさんだよもん:05/01/26 23:50:25 ID:Ee7BnVRA
GJ!
激しく続きが気になる
244夢 1/3:05/01/26 23:53:29 ID:+qo4lGqM
放課後、書庫――
いつものように書庫整理をしているのだが今日の愛佳はいつのも彼女と何かが違う。
なんというかどこか儚げで作業中もずっと遠い目をしている。
それは休憩の時も変わらず、異様な緊張感が場を支配していた。
そんな中、ついに愛佳が重い口を開いた。

「たかあきくん、ケーキ屋さんを一人作るのにいくら必要か知ってる?」
そう自嘲するように言った愛佳の顔があまりにも悲しげだったため、一瞬 俺は返事をすることができなかった。
「…さ、さあ」
やっとのことで出した声もついうわずってしまう。そんな俺を見て愛佳は、
「ふっ…」
と冷めた笑みを浮かべ「たかあきくんにわかるはずないよね」と続けた。
そして傍らにあった干しぶどうをパクリ。
「愛佳、ケーキ屋になりたかったんだ」
「…うん、だけどね 私には無理、無理なの」
相変わらず冷めた面持ちで言う愛佳。
「そんなことなさいさ。最初から諦めることなんて――」
言いかけてふと違和感に気がつく。
ほんのつい先ほどまで愛佳のそばにあった干しぶどうが皿ごと消えていた。
そしてなぜか、かわりにスコーンの皿が。
(い、いつの間に食べたんだ!?)
これも委員ちょマジックなのだろうか。つい顔が引きつってしまう。
しかし愛佳はそんな俺に気づいてるの気づいてないのか、
「たかきくんは将来、何になりたいの?」 と話を進めた。
245夢 2/3:05/01/26 23:54:43 ID:+qo4lGqM
「将来かあ。う〜ん、どうだろ。正直言ってまだわからないよ」
「そう、たかあきくんもケーキ屋さんになりたいんだ」
いや、言ってないってば。
「ふふ、たかあきくんならきっとなれると思うよ。私と違ってつまみ食いしないから」
だからならないっての。
再び自嘲ぎみに笑いブルーベリーパイをペロリとたいらげる愛佳。
ってちょっと待て、さっきまであったスコーンはどこにいった!?
「そうだ、いいこと思いついちゃった…」
(…スコーンが消えた! スコーンが消えた! スコーンがっ…!)
「つまみ食い癖のない、たかあきくんを食べればきっと私のつまみ食いも治るよね?」
「スコーンが消えた…スコーンが消え……ってえ!?」
「うふふ…たかあきくん、いただきまぁす♪」
妖艶な微笑みをうかべ、眼前に迫る愛佳。その手には、ナイフとフォークが。
「うわあああああああああああぁあぁぁっぁぁぁっ!」
246夢 3/3:05/01/26 23:56:12 ID:+qo4lGqM
… ド テ ン!
「イテテ…」
鈍い痛みのする頭をさすり起き上がる。
「大丈夫? たかあきくん」
見上げると心配そうに俺を見つめる愛佳の顔が。
(ゆ、夢だったのか…)
ボンヤリとしていた意識が覚醒し、自分が司書官席の椅子でウトウトしてたいことを思い出す。
「たかあきくん、私が委員会に顔を出してる間に寝ちゃったみたいだね。
 なんだかうなされていたみたいだけど大丈夫?」
「ん…ああ大丈夫。ちょっと恐い夢を見ただけだから」
恐かったのは他ならぬ、愛佳だったわけだが、とてもじゃないが言えない。
「そうなんだ、よかった…」
安心したのか、ほっと胸をなで下ろす愛佳。そんな彼女のしぐさが俺には嬉しい。ただ…、
「ときに愛佳よ」
「なぁに? たかあきくん」
「先ほど委員会に顔を出してたと言っていたが、ほっぺにクリームがついてるのはなぜだ?」
「…んぐっ!」
愛佳め、俺が寝ている間に参加していたのはつまみ食い委員会だったな。

おしまい。
247名無しさんだよもん:05/01/27 00:31:02 ID:lNA1AA44
うほっいい短編
248名無しさんだよもん:05/01/27 00:31:52 ID:mXaw7TmH
GJ!!!ワロタ。
249名無しさんだよもん:05/01/27 00:54:36 ID:3Lu76e+C
こういうの好きだw
250名無しさんだよもん:05/01/27 01:29:14 ID:occHUWn2
おもろっ!!
俺も食べられたi
251雄二の人:05/01/27 12:42:27 ID:5XAOMlOV
…というわくで再びSS投下するのでオラに少しだけ時間をくれっ!!
252雄二の人:05/01/27 12:47:51 ID:5XAOMlOV
ちなみに前話は>>162
でつ。あしからず…
ではどうじょ!
253外道図書委員長の陰謀:05/01/27 12:55:59 ID:xZbPVL5b
 ああ、こうしている間にも愛佳は…早くタマ姉と助けに行きたいよ。ただそれを思
うと叱られている時間が惜しい。
「分かったな、危ないからもう廊下を走るなよ」
 この一言が教師の口から出た時貴明はやっと肩から力が抜けた。解放されて、教師
の姿が見えなくなった後で貴明は大急ぎで階段を駆け上がって3-Aの教室で待ってい
た環と合流した。
「タマ姉、遅くなってごめん。ちょっと先生に捕まっちゃってさ」
「とにかく早く行きましょう。小牧さんがひどいことされないうちに助けられるなら
それに越したことはないわ」
「いや、まずは愛佳がどこにいるのか確認しないと。闇雲に探しても意味ないからさ。
そう思ってこれを用意したんだ」
 貴明はGPSの受信機のスイッチを入れた。学校の地図がモニターに映し出される。
「えっと、ここは3階だけどここにはいないみたいだな…(やっぱり俺に見つかって
からヤバいと思って場所を変えたな)。いや、2階にも1階にも反応がないぞ。とな
ると……いたぞ、体育館だ!」
「体育館?えっと、どれどれ…ここって誰も使ってない倉庫じゃない!あそこは内側
から鍵がかかるようになってるし、悪いことするには絶好の場所だわ」
 そこは環の言った通り、使われなくなったままほったらかしにされている小さな
体育倉庫だった。最近では「ミステリ研」と称して笹森花梨という2年の女子が借り
ているという話もあったが、活動は不定期のため注意していれば内緒で使うことも
できた。図書委員長はそこに目をつけたのだろう。場所が確認できればあとは突撃
あるのみ。貴明と環は目顔で「行こう」と意志を確認し合い、無言のまま体育館へ
と向かった。また犯される前には助けたいと願いつつ。

 ガチャリ
 図書委員長は愛佳を体育倉庫に押し込めると、内側から南京錠を下ろした。
「あの…」
「何でここに来たか知りたそうだね。いいよ、教えてあげる。実は昨日、僕が愛佳君
を愛してるところを誰かに見られてね。それで場所を変えたんだ。それからまた見つ
かった時の用心にいろいろ準備もしてきたよ。この鞄の中身がそうさ。本当はこんな
ことしたくなかったんだけどね」
254外道図書委員長の陰謀:05/01/27 12:57:29 ID:xZbPVL5b
「あの……が、学校でこんなことするなんて、やっぱりいけないです」
「何だって?」
 徐に図書委員長は鞄の中から注射器とアンプルを取り出した。レッテルには「筋弛
緩剤」と小さな字で書いてある。図書委員長はアンプルにビニールのようなカバーを
被せて、ポキンとアンプルの先を折るとカバーを外して注射器で薬を吸い上げた。
「この期に及んで僕に意見するのかい君は?愛佳君は黙って僕の言うことを聞けばい
いんだよ。つべこべ言うと体までボロボロにしちゃうよ?」
「は、はいぃぃ、分かりました、分かりました。ごめ…いえ、申し訳ございません」
 注射器を突きつけられて、針を突き立てられる恐怖に怯えた愛佳は頭を下げて許
しを乞うた。
「ふん…それじゃあ今日は自分で脱いでもらおうか。もうそれくらい恥ずかしがらず
にできるよね?」
「はい…こ、これから愛佳の裸をお見せします。どうぞ心ゆくまで……お召し上がり
ください」
 震える声で前置きしてから愛佳は手を動かして制服のタイに手をかけて解き、前の
ボタンを一つ一つ外していった。その時
 ドンドン、ドンドンドン
 倉庫の扉がうるさく叩かれた。続いて怒声が飛ぶ。
『やい、開けろ、外道図書委員長!そこにいるのは分かってるんだ』
『そうよ。あなたにもう逃げ場はないわ。観念して小牧さんを放しなさい!』
「やれやれ、何でか知らないけどここも早々に嗅ぎつかれたか。全く愛の力ってやつ
は偉大だね。それに敬意を表して歓迎してあげるとするか」
 図書委員長はパイプ椅子に座って愛佳が脱ぐのを見ていたが、扉が叩かれるとゆっ
くり立ち上がって鍵を手に取り、南京錠を解除した。
 バーン
 扉の向こうに貴明と環が立っていた。図書委員長は人を食った笑みを浮かべて彼ら
を出迎えた。
「これはこれは…河野君、だったかな?それからA組の向坂さんも一緒か」
「愛佳!」
「おっと」
 貴明は愛佳に駆け寄ったが、一歩手前で図書委員長に遮られた。
255外道図書委員長の陰謀:05/01/27 13:01:16 ID:xZbPVL5b
「愛佳君のためにここまで僕を追ってきた執念は褒めてあげよう。でもまだまだ愛佳
君は調教できてないのでね。邪魔が入ると困るんだ」
 貴明の腹に固いものが当たり、ビリビリビリと音がして貴明は一声うめいたきりそ
の場にガックリとくずおれた。
「タカ坊!どうしたの、タカ坊!」
 環は慌てて貴明の側に駆け寄った。
「タカ坊!タカ坊!生きてるなら返事して!タカ坊、タカ坊ったら!」
 貴明はショックで失神しているようで、環が大声で話し掛けても体を揺すっても反
応しない。
「なに、河野君はちょっと気を失ってるだけさ。死にゃあしないよ」
「許せない…タカ坊の彼女だけじゃなくてタカ坊にまで手を出すなんて!」
 環は立ち上がって、鬼のような顔で図書委員長を睨みつけた。しかし図書委員長は
少しも動じずに涼しい顔で答える。
「ああ、噂は知ってるさ。君は子供の頃から河野君が好きで、彼を追いかけて九条院
からこっちに転校してきたってね。それはそれで結構だけど、さっきも言ったように
僕の邪魔はされたくないんだ。たとえ相手があの向坂さんでも、ね」
 図書委員長の手に握られていたのは小型のスタンガンだった。環はそれを叩き落そ
うとしたが、ほんの一瞬スタンガンの先が環の体に触れるのが早く、環も貴明に続い
て感電させられてしまった。
「きゃああ、向坂さぁん…」
 環は愛佳のか細い声と、針が頚動脈に刺さるチクリとした痛みを感じたのを最後に
気を失ってしまった。

 >>251さん割り込み失礼。例の愛佳SSの続きです。本当はここでタマ姉とタカ坊が
図書委員長をボコってハッピーエンドというのを考えてたのですが、要望があったた
めタマ姉も食われる方向に持っていってみますた。鬼畜もの本腰入れて書くのはこれ
が初めてなんで至らない点も多々ありますがこれからもお付き合いいただけると嬉し
いでつ。ではまた。
256ラッキーストライク8:05/01/27 13:03:38 ID:5XAOMlOV
しかし、そんな事はおかまいなしに春夏は話を続ける。

春夏
「でも返事は無いし、それどころか部屋の中から…その…変な声が聞こえてくるから…ね」

と、部屋に入った経緯を話す。

春夏
「まぁ、元気そうで安心したわ。」

そう言って胸を撫でおろす。

春夏
「…で食欲はある?」

正直、頭の中は恥ずかしさでいっぱいでそれどころではなかったが、部屋の中を満たすお粥のよい匂いにお腹が『ぐぅぅ〜』と反応する。

貴明
「あっ…ははは…いただきます」
257雄二の人:05/01/27 13:06:00 ID:5XAOMlOV
やばいかぶったorz
258名無しさんだよもん:05/01/27 13:12:57 ID:/kupZYS5
なんか鬼畜ばっかだな。悪いとは言わんがここで東鳩らしいハートフルなのを
どーんと一発たのむよ。
259名無しさんだよもん:05/01/27 13:20:19 ID:kTv5H97P
>>258
よし、258、オマイの力作を待ってるぞ。
260雄二の人:05/01/27 13:38:30 ID:5XAOMlOV

(もう…いいのか?)
   Oo。.(□`)
261外道図書委員長の陰謀:05/01/27 13:40:28 ID:xZbPVL5b
どうぞ。俺次は夜までうpせんから。
262名無しさんだよもん:05/01/27 14:01:44 ID:occHUWn2
>>258
どーんと一発だな?
263ラッキーストライク9:05/01/27 14:01:49 ID:5XAOMlOV
貴明
「あっ…ははは…いただきます」

素直に布団から出てテーブルの前に座る。
貴明
「じゃあ…いただきます」

そう言ってお粥を口にする貴明。
ふぅ〜ふぅ〜…できたてのお粥を口にする。

春夏
「どう?春夏さん特製お粥の味は?」

俺の隣に腰を下ろした春夏さんが料理のデキを聞いてくる。

貴明
「はふっ…。はひ!ほひひいへふ!!」

春夏
「もー。ちゃんと飲み込んでから返事なさいな…」

立場上、行儀の悪さについて叱りはするもののおいしそうにお粥を口に運ぶ貴明に満足そうに微笑む春夏。
264ラッキーストライク10:05/01/27 14:16:05 ID:5XAOMlOV

しばらく無言の時間が続く。部屋に響くのは貴明が食事をする音のみ。

春夏
「ねぇ…タカ君…」

が沈黙はそんな春夏の一言により破られる。

春夏
「どんな本…読んでたの?」

『ブブーッ!!』

口の中からお粥が豪快に飛び出す。

貴明
「うへっ…なっ!なんっすか、いきなり!!」

突然の問いにしどろもどろになる貴明。

春夏
「ふふっ。だから、私が部屋に入る前に『どんな』本を読んでたの?」

どんな…の部分を強調し、再度尋ねてくる。

265ラッキーストライク11:05/01/27 14:40:46 ID:5XAOMlOV
貴明
「か、勘弁してくださいよ〜!」

春夏
「あらっ?別にいいじゃない。」

と言う春夏の顔は妙にニヤニヤしている。

貴明
(うっ…あの顔は何かたくらんでる時の春夏さんだ。)

春夏
「タカ君もそういうお年頃かぁ〜。」

貴明
「も、もう!からかわないで下さいよ!」

軽く泣きが入る。
しかし、春夏は追撃の手を緩めてはくれない。

春夏
「…で、うちの子とはどこまでいったの?」

『ブブブーーーッ!!』
再度お粥を吹き出す。

貴明
「どっ、どこにもいってないです!って言うかいきません!!」

そう…本当にこのみとは何もしてない。
そりゃ…ゆくゆく、このみとはそういう事をしたいとは考えてはいるが。
266名無しさんだよもん:05/01/27 14:46:18 ID:5XAOMlOV
今日はここまでにしときまつ。

正直、先の展開がorzでつ。
2パターン考えているのでつが…。
気長に待ってて下さい
267名無しさんだよもん:05/01/27 14:47:03 ID:dqbNXEG8
おおーGJ
ものっそい期待してますぞ
268名無しさんだよもん:05/01/27 14:51:39 ID:y9LTSOyx
ようやく愛佳が救われるのかと思えば…
まだ鬼畜は続くのか。

つか、あれって「要求」なん?
269名無しさんだよもん:05/01/27 15:15:12 ID:occHUWn2
(・∀・)ニヤニヤ
(  ̄ー⊂ヽ
270外道図書委員長の陰謀:05/01/27 18:20:06 ID:xZbPVL5b
「ん………」
 数十分後、体育倉庫の床の上で仰向けに倒れていた環は少しずつ意識を取り戻して
いった。天井の蛍光灯、折り畳み式の机、ロッカーがぼんやりと視界に浮かんで、そ
れがはっきり見えてくる。心なしかさっきより涼しい感じもしている。傍らにいる図
書委員長、愛佳、貴明の姿も見えてきた。
「ようやく目が覚めたね、向坂さん」
「くっ、よくも私やタカ坊を…はっ」
 環は立ち上がって図書委員長を攻撃しようとしたが起き上がれない。体の力が抜け
たまま入らないかのように。
「邪魔が入ることも考えて筋弛緩剤を用意しておいてよかったよ。向坂さんの恥ずか
しい写真も撮れたしね」
 図書委員長はカメラ付き携帯電話を胸のポケットから取り出した。制服を着たまま
ノーパンで足を広げている環、ボリュームたっぷりの裸身丸見えのオールヌードの環、
更に割れ目を指で広げてピンク色のビラビラが見えるようにされた環…環の痴態がス
ライドショーのようにモニターに映し出される。加えて今、環は自分が真っ裸にされ
ていることに気づいた。
「へ…へ……変態!卑怯者!腐れ外道!こんなことして恥ずかしくないの?後で覚えてら
っしゃい。ただじゃすまさないんだから!」
 大声で叫ぶ環。それが薬で体の自由が利かない今の彼女に出来る精一杯の抵抗だっ
た。それしきの抵抗が図書委員長に通用するはずもなく、
「ふうん、これで僕と愛佳君のことを黙っていてくれるなら河野君と向坂さんには何
もするつもりはなかったんだけど…」
 図書委員長は蛇のような目で環を見て続けた。
「僕は気が変わったよ。向坂さんにも僕に逆らわないようになってもらおうか」
「な、何よそれ、ふざけてるの?だれがあなたなんかに屈服するもんですか!」
「何だって」
 図書委員長は環の怒声を背に無言でしばらく鞄の中を探っていたが、安全剃刀と
シェービングクリームを手にして愛佳の股間の前にひざまずいた。
「おまんこに毛がこんなに生えてる年で子供みたいに怒るなんてみっともないね。
そんな娘はパイパンのほうがお似合いだよ」
271外道図書委員長の陰謀:05/01/27 18:22:42 ID:xZbPVL5b
「んーんー!んんんんんーんー!」
 パイプ椅子に手足を縛り付けられ、猿轡までかまされた貴明が横から声にならない
抗議を上げる。
「ちょっと静かにしてくれないかな?」
 図書委員長は一旦貴明の側に寄って耳元でささやいた。
「愛佳君や向坂さんは女の子だから程々にしてるけど、男の君には僕は遠慮しないか
らね。あんまり僕を怒らせると死ぬかもしれないよ。向坂さんに注射した薬、あれを
君にも打とうか。あれは量を間違えると死んでしまうしねえ…」
 訥々と恐怖を語られると怒鳴られるより却って恐ろしく感じられるもので、貴明は
それでおとなしくなってしまった。それから図書委員長はさっきの位置に戻って環の
脚を広げると手にシェービングクリームを出して、環のヘアに塗りたくっていった。
恥丘を泡まみれにして、割れ目の周囲まで丁寧に泡を伸ばしていく。
「ひ、ひぃぃ…そ、そんなところ触らないで」
 クリームの冷たい感触とこれから剃毛されるという恐怖からくる悪寒に震える環。
図書委員長は容赦なく環の泡まみれの恥丘に安全剃刀を宛がった。
「いいかい、暴れたらおまんこに傷が付くよ。じっとしててね」
 図書委員長は環の恥丘を剃刀で撫でて行った。スーッ、スーッと環のヘアが剃り落
とされていく。
「う、ううぅ(ミイラ捕りがミイラにされてしまうなんて…こんなのってないわよ)
……」
 環は剃毛されながら悔し涙に咽んでいた。ヒクッ、ヒクッと嗚咽も喉から漏れてく
る。
「ほら、もっと脚を広げないとおまんこの周りの毛を剃れないよ」
 図書委員長は環の脚をいっぱいに広げて、割れ目に指を入れてめくり上げて股間の
毛を剃り落とした。図書委員長の指が環の膣の中で動いて、感じるところを突いた。
「あ…やめて、そんなとこ…ああっ」
「毛を剃られて感じてるのか。向坂さんも牝犬の素質ありそうだね」
 環が嬌声を上げるや、図書委員長はニヤニヤ笑ってわざと膣に入れた指をクネクネ
動かした。感じた環の蜜壺が潤ってきて、ヘアを剃り落とす音にクチュクチュという
音も混じってきた。
「あ、んんん、あっ、あ、あぁぁ…」
「よし、これできれいに剃れたな。また記念に一枚撮っとくか」
272外道図書委員長の陰謀:05/01/27 18:25:41 ID:xZbPVL5b
 カシャッ
 図書委員長はカメラ携帯で幼女のように無毛になった環の秘部を撮影した。
「ほら、向坂さんのツルツルのおまんこ見てごらんよ」
 図書委員長が環に突きつけた携帯のモニターには、パイパンにされて恥辱に泣く
環が映っていた。
「い、嫌あぁ!」
 モニターから顔を背けて、恥ずかしさと悔しさで俯いて泣く環。
「河野君も見てごらん。向坂さんのパイパンのおまんこ」
 図書委員長は環を後ろから抱き抱えて、貴明に環の股間を見せつけるように脚を広
げてみせた。環が泣き喚く。
「タカ坊、見ないで、見ちゃ嫌!恥ずかしいから…」
 無毛になった環の股間は線を引いたような割れ目が丸見えになっている。ただでさ
え環のヌードに反応して勃起していた貴明の物は、割れ目を見て一段と勃起してしまっ
た。
「おやおや、やっぱり河野君は男の子だね。こんなに大きくして…そんなに向坂さん
としたいんだ」
「…………」
 既に愛佳という一筋と決めた相手がいる貴明は黙っていた。もちろん他の女の子と
セックスして愛佳に悲しまれたくなかったのが一番の理由だが、貴明に片思いしてい
たけど結果的にごめんなさいされて身を引いた環と交わることで環も傷つけてしまう。
それは貴明としても耐え難いことだった。愛佳を助ける計画が失敗して、文字通り手
も足も出ない今の貴明にはどうすることも出来ない。そんな思いを図書委員長が斟酌
してくれるはずもない。
「ほら向坂さん、タカ坊君のおちんちんをかわいがってあげてよ。前からタカ坊君を
愛してあげたかったんでしょ」
 図書委員長はそう言って、環を貴明の前に引っ立ててきた。
273名無しさんだよもん:05/01/27 18:53:31 ID:kTv5H97P
ドキドキワクワク
続きを楽しみにしておりますばい。
さてこちらも投下。9コマです。
2741/9 日溜りの詩5:05/01/27 18:54:51 ID:kTv5H97P
 タマ姉にウソを吐いたその日以来、このみが朝食を作りにくるのが週2回に減り、その分よっちと会う時間
が増え、やがて夏休みになった。
 最初はよっちの襲来が大幅に増えるのではないかと危惧したものだったが、夏休みには夏休みなりのス
ケジュールというものがあるのだろう、恐れていたほどの増え方ではなかった。訪ねてくるときのルールもで
きた。とは言っても簡単かつ単純で、よっちが俺の携帯に電話をして出なかったら来ないというだけだ。携帯
は事実上このためだけに契約した。どうせ他にはほとんど使うこともないのでプリペイド式だ。当たり前のよ
うなこんなことがこれまで実践されてなかったという事実が恐ろしい。そして俺は携帯を必ずマナーモードに
しておくようにしている。
 人間、慣れというのは恐ろしいもので、セックスしながら「今このみがチャイムを押したらどうするか?」とい
うようなことをクスクス笑いながら話もした。そういう会話からよっちは玄関に脱ぎっぱなしだった靴を、せめ
て下駄箱に隠すようになったし、カバンをリビングに置きっぱなしにして俺の部屋にやってくることもなくなっ
た。
 また俺は俺で、風呂の排水溝や、部屋の隅によっちの髪の毛やらを見つけて以来こまめに掃除をするよう
になった。これはこのみにも好評だったようで、結果的にこのみがいなくてもちゃんとやろうと思えばやれる
ところを見せられたようだ。
 そして家でのこのみとの時間が減った分、外でのこのみとの時間を大事にするようになった。どこかに出
かけるときに、あえて駅前で待ち合わせたりして、物語に出てくる恋人たちのマネっこみたいなことまでし
た。
2752/9 日溜りの詩5:05/01/27 18:55:34 ID:kTv5H97P
 プールに行った。
 このみは水しぶきを上げながら、怒涛の勢いで泳ぎまくっていた。そのうち水泳部からスカウトでもやって
きそうな勢いだったが、どちらかというと単に浮かんでいるだけの人が多いようなプールでその全力水泳は
はた迷惑なだけだ。
「タカくん、タカくん、こっちからあっちの壁まで競争だよ!」
 言うや否や水中に身を投じるこのみ。おまえは抵抗がないからそんなに速いんだ。

 なぜか山登りにも付き合わされた。
 これの提案は当然というかタマ姉。頂上でキャンプするとか言い出さなかったのが僥倖、当然のように荷
物は俺と雄二が持つことになっていたからだ。それでもへーこら言いながら上りきった山の空気はとても美
味しかった。
「じゃ〜ん。このみ特製タカくんお弁当〜」
 そして久しぶりに食べるこのみのお弁当が絶品だったのもまた事実だった。

 映画を観にも行った。
 夏に封切された娯楽超大作を俺は観たかったのだが、このみは友人に薦められたというファンタジック恋
愛映画を主張して譲らなかった。それは永遠の命を与えられた男が、年老いて死んでいく妻に「永遠に君を
探し続ける」という約束をして、幾たびも転生する彼女と、幾たびも出会い、幾たびも恋に落ち、幾たびも彼
女を失っていくという話だった。
「う゛〜〜、悲しすぎるよぉ〜」
 ハンカチをぐしゅぐしゅに濡らすこのみ。
「でもよく何千年も主人公は彼女のことを愛し続けるよなあ。他にいい女が現れたりしなかったのかな?」
「ダガぐん、なに言ってるの〜」
 俺の素朴な疑問ごと、鼻水をティッシュでち〜ん。
「もしこのみが永遠に生きられたら、永遠にタカくんを愛し続けるよ。もしタカくんが先に死んじゃって、いなく
なってもずっと。ぜったいだよ」
 勝手に先に殺すな。とは言わずに「ん、頼むな」と言って頭を撫でた。
2763/9 日溜りの詩5:05/01/27 18:56:16 ID:kTv5H97P
 海にも行った。
 とはいっても流石に混雑した海じゃこのみの爆走泳法も発揮されることはなく、どちらかというと普通の行
楽となった。つまり腰ほどの深さで海水の掛け合いをしたり、ビーチボールを投げあったり、お日様の下で寝
転んだり、値段だけが高くて不味い焼きソバを食べたりした。
「いやぁ海で食べるかき氷は絶品ですなあ」
 しゃくしゃくとこのみがかき氷にストローを突き刺して口に運ぶ。とりあえずそれが500円もしたという事実
は忘れよう。うん。

 花火大会を見にも行った。
 このみは浴衣姿で、二人で河川敷に手を繋いで立った。このみは人ごみに呑まれて、周りがほとんど見
えないというので、少しでも空の見える場所を探して人ごみを掻き分けているうちにどーんどーんと花火は打
ち上がり始めた。
「タカくん、綺麗だね……」
 電線の向こうに見える花火にはなってしまったけれど、空で弾ける花火をその眼に映してうっとりとするこ
のみを見ていると走り回った苦労も報われたというものだ。

 水族館にも行った。
 このみとも何度か来ているが、彼氏彼女として来るのは始めてだ。ほとんどが見たことの展示のはずなの
に、このみはうっとりと泳ぎ回る魚たちに見とれていた。

 お祭りにも行った。
 夜店をハシゴして、リンゴ飴を買って、お面を買って、ヨーヨー釣りをして、金魚を掬った。このみは超絶不
器用振りを発揮して、次々とポイをただの輪っかへと変貌させたが、結局夜店のおっちゃんがおまけしてく
れた一匹を可哀相だからと返した。神輿担ぎの熱気に当てられて、盆踊りも踊った。それから夜店で買った
花火を庭でして遊んだ。
「ほらほら〜タカくん、見て見て〜〜」
 このみは噴出し花火を両手に持って虚空にたくさんの丸を描いて走り回った。
2774/9 日溜りの詩5:05/01/27 18:56:59 ID:kTv5H97P
 遊園地にも行った。
 絶叫マシン全制覇を宣言するこのみの所為で、走り回ることになった。絶叫ということでこれは忘れてはい
けないだろうと無理やりお化け屋敷にも連れ込んだ。案の定というか、このみが本当に絶叫をあげたのはこ
こだけとなった。
「う〜、タカくんいじわるだよぉ」
 涙目で腕にすがりついてくるこのみの頭をゆっくりと撫でた。

 買い物にも付き合わされた。
 服とかバッグとかでも見るのかと思ったら、相変わらずのファンシーショップに連れて行かれ、またしても生
気を奪われまくる結果となった。分かってやってる気がしないでもない。憔悴しきってベンチでうなだれる俺
の横でこのみは手に入れた丸っこいニワトリのぬいぐるみを色んな角度で眺めて喜んでいた。疲れはしたけ
ど、その嬉しそうな顔で報われた気がした。
「タカくん、ごめんね。疲れちゃった?」
 気にしないでいい、まだ見たいものあるんだろ? というと、このみは横に首を振って「帰ろ」と言った。
 気を使わせてしまったのかもしれない。それでふと思いついて、目に留まった露天で足を止めた。並んだ
アクセサリーから時間を使わずにあまり派手でないイヤリングを選ぶと間髪いれず金を払って、そのままこ
のみの手に渡した。
「タカくん?」
 色々世話になってるからな。それのお礼だ。
「本当に!?」
 本当もなにも、もう買っちまっただろ。
 このみは目を大きくして嬉しそうに笑うと、それを大事そうにバッグにしまった。
「ありがとう! タカくん。大事に、大事にするね!」
 それからふたりで並んで帰った。
2785/9 日溜りの詩5:05/01/27 18:57:41 ID:kTv5H97P
「ありがとう、タカくん、またね」
 このみが手を振って家に入る。まああんなに喜んでくれたのなら本望だ。満足した思いで家に入る。
 ああ、疲れた。
 だがそれは心地よい疲れだ。
 夏休みはもう半分近く終わっていた。だがこれだけ充実した日々をすごしてまだ半分しか過ぎてないとも
思う。
 部屋に戻ると、置いていった携帯に着信履歴と受信したメールがあった。この携帯に電話してくるのなん
て一人しかいない。メールを開くと、
[お暇なときに電話くださいッス!(^o^)ゝ]
 と、当然よっちからのメール。すぐに着信履歴から通話ボタンを押した。
 ――もうなんとも思わなくなってる自分がいることに気付きもしていなかった。
 20分ほどでチャイムが鳴った。電話の後は鍵を開けるようにしているので勝手に入ってくるだろう。階段を
下りるとちょうどよっちは自分の靴を靴箱の中に隠しているところだった。
「センパイ! こんにちはッス!」
「おっす」
「今日も暑いッスねー」
 まったくだ。とりあえずリビングに通して冷たい麦茶でも飲むことにする。
「にしても早かったな。どこにいたの?」
「駅前のゲーセンでちゃると遊んでたんス。でもセンパイから電話があったから飛んできたッスよ」
「そんなことして大丈夫なの?」
「もぉ、まーったくのもーまんたいッス」
 よっちはビシリと敬礼を決めてみせた。
2796/9 日溜りの詩5:05/01/27 18:58:24 ID:kTv5H97P
「あん、センパイってばもう、すぐこれッスね」
「イヤ?」
「イヤじゃないッスけど、んっ」
 耳朶にキスをしながら、シャツのボタンをひとつずつ外していく。
「したくなかった?」
「そんなワケないじゃないッスか、……いぢわる」
 大きく開いたシャツの隙間から手を入れて、よっちの豊かな膨らみを弄ぶ。耳朶から首筋へとゆっくり唇を
這わせていく。
「ふぁ……」
 よっちの体がぴくりと震える。
 指の動き、唇の動きで、ひとりの女を快楽に身悶えさせるという快楽――。
 震える唇から発する吐息、上気する肌の色、潤む瞳、固く尖る乳首、湿り気を帯びる性器、快楽の反射た
るそれらすべてが男の快楽でもある。支配欲、だ。
 欲求の求めるままによっちの肉体を貪る。実際にその肌に歯を立てる。強く吸い印を付ける。これは俺の
女だ、と。その儀式の伴う小さな痛みすら今のよっちには快楽であるのが、肌を通して伝わってきて、それも
また男の快楽にとっての贄となる。
「んふぅ……、もう、センパイばっかりズルイっすよ。あたしもするッス」
 どんと突き飛ばされて、拘束からよっちが逃げ出したかと思うと、にやにやと笑みを浮かべたよっちが手早
く俺のを取り出して口に含む。
「よっちはホント舐めるの好きだな」
「そッスよ。本当は24時間だってセンパイの舐めてたいんスから」
 優しい愛撫、そのお礼によっちの髪を撫でる。よっちはこうされるのが本当に好きだ。
「それじゃ今日は舐めるだけで帰るか?」
「んもー、ホントいじわるなんスから。そういう意味じゃないッスよ!」
 ばっと立ち上がると、よっちはスカートの中に手を入れてスルリとショーツを脱いだ。そしてそのまま俺の上
にまたがってくる。
「一番イイのはこれッスよ」
2807/9 日溜りの詩5:05/01/27 18:59:07 ID:kTv5H97P
「あん、センパイ、気持ちいいッスか? 気持ちいいッスか?」
 俺の上にまたがって腰を振りながらよっちが尋ねてくる。
「すごく気持ちいよ」
「良かった、あぅ! ああっ、んっんっ」
 献身的に腰を振り続けるよっち。その姿を心から愛しいと思う。たまに下から突き上げてやると、嬌声を響
かせてぐたりと力が抜けるのもまた愛しい。そうやってどれくらい愛し合っていただろうか。
 もうお互いの肉も心も解け合って、ぐちゃぐちゃに入り混じっていた――

 から

 気付かなかったのだ。

 ――がしゃん。

 その陶器の割れる音が響くまで――。

 ふたりの呼吸が止まって、玄関のあるほうの扉が開いていることに気付くまで――。

「――あれ?」

 このみがそこに立っていることになんて――!
2818/9 日溜りの詩5:05/01/27 18:59:50 ID:kTv5H97P
「あれ? わたし、タカくんにお夕飯のおかず持ってきてあげようとして――」
 このみが視線がゆっくりと自分の足元に落ちる。
「あれ? 落としちゃったんだ。どうしてだろ。ごめんね。わたし、ドジだから――」
 言葉が出ない。
 体が動かない。
「あれ? どうしてタカくん裸なのかな?」
 呼吸すらできない。
 俺の上ではよっちも完全に固まっている。ふたりは結ばれたまま固まっている。
「あれ? どうしてよっちがここにいるの?」
 このみがふらふらと歩み寄ってくる。
 来るな! 来ないでくれ!
 しかし言葉が胸の重みにつっかえて、出てこない。
「あれ? タカくん、よっちとなにしてるの?」
 もうこのみは手の届く距離にいる。
 なんとか言葉を見つけないと、そう思って、必死に喉に言葉を押し込もうとしたとき、このみの耳で光ってい
るのが、俺が今日プレゼントしたばかりのイヤリングだと気がついた。
 ――ああ、よく似合っている。派手なの選ばなくて本当に良かったな。
「このみ! ゴメン!」
 先にこの呪縛から抜け出したのはよっちのほうだった。しかしその言葉を聞くや否やこのみの目に生気が
戻ったかと思うと――
 パンッ!
 振り上げられたこのみの手がよっちの頬で乾いた音を立てた。
2829/9 日溜りの詩5:05/01/27 19:00:33 ID:kTv5H97P
 このみが、よっちを、殴った――?
 それが理解できない。このみが誰かに手をあげるなんてそんなこと考えられない。現実味がない。現実味
がない。なにもかもが現実味がない。
 ぼろぼろとこのみの目から涙が溢れてきて、両手で顔を覆うと、このみは踵を返して走り去った。
 バタンッ!と強くドアが閉められる音がして、このみがいた痕跡は床に散乱した陶器の破片と、湯気をた
てる肉じゃがだけになる。
「あ、あ、あ、どうしよう。センパイどうしよう。あたし、あたしこんなつもりじゃなかったのに」
 叩かれた頬を押さえ呆然とするよっち。でも今はこのみを――。
「センパイ、あたしこんなつもりじゃっ」
 しかし起き上がろうとした俺の体をよっちの手が押さえつける。
「よっち!」
「センパイ、本当なんスよ。あたしはただ、ただ……」
 そう言って腰をゆっくりとグラインドさせはじめる。
「このみを傷つけるつもりなんてなかったんスよ」
 萎縮していたものが、刺激を受けてゆっくりと屹立する。こんなときでも肉体は刺激には素直に反応する。
「あたしは、本当に――」
「よっち!」
 引き剥がそうとして、伏せられたその頬に涙が伝っていることに気がついた。
 よっちの腰が引き上げられて、ぱんっ、と強く叩きつけられる。
 時間が経ちすぎていて乾いた性器同士は摩擦がありすぎて、その動きはもう苦痛でしかない。
「センパイ、どうしよう。このみに嫌われちゃう。あたし、このみに嫌われちゃうよ」
 涙が頬を伝って顎からぽたぽたと俺の体に落ちてくる。
 ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ、と、よっちの動きの度に鈍い痛みが下半身を襲う。
 動けなかった。
 自分自身に槍を突き刺して懺悔するよっちの姿に、俺はこのみを追いかけられなかった。
283日溜りの詩のひと:05/01/27 19:01:15 ID:kTv5H97P
 文章を短めにするように注意して、ショートストーリーになるように心がけてますがどうなってますやら。違う
よ、えっちシーンを書くのにもう疲れたわけじゃないんです、のよ? 作中では書かなかったがキスマークに
関しては気をつけような。下手につけると最中でも本気で怒られるから(´・ω・`)ショボーン
 24時間だって舐めてたい、は、メル友のセリフを頂きました。微妙に感謝。他にも名言はあるんだけど、ア
ンタM過ぎですから、使えません。
 とりあえず気になってるのは自分がこのペースでうpすることで他のSS作家さんが気後れちゃってないか
なってことなのデスガ、どしどし書き込んで欲しいッスよ。特に連載が目立っちゃってるので単発や、1レス
で終わっちゃうような話もバシバシ読みたいッス。
 初心者だからとか、文章が下手だとか、気にせずに溢れる想いをぶちまけてくださいッスよー。
284名無しさんだよもん:05/01/27 19:01:33 ID:r3nrb9Mm
ついに修羅場北ー!!
285名無しさんだよもん:05/01/27 19:02:25 ID:2JkzR2UU
しゅらヴぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜(・∀・)イイ!!
286名無しさんだよもん:05/01/27 19:03:09 ID:g5vxYvEu
WAキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
こ・の・み!こ・の・み!これでタマ姉が来れば完璧よ〜。
287名無しさんだよもん:05/01/27 19:08:10 ID:g5vxYvEu
>>284
出し控えてる人もいるのかも。流れが流れだけにw
直接エロいのもいいけど、日常でみせるソフトエロってのも読みたいですなぁ。
どんどん投下して欲しいものです、ハイ。
288名無しさんだよもん:05/01/27 19:09:16 ID:g5vxYvEu
>>283だった。スマソ
289名無しさんだよもん:05/01/27 19:36:17 ID:occHUWn2
∩( ・ω・)∩飛んでったー
290名無しさんだよもん:05/01/27 19:56:15 ID:/NcWkKVI
>>287
まさにそれです。しかも、よっちSSなだけに内容がちょっとかぶっちゃってるかも。ジャンルはエロ無し&純愛系?なんだけど
けっこう長くなりそうで、まだ書き終わってないんですよね。
とりあえず様子見ながら投下します。

何はともあれ日溜まりの人&鬼畜愛佳の人GJ!
291名無しさんだよもん:05/01/27 19:58:43 ID:1TRjv3Rq
もうちっと待とうかと思ってたけどいいや。
愛佳ED後。初めては無事終わって何度目か。
292名無しさんだよもん:05/01/27 19:59:20 ID:33mExvPI
∩(´∀`)∩ よっちの時代。これがVIPクオリティ。
        よっちの世界。これがVIPクオリティ。
        謹んで日溜まりの人をよっちスレの名誉職人と認定させて頂きます。
2931:05/01/27 19:59:49 ID:1TRjv3Rq
 カーテンを閉めると、書庫の中は昼でもけっこう薄暗くなる。
 なんでも直射日光は本を傷めるのだとかで、カーテンの布地も少し厚めのものが使われているらしい。
 入り口のスイッチで照明を消した愛佳がソファに掛けるのを待って、ゆっくりと唇を重ねるだけのキスをする。
 唇を離すと、愛佳の頬が上気しているのが暗がりの中でもわかった。
「愛佳の唇、甘い」
 思ったままの感想を漏らす。
「え、そうかな」
「きっと、いつもお菓子ばっかり食べてるからだな」
 答えに困る愛佳をからかうようにそう続けると、
「そ、そんなに食べてないよぅ」
 愛佳はすねたように口を尖らせた。
「いいじゃん、美味しいって言ってるんだから」
「でもぉ」
「もっと欲しいんだけど、ダメかな」
 まだ納得しきれない様子の愛佳に少し強引に詰め寄る。
「ふう、しょうがないなあ」
 愛佳は少しわざとらしくため息を吐き、苦笑してみせると目を閉じた。
「ん、ふ」
 今度はそっと愛佳の口の中に舌を忍ばせていく。
 愛佳は一瞬だけ、ぴくんと体を硬直させたけれど、すぐに力を抜いてそれを受け入れた。
 ちゅ、くちゅっ、ちゅっ。
 舌を絡ませ吸い合う音がやけに大きく感じる。
 ふん、ふん、と少し荒くなった愛佳の鼻息が顔にかかる。
 全身を小さく震わせて俺にしがみつく愛佳。
 俺はそれをそっとソファにもたれさせると、唇を離し、今度は首筋に吸い付いた。
2942:05/01/27 20:00:39 ID:1TRjv3Rq
「んんっ」
 服の上から胸をやわやわと揉みしだく。
「んふ、ぅうっ」
 愛佳は口元に手を押し付け、懸命に声を押さえようとする。
 うかつに大声など出して、隣の図書室に聞こえたら大変なことになってしまう。
「服、脱がすよ」
「え、あ、ちょっ」
 愛佳の同意を待たず、制服の上着の裾に手を掛ける。
 ゆっくりと持ち上げていき、下着が露わになったところで手を止めた。
 ドアに鍵は掛けてあるものの、万が一誰かが急に入ってきたときのことも考えて全部は脱がさない。
「愛佳、服持ってて」
「あ、うん」
 反射的に頷いてしまい、愛佳は仕方なく制服を押さえる。
 こういうとき押しに弱い性格は大変だよなぁ、などと他人事のように思いながら、俺は愛佳のブラを摺り上げた。
「や、ダメぇっ」
 細身な外見からは意外に思える大きさの、真っ白い乳房が零れ出る。
「は、恥ずかしいよぅ」
 消え入りそうな、小さな声。
 手で顔を隠そうとして服が余計に持ち上がってしまうことに気付き、更に顔を真っ赤にして硬直してしまう。
 俺はその様子を見て、
「愛佳、かわいいよ」
 そう囁くと胸に唇を寄せ、白い肌に吸い付いた。
「ひぁっ」
 ぴくん、と体を震わせる愛佳。
 ちゅ、ちゅ、と吸いながら唇を頂点に向けて少しずつ滑らせていく。
「ここ、膨らんできたよ」
 刺激を受けてぷっくりと勃ってきた乳首を指先でそっと擦る。
「そ、そんなこと、わざわざ言わないでぇ」
 親指と人差し指で乳首を摘み、きゅっきゅっと抓る。
「ふぁあんっ」
 口に含み、舌で転がすと、びくびくと体中を震わせて応える。
2953:05/01/27 20:01:59 ID:1TRjv3Rq
 不意に、俺の体に愛佳の膝がちょんと当たった。
 視線を落とすと、愛佳は両脚をもぞもぞと擦り付けている。
 俺は閉じた両膝の間にすっと手を滑り込ませた。
「あっ」
「こっちも触って欲しい?」
 俺の質問に、愛佳はぷいっと顔を背けた。
「ちゃんと、触って欲しいって言ってくれたら触ってあげる」
 少し意地悪く言ってみる。
 愛佳は少しの躊躇の後に、
「触って、ほしいの。たかあきくんに」
 小さな声でそう言って、泣きそうな顔で俯いた。
「よくできました」
 俺は伸び上がって愛佳の耳元でそう言うと、真っ赤な耳朶にちゅっとキスをした。
「ひゃんっ!」
「脚、開いて」
 俺の言葉に従って、ゆっくりと脚を広げていく。
 小刻みに震える脚は、両膝の間に拳一つと半分くらいがようやく入るか、といったくらいで止まった。
 開いた内腿に手を這わせて、触れるか触れないかといった感じで撫でる。
「く、ぅんんっ」
 そうしながら、少しずつ脚の隙間を拡げていき、体を潜り込ませた。
 脚の付け根、大事なところを隠す布地に指で触れる。
「あ、や、ダメぇっ」
 薄い布を通して伝わる、湿った感触。
 俺は指を立てて、布の向こうの柔らかい丘をふにふにとつついた。
「や、あああっ」
 割れ目に沿って上下に擦る。
「その触り方、なんかえっちだよぉ」
 そりゃあ、えっちなことしてるんだしなあ。
2964:05/01/27 20:03:08 ID:1TRjv3Rq
 ショーツの両端に手をかけて、するすると脱がしていく。
「愛佳、ちょっとお尻上げて」
 言われるままに愛佳がお尻を浮かせている間に、ショーツを抜き取って膝の辺りまでずらす。
 途端に、中に籠もっていた蒸れた匂いが溢れ出し、鼻孔を刺激する。
 右脚からショーツを抜き取ってその奥を覗き込むと、そこは蜜に濡れてひくひくと蠢いていた。
「んっ」
 慎重に指で触れ、押し広げる。
「あ、あんまり、見ないで……」
「どうして? すごく綺麗なのに」
 言いながら舌を伸ばし、零れ出る蜜を舐め取る。
「ひぅうんっ!」
 幾度か肌を重ねてはいるし、こういう行為だって初めてじゃないけれど、それでも見られるのは恥ずかしいらしい。
 部屋を暗くしているのも、愛佳が「明るいところで裸なんて見られたら恥ずかしくて死んじゃうよぉっ!」と懇願してきたからなのだ。
「こっちも甘い」
 舌の動きに合わせて喘ぎを漏らしていた愛佳はそれを聞いて、
「お菓子、控えようかな」
 ぽそっと呟いた。
 いや、そういうのとは違うんだけどね。
 いかにも愛佳らしい心配の仕方に、ふふ、と笑ってしまう。
「食べてないんじゃなかったっけ?」
「え? う、うん、食べてないよ?」
297名無しさんだよもん:05/01/27 20:03:52 ID:1TRjv3Rq
 んー、そろそろいいかな。
 こっちももう我慢するのが辛くなってきたし。
「愛佳、そろそろいくよ」
「あ、ちょっと待って」
 ファスナーを下ろしていきり立った剛直を取り出そうとする俺を、慌てた仕草で愛佳が押し留めた。
「あの、あのね」
 真っ赤な顔で俯いて、言いにくそうにもごもごしている愛佳。
「その、いつもしてもらってばっかりじゃ申し訳ないから、その、今日はあたしが、えと、してあげようかなって」
 一息に言い切る。
 って、え?
「ほ、ほら、そっちに座って」
 ぐいぐいと押され、俺はテーブルに腰掛けた。
 その脚の間に素早く潜り、愛佳はファスナーを下げる。
「わ、ちょっと待った」
 時既に遅く、解放された俺のアレがびんと勢いよく飛び出した。
「きゃ !?」
 突然、凶悪なものを鼻先に突き付けられ、一瞬愛佳が硬直する。
「ご、ごめん」
「あ、ち、違うの、ちょっとびっくりしただけ」
 愛佳はそう言って、改めてしげしげとそれを眺めた。
「こんなのが、いつもあたしの中に……」
 そして一回ごくりと息を飲むと、
「そ、それじゃあいくね?」
 すっと立ち上がった。
 はずが、すぐに膝が崩れて俺に向かって倒れ込む形になってしまう。
「大丈夫か? 無理しなくていいんだぞ?」
「だ、大丈夫だってば」
 愛佳は俺の両肩に手をついて体を支えながら、なんとか俺の脚を跨いだ。
2986:05/01/27 20:04:36 ID:1TRjv3Rq
 ゆっくりと手を伸ばして剛直を掴み、自分の秘部へと導いていく。
 先端に、湿った肉の感触。
「んっ」
 それはずぷずぷと、愛佳の中にめり込んでいく。
「ん、ふぅん、んんっ……」
 やがて根元まで飲み込むと、
「やっと、全部入ったぁ」
 愛佳は安堵の笑みを浮かべた。
 その顔が、俄かに歪む。
「んん……っ」
 目をぎゅっと閉じ、全身をぶるぶるっと震わせる。
 俺の肩に置いた手にきゅっと力が籠められた。
 かと思うと、かくんとくず折れそうになる。
「だ、大丈夫か?」
「あ、うん、大丈夫。なんだかちょっと、気持ちよくなりすぎちゃって」
 ああ、軽く達してたのか。
 見ると、愛佳の目許には涙が滲んでいた。
 行為そのものは初めてじゃないけれど、そんなに回数を重ねているわけでもない。
 なのに愛佳が上に、というのはさすがに無理があったのか。
「やっぱりまだキツイ?」
 俺が訊くと、
「ち、違うの」
 愛佳は片手で涙を拭いながら、もう片方の手をぶんぶん振った。
「なんだか、嬉しくて。
 あたしの中、たかあきくんでいっぱいになってて。
 ああ、今あたしたち繋がってるんだ、ひとつになってるんだ、って。
 そんな風に感じたら、それだけですっごく幸せな気持ちになっちゃって。
 ごめんね、あたしばっかり気持ちよくなってちゃダメだよね」
 言い終わらないうちに、再び目許が潤み始める。
 あれ、おかしいな。ごめんね。
 次から次へと溢れ出て、もう両手でも拭い切れない涙で顔をくしゃくしゃにしながら笑う愛佳。
 俺は思わず、その華奢な体を抱き締めた。
2997:05/01/27 20:05:43 ID:1TRjv3Rq
「きゃ」
 こういうときにうまい言葉のひとつも思いつかない自分を情けなく思いながら、
「愛佳。大好きだ」
 とにかくそれだけ、搾り出すように言った。
 いきなりのことに戸惑い、身を固くしていた愛佳も、
「あたしもだよ。たかあきくん、大好き」
 そう言ってこちらに身を預けてきた。



「ねぇ、たかあきくん。手、緩めてもらっていいかな」
「あ、ごめん。痛かった?」
「えと、そうじゃなくて。その、このままだと、動いてあげられない、から」
 顔を真っ赤にして、こちらを見ずに言う愛佳。
「あ、ああ」
 慌てて俺が手の力を抜くと、愛佳は俺の胸に手をついて背筋を伸ばした。
「そ、それじゃ、動くね?」
 改めて言われるとやたらと恥ずかしい。
 それは言った愛佳の方も同じだったようで、さっきからずっと下を向いたままだ。
 少しの逡巡の後、意を決した愛佳はゆっくりと腰を動かし始めた。
 ぎこちなく、前後へ、左右へとスライドさせる。
 スカートの中で小さなお尻を懸命に揺らしているその姿はなんともいじらしい。
 またぎゅっと抱き締めたくなる衝動に駆られたが、どうにか我慢する。
3008:05/01/27 20:07:36 ID:1TRjv3Rq
 んっ、んっ、と息を漏らしながら、ゆさゆさと俺の上で揺れる愛佳。
 縮こまって左の足首に纏わりついたショーツが、愛佳の動きに合わせてひらひらと揺れる。
「どうかな? 気持ち、いい?」
「うん」
 じわじわと生み出されて広がっていく快感。
 ただ、このペースは心地よいけれど二人が達するまでに下校時間が来てしまいそうな気がする。
 少し急いだほうがいいと判断して、俺は愛佳のお尻をスカート越しに掴んだ。
「ひゃあっ」
 いきなりのことに愛佳は声をあげて、
「あ、あの、……やっぱり気持ちよくなかった?」
 申し訳なさそうに上目遣いで俺を見た。
「そんなことないよ。さっきも言ったろ、気持ちいいって」
 俺は慰めでなく言って、
「だから、今度は二人で動けばもっと気持ちいいよ、きっと」
 と言葉を続けた。
「じゃあいくよ」
 愛佳に返事をする暇を与えず、俺は一方的に腰を突き上げた。
「あ、ちょっと待っ、ああっ!」
 目一杯突き上げられた愛佳は俺にしがみついて堪える。
「んっ! んふうっ、ぁ、た、かあきく、ずる、いぃっ」
「ほら、愛佳も動いて」
 俺に言われて、愛佳はいかにも文句ありげにちらっとこっちを見てからおずおずと腰を動かし始めた。
 そしてすぐに下半身に意識を集中すると、少しずつ突かれる位置を微妙にずらして、擦れ合う場所を変化させていく。
3019:05/01/27 20:08:14 ID:1TRjv3Rq
「ん、んっ! くぅんっ! んむぅ、んんんっ!」
 愛佳は口を俺の胸に押し付け、声を抑える。
 俺の制服は、愛佳の唾液でびっしょりになってしまっていた。
 愛佳の中は熱くぬめり、襞が絡み付いて腰から先が溶けていきそうな錯覚すら覚える。
「た、たかあきくふっ! あ、たしっ、なにかくるっ! きちゃうっ!」
 愛佳の体が小刻みに震え、時折硬直が混じるようになってきた。
 締め付けがきつくなり、屹立をきゅっと絞り上げていく。
 こっちもそろそろ限界に近い。
「ま、愛佳、俺ももうそろそろヤバいっ」
「た、かあきくっ、いっしょ、一緒にっ!」
 愛佳はそう言って、俺にしがみつく手に一層力を込めた。
 俺は更に荒々しく愛佳の中を抉る。
 少しずつ顔を近づけていき、ちゅ、ぷちゅ、と互いの唇を求め合う。
「たかあきくんんっ、あ、あたしもうっ! イクのっ、イッちゃ、あああっ」
「い、いくぞ愛佳っ!」
 トドメとばかりに一際奥までぐっと貫くと、
「ふぁあ……っ!」
 愛佳の体がぶるぶるっ、と大きく震えた。
 びんと背を反らせて固まる。
「くっ……!」
 根元からぎゅーっと締め上げられ、俺はたまらずその中に放出してしまう。
 びゅくん、びゅくん、と膨れ上がった先端から吐き出される白濁に奥を打たれて、愛佳のお尻ががひくひくと跳ね上がる。
 全て出し切って剛直を引き抜くと、入り口から愛佳のと俺のが混じり合った液が零れ落ちていく。
 愛佳はとろんとした目で俺を見つめると、唇を重ねてきた。




302last:05/01/27 20:08:50 ID:1TRjv3Rq
 二人とも何も言わず、体に残る行為の余韻に浸っていた。
 しばらくして、
「たかあき、くん」
 小さな声で話し掛けてきたのは愛佳の方だった。
「ん?」
 気恥ずかしくて顔を合わせられないまま、とりあえず返事だけする。
「えっと、あの」
 愛佳はごにょごにょと言い淀んでいたが、やがて意を決したように少し多めに息を吸い込む音がしたかと思うと、
「つ、次はがんばるからっ」
 そんな、とんでもないことを言い放った。
303名無しさんだよもん:05/01/27 20:10:10 ID:33mExvPI
お、俺には聞こえる。
イインチョのあえぎ声が確かに聞こえますた…………

グッジョブ マイロード。
304名無しさんだよもん:05/01/27 20:10:43 ID:kTv5H97P
グジョーブ!!
自分が愛佳萌えってことを思い出したよ!!
305291:05/01/27 20:11:48 ID:1TRjv3Rq
以上。
あんまエロくならんかったなぁ。
306名無しさんだよもん:05/01/27 20:19:37 ID:kTv5H97P
>>303
>>292
アッ!(゚Д゚) オマイ、よっちはどうしたんだ。
307雄二の人:05/01/27 20:33:32 ID:5XAOMlOV
>>日溜まりの人&鬼畜愛佳の人
(゚∀゚)GJ!

