『CLANNAD』一次創作『NETANNAD』 part2
1 :
名無しさんだよもん:
葉鍵板で『CLANNAD』作らない?
の次スレ。
NETANNAD作成中。
参加者随時募集中。
今主にシナリオを書いているのは◆TonksDmgqU 氏
萌王 ◆fMiHYBdWSk 氏と御旗は田畑氏ですが最近御旗氏は姿を現さず
萌王氏は執筆中とのこと。
プログラム担当は伝乃字 氏
絵の担当は紫の人氏
音楽担当はTam ◆TAM.Pf8.4g 氏 と 琉球 ◆LXg5zkRYUQ 氏
コメンテーター(不定期)コテとトリップ氏
前スレ
葉鍵板で『CLANNAD』作らない?
http://wow.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1073901921/l50
さんげと
>>1 乙。
マターリガンバッテネ( ´∀`)
テンプレにコテトリ入れるのは勘弁してけろ
6 :
追加:04/03/23 12:17 ID:H+tlnUP/
コテトリが入ってる時点で終わってる
もう近未来編以外実質無理だろ。
本物の蔵が出たらそこでおしまいだし。
このスレいったん落としたほうがいいとおもうぜ
だいたいおれもうレスつける気ないし
コテトリってどんな人なの?
何かオフ会であまりいい噂は聞いてないが
思うところはあるが、立て直さんでもいいだろ。これでいこ。
某氏がどうしても不愉快ということなら仕方ないが。
えー。なおテンプレには参加者募集中とありますが、
現在の計画ではクラナドの発売までにブツを完成させる予定です。
従って、もしその時点で不完全な枝編があれば、
その枝編は切ったうえで作品とします。
そのように完成させたあと、新たな枝編を追加してゆくなど、
ネタナドの世界を広げてゆくことに関してはおれからは何も言わないし、
また言う権利もありません。
ですが、クラナドの発売をデッドラインとして現行の企画を完了させ、
いったん区切りをつけることについては許していただきたい。
ごめん
俺がコテトリ氏テンプレに追加したから荒れかけてる
たまに現れてコメント残していくからなんとなく追加したんだけど…
正直、すまんかった。
俺はこの企画に期待してるから頑張ってほしい。
参加者募集は音師ならまだいいんじゃないか?
さすがにシナリオはすでに間に合わない気がするが。
dクス氏が抜けた時点で企画が完結する気もするし。
>>6 ありがd
DLサイト忘れるとは_| ̄|○
つうかいきなりテンプレの
>>1からずらずら固定列挙することになんも感じなかったのかねチミは
>13
いいさ。協力してくれてありがと。
もちろん音屋は大歓迎だよ。あと、絵師の参加も紫の人がオーケーなら
おれは歓迎したい。一枚絵は多い方がゲームとして面白いだろうし。
16 :
紫の人:04/03/23 22:02 ID:/R8rMojd
新スレ乙っと。
本物のCLANNAD発売まであと一ヶ月強ですな。
今月末は卒業式、一時帰省、仕事始め等ごたごたするので
作業スピードが落ちますがご了承を。
立ち絵はともかくイベグラをどれだけ描けるかが問題ですね。
てことで
>>15新規絵師参加については異論なし。
贅沢言うなら一枚絵の背景(塗り師)が欲しいといったところ。
描きたいシーンがあったら飛び入りで参加とかでもいいんじゃないでしょうか。
新規参加も各自自由でよろしいかと。
近未来編はCLANNAD発売までにしあげるという認識でやってるというだけです。
この企画が済んだら別のスレ戻ってやりたいことがたくさんありますので
俺は近未来編以外の原画には関われません。
使い回し等はご自由に。今更になりますが俺の絵の著作権はフリーってことで。
ことみは俺の両肩に手をかけ、伸びあがってキスをした。
俺は彼女の背に腕をまわして抱きしめた。
柔らかな胸が2人の間に押し潰れた。
――それが俺とことみのファーストキスだった。
叫び声があがった。
最初小さかったその声は、ゆっくりと着実に広がっていった。
長いキスを終えて俺はことみから顔を離した。
2人の唇の間に輝く糸がかかった。
二の腕を掴んでことみの身体を引き寄せ、腰を前に突き出した。
俺のペニスは濡れそぼった内股の谷に挟まれた。
くびれがクリトリスに引っかかっているのを感じた。
二度、三度と往復した。ことみの口から大きな声が漏れた。
……投下する順番を間違えた。しにてえ。仕切りなおし。
〜ジッグラト・4日目〜
翌朝。俺とことみは歩道橋の上に立っていた。
数歩踏み出せば触れ合える距離で互いの顔を見つめ、
時が満ちるのを待っていた。
ことみはうっすらと微笑んでいた。
……こいつには敵わないと思った。だからせめて苦笑で返した。
駅前のロータリーは徐々にその賑わいを増しつつあった。
穏やかな春風がそよぐ、平和な朝の風景だった。
――その平和な風景に、俺たちは火を放とうとしていた。
「芳野さんが言ってたこと覚えてる?
『いくら時代が変わっても本質は変わらない』
私はその言葉を真実だと思う。
ここには空があって、風が吹いていて、
地平線の遠くに果ては見えないけど、そんなことあるはずがない。
私たちはきっと、何らかのシステムによって幻を見せられている。
恐らくそのシステムは、あの呪いにも関与している。
バッドトリップは秩序を維持するための手段。
性的に興奮を覚えたときだけじゃない。
盗みをはたらこうとしたとき。人を傷つけようと思ったとき。
秩序を乱そうとするすべての者に、あの呪いはふりかかる。
オープンな性行為も禁忌の一つ。
たとえそれが選ばれた者同士であったとしても。
なぜならそれを見る人たちがみんな暗闇に落ちてしまうから。
それが理由でこの町の恋人たちは、物陰でなければキスの先に進まない。
その戒めを破るの。普通じゃないかたちで。
呪いの発動がどんなシステムによるものか分からない。
でもシステムはシステム。
異常な負荷がかかれば、きっと何らかの影響が現れる。
私たちはこの町に、擬似的なDoS攻撃を仕掛ける」
智代は俺たちから見えないところで町を観察している。
かすかな変化でもあればすぐ動くことになっている。
「そういうのは任せて」と智代は言った。
だから俺たちは、俺たちの舞台で役を演じる。
8時を告げる鐘が鳴った。
ビルの壁から人形の鼓笛隊が現れて行進を始めた。
鳩が一斉に飛びたった。
そこに至って俺とことみは服を脱ぎ、生まれたままの姿を観衆に晒した。
濁流のような不安が心を襲った。
だがそれはもう通り過ぎた場所だった。
はっきりと覚醒した意識をことみに向けた。
彼女は震える身体で、けれども俺を見つめ微笑んでいた。
「私は一生。処女のまま。でいると思ってた」
欄干に掴まって最後の下着を脚から抜いたことみは、
よろめくように俺に近づいた。
「それ。なのに。こんな人の見てる。中で。不思議」
「昨夜みたいに……途中で止めてもいい」
「今日は。最後まで。して。私は。しあわせ。
初めて好きに。なった。人に。一番大切。なものを。あげられる」
ことみは俺の両肩に手をかけ、伸びあがってキスをした。
俺は彼女の背に腕をまわして抱きしめた。
柔らかな胸が2人の間に押し潰れた。
――それが俺とことみのファーストキスだった。
叫び声があがった。
最初小さかったその声は、ゆっくりと着実に広がっていった。
長いキスを終えて俺はことみから顔を離した。
2人の唇の間に輝く糸がかかった。
二の腕を掴んでことみの身体を引き寄せ、腰を前に突き出した。
俺のペニスは濡れそぼった内股の谷に挟まれた。
くびれがクリトリスに引っかかっているのを感じた。
二度、三度と往復した。ことみの口から大きな声が漏れた。
呪詛のような呻きが周囲に満ちていた。
足下から立ちのぼる観衆の声々は大気を震わせ、
どこへも逃げられずにまた沈殿していった。
重く低い声。金切り声。あらゆる声がひしめき混じり合い、
おどろおどろしい詠唱となって耳に届いた。
どこまでも春らしい青空と太陽の下には阿鼻叫喚の地獄があって、
俺たちはその中で初めての快楽を貪っていた。
俺は夢中になってペニスの先でクリトリスを弄びつづけた。
観衆の目に触れながら互いに最も快楽をえられる行為がそれだった。
ことみはびくびくと痙攣しながら、大声で泣き喚いていた。
俺は歯を食いしばって射精を堪えた。
限界が来た。最後の加速でことみは俺の背に爪を食いこませた。
その身体を壊れるほど抱きしめた。頭が真っ白になった。
精液が驚くほど遠くまで飛ぶのを、ことみの肩越しに見た。
――そのとき。俺たちをとりまく風景が不自然に歪んだ。
わくわく。
27 :
伝乃時:04/03/24 07:41 ID:gGPZY717
公子先生の笑顔は癒されるなあ…。
町が変形していった。
道路は波打ち、ビルは高熱に溶けたように醜く曲がった。
急速に膨張しながら太陽がぐんぐんと空を駆けのぼり、
唐突に掻き消えた。
色彩が反転した。
極彩色の模様が大地を走り、街路樹に妖しい花を咲かせた。
異常な現象に呼応して群衆の狂乱はなおも高まった。
パシッ、と平手を打つような音が聞こえた。
閃光が町を埋め尽くした。反射的に目を閉じた。
再び瞼をあげたとき、色の氾濫は収まっていた。
――もうそこに町はなかった。
モノクロームの構成物が林立する無機的な空間が目の前に広がっていた。
静寂があった。俺は我に返ってことみを見た。
「ことみ!」
弾かれたようにことみはこちらに顔を向けた。
俺たちは頷き合い、大急ぎで服を身につけにかかった。
女の叫び声が聞こえた。
それは不安に戦くあの声ではなかった。
町であったものがそうではなくなったことを驚く、正常な叫び声。
はっきりと理解した。
俺たちはスメールのシステムを落とすことに成功した。
恐慌が起こった。
色彩の失われた町に人々は混乱を極め、
闇雲に動いて衝突し諍い合った。
歩道橋の階段の下に手を振る陰があった。智代だった。
俺の視線に気づくと、彼女は腕を伸ばし一方を指さした。
空間のぐるりを取り巻く壁がその先に見えた。
俺たちは群衆の間を縫って走った。
逃げ惑う者、泣き叫ぶ者、他人を傷つける者。
うずくまる者、身を隠す者、憑かれたように笑う者。
悲鳴があがった。
片腕を失った男が血まみれで地面をのたうっていた。
警官風の男が小さなメガホンのようなものを手に
しきりに何かを叫んでいた。
一人の女が警官に走り寄った。
警官はメガホンを女に向けて構えた。
女の頭が吹き飛び、首から噴水のように血柱があがった。
「きついのが出てきやがった……」
呟きは喧噪に消えた。壁まであと少しだった。
そのときビルの路地から2人組の警官が躍り出た。
――まずい。
そう思った瞬間。智代が視界から消えた。
警官が絶叫した。
低い姿勢から脚を繰り出したように見える智代の裏で、
警官が後ろによろめいた。
智代は体当たりをかけさらにその身体を押し出した。
警官の右肩が爆ぜた。
ゆっくりと倒れゆく彼の背後にメガホンを構えたもう一人の警官と、
そのこめかみを薙ぎ払う智代の長い脚があった。
呆然とする俺の胸に何かが当たって落ちた。
「ぼうっとしてる場合か!」
智代はそう言い捨てて走り出した。
足下に目を遣った。メガホンが転がっていた。
慌ててそれを拾った。
智代のあとを追おうとして、立ち止まり振り返った。
ことみが放心の表情で立ち尽くしていた。
「ことみ!」
「……え?」
引ったくるようにことみの手首を掴んだ。
そのまま彼女の手を引いて走った。
壁の色が変わり始めていた。
淡い空色が波紋のように広がり、表面を塗り潰していった。
――もうシステムが復旧しようとしている。
焦燥を胸に必死になって智代を探した。
「こっち!」
緊迫した声が響いた。
ことみを引き立て、夢中でその声に向かい駆けた。
ぼんやりと薄れゆく暗いゲートの前に智代はいた。
俺たちはもつれ合うようにその中に転がりこんだ。
どきどき。
毎日更新お疲れ。
ver0.1.8をやりました。
NETANNAD創作がんばってください。
微力ながら応援いたします。
盛り上がってきたね
実に楽しみだ。
37 :
伝乃時:04/03/25 20:16 ID:VxNj8ha2
「ウチは即戦力を求めている。君じゃ正直言って厳しい」
と言われますた。ガンガンまた面接逝くぜ。
>Tonksさん
もうデッドラインまで時間無いので、ある程度書いてまとまったら整形テキスト送って貰えますか?
就活は照準を絞るのが大事だと思うな、おぢさんは。
デッドラインまで時間ないとかあんま言わないでぇ…。事実だけどぉ…。
マスターアップという言葉を耳にするたびにビクリとくる今日この頃。
今週末にかなりキリのいいとこまで書く予定なのでそんとき送る。
ラストの方は、書いた分を毎日きみに送ることになると思う。
39 :
伝乃時:04/03/25 20:55 ID:VxNj8ha2
おぢさん!今度はガソリンスタンドか道路工事に応募しようと思うよ。
それかネットカフェのバイト。
>>デッドライン
了解しました。こっちも受け取ったら必死に組んでいきます。
薄暗い通路だった。
俺は床に膝をついてしばらく荒い息を吐いた。
隣ではことみが同じようにしていた。
智代は通路の壁に背もたれ、
厳しい目つきで警官から奪った銃器を点検していた。
「お前……凄かったんだな」
「そんなことどうでもいい」
俺の感嘆をつまらなそうに受け流して、
智代は両手で銃器を構え、通路の先の虚空に向け発射した。
「まだ使えるみたい」
「あの警官たち。この中にもいるんだろうか?」
「私に聞くな。分かるかそんなこと。
……っ! 何かいる。……人の足音じゃない。床を滑ってる?」
耳に神経を集中させるためか、智代は目を閉じて眉の間に皺を寄せた。
「機械……そんなに大きくない。気づ……かれた?
気づかれた。こっちに来る!」
智代は短くそう言い残し、思い切りよく飛び出した。
一呼吸遅れて「おい待てよ!」という俺の静止の声と、
ガラスの割れるような音が同時だった。
俺とことみが追いついたとき、
智代の前には機械の残骸が断末魔の放電を見せていた。
「何だこれは?」
「だから私に聞くな」
「この銃は俺にも使え――」
「しっ! また来る。
……今度は多い。だめだ挟み撃ちになる!」
智代は猫科の猛獣を思わせる鋭い目で俺を睨んだ。
「どっちだ?」
「――何が?」
「進む方向。前へ進むか? それとも後ろか?」
『お前が決めろ』と口から出かかった言葉を呑みこんだ。
智代が俺に決断を求めている理由は一つしかない。
こいつも必死なのだ。――俺に立てと言っているのだ。
「前へ進む」
俺の返事に智代は頷き、それから隣に目を移した。
ことみが幽霊のように真っ白な顔をして立っていた。
「ことみ!」
呼びかけてもことみは反応しなかった。
俺は咄嗟に考え、彼女の耳元に口をあてた。
「約束を破るのか?」
「え……」
「俺はまだ、もらっていない」
「……うん」
「走るぞ。ついて来られるか?」
「うん!」
きっ、と俺を見据えてことみは頷いた。そして俺たちは駆け出した。
「そこにいる! 構えろ!」
言いながら智代は発射していた。
遅れじと俺もメガホンを構えてトリガーを引いた。
強烈な反動がきて腕が跳ねあがった。
無様に腰が砕け、よろめく俺の耳の横を赤い光線がかすめていった。
髪の焦げる匂いがした。
――洒落にならなかった。
背中に入れていた風子の星を、慌てて腹の前にまわした。
結局智代が一人で機械を片づけた。彼女は俺を見て安堵の溜息をついた。
「全然だめだ。撃ち方を教えてくれ」
「こんなの私だって初めてだ」
「きっちり命中するじゃないか」
「――腕のばして、よく狙って撃つ。それだけ」
壊れた機械を踏み越えてまた俺たちは走り出した。
どうにかことみもついて来ていた。狭い通路に3人の靴音が反響した。
ふと一番先を走っていた智代が立ち止まった。
俺たちも倣った。倣わざるをえなかった。
――そこは行き止まりだった。
「どうする?」
智代がこちらを振り返った。
表情にはっきりと焦りの色が浮かんでいた。
ことみは死人のような顔で俺を見ていた。
「どうしようか」
俺は苦笑して自嘲気味に吐き捨てた。どうしようもなかった。
来た道を戻ってどうなるものとも思えなかった。
背後にはあの危ない機械が迫っていたし、
外に通じる道があるという保証はどこにもなかった。
絶望という言葉が脳裏にちらついた。
俺は半ば自棄になって行き止まりの壁に歩み寄り、思いきり蹴りを入れた。
「やっぱり崩れないか」
「そんなことしてる場合か!」
智代が目を逆立てて叫んだ。それで俺はもう完全に自棄になった。
「じゃあどんなことしてる場合だよ? 来た道を戻るか?
こんな行き当たりばったりでうまくいくわけあるか!
まったくいい加減にしろよ! もったいつけずに早く出て来いよ!
こういうときは都合よく正義の味方が現れるもんだろうが!」
俺はもうどうしようもなくて、無意味に靴の踵を床に打ちつけた。
ブンッ、と音がして――智代たちが消えた。
何が起きたかすぐには理解できなかった。
大きく息を吸って、吐いた。背後を振り向いた。
薄暗い通路がつづいていた。前に向きなおった。
その方向にもやはり通路がのびていた。
なるほど理解した。智代たちが消えたのではなかった。
――消えたのは俺だ。
2人の前から俺が消えて、どこか別の場所へ送られたのだ。
状況を理解してどうなるものでもなかった。
いつまで経っても智代たちは現れなかった。
ここを動くわけにはいかなかった。俺にできることは何もなかった。
「どうすればいいんだ?」
虚しい自問が通路に響いた。
「――飛びこむのさ。鼻つまんで穴ン中へ」
ワクワクドキドキ
続きを〜!!
マジ盛り上がってきたよ〜!!
47 :
伝乃時:04/03/26 14:28 ID:ElumggVc
嗄れた男の声だった。反射的に銃を構えて辺りを見まわした。
「……誰だ。どこにいる」
「ろくに使えもしねえのに格好つけるなッて。
敵じゃねえから安心しな。
おれはアンタに呼ばれて登場した正義の味方さ」
「何……だと?」
声は床から聞こえるような気がした。
俺は抜かりなくトリガーに指をかけたまま腰を落とした。
「それはそうとヨ。いつまでもワープポイントに立ッてねえ方がいいぜ?
雌どもはアンタのいるその場所に送られて来るンだ。
肉がガッチリ食いこンで気持ちよくお陀仏ッて寸法さ」
俺は転がるようにしてその場を離れた。
そんな話をSFか何かで聞いたことがある。
「……本当に味方なのか?
それなら姿を見せてくれ。どこにいるんだ」
「別に隠れちゃいねえヨ。おれは目の前にいるぜ?
ほらこッちだ。こッち向け」
声のした方を見ると、そこには小さな影があった。――猫だった。
毛艶のいいアビシニアンが闇に光る目で俺を眺めていた。
「……猫?」
猫が口の端をもたげて笑った。
わざとらしく「ニャア」と一声鳴いたあと、
何か革紐のようなものを口にくわえ俺の前に持ってきた。
「一度しか言わねえからよく聞きな。
もうすぐ雌どもがこッちに送られてくる。
そしたら3人ともこれを腰に巻け。簡易式の反重力ユニットだ。
地面すれすれでピンを抜けばケチャップにならずに済む」
「……いったい何の話だ?」
「説明してる暇はねえ。
この先にデカい穴がある。穴の脇には青いランプが点いてる。
そのランプが赤に変わッたら飛びこめ。
スメールが呼吸する。吐く息で外に出られる。
チャンスはそンときだけだ。二度目はねえ。精々うまくやるンだな」
それだけ言うと猫は闇の中に身を翻した。
「おい! ちょっと待――」
言い終わる前に背後でブンッ、と音がした。
振り返れば必死に踵で床を打つことみと、
俺に向け今にも銃を発射しようとする智代がそこにいた。
「うわ! 撃つな!」
「あ……あれ? 岡崎だ。
ことみさん。うまくワープできたみたい」
「え……あ。朋也君」
――猫の言う通りだった。
2人は俺が立っていた場所に忽然と現れた。
もしあのまま動かなければ……
きっと想像したくない結果になっていたのだろう。
足下を見た。猫の置いていった三本の革紐があった。
「……これを腰に巻くんだ」
俺は革紐を拾いあげてことみたちに渡した。
「何これ?」と智代が呟いた。
「さっきまでここに協力者がいた。そいつからもらった。
反重力ユニットらしい。地面すれすれでピンを抜けばいいそうだ」
俺はほとんど無意識に協力者が猫であることを隠した。
智代が訝しそうな目で俺を見つめた。
「……言ってることがよく分からない。
協力者って誰? どうしてそんな人が岡崎のとこに?」
「俺にも分からない。ここから脱出する方法を俺に教えてくれた。
そいつはもう時間がないと言ってた」
革紐を腰に巻いた。
前で結ぼうとするとその紐は音もなく幅広くなり、
ちょうど帯のように制服に貼りついた。
臍のあたりに小さなリングがついていた。
俺に倣ってことみたちも紐を装着した。
「恐らくこれがピンの頭だ。
こっちの方に穴があるらしい。
その穴に飛びこめば脱出できると言っていた。行こう!」
走り出そうとする俺の背中に智代の声がかかった。
「待ってよ! 協力者って誰だよ!
そんな会ったばかりの人のこと信用できるのか?」
振り返って智代たちを見た。
2人とも脅えているように見えた。
自分に言い聞かせるように、俺は宣言した。
「信用できる!
この状況で俺たちを罠にはめる意味がどこにある!」
長い通路を駆け抜けた先にドーム状の空間があった。
その床には底の見えない穴がぽっかりと口を開けていた。
まるで奈落だった。脇の壁には確かに青いランプが点っていた。
「こいつが赤に変わったら飛びこめと言っていた」
「飛びこむって……ここにか?」
「赤に変わった瞬間に飛びこむんだ!
チャンスは一度しかない。いいかことみ!」
「……うん!」
「智代!」
「……分かった!」
俺たちは息を詰めてランプを見た。
心臓の音がやけに大きく聞こえた。
やがて赤いランプが目に映った瞬間、俺たちはダイブした。
音屋の方に依頼があります。前スレ>900-905の渚バッドエンド
に至るシーンの音楽を書いていただけると嬉しい。
もの悲しさとかすかな狂気が混じった、そんな曲がほしいです。
54 :
伝乃時:04/03/27 16:02 ID:1isM4lua
55 :
伝乃時:04/03/27 16:32 ID:1isM4lua
57 :
伝乃時:04/03/27 17:09 ID:1isM4lua
一応、ジッグラト3日目までの背景・音楽は終了。
また後々修正予定だけど。
>さくら
あの下から見上げた桜ですね。
>図書室
>月明かりの中にことみはいた。窓を背に彫像のように立ち尽くしていた。
>すぐには言葉をかけることができなかった。
>ことみの身体は闇の中に、月の光を受けてぼんやりと輝いていた。
>見慣れたはずの曖昧な表情が神々しいものに感じられた。……素直に綺麗だと思った。まるで一幅の絵画だった。
ということで、俺の妄想…もとい想像力をフル回転して合成しました。
月がでかすぎる嫌いはあるが、雰囲気はとてもよく出ている。
ちょっとおれのほうでも弄らせてもらっていい?
59 :
伝乃時:04/03/27 17:38 ID:1isM4lua
そこは月がないほうがいいと思う。
思い入れのあるシーンなので、ちょっとおれのほうで作らせてくれ。
あと、素材の再配布というのはまた別物だぞ。
「自分が作りました」と言って素材サイトなどで一般向けに配布することを言う。
内臓が抜けるような感覚に耐えながら闇を貫いた。
風を切る激しい音がひっきりなしに鼓膜を震わせた。
不意にもの凄い勢いで背中を押された。風だった。
――光が見えた。
俺の身体は錐もみながら、その光の中に吸いこまれた。
――空があった。
地平に沈みゆく真っ赤な太陽が見えた。
眼下には雑然とした町の風景が広がっていた。
天空に向かい急速に遠ざかる黒い塔を逆さまに見た。
思わずこぶしを握りしめた。
俺たちはスメールからの脱出に成功した!
風圧に閉じそうになる目で2人の姿を探した。
智代は少し離れたところを無事落下していた。
けれどもその表情は真剣だった。
何かを伝えようと大ぶりに口を動かしていた。
『う・い・お』
びりびりと風に震動する手で俺の方を指差した。
頭を後ろにまわして――愕然とした。
手を伸ばせば届きそうなところにことみがいた。
完全に脱力した身体を落ちるに任せていた。
――さっきの衝撃でことみは気を失っていたのだ。
俺はすぐに精一杯手を伸ばした。だが届かなかった。
身を捩って藻掻いた。やはり届かなかった。
眼下には地面がぐんぐんと近づいていた。
どうする……どうする!
藁にもすがる気持ちで智代を見た。
まだあの銃を手に持っている彼女が俺の目に飛びこんだ。
「撃てぇ!」
俺は両手で端を掴んで制服の胸を広げ、
智代に向かいあらん限りの声を振り絞った。
智代は俺の意思を理解したらしく首を横に振った。
明らかに怖じ気づいていた。当然だった。
頑丈な機械をも破壊する銃の威力を彼女は知っている。
俺の腹には風子の星が入っているが、そんなものは気休めにもならない。
あの銃に撃たれれば俺の身体は吹き飛ぶだろう。
だがそれでも!
「撃てぇ!」
俺はもう一度智代に向かい声を張り上げた。
少しの衝撃でいい。どこかに当たりさえすればいい。
そうすればことみを血まみれの肉塊にせずに済むのだ!
智代は銃口を俺に向け、下げた。
必死に迷っているのが分かった。
だがふと我に返ったような表情を見せ、銃を持つ手を後ろにまわした。
ああそうか、と思った瞬間。智代の身体が空中を滑った。
俺に向かい一直線で接近した。
そしてぎりぎりのところで俺の胸に痛烈な蹴りを入れた。
「ぐっ!」
背中に何かがぶつかった。
振り向いた。ことみに手が届いた。
すぐそこに地面が迫っていた。
身を焼き尽くすような焦燥の中、
俺はどうにか2本のピンを同時に引き抜いた。
短い浮遊感があって、俺の身体はふわりと地面に軟着陸した。
仰ぎ見れば、まるで一対の天使のように
智代とことみがゆっくりと舞い降りていた。
……体中の力が抜けて土の上にへたりこんだ。
けたたましいサイレンの音が響き渡った。
次第に色を濃くしつつある空に数条の光の帯が走った。
弾かれたように俺は身を起こした。
「岡崎!」
喜びと不安をない交ぜにした表情で智代が駆け寄った。
その背にぐったりとしたことみを背負っている。
「どうする! あのバラックに戻る?」
「駄目だ! どんな迷惑がかかるかわからない!」
「じゃあどうするんだ!
こんなよく知らない町を逃げて、逃げ切れるものか!」
「……心当たりがある。あそこなら大丈夫だ。行こう!」
そして俺たちはまた走り出した。
逃亡者にはありがたい夜の帳が町に降りようとしていた。
>>dクス氏
乙です。
盛り上がってきましたね
読み手を引き込むテキストです…
数時間後。俺たちはビルの屋上にいた。
この町に飛ばされてきて三日目、
芳野と一緒に酒を酌み交わした廃ビルだった。
あの夜と同じように屋上には暖かい風が吹いていた。
物々しく周囲に光の筋を放ちつづけるスメールが見えた。
遠目にも騒然とした町の様子がよく分かり、
自分たちがどれだけのことをしでかしたのか
――改めてそれに気づいた。
「よく扉の暗号覚えてたね。
一度来ただけなんでしょ? この場所」
ようやく緊張の解けた声で智代が言った。
彼女は俺の隣に、腕を後ろにつっかいにして座っている。
その隣にはことみが膝を抱え、押し黙って町の夜景を眺めている。
「公子先生だからな」
「何それ。暗号と関係あるの?」
「5051000」
「あ。そういうことか。
44……うん。芳野じゃ語呂が悪い。たしかに」
「……お前。本気でそれ言ってるのか?」
俺は思わず息だけで笑った。
考えてみれば笑うのは本当に久し振りである気がした。
「……どうして笑うのよ」
不愉快そうに返事する智代の表情は、けれども穏やかだった。
彼方には蜂の巣をつついたような喧噪がつづいていたが、
この廃墟に追っ手が延びることはないように思われた。
誰も考えつかなかった奇策をもって、俺たちはあの異常な町から逃げおおせた。
――だがその奇策を発案した脱出作戦の立て役者は、
どういうわけか沈みきっている。
声をかけるのが躊躇われるほど、ことみの表情は重く悲しげに見えた。
「そうだ。ここには酒があるんだ。
作戦の成功を祝って、3人で飲まないか?」
「私は構わないよ。お酒、飲んだことないけど」
そんな会話のあと、俺たちは示し合わせたようにことみを窺った。
ことみはあの町にいたころそのままの光のない瞳をこちらに向け、
誰が見てもそう分かる無理な微笑みをつくった。
「アブサンなんて危険なお酒は、飲んじゃいけません」
公子先生の口振りを真似てことみはそう言った。
……その健気な様子にどう反応していいか分からず、
内心に溜息をついて話題を変えようとした。
「……! 誰か来る!」
智代が跳ね起きて銃を構えた。空気が一瞬で凍りついた。
永遠にも感じられる時間があって、ぎい、と音を立てて扉が開いた。
――そこで智代は銃を下げた。
「やっぱりお前たちだったか……」
呆れ顔で俺たちを眺める芳野の姿がそこにあった。
フィクサーの指令を受け、音屋の方に連絡です。
ソララドを原曲とするアレンジを作っていただけるのであれば、
1.空に光る
2.遠い旅の記憶
3.海鳴り
4.一万の軌跡
の優先順位でお願いしたい。上の2つはどうしてもほしい。
原曲の雰囲気をできるだけ残したものにしていただけると嬉しいです。
>最近御旗氏は姿を現さず
悪いな殺しちった
オンドゥルルラコロシタンディスカー!!
タバァダーザァーン!!
72 :
伝乃時:04/03/28 14:10 ID:mCYSE24S
画像掲示板が見れない
事前予告はよくきくけど、事後報告ならおkじゃないのかな?
つーか、御旗はまじでどこいったんだ。よそでも見ないし。リアルで氏んだのか?
75 :
伝乃時:04/03/28 14:48 ID:mCYSE24S
「スメールから逃げ出した3人組がいるってんで町は大騒ぎだ。
官憲も出動してる。何となく気になって来てみりゃ案の定、
というやつだな。ったく、一体なにやらかしたんだ?」
芳野は呟いて、俺たちの前にどっかりと腰をおろした。
「……ごめん。ここしか逃げこめる場所がなかったんだ」
俺がそう言うと、芳野は薄笑いを浮かべてひらひらと手を振った。
「謝ってくれなんて誰も言ってないだろ?
どうして家に来なかった……と言いたいところだが、正直こっちで助かった。
町はほとんど厳戒態勢だ。あの家じゃ匿いきれない。
でもここなら別だ。同じような廃ビルばかりだし、
この隠れ家を知ってるのは、俺とルドルフのオッサンだけだ」
「迷惑はかけたくなかったんだ。でも――」
「だ・か・ら。誰もそんなこと聞いてない」
俺の言葉を遮って芳野は背中の鞄から包みを取り出した。おにぎりだった。
「公子さんが握ってくれた」と言って芳野はそれを俺たちに勧め、
神妙な表情をこちらに向けた。
「さて。お前たちがスメールで何をやらかしたのか、
そこんとこじっくり聞かせてもらおうか」
それからしばらく、俺が語り部となって
スメールからの脱出劇を芳野に聞かせた。
物語の核になる「擬似的なDoS攻撃の方法」を伏せたことで
かなり要領をえない説明になったが、
それでも芳野は黙って最後まで聞いてくれた。
「――その穴に飛びこんで、協力者からもらった
アイテムのおかげで無事着地できて、
あとはここまでどうにか逃げてきたんだ。
さっきも言ったけど、ここしか思い浮かばなかった」
俺が話し終えると、芳野はそれまで胸の前に組んでいた腕を腰にあて、
大きく鼻から息を吐いた。
「読んで字のごとく『大冒険』だな。
その協力者ってのは、いったいどんなやつだったんだ?」
「それは……」
智代が横目に俺を見ているのが分かった。
あの喋る猫の話は2人にさえしていない。
言い淀んでいる俺に気づいた芳野は、ぽんと膝を打って立ちあがった。
「よし! それじゃこの辺にしとくか。
俺も家の方が心配だ。そろそろ帰らせてもらう」
「ここに……今夜は、いてもいいのか?」
「減るもんじゃねえから好きなだけいろ」
芳野は階段に通じる扉に手をかけ、
最後に一度だけ俺たちを振り返って言った。
「明日も食べ物を持って来る。便所はこの下にある。
ほとぼりが冷めるまでここに隠れてろ。
……無闇に動いて、公子さんや風子を悲しませるようなことするなよ?」
芳野が帰ってしまったあと、
俺たちは給水塔の下にある小さな小屋に入った。
夜空に厚い雲が広がり始めたことと、
屋上は目立ちすぎるという智代の意見があったからだ。
数本の酒瓶が置かれ、あの得体の知れない肉の薫製が吊られた
小さな空間だったが、3人で籠もるには十分だった。
小屋に入ってすぐ、外には雨が降り出した。
滴が屋根を打つ音は次第に大きくなり、
俺たちは水の浸入を防ぐために床と扉の隙間を塞がなければならなかった。
用意されていた毛布の一枚をそれで使ってしまった。
芳野に申し訳ないと思ったが、
鼻で笑って「気にするな」と言い捨てる彼の顔が目に浮かんだ。
明かりとりの小さな窓は暗天にその役目を果たせず、
小屋の中はお互いの顔も見えないほど真っ暗だった。
やはり疲れていたのか、その闇の中にことみはすぐ寝息をたて始めた。
智代の承諾をもらって、残る一枚の毛布を手探りで彼女の身体にかけた。
柔らかな胸の感触に慌てて手を引っこめ、
スメールでのことを思い出して顔が熱くなった。
……いかに演技とは言え、人前で怖ろしく大胆なことを俺たちはやってのけた。
冷静で儚げな印象さえあったことみが、
あれだけのことを企て実行する情熱を持っていたとは、
未だに半分信じられない気持ちだった。
「ことみさん。凄い人だね」
「ああ。頭のいいやつだとは知ってたけど、あんなことまで考え出せるとはな」
「それもあるけど、図書室とか歩道橋の上でおまえと一緒にしたこと。
どうしても必要だとしても、私にはきっとあんなことできない」
「俺も驚いたよ。踊りの相手しといて今さらだけど。
でもお前も同じくらい凄かった。格闘技か何かやってるのか?」
「……それについては忘れてほしい。
ずっと隠してきたんだ。特におまえだけには知られたくなかった」
「どうして俺に?」
「……そんなこと知るものか」
「分かった。忘れる」
「本当に?」
「忘れられないけど、忘れたことにする」
「……それじゃ意味がない」
「あんな綺麗なの忘れられるかよ」
「綺麗? 何が?」
「蝶のように舞う坂上智代」
「……茶化すな。こっちは真面目に言ってるんだ」
「俺だって真面目だ。目を奪われた。
あのときのお前は、お世辞抜きで凄く綺麗だった」
「……ばか」
「真面目な話だ」
「そんなこと言われたのは、生まれて初めてだ」
「外に出られて良かったな」
「え?」
「かなり参っていたものな、お前」
「……あれも忘れてほしい。
もう忘れてほしいことだらけだ。いっそおまえを殺して私も死にたい」
「お前という人間を知ることができて嬉しかった。
もっとそういうとこ見せれば、他のやつらともうまくやってゆけると思うけどな」
「……ばか」
「さて。そろそろ寝る。
お前も明日に備えて少し休んでおいた方がいい」
「……そうする」
雨は止むことなく降りつづけていた。
激しい雨音がまるで子守歌のように話し声の絶えた小屋に浸み入ってきた。
長い長い一日の終わり、眠りに落ちようとする俺の瞼に、
誰か分からない泣き濡れた女の顔が浮かんで――消えた。
>>69 了解。・・・・・。
かの有名なオーバーが気に入ったので、
一日10回は聴いていたのだが。
空に光る を今聴きましたが、
ピアノ&ストリングでいけそうですな。
とりあえず聴き込み&ピアノ練習してみます。
↑ TAMです。
前スレで晒した月童改。
毎日聞いてみて、ちょこちょこ修正していこうと思うんで
気になったところがあったら
参考程度に聴くことになりますが、
遠慮なく言って下さい。
「空に光る」が思い描いているエンディングのイメージに限りなく近いんですよ。
やはりエンディングとか重要な曲はオーダーメイドでいきたいと思って。
「オーバー」は良い曲なんだけど、使うとしたらどうしても日常曲としてになる。
ぴったりはまりそうなシーンがあることにはあるんで、
アレンジしていただけるようなら是非とも使わせていただきたい。
〜廃墟・朝〜
薄闇の中に目を覚ました。小さな窓の外に黒い空が見えた。
冷たく湿った空気が頬に触れていた。雨はまだ降っているようだ。
部屋の隅には智代があどけない寝顔を見せていた。
その身体には毛布がかかっている。ふと隣に目を遣った。
膝を抱えうずくまるようにして眠ることみの姿があった。
「……こんな不自然な格好でよく眠れる」
「もう、起きてる」
頭を腕の中に落としこんだままことみは囁いた。
智代に気遣ってか、今にも消え入りそうな声だった。
「おはよう。よく眠れた?」
「怖い夢を見て、あまり眠れなかった」
「どんな夢か聞いていいのか?」
「ほとんど覚えてない。でも怖い夢だったことだけは記憶に残ってる。
とても……怖い夢」
ことみはそう言って身を震わせた。
昨日の夜もそう感じたが、彼女はどうも精神的に疲れているようだ。
「夢は夢だ。気にしても仕方ない。
俺たちはあの塔から抜け出せた。もう悪夢は終わったんだ」
「終わってない。夢は今、始まったばかり」
――重症だな。俺は本気で心配になり、頭の中で慎重に言葉を選んだ。
「不安な気持ちは俺にもある。でも必ず逃げ切れる。
あの困難な道のりをくぐり抜けてきたんだ。
これから何が起こるか分からないけど、あれより酷い状況はきっともうない」
「私が怖いのは、私たちの未来じゃない」
ことみはそこで頭を上げ、赤い目を俺に向けた。
その色が寝不足のためばかりでないことを、腫れあがった瞼が物語っていた。
「何をそんなに怖がっているんだ?」
「……私たち、大変なことしちゃった」
「そうだ。俺たちは大変なことをした」
「……私たちのせいで、人が殺された」
「あれは! ……あれはどうしようもなかった」
「私たちが逃げなければ、あの女の人は殺されなかった
あの人だけじゃない。きっと他にもどこかで、私たちのせいで……」
俺は自分の軽薄さを思い知った。
逃げるのに必死で他人のことなどまったく考えていなかった。
――たしかにことみの言う通りだ。
あの町から逃げるために俺たちは多くのものを犠牲にした。
けれども今、その思いに囚われてはならない。そう思った。
これからまた俺たちは何かを踏み台にするかも知れない。
そのとき一瞬の躊躇が命とりになることは、大いに考えられる。
罪悪感に苛まれるのは安心を手にしたあとでもいい。
それをことみに伝えようとした。
「……渚ちゃんのこと、良かったの?」
心臓が止まりそうになった。風子の星を受けとったあと
渚が見せた泣き笑いの表情が俺の心を切り裂いた。
震える手で胸を掴み、制服の中にまだ風子の星が入っていることに気づいた。
ボタンを外し中からとり出して――愕然とした。
木彫りの星はその中央で真っ二つに割れていた……。
「渚を連れて、逃げることは、できなかった」
どうにかそれだけ絞り出した。
あの町から逃げるために俺たちは多くのものを犠牲にした。
そしてその中には、俺のことを好きだと言ってくれた人も……。
「誰か階段をのぼってくる」
智代の声だった。
いつの間にか起きた彼女は、抜からず銃を右手の傍に置いていた。
「大丈夫。きっと芳野だ」
「……そうだといいけど」
智代が言葉を濁した。
しばらくして小屋の扉が3回ノックされ、ゆっくりと開いた。
――芳野ではなかった。
そこに立っていたのは髭から水を滴らせる、濡れ鼠のルドルフだった。
「……ヨシノからの伝言を伝えるよ」
俺たちの反応を待たずに、ルドルフはそう切り出した。
「『済まないがもう面倒を見てやれない。この金でどうにか逃げ延びてくれ』」
言いながらルドルフは俺に歩み寄り、黒い皮の財布を手渡した。
厚く重ねられた紙幣で膨らんだ財布は、ずっしりと重かった。
「これは……どういう」
「昨日の夜に官憲がヨシノの家に押しかけて、コウコを引っ張っていった。
そのときもうヨシノは家に帰っていたけど、
連中に逆らってコウコを守りきることはできなかった。
どうしてコウコが引っ張られたのか分からない。
ヨシノは自分を連れてゆけと食い下がったらしいが、聞き届けてはもらえなかった」
言葉を失った。頭の中が真っ白になった。何も考えられなかった。
「キミたちはこの金を持ってトウキョウへ行くんだ。
ジェイの車が外で待っている。
知り合いに頼んで貨物列車に乗せてもらえる。
トウキョウに潜ってしまえば官憲の目も届かない」
「ヨシノはキミたちに会いたがったが、フウコの傍を離れられなかった。
今、彼女はとてもとり乱している。一人にしたら何をするか分からない。
別れの挨拶ができないことを謝っておいてくれとヨシノは言っていた」
そこでルドルフは言葉を句切った。
俺たちから目を逸らし、押し殺した声で告げた。
「……キミたちは、戻ってくるべきではなかった。
覚悟を持ってスメールにのぼったのだから、そのままいればよかった。
それがどんな金かわかるかい?
その金はヨシノがコウコと結婚するために貯めていた金だ。
ワタシは早くに妻を亡くし――いや、それはいいか。
……あの2人のことを、本当の息子と娘のように思っていたんだ」
扉にもたれかかってルドルフは頭を横に振った。
目に浮かんでいるのが雨水なのか、それとも別のものなのか分からなかった。
「……こんなこと言ってはならないと思うけど、キミたちは疫病神だ。
トウキョウへ着いたら、もう二度とこの町には帰ってこないでくれ」
遠い鐘の音のようにルドルフの言葉が胸に響いた。
そしてゆっくりとその言葉は心の底に沈んでいった。
ことみの言うように、夢は今、始まったばかりだった。
俺たちを促して、ルドルフは雨の降りしきる屋上に出でいった。
けれども俺たちは――夢を見始めた者たちは、
いつまで経ってもその場から一歩も動けなかった。
このあとTAMさんのメグメル改を流して中間デモ。映像はまだ未定。
んで、つづきは2年後の東京。いよいよ最終章(つってもまだ長い)。
さー!! あと一ヶ月で書き終わるかー!?
面白いが、描写などが最近少し急ぎすぎに感じる。
スピーディさを出すために意図的にしてるならすまん。
いや。思いあたる節はある。ダイブのシーンなどでは意識的にそうしたが、
そのあとで十分に速度が殺しきれてないところが、たしかに散見されるな。
VNにおこしたあとちまちま加筆・修正していくつもりでいる。ありがと。
97 :
伝乃時:04/03/29 20:21 ID:nCRsekWT
98 :
伝乃時:04/03/29 20:25 ID:nCRsekWT
読み仮名も、同時に入力するようになってます。
ただこのままだと、「貞子」だの「ふじこ」だのも入れられます。
あと淫語なんかも入力出来ちまいます。
ときめも2みたく禁止ワードする事も出来ますが、そうするとかなり面倒な事に。
あれだ。そこらへんはユーザーの良識に任せよう。
エロゲの主人公の名前「(;´Д`)」でやるやつもいるんだ。
>>99 ゲンガーやライターの名前でやるのもオツですよw
今しがた伝の字から試行版を受けとって「伝の字(でんのじ)」と名づけてみた。呪いたくなった。
〜2267.04.10〜
「一雨きそうじゃねえか?」
「ああ。そんな感じだな」
ビルの谷底から眺めるわずかな空を鉛色の雲が覆っていた。
今にも泣き出しそうな空だった。
もったりと重く湿った風が吹いていた。
視界の上の方に洗濯物をとり寄せる女たちの姿が映った。
たしかな雨の予兆だった。その予兆に俺は小さく溜息をついた。
――雨は嫌いだ。
幸い仕事は降り出すまでに片づくだろう。
そろそろ予定の時刻になる。
初動が智代の日は落ち着かない。
もちろん信頼はしているが、それでもやはりどこかで焦燥を感じてしまう。
「洗濯物が心配だ」
「お前には関係ないだろ」
俺は息だけで軽く笑った。まったくばかにもほどがある。
こいつが洗濯物の心配をして、いったい何になるというのだろう?
雑居街(スラム)のベランダに洗濯物はもうほとんど残っていなかった。
家にはことみがいるが、きっとまた机に向かっている。
……そうなると洗濯物は濡れるかも知れない。
あいつは集中し始めると完全にその世界に入ってしまう。
「関係あるさ。
おれは寄せたてのまだ暖けえ連中の下着にくるまって眠るのが好きなンだ。
それが今日はお預けかと思うとナア……」
「この下種猫」
「あいつらの下着は飾りッ気がねえからな。そこがまたいいンだ」
俺が睨みつけると猫(カルマ)は戯けたように肩をすくめた。
四つ足で立ったままだ。
あくまで猫の体裁を保ちながらするこいつのこうした仕草には素直に感心する。
よくもここまで人間じみた振る舞いを身につけたものだ。
「おれにだッてヒトの雌の善し悪しくらいわかるぜ? 連中はまず極上さ。
そういう中身を包むンなら、ごてごてしたヤツよりシンプルが一番だ。
おれは付加価値ッてもンを大事にするから、
その手の下着が寝ていて気持ちいいンだ。分かるだろ?
ここら辺は玄人の好みと一緒だッて聞いたことがあるぜ。
なあ。アンタもそういうのが好きか?」
「……お前さ。そろそろ黙ってくれないか」
「いいじゃねえか。今日のは小物なンだ。
姉ちゃンが一人で片づけちまうさ。
あのすらッとした、頬ずりしたくなるような脚でヨ。
しッかしアンタも分からねえヤツだな。
どうしてあンな極上の雌を今まで放ッたままにしてあるンだ?
向こうは待ッてるぜ? おれには姉ちゃンの心の声が聞こえるさ。
早く私と交尾してくれッてな」
「いいから黙れ。仕事中だ」
いつ智代が男と接触してもおかしくない時間だった。
カルマの言う通り今日の相手は智代一人でも十分だ。
こちらに男が逃げてくることはまずない。
それでもこの仕事で気を抜くことは危険だ。
それが分からない猫ではない。
だがこいつは性懲りもなく減らず口を叩きつづける。
「ああそうか。もう一匹と天秤にかけてたンだな。忘れてた忘れてた。
あッちもまたそこらにいねえグンバツの雌だもンな。こりゃ迷いどころだ。
そうだな。アンタも辛いとこだヨな。
ヒトの身空じゃ交尾して終わりッてワケにもいかねえし。
しかも3匹で一緒に暮らしてるときた日にゃ」
憤りを押し殺して俺は無視を決めこんだ。
こうなるとカルマには何を言っても駄目だ。
巧みに揚げ足をとって自分のペースに引きこむ。
沈黙してやり過ごす以外、手はない。
「おれの見立てじゃあのことみッて雌のほうが美味そうだぜ?
