―――体は女に出来ている。
血潮は電波で 心は乙女。
幾たびの濡れ場を越えて全敗。
ただの一度も逃走はなく、
ただの一度も( A )されない。
彼の者は常に独り 反転のスレで性欲に酔う。
故に、元ネタに意味はなく。
その体は、きっと女に出来ていた。
―――――――――
問1 これは誰のことでしょう?
問2 ( A )に入る単語は何でしょう?
正解者には長瀬ちゃんプレゼント。ただし拓美さんから奪ってきてください(w
◆前スレ:葉鍵キャラを性別反転させてみよう! その8.6
http://wow.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1070125178/
3
そして>1さん乙
>>1
スレ立て乙!
無事即死回避できるまで、はりきって参りますか。
時間的にやばそうな薬缶。
>>1
乙彼〜
即死回避カキコ!!
それでは新スレ一発目のネタとして、
反転ヒロインAAなんぞ投下してみたり。
柏木はじめ
_
,.´ ヽ
! ノノリハ))〉
ルハ´ヮ`ノ、
⊂l) V.)⊃
.|__i.」
し'ノ
相沢ゆう(ポニテ)
_
(^,'´ / Vヽヽ
Ki ミiノノリ)) 〉
ノ ヘ|!l゚ ヮ゚ノi
((( く/jつつ
)ノ /__il〉!|
´ し'ノ
即死回避用にわざわざ2分割してみる。
藤田浩子
_
.,.'´ M ´ミ、
! 〈从 リ))〉
i l リ゚ ー゚ノリ
!⊂)i水!つ
ノ )く/_|j リ
し'ノ
…これが俺の限界です。
ヘボ改造品なのはわかってますよ、ええ。
それにしても、
長瀬ちゃんの絵がまだ一枚もないのを今更ながら知ってちょっとビックリ。
反転美凪はどんなキャラになるだろう?
・口数は少ない
・面倒見のいい兄貴分的な存在?
・シャボン玉属性
意外とハードボイルド?とか言ってみる
>>11 でも色々進呈してくれる。
時々、往穂さんも駅舎の中でいろいろ進呈される。
往穂「こんなにいっぱい……」
紫煙ならぬシャボン玉を漂わせるハードボイルド…
これはこれでカッコいいかもw
おいすっー
三人の中じゃ一番がたい良さそうだ。
>13
それはナニを進呈されたんだね?w
というかバッドエンドで往穂をたっぷり以下略
葉月真がラクロス部の先輩達に連れられて、その店に入ったのは偶然だった。
「いいか? 葉月。絶対に他の奴らには言うなよ?」
「お前が秘密を守れると信じるからこそ、俺たちはお前を連れてきたんだからな?」
繁華街の地下にあるそこは、バーのようだった。だが店の内装は薄汚く、客もいない。
そもそも営業しているのかすら、定かではない。
「あ、あの……?」
「葉月はもう少し迫力というか胆力が無いといかんよな」
「そうそう。女の一人でも知れば、ちったぁ変わると思ってよ」
野卑な笑い声を上げる先輩を見上げ、真は訝しげに店の奥を見つめる。暗がりの奥には、
さらにドアがあるようだった。
「あの……」
「俺も卒業した先輩に聞いたんだけどよ。ここで女とタダでヤれるんだよ」
「……え?」
「しかもナマだぜ、ナマ! フーゾク行くより、絶対に良いんだって。しかも女がまた良
い身体してんだよ!」
バンバンと真の背中を叩いた先輩に、真の表情が強張る。
「……まさか」
「レイプとかじゃねえぜ? なんせ女から強請るんだからよ」
「そうそう。股広げてよ、おちんぽ入れてって強請るんだよ」
ゲヒャヒャ、とスポーツマンらしからぬ笑い声を上げた二人を見上げて、真は薄ら寒さ
と同時に期待を感じてしまった。彼とて高校生の男である。普段はどうであれ、そういっ
た行為に興味が無いわけではないのだ。
「顔がわかんねえのが、問題だよなぁ」
「そうそう。顔はマスクで覆われてるからさー。顔射しても面白くねえしな」
「でも、まあ、下手にブスなツラ拝まされるよりは、いいよな。ブスだったら、萎えるっ
てもんだしよ」
ドアをあけると、奥に目つきの鋭い男が立っている。
「空いてるかい?」
「ああ。上も下も空いてる」
下品な笑顔で答えたのは、大学生くらいの男だった。
「言っておくが――」
「あ。大丈夫っす。他言無用っつーのは、言い聞かせましたから」
「なら良い」
真たちがドアをくぐると、そこは廊下のようだった。先輩二人が迷う様子もなく歩いて
一つのドアの前に立つ。
「葉月。絶対に驚くぜ?」
「そうそう。楽しめよ? あ、あと名前とか呼ぶなよ? 女が訴えたりすると、やっぱり
マズイからな」
「あ……はい」
二人の異様な様子に呑まれたように、真が頷く。二人がドアを開けると、その先にそれ
は居た。
――最初の印象は、白い、だった。
真っ白い肌の女性の裸体。それが、ベッドの上に寝転がっているのだ。
微かに聞こえてくる震動音。それに、水音のような響き。
「……ぁ」
思わず、うめき声が漏れる。
顔の上半分を覆っているのは、布の目隠しだった。その下から緋色の長い髪の毛が垂れ
ている。大きな胸に、くびれた腰。柔らかそうな肌が汗ばみ、照明に照らされてぬらりと
輝いている。
「……へへっ。今日は一番乗りだぜ」
男は笑うと、横になっている女性に近づいていく。
「ほら。お前の大好きなチンポだぜ? 挨拶しろよ」
無造作に彼女の髪を掴んで、引き起こす。抗うように女の唇から呻き声が漏れたが、そ
れには関心すら持たずに、男はズボンを脱いで半勃ち状態の性器を引きずり出した。
「……んむぅ」
嫌がるように唇を硬く結んだ女を見て、苛立ったように男が指を女の股間に突っ込んだ。
「う、んむーーーーーーっ!」
途端に、女の身体が弾けるように跳ねた。
ビクビクと痙攣するのが見えて、真は怯えたように一歩後ずさる。その様相の凄愴さに、
真が唾を飲み込むのと、男が女の口に性器をねじりこむのは同時だった。
「へへっ! おらっ咥えろよっ!」
グイグイと女の頭を抱えて振りたくる。
女のくぐもった声が部屋に響くが、それ以上に男の快楽に蕩けた声の方が五月蝿い。
「――の、飲めよっ!」
喉の奥底まで突き込み、男が注ぐ。
真は女の喉を見つめていた。ゴクリ、と喉が動くのが分かる。
――飲んでいるんだ。
先輩や悪友達から見せられた漫画や雑誌やAVの中だけの光景が、今、目の前で行われて
いる。そのことに、真もまた興奮していた。
23 :
19-22:04/03/28 21:55 ID:vvC39Kg/
そんなわけで、すごく久しぶりな物を即死回避用に。
いや、これ書いたのすごく前なんだけど、……こっから続けられなくなりました。書いてて胸が痛いというか、気分悪いというか(苦笑)
HDDの肥やしになっていたので、ともかく落としてみる。
>>18 そりゃやっぱり、いろいろ、なのでは?(笑
みちるとなぎーの二人で、いろいろ。たくさん。
幸いなことに駅舎は水道が生きているため、水浴びができるし。
>>19-22 反転天いなキタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━(` )━(Д`)━(´Д`)━・゚・(つД`)・゚・
まさに題名そのまんまな展開だ…。
長瀬ちゃん以上にハードコアもの担当となりつつある朱鷺乃にハァハァしてしまったが。
この八方ふさがりな状況をどう打破するのか期待。
…しちゃマズイですか?(w
>>18 屋上でのシーン
「俺は・・・情けない人間です・・・・・
みちる・・俺のことを、嘲笑ってるでしょうね・・・・・」
「みちるは、あンたを嘲笑ったりなんかしない・・・・
ただ、悲しむだけ・・・よ・・・・」
「ッ・・・・・・!」
ハードボイルドって難しい・・・濡場なんてとても・・・吊ってきます
>>23 続きキタ━━━(゚∀゚)━━━
次回に期待。
1月21日木曜日、名雪は今日も起きない。
やはりさすがの秋子さんでも、名雪の体質改善は一朝一夕では出来ないようだ。
まあこの方が平和でいいんだろう。うん多分。
それで今朝もジャムを食べている。いちごだかいちご風だか外見ではわからないけど。
そして例によってそれを横目に見ながら、いつもの時間に3人で家を出る。
しかし目が覚めないのは仕方がないとして、もう少し急ごうという発想はないのか?
ないんだろうな。
その後名雪はいつも通りぎりぎりで教室に駆け込んできた。
もちろんそれまでにはクラス全員が着席済み。やはりこの方が平和だ。
でもね、くどいようだけどこれで本当にいいの?
昼休み、佐祐理さんの手の者に拉致された。
それは良いとして(良くないけど)、なんでこんな縛られ方をしているの?
身動きすると変なところに刺激があっておかしな気分になりそうなんですけど。
「あははー、祐美さん、昨日は逃げるなんて酷いじゃないですか」
「祐美は薄情。団体行動を乱すのは良くない」
いや舞、団体行動って言われても。
第一昨日のあれに参加するのは倫理的に問題が有りすぎると思うよ。
「相沢さんもこうなると可愛いわね」
香里さん目が怖い。で、なんで3人とも女王様スタイルなの?
香里さんと舞はいわゆるSMの黒革の女王様風?校内でなんて格好をするのよ。
佐祐理さんの方はそっちの女王様でなくて、これは女帝陛下?
ど派手なドレスに豪奢なマント、更に王冠かぶって、派手派手な扇子まで持ってる。
大体玉座なんてどこから持ってきたんだろう?
3人ともすごく似合ってるんだけど、何かそれって余計にやばいわよね。
「さあみんな、わたしといいことしましょうね」
香里さん、だからその目つきやばすぎるって。
「ちょっと待ってよ、なんでわたし達縛られているわけ?」
無駄とは思うけど、まあ一応聞いておこう。時間稼ぎにはなるし。
「あははー、逃げられないためですよー」
これが佐祐理さんのお答えだけど、全くもって身も蓋もないわね。
「百歩譲ってそれは納得するとして、どうしてこんなマニアックな縛られ方なの?」
まあ本当は百歩譲ったくらいじゃ足りないけど、話が進まないからそういうことで。
「オーッホホホ!そんなのわたしの趣味に決まってるじゃない」
香里さん、それ絶対にキャラが違ってるわよ。
「まあそんな些細な問題はどうでもいいじゃない」
「どこが些細ですか。完璧に犯罪行為で、おまけに変態行為だって」
「大丈夫、わたしの欲望を満たすためには犯罪も変態も問題ないわ」
完璧に間違ってるけど、そうはっきりと言いきられると返す言葉もないわね。
「あははー、別に問題ありませんねー」
「祐美は細かい」
ああ神様、この人達に常識を期待しているわたしが間違っているのでしょうか?
って、信仰心も無い人間が苦しいときだけ神頼みしても無駄よね。
「ああなんて綺麗なお花畑なんだ。涅槃ってこういうことを言うんだろうな」
あああ、北川君のあの表情、どう見ても無我の境地に行っちゃってるし。
「あはは、これは夢、夢なの。わたしは今教室で居眠りしているのよ」
七瀬さんも現実逃避モード全開って感じかな?
正直わたしもどうにかなりたいな。この場面で正気ってのもきついのよね。
「でなにをするつもりなんですか?午後の授業にはちゃんと間に合うんでしょうね?」
授業が気になるのは本当だけど、まあこれも時間稼ぎ。
もちろんまともな答が返ってくるとは期待していない。
「祐美さんは真面目ですねー。授業なんてどうでもいいじゃありませんか」
「オーッホホホ!わたしは優等生だから、たまにはさぼっても平気よ」
大体予想の範囲内の回答だけど、それ絶対に違うって。
「佐祐理、香里、さぼりは駄目」
珍しく舞が正論を言ってる。でも考えてみるとこの3人だと当然の役割かも。
佐祐理さんと香里さんは一度たがが外れると限度がないから、舞がブレーキなんだ。
しかしわたしも、この危機的状況でなにを冷静に分析してるんだろう?
この辺の危機感のなさは自分も名雪の従姉かなって思えたりして、嫌な類似だけど。
ところで、もしかして今回は行くとこまで行っちゃうのかしら?
ひょっとして祐美ちゃん人生最大の危機?は大げさとしても貞操のピンチ?
「いやですねー、心配しなくてもわたしは常識人ですから無茶はしませんよー」
いや佐祐理さん、今までの行状からとてもそうとは思えないんですけど。
舞が首を横に振ってるって。香里さんのあの表情、完全に逝っちゃってるし。
やっぱり友人は選ぶべきだよね、ほんと。親類は選べないけどね。
「くー、いちごサンデー。こっちはいちごムース。あっ、いちごジャムも」
なんなんだろうね、この子のこの緊張感のなさは?まあ今更驚くことでもないか。
っていつの間にか現実逃避してたわね。
それで気が付いたら拘束は解かれていたわけ。北川君と七瀬さんもね。
「さあ、楽しいお昼御飯の時間ですよー」
「えっと、佐祐理さん。もしかして、用件はそれだけですか?」
「はいそうですよー。なにか急にみなさんをご招待したくなって」
ああなんか頭痛がしてきた。
「じゃああの縛りとその格好はなんだったんですか?」
「香里さんの提案ですよー。それにわたしも面白いと思いましたし」
「香里は変だけど面白い」
「「「面白いですまさないでください!」」」
さすがに一同あきれてしまいましたね。
ああそうそう香里さんは、なにか完全に自分の世界に入っちゃったみたい。
「栞、栞、可愛い栞。わたしの栞、そうやって縛られて怯える姿も可愛いわ」
なにか妄想の中で、栞ちゃんにすごいことをしているみたい。
本人がいないのがいいのか悪いのか?今頃身震いしてるんじゃないだろうか?
「ねえ相沢さん、あれ止めなくて良いの?」
七瀬さんいい人だね。まあアレを見ながらだと、落ち着いて御飯を食べれないだけか。
「知らない。大体わたしにどうにか出来ると思えないし」
「そう言われれればそうね。それにしても相変わらず佐祐理さんの御弁当は最高ね」
七瀬さんもあっさり納得、なんだ一応言ってみただけか。
えっ名雪?名雪は寝てるよ。時々口元に御弁当を持っていくと寝たまま食べてる。
七瀬さんと二人で面白がって食べさせてるんだ。結構楽しいよ。
だって、あの食い意地の張った舞が食べさせるくらいだから。いいおもちゃだね。
しかしこのスキル便利なような、人間として駄目駄目なような。
うんナマケモノだったら良かったのにね。
その後御弁当を食べ終わった後、3人で名雪を担いで教室に帰りました。
で睡眠状態のまま椅子に座らせたんだけど、始業ベルと同時に起きたのはすごいと思う。
それと香里さんは昼休み中元に戻らなかったから、薄情なようだけど見捨てた。
だってあの格好で教室に連れ帰るわけにもいかないしね。
ちゃんと6時間目には間に合ったからかまわないって。
その後は就寝まで特に大したことはなかったわ。
しかしわたしの平穏な日々は、いつになったらやってくるのでしょうか?
>>29-32 新スレ記念に久々に祐美シリーズの続きです。
内容は相変わらずのマンネリですが、まあ枯れ木も山の賑わいと言うことで。
>>33 お久しぶりです。
いやー、相変わらずみんなぶっ壊れてますな(褒め言葉)。
香里がすっかり変態さんになったわけだが、自分の縛られている状況が
「マニアックな縛り方」であることを知ってる祐美も祐美でなかなかw
ところで、なんとなく反転ヒロイン達のCVを妄想してみたり。
エロゲ声優には詳しくないんで、非18禁フォーマット。
長瀬祐子:折笠富美子
浩子:かかずゆみ
はじめ:永島由子
蝉枝:田中敦子
裕子さん:根谷美智子
>>34 どこにも田村ゆかりんの名前が見えないんですけど、どーゆーことですか?w
さつき:奥ゆかしい。ちょい低め
ハクオロ:気高く。すこし甲高いのがいいかな?
朱鷺乃:気だるく。細い感じがいいかも
こんな感じかな
37 :
名無しさんだよもん:04/03/31 21:06 ID:WVDlXXQH
1月22日金曜日、今日はなにもないといいな、無理だろうけど。
さて今朝はどうにか名雪を起こせた。達成感は有るけど朝から疲れるんだ。
それで名雪は例によってゆったりとお食事、あんたね少しは急ぎなさいよね。
まああれで間に合うから良いんだろうけど……。ところが予想に反して今日は遅刻。
原因は名雪の顔を見ればどんなへボ探偵でも明白。途中で猫と遭遇したらしい。
一応顔は洗ってきたらしいけど、目が真っ赤だ。
猫好きで猫アレルギーなのは気の毒だと思うけど、節度が欲しいとは思う。
24時間一緒にいられるわけじゃないし、はっきり言ってそこまでは面倒見切れないよ。
ちなみに香里さんルールだと遅刻は居眠りと同罪、せっかくの記録もここで中断でした。
なんかそれで気が抜けたみたいで、今日は居眠りしまくり。決意が続かないよね。
まあこの程度は平和のうちなのかな?
さて名雪が寝ていたせいか午前の授業も無事に終わり、昼休みも平穏でした。
どういう巡り合わせかみんな用があって誰も来なくて、七瀬さんと二人で御弁当。
静なのはいいけど、こう平和だとかえって落ち着かないような気もするんだ。
どうもいつのまにか周りに毒されているみたいね。嫌だなあ。
午後の授業も無事終了、七瀬さんに誘われてお好み焼きを食べに行く。
実はわたしはあれに目が無くて、もううきうき気分なんだよね。
他に一緒なのは、あゆ、真琴と天野さん。ちょっと珍しい組み合わせかも。
店にはいると、久瀬さん、斉藤君、北川君が居た。
へー、この3人友達だったんだ。周りの印象が強烈すぎて気が付かなかったよ。
丁度隣のテーブルが空いていたから、自然話をすることになる。
久瀬さんは最初佐祐理さんの襲来を露骨に警戒していたんだけど。
佐祐理さんが家の用事で今日は居ないことを伝えたら、明らかにホッとしてた。
まあ舞は来るかもしれないんだけど、舞だけなら別にいいみたい。
ああ北川君は言うまでもないけど、斉藤君も佐祐理さんを敬遠しているようだね。
ところで真琴とあゆは北川君にかなり懐いてるんだ。
上手くひっくり返せないあゆのお好み焼きを代わりに作ってあげたりしている。
ちなみに真琴の方は天野さんがお世話焼き、本当に親子みたい。
どうも北川君は年下の子の扱いが上手いみたいだ。
待てよ、あゆは本来は同級生なんだよね。ついつい忘れちゃうけど。
それはさておき、懐いていること自体は良いんだけどね。
「北川、後で肉まん奢って」
「あっ真琴ずるい、北川さんぼくにもたい焼き奢って」
それはなれなれしすぎ。躾というか制裁実行、二人の頭に拳骨投下。
「あぅー、痛いわよー」
「うぐぅ、痛いよー」
今のは君達が悪いんだから睨んでも駄目だよ。それにまあもともと全然怖くないし。
「こらっ、子供じゃないんだから人に集っては駄目」
「あぅー、ご免なさい」
「うぐぅ、つい調子に乗っちゃったよ。ご免なさい」
うん、すぐに素直に反省するところは良いね。
ただどうなんだろうね、水瀬家の娘さん達は素直に育ってはいるんだけど……。
少々遠慮が無いところがあるわね、名雪含めて。
これってそう言うのが駄目な人にはかなり嫌がられるから、少しは直した方が良いよ。
まあ3人とも甘える相手を選ぶ嗅覚は秀でているみただけど。
「相沢さん、あまり怒らないでやってよ。俺は別にかまわないから」
「いや北川君、こういうことははっきりさせておいた方がよいな」
「そうだな、俺も久瀬に賛成だな」
「相沢さん、おっしゃることは正論だとは思いますが、暴力は良くないですよ」
「わたしはその点はなんとも……自分もつい手を出しちゃう方だしね」
うーむ、確かに手を出したのはまずいか。
最近朝の名雪起しで、ついつい暴力に対して抵抗が無くなってきてるんだよね。
あの子手強いからな、でもこれからは気を付けよう。
しかし久瀬さんと斉藤君は想像通り真面目だし、七瀬さんは正直だね。
天野さんの態度も想像通り。どちらにしても叩いたことは謝罪しておく。
「ああそうです。あゆさん、真琴、もちろん集りは駄目ですよ」
最後の締めは天野さん、二人とも反省してシュンとなった。
うーん天野さんはちょっと説教臭いかな。まあ後でちゃんとフォローしてたけど。
ところで考えてみると、久瀬さんや斉藤君と落ち着いて普通の会話をするのは初めて?
北川君とはけっこう良くおしゃべりしているけどね。
それで久瀬さんから名雪のことが持ち出されるかと思ったけど、ぜんぜん出なかった。
公私をきっちり使い分けるタイプなのかな?まあその方がありがたいけどね。
だから会話の内容自体はごく普通のたわいのない話。
もちろん佐祐理さんの女装・コスプレ攻撃の話はみんな避けている。
いやなんか、その話をしてると佐祐理さんが出てきそうだから。
間違いなく監視されてると思うし。
さてこうして普通に話してみると、久瀬さんも第一印象と違って結構気さくな人だ。
肩書きをはずしたところだと、表情も柔和に見える。
やっぱりプレッシャーがすごいのかな?生徒会長の仕事も大変なんだね。
斉藤君の方は普通にいい人だ。あまり誉めてない気もするけど。
でも、周りに逝っちゃってる人が多いと、こういう人材は貴重だよね。
心が安まるっていうか、そんな感じ。
いやまあ佐祐理さん達も楽しいんだけど、四六時中一緒にいると疲れるから。
何と言ってもテンション高すぎるよ。逆に名雪のテンポに合わせるのも疲れるけどね。
さてそれはさておき、久瀬さん達は良く食べる、さすがは男の子。
わたしがあんなに食べたら、夕ご飯食べられなくなるよ。
そうそう、あゆと真琴が食べ過ぎないように監視もしないとね。
そんなこんなで今日は男の子と仲良くなれて楽しかった。
女同士も悪くないけど、やっぱ女の子としては異性にも興味があるわけで……。
まあそうでもない人もいるようだけど、某姉妹の姉の方とか。
と言うことで、今日は割と平穏な1日でした。たまにはこんな日があっても良いよね。
祐美シリーズキタ━━━(゚∀゚)━━━
いかん、北川や久瀬ルートへのフラグが一つ立ったかも?(w
この平和な一日も、多分嵐の前の静けさなんだろうなぁ…。
>>35 往穂:ゆかりん
とか。
「おねーさんの服の下がどうなってるか知りたい?」と、
その手の免疫無さそうな鈴君をからかってみたり。
…って、キャラ違う(w
鈴「が、がお・・・興味なし」
逝穂「(´・ω・`)ショボーン」
それはちょっと鈴を殴らなければならんな
>>42 それじゃみちると被ってしまうじゃないか。アレだぞ、みちるは反転してもゆかりんだぞ!
女らんまのイメージで、
往穂:林原
とか言ってみる。
>>43 晴彦「お、人形劇では食えんからって今度はストリップかいな?」
往穂「んな訳あるかっ!」
聖「服の下の、さらに下についてなら興味はあるがね」
往穂「なんか微妙にむかつく発言…」
>>46 同系等で、高山みなみという線もあるな。
ふゆ:緒方恵美(エメロード姫なイメージで)
ハクオロ:島本須美
と言ってみたり。
>>43 美凪「俺、不器用ですから・・・・ぽ・・・」
往穂「あ、ちょ、ちょっと待った」
みちる「正体をあらわしたな、変態女すとーかー!」
往穂「だーかーらー、意味もわからずに言うなっつーの」
みちる「にょぺげっ」
佳之「君を、積極お色気部隊1号に任命する!」
往き「謎の部隊だ・・・・」
1月23日土曜日、さあ朝だ、真琴と二人で名雪を起しに行こう。
張り切って行ったけど今日も惨敗。我が連合軍の勝利の日は遠い。
戦闘には勝利することもあるけど、惰眠帝国軍との戦争自体には負けつつあるんだ。
元々圧倒的戦力差があって、勝てる戦いじゃなかったような気もするけど。
なんてことを半覚醒状態でジャムを摂取する名雪を見ながら考察。
何かだんだんこの状況に動じなくなっている自分が怖くなったりもする。
まあ人はどんなことにもなれてしまう生き物だ、仕方がないとも思うが。
つまらないことを考えていたせいか、家を出るのが少々遅くなった。
仕方がないからいつもより早足で歩く、時々小走りになったりもして結構ばてた。
いくら陸上部とは言え、毎朝全力疾走して息も切らさない名雪は化け物だろうか?
噂によると、計算上世界新が出ているはずの日もあるらしい。
実際今朝も、どう考えてもわたしより10分は遅く出たはずなのに遅刻じゃない。
もちろんぎりぎりではあるんだけど……。
名雪の遅刻の意外な少なさが学園七不思議に数えられるのもむべなるかな。
まあそんなことはどうでも良くって、真面目に授業を受けましょう。
名雪はちゃんと起きてるね、一応ノートもきちんととってはいるようだ。
起きている理由は、時々香里さんに睨み付けられているせいかもしれないけど。
なんでもいいからとにかく頑張ってね。
さて、無事授業終了。わたしはまっすぐ帰宅の予定だが、名雪は学食にレッツゴー。
名雪は今日も部活があるからね。
「いちご、いちご、Aランチ♪」
意味不明の歌?を歌いながらスキップで学食へ向かっていく。あんたは園児か?
こう言う時はもちろん、他人のふり、他人のふり。
香里さんも七瀬さんもこの時ばかりは視線を合わせようとはしないよ。
まあ名雪の方も誰も眼中に入っていないようだから、いいんだろう。
ところで今日は佐祐理さんの襲来を警戒する必要があるね。
悪い人じゃあないんだけど、行動が突飛すぎて一般人には理解しがたいのが問題。
振り回されるのは楽しいんだけど、常識人としては平穏な生活も恋しいわけですよ。
特に昨日は全然会っていないわけだから、かなり危険な気がするな。
無駄とは思いつつも周囲を警戒しながら靴を履き替えていたら、栞ちゃんと遭遇。
「あっ、祐美さんだ。アイスを食べに行きましょう」
「まあ別に用事はないからいいよ」
「わーい!バニラ、バニラ♪」
栞ちゃんもさっきの名雪同様にスキップしそうになったので慌てて止める。
名雪と違って栞ちゃんはまだ矯正(なにを?)可能、間に合うから。
少なくとも世間の認識は違うはずだ。でも香里さんのせいで手遅れかもしれない?
栞ちゃんが手を握りたがったから、念のために香里さんが居ないことを確認。
大丈夫、少なくともこのあたりには居ないようね。
仲良く手を繋いで歩いていたら、あゆと真琴に襲撃された。
それから3人でわたしの両手を巡っての大騒動になったわけ。
「栞ずるい、ここは年長者として中学生に譲りなさいよー」
「そうだよ栞ちゃん、真琴の言うとおりだよ」
「えぅー駄目です早い者勝ちです。それに年齢なら3人の中であゆさんが一番年上です」
「うぐぅ、こういうときだけ年上扱いにするなんてずるいよ」
「どっちでもいいから、さっさと真琴に譲りなさいよー」
「ぜーったいに嫌です」
まずいなあ、ここで騒ぎを起こすと佐祐理さんや香里さんが出てきそうだよ。
ああ天野さん、下駄箱の影で見ていないで助けてよー。
ちょっと他人のふりして逃げるのは不人情だよ。
ってわたしも騒動から逃げてたからな、因果応報仕方がないのか?
でまあ当然佐祐理さんに見つかって、天野さん共々倉田邸に連行された。
いい加減このパターンにも慣れてきたけど、もう無茶苦茶だよ。
ああ舞と一弥君がいるのは当然、香里さんも先に来ていたみたい。
それと、なんの違和感もなく美子ちゃんとピロもいた。
そろって舞の膝枕で仲良くお昼寝中、目茶可愛い。
栞ちゃんがそれをスケッチし出したので、その場から急遽退散。
部屋に残ったはその3人と佐祐理さんだけだ。
舞は気にしていないようだけど、知らぬが仏なのか?本気で気にしていないのか?
佐祐理さんの方は、おそらく気にかけていないのだろうと推測。
しばらくして美子ちゃんが起きたので、とりあえずはお昼御飯をごちそうになる。
栞ちゃんの絵は……見ないことにしておこう。
さて食事自体は美味しいんだけど、今度はなにをさせられるんだろうか?
実のところそれが気になって今一食事を楽しむことが出来なかったりして。
まあ今更気にしても仕方がないんだけどね。
食事が終わって佐祐理さんに案内されたのは、「童話の間」と書かれた部屋だった。
童話?なんのことだろう?ドアを開けると、そこはメルヘンの世界。
水瀬家より広い部屋がパステルカラーで埋め尽くされて、クッションでぷわぷわ。
更に縫いぐるみが一杯、美子ちゃんはもちろんあゆや真琴も室内に突撃。
意外なところで香里さんと舞も大はしゃぎだ。なんか妙に可愛い。
舞はまだしも、香里さんのあの暴走とのギャップはなんなんだろう?
人間っていろんな面が有るんだね。勉強になるよ。
わたしもこういうの嫌いじゃあないけど、照れがあるからあそこまでははしゃげない。
こういう時は童心に返って思いっきり遊んだ方が得なんだけどね。
「みなさーん、ご注目ですー」
明るい声に振り向くと佐祐理さんが壁のボタンを押したところだった。
すると壁が開いて、そこから大量の衣装がぶら下がった移動式クローゼットが……。
と思ったのだけど、よく見たらぶら下がっているのは全部着ぐるみ?
「はい皆さん、好きなのに着替えてくださいね」
なんというかそう来ましたか。まあお付き合いしますよ佐祐理さん。
着ぐるみだと、スタイル目立たないしね。
まあこういう遊びは女の子だけでするものだ。着替えるときに下着姿になるし。
でみんなで着替えました。舞は兎、天野さんはレッサーパンダ、美子ちゃんがコアラ。
真琴がハムスターで、肉まんを頬張っている。似合いすぎだ。
栞ちゃんはなぜかモグラで、香里さんはラッコかしら。一弥君は優雅な豹だね。
ピロまでがネズミの着ぐるみなのはちょっと悪のりだよね。
このあたりまではまあまともなんだけど、あゆのあれはたい焼き?
佐祐理さんはすごく派手だけど孔雀?これがまた似合ってるけど。
ああ、わたし?わたしはペンギン、これ体型に関係ないからグッド。
あとはパジャマパーティならぬ着ぐるみパーティってやつ。
まあ女同士じゃないと出来ない話もあるし。どの男の子がいいとかもね。
ただその評価基準が、女装が似合うかどうかって話になるところがずれてるような?
さて後になってからようやく気が付いたけど、一弥君は男の子だった。
一弥君の珠のお肌を見てしまった以上、これは責任をとって結婚するしかない?
なーんて、姉である佐祐理さん以外は全員同じ条件だよね。
何か発想が根本的に間違っている気もするけど気にしないでおこう。
帰ってから名雪に着ぐるみパーティの話をしたら。
「祐美さんずるい!わたしも猫さんになりたかったよー!」
「いやずるいって言われてもねー。名雪さんは部活があったんでしょう」
「うー、明日猫さんになりに行くんだよー。今から連絡する」
はいはい勝手にして頂戴。まだ遅い時間じゃないから電話するぐらいいよね。
「あっ、もしもし倉田先輩ですか。水瀬です、猫、猫、猫ー、猫さんの着ぐるみー!」
異常に興奮したまま電話していたけど、どうにか意味は通じたらしい。
本当にこの子の猫好き、執念には頭が下がる。真似はしたくないけど。
女の子だらけ(一部例外あり)の着ぐるみパーティー…萌え。
激しく見てみてぇ。
ところで、
一弥君は異性に交じって着替えることに全然疑問を感じてないみたいですが(w
佐祐理さんに弄られすぎたか?(w
しかし、キャラの扱いに露骨な差を出すのはどうにかならないものか。
読んでてどうも嫌な感じが。
>>54 一弥自体は激しく目のやり場に困ってるキボン。
でも佐祐理さんが恐くて言い出せず、もじもじと隅っこでこっそり着替えてる。
まだあんまりそっちの方に興味のない真琴あたりに気づかれて、
そんなトコに居ないでこっちにきなさいよー とかで連れて来られて、
香里や佐祐理さんに弄られて、 それを見たあゆなんかは顔を真っ赤にして照れる。
エロに進むなら一弥くんの元気な息子に気づいて・・・・・・
>>56 ムハー(゚∀゚)=3
素敵な展開じゃないか。
よく考えると、葉鍵って元々ロリだけじゃなくショタも結構そろってるんだよな。
一弥君のCVは釘宮理恵あたりで。
それ以外だと東鳩の雛山良太とかマイケル、まじアンのようすけとか、か。 …そろってる?
59 :
名無しさんだよもん:04/04/04 17:25 ID:nTBAyIR2
スレあげ
60 :
名無しさん@初回限定:04/04/04 17:28 ID:Bu0F8/6U
ドリグラと二郎の3人だけで破壊力は充分な気もするw
…って、こいつら反転させると、揃いも揃って「姉様〜」なレズロリっ娘になるのか?
色々な意味で勿体ねえ
葉鍵inマリ見てですか? それはそれでイイ
そうすると雅史はどうゆうポジションになるんだろうか・・・
反転させた場合、銀杏は燈人のような
葵「藤田先輩! その人は…?」
浩子「…神岸燈人。私の幼馴染みよ」
葵「お…幼馴染み…?」
燈人「そういう事。だから僕達はこんな事だって…」(唇を近づける)
葵「!?」
燈人、途中で固まる
燈人「…ゴメン、やっぱ慣れない事はするものじゃないね」
浩子「…燈人、顔真っ赤よ」
雅美「( ´,_ゝ`)プッ」
更新〜、更新したよ〜。
抜けや見落としがあれば報告お願いだよ〜(今回ちょっと自信ない)
>>66 更新乙ー。
前スレでは反転雫長編と「鬼神楽」が完結を見たり、
新規では反転天いなや祐美ちゃんシリーズがあったりと、大作力作が揃ってたな。
で、なんか飛べないやつ↓があったんで報告。
10:032-033 北川潤苦悩の日々
10:320-323,336-341 相沢三姉妹に忍び寄る魔の手
ほう?
69 :
名無しさんだよもん:04/04/08 19:18 ID:9Ual99EG
おめ
倉等マスターアップ〜。 とんでもなく長い坂道だったな〜。
古河 秋華 (ふるかわ あきか)
渚のおかん。
高校生の息子がいるわりに見た目が若々しいのはお約束。
真面目なのかふざけているのか良くわからない言動が多い。
でも本質的にはいい人…らしい。
男性経験は豊富と思われるが、現在は旦那一筋。
イメージ的には、カルラとか某ラブひなのはるか辺りで。
早苗とセットで無いといまひとつぴんとこない。
ふふん!
だからお前はアホなんだよ!
反転早苗さんか…
「泣き虫」→「すぐ泣き出す感激屋」ってところか?
「復学早々、渚に彼女が出来たって!?
お…俺は今、猛烈に感動しているっー! 今夜はお祝いだー!」
「そうね。 それはそうと、ほら、ハンカチ」
「すまない秋華」
違う、なんか違う…_| ̄|○
圧縮を逃れたみたいで何より。
で、保守ついでにネタ振り。
まだ反転話が出てきてない主要キャラって誰がいたっけ?
痕…響子
誰彼…犬飼
うたわれ…ウルトリィ、カミュ、デリホウライ、ディー他
Routes…牟祢(むね)・縁(えにし)・醍醐以外
Moon. …ほとんど全員
まとめサイトのSSをぱっと見た限りだと、こんなところか?
主要キャラからと外れそうなのもいるけど。
「おはようございま〜す」
「おはよーっす」
いつものように、夕貴がやってきた。
毎日毎日、こうやって僕と夕貴は家で待ち合わせて、そのあとそのへんを散歩する。
だけど今日はいつもとちょっと違う。
「蝉枝〜、早くしよ〜」
「うむ。今行く」
蝉枝の声が玄関にひびく。
昨日、風呂に入ってる所をヘンな男の人に覗かれてから、
なんだか蝉枝の様子がおかしかった。
いつもより慌ててるみたいで、それが僕にはとっても不思議だった。
そんな蝉枝、見たことがなかったから。
蝉枝は僕や高史さんに、
『一人で家から出るな。外出する時は私と同行しろ』ってきつく警告した。
それだけ大変なことが、家の外で起こってるらしかった。
でも正直、あんまりそんな大変な感じはしてない。
だって、蝉枝がいるから。
蝉枝のおかげでなんか安心できちゃってるんだ。
そんなわけで今日は、蝉枝も一緒にお散歩旅行だ。
「ねえ蝉枝、今日から夕貴も一緒なんだよね。うちに引っ越すの」
「そうだ。これからはな」
「よろしく、お願いします」
歩きながら夕貴がぺこり、と頭を下げた。
「こっちこそよろしく」
こっちもぺこり、と頭を下げた。
海岸につくと僕たちは、夕貴の欲しがっているアメフラシを探した。
ウシガエルがいるんだからもういいじゃん、と僕が言うと夕貴は
「違うんだよ。どっちもかわいがるからいいんだよ」
と言い返した。
蝉枝はカエルを食べるのかどうかをずっと気にしてた。ヘンなの。
しばらく探してた頃だった。
「あっ…!」
海のすぐそばまで行ってた夕貴がいきなり叫んだ。
「なに?なんかヘンなのいたの?」
「ねえ、さっきすごく大きな魚がいたよ」
「魚?どのくらい大きいやつ?」
「えっとね、2メートルくらい」
「えーっ、そんな魚いるわけないよ!」
僕は夕貴が嘘をついてるんだと思った。
「…下がっていろ」
突然、蝉枝がそういいながら僕たちの前に出た。
ちらっと見えた蝉枝の横顔は、少し怖かった。
「蝉枝?そんなに大きな魚なんて、この辺にいるわけ…」
「そ、そうです。多分何かの見まちがい…」
「いいから下がれ!」
「「……!」」
「水には近付くな。危険だ」
ものすごい勢いで怒られた僕たちは、おとなしく少し下がった。
岩場にのぼって、蝉枝が何をするのかをじっと見ることにした。
(ねえ月弥、蝉枝さんどうしたのかな)
(わかんないけど、蝉枝がキケンだって言ったらキケンなんだよきっと)
蝉枝は海に落ちるかギリギリぐらいの所まで先に行って、
水面をきょろきょろと見回していた。
「もしや、これは――」
蝉枝がそうつぶやいたのが僕の耳に聞こえたのと同じくらいだった。
大きな水しぶき、ううん、波が蝉枝にかぶさるようにざばん、と打ち上げた。
そのしぶきが遠く離れた僕たちにもかかって、僕は少し目をつむった。
目を開けたら、蝉枝はいなくなってた。
何で蝉枝はいなくなったんだろう?
僕の頭はパニックになって、何がなんだろう。わからない。
つまり、今の波で蝉枝は海に落ちて…?
「蝉枝さんっ!?」
「!」
夕貴の声で僕はパニックから脱出した。
そうだ、蝉枝!
僕は走り出した。
「月弥!駄目だよ、危ないよ!」
夕貴の止める声なんて、聞こえない。
走る。走る。走る。
海までの10メートルくらいの距離が、なぜかものすごく遠く感じた。
「蝉枝っ!」
サンダルをその辺に脱ぎ捨てて、僕は海に飛び込んだ。
これでも泳ぎとかなら、結構自信があるんだ!
きらきら光る水面を通り過ぎると、真っ青な世界が目の前に広がっていた。
でも、今だけはきれいな景色に興味なんてない。
僕はまわりを見回した。そんなに遠くにはいないはずだから…
いた!
蝉枝は2、30メートルくらい向こうでじたばたともがいていて、
それを後ろから誰かが羽交い絞めにしてた。
…蝉枝が危ない!
僕は必死に泳いで、蝉枝のところに近付いた。
「蝉枝っ!!」
「「なんだと!?」」
蝉枝と後ろの奴は、一緒にそんな声を上げた。
後ろにいた奴が蝉枝の手を放して、僕は逃げていくのかと思った。
そうしたら次の瞬間、そいつが僕に向かってきた!
「わっ!」
とっさに避けたすぐ近くのところを、ナイフみたいな刃物が通り過ぎる。
蝉枝がこいつの背中を蹴っ飛ばしたらしかった。
怒ったこいつは、蝉枝をまた狙ってきた!
(逃げろ月弥、水面だ!)
蝉枝の口がそう言っていた。
「逃がさぬ!」
「頑張って、蝉枝!」
一足先に水面に出た僕は、蝉枝の腕を思いっきり引っぱり上げた!
「ぷは……!」
「蝉枝!大丈夫!?どこも怪我ない?」
「月弥!」
蝉枝は立ち泳ぎしたまま、僕を抱きしめた。
じっとりと濡れた服の感触が、僕にそのまま伝わってくる。
「蝉枝!?」
「…………行ったか?」
そのあと何分か、僕たちはそうしていた。
「蝉枝、あいつ、行っちゃったみたいだね」
「…………」
蝉枝はまた何か、難しい事を考えてるらしかった。
「月弥〜〜〜!蝉枝さ〜〜〜ん!」
陸の上から、夕貴の声が聞こえる。
「そうだ蝉枝、どこか怪我ない?」
「馬鹿!私の何を聞いていた!」
「だ、だって蝉枝が…」
「私は良いが、お前の行動は感心できない!」
「よ、良くなんてないよ!蝉枝が溺れそうだったから…」
「…まあいい、陸に上がるぞ。ここは危険だ」
陸では、夕貴が青い顔して僕らを待ってた。
「月弥が飛び込んだ時、僕、もうどうしようかって思ったよ…」
「大丈夫大丈夫。これでも泳ぎには自信あるんだから!」
これはホント。クラスで一番の保証付き。
「確かにな…。あいつの泳ぎを手負いとは云え振り切るとは…」
「蝉枝さん、さっきの人を御存知なんですか?」
「…昔、少しな」
その日は、その後もいろいろと大変なことがあった。
夕貴の引越しを手伝ったり、カエルにえさをやったり。
…こうやって言うとあんまり大変そうに見えないかもしれないけど、
実際にやってみれば分かるよ、どんだけ大変か。
その次の朝。
いつもより少し遅く起きた。やっぱり昨日疲れちゃったのかな?
リビングに下りると、隆さんが蝉枝を待ってるところだった。
「あ、おはよう、高史さん」
「おはようございます、月弥くん」
高史さんは、れーこ先生のところの助手さん。
おばあちゃんのお世話をしに、朝と夜はここで過ごしてくれる。
背が高くて、丁寧なお兄さん。なんて言うか、「大人のひと」って感じの人。
いつか、こんなカッコいい人になれたらなぁ…なんて思う。
「あ、高史さん。今日は蝉枝はどうするって言ってた?」
「蝉枝さんですか?そうですね…」
高史さんは手をほっぺたに当てて考えてるみたいだった。
こういう仕草も、なんだかかっこよく見えるから不思議だ。
僕や夕貴じゃだめだろうな。おばあちゃんや蝉枝なら……うーん。
「ああ、蝉枝さんでしたら、僕を診療所まで送ってくれた後――
A すぐに家に戻るだろう、と仰ってました」
B しばらく町を探索したい、と仰ってました」
83 :
元380:04/04/11 04:34 ID:LOvNsQjM
…ということで前スレ>579-584の続きを書いたわけなんですが…
本編同様、ここで話が分岐するのではないかと考えていますw
次に見た時、なんとなく多そうな方を選択して書こうと思います。
ま、両方読みたい奇特な方は、もしいらしたらそう書いてください。
馬鹿はおだてりゃ木に登りますので。
それでは、回線吊って首切ってきます。
>1さん、新スレ乙です。遅れ馳せながらありがとうございます。
>>83 GJ!
久しぶりのSS
感謝です。
両方読みたいですだー。
85 :
名無しさんだよもん:04/04/11 18:39 ID:ZqOdLUF3
GoodJob
>>83 お久しぶりです〜
カコイイお姉さんを助ける月弥君カコイイ!
どちらか選べと言われたら…
確かに両方見てみたいけど、あえていえばBかな?
>>83 >ま、両方読みたい奇特な方は、もしいらしたらそう書いてください。
>馬鹿はおだてりゃ木に登りますので。
よーしパパおだてちゃうぞー。w
是非とも両方キボンヌ。
ところで、
「家に二人きりでいた時、癇癪の発作を起こして暴れだした鈴にレイープされる往穂」
なんてネタを思いついたんだが、これってあり?
>>87 有り無しで言うなら間違いなく有り!
でも あんま鬼畜なのは止して下さい。。。
隷属させるべきカルラに、夜は逆に隷属させられているハクオロというのを考えてみた。
「どうしました?あるじ様。もっとはっきり言って頂かないと、御奉仕出来ませんよ?」
「カ…カルラ……もっと、はやく、動いて……」
「くすっ……こうですか?」
ずぷっ!ずぷっ!ぐちゅっ!
「ひゃぁんっ!」
>>88 このぐらいならOK?
っていうか、今書いている初音×裕子をほっぽり出して書きたくなった。
……………でもネタがナイーヨ_| ̄|○
90 :
88:04/04/14 02:59 ID:GpbhuDgE
>>89 最高です。攻め受けの中にもしっかりと感じられる愛が・・・
てゆーか、
辛 抱 た ま ら ん !!
是非それでひとつ・・・
ハクオロも受け属性なのかw
素晴らしい
92 :
亜奈留:04/04/14 19:12 ID:3U3ahTVr
93 :
亜奈留 :04/04/14 19:14 ID:3U3ahTVr
そしてさようなら
>>92 いつも愛想が悪くてぶっきらぼう(と思われる)な往穂だけに、
こういう表情されると余計グッと来るなー。 GJ。
…って、まさか泣き落としスキルだったりする?
ラーメン、好きの…往穂ちゃあぁ〜ん……っ
往穂や浩子、裕子さん、奏さんあたりはツンデレ系だと思うのだがどうか?
蝉枝も「デレ」とまでは行かないまでも分類的にはこっちか。
ふと、気がついたが
反転ハクオロと反転カミュとのえちぃのは搾乳プレイなのかー
母乳も元は血液だし
蝉枝にはあんまりデレっとして欲しくないな。
月弥と恋仲になっても冷静でいて欲しい。
それこそ自分の感じている感情を冷静に分析しちゃうような。
>>97 反転カミュの渇きを癒すために
空っぽになるまで吸いまくられるわけですかハァハァ
さらに、カミュの子供とは思えないほどご立派なシロモノを
お見舞いされて凄い事になってしまうハクオロおば様。
おば様って言われて市原悦子なハクオロが思い浮かんだ…ダメポ
CLANNAD反転小ネタ投下してみるテスト。
発売前なのでいろいろ間違っててもご容赦を。
「CLANNADは全年齢対象ですよ」
風人(風子の反転)「あの、岡崎さん。CLANNADは全年齢対象だって・・・本当、ですか?」
ともみ「あー、うんうん。本当らしいけど」
風人「ということは、あんなことや・・・そんなことはないわけで」
ともみ「まあ、全年齢だから」
風人「そうですよね。・・・夜の学校の秘密の密会とか、お姉さんがおしえてあ・げ・るとか・・・(ブツブツ)
ともみ「あーあー・・・また夢の世界にはいっちゃったよ。じゃあ・・・毎回恒例のアレ、やりますか。
さってとー、今日は・・・・」
”イタズラモード発動”
「鼻メガネをつけてみる LV1」
「持っているものをすりかえる LV2」
「どこかに置いてくる LV2」
・・・・・・隠し選択肢 「ここで18禁版を実現する LV7」
ゴメソ。あんまりひねってなくて全然面白くないな。 orz
102 :
名無しさんだよもん:04/04/17 20:57 ID:2xK1kbQX
ぞ、続編キボンヌ
ところでふと思ったのですが、
反転セフィロスって弥生さんみたくならない?
18禁版風人ルートでは、彼手彫りのコケシが登場しそうなヨカーンw
ドリグラ・二郎に次ぐショタキャラとの前評判抜群(?)な勝平君は
反転させるとそのままロリキャラになるのか?
あるいは「女の子らしく生きること」が人生の目標な漢女(をとめ)になったりして。
あとついでに、
反転セバスチャンが某シスプリのじいやさんみたいな人だったら…
なんて思ってみたり。
―――カシャァ!
聞き慣れた音。眩い白光があたしの眼を灼く。
目覚めたくはない。母の胎内を思わせる温かな暗闇の中で、いつまでもうずくまっていたい。そう思った
あたしは、光から逃れるために躰を縮めた。
「ほらぁ! さっさと起きるんだよ!」
―――ばさぁっ。
怒声とともに暴力的な力が加えられた。その力は、あたしを包んでいた温もりを残らず剥ぎ取っていった。
寒い。肩を抱いて丸まってみても、到底耐えられそうにない。くっ、もはやここまでか。
武士(もののふ)の潔さで、あたしは躰を起こした。見慣れた顔が、驚きの表情を浮かべて突っ立っている。
「うわぁっ?! コウ、なんで? っ、裸?!」
人差し指を突き出して、瑞樹がなにやら喚きたててきた。指の先を目線で追ってみる。素っ裸のおっぱい
があった。
「ワーオ」
彼らの膨張率は、近年わずかずつだが増加しつつある。あたしとしては嬉しいかぎりだ。
「血! 血、血がっ。あわわわ、ぼぼ僕は外にいるからっ」
飛び出した瑞樹が、転がるように階段を降りる音が聞えてくる。あはは、泡喰っちゃってまあ。
毎朝起こしにくる幼なじみ。長森瑞樹を驚かせてやるために、昨夜裸でベッドに入ったことを、あたしは
思い出していた。作戦は大成功といっていいだろう。成果に満足したあたしは立ちあがろうとして、
腰や内ものあたりに違和感を覚えた。眼をやってはじめて、あたしは自分の惨状に気がついた。
「ワーオ」
「やあやあ、お待たせ」
いろいろ処理してから、学校の支度を終えて外に出ると、瑞樹がげっそりした顔で待っていた。すでに、
どう頑張っても間に合わない時間だった。ちょうどいい、今日はのんびり歩いて行くとしよう。
いつもは賑やかな通学路にあって、今日に限っては鳥の囀りと庭を掃く箒の音しか聞えてこない。
いい陽気で、風も温かい。気持ちのいい朝だといえた。だと言うのに、隣を歩く瑞樹の声は、心身ともに
疲れ果てた病人さながらだ。
「はぁー、もう勘弁してよ。ほんとうに心臓が止まるかと思ったんだから」
「いやぁ、ごめんねぇ。まさかはじまってるとは思わないじゃない? でも、おかげでいいものが見られた
じゃないの。日頃お世話になってる君への労いの気持だよ」
あたしは豪快に笑って、瑞樹の背中をバシバシ叩いた。
「コウの冗談は刺激が強すぎるよ。血が苦手なのだって知ってるくせに」
「わかった。なら冗談は止めて真面目な話をしようか」
あたしは学校に着くまで、月のものについて瑞樹に一から講釈してあげた。
>>105-106 思いっきり直接的かつ具体的表現で講釈したのかね?(w
>彼らの膨張率は、近年わずかずつだが増加しつつある。あたしとしては嬉しいかぎりだ。
一瞬、瑞樹のチソチソの事かと思ってしまった…
複数なわけないだろ_| ̄|○
>102のリクエストに答えて続編(?)作ってみた。
そして>104の道具を使ってみる。(18禁verではないが)
発売前なので。
「この物語はすべてフィクションです。実際のCLANNADに(以下略」
風人「これ・・・あなたにあげます」
ともみ「え?・・・何だろう?」
風人「木彫りの彫刻です・・・自分でいうのもなんですがかわいくできました」
ともみ[あ、風人の手彫りなんだ?これ。そっかそっかー。どれどれ・・・・」
ともみは きぼりのぶったいを みつめた!
しかし なにも わからなかった!
二人「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
ともみ「・・・・・・・ゴメン、風人。これって・・・・・・何?」
風人「・・・・・・こけし、です」
ともみ「・・・・・・へ、へぇ。こけし、なんだ・・・」
風人「はい」
ともみ「・・・あー、えーと、ありがとね?・・・うん、大事にするよ。風人のかわりだと思って・・・な、なーんてね」
風人「僕のかわり・・・大事に・・・・・・」
( 自 主 規 制 )
風人「・・・・・・・・・・・・・・(顔真っ赤)」
ともみ「・・・・・・おーい?風人ー?ドリームワールドに行ってないで戻っておいでー?」
風人「・・・先輩はそんなこと・・・いや、でもかなりうれしい・・・かも(ブツブツ)」
ともみ「あーあ。だめだこりゃ」
ちゃんちゃん。
やっぱり微妙なモンができてしまった。そして何気に風子のセリフを引用してたり。
>>108 ワロタ。
見事にキャラが立ってるぞ風人君。この妄想エロ少年めw
その自主規制の内容をっ内容をっ!!!w
>>105-106 布団めくったら相手は素っ裸、そして下半身は血まみれ…
眼福なんだかトラウマものなんだか。
しかし、こういう一見潔ぎよすぎるほどオープンな娘ほど、
初エチーの時は緊張したりして。
何気に続きをキボンしてみたり。
>>108 俺も自主規制の内容が実に気になるw
教師だの警察官だの、社会的責任のあるいい大人が
未成年者の少女(下手しなくても中学生!)に猥褻行為をする事件が珍しくなくなりました。
ロリコンが公務員に蔓延するとは、何ともけったいな世の中になったものです。
…というわけで、逆に考えると
裕子さんが未成年(つうか干支一回り近く年下)かつ実の甥である初音君と
一線越えちゃったとしても、それほど驚く事でもなかったりして(w
113 :
名無しさんだよもん:04/04/24 22:36 ID:zl/cYRiL
このスレってリアライズOK?
でもまだやってないけどw
>>113 全くもって問題無し。小ネタでもSSでも絵でもどんどんやっちゃってください。
ま、実は俺もまだ手に入れてないんだがなーw
保守代わりに、
相沢ゆう:雪乃五月
北川潤:野田順子
久瀬奏:田中理恵
とか言ってみるテスト。
B すぐに家に戻る
…と仰ってましたけど」
高史さんがそう言ったとき、部屋から蝉枝が出てきた。
「待たせたな、高史。行くぞ」
「はい、お願いします。それじゃ月弥くん、行ってきますね」
「うん、行ってらっしゃい。蝉枝も気をつけてね!」
「では行ってくる。戸締まりを忘れるな」
お父さんみたいなことを言って、蝉枝と高史さんは出て行った。
僕が玄関から見送った二人は、手をつなぎながら歩いていて、
なんだか付き合ってるみたいに見えて、ちょっとヘンな感じがした。
蝉枝が高史さんの手を握ってる、っていうのがもっとヘンだったけど。
「……はれ、二人とももう行っひゃったろ?」
そんな声と一緒にとす、とす、っていう階段を踏む音がした。
そっちを振り返ったら、あくびをしながら夕貴が二階から降りてきた。
「うん、ちょうど今行っちゃったよ」
「あ、そーなんら……ふぁ…」
夕貴はそのままリビングのソファーにぽすっ、と座った。
寝ぼけてても、メガネはずれてない。すごい。
「あー…………何時ごろ帰るの……?」
「え、蝉枝たち?んっとね、れーこ先生のところに行ったらすぐに帰るって言ってたけど?」
「…………」
「ん?」
寝てた。
おでこに落書きとかしようかな……
その日は特に変わったこともおかしなこともなくて、
昨日みたいにみんなで晩ご飯を食べた。おいしかった。
「夕〜〜、風呂あがったよ〜」
「はーい、今行くねー」
タオルで頭をわしゃわしゃしながらリビングに行くと、
蝉枝が難しい顔をしてニュースを見てた。
「蝉枝、そういうのよく見てるけど、好きなの?」
「好きか、と?…まあ、嫌いでは無いな」
「じゃあ、好きなんだ。ヘンなの」
「変、か…。まあ、そうかもな」
「ね、蝉枝っ。庭に涼みに行こうよ」
僕が言うと、後ろで蝉枝と一緒に一緒にニュースを見てたおばあちゃんが
「外は危ないぞ。怪しげな輩が彷徨いておる」
と言った。でも僕は、こわくなんかない。
「蝉枝が一緒だから、へーきだよ!ね、行こう?」
僕が腕をぐいぐい引っ張ると、蝉枝はやっと立ち上がった。
「…湯冷めはするな」
「うん!だから、行こっ」
僕は蝉枝を連れて、庭に飛び出した。
「あ、コオロギだ。夏だね、蝉枝」
「時の歩みは絶えず進み続ける。流れる川の如くだ」
よくわかんないけど、蝉枝が言うからきっとそうなんだ。
流れる川みたいに、コオロギが鳴いてるらしい。
「あ、蝉枝、コオロギ捕まえられる?カエルのおやつになるんだって」
「灯り無しに、か?」
「大丈夫だよ。僕、耳いいから。なんとなくなら、場所がわかるよ」
耳に手をあてると、コオロギの声がもっとちゃんと聞こえてきた。
だいたいの場所を見つけた。よし、そ〜っと近付いて…………?
「あれ?消えちゃった」
「ふふ、可愛いな、月弥。あと一歩だったな」
「うー…蝉枝、ちょっとやってみせてよ」
「私がか…。………よし、やってみる」
蝉枝は靴を脱ぐと、はだしで庭に下りて……そっと目を閉じた。
とっても真剣な蝉枝の感じに見とれて、僕はごくりとつばを飲んだ。
そして行き先を決めたらしく、蝉枝はゆっくりと茂みの奥に進み、そして…
コオロギの鳴き声がぴたっと止んだ。
「む」
「あはは、蝉枝もだめだったね」
「なに、もう一回やれば次こそは…」
だけどやっぱり捕まらなくて、僕たちはその後もしばらくはだしで庭を歩き回った。
なんでもないことのはずなのに、蝉枝といるだけでなんでもあることになる。
蝉枝ってすごいと思った。
だけど、その夜はそれだけじゃ終わらなかった。
TRRRR、TRRRR…
「蝉枝〜〜っ!」
「どうした」
「れーこ先生のところであの変態が出たってっ」
「何…!?」
「診療所の周りをうろついてて、近所の人が警察を呼んだって。
それで、もし平気だったら蝉枝に…」
「…よし、分かった」
僕の話が終わらないうちに、蝉枝は玄関に向かって歩き出していた
「蝉枝…気をつけてね」
「どうにかする。心配するな」
「うん…」
「油断するでないぞ」
いつの間にか後ろにいたおばあちゃんが、蝉枝に声を掛けた。
「お前には我々を護って貰わねば困るのでな」
「…善処する」
蝉枝はそう言い残して、ドアの向こうに飛び出していった。
「ゼンショする、ってなに?」
「わかりました、ということさ。さ、あやつが帰るまで留守番といこうか」
僕は、なんとなくおばあちゃんが嘘をついているような予感がした。
……そして、僕の悪い予感はたいてい当たるんだ。
120 :
元380:04/04/27 02:58 ID:grMRxYmb
・・・ということで>76-82で選択肢Bの続きを書いたわけなんですが…
えー、次回、月弥くんが高史さんと蝉枝さんの感じる感情をピーピングトムしますw
あんまりえちいのは苦手なのでどうするか悩みどこですが。
それでは回線吊って首切ってきます。
121 :
名無しさんだよもん:04/04/27 19:21 ID:OOfba1WI
GJ!
いや、Aじゃないの? まあいいけど。
>次回、月弥くんが高史さんと蝉枝さんの感じる感情をピーピングトムしますw
こうして少年は大人の階段を登っちゃうわけですね(w
期待してます。
>122
原作だと、どっちの選択肢でも結局蝉丸が寄り道するのよ。
A→御堂に襲われた後、夕霧とH
B→御堂に襲われた後、高子とH
・・・つくづくすごい展開だな、これはw
>124
いや、>82の選択肢は
>A すぐに家に戻るだろう、と仰ってました」
>B しばらく町を探索したい、と仰ってました」
なのに、>116で
>B すぐに家に戻る
って書いてるのはミスですね? って言ったんだけど。
126 :
元380:04/04/28 12:50 ID:Dvo/xy9R
>125
あう、すいません…
なんか勘違いをしていたみたいです。惑わせてごめんなさい。
とりあえず、しばらくこのまま書き進めていくつもりです。
それじゃ回線吊って首切ってきますです。
>>126 まあ生`
ところでこの話では御堂は性別反転してるの?
ところでCLANNADのストーリーに沿った反転やりたいんだがいつから解禁?
129 :
名無しさんだよもん:04/04/29 17:30 ID:uXvoMsAx
GWあけてからにしてちょ
蔵キャラを反転すると
古河秋生→古河秋子とかになっちまいそう
それはGW明けには全員分終わらせてるっちゅーことか?
スゲーな、オレにはとてもじゃないが無理だ。良くて3人くらいしか終わらんと思う。
できればもうしばらく待ってて欲しいものだ・・・
132 :
名無しさんだよもん:04/04/29 23:00 ID:OzOhhqAi
>>130 ヤンママと泣き虫弱虫の保護欲かきたてるショタパパか
つーか、春原を反転するとかなり難しそうな悪寒。
134 :
名無しさんだよもん:04/04/30 12:52 ID:C924+oms
まあなんにしろネタバレに抵触しそうなことはやめとこうや
>>133 ネタバレ見ないために倉等スレ見ないようにしてるのにここでバラされたらな。
陽子「胸板馬鹿にすると胸板に泣くわよ、あんた」
これじゃあオカマちゃんだよ
>>135 マッチョ好きで漢の胸板萌えな娘だったとか。
みんな倉等に明け暮れてるのかね?
俺んとこDVD環境じゃないんで関係ないや(苦笑
アルあそネタで、りーぽんでエルルゥにボロ負けして
脱衣→羞恥プレイさせられるハクオロおかーさんキボンヌw
性別反転版りーぽん…
往穂さんキボ。
140 :
名無しさんだよもん:04/05/03 18:00 ID:WO7IYQr8
一敗目:着物がはだけて爆乳チラ+素肌の太もも。
二敗目:下帯のみ。両腕で胸を隠す。
(当然谷間バッチリ)
三敗目:全裸(仮面はつけてるけど)にされた上、全身に蜂蜜を塗りたくられる。
「どうせ子供のやる事だから」とたかをくくっていたら、あれよあれよという間に
なんかシャレにならない状態にされてしまったハクオロおかーさん。
アルルゥ「おかーさんの蜂蜜おいしい…ペロペロ」
ハクオロ「や、やめなさいこんな事! ア…ッ…」
アルルゥ「こっちも…ペロペロ」
ハクオロ「〜〜〜ッ!!」
>>142 GJ!
今「アルルゥと遊ぼ」をプレイ中なんだが、りーぽんの「天いな」ってあんなに砕けた場面も本編ではあるのかな?
本編は未プレイだが、雑誌からの情報だと、かなりシリアスで、ギャグシーンの入る余地はない感じがしたのだが・・・
それとも、りーぽんのみ特別?
1月24日日曜日、驚くべきことに名雪が自力で起きてきた。10時前だけど。
しかし目が血走っている、そんなに猫の着ぐるみが着たいのだろうか?
それでもしっかりとジャムを食べていく根性は見上げたものだ。
名雪が家を出た直後ソニックブームが生じたような気がする。気のせいだよね。
まあ暴走少女も出かけたことだし、今日はゆっくり家ですごそうかな。
そう思ったのだけど、世の中ままならないものなんだ。
まあ午前中は、あゆと真琴にまとわりつかれながらもゆったりと時が過ぎたんだけど。
昼食後リビングでぼんやりとテレビを見ていたら、早速電話がかかってきたわけ。
「はい、水瀬です」
「すみません陸上部副部長の小西ですが、水瀬部長まだ寝てますか」
この声は例のしょうちゃんだ、小西って苗字なんだ。まあそれはいいんだけど……。
「えっ、名雪なら遊びに出かけたんですが、もしかして今日は部活の日ですか?」
「部長また逃げたんですね。あのいちごジャンキー、制裁よ、制裁なのよー」
怒ってる、これはかなり怒ってるよ、なんか怖いなあ。
あれ、でも確か今日は部活休みじゃなかったけ。名雪は嘘はつかないと思うんだけど。
「とりあえず捕獲しないと。で部長はどこに行ったんですか?また百花屋ですか?」
「えーと、3年の倉田先輩って知ってますか?彼女の家なんですけど」
「えー!あの倉田先輩!なゆったらいつの間にあのお方とお知り合いに」
すごく驚いてるみたい、佐祐理さんってやっぱり大変な人なんだ。
「みんな敵は倉田邸よ、全員出撃!アッ、どうも失礼しましたー」
ガチャン、ツーツー
なんだかせわしないわねー。だけどわざわざ迎えに行くものなのかな?