それにしてもハードエロ杉(W
308名無しさんだよもん:05/01/27 20:39:10 ID:33mExvPI
>>306
∩(´∀`)∩ るー
309名無しさんだよもん:05/01/27 20:42:01 ID:Mj9VlZcL
>>308
正直者め!!
310名無しさんだよもん:05/01/27 20:42:36 ID:kTv5H97P
>>308
∩(´∀`)∩ るー
311名無しさんだよもん:05/01/27 21:00:21 ID:B5gUrxTj
日溜りの人も鬼畜愛佳の人もGJ!

日溜りはついに修羅場突入で、鬼畜はタマ姉凌辱開始か。
これからも楽しみにさせてもらいます。


で、そろそろ元祖!メイドロボの人あたり来てくれないだろうか。
日溜り好きなんだけど、このみすとには辛い部分あるのよorz
312元祖!メイドロボのテスト:05/01/27 21:49:34 ID:qvAVSiQW
「ふい〜。お腹がいっぱいでありますよ〜」
あ〜、食った食った。
戸棚の爪楊枝を一本とり出してソファーに座りながら歯間に引っかかった魚の骨などを丁寧にとる。
朝からすごいボリュームだな。
かちゃかちゃと流しのほうから食器を洗う音が聞こえる。
なんかこう見ると新婚さんになった気分でちょっとこっ恥ずかしい。
キスはもう何度もしたけど体の関係までは進んだことはない。
もちろんチャンスは何度もあった。
あのあと何度もこのみはうちに泊まりにきたし俺の布団で寝るのなんて毎回のことだ。
でも―――抱けないのだ。
やっぱり頭のどこかでは恋人であってもまだ幼馴染ということが抜けきってないのかもしれない。
「なんだか眠たくなってきたでありますよ〜」
洗い物が終わったこのみはそろそろと俺の隣へと移動してくる。
「えへ〜」
そして俺のひざを枕にして横になる。
「おいおい、食ってすぐ寝ると牛になるぞ」
「ん〜。大丈夫だよ〜」
もうすでに目がとろんとしている。
「寝ちゃったらかってにキスしまくっちまうぞ」
「ん〜、タカ君ならいいよ。いっぱいいっぱい、飽きるまでやっていいよ」
まったく〜、眠たくても甘えてくるんだから、このチビ助は。
あ〜、もう。今度はこっちが我慢できなくなってきたじゃないか。
313元祖!メイドロボのテスト:05/01/27 21:50:30 ID:qvAVSiQW
「そんな言うなら遠慮はしないぞ」
「ん・・・」
柔らかな笑みを浮かべて自然と唇を突き出してくる。
俺もそんな姿にちいさく笑いつつも頭をちょっと持ち上げ、自分の唇を重ねる。
このみの唇はぷりっと弾力がありつつもやわらかく、ほのかに暖かい。
それに加えて、キスしている時はゆっくりとした時間が流れている感じがする。
外から差し込むやわらなか太陽の光、時計のカチコチと進む音、外から聞こえてくる鳥たちの囀り、時折通る車のエンジン音。
そしてこのみの呼吸音。
すべてがゆっくりと暖かな時間(とき)の中で心地よく、そしてやさしく包み込んでくれる。
「はぁ・・・」
しばらくの後、唇をはなし、ちょっとの間見つめあった後にこのみは『もう一度してほしいな・・・』とせがんできたのでもう一度唇を重ねる。
が、まさにその唇が触れようとした瞬間。
ピンポーーーン
家の中にインターホンの音が鳴り響く。
思わず俺たちはばっと距離をとってしまった。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
うう、今になって恥ずかしさがこみ上げてくる。
「た、タカ君」
お、おいおいおいおいおい。そんなはにかみをこめた目で見ないでくれよ。
余計恥ずかしくなるだろ。
ピンポーーーン。
再びインターホンが鳴って我に返る。
そ、そうだった。誰か来たんだっけ。
「じゃ、じゃあちょっと行ってくるな」
「う、うん」
314元祖!メイドロボのテスト:05/01/27 21:52:56 ID:qvAVSiQW
いったい誰なんだ〜?
まさかとは思うが雄二とかだったら一発シメてから家から追い出してやる。
ピンポーーーン。
「はいはーい。今出ますよ」
ガチャ、と扉を開けるとその前にいたのは背丈がこのみと同じくらいの女の子だった。
「あ、あの。河野さんのお宅というのはここでしょうか?」
「え?う、うん。そうだけど」
「よ、よかったです。今、お隣の柚原さんのお宅で間違えてしまいまして、こちらが河野さんのお宅だとお聞きいたしましたので―――」
その女の子はさっき起こったであろうことを淡々と話し出した。
「あの・・・君は?」
「あ、申し遅れました」
俺の前にびしっと立つ。
「私、HMX-12、マルチと申します」
「え・・・き、君が?」
緑色の髪に小さめな胸、そしてメイドロボと人間を区別する最大の特徴である耳カバー。
たしかにメイドロボ・・・だよな。
正直びっくりした。
以前、雄二買ってやった『来須川メイドロボコレクション』とか言うやつでHMX-12のを当てたことがあったが、
結局のところ10cmほどのフィギュアだし、うちの学園の制服の印象が強すぎて外見なんかはほとんど覚えてない。
それに加え、HMシリーズは13『セリオ』がバカ売れであったためにほとんどの人はセリオの外見を知っているが
12『マルチ』は早期に生産中止になったために外見なんかは知ろうと調べない限りまず見ることはない。
おまけに俺が一番交友があるのはイルファさんだ。
そんなんだからマルチもそんな感じのメイドロボだとばかり思っていた。
315元祖!メイドロボのテスト:05/01/27 21:55:24 ID:qvAVSiQW
「あのぅ・・・」
「あ、ああ。何?」
「どうかなされたのですか。もしかして気分が悪いんですか?」
「あ、いや。何でもないよ。それより、君がたしかにマルチなんだね」
「はい、今日からここで一ヶ月ほどお世話になります」
そういうとぺこっと深くお辞儀をする。
ずいぶんとまた律儀なメイドロボだな。
もしかするとイルファさん以上かもしれないなぁ。
「あれ?」
そういえばあることを思い出した。
「同行人が二人いるんじゃなかったっけ?」
「あ、はい。御一緒する予定のお二人は私の用意があるとのことなので少々早いですが私だけで行っててほしいということなので」
なるほどね〜。
「それじゃ、後からちゃんと来るんだね」
「はい。遅くても夕方までは到着すると言っていらっしゃったので」
「うん、わかった。とりあえずあといろいろ聞きたいこともあるから家の中にあがりなよ」
「あ、すすす、すみませーーーん。こんなところで立ちっぱなしで話していたらお疲れになっちゃいますよね」
え?
い、いや、そういう意味で言ったんじゃなくて。
「ま、まぁまぁ。それより中に入りなよ」
「あ、はい。失礼します」
3167月文月:05/01/27 21:57:04 ID:qvAVSiQW
なんか激白な話が多いのでちょっとほのぼのでべたべたな話をあげました。
そしてようやくマルチが出てきましたね。
予定は一ヶ月にしちゃったんでもしかしてかなり長くなっちゃうかもしれませんね
317名無しさんだよもん:05/01/27 21:58:32 ID:mbW5nkbm
やたー、マルチ登場ー。GJでありますよー。
ほのぼのでべたべた、だがそれがいい。
318名無しさんだよもん:05/01/27 22:07:25 ID:B5gUrxTj
ほのぼのGJ!
319名無しさんだよもん:05/01/27 22:18:05 ID:kTv5H97P
ほのぼのいいなあ。癒され、、、
タ(゚∀゚)━ラ( ゚∀)━(  ゜)━(  )━(`  )━ダ(Д` )━メ(´Д`)━ポ(;´Д`)━━━!!!
以上、鬱シーンを書き続けている何が日溜りやねんでした orz
320名無しさんだよもん:05/01/27 22:52:13 ID:r3nrb9Mm
前スレが容量制限まで達しました。
321名無しさんだよもん:05/01/27 23:31:38 ID:a2ou5cz3
前スレ一杯にしたバカモノです。 長文を打ち込んだらどうなるのかとか、SSを書くこと自体
初めてなのでいろいろ実験的な意味合いでやったのですが、もうちょっと良く考えるべき
でした。 スミマセン
322名無しさんだよもん:05/01/27 23:38:48 ID:kTv5H97P
>>321
いえいえ、埋め乙です。
続きはこちらでよろしく。

前スレ、TH2スレ過去ログ置き場でも多分ミラー取ってくれるんでしょうが、
一応うちのほうでもログ保存しなおしておきました。
まだ見れてますけどね。

置き場は >>34 ッス
323名無しさんだよもん:05/01/27 23:40:01 ID:jx3ybQiG
>>321
今読ませてもらいましたよ。
続きが気になるんでこっちの方でも書いてくださいな
324心気一転・環SS4:05/01/27 23:51:25 ID:a2ou5cz3
「あ! そのこれは・・・」環の視線に気ずいたこのみが思わず弁当箱を隠す。
「それ自分で作ったのね?」 「・・・うん」このみは小さく頷く。
「タカ坊!」 「えっ? 何」 「このみのお弁当食べてあげなさい」
このみはビクッとして首を横に振る。 「い・・いい!いいの!・・・私別に」
「なに言ってるの、そんなに良く出来ているんだからみんなでつまみましょう」
「これ、このみが作ったのか? 春夏さんが作ったとばかり思ったぜ!」
「ほんと! 春夏さんのとほとんど同じだよ、このみ腕を上げたな」
「えへへ・・・でもさすがタマお姉ちゃんには分かっちゃうみたいだね・・・」
環は一瞬言葉につまる、このみが期待していたのはおそらく貴明や雄二のような
反応だったのだろう。 あとで教えてビックリさせようと、それを自分は・・・。
「あ!いや、春夏さんのとは微妙に違うし、どちらが上手いとかでは」
どうしてこうなるのだろう? またこのみとすれ違ってしまった。
「うん、まだまだ練習不足だね。 分かってるよタマお姉ちゃん」
「気にすんな、このみ。 生理中だからな特に意地が悪くなってんだ姉貴は」
「えっ! やっぱそうだったのタマ姉?」
「そんなこと無い! 後もう少し、私よりも上手くなるわよこのみ」
左手で雄二にアイアンクロー、右手で貴明の頬をつねりながら環はにこやかに
答えた。
 「あだだだだだだだだだ!」 「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!」
2種類の悲鳴が屋上に響き渡った。

放課後、環は貴明と待ち合わせている校門にむかっていた。
本来なら楽しい事のはずなのに、環の胸中にはこのみとのすれ違いや自分のほかにも
貴明を見ている人間がいることで一杯だった。
「ふう・・・」 思わずため息がでる。 恋人同士になったのに前よりも悩みが増えた
ようだ。 
靴を履き替え、正面玄関から校門にでる道に出ると山とつまれたダンボール箱に目がとまった。
そのそばに貴明がいる。 1人の少女とともに。
 
325名無しさんだよもん:05/01/28 00:04:41 ID:dqbNXEG8
生理という言葉を普通にしゃべってるのにそこはかとない違和感が・・・
326268:05/01/28 01:31:22 ID:Li95upxx
>>270
すまん。どうも最近、愛佳を陵辱したがるやつが多いんで、
少々イラついてたんだ。悪かったな。

期待に応えるってのもごもっともだし、SSの方は自分のペースで進めてくれ。
327名無しさんだよもん:05/01/28 01:50:14 ID:ygbYUnMA
ここはどこだ?
葉鍵板だ!!
328名無しさんだよもん:05/01/28 02:05:40 ID:+iKaUt3J
  ,j;;;;;j,. ---一、 `  ―--‐、_ l;;;;;;
 {;;;;;;ゝ T辷iフ i    f'辷jァ  !i;;;;; 
  ヾ;;;ハ    ノ       .::!lリ;;r゙   葉鍵板は俺の為に存在する。
   `Z;i   〈.,_..,.      ノ;;;;;;;;>     
   ,;ぇハ、 、_,.ー-、_',.    ,f゙: Y;;f     そんなふうに考えていた時期が
   〜''戈ヽ   `二´    r'´:::. `!    俺にもありました
329名無しさんだよもん:05/01/28 15:09:11 ID:8CDl+POz
こんな良スレ久しぶりに見たから
書き手さんには頑張って欲しいです
ここでSS書いている人全員GJです!
これからも頑張ってください
3301/14 日溜りの詩6:05/01/28 15:12:29 ID:Cj+S+1kR
「あたし、最低な女ですよね」
「そして俺は最低な男だ」
 そう言って抱きしめることしかできない。よっちと繋がっている部分のぬるりとした感触は愛液でも精液でも
なく、真っ赤な血だ。熱く火照っていたはずのふたりの体は今は冷え切っていて、心の寒さを補い合うため
に今はお互いの肌が必要だった。
「あたし、なにやってたんだろ。いつかこうなるの当然じゃない……」
 涙は枯れない。心の傷はまだぱっくりと開いたままで、どうすれば癒えるのすら考えもできない。
「俺が悪いんだ。俺が――」
「センパイもあたしをぶっていいんスよ。ぶたれて当然なんスよ」
 胸の中のよっちの頬にそっと手を置く。そしてそのまま頭を掻き抱いた。
「ねえ、センパイ、私を憎んでくださいよ。怒鳴って、殴って、追い出してください」
「そうしたらこのみが許してくれるのか?」
 腕の中の頭が横に振られた。
「あたしが自分を許せないんス……」
「なら、しない」
「なんでッスか!? なんでセンパイ怒らないんスか!?」
 よっちの両手が俺の胸を押して、離れようとする。俺は力を込めてよっちを逃がさない。絶対に逃がさな
い。
「なんでッスか! なんでこんなときまで優しいんスかっ! 分かんない、あたしセンパイが分かんないっ!」
 ふっとよっちの体から力が抜ける。その肩が震えている。
「優しくなんかないさ。俺は酷い男だ。俺が今よっちを必要としてるから、離さないだけなんだから、だからも
う少しここにいてくれ……」
 視界がぼやける。
「寒いんだ。すごく寒いんだ」
「センパイ――」
 その日、俺たちは声を上げて泣いた。俺たちは同じ日溜りを失って暗闇を歩くもの同士だった。
3312/14 日溜りの詩6:05/01/28 15:13:12 ID:Cj+S+1kR
「――うん、じゃあそういうことだから」
 ぴっと携帯電話を切って、よっちはそのまま電源をオフにした。
「いいの?」
「はい、うちは放任主義ッスから、ちゃるのところに泊まるって言っとけば詮索されることもないんス」
「そっか」
 それからふたりでシャワーを浴びる。こびりついた血を洗い流す。よっちの頭からシャワーをかける。
「センパイ、あたしは要らない子なんスよ」
 シャワーの音でほとんど聞き取れなかったが、確かによっちはそう言った。
「要らない子?」
 コクリと頷く。
「あたしには年の離れた兄と姉がいるんス。すごいデキが良くて、誰もが羨むようなそんな兄と姉……。笑っ
ちゃう話なんスけど、あたしは失敗でデキちゃった子なんスよね。本当は堕ろそうかって話してたそうッス」
 シャワーを止めて、手に取ったシャンプーを泡立ててよっちの頭を掻き回す。
「でも可哀相だからって、そんなお情けであたしは生まれてきたんス」
 よっちはされるがままだ。
「あたしが物心ついたころ、兄と姉は高校生で、もう大学受験の準備に入ってたんス。父も母もそんな兄と姉
にかかりっきりで、あたしはずっとほったらかされて、これも笑える話なんスけど、幼稚園児にしてグレてた
んスよ」
 苦い微笑。それを見たくなくて、頭からまたシャワーをかける。
「そんなとき出会ったのがちゃるでした。ちゃるはそんなあたしを見て一言「くだらない」って。幼稚園児がッ
スよ。幼稚園児が。笑っちゃいますよね。そりゃもう大喧嘩でしたよ。でもちゃるは髪の毛引っ掴んでも、顔を
ひっかいても、絶対に泣かないんス。それで思ったんスよね。ああ、こいつには敵わないなって」
 続いてリンスを丁寧に塗っていく。
「でもどっちかというとちゃるは戦友というか、ぶつかり合うことでお互いを認め合う関係なんスよね。ちゃる
がいたからあたしはあたしのことを意識的に無視するあの家で生きていくための意地を張り続けることがで
きたんス」
 そしてリンスもシャワーで流す。
3323/14 日溜りの詩6:05/01/28 15:13:55 ID:Cj+S+1kR
「でも中学に入ってこのみと出会って、なにもかもが劇的に変わったんスよ。あたしもちゃるも一目でこのみ
が好きになったんス。ああ、この娘は違うんだ。あたしらとは違って、ぽかぽか暖かいお日様のような世界で
愛されてきたんだろうなって、すぐ分かりました」
「うん。そうだな」
 よっちの髪から指でお湯を切る。続いてスポンジを泡立ててよっちの体を洗い始める。
「このみといるとすっごく気持ちがあったかくなるんスよ。――そしてセンパイとも出会いました。前にも言い
ましたけど、最初はセンパイのこと凄く妬ましかったんス。だってあたしにとってこのみは太陽みたいなもの
で、その光をいつだって浴びていたいのに、その太陽さんはセンパイにだけ光を当てたくてたまらないんス」
 腕から肩、背中をスポンジを当てていく。
「でもやがて気付きました。ふたりは二連星なんスよ。お互いを照らしあい、引っ張り合う双子の恒星、αカ
ストル――。信じられない想いでした。こんなに温もりを与え合えるものなんだって、憧れたんス。ふたりの
関係に、そして――あたしは星に手を伸ばしてしまったんスね。まるでイカロスのように」
 まるで溶け落ちた翼を抱くかのように両手を広げるよっち。
「ちが――」
 違う、と言いかけて言い切れなかった。後ろを振り返ったよっちが抱きついてきたからだ。
「嘘! 嘘! 嘘ッス! いやだ、あたし失いたくない! センパイの温もりだけでも失いたくないっ!」
 かと思うと、俺のことを突き飛ばして、両手を耳に当てて頭を振る。
「――わあああああああああ! イヤな女だ。あたし、本当にイヤな女だ!」
「よっち!」
 抱きしめる。抱きしめることしかできない。
「いやっ、いやっ、いやだ! いやだ! あたしは星を堕としてしまう! そうなんスよ! 星は堕ちるのを怖
がってイカロスの翼を溶かしたんス! 星に人が触れたら――」
 暴れまわるよっちの力ずくで押さえつけて、唇を塞ぐ。
 わからない。大切なものと、守りたいものが乖離していく。
3334/14 日溜りの詩6:05/01/28 15:14:39 ID:Cj+S+1kR
 ようやく大人しくなったよっちの体をバスタオルで拭いて、髪をドライヤーで乾かす。
 なにもかもされるがままで、まるで人形にでもなってしまったかのようだった。
 とりあえず俺の服と下着を着せる。
 そして手を引いてふたりでベッドに入った。
 ふたりとも無言のままだったが、時折よっちはしゃくりあげて涙する。
 このみは俺たちお互いにとっての太陽だった。けれどよっちは俺もよっちにとっての太陽だったんだという。
ならば――。
「よっちはもう星に触れてしまったんだよ。でも星は落ちてしまうんじゃない。自分で落ちてきたんだ」
 髪を優しく梳く。
 じっとよっちの瞳が俺の目を見つめている。長い、長い時間が過ぎた。
 よっちが目を閉じて静かに言った。
「――なら、あたしは手を伸ばしてその星を受け止めます」
「星は落ちると光を失ってしまうかもしれない」
「たとえ光がなくなっても、温もりは消えません」
「でもその所為で、空からは光が消えてしまった」
「ならあたしが光を灯します」
「落ちた星からはいつか温もりも消えてしまうかもしれない」
「そしたら今度はあたしが暖めます」
「それが――、答え?」
 よっちは横に首を振った。
「望み、希望、意志、期待ッス」
3345/14 日溜りの詩6:05/01/28 15:15:22 ID:Cj+S+1kR
 翌朝、恐ろしいほど穏やかな目覚めがやってきた。腕の中では頬に涙の跡を残したままのよっちがすぅ
すぅと小さな寝息を立てている。起こさないようにゆっくりと腕を抜いて起き上がる。
 そして気付いた。
 階下に人の気配――。
 わずかに漂う味噌汁の匂い――。
 音を立てないように階段を下りて、キッチンを覗くと、まるで何もなかったかのようにそこではこのみが朝食
を作っていた。もっとも現実味のあったはずの光景が、今、もっとも現実味のない光景として目の前にある。
テーブルの上に並べられたふたり分の食器……。
 立ち尽くす俺の姿にこのみが気付いた。
 ぱぁと広がる日溜りのような笑み。
「あ、おはよう。タカくん。朝ごはんできてるよー」
「こ、このみ、その昨日のことは……」
「なに? なんのことか分からないよ。タカくん」
 一瞬その微笑が陰った。
 ああ、くそ、俺は一瞬何を期待していたんだ。
「このみ、聞いてくれ」
「ヤダッ! 聞きたくない!」
 このみは両手で耳を塞いでその場にしゃがみこんだ。
 慌てて駆け寄ってその肩に触れる。
「触らないでっ!」
 バシッ!
 手を弾き飛ばされる。
 ――拒絶。
 がたがたとこのみは震えている。
「ヤダ、ヤダよぉ。なんでタカくんとよっちが一緒に寝てるの? なんでわたしじゃないの?」
3356/14 日溜りの詩6:05/01/28 15:16:05 ID:Cj+S+1kR
「……このみ」
 いつの間にか起きてきたよっちがいた。
「ヤダッ! なんでよっちがタカくんの服着てここにいるの!?」
「……このみ聞いて」
 よっちがこのみの前にしゃがんで、視線の高さを合わせる。このみの手が再び振り上げられて
 バシッ!
 よっちの頬を打った。
「裏切り者!」
 だがよっちは視線を逸らさなかった。叩かれた頬をそのままにこのみをじっと見つめている。
「このみ、あたしは謝らない」
「え?」
 呆然とこのみの目がよっちを捕らえる。
「あたしもセンパイが好き。もうこの気持ちに嘘は吐かない」
 再び振り上げられるこのみの手。
 それをよっちの手が掴む。
「このみ、アンタだってあたしの気持ち知ってたはずだよ」
「知らない! そんなの知らない! 知るわけないもん!」
 そして空いたほうのよっちの手がこのみの頬を軽く打った。
「ウソつかないで! ちゃるに相談したでしょ? あたしがセンパイのこと好きになってるんじゃないかって相
談したでしょ。そうよ、ちゃるに聞かれたわよ。「そんなわけないっしょ」って答えた。そんなわけないっしょ。
そんなわけないっしょ! 好きに決まってる。好きに決まってるじゃない!」
3367/14 日溜りの詩6:05/01/28 15:16:49 ID:Cj+S+1kR
「イヤッ、聞きたくないっ!」
 よっちの手を振り解いて、このみは再び両耳を押さえて、何もかもを拒絶する。
「そうやって耳を塞いでていいよ。でもあたしは言う。アンタに聞こえてなくても構わない。――あたしはセン
パイが好き。好きでたまらない。あたしを見て欲しい。傍に居て欲しい。語りかけて欲しい。触れて欲しい。
抱いて欲しい。――だからあたしはセンパイを奪う」
「ねぇ……タカくん」
 ふらりとこのみの顔がこちらに向いた。そのままゆらりと立ち上がる。
「タカくん、よっちとえっちしたからわたしのこと避けるの?」
 その手が服のボタンにかかる。――ぷちっ、ぷちっ。
「だったらわたしがタカくんとえっちしたら、またわたしのこと見てくれるの?」
 はらりと上着が落ちて、このみのまだ幼い体が露わになる。
「ねぇ、タカくん。わたしのこと抱いてよ」
 胸が張り裂けそうになった。
 このみにこんなことをさせてしまったことに。
 そしてこのみの半裸を見ても、そこに情欲を感じないことに。
 俺の手はこのみの体をすり抜けて、床に落ちた上着を拾ってこのみにかけた。
「そう……、そういうことなんだね」
 パンッ!
 このみの手が俺の頬を打った。
 このみの目に涙が溢れ、そのままこのみは飛び出していった。
3378/14 日溜りの詩6:05/01/28 15:17:32 ID:Cj+S+1kR
 ――がたがたばたんっ!
「タカくんっ!」
 よっちと何かを話す暇もなく血相を変えて飛び込んできたのはおばさんだった。そして片方だけ頬を赤くし
て立ち尽くす俺たちふたりを見て、今度はあっけにとられる。
 ――――。
「――はぁ、まったく。このみがあんな格好で帰ってくるなり部屋に閉じこもって泣いてるみたいだから、何事
かと思ったわよ」
「それは……すみませんでした」
 とりあえずテーブルについて、三人でお茶をすする。
「で、とりあえずもうちょっとちゃんと事情を説明してもらえるかしら」
「はい」
 もうウソを吐いたり、言い訳をしたりする段ではなかった。事の一部始終を細大漏らさずに話す。
「――というわけで、このみには本当に悪いことを」
「なるほどねぇ」
 ふぅとおばさんはため息をつく。
「そういうことなら仕方ないわ。このみにだって責任はあるもの。……まあそのうちこういうことになるんじゃな
いかとは思ってたわ」
「え?」
 なんで俺たち自身が思ってもなかったことをおばさんに分かるのだろう?
「このみはタカくんに男を求めてなかった。タカくんはこのみに女を求めてなかった。分かる?」
 なんとなく、分かる。このみが俺に求めているものは、よっちが俺に求めているものとはまったく違う。俺が
このみに求めているものは、俺がよっちに求めているものとはまったく違う。
 それは日溜りのような温もりで、激しく射す夏の太陽とは違う。
「愛し合っているうちにやがてお互いの性ではないようなものを求めるようになるのかもしれないけれど、ま
だ貴方たちは若いんだから、そういうのは不自然だわ。結局、タカくんにとってこのみは家族、妹みたいなも
のだったのね」
 さて、お邪魔しちゃったわね。と言っておばさんは立ち上がる。
「このみのこと、しばらくそっとしておいてあげて。そのうちきっと自分で整理をつけるだろうから」
「はい」
 俺たちは頷いた。
3389/14 日溜りの詩6:05/01/28 15:18:15 ID:Cj+S+1kR
 数日後、雄二から電話がかかってきた。
――貴明、俺は今回のことを絶対に許さねぇ。
「ああ」
――だが、お前は親友だ。殴り合いをする前に死なれちゃ困る。
「覚悟はできてる」
――バカッ、お前、今の姉貴がどんなに恐ろしいか分かってないからそんなことが言えるんだ。
――ユージィー、こそこそ誰に電話してるのかしらぁ?
――どわっ! じ、時報を聞いてたんだよ。ぴっぴっぴっ、ほら、姉貴、今ちょうど1時だぜ。1時。
――あら、私もちゃんと時計を合わせたいの。貸してくれる?
――あだっ、あだだだっ! 姉貴、割れる! 割れるっ!
 そんなやり取りを懐かしむように聞いていた。
――タカ坊?
「うん」
――今からそっちにいくからね。
「分かった」
33910/14 日溜りの詩6:05/01/28 15:18:58 ID:Cj+S+1kR
 15分ほどでやってきたタマ姉は、驚くほど穏やかだった。
「さて、タカ坊、全部話してごらんなさい」
 もう包み隠すものなど何もなかった。おそらくタマ姉だって全部知っている。知っている上で俺から聞きたい
ということなんだろう。
 すべてを話し終えても、タマ姉は穏やかさを失わなかった。笑ってはいなかったけど、怒ってもいない。
「そう、そういうことだったの。――決心がついたわ」
 ふぅとため息をつくタマ姉。
「そういうことだったら、このみは私が九条院に連れて帰ります」
「えっ?」
「前からね、戻ってきてくれという話が無いわけじゃなかったのよ。ずっと断ってきたのだけれど、よい機会だ
わ。このみをねじ込むにはちょっとあちこちに借りを作んなきゃいけないでしょうけど、それはこんな風になる
まで気付かなかった私の支払うべき代償ね」
「ちょ――ちょっと待ってくれよ。タマ姉」
 じっとタマ姉がこちらの眼を覗き込んでくる。その表情はどこまでも真剣だ。
「今、このみの手の届く範囲、目に見える範囲に貴方が居てはいけないの。分かる?」
 ――分からない。分かるわけがない。そりゃ俺はこのみを傷つけた。とてつもなく傷つけた。でも、だからっ
て!
34011/14 日溜りの詩6:05/01/28 15:20:27 ID:Cj+S+1kR
「ダメ、言い訳だって許さない。貴方にはこのみを引き止める権利はないはずよ」
「そんな、このみは、このみの意思は?」
「そうね、それは確認しなきゃダメでしょう。でも私は説得できるつもりでいる。おじさま、おばさまにだって分
かってもらうわ。だってこのみのためだもの」
 言い返せない。このみのため。その言葉を口にする権利はもう俺には、ない。
「もし、もしもこのみに何かを言いたければ……、そうね九条院の大学にいらっしゃい。東大に受かるくらい
の学力があればなんとかなるはずよ。入り口くらいは開けておいてあげる。自分の力で上がってらっしゃい。
それ以外でこのみに何かを伝えようとしても、それは私が阻止する」
 タマ姉は本気だ。本気でこのみを連れて行く気でいる。
「貴方にとって例えこのみが女というわけでなくても、それでも大切な人と言うのなら、それくらいはやってみ
せなさい。でもまあ、女に溺れてるようなヤツには絶対無理か――」
 ガタンと音を立ててタマ姉が立ち上がる。
「それじゃあね。さよなら――タカ坊」
 踵を返し、決して振り返ることなく去っていく。
 それが高校時代に俺が見た、最後のタマ姉の姿になった……。
34112/14 日溜りの詩6:05/01/28 15:21:11 ID:Cj+S+1kR
 夏が終わる。
 2学期が始まるころには、もうこのみもタマ姉もいなくなっていた。胸にぽっかりと大きな穴が開いたよう
だ。でも多分、タマ姉が言っていたようにそれがこのみにとって一番いいことだったのだろう。
「センパイ、誰もいなくなっちゃったッスね。――あたしなんかに手を出して後悔してないッスか?」
 俺の肩にもたれるようにして、よっちが呟く。
「してないよ」
 その手を握った。まだ時々このみのことを思い出して胸が張り裂けそうになる日がある。けれど、この手に
温もりを与えてあげたいと思っていたし、この手から温もりをもらっている。この手を離すことはできない。
「あたしはしてるッスよ」
 ぎゅっと手が握られる。強く、強く――。
「あたしがセンパイから全部奪っちゃったッス」
 首を横に振る。
「何も奪われてない。何も手放してない。だから俺はもう一度このみに会いに行く。――不安か?」
 今度はよっちが首を横に振った。
「ちっとも。それにあたしは待つタイプじゃないッス。センパイがこのみに会いに行くなら、あたしも付いて行く
だけッスよ」
 夏が終わる。
 秋が来てそれも去り、やがては冬がやってくるだろう。
 日溜りの温もりはいずれ消える。けれど俺たちは暗闇の中でも暖めあうことができるし、また日溜りを見つ
けにいくことだってできるだろう。
 強く、強く手を握る。
 俺はこの手を離さない。
34213/14 日溜りの詩6:05/01/28 15:21:54 ID:Cj+S+1kR
 -epilogue-

 季節は巡り、また春がやってきていた。
 放課後、いつものようにカフェでよっちと落ち合う。
「だからこの公式はここでこう当てはめるべきだと思うんスよ」
「あ、違う違う、前提を間違えてるよ。ほら、ここがこうだから――」
 すっかり優等生になった俺たちの話題の中心は勉強のことだった。ぐんぐんと成績があがるにしたがって、
よっちの両親もよっちに目をかけてくれるようになってきたらしい。現金な話ではあるのだが、兄と姉がもう社
会人で手がかからなくなったというのも原因なのかもしれない。それともよっち自身の気持ちの変化なのか
もしれない。まあそれは俺には分からない話だ。うまく行っていればそれでいい。
 一通りの復習と予習を終えて、夕暮れの街を歩く。
「センパイ、今日はそっち行っていいッスか?」
「なに? したくなった?」
「も〜、センパイのバカ。違うッスよ。じゃ〜ん、面白そうな問題集見つけたんス。一緒にやりません?」
 ありゃ、まったく優等生になっちゃったことで。
34314/14 日溜りの詩6 完:05/01/28 15:22:36 ID:Cj+S+1kR
 そのとき、派手にクラクションを鳴らして一台の車が道路の向こうで停止した。思わず足を止めてそちらに
目をやる。周りの人々もなんだなんだとその車に注視している。
 扉が開いてその中からひとりの少女がひらりとスカートを翻して降りてくる。見たことのない制服、肩にか
かるくらいの髪、すらりとして少しだけ女らしくなった体型、――目を奪われる。
「……このみ……」
 隣でよっちが呟く。そうだ。あれはこのみだ。制服が変わって、髪型が変わって、多分少し背が伸びて、体
つきも変わってきていたけど、あれは確かにこのみだった。
 そしてその少女は片手を腰にあてて、もう片方の手でこちらをびしりと指差した。
「宣戦布告にきたよ!」
 よく通る声で叫ぶ。太陽のような笑顔。
「よっち! すぐにタカくんが夢中になるような女になって奪い返しにくるよ! だからそれまでタカくんは貸し
ておくから! ――それからタカくん! それまでよっち泣かせたら怒るよ!」
 それだけ言うと、このみは身を翻して車の中に消えた。すぐに車は走り去っていく。
「あっちゃ〜、これは予想外っしょ」
「なんかこっちから行かなくても、向こうから押しかけてきそうな勢いだったな」
「ん、でもセンパイは絶対渡さないんだから」
 ぎゅっと、よっちが腕にしがみついてきた。
344日溜りの詩のひと:05/01/28 15:23:23 ID:Cj+S+1kR
 急転直下の最終回となりました。お楽しみいただけたでしょうか?
 本当はもう一話先の予定だったのですが、よっちが貴明の傍を離れませんでして、平然としているこのみ
と過ごす一日という恐怖体験がカットと相成りました。今回よっちの家庭環境や過去に触れたのはかなりの
冒険だったのですが、よっちの気持ちの掘り下げのためには必要かなと思って入れることにしました。
 エピローグはこのみすとに暗殺されるのを恐れるあまり入ったとかなんとか。作者がセーフハウスで言って
ました。たぶん。
 それではまた一旦さようならであります。
 機会があればまたお会いしましょう。さようなら〜〜!
345名無しさんだよもん:05/01/28 15:29:04 ID:jK2R39sw
>>344
長編乙。なんかラスト、志保エンドみたいだったけどまあ良しw
逃した魚は大物だったみたいっスね。
まあこれも幸福のひとつということですな。
346外道図書委員長の陰謀:05/01/28 15:34:00 ID:P4PoMHuE
>>344
乙彼様ですた。全体的にストーリー構成しっかりして読み応えある話ですたね。一度
投下したのを読み返しては俺はガタガタな話をエロで誤魔化してるバカだと自己嫌悪
に陥ってる俺にはまだそこまで達せませぬ。日々精進すれど成長なしな俺(苦笑)。
では次は俺が投下さしていただきまつがその前に警告。今回書いたところまでで
スカトロ入れちゃいますた。読まれたくない方はNGワード機構を利用して、名前欄で
「外道」をNG指定してローカルあぼーんされることをお勧めします。愛佳やタマ姉
が堕ちていくのが嫌だとおっさる方も同様です。ではどうぞ。
347このみすと:05/01/28 15:37:50 ID:Wye6i8V4
まずは完結お疲れさまでした。
複雑ですが面白かったです。

では、これから作者のセーフハウスを捜しに行きますので失礼させていただきます。
ふふふふふふふ。
348外道図書委員長の陰謀:05/01/28 15:38:58 ID:P4PoMHuE
「タカ坊、ごめんね……私、幸せな二人を助けてあげられなかったね…」
「むぐぐ…(俺こそタマ姉を厄介ごとに巻き込んで悪かったよ。あの時俺があいつと
刺し違えてでも特攻してたなら)」
「そんな申し訳なさそうな目で見ないで。タカ坊は何も悪くないわ。私が…私が捕ま
っちゃったのが…」
「ほらほら、傷を舐め合うなら道化芝居もいいけど早く態度で示したらどうかな?そ
れがアクティブな向坂さんらしいやり方だと思うけど」
 図書委員長は貴明と環を見ていて、これでは埒が開かないと思って先を促した。貴
明の前に進むとズボンのチャックを下ろし、パンツの中に手を入れて貴明の物を取り
出した。悲しみに曇る貴明の心情とは裏腹に、それは環に愛撫してもらえるという期
待で獣のように震えている。愛佳は彼らの後ろで顔を真っ赤にして、手で顔を覆って
いた。
「さあ、早く舐めてあげなよ」
「(ごめん、タマ姉。俺もどうすることもできない)」
 貴明は心の中で環にそう話し掛けて、観念したように顔を俯けた。それを合図に環
は貴明の股間に顔を近づけた。赤黒い亀頭、雁首、縫い目から裏筋をペロペロと舌で
なぞり、竿全体に唾をかけて貴明の物をてからせて環はパクリと亀頭を口に含んだ。
そのまま口の中で貴明の物を前後させる。
「うぐ…く、うううっ、ううん(タマ姉の舌、柔かくてフェラされると凄く気持ちい
い…ああ、口の中も暖かいよ)」
 心は享楽的になれなくても体は自然と反応してしまう。猿轡の間から貴明の歓喜の
声は否が応でも漏れた。図書委員長は部屋の隅で立って貴明と環の情事を見ていた愛
佳の側に寄って言った。
「ほら、河野君は向坂さんにフェラされて喜んでるよ。彼は愛佳君より向坂さんのほ
うがいいんだね。それとも河野君も向坂さんのエッチな体の誘惑には勝てないのかな
349外道図書委員長の陰謀:05/01/28 15:41:11 ID:P4PoMHuE
「んぐぐぐぐぐ(違う、愛佳と俺の仲はタマ姉も公認してるんだ!俺はもう愛佳以外
の女の子に浮気するつもりはないよ!)」
 貴明は図書委員長の発言を否定するべく首を激しく横に振った。
「あんなに首まで激しく振って、そんなに向坂さんにフェラされるのが好きなんだ。
愛佳君もかわいそうに。信じてた彼氏がちょっとエッチなことしてもらうだけで裏
切るあんな尻の軽い男だったなんてね。所詮君との逢い引きは遊びだったんだな」
「んぐー!んんんんんんんー!(愛佳がかわいそうだと?それはこっちのセリフだ! 愛
佳はお前の肉便器じゃないぞ!)」
「(嘘でしょ?…嘘だよね、たかあきくん。あたしのこと、今も好きだよね?)」
 信じられない思いで貴明を見る愛佳。しかしそれを口には出して問うことは許され
ない。出したら図書委員長のお仕置きが待っている。今の愛佳にはただ呆然と立って
事を見ていることしかできなかった。貴明は声にならない怒りの声を上げて、貴明が
しゃべれないのをいいことに好き勝手を言う図書委員長を睨みつけていた。
「おや、そんなに恐い顔して。口でしてもらうだけでは不足かい?そうだよね、向坂
さんはナイスバディだもの。もっといろんなことしてほしいと思うよね。じゃあ今
度はおっぱいでしてもらったらどうだい?」
 図書委員長は環の脇に両腕を差し入れて体を持ち上げ、上半身を起こすと環の胸の
谷間に貴明のものを挟んだ。筋弛緩剤が効いている間は一人でパイズリしてやること
もできないので図書委員長が環の体を支えて上下に動かす。
「んぐっ!?ん、んんう(うわっ、タマ姉のおっぱい柔けえ…)う、うふう、うう…」
 柔かくて、適度な張りもある極上の乳房に挟まれては貴明も抵抗できない。貴明の
意味不明の叫びの中に本気で感じているような声が混じってきた。
「ふふ、愛佳君じゃこんなことできないだろ?イキたかったらイッていいんだよ」
「うぐ…(くそっ、こんなことで俺が…)う、ううん、ううーっ(ダメだ。ごめん、
愛佳、タマ姉、俺もう我慢できない)」
 環のおっぱいの中で何度も擦られて、束の間の抵抗も空しく貴明は暴発させてしまった。
350外道図書委員長の陰謀:05/01/28 15:42:42 ID:P4PoMHuE
 ビュクッ、ビュク、ビュクク…
 環の顔が貴明の精液で汚されていく。精液のねばついた感じと臭さが環にはたまら
なく不快だった。また悔し涙が環の頬を濡らした。
「こんなに出したのにまだ元気だ…河野君もお盛んなことで。ほら向坂君、タカ坊君
はフェラとパイズリだけじゃ満足できないってさ。もう一度元気づけてあげてよ」
 図書委員長は環の頭を持って、もう一度環に貴明の物を咥えさせた。ピチャピチャ
と音をさせて精液と環の唾にまみれた貴明の物を舐める環。しばらく舐めていると環
は菊口に違和感を感じた。次に直腸に液体が走った。
「あ…あにをひたの?」
「浣腸さ」
 事も無げに答える図書委員長。手には使用済みのイチジク浣腸の容器が握られている。
351外道図書委員長の陰謀:05/01/28 15:44:29 ID:P4PoMHuE
「これからの下準備だよ。後ろの口を使う前にお腹はスッキリさせておかないとね」
「「!!!」」
 貴明と環は慄然とした。この男はとことんまで環に責め苦を味わわせて、愛佳共々
どん底に突き落とすつもりなのだと。
「ほらちゃんとタカ棒君を元気付けてあげないとダメだよ。タカ棒君は向坂さんに咥
えてもらうのが大好きなんだから」
 図書委員長に言われて、お留守になりかけたフェラチオを再開する環。何度も貴明
の物を口の中で往復させるうちに環のお腹がグルグルと悲鳴を上げ、催してきた。
「ん、んふ…んん」
 環は襲い来る便意に顔をしかめていた。
「苦しいかい?トイレに行きたそうな顔だね。だけど素っ裸では行けないよね…幸い
これがあったからここにすればいいよ」
 図書委員長は防火用の赤いバケツを持ち出すと、環の腰を持ち上げてお尻の下に
それを置いた。今の環は力が抜けているから一旦出たらもう垂れ流すより他ない。
環は程なく直腸まで込み上げてくるのを感じ、そのまま
「ああ、タカ坊、見ないで、見ないでぇ、嫌ああああああああああ!」
 叫んでバケツの中に排泄してしまった。
352名無しさんだよもん:05/01/28 15:52:50 ID:jK2R39sw
乙です。なんか図書委員長と月島さんがタッグを組めば最強のような
気がしてきた…。狂気が止まりませんw
もともとエロメインなんでとことんエロで貫き通すべし!
353名無しさんだよもん:05/01/28 16:02:34 ID:Cj+S+1kR
乙です。GJ!
このまま外道の道を追求してってください。
屈服させられるタマ姉ハァハァ
354名無しさんだよもん:05/01/28 16:13:36 ID:Wye6i8V4
乙。
この調子で頑張ってください。
タマ姉(*´Д`)ハァハァ
355名無しさんだよもん:05/01/28 16:23:14 ID:DyhiQNG5
『ミルファのいる生活』最終話
リンクのみ。
ttp://www2.tokai.or.jp/v-sat/ss/toheart611.html
ttp://www2.tokai.or.jp/v-sat/ss/toheart612.html
ttp://www2.tokai.or.jp/v-sat/ss/toheart613.html

やろうと思ったことはやった。悔いはない。
次があるとしたら、ここに貼れる長さのヤツを書きたい。
拙文に付き合ってくださった皆さんに感謝します。
356名無しさんだよもん:05/01/28 16:32:41 ID:Cj+S+1kR
>>355
乙でした。読み応えありましたですよ。
次作を待ってます(・ω・)ゝ
357名無しさんだよもん:05/01/28 16:57:44 ID:gfulGgwL
感想遅くなったけどマルチキタ━━━━(°Д°)━━━━!!!!