風呂に入れてもらうときに見比べてるから分かるンだ。
ありゃ猫のおれでもグッとくる」
「特にこう、屈んだときに股の間が見えるンだが、
それは綺麗な処女膜がついててだな。
色艶といい形といい最高なンだ。正に極上の逸品というヤツさ。
おれは色ンな雌に風呂に入れてもらってそいつらの股の間を見てきたが、
あれほど綺麗な膜のついてる雌はいなかッた。
あれを破れるアンタは幸運だぞ?」
「黙らないと生皮剥いで煮えたぎった湯に放りこむぞ」
露骨な殺気を言葉にこめた。
だがそんな俺の反応にカルマはいかにも満足そうに頷いた。
あまつさえ小さな羽虫が飛んでいるのに目をつけ、
楽しげにその羽虫を構い始めた。
「あのことみッてのはおれが喋ること知らねえからな。
ときどき話しかけてくるンだ。あのデケエ胸におれを抱き締めてヨ」
「切ねえ打ち明け話なンだこれが。聞いててホロリときちまう。
アンタに関係のある話だ。聞きたいか? 聞きたいだろ?」
「……黙れ」
「要するに姉ちゃンと一緒さ。早く私と交尾してくれッてさ。
何て言ッてたかな。約束がどうとか……ああそうだ。思い出した。
ことみさンはこう言ッてたンだ。
『朋也君はもう忘れちゃッたのかな。あのとき私は朋也君にぜんぶあげ――」
逆上して撃った。
ポリバケツが大きな音を立てて吹き飛んだ。
――直後。雑居街の奥で男の悲鳴があがった。
カルマは塀の上で俺を見つめ、口の端をもたげてニヤリと笑った。
ニャアと一声鳴いて、そのまま路地裏に姿を消した。
男の身柄を屯所に引き渡して帰り道。
俺と智代は霧雨に濡れながら凹凸の多い舗装路を並んで歩いた。
「絶妙のタイミングだった」
「……何が?」
「あの大きな音。相手の注意が逸れて、あとは簡単に料理できた」
「ああ。あれか」
あの糞猫。
大佐からの指令を持ってくるわけでもなし、
今日は完全にあいつにおちょくられたようなものだ。
忌々しい思いを溜息に託した。
そんな俺を智代は猫(カルマ)によく似た悪戯な眼差しで見つめた。
「まるでこっちのことが見えてたみたいだ」
「電波を受信したんだよ。お前の声で『今だ。音鳴らせ』ってな」
「そうか。あれちゃんと届いたのか。送ってみるものだ」
「はあ?」
間の抜けた俺の返事に智代は小さく笑った。
俺が鼻を鳴らして目を逸らすと、
彼女は幾ぶん真面目な口調で「冗談だ」と呟いた。
「本当はどうして分かったの?」
「だから電波」
今度は智代が憮然とした表情をつくった。
俺は同じように「冗談だ」と言って繕おうとした。
けれども智代はその前に相好を崩すと、
「そういうことにしておくか」と少しだけ嬉しそうに囁いた。
俺は口を開きかけて――閉じた。
代わりに「あの糞猫」と、心の中でもう一度悪態をついた。
おれしかいない予感…。
みてるよー
チェックしてますよー
貨物列車のコンテナに揺られこの町――
廃都東京に来た日から2年の歳月が経った。
駅員の厚意でこっそり裏口から逃がしてもらい、
操車場を抜けて歩いたときの寂寥を今も忘れない。
ゆくあてなどどこにもなかった。
荒廃したかつての都会が深い森のように目の前に立ち塞がっていた。
それからしばらく思い出したくもない日々がつづいた。
身元を怪しまれないように安宿を転々とし、ときには野宿の真似事もした。
芳野からもらったなけなしの金を何度もスリに擦られかけた。
――仕事は見つからなかった。
下げたくもない頭を下げてまわり、その度に冷たくあしらわれた。
あのときの芳野の言葉が繰り返し頭をよぎった。
『……残酷なもんだぜ。女にはいつだって、
金を稼ぐために一つだけ安易な道が与えられている』
その一歩手前まで、俺たちは追いつめられていた。
ことみたちに身体を売らせるくらいなら俺が男娼にでもなる。
そんな悲壮な決心を胸に訪れた色街に、
スメールで俺たちを救ったあの猫が待っていた。
人気のない路地裏で猫は俺に正体を明かした。
諜報用変異種猫(ミュータントスパイキャット)。
染色体レベルでの改変により人と同等の知能および
言語能力を与えられた遺伝子工学の落とし子。
世界でも数件しか成功例のない貴種中の貴種。
そうした言葉で猫は延々、自分のことを語った。
その自慢が誇張ではないと知ったのは、少しあとのことになる。
猫はもともとスメール内の研究施設で製造されたが、
脱走して今に至るのだと説明した。
猫を製造した技術者が彼一匹を連れて野に下ったのだという。
東京に潜った技術者は極秘に組織を立ち上げた。
それはスメールの闇を白日のもとに晒すことを目標に掲げる地下組織で、
猫は有能な諜報員としてその中核を担うことになった。
スメール内での諜報活動の最中に猫は俺たちを発見した。
助けてくれたのは気紛れだったらしいが、
その情報を東京に持ち帰ってから状況が変わった。
数人の男女がスメールのシステムに攻撃を仕掛けたことを組織は観察していた。
そして猫が救ったのは当の本人たちであるという結論が導き出された。
組織はその者たちを匿い、追って同志に引き入れる意思を固めた。
――猫が俺の前に再び姿を見せたのは、そうした理由によるものだった。
接触してきたのが猫だったことは伏せて智代たちに組織の意向を伝えた。
ほとんど議論の余地はなく、俺たちはその胡散臭い組織の一員となった。
生活が逼迫しているという事情もあったが、それ以上にスメールのことがあった。
誰もあえて口にはしなかった。
だが3人とも同じ思いを抱いているのが分かった。
公子先生がどこへ連れてゆかれたのか分からない。
スメールの中にいるとは限らない。
……それを救いだそうなどと烏滸がましいことは考えない。
ただ確かなのは、何らかの形で決着をつけるまで、
俺たちの時はあの屋上で止まったままだということ。
それだけだった。
猫とともにスメールを抜けた技術者は、
今では大佐と呼ばれていた。
軍属だったころの階級ということらしい。
実質的な組織の指導者で、
指令は常に猫を介してその大佐より与えられる。
組織に横の繋がりはない。
機密性を保つのに理想的な形態だとことみが言っていた。
だから組織に属していると言ったところで、
大佐と猫と、俺たち3人の他に、
誰がどこで何をしているのかまったく分からない。
最初に与えられた指令は身体にパーツを埋めこむことだった。
ATPエネルギー変換モジュール。通称Kパーツ。
空手の頭文字であるとも、気功の勁であるとも言われている。
血中に含まれるアデノシン三リン酸を直接エネルギーに変換して
放出する生体兵器。戦争での実用性は低いが、
諜報活動の補助にはこの上なく適している。
大佐は俺と智代にそのパーツを取りつけると言った。
智代の耳には入れないまま、俺はその命令の一部を拒絶した。
女の身体にそんなものが埋めこまれるのを
黙って見過ごすわけにはいかなかった。
交換条件が提示された。
開発段階にある最新型のKパーツの試験体に俺がなるなら、
ということだった。
もちろん俺は喜んでその条件を呑んだ。
俺と智代は大佐の仲介で表向き雑居街の自警団に入った。
権力の目がゆき届かない東京では、逆にそうした私警が必要なのだ。
俺たちは相棒(バディ)として組で行動することになり、
パーツを装備しているのを口実に、
俺はいつも智代より危険な役目を請け負った。
一年前に童貞を失い、これまでに3人の人間を殺した。
智代は今も綺麗な身体のままだ。
ことみにはまったく別の指令が与えられた。
スメール内の研究施設に潜入するため、
彼女は勉強して東京大学に入学した。
首班の座を名古屋大学に譲っているとはいえ、
旧最高学府の権威は未だ衰えていない。
ものの半年での合格は奇跡に近いと猫が目を丸くしていた。
だがそれは奇跡でも何でもなかった。
もともと頭のいいことみが必死になったのだから当然の結果だった。
……俺たちは必死だった。
ばらばらに壊れそうな心を繋ぎ止めるため、何かに打ちこまずにはいられなかった。
あれからの二年間は、まるで夢の中にいるような日々で――
そしてそれは、決していい夢ではなかった。
そろそろマスターうpキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
とか貼られるのかな…。
一週間延びればゴールデンウィーク引き籠もれるんだが。
122 :
伝乃時:04/03/31 08:35 ID:/w7XsT/c
面白いけど、近未来氏は名大出身か。
ちょっと見ない間に近未来っぽくなってキター
楽しみにしてます
東京と大阪が直下型地震で壊滅せずとも日本の中枢はそのうち名古屋に移るのです。
>>125 名古屋のほうが直下型地震で壊滅しそうだがな
こんな朝っぱらのレスにしちゃアレじゃないかな? 縁起でもない。
能率を考えて最近は寝て起きてから書く毎日。なにやってんだろうな…。
町の外れ、わずかに小高くなった丘の上に俺たちの家はある。
バブル時代を思わせる瀟洒を極めた5階建てのマンション……の成れの果て。
組織に入った俺たちに大佐から宛われたのがこのマンションだった。
この町にはこうした建物が少なくない。
けれどもたいていは無駄に厳重なセキュリティに守られているため、
不法に住みつこうとする者はあまりいない。
緩慢に色褪せてゆく中身のない飾り箱のようなものだ。
実際、気の利いたその手のマンションの中には蜘蛛さえもいないらしい。
俺たちは5階のみを住居にあて、地階から4階は荒れるに任せている。
もっとも使っていないわけではない。
そこは智代が俺に稽古をつけてくれるための場所で、
毎日のように階段を駆け下りたり、扉を蹴破ったりしている。
防音はしっかりしているのでことみの迷惑にはならないが、
おかげで階下の内装は酷い有様だった。
「ただいま」
面倒な認証を経て5階の扉を開け中に入る。
認証が生きているのは当然この階だけだ。
扉を開けるとすぐダンスパーティーのひとつでも開けそうな広い部屋があって、
そこから5つの小部屋に出入りできるようになってる。
……どういうコンセプトで設計されたものなのか未だに分からない。
ことみはその広い部屋の中央に置かれたテーブルに突っ伏して眠っていた。
傍らには洗濯物を積んだ籠があって、
その中に埋もれて猫が同じように居眠りをしている。
「風邪引くぞ。まったく」
「寝かせといてあげよう。
昨日も遅くまで起きてたみたいだし。ことみさん」
智代は籠から洗いたてのブレザーをとりあげ、そっとことみの背中にかけた。
あの町から遠く離れ、もう学生ですらなくなった今でも、
俺たちはかつて通っていた学校の制服を着ている。
仕事着も同じものを大佐に頼んであつらえてもらった。
半分は感傷だが、もう半分は現実的な理由だった。
この町では日常的に制服を着ている人間が多いからだ。
「お前は起きろ。この糞猫」
首を掴もうと手を伸ばすと、猫は反射的に目を開け俺の手の甲を掻いた。
弾かれたように手を引っこめる俺にだけ分かるように猫は嫌らしい笑みを浮かべ、
再び洗濯物に身を埋めた。
「……ったく。餌に毒でも混ぜてやろうか」
「ことみさんに叱られるよ。そんなこと言うと」
「洗濯物に毛がつく」
「私は気になったことないけどな」
そう言いながら智代は山から自分の洗濯物だけ選り分けていった。
猫は揺り動かされたはずだが今度は大人しくしている。不愉快な話だった。
「今日の稽古は先に済ませよう」
「何かあとに用事があったか?」
「愚者(フール)の総集編。おまえも見るだろ?」
「……ああ。あれか」
俺は部屋の隅にある立体受像器(テレビ)を睨んだ。
「そういや明日が愚者のタイトルマッチか……」
ここ東京では「スパルタクス」という格闘技がカルト的な人気を博してる。
胸に装備された衝撃カウンタの数値がゼロになるまで殴り合うという
単純な競技だが、その他は何でもありなので凄惨な展開になることが多い。
流血はもちろん腕や脚が切断されることもある。3試合に1人は死人が出る。
その野蛮な格闘技に俺の身体は無関係ではない。
Kパーツとは元来スパルタクスのために開発されたものなのだ。
銃器と遜色ない危険を孕んだ徒手空拳は、
第三次大戦直後の東京にたちまち受け容れられた。
スパルタクスの称号を賭け莫大な金が動き、競技人口も一気に膨らんだ。
そして夥しい不具者と脱落者が生まれた。
夢破れたスパルタシストのたどる道は2つに1つ。
町を荒らす側にまわるか、それとも守る側にまわるか。
脱落者は安定して供給されるから、警察と泥棒のようにどちらの数も減らない。
未だ銃刀法の生きるこの日本において、
Kパーツを埋めた身体とまともにやりあえるのは同業だけだ。
俺たちはスパルタシスト志願者とそのトレーナーという触れこみで
自警団に入った。ときどき顔を合わせる疲れきった同僚たちは
ことごとに「別の道を選べ」と口にする。
確かにそれは過酷な競争の世界だった。
――その世界は今、一人の禍々しい英雄を迎えている。
それが愚者(フール)だった。
血生臭いスパルタクスにおいても愚者の残虐さは突き抜けていた。
衝撃カウンタは狙わず、手脚をもいで相手を戦闘不能にすることで
不敗の戦績を誇る。まるで獣のように不明瞭な呻き声しか発しない狂戦士。
愚者には伝説がある。2年前スメールに異変を引き起こし、
記憶を奪われて楽園から追放された、というものだ。
ありえない話だった。異変を引き起こした本人がここにいる。
けれども俺にはその伝説を笑い飛ばすことができなかった。
なぜなら映像に見る愚者の風貌は、俺のよく知っている人物
――義父(ちち)と呼ぶかも知れなかった人そのものだったからだ。
古河秋生で愚者(フール)。
もし裏で糸を引いている者がいるのだとしたら、冗談にはセンスの欠片もない。
その愚者が明日、第52代スパルタクスの座に挑戦する。
巨漢の現スパルタクスが逃げはしないか。
多くのファンはただそれだけを心配している。
「ぎぎぎ」ですか?
ところで何で一次創作なの?
こういうのって二次創作な気がするんだが
まだ1次(本物のクラナド)が出てないっつーことで。
個人的には1.5次くらいだと思ってるけど。
>134
「ぎぎぎ」は智代破瓜の際の痛みをこらえる声として使うと決めてます。
それにしてもたけちゃんはなかなか帰ってこねえな…。
キャラの色と名前変えたら1次になるよね
∧_∧
< `ш´>
_φ___⊂)
/旦/三/ /|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
| 誰彼百円 |/
洗濯物を置いて自分の部屋から出てくると、
智代は早々に下に降りていった。
15分後に俺は動く。
彼女はそれまでに地階から4階のどこかに潜む。
テーブルについて時間が過ぎるのを待った。
眠ることみをぼんやりと眺めた。
ブレザーに覆われた背中がたおやかに上下している。
桃色の丸い髪留めがときどき小さく揺れるのが見える。
壁の時計を眺め、そろそろ出ようと椅子を動かした。
「ん……」
ことみが目を覚まし、おもむろに頭をあげた。
寝起きの顔を見て俺は苦笑した。
勉強のときだけかける眼鏡がその鼻にのせられたままだ。
「……おかえり。智代ちゃんは?」
「下で待ってる。俺もこれから出る。
それにしても眼鏡くらい外して寝ろよ」
「え……。眼鏡なんてかけてた?」
「今もかけてる」
「……本当だ」
ことみは眼鏡のつるに触れ、その手を口に移して欠伸した。
「追いこみ大変だろうけど、ほどほどにしとけよ?」
「うん。ありがとう」
立ちあがり部屋を出ようとした俺の背中に、ことみの声がかかった。
「お夕飯つくっておくから」
「今夜の当番は俺だろ?」
「いいの。私につくらせて」
そう言ってことみは優しい笑みを浮かべた。
その笑顔から逃げるように、俺は扉を開け外に出た。
廊下の壁に背もたれた。
大きく息を吸って、吐いた。そのまま呼吸を止めた。
酸素と一緒に余分な感情を使いきる。
智代から習ったスイッチングの一つだ。
1分。2分。3分が経過する直前に我慢の限界がきた。
ヒュッ、と音を立てて息を吸った。
――準備は整った。
感覚を研ぎ澄ませながらゆっくりと階段を降りる。
攻撃はどこからくるか分からない。
一昨日は2階の広間に入るなり上から智代が降ってきた。
昨日は階段に仕掛けられた簡単なトラップにまんまと足を取られた。
智代は初め教えることを嫌がったが、
俺がKパーツを身体に組みこんだと知ったあとは態度を変え、
姿勢のとり方から丁寧に教えてくれた。
毎日ぼろぼろになりながら食い下がり、
ようやく智代から一本取れたのはつい二ヶ月前のことだ。
それからは智代自身の訓練も含めてこの形式になった。
今や俺たちは対等のレベルにあって
――それだけに他の誰よりも手強い敵同士だった。
3階から2階に降りる踊り場で足を止める。
かすかな気配を感じた。
待ち受けるように2階の広間に通じる扉が開いている。
心が冷静になってゆくのが分かる。
息を殺してその扉をくぐる。
攻撃は後ろからきた。
智代の渾身の前蹴りを振り向きざまに膝で止めた。
そしていつもの激しい鍔迫り合いが始まった。
仕事で智代は特別仕様のトンファを使う。
セラミック製のトンファにパイルバンカーを仕込んだ物騒な代物で、
某国のテロリストから大佐が買い受けたものらしい。
それを手にした智代の前では、下手なスパルタシストなど相手にならない。
この訓練では使わない。危険が大きすぎる。
俺のパーツの撃鉄にも、もちろん鍵がかかっている。
「……参った」
掌底が腹に入り、苦しそうに智代が呻いた。
「大丈夫か」とは聞かない。仕切り直して今度は俺が隠れる番だ。
戦いの中で無駄な口を聞くな、というのは
智代に繰り返し諭された教えだった。
「おまえは強くなった」
――けれども今日の智代は、立ち去ろうとする俺に小さな声で囁きかけた。
「もう訓練はいらないな」
「ばか。これはお前の訓練だ」
「……そうだった」
智代は起きあがり腹を押さえ、眉間に皺を寄せた。
「右手だったら死んでいた。次は気をつける」
「ああ」
Kパーツのエネルギー弾は遠距離からも有効だが、
その真価は接触攻撃にある。
インパクトの瞬間に放射することであらゆる防弾装備をすり抜け、
肉体に直接損傷を与える。腹を撃たれたらまず助からない。
右手だったら、という智代の言葉はそういう意味だ。
だが智代は間違っている。左手でも彼女は死んでいた。
複数のパーツがバッティングするのはKパーツも例外ではないから、
通常は利き腕に埋めこんで片腕はもとのままだ。
俺はとっておきの切り札を隠している。
――試験体である俺の身体には、両腕にKパーツが入っている。
みだりに喋るな、と猫(カルマ)から口止めされている、
これは智代にも明かしていない秘密だった。
そういやことみは隠れ眼鏡っ子なんて情報もあったか。
ワカってもらえないかもしれないけど……隠れ眼鏡っ子って……いいなぁって……。
147 :
伝乃時:04/04/03 16:53 ID:lrgU3bb/
琉球さん、TrainTrainっぽいやつの曲に名前を付けていただけますか?
本家クラナドに勝てる自身はありますか?
>>dクス氏
分かりますよ〜>隠れ眼鏡っ子
いいですよね(*´Д`)
そう・・・
普段はしていない・・・
試験開始5分前に眼鏡をかける少女・・・。
好みじゃなくても隠れ眼鏡っ子であることが判明した瞬間
KOされる自信(というか過去)があります。男のロマンだと思います。
おにゃのこがおもむろに眼鏡をとりだしたら涼しげに会話をつづけながらも、
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!と心の中で絶叫します。
>148
本家クラナドに勝てる自信なんぞあるわけねえだろ!
と言いたいところですが、おれ個人としては負けないものを仕上げる気でいます。
そういう気構えでいてはじめて小ましなものができると思う、の、で。
……なーんて言ってちゃ駄目だよね。よっしゃまじで食ったるわ。
「――っ! う……ん。
これで私の負け越しか。……ふう。
今日はこのくらいにしておこう。そろそろ時間だ」
「時間?」
「愚者(フール)の特番。何度も言わせるな」
「ずいぶんとご執心だな」
「その言葉。そっくり返す」
「俺にか?」
「私の目は節穴じゃない。
愚者の試合を見ているとき、おまえがどんな顔してると思う?
隣にいるのがちょっと怖くなる」
「……きっと気のせいだ」
「何が気のせいなものか。
この間なんて食事中にパスタ口に入れるすぐ手前で止めて固まってたくせに」
「覚えていない。そんな間抜けなことしてたか」
「してた。ことみさんも呆れてた」
「そうか」
「気持ちは分かるけどね。……あいつは普通じゃない。
スメールにまつわる噂も、妙に気になるし。
それよりもう戻ろう。本当に始まる」
「……ああ。分かった」
――豪勢な料理がテーブルを埋め尽くしていた。
青椒肉糸(チンジャオロウスー)に蟹仁炒飯(カニチャーハン)。
魚翅湯(フカヒレスープ)はたっぷりと量がある。
食後には桃饅頭も蒸かすらしい。
最近ことみは中華料理に凝っていて、
少し離れた中華街で食材を買ってきては本格的なものをつくる。
今夜の食卓に並ぶのはその中でもことみが得意とする料理ばかりで、
いつにない大盤振舞いだった。
「凄いな。……食べきれるか?」
「うん。カルマにも食べてもらうから」
そう言ってことみは幅広の鉢に料理を取り分け、床に置いた。
たちまち猫が駆け寄ってきた。
美味そうに音を鳴らしながら、俺たちより先に食べ始めた。
カルマはことみの猫ということになっている。
家の前でうろついていたのを彼女が拾ってきた。
猫に同じものを食べさせることに俺は反対で、
ことみがこっそりそうしているのを見つけては注意してきたが、
今晩は何も言おうとは思わない。
「朋也君。この子に何かした?」
「どうしてそんなこと聞くんだ?」
「喧嘩してるような感じだから」
俺と猫とを見比べてことみは悲しそうな顔をした。
「毒を盛ろうとしていた」と俺にだけ聞こえるように智代が囁いた。
「喧嘩なんかしてない。いつも通り仲良しだ」
「……そう。ならいいけど」
カルマは俺以外の2人の前ではありきたりな猫を演じているが、
ことみとは会話しているとしか思えないことがよくある。
業(カルマ)という名前もことみがつけた。
やつの邪な本性を表す絶妙のネーミングだ。
だがことみはそうではないと言う。
業という言葉には否定的なイメージがあるが、
本当はもっと深い意味があるのだと。
それはことみにとって、「希望」と呼ぶべきものなのだと。
智代が時計を見た。
立体受像器(テレビ)に向かい「2チャンネル受信中」と声をかけた。
透明な箱に映像が灯った。
――愚者の戦歴を謳うナレーションが始まっていた。
異様に熱のこもったアナウンサーの声に合わせて、『狂える天才』だの
『反キリスト降臨』だのと大仰なテロップが舞い踊ったあと、
スパルタクス挑戦権を獲得するまでの愚者の戦いのハイライトが
きれぎれに映し出された。
夕食時を考慮してか流血は少なめで、迫力に欠けるシーンばかりだった。
どれもが一度は目にしたことのある試合だった。
それでも背筋が寒くなり、鳥肌が立つのを抑えられなかった。
愚者は戦いの中に薄笑いを絶やさない。
ありえない方向に身体を捻って攻撃をかわし、
子供が蜻蛉(とんぼ)の背を裂くように無造作に相手を破壊する。
愚者には死角がない。
背中から来る敵に裏拳を入れて脳漿を散らせたこともある。
コロッセオの中央でそれをして脳漿が客席との仕切りにかかったということだから、
Kパーツそれ自体の威力も相当のものに違いない。
愚者の戦いぶりは華麗で冷酷だ。
地面すれすれまで仰け反ってATP弾を避け、残った脚を軸に身体を回転させる。
上体を起こしながら相手の腕をすくいあげ切断する。
逃げられない獲物をじっくりといたぶりまわして、たいていは殺す。
――これが本当にあの秋生さんなのだろうか?
何度も反芻した疑問が再び頭に浮かんだ。
もしそうだとして、なぜ秋生さんがこんな狂戦士なり果てたのだろうか?
早苗さんはどうしたのだろうか? 渚は――
渚のことを思い出して考えの糸が切れる。いつもそうだ。
あの塔に見捨た恋人の寂しげな顔が、俺の心に幾千の針を突き立てる。
愚者の顔が目の前にある。
その顔に浮かぶ薄笑いが俺を嘲っているように見える。
手の届かない場所でしきりに俺を挑発している。……そんな妄想さえ覚える。
愚者と相まみえることは、恐らくない。
いい勝負ができるとも思えない。
それでもいつか俺はこの男と戦うことになる
――根拠のない確信だけがあった。
そのとき愚者に向かい俺は何と言えばいい?
どうやって戦えばいい?
どうやって近づけば、どこから拳を打ちこめば……。
この恐るべき男に、どうやって勝てば……。
愚者の映像が消えた。
肌も露わなタレントがつまらないコメントを垂れ流し始めた。
俺は大きく息を吐いて、ふと隣に目を遣った。
智代とことみが箸を止めたままじっと俺を見ていた。
「どうしたんだ?」
「……とりあえず、テーブルから手を離せ」
智代の言葉に目を落とすと、
俺の手はテーブルのふちを力一杯掴んでいた。
……慌てて手を下ろした。
だがテーブルには生々しい爪痕が残ってしまった。
「意識しすぎだ。おまえ。
それとも本気でスパルタクスに挑戦する気になったのか?」
「……まさか。ただこういうの見てると
仮想で戦(や)らずにはいられないんだ。智代だってそうだろ?」
「そうだけど」
「どうしても勝てる気がしなくて。つい熱くなった。
お前ならどう戦う?」
「逃げる」
智代は言下に答えると、興がさめたように食事を再開した。
「あんなの勝てるわけない。そういう相手を前にどうしろと私は教えた?」
「逃げられない状況でもか」
「そのときは逃げることだけ考えて戦う。
……今のおまえはどうかしてる。そんな基本的なことも忘れたのか?」
そう言って智代は心配そうに俺を見つめた。
そしてその目をことみに向け、うつむいて口を閉ざした。
――こいつは勘違いをしているのだ。俺は心の中で大きく溜息をついた。
ことみは俺たちの話など耳に入っていないかのように
ぼんやりとテレビを眺めていたが、おもむろにこちらに向きなおると、
「あの人も過去から来た人?」と言った。
10本買うから発売延期してくだちい……おながいしまつ……。
ことみの言葉に俺は息を呑んだ。
智代が食器を片づけながら「誰のこと?」と問い返した。
「あの愚者って人。どこかで会ってるように思う」
「塔の中で会ったんじゃないの?」
「過去のあの町で会ってる。
スメールではずっと図書館にいたから、人にはほとんど会っていないし」
ことみはそこまで言うと俺に視線を向けた。
「朋也君はどう思う?」
「俺には……よく分からない」
「……本当に?」
久し振りにことみに嘘をつき、俺の心は罪悪感でいっぱいになった。
いつに変わらないことみのおっとりした視線が、錐のように鋭く感じられた。
「他人のそら似ってこともあるし。あ、ひょっとして子孫なのかも。
ねえことみさん。この蒸し器もう火入れていい?」
「うん。お願い」
智代が戻るまで俺たちはしばらく見つめ合った。
俺は目を逸らしたかったが、逸らさなかった。
桃饅頭を食べて晩餐は終わった。
片づけを済ませて、めいめい部屋に引いていった。
あとはシャワーを浴びて寝るだけだ。
……まるで何事もないように、今日という日が終わってしまう。
ことみはあれで満足だったのだろうか。
豪勢な食事をつくって、それを俺たちに振る舞ってくれただけで……。
寝る前に俺はことみの個室を訪ねた。
本に囲まれた部屋の中、ことみは今夜も机に向かっていた。
「朋也君。……どうしたの?」
「夕飯美味しかった。言い忘れてたから」
俺がそう言って頭を掻くと、ことみは嬉しそうに笑った。
「ありがとう。そう言ってもらえてしあわせ」
「でも……ことみはあれで良かったのか?」
「うん。一昨日も言った通り」
「そうか。それならいい。
……おやすみ」
「おやすみ。朋也君」
あれからことみとは何もない。
関係を築いてゆく暇などなかったし、
スメールに残してきた渚への思いもあった。
そして何より智代がいた。
猫(カルマ)に指摘されるまでもなく、
智代の気持ちには薄々気づいている。
智代は何も言わない。
ときどき遠回しに仄めかす他は気振りも見せない。
だがきっとことみもそんな彼女のことを知っている。
それに智代は別に気持ちを隠しているのではない。
明らかにしないだけだ。
ことみや俺がそうしないのと同じように。
たとえば俺がことみと智代に向かい、
「2人とも好きだから抱きたい」と正直に伝えれば、
彼女たちはそれを拒まないだろう。
俺の理解に間違いがなければ2人は喜んで受け容れる。
むしろそんな言葉を待っている気さえする。
もちろん俺には言えない。
それが今の俺たちを壊す可能性だってある。
ようやく手に入れた居場所と心の通い合う仲間。
俺は――俺たちはもう、1人でも欠ければ生きてゆけない。
運命共同体と言って良かった。
けれども今の俺たちは、明後日で終わる。
大学に入ってからもことみは勉強をつづけた。
入試のときよりも直向きに、ときには俺たちが見かねて
止めるほど熱心に励んだ。そうしてことみはこの春から、
学生の身分のままスメール内の研究所に入ることが内定した。
4月13日の正午。彼女はスメールに出頭しなければならない。
だから俺たちが3人でいられる時間は明日と、明後日だけになる。
壮行会をやろうという提案にことみは首を横に振った。
それよりも今までの生活を出発までつづけたいと言った。
だから俺たちはそうすることにした。
『悲しいお別れじゃない』とことみは言った。
『お別れじゃなくて出発』だとも。
――その言葉は正しい。
俺たちはスメールに立ち向かうことを誓い、
彼女は先駆けてその切符を手に入れた。
それだけのことだ。
たとえことみがスメールに旅立ってしまっても、
運命共同体としての俺たちに変わりはない。
割り切れない気持ちはあるけれど
――決して小さな気持ちではないけれど、
ことみがそう望むのなら風のように然り気なく送りだしてやりたい。
ことみの言うようにそれは悲しい別れではなく、
目の前に立ち塞がる運命への開戦の烽火なのだ。
〜2267.04.10 END〜
いいよいいよ〜
>>dクス氏
発売延期になればそれはそれで万々歳なんですが、
時間が足りそうにないのなら締め切り延ばしませんか?
これだけの大作なのだから書ききって欲しいです。
時間がなかったからって不完全燃焼で終わって欲しくありません
どうあれ最後まで書くから安心してほしい。
そうしないとおれも気持ちよく本家のクラナドができない。
〆切を延ばすこともしない。発売日はあらゆる意味で〆切なのです。
クラナドの発売日を迎えた瞬間、この企画は冷めたピザになる。
差し迫った発売日という〆切がなければ、きっと今までの半分も書けていなかった。
たとえ仮病つかって会社休んでも〆切には間に合わせる。
つーわけでおれたちのゴールへ向かってあと3週間、死にものぐるいで逝きます。
〜2267.04.11〜
鴉の鳴き声で目覚めた。
窓から射しこむ朝日はすがすがしい晴天を物語っていたが、
そのせいであまりいい寝起きではなかった。
何か酷い夢を見ていた気がする。
……また公子先生の夢を見たのかも知れない。
智代たちはまだ起きていなかった。
俺は冷蔵庫を開けて卵を3つ取り出し、ボウルに割ってかき混ぜた。
コンロにフライパンを載せバターをあぶる。
色が変わる前に溶いた卵を入れ、固まりきらないうちにとじる。
「おはよう。
……あれ。今朝はことみさんの当番じゃなかった?」
洗面所に向かいながら智代がまだ眠そうな口調で呟いた。
「昨日の夜は俺だったろ?」
「あ。そういうこと」
そう言って智代が部屋の隅の扉に消えるのと、
ことみが広間に出てくるのが一緒だった。
「ごめんなさい。朋也君。
ちょっと遅くまで起きてたから」
「すぐにできるから座ってろ」
「でも。私が当番なのに……」
「昨日は美味いものを食べさせてもらった」
頭だけ振り返ってことみを見た。
彼女は申し訳なさそうに笑って、それでも大人しく席についた。
「猫の分はどうすればいい?」
「え……?」
「今までことみがやってただろ。
……これからは俺が面倒みるから」
俺はフライパンを振りながら、できるだけ湿っぽくならないように質問した。
少し間があって、「いないときは外で食べてるから大丈夫」とことみが言った。
「どういうこと?」
「今朝は姿が見えないから、きっとどこかを歩いてるんだと思う。
そういうところでは鼠や虫をちゃんと捕って食べてるから」
「つまり家にいて腹空かせた顔してるときだけやればいい、ということか」
「うん」
「おはよう」と言って智代が洗面所から出てきた。
俺とことみは朝食のあとに歯を磨き、顔を洗う。
何度も繰り返された朝の風景だった。
こうして3人で朝食を摂れるのも、今日を入れてあと3回。
そう思って眺める広間は見慣れたいつもの広間で
――テーブルに零れたパン屑までもかけがえのないものに感じて、
感傷に堪えるために俺は強く奥歯を噛みしめた。
>>dクス氏
最後まで書いてくれるのか…
安心した。会社を休んでまで書こうという心意気に感動した
今まで通り期待してるんで頑張ってください
174 :
人生ブラフ@セイバータソ(;´Д`)ハアハア:04/04/05 02:04 ID:dP0tRrjs
>>tonkus
お久しぶりです。ブラフであります。
最初手伝うといいつつ何もできず自らの不甲斐なさに呆けるばかりです。
現状だとこのハイペースに協力は出来ませんが(つーかいらないだろうけど)
全て目を通していますし、これからも読み続けます。
身勝手で申し訳ありませんがこれからも頑張ってください。
草葉の陰から応援しております。
敬具
久し振りやね。あれからずいぶん長い時間が経った気がするよ。
発売日にどうしても間に合わせようというのはおれと紫の人の我が儘だ。
伝の字はマターリやりたいと言っていたが、
発売日までに一回仕上げることで半ば強引に同意してもらった。
もともとゆっくりやる予定だったのにそれをねじまげたことは申し訳なく思っている。
駄目だ駄目だ
だーまえだ。
ああそうさ、今日は暖かい日だな。
明日はめざましがならない。注意が必要だ。
君たちは政治について何もわかっていない。
鍵はエロなしだ。これからの就職率は改善されるだろう
朝食を終えるとことみはすぐに大学へ行った。
彼女は研究室で重要な実験装置の管理を一任されていたから、
引継も色々と大変なのだろう。
俺と智代は食事の片づけをしたあと、
清浄な春の大気の中を雑居街へ向かい歩いた。
今日の仕事は雑居街の警らだ。
捕り物よりよほど簡単な仕事だが、それだけに気は緩みがちになる。
とりわけこんな麗らかな春空の下では。
……親しい人との別れを控えたこんな身空では。
「――聞いてるのか朋也」
「……済まん。聞いてなかった」
「今はいいけど、仕事に入ったらしっかりしてくれよ?
今日は私と別々だ。何か起きてもフォローできない」
「初耳だ。またメイド喫茶の方で手が足りないとか言ってるのか?」
「……あんな恥ずかしいことは頼まれても二度とやらない。
人民移住区のほうで大規模な狩り出しをやるそうだ。
私はそっちにまわされる。
昨日連絡を受けてたんだけど、伝え忘れてて。ごめん」
そう言って智代は小さくうなだれた。その頭を俺は乱暴に掻きまわした。
「何するんだばか! 髪が乱れるじゃないか」
「フォローできないのはお互い様だ。
つまらないこと気にかけてぼうっとしてるなよ?
お前の方がずっと危険なんだ。
持ち場を代わるわけにはいかないの、かっ……」
脇腹に智代の肘が入った。
悶絶する俺を後目に歩いて行ってしまう。
だか少し離れたところで智代は振り返り、胸の前に腕を組んで俺を迎えた。
「そういう気の遣い方は止めろ。前から言おうと思っていたことだ。
おまえにそんな心配かけるほど私は頼りないか!」
「それは……」
言いかけて返答に詰まった。
――たしかにそうだ。俺が智代のことを思って危険を買って出ることは、
彼女からすれば誇りを傷つけられる行為だったのかも知れない。
長いあいだの間違いに気づかされて、俺はそれを恥じた。
「……済まなかった」
「分かってくれたならいい。私だって。
……私だっておまえのことが心配なんだ」
「ああ。分かってる」
再びうつむく智代の頭を、さっきよりも優しくもう一度俺は掻きまわした。
頑張ってますな
サイトはあれだけカウンタが回ってるのに、
どうしてこのスレにはギャラリーのレスが少ないのかな。
>>181 NETANNADのネタバレになっちまうのが嫌だから、
漏れはここのSSは飛ばして読んでる。
で、SS読んでないからここに書き込む内容があんまりない。
まあそんな感じで、漏れはこのスレのROMやってる。
183 :
コテとトリップ:04/04/05 20:33 ID:urLDfN+k
SSはもう読む気なくて全部すっ飛ばしてっからレスのつけようがないと正直にいってみる
そうか。近未来編あぼーんしても見ててくれる人がいるんだな。
なんか感動だ。やる気がわいてきた。
185 :
伝乃時:04/04/05 22:19 ID:ODLZgt3G
クラナド発売されたら、一次創作じゃ無いね
寝て起きても気持ちは変わらんか……。
一言だけ許してもらえれば、お世辞でも、恨み言でもなく、
おれはほんわかしたアンタの絵が好きなんだ。それだけ。
雑居街は微睡むような陽光に包まれていた。
週末ということもあり相応の賑わいを見せる街には、
道行く人々の談笑に混じって、ときどき遠くから言い争う声が聞こえる。
その手の諍いに一々反応したりはしない。
商売の駆け引きに私警が割って入るなんて、茶番もいいところだ。
智代はうまくやっているだろうか。
さっき別れたばかりの相棒のことがしきりに気にかかった。
智代が本部からの連絡を俺に伝え忘れたのは初めてだ。
……きっと彼女の心にも、ことみのことが暗い影を落としているのだろう。
俺は頭を振って負の感情を追いやった。
あいつを信頼すると今しがた誓ったばかりだ。
戦闘モードに入った智代の凄さは俺が一番よく知っている。
チンケなこそ泥の狩り出しくらいで彼女が窮地に陥るはずもない。
ビルの谷底から青空に向け鳩が飛び立った。
智代がいなくなった俺の頭に、もう一人の女がすっと入ってきた。
俺は自嘲気味に笑い、次いで大きく溜息をついた。
この雑居街をことみと並んで歩いたことや、
露店で粗末な指輪をねだられて断ったことや、
戯れに丸い髪留めをいじって叱られたことや、
曖昧な笑顔や――そんなものが泡沫のように思い出されて、
頭を振っても、奥歯を噛みしめても、
容易に消えてはくれなかった。
ふと電器屋の前に足を止めた。
売り物の立体受像器(テレビ)にコロッセオの映像が映し出されていた。
……そう言えば愚者のスパルタクス戦は今日の正午からだった。
テロップは正午まであと5分を示している。
そろそろ選手が入場してもいいころだ。
俺は仕事を放って映像に見入った。
スキンヘッドに猥雑なタトゥーを彫りこんだ現スパルタクスが
巨体を揺さぶりながら入場した。心なしその顔は青ざめて見える。
当然だ。数十分後に彼はもう物言わぬ肉片と化しているかも知れないのだ。
今日の彼の役割は、これから登場する男のための生贄でしかないのだ。
愚者はなかなかコロッセオに現れない。
あの男もここ一番で演出を考えているのだろうか……?
時刻は正午をまわった。
次第に場内は騒然としてきた。
現スパルタクスが禿頭を紅潮させてレフェリーに何かを訴えている。
だがいつまで経っても愚者は現れない。
――こんな場面が漫画にあった。
あれはボクシングの世界戦だったか。
抜きん出た実力を持つボクサーの世界挑戦。
王座交代を確信する観客。リングに現れない挑戦者。
内心の安堵を隠して口汚く罵るチャンピオン。
映像ではリングアナウンサーが狂ったように捲し立てている。
こちらまで唾の飛沫が降りかかってきそうな勢いだ。
一体どうしたというのだろう。愚者の身に何かあったのだろうか。
あの漫画の結末はどうだったか。
たしかあの漫画では入場しようとする挑戦者が廊下で――
冷たい感覚が脊髄に走り反射的に屈んだ。
電器屋のガラスが粉々に砕け、テレビが爆発した。
悲鳴があがった。
俺は横に跳びながら振り向き、愕然とした。
いるはずのない男がここにいる。
どうしてこの男がこんな場所にいる!
「愚者(フール)だっ!」
指差して大声で叫ぶ男が視界に入った。
男を顧みることなく、愚者は薄笑いを浮かべ俺を見据えた。
その口から声が漏れた。
「ぎぎぎ」
全身の毛が逆立った。人間の声ではなかった。
まるで背を掴んだときの天牛(かみきり)の呻き。
それは正しく昆虫の鳴き声だった。
「逃げろ!」
両腕のKパーツを発動させ俺は大声で叫んだ。
にも関わらず俺たちのまわりに人は集まった。
彼らはざわめき恐怖を口にしながらも、
みな一様に好奇に光る目を輪の中央に向けていた。
「逃げろ!」
もう一度叫んで地面を撃った。
舗装が砕けて派手に舞い上がり、取り巻きのところまで飛んでいった。
けれども破片を浴びた観客たちは逆に盛りあがり歓声をあげた。
この状況がどれだけ危険か、彼らには分かっていないのだ。
愚者が右腕を突き出した。
避ける俺の右頬を弾が掠めていった。
背後に悲鳴があがった。
……何人死んだのだろうか。
冷め切った頭の片隅で意味のない自問をした。
狂乱が湧き起こり、すぐに静かになった。
いざとなれば雑居街の住人は素早い。
観客の消えた街路に俺と愚者だけが残された。
一発撃っただけで愚者は動かない。
虚ろな笑いを顔に貼りつけたまま、構えもせずに突っ立っている。
身も凍るようなプレッシャーがあった。
恐怖がじりじりと胸に浸みこんできた。
『そのときは逃げることだけ考えて戦う』
昨日の夜に智代はそう言って俺を諫めた。
けれども愚者を前にしてその言葉は酷く滑稽に響いた。
逃げるという考えは俺の頭から消えた。
――次の攻撃をどうかわすか。
猫足立ち、両手を胸の前に構えて、ただそれだけに意識を集中した。
195 :
伝乃時:04/04/06 08:02 ID:gtXcB3gU
実戦で両腕を発動させたのは数えるほどしかない。
見られた相手は殺した。秘密は誰にも知られていない。
普通ならばその秘密は使い勝手の良い切り札になる。
右手にパーツが入っていると見せかけて左。あるいはその逆。
何が起こったか分からないままに相手は絶命する。
自分を上まわる実力を持つ敵を、俺は何人もその汚い手で屠ってきた。
……その切り札は愚者には効かない。
これまでの戦いで培った勘がそう告げていた。
こいつが頭で考えて戦っているとは思えない。
パーツが腕に入っていようが、脚に入っていようがきっとこの男には関係ない。
事実、目に映る愚者の表情には知性の欠片も感じられない。
息を詰めて愚者を見た。
――それはたしかに渚の父親の秋生さんだった。
>195
スクロールさせるの名前だけにする?
おりゃ名字も入れたほうがいいと思うんだが。
最近はここのぞくのが毎日の楽しみだと正直に言ってみる
199 :
伝乃時:04/04/06 10:01 ID:gtXcB3gU
200 :
伝乃時:04/04/06 11:00 ID:gtXcB3gU
うぷろーだ落ちてる?
>198
どーにか間に合わせるつもりですんで生暖かく見守ってやって下さい。
あー。あと前からいわなかんと思ってたんですが、以前に晒した
ホットメールのメアドがなんか駄目で、サイトにアクセスすると
「このサイトでは、.NET Passport サービスに影響を与えるエラー
または問題が発生しています」
とか出て閲覧できんのです。メールくれてる人がいるようだけど、
なにかご用件があるようでしたら、ここに直接書いて下さると嬉しいです。
202 :
伝乃時:04/04/06 19:38 ID:gtXcB3gU
うpろだまたdj
「秋生さん」
震える声で呼びかけた。
その呼びかけに愚者は反応しない。
薄く開かれた口から再び「ぎぎぎ」と昆虫じみた声が発せられた。
「秋生さん!」
今度は叫んだ。
その叫びをきっかけに愚者が動いた。
一瞬で目の前にいた。
右手が俺の肩口めがけて振り下ろされた。
俺は両腕の出力を全開にして繰り出した。受けとめた。
「ぐっ……」
愚者の左が脇腹に入った。
ただのボディブローだった。弾は撃ちこまれていない。
しかしその拳は防弾仕様の制服を通過して、
耐え難い痛みを俺の身体に刻んだ。
堪らず膝を折った。右手が来る。
禍々しい力を秘めた拳が俺の身体を引き裂きに来る。
――これは防げない。
そう思いながら右で迎え撃った。
ぱあん、と音がして俺の右手が弾かれた。駄目だ来る。
逃げろ、逃げろ、逃げろ!
「岡崎っ!」
一閃。
パイルが愚者の右手を貫通し、宙に釘付けにした。
俺は辛くも虎口を逃れ、体勢を立て直した。
「どうして来た……。逃げろ!」
「もう遅い」
智代はパイルを回収して俺の隣に並んだ。
愚者は惚けたように血しぶく穴の空いた右手を眺めている。
愚者の頭めがけて撃った。
愚者はそれを『左手』で面倒そうに払い除けた。
愚者はまだ臨戦態勢を解除していない。
――揃っては逃げられない。
「ありがとう助かった。だからお前はもう逃げろ」
小さな声で智代に告げた。
けれども智代は沈黙をもってそれに応えた。
「頼むから逃げてくれ。でないと俺は――」
「無駄に口を開くな」
智代はそう言ってトンファを愚者に向け構えた。
それで俺も覚悟を決めた。
後の先にしか勝機がないのを彼女も見抜いているのだ。
幸いここはコロッセオではない。
戦い方に文句をつける観客も審判もいない。
愚者がこちらを向いて笑った。
智代を見た。弾丸のように襲いかかった。
トンファからパイルが走った。
心臓を狙ったそれは愚者が身をよじらせることで脇をくぐった。
――智代はもう何もできない。無造作に殺される。
そう思った瞬間に身体が動いた。
滑らかに愚者と智代の間に割りこんだ。
彼女の胸をえぐろうとする右手を同じく右手で撃った。払い上げた。
左手が来た。同じく左手で渾身の理力を撃ちこんだ。
「ぎぎあっ!」
咄嗟に屈む俺の頭上に愚者の右手が風を切った。
間合いから抜け出した。
構え直して愚者を見た。
左の手首から先が失われ、鮮血がびゅっ、びゅっと吹き出していた。
愚者が俺を見た。
呆然としたその顔にもう薄笑いは浮かんでいない。
唇が動いて一つの名前を結んだ。
「……さりな?」
予期せぬ言葉に驚き、心の中で呻いた。
ああ。やはり愚者は――。
俺は息を吐いて、全身の力を抜きかけた。
そのとき愚者の表情に変化が起こった。
呆然とした顔に今まで見せたことのない感情を表出させた。
――それは憎悪だった。
「さりな……。ぎぎぎ。さりな……」
俺は戦慄し……死を思った。
愚者の身体から噴きあがる殺気は、明らかにその色を濃くしていた。
――来る!
