葉鍵キャラを性別反転させてみよう! その8.6

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1名無しさんだよもん
諸君、私は反転スレが好きだ
諸君、私は反転スレが好きだ
諸君、私は反転スレが大好きだ

 〜中略〜

我らはわずかに十数名 ROMを含めて100に満たない敗残者に過ぎない
だが諸君は一騎当千の古強者だと私は確信している
ならば我らは諸君らと私とで1000レスを1日で埋める集団となる
我々を忘却の彼方へと追いやり 眠りこけている連中を叩き起こそう
レスをアゲ続けて かつての職人たちを引きずり出し、このスレを思い出せせよう
連中に反転の味を 思い出させてやる
葉鍵板の狭間にはただの萌えでは思いもよらぬ事がある事を思い出させてやる
10人の職人で世界を萌やし尽くしてやる

次スレ再起動開始 目標葉鍵板上空
第八次性別反転スレ 状況を再開せよ

征くぞ 諸君

>前スレ:葉鍵キャラを性別反転させてみよう! その8.5
http://wow.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1068646334/
2名無しさんだよもん:03/11/30 02:00 ID:RbJuustG
●過去ログとか●

>初代スレ:葉鍵のキャラを性転換させたらどんな感じ?
http://wow.bbspink.com/leaf/kako/1015/10153/1015395011.html

>2代目スレ:葉鍵キャラを性別反転させたらこんな感じ!
http://wow.bbspink.com/leaf/kako/1017/10178/1017826789.html

>3代目スレ:葉鍵キャラを性別反転させたらいい感じ!
http://wow.bbspink.com/leaf/kako/1025/10251/1025102249.html

>4代目スレ:葉鍵キャラを性別反転させてみよう! その4
http://wow.bbspink.com/leaf/kako/1030/10304/1030414461.html

>5代目スレ:葉鍵キャラを性別反転させてみよう! その5
http://wow.bbspink.com/leaf/kako/1035/10359/1035923181.html

>6代目スレ:葉鍵キャラを性別反転させてみよう その6
http://wow.bbspink.com/leaf/kako/1038/10389/1038936645.html

>7代目スレ:葉鍵キャラを性別反転させてみよう その7
http://wow.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1049292019/

>8代目スレ:葉鍵キャラを性別反転させてみよう! その8
http://wow.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1066656649/

・名前が思いつかない、このキャラの反転名はなんだろう?など、名前にお悩みの方は
 下のまとめサイトを参考にどうぞ。(※強制ではないので、あくまで"参考"程度にどぞ)

まとめサイト:性別反転スレッド@葉鍵板
ttp://hanten.hp.infoseek.co.jp/
3名無しさんだよもん:03/11/30 02:04 ID:RbJuustG
そんなわけで通算10スレ目、マターリいきましょう。
…即死判定を免れたら。
4名無しさんだよもん:03/11/30 02:17 ID:03eeejAN
>>1
乙。
5名無しさんだよもん:03/11/30 02:18 ID:5toKg0y1
>>1
スレ立て乙。

テンプレ、どうせなら全文勝負するのもありだったかもしれないけど…まあいいか。
6元380:03/11/30 02:28 ID:MgAsgwaI
>>1
スレ立て、ご苦労様です。
…反転誰彼を書きたくなりました。
なので、もう少しだけここで書かせてもらうかもしれません。
そうなった時はまたよろしくお願いします。
それでは、回線吊って首切ってきます。
7名無しさんだよもん:03/11/30 02:50 ID:+vikgXmN
おっと久しぶりに葉鍵来たら…って言うかなんで8.6やねん

ともかく乙&即死防止保守
8名無しさんだよもん:03/11/30 03:16 ID:2I80xM9c
>>1
乙です
今度こそは完走できますように・・・(-人-)
9名無しさんだよもん:03/11/30 04:02 ID:KtPdY8um
即死回避のネタ振りを。
「まだ反転されてないこのキャラの反転が見たい!」
10名無しさんだよもん:03/11/30 04:20 ID:eihG8B3u
ポテト
11名無しさんだよもん:03/11/30 05:16 ID:6Gw4kk4s
>1
お憑か霊
12 ◆kd.2f.1cKc :03/11/30 05:36 ID:IgI2lcBk
お腹減りました〜
13名無しさんだよもん:03/11/30 09:10 ID:moz6SNbA
死にたくね〜脅されてるからね今
14名無しさんだよもん:03/11/30 09:18 ID:MLxotYJU
今度こそ即死は避けたいもの……
15名無しさんだよもん:03/11/30 10:53 ID:A+DA0DFb
うひ
透キュンハァハァ
16名無しさんだよもん:03/11/30 11:56 ID:AppAJ9jA
>>1
スレ立てオツカレです。

秋人×ゆう。8レスほど行きます。
17待ち合わせ(1/8):03/11/30 11:56 ID:AppAJ9jA
 待っていて下さい、と言われた。
 食事に行きましょう、と言われた。
「……はぁ」
 軽くため息。あの時はその言葉が嬉しくて、だから何も考えずに頷いてしまった。
 けれど、今。改めて考えてみれば、自分が如何に考えなしだったのかを自覚する。
 先ほどから目の前を行過ぎる人の姿。スーツ姿に身を固めた人々が、忙しそうに歩いて
いく。時折、そこにいる異質な存在に目を留める。
 その目が言っているように思えた。
 “こんな所に、なんで子供がいるんだろう”と。
「……はぁ〜」
 もう一度、ため息。
 そして自分の姿をもう一度確認する。学校から帰ってきて、一張羅のアナスイのスーツ
を引っ張り出した。
 化粧も軽くしているけれど、周囲から見れば子供が精一杯背伸びをしているようにしか
見えないのだろう。先ほどからチラチラと向けられる視線が、それを自分に思い知らせて
いた。
 少しだけ、目立たないように同じような人待ちの集団の隅へと移動する。
 腕につけた時計の針は、約束の時間まであと三十分はある事を示している。
「どこか失敗したのかな」
 他人の視線が気になってしょうがない。
 いつもなら、そんな事、少しだって気にしないのに。
 あの人の事となると、途端に私は弱くなる。私が一番嫌いな“弱い女”になってしまう。
 俯いて、無遠慮な視線を避ける。
 そのまま私は自分のつま先を見つめて、時間が過ぎるのを必死に待つ事にした。


18待ち合わせ(2/8):03/11/30 11:57 ID:AppAJ9jA
「あれ、水瀬。今日はまだ帰っていないのか?」
「ええ。今日は外で待ち合わせをしてるので」
 にこやかに笑い答えるのは、穏やかながらに社内一の切れ者、出世頭と評される男、水
瀬秋人だった。スーツを一分の隙無く着こなした彼は子持ちでありながらも、社内で最も
人気の高い男性だろう。今も、珍しく定時後も仕事をしている彼に、女性陣がアプローチ
をかけようと虎視眈々と様子を窺っている。
「待ち合わせ?」
「ええ」
 秋人が会話する相手は、秋人と同期入社をした坂城だった。
「へえ。雪弥君?」
 父親である秋人と良く似た風貌を持つ少年の顔を思い浮かべながら尋ねる。
「いえ。――女性と、待ち合わせを」
 悪戯っぽく笑う秋人に、坂城は目を見張る。彼が知る限り、秋人が妻を喪って以来、彼
の周囲に女性の影がちらついたことは無い。彼だって健康的な成人男性である以上、女性
に興味が無いとは思わない。
 しかしながら、彼がそんな風に女性のことを口にするのは、初めて聞いたような気がし
た。
19待ち合わせ(3/8):03/11/30 11:57 ID:AppAJ9jA
「へ、へぇ。珍しいな」
「そうですか?」
 小首を傾げる秋人に、坂城は頷く。
「あ、ああ。で? 誰なんだ? 総務の十坂さんか? それとも秘書課の七瀬さんか?」
 秋人へアプローチをする女性陣の中でも、もっとも男性社員に人気のある双璧の名を上
げる。だが、秋人の反応は坂城の想像外だった。
「誰って? 坂城は知らないと思いますよ?」
「この会社の人間じゃないのか? じゃあ、取引先の?」
「いいえ?」
 驚く。いや、秋人ほどの男なら、別に社内じゃなくても選り取りみどりなのだろうが、
それにしたって。あれだけ露骨なアプローチを受けている相手ではなく、別の女性を食事
に誘うとは。
「……そんなに美人なのか?」
「ノーコメントです」
 にっこりと笑う秋人。
「――だって、君が彼女を見たら、きっと君も惹かれてしまうだろうから」
 そんな危険は冒せないでしょう?と、秋人。その言葉に、坂城は言葉を失った。
 彼が知る水瀬秋人は、そんな風に執着を見せる男ではなかったから。


20待ち合わせ(4/8):03/11/30 11:59 ID:AppAJ9jA
 俯いた視線の先に、男物の革靴の先が見えた。
「秋人さん?」
 顔を上げる。けれどそこにいたのは、秋人さんじゃなかった。スーツ姿はスーツ姿だけ
れど、着崩した襟元。浅黒い肌にパーマの当たった金髪。耳にはピアスが光っている。
 ぱっと見の印象を言えば、下品。世間的には格好いいのかも知れないけれど、私にはそ
の格好が下品にしか見えなかった。
「どうしたの、カノジョ」
 馴れ馴れしい口調で、話しかけてくる。
「あ、オレそこの店でバイトしてるんだけどサ。さっきからキミのこと見てたんだよね。
すげー美人だし? ずっとそこで待ってるじゃん。待ち合わせ?」
「……」
 無言。何も答えない。こういう手合いに声をかけられた事は殆ど無いから、どう反応し
たら良いのかわからなかったというのもある。
「もう三十分くらい待ってるじゃん。きっとすっぽかされたんだよ。どう? オレと遊ば
ない? メシ奢るよ?」
 あんたといるだけで不愉快よ、と心の中で呟きながら、無視し続ける。
「ねぇ。いいじゃん。ねぇ」
 不意に、手を掴まれた。
「やっ! 離してよっ!」
 振りほどこうと、力を込める。けれど、その手は強い力で握り締められたまま、振りほ
どけない。
「ほら。そこ、オレの働いてる店なんだけどさ。いいじゃん。ね!?」
「よくないわよ! 離してっ!」
「三十分も待たせるオトコなんて放っておいてさぁ、いいじゃん。オレと遊ぼ! ほら、
決定!」
「勝手に決めないでよ! 私が勝手に早く来て待ってるだけなんだから! あんたに言わ
れる筋合いないわよ!」
 ぎゃあぎゃあと言い合う内に、男の顔が剣呑な物になる。
21待ち合わせ(5/8):03/11/30 12:00 ID:AppAJ9jA
「いいから来いよっ! その内泣いてオレのこと欲しがるようにしてやるからよっ!」
「あんたなんか、要らないわよっ!」
 ぐいっと手を引かれた。
 履き慣れないハイヒールを履いていたせいだろう。バランスを崩して、私は男の胸に抱
きついてしまう。
「……やだっ! 離してよっ!」
「うっせーな! あ、なんでもないっすよー。ちょっとケンカ中なもんで。ほら、来いっ
て!」
 周りの人に自分と私がそういう関係なんだとほのめかして、私を連れて行こうとする。
「やっ! やだっ! 離してよっ! あんたなんか知らないんだからっ!」
「だーからー、悪かったっつってんじゃん。いいから来いって! 判らせてやるからっ!」
 もう一度、強く手を引かれる。
「や、やだぁっ! 秋人さんっ! 秋人さんっ!」
 思わず、叫ぶ。
 その名前を。
 そして。
 男の手が、不意に離された。代わりに私の手を掴んだ手。男の顔に拳がめり込んだ。
 ぎゅう、っと抱きしめられる。
 その温度。その感触。その香り。
 全てを知っていた。
「あきと、さん?」
「大丈夫ですか?」
 そこにいたのは、秋人さんだった。私を背中から抱きしめたまま、目の前の男を睨みつ
ける。地面に倒れたままの男が、鼻血をたれながしながら起き上がってきた。
22待ち合わせ(6/8):03/11/30 12:06 ID:AppAJ9jA
「て、てめえ、何しやがんだよっ!」
「――彼女に触れた。それだけで理由は十分だ」
 秋人さんは私を放すと、代わりに背中へと私を押しやる。
「それとも、警察に突き出して欲しいか?」
 怖い声。男が怯んだように、顔を引き攣らせる。
「失せろ。二度と彼女の前に現れるな」
 逃げていく男を見送ると、秋人さんは振り返る。
「ゆうさん」
「……あ、秋人さん。あの、ありがとうございました……」
 まだ足が震えている。怖かった。あのまま男に連れて行かれたら、何をされていただろ
う。そう思うと、吐き気すら覚えた。
「大丈夫ですか?」
 もう一度尋ねられる。そっと手が私の頬を撫でる。優しい目が、私をいたわるように見
つめていた。
「あ、あの、大丈夫、です。秋人さんが来てくれましたから」
 ほう、と安堵の息が漏れる。触れられた秋人さんの手に、ドキドキしてしまう。さっき
の男に触られた時は、ただ嫌悪感しか湧かなかったのに。
 ぎゅうっと抱きしめられる。
「……あ、あの?」
「良かった……」
 耳元で囁かれると、それだけでお腹の奥が熱くなる。う、またドキドキが。
「……ご、ごめんなさい」
 ともかくその腕の中が気持ち良いことは事実だから、私は目を閉じて、されるがままに
なる。
 そこで、気付いた。
 ここは衆人環視の中で、しかも私は周りの人にじろじろと見られるくらい、この場所に
そぐわなくて。
 そんな所で、秋人さんみたいな素敵な人に抱きしめられていたら、どう思われるんだろ
う?
23待ち合わせ(7/8):03/11/30 12:06 ID:AppAJ9jA
「あ、あの!」
「なんです?」
「へ、変に思われますよ! 私みたいな子供を抱きしめてたら!」
 そう言うと、秋人さんは心底困った顔でため息をついた。
「なに、言ってるんです」
「だ、だって、さっきからチラチラ見られてて。よっぽど浮いてるのかなって」
「視線が集まるのは……ゆうさんが美人だからに決まってるでしょう」
 しょうがないなぁ、という声で秋人さん。
「へ!?」
 思わず、声が上がった。
「……随分遠くからでも、ゆうさんの事はわかりましたよ。そのスーツ、どうしたんで
す?」
「え? えっと、あの、この前バーゲンで。……似合ってないですか?」
「素敵ですよ。とてもよく似合ってます。……ああ、お化粧もしているんですね」
「変、ですか?」
「とても、素敵です。そう言ったでしょう?」
 耳元で囁かれる声に、私は真っ赤になる。お腹の奥の熱は、さらに高くなる。
 秋人さんの香りと温度に包まれて、私はモジモジと体を動かしてしまう。
「だ、だって。さっきから通り過ぎる人がチラチラ私を見るものだから。どこか変なのか
なって」
「ゆうさんが、綺麗だから、ですよ」
「ぅ……」
 そう言われても、納得できない。こんな子供に、そんな評価、と思ってしまう。
 普段の私が男顔負けに元気だから、というのもあるかも知れない。
「……そうしていると、本当に綺麗です。普段のゆうさんは可愛らしいですけど、今は綺
麗という言葉がとてもよく似合いますよ」
 抱きしめられたまま、そんな事を囁かないで下さい。本当にそうなのかも、と思ってし
まうから。
24待ち合わせ(8/8):03/11/30 12:07 ID:AppAJ9jA
「嘘なんて言いません。さっきの男がいい見本ですよ。あなたがあまりに綺麗だから、あ
んな風に変な男が寄ってきてしまうんです」
「そ、そんな事……」
 秋人さんが、私を抱きしめる手を離した。
「これだけ言っても、まだ信じてくれませんか? あなたは自分の魅力に無自覚すぎま
す」
「だ、だって」
「――はっきり言ってしまえば、ね」
 秋人さんが、顔を寄せてくる。
「嫉妬してしまうんですよ。ゆうさんが、私の知らない間に他の男に笑顔を向けていると
想像するだけで」
「え?」
「時折、あなたをどこかに閉じ込めて、私の事だけを考えていさせたい。そんな風に、思
ってしまう事すらあるんですよ?」
 真っ赤になった。いや、多分、もう茹蛸。
 足がガクガクと震える。でもそれは恐怖じゃなくて、――多分、絶頂。
「秋人、さん。私」
「……ゆうさん?」
 どうしよう。秋人さんの声を、囁きを、告白を聞いていただけなのに。私は精神的にイ
ってしまったのだ。
「私……」
「行きましょう。歩けますか?」
 コクンと頷くと、秋人さんは私の腰を抱いて歩き出す。
「まず、食事にしましょう。約束していたお店ですよ?」
 真っ赤になったまま、私は秋人さんの腕に抱かれてお店へと歩いていった。
2517-24:03/11/30 12:12 ID:AppAJ9jA
秋人さん、やきもちを焼くの図。うーん。やっぱ、この二人書くのが一番楽だ。

>>9
美凪ってそういえば反転してないような。
26名無しさんだよもん:03/11/30 14:24 ID:uFNjfzaM
雪兎ぉ…(反転名雪ね)

スゲェアワレダヨ,コイツ( ´Д⊂
27名無しさんだよもん:03/11/30 14:28 ID:MLxotYJU
あの〜、即死回避のためのちょいSSがあるんですが、書いちゃっていいでしょうか?

>>25
秋人さんイイ(・∀・)b
28名無しさんだよもん:03/11/30 15:05 ID:ph/qsLQn
ヘイカモーン
29名無しさんだよもん:03/11/30 15:07 ID:qDF34yMA
>>27

は−い、とっとと書く−。
反転に飢えてるのが一匹いるからー。
30萌虚仮 ◆VDVqNOfj.c :03/11/30 15:46 ID:xn86ETbz
>>26
あれ? 雪也だったような……記憶が混乱しております。
3125:03/11/30 15:55 ID:2gX+T0lh
>>26
彼は哀れですよ? だって最初から実父とゆうがエッチしてるのを覗いてるところとか書いてるし。

>>27
見たいでーす。

>>30
自分でもどっち使ってたかわかんなくなったので、名前一覧βの名前を使いました。
3227:03/11/30 16:29 ID:MLxotYJU
 ――おかしい。何かがおかしい。
 少女――北川潤はそう思った。
「わぁぁぁっ! こんなにたくさんいいんですか?」
 百花屋のテーブルに乗っかった大量のデザートを前に、うっとりとした表情で紫苑は言った。
「え、ええ、いいのよ。あはははは……」
 ――こんなはずでは――

 好いている男――美坂薫との距離を縮めるために、弟である美坂紫苑と親しくしはじめた潤であったが、一向にアポはとってもらえず、お金が減っていくだけの毎日。
 ――このままではまずい――
 潤はそう思い始めていた。
 このままではまず間違いなく、アポを取る前に自分が破産してしまう。

「北川さん?」
「え、な、何?」
「北川さんって優しい人だったんですねって言ったんですよ。……病み上がりの美少年に優しくしてくれるお姉さん。ドラマみたいで素敵です……」
「……」
 潤は沈黙した。しかし、話を切り出すなら今しかないとも思った。
「ね、ねぇしお……」
「あ、お兄ちゃん」
「え!?」
 薫が来たと聞いて、豪速で後ろを振り返り――そして固まった。
 なぜなら――店に入ってきた薫の隣にいたのは――
「あ、薫くん。窓際があいてるよ」
 他でもない親友の相沢ゆうだったからだ――
3327:03/11/30 16:30 ID:MLxotYJU
「ゆ、ゆう!?」
「はっ!! じ、潤!?」
 何でいるの!? とでも言わんばかりの表情で、ゆうは振り向いた。
「あれ? 北川君に紫苑じゃないか」
「う、うん……じゃなくて、何で美坂くんと一緒に……!」
「え、えっとねそれは……」
 ゆうが口ごもる内に、薫が決定的な一言を言った。

「何だよ、つきあってるんだから当たり前じゃないか」

 沈黙が支配した。
 その言葉を聞いた潤は涙目になっていき――
「ゆうの、ゆうの裏切り者ぉぉぉー!! うわぁぁぁぁーん!!」
 だだだだだだーっ!!
 潤は叫びながら、店を出ていった……

おまけ
「あっ、まってください北川さん!」
「ボウヤ、お会計」
「えっ!? 僕お金もって……」
「そうかい、それじゃあしばらくここで働いてもらいましょうかねぇ……」
「う、うにゃああああー!! 北川さん、助けてぇぇぇぇぇぇ……」

「なあゆう、北川さんどうしたんだ?」
「薫くん、あなたって意外に残酷ね」
「失礼な言い方だなゆう、俺が何かしたか?」
「自覚が無い分更に極悪ね……」
「何なんだよ?」
3427:03/11/30 16:32 ID:MLxotYJU
ごめんなさい。
新スレ出来たからって20分で書いたものです。
短くって読みにくくてすいません……
35名無しさんだよもん:03/11/30 18:35 ID:Sb+7P3w1
なんだろう。不幸な娘がやたら自分的にヒットする…ふゆしかり、潤しかり。


スレ立てようかなw
36名無しさんだよもん:03/11/30 22:12 ID:Dz9EV/k0
>>31
最初の頃は秋子さんが未反転な話もあって、わりとマシな扱われ方してたけど…
秋人さんのキャラが固まってきたあたりから見る見る悲惨になってったんだよな。

つうか、雪弥といい勇輝といい瑞樹(♂瑞希)といい、
元メインヒロイン勢は職人達になんか恨みでも買ってるのか?(w


>>27
うんうん、薫ってこういう奴だと思う(w
惚れたあんたが悪いのよ、と。
37名無しさんだよもん:03/12/01 09:39 ID:VRuGO2te
あ〜エロが無いSSは良いのう…個人的に。
38名無しさんだよもん:03/12/01 13:07 ID:hnUmVy/s
マザコンの反転名雪(若い子には興味なし)と、
秋子さんの母子相姦ものはあかんのですか?
39名無しさんだよもん:03/12/01 14:39 ID:k79BZhGh
>>38
あかんどころか大ありと思われ。
40名無しさんだよもん:03/12/01 18:39 ID:LKuXmWHW
>>38
で反転祐一が必死に矯正させようとがんばるわけですか?
八神君の家庭の事情おもいだしますた
41名無しさんだよもん:03/12/01 20:05 ID:lsCQNWZM
むしろ、名雪に死んだ妻の面影を重ねてしまう秋人さんとか。
42名無しさんだよもん:03/12/01 22:09 ID:JWd8l929
そして妻が「死んだことになっているけど実は生きている」とかだったりして……
43名無しさんだよもん:03/12/02 01:55 ID:K9tE3uF4
選択式が面白いことになっとるw
44名無しさんだよもん:03/12/02 02:03 ID:pBubiwop
冬弥が、冬弥がっ。

…ヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノ
45名無しさんだよもん:03/12/02 10:00 ID:iwRxsQKP
( )
46名無しさんだよもん:03/12/02 15:50 ID:4whjwMHT
遠回りな愛だな……


 だ が そ れ が い い 。
47名無しさんだよもん:03/12/02 18:42 ID:HwEtVp1E
「あっ、まってください北川さん!」
「ボウヤ、お会計」
「えっ!? 僕お金もって……」
「そうかい、それじゃあしばらくここで働いてもらいましょうかねぇ……」
「う、うにゃああああー!! 北川さん、助けてぇぇぇぇぇぇ……」
この部分で6:508-515に出てきたお婆さんを思い出したのは漏れだけですか
48名無しさんだよもん:03/12/03 08:56 ID:GdhC2WSD
ウェイターとして働かされる紫苑君…
物凄く集客効果が高そうな気がするのだがどうか。
49名無しさんだよもん:03/12/03 09:53 ID:MYIEwqCL
()
50アナル:03/12/03 18:17 ID:D2yx5H7t
せっかくだから、俺はゆうを描くぜ!
で、ゆうってここの住人さんのイメージではどんなん?
ロング? ショート?
51アナル:03/12/03 18:20 ID:D2yx5H7t
てゆーか「ここの住人さん」もなにもないよなあ
52名無しさんだよもん:03/12/03 18:23 ID:qZdWlWcy
>>50

活発な名雪って感じの絵がどっかにあったぞ。
53アナル:03/12/03 18:31 ID:D2yx5H7t
>>52
マジ?
まとめサイトのギャラリー見たんだけどなかったよ?
5452:03/12/03 18:45 ID:qZdWlWcy
どっかのアプロダに結構まえにあったんだよ。
作者はふゆとかはじめさんと同じ人だったんだよ。
55アナル:03/12/03 19:01 ID:D2yx5H7t
なるほどね。
じゃあ活発な名雪ってかんじで描いてみます。
5652:03/12/03 19:44 ID:qZdWlWcy
57アナル:03/12/03 20:52 ID:D2yx5H7t
おお、サンクス。

ポニーかあ。
なんか好きなのでそれでやってみるぜ!
58名無しさんだよもん:03/12/03 21:35 ID:mBXmWO4R
Kanon、サブの女性陣だけ反転。
反転秋子さんと名雪(ファザコン)は普通に父子相姦。
反転香里(当然シスコン)と栞は兄妹相姦。
反転佐祐理×舞&反転美汐×真琴はノーマルな恋人。
残り物であゆと祐一、おお綺麗に納まった。
59アナル:03/12/03 22:00 ID:D2yx5H7t
どっかいいあぷろだってない?
60名無しさんだよもん:03/12/03 23:32 ID:GdhC2WSD
>>59
ばなが板なんてどうですかね?
葉鍵絵推奨だし。
ttp://banaga.axisz.jp/cgi-bin/hakagi/imgboard.cgi

>>58
普通に父子相姦とか兄妹相姦って…w
61アナル:03/12/04 00:18 ID:kx1NPrrr
>>60
ありがとー。

つーことで描きました。
ttp://banaga.axisz.jp/cgi-bin/hakagi/img-box/img20031204001612.jpg
とりあえず自分なりに52さんの探してきてくれたのを元にアレンジしてみました。
62アナル:03/12/04 00:26 ID:kx1NPrrr
つかあらためて見ると無茶苦茶粗いっすね。
というわけで永遠の世界へ逝ってきます。
63 ◆kd.2f.1cKc :03/12/04 00:54 ID:GWgtIlyl
>>61
逝くなー! ごっつええです。ゆうタンハァハァ……
胸がちょっと控えめなようですが自分はその方がハァハァします。

自分も描いてほしい(;´д`)ハァハァ……
あ、こっち? コミケのエロ原終わったら続き書きます。(;=д=)ゼェゼェ

(ところで落ちたスレの分ってみんな回収してるのかな?)
64名無しさんだよもん:03/12/04 08:35 ID:l1xcb3YH
このスレは暖かいね〜。
65名無しさんだよもん:03/12/04 08:51 ID:GcNMPf/O
>>61
グッジョブ!
エチーのときもポニーなんですかねハァハァ
66名無しさんだよもん:03/12/04 21:53 ID:gcZBucxx
>>58
で、北川×久瀬奏の本命に振られカップルか…?

おお、さらに完璧。
67名無しさんだよもん:03/12/05 08:01 ID:iiopZlv6
()
68名無しさんだよもん:03/12/05 19:18 ID:UjODSFER
前々スレで天いなのネタをやっておられました神様へ




  愛  し  て  ま  す  




切に続きキボンヌ
69名無しさんだよもん:03/12/05 21:25 ID:LsSqf0EH
倉田一弥が生きていて姉弟ともに反転
 「お兄ちゃんは心配性」
 反転佐祐理×舞、祐一×反転一弥
折原みさおが生きていて兄妹ともに反転
 「お姉ちゃんは心配性」
 反転浩平×反転瑞香、反転みさお×澪とか

過保護な兄姉が目に浮かびます。
70天使なんていない-6(1/6):03/12/06 00:11 ID:1+Jpu2QI
 その日、忍は学年委員会に出席していた。そして、そのまま教室へと戻らず考え事をし
ていた。
 最近、幼馴染の栗原透の様子がおかしかい。
 それが、考え事の内容だった。
 普通、男の幼馴染というのはある程度の年齢になれば、お互いに不可侵の線引きができ
ていくものだ。ましてや、男という生物はテリトリーに対する独占欲が強い。
 そして栗原透という少年は、気が弱く、人に食い物にされて生きていくことを運命付け
られているような、そんな少年だった。
 榊忍という人間が、正義感に燃えた少年であった事はいっそ、透にとっては幸せであり、
同時に不幸だったろう。
 忍が透を庇護する事で、彼は平穏な学校生活を手に入れた。
 だが、忍がそもそも透を庇護しなければ、彼は自立する覚悟を得ていたかも知れないの
だ。
 ――榊忍は、その事には気付かない。彼の行動は全て親友、栗原透のためであり、私心
は無い。だからこそ、彼は透の可能性を潰しているという事に気付かない。
71天使なんていない-6(2/6):03/12/06 00:12 ID:1+Jpu2QI
 ただ、最近の透の様子は不自然だった。
 気がつけば、携帯電話を持っていた。それまでは「いらない」と言って自分が買った時
も頑として買おうとしなかったのに。
 時折、メールを打っているようにも見える。だが、誰にメールを送るというのだろう。
彼に自分以外の親しい友人がいない事は、忍自身が一番よく知っていた。
「……どうしたってんだ」
 今までこんな事は無かった。自分は透の親友で、どんな事だって自分と分かち合ってき
たのだ。
 なのに、今。透はまるで知らない人間のように思えてしまう。
 夕陽に染まった廊下。人気は無い。部活動に勤しむ生徒も、運動部以外は帰ってしまっ
たのだろう。
 本当なら、自分もこんな所を歩かずに帰っていたのだろうに。
「プリント忘れるなんて」
 明日までに解いておかなくてはならない、宿題。それが教室の机の中に入りっぱなしだ
ったのに気付いたのは委員会が終わってからの事だ。別に明日にやっても十分間に合うだ
ろう。が、性格的にそれができないのが、忍だった。
 虚ろに靴音が反響する廊下を、独り歩く。
「ん……」
 不意に夕陽で赤く染まりきった教室の中から、女の艶めいた声が響いた。
 その声に、榊忍は足を止めた。


72天使なんていない-6(3/6):03/12/06 00:12 ID:1+Jpu2QI
 これまでも、教室でコトに及んだ男女はいた。人気の無い図書館の奥。人気のない階段。
人気のない体育倉庫。保健教諭の帰った後の保健室。そのバリエーションの中に、人気の
ない教室という選択肢は当然のように含まれている。
 だが、こうも露骨な濡れた声が聞こえてきたことはない。
 忍は心拍数が跳ね上がるのを感じながら、そっと教室のドアの隙間から中を窺った。
 夕陽が逆光となって、その顔は見づらい。
「……んふ」
 女が、机の上に腰かけているようだった。
 長い髪。制服はほとんど着崩した様子もなく、ただスカートだけがたくし上げられてい
る。その足元に、跪くように男がいる。
 男は女の股間に顔を埋め、そう、恐らくは口で女に奉仕している。
「――っ」
 忍とて健康的な男である。正義感が強く、克己心が強い少年であっても――いいや、だ
からこそこういった睦事には耐性がなかった。
 オナニーをした事とて、ある。だがした後は、その虚脱感に後悔を呼び覚まされていた。
「はぁ……ん……そこ、もっと」
 女の蕩けたような声に答えるように、跪いた男が水音を立てる。
「はぁっん! ふ……んく」
 堪えるような声。押し殺した息遣いが、生々しさを際立たせる。知らず、忍は生唾を飲
み込んでいた。
 ズボンの股間の部分が窮屈になっているのが、わかった。
「……そう。そこ、いいよ、栗原……ぁ」
 だが、その熱が、一瞬で冷めた。
 その声が呼んだ名前は、なんといった?
73天使なんていない-6(4/6):03/12/06 00:13 ID:1+Jpu2QI
「――とお、る?」
 ありえない。栗原透という少年は、そんな事で汚されて良い存在じゃない。
 だというのに、今、目の前で女は誰を呼んだ?
「はふ……ん、気持ち、いいですか? 木田さん」
 女の股間から顔を上げた少年の横顔。逆光のせいでよく見えない。けれど、濡れて光っ
た顔の輪郭は、多分、自分の顔よりも見慣れたシルエット。
「透……」
 そして驚愕はさらに続いていた。透は誰の名を呼んだのか。木田、と呼んだのだ。
 この学校に木田という名の生徒は二人しかいない。それは一年の木田恵と、二年の木田
朱鷺乃。あの、不良少女だけだ。
「まさか、そんな……」
 夕陽がさらに沈んだのか、逆光が弱まる。そして、見えた。
 顔を赤く染め、快楽に身を沈めた女の顔をした少女。それは確かに、木田朱鷺乃の姿だ
った。
「――ありえ、ない」
 教室での彼女は、何時だって他人との係わり合いを拒絶していた。人に背を向け、孤独
に生きる少女。それが木田朱鷺乃のクラスでの認識。
 だというのに、今、目の前で彼の親友の顔を股間に埋めて、快楽に浸っている。
「いいよ、栗原。随分上手になったじゃない」
 木田の言葉に、透は嬉しそうに顔をあげる。それはまるでご主人さまに褒められた子犬
のような仕草だ。その様子に、忍はヂリっとした苛立ちを覚える。
「ほら、ご褒美よ」
 木田が机を降りて、机の上でうつ伏せになる。
「後ろから、ヤらせてあげる」
 透は真っ赤になったまま、慌てたようにガチャガチャとベルトを外したようだった。チ
ャックを下ろして、パンツを下ろす。
74天使なんていない6-(5/6):03/12/06 00:14 ID:1+Jpu2QI
 股間で屹立したそれは、硬く充血しきっているようだった。
「ははっ、私のを舐めてる間に、十分になったようじゃない」
 そんな透を見て、木田が鼻を鳴らして笑う。けど、透はそんな木田の様子に戸惑う様子
もなく、ただ彼女のスカートをめくりあげる。
「木田さん……いく、よ?」
「ん……ほら、ここだよ? 間違えるな……はぁぁっ!」
 ぐちゅ、と音がした。透の腰が木田の尻に密着する。
「ん……っ!」
 透のくぐもった声。木田が机の上で、体を跳ねさせる。
「は……あぁっ!」
「木田さん……凄い、いい……」
 ぐちゅぐちゅと音をさせながら、透が腰を前後に動かす。そのたびに、木田の体がビク
ビクと震えるのが分かった。普段の、あの鋭い刺々しさが消えている。そこにいる
のは、セックスの快楽に浸る女――いいや、牝がいるだけだ。
 透の荒い呼吸と、ぱちぱちという肉を打ち付ける音。そして木田の喉から漏れる悦楽の
響き。それだけが、教室に響く。
「ん……あ、……ひぅ……!」
「き、木田さん……僕、僕もう……!」
 透の動きが早くなる。切羽詰ったような声に、忍の呼吸もあわせたように逼迫する。
 なぜだろう。忍はいつしか、自分が透と一体になって彼女――木田朱鷺乃を犯している
ような錯覚を覚えていた。
「ふ……んっ! いいよ……あ、わ、私も……!」
 ぐいぐいと透が朱鷺乃の尻を掴んで、腰を押し付ける。
 一番、奥へと押し込むように、貫いて。
75天使なんていない-6(6/6):03/12/06 00:15 ID:1+Jpu2QI
「あ、あ。あ、あああっ!」
 透の絶鳴のような声。
「……んうっ!」
 木田朱鷺乃の、押し殺した、けれど間違いなく絶頂の声。
「っ!」
 刺激していた訳ではない。けれど、確かに、自分の股間でぬめった液体が溢れた感触に
榊忍は我を取り戻した。
 慌てたように数歩後ずさりすると、そのまま脱兎のようにトイレへと駆け込む。
 個室へと駆け込むと、焦った手でベルトを外し、ズボンを下ろした。
 トランクスの中で萎えた性器にこびりついた精液。その匂いに顔をしかめながら、トイ
レットペーパーを取り出して、拭う。
「……透」
 始末をしながら、考えていた。
 なぜ、栗原透が木田朱鷺乃とあんな真似をしていたのだろう。いいや、そもそもアレは
どちらから誘ったのだろう。
 二人は付き合っているのか? だとするなら、普段のあの木田の素っ気無さはなんなの
だ。
「……分からない」
 分かるのは一つだけ。
 木田朱鷺乃の絶頂に震える姿が、ひどく美しく、淫らに見えた事だけだった。

7670-75:03/12/06 00:18 ID:1+Jpu2QI
>>68
ご希望に添えましたでしょうか。というコトで、反転天使。忍編。

どーやっても、主人公側視点で忍との絡みがかけなかったので、発想を逆転して(笑)
忍側の視点となりました。

って、これからどう絡めるのか、全然考えてませんが。
忍が精神崩壊って、どうなったらなるんだろう。やっぱ、隠れサディストな性質が出て
くるとかになるのだろうか…。
77名無しさんだよもん:03/12/06 02:37 ID:mz+KxHYw
キタ―――
つーか素晴らしすぎですよ?
バックつー犯されモードな体勢をやらせてあげると称する木田に萌えっすよ。
78名無しさんだよもん:03/12/06 14:42 ID:7codBouA
このシーンでしーちゃん側の視点が新鮮で(・∀・)イイ!
朱鷺乃は追いかけてきてないところ見ると、このまま透ルートなのかな
なんにしろ激しく萌えますた
79名無しさんだよもん:03/12/06 19:52 ID:5+WPqWT9
>>76
はい、とっても添えました