ありがとう、元祖メイドロボの人
そして俺はやはりマルチの呪縛から放たれてはいないということに改めて気づかされたさ
いまはただ続きが待ち遠しいな
358名無しさんだよもん:05/01/28 17:01:33 ID:ygbYUnMA
>>355
ヽ|・∀・|ノ
359名無しさんだよもん:05/01/28 17:02:50 ID:MatXYVzl
>>344
いろんな意味で美味しいお話でした。乙乙!
360名無しさんだよもん:05/01/28 17:03:48 ID:MatXYVzl
>>358
キミのIDすごいよよ、今すぐ由真スレに!
361名無しさんだよもん:05/01/28 17:09:01 ID:ygbYUnMA
(∩゚д゚)ワーワーきこえなーい
362月夜とUFO 前編・1:05/01/28 17:28:23 ID:RCZU+iSp
夏休みも終わり
俺は平凡な学校生活を送っていた。


「ふああぁー」
昼休み、中庭のベンチに座りあくびをする。
あー今日も平和だぜ。

と、その時後ろの方から誰かが大声で叫んでるのに気づいた。
ったくこんな真昼間から誰だよ、頭おかしいと思われるぞ。
だがその瞬間俺は寒気が走った。
花梨「おおーーい!たかちゃーーん!」
呼ばれてんの俺じゃん!?しかもこの声は花梨!?
花梨「こっちむいてよー!たかちゃーん!」
だあーー!公衆の面前で俺のことをそんな大声で呼ぶなー!!
雄二とかタマ姉に聞かれたりしたらどうすんだ!
あわてて声のする方に振り向く俺。
どうやら花梨は2階の窓から俺を呼んでたようだ。
花梨「おーい!ここだよたかちゃん!」
わかってるっつうの!
あー・・・周りの視線が痛い・・・。
まだ昼休みが始まったばかりで人が少ないのがせめてもの救いか・・・。
「今そっち行くからちょっとまってて!」
そう言うのと同時に俺は校舎に向かってダッシュした。
363月夜とUFO 前編・2:05/01/28 17:30:40 ID:RCZU+iSp
「ふぅ・・、それでなんの用なの?笹森さん」
中庭から校舎の2階まで全力疾走したので
さすがに息がきれた。
花梨「たかちゃんはいつも1人でお昼ご飯食べてるの?」
「え?まあ1人の時もけっこうあるけど」
最近は雄二の奴、タマ姉が弁当を作って持たせてるみたいなんだけど
姉貴と2人で食べてたりしてたらシスコンと思われる!とか
だったら俺と一緒に食べればいいじゃんって言ったら
テメエにあの弁当を見せたら一生ネタにされちまう!とか言って
結局雄二は1人でこっそり弁当を食べてるらしい。
一体どんな弁当なんだよ。
というわけでここ最近、
食堂でバッタリ誰かに会ったりしないかぎりは
1人で昼食をすましている。
花梨「たかちゃんって一緒にお弁当食べてくれる友達もいないんだ、
   寂しいねえ・・・」
グサッ。
「うるせえ、俺は1人が好きなの」
花梨「もう、強がらないで。泣きたいんだったら
   私の胸で泣いていいのよ」
「あーーもう、それで俺が1人だとなんなの?」
花梨「うん、そんな1人寂しくお昼を過ごしている
   たかちゃんの為に、私が一緒にお昼ご飯を
   食べてあげるよ!」
「・・・・。えーと、つまり、それって笹森さんと一緒に
 昼メシを食べるってこと?」
花梨「そうだよ!じゃあ明日の昼休み
   ご飯買ったら部室に来てねー!」
そう言うと花梨は何処かへと走っていった。
・・・。嫌な予感がするぞ!
つーかこれだけの為にあんな大声だしてたのかよ。
知り合いに聞かれてたらどうしよう・・・。
364月夜とUFO 前編・3:05/01/28 17:33:26 ID:RCZU+iSp
次の日の昼休み。
俺は購買部でパンを買うと昨日花梨に言われたとおり部室へとやってきた。

ガチャ。
花梨「いらっしゃい、たかちゃん」
「いらっしゃったよ」
部室にはいつも通りパイプ机とパイプイスが置かれていて
机の上には花梨の弁当箱らしきバンダナで包まれたものが
置かれていた。
「よいしょっと」
年寄りみたいな事を言いながら俺もイスに腰をおろす。

俺はパンの袋を破る。
なんだかめっちゃ花梨の視線を感じる・・・。
「さ、笹森さん弁当食べないの?」
花梨「ううん。食べるよ」
とか言いつつまだ花梨は俺の手元を見ている。
「・・・。先に言っとくけどさ」
花梨「うん?」
「今日タマゴサンドないからね」
花梨「・・・・・・・・・・・・」

365月夜とUFO 前編・4:05/01/28 17:34:20 ID:RCZU+iSp

「ところでさあ」
パンをたいらげた俺は花梨にそれとなく話を振る。
花梨「ん?なに?」
弁当を食べていた花梨は箸を止めて俺に聞き返す。
「前から聞こうと思ってたんだけど、
 笹森さんっていつからミステリ関係に
 ハマリだしたの??」
お茶を飲んで一息ついてから花梨は口を開く。
花梨「ついにたかちゃんにそのことを
   話す時が来たようね・・・」
「そ、そんなすごいエピソードがあるの?」
花梨「ホントはトップシークレットなんだけど、
   ミステリ研に貢献してきたたかちゃんが
   どうしても聞きたいって言うならしょうがない」
「うん、聞きたい聞きたい」
質問する前はそこまで気にならなかったが
ここまで本人に言われたら聞きたくもなる。
どうせいつもみたいに大したことない
結果に終わりそうな気もするけど・・・。
花梨「・・・それは私がまだ小学生だったころ」
「うんうん」
366ミステリの人:05/01/28 17:40:55 ID:RCZU+iSp
以前「真夏のミステリ」を書いた者です。
前々から続編を書くぞ書くぞ言ってたのに音信不通で
期待してくれていた方々すいませぬ。
とりあえず書けてる所まで載せてみました。
全国の花梨ファンの方が満足できるようにがんばります。ノシ
ちなみにハンドルに→(゚w゚)を使う人がたくさんでてきたため
分かりにくくなるといけないので使うのやめました。
367名無しさんだよもん:05/01/28 17:50:04 ID:+6xG9ekd
>>366
∩( ・ω・)∩べんとらー

続きに期待
368名無しさんだよもん:05/01/28 17:57:18 ID:B9+yulDk
乙なんだけど
台詞の前にわざわざ花梨ってつけなくていいと思う
369名無しさんだよもん:05/01/28 17:58:05 ID:FsC3YGBh
>>366
∩(・∀・)∩べんとらー
続きお待ちしてますよ〜
370外道図書委員長の陰謀:05/01/28 19:30:04 ID:P4PoMHuE
「う、うう…ひくっ、ぐす…ひどい、タカ坊の前でこんな……」
 次から次へと辱めを受ける悲しみにくれる暇もなく、泣きじゃくる環を図書委員長
は攻め続けた。菊口とその周辺をアルコール付きの濡れティッシュできれいに拭い、
ベビーローションを垂らして菊口を指で揉み解す。
「や、冷た…ん、ああ、な、なんか、変…お尻が、お尻がムズムズしてる…」
「ふうん、これで感じるなら向坂さんはアナルもいけそうだね」
「そ、そんな変態みたいなこと…ひゃうっ!?」
 図書委員長は環の菊口に口付け、チュッと吸ったり、舌先をすぼまりに入れたりし
てきた。
「ふなぁ、す、吸わないで。へ、変になっちゃう…ああっ、し、舌入れないでぇ、だ、
ダメ、ダメ、ダメェェー!」
 アナル攻めで環は感電したようにブルブル震え、甲高い声を上げた。
「はっはははは、さっき向坂さんは僕を散々変態呼ばわりしてくれたけど、君だって
アナルで感じて淫乱に震えてる変態じゃないか」
「う、嘘、嘘よぉ!私変態じゃない!あなたなんかと一緒にしないでああっ?」
 図書委員長の指が環の膣の中に入れられた。そして愛液で濡れた指先が環の目の前
に突きつけられる。
「こんなに濡らしててもまだ違うって言うつもり?それじゃあ分からせてあげるよ。
向坂君はアナルが好きなデカパイの変態女だってね!」
 図書委員長はズボンから物を取り出し、亀頭を環の菊口に宛がった。
「かは…い、嫌、お尻に入れないで。く、苦し…苦しい……あうっ」
 菊口から少しずつ図書委員長の物が環の中に入っていく。小さくてきつい穴にペニ
スを入れるのは難しい。
「ほらお腹の力抜かないと痛いよ。くっ、もう少し…」
「ひっ、お、お尻が、お尻が熱い…あっ、はあああああっ」
 長い時間をかけて、図書委員長の物が根元まで環のアナルの中に入れられた。
371外道図書委員長の陰謀:05/01/28 19:31:42 ID:P4PoMHuE
 図書委員長は環を抱き起こして足を抱え、環を赤ちゃんのおしっこスタイルにして
往復運動を開始した。環の痴態を貴明に見せつけるようにして。
「ふあああ、お尻が、熱くて、ジンジンしてる…」
「僕もきつく締め付けられて、気持ちいいよ……」
 図書委員長に体を揺すぶられる度環は体を震わせ、乳房もプルプル揺れる。無毛の
股間の割れ目からは充血したビラビラがはみ出し、愛液がトロトロと溢れていた。
 カシャッ、カシャ、カシャ…
 図書委員長のカメラ携帯のシャッターが切られ、ハメ撮り画像が記録されていく。
広角も撮れるから環の顔から図書委員長の物を咥え込んでいるアナルまでばっちり撮
れているはずだった。
「(くそっ、いいかげんにしろ。タマ姉を散々弄びやがって!)」
 貴明はガタンガタンとパイプ椅子を揺すぶり、図書委員長に近づいて体当たりを食
らわせようとした。思うように前に進むことはできなかったけど。しかしまたも図書
委員長はそれを自分の都合のいいように解釈して、
「おおそうだ、河野君を忘れてたよ。ごめんごめん。向坂さんのおまんこが空いてる
から、そこに君のおちんちんを入れたかったけど待ちきれなかったんだよね」
「んぐっ(何をするつもりなんだ)」
「えっ、どうするの……ふなっ」
 図書委員長は環の体を抱えて立ち上がり、貴明の前に歩み寄ると貴明の膝の上に腰
を下ろしていった。環の着地点には貴明の物がある。それは図書委員長が腰を低くす
るに従って環の下の口に近づいてきた。
 プツッ、チュクク…
 貴明の亀頭が環の処女膜を破る感触。それから図書委員長が更に腰を低くしていく
と環の下の口はさいぜんから垂らしていた涎と、一筋の破瓜の血と共に貴明の物を飲
み込んでいった。
372外道図書委員長の陰謀:05/01/28 19:33:13 ID:P4PoMHuE
「どうだい向坂さん、愛しのタカ坊君に初めてをもらえて嬉しいかい?」
「あくっ、ん、タカ坊のが、お、お腹に来て…あ、熱い、ああああっ」
「ん、んぐぐぐぐ(タマ姉のアソコの中、きつくて気持ちいい…でも…………ああ、
愛佳、重ね重ねごめんっ!)」
 環が貴明とつながったのを見止めて、図書委員長は貴明の膝の上に座って環の腰を
つかんで上下に動かした。前と後ろの両方の穴にペニスを入れられて環は頭の中が真
っ白になりかかっていた。
「ああっ、ん、あ、ああ…タカ坊、タカ坊…」
 貴明の物を入れられて、いっそのことこの快楽に体を任せたいと環は思い始めてい
た。貴明も物を環の膣壁に締め付けられ、環が体を揺すぶるたびに目の前でプルンプ
ルン揺れるおっぱいに誘惑されそうになったが、
「(ダメだタマ姉。気を確かに持って!ここで陥落したら負けだ!)」
 そう言いたげに環の目を見つめた。環はぶっ飛びそうになった理性を振り絞って最
後の抵抗を試みた。環の目がキッと吊り上った。
「今タカ坊君の名前を呼んでたね。向坂さんはタカ坊君さえいれば何でも許せてしま
えるんだ。浣腸も、アナル攻めも、3Pでも」
「ち、違う!私は…」
 図書委員長は終わりまで言わせなかった。
「じゃあイッちゃだめだよ。イッたら向坂さんの負けだからね」
 図書委員長は環の腰を激しく動かした。グシュッ、グシュッという音を立てて二本
の肉棒が環の体の中で暴れ回る。
「あ、嫌、そんなに動かされたら私…くっ、う、あっ、あああ…」
 ゾクゾクッと環の体をこれまで以上の性感が走り、
「はぁん、あっ、あああぁあぁぁああ!」
 環は絶叫と共に達してしまった。下半身が締まり、両方の穴に入っている肉棒を締
め付ける。
「「ううううっ」」
 図書委員長と貴明は同時にうめいて、子宮と直腸の中に射精した。
「あぁ…あ、熱い……私、もう…」
373外道図書委員長の陰謀:05/01/28 19:34:40 ID:P4PoMHuE
「んぐっ(タマ姉!)」
 精気の尽き果てた環はそのまま貴明の胸の中に倒れこんだ。菊口と膣口からトロリ
と精液がこぼれた。
「ん?愛佳君…」
 環の菊口から物を抜いた図書委員長は、それまで放っていた愛佳のほうを見た。愛
佳は床にしゃがみこんで脚をM字に広げ、パンツを脱いで裸の股間に手を当てていた。
その指先が愛液でしとどに濡れている。
「何だ、愛佳君オナニーしてたのか。今まで待ちきれなかったのかい?それとも僕た
ちがしてるところを見ておまんこが疼いてたのかな」
「え…その……向坂さんの…セ、セックス見てたら、だんだん変になってきて…」
「やれやれ、辛抱できないなんて本当に君は淫乱な牝犬だな…」
「は、はい…い、淫乱な愛佳に、お、お仕置きしてください」
 無意識なのか、或いは条件反射的に出た反応なのか、愛佳の口から普段から想像
し得ない言葉が自然に飛び出た。
「(おや、少し前まで信じられない反応だったけど…これは陥落が近いと思ってい
いみたいだな)」
 委員長はほくそ笑んで、愛佳の目の前に肉棒を突きつけて指示した。
「よし、それじゃあ僕のおちんちんを舐めてきれいにしてもらおうか」
374名無しさんだよもん:05/01/28 20:09:25 ID:1AWAORTH
>>344

最後までGJ!
修羅場からラストまでちと駆け足だったですが
恙無く終わったと思います。
375ミステリの人:05/01/28 21:39:02 ID:RCZU+iSp
月夜とUFO
残りのぶん投下します。
376月夜とUFO 回想編・1:05/01/28 21:41:51 ID:RCZU+iSp
・・・・・・
あれは、
私が小学3年生の夏休みに
田舎のおばあちゃんの家に行ったとき・・・。

「ねえねえーおばあちゃんー、遊ぼうよー」
「ごめんね、おばあちゃん足が悪いから
 花梨ちゃんと一緒に遊べないの」
夏休みはお盆に田舎に帰るのが
我が家の恒例行事だったんだけど、
別に田舎に友達がいるわけでもないし
おばあちゃんも足を痛めていてあんまり遊んでくれなかったの。
だから私はあんまり田舎に行くのが好きじゃなかったんよ。
それである日、
あまりにもヒマだった私は1人で外に遊びにいったの。
けっこう山あいの場所だったから
探検したくなるようなスポットはいっぱいあって、
1人で遊ぶ時は探検ごっこばっかりやってた。
それで今回はまだ行ったことのない場所に
行ってみようって思って、少し遠出をしたんよ。

しばらくあてもなく田んぼ道を歩いていると
田んぼと山の間にちょっとした森になっているところがあって
森の中に向かって細い道が延びていたの。
森の入り口に看板が立ってて
〜この先なんとか神社〜
って書いてあったから別に危なくないなって思って
そのままどんどんその道を進んでいったんよ。
あ、ちなみになんとかっていうのは漢字が読めなかっただけね。
377月夜とUFO 回想編・2:05/01/28 21:43:24 ID:RCZU+iSp
10分くらい歩いても全然その神社につかなくて、
でもここまで来たら引き返してたまるかー!って思うじゃない?
だからさらに森の中の道を進んで行ったの。

また10分くらい歩いてたら
森が終わって、急に川原に出たの。
道間違えたのかな?って最初思ったんだけど
途中に別れ道も無かったし
間違えたわけじゃないことは確かなのね。
でも神社に続いてるはずの道がなぜか川原に続いてた。
今ならワクワクするだろうけど、
まだその頃は子供だったから
なにがなんだか分からなくて不安だったの。

それでとりあえず辺りを見回してみたら
川の向こうに誰かいることに気づいて、
私と同じようにあの道を通ってきたのかな?
って思って、話しかけようと川に近づいたの。

「おーい!」
私は川の向こう岸にむかって叫んだの。
それに気づいてその人はこっちに振り向いて。
その時その人が私と同い年くらいの女の子ってことが
分かってちょっと安心したの。
その女の子は私のことを見つめたまま一歩も動かなかった。
色白なカワイイ子でおとなしそうだった。
378月夜とUFO 回想編・3:05/01/28 21:44:30 ID:RCZU+iSp
その子がそれ以上何も反応しないから
私は待ちきれなくなって
「あなたもこの道を通ってきたのー?」
また叫んだの、そしたらその子は急に向こう岸にある
林の方へ走って行っちゃったの。
追いかけようと思ったけど、
川を歩いて渡るのは無理そうだったから
私はその子がどっかに行っちゃうのを見てるしかなかった。

結局その日はあきらめて家に帰ったの。
一体どこに行ってたの?って聞かれたけど
なんだか自分だけの秘密にしておきたくて
お母さん達には教えなかった。
・・・・・・


「ほぉー、続きがすごい気になるなー」
「ふっふっふ。もう昼休み終わりだから放課後にね」
「うん、授業終わったらすぐに来るよ」

放課後。
俺は花梨の昔話の続きを聞くため部室へ向かった。

「じゃ、続き聞かせてよ」
「うん」
379月夜とUFO 回想編・4:05/01/28 21:45:26 ID:RCZU+iSp
・・・・・・
それでその子のことが気になって
次の日もその川原に行ったの。

川原に着いてみると、
昨日は向こう岸にいたのに
今日は私がいるほうの岸に女の子がいたんよ。
私はなんだか嬉しくなってその子のほうへ走って近寄ったの。
「ねえ、昨日は何でいなくなっちゃったの?」
川を見つめていた女の子は急に後ろから私に話しかけられて、
ちょっとビックリした感じで振り向いて
「またお前か、どうしてここに来ることができるのだ?」
「え・・・?」
同い年くらいの女の子のはずなのに
妙にえらそうで大人っぽかったから逆に私がビックリしちゃって
何も言い返せなかったの。
「なにか機器に異常があるのかもしれないな。
 おい、命が惜しかったらもうここには来ない方がいいぞ」
「な、なんのこと??」
女の子はなんだかわけの分からない事を言うと
そのまま川に向かって歩き出したの。
「あ!」
私は目を疑った、だって女の子は川の水面を歩いてたんだもん。
私が呆気に取られていると、もう女の子は向こう岸の林の中に
入って行ってしまってた。


その次の日も私は女の子に会いに川原へ行ったの。
きっと私の中の冒険者の血が騒いだのね。
380月夜とUFO 回想編・5:05/01/28 21:46:17 ID:RCZU+iSp
川原に着くと女の子の姿は無かった。
向こう岸も見渡してみたんだけど見つからなくて、
あきらめて帰ろうとしたら上の方から
「また来たのか、来るなと言ったのに。
 やはりうーは愚かだな」
女の子は木の枝に座ってこっちを見ながら
またえらそうに私にむかって言ったの。
いきなりだったからビックリしたけど
私もその子に会いに来たわけだから、
「いっしょに遊ぼうよ」
って言ったの。
少し沈黙があってから
「お前は命知らずなうーだな」
そういってその子は木の枝から飛び降りてフワリと着地した。
「いいだろう、魚を取るぞ」
「さかな?」

その子の後について行くと川の浅いところに何匹も
魚が泳いでるところがあったの。
「いいか。まず見本を見せてやる」
女の子は川に手を突っ込むとすごく早い動きで
魚を岸にすくいあげたの。
「やってみろ、うー」
「う、うん!」

その子のマネをしてやってみたけど
すくいあげるどころか魚にさわることもできなかったの。
「無理だよ〜、どうやったらあんなに早くできるの?」
「弱音を吐くなうー。その程度ではこの先
 生きてゆくことができないぞ」
381月夜とUFO 回想編・6:05/01/28 21:47:01 ID:RCZU+iSp
夕方になるまで魚取りをしてたんだけど
結局私は1匹も取れなかったの。
女の子はたくさん取ってたんだけどね。
「じゃあもう時間だから帰るね」
「そうか。また鍛えて欲しくなったら来るがいい、うー」
「うん、じゃあまたねーバイバイー」


それから私は毎日その子に会いに行ったの。
だんだん私も魚が取れるようになってきて。

初めて魚を取れたとき、すごく嬉しくて
「やったー取れたよー!」
「喜ぶのはまだ早いぞうー。1匹では腹がいっぱいにならないぞ」
とか言ってたけど、その子は初めて笑顔を見せてくれたの。
「あ、そういえばまだ名前言ってなかったね。忘れてた。
 私は花梨だよ。あなたは?」
「るー だ」
「るー?」
「そうだ、るーだ」
「分かった、よろしくね!るーちゃん」
「るーちゃんではない、るーだ」
「だからるーに、ちゃんをつけてるーちゃん」
「るーはるーだ。るーちゃんではない」
「もう、だから〜〜」
382月夜とUFO 回想編・7:05/01/28 21:49:20 ID:RCZU+iSp
るーちゃんとの楽しい毎日がずっと続けばいいって思ってたけど、
それでも私が帰らなきゃならない日が迫って来ていて。
「ねえ、るーちゃん。私明日帰らなきゃいけないの」
「帰る?いつも帰っているではないか」
「うーんと、今はおばあちゃんの家に住んでいるんだけど
 夏休みが終わる前に自分のお家に帰らなきゃいけないの」
「自分のお家は遠いところにあるのか?」
「うん。だから来年にならないとここにはこれないの」
「そうか。うーもるーと同じだな。
 るーも自分の家は遠いところにある」
「そうなんだ、じゃあるーちゃんもまた来年
 田舎に帰ってこれるの?」
そう言うとるーちゃんはすこし黙ってしまったの。
「どうしたの?」
「るーももう少ししたら自分の家に帰る。
 だがもうここに来る事はできない」
「えっ・・・・。
 もう会えないの・・・?」
383月夜とUFO 回想編・8:05/01/28 21:49:59 ID:RCZU+iSp
るーちゃんは立ち上がって、
「お前は見どころのあるうーだ。
 だからいつでもるーに来るがいい。
 歓迎してやろう」
「るーちゃんのお家はどこにあるの?」
私がそう聞くとるーちゃんは空を指差したの。
「え?るーちゃんのお家は空にあるの?」
「空よりもずっと先だ」
「空のずっと先?どうやって行くの?」
「そのくらい自分で考えろ、うー。
 お前なら分かる時が来るだろう」
「うん。がんばって考えるよ。
 いつかるーちゃんのお家に遊びに行くね」
「楽しみにしているぞ。
 その時はうーに、ぐーの取り方を教えてやろう」
そしてるーちゃんはポケットから小さな箱を取り出すと
それを私にくれた。
「さようならだ、うー」
「うん、また遊ぼうね、るーちゃん」
私はるーちゃんにそう言ってすぐに走り出したんよ。
るーちゃんに泣いてるのを見られたくなかったから・・・。
384月夜とUFO あれから私は・1:05/01/28 21:51:53 ID:RCZU+iSp
私はそれから子供なりに一生懸命に空の向こうに行く方法を考えたの。
そして半年くらい経って、テレビでUFOの特集番組をやっていて、
それを見て私は、これだ!って喜んだ。
でも、お父さんやお母さんにUFOはどうやったら乗れるの?
って聞いたら、UFOは宇宙人しか乗れないんだよって言われたの。
私はあきらめたくなくて、どうにかして宇宙人にUFOに
乗せてもらおうって思って、今度はUFOを呼ぶ方法を探したの。
とある本に、UFOの呼び方 が載っているのを見つけて
私はそれをがんばってやったわ。

そうこうしているうちに
また夏休みがやってきて、いつも通りおばあちゃんの家に行ったの。
今までだったら別になんでもないことだったけどその時は違った。
もちろんまたるーちゃんに会えると思っていたから。
きっとあの川原でUFOを呼べばるーちゃんのお家に連れて行って
もらえると思っていたから。

でも・・・UFOは来てくれなかった。
毎日あの川原へ行ってUFOを呼んだけどだめだった。
私は何度も泣きそうになったけどあきらめなかった。

あと何日かでまた帰らなきゃいけない日が近づいて、
その日はUFOを呼ぶのをお休みして川原の岩の上に座ってたの。
そしたら1年前同じようにるーちゃんとそこに座って
お話したことを思い出して・・・。
385月夜とUFO あれから私は・2:05/01/28 21:52:58 ID:RCZU+iSp

「いいことを教えてやる、うー」
「なになに?」
「うーが住んでいる星が世界の全てだと思ってはいけない。
 うーは自分の世界だけしか見えないようなうーにはなるな」
「・・よく意味が分からないよ??」
「うーはとても未熟だ。
 うー、夜に空を見たことがあるか?」
「うん、月とか星がきれいだよね」
「そこにもうーと同じ世界がたくさんある」
「うーん、やっぱりわからないよ」


・・・また去年みたいに帰らなきゃいけない日はやってきて。
来年こそはUFOを呼ぶって思ったんだけど、
しばらくしておばあちゃんが病気で急に亡くなっちゃったの。
だから次の夏休みから田舎に遊びに行くことはなくなっちゃったの。
386月夜とUFO あれから私は・3:05/01/28 21:53:41 ID:RCZU+iSp

・・・・・・・



「そういうことがあったんだ・・・」
思わず胸がじーんとしてしまう俺。
どうせくだらないとか思って悪かった。
「いつかるーちゃんに会えるかな?」
「うん、きっと会えると思うよ」
「ふふ、その時はたかちゃんのことるーちゃんに
 紹介してあげるね」
花梨に気を使ったんじゃなくて
俺は本気で花梨とるーちゃんがまた会えると思った。
なんでそう感じたかは分からないけど。

「今なら、あの時分からなかったことも分かる気がするんだ」
「世界はこの星だけじゃないって話?」

「うん。夜、星を見ていると思うの。
 宇宙のどこかで同じように星を見てる誰かがいて、
 その星のどれかひとつにるーちゃんがいるんだろうなって・・・」



おしまい。
387ミステリの人:05/01/28 21:57:44 ID:RCZU+iSp
お楽しみいただけたでしょうか?かなり長くてゴメンナサイ。
後ほどサイトの方にまとめてうpしておきますのでそちらもよろしくお願い致します。
388ミステリの人:05/01/28 22:00:31 ID:RCZU+iSp
あと前編があるのに後編がないぞ!ってツッコミはナシの方向でおねがいしますorz
389愛佳やタマ姉を甚振ってる作家:05/01/28 22:01:22 ID:L+GfFg9p
>>362-365>>376-386
乙です。河田キャラのコラボというアイデアもお見事ですが、星新一好きな俺は
花梨とるーの交流面白く読ませていただきますた。こんな裏話、ファンディスクに
収録されたらさぞかし楽しいでしょうな。
390名無しさんだよもん:05/01/28 22:01:51 ID:b93uQIfY
>>387
∩( ・ω・)∩るー

こういうファンタジーは好きだ GJ
391名無しさんだよもん:05/01/28 22:03:39 ID:2RoeyVd8
ほんのり心温まるええ話やね。こーいうの好きです。
グッジョブ。
392名無しさんだよもん:05/01/28 22:40:23 ID:ygbYUnMA
今日はラッシューじゃのー
393名無しさんだよもん:05/01/28 22:45:31 ID:o5leoZYb
えっと、以前愛佳夢オチ話を書いたものです。
遅くなりましたが感想を聞かせてくれた皆さんありがとうございます。
懲りずにまたSS(しかもありがち)を書いてみたので読んでいただけたら幸いです。
しばしうpに時間を取らせてください。
394素直(仮)1/4:05/01/28 22:47:08 ID:o5leoZYb
今にして思えば、始まりは雄二が昼休みに放ったこの一言だった。
「このみって騙されやすいよな」
「…?」
タコさんウィンナーをくわえたままキョトンとするこのみ。
薮から棒に何を…? と言ったところだろうか。
「あ〜でも確かに。このみって単純だからなあ」
悪気があるわけじゃないが、つい俺も同意してしまう。
(そういやガキのころ学校の裏山でツチノコを見たって、誰かがついた嘘を信じて、
 一日中探してたこともあったもんな。あの時はこのみが行方不明になったて大騒ぎになったっけ)
「ちょっと、二人ともそういう言い方はやめなさい。
 このみのは単純じゃなくて ゛素直" っていうのよ」
とタマ姉がフォロー(…というより真実か)をした時には、時すでに遅し。
単純娘あつかいされたこのみは、すっかりご機嫌ななめとなりプク〜と頬を膨らませてた。
「タカくんとユウくんの意地悪…」
う〜む。このみはこうなると厄介だ。今日は学校帰りにアイスを奢るはめになりそうな予感。
頭の中で財布の紐をとき残金を計算してみる。…あはは赤字だよ。
「でも冗談抜きで気をつけなさいね、このみ。
 最近は ゛素直" な人を狙った悪質な詐欺もあるみたいだから」
「そうなの? タマお姉ちゃん」
「ええ、何て言ったかしら。確か―――」
395素直(仮)2/4:05/01/28 22:49:05 ID:o5leoZYb
―それから数日後のこと。
放課後、下駄箱の前で黄昏ている男子生徒が一人。…まあ俺なんだけどさ。
「傘がない…」
3時間目の終わりあたりから曇り始めた空は昼過ぎには空全体を薄暗く覆い、
下校時間を迎えた時にはご覧の通り大粒の雨。
(クソッ、天気予報じゃ晴れだと言っていたのに!)
と悪態をついたところでどうにもならない。
この雨脚では濡れて帰るのにもかなりの覚悟がいりそうだ。
…いや、濡れて帰るのだけはどうしても避けなければ。
実を言うと昨夜、いい歳してお腹を出して寝ていたらしく、今日は朝から風邪気味なのである。
クシャミ 鼻水は止まらないし 声だってものの見事に鼻声なのだ。ずびっ。
こんな状態で濡れて帰ったりしたら肺炎にだってなりかねない。
(そういえば今朝もこのみに心配されたっけなあ)
ちょっとだけ遠い目。
いやいや、今はそれよりもこの非常事態から脱出する方法を考えなければ。
そこでアイデア。
案1 傘泥棒――はモラルに反するしイジメよりもカッコ悪いので却下。
案2 相合傘――はするのにも相手がいない。
(…居たところで、とてもじゃないができないけどさ)
そんなことをしようものなら明日の、クラスの話題を独占してしまう。よってこれも却下。
(あ〜あ、どうすりゃいいんだよ…)
と、ここまで考えたところで不意に妙案が浮かんだ。
396素直(仮)3/4:05/01/28 22:50:42 ID:o5leoZYb
(そうだよ、このみだよ!)
確か今日 一年生は特別編成で半日授業だったはず。
つまり今ならこのみも家にいるんじゃないか?
このみに迎えに来てもらおう!
さっそく公衆電話へとダッシュし、十円玉を投下。柚原家の電話番号をプッシュする。
『トゥルルルルルル…』
やがて数秒の呼び出し音の後。
『もしもし柚原です』
と、このみの声が聞こえてきた。
「あ、もしもし このみか? オレオレ、俺だけど」
『…?』
受話器からきょとんとしたような息遣いが聞こえてきた。 
いけね。今 俺、鼻声だったんだ。
いくら付き合いの長いこのみでも鼻声で、いきなり「オレオレ」ではわかるはずがない。
「えっとスマン。俺だよ、貴――」
『ハッ! コレってこの間 タマお姉ちゃんが言ってた ゛オレオレ詐欺" ってやつじゃ!?』
… え?
『そうだよ! だって今 ゛オレオレ" って言ったもん!』
「いや、違っ、この―――」
『え〜コホン。柚原家には詐欺師さんに払うお金はないのであります!』
――ガチャン。ツーツーツー…。
(…切れた)
ビュウウウウウ…。
呆気に取られた俺の背後を木枯らしが吹き抜けた…ような気がした。
397素直(仮)4/4:05/01/28 22:52:54 ID:o5leoZYb
その後、どうなったかというと、ありったけの十円玉を犠牲にし、
ようやくこのみに ゛俺" だとわかってもらった ゛オレ" (もういいっての)は、
どういう話の流れか『13』の看板のアイスを奢ってやることを条件に迎えに来てもらうことになった。
…のは いいのだが、このみのやつ、どういうわけか自分の傘だけを持って迎えにきたわけで…。
「タカくん、これってさ――ううん、なんでもない♪」
「…そ、そう」
というオチがつくことになってしまったというわけである。
(一つの傘に男女が肩を寄せ合って入るというアレだよ、アレ!)
しかも傘は泣く子も黙る乙女チックなピンク色ときたもんだ。
(あぁ…明日学校にいくのが恐い…)
ロイター通信で世界配信されるというわけじゃないがネタがネタなだけに不安がつのる。
(登校拒否になりそうだ)
なんて俺の心配を知ってか知らずかこのみは俺の隣で鼻歌なんて歌っている。
「タカくん、もっと近寄らないと濡れちゃうよ?」
「…ははは、そーデスネ…」
雨空の下、俺の渇いた笑いが響き渡った。

おしまい。

【次回予告】
オレオレ詐欺を無事乗り切った(?)このみの前に新たなる詐欺が!
その名も「るーるー☆詐欺」 はたしてこのみの運命は!?
『このみVSるーるー☆詐欺』に続く。
                                    …というのは嘘です。
398名無しさんだよもん:05/01/28 22:53:08 ID:0NL+lpmc
リアルタイム!
399名無しさんだよもん:05/01/28 22:56:25 ID:Wye6i8V4
ワロタ
400名無しさんだよもん:05/01/28 23:36:51 ID:+o9soen+
面白かったわw
401名無しさんだよもん:05/01/29 01:40:11 ID:hdGCOm+l
るーるー、るーだけど
402名無しさんだよもん:05/01/29 03:12:14 ID:7bIkiGsu
GJ
こんな時間にのほほんとしちまったぜ
4031/2 つまみぐい:05/01/29 11:40:01 ID:uXCyYf3B
 放課後、久々に雄二となんとなく下校。
「やっぱ緒方里奈だよなぁ」
「そうか?」
 公園のベンチで詰まらない会話。仕方ない。今日は愛佳は委員会の用事とやらで遅くなるから待たなくて
いいと言っていた。最初は待つからって言ったんだけど、あんまり申し訳なさそうにするもんだから、今日くら
いはいいか。
「…………」
「…………」
 まあ、無言でダチと過ごす放課後ってのも――たまには――悪くない。
「なあ貴明――」
 不意に雄二がマジメな顔をした。
「実は姉貴から聞いちまったんだ」
「ん。なにを?」
「いや、な」
 ぐい、と雄二が近づいてくる。
 おいおい、なんだよ。急に。
 がしっと両肩を掴まれる。
「前に話した俺の初恋の人なんだけど」
 う、嫌な予感。
「あれ――、お前だったんだってな」
 ぎゃー、やっぱバレた。
「すまん! 雄二! お前を騙す気じゃなかったんだ。ただあれはタマ姉がっ!」
「分かってる! 分かってるんだ。だが、貴明――」
 さらにぐいと近づいてくる雄二の顔。
「俺の思い出にケリをつけさせてくれ! 一回でいいんだ。つまみ食いでいいから!」
 な、な、な、何を言ってんですか、アンターーーーーーーーーーーーー!!
 しかしパニック状態の俺を良いことにどんどん雄二の顔が近づいてくる。
 ヘルプ、誰かヘルプ、この異様な状況から誰か俺を救い出してくれ。愛佳、愛佳ーーー!!
 真っ暗になる視界。
 わーーーー! なんで俺は目を閉じてんだ。ついっ! つい体が勝手に!!

 むに、と、触れる唇の感触。
4042/2 つまみぐい:05/01/29 11:40:44 ID:uXCyYf3B
 ノーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
 あれ? 雄二の唇、結構柔らかいな。って俺は何を考えてんだっ!
 ぐわっ! と、目を開けると目の前には閉じられた瞳。
 ――結構睫毛が長いな、と、なんとなくそれを見ている。
 そしてその瞳がゆっくりと開かれて――
 俺の目が開いてることに気付いて――、
「わひゃ!」
 一瞬で2メートルほど後ろに跳び退った。
 おう、いいジャンプだ。
「た、たたた、たた、たかあきくんっ!?」
「うん」
「お、おお、起きてました!?」
「うんや、今、起きた」
 ん〜〜っと背伸び。そうか、郁乃が明日来るからって残った書庫の整理をしているうちに寝ちゃったんだ
な。
 しかし悪い夢だった。
 つい、と、唇に残った感触を指で確かめる。
 むぅ、雄二のだと思うと思いっきり拭ってやりたいが、愛佳の手前そういうわけにもいかない。
 ぺろりと舐めると、甘い味がした。
「あれ? 愛佳、またつまみ食いした?」
4053/2 つまみぐい:05/01/29 11:51:46 ID:uXCyYf3B
「し、してないですよぉ」
 真っ赤になって両手を振る。

 そんな愛佳のつまみぐい。

----
すまん。ぶったぎりで終わろうと思ったんだが、気になったので自分で3行だけ追加した。
406名無しさんだよもん:05/01/29 12:32:06 ID:oadwurbQ
>>405
GJ!

一瞬このままホモエンドかとオモタ(;´Д`)
407名無しさんだよもん:05/01/29 13:06:14 ID:hdGCOm+l
緒方理奈 緒方理奈 緒方理奈 緒方理奈 緒方理奈 緒方理奈
緒方理奈 緒方理奈 緒方理奈 緒方理奈 緒方理奈
緒方理奈 緒方理奈 緒方理奈 緒方理奈
緒方理奈 緒方理奈 緒方理奈
緒方理奈 緒方理奈
緒方理奈
408名無しさんだよもん:05/01/29 13:14:51 ID:pDlrKQ+9
>>405
GJ!雄二を夢を見るとはw
409名無しさんだよもん:05/01/29 13:33:00 ID:GPcZmHID
雄二を緒方理奈に会わせてやりたい
410外道図書委員長の陰謀:05/01/29 13:41:58 ID:ri4mie+2
>>405
GJです。鬼畜もの書いてるとこういう話が恋しくなるんで楽しませていただきますた。

>>409
それ俺も考えてます。大学の学園祭に理奈が来ることになって、そこに雄二や貴明が
行ってどうのこうのって話を。ここは雄二にいい役をあげたいって俺は思ってるので
すけどね・・・。

ではただいまから>>373の続きを投下しまつ。健全な愛佳erはローカルあぼーん推奨。
411外道図書委員長の陰謀:05/01/29 13:43:58 ID:ri4mie+2
 愛佳は嫌がる素振りも見せずに仁王立ちの図書委員長の前で立て膝をついて、物を
ピチャピチャと舐め始めた。今の愛佳の目に、書庫で貴明と二人きりでいる時の輝き
はない。それは恰も誰か命令してくれる人がいるなら、たとえそれがどんなに理不尽
なことでもその人の言う通りに動くことが自分の全てであるかのような目だった。
「愛佳君は日ごとにフェラが上手になってるね」
「………お、恐れ入ります…」
「こんなに唾でベトベトにして…そんなに僕のおちんちんはおいしいかい?」
「はい、おいしいです……もっと、もっとしゃぶりたいです」
「いいよ、咥えても」
「ありがとうございます…あむっ」
 物を咥えた愛佳は図書委員長が何も言わない先から唾を絡めてグチュグチュと音を
させながら口の中で彼の物を刺激した。
「(これはどういう風の吹き回しだろうかね…)」
 図書委員長は意外にも愛佳が素直になったことに驚いていた。彼は昔読んだラノベ
に「いかな我慢強さが身上の人間でも、他人が苦痛に耐えるのを見るのには意外と弱
い」というくだりがあったのを思い出した。世のため人のため、困ってる学生のため
ならばと誰にも助力を惜しまない愛佳だけに、環が苦しんでいるのを見るのが我がこ
とのように、いやそれ以上につらかったことは察せられる。しかし折檻が恐くて手が
出せず、環が陵辱される様を悶々と見ているより他になかったなら、愛佳に残された
たった一つの選択肢は………。
「(いやはや、驚くべきものだね。いくつもの偶然の重なり合いってやつは)」
 図書委員長は次の指示を与えた。
「これからフェラしながらオナニーしてごらん。お尻を河野君のほうに向けて」
 図書委員長は落ち着き払って言った。自分が恐い目で愛佳を睨まなくてもちゃんと
言うことを聞いてくれるかどうか試すために。
「さっきはイク前に僕に見られたんだろ?気の済むまでマンズリしていいからさ」
 口調はソフトでも意味は「貴明にオナニーしているところを見せてやれ」という命
令である。
412外道図書委員長の陰謀:05/01/29 13:45:59 ID:ri4mie+2
「ふぁい…」
「よし、じゃあしゃがむから愛佳君は四つん這いになるんだ。それで河野君のほうに
お尻を突き出して、おまんこを指で広げてオナニーしろ」
 図書委員長は立て膝をつき、愛佳は四つん這いになって貴明の前にお尻を見せた。
愛佳の秘部が指で広げられて、ピンク色の襞が貴明の目の前に晒された。
「んぐぐ…(愛佳……嘘だろ?タマ姉が犯されるのを見てただけであいつに従順にな
っちまうなんて…)」
 ロボットのように図書委員長に言われた通りに動く愛佳が貴明にはショックだった。
愛佳の秘部を白く細い指が這い回り、さっきのオナニーで既に濡れていたそこはクチュ
クチュ、ピチャピチャと音を立てた。
「こんなにいやらしい音立ててマンズリしながら僕のおちんちんを咥えるなんて、本
当に愛佳君はスケベな牝犬だな。そうだろ、ええ?」
「ふぁい…愛佳は…んんっ、愛佳は先輩の…あくっ、お、おちんちんが大好きないや
らひい牝犬でふ…はあん」
「聞いたかい、河野君?愛佳君はもう向坂さんとセックスして喜ぶような尻の軽い君
なんか嫌いなんだ。それよりも僕の牝犬として奉仕するほうを選んだんだよ」
「んん…んんんんんー(ふざけるな、さっきから勝手なことばっかり言って)」
 猿轡の間から必死に怒りの声を出す貴明。しかしそれもまた火に油を注ぐ結果にし
かならなかった。
「聞き分けのない人って、僕は嫌いだな。こうしても河野君には事実を分かってもら
えないのかな……ほら、愛佳おいで」
 図書委員長は愛佳に声をかけて、足を伸ばして床に座った。愛佳は割れ目を指で広
げ、下の口で図書委員長の物を咥え込む。ズブズブという音をさせて図書委員長と愛
佳はつながった。
「愛佳のおまんこの中、相変わらずきつくて気持ちいいよ」
「ああ、先輩のおちんちんもお腹に当たって、感じちゃいます…」
 図書委員長は愛佳の制服の前を開いてブラジャーを外し、乳首と乳暈を舌先でくす
ぐった。そして腰を取って上下にグシュグシュと振り立てる。
「あっ、ひゃあう、お、おっぱいと…おまんこが、へ、変に…あん、んん、んふぅん」
413外道図書委員長の陰謀:05/01/29 13:47:45 ID:ri4mie+2
「気持ちいいかい?じゃあ自分でも動いてごらん」
「は、はいぃ…ああっ、ここ…い、いいですぅ……んあっ、は、んく、あ、ああぁん」
「乳首もクリトリスもこんなにパンパンに膨れて…本当に愛佳は淫乱だな」
 図書委員長の手が愛佳の片方の乳房と股間に伸び、乳首とクリトリスを摘んで転が
した。口はもう片方の乳首を含んでチュウチュウと吸う。
「い、いひゃああ、そ、そんなことされたら、あたし…もう……」
 愛佳の頭の中は真っ白になっていた。ただ膣の中とおっぱいとクリトリスを甚振ら
れる快感しか今の愛佳を支配するものはない。愛佳の目は虚ろになり、口元にはうっ
すらと笑みさえも浮かんでいた。
「うー、ううううー!(愛佳、大丈夫か!愛佳!)」
「あっ、ああ…も、もうダメ、です……あ、やぁ、あ、ああ」
 貴明の不安をよそに愛佳は淫猥に腰を振って図書委員長の物を出し入れするばかり。
「僕も、もう、イクよ……ううっ」
 図書委員長が愛佳の腰を引き寄せて、膣の中に射精した。
「ああっ、あ、熱……熱いです……は、はぁ、はあぁぁあん」
 愛佳は精液を膣の中で受け止めながら何度も体をびくつかせて、図書委員長の胸の
中に体を預けた。
「どうだ、これで分かったかい?愛佳君はもう身も心も僕のものなのさ」
 愛佳を抱き寄せて、図書委員長はニヤリと笑って貴明に言った。
「……………」
 貴明は黙って図書委員長を睨みつけた。込み上げてくる恋人を寝取られた怒りと
悔しさはどうしようもない。
「ふん、まだ愛佳君に未練があるようだね。でもご愁傷様。もう愛佳君と君は終わっ
たんだよ。潔く諦めてくれ。まあ結婚式には招待してあげるからせいぜい祝福して
くれると嬉しいよ、ははははははははははは」
 高笑いする図書委員長と、いつかやったゲームに登場した電波男の姿が貴明の頭
の中で被っていた。
414名無しさんだよもん:05/01/29 13:59:32 ID:pDlrKQ+9
陵辱ものは好きじゃないんだけど、
文章うまいな
415名無しさんだよもん:05/01/29 14:03:25 ID:uXCyYf3B
爆弾!爆弾!―wwヘ√レvv〜(゚∀゚)─wwヘ√レvv〜─ !!
たかあきちゃん、電波届いた?
416名無しさんだよもん:05/01/29 14:07:44 ID:aiqZ2RBB
ヤバイな。このままでは、たかちゃんは電波に目覚めるかもしれんw
おとなしく次回を待つぜ。
417外道図書委員長の陰謀:05/01/29 15:48:42 ID:rmvLDloJ
お粗末な拙作、お褒めに与り恐れ入ります。
これから図書委員長の矛先はタマ姉に向いて、貴明と愛佳が陵辱を手伝わされるという
流れでいこうかと思ってます。手元の数少ない資料(鬼畜系はあんまり読まないほうな
ので)も参照しつつ自分なりのオリジナリティも盛り込みながらここまで来て、もう少
し続けられそうだという自信も出てきますた。そんな俺でよかったら今後ともお付き合
いくださいませ。
418名無しさんだよもん:05/01/29 15:49:12 ID:6roNz8xL
死ね
419河野貴明ドットコム 1/4:05/01/29 16:00:21 ID:RFXXyoVi
特に目的は無かったんだ。
ただ風呂上がり 眠気が訪れるまでの時間潰しに。
と思って接続したインターネットで俺はとんでもないものを見つけてしまった。
『☆河野貴明ドットコム☆』
(えっとこれは……ι)
え? なに? 俺はもう寝ちゃってて実はコレ、夢だったり?
いやいやまてよ! そうか、アレだ。同姓同名の河野貴明さんのホームページなんだな?
だったら親近感もわくというものだ。そうだよ、ウン。
無理矢理自分を納得させ『入り口』をクリック。
『ばば〜ん♪』
気の抜けるようなSEとともに切り替わる画面。そこには――
「……俺だ」
見紛うことなき俺の姿(画像)が。
背景も俺。ボタンも俺。カーソルも俺。俺俺俺。
自分の顔ながらこうも並ぶとさすがに壮観…なわけねー。
「気持ちわるっ!」
センスの悪さ全開(フルスロットル)だ。
思わず今すぐパソコンの電源を落としたくなる衝動にかられる。
しかし今ここで切るわけにはいかない。見つけてしまった以上すべてを見届けなくては。
それが俺の使命ってやつだ。
(というかこのままじゃ気になって眠れないよ)
420河野貴明ドットコム 2/4:05/01/29 16:01:37 ID:RFXXyoVi
というわけで目眩のする頭をおさえ『河野貴明 プロフィール』のボタンをクリック。
クリックした瞬間、俺の顔の形をしたボタンが「ニカッ!」って笑った。…勘弁してくれ。
『ずび〜ん♪』(効果音)
(うわあ〜…)
プロフィールは生年月日にはじまり、生まれた時の体重、始めて喋った言葉ときて、
入学卒業といった定番イベントは当然のごとく掲載。
それどころか、このみだって知らないようなプチエピソードまでしっかりと抑えてあった。
小学校の時、トイレで転んで頭をぶつけた話なんてこれを見るまで俺自身も忘れていたくらいだ。
(もしかして これを作った奴、俺の身近な人間なんじゃないか?)
ふと疑問にかられ頭の中で容疑者をリストアップしてみる。
その中からPCに精通した人間でさらに絞り込む。すると―――。
(…いないじゃん)
俺エピソードといえばこのみやタマ姉、雄二なわけだが三人ともここまでPCを使いこなせはしない。
(じゃあ、誰が???)
…う〜ん、どうやらこの疑問は後回しにした方がよさそうだ。
もう少し閲覧してればヒントぐらいは見つかるかもしれない。
俺は引き続き魔境(あえてこう言おう)探索を続けることにした。
421河野貴明ドットコム 3/4:05/01/29 16:03:11 ID:RFXXyoVi
TOPページに戻り今度は『掲示板』をクリック。
TOPの戻った時、ふと目に入ったアクセスカウンターが3万を突破してたような気がしたが、
見なかったことにしておこう。
『ぴょろ〜ん♪』
例のごとく気の抜けるようなSEと気持ち悪い顔アニメの後、掲示板がオープン。
(ぐあっ! 大盛況じゃん!)
掲示板には嵐のような書き込みが。それも分刻みだ。ちょっとしたチャット状態である。
しかも内容はというと…。
『今日貴明さんが―』『先日、貴明君が―』『今日のタカ兄貴―』『タカ―』『貴―』『タ―』…
と全部俺の話。おまえら貴明村の住人かっつーの!
…なんて笑っていられればいいのだが、自分の事なだけに笑うに笑えない。
なんで俺がこんなに有名人になってるんだよ。トホホ…。
今更ながら夢であったら とほっぺをつねってみる。
ウン、痛い。ついでに言えば頭も痛い。涙もでてきそうだ。
その後『DIARY』をみても『GALLERY』を見ても俺俺俺と河野貴明のオンパレード。
結局この夜は、このページに翻弄され一睡もできなくなるのだった。
422河野貴明ドットコム 4/4:05/01/29 16:04:06 ID:RFXXyoVi
一方、姫百合家―