それにしてもどうも名雪もしょうがないわね。
まあわざとじゃないでしょうから、興奮のあまり完全に忘れちゃってるんだ。
あの子集中力がすごいから、一つのことに熱中すると他のことが見えなくなるんだよね。
それが彼女の美点でもあり、また欠点でもあるんだけど……。
「祐美さん、お姉ちゃんまた練習忘れてたの?」
横で聞いていたあゆがためらいがちに話しかけてきた。
「さあ、そうなのかな?今日は練習は休みだと思ってたんだけどな」
「困ったもんよね、なゆ姉にも」
あゆに比べて真琴の方は結構遠慮がない言いぐさだ。
ただなんて言うか、真琴に言われるようじゃお終いって気もするね。
しかししょうちゃんのあの剣幕だと、多分今日も不機嫌で帰ってくるんだろうな。
仕方がない、ご機嫌取りにいちごのデザートでも準備しておいてやるか。
と言うわけで3人で買い物に行く、御弁当の材料も必要だしね。
商店街で天野さんに出会った。美子ちゃんも一緒だ。
こちらの姿に気が付いた美子ちゃんがとことこと駆け寄ってきた。
すごく愛らしいけどこけないないように気を付けてね。
と思っていたら、こっちも駆けだした真琴の方がこけた。
真琴もあゆほどじゃないけど良くこけるんだよね。二足歩行がまだ苦手なのか?
「あぅー、痛い」
しかし真琴のへたり込んで涙目の上目遣いは、少々刺激が強すぎる。
ってわたしって百合でロリコン?香里菌に汚染されつつあるのかな?
「まこちゃん大丈夫?」
美子ちゃんがへたり込んでいる真琴の頭をなぜなぜ。これはこれで絵になる光景だ。
とは言っても栞ちゃんの絵の主題にだけはしたくないけどね。
なんとなくどこかで栞ちゃんがなにかしら呟いてる気がするな。
『そんなこと言う人嫌いです』
とか言ってそうだね。ちょっと気の回しすぎだろうか?
「祐美さん、真琴と美子ちゃんって本当の姉妹みたいだね」
「そう言われればそうだね。どこかしら雰囲気が似てるね」
あゆに言われて気が付いたけど、確かにあの二人はよく似ているところがある。
どこがって聞かれると、上手く説明は出来ないんだけどね。
「二人ともとっても可愛いです」
天野さんが珍しく無防備に微笑んでいる、こういう表情だと年相応で可愛い感じだ。
「クスッ、天野さん可愛い」
「な、なにを、なにを恥ずかしいこと言ってるんですか相沢さん」
思わず失笑しちゃったら、天野さんが妙に狼狽しちゃって余計に可愛い。
抱きしめてなぜなぜしたいよー。ああ駄目だ、どうしても顔がにやける。
「祐美さんちょっと変」
「はっ、今わたしはなにを?」
あゆに突っ込まれてようやく正気に戻った。どうもまずいなあ。
しかし天野さんの笑顔の破壊力がここまで強烈とは……。
わたしの周囲には笑顔が素敵な子が多いが、普段あまり笑わない人が笑うと破壊力絶大。
舞なんか笑うときはもう無邪気なもので、これがまたとてつもなく効くんだよね。
そう言えばしょうちゃんなんかは怒っているところしか見たこと無かったな。
多分笑うととっても可愛いんだろうけどね。
今も名雪捕獲に燃えてるんだろうけど、まあそんな表情も生き生きとしていいかも。
天野さん達もお買い物に行くところだったので、一緒に店に入る。
まずは御弁当のおかずなど物色。このスーパーは魚と野菜が新鮮で安いからお気に入り。
ただ肉類は今一だから、三軒先の肉屋さんがお勧め。
このあたりはあゆと真琴に教えてもらったんだ。もちろん秋子さん情報だよ。
いろいろ購入して御弁当の分はもうこれでいいから、次はデザート用の買い物。
メニューを苺ショートケーキに決定し、まずスポンジケーキを購入。
そりゃあスポンジから焼いた方がいいけど、そこまでは面倒くさい。
わたしは秋子さんみたいな家事の鉄人じゃないし、適当に手抜きはするよ。
いやまあ秋子さんとかは手の抜き所が常人とは違うんだろうけどね。
わたしはそんな真似できないし、わかりやすいところで手抜くしかないから。
真琴がぴろに会いたがったので、帰りは天野さんの家に寄り道。
優しい笑顔のお母さんが迎えてくださった。しかし相変わらずこの家のお茶は美味しい。
お茶請けは当然?たい焼きと肉まん、あとは醤油煎餅だけど、これが美味しい。
京都の嵯○野焼と言うお煎餅だ、あと兵庫の播○焼ってのも美味しいよね。
きっと使ってるお米と醤油が違うんだよね。
ピロが物欲しそうにしていたから、ひとかけあげてみた。
「うなー」
どうもやけに幸せそうに食べているから、ついつい一枚食べさせてしまった。
だけど、猫にこんなもの食べさせても良かったのだろうか?
ああこれはもちろん名雪には内緒ね、二人にも口止めをしておく。
だってこれ以上不機嫌の種を増やす必要ないでしょう。
しばらく遊んでから家に帰る、でまずはケーキ作りだ。
スポンジを三段重ねにして間にいちごジャムと、生クリーム&苺を挟む。
あゆは横であんこを挟んだたい焼き型ケーキを作成中。好きだねえ。
スポンジをたい焼き型にカットしているけど器用なものだ。
あゆって器用なような不器用なようなよくわからないところがあるね。
さて無事にケーキも出来たし、そろそろ名雪が帰ってくる頃かな。
「ただいま♪」
あれっ、予想に反してえらく上機嫌だね。いいタイムでも出たんだろうか?
「ねえねえみんな聞いてよー。今日ね百花屋でいちごサンデー食べたんだよー」
なーんだ自分で気分直ししてきただけか。
「帰りにたまたま斉藤君とあってねー、2杯も奢ってくれたんだよー」
「ふーん、なゆ姉良かったね」
「良かったねお姉ちゃん」
「それは良かったですね」
「うん、良かったんだよー」
まあ奢ってもらえれば上機嫌だよね。でも、本当にたまたまかな?
それはともかく、これなら苦労してケーキ作る必要なかったんじゃあないの。
いやまあ本当は苦労じゃないし、作るのは楽しかったから別によいんだけど。
それに結局名雪が一人で半分以上食べたてくれたから無駄では無かったし。
それと今日はやっぱり練習はなくて、しょうちゃん達と遊びに行く約束だったんだって。
ああ一応着ぐるみは着れたらしいよ。3分後に捕獲されて脱がされたそうだけど。
まあとにかく、明日も良い日でありますように。
風子が風太郎と原作から決定したが、そうすると公子さんも公太郎なんだろうか。
>>144-148 お久しぶり〜。マターリとした日常(・∀・)イイ!
美汐タンの笑顔が素敵だというのは同意。
相変わらず名雪の扱いが悪いな
(3分だけだったとはいえ)猫の着ぐるみ着られたし、
帰りに斉藤からイチゴサンデー2杯奢ってもらったし、
手作りの苺ショートケーキも食えたんだから、名雪の主観的にはそう悪い一日じゃなかったけどな。
…ところで、名雪捕獲のために倉田邸に乗り込んだしょうちゃん達、
逆に佐祐理さんに捕獲されてたりして。
結局、クラナドのネタ解禁はいつからにするの?
みながどこまで進んでいるかわからないけど
来週のはじめぐらいがよくない?
初回版が売り切れてるならせめて通常版でるまで待った方がいくない?
今月中にはでそうだし
CLANNAD長いんだよ、、、
GW中ってコトで気合入れた人はもうクリアしてる人も多いみたいだけど、
もともとゲーム進めるの遅い俺としては隠し要素まで辿り着くにはまだちとかかりそうだ・・・
つーわけで
>>156に賛同しておく。
158 :
名無しさんだよもん:04/05/06 20:27 ID:ikswmkcR
俺もGW中に蔵等終える予定だったのに、まだもちっとかかるよ・・・
じゃあ、CLANNADネタバレ解禁は発売日から一ヵ月後の5月28日か?それとも6月上旬くらい?
5月28日くらいでいいんじゃないかな?
まあここまで目くじら立てなくても、いきなり重度のネタバレかましちゃうような
香具師はここにはいないと思うがw
新作組のネタバレが問題なのなら、
劇場版アニメ化を記念して反転AIRネタで攻めるとか。
(つーか自分でかけよ俺)
反転美凪BAD屋上シーンとか
絶望する少年、それを責める女…暗いうえに救いがないような
それとも、流れを変えて、みちるを失った美凪と、空にいるあの子
を救う手立てを見失った往穂が、未来に可能性を求めて駆け落ち、とか
だめぽ
鈴がゴールしちゃった後、
彼の子供(生まれ変わり?)をお腹に宿す往穂とか。
>>163 なんか知らないけどおいちゃん、
冴木忍のカイルロットの苦難を思い出しちまったよ。
ひまなんで反転キャラの名前でも考えるかな。
渚・杏・椋の反転名はどうする?(w
勝平も意外と難しい。
まとめサイトより
岡崎 朋也/ともみ
古河 渚/渚
藤林 杏/京
藤林 椋/椋
一ノ瀬 ことみ/ミコト
春原 陽平/陽子
宮沢 有紀寧/有紀(ゆうき)
原作より
伊吹 風子/風太郎
167 :
名無しさんだよもん:04/05/08 22:31 ID:Ev2TaFBO
勝平/平(たいら)とかは?
少し前のひとで風子の反転を風人ってかいてた人もいたねー
勝平→克美(かつみ)とか。
○○県教育委員会は7日、顧問を務める陸上競技部の男子生徒にキスをするなどしたとして、
同県内の県立高校の女性教諭(27)を懲戒処分にした。また教諭の行為を未然に防げなかった
などとして、同校の校長を……
県教委によると、教諭は今年1月から3月にかけて、校内の人けのない場所や、陸上部の合宿練習のため
宿泊していた○○県外の合宿所で、「部活に身が入っていない。悩みがあるのなら相談して」などと
言って、ある男子生徒に抱きついたりキスをした。
事情を知った保護者から校長に連絡があり発覚。教諭は「生徒と保護者に大変な苦痛を与え
申し訳ない」と話しているという。
大谷貴野(たいやき屋のお姉さん)「…石橋、あんたまさか…」
石橋先生「えーと、記憶にございません」
ゆう「雪弥ー? おーい雪弥ってばー?」
雪弥「…」(ポケー
ゆう「おいこらー。いくらあんたが『万年寝太郎』でも、ちょっとは反応しなさいよー」
雪弥「…」(ポケー
ゆう「だめだこりゃ。どうしよう秋人さん? ここんとこ、ずっとこの調子だよ?」
秋人「まあ、しばらく放っておきましょう (雪弥には少々刺激が強すぎたんでしょうね)」
こんなんはどうだろう?男の子名前辞典で考えた。
古河秋人→秋華
早苗→早人はやと 早の字を残した
一ノ瀬ことみ→みこと
芳野祐介→祐歌ゆうか
坂上智代→智司さとし
芽衣→芽生? 美佐枝→美佐男?
ボタンがオスかメスかわかるとこあったっけ?
1月25日月曜日、今日は比較的すんなり名雪を起こせた。それであゆも上機嫌。
そろそろ体質改善ジャムの効果が出てきたのだろうか?
しかしそれでも家を出るのは別々。ゆっくり食べているから当然だ。
やはり徒歩登校とせわしない朝食より、全力疾走と優雅な食事方がお好みのようだ。
「わたし走るの好きだよー」
それが彼女のありがたいお言葉である。それはまあひとの好きずきだけどね。
どうもどこかずれてるんだ。わたしなら登校くらいはゆっくりしたいと思うよ。
真琴達と別れた後そんなことを考えながら歩いていたら、後ろから誰かに抱きつかれた。
まあ大体犯人は想像が付くけど、きっと佐祐理さんだね。
「祐美さーん、おはよございまーす」
あれっ、この声は栞ちゃんだよ。
「おはよう、栞ちゃん」
振り向いたら、香里さんが睨んでるよ。わたしのせいじゃないから睨まないでよ。
痛い、痛い、視線が痛いよ。あの鋭い眼光、体に穴が空きそうだって。
栞ちゃんが可愛いのはわかるけど頼むから止めて、栞ちゃんも早く離れて。
もう嫌!香里さんそこまで行くと絶対病気だって。
「あははーゆーみさん、朝からモテモテですねー」
「わたしも混ぜる」
ワー!今度は左右から佐祐理さんと舞が抱きついてきた。もう助けてー!
佐祐理さんはともかく、舞までのりのりだ。いつもの無表情&棒読み台詞だけど。
やだよ、わたし目立ちたくないのに、どんどん人が集まってきたよ。
天野さんと七瀬さんが見ないふりをして通り過ぎていく。冷たいなー。
まあこの間の名雪みたいに裸にされないだけましなのかな。
制服の裾がめくれて下着がちらりと見えるくらいは我慢しないとだめなのか?
もちろん本当は嫌に決まってるけどね。わたしはそう言うサービス精神はないから。
今日は遅刻かと覚悟したけど、幸い予鈴がなったら3人とも解放してくれた。やれやれ。
全く朝から疲れるよ。授業中は授業中で香里さんに睨まれて集中できないし。
だからあれはわたしのせいじゃないって、第一あの程度スキンシップでしょう。
これじゃあ、既に単なる病的シスコンとしか言いようがないよ。
いい加減誰かどうにかしてくれないかしら?無理に決まってるけど。
ああそれと、その分監視が緩んだせいか名雪がときどき船をこいでいたわね。
さすがに完全に眠ったりはしなかったみたいだから問題なしでしょうけど。
一度あの子に苺と猫と睡眠となにが一番大事なのか聞いてみたい気もするよ。
ところで香里さんからの視線最初は痛かったんだけど、だんだん心地よくなってきた。
これはまずい、もしかしてわたしも変態に染まりつつあるのか?
わたしはマゾなんかじゃない、と思いたいんだけどな。
しかし幸いにしてそれは杞憂だったみたいだね。
だって明らかに香里さんの視線の意味するものが変わってきているから。
そう、熱い眼差しってやつに変わっているわけ。
だけど、それってわたしが彼女のターゲットに加えられたってことなのかな?
うーん、はっきり言ってそれはそれで相当に嫌なんですけど。
それにしてもどういう心境の変化なんだろうね?
もしかして睨んでいるうちに憎しみが愛に変化したってことなの?
いや彼女の女好きはわかっていたけど、わたしは彼女の好みじゃないと思っていたけど。
しかし栞ちゃん、名雪、わたし、見事に脈絡なし、一体どんなタイプが好みなのよ?
もしかして女なら誰でもいい、つまり節操なしってやつ?
まっ、子供が出来る心配がないだけ男遊びよりはよいのかも。なわけないって。
その対象が自分でさえなければ、ひとの趣味に文句をつける気はないんだけどね。
さて3時間目が終わって香里さんが声をかけてきた。
うっうっ今の調子だとどうせろくな用件じゃないよ、嫌だなあ。
「ねえ相沢さん、あなたと栞の絡みでプライベートビデオを撮りいたいんだけど」
この人はなにを考えているのでしょう?そんなこと人前で言うなんて。
もちろん人前でなくても言われたくないのですけど……。
はっきり言ってここまでとは思いませんでした。怒り心頭です。
そこで、内心の怒りを押し殺して丁重にお断りさせていただきます。
「大変残念ですがそう言う趣味はございませんので、謹んでお断り申し上げます」
わたしはこういう時(怒っている時)口調が馬鹿丁寧になる妙な癖があります。
嫌な癖だという自覚はあるのですが、どうにも直せないんですよね。
「ねえそんなつれないこと言わないで、ねえいいでしょう」
めげないひとです。ある意味見上げたものですが、いい加減に勘弁してほしいものです。
「お断りします。そう言うことはそこで寝ているお方などがお得意ではないのですか?」
そうなんです、休み時間の名雪さんは完全に夢の世界の住人です。
ちゃんとチャイムと同時に起きられるにはさすがですが。
「ああ名雪ねえ、そうか別に名雪でもいいわね。名雪と栞、いいかも?」
苦し紛れに言ってみただけですが、これで納得されるとは思いませんでした。
「うんうん名雪責めもいいけど、この場合栞が責めという方が……」
すっかり妄想の世界に入られたようで、これでとりあえず危険は去りましたね。
「ははは相沢さんも大変ね」
「ああ七瀬さん、確かにそうね。ところで香里さんって前からこうなの?」
一応危険が去ってある程度怒りが治まったから、普通の話し方に戻ったわけ。
でも良く考えたら名雪を売ったことになるのかな?わたしって悪女?
「うーんそうだね、香里さん独自の基準でセレクトした美少女にはそうかな」
ちょっとだけ考えてからの七瀬さんの回答がこれ。率直に言って嫌だな。
「それは非常にはた迷惑で、かつかなり厄介ね」
「まあ確かに。その中でも栞ちゃんは特別なんだけどね」
それは見てるだけでも良くわかる、あれはもう絶対に普通じゃないよね。
どうも佐祐理さんはわかっていて遊んでいる感じだけど、香里さんはマジだから怖い。
真剣な分余計に質が悪いというか、どうやったらあそこまで吹っ切れるんだろうか?
4時間目の授業中逝っちゃってる香里さんが相当に不気味ですごい雰囲気だった。
先生も完全にひいていたけど、名雪は睡魔との戦いでそれどころではなかったようだ。
昼休みも香里さんはこっちの世界に帰ってこない。
しょうがないから彼女は放っておいて、名雪と七瀬さんとで御弁当を食べようとした。
そうしたら斉藤君を連れた北川君が、一緒に食べようとよってきた。
別に異存はないけど、北川君はともかく斉藤君は少々意識しちゃうな。
自然ちょっとばかり会話がぎこちなくなった。
この間のお好み焼きの時は気にならなかったのになぜだろう?
名雪は斉藤君と仲がいいみたいで平気で話していたけど。
なんと言ってもいちごサンデーを奢ってもらう仲だからね。
昼休みの後半には香里さんもまともに戻り、真面目に午後の授業を受けていた。
この真剣さとのギャップは一体なんだろう?とにかく何事にも集中する人なのか?
このあたりが学年主席の秘密なのだろうけど……。
まあことの善悪はともかく、この集中力は見習うべきかもね。
その後放課後以降は特に変わったことはなかった。
校門前でセーラー服の中学生が待っていたのもいつものことだし。
まあ今日は人数が一人多かったりしたが、別に大した問題ではない。
増えたのはもちろん、清楚で純情可憐な倉田家のご令嬢?ね。
女性教諭(27)
>>170 女性教諭(27)って言うとどうしても鈴木みか先生を思い浮かべてしまうのですが、
男子生徒を誘惑するくらいだからタイプが違いますよね。むしろ谷崎ゆかり先生。
あっでももしもし進路相談室で末武を誘惑?してたな。
最初のころの北川の妄想では渡部を誘惑したりされたりしてたし。
さっきはEnterで書き込みになってました。失礼。
>>172-175 香里までもが祐美狙いに…。
ますます非常識人な友人が増えていく祐美ちゃんに幸あれ。
>>177 まあぶっちゃけ、
「記憶にございません」=政治家がよく使う、見え透いた逃げ文句。
→状況から見るに石橋先生はクロ
なわけだが。
生徒を誘惑する鈴木みか先生、って言われても全然イメージが湧かん俺。
そういや葉鍵作品では教師キャラって少ないような…。
公子、早苗、幸村 あたりかな?
葉は…
ムント(うたわれ)、橘(天いな)くらいしか思い浮かばん。
たいやき屋のお姉さん久しぶりにでたねー。
良い事だ。
もっと頑張れ石橋先生と思うは漏れだけか。
「すいません、ただいま帰りました!」
「あっ、高史さん!」
玄関から聞こえてきたのは、確かに高史さんの声だった。
だけど、なんだか慌てているみたいだった。僕の不安が大きくなる。
「夕、行くぞ!」
「う、うん!」
僕たちは部屋の扉を開けて、階段を急いで下りる。
蝉枝になにかあったら、僕は…僕は…
蝉枝はそこにいた。そこにいたけれど…
高史さんの手を引いて廊下をあるく蝉枝の足元は、血で真っ赤に染まっていた。
「……!蝉枝!蝉枝っ!」
「…月弥か。心配ない」
「心配だよ!」
心配で、心配で、心配だったんだ。
これは本当の本当なんだ。
「蝉枝に何かあったらって思ったら、大変だったんだから!」
「…月弥くん、蝉枝さんを責めないで下さい」
「高史さん…」
「高史さん!大丈夫ですか?」
僕と夕貴の声が重なる。
「はい。蝉枝さんが、例の暴漢…いや、女の人でしたけれど、
その人に襲われそうになったところを助けてくれたんです」
「女性とな?」
「おばあちゃん?」
女の人、と高史さんが言った時、おばあちゃんはなぜか焦ったような表情を浮かべた。
「まずは二階に上がろう。詳しい事はそれからだ」
「…あ、ああ。高史さん、大変じゃろうがもう少しだけ付き合ってくれんかね」
「は、はい。分かりました」
おばあちゃんは蝉枝たちを二階に上げると、階段を登りながら
「…というわけじゃから、お前たちはここでじっとしとれ」
と僕たちに言った。
僕たちは、本当に蝉枝たちが心配だったけれど、おばあちゃんの言葉に従った。
残された僕と夕貴は、リビングのソファーに隣り合って座った。
「夕、蝉枝と高史さん、大丈夫かな…」
「うん、見た感じは大丈夫そうだったけど…」
僕たちを下に残して、みんなは一体何を話しているんだろう。
僕は、とっても…
「月弥、僕怖いよ…」
「夕…」
僕たちは、とっても心配で、不安だった。
クーラーは全然効かなかった。
「寝なきゃダメだよ!寝ないと良くならないんだから」
「私の事に構うな。今夜は特に用心する必要がある」
「…だったら、僕も起きてる!蝉枝を一人ぼっちになんかさせないからね!」
…ってことがあって、僕はいま、蝉枝の部屋にいる。
蝉枝が『今夜は寝ずに番をする』なんて言うもんだから。
そんな事したら、蝉枝の身体が壊れちゃうのに。
だから、僕が蝉枝を守るんだ。
「大丈夫だよ、蝉枝。ヘンなやつが来たら僕が倒すから」
「ふふ、頼もしいな、月弥。その調子で頼むぞ」
そう言って蝉枝は優しく笑ってくれた。
あの洞窟の中で会ってから、もう何日経ったんだろう。
どれくらい経ったのかわからないくらい、僕は蝉枝といっしょにいた。
…でも、今みたいに笑ってくれたのは、ひょっとしたら。
ひょっとしたら、一番綺麗だったかも。
「…………」
蝉枝が目をつむる。
家の周りのいろんな物音や、気配をつかむらしい。マンガみたいな世界だ。
僕もやってみた。
……………………。
……とっ…
「………んっ……………?」
えっと…………
…いつのまにか、寝ちゃってたみたいだ。
いけないいけない、蝉枝のそばにいるって決めたのに。
…そうだ!蝉枝!
「蝉枝っ!平気…………あれ?」
いない。どこだ?
「蝉枝?どこ?トイレ?」
僕は蝉枝を探しに部屋の外へ出た。
廊下を抜けて、階段を下りて、トイレに向かう。
「ん?どこ?」
電気がついてなかった。蝉枝はどこにいるんだろう?
その時、リビングの方から物音がした。
「あれ、蝉枝?」
僕はそっとリビングに近付いて、ドアのガラスから中をのぞいてみた。
そこには、蝉枝と高史さんが立ってた。
…ううん、えっと……
抱き合ってた。
高史さんの手が、蝉枝の服を上にたくしあげた。
…蝉枝のおっぱいが、丸見えになった。
カーテンが半分開いてるから、そこから月の光が蝉枝に当たる。
いつか見せてもらったエロ本よりも、よっぽどエッチで、綺麗だった。
大きなおっぱいを、高史さんが前からわしっと揉んだ。
引っぱったり、握ったり。
「んんっ…」
蝉枝がエッチな声を出す。
僕は、ちょっと前屈みになった。
おっぱいを触られたまま、蝉枝が高史さんのズボンを下ろした。
そして、そのままパンツの中に、手を…
「っ…そこは……」
何か言おうとした高史さんの肩を蝉枝が押した。
高史さんの身体が後ろにあったソファーに押し込められる。
「…私に治させてくれ」
「……」
「…頼む」
蝉枝がそういうと、高史さんは肩を落として、目を閉じた。
その上に、蝉枝がのしかかっていく。
僕の荒くなった息が、ドアのガラスを白くする。
蝉枝の手が、高史さんのパンツの内側に入る。
「ぅあっ……!」
それでも、蝉枝はそのまま手を動かし続ける。
ここからじゃよく見えないけど、高史さんはきっと、気持ちいい顔をしてる。
「だ、駄目…です……っ」
高史さんの声が、僕の耳を刺激する。
蝉枝はパンツを全部脱がせてしまうと、手の動きを早くした。
「んんっ、あっ、あっ…」
「…………」
「蝉枝…」
月の光が照らした蝉枝の顔は、いつもと変わらなかった。
「蝉枝…蝉枝…蝉枝…」
僕は、とても興奮していた。
「ああっ!っ!」
その時、高史さんの身体が震えて、蝉枝の手の中にあったそれから、
白いものが勢いよく飛び散った。
それは蝉枝の顔や胸を汚して、前髪についたそれが、ゆっくりと垂れてきて顔に掛かった。
…蝉枝はそれを指ですくって、チョコバナナを食べるみたいに口に持っていった。
「…せ、みえ…さん…」
「…ふふ、よくやったな、高史…」
そして、蝉枝は高史さんのものを、口に…
「!!!」
その瞬間、頭が真っ白になった。
蝉枝のこと以外、何も考えられなかった。
そして、がっくりと力が抜けた。床にへたりこむ。
「蝉枝…」
そして、あのイヤな感覚が腰のあたりにじわっと広がる。
僕は蝉枝に気付かれないように、そっとトイレに入る。
「うー……」
僕はパンツを脱ぎながら、いろんなことを考えていた。
どうして蝉枝と高史さんがあんなことをしていたんだろう。
どうして僕はそれをじっと見ていたんだろう。
そして、僕は明日、どんな顔で蝉枝に会えばいいんだろう。
あと、このパンツどうしよう。
189 :
元380:04/05/10 04:37 ID:GtTS11DG
…ということで>116-119の続きを書いたわけなんですが…
こんな時間にこんばんは。
GW中一日もOFFの日が取れなかったから、
少し書くのが遅れて申し訳ありませんでした。
今回は月弥くんにも少し参加してもらいました。これで少しはエロくなったでしょうかw
それでは、回線吊って首切ってきます。
190 :
名無しさんだよもん:04/05/10 20:04 ID:voJDK/6U
乙、GJ、andあげ
ここはショタっ気が高いインターネッツですね
CLANNAD反転ネタバレは不可でも小ネタなら投下おk?
>>192 全くもっておk。
つうかщ(゚Д゚щ)カモォォォン
>>192 ん? CLANNADネタは5月28日からでないの?
なにがネタバレかわかりにくいし。
分かり難いようなネタバレなら一見さんにはネタバレだって分からないんじゃ
まぁネタバレがイヤならそもそもこの時期にネットなんか見てんじゃねぇ って感じだが、
CLANNAD専用スレじゃないから大丈夫かな と思ってきてる人もいるし・・・
微妙なトコだね。
まぁオレ的には最悪隠しシナリオ専用キャラは止めてくれって感じかな。
つまり隠しシナリオまでならいいってことだな。
192がどんなネタを考えてるかわからんが。
幸村を反転させたらどうなるだろう?
>>198 人のよさそうなバアチャンかな?
それよか反転春原が気になるな。
ロリ 金髪 不幸 みたいなキーワードが思い浮かぶが。
「ねぇ陽子・・・」
「ん?」
「幸村のバーさん、なんであたしたち引き合わせたんだろうね・・・」
ってネタバレ解禁はまだですかそうですか
>> 201
反転春原がツーテールになっちまったよヽ(`Д´)ノ
ともみのいたずらで頭からひっくりかえるすのぴー
陽子「きゃああああああああああああ」
ともみ「あんた、すごいパンツはいてんのね」
京 (おいおい、毛糸のパンツかよ)
椋 「…………(真っ赤)」
陽子「な、な、な、なんてことしてくれるのよ!」
ともみ「っていうか、いまどきバナナの皮ですべらないでよ、ケート」
陽子「へんなあだなをつけるなあー。冷え性が、冷え性が悪いのよ!
うわああああああああああん。・゚・(ノД`)・゚・。 」
智代VS(VSではないかも)春原のシーン、反転春原ではさすがにやばいのでチョップ程度にしてみる。
ずびし!ずびし!ずびし!
陽子「ううう〜」
ともみ「うわ、こっち来た」
ずびし!
陽子「あうっ!」
智史「・・・ん!?」
ずびし!ずびし!ずびし!
07HITS!
・・・みたいな?
>>203 むしろそこはセクハラ攻撃(攻撃側は無意識)でカウンターだろ!
…とか言ってみるテスト。
・口に水を含んで喋る
・語尾に PS.愛してる をつけて喋る
・マリ見て風に喋る
勝平が女になったら……杏+風子÷2という計算かな?
春原「ていっ」
岡崎「?」
春原「ふふんっ。今、完ッ璧第一関節ついたよ」
岡崎「あ、そ。スカートもこんぐらいまであがってたからね(ひょい」
春原「わぁー! わざわざ持ちあげないでくださいっ」
春原「………」(廊下を見渡す)
春原「おらーっ、見たヤツ金払えっ! 前屈みのおまえっ」
岡崎「元気だなぁ……」
春原かわいいよ春原
岡崎=ホワイト
春原=ブラック
【ドキドキカノンリーグ】
「わたし華音ヶ浦高校女子野球部キャプテンでエースの水瀬名雪だよ。わたし野球が好き
だよー。みんなー優勝目指して頑張るんだよー」
「名雪の女房役、キャッチャーの美坂香里よ。まあ名雪のお守り役として頑張るわ」
「うー、香里酷いよ」
「その程度で落ち子むんなてキャプテンに相応しくありませんわ。本来キャプテンは文武両道才色兼備で統率力に長けた高貴な生まれの私のような存在にこそ相応しいのです。あ
あ申し遅れました、私が真のキャプテンで生徒会長、レフトの久瀬玲子です」
「ふん、お前がキャプテンじゃあ部は終わりだよ。ああ俺は俊足が自慢のサード相沢祐だ」
「なんですって相沢さん、もう一度言ってご覧なさい」
「ああ何度でも言ってやるよ。お前がキャプテンじゃあ部は初日で壊滅だよ」
「ムッキー!まあなんて粗暴な人でしょう。相手にするとこちらの人格が汚れますわ」
「ケッ、今相手にしてるじゃないか」
「まっ、まー、なんて言いぐさでしょう」
「まあまあ相沢さん、押さえてください。あっわたしは元ソフトボール部でリリーフの美
坂栞です」
「うぐぅ、そうだよ久瀬さん喧嘩は駄目だよ。ぼくは元卓球部でショートの月宮あゆだよ」
「喧嘩は良くない。剣道道場の娘でセンターの川澄舞。よろしく」
「あははー、舞の言うとおりだね。セカンドで魔法の天才倉田佐祐理ですよー」
「あぅー、真琴はライトの沢渡真琴、アイドルを目指してるの」
「真琴、もっと積極的にならないとアイドルは無理ですよ、やで。申し遅れましたファー
ストで監督志望の天野美汐です、なんや。ってわたしが関西弁、そんな酷なことはないで
しょう、やんか」
「美汐、その言い方変」
「最後に俺がコーチの斉藤やでー。ムヘヘ女の子ばっかりでパラダイスやなー。どの子か
らものにしたろかな。やはりまずは一番難物そうなやつかい。相沢ー!ウッ、ギャー!」
「バッキャーロー!いきなりルパンダイブで抱きつくなこの変態コーチめ」
「相沢さん強く殴りすぎです。コーチ死んじゃったんじゃあないですか?」
「いいんだよ栞、乙女にセクハラしようとするこんな馬鹿コーチどうなっても」
「あぅー、こいつ体だけは頑丈だから、この程度でくたばったりなんかしないわよー」
「フッ、相沢さんが乙女かどうかはともかく、セクハラ野郎に死を、は同感ですわね」
「まあそう言われればそうですね。所詮は影の薄い変態コーチ、女子高生の敵です」
「うぐぅ、栞ちゃん微妙に酷いね。まあ変態に人権がないのはぼくも同感だけど」
「みんなー、いてもいなくてもどうでもいい、立絵の一枚もないようなお馬鹿なコーチは
放って置いて、早速練習始めるよー」
「「「「「「「「はーい!」」」」」」」
「くっ、お前ら全員酷すぎ。ただのお茶な冗談やないか(今にも死にそうな声)ガクッ」
「ところで名雪、わたしはなんの役なんですか?」
「お母さんはわたしのお母さんで、お父さんと離婚して沖縄の名門校のコーチだよー」
「あらあら、沖縄の名門校と言うとガン○スターに乗って宇宙怪獣と戦うのかしら」
「お母さん、そのネタはちょっとやばいと思うよ」
「あのー、ところで潤ですけど、わたしの役は?」
「あら、あなた誰?見覚えのある金髪アンテナヘアーだけど」
「わーん!わたしを忘れるなんて酷いわ。ぐれてやるー!」
「名雪、あの娘知ってる?」
「さあ、全然知らないよー」
「くっ、ナイスだ北川。制服の短いスカートで不用意に走ったからバッチリ丸見えやぞ。
ただその年で黒はどうかと教育者としては思うんやが。まっ、俺個人は好きやけどな」
「あぅー、コーチのドスケベ、ドヘンタイ」
「人として不出来ですね、やで。それと真琴、変態くらい漢字で言いなさい、やで」
「けっ、こいつまだ生きてたのかよ。スケベ野郎は死んでも治らないらしいな」
「さすがは下等生物、本当にしぶといですわね」
「欲望に正直なのは認めるけど、救いようがないわね。我が部にはコーチなんていないわ」
「それより、こいつの似非関西弁が不快だよー」
「この際わたしが止めをさす」
「あははー、こんなくそ虫さん切ったら舞の刀が穢れるよー。わたしの魔法で跡形もなく
消し去っちゃいますねー」
「あらあら倉田さん、それはもったいないですね。わたしの新作の実験台にしましょう」
「だ、誰か助けたってーな!」
【もしも坂上智代が男になったら】
「岡崎、俺の前で遅刻は許さんぞ」
「うわ、坂上じゃないかっ!?」
「うわとは失敬な、俺はお前の為を思って言っているのだぞ?」
「気にしないでくれよ、それよりも俺と話していて生徒会長の件大丈夫なのか?」
「ふ、気にする必要はないさ。人気を落とすへまはしない。ただお前とは話しやすいからな」
「坂上は一見すると美形な優男に見えるんだけどな…信じられない位腕っ節が良いから驚いたぞ」
―フサァ… 前髪をかきあげる
「そんな誉めるな、照れるじゃないか」
「……これで芯がしっかりしているし人当たりも良いから女生徒全ての人気が偏っているんだよな…少しムッと来るぜ……」
「何か言ったか、岡崎」
「いや、なんも」
「そうか。…っと、そろそろ時間だな。走るぞ」
「あぁ。…って、腕引っ張って引き摺るのやめろおぉーっ!?」
「いや、お前はこうでもしないと俺の目を盗んで抜け出してサボるからな。保険と思ってくれ」
「うわあぁぁぁ! 熱い熱い熱いぃぃ! 火花散っているぞっ、やめてくれえぇぇ!!」
「煩い、黙れ! 嫌なら次からお前の家へ起こしに行こうか」
「それもやめてくれえぇぇ!」
「我が儘なやつだな、おまえ」
男×男じゃ萌えネ。
どっちかショタに汁
今日はことみの誕生日なわけだが、
なんのネタも思いつかねえ。
つか、クラナドの反転は難しくないか?
なんか半数近くが男(女)化したらおかしなことになるな
女性化はまだいいが、男性化は藤林姉妹ぐらいしか妄想できねぇ…。
219 :
名無しさんだよもん:04/05/14 07:03 ID:x4J3S1D7
>218
だがそれをやり遂げてこそ真の猛者といえよう・・・・・。
春原「バイトでもしよっかなぁ」
岡崎「夜バイトで昼学校じゃ、体もたないよ」
春原「大丈夫、頭脳労働にするから」
岡崎「頭脳労働って、どんな?」
春原「家庭教師とか、いいかもっ」
岡崎「あんたが、なに教えんのよ…」
春原「英語とか得意だよ?」
春原「アイ・アム・ビジネス・ガール」
春原「オー! アー・ユー・ビジネス・ガール・トゥ?」
春原「イッツ・ミラクゥ!」
岡崎「いや、カラダ売るのに英語必要ないからさ…」
春原「金持ちの教え子に惚れられちゃって、玉の輿に乗っちゃったりするかも」
岡崎「いや、あんたのその相手も女だからさ…」
春原「やばっ、私の人生薔薇色じゃん!」
岡崎「つっこみ所が多すぎて、もうどうしたらいいやら」
春原「あ、そういうのモーマイタイって言うのよね」
岡崎「まあ確かに、つっこむ所が多い方が商売になりそうよね」
ラグビー部はバレー部に変換されますか?
そこであえて女子ラグビー部だろ。
渚に孕まされる朋子希望
ともみ「渚より開かれた…」
あまりネタバレじゃないと思うけどどうだろう。……微妙か?
【早人】「僕のパンは…僕のパンはっ…古河パンのお荷物だったんだねーっ!」
古河父は泣きながら、だっ!と走り去っていった。
【秋華】「早人っ…!」
古河母は、売れ残りのパンをいくつも口に詰め込んで紙パックのジュースで無理矢理流し込むと…
【秋華】「あたしは大好きよーーーっ!」
叫びながら、その後を追っていった。
【ともみ】「………」
あたしはただ、ぼぉ〜っとその光景を見ていた。
【ともみ】(よくあそこまで女を捨てられるよなあ…あたしには絶対出来ない)
そんなことを、思いながら。
偽彼氏を作ろうとして、しこたま断られる春原。不憫だ……
>>225 なんか、普通にのろけてるようにしか聞こえんw
反転岡崎父と反転朋也はいったいどういう関係なんだ?
母と娘じゃ父と息子とずいぶん接し方が違う気がするんだが。
母親は悪い男に騙され食いものにされてる。
男は家に来ると、反転朋也に好色な視線をむけてくる。
泣きながら家を飛び出す反転朋也。
なんか、すげー鬱になってきました。
単純にDQNババアでいいんじゃなかろうか。<岡崎父反転
よく考えたら、愛する夫を失ったショックでおかしくなったとして、
他の男で堕落するというのはいかにも陳腐ですね。失礼しました。
1月26日火曜日、友達もたくさん出来たし、ここの暮らしにもかなり慣れた。
まあ朝の大音響とか、いろいろあまり慣れたくないこともあるけど。
特に香里さんと佐祐理さんのペースに慣れてしまったら、ちょっと問題かもしれない。
まともな社会生活ってやつが送れなくなりそうだからね。
今朝は登校途上で天野さんと会った、視線があったら柔らかい笑顔で挨拶された。
いつの間にか彼女とも随分仲良くなれたものだ。
今朝は佐祐理さんと舞も大人しかったし、騒動のない登校というのはありがたいね。
どうなんだろうね佐祐理さんも香里さんも暴走しなければ優等生なのだけど。
まあ優等生なんて時々弾けないとやってられないかもしれない。
朝の連絡事項で来週実力テストとの発表があった。仕方がないことではあるが、憂鬱。
七瀬さんと北川君も見たところわたしと同感のようだね。
それに対して斉藤君は泰然自若、香里さんは当然ながら余裕の表情だ。
名雪は一応起きてはいるけど……あれはどうも意味わかってないような気もする。
あの平和な表情、傍観者なら素直に可愛いと思えるのだけど……どうも心配だな。
それともあれは彼女の余裕なのか?そう信じたいものだが。
今日のお昼休みは久々に大人数、名雪捕獲部隊含めて校内の知り合いほとんど全員。
しょうちゃん達は日曜の倉田邸名雪捕獲事件で佐祐理さんと知り合いになったらしい。
それで自然にテストの話が出たら。
「あははー、それなら佐祐理と舞がお手伝いしますよー」
「それはありがたいんですが、お忙しくないですか」
そう言えば今まで気にしてなかったけど、二人とも受験とか大丈夫なのだろうか?
「大丈夫、わたし達は進路はばっちり」
舞が大きな胸を張って無表情に答える。そうされるとますますでかい。悔しいよー!
「あははー、推薦で同じところに行くことが決まってるんですよー」
それなら安心、まあ言われてみれば確かに今まで暇そうだったよね。
でまあわたし含めて自信のない連中が我も我もと参加を希望、例外は久瀬さんくらい。
やはり佐祐理さんを相当に警戒しているというか、本能的に避けてる感じだね。
香里さん自身は余裕だけど、栞ちゃんのお付き合いで一緒に来るそうだ。
そう言うわけで、早速今日から試験勉強だ。善は急げってやつだね。
講師役は理数系は舞、文系は佐祐理さん、あとは香里さんも講師役っぽい。
場所は倉田邸、迷惑でしょうけど他にこんな大人数集まれるところがないものね。
でメンバーはお昼の人のうち久瀬さんと陸上部員以外の全員、更に中学組3人も参加。
久瀬さんはともかく、陸上部組は試験で部活が時短だから後で来るんだ。
ところで以外だったんだけど舞、いや舞先生の説明が以外にわかりやすい。
ひょっとして教師に向いてたりしてと思ったら、二人とも教育学部だって。納得。
逆に香里さんはあまり教えるのは上手くない。成績のいい人に時々いるタイプだね。
あっ面倒見はいいんだよ。ただどうしてこんなことがわからないのって思うんだろうね。
だいぶん調子が出たところで陸上部ご一同(と言っても名雪+5人だけど)が到着。
しょうちゃんこと小西翔子ちゃんともう一人が2年生、あとの3人は1年生だ。
ところでしょうちゃんに手を引かれた名雪は、もう目が細くなってるけど大丈夫?
まああまり心配しなくて良かったようだ。席に着いた途端に目がぱっちり。
この子もやるときはやるんだよ。滅多にやる気にならないかもしれないけど。
もうしばらくお勉強したところで、そろそろ空腹に、今日はこれで切り上げるか。
とノックの音がしたよ。お屋敷のメイドさんだ、本物はやっぱり格好いいな。
「お嬢様、ご用意が出来ました」
「ああ加藤さんご苦労様。皆さーん夕食の用意がありますから食べていってくださいね」
すごいサービスだけど、そこまではちょっとね。
「倉田先輩。さすがにそんなことまでしていただくわけにはいきません」
香里さんが代表してお断りをしたけど。
「えー、佐祐理のもてなしを受けては下さらないんですかー?」
わー、また例のうるうる攻撃だ。これに勝てる人なんて滅多にいないよー。
結局泣き落としに負けて一同そろって夕食をごちそうになることになった。
まあせっかく準備していただいたものを無駄にするわけにもいかないしね。
で、あゆと真琴は万歳三唱。それは恥ずかしいから止めてほしい。
天野さんと顔を見合わせて溜息。保護者は辛いよって感じだ。
で秋子さんに連絡しようとしたら、ちゃんとここにいらっしゃいましたよ。
実は食事の支度をしておられたそうだ。神出鬼没とはまさにこのことだろう。
しかし本当に秋子さんって何者なんだろう?
そのまま佐祐理さんに押し切られて倉田家に泊まることになった。
と言うか試験終了まで合宿状態。明日の御弁当の下ごしらえを手伝ったりもして。
保護者の了解からお泊まりセットの準備まで佐祐理さんが手配済み。
毎度のことながら手回し良すぎ。めざせ目標秋子さんか?
で今はお風呂の中だけど、とにかく温泉旅館並に広い。そして豪華、ロイヤルスイート?
たまにはこうやって大勢で一緒にはいるのも楽しいよね。
香里さんと一緒というのは少々危険だが、まあ二人っきりじゃないから大丈夫だろう。
それにしても、みんな胸が大きいよう。もしかしてわたしが一番小さいかも?
陸上部1年の小柄(あゆより気持ち背が高い)な子と同じくらいじゃあ情け無いね。
もう裸になるとコンプレックスが刺激されて嫌だなあ。観察するのは楽しいけど。
割とみんな触りっこが好きで、キャーキャーいいながら触りあい。
わたしもいろんな人に触られたけど、こんな貧しいもの触ってどこが楽しいの?
舞とか佐祐理さん、せめて真琴くらい有れば触り甲斐もあるだろうけど。
香里さんが興奮しすぎてぶっ倒れたら、真琴が絵の具で頬にぐるぐるマークを落書き。
最初は止めていたあゆもたい焼きの絵で参戦、寝惚けた名雪も猫を落書きしてる。
起きてる時なら止めようもあるけど、寝てる時の名雪を止めるのはいろいろと危険だ。
けど名雪、後で仕返しされても知らないよ。
挙げ句の果てには栞ちゃんが絵を描こうとしたから、さすがにそれは慌てて止めた。
寝室はわたしとあゆ、真琴、天野さんが一緒、まあ真琴の主張でこうなったわけ。
ちなみに美坂姉妹と名雪、七瀬さんが同室。香里さん暴走しないでね、お願い。
あとは陸上部一同が同室で、秋子さんは用があると言うことでご帰宅。
なお舞はもうほとんど家族同然で、泊まる時はいつも佐祐理さんと同じ部屋らしい。
でまあ適当にお話ししているうちに眠っていたね。
流れを読まずに続きを投下。
祐美に襲い掛かるピンチ、と言うほどのものでもありませんが、
まあ今回から実力テスト編です。
GJ!!
次の朝。
下の階では、蝉枝が昨日と同じように高史さんを待っているはずだ。
夕貴も多分、リビングでのんびりしてると思う。
…僕は、下には降りなかった。
なんだか、蝉枝に会うのがイヤだった。
蝉枝のことを嫌いになったわけじゃないんだけど、なんか、イヤだった。
何でこんなことを考えちゃうんだろう。僕は蝉枝が好きなのに。
ドアが閉まる音がした。
蝉枝が高史さんを連れて診療所へ行ったんだろう。
僕は、何で…
今日は特に変わったことはなく、夕方頃に二人が帰ってきた。
それだけの事なのに、とても嬉しい。
「おかえりなさい!」
「ただいま、夕貴くん。変わりはなかったですか?」
「はい、特に何もなかったです。蝉枝さんは?」
「平気だ。……どうした、月弥」
「え?な、なにが?」
「元気がない。どこか調子でも悪いのか?」
「大丈夫ですか、月弥くん?」
「そ、そんなことないよ!うん、平気。うん…」
嬉しいのに、どうして僕は蝉枝の顔をまっすぐ見られないんだろう。
なんだか、悔しかった。
そしてその気持ちは、次の日もっと大きくなった。
「え〜っ、蝉枝、出かけるの!?」
「ああ」
「どこに?何しに行くの?」
「…それは言えない。お前達まで危険に曝す事になる」
「そりゃそうだけど…」
「蝉枝さんが近くにいたほうが安全な気が…」
「……済まない」
蝉枝の目は、どこか遠くを見ていた。
昔のことを思い出しているみたいに。
「蝉枝、危ない所に行くんだ」
「そうだ。私と一緒にいれば危うい」
「僕、蝉枝さんに行って欲しくないです。心配です…」
「心配?」
「そうだよ!心配しながら待ってるのなんてイヤだよ!」
「………そうか…」
「だから、危ない所に行かないで。お願いだよ」
「お願いします」
僕と夕貴は、蝉枝の顔をじっと見ていた。
蝉枝がこのまま危ない所へ行ってしまうのは、なんとなく分かってる。
でも僕は、蝉枝のことが本当に心配なんだ。
それを分かって欲しかったんだ。
僕たちの顔を見つめていた蝉枝が、口を開いた。
「お前達の気持ちは分かっている。だが、危険を冒さねばならぬ時というものがある。
…その時の為に私のような者が居る。覚えておいてくれ」
「…絶対、帰って来てね」
蝉枝は笑った。
「ああ、やってみよう」
「僕、信じてるから」
「…僕もです」
柔らかく、僕達をほっとさせようとする笑顔だった。
「……有難う。では、行ってくる」
「「行ってらっしゃい」」
僕たちは、蝉枝の背中が見えなくなるまで玄関で見送った。
「信じていいんだよ、ね」
「当たり前だよ。僕たちが信じなきゃ!」
そう言い切った僕の声は、どうして震えているんだろう。
握りしめた僕の手は、どうしてこんなに小さいんだろう。
こんな僕じゃ、蝉枝を守れないのに。
241 :
元380:04/05/16 19:41 ID:sJ1SHCvJ
…ということで>182‐188の続きを書いたわけなんですが…
ハカロワUが始まったようです。
向こうに人が行って欲しかったり、こっちにも人がいて欲しかったり。
あと、「これはこうした方が…」「ここのこれが良かった(良くなかった)」
等の感想欲しいです。そうしてくれると書いた人間は嬉しいです。
多言失礼しました。それでは回線吊って首切ってきます。
おかしなところは特にないと思う。すらっと読めましたよ。
243 :
名無しさんだよもん:04/05/16 21:21 ID:Wnrmo8rE
みんな!!反転クラナドSS加工ぜ!!
とりあえず幹人(仮)でネタ考えてみたがやっぱ反転倉自体むずい…
とりあえず…
幹 人 さ ん ち ○ ○ ん で か っ !
やっぱ変だ…
>>243 なかなかむずいんだよ……。
ネタバレのことも考えないといけないし。
小ネタのSSもどきでせいいっぱいだよ。
こんなんはどう?とかこういうネタがみたいとか
意見をだしてもらえると助かる。
本編でキャラ同士の絡みが既に幾つかあるから、
下手すると、反転させただけの焼き増しにしかならないってのがネックだと思う。
本編に無い18禁版の方が書きやすいかも…体育倉庫を初めとして。
247 :
名無しさんだよもん:04/05/18 10:13 ID:rVKqIPls
正直KANONの反転SSはいいよ。
たくさんあるし。
クラナドやAirの反転SSを・・・
気を悪くしたらゴメン・・・。
まあ需要と供給の不均衡ってのは、そう簡単な問題ではないわけで。
小ネタとか反転設定案とか出してくれれば、職人さんの方でも書きやすくなるかな?
>>232-235 は、発想のスケールで…負けた…@ジョセフ・ジョースター
史上最大規模のお勉強会&お泊り話ですなおい。
>>238-240 なんかもうショタの基本を突っ走ってるな月弥。
某碇シンジな印象があるのは俺だけ?前回の濡れ場目撃→青い性暴発のあたりとかも。
ぽん…ぽん…。
「?」
廊下を歩いていると、背中を叩いてくるものがあった。
ぽん、ぽん。
脇から腰。腿。
ぽん。
「なによっ」
「わっ」
足を止めてふり返ると、走り去る少年の後ろ姿が見えた。その背格好には見覚えがあった。
「痴漢か、あいつは…」
ぽん。
歩き出すと、また背後から叩いてくるものがあった。
ぽん…ぽん。
足を止めてみる。
ぽん、ぽん、ぽん。
その隙にとばかりに、触られまくる。廊下にいた生徒たちは、あたしたちのようすを、
何事かと遠巻きに窺っていた。中には、指差して笑っている連中もいる。
ふに。
胸に手がのびてきて、観客がざわめいた。
ふにっ。
もう一方。歓声があがった。
いよいよ股間に手がのびてきた手を打ち払って、あたしは大声をあげた。
「こらぁっ!」
「わぁっ」
驚きのあまり、少年は足を滑らせて転んでいた。ふざけんな、金返せ、などの野次が
飛んできて張り倒してやりたくなるが、とりあえずそっちは無視して少年を引っぱり起
こした。
「あんたね、どういうつもりよ。あたしの尻には『ビッチのケツ』とでも書かれている
わけっ? あたしの胸はあんたのママのおっぱいじゃないのよ!」
「ナイフを…探して…っ」
かわいらしい顔をして、すごいところに当たりをつけるやつだった。
>>249 ナイフ探して女の体さわりまくる野郎も野郎だが、
かなりやばい部分になるまで放置してるあんたもあんただハァハァ(´Д`*)
>「あんたね、どういうつもりよ。あたしの尻には『ビッチのケツ』とでも書かれている
>わけっ? あたしの胸はあんたのママのおっぱいじゃないのよ!」
なんか個人的にツボ。
アメリカンな啖呵の切り方だな。
251 :
名無しさんだよもん:04/05/19 20:12 ID:GwGCwQvh
「何をしたいんだ、おまえたちは。女子トイレなんかに連れ込もうとして」
「確かめたかったらしいよ」
「何を」
「あんたが男かどうか」
「そうか・・・・。そんな屈辱的なことをはっきり言われたのは初めてだぞ」
「・・・・・。気に食わない」
「なあに?」
「なら確かめてみればいいだろう。こいっ」
アタシの手をとる。
「あの女は嫌だが、お前なら我慢してやろう」
怒りに任せてアタシを引っ張っていく。
人気のない場所まで来て、ようやくアタシの手を離した。
「ちょ、ちょっと落ち着きなさいよ」
「ちょっとやそっとで、落ち着けるものか・・・。ショックだったんだぞ」
「あー、もう。悪かったね。あんたはちゃんと男だよ」
と、問答が面倒になったから心にもないことを言って切り抜けようとする。
目の前の少年はどう見ても女の子にしか見えないのだ。
「どこへ行く?まだ男かどうか確かめてないじゃないか。触って確かめてみればいい」
「触ってって・・・。あんた・・正気?春原には適当に言っておくよ?」
「そうやってうそをつかれるのが嫌なんだ」
「触って欲しいの?」
「そんなわけあるかっ」
そう言って見上げてくる少年の鼻を指でつまみあげた。
「にゃにをしゅる」
「つんととがってて綺麗ね。本物でしょ」
「とうぜんだろ・・・」
「どうだった、岡崎っ」
「つんととがってて綺麗だった。本物だった」
「マジでっ!?ってとんがってて綺麗な、ってどんなんなの!?よくわかんないっ!」
252 :
251:04/05/19 21:15 ID:GwGCwQvh
なんつうか・・・へっぽこ文章でスイマセン。
>250は一応智代を反転させたものです。
コンプした勢いで書き込んでみたものの、今みるとものすごい駄文だなあ。
初めてSS書いてみたんで、できたらみなさんの忌憚ない意見を聞かせてもらえるとうれしいです。
253 :
251:04/05/19 21:38 ID:GwGCwQvh
うわ、間違えた。
>251は一応智代を反転させたものです。←が正解です。
テンパリまくりですいません。
>251
いや、あんた面白いわw
ドンマイ。これからもこのスレでよろしく。
ちょっとクラナド本編でエロにできそうなところ考えてみた
渚・・・やっぱり(激ネタバレにより自粛
智代・・・朝起こしにくるとき、放課後の逢瀬
風子・・・夜の学校のシーン
ことみと杏は・・・すまん、俺には難しすぎる。
あとは、体育倉庫のシーン(おまじない)とかか。
>>255 一応ヒロインには1回はキスシーンあるから、
その後続けてエロに移行できるんじゃないかな。
ことみは単に反転させるとありえないストーリーになりそうだけど。
それより反転キャラによる[メル欄]キボンヌ、と。
>>256 クロスオーバー風にしてみる。
やる気ゼロの朱鷺乃
明日以降の筋肉痛が怖いかずき
法術を駆使してムチャクチャな魔球を開発する往穂
同じく不可視の力で(中略)な郁巳
…って、これじゃ反転させた意味ない_| ̄|○
祐子「私、スポーツはちょっと…」
拓美「ふーん?でも、頑張らないようなコは食べちゃってもいいって聞いたけど?」(ペロッ
祐子「うひゃぁぁ…は、張り切ってやらせてもらいます!」
瑠璃「相変わらず悪魔だね姉さん」
258 :
251:04/05/20 19:09 ID:+5iUAFfl
>>254 えーと、一応ほめられてるんでしょうか?
ありがとうございます。
しばらくROMってみなさんのナイス反転SSを参考にさせてもらいます。駄文スイマセンでした。
>>257 豪腕投手はじめvs七色の変化球往穂の息詰まる投手戦なんか面白そうだ。
で、飲んだくれてバックネット裏からヤジ飛ばす晴彦。
260 :
名無しさんだよもん:04/05/20 21:52 ID:1sZL6TTI
男の子「初めまして。よろしくおねがいします。」
ともみ「・・・・・・」
私は上体を反らして、空を見上げる。
ともみ「遅いなぁ・・・」
陽子「目の前のよっ!」
ともみ「えっ?マジ?」
陽子「つか、空からなんてこないよっ!。こいつが私の弟の芽衣也よ。」
ともみ「芽衣也くんか・・・・エキストラ?」
陽子「本物よっ!!ほらアンタからも言ってよ私の弟だってさっ。」
芽衣也「いちおうそうなってます。姉がいつもお世話になっております。」
深々と頭を下げた。
ともみ「え、ええ・・・」
陽子だけ違う環境で育てられたのだろうか・・・・。
あるいは逆?それとも腹違い?
あるいは捨て子で物心つくまで猿に育てられていたとか・・・・。
そうよ・・・そうだったのね・・・。
ああ、今、私の中で陽子という人間の謎が氷解した。
261 :
名無しさんだよもん:04/05/20 21:53 ID:1sZL6TTI
ともみ「陽子・・・あなたもさ・・・大変だったのね・・。」
陽子「なんで哀れみの目で見られているのかよく分かんないんですけど・・・」
芽衣也「なんか、さすがお姉ちゃんの友達ってカンジ。ちょっとヘンですね。」
ともみ「・・・・・・・・・」
陽子の弟にヘンって言われた・・・・ヘンって言われた・・・
芽衣也「あれ?失言でしたか、失礼。でもお姉ちゃんと違ってキレイですね。
学校ではモテモテですか?」
陽子「んー、どうかな〜?ともみも男ウケはイイけどさ、どっちかというと
私のほうがモテるかな?」
芽衣也「え?ほんとぅ?。そうなんですか?岡崎さん?」
ともみ「え?」
ショックのあまり聞いてなかった。
芽衣也「お姉ちゃん学校でモテるんですか?」
ともみ「いや全然。どちらかというと嫌われ者だけど、それがどうしたの?。」
陽子「素でヒドイこと言わないでよっ!!。」
芽衣也「やっぱり・・。でも・・少しは前向きになっているみたいだしいいか。」
陽子「今日はウルトラカッコイイ姉の姿を見せてあげるわ!!」
芽衣也「ああ・・・芳野裕子さんにあえるなんて・・・夢見たいだ・・。」
姉のいうことはすでに聞いていなかった。
262 :
名無しさんだよもん:04/05/20 22:00 ID:1sZL6TTI
260,261、ネタばれかもしれないが、野球編から引用です。
私はオリジナルのSSを作れるほど想像力豊かではないので、こんなんしか
できないっす。すいません。
初期のスレでのネタがほとんどそうだったようにまずはゲーム中のシチュを反転させていけば
そのうちキャラ固まってオリジナルのシチュが出てくるんじゃないのかな。
だんだん陽子に萌えられるようになってきたw
【もしも直幸と朋也が女だったら】
直海「ねぇ、朋美さん…今日は一緒に朝ごはん食べましょうよ」
朋美「いらない、学校行って来るね」
直海「まって、お弁当はっ…!」
朋美「いらないよそんなものっ、じゃあね!」
私は駆けだした、中途半端な母親顔をした女に。
正直嫌だった、私の右腕を駄目にしたあの女が。
直海「朋美さん、出掛ける時の挨拶は!」
朋美「うるさい!」
背中を向けたまま走る、顔を見るだけでもイライラするから。
いつも細かい事まで口出してくる。その理由で私の右腕は、二度と大好きなバスケが出来なくなったというのに…。
修羅場やなぁ。
優しさや感受性がダメな方向に発揮されてしまうタイプか?>直海ママ
旦那の生前は彼に頼りっきりだったりして。
本人には悪意がない分、単なるDQNよりたちが悪いかも。
私は春原の顔をじっと見つめる。
彼女に一体どんな幸せが今、舞い降りているというのだろうか?
「私じゃない…」
「なにがよっ」
「いや、あなたに今、舞い降りている幸せは私という恋人の存在だなぁって意味でさ」
「ひいいぃぃーーっ!」
「次その顔したら、キスするからね」
「ひいいぃぃーーっ!」
「あ、した。」
私は春原の顔を素早く両手で包みキスをした。
「ひいぃー! んんっ!?」
春原は驚愕の目で私を見ている、その隙に遠慮無く舌を入れる。
「んむ!?」
その口の中で激しく私の舌が動き回る。
そして、追い詰めた春原の舌を強引に絡めとり口内を貪る。
「んっ…んんん…」
甘い…春原の唾液はまるで媚薬の様に甘く、私の体を熱くする。
次第に春原の抵抗も薄まり、互いに舌を絡ませあった。
「はぁ…ん…ぅ」
「ん…ふぁ……んん」
更に続く濃厚なキス。
息をつくことさえままならないこの状況がいったい何分くらい続いたのだろう。
私は唾液の糸を引かせながら唇を離した。
春原はどこかぼぅっとした目で私を見ている。
「ふふふ…」
その視線を感じながら私はそっと服を脱ぎ始めた。
END
(,, ゚∀゚)bて GJ!!
「京っ!!」
「な、なんだ?」
「すぐに出してあげる」
「は…? だ、出す…?」
ムラムラして呪いを解く最中に襲われたら困るしね。
それに、私から呪いに巻きこんでおいて何もないなんて不憫だし、
とりあえず、一度出してあげて呪いを解くとしよう。
きょろきょろと辺りを見回す。
「な、なぁ、本気か?」
「ええ、本気よ」
「でも…そんな、いきなりなんてよ…」
「悪いわね」
京を信用しないわけじゃないけど、男は状況次第で何時狼に変貌するかわからないしね。
「あ、謝られても…」
「遅かれ早かれしなきゃいけないの」
「そ…それはそうかもしれないけど…その…俺そういうの初めてだからよくわかんないし…」
「大丈夫、私にまかせて」
一線を超えさせる訳にはいかないのよ。
「お、おまえにそんな真剣な目でいわれたら…拒めないだろ…」
「真剣なの」
貞操の危機だしね。
んー、跳び箱か…ちょうどいい高さね、ここでいいかな。
「朋美…」
「あなたはじっとしててくれればいいから。 大丈夫、私が全部するから」
「な…でも…やるなら…俺だって何かしてやりたい」
「じゃあ、そうね、ここに座って目を閉じててくれない?」
跳び箱を指さしてながら言う。
「あ…ああ、さすがに恥ずかしいか」
「うん、ちょっとね」
「準備できたら…言ってくれ…」
「ええ、すぐにできるから」
一時の間でも私のテクニックに酔えることを有紀に感謝してね、京。
跳び箱に座った京の側に膝立ちになり、ジッパーを下ろす。
京がビクッと体を震わし、目を開ける。
「な…お、おい」
「いいから、目を閉じてじっとしてて」
京は何か言いたそうな表情をしながらも目を閉じた。
まったく、タダで奉仕してあげるんだから大人しく従って欲しいわね。
改めてさっきから窮屈そうにしているペニスを出し、その熱い先端に舌で刺激を与える。
「ぅあ!…と、朋美?」
「ん、なに?」
またも目を開けて、私を驚いた顔で見ている。
どうやら私の行動に驚いたらしい。
「な、なんで?」
「なんでって言われてもね…目を閉じてよ、止めていいの?」
顔を真っ赤にしながら何か抗議しようと口を開きかけるが、渋々再び目を閉じる。
そっか…京は知らないんだ、私が処女でありながら、どこまで汚れているのか。
てっきり春原のバカが口を滑らしているものと思ってたけど…。
…まぁいいか、再びペニスに舌を走らせる。
「うっ…あ…ぁ」
ちらりと京の顔をみるとちゃんと目を閉じているようだ。
ちゅっと先端に口付け、そのまま穴のあたりをひと舐めする。
口の中に生臭さと苦味が広がるが、今度はそのまま徐々に口に含んでいく。
ヌルッっとした口内に、敏感な先端部分が飲み込まれると京の腰が震えた。
ペロペロとさらに口に含んだまま舌で刺激を与える。
「くっ…う…と、朋美…」
京の悩ましげな声が聞こえる。
うーん、私まで興奮してきちゃうじゃない、さっと終わらせよう。
亀頭全体を強く、弱く、変化をつけて舐る。
「う、あぁ…朋美ぃ…!」
ぺちゃ、ぺちゃ…舌がペニスを舐め上げ、舐め下ろす音が室内に流れる。
硬く勃起した胴を、舌先がウェーブを描きながら這い登り、
先端で色付く亀頭をしゃぶり回す。
「ん…ふぁ…どう?…気持ち…いい?」
「んっ!…ぁ…朋…美!」
「ふふ…」
ペニスの先端からは先走り汁が出まくっている、
京の限界が近い事ははっきりと分かっていた。
「ん…むっ…ふぁ……ん」
唾液を舌に含ませてペニスの周囲をねっとりとしゃぶり、
口を開いて、先端を甘噛みし、舌を動かしてカリ首を小刻みに舐め上げる。
尿道口を、裏スジを舐め上げ、強烈な刺激を送り込んでゆく。
「あっ…くっ…!…朋美…で、出る…!」
瞬間、私の口内に精液が迸った。
口に亀頭をほおばり、喉を鳴らせながら、コクコクと飲み干して行く。
「んんっ…んむ…ん…ふぅ」
あらかた飲み干して京を見る、とろんとした目つきで私を見ている。
こいつ…何時から見ていたの?