そう思った瞬間。ビルの谷に銃声が響いた。
初動を封じられた愚者が背後を振り返った。
警官が隊伍を組んで拳銃を構えていた。
俺たちはその隙を逃さなかった。
一気に離脱し、駆け出した。
すぐに後方で絶叫があがった。
……あんな玩具のような拳銃では愚者にかすり傷一つ負わせられない。
警官隊の全滅を確信しながら、人の消えた街路を走り抜けた。
家に帰り着くや智代は乱暴に俺の服を脱がし、脇腹を指で押した。
「があっ……」
激痛に悶える俺の反応を見て救急箱を取り出し、
接骨布のパックを破った。「右第10肋骨」と書かれたシートが
俺の身体に貼られ、たちまち肉に浸みこんでゆく。
「ぐぐ……」
またしても呻き声が漏れた。
接骨布が食いこんでくる感覚は何回繰り返しても慣れない。
「……右の1本で済んだか」
そんな呟きを無視して智代は俺の身体のあちこちを探った。
一頻り探り終えたところで服を投げてよこし、
「自分で着ろ。あっち向いてるから」と恥ずかしそうに言った。
……こいつのこういうところは、未だによく分からない。
ようやく落ち着いた俺たちは、
床に腰をおろし壁に背持たれたまま弛緩のときを過ごした。
しばらくの沈黙があった。
やがて智代の方でその沈黙を破った。
「その腕はいつからだ」
「……最初から。あえてモルモットを引き受けた。
二丁拳銃は憧れだったからな。
なかなか使えるし、今のところ目立った欠陥もない」
「どうして隠していた」
そう言って俺を睨む智代の瞳に恨みの色はなかった。
そこにはただ寂しさがあって、そのわけは俺にも分かりすぎるほど分かった。
――けれども智代に本当の理由を伝えることはできなかった。
このときのために前から用意してあった言葉を、俺は口にした。
「切り札ってのは、いざそのときまで味方にも明かさないものだ」
「……そうか。そうかも知れないな」
智代は一瞬驚いた顔をし、そのあと悔しそうにうなだれた。
良心が痛んだが――これでいいのだと思った。
「それにしても、どういうことかきちんと説明してくれるんだろうな」
真剣な声だった。
何についての説明か、聞かなくても分かった。
「スパルタクスの懸かった試合でコロッセオにいるはずの愚者が、どうしておまえと」
「それは……」
「それは、私も聞きたい」
広間にことみが入ってきた。
荷物をテーブルの上に置いて俺の隣に座った。
「大学もその噂でもちきりだった。
決勝戦に現れないで、町でたくさん人を殺したって。
……2人とも無事で、本当によかった」
ことみはそこでいったん止めた。
そして思い切った口調で告げた。
「朋也君の知ってること、ぜんぶ教えて。
私は今日これから、今まで自分の調べてきたことを朋也君たちに教える。
だから朋也君も教えて。
それがどんなことでも私は――私と智代ちゃんは聞くから」
そう言って俺の身体越しに智代を見た。
もちろんというように智代は頷いた。
2人の視線が中央の俺に注がれた。
そんなのってないよぉ……。
延期してくれると信じてたのにぃ……。信じてたのにぃ……。
213 :
伝乃時:04/04/07 21:02 ID:twcleObQ
>CLANNAD
>2004/04/07
>本日、無事マスターアップしました!
214 :
紫の人:04/04/07 23:11 ID:Xd/7IlN8
久々にKeyのHP見たらマスターアップかよ
絶対に延期すると思ってたのに…
さすがに待たせすぎただけあってこれ以上の延期はないのか…
発売延期切望
もう無理か('A`)
誤魔化しの言葉が頭に浮かんで、消えた。
もういい加減潮時だ。
なぜ今まで隠していたのか、それすらも曖昧になった。
こいつらに隠し事など、最初からすべきではなかったのだ。
「……芳野が話していたのを覚えているか?
俺やことみと同じクラスの古河渚と、その両親がこっちに飛ばされて来たって。
愚者は渚の親父さんだ。古河秋生さん。
飛ばされる前のあの町でも、スメールの中でもパン屋をやっていた」
「パン屋……。ということは岡崎。塔の中でおまえが下宿してた家って……」
「ああ。渚の家だ」
その返事に智代は目を丸くしたが、ことみは表情を変えなかった。
代わりに俺から視線を外し、コンクリートの床に落とした。
「……あの塔の中で、渚は俺の相手だった。
アーガタと言ったかな。触れ合っても大丈夫な異性。
俺はスメールに入ったその夜に渚を初めて抱いて、
それから何回もセックスした」
智代の身体がびくっ、と小さく震えた。
ことみと同じように俺から視線を外した。
「そんな俺たちを秋生さんは黙って見ていた。
塔を抜け出す前日の朝にパン作りを手伝わされて、
『渚が機械に変わってしまう前に優しくしてやってくれ』と言われた」
「その日――塔を抜け出す前日の夜。
学校へゆこうとして起きて、そしたら渚も目を覚まして……」
心の傷が疼いた。傷はまだ乾ききっていない。
なぜ2人にこのことを話さないでいたのか、そこで思い出した。
けれども俺はもう隠そうとは思わなかった。
躊躇うことなくつづきを口にした。
「第六感というやつなんだろうか。
渚は俺がいなくなることに気づいて、引き留めようとした。
そんな渚を振り切って……。あいつを裏切って、
俺はおまえたちのいる図書室に向かった」
智代がもう一度身を震わせた。
ことみは大方知っていたのだろう、何の変化も示さなかった。
大きく一つ溜息をついた。
……結局こいつらにも十字架を背負わせることになった。
それでも後悔はなかった。
その十字架はもともと俺だけのものではなかったのだ。
ことみや智代のものでもあったのだ。
「……あとはおまえらも知っての通り。
俺の知ってることはそれだけ。話は以上だ」
「『さりな』って誰?」
智代が思い出したようにその名前を口にした。
愚者の声を思い出して心臓が凍った。
「言い忘れてた。スメールで生まれた渚の妹。俺が名づけた」
「……そうだったんだ」
「因縁だな。どうして愚者が俺の前に現れたのか分からないけど、
いつかこんな日が来るんじゃないかと、そう思ってはいた」
「……俺の話は終わった。次はことみの番だ」
俺がそう言うと、ことみはおもむろに立ち上がった。
「アーガタはサンスクリット語で縁(えにし)。
渚ちゃんのお父さんが朋也君の前に現れたのは、
きっと偶然じゃない」
ことみはテーブルについて居住まいを正した。
少し間を置いて俺たちもそれに倣った。
全員が椅子に座ったところでことみが語り始めた。
「私は大学に入ってから、大佐からの情報とは別に
自分の力でスメールのことを調べてきた。
どうしてスメールが建てられたのか。
なぜ中に人を住まわせているのか。
誰がどうやって運営しているのか。
私たちがこの時代に来たことに、スメールは関わっているのか。
――たくさん調べて、ずっと考えて、幾つかの仮説を立ててみたの。
それをみんなここに置いてゆく。
もう明後日にはスメールにのぼらないといけないから」
「聞かせてくれ」
ことみは俺をちらりと見て、驚くべきことを口にした。
「私は2061年の夏に、74歳で死んでいる」
「……それは、何の話だ?」
「200年前の戸籍を調べたの。
苦労したけど、ちゃんと見つかった。
『一ノ瀬ことみ』はあの町で生きつづけて、2061年の夏に亡くなった」
「待てよ。つまり今ここにいることみとは別に、
もう一人のことみがあの町にいたってことか?」
「もう一人の私と言うより、今の私と過去の私は恐らく同一の存在。
仮説でしかないけど。
でもあの町に私が生きつづけたのは、戸籍が正しければ事実。
朋也君の戸籍もあった。朋也君は――」
「いや! いい。教えてくれなくていい」
俺は慌ててことみの言葉を遮った。
……自分の寿命なんて聞いて気持ちいいはずがない。
平気でそれを告げることみの感性は、いったいどうなっているのだろう。
「そう……。智代ちゃんは?」
「えっ? いや私は……。
もちろん私も聞きたくないよそんなの!」
置いてけぼりをくらっていたらしい智代が我に返り、激しく首を横に振った。
それを見てことみは再び残念そうに「そう……」と呟いた。
225 :
伝乃時:04/04/08 10:46 ID:0uWTiS13
タイムリープとはまた懐かしいご本を・・・
前略 音屋のお二方。
セッパ詰まって参りましたが、進捗状況はどんなもので御座いましょう?
>226
たしか映画化されたような記憶も。
「この下の時間軸が私たちの元いた時代。
その時間軸の中を生きていた私たちは、ここの一点で上の時間軸
――私たちが今いる時代に移った。
でも下の時間軸に生きている私たちは、
何事もなかったようにあの町で生きている。
ここの一点から私たちは過去と現在で同時に存在しているとも言えるし、
現在ここにいる私たちの存在が元いた時代の私たちの存在に
脇道として付加されたとも言える」
「……ええと。よく分からなくなってきた。
今ここにいる俺たちは、250年の時間を超えて、
こうトンネルをくぐるようにやってきたわけじゃないのか?」
「違うの。私たちは複製。
ここの一点における私たちのコピーが250年後の世界で作られた。
それが今の私たち」
「タイムトリップというのは、ある存在が同一性を保持したまま
時代を超えて旅することを言うと思うから、私たちのそれとは少し違う。
時空を扱う物理学は2103年にポーランドのコナジェブスキという人が
提出した論文がパラダイムシフトになって、今ではそうした
『過去の存在を移行的に再構成する』ことが理論的には可能なの。
未来から現在へは不可能。過去から現在への移行だけが可能。
もっとも過去から現在への移行を現実に行いうる施設は、世界中でスメールだけ。
先駆けて実用化されたシステムは、それからどんどん改良されたの。
たとえば――」
「たとえばこの時代にきたばかりのときから、
私たちは周りの人たちと普通に会話できた。
あれをおかしなことだとは思わなかった?」
「言われてみれば……。
あまりに自然だったから気にならなかったけど、
250年も経って言葉が少しも変わっていないのはおかしい」
「スメールの転移システムには適応処理ルーチンが含まれているの。
言語に関する調整がそこで行われる。
だから私たちは何の疑問もなくこの時代に溶けこめた」
「でもそれだと今の私たちは250年前の私たちとはもう別人なんじゃないの?
複製ってことは……あれ何て言ったかな。
そうクローン。クローンみたいなものでしょ?
それに色々と改造されてるみたいだし……」
「それが違うの」
ことみは智代の意見に首を横に振った。そしてノートの図に矢印を書き加えた。
http://bbs2.avi.jp/photo/?wid=3321337&kid=27969&mode=&br=pc&s=
「現在において移行的に再構成された存在が生命体である場合、
その生命活動の停止をもって存在が過去に戻る。
たとえば現在の私がここで生命活動を停止したときには、このAに戻る。
そして改めて過去の時間を生きることになる。
明らかにエントロピーの増大則がねじ曲げられていて、
そのメカニズムはまだ解明されていないけど、
現行の理論ではそれが定説になってる。
だから過去の私は、もう一人の私と言うより、今の私と同一の存在。
私たちは過去と現在で同時に存在しているとも言えるし、
現在ここにいる私たちの存在が元いた時代の私たちの存在に
脇道として付加されたとも言える」
「つまり俺たちは死ねば……」
「そう。理論的には元いた時代に戻れるはず。
この時代を生きた記憶はすっかり失われてしまうけど」
「でもその話だと今の私たちは、元の時代の私たちに戻るときに消え去って、
いなかったのと同じになるよね。
それって……普通に死ぬのとどこが違うの?」
「自己同一性が失われることを死と捉えれば、その二つは全く同じ。
けれど――」
「けれど記憶を失った俺たちは、元の時代に生きつづけることはできる、
ということか」
「理論的にはそう。ちゃんと戻れるはずなの。
……でもその基本を踏まえてつづきを話せば、
私たちが死んでもあの時代には戻れない」
http://bbs2.avi.jp/photo/?wid=3321342&kid=27969&mode=&br=pc&s=
233 :
紫の人:04/04/08 22:51 ID:bDTPPPId
うん。いい感じ。
面白いヽ(´▽`)ノ
235 :
伝乃時:04/04/09 03:35 ID:YHTUSw4p
あかん、スクリプト打ってたらこんな時間だ。
Nscripter更新版の追加命令
loadgosub *loadlb
によって、「テキストウィンドウの濃度設定」が、セーブデータ単位ではなく、
ゲーム全体に適用出来るようにしました。
「薄い」でセーブしたデータでも、オプションで濃いに変更すれば、濃いくなります。
あと同じく追加(というか不具合だったらしい)の「右クリックメニューからゲーム終了」
を追加。
236 :
伝乃時:04/04/09 03:46 ID:YHTUSw4p
自動クリック時間の設定も、ゲーム全体に適用出来るようにしました。
(今まではゲーム立ち上げる度に1秒に再設定されてた)
想像を絶するスパゲッティスクリプトになってます。バグフィックスよろ。
本気汁の飛び交う素敵な展開になってきたネ。
眠ってねーもんだからテンションがあがって仕方ねえ。
……しかし読み返してみるとアラがありすぎだ。
とりあえず>231はこう訂正ね。
***********************************************************
「現在において移行的に再構成された存在が生命体である場合、
その生命活動の停止をもって存在が過去に戻る。
たとえば現在の私がAで生命活動を停止したときには、このA’に戻る。
そして改めて過去の時間を生きることになる。
明らかにエントロピーの増大則がねじ曲げられていて、
そのメカニズムはまだ解明されていないけど、
現行の理論ではそれが定説になってる。
だから過去の私は、もう一人の私と言うより、今の私と同一の存在。
私たちは過去と現在で同時に存在しているとも言えるし、
現在ここにいる私たちの存在が元いた時代の私たちの存在に
脇道として付加されたとも言える」
「さっきの説明では、私たちがAで生命活動を停止したときには、
このA’に戻って改めて過去の時間を生きることになると言った。
存在の移行が発生するこの一点にA’の側から戻ればそうなる。
けれどこのA”の側から移行点に戻るとしたら?」
「……またすぐに未来へ移行することになるのか」
「そう。一つの環(ループ)ができあがる。
スメールの転移システムに適用されているのはこちら。
過去から現在への移行それ自体が可能なら、この環を形成するのは簡単。
パラメータを変更するだけで実現できる」
「この環の形成が何を意味するのか私には分からない。
私たちは2年前のあの日から、いずれこの時代に
命を終えるまでをぐるぐるまわっているのかも知れないし、
ループした回数だけ平行世界が成立して、
その平行世界ごとに私たちの複製が生きているのかも知れない」
「それなら……私たちが元いた時代の、
この点から後ろには誰もいないはずなんじゃないの?」
「うん。誰もいないはず。
でも記録では私は2061年まで、あの町で生きている。
これは希望だと思う。
この時代での私たちの行動によっては、あの町に戻れるという希望。
――私はスメールに入って、この希望を叶える方法を探す。
転移システムにもぐりこんで環を破ってみせる。
それが大佐から与えられた私の仕事でもあるから」
ことみが口をつぐみ、広間に静寂がもたらされた。
数時間前に愚者と対峙していたことが遠い昔の出来事であるように感じられた。
……そんな重い使命がことみに課せられていたなんて。
スメールを脱出したあのときと同じくらい
――あのときよりも危険で難しい役目だ。
今度はそばに俺たちがいない。
ことみはたった一人でそれを完遂しなければならないのだ。
――しかし。
何かが俺の頭に引っかかっていた。
時間転移の仕組みはだいたい理解できた。
俺たちが時の環の中に囚われていることも分かった。
けれども……。
「どうして私たちが連れて来られたの?
わざわざ引っ張ってきて閉じこめるなんてややこしいこと……。
スメールの中に住んでる人たちと何か関係あるの?」
智代の質問にことみの表情が翳った。
「それは……」と言いかけて口籠もった。
「つづきはおれが話してやるヨ。
姉ちゃンに喋らせるのはチット酷な内容だからな」
足下から猫(カルマ)の声が響いた。
俺はそこで頭に引っかかっていたものの正体に気づいた。
大佐からの指令はすべてカルマから俺を通して2人に伝えられていたはずだ。
にも関わらずことみは俺の知らない使命を受けていた。
「でもカルマにその権限はあるの?」
「なあに。姉ちゃンの知ッてることを代弁するだけだからさ。
御大も文句は言わねえだろ」
膝にのぼってきた猫の頭を撫でて「それなら」とことみは呟いた。
智代もすっかり聞く姿勢に入っている。
「……って、待て。ちょっと待て!」
思わず椅子から立ち上がった俺に、2人と1匹が
不思議そうな視線を向けた。
「お、お前ら知ってたのか? こいつが喋る猫だって!」
俺の問いかけにことみは猫を撫でながらおずおずと頷いた。
智代を見た。「私は耳がいいから」と事もなげに呟いた。
「何だよそれ……。完全なピエロじゃないか。俺は」
崩れ落ちる俺を見て、猫がこれ以上はないというような
嫌らしい笑みを浮かべた。
「まッたく愉快だなアンタは。
今日まで笑いを堪えるのにおれがどれだけ苦労したか分かッてる?」
「……覚えとけよ、この糞猫。
だいたいお前ら、どうしてそのこと隠してたんだ」
「隠してたのは私たちじゃない。おまえだろ岡崎」
智代がそう言って俺を睨んだ。
反論しようとして……できなかった。
まったく悲しいほど智代の言うことが正しかった。
俺は天井を仰いで深い溜息をついた。
「それにしても姉ちゃンの慧眼はさすがだな。
どッかのお間抜けさンとは大違いだ。
輪廻のことまで見抜いてるとは思わなンだ」
「輪廻?」
智代の呟きにことみが顔をあげた。
猫を撫でる手を止めて俺たちを見た。
「私たちが今いる時間の環のこと。
人為的に作り出された輪廻。
須弥山(スメール)はその輪廻の舞台で、
因縁(アーガタ)を軸にまわってる。
どこまでも仏教世界にこだわるみたい」
「そりゃそうさ。連中はテメエらを護法の神に準えてンだからな」
「連中ってのは、誰のことだ?」
「スメールの頂上にいる10人の学者先生。
もう150年も生きてる妖怪みてえなヤツラさ。
この国の何から何まで裏で牛耳ッてる。
アンタらをこの時代に引ッ張ッてきたのもその先生方というわけだ。
連中はそうやッて過去から客を招待しては、
のこのこスメールに飛びこンで来るのを待ってるんだヨ」
「それって……あの塔の中にいるのは、
みんな俺たちのように過去から連れて来られた人間なのか?」
「いや。そうでないのも混じッてる。
蠅取り紙に蚊がつくみたいなもンだな。
まあそれでもざッと8割は過去からの招待客だ」
短い沈黙があった。
次に聞くべきことは一つだったが、口にするのが躊躇われた。
それでも俺はどうにかその質問を絞り出した。
「あの中に、過去の人間を集めて、どうするんだ?」
「餌だよ。連中が長生きするためのな。
別に過去の人間じゃなくたッていい。
ただ罠にハマり易くて後腐れがないッてだけの話だ。
あのスメールというのは人間の牧場なンだ。
正確には――人間の脳味噌のな」
伝の字にお知らせ。
********************************************
薄闇の中に目を覚ました。小さな窓の外に黒い空が見えた。冷たく湿った空気が頬に触れていた。雨はまだ降っているようだ。
bg "bg/koya_asa.jpg",6
部屋の隅には智代があどけない寝顔を見せていた。その身体には毛布がかかっている。ふと隣に目を遣った。膝を抱えうずくまるようにして眠ることみの姿があった。
「……こんな不自然な格好でよく眠れる」
ld c,
「もう、起きてる」
頭を腕の中に落としこんだままことみは囁いた。智代に気遣ってか、今にも消え入りそうな声だった。
「おはよう。よく眠れた?」
********************************************
なんかここらでバグってるっぽい。
バックトゥザフィーチャー思い出した
248 :
伝乃時:04/04/09 11:50 ID:YHTUSw4p
>>246 すんまそん。立ち絵付けようとして、そのまま放置してました。
そろそろテキストの投下やめて完成版またせたほうがいいんじゃない?
絵の改良予定は無いんですか?
251 :
伝乃時:04/04/09 18:44 ID:YHTUSw4p
とりあえず、日曜までに公開したいという部分までは大方終わりましたよ。
あとは中間デモとチェック。それと塔から落ちる画像をどうにか調達せにゃ。
中間デモ、キャラ別々に出すとすると背景は真っ黒のまんまでいいのかな。
それとも文字を出しっぱなしにして、キャラと名前だけ変えるんかな。
今のところ背景・キャラを4秒4秒の計8秒でやってる。
テンポ的にも合わせるのもこれが最適だと思うが、これだと2分19秒使い切るのは無理。
>249
テキストの貼りつけはそろそろ止めようかとも思っていたんだが、
あぼーんして見ててくれる人もいるみたいだし良いのかなとも考えて。
それに音屋の人にテキスト見せる方法を探さなかんのだよな。
このスレは今まで表舞台じゃなく舞台裏として使われてきたわけだし、
最後まで書ききるのもまた一興かと、そんなことを思ったり。
>250
立ち絵とかに意見があるようでしたら、どんなもんか詳しく教えて下さると
紫の人が悦びます。なおせる時間があるかわからんけど。
背景に意見があるようでしたら、それもうかがいたいのですが、
絵の背景だとたいていおれが氏にます。ごめんなさい、ごめんなさい……。
伝の字にこっそり伝令。綴りは「Karman」な。
254 :
伝乃時:04/04/09 23:53 ID:YHTUSw4p
>カルマ
了解。ってか、全員最初だけ大文字にした方がいいかな。
YUSUKE YOSHINO→Yusuke Yoshino って。
あとルビは、どういう基準で打とうか。
現状基準は「俺が読めん漢字」にしてるんですが。
はーん。爆睡してまったー。
YUSUKE YOSHINO→Yusuke Yoshinoの方がよさげかと。
文字がどうも大人しめの印象なので、
もっとインパクトが出ると良いと思うけど難しいかな。
漢字は難解なのは極力避けてるつもりなんだが、
まーその辺は伝の字のセンスで自由にやってくれい。
256 :
伝乃時:04/04/10 12:03 ID:uXeS8mwX
デモで、名前が出ている時にデモ飛ばすと、名前が残ったまんまになる不具合を修正。
>ルビ・文字
了解ました。
すぐには反応できなかった。ことみに目を遣った。
彼女は沈んだ表情でテーブルの上を眺めていた。
……どうやらカルマが言っていることは口から出任せではなさそうだ。
「脳味噌を……その学者たちが……食べるのか?」
「いやスマン。グロいもンを想像させちまッた。
餌ッてのはあれヨ。ものの喩えさ。
脳生理学は21世紀初頭に飛躍的転機を迎えた。
老化抑制ホルモン『マナゲン』の発見だ。
脳下垂体から分泌される、ホメオスタシスを維持するためのいわば命の水。
その分泌が年々減少することで老化が発生し、
やがて死に至ることをどこぞの偉い人が突き止めたンだ。
人工的には作り出せない。
猿のを使ッたら目も当てられない副作用が出た。
連中の命はもうすぐ尽きる……とくりゃあとは言わなくても分かるだろ?」
「アンタらにゃ理解できると思うが、あの塔の中に招かれた人間は
そこで暮らしているうちに従順な家畜になッてゆくンだ。
子を産み育てるだけの、隣で誰が何してても関心を示さねえ動物にな。
そうやッて家畜として仕上がッたあとは、適当なところで『処理』される。
殺しはしねえヨ。ホルモン垂れ流してるうちは価値があるからさ。
脳味噌だけ取り出されて、蛸の脚みてえにチューブつけられて
液体に沈められる。まあ乳牛と一緒だわな。
忍びこんで眺めたことがあるけど、薄暗い部屋に
ボンヤリ光る脳味噌の群れッてのは、なかなか壮観なもンだぜ?」
「……もう聞きたくない」
智代が真っ青な顔でそう言い、両手で耳を覆った。
その気持ちは俺にも分かった。
ことみが始め言い淀んだ理由も理解できた。
――カルマの語る凄惨な絵は、
俺たちのために用意されていた未来だった。
恐怖に塗り潰された心に、やり場のない怒りが沸々と湧いてきた。
「そんな気狂いどもを、どうして野放しにしてるんだ」
俺の怒りを知ってか知らずか、
カルマは軽薄な表情を崩さず髭を揺らした。
「誰も刃向かえないからに決まッてンだろ。
スメールは軍隊の管制システムすら握ッてるンだぜ?
それにドンパチ仕掛けようなンて阿呆はオレたちくらい――」
「彼らはこの国を核から護った」
静かな、しかしよく通る声でことみが呟いた。
カルマが弾かれたように上を仰ぎ見て、素早く彼女の膝から飛び降りた。
「第三次大戦を無事に乗り切るためにスメールは建てられ、
十賢者はあらゆる情報を駆使して列島に核の傘を開いた。
情報の力でこの国に落ちるはずの核を他国に向けさせ、
100年以上ずっと護りつづけた。
その過程で彼らは神格化し、今となっては不可触の存在として
塔の頂上に君臨するようになった。……違う?」
カルマは壁際に背を立てこちらを見ていた。
その顔にもう笑みはなかった。
「アンタが猫だッたら……オレは絶対そこの間抜けみたいに放ッとかねえ」
そう言って俺を睨んだ。
左右で色の違う瞳に嫉妬の火が小さく灯っているように見えた。
「感動させてもらッた礼に良いこと教えてやるヨ。
愚者はまた来るぜ。明後日か、その次あたり。
左手が再生したらまた来る。
姉ちゃンには関係ないが、残りの2匹は別の隠れ家を探すンだな」
カルマはそれだけ喋って、扉の隙間から外に出てゆこうとした。
「待て……待てよ。待てカルマ!
愚者について何か知ってるのかお前!」
声をあげる俺の方をちらりと顧みて、もう一度皮肉な笑いを浮かべた。
「愚者はスケープゴートだ。アンタらの果敢な行動に捧げられた。
徒(あだ)おろそかに思ッてはならンぞ婿どの」
そう言い残して行ってしまった。
――あの猫はいつでも好きなことを言っていなくなる。
俺はまた一つ大きな溜息をついた。
既に夜だった。
智代が立ち上がり、キッチンへと向かった。
「ことみさん。まだつづきがあると思うけど、食べながらにしようよ。
お腹空いて死にそう」
「ううん。もうぜんぶ話したから。
私もお腹ぺこぺこ。夕飯は何にするの?」
「あるもので適当に……あ。ハンバーグにしようかな。玉葱があるし」
「うん。そう思って昼に買ってきたの」
「挽肉は使い置きが冷凍庫にあったから――」
俺はぐったりとした身体を椅子に預けたまま、
夕飯について話す女たちを眺めるともなしに眺めた。
そして改めて「こいつらには勝てない」と、心の底からそう思った。
それから俺たちは3人で夕飯を食べた。
食事の間つけておいたテレビはどのチャンネルも狂ったように
愚者の事件を報道していたが、
俺たちはもうそのことについて何も語らなかった。
ただ一つだけ。中華街で狩り出しをしていた智代がなぜあの場面で
駆けつけることができたのか。
そう尋ねると、彼女は一言「カルマ」と返事した。
俺はそれですべてを納得した。
食事を終え、片づけをし、シャワーを浴びて個室に別れた。
結局――今晩もいつも通りだった。
ことみは明後日の始発で中京に向かうから、
3人でいられるのは明日が最後。日が昇って沈むまでの間だけだ。
それでもことみは何も言わない。
『今までの生活を出発までつづけたい』
それが彼女の願いなのだ。
明かりを消してベッドに寝転んでもなかなか寝つけなかった。
考えるべきことがありすぎて、頭の中がぐるぐるとまわった。
しばらくそうしていて……考えてもどうにもならないことばかりだと気づいて、
何も考えずに眠ろうと目を閉じた。
まとまりのない映像が瞼の裏をあとからあとから通り過ぎていった。
血まみれの愚者が赤ん坊を胸に抱き涙を流していた。
燐光を放つ無数の脳の中に渚がぽつんと立っていた。
早苗さんの顔をした猫がカルマと番(つが)っていた。
寝台に固定された公子先生の頭に冷たく光るメスが……。
今夜はきっと酷い夢を見るだろう。
今まで見たこともないような――文字通りの悪夢を。
そう思いながら俺は浅い眠りの中へ沈んでいった。
意識が落ちるその直前まで、
おどろおどろしい映像が休みなく頭に飛び交いつづけた……。
闇の中に目を覚ました。
部屋の窓が開いていた。まだ夜だった。
冷たい春の夜気がゆっくりと部屋に流れこんでいた。
「私はね、赤ちゃんを生めない身体なの」
枕元で女の声が囁いた。懐かしい声だった。
俺はそれで自分がまだ夢の中にいるのだと知った。
「子供のころ病気をして、大きな手術を受けて。
だから祐介さんの思いに、応えてあげられなかった」
悲しい声だった。その悲しみに俺の心は震えた。
声にならない声で公子先生の名を呼んだ。
「風子の気持ちも知っていた。
たった一人の妹が初めて恋をしたんだもの。
それを叶えてあげたかった。
でも私には、どうすることもできなかった」
ベッドに身を起こした。先生はそこにいた。
俺は倒れかかるように先生の胸にすがりついた。
「先生ごめん。……ごめんなさい」
「謝ることなんてない。これで良かったと思うの。
あの家で2人は幸せそうに暮らしていた。
風子の初恋を叶えてあげられた。私はそれでいい。
だから岡崎君が謝ることなんてない」
「先生……公子先生」
眠りながら泣いているのだ。
そう思いながら公子先生の服を濡らした。
涙を流したのは本当に久しぶりだった。
先生は俺の頭を抱き、優しく髪を撫でてくれた。
「泣かないの。
岡崎君にはもう守らなきゃいけない人がいるんだから。
小さなことで涙を流しては駄目。
いつでも胸を張って、誰にも負けない強い心を持って」
先生はそう言って俺の頭を胸から離した。
溢れる涙に先生の顔が霞んで見えた。
「返事は?」
「……はい」
「よろしい」
俺の返事を笑顔で受けとめ、公子先生はすっ、と目の前から消えた。
口の中の唾を飲みこみ、涙を拭った。
少しだけはっきりした意識で辺りを見回した。
部屋にはもう誰もいなかった。
開け放たれた窓の外に、弦月が今にも消え入りそうな姿を晒していた。
〜2267.04.11 終わり〜
いいペース
超頑張れ
269 :
伝乃時:04/04/10 23:39 ID:uXeS8mwX
最新版アップしました。
NETANNAD ver.0.2.0
http://den.with2ch.net/top.html ■更新部分
・ことみ、智代の立ち絵追加
・中間デモ追加
・ウィンドウ濃度変更と自動読み上げ速度をゲーム全体に適用
・近未来編シナリオ追加
不具合等があったら、メールアドレス宛にお願いします。
うん。完成版では夏かのみたく最初にばーんと葉鍵板のロゴ出したいとおれは思ってる。
まあ葉鍵板ゲーのお約束といってもそれほど先例がないような気もするけど。
〜2267.04.12〜
「おはよう」
寝ぼけたまま広間に出るともう9時をまわっていた。
ことみが一人テーブルについて朝食を摂っていた。
智代の姿は見えない。
「おはよう。朋也君。何だか眠そうな顔してる」
「ああ。……ちょっとな」
俺の分のコーヒーカップも用意され、まだ入れたばかりなのだろう、
熱い湯気を立てている。
こういう気配りが自然にできるのはことみの魅力だ。
寝不足の目を擦りながら椅子に座りコーヒーを飲んだ。
ことみがキッチンから焼きたてのトーストを運んできてくれた。
至れり尽くせりだ。
――公子先生との会話がまだ心に尾を引いていた。
夢とも現実ともつかない邂逅と、開け放たれた窓。
あれは本当に夢だったのだろうか。あの日からつづく罪悪感が
また俺に感傷的な夢を見させただけなのだろうか。
それとも……。
「変なこと聞くけどさ。昨夜ことみの部屋に誰か訪ねて来なかった?」
「うん。来たけど」
「誰が……来た?」
「智代ちゃん」
「何だ。智代かよ」
つまらない落ちにがっくりと力が抜けた。
そう言えば智代はどうしたのだろう。
たいてい一番に起きる彼女が今日に限って朝食の席にいない。
「珍しく智代が遅いな。
いくら非番だからって、こんな時間まで眠ってたら目が腐るぞ」
遅くに起きてきた俺を迎えるときの智代の口癖を借りた。
今日は仕事がない。
ことみには隠しているが、無理を言って休みをもらった。
最後の日くらい3人で過ごしたい――そう思ったからだ。
「……智代ちゃんは朝早くに出かけた」
「え? どこに」
「屯所に始末書を書きに。朋也君を助けに行ったことについて」
>>伝乃時氏
激しくGJ!
乙カレー
「ああ。あれか」
智代は昨夜の夕飯あたりに屯所に連絡を入れていた。
持ち場を離れて私闘を行い、
あまつさえ逃げ帰ったのだからお咎めは当然だ。
むしろ始末書で済んだのは運が良かった。
「おれの逃亡については何も言ってなかった?」
「智代ちゃんの口からは」
「そうか。でも軽い処分で助かった。
始末書だけならすぐ帰って来られるだろうし」
「そのあとは愚者の調査だって。町で聞きこみをするみたい」
「懲罰でか?」
「自主的に、と言ってた」
「何だそれは」
……智代は何を考えているんだ。
愚者のことはたしかに気になるが、聞きこみをして解決できる問題じゃない。
それに――俺たち3人には、もう今日しか残されていない。
そのことは彼女もよく知っているはずだ。
「明日の朝まで、ずっと帰ってこないって」
「智代がそう言ったのか?」
俺の問いかけにことみは食器を重ねながら小さく頷いた。
まったくどういうつもりだ。
……幸せな気持ちで送りだしてあげたいから休みをとろうと
言い出したのは智代じゃないか。
「そういうことなら、あれか?
ことみが出てゆくまで俺たちは2人きりってことか?」
「うん。そうしてほしいって」
俺はなおも文句を言おうとして……ことみの表情に気づいた。
それは初めて見る彼女の表情だった。
恥ずかしそうな、嬉しそうな、けれども寂しそうな顔。
こいつも時にはこんな顔を見せてくれるんだな。
しみじみとそう思った。
考えてみればことみと差し向かいで朝食を摂るのは初めてかも知れない。
現場に貼りついたまま智代と2人で食べることはあった。
だがことみとは――不意に思いあたった。
智代がここにいない理由について。
「昨日の夜に、智代はそのことを話したのか?」
複雑な表情のままことみは頷いた。
「一日だけ朋也君を私にくれるって」
うまく返事ができなかった。そんな俺にことみは優しく笑いかけた。
「外に出よう。朋也君。
一緒にまわってみたいと思ってたところが、色々あるの」
立ち上がって俺を見た。
窓の外から小鳥たちの歌声が聞こえた。
279 :
伝乃時:04/04/11 12:12 ID:1JJieQdL
>>270 そうですね。leafkey板輩出品としての印みたいな。
なんか効果音も付けた方が良いのかな……。
>>275 いつも応援ありがとうございます。
抜けるような青空が広がっていた。
風はほとんどなかった。
住宅から離れた小さな公園に人影はなく、
片方の鎖が外れたままのブランコが人足の
絶えて久しいことを物語っていた。
「ここは変わらないな」
公園の中央には一本の大きな木が立っていて、
その太い枝の上にハックルベリーフィンが住んでいたような
丸木小屋が建てられている。
寂れた風景の中にあって、その小屋だけは子供たちの
楽しい笑い声を思い起こさせる。
もし俺が子供のころにこんな小屋が近くにあれば、
きっと住みついて家に帰らなかっただろう。
「ブランコもそのまま。もうあの子たちはいないのかな」
ことみは使い物にならないブランコを手で揺すった。
強い既視感があった。ここへ来たその日も
そんな仕草をしていたことを彼女は覚えているのだろうか。
東京へ来てまだ間もないとき、
俺たちはこの公園を見つけてあの木の小屋で幾晩か過ごした。
粗末な見かけによらず頑丈な造りで、
生い茂る葉の下に雨漏りの心配もなかった。
別の場所に宿の宛てができて小屋を出ようとしていた朝。
手を繋いだ男の子と女の子が木の下から小屋を眺めていた。
――小屋は彼らの隠れ家だった。
俺たちは木を下り、2人に頭を下げて公園を去った。
「梯子が危なかったからな。
怪我して親に止めさせられたとか、そういうのじゃないといいけど」
ことみはブランコから離れて木の幹に寄り添った。
細長い板を釘で打ちつけただけの『梯子』に指を触れた。
あのころから心許なかったその足場は既に朽ちかけ、
とても俺やことみの体重を支えられるとは思えなかった。
けれどもことみはそこに足をかけ、木の幹をよじ登っていった。
「おい。危ないって」
駆け寄って上を見あげた。
木洩れ日の影にことみの白い下着が見えた。
俺は慌てて目を逸らし、逸らしたままでは役に立たない
ことに気づいてまた視線を起こした。
そのときにはもうことみは小屋の中にいて、
少し意地の悪い目で俺を見おろしていた。
丸木の隙間から射す日の光が板張りの床に
奇妙な模様を描いていた。俺とことみは隣り合って座り、
ガラスのない窓から覗く青い空をぼんやりと眺めた。
「見た?」
思い出したようにことみが言った。
何のことか分かったが、あえて「何を?」と惚(とぼ)けた。
けれどもことみはその一言を告げずに、「見た?」とただ繰り返した。
「ああ。しっかり見た」
「何を見たの?」
「こ……この!」
握り拳をつくってことみのつむじをぐりぐりと押した。
「……朋也君。いじめっ子?」
「どっちがだ。お前はそればっかりだ」
「だいたいことみが悪いんだ。腐りかけの梯子を登ったりして」
「うん。だから私は何も責めてないよ?」
ことみはこちらに顔を向け穏やかに笑った。
逆に俺の方が恥ずかしくなって、視線を窓に移した。
「あまり危ないことはしないでもらいたいね」
「何も危なくない。朋也君が下にいたから」
視界を影が覆った。
唇に柔らかいものが押しあてられた。
ことみの匂いがした。
――俺たちの二度目のキスだった。
「……ことみ」
「朋也君は約束を守ってくれた。スメールから落ちるときも……。
智代ちゃんが教えてくれた。
朋也君は命を懸けて私を守ってくれた、って」
そう囁いてことみはまた唇を開いた。
吸い寄せられるように俺はその唇を求めた。
小さな背中を抱き、長い時間をかけて舌を絡め合った。
ことみの甘やかな吐息が漏れた。
俺の腕を掴む手に力が入った。
「私の髪一本まで、ぜんぶ朋也君のもの」
ゆっくりと唇を離しながらことみが呟いた。
「朋也君は、私のこと嫌い?」
質問に応える代わりにもう一度その唇を求めた。
ことみは潤む目で俺を見つめ、泣き笑いの表情で告げた。
「今日一日だけ……朋也君の恋人でいさせて」
それから俺たちは手を繋いで思い出の道を歩いた。
砂利道を抜け、鉄橋を渡り、中華街の大通りに出た。
時計はもうすぐ三時だった。
ことみは俺の手を引いて一軒の喫茶店の暖簾をくぐった。
「点心の美味しいお店なの。
いつか朋也君と一緒に入りたいと思ってた」
店員は俺たちを街路に面したオープンテラスへ案内した。
ことみはメニューを開いて俺に見せた。
そこには漢字と値段の数字しか書かれていなかった。
「朋也君。何が食べたい?」
「読めない。ことみのお薦めでいい」
「……おまかせ?」
「ああ。その美味しい点心ってのが食べたい」
――公園を出てしばらくはこの中華街に住んだ。
裏路地の奥。今はもう取り壊された空き家の屋根裏部屋に、
鼠の声を聞きながら夜を明かした。
昼間は職を探して必死に駆け回る毎日だったから、
こうして太陽の下、平和に点心を楽しむことなど思いも寄らなかった。
「今思えば、あの頃も楽しかった」
「あの頃?」
「屋根裏に住んでいたころ」
「どこが良かったんだ。あんな埃臭い部屋」
「目を覚ませばいつも隣に朋也君と智代ちゃんがいた。
だから私はしあわせだった。
木の上の小屋にいたころも。
ビルの階段でこっそり眠ったときも」
懐かしそうに笑うことみに、俺は気の利いた表情を返せなかった。
彼女は明日から冷たい石の部屋に一人起き、一人眠る。
それを思って、けれどもすぐに打ち消した。
……今はそんな話題はいらない。
今日ここにいることみのことだけを考えればいい。
「ことみの料理は美味くなったよ」
「え?」
「ことみの中華料理は、最近とみに美味くなった」
俺がそう言うと、ことみ少しだけ赤くなって視線を落とした。
「智代ちゃんには負けられないから」
「何だよ。ひょっとして張り合ってたのか?」
「朋也君。智代ちゃんのお料理にばかり『美味しい』って言うの知ってた?」
289 :
紫の人:04/04/11 22:25 ID:2VhpUx0V
なんだかデモばっか豪華になる予感。線画つけてパワーアップしたら
デモ単体をダウンロードできるようにしても面白いんじゃない?>伝の字
上目遣いのことみが呟いた。思わず吹きだしてしまった。
ことみの目に涙が浮かぶのが見えた。
俺は手を振ってそれを止めた。
「そんなの、ことみの料理が美味いからに決まってる」
「どうしてそうなるの?」
「いつも美味い料理にはいちいち美味いって言わないんだ。
智代のはときどき美味いから、そういうとき誉める」
「……本当に?」
「ああ。本当だ。
でもことみが勘違いして良かった。
俺はそれだけ美味い料理が食べられたわけだからな」
店員が料理を運んできた。
小さなカップに茶を注ぎ、料理の名を告げて竹籠の蓋をあけた。
もうもうと立つ湯気が午後の光の中に消えていった。
292 :
伝乃時:04/04/11 22:59 ID:1JJieQdL
となると、背景は白にした方がいいっぽいですね。
黒背景+白線画だと、ダークな雰囲気になるし。
293 :
伝乃時:04/04/11 23:10 ID:1JJieQdL
さっそく手を伸ばし、熱くてすぐに引っこめた。
ことみが笑って箸を差し出した。
……蒸した饅頭を箸で食べるものだとは知らなかった。
「美味い」
竹籠の箸にあった饅頭は上品な甘さで、
ほのかに苦いお茶ととても良く合った。
「そう言ってもらえて嬉しい」
「とても美味い。もっと前に来れば良かった」
ことみは料理には手をつけず、
饅頭を頬張る俺の顔をじっと見ていた。
俺は気恥ずかしくなって、わざと突き放すような調子で言った。
「ことみも食べろよ」
「うん。……ねえ朋也君?」
「ん?」
「私と智代ちゃん。どっちが好き?」
ことみを見つめ返したまま口の中にあったものを丸飲みした。
激しく噎せた。ことみが差し出すお茶でどうにか流しこんだ。
「……いきなり何だ。驚かせるな」
「私と智代ちゃん。どっちが好き?」
ことみは真剣な表情で質問を繰り返した。
俺は口の周りを拭って咳払いをした。
A.両方好きと答える
B.ことみの方が好きと答える
>292
ダークな雰囲気もいいんじゃない? というかおれはそっちきぼん。
>285の最後の2行でマジ泣きそうだった
ガンガレ!
泣きも考えちゃいるが、こればっかりは逆立ちしても本家には敵わん。
>294の選択肢でA.を選んだ場合
***************************************************
「ことみも智代も、両方とも好きだ」
思い切って正直に告げた。その答えにことみは相好を崩した。
「そう言ってくれると信じてた」
「……我ながらいい加減だと思うけど」
俺が自嘲気味に呟くと、小さく頭を振って
「いい加減なんかじゃない」とことみは言った。
「私は智代ちゃんのことが好き。朋也君のことも好き。
だから朋也君が智代ちゃんのことを好きで
――私のことも好きでいてくれるなら、3人はいつでも一緒。
たとえ離ればなれになっても、心は繋がっている」
――まるで明日からは智代とつき合えとでも言いたげな口振りだった。
実際にことみはそう思っているのだろう。
そして……きっとそうなる。
ことみがいなくなった部屋に智代と2人きりで寝起きしていれば、
俺はきっと誘惑に抗しきることはできない。
そのことに気づいていたから、智代は今日という日に俺たちを2人にした。
打算からでも憐憫からでもない。
智代は今、この町のどこかで俺たちのことを考えている。
少しの寂しさと、それよりも大きな幸福を胸に抱いて。
「さて。次はどこへ?」
……智代の思いに応えるためにも、彼女のことを考えてはならない。
魔法が解けるまで俺はことみの恋人でいる。
つき合い始めたばかりの、何もかもが輝いて見える季節の。
***********************************************************
以下、共通ルート
>294の選択肢でB.を選んだ場合
***************************************************
「ことみが好きだ」
思い切ってそう告げた。その答えにことみは訝しそうな目をした。
「……本当に?」
「本当だ。俺はお前のことが好きだ」
「あ……。智代ちゃん?」
俺の後ろを眺めて呟くのを聞き、反射的に振り向いた。
そこにはもちろん誰もいなかった。
「どうしてそう意地が悪い」と言いながら頭をもとに戻して
――その文句を最後まで言いきることができなかった。
テーブルに身を乗り出したことみの唇が俺の唇を塞いだ。
そのまま俺たちはしばらく舌を舐め合った。
街路で誰かが吹き鳴らした景気のいい口笛を、遠い国の奏楽のように感じた。
「ことみがこんな大胆なことするなんてな」
「朋也君となら、何だってできる」
ようやく唇を離したことみは、恥ずかしげもなく俺をじっと見守った。
……思い返せば俺たちは人前で明け透けなことばかりしてきた。
道沿いの喫茶店でテーブル越しにキスするなんて、ほんの可愛いものだ。
「こういうオープンなのは嫌いかと思ってた」
「好きか嫌いか分からない。私にはすべてが初めてだから。
……朋也君は嫌い?」
「俺だって分からない。……ことみと同じだから」
「朋也君と一緒で、しあわせ」
そして俺たちはまた長いキスをした。
薄く開いた目に店員の暖かな眼差しが映った。
「次はどこへ?」
ことみの吐息を感じながら質問した。
「どこへでも」
そう言って彼女はまた俺の唇を求めた。
***********************************************************
以下、共通ルート
――俺たちは東京に来てたどってきた道をなぞった。
辛く苦しい記憶の中に、小さな幸福を見つけだしては笑い合った。
その度にキスをした。
一つ一つの風景に、初めてのキスを俺たちは刻みこんでいった。
大学の構内に入ったころにはもう誰彼だった。
ここには学祭の夜に忍びこみ、酔った学生に紛れて一夜の宿をとった。
ことみにとっては馴染み深い場所だが、俺はそのとき以来だ。
講堂の前のベンチに腰かけた。
桜の花びらが舞っていた。
散りかけの桜がわびしい姿を晒していた。
「もう桜も終わりだな」
「あの桜が一番好き」
ことみの横顔は陶然と目の前の桜を眺めていた。
色づいた陽がその頬を薄らと橙に染めていた。
「あの桜は今、変わろうとしている途中。
必死に頑張ってる。とっても綺麗だと思う。
満開の桜より、夏の葉桜より、私はあの桜が一番好き」
「ことみは、強いな」
薄緑の若葉を疎らに生やした桜を見つめながら呟いた。
「どうして?」と言ってことみが俺に顔を向けた。
「普通はそういう状態を嫌がる。
たしかに花は散らなきゃならないし、散りきらないうちに葉も生えるけど、
その間は桜もきっと不安で堪らない。
……それを綺麗だと言えることみは、強いと思う」
「そんなことない。私だって怖い」
そう言ってことみはうつむいた。
夕焼けの中にピンクの髪留めが小さく揺れた。
「桜は私たち。毎年のように死んで、生まれ変わる。
……私たちが時間の輪の中で、こうして生きてるように」
「でも桜は考えない。
未来を考えないで、今だけを見てる。
今この瞬間を全力で生きてる。
そういう強さを、私も持ちたい。
私も……。そ、そういう強さを……」
俺はことみを抱き寄せた。
初めて自分からキスをした。
涙がことみの目から俺の頬につたった。
唇から温かいものが身体の芯に広がっていった。
鼻を擦り合わせ、唇を噛み合って俺たちはキスをつづけた。
午後6時を告げる鐘が鳴った。
夜まではもう、わずかしかなかった。
俺はいま束の間の奇跡の中にいる希ガス
306 :
伝乃時:04/04/12 13:20 ID:VOTzE29M
楽しみにしてます
308 :
伝乃時:04/04/12 18:52 ID:VOTzE29M
東京編からは、もう以前の音楽・背景は一切使わないんですかね?