「さんちゃん、何だか嬉しそうだけど どないしたん?」
「うん。瑠璃ちゃん、今日なあ、貴明の家に行った時、貴明のパソコンに細工してん」
「細工?」
「貴明がな、インターネットに接続したらウチが作った疑似ホームページに
 飛ばされるよう いたずらしたんや〜」
「???」
「貴明の周りの人に協力してもらって作った本格的なやつねんで。
 今頃、貴明も驚いてるはずや〜」
「ようわからへんけど、さんちゃんヒマやな〜」
「珊瑚様、瑠璃様、そろそろ就寝時間です」
「ほな寝よか〜。瑠璃ちゃん、いっちゃん、おやすみ〜」
「おやすみ、さんちゃん、イルファ」
「おやすみなさいませ、珊瑚様、瑠璃様」 

こうして姫百合家の夜は更けていくのだった。同時刻、貴明がうなされていることなど露知らず。
アーメン。

おしまい
423名無しさんだよもん:05/01/29 16:09:21 ID:weVCJhU6
ショートSS乙。
なんかクスッて笑える話でいいね。短いながらもよくまとまってるよ。
424名無しさんだよもん:05/01/29 16:11:51 ID:cNKWsnzS
文章から察するに、雄二から果ては草壁さん辺りまで共犯な希ガス(w
425名無しさんだよもん:05/01/29 16:55:51 ID:uXCyYf3B
出だしからワロタ。
貴明の両親も一枚噛んでると見たが、如何に。
426名無しさんだよもん:05/01/29 17:01:38 ID:rGmOabJT
>>419
『おれに関する噂』を思い出した
ワラタよ
427名無しさんだよもん:05/01/29 17:17:00 ID:TELoRHZ/
タカくんにとっては怪談だなw
428名無しさんだよもん:05/01/29 17:29:57 ID:CDRnYBEk
>>外道図書委員長
ここまでして書庫守る愛佳はあるいみすげぇ
笹森と姫百合が捕まってもいい展開だ。
429名無しさんだよもん:05/01/29 18:33:36 ID:pDlrKQ+9
図書委員長の発想が高校生のものとは思えんなw
430名無しさんだよもん:05/01/29 18:36:11 ID:rGmOabJT
>>429
フランス書院の愛読者なんだろう
4311/5 指先に熔ける:05/01/29 18:36:58 ID:uXCyYf3B
 郁乃の手術が失敗した次の日、あたしは打ちのめされた気持ちで学校に行った。無理にでも学校に来た
のはそうでもしないと自分を保てそうにないからだった。せめて自分が、――強い自分を偽れる、そんな場
所に身を置かないと壊れてしまいそうだったから。
 あの子に姉としてなにをしてやれただろう?
 最後に見せたあたしの姿は良い姉の姿だっただろうか?
 あたしを責める郁乃の声が鼓膜の奥で木霊する。でもそうやって断罪されていないと、あたしはあたしでい
られなかっただろう。本当は分かっている。郁乃があたしを責めたのはあたしのためだ。本当は一番辛いの
は郁乃自身のはずなのに、あたしに気を使わせてしまった。
 郁乃の指が空を掴むたびにあたしはやるせない思いに囚われる。
 郁乃の顔があたしとは違う方向を向いて語りかけてくるたび、胸が引き裂かれそうになる。
 だからあたしは学校に逃げ込んだ。ここにいればせめて強い自分になれる。
 そして、たかあきくんがいる。
 たかあきくん、たかあきくん!
 今は彼の顔が見たい。彼の言葉が聞きたい。どんな言い訳でもいい、彼に触れられたい――。
 しかし学校で待っていたのはもうひとつの残酷な結末でしかなかった。
 無情にも次々と運び出されていく書庫の本。
 たかあきくんと貼った――ちゃちな――バーコードが、思い出を共有しない人たちによって剥がされてい
く。ひらりひらりと舞い落ちる。一枚、一枚剥がされるごとにあたしのなかの大事な想いも剥がされていく。
斜めになったシール。斜めだからこそ一枚一枚に思い出がある。――あった。
「まったく君たちのお陰で余計な手間が増えたよ。それもこれも小牧君が図書委員の決定に従わず、勝手
な行動をしてくれたお陰だね」
 言わないで! 言わないで! たかあきくんに聞こえちゃう!
「災難だったね。君は小牧君にうまく利用されていたんだよ」
 聞きたくない! 聞きたくない! でも耳をどんなに塞いでも聞こえてくる。
 怖くて、隣にいるたかあきくんの顔を見れない。
4322/5 指先に熔ける:05/01/29 18:37:42 ID:uXCyYf3B
「なんだこれ? カバー?」
 聞こえてきたその言葉に、あたしは思わず書庫のなかに駆け込む。まるでゴミのように摘み上げられた、
たかあきくんからもらったケープ。
 酷い! 酷い! 酷い! あなたなんかにそれに触れられたくない!
 無我夢中で取り返す。それを後ろ伸びた手がひょいと取り上げた。
「あ……」
 たかあきくんが厳しい顔で立っていた。
「小牧さん」
 なんで! どうして!? いつものように愛佳って呼んでよ。ねえ。
「俺のこと騙してたんだね」
 違う! 違う! 違う! そんなつもりじゃなかったの!
 たかあきくんの手がケープを強く掴んだかと思うと、びりぃと引き裂かれる。
 真っ二つになったケープがたかあきくんの手を離れて、ひらりと床に舞い落ちる。それを拾い上げようとした
あたしの手より早く、たかあきくんの足がケープだった布きれを踏みつけた。
「嘘吐きの顔なんか見たくもない」
 そう言ってたかあきくんは踵を返す。歩き去っていく。
 あたしは踏みにじられたケープを抱きしめて、その背中を見つめることしかできない。
 待って! 待って! 待って! お願い! 行かないで!
 謝るから! 騙してたこと謝るから!
 だからお願い、もう一度あたしを見て! 名前を呼んで! あたしに触れて! 明日を約束して!
 強く願って目を閉じる。
 神様お願いします。目を開けたらたかあきくんが戻ってきてくれますように。
 それは酷い願いだった。郁乃は目を開けて世界を見ることがもう叶わないというのに。
 でも――
 目を開けるとそこにたかあきくんがいた。たかあきくんがいた。手の届く距離に。すぐそばに!
4333/5 指先に熔ける:05/01/29 18:38:24 ID:uXCyYf3B
「たかあきくん……」
 抱きついた。力の限りで抱きついた。
 もう嫌われてもいい! 何を言われてもいい!
 今はこの手の中にたかあきくんを捕まえておかないと、あたしは本当にもうダメになってしまう。
「ごめんなさい……。ごめんなさい、ごめんなさい、たかあきくんごめんなさい」
 謝るしかできない。
「わざとじゃなかったの。こんな風になるなんてあの時には思ってなくて」
 許してもらうなんてとんでもないけど、謝るしかできない。
「たかあきくんをだますつもりはなかったのに……こんな……こんなことになるなんて」
 ただただ、すがりつく。
「……ごめんなさい……」
 たかあきくんは何も言わない。ただ、困惑したような顔であたしを見つめている。
 困惑したような顔で――。
 だんだん頭がはっきりしてくる。
 朝もやが晴れるように、さぁーっと、夢の残滓は消えていく。
「ご、ごめんなさい」
 夢――だったんだ。かぁっと体が熱くなる。
 あたしは夢で泣いて、たかあきくんにすがりついたんだ。
 ありもしない救いを求めて、視線は書庫の中を探し回る。
 たかあきくんの戸惑いを含んだ視線が、今は痛い。
 あたしがこの人に嘘を吐いているのは本当だから――。
 でも、怖い――。
 本当のことを言うのが怖い――。
 でも――
 ――夢に見た引き裂かれたケープ。去っていくたかあきくんの背中。
 あんなのはもっとイヤ。だから――
「怖い夢を見たの」
4344/5 指先に熔ける:05/01/29 18:39:07 ID:uXCyYf3B
 神様、あたしに勇気をください。
「今そうなってほしくないことが、たくさん、一度にのしかかってきて」
 少しでも本当のことを伝える勇気を――。
「たくさん……」
 でも、言葉が出ない。
「……ごめん……」
 謝ってしまう。
 それじゃなにも変わらないのに、なにも変わりはしないのに。
「びっくりしたよね……? ごめん」
 ごめんなさい。たかあきくん。
 あたしにもう少しの間、嘘を吐かせてください。
 もう少しの間、この仮初めの幸せに浸らせてください。
 貴方がいる。貴方が今目の前にいる。ただそれだけでいいんです。
 たかあきくんの手があたしに向かって伸びる。
「あっ……?」
 たかあきくんの手があたしの頭に触れる。髪飾りを外す。
「え……? え……」
 戸惑い。あれほど夢の中で触れて欲しいと叫んでいたのに、いざ本当に触れられるとあたしはどうしてい
いか分からなくなる。
4355/5 指先に熔ける:05/01/29 18:39:50 ID:uXCyYf3B
「座って」
 たかあきくんの手があたしの肩に触れて、そのままソファに座らされる。たかあきくんはあたしが座ったの
を確認すると、あたしの後ろに回った。
 そしてたかあきくんの指があたしの髪に触れる。
「寝てていいよ」
 この声が――、この指が――、あたしの中に染み込んでいく。
 なぜ、この人はこんなにいとも容易くあたしの心へと触れるのだろう。
 なぜ、この人はあたしの心の溶かし方を知っているのだろう?
 そんな疑問はたかあきくんの手があたしの髪をすいていくたびに、内側からわきあがる歓喜に打ち消され
て消えていく。ただそれに浸っていたくて目を閉じた。
 お願いです。たかあきくん。
 あたしに本当のことを少しでも言う勇気が出るまで、この指を離さないでください。
 たかあきくんの指から、とても暖かい、優しい気持ちが流れ込んでくる。
 あたしは思う。
 昨日のあたしより、少しだけでも素直になれますように――。

----
今日は俺の中で愛佳デー(゚∀゚)
436名無しさんだよもん:05/01/29 18:44:06 ID:x2NrLqEv
>431-435
GJ
ここ数日いろいろあって気持ちがささくれ立ってたんだけど、なんか癒された。
437名無しさんだよもん:05/01/29 18:48:46 ID:tcEKhcmP
愛佳デー共有させていただきますっ
438図書委員長(ネタ充填中):05/01/29 18:54:16 ID:jDnl15UW
>>430
な、なんでその辺り参照しながら書いてるってバレたんだろう。
439名無しさんだよもん:05/01/29 19:03:00 ID:uXCyYf3B
でもやっぱ書く文章ってそのとき読んでる本に結構影響されるよな。
ここのSS作家陣は普段どんな本読んでるんだろ?
そんな俺は海外SFしか最近読んでない。……アレ(゚∀゚)?
440まちぶせ:05/01/29 19:29:48 ID:uXCyYf3B
 これはちょっとした賭けだった。
 時計をじっと見つめる。
 3……2……1……よし!
 本当はそんな数秒単位で狙ってるわけじゃないけど、それも自分を鼓舞するため。
 あたしは10分ほど待たせた荷物を前に腕まくり。
 両手でしっかり持って力をいれる。
「んっ……」
 しまった。これは思ったより重い。このままでは狙い通りにいかない。
 彼が校舎をぶらついてから帰るときはだいたいこれくらいの時間、とは言ってもあたしにはそこまでの確信
はない。もちろんすぐに帰ったわけじゃないのはもう確認してるけど……。
 このままあたしが荷物と格闘してる間に彼が帰ってしまっては意味がない。
 あたしが荷物を持って重そうにしてるところに、彼が通りがかる。それがベストだ。
「ふ……ぅ……ふぅ……」
 まったく持ち上がらない。
 このままでは結局彼は帰ってしまって、あたしは虚しくこの荷物と最後まで格闘しないといけないのかも。
「ふう、ふう……」
 ちょっと寂しくなってきた。あたし、なにやってんだろ。
「うぅ、うぅ、う〜ん」
「委員長?」
 声をかけられて顔をあげると、そこにまさしく彼がいた。
「え? わ、河野くん……!」
 向こうから来てくれるなんて思わなかった。このチャンス、逃さないようにしなきゃ。
「あ、ども……」

----
愛佳デー3本目(゚∀゚)コレニテ終了
気付かれなかった場合、これから何日間か彼女はいろんな方法を試みてみるわけ、なのか?
チョッピリ裏愛佳ですた。
思いついてから20分くらいで書いただけあって、アレだけど、書いたからとりあえず投下しとく。
441名無しさんだよもん:05/01/29 19:32:08 ID:dhXbs+v0
愛佳策士だな
だがそれも(・∀・)イイ!!
442名無しさんだよもん:05/01/29 19:54:10 ID:tcEKhcmP
いいよいいよ書庫防衛の数の内でも愛佳に狙われる男になりたいよ
443名無しさんだよもん:05/01/29 20:29:04 ID:FjHxGkIn
ちょっとスレ汚しに来た
444:05/01/29 20:30:11 ID:FjHxGkIn
午前0時。

ビルの屋上で、その少女は待っていた。
月の光だけがその少女を照らしていた。
辺りは闇。
街は静まり返っていた。
「・・・・・・〆≠§※г≫Φ*・・・・・・」
少女がつぶやくと、辺りの空気が震えだす。

コトッ

靴の音が鳴り響く。
「待たせたわね」
そこには女性が立っていた。
髪を後ろで二つに束ね、背も高く、体つきもいい女性。
体つきも顔つきも、少女とはまるで違う、大人の気配を感じさせた。
「来たか、待っていたぞ」
少女は振り向き、その人を見つめる。
「それで、なんの用事かしら?」
「愚問だ、うーたま・・・いや、環。分かっているだろう」
「さぁ、わからないわね」
環と呼ばれた女性は笑みを浮かべながら答える。
「言わないと分からないのか。愚かなうーよ。
 貴様がこの地で行ってきた数々のるー、
 忘れたとは言わさないぞ」
「うふふ、忘れたわ。そんなこと」
環は悪びれた様子も無く、ただ笑っていた。
「それで?私を捕まえに来たってわけ。」
「そうだ、そのためにるーは戻ってきたのだ」
少女がそう言ったとき、環の周りに光が集まりだした。
先程つぶやいた言葉が効果を現した。
445:05/01/29 20:31:18 ID:FjHxGkIn
「ふうん、残念ね。
 あなたが居なくなったことで“妹”がタカ坊と一緒になる予定だったんだけど」
「残念だが、るーはうーを放すつもりは無い。
 狙った獲物は逃がさない、というわけだ」
環の周囲の光が激しさを増す。
そのとき

タンッ

環が地を蹴り、空を舞う。
すると環がいた辺りには、先程までなかった鉄の檻が出来上がっていた。
そして環は檻の上に立ち、言い放つ。
「誇り高いのは分かったけど、詰めが甘いのわよ」
「るーを愚弄する気か?」
そう言って少女は環を睨みつける。
「ちょっと遊びましょうか・・・」
環はそう言うと、再び空に舞った。
そして夜の闇に消えていった。
「・・・無駄なことを」
少女も地を蹴り、夜の街に飛び出す。
446:05/01/29 20:32:49 ID:FjHxGkIn
「ここがいいわね」
そう言って、環が降りた場所は公園だった。
遅れて少女が公園に降り立つ。
「諦めたか」
少女がそう言うと、環は不敵な笑みを浮かべる。
「諦める?まさか」
環は少女に向き直って言い放つ。
「ここがあなたの死に場所よっ!るーこさん・・・いや、執行者ルーシー・マリア・ミソラ!」
「愚かだな」
ルーシーが両手を空にかざす。
「るー」
その言葉と同時に、環の周囲に拳ほどの無数の石が現れる。
「抵抗したこと、るーに戻って後悔するがいい」
ルーシーが手を前に突き出すと、周囲の石が環に向かって飛び出していった。
「無駄よ」
環が両手を空にかざした。
そして石が環に触れる瞬間・・・
パンッ
爆発音と共に石が砕け、消えていった。
「貴様・・・どれだけるーを使えば気がすむのだ」
そう言ったルーシーの顔が険しくなる。
「あなただって使ってるでしょう?」
「この力は大いなるるーの意思だ。お前のように個人の意思で勝手に使っているわけではない!」
「ふうん。でも、無駄口を叩くところを見ると、まだまだ甘いわね」
そう言われてルーシーは気づいた。
いつの間にかルーシーの周囲に光の粒があふれていた。
「っ!?」

「終わりよ」

447:05/01/29 20:33:59 ID:FjHxGkIn
その時
「るーこぉ!どこいったんだぁー!?」
「タカ坊・・・?どうやら邪魔が来ちゃったみたいね。私にとっても、あなたにとっても」
「くっ・・・」
そう言って、光は消えていった。
「それじゃあね。また会う日まで」
「逃げるのかっ!?」
ルーシーが言い終える前に環は地を蹴り、空に消えていった。

「るーこ!何してるんだよ、こんなところでっ」
「うー・・・」
「ったく、心配したんだぞ」
「・・・すまない」
るーこはうな垂れる。現れた青年はるーこを優しく抱き寄せて
「ふう・・・。もう帰るぞ」
コクン
るーこは小さくうなずいた。
その後、青年とるーこは家に帰っていった。


「うふふ。たかちゃんったら、いーっけないんだ」
髪飾りをつけた少女は、滑り台の上でつぶやいた。

448:05/01/29 20:35:52 ID:FjHxGkIn
いじょです。とりあえずここまで(゚w゚)
449名無しさんだよもん:05/01/29 20:51:08 ID:KrHab60+
この場合、意味わかんねーw という感想は誉め言葉になるんだろうか?
450名無しさんだよもん:05/01/29 21:03:02 ID:eQLOQ4Xm
>>449
スマソ、とりあえず引っ込んでおきまつ
451名無しさんだよもん:05/01/29 22:43:36 ID:XCPngLcE
>日溜り作者氏
以前、このみの台詞指摘した者です。
二度の連載、大変お疲れ様でした。
早速ですが永遠の命題こと「ダメ出し」を……。
全体的にまとまっており読みやすく楽しませてもらいましたが、
情事がこのみにばれた後のよっちの台詞の言い回しが
妙にくどくてそこが少し鼻につきました。
イカロスの翼云々はよっちというパーソナリティーにおける負の部分を
演出する為の要素だったとはいえ、些か大袈裟すぎるように思えて…。

個人的に気に入ったのはちゃるとよっちの出会いですかね。
このみとの三人組の中でどうみても一番の難物であるちゃること山田ミチル。
「日溜り」の設定で平行世界ちゃるストーリーを匂わせるような節が見られたことに
そこはかとなくあなたの陰謀とチョメチョメ……ではなく
次回作への意欲が感じられて大変グーでした。

再度UPする際には、上記の部分等推敲して下さるならこれ幸い。
いずれにせよ、また会える日を心待ちにしています。
452外道図書委員長の陰謀:05/01/29 22:50:20 ID:t90GAyAq
ただいまから>>413の続き投下しまつ。内容的には第2ラウンドへのつなぎで、雫の
あの場面を参考にしながら書いたのですが…読み返してみると電波バリバリになって
自分でも真っ青になってしまいますた。端役でゆずりん、双子、雄二、イルファさん、
花梨を出していずれも電波に当てられてしまってますのでそっち系が苦手な方はあぼ
ーんしてください。
453外道図書委員長の陰謀:05/01/29 22:51:57 ID:t90GAyAq
「ようこそ、河野貴明君」
 放課後の書庫に入ると、奥の司書机に座っていた図書委員長が声をかけた。いや、
そこにいたのは彼だけではない。幾人もの男女が性器と性器を交わらせ、嬌声を上げ
ているではないか。書庫はフェロモンの匂いと男女が快感に喘ぐ声に充ちていた。
「こ、これは一体……お前、こりゃ一体どういうことだ!」
「どうもこうもないよ。これは愛佳君が望んだこと。それを僕が必死の説得の果てに
実現させてあげた。それだけのことさ」
「てめ、ふざけんじゃ…」
 貴明は今度こそ図書委員長をぶん殴ってやろうと拳を握って突進した。
「やめて、たかあきくん」
「!」
司書机の下から聞きなれた声がして、愛佳が顔を出した。口元には図書委員長に飲ま
されたらしい精液が付いている。
「書庫の本を残すとか、廃棄してCDを入れるとかもうどうでもいいの。だって…」
「愛佳、いきなり何てこと言いだすんだ!」
「だってあたしは…あたしの欲しい物は………先輩なんだもん」
「……………!」
 言葉に詰まる貴明。愛佳はとうとう陵辱の果てに理性を捨てて奴に隷属することを
選んだのか?貴明はようやくかすれた声で訊いた。
「おい、冗談はよしてくれ。愛佳と俺は恋人同士だったんじゃないのか?」
「ううん、冗談じゃないの。あたしは先輩におっぱいやお尻を触られて、先輩のおち
んちんを口やおまんこに入れられて、お腹の奥までぐちゃぐちゃに突かれて、口の中
や子宮に精液をいっぱい出して欲しい。あたしの望みはただそれだけ。今まで一緒に
整理に付き合ってくれたたかあきくんには本当に悪いけど…あたしもう先輩無しじゃ
生きられないから」
「そういうこと。ついでにこのせっかく広いスペースを僕たちだけが独り占めしてる
んじゃ勿体無いと思って、学校の恋人たちにも開放したって訳さ」
「………………」
454外道図書委員長の陰謀:05/01/29 22:53:36 ID:t90GAyAq
「僕を殴りたいなら殴ってもいい。でもそんなことをしたら愛佳君は悲しむよ。昨日
も言った通り、愛佳君は身も心も僕に捧げてるんだから。それより君もこの淫楽の館
で楽しんでいかないかい?さっきから君のよく知ってる娘がお待ちかねだよ。おい、
タカ坊君がこっちに来てるからおいで」
「タカ坊遅いわよ。今までどこにいたの」
「もう、わたしたちを放っとくなんてずるいよ。わたしもタマお姉ちゃんもずっとタ
カくんとしたかったんだからね」
 図書委員長に声をかけられて貴明の前に現れたのは環とこのみだった。二人とも一
糸まとわぬ生まれたままの姿でいる。
「タマ姉、この…うわっ?」
 貴明は疑問を挟む間もなく環に押し倒されてしまった。豊満な胸が貴明の胸板に押
し付けられる。貴明の物はそれだけで勃起してしまった。
「あら?もう硬くなっちゃってる…ふふっ、タカ坊ったら」
 環は即座に貴明の下半身の変化に気づいて、ズボンのチャックを下ろして物を取り
出した。
「うふふ…こんなに元気にしちゃって、タカ坊もやっぱり健全な男の子なんだ。タマ
お姉ちゃんは嬉しいわ」
 環は胸の谷間にローション代わりの唾を垂らし、貴明の物を挟みこんでパイズリし
てやった。
「うくっ…う、ああ…昨日も体験したけどタマ姉のおっぱいってすげー気持ちいい…」
 快感の波に翻弄される貴明。
「む〜、昨日もそんなことしてたんだ。タマお姉ちゃんばっかりずるい。わたしもタ
カくんにエッチなことしてあげるんだから。てりゃ!」
 このみは貴明の顔の前にまたがった。ヘアが少なくて割れ目がはっきり見えるこの
みの股間が貴明の目の前にあった。
「タカくん、このみのおまんこ舐めて。今ここでこのみだけ置いてけぼりにしないよ
ね?」
 悲しげな声でそう言われては貴明は嫌とは言えない。貴明の顔は自然にこのみの股
間へと吸い寄せられて、初々しいビラビラにキスをしていた。
455外道図書委員長の陰謀:05/01/29 22:54:55 ID:t90GAyAq
「あ、なんか、変な感じ…タカくん、もっと舐めて…あ、そこ、いい……」
 ピチャ、ピチャ、ピチャ……
 貴明はこのみにねだられるままにクンニリングスをしてやっていた。このみの体が
揺れて、時々そこでまぐわう面々が目に入る。いつも貴明と愛佳がお茶を飲んでいた
テーブルの上には瑠璃と珊瑚が横になって貝合わせをしていた。
「さんちゃん、うち、気持ちええ…そやさかいさんちゃんも気持ちようしたる」
「あ、ああっ、瑠璃ちゃんのお豆と、うちのお豆が擦れてる…なんか、だんだん変に
なっていくわ……」
 その横のソファで励んでいたのは雄二とイルファだった。
「あ、ああっ、雄二さん。そんなに激しくされたら、私…あああん」
 プシャアアアア……
 イルファは達すると同時に尿道口から燃料電池の排水を出した。
「おら、俺はまだ満足できてねえのに先にイッたな?しかもお漏らしまでして……折
檻だ」
「お、お許しを〜」
 イルファは慣れないSM紛いのプレイに苦しんでいたが、メイドロボ好きの雄二はエ
ロゲーのメイドプレイを再現できてすっかり悦に入っていた。書棚の前で教師に説教
されながら犯されていたのは花梨だ。制服半脱ぎで体を逆Lの字に折り曲げ、手を書
棚で支えて後背位で教師に物を入れられている。
「笹森、クラブ活動も悪いとは言わんが少しは勉強も真面目にやったらどうだ。全く
毎日毎日おかしなことばかりして先生を困らせて…」
「あ、ああ、ごめんなさい、ごめんなさいぃ。これからはいい子になりま…あ、あう、
ひゃああん」
司書机には素っ裸に剥かれた愛佳が図書委員長の椅子に座って、体中を触られて善が
り声を上げていた。
456名無しさんだよもん:05/01/29 22:58:53 ID:cXNB8htM
リアルタイム支援!
457名無しさんだよもん:05/01/29 23:00:32 ID:RRdh5Nhd
こりゃあもう図書委員長の勝利?確定かなw
教師までまぐわってるし。貴明よ、いざパライソへ〜
458外道図書委員長の陰謀:05/01/29 23:04:29 ID:t90GAyAq
「おっぱいも、お尻も…ああっ、おまんこも、好きなように弄ってください。手の跡
が付くくらい、ぐちゃぐちゃにしてほしいんですぅ!」
「ま、愛佳…」
 寝取られたとは言え愛佳への未練を捨てきれない貴明は、それを見て思わず叫んで
しまった。図書委員長が愛佳の後ろからニヤリと笑いかけた。
「や、や、や……やめろー!」
 貴明は絶叫した。

「河野!」
 教師の怒声が飛び、貴明はそれで目を覚ました。貴明は授業中に居眠りして、悪夢
を見ていたのである。
「人の仕事中に寝てるんじゃない。ちゃんと話を聞け」
「……すみません」
「ああ、それじゃ授業を再開する。この問題は…」
 教師が黒板の前に戻ってからも、貴明はさっきの悪夢と昨日の出来事のことで思い
悩んでいた。一体愛佳の身の上に何があったのか。本当に愛佳は自分を裏切ったのか。
図書委員長は一体何を考えているのか……そんなことを思いながら、貴明はこれから
もこんなことがあるんじゃないかと漠然とした不安を感じていた。突然後ろの席から
きれいに折りたたまれた、女の子向けのファンシーなルーズリーフが貴明のところに
回ってきた。誰かからの手紙らしい。貴明が教師に気づかれないように広げてみると、
そこには愛佳の字でこう書いてあった。

 今日の放課後、向坂さんと一緒に体育倉庫に来てください。
459名無しさんだよもん:05/01/29 23:10:24 ID:3/gduJO1
ゆ、夢オチ?(@u@ .:;)
と一瞬焦りますた。続きあるんすね。
460名無しさんだよもん:05/01/29 23:11:53 ID:RRdh5Nhd
オチあったのね。割り込みスマン…。
これって無限ループオチ?
461名無しさんだよもん:05/01/29 23:15:25 ID:uXCyYf3B
ここまでくると、思考が切り替わって電波受信モードで楽しめますな。
たかあきちゃんが逆転するには瑠璃子さんに該当するような、
図書委員長の負の部分を司る、なんらかのキャラが出ないとダメかな?

>>451
貴重な意見をありがとうございます。
あの部分はもっとくどかったのをかなり薄めてあれだったのですが、まだ足りなかったみたいですね。
貴明が気持ちを決め、よっちも決心を決めるシーンを、直接的な表現無しに入れるために
意図的に回りくどい言い回しを使用した場面でした。
が、不快感を与えたのであれば筆者の不徳の致すところであります。
日溜りの詩はすでに用意したスペースにおいて公開しておりますが、
自らへの戒めとして、改訂は行わずそのままにしておきたいと思います。
今後も精進しますので、よろしくお付き合い戴ければ幸いです。
462外道図書委員長の陰謀:05/01/29 23:16:33 ID:t90GAyAq
釈明。この辺りの話の組み立ては「今夜、すべてのバーで」(中島らも 講談社文庫)
で主人公が夢の中で見知った顔を何人も見かけるというくだりを参考にして、その中
で電波な世界を書いてみようと思いました。この先どこまで続くかは分かりませんが
オチは前に由真スレにあった「エロイン由真たん」のようにきちんとつけるつもりで
す。ではまたネタ充填して話し考えまつ。しーゆーあげん。
463名無しさんだよもん:05/01/29 23:23:25 ID:DilkqAWO
バカエロSS投下します。
設定としては環シナリオでの回想シーン、貴明が風邪をひいてタマ姉が
ネギを持ってきて云々ってかんじで。
○才で無理じゃないのってつっこみは無しの方向で
464ネギ 1:05/01/29 23:25:41 ID:DilkqAWO
「ネ・・・ネギ?」熱でボォッとする頭で貴明が尋ねる。
「タカ坊、あなたが今感じている風邪の諸症状は発熱による体調の変化よ、下熱方法は
私が知ってるから、私にまかせて」
なんか妙な言い回しで超わけわからない。
「それじゃあ・・・」 あっというまに布団をはぎとられ、体を1回転うつぶせにされる。
「う!・・・うわあ!!」 さらにズボンを下げられる。 「ひっ! なに!?」
「すべりを良くして上げる」 ネギの硬い根元部分にちろちろと可愛い舌で唾液をつけていく。
「タカ坊、力を抜いて・・」肛門にネギの先端をあてる。 ぐぐっ・・・「あっ!ああっ!!」
ずぶぶっ・・・極太のネギが貴明の体内に侵入する。 「あっ! いや・・抜いてっ!!」
女の子のような悲鳴をあげる貴明。 「かわいい・・・タカ坊」その痴態に恍惚とする環。
「あら・・・・フフ、タカ坊ったら」貴明の異変に気ずいた環はほくそえむ。
「なにっ!?」 クルっと今度は仰向けにする。「ひっ!」
グイっとさらに大股開きされる。 「ヤダっ!! タマ姉、みないでよ!」
貴明の体の中心部で未成熟な性器が目一杯、勃起している。
「やらしいんだ〜タカ坊。 お尻の穴にネギ入れられてオチンチン大きくしてる」
「ちがう! ちがうよ〜!!」 「い・い・か・ら!」 環は先端まで皮を被った性器の先に
人差し指と親指をそえる。「えいっ!」 可愛らしい掛け声とともにいっきに下まで包皮を
ずり下ろす。 「うっ! うぐあっっ・・・!!」するどい痛みが走る。
「いたい! いたいよ〜!」 「がまんなさい、タカ坊。 お父様も言っていたけどそれは
剥いた方がいいんだよ。雄二のも私が剥いて上げたんだから」さらりととんでもないことを言う。
465ネギ 2:05/01/29 23:28:26 ID:DilkqAWO
「わあぁ・・・赤くはれ上がってるよ」 こんどはちろちろと猫のように剥かれたばかりの
性器をなめ上げる。 「あっ! ・・・ああっ」あまりの快感に声にならない。
「タマ姉! やめっ・・ああっ!」 「タカ坊」環はネギを掴みゆっくり引き抜く。
ズッ・・ズズゥッ・・・・「あっ!! あああっ!」内臓ごと引きずり出されるような感触
に絶叫する。「フフッ・・」今度は挿入する「ああっ! 変だよタマ姉、なんか出る!!
おしっこ出ちゃうよ!」 「タカ坊、知らないんだ。 それはおしっこじゃないんだよ」
「私この前、視聴覚教室で教えてもらったんだ。 精液が出るんだよ」 「せいえき?」
「タカ坊はまだ教えてもらってないんだね」 竿から剥きたての亀頭の裏筋までをつつっと
なめあげる。 「ひあっ!」 もう限界だった。 「おおきくなったら、SEXも私がさせて
あげる。 だから他の女の子とこんなことしちゃダメ」 「わかった? タカ坊」
答える間もなかった。 「でるっ! ああっ・・でちゃうよぉぉ!」
  

 
「タカ坊?」 くいっと袖を引っ張られる感触で現実に引き戻される。「タマ姉・・・?」
「だから言ったでしょ? タカ坊のしたいことなんでもさせてあげるって・・・」
環は顔を真っ赤にしている。 そうだった、風邪というシュチュエーションとその言葉が
さっきまでの過去の記憶、もしくわ妄想を呼び起こしたのだ。
ネギか・・・、なにか代わりになるものは?・・・くくっ・・・あるじゃないかネギより
はるかに太く硬いものが。
「タカ坊? どうしたの図書委員長みたいな顔して・・・変な電波でも受信した?」
「いや・・ちょっと昔のことを思い出してね・・フフッ」
貴明から黒いオーラがにじみ出していた。
466名無しさんだよもん:05/01/29 23:34:18 ID:Zy7eF7i2
テラワロス。
467名無しさんだよもん:05/01/29 23:36:02 ID:3/gduJO1
ヴェルダースオリジナル
468名無しさんだよもん:05/01/29 23:36:42 ID:RRdh5Nhd
タカ棒、大きくなったな…w
469名無しさんだよもん:05/01/29 23:42:59 ID:59TZQ6Sq
ギガワロンヌ
470名無しさんだよもん:05/01/29 23:51:47 ID:7fO5NF66
サブキャラSS投下予定
あまり出番がないからキャラが曖昧
471名無しさんだよもん:05/01/29 23:53:54 ID:kN+DW7Rg
>>462
…どっからどこまでが夢なんだ?
最初から読んでるんだが、分かりづらい。
472かおりん・そのいち:05/01/29 23:54:00 ID:7fO5NF66
日曜の昼上がり、両手には、自分でも買いすぎたと思うほどのインスタント食品や日用品の袋
その重さに耐えながら商店街の中を我が家を目指して歩いていた。
「―――ん?」
ふと、前方を見てみるとどこかで見たことあるような無いような女の子の後姿を見つけた
誰だったっけ?と思いながらその後姿を眺めていると、こちら側の視線に気づいたのかこちらに振り返った。
その女の子はこちらのほうを目を向けて俺のことに気が付いたようだった。
「あ!」
この泣き目ボクロの子は確か九条院からタマ姉を連れ戻しに来た、三人組の一人の・・・・名前はなんだったけかな?
いつも三人で行動していると思ったら今日は一人なのか・・・・
――――待てよ?そういえば俺はこの子達から何かしら嫌われていたじゃないか・・・・全部タマ姉のことだけど。
ヤバイここは知らなかった振りして逃げるが勝ちだ!!と思い彼女の横を通ろうとした時
「ちょっと、アナタ」
ビクッ!!まずい声をかけられた・・・一体どんな用件なんだよ
「ねぇ、アナタ聞いてるの?」
彼女がまた声をかけてきた。こちらも覚悟を決めて
「はっ、ハイッ?」
我ながら情けない返事を返してしまった、少しの沈黙の後
「・・・今日は、お姉様一緒ではないの?」
お姉様?あぁ、タマ姉のことか・・・・
「今日はっていつも一緒にいる訳じゃないし、タマ姉とは別にただの幼馴染だけだし、恋人とかそういう関係じゃないの」
そう答えると、彼女は首を横に振り
「いえ、今日はそのことじゃなくて・・・・・」
ん?何か言いにくそうな素振りだな
「なんなら、タマ姉呼んで来ようか?」
「そんな!!お姉様にそんな苦労を掛けるわけにはいきません!!」
別にそんな強く否定しなくても・・・・タマ姉も知り合いのためなら全然構わなそうなのに
「なんなら、俺に頼めることなら俺が聞くけど?」
「そっ、そんな、アナタには関係ないことでしょ!?」
うぐっ・・・そんな強く否定されると結構ショックなんだが・・・・。まぁ事実なんだけどさ
「わかったよ、それじゃまた今度ね」
「・・・・」
そうして俺は帰り道をトボトボと歩き出した。
473かおりん・そのに:05/01/29 23:55:28 ID:7fO5NF66
無事に家に到着〜・・・ってそんな危険な道のりじゃないし
リビングに買い物袋を置き、買って来た物の確認っと、ガサゴソガサゴソ・・・あれ?シャンプー買い忘れたか?
まぁ、買い置きが一つぐらい余ってるだろうし、一応探してみるか。
―――って、無いじゃん!!くっ、また外に出ろというのか!!
 ――数十分後――
「ありがとーございました」
店員の営業スマイルを背に店を出た。
はぁ・・・また同じ道を通り家に向かう・・・・
「あれ?」
数十分前に見たはずの後姿をまたも見かけた、なんでまた?まさか、デジャヴ?
そんな疑問を抱きながら、またしても後姿を眺めていると後姿はこちらを向く。
「!?」
彼女はこちらの顔を見て、明らかに動揺の色を見せた。少し気になったので声をかけてみることにした
「なにしてんのさ?」
「なっ、か、買い物よ!買い物!アナタこそ何してるのよ」
・・・にしては先ほどと同じで手には何も持ってない。
「いや、俺は買い忘れてたもの買いに行ってただけだけど・・・・」
まさか、この町に来たばかりの彼女はここらの地理わからないのではないかと思い、聞いてみることにした。
「違うかもしれないけどさ・・・店か何か探してる?」
「そ、そんな訳ないじゃない!!」
明らかに動揺してるよ、この子・・・まぁプライド高そうだし。ちょっと強引に・・・
「んで、何を探してるの?分かる場所なら教えるよ」
「別にあなたに場所を教えて欲しいなんて頼んでないでしょ!!」
―――あ、ボロがでた。
「やっぱり、何処か探してたんだな!?」
「あっ・・・」
この勝負、俺の勝ちって感じだな・・・でも勝敗なんてないじゃん。
474かおりん・そのさん:05/01/29 23:56:12 ID:7fO5NF66

「んで、何処を探してんのさ?」
「だから、アナタに頼んでないでしょ!!」
一度聞いてしまったからには、この問題が解決しないと寝覚めが悪い。
「一応お互い知らないわけでもないんだからさ、その位のことなら教えるからさ」
・・・でも、こっちは名前知らないけどさ。
「・・・・」
「んで、何処探してるの?はい、言ってみて」
「子ども扱いしないでよね!!」
しまった!?つい拗ねる子供に対する対応をとってしまった。
「それについては謝る。ゴメン。んで、何処行くの」
「・・・はぁ、もうしかたないわね。言えばいいんでしょ、言えば!?」
ついに、彼女も諦めたようだ、我ながらしつこくねばったものだ。
「・・・・図書館よ」
―――ん?ちょっと待てよ、図書館ってここと正反対ではないか?・・・まさか方向音痴とか?
――――いや、その事を突っ込んだら。気分を損ねてしまうはずだ。ここは慎重に。
「あ、あぁ、図書館ね。図書館は駅前の○ビルの裏の公園の向かいにあるから、行けばすぐ分かると思う」
「・・・・」
「もしかして、わからない?」
「・・・・ありがとう」
彼女は聞こえないくらい小さな声でありがとうと言った気がした。
「どういたしまして」
俺がそう言うと彼女は少しほほを赤らめて。
「それじゃ、私は行くわね」
そう言って、彼女は急ぐように体の向きを変えた。
「あぁ、迷わないように気をつけろよ」
「・・・迷わないわよ」
ぶっきらぼうに返事を返す、彼女に向かって俺は。
「それじゃ、また今度な」
今日、二度目の別れの挨拶をした。
475名無しさんだよもん:05/01/30 01:05:31 ID:4w2EEEp+
え、待ってこれで終わり?
ここから始まる萌えは?ラヴは?エロは?
続き激しくキボーン!
476名無しさんだよもん:05/01/30 01:07:49 ID:YU2koMgT
同感。 これ玲於奈の話だよね?
477名無しさんだよもん:05/01/30 01:11:34 ID:kGZ+3Hdf
>>476
いや薫子だろ。タイトル、ホクロといい。
478名無しさんだよもん:05/01/30 01:31:44 ID:B11Bmt4p
続きが出るに決まってるんだから落ち着けケダモノ共。


(´-`).o0(よっちの次は薫子か!巡回の楽しみがまた増えたぜ)
479名無しさんだよもん:05/01/30 01:35:11 ID:rc2H9E3g
タマ姉のSS読みたいっ!!
480名無しさんだよもん:05/01/30 01:39:59 ID:X/fhgVHz
タマ姉なら上のほうで陵辱されてアンアン言ってますが?
481名無しさんだよもん:05/01/30 01:40:44 ID:B11Bmt4p
そんなにタマ姉SSが読みたいなら自分で書きやがってくださりどうぞうpしてお願いします。
応援すたまし。
482名無しさんだよもん:05/01/30 01:42:50 ID:rc2H9E3g
前スレの最後にやってた奴のこと
文章足りなかった、スマン
483元祖!メイドロボのテスト:05/01/30 01:56:20 ID:0C7c+dN0
「おーい、このみ〜」
・・・・・・・・・。
あれ?返事がないぞ。
「このみー、どうした?」
リビングに入るとソファーに足だけが見える。
「このみ?」
足元から見ると・・・うわわわ。
こ、こほん、こっちから見ちゃだめだな、うん。
「あのぅ・・・どうかなされたのですか?」
「あ、ああ。ちょっとね」
このみはソファーに横になり、すぅすぅと小さな寝息を立てて眠っていた。
ま、いいか。さっきは眠そうにしてたし、いつも頑張ってくれてるからな。
ここは眠らせておこう。
「あ、申し訳ありません。静かにしたほうがいいですね」
ようやくHMX-12もこのみに気がついたらしく、小声でそう言った。
484元祖!メイドロボのテスト:05/01/30 01:57:40 ID:0C7c+dN0
そんなわけで俺はこのみが眠っている横でHMX-12の話を聞くことになった。
話ではHMX-12も数日前にこのことを言われたばかりなのだという。
と、言うよりHMX-12自身、起動したのもごく最近らしい。
「でもHM-12は数年前に発売されたんだろ。なのに何でまた最近になって?」
「あ、はい。この体とシステムで起動したのはごく最近なので」
「この体とシステム?」
「はい。この体は以前のHM-12のボディーとは異なって私の義妹たちになるHMX-16のパーツを流用して開発の方々が
私専用にカスタマイズしてくれたものなんです」
たしかHMX-16といえばイルファさんのボディーの元となった機体だよな。
それにしてもずいぶん違うよなぁ。
ボディーをそのままカスタマイズしたイルファさんと違ってパーツを流用してイルファさんとはまったく違うようなタイプの
機体になってるんだからデザイン自身は以前のHMX-12を意識して作られているんだろうな。
じゃなかったら余計にコストをかけてまでそんなことはしないだろう。
それほど大事にされてるんだろうなぁ。
「それに、今試験中の『HMX-17a』イルファさんの足りないと思われる機能を追加させてもらったのが今の私なんです」
「足りない機能?」
「はい、例えば食べ物の味を感じるための『味覚機能』や食物を分解してエネルギーに変える『分解吸収機能』などが大きな変更ですね」
つまりは主に料理をすることもできるように対応したというわけか。
なるほど、イルファさんはそれがなくて嘆いてたもんな。
妙に納得できるな。
「それと新しいシステムの・・・えっと・・・だ・・・だいこん・・・」
大根?
あ〜。イルファさんが積んでる珊瑚ちゃん曰く『だいこん・いんげん・あきてんじゃー』とかいうシステムのことかな?
でもあれはたしか正式な名称があったはずだよな。
イルファさんも珊瑚ちゃんがそう言った時に必死になって正式名称を言ってたもんな。
・・・まさか珊瑚ちゃんの影響で正式名称がそっちになったのかな。
「す、すみません。私、物覚えが悪いもので」
あ、なんだ、わからなかっただけね。
485名無しさんだよもん:05/01/30 01:57:52 ID:rlqb9Y4e
超リアルタイムキター!
486元祖!メイドロボのテスト:05/01/30 01:58:42 ID:0C7c+dN0
でも正直意外だ。
俺にとってイルファさんのイメージが強いんだろうけどメイドロボっていうのは何でもできて覚えたものは忘れないっていうイメージがある。
イルファさん自身、多少の得手不手はあるものの基本的には何でもできるし一回やったり聞いたりしたものはほとんど失敗をしたりはしないからなぁ。
「私、あんまり人のお役に立てないことが多いんです。ドジで失敗ばっかりしていますから」
少し寂しげな表情を浮かべるHMX-12。
「でも、その分一生懸命頑張りたいと思っています」
がらりと表情が変わり、両手でぐっと拳を作って気合を入れる。
「そっか、それじゃあ一日も早くそうなれるように頑張りなよ」
ぽん、と頭に手をのっける。
「あ・・・」
と、HMX-12はポッと頬を赤らめる。
「あ、ごめん」
なんてか・・・ついつい手をのっけたっていうかなんていうか・・・。
このみと付き合うようになってからも女の子が苦手なのは今でも変わらない。
でもこのHMX-12はなんか不思議な魅力があるっていうか・・・。
思わずなでたくなるような衝動に駆られる。
「い、いえ。こちらこそすみません。つい、うれしかったので」
「うれしい?」
「はい。私、頭を撫でられるのが好きなので」
「そう・・・なんだ」
「はい」
「・・・・・・・・・」
HMX-12はニコニコと微笑んだままこちらをじっと見ていた。
487元祖!メイドロボのテスト:05/01/30 02:00:04 ID:0C7c+dN0
うう・・・。
「な、なぁ」
「はい?」
「頭・・・撫でていい?」
「えっ?!は、はい。構いませんが」
「じゃ、じゃあ遠慮なく・・・」
なんか緊張する・・・。
このみと初めて意識してキスをしたときのような感じ。
手を伸ばしながらつばを飲み込む。
さわっ、と髪に触った感触。
さわさわさわ。
「あっ・・・」
HMX-12は再び頬をポッと赤らめてその場でじっとしている。
俺はそんな彼女の頭を撫で続けた。
さっきまでの緊張はどこにいったのかな。
今はさっきの緊張とはうってかわってすごく落ち着いた気持ちだ。
前に愛佳の髪を書庫で梳いた時に感じたような優しい気持ちになれる。
不思議な感じだ。
さわさわさわさわさわ。
しばらくの間、俺はHMX-12の頭を撫で続けた。
もしかして俺は人の髪を触るのが好きなのかもしれないな。
488元祖!メイドロボのテスト:05/01/30 02:01:02 ID:0C7c+dN0
撫で終わるとHMX-12は「ありがとうございます」と俺に向かって言った。
なんか俺のほうがお礼を言わなきゃいけない気がするんだけどな。
「あの・・・」
「ん、何だい?」
「まだお名前を聞いていませんでした。河野さんのお名前はなんと言われるんですか」
あ、そういえば・・・。
「そうだったね。俺の名前は貴明。河野貴明だよ」
「貴明さんですね」
「ああ、改めてよろしく、えっと・・・」
ここは『HMX-12』と言った方がいいのかな?
でもなんかそれじゃよそよそしいような感じがするし俺だってあんまりHMX-12のことを型番でなんか言いたくない。
「『マルチ』とお呼びください」
マルチ、か。
そうか、これならイルファさんみたいでいいな。
「あ、でも貴明さんが言いにくいようでしたら何か他の言い方でも・・・・・・・・・」
「マルチ」
「は、はいっ!」
「これからよろしくな」
「あ・・・・・・・・・。はい!こちらこそよろしくお願いします」
マルチは再び深くお辞儀をした。
4897月文月:05/01/30 02:05:27 ID:0C7c+dN0
とりあえず今のところこんな感じです。
なんか貴明が貴明っぽくなくなっちゃった気がするなぁ。
どちらかと言うと浩之みたい。
こんな感じで大丈夫かなぁ?

ちなみにこれからの予定ですがこの後、同居人となる二人が登場することになります。
だれが登場するかはまだ秘密で。(わかっているだろうけど言わない!)
あと所々でいろんなクロスオーバーを絡めていきたいと思います。
もしかしたら葉鍵のほかの作品やその他の作品のキャラが出てくるかの知れませんよ( ̄ー ̄)ニヤッ
わかるときにはこんな風にニヤッとしましょう(うっしっし)
490かおりんの人:05/01/30 02:18:49 ID:Qav8Vh9a
感想ありがとうございました。薫子SSの者です。
続きに関しては少々長くなってしまいそうですが
期待せず、マッタリとお待ちくださいませ〜。
方向性はラヴ系で行く予定です。エロいのはかけません・・・orz
あぁ・・・名字どうしよう?