「京…私は目を閉じていて…と言ったはずだけど?」
「ぇ…あ…」
「酷いじゃない…それぐらいの約束ぐらい…守ってよ…」
今にも泣きそうな感じで言ってみる。
「あ…ご、ごめん」
「…目」
「…あ、ああ」
京は強く目を瞑る、よし…。
ペニスを片付けて、ジッパーを上げてっと。
「?」
京は目を閉じたまま、不思議そうな顔をしている。
スカートを脱いで…お尻をだしてっと。
ノロイナンテヘノヘノカッパ、ノロイナンテヘノヘノカッパ、ノロイナンテヘノヘノカッパ
心の中で呪文を三度唱える。
その瞬間、がらりと扉が開き、光が差し込んだ。
サッと瞬時に服を整える。
「あ、委員長こんなとこにいたんだ。まだボール残ってたよ」
男子生徒が私と京に目を向ける、危ない危ない。
「ん、どうしたんだ?」
そいつはポカンとした表情の京に向かって言った。
「んーシャバの空気はおいしいねぇ」
「あ…あのさ…」
「んー?」
「あのさ、ごめん…俺、どうかしてたみたいだ」
「いや、謝られても困るかな…むしろ私のせいだし」
「さ、さっきのことだけど…その…」
顔を真っ赤にして言う。
ふむ…ちょっと刺激が強すぎたかな。
「いいよ」
「え…?」
「気にしないで、おまじないで迷惑かけたお礼だと思って」
「お…礼…?」
「それじゃ、サヨナラ」
「あ…」
何か言いたそうな京を置いて帰る。
んー、おまじないって危険な遊びねー。
>そっか…京は知らないんだ、私が処女でありながら、どこまで汚れているのか。
って、オイ!! どーゆーことだ!
1月27日水曜日、朝妙に寝苦しくて目が覚めた。
で状況を確認したら、いつもの真琴とあゆに加えて天野さんにまで抱きつかれていた。
天野さんに抱きつき癖があったのは意外だな。
自分の状況に気が付いて恥ずかしそうに視線を逸らす姿がそそられたりして。
どうもわたしは言動にギャップのある方が好きみたいだ。舞とか、天野さんとか。
あゆや真琴みたいにストレートに無邪気なのも、保護欲をそそられて好きだけど。
おっとそろそろ時間的に名雪を起しに行かないと駄目かな。
今日の当番のあゆと隣室を訪問、案の定名雪は起きていないようだ。
部屋の前まで行ったら、ドア越しにこんな会話が聞こえてきたよ。
「うーん、噂には聞いていたけど水瀬さんは本当に起きないのね」
「わたしも何度見ても慣れないです。驚きです」
「あのねー栞、こんなものは力ずくで起こせばいいのよ」
いやちょっと待って香里さん、力ずくはまずいような気がする。
「美坂さん、力ずくって……?」
「起きぬなら殴ってしまえホトトギス。……つまり、言葉通りよ」
やばいと思って慌てて部屋に飛び込んだら、丁度香里さんの拳が頭を直撃。
ゴツン!今ものすごーい音がしたよ。名雪大丈夫だろうか?
一応手加減はしてあるようで、無事?名雪も目覚めたようではある。
「うー、なんだか頭が酷く痛いよ」
ちゃんと話せるんだからとりあえず心配はないか?語尾も「おー」になってないし。
「ねえひょっとして誰かわたしの頭を叩いたりしてない?」
まあそう言う疑問を持つのは当然だよね。
「あら、あなたが寝惚けてベッドから落ちて頭をぶつけたのよ」
香里さんはしれっとした態度で回答。うん相変わらず堂々たるものだ。
わたしはあんな風にポーカーフェイスなんか出来ないな。
「うー、本当?香里は嘘ついてない?」
名雪は疑いの眼でわたし達を見回しているけど、その後ろで香里さんが睨んでいる。
「「「「か、香里さん(美坂さん、お姉ちゃん)の言う通だよ(です)」」」」
栞ちゃん、あゆ、七瀬さん、わたし、首を大きく横に振り、声をそろえてそう回答。
「うー、なんか納得いかないよー」
後免ね名雪、みんな自分の身が一番可愛いんだよ。
まあしかし名雪の不機嫌も朝食のいちごジャムで解消。
こうやってすぐに立ち直れるのは純粋に羨ましいな。時々歯がゆいこともあるけど。
倉田家から学校までの距離は水瀬家からと同じくらいだから、いつもと同じ時刻に出発。
ちなみに今日は名雪も一緒だ。香里さんに引きずられてやや膨れているけど。
ただのトーストならともかく、さすがにジャム山盛りは歩きながら食べられないもんね。
ところで今朝もわたし達を見ると生徒達が走り出していくんだ。
うーん、わたし達そんなに信用ないのかな?
わたし達が束になっても名雪一人の評判(名雪を見たら遅刻寸前)に劣るわけなの?
もうここまで行くと名雪の実態から乖離して、伝説が一人歩きしてる感じだね。
昼休、名雪の御弁当はジャムフォンデ?無邪気な表情で無心に食べてるよ。
まあ本当にそんな名前の料理があるかどうかは知らないけどね。
実は今朝はこの取引で名雪をテーブルから引き離したんだ。
だって香里さんの力でテーブルから引き離すのことまでは出来るけど。
さすがに全行程引きずって行くのは無理だと思うし。なによりみっともないから。
ところでもの凄い量のジャムを摂取してるけど良く太らないね。
部活頑張っているからだろうけど、引退後は減食させないとまずそうだよ。
余計なお世話かもしれないけどさ。
そう言えば某先輩の場合はあの食物どこに消えるんだろうね?今世紀最大?の謎だ。
今日の香里さんのターゲットは栞ちゃんのようで、ベタベタとまとわりついている。
栞ちゃんの方は明らかに鬱陶しく思っているようだけど、逃げようがない。
だけど香里さん、その目つき絶対に妹を見る目じゃないって。
幸いまだスイッチは入ってないみたいだけど、いつまで理性がもつことやら。
大事な妹の痴態をこんなに大勢に見せつけてしまってもいいわけ?
なお舞と名雪はお食事に夢中、七瀬さんは見ないふり、佐祐理さんは面白がっている。
天野さんは不機嫌だ、人として不出来でしょうと無言で主張しているよ。
斉藤君と北川君は目のやり場に困っているみたいだけど。
無理矢理連れてこられた久瀬さんは、泰然自若とお食事中。
どうもなにも見えていないことにしているようだね。これも公私の使い分けなの?
放課後また倉田家に向かう。合宿二日目だ、さあ頑張ろう。
今日は美子ちゃんとピロがお出迎え、佐祐理さんが迎えに行かせていたらしい。
もちろんピロは名雪と入れ替わりになるように家に返すよ。
「お姉ちゃーん」
「うなー」
美子ちゃんは天野さんの顔を見たととんに飛びついて、それからくっついて離れない。
これはもう相当なお姉さん子だね。オプションのピロも一緒。
けど邪魔はしないところは真琴やあゆより躾が出来てるのかな?
1時間ほど勉強したら美子ちゃんをお見送り。そろそろ名雪が来るから。
天野さんの他に真琴も付いていったよ。
それでわたしの右横が空いたら、すかさずあゆをはじき飛ばした香里さんがゲット。
ゲットしようとしたんだけど……舞と睨合いになった。ちなみに左隣は栞ちゃんね。
えーっと、講師役がこれじゃあ困るんですけど。
「あははー、二人とも駄目ですよー。年長者として恥ずかしいです」
佐祐理さんは暴走してないときは良識派だ。
「いくら佐祐理の言うことでもここは譲れない」
「そうね、女の意地よ」
二人とも頑固なんだよね。あああゆは転び慣れてるから大丈夫だよ。鼻が赤いだけ。
「困りましたねー。……そうです、それならじゃんけんで決めましょう」
「わかった。佐祐理の言うとおりにする」
「わかりましたそれでいいです」
一応この二人も落としどころ捜していたみたいだね。仲裁を期待しての張り合いかな。
ただこの場合しょうがないとは思うけど、わたしを無視して決めないで欲しいな。
「はい、二人ともいい子ですね」
えーっと、子供扱い?確かに佐祐理さんが最年長だけど。
それと結構それからが長かったね。真剣に睨み合ってすごい緊張感がはしる。
例えが古いけどほとんど相撲の仕切みたい、更にあいこの連発、また連発。
決着が付いたのはなんと15分後でした。もちろん一々見てなかったけど。
実はその間あゆが隣に座っていたりしたけど、まあ痛い目を見た代わりってことで。
勝者は香里さんか、まあいいんだけど今はテンション上がってるから嫌だなあ。
まああんまり大したこと無かったけどね。
「膝枕カマン」
とか手招きされたくらいで。ただせめて人前ではやめて欲しいものだな。
ところで騒動の最中に陸上部ご一同がちゃんとご到着していたようだ。
気が付いたら名雪達が隣のテーブルで勉強してたから。
チラチラ見たらちゃんと一年生の子に教えてあげたりしてるよ。意外だ。(失礼かな?)
どうも集中時とそうでないときの差が大きすぎるから、ボケボケに見えるんだろうな。
一点集中効率的ではある。これなら寝ててもそれなりの成績はとれるかと納得できた。
お風呂とかの騒動は昨日と同じ感じ、ただ寝惚けた名雪に胸を思いっきり揉まれた。
「香里ーもみもみするおー。あれっ小さい、ダイエット?香里は胸からやせるんだおー」
えーと香里さんと間違えてるわけ、でもかなり失礼なこと言ってるな。
それより問題は少々痛いんですけど。名雪絶対に力入れすぎ。
「うーんそれにしても小さすぎだおー。もしかして栞ちゃんなの?それともあゆちゃん?」
この時、名前を出された二人の表情が明らかにこわばったんだ。
もうわたしたち3人の心は、名雪への殺意(は大げさだけど)で一つになったね。
まあお風呂からあがるころには多分他の二人もすっかり忘れてましたけど。
さて香里さんは横でケラケラ笑ってるけど、名雪の親友だったら止めてよね。
ところで天野さんが真琴を洗髪中なのは見えたけど、他の子はどうしてるんだろう?
佐祐理さんの嬌声と、陸上部の子達の悲鳴は聞こえたけどね。
でも実は今日の重大事件はこの後にあったんだよね。
寝る前に天野さんから、美子ちゃんの秘密を打ち明けられたんだ。
実は美子ちゃんも真琴と同じで、ものみの丘の妖狐なんだそうだけど。
ああそうかと素直に納得しちゃったのは、ちょっと自分でも不思議なくらいだね。
でもこんな大切なことを話してくれて、これで本当の友達だね。何か感激だよ。
とそこまでは良かったんだけど、仲良くなれたら本性が出たというか。
天野さんは結構ベタベタするのが好きみたいだ。
どうも真琴のお世話焼きも実はそれだったりしてと、やや疑念が浮かんできたよ。
まあそれはいいんだけど、実はキス魔で、ちょっと妄想癖もあるみたいだ。
あゆと真琴も対抗してくるし、3人でまとわりつかれるとさすがに鬱陶しいよーう。
盛り上がってるところ流れを断ち切るようで申し訳ないですが、
三度の食事の間の間食ということでお目こぼししてください。
「あーぁー」
学校に重役出勤して早々机に倒れこみ頭を抱える、不味いことした。
これからの事を考えると頭が痛い、というより面倒臭い。
軽率な事をしてしまった…バカだ、私は間違いなくバカだ。
タイムマシーンがあるなら戻って頭を蹴り飛ばしてやりたい。
「うーうー」
頭の中の京とこれから起こるであろうことを想定してみる。
「おはよう、朋美」
「ええ、オハヨ」
「あのさ…昨日の事なんだけど…」
「ん、なに?」
「その…さ、また、やってくれるかな」
「そうね、気が向いたら、ね」
「イヤッホーゥ、朋美最高!!」
…まず無い…ていうかありえない。
そんな事がおきたなら私は春原の髪の毛を毟り取り、
サラダ油でカラッと揚げて夕食に並べてもいい。
「はぁ、どうしてあんな事するかなー」
自分の行った痴態を思い出しさらに苦悩する。
そんなことをした自分が信じられない、あれもおまじない効果だろうか。
いや、もしかしたら私は二重人格ではないだろうか…。
そうだ、きっと…なわけないか。 もう仕方が無い、でも京なら…。
「サヨナラか…こんにちは…ね」
ふと気づくと周りが騒がしい、顔を起こしてみる。
「げっ」
どうやら思考にふけっている間に授業は終わり、昼休みに入ったようだ。
春原は…まだ来ていないようだ。
有紀のいる資料室にでも行こうかなーと思ったその時だった。
「朋美…」
「なっ!」
声のした方へと向くと案の定、
現在私が会いたくないランキング1位に輝く京が居た。
「やるわね…私に気づかれず、ここまで接近するなんて」
「朋美」
「腕を上げたようね、けど私を倒したいのなら、まずゲーテ春原を倒す事ね」
「朋美」
「順序を間違えてはいけないわよ、チャンピオンにいきなり挑戦する事は許されないの」
「朋美」
こいつ…人が折角暖かいボケをしているのに!
あーあーそう、空気を読んでないのは私ってことね。
「………」
「朋美」
「はいはい、なんですか藤林京君」
「話が、あるんだ」
でしょうね、まったく素敵な友人をありがとう神様、心から殺意を抱きます。
できることならついでに、昨日の彼の記憶を消し飛ばしてください。
「…なに」
「昨日の、ことなんだけどさ」
ほらきた、うー気が乗らないけどプランAを実行します。
神様、先ほどの殺意を春原に向けますので、どうか彼が私の思う通りに動いてくれますように。
「昨日?…ああ、またシテ欲しくなったの?」
「な…」
「そうね、また気が向いたら、シテあげるわよ」
「………」
まずい、京の拳が震えている…止めなければ、謝らなければ。
そう思ってるのに、私の口は止まってくれない。
「なに? 口じゃ不満なの? 悪いけど、セックスはダメよ」
「………」
ああ、違う…早く謝らないと、冗談でした御免なさいと。
なのに…。
「まさか、昨日のことで私を脅すつもり?」
「なっ!?」
「写真とか証拠、無いでしょ? なら」
「違う!そんな事は望んでいない!」
「…」
騒がしかった教室が一気に静かになる。
そして、当然のようにクラス中の視線が集まる。
はぁ…神様、彼は選んでくれるでしょうか?
「場所、変えましょ」
「…ああ」
人気のない教室へと移り、朋美は机に座った。
「それで、なに?」
「昨日、その…何であんな事を?」
「言ったじゃない、迷惑かけたお礼だって」
「お礼って、おまえ…」
信じられない、昨日は自分もどうかしていた。
目の前にいる彼女は、昨日の事をただのお礼だという。
先程の教室での出来事だってそうだ、普段の彼女なら、
俺の知っている岡崎朋美は、あんな事は冗談でも言わない。
それに、あの体育倉庫で淫靡な微笑を浮かべた彼女は…。
「お礼はお礼じゃない、なに? やっぱり満足しなかったの?」
「な、ちが」
「ふふ、満足したんでしょ? 私の舌で、口で、気持ちよかったでしょ?」
「な…あ」
なにを言っているんだ、彼女は…。
俺は…そんな事を聞きたいんじゃない。
この少女は、本当に岡崎朋美なのだろうか。
「わかってるわよ…あんたが聞きたいのは、お礼なんて理由であんな事をするのか?ちがう?」
「…ああ、そうだ」
なんなんだいったい、何もかもがわからない。
「じゃ、第一の選択よ、京」
「は…?」
なにをいってるんだ?朋美は。
選択?なにを?
「昨日のことを忘れ、今この場のことを無かった事にする。
それとも、昨日のことを聞くか」
「…」
「好奇心は猫を殺すわ、くだらない理由なら今すぐこの場を去って」
くだらない?くだらない理由なんかじゃない、
俺は、俺は朋美のことが…。
「聞くよ、聞かせてくれ」
「…そ」
あーあ、こうなる事はわかってたのに、昨日の私って奴は。
「京、私ね、売春してたの」
「え…売春? 売る春?」
「そ、春を売ってたの」
「…なんでか、聞いていいか」
「そうね、寂しかったのよ…きっと」
そうだ、寂しかった、大好きだったバスケを失い。
失った理由が母によるもので、それ以来、母は私を朋美さんと呼ぶ。
それは決別、かろうじて家族だったかもしれないものが、完全に他人へと変わった瞬間。
誰も信じられなくなった、けど私は、一人で生きていける程強くなかった。
寂しくて寂しくて死んでしまいそうだった。
「嘘でも必要として欲しかった、偽りでも愛して欲しかったんじゃない?きっと」
「…」
「あ、今はやってないわよ、自称親友の春原とバカやってたほうが楽しいし」
そう、春原は私の仲間、同じ失ったもの同士。
どうしようもないバカだけど、大切な…友人。
「あ、言っとくけど、私は処女だからね、最後の純潔は絶対死守してたから」
「…朋美」
「第二の選択よ、京」
「…え?」
「私を愛して、私を必要として」
「朋美?」
「別に本心からそうしなくてもいい、そうしてくれれば私も、お礼をするわ」
「お…礼?」
「ええ、手や口でシテあげてもいいし、処女はあげられないけど、
それ以外なら、なんでもしてあげる、あんたが望むなら…お尻でしてもいい、我慢する」
「な…」
「もし、ダメなら…」
「ダメ、なら?」
「サヨナラよ、京」
サヨナラ?サヨウナラ?さようなら?
「ど、どういう意味だ」
「だからサヨナラ、別れの挨拶、グッバイフォーエバーキョウ」
「な、別れって」
「京、私は売春してたときね、同じ相手と二度は会わないようにしてたの」
「…なんでだ?」
「さぁ?」
朋美とサヨナラ?
嫌だ、それだけは嫌だ、しかし、朋美の言う関係にも頷けない。
そんなのは間違っている、椋だって…許すはずが無い。
「どうなの? 京、悪いけど考える時間はあげられないの」
「…」
「そう、あまり深く考えないで、別に断ってくれても、私は大丈夫よ、当てはあるから」
「当て?」
「うん、有紀に渚と、智司かな」
「誰だよ、それ」
聞いた事の無い名前に胸の奥がざわつく。
当てだって?同じような選択をさせるのだろうか。
もし、そいつが頷けば、朋美はそいつと…。
「最近会った人達よ、話してみて私が信じられるかもしれない人」
「椋は、どうなんだ?」
「藤林君? 余り話した事ないし、よく知らないから」
朋美の選択に頷く事ができない、それは椋の為なのか、自分の為なのか、
昨日の情景が浮かぶ、朋美の声が、朋美から与えられる快楽が。
朋美が立ち上がり、俺の側から他の奴の所へと去って行く。
嫌だ!行かせたくない!朋美は…朋美は!
「わかった、おまえを、愛する…必要と、する」
彼女がにっこりと微笑む。
「そう、よかった」
あれは始まりだったのか…終わりだったのか、あの体育倉庫にて…。
先生!
僕はこんなCLANNADがやりたかったです。・゚・(ノД`)・゚・。!
おーすごい、あれから続きあったんだ。
いかん…
京の方に萌えた…
>>274-278 三度の食事の間の間食、美味しくいただきました。
もはや日常化した混沌っぷりに乾杯。
でもジャムフォンデ(仮名)は勘弁なw
>>体育倉庫にて…
「前は死守してる」ってあたりがなんとも…。
このまま、いくみんの流れをくむヨゴレ系ヒロインでいくのもありか。
前は死守って…そんなこと出来るのか?
つまりはうし……
あぅ…(;´Д`)
>>291 それは前でするよりすごいことしている気が…
客に声かけられた時に「私、アナルかフェラ専門だから」とかいうのだろうか
なんか朱鷺乃並みに屈折しているような…(;´Д`) >朋美
>>292 >>あんたが望むなら…お尻でしてもいい、我慢する
と言ってるから、そう簡単にアナルをやらしてるわけでもなさそう。
だ が そ れ も ま た 良 い 。
「あっんっ!はぁ……んっ」
「ん……くぅ……ぁ!」
少し薄暗い朋美の部屋に、二人の声が響く。
京の上に朋美が乗り、お互いの秘所に顔をうずめて舐めあっている。
「ふぁ…ぁ…ん!……ぁぁ!」
両手で朋美の秘所の肉ヒダを左右に開いて、秘口に舌を差し込む。
ねっとりとした唾液を纏った舌は、
その唾液を肉壁に塗りこめるように動いて朋美に快感を送り込む。
降ってきたばかりの雪のように白い朋美の肌が、うっすらと赤く染まっていく。
「んっんあっ!そこ……あぁ!」
体を流れる快感に痺れる朋美、それでも、責めをやめない。
舌で秘口を舐めつつ、肉ヒダを広げている指先で朋美の小さくて可愛いクリトリスを擦る。
しっとりと溢れ出してきた愛液を絡めた指先は、ぬるぬると肉豆を刺激する。
「ひゃんっ!そこはっ……ダメ…ぁ!」
「いやらしいな、朋美は……くっ!」
お返しとばかりに、朋美はペニスを口の中にスッポリ入れ、舌でコロコロ転がす。
そのまま喉の奥まで入れ、付け根に唇が当たる。
下半身からの突き抜けるような快感に、少し背を仰け反らせる。
半ば意地になって朋美を責める。
「ん……ふううぅっ!!」
「くぅ!……ああぁ!」
同時に絶頂を迎える二人、体を少し痙攣させて、二人は互いを抱きしめる。
抱き合ったまま絶頂の余韻に浸る。
どちらかともなく、体を離すと、ぐったりと天上を見つめる。
「……なに考えてんのよ、朝っぱらから」
「…悪い」
俺は何を考えているんだ、今日はデートだから、迎えに来ただけのはずだった。
「いいけどね、別に」
身だしなみを整えようとのろのろと起きる、
朝日が射し込む中、軽く髪をかき上げる朋美の姿は美しく、どこか扇情的だ。
そんな朋美をぼぅっと見つめ、ある考えが、頭をよぎる。
この美しい少女の処女を奪う。
→何をバカな事を…。
何を考えているんだバカか俺は、頭を振って起き上がる。
「それじゃ、私ちょっとシャワー浴びてくるから」
「ああ」
朋美の後姿を見つめ、視界から消えると、俺は身だしなみを整える。
「はぁ」
ため息がでる、こんな関係がいつまで続くのか。
ある日突然、朋美を失ってしまうのではと、いつも不安に駆られる。
あの笑顔を、その声を、その姿を、失う事が怖い。
失ったときの絶望に耐える自信はまったく無い、
自分は、藤林京はそのとき死んでしまうのではないだろうか。
それに、この関係が椋に知られたとき、どうなるだろう?
軽蔑されるだろうか、侮蔑の言葉を叩きつけられるだろか。
「はぁ」
止めだ、思考の海から現実に引き上がる。
「今日はデートじゃないか……」
そうだ、今日はあの春原陽子というバカに邪魔されずにすむ。
いつもいつも余計な茶々を入れてくるアホのいない幸せな一時だ。
「よし、いこう」
296 :
体育倉庫にて…その後:04/05/23 23:28 ID:IUr4D+Wx
岡崎家を出て、朋美とぶらぶらと街を歩く。
途中、適当にウィンドウショッピング等を楽しむ。
なかでもおもしろかったのは、芳野さんという人に会った事だ。
朋美が突然芳野コールをしようと言い出し、
訳もわからず二人で芳野コールをした。
すると謎の美女が現れ、滅茶苦茶怒られた、その後自己紹介をして、
色々と話してみたが、なんというか凄いポエマーな人だった。
「それは、愛よっ!」
意味がわからなかった、まぁ楽しかったのは確かだ。
朋美も終始にこにこしていた。
芳野さんと別れ、現在の公園に至る。
「ふぅーお腹すいたねー」
「ああ、そうだな」
確かに、もう昼食をとる時間だろう。
「昼飯にしようか、どうする?」
「うーん、そうだ、私のお勧めのパン屋がすぐそこにあるから、そこで調達してくるね」
「調達って、うん、朋美に任せるよ」
「任せてっ!」
朋美が走っていく、朋美のお勧めなら味は大丈夫だろう。
空を見上げ、しばし待つことにした。
ひとっ走りして私は古河パンへと入る。
「こんにちはー」
店に入ると若い女性が立っていた。
「ん? なんだおまえか、客かと思ったじゃないか」
「客よ、私はお客さん、今日はパンを買いに来たの」
「かっ、そうか、遠慮せずガンガン買っていきな、ただし値段は10割増し」
「なんでよっ!」
「それぐらいで怒るな、安いもんだろ?」
「2倍じゃない!」
「わかったよ、特別に定額で売ってやる」
「普通よ、定額が普通なの」
「ふん、まぁいいとっとと選べ」
相変わらず豪快な人だ、こいつは古河秋華、渚の母だ。
渚の父である早人さんはいい人なのに、こいつはどうも苦手だ。
そう思いながらパンを選んでいく、これでいいかなと思い、ふとあるものが目に付く。
[今売れてます]と書かれた商品、怪しい、怪しすぎる。
思いっきり山になっている、はっきり言って売れてない。
ゴクリと唾をのみ、震える手でそのパンを取る。
そしてレジへと向かう。
「ほう…」
秋華さんが関心したように目を向けてくる、
その目は畏怖したような感動したような複雑な目だった。
「いい目をしているな……まさかコイツを選ぶとは、末恐ろしい小娘だ」
「なによそれ、早くしてよ、人を待たせてるんだから」
「ああ」
レジを済ませ、店から出るとき声がかかった。
「おい」
「なによ」
「おまえに……レインボー」
ボケーと空を眺めていると声がかかった。
「お待たせ、京」
「ん、ああ」
朋美が帰ってきた、パンの入った袋と飲み物を持っている。
「ハイ、どれでもどうぞ」
「ん、いただきます」
「私も、いただきますっと」
もぐもぐと二人でパンを食べる。
うん、これはなかなかおいしい、朋美が勧めるのもわかる。
そのまま会話しながらパンを食べる。
そして、朋美とパンを食べ終わり、美味しかったよと言おうとしたとき、ソレは現れた。
「…京」
「うん?どうした?」
「もう一つ、パンがあるんだけど…」
「え、ああ、どこ?」
「…これよ」
そっと朋美がさしだした、何だコレは、
なにか危険だ、なんというか色が、それにオーラが見える。
第六感が危険だ!よせ!止めろ!絶対に口にするな!と叫ぶ。
「はい、どうぞ」
「え、俺が、食うのか?」
「うん、京に食べて欲しいの」
私お腹いっぱいだし、と言う、コレを食えというのか、そっと手渡されたパンを見る。
くっなんだよこの色は、パンにしては不自然だ!ありえないだろう!
朋美は期待の目を向けて見ている、くそっ食べるしかないのか!
「じゃ、じゃあ、いただきます」
パンを口に運ぶその時。
「京」
「う、うん?」
「あなたに……レインボー」
「あなたに……レインボー」
私がそう告げたとき、大声が聞こえた。
「僕のパンが売れたこと自体が奇跡なんですねーーーー!!」
「あたしは大好きよーーーー!!」
叫びながら早人さんが走る、少し遅れてパンを頬張りながら器用に叫びつつ追いかける秋華さん。
またやったのか、こりないな秋華さんは。
それに二人とも出てったら店はどうすんのよ…。
そう思い、京に視線を戻す。
「あれ?」
「ど、どうした?」
「食べたんだ? 早いね」
「あ、ああ、美味しかったよ」
ふぅん、あれ美味しかったんだ…。
いつの間にやら京の手から消えていたパンを思う。
見た目と中身は違うって事かな?
「な、なあ」
「ん?」
「あのパンさ、何?」
「ああ、アレ? アレは早人パン」
「は、早人パン?」
「そう、早人パン…早人さん特製パン」
「ふ、ふぅん」
「私も前に煎餅パンなるものを食べたけど、なんともいいがたかったわね」
「煎餅パン……」
あれはマズ…オホン、なんとも口にしがたい興味深い味だった。
どこか遠くを見ながら思う。
「なぁ朋美」
どこか遠い目をした朋美、目を閉じて耳をすませるとセミの声が聞こえる。
熱い日差しを避けた影のなか、涼しい風を感じながら言う。
「なぁ朋美」
「ん、なあに?」
「好きだ、愛してる」
きょとんとしたあと、本当に嬉しそうな顔をして微笑む。
「ありがと」
ゆっくりと抱きしめる、そっと目を閉じた朋美に軽くキスをする。
「ふふ、嬉しいよ、京」
笑顔を向けられて少し恥ずかしくなる、何か言おうと思ったとき、後ろから声がかかった。
「ラブラブですねっ」
「ちっ、このクソ熱いときに、なにやってんだてめぇらは、火傷させる気かっ!」
な、なんだこの二人は?誰だ? 羞恥心より疑問が浮かぶ。
「早人さんに秋華さん! 見てたの!」
ん?朋美の知り合いか、早人? まさか、さっきのパンはこの人が作ったのか?
「ったく、見せ付けてくれるな小娘、しかしおまえ彼氏がいたのか」
「おめでとうございますっ」
彼氏? あ、俺のことか、朋美を見ると真っ赤になっている。
なんだか、だんだん俺も恥ずかしくなってきた。
「かー初々しいなおい、こっちまで恥ずかしくなるだろう!」
「お似合いですねっ」
「よしっ早人、今日はめでたい日だ、代わりにあたし達が祝ってやろう」
「そうですねっ」
「うむ、渚が帰ってきたら、全てを細かく丁寧に教えてやろう」
「渚もきっと祝ってくれますっ」
「な、なんで早人さん達が祝うんですか!」
「おい小娘、一人の幸せは皆の幸せ…ならば皆で祝うものだろうがっ!」
「い、意味不明です!は、早人さん、なんとか言ってください!」
早人さんがこっちに歩いてきて、俺の手を握る。
「幸せにしてあげてくださいねっ!」
早人さんと朋美がなにかを言いあっている。
朋美が抗議しているようだが、うまくかわされている。
そして残ったなんとなく逞しそうな女性、秋華さんが近寄ってくる。
「おい、小僧」
「なんですか?」
小僧と言われちょっとムッとする。
「あの小娘のこと、頼むぞ」
「…は?」
なんだこの人は?その言い方じゃまるで…。
「あいつは何度かウチに、渚と一緒に来たことがある」
「はぁ」
渚? はて?さっきも聞いたが、どっかで聞いた名前だ…。
「あいつは、どこかおかしい」
「…」
「あたしはあいつをできるなら救ってやりたいと思うが…おまえはどうなんだ?」
「俺は…」
俺は、どうなんだろう? 確かに今の関係はおかしい、朋美は俺をどう思っているんだろう?
愛してくれているのか、俺のことを好きだと思ってくれているのか。
今の関係のままでいいんじゃないかと思う、朋美がいなくなるよりかはマシだ。
けど、こんな関係きっといつか、崩壊するだろう…。
「おい小僧、おまえあいつの恋人なんだろう?」
「っ!?」
恋人…たしかに俺は朋美のことが好きだ、けど朋美は…。
「小僧、自信を持て。 あいつは間違いなくおまえのことが好きだ」
「…そう、思いますか?」
「かっ、しっかりしろ! 男なら黙ってあいつを引っ張れ!」
朋美、おまえは俺についてきてくれるのか?
俺は…おまえを…。
「俺は、朋美のことが好きです、愛しています」
「へ? あ、ああ」
「あいつをいつまでも支えたいと思うし、守っていきたい」
「ほう」
朋美が俺の事をどう思っているのかなんてわからない。
けど、俺は朋美のことが好きだ、椋にも…譲れない、大切な人だ。
「よく言った小僧、だがな…」
「なんです?」
「こいつを投げ捨てたのは、いただけないな」
スッとポケットからなにかをだす。
そ、それは!?
「食べ物を粗末にするのはよくない、確かに、早人のパンを捨てたくなる気持ちもわかる」
「あ」
「ん?どうした小僧」
秋華さんが後ろを向く、そこには涙目になった早人さんが居た。
「げっ」
「僕のパンは…食べる人が捨てたくなるパンなんですねーーーー!!」
早人さんが凄まじい勢いで走り去る、それを追うように。
「あっクソッ、あたしは大好きよーーーー!!」
二人が走り去っていく様を唖然と見る。
「まったく、なに考えてるのか」
言いながら朋美が近寄ってくる、慣れているようだ。
「さ、まだ時間もあるし、デートの続きしましょ」
「…ああ」
歩き始めた朋美の手を取る、少し驚いて振り返る。
なにも言わずそのまま朋美と腕を組み、歩き出す。
俺たちは歩いている、長い、長い坂道を…。
>ID:IUr4D+Wx
\ _n /
\ ( l _、_ グッジョブ /
.\ \ \ ( <_,` ) /
\ ヽ___ ̄ ̄ ) /
_、_ グッジョブ \ / / / _、_ グッジョブ
( ,_ノ` ) n \∧∧∧∧/ ( <_,` ) n
 ̄ \ ( E) < .の .グ >  ̄ \ ( E)
フ /ヽ ヽ_// < 予 ッ > フ /ヽ ヽ_//
─────────────< 感 .ジ >────────────────
∩ . < ! ョ >
( ⌒) ∩ good job! < .ブ >. |┃三
/,. ノ i .,,E /∨∨∨∨\. |┃ ガラッ SSは見させて
./ /" / /" / .\ |┃ ≡ _、_ もらった
./ / _、_ / ノ' / グッジョブ!! \__.|ミ\___( <_,` )< グッジョブ!
/ / ,_ノ` )/ / /| _、_ _、_ \ =___ \
( / /\ \/( ,_ノ` )/( <_,` )ヽ/\≡ ) 人 \
ヽ | / \(uu / uu)/ \
・・・・・・
全く関係ないけど、反転した智代が男らしい性格してたら
かなりシナリオに無理が出ないか?
次の日も、蝉枝は外に出て行く。
何も言ってくれなかったけれど、大変だってことは分かる。
きっと、本当に危険な事もしてるんだと思う。
でも玄関を出て行く蝉枝の背中は、いつもと同じ背中で、
それを僕は、ただ見ているしかなくって。
僕にできる事……一体、なんだろう。
ピンポーン。
玄関のベルが鳴った。
「はーい、今出ます!」
「あ、月弥、おねがいね」
もやもやするこの気持ちを押さえて、とてとてと玄関に向かう。
誰だろう。郵便か何かかな。
…あのヘンなやつらの仲間だったりしたらどうしよう。
急に背中に冷たいものがつっ、と走った。
静かにドアの前に立つと、覗き穴の向こうをそっと覗いた。
男の人がそこに立っていた。
髪が長くて、染めてない黒い髪のままで、それが肩よりも長く伸びていた。
半そでのシャツも黒くて、首には、えーと、ネックレス?みたいなのを下げてる。
ズボンももちろん黒いし、はいているサンダルももちろん黒かった。
でも、僕はその人を見たとき「黒い」ってイメージは浮かんでこなかった。
その人は「白かった」。
顔も、首も、腕も、肌の色がとにかく白かった。
ドラマとかで見る病気の人のメイクみたいに、怖いくらい白かった。
「あ、あの…どちらさまですか?」
僕は、恐る恐るドア越しに声を掛けた。
「こちらに、坂神蝉枝さんいらっしゃいますか?」
聞こえてきた声は、予想よりもしっかりした、カッコいい声だった。
「せみえ……えっと、おばあちゃんだったら、今…」
「いや、そっちじゃない方の蝉枝さんは…?」
「!」
蝉枝の事を知ってる人なんて僕達以外いないはずだ。
それじゃこの人って一体…!?
「お兄さん、誰?」
「ああ、ごめん。説明が遅れたね。僕は杜若潔司。蝉枝さんの古い友人…ってところかな」
「蝉枝の!?」
そんなのってヘンだ。蝉枝は、だって…
「それで、僕は蝉枝さんに逢いに来たんだけど…いないかな?」
「えっと、あの、遠くに行くって…」
「そうか、それは残念だね…。せっかく還って来たのに…」
眉を下げて、肩を落とすこの人を見て、
僕はこの人に敵意みたいなものを感じられなかった。
むしろかわいそうだと思っていた。
「あ、あの、昼過ぎには帰ってくるから、それまで待ってますか?」
だから僕は、思わずこんな事を言っていた。
なんでなんだろう?僕はこの人を知らないはずなのに…。
「いいの?それじゃとりあえず、ここを開けて欲しいな」
「あ、すいません!」
僕は慌ててチェーンを取り、鍵を外してドアを開けた。
一瞬遅れて、男の人が中に入ってきた。やっぱり、白い。
「…本当に有難う。礼を言うよ」
そう言うと男の人は、僕に向かって深くおじぎをした。
「あのっ、そんな大したことじゃないんで、頭上げてください、あの…えっと」
「ああ、杜若潔司。潔司さん、でいいよ」
潔司さんは笑った。…やっぱり悪そうな人には見えない。
それとも、僕がだまされているだけなのかな。
307 :
元380:04/05/24 01:09 ID:GlYlMYaA
…ということで>238-240の続きを書いてみたわけなんですが…
反転きよみさん(潔司さん)登場させてみました。
白きよみの反転なら「病弱な優男」のイメージがあったんですが、
覆製身のきよみさんの場合、少し難しかったです。
それで現在のような形にしてみたわけですが、
「こうした方がいい」等ご意見あればどしどしご応募ください。
メッセージが採用された方には月弥くんの履いていたスパッツが当たるかもしれませんw
うーむ、瑞穂君といい今回といい最近ショタ気味ですね。
それでは回線吊って首切ってきます。
308 :
302:04/05/24 07:56 ID:rzyqhKeI
>>303 dクス
>反転した智代が男らしい性格してたら
>かなりシナリオに無理が出ないか?
むむむ…マジっすか…スマソ。
次体育倉庫智代verの構想考えてるけど、なんかラストが思い浮かばん。
途中朋美がヒス起こすつもりで春原に活躍してもらおうかなーと思うんだけど…。
構想考えててふとあることに気づいたんで杏ver見直したら……。
主人公が攻略されてるじゃないか!?
これってどうなんだろ?
>ID:IUr4D+Wx
綺麗にしめたな。グッジョブ。
早人&秋華って、そのまま反転させても意外と違和感ないんだな〜。
…にしても、
最後の一線は越えてないくせになんちゅー爛れた関係なんだ。
>元380
反転きよみさん(複製)キター!
サンダル履きの黒づくめイケメン(推定)萌え…か?
>その人は「白かった」。
>顔も、首も、腕も、肌の色がとにかく白かった。
>ドラマとかで見る病気の人のメイクみたいに、怖いくらい白かった。
なぜか天野喜孝のエルリック絵が頭に浮かんだ俺。
「んっ」
ふと目が覚めた、どうやら春原の部屋で眠ってしまったみたいね。
春原はいない、どこかへ出かけているのか。
ガチャリとドアが開く。
金髪のどっかで見たことのある少年が入ってきて、私と目が合う。
「……なにやってんだ? 岡崎…」
「は?」
金髪が私の名を呼ぶ、私にこんな派手な頭をした少年の知り合いはいない。
「誰よ? あんた」
「だ、誰って、おまえの親友、春原じゃないかっ!」
「……」
「おまえこそなにやってんだよ、人の部屋で女装なんかして……」
「……」
「随分本格的だな、制服は誰に借りたんだ? それにカツラか? これ」
金髪が近寄ってきて私の髪をワシャワシャと触る。
パシッとその手をはらい、睨みつけながら冷たい声を出す。
「気安く触らないで、ぶち殺すわよ?」
「ひいぃぃっ」
む、このヘタレた悲鳴は…それに顔をよくよく見る。
「春原じゃない、なに男装してるのよ、胸まで抉って」
「僕は最初から男だっ! 胸を抉るってどんなんだよっ!」
確かに言動や容姿は春原チックね、だがコイツは正真正銘の男のようだし…。
「とっとと女装とけよ、似合いすぎてなんだか、変な気分になるじゃないかっ」
胸にパットまで入れやがって、そう言い、手を伸ばして私の豊満な胸をわし掴む。
むにゅっ
「……あ、あれ?」
さらに揉む、揉みしだく、むにゅっむにゅっむにゅむにゅむにゅぅ
「す、すごいな…これ…やべっ、僕なんだかいけない気分になってきたよっ」
ぷちっと私の何かが切れた、閃光の左ストレートが顔面に突きささり吹っ飛ぶ春原(仮)。
私はゆらりと立ち上がる。
「そう……サヨナラ春原(仮)、三途の川で溺れて死ね」
「(仮)ってなんだよっ! それに三途の川って既に死後の世界ですよねぇっ! ひっ、ひいいぃぃっ!」
「ん」
ふと目が覚める、どうやら春原の部屋で眠ってしまったらしい。
春原はどこかへ出かけているのか、いないようだ。
ガチャリとドアが開く、金髪のどっかで見たことのある少女が入ってきて、俺と目が合う。
「……なにやってんの? 岡崎…」
「へ?」
金髪少女が俺の名を呼ぶ、俺はこんな派手な頭をした少女の知り合いはいない。
「誰だよ? おまえ」
「だ、誰って、あんたの親友、春原ですよっ!」
「……」
「あんたなにやってんのよ、人の部屋で男装なんかしちゃって……」
「……」
「随分本格的ね、制服は誰に借りたの? その頭はカツラ? それとも切ったの?」
金髪少女が近寄ってきて、ジロジロと遠慮なく俺を見る。
「おい、ジロジロ見るな、何故だか殺意がわく」
ギロッと睨みつける。
「ひいぃぃっ」
ん?この聞き慣れたヘタレた悲鳴…それに顔をよくよく見る。
「春原じゃないか、なに女装してんだよ、止めとけ、おまえじゃその世界は無理だ」
「私は最初から女ですよっ! それにその世界ってなんの世界ですかぁっ!」
確かに言動や容姿は春原っぽいな、だがコイツは正真正銘の女のようだし…。
「さっさと男装ときなさいよ、ってあれ? あんた、ご自慢の胸はどうしたの?」
家に忘れてきたの?おバカさんねー、そう言いながらぺちぺちと頭を叩いてくる、段々イライラしてきた。
「それじゃ、ここはどうなってるのかなー?」
いきなり股間に手を伸ばしてきた、咄嗟のことで反応が遅れる。
ぐにゅ
「……あら?あらあらあら?」
グワシッと春原っぽい少女の頭を掴み、そのままギリギリと締め上げる。
「いたっ!いたたたっ! ちょちょっホント潰れるっ!」
「確かに貴様は春原のようだ、ちなみに俺は春原には手加減をするなと教育されている」
「なっなにそれ、凄い教育方針っ! あいたたっ! や、やめっ!ひっ、ひいいぃぃっ!」
warata
ネタ1に比べ、ネタ2はその後てごめにされる想像がすぐについた。
春原は受けがいいな。
私は意外性のある無理のない話が好きです。
正直CLANNADの朋也はどうも好きになれなかったので(智代シナリオとかのせいかね?)朋也は女化させた方がいいな。
と言うことで、>310の続きキボン。
ネタ1は親友が女化しちゃってそれに心惹かれる春原が、倒錯と
欲望の狭間で悶絶するんだろうなw
三日で割り切って猛烈アタックあけるんだろうけどさ。
ネタ2は、朋也は強引に女襲うようなことはしないでしょ。
素直に恋愛に行くのかも微妙な気がするな。
お互い気は合うんだろうけど、以前に付き合いが意識の底で邪魔するだろうし。
これから色々用入りになるからと、買い物のために春原を引き連れて商店街に来たが、
いつの間にかはぐれてしまったようだ。
「ひいいぃぃー!」
仕方なくぶらついていると、聞き覚えのあるヘタレた悲鳴が聞こえてくる。
声のする方に目をやると、長い髪の少女に引きずられている春原が見つかった。
「何やってんのよ…あのヘタレは」
春原への制裁を考えつつ近づいていく。
「人の顔を見るなり逃げ出すなんて、あんたにしてはいい態度ね」
「ち、ちがうっ! 出現にちょっと驚いただけだっ!」
「ふぅん? 驚いたついでにボタンを蹴り飛ばそうとするの、あんたは」
「ふ、不幸な事故だったんですっ!」
「なんで事故で、くらえっ!なんて台詞がでてくるのよっ!」
言動と容姿、春原の知り合い、以前春原から聞き出した情報から、この少女は京→杏と導き出された。
ふと、必死な表情をした春原と目が合う。
「お、岡崎っ! 助けてくれっ!」
「え、朋也?」
女に助けを求めるなんて…なんというへタレなの…。
「はいはい、ウチの春原が迷惑かけちゃってゴメンね、今度からちゃんと鎖で繋いでおくから」
「それってペット扱いですよねぇっ! 友人として扱いましょうねっ!」
「朋也…じゃないわね、ダレよ、あんた」
「岡崎朋美、よろしくね」
「……」
その後、なんとか杏の追求をかわして春原を回収した、杏はどこか釈然としていないようだった。
「手間をかけさせてくれたわね……賽の河原で石積みしてみる?」
「ち、ちがうっ、あれは杏が悪いんだっ! 完全犯罪だよっ! 無罪判決だっ!」
「はぁ? そういえば、どうしてボタンを蹴り飛ばそうとしたの?」
「ひ、日頃の恨みとストレスが…青い性の暴走がさっ、爆発してさっ!」
何言ってんのこのバカは…未遂とはいえ動物にあたろうとするとは…とんでもないへタレっぷりね、
このまま最低のクズに成り果てるつもりなのかしら……不憫ね、そのうち彼を修正してあげよう。
「あんたってさ、きっと魂自体がヘタレなのよ、だから必死にがんばって生きなさい」
「それ全然励ましの言葉になってませんよねぇっ!」
これからの生活で色々買い物があるから、春原を騙して商店街へと共に来たが、
いつの間にか彼女の姿は消えていた。
「ひいいぃぃー!」
ぶらぶらとしていると、へタレた悲鳴が聞こえる。
目を向けると予想通り春原が視界に入ってくる、何故か長髪の少年にアイアンクローされていた。
「人を見るなり悲鳴をあげて逃走、しかもボタンを蹴り飛ばそうとするとは何のつもりだ…」
「いたっ! 痛いですっ、京さん、落ち着いて話しましょっ!」
「ペットを虐待されそうになって落ち着けるかっ!」
「あ、あれは、そう、事故よっ!」
「嘘付くなっ! 必殺!春原スペシャル! とか言ってただろうが!」
ふむ、春原の台詞と容姿、以前の状況説明から杏→京という人物が導き出された。
そう結論がでたとき、そいつの指の隙間にある目が俺を見つけた。
「お、岡崎っ! 助けてよっ!」
「えっ? と、朋美?」
妙にうろたえてキョロキョロする京が、春原をパッと放す。
すかさずササッと彼女が俺の背後に隠れる。
「すまん、バカが迷惑をかけた、これからはスコップとビニール袋を持参する」
「バ、バカじゃありませんよっ! しかもどんな勘違いしてるんですかぁっ!」
「朋美…じゃないな、誰だよ、おまえ」
「ああ、岡崎朋也だ」
「…朋美って双子だったのか?」
その後、色々と聞いてくる京を適当に誤魔化して、なんとか退避した。
「なにやってんだよ…」
「いやぁ、ちょっと驚いちゃって」
「なんでボタンを蹴ろうとしたんだ?」
「動いてないから人形かと思っちゃって、てへっ」
未遂だったとはいえ、とんでもない奴だ。
「てへっ、じゃねぇよ…」
「私の中のアメリカンな血が騒いじゃったのよ、日頃の恨みを今ここで晴らせっ!みたいな感じで」
全然アメリカは関係ない、ただの陰湿な奴だ、無言でアイアンクローをかける。
「な、なんでっ! いたたっ! ひいいぃぃっ!」
なんか新しいパターンだな(ガイシュツかも知れないが)
漏れ的にはGJ
反転させても結局ボロボロにされる春原にちょっと萌えた。
GJ。どの道不幸から逃げられぬ春原に祝福あれ。
ふと、岡崎(♂)×春原(♀)の、微笑ましくバカやりつつも実はかなり爛れた関係なんてものを想像してしまい。
想い人が突然同性になって現れる哀れなヒロインたちw
学園編にも期待。
「なぁ、おまえの居たとこって、僕が女なんだよな?」
目の前に座り、よくわからない雑誌を読む巨乳冷血女を見ながら聞いてみる。
「ええ、そうよ」
「美人か?」
「いいえ、鏡見てみたら?」
「即否定するなよっ! それって僕が不細工ってことですかねぇっ!」
クソッ、岡崎め…女になってまで僕をバカにして…ん? まてよ…僕が女ってことは…。
「や、止めて…岡崎っ!」
「ははっ、何言ってんだよ春原のクセに」
乱暴に服を引き裂く岡崎を、怯えながら見る少女姿の僕。
「い、いやっ! おねがい…やめて…」
「うるさいな、少し黙れよっ!」
岡崎の怒声にヒッと怯える僕の、露になった胸を乱暴に掴む。
「いたっ!…うぅ……いやぁ…」
「ふん…」
絶望に抵抗の薄くなった僕に、岡崎がついに挿入しようとする。
「ダ、ダメッ!そこだけは許してぇっ!」
「黙れって言ってるだろっ!」
最後の力を振り絞って抵抗する僕を無理矢理捻じ伏せ、挿入し乱暴に腰を振る。
「うっああぁっ! い…たい…痛いよぉっ! いや…あぁっ!」
「なんだ、春原、おまえ処女だったのかよ」
悲鳴をあげ続ける僕を無視して岡崎は行為を続ける…それを涙目で見る彼女の目は絶望に染まっていた…。
「岡崎ぃっ!貴様ぁっ!」
「なによ、うるさいわね…あら? なにその振り上げた拳は?」
彼女が冷たく鋭い目で睨んでくる、こ、怖すぎる…殺意が滲み出ているのがわかる…。
ちくしょうっ! もっとおしとやかになれよっ! きっと岡崎は美少女な僕に嬉しがってるだろうな…。
僕にだってもっと幸せがあってもいいのにっ!…あ、そうだ。
「岡崎、おっぱい揉ませてく」
途中、ヒュッと風を切る音がして僕の視界に大きな拳が見えた、それが彼女の必殺コンボの始まりだった。
「なぁ、ここではさ、俺が女なんだよな?」
目の前に座り、煎餅をポリポリ頬張りながら漫画を熱読する春原に聞いてみる。
「んー? そうだけどー」
「どんなやつだ?」
「暗黒人型破壊兵器」
「なんだよそりゃ…」
よくわからないことを言う彼女をほっといて、春原と居るであろう女の俺を想像する…む、まさか春原の奴…。
「や、止めて…春原っ!」
「ははっ! 岡崎め、いつもいつも僕をバカにしやがって!」
組み敷いて服を引き裂く春原を、怯えながら見る少女姿の俺。
「い、いやっ! おねがい…やめて春原…」
「うるさいっ! 黙ってろよっ!」
春原の無駄にでかい大声に、ヒッと怯える俺の露になった胸を、春原が乱暴に掴む。
「いたいっ!…うぅ……いやぁ…」
「ふんっ、いい気味だねっ!」
次第に抵抗の薄くなった俺に、春原がついに挿入しようとする。
「ダ、ダメよっ!そこだけは許してっ!」
「黙れってろって言ってるだろっ!」
最後の力を振り絞って抵抗する俺を無理に捻じ伏せ、挿入する、そこから一筋の赤い雫が垂れる。
「あぁっ! 痛い…痛いっ! やめてぇっ!」
「なんだよ、岡崎、おまえ処女だったのかよっ!」
悲鳴をあげ続ける俺を無視して春原は行為に没頭する…もう彼女には絶望しか残ってなかった…。
「んなわけないか…」
あのへタレた春原に、そんな根性があるとは思えない。
「んー? なにが?」
「いや、春原が女の俺を襲ってるかな、と思って」
「あははっ、それはナイナイ。 いくら男の私でも、命の危険ぐらい察知できるよ」
「そうか…」
いや、きっとあのバカは余計な事をして命を縮めているはずだ。
粋の良い作者さんがでてきたなぁ。続きも楽しみだ、ガンガレ!
他キャラも絡むのか、あくまで岡崎×春原でいくのか・・・・
325 :
名無しさんだよもん:04/05/26 18:16 ID:ujOa3Gth
↑
323 表岡崎・裏春原 妄想編
×「黙れってろって言ってるだろっ!」
○「黙ってろって言ってるだろっ!」
(´・ω・`) マジスマソ 後で吊ってくる…。
「本当に春原の部屋で寝泊りするつもり?」
「そのつもりです」
「別にここで寝泊りしてもいいのよ?」
「いえ、あの部屋で寝てたら、そのうち帰れるかもしれないから」
私はここの寮母である、相楽美佐枝と話をしている、
彼女は意外にも、私のファンタジーな体験を信じてくれた。
「はぁ…あいつの部屋はどうなってんのかしらねぇ…」
確かに、いったいどうなっているのよ。
「けど、男女が一緒の部屋で寝泊りするのは関心できないわよ?」
「あいつを男と認識していませんから、あれはヘタレです」
「万が一ってこともあるのよ?」
「そのときは彼の家族には申し訳ありませんが、凄いことをします」
「何するつもりよ…できればこの寮で不祥事を起こして貰いたくないんだけど?」
「それは彼次第です」
まったく、何でこんな現象が起きたのだろう…きっと春原のせいだ、うん、絶対そうだ。
帰ったらたっぷり報復しよう、そう心に誓う。
「なにかあったらあたしを頼りなさい、できるだけ力になるから」
「そう? ならお言葉に甘えさせてもらうわ」
む、いい人だ、かなり人望も厚いだろう。
「それにしても…岡崎が女になるとこうなるのねぇ」
「? ああ、こちら側の岡崎朋也のことね」
「そう、ちょっと俄かには信じられないわね」
でしょうね、私は今でも信じられない。
「こちら側の彼もおそらく、私の代わりに向こうに行ってますよ」
「はぁ…大丈夫かしら」
それは私も気になる、春原の毒に染まらなければいいんだけど…。
「ま、がんばってね、あたしはあなたの味方だから」
「ええ、それでは」
「気をつけてね」
「はい、彼が手をだしてきたら、殺人覚悟で顔面を殴打しまくりますから」
「…春原が心配になってきたわ」
「本気で春原の部屋で寝泊りする気か?」
「はい、もしかしたら戻れるかもしれませんので…」
「そうかもしれないが、ここで寝泊りしたほうがいいと思うんだが?」
「いえ、たぶん原因はあの部屋にあると思うので…」
俺はここの寮父である相楽美佐男さんと話をしている、
彼は意外にも、俺のバカな話を信じてくれた。
「はぁ、あいつの部屋はいったいどうなってんだ…」
まったくだ、超摩訶不思議空間といえるだろう。
「しかし、男と女が一緒の部屋で寝泊りするのは関心できないぞ?」
「あいつに欲情したときは手首を切るか、舌を噛み切ります」
「それはちょっと…できればこの寮で自殺は勘弁してもらいたい」
「なんとかなりませんかね…?」
「うーん、まぁ、春原がいいって言うのなら俺は構わないが…」
「元はあいつが原因のような気がするんですが…」
まったく、何でこんな現象が起きたのだ? …絶対春原'Sのせいだ。
帰ったらどうしてくれようか…。
「ふぅ…なにかあったら俺を頼れ、できるだけ力になるから」
「すみません、何から何まで迷惑をかけて」
美佐枝さんは男になってもいい人だ…ついでにガタイもいい。
「それにしても…岡崎が男になるとこうなるのか」
「? ああ、こちら側の岡崎朋美のことですか」
「そう、信じられないな…あの魔女がこんな好青年になるとはな」
魔女? なんだそれは…?
「こちら側の彼女もおそらく、俺の代わりに向こうに行ってるのかなぁ…」
「…向こうの春原が心配だ」
かなり気になる、春原のバカに染まらなければいいんだが…。
「ま、がんばれよ、俺はおまえの味方だからな」
「はい、すみません」
「気をしっかり持てよ、きっと帰れる」
「はい、ありがとうございました」
「なるべく部屋を出るなよ、色々と面倒だから」
おー、ストーリー性が増してきてる。
続き楽しみにしてます。頑張ってください。
いや、なんか空気、流れを読まずに書き込むんだがこのままなんかもう見れなそうなんで
天 い な 続 き す げ ぇ 知 り て ぇ ( 見 て ぇ ) ! !
流れぶった切ってスマソ
>>魔女ワロタ。 コレだから性反転スレは止められないw
反転勝平の容姿を考えてみた。
原作:女の子っぽい男
反転:男っぽい女の子
・
・
・
. .: : : : : : : : :: :::: :: :: : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
. . : : : :: : : :: : ::: :: : :::: :: ::: ::: ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
. . .... ..: : :: :: ::: :::::: :::::::::::: : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
Λ_Λ . . . .: : : ::: : :: ::::::::: :::::::::::::::::::::::::::::
/:彡ミ゛ヽ;)ー、 . . .: : : :::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::
/ :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.: ::: . :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
/ :::/;;: ヽ ヽ ::l . :. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄
…UMA子みたいなのか?
原作の性格のまま性別だけ反転しても
古河夫妻みたいに違和感ないかも
>>329 いや、正直スマン。前回投下分以降、全然書いてないんだわ。
俺に陵辱は無理だった……。
>>327 >「あいつに欲情したときは手首を切るか、舌を噛み切ります」
ひでえw
>>331 普通にボーイッシュな容姿のオレ女(虚乳)じゃダメ?
>>334 >虚乳
胸あるのかないのかどっちだよw
336 :
331:04/05/26 23:43 ID:+qqaELPm
いや、単に思いついただけだから…_| ̄|○
多分普通の路線で行くなら
>>334のでいいと思う。
337 :
329:04/05/26 23:58 ID:9+2aVbAd
>>333 こんな厨な発言に、まさか作者さんが出てきてくれるとは……
なんかこれからはクラナドやカノンだらけになりそうで(いや、悪くはないんだけどね)、
もう見れないのかと思い……。雰囲気というか文がすげー好きだったから。
見れませんか、もう。ご迷惑おかけしました。
あと、クラss書いている方、GJです。
>>335 1:服の上からでは触ってみても判別が難しく、
「…お前やっぱ男だろ?」
と言われてしまうようなツルペタ。
2:「お前が女ぁ?だったらその証拠でも見せてもら…」
↓
ぐに。むにゅむにゅむn(ry
↓
「すいません俺が間違ってました(´д`*)」
どっちもいいんだけど(w
なんだかここはグリーンウッドの桜林荘の話思い出した
男だったら寮父じゃなくて寮監って言わないか?
間違ってたらごめん
「The train's gone and I am standing alone 〜♪」
夕暮れ時に私の歌声が響く、向こうの春原がよくやってた某踊りゲームの曲だ。
ふと、彼女が元気でやっているのか心配になる。
春原は私のことを心配してくれているのだろうか…そんな考えが浮かんでは消える。
「If you were here with me You could see what I am looking for now ♪」
ガタッ、む? いつのまにやら春原がそこに立っていた。
なんのつもりか、彼は唖然と立ち尽くしている。
「お、岡崎…」
くっ、こいつまさか聞いてたの!
一生の不覚だ! 感傷に浸りながら歌っているところを見られるなんてっ!
「岡崎…おまえ…」
「…なによ?」
春原が呆然とこちらを見ながら言ってくる。
なによっ、私が歌を歌うのがそんなに意外なわけ!
記憶失うぐらい殴っておこうと思い、拳を握ったとき。
「おまえ…外国人だったのか…」
「なんでよ! そんなわけないでしょ」
「だって今の、外国語だろ? フランス語か?」
「英語よ、英語。 頭のなかクモの巣張ってんじゃないの? もっと勉強しなさい」
こいつ…本物のバカだ。
「そうなのか? けど歌うまいな、見直したよっ!」
「それはどうも」
親指を立てて褒められる、何故か微妙に嬉しくない。
「バンド組もうぜ! 僕ギターやるからさっ!」
「ギターできるの? あんた」
「芳野さん直伝なんだぜっ!」
「ふぅん、初耳ね」
「よし、今度芳野さんに、僕たちの演奏聞いてもらおうぜっ!」
「ボンバヘッは絶対嫌よ、というかバンドなんて組むわけないでしょ」
「なんでだよっ! ボンバヘッ最高じゃないかっ!」
春原…元気でやってるわよね? 私はこのヘタレバカとなんとか元気でやってるわよ。
「あん あん あん とっても大好き〜ドラ○〜もん〜♪」
春原が夕暮れに黄昏ながら歌っている。
哀愁漂う表情と陽気な歌声のギャップがかなり不気味だ…。
「…どうしたんだ?」
「んー、ちょっとねー」
「…そうか、明日病院に行こう、俺もついてってやるから、な?」
きっと疲れが溜まったんだろう、いい奴だったかも知れなかったのに…。
「なんでよっ! 勝手に病人扱いしないでもらえますかぁっ!」
「じゃあなんなんだよ、はっきりと言おう、キモい」
「素直にいいすぎですよっ! キモくありませんっ!」
「わかったわかった、疲れてるんだよ、ほら早く横になれ」
「疲れてませんっ! ちょっと不思議に思っただけですよぉっ!」
ぷんぷん、と口に出して怒る、だが俺はおまえがとっても不思議でたまらない。
「結局さ、餡がとっても好きなのか、餡を取っても好きなのかわからないじゃない」
「…なに言ってんだ…おまえ」
「これって不思議じゃない?」
うん、アホだ、こいつは間違いなくアホな子だ。
「んなこと考えるぐらいなら、勉強しろ」
「なんでよ、私勉強嫌いなの」
「勉強したほうが役にたつだろ…」
「あ、その考えはダメよ、学歴社会の罠にハマッちゃうよ?」
ふふん、とたいして無い胸を張り、彼女は偉そうに語る。
「その疑問も役にたたないだろ…」
「え、何言ってんの? 私がスッキリするじゃない」
こいつ…超自己中心的な奴だな。
「はいはい、そうだな、悪かった、邪魔しないからよく考えてくれ」
「えっ? あんたも一緒に考えるのよ?」
「なんでだっ!」
「だって気になるでしょ? 夜眠れなくなるよ?」
「ふざけるな、一人で寝不足になれ」
その後、しつこい春原に深夜まで付き合わされた…結果は疲れただけだった。
女春原にあずまんが大王の大阪さんの影を見たw
…ところで、
男智代、女春原でコンボいれちゃうのか…?
「男トウカが女オボロにマウント」並にやばいような気も。
タイトルからしてこの二人に特化した形で展開するのかも。
なんにせよ、乙です。
今日からネタバレ解禁なんだよな?
秋華「ともみちゃん、やられちゃえ、ヒュー」
347 :
名無しさんだよもん:04/05/28 03:08 ID:nbWgwotl
ブラボー!!
すんばらしいSSっす。我輩には書けんですたい。
つづき激しくキボン
GJ!
アフターストーリーでは朋美と反転渚の役割が逆になるのか?
朋美を孕ませちゃった男渚に、父親として色々アドバイスする早人さん。
珍しくカッコいいぞw
ところで早人さんと秋華さんはどっちが告白したんだろう?
なんか秋華さんがコクりついでに早人さんを押し倒す(マテ)イメージしか湧かないんだが。
アフターストーリーでは赤ん坊誕生と同時に反転渚が命を落とすんだろ?
浮かれちゃって電柱から・・・
そもそもその仕事に就きそうにはないな
354 :
名無しさんだよもん:04/05/29 05:11 ID:vCbq79OF
反転芳野と朋美の就職先・・・・
あのファミレスとか?