ごせーえんありがとうございます。目の下の『くま』もこれで報われます。
>308
以前の音楽・背景は使わない方針でいきたい。
まーご想像の通り最後はスメールにカチこみをかけるので、
そんときの音楽・背景などはジッグラト編のものを流用できるが。
>306
フォトショで色調補正→階層の反転で一発。
312 :
伝乃時:04/04/12 20:33 ID:VOTzE29M
>>309 了解しました。
>>310 いや謝るのはこちらの方です。誤解させるような発言をしてしまって。
313 :
伝乃時:04/04/12 21:19 ID:HHEqONf5
書き込める?
無事移転完了だな。豚丼食って今朝もガンバルか。
最後にたどりついたのは操車場だった。
貨物列車のコンテナに揺られ、
降り立ったここ東京で初めて目にした、俺たちの原点。
金網を乗り越えて忍びこんだ。
無数の線路が月明かりに濡れていた。
周囲に人影はなかった。
物言わぬ空っぽの車両が整然と列をなし佇んでいた。
遠く電車の警笛が聞こえた。
輪転の音が薄闇を細かく震わせ、やがてゆっくりと消えていった。
その操車場を俺たちは手を繋いで歩いた。
ことみは歌を歌っていた。英語の歌だった。
曲名を尋ねるとことみは歌うのを止め、
「スカーバラの市(スカボローフェア)」と答えた。
「それってもっと物悲しい曲じゃなかったか?」
「私のため1エーカーの土地を見つけだしてください」
「え?」
「海と海岸線との間に」
扉の開いたコンテナがあった。
ことみは手を解いてそのコンテナのへりに腰かけた。
俺も同じようにした。
「パセリ、セージ、ローズマリー、タイム」
「……何だそれは?」
「魔除けのおまじない。
さっき謎をかけられたとき朋也君はおまじないの言葉で答えるべきでした。
でも答えなかったので朋也君には呪いがかかりました」
「どんな呪いだよ」
「……教えてあげない」
ことみは俺を振り向かせ、唇を合わせてきた。
もう今日で何回目か分からないキスをした。
ことみが譫言(うわごと)のように俺の名を呼んだ。
愛しさが血に溶けて全身を駆けめぐった。
「……! 誰か来る」
「え……? きゃっ」
ことみの口を手で押さえてコンテナの中に連れこんだ。
音を立てないように気をつけながら扉を半分まで閉めた。
しばらくして懐中電灯の明かりと小さな靴音が外を通過していった。
その間、俺たちは身じろぎもせず、ぎこちない姿勢のまま固まっていた。
――充分な時間が経ち、俺は溜息をついてことみを解放した。
彼女は振り返って俺を見つめていたが、そのうち不意に笑いだした。
悪戯を恥じる笑いだった。つられて俺も笑った。
一頻り笑い終えたところで、ことみはもう一度俺を見つめて言った。
「朋也君。抱いて」
無邪気に笑ったあとの優しい眼差しだった。
「ここでか?」と俺は問い返した。
「うん。ここで抱いて」
「何もこんな場所でなくてもいいだろう。
明日の準備もあるだろうし、家に戻ってからにしよう」
そんな俺の提案にことみは首を横に振った。
「準備はもうぜんぶ済んでる。
私物の持ちこみは許されないから荷物なんてないの。
このまま列車に乗るだけ」
「それでもあの家は……一番の思い出がある場所だろ?」
ことみは俺の制服の胸をぎゅっ、と掴んだ。
絞り出すような声で言った。
「あの家には3人の思い出が詰まっているから。
これから朋也君が……。智代ちゃんと2人で暮らしてゆく場所だから」
――ああ女だ。俺はそう思った。
今ここにいるのは、混じりけのない無垢な少女だ。
「朋也君の恋人でいられる今日で最後のお願いです。
今、ここで抱いて。
旅立つ私に、朋也君と2人だけのしあわせな記憶をください」
そう呟いてブレザーの釦を外そうとする手を俺は止めた。
驚いて見つめることみの唇を奪い、
自分の手で一つ一つその釦を外していった。
駄目だ……こんな朝っぱらからエロテキストなんてどう足掻いても書けん。
無理に書いたら皇太子並に薄いと巷で有名なエロ描写が更に薄く……。
昼下がりの会社で悶々としつつ構想を練りなおすか……。
ぁぁぁぁ……時間ねぇのにぃぃぃ……。
一枚絵なし。背景はあり合わせ。そんなゲームならあえて上品に仕立てず、
不完全を意識的に全面に押し出し、魅力に昇華させてB級ゲームに仕上げたい。
そんなことを思った火曜日の朝。――時間は残すところ、あと2週間。
324 :
伝乃時:04/04/13 12:20 ID:W2/nJSZH
>あれなんて書いたるか分からんかったから入れられなかった。
すんません、すんません。
俺も忘れちまいました。
かなり適当な文字列をExciteで翻訳しただけなので。
325 :
伝乃時:04/04/13 13:20 ID:W2/nJSZH
326 :
伝乃時:04/04/13 16:09 ID:W2/nJSZH
コンテナ内は暗い物置みたいなところでいいんだが。
がらんどうで壁があって、2人でいちゃいちゃできるくらいの広さがあれば充分。
適当な文字列だったら、ちとタイトルの文章を考えてみてもいいかな。
長生きの素の画像は禿げあがるほど却・下。
脳味噌はサイトの素材系リンクたどってったところの暗黒工房ってところに
いいのがあるね。ぴくぴく動いてるgif画像もあった。
まあ脳味噌は動くものじゃないし静止画でいいだろ。
ゲームにつかうにはメール送ってくれということらしいけど、
脳味噌なんて他になさそうだし前向きに検討したい。なんならおれが一筆したためる。
ブレザーとスカートを脱がせたあと、
シャツの上からことみの胸に触れた。
張りのある大きな胸だった。
ずっと触れたくて……触れられなかった胸だった。
「あの日から何度も夢に見た」
「ん……。何……を?」
「ことみの胸」
「……夢に見ただけ?」
熱に浮かされたようなことみの瞳が俺を射すくめた。
少しだけ迷ったあと、俺は正直に答えた。
「起きてるときも」
「私も……私も朋也君のこと、何度も夢に見た」
「夢だけか?」
「……朋也君と一緒」
「どんなことを考えた?」
そう言いつつ俺はシャツの上からブラジャーのホックを外した。
ことみは「えっ?」と驚きの声をあげ、それきり沈黙した。
服の中で自由になった胸を弄びながら、
「どんなことを考えた?」と、俺はもう一度尋ねた。
「あ……あん。朋也君に……ん。
朋也君に……抱かれること」
「どんな風にして?」
なおも質問する俺の顔をことみは泣きそうな目で見た。
ちくりと心が痛んだ。
謝る代わりに薄く開かれた唇を塞いだ。
ことみは俺の首に腕をまわし、小さく喘ぎながら舌を絡めてきた。
「朋也君……。好き」
唇を離し、囁いてまた唇を合わせた。
「朋也君……。好きなの」
言葉とキスが幾重にも重なっていった。
ことみのシャツの下で乳首が固くなっているのが分かった。
キスしながらシャツをまくりあげた。
――夢に見た双丘が露わになった。
美しく整った乳房が夜目にもしるく輝いて見えた。
「涙が出そうだ」
「どうして?」
「あんまり綺麗で」
「そんなこと……。そんなこと言われたら……わ、私の方が」
ことみの目から大粒の涙がこぼれ落ちた。
俺はわけが分からないままその涙を唇で拭った。
「なぜことみが泣くんだ」
「き、綺麗だって。言ってもらえて。嬉しくて……。しあわせで」
やがてことみは泣き止むと、おもむろにシャツを脱いだ。
肩からブラジャーを外して、微笑んで俺に告げた。
「2年も遅れたけど。あの日のつづき。
朋也君。私の処女をもらってください」
無意識に喉が鳴った。
服をすべて脱いだ。
自分のブレザーとシャツを床に敷き、その上にことみを横たえた。
そしてことみの最後の着衣――白い下着を脚から抜きとった。
「湿ってる」
「……言わないで」
「触っていい?」
ことみは目を瞑って頷いた。
そっと濡れたヴァギナに指を伸ばした。
「あっ……」
指が触れた瞬間。ことみは喘いで俺の腕を掴んだ。
慎重に奥を探った。
傷つけないように優しく指を動かした。
「あん……。あっ……あ。朋也君。朋也君」
右手の指を性器に残したまま、左手で乳房を揉んだ。
可憐に立った乳首を口に含み、舌先で転がした。
「あ……ん。朋也君。……ああ。あっ」
非の打ちどころのない胸だった。
仰向けに寝ても潰れず、誇らかに隆起していた。
俺はその胸に溺れた。
他の誰にも触らせたくないと思った。
「これはもう俺のものなんだよな」
「あっ……あん。……え?」
「ことみはもう俺だけのものなんだよな?」
俺の腕を掴む手に力が入った。
ことみの中に潜っていた指が強く締めつけられた。
「私の髪一本まで、ぜんぶ朋也君のもの」
俺は指を抜き胸から離れた。
ことみの頭の両脇に手をつき、短いキスをした。
そして痛いほど勃起したペニスの先端でことみのヴァギナに触れた。
じっとことみの目を見た。彼女は無言で頷いた。
ゆっくりと体重をかけた。
「あっ……! あん……。んん……」
狭い入口を抜けた。――貫いた。
「あああ……っ」
ことみが大きな声をあげた。
その両目から涙があふれた。
「痛い? 抜こうか」
「抜かないで。そんなに痛くない」
「無理するな。泣いてるだろ」
俺がそう言うと、ことみは涙を流しながら微笑んだ。
「朋也君だって、泣いてる」
「え?」
ことみの頬に一滴の雫が落ちた。
そこで初めて視界がぼやけていることに気づいた。
俺までも……いつの間にか泣いていた。
「おかしいな。何で泣いてるんだ……俺」
「おかしくなんてない。朋也君と一緒でしあわせ。
……やっと一つになれた。朋也君と……やっと一つに」
頭をおろして唇を合わせた。
口の中を舌でなぞるたびにヴァギナがきつく締まった。
腰から下が溶けてしまったように感じた。
わずかに動くだけで稲妻のような愉悦が脊髄を走った。
「動いて。朋也君」
耳元でことみが囁いた。
「……いいのか?」
「動かしてほしい。……我慢できない」
俺はゆっくりと腰を持ちあげて、落とした。
「あん……っ」
ことみが甘やかに呻いた。
あまりの快楽に危うく射精しかけた。
――そう長くは保ちそうにない。
二度、三度と腰を打ちつけた。
「気持ちいい……。朋也君。気持ちいい」
ことみは頭を振って喘いだ。
大きな胸がぶるぶると震え、乳首が俺の腹を擦った。
繋がったままキスをした。
俺たちは一つに溶けた。
愛しさに我を忘れた。
夢中で身体をぶつけ合った。
頭の中に光が生まれ、みるみるうちに広がり、唐突に弾けて消えた。
「あんっ、あっ、あっ、あああああ……っ」
ことみの声を聞きながら、激しく射精した。
――射精はしばらく止まらず、繰り返しことみの奥に
熱い精液を吐き出しつづけた。
終わったあとも俺たちは繋がったままでいた。
充実した行為の余韻がコンテナの闇に満ちていた。
「朋也君。気持ちよかった?」
「……こんなに良かったのは、生まれて初めてだ」
「同じこと考えてたんだね」
「ことみも気持ちよかった?」
「……どこか遠いところにいた」
「遠いところ?」
「空みたいなところをふわふわ浮いてた。
……朋也君が中にくれたとき、そのずっと上まで。ぐん、って」
「……ごめん。気持ちよくて。考えなしに中で出した」
「謝らないで。……私は朋也君のものだから」
……今回のはまあまあエロくない?
ちょっと下半身が反応した。
342 :
伝乃時:04/04/14 00:39 ID:ouD+cFup
とりあず書類選考は通りました。
明日の筆記試験に向けて、一旦作業は停止します。再開は16日から。
そいつは良かったな。是非ともうまくいくよう祈ってるよ。
>341
うむ。まあちょっとはエロくなったよな。ちょっとだけど。
というか、純愛かつ処女相手で激エロに書くのはどうも枠組みからして
無理なんじゃないかと、そんなことを思ってしまった。
柊を女体化させて無理矢理性感を開発し、自分からねだるまでに調教するとか、
そういう特殊なシチュならかなりエロく書ける自信があるのだけど。
ことみは身を起こしてヴァギナから俺のペニスを引き抜いた。
そしてまだ固さを失っていないペニスに目を凝らした。
「朋也君の、舐めてもいい?」
「そんな。無理するな」
「ううん。舐めたい」
小さく突き出された舌がペニスに触れた。不覚にも声が漏れた。
「朋也君。可愛い」
ときどき上目でこちらを窺いながらことみは丹念に俺を舐めた。
鳥がついばむような、稚拙でぎこちないフェラチオだった。
けれども俺の心は幸福でいっぱいになった。
血と精液で濡れたペニスを熱心に舐めることみの直向きさに強い感動を覚えた。
「俺もことみを舐めたい」
「んん……ん。え? だってそんなの。
……朋也君のが、まだ入ってるよ?」
「拭きとれば問題ない」
俺はスラックスのポケットからティッシュを取り出してことみの股間を拭いた。
「絞るようにして」
「こ、こう?」
ぶちゅ、と音がしてことみの中から大量の精液が流れ出た。
その精液にはことみの純潔の証が混じっていた。
白いティッシュが薄らと桃色に染まっていった。
「……恥ずかしい」
「何も恥ずかしくなんてない」
あらかた吹き終わった俺は、ことみの股間にそっと口づけた。
「え……。あっ、あん。いや……いやいや」
――鉄の味がした。ことみの処女の味だった。
間近に見るそのヴァギナは妖しくも可憐で、
俺はわざと音を立てて貪るように舌で愛撫した。
「だめ……だめ。朋也君。あん、あっ。んん……」
ことみは両股で俺の頬を挟み、頭を両手で押さえつけて快楽に呻いていた。
今しがた拭いたばかりのヴァギナから新たな愛液があとからあとから溢れ出た。
ことみが悦んでくれるのが嬉しくて、俺は無心に舌を動かした。
途切れ途切れの喘ぎを堪らなく心地良いものに感じた。
「あん……んん。朋也君。……切ない。
お願い。もういっかい抱いて。朋也君」
俺は頭をあげた。欲情に溶けきったことみの顔があった。
「今度はことみが上になってみる?」
「……どうすればいいの?」
俺は床に仰向けに寝そべり、上体を起こしてことみを招いた。
「俺の上に跨って、ゆっくりと腰をおろして」
「うん……。んっ、ああっ。……ああん」
愛液に濡れそぼつことみのヴァギナは簡単に俺のペニスを呑みこんだ。
ぴったりと腰が合わさった。
「すごい……。奥まで届いてる」
「自由に動いて。ことみが気持ちいいように」
「でも……。朋也君に気持ちよくなってもらいたい」
「ことみが気持ちよくなれば、それだけ俺も気持ちいいんだ。だから自由に動いて」
「うん……。うん、ん。あっ……あん」
ことみは始め恐る恐る腰を動かした。
だが次第に慣れてくると大胆に快感を求めるようになった。
ペニスが擦れると気持ちのいい部分を見つけ、
しばらくそこばかりを責めて次の場所へ移った。
ことみにとっての悦楽は、俺にとっての悦楽でもあった。
ことみが涙を浮かべ身を震わせるたびに、
俺は射精しそうになるのを必死に堪えた。
それでも限界は来た。
最後が近いことを告げると、ことみは身を屈めて唇を求めてきた。
今までで最も情熱的なキスの中で俺は射精した。
俺たちはお互いの身体にすがり、
細かく痙攣しながらオルガスムスを共有した。
「朋也君のこと、愛してます」
かすれる声でことみが囁いた。
「愛してる。ことみ」
ことみの耳に唇をつけてそう返した。
だがその返事は宙ぶらりんになった。
一つに繋がったままことみは小さな寝息を立て始めた。
俺は苦笑し、起こさないようにゆっくりとペニスを抜いた。
もう一度ティッシュでことみの股間を拭い、
風邪を引かないようにシャツだけ着せた。
隣に添い寝して安らかな寝顔を眺めた。
……離別の悲しみが濁流のように俺を襲った。
けれども俺は涙を堪えた。
ことみの温もりを心の奥に感じながら、いつしか俺も深い眠りに落ちた。
〜2267.04.12 終わり〜
〜2267.04.13〜
目を覚ました俺の隣にことみの姿はなかった。
跳ね起きて周囲を見まわした。
朝日の浸み入るコンテナの床に、俺の服が綺麗に畳んで重ねられていた。
服の上には一枚の紙が載せられていた。
半分に折られていたその小さな紙を、俺は開いた。
――すぐに閉じた。
大急ぎで服を着て操車場に飛び出した。
『気持ち良さそうに眠っているので起こさずに行きます。
朋也君にもらったこの思い出を勇気に、私はもう何も恐れない。
あなたと過ごせた私は、世界で一番しあわせな女です。
思い出をありがとう。 朋也君のことみ』
「おい!」と声をかけてきた駅員を無視して必死で駆けた。
線路の枕木に躓いて何度も転びかけた。
広い駅の構内に飛びこんだ。
そこで立ち尽くした。
ひしめく人群の中にことみはいなかった。
荒く息をつきながら拳を握りしめた。
遣りきれない思いに歯噛みする俺の耳に、馴染みのある女の声が届いた。
弾かれたように顔を向けた。
赤い目をした智代がそこに佇んでいた。
「ことみさんは私が見送った」
言葉が出てこなかった。
ことみはもう――行ってしまった。
「『ごめんなさい』って。岡崎に」
「謝るくらいなら……」
言いかけて止めた。
もう言っても仕方のないことだ。
ことみは行ってしまったのだ。
「すごくいい顔してたよ。ことみさん」
独り言のように智代が呟いた。
涙のあとが残る顔を俺に向け、いつものように生意気に笑って見せた。
「澄みきった綺麗な目をしてた。笑顔で手、振ってた。
向こうでも頑張るから、私とおまえも――」
智代はそこで一度止めた。
目を閉じ息を止めた。
そして再び笑顔をつくって言葉を継いだ。
「私とおまえも頑張れ。そう言ってた」
「……そうか」
ようやくそれだけ言うことができた。
智代が大袈裟に溜息をついた。
「こっちはずいぶん酷い顔してるけどな」
「え? ぐっ……」
ばしっ、と大きな音がして背中に痛みが走った。
あまりの痛みに仰け反って呻いた。
「しっかりしろばか。今日は朝から仕事だ」
悶絶する俺を残して、智代は駅の出口に向かい一人歩き出した。
俺はそのあとを追おうとして――一度だけ振り返り――
朝の人混みをかき分けて駅を抜けた。
すみません。四月中に提出の研究レポートあること忘れてました。
しばらく離れます。すみません。
ってか、本家の発売四月ですか。無理ぽ_| ̄|○
役立たずですみません…
>>147 タイトル、どうしましょうかね。
実は何も考えてません。
それっぽいのをつけて下されば構いませんよ。
GYAaaaaaaaahhhhhh━━━━━━(゚Д゚;;)━━━━━━!!!!!!
ここまできて離れる人が!!
Nooooooooooooooooooo!!!!!!
まだだ、まだ終わらん…
本家より期待してるのに_no
ごめんなさいごめんなさい。
よりによって4/28提出なんです_| ̄|○
あのシーンの曲を書いてもらえただけでも凄く助かりました。>琉球さん
正直、あそこはテキストを変えるしかないと諦めていたので。
もう少し長く琉球さんの曲をプレイヤーに聞いてもらいたいと思い、
あのシーンは加筆する予定でいました。
状況が切迫しているのでちょっと無理かも知れませんが。
それでは、オープニングには当初の決定通りTamさんの
メグメル改を起用させていただきます。
>355
応援してくれるのはありがたいが、
終わるとか終わらないとかアンタが言うことじゃない。
それはおれたちの台詞であり、そしておれたちはそんな台詞は吐かない。
なぜなら絶対に完成させると確信しているからだ。以上。
358 :
伝乃時:04/04/14 19:35 ID:ouD+cFup
>>琉球さん
乙でした。タイトル……どうしよ。今のまま「TRAIN」で良いかな……(汗
レポート頑張って下さい。
>>Tonksさん
例の選択肢。forループと配列変数使おうと思ったんですが、文字列変数[添え字」というのが使えないっぽい。
なんかかなり強引なスクリプトになってしまいそうです。
あと、「中央に広い部屋があって、そこから各部屋に繋がる」という画像が見つかりません。
なんか現在は、どこにでもある極普通のマンションになっちゃってます。
TRAIN‐TRAIN改でいいんじゃないかな。
ミュージックモードでTamさんの曲と揃える意味でも。
部屋は広いのがほしいね。いかにもスノッブな感じの。
金だけはあるホモのホストが物置かずに住んでる、みたいな。
そういう瀟洒な部屋がちょっと古くなったあたりの物件がベスト。
タイトル画像つくってうpしようと思ったんだけど容量制限であげられん。
画質落としたくないんで明日あたりメッセで渡すわ。
360 :
紫の人:04/04/14 21:58 ID:pmRLPCCN
。。。( ゚Д゚)
何とかがんばります。
実は私も今まで何も製作してないのですが、
今からがんばります。
とりあえず「空に光る」やってみます。
復帰早々、相変わらず仕事が早いですね…。
空に光る改すべて聞きました。とてもいい仕事だと思います。
そのうえであえて注文がしたい。TAMさんのオリジナルがほしい。
この空に光る改はどれも原曲に限りなく近いものだと思います。
おれは原曲の空に光るのイメージで結末を描くつもりでいるので、
これをそのまま使えば調和的な出来になるでしょう。
ただおれはTAMさんのメグメル改を繰り返し聞いて、
オープニングでもデモでも聞いて、TAMさんオリジナルの曲に
沿ってエンディングを書きたいという欲求にとりつかれています。
原曲の雰囲気を残しながら、そこからは別の場所に飛躍した
世界に一つしかない曲でおれたちのNETANNADの終わりを飾りたい。
そういう曲を作ることができるのは、TAMさんしかいないと思うのです。
少し時間がかかってもいい。TAMさんの華麗な技を見せてほしい。
メグメル改で見せてくれたような、溜息の出る編曲をおれは見たい。
仕事場に着くまで智代とは一言も喋らなかった。
ときどき何かを呟きかけて口籠もる。
そんなことをお互いに繰り返して、沈黙の道を歩いた。
今日の仕事は一昨日と同じく雑居街の警らだった。
俺が愚者と戦ったことは屯所の面々に当然知られており、
普段は口数の少ない彼らも、
恐怖と好奇心の入り交じった顔つきでそのことを尋ねてきた。
――愚者はまだ捕まっていない。
あれから愚者は何人もの人を殺めながら逃走をつづけ、
ついには軍隊が動いたがそれでも捕縛はできなかった。
愚者は今もこの東京のどこかに潜伏している。
それが専らの噂だった。
きっとまた現れて派手な騒ぎを引き起こす。
多くのファンはそれを信じ、
終日(ひねもす)テレビに齧りついているのだという。
屯所の上役は愚者の襲撃をただの偶然と決めつけていたし、
少し人数を増やしたくらいでどうなる相手でもないという
見識を持ち合わせていた。だから巷の騒ぎにかかわらず
雑居街の警備はいつもと変わらなかった。
……あれがただの偶然ではなかったことを俺たちは知っている。
愚者が今日、明日にでも再び襲って来かねないことも。
けれども町を見まわる俺の目には何も映らなかった。
耳穴に綿を詰められたように、
音さえもぼんやりと霞んで聞こえた。
「ひとたまりもないな」と、小声で自嘲した。
今この場に愚者が現れて一昨日のように襲いかかってきたら、
ひとたまりもなく俺は引き裂かれるだろう。
――交尾を終えたばかりの蟋蟀(こおろぎ)が草むらに
潜んでいた蟷螂(かまきり)に捕らわれ、食い殺されるように。
スメールを抜け出した日のことを思い出した。
歩道橋にことみと向かい合ったあの朝。
押し寄せる不安に耐えながら俺たちは抱き合い、
人々は狂い悶え、やがて景色が弾け町の色が失われた。
今、目の前に広がる雑居街の風景は、
忽然と色が消えたあの町のそれとよく似ていた。
生まれたての太陽が輝いていた。
空はどこまでも青く晴れ渡っていた。
だがその輝きも空の青も、
たった一つの思いの前に色褪せくすんで見えた。
昨日のことみの表情が幻灯のように頭の中でまわっていた。
優しい微笑みや、恥ずかしそうにうつむいた顔や、
涙を流して嬉しいと囁いたあのときの笑顔や。
間断なく胸が締めつけられた。
……長く息を止め我慢してみても、その苦しみは消えてくれなかった。
仕事は昼であがりだった。
別の地区を巡回していた智代と落ち合い、まっすぐ家に帰った。
ドアを開けて入った広間のテーブルにもういない人の幻を見て、
俺はその場に立ち尽くし深い溜息をついた。
「……いつまでつづくんだろ。こんなのが」
智代はブレザーを脱いで椅子にかけ、
キッチンに向かい冷蔵庫を開けた。
「てっとり早くどうにかしたいなら協力するけど」
「何て言った?」
「何でもない。お昼、炒飯でいい?」
「……炒飯は嫌だ」
「じゃあピラフにする。それでいい?」
「それでいい」
昼食の間も俺たちはほとんど話さなかった。
会話が始まってもすぐ禁忌(ことみ)に行き当たり、立ち消えた。
俺たちにとって彼女の存在がどれほど大きかったか。
それを思い知らされた。
新しい生活に慣れるのには長い時間がかかる。
その間、仕事で下手を打つことなく生き延びるのは難しい。
考えて絶望した。
猫(カルマ)の残していった不吉な予言を思い出した。
「どうする。ここを出るか?」
視線を向けてすぐ智代と目があった。
彼女の方でなぜか目を逸らし、
「どうして?」と素っ気なく呟いた。
「愚者が来るとカルマが言ってた」
「そのことなら、きっとどこにいても一緒だ」
智代がにわかに真剣な表情をつくった。
「どういうことだ?」と今度は俺が質問する番だった。
「一昨日のことを考えれば想像がつく。
愚者は最初からおまえを狙ってきた。
この町にいる限り安心できない。
それならこの家で迎え撃った方がいい」
智代は空いた俺の食器をとり、
自分のものと重ねて流しに運んでいった。
「ここは私たちのホームだろ?」と背中で言った。
「そうだな。せいぜい今のうちに罠を仕掛けるか。
ああ。食器は俺が洗うから、作ったやつは休んでろ」
「いい。私が洗う。……おまえは疲れてるだろ?
また新しく当番を決め直さないとな」
それでまた一つの会話が途切れた。
食器を洗う水音が2人には広すぎる部屋に虚しく響いた。
簡単にシャワーを浴びただけで他は何もすることなく、
俺は伸びきったゴムのように午後の時間を過ごした。
せめて個室にふさぎこむことはせずテーブルに残った。
智代も同じように向かいの席について、
けれども黙ったままじっと俺を見ていた。
陽が傾きかけたころ。俺はかすかな臭いの変化を感じた。
――嗅ぎ慣れた部屋の匂いに混じるそれは、
俺たちの仕事につきものの臭い。濃厚な血の臭いだった。
「智代」
「気づいてる。……でも人間のじゃない」
「どういうことだ?」
「この臭いはきっと、動物か何かの――」
「オイ」
扉の向こうから嗄れ声が聞こえた。
カルマの声だった。慎重に扉を開けた。
片耳をなくした血まみれのカルマが、
びっこを引きながら俺の隣をすり抜けていった。
>>dクス氏
遅レスだけど済みませんでした
でしゃばってしまったようで…
完成を心待ちにしています。頑張ってください。
>>364 私ごときにもったいないお言葉。
メグメル改をそこまで気に入ってくださって有難うございます。
では、あんなカンジでやりますよ!
ちなみに、メグメルの0:56や1:07のような基本のコード移動はお好きですか?
私が曲創るときは2パターンあって、
1 最初にメロディーを耳コピして、耳コピを基本にピアノアレンジ
2 最初にピアノを適当弾きして、イイのが弾けたらそれを基本に作りこむ
では、1の方法は封印して、2の方法で行きたいと思います。
とりあえず、適当ピアノ弾きは量産できるので、
いくつか聴いていただいてイメージに合ったものに手を加えるという事で。
今日は私、酔ってますので、どうなる事やら・・・・・・・・・。
できたらやってみますが。
オリジナルの曲をあてたいシーンは沢山あるから、
色々つくっていただければきっとどこかに使わせていただくと思います。
もしTAMさんの方で「この曲はこのシーンに」とか希望があれば
尊重したいので、そういうのも教えてくれると嬉しい。
「何でまだここにいるンだアンタら……。
ヤバいとおれが教えてやッたじゃねえか……」
カルマは苦しそうに告げると床の上にへたりこんだ。
背中が大きく割れ肉が覗いていた。
赤黒い血がべったりとこびりついている。
「智代!」
言う前に智代は台所へ走っていた。
俺は救急箱の中に消毒液と、縫合用の針と糸を探した。
「いったいどうしたんだ……この有様は」
「……後悔するぜ」
「後悔?」
「聞いたらきッとアンタは後悔するヨ。だから……ニャア」
猫の声で弱々しく鳴いて、カルマはぐったりと動かなくなった。
鍋に湯を汲んできた智代が猫の身体に触れ、「まだ生きてる」と言った。
タオルを湯で絞り、血と泥に汚れた傷を拭った。
俺はその傷に消毒液を吹きかけ、針と糸で手早く縫合していった。
「血が出すぎてる。このままじゃ助からない」
前脚のつけ根に指をあて、沈痛の面もちで智代が呟いた。
そして何かに思いあたったように救急箱を漁り始め、
一本のアンプルを取り出した。
「造血剤……人間のだろ。猫に使って大丈夫か?」
「分からない。でも他に方法がない。
猫用の薬なんてないし、病院には連れてゆけない」
――カルマを引き回してはならない。
組織に入って最初に言い渡された厳命だった。
たとえ死にかけても病院に持ちこんではならない。
希少な変異種猫が人目に触れることは、
それだけで破局の導火線になりかねないのだ。
「賭けてみるか」
俺がそう言って頷いて見せると、
智代はやすりをかけてアンプルの口を折り、
注射器に移して空気を抜いた。
動脈を探りあて針を刺した。
ゆっくりと薬液を注入していった。
「おい。全部は」と俺が言ったところで智代は指を止めた。
「そうだった。……多すぎたかな?」
智代は不安そうな瞳で俺を見た。
注射器にはまだ液が半分以上残っていた。
「ちょうどいいくらいだろ。
まあ気にするな。死んだらそのときだ」
心とは裏腹な軽口を叩いて、
止血用のワセリンを指にとり傷口に塗りこんだ。
……憐れみに胸が詰まった。
愛想のない下品な畜生だと思っていたが、
こうして弱りきった姿は小さく華奢な猫そのものだった。
傷は背中と耳だけだった。
耳の傷も相当に酷かったので、人工皮膚(バイオスキン)で手当てした。
赤い肉の中ぽっかりと空いた耳の穴が痛々しかった。
身体に残る血を拭き取り、洗いたてのバスタオルにくるまらせた。
「あとは信じて待つしかないな」
「……うん」
猫はそれからしばらく昏睡をつづけたが、30分ほどして
無事目を開いた。安堵の溜息をつく俺たちを一瞥したあと、
寝そべったまま前脚で顔の毛を繕い始めた。
「何て言うかさ……。今のおれの気持ち分かる?
ホント勘弁してくれ。人間の薬なンか使いやがッて」
「……お前な。助けてもらってその口の利き方は何だ。
礼儀をわきまえろ。猫風情にもそういうのはあるだろ」
「もちろンあるさ。分かッたヨ。
要するにアンタは尻の臭いを嗅いでほしいということだな?
気は進まンがいくらでも嗅ぐぜ?
ああ、そッちの姉ちゃンも嗅いでほしいのかな?」
「私は遠慮しとくよ」
「……やっぱ放っときゃ良かった。この糞猫」
伝の字に告ぐ。
広間、公園の小屋、コンテナ等の背景絵を作ったので取りに来るように。
これで午前が潰れたけれど…。作業の重複を防ぐためageて報告する。
いつも通りの荒んだ会話だった。
だがその荒んだ会話に、今この時ばかりは心を和ませた。
「それで。どうしたんだよ」
「……ン?」
「その怪我は何だ。車に轢かれたとか言うつもりじゃないだろうな?」
「それ当たり。車に轢かれたンだ。まったく酷え話さ。
猫なら轢き逃げしたッて臭いメシ食わずに済むもンな」
カルマはそう言って大きな欠伸をし、後ろ脚で頭の後ろを掻いた。
「真剣に聞いてるんだ。ちゃんと答えろ」
「だから車に轢かれたンだッて。しつこいのは嫌われるヨ?」
「――後悔するってどういうこと?」
平行線になりかけていた会話に智代が割って入った。
カルマはにやけた顔のまま口を開きかけて、
真剣な表情になり溜息をついた。
「言葉通りさ。……よッと。イテ、イテテ。
アンタらも早くここを出ろ。愚者のことは脅しじゃねえからな」
そう言いながらよたよたと扉の方へ歩いてゆき、
そのまま外へ出ようとした。
「それならどうしてここへ来た?」
言葉に殺気をこめた。カルマは扉の前で脚を止めた。
「まだ俺たちがいると思ったから。
そして俺たちに何かを伝えたかったから。……違うか?」
「……警告はしたからな。後悔してもおれを恨むなよ」
そう前置いて振り向いた。
「ことみさンの計画が漏れていた」と呟いた。
「……どういうことだ」
「研究所への招聘は連中の罠だッた。
スメールに着いてすぐ身柄を拘束された。
身の代に要求をつきつけてきた。大佐はそれを断った」
広間に一切の音が消えた。頭の中が真っ白になった。
何も考えられないまま問いかけた。
「どんな、要求だったんだ?」
「おれの身体だ」
素っ気なくカルマは返事した。
「大佐はおれの方が大事だとさ」と嘯いた。
「……アンタらには教えるなと言われた。
教えりゃ特攻かけるわけだから当然だわな。
まず間違いなく死ぬ。
大佐の判断はいつだッて正確さ。残酷なほどにヨ。
『お目付』から逃れようと無茶してこのザマだ。
まッたくヤキが回ッたもンだなおれも」
「お目付?」
「アンタらにとッておれがいるように、おれにもお目付がいるのさ。
こすッからい鴉みてえなヤツだが」
「そんな危険を冒してまでどうして教えに来た?
……どうして教えずに帰ろうとした?」
「サアどうしてかな。おれにも分からねえ。
話すつもりで来たンだが、いざアンタらの顔見たら急に萎えちまッた……」
扉の前でカルマは寂しそうに笑った。
一本だけになった耳が悄然(しょうぜん)とうつむいていた。
「――午前0時に2年D組の教壇に立て」
「え?」
「アンタらの通っていた学校だ。
午前0時に2年D組の教壇に立て。
特異点が発生する。
今度はストリップショウしなくてもそれで上へ行ける。
誰にも教えるんじゃねえぞ?
大佐とおれしか知らない極秘事項だからヨ」
「そんなこと……。お前……どうして」
「あとは知らねえ。死にたきゃ勝手に死ね。
まあ大佐を裏切ッたおれにもあとはないけどな」
カルマはドアノブに飛びついてそれを回した。
扉が少しだけ開いた。
こちらを振り返って言った。
「……ことみさンはこの頭のこと知ッてからもおれを猫として扱ッてくれた。
そンな人間はあとにも先にも、あの人だけだ。
ことみさンの前では、おれはただの猫でいられた。
……彼女が猫なら、絶対アンタにゃ渡さなかッたンだがナア」
それだけ言って、今度こそ扉から出ていってしまった。
広間には俺たちとカルマの置き土産――破滅への切符だけが残された。
387 :
紫の人:04/04/16 22:12 ID:2TVNr6Iq
おぱいをもう微妙に大きく。あとはいい感じだと思う。
「どこへ行く?」
椅子を立ち個室へ向かおうとする俺に智代が声の声がかかった。
「どこって……決まってるだろ。まだ電車はある。
今日中にあの学校にはつけないかも知れないけど」
「行かせない」
「……え?」
「スメールへは行かせない」
「何を……言ってるんだ?」
「おまえをスメールへは行かせないと、そう言っている」
――信じられない言葉だった。
智代は戦いの中にいるときよりも真剣な目で俺を見つめていた。
俺は足下が揺らぐのを感じた。
「ことみが殺……どうなるか分からない状況なんだぞ?
お前は……智代は助けに行かないのか?」
「冷静になれ。おまえは今、取り乱している。
ことみさんを助けに行こうとしているんじゃない。
ただ死にに行こうとしているだけだ」
「それは! ……そうかも知れない。
だが冷静に考えて結論が変わるとは思えない。
たとえ少しでも勝算があれば――」
「勝算はない。動けば確実に死ぬ」
「どうしてそう言い切れる!」
激昂して叫んだ。そんな俺に智代は蔑むような視線を向けた。
「スメールから逃げ出したあの日、
カルマが現れなかったら私たちは死んでいた。それと同じだ。
右も左も分からない建物の中で、おまえはいったい何をするつもりだ?」
「だけど! ……だからって」
「それだけじゃない。万一ことみさんを助け出せたとして、
そのあとのことをおまえは考えているのか?」
「……あとのこと?」
「今スメールに向かうことは大佐への反逆なんだ。
もう私たちに居場所はなくなる。
スメールと組織、両方から追われることになる」
――その通りだった。
智代の言葉はまったく正しかった。
頭ではそれを理解できた。
けれどもその意見に従うことは断じてできなかった。
「それならお前は残れ。一人で行く」
「行かせない」
「俺は行くよ。塔によじ登って守るという約束を果たす時が来た」
「行かせない」
「行くのは俺の勝手だ。お前も勝手にすればいい」
「行かせない」
「ことみが殺されるかも知れないんだぞ!」
「言われなくても分かってる!」
椅子をはね除けて智代が立ち上がった。
その目から数滴の涙が頬を伝いこぼれ落ちた。
「私だってことみさんを助けに行きたい!
行きたくないわけがあるか!