書いてる自分でも玲於奈に見えてくる罠・・・気をつけねば
491名無しさんだよもん:05/01/30 03:12:12 ID:B11Bmt4p
>>490
長瀬 薫子を推奨。
祖父の名前はマイケル。
492名無しさんだよもん:05/01/30 03:15:28 ID:FqC5A01G
いや、ここは意表をついて七瀬で。
493哭する女神 1:05/01/30 03:33:03 ID:djVRmnCi
 携帯のカメラで撮ったわたしの姿を、携帯用のアップローダーに送信する。
 今日アップするのは3枚。
 ふくらみかけのオッパイを寄せて上げている写真。
 オナニーする前の、ぴったり閉じたオ○ンコの写真。
 そして、オナニーでイった直後の、ぱっくり広げたオ○ンコの写真。
 もちろん、オナニーのネタはタカくん。わたしの脳内に住んでいるタカくんは、わたしのことをいつでも情熱
的に抱いてくれる。

 タカくんと一緒の布団に入ったときの温もりを思い出すだけで、わたしのアソコはビショビショに濡れてしま
う。タカくんの髪から匂ってくる、タカくんがいつも使っているシャンプーのハッカの香り。それが、タカくん
から発する汗の蒸した匂いと一緒に、布団の中いっぱいに満たされていき、寄り添うわたしを優しく包みこむ。
タカくんと一緒の布団でタカくんの匂いを感じるたびに、わたしはとても幸せな気分になる。
 布団の中にいる間は、この匂いはわたしだけのもの。タマお姉ちゃんにも決して手の届かない、わたしだけの
もの。
 できれば、もっと近くになりたい。温もりを、もっと強く感じていたいのに……最近のタカくんはわたしを避
けている。よそよそしい。目も合わせてくれない。わたしのことが嫌いになったのだろうか?
 なぜ? どうして? わたしは……このみは、こんなに、こんなにも、タカくんのことが好きなのに!
 理由なんかいらない、生まれたときからずっとずっとタカくんが好きだった!
 ……どうしてわたしを見てくれないの!? どうすれば見てくれるの!? どうすれば愛してくれるの!?
 どうすれば……抱いてくれるの……!?
 胸を締め付ける想いが強くなればなるほど、指の動きが激しくなる。クリ、花びら、膣穴、オッパイやアナル
までタカくんを求めて指が駆け回り、暴れて、タカくんもわたしを愛してくれて、そして一緒に……!
 イッた後には、いつも憂鬱な気持ちになる。わたしを激しく愛してくれたのは、わたしの家の隣じゃなくて、
わたしの脳内に住むタカくんだったことに気付いてしまうから。
494哭する女神 2:05/01/30 03:33:57 ID:djVRmnCi
 画像のあるアドレスをブラウザに書き込み、送信ボタンをクリックする。この瞬間、いつもドキドキする。そ
して、いつも胸が苦しくなる。とても、とても悪いことをしているようで。

 だけど、みんなタカくんが悪いんだよ。わたしにこうさせるタカくんが……。

********************************************************************************

323 名前:ゆずぽん ◆K0nom/yUzu:2010/04/26 23:22:59
今日は全部で3枚です。
http://vip.pic.jp/th2n0m1
パスワード:hitsujiniku
10分後に消します。

324 名前:えっちな21禁さん:2010/04/26 23:23:24
女神降臨キタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━ !!!!!
すげえ(・∀・)イイ!!

325 名前:えっちな21禁さん:2010/04/26 23:23:47
(;´д`)ハァハァ

326 名前:えっちな21禁さん:2010/04/26 23:24:10
今日も女神ゆずぽんタソ キタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━!!!
すげえきれいなマンコ
お子様みたいだヽ(´ー`)ノ

********************************************************************************

 ここでのわたしの名前は“ゆずぽん ◆K0nom/yUzu”。わたしは、21歳の大学生ということになっている。
未成年はここに来ちゃいけないことになってるから。ここ数日は、毎日のように画像をアップしている。スレの
みんなは、わたしのことを“女神”と呼ぶ。
495哭する女神 3:05/01/30 03:34:57 ID:djVRmnCi
 スレのみんなは、わたしのことを21歳の女だと思っている。タカくんは、いつになったらわたしのことを、
“女”だと思ってくれるのだろう?
 わたし、もう子供じゃないよ、タカくん。少なくとも、わたしの体は21歳で通用してるんだよ。

 ムネだって、ずいぶん大きくなったんだよ。純粋な大きさでは、タマお姉ちゃんどころかよっちにもかなわな
いけど……体のラインとかバランスとか、もっと大きな視点で見るなら、結構いけてると思う。少なくとも、ス
レのみんなはキレイだって言ってくれてる。ゆずぽんタンのキレイなピンク色の乳首にしゃぶりつきたいって言
ってる。甘食みたいなオッパイをつんつんしたいって書き込んでいる。
 ……誰がしゃぶらせるものか。タカくん以外の人間に。このみのムネはタカくんだけのものなんだ。

 オマ○コには、ちゃんと毛だって生えてるんだよ。ちゃんと処理しないと目立つくらいに。
 どうすれば、このみは大人の体になったんだと気付いてくれるのかな? 無理矢理に気付かせないとダメなの
かな?
 わたしのアソコの毛を、タカくんのマンガや教科書にこっそり挟んでおこうかな。いやでも目立つところに。
 それとも、タカくんと夏に海に行くことがあったら、わざと処理しないで行こうかな。
 ……やっぱり、下は恥ずかしいから、脇にしようかな?
 はしたないって、タマお姉ちゃんに怒られちゃうかな……。
 いや、タマお姉ちゃんは関係ない。絶対に、二人だけで行くんだから。

 オマ○コの中身だって……色も形も綺麗だって、みんなが言ってくれている。真珠みたいな美しいクリだって
言ってくれる。ピンクの花びらをしゃぶって、膣に指を入れて、Hな汁を舐めまわしたいって言ってくれる。
 ……でも、舐めていいのは、タカくんだけだよ。わたしはずっとそのつもりなのに。
496哭する女神 4:05/01/30 03:35:48 ID:djVRmnCi
 わたしの画像を見ている人たちは、わたしでオナニーしてるんだよね。
 いい歳の脂ぎったオジサン、恋人に振られた大学生、太ったいわゆるヒキコモリの人、うちの学校の先生だっ
て見てるかもしれない。見ている人はみんな、わたしのことをHな露出狂の淫乱女だと思って、わたしのことを
抱きたいと思って、自分のモノで犯しているつもりでオナニーしているんだ。
 ひょっとしたらタカくんも、“ゆずぽん ◆K0nom/yUzu”をわたしの姿とは知らないで見ているのかな? ユ
ウくんとかが教えてそうだから、その可能性は十分あるよ、ね?

 わたしがタカくんを想ってオナニーした姿で、みんながオナニーしている。そして、タカくんもわたしでオナ
ニーして、タカくんの男の匂いを感じたわたしの指を暴れさせる。
 オナニーの食物連鎖の完成だ。
 ……そうだとしたら、わたしは“女神”なんかじゃない。タカくんこそが“神”なんだよ。
 タカくんがいなければ、わたしはオナニーなんかしないんだよ。
 タカくんがわたしを毎日のように抱いてくれれば、わたしはオナニーなんかしなくて済むんだよ。
 タカくんこそが、食物連鎖の頂点にいる。わたしは、タカくんに魅入られた、ただの哀れな獲物。

 でも、タカくん。タカくんがオナニーする必要なんか、どこにもないんだよ。
 タカくんが望んでくれれば、わたしがいつでも愛してあげるから。
 わたしはいつでもタカくんの隣にいるんだよ。……相性だってサイコーなんだよ。
 きっと、世界中のどんな恋人たちよりも気持ちよくなれるよ。

 もう、“幼なじみ”とか“女神”と呼ばれるのは飽きちゃった。“ゆずぽん”なんて名前もいらない。
 わたしの名前は、柚原このみ。柚原このみが望むことは、タカくんの“恋人”と呼ばれること。
 ただ、それだけなんだよ……タカくん。
497名無しさんだよもん:05/01/30 03:37:20 ID:djVRmnCi
風呂に入ってたときに思いついたネタを一気に書いてみた
誤字脱字があったらご勘弁のほどを
498名無しさんだよもん:05/01/30 04:17:34 ID:8GTyGlwK
半角文字へ帰れw
499名無しさんだよもん:05/01/30 04:24:25 ID:kGZ+3Hdf
>>490
楽しみにしております。
頑張って下さい。


(´-`)oO(薫子は特徴掴みづらいだろうなぁ)
500夏に咲く花 1 :05/01/30 04:44:23 ID:pJriOrTa
ゆさゆさ
「タカ君、ねぇタカ君」
誰かが俺を揺さぶってる、このみだろうか?
「タカ君起きて〜遅刻しちゃうよ〜!」
何言ってるんだ?今日は日曜だ。学校なんかあるわけない。
「このみもとうとうボケたか…」
「もう、ボケてなんかないよっ、寝ぼけてるのはタカ君!今日はみんなで遊園地に行く約束だったでしょ!」
数日前の会話が思い出される。

『タカ君遊園地行かない?』
『あぁ?何でまた急に?』
『あのね、お母さんに遊園地のタダ券4枚もらったから、ホントは友達4人で行くつもりだったんだけど、一人が急に来れなくなっちゃったんだって。それでチケット無駄にするのも勿体ないからタカ君を誘おうと思って』
『俺はいいよ、どうせ俺以外は女の子なんだろ?』
『うん、ちゃるとよっちなんだけどね』やっぱり、あの二人か
『ねぇ〜どうしてもダメ?私タカ君と行きたかったのに…』
このみにこうゆう顔されると俺は弱かたった。
『…分かった、行くよ』
『ホント!?やた〜!じゃ今度の日曜だよ。忘れちゃダメだよ』
501夏に咲く花 1 :05/01/30 04:46:05 ID:pJriOrTa
そうだった、すっかり忘れていた。俺はベッドから飛び起き着替えを始める。
「わっ、わっ」
このみが両手で顔を覆っている。自分が今パンツ一枚だということに気づき慌てこのみを追い出す。
「すぐ着替えるから下で待ってろよ」
「わ、わかったよ〜」

さて着替えも終わったし顔も歯も磨いた
…髪くらいはセットしとくか
「このみ、お待たせ。時間は大丈夫か?」
「うん、今から出ればちょうど間に合うくらいだよ」
「よし、じゃあ行くか」
「待ってタカ君、朝ごはん食べないとダメだよ」
「でも、そんな時間ないだろ?」
「少しぐらいなら大丈夫だよ〜、せっかくトースト焼いたんだから食べてよ」
「じゃあ、行きながら食べるから」
「ダメ〜!お行儀わるいよタカ君」
このみだって時々やっている気がするが…?
「しょうがないな」
俺は食卓について、ジャムを塗っただけのトーストをモソモソと口に押しこむ。
「タカ君、美味しい?」
「あぁ」
このみがいれてくれたインスタントコーヒーで流し込み答える。
「えへ〜、よかった〜!」
ただ焼いただけのトーストに美味しいも何もないだろうが、このみが満足そうなので、そんなことはどうでもよかった。
502夏に咲く花 1 :05/01/30 04:47:05 ID:pJriOrTa
俺たちは集合場所である駅前と急いだ。どうやら二人はもう先に来ていたようだ。
「ちゃる、よっち、ごめ〜ん待った?」
「…このみ大丈夫、私達も今きたところだ」
「もぉ〜、タカ君がのんびり朝ごはんなんか食べてるから〜」
「はぁ?朝ごはん食べてけって言ったのは、このみだろ?」
「お〜お〜、二人とも朝っぱらからアツアツッスね〜」
「だから、そんなんじゃないって!」
とりあえず否定しておく。
「ふ〜ん、まぁどっちでもいいッスけど」
「それより早くしないと電車きちゃうよ〜」

今日、俺たちが行く遊園地は郊外にある、ごく普通のテーマパークだ。
たいして大きくもない遊園地だが休日ともなると人手も多かった。
「わぁ〜人がいっぱいだね〜」
「このみ走ると危ない」
「えへ〜、大丈夫だよ、ちゃる〜」
タタタタ、ポテッ
「イタッ」
言わんこっちゃない…
「大丈夫か、このみ?足みせて」
そう言って、ちゃるはハンカチでこのみ傷口を優しく拭いていた。
「ちゃるって、お母さんみたいだな」
二人を少し後ろから眺めながら俺は呟いた。
「あれ〜、先輩はあーゆーのが好みッスか?」
となりで、よっちが意外そうに言う。
「いや、別にそうゆうんじゃないけど」
「じゃあ、ひょっとしてアタシみたいのが好みッスかぁ?」
よっちは楽しそうに笑って言う。なんだか俺は顔が赤くなるのを感じた。
503夏に咲く花 1 :05/01/30 04:48:03 ID:pJriOrTa
「はやく〜、こっちこっち!」
中に入ると、このみは一目散に駆け出した。
「ここのジェットコースターは人気だから早く行かないと混んじゃうよ〜」
それが目的だったのか、確かにここのジェットコースターは人気が高い。というか唯一の目玉って感じだな。


(10分後)
「アハハハ楽しかったね〜」
「うぅ…気持ち悪い…」
「…私も、こうゆうのは苦手だ」
「何スか、二人ともだらしないッスね〜」
「大丈夫?タカ君、ちゃる?次はもっと優しいのにしようか?」
「ぜ、是非そうしてくれ…」
「了解でありますよ隊長〜」
そう言って、このみに連れて連れて行かれた先は…
「な、何だ?このやけにメルヘンチックなアトラクションはっ!?」
「えへへ〜これに乗って、この遊園地のキャラクター達のいる世界を旅するんでありますよ〜」
「このみ、これはいくらなんでも優しすぎるぞ…というかあきらかに低年齢向けだし…」
「このみ、アタシもさすがにそう思う…」
タヌキが俺に同意する。
「え〜、きっと楽しいよ〜」
「…私は、このみが良ければそれでいい」
「ほら〜、ちゃるもこう言ってることだし!」
このみが完全に乗り気なのでおとなしく乗ることにした。
うぅ、恥ずかしい…
504夏に咲く花 1 :05/01/30 04:49:15 ID:pJriOrTa
「わぁ〜、タカ君、クマさんが手を振ってるよ〜、可愛いね〜」
「あぁ、そうだな…」
「タカ君、タカ君、今度はウサギさんが近寄ってきたよ〜、可愛いね〜」
「あぁ、そうだな…」
こそばゆい…。あぁ、こそばゆい…。高校生にもなってこんなのに乗るはめになるとは…
ゴンドラは4人乗りだったのだが、二人は気を利かせて、俺たちを二人にしてくれていた。

(後ろのゴンドラ)
「あ〜ぁ、つまんない」
「まぁまぁ、よっち。このみが楽しんでいるからいいだろ」
「…いや、そうゆうことじゃなくて」
「…?」
「やっぱ、こうゆうのでも彼氏となら楽しんだろな〜」
「よっちは彼氏が欲しいのか?」
「そりゃ、そうでしょ。花の女子高生なんだし、やっぱ恋愛は不可欠っしょ」
「よっちのタイプはどんな人?」
「珍しいね、ちゃるがそうゆう話題のってくるなんて。そうね、アタシのタイプは先輩みたいな人かな?」
「先輩って、河野先輩?」
「うん、先輩って優しいし、顔はいいし、何より彼女を大切にしそうじゃない?」
「…よっち、もしかして」
「あぁ、大丈夫、大丈夫。別に好きとかじゃないから…ただの憧れみたいなもんだし」
「…ならいいけど」
「それと、この話はこのみにはナイショね。余計な心配かけたくないし」
「…大丈夫。よっちなら、いつかきっといい彼氏が出来る」
「へいへい、そりゃどーも」
505夏に咲く花 1 :05/01/30 04:50:16 ID:pJriOrTa
次に俺たちが向かったのは、オバケ屋敷だった。
「や、やっぱり止めようよ〜」
「大丈夫だよ。しょせん作り物だし、中には人が入ってるんだぜ?」
「このみ、先輩の言うとおり。それに、もし本物だとしても信じてなけりゃいないも同然」
キツネっ子が俺に同意する。つーか、何気に凄いこと言ってるよ、この子…
しかも一人でどんどん先に進んで行っちゃってるし…
「それでも、怖いものは怖いよ〜…」
そう言って、このみは俺の腕にしがみついてくる。
なんだかんだ言っても、このみはまだまだ子供だな。と思っていると
「…先輩ちょっと失礼するッス」
急に、このみがしがみついているのと反対の腕に重圧がかけられた。
「うわっ、びっくりした」
よっちが俺の腕にしがみついていた。
「私も先輩の腕、借りていいッスか?」
「その割には怖そうじゃないね?」
「きゃーこわーい」
「いや、めちゃめちゃ棒読だし」
「あはは〜、やっぱバレちゃったッスね。でも、すみません、少しの間だけこうしてたいんス…」
「…まぁ、いいけどさ」
うぅ、歩きにくい…
やっぱり、このみ以外の女の子は、まだ苦手だな…
506夏に咲く花 1 :05/01/30 04:51:09 ID:pJriOrTa
その後も俺たちは暗くなるまで遊園地を満喫した。といってもほとんど、このみに振り回されてた様な気もするけど。
「最後にアレ乗ろうよ〜!」
そう言って、このみが指差したのは、このテーマパークのシンボルとも言うべき、大観覧車だった。
「やっぱここは先輩とこのみで乗るべきっしょ」
人差し指をビシッと突き立て、よっちが言った。
「え〜、最後なんだからみんなで乗ろうよ〜」
「このみがそう言うなら私はそれでいい」
「なら4人だな」
というワケで全員で乗ることになった。
俺たちの番が近づき係の人が
「もう少し詰められそうなので、何名様かどうぞ」
と言った。ここの観覧車は大きいため乗り場がいくつもあるので、一度に大勢乗ることができた。
どうやら俺たちまでギリギリ乗れそうだな。そう思っていると不意に後ろでガチャン!とゲートが閉じられた。
「すいませ〜ん、ここのお客様までです」
あれ?よく見るとゲートの向こう側に、このみとちゃるがいる。
俺は係の人に言って、次の回にまわろうとすると、後ろから袖を引っ張られゴンドラの中に入ってしまった。
ガチャリと外から鍵がかけられ二人きりのゴンドラは登り始めた。
507夏に咲く花 1 :05/01/30 04:52:19 ID:pJriOrTa
俺は今、観覧車の中に女の子と二人きりで閉じ込められていた。
このみ以外の女の子とこんな密室で二人きりになるなんて初めてのことだった。
「あれ?そーいえば、よっち、さっき俺のこと引っ張ったよね?」
「さ、さぁ、何のことッスか?」
なんかビミョーにとぼけてるな…
まぁ俺は深く考えなかった。
「ちょっと、このみに悪かったかな?」俺はおそらく下のゴンドラに乗っている二人のことを考える。
「先輩はいっつも、このみのことばっか考えてるんスね」
「別にいつもじゃないけど、やっぱ幼なじみだからかな?どうも心配しちゃうんだよな」
そう、このみは妹のような存在。俺にしてみれば、いわば守るべき対象だった。
「そんなに幼なじみって特別なんスかね?アタシにはちょっと分からないッス」
「よっちには、そういうのいないの?」
「アタシからしたら、ちゃるが幼なじみッスけど、やっぱ女同士だからかな?先輩とこのみのとはちょっと違うッス」
「そうなんだ」
やっぱり、このみ以外の女の子と二人きりというのは落ち着かなく、会話はそう長く続かなかった。
俺は外の景色に目を向けた。
508夏に咲く花 1 :05/01/30 04:53:39 ID:pJriOrTa
観覧車がようやく頂上を過ぎた。
「ところで先輩とこのみはキスぐらいはしたんスか?」
不意にタヌキが聞いてくる。間違いなくお茶を飲んでたら噴いてるところだ。
「いきなり何だよ」
「いや〜やっぱ、気になるじゃないッスか〜」
「あのね、俺とこのみは、そういう関係じゃないから」
「えっ?そうなんスか?」
「君たちは俺とこのみをくっつけようとしてるけど、俺にはその気はないから」
「でも、このみにはあるかも知れないッスよ?」
「もしそうだとしても、今はまだ俺はこのみのことは幼なじみ以上には見れないよ」
「じゃあ、今好きな人はいないんスか?」
「そんなのいないよ」
「そッスか…じゃあ、まだアタシにも…」
「えっ、何か言った?」
「別に、なんでもないッスよ〜!」
よっちはイシシと笑うと
「先輩、ほら夜景が綺麗ッスよ!」
と言って俺の側の椅子に移ってきた。
「先輩って女の子苦手っしょ?」
至近距離で俺の顔を見つめながら聞いてくる。俺は、つい目をそらしてしまう。
「…そんなことない」
「隠したって分かるッスよ」
「ち、違うし」
「フフッ、先輩可愛いッス」
なんか、俺からかわれてる…?
二人だけの空間は、地上までがやけに長く感じられた。
509夏に咲く花 1 :05/01/30 04:55:14 ID:pJriOrTa
その後俺は、一緒に観覧車に乗れなかったとふてくされる、このみをなだめるのに大変だった。

こうして一日中遊んだ俺たちは遊園地を後にした。
遊び疲れて寝てしまった、このみを背負い地元の駅に降りる。
「…では先輩さようなら」
「じゃあ先輩、またッス!」
「おぅ、またな」
駅で二人と別れ、このみを背負い自宅へ向かう。


ふと帰り道で、観覧車の中でよっちが言っていたことを思い出す。
俺と、このみが付き合う…か、
俺がこのみと付き合うなんて今まで十数年一緒にいて、意識したことなんて一度もなかった。
もし俺がこのみと付き合いだしても今のままの二人でいられるだろうか?
しかし背中でグースカよだれを垂らしながら寝てるこのみを見てると、やっぱりまだまだ子供だと思ってしまう。

このみを家まで届け、やっと家に帰り着く。
「ふぅ…なんか今日は疲れたな…」
俺は着替えもせずベッドに沈み込んだのだった。

続く
510名無しさんだよもん:05/01/30 04:58:57 ID:pJriOrTa
初めてSSを書いたというか、こういう文章を書くことすら初めてなので、
表現や語法がおかしいとこもあるかもしれませんが、SS新人なので多目に見てやって下さい。
楽しんでいただければ幸いです。
511名無しさんだよもん:05/01/30 05:05:34 ID:kGZ+3Hdf
>>510
リアルタイム乙であります!

一応よっちSSでFA?
512名無しさんだよもん:05/01/30 05:09:42 ID:pJriOrTa
>>511
そこはあえて伏せておきます
でもバレバレですねw
513名無しさんだよもん:05/01/30 05:12:37 ID:vUKou2Yc
新人さんにしてはすごいうまいと思たよ。
期待してるんで頑張ってくださいね(・∀・)
514名無しさんだよもん:05/01/30 07:40:19 ID:B11Bmt4p
よっちのためにSSスレを巡回してるので頑張って下さいね(・∀・)
515名無しさんだよもん:05/01/30 09:24:19 ID:qTvQS4kt
なぜちゃるのSSがないんだ…。
516名無しさんだよもん:05/01/30 09:46:34 ID:kIebVyGC
「こうゆう」とか「そうゆう」に激しい違和感を感じている俺ガイル
517かおりん 2-1:05/01/30 10:24:10 ID:Qav8Vh9a

月曜日、いつもの時間に目を覚まし。暫くするとこのみがやってくる・・・・はずなんだが。
「お〜い、このみ早く準備しろ〜。早くしないと先行くぞ〜」
「わわっ!待ってよ〜もうすぐ行くから〜」
今日はすこし遅れそうだ・・・・。
「タカくん、いつもごめんなさいね」
そう言いながら春夏さんが居間の方からやってきた。
「いいえ、いつものことですから。慣れてますよ。」
そんな会話を交わしていると、上のほうから声が聞こえてきた。
「なんか、二人の話聞いていると、このみがいつも寝坊しているみたいだよ〜」
普段より10分程遅れて、このみの到着だ。
「いつもじゃないが、寝坊多いだろ?」
するとこのみは不機嫌そうに
「最近ではだいぶ減ってきたよ〜、今日は偶然だよ」
そんな感じの言い争いをしていると、春夏さんが
「喧嘩はそれぐらいにしないと学校に遅刻するわよ」
その言葉を聞き、時計に目を向けると・・・・・
「このみ、走っていくぞ!!タマ姉と雄二が先に行っちまうぞ」
「わっ、待ってよタカ君」
そう言って、柚原家の玄関を後にした。
「ぜぇ・・ぜぇ・・・ぜぇ」
「タカ君、相変わらず運動不足だね」
相変わらず、このみはどこにそのエネルギーを隠しているのか?
「タカ坊、遅〜い!!」
上のほうからタマ姉の声、走っているうちにいつもの合流地点まで着いてしまったようだ。
「あっ、タマお姉ちゃんにユウ君もおはよ〜」
「はぁ・・・はぁ・・・二人とも・・・・おはよう」
「いよぉう、お二人さん。今日もご苦労さんで」
いつもの朝、いつもの4人、ここから俺の一日は始まる。
518かおりん 2-2:05/01/30 10:24:49 ID:Qav8Vh9a

通学路を歩いていると、ふと昨日のことを思い出した。すこし聞いてみるか。
「なぁ、タマ姉聞いてみたいことあるんだけどいい?」
「ん?何、タカ坊」
「あのさ、九条院から来た三人の女の子達がいるじゃん、あの子達って名前なんていうの?」
すると、何処から沸いてきたか雄二の奴が・・・
「おぉ!!貴明が女の子の事を自らから聞いてくるなんて!!まさか恋か!?恋愛か!?」
「って違うわ!!ただ昨日その中の一人と商店街であったから少し気になっただけだっつうの!!」
「でも、確かにめずらしいわね。タカ坊の方からそういうこと聞いてくるなんて・・・?」
タマ姉までそんなことを聞いてきた・・・・別に良いじゃないか名前ぐらい。
「拗ねない、拗ねない。それであの子達の名前ね。じゃ、
 まずタカ坊に一番、敵意をあらわしてた子が、玲於奈。工藤玲於奈」
あぁ・・・なんとなく三人のリーダーっぽいあの子か。
「二人目は、目の下にホクロがある、セミロングの子が、柳瀬薫子」
あっ、昨日会った子だ。どうりで名前が分からない訳だよ。
「最後に、いつも静かであまり喋らないの黒髪の子が、朝比奈霞」
なるほど、タマ姉の紹介で三人の頭の中のイメージと名前が一致した
「ん、ありがとうタマ姉」
「で、タカ坊。昨日会ったのはどの子なの?」
何故そんなことを聞いてくるのかと思ったが、素直に言っておこう。
「その、柳瀬って言う子だよ・・・商店街で偶然ね」
迷っていたと言うのは、少し可愛そうな気もしたので伏せておくことにした
「それで、貴明は名前の知らないのに彼女と話をしたわけか?
 かぁ〜・・・最近お前の周り女の子多いのにまだ増やす気か!?」
ぐっ・・・確かに最近知り合った女の子は多いけど・・・・
「別にただ、すこし仲が良いだけだっての!!」
そんなことを話しながらいつもの坂道を歩いていると後ろから
「お姉様!!おはようございます」
―――噂をすればなんとやらってやつ?
519かおりん 2-3:05/01/30 10:25:38 ID:Qav8Vh9a

その声を聞き後ろを振り返ってみると案の定、彼女たちが立っていた
「お姉様!!おはようございます!!」
「おはようございます、お姉様」
ペコリ・・・
いつもながらの三人の凄まじい勢いの挨拶だ、タマ姉もすこし驚きながら
「あっ、あぁ、あなた達おはよう」
そうこうしながら三人のタマ姉への過剰接待は続いている。無論、入りきる隙など皆無だ。
「貴明よ・・・相変わらずながら俺たちは蚊屋の外だな」
「いつものことだよ、ユウ君」
俺がやれやれといった表情で、ぼぉ〜っとした表情でその光景を眺めていると
タマ姉が突然こちらを振り返り、何かを閃いたように。
「そういえば、薫子。昨日タカ坊に商店街で会ったんですってね?」
確か、柳瀬さんと言う子はこちらを振り返り「何、喋ってんのよ!?」と表情をしていた。
「薫子、あの男に会ったというの!?」
コクコク・・・・・
その問いに、柳瀬さんは困ったような顔をして
「別にただ偶然、町であっただけよ」
「そうそう」
俺も物事がこじれない程度に援護を入れておくことにした。
「あら、皆もうそろそろ時間的に危ないんじゃないかしら?」
タマ姉のその一言でここにいた全員がハッ!?っとした顔をした。
・・・まさかタマ姉この話題で自分に降り注ぐ火の粉をこちらに移したな。
「さぁ、すこし急ぐわよ。」
そういって走り出した、タマ姉の背中を見て俺もゆっくりと走り出した。
「アナタ、言わなかったの?」
小さな声が聞こえ、横を見ると柳瀬さんが俺に向かって話しかけていた。
「道に迷っていたこと?そんなこと言うと柳瀬さんがなんとなく可哀想だからさ」
彼女は黙って不思議そうな顔をした。
「タカく〜ん、早く来ないと遅刻しちゃうよ〜」
「薫子も早く来なさ〜い」
その声を聞き俺たちはまた走り出した。
520かおりんの人:05/01/30 10:26:25 ID:Qav8Vh9a
話が進まない2話目
名字は適当に名字サイトで発見したのを
くっつけただけだったり・・・・・
そんなめずらしい名字は使いませんでした。
521名無しさんだよもん:05/01/30 10:27:55 ID:cNb1BYv+
>>520
いいよいいよ〜
苗字もすんなり受け入れられたし、続きを楽しみにしてまつ
522雄二の人:05/01/30 10:28:50 ID:PD2K41TM

春夏SS続きをうPしまつ。 
ちなみに前話は>>265
523ラッキーストライク12:05/01/30 10:51:38 ID:PD2K41TM
春夏
「あら、そう?私はてっきり…」

残念そうな顔をする春夏。

貴明
(てっきり何だって言うんだ!!)

春夏
「じゃあ…環ちゃん狙いなのかな?」

貴明
「たま姉も狙ってません!!もぅ…からかわないで下さい!!」

しかし、春夏はさらにとんでもない事を口にする。

春夏
「ふーん…。じゃあ、私?」

貴明
「いっ!?」

そう言うやいなや、春夏さんは俺との距離を詰める。

貴明
「ちょ!春夏さん!?」

驚いて立ち上がろうとした俺の右腕に春夏さんが抱きつく。
ピッタリと俺に密着する。
右腕には柔らかなものが押し付けられる。
524名無しさんだよもん:05/01/30 11:09:10 ID:Xz2a2fUN
薫子が誰だか分からずにビジュアル設定資料集を引っ張り出した
525ラッキーストライク13:05/01/30 11:17:05 ID:PD2K41TM
春夏
「ねぇ、タカ君…」

耳元で囁く。

春夏
「いいこと…しよっか?」

そう言うと俺は春夏さんに押し倒される。
仰向け状態の貴明の上に覆い被さる春夏。

貴明
「はっ、春夏さ…むぐっ!」

息ができないっ!?春夏さんの口で俺の口が塞がれているじゃないか!?

貴明
「むー!むーーっ!!」

貴明
(これって…キス!!)

ふと上に被さっている春夏さんと目が合う。
ニヤリ!としたかと思うと俺の口内に春夏さんの舌が侵入してくる。
春夏さんの舌が俺の舌に触れる。
ニチャニチャ…。
いやらしい音を立て、俺の舌を器用に舐め回す。
俺はされるがままに犯される…。
腰に力が入らない…。
526名無しさんだよもん:05/01/30 11:24:09 ID:ZSOMAemZ
ハァハァ
527名無しさんだよもん:05/01/30 11:25:21 ID:xjP+BoD0
どきどき
528名無しさんだよもん:05/01/30 11:32:27 ID:+UAdZHbY
さいきん、やたら盛り上がってるな
どれも面白いわけだが
529名無しさんだよもん:05/01/30 11:34:03 ID:Xz2a2fUN
春夏さん欲求不満なのかな・・・
530ラッキーストライク14:05/01/30 11:36:51 ID:PD2K41TM
貴明
(やばい…)

と思った瞬間、体中がこわばり、下半身から熱いものが発射されるのを感じる。

春夏
「タカ君、もうイッちゃった…」

貴明の変化を察知し体を離す春夏。
くすくす…と笑う春夏の口元には二人の唾液が糸を引いていた。 

貴明
「は…はるかさん…」

射精直後で頭がうまく回らない貴明を見て悦に入る春夏。

春夏
「ねぇ、タカ君。もっとイイコトしてあげる。」

そう言うと俺の手を掴み、ベッドへ誘導する。

春夏
「そこに座って…そう」

言われるがままベッドの縁に腰を下ろす。
春夏さんはズイッと俺の足を左右に開き、その間にちょこんと腰を下ろす。

春夏
「ちょっと腰を上げて…そう。」

よっ…と春夏さんが腰をあげた俺の下着を脱がす。
531名無しさんだよもん:05/01/30 11:46:12 ID:qTvQS4kt
ウホッ、このみに弟か妹ができちゃいますよw
母娘丼でも可。
532ラッキーストライク15:05/01/30 11:54:45 ID:PD2K41TM
春夏
「へえ〜…」

まじまじと起立した貴明のモノをみつめる。

春夏
「タカ君…。おっきくなったわね〜。」

ニヒヒ…と笑みを浮かべる春夏。

貴明
「いつの話をしてぇ…あぅっ!」

反論しようとした矢先、先刻達したばかりのイチモツに春夏の指が絡み付く!

春夏
「ほら〜っ…自分でするよる気持ちいいでしょ〜?」

しゅるしゅると貴明のものをしごき続ける春夏。
時折、上目使いにこちらを見ては満足そうな笑みを浮かべる。

貴明
(俺…いいように遊ばれてる?)

そんな事を頭では考えつつも、体はなすがままにされる…腰が勝手に動く。

春夏
「あらっ?タカく〜ん。これは何?」

先端からにじみ出た先走り汁を人差し指でこね回す。
533ラッキーストライク16:05/01/30 12:16:34 ID:PD2K41TM
貴明
「うぐっ、あぅ…」

春夏
「あら?我慢しなくていいのよぉ〜。」

しごく速度が上がる。体中に快感が押し寄せる!

貴明
「春夏さん!俺…もうっ!!」

本日二度目の射精。精子をぶちまけ、そのままベッドに倒れ込む。

春夏
「やっぱり若いわね〜。こんなに沢山…」

声のする方に目をやると春夏さんが俺のふとももや床に飛び散った精液をテイッシュで拭き取っていた。

春夏
「さてと…。」

そう口にして立ち上がる春夏さん。もちろん俺は続きを期待していた。しかし…

春夏
「本当はね、最後までしてあげたいけど…」

俺に背を向け、部屋の出口へ近付く。

貴明
「春夏さん?」
534ラッキーストライク17:05/01/30 12:29:28 ID:PD2K41TM
しかし、俺の呼び掛けにはこたえず、そのままドアの前に立ち、ドアノブに手をかける。
ギィっと扉を開ける。
そこで俺は目を丸くする。

貴明
「こっ…このみ!?」

ドアの向こう側、廊下にこのみは立っていた。
目には涙を浮かべている事からおそらく一部始終を目にしていたのであろう。

貴明
(そっか…。今日は土曜だから学校はもう終ってるよな。)

など妙にピントの外れた考えが頭をよぎる。

続く
535名無しさんだよもん:05/01/30 12:31:23 ID:rTRBAvP9
ああ昼間っからムラムラさせんな!!
・・・続き待ってます。早くお願いします(*´д`*)
536名無しさんだよもん:05/01/30 12:32:20 ID:DjI5Lhba
親子丼クル━━━━(゚∀゚)━━━━!?
537双月:05/01/30 12:41:03 ID:tU7bmP4s
 ああ、約一週間ぶりです。前回タマ姉のSS書いた双月です。前回感想くださった方ありがとうございます。
 もう一度タマ姉書こうとしたんですが、挫折したので、別のという事でUMAじゃない、由真のSSです。
 季節感無視+前後編で、ちょっとエッチかもしれませんが、お付き合いできたら幸いです。では、投下します。
538一日前(前)/1:05/01/30 12:42:12 ID:tU7bmP4s
「ずるい……」
「いや、ずるくないし」
「どうしてもう終わるのよ」
「……そりゃ、毎日やってるからな」
(まあ、昨日やっと終わらせたんだけど)
 夏休みの宿題に向かいながら文句を言ってくる由真に貴明は軽くあしらっていた。とはいえ、いっている事と事実は違うのだが。
 8月30日と夏休みである日も今日を含めてあと2日。宿題を終わらせていない由真が貴明の部屋に来て2時間。作業は全く進んでいなかった。由真が貴明のを写しているのだが、効率は全く上がってはいない。
「うう〜……」
 そう言いながら、テーブルに突っ伏しながら唸る。そして、恨めしそうな目で貴明を見ていた。
 出会ったこととは違い、薄いフレームの眼鏡にTシャツ、その上から薄手のパーカーというラフな格好だった。
「……それで、どこまで残ってるんだ?」
「あと……これぐらい」
 そう言ってプリントの束や問題集を指差した。まあ、一人でできない量ではない。無理をすればだ。
「……まあ、頑張れよ」
「ちょ。ちょっと何処いくのよ!」
 立ち上がって部屋を出て行こうとする貴明を由真が呼び止めた。
「いや、俺には関係ないし」
 ただ、トイレに行くために部屋を出ようとしたのだが、由真に聞かれ、思わずそう返していた。
「うう〜……」
「で、俺はどうすればいい?」
「…………手伝って」
 言ったら負けのようなその言葉。由真はとうとうその言葉を口にした。悔しそうに。
(最初から素直に言えば手伝ったのに)
 そう思いつつ苦笑いを心で浮かべていた。
539一日前(前)/2:05/01/30 12:43:27 ID:tU7bmP4s
「は〜……疲れた」
「同じく……」
 二人一緒にテーブルに突っ伏す。二人で宿題を写して早数時間。時間はすでに7時を回っていた。
「もう、しばらく英単語なんか見たくないわ」
「同感……」
 そう言いながら、顔をあげると、お互いの顔が間近に写る。
「あ」
「あ……」
 勉強という課題の所為で今まで意識しなかった二人きりという状況が、終わった途端に押し寄せてくる。そのために、二人の体温は一気に上昇していった。
「ど、……どうも、ありがとう」
「い、いや別にいいけど」
「?」
 そう言っている貴明の視線に由真がの目が行く。目に見えない矢印を追うと。自分の胸元のTシャツにたどり着いた。
 ようやく夏休みが終わるというのだが、まだ残暑が続いている。そのために、薄っすらと汗ばんだTシャツからは肌そして……。
「な、どこ見てるのよ!」
 ばっと急いでパーカーで胸元を隠した。
540一日前(前)/3:05/01/30 12:46:26 ID:tU7bmP4s
「わ、ご、ごめん」
 そう言ってそっぽを向く。気まずい時間。それを打ち破ったのは由真の方だった。
「……ねえ」
「……ん?」
 そう言って見つめた由真の頬は少し朱に染まっていた。
「やっぱり……あんたもこういうの興味あるの?」
「こういうのって?」
「……エッチな事」
 そう言って、顔を下に向けながら、見上げるように貴明を見る。
「ま、まあ。……そりゃ、俺も男だし。興味はあるけど……」
「そう……」
 そう言って、何かぶつぶつ由真が言っている。気になって、貴明が由真に呼びかける。
「……由真?」
「わっ、な、なんでもない、なんでもない」
 そう言って、由真は立ち上がった。
「そ、それじゃあ、帰るから。また明日!!」
「お、おい」
 カバンを手に持ち由真は急いで部屋を飛び出していった。
「……宿題全部置いていきやがった」
 テーブルの上に置かれた課題。まだ由真が終わらせていない課題が残っていた。
541一日前(前)/4:05/01/30 12:49:05 ID:tU7bmP4s
「……はぁ」
 机に座り、肘を付いて窓の人形を見つめた。風呂上りで眠るまでのわずかなまどろんだ時間。今日の事を思い出していた。
「あんたはいいわよね」
 そう言って、窓に置いてある人形を指で突付く。自分と、貴明の姿に似ている人形。二人はいつも抱き合っていた。
「ふぅ……」
 自分だってこんな風に素直に抱き合ったりしたいと思う。が、それを素直になれない心が邪魔していた。元々ぶつかり合って始まった恋愛だからかもしれないが。
「……手近な所で済ませる気は無いんだから」
 中学生の時にいった夢を思い出す。『可愛いお嫁さん』という少女らしい夢を。
 手近な所とすぐに貴明の顔が浮かぶ。その顔を振り払うように顔をブンブンと激しく横に振った。が。
(でも、あいつ以外なんて考えられないわよね……)
 悔しいが、貴明以外なんて考えられなかった。思い込んだら一直線の由真らしい。
「でも、だからって……」
(じろじろ胸ばっかり見なくてもいいじゃない……)
 そう心で文句を言いながら、貴明の姿をした人形を突付いた。
(そんな事されたら……嫌でも考えちゃうでしょ。ばかっ)
 そう言って、頭に浮かんできたのは自分が貴明に抱かれている姿だった。
「んっ……」
(やだ……だめよ、だめだめっ)
 そう思いながらも手は止まらない。むしろ、その言葉が促進剤になり、パジャマのボタンを外していった。胸元が大きく開き、薄手のブラジャーが飛び出た。
542一日前(前)/5:05/01/30 12:52:01 ID:tU7bmP4s
「ぁ……」
 ブラジャーの間から手を入れ、胸に触れる。
(やだ……、だめだってば)
 目を覆うように腕で隠し、机に伏せる。もう片方の腕は自らの胸に伸びていた。
(そんなに……揉むなぁ…………)
 真っ暗な視界の中、由真の頭の中ではこの胸に触っているのは貴明だった。
 嫌だと言っているのに、貴明の手は止まらない。そんないやらしい考えが勝手に進んでいってしまう。
 嫌がる由真の胸を、貴明が徐々に強く揉む。だが、自分の弱い所を知っている手が周りからだんだん中心の頂きへと伸びていく。そして、指で自らの乳首をつまんだ。
「ふぁ……、んんっ、はぁ……はっ……」
(やだ、せっかく着替えたのに)
 ようやく貴明の手が離れる。が、それで終わりじゃない。潤い始めた由真の秘所に手は伸びていった。
(「もう、こんなに濡れてるな」)
(ち、違うわよ)
 頭の中に聞こえる貴明の声に、由真が反論する。が、そんな由真をあざ笑うように自身の膣は淫らな水音をだしていた。
(「じゃあ、この音は何だよ?」)
「んっ、っふ……、あ……」
 頭の中に聞こえる貴明の声、そして、自分の吐息にくちゅくちゅと手に絡まった水音が耳からも由真を犯していく。
(や……。声が出ちゃう)
 嫌でも出てしまう声を抑えようと、目隠ししていた腕で口を抑える。
 そして、開けてくる視界。その目に映ってきたのは、自分を見つめる由真の姿をした人形だった。
 湯上がりで濡れた髪、半脱げになったパジャマ、下着の中に手が入っているのが人形達には丸見えだった。
543一日前(前)/6:05/01/30 12:54:03 ID:tU7bmP4s
(や、見ないで)
 こちらを見ている二人の人形。まるで今のいやらしい自分を笑っている由真には思えた。
「んっく、あ……、ふぁ。んんっ」
(違うの。違うの……)
 二人に言い訳するように心で、首を横に振って否定する。が、手は止まってくれない。
 膣の淵を触るだけの緩やかな快感が背中を走る。と。
「ふうっんっ!!」
 怖くて指が奥までいかず、周りを擦るだけの手が敏感な突起に触れてしまう。それだけで背中を小さな雷のような刺激が駆け上った。
「んっ、んんっ。ふぐっ、ん、ふぅ」
 強い刺激を体が求めて、あまり触らない膣の淵から、徐々にその頂きにある秘核に触れていた。
 手を濡らす由真の愛液が敏感な芽を傷つけずに強い快感のみを与えていく。
「ふぅ、ん。んふ。ふぐ。んっ」
 目の前に居る二人の抱き合った人形。それがうらやましく思える。好きな人に抱きしめられたい。
(貴明……貴明……あたし、あたし……)
「んんっ!!!!」
 ビクッビクッ。小さく体が快感に震える。呆然と由真は人形を見つめていた。
「ふぅ……ふぅ……っ……はぁ」
 熱い夏の夜。ポタポタと汗が髪から零れ落ちていく。荒くなった息を整えて一言呟いた。
「なにやってんだろ、あたし」
 事を終えて、自分のやっている事が馬鹿馬鹿しく思えてくる。夕方の事を思い出して一人でするなんて。
「……あんたが悪いんだからね」
(手近で済ますつもりなんて無かったわよ。でも……あんた以外なんて嫌なんだから)
 そう一方的に責め立てるように貴明の姿をした人形の頭をこつんと指で突付いた。
 人形が少し揺れる。そして、その人形を抱きとめたのは由真の人形だった。
「はぁ……、もう一辺お風呂はいろ」
 ずるずると汗で濡れた体を引きずって、由真は部屋を出て行った。
544一日前(前)/あとがき:05/01/30 12:57:44 ID:tU7bmP4s

……なんで由真なら楽にエッチなのが書けるんだろうか(汗)。やはり、エロインだからか(おい)。
 それは置いておいて。
 由真の話で、季節感無視で夏休みの話になってしまいました。理由は。多分ある程度予測つくと思います。
 ……来週までに続きかけたらいいと思ってます、はい。

それにしても皆さん書かれるのが早くてうらやましい……。それでは〜。
545名無しさんだよもん:05/01/30 13:00:43 ID:xjP+BoD0
>>544
由真好きの俺にとってはGJです。次回もたのしみにしてます
546外道図書委員長の陰謀:05/01/30 13:01:51 ID:GeX51Bdx
GJ。由真の性格がよく出てると思うですよ。続きが楽しみでつ。まあ焦らずじっくり
書いてください。