暇を持て余したため、学校へと侵入してみる。
静かな廊下に私の足音が響く、しばらく散歩を楽しんでいると、背中に視線を感じた。
教師でありませんようにっ! そう祈りながら振り返る。
なんかちっこいのがジーっとこちらを見ていた、どっかで見たことが…。
「何か用?」
無言でジーっと私を見上げている、ちょっとムカッとした。
「どうしたの? 何か用があるんじゃないの?」
「…あの、これっ」
木彫りのヒトデをさし出してくる、こいつ…絶対風太郎だ。
「あのっ、風子のお姉ちゃんが、今度結婚するんです」
風子、ね。 さて、どうしようかな…。
「それで…」
「わかってるわよ、風子、ヒトデは別にいらないわ」
既に向こうで貰っているし、それよりも確認しておきたい事がある。
「風子、私よ、岡崎」
「えっえっ? 岡崎さん? 岡崎さんは男の人ですよ?」
どうやら岡崎朋也と面識があるようだ、心の中で彼に感謝する。
「そう、でも私、女になっちゃったの」
「えっ、ええっ! ちょ、ちょっと待ってください、それはかなり衝撃的な一言ですっ」
頭を抱えている、こんなこと本気で信じるのだろうか。
いや、この少女が風太郎ならきっと信じるだろう、彼には色々と悪戯してあげた。
風太郎の報復で、京と藤林の前でスカートをずり下ろされたときはちょっと焦ったわね。
その後、とっ捕まえて春原と二人で玩具にしてあげたけど。
「はー、わかりました。 けど、どうして女の人になったんですか?」
「神様のお告げが来たの」
「ええっ! 岡崎さんは神様とお話できるんですかっ!」
「大人になったらできるわよ。 それと、神様に会ったらまず目を狙いなさい、そこが弱点よ」
「そうなんですか! 神様を倒さないとダメなんですかっ! んー、風子知りませんでしたっ」
純粋な子ね、ちょっと罪悪感を感じた、風太郎には全く感じなかったけど。
「それじゃ、私用事があるから」
「あ、はい、ではっ」
暇で暇でしょうがないので学校に侵入する、ついでに春原も登校させようとしたが、
起こそうとしても一向に起きないので、そのまま放置してきた。
シーンと静まり返った旧校舎の廊下を歩く、ちょっぴり切ない気分になってくる。
適当に歩いていると、ふと背後から視線を感じたので振り向いてみる。
どこかで見たような少年がこちらをジーッと見つめていた、制服を着てるのでこの学校の生徒だろう。
「俺になんか用か?」
「…あのう、これっ」
? 木彫りの何かを渡してくる、これはまさか…。
「ヒトデ、か?」
「はい、ヒトデです」
風子だ! こいつ風子だよ! ちょっと感動する。
「あの、今度、風太郎のお兄ちゃんが結婚するんで…」
「ああ、わかってる、一緒に祝って欲しいんだろう?」
風太郎か、うん、確かに風子に似ている。
「この学校の生徒にヒトデを配ってるんだろ?」
「はい、なんで知ってるんです?」
む…そうだ、こっちの俺も風子もとい風太郎に会ってるかもしれないな。
とりあえず名乗ってみる。
「あのな、俺、岡崎っていうんだけど…」
「えっ! 岡崎さんなんですかっ!」
バッと風太郎が後ろに跳び、俺と距離をとる。
そして俺をひとしきり観察し、何故か睨んでくる。
「今度は男になって…風太郎に何をする気ですかっ!」
「へ?」
ふーっ! と威嚇してくる、全然怖くない。
「惚けても無駄です! 風太郎は完全防御に回る事にしたんです!
ご近所でも、風太郎の完全防御は鉄壁ね、とよく言われるぐらいなんですっ!」
滅茶苦茶警戒されているらしい。
「くっ! シラを切るつもりですか…ここはひとまず、撤退させてもらいます」
凄いスピードで彼は遠ざかって行く…。
「なんだったんだ…?」
春原と京と話しているとき、藤林が京を呼びに来た。
そのまま四人で話し込んでいるときに、それは起きた。
ガシッ! バサッ!
会話が止まる、ふと私はどうも下半身がスースーするので下を見る。
無い、本来あるべきスカートが無い。
スカートは本来の持ち場を離れ、地面に着地していた。
起きたことを瞬時に理解し、バッと後ろを向くと、見覚えのあるちっこいのが遠くに見えた。
犯行を行って走り去っていったのだろう、相変わらずすばしっこい。
顔を戻すと、止まっていた全員の時間が動き出した。
「あははははっ!」
「お、岡崎さん…」
「と、朋美…その…」
春原は爆笑、藤林は両手で目を覆っているが隙間から視線を感じる。
京は顔を赤くして目をそらしている。
それを見て、私はゆっくりとスカートを上げて、叫ぶ。
「風太郎ーーーーーー!!」
先日の事件より、私は報復を心に誓い、何度かとっ捕まえようとしたが、
予想外の相手の機動性により困難を極め、風太郎捕獲作戦の決行を決意した。
私は休日に学校のとある教室へと入る。
そこには既に何人かの男子生徒と春原がきていた。
藤林京、藤林椋、一ノ瀬ミコト、坂上智司、宮沢有紀、春原陽子。
それを見て、黒板のすぐ前に置かれているイスに皆と向かい合うように座る。
そして私が口を開こうとしたとき、教室の扉が開かれる。
「す、すいません、遅れました?」
最後の一人、古河渚が現れた、無言でイスに座るよう促す。
全員が揃い、春原に今回の作戦の説明をさせる。
「えー、本日は皆さんにとある作戦を成功させて頂く為に集まってもらいました」
春原はいいながら黒板に大きく[伊吹風太郎捕獲作戦]と書いていく。
「先日彼は、我等が敬愛する岡崎女王閣下に大変な無礼を働き、なお現在逃亡中である。
この事実は決して許されるべきではない! 我々も彼を何度か捕らえようとしたが、
その機敏な動きに翻弄され、全て失敗に終わっている。
そこで、諸君達の出番が来たと言うわけだ、諸君には是非とも彼を捕らえて貰いたい。
岡崎女王閣下も諸君には随分と期待をして、本日も自らこの会議へと参加している。
諸君が女王閣下の期待を裏切らないことを祈る」
言い終わり、私に視線を向けてきたので、うむ、と頷き立ち上がる。
「私は諸君に期待している、諸君はたった今より猟犬となり敵を追い詰め、
疲弊させ、捕獲するのだ! 遠慮をする必要は無い、敵は罪人だ! 諸君は正義だ! 罪には罰を!
諸君が屈指のハンターであることを私は信じている…」
そういってイスに再び座る、ミコトがパチパチと拍手をしている。
それにつられて渚と有紀も拍手を始めた。
「ちょ、ちょっとまて、岡崎」
智司が立ち上がるが、そこへ春原が怒鳴る。
「無礼者っ! 女王閣下を呼び捨てにするとは何事だっ!」
「え? あ、ああ、すまん…いやコレは何なんだ?」
もっともな意見を述べる、藤林兄弟も何か言いたそうだが、彼等には私が事前に釘を刺しておいた。
「智司、先日彼は私のスカートをずり下ろしたの」
「は?」
「生徒会長を目指すあなたが、そんな不純な行為を見逃すつもり?」
「む…」
渋々とイスに座り、首を捻ってなにか考え事をし始める。
正直ミコトと渚と有紀は理解しているのか怪しいが、まぁなんとかなるだろう。
「それでは諸君には二人一組にて対象を追ってもらいたい、
捕獲しだい、この教室へと連行して欲しい、対象の特徴の説明後、組み合わせを発表する」
春原が対象の特徴説明を続け、組み合わせを発表し始める。
「藤林京は藤林椋と」
兄弟コンビ、兄弟ならではのコンビネーションと京の運動神経、期待○
「宮沢有紀は古河渚と」
未知数コンビ、彼らには奇跡を願おう、期待△
「一ノ瀬ミコトは坂上智司と」
優秀コンビ、ミコトの頭脳と智司の体力と技、期待◎
「それでは作戦を開始するっ!」
「春原、その前にやることがあるわ」
はっ? とノリノリな彼女が疑問顔をする。
「諸君に神のご加護を…春原、全員の手に口づけを」
「ええぇっ! マジでやるんですかぁっ!」
そういいつつも、藤林兄弟の手を取ってキスをしていく。
京は複雑な顔をし、藤林は顔を赤らめる。
有紀はいつものにこにこ顔、渚もまた顔を赤らめる。
ミコトは?顔、そして智司は、春原が手を取ろうとしたとき。
「ちょっと待ってくれ、俺は、その…岡崎、女王閣下にしてもらいたい」
空気がザワッと揺れたような気がした。
む、智司ってば、何考えてるの…そんなに春原キッスが嫌なのかしら。
春原のことがそんなに嫌いなのかな…。
んー恥ずかしいけど智司は貴重な戦力だしね、士気が上がるならいいか。
「いいでしょう、こちらへ」
偉そうに言ってみる、智司が緊張気味に近寄ってくる。
顔が若干赤い、恥ずかしいなら言わなきゃいいのに…。
そう思いながら彼の手を取り、チュッと口づける。
智司が満足気に、座っていたイスへと戻る。
そして唖然と見ていた彼等が、目の前で行われた事に抗議する。
「ちょっとまて! おまえ…!」
「ぼ、僕も岡崎さ…女王閣下の方が…」
「あ、その…僕も…」
京が智司を睨んで激昂し、渚が挙手して意見を述べ、藤林がポツリと賛同する。
一斉に騒がしくなった、京は今にも智司に掴みかかりそうだ。
ミコトはキョロキョロと騒動を見て、有紀は相変わらずにこにことしている。
そして春原が教室の隅に体育座りして”の”の字を床に書き始めた。
「シャラップ! 時間が無いので却下します」
騒がしくなった彼らを眼光で黙らせる。
「春原、始めるわよ」
「…イエッサー」
覇気が無い、仕方ないので自分で開始を、右手を掲げて叫ぶ。
「現在より、伊吹風太郎捕獲作戦を開始する!」
やばいこのシリーズ面白すぎ
↑
360 裏岡崎・裏春原 会議編の3
朋也の肩の怪我忘れてた…どっちか憶えてないけど…
朋美の怪我は左肩って脳内補完しといてくだされ…
まさに反転ですな
ていうか風太郎度胸あるなw
面白かった。
ただ女王閣下じゃなくて女王陛下じゃないかと。
細かいこといってゴメン。
だんだん朋也と朋美の間で腹黒さに差が出てきたなw
>>364 「閣下」=地位の高い人に対する敬称
だから別に間違ってはいないんだけどね。
春原は素で言い間違えてて、他のみんなは「コードネームのつもり?」と
勘違いしてるだけってオチもありそうだが。
裏岡崎・裏春原 篇は過去の・・・ 入れ替わる前の話だよね?
一瞬混乱してしまった おつむの弱い漏れ・・・(つД`)
こんな感じかな?
朋也→素行は悪いが根はいい奴
朋美→素行が悪く根も悪い
368 :
名無しさんだよもん:04/05/30 09:16 ID:Z1iGX95/
>素行が悪く根も悪い
それではただの悪女じゃないか・・・・。
そんなすさんだ悪い女が救われる話
それが裏倉等
むりがあるか
ところで、漏れの中では
京 …中分け
椋 …ショート
渚 …同上
智司 …オールバック+後ろ縛り
有紀 …糸目
風太郎…短髪
なイメージが
ちとみことは難しい…
ことみはロン毛
見た目は天才ナルシスト風
クラナド最大の鬼門を反転してみようと考えた結果、思いついたあらすじはこんな感じ。
「医者になった涼が、不治の病にかかった薄幸の美少女・勝美を救い、二人は恋に落ちる…」
自分で考えておきながら、何だかベタでありがちな気がした_| ̄|○
椋が失恋のショックで落ち込んでるときに
勝美とあう話が個人的にはいいと思う
勝平シナリオ違和感あったから
作戦本部
「ねぇ春原、誰が捕獲できると思う?」
ここに集まるときに、京に持って来てもらったジュースを飲みながら、
さっきからいじけている春原に声をかけてみる。
ジュースの他にも、お菓子やお弁当やパンを持ってくるよう指示しておいた。
「さー誰でしょうねー…」
彼女はさっきからずっとこんな感じだ、いいかげん鬱陶しくなってきた。
「ちょっと、しっかりしなさいよ、皆喜んでたわよ」
「えーそうですねー…」
まったく、なんなのこの落ち込みっぷりは。
「なによ? 何か言いたいの?」
「…モテモテっすね」
意味不明、なんなのよこいつ、言いがかりも甚だしいわね。
段々春原の態度にイライラしてきた。
飲んでいたジュースをいったん置いて、とりあえず彼女の機嫌を直す事にする。
「ねぇ春原」
「…なんですかぁ?」
「あんたってホント美人ね」
「えっ、そう? 私って美少女?」
「ええ、凄い美少女、この前も下級生が噂してたわ」
あんたの異常な行動をね、と心の中で続ける。
「えー、まいっちゃうなー」
年下もいいかもキャー、とはしゃぎだす。
どうやら春原のご機嫌は直ったようね、改めて聞きなおす。
「誰が風太郎を捕獲すると思う?」
「んー、大本命は一ノ瀬チームかな、やっぱり坂上の身体能力もあるしね。
大穴は渚君チームで、兄弟チームは正直わかんないかな。
けど、誰が捕まえてきても不思議じゃないと思うなー」
「ふむ、全ては神のみぞ知るってやつね…」
これは予想以上におもしろいことになってきたわね…。
ミコト・智司コンビ
「ふむ、どこにいるんだろうな?」
「…わかりません」
ミコトは先程説明された特徴を思い出すが、身体的な特徴しか説明されていないので、
敵がどのような行動をとっているのかよくわからない。
「地道に探すしかないようだな」
「はい、それが一番近道かと」
智司はミコトの少し機械的な答えに苦笑し、先程の彼女達いわく作戦会議を思い出す。
あのときもこの少年は静かに佇んでいた、少しずれているが、落ち着きのある少年だ。
そして智司は、手に残る朋美の唇の感触を思い出し、少し顔を赤らめる。
その様子をミコトは不思議に思い、聞いてみる。
「どうかした?」
「い、いや、何でもない」
そう答え、再び歩き始める。
「敵を見つけたら、僕のことは放っておいて、捕獲を一番に考えて」
「ん? ああ、分かった」
ミコトは運動が得意ではないので、智司にそう提案する。
智司は意外とやる気のあるミコトを不思議に思う。
彼はこの作戦を知っていて今日あの教室へと来たのだろうか?
そう思い、参加した理由を聞いてみる。
「一ノ瀬は、その、なんでこの捕獲作戦とかいうのに参加したんだ?」
「朋美ちゃんは大切な人…頼みごとは断れない」
智司はミコトの朋美ちゃんという呼び方に驚いた。
普段からそう呼んでいるのか疑問に思う、是非とも後で岡崎に聞いてみよう、そう心の中で呟く。
そして、目の前の天才少年はライバルだと確信する。
「それじゃ、女王様のためにもがんばって捕獲しようか」
「うん、がんばる」
智司は相棒の少年とはうまくやっていけそうだと感じた。
京・椋コンビ
「クソッ、あいつ…」
ぶつぶつと京が呟きながら歩く、その後ろを椋はついて行く、兄の京はさっきからずっとこの調子だ。
兄に聞こえぬよう椋は溜息をつく、余りやる気はないが朋美が椋を頼るなんて今までなかった。
彼女の期待に答えたい、そう思い、この作戦に参加した。
だが椋は余り運動は得意ではない、唯一の頼りである京がこれでは…。
京は捜索しているというよりも、愚痴りながら散歩しているみたいなものだ。
やっぱり兄も岡崎さんのことが好きなんだ、兄を見てればすぐわかる、だが裏切られたという気持ちはない。
ただ、自分の気持ちを殺して応援してくれる兄の姿が悲しかった。
ひとまずこの状況をまずいと考えた椋は京に話しかける。
「あ、あのさ」
「ん? どうした?」
さて、どういえば京の怒りが収まるのか必死で考えてみる。
「あ、あの…捕まえたらさ、岡崎さん喜ぶよね?」
「…そうだろうな」
「じゃ、じゃあさ…もしかしたら、ご褒美とか、あるかな…?」
その言葉に、京は頭の中で先程の女王岡崎の喜ぶ姿を想像してみる。
「よくやってくれた、二人に感謝を」
そういい、女王は京に近寄り、目を閉じて顔を寄せてくる。
甘い香りが鼻をくすぐり、唇と唇が重なる。
「あ、あれ?」
椋は動かなくなった京を見て、間違ったかな? と少し後悔する。
だが、突然京が覚醒し、椋の手を引いて走り出した。
「うわっ、ちょ、ちょっと…」
「はははっ! 行くぞ椋! 朋美の唇は俺達のものだ!」
「えっえっ? 唇?」
「絶対に他の奴よりも早く捕まえるぞ! ははははっ!」
やりすぎた、椋は兄の変貌にものすごく後悔した。
渚・有紀コンビ
静まり返った廊下を歩きながら、渚は少し寂しさを感じる。
チラリと隣を歩く有紀を見ると、にこにこと微笑みながら渚と同じく歩いている。
渚はせめて何か会話をして、仲良くなろうと考えた。
彼はおどおどと相棒である宮沢有紀に話しかけてみる。
「あの」
「はい? なんです?」
「はじめまして、古河渚といいます」
「あ、はい、はじめまして、宮沢有紀です」
シーンと会話が止まる、有紀はにこにこと渚を見ている。
渚はさらに何か会話をしようと話題を考える。
「あ、あのっ、捕まえられると思います?」
「うーん、どうですかね…」
しばらく思案して、あっそうだ、と有紀がなにか思いついたのか手を叩く。
「おまじないで探してみる?」
「えっ? おまじない?」
その発言にちょっと驚く渚、説明を有紀に求めてみる。
「はい、願いをかなえるおまじないがあるんですよ」
「はぁ…願いを、ですか」
「その願いで見つけて、捕まえよう」
凄い便利なおまじないだ、ちょっと渚は興味を持つ。
「あのですね、まずどこかに埋められている天使の人形を探すんです」
「う、埋められている?」
「はい、そしてユウイチクンサイゴノオネガイデスと三回唱えるんです」
「は、はぁ…」
超厳しい条件だ、そもそも天使の人形なんて埋まっているのかが疑問だ。
埋まっていても、どこにあるのかもわからない人形を探すなんて、不可能に近い。
「それは…ちょっと止めておこうよ」
「そうですか?」
渚は相棒に不安を感じた。
ユウイチワラタ
有名なのかそのおまじないw
クラナドやったことない俺は、裕美を待ち続けますか…
381 :
名無しさんだよもん:04/06/01 09:24 ID:2Qcryyix
おもしろいよ〜〜〜このSS。
反転していてもしていなくても春原が不遇でワロタ
383 :
名無しさんだよもん:04/06/02 13:52 ID:Lxfw1LTI
続きをキボン。
流れ読まずにこんなネタ。
あるとき初音君から
「柳川さんって煙草の匂いがするんだね。
…ほら、鶴丸お兄ちゃんもはじめさんも吸わないから、気になっちゃって」
と言われる裕子さん。
それからというもの、隆山市では煙草の売上げが減少し、飴とガムの売上げが伸びたそうな。
はじめ「意外とわかりやすい人なんですね」
裕子「うるさい」
…ていうか元の柳川って煙草吸ってたっけ?
渚・有紀コンビ
渚は有紀と楽しく会話しながら歩く、彼にはおまじないを色々と教えて貰った。
にこにこと微笑む彼に渚は好感をもつ。
最初はどうなる事かと思ったけど、この楽しい時間が過ごせることに、渚は朋美に感謝する。
新しい友達もできたし、彼女には世話になってばかりだ。
今度是非お礼をしようと、渚は彼女がどんなことをしたら喜ぶか考える。
そこへちょいちょいと、渚は服を引っ張られる感触がしたので振り向く。
そこには、一人の少年がジーッとこちらを見ていた。
「なにか用ですか?」
「あのう、これっ」
少年は木彫りのなにかを渚に渡してくる。
不思議に思いながらも渚はそれを受け取ろうとするが、有紀が横からガシッと少年の腕を取る。
渚は有紀の行動に驚いて彼を見るが、にこにこと微笑んだままだ。
「な、なんですかっ」
少年が抗議してくる、渚も抗議しようとする。
「君が、伊吹風太郎くんですね?」
「えっ」
渚が驚いて少年を見る、たしかによく見ると特徴が説明と一致する。
少年はこくりと頷く。
「岡崎さんが待ってます」
「!?」
風太郎はその名に驚いて、バッと有紀の手を振り払い。
一気に駆けていく、彼が遠ざかって行く姿をボーッと渚は見る。
「失敗しちゃったね」
有紀の言葉に渚は正気を取り戻す。
「あ、そうだね」
「次はちゃんと捕まえようか」
再び有紀が歩き出す、彼は相変わらずのにこにこ顔だ。
渚は相棒に再び不安を持った。
京・椋コンビ
「見せてやる…! 藤林の拳をぉ!」
京が叫びながら拳をふる、彼の拳がシュシュッと空を切る。
椋は溜息をつく、こんなつもりじゃなかった…。
せめて少しやる気を出して貰えればと思っていたが、ここまでなると正直ヒク。
「あ、あのさ」
「なんだ? もしかして見つけたのかっ!」
はりきりすぎだ、もうちょっと普段の冷静さを取り戻して欲しい椋。
それに椋は兄に聞きたいことがある、今がそのチャンスだと思った。
「兄さんも、岡崎さんのこと…好きなんだよね?」
ピタッと京の動きが止まり、無言で椋を見る。
椋は前々から感じていた、兄はあきらかに彼女に好意を持っている、普段の行動を見ればよくわかる。
「…なんのことだ?」
兄は自分を応援すると言ってくれた、だがその時の兄の様子はおかしかった。
けどそれを口にだす勇気が、その時の椋にはなかった。
「わかってた…けど、僕…」
「椋…違う、俺は別に…」
まだ彼は否定しようとする、椋は兄の優しさと自分の情けなさに涙が溢れる。
「ごめ…兄さん、僕、ごめん…ごめんなさい…」
「りょ、椋っ! 違う、落ち着け!」
京は突然泣き出した椋を落ち着かせようと肩を抱く。
彼は椋の言葉を肯定したかったが、今更そんなことはできなかった。
弟は兄である自分を信じて頼ってくれた、それを裏切るなんてことは決してできなかった。
色々と弟のためにがんばった、そのたびに心が軋んだが、弟の為だと我慢してきた。
だがまさか、それが弟に知られているなんて…。
「ぼ、僕、知ってた…知ってたけど…」
「椋…おまえは悪くない、俺は別に朋美の事は…」
まだ兄は自分に優しくしてくれる、今はその優しさが悲しかった。
「もう、いいんだ…そんなんじゃ、全然、嬉しくないよ…」
そう言って兄から離れ、椋は歩きだす。
京はその背中しばらく呆然と見て、弟を追う。
ミコト・智司コンビ
「あれって…」
「はい、間違いないかと」
二人は特徴に一致する少年を見つけた、少年はキョロキョロと何かを警戒している。
その様子に、既に他のメンバーと接触したのか、そうミコトは判断する。
「どうする?」
「近づいてみましょう」
そういい、ミコトはスタスタと歩き出す、それにつられて智司も歩き出した。
ミコトは少し緊張する、朋美の為とはいえ、知らない人に話しかけるのはやっぱり怖い。
智司とも最初は緊張したが、彼はいい人だと感じた。
すぐ近くまでくると、少年がこちらに気づき、彼のほうから話しかけてくる。
「あのう」
「なんだ?」
智司が答える、ミコトは余り会話は得意ではないと彼が判断したからだ。
「これっ」
少年が木彫りのなにかを渡してくる、智司はそれを受け取らず。
「君が伊吹風太郎か?」
「えっ?」
少年はキョトンとこちらを見て、なにかを警戒している。
「岡崎朋美と言う名に」
「智司くん!」
その名を聞いた瞬間ダッと後ろを向いて風太郎が走り出す、一瞬唖然とするが、慌てて智司が彼を追う。
(くっ! なんて速さだ!)
徐々に距離は縮まるが、予想以上の敵のスピードに智司は焦る、敵がササッと角を曲がっていく。
智司は遅れて角を曲がると愕然とする、階段だ、上か下かどちらに行ったのか、彼は見ていない。
迷ったが、仕方なく彼はミコトと合流する。
「すまない、岡崎の名をだすべきじゃなかった…」
「…次に見つけたとき、がんばりましょう」
智司は自分の不甲斐なさに拳を握る、次こそはと心に誓う。
ミコトはやる気のでてきた智司が嬉しかった。
作戦本部
「もうすぐお昼だねっ」
「そうね」
ぺらぺらといつものように雑誌を読み続ける私に春原が話しかけてくる。
チラッと時計をみると、もうすぐ12時になる。
まさかあの部隊でも苦戦するとは、なかなかやるわね、風太郎も。
「私お腹すいちゃった、先に食べてよっか?」
「あんたってホントダメな奴ね」
「なんでよっ!」
「皆ががんばってるのに自分は先にご飯を食べる、まさに人間の屑じゃない」
「言いすぎですよっ! あんたもダラダラと雑誌読んでるじゃないですかぁっ!」
む、確かに…これはまずいわね、証拠隠滅しておこう。
雑誌をカバンに放り込み、お菓子とジュースを片付ける。
「…なにしてるの?」
「見てわかるでしょ? 証拠隠滅」
「そうですか…」
呆れたように春原が私を見つめる。
ムカついた、かなりムカついた、春原に呆れられるなんて…。
「ねぇ春原、ちょっと賭けをしない?」
「へ? 賭け?」
「ええ、もしこのメンバーで風太郎を捕まえられたら、あんたは私に永遠に下僕になると誓う」
「え、永遠…」
「そう、で、風太郎を捕まえられなかったら、私はあんたを永遠に下僕にすると誓うわ」
「オッケーよ、その賭け…ってどっちにしろ私は下僕じゃないですかぁっ!」
ちっ、バレたか…。
憤慨する春原を適当に誤魔化していると、どうやら戦士達が帰還してきたようだ。
とりあえず昼食を落ち着いて食べたいので、なんとか春原を落ち着かせる。
「さて、午後からは本格的にいくわよ?」
「…そうですね」
全員が教室に集まり、楽しい楽しい昼食が始まる。
兄弟の親父は行方不明(ていうか放浪中)ですか?
>389 兄弟ってコトは裏藤林兄弟のことだろうけど、何故そこに親父?
藤林家の親父もしくは母なんて出てきたっけ?
>>390 いやね、「京」が藤林の拳とかほざくから。
ちと話題が片寄った。すまそ。
>「ええ、もしこのメンバーで風太郎を捕まえられたら、あんたは私に永遠に下僕になると誓う」
>「そう、で、風太郎を捕まえられなかったら、私はあんたを永遠に下僕にすると誓うわ」
この詐欺師めw
393 :
名無しさんだよもん:04/06/04 19:53 ID:aQAeLVHP
キターーーーーーーーーーーーーーー(゜∀゜)ーーーーーーーー
グッジョブ!!
早く次回作を・・・とは言いませんが、続き期待してまつ。
「情けないわね」
誰一人捕まえられないことに私が言う、別に責めているわけではない。
「すまない」
「…悪い」
「す、すいません」
三人が謝る、智司と京と渚だ、他の連中は向こうで食べている。
全員で食べようという声もあったが、私の鬱陶しいの一言でこうなった。
「まぁいいわ、午後からはがんばってよね」
「ああ、任せてくれ」
智司が答え、二人もその言葉に頷く。
「じゃ、食べましょ」
そう言葉をかけ、それぞれのお弁当+渚の持ってきたパンを食べ始める。
しばらく会話しながら食べる、京も喋っているうちに智司とは仲直りしたようだ。
二人とも気のいい世話焼きだから通じるものがあったのだろう。
「京、相変わらずいい腕してるわ、結婚相手が羨ましいわね」
「そ、そうか? けど男が料理上手くてもな…」
「あら? それは男女差別よ?」
私の言葉に彼は複雑そうに苦笑する、チラッと渚を見ると、もふもふとパンを頬張っている。
小動物のような彼の姿に頬が緩む。 智司は行儀良く食べている、礼儀正しい智司らしい。
そんな和やかな時間も終わりが来る、渚が新しいパンを取り出そうとしたとき、
ピタッと動きが凍り、プルプルと手が震えだし、顔が青ざめていく。
「渚? どうしたの?」
「あ、あぁ…」
渚のおかしな様子に声をかける、他の二人も食事を止めている。
「なによ?」
「こ、これ」
スッとパンの入った袋を出してくる、それを覗いてみると。
「こ、これはまさか…」
渚の出してきた袋の中から怪しげなパンがいくつかある、そのうち一つを出す。
他の二人もそのパンの異様さに動きが止まる。
異常だ、このパンは不自然に黄色すぎ、禍々しいオーラが見える気がする。
「こ、これは…新作サンダーアンドライトニングパン…」
サンダーアンドライトニング…えーと…。
「か、雷と稲妻?」
パンにつけるにしては凄い命名だ。
「父さんが、雷を見てピーンときたって言ってた…」
なんでそんなもの見てパンに繋がるのよ。
「名前や由来はわかったけど…この発電所のマークはなんのつもりなのかしら?」
そう、何よりもこの表面に描かれた、不気味な発電所記号が気になる。
「わかりません…ただ、食べると体に稲妻が走るような味だそうです」
どんな味よ…何考えてるのよあの人は、パンに攻撃力を持たせてどうする気なの…。
「さて…誰がこれを食べるのかしら?」
私のその一言に、緊張と戦慄が走る。
智司は本気か? という目をし、京は顔をサーッと青くして、
渚は僕だけは止めてください、と目で哀願してくる。
チラリと春原に目をやると、ガツガツと女らしさを微塵も感じさせぬ食べ方でお弁当を食べている。
あれは食べるというより貪るという表現がぴったりだ。
視線を智司と京に移すと二人は無言で頷く、どうやら私のアイコンタクトを理解したらしい。
「…やるわよ?」
「ああ」
「おう」
誰も止めない、渚もオロオロとしているだけだ。
止めれば自分が犠牲になると理解しているらしい、私はいい友人に恵まれている。
「智司は動きを封じて。 京は動きを封じつつフォローにまわって」
「了解だ」
「まかせろ」
ごめんなさい春原、このパンは捨てるには惜しいの、是非尊い犠牲になって。
あなたの犠牲はたぶん、いやきっとこのあとの作戦で役に立つから。
「ミッション…スタートッ!」
私の掛け声とともに二人が動きだした。
素早い二人の動きに、春原はなすすべもなく捕らえられた。
彼女の口からエビフライの尻尾が私にコンニチワをする。
それをモゴモゴと食べて、抗議の声をあげてくる。
「食事中になにすんのよっ!」
その言葉に動きを封じている二人は無言で返す。
「春原、あんたに是非食べて貰いたいものがあるの」
「な、なによっ、普通に言ってくれれば食べるわよっ!」
それはウソだ、彼女はコレを見れば即座に逃亡を図るだろう。
「悪いわね、先手必勝が私のモットーなの」
春原が力を振り絞って暴れだす、その程度の力ではこの二人を引き剥がすのは無理よ。
「いたいっ! 離してよ、変なとこ触らないでっ!」
彼女の抗議に智司が反応して力を弱めようとする、だが私には通用しない。
「私に演技は通用しないわよ。 智司、まだまだ甘いわね」
京も演技と理解しているらしく、全く力を弱めていない。
その様子に、ちっ、と春原が舌打ちをする。
「さぁ、そのかわいいお口を開いて、コレを咥えなさい」
「い、いやっ! 止めてよっ!」
「早く…コレを咥えて私を楽しませて」
「止めてっ! そんな大きいの入らないっ!」
「大丈夫、苦しいのは最初だけよ…すぐに病み付きになるわ」
「無理よっ! お願い、止めてっ!」
「抵抗しないで、絶対あんたも気に入るわ…さぁ、お口を開けて?」
「いやっ! 本当にいやなのっ!」
「あっ…あぁ…そう、いいわ、春原…もう少し、口を開けて…」
「うっ…ううぅ…」
無駄に艶のある私と春原の会話に、ミコト以外の顔が赤くなる。
充分楽しんだので、ソリャッと無理矢理一気に口に詰め込む。
そして口を塞いで咀嚼させてやる、すると春原がものすごい形相になった。
「〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
体を開放してやるとジュースを引ったくり、丸々飲み干してバタッと倒れる。
「春原っ」
倒れた春原に駆け寄って彼女の体を抱き起こす。
「ご、ごめんね…私、もうダメ、みたい…」
「そんなこと言わないでっ! あなたがいなくなったら、私…」
「お母さん…私、がんばったよね…?」
「えぇ…ええ! あなたは私の、自慢の娘よ…!」
「には…は…」
「陽子…」
目尻に浮かぶ涙を拭く。
「お母さん…私、がんばったから…もう、いいよね…?」
「ダメよっ! あなたは、私と、これからも…」
「休んでも、いいよね…?」
「ダメ…ダメっ!」
必死に陽子の言葉を否定する、私の涙につられて、彼女も涙を浮かべる。
「わたしのゴール…ずっとめざしてきた、ゴール…」
「いやっ! 私は、そんなの…」
「わたしのゴールは、しあわせといっしょだから…」
「よう…こ」
涙が溢れて、彼女の顔が霞む。
「だから、だからね……もうゴールするね…?」
「いや…まだ、いかないで…」
陽子の体を力いっぱい抱きしめる。
「ゴールっ…」
ぱたりと力なく崩れ落ちる。
「ようこ? 目をあけてよ……いや…いやあぁぁ!」
春原陽子の犠牲とともに、午後の風太郎捕獲作戦が始まる。
作戦本部
「春原、もう皆行ったわよ」
さっきからピクリともしない春原に呼びかける。
「うぅ…酷い目にあったよ」
「そうね、すまないとは思ったわ」
ちょっとびっくりした、あれほどの破壊力とは思わなかった。
春原の顔が青くなったり赤くなったりしてたのは最高に不気味だった。
「体中に衝撃が走ったよ、凄い味だった」
「そう、稲妻じゃなくて衝撃が走ったの…」
あとで報告しておこう、貴重な実体験だ。
「ねぇ、さっきの私の演技どうだった?」
「良かったわよ、渚なんてぼろぼろ泣いてたし」
先程のデモンストレーションが終って皆の反応を見てみると。
渚が号泣、ミコトもほろりと涙して、有紀も感動はしていたようだった。
他の連中は特に反応は薄かった。
「私に惚れてくれたかな?」
「いや、死んだ人として記憶されたんじゃないの?」
「ええっ! そんなぁ…」
彼女が落胆する。 さて、そろそろ秘密作戦の準備を…。
「春原、例の作戦の出番よ」
「は?」
「脱ぎなさい」
「ひ?」
「服を脱げって言ったの、つまり全裸よ」
「ふ?」
ちっ、こいつ適当に誤魔化すつもりなの…。
「さっさと脱げ」
「強制命令ですかぁっ! なんで私が服を脱がなきゃいけないのよっ!」
む、痛いところをついてくるわね、しょうがない子ね…。
「あんたの美貌が必要なのよ」
「えっ」
楽しそうだな、裏春原w
>>397 >無駄に艶のある私と春原の会話
是非とも声付きでキボンヌw
>>401 見事なまでにそのまんまで通用しそうだな…
喪主
>>399 脱いでどうする!
何だか知らんが、とにかくよし!(*´д`*)ハァハァ
この時間が激しく楽しみになっている訳だが
407 :
名無しさんだよもん:04/06/08 20:40 ID:MdAW7Ja+
保守あげ
【ニセKanon】
物語はよく似た名前の二人の少女が、同じ日に北の街華野音(かのね)市へやった来た
ことから始まった。
1月6日水曜日午後1時30分、ちょっと不機嫌な表情で駅前のベンチに座っている小
柄な少女が一人。
そうそれがこのわたし、相沢祐(ゆう)16歳その人であります。なんちって。
「遅い、約束の時間は1時のはず。雪男(ゆきお)ったら何をしてるのよ?わたしは寒い
のは大嫌いなのよ」
まあ雪男のやつ前からとろくてボケボケだったからな、時間通りに来るわけ無いか。
「って我ながら諦め好すぎだー」
さてぶつくさ言ってるいるうちに、わたしが座るベンチの方に一人の少年が近づいてく
るんだな。
中肉中背よりはやや背が高め、まずまずの美少年でもある。
うん多分彼が従兄弟の水瀬雪男だね。なんか思ったより格好良くなってるね。
前は眠たい顔のぼんやりしたやつだったけど、うん今は85点くらい?
「きみ、相澤祐風(ゆう)君?」
おっ声も結構渋くて好み。ちょっとかわゆっぽく答えてみたりして。
「うん相沢祐だけど、もしかして水瀬雪男君?」
「おしい、水無瀬雪人(ゆきと)が正解。って言うか、いくら7年ぶりでも従兄弟の名前
忘れるなよ」
「あれっ、そうだっけ?きっとtの字が抜けちゃったんだね」
うーんなんせ7年間連絡してなかったからその程度の記憶違いは有るわよ。あはは。
「お前なあ、それだけですますつもりかよ。相変わらず性格悪いなあ」
あれ、なにか雪人性格悪くなったみたい。まあでも間違えたのはこっちが悪いもんね。
一応は謝っておくか。それにここって寒いから早く家に行きたいし。
「はいはい、御免なさい。それより女の子をこの寒い中30分以上も待たせないでよ。女
の子は体を冷やしちゃいけないんだぞ」
「待たせてないぞ、俺は待ち合わせ時間より早めに来てるぞ」
なにそういうこというわけ。なにか印象悪くなってきたよ。
「うそ、今1時35分よ。待ち合わせは1時のはずだもん」
「いーや2時のはずだ」
頑固者!でもうそ付いてる雰囲気じゃないし、もう押し問答はいいや。
「うーん、おかしいなあ。連絡がうまくいかなかったのかなー?まあいいや。ここは寒い
し早く案内してよね」
雪人はしばらく呆気にとられていたみたいだけど、苦笑いして手を差し出してきた。
「ちぇっ、切り替え早いなあ。まあいいか。ほらいくぞ荷物を渡せ」
「おっ、荷物持ってくれるの?君もフェミニストになったねえ」
本音は結構嬉しいけど、やっぱり気恥ずかしいからちょっとふざけた答になる。
「馬鹿、からかうなよ。チビのお前がそんな大荷物持つたんじゃあ、いつまでかかるかわ
からんだろうが。ただそれだけだよ」
くー、確かにわたしは身長157aとやや低め、胸はペッタンコの洗濯板ですよ。
「どうせわたしは成長してませんよだ。べー」
でもどうして雪人っては一言多いんだろう?絶対7年間で性格悪くなってるぞ。
少し拗ねてみたけど、こうしていてもしょうがないから結局雪人の後を付いて歩く。
大きい荷物がないから楽だねー。かなり寒いけど。
全然見覚えのない道を通って水瀬家に到着、駅から5分くらいで近くなのはいいよ。
「ほら、着いたぞ」
あれっ、こんな家だったけ?と思ったけどかなり新しい家だ。なんだ立て替えか。
表札が水無瀬明子になってる?変だなおばさんの名前水瀬秋子じゃなかったけ?
駄目だな、どうもわたしの記憶も当てにならないね。
考え事をしていたら、苛ついたように雪人が声をかけてきた。
「なにやってたんだよ。早く入れよ寒いじゃないか」
そうか地元民でもやっぱり寒いのか。ちょっと憂鬱。おっとそれどころじゃないね。
「はーい、わかったよ」
雪人に続いて玄関をはいる。
「おじゃましまーす」
「はい、いらっしゃい」
玄関で出迎えてくれたのは優しい笑顔の30前後の女性だ。
雪人のお母さんにしては若すぎる気もするけど、この人が明子さんにちがいない。
「祐です、今日からお世話になります。よろしくお願いします」
「まあ祐風ちゃん随分可愛らしくなったわね。わたしがおばさんになるはずだわ」
「よくゆうぜ。若作りのくせに」
ああ雪人言っちゃったよ。このくらいの男の子ってそんなもんだろうけど、明子さん絶
対に怒ってるよ。
「あーら、雪人ちゃんはお夕飯を食べたくないのね」
「あっ、うそうそ冗談です。母さんは若い美人世界一」
弱っ、そんなすぐに折れるなら言わなきゃいいのに。
「あっ、俺祐風をちょっと案内してくる。夕飯までには帰るから。ほれ祐風行くぞ」
「あっちょっと雪人引っ張らないでよー」
雪人はわたしの荷物を玄関に放り出すと、わたしの手を引いて走り出した。
それから3分ほどして、わたしたちは学校の校門前に立っていた。
「ぜーぜー、酷いよ雪人、わたし運動は苦手なのよ。もうこんなこと止めてよね」
それだけようやく言うとわたしは校門に背を預けてへたり込んだ。
「祐風、お前体力無いな。まあとにかくここが俺たちの通う学校だ緒音(おね)高校だ」
はー、そうなんだ。でもしばらくは返事が出来そうにないね。
そうしていたら校舎から生徒達が出て来るみたい。
女の子だけの3人組で3人ともかなりの美少女、一人だけやけに小さいけど1年生?
なお、ここの制服はセーラー服にカーディガンを組み合わせたもので結構可愛いな。
うん正直かなり気に入ったよ。駅前で見かけた赤いワンピースタイプの制服は丈が短す
ぎて、あれが制服だったらどうしようかと思っていたから一安心だね。
「おっみさき先輩、雪見先輩、澪。部活の帰りですか」
へー、雪人の知り合いなんだ。この中に雪人の恋人がいるのかな?
「その声は雪人君だね。あれっ、一人じゃないのかな?」
この人は結構長身で黒髪のお嬢様風の人だ。
「水無瀬君。その子が君のガールフレンド?なかなか隅に置けないね」
ちょっと悪戯っぽく笑う明るい色の長髪の人は、一番落ち着いた感じだね。
『恋人さんなの?』
ちっちゃくて可愛いこの子は何故かスケッチブックで会話、もしかして話せないの?
それはそうとどうも3人とも恋人とは違うみたい。
でも遠慮がない人達だね、仲良くなれるといいな。
その後雪人に3人を紹介してもらった。まずお嬢様風の人は川名みさき先輩、実は目が
見えないそうだ。でもとっても明るい人で、家は学校のすぐ前。
それから一番落ち着いている人は前演技部長の深山雪見先輩。みさき先輩の親友だって。
最後にスケッチブックの子は演劇部員の上月澪ちゃん、やはり話せないんだって、頭の
上の大きなリボンが可愛いね。
澪ちゃんはなんと水無瀬家のお隣さん、明後日から一緒に通おうねって、すぐに意気投
合しちゃったね。妹が出来たみたいで嬉しいな。
それから5人で喫茶店に行ってお茶を飲んだ。みさき先輩の食欲にはびっくり。
同学年じゃないけど、お友達が出来て好かったな。
そうそう、例の赤いワンピースは華音(かのん)高校って言うんだって。
実はこの華野音(かのね)市は緒音(おね)町と華音町が合併して出来たんだけど、何
故か高校は合併しなかったんだそうだ。変な話だね。
さてそれと同じ頃、駅前に向かってひた走る少年が一人。
「わー遅刻しちゃったよー。大変だよ、祐はきっと怒ってるだろうな?」
本人的にはかなり焦っているようだが、のんびりした口調と眠たそうな表情のせいで今
一歩端からはそう見えない。
それでも懸命に走って3時過ぎにはかなり苛ついているらしいポニーテールの少女の座るベンチの前にたどり着いた。
「はーはー、君って祐だよね」
呼吸を整える間もなくそう尋ねてみたが、少女はかなりご立腹のようだ。
「そう相沢祐風だけど、あんたは水無瀬雪人だよね。で遅いぞ雪人、遅刻は厳罰だね」
かなり剣呑な表情の少女に、少年の方は完全に押され気味のようだ。
「後免よ、でもぼくの名前は雪人じゃないよ、雪男だよー」
「うるさーい、そんなことどうでもいい。遅刻の罰だ、コークスクリューパーンチ!」
「う、わー!」
パンチと言いつつ跳び蹴りをかます元気のいい少女だが、ミニスカートからパンツが丸見えだ。どうもおしとやかとはほど遠い性格らしい。
「痛い、痛いよ祐、許してよー」
そんな抗議をものともせず、更に倒れた雪男をゲシゲシと踏みつけるのだが、またもや
ミニスカートがまくれて白いショーツが丸見えである。
まあ5,6回踏んづけたら気が済んだようだが、広場から立ち去るときの二人の姿はま
るで女王様と下僕のように見えたと言うことである。
「うー、祐ってすごく乱暴になってるよー」
支援
>>408-412 なんかまた複雑なシチュエーションだな〜。
相沢祐:わりといい子
相澤祐風:じゃじゃ馬
水無瀬雪人:硬派・強気
水瀬雪男:のんびり屋・弱気
同時進行ストーリーは大変だろうけど、続き期待してるよ。
岡崎交換ネタの人もね。(でも鬼ごっこ編も待ってたりしてる罠)
同じ人じゃないの?>倉の人
「秋子さん」と「明子さん」の間にどれくらいの相違点があるのかも気になるな。
【ニセKanon2日目】
祐風の目覚めから
1月7日木曜日、ドタバタとした足音で目が覚めた。
「うーん誰だうるさくするのは?」
布団から出るのは面倒くさいけど、うるさいから廊下に顔を出してみる。
「うー、時間と制服がないよー」
するとなんだか雪男のやつが廊下を走り回っているな、騒音の犯人はこいつか。
機嫌が悪かったら一発蹴りをかますところだが、幸い今朝は昨日の秋子さんお手製のごちそうのお陰で気分がいい。
まあ軽く頭をこずくくらいで許してやることにする。うんあたしも寛大になったものだ。
「痛いよ祐、いきなり何するんだよ」
声をかける代わりに背後から軽く頭をこずいてやったら、不服そうに振り返ってきたね。
雪男の分際で生意気。
「何じゃない、朝から何騒いでるのよ?」
「そうだよ、大変だよ制服が見つからないんだよ」
「制服って、昨日着てたあの野暮ったい服のこと?」
昨日の服を思い浮かべて素直な感想を言ったら、雪男はちょっと情けなさそうな表情に
なったね。
「まあ確かにそうだけど……。それより祐、ぼくの制服知らない?」
「あたしが知るわけないでしょう。第一今日はまだ休みじゃないの、なんで制服なんかが
いるわけ?」
「それが部活の練習があるんだよー」
「部活って?」
「陸上部だよ」
ふーん、このとろそうなやつが陸上部、はっきり言って似合わないな。
「そう、部長に迷惑かけるんじゃないよ。どうせみんなの足を引っ張ってるんだろう?」
「うー心外だよ、ぼくはこう見えても部長なんだよ」
ちょっと頬を膨らませて抗議してきたけど、こいつが部長、世も末だね。
「どうせみんなが面倒がって押しつけられたくちだろう。あんたが部長だなんてそれ以外
に考えられないよ」
「酷いよ祐、意地悪だよ」
図星かな?けど男のくせに拗ねるなよ、鬱陶しいから。で面倒だから話題を変えよう。
「そんなことより、制服はいいの?」
「そうだよ、大変なんだよ」
何度聞いても大変そうに聞こえないんだけどね。あれ、そう言えば……。
「そう言えば、秋子さんが昨日洗濯するとか言ってなかったけ?」
「ああ、そう言えばそうだった。ありがとう祐」
ニッコリ笑って階段を下りていったけど、あんなので大丈夫なわけ?
けど笑うと妙に可愛いじゃない。って今のは気の迷い気の迷いっと。
その後今度はまだ湿ってるとかぶつくさ抜かすから、「男のくせに軟弱だ」って玄関か
ら蹴り出してやった。
それでそれからは暇だから、朝食後にとりあえず新しい制服に袖を通してみる。
赤のワンピースタイプにケープなんか付いていて、ひどく派手な制服だね。
まあ男子用と違って可愛いし、動きやすそうなのは気に入ったよ。
さてそんなこといつまでもしていてもしょうがない、商店街などうろついてみるか。
そうしたら食逃げする男子小学生(もしかして女の子)などという、珍しいものを目撃
させてもらった。変な街。
一方こちらは祐の方。
雪人が用があって出かけちゃったから、暇に任せて近所を探検することにする。
寒いのは嫌いだけど、家にこもっていてもテレビ見るくらいしかすることないしね。まあ本屋さんでも覗いてみるかな。
それで玄関を出たら、丁度お向かいから同じ年頃の赤毛のショートの女の子が出来ると
ころだったんだ。
うん基本は挨拶、まず頭を下げてっと。
「初めまして、今度ここの家でお世話になることになった相沢祐高校2年生です。これか
らよろしくお願いしますね」
そうしたら相手の方も丁寧に挨拶してくれた。
「ご丁寧なあいつ痛み入ります。わたしは天野美汐といいます。こちらこそよろしくお願
いします。ちなみにわたしは1年生です」
あれ1年生だったの?でもそうするとちょっと大人びた天野さんと澪ちゃんが同い年に
なるのかな?
「へー、1年生ってことは澪ちゃんと同い年?」
「はい、澪さんは仲の良いお友達です。澪さんとはいつ知り合いになられたんですか?」
「うん実は昨日……」
ってまあこんな感じで澪ちゃんのお陰でいすぐに仲良くなれて、街を案内してもらえる
ことになった。
美汐ちゃんも暇だから散歩でもしようとしていただけなんだって。
歩きながらいろいろお話しする。
「そうですか、祐さんは前にこの街におられたんですね。もしかしてものみの丘ってご存
じですか」
「うん、何度か遊び行ったことがあるね。それで怪我をした子狐を助けたこともあるよ」
「うわー、狐さん助けたんですか。すごいです。いいですねー、わたしも狐さんに会いた
かったです」
なに、急に雰囲気が変わったよ。夢見る乙女というか、なんだかよく分からないけど狐
が好きなんだね。
「その狐さんが恩返しに来たりしないでしょうか、そうなったら素敵ですよねー」
わー、美汐ちゃんちょっと暴走気味。
「いくらなんでも、そんなこと実際にあるわけないよ」
「もう、祐さんは現実的すぎますよ」
「そうかなー」
「そうですよ、狐の恩返しって女の子のあこがれじゃないですか。わたしも怪我をした子
狐を探しに毎日のように通ってたんですけどね」
「そう、女の子のあこがれね」
うーんいい子なんだけど、どうもすごく落ち着いているようで、それでいて夢見がちで
よくわからない子だね。
そんな話をしているうちに商店街に到着して、美汐ちゃんの案内で本屋さんへ向かって
歩いていたら。
「うぐぅ、そこの人どいて、どいてよー!」
なんて声が聞こえてきて、あっと思っているうちに、よける間もなくタックルされちゃ
ったんだ。
突っ込んできたのは小さな男の子(声で男の子とわかった)だけど、わたしも小柄だか
ら吹っ飛ばされちゃった。
「あいたた、こら!ちゃんと前を見て走れ、って言うか人混みで走るな」
「祐さん、大丈夫ですか」
「うぐぅ、どいてっていたのに」
「どいてって、あんた」
顔は女の子みたいに可愛いけど、少々態度が悪いね。まったく最近の小学生は躾がなっ
てないぞ。
「うぐぅ、それどころじゃなかったよ、逃げないと」
「逃げる?」
「君、行くよー!」
男の子はいきなりわたしの手を引いて走り出したんだけど、わー、これじゃあ昨日と同
じだよー。
この子わたしより気持ち背が低い位なのにやっぱり男のだからなのか、結構力があるし
スピードも相当に速い。
「祐さーん、待ってくださーい」
結局美汐ちゃんとはここではぐれちゃった。
その後の遣り取りでこの子はたい焼き泥棒の月宮歩君(推定小学6年)と判明、一応お
説教してから解放してあげた。まあ子供のしたことだからね。
さてそれはまあいいとして、ところでここはどこ?
しばらくさまよい歩いていたら偶然雪人と遭遇、それは良かったけど、迷ったことがバ
レバレで思いっきり笑われた。悔しいよう。
ああそのあとちゃんと美汐ちゃんと合流できたし、本屋さんへもいけたよ。
>>417-421 一応続きです、美汐があの子と会っていないという大胆な設定改変。
今回はこれで失礼します。
423 :
名無しさんだよもん:04/06/10 21:28 ID:ZEnAL/6I
GJ
「これでよしっと、準備できたよっ!」
春原が後輩とやらに借りてきたビデオデッキを設置して言う。
確かに暇つぶしにはもってこいだな、なかなか気が利くやつだ。
「で、何を見るんだ?」
「へへっ、今日は私の秘蔵のビデオを公開しちゃいましょう」
そう言いながらゴソゴソとベッドの下を漁る。
なんてベタで画期的な隠し場所だ、あまりの春原の頭の良さに感動する。
ゴトゴトとビデオがいくつか出てきたので、なんとなくそれの一つを手に取る。
直筆でタイトルが書いてあるな…えー…美人姉妹のいけない一人遊び?
「ん? それ見るの?」
漁り終わった春原が聞いてくる、とりあえずビデオをゴミ箱に投げ捨てる。
「ああぁっ! 何やってんですかぁっ!」
「おまえこそ何やってんだっ!」
慌ててゴミ箱からビデオを拾い上げて、抗議の声を上げる春原。
アホかこいつは、男と二人っきりでAVを見るつもりか…。
「酷すぎるよ…となりの○トロが…」
「…はぁ?」
「ああ…私のコレクションをゴミ箱へ捨てるなんて…」
嘆く彼女を無視して他のタイトルを見てみる、どれも18禁っぽいタイトルだ。
「おい、コレはなにが入ってるんだ?」
適当に選んで、楽園の恥辱監禁とやらを持って聞く。
「うぅ…ラ○ュタです…」
「意味わからんっ! なぜタイトルを変える!?」
「いや、ちょっとした出来心で…」
信じられない奴だ、普通は逆じゃないのか?
「もういい、それじゃコレでいい」
「お、さすが岡崎、当たりを引いたよっ!」
再び適当に選んで春原に渡すと、親指を立てて嬉しそうな笑顔で言ってくる。
「どうでもいいから早くしろ」
「またまたーエッチなんだからー、これ本物のAV」
「本物が混じってんのかよっ!」
「岡崎ぃーーー!」
私の優雅な一時をぶち破るかのごとく春原が帰ってきて、私の隣に座ろうとする。
それをチラリと見て、無言で蹴りを放つ。
「うわっ」
動物的勘でも働いたのか、紙一重でかわす。
「ちっ」
「ちっ、じゃないよっ! 僕が何かしましたかねぇっ!」
聞き流してぺらぺらと雑誌を読み続ける。
「無視するなよっ! 相談があるんだ、聞いてくれよっ!」
「いやよ」
「そうか…って内容ぐらいは聞きましょうねっ!」
「わかってるわよ、自慰がしたくなったんでしょ? じゃ、ちょっと外歩いてくるから」
「違うっ! ていうか少しは恥じらいましょうねっ!」
「それじゃエロ本でも拾ってきたの? まさか私と猥談しながら自慰したいの?」
「拾ってません! 自慰から離れろよっ! 頼むからちゃんと話聞いてくれよ…」
はぁ、と溜息をついて雑誌を閉じる。
「なによ? 言っとくけどつまらなかったら、あんた凄い後悔するわよ?」
「うっ…い、妹がくるんだ」
妹…へぇ、こいつにそんなのいたんだ…けど私に相談する必要性はほとんど無いわね。
ドンッと机と叩くと、春原がビクッと震える。
「い、いや、兄思いな奴でさ、僕のこと心配してさ、ほら、僕サッカー止めたじゃん?」
その後、聞きたくもない諸事情と家族事情を聞かされ、
段々イライラしてきたのが表情にでたのか、春原はどんどん焦っていく。
いまいち要領を得ない相談に、いい加減我慢も限界になってきた。
「…春原、私は回りくどいことは余り好きじゃないの、わかる?」
「僕の彼女の役をやってくださいっ!」
意味不明、なんで彼女の役が必要なのか、そこを説明しなさいよ。
プライドか体裁のためか、まったくこのヘタレは…。
「…別にいいわよ」
「本当かっ! さすが岡崎の後継者! 伊達におっぱい大きくないなっ!」
喜びのあまり踊りだす春原を、笑顔で見ながら心の中で誓う。
(コロスわ、春原…妹さんが来たときと帰った後が楽しみね…)
「岡崎ぃーーー!」
人の名を大声で叫びながら春原が帰ってきて、バタバタと騒ぐ。
それを漫画を読みながら横目で確認する。
「岡崎っ! 大変なのよっ! リアリィ!?」
「それは大変だな」
「そうなのよっ! ってまだ何も話してませんよぉっ!」
「話してないな」
「大事な相談があるの、助けてよっ!」
「気が向いたらな」
「そう、気が向いたら助けてね…って真面目に聞いてくださいよぉっ!」
ふぅ、溜息をついて漫画を置き、鬱陶しげに春原を見る。
「なんだよ?」
「弟が来るのよっ!」
弟…こいつにそんな存在がいたのか…だが俺に報告する必要は無い。
聞かなかったことにして、漫画を再び読もうと手を伸ばす。
するとすかさず春原がそれを蹴り飛ばす。
「すごく姉思いの弟でさ、私のこと心配しちゃって…」
勝手に春原が自分の家族について語りだす。 すぐに終わるだろう思い、黙って聞いてやる。
だがその話は延々と続き、いい加減うんざりしてきたとき。
「だから私の彼氏の役を引き受けてっ!」
「意味わかんねぇよ!」
「わからなくて結構っ!」
逆切れかよ…。 黙っていると、ねーねー引き受けてよーと俺の服を引っ張る。
あまりにもしつこく、服が伸びるのでしかたなく引き受けてやることにした。
「やたっ! さすが岡崎、頼りになるねっ!」
「…そうか?」
「うんうん、よかったよかった。 あ、けど避妊はしてね?」
私初めてだし、優しくしてね?キャー、と盛り上がるバカがここに一人。
「やっぱ止めた」
「えっ! なんでよっ!」
嘘吐きっ! 裏切り者っ! 人間の屑! 等言われ、あげく泣き出す。
もろに嘘泣きだったが、条件を色々付けて引き受けてやることにした。
>>417-421 グッジョブ
チョコチョコ書いてた過去編のデータがアボーン('A`)
そのうち思い出しつつ書きまつ…
とりあえず無事だった現代編投下
あと芽衣って男だと名前どうなんだろ?
なんか全然思い浮かばぬ…
冥とか。
微妙か。
>>427 やっぱイイよあんたのネタ。続きを期待してます。
陽子、バイだったのか(違
(;゚∀゚)ハアハア
目の前の相手がつい先日まで同性だったことなど、
春原にとって何の問題にもならないのかw
もし裏春原が持ってたAVが男向けのやつだったら色々な意味で怖すぎ
俺、脳内で陽子のビジュアルと声がプリキュアのなぎさになってる…
「んー、なんか眠いわね」
「徹夜したから当然じゃないか」
春原がカードをシャッフルしながら答える。
最初はオセロやら将棋をしていた、無論私の全勝だった。
悔しかったのか春原がトランプをしようと言いだし、つい徹夜してしまった。
彼は上半身裸の状態で座っている、彼が途中で脱衣ポーカーをしようと言った結果だ。
もっとも私は一度も負けていない、イカサマしているので当然である。
この前買い物に行ったとき、こんなこともあろうかと用意しておいた。
「今度こそ負けないぜっ!」
カードを配りながら気合を入れる春原。
私はやる気なさげにカードを取る。 Aのワンペアか、勝率は低いわね…。
音を立てないようにスカートの中に手を入れる。
「ふふふ、年貢の終わり時だな、岡崎っ!」
カードチェンジをして、手札を見た彼が言う。 年貢の終わり時ってなによ…。
けど結構いい手ができたみたいね…ま、そろそろ飽きたし、終わりにしよう。
そう思いながら私はカードを編集する、相手が春原だからこそ通用する手だ。
「はははっ! フォーカードだっ!」
彼がカードを出す、9が3枚とジョーカーのフォーカードか…バカね。
「はい、ファイブカード」
私の手はAのファイブカード、ジョーカー無しで。
「なにっ! ちくしょうっ! ってなんでAが5枚もあるんですかねぇっ!」
「幻覚じゃないの? クスリはほどほどにしときなさい」
「クスリなんてやってません!」
あー眠い、ちょっと限界かも。 トランプをテーブルからザッと払って倒れこむ。
「なんで同じカードが2枚あるんだよっ!」
「知らないわよ…妖精からの贈り物じゃない?」
ウトウトしてきた、春原はぶつぶつとなにか言っている。
まぁ誤魔化せるだろう、私のトコの春原にも通用したし。
「おい、寝るのか?」
「んー、後片付けよろしく」
隠しておいたもう一組のトランプを、カードが散乱しているところに投げ捨てる。
「ああ…ってなんかカード増えてないかっ! この枚数は異常ですよねぇっ!」
「ストップ! それは禁止よっ!」
春原が待ったをかける、これで通算41回目だ。
オセロでは10勝1敗4分け、引き分けは途中で春原がクェイクを使用したからだ。
今は将棋の真っ最中、ちなみに6勝0敗2分け。
引き分けは彼女の王将が全員を巻き込んで自爆したらしい。
彼女の行動はツッコミどころがありすぎて、もはや怒る気も無い。
「おまえな、待ったばっかじゃないか…」
「そんなことありません! 条約に反してるのよっ!」
「将棋に条約なんかあるか…」
オセロの時だってそうだ、最後の試合でいきなり春原の二回攻撃が発動した。
本人いわく連続攻撃の条件を満たしたらしい。
「とにかく、その桂馬は死刑よっ!」
「なんだよそれは…」
ああ、俺の桂馬が奪われた…ま、いいか。
「じゃ、角で飛車取りな」
「ああっ! 酷すぎですよぉっ! 捕虜の解放を希望しますっ!」
「却下」
「お願いっ! 今着けてるブラジャーあげるからっ!」
「いらん」
うー、と唸って春原は次の手を思考し始める、もう明らかに彼女の負けは決定している。
飛車はさっき取ったし、彼女のほとんどの駒は俺の手の内にある。
「あの、一つ相談があるんだけど…」
「ん? なんだ?」
「召還魔法を使っていいかな?」
なんだよそれ…将棋にそんなルール付け加える奴は初めて見た…。
「ああ、使ってみろ」
「よしっ! 出でよサタン&ルシファーっ!」
そう言って俺と春原の王以外の全ての駒が彼女の手によって吹っ飛ばされた。
そしてなにやら怪しいフィギュアが置かれる。
「なぜ駒がなくなるんだ…?」
「えっ? ハルマゲドンよっ!」
もういい、こいつとは二度とオセロと将棋はやらん…。
>「お願いっ! 今着けてるブラジャーあげるからっ!」
>「いらん」
価値ゼロかよ…可哀想だ… 。・゚・(ノД`)・゚・。
先生!陽子タソお持ち帰りしていいですか?
それとやっぱり跳ね毛ですか?
【ニセKanon3日目朝】
(祐の目覚め)
なぜか昔の夢を見た。雪人が友達と遊びに行っちゃってひとりぼっちの時に知り合った
男の子、そう名前は同じアイザワユウ。その子と一緒に狐を助けたり、泣いている小さな
男の子を慰めたりした夢。すごく懐かしくて、楽しくて、でもなんだか悲しい夢。
どうしてそんな夢を見たんだろう?
明子さんは忙しいから、朝食はわたしと雪人が交代で作ることになっている。ただ夕食
は自分で作るのが明子さんのこだわりらしい。それがこの家のルール。
今日はわたしの当番、リンゴやバナナに牛乳でジュースを作り、あとはトーストとスク
ランブルエッグ。実は余り料理は得意じゃないけど、それでもこの程度は出来るよ。
食べているときに雪人が話しかけてきた。
「祐風、多分おまえ俺と同じクラスだぜ、うちのクラスは転出があって他のクラスより3
人くらい少ないからな」
おお事前情報があるとはラッキー、折角だからここで詳報収集させてもらおう。
「そうなの、まあよろしく。ところでクラスで仲良くした方が良い子とか、気を付けた方
が良いことってあるの?」
「そうだな、女子のグループとか良く知らないけど、とりあえず長森瑞佳とは仲良くした
方が良いな。もっとも長森は面倒見のいいやつだからむこうから接触してくると思うぞ。
それで……要注意人物が……長森の幼なじみの折原浩平だな」
雪人の表情や口調からいって、なにか折原って人は相当にやばそうな感じだよ。
「要注意ってどんな感じなの?」
「一言では形容しがたいが、とにかく面白ければなんでもやると言う、ある意味非常に危
険な男だ。つきあいの長い長森なんか被害甚大らしいぞ」
「うーん、とにかくすごい人だね。えーと、それでなにか対策は?」
とにかくそれが一番肝心な情報だよね。
「ない。とにかく突拍子も無いことを思いつくやつで、警戒してもまったく無駄だろうな。
それに転校生だと特に目を付けられそうだしなー。まあやつも悪気はないんだが」
あっさり答えるなー!って言ううか、なにそれ?ちょっぴり、憂鬱って感じだよ。
「あっそうだ、隣の澪と仲いいらしいぞ。澪に聞いて見ろよ」
それだけではちょっとまずいと思ったのか、唐突にそんなことを付け加えてきた。雪人
って結構無責任かもしれない。でもまあ礼は言っておこう。
「わかった。いろいろありがとう」
しかし折原君の件、警戒しても無駄なら、なにか知らない方が幸せだったかもね?