けどことみさんが――。ことみさんがここにいたとして、
そんな出来損ないの筏で海を渡るような真似を許すと思うか?」
最後は消え入りそうな声で智代は告げた。
悔しそうに下唇を噛み、両手を握りしめ震わせていた。
……俺はもう何も言えなかった。
「守ってくれないのか?」と智代が呟いた。
「え?」
「私のことは……守ってくれないのか?」
「お前の身には危険が迫っていない」
「迫ってる」
「どんな危険だよ?」
「……もういい」
智代はまっすぐ個室に向かい、大きな音を立てて扉を閉めた。
しばらくその場に立ち尽くしていたが、
俺もまた自分の部屋に入り扉を閉めた。もう夜だった。
戸棚から財布を取りだし握りしめ、またそれを戸棚に戻した。
――たしかに智代の言うことには一理ある。
俺の頭はこれ以上ないほど激しく混乱している。
せめてそれが落ち着くまで動かないでいた方がいい。
俺はそう思い、大人しくベッドに横になった。
『まず確実に死ぬ』
カルマの言葉が思い出された。智代も同じことを言った。
今こうして考えてみれば俺にもよく分かる。
いや……最初から分かりきっていたことだ。
スメールに潜入する。
正面きってまたあのゲートから入るしかない。
登塔に際しての照会はないと以前カルマが言っていたから、
そこで捕まることはないだろう。
きっとまたどこかの家に送られる。
そこを抜け出して学校へ向かう。
午前0時になるのを待って2年D組の教壇に立つ。
問題はそのあとだ。そのあとは完全な迷宮だ。
俺はあの時のように通路を走るだろう。
あの時の智代のように機械を撃ち破壊する。
そこまではできる。……だがそこまでだ。そこで終わりだ。
全身のアデノシン三リン酸を使い果たすまで俺は撃ちつづけ、
そこで倒れ伏すだろう。ことみがどこにいるのかも分からないまま、
機械から放たれた無数の光線に貫かれる。
そして俺の脳もホルモンを搾取するための家畜となるのかも知れない。
怖ろしい想像だった。
けれどもそれよりもなお怖ろしい想像が俺の心を凍らせた。
ともすればことみが脳だけの家畜に……。
俺はスラックスのポケットを探りピルケースを取り出した。
どんな場所でも眠る必要がある俺たちにとっては必需の睡眠薬。
30分用の錠剤を水なしで飲んだ。
錠剤は喉の壁に何度もつかえながらゆっくりと落ちていった。
改めてベッドに横たわり目を瞑った。
瞼の裏にことみの悲しげな顔が浮かんだ。
……いつしかそれは智代の顔に変わり、必死に口を動かして何かを訴えた。
その顔の輪郭は徐々に曖昧になり、やがて闇の中に溶けていった。
――目を覚まして時計を見た。午後9時だった。
短い睡眠だったが頭の中はすっきりとしていた。
さあゆこう、ともう一人の俺が告げた。
勢いよくベッドから起きあがって伸びをした。
口の中で「よし」と呟いて頷いた。
もう一度時計を見た。中京には今日中にたどりつける。
午前0時に学校へゆくのは無理だろう。
ならば一日かけてじっくりと計画を練ろう。
練ってどうなるものでもないが、
あるいは素晴らしい作戦が浮かぶかも知れない。
財布を取りだして中身を確認した。
中京までの切符は充分に買える。
ブレザーの内ポケットに入れ釦をかけた。
一つのことを残して出発の準備はすべて整った。
……あとは智代のことだけだった。
俺は黙って出てゆこうと思った。
智代までも過酷な運命に巻きこむことはできない。
ことみのために死ぬのは俺だけでいい。
それで心が決まった。
広間に智代の姿はなく、個室の扉も閉ざされたままだった。
最後に一言、智代の声を聞きたいという思いに胸が軋んだ。
どうにかそれをやり過ごして広間を出た。
真っ暗な階段を降りていった。
ほとんど何も見えない闇の中に俺が階段を踏み外すことはない。
毎日のように走り抜けた空間を身体が覚えている。
……いったいどれだけの時間、ここで智代と過ごしてきたのだろう。
厳しい師であり、頼りになる相棒だった。
心を許した友であり、それ以上の存在だった。
あいつは俺の半身だった。
――せめて智代には幸福になってほしいと思った。
「行くのか」
暗闇から声が聞こえた。智代の声だった。
「ああ」
「死にに行くのか」
「そうだ」
「私の声はもう、お前には届かないんだな」
「ちゃんと届いた。それでも行く」
「……行かせない」
「分かってくれ。俺はことみを……う! ぐっ」
左肩に衝撃があった。激しい痛みが走った。
目を遣った。肩から闇に向け鉄の杭が延びていた。
何が起きたか理解するまでに時間がかかった。
「おまえをスメールには絶対行かせない!」
智代の絶叫ががらんどうのマンションに反響した。
それが2人の初めての実戦開始の合図になった。
パイルが引き抜かれ闇に消えた。
俺は扉を蹴破り三階の広間に転がりこんだ。
「どうして?」とは聞かない。左肩を撃ってきたことで明らかだ。
智代は俺の戦闘能力を奪おうとしている。
そうしてスメール行きを諦めさせるつもりだ。
実際、俺の左手はさっきの攻撃でもう上がらなくなっている。
「不意打ちとはやってくれるな。先生」
柱の影に身を隠して壁に声をぶつけた。
こうすることで声が反響して出所が分からなくなる。
だがその直後、俺は飛んできたパイルを避けるために
俺は身体を仰け反らせなければならなかった。
舌打ちして身を翻らせた。別の柱の影に隠れ息を止めた。
「まさかおまえが本気で私に勝てると思っていたとはね」
広間の壁全体がスピーカのように智代の声を発した。
俺の方では彼女の居場所をまったく掴めない。
「一から十まで教えた。おまえのことは全部知ってる。
攻撃を受けて、次にどうするかということも!」
パイルが再び空を切った。
右肩を撃ち抜かれる寸でのところで身を捩ってかわした。
――強敵だと認識した。
今まで戦ったどの相手よりも手強い敵だった。
何よりこの戦いは、決して相手を殺してはならないのだ。
俺はそこで初めてパーツを発動させた。
虚空に向け全開で発射した。
向かいの壁に穴が空き、夜の光に智代の影が映し出された。
その影は素早く闇に消えた。
「……ちゃんと避けろよ。俺のように」
小さく口籠もって飛び出した。
その背中を高速の鉄杭が掠めていった。
智代の握るトンファのパイルは戦車の装甲をも貫く特別製だ。
たかだか防弾仕様の制服など紙切れに等しい。
だがそれでも容赦なく撃ってくる彼女に奇妙な感謝を感じた。
智代は俺のことを信頼している。俺だから彼女は全力で向かってくる。
それが分かった。だから俺も全力で応えようと思った。
至近距離で撃たなければいい。
そうすればATP弾の衝撃は、制服に包まれた智代の命を奪うには至らない。
扉の陰から前触れなく脚が繰り出された。
咄嗟に右肘でそれを受けとめた。
そのまま掴もうとして逃げられた。
伸びた右腕の先から理力を放った。
暗闇に小さな悲鳴があがった。
立てつづけに2発撃ったが当たらなかった。
衝撃が壁に弾かれる大きな音がした。
その音に紛れて部屋の隅に身を潜めた。
呼吸を止めて智代の気配を探った。
――見つけた。苦痛に呻くかすかな声を闇の中に捉えた。
俺の心は悲しみで満たされた。
……智代の身体を少しでも傷つけたくはなかった。
だがその悲しみを振り払い、決着をつけるために俺は床を蹴った。
そのとき智代が叫んだ。即座に異変を感じた。
智代の声はまっすぐ俺に向け飛んできた。
これではまるで居場所を知らせているようなものだ。
「来るな! 逃げろ!」
智代がまた叫んだ。
俺は異変を確信した。その異変の正体が何であるかも。
激しい憤りを覚えながら全速力で駆けた。
カルマの警告を無視して、俺たちはいったい何をやっていたのだ。
「愚者(フール)!」
地面にうずくまる智代の背中に今にも愚者の右腕が
振り下ろされようとしていた。俺は右手で左手首を掴み、
両手を突き出して飛びこみながら撃った。
下に向かっていた愚者の右手の軌道が滑らかに変わり、
俺の渾身の一撃をいなした。
愚者が俺を見た。暗闇の中その表情は読みとれない。
「朋也……。朋也。朋也。
ぎぎぎ。ぎぎぎ。ぎぎぎぎぎぎ」
身の毛もよだつ昆虫の雄叫びをあげ、愚者は一直線に俺に襲いかかってきた。
――絶望的な戦いだった。
両手であれだけ苦戦した愚者に右手一本で勝てるはずがなかった。
最初の弾で右脚を撃たれた。
それでチェックメイトだった。
骨は無事だったが筋肉を痛めた。
もう機敏な動きはできない。
俺は死を覚悟した。
その覚悟をもって愚者の懐に飛びこんだ。
右掌の底で心臓を狙った。
その手を愚者の右手が掴んだ。
終わった――そう思った。
だが愚者は理力を放つことなく、俺の身体を高々と吊り上げた。
荒く息をつく鼻面を押しつけてきた。「お前のせーだ」と呟いた。
「……え?」
「お前のせーだ朋也。お前のせーだ。朋也。せーだ朋也。
お前の。朋也。せーだ。お前のせーだ朋也。お前のせーだ。
ぎぎぎ。ぎぎぎ。ぎぎぎぎぎぎぎぎぎ」
「ぐ……はっ」
左拳が腹にめりこんだ。
二発、三発と同じ場所が打たれた。
俺は口から血を吐いた。
目の前に愚者の顔があった。
その顔が不気味に歪んだ。
笑っているのでも、怒っているのでもない。
俺にはそれが何の表情か分からなかった。
「せーだ。お前のせーだ。お前のせーだ。朋也。朋也。
朋也。朋也。せーだ。せーだ。せーだ。お前の」
愚者はそう言って俺を高々と上へ放り投げた。
立体受像器(テレビ)で何度も目にした愚者得意のパフォーマンスだった。
落ちてくる敵の胸を突き上げてとどめの弾を撃ちこむ。
俺は必死に身体を動かそうとして、腹の痛みに呻いた。
右手と左手であらぬ方向に弾を撃った。
それでもう何もできなくなった。
木の葉のように舞いながら、すぐそこにある死の瞬間を思った。
約束を守れなかった2人に心の中で詫びた。
凄まじい閃光が部屋を明るく照らした。
――これが死の瞬間の映像か。
そう考えた直後、俺は床に叩きつけられた。
まともに背中から落ち全身に痛みが走ったが、少なくとも俺は生きていた。
目の前にあるべき壁がなくなり、夜の景色が広がっていた。
振り向いた。
――左腕を付け根から失い、肩から脇腹までもえぐられ、
放心の表情で立ち尽くす愚者がそこにいた。
その後ろには智代が倒れ伏したまま、まだ残光の輝く右手をかざしていた。
「智代……お前」
愚者が智代を見た。
咄嗟に俺はその背中を撃った。
愚者は被弾し、無様に床に転がった。
流れ出た血が床を紅に染めた。
「ぎぎぎ。ぎぎぎ。ぎぎぎ」
子供に捕らえられた虫が頭を振って呻くような声を漏らし、
愚者は力なく起きあがろうとした。
俺はその頭を狙い右手を構えた。
「さよなら」と小さく呟いた。
けれども次の瞬間。愚者は目の前から消えた。
俺は自分の目を疑った。
辺りを見回して、失われた壁の前に寄り添って立つ2つの影を見た。
「この人を殺しては駄目」
その影の一つが囁いた。
懐かしい声だった。聞きたくとも聞けないはずの声だった。
こんな場面で聞くとは想像もしなかった声だった。
「公子先生!」
「こっちに来ては駄目」
先生の右手があがった。
その先にエネルギーの高まりを感じた。
「嘘だろ?」と思わず独り言(ご)ちた。
「どうして先生が……? なぜ、愚者を……」
「スメールに来ては駄目」
先生は愚者の身体に細い紐を巻きつけた。
端を結ぶとそれはベルトのように貼りついた。
見覚えのある道具だった。
「公子先生!」
「スメールに来ては駄目。
あなたは坂上さんと一緒に幸せを探しなさい。岡崎君」
そう言って先生は愚者を抱え夜の闇に飛び降りた。
俺はあとを追おうとして、腹の痛みに足止めされた。
……また肋が折れているのかも知れない。
背後にかすれる声を聞いた。そこで智代のことに気づいた。
急いで駆け寄った。仰向けにして胸に抱えた。
その口の端には濃い血の泡が浮いていた。
「智代!」
「……大丈夫。心配するな」
「なに言ってる! 血を吐いてるじゃないか!」
「おまえだって吐いてるだろ。
それに私のこれは殴られて吐いた血じゃないから」
「……つづきは上で聞く。抱えるぞいいか?」
「え? あ。ちょっと!」
みなまで言わせず智代を抱え上げた。
その身体は思っていたよりもずっと軽く柔らかかった。
「降ろせよばか」
そう言ってうつむいたきり、智代は俺の部屋に運びこまれるまで身動き一つしなかった。
「それで。血を吐いたのはなぜだって?」
智代の身体に異常がないことを確認し、
自分の肩の傷を簡単に手当した。
肋は2本折れていて、
また接骨布のおぞましい感覚に堪えねばならなかった。
「これを撃ったせいだ」
智代はベッドに身を起こし、右手をこちらに向けて見せた。
反射的に身を竦めた。一面の壁を消し飛ばし、
愚者の身体を切り裂いた閃光がまだ目の奥に残っていた。
「とんでもない大砲だな。そいつは」
「これは欠陥品だ。
同じモニター製品でもおまえのそれとは出来が違う。
出力を最低に絞ってあの威力だが、身体にもその見返りが来る。
半日は立てないし、全開で撃ったらどうなるか考えたくもない」
「どうして黙っていたんだ」
俺がそう尋ねると智代はかすかに微笑み、
芝居がかった口調で告げた。
「切り札ってのは、いざそのときまで味方にも明かさないものなんだろ?」
「……どこかで聞いたような台詞だな」
俺が左手を隠していたように、智代も右手に秘密を抱えていた。
――あの時の智代の気持ちが分かった。
お互い様だと知ってはいても、これはなかなか寂しいものだ。
「おまえと同じだよ」
「え?」
「大佐はおまえを最初から試験体にする気でいた。
そうカルマから聞いた。
だからその役を私にしてくれるように申し出たんだ」
「……大佐ってのはよほど冷酷な男だな。
俺たちを駒としか見てないんじゃないか?」
「私も最近そう思うようになった」
見たことのない男の顔を思い描いて舌打ちした。
苦境から救ってくれた恩人には違いないが、
どうやらその一言で片づけていい人物でもなさそうだ。
智代の身体には手を加えないという約束を平気で破った。
しかもこんな危険極まるパーツを……。
「ごめんな」
「どうして謝る?」
「お前を守ってやれなかった」
「ちゃんと守ってくれたじゃないか」
「智代は言っただろ。『私の身にも危険が迫ってる』って。
真面目に聞いておけば良かった。そうすればこんなことには……」
「あれは違う。もっと別の意味だ」
「どんな意味だよ」
「おまえが死んだら、私は生きてゆけないから。
ほら。私にも深刻な危険が迫ってるだろ?」
そう言って智代は悲しく笑って見せた。
そして表情を改め、「行け」と弱々しく囁いた。
「もう行け。最終にはまだ間に合う」
「傷ついたお前を放っては行けないよ。
――どうせ明日の夜までは何もできないんだ。
まったく智代がこんなずるい女だとは思わなかった」
「……そうだな。私は汚い女だ」
「汚いとは言ってない」
「いや汚い。私は自分のことが嫌いになった」
智代は壁に背を持たれ天井を仰いだ。
白く端正な首筋が目に飛びこんできた。
「その汚い女が、ことみに最後の思い出をプレゼントしたりするかよ」
「違う。本当はことみさんのために言い出したことじゃない。
あの一日は私のために必要だったんだ」
「どういうことだ?」
「……中途半端なままことみさんが行ってしまえば、
おまえの心にことみさんが強く残ると思ったんだ。
だからきちんと形にしてから行ってほしかった」
俺は深い溜息をついた。
こいつはいい女だが、どういうわけか恋愛には暗い。
「それは女の考えで、男はまったく逆だ」
「逆?」
「中途半端なまま終わればそのうち忘れるけど、
きちんと形になったものはいつまでも心に強く残る。
男とはそういうものだ」
「……なんだそうなのか。
それじゃ一日泣いてたのがまったくの無駄じゃないか」
智代は膝を抱え、頭をその間に埋めた。
ずっと泣いていたのか、と思ったが口には出さなかった。
「……お前は本当にそれを無駄だと思っているのか?」
――智代が嘘をついているのが分かった。
ことみを思う気持ちがなくて、あんなことを言い出せるはずがない。
「智代は汚い女なんかじゃない。心の綺麗な女だ」
「綺麗なものか。今日だって」
言いかけて詰まった。
俺の左肩に目を遣って、何かに堪えるように下唇を噛んだ。
「今日だって私のためにおまえを傷つけた」
「だけどそれは――」
「違う。誰のためでもない。私のためだ。
ことみさんが行ってしまって、これからはおまえと2人だと思った。
それなのにこんなことになって……おまえに行くと告げられたとき、
目の前が真っ暗になった」
「おまえと離れたくなかったんだ。
たとえそのためにことみさんを……ことみさんを」
俺は智代に歩み寄り、その額を軽く指で弾いた。
驚いて頭をあげた智代の唇にそっとキスをした。
「岡崎……」
「なんだか今日はやたら素直だな」
「もう最後だと思ったから。ちゃんと気持ちを伝えておきたくて」
智代はそう言って恥ずかしそうに俺の目を見た。
普段の勝ち気な彼女には見られないその表情に心が震えた。
「お前は綺麗な女だ。純粋で可愛い」
智代はますます恥ずかしそうに下を向き、
猫が脅えるように身を縮こまらせた。
「……初めてキスしてくれた」
「悪かったか?」
少し意地悪く聞いてみた。
だが智代はかぶりを振って、「悪くなんかない」と言った。
その素直な反応が可愛くて、俺は再び智代の唇を求めた。
智代はベッドの上に脚を崩して座り、壁に身を委ねていた。
緊張のためか固まっていた。
唇を合わせたときわずかに身じろぎした。
「……さっきのが初めてだから」
「知ってる」
「どうして知ってるんだよ」
「さあな」
「……私だって知ってる。
おまえがずっと守ってくれていたの、知ってるよ」
「岡崎がわたしのことを知ってるように、
わたしだって岡崎のことを知ってる。
自分だけパーツを入れようとして。自分だけ人を殺して……」
「それは俺のためにやったことだ。
自分が汚れれば心が痛まなくて済むからな」
「……仕返しのつもりか?」
間近に見る智代の顔は息を呑むほど綺麗だった。
形のいい鼻も、薄く開かれた唇も、艶やかな長い睫毛も。
「こんなに綺麗な女だったんだな。智代は」
「……ばか」
「つづきをしていいか?」
俺は智代の肩を掴み、真っ直ぐ見据えて質問した。
智代は小さく身を震わせ、それでも視線を逸らさずに答えた。
「おまえの好きにしていい」
俺はキスをつづけながら智代の服を脱がしていった。
ブレザーを腕から抜きスカートに手をかけたところで、
智代の身体が震えているのに気づいた。
「怖いのか?」
熱病のように震える智代を抱き締めた。
彼女は俺の腕の中で「怖い」と囁いた。
「……私が私じゃなくなってしまいそうで怖い」
「お前、すごく可愛いよ」
「……え?」
「今までも好きだったけど、こうして向き合ってどんどん好きになる」
智代の身体の震えが治まってゆくのが分かった。
「おまえは優しい」と小さく呟いた。
「カルマが命懸けでここへ来た理由が分かる。
私はあの猫と一緒だ。私のすべてを知って、
普通に接してくれたのはおまえだけだ。
おまえの前でだけ、私はありのままの自分でいられた」
智代はそう言って自らシャツを脱いだ。
飾りのない水色のブラジャーに包まれた胸が露わになった。
「おまえにはすべてを見てほしい。
これから私が何を言っても、最後までつづけて」
下着だけの姿になった智代は立膝で俺の唇を奪い、
ブレザーの釦を外していった。
ベルトを外し、シャツを捲り上げた。
そうして俺を智代と同じ下着だけの姿にした。
俺の視線に気づいた智代は恥ずかしそうに目を逸らし、
「いやらしい女だと思わないでくれ」と言った。
「そんなこと思ってない」
「……おまえとは対等の関係でいたいんだ。可愛いとは思われたくない」
「それならどう思ってほしい?」
「……好きとか、綺麗とか」
「もう思ってるよばか。綺麗で可愛くて、俺はそんなおまえが好きだ」
俺たちはもつれるようにベッドに倒れた。
智代の心臓が高鳴っているのが分かって、
俺の心臓の鼓動までもが速くなった。
「おまえも緊張してるのか?」
真っ直ぐ上に向けられた智代の真摯な視線が俺を貫いていた。
俺は「ああ」と相槌を打った。
「ずっと好きだった子と初めて抱き合うのに、
緊張しない方がおかしいだろ」
「……本当にずっと好きだった?」
不安をいっぱいに湛えた目で智代が囁いた。
俺はその不安の向こう側にことみの影を見た。
だが智代はそれを告げない。
だから俺もその名を口にしてはならない。
「ずっと好きだったよ」
「私も岡崎のことが――ずっと好きだった」
智代の目から一筋の涙が流れた。
俺はそれを指で拭い、ブラジャーのフロントホックを外した。
端正な乳房がこぼれ出た。
すでに尖っているその先端に口づけた。
「んっ……」
そのまま太股の間に手を伸ばした。
薄衣に覆われたそこはもうぐっしょりと濡れていた。
「んんっ……んっ」
智代は両手で口を押さえ、声を漏らすまいと堪えていた。
俺は下着の中に手を挿し入れ、
乳首を甘噛みして「我慢するな」と言った。
目を閉じ眉の間に皺を寄せ、
頭を振って智代は声を出すのを拒んだ。
「お前の声が聞きたいんだ」
「んあっ……。ああ……。
……こんな。恥ずかしい」
「智代のすべてが見たい。だから我慢するな」
俺はトランクスを脱ぎ捨て、智代の下着を脚から抜きとった。
ブラジャーと同じ水色の下着には藍色の染みが広がっていて、
脱がせるうちに智代との間に愛液の橋がかかった。
「ああ、ああ、ああっ……。んん……あん」
胸を揉み乳首を吸いながら、丹念にヴァギナを愛撫した。
智代はびくびくと震えながら、俺の行為にただ身を任せていた。
単調な声で喘ぎ、ひたむきに唇を求める彼女が堪らなく可愛かった。
「もう入っていい?」
智代は一度だけ真剣な瞳で俺を見た。
そして目を閉じ、大きく股を開いて頷いた。
智代の性器は綺麗だった。
桃色の肉の谷が乳白色の愛液で覆われ、
薄く柔らかい毛がその周囲を取り巻いていた。
はやる気持ちを抑え、硬直したペニスの先端を慎重にその谷に宛った。
智代の唇から甘い吐息が漏れた。
俺はゆっくりと腰を落としていった。
「ああ、あん……んっ。んっ! んんんんんん!」
先端が入りかけたところで智代は再び口を手で押さえた。
その手の下から苦しげな喘ぎが漏れ聞こえた。
『これから私が何を言っても、最後までつづけて』
――智代がくれた言葉を思い出した。
俺は腰に力をこめて根本まで挿し入れた。
「んん……! んんんんんん!」
ぴったりと腰を合わせ、そのまま動かずに智代を抱き締めた。
口に当てられた手を外し、代わりに俺の唇で塞いだ。
「ああ、ああ、んん……。んん、んん、んん」
智代は激しく俺の舌を求め、俺もそれに応えた。
長い黒髪を撫で、彼女が落ち着くまでずっとそうしていた。
「動いて……いいよ」
苦しい声をそのままに智代が囁いた。
俺は息だけで笑って短いキスをした。
「まだ痛いんだろ?」
「でも……こうしていても、おまえが気持ちよくない」
「気持ちいいよ。こうしているだけで」
「おまえは……んっ、んん。優しいな」
「動かなくても気持ちいいんだ。不思議な話だけど」
――本当のことだった。
智代の中に入ったまま、俺は少しも動いていなかった。
けれども智代のヴァギナは俺のペニスを温かく包み、
しなやかに絡みついて蠕動(ぜんどう)した。
智代が声を出すたびに俺の芯にかすかな愉悦が走った。
その愉悦は消えずに澱のように溜まって、
より高みに俺を押し上げようとしていた。
「本当に気持ちいいんだな」
「ん……?」
「おまえが本当に気持ちいいのが、私には分かる。
今……とても気持ちいいだろ」
「ああ。喋ってると気持ちいいな。
声の震えが伝わって、痺れたようになる」
「それなら私も感じてる。
まだ痛いけど、こうしていると気持ちいい」
「それならいつまでもこうして喋っていよう。
智代が気持ちよければ、俺もそれだけ気持ちよくなれるから」
「……そうなのか?」
「そうだ。一人で気持ちよくなってもつまらない」
「こうしていると、おまえの考えていることが分かる」
「今、何を考えてるか当ててみろよ」
「そういうことじゃない。気持ちが伝わってくる」
「一つになってるからな」
「……そうかも知れない」
「最初会ったときは、こうなるなんて思いもしなかった」
「そんなこと私だって思わなかった。
……でもいつの間にか好きになってた。
もうおまえのいない生活なんて考えられない」
「俺も同じだ。気がついたら好きになってた」
「ん……」
「……今すごく気持ちよかった。危なかった」
「危ないって……何が?」
「分かるだろ。射精しそうになったってことだ」
「……そうしてくれていいから、もっと好きと言って。
おまえに好きと言われるたびに私は気持ちよくなる」
「……好きだ」
「ん……ああ」
「いつも綺麗だと思ってた。ずっと……好きだった」
「ああ、あん。んん……」
「これは……。俺も……本当に」
「好きだ。朋也」
「う……。智代」
「ああ、好きだ。朋也、朋也、ああっ、あああ!」
「智代。うあ……ううっ!」
一度も律動しないまま、俺は智代の中に射精した。
頭の奥が痺れ、その感覚は長く尾を引いた。
今まで感じたことのない、包みこまれるようなオルガスムスだった。
「……最高だった」
俺が目を開けそう言ったとき、
智代は俺の腕を掴んだまま眠りに就いていた。
俺はしばらく中に入ったまま、しどけない智代の顔を見ていた。
――いつまでそうしていたか分からない。
暗闇に目を覚ましたとき、俺は智代の胸に顔を埋めていた。
まるで何かから俺を守るように、
智代はしっかりと俺の頭をかき抱いて寝息を立てていた。
2人ともまだ裸だった。
智代に服を着せるために起きあがろうとし……やはり止めた。
ほのかに汗の混じる智代の匂いを嗅ぎながら、
俺は闇の中にもう一度瞼を降ろした。
〜2267.04.13 終わり〜
これでおれの物語もあと1日を残すのみとなりました。
完成版公開予定日を4月25日と致しました。
来週の今頃はくわえ煙草で悠々とデバッグしていたいんだけど、
なかなかそういうわけにもいかんだろうね……。
今後メビ鬱やクラゲがどれほど延期を重ねようとも、
おれはそれを決して笑わないし、怒りもしないことをここに断言する。
これはだめかもわからんね
いよいよ終盤ですか
頑張ってください
デバックメンバー募集するんですか?
もし必要なら友達に頼んでみますが。
どうでしょうか?
立ち絵の表情の確認と音楽の出力タイミングを見るのがほとんどだから、
結局おれたちじゃないと駄目なんだ。でもありがとう。
>433
なんか気に触ったかいな。
〜2267.04.14〜
雨の音が聞こえた。雨は嫌いだ。
まして雨音を聞きながら目覚めるのは最悪で、
その日にはたいてい悪いことが起きる。
――あの朝からそうなった。スメールから脱出した翌日の朝。
雨に濡れたルドルフに公子先生のことを教えられ、
中京を追放されたあの朝から。
起き抜けのことみは悲しい目で、
夢は始まったばかりだと俺に告げた。
神の啓示を受けた予言者のように、確信に満ちた口振りで。
ことみの予言は正しかった。
俺たちはあの日から長い夢の中にいる。
公子先生を犠牲にし、芳野たちのいる暖かな町から逃げ出し、
見捨てられた都をさまよい歩き。
――そして運命はまた俺たちをあの塔へ向かわせようとしている。
……公子先生。
微睡みの中に敬愛する人の名を呼んだ。
見知らぬ世界に飛ばされ、混乱する俺たちを優しく包みこんでくれた人。
俺たちのために捕らわれ、今いずことも知れない人。
『スメールに来ては駄目』
愚者との戦いの終わりに先生は言った。
そう言って愚者――智代を殺そうとした憎むべき敵を救い、連れ去った。
『あなたは坂上さんと一緒に幸せを探しなさい。岡崎君』
……公子先生。
俺には分かりません。
もう俺にはどうすればいいか分からないんです。
智代には俺が、俺には智代が必要です。
けれどもそれと同じように俺にはことみが、
ことみには俺が必要なんです……。
短い夢はそこで終わった。
窓の外には春の雨が瀟々(しょうしょう)と町を濡らしていた。
愛し合ったあとの匂いがまだベッドに残っていた。
智代の姿がなかった。
俺は激しい既視感を覚えた。
焦燥に胸が張り裂けそうになり、裸のまま広間に飛び出した。
「おはよ……!
なんて格好してるんだばか!」
「良かった……。いたんだな智代」
「いるに決まってるだろ! いいから早く服を着ろ!」
「え? ああ。ごめん」
「早く!」
智代はこちらを見ずにフライパンを振りかぶった。
俺は慌てて個室に戻り、扉を閉めなければならなかった。
広間に戻るとコーヒーとトーストが用意されていた。
椅子に腰かけ智代の表情を窺った。
彼女は別に怒っている様子はなく、
けれどもじっと俺の顔を見つめていた。
「私が姿を消したと思ったのか」
「……ああ」
「言っただろ。私はおまえがいなければ生きてゆけない。
おまえに要らないと言われるまで、消えたりはしない」
「口が裂けてもそんなこと言うか」
智代はコーヒーを少し飲み、
カップをテーブルに置いたあと曖昧に微笑んだ。
「女も同じみたいだ」
「何が?」
「きちんと形になったものはいつまでも心に強く残る」
レタスとトマトだけの簡単なサラダを皿に取り、
ワインビネガーのドレッシングを振りかけた。
ことみの手製で、レシピは台所の棚に収まっている。
「――私も行く」
「え?」
「ことみさんを助けに行くんだろ? 私も一緒に行く」
「……本当にそれでいいのか?」
智代はフォークを置き、凛然と光る目で俺を睨んだ。
「おまえとは対等でいたい。もしここで引き留めたら、
もう一生おまえと正面から向き合えない。そんなのは嫌だ」
再びフォークを取ろうとして指を止めた。
テーブルの上に拳を握りしめ、「それに私だって」と絞り出すように言った。
「私だってことみさんを助けたい。
……きっとおまえと同じくらい。
このまま何もせずことみさんを失いたくない!
スメールから救いだして、3人でこの家に戻ってきて、
また一緒に暮らしたいんだ!」
智代は立ち上がりテーブルに両手をついた。
食器が小さな音を立てた。
――結局は智代を巻きこむことになった。
だがそれでいいのだと思った。
俺たち3人は運命共同体で、そのうち誰が欠けても生きてゆけない。
今回のことはただそれを確認しただけだ。
もうあの町には帰れないけれど、
スメールに登ることを誓った日の約束はまだ俺たちの胸に生きている。
「よし。それなら行くぞ」
残っていたトーストを口に押しこみ、コーヒーで流しこんだ。
席を立ち背を伸ばし、首と肩の骨を鳴らせた。
智代に撃たれた左肩は完治している。
たった1人の仲間の同意はえられた。
憂うべきことは何もない。
「きちんと形になって心に強く残ったのは俺も同じだ」
「え? ……んっ」
俺はテーブル越しに智代の唇を奪った。
パンにつけていたのだろう。
その唇はマーマレードジャムの味がした。
「智代とは始まったばかりなんだ。生きて帰ろう。
そうしたら俺はきっとおまえを幸せにしてみせる」
俺の言葉に智代は真っ赤になりうつむいた。
けれどもすぐに頭を上げ、野生の猫を思わせる目をして告げた。
「当然だ。付き合って、不幸になどなってたまるものか」
CANNADコソーリプレイ感想
あの衝撃の事実、蔵等非18禁発表から何週間経っただろうか。
さんざん雑誌で特集を組ませておいて、土壇場での告白。福本漫画のように視界がぐにゃりと
歪んだ者も少なからず存在したのではないだろうか。かくいう私も、これは消費者のみならず
明らかにマスメディアへの裏切り行為ではないのかと、発表当初は思ったものだ。
だが、蔵等に込められた「非エロ」発表の真相はプレイして初めて分かった。
エロで資金を得た後はエロジャンルを逸脱し、お上品なコンシューマソフト会社を
目指すような浅ましさを見せるのかと予測していた自分は猛省を促された。
ストーリーに語ることはネタバレに直結するので触れないことにするが、エロい。とにかくエロい。
当然、非18禁を謳っているだけあり、あからさまな性描写のあるCGこそ存在しない。
だが、ヒロインと主人公が結ばれた後、両者と第三者間で交わされるセリフの端々に、
そして際どい立ち絵や、いわゆる「行間」から醸し出される空気に、明らかに「ヤっちゃった」描写
や、学業ほっぽり出した爛れた性生活が表現されているのだ。
はたしてこの試みは、安易なCGに頼らず言葉のチラリズムをめざし、テキストのみでエロの限界に
挑戦しようとしたシナリオライターの野心によるものであったのか、
絵師独特の癖のあるCGにエロさの限界を悟った上での止むを得ない措置であったのかは不明だが、
いずれにしてもこれは一個の奇跡といってもよいほどの完成された野心的作品である。
各ヒロインの性格や個性を活かした遠まわしなセリフや立ち振る舞いが、
それぞれのシナリオを独自のフェティシズムで彩っている贅沢な仕様。本来ならヒロイン一人分のシナリオで
エロゲーが一本作れるのではないかと疑うほどのクオリティなのである。
かつて妄想力によって補完された倉田佐祐理が他のメインヒロイン達を退け
最萌トーナメントで準優勝をはたしたように、プレイヤーの果てしなき欲求と想像力を
逆手にとってはじめて完成をみる、プレイヤーと製作者の共同作業と云える大作こそ、
このCANNADなのである。
だそうなので此処が発売後もっと盛り上がる事期待しています
コピペか? 不覚にもワロタ。
446 :
紫の人:04/04/18 22:22 ID:Afhi3KB7
447 :
伝乃時:04/04/18 22:41 ID:QECHgK6p
改めてみると、古河家ってアンテナビンビンですね。
こちらは渚立ち絵と、東京編2日目までの背景・音・立ち絵が一応終了。
これから3・4日目の、音楽やら背景探しとスクリプト打ちに入ります。
>446
早苗さんの安産型の腰つきがなんとも言えず良いな。
それから俺たちはごく簡単な準備を整えて家を出た。
もはや住み慣れた町の風景が新鮮に目に映った。
駅に着き中京行きの超特急(リニア)に飛び乗った。
30分もかからず俺たちの身体はあの塔の建つ町へ運ばれる。
そして――
「あれから愚者はどうなったんだ?」
「ん……?」
「身体の左を吹き飛ばしたところまでは覚えてるんだけど、
そのあとまた気を失ったから」
「そうか。あのあとのこと見てなかったのか」
「何かあったのか?」
「逃げられた。愚者に助太刀が入ったんだ」
「愚者に仲間なんていたのか?」
「……仲間じゃないと思う」
「どんな奴だったんだ?」
「奴って言うか……お前も知ってる人だ。きっと聞いたら驚くだろうな」
「もしかして、公子先生?」
「……どうして分かる」
「おまえが寝言でそれらしいこと言ってたから」
「そうか。寝言なんて言ってたのか」
「公子先生が――何で愚者を助けるんだ?」
「俺が聞きたいくらいだ。
あと、スメールには来るなと言ってた」
「……何だかよく分からない話だな」
「考えても仕方ない。謎は深まるばかりだ」
公子先生の話を切りあげたあと、
俺たちは今日これからの計画を詰めていった。
もっとも話し合いの材料はカルマがくれたわずかな情報
だけだったので、詰めというほどのものにはならなかった。
第1に正面切ってスメールに登る。
ことみの身元が割れているとしたら、
俺たちもマークされている可能性は高い。
だがスメールに侵入する別のルートを知らないし、
便利な道具も持ち合わせていない。
ここは危険を覚悟で正面から入るしかない。
第2にホストの家庭から抜け出す。
スメールに入った俺たちはきっとまたどこかの家庭に送りこまれるだろう。
何か理由をつけて一刻も早くその家庭から抜け出す。
怪しまれないようにその際にはできるだけ自然に振る舞う。
第3に学校へ向かう。
智代とは屋上のあの場所で落ち合う。
あとは午前0時を待って2年D組の教壇に立つだけだ。
時間が早ければ夜になるまで屋上に潜んでいればいい。
第4から先のことは臨機応変に対処する。
要するに行き当たりばったりだ。
運を天に任せて闇雲に進む。
力尽きて倒れるまで理力の弾丸を撃ちつづける。
「――着いたよ」
智代の声がかかった。
列車は最後の減速に入っていた。
窓の外に漆黒の塔が見えた。
……この2年間ひたすらに思いつづけた塔だった。
今その塔を目の当たりにして、奇妙な懐かしささえ感じた。
「今日で決着をつけられるかもな」
「決着?」
智代が訝しそうな目で俺を見た。
超特急が音もなくその動きを停止した。
「スメールとの決着だよ。縛られて生きるのは今日で終わりにする」
「……そうだな。それがいい。
勝利して、私たちの2年間に決着を」
中京駅――スメールの地階に降り立った俺たちは
すぐ駅を抜け壁に沿って歩いた。
ゲートに着くまでに時間はかからなかった。
2年前そのままに、黒い壁(モノリス)に穿たれた
巨大な口が俺たちを待ち受けていた。
辺りに人影はなかった。
町の中心にあってこのエリアだけが既に異界なのだと、
あの日ここへ向かう車の中で芳野が言っていた。
雨の降りしきる中、傘もささず俺たちは立っていた。
智代を見た。彼女はおずおずと手を差し出した。
俺はその手に指を絡めた。
揃って一歩を踏み出した。二歩、三歩踏み出した。
黒い壁にぽっかり空いた空洞に満ちる虚ろな光の中へ、
俺たちは歩いていった。
――――――――――――――――――――――
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…………………………‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
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・・・・・・・・・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
・ ・
――酩酊の中にあった。
脊髄が溶けて流れ出すような深い酩酊だった。
身体の芯に激しい疼きがあった。
ひところの感覚が鮮明に蘇った。
俺はこの疼きに身を焦がしながら渚の身体を幾度となく貪った……。
あの狭い部屋の中で。会話もなくただ快楽の虜になって。
口の中に疼きの源があった。
温かく湿った肉が口蓋に這い、唇を舐め、舌に絡まった。
ぴちゃぴちゃと淫らな水音に混じって、
熱に喘ぐかすかな吐息が耳に届いた。
やがて吐息を顔にも感じた。
媚薬のように甘い匂いが鼻から口から俺の中に浸みこんできた。
俺は仰向けに柔らかい身体を抱いていた。
女だった。
女は俺をしっかりと押さえつけて口づけし、熱心に唾液を交換していた。
逃れがたい愉悦だった。
俺の中に巣食う獰猛な獣が今にも鎖を引きちぎろうとしていた。
――夜までにはまだ時間がある。
そんな誘惑の声が頭に響いた。
だが俺はその誘惑を振り切って腕に力を籠めた。
女の肩を掴み、引き離した。
……目の前に現れた女の顔を見て言葉を失った。
女は早苗さんだった。
「どうして止めちゃうの……。朋也ちゃん。
もっとキスして……。ね?」
唾液でどろどろになった唇から熱に浮かされたような声が漏れた。
瞳孔の開いた目には欲情の火が灯っている。
その欲情の矛先が誰であるか――疑うべくもない。
「いいでしょ? ね? キスして朋也ちゃん。
それともキスだけじゃ嫌? ……もっと先がしたい?」
早苗さんは妖艶に笑いながら俺のスラックスのジッパーを下げた。
トランクスをずらすと勃起したペニスが勢いよく飛び出した。
そして自分はジーンズを半分まで降ろした。
薄い翳りの奥に色づいたヴァギナが覗いていた。
遠い世界の出来事のようにそれを眺めていた。
早苗さんの性器が俺のそれに触れた。
そこでようやく我に返り、身を起こし早苗さんの身体を押しのけた。
「きゃっ! もう……智也ちゃん。何するの……?」
「渚はどうしたんですか」
「えっ……?」
「渚です。渚はどこにいるんですか」
「なぎさ……? 渚ね。
……渚はいなくなっちゃったの。もうずっと前に。
秋生くんと一緒に……ね」
俺たちがいるのは渚の部屋だった。
かつて渚とセックスしたベッドの上で、俺は早苗さんと向き合っていた。
「……朋也ちゃんが、いなくなってね。
警察の人が来たの。渚を連れてくって……。
秋生くんが泣いて頼んで……代わりに秋生くんが連れてゆかれたの」
早苗さんは俺の脚を撫でながら話した。
視線の先には俺のペニスがあった。
――この人はもう機械になった。
激しい劣情に堪えながらそう思った。
悔恨が潮のように胸に押し寄せた。
「でも渚もすぐに連れてゆかれちゃった……。
あはは。……おかしいよね。
今度は私が頑張ったんだけどね……。
代わりに連れてってほしい……って。
でも私じゃ駄目だって……。
だから渚はいなくなっちゃった……」
「ねえ……朋也ちゃん。もういいでしょ?
私もう我慢できないよ……。
早く朋也ちゃんがほしくて、一緒になりたくて……」
そう言いながら性器を合わせようとする早苗さんを俺は抱き締めた。
一つになるためではなく、ただ強く抱き締めた。
「どうしたの……朋也ちゃん?」
「ごめんなさい。早苗さん。
……みんな俺のせいです。
渚がいなくなったのも、秋生さんがいなくなったのも……」
「……どうして、朋也ちゃんのせいなの?」
「俺のせいなんです。この家から俺が逃げたから……。
暖かく迎えてくれた早苗さんたちの家族を……俺は」
「もう……。そんなこといいよ。ね? 一緒になろ?」
461 :
伝乃時:04/04/19 17:23 ID:zMaDG+KB
東京編4日目の背景とか探してます。3日目の操車場無いので、駅を苦し紛れに加工。
「早苗さんとは、一緒になれない」
「……どうして?」
早苗さんは俺の性器に指を触れ、愛おしそうに撫でながら呟いた。
彼女の股間から流れ出た愛液が俺の腹に滴っていた。
「あなたは……渚の母親だからです」
「そう……? そうね……。私は渚のお母さん……だものね……」
虚ろに目を泳がせて、早苗さんはペニスから手を離した。
俺は立ち上がってペニスをしまい、スラックスのジッパーを上げた。
「……もう行きます」
「智也ちゃん。……どこへゆくの?」
「学校へ行きます」
「そう……。そうよね……。朋也ちゃんは学生さんだものね……」
そのまま振り返らずドアノブを回した。
「ねえ?」と早苗さんの声がかかった。
「いい子にして待ってるから……。
学校から帰ってきたらつづきしよ? ね? 智也ちゃん――」
俺は早苗さんの問いかけに応えず、廊下に出て後ろ手に扉を閉めた。
――渚と別れたあの時と同じだった。
だが俺の心を襲ったのは身を切るような寂しさではなかった。
それは自責の念と欲情が混じり合った暗い粘性の感情だった。
今からでもとって返し、早苗さんが満足するまで何回でも犯してやりたい。
淫らに溶けたヴァギナにペニスを挿し入れ、粘膜を擦り合わせて彼女を悦ばせたい。
……それで償いができるなら。早苗さんの心を慰めてあげられるのなら。
甘美な誘惑を退けるため俺は息を止めた。
そしてそのまま玄関に向かい廊下を駆け抜けた。
学校へとつづく道も、澄み渡る人工の空もあのころと変わりなかった。
桜はもう散っていた。赤い萼(がく)の残る枝々には濃緑の若葉が萌え、
傾きかけた陽光のもと瑞々しく輝いていた。
人気のない校門を抜け校舎に入った。
黒板を叩くチョークの音と、録音をただ再生するような教師たちの声。
どの教室でもあの冷め切った授業がつづけられているのだ。
教師と生徒を演じ合うだけの空虚で滑稽なやりとりが……。
人の目に触れないように真っ直ぐ屋上へ向かった。
出入口の建物の屋根によじ登った。
智代はもうそこにいた。膝を抱えて座り、
風に髪をなびかせながら遠く彼方を眺めていた。
「早かったな」
「うん……」
「うまく抜け出せて良かった」
「うん……」
「どうかしたか?」
「……え?」
智代はそこで初めて俺の方を向いた。
縁まで真っ黒の瞳だった。
スメールに入った今、瞳孔が開いていることに不自然はない。
だが俺は智代の瞳に負の光を感じた。
会話の受け答えも妙に歯切れが悪い。
「受け入れの家庭で……何かあったのか?」
「うん……。おまえの送られた家は、前と同じだった?」
「ああ。同じだった」
「私も同じ家に送られた。……そこで決着をつけてきた」
「決着?」
――血の臭いがした。
智代の制服に生乾きの血痕がついているのが目に留まった。
「いったい何があったんだ」
「命懸けで貞操を守った。それだけ」
智代はそう言ったきり沈黙した。
それで俺は何も聞けなくなった。
空が緩慢に暮れなずんでいった。
青が朱に変わり、朱が藍に変わった。
疎らな星と下弦の月が天上の海に浮かんだ。
「つけるべき決着をつけただけだ」
「……そうか」
「おまえに抱いてもらうまで、ずっと男が怖かった」
智代はおもむろに俺を見つめた。
そして頭をさげ、「ごめん」と謝った。
「なに謝ってるんだ。別に俺は――」
「そのことじゃなくて、トンファを持ちこめなかった」
「え?」
「こっちに着いたらなかった。入るときに没収されたみたいだ」
「スメールのシステムもそう間抜けじゃないってことか」
「ごめん。……これじゃ今夜は役に立たない」
そう言ってうつむいた頭を俺は乱暴に掻きまわした。
智代は白けたような目をこちらに向け、「何をする」と呟いた。
「それなら今日は智代が俺の切り札だ」
>470のがオリジナルらしくて良いと思う。
ピアノアレンジつけていただけるなら是非おねがいしたい。
TAMさんが空に光るをどうアレンジするのか興味あるし。
この曲はトゥルーエンドのエンディング曲に使う方向で考えています。
「何だそれは」
「欠陥品でも1発は撃てるんだろ?
いざそのときにはお願いする。とっておきの切り札だ」
俺を見つめていた真剣な顔が崩れた。
息だけで軽く笑いながら智代が言った。
「切り札はいざそのときまで味方にも教えないんじゃないのか?」
「もう智代は俺の味方じゃない」
「……? じゃあ私はおまえの何だ?」
「俺の半身。もう隠し事は一切なしだ」
智代は目を見開き、次いで嬉しそうに微笑んだ。
その瞳から負の光が消え、代わりにいつもの勝ち気な輝きが蘇った。
「分かった。私の命、おまえに預ける」
「智代。キスしていい?」
「いきなりどうしたんだ」
「お願いだ。お前とキスしたい」
俺がそう言うと、智代は目を閉じ唇を薄く開けた。
優しく触れるだけの短いキスをした。
あの家から尾を引いていた劣情は、それで完全に消えた。
「……今のが最後キスとか言うなよ」
「まさか。まだ何万回でもしてやるよ。
お前がもう止めてと泣き入れるまで。
――そろそろ教室へ移動しよう。
まだ少しあるけど、何があるか分からない」
「分かった」
時計の針は午後11時を指していた。
屋根から降り校舎に入ろうとしたところで俺は異変に気づいた。
――もはやこの気配を俺が読み間違えることはない。
「……先に教室に行ってろ」
「え? おまえは――」
そのとき凄まじい音がした。
蜘蛛の巣を払うように無造作にフェンスを切り裂き、
屋上に侵入してくる影があった。
愚者(フール)だった。
智代が小さく悲鳴をあげた。
「あいつの狙いは俺だ。お前は中で待ってろ」
「……でも!」
「これは俺がつけるべき決着だ!
たとえお前でも手を出したら許さない!」
「……分かった。信じて待ってる」
早苗さんの台詞だけ「智也」になってた……。どういうつもりだATOK。
智代が校舎に入り扉を閉めるのと、
愚者の撃った弾が扉の横の壁を砕くのが同時だった。
俺は横に跳んでかわしたが、
その弾は俺がいた場所から少しずれた場所に突き刺さった。
愚者らしからぬ誤射だった。
俺は月明かりに晒される愚者の姿を見た。
「……ぎぎぎ。ぎぎぎぎぎぎ」
愚者の左手は根本から失われたままだった。
憎悪に燃える目で俺を見据え、
しきりに昆虫の呻きを漏らしていた。
2撃目の弾が放たれた。
その刹那。苦痛に歪む愚者の顔を俺は見た。
絶好の勝機だった。
俺は瞬時にパーツを起動し、愚者に向け両腕を突き出した。
「……うぐっ!」
圧倒的な不安が心に雪崩れ込んできた。
頭を抱え蹲るのをどうにか堪えた。
愚者が攻撃に精彩を欠く原因を理解した。
……このスメールにおいて他人を傷つけようとする者には
過酷な罰が与えられる。ここに相対する俺たちにも例外なく。
この不安が愚者を鈍らせている。
覚醒した俺の眼前を愚者の右腕が通過していった。
反射的に後ろに跳び退き、素早く防御の構えをとった。
だが次の攻撃は来ない。
愚者は網に捕らわれた猛獣のように藻掻き、涎を撒き散らしていた。
「ぎぎぎああ! 朋也……朋也ああ!」
――互角だ。俺はそう思った。
これまでの戦いで、愚者の力は俺を遙かに凌駕していた。
だが今この場において、俺と愚者の実力は伯仲している。
むしろ俺の方が有利かも知れない。
乱射される愚者の弾をかわしながら冷静に考えた。
左腕を失ってもなお愚者には凶悪な右腕が残されているが、
制服の上からでも容易に肋を折る小太刀がなくなったのは大きい。
何より愚者は初めての不安に混乱し、普段の動きができないでいる。
条件は俺も同じだ。
けれども俺はこの感覚に慣れている。
――押し寄せる不安に抗いながら戦うのは、これが初めてではない。
「ぎぎあっ! ぎぎぎぎああ!」
左から放ったATP弾が愚者の額に命中した。
宵闇に鮮血が舞った。
怒り狂った愚者が猛然と飛びかかってきた。
かろうじてその攻撃を避け、逆に退きながら愚者の背中に一撃を見舞った。
「ぎぎぎ。ぎぎぎ。ぎぎぎあああ!
せーだ朋也! お前のせーだ! 朋也! お前のせーだ朋也!
お前の! 朋也! せーだ!
お前のせーだ朋也! お前のせーだ朋也!
ぎぎぎ。ぎぎぎぎぎぎぎぎぎ!」
――愚者の身体を傷つけるたびに心が音を立てて軋んだ。
俺はこの人の家庭に入りこみ、渚の処女を奪い、裏切って逃げた。
そのために渚は連れ去られ、早苗さんの心は壊れ、
この人は復讐の鬼となって俺の前へ……。
「秋生さん!」
あらん限りの声を振り絞って呼びかけた。
愚者は応えない。
不気味な咆哮(ほうこう)と呪詛(じゅそ)の言葉を交互に口走り、
闇雲に拳を振るい弾を放つ。
俺はこの人を殺すのか……。
秋生さんを殺さねばならないのか。
かつて暖かく俺を迎えてくれた、渚の父親であるこの人を……。
「秋生さん!」
「ぎぎぎ。ぎぎぎ!
せーだ朋也! お前のせーだ! 朋也!
お前のせーだ朋也! お前の! 朋也! お前のせーだ朋也!
ぎぎぎぎぎぎ!」
殺せばこの人はあの町に帰る。
そしてすぐにまた2年前の中京へ。
――輪廻。
俺たちは輪廻する。
この戦いは過去にあったものなのか?
未来の俺たちも同じように戦いを繰り返すのか?
それならば俺たちは何だ!
この戦いはいったい何だ!
何遍も転生を繰り返し、そのたび毎に
俺は秋生さんと戦わねばならないのか!
こうして傷つけ合わねならないのか!
俺は永遠にこの苦しみから逃れられないのか!
このふざけた輪廻の環の中に一切は無意味なのか!
『未来は変えられる』
「ぎぎぎぎぎぎあああ!」
「……!」
――ことみの声が聞こえた。
頭の中に、ことみがいつかくれた言葉が響いた。
『業(カルマ)というのは悪い意味ばかりじゃない。
現世で善行を積めば来世で報われる。
一生懸命に生きれば未来は変えられる。
この子は私たちの希望。
いつか叶うかも知れない、しあわせな未来への鍵』
「ぎぎぎ。ぎぎぎあああ!
朋也! 朋也! 朋也!」
――この人を殺してはならない。
俺たちは輪廻の中にいて、いつかまた同じ戦いを繰り返すのだろう。
けれども俺は今ここに生きている。
この時間の中で俺は秋生さんを殺してはならない。
殺さずに救わねばならない。だがどうやって……。
左肩がかすかに疼いた。
昨夜の智代を思い出した。
一瞬の決断だった。
心臓を狙って繰り出される愚者の右腕をかいくぐった。
頬が削られ細かな肉片が飛び散った。
愚者の胸に背中を預けるようにし、
右腋の下を両手で突き上げた。
絶叫が夜空を渡った。
どさりと重い音を立て、愚者の右腕が地面に落ちた。
激しい血飛沫が降り注いだ。その血飛沫を浴びながら、
俺は取り返しのつかないことをしたと知った。
……何というばかだ。
腕を落として、そのあとのことを何も考えていなかった。
血流は噴水のように愚者の身体から吹きだした。
息のかかるほどの距離にあって、
愚者は何の動きも見せなかった。
愚者にはもう、文字通り打つ手がない。
鉄の味がする唾を飲みこんだ。
耳元でかすかな声が聞こえた。
「心の中……じゃ……必死に抵抗。してたんだがな……」
「え?」
愚者の顔を見た。瞳孔の開ききった、
けれども理性を宿した一対の瞳が俺を見守っていた。
「誰のせーでもねーことくらい……。分かってた。
責任があるとすりゃ……あの腕か」
秋生さんはかすれる声でそう言い、
塵を見るように落ちた右腕を一瞥した。
噴き出す血の勢いが徐々に弱まっていた。
俺の心は後悔に張り裂けそうになった。
「秋生さん……。俺は……」
「よく頑張ったな……朋也。一番……強かったぞ?
数え切れねーほど人……殺しちまったけど。
せめて朋也と……その友だちを殺さずに済んで……良かった」
弱々しく呟いて秋生さんは俺から離れた。
よろめきながらフェンスに歩み寄り、遠い町の灯を眺めた。
そして夜空を眺め、最後に俺を見つめた。
血塗られた顔に穏やかな笑みを浮かべ、何かを囁いた。
秋生さんの身体は自ら引き裂いたフェンスの裂け目を抜け
闇に吸いこまれた。
俺は駆け出そうとして――駆け出せなかった。
秋生さんが肉塊に変わる音が耳に届いた。
……俺はしばらくその場に立ち尽くした。
秋生さんが最後に何を言ったのか、分からなかった。
486 :
伝乃時:04/04/20 16:52 ID:JOJikCWm
4日目までの背景と音楽を付けた。
といっても脱マンション辺りの背景がまだ未完成ぽいけど。
2年D組の真っ暗な教室の中、
智代は胸の前に腕を組み黒板に背持たれて俺を迎えた。
時計の針はあと10分で真上に揃う。
だが智代は焦りの色も見せず、気遣わしげな視線を俺に向けた。
「残らず終わった。待たせてごめん」
「……そうか」
俺は教壇に登り、智代の隣で黒板に寄りかかった。
立っているのも辛いほどの脱力感が全身を包んでいた。
気を抜けばずるずると黒板に背を擦り崩れてしまいそうだった。
「カルマの情報が出鱈目でないなら、ここに立っていればいいんだよな?
問題はこの先だ。鬼が出るか蛇が出るか……」
そこまで喋ったところで智代が俺の前に立った。
「どうした?」と尋ねようとする俺を正面から抱き締めた。
「おまえは悪くない」
「……え?」
「朋也は悪くないんだ」
智代は俺の肩に顔を埋め、背に腕をまわしてぎゅっ、と力を籠めた。
髪から覗く白い首筋に薄紅の水滴が落ちた。
――俺の涙だった。
「……血がつく」
「ついてもいい」
「……最後には、正気に戻ったよ」
「……うん」
「昔の秋生さんに戻って、笑顔を見せてくれた」
「……うん」
「結局、救えなかったけどな。俺がこの手で殺した」
「おまえは悪くない」
「本当に……そうか?」
「おまえだけが悪いわけじゃない。
罪があるとすれば私も一緒だ。
……あの人を殺したのは私だ。
こうしていても朋也の痛みを分けてもらうことはできないけど」
俺もまた智代の身体を抱き締めた。
血でぐっしょりと湿った制服を通って、
智代の気持ちが胸に流れこんでくる気がした。
「このまま転送されるか」
「……向こうに誰かいたらどうする」
「見せつけてやればいい」
「……それがことみさんでも?」
「え? そ――」
490 :
紫の人:04/04/20 23:29 ID:ojHXRiTe
思ったのですが、
トレイン改はMP3で、
他は全てMIDIですよね。
私のMIDIをいろんな音源、エフェクトで
MP3化したいな、とも思ってるんですが、
容量はどれぐらいまでOKなのでしょうか?