それでは>>458の続き行きます。尚、前回の貴明の夢の場面は>>453-458の前半です。
授業中にあの夢見て貴明が先生に怒られてリアルワールドに戻るという筋だったです
けど分かりにくかったみたいですね。以後は場面の切り替え分かりやすいように気を
つけたいです。ではどうぞ。
547外道図書委員長の陰謀:05/01/30 13:03:23 ID:GeX51Bdx
 放課後、貴明は環を連れて昨日と同じ体育倉庫の前に来ていた。ポジティブな環は
貴明から「呼び出しを受けている」という話を聞いて逃げるどころか、昨日撮られた
恥ずかしい画像を取り返すと息巻いている。それはまだ愛佳は自分のことを忘れてい
ないと信じたい貴明も同じ心境だった。
「タカ坊も男ならどんなことしても小牧さんを取り戻す、それをいつも忘れないでい
なさい」
 出発前に環はそう言って貴明を叱咤激励してくれた。
「ああ、今度こそはあいつをぶん殴ってやるぜ、リアルで」
 貴明は気を強く持って、体育倉庫の扉を叩いた。
『開いてるよ。どうぞ』
 中から図書委員長の声が聞こえてくる。貴明が扉を開けると、逆69で愛佳の股間に
顔を埋めていた図書委員長が顔を上げた。
「いらっしゃい。ちゃんと来てくれたってことは僕を信頼してくれてるってことだよ
ね」
「うるさいわね。私たちは昨日撮られた恥ずかしい画像と、小牧さんを取り返せばも
うここに用はないわ」
 環が啖呵を切った。しかし図書委員長は動じない。
「悪いけどちょっと立つよ。玉から口離してもらえるかな」
 上から垂れ下がる玉袋に吸い付いていた愛佳に声をかけておいて立ち上がると、図
書委員長は環のほうに向き直った。
「向坂さん、美人だけに怒った顔も魅力的だけどここは落ち着いて話し合わないかい?
僕は乱暴なやり方は好きじゃないんでね」
「(昨日あんなことしておいてよくそんなこと言えるわね!)」
 環は腸が煮え繰り返る思いだった。図書委員長は環のことなど気にかけずに愛佳に
声をかけた。
「手間かけて悪いけど、彼らに紅茶淹れてあげてくれるかな?」
「あ、はい、すぐ用意します……」
 愛佳が立ち上がって、いつの間に用意したのか電気ポットと紅茶の道具一式を持っ
て紅茶を淹れ始めた。
「まあ座ってくれよ。立ってると落ち着いて話ができないからさ」
 図書委員長はパイプ椅子を貴明と環に勧めて、組み合わせた手を置いてゆっくり話
し始めた。
548外道図書委員長の陰謀:05/01/30 13:05:14 ID:GeX51Bdx
「2週間ほど前、図書委員会で書庫の本を処分してCDを入れていくって決定があった
のは知ってるね?」
「………(それがどうした。それが今回のことの元凶なんじゃないか)」
「そんな恐い顔してくれるなよ河野君。君や小牧さんには申し訳ないことになったと
は僕も思うよ。でもこれは去年度から図書室の利用者アンケートでかねてから一番多
かった要望なんだ。そのことはまず分かっておいて欲しい。どんなに君たちがゴネた
ところで今更この決定を変えるのは難しいことなのだから」
「でも…いくら古い本でもそれを資料にしたり、楽しんで読んだりする人はいるはず
よ。だから今まで大事に置いてきたんでしょ?」
 環が口を挟んだ。
「確かに少数の反対意見としてそういう声があったのも事実さ。でもね、民主主義の
ルールに従うなら…」
「お待たせしました」
 愛佳が四人分の紅茶の入ったティーカップを置いて、一旦話が途切れた。
「や、ありがとう。君たちも飲んでくれよ」
 図書委員長はまず貴明と環に紅茶を勧めて、自分でも飲んだ。しかし二人ともカッ
プに口をつけようともしない。
「どうしたの?飲んだら体の力が抜けるってことはないよ」
 図書委員長の眉がおどけたように上がった。
「(そう言うなら飲んでやろうじゃないか)」
 貴明はほんの少しだけ紅茶を啜った。愛佳の淹れてくれた紅茶だからおいしい。
別に味がおかしいとか匂いが薬臭いとかそういうこともない。貴明がどうもないなら
と環も紅茶を口にする。そこで図書委員長は一度途切れた話を続けた。
「もちろん少数意見も無視できないけど前々からの要望がいよいよ実現できるとなれ
ば一日でも早くCDを入れたい。それが学生のためだ。だから書庫の本をいつまでも取
って置かれると困るんだ。違うかな?」
549外道図書委員長の陰謀:05/01/30 13:06:56 ID:GeX51Bdx
「……………」
「……………」
「……………」
 無言の三人。そこで図書委員長が続ける。
「愛佳君はああ見えて意志は強いほうだし、とうとう書庫の本が守られるなら何でも
するとまで言った。とは言え図書委員のみんなを翻意させるのも大変だ。最近愛佳君
の意見を支持してくれる委員も増えてるけど、反対派からは定例会議のたびに早くは
っきり片をつけてくれって突き上げを食っていてね。彼らを納得させるのは並大抵の
ことじゃない。おかげさまで僕はいつもストレス溜まりっぱなしさ。そこまでして書
庫の本を守る根性が愛佳君にあるか僕は試したかっ…」
「何が根性だ!人の恋人を横取りして毎日陵辱しやがって!」
 キレた貴明が机をバンと叩いて立ち上がった。
「あの決定に横車を押すつもりなら、冗談抜きで何もかも犠牲にして立ち向かっても
らわないと…と言っても君には分かってもらえないか。君には恋人を寝取られたこと
のほうが重要みたいだしね」
「ああそうだね!俺は真相を知って、お前をぶん殴りたくてしょうがないんだ」
「じゃあはっきり言おう。僕は愛佳君が好きだ。だから君は邪魔者だった。どんなこ
とをしても愛佳君を僕のものにしたかったって」
「言ったな。よし、もう遠慮しない。殴り合いでも何でもして愛佳を取り戻してやろ
うじゃないか」
「タカ坊、熱くなっちゃだめ!狙いが…きゃああっ」
 貴明は顔を真っ赤にして図書委員長と対峙し、拳を繰り出した。しかし怒りの余り
狙いが微妙に定まらず、環がそれを窘めたがその時には貴明の腕は図書委員長にしっ
かり掴まれ、腕を捻じ曲げて関節を極められていた。
550外道図書委員長の陰謀:05/01/30 13:08:13 ID:GeX51Bdx
「あだ、あだだだだだ…」
「タカ坊!」
 そのまま貴明の体が床に放り出され、貴明は強かに腰を打った。
「昨日も言ったけど、僕は乱暴者は嫌いだよ。だからテーブルについて非暴力的にこ
とを解決しようと思ってたのに…まあどっちみち君たちの負けという形で終わらせる
つもりだったんだけど」
「どういうこと?」
「そろそろ君たちの紅茶に入れてあった薬が効いてくる頃さ」
 図書委員長はそう言うだけで環の問いかけにはっきりした答えを出さない。
「何ですって?紅茶に薬は入ってないはずだったのに」
「力が抜ける薬は入ってないとは言ったよ。でも薬そのものが入ってないとも言って
なかったじゃないか」
「あなたって卑怯な人ね!正々堂々と…え?」
 ドクン
 激しい動悸が環の胸を打った。環の体が熱くなり、汗がタラタラ流れてきた。それ
ばかりか愛液が溢れてパンツの中がじっとりと濡れ、乳首もブラジャーの中でツンと
立って疼いている。
「な、何よこれ…」
 環は前を手で押さえて、ヘナヘナと床に座り込んでしまった。
「何なんだ…体が熱くて…ちんこが爆発しそうなほど立ってる」
 腰の痛みが収まり、立ち上がろうとした貴明も体の異変を訴えていた。ズボンの前
には高々とテントが張っている。
「どうやら催淫剤が効いて来たようだね。じゃあ昨日に引き続いて向坂さんにはタカ
坊君と一緒に楽しんでもらおうか」
 図書委員長は貴明の手を引っ張って、環の前に連れてきた。
551名無しさんだよもん:05/01/30 13:14:02 ID:cNb1BYv+
乙。ゆっくり待ってますので、まずは体をお大事に。
552名無しさんだよもん:05/01/30 13:42:23 ID:tm9a6w65
乙。毎回よう頑張るね。
こういっちゃなんだけど、最近マンネリ化してきたような気がしないでもない。
それを楽しんでる人もいるとは思うけど、そろそろなにか違った方向に向かってもいいんでないか?
なんてロクに文章かけない奴のチラシの裏
553名無しさんだよもん:05/01/30 14:07:05 ID:8GTyGlwK
正直最近はギャグに見えてきたorz
554名無しさんだよもん:05/01/30 14:50:41 ID:3WJEVux7
同じく。ギャグならありかと思えてるよ。
5551/5 ココロの割合:05/01/30 14:53:14 ID:cNb1BYv+
 コンコン、とノックが二回。
「どうぞ」
 と言うと姉が病室に入ってきた。それともうひとり、落ち着かなさそうに入ってくる学生服の男。
 ――男?
 目を疑うとはこのことだった。もちろんあたしの場合、あまり自分の目でちゃんと見えてるという自信はない
のだけど。それでもそれが男で学生で姉の知り合い――それもここに連れてくるほどの――であることは容
易に想像がつく。
 ピリッと辛い刺激が胸の奥を刺激した。
「気分はどう?」
「ぼちぼち。朝方は指先がぴりぴりしてたけど今は大丈夫」
 いつもの受け答えをしながらも、あたしは後ろの男が気になって仕方ない。
 なぜ姉はこの男をあたしのところに連れてきたのだろう?
 姉にとってこの男はいったいなんなのだろう?
 ぞわぞわと不安が心の中を駆け上がってくる。
「そう……母さんは?」
「急に来れなくなったって連絡あった。洗濯よろしくだって」
「うん、わかった」
「それと……この人は?」
 視線をやると、男は所在なさそうに困ったような顔をしていた。
5562/5 ココロの割合:05/01/30 14:53:56 ID:cNb1BYv+
「あ、こちら同じクラスの河野貴明くん。クラスの用事の途中でちょっと寄らせてもらったの」
 ウソだ。そんなこと分からないわけがない。姉がただのクラスメイトを連れてくるわけがない。
「どうも」
 男が軽く頭を下げた。
「足手まといの妹です」
 姉の顔が少し歪む。それで少し安心する。まだ姉はあたしのことを大事だと考えている。それでも姉の心
の一部を、少しでもこの男が持っていってしまったことに変わりはないのだろう。姉の心の中であたしの占め
る割合は少し減ってしまったのだろう。
「よろしく、お兄ちゃん」
「こちらこそ」
 姉は挨拶が成立したことでよしとしたのか、洗濯物を手早くまとめると、ドアに向かった。
「たかあきくんごめん、座ってくつろいでて」
 疑惑は確信に変わる。
 姉が男を名前で呼ぶなんてありえない。
 あたしの想像による姉の心を占める割合グラフから、あたしの項目がぐーんと減って、目の前にいる憎たら
しい男の割合がぐーんを増える。
 なんて憎たらしい。シーツでも噛んで悔しがりたいところだけど、そんなことしたらあんまりにも惨めなので
やらない。
 恨みがましく男の全身を睨みつける。とにかくぎゃふんと言わせてやらないと気がすまない。
「ふ〜ん、姉もようやく男の趣味がよくなってきたね」
 男の体がぴくりと緊張するのが分かった。あたしはこの男の姿を見てから初めて満足を覚える。
「姉はああ見えても男がいないとやってけないタイプでさ」
 男の表情が見る間に凍り付いていく。
 ふふん。まだ姉のこと分かってないみたいね。
「ねえ、自分が何人目なのか教えてあげようか?」
5573/5 ココロの割合:05/01/30 14:54:38 ID:cNb1BYv+
「言ってみろよ」
 反撃――。
 あたしは言いよどむ。でもこんなのは強がりだ。心の中では不安にいっぱいに違いない。
 そう、――今のあたしと同じように。
「今度のは手ごわそうね」
 強く睨みつけてくる視線。
「……とか言ってもダメか」
 心の底から姉のことを信じているかどうかはともかく、この男は頑なにあたしとは敵対することを選んだらし
い。まあ好かれるよりはよっぽどいいけど。
「どういうつもりだ」
「別に」
「誰が来てもこんな悪ふざけを仕掛けているのか?」
 悪ふざけ、ですって。
 あたしがどんなつもりで言ってるのかも知らないくせに。
 あたしがどんな思いでこのベッドに縛り付けられているかも知らないくせに。
 なんて、なんてつまらない男だろう。
 あたしにとって姉がどれだけ大切かも知らないくせに。
 あんたは姉のことなんて何も知らないくせに。
「命が薄いとね、色んなことを思うようになるの」
 もしこの男が姉への態度を変えないというのなら、あたしを憎ませてやる。
「あんたみたいに、せっかくの命を何となく過ごしているだけの奴はもちろんだけど、姉のように何にでも一
生懸命なのも不愉快なの」
 あの姉のことだ。この男があたしに対して不信感をつのらせているのを知れば、自然とこの男から離れて
いくに違いない。たとえ今は心を奪われていても、姉は絶対に、そう絶対にあたしからは逃げられないのだ
から。
「だからね、ちょっと困らせては気を紛らわせてるってわけ。その点、姉はコンプレックスの固まりだからうっ
てつけなんだけどね」
「お前……待て、それってつまり」
 男が鼻白むのが分かった。狙い通りだ。
5584/5 ココロの割合:05/01/30 14:55:21 ID:cNb1BYv+
「昔々あるところに、哀れな娘がおりました」
 男は言葉もなく立ち尽くしている。よほどショックだったのだろうか、そうであってほしい。
「病弱な妹が何かとひどい目に遭わせるのです。娘は意地悪な妹にも真心で尽くしましたが、妹の仕打ち
がやむことはありませんでした」
 しかし言いかけたこの物語に、あたし自身が空しくなる。
「……昔話だと意地悪な妹が死んでハッピーエンドだよね、これ」
 男を見ると、じっとこちらを見ていた。その表情は怒りでも同情でもなく困惑。
「みんな知ってるよ。姉がホントは人見知りすることも、男が苦手なことも、小さい頃から寂しい思いをしてい
たことも……。姉はね、あたしが『自分はいらない子』だと思わないよう必死なのよ。そう思ってるのは自分
なのにね」
「じゃあどうして、血のつながった姉だろ」
「例え身内でも、他人の不幸を願うのは人間の本能みたいなものでしょ? そうすれば相手の中で自分の
占める割合が増えるわけだから」
 思わず本音が零れる。姉に不幸になってもらいたいわけじゃない、けど、ただせめて姉の関心を集めてい
たいと思うのは、姉以外にいないあたしにとっていけないことなのか。
「こいつは……」
「こいつじゃないよ、郁乃。い・く・の。『全然育ってないけどね』」
 自分自身に対する苦笑が漏れる。
「知ってる? こういう言い方すると姉はホントに悲しそうな顔するの。せっかくプレッシャーに感じてくれてる
んだから、期待に応えるべきだと思わない?」
「勝手なこと言いやがって」
 男の体が怒りに震えている。
 そう、そんなに姉が大事なんだ。
 それは多分姉にとってはいいことなのだろうけど、あたしからしたらこの男がより強大な敵になったというこ
とでしかない。
5595/5 ココロの割合:05/01/30 14:56:04 ID:cNb1BYv+
「でも結果オーライじゃない? 姉は尊敬される姉になろうと頑張ってるわけだし。それに……『他人』には関
係のない話だよね」
 ぴくりと男の拳が震えた。一瞬言い過ぎたかと思ったが、今更後には引けない。
「このこと姉に知らせる? どうぞご自由に。でも……あの姉のことだから、よほどのことがないかぎりあなた
についていかないと思うよ」
 確信は、ない。絶対に姉が離れていかないなどと考えたことが一度でもあっただろうか?
 あたしはいつだって不安なのだ。
「だって、ひとを見捨てられない人だから」
 姉にいつか見捨てられるのではないか、と。
「別に見捨てるとか……」
「そうでなくても、そう感じちゃう人なのよ。あの姉は。どうぞ、遠慮なくなってみて。あたしから姉を引き剥が
せるか」
 肩をすくめてみせる。自信があるように見せないといけない。誰よりもあたしが不安に思ってるなんて知ら
れてはいけない。
「ごめんなさいされるのがオチでしょうけど」
 男は結局なにも言い返してこなかった。
 それは小さく、苦くて、味気ない勝利。
 それでもなんとなく理解はしていたのだ。今はたぶん姉の一番は自分だろうけど、近い将来そうではなく
なるかもしれないということを。
 姉があたしを心配して眠れない夜がひとつ減り、この男のことを考えて安らかに眠る夜がひとつ増える。
 でもまだあたしには敗北を受け入れる準備ができていない。
 だから覚悟しておきなさい。
 最後の最後まで徹底抗戦してやるんだから!

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愛佳シナリオ郁乃と初めて会うシーンを郁乃サイドから。
ちょっと郁乃の心情が難しく、違うと思われる部分も多々ありましょうが、目をつぶって戴ければ幸いです。
セリフはすべて、ゲーム画面からいちいち書き写したものだったり(´・ω・`)
560たったひとつの冴えたやりかた:05/01/30 14:56:48 ID:cNb1BYv+
 手術の日以来、姉と貴明の関係はあからさまに深まった。
 それはもう、病院の看護士達の間で微笑ましい話題になるほどに。
 まったく腹立たしいったらありゃしない。
 最近に至ってはあたしのいる病室内でもいちゃつきはじめる始末。
 あたしの目がそこそこはっきり見えるようになったこと忘れてるんじゃないだろうか?
 今日も放課後に二人して――手を繋いで!!――現れて、あたしの視線に気付いて慌てて距離を取った。付
き合い始めのバカップルそのものだ。まだ以前のほうが、すでに深い関係にあるのでは?と疑えたが、今で
はこれっぽっちもそんなことは思わない。せいぜいキスまでというところだろう。
 とは言っても、それだって腹立たしいことには違いはない。
 ちょうど今は姉が洗濯に出て、貴明はひとりでのほほんとしている。まったく平和そうで、バカみたい。なん
で姉がこんなバカっぽいの好きになったのかまったく分からない。
「だからあたしのお見舞い品を食べるなっ!」
「まあ、気にするな」
「お前が言うなっ!」
 そのとき、ふと名案が頭に浮かんだ。
 そうだ、なんでこんな簡単なことに今まで気付かなかったんだろ。
「ちょっと、アンタ」
「なんだ?」
 手招きして呼び寄せる。なんの疑いもなく近寄ってくる貴明。よしよし。
 ベッドの脇まで来た貴明の手を急に引っ張ると、その体が抵抗もできずにあたしの上に倒れこんできた。
 そしてそのまま唇まで奪ってやる。
「た、たた、たかあきくんっ!? 郁乃!?」
 そのときちょうど洗濯を終えた姉が戻ってきた。目の前に広がる光景に驚いて、乾いたばかりの洗濯物を床に落とす。
「な、なにすんだよっ!」
「なんでも……」
 そうよ。貴明奪っちゃえば、姉もまたフリーに戻って一石二鳥じゃない。
「ち、ちがっ、愛佳、これは――!!」
 慌てて姉に弁明を始める貴明を見ながら、あたしはほくそえんだ。
561名無しさんだよもん:05/01/30 14:57:30 ID:cNb1BYv+
単独でも、続きとしても。
実は先に思いついたのはこっちの話。
もちろんというか、題名はティプトリーの名作「たったひとつの冴えたやりかた」をそのまま拝借。
久しぶりに読みたくなった。手元にないので買うとしたら、多分5度目くらいになるか、な。
16歳の少女が頑張る、ある意味萌えな作品なので、興味をもたれたら是非。
562名無しさんだよもん:05/01/30 15:18:54 ID:DjI5Lhba
休日なせいか大量だな。
みんなGJ!
563名無しさんだよもん:05/01/30 15:26:03 ID:ikZDKRyu
>>561
読めば読むほど郁乃が嫌いになるな。
結局、愛佳のことよりも自分の都合しか考えてないんじゃねーのか?
564名無しさんだよもん:05/01/30 16:33:03 ID:msUDvHTy
姫百合姉妹ハーレムエンド後SSいきます
565名無しさんだよもん:05/01/30 16:33:50 ID:msUDvHTy
「んっ……んんあぁ…」
「あうぅ……」
駅前のデザイナーズマンションの一室。
そこは淫らな声と濃密な匂いで満たされていた。
声の主は一人ではない。
ベットの周りでは、計6人もの男女が体を重ねあっていた。
いや、これは正確な表現ではないか。正確には3人と3体である。
俺が瑠璃ちゃんを背後から貫き、その横では珊瑚ちゃんの体がシルファちゃんの手によって跳ね上がる。
ミルファは俺の首筋に舌を這わせ、喘ぐ瑠璃ちゃんの体の下ではイルファさんが瑠璃ちゃんに奉仕を続けている。
結局、河野家の安全を考えて、週末のみ泊まりに来るという奇妙な半同棲生活だが、
俺とミルファが泊まりに来たときにはこうして全員で肌を合わせるという事が、今では当たり前の習慣となっている。
といっても暗黙のルールというものもある。
イルファさんは瑠璃ちゃんにしか体を許さない。
かなりのマザコンであるシルファちゃんは、珊瑚ちゃんのみ相手にする。
そして俺の相手はクマ吉ことミルファである。
また、これが一番の大きなルールなのだが、姫百合姉妹は絶対にお互いには交わらない。
しっかし、特に誰かが口にしたわけではないのに、全員がこのルールを理解をしているというのは、
自分で言うのもなんだが、俺たちの絆も対したもんだと思う。
「ん…んんっ!…あんっ……ぁあ!…」
瑠璃ちゃんの喘ぎ声の間隔が段々と短くなってきた。
こうなると絶頂が近いという合図である。
俺のモノを締め付ける肉壷の中の動きも徐々に激しさを増してくる。
「たっ、たかあきぃ! ああ…ウチ、ウチもうあかんんん!」
瑠璃ちゃんが懇願の声を上げる。
絶頂に導いてやろうといつも通り腰のストロークを上げ……いや、まてよ。
あえて、ここでピタッと動きを止める。
566名無しさんだよもん:05/01/30 16:35:13 ID:msUDvHTy
「えっ…た、たかあきぃ…?」
普段では絶対に聞けないような甘えた声。
なんでって目でこっちを見る瑠璃ちゃん。顔は上気し、とろんとした目がなんともエロエロだ。
そんな顔を見ると、いま思いついた悪戯をしてやりたくなるじゃないか。
「たかあきぃ……ウチの中は気持ちようなかったんかぁ?」
瑠璃ちゃん、上目遣いでそのセリフは反則です。
だが、俺はその誘惑を振り切って瑠璃ちゃんの中から息子を抜いた。
「いや、凄く気持ちよかったよ」
「ほんならなんで…!」
「ん〜、やっぱり瑠璃ちゃんと俺だけ気持ちよくなるのって不公平な気がしない?」
「……え?」
「ほら、珊瑚ちゃんもちゃんと可愛がってあげないとね♪」
「そ、そんなぁ……」
そう言って、俺は横でシルファに責められていた珊瑚ちゃんに覆いかぶさり、珊瑚ちゃんに挿れた。
「んああ……貴明のおちんちんやぁ!」
珊瑚ちゃんは恍惚の表情で俺を受け止めた。
その横では主を取られたシルファちゃんが一瞬むっとしたあと、負けじと瑠璃ちゃんの胸を責め、快楽を送っていた。
一方、絶頂寸前で寸止めを食らった瑠璃ちゃんは少し呆然とし、肉欲に負けたのかオナニーをはじめようとしていた。
「イルファさん」
「はい?」
「瑠璃ちゃんを止めて、じっくりと可愛がってあげて。ただし、絶対にイカせないこと」
イルファさんは少し考えた後、俺の考えがわかったようだ。
「はいっ」
元気よく答え、自慰に没頭しつつある瑠璃ちゃんをやさしく組み敷いた。
567名無しさんだよもん:05/01/30 16:35:28 ID:YU2koMgT
玲於奈SS書こうかと思ってるんだけど、かおりんSSの中の人の工藤玲於奈っていう
ネーミングがあまりに素晴らしいのでつかわせてもらいたいな。
前作の三人娘もたしか二次創作から名前がつけられた(ような記憶がある)し。 別に
これを公式のものにしようなんて痛い厨なことは考えてないけど、ほんといいネーミング
だと思う。
568名無しさんだよもん:05/01/30 16:36:34 ID:msUDvHTy
「ぁぁぁ……んぁぁぁっ!」
か細いうめくような喘ぎが連続してきた。これが珊瑚ちゃんの絶頂の合図。
しかし、瑠璃ちゃんの時と同じく絶頂直前で俺は引き抜いた。
「ひぁぁ……な、なんでぇ?」
いつも以上にぽややんとした口調で恨み言を言う珊瑚ちゃん。
「シルファちゃん、あとはヨロシクね」
それだけをいうとシルファちゃんはわかってくれたようだ
「りょーかいです、おにいさま。イルファお姉さまと瑠璃様のところとおんなじでいいですか?」
「ああ、絶対にイカせちゃダメだよ?」
「はーい!」
珊瑚ちゃんはまだ何か言いたげにしてたが、シルファちゃんの責めが始まると、すぐにそちらに没頭していった。
「さて、クマ吉」
俺の後ろからずっと飽きることなく愛撫を続けてきたミルファに声をかける。
「あぁ〜、ようやく私の出番!?」
「いや、もうちょっと待ってね。今日はちょっとやりたいことがあるから」
「えぇ〜」
あからさまな不満声。
「まあ、あとでたっぷりとサービスしてやるから、ちょっと大目に見てよ」
「むう〜」
プクっとふくれっ面をするが、すぐに笑顔になる。
「まあいっか。その言葉、信じるからね?」
そういうと再び俺に舌を這わせてきた。その頭を軽くなでてやる。
569名無しさんだよもん:05/01/30 16:37:39 ID:msUDvHTy
さて、と……
再び瑠璃ちゃんの前に立つと、瑠璃ちゃんは
「はよぉ……いかせてぇや…」
消え入るような声で俺に懇願する。
俺は何も言わずに瑠璃ちゃんの中にゆっくりと挿入した。
「んあああっ…あああ!」
すぐに大きく腰を動かそうとする瑠璃ちゃん。
だが、俺は腰を掴み、瑠璃ちゃんの動きを制限する。
「あああぁ……そんなあぁ…」
涙声でいやいやする瑠璃ちゃんだが、俺はあくまでゆっくりと腰を動かした。
そして数分後、また絶頂寸前で引き抜き、珊瑚ちゃんに挿入。
これを延々と小一時間続けた。
570名無しさんだよもん:05/01/30 16:38:33 ID:msUDvHTy
「いやぁ……もういややぁ…」
涙や汗でべたべたになった顔で、瑠璃ちゃんと珊瑚ちゃんはまだ寸止め地獄にいる。
途中、俺も1回イキかけたので、それはミルファの中で吐き出した。
さて、そろそろかな?
これ以上やると、さすがに可哀想と思い、再び瑠璃ちゃんの中に息子を沈めこむ。
えっと、たしかこれで7度目かな?
「動かしてぇ! いつもみたいにおもいっきりかき回してやぁ…!」
もう完全に涙声である。
ちょっとやりすぎたかな?
ちょっと反省しつつ徐々にストロークを速くしていく。今回は腰の固定もなしだ。
すると瑠璃ちゃんは狂ったように激しく腰を動かす。
「ああ…ああああ!!!! や…っと、やっとイケるううう!!!」
もはやトロトロに熔けきった膣がいままでにないほど激しく動き出した。
「さあ、思いっきりイっていいよ!」
「ふああああ! 死んじゃううううああああああああ」
瑠璃ちゃんは白目を剥き、口をパクパクさせながら絶頂を迎えた。
「あああ……あああああああ」
その後、開きっぱなしになった口から喘ぎと涎が流れ続ける。
うわあ、寸止めプレイって凄いとは聞いてたけど、これほどとはなあ……
そして、ようやく珊瑚ちゃんをイカせてあげる。
珊瑚ちゃんにいたっては
「ふわああぁぁぁぁっ!!!!」
「ぐっ」
「いやあっ! 出るぅ! うあああああ!!!!」
プシャアアアア
「ぁぁぁぁ……」
なんとお漏らしまでしてしまった。
571名無しさんだよもん:05/01/30 16:40:45 ID:msUDvHTy
その後、約束どおりミルファの相手をじっくりしたやった後、ソファーでくつろぎながらイルファさんと話をしていた。
ちなみにミルファとシルファは行為の後片付けをしている。これは当番制だ。
「貴明さん、さっきの寸止めプレイお見事でした」
「ああ、ありがとうイルファさん。でもイルファさんたちが協力してくれたおかげだよ」
「でも……」
「ん? どうかした?」
「ちょっとやりすぎたみたいですね」
「え゛?」
イルファさんの視線、つまり俺の後ろを振り向くと……
「貴明いいいいいいいいい!!!!!!!!」
「げ」
腰が立たないため、這いながらこっちにやってくる瑠璃ちゃんが!
「る、瑠璃ちゃん!?」
「…………」
瑠璃ちゃんは何も言わないで俺をにらみつける。
「………く」
いや、何も言わないんじゃない、よくみるとかすかに口が動いてる。
「え、えーと、よく聞こえないんだけど?」
「…んか……く」
「ごめん、もう一回」
すると、今度は大きく息を吸い込んで……
「なんかむかつくううううううううううううううう!!!!!!!!!!」
耳がキーンとするほどの大声で叫んだ。
「な、なんかって言われてもさ…」
「たかあきにいいように主導権とられるのがむかつくんやっ!」
そして瑠璃ちゃんは大きく息を吸い込み、俺を指差してこう宣言した
「リベンジや、貴明!」
572名無しさんだよもん:05/01/30 16:42:02 ID:msUDvHTy
ひとまずここまで、と。
SS書くのは2年ぶりだなあw
ましてやエロSSは初めてだったりorz
続きは近いうちに投下します〜
573名無しさんだよもん:05/01/30 16:43:01 ID:+UAdZHbY
読むの疲れた……
574名無しさんだよもん:05/01/30 16:44:09 ID:xjP+BoD0
>>572
読者へのすんどめ
すばらしい
575567:05/01/30 16:44:14 ID:YU2koMgT
割り込んでゴメン。 あとGJ
576名無しさんだよもん:05/01/30 16:56:31 ID:DjI5Lhba
GJ
次回は瑠璃の復讐になるんだろうが、簡単に主導権を貴明に取られるんだろうな。

5777月文月:05/01/30 17:36:28 ID:0C7c+dN0
みんな文章を書くの上手ですね・・・見習わないと。
あ、それと僕自身も567さんと同意見でありましていつか出てくる三人娘の名前を拝借させていただきたいと思います。

今夜にまたひとつあげる予定です。
だめでも明日にはあげますのでお待ちくださいませ
578名無しさんだよもん:05/01/30 18:38:39 ID:6YoTQYy5
なんかエロばっかで飽きてきたな
579名無しさんだよもん:05/01/30 19:06:25 ID:ofxxejjH
>>578
よっしゃ、いっしょにほのラブ書こうぜ!
580名無しさんだよもん:05/01/30 19:09:15 ID:B11Bmt4p
>>578じゃ玲於奈担当で>>579がちゃるだな。
581名無しさんだよもん:05/01/30 19:12:59 ID:DjI5Lhba
>>578>>579頑張れ
582名無しさんだよもん:05/01/30 19:22:04 ID:ofxxejjH
うぉい、SSなんて書けねぇYO!
>>580>>581
書いてみてくれ
583名無しさんだよもん:05/01/30 20:32:51 ID:cNb1BYv+
>>582
まあそう言わずオマイの思いのたけを真っ白いメモ帳にぶちまけてくれ。
584名無しさんだよもん:05/01/30 20:33:18 ID:DjI5Lhba
>>579でSS書こうぜと自分から言ってるんだから、まず>>582が率先して書くべし。
585名無しさんだよもん:05/01/30 21:07:57 ID:UXRQWHFs
>>583
何だかエロいな、その表現。
586名無しさんだよもん:05/01/30 21:31:19 ID:xMXZWMnH
まあ気長に待とう
587名無しさんだよもん:05/01/30 21:33:59 ID:B11Bmt4p
じゃあ俺がプロットだけでも書いてやろう。

【ちゃるSS】
貴明 「大好きです、今度は嘘じゃないっす。」
     メ ガ ネ が 、 大 好 き で す 

【玲於奈SS】
貴明 「玲於奈。聞こえているか、玲於奈。返事は、しなくていい、ただ、聞いていてくれればいい。
 たま姉の弟さんは、逝ってしまったよ。全部自分が悪かった、って言い残してね。
 でも、そんなことはもういいんだ! いいんだよ……。それとも、そのことで、俺がお前を責めるって、思っているのか?
 なぁ、玲於奈。…俺たちは、この一年、一体何をして来たんだ? 俺達の一年間は一体何だったんだ?
 まだ何も答えなんか出てないじゃないか。覚えているか?
 あの時、たま姉の墓前で十年振りに再会した俺達は、上の連中に無理矢理アーバンチャンピオンを押し付けられて、
 何も分からないまま、地球というリングに放り出された。 
 俺は! 無我夢中で闘ったッ! 
 …だけど、終わってみれば周りの連中はそ知らぬ振りで、後の事しか考えちゃいない。
 でもそれで、俺達の一年が終わってしまっていい訳が、無いだろう…! 
 確かに俺はゲームズキャラバンに優勝した。でもそれは全て、お前がいてくれたからなんだ。
 …そうだよ…俺とお前とで戦って来た勝利じゃないか。だから、これからも一緒でなくちゃ、意味が無くなるんだ…!
 なぁ、玲於奈。…決勝の朝、俺は言ったよな。優勝したら、お前に聞いて欲しいことがあるって。
 俺は、闘う事しか出来ない不器用な男だ。…だからこんな風にしか言えない。
 俺は、お前が…お前が……、お前が、好きだッ! お前が欲しいいいぃぃぃっ! 
 玲於奈ァァァァァァ!!!」
 
588名無しさんだよもん:05/01/30 21:41:48 ID:cNb1BYv+
>>587
オマイの思いの熱さにワロタが、これは、プロットなのか?(・ω・)?
589名無しさんだよもん:05/01/30 21:42:41 ID:BwlHDMbQ
>>550

この話が愛佳ルートじゃなく環ルートだったら、悲劇でもなんでもなく
ちょっと変わった羞恥プレイをしているだけなのかも。

お人よしのタカ坊ならともかくタマ姉が、あっさり紅茶を飲むところに
違和感があるけど、こういう話は大好きなのでGJ!!
590名無しさんだよもん:05/01/30 21:44:15 ID:EmS9jFna
>>587
ドモンのことかぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
591名無しさんだよもん:05/01/30 21:49:56 ID:DjI5Lhba
上は桜木だな。
592名無しさんだよもん:05/01/30 22:12:02 ID:K2iAFaxL
最初のスレとかにあった、このみSSの方は、もう書かないのですか?
続きを、ずっと待ってるんですが、もし俺が見落としてたのなら、すみません
このみ大好きだし、あのSSも、すごく好きなんですが…
待ってるでありますよ
593名無しさんだよもん:05/01/30 22:21:43 ID:5qgoR6Ah
>>592
実は俺も待っているのだが、忙しいのかもしれんし、あまり急かすのもどうかと思うし、マターリ待つわ
594579:05/01/30 22:30:50 ID:gNGa2qIF
ちゃるSS書いてみたぞ(゚Д゚ )モルァ!!
萌えもラブもなんも無く全然面白くないぞ
俺に文章書かせるな(´Д⊂
595かおりん 3-1:05/01/30 22:34:22 ID:Qav8Vh9a

なんとか遅刻せずに学校に着き、皆それぞれの教室に向かう。
そしてそれぞれの学校生活が始まる。
 ――昼休み――
いつもの様に屋上でこのみ、タマ姉、雄二と昼食を食べるために階段を上がる。
その途中でトボトボと歩くこのみの姿を発見した。
「お〜い、このみ。どうしたんだ気分でも悪いのか?」
するとこのみはこちらを振り返り
「違うよ〜もうすぐ中間テストだよ〜」
そういえばもうすぐ中間テストのシーズンか
「・・・なんだそんなことか」
でも確かにこのみは点数があまり良くなかったはず。
「そんなことじゃないよ、私にとっては重要な問題なの!!」
そんな会話を続けながら屋上に到着。
そのことについてタマ姉に話してみた
「なるほど、このみはテストについて悩んでるのね?」
「なんだ、チビ助。そんなこと悩んでたのか?テストなんて忘れてパァ〜っと・・・・」
雄二のふざけた提案を言い終える前にタマ姉が冷めた口調で
「雄二、もし今回のテストで赤点なんて取ったら・・・・どうなるかわかってるんでしょうね?」
「よしそうだ、勉強をしよう。このみお前も頑張れよ」
お前はなんて不憫な生き方をしてるんだ、雄二。
「なら、家で勉強会でも開かない?どうせ部屋なんて余るほどあるんだし」
「あ、私は賛成〜」
「えっ!!マジかよ・・・」
「それじゃ、決定ね。タカ坊もちゃんと来なさいよ」
雄二の不満の声はものの見事無視されていた。しかも、いつの間にか俺も入れられてるよ・・・まぁいいかどうせ暇だし。
「まぁいっか、了解っと」
そうして、勉強会を開催すること決定してまもなく。
「お姉様!!」
振り返るといつもの3人組が入た。
そして、ふとタマ姉を見てみると何かを捕らえた目をしていた。
・・・仲間が増えるのだろうな。
596かおりん 3-2:05/01/30 22:35:08 ID:Qav8Vh9a

「お姉様さえよろしければ、一緒に勉強できるなんて光栄ですわ」
コクコク・・・
今までの事情を彼女たちに説明すると、案の定大喜び
相変わらず大袈裟だな子の工藤っては。好きなのは分かるけど
「でも、よろしいのかしら。お姉様の家で勉強だなんて」
そう柳瀬さんが聞いてくると、タマ姉が嬉しそうにこう言った。
「いいのよ、私としても人が多いほうが楽しいしから」
「そうだよ、私も人が多いほうが楽しくていいよ〜」
このみがこの意見に賛同した。
雄二と俺は『勉強会って楽しむものなのか?』と言った顔をしている。
「このみは人数が多いほうがいいの?」
「うん!!・・・でも一年生ってこのみだけだよ・・・」
確かにここにいるほとんどが二年、タマ姉三年だし。
「なるほどね、・・・・ちょっとタカ坊」
何故、俺に話が振られるのかと思ったがとりあえず反応しとくか
「ん、何?」
「アナタ、仲の良い知り合い多いわよね。その子達呼んできなさい」
・・・えっ?まさかそれって珊瑚ちゃんや委員ちょ達のことか!?
「ちょっと待った!?別に呼んでくるのはいいんだけど・・・皆、顔知らない人連れてきてもいいの」
「私は別に良いわよ。このみもアナタ達も別に構わないわよね?」
「このみは全然賛成だよ〜」
「お姉様と一緒ならば何処へでも!!」
・・・横で黙っていた雄二の顔を見てみると、突然、俺の肩に手を置き
「貴明!!俺はお前の親友でこれほど嬉しいと思ったことはない!!呼んで来い!!」
・・・そんな事で嬉しいと思われても。こちらとしてはどうともいえないんだが。
「わかったよ、何人か声かけとくよ」
俺も諦めて彼女達に声をかけてみることにした。
597かおりん 3-3:05/01/30 22:36:18 ID:Qav8Vh9a

昼休みも中頃になり、昼食を終わらせてみんな解散する頃になった。
俺も珊瑚ちゃん達を呼んでくることにするかと思い階段を下りようとしたとき
「ねぇ、アナタちょっと待って」
聞いたことある声に呼ばれたようなので振り返ってみると。柳瀬さんが一人で立っていた。
「あれ?他の二人はもういないけどいいの?」
そう聞くと彼女は困ったような顔をしながら
「いえ、玲於奈達は先に行ったわ・・・・そのちょっとあなたに聞きたい事があって」
終盤は聞き取りにくくなったが、俺に聞きたい事があるというのは分かった
「ん?何聞きたいの」
すると間もなくして彼女は口を開いた。
「どうして、朝に会ったとき私が道に迷っていたということ言わなかったの?」
―――そんなこと?と思いながらも、俺もその質問に答えてみる。
「あぁ、朝も言ったように道を迷っていたなんて、あんまり人に言われるの嫌だと思ったから」
「どうして?私はアナタに出会ったころは嫌がらせとかしてきたのに、なんでかばうの?」
あぁ、タマ姉のことでもめてた頃のことか・・・・
「でも、もうそんなこと、過去のことだろ?」
「・・・・」
少しの沈黙の後、彼女は口を開いた。
「アナタ、変わってるわね」
「・・・たまに言われる、それじゃ柳瀬さん、俺は勉強会の人達誘ってくるわ」
そういって、歩き出そうとしたとき。
「あと、もう一つ・・・どうして私の名前を知っているの?」
そう言われ、俺も立ち止まり。
「朝にタマ姉に聞いた、知らないと何かと不便そうだったし」
そう言われ彼女の顔がすこし赤みがさしたような気がした
「・・・なら、アナタの名前も聞いておくわ」
彼女が言いにくそうに聞いてきた。向こうも知らなかったんだ。
「俺?俺は河野、河野貴明・・・それじゃ、俺、行くわ」
そうして彼女に背中を向けた。
結局、勉強会に誘った人達は全員来れるようだ・・・俺は、少し不安だった。
598かおりんの人:05/01/30 22:37:00 ID:Qav8Vh9a
多分3話目だと思われます
名字の使用についてはいくらでもやっちゃてくださいまし
このSSの時期はおそらく修学旅行がおわり5月中頃予定
中間テストについては私の高校時代にこの時期にしてたので。

登場キャラが増えていき、そしてメインの出番が減っていく・・・・そんなことはないと思う
599名無しさんだよもん:05/01/30 22:37:40 ID:5Fk+ytob
ここにSS投稿するためのテンプレとかってある?
題名の後に(1/10)とか入れたりとかこうしたほうがいいんじゃね?みたいなの。
600名無しさんだよもん:05/01/30 22:41:29 ID:gNGa2qIF
>>598
勉強会が楽しみです。
次回も期待してますぞ
601名無しさんだよもん:05/01/30 22:41:41 ID:B11Bmt4p
割り込みを避けるためにとりあえず投稿話数のナンバーを振る、
っていう簡単なルール(というほどのものではないが)がある気がする
602名無しさんだよもん:05/01/30 22:43:25 ID:B11Bmt4p
>>598
うん、書き忘れた

∩(・∀・)∩ G J!!
603元祖!メイドロボのテスト:05/01/30 22:46:24 ID:0C7c+dN0
その後、数十分ほどマルチとともに話をしているとこのみも目を覚ました。
起きたときに寝ぼけてマルチがいるっていうのに俺の顔を見るなりに、
「おはようのキス〜」
とかいって甘えてきたのには参った。
だけどそれ以上に焦ったのはマルチがそれを見たとたんに耳からぷしゅーっと白い蒸気を出して倒れてしまったということだ。
このことでこのみも完全に目が覚めたらしく、戸惑いながらもマルチのそばに寄り添った。
「おい、マルチ。おい、まるち〜」
「た、タカ君。この人がタカ君が言ってたメイドロボだよね」
「あ、ああ。でもいきなり倒れてどうしたんだろう」
まさか壊れちゃった・・・とか?
それを弁償するはめになったりしないよな・・・。
ちょっとまって、今メイドロボもだいぶ安くなったとは言っても未だに安いものでも数百万もくだらないよな。
で、今の貯金を考えると・・・足りるはずないよなぁ。
うわわわわわわ〜、どうしよう!
「どうしよう・・・」
「俺に言われても・・・」
こうなったら証拠隠滅か。
いや、でもうちに来ていた事はわかってるんだからどっかに捨てるだけじゃだめだよな。
それにメイドロボだから記憶はデータとして残ってるだろうから完全に破壊しないと・・・
って、何考えてんだよ!
604元祖!メイドロボのテスト:05/01/30 22:47:22 ID:0C7c+dN0
「と、とにかく珊瑚ちゃんに連絡を」
と、電話しようと立ち上がろうとした瞬間。
ウィィィィィィン。
「え?」
マルチから機械的な音が聞こえてきた。
「ん・・・」
「あ!」
ゆっくりと瞳が開いていく。
「マルチ!」
「あ、貴明さん」
よかった・・・壊れてなかったんだ。
「大丈夫か?」
「あ・・・私・・・」
「びっくりしたよ。いきなり蒸気を出して倒れるもんだから」
「すみません。私、ショックな出来事が起きるとシステムの安全性を考えてブレーカーが落ちる仕組みになってるんです」
ショック出来事って・・・さっきのあれだよな。
このみの方を向くとさっきの出来事を思い起こしているらしく、顔を真っ赤に染めていた。
お、おい。そんな目で見ないでくれよ。
こっちまで恥ずかしくなるって。
「と、とりあえずごめんな、驚かせたりして」
「いえ、こちらこそ驚かせしてすみませんでした」
は〜あ、でもよかった。
お金はちゃんと貯金しておくように心がけよう。
6057月文月:05/01/30 22:48:18 ID:0C7c+dN0
ネタがなかなか思いつかないためにチビチビしか進まなくてすみません。
あ〜、もっと進みたいですねぇ
606名無しさんだよもん:05/01/30 22:50:43 ID:gNGa2qIF
もちもち頑張ってくだたい
ヒロユキはよこーい
607名無しさんだよもん:05/01/30 22:51:09 ID:+Q7aq+t4
最近の愛佳SS、
ttp://www.geocities.jp/koubou_com/
↑からの甜菜っぽいが
608名無しさんだよもん:05/01/30 23:03:54 ID:Xz2a2fUN
そこは保存してあるだけじゃねーの?
609名無しさんだよもん:05/01/30 23:07:45 ID:cNb1BYv+
宣伝乙。って俺のサイトじゃねぇかΣΣ(゚д゚lll)
逆、逆だから。
もともとこっちに書いたのを保存するために作ったのがそこ。
あくまでメイン活動の場はこっちだとオモットル。
610名無しさんだよもん:05/01/30 23:18:35 ID:DjI5Lhba
ここって、SSLinkに未登録の東鳩2SSも紹介していいのか?
611名無しさんだよもん:05/01/30 23:20:24 ID:rc2H9E3g
別にいいんじゃね?
願っても無いことだし。
612名無しさんだよもん:05/01/30 23:25:35 ID:lj3XyhWJ
>>609
>>607を見る限りショートもけっこう書いてたのね。
正直貴方の作品だってわからんかった。
コテなりトリップつける気ないかな?
613名無しさんだよもん:05/01/30 23:27:01 ID:DjI5Lhba
そうか。なら、つttp://natuhuyu.fc2web.com/cage.html
614592:05/01/30 23:31:57 ID:K2iAFaxL
>>593
そうですね
書いてる人、ゆっくりマイペースで頑張ってください
のんびり待ってます
615名無しさんだよもん:05/01/30 23:44:33 ID:cNb1BYv+
>>612
トリップつけることも考えたんだけど、まあ書き手が誰かなんて気にしないでいいジャマイカ
616名無しさんだよもん:05/01/30 23:48:07 ID:8YWkarqY
なんか今日はすげーな
617琥珀色の朝1/3:05/01/30 23:51:37 ID:ki3pUM8E
「なんだこれは…」
朝―――。
背中に冷たいものを感じて目が覚める。
なんだろうと思いふとんをめくったらシーツがぐっしょりと濡れていた。
まさかいい歳してやっちゃったか!?
恐る恐る、己の下半身を見てみるものの濡れてないる様子はない。
どうやら俺ではないらしい。取りあえず一安心。
「じゃあ、これは…?」
――疑問。
そうだ。疑問といえば、このみはどこへ行ったんだ?
昨日は、このみの両親が例の出張で いつものようにこのみを預かっていた。
そして夜、またまた このみが俺のふとんに入ってきて…。
「まさか、このみがやっちゃったとか?」
このみならありうる―――なんて言うとこのみは怒るだろうな。
しかし俺の下半身が濡れてない以上、このみを容疑者に挙げざるをえない。
そもそも同じベッドで寝たはずなのに、今ここに居ないってのが怪しい。
恥ずかしくなって逃げたのでは? ってバレバレの状況で逃げたってしかたないか。
俺だったらシーツを持って逃走するぞ。
あ…これじゃあ小学生の発想だ。
618琥珀色の朝2/3:05/01/30 23:52:47 ID:ki3pUM8E
「う〜む」
取りあえず濡れてないところをつまんでシーツを持ち上げてみる。
うすい琥珀色に濡れたシーツが朝日を浴びでキラキラと輝いている。
今これの匂いをかいだら俺は変態になるのだろうか。
…なるね。うん。
「……あれ?」
なんとなく甘い匂いがする。
いや、嗅いだんじゃないぞ。勝手に鼻に入ってきたんだ。嘘じゃないって。
クンクン。
一応確認してみる。
「これ、オシッコじゃないじゃん」
残念……じゃなくて一安心。
どうやらこれはジュースらしい。色と匂いからして林檎だろうか。
このみのやつがベットの上で飲もうとしてこぼしたのだろう。
「このみ〜」
取りあえずこのみを呼んでみた。
619琥珀色の朝3/3:05/01/30 23:54:03 ID:ki3pUM8E
シーン…。
「あれ?」
返事がない。このみのやつ居ないのだろうか。
いや、まさか!?
不意にむかし読んだ童話の内容が思い出される。
木の周りをグルグル回ってたトラがバターになってしまうというアレだ。
「まさか、この林檎ジュースがこのみなのか…?」
なんてことだ。このみのやつ、寝ているうちに林檎ジュースになってしまうとは。
このみのことだからてっきりジンギスカンあたりにでもなると思ってたのに…。
…じゃなくて。
「人間が食い物になるわけねーだろ」
取りあえず一人ボケツッコミ。一人でやってるだけにちょっと痛々しい。
「タカくん、誰が食べ物になったの?」
「いや、このみがな―――ってこのみ!?」
「?」
ぐあ、いつの間に。まさか、さっきの一人ボケツッコミ見られてた?
「ごめんね タカくん。シーツにジュースをこぼしちゃったの。
 それで今 お母さんに電話してシミにならないかどうかきいてたんだ」
「な、なんだ そうだったのか」
「うん。…ところでタカくん、なんでシーツを持ってるの?」
「ん? いや、このみのオシッコかなと思って匂いを――じゃなくて、これは、その、えっと―」
うわ〜、なに言ってるんだ俺は!
「………」
「……」
「…」
「タ カ く ん の 馬 鹿 ぁ っ !」

おしまい。
620名無しさんだよもん:05/01/30 23:56:02 ID:qyTgRd0h
林檎ジュースよりこのみたんのお汁をくだちゃい
621名無しさんだよもん:05/01/31 00:01:37 ID:bD6IMbje
>>615
そっスか。トリあったほうが判別しやすいなと思ったまでで。
622名無しさんだよもん:05/01/31 00:12:08 ID:tiDXQlGf
>>620
本来はこのみの汁だけどその上に林檎ジュースをかけて誤魔化した可能性がある。
623名無しさんだよもん:05/01/31 00:13:58 ID:xZA1/9xD
>>592.593
えーと、途中でばっさり中断(しかも濡れ場で)しているこのみSSの作者です、はい。
最近忙しい状態が続いてるんで中々書けてないんですが、やっとマシになりそうです。
元来遅筆気味なせいもあって進みが遅いのですが、そろそろ作成を再開しようと思うので、その節にはお願いします。
624593:05/01/31 00:22:32 ID:gOZSe+D0
>>623
待つわ待つわいつまでも待つわ
625名無しさんだよもん:05/01/31 00:29:29 ID:Lc8wJ9ab
とりあえず、皆投稿する直前に一度リロードし直した方がいい。
キー打ってる間に更新されてる可能性が高いから
626579:05/01/31 00:52:34 ID:JYrM/KBx
ダレモイナイ・・・
SSトウカスルナライマノウチ・・・
627買い物:05/01/31 00:53:46 ID:JYrM/KBx
学校の帰り、俺はぶらりと商店街に立ち寄った。
目的は夕食の材料。
なんとなく、自分でメシを作ろうと思ったからだ。
そんなわけでスーパーマーケットに来た。
といってもなぁ、作れるものがほとんど無いしなぁ・・・
今度春夏さんに教えてもらうか。

ということで献立として決まったのはカレー
簡単だし日持ちもするという理由だ。
さっそく入り口のカゴをとり、通路にむかう。
「お・・・」
どこかで見た顔があった。確かこのみと一緒にいるきつねっこ・・・誰だっけ?
「こんにちは」
「うおっ」
考えてる間に、めがねをかけたその子は俺の目の前まで来ていた。
「なにか?」
「い、いやなんでもない」
やっぱり女の子は慣れない。
「先輩、今日はこのみと一緒じゃないんですね」
「え、ああ、いつも一緒って訳じゃないしね」
そう言うと考えこむきつね。何かまずいことでも言ったかな。
そう思ってると
「それじゃ先輩、なんで一人でこんなところに来てるんですか?」
「来ちゃまずい?」
「いえ、先輩ってこういう所に縁がなさそうっていうか、このみがやってくれそうと言うか」
「このみ?」
「あ、いえ、なんでもないです」
慌てるきつねっこ。と言ってもあんまり慌ててるようには見えないが。
628買い物:05/01/31 00:54:54 ID:JYrM/KBx
「それで先輩、どうしてここに?」
並んで歩き出すと、さっきの質問をしてきた。
「夕食の材料をね。たまには作ろうかなって」
「なるほど」
と言ってるうちにジャガイモ発見。
一袋取ってカゴに入れる。
「先輩・・・こういうところ滅多に来ないんでしょ?」
「あ、どうして分かった?」
そう言うと、きつねはカゴのジャガイモに指差す。
「これ?」
「ここ、野菜とか高いんですよ」
へぇ〜知らなかった。
「そうなんだ、それはいいこと教えてもらったよ。ええと・・・」
「山田みちるです。ちゃるってしか聞いてませんよね」
いや『ちゃる』っていうのも忘れてたけど・・・。
「みちるちゃんは何しに来たの?」
「えっ?」
しまった、年下だからついちゃん付けしてしまった。
「ご、ごめん。ちゃん付けして・・・」
「いえ、いいです。えっと・・・今日はお肉の特売日なので、それを買いに」
「そ、そうなんだ」
まぁ、怒ってないみたいだからいいか。
629買い物:05/01/31 00:55:43 ID:JYrM/KBx
「そういえば先輩」
「ん、なに?」
「このみとは本当に何もないんですか?」
「な、何もないって」
いきなりなんつー質問してくるんだこの子は。
「ほんとですか?」
「ほんとほんと」
「ふーん、そうですか・・・」
そう言って黙り込む。
「私が入る余地、あるのかも・・・」
「何か言った?
「いえ、なんでも」
そうこうして俺たちはレジに並ぶ。
「お肉の特売日だったのか、知らなかったよ」
「広告に入ってませんでした?」
「あ、いや見てない。テレビ欄とかニュースしか見てないから」
「そうなんですか、もったいないですよ先輩」
「そっか、じゃあこれからは見るよ」
「はい」
結局俺が買ったのは肉とカレールーだけだった。
みちるちゃんの方は野菜も買っていたが、その野菜は広告に出ていたものらしい
う〜ん、やりくり上手なんだな。
やはり女の子、というか俺が大雑把すぎるのかも。
630買い物:05/01/31 00:56:41 ID:JYrM/KBx
「ここです」
スーパーを出た後に連れて行かれたのは、50メートルほど離れた八百屋だった。
「ここの野菜は安めで味もいいのでおすすめですよ」
「そうなんだ、詳しいんだね」
「いつものことですから」
というと、いつも買い物とか食事作ったりしてるのか。
「いつも買い物とか料理とかするの?」
「あ、はい。一応」
「そうなんだ、家庭的だね」
「えっ・・・」
「あ、いや、なんとなくそう思ったから」
「そう・・・ですか?」
そう言ってちょっと顔を赤らめる。こういうとこ、女の子らしいよな。
「あ、すみません。そろそろ帰らないと」
「そっか、ごめんね。付き合わせちゃって」
「いえ、そんなことないです」
「でもほんと助かったよ。ありがと、みちるちゃん」
「はい・・・、それでは失礼します」
ペコリと礼をして、きつねっこは帰っていった。
ふーん、山田みちるっていうのか、あの子。