二人とも寝坊じゃないし、学校が近いから片づけが済んでからでも余裕を持って登校可
能だ。約束通り澪ちゃんとそれに美汐ちゃんも一緒だよ。
えっと、雪人は恥ずかしいからって先に出たね、ちょっと薄情なような。
それで歩きながら澪ちゃんに折原君のことを聞いてみたら。
『とっても優しい人なの。大好きなの』
うわー、なんか信頼しきっている感じ。雪人の情報と同じ人とは思えないね。
「でもあの人は、落ち着きがなさ過ぎですね。少々人として不出来です」
あれっ、美汐ちゃんは少し辛辣。真面目そうだから肌が合わないのかな?
「あっ、おーい澪、美汐ー、おっはよー」
向こうの方で元気良く手を振っている、全身元気の固まりみたいなショートヘアーの女
の子がいるね。
『おはようなの』
「はいみさおさんおはようございます」
二人の友達らしいけど、その子誰?
その後美汐ちゃんが紹介してくれたんだけど、名前は折原みさおちゃん、なんと噂の折
原君の妹なのだよ。
でまあお兄さんと一緒のクラスになりそうなことを話したら、いきなりみさおちゃんに
頭を下げられたわけ。
「馬鹿なお兄が迷惑かけると思いますので、あらかじめ謝っときます」
ってなにそれ?すごーく憂鬱になってきたね。そんな気分のまま職員室に向かう薄幸の
少女祐なのでした。って自分に酔ってどうする。
(祐風の目覚め)
ジリリーン!!!! 、いきなりもの凄い大音響で目が覚めた。何事が起こったんだ、敵襲?
って敵なんてどこにいる。おかげで夢の内容を忘れちゃったぞ、何かいい夢だったのに。
したがってあたしはかなり機嫌が悪い。
ところで落ち着いて観察してみると騒音の元は雪男の部屋らしい。またこいつかよ。し
かしすごい音量の目覚ましだよ。
あれっでも、まだ止まらないってことは、もしかして雪男気絶してるんじゃないのか。
軟弱なやつのことだからあり得るかも?まああんなやつでも一応は従兄弟だし様子を見て
みるかな。
そう思って気休めにティッシュで耳栓をして雪人の部屋に入ると、もの凄い数の目覚ま
し時計が鳴っている中蛙の抱き枕を抱いて平和に寝こける猫柄パジャマの雪男がいた。
あまりに場違いな状況と寝顔の可愛らしさにしばらく思考停止。
で我に返った後、とりあえず難聴になる前に目覚ましを止めにかかる。かなり乱暴に扱
ったからいくつか壊れたかもしれないけど知ったことじゃない。これは正当防衛だ。
それにしても、なぜか猫型や猫のイラスト付が多いぞ。ちょっと子供っぽいな。
その後なかなか起きない雪男にぶち切れてボディプレスをかましたらようやく起きた。
こいつ確か9時には寝てたよな。寝過ぎで脳みそ腐るんじゃないの?
まあしかしさすがは男だというか、結構頑丈だから攻撃のしがいがあるな。
「うー、ぼくは祐のサンドバックじゃないよう」
そのような抗議はさわやかに無視する。
「うわー、一番お気に入りの猫目覚ましが、目覚ましが……」
「形有るものは必ず壊れる。そもそも起きないお前が悪い」
口ではそう言ったが、さすがに少しは気が咎めるからまあ後で修理を試みてみよう。こ
れでも機械いじりは結構得意だ。よく壊すから。
朝ご飯、秋子さん食事はなんでも美味しい、手作り苺ジャム最高。でも雪男の食べる量
は半端じゃないぞ。ちょっと気持ち悪くなってきた。
おまけに時間がないのにぐずぐず食っているから、拳固で脅して席を立たせた。
それでも不思議と全力疾走。なのに雪男のやつは涼しい顔、なるほど確かに陸上部だね。
「ぼくは走るの好きなんだ」
あっそう、こっちは返事する余裕なんかないよ。明日もこんなだったら絶対雪男を置
いて先に出るぞと固く決心。
10分ほど走ったら、雪男がスピード緩める。
「もう大丈夫だよ。あの角を曲がれば学校だから」
確かに周囲に同じ制服がたくさんいる。やれやれあと1分も走ったら死んじゃうところ
だったよ。こちとら常人だからあんたほど体力ないんだよな。でも悔しいから雪男には泣
き言は言わないぞ。
さて雪男の方を見ると何故かもじもじしてるぞ。なんだ一体?そう思っていたら、
「ところで祐、言いにくいんだけど、その制服走るとき気を付けないとパンツが見えるよ」
などと顔を赤らめて小声で言ってってきたから、思わず雪男の頬を叩いてしまった。ま
ったくデリカシーのないやつだ。
「おっ雪男、おはよう」
「あっ薫(かおる)か、おはよう」
どうやら雪男の友達らしい、身長175センチくらいの結構格好いいやつだ。
男にしては小柄であたしと2センチくらいしか違わない165センチ前後の雪男とはで
こぼこコンビだな。
どこか大人びた雰囲気で、制服じゃなかったら大学生か社会人に見えるね。そこもボケ
ボケ中学生タイプの雪男と好対照だったりする。
「ふーん君が雪男の噂の従姉妹の相沢祐君か。なにか聞いていたのより元気そうだね」
雪男のやつべらべらなんでもしゃべりやがって、機嫌がなおらなかったらあとで絞める。
とまあそれはとりあえず置いといて、まずはこいつの方だな。
「人の名前を聞くときは自分から名乗れ」
我ながらどうも不機嫌丸出しの口調だ。あたしは感情の制御は苦手なんだ。
「ああ気が付かなかったよ。俺は美坂薫。この雪男の親友さ。まあ今後よろしく」
まあ一応礼儀はわきまえてるな。雪男よりは常識有りそうで、ちょっと好感度アップ。
「わかった美坂って呼んでいいか。あたしのことは祐風でいいよ」
「いや、さすがに女の子にそれは遠慮しておくよ。相沢さんと呼ばせてもらうけどそれで
いいかな?」
「まあそれでいい」
などと話をしているうちに時間が無くなり、職員室へと向かうこととなるのだった。
>>438-442 またまた続きです。祐と祐風の過去に接点が?
またみさおが出ているのでおわかりでしょうが、ここでは永遠の世界は存在していません。
つまりONEはキャラだけ借りているわけです。
ちなみに某所に盛大に誤爆してしまいました。ダメだこりゃ。
>>443 グッジョブ&ドンマイ。
この後、折原のセクハラ攻撃で祐ちゃん泣いちゃうんでしょうか?
>>444 傷口に塩擦り込むなよ(w
ところで、♂芽衣の名前で「明」なんてどうかと言ってみる。
芽衣弥(めいや)ならレブチューンモーター最強
起きて衝撃を受ける、俺のすぐ目の前に少女が眠っている。
あまりの出来事にしばらく声もなく固まっていると、少女が目を覚ます。
「……フーアーユー?」
「いや、英語で聞かれてもな…」
だがこの少女はどっかで見たことがある、というか見慣れてるような気がする。
「私の部屋に強盗とは、しかもベッドに潜り込むなんていい度胸ね」
少女がギラリと睨みつけてくる、恐ろしい殺気だ、杏をも上回りそうだ。
「いや…ここ俺の部屋なんだけど…」
「へぇ、命知らずなのね…いいわ、とりあえず牢屋の前に地獄へ逝ってきなさい」
少女が立ち上がって、パジャマのポケットから何かを出して構える。
スイッチらしきものを入れると、それはバチバチと音をたてた…スタンガンだ。
「待てっ! ちょっとタイム! 少し時間をくれっ!」
「ふん…いいわよ。 遺言をしっかり考えなさい」
バチバチとスタンガンで威圧しながら少女が止まる。
なんだ? ここは俺の部屋じゃないのか?
いや、ここは間違いなく俺の部屋だ…ならこの少女は?
「ん? あら? ちょっと失礼」
少女が近寄ってきてジーっと俺の顔を見つめてくる。
どうでもいいがスタンガンが凄く怖い、せめてスイッチ切ってくれ。
「あ…そうか、どっかで見たことあると思ったら、私じゃない…」
「は?」
私って…あ、こいつ…俺に似てるんだ…。
「あんた、名前は?」
「岡崎、朋也だ」
彼女の手にあるスタンガンが怖いので正直に答える。
少女は顎に手を当てて何かを思考し始める、だがあくまで武器は俺を狙っている。
ちょっとでも変なまねをしたら即攻撃するつもりだろう、恐ろしい少女だ。
でも随分と俺に似ているな、まるで双子だ…。
頭の中で最近鏡を見たときの自分の顔を思い出して比較してみる。
「あー…あのさ…あんたって生き別れになった妹か姉いる?」
「いねぇよ」
「そうよね…私の名前はね…」
僕は起きた瞬間びっくり仰天する、目の前に金髪の後頭部。
「なんだよ…コレ…?」
ポンポンと叩いてみる、するとそれは「うー」と唸って寝返りをうった。
そして僕と向かい合うようになってパチっと目を開く、どうやら女のようだ。
しばらく目が合ったまま無言で二人して固まる。
「えいっ」
いきなり少女が掌をチョキにして僕の目を突いてくる。
「ひいぃっ!」
寸前の所でかわす、一瞬遅れていたら少女の指は突き刺さっていた。
「なにすんだよっ! 危ないじゃないかっ!」
「むう……せいっ!」
少女の気合の掛け声とともに僕の鳩尾に拳が突き刺さる。
僕が痛みに悶絶していると、間接を極めてくる。
「いてっ! 折れる折れるっ! あんた力加減を間違ってますよっ!」
「ふふふ、強盗捕まえたっ!」
「強盗ってなんだよっ! おまえが強盗じゃないかっ!」
「またまたー、往生際が悪いよ?」
僕の背中に乗っている少女に抗議するが、まるで取り合ってくれない。
必死になってこの状況を打破する方法を考える。
「部屋見てみろよっ! 僕の部屋じゃないかっ!」
「んー? あら…? 異空間?」
部屋の様子を見回して少女が言う、どうやらわかってくれたらしい。
関節技をかけている力が弱まったので、慌てて振り払って距離をとる。
この金髪少女はなんなんだ? 岡崎のびっくり企画か? 外国のスパイ?
「まったく、何のつもりだよっ! ていうかおまえ誰だよっ!」
「ありゃ? ここどこ?」
キョロキョロと辺りを見回して少女は僕に聞いてくる。
僕の質問には答えないつもりらしい。
「だから僕の部屋だよっ! 春原陽平の部屋だっ!」
「……どっぺるげんがー?」
「なんだよそれっ! だからおまえは誰なんだよっ!」
「えーと、私の名前は…」
岡崎も春原も女版の方が強いのかw
450 :
名無しさんだよもん:04/06/13 21:13 ID:gPwEu2wS
だな
浩平はセクハラはしないと思う、がそれはそれで良いかも
>>447 寝る時にはスタンガン常備してるんかい!(w
>>451 七瀬で遊ぶ(そして酷い目にあう)浩平を見て( ゚д゚)ポカーンとなる祐、
なんてのもいいかも。
454 :
名無しさんだよもん:04/06/14 02:10 ID:tFWDleC0
>私初めてだし、優しくしてね?キャー、と盛り上がるバカがここに一人。
俺ならおいしくいただくが・・・・。
表と裏が犯ったら一人エッチということになるんだろか?
なんてことを週末ずっと考えてた
アホな子か漏れは
自己相関ってのは新鮮かもしれず(w
うほほ。
自分の性転換クローンを養女にした挙句ケコーンする…
というSFネタならどっかで見た記憶があるなw
祐一×女祐一(18禁)というSSは実際存在する
シチュそのものは既出だったか…
しかし自分(?)とやるのってどんな気分なんだか
んふー
【ニセKanon3日目第2幕】
(祐風サイド)
担任に連れられて教室に入ったらなんと雪男のクラスで、あいつ脳天気に手てなんか振
っているよ。雪男、あんたに羞恥心はないのか?さてその横に美坂もいるな、やつの方は
クールだ。
気を取り直してとりあえず名前を板書してひとおとり挨拶を住ませると、当然ごとく後
質問攻めにあった。それはまあしかたがないことだが……。
「相澤さん、雪男の従姉妹って本当?」
「水瀬と同居してるの?」
「同棲してるって事実なの?」
「水瀬と婚約者って本当?」
「卒業即挙式は事実なの?」
だー、なんだそりゃあ。雪男のやつ一体なにを話したんだ。あとで絶対に絞める。
それはそれとして、ことここに至れば下手に隠すより事実を公表するしか有るまい。
「えーい、いっぺんに言うなー!確かに従姉妹で同居はしてるが、婚約者でも恋人でも同
棲でもないー!第一こんな軟弱なとろ助、全然趣味じゃないぞー!」
あっしまった、思わず余分なことまで言ってしまった。
「うー、祐風酷いよ。何もそこまで言わなくても……」
情け無い表情で項垂れる雪男、あっ、でもこの顔見るのってちょっと快感。
その時突然、クラスの後方で立ち上がった男子生徒が一人。ほとんど金髪に近い茶髪で、
何故か鬼太郎風につきたったアンテナヘアーが異常に目立つやつだ。
「惚れた。俺の嫁になってくれー!」
唐突にそんなことを叫びつつ、服を脱ぎながらルパンダイブ。貴様は変質者かー!
「アックスボンバー!」
咄嗟に足を振り上げきゃつの顔面に蹴りを入れる。なお叫んでいる技の名前が実際と違
うのは、子供の頃からのくせなので気にしないように。
「ふっ、いいもん見せてもらったぜ。我が人生に悔いなし」
パンツ一丁のど阿呆アンテナ男は、顔面に沓形を付けたまま至福の表情で床に崩れおちた。正真正銘の馬鹿だ。ところで、いいもんってなんだ?
それはそうと、こいつこのままで良いんだろうか?邪魔だし。
「先生、この生ゴミ、もとい大馬鹿野郎の処置はどうするんですか?」
「うん、アンテナならそのうち復活するからほっといてよろしい。どうしても邪魔なよう
なら後ろのゴミ箱出にでも突っ込むように、なんなら窓から放り出しても良いぞ」
いや、ゴミ箱はともかく、窓って、ここ3階なんだけど。まあこいつその程度では死に
そうもないけど。それに教師が生徒をアンテナなんて呼んでいいのか?
しかしこいつしょっちゅうこんなことをやっているらしいな、真性の馬鹿だ。
さすがにこの騒ぎのせいか以後の質問は無かった。結果的には役に立ったのか馬鹿男?
さてその後連絡等がありこの日の日程は無事終了。アンテナ馬鹿はいつのまにか復活し
ていたようだ。
雪男は部活にってしまいあたしも帰ろうかなとしたとき、わたしの席に近づいてくる女
の子が二人。
一人は黒髪セミロングの小柄で大人しそうな子、ただ胸は大きい。あたしもそれなり有
る方だと自負はしてるが完全に負け。
もう一人は金髪アンテナで身長160センチくらい胸は小さい、勝った。じゃあ無くて、
金髪アンテナ?顔も例の馬鹿に似てるよ。やはりここは自然と少々警戒態勢に入るね。
「相澤さん初めまして、わたしは北川潤佳(じゅんか)、認めたくないけどあの大馬鹿野
郎潤の双子の妹。それで後免、うちの馬鹿兄が迷惑かけた。わたしがよう言い聞かせるか
ら勘弁してね。あの馬鹿も悪意だけはないんだ、取り柄もないけど。それだけは信じてね」
いきなり頭を下げてきた北川さん、あのセクハラ野郎と違って妹の方はいい子じゃない。
これなら友達になれそうだよ。
「いやまあ、あなたの責任じゃないないし、こちらこそよろしく。ただ出来たらでいいん
だけど、あのアンテナ馬鹿、もといお兄さんを放し飼いにしないで欲しいな」
「わたしも努力はしてるんだけどね。それと……別にアンテナ馬鹿でいいよ」
疲れ切った表情の北川さん、うん君も苦労してるんだね、同情するよ。
「それにしても相澤さんいい蹴りだったね。ただね制服で顔面蹴りは止めた方がいいよ。
見えちゃうから」
しばらく北川さんの言葉の意味を考えたが、すぐに事実にたどり着いた。
「しまったー、いいもんってその事だったのかー!」
でまあ思わず絶叫。くそー、しょうもないやつに見られてしまった。
「えっと、わたしも話していいかな?」
そう言えば忘れてたけど、もう一人いたよね。
「いや、別に好きにしていいけど」
「えっとあのー、わたし斉藤、あのーしのぶ。相澤さん、あのー、よろしく」
なんかやたらに遠慮深い子だなあ。ちょっと苛つくくらい。
「それでー、あのー、言いにくいんだけど、あのー」
「えっと、別にとって食ったりしないから、はっきり言ってくれないかな」
あたしは短気だから、ついせかしてしまう。
「御免なさい、わたしはっきりしないから、それであのー」
まずい、怖がらせちゃったな。ボケの雪男やアンテナ馬鹿ならともかく、女の子を怖が
らせるのは不本意なんだが。
「しのぶ、がんばって」
「えっと、あのー、そのー、水瀬君のことは本当になんとも思ってないの?」
って急に大迫力、怖い。だー、これが恋する乙女の力なのか?とにかくその怖い顔で近
寄らないでくれー!
大慌てで首を左右に振りまくる。
「わー、本当、本当です!やつのことなんかなんとも思ってません」
「本当ですね」
だからその表情怖いって。思わず丁寧語になってしまいましたよ。
「ほんとに、本当です。どっちかって言うと美坂の方が好みです」
「わかりました。それであのー、そのー、二人のあのー、仲の進展にそのー、協力してくださいね」
また元に戻ってるよ、つ、疲れる。しかし今なんか、どうも余分なことを口走ったよう
な気がするんだが。
「相澤さん、美坂君はわたしが狙ってるんだけど」
北川さん、声は平静だけど目が怖いんですが。
「いや、その、雪男よりは好みだってだけで、深い意味はないよ。ほんとに」
慌ててそう答えたら、今度は斉藤さんが詰め寄ってきた。
「そんなー、水瀬君に魅力がないって言うんですかー!」
わー、どうすりゃあいいって言うのよー!
ようやく騒動が収まっての帰り道だが、とにかく疲れた、あたしは非常に機嫌が悪い。
でまあ通りすがりのたい焼き泥棒男子小学生(昨日と同じ子で声で男と判明)をはたき
倒して、たい焼き屋のおっさんに引き渡した。
しかしあの子うぐうぐとか言ってたけど、どこかで見たことがあるような気がするぞ。
なおこれでストレス解消したから、雪男を絞めるのは勘弁してやることにする。
さて気分が良くなって意気揚々と歩いていたら、曲がり角で出会い頭に女の子と衝突、
彼女の荷物をばらまいてしまった。相手は小柄でストールを身にまとった中学生くらいの
美少女。うーん相手はきちんと女の子してるぞ、幾分気後れするねえ。
とにかく、謝罪しつつ荷物を拾い集めるのを手伝う。
「えっと、後免ね。でさあ唐突なんだけどこれも何かの縁だから友達にならない。あたし
は相沢祐風、こっちに越してきたばっかりなんだ」
「くすっ、祐風さんて変な人ですね。お友達の件はまた会えたらってことでどうですか?」
ちょっと残念な答だけど、笑うとまた可愛いぞ、完璧な女の子だ。
その時突然体に悪寒が走って振り向いたら。
「相澤ー、好きだー!」
またルパンダイブかよ、進歩がねえやつ。って言うかいいところで邪魔するな。
「この馬鹿ちん、十六文キーック」
と言いつつ今度はパンチ一発。いくらあたしでも同じ間違いは繰り返さない。
「だー、それはねえぜ。ガック」
この程度で気絶、結構打たれ弱いのかも。まあ回復力の方は脅威的なようだが。
「あのー祐風さん、この人このままでいいんですか?裸で放置して大丈夫でしょうか?」
「さあよく知らないけど、風邪ひくような玉じゃないし平気でしょう。自業自得だし」
「くすっ、そう言われればそうですね。でもこの人面白ーい」
北川を指さしてころころと笑ってるよ、実はわりといい加減な子かもしれない。
それで彼女とは別れたんだけど、今日はとことん変な日だったな。
そうそう、北川兄妹の金髪はお母さんがイタリアとデンマークのハーフだからだそうだ。
馬鹿兄の方の性格は祖父譲りのラテンの血だとか。迷惑この上ないな。
(祐サイド)
クラスは雪人の言ったとおり同じになった。それで自己紹介顔終わると質問攻め。ちな
みに雪人は他人の振りだ。まあ説明するのも面倒だからそれもいいけどね。
「相沢さんスリーサイズ教えて?」(そんなものノーコメントよ)
「祐ちゃん恋人いる?」(いきなりちゃん付けしないで)
「好みのタイプは?俺?俺みたいなタイプだよね」(少なくとも厚かましくない人ね)
まあだいたい想像どおりのくだらない質問ばかりで、そこは適当に答えておく。
しかし、一人難物がいたよ。
「前の学校の制服まだ持ってるか?」
はあ、いきなりなにを言うわけ。しかもまだ続があるよ。
「持ってたら俺に譲っ、イテッ!七瀬何をしやがる」
「うるさい!折原、あたしだけじゃなくまたそんなアホなことをしようとしとるんかい。
いい加減にしろー!」
「ウギャー!」
馬鹿が一匹前の席の女の子に叩き倒されている。彼が例の折原君か、確かに強烈そうな
子だね。しかしそれに負けてない七瀬さんってすごいのかも?
それと誰も驚いていないあたり、これって恒例の夫婦漫才なのかな?
もっとも一人だけ取り乱してる女生徒がいる。
「わっ、七瀬さん落ち着くんだよ。そんなにしたら浩平が死んじゃうんだよ」
「話して瑞佳、あたしは今日こそ万民のためにこの馬鹿を始末するのよー」
えっ瑞佳?折原君を心配しているし、この子が長森さんかな?でも七瀬さんも長森さん
も美人でスタイルもいいし、劣等感がひしひしと……。
でちょっと視線を逸らしたら、なんだか周囲の騒ぎを冷ややかに見つめているおさげの
少女がいた。彼女も美人だ、このクラス水準高すぎだよー!
でも、何かさみしそうだね、どこか影があるよ。
その後雪人の予言通り長森さんが接触してきて、七瀬さんを含めて数人を紹介してくれ
た。転校早々にこの心遣いはありがたいね。人の情けが身にしみるって感じかな。
ああ七瀬さんって苗字で名前は留美だったんだね、七瀬が名前だと思っていたよ。
一旦家に帰ってから商店街でお買い物。
そうしたらまた昨日のたい焼き泥棒歩(あゆむ)君を発見。と思ったらポニーテールの
少女にはたき倒されてどこかに連れて行かれるみたいね。
心配で後を着いていったら、その少女の手でたい焼きやのおじさんに引き渡されていた。
どうもまたやったらしい、懲りない子だなあ。さすがにあきれたんだけど、放っておく
のもなにか目覚めが悪いからたい焼きやさんに一緒に謝ってあげた。どうも歩君ってほっ
とけないんだよね。
ところでさっきの女の子、どこかしら見覚えがあるような気がするんだ。よく思い出せ
ないけど。
まあどうにかおじさんに許してもらって、いつの間にかわたしの奢りで二人でたい焼き
を食べることになっていた。どうもこの子といるとペースが狂うんだよね。
「迷惑かけて後免なさい。今度から気を付けるよ」
「まあ今後は財布を忘れないようにね、わたしだっていつもいるわけじゃないし。だいた
い3日前だったらまだこの街にいないよ。一昨日7年ぶりに来たところだったんだから」
「うんわかった。ところで祐さんこの街は7年ぶりって本当なの?」
「そうだけど、それがどうかしたの?」
「昨日から多分そうじゃ無いかと思ったけど、やっぱり祐ちゃんだよー」
そう言うと突然飛びついてきたから思わず避けちゃった。結果的にぺちって音がしそう
な感じで歩君は顔面から地面に衝突。
まあ雪のせいでそうダメージはないだろう、代わりにドロドロになるけど。
「うぐぅ、祐ちゃんがよけたー」
「えっと大丈夫?ってもしかして君はあゆあゆ?」
今の情け無いダイブでわたしの方も歩君のことを思い出したんだけど、懐かしさの余り
思わず飛び出した愛称?が余計彼の機嫌を損ねたらしい。
「うぐぅ、あゆあゆじゃないよー」
まあこんな風にさえない二人の再会(まあ昨日会ってるけど)だったわけだが、歩君を
小学生だと思っていたことは黙っておくことにしよう。
>>461-467 なにかだんだん長くなっている気がします。
謎の美少女(正体バレバレ)&北川兄妹登場に食われて、噂の折原ほとんど活躍せず。
「次回はリベンジだー!」
「ちょっとあたしが全然乙女らしくないじゃないの。責任者出て来ーい」
「あぅー、次回はまこ「はいそこでストップ」あぅー」
祐&祐キター!
「なぁ、さっさとどっかに遊びに行こうぜっ」
私と春原は放課後の校舎内を歩いている、さっきから彼はどこかへ行こうと提案してくる。
「私は楽しんでるわよ? スリルとかあるし」
「スリルねぇ…けど僕は全然楽しめませんよねぇっ!」
うるさいわね…けどそろそろ飽きてきたわね。
そう思ったとき、見覚えのある銀髪が視界に入った。
「げっ!」
春原も見つけたようだ、その怯えた様子が気になる。
「あの娘がどうかしたの?」
「あいつは僕の敵だっ! 僕を脅かす悪魔だっ!」
その悪魔がこちらへと近づいてくる、春原は気づいていないらしい。
「春原」
「ひいぃっ! なななんですかっ? 僕は何もしてませんっ!」
そう言いながら春原は私を盾のようにして隠れる。
「なんだそれは…」
容姿から判断すると、たぶんこちらの坂上智司ね…どうやって誤魔化そうかな…。
そんなことを考えていると、何時の間にか春原が肩を掴まれて詰問されていた。
「最近岡崎を見ないんだが…どうかしたのか?」
「しし知りませんっ! それより肩が砕けるので離して貰えませんかねぇっ!」
私が岡崎よ…。 そう心の中で答え、彼女の腕を掴む。
「彼は嫌がっているでしょう? この手を離しなさい」
「お、おかざ」
私の名を呼ぼうとした春原を睨んで黙らせる。
「あ、ああ、すまない」
彼女は私に謝りながら、春原から手を離す。
「私に謝ってどうするの、苦しんだのは彼よ」
「そうだな、春原、すまなかった」
「それじゃ、私達はこれから用事があるから」
「お、おいっ、どうしたんだよっ!」
バカ…岡崎朋也のことバレたらどうすんのよ…。 彼の学校生活が心配になってきた。
そのまま抗議する春原を引っ張り、校舎を後にする。
「ねーねー、さっさとどっか遊びに行こうよー」
俺と春原は放課後の校舎内を歩いている、さっきから彼女はどこかへ行こうと提案してくる。
「俺は楽しんでいる」
「えっ! ウソッ! マジなのっ!?」
騒がしい奴だ…まぁそろそろ飽きたからどっか行くかな…。
そう思ったとき見覚えのある銀髪の男子生徒を見つけた。
「げげっ」
春原も見つけたようだ、だがそのリアクションが気になる。
「あいつがどうかしたのか? 仲でも悪いのか?」
「仲が悪いわけじゃないよ…坂上智司っていうんだけど、前の岡崎と知り合いなの」
「なるほど、それで会って彼女のことを聞かれるのはマズイってわけか」
「うん、最近は生徒会長になるので忙しいみたいで会ってなかったけど…」
生徒会長になる、か…。
思考に耽っていると、彼は何時の間にか近づいてきて春原に話しかける。
「春原、新しい友人か?」
「え、う、うん…」
「そうか…ところで最近岡崎が学校に来ていないらしいな、何か知らないか?」
そりゃ来れるわけないな…今は俺が岡崎なんだから…。 心の中でそう答える。
「…知らない」
「知らないって…いつも一緒にいただろう? 岡崎に何かあったのか?」
やけに拘るな…それだけ彼女のことを心配してるってわけか…。
俺はほったらかしにされてちょっと寂しくなる。
「…わかんない」
「春原…本当に何も知らないのか?」
「知らないっていってるでしょ! いい加減にしてよっ! 誰も彼も岡崎、岡崎、岡崎!
京も藤林も渚くんも、会うたびに岡崎のこと聞いてきてっ! 私だって心配してるの!
私は彼女のおまけなんかじゃない! 何も知らないくせに私と岡崎に近寄ってこないでよっ!」
驚いた…彼女の怒鳴る姿は見たことはあるが、本気で怒るところは初めて見た。
「…行こ」
唖然と固まる二人のうち、俺の腕を掴みそのまま校舎を後にする。
陽子フラグキタ━━(゚∀゚)━━!?
裏春原は本当に「女」なんですね。
最近、神様の降臨多いな。良スレだ。
倉、学園編は突如シリアスへ。っ言うかフラグなのか?
漏れも倉ss書いてみたが、はっきり言って表岡崎・裏春原と肩並べるのもおこがましい作品なので
はっきり言って投下できぬ。
・゚・(ノД`)・゚・ すげぇよあんた。
自分で自分の作品に評価を下し、落ち込む前に実際に投下してみよう!
476 :
474:04/06/15 07:42 ID:ZOelLU7u
>>475 サンクス。そういってもらえると少し勇気が沸いたよ。
今は少し無理だけど、帰って投下できそうな雰囲気だったらしてみる……。
倉は表岡崎・裏春原だけが良いっていうやつは書き込んでくれ。
投下はやめとくから……。
やっちまった。っ言うか って何だよ…… って言うか だろ……。スマソ
>475
生きれ。
ここには初代スレからいるけど、相変わらず空気がいいね。
暖かいというか、見守る環境が出来てる。
吊ったり切ったりするのも挨拶のうちだしw
これだけじゃアレなのでネタ振り。
反転雪緒ってキカイダーのジローみたいになるんでしょうか?
あるいは9階から鯉のぼりダイヴとかしますか?
I can fly
私は揚げ物を作ることが出来ます
アミバ春原、いいな。
481 :
474:04/06/15 23:55 ID:vCZMHGLF
474です。出してもいいのかな?
では反転CLANNAD投下します。
ばるたん、ばるたん、フォ〜
いつもの分かれ道。
「また明日」
「ああ、またな」
いつもの挨拶を終えて俺は帰路についた。
部屋に戻るといつも通り制服を脱ぐ。
あらわになる、しなやかな肉体。
ただ普通の男子高生と違うのは、胸板に何重ものさらしが巻かれていること。
(また、大きくなってる)
さらしの上から手を当て、軽く嘆息。
結構きつく縛っているつもりだが、それでも触ると違和感がある。
制服の上なら、見られる分には大丈夫。
しかし、このままでは。
(胸なんていらないのに)
性別を隠し、名前を偽るようになったのは、いつ頃からだったか。
詳細は自分でも良く覚えていない。
ただ、ひたすらに、強くなりたかった。
(自分があの女の血をひいてること。あの女に似ていること。それらを認めたくはなかった)
つまり、そう言うことだ。
(ばかだな。私)
その考えの幼稚さに、吐き気すら覚える。
ズダズダの家庭。自分なりの努力。あちらなりの努力。譲歩。打算。警戒。嘲笑。etc。
小さい頃。男だったら。と何度も思った。
自分が男だったら。今の自分なんかよりも、ずっと強くなれると思った。強く在れると思った。何にも屈しない
と思った。
けど
(そんなこと、あるはずないのに)
結果はただ、自分が惨めになるだけで。
(こうなることも、分かりきっていたはずなのに)
バスケですらあの女に壊されて。
(後悔……)
ここまできてしまった。
(なんにせよ、私が社会に出るまでは引き返せない。絶対ばれるわけにはいかない)
今まで気づかれなかったのは、ほとんど奇跡といっていい。
男と偽るには色々と障害がありすぎる。
そして思う。
(もう限界かもしれない)
しかし。
(引き返すこともできない)
だから願う。
(だれか、私を……助けて……助けに来てよぅ……)
目の前の枕が、涙で歪んだ。
その日は疲れていたので、すぐにシャワーを浴びて眠った。
いつもの通学路。いつもの授業。
そして放課後。
いつも通り演劇部へ。
演劇部の扉前で、もう何回繰り返したかわからない儀式。
(私は岡崎朋也。私は岡崎朋也。私は岡崎朋也)
俺は岡崎朋也。
(よし)
扉を開ける。
もう、皆集まっていた。
「遅いぞ朋也!どこ行ってたんだ!?」
入って早々食って掛かったのは、藤林京。
人望が厚く、クラス委員長を務めており、運動神経も抜群。
ただ、時々飛んでくる漢和辞典やら何やらがいただけない。
遅れてきたのに、特に理由はないが……。このままでは「俺の辞典が火を噴くぜぇ」ってな感じになってしまう
。いや、決して辞典は火を噴かないが。
なにかうまい言い訳をせねば。
「あぁ、そこで特売が……」
「んなわけあるかっ!!」
全然うまくなかった。俺のボキャブラリーの貧租さを呪う。
パターン2。話をそらすことにする。
「三つで百円〜。三つで百円〜」
唐突だ。
「何が?」
なぜか喰いついた。
……ここは
1、竜田サンド
2、各種辞書(英和、和英、漢和)
3、春原 ←ピッ
即答。
「春原」
「いらねぇ!!」
「即答かい」
お前も。
「ってか安っ!?単位も激しく間違ってるし!?……いや合ってるか」
う〜ん、あいつはそもそも数えられるものなのか?などと一人ぶつぶつ言ってる京はほっとく。
……しかし、どうにか誤魔化しは成功したようだ。
ふと、他の面子を見れば……何だお前らその
『まぁ、(岡崎(くん、さん)、((朋也)(くん))だからな』的視線は……。
その後この面子でしばらく談笑。
そろそろ帰る時間になってきた。
すると。
「岡崎。彼がまだ(こっちに)戻ってこない」
二年で、生徒会長を目指している、こちらも運動神経抜群の男、坂上智司が、未だぶつぶつ言っている京を指し
ながら言った。
おい、面倒事押し付けんな。
……俺が悪いんだが。
仕方なく京に話しかける。
「京?」
「……でもヒトゲノムが……」
何でそうなる。
「お〜い!?」
「……古代エジプト文明が栄えた頃……」
お前の中の春原はどんなだ。
……特に否定はしないが。
「京さ〜ん?」
「……か、神降臨!?……」
何か受信し始めた。
そして、こう無視され続けると腹が立つもので。
俺は京に顔を寄せた。
「目ぇ、覚ませ」
ぱちぃん
デコピン。
「い、いたっ。いったい誰だ……と、朋也ぁ!?」
突然の意識回復と、痛み、そして俺の顔との近さにびっくりしたのか、京は素っ頓狂な声を上げてあとずさった
。
失礼な。そんなにびびる顔か。
羞恥のためか顔が赤い京。
とりあえず
「ほらっ、皆待ってるぜ?急げよ」
そんな京にカバンを渡し、皆が待っている廊下まで急ぐ。
未だに京は放心状態だったので、先に廊下へと出た。
「どうだった?」
待ってる皆を代表して、ショートカットで、ちょっとおっとりした感じの少年、古河渚が聞いてくる。
「うん、まぁ、お楽しみ中だな」
「?意味わかんないです」
ごめん。俺もだ。
「すぐ来るだろ。先行こうぜ」
大丈夫っぽかったし。
「は…はぁ……」
いまいち理解できてなさそうな渚だが、とりあえず納得はしてくれたらしい。
大勢で下校。昇降口あたりで京が追いついてきた。
皆で下校。
いつもの分かれ道。
「また明日」
「ああ、またな」
いつもの挨拶を終えて俺は帰路についた。
自分の部屋に戻るとそのままベットにダイブ。
(今日も大丈夫だった)
よく考えると、昨日は少しネガティブだったかもしれない。
(そう、大丈夫。今までやってこれた。そしてこれからも。……まだ頑張れる。私はまだ……頑張れる……)
そう思うと、またやっていけそう気がしてきた。
明日も、私は岡崎朋也だ。
……私は知らなかった。
あの時。
一人、京を演劇部に残した、あの時。
他に誰もいない部室で。
京は。
(朋也って近くで見ると割と華奢で、それに何かいい香りがするな……)
(まるで)
――女の子みたいだ――
(っ!!うわわぁっ!と、朋也は男だぞ!?何考えてんだ俺!?)
そして
(ぅ……でも……はっきりとはわからないが……朋也は何か、何かが違うような気が……する)
彼、藤林京から
(今まで疑問に思ったのも、一度や二度じゃない……)
私、岡崎朋美に対する不信感は
(俺が、おかしいのか?)
決して消えることは……
(……それとも……)
……無かった。
(……………………)
493 :
474:04/06/16 00:11 ID:k3cmVLGx
474です。
補足として。
岡崎・春原は女、他ヒロインは男。
岡崎に疑問を抱いているのは別に京だけではないです。
時間は演劇部成立あたりで。
でも朋也と京。はたからみれば激しくフォモくさかったかも。
スレ汚しすみませんでした。続きは書けたら書きます。
【ニセKanon4日目】
(祐風サイド)
1月9日土曜日、今朝の目覚めはさわやかだ、まあ今日から授業があるのはかったるい
けどね。さて、朝の大仕事雪男起しをさっさと済ませるか。
どうも起きてるわけないような気もするけど、一応ノックして雪男の部屋に入る。相変
わらず幸せそうに寝ている三年寝太郎を横目に、片っ端から目覚ましを止める。
これも結構大仕事だが、まあ雪男を起こすことに比べれば楽なもんなのだろう。
予想通り揺すったくらいでは起きず、結局「バックドロップ」と叫びながらのエルボー
で起こすことになった。
「うー、だからぼくはサンドバックじゃないよう」
今朝もちんたら食っているから今日は遠慮無く置いていく。あたしには朝からマラソン
する趣味はないぞ。
「祐風は薄情だよう」
それはまあ起こすくらいは居候の役目だろうが、一緒に行く義理まではないよな。夫婦同伴登校とかからかわれても嫌だし。
4時限目の授業も後半、これが終わればやっと今日は開放だな。ああ勉強は面倒くさい。
それに2度ほどアンテナ馬鹿をはたき倒した以外は平和だったから、まあ退屈でもある。
あくびをかみ殺していると、前の席の潤佳が小声で話しかけてきた。ちなみに昨日の騒
動ですっかり仲良くなったから、名前で呼び合っているんだ。しのぶもね。
「ねえ祐風、中庭に女の子がいるよ」
「ふぇー、そう」
眠いから興味なさげに返事を返したけど、一応窓から覗いてみて驚いた。あれって昨日
のストールの子じゃないの。
その後はそれが気になって授業どころじゃなかった。ってまあ最初から集中してないか、
あはは。どうせあたしは劣等生だ。
授業が終わるころになっても、ストール少女は中庭に立っている。どうも気になるから、
ホームルームをさぼって少女の所に行ってみる。
「こら、不良少女。よその学校で何をしている?」
「ああ祐風さんこんにちわ。でも違いますよ、わたしはここの生徒ですよ」
「ならどうして私服なんだ?」
「今日は病欠なんです」
なんか見え透いたウソだなあと思ったけど、生徒手帳を見せてくれたから生徒なのは本
当らしい。1年生で名前は美坂栞ちゃんか。柄にもなくずる休みは駄目だと説教してみた
りして。
その後昨日の約束だからと友達になることを約束させたところで、またもやアンテナ馬
鹿が乱入。なんと今度は3階から飛び降りてきやがった。
「相澤ー!俺は愛のために死ねるー!」
まあよける必要もなく、見当違いの方向の雪だまりに頭から突入。ピクピク動いている
から生きてはいるらしい。やはり下等生物は生命力が強いと再認識。勉強になるなあ。
帰宅して昼食後は商店街をぶらついていると、またたい焼き泥を発見。と言っても今日
は呑気に歩いているから、どうも泥棒はしてないらしい。
でもあたしを見た途端に怯えた表情になってきびすを返して逃げだそうとするから、追
いかけて首根っこを捕まえた。
「うぐぅ、今日は悪いことしてないよう」
「だったら何故逃げた?」
「だって君って怖いんだよう」
「こらっ、年上を君扱いするな!」
「うぐぅ、だって君って高校生でしょう?ぼくは17歳だよう」
「何同い年、それはびっくり」
「うぐぅ、もういいよ。どうせみんなが中学生と間違えるんだから」
こいつはそう言ってるけど、普通の人には小学生に見える思うけど。身長155あるか
ないかだし、顔も子供っぽいから。
まあそれはいいや。たい焼き泥って言うのも面倒だから、名前を聞いてみる。
「ところでたい焼き泥、あたしは相澤祐風だが、お前の名前はなんて言うんだ?」
「ぼくは月宮歩、たい焼き泥はもうしてないよう」
「それならいいけど、今度やったら警察に突き出すぞ」
「うぐぅ、祐ちゃんと約束したからもうしないよう」
祐ちゃんって誰だろう?わたしも祐風だけど。友達?ちょっとからかってみるか。
「祐ちゃんって、お前の恋人か?」
「う、うぐぅ、そんなんじゃないよう」
おーおー、真っ赤になって可愛いこと。
「あれっ、でもアイザワユウって……」
なにかちょっと考えこんでいるぞ、月宮。
「もしかして、祐君?祐君だね。意地悪なところが全然変わってないよう」
うん、祐君?そう言えばあたしを祐君って呼んでたやつがこの街に二人ほどいたなあ。
そうだよく見りゃあ、こいつちびあゆじゃんか。7年前と全然変わってないぞ。
「そうか、お前あゆあゆか。なつかしいなあ、しかし相変わらずチビだな」
「うぐぅ、あゆあゆじゃないよ。それに少しは大きくなってるんだよ」
歩のやつ真っ赤な顔で頬を膨らませてるけど、可愛いだけで全然怖くないぞ。
「もういいよー、前から祐君はそんなやつだよう。でも、祐君って女の子だったんだ、ぼ
くはてっき、あわわ」
そこまで言ってようやくまずいことを言ったと気がついたらしく、歩は慌てて口を押さ
えたけど、今更遅いぞ。そりゃあ確かにあのころのあたしは男みたいだったけどさ。
「てっきり、なんだって!」
「いひゃい、いひゃい、ぎょめんやひゃい。ううきゅんふぁふぁあひひひょんにゃのきょ
らよー」
まあおそらく、痛い、痛い、御免なさい。祐君は可愛い女の子だよう。とか言っている
のだろう。口に指を突っ込んで思いっきり引っ張っているから日本語になってないが。
その後少々お仕置きしてから歩を開放してやった。
なお歩の話だと、祐ちゃんこともう一人のアイザワユウも最近この街に来ているらしい。
あいつはあたしと違って普通の女の子だったけど、そのうち会う機会も有るだろうか。
(祐サイド)
今日から平常授業、まあ今日は半日だけど。さあ元気よく頑張ろう。
折原君の脅威、幸い今日は大したこと無かった、休み時間に廊下の角で出会い頭にぶつ
かって吹っ飛ばされたくらいのことで。でもこれって嵐の前の静けさ?
それにしても、わたしは常に吹っ飛ばされる運命なのだろうか?もしそうなら嫌だなあ。
ああ折原君は、その後偶然通りかかった七瀬さんに叩き倒された。何故?
そのほかは別になにごともなく授業も終わって帰宅して、朝食を済ませてからお買い物。
今日は美汐ちゃんと澪ちゃんが一緒だ。
『今日は劇の練習が休みなの』
「わたしはお買い物大好きです。御飯の材料を選ぶのって楽しいですよね」
『澪も楽しいの。一緒がいいの』
わあ二人とも可愛いなあ。すごくいい雰囲気。
「今度3人で狐さんを見に行きましょうね。恩返しが楽しみー。狐さん、狐さんー♪」
美汐ちゃんもこれがなければねえ。
『困ったもんなの』
その後澪ちゃんが愛用のスケッチブックについてお話ししてくれた。一番最初は折原君
に貰ったんだって。ふーん、彼もいいところがあるんだね。ちょっぴり感動。
でもその後美汐ちゃんから、彼が七瀬さんの制服をオークションにかけようとしていた
話を聞かされた。感動台無し。確かに、それなら昨日七瀬さんが怒るわけだよね。
ところで美汐ちゃんは大人しいけど結構学園内の情報通のようだ。もっとも折原君の巻
き起こす騒動については、知らなかったら潜りらしいけど。
ところで、どうも商店街に入る少し前から誰かに付けられてる気がする。変質者?スト
ーカー?今は一人じゃないからいいけど、嫌だなあ。
もしかすると歩君?でも良い意味単純な歩君なら素直に出てくるよね。やっぱり不安。
それにつけられてるのはわたしじゃないかも?それなら年下の二人を守らないとね。
楽しく買い物を済ませて商店街の出口に近づいたとき、突然わたしたちの前に立ちふさ
がる影が。なにかぼろ切れを体に巻いてるけど何者?さてこいつが、わたしたちをつけて
いたやつだね。
「あんただけは絶対に許さないんだからー!」
ぼろ切れを脱ぎ捨ててそう叫ぶ髪をツインテールにした少女。視線から見て、もしかし
てわたしに言ってるの?あなたに全然見覚えないんだけど。
当惑するわたしに向かって、その少女は腕をぐるぐる回しながらまっすぐに突っ込んで
くる。それでその手がわたしの頭に命中、でも余り痛くないよ。もしかしてわたしより非
力?でもそれで油断したのが悪かったみたい。
次の一撃の当たり所が悪くて、わたしはそのまま意識を失っちゃったわけ。
あとで美汐ちゃんが教えてくれた話だと、その後ははこんな感じらしい。
わたしが倒れたのを見て、謎の少女は「やったー!」って飛び上がったんだけど、どう
もそれで気が抜けたみたいで、本人も倒れちゃったんだそうだ。
それで美汐ちゃんと澪ちゃんが困っているところに、雪人が通りかかって3人でどうに
かわたしたち二人を水無瀬家に運び込んだってわけ。後免ね迷惑かけて。
わたしの方は6時頃には気が付いたんだけど、なにか女の子の方はぐっすり眠ってるら
しくて目を覚まさない。どうも疲れてるせいらしいんだけど。
「仕方がないですね。起きるまで寝かせて置いてあげましょう」
明子さんは鷹揚な人で、そう言ってくださった。どうもすみません。
その後その少女が夜中にお腹が減ったらしくて台所を荒らして騒動になったとか、記憶
喪失だったとかっていろいろとあったんだ。
ちなみに明子さんは記憶喪失って聞いて、もう同情しちゃって大泣きで大変だったよ。
なぜか雪人は疑っているみたいだけど、わたしはウソだとも悪い子だとも思えないな。ど
っちかって言うとウソがつけないタイプだと思うな。
まあとにかく今日は眠いから、あとは明日だ、もう寝るよ。
>>494-499 なにか言い作品後で気後れするけど続きです。
大分登場人物がそろってきました。以上。
>>483-491 男装美少女岡崎キタ━(゚∀゚)━!!!!
スレ汚しどころか実に正統派だ。京の受信っぷりにもワロタ。
「俺」モードと「私」モードできっちり分かれてるのな。なんだか自己暗示?
>>494-499 徐々に祐と祐風の接点が繋がってきたな。GJ
二人の邂逅もそう遠くない話か。
…それにしても、アンテナ馬鹿はどこまで突き抜ける気なんだろw
外は雨が降っている、私は薄暗い空を窓からボーっと見つめていた。
今日は少し体調が良くないせいか、頭が重い気がする。
目を閉じて耳を澄ませると、雨粒の立てる不規則な音が聞こえる。
今は無駄に騒がしい春原はいない、居ると鬱陶しいが、居ないと少し寂しい気がする。
「寂しい、か」
こんな気持ちは久しぶりだ、向こうではいつも春原と一緒だった。
春原はどう思っているかは知らないが、私は彼女が嫌いではない。
天真爛漫と言うか騒がしいと言うか、一緒に居て飽きない。
とうしようもないバカだけど、心優しい少女だ、私と違って色々なものを持っている。
私には何も無い、からっぽだ。 目標も、やりたいことも、未来に求めるものは何も無い。
毎日春原とバカやって楽しい時を過ごす、ただ流れに身を任せる。
だがその彼女もここにはいない。 そう思うと何故か、涙が出てきた。
帰りたい、帰りたくない、信頼したい、裏切られたくない、笑いたい、もう泣きたくない。
だんだん雨音が大きくなってきた、雨が強くなってきたようだ。
涙がとまらない、寂しい、誰もいない、できるならあの頃に戻りたい。
歪んだ視界の中で腕を上げようとするが、力なくそれは落ちる。
あいつが私に怪我を負わせなかったら、この後遺症さえなければ私は…。
「はは……バカ、みたい…」
雨音に混じって、どこからか声が聞こえてくる。
「朋美、どうしたの? 泣いてるの?」
ダレ? 知らない…
「朋美、大丈夫? どこか怪我したの?」
ダレよ? 消えて…
「朋美、悲しいの?」
やめて……消えてよ…
「……さん、お…さん」
違う……そいつは、あんたを捨てるの……いらないから…
「お母さん」
違う……違うっ! そいつは! その女は……私から全てを…!
その時突然ドアが開き、声が消える。
「ちくしょうっ! 聞いてくれ岡崎、僕の傘が何者かに盗まれたんだっ!」
素晴らしいタイミングで春原が帰ってきた。
「許せないねぇ……これは由々しき事態だよっ! 今こそ僕達が立ち上がろうぜっ!」
「……そうね」
「ん? 元気無いな? 気分でも悪いのか?」
「悪いけど、今ちょっと情緒不安定なのよ…」
鬱陶しい、違う世界でも私を苦しめるあいつの存在が。
「えっ? ああ、よくわからないけど……寝たほうがいいんじゃないか?」
涙はいつのまにか止まっていた、代わりに狂気のようなものが心に渦巻いている。
頭と左腕が痛い、気づくと左腕を右手で握り締めていた。
手を離すと、赤く手の痕がくっきりと付いていた。
「大丈夫か? なんか顔色が良くないぞ?」
春原の声が遠い、意識が朦朧としてきた。
「おいっ! 岡崎っ!」
春原、何を心配してるの? 私は大丈夫、強いのよ…?
「岡崎っ!」
なによ…? 顔近づけないでよ、なんかムカつくんだけど…。
「ちょっと待ってろ、すぐ美佐枝さんを呼んでくるっ!」
ヘタレてるわね……僕に任せろとか言えないわけ…。
私は強いから大丈夫って、言ってる……でしょ…。
そこで私の意識は完全に消えた。
美佐枝の診断によると、ただの風邪らしい。
春原が大騒ぎしたせいで病院に連れて行かされそうになったが、断固拒否した。
彼いわく死相が見えたらしい、風邪程度ならそう大したことは無いが。
たぶんアレのせいだろう、あいつの付けた傷が私を苦しめる。
この傷はダレにも発見できず、癒せず、私を一生苦しめ続けるだろう。
「岡崎、リンゴ食べるか?」
「そうね、ありがとう」
「え? い、いや……よしっ、僕の包丁捌きを見ててくれっ!」
「雨よ、岡崎っ! 恵みの雨よっ! イッツレイン! 私はマーメイトっ!」
喧しい奴が帰ってきた、相変わらず鬱陶しいくらいハイテンションだ。
というかマーメイトってなんだよ、マーメイドのつもりか…。
「よかったな、がんばって泡になって消えてくれ」
「うん、がんばるよっ! って何で消えなきゃいけないんですかぁっ!」
「人魚姫は泡となって消える宿命だ」
「えっ! やだ岡崎……姫だなんて恥ずかしいよ…」
何故か頬を染めて恥ずかしがる春原、ほっといて漫画を読み始める。
しばらく放置して、正気に戻るのを待つ。
「あのさ、おまえ、その……岡崎朋美のこと、どう思ってるんだ?」
「……心配してるよ」
普段のこいつを見ると彼女のことを心配しているのか疑問だ。
だが先日の一件のことも気になる、たぶん本当に心配しているだろう。
「私ね……あいつがいないとなんかダメなんだぁ…」
「…そうなのか?」
「うん、岡崎は極悪で悪魔みたいだけど……友達……親友、だもん…」
涙目になって春原は言う、もの凄く空気が重い。
普段からは考えられない彼女の姿に、ただ黙って聞く。
「いつも一緒に居て、岡崎が私をからかって……私が怒って……岡崎は、笑って…」
涙を溢さないためか、天井を見ながら喋る。
「私だって寂しいよ……いつも、一緒だったから…」
春原がごしごしと目を擦る。
「岡崎は冷たくて、やたら毒があるけど……本当は優しくて、凄く頼りになるんだよ?」
にっこりと微笑んで、誇らしげに顔を向けてくる、本当に自慢の親友なのだろう。
自分の世界の春原と比べると頭が痛くなってきた。
いや、あいつも実はこんな風に思ってくれているのか…?
それはそれでちょっと引いてしまうかもしれない。
「ね、ちょっと愚痴言うからさ……怒らず聞いてくれるかな?」
「ん? 別にいいけど…」
「私じゃダメなんだ……皆、岡崎を頼ってるからさ…」
ぽつぽつと語りだす、彼女の今の人間関係の話だろう。
「私だって精一杯に頑張ってるのに……なのに、岡崎ばっかり…。
私に会いに来たかと思ったら、二言目には岡崎の名前がでて…」
そんなに人気者なのか……男女の差、か?
ちょっと微妙な気分になると同時に、その彼女に会ってみたくなる。
「私ってなに? 岡崎がいなくなったら必要無いの?
それってなんかすっごい切ないんですけど…」
それは切なすぎるな、こいつの誤解だといいんだけど…。
「それは確かに私はバカですよ、大した取得も無いし、
岡崎みたいに胸も大きくないし、髪だって金髪だし」
なんか自虐に走り出した、声を掛けるべきか躊躇ってしまう。
「遅刻の女王だし、明るいだけの能天気とか言われた事あるし。
そりゃ頼るわけないですよっ! 私だって頼りませんっ!」
意味わからん、なぜそこでキレる。
「けど、私だって……心配して欲しいよ……女の子なんだよ?」
春原は突然涙声になる、どうリアクションしていいかわからない。
「親友が突然いなくなって、学校じゃほとんど一人ぼっちですよ…」
なら俺の所の春原はどうなってんだろう……ま、あいつなら大丈夫か。
「やっぱりダメだよ……岡崎がいないと、どうしていいかわかんないよ…」
「……信頼してるんだな」
かなり落ち込んでいるらしい、微妙に混乱している。
「当然だよ……だって、親友なんだから」
「そうか……その親友がちょっと羨ましいな」
「大丈夫、あんたもトモダチっ!」
そう言って春原が胸に飛び込んできた、それをなんとか受け止める。
「あはは……あったかいね…」
再び涙ぐむ春原、彼女が落ち着くまで背中を撫でてやることにした。
彼女はそのまま泣き疲れて眠ってしまう、日頃の心労もあったのだろう。
春原を起こさないようにベッドに運ぶ、その少女は軽く、いつもより小さく見えた。
重い!
GJとしかいえん!
陽子たん(;´Д`)ハァハァ
まずい…このままだと表も裏も一線を越えかねない展開
芳野さんや柊ちゃんの出番はあるのかー?
うーむ、「この」倉等をやりたくて仕方がない。続きは、続きはどうなるんだ!
表(野郎)コンビが、それぞれの反転相方にひきずられていい奴になっていってるな。
【ニセKanon5日目】
(祐風サイド)
1月10日、今日は日曜だから雪男を起こさなくていい。ああ寝坊できるっていいな。
いやまあ早起き自体さほどは嫌いじゃないけど、自発的に起きるのと、起きなきゃなら
ないのはまた違うから。
商店街をぶらついていたら、前方に歩発見。そっと背後から近づき、さっと脇に抱え込
んで挨拶代わりに頭を拳固でグリグリ。まあ親愛の情ってやつだね。
「よお、歩ー元気かー?」
「うぐぅ、痛いよ祐君。止めてよー」
「ほーれほれ」
「うぐぅ、祐君、そんなにしたら」
あれっ、こいつんなんだか顔が赤いぞ。熱でも出たのか?
「うん、どうした。この程度で音を上げるとは軟弱だぞ」
「うぐぅ、そ、そうじゃなくて、胸が、胸が当たるんだよー!」
「わっ、馬鹿いきなり大声で恥ずかしいことを言うな」
くそー、仕方がないこの場から逃走だー!歩を抱えたままとりあえず走り出す。
「うぐぅ、とりあえず下ろしてよー」
適当に走ってもういいだろうと止まったんだけど、困ったことに慌てて走ったから知ら
ない場所に出たようだ。
「ここどこだ?」
「うぐぅ、知らないよう。連れてきたのは祐君じゃないか」
確かにそのとおりだが。
「歩、お前は地元民だろうが」
「うぐぅ、そんなこと言ってもここは知らないんだよー」
「役に立たないやつ」
「うぐぅ」
「くすくす、祐風さん。駄目ですよあんまり虐めては」
「ありがとう。えっと栞ちゃん」
栞ちゃんの慰めに少し機嫌が直りかけた歩だけど……。
「ぼく、お姉さんがアイス上げるから機嫌直してね。祐風さんのは冗談だから真に受けな
いでね」
「うぐぅー!」
「えっ、わたし何かまずいことを言いましたか?」
おかしい、これは笑うしかない、腹が痛い。
「うぐぅー!中学生に年下扱いされたー!」
「なに言うんですかこの少年は、わたしは高校生です」
「うぐぅ、ぼくは17歳だよー」
「うそです、あなたがわたしより年上のわけありません」
とまあこんな感じで出会いは良くなかったけど、二人の相性はいいらしくすぐに仲良く
なったみたい。その代わり笑いまくったあたしに矛先が向いたりしたけど。
まあ友人同士は仲良くして欲しいから、多少はがまんするか。
「相澤ー!、お前俺というものが有りながらそんなガキと浮気を。お前まさかショタだったのかー!」
突然後方から馬鹿の声がして振り向くと、歩を指さしてガタガタと震えるアンテナがいた。それにしても、どうして栞ちゃんと一緒だとこの馬鹿が出てくるんだ。
「死ねー!くそガキ」
そう叫びながら歩に突っ込むアンテナ。やばい、非力な歩じゃあ本気で怪我するぞ。
「コブラツイスト」
歩しか目に入っていないアンテナの後頭部に回し蹴り。
「ウギャアー!」
吹っ飛ばされた馬鹿は、そのまま道路脇の溝に突っ込んでどこかに流れていく。北国だ
から除雪用にこんなものがあるんだよね。
「あの人本当に面白いですね。でも情熱的でちょっと素敵ですぅ」
物好きなことにどうも栞ちゃんはあの馬鹿が気に入ったらしい。
「いや、あれは情熱的じゃなくてただの変態馬鹿だから」
「うぐぅ、すっごく怖かったよー!」
ところで歩はあたしの腰に抱きついて泣きじゃくってる。えーっと、こいつ本当にわた
しと同い年か?
その後栞ちゃんに道がわかるところまで案内してもらって、そこで今日は解散した。
家に帰ったら1時過ぎだったけど、雪男はまだ太平楽に寝ているらしい。いったいこい
つは何時間寝たら気が済むんだ?
(祐サイド)
1月10日日曜日、休日だから朝はのんびり。起きたら9時前だったけど、雪人なんか
まだ高いびきらしい。まあ昨夜の騒動のせいもあるんだけどね。
日曜の朝は時間が合わないから食事は各自適当にっていうのが、水無瀬家のルール。
わたしは昨日買っておいたクロワッサンとオレンジジュースで軽くすませる。ブルーベ
リージャムが美味しい。
さて食べていたら、昨日の女の子が入ってきた。それでわたしの顔を見て、驚いたよう
に飛び下がったよ。うーん何か野生の獣みたいな警戒心だね。
さて、ここに顔を出したのはお腹がすいたからのようだ。可愛いお腹の虫がクークー鳴
ってるから。
「あぅー、お腹ぺこぺこ」
なんか可愛い声でそう呟いてる。
「お腹空いたの?これ食べる」
クロワッサンを指さして訊ねてみる。
「ば、馬鹿にしないで。そんなものいらないわよー」
そんな答が返ってきたけど、視線はクロワッサンから離れない。強がってはみても結局
空腹には勝てないようだ。
「ねえ、本当にいらないの?私も一人じゃあ寂しいから一緒に食べて欲しいんだけど」
「あぅー、そこまで言うなら食べてあげるわよー」
やれやれ天の邪鬼さんだね。クロワッサン余分に買っておいて良かったよ。
「頂きます。わーこれ美味しい」
なにかすごく幸せそうに食べているよ。餌付け成功、って言い方は失礼だよね。
そうしていたらあくびをしながら雪人も顔を出してきた。
「ふぁーあ、うん、なんだニセ記憶喪失少女、まだ家にいたのか」
どうして雪人はこの子のこんなに憎まれ口を言うんだろう。そんな意地悪じゃないはず
なのに、どうも相性が悪いのかな?
「うるさい、お前なんかむかつくのよー」
この子もわたしのことを許せないとか言ってた割に、なぜか雪人の方に突っかかるし。
二人がギャアギャア口げんかを始めたとところに明子さんが登場。
「駄目よ雪人ちゃん。男の子は女の子を虐めては駄目。悪い子は晩御飯抜きよ」
「ちっ、わかったよ母さん。しかし運のいいやつだな、いつか正体を暴いてやるからな」
雪人も明子さんには弱いんだけど、まだ捨てぜりふ吐くし、女の子の方も余分な一言。
「わーい、馬鹿馬鹿、怒られたー」
「なんだと、このガキ」
駄目だこりゃ。
買い物に出るんだけど、どうも雪人と二人にしておくのが心配で女の子を連れ出す。な
ぜか素直に着いてくるんだよね。おやつを買ってあげる約束が効いたのかな?
買い物を終えて商店街を歩いていたら歩君が女の子達と歩いていた。一人は前に歩君を
たい焼きやさんにつきだしたポニーテルの元気良さそうな女の子。
もう一人は知らない子で、身長はわたしと同じくらい、髪はショート、ストールが特徴
かな。とっても可愛らしい子で年は中学生くらいだろうか?
その時、横の女の子がわたしの服の裾を引っ張てきた。
「ねえ祐、あれなに?」
彼女が指さしているものはたばこやさんなんだけど、なぜか中華まんの保温器が置いて
ある。
「なに、あれ食べたいの?」
「あぅー、別にそんなわけじゃないけど……」
相変わらず、素直じゃないね。
「いいよ、わたしも食べたいから。一緒に食べよう」
「ま、まあ、そう言うことなら食べてやってもいいわ」
「あぅー、美味しい」
なんか至福の表情、この子モデルにCMとったらきっと肉まん馬鹿売れだよ。
「祐ちゃん、こんにちわ。その子誰?」
気が付いたらいつの間にか歩君が目の前にいた。女の子達とはいつの間にか別れたらし
いね。
「あぅー、この子誰?」
あちゃあ、随分警戒してるよ。この子相当に人見知りが激しいのかな?歩君には警戒無
用だと思うけど、人畜無害だから。
「祐ちゃん、今変なこと考えなかった?」
「そんなことないわね」
有無結構鋭いぞ歩君。
「あぅー、変な子」
「うぐぅ、ぼくは変じゃないよー」
「わたしより子供のくせに生意気なのよー」
まあ見かけは確かにそう見えるかも。でも歩君は本当は中3くらいのはずだから、二人
は同い年くらいじゃないかな?
「なんだよ、君中学生くらいだろう?ぼくは17歳だよー」
「あんたそんなウソで人をだまそうたって無駄よ。どうみても小学生じゃない。わたしは
大人なんだからね」
えっと、歩君の方がわたしより年上だったの。ずっと2歳くらい下だと思ってた。
まあそれはともかく、こんな感じでちょっと険悪にもなったけど、結果的にはそれで気
分がほぐれたみたいで、彼女もある程度はうち解けてくれたようだ。
その後歩君の口から衝撃の事実が、あのポニーテールの女の子が祐君だったとはね。
うーん大ショック!祐君が同性だったとは、初恋の人だったから残念。まあ初恋は実らないものだよね。
しかし歩君が単純、もとい純真で良かったな。ちょっとひねてたら、本当のことを言わないで引き合わせるくらいの悪戯心は起こすものだからね。
そうしたら祐君の性格からいって、拳固の一発くらいは食らいそうだ。危ない、危ない。
家に帰って夕食時、女の子が大発表があるとか言ってきた。
「じゃーん、名前を思い出したよ」
「そう良かったね」
「うん、真琴の名前は沢渡真琴なの。可愛い名前で羨ましいでしょう」
「うん、可愛いね」
「本当に可愛い名前ね」
「ふん、それで住所とか年とかは思い出したのか?」
「あぅー、それは……」
雪人の追求にしょぼんとなる真琴ちゃん。
「雪人、余り追求しては駄目。真琴ちゃん、ゆっくり思い出せばいいから焦らないでね」
「あぅー、明子さんありがとう。雪人のばーか、べー」
どうしてこの二人こんなに相性が悪いんだろう?仲良くして欲しいのになー。
>>512-517 5日目終了、歩二日おくれの栞とはともかく、真琴とも接触。
祐と祐風は今日もニアミス。なぜか仲が悪い真琴と雪人。
出番が減りつつある雪男に挽回のチャンスはあるのか?