492 :
伝乃時:04/04/21 01:47 ID:S3hg7UVV
早苗さんの立ち絵、貼り付け終わりました。
>TAMさん
ナローバンドや伝送損失が酷い人の事も考えて、
20MBくらいまでには抑えたいなぁと個人的には思ってます。
現在、非圧縮時24MB、圧縮時で13MBといったところです。
しかし、クオリティと容量どちらを取るか?と考えれば、当然クオリティの方を重要視します。
夏KANONが良い例ですね。あれがMIDI音源だったら、楽しさも半減していたでしょう。
結局のところ、何MBでもいいです。
あとスタッフ用ダウン所を伝えたいので、もしよければ
[email protected]までメールお願いします。
ブンッ、と音がして教室の風景が消えた。
そして俺たちは薄暗い通路に立っていた。
「――ことみはいないようだ」
「助かったな。朋也」
智代はそう言って俺の身体から離れた。
冗談めかした台詞だったが、口調は厳しいものに変わっていた。
その目はもう俺を見ていない。
「何だか、懐かしいな」
自然な感想が漏れた。
そこはスメールから脱出した日に走り抜けた通路そのものだった。
……あの時の俺は右往左往するばかりで何もできなかった。
そんな俺を後目に智代は得体の知れない機械たちを破壊し、
それから俺を顧みて進むべき道を質した。
「どっちだ?」
「……何から何まで一緒だな」
「? 何の話だ」
「遠い思い出話。――前へ進む」
宣言して駆け出した。
無機的な狭い空間に2人分の靴音が反響した。
「来るよ」と智代が呟いた。
前方から迫り来る異音に耳を澄ましながらパーツを発動させた。
両腕を胸に構え、
接近戦を挑むスパルタシストのように身を低くして走った。
機械の姿を捉えた。
光線を発射しようとする小さな銃口に右手からの一撃を叩きこんだ。
安っぽい音がして機械はばらばらになった。
破片を踏み越えて俺たちはひた走った。
目の前に扉が立ち塞がっていた。
だが俺たちが前に立つと自動ドアのように開いた。
扉の向こう側には2体の機械がいて、
俺はほとんど抜き撃ちにその2体を仕留めた。
「――おまえは強くなった」
「師匠に恵まれたからな」
「きっと師匠も鼻が高い」
短い会話を交わして俺たちはまた走り始めた。
台数こそ多くなかったが、機械は間断なく俺たちの前に現れた。
出てくる端から破壊していった。
あの時ひやりとさせられた致命傷になりうる光線を
発射させる隙は与えなかった。
幾つもの扉を潜り、幾台もの機械をスクラップにして駆け抜けた。
「おかしくないか?」
「……何が?」
小一時間も走りつづけたところでいったん進むのを止めた。
智代は涼しい顔をしていたが、俺は限界に近かった。
Kパーツは体内のアデノシン三リン酸を直接エネルギーに変換する。
走りながら絶え間なく撃っていれば燃料が底をつくのは当然のことだ。
「スメールのシステムなら扉を閉めきりにするくらいわけはないだろ。
これだけ派手にやってるのに簡単に扉が開くのはおかしいと思う。
あまり考えたくないけど……これは罠じゃないか?」
「罠なら、かかってやればいい」
俺は大きく息を吸いこんで、吐き出した。
「その方がことみに近づけると思わないか?」
「そうか。それもそうだな」
智代は吹っ切れたように軽く笑った。
そして俺の顔を心配そうに覗きこみ、「大丈夫か?」と言った。
「大丈夫、と言いたいところだけど少しきつい。
まったく……栄養の補給くらい考慮に入れておくべきだった」
俺がそう言って溜息をつくと、
智代はブレザーの胸のポケットに指を入れた。
「ほら」とセロファンの包みを2つ俺に差し出した。
粒の大きな飴玉だった。
――さすがは智代だと深く感じ入った。
「……お前は本当にいい女だな」
「そういうのはあとでゆっくり聞かせてもらう」
それから俺たちは再び走り出した。
脇道には目もくれず、ただ真っ直ぐに走りつづけた。
壊れた機械がないことで同じ場所を
回っているのではないことだけは分かった。
変わり映えのしない風景の中を無心に駆け抜けた。
――どれだけ走っただろう。いよいよ先が見えてきた。
走る速度が落ち、休んでいる時間の方が長くなった。
飴玉はとっくに尽き、智代の息も上がった。
俺たちはもう会話もなく、目だけでお互いを確認し合い、
それでも直向きに先を目指した。
機械の光線が右耳を貫いた。
カウンタの一撃で破壊したあと俺は耳を押さえうずくまった。
「朋也! 大丈夫か!」
「ああ。……耳をやられた」
「朋也……」
「そろそろだな。
今のうちに謝っておくけど、つき合わせて悪かった。
お前は最初から――」
「……違う! 朋也。あの向こうを見て!」
俺はぼんやりと智代の指が示す先を見た。
――萎えかけていた意識が燃えあがった。
通路の端、開け放たれた扉の向こうに広い空間があった。
残された力を振り絞って立ち上がった。
俺たちは視線を交えて頷き合い、その空間に足を踏み入れた。
壁という壁に計器が並ぶ薄暗いホールだった。
モニターに映る文字は操作する人もないままに明滅し、
コンピュータ特有のシステム音があちこちで響いていた。
正面には扉があった。
その扉の前に人の影があった。
俺たちが入ってくるのを認めてその影はホールの中央に進み出た。
モニターの明かりに照らし出された顔を目にし、息を呑んだ。
「――来てしまったのね」
「公子先生……。どうしてこんなところに」
俺は歩み寄ろうとして――足を止めた。
先生の右腕が地面に水平に掲げられた。
理力の発射口であるその先端は真っ直ぐ俺に向けられていた。
「先……生?」
「この先にあなたたちを通すことはできない」
「何を言って……。公子先生」
「今、この先でスメールを統括する
新たなシステムが発動しようとしています。
岡崎君。あなたはそのシステムに深く関係してるの。
岡崎君がこの先へ進むことで最終的な準備が整う。
――どうしてもシステムを発動させてはならない。
だからこの先にあなたを通すわけにはいかない」
「システムって……。俺には何が何だか分からない!
ここに先生が立っていることも、昨夜の愚者……秋生さんのことも!
教えて下さい! いったい何がどうなってるんだ!」
公子先生の顔には表情がなかった。
俺の心臓にパーツの照準を合わせ、
氷のように冷たい目でこちらを見ていた。
「岡崎君。あの人を殺したのね」
「……!」
先生の問いかけに言葉を失った。
つい数時間前の情景が頭をよぎり、心が軋みをあげた。
「あの人を――古河さんのお父さんを殺したのね?」
「岡崎は殺してません」
背後から智代の声がかかった。
先生は右掌を俺に向けたまま智代に目を遣った。
「救おうとして、救えなかった。それだけです。
岡崎があの人を殺したわけじゃない」
智代は確信に満ちた声でそう訴えた。
だが公子先生は力なく首を横に振った。
「……同じことです。岡崎君はあの人と戦った。
結果としてあの人は死んでしまった」
「あなたたちはきっと自らの意思でここまで来たと思っているのね。
……でもそれは違うの。
あなたたちは導かれてここに辿りついた。
すべては予め仕組まれたこと。
岡崎君があの人と戦ったことも。
ことみさんが偽りの招きに応じたことも」
ことみの名前を口にしたとき、先生の表情に
わずかな影がさすのを俺は見逃さなかった。
「――この先にことみがいるんですね」
一瞬、身を震わせて先生は沈黙した。
その沈黙は何より雄弁に俺の言葉を肯定していた。
俺は扉に向かい飛び出し――激しい衝撃を胸に受け床に片膝を突いた。
「朋也!」
駆け寄ろうとする智代を手で制した。
信じていたものが音を立てて壊れた。
公子先生が……俺を撃った。
504 :
紫の人:04/04/21 23:32 ID:vL2kby7n
505 :
伝乃時:04/04/21 23:37 ID:S3hg7UVV
ちゃんと返信届いたかな…
>504
ねこーねこー
こちらは、就職すごピン(就職出来んよ。また不採用ぽい。伝乃時ピンチ!の略)です。('A`)
じゃあおれは、ようピン(ようやく書きあがりそうなのに先へ進まんピンチ)ということで…。
/\___/ヽ ヽ
/ ::::::::::::::::\ つ
. | ,,-‐‐ ‐‐-、 .:::| わ
| 、_(o)_,: _(o)_, :::|ぁぁ
. | ::< .::|あぁ
\ /( [三] )ヽ ::/ああ
/`ー‐--‐‐―´\ぁあ
507 :
伝乃時:04/04/22 04:43 ID:5h0Smvxe
あかん、将来が不安すぎて眠れん。
しかもネットハロワはdjし。
あまり気にすんな。さる小説の一節をきみに捧げよう。
「人々はしきりに不安を口にしながらも、結局は『食えて』いたのだ」
「その新たなシステムの発動に……ことみが関わっているんですね」
俺は立ち上がり背筋を伸ばした。
真っ向から先生と対峙した。
水月を少し逸れた辺りに鈍い痛みが走った。
逸れたのだろうか……それとも逸らしたのだろうか。
だがそんな疑問は、公子先生が俺を撃ったという事実の前に霞んだ。
「古河さんたちの住んでいた町――スメールがどうしてあるか知ってる?」
俺に照準を合わせた右腕の構えを解かず、
それまでよりも低く重い声で公子先生は尋ねてきた。
「……人間の脳を製造するための場所だと聞きました」
「それは一つの顔に過ぎない。
あの町は……スメールは弥勒(ミロク)を生み出すため造られた世界なの」
「ミロク……?」
「スメールを司る次世代の頭脳です。
あの町は弥勒を選ぶための装置。
過去から連れられてきた人々は、ほとんどが自発的にスメールに登る。
ちょうど古河さんや、あなたたちがそうであったように。
――それは予め仕組まれたこと。
経済的な理由で、あるいは元いた時代に帰りたくて、
人々はスメールに登らずにはいられない」
「それと……弥勒ってのと何の関係が」
「そうして集められた人々はあの町に安住してしまう。
脱出を試みる人もいるけれど、たいていは失敗して処分される。
スメールから逃げ果せた者など、あなたたち以外には存在しないの」
「だからそれと何の関係が!」
「十賢者――150年の間このスメールを制御してきた学者たちは、
スメールから首尾良く脱出する者が現れるのを待っていた。
誰も思いつかなかった発想で、果敢な決断と行動とをもって。
それが弥勒の資質。
あらゆる事態に対処しうる可能性を秘めた人を、賢者たちは求めていた」
「そんな……それじゃ……ことみは」
「一ノ瀬さんこそが待ち望まれていた人です。
ほんのわずかな時間とはいえシステムを陥落させたのは、
長いスメールの歴史の中で彼女が初めて」
「それで……ことみは……どうされるんだ?」
「――弥勒の要素として純化処理が施されます。
脳だけになり制御システムの中枢に組みこまれる」
「それを見過ごせって言うのか!」
激情に駆られ先生の脇をすり抜けようとし、
俺は再び被弾した。今度は左肩だった。
「ぐっ……。先生……」
至近距離からの砲弾に肩の骨が砕けた。
昨日と同じように左腕は使えなくなった。
けれどもそんなことは何の問題でもなかった。
俺はただ公子先生に傷つけられるのが苦しかった。
ことみを思って矢も盾も堪らなかった。
「――弥勒が発動することで輪廻の環が固定される。
私たちの辿ってきたこの時間が、正しい姿として焼きつけられる。
そうしたら私たちは……いいえ、私たちばかりじゃない。
この時代に連れて来られた生けとし生ける者すべてが、
新たな未来も元いた時代に戻る可能性も失い、
永遠にこの時間を繰り返すことになる」
「どうして通してくれないんだ!
俺は弥勒なんか知らない!
ただことみを救い出したいだけだ!」
また駆け出そうとした俺の腹に強かな一撃が突き刺さった。
苦痛に身を屈め、だがすぐに身を起こした。
「弥勒は――岡崎君を殺すことで最終的に発動するの」
「……!」
「私はあなたたちの組織と戦うために特殊な処理を受けました。
それからずっとあなたちの傍にいたの。
組織に属する人間の素性を洗い、傷つけ……ときには殺しもした。
その中で私は、私たちと同じようにこの時代に送られてきた人たちが
藻掻き、苦しみ、懸命に生きているのを目にしてきた」
「私が今していることは十賢者への叛逆です。
悲しい運命に巻きこまれたすべての人たちのために、
弥勒は絶対に発動させない。
それでも私は操り人形……。
岡崎君の命を奪いたいという衝動が渦巻いてる。
今まではどうにか抑えながらやって来られた。
でもこの先へ進みたいと言うのなら
――私は容赦せずあなたを殺します」
「……公子先生」
先生から放たれる殺気が冷たく肌を切りつけた。
俺は腕を構えようとして――降ろした。
拳を握りしめ、床を睨めつけて声を振り絞った。
「公子先生と戦えるわけないだろっ!」
「私は――岡崎君と戦える」
「公子先生と戦うくらいなら死んだましだっ!
あの日から今日までずっと先生を思って生きてきた。
申し訳なくて……償いたくて。
死んで償えと先生が言うのなら、俺は自分で自分を撃ってもいい……。
でも今はまだ死ねない!
ことみを救い出すまで死ねない!
お願いだ先生! 俺を通してくれっ!」
「駄目です」
「公子先生!」
「駄目……です」
拒絶する声が震えた。
俺は頭を上げて先生を見た。
先生の目から紅い雫が頬を伝った。
それは血の涙だった。
>>515 >公子先生と戦うくらいなら死んだましだっ!
('A`)?
公子先生の身体は震えていた。
俺に向けられた右掌が大きく揺れ、
それを抑えようと左手で手首を掴んでいた。
――俺の心を支配していた混乱が消えた。
公子先生は変わってしまったわけではない。
多くの人を思い遣り、身の危険を顧みず俺を通すまいとする先生は、
あのころのまま何一つ変わっていない。
そして苦しいのは……先生だ。
人の苦しみを自分のことのように考える先生は、
俺の苦しみも、今まで会ってきたという多くの人たちの苦しみも
すべて引き受けて、俺の前に立ち塞がっている。
今、俺の苦しみの深さを知り、
血の涙を流して心の痛みに耐えている……。
「――賭けをしよう。公子先生」
「……賭け?」
「これから先生に3つの質問をする。
先生なら簡単に答えられる質問ばかりだ。
その3つの質問すべてにきちんとした回答をくれたら先生の勝ちだ。
俺はこの先には進まない。大人しく来た道を引き返す。
けれども言葉に詰まったとき、曖昧に誤魔化したとき、
嘘の答えを言ったときには俺を通してほしい。
それが賭けの内容だ」
「……随分と不公平な賭けね。
言い出した方に有利なのは私の気のせいかしら」
「それは――」
「私がこの戦いから降りる」
沈黙を保っていた智代が割って入った。
血の雫に濡れた双眸が俺の背後に向けられた。
「私は岡崎とは違う。先生と戦える。
愚者の左腕を消し飛ばしたのが誰か、先生はもちろん知ってるよね?」
背中に吹きつける激しい殺気を感じた。
先生が眉の間に皺を寄せるのが見えた。
「先生が賭けに乗るなら、私がこの戦いから降りる。
それでも不公平ですか? 公子先生」
――はったり(ブラフ)だった。ここまで走って来た智代の体内に、
まともに戦えるほどのATPが残されているはずがない。
あまつさえ智代の大砲はあれほどの威力だ。
ガス欠に近い今の智代が撃てる代物ではない。
けれども長い沈黙の終わりに公子先生は腕を下げた。
頬に残る血の筋をそのままに、俺に向きなおり唇を開いた。
「質問は3つですね?」
「はい」
「きちんと答えます。何なりと尋ねてください」
「それでは最初の質問をします――」
【誰に関する質問をするか選ばせる選択肢】
1問目
A.公子と芳野のこと
B.公子と風子のこと
C.芳野と風子のこと
2問目
A.秋生と早苗のこと
B.秋生と渚のこと
C.公子と秋生のこと
3問目
A.公子とことみのこと
B.公子と朋也のこと
C.ことみと朋也のこと
>516
ありがと。今なおした。
522 :
紫の人:04/04/22 12:01 ID:yUL19lAh
「すご」はおれも思ったがあえて放置プレイ。
秋生さんの髪の色が実によく再現できていると思いました。
>520で正しい選択肢を選ばなかった場合
*******************************************
俺はことみへの思いを3つの質問に籠めた。
公子先生の心を動かそうと言葉を尽くし、
ついには憐れみを乞う涙さえ流した。
――けれども先生は表情を変えなかった。
俺の思いは先生に伝わらなかった。
最後の質問に先生が答え終わったとき、
俺は這いつくばり床に額を擦りつけていた。
堪らなくみじめだった。
そしてこれほどみじめな姿を晒してなお、
俺はことみを救うことができなかった。
「私を、殺して」
頭上から声がかかった。
硬く冷たい床にぽたぽたと紅い雫が落ちた。
「近しい人をこんなに苦しめて、私はもう生きられない」
俺は言葉を返せず、頭を上げることもできず、
絶望の中にただ泣き濡れた。
……意識が遠退いてゆくのが分かった。
もう精も根も尽き果てた。
視界が狭まり、高く澄んだ音が耳の奥に聞こえ始めた。
少女の歔欷(きょき)のようにか細い公子先生の声が
その音に溶け鼓膜に届いた。
「私たちの知りえない私たちが、
どうか正しい未来に辿りつけますように――」
【バッドエンド】
>520で3問とも正しい選択肢を選んだ場合
(以下のテキストでバレバレだが正解は伏せる)
*******************************************
「2年前のあの日。
公子先生が連れ去られようとしたとき、芳野は何と言いましたか?」
「え……。色々なことを言いました。たとえば――」
「公子先生を守るために、先生だけは引き渡さないために、
官憲に向かい何と叫びましたか?」
「……自分を連れてゆけと言いました」
「そうです。代わりに自分を連れてゆけと芳野は叫んだ。
芳野は公子先生を守るためならどんな目に遭っても構わないと、
死をも厭わないと心の底から思った。
今の俺は芳野です。芳野の心が分かります。
芳野は命を懸けて公子先生を守ろうとした。
……けれども守れなかった」
「……次の質問に移って。質問には答えました」
「では次の質問です。
渚が連れ去られそうになったとき、
秋生さんが何と言ったか先生は知っていますか?」
「……知っています。
祐介さんと同じことを口にしたと……そう聞きました」
「そうです。代わりに自分を連れてゆけと秋生さんは叫んだ。
あの時もう秋生さんの心は薄れかけていた。
機械のようになったと自分でも言っていた。
そんな秋生さんが渚を守るために自分の身体を差し出した。
今の俺は秋生さんです。秋生さんの心が分かります。
秋生さんは渚を守ろうと身代わりになった。
……それでも渚を守れなかった」
「……次が最後の質問ね」
「最後の質問です。
俺が自分の命と引き替えにことみを守ることができたら、
その弥勒というシステムは発動しますか?」
「……それは」
「それが叶うなら俺はどうなってもいい!
ことみを救い出したあとに俺が死んでも、
その弥勒というシステムは発動しますか?」
「でも岡崎君! もしあなたが先に――」
「ことみを守りきるまで俺は死なない!」
「でも……」
「殺されても死なない! 絶対に死なない!
ことみを守りきるまで俺は絶対に死なないから!
信じてくれ公子先生! どうか俺のことを信じて!」
公子先生はしばらく何も言わなかった。
うなだれ視線を床に落としたまま、身じろぎ一つしなかった。
やがて先生は頭をあげ、正面から俺を見つめて微笑んだ。
その目に涙が溢れた。
透き通る雫が先生の頬を伝い落ち、赤い血の跡を流していった。
「自分の教えた生徒を信じられないような教師は失格ね」
「……公子先生!」
「ことみさんはこの先にいます。私も一緒にゆく。
残された時間はもうわずかなはず。急ぎましょう!」
「はい!」
俺と智代は力一杯の返事をし、
公子先生のあとを扉に向かい駆け出した。
通路で繰り返し潜り抜けてきたものと同じ扉だった。
俺たちはその前に立った。
――けれども扉は固く閉ざされたまま動かなかった。
530 :
紫の人:04/04/22 22:14 ID:F4eDWAeE
なんで突然カマの掃除とかやるんですか…?
6時に終わるハズなのに今帰ってきた。
今日はもう何もできねっす。あああ…
531 :
伝乃時:04/04/22 23:02 ID:5h0Smvxe
ツッコミは無しの方向で……。
紫さん、頑張ってください。秋生さんを超えるように。
ぶちやっべぇ。9社目轟沈っ!
背水の陣で行ったつもりが、カラテカのごとく見事に背後の海に落ちてしまった。
select文に文字変数使えたっけか……?
選択肢、大丈夫かいな(汗
毎日3時起きして書く生活もあと数日かと思うと寂しいものがあるな…。
選択肢は以前に話したものよりやりやすくしたつもりなんだが逆に面倒だった?
533 :
伝乃時:04/04/23 05:11 ID:7UAgNOrj
そうそう、某T○nksという方の報告によると、パッチはエラーだらけとの事です。
誠に申し訳ない。
どうもパッチ式は上手く行かないか…(単に俺がファイル入れ忘れてただけかもしれない)
てめえ。朝やってみたら東京3日目でもエラーが出たぞ。
ことみとキスできなかったじゃねーかくそったれ。
「――開かない」
「え……?」
「どうして開かないの? どうして……」
公子先生の顔に焦燥が滲んだ。
下唇を噛んで行く手を阻む扉を睨んだ。
智代が進み出て扉に思いきり蹴りを入れた。
当然びくともしなかった。
「どいてろ」
そう言って俺は智代を立ち退かせ、双手突きで理力を叩きこんだ。
結果は残り少なな燃料をさらに減らしただけだった。
「無理よ。そんなのじゃ開かない。
でもどうして……。どうして開いてくれないの?」
「時間切れだからだヨ。先生」
聞き慣れた声だった。
俺たちの来た通路から小さな生き物がホールに入って来るのが見えた。
「そんな……あなたは! あなたが……どうして」
「昨日はずいぶン世話になッたな。
おかげで耳が片ッぽなくなッちまッた。
まあでもアンタはよくやッてくれた。
足止めご苦労さンだッたね」
「何……ですって?」
公子先生の目が大きく見開かれた。
これ以上ないほど冷たい笑いがカルマの顔に浮かんだ。
「行かせちゃ駄目はおれが流したデマ。本当は逆。
結局あれだね。先生は最後まで操り人形だッたね」
「くっ……あなたは!」
激昂した先生の右手からカルマに向け砲弾が放たれようとしたそのとき、
かちりと石を打ち合わせるような小さな音が聞こえた。
瞬間に先生の身体は崩れ落ちた。
床に倒れようとする身体を寸前で智代が抱きとめた。
「カルマ落ち着け! 今その人は味方なんだ!」
「味方? そッか……味方ねえ」
「それよりもこの扉は開かないのか! 早く行かないとことみが――」
「だから時間切れだッて。
今しがた爺さンたちは晴れて役目を終えた。
揃ッてあの世行きだ。弥勒が発動するまで扉は開かない」
「爺さん……。例の学者連中のことか」
「そうだ。脳味噌だけになッて150年間生きつづけた
勤労精神の権化さ。アンタも手くらい合わせてやンな」
「そいつらを……お前が殺したのか?」
「はあ? ばか言わないでくれヨ。
連中にはもう限界が来てたンだ。
10個の脳髄(ブレイン)のうち4個はもう死ンでた。
3個はボケてて2個は寝たきりだッた。
最後の1個はずッと死にたがッてた。
第一おれは連中の眷属だぜ?
首根ッこ押さえられて何もできなかッたッての」
「眷属?」
「手下ッてことさ。これだから嫌だね、学のない輩は」
「……お前。最初から大佐を裏切ってたのか!」
カルマは憐れむような目で俺を見つめ、大仰に溜息をついた。
「まだ分かンねえのか間抜け」と呟いた。
「おれが大佐だヨ。ほら敬礼しろ」
539 :
伝乃時:04/04/23 06:15 ID:7UAgNOrj
>>534 うあわぁぁああスマソ。1byte抜けてた。
――すぐには理解できなかった。
必死に頭を動かし、一つ目のドミノが倒れたあとは早かった。
無意識にカルマを撃った。
声を立てて笑いながらカルマはそれを避け、
嘲るように尻尾を振って見せた。
「先生の相手してたのもおれ一人だ。
おっさン操ッてアンタらにけしかけたのもな。
絢爛な舞踏会だッたヨ。
バイオリン弾き冥利に尽きるというもンだな。
アンタみたいに素人丸出しのステップしか踏めない奴も中にはいたけどさ」
「……昨日のことも演技か」
「ありゃ一世一代の大博打だッた。
おれも命懸けさ。
でもアンタらは実にうまくやッてくれた。
感動的なほどにな」
「くっ……!」
再び撃った弾はカルマの身体をすり抜け、
壁に並ぶモニターの一つを砕いた。
「ここを開けろ!」
「ムリ言うな。おれにだッて不可能はある。
弥勒が動くまでもう少しの辛抱だ」
「どうして俺たちだ!
無理矢理引っ張ってきて、こんなばかでかい芝居まで打って!
この時代の人間でどうにかできたろうが!」
そこでカルマは脚を止め、小さく鼻を鳴らした。
後ろ脚で首のつけねを掻いたあと、神妙な顔を俺に向けた。
「現代種は使えないのさ。そもそもの可能性がないンだ」
「……どういうことだ?」
「臨界が起きねえッてことだヨ。
機械に頼り過ぎて脳の発想に関する部分が退化した。
だから古代種を集めた。
9人のユニットを10万組揃えて、見事勝ち抜いたのがアンタらだ。
オーディションは岡崎さン御一行の採用をもッて無事終了しました、
とまあそンなところだ」
――ふと、先生を抱えたままの智代が目に留まった。
彼女は沈痛な目で俺を見つめ、弱々しく首を横に振った。
俺にはそれが何の意味か分からなかった。
「手は尽くしたけど、助けられなかった」
「……え?」
「助けられッこねえだろ。スイッチ切ったンだからさ」
「カルマ。何を言ってるんだ……」
「改造したときにヒューズをつけた。
そのスイッチがおれの口ン中にあるのさ。
ちゃんとアンタらの分もあるぞ?」
カルマはそう言って大口を開けて見せた。
そしてまた冷ややかな笑みを満面に浮かべた。
「もう用済みだ。上にいる2人以外は捨て駒だッたンだ。
蝶の羽ばたきが海を越え嵐を起こすように、
アンタらの一ツ一ツの積み重ねが弥勒を創りあげた。
逝ッた爺さンたちに代わッて礼を言うヨ。
これでおれも自由の身だ」
俺はゆっくりと右腕をあげた。
カルマが目を伏せ「そッか」と呟いた。
かちりという音を耳に聞きながら、初めて真剣にカルマを撃った。
かちり、かちりと小さな音がホールに響いた。
「何で……こんな。スイッチが……」
尻尾も後ろ脚もなくし、内臓を覗かせるカルマが
虚しく牙を打ち鳴らしていた。
致命傷だった。俺は次を撃たなかった。
「そッか……。そうだよな」
カルマは音を鳴らすのを止め天井を見あげると、
「おれこそもう用済みか」と独り言ちた。
左右色違いの瞳と視線が合った。
自嘲めかして微笑むカルマに、俺はもう怒りを感じなかった。
同情と共感が心を満たした。
こいつもまた俺たちと同じ――哀しい道化に過ぎなかった。
「まあ……いいさ。
これでようやく……このイカれた脳味噌から解放される……」
「――カルマ」
「真ッ直ぐに進んで……2ツ目の十字路を右。
突き当たりで待て……。
もし……扉を開けられたらな」
「……! カルマ!」
カルマは血を吐き、「ごめンな」と言った。
俺はそれに応えなかった。
代わりに心を眼差しに託した。
「まあ精々がンばれ」とカルマは呟いた。
「来世があって……普通の猫に生まれ変わッたら。
……誰かまたあの人のように……。
膝に載せて……頭を撫でてくれるかナア……」
カルマは最後に笑って見せた。
それは冷笑でも嘲笑でもない、
今まで一度も見せたことのなかった、何でもない笑顔だった。
>>535 >結果は残り少なな燃料をさらに減らしただけだった。
('A`)?
「残り少なな」は文法的にコレクトだと思っているのだが。
ふむ。しかし誤字だと思う人がいるなら訂正するか。
548 :
伝乃時:04/04/23 19:28 ID:7UAgNOrj
なな
(連語)
〔上代東国方言。上代における打ち消しの助動詞「ぬ」の未然形「な」の重複したもの〕…ないで。…ずに。
〔上代における打ち消しの助動詞「ぬ」の終止形の重複したもの、上代における打ち消しの助動詞「ぬ」の未然形「な」に助詞「に」の付いたものなどの説もある〕
〔上代語。完了の助動詞「ぬ」の未然形「な」に希望の終助詞「な」の付いたもの〕話し手のひたすらな希望や決意を表す。
…してしまいたいな。…してしまおうよ。
初めて知りました。
549 :
紫の人:04/04/23 19:49 ID:qut2XMQP
違和感は感じなかったけどな。
それはともかく今日は今日で突然夕方焼き担当に。
二時間延長とかマジ勘弁。今は給料より時間が欲しいの〜ヽ(`Д´)ノ
間に合わなかったらごめんな…>ALL
いや。おそらく文法的には
少な【すくな】
[形容詞「少ない」の語幹。「ずくな」とも]
名詞の下に付いて、そのものが少ない意の複合語
(多くは形容動詞)をつくる。「人―」、「言葉―に語る」
三省堂 大辞林
しかしまあ、初めて知った人が沢山いるような表現を
ゲームのテキストに使うのはちょっと駄目だったか。
……他にもいっぱいありそうな気はするが。
551 :
伝乃時:04/04/23 21:03 ID:7UAgNOrj
3問目
A.公子とことみのこと
B.公子と朋也のこと
C.ことみと朋也のこと
↑これ
3問目
A.公子とことみのこと
B.公子と俺のこと
C.ことみと俺のこと
にしてはいけませぬか?
そういうことなら↓こうして
3問目
A.公子とことみのこと
B.公子と自分のこと
C.ことみと自分のこと
553 :
伝乃時:04/04/23 21:45 ID:7UAgNOrj
>>549 なかなかハードワークぽいですね。
俺も月曜日には派遣の面接逝ってきます。
>>552 了解。
554 :
紫の人:04/04/23 22:18 ID:5uM/7lD/
俺は扉に向かい駆けた。
全身全霊の理力を籠めて殴った。
衝撃は音もなく無慈悲な金属の壁に吸収された。
扉の横に釦らしきものを見つけ、闇雲に押した。
小さなモニターに9つの数字が表示され、
次いでエラーの文字が明滅する。
そんな虚しい絵を何度か繰り返し、
拳を大きく振り上げ……打ち下ろすことなく垂らした。
熱病に冒されたように身体が震え始めた。
何もできない無力な自分を恨んだ。
逝ってしまった者たちの顔が目の奥に現れては消えた。
ことみを失おうとしていることを思い、
激しい痛みの走る胸を押さえ床に膝を落とした。
「……ぐっ」
涙さえも出なかった。
歯噛みに軋む口の中に濃い血の味が広がった。
「切り札の出番」と背中から声がかかった。
智代が俺の隣に立ち、厳しい目で扉を睨んだ。
「私なら、何とかなるかも知れない」
「……智代」
「切り札はいざそのときに使わないと」
たしかに智代が最後の可能性だった。
分厚いマンションの壁を消し飛ばした
あの凄まじい威力をもってすれば、あるいは……。
「けれど、撃てるのか?」
智代の身体にはもう雀の涙ほどのATPしか
残されていないという確信があった。
「一発なら撃てる」と智代は自分に言い聞かせるように呟いた。
「離れてて。危ないから」
「――分かった」
俺は膝を起こし立ち上がり、5歩ほど後ろへ下がった。
その場所から智代の背中を見守った。
理力を溜める必要があるのか智代はしばらく動かなかった。
その推測を裏づけるように途方もないエネルギーが
彼女の右腕に集まってゆくのが感じられた。
息を詰めてその後ろ姿を見つめた。
不意に智代が頭だけこちらに向けた。
「もう一回、私を探して」
「え?」
ふっ、と見慣れた微笑みを残して扉に向きなおった。
右腕への理力の集中がその速度を増した。
長い黒髪が吹きあがり、辺りの光景が不自然に歪んだ。
「今度は誰にも負けない。ことみさんにも」
【最終選択肢】
A.智代がしようとしていることに気づいた
B.智代が何をしようとしているか気づかなかった
最後まで投下しつづけようか迷ったのですが、ここまでにしたいと思います。
この先は完成版NETANNADにてお楽しみください。
(……この台詞、言ってみたかった)
以上をもちまして、本スレへの近未来編テキストの投下を完了します。
>>558 お疲れ様でした、というべきか。
ご武運を!
お疲れ
561 :
紫の人:04/04/24 00:29 ID:pBqzk1dh
>>558 お疲れ様!
ずっと読ませてもらってたけどとても面白いです。
スパート大変かと思いますが
頑張って下さい
完成版、期待しています^ ^
智代エンド書き終えた。いよいよトゥルーにとりかかる。
ところで紫の人よ。言い忘れてたが、猫のオッドアイとは瞳の色違いで
白目はやはり白いのだぞ?
564 :
紫の人:04/04/24 23:04 ID:9JZ0oeB6
おーい伝の字よ。テキスト渡したいからメッセに繋ぎんさい。
…まだ最後が少しだけ書けてないけど。
566 :
伝乃時:04/04/25 00:54 ID:iyPE4yv3
昼から今まで寝てますた。
今から明日のこの時間までは起きてるので、いつでもどうぞ。
567 :
人生ブラフ@イリヤタソ(;´Д`)ハアハア:04/04/25 01:03 ID:zgmlIax+
応援期待age
dクスさん心から乙だ
お前という人間の存在自体に勇気付けられた
いや中々に愉しかったぞ
完成おめでとう
まだ完成してへんつーの。もう少し待っててくれ。
>566
伝の字。おれを殴れ!
おれは昨日、一度だけきみを疑った(親父さんにマシン取りあげられたか? とか)
きみに殴ってもらわなければ、おれにはきみと抱擁すr(略
569 :
伝乃時:04/04/25 06:04 ID:iyPE4yv3
ガッ
r;;;;;ノヾ
ヒ =r=;'
ヽ二/
⊂彡☆))Д´)
>>569 ありがとう、友よ!
CLANNADとは似ても似つかなそうなシナリオですね
まったく、なんの申し開きも出来ず、その通りです。
573 :
伝乃時:04/04/25 14:00 ID:iyPE4yv3
うー9時間ブッ続け作業、さすがに疲れた。
現状報告
音楽 ○
整形 △
背景 △
立ち絵 △
効果音 ×
設定とか ○
>>571 クラナドネタバレ感想スレに準拠した一次創作だから。
今日時間が取れたので、
今から私も音楽の最終の詰めにはいりますが
伝乃時氏、
音楽のバージョンUP等、まだ間に合いますでしょうか。
576 :
伝乃時:04/04/25 14:24 ID:iyPE4yv3
>TAMさん
間に合います。……多分。
今日の夜中までにUPします。
578 :
紫の人:04/04/25 19:18 ID:5l9gO8A6
スタッフ一同ゴール寸前です。色々な意味で。
HP作り、楽しいですね。
黄色い文字のものが、今までUPしたものの最終のものです。
いいものがあったら選んで下さい。
他にもいままで作ったものを載せておりますが、どれもこれも中途半端です。
あと、トンクス氏の要望の、メロディーを原曲と変える等はあまりできず、
申し訳なく思っております。
最後に、私の曲を手伝っていただいている「皐月」さん編曲の物を使用する場合、
曲についてのコメントをどこかで載せて頂きたいです。
ネタナド用HP
http://mp3.fuzzy2.com/~key/TAM.htm
581 :
伝乃時:04/04/26 00:46 ID:PY9kVNJD
>Tamさん
乙です。
なぜか月童MP3は落とせなかった(404notfound)ので、midiの最新版を入れました。
今、25時間ブッ続けで作業してます。
頭やら腰やら腕やらが目やらが痛い……うぅ。
ソララド、音量を少々大きくしました。(01:00頃更新)
ので、お願いします。 申し訳ない。
えー。かなり必死こいてやったのですが、まだゴールできません。
今日の日付が変わるまでには仕上げて公開します。申し訳ありません。
>TAMさん
音楽聞きました。素晴らしい出来だと思います。
ソララド(空に光る改だね)をエンディングに使わせていただきます。
んで、編曲なしのメグメル改を中間デモの曲として使い、
皐月さん編曲のメグメル改をオープニング曲に使いたいと思いました。
その方向で考えていきたいと思いますが、どんなもんでしょうか?
明日は仕事なのにゴール寸前でええす。
>TAMさん
もう一つお願いしたいことがあるのです。TAMさんが以前にうpして下さった
>470のメロディラインを消した空に光る改なのですが、あれも是非使わせて
いただきたいのです。エンディングにつなげるためのBGMとして使いたいのです。
ただ、いまの状態では>470の曲は小さすぎるので、明日の夕方ごろまでに
メグメル改や今日うpしていただいた曲と同じくらいの大きさにして
いただけないでしょうか。どうかお願いします。
あ、まだ何かあったら遠慮なく言ってください。
やれるとこまでやってみますので。・・・・。って、おきてるの私だけか・・・・
はや起きました。迅速な対応ありがたい。
これで思い描いたエンディングが実現できそうです。
ときに、皐月さんの編曲されたメグメル改を使うにあたって
「曲について載せてほしいコメント」つーのはなんでしょうか?
一応皐月さんのサイトの方へ報告もさせていただいたのですが、
クレジットなどの他に考慮すべきことがあれば教えてください。
んで、思い出したので伝&紫に連絡。
公子先生とのアレ(ネタバレ防ぐために隠語)のあとに流れる曲が
小さすぎる。ひどく良い曲たと思うんだが。
何か策を講じるか代替曲を探すかしよう。
TAMさんってご自分のつくった曲でない
他人のMIDI曲の音量を大きくすることもできます?
もしそれが可能で、且つ伝の字が持ってきたあの曲に
そうした加工が許されるなら、そこで問題は解決するんだが…。
591 :
紫の人:04/04/26 07:53 ID:Jz7aF+Ew
今日は仕事休みだからと思って昨夜は29時まで起きてたのに
チーフから「夕方焼きやってよ」との電話でさっき起こされました。
トンクスと伝乃字がでかけてる間に作業進めておくつもりでしたが
俺もかかりっきりで作業ができなくなりました。すまん>両名
てか先週の疲れ全然取れてないんですが…
手に通常の半分も力が入らねぇ。ボスケテ。
……連レスすまん。あともう一点。
「バラック・2日目」とか「2267.04.12」とかの日付を
全部もう10ptずつさげて。>伝
さーシャワー浴びて仕事に逝ってくる!!
>>590 可能です。お任せください。
皐月氏編曲のもので
圧縮率の高いメグメル64ビットのものを使うなら、
-----------------------------------------------------------
ここで使われている曲はたくさんの人にダウンロードしてもらうため音を圧縮して
データを小さくしております。
そのため音が多少悪いですがご了承してください。
-----------------------------------------------------------
とのコメントを載せてほしい、とのことでした。
594 :
伝乃時:04/04/26 08:22 ID:PY9kVNJD
>Tonksさん
>リストアップ・文字位置
全部オワタよ。後で裸の追加分を挿入します。
>Tamさん
凄いよ、凄いよ。なんか音が違うよ。
これってMIDIをそのままMP3化しただけなんですか?
俺、未だに腐れオンボードサウンドカードなので、感動しますた。
>紫さん
休日出勤ですか……キツイですね。
じゃ面接逝ってきます。
595 :
伝乃時:04/04/26 08:27 ID:PY9kVNJD
音楽はMP3の192kbpsをガンガン使いたいと思っています。
俺みたいなオンボード野郎でも、体感出来るように。
あとで「ナローバンド用」として、MIDI使用バージョンを作ってもいいと思う。
596 :
紫の人:04/04/26 12:00 ID:Jz7aF+Ew
597 :
紫の人:04/04/26 14:15 ID:Jz7aF+Ew
598 :
伝乃時:04/04/26 17:41 ID:PY9kVNJD
3時に帰れるとか書きましたが、こんな時間になっちまいました。
599 :
伝乃時:04/04/26 18:08 ID:PY9kVNJD
追加分の保存・エイリアス化をしたやつを、アップローダーへ上げておきました。
おそらくこれ以上の素材の追加は無いと思われます。
あとは表情付けですが、これは作業の重複を避けるため、
もうすぐ帰宅が予測されるTonksさんを待っておきます。
あと「エンディングは曲を使い切る」とのことですが、単純計算で1枚18秒になってしまいます。
600 :
伝乃時:04/04/26 18:50 ID:PY9kVNJD
今確認したところ、11.txtの朋也→$2置換がされてなかったようです。
601 :
伝乃時:04/04/26 19:38 ID:PY9kVNJD
TAMさんにお願いがあります。
netannad音楽サイトの megmelピアノ引き
>>471を利用させて頂きました。、
ですがこちらの音量が小さいとの事ですので、もう少し大きく出来ますでしょうか?
602 :
伝乃時:04/04/26 19:42 ID:PY9kVNJD
すんません、もう一つ。
エンディングの主旋律あり空に光る改ですが、3分50秒は少々長いとのことでして
おおよそ100秒くらいに編曲する事は出来ますか?
もし可能でしたら、お願い致します。
603 :
伝乃時:04/04/26 19:47 ID:PY9kVNJD
↑ファイル名でいうと040414-CLA-SORA-533.mp3です。
さ〜〜、今から作業しますよ。
>590
音量変更するMIDIデータ下さい。
>594
MIDIといっても、オンボードでも再生可能な128音からしか選んでないですよ。
名古屋駅内ソフマップで私のMIDI音源付きキーボードSK-88Proが中古で3万円でした。
ただ、10年前のMIDI機器ですが、この音色で私もDTMに魅了されたうちの一人です。
とはいっても、私の基本はピアノ適当弾きなので、このくらいが精一杯。
>601>602>603
解りました。ついでに手を入れます。の予定です。
イベントのエロCGないの?
606 :
伝乃時:04/04/26 22:49 ID:PY9kVNJD
>>TAMさん
>音量変更するMIDIデータ下さい。
Tonksさんの言っていた「音量上げたい曲」というのが、まさにメグメルピアノ弾き(
>>471)なのです。
混乱させてしまい、申し訳ない。
>605
立ち絵だけです。
>TAMさん
すんません。紛らわしいこと書きました。
日付がかわっちまいますが、今夜中には公開します。絶対。
今聴いたら、テンポも違ってた。テンポ等、変更OKですよ。
611 :
伝乃時:04/04/27 00:21 ID:3LsNFk4Q
乙です。メグメルピアノ弾き、受け取りました。
空に光る改、ショートバージョン
040414-CLA-SORA-534-short.MP3
すみません、やっつけです。
1・テンポは遅いほうがEDにあってるかどうか
2・最後の終わりはなだらかに音を消していけばいいのでしょうか?
MP3にアナログ録音するときに、手動で音量絞っていっただけですが、
どうもぎこちないですので、どちらにしろやり直しかな?
613 :
伝乃時:04/04/27 01:00 ID:3LsNFk4Q
出来れば
・テンポは、ロングバージョンと同じくらいの遅さで
・再生時間はおおよそ100秒
最後はなだからにフェードアウト
でお願いします。(_ _)
了承
TAMさん、どんな感じでしょう。こちらの作業はいちおう終わりました。
もうかなりゴールしたい気持ちでいっぱいです。
もう、ゴールしてもいいよね…。
>TAMさん
こちらからお願いをしておいて恐縮なのですが、
やはり今夜がタイムリミットという線は崩せないので、
4:30をもって公開に踏み切りたいと思います。
つくっていただいた曲はぜひくみこませていただきたいし、
明日からもちまちま直すと思うので、どうかお許し下さい。
617 :
伝乃時:04/04/27 06:34 ID:3LsNFk4Q
あっぷちゅうにぶれーかーおとされた
618 :
伝乃時:04/04/27 06:45 ID:3LsNFk4Q
正式版公開中
【ソフト名 】 NETANNAD
【バージョン 】 Version 1.0.0
【使用エンジン】 NScripter
【動作環境 】 Windows98/2000/XP
【動作確認 】 DOS/V互換機
【ソフトの種別】 18禁ビジュアルノベル
【サイズ 】 33MB
【ホームページ】
http://den.with2ch.net/ 【免責事項 】
これはクラナド発売以前に制作したものであり制作者のイメージで
書かれているため、キャラが異なる場合がありますがご了承下さい。
619 :
伝乃時:04/04/27 06:48 ID:3LsNFk4Q
サイズ→33,888KB だった
それじゃ親父がブチ切れてるので、待避します
目覚めてすぐこんなこと気づくのは寂しい話だが、
眼鏡ッ子ことみ出し忘れてたなあ……。
>トンクス氏
もうしわけない、ED曲は編集できませんでした。
もし作成できたら、そのときは宜しくお願いいたします。
アナウンスです。
えー、この度どうにかNETANNADを本家の発売に先駆けて
公開することができました。生暖かく見守ってくださったヲチの皆さん、
励ましてくださった住人の皆さんへスタッフを代表して厚くお礼申しあげます。
まじでありがとうございました。
で、こんなことを言うのは非常に心苦しいのですが、突貫工事に継ぐ突貫工事
にてぎりぎり滑り込みで〆切に間に合わせたため、プレイしているうちに
お気づきの点もあるかと思います。そういうのは是非一つこのスレに
ゴリゴリ書いてくれますと、こちらとしても激しく嬉しいものがあります。
「このシーンでこの曲はないんじゃない?」とか「RRくせえ文章だな…」とか
「○○の部分で飽きて止めた」とか「ねんまつ」とか「くそなど」とか
そんなそんなお叱りが一番ありがたいので、どうかガツンと言ってやって下さい。
他のスタッフはどうかしらんが、おれは少なくとも5月の声を聞くまでは
本家をプレイせず、こっちのテストプレイ&クオリティアップに勤めたいと思います。
こんな気持ちのままじゃとても楽しめないというのが本音だけど。
かねての予定ではここで「ゴール」の改変コピペでも貼ってお茶を濁す予定が、
なかなかそううまくもいかないようです。
ともあれ、本日までのお引き立て、本当にありがとうございました。
お時間があるようなら、是非我々の汗と涙の結晶をプレイしてやってください。
>621
つーわけで、時間かけていいやつ作ったって下さい。
オープニングとか、デモとかTAMさんのおかげでとても見栄えのするものになりました。
エロ絵がしょぼい。
つか、できない
バグ報告
スメールの屋上の朋也vs愚者のところで
フリーズしてゲームが終了しました。
626 :
伝乃時:04/04/27 16:16 ID:3LsNFk4Q
「ぎぎぎ」にワロタ
628 :
伝乃時:04/04/27 16:56 ID:3LsNFk4Q
追記
インターネット接続契約を止める!と言ってましたので、当分ネット出来ないかもしれません。
一応ソースをいつものアップローダに上げておこうかと思います。
それでは、友達に液晶ディスプレイを返却しに行ってきます。
どうでもいいけどジャズバーのジェイの名は村上春樹からとったのか
そしてふじこ萌え
乙!