その後、俺は野菜を買って家路についた。
ほんの数百円だが、財布が軽くならずにすんだのはちょっと得した気分だった。
631買い物:05/01/31 00:58:33 ID:JYrM/KBx
>>578>>580>>581
もうだめだ。おまいさん達、後を頼む・・・
632名無しさんだよもん:05/01/31 00:59:33 ID:/A03ftKR
>>626
|∀・)ニヤニヤ
633名無しさんだよもん:05/01/31 01:09:19 ID:tiDXQlGf
(・∀・)ニヤニヤ
634名無しさんだよもん:05/01/31 01:11:20 ID:683ErBTX
>>631
オマイ、いい奴だな。
その調子で「これからも」ガンガレ!!
635名無しさんだよもん:05/01/31 01:12:37 ID:EJEpMqrh
ちゃるはもっとぶっきらぼーですからー
私の名前はキャプテンブッキラボー! 本名はヒミツ。なぜならその方がかっこいいから!!
636名無しさんだよもん:05/01/31 01:12:37 ID:683ErBTX
しまった。流れ切っちまった。
−−−−−−−−−− 再開 −−−−−−−−−−−
(・∀・)ニヤニヤ
637名無しさんだよもん:05/01/31 01:19:45 ID:s/5sxuYM
>>572
6Pになるまでの経緯のうれし恥ずかしエピソードとかあったらもっといいですな。
タカ棒はこんなに主導権とれずに流されまくりのほうがらしいと思ったり。
638名無しさんだよもん:05/01/31 02:28:58 ID:ZmBm+YjF
よし今だ
>>509の続き投下!
639夏に咲く花 2 :05/01/31 02:29:54 ID:ZmBm+YjF
「タカ君、タカ君、今日の占いみた?」
通学中にこのみが聞いてきた。
「あ〜見てない、何て言ってた?」
「えっとね、タカ君の運勢は…、今日はよくないことがある1日家でじっとしてましょう。…だったよ」
「俺を学校に行かせない気か?」
「う〜、だってTVで言ってたもん。あっ、あと新たな恋の予感があるかも!って言ってたよ」
「家にいて新たな恋があるのか?」
「だって、そう言ってたんだよ〜」
最近の占いは結構いいかげんだな…
「それからラッキーカラーはピンク、ラッキーアイテムは傘だよ」
ハイと言ってピンクの折りたたみ傘を渡される。
「いいよ、それに今日は雨降らないだろ?」
そう、今日は全くの快晴。絶好の洗濯日和だ。お天気お姉さんも言ってたんだから間違いない。
「ダメだよ〜持ってないと幸運が逃げちゃうよ」
そう言って俺のカバンにピンクの折りたたみ傘をねじ込む。
「あぁ…、ありがと」
こういう時のこのみは何を言っても聞かないことは分かっているので大人しく従う。
「どういたしまして〜」
まぁ、いいか折りたたみなら場所取らないし、どうせ今日は土曜日だから学校も半日だ。
「あ、それからタカ君。今日、このみ用事があって一緒に帰れないんだ」
「わかった、じゃあ先に帰ってる」
「うん、ごめんね〜」
640夏に咲く花 2 :05/01/31 02:30:42 ID:ZmBm+YjF
土曜日の午前中だけの授業が終わって、俺は退屈から開放される。
「ふぃ〜、やっぱシャバはいいぜ、シャバは」
などと独り言を呟きながら、今日の予定を考える。とても天気のいい小春日和。小鳥は囀り、恋人たちは和みあう。…が俺には予定はなかった。
「とりあえず商店街でも行って昼メシの調達か」
そう独りごちって、商店街の方へ向かう。

「あ〜っ!先輩じゃないッスか〜!こんちはッス!」
商店街の入り口でタヌキに声をかけられる。
「よう、今日は相方のキツネは一緒じゃないのか?」
「そうッス、なんか用事があるとかで。先輩もこのみと一緒じゃないんスか?」
「あぁ、こっちも同じだ」
「で、先輩は何してるんスか?」
「まぁ予定もないし、俺は家に帰ってウダウダゴロゴロするだけだが」
「そんなのダメッス!ゴロゴロなんかしてたら、ボケちゃうッスよ。こんなに天気いいんだし遊ばないとダメッスよ!そうだ、先輩お昼もう食べたッスか?」
「いや、まだだけど?」
「じゃあ、まずお昼ごはん食べましょう!ヤックでいいッスか?」
「あぁ…」
なんか勝手に決められてしまった。完全によっちペースだな…
641夏に咲く花 2 :05/01/31 02:31:31 ID:ZmBm+YjF
よっちに連れられ、近くのヤックに入る。さすが昼時ともなると人は多い。
「席取ってて。俺、買ってくるよ何がいい?」
「えっ?おごりッスか!?いや〜悪いッスね〜」
よっちは楽しそうにケラケラ笑う。
「んなワケないだろ。後払いだよ、後払い」
「ちぇ〜先輩もケチッスね。じゃあチーズバーガーのセットにアップルパイで!」
「オッケー、行ってくる」

俺はトレイに二人分のセットをのせて、席まで戻る。
よっちは財布からお金を出そうとするが、俺は女の子の後輩と割り勘というのは何だかためらわれた。とっさに言い訳を考える。
「金はまた今度でいいよ、後払いでいいって言ったろ?」
「さすが先輩、ありがとッス!ゴチになるッス〜」

「あ〜先輩食べるの早いッスよ!こういうのは相手のペースに合わせるんスよ?そんなんじゃ女の子に嫌われるッスよ〜?」
よっちは最後に残しておいたアップルパイを食べながら、とっくに食い終わった俺に文句を垂れている。
「それは俺が早いんじゃなくて、お前が人のナゲットやポテトをヒョイヒョイつまんでるからだろ?」
「も〜、いちいち細かいこと言ってるとハゲるッスよ〜?」
「ハゲるかっ!」
いい具合に空腹も満たされ、俺たちはヤックを出る。
642夏に咲く花 2 :05/01/31 02:32:17 ID:ZmBm+YjF
「じゃあ先輩、次は買い物に付き合ってもらうッスよ〜」
よっちは容赦なく俺に追い打ちをかけてきた。
どうやら俺の半日ウダゴロ計画は、闇に葬られてしまったようだ…。

俺が、よっちに半ば引きずられて行ったのは、この辺りで一番大きいショッピングモールだった。

俺たちは何気ないショッピングをしながら時間をつぶす。とは言ってもほとんど見てるだけなんだが。
「先輩、これ可愛くないッスか〜」
よっちはキャミソールワンピースをあてがってヒラヒラさせている
「あぁ、いいんじゃない?」
「も〜、マジメに答えてるんスか!?」
「ちゃんと見てるって、似合うよ可愛い」
「いや〜、そんな先輩っ、正直ッスね〜」
「やっぱ似合わない」
「あんですと〜!?」

「もうすぐ夏だよな」
店の一角に水着コーナーを見つけて俺は呟いた。
「そうッスね〜。あっ、みんなで海とか行くたくないッスか!?」
「いいね、雄二とかタマ姉も来るだろうし」
「となれば、まず水着ッスね。…こんなのどおッスか?」
グハッ…いきなり際どい水着をチョイスするよっち。つーかそれ、ほとんどヒモだろ…
「冗談ッスよ!さすがにアタシでもこんなの無理ッス。まぁ無難なところで、この辺ッスね」
彼女が持っていたのはプリントの柄が入った黄色のビキニタイプの水着だった。
よっちに、とても似合いそうな水着だった。このみならまず似合わないだろうな…、やはり出るべきところが出てる者のみが着ることの出来る水着ということか…。
643夏に咲く花 2 :05/01/31 02:36:13 ID:ZmBm+YjF
こうして何を買うでもなく、ゲームをしたり、アイスを食べたり、ブラブラしたりしで時間は過ぎていった。
ショッピングモールを出ると。先ほどまでの快晴とは一転、空は鈍色に淀んでいた。夕立だった。
「さっきまで、あんなに晴れていたのにな」
「全く、雨降るなんて聞いてないッスよ〜。天気予報のウソつき〜」
となりで、よっちがブーたれている。
「どうする?たぶん通り雨っぽいから、もう少し待つ?」
あれ?何かひっかかるな?何だっけ、なにか忘れてるような…

『ラッキーカラーはピンク、ラッキーアイテムは傘だよ』

…あっ、そうだった!今朝このみにラッキーアイテムとか何とか言って折りたたみ傘をカバンにねじ込まれたんだっけ。
「ちょっと待ってて確か…」
ごそごそごそ、あった。
「うわ!せ、先輩シュミ悪いッスよ…」
そうだ、よりによってピンクの折りたたみ傘だった…。確かに男が持っていてシュミの良いものじゃないな…
「これは、このみのだよ。朝、持たされたんだ」
「なんだ、そーゆーことッスか〜、安心したッス。じゃあ、先輩帰りましょう」「そうだな」
…って、傘は一本しかないぞ?まさか、もしかして、でも、やっぱりそういうことになるのか!?
644夏に咲く花 2 :05/01/31 02:37:06 ID:ZmBm+YjF
なんだか、通り過ぎる人がみんな俺たちを見ている気がする…。
「先輩もっと寄らないと、そっち濡れてるッスよ?」
やっぱり、はたから見ると恋人同士に見えてるんだろうか…。
「先輩、聞いてるんスか?そっちの肩びしょぬれッスよ?」
そーいや相合い傘なんて小学生の頃このみとしただけだな…
「お〜い、センパ〜イ?」
もしこんなトコ雄二にでも見られたらブツブツ…
「も〜、よっと」
「うわっ!?」
いきなり、よっちが体を密着させてくる。
「先輩、濡れちゃうッスよ」
「あぁ、ごめん」
いつの間にか俺の右肩はビチャビチャになっていた。
「先輩ってホントに女の子ダメなんスね〜」
「いや違うから」
「アハッ、やっぱ先輩、可愛いッスね」
俺たちはお互いの肩が触れ合ったまま帰り道を歩いた。


「先輩、今日はいろいろ付き合ってもらって、どうもありがとッス」
「いや、どうせ俺もヒマだったし楽しかったよ」
「…先輩、実はアタシッスね、最近ちょっと落ち込んでたんスよ。だから誰かと思いっきり遊びたかったんス」
「そうだったんだ…。役に立てないかもしれないけど、俺でよかったら話くらい聞くよ?」
「ん〜、そッスね…アタシ実は今好きな人がいるんスよ」

ドクンッ

俺は、なぜか心臓の音が大きくなるのを感じた。
645夏に咲く花 2 :05/01/31 02:38:13 ID:ZmBm+YjF
「でも、その人には好きな娘がいるんスよ」
「じゃあ片思いなんだ?」
なんだろう、この胸が締め付けられる思いは…?
「まぁ、そんなとこッス。それで、その二人みてたらアタシが入る隙間なんか全く無くって…、それでちょっと落ち込んでたんスよ」
「…俺は恋愛経験ほとんどないから、よく分かんないけど、それは辛いよな」
「でも、今日は先輩と遊べたんで元気出たッス!」
「そっか、よかったよ」
「…はぁ〜、先輩が彼氏だったらいいのにな…」
「えっ?」
彼女は顔を近づけ俺を見つめる。
「先輩なら彼女を悲しませるようなことは、絶対しなさそうッスよね。アタシ、先輩の彼女になりたかったッス…」
さらに顔を近づけて彼女は目を瞑った。
こ、これはまさかキスしろということなのか!?でも、俺と彼女は知り合い程度の中だし…。
うわ、ヤバいっ、どうするんだ?ここで男を見せねば末代まで笑いものにされるのか?ゴクッ…よし、今なら誰も見てない…
って俺は何やってんだ!?

お互いの吐息すら聞こえそうな距離で固まっていると、彼女は突然目を開いた。
「…なんてねっ」
「はいっ?」
646夏に咲く花 2 :05/01/31 02:39:18 ID:ZmBm+YjF
俺はキスしようとした姿勢のまま固まってしまう。はたから見たらとても滑稽なカッコだろう。
「やだな〜、冗談ッスよ、冗談!ちょっと、からかっただけッスよ!」
「な、なんだやっぱり冗談か、まったく脅かすなよ」
「(んなワケないじゃないスか…)」
「ん?何か言った?」
「アハハッ、先輩ごめんッス!じゃあ、雨も止んだことだし、この辺で失礼するッス」
「あぁ、この辺でいいの?よければ送っていくけど?」
「たいへん光栄ッスけど、なんか悪いから大丈夫ッス」
「そっか。じゃあ、またな」
「はい!センパイさよならッス!」
よっちは、そう言って走りかけたが、急に振り返って戻ってきた。
「先輩、今度からアタシのことはチエって呼んで欲しいッス」
「ああ、それは別にいいけど、でも何で?」
彼女は口元に指をあて少し考えて
「ん〜、なんとなくッス!それじゃ」
そう言って彼女は帰っていった。


俺は一人で帰りながら考える。
チエは、そこいらの女の子と比べても全然可愛いと思う。
整った顔、大きな瞳、あの年頃にしては豊かな胸、そしてなにより太陽のように明るい笑顔。
男からも女からも好かれそうなタイプだ。彼氏や好きな人がいても何の不思議もない。
でも俺は彼女が好きな人がいると聞いた瞬間、無性に切なくなり心に何か突き刺さったような気持ちになった。このみといるときとは明らかに違う感情。
だが、俺はまだ自分の想いに気づかずにいた。
647名無しさんだよもん:05/01/31 02:40:43 ID:ZmBm+YjF
ところで、これ需要あるのかな?
まあ、打ち切りにならないようにがんばりますよ。
648名無しさんだよもん:05/01/31 02:42:51 ID:dZYLLJru
普通に楽しんでます。
というか、打ち切りとかやめて!

次回を楽しみに待ってます。
649名無しさんだよもん:05/01/31 03:10:17 ID:tiDXQlGf
俺も楽しんでるけど、このみ好きとしてはこの先の展開を予想すると、日溜りの詩ほどじゃないが結構切ない(´・ω・`)
でも先を楽しみにしてるのも事実なんで頑張ってくれ。
650名無しさんだよもん:05/01/31 03:27:40 ID:Lju31kWb
需要? あるに決まっているじゃないか。

断固継続を要請する…というかお願いします。

651名無しさんだよもん:05/01/31 06:08:00 ID:uuewVCQ1
>>649
禿同。
誰でもいいからこの哀れなこのみすとにラブラブSSを書いてください。
あっもちろん漏れは書けないよ。
マジで。
652名無しさんだよもん:05/01/31 07:26:13 ID:ExeKvbmA
縦読み?
653名無しさんだよもん:05/01/31 07:40:58 ID:683ErBTX
>>647
よっち! よっち!(゚∀゚)
654名無しさんだよもん:05/01/31 08:48:26 ID:A1B78QsF
ちゃ∩( ・ω・)∩るーは?
655中断していたこのみSS続き:05/01/31 09:18:51 ID:XlNSJ8V2
誰もいないであろう時間に投下!

前回は前スレであります。
656このみSS続き:05/01/31 09:20:12 ID:XlNSJ8V2
「あ…………」
遅かったか…
止めた甲斐もなく、このみは前に回りこんで、俺の裸を見て、声を上げてすぐに顔を逸らした。
いや、顔は逸らしているが横目でちらちらを盗み見ている。それも下のほうを。
「……………………」
お願いだから、そんな見方をしないでくれ。余計恥ずかしい。
しばらく、そんなふざけているほどに恥ずかしい時間が続いたが、やがて意を決した表情でこのみが言った
「タカくん…その……これからするんだよね…?」
「あ、ああ…」
酷く恥ずかしげにこのみが聞いてきて、俺も同じく酷く恥ずかしげに答えを返す
「だから……つけてあげるね」
「へ?」
何を?どこに?
そしてこのみが既に意味を成していない、パジャマの胸ポケットから取り出したものは――
「おい、それってまさか――」
「う、うん。避妊具だよ…」
それは簡単に言うと、コンドームというやつなわけで。そうじゃなく、なんでこのみが持っている?いや、そもそもつけてあげるって?
「じっとしててね…今つけるから……」
俺は後ずさりながら慌てた。
このみはその意味通りに俺のものにコンドームを付けようとしたのだ。
「待て待て待て待て!つけるから…じゃない!なんでそんなもん持ってるんだ!とゆうか、なんで付けられなきゃならないんだ!?」
657このみSS続き:05/01/31 09:21:58 ID:XlNSJ8V2
それは本来、男が自分で自分に装着するものじゃないのか?少なくとも俺の知識ではそうなっている。
「なんで持ってるって…このみが買ってきたからだもん…。あ、でもお店の方で買うのは恥ずかしかったから外にあった自動販売機で買ったよ?」
何かが途轍もなく間違っている、とは思ったが何を言ったら良いのかわからなかった。
「それに、お母さんがタカくんとならいくらでもして良いけど、そうゆうことはちゃんとしっかりしなさいって……」
春歌さん、少しは止めてください。
「……とりあえず、それがそこにある理由は判ったし、付ける意味も当然了解しているが……それでなんでこのみが俺に付けることになるんだ?」
「え、だってお母さんが普通は女が男に付けてあげるものだって…」
絶対違う!間違ってる!それは普通じゃない!しかもまた春歌さんの入れ知恵か!
「今、付けるね…」
このみはそう言って、今度は止める間も無く俺の股間に顔を近付けた。俺は動かない。いや、動けなかった。
恥ずかしくて下の方が見れない。だが、さっきこのみがしたように目だけ動かして見ると、俺のものの至近距離にこのみの顔と手があった。
そして、股間にひんやりとした感覚がが走った。
「っ!」
俺は突然のその感触に少し驚いて体を少し動かしてしまう。
「あ、ご、ごめん!痛かった…?」
このみは俺の反応に驚いたのか、困惑した瞳で俺の目を上目遣いに見た……けど、俺は恥ずかしすぎてとてもじゃないが凝視できなかった
「いや、少しびっくりしただけだから……大丈夫」
このみの顔を見ないようにして言う。
「そ、そうなんだ」
このみの吐息がそれにかかる。ぞくぞくした。そして今度はさっきより更にそっと柔らかく、このみの手が触れてきた。
それだけで出そうになった。自分で触ってる時とは大違いだった。
658このみSS続き:05/01/31 09:23:33 ID:XlNSJ8V2
「こんなに……熱くて、固いんだ……」
うっとりとした口調でこのみが呟く。
「このみ、付けるなら…早くしてくれないか」
でも、俺は恥ずかしくてたまらなかった。早くこの状況から開放されたくてこのみを急かした。
「あ、うん、ごめんね」
それからこのみは悪戦苦闘しながらもそれを付け終えた。
もちろん、それは初めてなので付け終えるまで時間がかかり、更にべたべた触られ、俺には拷問のような時だった。

そして、ついにその時が来た。三度、このみをベッドに押し倒す。
「タカくん…いいよ…」
「ああ…」
自分のを握ってこのみのそれにあてがう。
一瞬どこに挿れればいいのかわからなかったが、なんとか理解できた。
「行くぞ…」
このみはただ頷く。
それを見て、腰を前に突き出した。
にゅるりとした柔肉が柔らかく、そしてきつく包み込んだ。
「…あぁ、うぁぁ…!」
このみが声を上げる。
俺はその味わったことない感触、気持ちよさに呻き声を上げそうになったが、歯を食いしばって耐えた。
しばらくは普通に進んだが、やがて壁のようなものに当たった。
判ってる、もちろん、これは――
このみの顔を見る。このみは……微笑んでいた。目はしっかりと俺を見ていた。言葉は要らなかった。
腰を更に突き出す。
「う、うあぁ!いっ、ひ、くっ、たぁ…!」
手を握ってやる。しっかりと、離さぬよう、ぎゅっと。
そして、ぷつり、と抵抗がなくなった
「っ!っくぁぁ……!う、うぅぅ……!」
このみは懸命に声を出さないようにしている。俺を心配させないように我慢して歯を食いしばって耐えている。
659このみSS続き:05/01/31 09:24:36 ID:XlNSJ8V2
だからこそ、それが心に染みた。愛しいと思った。抱き締めた。
「このみ…ありがとうな」
耳元でそっと呟くように告げて、軽く触れるだけのキスをした。
「このみ、タカくんのこと、だいすきだよ…」
目の端に涙をにじませながら、顔を桜色に染め、それでも本当に幸せそうな笑顔でこのみは言った。
痛いはずなのに。
「ああ、俺もこのみが大好きだ」
俺とこのみは繋がったまま、抱き合ったりキスしたりして少し時を過ごした。
でも、俺はもう耐えれらなかった。
このみのそれが締め付けてきたり、動いたりして、動かないで入っているだけでとんでもなく気持ちが良かった。
「このみ…動かすぞ」
返事を待たずに腰を引いて、そして突き出す。
「い、たっ…!」
やはり痛そうだった。俺は心配になって尋ねた。
「このみ……大丈夫か?」
「……すごく痛いよ。でも、すごく嬉しいから、すごく幸せだからきっと大丈夫だよ……」
このみはまた笑顔を見せて言った。
「このみ……」
ああもう、こいつは!なんでそんなことを言うんだ!可愛すぎるぞ!
660このみSS続き@中の人:05/01/31 09:26:01 ID:XlNSJ8V2
えーと、すいませんがここまでです。
寸止めすいませぬ・・・orz

早ければ今晩にでも終わらせようと思うので御照覧あれ。
6617月文月:05/01/31 10:39:05 ID:c3DlvYEG
GJです。
やっぱりこのみはいいなぁ
それと春夏さんあいかわらずわかってるなあ
662名無しさんだよもん:05/01/31 11:31:05 ID:A1B78QsF
春歌
663名無しさんだよもん:05/01/31 12:42:11 ID:j94dS+7H
よっち! よっち!(゚∀゚)
664名無しさんだよもん:05/01/31 13:03:50 ID:ML7K4Brl
薫子! 薫子!(゚∀゚)
665長谷部悠作 ◆QW9suXdKRE :05/01/31 13:13:20 ID:9Cy1KKLb
糞スレ
666長谷部悠作 ◆QW9suXdKRE :05/01/31 13:14:30 ID:9Cy1KKLb
666あはっ☆
667名無しさんだよもん:05/01/31 13:36:02 ID:Pa2AjGf4
春夏さんがネタキャラになっとるやんけ
668名無しさんだよもん:05/01/31 13:43:25 ID:La6d17Qj
必殺カレーに続く必殺第二段
必殺スキン装着か…
669名無しさんだよもん:05/01/31 13:46:32 ID:La6d17Qj
それと元祖メイドロボの人、文月氏、いつもいつもGJ
先は長そうだし続きをマターリ待ってます

もう、頭の中で堀江声にしか聞こえてません

てかタカ坊が浩之ちゃん風味になってるのにワラタ
マルチと話すとみんな浩之ちゃんになってしまうのか
670名無しさんだよもん:05/01/31 15:05:58 ID:jcvtGXju
ちゃるまだ〜?
671かおりん 4-1:05/01/31 20:44:36 ID:wwwLXcXO

放課後になり、俺達は『向坂家大勉強会(仮)』に参加するために学校の玄関に集まっていた。
「おい、貴明・・・何だこの人数は!?あと、男は俺達二人だけじゃないかよ!!」
・・・確かに適当に誘っていたら、大人数になってしまった。
まず俺が最初に呼びに行ったのは珊瑚ちゃん、瑠璃ちゃん。
珊瑚ちゃんが嬉しそうにしている、横で瑠璃ちゃんは
「さんちゃん一人で行かすと、貴明にえっちぃ〜ことされるからうちも行く」
と言う感じで二人の参加は決定した。
次に同じクラスであるということで、小牧を呼ぼうとしたら、
偶然近くにいた由真にそのことが知られ「テストで勝負よ!!」といつもの調子で突っかかってきた。
そして、最近クラスに転校して来た小学校時代の同級生の草壁さん。
俺が誘ったのはこの5人、最初からいた俺達7人だ。合わせて12人という大所帯となった訳だ。
「タマ姉こんなに呼んで大丈夫だった?」
心配になって、俺は聞いてみることにした。
「大丈夫よこれ位の人数なら、私の家、無駄に広いから」
「まぁ、なら良いんだけどさ」
大丈夫だと言われそろそろタマ姉の家に向かうとするか。
「な〜な〜貴明、うちと瑠璃ちゃん一回家に帰ってから行くな」
「別に構わないけど・・・珊瑚ちゃんタマ姉の家わかるの?」
そう聞くと珊瑚ちゃんは嬉しそうに。
「大丈夫や、貴明の周辺なら全部チェック済みや〜☆」
どうして?と思ったが聞くと何か恐そうなので聞かないことにした。
「それじゃ、珊瑚ちゃん、瑠璃ちゃんまた後でタマ姉の家で」
「ほな貴明、また後で〜☆」
そう言って、二人は自分達の家のほうに向かって行った。
さて、俺達も、そろそろタマ姉の家に行くか。
・・・知らない人はこの集団をなんだと思うのであろうか?
672かおりん 4-2:05/01/31 20:47:37 ID:wwwLXcXO
「貴明きたで〜☆」
そう言って元気にやって来たのは珊瑚ちゃん、その横には瑠璃ちゃん
「おっす」
そしてさらにその横には、あの特徴的な耳カバーは。
「あれ、イルファさん?どうしてここに?」
そうするとイルファさんはニッコリと微笑みながら
「お久しぶりです、貴明さん。私がここにきた理由は瑠璃様に勉強を教えるためです」
相変わらず、イルファさんは瑠璃ちゃんにゾッコンだな。
「うちはええって言ったんやけど、イルファがどうしてもって・・・」
「駄目ですよ、瑠璃様。テストで赤点なんてとった日には
 イルファはショックで研究所に帰ってしまいます」
なんの関係があるのかと思ったが、とりあえずイルファさんは瑠璃ちゃんに
赤点をとって欲しくないんだろうな。
「あぅ〜」
瑠璃ちゃんが情けない声で喚いていると、タマ姉が不思議そうな顔で聞いてきた。
「ねぇ、タカ坊。ちょっと聞きたいんだけど、そちらの・・・女の人は誰なの?」
そうか、ここにいる人たちはイルファさんを見るのは初めてか。
説明しようと思った時、俺より先にイルファさんが。
「初めまして、紹介が遅れてしまいました。私はHMX−17a イルファと申します
 今は珊瑚様、瑠璃様の専属のメイドロボとして活動しています。皆様以後よろしくおねがいします」
丁寧にそう言い終えると、ペコリとお辞儀をした。
皆もメイドロボをこんなに間近に見るなんて初めてなのか驚いた顔をしている。
「・・・浪漫だ、浪漫の結晶が今、俺の目の前に・・・」
そんな声が聞こえ俺の前の雄二を見た・・・・何を泣いているんだコイツは?
「それじゃ、珊瑚ちゃんも瑠璃ちゃんもイルファさんも適当なところに座ってちょうだい」
そう言われ、三人は腰を下ろした。
「そういえば、珊瑚ちゃんは勉強道具はどうしたの?」
「うちはテストなんか勉強せんでも点数取れるからええも〜ん」
「あぅ〜、さんちゃんはずるい〜」
そういえば、珊瑚ちゃんは天才少女だったことを忘れていた。
673かおりん 4-2 :05/01/31 20:49:12 ID:wwwLXcXO
歩き始めて、数十分ぐらいして俺達は向坂家についた。
「わぁ〜向坂くんのお家、大きいですねぇ〜」
小牧が家の大きさに驚いている横で由真の奴が普通にしているのが目に付いた。
「由真は別に驚かないのか?大体の奴はこの家を見て驚くんだが」
そう聞くと由真は慌てた様子で
「えっ?、そんな訳ないじゃない!?おっ、大きすぎて声が出なかっただけよ!!」
なんで慌ててるんだこいつは?・・・実はお嬢様とか、こいつに限ってそんなことは無いか。
「実は私ここに来るの初めてじゃないんですよ。
 貴明さんに連れてこられたことがあるんですよ、何か懐かしいです」
草壁さんはそう言って、俺に微笑みかけた。そんなことも会った気がする。
「さぁ、玄関なんかで突っ立てないで、さっさ中に入るわよ」
そう言われ、俺達は家の中に入ることになった。
「みんな、適当なところに座って。因みにここには勉強しに来たんだから、その事を忘れないでよね」
そう言われ、俺達は席に着き始めた。
俺は机の一番端に座り、正面に雄二、隣に柳瀬さんが座っている。
そして、その周辺にこのみや工藤さんたちが座っている。
「さぁ〜て、貴明よ俺達もボチボチ始めますか」
回りの連中も参考書や教科書を広げだしている
「んじゃ〜やりますか」
そうして俺達も勉学に勤しむ事にした。
――数十分後――
玄関のほうで扉の開く音がした。珊瑚ちゃん達が来たのかな?
「るー☆」
「さんちゃん!?人の家来たときはお邪魔します言わな」
「そうですよ、珊瑚様。瑠璃様の言うとおりですよ」
ん?声が三人分聞こえる。そんなことを考えてるうちに足音はこちらの方に近づいてくる。
674かおりん 4-4:05/01/31 20:50:53 ID:wwwLXcXO

そうして、全員揃い。再び勉強会は再開された。
イルファさんは瑠璃ちゃんとこのみに勉強を教えている。
「それにしても、凄いわね」
横にいる柳瀬さんがイルファさんたちの方を見たときそういった。
「イルファさんのこと?」
俺がそう聞くと、彼女は
「えぇ、彼女を見ているとメイドロボであると言うことを忘れてしまいそう」
確かに俺もイルファさんを始めて見た時、同じことを思った。今ではもう慣れてしまったが。
そんなことを話をしていると、柳瀬さんの横の席の工藤さんが突然口を開き。
「ねぇ、薫子。最近その男と妙に親しくなくって?今日の昼だって残って二人で話していたようですし」
コクコク・・・
ぐぁ!!突然何を言い出すのかと思うと何て事を聞いてくるだ!?というか昼に話してたこと知ってたのか!?
「なっ、何を言っているの!?玲於奈!?私はただ河野君にどうして私の名前を知っていたのか聞きたくて・・・」
彼女は焦った様な様子で昼のことを説明した。
「ふぅ〜ん、なら別に良いんですけど」
そう言って彼女は、再び手元にある資料に目を戻した。
そうして少し時間が過ぎて、タマ姉が口を開いた。
「ねぇ、みんなは今日の夜、夕食とか食べていけるのかしら?」
その声を聞き、まずはこのみが。
「うん、このみは、全然大丈夫だよ。」
「私は別に大丈夫ですわ。」
「私もお姉様さえよろしければ」
コクコク・・・
どうやら彼女達も大丈夫なようだ。
「草壁さんはどうするの?」
「私は大丈夫です、でも家に連絡させてくださいね」
「ねぇ、愛佳は大丈夫なの?」
「私は、お母さんに連絡さえすれば大丈夫だと思う」
二年生グループは残留決定のようだ。
「瑠璃ちゃんもいっちゃんもええよね?」
どうやら皆残って向坂家で夕食を食べるようだ・・・・これはまた、騒がしくなりそうだな。
675かおりん 4-5:05/01/31 20:52:43 ID:wwwLXcXO

結局、皆、残ることが決まり。今は夕食に向けての役割分担を決めている。
「それじゃ、私と小牧さん、草壁さん、瑠璃ちゃん、玲於奈、霞、イルファさんが料理担当ね」
タマ姉がそう言って、料理担当が決められた。別に反論はないようだ。
「じゃ、俺と雄二とこのみ、由真、珊瑚ちゃん、柳瀬さんが買い物に行けばいいんだな」
と言う感じに役割分担が決められた。料金はタマ姉が払ってくれると言うことだ。
「で、姉貴いったい俺達は何を買ってくれば良いんだ?」
雄二がそういうとタマ姉は少し悩んだ後に。
「まぁ人数も多いことですし、ここはカレー、あとサラダでいいでしょ」
タマ姉がそう言うと、珊瑚ちゃんが。
「うちカレー好きだから、ええで〜」
「うん、なら決定ね」
そうして、俺達は食料調達に出かけようとした。
「タカ坊、雄二」
その声に呼び止められて、俺と雄二は立ち止まり振り返った。
「荷物持ち、ちゃんとしなさいよ」
「「・・・了〜解」」
やはりそういうことか・・・・そうしてる内に玄関の方から。
「河野貴明〜早く来い〜!!置いて行くぞ〜!!」
由真の急かす声を聞き俺達は玄関に向かった。
676かおりんの人:05/01/31 20:54:21 ID:wwwLXcXO
4話目です。
だらだらと続けるのもなんなので
あと2〜3話ぐらいで終わらせたいかな?
そしてミスって順番が
4-1→4-3→4-2→4-4→4-5
となってしまいました・・・・orz
あぁ・・・すいませんでした。
677名無しさんだよもん:05/01/31 20:56:57 ID:EJEpMqrh
>668
なんか穴開いてそうだなおいッ!?

>かおりんの人
GJ そして専用ブラウザ向け支援
>671>673>672>674-675
678名無しさんだよもん:05/01/31 21:46:28 ID:Pa2AjGf4
出てる人数多いと楽しげでええの〜
679名無しさんだよもん:05/01/31 21:51:19 ID:nznLP0ul
だらだら続けてくれて結構と思う俺ガイル
>>678も言ってる通り人数多いと楽しそうだな〜
6800/7 ただ心だけが 1:05/01/31 21:55:40 ID:683ErBTX
「ちゃんと感謝するんだぞぉ、何たってお姉様が戦って守り通したものなんだから」
「やぁ、もう! 先に言っちゃダメだよぉ!」
「だってさ、あれだけ大変だったのに反応薄かったら嫌じゃない?」
「だめー! それでもだめー!」
「……ひとの背後でいちゃつかないでくれる、もう」
「予定よりちょっと小さくなったけどね」
 そうして校舎に向かう車椅子と、それを押す少年。その傍らに寄り添う少女を最後に物語の幕は降りた。
これが歌劇であればそうであろう。ハッピーエンド、その後に役者がカーテンコールに出てきて観客は幻想
の終わりをはっきりと認識する。なにせそこでは神の寵愛すら受ける英雄と卑劣で傲慢な悪役――の役者
――が仲良く並んで観客に向かって礼をするからだ。そうして物語は区切りをつける。幕は降りる。だが物
語を続けることは不可能だったのだろうか? ローエングリンが去ったあとのエルザを演じ続けることは? 
ブリュンヒルデが炎に包まれた後のクリームヒルトは? カルメンを刺し殺した後のホセは? ファントムから
自由になったラウルとクリスティーヌはどうだ? 幕は降りた。それらの物語は演じられない。だが――無
い、とは言い切れない。河野貴明と小牧愛佳をこの列に並べるのは流石に肝が冷えるが、興味がある方は
ちょっと舞台の袖までいらっしゃい。さあ、一度は降りた物語の幕を持ち上げて覗き込もう。
 物語り終わりし後の物語を。
6811/7 ただ心だけが 1:05/01/31 21:56:23 ID:683ErBTX
 小牧郁乃は人生で初めて晒し者になる気分というものを味わっていた。
 誰にも聞こえないほどの小声で、ありえない、と呟く。
 クラス中の視線が自分に集まっているのを感じる。
 別に教師に当てられたワケではない。おそらく教師もそこまで酷ではないだろう。
 問題は教室の後ろ――机の一番後ろの列という意味ではない。そのさらに後ろ――つまりまさしく授業参
観における親の立ち位置にいる二人であった。
 いや、もちろん郁乃の姉である小牧愛佳が、初日の最初の授業を心配して見守っているというのは分か
る。郁乃が学校に来て授業を受けるなんて何年かぶりのことだ。母親に急な用事ができた以上、その代わ
りに愛佳がそこにいる必要はある。
 郁乃の病状について各教師に説明はされていたが、初めて受ける高校の授業というストレス環境下で不
測の事態が起こらないとも限らない。とりあえず最初の一時間に関して、愛佳がそこに立つ意味はある。郁
乃はそれは納得できる。
 ではその隣に当然のごとく立っている男はなんだ?
 郁乃には分からない。
 よくよく思い返してみればこの男、郁乃の目の手術の日も当然のように学校を休んでそこにいた。
 おかしい。
「ふぁぁ〜〜」
 男が――河野貴明が大きなあくびをしてみせた。
 教室内の音のないざわつきが一段と大きくなったのを感じる。それは主に不思議そうに、郁乃と後方の二
人を交互に見ることに発生する一連の不規則なウェーブ現象である。しかし教師はそれを気にする風でもな
く、授業を進めている。
 ありえない。
 自分は果たしてこの学校で上手くやっていけるだろうか?
 なんだか当初とは違う方向性でその疑問が郁乃の頭の中を激しく飛び回る。恐らく教師と後ろ二人を除く
全員の間を疑問符が飛び交った授業が終わるとすぐに愛佳は郁乃の元に寄ってきた。
6822/7 ただ心だけが 1:05/01/31 21:57:06 ID:683ErBTX
「大丈夫、郁乃。なんともない?」
 愛佳は郁乃の頬と額に手を当てる。とりあえず熱があがったりしている様子はないようだ。
 愛佳はほっと息を吐く。これでひとまずは安心というところだろう。
 郁乃は苦笑を浮かべる。愛佳の心配性はちょっとやそっとでは治りそうに無い。場合によっては郁乃自身
の難病より根治は難しいかもしれない。
「……ちょっと疲れたけど大丈夫」
 これは本当。でも疲れたのは主に貴明の存在によって発生したストレスであることは言わない。
 というより、郁乃には姉が貴明がここにいることを疑問に思わないのが疑問である。愛佳はすでに貴明を
自分の付属物かのように考えているのかもしれなくて、また学校側でもそれを認めているとか。
 その想像に頬を緩めた郁乃の表情をどう捉えたのか、愛佳の表情も和らいだ。
「でも無理しちゃダメよ。熱があがるのには注意してね」
「そんなに心配しなくても大丈夫。これでも最近の体調は先生の太鼓判付きなんだから」
「うん。そうだね」
 愛佳は郁乃の手を取って、じっとその瞳を覗き込んでいる。そう言えば最近姉からのスキンシップが増え
たことに郁乃は気付く。それだけではない、言葉以外の方法で自分に色んなことを伝えようとしている気が
する。そういう表現の豊かさは以前の愛佳には無かったものだ。表情は豊かだったけど。
 ふむ、男ができるということは情緒麺での成長をも促すのかしらん。
 ただ愛佳の場合、その一方で以前にはあった一般常識というか、世間に対する恥じらいというものを失っ
ているような気もして、郁乃は気が気でならない。
「――それじゃあたしは自分の教室に戻るから、もし何かあったらすぐに誰かに来てもらってね」
「うん。分かってる」
 それから愛佳はぺこぺことクラス中に向けてお辞儀をしてから、郁乃に手を振って教室を出て行く。
「大人しくしとくんだぞ」
 それだけ言い残して、郁乃の頭を軽くぽんぽんと叩いて、貴明もまた教室を出て行った。
6833/7 ただ心だけが 1:05/01/31 21:57:49 ID:683ErBTX
 ふあぁと、郁乃は長い安堵のため息を吐いた。ようやく教室内は正常なひとつの社会基盤の元に収まった
気がする。これで次の授業からは少し気楽に受けられるだろう。
「あの、小牧さん……」
 隣の席の女の子が郁乃に話しかけてくる。休憩時間だというのにクラスメイトは誰一人席を立っていない。
全員が固唾を飲んで郁乃とその女の子に注目している。
「あのね、お姉さんは分かるんだけど、あの男の人、だれ?」
 ああ、やっぱりそこなのね。郁乃は肩を落とす。
 正直なところ、郁乃自身にも分からない。
 姉の恋人だというのは簡単だ。だがそれは結局のところ質問の答えにはなっていない。質問の意図は、
関係ない人間がなぜ紹介もされず――もちろん愛佳についての説明はあった――当然のようにそこにいた
のか、ということなのだ。
 郁乃はしばらく迷ったあげくに、結局のところ自分の思いついた言葉を使うことにした。
「……姉の付属品」
 大方間違ってはいないだろう。女の子のほうは目を丸くして
「うん。……うん? うん?」
 と、分かったような、分からないような、首を傾げたり納得したりを繰り返している。
 クラスメイトたちもみんな顔を見合わせて、それぞれがこの国語の問題に取り掛かったようだ。解答が問題
集の巻末についていればいいのであるが。
 なんにせよ、小牧郁乃の高校生活最初の一時間はこのように始まった。
6844/7 ただ心だけが 1:05/01/31 21:58:33 ID:683ErBTX
 一方で肩を並べて自分の教室に戻ってきた愛佳と貴明を手をこまねいて待っていたのは、向坂雄二、貴
明の親友である。ニヤニヤと実に嬉しそうな顔で二人を出迎える。
「いよぅ、おふたりさん。お早いお帰りで」
「はい、向坂くん。ただいま戻りました」
 愛佳と雄二は意外にウマが合うところがあるようで、最近はちょっとしたネタのやり取りなんかもしていたり
して、急速に仲が良くなっているようだ。
 貴明としては多少ヤキモチを焼いたりしてみたいところなのではあるのだが、まあ愛佳が男全般を苦手と
するのが少しでも改善されるリハビリと思えばこそ我慢している。
 本音を言えば、自分にだけ平気で他の男は全部苦手というのが理想ではあるが、そこまで勝手な思いを
押し付けるわけにもいかないだろう。
 それに雄二の性格はよく承知している。少なくとも友人の恋人に手を出すような男ではない。
「で、見たぜ。委員ちょの妹、名前なんつったっけ、ほら」
「郁乃ですよぉ」
「そうそう、その郁乃ちゃん。さすが委員ちょの妹だよな。可愛らしくていらっしゃる」
 でも、友人の恋人の妹になら平気で手を出す男だ。
 もっともこれまでそのようにして伸ばされた雄二の手が実際に誰かを捕まえるのを貴明は見たことが無
い。というより、この男は本気で誰かを好きになったことがあるのだろうか?
 いつも軽薄そうにしているが、根はマジメで正直な男だと貴明は思っている。
「止めとけ、止めとけ、確かに見た目は愛佳と一緒で可愛らしいが、あっちにゃ牙がある。手を出そうとしたら
指先をがぶりといかれるぜ」
 貴明は指先で雄二に向かって噛み付くような仕草をしてみせた。
 だが雄二は笑ってひらひらと指先を泳がせる。
「おいおい、貴明、美しい薔薇にはトゲがあるもんだろ。指先が傷つくのを恐れて薔薇は摘めないぜ。俺は
毒があったって構わんね。ところで委員ちょ、郁乃ちゃんは読書好きだったりするかい?」
6855/7 ただ心だけが 1:05/01/31 21:59:16 ID:683ErBTX
「ひゃい?」
 急に話を振られた愛佳は何故か頬を染めていた。
「あの〜、その前にひとつ確認したいことが」
「なんでしょ?」
「さっきから可愛い可愛いって、あたしのことも含まれてる、でいいんでしょうか?」
「もちろん!」
 貴明と雄二は声を揃えて言った。
「そうですか」
 むん、と、愛佳の体に気合が入る。愛佳は以前に比べて褒め言葉を素直に受け入れられるようになったよ
うだ。それは喜ばしい変化だろう。
「で、郁乃ですが、読書はしないですねぇ。なにぶん目が悪かったですから」
「そうだな。テレビもダメだし、日光もあんまりダメなんだったっけ?」
「手術で改善されたんですけどね〜。でも目を酷使するわけにはいかないですし、読書する習慣がないのは
確かですよ。それがどうかしたんですか?」
「ふむ」と、雄二は顎に手を当てて思案する。
「残念だ。実に残念だよ。委員ちょ。病弱少女と文学は有史以来のセット。これを切り離して考えることなど
俺にはでっきーーーーーーーん!!」
 両拳を握り締めて、天井に向かって雄たけびを上げる。
「はぁ……」
 困惑顔の愛佳の肩を叩いて、貴明は首を横に振った。ダメだこれは。つける薬のないなんとやらだ。
6866/7 ただ心だけが 1:05/01/31 21:59:59 ID:683ErBTX
 そうして無事平穏に一日が過ぎていく。
 愛佳と貴明は休み時間のたびに郁乃の元を訪れて体調の変化を訊ねたが、危惧していたような変調は
見られないようであった。この様子ならば明日も学校に来ることができるだろう。
 一時間が過ぎるたびに、不安そうだった愛佳の表情は明るいものになっていった。
 ほんの一日、それですらどれだけ想い焦がれたことか。
 もちろん問題はまだ山積みだ。新しい治療法が如何なものにしろ、学校に来るほどの体力を取り戻したと
は言え、病状を抑えるため免疫力を薬物で抑えてるという事実に変わりは無い。
 だが今日くらいはそれを忘れてもいいではないか。
「郁乃、お疲れ様」
 そう言って入ってきた姉の姿を確認して、郁乃は目を丸くした。
 ひとり、増えてる。良く見知った貴明に加え、見知らぬ男がひとり。
 いつの間に姉は男が苦手じゃなくなったのだろう? と、郁乃は疑問に思う。
 だが愛佳の立ち位置が貴明ともうひとりの男との違いをあからさまにしていた。
 ふむ、症状緩和というところらしいわね。郁乃は思うが、それは郁乃自身にも当てはまる言葉だった。
「こんにちは、郁乃ちゃん。俺、向坂雄二、君の将来のお兄ちゃんの親友だ。よろしくな」
 途端に愛佳と貴明の顔が真っ赤になる。
 面白い。
「あなたの親友さんの将来の義理の妹です。よろしく」
 首まで真っ赤になった二人を見て、ニヤリと笑った郁乃は手を差し出した。
 同じくニヤリと笑った雄二はうやうやしくその握手に応じる。
「私たちこれから病院ですけど、向坂くんもいらっしゃいます?」
 郁乃の荷物をまとめ終わった愛佳が訊ねると、雄二はひらひらと手を振った。
「いきなり病院までついてくほど野暮じゃねーよ。とりあえず親友の恋人の妹ちゃんに挨拶しとこうと思って
な。それだけさ。荷物持ちはひとりで十分だろ? じゃあな」
 手をひらひらさせたまま雄二は教室から去っていった。
6877/7 ただ心だけが 1:05/01/31 22:00:42 ID:683ErBTX
「さて、それじゃ俺たちも行きますか」
 貴明が車椅子のハンドルをしっかりと握って歩き出す。
 最初の頃は危なっかしい手つきだったが、今では貴明の押す車椅子でなら郁乃は眠れさえするような気
がする。それは認めたくは無いが、貴明が信頼に値する男だと言うことで、また彼自身が郁乃に気遣って車
椅子を押しているということだろう。
 ゆらゆら優しく揺られてるうちに郁乃は本当に眠気に襲われ始めた。
 こっくりこっくり船を漕ぎはじめたのに愛佳が気付く。
 貴明が少し首を傾げると、愛佳が首を横に振る。
 それだけで「どうする?」「起こさないであげて」という会話が成立している。
 実際、今日一日で郁乃がどれほど疲労したか分からない。
 本人は否定するだろうが、誰よりも今日を楽しみにしていたのは郁乃自身だ。だから今は興奮状態で自分
の疲労に気付いていないということもありうる。
 愛佳の手が郁乃の額に当てられる。
 貴明が少し首を傾げて、愛佳が横に。
 今度は「どう?」「熱は無いみたい」
「んあ……」
 と、郁乃が目を覚ます。
「あ、ごめん。郁乃起こしちゃった?」
 郁乃はキョロキョロと辺りを見回し、そこがまだ病院に向かう途中の道だと気付くと、遠慮なく目を閉じた。
「ううん。大丈夫。……ところでさっきの向坂さんだっけ?」
「ん、あいつのことなら雄二でいいよ。姉さんも同じ学校にいるから苗字だとややこしい」
「そう、なら雄二さんだけど」
 郁乃の目は閉じられたままで、愛佳にも表情はつかめない。
「けっこういい男だね」
「ええーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
 ふたつの声がハモって、夕方前の空に響いた。
688名無しさんだよもん:05/01/31 22:03:30 ID:683ErBTX
文体、配役ともに受け入れられるかが不安な作品ですが、
ちょくちょく書いていくのでよろしくお願いするであります(・ω・)ゝ
689名無しさんだよもん:05/01/31 22:14:37 ID:tiDXQlGf
いや、いいと思うよ。
しかし、それは驚くよな……
690名無しさんだよもん:05/01/31 22:24:47 ID:hWW+X5sl
>>688ナイスであります隊長 ゝ
691名無しさんだよもん:05/01/31 22:32:43 ID:z3IYs0XO
>>688
うっじょ!
続くんだよね?
692名無しさんだよもん:05/01/31 22:40:19 ID:OybeIbrx
>>688
GJ!
ついに雄二に春が?w
693名無しさんだよもん:05/01/31 22:49:31 ID:6WEcD7gG
今日、身内がちょっとした事故にあってね
たいしたことはなかったんだけど、ひとつ話を思いついたから一気に書いてみた次第
694陽炎に浮かぶ彼女 1:05/01/31 22:51:34 ID:6WEcD7gG
 じいさんから急な電話があったのは、その日の午前10時頃だった。
 俺が便所でウンと気張っているところにピロピロ鳴らしやがるものだから、焦ってしまって仕方がない。「待
て待て待て待て」と叫びながら尻を乱暴に拭いているうちに、コールは止んだ。
 電話は留守電モードに切り替わったんだから、そっちに入れておけばいいじゃんか、などと思いつつ着信履歴
を確認した。じいさんからだとわかったので、こっちから掛け直そうかと思った時に、またピロピロと呼び鈴。
「はい、河野です」
「もしもしっ! 長瀬じゃがっ」
「じいさんだろ、さっきの電わ……」
「このタワケ者めが! なぜ一度で出ぬかっ、小僧おぉっ!!」
 じいさんが異様に興奮しているので、とりあえず理由を聞いた。
 じいさんの言葉を聞いて俺は絶句。由真が自転車で転倒して負傷、病院にて治療中だという。ケガの程度はま
だ不明だが、じいさんによれば「顔が血まみれ」……。

 由真がいる病院を聞き出すと、俺は居ても立ってもいられずに家を飛び出し、自転車に飛び乗った。
 飛び乗ったはいいが……俺はすっかり忘れていた。昨日、自転車のタイヤが派手にパンクしてしまっていたこ
とを。俺は使えない自転車を蹴倒した。
 タクシーを呼ぼうにも、最近は何かと物入りで金がない。
 よし、このみの自転車を借りて……いや、あのお子様チャリンコは危ないな。ミイラ取りがミイラになるどこ
ろか漢方薬の粉末にもなりかねない。
 俺は覚悟を決め、走っていくことにした。
 目指すは駅前の市立病院。懸命に走れば15分くらいで着くか……?