良いですね、実に良いです。本田萌えっす
年末に向けて色々とお忙しいと思いますが継続的に続きをお願いします
そうなればこのスレも落ちずに済むと思いますので(w
80名無しさんだよもん:03/12/06 20:06 ID:4O2Zg8Ym
>>76
普段攻めるほうなのに攻められるほうになってしまう朱鷺乃タンを
想像してしまいますた……
81名無しさんだよもん:03/12/06 21:59 ID:YiRC7a1E
>>80
(正しい意味の)確信犯的に朱鷺乃をレイープしてしまう忍とか…。
8276:03/12/07 00:32 ID:2qHRlJ+k
えー、ということで、81氏のカキコの方向で突っ走ることにしました。
7レスほど、行きます。
83天使なんていない-7(1/7):03/12/07 00:32 ID:2qHRlJ+k
 夕暮れの、人気のない教室で、二人の男女の影があった。男は机に腰かけたまま。女は
床に跪いて男の股間に顔を埋めている。
 濡れた音と、何かを舐める音。そしてじゅるっと何か液体を啜る音が響いた。
「いいよ、木田……」
 彼女の頭を押さえつけて、腰を突き入れる。くぐもった悲鳴が漏れるけれど、気にはし
ない。その喉の粘膜の感触を楽しみながら、自分のリズムで腰を動かす。
 見下ろせば、木田の綺麗な髪がぼさぼさになっていた。口の端からは涎の筋が垂れてい
る。いつもなら目つきの悪い瞳の端に、涙が溜まっているのを見ると、それだけでゾクゾ
クと背筋が震えるのを感じた。
「ん……んぷぁ……は……!」
 必死に息を漏らしながら、木田は口の中にある俺の性器をくわえていた。
 木田の桜色の唇の中を血管が浮き出た醜い肉塊が唾液に濡れ光りながら出入りする様は、
まるで夢のようで。
「……出るっ」
 木田の頭を抱え込み、その喉の一番奥深くで、放った。
「んーっ! んぶっ! ぶぁっはぁっ!」
 木田が必死に暴れて、体を離そうとする。けれど俺の腕力を前にすれば、木田の抵抗な
んて子供の遊びのような物だった。
「……っはぁ……っはぁ……げほっ……っかはっ!」
 吐息を漏らしながら、木田の頭を離す。すると木田は咳をしながら、顔を背けた。
「吐くなよ。全部飲め」
 俺の言葉に、木田の体がビクンと震える。
「――床に落とすのもダメだ。もしも落としたら……」
 リノリウムの床は、清掃してあるといっても決して清潔な物じゃない。それを知ってい
ても、俺は続けていた。
「舐めてもらうぞ。教室は……綺麗にしなくちゃな」
 木田は手で口元を覆いながら、必死に飲み込もうとしているようだった。
 普段の気の強さは鳴りを潜め、木田の目の端には涙の雫が溜まっている。その横顔を見
つめながら、俺は自分と彼女がこうなった時のことを思い出していた。
84天使なんていない-7(2/7):03/12/07 00:33 ID:2qHRlJ+k
 木田朱鷺乃と栗原透のセックスの現場を覗き見てしまって以来、榊忍の目は自然と木田
朱鷺乃を追うようになっていた。
 それまでの彼女は、学校の規律に対して無闇に反抗する、ただの異分子でしかなかった
というのに。改めてみてみれば、彼女はこの学校で驚くほど孤独なようだった。
 友人らしい友人といえば、霜村程度。その彼女とて、他の女子のようにいつだって木田
と一緒にいる訳でもない。
 木田は学校に来ても、授業を欠席するか、さもなければ出ていてもぼんやりと窓の外を
眺めているようだった。
 それに、気付いた事がある。彼女の赤い髪。てっきり染めているものだとばかり思って
いたが、どうやら彼女の髪は天然の物らしい。
 ――生活指導の教師に、髪を染めているものだと最初に決め付けられて以来、彼女はそ
れを訂正しようとはしなかった。何も言わず、何もせず。ただ、教師達を無視している。
 それは、これまで榊忍が思っていた『不良、木田朱鷺乃』とはまるで違う『木田朱鷺
乃』という少女の姿だった。
 いつも昼になると姿を消す。そして、ふらりと教室に戻ってくることもあれば、そのま
ま帰ってこない時もある。
 栗原透は、そんな彼女の周囲を一定の距離を保って、ぐるぐると回っている衛星のよう
だった。
「……透」
 なんと、言えば良いのだろう。二人は付き合っているのか?と訊いてしまえるなら、そ
うしたかった。だが、なぜそう思うのかと問い返されれば、二人のセックスの現場を覗い
てしまった事を口にしなくてはならなくなる。
 そんな事は口が裂けても言う事はできなかった。
 何より、そんな二人の――いいや、木田朱鷺乃の姿を見て手で触れる事なく射精してし
まったという事実が、忍の中で苛立ちを生んでいた。
 天敵と思っていた、あの少女の媚態に。
 思い出しても、心拍数が跳ね上がる。あの木田朱鷺乃の白い尻に浮かんだ汗。乱れた髪。
火照った顔。そして、淫靡に蕩けきったあの表情――――。
85天使なんていない-7(3/7):03/12/07 00:34 ID:2qHRlJ+k
「――っ!」
 知らず、壁を殴っていた。
 人気のない昇降口。忍は気がつけば、そこに立っていた。多分、木田朱鷺乃の姿を無意
識に追っていたのだろう。そして、気がつけば此処にいた。
「……屋上?」
 ガシャン、と音を立てて閉まるドア。屋上へのドアの鍵は常に施錠されている。鍵は教
師が管理していて、生徒は勝手に屋上へは出入りできない筈だった。
 ドアの前まで歩いていって、ノブを手にとって、捻る。
 それは呆気ないほど簡単に開いた。
「……開く?」
 顔を出して外を窺う。だが、人気はない。
 外へ出て、初めて見た屋上の様子を見回した。
 ふと、振り返る。そこに誰かの気配を感じた。
 果たしてそこにいたのは、気だるそうに床に座り煙草を口にくわえた少女の姿。
「――木田!」
 知らず、忍の声は強く大きく響いた。
「榊!?」
 そして朱鷺乃は、驚いたように目を見開き、なぜこの男がここにいるのだという表情で
忍を見つめていた。


86天使なんていない-7(4/7):03/12/07 00:35 ID:2qHRlJ+k
「――こんな所にいたんだな。おまけに煙草まで……!」
「なんだよ。悪いかよ。それに火は点けてないぞ」
 歩み寄ってきた忍を見上げ、挑戦的な目で忍を拒絶する。そんな朱鷺乃を見下ろして、
忍は口元を歪めた。
「――規則を守ろうとしない奴に、言葉を尽くすつもりはないね」
 冷え切った声だった。それが自分の声とは信じられないほどに。
「それに、透を犯していた。お前なんだろ。透をあんな風にしたのは――」
「なんの話?」
「この間の金曜日の放課後。教室で何をしていた」
 ビクッと木田の体が震えた。
「な、何って。別に、私はそんな時間に学校になんかいないよ」
「透と、何をしていた」
 見上げた木田の顔は、いっそ呆けていると言っても良かったと思う。
「見た、のか」
「――普通は男の方が疑われるんだろうけど、透とお前じゃ、どう考えてもお前の方から
動いたとしか考えられない」
 木田が舌打ちして立ち上がろうとする。その彼女の頭を、俺は押さえつけた。
「――なによ。はっ。てめえのオトコが女に喰われたのが、そんなに不快だっての?」
 木田が憎まれ口を叩く。荒い呼吸。それは、透に犯されていた時の木田と同じ音。
「離せ。私に触るな――」
「俺はお前を、許さない」
 髪を掴む。長い髪の手触りはとてもよくて、まるで絹糸のようだった。染めた髪のよう
な痛みをまったく感じない。
 その髪を持って、彼女の体をフェンスに押し付けた。
「痛っ! な、なにを――」
「透がされたことを、お前にしてやるんだ。お前が自分のやった事の意味を、お前に教え
てやる!」
87天使なんていない-7(5/7):03/12/07 00:36 ID:2qHRlJ+k
 男と女では、腕力が絶対的に違う。ましてや俺は平均的な男子よりも腕力には自信があ
った。
 木田の体を押さえつけたまま、スカートをひきずり下ろす。
「やっ! やめっ!」
 スカーフを引っ張りぬくと、それを丸めて木田の口にねじ込んだ。
「むーっ! んむーっ!」
 くぐもった木田の声。それを聞きながら、彼女の体をひっくり返す。フェンスに押し付
けるように、尻を掴んだ。
 ドクドクと、心臓が脈打っている。ズボンのベルトを外し、チャックを下ろしてトラン
クスの中身を取り出す。心臓の鼓動とシンクロするようにビクビクと震えた、性器。
 充血しきったそれは、痛い程になっている。
 木田はそんな俺を見て、目を見開いた。
「んーっ! うーっ!」
 必死になって暴れる木田。けれど俺は、そんな木田の抵抗を腕力で押さえつけて、性器
を彼女の股間に当てる。
 さらに木田の抵抗が激しくなった。
 けれど俺はもう、彼女の膣を探し当てていた。濡れていない、あくまでも平常のままの
膣。
 だが、罰だ。これは罰。だから、彼女が気持ちよくなるようにしてやる必要なんて、一
切ない。
 潤滑性のない膣に、俺の性器が潜り込んでいく。それはめり込む、突き刺すと言っても
いい行為だった。
「んーーーーーーーっ! んんーーーーーーーっ!」
 木田が頭を振りながら、叫ぶ。目の端に涙が浮かんでいた。
 俺はそんな抵抗を無視して、彼女の中を蹂躙していく。一番奥まで届いた時、彼女の体
は暴れるほどの気力を残していなかった。
 ただ、荒い息をしながら、きつく目を閉じている。
88天使なんていない-7(6/7):03/12/07 00:37 ID:2qHRlJ+k
「……キツイ」
 まったく濡れていない膣は、話に聞いていた以上にキツかった。それでも俺は、腰を動
かす。木田の体がビクンと震えた。
「……っく……はぁっ!」
 不意に、喉を晒して木田が叫ぶ。その声は、間違いなく、悦楽。
「――木田」
 改めて感じてみれば、木田の膣に湿り気があるようだった。先ほどよりも随分とスムー
ズに腰が動かせる。
 そしてそれは、木田が濡れているという結論を示していた。
「なんだよ。強姦されてんのに、感じてるのか?」
 木田の耳元で、わざと野卑に囁く。すると木田は目を固く閉じたまま、必死に首を振っ
て否定しようとした。けれど、もう遅い。
 木田の体は確かに、俺を受け入れていた。潤滑油の役目をする愛液は溢れるほど分泌さ
れている。俺の腰が動くたびに、濡れた粘着質な音が響く。
「淫乱はどっちだよ、木田っ!」
 ぐいっと腰を打ち付けると、木田はこらえ切れないように、声を漏らしていた。
「……っんひっ……!」
 木田が震える。そして、俺も我慢できなくなっていた。木田の足を掴むと、一番奥まで
届くようにその足を抱えて、中に押し入る。
「……ふぁ……ひぃぃっ……!」
 木田の目から、涙が零れていた。そして、切なげな声が上がる。
 俺は、そのまま木田の体の奥底に、射精した。

89天使なんていない-7(7/7):03/12/07 00:38 ID:2qHRlJ+k
 全てが終わって、木田は放心したようにフェンスに上半身を預けていた。脱ぎ捨てられ
た下半身は全裸で、その股間から俺の精液が零れていた。
 ふと、思い至った。
 学生服から携帯電話を取り出すと、そのレンズを木田に向ける。
 カシャッ! カシャッ! カシャッ!
 数回、ボタンを押してシャッターを切る。
「っ!?」
 木田がその音に反応して、表情を取り戻した。だが、遅い。
「――木田。このことを誰かに話せば、俺はこの写真をネットにばらまくよ」
 木田朱鷺乃の情交後の姿。煽情的な顔も、俺の性器を受け入れていた股間も。何もかも
を克明に写した写真。
「そして、俺に逆らっても同じだ」
 戸惑った表情の木田を見下ろして、俺は続ける。
「お前はもう、俺に逆らうことは許さない。俺の命令には全て従うんだ」
「なに……を、言って……」
「写真をばらまかれてもいいのか?」
 ビクと彼女の体が震えていた。
 ――それ以来、木田朱鷺乃は俺の命令に従って様々なことをした。
 下着を全て脱がせて、授業を受けさせたり。玩具を性器に忍ばせたまま、授業に参加さ
せたり。
 さまざまな行為は、次第にエスカレートしていった。


 そして、今も。朱鷺乃は忍の命令に従って、フェラチオをしていた。
「ほら。木田。何やってんだよ。さっさと綺麗に掃除しろよ」
 忍の声に朱鷺乃の舌がおずおずと忍の性器に這い回る。
「ふふ……」
 夕陽の中、忍は木田の頭を抱えて、目を細めていた。
9076:03/12/07 00:39 ID:2qHRlJ+k
 ということで、忍くん、鬼畜発動編(w

 あかん。酒入って眠い時に書くものじゃないなぁ。なんか色々ヘロヘロ。
 吊ってこよう。
91名無しさんだよもん:03/12/07 01:06 ID:TH053DA+
ハラショ━━━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━━━!
92名無しさんだよもん:03/12/07 09:15 ID:ZsKihASc
そろそろ転移名もやらないとついていけない時代が来たか…。
93名無しさんだよもん:03/12/07 10:56 ID:DSgHWOlJ
やばい、木田が良すぎる。
今までの反転キャラの中でも一番かもしれん。
94名無しさんだよもん:03/12/07 11:34 ID:OJUabeTV
そのうち忍が恵か透に刺されそうだ…。
95天使なんていない-8(1/7):03/12/07 14:21 ID:2P2hRx/7
「お疲れ様です」
 ドアを開けて中へと入ってきた少女は、言葉少なくそう言うと、すぐにバックルームへ
と姿を消す。その後ろ姿を見て、麻生明日馬は首を傾げた。
 先日バイトとして新しく入った木田朱鷺乃という少女は、見た目の派手さとは逆に仕事
に対しては非常に真面目に取り組んでいる少女だった。店長である巣鴨文吾に対しても、
自分の意見が正しいと思えばきっちりと言い返す。そんな少女だ。
 だというのに、ここ最近の彼女は精彩を欠いていた。まるで、心がここにないという雰
囲気で。
「……どうしたんだろうねぇ」
 営業スマイルに陰りはない。その笑顔自体が作ったものだからだろう。だが、普段の彼
女には、あの威勢のよさが無い。
 それが明日馬に疑問を抱かせていた。

96天使なんていない-8(2/7):03/12/07 14:22 ID:2P2hRx/7
 朱鷺乃は学校の制服を脱いでウェイトレスの制服を手に取っていた。
 肌のあちこちにある赤い鬱血の痕跡。それは彼――榊忍によってつけられた烙印。彼は
朱鷺乃を犯し続けた。
 それはつい先日まで処女であり、セックスにおいては栗原透という弱者に対する行為し
か知らなかった朱鷺乃にとって、ある意味初めての『犯される』セックスだった。
 命じられるままに四つん這いになり、後ろから犯される。命じられるままに、卑猥な言
葉を口にする。命じられるままに自慰をし、命じられるままに懇願の台詞を口にした。
 榊忍の命令はエスカレートの一途を辿っている。あの質実剛健、真面目一徹と言われた
少年の何処に、あのようなサディスティックな一面があったのか。
 そして、そんな彼の行為に、快楽を覚えている自分の身体。
 ――自身もまた、サディストだと思っていた。栗原に対する時、自分は確かに栗原の泣
き顔に快感を覚えていたのだから。だというのに、榊忍の行為に馴染む身体。
 ぶるり、と震えた。
「……」
 無言で、鏡を見る。剣呑なまなざし。生まれつきの赤みがかった髪。ほとんど化粧をし
ないために、荒れる事なく瑞々しさを保ったままの肌。睫毛。唇。鼻。
 ――その全てを、あの男は精液で汚した。
「くっ!」
 握り締めた拳をロッカーに打ち付けようとして、留まった。
 ここは、違う。ここは自分が子供のように暴れても許される場所じゃない。
「仕事、しないと」
 ぼんやりと呟くと、ブラウスを着てリボンを結んだ。


97天使なんていない-8(3/7):03/12/07 14:23 ID:2P2hRx/7
 榊忍は維納夜曲の外で足を止めた。彼自身はそれほどではないが、栗原透が甘党のため
ケーキを口にする機会は多い。その中でも透がもっとも気に入っているのは、この維納夜
曲のケーキだった。
 そのせいだろう。ふと、足が止まったのは。
 店はガラス張りで外からでも店内の様子は簡単に見る事ができる。女性客が多いのは当
たり前の事で、イートインができる店の中のテーブルは女性達で全て埋まっていた。
 その中で、一人の少女がクルクルと忙しそうに歩き回っている。オーダーを取り、水を
替え、ケーキを受け取って客のテーブルまで運んで。
 そんな風にしながら、口元には微笑みを浮かべている。
 優しげな、笑顔。
「木田……?」
 そこにいるのは、彼が見たことのない『木田朱鷺乃』という少女の姿だった。
 学校ではいつだって不機嫌そうに、つまらなさそうに口元を歪めている。万事において
面倒くさそうにして、人と関わろうとしない。
 そんな少女と、今、目の前で客の間を歩いて笑っている彼女の姿が、忍の頭の中で一致
しない。
 不意に、彼女の背後からウェイターの格好をした男性が現れる。男は朱鷺乃を呼び止め
て、二言三言、なにか話しかけているようだった。彼女は、そんな男に笑い返す。楽しげ
に。
 ギリッと、音がした。それが自分の歯を噛み締める音だと理解するまで、時間がかかる。
「なんだ……?」
 なんでこんな風に苛立っているのだろう。自分は、木田が透に近づかないように、ただ
それだけのために彼女を犯しているだけなのだ。
 それ以外の時間、彼女が誰と何をしていようと、一切関係はない。むしろ、透以外の人
間に興味を持ってくれるほうが、助かるというのに。
98天使なんていない-8(4/6):03/12/07 14:24 ID:2P2hRx/7
 なぜ、自分はこうも苛立っているのか。
 知らず、睨みつけている。その視線に気付いたように、彼女の顔がこちらを向いた。そ
して、驚いたように目を見張り、顔を背ける。
「へぇ」
 その態度に、カチンときた。
 店内へと入ると、朱鷺乃の隣に立っていたウェイターが「いらっしゃいませ」と声をか
けてくる。だがその目は、朱鷺乃の態度の急変が入ってきた少年のせいだと直感している
ように、訝しげに忍を見つめている。
 そんな視線を無視して、忍は勤めて平然とした顔で笑う。その笑顔は学校で見せる、優
等生の笑顔だ。
「木田。バイトしてたんだ」
「……あ、ああ」
「そっか。知らなかったよ。この店、俺もよく使うんだけどさ」
 木田は視線を逸らしたまま、「そうか」と頷く。その横顔を見て、忍は朱鷺乃の傍に歩
み寄った。
「席に案内してほしいな」
「……あ、わ、悪い。いや、えっと、すみません。では、こちらへ」
 業務用の言葉遣いに戻って、木田が忍を先導する。その後ろ姿を見ながら、明日馬が不
思議そうにもう一度首を傾げる。だが彼も自分を呼ぶ客の声に、不可思議な二人の挙動の
ことを脳裏から押し出した。


99天使なんていない-8(5/6):03/12/07 14:25 ID:2P2hRx/7
「――下着は脱いでこれを入れて来い」
 榊は注文を告げる前に、低い声で私にそう告げた。手渡されたのは、小さなビニール袋。
中身は見えないが、私には想像がついていた。榊が私を苛む時、彼はこの中に色々な物を
入れているのを見ていたから。
「すみません。二番(トイレ)入ります」
 明日馬さんにそう断って、バックルームのトイレへと入る。
 個室の鍵を閉めて、袋の中身を取り出した。それは想像していた通り、小さなピンク
ローターだった。だが、ケーブルの先にスイッチが付いていない。
「……冗談」
 もしも付けていかなかったら?
 榊がどう行動するか、想像はできる。彼は全てをぶちまけるだろう。私の痴態の全てを、
だ。考え込んでも、状況は好転しない。それはもう、嫌って言うほどに理解できていた。
 ショーツを脱ぐと、濡れてもいない秘所にローターを入れる。
 震動しないそれは、言ってみればタンポンを入れているようなもので。私は安堵のため
息をついていた。
 けれど、ショーツなしでこのウェイトレスの制服を着ているのは、かなりの恐怖だった。
何せスカートが短いのだ。下手な姿勢をとれば中身は丸見えになるだろう。
 普段どおりにしていれば、見えない。そう分かっていても、何も隠すものがないまま空
気にさらされる秘所を思うと、私は緊張してしまう。
「……っ」
 トイレを出るとショーツを袋に入れ、ロッカーに放り込む。そのまま店に戻った私は、
榊の注文した品をマスターから受け取り、運ぶ。
 周囲の視線が気になった。女性客が多いといっても、逆に女性だからこそ視線を向けら
れる事がある。スカートの中身に気付かれたら、と思うと知らず顔が赤くなる。
100天使なんていない-8(6/6):03/12/07 14:26 ID:2P2hRx/7
「……お、お待たせ、しました」
 榊の座るテーブルの横に立つと、トレイの中身をテーブルの上に並べていく。
 榊はそんな私を見つめて、口を開いた。
「ちゃんとつけた?」
 小さな声に、私はコクンと頷く。
「履いてないよね?」
 重ねて問う小さな声に、私はもう一度、頷いた。
「そう。じゃあ、頑張って」
 教室で見せる優等生の笑顔で榊は、そういうとコーヒーカップを手に取った。片手は
テーブルの下にある。
 私は踵を返して、歩み去ろうとした。その刹那。
 ブゥン……と、身体の中で震動音がした。それは秘所から起こり、身体の中に響き渡る。
「……っ!?」
 思わず足が止まる。震動はさらに強まり、私は漏れそうになる声を必死に押し殺して、
振り返った。そこには榊が楽しそうに笑いながら、片手に持ったリモコンのような物を、
テーブルの下から私に向けているのが見えた。
「……っく」
 リモコン式のローター、という単語がすぐに脳裏に浮かぶ。
 あそこに力を込めないと、音が漏れるような気がした。けど力を込めれば込めるほど、
震動は私の官能を呼び覚ます。
 感じないためには力を込めてはいけない。けれど音が漏れないように、落ちないように
するには力を込めるしかない。そのアンビバレンツが、私の脳髄を焼き尽くすようだった。
「……朱鷺乃ちゃん?」
 私の様子がおかしい事に気付いたのか、明日馬さんが声をかけてくる。
「どうかした?」
「あ、い、いえ……っ」
 震動が、不意に止む。私は、顔を赤らめたまま、明日馬さんに首を振った。
「なんでも、ないです。少し調子が悪いみたいで」
 微笑むと、明日馬さんは不思議そうな顔で「そう?」と首を傾げた。
10176:03/12/07 14:30 ID:2P2hRx/7
朱鷺乃露出調教編(w

いかん。書いてて楽しいカモ。
102名無しさんだよもん:03/12/07 15:13 ID:ngevSYEC
再び
ハラショ━━━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━━━!
103名無しさんだよもん:03/12/07 15:31 ID:d0i6t614
こんなまっぴるまっから…エロイお人だ(*ノノ)
104名無しさんだよもん:03/12/07 22:23 ID:fkWiJDe9
現実逃避で明日馬に身を任せようとしたりして。>朱鷺乃

やんわり断られて、ますます精神的に追い詰められるのかもしれんが。
10576:03/12/08 09:42 ID:hfWUq9AG
>>103
エロです。すんません。いや本当に。昼間っから。
色んなものから逃避しちゃってるもんで。

>>104
あー、そーいうのもアリですね。
とりあえず、ときのんは明日馬さんにも弄ばれる予定。

ということで、仕事しなきゃ……。
106名無しさんだよもん:03/12/08 13:30 ID:5Dmua52E
このまま朱鷺乃はどんどん追い詰められて、最後に雪緒と屋上からダイブしそうですなw
でも先に調教完了すればしーちゃん奴隷エンドみたいになるのかな
107名無しさんだよもん:03/12/08 14:22 ID:hRUs0BJg
朱鷺乃と忍の関係が透にバレた時、
透が根性を見せられるか、それとも忍への依存を断ち切れないか…。
ルート分岐点はそのあたり?
108名無しさんだよもん:03/12/08 21:05 ID:2jVHUOXb
それにしても、あの木田が反転するとこれほど萌えるキャラになるとは……
とりあえず楽しみにしてるんでマターリと続けてください。
109天使なんていない-9(1/8):03/12/08 23:21 ID:xsGmLemW
「いらっしゃい、ませ」
 震動に思わず言葉が途切れる。目元を赤らめたまま、潤んだ瞳を客に向けた。するとそ
の男性客は傍らにいる恋人だろう女性の視線を忘れたようにドギマギした視線を朱鷺乃に
向ける。
「――お席へ、ご案内します。こちらへ」
 喉から漏れそうな喜悦の声を隠し、朱鷺乃は二人を席へと案内する。その間も、彼女の
お腹の中では性の道具が震動を続けている。
 滴りが内股を伝うのではないか、という危惧を抱きながらそれでも上っ面を取り繕って
必死に朱鷺乃は接客を続けていた。
 背後では、榊忍がコーヒーをお代わりして、課題を解いている。テーブルの下にある手
が、リモコンを持っている事を除けば、甘党の勉強熱心な少年としか見えないだろう。忍
の外見が真面目そうな少年である事もその評価を強めている。
「朱鷺乃ちゃん? 調子そんなに悪いの?」
 不意に、メニューと水を持ってやってきた明日馬に、そう問われた。
「い、いえ。そんなには……」
「でも顔赤いよ? それにさっきから、ぼんやりしてる。叔父さんに怒られないうちに、
今日は早退したら?」
「で、でも……」
「下手に風邪を我慢して、倒れられたらそっちのほうが迷惑。いいから今日は早退しな。
なんだったら彼、ええと榊くんだっけ? 彼に送ってもらいなさい」
 どうやら見た目親しげに会話する忍と朱鷺乃の関係を、そういう関係だと考えたらしい。
明日馬の言葉に、朱鷺乃は慌てる。
「い、いえ。そんな……」
「なに。頼みにくいって? しょーがないなー。お兄さんが一肌脱いであげるから」
 そう言うと明日馬は課題を広げる忍に歩いていく。
「すみません」
 明日馬がそう声をかけると、忍は顔を上げた。
110天使なんていない-9(2/8):03/12/08 23:22 ID:xsGmLemW
「はい?」
「榊くん、でしたよね? 申し訳ないんだけど、朱鷺乃ちゃんを送ってあげてくれないか
な。彼女、調子が悪いみたいで」
 少し離れた場所に立っている朱鷺乃を指差す。朱鷺乃はゆっくりと深く呼吸を繰り返し
ながら、上気した顔を隠すように外を見ていた。
「ああ。確かに。風邪ですかね」
 忍は自分の持っていたリモコンをズボンのポケットにしまいながら、そう呟く。
「良いですよ。俺が送ります」
「ありがとう。じゃあ、朱鷺乃ちゃん。話はついたから、彼に送ってもらいなさい」
「あ、明日馬さん!」
「よろしく。少年。お代は俺が奢るから」
 パン、と肩を叩かれる。
「ありがとうございます。じゃあ、お言葉に甘えて」
 机の上の荷物を片付けて、忍は立ち上がった。
「ほら。木田さん。裏で待ってるから、早く着替えておいでよ」
 にこやかに、そう言うと忍は店を出て行った。
「……ほら朱鷺乃ちゃんも」
「うぁ……は、はい」
 ペコリと頭を下げて、バックルームへと引っ込む。そんな朱鷺乃の背中を、明日馬は唇
の端を軽く歪めて見送った。


111天使なんていない-9(3/8):03/12/08 23:22 ID:xsGmLemW
 朱鷺乃はロッカールームでウェイトレスの制服を脱ぐと、ローターを入れたまま、シ
ョーツを履かずにセーラー服に着替えた。
 今も、震動は止んでいない。それはつまり、忍が今も彼女にコレを入れたままでいろと
命令しているのと同義なのだと、朱鷺乃は考えていた。
 制服のスカートはウェイトレスのそれより長く、人目を気にせずに済む。それだけでも
朱鷺乃の心には安堵があった。だが、それと同時に、今も震動するこの性具によって引き
起こされている性衝動に何処まで耐えられるのか。
 今も、ガクガクと膝が震えている。内股を伝う雫をハンカチで拭うと、朱鷺乃はそれだ
けで軽く身を震わせた。
「……お待たせ」
 裏口から出ると、そこには参考書らしき本を片手に持った忍が待っていた。
「じゃあ、行こうか」
 至極平然とした顔で、忍。片手をポケットの中にいれ、もう片手には鞄を持っている。
「……んぅっ!?」
 震動が、不意に止んだ。
「あ……はー……はー」
 ようやく責めが止んだ事に安堵した朱鷺乃が、深く息を吸い込む。
「木田? ほら、帰るんだろ?」
 忍は表情を変える事なく、顔を赤らめたままの朱鷺乃にそう話しかける。
「あ……あぁ」
 頷いて、朱鷺乃がフラフラと歩き出す。その隣に並んで、忍は何食わぬ顔で歩き出した。


 それからも、忍は朱鷺乃が人とすれ違うたびに、震動を起こしたり止めたりを繰り返す。
そのたびに、朱鷺乃の身体はビクンと震え上気した顔を見せる。すれ違う男はそんな朱鷺
乃の姿に媚態を感じるのか、思わずマジマジと見つめてくる。女は、そんな朱鷺乃の様子
を訝しげに見つめる。
112天使なんていない-9(4/8):03/12/08 23:23 ID:xsGmLemW
 ――その度に、朱鷺乃は消えてしまいたいと思うほどの羞恥を味わっていた。
「……さか、きぃ」
 家までまだまだ距離がある。だが、もう堪え切れなかった。
 隣に立つ少年の腕に縋りつく。
「お願い……だから……こんな生殺しなのは……」
「何を言ってるの? 木田は調子が悪いんだろ?」
 不思議そうな表情で、忍。その口元に浮かんだ笑みは、朱鷺乃をいたぶる時に見せる、
嗜虐の笑みだった。
「榊……」
 震える腕が、榊の腕を掴む。
「お願い……お願い、します……」
「そんなにしたいんだ?」
 クスクスと笑いながら忍が尋ねる。朱鷺乃は顔を真っ赤にし、涙で潤んだ瞳で忍を見上
げる。その顔に、忍の喉仏が動いた。
「いいよ。じゃあ、どこかに入ろうか」
 朱鷺乃の腕を逆に掴むと、忍は足早に歩き始める。
 一本路地の奥に入れば、そこはホテル街になっている。まだ陽のある間に入る客もいな
いのだろう。人気のないそこで、忍が楽しげに尋ねた。
「木田は何処がいい?」
「何処だって……いいから……っ」
 ビクン、と震えた。
「またイッた?」
 クスクスと笑う声が頭上から響くのを聞きながら、朱鷺乃は必死に湧き上がる快感に耐
えていた。本音を言うなら、もう何処でも良いから犯してもらいたかった。この路地でも
構わない。いますぐ榊忍のペニスを膣に入れて欲しかった。それほどまでに、朱鷺乃の頭
の中は朦朧としていたのだ。
「じゃあ、ここに入ろうか」
 遠くから榊の声が聞こえる。そう思いながら、腕を引かれるままに朱鷺乃はホテルの中
へと連れ込まれた。
113天使なんていない-9(5/8):03/12/08 23:24 ID:xsGmLemW
「ん……ふぅ……んっちゅ……」
「凄いな。そんなに欲しかったんだ?」
 部屋に入るやいなや、朱鷺乃は忍の下半身に跪き、ジッパーを下ろしてペニスを取り出
した。すぐに口で奉仕を始めた朱鷺乃に驚きながら、忍はそう弄うように尋ねる。
 だが朱鷺乃はそんな忍の声など聞こえていないかのように、ただひたすら口の中にある
性器を舌と口腔の粘膜で愛撫し続ける。
「……んっ! く……出る……ぞ」
 朱鷺乃の頭を押さえつけると、忍は腰を前後に揺する。朱鷺乃は喉をできる限り開き、
それを受け入れる。
「ふぅ……っは……んぷ……」
 唇の端からだらしなく泡だった涎が零れ落ちていく。
「イク……ぞっ!」
 朱鷺乃の頭を抑えていた手が、さらに腰へと押し付けてくる。
「ん……むーっ!」
 涙をこぼしながら、それでも朱鷺乃は喉を開いてその全てを受け入れる。喉の奥で爆ぜ
た忍の欲望が、口の中へ逆流してくる。
「ん……ふ……んぷ……」
 こぼさないように、少しずつ飲み込む朱鷺乃から離れながら、忍は息を吐いてベッドに
腰かけた。
「……っはぁ」
 いつもなら、朱鷺乃に対してのセックスでは、常に忍が主導権を握っている。だが、今
日の朱鷺乃は違っていた。忍への受身は変わらない。だが、その行為は常に朱鷺乃から始
まっていた。
「はぁ……はぁ……」
 朱鷺乃がスカートを下ろす。何も身に着けていない下半身が空気に晒される。そこは未
だローターを飲み込んだままで、雫が幾筋も内股を伝い、照明に照らされてキラキラと輝
いていた。
114天使なんていない-9(6/8):03/12/08 23:24 ID:xsGmLemW
「木田……」
「頂戴……ねえ、これ……」
 いつもと違う様子の朱鷺乃に怯えたように、忍の表情が引き攣る。それほどまでに、今
の朱鷺乃の顔は凄艶だった。
 イッタばかりの忍のペニスを再びくわえると、舌で付着した精液をこそぎ落としていく。
さらに舐め、しごき、充血を取り戻す。
「うあ……」
 思わず呻きながら、忍はペニスが再び力を取り戻したのを感じた。
「あはぁ……」
 喜悦の笑みを浮かべ、朱鷺乃が忍の上に馬乗りになる。
「き、木田?」
 秘所に入れたままのローターを勢い良く引き抜くと、朱鷺乃はそれを手にしたまま忍の
ペニスをあてがう。
「ん……ヒーー!」
 ぐじゅ、っと水音を立てて忍のペニスを勢いよく飲み込むと、朱鷺乃は腰を振りたくる。
そのたびに、朱鷺乃の中はぎゅっと締め付けを強め、忍は奥歯を噛み締めてそれに耐えて
いた。
「――あ、はぁ……はひぃ……」
 忘我の域に達しているのだろう。朱鷺乃は虚ろな目をしたまま、ただ衝動に任せて忍の
ペニスを味わい続ける。
「……っき、木田っ……い、イク……!」
「あ、ああ、あああああああーーーーーーーーーーーーー!」
 ぐん、と忍が腰を突き上げる。朱鷺乃の腹の奥で、熱い飛沫が爆ぜるのを感じた時、朱
鷺乃もまた喉を晒して絶頂に叫んだ。
 ビクビクと全身を痙攣させたかと思うと、糸が切れた人形のようにふらりと倒れてくる。
「……う、お、おい? 木田?」
 胸の上に転がった朱鷺乃に驚いた忍の声にも答えず、朱鷺乃は荒い息を吐いたままエク
スタシーの海を彷徨っているようだった。唇の端からは涎が零れ、涙の雫がぽろぽろと零
れている。
 そんな少女の姿を、忍は呆然と見る事しかできなかった。
115天使なんていない-9(7/8):03/12/08 23:25 ID:xsGmLemW
 二人は無言でホテルを出た。
 朱鷺乃はそれまでの自分の痴態を恥じて。忍は朱鷺乃の妖艶さに当てられて。
「……あ、あの」
 ホテルを出て、忍が口を開いた。と、その刹那。
「……木田……さん? それに……しのぶ……くん?」
 忍にとっては、自分の声の次に聞き慣れていた声が、した。
 慌てて振り返る。そこには眼鏡越しに目を大きく見開き、呆然とした顔の栗原透がいた。
「と、透!? なんで、こんな所に」
「ち、近道、しようと思って……。ふ、二人とも、今そこのホテルから……出て、きたよ
ね」
 ぎゅっと拳を握り締めて、透は俯いた。
 そんな彼を見て、忍が慌てた声で弁解する。
「違うんだ! 透! 俺と木田はそんな関係じゃ……」
「いいよ! 木田さんだって、やっぱり僕なんかより忍君の方がいいよね。そうに決まっ
てるんだよね?」
 ボロボロと涙をこぼしながら、それでも透は二人を見て笑った。
「……大丈夫、だよ。僕は、慣れてる……から」
「ち、違う! 透、聞けって!」
 忍が透の腕を掴む。
116天使なんていない-9(8/8):03/12/08 23:26 ID:xsGmLemW
「き、木田が、その、バイトしてたケーキ屋で調子悪くなって、俺が送ってたんだ。だけ
ど途中で本格的にやばくなったから、ここのトイレを借りてたんだよ!」
 言い訳としては、最低の部類だろう。朱鷺乃はそう思いながら、それでも黙っていた。
忍が透と自分を引き離そうとしていると、知っていたから。
「――忍、くん?」
「だから、違うんだ。俺とあいつがそんな関係な訳、ないだろ」
 ぎゅっと、懇願する表情で透を見つめる忍。透は窺うように朱鷺乃へ視線を向ける。
「木田、さん?」
「私とあんたの関係はばれてるけど、ね」
 朱鷺乃は肩を竦めた。
「――榊に釘を刺されたわ。あんたとは、これでおしまい。明日からは気安く声をかけな
いで」
 踵を返す。
「榊も、ここまでで良いわ。大分楽になったから。じゃあね、お二人さん」
 すたすたと歩き去っていく朱鷺乃の後ろ姿を見ながら、忍はなぜか喪失感を感じていた。
透は今、ここにいる。彼に悪影響しか与えないであろう木田朱鷺乃は透から離れると、確
かに約束したのだ。ならば、自分が朱鷺乃をこれ以上どうこうする必要などない筈なのに。
「……木田さん。そんな……」
「忘れろ、透。あいつは、お前を弄んだだけなんだから……」
 今にも彼女を追って走り出しそうな傍らの少年へそう言いながら、その実、忍は自分自
身に向けて、そう言い聞かせていた。
11776:03/12/08 23:29 ID:xsGmLemW
透/忍ルート、一旦終了(w
ときのんは調教されきることなく、再び自由の身となりました。

といった所で、保守完了です。
118名無しさんだよもん:03/12/09 02:14 ID:zrMi9+nq
>76
乙カレー&グッジョブ!


朱鷺乃タン、自由の身となったとは言え明日馬には
薄々感づかれてるみたいだし、
今度は大人の余裕とテクニックに翻弄されるのか?