マターリと楽しませてもらいます
普段からやばいと言ってたけど、そこまで剣呑な状況だったのか。
就職して親父さんの怒りが解けたら、また顔見せてくれるのかな。
おれの方でもちょっとスクリプトの勉強してみるよ。
最後の方とか、寝てないこと言い訳にして勝手ばかり言って悪かった。
一緒に作った企画だからごめんもありがとうも言わないけど、
伝の字がいなけりゃ、最後まで書こうなんてとても思わなかった。
あとバグ報告ありがとうございました。
途中で止まるバグだけは出さない気でいたんだが…。
>629
ジェイなんてどこにでも転がってる名前だろ。
ふじこで分かる通り名前はおそろしくいい加減につけた。
本当にお疲れ様です
本家より先に楽しみたいと思います
ずっとROMだったけど公開記念カキコ
関係ないスレに張られたリンクから飛んできていきなりやったクチだけど
すげー面白かったよ
特に、始まりから町なかの戦闘にかけてが凄い
そっからはだるくなりかけたかも
でも一気に終わらせずにはいられなかったよ
トゥルーエンドのクリア後、ロードしようとすると落ちた。
エラーメッセージはpush.wavが開けません、だったと思う。
最後に力尽きてしまいましたが、
改めてみなさま、お疲れ様でした。
Tonks氏、凄い量のテキスト、お疲れ様でした。
このスレを覗いたとき、一番にまず物語に引きこまれました。
こんなすばらしいシナリオの音楽を担当できて幸せです。
伝乃時氏、音楽がいつも提出が遅れてしまい迷惑かけました。
突貫作業をまとめるのはとても苦労したと思います。
大変なようですが、またNetに戻ってきてくださいね。
紫の人氏、私が初めて音楽をUPしたのが紫の人氏の掲示板?です。
あるときは、投稿の半分以上が私の作品で、ご迷惑をおかけしました。
氏に誘導されてきたのですが、またまた活躍?の場を与えていただき感謝してます。
それでは、私もプレーしたいと思います。
>>618 Service Temporarily Unavailable
(´・ω・`)ショボーン
>>スタッフALL
お疲れ様でした!
早速やろう…と思ったら落とせないんですが…
639 :
伝乃時:04/04/27 22:46 ID:3LsNFk4Q
ハードオフで15インチCRT買ってきました。
>>トゥルーエンドの後、ロードするとpush.wavがありませんとフリーズする
すいません、こちらでは確認出来ませんでした。
>>TAMさん
いや、謝らないで下さい。あまりにも急激すぎる締め切りだったんですから。
>>637 >Service Temporarily Unavailable
2500オーバーの強烈なアクセスがあり、非常に繋がりにくいようです。
一応今、ミラーとしてアップしてます。
派遣が決まったので、とりあえずネット接続は続けられるようです。
ってか親父マジで怖いよ……キレたら何するかわからん。
今日からは23時以降一切のパソコン禁止令が出たので(ってか以前にも出てたんだが)、あしからず。
640 :
伝乃時:04/04/27 22:56 ID:3LsNFk4Q
ミラーアップ完了しました。
ってかカウンターが凄い上がってる。今日中に10000行きそうな。
642 :
Usa:04/04/28 00:08 ID:BgMXKtdh
お疲れ様でした。ずっとROMってましたが楽しませていただきます、^^
>>製作者の皆様
本当にお疲れ様でした&楽しませていただきました・・・
音楽もシナリオもよかったのですがちょっと自分的には難しかったようで
二週目プレイ中でございます・・・_no
戦闘・愛・苦難など様々な所のカラミがよかったですね・・・
TAMさんのHPの曲もすばらしいものでした。
製作者の皆様も頑張っていたようですが体調にはご注意を。それではノシ
文章苦手なものなんでここで引いときます・・・
644 :
名無しさんだよもん:04/04/28 02:09 ID:TpLALSrE
スタッフの皆様、お疲れ様でした
最後の方グっときたよ
ヤヴェTRAIN-TRAINイイ。
熱いZE
646 :
なまはげ@Slot1 ◆WXeonHT5PA :04/04/28 05:01 ID:/83dQYMl
。・゚・(ノД`)ヽ(;Д; )モライナキシチャターヨ
クリア時間6時間・・・大作っす。
ほんと泣けるシーンがいっぱいでした。特にラスト。
俺もいまクリアしました。
下手な市販ゲームよりも良かった。
多少誤字が有ったようだけど、もう忘れた(w
今日からクラナドやる予定なんだが、
たぶんイメージが違いすぎて戸惑うんだろうなぁ…。
スタッフの人、お疲れさまでした。
漏れも今クリアです。
半神ゲーに認定されました。
スタッフの人マジで良いゲームをありがとう。
完走お疲れ様です。
650 :
伝乃時:04/04/28 06:54 ID:FBl6+LVP
おはようございます。
>>トゥルーエンドの後、ロードするとpush.wavがありませんとフリーズする
たった今、確認しました。
自分の場合トゥルーエンドではなく、公子バッドの後にロードすると
同じようなエラーが発生したりしなかったり。
現在、エラー発生の条件やエラーの理由が判明してません。
正直検討さえ付いてない状態です。
原因が判明し次第パッチをアップしたいと思っています。
葉鍵製作ゲー第一号おめでとさん
652 :
名無しさんだよもん:04/04/28 07:58 ID:404DJF8R
クソッ… 11時からいままでノーセーブで突っ走ってきて
最後の最後の先生の3m(ryでミスってリセットでつ…
マジで泣きてえ…
それとスタッフの皆様、ホントにお疲れ様でした
頑張ってハッピーED拝みます
(攻略サイト使わないとキツいかな…
>650
おれも公子先生を説得する選択肢でセーブして
バッドエンドを見てからロードしようとしたら出た。
ただ、再起動したらロードできた。
654 :
伝乃時:04/04/28 08:00 ID:FBl6+LVP
>>652 あの3m(ry はやっぱ難しいですよねぇ…。
ネタナドサイトに攻略チャート作っておこうかな。
655 :
伝乃時:04/04/28 08:13 ID:FBl6+LVP
サイトの方に攻略チャート上げておきました。
どうしてもクリア出来ない! という方はご利用下さい。
スタッフの皆様、良いゲームをありがとう。
アマチュア作品でこんなに感動したのは久しぶりかも。
>>トゥルーエンドor公子バッドの後、ロードするとpush.wavがありませんと強制終了する
こちらでも確認しました。
ですが、1回エラーが出て、それ以降は同じことを何回かやっても強制終了されることはありませんでした。
一人でも感動したって言ってくれりゃ本望だと思ってたけど。
ともあれ、発売前に公開できた実感がようやくわいてきた。
いちおうクリアしました。スタッフロールまでいけばクリアだよね…?
もしかして隠しエンドとかもあるのでしょうか?
……これプロとかアマチュアとか関係なく凄い出来です。
素直に感動しました。良いゲームをありがとう。
push.wavがありませんエラーはうちでもロード時に1回出ました。
再現性がないので(同じSaveDataでも無問題)いつ起きるのかは解りません。
659 :
伝乃時:04/04/28 08:48 ID:FBl6+LVP
>いちおうクリアしました。スタッフロールまでいけばクリアだよね…?
トップメニューのExtraがクリック出来るようになれば、クリアです。
もしスタッフロール見てるのに、Extraクリック出来ないのでしたら
多分、スタッフロールの途中でゲームを終了しているのでしょう。
スタッフロールはクリックかCtrlキーで飛ばせますので、真のエピローグを是非ご覧下さい。
とりあえずお疲れ様、と。寝ずにプレイしちゃったよ。
Extraは開けました。全クリアしなくてもTrueエンドを見れば良いのね。
はっきり言ってこの企画の存在を昨日知った葉鍵とは無縁の人間で
(それも全然関係無いスレに張られたリンクを辿って。>634氏と同じ)
CLANNADの存在さえ知りませんでしたが、非常に楽しめました。
本家は本日発売だそうですね。発売前に完成させたスタッフの方々、
本当にお疲れ様でした。
今までKEYには興味無かったけど、NETANNADが面白かったので
ちょっとだけCLANNADがやりたくなってしまいましたよ。(笑)
漏れも関係ないスレ出身。
男らしく実名プレイだったんだが、フジコのバーで紹介を受けるとき、
デフォルト名(カタカナだったが)のままだったな。
バグとか遠慮なく報告しとけとか言われたから報告しとくよ。
漏れの勘違いだったらスマソ。
しかし据わりの悪いエンディングばかりはどうにかならなかったのか?
人間牧場とか見事にフォローね〜し。早苗とか扱いあんまりすぎ。
人間を脳髄のみにするなんてグロ連想させる展開にヒロインの一人(渚)
を放り込むのも止めて欲しかった。
途中まで面白い展開でぐいぐい引き付けておいてコレは正直簡便。
まぁ、大作マトリクスとかもこんなかんじのエンディングだったし、
漏れが遅れてるだけか。最近こういうのが流行なのか?
スマン、激しく厨質なんですが、セーブの仕方教えて下さい…_| ̄|○
ぐぐったりしてはや2時間。未だワカランッス…
664 :
伝乃時:04/04/28 13:59 ID:FBl6+LVP
>>662 >フジコのバーで紹介を受けるとき、デフォルト名(カタカナだったが)のままだったな。
勘違いじゃありません。ここですね。
>遠い東の都からはるばる友だちがやって来た。オカザキ、イチノセ、それからサカガミの3人だ
自分でやってると、全然気づきませんでした。ありがとうございます。
解決策としては「$名前変数、一ノ瀬、それから坂上の3人だ」にすることくらいでしょうか…
>>663 吉里吉里なんかだとメニューバーにセーブがあるから、分かりにくかったかもしれませんね。
このゲームはNscripterで作られてますので、右クリックメニューからセーブします。
右クリック→セーブ→ファイル1〜ファイル12までお好きなところにセーブして下さい。
ロードする時は、同じように右クリック→ロードしたいファイル選択 です。
665 :
663:04/04/28 15:21 ID:H3GUmYix
即レスありがとうございます
やはり激しく厨質ですた…すいません
後、Winで解凍した物を林檎に移してCCScripterで実行してみたのですが
ウインドウが開くだけで画面は黒画面から進みませんでした(バーにNETANNADとは
出てます)
環境はOS X10.3.3 CCScripter v0.8.20です
(´,_ゝ`)プッ
667 :
伝乃時:04/04/28 17:44 ID:FBl6+LVP
うーん、なんか至る所で宣伝されとる。
無闇やたらな宣伝は、反感や荒らしを招いてしまいますよ。
>>665 申し訳ありませんが、互換エンジンやMacでの動作は全くサポートしていません。
というか俺がMac持って無いので確認出来ないのです。
ONScripterではどうでしょうか。
>662
某ネタバレスレのこのレス↓がおれにとってすべてのはじまりでした。
23 名前: 名無しさんだよもん 投稿日: 03/07/03 02:02 ID:jUzQFCWT
最後、脳みそだけになった渚ちんが
モニターの前の自分達に語るシーンは、正直引いた・・・
麻枝終わったな
……まあネタゲーなので勘弁してくだちい。
バグ報告ありがとう。オカザキの代替案はちょっと考えてみる。
結局おれ、実名プレイして中田……。男らしくない以前の問題だ。
>667
プレイした人が宣伝してくれるのは受け容れよう。もう作品は世に出たわけだし、
荒れようが反感もたれようが、それについて語ってもらえるのは嬉しいことだ。
ナマエニキンミライイレチマッタ…。
>伝の字へ
遠い東の都からはるばる友だちがやって来た。イチノセ、サカガミ、それから……
ええと何だっけ。まあ男はいいか――の3人だ」(ここで笑いの効果音なんか入るとベスト)
こんな風にかえてくんろ。あと12.txtで、
智代の目から一筋の涙が流れた。俺はそれを指で拭い、ブラジャーのフロントホックを外した。
ld c,tomoyo90,10
端正な乳房がこぼれ出た。すでに尖っているその先端に口づけた。
ld c,tomoyo92,10
「んっ……」
このように変更お願い。立ち絵が違っていた。
積もる話もあるしちったあメッセにつなげ。紫の人も。
エミュでも動きました。
重たくてBGMは途切れますが。
以下スペック↓
Power Mac G4 1.25
RAM 1.75MB
Virtual PC 6 + Windows 2000 Professional
CCSは動かなかったです。
凄い良かったと思ったけど
最後の脳味噌だけはチョット…と思いました。
考えさせられるところがたくさんあって よかったです。
>>671 同じくです
iBook G4 800
RAM 640M
Virutal PC 6 + Windows 2000Pro
それとVirutal PCで右クリックを"Control+クリック"と設定されてる方は
"Shift+クリック"に設定を変更されると幸せになれるかも
("Control+クリック"では右クリックメニューが反応しませんでした
後、何もしてない外野が言うのもアレなんですが最後のシーンを父との会話ではなく、
岡崎、智代、ことみの"3人"が仲良く笑ってるCGで締めると
プレイ終了後の余韻などもいいんじゃないかなと思いました
最後になりましたが、感動をありがとうございました。
674 :
紫の人:04/04/28 23:33 ID:EiJdmfvx
ネタナドをプレイしてくださった皆さんありがとうございました。
>トンクス
あなたのやる気とネタへの姿勢に惹かれ参加したこの企画、
俺は最低限の素材しか上げることはできなかったけど
あんたと一緒にやれてよかった。すごい楽しかったです。
…あと一ヶ月就職が遅れてればもっとイベグラなんかも描けたんだけど。w
>>670 昨日は仕事関係で出かけてたのでネットできんかった。
今日からいるよ。
>伝乃字
パソコン禁止令が出てたにもかかわらずスクリプトお疲れ様でした。
最後手伝うとかいって全然役に立てなくてごめん。
>TAMさん、琉球さん
ナイスな音楽ひっさげてのご協力ありがとうございました。
>>636 あんなの別に気になさらずに。
またあっちのほうでもアップして下さい。クラナドも出たことだし。
>>622 ごめん、俺は本家やっちゃうよ。(-_-;)
675 :
名無しさんだよもん:04/04/28 23:48 ID:kK+J3KQf
いきなりトンデモバトルな展開になるにはパーツの伏線が弱すぎたな
本家のさわりだけやった。
古河一家はネタナドのイメージどおりかも…。
コトミは少し違うが…。
マジで感動しました。
本家やる気なかったんですがちょっとやる気が出てきましたよw
スレ違いで悪いが、さわりの部分しかまだやってないけど
ギャグは結構笑えると思う(寒いのもあるけれど)。持ってるならやれば?
こんな気分になったのは久しぶりです...
いい物をありがとう...
680 :
662:04/04/29 05:10 ID:ouQk78gz
>>668 >……まあネタゲーなので勘弁してくだちい。
いや、あやまられても、こちらも「スマン」としか言えないのだが;
他の人も頑張って製作したんだから、一人でそんな悲しいこと言わないで
くだちい。つД`)いい仕事はしたんだからさ。
でもこの調子なら大丈夫そうっすね。「批判のほうがありがたい」といった
内容の書き込みを信じさせてもらって言いたいこと全部いっちゃいます。
所詮は葉鍵系ゲームをやった経験が少なくて、この世で一番好きなアニメは
のび太の鉄人兵団。一番好きなゲーム(のシナリオ)はFF7という人間の
戯言ですから本気で気に病まなくてもいいです。
せめて参考になればいいのですが、、、。
文章も、途中経過も十分面白かった。漏れが気に入らないのはラストの
風呂敷のたたみ方だけ。
>>某ネタバレスレのこのレス↓がおれにとってすべてのはじまりでした。
やっぱその内輪ネタのオマージュなんですね。
ただ、スタート地点がそれでも、それによって派生した内容がよくて、
さらにそれが全体を悪くしてしまっているというような状況なら、それを
とっぱらうぐらいの判断はほしかった。
ま、もっともそれが物凄く難しいことであることは分かってるけどね。
まずは、スタート地点だけに、その内容が全体を殺しているということに
気付くことが難しい。気付いたとしても認めるのが難しい。さらに認める
ことができても改変するだけの大きな判断をすることが難しい。
681 :
662:04/04/29 05:15 ID:ouQk78gz
以前漏れも(物書きじゃあないが)作品発表前に発想の礎になった部分を
改変したほうがいいとか周りに散々言われて、結局反対してくれた人に
漏れの先生なんかもいたもんだから、しぶしぶ変更して発表したことがある。
先生がいなかったら絶対に変更しなかったね。
正直今の漏れにもその部分が本当に悪かったのか分からない。
でもその時の判断は間違えてなかったということは自信を持っていえるよ。
少なくても周りに満足してもらえる作品が作れたんだからね。
本当に大変なことだけど、周りに意見を求めるという作業は絶対に必要。
自分一人では時たま致命的なほど大きなミスを見逃すことがあることも
確か。ま、知識で知ってても一朝一夕にできることじゃないことは分かって
いるが、ま、これを教訓に頭の片隅にでも入れておいてくれ。
あと蛇足だが、オマージュには内輪ネタを使わないこと。大抵の人は
理解できんからね。地上に聳える巨大な塔。その内側には楽園が広がって
いるというおいしすぎるネタがあるんだから、ラストは「諸悪の根源にして
塔と楽園の創造主をチェーンソーでぶった切る」ぐらいのことを(シリアス
でもいいから)やってくれたら少なくても漏れはハゲワラだったと思う。
SaGaを知らない人でも「破壊シーンでたまたまチェーンソーがあった
んだな。」ですむ。オマージュは常に諸刃の剣。使用の際は副作用を
最低限に。
682 :
662:04/04/29 05:17 ID:ouQk78gz
あとこれは実際に作品やって気付いたこと。
意図して悲劇を演じる以外では「実は裏でいろいろ意図が働いていて、
土壇場でそれが明らかになって、実は主人公は大きな意思に操られて
いたにすぎなかった。」という展開は最後のほうではなく、物語の中盤の
ほうが良いのかも。起承転結では転の部分なんだし。
それももう複線をガチガチに結合するなどしてエンディングが近いという
雰囲気を十分にかもし出した上で。
そして後半をじっくり使って殆ど絶望的な状況から奇跡的な大逆転を
演出したほうが良いのかもしれない。
理由はあまりに後半に配置してしまうと風呂敷を畳む事ができなくなって
しまうから。作者だけでなく、読者も含めて。
簡単に言えば「おぉ!新展開か?」と思わせておいて終わるというの
はなんともすわりの悪さを感じさせる気がするわけです。
それなら多少蛇足でももう少し時間をかけて決着させたほうが読者には
うれしい悲鳴をあげさせることができると思う。
早く言えば「起承転結転」って展開よりも「起承転結転結」であるべき。
今回は人間牧場の是非や一人の人間を生き延びらせるために多数の
人間を犠牲にすることの是非、人間の精神を操ってロボットのように
してしまうことへの是非や、用無しになったとたんカルマを捨てたり、
智代が身を捨てて扉を開けることを強制した冷酷な存在(渚?まさか!)
に関してのフォローがまったく無い。結果、「全てを消耗したけど黒幕は
倒せませんでした」といったZガンダム的なエンディングになっている。
(しかも内容とは別に演出は何故かトゥルーエンド)このようなエンディングが
許されるのは続編が出ることが確定している時だけだと思う。
683 :
662:04/04/29 05:18 ID:ouQk78gz
まぁ、それはあくまでも漏れの意見だけどね。エヴァンゲリオン以降、こういう
すわりの悪い演出が流行ってることは知ってるし、それがいわゆる葉鍵層を
中心に流行ってるのも知っている。
前にも言ったけど大作マトリックスでもこんなエンディングであったことを
考えると世界的に受け入れられている技法でもある。
こういうもんなんだと言われたら反論もできない。
それに時間が殆ど無かったことも知ってるしね。
それを承知の上であえて今回のことに関して意見を言ってみると、輪廻転生
システムを利用し、ファーストプレイでは全員死に、主人公が全てを知った上
でのセカンドプレイを導入してみるのが一番手間にならない解決策だと思う。
(丁度某ネタバレスレッドの1のオマージュにもなるし。w)
ただ、それでも簡単じゃない。ファーストプレイのシナリオも大幅改変しな
ければならないし、(全てを知った上だと、危機回避が楽すぎる)全てを
知った上でのセカンドプレイの主人公の行動に関してもいろいろ考えねば
ならないだろう。
あとは他に漏れが言うべきことは無いかな?
>遠い東の都からはるばる友だちがやって来た。イチノセ、サカガミ、それから……
>ええと何だっけ。まあ男はいいか――の3人だ」(ここで笑いの効果音なんか入るとベスト)
瞬発的にこんな台詞が思いつく人なら全てが終わった後全員が過去の世界に
帰れるか、それともこの世界で暮らし続けるのかを含めて最良の選択が
できると思う。
以上!時代遅れな人間からの意見でした。参考になれば幸いです。
>680-683
長い感想ありがとうございます。
語弊があったかも知れんけど、今後このゲームの物語を根本的に
改変して新しいゲームに仕立てることはないと思います。
やるとしたら演出をいじったり、絵を追加したりとそのくらい。
「本家クラナドが出る前に」が合い言葉だったので、思うところはあれど
これがおれたちのつくったNETANNADであり、それでいいと思うのです。
あとラストに関してはたしかに後味悪く感じる人もいるだろうな、
というのは理解できるけど、個人的には何の後悔もしとらんし、
むしろあのシーンを書けて良かったと、そう思っています。
万人受けする作品ではなく、B級作品がつくりたかったのです。
そのシーンに至るまでの過程で風呂敷のまとめ方が性急であったことは
まったく御指摘の通りで、それに関してはわりと後悔してるけど…。
もう一つ言えば、「1周のみのループもの」が書きたかった。
そのつど記憶をフォーマットしながら何周も世界を繰り返し、
徐々に全貌を見せてゆくというのが昨今の潮流ですが、それに対抗して。
主人公の記憶がフォーマットされてるのに、プレイヤの記憶は累積されてゆく
という構図をどうにか解消できないものかと。まあ余談ですが。
いずれにせよありがとうございました。
こんだけ書いてもらえりゃ正直うれしい。
685 :
皐月龍斗:04/04/29 09:04 ID:WmcgpmRM
はじめまして、皐月龍斗(サツキリュウト)です。
今回Tamさんの曲を一曲編曲させてもらいました。
下手な編曲で申し訳ないです。
Tamさんから連絡を受け早速ゲームをやらせてもらいました。
自分にはちょっとだけシナリオが難しく感じましたが、
とてもいい作品だと感じました。
これからもいい作品を期待しております。
もし機会がありましたまたよろしくお願いします。
>>680-683 正直なところ、同意できる部分は非常に多いです。
非難するにしても一行レスしか出来ない輩と違って
代替案まで挙げてあれば建設的な議論ができるし。
ただ、これはCLANNADの設定が元になった企画で、
時間の都合上“近未来編”しか完成しなかったとはいえ
元は多重世界を何度も冒険する話の一環に過ぎません。
つまり、この話だけで全てのネタが明らかになるのではないのです。
662氏も『続編が出ることが確定している時』には許されると
仰っていますが、続編どころか、同じゲーム内で別ストーリーが
語られる形式のゲームであることをご理解下さい。
つまりあのEDの「すわりの悪さ」も、「起承転結転」な展開も
NETANNADに於いては『続きは別時代のストーリーで』という
お約束があるので許されるというか、むしろ最適だと思うのです。
そう言う意味で、私はほぼ662氏の意見には賛同しつつつも、
現状のTonks氏のシナリオでベターであるという逆の結論になります。
ベストであるかどうかはまだ異論があると思いますが……。
正直、これだけの作品を、これだけの制約の中で完成させた
スタッフの方々には頭が下がります。本当にお疲れ様でした。
2chのネタ企画で実際に形になるものは非常に珍しいですし。
惜しむらくは他時代とのループが完成しなかった事ですが、
最初に公表されたTonks氏のシナリオが優秀だっただけに、
他の書き手諸氏が気後れして退いてしまったのも仕方ないかな。
オレは自分の思ってることを文章にするのがあまり上手くないため
皆みたいな長文は書けませんし、何を言ってるのかわからんとこもあると
思います。
そんなオレでも意見を言う事を許して頂けるなら一つだけ言わして下さい
智代萌え(*´∀`)な者(つかオレ)にとってTureエンドのあの終わり方は正直酷です…
ずっと3人は共にいると言われても実際目の前にいるのはことみだけなため、
悲しさはぬぐえませんでした
ゲームのストーリーを変えるのは無理かもしれませんがせめて物語が終わった後に
3人が仲良く笑ってるor3人で肩を寄せ合って幸せそうに寝てるイラストを追加
してはもらえないでしょうか?
おれも智代萌えなんディスが、最終シーンにはちと拘りがある。
イラスト追加にしても今はまだするかしないか未定なので、
そのうち作画監督と話しあってみるけど、多分エチシーン
の一枚絵が主になるんではなかろうかと…。
>皐月さん
急な要請だったにもかかわらず編曲の使用に快く応じてくださり
どうもありがとうございました。皐月さんの編曲はTAMさんの曲に
くらべ原曲メグメルの色が少し増している気がしてまた好きです。
そうでつか…ううっ(´д⊂ 。
まあこういう意見もあると頭の片隅においといて
やって下さい
本家クラナドやりはじめて6時間。眠気がピーク。展開ダルすぎ。
冗談抜きでネタナドの方が楽しいんじゃないかって気がしてきた。
限られた時間の中で、
良い作品を作り上げられたあんたらに労いと感謝の言葉をを送りたい。
その言葉を一言の言葉として送ろう、
「面白かったよ」と。
∩
(つд`)ソ
今やってる途中だが、そこら辺のゲームより面白く感じたよ。
宣伝もたまには役立つものだなと思った。
作った人々に大きな感謝と宣伝した奴に小さな感謝を。
>694
各所への宣伝について。おれは不謹慎な話ながら結構嬉しかったが、
2chゲー制系スレをヲチするのが趣味の伝の字はかなり悲しがってた。
でもこうしてプレイしてくれる人がいるのなら、やはり感謝したい気はする。
697 :
692:04/04/29 21:40 ID:AxzRjMvA
なんだかんだ言ってオレも宣伝先から飛んできたクチだったり…
あと画像の使用については全然かまわんです
3人絵を追加してもらえr… ;y=ー( ゚д゚)・∵.ターン
音楽を2〜3曲担当しただけですけど、
結構沢山の人がネタナドやって下さってうれしいです。
やっとクリアしました。
スタッフの端くれなので、感想は控えさせていただきます。
>伝乃時氏。
EXTRAのサウンドモード、
メグメル改と、編曲メグメル改、曲がどちらも皐月さん編曲版でした。
細かいところですけど、私が使ってる「改」とは、
素直に編曲って言えばいいんですけど、
編曲とも呼べない、勝手に思いつくまま「曲改造」というような意味合いです。
音楽界で、「改」を使ってるのは私だけなので。
699 :
紫の人:04/04/29 23:17 ID:EeYbhsdx
いつの間にかバナーができてると思ったら、ふじこかよ!w>配布サイト
>>687 クラナドやって朋也の顔がちゃんと掴めれば描いてみたいです。
…でもしばらくは絵描かずにピアノ(クラナド曲の耳コピとか)を
本家プレイしつつまったり練習したいなぁなどと思ってます(´∀`;)
>トンクス
今度は藻前さんがメッセ繋いでねーじゃん。w
今後どうするか詰めませう。打ち上げもやってないし。
>>699 キタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━!!!!
いくらでも待ちますよ旦那!
まだ途中だがカキコ
すげー面白い。本家を積んでやってる。
製作者諸氏は大変乙でした。
702 :
名無しさんだよもん:04/04/29 23:59 ID:pXaabh5N
万人向けじゃないとはいえばっちり自分好みでした。面白かったです。
勢いで、18禁じゃないからかわねーと思ってたクラナドまで買っちまいましたよ。
とりあえずお疲れ様でっす!
あんたらのおかげでクラナドをプレイすることに決めたよ。
あのクオリティには圧倒されたぜ。
…次は現代編でお願いしたい(;´Д`)ハァハァ
704 :
名無しさんだよもん:04/04/30 00:51 ID:5s9+1ewZ
同棲編 誕生編
光を8つ(もしくは7つ)集めると
タイトル画面にAFTERSTORYという項目が追加されるようです。
これが正しい条件だとは決まっていませんが
おそらくこれで正しいと思います
ちなみに場合によって7つになると言うのは、とあるイベントのせいである。
風子シナリオをクリアすると、渚シナリオの4月29日に公子が登場するイベントがそれである。
このイベントを体験すると、何故かタイトル画面の光が一つ消える。ただしゲームの進行に影響は無い。
(渚編の3on3で対策を練るを選択した場合、出現するようである)
クラナドの主人公は実は人形です
706 :
名無しさんだよもん:04/04/30 00:58 ID:5s9+1ewZ
風子は最後生きてる?
風子シナリオはお勧めかもしれん。
別れてないけど付き合ってもいない
キスできる
何故か生き返る
つーか、前田のよさはファンタジーな設定を日常に織り込むことだと思うんだけど、
泣かせに走らんでいいから。そっちはスパイスで使え。殺しすぎだ。
NETANNADそのものとは関係ないんだけど、自己解凍形式は変えたほうがいいかと。
「Windows-アプリケーションエラー
アプリケーションを正しく初期化できませんでした(0xc0000005)。
[OK]をクリックしてアプリケーションを終了してください。」
が2回出て解凍できませんでした。
メイン:自作 Pen4-3.2GHz、メモリ2GB、WinXPSP2RC1
サブ:ノート PenIII-1GHz、メモリ1GB、WinXPSP2RC1
メモリが多すぎるのか、SP2のセキュリティ強化に引っかかった
(コード自己書き換え禁止等)のかは不明。
結局、腐れPCで解凍してプレイ中。
708 :
伝乃時:04/04/30 02:37 ID:8JMIHwIl
仕事初めてすぐ連休…
>>メグメル改と、編曲メグメル改、曲がどちらも皐月さん編曲版でした。
すいません、完全にこちらのミスです。次回更新では修正しておきます。
>>いつの間にかバナーができてると思ったら、ふじこかよ!
いや、かなり初期からふじこだったのです…
>>707 ZIP版もアップロードしておきました。
ソフトウェア板スレによると、DGCAは自己解凍形式がちょいと弱いらしいですね。
おれたちの作品やってクラナド買ってくれる人が出るのは
何だか滅茶苦茶うれしいな。鍵ファン冥利に尽きる。
>699
あのバナーはふじこの立ち絵があがった直後に伝の字がつくった。
アンタわりと配布サイトとかまわって見て中田のな。
今夜は多分8時頃から繋いでるから掴まえてくれ。
「よくある質問と回答」のページ設置と、zip圧縮アーカイブの公開をありがとうございます。
まだ始めたばかりですけど、はまりかけています〜。(^^)/
自分とこの制作の参考にしようと思って過去スレから
全部読んでみたんだが、かなり普通じゃない作り方してたんだな。
シナリオ全文投下なんて聞いたことない気が……。
しかし、本当にブルーハーツ好きなんだな。
つってもTooMuchPainしか気付かなかったんだけど。
探せばもっとあるのかな?
>>711 わざわざ2ch(それもゲー製作板じゃない)でやろうと言うのだから、
それくらい「2chのスレッド」を使わないと周りがブー垂れるし、意味が無いんじゃないかと。
個人的にTonksの「2chで製作する」姿勢には感服する。
「2chで制作する」姿勢なら伝の字や紫の人の方が強く持ってた気がする。
最初は絵師もスクリプトもいなくて、夢語るだけじゃ誰も振り向かない現状が
この板にあって、だからシナリオで魅せて人集めるしか中田のですよ。
加えて宣伝&保守というセコい理由もあった。
てゆうか、ここの制作過程あまりよその参考にはならんよ。そもそもネタだし。
唯一あるとしたら〆切の重要性かも。本家クラナドの発売前にその二次創作
(というか1.5次創作)を出すという馬鹿げたロマンがなかったら絶対この企画
途中で終わってた。実際、一回は途中で終わったからな……。
>712
たぶんそこだけ。ブルーハーツ大好き。琉球さんありがとう。
719 :
名無しさんだよもん:04/04/30 20:54 ID:ujF1heeg
完成、本当におめでとうございました。
制作者の方々も、いまごろはオリジナルをプレイしていることでしょう。
お疲れ様でした
他板のレビュ読んで。「洗濯物よせる」って方言だったノカー。
……次のパッチで「洗濯物とりこむ」に変更おねがい。>伝
そのうちオリジナル版プレイ終了した人が
ふらふらとプレイしにやってきて
シナリオを投下してったりするとそれまた面白そうな予感はするね。
>>722 秋生さんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
いや、ぎぎぎは本家のパクリだから…。
そうなのか・・・じゃあこれぞNETANNADってネタはなんだろ
「私の処女をもらって下さい」
…ネタでもなんでもねえな_| ̄|○
ぎぎぎは正体不明のまま引用した台詞だから、
秋生さんがぎぎぎと鳴いたらこれぞNETANNAD。
公子先生と芳野が付き合ってたり秋生さんと朋也が戦ったり(本家はオモチャの銃の撃ち合い)
智代の「おまえはどうしてか、話しやすい」ってセリフ言うのも全ては本家からの引用?
本家もやってみたんだけどことみ以外は特に違和感はなかったよ。
729 :
紫の人:04/05/01 00:29 ID:FccFQOgN
>バナー
前からトップに置いてたっけ?ごめん気づかなかった。
他のサイトからのリンク(ギャルゲコムとか)に使ってなかったからバナー無いんだと思ってた。
別に嫌っつってるわけじゃないので。ふじこお気に入りだし。
>>709 禿同。
>今夜は多分8時頃から繋いでるから掴まえてくれ。
パセリ、セージ、ローズメリー、そしてタイム
>728
事前にサイトや雑誌等で出てた情報はほとんど何らかの形で盛り込んだ。
公子先生と芳野の間にいわくがあることや、「おまえはどう(略」はもろ引用。
「付き合って不幸になってたまるか」とか「ご本に囲まれてしあわせ」とか
「朋也君。いじめっ子?」とか「ぎぎぎ」とか随所に引用がちりばめてある。
秋生さんとの戦いは知らなかった。でもどっかで戦(や)るとは思ってた。
ことみだけは違うだろうな、と思いながら書いていたけど、やっぱ違ってたみたいね。
でもそれはそれで個人的には満足なんです。彼女だけは。
>730
セリフの盛り込み、お見事としか言いようがないです。
他にも椋の占いで愚者なんてのもありましたよ。
探せば他にもひっかかる部分が出てくるかもしれない。
登場キャラに関してはネタナドのことみに慣れてしまったためか
本編のペースについていけなかったり。
あと春原と藤林姉妹は出さなくて正解だったかな、と思いますた。
トンクス氏に質問ー
さっき謎をかけられたとき朋也君はおまじないの言葉で答えるべきでした。
でも答えなかったので朋也君には呪いがかかりました
これってEDの直前にも出てきたけど引用でなければ何を意図して書かれたのか聞いてみたいかも。
とりあえず、まずはおつかれでした。ネタナド面白かったよ。
自分で書いた物語の解釈を自分で語るのはおれにはちとできない。
スカボローフェアという曲の歌詞の原義を調べてみてちょ。
>731
紫の人が杏に激萌えだったらしく、なにげにおれも好みなので姉は
書きたかったんだが妹を書ける自信がなかったのよ。春原はまったく
キャラが掴めなかったのでお手上げだった。
あとリクの多かった「3人がしあわせに笑っているエピローグ」に関して。
紫の人が乗り気なので採り入れる方向でやっていきたいと思います。
エンディングには拘りがあるので断固変えないけど、おそらくレスくれた
人が満足できる展開をお贈りできるものかと。いつになるか分からんが、
まあ気長に待っててください。
_n グッジョブ!!
( l _、 _
\ \ ( <_,` )
ヽ___ ̄ ̄ ノ
/ /
甘美な誘惑を退けるため俺は息を止めた。
そのまま廊下へ行く
rァ引き返す
うーあ、誤爆…
正直、スタッフの皆さんは今頃うまい酒でも飲みながら本家を遊んでるんだろうと思ってたので
エピローグの追加とか聞いて脱帽ものです。まぁ、これ以上リアルに負担かけぬようお祈りします。春だし。
あと歌のことはぐぐったらすぐ分かった。つーか無粋でしたね。
歌で思い出したけどサウンドルームで全てのBGMが聴けないのはわざとなんですかね?
つかスカポローフェアについてオレは
心のどこかにあった「行きたくない」って気持ちを歌に込めたのかなと
その時は解釈したが
パセリ、セージ、ローズマリー、タイムの意味するものを考えると
「どんなことがあってもいつか必ず戻ってきます」みたいな意味にも見える
まあ、受け止め方は人それぞれ、
答えははネタナドをやった人の数だけあるんじゃないか?
遅くなりましたが、完成おめでとうございます!
たった一曲しかできずにTAMさんの負担を大きくしてしまってすみません。
遅ればせながら、自分もプレイさせていただきます。
それでは、皆々様、本当にお疲れ様でした。
一曲だけでも参加できたことを嬉しく思います。
739 :
伝乃時:04/05/01 10:06 ID:br5btpJ7
>歌で思い出したけどサウンドルームで全てのBGMが聴けないのはわざとなんですかね?
基本的に、素材サイト様の音楽は聴けないようになっています。
>琉球さん
あそこの音楽を必死に探してたので、本当に助かりました。
噂を聞いてやってみたよ。感動した。腐っても葉鍵板だな。
クラブには普通マーシャルのユニット3なんか置かないと思うが…。
742 :
名無しさんだよもん:04/05/01 19:39 ID:qAUREd77
っていうかこれ作ったあんたらマジですごいよ・・・・
感動しました。感謝 感謝です。
背景はまったくの寄せ集めなんだ……。
さすがに描いてくれる人が見つからなくてさ。
まあ四半世紀後だしそんなクラブもあるってことで。
744 :
pop:04/05/02 00:22 ID:6nHEWGB+
スカボローフェアに行ったなら
パセリ、セージ、ローズマリーにタイム
そこに住む その人によろしくと伝えて下さい
彼女はかつて 僕の真実の愛だったのです
木綿のシャツを作って下さいと・・・
(深い森の緑に囲まれた丘の斜面の)
パセリ、セージ、ローズマリーとタイム
(雪の上に残るスズメの茶色い足跡)
縫い目も、針の跡も残らぬように・・・
(毛布と夜具を着た山の子は・・)
そうすれば 彼女は本物の恋人になれるのです
(戦闘ラッパの音も知らずに眠る)
1エーカーの土地を見つけてほしいと・・
(丘の斜面に舞い散る木の葉が・・)
パセリ、セージ、ローズマリーとタイム
(銀色の涙で墓石を洗い・・)
海水と波打ち際のあいだの土地を
(一人の兵士が銃を磨く・・)
そうすれば 彼女は真実の恋人になるだろうと・・
皮の鎌で収穫を刈って欲しいと・・
(戦争のふいごが緋色の軍勢をたき付け・・)
パセリ、セージ、ローズマリーとタイム
(将官たちは兵に殺せと命じる・・)
そして ヒースの束にまとめてほしいと・・
(そして 彼らも忘れてしまった理由の為に戦えと)
そうすれば 彼女は真実の恋人になれるのです
↑これが言いたかったことか?それとも・・・
745 :
pop:04/05/02 00:25 ID:6nHEWGB+
746 :
pop:04/05/02 00:26 ID:6nHEWGB+
タグつかえんのか・・・
ミスった・・・
セージは永遠の強さの象徴
ローズマリーは誠実さ、愛、思い出の象徴
タイムは彼の真実の愛が彼と彼女の間にある苦しみをなだめるためには
温和であることを願い、お互いが離れ離れになる時にしっかりと立っているためには
強さを持っていることを願い、孤独を感じる時に彼のそばにいるためには
誠実であることを願い、そして彼女の要求する不可能な要求を満たし、
彼女が彼のところに戻ってくるためには逆説的に勇敢であることを願っています。
18禁ノベルの中で一番どころか今までプレイしてきた
サウンドノベルの中で一番でしたよ。
作った人達凄すぎ。
流石に誉め殺し臭が漂うな
750 :
748:04/05/02 05:49 ID:hluEy3ki
>>749 俺の場合は二・三個しかサウンドノベルしていなかかったりするけどね。
本家クラナドもクリアしたけど、普通にネタナドのほうが面白い。
他板で宣伝見てdで来たクチでつが……
葉鍵の住人凄ぇなー、と素で思った。開発陣乙。
で、ふじこって くぁwせdrftgyふじこlp が元なの?
皮剥煮湯とかどっかで見たようなネタも多くてワロタ。
評判につられてプレイした。こんなに面白いとは思わなかった。今はとても満足している。
753 :
伝乃時:04/05/02 10:30 ID:nQ4VIdkW
>>752 >で、ふじこって くぁwせdrftgyふじこlp が元なの?
これを見る限りでは、そのようですね。
>383 名前: ◆TonksDmgqU :04/02/14 23:16 ID:vsfRqumQ
>誰も「ふじこ」にツッコミ入れてくれねえよ……。
>おれだって本当は感想ほしいのにさ……。
>qあswでfrtgyhじゅきぉp;@:「」
http://den.with2ch.net/log03.html
うむ。ふじこはそれが元だ。
qあswでfrtgyhじゅきぉ;p
でもおれは一回も出たことない。……まあいいけど。
SNOWネタは思ったよりみんな気づいてないのな。
結構有名な台詞をパロったつもりだったんだが。
他にもちらほら葉鍵に関係するネタを盛り込んだような希ガス。
誰彼を(だれかれ)と読んでる人、きっといるんだろうな……。
ノシ
超先生について調べた時初めて知ったよ
つかそのたそがれの盗作疑惑が持ち上がった当時のたそがれスレ
のミラーかなんかは残ってないのだろうか?
今更だけど近未来氏乙
誰彼に盗作疑惑はなかったはずだが……。
痕ンのならググればすぐ出てくるぞ。つーか擦れ違い。
Version 0.2.0にあった現代版も面白かったよ
伏線とか話が広がりすぎて終盤どっと来過ぎかと思ったけど、全体的にここまでのものをやられるとすごいとしか言えん。
ホント良い物をありがとう
759 :
伝乃時:04/05/02 11:57 ID:nQ4VIdkW
オートモードに関して、なんか凄い不具合を発見してしまいました。
ロードすると、オートモードのクリック間隔設定が0になるみたいです。
今泣きながら原因を調査中です。
760 :
伝乃時:04/05/02 12:07 ID:nQ4VIdkW
原因判明。gloval.savを削除したら、上記のような状態になるみたい。
乙 つ旦
少しぐらい休めよ…氏ぬるぞ
やべえ・・・シナリオ上手すぎ
>>762 ____ 、ミ川川川彡
/:::::::::::::::::::::::::""'''-ミ 彡
//, -‐―、:::::::::::::::::::::三 ギ そ 三
___ 巛/ \::::::::::::::::三. ャ れ 三
_-=三三三ミミ、.//! l、:::::::::::::三 グ は 三
==三= ̄ 《|ll|ニヽ l∠三,,`\\::三 で 三
/ |||"''》 ''"└┴‐` `ヽ三 い ひ 三
! | / 三 っ ょ 三
|‐-、:::、∠三"` | ヽ= U 三. て っ 三
|"''》 ''"└┴` | ゝ―- 三 る と 三
| / ヽ "" ,. 三 の し 三
| ヽ= 、 U lヽ、___,,,...-‐''" 三 か て 三
. | ゝ―-'′ | |::::::::::::_,,,...-‐'"三 !? 三
ヽ "" ,. | | ̄ ̄ ̄ 彡 ミ
ヽ、___,,,...-‐''" ,,..-'''~ 彡川川川ミ
厂| 厂‐'''~ 〇
>>728 本家未プレイだが本家でもつきあってんの?<ハム子と電気工
最近、ネタバレとそうでないものとの境界がよく分らなくなってきた。
発売前に雑誌なんかで紹介されてた部分はいいんじゃないかな。
公子先生と芳野がつきあってるらしいという情報は聞いていたし、
本家のクラナドでもそうみたいだ。……と、まあこのくらいなら。
俺、ネタナドに1000円か2000円くらい代金払いたいんだけど。これマジで価値あるよ。
>>767 安すぎるYO! 君にとってNETANNADはその程度の価値しかないのかっ!(w
7000円でCLANNAD買うくらいならNETANNADに払ったほうが良いよ。
…というくらいの価値はあると思うがな。
でもって、実際スタッフの労力に見合うだけの対価は到底払えないので
ただ感謝の意を表するだけにしておくわけだが。
何事も金で解決しようというのは良くない(笑)
>>768 まあまあモチツケ。そして禿同。
しかし、心の中に焼きついた事は事実。これはお金じゃ買えない。
本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。
CCScripter.appでNETANNADをやっている者ですが、
上の人と同じく感謝と労いの気持ちを伝えたくて書かせていただきます。
良い作品をありがとうございました。m(_ _)m
渚エンドを見て、いま別のシナリオを進めているところです。
おれらも金で買えない体験させてもらってるしなあ。うん。
たとえば林檎で苦労して遊んでくれてる人がいるという事実に
おれなんかは強い感動を覚えるわけですよ。
あとできれば「本家より」云々は止めといてくだちい。荒れる元になるので。
おれは荒れても一向に構わないけど、伝の字が深く悲しむ。
……だいたい比べるべくもないだろ。この企画はネタだっつーの。
仮におれたちのつくったものがクラナドとして発売されたのを想像してくれ。
そんなもん会社(ないけど)に火炎瓶投げ入れられるくらいじゃ済まないと思うぞ。
2chらしい捻くれた感想が一つも無いな。
誰か一言でいいから罵倒しろよ(w
パクリだ!
…スマソ。
ネタナドはネタバレ感想スレのパクリ
…スマソ
>>775 貴様はパンプの「K」が大好きと見た
me too.
ちなみに業(カルマ)だの縁(アーガタ)だのといった仏教用語を羅列する
枠組みについては夢枕貘の上弦の月を喰べる獅子のオマージュ。
これは誰かに指摘されると思ってたんだが。
あの問答におけるトンデモな仏教思想はおれのオリジナルだけどね。
坊さんとかに読まれたらかなり冷や汗もの。まず読まんだろうが。
それにしても、スタッフ事前に本家蔵どっかから入手してプレイしてたんじゃねーか?
とか思ってしまうほど内容が肉迫してる。メル欄なんか思わずうなった。
このスレ知らずにずっと経ってからプレイして「半端な似せ方だな」と思うやつも出るだろな。
>>771 別スレから来ました。マジで面白かったです。
俺も
>>767と同じで、1000円か2000円くらいなら払ってもいいです。
ただし、条件としてアンタのオリジナル次回作をプレイしたい。
「スタッフ集めて、次回作作ります!」って言ったら、超ワクワクものです。
次回作用の寄付口座でも作ってくれたら
少なかれどいれますぜ
だから、キャラの名前と色を変えればオリジナルになるよ
>伝の字
後半の演出を再構成中。まだ先の話だけど。
新たに8曲ほどBGMを追加したいが可能だよな?