 じいさんによれば、由真は駅南にある予備校で公開模試を受けるため、午前9時頃にMTBを飛ばして予備校
に向かった。その途中で、MTBごと派手に転倒し、負傷してしまったという。
 由真は自力でどうにか市立病院までたどり着き、携帯で家に連絡を入れたのだが、家の人はすでに仕事に出て
しまっているらしく、誰も出なかったそうだ。
 仕方なく、由真はダニエルのじいさんに電話した。
695名無しさんだよもん:05/01/31 22:51:49 ID:3NPtUyZj
>>680みたいな言い回し好きだなあ。自分には出来ないだけに尚更。
696陽炎に浮かぶ彼女 2:05/01/31 22:52:46 ID:6WEcD7gG
 じいさんは、主人と共に東京の都心に出向いていて身動きが取れず、由真から事情を聞いたところで電波の状
態が悪くなり、通話が切れてしまったそうな。
 じいさんは由真にかけ直すが、診察室で治療に入ってしまったのか、携帯の電源がすでに切られている。
 そこで、じいさんは俺に電話してきたのだ。行って様子を見てこい、容態がわかったら連絡しろ、と。

 信号を赤信号で渡り、大通りの長い信号を迂回するため、今ではめっきり数の減った歩道橋を駆け上る。
 俺は必死に腕と足を動かすが、なかなかスピードが出ない。運動不足だろうか? 夏休みには、50メートル
自由形のタイムトライアルとか、10km持久走とか、予鈴前の猛ダッシュとか、そういうことはしなくていい
わけで、気付かぬうちに体が鈍ってしまったのだろう。せいぜい友人や由真と市民プールで遊ぶくらいのことし
かしてない。だって、暑いし。

 俺は市立病院のある通りにたどり着く。アスファルトの向こうにモヤが見える。散水車の打ち水が猛烈な日差
しで蒸発し、それが俺に陽炎を見せているのだろうか。でも陽炎の向こうには、幻でなく、確かに由真がいるは
ずだ。光の揺らぎが、昨日唇を交わした彼女の姿を、俺に見せる。
 止まることなく駆けてきたため、息は上がり、胸は締め付けられ、熱い汗は額から胸から背中から華厳の滝の
ごとく流れている。それでも、俺は体に最後のムチを打ち、ゆらぐ陽炎を越えて病院にたどり着いた。
 病院入り口で小型タクシーと接触しそうになったが、時が見える人種のような超反応で、無事にかわす。俺は
倒れるわけにはいかないのだ。時間は10時20分ちょうど。

「な、な、な……ながしぇ、由真という、女の子が、こっちに、来てると、思うの、です、が」
 市立病院の受付で、俺は訊いた。
 死神のような俺の形相を見て、受付のオバチャンは一瞬たじろぎを見せたが、すぐに「長瀬さんは救命救急セ
ンターです。こちらへ」と言って俺を案内した。
697陽炎に浮かぶ彼女 3:05/01/31 22:53:47 ID:6WEcD7gG
 そこの入り口には、赤地に白い字で「救命救急センター」と書かれたランプが点灯していた。俺の背中に、先
程とは違う種類の汗が流れ始めた。
 磨りガラスの扉の向こうで、彼女が笑顔で待っていることを信じ、俺は扉を開ける。
 外来の待合室には、由真の姿はなかった。どこの誰かとも知れぬ婆さんが一人、ぽかんと口を開けていただけ
だった。
 そして、俺の真っ正面には「処置室」の扉が立ちはだかっていた。この向こう側に、由真はいるはずだ。
 俺は、処置室の右手にある外来受付に声をかけた。
「ご家族の方ですか?」
 受付の女性にそう訊かれた。
「友人です。長瀬さんが連絡をくれて……」
 俺はそう言った。「いいえ、フィアンセです」とでも言えばカッコ良かったかな? などと後々になって思っ
たが、この時はとてもそんな余裕はなかった。
「長瀬由真さんは現在治療中ですので、そちらのソファーに腰をかけてお待ちください」
「由真の容態は!?」
 俺がそう訊くと、女性は後ろにいる医師だか事務員だかわからない男性に声をかけて訊ねた。男性は「ああ、
今レントゲン撮影だぁわ」と他人事のように答え、女性は俺に向きなおり「レントゲンです」と答えた。……全
然答えになっていない。
 納得できない俺は彼らに食い下がろうとすると、女性が「他の方のご迷惑ですから、座ってお待ちください」
とか言いやがるので、俺はしぶしぶソファーに座る。俺の隣では、さっきの婆さんが虚ろな目で口を開けている
ばかりだった。

 10分過ぎた。由真は出てこない。ピンポンパンポーン、と院内放送が流れる。ひょっとしたら由真のことを
言うかも!? と耳を澄ますが無駄だった。駐車場に違法駐車してある車の持ち主を呼びだしていただけだった。
 窓から外を見る。駐車場では子供達が戯れていた。子供らに道を塞がれたRV車が、忌々しそうにクラクショ
ンを鳴らし、茶髪の女がRV車に汚い言葉を浴びせていた。子供達の母親だろうか。気分が悪くなった俺は、ソ
ファーに寄りかかった。
698陽炎に浮かぶ彼女 4:05/01/31 22:54:57 ID:6WEcD7gG
 20分過ぎた。婆さんは出ていった。外が暑いので、ここで涼んでいただけらしい。俺は待合室に独りぼっち
になった。
 立ち上がり、待合室から空を見つめる。雲一つない青空。その下で、由真は顔を血だらけにして……いや、や
めよう。由真はきっとたいしたことない。ちょっと顔をすりむいただけなんだろう、それをじいさんが大袈裟に
言っただけなんだろう。きっと。そうに決まっている。
 待合室を出て(待合室は携帯使用禁止)、じいさんに一旦電話するが、じいさんは出ない。由真の自宅にかけ
てもやっぱり出ない。とりあえず、それぞれの留守電にメッセージを入れて待合室に戻った。

 30分過ぎた。俺は腕を組み、堅いソファーに座り続けていた。
 気が付くと、俺は貧乏揺すりをしていた。俺が貧乏揺すりをしていると、いつもいつも由真は「こら、たかあ
き! みっともないから、そういうのはやめなさいよ!!」と、母親のように咎めて言うのだ。
 受付の女性と事務員ぽい男がつまらん話をしていて、俺をさらに苛立たせる。
「ノリさんノリさん、FF]Xどこまで進んだぁ?」
「うんとね、偽善者の塔」
「レベルいくつー?」
「77」
「やりぃ、あたしの勝ちぃ」
 俺は殺意の衝動を抑えるのに必死だった。

 40分過ぎた。受付のガラス戸は閉じられている。待合室で聞こえるのは、時計の秒針の音だけ。
 ……なぜ、こんなに時間がかかるのだろう? たいしたことがないなら、とっくに出てきていても良さそうな
ものだ。
 やはり、由真に何かあったのだろうか?
 ひょっとしたら、顔が血だらけになったというのは本当で、顔を何針も縫うような――または、皮膚が削れ肉
がそげ落ちるような、酷いケガを負ったのだろうか? 手か足を複雑骨折してボルトでも埋め込んでいるのだろ
うか? それとも、それとも頭を打っていて、それで容態が急変して……。頭を打った場合は、少し時間が経っ
てから突然容態が急変して、死亡してしまうことがあると聞いたことがあるぞ。
 死の臭いが俺の周辺に漂い、それは必死になって俺を取り込もうとしてくる。
699陽炎に浮かぶ彼女 5:05/01/31 22:55:36 ID:6WEcD7gG
 昨日も俺と馬鹿話をしていた由真が、別れ際に唇を合わせた由真が、不意に、小さなつまらない事故で、陽炎
とともに壊れて消えてしまうなんて、俺には信じられなかったし、信じたくもなかったが……。
 「予備校の古文の講師は、あたしの胸元ばかりチラチラ見てくるドスケベ野郎! 雑巾の絞り汁を飲ませたく
なるくらい嫌い!!」だの、「あんたはハメ技使いすぎ!!」だの、「いい加減、あたしからの電話はワンコールで
取ること!!」だの……。
 ようやく、どんな泣き言やムチャな話でも言い合える仲になったのに、身も心も結ばれたというのに、「さよ
なら」の一言もなく俺の前から消えてしまうなんて、俺には許せなかった。
 一人で勝手にどこかへ行こうとするな。俺はあの日、お前にそう言ったはずだ。
 俺はお前を二度と離さないと決めたんだ。夕闇に震えていたお前を二度と孤独にはさせないと、俺がそう決め
たんだ。
 だから、戻ってこい。どうしても戻れないなら、俺が陽炎の向こうに迎えに行ってやろう。
 日本史の授業で聞いた話だが――『古事記』に出てくるイザナギは、死んだ妻のイザナミを連れ戻そうと黄泉
の国まで行ったのだが、イザナギはタブーを犯してしまい、逆にイザナミに命を狙われたあげく、ついに離縁し
てしまったという。
 俺なら、そんなポカはしない。由真、お前が犬になれというなら、俺はお前のゲンジ丸になろう。お前がバナ
ナの皮でスケートをやれというなら、俺は躊躇わずにやってやる。
 だけど、由真。俺にそこまでさせたくないなら、どうか処置室から出てきてほしい。どうか無事な笑顔を見せ
て欲しい。そして、いつものように、俺に憎まれ口を叩いてくれ。

 不意に、処置室の扉が開いた。
 俺はソファーから飛び上がって、扉の向こうを見た。
700陽炎に浮かぶ彼女 6:05/01/31 22:56:10 ID:6WEcD7gG
 由真だ。由真が出てきた。ナースが押す車椅子に乗って……。
 眉に皺を寄せて大きなハンカチで鼻を押さえ、右手首と両足の膝には痛々しく包帯が巻かれていた。フレーム
が歪んだメガネを載せた目元は、往年の喜劇俳優のそれを思わせた。
「……たかあきじゃん。何やってるの?」
「なにやってんのじゃないだろ、お前は……!!」
 俺は思わず怒鳴ってしまった。
「ちょ、ちょっと、自転車でコケただけよ。骨にも異常はないから……ただの打撲よ、ホントに」
 由真は鼻を押さえながら、歯切れの悪い言い方をした。
「頭は、打たなかっただろうなっ!」
「打ってないよ。顔面から倒れたから、鼻とアゴを擦り剥いちゃった。下唇も噛んじゃって……アイタタ」
 由真が押さえていたのは、鼻ではなかった。噛んで傷ついた下唇だった。
「顔面が血だらけになったと聞いたぞ!? 服にも血が付いてる」
「唇切ると結構血が出るじゃない!? だからよ……。ところで、誰から聞いたの? あ、わかった。おじいちゃ
んでしょ!?」
「じいさんも心配してたし、俺も!」
「……ご、ごめん」
 しおらしくそう言うと、由真はヨロヨロと立ち上がろうとする。
「あ、無理すんなって」
「いいのよ! あたしはちゃんと歩けるから! さぁ、これから治療代を精算しに行かないと……」
 そう言いながらも、顔をしかめて辛そうだ。
「無理するな。一緒に行こう。そうだ、俺がおぶっていってやる」
「おんぶって……子供じゃないんだからぁ」
 由真は首を左右にブンブン振って抵抗する。
「じゃあ、お姫様ダッコだ」
「もっとイヤっ!!」
 後ろでナースがクスクス笑っている。由真はそれに気付いて真っ赤になった。
 そして、潔く俺の背中にもたれかかった。
701陽炎に浮かぶ彼女 7(終):05/01/31 22:56:53 ID:6WEcD7gG
「……痛むか?」
 ふと、由真に訊いてみた。
「当たり前じゃないの。そんなにホイホイ痛みが消えるなら病院はいらないわよ」
 由真の口調は、いつものままだ。何も、壊れてはいなかったんだ。
 俺の目から、涙が一滴こぼれて落ちた。
 由真の温もり、そして鼓動が、俺の背中全体へと伝わってきた。
 俺の感じた死の臭いなどは、全て陽炎の見せた幻だったのだ。それは夏の日差しの中で、瞬く間に蒸発して消
え去っていった。
702名無しさんだよもん:05/01/31 23:08:55 ID:OybeIbrx
>>701
GJ!
由真が無事で良かった(´;ω;`)
703名無しさんだよもん:05/01/31 23:12:49 ID:683ErBTX
>>693
お疲れ様です。たいしたことはなかったとのことですが、
作品から693さんがどれほど心配されたのかよく伝わってまいりました。
当方も先日母が車で事故を起こしたばかりでして、こちらもたいしたことはなかったのですが、
連絡を受けてすぐは肝を冷やしたものです。
うちの母は軽いPTSDに悩んでおりますが、
693さんの身内の方がそのようなことのないよう祈っております。
704元祖!メイドロボのテスト:05/01/31 23:25:40 ID:m9trlddH
午後になり、あらかた話も聞き終わると休みであるゆえにやることがない。
テレビを見てるのも暇だし、このみと最近やることの主流になっている勉強でもしようかな。
このみの奴、成績が芳しくないのが本当だからかただ単に甘えるのが目的なのかはわからないが積極的に勉強中にも俺に質問をしてくる。
しかも必ずと言っていいほどこのみのほうから『勉強しよ』と誘ってくる。
おかげで期末テストの点数も鰻のぼりだ。
昨日の英語の小テストの点数なんかもいい例だ。
ただ今はマルチがいるし、ほっとく訳にもいかないもんな。
う〜ん、どうしようか。
「あのう」
「ん?」
「私、そろそろお仕事をしたほうがいいと思うんですが」
「仕事?」
「はい。お掃除をしたいと思いまして」
掃除を?
でも昨日掃除したばっかりだし、かなり綺麗だとはおもうんだけど。
「よろしいですか?」
「いや、駄目とは言わないけど・・・昨日掃除したばっかりだよ」
「でもお掃除は毎日したほうがいいです。毎日ちょっとずつでもほこりはたまっていきますから」
「確かにそうだけど・・・本当にいいの?」
「はい。お二人はその間ゆっくりとしていてください」
う〜〜〜ん、なんか悪いよなぁ。
俺自身そんなに掃除が好きなわけじゃないけどそれを人に押し付けるのもあんまりいいとは思わないからな。
「でもやっぱりこんな広い家の中を一人でやらせるわけには・・・」
「私はメイドロボです。私は、人間の皆さんのお役に立てれるように作られたんです。ですからやらせてほしいんです」
「んーーー。じゃあそこまで言うんじゃやってもらおうかな」
「はい。任せてください」
マルチはにっこりと笑ってぐっと拳を握った。
「それではお掃除の道具がある場所をお教えしていただきたいのですが」
「あ、それはこっちだよ」
マルチに掃除用のクリーナーや布巾、座敷箒にモップの場所を教えてあげると俺とこのみは邪魔にならないように二階へとあがった。
705元祖!メイドロボのテスト:05/01/31 23:26:26 ID:m9trlddH
二人で勉強するために親父たちの部屋から持ってきたガラスのテーブルでいつものようにノートと参考書を開く。。
「ねぇ、タカ君」
「ん?」
「ここの数学の公式がよくわからないんだけど・・・」
「ここか?」
これは二次方程式の解の公式だな。
「ここのbっていうのはxの値の係数であって―――」
「あ、そうか。じゃあここを代入すればいいんだね」
「ああ、そういうことだ。えらいぞ、このみ」
「えへ〜」
こんな具合で勉強は進んでいく。
が、やっぱり下が気になる。
掃除機の音が鳴ったり止んだりしているんだからちゃんと掃除は進んでいるんだろうけど・・・。
「ねぇねぇ、タカ君」
「なんだ?またわかんない問題があったか?」
「ううん、そうじゃなくて」
「ん?」
「マルチさん、一人で大丈夫なのかな?」
やっぱりこのみも気になってはいたのか。
・・・あれから二時間。
「休みがてらにちょっと見に行ってみるか?」
「そうだね」
座っているクッションを重ねて部屋から出ると階段を下っていく。
リビングからは掃除機の音と『るんるん』と語尾に星をつけてもいいような鼻歌を囀さんでいる。
どうやらさっきみたいに蒸気を出して倒れているとかそんなことはないみたいだ。
まずはそこで安心した。
706元祖!メイドロボのテスト:05/01/31 23:27:12 ID:m9trlddH
「おーい、マルチ・・・」
リビングに入って呼ぼうとしたときに中を見て唖然とした。
「どうしたの、タカ君・・・ふわ〜」
これは予想をはるかに越えていた。
リビングの中はまるで新築の家のようにフローリングやガラスはぴかぴかでサッシや梁の上のほこりも綺麗にふき取られていた。
「あ、貴明さんにこのみさん」
マルチはこちらに気がついたらしく、掃除機の電源を切ってぱたぱたとやってきた。
「これ・・・一人でやったの?」
「はい。まだ半分も済んでませんが」
え?!これで半分済んでないの?
「もしかしてどこかよろしくなかったところでも・・・」
「いやいやいや、十分だよ。それどころかあんまりにも綺麗で逆にびっくりしたよ」
「マルチさんってすごいんですね。私のお母さんだってここまではできないですよ」
「いえ、私にはこれくらいのことしかできないですから」
そうだとしてもすごい。
これはお世辞じゃなくて素直にそう思う。
「では、あとの残りも頑張りますので」
「あ、少しぐらい休んだほうがいいんじゃないか。疲れているだろうし、こっちもちょうど休みを入れようとしてたとこだし」
「いえ、でも・・・」
「せっかくだからいっしょにお茶を飲みましょう」
「はい、それではお言葉に甘えて」
マルチは頭にかぶっている三角巾をたたんで奥にある掃除機を壁際に寄せた。
「あ、それとこのみさん」
「はい?」
「私に話すのに気を使わないでください。貴明さんと同じように喋ってもらって結構ですので」
「ん〜。それじゃ、私はマルチちゃんって呼ぶから、マルチちゃんは私のことこのみって読んでね」
「そ、それじゃあ立場が逆です。名前を呼び捨てなんてできません」
「それじゃ〜マルチちゃんの好きに呼んでいいよ〜。私もあんまり気を使われるのは得意じゃないからもっとラフにいったほうがいいな」
「あ、ついでに俺もこのみと同意見で」
「ど、努力します」
メイドロボってこういうところは律儀なんだろうな。
707雄二の人:05/01/31 23:48:47 ID:eQRJ0G/O
ごまん…。駄SS投下しまつ。
708名無しさんだよもん:05/01/31 23:50:27 ID:+cv/zmVj
まて!

容量があと27kbしかない!
次スレを待つんだ!!
709名無しさんだよもん:05/01/31 23:54:25 ID:j94dS+7H
710名無しさんだよもん:05/01/31 23:55:14 ID:XYLGUalH
>>707
よしいけ!
711雄二の人:05/01/31 23:56:03 ID:eQRJ0G/O
>>708
GJ!次スレを待つよ!
712名無しさんだよもん:05/01/31 23:56:36 ID:j94dS+7H
前スレで他所にうpされた作品一覧

暗闇の中で
ミルファのいる生活
ttp://www2.tokai.or.jp/v-sat/ss/ss_index.html

真夏のミステリ
ttp://www.geocities.jp/karin_th2/index.html

押しかけメイドイルファさん
ttp://bcproject.h.fc2.com/maid.html
713名無しさんだよもん:05/01/31 23:56:47 ID:+cv/zmVj
>>709


>>710-711
関連スレ貼り終えるまで待つんだ!!
714名無しさんだよもん:05/02/01 00:01:00 ID:H7Pms2Yg
そろそろ念のため保存しとくか(・ω・)
715名無しさんだよもん:05/02/01 00:01:45 ID:lLJqixjq
>>711
偉大なスレ立て人j94dS+7Hの作業が完了した!
SS逝ってヨシ! グッド・ラック!
716名無しさんだよもん:05/02/01 01:55:41 ID:sgEf1ebH
とりあえず>>565氏の作品に追いつくものを書いてみようと思ったが、
エロ描写はさくさく3レス分くらい出たものの、台詞回しや呼び名とかの整合監修のほうが
大変だなーと思った。

TH1のキャラは脳内にエミュレーターシナプスが結線済みだけど、TH2キャラは
もう何回か通しでプレイしないとあかんのう。

717名無しさんだよもん:05/02/01 10:39:51 ID:CqEw227u
>>GJです
このみ最高
マターリ待ちます
718名無しさんだよもん:05/02/01 14:38:13 ID:D3pElRYQ
さあ盛り上がってまいりますた!
719名無しさんだよもん:05/02/01 21:13:42 ID:XDWwNBud
 な ぜ 由 真 タ ン の エ ロ が 無 い ? !
720名無しさんだよもん:05/02/01 21:16:06 ID:krOxLuDu
 キ ャ ラ が う s ( r y
721名無しさんだよもん:05/02/01 22:06:53 ID:IpeV1lxq
何故ゲーム中には名前が出たくらいのキャラが大活躍するのか?
722名無しさんだよもん:05/02/01 22:59:49 ID:DWQqr10A
愛だよ!愛!!
723名無しさんだよもん:05/02/02 00:01:53 ID:FMvay6tz
倉等SSスレが未だ3スレ目なのに対してこちらは既に3スレ目に突入したのは何故か?
724名無しさんだよもん:05/02/02 00:04:43 ID:YoH2T0sM
2次創作しやすいからじゃない
725元祖!メイドロボのテスト:05/02/02 00:47:47 ID:+JTChq/t
結局、その後にお茶の時間を取った後、マルチは再び掃除を続けることになり、俺たちも勉強を続けた。
今度はさっきのように下の心配はすることはなかった。
まぁあれだけ綺麗になってればそう思っても不思議じゃないだろう。
そしてさらに二時間ほどたった。
「んーーー、あ。もうこんな時間か」
大きく伸びて時計を見た後に外を眺めると西の空がオレンジ色に染まり、大分暗くなってきていた。
もうすぐ夏休みに突入して夏真っ盛りになるが、このころになるといくら夏とはいってもやっぱり暗くなってくる。
「あ〜、本当だ。そろそろ夕御飯作り始めなきゃ」
このみがノートと参考書を片付ける。
「俺も手伝うよ」
正直、このみといっしょだから勉強するのにそのこのみがいなくなるんじゃな。
座っていたクッションを重ね、テーブルのガラス板をはずし、足をたたんで部屋の隅に立てかけてから下へと降りていく。
一階からはさっきまで聞こえていた掃除機の音が聞こえないんだからもう掃除も終わっているらしい。
「おーい、マルチ〜」
リビングをのぞいて名前を呼ぶが反応がない。
「あれ?」
どこいったんだろう?
726元祖!メイドロボのテスト:05/02/02 00:48:33 ID:+JTChq/t
あ、ソファーに座ってる。
「マルチ〜?」
まさか・・・また倒れたとか?!
確認するために前からのぞく。
「す〜・・・す〜・・・」
ほっ・・・なんだ、眠ってるだけか。
そりゃ疲れただろうからな。
その証拠にリビングはさっきより一層綺麗になっている。
「ありがとう、マルチ」
眠ったままのマルチの頭を撫でてやる。
「ん〜」
眠りながらもニコッと笑う。
きっといい夢を見ているんだろうな。
イルファさん曰く、メイドロボは眠っている間に記憶データの整理を行って必要なデータと不必要なデータを整理・削除等を行うらしい。
その時に整理されるデータがメモリーを通過するときに夢のようになるそうだ。
しかしこの顔を見る限り、マルチは今『いい夢』を見ているんだろうな。
今しばらく、ゆっくり寝かせてやろう。
ピンポー――ン。
「ん?」
手を離した瞬間、家の中にはインターホンの音が鳴り響いた。
いったい誰だろう?
ああ、同行人が夕方ころまでは来るっていってたよな。
時間的に考えてもそろそろだろうし、おそらくそう思って間違いないかな。
「このみ、マルチのこと頼むぞ〜」
「あ、はーい」
727名無しさんだよもん:05/02/02 23:18:38 ID:u/4T5XGU
俺SSよりもあとがきや感想、お礼を書く方が苦手。。。
なんか自分で読んで変な感じがするの。
結果書き逃げみたいなことが増えそうなんだがこれいかに。
やっぱ社会協調能力に欠けてるのかなー。
728名無しさんだよもん:05/02/02 23:53:03 ID:XMG2WN7A
>>727
自分のペースで書けばよいのだ。
作品で人を楽しませたのだから十分だ。
なおこの上に、気苦労背負い込んでまでいい子ちゃんにならんで良い。

お礼は、書きたくなれば勝手に体が動いて書いておるだろうから、
その気になるまで気楽にして、陵辱ものを書いておればよいのだ。
729名無しさんだよもん:05/02/02 23:56:02 ID:x6NPqsA+
>727
いや、別にいいんじゃね?
つか私などはむしろ投下後にあーだこうだ言うべきじゃないと思ってるし。
感想貰ったからっつってそれにレス返すと、それにまたレスがついて……となって
結果、一部の人がスレ占有してるみたいになっちゃう。
(っつーか、もう既にそうなってるように感じる)
馴れ合いは嫌いじゃないんだけどね。
730元祖!メイドロボのテスト:05/02/03 00:49:16 ID:Sh/03Kiv
ところで同行人ってどんななんだろうな。
やっぱりこういうものを作る人なんだからアレげなぐるぐるメガネに白衣とか?
それとも若干12歳の天才美少女、とかってのもあるかも。
いやいや、まさかな。
でも珊瑚ちゃんの例もあるしな。
うーん、わからないぞ。
ピンポー―ン、ピンポー―ン。
・・・バカなこと考えてさっさと応対しよ。
こんなことで待たせてどうするんだよ。
「はいはい」
扉を開けてその先にいる人物を確認する。
そこにいたのは街中を探せばどこにでもいそうな男性と女性の二人。
男性の手には大きなキャビネットケースが引かれ、女性も肩にパンパンにふくれたスポーツバッグをかけている。
見た感じでは俺より少し年上のようではあるが。
「すみません、河野さんのお宅というのはここですか?」
「はい、そうですが」
女性は丁寧にお辞儀をすると写真を見せてきた。
「それじゃあここにHMX-12ことマルチちゃんが来ているはずなんですが」
「はい、今リビングにいますが」
どうやら今度は本当に同行人みたいだ。
「それではご両親をお願いできますか」
「すみません、今うちには両親がいないです」
「え?」
「二人して海外赴任しちゃってて現在は一人暮らしをしているもので」
「ひ、浩之ちゃん。どうしよう?こんなこと聞いてないよ」
731元祖!メイドロボのテスト:05/02/03 00:50:00 ID:Sh/03Kiv
女性は一人で慌てだして隣の男性にすがりついた。
珊瑚ちゃん、もしかして俺が一人暮らしだってこと伝えてないの?
「落ち着け、あかり」
男性は女性の肩にぽん、と手を置き、今度は男性から話し掛けてきた。
「とりあえず、あんたがマルチの面倒を見ていてくれたんだな」
「あ、はい・・・結果的にはこっちが世話になっちゃったんですが」
「こっちの話では確かにあんたんぽ家でテストが行うことになってるんだが、本当にそれであってるかい?」
「ええ、まあ・・・一応ですが」
そうではあるんだがこちらから進んで受けたわけじゃないからどうも歯切れが悪い返事というか・・・。
印象悪いよな、これじゃ。
だが男性そんなことはお構いなしにすっと手を差し出した。
「俺は藤田浩之。これからマルチといっしょにアンタん家で一ヶ月ほどお世話になるが、よろしく」
「あ・・・よろしくお願いします」
一瞬あっけにとられたが反射的にこちらも手を差し出して握手を交わした。
「こっちは俺の助手にあたる神岸あかり。こっちもたまに泊まることがあるからそのときはよろしくたのむ」
「神岸あかりです。このたびはご協力ありがとうございます」
ぺこぺこと深々と下げる。
「いえいえ、こちらこそ」
今度は相手の腰の低さにこちらも腰が低くなってしまう。
「立ち話もなんなので、それでは藤田さんに神岸さん、中へどうぞ」
「おう、お邪魔します」
「失礼しまーす」
7327月文月:05/02/03 01:15:08 ID:Sh/03Kiv
重大な誤字発見!

730の8行目
バカなこと考えて〜〜 ⇒ バカなこと考えてないで〜〜

731の7行目
〜確かにあんたんぽ家でテストが行うことに〜 ⇒ 〜確かにあんたの家でテストを行うことになってるんだが〜

が本当です。
推敲したのに何で気づかなかったんだろう?
ただ単に注意不足か。
733名無しさんだよもん:05/02/03 07:23:58 ID:aMU7KplZ
>>727
俺は作品がそこで終了したことを分かりやすくするために、
一行でもあとがきはいれるようにしてるけど、
お礼レスは基本的にしたことないよ。
気にすること無いさ〜。どんどん書こうぜ。
734名無しさんだよもん:05/02/03 08:59:53 ID:ms/bp0Is
ごめんあんたんぽ家で吹いた
でもGJ!
735名無しさんだよもん:05/02/05 23:24:34 ID:1TE0tIuP0
まだ落ちてないの?
736元祖!メイドロボのテスト:05/02/06 00:48:16 ID:PxwbXa+S0
「俺は貴明っていいます。気軽に『貴明』って呼んでください」
そのまま招き入れた二人のことをリビングへと通す。
「あれ。タカ君、お客さん?」
後ろにいる藤田さんと神岸さんの姿に気がついたこのみがエプロン姿のままリビングのほうへとやってくる。
手が微妙に濡れているみたいだからエプロンを着て手を洗ったばかり、ってところかな。
「ほら、マルチの同行人の二人だよ。こちらは藤田浩之さん、それでこちらが神岸あかりさん」
「柚原このみです。一応・・・タカ君の恋人であります」
「へぇ〜」
うおっ。何いきなり爆弾発言してるんだよ、このみ!
「なかなかモテモテのようだな、『タカ君』は」
藤田さんも神岸さんもニヤニヤと俺の顔を見ている。
うう・・・恥ずかしい。
「えへ〜、モテモテだって」
「お・ま・えなぁ〜」
「うあ゙〜〜〜〜〜」
ぐりぐりと拳を頭の上で回す。
それから逃れようとじたばたと暴れまわる。
が、そうはさせまいと俺も粘る。
「ふふっ、面白い人達だね、浩之ちゃん」
「ああ、とりあえず退屈はしなさそうだな」
見守りながらくすくすと笑い続ける二人組。
737元祖!メイドロボのテスト:05/02/06 00:49:07 ID:PxwbXa+S0
「あ、そうそうマルチは・・・」
藤田さんはドタバタしている俺たちを尻目にソファーのマルチに近寄り、
持ってきたキャリーケースからノートパソコンと一本のケーブルを取り出す。
「なぁ、貴明。コンセントはどこにあるんだ?」
「あ、コンセントですか。ソファーの後ろです」
ようやくこのみのことを開放してやり、ソファーの後ろを指差す。
藤田さんはコンセントにアダプターを差し込んでノートパソコンを立ち上げる。
お、これって来栖川エレクトロニクスの最新型のノートパソコンだ。
その証拠に立ち上がる際に『KURUSUGAWA ELECTRONICS』とかっこいいロゴが画面上へと浮かび上がる。
うちのPC、親父が知らずに買ってきた『SATEC』のPCだからな。
そろそろPCも買い換えることも考えてみるかな。
と、そんなことを考えている間にも藤田さんは早々とキーボードをたたいてプログラムを開いていく。
そしてさっきのケーブルをPCに繋ぎ、もう片方をマルチの耳カバーに接続してEnterキーを押す。
するとピコピコと画面が変わって『接続中だよ』とクマの人形が吹き出しで喋っている画面が出てきた。
「これでよし、っと」
「これは?」
「マルチの簡易バックアップとデータ整理の手伝い、それに電源の補給さ。マルチは毎日一回、バックアップを取っておくことが実験中の義務になってるんだ。
 それにマルチは水素電池で動いているけどそれも電源を長期間起動させられるレベルであるだけでまだ電源補給も必要なんだよ」
「は、はぁ」
何となくだがわかった。
「・・・いい顔をしてるな」
「うん、マルチちゃん、うれしそうだね」
二人は眠りつづけながらも浮かべている笑顔を遠い眼で眺めていた。
この三人・・・俺の知らないような大変なことがいっぱいあったんだろうな。
きっと・・・深く強い絆で結びつけるような大きな大きな出来事が。
738元祖!メイドロボのテスト:05/02/06 00:49:51 ID:PxwbXa+S0
「タカ君、二人の分も作るけどいいよね」
「ああ、もちろんだ。むしろ今日は豪勢にいってもいいぞ」
「ほんと?!やた〜。それじゃあ今日はカレーだ〜」
「あ、私も手伝うよ」
神岸さんは持ってきたスポーツバッグの中からエプロンを取り出してささっと身に付ける。
胸元のポケットにはクマのかわいい刺繍が入れられている。
「私、お料理得意だから、いろいろできることがあったら言ってね」
「はい。それじゃあ・・・野菜の皮むきをお願いできますか?」
「うん、いいよ」
神岸さんはこのみが冷蔵庫から出してきたジャガイモと人参をさっと洗うと皮むきをはじめる。
おお!早いし上手だ。
正直このみや俺なんかは相手にならないほど鮮やかだ。
もしかしたタマ姉といい勝負なんじゃないか?
「あかりの料理の腕は俺が保証するぜ」
「そんなにすごいんですか?」
「少なくても俺にとっては下手な料理店とかで出される料理なんかよりはうまいぜ」
太鼓判つきですか。
これはできる前からちょっと楽しみだ。
7397月文月:05/02/06 00:51:10 ID:PxwbXa+S0
ここで訂正
前回浩之が持ってきたのが『キャビネット』ケースになってました。
これ、『キャリー』ケースの間違いです。
そこのところ、修正でお願いしますです
740名無しさんだよもん:05/02/06 00:55:23 ID:5rL58/Au0
取り合えずGJ!
けど総鉄屑なんて買っていたら、さんちゃんだったらマジで怒っていたかも。
741名無しさんだよもん:05/02/06 01:05:24 ID:tJQfFsw40
そしてさんちゃんはGAGABYTEとか勧めるのか。
742元祖!メイドロボのテスト:05/02/06 23:58:53 ID:3f1l2ALT0
「ところで藤田さん。さっき一ヶ月ほど世話になるって言いませんでしたか?」
そういえばさっきはいろいろ慌てたりしてたから気が付かなかったけどマルチも『ここで一ヶ月ほどお世話になります』って言ってたし。
「ああ。一ヶ月ほど世話になることになってるけど、それが何か問題でもあるのか」
「いえ・・・俺は一週間か二週間ほどって聞いてたんで」
う〜ん、もしかして間違えたのかな?
珊瑚ちゃん、結構ぽわわ〜んとしたところがあるからなぁ。
「でも一ヶ月間もテストを行うんですか?」
「ああ。本来は二週間ほどが普通なんだけどな。またマルチにあの学園に通わせたくてな」
「あの学園?」
「寺女はわかるよな」
そりゃ、このあたりに住んでて知らない人は普通いない。
寺女とは西園寺女学院の略称としてよく呼ばれている。
このみの友達のタヌキっ子とキツネっ子が通っているところでお嬢様学院として有名だ。
とはいってもこのみが曰く、全員がお嬢様ではないらしいが。
確かによくよく考えれば全員がお嬢様だとしたらこの町は一体どういう町になるんだよ。
――ちなみにその二人の名前は確か吉田チエと山田ミチルだった気がする。
タヌキっ子は普通の家の子らしいがキツネっ子は・・・まぁ・・・このあたりを裏で仕切っている家のお嬢様であるらしい。
「そこから東の山のふもとにある学園さ」
「あ、俺もこのみもそこの現役の生徒ですよ」
「へぇ〜。じゃあ貴明とこのみちゃんは俺とあかりの後輩にあるわけだな」
と、言うことは・・・。
「藤田さんと神岸さんもうちの学園の卒業生なんですか?」
「ああ。三年前の話だよ。マルチがテストということであそこにやってきたのは・・・」
743元祖!メイドロボのテスト:05/02/06 23:59:36 ID:3f1l2ALT0
最初に俺とマルチが会ったのは学園の階段だった。
当時、俺はまだ二年生でいつものようにカフェオレを買いにいくところだったんだ。
休み時間に渡り廊下の自販機でカフェオレを買うことは俺の日課みたいなもんでな。
買いに行く途中、階段に差し掛かったとき大きな荷物を重そうに持ちながら上に上がっていく小さな子がいたんだ。
その光景が気になってしばらく上を見てた。
なにせ一歩一歩上がっていくごとにグラグラって今にもバランスを崩しそうで不安で不安で。
案の定、後2、3歩でってところでバランスを崩して後ろに落ちてきた。
あぶねぇ!って思って必死になってその小さな背中を支えた。
ゴロンゴロンって持ってた荷物、確か印刷紙だったけ。
それが階段の下まで一気に落ちたけどその子はちゃんと俺の手の中に吸い込まれるように落ち着いた。
でもその子、『はわわわわわ〜〜〜〜。落ちるー。落ちるー』って腕をブンブンって振り回していつまでたっても落ちていることになってるらしくて、
『お〜い』って声をかけるとはっと気が付いたようでくるっと俺のことを見るんだよ。
で、ちょっと間を置いた後に体制を立て直してやると『はわ〜、すみません!すみません!』って何度も誤って来るんだ。
その時に初めてその子の耳がちょっと違うのに気が付いた。
話を聞いて、実はメイドロボとようやく分かったんだ。
でもその子はどこから見てもちょっと小さくてきゃしゃな女の子。
だから持っていくっていう荷物を持ってやげると『そんな、私がやります』って、あくまでも自分でやろうとする。
そんな頑張りに惹かれたのかな。
それからと言うもの、その子が試験テストが終わるまで毎日のように俺とあかりとその子と三人で過ごしたんだ。
744元祖!メイドロボのテスト:05/02/07 00:00:19 ID:3f1l2ALT0
「それが俺とマルチの出会いさ」
そんなことがあったんだ。
この三人にこんなエピソードがあるなんて思いも寄らなかった。
「だからその思い出の地でまた新しい思い出を作らせてやりたいんだ。あいつ、あれから俺たちの半分の時間も過ごしたか過ごしたかわからないんだ。
 だからこそ、新しい時間を有意義な時間にさせてやりたいんだ」
・・・こういうのは親心っていうのかな。
とにかく、藤田さんは・・・いや、多分神岸さんもマルチのことを本当に大切に思ってるんだな。
きっと二人にとってマルチは『メイドロボ』って言う感覚じゃなくて『一人の人間』、そして『家族』として認識しているんだろう。
みんながみんなでそんな風に思えるようになればきっと心のあるメイドロボも世に出ることができるんだろうな。
745名無しさんだよもん:05/02/07 08:12:17 ID:LW5D99I20
いつの間にか続きが!
GJです。
やはりマルチは2年に入るのだろうか・・・
ここももうちょいで落ちるな〜
746名無しさんだよもん:05/02/07 14:55:24 ID:yKSJ0jlb0
SS2もSS3も目が離せないな
747元祖!メイドロボのテスト:05/02/07 22:12:25 ID:+fLf19S30
そうこう藤田さんと話しているうちに一時間ほどの時が流れた。
いつのまにか俺は藤田さん・・・いや、浩之さんと打ち解けていた。
言葉では説明できないけど、なんかどこかで分かり合えるところがあったんだと思う。
「は〜い、あかりさんとの合作、『愛の必殺カレー』できました〜」
「結構上手にできたと思うよ」
う〜ん、確かにうまそうだ。
きちっと綺麗に一口サイズに切られた野菜にカレーの香ばしい匂い。
だけどもその中にはほのかなワインのいい香りも。
匂いだけでもよだれが出てきそうだ。
「こいつはうまそうだな」
「今お皿を出しますから。少し待っててください」
「あ、俺も手伝うよ。神岸さんも浩之さんいっしょに待っててくださいよ」
「え、でも悪いし」
「いえいえ。このみと一緒に夕飯をつくって頂いたんですから。それくらいは俺がやりますよ」
と、言いつつ、行動を起こす。
このままじっとしてたらおそらく勝手にやりはじめてしまいそうだし。
「タカ君、あかりさんってすごいよ。うちのお母さんみたいにお料理を作るんだよ」
「春夏さんみたいに?」
「うん。野菜の皮むきは上手だし、調味料も計ることないで目分量で入れてもちゃんといい具合に味がつくんだよ」
「へぇ・・・」
748元祖!メイドロボのテスト:05/02/07 22:16:23 ID:+fLf19S30
なるほど、浩之さんが誉めるのも何となくわかる。
春夏さんと同じってならかなりのレベルだし、このみが絶賛するのも納得できる。
あの人はパワフルだけど家事全般に関してはプロ級の腕前を持っている。
実際、春夏さんの料理は何度も食べてるがお世辞抜きでうまい。
「タカ君。ご飯はどれくらいがいい?」
「そうだなぁ」
正直、さっきまで一生懸命に勉強してたから今はかなり腹が減っている。
運動しないで勉強すると腹が減るなんておかしいじゃないかとは思うがそれにはちゃんとした理由がある。
人間がエネルギーとする『ブドウ糖』が一番消費されるのは体の筋肉とかじゃなくて実は脳なのだ。
脳は、安静にしていても1日120g、つまりは1時間に5gものブドウ糖を消費することになる。
それに脳がエネルギー源としてできるのはブドウ糖だけで不足するとひどい場合は昏睡状態や脳が使い物にならなくなってしまう。
マラソンみたいにエネルギー消費が多いスポーツで疲れきった選手が水のほかに飴とかの糖分の多いものをとるのはそのためだそうだ。
だから勉強するっていう脳を非常に使う行動をすると腹が減るのだ。
「よし、大盛でいっちょ頼むぞ、このみ曹長」
「わかりましたであります、隊長!」
しゃもじを軽く水でぬらして炊飯器の炊き立てこ飯を軽くほぐした後、しゃもじに目いっぱいの御飯を三回ほど器に盛った。
・・・・・・・・・やっぱり自分でやったほうがよかったかな。
749名無しさんだよもん:05/02/08 10:13:01 ID:Nepnkutr0
そろそろピンチですな、ギリギリまでやって次スレ移行ですか
750名無しさんだよもん:05/02/08 16:07:33 ID:U518NsxV0
しかし長々と続く割には見せ場と盛り上げに欠けるSSですね。

こういうのもなんですが。
751元祖!メイドロボのテスト:05/02/08 23:06:50 ID:e2NDER640
「うぃ〜、ご馳走さんでした」
「お粗末さまでした」
結局俺はそのカレーをご飯一粒残さず食べた。
「でも今日のは特にうまかったな。また腕を上げたな」
「えへ〜、でも今日はあかりさんも手伝ってくれたからだよ」
「そんなことないよ。このみちゃんの土台がいいんだよ。私はそれにちょっとお手伝いしただけ」
「そ、そんなことないですよ」
「ううん、そう思うよ。お料理は愛情が大事。このみちゃんが貴明くんのことを想っているからこそ、お料理はどんどんおいしくなるんだよ」
「え、えへ〜、そうですか」
少し恥ずかしそうにしながらも顔はふにゃりとしている。
「よ〜し、これから毎日タカ君のためにいっぱい愛情のこもったお料理をたくさん作ってあげるね」
そいつはうれしいんだけど・・・。
「せめて量は普通にしてくれよな」
パンパンにふくれた腹をさすりながらそう答えた。
このペースで続いたら完璧に幸せ太りしてしまう。

夕飯の後はゆったりとした時間が流れた。
テレビを見たり、トランプをしたり、たいしたことをしているわけじゃないのにのんびりとしてとても楽しい時間だった。
「あ、もうこんな時間だ」
時計に目を傾けるともうすぐ9時になる所でテレビではニュースと天気予報がやっている。
「そろそろ帰るね」
「ん、そうだな。送ってくぞ」
「いいよ。お隣さんだし」
「そうか。でも隣だからって気をつけるんだぞ。今は危ない人はどこにいるかわからないんだからな」
「はい!肝に銘じておくであります」
びしっと敬礼を行うこのみ。
「うん。よろしい」
それにこちらも敬礼で返す。
すると自然と笑いが起こる。
「ま、そこまでは行かなくても玄関口までは送ってくぞ」
「うん」
752元祖!メイドロボのテスト:05/02/08 23:12:45 ID:e2NDER640
「それじゃあタカ君、おやすみ」
「おやすみ」
別れ際に軽く唇を合わせる。

さてと、このみも帰ったし、今夜のために三人用布団をの客間に敷かないと。
えっと、確か客用の布団が襖のなかにあったはずだよな。
ガラッ。
バサバサバサ!
「うわっ!!!」
襖を開けた途端に中から客用の布団が俺に向かって落ちてきた。
突然の出来事に対処できるはずもなく、そのまま下敷きになる羽目に。
(しまったなぁ。前にこのみのために出したのを片付けるときに無理やり押し込んだのを忘れてた)
ま、いまさら思い出そうが後悔しようが仕方がないが。
とりあえず崩れ出た布団の中から這い出て敷布団を引っ張り出して畳の上へと敷いた。
こんな風に乱暴に扱ってるのを母さんにばれたらきっとすごい剣幕で怒られそうだ。
母さん、寝具に関してはちょっとばっかりうるさいからな。
何でも昔にひどく寝つきの悪い期間があったらしくて布団や寝相を変えたらその前が嘘のように快眠できるようになったとか。
その後から眠ることに関しては結構凝るようになって布団なんかも専門店にオーダーメイドで作らせたり、
枕の中身がお茶とか檜なんかが入ってるものなんかも買ったりしている。
とはいってもマニアとかそんなほどのレベルではないみたいだからあくまでこれなら出せるという金額くらいのものではあるのだが。
布団って高いイメージがあるけど実際はそんなに高くはないらしくて高いのでも精々二万から三万くらいで買えるらしいし。
だからテレビショッピングなんかで羽毛布団が一万円で売ってたりするが実はそれほど安いというわけではないそうだ。
・・・・・・・・・しょうもないことなのになんか気になったら頭から離れないな。
寝る前にネットで確認しておこう。
7537月文月:05/02/08 23:20:15 ID:e2NDER640
そろそろ容量もいっぱいなんで次回からは3スレ目に移りたいと思います。

>>750
厳しいご指摘、ありがとうございます。
こちらも頑張って書いてはいるものですが何せまだまだへっぽこなもので。
皆さんに満足できる文章を書ければそれに越したことはないのですがどうか期待にこたえられるよう長い目で見つづけてください。

それとここまででも長々と書いてますがあくまで今までの部分はまだまだ序盤に過ぎません。
おそらくこのペースでいくとかなり長くなりそうです。
今回目標は日常を書くことにしているために不要な描写等が多くなりがちかもしれませんけどそれでその場の情景を
想像していただければありがたいです。
また、つまらないかもしれませんがこの長編にお付き合いいただければまたうれしく思います。
754名無しさんだよもん:05/02/08 23:47:49 ID:bu297ucq0
がんがれ
755元祖!メイドロボのテスト:05/02/11 02:55:01 ID:1famDV+b0
今日は時間がなかったので今までのあらすじとちょっとだけです。
明日はちゃんと書きます。

〔今までのあらすじ〕
このみと晴れて恋人になった貴明。
そんな数月後、急に珊瑚によってメイドロボの実験テストの場として自らの家がその実験場所となってしまった。
そこにやってきたのは以前発売されたHMX-12『マルチ』と藤田浩之、神岸あかりの三人だった。
これからこの三人と貴明との一ヶ月に渡る生活が始まる。


「タカ君、タカ君」
ゆさゆさと揺らされる感覚で目が覚める。
「ん・・・このみか?」
「おはよ、タカ君」
「おはよう・・・」
ベッドの横でにっこりと笑うこのみを朝から見るとやっぱり安心するとともに今日一日が始まった気になる。
ここ最近はこのみに起こされるのが習慣化していて毎朝食事を作ってくれるがてら、いつも7時前に起こしてくれる。
これは頼んだわけでもなく、このみが自分で好きでやっている。
あの寝坊助でこっちが起こしに行ってようやく起き、ドタバタして制服を間違えるし、女の子なのパンをくわえながら登校はするし。
そんなこのみが今はほぼ真逆の位置にいるんだから信じがたい。
信じがたくてもこれは現実だ。
ためしに頬を軽くつねると痛みを感じる。
そうすると―――
「あ、もしかして眠いから目を覚まそうとしてるの?それなら私も手伝うよ」
あ、いや、そういうわけじゃな―――。
「せーの!」
うっ・・・・・・・・・ぎゃあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜。
756名無しさんだよもん:05/02/12 15:55:19 ID:HaO4Htlp0
再誘導 次スレ
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1107183192/

>>755は投下ミス
>>752の続きは次スレ467より
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1107183192/467-

次スレがすでに400k越えているし、
スレ立ては480k越えてからくらいがいいのかねえ。
757名無しさんだよもん:05/02/13 20:24:39 ID:AOWDzXuI0
教えて君で悪いが、スレ容量ってのはどうやったら分かる?
758名無しさんだよもん:05/02/13 20:31:16 ID:mKVBbCT80
胸に手を当ててごらん
759名無しさんだよもん:05/02/13 20:49:24 ID:5BCFHR/b0
一番下を見てごらん。
760757:05/02/13 20:51:04 ID:AOWDzXuI0
因みに専ブラ(ゾヌ2)使ってます
胸に手は取り合えず当ててみましたw
761名無しさんだよもん:05/02/13 20:53:41 ID:mKVBbCT80
両手を上に挙げて
762名無しさんだよもん:05/02/13 20:57:27 ID:5BCFHR/b0
>>757
取り合えずラストは頂く。
763名無しさんだよもん
                              ζ               /ヽ   / |
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