…って、それじゃ秋人ルートの相沢ゆうと同じかw
119名無しさんだよもん:03/12/09 09:28 ID:3U+Jc086
順調な伸びだ…信じられん。
120名無しさんだよもん:03/12/09 10:20 ID:A2cZv+Lf
(´-`)。оO(ホテル街に透がいた理由が気になる…)
121名無しさんだよもん:03/12/09 10:22 ID:A2cZv+Lf
あ 近道か。ぼけてた。木田でも探してたのかと思った∧||∧
122名無しさんだよもん:03/12/09 13:38 ID:AIcE5y5P
朱鷺乃タンを介して皆穴兄弟になりそうな勢いだな
良いねぇ、実に良いねぇ
123名無しさんだよもん:03/12/09 14:22 ID:L3VinSoL
最後は朱鷺乃、忍、透、明日馬、真、雪雄、恵の7Pでフィニッシュ?
124名無しさんだよもん:03/12/09 21:40 ID:VUFM12IF
百合三昧
反転久瀬君を舞と一緒に可愛がる佐祐理さん。
反転潤ちゃんと栞を同時に可愛がる女王カオリン。(でもほのぼの)
反転祐一&真琴と仲良くやってる美汐。(ここはなんとなくほのぼの)
実の娘と養女にしたあゆを子猫ちゃんにする秋子様。(ここだけ反転なし)
125名無しさんだよもん:03/12/09 21:52 ID:O4y2lJ0o
んー、個人的には朱鷺乃タンが自由の身となるのなら、屈服せずに
体は許しても快楽には流されないというスタンスを貫いて欲しかったかな。
いや、おねだりする朱鷺乃タンにも十二分に萌えましたが。
126名無しさんだよもん:03/12/09 21:59 ID:STK74V2S
朱鷺乃もいいが、祐子タンとかふゆとかも見たいな。と思う漏れは贅沢者でしょうか。
127名無しさんだよもん:03/12/09 22:17 ID:Z69GeEP0
>>125
朱鷺乃は自分のペースを崩されると弱いタイプなんでしょう。
見た目より精神的に脆いっぽいし。
128名無しさんだよもん:03/12/09 22:18 ID:ZpxrcPRP
>>124
ラストに藁他。
つーか秋子さん…
129名無しさんだよもん:03/12/09 23:54 ID:STK74V2S
>>124
>反転祐一&真琴と仲良くやってる美汐。(ここはなんとなくほのぼの)

ここは絶対に、タッグを組んだ二人に美汐が呆れるような気がする。
130名無しさんだよもん:03/12/10 00:31 ID:4bfoWBIj
>>126
自分で書いてみるのもいいと思いますよ。
書きたいモノを書いてみて、出来たら結構面白くて…なんて。
131反転長瀬ちゃんの予感:03/12/10 01:38 ID:HTHFbEBn

 夢であればいいのに

 悪夢でもなんでも、夢であれば覚めてくれるから。
 長い夢になっても、いつかは終わってくれるから。

 だから、夢であればよかったのに。
 頬を抓っても痛くないような、優しい夢なら。
 そんな夢なら、よかったのに―――

「……なぜ、僕は女の子になっていますか?」
 酷いや神様。
 OK、地球破壊爆弾とかの妄想で貴方の仕事を奪ってすみませんでした。
 しかし、天罰とかそういう類は、どうか勘弁してもらえないでしょうか。
 最近なんか女の子にモテてきたかなー、とか思ってごめんなさい。
 瑠璃子さんとか沙織ちゃんとかとデートしちゃってごめんなさい。
 ああでも、二人で一緒に食べたソフトクリーム美味しかったな。
 ほっぺに付いたのを取ってもらったりもらわなかったり。むしろ取ったり。
 あれは瑞穂ちゃんとだっけ?
1322:03/12/10 01:39 ID:HTHFbEBn

 そんな過去への現実逃避。しかし、鏡に移った僕の身体が、否が応でも僕を現実

に引き摺り戻す。
 というか、なんで僕が女の子にならねばならないのだろう。
 なんか胸とかあるし。
 薄いピンク色の突起とかあるし。いや、それはもともとあるけど。
 これ、どうしよう。
 
 顔立ちも、なんというか女の子っぽくなってるし。
 もともと女っぽいと言われてたけど、もはや普通に女の子の顔だし。
 ぎりぎり気付かれないかもしれないくらいではあるけど。

 時計を見る。八時十五分。
 学校はどうしよう。そろそろ遅刻するし。

 そもそもこんな状況下において、学校とか気にしてる場合ではない気がするけど


 そこはまあ僕も高校生らしさというか、若者の脆弱な自己形成の大部分を担って

いるわけで。
 終末が迫ったり人類が滅亡したりしても、意味もなく学校へ向かってしまうんだ

ろうなあ、と思ったり。
 そりゃ最近やったゲームの話か。

 ……とりあえず、学制服なら胸もそんなに目立たないかな。
 今が夏じゃなくて良かった。

1333:03/12/10 01:40 ID:HTHFbEBn


 あたしこと新城沙織、現在恋愛真っ最中。
 祐くんをめぐる激しい争奪戦を繰り広げる悲劇のヒロインなのだっ!

 そんなわけで通学途中、祐くんの様子がおかしいことにはすぐに気付いた。
 なんだかそわそわして、落ち着きがないのだ。
 かと思うと、肩を落としてため息を吐いたり。

「どしたの、祐くんっ」
 後ろから腕を取り、いきなり組む。
 ライバルそのいち、そのにのみずぴーとるりるりにはできない技なのだ。
 もっとも、るりるりはもっと凄いことを平然とやることがあるけど。
「……ああ、おはよう沙織ちゃん」
「むー、祐くん元気ないねー」
 ぐりぐり、胸を押し付ける。
 普段なら慌てて可愛い反応を見せてくれるのだけど、
「あー、ちょっと待った沙織ちゃん。今は駄目」
 淡白な反応しか返ってこない。
「……大丈夫? 体調悪いの?」
 頭に手をあててみる。特に熱いということはない。
 むう。
 顔をじっと見つめる。
1344:03/12/10 01:41 ID:HTHFbEBn
「ど、どうしたの?」
 むうむう。
 なんというか、可愛い感じの顔だとは思っていたけど。
「……祐くんって、ここまで女の子顔だっけ?」
「な、ななななんのことかな沙織ちゃんっ? ぼ、僕はもともとこんな顔だよっ?


「そだっけ?」
 なんだかおかしい。
 そもそも、この突然のうろたえようが怪しい。
「声もちょっと普段と違う気がするし」
「そ、そうそう、ちょっと風邪ひいちゃってね。熱は出ないんだけどね喉がね」
「……いつもより声が澄んで高くなっている気がするんだけど」
 普通、喉を痛めたら低く、ガラガラになるんじゃないかな。 
「ああ、えっと、ボイストレーニングの賜物だよ」
 そんなわけないよね。
「……祐くん、なにか隠し事してる?」
「あー、いや、そんなことはないようなあるようないないいないばあ」
 あるみたいだ。
「悩み事?」
「……あー、うん、まあ、そんな感じ。でも相談はできないタイプの悩み」
 さすが祐くん。相談にのって新密度アップ作戦を未然に防ぐとは。
 しかし! ここで祐くんの悩みを少しでも解決しないことには、あたしの気が済

まないのだっ!
 祐くんってなんか、悩みをほっといたら屋上から飛び降りちゃいそうだし。
 というわけで、大胆励まし作戦決行ぅっ!
1355:03/12/10 01:42 ID:HTHFbEBn

「えいっ」
「うあっ!? むぅぅっ!?」
 正面にまわりこんで、抱きつく。そしてすかさずキスで口を塞ぐ。
 なんだか、すごくどきどきする。
 そもそも今は通学途中だし、道行く人たちの視線がちょっと痛い。
 でも止めない。むしろより力を込めて。
 祐くんの髪の香りとか、なんだかくらくらしてくる。
「んっ、ふぅ……んっんんっ……あむ……ぷぅっ」
「んんんんんんっ!!!? ふあっ、な、沙織ちゃん、何を……っ」
 二人の唾液で少し濡れた、ぷっくりと艶めいた祐くんの唇。
 あかくて、美味しそう。
 よくわかんなくなってきた頭は、もう一度それを要求する。
 また、あたしは唇をあわせた。
 身体を強く密着させる。
 柔らかい。気持ちいい。

 ……柔らかい?
 なんだか、女の子みたいに、柔らかい?
 学生服の上からじゃよく分からないけど、本当に華奢な身体。
 というか、柔らかい胸がちょっとでてますが何故に?
 唇を離す。名残惜しいけど。
「……あ、あのさ、祐くん。あたしの気のせいかもしれないけどさっ」
 心臓がバクバク高鳴っているのをむりやり抑える。
 もっと大切なことがあるから。
「悩みってもしかして、そのぅ……体質的なことだったり、する?」 
 
136131-135:03/12/10 01:44 ID:HTHFbEBn
とりあえず、参戦。
ええと、続くかどうかはあいまいな感じでどうにか。
137131-135:03/12/10 01:56 ID:HTHFbEBn
_| ̄|○ <ズレてるし

メモ帳の『右端で折り返す』機能のばかぁっ!
138名無しさんだよもん:03/12/10 02:01 ID:rVM2GC1T
実はそこに突っ込もうと思ったのだが、
先に自分で突っ込んだかw

とりあえず萌える内容なので、
続きを楽しみにしてます。逝`!
139名無しさんだよもん:03/12/10 04:05 ID:AF5IGPll
久々の性転換モノですな。
続きが楽しみです。
さおりん暴走気味?w
140名無しさんだよもん:03/12/10 08:35 ID:P1sQrhVM
性反転→整理のコンボまだ〜?
141名無しさんだよもん:03/12/10 20:42 ID:V2Kcuthr
さおりんの猪突猛進っぷりが素敵
142名無しさんだよもん:03/12/10 22:41 ID:tlw4Usdx
えーと流れぶった切ってスマン

一瞬、反転大志かと思ってしまった↓
ttp://zip.2chan.net/5/src/1071040304784.jpg?
143名無しさんだよもん:03/12/10 23:33 ID:OOgeZV65
>>142
確かに・・・そう見える、な
144名無しさんだよもん:03/12/10 23:34 ID:6S3qU5q8
>>142
確かにそう見えるが…きもいものを連想させないでくれ。
14576:03/12/11 00:04 ID:okmTAd6L
>>142
えーと、春恵さん?

では、反転天使番外編いきます。4レスほど。
146天使なんていない-ex01(1/4):03/12/11 00:05 ID:okmTAd6L
 うちの姉貴は、世間で言うところの不良という奴だ。
 素行悪し。見たことはないが、喫煙だってしてるだろう(吸殻が部屋のゴミ箱に入って
いたから)
 学校をサボるなんて日常茶飯事。夜の街をうろついてる事も多い。
 同じ学校に通っていると、尚更にそういう事が目に付く。「ああ、あの木田の弟か」と
言われるのだ。
 俺がいくら真面目にしていても、『あの木田の』という形容詞が消える事はない。
 俺はそれが酷く不愉快だった。同じ高校に進学する事になったのは、他に選択肢が無か
ったからだ。正直、姉貴がこの学校に合格したっていうのは、今考えると不思議でしょう
がない。
「でもさ、木田先輩って、普段は『かったるい』って顔してるけど、時々すごく優しい顔
するよね」
 親友の葉月真がそう言うのを聞いても、俺には信じられなかった。
 入学してすぐに、姉貴の素行不良については嫌というほど教師に聞かされた俺としては、
真が気を遣ってくれているのだろう程度の認識だったのだ。
「姉貴が優しい? んなコトねえだろ」
 真は「そうかなぁ」と首を傾げる。
147天使なんていない-ex01(2/4):03/12/11 00:05 ID:okmTAd6L
「僕、入学式で道に迷ったじゃない」
「……ああ、そういえば遅かったな。来るの」
「うん。その時ね、道を教えてくれた先輩がいたんだ」
 初耳だった。
「そこの中庭の隅っこの方で、一人でいた先輩だったんだ。その人がね『入学式の会場な
らそこをまっすぐ行った方が早いわよ』って。ついでに『今度は気をつけなさい』って、
言って笑ってくれたんだ」
 真がはにかんだように笑う。
「……まさか」
「それが、木田先輩だったんだよ。驚いたよ。恵の家に遊びに行ったら、あの時の先輩が
いるんだもん」
「いや、お前、そんな素振り全然見せなかったじゃないか」
 あの時の真は、姉貴の剣呑な視線に驚いたとばかり思っていた。
「……うん。だって、先輩、僕のこと見ても何も言わなかったし。忘れられてるのかなっ
て思ったから」
 そしたらね、と真が続ける。
「帰り際に言ってくれたんだ。もう迷ってないよね?って」
「……初耳だぞ」
 俺の呆然とした呟きに、真が照れたように笑う。
「ごめん。なんか、改めて実の弟に言うことじゃないと思って、さ」
 そう言われると、それ以上の追求はできなかった。
148天使なんていない-ex01(3/4):03/12/11 00:06 ID:okmTAd6L
 こんな事を思い出すのは、今、自分が熱を出して寝込んでいるからだろうか。
「……だりぃ」
 昨日の晩から妙に寒気がするとは思っていたが、やはり熱を出してしまったようだった。
 ベッドから起きることもできず、俺はぼんやりとした頭を抱えている。
 時計の針はそろそろ一時間目が始まる頃だろうか。
「うう……」
 と、不意にドアが開いた。
「恵? 珍しい。靴があるからどうしたかと思ったら」
 そこにいたのは姉貴だった。制服姿で、珍しそうな顔で俺に近づいてくる。
「……恵? ちょっと、あんた……」
「んー。風邪、引いたみたいだ……」
 姉貴の手が、俺の額に触る。ひんやりとした感触が、妙に心地よい。
「……随分熱が高いわ。病院行く?」
「……動くのもかったるい」
 俺が億劫な口を開いてそういうと、姉貴は困ったような顔をした。
「しょうがない。……薬持ってきてあげるから。大人しく寝てなさい」
 ぽん、と俺の頭を軽くたたくと、姉貴の姿が部屋から消える。それまで感じなかった部
屋の静けさが、妙に沁みてくる。
 少しして、姉貴がドアから顔を出した。
149天使なんていない-ex01(4/4):03/12/11 00:07 ID:okmTAd6L
「恵。あんた、お粥なら食べられる?」
「……ダメ。今はなんも食いたくない」
「……分かった。じゃあ、こっちだ」
 姉貴はお盆に水差しとコップ。それに多分市販の薬の箱に、もう一つ、何かを持ってき
ていた。
「ほれ。これお腹に入れて。何もなしで薬飲むと、身体に悪いから」
 それは、ゼリータイプの栄養補助剤だった。
「それ食べたら、これ飲みな。そしたら、とりあえず、寝なさい。学校には連絡しとくか
ら」
「……姉貴?」
「馬鹿でも風邪は引くのね」
 ふっと笑うと、姉貴の手が俺の髪を撫でる。その手が、ひどく優しく感じたのは、俺が
病気で心細くなっているからだろうか。姉貴の口元を彩る微笑みが、昔見た『優しいお姉
ちゃん』のそれと同じように見えたのは、俺の錯覚だったのだろうか。
「ほら、早く飲んじゃいな」
 姉貴の髪が俺の肩口で揺れる。痛んだ様子のない、生まれつきの赤みがかった髪。
 見上げると、姉貴の白い喉や細い顎や、すっと通った鼻筋が見える。
「恵?」
 俺の視線に気付いたのか、訝しげに姉貴が俺を呼ぶ。
「具合悪い? やっぱり病院に行く?」
「……ん。いい。寝とけば、治る」
 姉貴は俺が寝付くまで、俺の隣に居てくれたようだった。
15076:03/12/11 00:11 ID:okmTAd6L
>>146-149
放っておくと、いつまでも出番のなさそうな木田弟と葉月真コンビでした。
というか、副題「うちのおねえちゃん」とか、そんな感じで。


>>131-136
良いです。なんか、正統派って感じで。
続き楽しみです。
151名無しさんだよもん:03/12/11 00:46 ID:BQReaBpY
反転物、実にいいですわい。
152名無しさんだよもん:03/12/11 01:36 ID:G7CqJ9Sh
さおりんって「のだ」キャラだったっけ。そうでもないと記憶してるが…

>150
とっさに「うちのお姉ちゃんの場合」とか浮かんだ漏れはどうしましょう。(;´Д`)
153名無しさんだよもん:03/12/11 02:37 ID:ZGsgBY8Q
>>146-149
エロエロもいいですがほのぼの優しい話もいいですなぁ(*´д`)


>>152
その姉かださい
もしくはお義兄ちゃんと呼ぶが良い
154名無しさんだよもん:03/12/11 09:01 ID:5zqXrUnB
teikisage
155名無しさんだよもん:03/12/11 14:10 ID:vuUzEiR0
>152
さおりんは、おまけシナリオラストにて「これでいいのだっ!」と言ってますよ、たしか
それと>131-135でも、台詞中には「のだ」とは入ってませんのだ

>150
おでこで熱をはかってほしいようなお姉ちゃんでつね
156152:03/12/12 00:20 ID:khy5e/BE
>153
なんぞ勘違いされてる気がする…うち妹って知ってます?

>155
台詞には無いけどさおりんの心の声に「のだ」が目立った様に思えたので。
…別のところのネタのせいで「のだった」に敏感なせいかw
157反転長瀬ちゃんの予感:03/12/12 03:21 ID:wO45MEC6

 ……どうしよう。
 祐くん、凄く困っている。もう脂汗だらだらって感じ。
 あたしとしても、祐くんを困らせることが目的じゃない。
 言って、少し後悔した。

 けど、これはチャンスかもしれない。
 るりるりみたいに優しく包み込む作戦、決行。

 ぎゅっ、と。
 体温が感じられるように、柔らかく抱きつく。
 咄嗟に身を引こうとする祐くんを、離さないように。
 ついでに、背中と後頭部に廻した腕で、ぽんぽん、としてあげる。
「沙織、ちゃん」
 びくっと震えたあと、恐る恐るあたしにも腕が廻される。
 なんだか、とても愛らしい。
「……ごめんね、祐くん。聞かれたくないんだよね」
 耳元に顔を寄せて、囁くように。
 お互いの顔は見えない。
 少し残念だけど、祐くんは今、顔を見られたくない様だったから。
1582/3:03/12/12 03:22 ID:wO45MEC6

「でもね、一つだけ教えてほしいの」
「う、うん。何?」
「……祐くん、不安なの?」
 きゅ、と祐くんの身体に力が篭もる。
「……うん」
「そっか」
 あたしは、より密着を強くする。
「……知られるのが怖い、のかな。自分でもよく分からないんだけど」
「知られるって、あたしに?」
「誰に対してもだけど、特に沙織ちゃんや瑠璃子さん、瑞穂ちゃんには」
「……祐くんの好きな娘三人だね」
「……ごめんね、優柔不断で」
「んーん、いいよ。祐くんだから」

 とっても近い場所での会話。息遣いすら聴こえる距離。
 やっぱり、今の祐くんには胸がある。けど、それは黙っていることにする。
 多分、それが悩みの原因だろうから。
 祐くんが、自分から言い出すまでは、励ますだけでいい。
1593/3:03/12/12 03:24 ID:wO45MEC6

「……大丈夫だよ、祐くん。うん、大丈夫」
「どうして?」
「あたしは、何があっても祐くんが大好きだからっ」
 胸を張って言える。
 あたしは祐くんが大好きだ。
「もちろん、るりるりもみずぴーも、きっとそうだからっ!」
 身体を離して、正面から言う。
 道のまんなかだって、一切気にしない。
「新城沙織は、長瀬祐介を愛してますっ! これでどうだ、祐くんっ!」
 祐くんは、はにかんだ笑顔を見せてくれた。
「……うん。ありがとう、沙織ちゃん」
「よしっ、元気でたかっ!」
「そうだね、道端ではあまり叫ばないで欲しいかな」
「よっしゃあ普段の祐くんだねちくしょーっ!」
 気付けば周りには、もう人が誰もいなくなっていた。
 通学中だったのに。
 ということは、
「……僕たち、完全に遅刻だね」
「……あう」

160157-159:03/12/12 03:26 ID:wO45MEC6
 あまり反転の必要がないのは仕様ではありません。
 ええと、次回は必ず、きっと、多分、もしかしたら、万が一。そんな感じで。

 さおりんって可愛いなー。
161名無しさんだよもん:03/12/12 07:48 ID:KgnhYB8O
teiki
某スレより、レイープされたときの反応タイプ。

1・黙って犯される無口娘
  「・・・ん・・・私を犯してるの? そう・・・」
2・ひたすら許しを乞い、助けを求め泣き叫ぶ娘
  「嫌! 嫌! 嫌あああ! お願い、お願いです、止めて、許して! あああ!」
3・小さく嗚咽を漏らす他は、声も上げずボロボロ涙をこぼし続ける娘
  「うっ、うっ・・・んんんっ! うっ、くっ・・・ううう・・・うあああ・・・」
4・殴る蹴るの抵抗、でも挿入されると絶望して死んだ魚の目になる娘
  「けだものっ! やめろっ、放せえっ! やめろおっ・・・うあああ! あっ・・・あああ・・・やめ・・・て・・・」
5・犯されながらも、食いしばった歯の隙間から呪詛の言葉を吐き続ける娘
  「うっ、んっ! くっ・・・うあ、あ! 畜生、畜生っ・・・殺してやる・・・きっと殺してやる・・・うううっ・・・」
6・痛い苦しいは分るけれど、性の知識がないので何が起こっているのか理解できない娘
  「きゃんっ! な、何? 変な感じ・・・うあああっ! や、痛い、何か入ってくるっ! 何をしてるんですか?」
7・犯られてる間に感じ始め、自ら腰を振って脚を男の腰に絡めてくる娘
  「、、、、あっ、、んんっ、、ああっ、あんっ、、あぁ〜ん!!」
8・レイプされてるのに不敵に笑い逆に嘲弄してくる娘(w
  「くっくっくっ・・・それで犯してるつもり? 私を陵辱してるつもりなの? ふふふっ・・・」

この質問このスレでやっては
駄 目 で す か ?
163名無しさんだよもん:03/12/12 16:44 ID:jSQhbM+v
>>162
駄目です
うちは間に合っているので他を当たって下さい
164名無しさんだよもん:03/12/12 17:06 ID:PJwff0cW
>>162
3,7は朱鷺乃
2は祐子
8ははじめ

あたりかな。あとは未出っぽい
165名無しさんだよもん:03/12/12 23:33 ID:18PpYRAn
少女版往穂って6っぽいかも……
あと裕子さん絶対8
166名無しさんだよもん:03/12/12 23:49 ID:SGaANHzB
>>164
8ははじめと言うより貧乳耕一♀の方だろう。
167萌虚仮 ◆VDVqNOfj.c :03/12/12 23:50 ID:swbJUmuL
はじめさんは、どっちかってーと3か7のような。
8は反転耕一の方かと。
168名無しさんだよもん:03/12/12 23:58 ID:vfiUj2Kp
前に、「四兄弟に監禁されて普通に犯されてる裕子さん」ってネタがあったがな。
そっちでの反応はタイプ3。
169名無しさんだよもん:03/12/13 00:03 ID:SfPfUAIm
ふゆは2か3。
浩子は3→7のコンボでw
あと裕子さん絶対8
170名無しさんだよもん:03/12/13 00:10 ID:0tFkFKTB
奏たんがどれに入るか判らん。1と3と7キボンヌ。
171名無しさんだよもん:03/12/13 00:14 ID:busS5Elv
個人的には、樹は4であって欲しい。
あと裕子さん絶対8w
172名無しさんだよもん:03/12/13 01:00 ID:+6CoI4S3
何でこんなに裕子さんが大人気なんだw

あと裕子さん絶対8
173名無しさんだよもん:03/12/13 03:52 ID:bkaaeiKn
かつてない盛り上がりですな、おい。
坂神蝉枝  あえて言うなら5。けど激昂しながらではなく静かに言いそうだ。
ハクオロ 3か4。
那須牟祢  強がり入りで8。
折原ひとみ 4の後1になりそうだ。
月島拓美(末期)さんも8っぽい。 
174名無しさんだよもん:03/12/13 18:04 ID:REq1C+74
初音くんは2。
楓くんは3。
瑠璃くんは7。

あと裕子さん絶対8
175天使なんかいない-10(1/8):03/12/13 19:23 ID:8Y82tvAe
「最近、来ないね。彼」
「え?」
 維納夜曲でのバイトの最中、不意に明日馬さんが私にそう言った。
「『彼』? 誰です?」
 私の答えに、明日馬さんは「またまたー」とニンマリと笑う。
「ほら。サカキ君だっけ? あの真面目そうな子。最近来ないじゃない」
「ああ」
 丁度、お客が途切れる時間になっていた私たちは、立ち話に興じる。けれど、この話題
はあまり楽しいものでは無かった。
「違いますよ。あいつは私とは全然関係なくて」
「え。でも送ってくれたじゃない」
「クラスの委員長なんですよ。ほら、私ってこんなじゃないですか」
 両腕を広げて、自分を見せる。
「クラスでも名うての不良でして。あいつ、私の天敵なんですよ」
 笑うと、明日馬さんが目を見張っていた。
「不良? 朱鷺乃ちゃんが?」
「不良っすよー?」
 クスクスと笑うと、明日馬さんは首を傾げた。
「おっかしいなぁ。俺、朱鷺乃ちゃんは真面目な子だと思ってたけど。仕事とか真面目に
するじゃない。そりゃ少し外見は派手だけどさ」
「外見が派手なら、十分うちの学校なら不良なんですよ。それにほら、最近はマスターが
怒るから吸ってないですけど、煙草も吸ってましたし」
「へえ。じゃあ、本当にカレシじゃないんだ」
 明日馬さんが裏を見通すような目で、私を見る。
「違いますよ。私、そういうの居ませんから」
 そう。あいつは私の弱みを握って、栗原に近づかないようにしていただけの男。そのつ
いでに性欲の捌け口として、私を利用した男。
 ――ただ、それだけのはずだ。今だって、学校では私の事を見ようともしない。目が合
ったと思えば、奴はすぐに目を逸らす。無視しようとしているんだろう。
 奴の正義感からすれば、女の弱みを握って強姦だなんて、特級の後悔事項だろうから。
176天使なんかいない-10(2/8):03/12/13 19:25 ID:8Y82tvAe
「へぇ」
 明日馬さんは笑う。
「じゃあ、さ」
「え?」
 明日馬さんが、さらり、と私の腰へ手を回す。
「俺、朱鷺乃ちゃんのカレシに立候補しようっかな」
 年上の余裕の微笑みを浮かべたまま、明日馬さんの唇が私の唇に重なった。


「……な、何すんですかっ!」
 私は明日馬さんから身体を離すと、力の限り明日馬さんの頬をぶん殴った。
「いってー!?」
 明日馬さんはそのままカウンターにしたたかに背中を打ちつけたようだった。
「何すんの、朱鷺乃ちゃん!? しかも、女の子がグー!?」
「何すんのはこっちの台詞です、明日馬さん!」
 真っ赤になった顔をそのままに、私は目を白黒させている明日馬さんを睨みつける。
「いきなりキスしてくるなんて、どういう了見だ、あんたは!」
 思わず地の喋り方が出てくる。
「あー。やっぱ、そっちが地なんだ。朱鷺乃ちゃん」
「はぁ!?」
「いや。やっぱ丁寧語の時って、なんか無理があるみたいだからさ」
 クスクスと笑うと、明日馬さんは私が殴った頬をさする。
「おー、痛。いやぁ、腰の入ったパンチだったわ」
 明日馬さんは不意に真面目な顔つきになる。
「でも、さっきのキスは冗談じゃないよ。俺、朱鷺乃ちゃんが好きだから」
 また私の前に立つ。明日馬さんが、腰をかがめて私に視線を合わせた。
「だから、さ。俺のこと、真剣に考えて欲しいんだ」
「……明日馬、さん?」
177天使なんかいない-10(3/8):03/12/13 19:25 ID:8Y82tvAe
「朱鷺乃ちゃんの事、前から可愛いと思ってたんだ。俺は」
 ニコリと笑う。その笑顔は大人の余裕の笑みで、そして私の心にゆっくりと染み込んで
来た。
「……あの」
「返事はすぐじゃなくていいよ。ああ、でもあんまり待たせないで。待たされる分だけ、
期待しちゃうからさ」
 ポンと肩を叩く。
「じゃ、お仕事戻りますか。叔父さんに睨まれたくないしね」
 丁度、お店のドアのベルが鳴る。
「いらっしゃいませー」
「い、いらっしゃいませ」
 それからの明日馬さんは、さっきの言葉などまるで忘れてしまったかのように、いつも
通りの仕事振りだった。

 ロッカーで着替え、朱鷺乃は深くため息を吐きながら店を出ようとした。だが、そこで
足が止まる。
「明日馬さん?」
「や。朱鷺乃ちゃん。待ってたよ」
 ニコニコと笑顔を浮かべたままで、朱鷺乃を迎える明日馬。そんな彼の顔を見て、訝し
げに朱鷺乃が眉を寄せる。
「どうか、したんですか?」
「陽が落ちるのも早くなってきたし、朱鷺乃ちゃん一人で帰すのは危ないじゃない。だか
ら、俺が送っていこうと思って」
「結構です」
「まーまー、そう言わないで。叔父さん、俺もこれで失礼しますね」
 厨房に向けて声をかけると、明日馬は朱鷺乃の背中を押して店を出る。
「ちょ、ちょっと、明日馬さん?」
178天使なんかいない-10(4/8):03/12/13 19:26 ID:8Y82tvAe
「お兄さんにポイント稼がせてよ。ね?」
 慌てる朱鷺乃に、器用にウィンクをしてみせる。そんな明日馬に、朱鷺乃の表情に苦笑
いが浮かんだ。
「お。その顔は許してくれるって顔かな?」
 にまーっと笑い、明日馬がドアを閉める。
「いいですよ、もう。どうせ何言ったって聞きゃしないんでしょ?」
 朱鷺乃の言葉に笑うと、明日馬は夜道を歩き出した。

「朱鷺乃ちゃんは、将来はどうしたいとかって、考えている?」
「は?」
 夜道を歩きながら、不意に明日馬がそんな事を聞いてきた。
「なんです? 急に」
「ん。朱鷺乃ちゃん。もうすぐ三年でしょ? 進路とか、言われる頃じゃない?」
「そうですねぇ……」
 確かに学校では事あるごとに軽い進路相談が行われている。けれど、朱鷺乃にとってそ
れはあまりにも現実感が無かった。保護者を呼んでの三者面談も行われていないし、そも
そも両親ともろくに顔を合わせない生活を続けているのだ。教師の言葉は右から左だった。
「わかんないです」
 だから、そう答える。正直に。
「私は……今までずっと目的なんて無かったから。明日馬さんやマスターに会って、初め
て自分が何も考えてない子供だったって、分かったから」
「――朱鷺乃、ちゃん?」
「だから、今はまだ、何も」
 照れ笑いが浮かぶ。そんな朱鷺乃の横顔を、明日馬はじっと見つめる。
「ふーん。そっか」
「そうなんです」
 それだけ言うと、二人は無言で歩いた。街灯のない薄暗い夜道の途中で、朱鷺乃の足が
止まる。
179天使なんかいない-10(5/8):03/12/13 19:27 ID:8Y82tvAe
「あ、そこが家なんで。ここで良いですよ」
「玄関まで送るよ」
「いえ、本当にあとちょっとですから」
「ダメ。そのあとちょっとで何かあったら、俺が嫌だから」
「――明日馬さん」
「朱鷺乃ちゃんのこと、好きだって言ったの。冗談じゃないからね」
 朱鷺乃の腕を掴んで明日馬が歩き出す。
 引きずられるように、朱鷺乃の足が動く。そして、家の玄関の前で止まった。
「……あの、明日馬さん。ありがとうございました」
「いいって。じゃあ、ね。朱鷺乃ちゃん」
 明日馬は微笑むと、朱鷺乃の頭に手を回す。
「――!?」
 一瞬。まさに、ほんの刹那、明日馬の唇は再び朱鷺乃のそれと重なっていた。
「あ、明日馬さんっ!」
「あはは。じゃ、また明日」
 朱鷺乃が拳を握り締める前に、明日馬は駆け足で家の前から遠ざかっていった。。その
背を見送り、朱鷺乃はため息を吐く。
「……ったく」
 けれど、明日馬の気遣いが嬉しいという事だけは、事実だった。



180天使なんかいない-10(6/8):03/12/13 19:28 ID:8Y82tvAe
 私と明日馬さんの距離が縮まるまで、それほどの時間は必要なかった。子供じみた刺々
しさを持つ自分に対して、彼はあくまでも大人としての距離を保ちつつ、ゆっくりと距離
を縮めていったから。
「――ね。朱鷺乃ちゃん。明日、デートしない?」
 そう言われて自分が頷いたのは、きっと、明日馬の大人びた包容力を魅力と感じたから
だろう。

「楽しかった?」
「ええ。すごく」
 休日に久しぶりにはいたスカートは、維納夜曲の制服よりも丈は長い。けれど『女性』
であることを自分から主張する服を着ることに、私はまだ戸惑っていた。
 彼は一日、私を楽しませることを主眼において、ずっとエスコートしてくれた。車を出
して、水族館から始まって眺めの良い海沿いの道を走って、食事をして。
「……あの、ありがとうございました」
 だからだろうか。こんなにも素直にお礼が言えた。
「いいよ。それにこれからクリスマスで忙しくなるからね。その分の前払いって事で」
 器用にウィンクしてみせる彼に、私は苦笑いを浮かべる。
 ――自分の中にある、拘りのようなものを溶かす、その優しい笑顔。それが、多分、好
きなのだろうと思う。
「それに下心は一杯あるからさ」
 ギアを変えて、少し速度が落ちる。
「だから、お礼を言われると、少し困る」
「……あの、明日馬さん?」
「冗談なんかじゃないからね?」
 ちら、とこちらを見る瞳が、とても真剣だと感じた。私は何度か呼吸を繰り返し、心拍
の上がった心臓を落ち着かせようとする。
181天使なんかいない-10(7/8):03/12/13 19:29 ID:8Y82tvAe
「――今日、来てくれたのって、さ。脈があると思っていいのかな?」
 明日馬さんが車を路肩に停めた。横を後ろから来た車が追い抜いていく。それを構う様
子も見せず、明日馬さんは私を横目で見つめる。
「……私なんかじゃ、明日馬さんにはつりあいませんよ」
「そんな事ないよ」
「あります。私が学校でどんな風に言われてるかなんて、知らないでしょう? 『不良』
『鼻つまみ者』『屑』……『売女』」
 明日馬さんの視線から目を逸らし、私は続ける。
「ね? 私なんかじゃ、明日馬さんには相応しくありませんよ。明日馬さんには、もっと
こう穏やかで優しくて綺麗な人が……」
「なに言ってるの。朱鷺乃ちゃんは優しいし、綺麗だよ?」
 遮るように、明日馬さんの手が伸びる。
「不器用なんだね、君は」
「え?」
「……誰も君の本当を認めてくれない。人間は外見に振り回されるから。だから、君はみ
んなが思う『木田朱鷺乃』になってしまったんだね」
「……明日馬、さん?」
 明日馬さんは、とても優しく微笑む。
「ねえ。俺は、君の本当の姿を知ってるよ? 優しくて真面目で、真剣に生きようともが
いてる。そんな君だから、俺は好きになったんだ」
 そっと、明日馬さんの手が、私の髪を撫でる。
「……だから、そんな風に自分を貶めなくても、いいだろ?」
「明日馬……さん」
 明日馬さんがゆっくりと近づいてくる。目を閉じた私の唇に、明日馬さんの唇が重なっ
た。


182天使なんかいない-10(8/8):03/12/13 19:30 ID:8Y82tvAe
 ホテルの部屋で、明日馬に組み敷かれたままで、朱鷺乃はただ喘ぎ声を上げ続ける。
「や、あ、あ! んあっ! ひぅっ!」
 ガクガクと腰を震わせるたびに、秘裂から雫が溢れるのが分かる。溢れた雫を掻き出す
様に、明日馬の指が踊る。
「あ、明日馬さんっ! そ、それ、ヤダっ! だ、ダメェッ!」
「感じて。朱鷺乃ちゃん。ほら、もっと」
 明日馬の舌がぬるっと膣内へと入り込む感触に、朱鷺乃の身体がビクンと震える。
 喉をからすほど叫びながら、朱鷺乃は感じたことのない快楽に朦朧とし始めていた。
「凄い感じやすいんだね、朱鷺乃ちゃん」
 何度イッたか覚えてもいない。ただ、明日馬がそう言って笑うのを、見た。
「俺のを入れたら、どうなるかな。ねえ、俺なしじゃ生きていけないかもよ?」
 悪戯っぽく笑う明日馬に、朱鷺乃の口元が緩む。
「……して」
「え?」
「明日馬さん無しじゃ生きていけないような、そんな私にして」
 懇願する言葉に、明日馬の喉がグビリと鳴る。
「いいの……?」
 囁き声が、耳元で窺う。
 頷いた朱鷺乃は、秘裂を貫く逸物に声を失った。
「……っはぁっ!」
 明日馬の腰が、朱鷺乃の奥へと突き進む。
「いいよ、朱鷺乃ちゃん……!」
「あ、すまっ……ああっ!」
 押し流されるように、朱鷺乃の頭が真っ白になる。
「あ、あああっ!」
 叫ぶ声と共に、意識が漂白された。
18376:03/12/13 19:34 ID:8Y82tvAe
ときのん、ほだされ編(w
184名無しさんだよもん:03/12/13 19:47 ID:r+T0yrIT
キタキタキタキタ━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━!!!

こういう展開だとはやくもこの後のブラック明日馬さんの出番が楽しみです、はい
185名無しさんだよもん:03/12/13 22:43 ID:J36ZIMe8
これはすばらしい反転ですね。
186名無しさんだよもん:03/12/13 23:34 ID:bnyGxJlW
やっぱ、明日馬にとっては遊びなのか…?
マジで朱鷺乃が壊れるかも。


ところで、
前スレの「葉鍵ファイト2003」ネタ、まだ続き期待しててもいいのかね?
187名無しさんだよもん:03/12/14 15:42 ID:rEJ/mG/l
朱鷺乃はえっちな娘ですね。
188名無しさんだよもん:03/12/14 17:01 ID:2z6GJGXH
>172
ちょっとまて(w
189葉鍵ファイト2003:03/12/14 21:50 ID:YE41bCiz
>186
続きは考えてはあるのですが前スレが落ちてるので張るのは控えようかなと。
190188:03/12/15 00:26 ID:UWam9Obz
>174の間違いでした、スマソ
191名無しさんだよもん:03/12/15 00:59 ID:89NBssFE
>>189
そういや、あれの後に超先生追悼圧縮があったんだっけ…
前スレ読めるようになるまでどれ位かかるんだ?

>>190
微妙に間違ってない気もするがw


宮田さつきは3か4
城戸芳美は2か3か6?

あと、
男トウカは6(つーか思考停止)だと思われw
192188:03/12/15 01:32 ID:UWam9Obz
>191
い、いやだから何で男が出てくるのだw
193名無しさんだよもん:03/12/15 07:16 ID:iKZ3Md9n
男の子受けも萌えるじゃないですか。



・・・ごめんなさい、801板に帰ります。
194名無しさんだよもん:03/12/15 09:09 ID:Pc2BOlpA
前スレデータあるよ。
どこに張り付ければいい?
195名無しさんだよもん:03/12/16 01:30 ID:dqJrDrZB
流れが途絶えてしもうた
196名無しさんだよもん:03/12/16 02:08 ID:E9B4XNDB
>>194
2チャンネルうpロダって、テキストファイルOKだったっけ?