「くー、ぼくちゃんと起きてるよー」
「俺の出番がないぞー」
「浩平君はまだいいよ。わたしなんか二日目から出番がないよー」
「俺も二日目にチラリと出たきりなんだが、重要キャラのはずなのにな。
なんで北川だけ目立つんだ」
スマン、今更なんだが、オレおねやってなくて良く解らんので質問させてくれ。
祐のモデルが相沢祐一だよね?んで、反転おねメンバーと一緒に居るんだよね?
とゆーことは祐風はおねの主人公がモデルなんか?んで反転香里とか北川と一緒に居るのか?
それ以外の栞とか真琴は反転せずと・・・
こんな感じで認識間違ってないかな?
「ふふ、凪、本当にいいの?もらっちゃうわよ」
そう言って国崎往穂は顕になった下半身を上向けでいる遠野凪の上に降ろしていく。
凪の頭はすでに真っ白だ、愛すべき半身が消え、向き合わねばならぬ現実からも
逃げた自分に彼女はささやいた。
『一緒に来る?』
何故、強引にひっぱってくれぬのか?
『せめて、選びなさい、それすらできない男といくことは出来ないわ』
そして凪は選んだ。
『じゃあ、はじめましょう』
何を?と思うもなく唇を奪われていた。
凪自身背がある方だったが往穂はさらにその上をいく。
普通の男女の交わす接吻とは逆の位置だった。
口づけは一瞬、次の瞬間には首に下を這わされ背筋が震えた。
混乱で何も言えなくなっている凪に往穂は艶やかな眼差しを送り言った。
『驚いた?けど女の一人旅だからね、切羽詰ってこういうことで
お金を貰ったこともあるの』
衝撃だった、遠野凪から見た国崎往穂は多少乱暴な所はあるものの
そういうこととは無関係に見えたから。
だがそれは見えていただけ。
『どうする、凪?そんな女とは嫌?』
口調はからかいを含んでいる、だがその眼は初めて得た良人からの拒否を恐れていた。
それに凪が気づいたかはさだかでないが彼は答えた。
『嫌、じゃ、ないです』
『ありがとう』
そして儀式は続行される。
手際よくズボンをぬがされ、男性器が露出する。
羞恥に赤くなる凪を一寸見やり、往穂はそれを口におさめた。
『っぁ、くに、さ、き、さ』
凪は何も言えない。
初めての感覚に頭はショート寸前になっている。
『ん、ちゅ、ん、ちゅる、』
最早力も入らないのか体を屋上のフェンスに預けかろうじて立っている凪だが、
往穂は口内の遊戯をさらに激しくしていく。
『だめ、だめです、国崎さん、僕』
何かが来ることを感じたのか早口になる凪だが、すでに遅く、
凪自身から白濁としたものが背筋を震わせる何かを伴って往穂の口内に出された。
『ん、んく、ん、うん、』
それを往穂は歓喜と安堵の顔で嚥下していく。
『凪、気持ちよかった?』
対する凪は何も答えられない、
屋上にへたり込み肩で大きく息をして
未知の快楽にさらされた体と心を休めている。
『よかったみたいね、じゃあ、次は私の番ね』
そう言って往穂はジーンズとショーツを脱ぎさり、
その秘所を凪の目の前に晒した。
『あ』
好きな女の秘所が目前にあり、今は旅立ちの儀式。
『何をすればいいか、わかるわよね、凪』
その言葉に導かれるように凪はそこに舌を這わせはじめた。
『ぁ、ああ、ん、あぅ、な、ぎ』
はわす、えぐる、つく、かむ、はじく。
凪は舌が行う全てのことを往穂の華に行っていた。
立って凪の奉仕を受けている往穂は時折膝を震わせ快楽に酔う。
『んぅ、あ、な、ぎ、いい、そこまでで、い、いから』
だが往穂はそれを止め。
『凪、仰向けに寝てくれる』
既に頭は働かない凪は言われるままの形をとった。
一度放出した男性器は先ほどの奉仕に昂ぶったのか
再び硬さを取り戻している。
機は熟したと判断したのか往穂は凪を跨ぎ。
「ふふ、凪、本当にいいの?もらっちゃうわよ」
そう言って国崎往穂は顕になった下半身を上向けでいる遠野凪の上に降ろしていった。
それらは国造りの神話にあるようにしかっりと結びついた。
「あ」
「あぁ…」
そうして結ばれたことを確かめた往穂は腰を動かした。
「ひぁ、国、さきさん」
「ん、はぁ、凪、あ、なぎ、も、ね」
「はぁ、は、い」
往穂にとっては久しぶりの凪にとっては始めての睦みあい。
長くは続かない。
「あ、国崎さん、僕」
「あぁ、いいよ、凪、そのまま」
そう言って絡み合った二人はその身を激しく痙攣させた。
酸素を求め活発に動く肺をそのままに
二人は並んで寝転んでいる。
夏はどこまで続いていくのか。
手をのばせば届きそうな満点の星空の下で。
彼女がいる、この大気の中で。
人形を操る一人の女性
彼女は旅の人。
彼女の道連れはみっつ。
手を触れずとも歩き出す、古ぼけた人形。
「力」を持つ者に課せられた、はるか遠い約束。
傍らに立つかつての少年。
夏はどこまでも続いてゆく。
青く広がる空の下で。
彼女が待つ、この大気の下で
最近、スレがにぎやかになってきましたね。
このスレを末席にいるものとしても非常に創作意欲が刺激されます。
そんなわけで以上、反転国崎と反転遠野でした。
国崎がやや積極的なのは仕様です。
では回線切って首吊ってきます。
うぉぉ、反転AIR久々にキター!!
>>518 >うーん大ショック!祐君が同性だったとは、初恋の人だったから残念。まあ初恋は実らないものだよね。
やっぱり男と思いこんでたんかい!しかも初恋だし!(w
グッジョブ。
ところで、512と513の間で2〜3行抜けてないか?
えらく唐突に栞が会話に加わってるような気がするんだが。
俺の勘違いだったらゴメン。
>>525 久しぶりの反転AIR(18禁)ごちそうさまでした。
アダルティな往穂さんハァハァ。
>>519 祐の方はそれでいいと思う。雪人にも祐一のキャラが反映されてるみたいだけど。
祐風は浩平をモデルにしてるというよりは、オリジナルキャラっぽい。
>>519 一応今まで出たキャラについて。
北川兄妹、妹のほうが本来の反転北川で、兄のほうはSSによくいる馬鹿な北川
と思ってもらったほうが良いかと。
自分としては祐風(奔放過激)と祐(控えめ)の裏表二人で反転祐一のつもりです。
雪人はご指摘のとおり祐一入ってます。明子さんは完全オリキャラ。
栞、真琴、美汐、秋子さんは反転せずそのまま。美汐は性格変わってるけど。
他のKanonnキャラは性別反転以外はあまりいじってないつもり。
ONEキャラは反転せずそのままで、主役の浩平も脇役として出ています。
>>527確かに抜けてました、ご指摘&感想ありがとう。
「くすくす。祐風さん、その方は弟さんです?仲がいいんですね」
地獄に仏、知っている声だ。
「ああ栞ちゃんか、違うよこいつはただの幼なじみでたい焼き泥の月宮歩」
栞ちゃんは年下だからさん付けも変だし、なんとなくだけど呼び捨てにもしがたいから
自然とちゃん付けになった。
「酷いよ祐君。もうたい焼き泥なんかしてないよう」
「栞ちゃん、聞いたとおり。今は更正したけど前科者の月宮さ」
「うぐぅー」
531 :
名無しさんだよもん:04/06/18 22:55 ID:Mgd5ltRm
わしの名は神尾三須男じゃあ。(ヒゲ面、リーゼント、ドスを効かした声で)
今日も親父譲りのドゥカティで大気(AIR)になるけんの。
ドゥルルルルル ドゥルルルルルルン
怖いよw
533 :
519:04/06/19 05:58 ID:lPo66aGn
>>527、
>>528 色々説明ありがとん。これからも楽しみに待ってます。
個人的には
>うーん大ショック!祐君が同性だったとは、初恋の人だったから残念。まあ初恋は実らないものだよね。
に激しくハァハァw
どうして北川だけ男女居るのかがわからん、
しかも男のほうは糞SS基準だし見るに耐えん、
以上の点を踏まえて、反転KANONの祐&祐書いてる人はトリップ付けてほしいな
フェラ大好きの国崎往子は悩んでいた。
「どのチンポを選ぶべきか。」
羽根の生えたチンポ
バンダナを巻いたチンポ
おめこ券を携えたチンポ
尿道にストローを突き刺してシャボン玉を飛ばそうとしている包茎チンポ
一升瓶につっこまれたチンポ
メスを突き立てるデンジャラスチンポ
よりどりみどりである。
ひで
>>535 想像してみると嫌な光景だなおい
男トウカに半ば強引にフェラさせられた上、飲まされる女ハクオロ
ハクオロ「ケホケホ…うぅ…最初からこれでは、この後どんなことされるか…」
トウカ「ふう…、これで某の使命も果たせた」(服を着る
ハクオロ「…え?」
トウカ「それでは聖上、よい子を産んでくだされ」
ハクオロ「…あのー、トウカ?精液飲んだって妊娠しないのだけれど?」
トウカ「…へ?」
翌日、悪鬼の形相でカルラを追いまわすトウカ
…原作ネタそのまんまでも特に問題無いんですがw
>>537 何故か真っ先に脳裏にイメージが浮かんだのがラストの一文…_| ̄|○
「なあ、デートしようぜっ」
「一人ですれば?」
ベッドに寝転び、読書しながら適当に答える。
「一人じゃできませんっ!」
彼も暇なら一人で何かすればいいのに、よりによって私の邪魔をするとは。
「暇ならいつもみたいにハエでも追っかけてたら?」
「僕がいつそんなことをした!」
ぶつぶつと呟く彼をひたすら無視して読書を続ける。
最初はほとんど流し読みしてたけど、だんだんハマってきた。
「ゲーセン行こうぜっ、ゲーセン」
「行かないって言ってるでしょ、記憶力無いの? 電池交換する?」
「電池なんて使ってません!」
「確か単三が1本だっけ?」
「すっごい省エネですねぇっ!」
春原の言葉を左耳から右耳へと流す、またも彼はぶつぶつと呟きだす。
む、本の内容がおもしろい展開になってきた。
「どっか行こうぜ、何か奢るからさっ」
「オッケー、行きましょうか」
本を捨て去って、軽く柔軟して立ち上がる。
これはまた後で読破するとしよう、今日は天気もいいし。
それに春原がそこまで誘うのなら、断っては彼に失礼だ。
「それでどこに行くの? ラブホテルとか言ったら、あんた地獄に直行よ?」
「言うかっ! ちょっと適当に外を歩こうと思うんだけど」
「あのさ、それって私が一緒に居る意味無いじゃない…」
このボケナス……どんな用事があるかと思えば、ただの散歩。
どうやらきちんとした躾が必要らしい、とりあえず春原を睨みつける。
「ひぃっ! いやっ、ほら、外の空気って美味しいんだぜ?」
「あっそ、で?」
「だから……あれだよ、一緒に散歩しようぜっ」
「……まぁいいけどね、奢り、忘れないでよ?」
ホッとしながら嬉しそうに春原がドアを開ける、仕方なく彼とともに部屋を出る。
「なんか気持ちいいなっ」
「あんたがいなきゃ最高なんだけどね」
「なんでだよ!」
岡崎はいつものように毒のある返事をしてくる。
もうちょっと僕に優しくしてくれてもいいと思うのに。
「下僕、ジュース」
「どういう意味だっ!」
「奢るって言ったでしょ? ボケたの? 炭酸以外ね」
ちくしょう、なんか落ち込んでるみたいだから誘ったのに…。
凄い元気じゃないか……心配して損したよっ。
大人しくひとっ走りして彼女にジュースを買ってくる。
「ほら、感謝してくれよっ」
「ん、ラフレシア」
「……それって感謝の言葉なのか?」
ラフレシアってなんだ? 外国語か? まぁいいか…。
穏やかな風が吹く、静かだ。 岡崎は僕の隣に座ってどこか遠くを眺めている。
僕はその横顔を観察する、彼女はどこか物憂げな表情だ、声を掛けづらい。
「やっぱり……ダメね…」
ポツリと彼女が呟く、その声は少し悲しげに聞こえた。
「なにがダメなんだ?」
「ここは……私の居た世界じゃないもの、あんたも……春原じゃない」
岡崎と僕の視線が交わり、彼女は無表情に僕を見る。
その言葉に僕は少し寂しさを感じた。
「そんなこと無いだろ、僕は春原だっ」
「そうね、あんたは春原陽平……私が求めるのは、春原陽子なの」
ショックを受ける、これでも彼女とは少しは親しくなったつもりだ。
彼女はここで僕と決別するつもりなのだろうか。
「あんたは春原陽子の代わりではない、あんたは……私の新しい友人」
そう言って彼女は立ち上がり、僕の顔を手で挟み、額に軽くキスをする。
「この前のお礼よ……じゃ、先に帰ってるから」
岡崎が僕に背を向けて歩き出す、しばらく僕はそのまま放心していた。
「ね、どっか遊びにいこうよっ」
「めんどい」
春原の提案をバッサリと切り捨てる、ちょっと気分が乗らない。
というか読んでる漫画が今ちょうどいいところだ。
「体鈍っちゃうよ? 外出て健康的に過ごそうよっ」
「ノーと言える日本人、岡崎朋也」
「え? 意味わかんないんですけど…」
「断るってことだ」
むー、と膨れる春原を放置して漫画を読み進める、熱い漫画だ。
なんか読んでいると体が熱くなってくる、具体的にはボクシングがしたくなる。
元の世界に帰ったら春原とスパーリングしよう…。
「ねーねー、外行こうよー」
「なんでだよ? 光合成でもするのか?」
「こうごうせい? 錬金術?」
うー、と唸ってジーっと見つめてくる彼女をひたすら無視して読書を続ける。
「あっ! ほらほら、空に竜の巣がでてるよっ!」
「よかったな」
「もう、岡崎は夢が無いよ……もっとはっちゃけようよっ」
今度はごろごろと転がりだした、正直ウザイ。
こいつに毎日付き合っていた女の俺を尊敬する。
「青春は一度きりだよ? 青春は若き日の過ちって言うじゃん」
「言わねぇよ、過ち犯してどうする」
「え? 岡崎が言ってたんだけど…」
なるほど、女の俺はこいつを上手く洗脳してたのか…。
「遊ぼうよっ、お医者さんごっことかして」
先生…そこは違います…キャー、と恥ずかしがるバカ一人。
「外行こうよっ、腐っちゃうよ?」
「はいはいわかった、行ってやるよ」
このままでは落ち着いて読書ができない、適当に切り上げよう。
「やった! で、どこ行くの?」
考えてないのかよ、仕方なく春原に付いて部屋を出る。
「んーなんか開放感溢れるねっ」
「そうだな」
春原はぴょこぴょこと歩いている、なんか凄い歩法だ。
「よし、今は気分がいいからお姉さんが飲み物奢っちゃおうっ」
「そうか、じゃロマネ・コンティ」
「ろまね? なにそれ? コーヒーの種類?」
知らないらしい、まぁ本当に持ってこられても困るが。
「冗談だ、お茶系でいい」
「了解、買ってくるねっ」
春原が走り出す。 元気のある奴だ、見ていて微笑ましい。
「岡崎はさ、元の世界に帰りたい?」
「そうだな、帰りたいな」
ふーん、と彼女は俺の返事に何かを考え始める。
「なんだ? どうかしたのか?」
「いや、なんか寂しくなっちゃうなーって」
寂しくなる、か。 どうにもこの春原に随分懐かれてしまったようだ。
別にそれが嫌と言うわけではないが……元の世界に居た春原のせいで微妙だ。
「はー、何か複雑だね…」
「なにがだ?」
「岡崎が帰ると岡崎が帰ってくる、岡崎に帰ってきて欲しいけど、帰って欲しくない」
「……は?」
あ、そうか。 親友に帰ってきて欲しいけど俺にも帰って欲しくない、と。
「それは欲張りすぎだな、向こうの春原が可哀相だろ」
「そっか……そうだよね…」
うー、と彼女は頭を抱えて唸りだす、俺は空を見上げる。
今頃向こうの春原と岡崎は何をしているだろう、仲良くやっているだろうか。
「まぁいっか……元の世界に帰るまで、私をしっかり守ってねっ」
そう言い、彼女は腕を組んでくる、なんとなくそれを振り払った。
すると今度は腰にしがみついてきた、それを再び振り払う。
そのまま春原と俺の攻防は、二人が疲れ果てるまで続いた。
うひょー!おもしろいっす!
なかなかこんなのは書けないな。尊敬するよ。
もうすぐ終わりそうな予感がして残念だ。
ほかのSSを書いている人もガンバ!
このSSはすげーな
ちゃんとした形で出せば売れるよきっと。
548 :
名無しさんだよもん:04/06/22 02:52 ID:zpnbHQ17
まってましたよあなたのSS。
完成レベルが高く、非常におもしろいです。
個人的には表と裏の岡崎が顔合わせしてほしい。
また風太郎捕獲の続きも気になるところ。
真剣面白ッ!
491です。
CLANNAD反転は表岡崎・裏春原がいったん落ち着いてたら投稿しようと思っていたんですが。
特に反対もなければ近く投稿しマス。
とりあえず作者の人が一番やりやすい形でパプアニューギニア
(朋也は何か、何か違うような気がする)
〜
(………………)
そう、私は知らなかった。
その小さなひずみが、破局への始まりだったことを。
私はまだ、知らなかった。
岡崎朋也は日常の中に埋没する。
放課後、今日も俺は演劇部部室で皆とだべっていた。
「だからヒトデは完璧です。ほら、この5つの手の長さバランス、体の曲線も、滑らかな手触りも、かもし出す
エナジーも……ああ、もう、風太郎、なんかおかしくなってしまいそうですっ!!」
さっきからなにやら風太郎が騒いでいる。
ヒトデの魅力を語っているようだが、開始10秒で皆引いた。
俺は遠くから風太郎を観察する。
全身の躍動感。周りを和ませる独特の雰囲気。天真爛漫っぷり。
(あぁ、生きているんだなぁ)
純粋に、ひたすらに、今を。
彼の生き方は、俺にそう思わせた。
「ぁあ……ヒ……ヒトデ…ぅ……は……はぅっ!!」
訂正。
ただの変態だ。それも重度の。
その後、ヒトデワールドから戻ってきた風太郎。
一瞬自分とみんなの距離を確認すると、分が悪いことを悟ったのか、こともあろうに俺に賛同を求めた。
「うぅ!お、岡崎さんっ!あなたならわかるはずですっ!?言ってやってください。ヒトデはすばらしいと!!
ワンダフルッ!!永遠だとっ!!」
やめてくれ。
風太郎を放置することでやり過ごし、時間は過ぎていった。
……
そろそろ帰宅の時間だ。
今部室に残っているのは俺と京だけ。
「なぁ岡崎……」
俺が帰る準備をしていると、突然京が話しかけてきた。
俺は、今日、あまり京の元気がなかったことを思い出す。
「どうした?」
体調が悪くなったのかと思った。
「おまえに……」
だがそうではない様だ。目はしっかり俺を見据えている。苦しくなるほどに。俺の目を見ている。
俺は次の言葉を待った。
「おまえに聞きたいことが――」
京が何かを語りかけようとしていた。
そして。
ガチャ
「――!!」
京の言葉をさえぎるかのようなタイミングで。
部室のドアは開かれた。
開かれたドアから出てきたのは。
「あの……二人ともどうしました?」
古河渚だった。
俺たちは無言で廊下を歩く。
さっき京は何を言おうとしていたのか。
「おまえに聞きたいことが――」
この後に続く言葉。
それを聞けなかったことに、なぜか俺はほっとしていた。
自分でもわからず、安堵した。
「――というわけで……岡崎さんっ、聞いてますかっ?」
気がつけば、風太郎が問いかけてきていた。
……まったく聞いていなかった。
どうやら、自分の考えに没頭していたらしい。
風太郎の問いかけとともに向けられる、無邪気な笑顔。
やり方すら忘れてしまった。今の俺にはできない笑い方。
だから俺は返す。
苦笑。
「ん、まぁ」
俺ができる笑い方。
こんな日常。
次の日も俺はいつの通りの日常を享受していた。
休み時間、俺は廊下を一人歩いていた。
歩きながら、俺は考えていた。
「昨日のあれはいったい……」
京のことを。
最近、調子が良くないみたいだ。一人、悩んでいるように感じる。
その上、行動に不審な点も多い。
最近やたらこちらをうかがってくるし、赤くなったり、青くなったり。
かと思えば頭抱えて転げまわったり。
京のことを知っている人ならば、「大丈夫?病院逝く?ちょっと特殊な」と心配するぐらいだろう。
いったい、京に何が……?
「……わからない……」
だが、今は情報が少なすぎた。
しばらく歩き続け、俺はふと足を止める。
「あれ……?」
当てもなく歩いていたら、かなり外れの方まで来ていた。
それに休み時間も終わりそうだった。
しまった。考え事に集中しすぎた。
急いで、戻らねば。
俺はきびすを返す。
そして急いで教室に戻ろうとした。
足を踏み出す。
瞬間。
「朋也!!」
「うわっ!?」
声をかけられた。
そして視界の端に、京の姿を捉える。
「きょ、京……?」
振り向くとなぜか京は(微弱で相当付き合いがないとわからない程度に)呆然としていた。
(なぜ、そんな顔をする?)
行動も不自然。なぜこんなことをする。
(いや、何より……)
なぜここにいる……?
っ!!
そういうことか。
昨日の行動。言動。今の行動。その真意。
一つにつながった。気がする。
まだ推測の域を出ないその仮説。
つまり
コイツは試した。
俺の存在を疑問に感じて。
短絡的かもしれない。
だが、今の俺にはそれしか考えられなかった。
こんな当たり前の反応。
なのにコイツが動揺する理由が、他に考えられなかった。
まぁ、真実がどうであれ。
(警戒するのに越したことはない)
この、目の前にいる親友を。
「………」
京の動揺は続いた。
口にはしないが、瞳は「なぜ……?」といっているように感じる。
俺の仮説どおりなら、確かに驚くはずだ。
さっきの、明らかな『男』のする反応。
確かに、岡崎朋美は女だ。
だが、今の俺は岡崎朋也。
そこに岡崎朋美は存在しない。
ただ、それだけのこと。
俺は京に向き直った。
「どうした、急に」
「っ、いや、別になんでもない。ちょっとしたいたずらさ」
「あのな……」
あきれたような演技。
さぁ、逃げ道は作ってやる。
……だが。
「二度とやるなよ?」
二度とさせない。
絶対に。
そのときの俺の表情がどんなものだったか知らないが。
京はこくりとうなづいた。
これで、大丈夫だ。
俺は帰り道、そう確信した。
周りには俺以外誰もいない。
すでに皆と離れ一人で下校している。
これで大丈夫。
俺はもう一度確信した。
今回のことは俺が想定した、最悪の事態の一つだった。
それを完全、とはいえないが、とりあえず乗り切った。
このことは自信につながる。
その自信は安堵につながる。
そして安堵は心に安定を与える。
これからしばらくの間、悪夢にうなされるということもなさそうだ。
そんな考えをしながらしばらく歩くと、足を止めた。
もう自宅の前にまで来ていた。
俺は家を見上げながら思った。
生きている。
そう『俺』はまだ生きている。
いつまで俺は生き続けられるのか。
まぁ、わかっていることは。
今日の役目はこれでおしまいだということ。
「ふう」
家の前で『俺』は、
『私』になった。
そして。
「――おいっ!?」
突然かけられた大きな声。
「っ!?きゃぁっ!!」
怒声と言っても良いだろう。
それに私は思わず、悲鳴を上げてしまった。
(……しまった!!)
気づいたときにはもう遅い。
もはや誤魔化すことができないほどの
女の声。
人がいたっ!?
(辺りの確認もしないで……なんて迂闊っ!!)
少し舞い上がっていたということ?
(いや、そんなことより)
いったいだれが?
私は後ろを振り向いた。
……そして硬直する。
私の背後。
そこにあった私の見知った顔。
その私が良く見知った顔は今、驚愕に包まれていた。
「岡崎……?」
――なぜあんたがここにいる?
分からない。
こんなことあっちゃいけないのに。
気づかれるわけにはいかなかったのに。
なぜ?
いつから?どこで?どうして?ここで?あんたが、私を?
『私』を知ってしまった?
くっ!!
私は無我夢中で家へと駆け込んだ。
なぜ。あんたが。
なぜあんたがここにいる!?
「岡崎っ!?」
(……智司っ!!)
私は部屋に戻ると、慣性のままベットに飛び込んだ。
一刻も早く、この悪夢のような出来事を忘れてしまいたかった。
だが、次から次へと浮かんでくる思考の波が、私にそれをさせなかった。
考えなければならないことが、ありすぎた。
(………………)
体が熱くて。
(何で……?)
息も荒くて。
(何で……?)
頭も痛くて。
(何で何で何で……っ!!)
心がきしんで。
(せっかくやっていけると思ったのに!)
(あと少しだって言うのに!!)
(なんで!?何で私はっ!?)
(何で私は……)
(私は……)
こんなにも愚かなのだろう。
「ぅ…ぁぁ……ぅ…………もぅ……もぅ……やだよ……もぅ……だめだよ……」
このままだと、必要のない『私』は死んでしまう。
要らなくなるから。
必要がないから。
『私』を
ダレモヒツヨウトハシナイカラ。
「……ひぐぅ……ぅぁ…………私、私ぃ…っ……」
寂しい。つらい。悲しい。切ない。……痛い。
心が悲鳴を上げた。
そして。
今日。
私の心にあった、かすかな希望の光は
儚く消えた。
次の日。
私は学校を休んだ。
491です。
スレ止めてすいません。長くてすいません。意味わかんなくてすいません。
置いてきぼり食らった人すいません。望んでなかった人すいません。
へたれですいません。
では、逝ってます。・゚・(ノД`)・゚・
んなことないない。楽しみにしてるから書きやすいように書いてね。
・・・連載数本抱えて大変だろうけどもw
569 :
491:04/06/23 22:48 ID:3tEaqQPR
>>568 連載?よくわかんないですけど、別に表岡崎・裏春原は書いてないですよ?
>>551で紛らわしい表現してすいません。見て誤解させてしまったのなら
皆様と表岡崎・裏春原の作者様お詫びを。
すいませんでした。
吊って来ます。
570 :
569:04/06/23 22:50 ID:3tEaqQPR
×皆様と表岡崎・裏春原の作者様お詫びを。
○皆様と表岡崎・裏春原の作者様にお詫びを。
すいません。本当に。
えと、急に声をかけられて「うわっ!」と声を上げるようなやつは男、
「きゃっ」と声を上げれば女という認識で、それを京は試したってことなんですね…?
(不自然な行動というから玉掴みでもやったのかと思った)
じゃあ「ふきゃっ!」とか声を上げたことのある漏れは女なんだろうか…orz
そーいえば岡崎朋美ってゆー
スケート選手いるよね
>>491 内容は凄く面白いと思うけど
描写の面で読者が置いてけぼりになってる感じがする。
でも面白いからがんばれ
>>571 俺も股間か胸でも触ったのかと思ったよw
>>571、574
まあ京も半信半疑だったし、いきなり
「男」の胸や股間を触る気にはなれないと思う。
これから「朋也」からボロが出てくるようになってきて、
疑いを再燃させた京が強行手段に訴えるのかも。
凄まじい轟音とともにドアが開かれた。
チラッとそちらを見ると、以前見た藤林杏が立っている。
「あら? 春原に何か御用?」
「……朋也は何処に居るの?」
ちっ、遂にこの時がやってきたか。 春原のボケナス……なにやってんのよ。
その彼はオドオドと藤林杏の後について部屋に入ってくる。
なにやら切羽詰ってる感じの藤林杏に聞こえぬよう、春原と会話をする。
(なにやってんのよっ! うまく誤魔化しなさいよ!)
(いや、なんか全然こっちの話聞いてくれなくてさ…)
(なんで部屋まで連れて来るのよっ! ぶち殺されたいの!)
(なんか成り行きで……つい口が滑ってさっ)
使えない……とことん使えない男だ…。
「で、朋也は今何処に居るの? 岡崎朋美さん?」
むっ、喧嘩売ってんの? 隣に居た春原を殴って心を落ち着かせる。
「いてっ、なにすんだよっ!」
「さぁ? 何の話でしょうか? さっぱりわかりませんけど?」
「嘘吐かないでっ! あんたに何か関係があるんでしょ!」
げっ、一発で核心を突いてきた。 春原、どこまで話したの…。
「少し落ち着かれてはどうですか? きちんとカルシウム摂取してますか?」
「誤魔化さないでっ! 朋也は何処なの!」
ダメだ……凄い迫力、こりゃヘタレ春原が喋るのも無理は無い。
「あー、ぶっちゃけていい?」
無言で頷く藤林杏、私はもうどうでもよくなってきた。
「春原の部屋、睡眠、交換、世界、岡崎朋也、岡崎朋美、以上」
「……は?」
説明が面倒なので単語で重要なことを伝える。
「はい、これからは私をお義姉様と呼ぶように」
「なんでよ! 意味わかんないわよっ!」
「えっ? あんた岡崎朋也の恋人じゃないの?」
私のその一言で彼女がピシッと固まる。
「あれ? 違うの裏切りの春原?」
「誰が裏切りだっ! 違うよ、岡崎に恋人なんていないっ」
やけに断言する春原、ちょっとムカついた。
「ま、いいけどね。 友人以上恋人未満ってやつ?」
「僕に聞いてもわかるわけないだろっ」
そりゃそうだ、けど当事者は固まったままだし。
「さて、私はちょっと散歩でもしてきますか」
「逃げる気かよっ」
「陽平ちゃん、勇気を出してっ!」
「どこの幼馴染だっ! 何を応援してるんだよ!?」
「まぁまぁ、ここは若いお二人にお任せするとしましょう」
「どういう」
最後まで言わせず外に出てドアを閉めた、中から春原の悶絶する声が聞こえる。
さて、どっかで時間を潰すとするか。
しばらく美佐枝の部屋で彼女と共に、若き性の悩みとその衝動について論議する。
結構時間が潰れたので彼女の部屋から出て、春原の部屋へと向かう。
「や、説明終わった?」
部屋に入ると、ボロボロになった春原となにやら思案している藤林杏が居た。
「なんかよく分かんないけど、そのうち帰ってくるのよね?」
「ん、そゆこと」
どうやらちゃんと理解したらしい。
彼女の理解力があるのか、春原の説明が良かったのかは分からないが。
「で、朋也は向こうの世界で何やってんの?」
「さぁ? 春原と淫靡な愛欲に溺れた性活してるんじゃない?」
「どういうことよっ!?」
「まぁ岡崎朋也の理性を信じたら? 綺麗なままで帰ってくることを祈るのね」
憤慨する藤林杏を見て確信する、彼女は岡崎朋也に好意を持っている。
ボロボロになった春原を叩き起こして、彼女の相手をさせて私は眠った。
なにやら俺は今ピンチに立たされているらしい。
俺の隣には困った顔の春原、正面には俺を睨んでいる藤林京。
いったい何がどうなってこんな状況になったのかさっぱりだ。
「で、いったい何なんだこの状況は?」
隣の春原に尋ねてみる。
「えーと、ちょっとお兄様にお話があるそうで…」
は? お兄様? 誰のことだ? 意味がさっぱりわからん。
「……朋美はいつ帰ってくるんだ?」
「いや、俺に聞かれてもな…」
「朋美の兄なんだろう? 知ってるんじゃないのか?」
「……はい?」
朋美、岡崎朋美、朋美の兄、誰が? 俺?
「どうなってるんだ?」
隣で申し訳なさそうな表情をしている春原に聞く。
「ちょっと色々とありまして…」
色々ってなんだよ…。 仕方ない、適当に話を合わせておこう。
「いや、その……朋美は今ちょっとワケありでな…」
「ワケってなんだっ! 何かあったのか!」
身を乗り出して藤林京が聞いてくる、ちょっと怖い。
「それは……悪いが話せない…」
「何故だ! 何があったかぐらいは教えてくれっ!」
「そのうち帰ってくるから、その時に彼女の口から聞いてくれ」
真剣な彼を騙す行為に罪悪感が…。 かといって本当の事を話すのも気が引ける。
彼はなにやら落ち込んでいる、なかなか岡崎朋美は人望があるらしい。
「で、君は朋美とどういう関係なんだ?」
なんとなく気になる、好奇心というやつだ。
「え? ああ、朋美とは…」
「私が二人の関係を説明しましょうっ!」
突然春原が立ち上がり、妙なポーズで宣言をする。
「朋美…」
「……ん」
放課後の誰もいない教室で二人は見つめあい、京が朋美にキスをする。
最初は軽く唇を重ねるだけだったが、京は朋美を抱き寄せて激しく舌を絡ませる。
やがて彼は後ろから抱きつくようにして、彼女の胸を制服の上から揉みはじめた。
「あ……んっ……はぁ…」
京は優しく円を描くように揉み、乳房の頂を指でさすり、刺激を与える。
「ていうかさ…んっ……誰か、来たら……どうすんの?」
艶のある声で朋美が京に尋ねる。
「そうだな、どうしようか…」
特に気にしてないような感じで京は答える。
「そ、いいけどね……ん……っ……ぁっ…」
静かな教室に朋美の押し殺した声が響く、そんな彼女を京は愛しげに見つめる。
京の片方の手が胸から離れ、スカートの中へと入っていく。
「んっ!」
朋美は切なげな表情で京を見る。
それに京はキスで答え、二人は行為に没頭していく。
その教室の扉の隙間から、一人の少女が見ている事に気づかずに…。
「マジかよっ! おまえ……神聖な教室でなんてことを…」
「ち、違う! 陽子、貴様っ!」
「あー暴力反対、助けて岡崎のお兄さんっ」
ササッと俺の背中に隠れる春原、俺はジーっと彼を見つめる。
「違うんだっ! 本当にそんなことしてない!」
必死な表情で彼は無実を訴える、やけに春原の話は生々しかったが…。
まぁ、確実に彼女の作り話だろう。
「わかってる、春原の嘘だろ?」
「嘘じゃありませんよっ! そりゃもう連日連夜、獣のように…」
「嘘吐くなっ!」
俺をほったらかしにして春原と藤林京は口論を始める。
なんか眠いのでそのまま二人に任せて寝ることにした。
心配だ、とっても心配だ。 私の居た世界に居る春原と岡崎が。
あのアホは妙なところで人懐っこい。
彼女は人を見る目はあるが、良い人だと判断したらやたらと信用する。
別に互いに信用して親友になることは結構、喜ばしい事だ。
だが二人は男と女、もし春原のアホが岡崎朋也に恋してしまったら…。
あの思い込んだら一直線の少女は、きっと恋を成就させようとするだろう。
たとえ、その未来に二人の永遠の別れがあったとしても…。
岡崎と春原の恋愛は決して許されない、文字通り世界が違うのだから。
きっと彼女もそれに気がつく、だがその程度のことで彼女は止まらない。
彼女は純粋すぎるのだ、別れの時に深く傷つくだろう。
できることなら、春原が岡崎に情が移る前に帰りたい。
岡崎朋也がどんな人物かは余り知らないが、嫌な予感がする。
彼女を傷つけないで欲しい、裏切らないで欲しい。
私と同一人物ならば、そのあたりを良く考えて行動していることを祈る。
彼女の片思いならば私が癒せる自信はある、だが…。
もし……両思いとなっていたなら……私は岡崎朋也を許さない。
彼が誰を好きになろうと彼の勝手、これは私の願い。
彼女をただ見守って欲しい、それ以上の感情を与えないで欲しい。
別れの運命にありながら、互いに愛し合うなど……ただの悲劇だ。
残された者か、残して行く者か――互いの意思ではない別れ。
親密になればなるほど両者に深い傷を与える、悲しい物語。
岡崎と春原の恋愛劇にハッピーエンドなど無い。
仮にこのまま私と彼が元の世界に帰れなかったとして、
二人が恋人になろうと、必ずいつかその関係は崩れる…。
戻りたい、私一人でも戻りたい、最悪の事態は避けたい。
心配だ、とっても心配だ…。
思考を止め、外を見る。 夜明けは近いがまだ暗い。
「堪らないわね…」
また、違う世界の一日が始まる。
目の前で一人の少女が泣いている。
肩を震わせ、ぽろぽろと涙を流している。
その弱々しい姿は、今にも崩れて消えてしまいそうだ。
少女に近づく、彼女の悲しみを少しでも癒してあげたい。
この少女を助けてやりたい、俺は何故かそう思った。
けど彼女は触れてはいけない存在、そう心が告げる。
少女はただ一人で泣き続けた。 癒される事無く、深い傷を負って。
やがて場面が変わり、俺は見覚えのある部屋に居た。
しかしどこか違和感がある、俺の部屋に酷似した部屋だ。
そして彼女が視界に入る、俺と同じ学校の制服を着た少女。
その表情からは感情が全く感じられない。
少女はカバンを持ち、俺の横を通り過ぎていく。
足が動き出す、体が勝手に動いている。
どうやら先ほどの少女を追っているらしい。
少女は立ち止まっていた、誰かが彼女の前に立っている。
「――さん、ご飯は食べないの?」
少女の母親のようだ、名前はよく聞こえなかった。
彼女は酷く冷めた目で母親を見ている。
そして少女は返事をせずにその母の横を通る。
「――さん……今日は早く帰ってくるの?」
母の声に全く反応を見せずに、少女はそのまま家を出て行く。
彼女はすたすたと誰もいない道を歩く。
途中、少女は急に立ち止まって振り返り、彼女と俺の目が合う。
そこで彼の夢は終わった。
外はまだ暗い、なんか最悪の目覚めだ。
「なんなんだ…?」
夢見でも悪かったのか、やけに汗をかいている。
どうにも二度寝する気がさっぱり起きない。
こうして、最悪な気分で一日が始まった。
凄いナァ、ホント良く世界観が作りこまれてるよなぁ・・・
しかし、裏春原可愛いなw
裏岡崎のおっぱいをもっと揉み揉みしてほしい
584 :
名無しさんだよもん:04/06/25 19:05 ID:5oyWIRyX
誰か反転岡崎・春原の絵書いてくんないかな。
性転換二次創作ってあんまり好きじゃないんだけど……
(不毛すぎる気がして。)裏・表 岡崎・春原シリーズは
素晴らしいね。
元の特徴を残しつつ新たなキャラ立てが成功してるってのが
本当に凄い。しかも自然だし。
なんか、いい褒め言葉見つからなくて悔しいんだけど
面白い作品を読ませてくれてありがとう、と心から感謝です。
>>584 見てみたいねー。
みんな、どんなビジュアルイメージで読んでるのかな。
なんかこの裏・表シリーズの作者は本物の気がする・・・
さすがにそれはほめすぎだろうw
俺は逆に裏表シリーズ初期はよかったけど話が進むにつれて裏岡・裏春に違和感感じてきたなぁ
元を知らないので裏の方が高感度高い。良いやつらだねえ。
>>587 いや、だって裏春原の人格形成とかすごくね?
ん、確かに裏春原はかわいいよな。
願わくばDQNサカー部の一員に成り代わって、饐えた臭いの篭もる部室で
裏春原押し倒して乱暴に下着剥ぎ取って「……ひ、ぃ…っ…!」とか
言いながらガチガチと歯を震わせている裏春原の○○○に○○○○の先端を
擦りつけた瞬間、その大きな瞳から堰を切ったように涙を溢れさせた裏春原が
「やだやだやだあっ! 助けて岡崎(表)っ!!」なんて絶叫してくれれば言うことねえよ。
その後タイミング良く突入してきた表岡崎にボコられて、チ○コほり出したまま
薄れゆく意識の中、表岡崎に優しく抱きしめられてしゃくりあげながら
「おかざき……おかざきぃ……っ!」などと、頑是無い子供のように繰り返す
裏春原の姿を眺めつつブラックアウト出来れば本望だ、俺ァ。
592 :
名無しさんだよもん:04/06/26 01:29 ID:c70Rb/VO
IEじゃ見れないとメッセージがでたけど俺だけ?
593 :
名無しさんだよもん:04/06/26 01:38 ID:c70Rb/VO
画像を保存で見れたけど、反転岡崎・・・・イイ!!
スバラシイよ!。ぜひ反転春原もキボン。
>>591 両方ともGJ!
特に下の微笑みっぷりがイヤンw
反転CLANNADの方も待ってますよー。
>>593 反転春原も見たいってのは同意だが、
とりあえずsageなさいって。
イラスト書いたとしてどうやってネットに載せればいいの?
リンクとかよく分からないんですけど・・・・。
アドレス貼る時は直リンしないように頭のhを削るのがマナーだと聞いた気ガス
2ch内なら気にすることないだろ。角煮を除いて。
あ、リンク先が2ch内ならってことね。
600ゲットしつつ反転橘(天いな)を想像してみる。
クソ真面目でまるで融通の利かない性格の女教師(30代前半)。
よく見るとそれなりに美人でスタイルもいいのだが、
第一印象と言動がマイナス点すぎて、彼女の容貌にまで意識をむける者は皆無。
当然生徒からの人気は低い。
昔、明日馬と何やらあったとかなかったとか…。
リュジョーク系エロゲーだったら、いの一番にヤられるタイプだな。
リュジョークじゃなくてリョジョークだな、と訂正。
602 :
名無しさんだよもん:04/06/29 14:06 ID:thq4enO2
つづきキボン。
603 :
おく:04/06/29 14:48 ID:pBXl/CSI
うおおおぉぉおぉぉおおぉおい!作者は何をやっとるかぁ!
良スレsage
>>606 春原グッジョブw
で、この後どんどん妄想が加速してくんですか?
【ニセKanon6日目】
(祐サイド)
1月11日月曜日、朝目を覚ますと何故か枕元にこんにゃくが一切れ。わたし夢遊病?
夜中に冷蔵庫でも漁ったけ?そこまでいやしくはないつもりだけど。
その疑問は雪人と真琴ちゃんの言い争い聞いていたらすぐに氷解した。犯人は真琴ちゃ
んだよ。どうも夜中に雪人の顔の上に冷やしたこんにゃくを丸ごと落としたらしい。
するとわたしの方は、雪人のついでっぽい。変だなー、許さないのはわたしの方じゃな
かったのかな?
ところで実はわたしは一度寝たら滅多なことでは途中で起きなかったりする。多分部屋
に爆竹を放り込まれても起きないだろう。顔の上にでも落とされれば別だけど。
寝ているときに火事があったらそのまま死んじゃうかもね?
まあ時間がないから朝ご飯を食べてとりあえず学校へ向かうんだけど、真琴ちゃんは寂
しそうに門に背を預けて片足をぶらぶらさせていた。
なんだか主人を待ってる子犬みたいで、早く帰らなければいけない気にさせられるね。
学校では今日も折原君と七瀬さんの夫婦漫才、正確には長森さんを加えてのトリオ?が
好評上演中。退屈しない学校だよね。
昼休みに小柄で元気のいい女の子が乱入して、折原君と何か言い合いしている。でも制
服が違うからうちの生徒じゃないね。
華音高校の赤いワンピースとも違ってチェックのスカートだ。
たまたま横にいた稲木さんに聞いてみると、二つ先の駅の拓手楠(タクテクス)学園の
制服らしい、このあたりから通っている子も結構多いんだって。
「柚木、お前またよその学校に潜り込みやがって、ちゃんと自分の学校へ通えー!」
「うるさなあ折原君は、あたしがどうしようとあたしの勝手でしょう」
折原君はかなりカリカリ来てるみたいだけど、女の子の方は涼しい顔だね。
「とにかくお前は邪魔なんだよ」
「あたしは茜に会いに来たの、折原君は関係ないでしょう」
「ああ言えばこう言う。全く口の減らないやつだ」
「だって話したくらいで減ったら困るじゃん」
お馬鹿な遣り取りを見て例のおさげ少女里村茜さんが笑っているよ。わたし彼女が笑う
ところ初めて見たけど、笑うと結構可愛いんだ。彼女いつももう少し柔らかい表情でいれ
ばいいのにね。
乱入少女柚木詩子さん(里村さんの親友らしい)は、さんざん引っかき回したあげくに
悠々と里村さんの美味しそうな御弁当を食べてから帰っていった。台風一過?
えーっとその間はさすがの七瀬さんも口を挟めなかったみたい。
ところで彼女の目的は里村さんの手作り弁当だったように見えるんだけど、何か他に目
的があったんだろうか?
放課後は真琴ちゃんのことが気になって、まっすぐに帰るつもりだったんだけど、商店街で祐君が昨日のストール少女と歩いているのを発見。
声をかけようとしたら、突然祐君が女の子の手を引いてもの凄い勢いで走り出した。女
の子の足が地に着いてないように見えたけど、それは気のせい?
その後ろから白いタキシードの金髪少年がこっちも猛スピードで追跡していく。ところ
で頭に生えていたのは隊長機用の飾りだろうか?なーんて、ザクじゃあるまいしそんなわ
けないよね。
それと祐君、その走り方だとパンツ見えちゃうよ。ふむ今日は水色ストライプか、まあ
学生らしくて良いんでないの。
見失ってしまったものはしょうがないので、そのまま帰ることにする。
その時背後から迫り来る殺気が、と言うのは冗談で歩君が声をかけてきたんだ。
「祐ちゃんこんにちわ。今学校から帰るところ?」
「うんそうだけど、歩君も?」
歩君は今日も私服だけど、やっぱり学校帰りかな?でもこのあたりって結構高校の数が
多いんだね。
「そうだよ、一匹食べる?」
歩君はニコニコ笑いながら、たい焼きの入った紙袋をわたしの目の前に差し出してきた。
うっ、この笑顔には抵抗できない。なんだか頭を撫でたくなるような、忠犬あゆ公と言う
か……。それにしてもたい焼き好きだねえ。
「今日はちゃんとお金を払ってるんでしょうね?それなら頂くけど」
「うぐぅ、ぼく約束はちゃんと守るよ」
ちょっとちゃかしてみたら、歩君はひどく真剣な表情でそう抗議してきた。
「御免なさい、ただの冗談よ。今度たい焼き奢るから許してね」
「それならいいよ」
歩君はすぐに機嫌が直ったみたい。お手軽?
歩君と別れて帰宅したら、また雪人と真琴ちゃんが喧嘩していた。基本的にわたしも明
子さんも真琴ちゃんに味方するから、雪人は多少不機嫌だ。
夕食後真琴ちゃんがやけに雪人に突っかかるのが気になって、理由を聞いてみた。
「あぅー、確かに祐にはすごく酷いことされた気がするけど、雪人にはたくさん酷いこと
された気がするのよー」
うーん、困ったわね。わたしも雪人も真琴ちゃんに覚えがないんだけどな。
ところで雪人と喧嘩している真琴ちゃんは、妙に生き生きしているような気がするね。
(祐風サイド)
今朝はまた雪男が極端に手強くって、雪男起こすだけで朝飯抜いても遅刻寸前だー!だ
いたいなんで男のくせにあたしより支度に時間がかかるんだ?
とにかくそんなわけで今は二人で全力疾走中なんだけど、なにか嫌な予感がするんだ。
角を曲がろうかとするときに殺気を感じて咄嗟に防御態勢をとったんだけど、次の瞬間
何かにぶつかって跳ね飛ばされた。
「だー、いてて!馬鹿野郎!前を見て走れー!」
って、それはこっちの台詞だー!あたしが防御態勢とってなかったら、ほぼ確実にあん
たの肘が鳩尾に入ってるって。
相手はあたし同様にしりもちをついているけど、よく見ると前髪を無精に伸ばして目が
隠れた少年だ。
「祐風、もっと気をつけないと駄目だよ。あっどうもすいません」
雪男、ボケボケ大王のお前には言われたくないぞ。
「浩平はねー、いつも不注意なんだよ。それであのー大丈夫ですか?」
心配そうにわたしをのぞき込んできたのは、栗色の髪を長く伸ばしたとっても可愛い子
だ。うむ、理想の少女って感じで好感度高い。
悔しいけどあたしが勝っているのは胸の大きさくらいのもんだ。それもまあ僅差の気が
するし。総合的にあたしの完敗?
「長森、ちょっとは俺のことも心配しろ」
突進男はどうも置いてけぼりにされたのが気にくわないらしいけど、女の子の答は結構
冷たいものだ。
「だって浩平は、こういうことには前科があるもん。前に七瀬さんや相沢さんのことも吹
っ飛ばしていたし」
なにー、こいつとにかく曲がり角で人を吹っ飛ばす趣味があるんかい?
それと、相沢ってもしかしてあの子かな?
その後しばらく言い合いをするあたしと突進男だがその横では……。
「はー、浩平がこんなじゃあ心配だよ」
「うん、お互い大変だよね」
雪男がいつの間にか相手の女の子と意気投合している。同病相憐れむという気分だろう
が……。しかーし、この場合それはあたしの立場だと思う。
「だー、誰のせいでこうなったと思ってるんだ。お前が起きないからだろうがー!」
「わっ、後免よ祐風。ぼくも努力はしてるんだよー」
逃げる雪男を追いかけて、二人とはそれでお別れ。男の方とは二度と会いたくないが。
朝の騒動のお陰で完全に遅刻した。転校早々先生に目をつけられるじゃないか、まった
く寝坊すけ野郎には困ったもんだ。
さて教室を見ますとアンテナは今日もピンピンしていた。無駄に丈夫なやつだ。休み時間に潤佳に聞いた話だと昨夜遅くずぶぬれで家に帰った来たそうだが、風邪をひく気配も
ないよ。なんとかは風邪ひかないと言うが、そう言う問題か?普通あれなら死ぬぞ。
今日からは午後も授業だ。そうなると昼飯がいるわけで、今日は学食にでも行くか。そ
う思って潤佳達に声をかけようとしたところにアンテナ野郎が登場。
「お嬢さん、わたしが当校の誇るレーストランテにご案内いたしましょう」
いつの間に着替えたのか何故か白いタキシード姿で、白い歯をキラリと光らせている。
アクセントと口調がまたとてつもなくキザだ。
これはこれで別の意味で馬鹿っぽいけど、こういうのは苦手だ。助けを求めて横を振り
向いたら、潤佳はわたしは他人ですという顔でとっと避難している。
ついでに雪男を連行した潤佳は、雪男をチラチラ見ながら恥ずかしそうにしているしの
ぶと、相変わらずクールな美坂とも誘って学食へ向かうようだ。
それは潤佳としのぶにとっては恋のチャンスなのだろう、友人としてその恋路を応援してやりたいとは思うが、一言だけ言わせて貰いたい。この薄情者どもー!
アンテナにつきまとわれたまま学食へ行く気などないから、どうにかやつを振り切って
売店でパンを買ったのだが、出遅れたからあんパン(しかもこしあん)しかなかった。あ
たしは粒あんの方が好きなのに。
それで幾分不機嫌な気分で廊下を歩いているときに、ふと窓を見たら中庭に私服姿の栞
ちゃんがいた。おい、あの子なにをやってるんだ。
しかもなぜかタキシードのままのアンテナが、片膝ついてバラの花束なんか差し出している。はっきり言って関わり合いになりたくないのだが……。
一度はそのまま立ち去ろうとしたけど、やっぱり栞ちゃんが気になるのでドアを開けて
中庭に足を踏み入れてみる。
「おお相沢、やはり俺のことを捜していたんだね。こんなにすぐに見つけてくれるとは、
愛の力だー!」
「わー、運命の再会ですね。ドラマみたいで素敵ですぅ」
ピシャリ!きびすを返してドアを閉めて鍵もかける。栞ちゃんには悪いけど目で合図を
送ってその場を退散。もう二度やつには近づかないぞ。
なお放課後商店街で栞ちゃんに会って話をしていたら、再びアンテナが視界に入ってき
たので、全力で逃げた。はっきり言って疲れる一日だった。
7時過ぎに珍しく雪男がわたしの部屋を訪ねてきた。なんの用だろう?
「祐風、ノートを返して欲しいんだけど」
「うん、ノート?……ああ思い出したちょっと待ってくれ」
昨日借りたノートのことだな。ちなみに雪男は男のくせに几帳面で整った字で丁寧にノ
ートをとっていて結構助かる。
それで鞄やら机を探索したが、どういうものかこれが出てこないんだな。
「あれおかしいぞないなあ、どうも教室に忘れたみたいだ」
「えー、困るよ。これから勉強しようと思ったのに」
まあこの場合雪男が不満そうな表情になるのは当然だわな。
「取りに行ってもいいけど、今からじゃあ雪男は寝ちゃうじゃないのか」
「うー、それは否定しきれないけど……」
まあ冗談は言ってみたものの、悪いのはこっちだからノートを取りに行くことにする。
かったるいけど仕方がないな。
学校に行ってどこかは入れそうなところはないかと探してみる。まるっきり不審人物だがしょうがない。
なぜかあっさり廊下の窓が開いていた。いくらなんでも不用心すぎるぞ。
幸いノートはすぐに見つかって廊下を歩いていたら、180aくらい有る黒髪長髪の少
年が立っていた。腰まで伸びた髪を後ろで束ねた無表情な少年で、多分3年生だと思う。
なぜか剣を手に持っていたりもする。まあおもちゃだろうけど。
どうも先輩らしいから一応挨拶していろいろ話しかけてみたけど、全然反応なし。こう
いうのも疲れるな。
もしかして若年性痴呆症で徘徊しているのか?そんな雰囲気でもないけど。
それと途中で何かがすごい勢いで横を通り抜けていくよな気配がしたと思ったら、少年
はそれを追いかけるようにして走り去った。今のはなんだ?
家に帰ったら雪男がリビングで船をこいでいた。これじゃあ勉強なんか無理だな、なんか無理に取りに行く必要が無かったような気が……。
まあとにかく、今日はとことん疲れる日だった。
>>608-613 名作ぞろいのところでレベルを下げる本作、久々の続きです。
アンテナ君多少芸風がが変わりました。なぜか栞と名コンビ?
5人目やっと登場、名前がまだでてませんけど。
祐風も折原の洗礼を……。雪人対真琴。詩子初登場。ちゃっかり潤佳と
詰め込みすぎな1日でした。
>>614 お久しぶりー…って、よく考えたらたった二週間ぶりかw
祐と祐風の両方に絡むキャラが増えてきたから混乱しそうだ。
アンテナ君と栞のコンビって、こいつは強敵だw
「レベル下げる」などといわずこのままズンズン行っちゃってください。
>>616 やべぇ、どっちもかわええ!!GJです。
自分的には反転CLANNADいつでもOKです。
朋美かわいいよ朋美
反転キャラの待ち受け画像がほしい
反転Routesってもう出た?
出たけど少ないみたい
まとめサイトには二本(続き物だったから実質一本?)しかないな。>反転Routes
あと2・3小ネタがあったような気もするけど。
もしかして書いてくれたりする?
>>620 >>616 春原かわええー。
こいつといい北川といい、性別反転させるとどうしてこう萌えるキャラになるんだろう。
>>616 春原って女子の制服着てるだけで男のままのようにミエル
最近、藤林京の様子がおかしい。
坂上智司は、それを感じとっていた。
まぁ、彼が突然赤くなったり、青くなったり、転げまわったり
していれば、誰しもそれを感じるだろう。
他の皆もそれを感じているはずだ。
それほどまでにおかしかった。
変だった。
彼、藤林京は。
(どこか特別な病院に連れて逝くべきか……?)
智司は真剣に悩んだ。
今も彼は、一人何かを注視しながら自分の頭を殴りつけている。
(まさか奇病?伝染するのか?)
本気で検討した。
いや、そんなことより。
(……?何を見ている……?)
京は今も何かを見ながら自分の頭を殴りつけている。
そんな京の視線の先には
(……岡崎?)
窓の枠に手をつき、憂鬱そうに外を見やる、
岡崎朋也の姿があった。
(どういうことだ……?)
彼の調子をおかしいのには、岡崎が関与しているということか?
(だが、岡崎の方は、特に……)
変わった様子はない。と思う。
ではなぜ?
今も京は岡崎を見ている。
(そもそも、岡崎は気づいているのか?)
京のこの視線に。
そして
智司が京の異常を察知してから、数日が経過した
岡崎朋也の様子がおかしい。
坂上智司は、それを感じとっていた。
正確に言うと、岡崎と京の、だ。
二人の間に流れる、なんともいえない奇妙な空気。
着かず、離れず。
その言葉が、二人の距離を忠実にあらわしていた。
お互いがお互いを意識しながら、それを感じさせようとはさせない。
そんな水面下での探りあい。
(いったい岡崎と藤林の間になにが……?)
智司は本気で心配した。
そして
友人たちのそんな姿など見たくなかった。というのもある。
これからの人間関係を危惧した。というのもある。
理由はさまざまだったが、智司は本気で彼らを心配していた、ということ。
だから
(俺に何とかできるなら、俺が力になれるなら……)
そんなことを考えてしまっても、不思議ではなかった。
(一応、生徒会長を目指すものとして……な)
智司は照れ隠しにそう思った。
その帰り。
智司は皆と別れた後、密かに朋也を追った。
(少し二人で、話をしよう)
そう思ったからだ。
しばらく走る。予想以上に朋也は早かったらしい。
しばらく走り
角を、曲がる。
そして
(いた!)
ちょうど朋也が自宅前でとまっているところを補足した。
すぐに声をかけようとして、やめた。
(どう切り出すべきか)
考えてみれば、なんと切り出せばよいのだろう。
なるべく、違和感のないように。
なるべく、不自然でないように。
なるべく、矛盾の生じないように。
そんな切り出し方でないといけない。
おかしくないよう、自然であるよう、つじつまの合うよう。
そんなやり方。
考える、考えて考えて考えて、ふと思った。
……なぜ俺はここにいる?
その衝撃は、計り知れなかった。
なぜ俺はここにいる?
心の奥の、自分の冷静な部分がそう呼びかけた。
(っ!!俺は二人が悩んでいるようだし俺が相談に乗れればいいと思って!!)
誤魔化すように、物事の本質を見極めないように、そう思った。
そう。
自分の中のひどく暗い部分がそう言った。
そうだ。
確かにそう思った。
だが。
(なぜ今なんだ。こんな下校中に後をつけて。非常識ではないのか。別に機会はいくらでもあるだろう)
(藤林はいいのか?岡崎でないとだめなのか?発端は藤林なのに、なぜ俺は今、岡崎と接触している?)
なぜ俺はこんなにあせっている?
今度は、答えられなかった。
(そんなことはどうでもいい!そんなことより、今は岡崎をっ!?)
矛盾だらけのこの行動。
だから、必死にそう思うことでかき消した。
そう、今は目の前にいる岡崎のことを。
―――岡崎?―――
目の前にいる岡崎は。
姿形。
顔も髪も手も体も手も足も肘も肩も指も。
何一つとして違和感などなかった。
だけど、なぜか俺はわからなかった。
岡崎だと、確信できなかった。
違う。
お前は違う。
お前は、俺の、皆の知っている岡崎じゃない。
『岡崎朋也』じゃない。
……なぜだ。
なぜそう思う。
イライライライライライライライライライラ……
焦燥感。
自分に対する焦燥感と。
誰かに対する焦燥感と。
自分が置いていかれることに恐怖を覚えて。
なぜかは知らないけど、日常が崩れてしまうような気がして。
取り戻したくて。
だからかも知れない。
あんなに必死に叫んだのは。
『おいっ!?』
その後のことは、思い出したくもない。
………しとしとしと。
しとしとしとしと……。
外では、雨が降っていた。
坂上智司は、窓の外を見ている。
窓の外を見ながら、考えていた。
……一日が過ぎた。
あれから。
朋也でない朋也にあってから。
一日が過ぎた。
今日、岡崎朋也は休んだらしい。
(良かった)
不覚にも、そう思ってしまった。
だが、彼にどんな顔をして会えばいいというのだろう。
合われる顔など、ありはしない。
「……上、坂上」
誰かが俺を呼んでいる
「は…はい」
古文の授業中。
「どうした、坂上。調子悪いのか?」
中年の先生が、聞いてくる。
「……いえ」
調子?調子が悪いのは、学校を休んでいる岡崎だろう?
……。
「そうか、じゃあ、黒板の問題解いてくれ」
黒板は、文字でほとんど埋まっていた。
一瞬どれを指しているかわからなかったが、何とかあたりをつける。
「はい」
チョークを握る。
……五秒で解けた。
席に着き、また窓の外を見る。
そうだ。
(伝染病なのかもしれないな)
その脈絡のない思考に、少しだけ笑った。
演劇部。部室で、藤林のかかっていた奇病。アレ。
藤林。岡崎。そして俺、と。
皆おかしくなっていってるではないか。
(なんてな)
皆、おかしくなんかない。
昨日の『朋也』も、その『朋也』と何かあったらしい藤林も。
おかしくなんかない。
おかしいのは……俺一人だ。
考え込めば、時間はいつの間にかたっているものだが、時間は遅々として進んではくれない。
黒板、上の時計を見た。
午前十一時。今日はまだまだ長い。
ため息をつきながら、また視線を窓の外に移した。
しとしとしとしと……。
雨はまだ、止みそうになかった。
すいません。今回はなんと言うか反転CLANNADUの補足的なものです。
前回意味不明だった点を解消するためのものです。
京サイドもなるべく早く書いてしまわないと……。
なんか絵が割りと評判がいいようで……。
なんだこのへたれ絵はっ!くらい、言われるかと思ってたので。
>>623 そうですか……。あんまりオリジナル要素が入ってもおかしいかと思ってたので。
それで必死こいて似せて、それでもまだ似てないと思ってました。
最初の春原なんて本気で『乙女』でしたから。
635 :
634:04/07/04 12:01 ID:Ys5vAASz
すいません。書き忘れです。
絵を見てくださった方。感想を書いてくださった方。
ありがとうございます。
ここは雰囲気がいいですね。
>>634 キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
まってました!そしてこのまま智司も朋美にハァハァしてしまうのか?
続きも期待してます。
『乙女』の春原絵もキボンヌ
【ニセKanon7日目】
(祐サイド)
1月12日火曜日、朝起きたらなぜかドアの内側に蚊取り線香が……えっと、今って確
か冬だよね?
これもどうやら真琴ちゃんの仕業らしいんだけど、どう言うつもりなんだろう?
朝食の時の話だと、雪人の部屋にはバル○ンを放り込んだらしいけど、逆に反撃を食ら
って階段を転がり落ちたらしい。可哀想に。
「お前、あの騒動でよく目が覚めなかったな。とろ過ぎじゃないのか」
とか言われちゃったよ。むかつくなあ、わたしもバ○サン放り込んでやろうかな。
ああでもそれより、真琴ちゃん大丈夫かな?
「真琴ちゃん、怪我しなかった?」
「ふふん、真琴は馬鹿雪人と違って運動神経いいから全然平気よ」
ちょっと生意気そうな答だけど、この元気なら大丈夫だね。
「誰が、馬鹿だこの悪戯小僧が」
あっ、また雪人の憎まれ口。
「なによー、真琴はレディなんだから、小僧なんかじゃないわよー」
「うるさい、お前なんか小僧で十分だ。第一自分の年もわからないお前に馬鹿扱いされる
いわれはない」
「あぅー」
あーあ、記憶のことを言われて真琴ちゃん落ち込んじゃった。
「これ、雪人ちゃんいけません。今のは雪人ちゃんが悪いから謝りなさい」
いつもほんわかムードの明子さんが今朝は本気で怒ってる。
「うっ、わかったよ。……今のは確かに俺が悪かった。このウインナーやるから機嫌直せ」
「真琴ちゃん御免なさいね。雪人も口が悪いだけだから許してあげてね」
「あぅー、わかった。明子さんがそう言うなら許してあげる。じゃあこれもーらい」
「あっこら、皿ごと盗るな」
「じゃあこれは返すわよー」
「って、レタスと胡瓜だけじゃんか。野菜もちゃんと食わないと祐みたいに胸がちっちゃ
いままだぞ。母さんを見習ってなんでも喰え」
なに言うかなこの馬鹿雪人は、今のは本気でムカッー!