背景も幾つか見直したいものがある。時間もあるしいじってみたい。
クラナドをプレイしてみて、たしかに色々びっくりする。
>778のメル欄じゃ1が最もびっくりした。
というか、やっぱ最初は18禁にする予定だったんだな、とか邪推。
あとね、金が絡むとまた色々な制約が出てくるんさ。
こと2chのゲー制企画で金が絡んでうまくいくはずないよ。
783 :
紫の人:04/05/03 22:57 ID:t+fQFbS0
鍵音楽ファンとして制作小話をひとつ。
エンディングが「空に光る」になったのは
ソララド版「空に光る」の歌詞がネタナドのイメージにピッタリだと言ってトンクスが決たため。
俺もエンディングは完成版で始めてプレイしたんだけど、なるほどなぁとオモタ。
ソララドがもし一般発売されたら聴いてみてくらさい。
>>782 払ってもいいぐらいいい作品だったと言うことであろう。
ちなみにれはまだ途中。思ったより長いのね。
中途半端にクラナドやってるからキャラに妙な
先入観がつきそうだw
別板の宣伝から飛んだくちだけれども素直におもろかった、乙
言うまでもない事だろうが、
絵師の方はもっとガンバレヨー(゚д゚)ノシ
788 :
伝乃時:04/05/04 06:59 ID:jyKvOB71
>>782 了解しました。あとスクリーンショット等修正しておきました。
>>785 落とせない……流れちゃったのかな。
>787
身内を誉めるのはアレだが、紫の人の絵じゃなかったら
ネタナドの評価はもっと低かったと思う。
そりゃ世の中にはキンキンに綺麗な絵描く人もいるけど、
おれの文章は硬くて、萌えもまったく意識してないから、
ほんわかとした柔らかいタッチの萌え絵が補色として最適で、
そうした観点から彼の絵で正解だったと考えるのです。
>785
おれは一回は聞けた。なかなか良かった。
その曲は煉獄庭園というサイトから借りた曲で、
ネタナドではかなりの曲をそこに御世話になりました。
ゲー制で音を借りる場合にはお薦め。というか一押し。
790 :
名無しさんだよもん:04/05/04 09:54 ID:opR4iq3s
1 春原萌え New! 04/05/04 05:19 ID:SruVWaeM
最近クラナドをフルコンプした。すげー感動した。
その勢いで持ってるエロゲーのほとんどを処分した。
積みゲーもあったが、そんなもの今更どうでもよかった。
何故俺はあんなものに時間を費やしていたんだろう。
今なら何となく分かる。
俺は葉鍵板でもトップクラスの馬鹿だ。
マンセーばかりで気持ち悪くなるねこのスレ
説得力ある批判ならいいじゃない。参考になるだろ。
というわけで
>>791はさっさと悪いところを指摘してくれ。
さも
>>792は悪いところが無いように言ってるが
これいかに
ファミ通的な批評を加えるなら、「ときどき選択肢は現れるものの、ほとんど1本道。
テキストが良いだけに惜しい」みないな感じかな。
>>735にもあるけど、いろいろな場面で様々な選択肢があれば、「ゲームとして」面白くなると思う。
あと、チュンソフトの『街』みたいに、エンディングコレクションとか欲しいかも。
ただ「Fin」で終わるんじゃなくて、「エンディングNo」と「エンディング名」が表示されて、
タイトル画面のExtraで確認できるとか。
「あと2つ埋まってない〜」みたいな攻略要素もあったら面白いと思う。
・・・まあ、そこまでいったらほとんど市販ゲーだし、そこまで求めたら酷なんだけど・・・。
795 :
伝乃時:04/05/04 15:51 ID:jyKvOB71
>>794 >あと、チュンソフトの『街』みたいに、エンディングコレクションとか欲しいかも。
あぁぁぁ!すいません。それ、構想はしてたんですよ。
忙殺されてたので、つい忘れてました。
稚拙なものになるかもしれませんが、今から作ってみようかと思います。
796 :
伝乃時:04/05/04 16:17 ID:jyKvOB71
今やってみたけど、Extraに入れるとなると
「トゥルーエンドを見てない状態では、エンディングリストを見ることが出来ない」
状態に。
解決法としては
・バッドエンドでも、Extraをクリック出来るようにする
・Extraではなく別にメニューを追加するか、オプション内に設置する
のどちらか。
エンディングno.1 渚エンド
エンディングno.2 公子エンド
エンディングno.3 智代エンド
エンディングno.4 トゥルーエンド
まて。そのエンディングリスト云々に関しては思う所がある。
だいたいエンディングに一枚絵のひとつもないものを
短いテキストだけ表示してどうするのだ。
やるならやるでエンディングのデコレーションを検討しなおす。
まだちと早まらないでおいてくれ。
798 :
伝乃時:04/05/04 17:15 ID:jyKvOB71
かの有名な「1999 ChristmasEve」も、EDリストは1行文字でしたよ。
とりあえずベースとなるスクリプト(フラグチェック)だけ書いておきます。
んーとだ。済まない。やっぱ本音を言っとく。
おれエンディングに番号がついてるのすげーイヤなんだ。
攻略サイトなんかでの「回収」という言葉も嫌いだ。
なんつーか作業という臭いがぷんぷんしてやれん。
商業媒体において多数のエンディングが存在し、
プレイヤがどれをクリアしたかしていないかを明示するための指標として
そうした番号なりエンディングリストがあるのはいい。
けれども内容のあるエンディングは実質3つだけ。しかも一つの選択肢で
すぐにたどれるようなものに番号をつける必要はないし、
リストを表示するのが滑稽にすら感じる。
ミュージックモードは曲を寄贈してくれた人のために必要だったけど、
それとエンディングリストはまったく別のものだと思うんだ。
800 :
伝乃時:04/05/04 17:26 ID:jyKvOB71
ソウダッタノカ……
俺はああいうの好きなんだよなぁ。コレクター魂とでもいうのか。
YU-NOとかやるドラとか、徹底的に100にしてた。
やるドラは98%から上がらないんだ。100%にするには60時間くらいかかるとか。
それじゃやめときますか。
ごめんな。これは個人的な拘りなんだ。
こんなとこで書くべきじゃないのかも知れないが、
おれはファミコンと共に成長してきた世代だから
そのコレクター魂というものに抵抗を感じてしまうんだよ。
たとえばドラクエにしたって……板違いだから語らないけど、
そうしたコレクター魂を「最後まで満足させなかった」頃の方が
ずっと楽しかったように思う。
それにエンディングに名前をつけるのだけは……。
制作者がエンディングに名前をつけた時点で、
そのエンディングは固定されてしまう。
言ってる意味がよくわからんかも知れんが、とにかくそうなんだ。
ゲームの中でエンディングとはパッシングポイントに過ぎず、
それに名前をつけて固定することはおれにはできん。
……なんか烏滸がましいことを語ったけどさ。
ここは2ch(というかピンク)で、そんな場所において
少数の有志の手によって生まれた作品なのだから、
どこまでもB級というか、良い意味で歪な部分の残る、
NETANNADはそんな作品であってほしい。
>794で提議してくれた人には申し訳ないんだが。
一応でも、完成したモノに対して後からあれやこれや付け加えるのはどうかと思ふ。
なんで?
804 :
794:04/05/04 19:47 ID:XB/Tp6FP
>>801 いえいえ、こちらこそ勝手言ってしまってスマソです。
確かに、エンディングNoが出たら雰囲気が台無しになって、
途端に作業ゲーになってしまうというのはありますね。
純粋に物語を楽しむなら、今の方が良いですね。
エンディング集めが目的化したら、それこそ本末転倒だと思うし。
他スレからやって来た口ですが、やっとクリアしますた。
製作者の皆様、大変乙です。非常に面白かったです!!
何より、このクオリティの作品を「フリー」で
提供してくれたことに感謝です!
プレイした今でこそ、「コレにはお金を払う価値がある!」と
激しく思いますが、フリーじゃなかったらやってなかったかも・・・。
と、言いつつ、
おまけシナリオに期待。
どうせ18禁にするならトコトンやってもよかったような……?
3P(それ以上も有)エンド入れるとかよォォォォ
807 :
林檎使い:04/05/04 21:19 ID:oKWwbRqi
> 枠組みについては夢枕貘の上弦の月を喰べる獅子のオマージュ。
夢枕氏の作品は、ソノラマのもの(キマイラ)が好きだったので、九十九兄弟(兄)が出るものを
買い集めた時期があります。
ブッタの若い頃の冒険のやつは結構良かったと思う。お付きのお爺ちゃん(だっけ)のぼやきとか。
「陰陽師」の方で人気が出てからの他の小説作品を読んでないので、今はどんなんだろう・・・。
最後に...やりがいのある作品をどうもありがとうございました。
state
809 :
紫の人:04/05/04 23:12 ID:gD5wqWkO
>>785 ぐあ、もう聴けねぇ…
>>787 (゚д゚)人(´∀`*)アイヨー
激励トンクス!
>>789 いや、どっちかというと上手い下手じゃなくてイベグラ無しが問題だと思うぞ。
まあ時間なかったしアレで全力だからしょうがないんだけど。
漏れはまじめに絵練習してこなかったから立ち絵だけでもいっぱいいっぱっいっすよ。
あー、追加イベグラの色塗ってくれる人いないかなぁ…
なんつって。
810 :
伝乃時:04/05/05 00:00 ID:Sp7JLdYR
Tonks氏へ業務連絡
おまけシナリオにはまだ手を付けてないと思いますが、
書くとしたら1ページ辺り最大12行くらいにしてもらえるでしょうか?
「アキ」を持たせるために。
>紫さん
ほんと、仕事開始&試験の最中その上たった2ヶ月という期間でよく描いて下さいました。
1ページ12行にするのは構わんが、そこだけページ構成変えるの?
行間とか本編と違うと変な気もするんだが、そうでもないのかな。
>802
何となく同意。というか「完成した作品の世界を損ねるような」のは×かと。
さる有名なフリーVNがあって、テキストとBGMだけで好評価を得ていたものに
立ち絵とCVをつけるってんでファンが心配しているのを見かけた。
というか、NETANNADはすべりこみで公開したものだから、
「ここをこうしていれば2段、3段上にいけたのに」という思いが強くて、
だから追加や変更はあくまで当初予定されていた路線の先を
目指すものとしてやってゆきたいと思っています。
>807
板違いになるからあんま語らんけど、「上弦の月〜」はいいよ。
夢枕貘が十年かけた畢生の大作。宮沢賢治ファンには勧められないけど。
ハヤカワ文庫から出てるから時間あれば読んでみてちょ(布教)。
本家クラナドもメインディッシュの一ノ瀬ことみを残すのみ。
違う、違うと言われとる涼元ことみをこの目で確認してこようと思います。
いや、行間とか文字サイズは今までと同じです。
ただ下部に1〜2行のゆとりを持たせるだけで。
まるまる黄金週間かけてCLANNADフルコンプ。
こんなゲームのネタゲーを制作できたことを誇りに思う。
NETANNADおもしろいよNETANNAD
815 :
伝乃時:04/05/06 06:42 ID:my48D1eC
>
>>583 >今までエロゲー関係は糞だと思ってたけど
>これをやったら見方が変わった・・・
>久々に感動しました。
この感想とかKanonが出た頃を思い出すな。
免疫が無い分、一般人の方がNETANNADは受けやすいのかもしれん。
今クリアしたところ。
素晴らしい!
よくやった!
自分で自分で褒めてあげたい!(←違う)
もっと褒めてあげたいけど言葉にならないってカンジ?
(↑頭の悪い女子高生風に)
そうそう、
ネタバレ感想スレ、サラッと読んで
「ンだよ、天魔王とか出てこねーじゃん!企画縮小かよクソッタレ」
「こんな壮大なシナリオじゃー発売延期も仕方ないよな」
とか変な誤解を20秒ぐらいしたYO。
この企画についても元々の構想では、おれが書いたくらいの物語が
10本ほど並んで、それを現代編が締めくくるというものだったからなあ。
……思えばなんて怖ろしいことを夢見ていたんだろう。
>816
それはきっとあるだろうな。このスレに泣いたってレスつけてくれた人も
ほとんど非葉鍵者じゃなかろうかと思ってる。
こんなんで誰か泣いてくれるのかな、とか思いながら書いてたけど、
なんだかんだで涙の出る基準はAIRのゴールに置いてたしな。
ここまでくると、最初からオリジナルの方が良かった感もあった。
そうすると話が違ってくるってのは承知だけど。
そなに鍵モノが泣けるなら何かやってみるかな…
NETANNADで使った音楽の一覧とかないでしょうか?
素材サイトのリンクを辿っていっても数が多すぎて何がなにやらで。
また聞き返しながら回想してみたいのです。
824 :
紫の人:04/05/07 02:36 ID:26Q/lewu
>>822 それ見て過去スレを読み返したらなんかすごい懐かしかった。
>>822 アップしときました。
>>823 すいません、素材サイト様の曲をあそこで紹介すると、どうしても烏滸がましい気がしましたので。
というかあまりにも多すぎて、自分自身どの曲をどのサイトからお借りしたのか分からなくなっているほどで。
確か専用のsusieプラグインで、Nscripterのアーカイブをデコードする事が出来たと思います。
これで曲を取り出してみては如何でしょうか。
ちなみにバラック編はP'sMAT様、それ以降はほとんど煉獄庭園様の曲だったと思います。
どちらも本当に素晴らしい曲が多数ありますので、是非行ってみて下さい。
ごめん。幾つか訂正。
04/02/18 紫の人(キャラクタCG)参加を表明。スレ快哉。
04/02/14 伝によりまとめサイト運営開始。NETANNAD ver.0.5公開。
04/02/16 CLANNAD発売日電撃発表。スレ震撼。以降、修羅場モード。
↑これ順番間違えてた。
↓こうして。
04/02/14 伝によりまとめサイト運営開始。NETANNAD ver.0.5公開。
04/02/16 CLANNAD発売日電撃発表。スレ震撼。以降、修羅場モード。
04/02/18 紫の人(キャラクタCG)参加を表明。スレ快哉。
あと、↓これは04/04/27の間違い。
04/04/26 NETANNAD Version 1.0.0公開。
訂正よろ。
>823
バラック編はP's中心。
ジッグラト編は煉獄庭園のMIDI/アナザーポップ中心。
東京編は煉獄庭園のMIDI/ポップス&ダーク・ホラー中心。
バラック編でもふじこの店なんかは煉獄の使ってるし、
東京編でも智代セクースではP'sの借りてる。
全部リストアップするとなるとかなりの手間だが、
今度暇なときにでもやってみるかなあ。
>824
ラストに「伝、父親にディスプレイ割られる」とか書いて
オチをつけようかとも思ったんだが、さすがに少し気が引けた。
サイトのスクリーンショット、jpegにした方が良くない?
ブラウザだとpngって表示もたつくんで。
俺のような極端なせっかちさんはアレでめげちゃう事もある。
2回目プレイ中。
初回は序盤を相当スッ飛ばして読んじゃったから
今回は精読するよー。
あ、あれ?
サムネイルはPNGで、デカイ方はJPEGだったのか。
…ヤヤコシイ事を!
ムキーッ、恥かいた。恥かかされた。もはや娶って貰うしか!
831 :
伝乃時:04/05/08 06:12 ID:Y4ZejW77
>>827 せめて「突然ブレーカーを落とされる」程度に…。
>>828 風子CGなの風子
>>829 サムネイル作成ソフトの設定で、pngになってたっぽいです。
表示がもたつくのでしたら、JPEGでやってみます。
>828
なんかえっちですっ
……じゃなくて、なんか既に見られないんだけど。
427 :名無しさんの野望 [sage] :04/05/07 08:24 ID:504Twtm/
さっきNETANNAD終わった。ネタバレするが疑問点をいくつか。
一人にひとつしか埋め込めないはずのパーツを朋也が2つ埋め込んでた点。
あと渚の正体。結局何者か分からない。10人の学者の意識が乗り移ってるとしたらなぜあんなに仏の心なのか。
生き延びるためにあんなエグいことをしてる奴らが。学者たちがプログラムした仏だったのか?
一体学者たちは何がしたかったんだろう・・・輪廻が固定した世界を求めたのか。
さらになぜ智代は関係なくて渚とことみと朋也が死んで意識が統合すれば完成なのか?
453 :名無しさんの野望 [sage] :04/05/07 17:06 ID:tUV/DJLt
>>427 ここでそんな自分の頭の良さをアピールするより、
葉鍵板のネタバレ感想スレ行った方が良いと思うよ。
455 :名無しさんの野望 [sage] :04/05/07 17:10 ID:Pr3xIBIQ
>>453 むしろ何でこのスレにきたんだろうか
他所でネタバレはぶっちゃけウザイんでやめて欲しいんだが
458 :名無しさんの野望 [sage] :04/05/07 17:55 ID:9YUecSq9
>>427 『CLANNAD』一次創作『NETANNAD』 part2
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1080005493/ ここに書いてみれ。
多分、シナリオライターがレスくれるだろう。
834 :
828:04/05/08 12:27 ID:aWx82l74
昨日NETANNADクリアー、CLANNADとはまた違った意味で楽しめました
製作者さん方乙
837 :
823:04/05/08 15:39 ID:zq0VDVR9
>>825 >>827 伝乃時さん、◆TonksDmgqUさん、どうもありがとうございます
SusieにNScripter Archive Susie Plug-inというのを入れて音楽を抜き出すことができました。
これでサウンドモードみたいに楽しむことにします。
数えたら70曲以上あって、選曲もさぞかし大変だったのではないでしょうか。本当にご苦労様です。
ヒントも教えてもらったことですし、自分でリストでも作ってみます。
838 :
伝乃時:04/05/08 19:24 ID:Y4ZejW77
>>834 風子の気合いで磨き上げられた星ですね。
すんごい今更なんだけども、デモとか「Thanks for playng〜」の画像とかに、1ピクセル分の白線があるみたい。
フルウィンドウでプレイして、初めて気づいた。
これも2.0.0(予定)で修正しとこう。
839 :
伝乃時:04/05/08 19:28 ID:Y4ZejW77
あと細かい事だけど、一番最後の
アレ→音楽フェード→白フェードアウト を
アレ→白フェードアウト→音楽フェード にした。公開してから後悔した部分。
>833
パーツに関しては「技術とは日々新たなもの」と回答しておきます。
あとの部分については>733のレスを参照してくだちい。
>834
ピッカピカに磨いとるな。ちょっとすぐには思いつかんが、
使えるシーンがあったら加工して使ってみたい。
841 :
伝乃時:04/05/08 21:20 ID:Y4ZejW77
スクリーンショットのサムネイル画像をjpgにしてみました。
1枚 11kb→5kb に減量。
今更だけどさ、ネタナドって事前にクラナドを入手してたんじゃないかって
くらいキャラの個性を掴んでるよなー。
なんだかんだでCLANNADは常識的なキャラが多かったからな。
オフィシャルの紹介も割とつっこんだとこまで書いてあったし。
しかしさすがに静かになってきた。2.0.0の制作に着手するまでには
まだちと時間があるし、それまでどうやって繋いでゆこうか……。
次回作について。
今度はクラナド内にあったであろうHシーンを妄想しましょう
そういうのは別にスレがあるからなあ。
つらつら考えてみたんだが、演出の変更とかに関しては
もう始めてもいい気がしてきた。つーわけで今日からBGM、
立ち絵の表情、テキスト等の再構成作業に入ります。
今までメッセでやりとりしてた感じで少しずつこのスレに
変更点をうpしていきたいと思うので、伝の字よろしく。
近未来氏、戦国編や飛鳥編は書かないんですか? 推古さんハァハァ
琉球さんに質問です。まだここ見てるかわからんけど。
ミュージックモードであの曲に便宜上「トレイン改」と名づけてありますが、
どうもアレなネーミングですのでちょっと名前を考えてみました。
「MSより愛をこめて」という曲名にしたいのですがよろしいでしょうか。
>847
戦国編は考えたことがあったな。某ネタバレスレの流れを汲む物語なんだが、
朋也=明智光秀として信長に仕え始めてから本能寺の変、山崎の合戦までを
描く一大スペクタクル、みたいな。
ただもう本家クラナドが出ちまったからさ。
二次創作だとあまり滅茶苦茶なことやれんのよ。
だから今のおれには他の枝編を書く気持ちはないなあ。
>>848 回答ありがとうございます。残念ですが、その文才を生かして何かまた別の一花咲かせてください。
850 :
伝乃時:04/05/10 21:30 ID:maihnKsu
戦国編や飛鳥編に限らず、現代編以外の時代を舞台にするノベルゲーならば、絶対に背景絵師は欠かせませんね。
今回初めてノベルゲーム作って、素材集めの大変さを実感しました。
いきなり質問ですが、ネタナドの最後は夢オチですよね?
雀が〜 で始まる最後の最後のシーン
852 :
伝乃時:04/05/10 21:44 ID:maihnKsu
>>851 少なくとも夢オチでは無いと思いますよ。
俺もシナリオライター氏から直接聞いたわけではないので、断言は出来ませんが。
「白髪の〜」という部分や、マンションでのことみによる時間移動の説明を再読してみるといいかも。
853 :
851:04/05/10 21:55 ID:st6o9C3G
>>852 ってことは白髪の混じった親父が
未来でことみとそのあとずっと過ごした主人公?
わけがわからなくなってきた・・・。余韻を残してくれる作品だぜ・・・。
クラナドがどんなにイイゲームかはしらんが、言っちゃうけど未成年だしw
ずっとロムってた字書きです。
実は自分、幕末編投下しようとしていたけど、
結局時間なくて、妄想だけで終わってしまったorz
あの短期間の間に書き上げた近未来氏はすごいなあ…。
自分も、その半分くらいでも筆が早ければ…orz
855 :
伝乃時:04/05/10 22:15 ID:maihnKsu
ラストに関する俺の介錯(以下ネタバレまくりなので未プレイの方は読まないで)
朋也達は、死んではまたA'に戻り、すぐさま近未来へ複製される。
延々とそのループが繰り返される。これは本編でも述べられた。
しかし、現代世界ではちゃんと寿命を全うしている。これを希望(可能性)と言っていた。
その希望が叶ったんだと思う。
近未来編でその後死んだ朋也は、またA'に戻り、しかし今度は近未来に行くことなく同一性を失い現代世界を生き続けたのでは。
多分最後の「白髪の親父〜」の時点で、朋也は30歳くらいになってるのでは?
856 :
伝乃時:04/05/10 22:42 ID:maihnKsu
857 :
853:04/05/10 22:44 ID:st6o9C3G
>>855 そっかぁ!!なるほどな。
というか制服を着て寝ていたやつが朋也なのか親父が朋也なのかわからんが、
もし白髪の混じった親父が朋也ならことみか智代とケコーンしてあひゃあひゃして
子供ができちゃったってことは言えるよな?
858 :
857:04/05/10 22:46 ID:st6o9C3G
859 :
紫の人:04/05/10 22:49 ID:NTEOwR95
>>853 (・∀・)カエレ!!
なんのために通常掲示板があると思ってんだろね。
しかもクラナドは全年齢対象だっつの。
>>855 最後の一行以外同意。
ていうか、制服着てるのになんで30歳やねん。
あれは元の時間軸、つまり「クラナド」の世界に戻ったってことだろう。
漏れはネタナドやってからクラナドを始めるつもりだったからさ、
うまい演出だなぁと思ったよ。
そして本家発売日に間に合って良かったともオモタ。
是非ネタナドはクラナドより先にプレイして欲しい。今更だが。
…まあ本家朋也は8時に起きて慌てるような奴じゃなかったけどw
>>859 いつも俺が使っているコテハンでカキコするから許していただきたい。
・・・。わぁぁぁぁ!!!スカボローフェア演奏してた人でもあり、キャラクターCGとか背景加工やった人だ・・・。ご無礼をお許しください。
ちなみに今、高1の音楽選択の授業でその曲をアルトリコーダーで吹いています。(関係ない)
全年齢対象なのは知っていますが、板のふいんき(←何故か変換できない)的に
申し上げただけでございます。
このクラナドって言うゲーム・・・悩みますが・・・買いですか?否ですか?
凄い 痛い ね
CLANNADは買いだが、とりあえずその固定では
二度と書き込まず、明後日か明々後日頃に名無しとして
何事もなかったかのように再来するのが賢明だと思う。
ホントはそれもやっちゃいかんのだが……。
一応マジレスしておけば、この板は21歳未満は出入禁止なんだ。
>856
サイトにはうpせんの?
ちうか>855を読んでかなりガックリきたぞ。あのラスト、
伝の字は理解してくれてると思ってたのにナア……。
ところで、次スレどうするの?
真面目な話、詰めの作業しか残ってないなら「ゲーつくスレ」と合流してもいいんでない?
あっち、人いないし。
初めからループじゃなくって、
. . . .
1、タイムスライドのせいでコピーのようなのが生まれる。
2、未来で生きる→しむ
3、A’の自分に移動(体は未来に言ってなかったから記憶なし)
4、そのまま今で生きる。
こんなかんじ?
いまいちよく分からん。
866 :
伝乃時:04/05/11 06:22 ID:7UxyLV9s
あぁ、そうだ。学生服という記述もあったな……。
thank for 〜 and have a 〜 ってそういう意味だったのか。今更気づいたorg
サイトでのパッチ公開は、アーカイブ化も全部終わってからちゃんとやりたいので。
今日仕事から帰ってからチャチャーっとやります。
>>865 確かに「それまでのループの、コピー元はどうなったの?」という疑問はあるかも。
>864
ゲー作スレへの合流はこのスレが立つあたりの段階で
個人的に検討してはいたんだが、やっぱり断念したんだ。
かなり色が違うし、何よりウザがられないかと思ってな。
んで今に至るわけだが、ここにきての合流は今さらというか、
正直みあわせたいものがある。向こうに伝統があるように、
こっちも4スレの間に創りあげてきた系譜がある。
というか、おれの理解が正しければゲー作スレは現在、
情報の公開をめぐるスタッフと住人の戦いの最中にあって、
そんなところに「よっ!」てな感じで入ってゆくのは嫌だな。
それに詰めだけといっても、新しいイベント絵もうpするし、
まだ感想をつけてくれる人も現れるかも知れない。
あと1スレ分くらいは内容のある創作を行ってゆけると思うんだ。
868 :
823:04/05/11 12:45 ID:cuv0Tc+n
製作者に言うのもあれだが…
最後の最後の堂々と「クラナドに続く」って書いてあったじゃん…
>868
素晴らしい……。これにファイルぶちこんだモノを
サイトからダウンロードできるようにしない?>伝の字
BGM集ということにすれば再配布とは違ってくると思うし。
871 :
823:04/05/12 14:46 ID:mRFk6vNf
トリビアの金の脳を見て最後のシーンを思い出してしまった漏れは逝ってよしですか?
874 :
828:04/05/13 08:40 ID:gatVDbkH
そもさん!せっぱ!
イベントGのラフ描いてみたよー。
アプロダの方に置いといた。
使う?
紫の人さんの画が上がっちゃってるなら引っ込めるし、
必要なら清書するよー。
875 :
823:04/05/13 08:51 ID:4wEgphLj
877 :
828:04/05/13 09:41 ID:gatVDbkH
自己主張が強過ぎると(ry
星はともかくキャラ絵は(゚д゚)ウマー
880 :
紫の人:04/05/13 18:27 ID:aj+rD621
>>874 いいんじゃないカナ?いいんじゃないカナ?
俺よりデッサン上手だし、自分じゃ濡れ場描ける自信ないし。
シナリオ担当はどうかしら?
よければ828さんもメッセでトンクスと話してみてください。
彼のアドは前スレの796、漏れのアドはアンソロスレまとめサイトのメールフォーム(hotmailの方)にあります。
881 :
名無しさんだよもん:04/05/13 21:21 ID:Qrwg/g/y
ただの図々しいやつかと思ったけど、なかなかやるな。
腕のあるやつはむしろ図々しいくらいの方がいい。
現段階において企画への参加を表明してくれた>874の
心意気には感じるものがある。ここまでやってきた
仲間で最後まで完走したい気持ちもあったけどな。
縁あって名乗りをあげてくれた人を拒もうとは思わん。
さしあたって、塗りのスキルは持ってる人なの?
塗りまでキッチリやってくれるのなら大歓迎なんだが。
ところで、これって「黒地に白系の線画でエロ絵を仕上げてみては?」
という提案なんだな。よく読んでみると。
おれらにも思い描いていたイベント絵があるから、
もし本気でやってくれるってんなら腹を割って話してみたい。
MSNメッセが駄目なら何か別の方法を考えるけど。
ここ使えば?
いよいよイベントCG追加作業開始の機運でつか?
要望として言わせて頂けば、「完全実名一人称プレイ主義」である私としては、
出来れば主人公は常にモニター画面の「こっち側」に存在するものであって欲しい――
例えばトゥルーEDのラスト画面としては、
「渚を加えたヒロイン3人」がモニターのこっち側に向かって、
家から走り出る自分をいろんな表情で迎えてくれる――
そういうシーンが脳内に定着してしまってるのですが、駄目でありませうか…?
ちょっと話を聞いてやろうということでしたら、
今からラフ構図だけでも作ってどこかに上げますが…
でも「サイト左下のあぷろだ」すら見つけられない出遅れ組には
もはや割り込む余地はないのかも知れませんが
せめて1要望ということで…
>>885 完全1人称視点でないと駄目だとなると、残念ながらやれるゲームは
限られるだろうけどなー... 理解できないことはないが。
ただ、渚もフィナーレシーンに入れて良いのでは、というのには同意。
A''地点でなくA'地点へ帰れるようにしてくれたのは、即身仏となった彼女だろうしね。
いまや、それぞれのプレイヤーの胸に、それぞれのフィナーレシーンが
宿ってしまっているのかも知れない。
あえて付け加えることもないのでは、というのも、
ひとつの考え方なのか、とも思うけど。
887 :
828:04/05/14 06:22 ID:TkyFSQVD
>紫の人さん
いやん。
そんなに褒められちゃうとうっかり股を開いてしまいますヨ?
今までメッセでやり取りしてたんですか。
覚えてみます。
>トンクスさん
俺の塗りはハッキリいってヘタクソですね!(自信まんまん)
そうです、線画、もしくは単色塗りがいいんじゃないかと思ってました。
構図は主人公の姿が写らないように&腰から下は…どうしましょ。
MSNメッセ、とりあえず入れてみましたヨ。
オーケー。では今夜にでも都合がつけば話そう。
主人公視点での絵にしたいということはおれも同意だ。
ただエロ絵だけ線画or単色塗りにすることはちと思うところがある。
塗りは下手ということだが、どのくらいのものか知りたいな。
関係のない絵でいいから塗ったものとかあったらうpしてくれん?
>884
微妙なニュアンスを伝えるための会話だと、チャット状態
じゃないと難しいのよ。一晩でスレひとつ潰すくらい喋ったこともあるし。
889 :
828:04/05/14 08:01 ID:TkyFSQVD
おk。通路の方はたった今通した。んじゃ仕事いってくる。
夜は10:00時ころには繋げると思う。
891 :
伝乃時:04/05/14 21:21 ID:SUPZq4f4
>>823さんが作られたHTMLを、サイトの方で使ってもよろしいですか?
ヘッダー部など、多少改変する事になりますが……。
どーでもいいが、ネタナドサイトって色々な場所にリンクして宣伝してたんだな。
何らかのかたちで宣伝ができりゃいいなと思ってはいたけど、
あんときのおれたちは真っ白な灰だったからなあ……。
多くの人がプレイしてくれたのは宣伝のおかげだし、
おれ的には宣伝してくれた人に深く感謝している。
もう少し各スレの空気嫁と思ったのも確かだが。
本家の杏とのキスシーンみたいな構図にしろっつーことかな。
キス単体で一枚絵を用意するかどうかわからんけど、
もし作るとしたらそれ系の構図にはしたいとは考えてる。
>895
2ch外は伝の字が精力的に広報活動に励んだ模様。
898 :
823:04/05/15 09:10 ID:5jhvjAVl
>>891 はい、どうぞ。改変も好きなだけしちゃって下さい。
899 :
828:04/05/15 11:43 ID:oju4t/wf
昨晩は充実した会議、大変楽しかったです!
おかげで今朝の目覚めは最悪でした。
「色塗りなんか出来ねえよ!」
でもやるだけやってみます。
んで、メッセでのやり取りは、どーもうまくないです。
ファイルの受け渡しがどうにも。
別個に画像貼り付け&お絵かき掲示板が必要です。
用意してもらえないでしょうか?⇒スタッフの皆様。
設置場所はメールで教えてもらえると。
おいらは図案のラフとか、急遽ペイントソフト購入とかでテンパリ中なのです。あと彩色。
鼻血が出そうです。
画像貼りつけ掲示板は旧うpローダを現役復帰させられない?>伝の字
んで、お絵かき掲示板もほしいのか。あれってなんか特殊なんだよな。
おれ詳しいことわかんねえや。紫の人ならきっと詳しいと思うんだが。
901 :
伝乃時:04/05/15 17:06 ID:yKW05nIE
902 :
828:04/05/16 04:33 ID:ctWUddPu
むうう、伝の字さんは本気でくたばっているのか。
困ったあ。
ZIPファイルの受け渡しすら満足にできんのだー!
こんな時は海に行こう。
903 :
828:04/05/16 04:35 ID:ctWUddPu
やけっぱちなカンジでURLを連絡しました。
メールボクスをチェキラプリーズ。
904 :
828:04/05/16 04:40 ID:ctWUddPu
あ、駄目だ。
あきらめました。
海に行きます。
NETANNAD昨日からやってるけど面白い!
製作者様たち乙です。
しかし、ぎぎぎの出場所には不覚にも笑ってしまった
あと、捨てハンでいいから数字じゃない名前を名乗ってくれ。
うまいのが考えつかないようならおれがゴッドファーザーになる。
痛い予感!
ZIPでまとめて送っちゃうと客が見られねえからなあ…。
とりあえず一通りプリントアウトした。
これからテキスト眺めながら表情とか検討してみる。
月夜の図書館は紫の人が描くとか言ってた気もするが。
ところでそろそろ次スレのことも考えなかんね。
原点に戻って「CLANNADネタゲーNETANNAD制作スレ part4」
とかにしたいんだがどうか。敢えて3ではなく4に。
死
いや、夭折してしまった最初の制作スレを含めたくてな。
一本目とされる 葉鍵板でクラナドを作らない?
二本目とされる 『CLANNAD』一次創作『NETANNAD』 part2
の前に CLANNAD−クラナド− ネタゲー制作スレ
というものがあって、シナリオはそのスレで書き始めたんだ。
大まかな設定もすべてそこで決まったものを受け継いでいるし。
914 :
ヨリタケ:04/05/16 14:10 ID:ctWUddPu
江戸城とかの悪ふざけはチャットン時の話の種にするのが目的だったから。
ダイジョブだ、真面目に描くから。
ところで次回チャットするとしたら何時でしょーか?
今から繋ぐがいい。
渚の絵に関して検討した。
http://bbs.avi.jp/photo.php?wid=4264210&kid=27969&mode=&br=pc&s= ↑これと表情ネーム用略図の記号を使って話を進める。
まず@及びBは提案してくれたそのままの表情及び構図で描いてほしい。
@をジッグラト2日目で用い、Bを3日目で使うことについても問題なし。
Aは使いづらいので没とさせてもらいたい。
Cはジッグラト1日目での渚の破瓜シーンで使う。ここについて詳しく説明する。
「俺は顎の下から渚の顔を覗きこんだ。〜」
ここで下から覗きこむようなアングルの絵が欲しい。
@〜Cにはない新規。表情は最初A8。
この絵はキスシーンまで含める。キスするときの表情は目を閉じ口を半開きにしたB2。
「俺は渚の着ている服を一枚、一枚と脱がしていった。〜」
ここはCだが、下半身まで見せてほしい。
下半身はM字開脚&自分の腕で脚を抱え上げ。
表情は最初A8で頬を染めている。
脱がし終えて合体する段階でCのように上半身だけを拡大する。
「――んぅっ!」(貫通)で表情D1。涙は流さない。目に一杯の涙を溜めている。
「それから俺たちは知性ある人間であることを止めた。〜」で表情D6。ちと大人しめに。
「初めて中に出したとき〜」で表情B7の目ぇ開いてるやつ。穏やかに笑って許す。
渚に関してはそれくらい。あと余裕があるようなら2日目朝の
裸でブラインド引き開けてる綺麗な一枚絵があると嬉しい。
頭だけこちらに向けた差分があるとなおいい。最初だから希望だけ言っとく。
お久しぶりです。
かなり長い間見られませんでしたが…
ここで新しい展開ですか。
期待してますヽ(゚∀゚)ノ
次スレの話ですが、どうしますか?
Part.4で立てていいものなのか
それとも3なのか。どちらか決定し次第立てようと思うのですが…
煽り文とかも考えなきゃならないし急ぐ必要はない。
よそのスレと同じように>950とった人が立てればいい。
智代の絵について。これ↓を参照しながら。
http://bbs.avi.jp/photo.php?wid=4264193&kid=27969&mode=&br=pc&s= 智代はエッチのときには勝ち気な色が消えて素直になる設定。
ちょっと奥手なくらいの女の子になってしまう。そんな基調で。
キス→服を脱がすところで、智代はベッドの上に女の子座りして
壁に背もたれている。@でもいいが、下半身も含めた構図だとなお良い。
「岡崎……」「なんだか今日はやたら素直だな」で入る。表情C6。
「岡崎が私のことを知っているように、私も〜」で表情B1(少しだけ寂しげな顔)
服を脱がせてゆく〜 のあたりで服はそのままでB2の表情がほしい。
「おまえにはすべてを見て欲しい。〜」で下着のみにする。凛とした笑顔で頬は赤く。
同じ絵(下着のみ)で表情C6のやつもほしい。
ここまでが@の構図について。
俺たちはもつれるようにベッドに倒れた。 からAの構図。
入りの表情は不安と期待と恥じらいをない交ぜにしたような感じで。
智代は両手で口を押さえ、声を漏らすまいと堪えていた。〜
ここはそのまんま両手で口を押さえる絵にしてほしい。表情はD8。
智代は一度だけ真剣な表情で俺を見た。〜
ここもそのまんま真剣な表情がほしい。頬は赤く。
そして目を閉じ、大きく股を開いて頷いた。〜
ここで開脚。表情は2B。
同じ開脚の構図で両手で口を押さえる絵もほしい。表情はD8。
ここまでがAの構図について。
あと、身体を合わせてからは渚のCみたいな感じで胸から上のアップ。
表情についてはとりあえずヨリタケに任せよう。んで、Bの構図は没。
智代に関しては以上かな。
>>918 了解しますた
ひっそりと見守ることにしまふ
ことみの絵について。これ↓を参照しながら。
http://bbs.avi.jp/photo.php?wid=4264174&kid=27969&mode=&br=pc&s= まず一ノ瀬ことみちゃんのバストは88センチなのでそこんとこヨロシク。
図書室での露出プレイは紫の人が描くとか言ってたので留保。
4日目朝の野外プレイは立ち絵で済ませたいと思う。
そういうわけで、以下コンテナの中での破瓜シーンについて。
まず入りの絵は「ブレザーとスカートを脱がせたあと、〜」から。
コンテナの床に座っている構図。キスも含める。従ってBは没。
下はパンティ、上はシャツの構図で表情B2、C6、D8。
「夢にまで見た双丘が露わになった。〜」でパンティ一枚のみに。
表情はB2とC6。
「湿ってる」からCの構図。表情はB8、C7、D1、D8。あと微笑んで涙。
二回戦に入ってからDの構図。表情はC7、D3、D8。
あと、欲を言えば上から見おろすアングルのフェラ絵があれば最高。
上目遣いで見つめる差分があったりするとさらに最高。
ことみは特に「切なエロ」のコンセプトを全面に押し出してほしい。
そんなとこ。こんなくらいで次の段階に入れるかな?
923 :
紫の人:04/05/16 23:08 ID:daQW7oC/
hatena?
925 :
名無しさんだよもん:04/05/17 01:51 ID:yBE0xwYZ
んな感嘆符付ける程上手かない。
野暮だなー
イベントCG、15枚か…けっこう量多いな
がんがれ
同人臭さがあって、なんだか良さ気
>>848 ウェイ、レス遅くなってすんませんですた。
トンクス氏、曲名はそれでいいですよ。
同人臭いも何も、その物じゃんヨ。
932 :
ヨリタケ:04/05/17 15:12 ID:PnTdEff5
暗号解読しながらファイルにラフまとめ中。
15枚じゃねーよ!?
なんか不当逮捕された黒人のボクサーを出所させてあげる映画みたくなってる。
壁にピンで記録をプスプスさしてくヤツ。
思ったより時間かかるかもー。
933 :
ヨリタケ:04/05/17 15:14 ID:PnTdEff5
[ザ・ハリケーン]
方々まわってみたけど18禁可の無料レンタルチャットってねえぞ…。
CGI可能な鯖スペース借りて設置すりゃ作れはするけど。
お絵かき掲示板じゃイカンの?
>930
了解しました。現在、制作を再開させておりますので、
もしおヒマなら参加してって下さいませ。
935 :
ヨリタケ:04/05/17 20:55 ID:PnTdEff5
iPodにクラナド音楽装填完了したので、
明日からガンガン聴いて(ピアノ)アレンジしていこうとおもうのですが。
またちょこchこUPしていくので、気に入ったの&直せば使えるものがあれば。
あいかわらず弾きっ放しでUPしますが・・・。
それと、やはり曲(メロディー)は似ないほうがいいのでしょうか?
てことで、さっき弾いたばかりのできたてTAMピアノアレンジ「渚改」です。重いです。
http://mp3.fuzzy2.com/~key/040517-key-CLA-nagisa-01.mp3 あと、ヨリタケさん、初めまして。OP&ED音楽担当のTAMです。
宜しくおねがいします。
渚のボテ腹はありまつか?
>936
頼もうとしていた矢先だがこれジャスト。
渚エンドのBGMにつかわせてもらいたい。メージぴったり。
これはピアノだけの方がいいかもな。このままがいい。
これからアレンジ作っていただけるんであれば、
やっぱり元曲とは一色違ったものにしていただきたい。
この渚改くらいの改変度がいいですな。いやそれにしてもいい。
>935
ことみの差分ばっか多いのはメインヒロインだからに決まっておろ!
ちうか絵チャットがほしいのか、それともお絵かき掲示板でいいのか
それをはっきりせんか!
図書館でのことみは普通じゃない表情でお願いな。
薬でブッ飛んでるような表情。暗闇を真っ逆様に落ちてゆくような不安を
必死に押し隠して、平気な顔しようとしながらぎこちなく強張ってる感じ。
あとの表情については大方いい。微妙な部分についてはメッセででも伝えるわ。
>937
いまんとこなし。これからもたぶんなし。
>>938 トンクス氏、サンクス。
じゃ、音とかテンポにムラがあるのとか、(そのうち)なおします
できることならピアノアレンジで、
使いたい曲が合ったら言ってください。
前みたく、2曲くらいはがんばって創るんで。
942 :
ヨリタケ:04/05/18 00:24 ID:IgpG35GG
TAMさん、はじめまして。
こちらこそよろしくお願い板します。
だいぶセロトニンが回復してきました。小康状態です。
内村Pはご覧になりましたか?
ふかわくん、可愛相でしたね。
聞いてて気持ちの良い、いい曲なのです。
トンクスさん
どっちかひとつ欲しいです。18禁がどーのこうのは
たぶん大丈夫です。たぶん。
お絵かき掲示板でいいですヨ。
ことみの表情、了解です。
943 :
紫の人:04/05/18 00:26 ID:ozv+2rgs
>>935 >縁があったら児童プールにでも 写生会にいきましょう。
いいね!是非逝こうね!
>>936 グッジョブ!
さすがTAMさん。
>>938 ああ…
ひそかに「渚」練習してたのに…
やっぱただのピアノコピよりアレンジしてあるほうがいいよな。(´・ω・`)
いや、わかってたよ、わかってたさ。
でも俺もピアノ弾きとして参加したかったんだ…
こんなイイ曲出されちゃ引っ込まざるを得ない。
。・゚・(ノД`)・゚・。チクショォォォーーー
生活に余裕が出てからと思ってたが、来月からピアノ教室に通ってやるぅー。
>>940 …この次スレ天婦羅案に対し
2時間かけて作成した魂の反論レヴュを、
漏れは何処へ持って行けば良いと言ふのだ廊下?
そしてIDにまで囃し立てられる…
書け。
>>940さん。それはひどいとおもいますとおもって かなしくなりました。
あんなになっちゃったなぎさちゃんのおもい。
そしてだい一、一しょうけんめいつくってくれた さくしゃのひとの
おもいというものををもう少し よみとっても いいんじゃないでしょうか。
もっと ちゃんと呼んで繰れば、あんな乾燥が でてくる馬めんでは無いのではありませんか。
わたしはきょ念 ひいおばあちゃんの おそうしきに逝きました。
やさしかったひいおばあちゃんは わたあいたちの はしにつままれて 極楽への骨壷に納まった。
悲しみでむねがはりさけそうでこそアレ、きもくなんかありませんです
ましてや のうみそになりながら ぴんぴんしてる かわいいなぎさちゃん うれしいじゃないですか
きょうも糖のな、なぎさちゃんに てをあわせて お噺島ましょう
な、なぎさたん…(;´Д`)ハァハァ…
(ry
948 :
名無しさんだよもん:04/05/18 06:32 ID:ZebH1qd0
ネタナドの絵はいたる以下ですね
サイト見れん
今のいたるはそれなりに上手いべ
塗り次第だろ
ごめん。おれも>952に同意。
杏エンドの朋也の腕には思わず笑っちまったが。
いたるの絵は前衛芸術です
前衛芸術にあやまれ
>>958 すまん、漫画の一コマを拡大した芸術家よ
俺には謝らないんですか?
962 :
名無しさんだよもん:04/05/24 20:59 ID:CXT6kI7P
今はじめてクリアした。壮絶なネタとキャラのギャップに笑った。
風子の星に見事にだまされましたね・・・
とても面白かったです。でも、裸の立ち絵にエロを感じなかった・・・
さりなタン、どうなったの?
あまりに残酷なんで書くのは控えたんだが、まあそういうことです。
ちなみに早苗さんの腹ン中にいた3人目も。生まれるやいなや。
965 :
名無しさんだよもん:04/05/25 23:51 ID:/P8/PHYk
だからあれだけ産めよ増やせよな電波が命令しまくってたということでつな。
時を跨がされた後に作らされた子宝、きっとA'地点に「戻る」ことも出来ないんでしょうな…
塔の中で生まれた子供も一定の条件を満たすまでは父母のもとで
養育されるし、成人して子を成すこともあるという設定なのだけれど、
佐理奈と名もない新生児の場合は両親が別れてしまったので。
彼女たちがA’に戻れるかどうかまでは考えてなかった……。
あと、佐理奈というのは渚と早苗の名前を解析してつけたデフォルト名。
「なぎさ」「さなえ」と並べてみると「さ」と「な」が共通していることがわかる。
んで「さりな」というわけです。
967 :
 ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:04/05/26 08:07 ID:TexGxGbp
へヘ
/〃⌒⌒ヽ
〈〈 ノノノハ)))
|ヽ|| ´∀`|| Θ
<[リ∨╂リ]> ||
[ ̄[~ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄]
| ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| | 神 |
↑の方が現役仏様であることだし、妹達のために奇跡を起こして下さるので輪、と信じてみる。
A’の段階で既に互いに面識があったということからすると、
A’は本家スタート時点と必ずしもイコールではないようですし。
もしそうなればトゥルーEDでは、
全員(モニターのこっち側の人は別扱いとして)の無事な顔を見たくなって来てしまふ…
1枚絵では難しいので、スライドショーっぽく…
腹案はあるものの、落書レベルのものなので晒しにくい…
969 :
弥勒:04/05/26 19:04 ID:uH9stV5j
えへへっ♪ 間違えてE地点に飛ばしちゃいましたっ♪
――そして物語は怒涛の火星黎明編へ…
飛鳥編の推古さんに会いたいものだ
イヴェントCGとしては
見た者は次に死ぬ智代たんの脚攻撃の危険美と
ことみ女史誇る88のくまなく全角度からの1枚絵が保水…(;´Д`)
>>969 激しく有り得そうで怖ろスイ(w
ことみたんが敢えてサポート脳味噌として入らなかったのは
もしやその伏線…
とりあえず聖徳太子役=牡丹…
その呪いはE型肝炎となりて蘇我氏を襲う――
974 :
名無しさんだよもん:04/05/26 21:53 ID:kK9RwRYk
ぎぎぎはウケ狙いですか?
笑っちまって感動が・・・ぎぎぎスレなんか見なきゃ良かった・・・
はだしのゲソを思い出したのは俺だけではあるまい。
>>974 ウケ狙いではないと思いますよ。
ただ、開発時に「ぎぎぎが一体何を表してるのか?」って、分からなかったからかと。
「ぎぎぎ」は最も謎な台詞だったし、どこかで使いたくてさ。
ヒロインの口癖(語尾)だという説もあったが、
その態様で使いこなせるだけの力がおれにはなかった…。
ぎ
ぎ
ぎ
さ