あと、例の反応タイプだけど
オボロは4→5
ベナウィは4→2→3
ドリグラは6        
と予想してみる。

ヌワンギはよくわからん。
197名無しさんだよもん:03/12/16 06:38 ID:muJ3wNZD
過去にあったヌワンギは1(てか放心)だった。
198名無しさんだよもん:03/12/16 20:14 ID:muJ3wNZD
志子は7か8か?
199名無しさんだよもん:03/12/17 10:45 ID:jLSyd/Zc
男受けもそれはそれで。
200名無しさんだよもん:03/12/17 16:35 ID:15bxm2fK
イイのか!?w
201名無しさんだよもん:03/12/17 21:17 ID:BdmcfL1+
まあ、キャラによるのではないでせうか?
202名無しさんだよもん:03/12/17 22:55 ID:lVmpiARV
以前のスレにあったひろゆきちゃんシリーズでは、いい具合に雅史が受けまくりだったと思ったけれども。
203名無しさんだよもん:03/12/18 04:38 ID:1fnh7I38
歩受け萌え
204名無しさんだよもん:03/12/18 21:57 ID:RHOpOgai
受けでも攻めでもどっちでもいいのです
205彼女の主張:03/12/19 00:51 ID:is3YtvGt
蝉枝だ、強化兵をやっている。
今宵は性別反転スレに住まう諸君に話がある。

私の話を書いてみようかな、
と、考えている職人方には特に。

職人方々が悩むこととは何か?
それはストーリーであり演出だと思う。
だがこのスレッドに関していえば初期設定から
反転されている場合は、まず何よりも名前ではないだろうか?
葉鍵主人公の大多数は男子、ゆえに名前も男のモノだ。
まずはそれを女性のモノに変えなくてはならない。
出来るだけ元の名に近く、されど女性らしさを感じさせるモノに。
さっさとSSを書きたいのに名前で何故悩まなくてはいけないんだ、と
嘆く職人はまとめサイトに行ってみよう。
そこには歴史の系譜と共に私達の反転時の名前リストがある。
それを参考にしてみてはどうだろうか?





ただし、私の苗字は坂神だ。

けっして『坂上』ではないので注意してくれ。
206名無しさんだよもん:03/12/19 00:53 ID:is3YtvGt
まとめサイト管理人さんにはいつも感謝してます。
メールで言えばいいじゃん、とかも思ったんですが、
せっかくなのでネタにしました…吊ってきます。
207元380:03/12/19 00:54 ID:zACVFWVA
>>坂神様
了解いたしました
208152:03/12/19 00:56 ID:KNWULhIT
>蝉枝だ、強化兵をやっている。

し、芝村!?w
209名無しさんだよもん:03/12/19 00:57 ID:KNWULhIT
名前残ってた…
210名無しさんだよもん:03/12/19 14:38 ID:PfojIrmf
もう少しで週末だ
週末になれば職人さんが来る
それまでここは死守するぜ


反転本田萌え〜!
211名無しさんだよもん:03/12/19 20:35 ID:w6fOL8M+
 ある冬の日の午後、北の街の駅前のベンチで二人の少女が雪に埋もれかかっていた。
「あぅー、お姉ちゃん寒いよー」
 そんなことを言う割には大して着込んでいるわけでもない狐色の髪をツインテールにまとめた少女が、隣の少女に寒さに震える声で隣の少女に話しかけた。
「うーんわたしも寒いよ。なんかボーっとしてきたよ」
 こちらはなにやら着ぶくれしたセミロングの眼鏡少女が、トロンとした表情で答を返す。
「迎えの人こないねー」
「そうだね、わたし達このままここで雪だるまになっちゃうのかな?」
 とりあえず意識を失わないように会話を続けているのだが、そろそろ寒さで頭が働かなくなってきたようで、会話の内容が怪しくなりかけていた。
「ねえ、真琴達遭難しちゃうのかなー?」
「そうかもしれないねー」
「こんな町のど真ん中で遭難したら新聞に載っちゃうね」
「そうだねー」
「なんだか眠くなって来ちゃったよ」
「そうだねー」
 二人とも今一危機感がない口調ではあるが、このままでは会話のとおりの状況になるのは目に見えていた。
212名無しさんだよもん:03/12/19 20:36 ID:w6fOL8M+
 とその時、二人の座るベンチの前に、青みがかった長髪を後で束ねた少々眠たそうな表情の少年が現れた。
「オイお前ら、頭に雪が積ってるぞ」
「ほえー、あれー本当です、いつの間に降ったんでしょうか?」
「あぅー、道理で寒いと思ったわ」
 少女達のどうにもぼけた反応に、少年の方はあきれたように言葉を返した。
「そりゃあまあ、2時間も待たせたからな」
 内心はともかく、どうにも少年の口調からは待たせたことを悪いと思っているようには聞こえなかった。
 しかし姉らしい少女の方は怒るでもなく、どうも驚いているだけのようだった。
「ふえっ、今何時ですか?」
「3時だ」
 眼鏡の少女の問いかけに、少年は面倒くさそうに答えた。
 どうも基本的に愛想がよいタイプではないらしい。
「ふえ、まだ2時くらいだと思ってました」
「うん、そんなもんだと思ってた」
「それでも1時間の遅刻なんだけどな」
 少女達のあまりののんびりぶりに、少年の方は本気であきれているようだ。
「ちゃんと迎えに来てくれたんだから、そんなこと足した問題じゃないです」
「本当に良いのかよ」
「良いわけないでしょう」
 眼鏡の少女の方は相変わらずのマイペースで別に怒っていないようだが、真琴と呼ばれたツインテールの少女の方はさすがにそうはいかないようだ。
「いやまあ、遅れたのは悪かったよ。ちょっと事情があったんだよ」
「なによー、言訳なんて男らしくないわよ」
「まあ久々の再会なんだからそんなに怒らないで」
「あぅー、でも」
「まあまあ」
 なにやらうなっている真琴に姉らしい少女は自分のペースを崩さずニコニコと微笑みかけている。
「うんまあ、お姉ちゃんがそう言うなら許してあげるわよー」
 どうやら真琴はお姉ちゃん子だったらしく、結局は降参したようだ。
213名無しさんだよもん:03/12/19 20:38 ID:w6fOL8M+
「ああそうだ、それよりこれをどうぞ」
「あぅー、わたしも」
 とりあえず遅刻の話が済んだところで、少女達はコートの中から缶コーヒーを取りだして少年に手渡した。
「なんだこれ?」
 少年の方は突然の出来事に幾分戸惑っているようだ。
「迎えに来てくれたお礼と、再会のお祝いですよ。他になにもありませんから」
「美少女の懐で暖めておいたんだから感謝しなさいよー」
 姉の方は相変わらずニコニコと、真琴の方は少々押しつけがましく少年の問いに答えた。
「って、懐炉代わりにしてただけだろうが、もう完全に冷めてるぞ」
「ふえ、そう言えばそうですね、ご免なさい」
「なによー、人の好意に文句を付けるって言うの」
「ああ、もういいよ。ありがとうな」
 とりあえず、言い争いが面倒になったようだ。
214名無しさんだよもん:03/12/19 20:39 ID:w6fOL8M+
「ところで私たちの名前覚えてますか?」
「お前らこそ覚えてるのかよ?」
「直紀さんですよね」
「直紀よー」
「暴子と凶子の殺村姉妹」
「苗字が違いますよ」
「そうよー!じゃなくって、名前も違うわよー」
 もちろん少女の達の方は直紀の答がお気に召さなかったようだ。

「んじゃあ太郎と次郎」
 しかし、直紀はもう少しからかってみようとしているようだった。
「わたし達は女の子です」
「そんな変な名前じゃないわよー」
 姉の方は微笑みを崩していないが、さすがに少々ご立腹のようだ。
 それに比べて真琴の方はそろそろ爆発寸前である。
 直紀もさすがにちょっとからかいすぎたなと、思ったようだ。
「いつまでもこんな所に女の子を待たせておくわけには行かないよな。行くぞ真祐(まゆ)、真琴」
「はい」
「まあこのくらいで勘弁してあげるわよー」
 大股で歩き出した水瀬直紀の後を相沢真祐、真琴の姉妹は小走りに追いかけていった。
21576:03/12/20 01:11 ID:G/CpPXf8
>>211-214
新シリーズ?
とりあえず、反転名雪にスポットなのだろうか。ようやく報われるのね…・・・。


天使なんかいない。ときのんが「誰だお前」ってくらい乙女オーラを発していて砂を吐いてしまい話が進みません。
ときのんは、もっとこうガサツで俺様で、ちょびっと詰めが甘い人のつもりで書いていたんだけどなぁ。
216名無しさんだよもん:03/12/20 20:36 ID:wcvlwCxz
♀祐一は眼鏡ですか……めがねめがねめがねめがねハァハァ(´Д`*)
217名無しさんだよもん:03/12/20 22:20 ID:WjNP1XNp
>215
いいじゃないか、
ガサツで荒くても根は夢見る乙女でw
218兄の恋人-1(1/5):03/12/21 02:03 ID:s9dYkQs3
 その日は春だというのに冷たい雨の降る日だった。
 音のしない静かな雨が、白い線のように視界を埋め尽くしていた。私はただ呆然とした
まま、傘もささずに立ち尽くしていた。
 濡れているということも、私にはどうでも良いことだった。ただ、つい先刻にあの女性
に言われた言葉がずっと頭の中で繰り返されている。

 『芹様には、お小さい頃から許婚がいらっしゃるのです』
 『芹様のことを考えれば、あなたのような庶民に出る幕なんて無いと分かるでしょう?』
 『大体、芹様だって遊びだったんですよ。その証拠に、今日の芹様のバースデーパーテ
ィーは芹様と許婚のお嬢様の正式な婚約発表を兼ねているのですから』
 『……あなた、結局いくら欲しいのかしら?』

 その全てに、言い返すことができなかった。ただ呆然と聞いていた。そして、頷いた。
 だって、確かに私はあの女性の言うとおり、なんの取り得もないただの女子高生だから。
先輩が優しくて、好きで。だから先輩に許婚がいたという事を聞いた時、立っていた地面
が崩れたように思えた。
 先輩は日本どころか世界でも屈指の大財閥の御曹司。学校という空間にいた時には気に
もしなかったその背景が、私の身体を縛り付けている。
 ――先輩が私を好きだと言ってくれたのは、全て嘘だったんだろうか。
 雨に濡れて、その雨に紛れて泣く私は、そう思ってしまう。
 ただの遊びだったんだろうか。
 自分に寄ってきた自分の事を知らないという珍しい女の子を、その場のノリで?
「……せんぱい」
 信じたくない。
 たとえあの秘書兼運転手の女性がそう言っても、先輩の口からそう言われるまで、信じ
たくない。だけど、彼に聞くことができない。
 怖い。
 「そうだ」と言われるのが怖いんだ。
219兄の恋人-1(2/5):03/12/21 02:05 ID:s9dYkQs3
「……馬鹿みたい」
 結局、確かめる勇気もなく、私の足は動かないまま。ただ雨に打たれている。
「――風邪ひくよ?」
 不意に雨が当たるのが止んだ。
 俯いた私の視線の先には、西園寺学院の学生服がある。多分、傘を差し向けてくれてい
るのだろう。雨の雫が当たらない。でも、私の顔は多分、グチャグチャのままだ。だから、
顔を上げられない。
「……良いんです」
「でも、風邪ひくよ」
「……失恋、したんです。だから放っておいて下さい。そのうち帰りますから……」
「失恋?」
 なぜかその声を聞いていると、心臓から温かいものが全身に巡るような気がした。
「話、聞こうか?」
 その人は、少しの間黙っていたかと思うと、不意にそんな事を言った。
「……え?」
「誰かに話せば、少しはすっきりするかもよ?」
「…・・・でも、こんなこと、通りすがりの人に」
「通りすがりだから良いんじゃない。背景抜きで、アドバイスだってできる」
「でも、迷惑じゃ」
「先に言い出したのは、俺」
 顔を上げる勇気は湧かない。けれど、その声に励まされるように、私は少しだけ視線を
上げる。
 背が高いのか、私の頭の位置でもまだ彼は胸の辺りだ。
「俺の顔見たくないなら、それで良いからさ。話してごらんよ」
 その声に背中を押されるように、私はそれまでの事を話した。無論、固有名詞は抜きで、
先輩のこともオブラートに隠して。ただ、好きな人には許婚がいたっていう事を話した。
220兄の恋人-1(3/5):03/12/21 02:07 ID:s9dYkQs3
「……ふーん。じゃあ、君はその彼には何も確かめてないんだ」
 コクンと頷く。
「なのに他人に言われるままに諦めるの?」
「……だって」
「自分が好きになった奴のこと、信じられないの?」
「……」
 目の前の男の子は、少し苛々した声で続ける。
「そいつがどんな男か知らないけど、君から話を聞いた限りじゃ別に女遊びをするタイプ
でも無かったんだろ? だったら、君はそいつの特別だったんじゃないの?」
「……でも、婚約発表って」
「周りの言葉ばっかり聴いてないで、その男に聞きなよ。伝聞ばっかりじゃ、真実なんて
見えやしない」
 なぜだろう。その人の声は、私の中で強く息づく。
「……確かめてきなよ。泣くのはそれからでも良いだろ?」
 私はその言葉に背中を押されるように、駆け出していた。

 ――本当は諦められるわけが無かった。この気持ちは、それほどに強かったのだから。




221兄の恋人-1(4/5):03/12/21 02:08 ID:s9dYkQs3
 それは冷たい雨が降る春の日だった。
 兄の誕生日に合わせて開かれるパーティー。堅苦しいことこの上ない宴席に顔を出す憂
鬱さに、思わず街をぶらついていた俺が見つけたのは、雨の中で傘もささずにずぶ濡れに
なって立ち尽くす女の子だった。
「風邪ひくよ?」
 傘を差し向けたのは、多分、気まぐれ。少なくとも、雨の中で立ち尽くして泣いている
女ってのは、俺の趣味じゃなかったから。
 その子はずっと俯いたまま、ポツポツと話した。
 好きな男に許婚がいた、とか。男の周囲の人間から「別れろ」と言われた、とか。そも
そも遊びだと断言されてしまった、とか。
 聞いているうちに、苛々してきた。
 それは俺の周囲でもあった事だったから。アメリカにいた頃、ガールフレンドを作って
は周りの人間に邪魔をされていた。
 この子は信用できる、と思っても周りの奴らはあの手この手で俺と引き離した。多分、
目の前の子が言うような露骨な脅迫や侮蔑だってされたんだろう。
 だから、言ってしまっていた。
「……ふーん。じゃあ、君はその彼には何も確かめてないんだ」
 確かめてからでも、遅くない。俺はそう信じてる。俺の周りにいた子たちは、俺を信じ
てくれていなかったのかも知れない、と思いながら。
「なのに他人に言われるままに諦めるの?」
「……だって」
「自分が好きになった奴のこと、信じられないの?」
「……」
 女の子はフルフルと頭を振る。傷つけられた小鳥のように、細い肩が震えているのが見
えた。
「そいつがどんな男か知らないけど、君から話を聞いた限りじゃ別に女遊びをするタイプ
でも無かったんだろ? だったら、君はそいつの特別だったんじゃないの?」
「……でも、婚約発表って」
「周りの言葉ばっかり聴いてないで、その男に聞きなよ。伝聞ばっかりじゃ、真実なんて
見えやしない」
222兄の恋人-1(5/5):03/12/21 02:10 ID:s9dYkQs3
 女の子が、少しだけ顔を上げる。
 ――濡れたまなざしに強い光が少しずつ戻る。その様相が目に焼きついた。
「……確かめてきなよ。泣くのはそれからでも良いだろ?」
 女の子は頷くと、踵を返す。その足取りには、さっきまでの弱々しさは微塵も残っては
いない。
 その背中を見送りながら、俺もまた慌てて帰路についた。

「僕は、彼女と婚約はしません」
 ざわめきが会場を埋め尽くす。その中心で、爆弾発言をしたのは、俺の兄だった。
「……僕には好きな人がいます。その人を放って、婚約はできない」
 いつも寡黙で、大人しい印象の強かった兄が、初めて毅然とした態度を取っている。祖
父さんや親父達が呆然とした顔をしているのを見ながら、俺はそこに驚くべき物を見出し
ていた。
 会場には、ついさっき雨の中でずぶ濡れになっていた少女がいたからだ。
 今も、びしょ濡れのままで、それでも兄を見つめている。
「――この婚約は解消です。僕は、僕の好きな人を選ぶ」
「だ、誰だというんだ!」
 祖父さんの慌てた声に、兄さんはふっと微笑んだ。
「……そこにいる、彼女です」
 指さす兄貴。会場にいる人々が左右に分かれ、そして、その先にいたのは。
「……せん、ぱい?」
 あの少女だった。
「芹様!」
 兄の護衛兼秘書の長瀬が慌てた声を上げる。
「……これが答えです。浩子さん」
 兄貴が笑うと、おずおずと少女が微笑んだ。まるで、凍えた花がゆっくりとほころびる
ように。
 胸を衝いたこの気持ちは、なんだろう。
 彼女の顔を見つめながら、俺はそれを考え続けていた。

223名無しさんだよもん:03/12/21 02:13 ID:s9dYkQs3
>>218-222

 固有名詞がほとんど出なかったですが、ToHeart反転です。
 来栖川 芹(セリ)と来栖川 綾(リョウ)の兄弟と、藤田浩子によるお話。

 ちなみにセバス(長瀬)は、妙齢の女性ボディガード。祐子さんちっくな人という事で。
224名無しさんだよもん:03/12/21 05:07 ID:cKzm14LH
>223
十分に読みとれる内容でしたよ。
GJ!

不覚にも、ちょっと潤んでしまった///
225名無しさんだよもん:03/12/21 05:38 ID:FhuDsvNn
>>218-222
なんか浩子が乙女ッチックでいいですね〜
続編あれば期待してます
226兄の恋人-2(1/3):03/12/21 21:25 ID:3OVomHtv
 芹先輩が私を連れて一人の少年の前に立つ。私はといえば、さっき着替えたばかりの着
慣れないドレスにあたふたとしていた。
 その少年は仕立ての良さそうなスーツを着て、クスクスと笑いながら私を見ている。そ
の笑顔は他の人のように私を蔑んでいるのではなくて、ただ本当にドレスに着られている
私を見て笑っているのだと、なんとなく分かった。
 その顔立ちは、どこか先輩に似ていた。
「よろしく。俺は来栖川綾(リョウ)。そこの芹の弟です」
 私の前でにこやかに笑うその人の声を、私は知っていた。
「……あ、あなた、は」
「ほら。俺の言ったとおりだったろ? ええと、藤田浩子さん」
 あの雨の中で、私に「行け」と勇気をくれたその人は、私の大好きな人の弟だった。


「そっか……。先輩の声と似てるんだ」
 あの時、なんで声を聞いているだけでホッとできたのか。その理由が分かった。――も
ちろん、それだけじゃないんだろう。彼の声にはどこか人を安堵させるものが含まれてい
るから。でも、何よりもあの時の私を落ち着かせたのは、きっと先輩と似た声のおかげ。
「ああ、良く言われるんだ。俺と兄貴、よく似てるでしょ」
 隣に立っている綾(名前で呼べと言われた)が、肩を揺する。
「顔も似てるし、声も似てる。でも中身が全然違うって、言われるんだよ」
「え?」
「片や来栖川の希望の星。なんでもできる王子様。ちょっと押しが弱いのが玉に瑕だけど、
今回のことでそれも払拭した芹」
 ちらり、とこちらを見る綾が、痛そうな顔をする。
「片や空手から始まってエクストリームなんていう格闘技に傾倒する、乱暴者の弟ってね。
西園寺に入る前はアメリカにいたから、なおさらこっちの連中とはそりが合わないんだ」
 その横顔がどこか寂しげだった。
227兄の恋人-2(2/3):03/12/21 21:25 ID:3OVomHtv
「……そんなこと、ないじゃない」
 だから、私はそう言っていた。
「え? いや、そんな気を遣わなくても。大体、君は俺の事は知らないでしょ」
「そりゃ確かに綾の事は全然知らないけど。でも、さっきの雨の中で綾が言ってくれた言
葉、すごく嬉しかったよ」
 諦めてしまっていた私に、もう一度立ち上がる勇気をくれたのは、間違いなく彼だ。
「だから、私は綾を信じられるよ。――違っていていいじゃない。綾と先輩は別の人間な
んだから。違っていても、綾は優しいし、強いよ」
「……浩子」
「……だって、見知らぬ女の子にあんな風に言ってくれる人はいないよ。それはきっと、
綾だけの強さだよ」
 見上げると、綾は困ったようにガリガリと頭を掻いていた。せっかくセットされていた
髪がボサボサになる。
 けど、私はどちらかといえば、そっちのほうが好ましく思えた。今の綾は、そりゃ確か
にスーツも着こなしていて御曹司然としているけれど、でもどこか違和感があったから。
 きっと本当の彼は、もっとラフな格好が趣味なのだろうと思う。
「……芹が惚れるはずだ」
「え?」
 ボソリと呟く声は、とても優しかった。
「サンキュ。そんな風に言われたのは、久しぶりだ」
 そして、綾は笑った。
 その笑顔は、芹先輩に似ていて、でもやっぱり違う人の優しい笑顔だった。



228兄の恋人-2(3/3):03/12/21 21:26 ID:3OVomHtv
「それはきっと、綾だけの強さだよ」
 そんな風に言われたのは、本当に久しぶりだった。兄貴と比べられるのが嫌で、自分だ
けの道を求めて格闘技を始めた。最初は護身術から始まって、どんどん面白くなって空手
をやって、エクストリームへと移った。
 でも、そんな俺を来栖川の人間は異端児として見ていた。
 そんな俺に、俺らしくいればいいと言ってくれたのは、兄貴である芹だけだったのだ。
「……芹が惚れるはずだ」
 こんなにもまっすぐに、こんなにも輝いている。イミテーションの宝石なんかには到底
出すことのできない輝きを、目の前の少女は持っていた。
「え?」
「サンキュ。そんな風に言われたのは、久しぶりだ」
 キョトンとした顔をした浩子に、礼を言う。
 そして、口元が緩むのが感じられた。――演技なんかじゃない、心の底からの笑顔。それを浮かべるのも、随分と久しぶりのことだった。

229名無しさんだよもん:03/12/21 23:10 ID:u2xO51qc
 わたし倉田一美15歳、華音女学園中等部3年、今わたしはとっても幸せです。
 だって、だってついに最近運命の人達に出会っちゃったんですから。
 そう人達、高等部1年に転校してこられた相沢3姉妹のお姉様方です。
 相沢3姉妹、控えめで理知的、ただちょっと野暮ったい長女の祐一香(ゆいか)お姉様。
 上品で落ち着いた雰囲気、でもちょっとおばさん臭いの次女の美汐お姉様。
 そして明るくって元気がよくって、同い年みたいな三女の真琴お姉様。
 別に三つ子ではないですけど、複雑な家庭の事情があるらしいんです。
 祐一香お姉様はご病気で1年留年されているらしいですし。
『ねえ、わたし野暮ったいの?』
『失礼ですね、物腰が上品と言って欲しいですね』
『あぅー、真琴はレディなのよー』

 わたしが変な男達に絡まれて困っていたところを助けて下さった素敵なお姉様方、みんなみんな一美のものです。
『あぅー、祐お姉ちゃんも美汐もわたしの物なのよー』
『うーん、わたしは誰のものでもないんですけどね』
『そうですねお姉様。それに結局あの時は助けていないのですが』

 でも、でもー、ライバルがたくさん居るんです。
 まずは実の姉でわたしのあこがれの的、学園の白の女王こと佐祐理お姉様。
 その恋人の凛々しい川澄舞お姉様、二人とも高等部3年です。
『あははー、佐祐理はそんな大層な人ではないですよー』
『別に凛々しくなんかない』
『あははー、舞顔が赤いよー』
230名無しさんだよもん:03/12/21 23:12 ID:u2xO51qc
 そしてお二人の子猫ちゃんの高等部1年の水瀬あゆちゃん。
 あゆちゃんはお姉様方と同じクラス、しかも従姉妹でもあります。
 有利なポジションを生かして、ロリロリの魅力全開で迫るに決まってます。
『うぐぅ、ぼく本当なら2年生』
 ちゃん付けにしているのは、あゆちゃんだけはなんだか年上の感じがしないからです。
 やはり身長や体型、それに精神年齢が近いためですね、きっと。
『うぐぅ、そんな言い方酷いよ一美ちゃん』
 と言っても、あゆちゃんはわたしより10センチmも背が高いし、わたしから見るとグラマーさんです。
 どうせわたしは発育不良ですよ。ふーんだ。
『えっ!ぼくってグラマー。なんか照れちゃうなー』
 ああそう言えば胸については祐一香お姉様が一番身近ですね。
『そんな酷な言い方はないと思うのですよね』
『お姉様、わたしのセリフを盗るなんて、人として不出来でしょう』
『えへへん、真琴が一番大きいんだから』
『『真琴!!』』
『あぅー』

 他にも高等部2年で現生徒会長、通称黒の女王で高飛車な久瀬麗華さん。
 その懐刀で冷静沈着な斉藤冴子さん、お仲間で自称乙女の七瀬留美さん。
『失礼ね、私高飛車なんかじゃなくってよ』
『わたしは自称じゃなくて、正式な乙女よ、舐めないで欲しいわね』
『まあまあお二人とも落ち着いてください』
231名無しさんだよもん:03/12/21 23:14 ID:u2xO51qc
 それから高等部2年の現副会長、赤の女王様こと学年主席の美坂香里さん。
 その恋人でちょっと変わっている北川潤さん。
 香里さんの妹の高等部1年で一番の切れ者ストールの魔女こと栞さん。
 栞さんもお姉様達のクラスメート、策士ですから油断が出来ません。
『どうしてわたしだけ女王様なのよ?』
『やっぱり、香里ってそう言うイメージだから。で、わたしって変なの?』
『二人とも当たってると思いますよ。わたしは策士や魔女なんかじゃないですけど』
『栞、あなたがわたしのことをどう思っているかよーく分ったわ。一週間アイス禁止ね』
『えぅー!お姉ちゃん酷すぎますー』
 みんな学園のスター達、そんなすごい人達がみんなお姉様方を狙っています。
 でもわたし負けません、絶対にお姉様方を手に入れて見せます。

「と言うわけで、今は授業なんかに出ている場合ではありません。お姉様方待っていてくださいね。あなた方の一美が今参りますわー。みさおちゃん後はよろしく」
 隣の席の一美ちゃん、まだ4時限目の途中なのに突然立ち上がって教室を飛び出しちゃったよ。
 なにが「と言うわけで」なんだか、わたしにはさっぱりわかんないんだけど?
 それにしても一美ちゃん、最近うちのお姉ちゃんに言動が似てきたよ。
 前はおとなしい子だったんだけどな。
 ほんと、お姉ちゃんに振り回されている瑞香お姉ちゃんの気持ちが良く分かるよ。
 まあ、あの佐祐理様の妹だもんね。変でも当然かな。
 あっ、わたしはお姉ちゃんとは全然似てないよ。至って普通。
 でまあ、倉田一美の親友であるわたし、折原みさおは、置き去りにされてわけもわからず途方にくれるだけなのでした。
232名無しさんだよもん:03/12/22 18:49 ID:nBT2XRUI
>>226-228
綾、普通に主人公っぽいな。ひねくれ&実は熱血な感じ?
綾香自体は好きなキャラじゃなかったんだが、さらなる続き期待。

>>229-231
反転+クロスオーバーっすか…。
ここまで来ると、もはや完全オリジナルやねw
マリみて風味な華音女学園萌え。
233名無しさんだよもん:03/12/22 22:58 ID:84tOow/b
>>229-231
名雪は?
234名無しさんだよもん:03/12/22 23:56 ID:rhs1Ol2s
ときに三好四姉妹とか書いたあの人とかも見てんのかなこのスレ
信子ちゃん書いたあの人とか曹操@漫研のあの人とか
変則ではうちうせんかんやまとちゃんなんてのもあったが

こうやって列記してみると世の中には反転の需要がバリバリあるかに思えてくるから不思議でならない
235名無しさんだよもん:03/12/23 01:41 ID:TVLCvo2I
「先輩、今ここでさせてください」
「え、それはちょっと……」
 それは、先週末日、夕暮れに赤く染まった放課後の教室で交わされたやりとり。
 その日から今日まで、私は彼の姿を見ていない。
 でも、たった今見つけた。
 ずっと追い求めていたその姿。焦がれた彼の、薄紫。

「琴音、くん……」
 私のそんな気持ちを知ってか知らずか、彼は聞こえなげにそのまますたすたと歩き出す。
「待って! 琴音くん!」
 一年生の教室前。見慣れない私に、何事かと周囲の視線が集まった。
 それを気にしないように、私は駆け足気味で彼に追いすがる。
「ねえ!」
 そして、肩にかける手。けれどもそれは、あっさりと乱暴に振り払われた。
「え……なんで」
「……」
 ひどいよ、琴音くん……。どうして急にこんな冷たくするの?
 今されたことの意味がわからず、私はしばし、呆然と立ち尽くした。
「どう……して……どういうつもりじゃ、おう」
 ドスの効いた低音が響いた瞬間、彼の肩がビクリと震えた。
 あ、意識が真っ白になりすぎてちょっと地が出ちゃった★
 失敗失敗★
「ねえ、私なにかしたかな……琴音くんの気に触るようなことしたかな……だったら謝るから、機嫌直して」
 そういう私の声にも、彼はふてくされたようにそっぽを向いたまま。
「つーかあれかお前、やっぱあれか、先週やらせんかったからか」
 またもビクンと琴音くんの肩が震える。
「マジかいな、図星か」
236名無しさんだよもん:03/12/23 01:44 ID:TVLCvo2I
「……」
 琴音くんの目を見ようと正面に顔を持っていったら、彼はおもいっきり逆サイに、ふいっと顔をそむけた。
 とりあえず私は全力で彼の足を踏み抜いた。
「○×▼★#>+!!!???」
「なんじゃそらあっ! ヤレへんかったらいきなり用なしかい、おんどりゃあ!?」
 グリグリと踏み抜いた足をにじりまくる。ついでに振りかぶったブローをボディへ。
「ぐぶっ!?」
「ヤレんとわかった途端露骨に避けくさってなに考えとんじゃこのボケお前人間の血ぃ通っとんのかオウ!?」
「だ、だって」
「だってもクソもあるかァッ! お前この期におよんでなに言い訳しとんねん!? あんな頼りなげで
可愛らしい後輩装っといてセックスできんかったら豹変ってどういうこっちゃねん釈明してみいやボケカスがあっ!」
「がぶ、ぐが、げぼぅ!?」
 ターンするように乱打乱打乱打。
 肘といわず膝といわず、肉体の凶器となる部位を、急所へと打ち込みまくる。
「……はぁ、はぁ……死ぬ前になんか言い残すことあらへんねんか、おう」
「ちょ、待って、お願いだから、話、聞いてくだ、さい」
「まだなんか言い足りんことがあるっちゅうんかこの全身クラミジアぁ! いますぐ息の根止めたんわ、すぐさま止めたんわ」
「ひいっ!? 無茶苦茶理不尽!?」
 職員室のほうへ走り出そうとしている女生徒にひと睨みくれつつ、私は彼の髪を掴んで立たせた。
237名無しさんだよもん:03/12/23 01:45 ID:TVLCvo2I
「違うんです違うんです……いやだって、ほら……絆っていうか」
「はあ? きずなあ?」
「し、信頼しあってるかんじがするじゃないですか、セックスしたぼるげあっ!?」
「セックスで信頼し合えたら歌舞伎町のホストは世界平和の先駆けじゃ舐めとんのかカスっ!」
「あひいいいいいい」
「お前もうええわもうええわほんまキレたマジ切れたマジギレした手足折ってサーカスに売り飛ばす
乙女のバージンなんじゃ思っとんねんこの制服着たチンポが」
「ちょ待ってま」
「遺言は聞き飽きたんじゃお前ちょっとこの窓から飛んでみい手足折る手間省けるから飛んでみいいや飛べむしろ手伝ったんわ」
「ギブ、ギブ! あぶ、あぶない、ほんと危ない!?」

 というわけでまたひとつ恋が終わりました。
 なんか私って男運悪いのかな……今度は、今度こそもっとイイ男見つけるぞ……クソゥッ!
238名無しさんだよもん:03/12/23 08:12 ID:mIwc4HHU
↑…?????????
239名無しさんだよもん:03/12/23 08:16 ID:8DItM22E
浩子がセイカクハンテンダケたべてさらに反転したみたいなはなしだねw
240名無しさんだよもん:03/12/23 21:55 ID:a3Kf6A7B
>>233氏へ、>>229です。
愚作は「全員そろって女の子」がコンセプトなので、
名雪は原作に準じた形でちゃんと存在しています。
ただ彼女はこの時点ではある事情でノーマル(変な表現ですが)なので、
一美にライバルとして認識されおらず名前が挙がっていないわけです。
もちろん陸上部の部長兼眠り姫として学園のスターの一人でもあります。
なお、あゆが1年なのは例のけがの影響で1年留年したからです。
241名無しさんだよもん:03/12/24 00:38 ID:/WSYlJk2
>>240
設定はいいよ……作品で語ってくれ。
242名無しさんだよもん:03/12/24 00:46 ID:FPKQ/M0d
激しく胴囲。
口を開くとどうにも野暮ったくなっていけねえや。剣呑剣呑。
243名無しさんだよもん:03/12/24 01:38 ID:InkmhWm/
まあ要するに、

「四の五の言わずに続きおながいします」

ってこった。>240


それにしてもぶっ飛びすぎだぞ一美ちん(w
244ふたりのさかがみ ◆DY.JgAOy9c :03/12/24 02:23 ID:ZQCVLZ4t
>>205
「坂神蝉枝だ。強化兵をやっている」
「俺は坂上智也。その名の通り、延々と坂道を登っている」
 性別も違えば、容姿や漂う雰囲気すらまるで違う男女。似ているところといえば、その
ぶっきらぼうな話し方だろうか。

「それにしても、私と同じ姓を持つ者が身近にいたとは、世界は狭いものだ」
「『神』と『上』の違いがあるけどな」
「特に私の姓は、ぱそこんという機械では出てこないので非常に難儀する」
「そしてそういう時は単語登録を使うと便利だ」

「もう一つ、作品数の少なさも間違いに気付かない要因となっているだろう。私が登場した
作品は両手に余る程度しかない。感感私私など、ネタには事欠かないにもかかわらず…」
「……俺、これが初登場だ。チクショウ、岡崎先輩や春原先輩や藤林先輩はともかく、
あの引き篭もりの宮沢まで登場経験があるのに…」
 突きつけられる現実に2人は頭を抱えて落ち込んでしまった。背後の視線が2人を捕らえて
いる事に気付かずに。


「蝉枝…お前が好色家だったとは、見損なったぞ…」←愕然とする華丸
「うう、智也は古風な女性好きだったなんて、知らなかった…」←何気に嫉妬深いともみ

(僕、メインキャラじゃなかったっけ…?)←坂を登り続ける目立たない渚君


>>235-237
ttp://hanten.hp.infoseek.co.jp/6-744.html
これの続編だと思うんだが、気のせいだろうか?
245名無しさんだよもん:03/12/24 08:14 ID:HpXasvIE
>>241-243
確かに設定は要らんが、単刀直入すると逃げるぞ。
喋りたがりは創作活動で精神を病んでる節がある。俺もそうだった。
246名無しさんだよもん:03/12/24 20:03 ID:euqWSoiS
クリスマス・イブですね
247名無しさんだよもん:03/12/24 21:19 ID:nzfNv11J
仕事ダケドナー
248名無しさんだよもん:03/12/25 02:22 ID:kgCw5yLN
このSS、ある意味聖夜のこのスレにふさわしいかと(w
http://wow.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1070920278/324-328

>>244
修正が加わり、更にワロタ。
テンプレに使えるな。
249名無しさんだよもん:03/12/26 02:07 ID:ON7R4wiY
12月25日が終わった瞬間、クリスマスムードから一変、
締め切り間際の最後の修羅場に突入する千堂樹。

「俺、なんでこんな女に惚れちゃったんだろうな…」とぶつくさぼやきながらも
原稿チェックしたりコピー取りに走ったりと忙しい高瀬瑞貴。



ある意味下手に一夜を共にするよりも濃ゆい関係になっている、
ってことに全然気付いてない二人であった。
250名無しさんだよもん:03/12/26 14:18 ID:wXp0E3yv
っつーか25日以降に入稿って既に最後の一線超えかけてるんでわ。
251名無しさんだよもん:03/12/26 20:05 ID:kUP+IyzA
前日入稿でも1万部刷り上げる宇宙的スピードを誇る塚本印刷がある限り、大丈夫です。
252名無しさんだよもん:03/12/27 09:03 ID:2JG1+mtR
実際の印刷屋ってどんなもんよ?
つーか一万部も刷れたっけ?
253名無しさんだよもん:03/12/27 09:48 ID:4OSxIMS9
デカイ機械だと時間15万部とか刷れるから、機械が空いていて、
出校無しの内校下阪なら朝イチ入って夜までには製本終わるな。
表紙だけ先に刷るとかしてればもうちょっと余裕が出る。
発送間に合うかまではわからんけど。
ぶっちゃけた話、今漏れの所に原稿来ても冬コミに持っていけないことはない。

……んな仕事持ってきたら営業殺すけどな。
254名無しさんだよもん:03/12/28 08:28 ID:u4F3SkDQ
というわけで冬コミですよおまいら
255名無しさんだよもん:03/12/28 11:35 ID:lmI1i3SW
今年こそセイベツハンテン本が出て欲しいんだがなあ…
256名無しさんだよもん:03/12/29 09:26 ID:rRRpfAAf
目を離しているとスレが落ちそうでコワイコワイ
257名無しさんだよもん:03/12/29 22:34 ID:tT510Aj/
まったくまったく
258名無しさんだよもん:03/12/30 00:59 ID:NH4HEX9E
そういや年内に終わらせるはずの元>>380は元気だろうか
259名無しさんだよもん:03/12/30 01:28 ID:FCsnZnqQ
反転ヒロインがセイカクハンテンダケ食ったら…

お姉さん属性を振りまき包容力もある朱鷺乃
ヨゴレまくり腐女子なかずき
コリンやエビルをこき使う、つわものシスター芳美
色仕掛けでバカ高い壺や絵を買わせるさつき
ドジ・泣き虫・天然ボケと三拍子揃ったダメエージェントの牟祢
勇輝と理玖の対立を煽って高笑いするふゆ(カテ○ナさん?)