「なによー、わたしの用意した食事に不服があるなら食べていただかなくてもいいわよ。
よこしなさい」
「わっ、単なる冗談だから怒るな。トースト返せー」
もう決めた、今夜から真琴ちゃんに協力して雪人に悪戯してやるー。
今日は学校では大したことがなかった。帰り道今日も歩君と遭遇して一緒に歩いていた
ら、真琴ちゃんが本屋さんの紙袋を抱えて肉まんを頬張りながら嬉しそうに歩いているの
を発見。
一声かけて合流してから、真琴ちゃんと歩君が肉まんとたい焼きどちらが美味しいか大
論争。二人ともとっても真剣だけど、わたしに裁定を求められても困るよ。
「くすくす、歩さん、そのお二人はお友達ですか?」
困っているところに声をかけてきた女の子、あれっ、この子は祐君と一緒にいたストー
ルの女の子だ。身長はわたしと同じくらい、スタイルに今一歩恵まれていないところも似
ていたりする。
「あっ、栞ちゃんこんにちわ」
その後歩君が紹介してくれたんだけど、名前は美坂栞ちゃん、高校1年生らしい。結構
礼儀正しい子だ。
ところで栞ちゃんの登場でも論争は終わらなかった。歩君にたい焼きと肉まんどっちが
上かと聞かれた栞ちゃんの答が。
「そんなの、バニラアイスが一番に決まってますぅ」
ブルータスお前もか、火に油を注いでどうする。人見知りの真琴ちゃんまで肉まんのこ
とは譲れないらしく、今度は三つどもえの大論争。誰か助けてー!
「お嬢さん、お困りのようですね。ここはこの愛と真実の使徒北川潤にお任せあれ」
はあ、なにを言うかなこの人は?いきなり声をかけてきた昨日の金髪タキシード君だけ
ど、ただのナンパ男だったの?
「わー、北川さん格好いいです。でも浮気したら祐風さんに言いつけますよ」
「いやだなあ栞ちゃん、ぼかあは困ってる女性を見過ごせないだけさ」
キ、キザ男、それにしても何か栞ちゃんと仲よさげだけど、何者?
「う、うぐぅ、この人怖いよー」
「あぅー、こいつ怪しすぎ」
なんだか真琴は警戒しているし、歩君はやたらに怯えていて、二人ともわたしの後ろに隠れちゃった。
「歩さん、誤解は解けましたからもう怖くないですよ。それに真琴さんも怖がらないで、
この人は悪い人ではありませんから」
「うぐぅ、栞ちゃん本当?」
「あぅー、確かに悪人じゃあないみたい」
「はっははは、いやああの時は興奮していたが、冷静に考えたら相澤が君のようながきん
ちょを相手にするわけないものな。脅かしてすまなかったねー」
どうもこの人口調がやけにキザだ。
「うぐぅ、なんか複雑な気分だよ」
その時突然
「この馬鹿兄貴ー!これ以上恥をさらすな真空飛膝キーック!」
いきなり北川君が倒れたと思ったら、後ろから北川君そっくりの女の子が後頭部に飛び
膝蹴りをいれたみたい。
「あっどうも、うちの馬鹿兄がご迷惑をおかけしました。二度と近づかないように言い聞
かせますからどうか警察沙汰だけは許してください。それではこれで失礼しまーす」
女の子はそう言い残すと北川君の足を持って走り去っていった。突然の展開に一言も口
を挟めなかったんだけど、北川君の頭があちこちにぶつかっていい音してるけど大丈夫?
「ああ北川さんはあの程度では壊れたりしませんから平気です」
そう栞ちゃんが解説してくれたんだけど、わたし疑問を口に出していたかな?
なおこの騒動で毒気を抜かれたのか、なにが一番美味しいか論争はそれで終了。まああ
たりが暗くなってきたせいもあるかな。。
二人と別れて真琴ちゃんと一緒に家の中に入った途端、雪人の雷が落ちてきた。
「こら、真琴!たかがお使いにいつまでかかってやがる。それと豆腐はどこだ?」
「あぅー、そ、それは……」
あちゃー、真琴ちゃんお使いのお金を使い込んじゃったのか。
さすがにそれは問題あると思うので最初は雪人と一緒に真琴ちゃんにお説教したんだけ
ど、雪人があんまりしつこいから途中からだんだん腹が立ってきた。
「こらっ馬鹿雪人、記憶喪失の可哀想な女の子をあんまり虐めるな。デリカシー欠如人間、サディスト」
「だー、お前どっちの味方なんだー!」
「とりあえず、か弱い女の子に仇成す者の敵よ」
いつの間にか真琴ちゃんそっちのけでわたしと雪人の喧嘩になっていたけど、結局は明
子さんまあまあで幕。つまるところ、この家の人間は誰も明子さんには逆らえないのよね。
その後馬鹿雪人は真琴ちゃんのお風呂を覗いたらしくおお騒動になった。
「あぅー、雪人のエッチ、変態スケベ最低」
「雪人がそんなやつだったなんて。わたしも覗かれないように気をつけないと」
「誰が、お前みたいなお子ちゃま体型なんか覗くか」
うー、こいつ最低、音は善人だけど口悪すぎ。そりゃあわたしは真琴ちゃんよりスタイ
ル悪いですよ。でもそんな言い方ないじゃない。今日は気分悪いからもう寝る。
(祐風サイド)
ここは麦畑、そしてあたしは小学校低学年くらい、ここであたしは少し年上の少年と遊
んでいる。まあプロレスごっこと言うか、チャンバラというかそんな感じ。
懐かしいなあこれ10年くらい前だ。そう、この子と対抗するためにあたしは男のみた
いになり、技の名前を偽ることを覚えたんだ。
だってあいつ強いんだけど単純で、面白いくらい簡単に引っかかるんだよね。まともじ
ゃあ体力も体格も違いすぎて絶対に勝てないけどさ。
でも、今思うと本当は引っかかる振りをしていてくれたのかもしれない。
気が付くと場面が変わっている。わたしは少し成長していて、側にいるのはつい最近知
り合ったばかりの祐と歩だ。
真ん中に祐が拾ってきた子狐、最初は祐が連れて帰ったのだけど、3日ほどしたらなに
か事情があって家に置いておけなくなったらしい。
それであたしが連れて帰ることになった、なにか妙に話の展開が早い気もするけど。
子狐を連れて帰ると、隠していたつもりなのに雪男に見つかってしまった。それで雪男
は子狐をおもちゃに遊んでいる。
悪気はないんだろうけど、子狐はけっこう本気で怒ってるみたいだよ。
そこで目が覚めたんだけど、今のは夢?なにか変な夢を見たな。まあ気を取り直して、
今朝も雪男をたたき起こすとするか。
「くー、ぼくはちゃんと起きてるおー。暴力はもういやだおー」
「そんな寝言を言っている暇があったら、とっととおきんかーい!」
しかし夢の中の雪男はもう少しは格好良かった気がするのにな、どうしてこんな寝惚け
野郎になったんだろう?
昼休み、アンテナ野郎から逃げ出して廊下を歩いていたら昨日の先輩に遭遇。
「先輩、こんちわ」
今日も反応なし。
「先輩、つれないなあ。あたしと先輩の仲じゃないですか」
返事なし、相変わらず無表情だね。
「もう先輩、何か一言くらい言って下さいよ」
それでも無反応、もしかしてしゃべれないのか?
「あははー、舞人(まいと)待ったー」
なんだかやけに明るい声とともに、大きなリボンで髪を束ねたすごい美人が登場。胸の
リボンの色から先輩だとわかる。はてこの先輩の恋人だろうか?
「全然待ってない」
ふむ、別に話せない訳じゃないらしい。ってあたしは無視かい。
何か呆気にとられてしまって、立ち去るのも忘れてしばらく二人を見ていた。
「ところで舞人、この子は誰ですか?」
しばらくしてリボンの先輩が、わたしに気が付いたようだ。
「しらん」
その一言かい。なんかもう立ち去った方が良いかなー。
「えっと、あたしは昨日偶然お会いしただけのごく平凡な下級生でございます。はい、本
当にそれだけでございます」
まあ逃げるにしても一応説明くらいしないとってことで、ところでこの先輩相手だと、
なぜだか敬語になってしまうんだな。
「あははーそうですか、佐祐理は3年生の倉田佐祐理で、全校公認の舞人の彼女さんです
よー」
「はー、そうでございますか。あたしは相澤祐風、2年でございます。なにとぞ今後とも
よろしくご引き立てのほどをお願いいたします」
「あははー、お姉さんにどんと任せなさいです」
なにかすごくテンション高い人だ、でも育ちの良さとカリスマを感じる。とにかくこの
人にはいろんな意味で勝てそうにない。ある意味秋子さん以上かも?
あまり深く関わらない方がいいな。
ところで、秋子さんって前からこんなにすごい人だったかな?普通の優しい大人の女性
だったような気が……。あのころは子供で、まだよくわからなかったんだろうか。
「川澄舞人、よろしく」
さてこっちの方は倉田先輩に促されて、ぼそっとそれだけ。どうしてこの二人が恋人同
士なんだろう、疑問だ?人間自分にないものを求めるってやつ?
「それでは自己紹介も終わりましたし、とくに用もございませんのでこれで失礼させてい
ただきますね」
大急ぎでそれだけ言うと一目散に退散。やっぱり夜の学校に行くもんじゃないわ。
中庭では今日も栞ちゃんが、アンテナと楽しそうに会話していた。妙にいい雰囲気だが、
うーむああ言う純真そうな子をあのアホの毒牙にかけても良いのだろうか?
「あははー、祐風さん見つけましたよー。いきなり逃げるなんて酷いじゃないですか。佐
祐理達と一緒にお昼を食べませんか?」
栞ちゃん達を見ていたらいつの間にか、背後に倉田先輩が。神出鬼没?
一応疑問形ではあるけど、有無を言わせない雰囲気がありあり。だめだこの人には逆ら
えない。
「恋人は嘘」
って今頃反応するなー!このマイペース男。雪男なみに疲れるやつだ。
なお、佐祐理さん(そう呼ばないと泣かれる)のお手製らしい御弁当は、すごく美味し
かったこと(準秋子さんクラス)だけは言っておかなければなるまい。
放課後栞ちゃんと歩がなにやら同年輩ぐらいの女の子達と話しているのを発見。ただし
今日も白タキシードのアンテナが一緒だったので無視して家に直行した。
教室で会うのはまあ仕方がないが、他では絶対に会いたくないからな。
>>637-643 主要人物ほぼ登場。舞人のユウは祐風の方でした。
気が付くと今回はONEキャラ出番なし。
今回はこれで失礼します。
反転キャラクターを選ぶとしたら 君ならどれが好き〜?
坂神好きは自分に素直 思ったことを隠せない でも
理想(見た目)と現実(中身)だいぶ違うから 夢から覚めなさい
国崎往穂好きは少しお利口さん 蝉枝好きより少しはお利口
それでもまだまだ夢見がちだから 大人になりなさい
柏木はじめだいぶお利巧。往穂好きよりいくらかCOOL
そこまで現実わかっているならもうひと頑張りです
藤井ふゆ好きは正解に近い もっとも限りなく正解に近い
でも基本的に鬱展開が多いので 油断は禁物でーす
木田朱鷺乃好きは中途半端 好みとしては中途半端
「透には強気っぽいのに明日馬にめちゃめちゃにされちゃうところも…」そんなの微妙過ぎ〜
宮田さつき好きは卑屈過ぎます 自分に自信がない証拠です
ショタ女は決して怖くなーい 勇気を持って(書いて)ください
藤田浩子好きと長瀬祐子好きはスレで一番H回数が多けりゃいいってもんじゃないってことを
肝に銘じておきなさーい 少数派の敵ですよ。
>645
その舞台裏では
和己「ほ…ほら、たまたまだよっ、たまたま」
留巳「そ…そうだぞ!げ、元気出せ、バカ!」
岬「うん、待ってればそのうち出番が来るよ〜」
由真「みゅー…おねえちゃん、がんばっ」
零(元気出して、です)
暁「…………」(無言で肩に手を置く)
ひろみ「……全員集合系のネタでも名前が挙がらない……(泣)」
久々登場なので反転ヒロイン全員の名前を新しくして新機軸を狙ってみるも、
早くも失敗の香りがw
いろんな反転見てきたけれど 最後に私が言いたいことは
キャラを胸で判断するのは よくないことですよー♪
La LaLa・・・
_|\○ノノ ヘナップ すいませんごめんなさいもういいません
情報を手に入れ、報酬を得て生業とする人間たちがいる。
“エージェント”
昔風に言うなら「スパイ」と呼ばれていた存在、かつて、第一次
世界大戦前後に列強で誕生した国家組織としてのそれは、超大国ア
メリカ合衆国と対峙したソビエト連邦の自壊によって必要性が薄れ、
消滅こそしなかったものの、規模はかなり縮小された。
変わって台頭したのが、我々フリーランス。
我々のクライアントは国家であることもあるし、民間企業、場合
によっては一個人に雇われることもある。
私は信条として引き受けないが、暴力集団の悪意的な犯罪行為に
関わるものも多い。
その中で、トップ・ランクに位置する最優秀エージェント。
“NASTY BOY”。
直訳すれば「無茶苦茶少年」
事実、その仕事は確実ながら、常にセオリーに反する無茶苦茶ぶ
りで、しかし、100%に限りなく近い達成率。しかも、そう呼ばれる
容姿のとおり、年齢はハイティーン。
しかし、“NASTY BOY”。この呼び名は、体をあらわしていない。
なぜなら……
私、“NASTY BOY”こと那須修(なす おさみ)は、“Boy”ではな
く“Girl”、正真正銘の華も恥らう乙女だからだ。
「…………乙女ってのは偽りがあるねぇ」
乙女って処女が原則らしいし。エージェントって立場上、私は何
度となくヤりまくってる。あまり大きい声で言えるはずもないけど、
2回ほど中絶してもいる。
「くぉら、修っ」
教室の中、1人で机に向かってまどろんでいると、まるでネコを
しかりつけるような口調で、突然正面に人影がそびえ、私に怒鳴り
つけてきた。
「いいかげん起きろよ! 掃除の邪魔だ!」
私が身を起こす。そこに、ぬっとブレザー姿の一見優男が、文化
ぼうき片手に立っていた。
コイツの名前は湯浅皐。「さつき」と書いて「いつき」と読ませ
る当て字。
一見優男、と書いたが、文字通り。中身はぶっきらぼうで、その
くせ男の割に口数が多い。声もデカイ。かといって見掛け倒しって
わけでもなく、運動万能で、ケンカもやたら強い。ただ、ちょっと
したことでキレて殴り合いになる性格は問題だ。
もっとも──私が本気になったら、片手でも締め上げられるほど
の強さだけど。
「なに1人でニヤニヤ笑ってんだよ、気持ち悪いなぁ」
不機嫌そうな顔で、いつきが言う。
「そ、そういうお前こそ、1人でほうきなんか持って何やってんだ
よ?」
「1人?」
いつきがさらに顔を歪ませて、言う。
「よく回り見てみろ、この寝ぼすけ女!」
「あ……?」
言われるままに周囲を見渡す。
なぜか俺以外の机は教室の隅に積み固められ、他のクラスメイト
も何人かがほうきや雑巾を手にしている。
「あれ……えっと」
「とっくに授業なんか終わってんだよ! 掃除の邪魔だからさっさ
と立てよ!」
「は、はいはい……」
恥ずかしいほど決まりが悪い。私は多分紅い顔をして、そそくさ
と立ち上がった。
「わ、修ちゃん顔が赤いよー。さつき君に口説かれた?」
いきなり割り込んできて、何を言うかなこいつは。
「何を、こんな男勝り!」
「誰がじゃ!!」
そりゃーどっちかってーとアクティブとかスポーティとかの言葉
が似合う美少女だと自覚しているが、男勝りまで言うか!
いや、まぁ、確かに、普段から.357イーグル片手に、屈強な男を
敵に回して大立ち回りしてるわけだけども。
「くすくす、やっぱり二人って仲がいいよね」
この、全然周囲の空気を読まないと言うか、読めないと言うか、
はっきり言って天然系のオトボケ少女は伏見ゆかり。
成績はかなり優秀なのだが、時折人の気を激しくめいらせる。
ついでに言えば、胸も薄い。体格が小さいわけではないのだが、
プロポーションが目立つと噂のこの学校の制服で、ゆかりの胸は
“丘”くらいしかない。
…………私もあんまり人のことは言えないけど。ゆかりみたいに
HがBより大きい極端な安産型ってわけでも……ないと思う。思い
たい。
「はー、どこをどう見たらそんな関係に見えるんだよ」
長い付き合いの結果、何を言っても無駄と理解しているいつきは、
ため息をつきながらあきらめたように手で顔を覆った。
私も同じ気分だ。
「ん? 修ちゃん、私の顔に何か付いてる?」
少し苦笑気味に言いつつ、目を少し円くしながら、ゆかりは私に
向かって聞いてきた。
じっと見ていたのが気づかれたか。にしても、ゆかりはこういう
視線に妙に鋭い。ゆかりは周囲の空気から浮きまくってるが、逆に
ゆかり自身の空気もどこか読みきれないところがある。
──怖い?
単なる恐怖とは違う、けど、確かに底知れないという不気味さは
感じている。
「修って、ホントはゆかりのことが好きなんだろ、このレズっ娘」
「何バカな事言ってんだよ、ったく」
私はそう言って鼻で馬鹿にしたのだが、ゆかりはその言葉に対し
て、
「えっ、そ、そうなの、修ちゃん」
などと、ほんのり紅い顔でのたまいましたよ、コイツは。
「私は、修ちゃんのこと、好きだよ?」
「ななっ、な……」
「ほらー、答えてあげなよ、お・さ・み・ちゃん♪」
面白半分に、いつきは私のわき腹をひじで突付く。
あたしは、
「ていっ」
「うわわわっ!」
ぐりんっ、ぶんっ
私はいつきの腕をつかみ、軽くぶん投げた。
「ふんっ!」
のたうついつきをほったらかして、私はカバンをてに、教室を出
て行った。
「このーっ、暴力女!」
「ほら……いつきちゃん、さっさと掃除終わらせよ?」
>>648-651 なんかどんどん妄想がひどくなってくる代物を書いてみますた……
どうでげしょう?
>>634 朋美、京に続いて智司もテンパり状態に突入?続きが気になる。
京と智司のどっちかが耐えられなくなって朋美を激しく問いつめ→破局到来
ってなりそうな感じが。
>>644 佐祐理さんと舞人っていいカップルかもしれないなw
金髪タキシードにクラスチェンジした某バカもいい具合だし。GJ。
雪人のキャラがほとんど祐一と同じな気がしないでもないけど、まあいいか。
とりあえず貴様はもうちょっと考えて喋れ。>雪人
感想書いてたら新作来てるし。正直スマンかった。
>>648-651 非処女“NASTY BOY”キタ━━(゚∀゚)━━ !!!!!
中絶経験ありとは、ある意味蝉枝をも上回ってるな。
この妄想は…良い!
ところでこの娘はヤンマーニしますか?
とエージェント繋がりで微妙に苦しいネタを振ってみる。
>>645-647 みんな思ったけど言わない事実。
ぐびぐびぐびぐびぐびぐび。
「っちょっ、樹!いくら名前が上がらなかったからって……」
ぐびぐびぐびぐびぐび……ことん。
「栄養ドリンクやけ飲みすることないじゃない!?」
「どーせ私なんて……私なんて……」←冷蔵庫からさらに一ケース取り出す。
(もう何ケース目よ……?)
かしゅ。
「ぶー、同じぐーだら大学生でもー、こーも違いますカー?」
(誰のこと言ってるんだろう……?)
ぐびぐび。
「……鬼の力もない、陵辱シーンになりそうなとこもない」
(なるほど)
「そんなお姉さん、好っきっでっすKAー?」
ぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐび。
(……だめだ・・・。酔ってる。栄養ドリンクで。……なんて器用な……)
「あーあー。だっれか書いてくんないかなー?んー?」(視線をこっちに向ける)
(しかも絡み酒……)
(……だ、誰か助けてー!?)
「あ、あのー」
「……」
「ハクオロさん?」
「……」
「何で……そんな隅によって体育座りしながらお酒飲んでるんです?」
「……」
たばー。
「ああっ、目の幅だけのなみだがっ!?」
「……」(泣き)
「え、えっとー、これでなみだ拭いてください……」
「……(こくっ)」
「どうしたんですか本当に……?」
「……」
「えっ?とてもやるせないことがあった?」
「……(こくっ)」
「そ…そうですか……」
(な…なんかキャラがおかしいっ!?)
「で、でもそんなとこにいても解決にはならないですよ!もっとみんなにアピールしないと!?」
「……(ぷいっ)」
(拗ねたっ!?)
「……厳しいこと言いますけど、このままじゃ書き手もいなくなってしまいますよ?」
「……っ!!」
たばー。
「ああっ、さらに尋常じゃない量のなみだが!?」
たばたばたばー。
(……だ、誰か助けてー!?)
芳美「ああ、神様…。これは私に対する試練なのでしょうか?」
コリン「いや、単に忘れられてるだけだろ?」
芳美(グサッ!)
コリン「大体、元ネタからしてマイナーだし」
芳美(グサグサッ!!)
コリン「お前の『戦うシスター』属性ってのも、最近じゃいい加減パンチに欠けるな。
せめてシスターロゼ○トとか高○由美子(由美江)レベルのインパクトがないと」
芳美「…」
コリン「…つうかよく考えたらお前、似非シスター? ダメじゃん」
芳美「うわぁぁぁん!」(脱兎
ティリス(元ティリア)「…ネタにされているだけ幸せですよ、城戸芳美さん…」
郁巳「ま、野郎の出番なんてこんなもんだろ。 あんたも変な期待しない方がいいと思うぞ?」
ティリス「…。 _| ̄|○ 」
>>656 反転主人公中、最巨乳キャラなのに…哀れw
つうか、いつもは落ち着きのある女性が拗ねる図というのはいいものだと思うのだがどうか。
耕一♀「私なんか胸もなければ逆レイープ……(部屋の隅でのの字書き中)
>>655 どーでもいいが、栄養ドリンクを飲みすぎると身体壊すよー
……と、一応心配してみる。
TH2公式サイトのキャラ紹介を見て思いついた。
一つ年上の幼馴染に毎朝起こしてもらう反転ことみ……何か普通のギャルゲの主人公?
失礼、このみだこのみ。
回線吊って首切ってくる_| ̄|○
662 :
名無しさんだよもん:04/07/06 19:53 ID:pm5R71Jc
乙 and あげ
>>661 逝きろ。
ルーツの宗一が反転して。(ネタ)
ドジで間抜けでおっちょこちょい。
引っ込み思案で内気な性格。
一生懸命だけど泣き虫。
小さな体。童顔。小学生?けど巨乳。
そして致命的な運動音痴。
前転すると目を回す。
跳び箱なら4段まで。
任務成功率ほぼ0%。
迷い犬探しぐらいしかできません。
そんな世界最高(?)のエージェント。
世界で一番有名なエージェント。
守ってあげたいエージェント。
彼女の名は『NASTY GIRL』!!(いろんな意味で)
……さぁ行け僕らのエージェント!
『NASTY GIRL』は今日も行く!!
――また補導されました。――
∧||∧
( ⌒ ヽ 「すいませんすいませんすいません。
∪ ノ ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。」
∪∪
_.... ........ .._
. '´ ヽ.
/ ヽ
l // .' l l l '. : l
| | | | | | | | | |
| '┼,ニ.‐┴.'ニ: ┤ |
| | ⊥d ´⊥d`| | / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | /// 、 /// | | < いやっほーぅ!性転換万歳!!ちんこ花火最高!!!
| |ト、 ー‐ .イ | | \_______
| ||::i::`r、 イ:i:| | |
ヽ、|-‐ッ'}ニ只ニ{=ノ__..|.l..ノ
, ---┘ ∩ ト---- 、
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| | 。 __||___ 。| |
| |、 / | | ,| |
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| | | //|
| | |__/|| |
| | | || |
| | || |
>>663 跳び箱が4段跳べれば十分だと思った俺は運動音痴の姉の見すぎですか?
(高校時代の50m走が10秒台だった)
どうでもいいが。>663はきっとドリフをNG指定しているに一票。
そろそろ次スレの季節かな?
容量が危ないような気がするので。
勘違いだったらごめん。
以下は反転主人公職業別表(すまん分類厨で
高校生
長瀬祐子、藤田 浩子、那須 宗子、木田朱鷺乃、天沢 郁巳
相沢 ゆう、岡崎ともみ、折原ひろみ
大学生
柏木 はじめ、藤井ふゆ、千堂 かずき、城戸 芳美
宮田さつき(休学?
無職
国崎 往穂 (旅芸人)坂神 蝉枝(元軍人)
国家元首
ハクオロ
こうやって見てみると、以外に幅広いな。
Tears to Tiaraが出たら新しい項目として魔王が追加か…。
現在402KBだってさ。
教えて臣 又い人!!
貝
あと100KB近くあるのに…それを一気に埋める大作でも投下予定なのか?
>>663 だめだ…どうしてもd子の顔がちらつくw
>648-651みたいな「女の武器」を駆使するのも厭わないプロか、
そんなの使うまでもない超凄腕の乙女か、
まるで役立たずの大ボケドジエージェントか、の3タイプに派生できるのか。>反転宗一
結構幅広いな。
最近暑い日が続いているけど職人さん達ファイト。
新作待ってます。
ちょっと設定も弄くったので、改めてはじめからー
15kほど集中爆撃します。よろしく。。
情報を手に入れ、報酬を得て生業とする人間たちがいる。
“エージェント”
昔風に言うなら「スパイ」と呼ばれていた存在、かつて、第一次
世界大戦前後に列強で誕生した国家組織としてのそれは、超大国ア
メリカ合衆国と対峙したソビエト連邦の自壊によって必要性が薄れ、
消滅こそしなかったものの、規模はかなり縮小された。
変わって台頭したのが、我々フリーランス。
我々のクライアントは国家であることもあるし、民間企業、場合
によっては一個人に雇われることもある。
私[わたくし]は信条として引き受けないが、暴力集団の悪意的な
犯罪行為に関わるものも多い。
その中で、トップ・ランクに位置する最優秀エージェント。
“NASTY BOY”。
直訳すれば「無茶苦茶少年」
事実、その仕事は確実ながら、常にセオリーに反する無茶苦茶ぶ
りで、しかし、100%に限りなく近い達成率。しかも、そう呼ばれる
容姿のとおり、年齢はハイティーン。
しかし、“NASTY BOY”。この呼び名は、体をあらわしていない。
なぜなら……
私、“NASTY BOY”こと那須与代(なす くみよ)は、Boyではなく
Girl、正真正銘の華も恥らう乙女だからだ。
「…………乙女ってのは偽りがあるねぇ」
乙女って処女が原則らしいし。エージェントって立場上、私は何
度となくヤりまくってる。あまり大きい声で言えるはずもないけど、
2回ほど中絶してもいる。
「くぉら、与代っ」
教室の中、1人で机に向かってまどろんでいると、まるでネコを
しかりつけるような口調で、突然正面に人影がそびえ、私に怒鳴り
つけてきた。
「いいかげん起きろよ! 掃除の邪魔だ!」
ボクが身を起こす。そこに、ぬっとブレザー姿の一見優男が、文
化ぼうき片手に立っていた。
コイツの名前は湯浅皐。「さつき」と書いて「いつき」と読ませ
る当て字。
一見優男、と書いたが、文字通り。中身はぶっきらぼうで、その
くせ男の割に口数が多い。声もデカイ。かといって見掛け倒しって
わけでもなく、運動万能で、ケンカもやたら強い。ただ、ちょっと
したことでキレて殴り合いになる性格は問題だ。
もっとも──私が本気になったら、片手でも締め上げられるほど
の強さだけど。
「なに1人でニヤニヤ笑ってんだよ、気持ち悪いなぁ」
不機嫌そうな顔で、いつきが言う。
「そ、そういうお前こそ、1人でほうきなんか持って何やってんだ
よ?」
「1人?」
いつきがさらに顔を歪ませて、言う。
「よく回り見てみろ、この寝ぼすけ女!」
「あ……?」
言われるままに周囲を見渡す。
なぜかボク以外の机は教室の隅に積み固められ、他のクラスメイ
トも何人かがほうきや雑巾を手にしている。
「あれ……えっと」
「とっくに授業なんか終わってんだよ! 掃除の邪魔だからさっさ
と立てよ!」
「は、はいはい……」
恥ずかしいほど決まりが悪い。私は多分紅い顔をして、そそくさ
と立ち上がった。
「わ、与代ちゃん顔が赤いよー。さつき君に口説かれた?」
いきなり割り込んできて、何を言うかなこいつは。
「何を、こんな男勝り!」
「誰がじゃ!!」
そりゃーどっちかってーとアクティブとかスポーティとかの言葉
が似合う美少女だと自覚しているが、男勝りまで言うか!
いや、まぁ、確かに、普段から.357イーグル片手に、屈強な男を
敵に回して大立ち回りしてるわけだけども。
「くすくす、やっぱり二人って仲がいいよね」
この、全然周囲の空気を読まないと言うか、読めないと言うか、
はっきり言って天然系のオトボケ少女は伏見ゆかり。
成績はかなり優秀なのだが、時折人の気を激しくめいらせる。
ついでに言えば、胸も薄い。体格が小さいわけではないのだが、
プロポーションが目立つと噂のこの学校の制服で、ゆかりの胸は
“丘”くらいしかない。
…………ボクもあんまり人のことは言えないけど。ゆかりみたい
にHがBより大きい極端な安産型ってわけでも……ないと思う。思
いたい。
「はー、どこをどう見たらそんな関係に見えるんだよ」
長い付き合いの結果、何を言っても無駄と理解しているいつきは、
ため息をつきながらあきらめたように手で顔を覆った。
ボクも同じ気分だ。
「ん? 与代ちゃん、私の顔に何か付いてる?」
少し苦笑気味に言いつつ、目を少し円くしながら、ゆかりはボク
に向かって聞いてきた。
じっと見ていたのが気づかれたか。にしても、ゆかりはこういう
視線に妙に鋭い。ゆかりは周囲の空気から浮きまくってるが、逆に
ゆかり自身の空気もどこか読みきれないところがある。
──怖い?
単なる恐怖とは違う、けど、確かに底知れないという不気味さは
感じている。
「与代って、ホントはゆかりのことが好きなんだろ、このレズっ娘」
「何バカな事言ってんだよ、ったく」
ボクはそう言って鼻で馬鹿にしたのだが、ゆかりはその言葉に対
して、
「えっ、そ、そうなの、与代ちゃん」
などと、ほんのり紅い顔でのたまいましたよ、コイツは。
「私は、与代ちゃんのこと、好きだよ?」
「ななっ、な……」
「ほらー、答えてあげなよ、く・み・よ・ちゃん♪」
面白半分に、いつきはボクのわき腹をひじで突付く。
あたしは、
「ていっ」
「うわわわっ!」
ぐりんっ、ぶんっ
ボクはいつきの腕をつかみ、軽くぶん投げた。
「ふんっ!」
のたうついつきをほったらかして、ボクはカバンをてに、教室を
出て行った。
「このーっ、暴力女!」
「ほら……いつきちゃん、さっさと掃除終わらせよ?」
ぽてぽてと学校を出る。
が、途中にある公園のあたりから、ボクは急に背筋を伸ばした。
尾行[つ]けられている。
切迫した殺気は感じないが、明らかに誰かがボクの後を追ってい
る。
右の太股をスカートの上から探る。ボクの“Mr.2”、Colt ・
Python357 2.5inがそこにあることを確認する。
ストッキングを直すふりをして、パイソンのシリンダーにフル装
填されていることを確認する。こういうとき、女ならではのコスチ
ュームというのは便利だ。──もっとも、ミッションの最中にこの
フレアの制服を着るのは勘弁してもらいたいが。
とは言え、相手もエージェントなら、よほどのボンクラでもない
限り、今、武器を確認したことは勘付いているはずだ。
背中に緊張を走らせたまま、歩みが速くなったりしないよう細心
の注意を払いながら歩いていく。
途中で撒こうかとも思ったが、相手も一流らしく、一度は気配の
届かないところまで引き離すものの、またすぐに追いついてくる。
複数ではない。明らかに同一人物が1人きり。よほど優秀なエー
ジェントか、あるいは……そんなことを考えつつ、努力虚しく家の
前についてしまう。
それは、一般住宅の一部を改装した、小さな喫茶店。店名は「ブ
ルーメロン」。
どうすべきか。本気でボクの抹殺を狙っているのなら、ここで家
に入れば「ブルーメロン」の女マスター、つまりボクの姉さんに迷
惑がかかる。姉さんはボクの“仕事”について知ってはいるが、姉
さん自身は何か特別に訓練を受けているわけじゃない。運動神経は
悪くないけど、──もっとも、“見た目の印象よりは”というキャ
プションが……げふんげふん。
それに、もし店内に、客がいたら。それこそ、まったく関係な一
般人を巻き込むことになる。
元々ボクが仕事するための基地代わりに使うための店で、こんな
住宅街にぽつねんっと小さく開業したんだけど、夕菜姉さんの人柄
のせいか、妙に人気が出てしまった。が、それが今は災いしている。
────が、
もし相手が単に“監視”を目的としているなら、ここで無謀にド
ンパチする心配はないはずだ。
周囲には姉さんのために雇ったスペシャルセキュリティが居る。
ボクをここまで追ってきたほどの腕なら、今ここで多数相手に暴れ
る愚は犯さないはずだ。────いや、ボクの記憶の中に1人だけ、
例外がいるにはいるが……。
「ええい、ままよ」
迷っていてもしょうがない。
どのみち殺る気なら、どこにいたって同じだ。下手に人ごみにな
んかまぎれたら、ますますひどい結果にもなりうる。
ドアに手をかけ、中に入る。
ドアベルがカランカランとなった。
「あっ、くみちゃ〜ん」
一瞬、気の抜けるような声と、やっぱり緊張感のかけらもない笑
顔……が、夕菜姉さんのトレードマーク────
が、今日はその満面の笑顔がなかった。
何があった、まさか、カウンターに並んでいるこの客の中に……
?
それとも……
そう考えながらも、ボクは平静を装って、カウンターの奥から母
屋の中へ入ろうとした。どのみち、6連発のパイソンとローダ一個
分の予備だけじゃ勝負にならない。イーグルか、或いはサブ・マシ
ンガンの類でも……。
そう思って母屋に上がろうとすると、夕菜姉さんが私に近づいて
きて、すっと紙片を差し出した。
「え、エディさんが……」
自身ではできる限り平静を保ってるつもりなのだろう、だが、明
らかに緊張した声で、姉さんはボクに告げた。
ボクも内心の驚愕を殺し、平静を装って紙片を受け取ると、母屋
の階上、自室へとむかった。
エディは、ボクのサポートをするナビだ。情報整理から、実戦時
のバックアップまでこなす。見方によっては、エージェント自身は
手足にすぎず、優秀なナビこそが真に貴重な存在といえる。
だが、エディ自身もエージェントとしての実力は高い。そうでな
ければ、“無茶苦茶小僧”のボクのナビは勤まらない。そういう意
味でも、エディは“NASTY BOY”に欠かせない存在だ。
紙片を開く。『午後6時までに、埠頭に来い』。まるで陳腐な台
詞。
「…………」
制服とストッキングを脱ぎ散らかす。しわになるとか、電線とか、
かまっていられない。表情がきっ、と引き締まる。下着も外してし
まう。かわりに着る、黒のレオタードスーツ。下着は、上にソフト
ブラ、下には何もつけない。その上から、もう一枚、キュロット・
スカートだけを履く。
箪笥の引出しから、黒い塊を取り出した。ISRAEL Military
Industry、Desert Eagle III .357。オートマチック・マグナム。
アメリカのガン・アクションで有名になった.44モデルの陰に隠れ
てはいるが、ハンド・キャノン──デザート・イーグルの2つ名─
─として軍用に使うならともかく、単独で行動するエージェントに
とっては、とり回しやすく、かつ、ストッピング・パワーに充分な
.357マグナムの方が向いている。
イーグル357の弾倉がフルであることを確認し、さらに勉強机の
引出しから、.357Mag弾を取り出す。そして、6発だけ、同じ.357
口径だけど異なる弾頭の弾丸を、パイソン用のローダに詰めて、一
緒にウェストポーチに詰め込む。あまり使いたくないけど、万一を
考えて──真鍮の弾頭を削り、軟鉄で封をした軟頭弾。第一次大戦
後、非人道兵器としてヴェルサイユ条約で禁止されたダムダム弾、
それと目的は同じ。
パイソンは先ほどまでと同じ、大腿部のホルスターに、そしてイ
ーグル357はセイフティを外してからショルダーホルスターに収め、
その上からジャケットを羽織る。
ごくり、と息を飲んでから、ストップ・ウォッチのスタートボタ
ンを押す。セイコー製のクォーツ・アナログ。それを首から下げて
ポケットに押し込むと、たっ、と小さな足音で部屋を飛び出す。
2階から直接つながっている、ガレージに降りる。
「デリカティーナ!!」
私が声を放つと、キュルンッ、とK6Aエンジンの軽いセル音が
ガレージに響く。
その小柄な車体のドライバーズ・シートにすっ、と飛び込む。ガ
レージのシャッターは既に開いている。
「System Check... System CODE NK-1125.
Artificial Intelligence System.
Condition All Green,
Hellow Master, My Name is “DELICATIENA”. Where is ?」
ピピッ、と電子音を発しながら私に語りかけてきたコンソール。
車載人工知能システム、名前はデリカティーナ。この子は直結した
この車体のシステムを自在に操る。場合によっては無人運転だって
できる。
このシステム──いや、普段からボクは彼女の人格を“彼女”と
呼んでいるけど、とにかくこの子とボクが出会ったのは2年前のこ
と。彼女はまだ“身体”を持っていなかった。
人工知能搭載の車といえば有名なのはナイト2000だろう、或いは
ボンド・カーや、デロリアンみたいな車にも似合うかもしれない。
その頃ボクはもういっぱしの一流エージェントだったから、彼女に
そういった“身体”を買ってあげることも出来た。
ただし、それをボクが乗り回すわけには行かない。年端も行かな
い女の子が天文学的金額の外国スポーツカーを乗り回していたら目
立って“仕事”にならないし、住宅街の小喫茶のガレージに停まっ
ているのだって不自然だ。そして、デリカティーナは“走らないオ
ブジェ”になることを望まなかった。
今、この子の身体になっているのは、TA-HN22S・DBSJ-D8。
商標名、スズキ Kei Works。
ガタイこそ小さいが、ワン・メイク・レーシング、アンダーリッ
タークラスの実質上の王者にのみ冠されるスズキ・ワークスの名を
持つ。
カスタムチューンに耐えられないからという理由で、リコール対
象になるもっとも小さい公道車。ダテに、標準で10,000rpmまで回
転計が刻まれているわけじゃない。
もちろんこの車体もそのドノーマルじゃない。EPIの書換えは当
然、インタークーラーはコア増し、TD025をもう1基搭載したツイン
ターボ・仕様だ。
至高の傑作といわれた先代F6Aを継いだオールアルミエンジン、
K6Aが、ボクのアクセル操作に応じて咆哮を上げる。それを受け
止める4WDシステム。黒い弾丸はしっかりと道路に吸い付く。た
だハイパワーなだけの大柄な外国スポーツカーには出来ない芸当だ。
「ラヴ・コールが来ちゃってね、のんびりしたドライブは出来ない
んだ」
「Pi……FuFu、普段からのんびりしたドライブなんて経験していま
せんよ」
「それもそうか」
ボクはくすっと笑った。デリカティーナの存在が一番ありがたい
と思うときがここだ。どんな危険なミッションの前でも、彼女との
会話で、心に余裕が出来てくる。
既にHN22Sは都市高速の上。アクセルを遠慮なしに開ける。セカ
ンダリー・タービンのブローオフ音。ブースト計の針がレッドゾー
ンすれすれに貼り付く。この瞬間、シャシダイに乗っていれば110
psは簡単に突破しているはずだ。ボクはナンパ野郎御用達のT社製
スポーツカーに一瞥とともに投げキッスをくれて、行儀悪くすり抜
けるように追い越した────
バムッ……
デリカティーナから降り、ボクは指定された埠頭の先端へと向か
う。
埠頭といっても、ここは観光用に整備された場所で、プラットホ
ームの両側には柵がある。
だが、まもなく約束の時間だというのに、人影がない。遮蔽物か
らもある程度はなれているここでは、姿を晒さずに現れることは無
理だろう。
いや、まさか海中から……
そう気づいて、気配を読もうとした、まさにその次の刹那───
─
ビュッ
“敵”は意外にも、真正面から疾風のごとく迫ってきた。
不覚ッ──
そう思いつつも、反射的に身体はその抜き手をかわしている。
シャッ
そのまま前転するように踵落し。ボクは仰け反るようにして避け、
そのままバック転して直立の体勢に────
ビュッ
ゴッ
疾風のごとく迫る相手の連続攻撃に、ボクは強く蹴って右側に避
けた。靴底は防振ゴム製で、その内側に鋼を仕込んである、その靴
がコンクリートを削る。
速い、これは追いつけない。
あとは一瞬の動きを読んで、相手を止めるしかない。
ヒュンッ
ボクを飛び越えるように、顔面にチャランポが迫る!!
だが、それは予見ずみだっ!
大柄な黒い人影が突き出す膝蹴りを、今度は跳躍せず、小柄な自
分の身体を低くして下をすり抜ける。
そいつは慌てて構えなおす、が、遅い。
「Check Mate」
男の胸郭に、イーグルの銃口を突きつける。既にハンマーも起こ
されている。相手は武器を手に持っていない。体技を繰り出そうと
しても、ボクが引き金を引く方が早い。
「どうかな。ポンピング音がなかったようだが」
目の前に現れた、屈強な……だが、けして無骨ではない、金髪碧
眼の男。
「アンタ、殺気がなかったから」
銃口を突きつけたまま、表情を崩してボクは言う。
「成る程、噂どおり甘い面もあるってわけだ?」
「どうかな。試してみる?」
男が少し馬鹿にしたように言ったので、ボクはキチ、とトリガー
を鳴らした。
「女心を357マグナムで試す度胸があるんなら♪」
にっこり、満面の笑み。
すると、男はなぜか青ざめてゴクリ、と喉を鳴らした。
「OK、やめておくよ。俺が悪かった」
といって、両手を上げる。
「それが懸命だね」
ボクはそう言って、親指でイーグルのハンマーを戻す。
「Ya-Ya-Ya-。フォスの旦那、どうっすか、うちのTomboyish -
daughterは?」
と、軽口なんぞ叩きながら現れたのは、肌の色の濃い、少し小柄
な男。
「っ、エディ、こんなところで何してんの!?」
「いやぁ、今回のクライアントが、どうしても先に自分でクミの実
力を見たいって言うんでね、ひと芝居売ったってわけだ」
「一芝居って……まさか、姉さんもグル?」
「No。ユーナは知らないヨ。彼女もクミに対してはすぐにボロが出
ちゃうからね」
確かに……姉さんはウソが苦手だ。まぁ、大人だけに完全に清廉
潔白ってわけでもないが、少なくともボクに対してはすぐに顔に出
る。
────って事はつまり、コイツはボクと姉さんと姉妹そろって
騙そうとしたわけで。
「この野郎! 乙女心を弄びやがって! 許さん!」
0.8秒の神業で、イーグルを抜く。
「うわっ、クミ、ちょっとしたイタズラ心だっ、勘弁してくれっ!」
「うるさい、死ねっ! 今すぐハチの巣になって逝けっ!」
──やはり……
一度マガジンを装着した後、装填して薬室内に1発送ってしまう
と、マガジンに1発分の余裕ができる──セオリーとは言え、その
状態のオートマチックをセイフティもかけずに懐に入れてくるとは
…………“NASTY BOY”の名は間違いというわけでないようだ……
同じエージェントとして、シングル・アクションで威嚇射撃して
見せた与代の姿を見て、私──大統領直属情報機関“ID13”所
属特務少佐、エルヴィン・フォスは戦慄を覚えざるを得なかった─
───
>>674-686 以上、名前もちょっと飾りっ気出して、ボクっ子にしてみますた。
でわでわ
裏岡崎・裏春原の続きはまだですか?毎日楽しみにしてます。
【ニセKanon8日目】
(祐サイド)
1月13日水曜日、妙に前がさっぱりしている気がして鏡を覗いたら、前髪が切りそろ
えられていた。これは真琴ちゃんの仕業に違いない。
まあどのみちそろそろ切ろうかと思っていたからまあいいか。幸いきれいに切りそろえ
てあるしね。真琴ちゃんはかなり器用なようだ。
さてそれはそれとして今までの例から言って雪人が無傷とは考えにくいね、さあ向こう
はどうなっているんだろうか?
朝食の席で見たら、得意げな真琴ちゃんの横に、もみあげを片方だけ切られて不機嫌そ
のものの表情の雪人がいる。はいご愁傷様。でも本音はちょっとざまあみろかな、人の肉
体的欠陥をズバリと指摘してくれた報いだよね。
今朝は美汐ちゃんと澪ちゃんが誘いに来てくれたんだけど、人見知りの真琴ちゃんはび
っくりして部屋の奥に逃げ込んじゃった。
うーんこんなじゃあ困るなあ、真琴ちゃんに友達が出来るように何か手を考えてみよう。
そうだ明後日はお休みだから、この二人と歩君や栞ちゃんを誘って遊びに行ってはどう
だろう。そう言えば美汐ちゃんはものみの丘に行きたがってたよね、よし、場所はそこに
決定だね。
『髪切ったの?可愛いの』
「ちょっと清楚な感じで素敵ですね」
「えへへ、ありがとう。でもこれ本当は真琴ちゃんの悪戯なんだ」
『真琴?』
「誰ですか?」
「ああ二人とも名前は知らなかったんだよね。うっかりしてたよ」
それで真琴ちゃんのことを説明して、ついでにものみの丘ピクニックを提案。幸い二人
とも快く賛成してくれて良かったよ。
そうだ、歩君や栞ちゃんに会ったら誘ってみようかな。
なお雪人は髪をどうにかするのに手間取ったみたいで遅刻してきたよ。
昼休み、長森さんから金曜日のことでお誘いがあったけど、ものみの丘に先約があるか
らってお断りをした。
その時、偶然里村さんと目があったんだけど。どこか様子がおかしかった。なにか「つ
かさ」とか言ったように聞こえたけど、彼女ものみの丘に思い出があるんだろうか?
ところで前に雪人にはさんざん脅かされたけど、折原君は結構いいやつだと思う。確か
に長森さんや七瀬さんを困らせているけど、あれは彼なりのコミュニケーションの手段だ
と思う。相手が本当に嫌がることはしないし。
それにどうも、長森さんには甘えているだけのような気もする。
放課後商店街で歩君と栞ちゃんを発見、声をかける。
「「おーい歩(君)、栞ちゃん」」
うん、声がはもった。誰?それで声のする方を振り向いたら、祐君がいた。
「もしかして、あんたが相沢祐?」
すぐわかってくれて嬉しいなあ。
「そうだけど、祐君だよね。久しぶり」
「こんにちわ祐君、祐ちゃん、3人そろったのは7年ぶりだね」
「あれっ、皆さんお知り合いだったんですか?」
「あっ、うん幼なじみかな」
「まあそんな感じ」
「7年ぶりの再会なんてまるでドラマみたいですね」
改めて言われてみるとそうかもしれない。
「しかし祐、可愛くなったな」
そうやって誉められるとなんだか照れるよね。
「祐君こそ相変わらず格好いいよ。おまけにスタイル抜群で見違えちゃったよ」
しかしわたしのまわりの女の子はなんで美人さんばっかりなんだろう?どうも劣等感を
感じちゃうよね。
さて再会の喜びでピクニックのお誘いを忘れていたら、祐君に先を越されちゃった。
歩君と栞ちゃんは祐君のお誘いに付き合うことになった。わたしも誘われたけど、先約
があるからってお断りした。
その後、歩君がなにか捜し物があるとかって言ってたから、みんなでお手伝いしたんだ。
でもね、どこでなくしたかも、どんなものかわからないんだから見つかるわけないよね。
家に帰ってから真琴ちゃんにピクニックの話をした。最初は渋っていたけど、おやつに
肉まんをつけるって言ったらOKしてくれた。
ふむふむ、真琴ちゃんの扱い方のこつがだいぶんわかってきたかな。
(祐風サイド)
朝いつも通り雪男を起こしてジャムトーストを堪能していたら、秋子さんがオレンジ色
のジャムみたいなものの入った瓶を取り出してきた。なんだろう?
「たまにはこんなジャムはいかがですか?余り甘くないですけど」
「へー、秋子さんの新作ですか。どんな味がするのかな?」
その時、雪男が丁度顔を出したんだけど、その瓶を見た途端に、
「あっ、お母さん、今朝は用事があって早くいかないと駄目なのを忘れてたよ。朝ご飯は
いらないからね」
そう言い残して駆け出していった。やつがジャムを食わないなんて珍しいことも有るも
んだな。まあいいか、折角のお勧めだから新作いただきまーす。
一口食べたその瞬間、あたしも急用を思いだして、その場から逃げるように立ち去る羽
目になった。もちろん、あたしを見捨てて逃げた雪男に、後で鉄拳制裁を加えたのは言う
までもないよな。
「祐風後免よう。仕方がなかったんだよー」
昼休み、明後日は祭日だけど、どこかに遊びに行かないかって潤佳からお誘いがあった。
それはかまわないけどメンバーが問題だ。あたし、潤佳、しのぶ、雪男に美坂まではいい
として、残る一人がアンテナだよ。
これじゃあまるでトリプルデートじゃん。そりゃあ潤佳としのぶはいいよ、お目当ての
相手と二人っきりを狙うんだろうけど、あたしがアンテナと取り残されるなんて冗談じゃ
ないよ。
本音は絶対に断わりたいけど、潤佳としのぶが怖い。断わったら明日の朝が拝めそうに
ない。おまえら友達我がないぞー。仕方ないな、条件を付けるか。
「友達を数人誘いたいんだけどいいかな?」
「別にいいけど」
よし、歩と栞ちゃんでも誘うか。そうすればアンテナは栞ちゃんとペアになるだろうか
ら、あたしは歩をからかって時間をつぶせばいいわけだ。うん、この手しかない。
その話が一段落付いたところで、アンテナが変なことを言い出した。
「なあ美坂、お前に妹っていたっけ?」
「いや、俺に妹なんていないよ。けどなんだよ北川唐突に?」
「ただ聞いてみただけさ、たいした意味なんかないよ」
「そうだね北川君は唐突だからね」
「こんな兄貴を持ったわたしの苦労を察してよね」
北川の言ってた妹って栞ちゃんのことだな。ボケの雪男や潤佳は気がつかなかったみた
いだけど、美坂の様子はかなり怪しい。アンテナ、もとい北川が、一瞬とは言えいつにな
く真剣な表情だったも気にかかるところだ。
しかしなんだろうね、兄弟げんかでもしてるのかな?それとも本当に他人かな?まあど
っちにしてもあたしには関係ないよな。
放課後歩や栞ちゃんを捜していたら、相沢祐と再会した。
祐は成長して多少大人っぽくなった以外は、変わっていないようだ。相変わらず可愛い
し、素直な良い子な感じで幾分引け目を感じたりする。
もっとも体は余り成長していないようで、それだけは勝ったと思えるな。……どことな
く、むなしい。
その後首尾良く歩と栞ちゃんを誘うことに成功、これでまあ大丈夫では有るんだろう。
きっと、多分、どうにか……。
>>689-692 秋子さん始めての台詞かも。やっと祐と祐風が遭遇。
現時点における登場人物を少し整理。(祐、祐風視点)
祐側、明子さん(叔母さんで家長おっとり系)、雪人(明子さんの息子で従兄弟、口が悪い)
真琴(なぜか雪人につっかる記憶喪失の居候少女)
折原浩平・長森瑞佳・七瀬留美・里村茜(クラスメイト)、柚木詩子(茜の親友らしい)
澪・美汐(ご近所の後輩)、歩(7年ぶりに再会した幼馴染、弟みたい)
栞(歩の友人)、北川(栞の友人らしいキザ男)、謎の金髪少女(北川の妹らしい)
みさき・雪見(先輩)、相澤祐風(7年ぶりに再会した幼馴染)
祐風側、秋子さん(叔母さんで家長、すごい人)、雪男(秋子さんの息子で従兄弟、ボケ男)
潤佳・しのぶ(友人)、美坂(クラスメイト)、アンテナ(迷惑この上ない変態馬鹿)
歩(7年ぶりに再会した幼馴染、からかいがある)、相沢祐(7年ぶりに再会した幼馴染)
舞人・佐祐理(謎の先輩)、栞(謎の下級生)、折原?(偶然であった迷惑男)
長森?(迷惑男の保護者?)
>>674-686 これはカッコいいエージェントさんですね。
それでいてスレンダーなボクっ娘という辺り、微妙なミスマッチ感がまたグッジョブ。
>>689-692 ついに二人の遭遇キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
これでまた金曜日にはものみの丘で一同ばったり、ってことになるのか?
登場人物リスト見てると、北川(アンテナ)に対して祐と祐風で見方がまるで違うんだな。
しかしどっちにしろ低評価なわけだがw
>>694 どうもありがとうございます。
あと、喫茶「ブルーメロン」について補足(=言い訳)。
ええ、2週目で夕菜さんシナリオに入っちゃった俺が悪いんです。
だってアレを見てしまったら、他のシナリオにのめりこめなくなっちゃうじゃないですか。
というわけで、「Loutes」では最初から「NASTY BOY ファミリー」の一員になってもらいました。
>>688 積みゲ消化ちう
今やってるリアライズがもう終わると思うんで
今日明日には続き投下できる・・・ハズ。
さて、お仕事逝ってきます('∀`)
>>696 裏表の職人さんカキコキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
待ってます(´∀`)
裏表ハァハァ
突然のドアを叩く音によって私の穏やかな時間が奪われる。
この部屋を訪ねてくるなんて、いったいダレよ…。
面倒に思いながらもドアを開けると、かわいらしい少女が立っていた。
「なにか用?」
「あ、あれっ?」
すみません間違えました、と少女が去って行く……なに?
ベッドに寝転がってのんびり雑誌を読み耽っていると、再びドアが叩かれる。
「今度はなに?」
「あ、あのっ、ここおにいちゃんの部屋ですよね?」
お兄ちゃん? ああ、そういえば春原が妹が来るとか言ってたような気がする。
とりあえず彼女を部屋に入れてやり、お互い自己紹介をした。
彼女と話していると、どっかのバカ兄と違いしっかりとした妹であることがわかった。
「あれ? 芽衣、もう来てたのか」
何故か私が春原の部屋を芽衣ちゃんと一緒に掃除して、
疲れて休んでいるところに春原が帰ってきた。
ちっ、これからおもしろおかしく彼の生活を話そうとしたのに。
「お、部屋片付いてるじゃん、ラッキー」
ムカつく、部屋が汚いのは殆どこいつのせいなのに。
「あ、おにいちゃん」
「お帰り、とりあえず殴っていい?」
「なんでだよっ!」
殴りたかったが、妹の目の前で兄を殴るのも気が引けるので我慢することにした。
「まあいいわ。 で、芽衣ちゃんはこれからどうするのよ?」
「え、何がですか?」
「いや、泊まる所とか。 ここで寝泊りするの?」
「できればそうしたいんですけど…」
このバカの為にわざわざ来たのだ、宿泊費ぐらいは節約させてあげたい。
「まあ、ベッドで寝ればいいけど。 春原、あんたは野宿ね」
「ここ僕の部屋なんですけどねぇっ!」
「だって狭いじゃない、あんた消えたら?」
「凄い酷いことさらりと言うなよっ!」
三人でこの部屋はちょっと厳しい。
無理すればなんとかなるかもしれないけど。
「芽衣がどこかに泊まればいいじゃないか」
「春原、この部屋で一番偉いのはダレ?」
スッと目を細めて春原を威圧し、指の骨を鳴らしながら聞く。
「お、岡崎朋美さんです…」
「そうね、じゃあ芽衣ちゃんはここに泊まるの。 はい決定」
ちっ、と舌打ちをした春原を睨む。
納得のいかない表情をして彼は顔を背ける。
「さて、私はどうしよ? 一緒にベッドで寝ていい?」
「えっ? 岡崎さんもここに泊まるんですか?」
あ……しまった、そういや私がここに居ついていることを話していない。
私が必死に言い訳を考えていると、春原が笑いながら言う。
「ははっ、岡崎は僕のコレだよ。 同棲ってやつ?」
ちょいちょいと小指を立てて、馴れ馴れしく肩を組んできた。
「チェストォッ!」
その瞬間、私の叫びと同時に渾身の突きが春原に炸裂する。
いい手ごたえがした、さらに攻撃を重ねようと悶絶している彼に近づく。
(ま、まて、落ち着け、芽衣の前では僕の彼女って約束だろっ)
春原が小声で言ってくる、芽衣ちゃんは唖然と私達を見ている。
(……そういえばそんなこと言ってたわね)
(だから僕に話を合わせてくれよっ)
(まあ、いいけど、次馴れ馴れしく触れたらポキっといくからね?)
(別にいいじゃないか、減るもんじゃないだろ?)
減るのよ、あんたの寿命がね。 ヒュッと右手を動かして春原の首を掴む。
特に力をいれず、軽く触れる程度に手加減する。
芽衣ちゃんからは見えないように体を動かし、彼の耳元で囁く。
(……あんまり怒らせないでね、最近ストレスが溜まってるの…)
(ひ、ひいぃっ)
はぁ、ちょっと言い過ぎたかもしれない。
けどベタベタと引っ付かれても困るし、たぶん私は我慢できない。
どうも最近怒りっぽくなったような気がする。
カルシウムが不足しているんだろうか。 いや、疲れが溜まっているのかも。
もうちょっと気楽にいけばいいんだけど…。
深刻に考え過ぎているのだろうか、私ってそんなに心配性だったっけ…。
とりあえず目の前の怯えている春原の頭をぽんぽんと叩く。
「わかったわよ、軽いスキンシップ程度なら許してあげる」
「え? 本当か? おっぱいはオッケーなのか?」
「はいはい、そのうちね」
「マジかよ! よし、頼むぜ、絶対だぞっ!」
喜ぶ春原を見て再び溜め息がでる、ふと芽衣ちゃんを見ると目が合った。
彼女は静かにこっちの様子を見守っている。
それにしても全然似てない兄と妹ね、どうなってんのかしら?
「なあ岡崎、今少しだけおっぱいを」
春原が言い終わる前に鳩尾に一撃をいれる。
続きを聞かずとも、なんとなく彼の言いたいことはわかった。
苦しみ悶える彼を放っておいて芽衣ちゃんに話しかける。
「ま、私もここに泊まってるのよ、理由はあんまり気にしないで」
「はあ……あの、おにいちゃんと付き合っているんですか?」
「ええ、太陽とそこらへんの石のような関係よ。 ちなみに私が太陽ね」
「どんな関係だよ! 僕がどうでもいいような例えですよねぇっ!」
春原が復活して異議を申し立てる、恐ろしい回復力だ。
「芽衣ちゃん、長旅疲れたでしょ? お姉さんと一緒にお風呂に入りましょうか」
「えっ、あ、はい」
「無視するなよ! 気をつけろ芽衣、そいつは魔女の皮を被った悪魔だっ!」
失礼なことを言う春原を昏倒させ、芽衣ちゃんとお風呂へと向かった。
何者かのドアを叩く音によって、俺の睡眠は妨げられた。
体を起こして、なんとか覚醒する。 誰だよ……新聞勧誘か?
ドアを開けると、そこには一人の少年が立っていた。
「何の用だ? 新聞勧誘ならお断りだ」
「はい? あれっ?」
すいません部屋を間違えました、と少年が去って行く。
疑問に思いながらも寝転がってウトウトしていると、またドアが叩かれた。
「今度は何だ?」
「あの……ここ、おねえちゃんの部屋ですよね?」
お姉ちゃん? ああ、そういえば春原が弟が来るとか騒いでいたような気がする。
とりあえず彼を部屋に入れてやり、互いに自己紹介をした。
彼と話していると、姉とは違いちゃんと常識を持ったしっかりした少年だとわかった。
「ありゃ? 芽衣弥、もう来てたの?」
春原姉が帰ってくる、全く似ていない姉弟だ。
「芽衣弥、紹介しよう。 これが俺の飼っている珍獣、ゴールデンスノハラだ」
「誰が珍獣ですか!? 人間ですよ、人間っ!」
彼女は大声で抗議してくる、ノリが悪い奴だ。
ここで翼を生やして空を飛ぶぐらいのノリを見せて欲しい。
「まったく、恋人に向かって失礼ですよ」
「はあ? 誰がおまえの恋人なんだ?」
「あんたですよ、あんたっ!」
必死な表情で春原がガクガクと俺の肩を揺さぶる。
あ、そういやそんな役を頼まれていたような気がする。
「ああ、そうだったな。 どうでもいいから忘れてた」
「どういう意味ですかぁっ!」
春原が騒ぎ出す、芽衣弥はほったらかしだ。
しばらく彼女を適当にからかって、改めて感動の姉弟の再会となる。
「おねえちゃん、本当に岡崎さんと付き合ってるの?」
「ええ、それはもう激ラブ相性バッチリ世界遺産ですよ」
遺産なのかよ、彼女を相手にするのは疲れたので放っておくことにする。
「芽衣也、泊まる所とか決めてる?」
「ん? ここに泊まるんじゃないのか?」
おかしな話だ、確かにここは狭いが泊まれないことはない。
「えー、ここに泊まるの?」
嫌そうに春原が芽衣也に聞く。 何故嫌がる、相変わらず分からん奴だ。
「別にいいじゃないか、金が勿体ないだろ?」
「うー、そうですけど…」
ごにょごにょと小声で春原は文句を言う。
芽衣也を見ると、彼は少し困った顔をしている。
「なにが不満なんだ?」
「酸素とか……薄くなっちゃいますよ?」
「ならおまえ呼吸禁止な」
「死んじゃいますよぉ…」
ワガママな奴だな、つーか酸素が薄くなるってどんな部屋だよ。
仮に薄くなっても窓を開ければ解決する問題だろう。
「だって……エッチできないよ?」
「しねぇよ」
誤解を招くような事を言うな、しかも弟の目の前で。
「芽衣也はここに泊まりたいのか?」
「できれば……なるべくお金は節約したいので…」
うむ、素晴らしい少年だ。 金の大切さをよく理解している。
「ということだ、優しい春原は泊めてやるよな?」
「う……うぅー」
よし、決まりだな。 あとは…。
考えこんでいると、春原が聞いてくる。
「ねー、本当に泊めるの?」
「あのな、わざわざ弟が来てくれたのにその態度はないだろ」
「来てくれなんて言ってませんよ、芽衣也が勝手に来たんじゃん」
「おねえちゃん…」
はぁ、頭が痛くなってきた。 なんつー姉だ。
何をそんなに嫌がってるんだか、いい弟じゃないか。
「春原……おまえにはガッカリだ…」
「え? な、なにが?」
「おまえがそんな奴だったとはな…」
「あ、い、いや、だって……その、芽衣也が…」
彼女は子供のような言い訳を小声でぼそぼそと言う。
ほとんど聞き取れなかったが、黙って聞いていると、
ちらちらとこっちの顔色を窺ってきた、どうやら終わったらしい。
「あの……怒ってる?」
「いや、呆れてる」
「う……わかりましたよ、宿泊を許可します」
渋々と春原が許可をだす。 よし、これで一件落着だな。
彼女は微妙に納得のいかない表情をしているが、大丈夫だろう。
「よかったな、芽衣也」
「はい、ありがとうございます」
うむ、なんか良い事をしたような気分だ。
「よしよし、これからは姉弟仲良くするんだぞ」
春原の頭を撫でる、サラサラとした髪はなかなかいい感触だった。
「なんかすっごいバカにされてるような気がするんですけど…」
芽衣也がここに泊まる事も決まったし、あとは…。
「寝る場所をどうするかだな」
「無理すればベッドで二人寝れますけど、狭いよ?」
「俺はいつも通りでいい」
「あの……岡崎さんも泊まっていくんですか?」
ん? あ、そういやその事話してなかった…。
「あのね芽衣也、岡崎は今凶悪な妹に命を狙われているの」
どんな妹だよ。 その後、春原はフィクション全開の理由を語った。
芽衣也はその意味不明な説明を真面目に聞いていた、素直な少年だ。
>>699-704 GっどJょぶ!!
芽衣が遂に登場か。どうなるのか気になりまつ
あと芽衣弥と芽衣也どっちなのかが引っかかりました
前者ならレブチューン最強?らしいけど
岡崎のおっぱい揉みてぇーーっ!