…誰か書く人いないか?(w
260名無しさんだよもん:03/12/30 09:06 ID:38tPO6pl
うーん、俺は批判の渦に巻き込まれそうだし止めとくよ。
原作キャラでギリギリのネタを反転キャラでやるとなると。
ああ、先に性格が反転していない状態を存分に書いた後で…やっぱり無理だ。
誰か反転ダケを喰わせる役のキャラが居れば良いか? もしくは性別ごと反転させてしまうミックス版。
↓よろしく。
261名無しさんだよもん:03/12/31 01:00 ID:MlWzp1dm
↑やなこった
自分ができない事を人に押し付けるんじゃないよん
書きたいのなら自分で書きなさい

という保守書き込みでした
262名無しさんだよもん:03/12/31 01:21 ID:C4tCrKAr
千鶴さんがまたなんか変な茸見つけて料理を作り、
耕一達には逃げられたんで柳川に無理矢理食わせたところ昏倒。
で、気がつくと女になってる柳川。

性格も反転してるんで、普段からフェロモン発散しまくって耕一を誘惑したりするとか。
263名無しさんだよもん:03/12/31 09:25 ID:2iVIHFvv
裕子さんは性格反転してなくてもふぇろもん出しまくりだと思います!
264名無しさんだよもん:03/12/31 14:35 ID:XXVJEhKJ
むしろ反転したら男性恐怖症になりそうな勢いです!
265天使なんかいない-11(1/9):03/12/31 17:04 ID:Ez8yyt3k
「それじゃあ、帰ろうか。朱鷺乃ちゃん」
「あ、はい」
 明日馬さんの告白を受け入れた翌日から、私はバイトの帰りを明日馬さんと一緒するよ
うになった。
「寒くなったね」
「そうですねー」
 夜の街を二人で歩きながら、何気ないどうでもいいような事を話して笑う。今までそん
なこと楽しいと思ったことは一度だって無かったのに、今の私はそれがとても楽しい。
 功美がよく「男を作れ」と言っていた理由が、なんとなく納得できた。なるほど。確か
に随分と違うものだ、と。
「そういえば、朱鷺乃ちゃんってなんでウチでバイトしてるの?」
「は?」
「いや。今さらな話なんだけどさ。朱鷺乃ちゃんって、ケーキ屋でバイトって柄じゃない
って自分で思ってるでしょ?」
「……はぁ、まぁ」
 よく見てると思う。確かに私は、自分はケーキ屋のウェイトレスなんて柄じゃないと思
っている。
「弟に頼まれまして」
「弟クン? へえ、弟いるんだ」
「ええ。まあ、こいつが可愛げのない奴でして。クリスマスの限定ケーキを店員のコネで
どうにか手にいれろ、と。自分はケーキ屋でバイトは御免だ、とか言って」
「へぇ。弟クンって、いくつなの?」
「二つ下です」
 不意に明日馬さんの手が私の腕を掴む。
「危ないよ」
 言われて気付く。背後から自転車が通り抜けていった。
「あ、ありがとう……ございます」
「いえいえ」
 いつもと同じ、柔らかい微笑みを浮かべる明日馬さん。じっと見上げていると、彼が少
し困ったように眉を寄せた。
266天使なんかいない-11(2/9):03/12/31 17:04 ID:Ez8yyt3k
「……あの?」
「ごめんね。朱鷺乃ちゃん」
「はい?」
「我慢、できそうもない」
 言われて、唇をふさがれる。
「……ん」
 ここが人気がないとはいえ、公道である事に思わず腕が抗うように彼の胸を押す。
「……なにすんですかっ!」
 顔が離れた隙に、おもいっきり鳩尾へ肘を入れる。明日馬さんは「痛いよ」とこぼすと、
一転にこやかに笑った。
「だから最初にごめんって言ったじゃない。だいたい朱鷺乃ちゃんが悪い」
「は!?」
「キミの癖なのかな。話す時、じっと相手の目を見るでしょ」
「……はぁ」
「見つめられるとね、こう、ムラムラと湧き上がってくるわけですよ」
「……何が?」
「ナニが」
 もう一度、今度は脛を蹴っ飛ばした。


267天使なんかいない-11(3/9):03/12/31 17:05 ID:Ez8yyt3k
「ただいま」
「おかえり、姉貴」
 珍しく玄関まで迎えに出てきたのは、恵だった。
「なに。珍しい。お姉さまを迎えに出てくるなんて」
「ダァホ。誰がそんな真似するよ。ポイの餌を取りに来たんだよ」
「餌?」
「もう無くなったから」
 そういって玄関脇の納戸から新しい餌の箱を取り出す。
 ヒャン!と足元で犬の鳴き声。
「お。ポイ、ただいまー」
 以前ならこのアホ面を見てもあまり和まなかっただろうけれど、今の私は和みまくりだ。
恋をするとこうまで違うものか、と呆れるほどだ。
「……姉貴」
「なに?」
「なんかあった?」
「は?」
 見上げると、恵が愕然とした顔で私を見ている。
「そんな! 犬と戯れるなんて、姉貴じゃない! 誰だお前! いつ姉貴と入れ替わった
んだ!! ハッ! もしかして、UFOか?! 宇宙人なのか!?」
 頭上で響き渡る大声に、私は思わず握りこぶしを固めて、叫び続ける阿呆に一撃を加え
た。「うげぇっ」という恵の声を聞きながら、思い切り睨みつける。
「なにを言い出すか、このボケ弟はっ!」
 怒鳴ると、恵は目をパチパチと瞬きする。
「あ、本当に姉貴だ」
「そーか。あんた、私をそういう風に認識してたのか」
 睨みつけると恵は慌てたように視線を右往左往させる。足元で何も分かってなさそうな
顔で、ポイがヒャンと鳴いた。
「……じゃあ、なんかあったのか。本当に」
「は?」
268天使なんかいない-11(4/9):03/12/31 17:06 ID:Ez8yyt3k
「……姉貴、なんか最近、雰囲気が柔らかくなったから。んな、簡単に人間が丸くなった
とも思えないし」
「あー。まぁねえ」
 オトコができたら丸くなった、とは言えない。恥ずかしくて。
「……お姉さまには色々あるのよ」
「なんじゃそりゃ」
 呆れ声の恵を見上げ、話題を変える。
「んで? 今日の晩御飯は?」
「ハンバーグ。手作りのデミグラスソースで」
「またぁ!?」
「嫌なら食うなよ」
 そう言いながら恵は中へと戻っていく。私もその後ろを歩きながら、抗議する。
「一昨日もハンバーグだったじゃん。お子様味覚」
「うっさいな。俺が好きなんだからいいだろ」
「たまには別な物が食べたい」
「だったら自分で作れよ」
「家事を一切自分でやる代わりに、維納夜曲でバイトしてくれって言ったのは誰よ」
「……俺」
 弟を言い負かしながら食べるハンバーグは、美味しかった。



269天使なんかいない-11(5/9):03/12/31 17:07 ID:Ez8yyt3k
「ん……ふぁ……っ!」
 ざらり、と明日馬さんの舌が私の性器を舐めるたびに、声が溢れる。
 全裸でうつ伏せに横たわった私は枕に顔を押し付け、明日馬さんの香りに包まれながら
彼に責められていた。既に数十分の間、決定的な絶頂を与えられないままに、彼の愛撫を
受け続けた私の頭の中には、明確な意識などという代物は残ってはいない。
 彼の愛撫に反応し、声をあげ、懇願する。ただそれだけのことしかできない。壊れたラ
ジオのように。
「あ……すまっ……お、おねが……ぃ」
 ガクガクと震える腰。今にも崩れ落ちそうになる体を明日馬さんの両腕が力強く押さえ
つけ、私は髪を振り乱しながら叫ぶことしかできない。
 ここが明日馬さんの部屋で、彼のベッドの上で乱れる私は彼の両親が帰ってくるかも知
れないなどという心配をする余裕は無かった。
「どうしたの? 朱鷺乃ちゃん」
 顔を上げて、こちらを見る明日馬さん。私の溢れた露でべとべとに濡れた顔で、私の表
情を窺っている。視線を落とせば、既に下着を脱いだ彼の股間で、彼のモノが大きく隆々
と屹立しているのが見えた。
 その大きなもので貫かれることを想像するだけで、私のあそこは震えてしまう。
「いやぁ……いじわるしないで……」
 涙を流しながら懇願する自分を見て、いじわるそうに明日馬さんが笑う。
「いじわるって。俺のクンニ、気持ちよくない?」
「……いいの。気持ちいいの。でもそれだけじゃ……」
「じゃあ、どうして欲しいの?」
 ゆっくりと、彼の体が覆い被さってくる。私の胸をゆっくりと絞り上げるように根元か
ら先端へと、やわやわと揉み上げていく。ピンと尖った先端の周囲を撫でるように指先が
蠢き、期待に膨らんだ突起をさらに追い詰めていく。
「……ふ……ン」
 そのどれもが、緩やかな曲線を描いて私を高めていく。けれど、その高まりが極限まで
到達していたとしたら?
 ある一定のラインから上へと、決して昇ることのできない、快感。
270天使なんかいない-11(6/9):03/12/31 17:07 ID:Ez8yyt3k
「やぁ……胸、じゃなくて……」
 甘えた声が喉を鳴らす。自分でも知らなかった。こんな媚びた声が出るなんて。
「じゃあ、どうしたいの?」
 明日馬さんがあぐらをかいてベッドに座る。
 その中心で、ピンと上を向いてそそり立っているおちんちんに、私の視線は釘付けにな
っていた。先端に雫が溜まっている。
「……それを、入れて欲しいの」
 四つん這いのまま、彼に願う。けれど彼はただ小首を傾げる。
「それって、これ?」
 指が、私の穴に潜り込む。
「ん……違う、のぉ……指じゃなくて……ひぅっ」
 ぐちゅぐちゅと、篭った水音がするたびに、私の体が痙攣する。ふわりと薫るのは、普
段のそれとはまるで違う、発情した牝の香りだ。
「……明日馬さんの……」
「俺の?」
 にっこりと、笑う。そのくせ、明日馬さんは指を動かし続ける。
 切羽詰った私の頭には、もうその言葉を口にすることへの躊躇いなど、残ってはいなか
った。
「おちんちん、入れてください」
「何処に?」
「私の……恥ずかしい穴に」
 とろり、と雫があそこからこぼれ落ちるのが分かった。口にした恥ずかしい言葉に、追
い詰められている。それが、分かる。
「私の穴に、明日馬さんのおちんちんを……」
「じゃあ、さ」
 意地悪そうな明日馬さんの笑みが、さらに深まった。
「自分で入れてみてよ」
「……え?」
 呆然とする私の目の前で、明日馬さんはごろりと仰向けに横たわる。そのくせ、股間の
それは上を向いたままで。
271天使なんかいない-11(7/9):03/12/31 17:09 ID:Ez8yyt3k
「……ほら。欲しいんでしょ? だったら、自分で入れて見せてよ」
 自分から、彼のモノを咥えこめ、と?
 言われたことを理解して、私の体はかーっと熱くなった。
「そ、そんな」
「じゃあ、今日は寝るよ」
 クスと笑い、明日馬さんが目を閉じる。
「あ、や、やだっ!」
 こんな生殺しの状態のままで放っておかれたら、気が狂うかも知れない。追い詰められ
た私には、選択肢なんて初めから無かった。
 のろのろと起き上がると、彼の上に跨る。
「あ……」
 とろり、と滴り落ちた雫が彼のモノを濡らす。
「ドロドロだよ、朱鷺乃ちゃん」
「いやぁ……」
 ただでさえ赤くなっていただろう顔が、さらに火照る。明日馬さんの視線は私のあそこ
に集中しているようだった。
「ほら。早く咥えないと、萎えるよ?」
 言われて、私は彼のモノの根元を掴んだ。ドクドクという脈拍と、火傷しそうな熱が手
を伝う。そして、その硬さに私の期待が膨らむ。
「ん……は……」
 当たりをつけて、腰を下ろす。先端が潜り込み、そして、そのまま腰を下まで下ろした。
「……あ……はん……凄」
 体の奥深くまで串刺しにされたような感覚。根元まで飲み込んだ彼の性器に、まるで喉
まで貫かれているかのように、私は声を漏らした。
 けれど、そこまでだった。
 明日馬さんの腰は動くことはなく、私は彼の顔を見下ろした。
「なんで……動いて……?」
「疲れちゃったからさ。自分で動いてよ」
 平然とした顔で笑う明日馬さんに、私の体が震えた。
272天使なんかいない-11(8/9):03/12/31 17:09 ID:Ez8yyt3k
「自分で……って」
「ほら。腰を動かしてさ」
 ニッコリと笑いながら、彼の手が私の胸を掴む。
「気持ちよくなりたいなら、自分で努力しなきゃね」
 言われて、私は諦めた。ゆっくりと腰を上げて、、重力にまかせて下に落とす。
「ひぅっ!」
 勢いよく下ろすたびに、私の中の性感が高まるのが感じられた。


「……あ、は、ひぅっ、あんっ!」
 腰を引き上げるたびに、カリが私の中を掻き出していく。腰を落とすたびに、貫かれる。
単純な前後運動。それだけじゃ物足りなくなった私は、腰を円を描くようにまわし始めた。
「すげー。朱鷺乃ちゃん。すげぇいやらしいよ。その腰の動き」
 明日馬さんが私を褒めてくれる。その言葉が、さらに私の快感を高めていく。
「ほら。もっと強く腰を振って。……ん、そう」
 彼の眉間に皺が寄っていく。彼の快感もまた、高まっているのが分かる。それを見て、
私の腰はさらに勢いを増した。
「……ん……は……ふぁっやぁっはあああっ!」
 不意に、明日馬さんの手が私の腰を掴む。そのまま、急激に突き上げられた。
「あ、やっ! い、イク! そんなされたらっ!」
「出すぞっ!」
 明日馬さんの叫びと同時に、彼のモノが私の一番奥を貫いた。
 びゅるびゅると、中で暖かい物が溢れていくのが分かる。
「あ……イク……ぅ」
273天使なんかいない-11(9/9):03/12/31 17:11 ID:Ez8yyt3k
 彼の精液で、私の限界が越えた。弛緩する体がどさりと彼の上に倒れてしまう。
「……朱鷺乃ちゃん? まだイってるの?」
 彼の手がさわさわと私のお尻や背中を撫でている。
 そして、彼の言うとおり。私は彼のモノで貫かれたままで、今もイキっぱなしだった。
長い間溜め込まれた快楽が、一気に開放されたせいだろうか。まるでこのまま死んでしま
いそうなほどに、頭の中が飛んでしまっている。
「……あふ」
 ぬるり、と抜ける。
「……凄い。ドロドロ。ふやけそうだな」
 彼が笑いながら、おちんちんを私の顔に近づける。
「んぅ……ちゅぅ」
 まるで母親のお乳を吸う赤ん坊のように、私は彼の萎えかけのおちんちんい舌を這わせ、
吸い込み、舐める。彼との行為の中で、彼が最後に必ず私に求める物。
 全てを清めた私に彼が笑う。
「今夜は泊まっていきなよ。どうせ体も動かないでしょ」
 その言葉に、口の端が少しだけ持ち上がる。言われたとおり、私の体はもう限界のよう
だった。さっきから瞼が下に降りようとするのを必死に抑えていたけれど、その言葉に安
堵して下ろしてしまう。
 彼の香りに包まれながら、私は意識を暗闇に閉ざした。
27476:03/12/31 17:12 ID:Ez8yyt3k
年末というより大晦日になにをやってるんだ自分、とツッコミ完了。

ときのん、メロメロ編ですた。
275名無しさんだよもん:03/12/31 23:16 ID:CDYD3zl8
>76
大晦日にグッジョブ!

完全に篭絡されてるな朱鷺乃…。
そろそろ明日馬の本性が判明してどん底に突き落とされるのか?
276元380:04/01/01 00:47 ID:m1Y/9rBu

祐子「えっと…こ、ここでいいのかな?」
瑞穂「あっ、長瀬さーん。こっちです、こっちです」
祐子「あ…はい、今行くね」
叶人「ふーん、あれが瑞穂のイイ人?」
瑞穂「わわわっ、何てこと言うの…(///)」
祐子「瑞穂くん?どうしたの?…あ、えっと……」
叶人「どうも。太田叶人です。瑞穂がいつもお世話になってます」
祐子「あ、はい、こちらこそいつもお世話になっていまして…」
瑞穂「ちょ、ちょっと、やめてよもう…(///)」

叶人「それじゃ、混まないうちに行こうか?…まあ、もう混んでるけどな」
瑞穂「うん。それじゃ、長瀬さん?」
祐子「せーの…」

みんな「「「あけまして、おめでとうございます!」」」



…ということで新年おめでとうございます。
今年も元気に反転していけたらいいなと思っているわけですが…
ごめんなさい瑞穂の話今書いてますもう少しお待ちください
それでは回線吊って首切ってきます
277名無しさんだよもん:04/01/01 14:05 ID:aYYfV5dM
明けましてイ`!!
278名無しさんだよもん:04/01/01 22:00 ID:A5dHNavv
「新年明けましておめでとー」
「……」
「振袖姿でどうも、那須宗子です」
「……」
「今日は私と同じくニューフェイスながら
 凄い勢いでファンを増やしている木田朱鷺乃嬢と
 挨拶に参りましたー」
「…」
「ほら、トキノン、挨拶、挨拶」
「何で私が…」
「ふふふふふ、いいのかな…屋上とか部室とか屋上とか」
「う゛」
「エージェントをなめちゃぁいかんよ、わははははは」
「このアマ」
「ほれほれ憎まれ口叩いていないで、ここはこのキノコのリゾットを
 食べて落ち着きなさいな…食べないと屋jy」
「まぁ、恵のおせちにも飽きてたしね パクッ」
「それではトキノンが食べ終わったらまた会おうね、
 一端スタジオの長瀬さんにカメラを返しまーす」



つづかねえ
何はともあれ新年あけましておめでとうございます。
性別反転+性格反転は難しいな〜と。
279 ◆kd.2f.1cKc :04/01/01 22:41 ID:9jxBfb9+
「「「「「新年開けましておめでとうございます!」」」」」

「ところで、梓お姉ちゃん」
「ん?」
「今年のおせち、なんだかいつもとちょっと違うよね?」
「味が落ちてます……」

「ぐ……」
「だってよ、こーいち」
「…………」

「…………」
「…………」
「えっ?」
「ええっ!?」

「耕一さんがつくったんですか!?」
「えーい、うるさい、私ゃ梓程料理慣れしてないんだから仕方ないだろー!!」
「べ、別に不味くなんかないよ、ただ、いつもと違うなー、と思っただけで」
「(ボソ)初音、ズルい……」
「ま、あたしはこんなぐーたら大学生が料理できるってだけでも
 意外だと思ったけどねー」
「私にだってこれぐらい出来るっての、そりゃ、レシピ見ながらだけどさ」
「ま、女だしねぇ……フツーっていやあ、フツーか」

「しくしくしくしく…………」
280お正月な風景:04/01/02 11:01 ID:wPB+izxF
 その日、榊忍は例年通り、お隣に住む幼馴染と連れ立って新年の初詣へと出かけていた。
 幼い頃はお互いの両親と一緒に。中学生になった頃には、二人だけで。
 いつか、自分たちに別の大切な人間ができるまで、きっとこの習慣は終わらないのだろ
う。
 そう、思っていた。
「……すごい人ごみだね」
 感嘆の声をあげた透に、忍は苦笑いを浮かべる。
「本当だな。まだ朝早いのに」
 本格的に混み始めるのは、まだこれからだろう。そう考えながら首肯した忍に、透はへ
ろっとした笑顔を浮かべる。
「ん。これからもっと凄くなるのかな。もしかしたらクラスのみんなとも会えたりして」
 クスクスと笑う透の横顔を見下ろしながら、忍は少しだけ驚きを覚える。去年の透はも
っとオドオドとした、小動物のような顔をしていたと思う。それがどうだろう。
 今も他人の顔色を窺う癖は抜けていない。けれど、それでも、我を通すための強さが顔
に浮かんでいた。
「どうだろうな」
 中学までなら、クラスメートは同じ地区に住んでいるだけあって、遭遇率は高かった。
けれど高校となると違ってくる。まるで違う地区から通ってきている人間が集合している
のだ。当然、初詣に行く神社だって違うだろう。
 そう。そのはずだった。
「……うげ。榊に栗原」
「え?」
 背後からかかった声に振り返った透と忍は、その視線の先にある物に凍りついた。
 真緋の地に白い淡雪を散らしたような小さな花の柄が水に流れるように着物を彩ってい
る。いつもの長い赤みがかった髪は日本髪に結い上げられ、白く細い首筋が露になってい
た。
「……木田?」
「木田、さん?」
 そこにいたのは木田朱鷺乃と呼ばれる、学校でも札付きの不良と呼ばれた少女だった。
281お正月な風景(2/3):04/01/02 11:02 ID:wPB+izxF
 だというのに、いつもの着崩した制服姿しか知らない二人の前にいたのは、きっちりと
振袖を着込んだ朱鷺乃だった。まるで別人と思わせるほど、今の朱鷺乃はしとやかに見え
る。
「……新年早々、お前らに会うなんて、サイアク」
 口の悪さは、変わっていないようだが。


「……ど、どうしたの。木田さん。すごい綺麗」
「う。そ、そう、か?」
 目を輝かせて近づいてくる透に気圧されるように、朱鷺乃が一歩下がる。頬が寒気か、
照れかは分からないが赤らんでいるのを見ながら、忍が口を開いた。
「木田。その格好って」
「なんだよ。どうせ私にはこんな格好は似合わないよ。しょうがないだろ。毎年、親が問
答無用で私に着させるんだから」
 ぷい、と拗ねたようにそっぽを向く朱鷺乃。うっすらと化粧をしているのだろうか。い
つもより、唇の紅が鮮やかに思えた。
「ううん。木田さん。すごい綺麗」
 けれど透は、そんな朱鷺乃の言葉を否定する。
「……いいよ。お世辞は。恵だって、いつも私を見てそっぽ向くんだから」
 二年下の少年を思い出しながら、忍が笑う。
282お正月な風景(3/3):04/01/02 11:03 ID:wPB+izxF
「……ま、普段との違いが大きすぎるかな」
 ギロリと剣呑な目で睨みつける朱鷺乃を見ながら、忍が笑う。
「よく似合ってるよ。最初はどこのお嬢様かと思ったくらいだ」
「……ぇぅ?」
 キョトンとした顔になった朱鷺乃。一瞬の間を置いて、顔が真っ赤になった。
「な、ななな、なにを言って――」
「姉貴ー! 何処行ったー!」
「木田センパーイ!」
 遠くから自分を呼ぶ声に、朱鷺乃の表情が変わる。
「あ。ヤバ」
「弟?」
「ああ。手のかかる弟と、その友達さ。じゃーな」
「ああ」
「あ、木田さん。忘れてた。『あけましておめでとうございます』」
 ペコリと頭を下げた透を見て、朱鷺乃は少しだけ目を細める。
「……おめでと。じゃあな、お二人さん」
「また、学校で」
 忍の声にフンと鼻を鳴らし、朱鷺乃が踵を返す。いつもとは違うしずしずとした歩き方
で、人ごみの中に消えていく後ろ姿を見送り、忍と透は顔を見合わせて思わずら笑ってし
まう。
「……今年も大変な年になりそうだなぁ」
「そうだね。……うん」
 朱鷺乃の後ろ姿が見えなくなるまで、二人の足は動くことは無かった。
283名無しさんだよもん:04/01/02 12:29 ID:JmYkJJ/l
お年玉キタ━━━━━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━━━━━!!

頬を染めた和服の朱鷺乃たん…萌え(*´д`)
284名無しさんだよもん:04/01/03 12:48 ID:VNDF45Ra
晴彦「おい居候、正月くらいはもちっとエエかっこしたらどうや?」
往穂「悪いが、私は晴れ着なんて持ってない。この服が一張羅だ」
晴彦「そうやろうと思っとったで。ほれ」
往穂「え…この着物は…?」
晴彦「ワシの姉貴のお古や。着る奴おらんからずっと仕舞い込まれてたんやけど、
   処分せんといてよかったわ。これを着たらええ」
往穂「あ…ありがとう」
晴彦「それからこいつもな」
往穂「なんだよこの本…『一人で着付けできるもん!』に『完全着付けマニュアル』…?」
晴彦「乙女の着替えにワシら男が手伝うわけにもイカンやろ? ほなまた後で」
往穂「おい!ちょっと待て……ったくもう」

鈴「わぁ…往穂さん、とっても綺麗だよ!」
往穂「そ、そうか…? こういうの着るの初めてなんだが、そう言われると苦労した甲斐があったな」
晴彦「うんうん、これぞまさに『馬子にも衣装』という奴やな」
 (ボカ!)
往穂「そんな古典的ボケをかまさなくてもいい!」
晴彦「アタタ…その反応も古典的やっちゅうねん…」
鈴「それじゃ、お父さん、往穂さん、みんなで初詣に行こうよ!」
晴彦「せやな」
往穂「よし、行くか!」


反転Airでおめでとうございま〜す(ちょっと遅れたけど)
28576:04/01/03 18:13 ID:MDkg9Cx6
新年からアレな代物を落とします。
ブラック明日馬さん降臨編です。7レスほど。
286天使なんかいない-12(1/7):04/01/03 18:14 ID:MDkg9Cx6
「朱鷺乃ちゃん。今日は俺の家に泊まりにこない?」
 維納夜曲でバイト中の朱鷺乃に、明日馬が突然そんな事を言い出した。
「え?」
 突然な言葉に驚きの声をあげた朱鷺乃は、すぐに顔を赤らめて笑う。
「……いいんですか?」
「ああ。例によって親はいないし。朱鷺乃ちゃんさえ問題なければ」
「あ……。じゃあ、行きます」
 今までも何度か『お泊り』をした明日馬の家だ。朱鷺乃は特に気負った様子もなく、頷
く。幸い明日は土曜で学校も休みだった。
「じゃあ、帰りは一緒に帰ろうね」
「いつも一緒に帰ってるじゃないですか」
 クスクスと笑いながら、朱鷺乃が明日馬の胸を叩く。
 すぐに照れたように朱鷺乃は奥へと引っ込んでしまった。だから気付かなかった。明日
馬の口元が微かに歪んでいることに。

287天使なんかいない-12(2/7):04/01/03 18:15 ID:MDkg9Cx6
「……はい、これ。ジュースだけど良い?」
「あ。はい。ありがとうございます」
 いつものように明日馬のベッドに座ったまま、グラス注がれたジュースを受け取る。既
にシャワーは浴びた後だった。明日馬が下着姿で朱鷺乃の隣に座った。
 ギシ、というスプリングの音に少しだけ心拍を早めながら、それでも手に持ったジュー
スの中身を口にする。中身を飲み干した朱鷺乃の唇を、すぐに明日馬の唇が覆う。
「ん……っ」
 舌がすぐに潜り込んできたかと思うと、激しく吸い込まれる。
「ふ……っんむ……」
 身に着けていたバスタオルははがされ、朱鷺乃の体はベッドの上に横たえられた。
「あ、明日馬さん……」
 ぐい、と広げられた下肢。明日馬の顔が、朱鷺乃の下腹部に埋もれた。
「すごいな。もう、グショグショだよ。期待してたんだ? 朱鷺乃ちゃん」
 いやらしい顔で笑う明日馬に、朱鷺乃の顔がカーッと熱くなる。
「そんなんじゃ……」
「いやらしい朱鷺乃ちゃんにプレゼントを用意してあるんだ」
「……え?」
 明日馬の舌が朱鷺乃の秘部に埋もれる。
「ひゃぅっ!」
 声が漏れた朱鷺乃は、舌が回らなくなってきた事に気付いた。
「あ……ありぇぇ……?」
「効いてきたみたいだね」
 ニヤリと笑う明日馬に、朱鷺乃の中で危険信号が灯る。だが、体は気だるい感覚のまま
動くことがない。
「あ、あしゅま……さん?」
「大丈夫。危ない薬じゃないから。ちょっと体の動きが鈍くなって――すぐに気持ちよく
なるだけだからさ」
「え……?」
 ぐい、と明日馬が腰を進める。ずぶり、と中に侵入してきた物の温度は、いつも以上に
熱く感じられた。
288天使なんかいない-12(3/7):04/01/03 18:15 ID:MDkg9Cx6
「ひゃあぁっ!」
 喉をさらして叫ぶ。いつもとはまるで違う、研ぎ澄まされた感覚。ぼんやりとした意識
の中で、ただ一点だけが明瞭な感覚を保っていた。
「やぁ……っ! なにこれぇ……っ!」
「キモチイイだろ?」
 明日馬がそう言いながら、腰を使う。そのたびに結合部からぐちゅぐちゅという濡れた
水音が零れていく。
「朱鷺乃のココも、すげぇ食いついてくるぜっ」
 ぐん!と力強く腰を打ち付ける。そのたびに、朱鷺乃は目の前でフラッシュを焚かれた
ように、真っ白になる。
「ひゃうっ! やぁっ! だめぇっ!」
 真っ赤になった顔が、懇願に歪む。涙と涎を垂れ流しながら、朱鷺乃は無意識のうちに
腰を振り始めていた。
「や、やぁぁ……。勝手に腰がぁ……」
 子供のような泣き顔で、それでも快楽を貪ろうとする朱鷺乃。それを見て、明日馬が笑
う。笑いながら、乳房の先端に歯を立てた。
「ひ、ああああっ!」
 鮮烈な痛みが、すぐさま快感に変換される。追い詰められるように朱鷺乃の呼吸が切迫
する。そのたびに明日馬をくわえ込んだ朱鷺乃はギュンギュンと締め付けを強めていく。
「凄い……締め付けがいいよ……!」
 鋭く、早く。小刻みなリズムで朱鷺乃を貫きながら、明日馬の呼吸も切迫していく。
「い、イク……っ! 出すぞっ!」
「出して! 中に出してぇっ!」
 朱鷺乃の長い足が明日馬の腰へと絡みつき、強く結合部を体に押し付ける。さらに深く、
奥へと導いていく。
「……っ!」
 火傷しそうなほど熱い物が体の奥で広がる感覚に、朱鷺乃は声を上げることすらできず
に悶絶した。

289天使なんかいない-12(4/7):04/01/03 18:16 ID:MDkg9Cx6
「なぁ、いいのかよ」
「いーんだよ。もうこいつ、俺にベタ惚れだし。それに薬を使ったセックスを覚えさせれ
ば、絶対に言うこと聞くって」
 ぼんやりとした意識が、誰かの話し声によって目覚めていく。
「――ヒュー。それにしてもすげぇ上玉じゃん。どーしたんだよ。この子」
「維納夜曲のバイトだよ。いつもどおりじゃん」
 体が思うように動かない。瞼もまだ開かない。
 ただ音だけが聞こえてくる。
「まーたバイト喰ったのかよ。明日馬って鬼畜ぅ」
「お前らだって良い目みてんじゃんよ。俺だけかよ」
 ギャハハと品のない笑い声。
「――さってと。そろそろ目ぇさますんじゃねえの?」
「いーよ、別に。目なんか覚まさなくったって、できるだろ」
 違いない、なんて声と笑い声。
 体に触れる手が胸を揉む。いつもの明日馬とは違うその揉み方に、朱鷺乃の目がうっす
らと開いた。
「……っ!」
「あ、目ぇ覚ましたみたいだぜ」
 体の上に乗った見知らぬ男が、誰かにそう話しかけている。
「な、なにしてっ!」
「おー。気ぃ強いねぇ。俺、そーいうの好み」
 へらへらとした笑い声。
 そして、ジャラリという音がした。
「!?」
 両手が手錠でつながれていた。さらに、両足も縛り付けられている。
「……ここ、何処! 明日馬さん! 明日馬さん!?」
「はーい」
 慌てた朱鷺乃の声に、のんびりとした聞きなれた声が答える。そちらに目を向けた朱鷺
乃は、ぎょっとして目を剥いた。
290天使なんかいない-12(5/7):04/01/03 18:16 ID:MDkg9Cx6
 そこには見知らぬ数人の男と一緒に、缶ビールを手にしている明日馬がいた。
 部屋はいつもと同じ明日馬の部屋のようだった。そして、自分はベッドに寝かされて拘
束されている。体の上には、見知らぬ男。
「あ、明日馬さん! これって一体!」
「んー。まあ、なんて言うのかな。刺激って奴?」
 クスクスと笑いながら、明日馬が答える。その笑みも、その酷薄な声も、朱鷺乃は知ら
なかった。
「明日馬……さん?」
 呆然と名を呼ぶ朱鷺乃を見て、明日馬が笑う。
「ほら。たまには他の奴とヤッてみるのも良い経験だと思わない?」
「なにを言って……!」
「俺のこと、好きなんでしょ? だったら俺のいうこと聞かないと。ね?」
「明日馬さん!」
「大丈夫。すぐに気持ちよくなるから。すぐに朱鷺乃ちゃんから強請るようになるよ」
 下卑た笑いを浮かべた明日馬に、朱鷺乃の頭が真っ白になる。
「ほら、朱鷺乃チャン。今は俺が君の上にいるんすけどねぇ」
 体の上に乗った男の舌が朱鷺乃の乳房を舐めまわす。その感覚に、ぞっと肌が粟立った。
「や、やだっ! 放してっ! やめろっ!」
 暴れようとする朱鷺乃。だが腕にはろくに力も込められず、男のするがままになってい
た。胸をいじられるうちに、呼吸が荒くなる。
「や……やぁ……」
「薬が効いてきたかな?」
 男が笑う。今では男の指が触れるたびに、体がゾクゾクと震えていた。
「くすり……?」
「気持ちよくなれるお薬だよ」
 遠くで明日馬が錠剤のケースを振ってみせる。
「大丈夫。薬物に習慣性は無いから。でも、他の習慣性はあるかもね」
 男の舌が胸をベタベタにした頃には、朱鷺乃はもう明日馬の声を聞いている余裕はなく
なっていた。
291天使なんかいない-12(6/7):04/01/03 18:17 ID:MDkg9Cx6
 しつこいほどに胸だけを愛撫する男に、朱鷺乃の下半身が疼く。だが、そんなことを言
うことはできない。こんな見知らぬ男に、そんな物をねだることはできないと、朱鷺乃の
中の理性が叫んでいる。
「ほら、何か言うことは無い?」
「…………無い」
 逡巡を悟られないように顔を背けながら、朱鷺乃はどうにかそれだけを口にした。
 だが今でも、体の奥では官能が目を覚まし、燃え盛っていた。男の精液が欲しい。男根
で貫きグチャグチャに犯して欲しい。
 そんな欲望が体の奥で燃え盛っていた。
 それが明日馬の言っていた「薬」の効果だとするなら、今、それに屈するわけにはいか
ない。
 朱鷺乃は必死に理性に縋りつきながら、男の愛撫に下唇を噛み締める。
「頑張るじゃん」
 だが男の舌が、朱鷺乃の性感帯を的確についていく。
 声を漏らさないように堪えながら、朱鷺乃は汗ばんだ肌をさらに赤くしていく。
「……やぁっ」
 思わず声が漏れる。張り詰めた意識が、その一声で一息に崩れていく。
「ひっ……ふぁっ」
 濡れた秘部の感覚だけが明瞭に頭に届く。ビリビリと震えるような感覚。触れられるた
びに、その快感は朱鷺乃の理性を追い詰めていく。
 今にも決壊しそうな理性の堤防を必死に掴みながら、朱鷺乃は堪える。
「まあ、いくら頑張っても、ヤルことは一緒なんだけどさ」
 男が屹立した男根を手に、朱鷺乃の不自由な足を広げた。ぐい、と無造作に持ち上げら
れた両足が男の肩に乗る。露になった秘部と排泄口が外気にさらされる感覚に、朱鷺乃の
羞恥心が弾けそうなる。
「やぁ……! やめて……! 助けて……!」
 懇願する朱鷺乃を見下ろして、男が笑う。
「さっきの威勢はどうしたんだよ、朱鷺乃チャン! ま、泣いて叫ぶほうが可愛いけどさぁっ!」
292天使なんかいない-12(7/7):04/01/03 18:22 ID:MDkg9Cx6
 ズン!と男のモノが朱鷺乃の中を犯す。表面張力でギリギリ保たれていた平衡が、その
一突きで溢れた。グラスの中の水が溢れるように、朱鷺乃の中で快楽が弾ける。
「や、ひゃあああっ!」
 叫び、締め付けた。それは最早彼女の意思など関係のない、ただの反射だ。だが男はそ
の締め付けのよさに感嘆の声を上げる。
「うわっ! すげぇ締め付け!」
 ぐい、と腰を引いて、もう一度打ち付ける。
 そのたびに、朱鷺乃は泣いて叫んだ。溢れる涙は見知らぬ男に犯されることへの悲しみ
なのか、快感によって溢れるものなのかも分からずに。ただ高い声を上げて、男のモノか
ら与えられる快感に焼き尽くされる。
「っで、出るぞっ!」
「あ、はぁっ! やぁぁぁっ!」
 男が朱鷺乃の腰を掴んで、グイグイと奥へと押し込んでくる感覚に、狂ったように暴れ
る。だが薬で自由の利かない朱鷺乃の抵抗など物ともせずに、男は朱鷺乃の奥深くで白濁
液を撒き散らした。
 その熱い液が子宮を焼く感覚に、朱鷺乃の体が硬直する。
 絶頂は、無慈悲に朱鷺乃の体を震わせ、そして脱力した。
「……よーし。んじゃ次は俺な」
 今まで朱鷺乃を犯した男がベッドを降りたかと思うと、次の男がベッドに上がってくる。
既に服を脱いだ男は、屹立した性器を二度三度しごいたかと思うと、朱鷺乃の中へと無造
作にねじ込んだ。
「ひぐっ!」
 絶頂の中で彷徨っていた朱鷺乃の意識が、急激な挿入によって現実へと引き戻される。
そして、今自分の上にいる男が先ほどの男とは別の人間だと気付いて、再び顔が引き攣っ
た。
「……へへッ。現役女子高生だもんな。一晩だって楽しめるよなっ!」
 先ほどの男よりも大きなものが朱鷺乃の中を圧する。その感触だけは、はっきりと感じ
られることに呆然としながら、朱鷺乃は再び絶頂の波に囚われた。
293名無しさんだよもん:04/01/04 10:23 ID:UPQUC5Jw
犯られまくり(*´Д`)ハァハァ
294名無しさんだよもん:04/01/04 14:14 ID:dn2sPGev
前の前の前のスレ、500kOVERしました。
そろそろdat落ちの予感
295名無しさんだよもん:04/01/05 00:00 ID:Sb1lvsoV
そして最下層
296名無しさんだよもん:04/01/05 00:03 ID:996ri2v0
297名無しさんだよもん:04/01/05 00:29 ID:MNe2r6cL
朱鷺乃どうなっちまうんだおい…

ハァハァしたけど
298名無しさんだよもん:04/01/06 06:35 ID:c+bo4NDe
リンカーン
299名無しさんだよもん:04/01/07 06:27 ID:s0LyZ+HB
ほしゅる
300名無しさんだよもん:04/01/07 16:49 ID:0+mWBUwf
ときのん輪姦されちゃった・・・。
301名無しさんだよもん:04/01/07 20:35 ID:woxsJjXB
黒明日馬さん、黒明日菜さんとちがって真性の黒さですな
302名無しさんだよもん:04/01/08 20:54 ID:TgI4Lz0G
他の職人さんたちが静かだ。待ってるのに。色々。
303名無しさんだよもん:04/01/09 10:04 ID:DEfohjBJ
頑張ってる職人さんが居ると、
「ああ、俺が居なくてもこのスレは大丈夫だ」
みたいに?
304名無しさんだよもん:04/01/10 01:12 ID:LJJPCtFC
芙蓉「過去組み新顔、那須早矢に一言物申す」
柳乃「物申す」
早矢「どうぞ」(疲れたように

芙蓉「悲劇的終わりがつきものの過去組みにありながら
   なんの損失もなしに意中の相手と結ばれるという暴挙」
柳乃「実に許しがたい」
早矢「……先輩方も意中の相手と結ばれてるじゃないですか」

芙蓉「もちろん、リネットはよい良人であった」
柳乃「裏疾も実に甲斐甲斐しく私を看病してくれた」
二人「だがそれはそれ、これはこれ」
早矢「おいおい」

リネット「芙蓉さん、やっぱり兄さんが忘れられないんですねー」(泣きながらダッシュ
裏疾「ふふ、やはり神名様にはかないませんか」(微笑みつつすべるように退場

芙蓉「ま、待ったリネット」
柳乃「裏疾!そういうわけじゃなくて」(二人を追いかけるように両人とも退場

早矢「私置いてけぼりかい」

アイスウーマン?「私は過去編に入るのかしらね〜」
305 ◆kd.2f.1cKc :04/01/10 06:20 ID:SYmydZwQ
次郎衛門(♀耕一前世)「…………(ガクガクブルブル)」
306名無しさんだよもん:04/01/10 21:06 ID:Da1cNFE7
名雪と祐一、北川のみ反転。
反転名雪はまず実母の秋子さんとやっちゃって篭絡。
以後秋子さんを助手に、次々とヒロイン(反転北川含む)を毒牙に掛けていく。
最後には反転祐一もやってしまい、一大ハーレムを築き上げる。
と言うのを考えたけど、そんな大作書ける文章力ないよー。
307名無しさんだよもん:04/01/11 01:25 ID:SuEQ+gHx

「…も、もう…やめて……」
 脚を大きく開かれたまま、仰向けに転がされている。
 きっと照明のせいで、私の身体が隅々まで丸見えになってしまっているのだと思う。
 だけど、そんなことを構うような人は、ここにはいない。
 女の子たちは、眉一つ動かさずに私の身体を玩ぶ。
 敏感になった乳首をなぞるように舌が這い、軽く歯を立てられる。
「ひっ…あ、あっ…は…」
 月島さんが命令を止めるまで、きっと彼女たちは止めてくれないだろう…
 そう考えただけで気が狂ってしまいそう。
 月島さんの声が遠くで響いている。何かを呟いている。何かは、わからない。
 誰かがその肉体を重ねて這わせ、誰かが身体中を舐めまわし、
 そして誰かは私の身体からこぼれた液体をすすっている。
 もう、だめかもしれない。
 抗わなきゃいけないのに、ここから逃げなきゃいけないのに…

 …ごめんね、瑞穂くん

 わたし…


「……長瀬さんを、放して、ください」

308名無しさんだよもん:04/01/11 01:26 ID:SuEQ+gHx

 私は、声のした方をどうにかして覗き込んだ。
 そこには、瑞穂くんが立っていた。
 苦しそうに胸を押さえながら、必死になって叫んでいた。
「は、はなして…放してあげてください!」
 だけど、女の子たちは彼の言葉には耳を貸そうとしていなかった。
 蝶や蛾のように、私の身体にわらわらと群がり続ける。
「ごめんなさいっ!」
「……!」
 瑞穂くんは、一番手前にいたショートの女の子に後ろから掴みかかると、
 強引に私の身体から引き剥がした。
 もう、身体中がぐらぐらして何がなんだか分からない。
「瑞穂くんっ…!」
 だから、必死で彼の名前を呼んだ。
 瑞穂くんは、次に私の首筋に舌を這わせていた女の子を跳ね飛ばした。
 突き飛ばされた女の子が、床に尻もちをつく。
 そして、そのままの勢いで太田くんの腕を掴む。
「…………」
 ゆらり、と空気がゆらめいた。
 自分の腕を掴んだ瑞穂くんを、ゆっくりと振り向いて睨みつける。
 横顔からちらりと見えたその目は、とても冷たかった。

309名無しさんだよもん:04/01/11 01:27 ID:SuEQ+gHx

 瑞穂くんは怯えていた。
 本当は今すぐにだって逃げ出してしまいたいに違いない。
 太田君の瞳には、何も映っていなかった。
 怒りとか、激しさとか、そういうものが何もなかった。
 まるで幽霊のように、何もかもから抜け落ちてしまった存在のような…
 だから、私はこの太田くんが怖かった。
 だけど瑞穂くんは、今こうして、ここに…
「!」
 一瞬だった。
 太田くんが無造作に振りまわした右腕が、瑞穂くんの顔を直撃した。
「…っ!」
 漫画みたいにあっけなく、瑞穂くんの身体が壁まで吹っ飛ばされる。
 そして、廊下の床に力無く崩れ落ちた。
「……!みずほくんっ!」
 目の前で、糸の切れたマリオネットのように瑞穂くんが倒れていく。
 動かない身体が恨めしい。叫ぶことしか出来ない。
 それでも、彼の名前を叫ぶ。
「瑞穂くんっ!」
 太田くんの右腕には、血が付いていた。

310名無しさんだよもん:04/01/11 01:27 ID:SuEQ+gHx

 声が届いたのかどうなのか、瑞穂くんはよろめきながらも立ち上がった。
 眼鏡が割れ、鼻血をたらし、それでも立ち上がった。
 初めて出会った時の頼りなかった瑞穂くんは、もうそこにはいなかった。
 彼は、立ち向かっていた。
 足元にあった誰かの制服に足を取られ、転びそうになる。
 それでも足を踏ん張って、壁に手をつきながら必死で立ち上がる。

 そのとき、なにか硬い物が床を転がった。
 ことりと音を立てて小さな木箱のふたが開き、柔らかな音色が辺りに響きわたった。

 それは、瑞穂くんのオルゴールだった。
 狂気の世界を切り取った悪い冗談のような空間の中で、
 優しい音色だけはすべてを包んで静かに響いた。
 ガラス窓から見える物は、月光。

 瑞穂くんは鼻血を手の甲で拭うと、もう一度、私のもとへと歩み寄った。
 そして、その間に立っている太田くんのもとへ。
「…叶人くん、ごめんね」
「ずっと、ずっと、迷惑ばっかり掛けてきたよね」

311名無しさんだよもん:04/01/11 01:28 ID:SuEQ+gHx

「だから、今度は僕の番なんだ」
 今の彼に何を言っても無駄だと思う。
 だけど、瑞穂くんは続けた。
 私の知らないいろいろな事があったはずで、
 それでも瑞穂くんは逃げなかった。
「ねえ、もう帰ろう」
 太田くんは何の反応もなく、微動だにしていない。
 戦っても、勝ち目がないのは分かっている。
「長瀬さん、行きましょう?」
 それでも彼は私のもとへとやってくる。
 完全に無防備な姿だった。

 だけど、彼は動かなかった。
 じっと遠くを見つめ、まるで彼の時間だけが止まったかのように立ち尽くしている。
 瞳の中の冷たさは、不思議と感じられなくなっていた。
 瑞穂くんがしゃがみ込んで、私の肩を抱え上げる。
「…長瀬さん、長瀬さん!しっかりしてください」
「…み…みず……ほ…」
 ぶるぶると震える私の瞳から、一条の雫がこぼれ落ちた。
 それがきっかけになって、私はくしゃりと泣き崩れた。
「瑞穂くんっ…瑞穂くんっ……!」
「長瀬さん…」
 そんな私を、瑞穂くんはそっと抱きしめてくれた。

312名無しさんだよもん:04/01/11 01:29 ID:SuEQ+gHx

「あらあら…私が悪者みたいな展開じゃない?」
 月島さんが口の端をいやらしく歪める。
「私があなた達に何をしたの?素晴らしい夢を見せてあげただけじゃない。
 ほら、彼女達を見て御覧なさい?あんなにも輝いて…」
「叶人くんも、そうやって壊したんですか」
 瑞穂くんの言葉は、静かな中にも明らかに怒りを含んでいた。
 短い沈黙が部屋を訪れる。
 それを破ったのは、耳障りな嘲笑だった。
「…彼は苦しんでいたの。毎日、毎日ね。だから救ってあげたのよ」
 それがさも当然であるかのように、彼女は笑った。
 私の胸の中に、言い知れぬどす黒い物が渦巻いていく。
「だけど、彼も所詮私の心の拠り所にはなり得なかった。
 だから、性的欲求の捌け口ぐらいにしか使えなくってね…」
「!」
 瑞穂くんが月島さんを激しく睨みつけた。
 でも、彼女はまったく動じることなく話を続ける。
「玩具としては使えた方かもしれないけどね…飽きたから返すわ」
 …もう、耐えられそうになかった。
 
313元380:04/01/11 01:33 ID:SuEQ+gHx
…ということで前スレ>>92の続きを書いたわけなんですが…
はい、忘れられた頃にやってくる訳ですが
遅れに遅れた上に終わってなくてその上駄文で本当にもう(略)
まあ、とにかくあけましておめでとうございます。
それでは、回線吊って首切ってきます。
314名無しさんだよもん:04/01/12 01:06 ID:sSC3VMSm
ナイト登場の回ですね。


それはそれとして、前スレついに落ちた?
315名無しさんだよもん:04/01/13 08:32 ID:9/FlCm7r
316名無しさんだよもん:04/01/13 12:31 ID:wdBRIjVA
>>307-312
なんか普通に主人公っぺれえぞ瑞穂くん
いよいよ擬似フォモから卒業か?(w

>>314
落ちたね。
なんだかんだで役立ってくれたな〜。
317名無しさんだよもん:04/01/13 13:18 ID:rd3bREBY
瑞穂君がこのあと再び堕ちるってのもいいかも
あるいは操られた叶人x瑞穂の801y=-(゚д゚)・∵ターン
318名無しさんだよもん:04/01/13 15:14 ID:pHAPVSgT
萌え萌えー
319名無しさんだよもん:04/01/13 22:07 ID:yKZM/I4t
>>317
>あるいは操られた叶人x瑞穂の801
んな事言って本当に書かれたらどうするよあんたw
書いてみたいとかあの人言ってたし。
ま、読んでみたいけd
320名無しさんだよもん:04/01/14 20:02 ID:5y1hn8Ma
 華音女学園高等部1年5組の美坂栞(生徒会書記15歳)にとって、その日はなんの変哲もない普通の日であるはずだった。
 そう学校に着くまでは……。
 いつものように十分ゆとり持って登校し自分の席についた栞は、斜め前の席の水瀬あゆの様子がいつもと違うことに気が付いた。
 なにやら嬉しそうで、それでいて困ってもいるようなそわそわした態度だ。
 訳ありな為特別に親しいとまでは言えないが、やはり身近な人物のそんな態度は気になるものだ。
 普段ならクラスのマスコット的存在のあゆの周りは何人かのクラスメートが居るはずなのだが、今日に限って誰もいない。
 どうも今日の彼女にはどこかしら近寄りがたい雰囲気があるようである。

 あゆさんの様子明らかに変ですねえ、一体どうしたのでしょう?
 お姉ちゃん達のことがなければあゆさんとは仲良くしたいのですが。

 前生徒会長倉田佐祐理の子猫ちゃんと目され、非主流派の次期会長候補であるあゆと、現副会長美坂香里の妹であり、反主流派の次期会長候補である栞は、一般的にはライバルであり対立関係にあると思われている。
 当人同士は別にそんなことは思ってなどいないのだが。
 ちなみに現会長を擁する主流派には次期会長候補のエース不在なのが弱点だった。
 姉同様に学年主席であり、知性派の策士との評価が高い栞。
 一方これと言って特に秀でた点があるわけではないが、元気で明るく不思議なほどに人気のあるあゆ。
 当人の思惑はともかく周囲にライバルと目されるのは当然だろう。

 本当はあゆさんがトップに立ち、自分がそれを補佐する形が理想なのですが、などと栞が考えているうちに、いつの間にか始業の時間になり担任教師が教室に入ってきた。

 出欠の確認の後30前後の女性教師はいつもの穏やかな調子で、今日の連絡事項を話し始める。
「はい今日から平常授業ですから、休みボケの頭を切り換えてシャンとしてくださいね。それと、いまから転校生を紹介します。相沢さん入ってね」
321名無しさんだよもん:04/01/14 20:11 ID:5y1hn8Ma
 おや、始業式の翌日の今日に転入ですか?ちょっと珍しいですね。
 でもうちのクラスだけなぜか人数が極端に少ないですから、転校生がうちのクラスに来るのは自然なことですね。
 あれっ、でも……もう一人、エッ!3人目も入ってきましたよ。
 なんと一度に3人もの転校生がやって来るなんてビックリです。

 などと少々驚いている栞達を後目に女教師は淡々と進行していく。
「はい皆さん静に。3人とも自己紹介をしてくれるかな」
 最初に入ってきた一番長身の少女、と言っても他の二人と二センチくらいしか違わないが、そのセミロングの髪で銀縁眼鏡をかけた少女がまず挨拶を始めた。
「相沢祐一香(ゆいか)です。小学校のころに病気で1年休学したので本当は皆さんより年上です、でも誕生日が3月29日なのであまりかわりません。
それと両親の海外転勤のため今はこのクラスの水瀬さんのお家にお世話になっています。水瀬さんとは従姉妹になります。皆さんよろしくお願いします」
 
 どことなく地味な印象もありますけど、割と落ち着いた感じの人ですね。
 それであゆさんの従姉妹ですか、あまり似ていませんがあゆさんは養女だそうですから当然ですね。
 彼女もあゆさん同様本当は1年上、でも誕生日が早いからあゆさんは最年長のままですね。残念でした。
 あゆさんはもう17歳ですけど、この人は誕生日がまだだからお姉ちゃんと同じでまだ16歳、えっ、待ってください。
 そうするとあゆさんはお姉ちゃんより年上と言うことになりますよ。
 今まで考えたことなかったですけど、とても信じられませんねえ。
 二人とも私服だと下手すると親子に見えちゃいますよ。

 などといろんな考えながらも、栞の目はさりげなく転校生の胸部に向けられている。
 それはそうとすごくスレンダーな人ですね、で肝心の所はっと、ふふ、見たところ76くらいでしょうか?勝った!
 いろいろと不埒なことを考えている栞である。
322名無しさんだよもん:04/01/14 20:13 ID:5y1hn8Ma
 さてそうしている間に二人目の人の自己紹介が始まりましたね。
 赤みを帯びたショートヘアーでおとなしいというか落ち着いた感じの人です。
「相沢美汐です、祐一香お姉様の妹で相沢家の次女です。好きな物は姉とこの妹の真琴です。皆さんよろしくお願いします」
 あれ、3人とも全然似てませんが姉妹なんですね。
 えらく簡単な挨拶ですが、意訳するとお姉様と妹に手を出すんじゃない、と言っているみたいですね。
 ひょっとしてもしかして、そう言う関係ですか?
 それにしてもこの人何かすごく大人びているというか、むしろおばさん臭いような。
「ああそうです。付け加えますと、わたしは物腰が上品なのであって、おばさん臭いわけではありません」
 ギク!なんだか鋭い人ですね、胸は、うーん引き分けと言ったところでしょうか?

 3人目は狐色の髪をツインテールにしてリボンで留めている、少し緊張気味の可愛い子です。
 この子が真琴なのでしょうね。
「あぅー、三女の相沢真琴よ、です。えっと好きな物は漫画と肉ま、じゃなくって読書よ、です」
 あら、まずいことを言いかけてはお姉さんに鋭い視線で見つめられて、慌てて言い直しているみたいですね。
 なんだかそう言うところも可愛いです。
 うーんそれとこの子はちょっと人見知りが激しいみたいですね。
 でも双子にしてはお姉さんと似てませんね二卵性なんでしょうか?
 ああこの人にはちょっと負けちゃいました、悔しいです。
 でもまあ、どちらかというと(スレンダークラブの)お仲間ですね。
 この件ではおねえちゃんったいは敵ですからね。味方が増えて心強いです。
323名無しさんだよもん:04/01/14 20:15 ID:5y1hn8Ma
 などと考えている内に自己紹介も終わりました。
「えーと水瀬さん、あなた従姉妹だそうだから昼休みに学校を案内してあげてね」
「えっ、はい。わかりました」
 おや、あゆさんはなんだかぼんやりしていたみたいですね。どうしたんでしょう?

 あれっ、今気が付きましたけどあゆさんの従姉妹と言うことは、当然お姉さんである名雪さんの従姉妹でもあるわけですね。
 そう言えば名雪さんは従兄弟が来ると滅茶苦茶喜んでいましたけど、やって来たのは従姉妹でしかも3人も。
 一体どういうことでしょうか?名雪さんの勘違いですか?
 そう言えば今朝は名雪さんに会いませんでした、遅刻でしょうか?
 まさかわたしより早く登校しているなんてことは……絶対にあり得ませんものね。
 まあどのみち転校生の件をお姉ちゃんに報告しなければいけないんですから、その時に確かめてみましょう。

 それにしても三人とも是非とも我がグループに欲しい人材ですね。
 しかし、なんと言ってもあゆさんの関係者ってのは痛いです。
 さあどうしたものでしょう、本校一年の知恵袋と言われる美坂栞、ここが知謀のふるいどころですね。

 そんなこんなで、その日の午前中栞が今一歩授業に集中できなかったのは当然というものだろう。
324名無しさんだよもん:04/01/14 21:39 ID:yTp0MnA2
マリ見て風?本編読んでないから分からんけど。
こういうのも面白いかも。
325葉鍵ファイト2003:04/01/15 13:53 ID:BrSB/R29
往穂だ、法術使いをやっている。
皆を乗せたバスは特にトラブルもなく、
宿泊先まであともう少しというところまで来た。
バスの中では折原がマイクを片手に熱唱している。
古巣の歌だかなんだかで相沢が止めていたがそれを振り切って歌っている。
それもそろそろ終わりだが。

ミ=ゴ ミ=ゴ ナース! ミ=ゴ ミ=ゴ ナース!
ミ=ゴ ミ=ゴ ナース! ミ=ゴ ミ=ゴ ナース!
ミ=ゴ ミ=ゴ ナース! ミ=ゴ ミ=ゴ ナース!
ミ=ゴ ミ=ゴ ナース! ミ=ゴ ミ=ゴ ナース!
「最後にもういっちょ、イア!」
ミ=ゴ ミ=ゴ ナース!

終ったか。
ん、駐車場が見えてきたな。
年長者のハクオロと蝉枝が立ち上がる。
「それじゃあ、みんな、まずは荷物を持ってロビーに集合で」
「その後、荷物を部屋に置いたら海に出る、以上だ」
ハクオロは優しい、仮面被ってるが飯の金を立て替えてくれたから。
蝉枝はよく分からんが、まぁ、悪いヤツではなかろう。
326葉鍵ファイト2003:04/01/15 13:54 ID:BrSB/R29
そんなわけで私らはホテルに向かった。
はじめの従兄弟とかいう男が挨拶をしていたようだが
私は聞いてなかったので知らん。

「あの、国崎さん?」

ん?
見知らぬ少女が話し掛けてきた。
この暑いのにやや長袖な服を着ている。

「何だ」

「あの部屋割りのくじを…」

話を聞いてない内にそんなことになっていたらしい。

「ああ、そうかすまんな、えーと…」

少女の名を覚えてないことに気づく。
バスの中で自己紹介されたはずだろ。
思い出せ、頭脳。
327葉鍵ファイト2003:04/01/15 13:55 ID:BrSB/R29
「あ、芳美です、城戸芳美」

普通に返された。

「そうか、ありがとう芳美」

「いえいえ」

さてそれじゃあ、くじを引いて部屋を決めるか。

部屋割りを決めてください

長瀬祐子 柏木はじめ 藤田浩子 藤井ふゆ 千堂かずき
城戸芳美 宮田さつき 坂神蝉枝 ハクオロ 那須牟祢 木田朱鷺乃
折原ひろみ  相沢ゆう  国崎往穂 

天沢郁巳(別室) 岡崎ともみ(坂で放置)
328葉鍵ファイト2003:04/01/15 13:57 ID:BrSB/R29
やはり予告通りにはいかなかった葉鍵ファイト2003。
すでに2004なのはご愛嬌ということで
次回、MISSION 003「華麗なるエージェントが 二度死にながら水着に着替えたら」
こうご期待。
329名無しさんだよもん:04/01/16 20:20 ID:RbkQ7sfw
雫リニューアル版発売まであと一週間!!!買えよおまいら。
330名無しさんだよもん:04/01/16 22:24 ID:4RkXTz8F
 美汐ちゃん妖狐の力で祐一を女の子に、ちゃんと制服まで女性用に変わっています。
「じゅるっ、ふふふ、お姉様思ったとおり素敵になりましたね。今日からはわたしのものですもう放しませんよ」
「えっ、放せ!ちょっとやめてくれー!キャラ違ってるぞ、その目つき怖すぎ」
「うるさいです。真琴右足を押えて、あゆさんは左足、栞さんは右手を押えてください」
「あぅー、祐一ご免、美汐には逆らえないのよー(肉まん肉まん♪)」
「うぐぅ、怖いよー。ごめんね祐一君、ボクも自分の身が可愛いんだよ(わーいたいやき♪)」
「えぅー、お姉ちゃんより怖いです(祐一さんわたしのバニラアイスのために犠牲になってください)」
「わー!お前ら、本音もしゃべってるぞ」
「所詮食い気に負けるお子様達、人として不出来ですね」
「何でもいいから誰か助けろー!」
「えへへー、まずは真琴が(本当は肉まんより祐一が目当てなのよー)」
「あっこら、真琴そんなところに手を入れるな。……あゆ、太ももを舐めるんじゃない」
「わたしも負けませんよ(美汐さんに逆らえないのは本当ですが、この身体にも興味があります)」
「あっちょっと、栞耳を噛むな、ウムムング」
「ぷはー、ご馳走様でした(今のは少々物腰が上品じゃなかったですね)」
「あー美汐ずるーい!祐一の唇とったー」
「うぐぅ、どうせボクはおみそだよ(でも負けないよ、残り物に服があるって言うもんね)」
「えぅー、抜け駆けなんて酷いです、人類の敵です。でも負けません、次はわたしが」
「し、栞、やめルングウング」
「さー、お姉様脱ぎ脱ぎしましょうねー。裸を見せてくださらないなんて、そーな酷なことはないですからね」
「うぐぅ、じゃあぼくパンツを脱がすよ(ほら残り物に服(パンツ)がきたよ)」
「所詮あゆあゆはお子ちゃまね。それはショーツって言うのよ。マンガで読んだもん」
「あひゃん、あっあー!だれふぁたひゅけてー。むねふぁらめ、アーン!」

 2時間後、美汐ちゃんハーレム、とりあえず完成。
「わかったわよ、もうお姉さまでもなんでもやってやるわよ」
 完全に開き直った祐一改め祐香さん。
「まずは第一段階成功。これだけ手ごまがそろえばいいでしょう。次の目標は香里さんです。さあ皆さん行きますよ」
一同「まだやる気なのー?」
331名無しさんだよもん:04/01/17 00:17 ID:o4m5DO5q
>>327

A 相沢ゆう 木田朱鷺乃 坂神蝉枝 ハクオロ 仙堂かずき
B 折原ひろみ 木戸芳美 長瀬祐子 藤井ふゆ 宮田さつき
C 柏木はじめ 国崎往穂 那須牟祢 藤田浩子 

これ、実は出席番号順に並べただけなのだが…
Cがみんな大きいな。それに引き換えBは…
332名無しさんだよもん:04/01/18 01:22 ID:9g8Izw86
>葉鍵ファイト2003
よりによって「ミ=ゴ ミ=ゴ ナース」かYO!
次回は水着…はじめとかハクオロとか、凄い事になりそ。

>>330
女子にいい玩具(百合)にされてしまう、元男の今女の子…
TSモノの基本イイ〜!
333名無しさんだよもん:04/01/18 23:46 ID:DVTxeruZ
このスレが落ちると後が無い・・・。
334名無しさんだよもん:04/01/19 09:03 ID:GcNQl8As
そうか…。
335名無しさんだよもん:04/01/19 11:46 ID:9yQTs4Nk
これいじょう少数で刻むのもアレだしな
336名無しさんだよもん:04/01/19 22:59 ID:xbcAYuwb
 華音女学園高等部第二視聴覚室、昼休みにここにいるのはごく限られた生徒だけだ。
 まずは前生徒会長で3学年主席の倉田佐祐理、そしてその恋人である同じく3年で元書記の川澄舞である。
 後は佐祐理に影のごとく付き従う側近の右子、左子(同じく3年)の二人くらい。
 普段ならこのメンバーに二人の愛玩動物こと1年生の水瀬あゆが加わるところだが、今日は用事があるということで欠席であった。
 まあ週に1,2回は佐祐理の妹の一美と親友の折原みさおが、中等部からやって来たりはするのだが。

「舞、今日はちょっと元気がないね」
 傍目には舞はいつものように佐祐理の弁当を堪能しているように見えるのだが、恋人である佐祐理は舞の微妙な変化を見逃さなかったようだ。
「みまみま、あゆが居ないと寂しい」
「あははー、そうだね舞、あゆちゃんが居ないと静かすぎるね」
「みまみま、あゆはマスコット」
 佐祐理に返事をする間も舞の食事の手は止まることがない。

 突然どこからともなく一人の少女が佐祐理の前に出現した。
「佐祐理様ご報告があります」
「あははー上子、佐祐理は舞とのお昼の一時を邪魔されるのは嫌いなんですよー。大した用でなかったら許しませんよー」
 佐祐理の態度は一見先ほど同様に朗らかなままだが、上子と呼ばれた少女を見つめる目は笑っていない。
 やはりあゆが居なくて少々不機嫌なところに、舞との楽しい一時を邪魔されたために立腹のようである。

 しかしそれに動じるわけでもなく、上子は淡々とした態度で報告を続ける。
 ちなみにこの上子は倉田家に代々仕えるくのいちで、右子、左子は護衛役だ。
 なお、妹の一美にはくのいちの下子、護衛役の側子が仕えている。
「あゆ様が今日の昼食会をご欠席の理由と関係があるのですが」
「そうですか、でも佐祐理は頭の悪い普通の女の子ですから、わかりやすく簡潔にお願いしますよー」
「では手短に、あゆ様のクラスである一年五組に三人の転校生が入っております」
 佐祐理の表情がわずかに興味深いわねという感じに変化した。
「あのクラスはもともと人数が少なかったですからね。三人が一度に転入してきても変ではないですねー」
 一方舞の方は一応聞いてはいるようだが、どうも食事の方が大切なようだ。
337名無しさんだよもん:04/01/19 23:00 ID:xbcAYuwb
「もちろん報告はそれだけではありませんねー」
 佐祐理は静かな口調で報告の続きを促す。
「はいもちろん、三人は姉妹でしかも秋子様の関係者です」
 上子の発言に佐祐理は考え込むように小首を傾げた。
「うーん秋子様の関係者ですかー。するとただ者ではないですねー」
 学園理事長の水瀬秋子は、学園関係者のみならずこの華音(かのね)市全体で畏敬の念で見られている傑物であった。
 従って関係者と言うだけで佐祐理が興味を持つのも無理はなかった。

「はい、おそらくは……。転校生は相沢姓の3姉妹で、祐一香(ゆいか)、美汐、真琴。秋子様の姪にあたります」
「すると、あゆちゃんの従姉妹ですね」
「はい、あゆ様は現在その転校生の案内をされておられます」
「そうですか、従姉妹が同じクラスなら当然そうなりますね。仕方がないです」
「ふぁちゅみちゅふまふぁん」
 佐祐理の表情が穏やかなものに変わり、舞の方を振り向いた。
「舞、別に急がないから食べてからしゃべろうね」
 佐祐理に諭された舞はしばらく箸を休め、口内のものを咀嚼してから返事をした。
「はちみつくまさん」

「それと佐祐理様、編入試験の成績ですが、3女は平均よりやや上程度ですが、上の二人は相当に優秀なようです」
「そうですか、それは是非あゆちゃんの補佐役に欲しいですねー」
「あゆにはブレインが必要」
「そうだねあゆちゃんは結構カリスマがあるから、良い参謀が付いていれば大丈夫だね」
 その後は相沢3姉妹を自派に引き込むための話し合いが、予鈴がなるまで続くのだった。
338名無しさんだよもん:04/01/19 23:03 ID:xbcAYuwb
 同時刻生徒会事務室では、現会長の久瀬麗華と書記長の斉藤冴子、会計の七瀬留美を始めとする生徒会主流派が、定例の昼食会兼非公式会議を行っていた。
 まずはいつものようにやや色の薄い黒髪を縦巻きロールにした、縁なし眼鏡でややきつめの顔の美少女、麗華がいつものように少々尊大な調子で話し始めた 。
 今は座っているため分かりにくいが長身でスリムな少女だ。胸もスリムなのが悩みだが。
 また公式な場ではコンタクトにしているが、実は余り好きではないため普段は眼鏡のことが多かった。
「冴子さん、確か今日は特別に議題はなかったですわね」
 どことなく山崎和佳奈に似た声だ。
「麗華様お忘れですか、本日1年5組に転入生が入ってきております」
 落ち着いた声で答えるのは、やや小柄の割に胸が目立つ黒縁眼鏡の少女冴子であった。
 実はやや童顔なのだが、言動のせいか可愛いと言うより美人と言う印象を与える少女だ。
 ほとんど腰まで伸ばしたストレートの黒髪も、その印象を強めるのに一役買っていた。
 ちなみにこちらは今井由香のような声である。

「ああそう言えばそうでしたわね冴子さん。それでどんな子でしたのかしら?」
 さほど興味なさそうな麗華の質問にも、冴子は律儀に答える。。
「はい、転入してきたのは相沢姓の三姉妹ですが、どうやら三つ子ではないようです」
「あら、それはどういうことですかしら?」
 麗華は多少転校生に興味を惹かれたようだ。
「はい、どうも下の二人は養女のようで、長女は病気で1年留年しているようです」
「そう、佐祐理様の子猫ちゃん、水瀬さんと同じね。まああの子は怪我でしたけれどね」
 麗華は対抗派閥の次期会長候補であるあゆの顔を思い出していた。
339名無しさんだよもん:04/01/19 23:05 ID:xbcAYuwb
 その時今まで食事に集中するかのように発言しなかったもう一人の少女留美が、ふと手を止めて顔を上げた。
「ねえ冴子、それじゃあ長女はわたし達と同じ17歳なの?」
 横山智佐のような声で訪ねる留美に、冴子は相変わらずの落ち着いた声で答えた。
「いいえ留美さん、誕生日が3月下旬ですからまだ16歳ですよ」
「じゃあ年下の子猫ちゃんってわけね。まあそれはどうでもいいわ。それでその子達、役に立ちそうなの?」
 けっこう直接的な留美の質問にも冴子は如才なく答える。
「ええ留美さんそれはもう。上の二人の編入試験の成績は立派なものですわ。ことに次女の方は現主席の美坂栞を脅かすほどではないかと」
「転校生でいきなり学年主席、乙女でなくてはなしえない技ね」
「そういものですかしら?」

「まあとにかく、これでうちの会長候補が出来たじゃない。今のうちの最大の弱点が補強できるわ」
 しめたとばかりの留実の言葉に、麗華の口元が満足そうにやや緩んだ。
「そうね、それは使えそうですわね。ぜひ我がグループに入っていただきましょう」
「わたしも麗華様に賛成です」

 しかしその直後、何か思いだしたのか留美の表情が幾分険しくなった。
「でもね、転校生と同じクラスに水瀬あゆと美坂栞がいるのはまずいわね」
「そうね留美さん、同じクラスにうちの主要人物が居ないのは痛いですね」
 冴子の表情は一見余り変化していないが、実は結構悩んでいるときのものだ。
 つきあいの長い麗華と留美にはそれがよく分かっていた。
「とにかく早急に手を打たないといけませんわね。とりあえず放課後に直接接触して見た方が宜しいわね」
 結論を下すような麗華の発言に冴子と留美はすぐに同意した。
「はい麗香さまお心のままに」
「わたしも特に予定はないからかまわないわよ」
 こうしてとりあえずの結論が出たことで、以降の会は和やかに進んでいくのだった。
340名無しさんだよもん:04/01/19 23:06 ID:xbcAYuwb
 そのころ歴史研究部部室では、生徒会反主流派通称「美坂チーム」の主要メンバーが昼食を取っていた。
 生徒会副会長にして2学年主席の美坂香里、その恋人で同じく二年生で書記の北川潤、香里の妹である一年の栞の3名である。
 普段はこのメンバーに、陸上部部長であり理事長令嬢である水瀬名雪が加わるところだ。
 名雪は学内政治に興味がないので反主流派に属しているわけではないが、歴史研究部の部長でもある香里の親友として昼休みは結構入り浸っていた。
 ただ本日はなぜか顔を出していない。転校生のことで頭がいっぱいの栞は気付いていないが。

 さてこのメンバーの中で最初に話し出すのは大抵栞である。
「お姉ちゃん知っていますか、うちのクラスに今日3人も転校生が来たんですよ。それも3人ともとても可愛い子」
「なに転校生って、栞のクラスだったの?」
「そうですよお姉ちゃん。あゆさんの従姉妹の3姉妹です」
 そこまで聞いたとき、香里はやや驚いたような表情に代わった。
「えっ、あゆちゃんの従姉妹ってことは、名雪の従姉妹よね」
「お姉ちゃん、なに当たり前のことを言ってるんですか。そんなの当然です」
「ちょっと待って、名雪の行っていた従兄弟は男で一人だったはずよね。どうして女の子でしかも三人もいるわけ?」
 親友である名雪から従兄弟の存在を聞かされていた香里は、栞の言葉を疑問に感じ、思わず栞に鋭い視線を向けてしまう。。

「えうー、お姉ちゃん、そんなに睨まないでください。ただのクラスメートでは転校初日でそんなことまでわかるわけないじゃないですか。
第一名雪さんに直接聞けばそんなこと一発でわかる、ってそう言えば名雪さんはどこですか?今朝も会いませんでしたけど」
 昼休みは大概姉達と一緒に昼食を摂っている名雪がいない。
 そのことに今更ながらに気が付いた栞は、室内をきょろきょろと見回した。
「なに栞、今頃名雪が居ないことに気が付いたの。相変わらずぼんやりしてるわね」
「えぅー、酷いですお姉ちゃんわたしはぼけたりなんかしていません」
 栞は不満そうに頬を膨らませた。
 そうすると、普段でも年より下に見られる栞はより一層子供っぽく見えてしまう。
341名無しさんだよもん:04/01/19 23:07 ID:xbcAYuwb
「栞は本当に可愛いわね。まるで小学生みたい」
「えぅー、お姉ちゃんせめて中学生と言ってください」
「あら、中学生ならいいの」
「えぅー、そ、そんなわけじゃあ……」
 香里のからかいに律儀に反応してしまう栞、まあ可愛い姉妹のじゃれ合いと言ったところだろうか。

「香里、いくら可愛いからってそんなに栞ちゃんを虐めちゃ駄目よ」
 それまで黙って二人の会話をニコニコと見つめていた、ほとんど金髪に近い色の髪のショートカットで童顔の少女が栞に助け船を出した。
 なぜかアンテナのようにつき立った癖毛が特徴の、矢島晶子声の穏やかそうな少女、北川潤だ。
「あら潤、焼き餅?あなたはまた後でたっぷりと可愛がってあ・げ・る」
 どうも、とりあえず転校生のことも名雪のこともどうでも良くなったらしい。
「もう香里ったら」
 潤は真っ赤な顔で軽く香里の背中を叩いたが、ちょっと嬉しそうだ。
「えうー、相変わらず熱々ですー。独り者には目の毒ですー」
 一方からかわれなくなったのはいいが、置き去りも嫌だ。そんな複雑な乙女心の栞である。
 そこで少々悪戯心が働き、下手の横好きの絵を描くためにいつも持ち歩いているスケッチブックを取り出した。

「って栞!スケッチしないの!」
「栞ちゃん止めて、恥ずかしいわよ」
 しばらくは潤と戯れていた香里だが、すぐに栞の行動に気が付き軽く栞の頭をこづいた。
 ちなみに潤の方はもう全身真っ赤だ。
「えぅー、痛いです。冗談ですよお姉ちゃん」
 どうもこちらはあまり実のある話にはならなかったようだ。

 そのころ話題の相沢三姉妹はあゆの案内で学食に来てはいたのだが……。
 どうも要領の悪いあゆの案内では学食戦争の覇者への道ははるか遠そうだった。
 今日のお昼はあんパン程度が良いところだろうか?
342:04/01/20 01:08 ID:vw/1Srng
>>336-341
北川が…北川が…(笑)
矢島晶子タンですか。激しく萌え。
なんか百合な雰囲気好きです。続き楽しみです。
343名無しさんだよもん:04/01/20 20:38 ID:U2mM9sw2
落ちちゃ駄目だ、落ちちゃ駄目だ。
344名無しさんだよもん:04/01/20 20:52 ID:Pt5VOk+W
お前たちに捧げる・・・ドラえもんバージョン。(スネオは出番無しですが・・・)

ttp://nyumen.hp.infoseek.co.jp/
345名無しさんだよもん:04/01/20 21:52 ID:1cBUTNHR
j
346名無しさんだよもん:04/01/20 21:55 ID:jMuZOa9T
保守
347名無しさんだよもん:04/01/21 00:27 ID:R+FWvjnM
>>336-341
相変わらずはっちゃけた世界観ですな
百合(*´Д`)ハァハァ
348名無しさんだよもん:04/01/21 15:39 ID:Bd/8qPdI
保守
349名無しさんだよもん:04/01/21 22:28 ID:O+sUf8BZ
ちょっとはネタ振れっておまいら。


というわけで、
朱鷺乃は生理が激重なんじゃないかと思ってみるのだがどうか。
藤井ふゆも普段以上にブルーになってそう。
逆に、千堂かずきなんかはテンション上がるタイプか?