>>699-704 GJ!相変わらず朋美は凶悪だw
あと朋美と芽衣の入浴シーンについて
詳 し い 描 写 キ ボ ン ヌ(;´Д`)
ようやく現れてくださいましたか。ありがたやありがたや。
裏春原かわいいな。普通に萌えるよ。むしろ犯したいよ。
>>705 はわわ、今気づきました
○ 芽衣弥
× 芽衣也
いやー死にたーい(ノД`)
言い訳:前半部分はかなり前に書いたので、普通に間違えてました
「お、おっきいですね…」
「なにが?」
私の質問に答えず、彼女はジーっと私を見つめる。
疑問に思いながら視線を追ってみると、私の胸を凝視していた。
「んー、まぁ大きければ良いってものじゃないと思うけど?」
「そうなんですか?」
体を洗い終わった私は、湯船に浸かりながらニヤニヤと笑いながら聞いてみる。
「大きくしたいの?」
「あ、はい……大きくなるといいなぁって」
ふうん、ちょっと悪戯心が騒いできた。
「さ、芽衣ちゃんも一緒に浸かりましょ」
「え、でも…」
「いいからいいから」
遠慮している芽衣ちゃんを誘い、私の膝の上に乗るように浸からせる。
芽衣ちゃんの頭に私の胸に当たる。 それが恥ずかしいのか、彼女は少し顔が赤い。
「あの……おにいちゃんは普段どんな感じですか?」
「ん? ああ、まあ……食べ物に例えるとポップコーンって感じかな?」
彼の普段の学校生活とかはあまり知らないので適当に例える。
「ポップコーンですか…」
微妙な表現に芽衣ちゃんが考え込む、なんか空気が重くなった気がする。
お風呂ってのは肉体や精神を癒すべき空間だと思うのに…。
仕方ない、私がマッサージで強制的に癒してあげよう。
油断している芽衣ちゃんの胸を背後から、そりゃっと掛け声とともに掴む。
「ひぁっ! お、岡崎さんっ!」
私の突然の行動に、彼女は悲鳴を上げて抗議してくる。
「いや、おっきくしてあげようかなーと」
「け、結構です!」
真っ赤になって反撃のつもりか、えいっと芽衣ちゃんが私の胸を掴む、微妙に痛かった。
「もうちょっとソフトに揉んでくれると嬉しいかな」
お返しにさらに彼女の胸を揉む、そして芽衣ちゃんが反撃してくる。
互いの胸を狙い、お風呂は戦場となった。 その結果は私の圧勝だった。
この入浴は、久しぶりに楽しいと感じた時間だった。
712 :
707:04/07/11 16:50 ID:Lj/MLKkH
>>711 自分の願いを聞いてくれるとは・・・もう最高っす!(´∀`)
あなたを神認定します。
(´∀`)ほのぼの
【ニセKanon9日目】
(祐サイド)
怪我をした子狐を見つけて拾って帰った。一応内緒、まあ明子さんは気が付いていると
思うけど、ちょっとボケている雪人は気が付かないだろう。
そう思っていたんだけど、3日目に見つかっちゃった。
「ねこー、ねこー。ねこさんだよー」
そんなことを言って幸せ満点の笑顔で子狐に抱きついている。まあ別にいいけど、猫と
狐の区別も付かないの?
「この子は猫じゃないよ、狐さん」
「狐さん?……きつねこ、きつねこー」
駄目だこりゃ。
「フギャー、ギャー!」
どうも雪人はあまり抱き方が上手じゃないらしく、子狐はかなり嫌がっている。
「あっ、いたっ!痛いよー」
「フー、フギャー」
とうとう子狐は雪人の手に爪を立ててわたしの方に逃げてきた。
困ったなあ雪人に怪我させちゃあこのうちには置いておけないよね。どうしたらいいか
わからないけど、とりあえず子狐を抱えて家を飛びしたんだ。
「うー、きつねこさん、きつねこさん」
そんなうなり声が背後から聞こえる、雪人って本当に好きなんだね。困ったやつ。
その後は子狐は祐君に預けて、昼間だけものみの丘で遊んだ。雪人には絶対内緒。雪人
はずっと「祐の意地悪」とかうーうーうなっていたけど。そのうち諦めたみたい。
そうして楽しく遊んだ日々も終わり、もうこの街から帰らなければいけない日が来た。
この子ともこれでお別れしないと。
その日はわたしだけがものみの丘に行った。そして子狐を置き去りにして逃げ出した。
後免ね、でもいつまでも一緒に遊べないんだ。自然に帰る方が幸せなんだよ。
そんな夢を見た朝、なんだか寝ている間に泣いていたみたい。ところであの子狐元気で
暮らしているかな?明日ものみの丘にいったら元気に走っている姿が見えるだろうか?ま
あもう大人になっていてわかんないだろうけどね。
それはともかく、部屋の中がやけにすすけているけど、これも真琴ちゃんの仕業かな?
よく見ると、部屋の片隅にネズミ花火の残骸らしきものがある。真琴ちゃんも飽きないよ
ね。あれっ、もしかして泣いたのはこれが原因?
1月14日木曜日、朝の食卓はわたしだけじゃなくて、雪人も真琴ちゃんも目が真っ赤
だった。
真琴ちゃんは雪人の部屋にはどうやったのかネズミ花火を6個くらい放り込んだらし
い。すぐに気が付いた雪人が3個くらいは廊下に放り出したけど、全部は無理で結局共倒
れで二人ともこの有様、なんだかなあ……。
そんな感じで元気がないように見えたのか、長森さんが心配してくれた。それで子狐の
夢の話をしたんだ。なぜかその直後から時々里村さんの視線を感じるんだけど、どうして
なんだろうね?
授業も終わって一旦帰宅した後、真琴ちゃんを連れて明日の準備のためにお買い物。美
汐ちゃんも一緒だけど、澪ちゃんは残念ながら部活があるから別行動。
真琴ちゃんは最初はほとんど初対面みたいな美汐ちゃんがいるからおどおどしていたけ
ど、美汐ちゃんが辛抱強く話しかけていたらだんだんうち解けてきたみたい。
気が付いたら手を握り有って仲良く歩いていた。女の子同士仲良くしている様子って微
笑ましいよね。
「明日は楽しいピクニック♪きつね、きつね、きつねさんに会おう♪」
「肉まん、肉まん、大好き肉まん♪真琴は肉まん大好きよー♪」
これはちょっとだけ恥ずかしいけど。
お店の中にいるときにたまたま表を見たら、制服姿の祐君が男の子を従えて(妙な言い
方だけどそんな表現がピッタリ)歩いていた。
一緒なのはちょっと小柄で眠たそうな顔の少年で、従兄弟の雪人があのまま成長してい
たらこんな感じかな?まったく、どこであんなにひねちゃったんだろうね?
「おーい祐、その子達は友達?」
買い物が終わって歩いていたら再び祐君と遭遇したんだけど、今はさっきの男の子と別
れて一人のようだ。服も着替えていたし、一度帰ってから出てきたのかな?
「あっ祐君、まあそんなとこだけど祐君もお買い物?」
「そうだよ。夕食のお使い」
「はじめまして、祐さんの一年後輩になる天野美汐ともうします。今後ともよろしくお願
いしますね」
うんうん、美汐ちゃんの挨拶は相変わらず丁寧だね。
「あぅー、真琴」
真琴ちゃんは、さっきからわたしの後に隠れている。まあ一応挨拶できただけ進歩かな。
「あれっ、この人なんか懐かしい」
突然真琴ちゃんがそんなことを言って、祐君に抱きついた。えっ、真琴ちゃんがこんな
に簡単に人に懐くのなんて初めて見たよ。びっくり。
「祐、この子なに?」
祐君も当惑しているみたい、それはまあ当然かも。とりあえず真琴ちゃんの事情を説明。
「ねえ、祐君もしかしてこの子に見覚えない?」
「うーん、全然心当たりがないな」
「真琴も思い出せないけど、とっても懐かしいの」
もしかして、祐君が真琴ちゃんの記憶を取り戻すきっかけになるのかな。
しばらく4人で話をしていたら歩君が現れて、また捜し物のお手伝い。祐君はお使いの
途中だからすぐに帰ったけどね。
祐君を見送るときの真琴ちゃんがとっても寂しそうだったのが印象的。祐君にすぐに懐
いちゃったのはちょっぴりしゃくだったりして。
そうやって捜索作戦実施中に、雪人、さらにみさき・雪見両先輩&澪ちゃんに遭遇。み
んな捜し物に協力してくれた。いい人達だよね。
まあ無くしたのが商店街のあたりだって情報だけでは見つかるわけはないわけだけど。
でまあ結局みんなで百花屋に行くことになって、みさき先輩が先頭に立って歩き出した。
「わたしはこの杖が有れば、この街の中ならどこでも行けるよ」
「そうだね、食べ物のある所ならね」
「雪見、今の言い方は失礼なのだよ」
『でも本当のことなの』
本当に楽しい人達だね。なお、みさき先輩の食欲は相変わらずすごかった。なにせ一人
で他の7人以上食べてたけど、それでも本人曰く、軽くだって。あははは。
お風呂から上がって、部屋に入ったら待ちかまえていた真琴ちゃんに「ワッ!」て脅か
された。そんな毎日律儀に悪戯しなくてもいいと思うんだけど、どうもこれをすまさない
と眠れないみたい。うーん、難儀な癖だねー。
その後雪人を脅かそうとして逆にクローゼットに閉じこめられた真琴ちゃんが大騒ぎ。
「雪人、反撃するにしてももう少し手加減してあげなさいよ」
「そんなことをしてたらこっちの身が持たん」
まあ確かにそうかも?
(祐風サイド)
今朝は珍しく雪男と一緒に登校。でも途中で雪男は行方不明になった。なにか猫の鳴き
声がした直後だったけど、なんだったんだろう?
なおその後雪男は1時間目の授業中顔を見せなかったりしたんだな。おーい雪男、お前
一体どこまで行ったんだー?
昼休に廊下を歩いていたら佐祐理さんとばったり、気が付いたらこの間みたいに屋上近
くの踊り場で佐祐理さんの御弁当を囲んでいた。
なぜかアンテナと栞ちゃんも一緒だけど、アンテナも舞人に本能的に危険なものを感じ
たのか、佐祐理さんペースに巻き込まれたせいかは不明ながら、とにかく大人しくしてい
るからまあ大丈夫だろう。
そう言えば昨日アンテナが変なことを言ってたなあ。あたしははっきりしないのはいや
だから直接栞ちゃんに聞いてみることにする。
「栞ちゃん、この学校の2年にもしかしてお兄さんがいたりするのかな?」
「はい、いますよ。北川さんと同じクラスです」
どういうことだ、うちのクラスに他に美坂なんていないぞ。すると美坂と栞ちゃんのど
ちらかが嘘をついていることになる。栞ちゃんは嘘をつくような子だと思えないから美坂
が嘘をついているのか?
「あははー祐風さん、そんな難しい顔をしないで食事を楽しみましょう」
あたしはいつの間にか険しい表情になっていたらしい。それにしても、舞人のこととい
い、あたしの周りには謎が多いんだよね。
と、いきなり舞人に頭を叩かれた。
「祐風、そんな顔では折角の佐祐理の御飯が美味しくない」
「はいはい、わかりましたよ。すいませんね佐祐理さん、折角の雰囲気をこわしちゃって」
「佐祐理は別に気にしていませんから。きっと舞人は相手をしてもらえなくて拗ねてるだ
けですよー」
「別に拗ねてなどいない」
無表情に抑揚のない声でそう答えたけど、ちょっと顔が赤かった。
しょうがない話題を変えるか。
「そう言えば舞人、この間はなんで夜中に学校にいたんだ?」
「どういうことですか舞人、佐祐理はそんなこと知りません」
えっ、佐祐理さん知らなかったのか、ひょっとして今まずいことをいったのかな?
「佐祐理には関係ない」
舞人はぼそっとそれだけ答えて顔を背けてしまい、佐祐理さんも無駄だと思ってかそれ
以上は追求しようとしなかったけど、すごく気まずい雰囲気になってしまった。
この昼食会に呼ばれるのもこれでお終いかな?まだご招待されたのは2回目だけど。
「お嬢さんこれをどうぞ」
「ワー北川さん、どこからバラの花束なんか取り出したんですか?手品みたいで格好いい
ですぅ」
などと突然アンテナが佐祐理さんに花束を差し出すといういつもの馬鹿をやり出して、
栞ちゃんも呼応するように大はしゃぎ。
それでその場の空気がとりあえず明るくなった。もしかして狙ってやっているのか?そ
うだとすると北川に対する印象を少しは改める必要があるな。まず100%そんなことは
ないだろうけど。
放課後珍しく雪男と一緒に帰る。今日は部活は休みだそうだ。
「祐風、百花屋って店に行こうよ。あそこのいちごサンデーが最高なんだよ」
「嫌だ」
「うー、どうして?」
「どうしてもだ」
不服そうな雪男を無視してたったと歩く。いくら従兄弟でも男と二人で喫茶店に行くの
はなんか嫌だ。ただ正直にそう言うのも恥ずかしいから断固無視。
それにしてもこいつには恥ずかしいとか言う感情は無いのか?本当に脳天気だよな。
「おーい、祐君」
おや歩の声だ、本当にいつでも出てくるやつだな。学校のない時間はいつもこの近辺に
出没してるのか?それはそうと前から思っていたんだけど、歩ってなんか犬みたいだな。
まあ雪男の方もそんな感じなんだけど。
「こんにちは月宮歩です。えっと祐君とは幼なじみ。今学校帰り?」
「そうだよ、あっこのボケ男は従兄弟の水瀬雪男」
まあ一応こいつも紹介しないとね。
「うー、祐風、いきなりボケ男は酷いよ」
「事実だと思うけどなあ、じゃあ寝坊助」
「うー、それは否定しきれないけど……」
しかしあたし達は歩の前で漫才をやってどうしようって言うんだろうね。
「えっと歩ちゃんって呼んでいいかな?ぼくのことは雪君って呼んでくれればいいよ」
この言い方だと雪男は歩を年下だと思っているな、まあ本当のことを教えてやるか。
「おい雪男、一応言っとくけど、歩はあたし達と同い年だよ」
「えっ、雪男君って高校生だったの」
「歩ちゃんって小学生じゃなかったの」
やっぱり二人とも勘違いしてたのか、まあ無理もないけどな。
「ねえ祐君、今すごく不愉快なこと考えてなかった?」
「なんだかぼくもそんな気がするんだけど」
「うーん、それは目の錯覚だ」
「それは違うと思うよ」
「じゃあ聞き間違いだな」
「ごまかさないでよ」
「えっと、退散」
そのままダッシュで逃げた。
帰ったら秋子さんにお買い物を頼まれたので再び商店街に、そうしたら祐がいた。なに
か一度あったらよく会うよな。
祐が連れていた女の子にやたらに懐かれたんだけど、なにかそうするのが自然な感じが
して不快ではなかったね。
その後歩ともまた会ったけど、殺気のことはもう忘れているようだ。もしかして鳥頭?
家では雪男がまだ「うー、いちごサンデー」とか言ってた。ちょっとあきらめが悪いぞ、
まあそんなに食べたいのなら今度しのぶとでも一緒に行くんだな、お似合いだぞ。
>>721 実は真琴いぢめてたのは雪男の方だったのかw
グッジョブ。
なんかKANON系ルートが祐風に集中してきたような?
>>723 (;´Д`)ハァハァ
できればもっと表面積の少ない下着キボンヌ
神様、御早い帰還を御待ちしております。それと便座カバー
便座カバーの方で申し訳ありません、皆様……
投下開始。
「クミちゃん! それにエディさんも!」
ボクたちが「ブルーメロン」の前に帰ってきたとき、エンジンの
音に夕菜姉さんは、流石に堰が切れてしまったかのように、店の入
り口から飛び出してきた。
「大丈夫なの?」
前席からそれぞれ降りてきたボク達を、心配そうな顔で覗き込む。
「あー……大丈夫も何も、全部コイツの狂言」
ボクは脱力しきった声で言いながら、エディの後頭部を軽く小突
いた。
「あたっ、クミ、いいかげん許してクレよー」
エディが大げさに頭を抱えながら、情けない声を出す。
「うるさい、腹にナマリダマを送り込まれなかっただけありがたく
思え」
ボクは無表情のまま、小さく低い声でしかしハッキリと言う。
「とにかくよかった……2人とも無事で」
姉さんは文字通り、ふぅ、と胸をなでおろした。その後で、その
視線の焦点は僕たちの背後に移った。
小柄なデリカティーナの後部席から、窮屈そうに降りてきた長身
の男。
「……仕事の話?」
姉さんが口元に手を当てながら、聞いてくる。
「うん。あ、エディ、先に2人で中に入っててよ。ボクはデリカテ
ィーナをしまって来るから」
「OK」
──そして一行は、「ブルーメロン」店内、最奥のテーブルに場
所をうつす。
ボクが家の中から店内に下りてきたときには既に、エディの前に
コーヒー、向かいの男の前にはストレートのティー(紅茶)が置かれ
ていた。
「姉さん、ボクにもアイスコーヒー」
「はいはい」
カウンターの姉さんが、微笑みながら返事をした。
ボクは、エディの隣に腰をおろす。
「改めて自己紹介しよう」
と、金髪男はボクたちに向かい、姿勢を正した。
「私はErwin=Vos。大統領直属情報機関13局の特務少佐」
「あ、IDサーティー……うぎゃあっ!!!!」
大声で叫びかけたエディの太股を、ボクは強くつねり上げた。
「ど、どうしたのっ?」
姉さんの声。他の客が、何事かと振り返っている。
「あ、いや……ちっと手にホットコーヒー溢しちまって、アハハハ、
スマンす」
苦しくてすさまじくかっこ悪い言い訳を、エディはする。
「ひでぇよ、クミ」
と、腰掛けつつボクに対して抗議の声を上げる。ボクはそれを無
視して、フォスと名乗った男に視線を向けた。
「Independence Day 13th……まさか本当に存在していたとはね」
連邦法によって設立されているCentral Intelligence Agency……
CIAとは別に存在する、非合法諜報組織。噂には聞いていたけど、
まさか今更本人を目の前にすることになるとは。
「しかも現れたエージェントの名前が狐の将軍様と来たもんだ」
Erwin=Vos。Vosはドイツ語で狐の意味。そして、ドイツでErwin、
狐のエルヴィンと来たら、第二次世界大戦のアフリカの雄、“砂漠
のキツネ” Erwin=Rommel、ロンメル元帥のファースト・ネームだ。
もちろん、“本名”ではないのだろう。
「地獄のキツネ……と周囲は呼ぶけどね。ショーグンなどと呼ばれ
たのは初めてだ」
目の前の美男子はそう言って苦笑して見せた。
「で、そのID13が、わざわざ、ボクみたいなフリーランスに何の用
かな」
「いきなりつれないね、けれどもっともだ。しかし君に教えられる
理由は3つだけだ。まずひとつは、今の私は合衆国軍人ではなく、
日本国政府の元で動いているということ」
「納得しきれないけど、とりあえずいいよ」
ボクはそう流した。クライアントの事情に深入りしてロクな目に
あったエージェントはいない。
「そして、君たちがあの事件の体験者であるってことだ。熊野灘沖
のタンカー事故……」
「あーっ!!」
今度は、ボクの方が思わず声を上げていた。
「あの時のFV-2!」
────ボクは半月ほど前、国内の商社の依頼で熊野灘沖を通過
するタンカーの調査をしていた。
既にそれ以前に、2隻の1万トン超級スーパー・タンカーがほぼ
同じ地点で消息を絶っていた。
まるで、煙の中に掻き消えたように。
しかし、現実とは時に虚構より奇なり、というべきか。ボクが乗
ったそのタンカーも、まさにそのとおりに消えた。
そう、乗っていたボクにすらそう見えたんだ!
夜明け前のガスが出てきたかと思うと、突然。船体はその奥へと
沈み込んでいった!
何か、爆発物が仕掛けられたような様子もなかった。
破壊された痕跡もなく、突如として沈んでいったんだ!
必死で飛び出したボクは、気が付いたらぽつねん、と海面に取り
残されていた。
そこに、撮影係としてエディが、AH-64アパッチで飛んでいた。
しかし、エディがボクを助けようとした時。
現れたのが、リフトファン式垂直離着陸戦闘機……本田技研FV-2
「雷電II」。IIとつくのは、もちろん、初代が制式機(三菱 海軍局
地戦闘機「雷電」)として存在するからだ。
────戦闘ヘリの「戦闘」とは、主に対地戦闘能力を示すもの。
本職の戦闘機とやりあうのは自殺行為に限りなく近い。しかも、ボ
クたちの使っているAH-64は、UnKnown(正体不明)もいいところだ。
エディは仕方なくその場を離脱して、結果、ボクは10km近い遠泳
をさせられて……
「Sorry、“NASTY BOY”がその場にいることは知っていたが、まさ
かこんなPritty Girlだとは知らなかったんだ、お詫びする。……
……357は感じやすいんだ」
「今回だけだからね」
涼しい表情のまま言うフォスに、ボクもまた済ましたまま、机の
下のパイソンのハンマーを下ろし大腿部のホルスターに戻す。
「おかげで、仕事の内容も大体わかったよ。でも、もう一つって言
うのは?」
ボクが最後の理由を聞き出そうとすると、フォスの視線が鋭くな
った。
「“鮫”がこの件に関して動いている。目的は不明」
「鮫!?」
フォスの言葉に、ボクとエディはそろって、息を飲んで目を円く
した。
ボクはランク付けで世界ナンバーワンのエージェント。当然、そ
れとしての能力は相当なものだと思っている。
だが。
ボクをも凌ぐエージェントは、本当はまだ片手に余るほどにはい
る。
彼らは、決してランキングの上位には出てこない。ランキングだ
けを基準にしているクライアントなら気にもかけない最下層───
─そこに、彼らは潜んでいる。
なぜ?
理由は簡単、ボクのように売れてしまうと、行動が漏れやすくな
ってしまい(確かに、それを消すのもエージェントには必須の技能
だが)、本当に大きなミッションの際に枷になるからだ。
だから、決してランキングの上位には出ず、どこの誰かは決して
明かさない、闇の存在……彼らこそが“エージェント”の本来の姿
をした者たち、だ……。
フォスの言う“鮫”……
正確なNickは“Pritty Joze”。
直訳すれば、“可愛い人食いザメ”。どこの誰がこんなNickを付
けたのか知らないが、悪趣味極まりない。
だが、ポッと出の彼女(彼かもしれないが)が、半年もしないう
ちにアンダーグラウンドの世界でその名が取り沙汰されるようにな
ったのは、それだけの実力がある証拠だ。
しかも、彼女のミッションは、アメリカ合衆国関係──それも、
ペンタゴンや、CIA、FBIといった、他のフリーランスにとっ
ては、絶対とまでは言わないものの比較的アンタッチャブルなミッ
ションが多い。しかし、それほどの共通性があるにもかかわらず、
彼女の背後関係は一切が不明だ。
それほどの凄腕、と言うか、得体の知れない“お化け”エージェ
ントが動いている……もちろん、クライアントの手がかりもなし。
他のフリーランス、いや国家組織としての諜報集団であっても、警
戒視して二の足を踏むのは当然だ。
けれど、ボクは────
「面白そうだね」
と、身を乗り出した。
「やれやれ……また“NASTY BOY”の悪い癖が始ったよ……」
隣でエディが、大仰に顔を覆う。
ボクは、姉さんの持ってきてくれたアイスコーヒーをストローで
吸いつつ、エディの方を見た。
「エディだって、“鮫”の正体知りたがってたじゃない、“NASTY
BOY”の商売敵だって」
「確かにそーは言ったヨ!? けれど、何もこんな大きなミッション
じゃなくたって……」
「エディ、ボクのNickは?」
ボクがにこりと笑って言うと、エディは肩をすくめながらため息
をついて、苦笑した。
「“NASTY BOY”……OK、付き合うよクミ」
「というわけで、さらに中身の話しようか、キツネさん」
ボクが少しおどけていうと、フォスはなぜか軽く苦笑した。
>>728-733 ちょっと中途半端&萌不足で申し訳ありません。
これから便座カバーとして第二の人生を歩んでまいります。
雷電でリフトファンVTOLというと、DXのタイトルデモでせうか?(w
ということは、そのうちプラズマレーザーがバリバリと……(別の意味でハァハァ
萌虚仮閣下! お久しぶりであります!煤レ( ゚д゚)
「あのさ、この役辞退していい?」
「今更無責任なこと言わないでくれますかねぇっ!」
芽衣ちゃんはぐっすりとベッドで眠っている。
なんか私は彼女を騙すのは気が引けてきた。
「ヘタレたバカが美人で優しい少女を恋人にする、人はそれを不可能と言う」
「変なナレーションするなよっ!」
こんな兄を持ってしまった彼女に同情してしまう。
兄がこんなくだらない事で嘘をついて実の妹を騙そうとは…。
「芽衣ちゃん、ごめんね……あなたの兄は最後だけは立派だったからね…」
「勝手に最後にしないでくれますかねぇっ!」
「もうアレね、二つに一つよ」
「なにがだよ?」
「嘘がバレてあんたは自殺、嘘を貫き通してあんたは他殺される」
「どっちも死ぬじゃないか! それに他殺ってなんだよっ!」
折角兄を心配して来てくれたのに、このヘタレバカときたら。
芽衣ちゃんが不憫でならない、可哀相に…。
「本当にこのまま彼女を騙し通すの?」
「ああ、そのつもりだけど?」
「あのね……芽衣ちゃんの気持ちを考えてあげたら?」
このバカ、本当に頭の中腐ってんじゃないの?
もうちょっと妹さんを大切にしてあげるべきだと思う。
「そう言われてもな…」
「大切な妹なんじゃないの? まぁ他人の家族だから知らないけど…」
ズキリと心が痛む。 春原が羨ましい、心配してくれる家族がいることが。
頭が少し重くなってくる。 いや、羨ましくなんて無い。
家族を心配するのは当たり前のこと、私にはそれがいないだけ。
「後悔はしないようにしなさいよ?」
「ああ、そうするよ…」
なんとも面倒くさい事になってきた、この私が春原のバカの為に苦労するなんて…。
「ついでにさ、前々から聞きたかったんだけど…」
「ん? なんだ?」
「あんたさ、岡崎朋也のこと心配してないの?」
こいつが彼のことをどう思っているのかが気になる。
私のように心配とかしているのだろうか、それともどうでもいいのだろうか。
「あいつならたぶん大丈夫だと思うけど?」
ほう、随分と素敵な友情をお持ちで。 たぶんときたもんだ。
「なんでそう思うの?」
「親友だからなっ!」
親指を立てて自信ありげに笑顔を向けてくる。
アホだ、とんでもないバカだ……さすが春原…。
男同士と女同士の友情の違いか、それともこいつが特殊なのか。
「あぁ……そう…」
「羨ましいか?」
ムカつく笑顔で言ってくる。 はっきり言ってどうでもいい。
呆れた、なんておめでたい頭なの、年中桜が満開なんじゃない?
「春原、一つ私がありがたい忠告をしてあげる」
「忠告?」
「ええ、人と人の絆はね、思っている以上に脆いのよ」
そう、人の心は移ろい易い。
大切だったものがいつしかゴミになり、必要だったものが不要になる。
それは必然、いつまでも変わらぬものなど無いのだから。
「変わらない友情なんて、無いってことよ…」
「ふっ、甘いな岡崎。 僕とあいつの友情は永遠さっ!」
アホだ、正真正銘のバカがいる。
「あぁ……そうですか…」
「羨ましいか?」
なんて素敵な友情を持っているのだろう、もう彼には何も言う事はない。
本当は春原のバカが羨ましかった、彼の親友である岡崎朋也が羨ましかった。
他人をそこまで信じられることができ、信じられている彼らが――――羨ましい。
さて、もう寝るとしよう。 ベッドを見ると芽衣ちゃんが寝ている、困った…。
彼女を起こさないように隣で寝るのはなかなか困難だ。
春原もそれに気づいたのか、提案してくる。
「一緒に寝ようぜっ」
「ほう……じゃ、次は地獄で起きるのね」
私は拳を握って必殺の一撃を放つ構えを取る。
「ま、待て、芽衣が起きるだろっ」
さっきまで騒いでたくせに、まあいいか。
芽衣ちゃんも疲れているだろうし、ゆっくりと休ませてあげたい。
「あんた外で寝れば?」
「ここ僕の部屋なんですけどねぇ…」
はぁ、仕方ない、我慢して寝るとしよう。
寝るために横になろうとすると、春原が話しかけてくる。
「なあ岡崎、膝枕してくれないか?」
「……なんで? というか意味不明なんだけど…」
「癒されたいんだ…」
いきなり何言ってんのこいつ? 遠まわしに私に寝るなと言いたいの?
「1分500円でいいならしてあげるけど?」
「金取るのかよっ!」
んー、膝枕くらいはいいかな、普段彼の部屋に泊まらせて貰ってるし。
それにベッドも占拠してるし、ちょっとぐらいは恩返ししておこう。
「はいはい、わかったわよ。 眠いから少しだけよ?」
「え? いいのか?」
座って準備して待っていると、春原が頭を乗せてくる。
何故かこのまま足を上げて関節技を極めたい衝動に駆られた。
「なんか、いい匂いがするな…」
無言で平手を彼の顔面に叩きつける。
「づっ! なにすんだよっ」
「ごめん、手が滑った」
ぶつぶつと文句を言いながら彼は目を閉じ、何も話さずに静かに時間が過ぎる。
しばらくすると、彼は寝息をたてはじめた。 少しだけと言ったのに、普通寝る?
近くにあったクッションを取り、彼の頭を移動させる。 疲れた、私も寝よう…。
「さ、恋人同士の熱い夜の時間だよっ」
芽衣弥が寝たのを確認して、春原が擦り寄って来る。
「夢を見るのは勝手だが、見るのはせめて寝てからにしてくれ」
近寄って来る彼女をシッシッと追っ払う。
「なんか酷い扱いですね…」
俯き加減に睨んでくる、それを無視してお茶をゆっくりと飲む。
うむ、なかなか優雅な時間だ、騒がしい春原がいなきゃもっと最高だ。
「岡崎って童貞?」
ぶぅーーーーっ!
「ぅわっ! 何すんですかぁっ!」
思わず飲んでいたお茶を吹きだす。
「……おまえって凄いこと普通に聞くのな」
「聞くは一時の恥、聞かぬは三時の恥って言うじゃん」
一生の恥だろう……アホだ。
こいつ絶対国語の成績良くないな、もしくは間違った知識を誰かに吹き込まれたか…。
岡崎朋美という名前がなんとなく浮かんだ。
「ねねっ、どうなの? 経験者?」
「さぁな、想像に任せる」
「んー……5、6人ぐらい? とっかえひっかえ?」
本当に想像するなよ、しかもとっかえひっかえかよ。
ちょっとショックを受けた、こいつの中で俺はそんな奴なのか…。
「そんなわけないだろ」
「そう? よかったー、ちょっと焦ったよ」
「おまえのさっきの発言に俺は傷ついた、新しいお茶を持ってこい」
「へ? あーっ! なに一人で飲み干してるんですか!?」
春原の買ってきたお茶は俺と芽衣弥がほとんど飲んだ。
こいつは喋ってばっかりいたので全く飲んでいない。
「夜中に叫ぶなよ、早くお茶持ってきてくれ」
「ありませんよっ! もう……酷すぎますよぉ…」
「無いなら買ってきてくれ」
「なんでそんなに偉そうなんですかぁっ!」
「おい」
「……なんですか?」
部屋の隅で体育座りをして不貞腐れている春原に声をかける。
ちょっとからかい過ぎたかもしれない。
「がんばれよ」
「なにを!? 謝罪の言葉とか無いんですかっ!」
「気にするなよ、でっかくいこうぜっ」
「もういいっす……これ以上は泣きそうです…」
どよーんとした負のオーラが彼女の背中から見える。
「ほら、喧嘩するほど仲が良いって言うだろ?」
「喧嘩というより一方的な暴力でしたよ…」
さらに彼女の負のオーラが増し、ゆらゆらと体を揺らしだした。
しょうがない奴だな、このままじゃ末代まで祟られそうだ。
「機嫌直せよ、悪かった」
「……本当に反省してる?」
「してるしてる、昨日食べた肉ジャガに誓う」
「よく分かんないけど、なら許してあげますよ」
「さてと、俺はもう寝る」
「え、もうちょっと遊ぼうよ」
「悪いな、お休み」
寝転がって寝る体勢に入る。 春原が俺の体を揺すって起こそうとするが無視した。
ひたすら無視を続けているとそのうち静かになる。 諦めたか…。
だが俺は春原を甘くみていた、彼女はゴソゴソと俺の後ろに寝転がる。
「おい、何のつもりだ…」
「ん、ちょっと親睦を深めようと」
放っておこう、なんか今日はやけに疲れたから眠い。
「ね、もしさ、向こうの世界にいる岡崎と私がこっちに来たら…」
こっちのことなどおかまい無しに喋りだす。
眠らせてくれよ……さっきの復讐か新手の嫌がらせのつもりか?
「4人の岡崎と春原。 皆で遊んだら、きっと楽しいよね?」
楽しいというより怖い、春原が2匹もいること自体が恐怖だ。
「皆で学校行って、授業サボってさ」
サボるのかよ、それ学校行く意味無いだろ。
こいつの普段の学校生活がなんとなく頭に浮かんできた。
「皆でお昼ご飯食べて、放課後も一緒に遊んで」
きついスケジュールだな、仲良し四人組かよ。
ありえないな、想像するだけで疲れた。
「男の私ってどんな人だろうね?」
おまえに負けないアホだよ、ついでにヘタレだ。
しかし男と女の春原コンビか……うわ、相手にしたくねぇ。
春原同士を混ぜるな危険。 そんな言葉が頭に浮かぶ。
「男の岡崎は……あ、目の前にいるか…」
眠たい、だが今こいつより先に寝ると何されるか分からん。
頼むから早く寝てくれ、俺は疲れてるんだ。
「帰って欲しくないな……できれば、ずっと…」
もぞもぞと近寄ってきて、背中に春原が抱きついてきた。
突然のことに思わず反応しそうになるが、ギリギリのところで止まる。
こいつに抗議はほとんど無意味、放置してれば静かになるはず。
春原の体温を背中に感じる、彼女の鼓動が伝わってくる。
「あれ…? 寝ちゃった? おっかざっきくーん?」
あくまで無反応を続ける俺に、耳元で呼びかけてくる。
それはどうでもいいが耳に息を吹きかけるのは止めてくれ、なんか背筋がぞくぞくする。
「エッチなことしちゃうよー?」
「やってみろ、簀巻きにして外に放り出す」
「やっぱ起きてるじゃん、会話してよっ」
おまえは元気かもしれんがこっちは疲れてるし眠いんだよ。
「さっさと離れろ」
「ん? あ、ごめんごめん、つい興奮しちゃって。 ドキドキした?」
ようやく春原が離れて聞いてくる。 つーか興奮ってなんだよ。
「さぁな、ただ次話しかけたらアイアンクローな」
「あはは、あれはちょっと勘弁かな」
それを最後に彼女は静かになる、やがて二人は眠りについた。
↑ いじくってたらメル欄間違えた、気にしないでくだせぇ
744 :
元380:04/07/16 05:31 ID:iN6CGklm
>737-742
お帰りなさいー。
もうそろそろ時間が取れたら…続きが書けたら…いいな。
恐らく裏春原はもう朋也に惚れているね。
そして積極的に誘っているのに朋也は・・・
ある意味今回は朋也の方がヘタレですねw
>>745 元々住む世界が違うのに(普通の世界と性別が反転してる平行世界)
別れが辛くなる関係になるわけにもいかんだろうに…
まさか…相思相愛になると帰れないという裏設定が…((('A`;)))マサカネ
>>745 朋也にその気が無いか、いずれ帰るから手を出さないようにしてるだけじゃ?
へたれ路線も捨てがたいがw
なるほどねえ
次スレよろ
∧||∧
( ⌒ ヽ
∪ ノ
∪∪
>>750 吊るなー!
ここで脱落されたら続きが気になってしょうがないじゃないか。
確かに萌えという点ではいささか不足だが、書き込みの濃ゆさは嫌いじゃない。
自信もって我が道を行くべし。
あとどうでもいい話だが、メール欄「s」が大文字と違うか?
なんか萌虚仮氏とか元380氏とか懐かしい顔ぶれが…。
機会があったらまた何か書いてもらえると嬉しいな。
次スレは490ぐらいでかまわんことない?
萌虚仮氏は自分のHPを何とかしろと小一(ry
いやあ、表に出せないものをいろいろと書き溜めていったら、
いつの間にか表の更新がすっかり止まってしまいまして。
別に何も書いてないってわけじゃござんせんです。
ちなみに
>>750氏のクミがえらくツボに嵌ったので、
なにか描いてみようかとボツ稿量産中です。
ボツラフでもキニシナイ!!でageでください。
でもスレはsage
「蝉枝、お帰り!」
「お帰りなさい!」
「ああ、月弥、夕貴。変わりは無かったか?」
「お客さんが来てるよ」
「客?」
「はい、杜若さん、っていう…」
蝉枝の表情が一瞬ぴしり、と凍りついた。
次の瞬間、蝉枝はダッシュでリビングに駆け込んでいった。
「お前は……潔司!?」
「潔司さん、お昼前からずっと蝉枝のことを待ってたんだよ」
だけど蝉枝は、僕の言葉を聞いていなかった。
「…何用だ」
「なんだと思います?」
潔司さんは、本当にうれしそうに微笑んでいた。
「早く言え」
「遊びに来たんです。別に深い意味なんかありません。
僕は蝉枝さんの顔が見られたら、それでいいんです」
「…………」
「……蝉枝?」
蝉枝はしばらく潔司さんと僕たちを交互に見比べていたけれど、
何も言わずにそのまま奥のソファーに腰掛けた。
「さ、月弥くんに夕貴くん。もうちょっと遊ぼうか」
「いいの?蝉枝とお話ししなくて」
「はい、いいんです。…今日は、ね」
それから日が暮れるまで、僕たち3人はゲームを続け、
蝉枝はそれをずっと後ろから眺めていた。
蝉枝の視線が、いつもより少し違っていたような気がした。
「今日はありがとう。楽しかったよ」
「僕たちも楽しかったです。ね、月弥」
「はい!また来てください!」
「あはは、それじゃまたね」
「「さようなら〜」」
「蝉枝さんも、またお逢いしましょう」
「…………」
蝉枝はまだ、黙ったままだった。
潔司さんは少し残念そうな顔をしたけれど、またすぐに普通に戻って
「…それでは、また」
と言って、そして帰っていった。
「ね、蝉枝」
夕貴がお風呂に入っている間に、僕は蝉枝に話し掛けた。
「どうした」
「ちょっと、お話しようよ」
僕は蝉枝を連れて、うちわ片手に庭に出た。
「僕、気付いちゃったんだよ」
「何に?」
「潔司さんって、蝉枝とどういう関係だったの?」
「奴は何と?」
「古い友人、だって」
「そうか…」
「でも、そんなのヘンだよ。蝉枝の友達だったら、もう50年も前の人なんでしょ?」
「あの男は、私が知っている男とまったく同じ貌をしている」
「その人は?」
「私が知っている杜若潔司は、50年前に死んだ」
「…それじゃ……」
「あの男は少なくとも、何らかの目的意識を持ってお前達に近付いている。
気を付けるよう、夕貴にも伝えておけ」
「うん…」
蝉枝の言葉に、言われるままにうなづいた。
でも僕は、その言葉がウソであって欲しいと願っていた。
本当に悪い人が、あんな風には笑えないはずだから。
そう、思っていた。
760 :
元380:04/07/18 23:52 ID:s1D+WeiH
…ということで>304-306の続きを書いてみたわけなんですが…
およそ2ヶ月のご無沙汰で申し訳ありませんでした。
これからもたまに現れるかも知れませんので、
その時はまたよろしくお願いします。
それでは久し振りに回線吊って首切ってきます。
テンプレはどうしようか?
762 :
るーつ:04/07/19 01:13 ID:kNH0/m67
Side [I]
「う、おっ」
ペニスの先端へ急激に与えられた刺激が、波紋となって茎を走り、陰嚢にズシンと響く。
最後のスパートで腰を振りたて、ひときわ奥へとペニスを送り込んだとき、急にそれは行われた。
勢いつけて子宮まで嵌め込んでいた先端が、締め上げられたのだ。子宮口で。
「な……なんだよ、コレ」
思わず呻く。だけど、気持ちよさに腰が引けない。
目がかすむような快感だった。頭がくらくらする。
細めて睫毛に遮られた視界の先で、いま俺をそんな状態に追い込んだ女が口元を歪ませた。
「かなり『キク』でしょ」
ニヤリといった口の端が形作る表情は、いっそ淫蕩でさえある。股間から駆け上がった快感とあわせて、脳みそがグラリと揺れた。
でも。
遅れてやってきた射精の感覚を、俺はいつの間にか冷め切った気持ちで感じていた。
体に刺激が与えられれば、どうしたって生理的反応は起こる。
それはちっとも爽快感なんか伴わない状態で、それどころか俺は、かえって不快感が胸に沸き起こるのを覚えていた。
「……どこで覚えたんだよ、こんなの」
「んっとね、半年前の仕事で会った韓国人キーセンのお姉さんにちょっと」
763 :
るーつ:04/07/19 01:14 ID:kNH0/m67
Side [K]
「んっとね、半年前の仕事で会った韓国人キーセンの『お姉さん』にちょっと」
またいじけてる。
本当に、いい加減にしてほしい。
うんざりを表すため息を、私は寸でのところで飲み込んだ。
だから、キーセンなんていう、皐ならきっと不快に思うだろう単語を出すのも半分は嫌がらせ。
だってほら、私の言葉を聞いたとたん、皐はますます不機嫌そうな顔になる。それを隠そうともしない。
――わかってたはずなのに。
初めて体を繋いだ晩、たしかに皐はこう言った。「俺は組与が処女じゃなくても、気にしない」
まあ、大嘘だろうなということは、わかってた。しょせん高校生で、でもだからこそ、私は皐が好きになったのだから。
でも、こちらの予想よりもう少しは大人だろう、という希望は裏切られた。もちろん、悪い意味で。
だからって、私は私を偽ろうとは思わない。私がエージェントの世界に飛び込んで6年、自分の命を削って積み上げた自分自身を、覆い隠してまで誰かの傍にいたいなんて思わない。私を私のままでいさせてくれないなら、べつに相手は皐でなくても構わないのだから。
764 :
るーつ:04/07/19 01:15 ID:kNH0/m67
たとえばさっきのキーセンの話。
キーセンであることも、お姉さんであることも本当だけれど、女性なら有ってはならない器官が股間に聳え立っていたということは口には出さなかった。
MtFでありながら、同時に異性愛者だというややこしい『彼女』に、貫かれながら教えられた性技だといえば、皐はどんな顔をするだろう?
残酷な空想が胸を満たす。
怒りに赤く染まるだろうか? 失望に表情をなくすだろうか? それとも青ざめる?
それは半年前、まだ皐と結ばれる以前の出来事ではあったけれど、この独占欲の塊のような少年がどれほど衝撃を受けるか考えると、ほんの少し胸がすく。
なんて酷いと、思わなくはないけれど。
苛ついた気分は、皐とオフで会うたび膨れ上がる。
愛情が衰えたわけじゃない。だけれど。
繋がった下半身をそのままに、少し背をのばして、私は皐の首ねっこにからみつく。
首筋の匂いを嗅ぐように顔をうずめて。
「お、おい?」
不機嫌から一転、あわてた皐の声が背中に振る。
むき出しの肌になにかが触れて、躊躇うようにさすったあと、それはすぐに離れていった。
――抱きしめてよ。
ため息の代わりにこみ上げたものが胸を焼く。なぜだか目じりが熱くなった。
最初から。無理だったのだろうか。
【ニセKanon10日目】
(祐サイド)
1月15日金曜日、早起きして真琴ちゃんと雪人と3人で、サンドイッチと鶏唐とサラ
ダを準備。そうしているうちに、澪ちゃんと美汐ちゃんがやってきた。
澪ちゃんはデザート美汐ちゃんはおにぎりの担当だったけど、みさき先輩と雪見先輩が
参加することになったから、とにかく量が必要なんだよね。それで急遽雪人が荷物持ちと
して参加することになったりしてるわけ。
「えっへん、雪人は荷物持ちとして特別に真琴達のお出かけに参加させてあげるんだから、
きりきり働くのよ」
「うるさい、お前は居候のくせに生意気なんだよ」
「なによー、家主は明子さんで雪人はただの不要親族じゃない」
「俺は不要品じゃねえ。それを言うなら扶養親族だ」
「あぅー」
うーん朝からこのさわぎは勘弁してほしいと思う。
『喧嘩するほど仲がいいの』
「確かにそうかもしれませんね」
あっなるほど、そう言う可能性もあるわね。それは気が付かなかったわ。
「言われてみるとそうかもね」
「そ、そんなわけないでしょう。真琴は雪人ごとき気にかけていないんだから」
「そうだ、こんな貧相な体型のガキなんか誰が相手にするか」
はっきりいって今の言葉でこの場の全員を敵にした雪人がぼこぼこにされたのは、まあ
言うまでもないわよね。と言っても非力なわたし達4人では引っ掻くくらいがせいぜいだ
けどね。
しかし雪人って学習能力0?だって認めたくはないけど、わたしたち4人の中で一番ス
タイルいいのはどう見ても真琴ちゃんだよ。その真琴ちゃんを貧相な体型って言うことは、
わたしたち他の3人は……。
まあこの騒動の影響も有ってか、真琴ちゃんが澪ちゃんとすぐに仲良くなれたのは良か
ったと思う。そんなひと騒動はあったけど準備が出来たからさあ出発、先輩達とは駅前で
待ち合わせなんだ。
駅前の曲がり角で祐君にばったりであった。祐君は栞ちゃんや歩君と一緒。祐君達は電
車に乗ってショッピングモールに行くんだって。
駅まで歩く間に聞いたんだけど、例のタキシードの北川君も一緒(栞ちゃんは嬉しそう
だけど、他の二人はちょっと嫌そうだ)なんだそうだ。まあ楽しんできてよね。
駅前には北川君とその妹さん?の他に男女各1名、もう一人寝坊助君が遅れて来るそう
だから男女各4人か、こういうのはダブルならぬ4組デート?
それに比べて、こっちは女6人に男の子は雪人だけ。よく考えてみたら雪人って両手両
足プラスアルファに花だね。
両先輩と合流、雪見先輩は大きなバスケットを持ち、みさき先輩はこれまた大きなリュ
ックを背負っている。多分中身は全部食べ物なんだろうな。ははは。
途中のコンビニで肉まんも購入、澪ちゃんは握りセットを買っていた。
『やっぱりお寿司が最高なの』
いやまあその程度はいいんだけどね。みさき先輩が店のカレーを全部購入したうえに、
温めまでお願いしようとして、雪見先輩に強制的に止められた。
「雪ちゃん、極悪だよ」
「うるさい、この食欲魔神、TPOを考えなさい」
なにかみさき先輩の今の台詞、昔よく聞いたような気がするんだけど気のせい?
ものみの丘に着いたら、先客が3人ほどいた。一人は里村さん、あとはリボンが素敵な
すごい美人のお嬢様風の人と長身のちょっと目つきが鋭い男の人のカップルだ。
『茜さんなの、澪のお菓子づくりのお師匠様なの』
「えっそうなの」
ふーん意外な繋がり、世間は狭いね。でも里村さんどことなく寂しそうだな。
ところでも今更ながらに気がついたけど、こんな大人数で狐さん観察ツアーなんか組ん
で狐が出てくるんだろうか?どうも警戒して出てこないような気が。
あれっ、でもカップルの周りに狐がたくさんいる。すごい、無邪気に遊んだりしていて、
全然警戒してないよ。あのひと達何者?
気が付いたら美汐ちゃんがふらふらと夢遊病みたいに二人の方に近づいていくよ。
「ああ狐さん、狐さんです。可愛すぎです、もうたまりません」
「あぅー、美汐どうしちゃったの?」
『また病気が出たの』
「あの子もあれがなければねえ」
うん同感かも。
「舞人狐さん可愛いねえ」
「可愛い、動物はいい」
「狐さんも素敵ですけどこの人達も素敵です」
美汐ちゃんいきなり馴染んじゃってる。違和感0?
「あははー、いつの間にか可愛いお嬢さんがご一緒さんですね」
「えっ、あっすいません。申し遅れましたけどわたしは天野美汐。狐さん大好きの16歳
でーす」
わーまただ。狐さんのところでいきなりテンションがあがるのがすごいよね。
「可愛いお名前ですね。佐祐理は倉田佐祐理18歳ですよ」
「川澄舞人、もうすぐ18」
あれっ、女性の方はすごく朗らかだけど、男性の方は人間相手だと無愛想だよ。どっち
にしても美汐ちゃんのトリップに動じないのは大物の証拠?
その後わたしたちもゆっくりと近づいて自己紹介。狐たちが逃げないのは不思議だなあ。
ところで、一群の狐の中にじっと真琴ちゃんを見つめているのが6匹くらいいる。成狐
が2匹と子狐が4匹、親子なのかな?
澪ちゃんはスケッチブックに狐の絵を描いている。とっても温かくて可愛い絵だね。澪ちゃんの優しい人柄が良く現れているよ。
真琴ちゃんはさっきの狐たちと戯れているんだけど、すごく自然でまるで群れの一員のようにも見えるね。
それと気が付いたら里村さんはいつの間にか姿を消していた。にぎやかなのは嫌いなの
だろうか。
いつの間にやらお食事タイム。なんとなく舞人さんと佐祐理さんも一緒に御弁当を囲ん
でいたりする。みんなで声をそろえていただきまーす。
「ちょっと作り過ぎちゃったので皆さんも遠慮無く食べてくださいね」
と言うお言葉なので、ご相伴させていただきます。それで佐祐理さんお手製の御弁当は
それはもう極上で、わたし達のものとは月とすっぽん。恥ずかしい、もっと修行しよう。
「あぅー、すごく美味しい。これはなんて言う料理なの?」
「真琴さんそれは春巻きって言うんですよ」
真琴ちゃんは肉まんだけでなく中華系は好きみたい。
「佐祐理先輩、このジャガイモのにっころがしの作り方を教えてください」
「はいいですよ天野さん。これはですね……」
美汐ちゃんはやっぱり和食党?
「とにかくなんでも美味しいよ。箸が止まらないんだよ」
「なに言ってんの、みさきはなに食べても一緒でしょう」
「心外だよ、そんなことはないんだよ。わたしだって味くらいわかるよ。こんな美味しい料理滅多に食べたことないよ」
「だったら作り主にに敬意を表して、ちゃんと味わって食べなさいよね」
佐祐理さんってすごい人だ、まるでずっと前から知り合いだったみたい。
「あははー、あんまり誉められると佐祐理照れちゃいますよ。佐祐理はちょっと頭の悪い
普通の女の子ですから」
「佐祐理謙遜は嫌み。佐祐理は学年主席」
うわー、お嬢様だってのはさっき雪見先輩から聞いたけど、美人でスタイル抜群で料理
も上手い上に性格も頭もいいなんてもう向かうところ敵なしだね。
しかし世の中には本当にパーフェクトな人がいるんだねえ。
「いやあ佐祐理さんの御弁当最高。さすがはお嬢様。やっぱスタイルのいい人は料理も上
手なんですねー。祐や澪も見習うんだぞ」
おいこら雪人、確かに佐祐理さんについてはそのとおりだけど、それはあきらかにセク
ハラ発言だって。人の胸を哀れみの視線でジロジロ見るのは失礼よ。
『ゆるせないの。折檻なの』
「同感」
その後急遽密かに制作された特製芥子サンド&わさび巻を食べた雪人が、口から火を吹
いて転げ回り、最後の止めに真琴ちゃんから手渡されたタバスコジュース(こんなことも
あろうかと思って準備していたらしい)で轟沈したりしたけど些細なことだよね。
「あれ失敗しちゃった。わたし達は料理下手だから仕方がないよね」
『スタイルが悪いから仕方がないの』
「うぞづげえ、わざどだろうが」
そんな感じで今日は新しいお友達が出来たりしてとっても楽しい一日でした。
「俺は楽しくねえー!」
追伸、雪人は佐祐理さんに看病してもらってデレデレしてたから、全会一致で帰りの荷
物は全部雪人に持たせました。
それとお風呂が真琴ちゃんの悪戯でみそ汁風呂になりました。みそ汁風呂ってお肌にい
いかも?でも匂いがきついからやっぱパスね。
(祐風サイド)
くそー、雪男のやつ今日も起きやしない。早くしないと歩と栞ちゃんが来ちゃうぞ。
「おーいこら、この三年寝雪男起きんかい。名前が雪男(ゆきおとこ)だからって冬眠す
るなー!」
「くー、ぼくちゃんと起きてるおー。準備もバッチリ、電車に楽々間に合うおー」
この馬鹿野郎様は、起きて支度してる夢を見てやがる。もういっそバケツ一杯の氷水で
もかけてやろうか。
「水浸しは後始末が大変だから駄目だおー。遅刻になるおー」
確かにそうだが、人の心の中に寝言で突っ込むな。
そんな阿呆なことをしているうちに、歩と栞ちゃんが到着してしまい、結局三人がかり
で越す羽目に。この二人はアンテナぐらいしか面識がないから、あたしと一緒に行かない
かって誘ってあったんだ。
しかし今朝の雪男はいつにもまして手強い、多分昨日興奮してなかなか寝付かなかった
せいだな。と言っても十時半には寝ていたけど、やつにしては十分深夜だよな。
「うぐぅ、このままじゃあ集合時間に間に合わないよ」
「下手をすると電車にも間に合わないぞ」
「こうなったら最終手段です、この薬を使いましょう」
ついに痺れを切らした栞ちゃんが懐から怪しげな薬を取り出す。本当なら止めるべきだ
ろうがこの際仕方がない、しかし栞ちゃんどこでそんなもの調達したんだ?
「ほーら雪男ちゃん大好きないちごですよー、お口あーん」
ちょっと恥ずかしいけど、作戦のために猫なで声を出してみる。
「あーん、いちご大好きだおー。ウングウンウ…………だ、だおー!!!!!!」
雪男は苦しげな悲鳴?をあげながら部屋中をごろごろと転がり回って、あっちこちに頭
や手足をぶつけたけど、その痛みすら感じない状態のようで、さすがに気の毒かも。
あたしは栞ちゃんを抱えて早々に室外に避難、逃げ遅れた歩は雪男に跳ね飛ばされてこ
けた上に下敷きになったりもしたが、どうにかかすり傷程度で避難に成功した。
「うぐぅ、酷い目にあったよ」
「祐風、酷いよなにするんだよ」
「いや悪かった、まさかあたしもあそこまでの威力があるとは思わなかったな。栞ちゃん
今のはなんだったのかな?」
さすがにあの威力にはびっくりだね。
「はい、眠り姫も三年寝太郎も一発で起きるスーパー覚醒薬です。覚醒剤でもヤクでもあ
りませんから、そこのとこよろしく。で効き目バッチリ、人体実験大成功ですぅ」
栞ちゃんって結構過激だ、それにそう得意げに言われても困るんだけどね。
「とまあ、そう言うわけで不幸な事故だ、起きないお前が悪いんだからあきらめろ」
すんだことをとやかくいってもしかたがないし、無事?雪男も起きたことだし前向きに
行こう。雪男はプンスカ怒ってるけどね。
「うー、納得いかないよー」
「ほら、ふくれてないで支度しろ。間に合わなくなるぞ」
これは本当なので、雪男は仕方なくうーうー言いながらも支度を始めた。
「ああ、この子達を走らせるわけにはいかないから、あたしは先に行くから」
数分後いつものようにジャムトーストを幸せそうにパクつく雪男にそう言い残して、あ
たし達3人は水瀬家を出た。
駅の近くまで行ったら祐達に会った。祐の周りはなぜだか女の子が多いな。一人だけ男
が混じっていたようだけど。何で顔がひっかき傷だらけなんだ。
ちなみに祐達はものみの丘が目的地だそうだ。あいつ元気かな?
「例の狐に会ったらよろしくいっといてくれ」
「うわー、祐君もあの子のこと覚えてたんだ」
「うぐぅ、あの狐さん?なつかしいよね」
「ふむ、あのおまぬけコン吉か」
うん、祐と歩はともかく、なんでこの男が狐のことをも知ってるんだ?まっ、どうでも
いいか。それとその直後、なぜかその男は真琴とか言う子に蹴りを入れられていた。
「なにか知らないけどむかつくのよー」
祐達と別れた後待ち合わせ時間の少し前に駅前に着いたら、あたし達と雪男以外の4人
はもう来て待っていた。それで、歩と栞ちゃんを紹介。
「このちっこいのが、元たい焼き食逃げ犯前科2犯の月宮歩、こう見えても17歳の男だ。
で女の子の方が謎の薬使い少女美坂栞ちゃん」
「うぐぅ、そんな紹介ないよー」
「そうです、酷すぎます。わたしはそんなに怪しくありません」
やっぱ、この二人はからかいがいがあるなあ。
「ねえ祐風、その子美坂君と同じ苗字だけどなにか関係有るの」
さすが好きな人のことには敏感だよな。潤佳がそう聞いてきた。
「さあ知らないな。単なる偶然だろ」
ポーカーフェイスでそう答える美坂だけど、一瞬顔を背けかけてたぞ。栞ちゃんは一瞬
だけ辛そうな表情を見せたし。兄妹の間になにがあったか知らないけど、このままでよい
のかよ。
「薫、それはどういう意味だ」
アンテナもとい北川が珍しく真剣な表情で美坂に詰め寄る。
「別に、言葉通りだ」
「ちょっと馬鹿兄貴、美坂君になにをするのよ」
「あのー、その、乱暴は、その、いけません」
「北川さん。この人の言うとおりですよ。落ち着いてください」
「うっ、まあ栞ちゃんがそう言うなら」
今日も場違いに白タキシード姿の北川も、栞ちゃんの言葉で平静になったようだ。
そんな風でちょっとばかり気まずかったりしたが、とりあえずみんな落ち着いたわけ。
それでそろそろ電車がくると言うのに雪男はまだ来ない。
「もう時間ないし雪男は置いていこう」
「しょうがないな」
「そうだね、水瀬君だからしょうがないよね」
あたしの冗談半分の提案にアンテナと潤佳の北川兄妹がすぐに賛成。あたしが言うのも
なんだけどおまえら本当に友達?
「駄目です!みんな冷たすぎます、水瀬君が可哀想です」
「じゃあしのぶだけ待ってあげればー」
おやこの口調だと……ああそうか潤佳はしのぶをからかっているわけね。納得。
「そ、そんな、二人っきりなんて、そんな、そんなー」
わー、もう全身真っ赤。茹で蛸みたい。
結局、雪男は本当に電車の時間ぎりぎりに駆け込んできた。
座席の配置は潤佳がしきって、潤佳の隣がしのぶ、その向かいが美坂と雪男、であたし
と栞ちゃんの向かいが歩とアンテナだ。
「くー、電車の揺れ具合が気持ちいいおー」
「わっ、ちょっと水瀬君寝ちゃ駄目よ」
席に着いたとたんに寝るとは、雪男のやつ本当にしょうがないなあ。まったく一日何時
間寝たら気が済むんだろう?
しのぶはちょっと不満そうだったけど、そのうち笑顔になった。どうも寝顔の観察が楽
しいらしい。まあたで食う虫も好きずき、本人が良ければそれでいいけど。
なお今日は栞ちゃんが一緒のせいかアンテナがわりとまともで、それなりに会話が弾む。
普通にしてればそれなりに見られるんだけどな。白タキシードは別として。
約1時間後、雪男は目的地目前になっても起きようとしないから最終手段だ。
「栞ちゃん、あの薬まだある?」
「はい、まだたくさんありますよ」
「わっ、わー!起きたよ。たった今起きたからあれは勘弁」
作戦成功。周りの人に迷惑だから本気で使う気はなかったけど、脅しだけで起きるとは
よっぽど嫌だったみたいだな。
目的地に着いたら潤佳との打ち合わせ通り、人混みに紛れて潤佳達と離れる。栞ちゃん
と歩は承知してるし、アンテナは勝手に付いてくるから無問題。って言うか本音はこいつ
もはぐれて欲しいんだけど。
あとは潤佳としのぶが自然に二人きっりになるよう努めるはず。まあ頑張ってくれ。
「どうもはぐれちゃったみたいだけどどうする?」
白々しいけど、一応そう言ってみる。
「わたしゲームセンターに行ってみたいです」
「ぼくは別にそれでかまわないよ」
「姫君方の仰せのままに」
アンテナがやけにキザったらしくそう答える。なんと言うか、ルパンダイブかキザキザ
君か行動が極端なんだよね。
まあそんなことはどうでもいいので、とりあえずアンテナの案内でゲームセンターへ、
よく考えたらあたし達4人の中でこの中の地理に多少なりとも通じているのはアンテナだ
けだった。
栞ちゃんの希望でモグラ叩きに挑戦、まずは歩だけど。
「うぐぅ、当たらないよ。うぐぅ、また失敗。うぐぅー!」
駄目だ、あたしも下手な方だけど、こんな下手なやつ見たことがない。
「うぐぅ、難しすぎるよー」
「いや、お前が下手すぎるだけだ」
「うぐぅ」
もはやうぐぅの音しかでない?
さて二番手はあたしだけど、結果がまあ標準よりやや低めってところ。歩にやたらに感
心されたけど、かえって恥ずかしいんだよな。
三番手は言い出しっぺの栞ちゃん。
「えぅー、どうして当たらないんですか。そんな変なところから出てくるモグラさんなん
か嫌いです。あっ、そんな動きをするなんて人類の敵です」
前言撤回、歩よりはるかに下手。この鈍さはもはや才能だ。
「えぅー、一回くらい当たってください」
しかし人類の敵って、たかがゲームで大げさな。それにえぅーってなんだ?
「ふっふふ、真打ち登場。このゲームマスター北川潤がお嬢様方の敵をとって差し上げま
しょう」
一々キザな格好つけをしなくていいから早くやれ。どうせ大したこと無いんだろうけど。
などと思っていたがお見それだった。こいつ上手すぎ。
流れるような無駄のない動き、あまりのすごさにあたし達3人はもちろん、周りの連中
もいつの間にか集まってきて、さらに人が増えて終わるころにはちょっとした人だかり。
まあ白タキシードと言う目立つ格好のせいもあるんだろうけど。
「北川さんすごいです天才です。師匠と呼ばせてください」
栞ちゃん、完全に心酔しちゃってるよ。
その後もやつはあらゆるゲームで高得点をたたき出した。うーむゲームマスターの自称
は伊達じゃないね。栞ちゃんはもちろんあたしも歩ももう感心してみていることしかでき
なかったよ。それにしても人間なにか一つくらいは取り柄があるもんだね。これからはち
ゃんと北川と呼んでやるよ。暴走してないときだけはな。
で気が付いたら1時半をかなりすぎている、そろそろ腹が減ってきたな。
「さて、もうゲームはいいだろう。昼飯なににする?」
「たい焼き」
「バニラアイス」
即答かよ。それにそれが昼飯のメニューか?まあ多分雪男もいちごサンデーとか言って
いそうだが。
『いくらぼくでも、昼ご飯には食べないおー。デザートだおー』
今変な空耳が聞こえたような。……気のせいだな。うん、そうに違いない。
結局軽食コーナーに向かう。あそこならたい焼きもアイスクリームも有るだろう。でと
りあえずは全員ハンバーガーをパク付く。
その後はいよいよお楽しみのデザートで、二人は宣言通りの好物を、あたしはたこ焼き、
北川はなにかコーナーの食品を片端から食っているけど、こいつの胃袋は底なしかよ。
その後は帰りの電車の時間まで適当にぶらつく、一応帰りの待ち合わせ場所だけは決め
てあるわけだ。本当は確信犯なんだけど。
まああたしも女の端くれだから商品を見て歩くだけでも結構楽しい。栞ちゃんはもちろ
ん歩もはしゃいでいるわけだが、どうも歩の様子を見ていると小学生としか思えなかった
りするんだよね。
それにしても、北川もこうして大人しくしてればいいやつんなんだけどな。時々頭のね
じが緩むのが最大の欠点だな。
その後集合の時に、しのぶはすっかり雪男と親密な関係になれたようで笑顔満開、一方
潤佳の方は今一歩予定通りにいかなかったようで、少々お冠だったのが対照的だった。
帰りの電車の中、雪男は当然としてみんな疲れているのか寝ちゃったよ。栞ちゃんと北
川、雪男としのぶは肩寄せあって仲良くお休み、歩はあたしの膝を枕に熟睡中。起きてる
のはあたしと潤佳、あとは美坂くらいだ。
なお北川の寝顔が意外に可愛いのを発見。ところでこいつらちゃんと起きてくれるんだ
ろうな。みんな雪男なみに起きなかったらどうしよう?
>777
原作だって終盤で話が急展開するまでは、ありふれた…というのも変だが、日常なんだし、良いんじゃないか?
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テンプレ決める前にこの時が来たか……
このレスで容量超えたらスマン