往穂は食うや食わずの生活してるから生理不順起こしてたりして。
350名無しさんだよもん:04/01/21 23:18 ID:w96lJJry
生理が来るたびに女に生まれた事を後悔する祐子、
対称的にあっけらかんとしているひろみ。
351名無しさんだよもん:04/01/22 01:42 ID:f2rDVcU8
まだきてな…うわやめろなにをするもまいら
352名無しさんだよもん:04/01/22 01:48 ID:6X7VuKE+
>生理が来るたびに女に生まれた事を後悔する祐子

裕子さんかと思った。あの人凹凸激しいからお腹弱そうだし。
鬼だけど。いや鬼だからか。
353名無しさんだよもん:04/01/22 09:01 ID:wMmLNAnn
重い日の裕子さんは怖そうだね……長瀬がからかいに行ってどつかれてそうだがw
354名無しさんだよもん:04/01/22 11:51 ID:FnaL7LM/
むしろ気弱になっていろいろ世話を焼かれたりするとか。
355名無しさんだよもん:04/01/22 23:41 ID:cjTTrw0+
男をあさる裕子タンにハアハア
356名無しさんだよもん:04/01/23 02:45 ID:nHyLT/DQ

 パシンッ…!
 部屋中にスラップ音が鳴り響いた。
「っ……」
「あなたって人は…!」
 気が付いたら、月島さんの頬に平手を見舞っていた。
「…………」
「あなたって人は……!」
「長瀬さん!」
 今までの人生にないくらい、私は怒っていた。
 そんなつまらない理由で、この女の子たちは…太田くんは…
 怒りに任せて、もう一度腕を振り上げる!
「あなたなんか…」
 しかし、その腕が振り下ろされる事はなかった。
 私の身体は、後ろから糸で引っ張られたかのように止まってしまった。
 どれだけ動かそうとしても、もがく事さえ出来ない。
 これは…電波!?
 そのとき、無表情を貫いていた月島さんが突然笑いだした。
 私を舐め回すような視線で犯しながら、うっとりと呟く。
「私って人が…なぁに?」
 その視線で射抜かれたとき、私は彼女の瞳に言い知れない恐怖を感じた。
 あの瞳だ。
 太田くんのそれのような、「壊れた」ひとの瞳をしているんだ。
357名無しさんだよもん:04/01/23 02:46 ID:nHyLT/DQ

「な、長瀬さんを放してください!」
 後ろから苦しそうな瑞穂くんの叫び声が聞こえる。
 きっと彼にも電波が流れているはず。
「長瀬さんに手を出したら…」
 だけど、気丈に声を張り上げ叫んでいる。
 瑞穂くんは間違いなく、立ち向かっていた。
「僕はあなたを許さない!」
 瑞穂くんの叫びが部屋の中にこだまする。
 開かれた窓から吹き込む夜の風がいやに冷たかった。
 裸の女の子たちが寄り添う中、頬を押さえた月島さんは、
 ニヤリと口元をゆがめて、優しい声で言った。
「…もうそろそろ、終わりにしましょうよ」
 彼女がそう言ったとき、ちりちりとしたものが頭の中を駆け巡った。
 身体中の力が抜け、私は無様に床に這いつくばった。
 視界が二つに、三つに歪んでいく。
 今、私の精神は、壊されようとしていた。
 私の心が、精神が、存在の全てが、何もかもが粉微塵になっていく。
 遠い空間の向こうのどこかで瑞穂くんの悲鳴が聞こえた。
「…かっ…叶人くん!叶人くうんっ!」
「心配しなくても、すぐに連れて行ってあげる。そう、心配なんかしなくていいの…」
 激しく揺れる世界の中で、奇妙にも私には満足感に似た気持ちが生まれていた。
 もしかしたらこれは、瑞穂くんと一緒だからなのかもしれない。
 目の前が白く薄れていく。
 私は壊れてしまうのだろうか。
 瑞穂くんと一緒に。

 それもいいと思った。

358名無しさんだよもん:04/01/23 02:47 ID:nHyLT/DQ


 そう思ったときだった。

 何か鈍い音がしたかと思うと、その瞬間、頭の中のちりちりがぴたりと止まった。
 …心臓が、波打っている。
 気が付くと、私は涙を流していた。知らないうちにぼろぼろと泣いていた。
 自分の呼吸音がうるさくて、私は手のひらで目を擦りながら辺りを見回した。
 そして、目の前の光景に私は言葉を失った。

 つい数秒前までそこで笑っていたはずの月島さんが、転がるように倒れていた。
 彼女の頭部から流れ出している血液が、生き物のようにじわじわと床に広がっていく。
 二人の女の子たちは、ブレーカーの落ちた電気人形のようにわずかも動かず、
 …そして、その後ろには真っ赤な消火器を手にした太田くんが立っていた。
 消火器はわずかに凹み、べっとりと赤い液体が付着していた。
 太田くんは相変わらず無表情のまま、虚ろな瞳で動かなくなった彼女を見下ろしていた。
 オルゴールの音が聞こえる。
「か…叶人くん…」
 ゆっくりと立ち上がった瑞穂くんが、彼の名前を呼んだ。
 太田くんは、消火器を床に手離し、ぎこちなくその顔を瑞穂くんに向けた。
 古ぼけた機械のように、悲しい動きだった。
「叶人くん…?ねえ、僕だよ、瑞穂だよ。わかるよね?」
 子供に話しかけるように優しい声で、何度も呼び続けている。
「ねえ…叶人くんってば」
359名無しさんだよもん:04/01/23 02:48 ID:nHyLT/DQ

「…ミズ…ホ…」
「えっ!?」
 抑揚のない小さな声だったけれど、確かに彼の唇は瑞穂くんの名前を口にした。
「…か…叶人くん?僕…瑞穂だよ…わかるの…?」
 瑞穂くんはおぼつかない足取りで太田くんに近付くと、両腕をつかんでその顔を覗き込んだ。
「叶人くん?」
 彼の目前でささやきかける。
 …そのときだった。
 太田くんの頬をすべるように、何かが月明かりに輝いた。
 遠くを見つめて動かないその目から頬を伝って流れ落ちたもの。
 それは、一滴の涙の雫だった。
 窓から差す月光を重ねて、涙は宝石のように光り輝き、そして床にこぼれ落ちた。
「…か…叶人くん…」
「…ミズ…ホ…ゴメン…ナ…」
「……叶人………くん…」
 瑞穂くんの瞳が、じんわりと熱を帯びていく。
「…ミズ…ホ…ゴメン…ナ……ミズ…ホ…ゴメン…ナ…」
 太田くんは、その言葉を繰り返し口にした。
「いいんだよ…もう、いいんだよ…叶人くん…」
 瑞穂くんの目からも大粒の涙の雫が溢れ出す。
「僕…許す事なんかないよ。叶人くんがいてくれたら、それでいいんだよ…それで…いいんだ…」
 瑞穂くんは涙を流しながら微笑むと、太田くんの身体を抱きしめ、
 立ち尽くしたまま泣き崩れた。

 私はそっと、その場を後にした。

360元380:04/01/23 02:50 ID:nHyLT/DQ
…ということで>>307-312の続きを書いたわけなんですが…
御愛読ありがとうございました。
次があるのかは分かりませんが、あるならばまたお会いしましょう。
それでは回線吊って首切ってきます。
361名無しさんだよもん:04/01/23 18:56 ID:lnBfvSSH
限りなく全力で保守
362名無しさんだよもん:04/01/23 19:41 ID:z4jBapmm
>>360
>御愛読ありがとうございました。
えー! これでこの話終わりなのー!?
ここはやっぱり「一件落着した後、電波抜きの愛あるエチー」キボンヌしたいな、と。

なんなら瑞穂×叶人×祐子の3ぴ(ターン
363名無しさんだよもん:04/01/23 23:23 ID:UXIEiQW5
「なんでわたしが朝っぱらからこの子を起こさなきゃあいけないのかしら?」
 相沢祐音は従姉妹の少女の枕元で、一体何度目かわからない自問自答を繰り返す。
「別に起こすこと自体はかまわないんだけどね。ちゃんと起きてさえくれれば。はーあ」
 はっきり言って非常に憂鬱な表情の祐音である。
「まあため息ついていてもしょうがないわね、さっさと起こしましょう」
 気を取り直すようにそう呟くと、祐音は安らかに眠り続ける従姉妹の少女の肩に手をかけて揺すり始めた。
「おーい名雪、起きろ、起きろー!って、こいつがこの程度で起きたら苦労はないわよね」
 祐音の嘆きも道理、揺すった程度で名雪が起きればそれこそ奇跡である。

 体を揺する手を止めて次はどうしようかと思案する祐音の視界に、嫌でも名雪のよく発達した胸が入ってくる。
「しかし寝る子は育つって言うけど、胸だけ育ってどうするのよ。一体なにを食べたらこんなに育つのかしら?はーあ」
 腰に手を当ててしばし嘆息する。
「っていちごに決まっているわね。揉んでみたらいちごミルクが出るんじゃんないかしら」
 否応なく自分のささやかとしか言いようのない胸と引き比べてみる。
 血のつながりはあるはずなのにこの差はなぜなんだろうと、理不尽なものを感じざるを得ない祐音だった。

「そうだ、どうせ起こさなきゃあならないんだし、女の子同士だから別にいいよね」
 悪戯っぽい笑みを浮かべつつ祐音は名雪の胸に手をかけた。
 あくまでも柔らかな名雪の胸が、祐音の細い指でムニュウと擬音がしそうなほど変形させられる。
「えーい!このこの、このいちご狂い惰眠娘、その余分な肉をちょっとわたしにもよこせ。えーい!」
 祐音は結構乱暴に名雪の胸を揉んでいるのだが、惰眠娘の名は伊達ではないと言うか名雪の方は大した反応を示さない。
364名無しさんだよもん:04/01/23 23:25 ID:UXIEiQW5
「力任せじゃ駄目か?じゃあこの祐音ちゃんのテクニックで」
 なにやら闘志をかき立てられたらしい祐音は、不適な笑みを浮かべると名雪の胸を揉むタッチを細やかなものに変更した。
「香里ー、そんなに胸を揉んでは駄目なんだおー。このままじゃあ我慢できないおー」
 さすがしばらくすると名雪の口からはこんな危なげな言葉が漏れてきましたが、彼女は起きたわけではない。
 彼女の場合寝たままでこの程度は朝飯前、まあ時間的にもまだ朝飯前だ。

「前々から二人はできてるのは知ってたけど、この口振りだと肉体関係がありそうね。なんだかすごいわねー」
 しばし指を止めて素直に感心している祐音だが、名雪の言葉の続きに驚愕することになった。
「お返しにわたしももみ返すおー」
「わっ!こら!名雪止めなさい!馬鹿なまねしてないで起きろー!」
 攻守所を変えてしまい慌てて逃げだそうとする祐音だが、不意を付かれた上に名雪の方が体格体力共に上ときてはかなり不利のようだ。
「香里ー、なんか胸が小さくなったおー、もみがいがないおー」
「むっかー、この惰眠馬鹿女!」
 名雪の心ない一言に完全にぶち切れた祐音の拳が、名雪の頭を思いっきり打ちのめした。

「痛いよー、酷いよ祐音、極悪だよー。いちごサンデーだよ」
 さすがに目を覚まし例によってブツブツ文句たれる名雪だが、祐音の方はそれ以上に怒っており取り合う風もない。
「うっさいわね!人の胸を触りまくったあげくに、言うに事欠いてなんてことを言うのよ。まだ文句を言うならあれを食べさせちゃうわよ」
 どうやら祐音は何か危ない食品?を作れるらしく、名雪の態度が劇的に変化した。
「わっ、わー!ご免なさい、わたしが全面的に悪かったよー!あれはあれだけは止めてー!、あれはお母さんのあれの方がましだよー。もう完全に目が覚めたよ」
「あらあら名雪ったら、わたしのあれを食べてくれるね、お母さん嬉しいわ」
「う、うぐぅ」
「名雪、それはあゆちゃんの口癖だよ」
 どこからともなく現れた母の手には当然のごとくオレンジ色のジャムの入った瓶があり、名雪は自分の失言を我が身を持って償う羽目になった。
 真にもって口は災いの元である。
365名無しさんだよもん:04/01/23 23:26 ID:UXIEiQW5
 さて、そんな騒動のせいで今朝はいつもより早く家を出ることになり、今朝はめずらしく歩いて登校の水瀬家一同である。
 まあ名雪が例のものを食べたせいで、走る気力などかけらも残っていないのも理由の一つではあるが。

「やっぱり歩いて登校できるのはいいわね、本当にすがすがしい朝だわ。いつもは誰かさんのせいでねー」
「そうだね祐音さん、ぼくもこうやってみんなでのんびりと登校したかったんだ。本当に誰かさんがいなければねー」
「真琴もそうだよ、お義姉ちゃんと手を繋いで歩きたかったんだ。どうしていつもはのんびり出来ないのかなー?」
 祐音、あゆ、真琴の3人の冷ややかな視線がとある人物に向けられる。
 その視線の先で、もともとジャムのせいで不機嫌だった名雪は、四面楚歌の状況に陥りしっかりむくれ顔である。

「うー、みんなわたしを責めてるの?」
「当たり前よ。もうあんたの従姉妹なんて止めたいわよ」
「そうだね、ぼくもそう思うよ。いくら義姉妹でも面倒見切れないよ」
「義従姉妹ならなおさらだよ。真琴はこんな生活もういやよ」
「みんな酷いよー」
「「「酷くない!」」」
「うー」

 名雪がへこんだところで、向こうから美少女達がやってくるのが見える。
 言わずと知れた香里、栞の美坂姉妹と、栞の恋人の北川潤の3人組だ。
「おはよう名雪、今朝はやけに早いのね。あら、何かちょっと顔色が悪いわね」
 さすが恋人だけのことはあり、名雪の不調を一目で見抜いた香里である。
「香里ー、祐音ったら酷いんだよ。朝わたしを思いっきり殴ったんだよー」
 やっと味方が来たとばかりに思いっきり甘えた声を出す名雪だが、香里の態度は素っ気ないものだ。
「しょうがないわね。どうせ今日も名雪がなかなか起きなかったんでしょう?」
「うー、そんなこと」
「そうよこの子なかなか起きない上にわたしの胸を触ったのよ」
 自分の言葉途中で祐音に遮られて不満顔の名雪だが、それ以上に香里の反応の方がすごかった。
366名無しさんだよもん:04/01/23 23:27 ID:UXIEiQW5
 視線で人を殺せそうなもの凄い形相で祐音に詰め寄る。
「なんですって、相沢さん。今なんって言ったの?」
「え、いやだから、名雪が寝ぼけてわたしの胸を触ったんだけど」
 香里の迫力に押されつつもちゃんと答えるあたり祐音もただ者ではない。
 祐音の肩を両手でがっちりと掴んだまま、香里の視線が名雪の方に向けられる。
「名雪ー、わたしという者がありながらそんなことをしたのね」
「ひっ、香里怖いよー」
「あぅー……」
「うぐぅ……」
 顔面蒼白の名雪と悪鬼のごとき形相の香里を見て、あゆと真琴は抱き合ったまま意識を失った。

「名雪、黙っていないで答えなさい」
 ジロリと名雪を睨み付けて問いかける香里。
 その手は無意識のうちに掴んだままの祐音の肩を揺さぶっており、頭をシャッフルされた祐音は半分白目を剥いていた。
「かーおりーいー、はーなしてえーえ」
 かろうじてそれだけ言ったのだが、良く舌をかまなかったものである。
「…………」
 名雪の方は顔面蒼白で何か言おうとするが声にならない。ただ口をパクつかせるだけだ。

「えうー、お姉ちゃん怖いです」
 栞は潤の胸に顔を埋めてブルブル震えていて役に立ちそうもなく、唯一残された潤が貧乏くじをひく羽目になった。
「か、香里さん、落ち着いて。祐音が死んじゃうよー」
 理性を保っているものの勤めとして香里を止めようとする潤だが、はっきり言って香里の方はそんな言葉など耳に入ってなどいない。

 周りにいた生徒達はとっくに逃げ去り、もう誰一人近づいてくるものはいない。
 しかしただ一人敢然と近づいてくる生徒が……。
「美坂先輩、名雪さんはどうでもいいですけど、わたしの祐音さんの手を放していただけませんか?」
 口調は丁寧だが聞くものに冷ややかなものを感じさせる声だ。
 その声の持ち主は、祐音の恋人である天野美汐であった。
367名無しさんだよもん:04/01/23 23:29 ID:UXIEiQW5
「わたしの邪魔をするのは誰?」
 ようやく他人の存在を認識し振り向いた香里に、美汐は冷ややかな視線を向ける。
「美坂先輩が名雪さんをどうなさろうと興味はありません。その点は邪魔しませんが祐音さんを解放してください」
「えっ、祐音?……ごめーん相沢さん。大丈夫?」
「はえー、とりあえじゅ、いひてはいるよー」
 ようやく理性を取り戻した香里に、祐音はへろへろな声で答えた。

「祐音さん大丈夫ですか。あなたの美汐が今参りました。もう安心です、あとはわたしが付きっきりで看病いたしますわ」
「ほえー、みひおひゃんありがひょう」
 まだへろへろの祐音だが、美汐の登場にすっかり安堵したようだ。
 その後祐音は美汐に保健室に連れていかれ、甲斐甲斐しく看護されるのだった。
 ちなみに祐音の体格は美汐より気持ち長身でややスリムである。
 胸は洗濯板で軽いとは言え、非力な美汐には大変な作業のはずだが平気で背負っていく、愛の力であろうか。
 なお、あゆと真琴は、潤と栞の手により保健室に運ばれた。ご苦労様なことである。
 ちなみに彼女たちは一時間目を欠席する羽目になった。 

「名雪ー。どこへ行くつもりかなー?」
 さて一方、美汐の登場を奇貨として逃げ出そうとした名雪だが、すぐに香里に首根っこを捕まれた。
 そのままどこかへ連行された名雪は、香里とともに上気した表情で三時間目の開始の時間に教室に現れることとなるのだった。
 どうやら一応誤解は解けて仲直りの儀式?を行っていたらしい。

 これが私立百合花野(ゆりかの)学園の日常?である。
 ちなみに名前の由来は、単に百合が咲いている野原に立てられたからだ。
 しかし今では名は体を表す状態……。生徒の95%以上が○○と言う体たらく。
 もちろん登場していない佐祐理と舞も当然恋人同士であった。
 これでいいのか?いや、これでいいのだ(断言)。お終い。
368名無しさんだよもん:04/01/24 20:28 ID:RmvyIR7j
>>363-367
面白かったすよ。good job.
また書いてくだされ。
369名無しさんだよもん:04/01/25 23:22 ID:v+V7I18Q
なぜ人がいないのだ。
このままでは一人で郁巳×葉子さんの妄想に耽るしかないではないか。
370名無しさんだよもん:04/01/26 00:43 ID:2CupZPB6
>>363-367
祐音たんの影が薄くなるほど他の人たちが濃ゆいw グッジョブ。

>生徒の95%以上が○○と言う体たらく。
この国の将来が心配すぎw


>>369
なんか普通にいい感じのカポーだ。
一緒に妄想してみようかな?



ところで、女ハクオロは男ユズハの願いを受け入れて彼の子供産んじゃうんですか?
腹ボテでもきっちり政務はやらされるハクオロおかーさんハァハァ
371名無しさんだよもん:04/01/27 01:50 ID:aG8PB8pJ
>私立百合花野学園
体育の時間の更衣室では、素晴らしい光景が展開されてそうだな(*´Д`)
372名無しさんだよもん:04/01/27 14:59 ID:A2nPznYT
百合の花咲き乱れですか(;´Д`)ハァハァ
373名無しさんだよもん:04/01/27 16:45 ID:oW5qll01
保守あげ
374名無しさんだよもん:04/01/28 23:49 ID:j+2G3Hvg
作戦その二 祐一を女の子にしちゃえばきっとみんなあきらめるよー 
みんなお久しぶりなゆちゃんだよー。
 なゆちゃんは祐一を手に入れるために夜も(十時間しか)寝ないで、授業中も(四時間しか)寝ないで一生懸命作戦を考えたんだよー。
 わたしの気持ちだよ(意味不明)。
(なゆちゃん、それは絶対に寝てないうちに入りません、寝過ぎですよ)
 作者の人突っ込みはうるさいよー。お母さんのジャムが食べたいのかなー。
(め、滅相もございません)

 ふんまあいいよ、それでなゆちゃんはいいことを思いついたんだよー。
 つまりね、祐一がかっこいい男の子だから悪い虫が寄ってくるんだよねー。
 だから祐一が女の子になれば万事解決だよー。
 こんなすごいアイディアを思いつくなんて、なゆちゃん天才だねー。
(手段のために目的を見失っているような気がするのですが……)

 これで悪い虫はいなくなって、祐一はわ・た・し・だ・け・の・も・の。
 もちろんなゆちゃんの初めては祐一なんだよー。
 あー、言っちゃった。言っちゃったよー!
(なゆちゃんはキャーキャー言いながら部屋中を走り回っていますが、祐一が女の子になってしまっては初めてになるのは無理ではないでしょうか?)
「キャーキャーキャーだおー」
(今回は作者の言葉も聞こえないようで、なゆちゃんは相変わらず走り回っています)
375名無しさんだよもん:04/01/28 23:51 ID:j+2G3Hvg
   ーなゆちゃんが正気(?)に戻るまでに約十五分経過ー
 いけないいけない、いつまでもこんなことをしていられないんだよー。
「下僕一号、二号準備は出来てるの?」
「あぅー、真琴は下僕一号なんかじゃないわよー」
「うぐぅ、真琴ちゃん。ボクが二号なの?」
(あゆちゃんは突っ込み所が違うような気がしますね)
「二人ともうるさいよ。なゆちゃんに逆らうんなら肉まんとタイヤキはなしだよー」
「あぅー、約束を破るなら協力なんてしないわよー」
「うぐぅ、そうだよ、真琴ちゃんの言うとおりだよ。それとねえ、本当に大丈夫?そんなにたくさん奢るほどお金があるの?」
(あゆちゃんはお金のことが心配になったようですね)
「どうせぜーんぶ祐一が払うんだからいいんだよー」
(さすがなゆちゃん外道です。情け容赦がありません)

「ねえ、それってなんか変だよ。って言うかちょっと問題有るんじゃないの」
「そうだよ、それだとボクが名雪さんの言うことを聞く必要がないような気が……?」
「祐一はわたしの物なんだから、祐一のお金もわたしの物なんだよー。だから祐一のお金で奢っても、わたしが奢るのと同じなんだよー」
(その理屈は絶対に間違っています。と言ってもなゆちゃんには言うだけ無駄でしょうね)
「あぅー、それってちょっと酷すぎる気が……」
「どうせ祐一だからいいんだよ。それになゆちゃんの理論に穴はないよ。完璧だよー」
「あぅー、なんだかよくわからない。頭が痛くなってきたわよー」
「うーん、ボクもなんだか名雪さんにごまかされたような気がするよ」
(人間としての経験値が不足しているあゆちゃんと真琴ちゃんは、どうやらなゆちゃんにごまかされてしまったようです)
376名無しさんだよもん:04/01/28 23:52 ID:j+2G3Hvg
「名雪さんやじゃない!なゆちゃん様とお呼び。呼ばないならご飯は全部お母さんのジャムだよ」
(おやおやところでなゆちゃんの方は、別のことを気に懸けているようですね)
「うぐぅ、わかったよなゆちゃん様」
「あぅー、どうでもいいけど、これじゃあ全然話が進まないわよー」
「そうだよー。気を付けるんだよ下僕ども」
(話が進まないのは、なゆちゃんのせいのような気がするはわたしだけでしょうか)

「それはともかく、もう祐一を捕まえてあるのかな」
「僕に任せてよ。そう言われると思って、既にクローゼットに梱包済みの祐一君がいるんだよ、なゆちゃん様」
(珍しく手回しがよかったあゆちゃんが、自慢そうにない胸を張ってそう答えると、すかさず真琴ちゃんが突っ込みを入れてきましたよ)
「あぅー、これって三分間クッキング?」
(あゆちゃんが祐一君の猿ぐつわを取ると、祐一君の怒った声が聞こえてきましたよ)
「こらっ、あゆ!お前はなにを考えているんだ。早くこの縄を解け」
「ご免ね祐一君。ぼく、なゆちゃん様に逆らえないんだよ」

「とにかくいい加減にとっとと話を進めるよー。下僕二号例のものは準備してある?」
「うぐぅ、ここにちゃんとあるよ。でも、本気で使うの?」
「なゆちゃんに二言はないよー。一号、二号祐一を押さえていて」
「「了解」」
「わっ、名雪止めろー。うんぐぐぐ」
(なゆちゃんは祐一君の口に瓶を押しつけ、真っ青な流動体を無理矢理流し込みました)
「名雪、お前今なにを食わせたんだ?」
「えへへ、内緒だよー」
377名無しさんだよもん:04/01/28 23:53 ID:j+2G3Hvg
 ーそれから約三分経過ー
「うわー!く、苦しい……ガクッ」
(大変です祐一君が突然苦しみ出しましたよ)
「うぐぅ、祐一君大丈夫なの?」
「あぅー、祐一死んじゃったの?」
「大丈夫、気絶しただけだよー。それより祐一の体の変化を見ているんだよー」
(祐一君を心配しておろおろとするあゆちゃん、真琴ちゃんと、平静ななゆちゃんが対照的ですね)

「うぐぅ、祐一君の体が縮んでいくよ」
「あぅー、なんか全体に華奢になってる」
(確かに二人の言うように祐一君の体が縮んでいます。心なしか顔も可愛らしくなっているような気も……)
「あれっ、でもなんか胸が膨らんできたよ。髪も伸びてるし」
「そうだね真琴ちゃん、ウェストは細くなったけどお尻は大きくなったようにも見えるよ」
「ふふっ、そのとおり。祐一の体はお母さん特製の女性化ジャムで変化してるんだよ」
「あぅー、じゃあ祐一は女の子になっちゃうの?」
「うぐぅ、大変だよー」
 思った通り可愛くなってきたよ。わたしこんな妹が欲しかったんだよね。
(なゆちゃんの考えもこれだけなら可愛いと言えなくもないんですが)
 えへへ、これで祐一はなゆちゃんだけのものだよー。
(これですからねー)

「あんまり胸は膨らまないね」
「どうも祐一君が女の子になっても、あまりスタイルは良くないみたいだね」
「うーん、そうだね相沢のおばあさんもやせていたからね。多分あっちの系統だね」
(そうしているうちに、祐一君の変身は完了したようです)
378名無しさんだよもん:04/01/28 23:55 ID:j+2G3Hvg
「では、いよいよ祐一を美味しくいただくんだよー」
「うぐぅ、そんなの聞いてないよー」
「あぅー、なにを考えているのよー」
(とその時、バンとドアが開き人影が二つ飛び込んできました)
「あははー、名雪さん、あなたの思い通りにはさせませんよー」
「ぽんぽこたぬきさん」
(はいもうこの二人の正体がわかりましたね。佐祐理さんと舞の上級生コンビです)
「でたねー、年甲斐もない格好のお馬鹿魔法少女と、体だけ育った銃刀法違反のお馬鹿女」
「あははー、いちごジャンキーの脅迫惰眠娘にそんなことを言われる筋合いはありませんよー」
「はちみつくまさん。祐一を奪うものは切る」

「くっ、下僕1号2号いくんだよー」
「うぐぅ、そんなの無理だよ」
「あぅー、真琴やあゆあゆがあの二人に勝てるわけないわよー」
「えーい、役に立たない奴らだよ。こうなったら、召還けろぴー!」
(なんだか偉いことになってきましたよ)

「待ちなさい、相沢君はわたしたち姉妹のもの。あなた達には渡さないわ」
「祐一さんを自分のものにする人なんて嫌いです。人類の敵です」
(この二人の正体は言うまでもないですね。香里、栞の美坂姉妹ですね)

「けろぴー、行けー!」
「あははー、マジカルアタック」
「川澄舞参る」
「必殺香里パンチ・マグナム」
「美坂栞ストールの舞ですぅ」
(あわわ、大混戦です。わたしは命が惜しいのでこの辺で失礼しますね)
379名無しさんだよもん:04/01/28 23:56 ID:j+2G3Hvg
 なゆちゃん=名雪ちゃんはそれどころでなくなったので、ここから名雪ちゃん視点ではありませんのでご注意下さい。
 さて気絶していた祐一君は、真琴ちゃんの手によって密かに運び出されていました。
「美汐。祐一連れてきたよ」
「良くやりました真琴。ご褒美の特選肉まん1ダースです」
「わーい!美汐大好きー!」

 そうしているうちに祐一君が気が付いたようです。
「天野ー、真琴ー、怖かったよー」
 祐一君は美汐ちゃんに涙目でしがみついています。
 まああの状況ではそうなるのもわからないではありませんが、どうも祐一君は女性化したせいか情緒不安定になっているようですね。
 実は本人はまだ自分の体の変化に気が付いていないのですが。
「もう安心ですよ相沢さん。わたしと真琴が付いていますからね」
「美汐の言うとおりよ。祐一はわたし達が守るよ」
「うっう、ありがとう。俺の味方はお前達だけだー!オーイオイオイ」
「よしよし、泣かないで。いい子、いい子」
「美汐、すごーい。お母さんみたい」
「真琴、今のは?……まあ今のは素直な賛辞と受け取っておきましょう」
「えっ、美汐どうかしたの?」
「別に何でもありませんよ」

「ところで天野、お前と真琴なんか大きくなってないか?俺の体の具合も変なんだが」
「それは祐一さんの体が縮んだせいです」
「縮んだ?」
「はい、祐一さんは名雪さんのせいで女性になっておられますよ」
「えーっ!な、ない!で、胸が有る、いや無い……」
 祐一君は股間と胸を触って確かめています。
「あぅー、確かに胸無いね」
「はー、駄目だきゅー」
 あーあ祐一君はまた気絶してしまいました。
380名無しさんだよもん:04/01/28 23:58 ID:j+2G3Hvg
「さあ真琴、今のうちに着替えさせてしまいましょう。このぶかぶかな男物の普段着じゃあ色気がないですからね」
「あぅー、どの服がよいかな。制服?それともそっちのピンクハウス風?」
「そうですね、わたしはゴスロリなんか良いと思いますよ」
 美汐ちゃんどうしてそんな服を持っているんでしょうか?
 スクール水着やブルマーはわかりますが、巫女服からバニースーツからえらくマニアックな服がそろってますよ。

 って言うか、いつの間に準備したんです。サイズも合ってみたいですし。
 事前に祐一君が女性化することや、体のサイズを予期していたんですか?
「乙女の秘密です。そんなことを追求するとは人として不出来でしょう」
 わかりました。なんか怖いからこれ以上追求しません。
「それが懸命ですね」
「あぅー美汐さっきからなにブツブツ言っているの?」
「別に何でもありませんよ」
「ふーん、まあいいか」

「まあとりあえず制服にしましょう。身長はわたしとあまり変わりませんから予備の制服でよいですね」
「下着はどうするの?下は真琴のであうけど、ブラはぶかぶかだよ」
「相沢さんのサイズは……。大丈夫、これならわたしの中学の時の使っていないのがありますからそれでピッタリです」
「そうか祐一って中学生くらいのサイズなんだ。でもさすが美汐、物持ちが良いんだね」
「なんだかあまり誉められたような気がしませんね。まあ早く着替えさせてしまいましょう」
「うん」
 美汐ちゃんと真琴ちゃんは祐一君の服を脱がせると、嬉々として着替えさせていきます。

「さあこれでいいですね」
「あぅー、祐一可愛い」
「う、うーん」
 おや着替えが終わったとき、タイミング良く祐一君が気が付いたようです。
「あっ、天野。俺さっき変な夢を見たんだよな。名雪に変な物を無理矢理食わされて、気が付いたら女になっていたんだ」
「相沢さん。それ夢じゃないですよ。ちょっとこちらに来てください」
 美汐ちゃんは祐一君を鏡台の前に連れて行きました。
「えーとまさか、これが俺?」
「はい、とっても可愛いですよ」
381名無しさんだよもん:04/01/28 23:59 ID:j+2G3Hvg
ーその後とりあえず祐一君が混乱から立ち直るまでに10分ほど経過ー
「あのさあ天野、俺これからどうすればいいんだ?」
 祐一君はようやく現状を認識しましたが、まだ途方に暮れているようです。
 まあ当然ですけどね。
「大丈夫です。わたしが女の子のことをいろいろと教えてあげますから、真琴と3人で仲良くやりましょう」
「いやそう言われてもねえ」

「天野さん、抜け駆けはずるいですよ」
「栞さん、いつの間に?」
「まあいいじゃないですか天野さん。独占は良くないですよ」
「うぐぅ、ぼくもいるよ」
 栞ちゃんとあゆちゃんはいつの間にかあの混戦から抜け出していたようです。

 しばらくにらみ合っていましたが、美汐ちゃんはこの際対立することは不利と思ったようです。
「あゆさん、栞さんここで争っても仕方がありません。ここは相沢さんは私たち4人の共有物にすると言うことでいかがでしょう」
「うぐぅ、ぼくは文句ないよ」
「まあ、争うばかりが能ではないですね。貧乳は貧乳同士仲良くしましょう」
「あぅー、なんか嫌な繋がりだけど。栞やあゆあゆは嫌いじゃないからいいよ」
「名雪さん達は譲り合いの精神がないからいけませんね。みんなで仲良くすればいいと思うのですが」
「名雪さんは、ちょっと独占欲が強いですからね。お姉ちゃんも似ていますけど」
「そうだね、佐祐理さんと舞さんも二人占めしたいみたいだしね」
「わたし達は仲良くしましょうね」
「「「はーい」」」
 ああ仲良きことは麗しきかな。ってこれでいいのか?
382名無しさんだよもん:04/01/29 00:01 ID:dZze+9OR
「ところで、女の子で祐一って変だから名前を変えようよ」
「あゆあゆナイス提案。まことは祐一子がいいと思うよ」
「真琴さんのセンスは駄目駄目です。祐香なんかどうでしょう」
「ぼくは、単純に祐子でいいと思うよ」
「あの祐一さんは消えてしまったわけですから、無と言うことで祐無なんてどうでしょう?」
「あぅー、字があまり女の子っぽくないよ」
「では無を夢にして祐夢ではどうですか?」
「栞さんの言うとおりでよいと思いますよ」
「「賛成」」
 祐一君の意志を無視して勝手に新たな名前が採用されてしまいました。

「では祐夢さん仲良くしましょうね」
「天野、お前らなんか怖いぞ」
「「「「大丈夫優しくする(します)から」」」」
「あのー、俺の意志は?」
 祐一改め祐夢ちゃんはおずおずと自分の意見を主張しましたが……。
「「「「そんなもの無視です。みんなでいただきまーす」」」」
「うわー、止めてくれー!」
 あっさり無視され、祐夢ちゃんは美味しくいただかれてしまいました。
 めでたしめでたし。
「めでたいくない」

 一方そのころ名雪ちゃん達4人は、共倒れで気絶していましたとさ。
 やはりみんな仲良くないと駄目ですね。お終い。
383名無しさんだよもん:04/01/29 15:46 ID:vsXfVZCU
>>374
率直な感想を。
もう少し書き方を勉強した方がいいと思いますよ、
ギャグ風にしようとする余りに作者の声が鬱陶しいです、
キャラを卑下に扱う事で、他のキャラを向上させるのも悪く思います、
後、作戦2で始まってますが作戦1は無いのですか?。
384名無しさんだよもん:04/01/29 21:27 ID:Xz6dNJ/6
某所で裕子さんフェラーリげとー。ごちそうさまですた(゚∀゚)
385名無しさんだよもん:04/01/29 22:09 ID:4MuJBP5M
>>374-382
大作乙。
美汐の逝かれっぷりにワロタ。(>383の後だと自演みたく思われるかもしれないが)
登場人物が多すぎて、会話がゴチャゴチャしてるのは確かだけど。

また書いてくれい。


>>384
某所ってどこよ!? 気になるー!
386名無しさんだよもん:04/01/29 23:02 ID:Xz6dNJ/6
あー、ええとこっちも自演みたく見えるだろうし、該当者の方に迷惑掛かるとアレなので。

虎に入ってたきょにぅ次女同人に載ってた。コピー誌の再録なのかな?
このスレにはうpされてないだろう絵もあったから自分的には初出で大満足也。
387名無しさんだよもん:04/01/30 20:54 ID:MtOLgLCY
やはり反転ヒロインは基本的に受けなのかね?
朱鷺乃とか長瀬祐子とか久瀬奏とか。
388名無しさんだよもん:04/01/31 20:45 ID:NIlgxN6E
保守あげ
389名無しさんだよもん:04/01/31 22:28 ID:Tur4vve0
柳川さんは攻めで確定
390名無しさんだよもん:04/01/31 23:57 ID:oZvb37yU
裕子さんは受けも良いですよ!
普段は眼鏡越しの冷たい視線が快楽で歪められるのを思うだけで(;´Д`)ハァハァ
下から突き上げるとその重たげなオパーイがたゆんたゆん揺れるですよ。
もっともその状況自体が希少なわけですが。

ライバル系の反転キャラは攻めが多いと言ってみたり。
391名無しさんだよもん:04/02/01 06:06 ID:HzEBpEAu
往穂は攻めというかリード型がいいな。
絆を求めて、屋上で反転美凪と契る。
雨に濡れそぼったTシャツを自分でまくって触らせたり、
震える手で水溜りの中にひざまずいて口で奉仕したり。
自分もはじめてなのに必死で身体の繋がりを求めるところが萌える。
392名無しさんだよもん:04/02/02 01:00 ID:gqa9NzdQ
>>391
んむ、そのシチュは萌える。
つうか濡れTシャツハァハァ


どっちかっていうと、浩子はイニシアティブとる方なイメージが。
蝉枝も「貴方の感じている(ry」から判断してリード型。
よくわからんのがハクオロ。記憶がなくても身体の方は憶えているのか?
393名無しさんだよもん:04/02/02 03:25 ID:uvk474cN
むしろ「いろんなことされる」記憶しか身体に残ってないので
気高い意思は残っているのに身体は勝手に濡れて…
394名無しさんだよもん:04/02/02 17:14 ID:/dTbhx98
攻めない裕子タンは裕子タンじゃない!!!!!
395名無しさんだよもん:04/02/03 02:51 ID:MCTmdm7w
祐の方は受け確定?
396名無しさんだよもん:04/02/03 12:36 ID:S9ikE9QQ
長瀬祐子…拓美が絡むとほぼ受け確定。それ以外では、毒電波による攻めもありか?
相沢ゆう…比較的攻め側(つうかツッコミ役)。秋人が相手の時は受け。
折原ひろみ…攻め。特に七瀬キュンに強い。
藤井ふゆ…完全無欠の総受けキャラ。主導権握ってる姿が思い浮かばんw
397名無しさんだよもん:04/02/03 22:15 ID:Q0qPOSFg
はじめさんは微妙だな。
鶴丸さんだったら受けだろうし、楓くんや初音君なら攻めになりそうだ。
398名無しさんだよもん:04/02/03 23:12 ID:xIAvuZ9l
梓に対しては甘く誘って組み強いられたり。
で、数回射精させた後におもむろに上になって両手を押さえ + 激しく騎上位 +
ある意味理想の女王様かも。

399名無しさんだよもん:04/02/03 23:41 ID:3wioES8Y
あの事件以降、柳川に無理やり飲まされたえろえろ薬の後遺症で
夜ごとえろえろモードに強制突入させられる梓くんとはじめさん。
はじめさんの発作が辛そうなので手伝ってあげる(何を?)残りの三兄弟。
400名無しさんだよもん:04/02/04 01:13 ID:K3tArTn6
はじめさんとのテレパシーのリンクが切れておらず、
夜ごと柏木兄弟との行為をヴァーチャル体験させられてしまう祐子さん。
はじめさんがイクと、彼女も強制的にイッてしまうわけで。

「また一晩中ぶっ続け…。一体どういう絶倫なの、あいつら?」

でも、憔悴してはいるけどお肌は妙にツヤツヤ。
401名無しさんだよもん:04/02/04 07:50 ID:Jgnmobf3
毎夜の仮想体験にちょっと現実との境目を見失ったりする裕子さん。
ふと街角で見かけた初音キュンを思わず自宅へと引きずり込んでしまい。

翌日捜しに柳川宅に来たはじめさんとキャットファイトの末
どちらが魅力的かと初音君相手に身体で競い合ったり。
402名無しさんだよもん:04/02/05 13:32 ID:3KBMUcvZ
毎朝目が覚めると、身体が汗その他の体液でベトベトドロドロな裕子さん。

これって柏木兄弟に間接的に強姦されてるってことになるのか?と
下らない事を考えてみたり。
403名無しさんだよもん:04/02/06 00:42 ID:VZqi7f7J
それでもやっぱりじかに肌に触れられてないぶんだけ
裕子さんのフラストレーションは溜まる訳で。
そんな時はやっぱりえろえろ薬の後遺症で夜な夜な公園に出かけては
あの時の興奮を思い出し自らを慰める響子さんを手篭めに。
「はぁ……はぁ……う……っ」
 ふとアズサを見ると、アズサは手足を拘束されたまま、顔を紅潮させて荒い
息をしている。
 あたしとコイツのまぐわりに当てられてか、アズサは艶かしく興奮してる。
あるいは、何か薬物でも盛られたのかも……どっちにしても、クリトリスまで
パンパンに尖らせちゃっていて、凄く辛そう。
「可哀想に……アズサ……こんなにされちゃって……」
 従姉妹のあたしがアズサが気にかかるのは当然だけど……アズサのこんな姿
を見ていると、なにかこぉ……それとは違うような、妙な気分になる。
 あたしはそっと、アズサに近寄った。
「はー……はー……」
 アズサは熱く息を吐きながら、熱っぽい目であたしを見ている。その中に映
ってるあたしが同じ目をしている、ような気がした。
「アズサ……触ってもいい?」
 あたしが問いかけると、アズサは涙の滲んだ顔でこくん、と頷いた。
 あたしはそれを待ってから、アズサの股間に手を這わせる。
「ふぁっ……!」
 アズサの身体がそれに反応するように、びくっ、と動いた。豊かなその胸が
震える。
 そっとクリトリスの包皮を剥いて……ぱっくりと開かされちゃった割れ目の
中にそっと指を割り込ませて……辛くないように、くちゃ、くちゃとかき回す。
「ん……あぅ……はぁ……っ」
「気持ちいい……?」
「う、うん……うん……」
 必死な様子でアズサが頷く。
「もっと……私……っ」
「いいの?」
「う、うん……」
 聞き返すあたしに、アズサが肯定の返事をするのを待ってから、あたしはア
ズサにそっと唇を重ねた。
 指でゆっくりと割れ目をこねまわしながら、吸い上げる唇でも水音をたてる。
 くちゅ……くちゃ……くちゅ…………っ
「んぅ……ぅ……んんっ……」
 アズサが鼻から甘い声を漏らす。
「ぷは……アズサ?」
「あぅ……はふ……ひはぁ……」
「興奮し過ぎちゃって、辛い?」
 あたしが聞くと、アズサはこくん、と頷いた。
「セックス……したいの?」
 再度聞くと、アズサはその問いにも、目に潤ませながら頷いた。
「いいの……? はじめてでしょう?」
 あたしが聞くと、アズサははぁはぁと荒い息をしながら、口を開いた。
「私は……あぅ、耕一が好きだった、のぉ…………でも…………でも……ぉ」
「そっか」
 アズサの目から伝う涙を、あたしはそっと舐めてあげる。ゆっくりと撫でな
がら、そっと離れて身を起こす。
「っくぅ……くっ」
「こらっ」
 頭を抱えながら身を起こそうとしていた牡を、あたしは三度、けたぐり倒す。
「ぐはっ」
 そのまま、また足の裏でコイツの裏筋を踏み付けてやった。
「や、やめろ……」
「んん〜? やめる? 何をかしら?」
 ぐりぃっ、と不様におっ立ててるコイツのペニスを、あたしは足の裏でこじ
る。
「ふはっ……」
「ったく……あたしとしちゃー不本意なんだけどね、まさかあたしがニンゲン
の牡を狩ってくるわけにもいかないし、自業自得なんだから観念しなさいって
の」
 あたしが言うと、その意味を察したのか、コイツは上体を起こしてもがきは
じめた。
「な……や、やめろ、俺と、お前達は……ぁっ……」
 ぐりぃっ、と足を捻る。
「くはぁぁっ」
「さっきまでヤる気満々だったクセに、今さら何逃げに走ってるのかしら? 
まさか、こんな寸胴デカ女相手に膣(ナカ)出ししておいて、巨乳美少女相手に
欲情しないなんてことないわよねー?」
「くぅぅぅっ、くぅっ」
 頭を抱えて悶えるコイツを他所に、あたしはそっと、正面から膝の下に腕を
入れるようにして、アズサを抱え上げた。
「あ……」
 アズサが真っ赤な顔で、あたしの顔を見てる。
「あたしと向かい合ってた方が安心できるでしょう……?」
 コクン、とアズサは軽く震えながら頷いた。
「我慢できないほど痛かったら、正直に言いなさいよ?」
「う、うん」
 少し真剣味がかかってしまうあたしの言葉に、アズサは少し戸惑ったように
返事をした。
 そのままそろ……と、アズサの割れ目に男の逸物をあてがう。これだけ弛ん
でいればあまり痛くない……ハズ。あんまし確証はないのがちょっと辛い。
“自分”のロストバージンは宿主の時だったし。
 あたしはそろっ……と、アズサの膣内(ナカ)に男の逸物を侵入させるよう、
アズサの身体を下ろして行く。
「ひぁぁぁっ、ふぁ、はぁぁぁぁっ」
「くふぅぅぅっ、くぁっ、や、やめっ……」
 男の主張は無視。木偶に発言権はない。アズサは胸の中から呼気を吐ききる
ようにしながら、破瓜の悲鳴をあげる。
「あーっ、はーっ、はぅ……あぅ……」
 ゆっくりと下までおろしてあげると、アズサは震えながら荒く息をしている。
「大丈夫……?」
「う、うん……我慢できる……から」
 あたしの問いに、アズサは真っ赤な顔で背中をゾクゾクさせながら答えた。
出血が少しひどいようだけど、あまり辛くはないみたい、よかった……
「ちゅ……」
「んちゅ……ちゅ……」
 アズサの身体が落ち着くのを待たせるように、あたしはアズサの唇を吸う。
「ん……ぷは……」
「はぁ……あたし……かおりと同じので……あぁ……っ」
 ! そう言うことか……
 アズサのこの行為は、カオリに対する罪悪感からの自傷行為の意味もあった
わけ……もちろん、それだけじゃないだろうけど……あたしは少しいたたまれ
なくなって、きゅう、とアズサの上体を抱き締めた。
「はぁ……はぁ……こう……いち……あたし……あっ、ヘンになっちゃう……
我慢できないよぉ……」
「うん……動かすね?」
 アズサが頷くのを待ってから、あたしはゆっくりと、アズサの身体を上下に
揺する。
「んっ、はぁっ、はぁ……はぁ……」
 アズサが時折悩まし気に声を出しながら、熱い息をしてる。
 あたしはそれを確かめるようにしてから、ゆっくりと上下運動を速めて行っ
た。
「あーっ、はぁっ、はぁ……あーっ、あっ……」
 う……あたしもまた興奮してきちゃったかも……
「う……う……あぅ、はーっ、はぁーっ」
 アズサの息がどんどん昂っていくのが解る。あたしはまるで自分が突き動か
されるように、アズサの動きを速くしていく……
「あっ、あっ、こーいち……わ、私ィっ、あっ、はぁっ、ああっ、あ……んぅ
……っ」
 びくっ、びくびくっ、とアズサのからだが緊張する。
「くぁぁっ、くぅぅっ!」
 同じように男の身体が跳ねた。アズサとの接合部から白濁が溢れてくる。あ
たしとしては凄く不本意だったけど、カオリへの贖罪が目的だったら、アズサ
は納得しないだろう……と思った。

 部屋のバスルームを勝手に拝借して、私は梓とかおりちゃんの身体をきれい
に流してあげる(もちろん、私自身も)。
「ん……こーいちさん……?」
 正気にかえりかけたかおりちゃんに、ひしっとすがりつかれてしまった。
「あ……梓先輩も、来てくれたんですね」
 飲まされた薬のせいか、まだどこか恍惚とした表情で、かおりちゃんは一糸
まとわぬ姿で立ち、嬉しそうに笑う。
「う……かおり、ごめん……私があの時もっと引き止めておけば……」
 梓は気まずそうに、困ったような表情で言う。
「いいんです……2人が来てくれただけで」
 時折トランス入るけど、結構素直で可愛いじゃないか、より好みし過ぎた、
梓。
 私は心の中でそうつぶやきながら、軽くため息を付いた。
「耕一……こいつらどうする……?」
 衣服を身につけながら、梓は私に向かって聞いてきた。
 時折乾いた笑い声をあげて、裸のまま呆然としているヤツ……昨日の昼間顔
を見せた、柳川という若い刑事。そして、薬物で廃人になってしまった、私と
同じ歳ぐらいの青年、“安部貴之”――――
 友人を破壊された怒りが、柳川から“狩猟者”の攻撃性を解き放ってしまっ
た、それが今回の真相なのだろう。
「……2人は入院させるしか、ないだろうな」
 私は、部屋に取り付けられていた電話の、受話器を上げた。
 結果、柳川はそれを制御することができなかった。たとえこの事件がなかっ
たとしても、遅かれはやがて起きた悲劇だったのだ。私はそう言い聞かせよう
とした。
「…………」
 あんな目に合されたと言うのに、事実を知ってしまったかおりちゃんが、2
人を哀れむような悲し気な顔で見ている。
 その顔を見ていると、どうしても、ふっと頭の中をひとつの想定がよぎって
しまう。

 つまらない意地を張らずに、私が、もっと早く隆山を訪れていたら

 私は119をコールしながら、その考えを振払うのに苦労していた。

……なんか最初からずーっとラストには悩んでいたんですが、
予想通りと言うか、あまり気持ちのいいラストになってくれませんでした。
まぁ原作の設定がああな以上手放しなハッピーエンドは無理なのはわかっていたのですが……




しかし鬼モードの時はまさに“鬼”だったねぃ、耕一さん。
思わず
 ∧||∧
(  ⌒ ヽ ブラン
 ∪  ノ
  ∪∪
412元 ◆380/XmLF7c :04/02/06 04:29 ID:MontqiZs
おお、お久です。
楽しく拝見させてもらいましたですよ。梓かわいい。柳川哀れ。
さあ、一山越えたら誰彼かるーつやるかなぁ。
意欲だけあっても頭と身体は一つずつしかない…鍛えんとなぁ。
それでは>>411と一緒に吊って切ってきます。
413名無しさんだよもん:04/02/06 17:37 ID:0+dn7kzT
アゲとく
414名無しさんだよもん:04/02/07 09:42 ID:5M3Gex+W
>>411
長編乙カレー&グッジョブ
ちょっとバッドっぽいけど、まあ仕方ないか。

…いかし「柳川」は破滅する最後がふさわしいと思うけど、
「裕子さん」の場合は何とか生き残ってもらいたいんだよな。
ある意味男女差別?
415萌虚仮 ◆VDVqNOfj.c :04/02/07 14:23 ID:7qlWQmup
>>414
普段のイメージの差ではないかと。

柳川は、経歴はエリートでも見た目普通の刑事にありがちタイプだけど、
裕子さんは外見からして「デキる」と思わせるタイプ。
ネタに使ってキャラを崩したときのギャップや萌え度が全然違うのですよ。
416名無しさんだよもん:04/02/07 16:17 ID:IT8/4dZR
【主役交代?斉藤でKanon】
『プロローグ 主役失格?』
 俺は相沢祐一、言わずと知れたKanonの主人公だ。
 さて北の街にやって来た俺は、雪中2時間も待たせてくれたおおぼけの従姉妹とお約束の遣り取りの後水瀬家へと到着した。
 そして今水瀬家のリビングで、叔母である秋子さんと向き合ってに座っているわけだ。
 ちなみにおおぼけの従姉妹こと名雪は、なぜかリビングを覗いた途端に真っ青な顔になって自室に引き上げてしまった。(状況説明終了)

「祐一さん寒かったでしょう。どうぞこれでも飲んで暖まってくださいね」
 そんなやさしい言葉とともに秋子さんが入れてくれた紅茶を、体が冷え切っていた俺は本当にありがたく頂いた。
 ただなぜかテーブル上に、オレンジ色のようで角度によってはパープルやゴールドにも見えるゲル状の物質の入ったジャムとラベルの貼ってある瓶が置かれていた。
 それが少しだけに気にかかりはしたんだよな。
 だが秋子さんの笑顔につられて、何の疑いもなくロシアンティーを飲み干したのだった。

 わたしは相沢祐那(ゆうな)、モブキャラです。
 ところで、なぜモブキャラのくせに自己紹介なんかしてるんでしょうか?
 それはさておき、叔母の秋子さんに入れて頂いた紅茶を飲んだ後しばらく意識を失っていたらしいです。
 きっと疲れていたから、美味しいお茶でホッとして眠ってしまったんですね。
 それで気が付いたら、秋子さんがわたしの姿を満足そうに見つめていたんです。
 なんだか自分の作品の出来映えを自慢げに見ているようなそんな笑顔です。
 そこはかとなく身の危険を感じますね、なんだか少し嫌かもしれません。
「祐那さん、体の調子はどうですか?気分が悪かったりしませんか?」
 前言撤回、秋子さんは本当にわたしの体を心配して下さっています。
 疑ったりして恥ずかしいです。
 それによそのお宅で眠ってしまうなんて、乙女として本当にはしたないことですね。
 ああそうです、早くお返事しないと、やさしい秋子さんに心配をかけてしまいますね。
「はい、別に調子の悪いところはありません。心配かけてご免なさい」
「そうですか、それなら良かったです」
 わたしの返事に秋子さんは本当にホッとされたみたい、変なことを考てご免なさい。
417名無しさんだよもん:04/02/07 16:19 ID:IT8/4dZR
「祐那さん、実はあなたに謝らなければいけないことがあるんです」
 そんな風に秋子さんに唐突に謝られたわたしは、不意を付かれて言葉を発することも出来なかったんですが、秋子さんはそのままお話を続けられています。
「実はさっきの紅茶に、性転換効果のあるジャムを混ぜて置いたんです。祐那さんは本当は男性なんですよ」
 はい、なにを言っておられるんでしょう、わたしは前から女の子だったはずです。
 自分が男だなんて悪い冗談です。
「ご免なさいね。急にそんな話を聞いても信じられないわね。でも、本当のことです」
 秋子さんは嘘を付いてなんかいない、そのことはわたしにも直感的に感じ取れました。
 でも、話の内容は簡単に受け入れられるものではありません。
 わたしは混乱のあまり、あやうくまた意識を失うところでした。

 その後の秋子さんの説明ですと、わたしは祐一と言う名前で、両親の海外赴任で叔母である秋子さんの家に居候することになった点は今と同じでした。
 しかし女だけで年頃の娘のいる家に、例え従兄弟でも若い男がいるのは問題があるので、わたしは女にされたんだと言うことです。
 我が叔母ながらどうやったらそんなことが出来るんでしょう?
 発想自体も普通じゃないですけど、本当にやってしまうのはもっと普通じゃありません。
 おまけに肉体の女性化だけでなく、精神的も女性化し行動や言葉遣いはもちろん、記憶も元から女であったように変わるんだそうです。
 だから、わたしが祐一として過ごした記憶はちゃんと残っているのだけれど、その記憶が女性として経験したように置き換えられてしまっているわけですね。
 そんなすごい効果があっては、わたしが自分がさっきまで男だったなんて信じられなくても不思議じゃあないですね。
 わたし自身、肉体の変化の様子をビデオに撮られていて、それを証拠として見せられなければ絶対に信じられなかったでしょう。
418名無しさんだよもん:04/02/07 16:20 ID:IT8/4dZR
 ちなみにわたしの転校届は既に女性として祐那の名前で提出されているそうです。
 制服や私服、更には下着もちゃんとサイズがあった女性用のものが準備済みです。
 実は、さっき意識を失っているうちに着替えさせられていたんです。
 本当に手回しが良すぎます、特に事前にサイズまでわかるのは不思議すぎますね。
 ところでこの件については秋子さんの独断ではなく、両親共に承認済みだそうです。
 まったく自分の子供をなんだと思っているんでしょう?
 目の前にいるのなら小一時間問いつめたいです。ええ本気で……。

 ところで今のわたしの容姿は、自分で言うのなんですがまあ一応可愛いって言ってもいいようです。
 ただ悲しいことに、せいぜい中学生くらいにしか見えないんです。
 身長156センチ、スリーサイズは上から72−50−72。
 くびれはあるけど、出るとこは出てないって感じですね。
 まあメインどころかサブヒロインですらないモブキャラですから別にいいですけどね。
 本当はすごく悔しいですけど……。
 髪は栗色でストレート、長さは肩に掛るくらいですね。
 それと視力が両眼とも〇.3以下で、普段は黒縁眼鏡を愛用しています。
 ところで実はわたしの母と秋子さんは一卵性双生児なので、わたしと名雪は遺伝子の半分を共有していて、遺伝的には異父兄弟みたいなものです。
 それが、なぜこんなにプロポーションが違うんでしょう?父方の血統が悪のかしら?
 とにかくわたしの容姿は、あの着る人を選ぶ制服と相性が悪いです。
 大体あの制服は眼鏡と全く合いませんし、ある程度体型にメリハリがないと駄目ですね。
 わたしが着ると服に着られているというか、仮装にしかならないです。
 セーラー服かブレザータイプ、せめて赤以外の、紺とかもっと地味な色なら良かったんですけどね。

 ああそうです、いつまでもくだらない愚痴をお聞かせしている場合ではないですね。
 わたしはもうモブキャラなんだから、いつまでも出しゃばっていては駄目です。
 そろそろ引っ込みますね。
419名無しさんだよもん:04/02/07 16:21 ID:IT8/4dZR
『本編 俺が主役だ』
 前主役が女性になって降板したため、急遽代わり主役に抜擢されたナイスガイ斉藤だ。
 なに、普通それなら北川が主役だ?影の薄いお前よりまだ久瀬の方がふさわしい?
 ふふふっ、君達まだまだ考えが甘いな。
 あの二人はなまじキャラが固まっているから、今更主役になど成れはしないのだ。
 その点俺はなにも決まっていないから、かえって自由に動けるわけだね。
 つまり、俺の影の薄さがこの場合幸いしたわけだね。
 なんか少々悲しくなってきたが、それはさっきまでの話。これからは俺が主役だー!
 水瀬さんは水瀬さんは俺のもんだー!ハイル、ケロピー、いちごサンデー万歳!

 そこで姓しかなかった俺は、水瀬さん、もとい名雪の父方の従兄弟斉藤祐一となった。
 もちろん牛丼超能力少女、たい焼き食い逃げうぐぅ、肉まんあぅーと昔なじみの設定だ。
 もちろん、そのことを俺はまだ思いだしていないことになっているんだけどね。
 ただし名雪と同居してしまうと前主人公の二の舞なので、家が隣同士に変更。
 つまり藤田浩之的状態だね。もっとも名雪が起しに来てくれるとは到底思えないけど。
 まあアレはゲームが違うし、俺が名雪を起しに行くってことでOK。

 お久しぶりです祐那です。斉藤君はかなり張り切ってるみたいですね。
 まあわたしは目立つのは嫌いですから、隅っこで七瀬さんとでも仲良くしてますね。
 そうだせっかくですから、クラスの誰かと恋仲とかいいかも。では皆さんさようなら。

 誰かが後の方で余分なことを言っていたようだが、再び主役の斉藤祐一だ。
 さていよいよゲームが始まるのだが、俺はハーレムエンド狙いの不埒でタラシな前主人公と違って名雪に純愛一直線、彼女の攻略に全力を尽す所存だ。
 つまり他の女など単なる二人の愛の障害物、大根かカボチャ、路傍の石にすぎん。
 もし二人の恋の成就を邪魔するようなら、情け容赦なく蹴散らすのみだ。
420名無しさんだよもん:04/02/07 16:23 ID:IT8/4dZR
 と言うわけで、俺は名雪の買い物に付き合って商店街へとやって来た。
 そして商店街の入り口で名雪を待っていたら、いきなり後の方から声が聞こえてきた。
「そこの人、どいて。どいてー!」
 いきなりのことで咄嗟に事態を把握できずにいたら、後から体当たりをかまされた。
 ぶつかってきたのは体格は中学生、顔は小学生の女の子(男の子?)だった。
 なぜかその女の子は羽の付いたリュックを背負い、大きな紙袋を大事そうに抱えていた。
 その子はどうにか体勢を立て直し、どういうつもりか俺の手を引いて走り出そうとした。
 しかし俺は名雪の言いつけで、忠犬ハチ公のごとくここから一歩も動くわけにはいかん。
 そこで俺はその小学生(子供っぽい言動から発育のいい小学生と推定)を、問答無用ではたき倒した。

 丁度その時エプロン姿の中年髭親父が現れ、その小学生を連行していったんだ。
 その時親父は食い逃げ犯を捕まえてくれた礼だと言って、女の子が抱えていた紙袋の中からたい焼きを五匹取りだして俺に渡してくれた。
 きっとたい焼き屋の店主なんだろうな。どうでもいいけど。
 その後買い物が終わった名雪と二人、仲良並んでくたい焼きを食いながら帰った。
 ぼかあ幸せだなー。
 ちなみにその少女とはそれっきりだ、多分補導されて少年院にでも行ったのだろう。
 まあ食い逃げの初犯でそんなことになるとも思えんから、多分常習者だったんだろう。

 その翌々日の授業中、親友の北川が中庭に変な女の子がいるとか言っていたが、名雪以外の女になどさっぱり興味がないのでそのまま放っておいた。
 もっともそうでなくても、常識人のこの俺はこの寒い中で酔狂にも外で立ち続けているような変人を相手にする気などない。
 まあそれでも相手が美坂ぐらいの美人だと言うのなら少しは考えんでもないが、見たとこ中学生ぐらいのガキだったしな。
 俺は元主人公の相沢のようなロリコン変質者ではないので、ガキなど断固無視だ。
421名無しさんだよもん:04/02/07 16:24 ID:IT8/4dZR
 それでも少しは気になるので昼休みに外を見てみると、最近転校してきた名雪の母方の従姉妹で相沢祐那とか言う貧相な眼鏡ブスがその少女に話しかけていた。
 なんと言うか実に暇なやつだ。
 その後その少女を見かけていない、多分相沢に諭されたのか、風邪でも引いて己の愚を悟ったのだろう。
 まあどっちにしろ俺には関係のない話だ。

 別の日に商店街で、ツインテールの髪の中学生くらいの少女にいきなり襲いかかられた。
  適当に相手をしていたら、そいつは勝手に倒れたのでやむなく家に連れて帰った。
 しかしたまたま両親が親父の職場の親睦旅行中で、今家は男だけの兄弟三人のみだ。
 さすがに女の子を泊めるわけにはいかず、やむなく隣の水瀬家に預かってもらった。
 愛しの名雪に迷惑をかけるのは実に心苦しいが仕方がないな。
 そうそう水瀬家のただ飯ぐらいの居候の相沢、あいつに面度見させればいいんだよな。
 うん、ブスはせめて家事の手伝いでもするんだな。
 そうすりゃあ家事が上達してブスでも嫁にいけるかもしれん。
 その後その少女はなぜか相沢に懐いたらしい。
 俺に襲いかかってきた時は復讐だとか騒いでいたが、それもすっかり忘れてくれたようでめでたいことだ。
 ブスにも子守の才能だけはあったらしい。

 別の日の夜だが、向かいの名雪の部屋が騒がしかった。
 窓越しに聞いてみると、数学のノートを学校に忘れたと言って困っているんだそうだ。
 名雪限定のフェミニストの俺は、当然ノートを取りに大喜びで学校に向かった。
 そして学校で無口な美人三年生と出会ったが、名雪一筋の俺は相手がどんな美人でも興味がないので挨拶だけですぐに別れた。
 とにかく名雪の為に一秒でも早くノートを持って帰らねばならんのだ。
 もっとも名雪には内緒だけど、相手がかなりの美人だったからもう少し愛想のある相手なら少しは話してみても良かったけどね。
 しかし、さすがにあの先輩は少し無口すぎたな。
 帰宅後に名雪のノートを渡すと、幸いまだ起きていた名雪は「祐一大儀であった」と心から感謝してくれた。
 天にも昇る心持ちとはこのことである。
422名無しさんだよもん:04/02/07 16:25 ID:IT8/4dZR
 俺はこのように余分な女どもには手など出さず、ひたすらに名雪に尽くし続けた。
 毎朝名雪を起し、授業中寝てばかりで当然成績は赤点確実の名雪に勉強を教え、毎日毎日いちごサンデーを奢り続けた。
 その努力のかいがあって、俺はついに名雪の恋人になることが出来た。
 その時俺の頭の中にファンファーレが鳴り響き、三十分以上鳴りやむことがなかったね。

 では我が女神名雪のすばらしさを、読者諸君にもわかるように語り尽くしてあげよう。
 名雪は毎日俺にその可愛らしくも麗しい寝顔を見せると言う至福の時を与えるために、存分に寝坊してくれている。
 何という心根の優しさであろう。
 更にそれに加えて起こす楽しみを俺に存分に味会わせるために、なかなか起きないでいてくれるのだ。
 この世にこんなすばらしい女性が他にいるだろうか。
 あまつさえ俺と少しでも長く一緒にいてくれるべく、遅刻ぎりぎりに教室に飛び込むという栄誉まで与えてくれているのだ。
 さらに俺に負い目を与えないために俺の些細なミスを的確に指摘し、さりげなくいちごサンデーを奢らせてくれる。
 かほどに慎ましく麗しい女性が他にいようか。俺は世界一幸せだー!

 こんにちは唐突ですが秋子です。
 ところで斉藤もとい祐一さんの立場って、言い方が古いですがただのパシリ兼ミツグ君のような気がします。
 まあ本人が納得してるようだから、別にかまいませんね。
 もっともわたしの可愛い祐那さんのことを貧相な眼鏡ブスなんて言う見る目のない祐一さんですから、娘の下僕として骨までしゃぶり尽されても自業自得です。
 こんな言い方をしましたけれど、これでも祐一さんには感謝してるんですよ。
 とにもかくにも娘によくしていただいてはいるわけですからね。
 あの子もわたしの娘だけあって見栄えはいいんですが、甘えん坊で惰眠体質な女の面倒を見ようなんて奇特な男性は奇特です。
 なにか実母が言うことでしょうか?って思ってしまいすが、客観的事実ですから仕方がないですね。
423名無しさんだよもん:04/02/07 16:27 ID:IT8/4dZR
『エピローグ 祐音の近況』
 お久しぶりです。皆さんもうお忘れかもしれませんが、モブキャラの祐那です。
 なんだか作者がわたしの近況を報告しろと言ってますので、お話しします。
 わたしとしてはモブキャラの生活なんか、全然面白くないと思いますけどね。

 まずその一、転校直後学校の中庭でたたずむ私服の少女、美坂栞ちゃんと知り合いました。
 お話ししてみるとなんだか不治の病で、もうほとんど余命がないそうなんです。
 どうせ死ぬのならとわたしの代わりに、新作ジャムを食べてもらいました。
 ええわたしはまだ死にたくないですから。わたしって外道でしょうか?
 その後栞ちゃんの姿を見なかったのですが、一週間後に偶然商店街で出会いました。
 その時に体の具合を尋ねてみると、なぜか病気が全快していたんだそうです。
 世の中不思議なこともあるものですね。でも良かったです。
 ああそうそう、同じクラスの香里さんが妹の病気が治ったって狂喜乱舞して、その勢いで北川君の告白をOKしてました。
 なんと栞ちゃんは香里さんの妹だったんですね。
 そう言われれば、全然気が付きませんでしたけれど、香里さんと名字が同じでした。

 その二、町中でたい焼き食い逃げ少女を捕まえて、制裁としてジャムを食べさせました。
 その後その子を見かけなくなりましたが、食い逃げ事件は絶えてないそうです。
 良いことをすると本当に気持ちがいいです。
 それとは全然関係ないですけど、翌日の新聞に七年ぶりに目覚めた奇跡の少女(名前は忘れました)の話が載っていました。
 世の中不思議なことがままあるものですね。
 その後食い逃げ少女がたい焼き屋さんで働いてるのを見かけたので、たい焼きを買うついでにお話しました。
 身よりのない彼女(月宮あゆちゃん、どこかで聞いた名前です)は、今はたい焼き屋さんの住み込みの弟子として働いているそうです。
 たい焼き屋のおじさんの話だと結構筋がいいそうです。
 彼女も天職を見つけてちゃんと更正したみたいで、本当に良かったと思いました。
424名無しさんだよもん:04/02/07 16:28 ID:IT8/4dZR
 その三、二人組の綺麗な先輩と知り合いました。
 お二人ともスタイルが良くってちょっとジェラシーです。
 それはさておき、なぜかお昼ご飯をごちそうになりました。とっても美味しかったです。
 本当に嬉しかったので、食事のお礼にたまたま持っていたジャムを差し上げました。
 翌日から無口な川澄先輩が少し危ないくらい明るくなりました。
 逆に明るすぎた倉田先輩は普通のテンションになりました。
 それとそのことと関係あるのかどうか、お二人は全校公認カップルになったそうです。
 あとこれは多分全然関係ないと思いますが、そのころから校舎の窓ガラスが割れることがなくなって、生徒会長の久瀬さんが元気になったそうです。
 いつもその件で大変苦悩されていたので、事態が収まってとっても良かったと思います。

 その四、斉藤君が拾ってきた記憶喪失の少女、自称沢渡真琴ちゃんが病気になりました。
 斉藤君は名雪一筋なので、真琴ちゃんはかまってもらえなくて寂しそうでした。
 多分そのせいで病気になったのでしょう。昔から病は気からっていいますものね。
 まあ原因はともかく、栞ちゃんの例もあるので試しにジャムを食べさせたら病気が全快しました。
 どうも信じられないくらいお手軽です。
 そうそう真琴ちゃんには、わたしより一級下の天野美汐ちゃんと言う友達も出来ました。
 美汐ちゃんは物腰が上品(斉藤君は失礼にもおばさん臭いと言います)な女の子です。
 言葉遣いが丁寧なわたしと美汐ちゃんはすごく気が合いましたし、元気な真琴ちゃんもわたしにないものを持っているので可愛いです。
 どうして斉藤君はもっと真琴ちゃんに優しくしてあげなかったのでしょうか?
425名無しさんだよもん:04/02/07 16:30 ID:IT8/4dZR
 その五、斉藤君は名雪の下僕(端から見るとそうとしか)、もとい恋人になりました。
 それであの寝汚い名雪を起こそうとして突き飛ばされたり、猫アレルギーの名雪が猫に触ろうとするのを止めようとして殴り倒されたりしています。
 挙げ句の果てには、毎日いちごサンデーを何杯もたかられたりもしていますね。
 客観的には辛い生活(わたしなら嫌です)としか思えません。
 でもあれで本人は幸せそうなので、まあ良かったんでしょうね。
 ねっ、ただの平凡な女子高生の何の変化もない生活なんて聞いても、全然つまらなかったでしょう。

『蛇足 秋子の手記』
 心配の種だった寝ぼけ娘が片づくめどが付いて、安堵している秋子です。
 それにしても祐那さんは本当に可愛らしい女の子になってくれて、母として嬉しい限りです。
 ああ母ってどういうことかと言いますと、この間祐那さんをわたしの養女にしたんです。
 真琴ちゃんと美汐ちゃんも一緒ですよ。
 最初は親御さんの反対がありましたけれど、ジャムを手みやげに説得にお伺いしましたら、皆さん快く承知してくださいました。
 ええ本当に快く。
 これであとは3人に良いお婿さんを迎えてあげれば水瀬家も安泰です。
 そうそう久瀬さんなんかいいかもしれないですね。それではこれで失礼します。
426地獄車 ◆Xoa6WeBjxs :04/02/07 20:10 ID:xm/FbGLK
〜じごぐる専用栞 ここまで読み飛ばした〜
>>416-425
イイ(・∀・)!!
結局恵まれてない斉藤君哀れ(つд`)。
というかモブキャラになっても美少女キラーですね祐那タソ……
出るとこでてない美少女イイ!!


しかし相変わらずなぞすぎるヂャムだ……
428名無しさんだよもん:04/02/08 03:08 ID:JyGasxiJ
なんとなしにハクオロかーさんのビジュアル提案。
[仮面をつけた編集長]
いや、なんでだろう、ふと思いついたんだわ。
429名無しさんだよもん:04/02/08 03:29 ID:F6+gNV9h
珍しく名雪の扱いが良い(?)SSですね。
しかしそれ以上に秋子さんがキチクすぎ。秋子さんはこんなキャラじゃないょぅ。。。
「はじめ・・・」
「梓・・・」
ゆっくりとお互いの顔が近づき、唇が触れ合う。
最初は軽く、やさしく、愛おしく。
次第に舌を絡ませ、しゃぶり、情熱的に。
「んっ・・・ちゅっ・・・んむっ・・・」
「はぁっ・・・んっ・・・ちゅるっ・・・はっ・・・」
お互いに立ったまま、腰に手を回して、ぐっと引きつけながらキスを続ける。
梓ははじめの舌を舐りながら、次第にその手を下におろし、はじめの大きく、
やわらかな双尻に指を這わせていく。
「んふぅっっ・・・」
ジーンズの上から触られているにも関わらず、はじめは敏感に反応し、その大
きな胸を逞しい梓の胸板に押し付ける。
ゆっくりと、じっくりと、やさしく焦らすように触ってくる梓の手をもっと感
じようと、無意識に尻を突き出してくる。それに合わせて更に胸が梓に押し付
けられる形になり、梓も指の力を強くしていき、そしておもむろに、ぎゅっと
掴む。
「ひゃひっ!?」
焦らされて更に敏感になっていた尻に強い刺激を受けて、はじめが嬌声を上
げ、爪先立ちになった所で、押し付けていた乳首がぐりっと擦られる。
「あぅっ!」
「ふふっ・・・随分と敏感になったよな、はじめ。ちょっと触られるだけで、
そんなに色っぽい声を出すなんてさ。」
「バカ・・・」
あの事件の際、柳川裕子に無理矢理結合させられたあの日から二人の関係は続
いている。
元より梓は、はじめに思いを馳せていたし、はじめも梓に再会してからは、弟
以上の感情を持ち始めていた。
「事件」をきっかけにはしたが、二人が関係を持つのにそう時間はかからなか
ったのかもしれない・・・
但し、「事件」の後遺症とも言うべき物も残った。
はじめは縛られ、拘束されて嬲られた。はじめとて、初体験に少なからず幻想
を抱いていた女の子だ。そのトラウマは、憎からず思っていた梓に対する感情
を捻じ曲げ、変形させ、従姉としての接し方に変化をもたらした。変化があっ
たのは、心だけではなく体も同じだった。裕子に飲まされた薬によって、断続
的にフラッシュバックが起こって発情し、牡を求めて体が疼いてしまうのだ。
梓も、そんなはじめに対していつまでも落ち込んでいるわけにもいかず、お互
いの同意の元、半ばはじめが誘った様な形にはなったが、はじめの体を静める
行為を繰り返していた。しかし、はじめと同じくトラウマは完全には消えず、
初体験の状況もあり、はじめに対して、牡として接し、滅茶苦茶に犯したいと
言う欲求が次第に高まっていっていた。
当初はお互いにくすぶり程度だったのが、肢体を重ねる毎にその衝動は加速度
的に増して行き、初体験のシチュエーションも相まって、縄での拘束プレイが
二人の発情した際のスタイルとなっていた。
いまや二人にとって『発情』は緊縛を正当化する為の口実でしかなくなってい
っていた。
「ふぁっ・・・梓ぁ・・・お、お尻を触るだけじゃなくて、その・・・」
「なんだよ、はじめ、はっきり言ったらどうだ?いつもは生意気な口を叩くく
せに、こう言う時だけははっきり言わないんだからな。前にも教えただろ?何
かして欲しかったら、きちんとお願いするんだって。でないと・・・・・・」
「わ、分かった・・・っ・・・分かりました・・・」
つい普段の言葉遣いになるはじめに、視線だけで注意を促す梓。
そして、はじめは教えられた通りの言葉を紡ぐ。
「お願いします。わ・・・私を縛って下さい!胸も、腕も、し・・・下の口も
きつく縛り上げて下さい!そして、いやらしい・・・はじめの体を、梓の手で
思い切り嬲って下さいっ!」
「ははっ、良く出来たな、はじめ。お望み通り、思いっきり虐めてやる
よ・・・たっぷりとな。」
そう言うと、梓は傍に置いてあったバッグの中から縄を取り出し、手際良くは
じめを拘束する。縄が肌を擦る度に吐息をもらすはじめに興奮しながら、梓は
緊縛を完了する。
はじめは、胸を強調された亀甲縛りで縛られ、股間にも縄を這わされた状態で
ベッドに横たえられた。
「ああっ・・・梓ぁ・・・」
立ったまま愛撫されている最中、縛られている最中、それ以前に抱きしめられ
てキスされていた時から濡らしていたはじめの秘部は、すでに縄が蜜を吸って
変色し始めていた。
そんなはじめを見て、
「何てやらしいんだろうな、ここを・・・」
くぃっ
「ひゃうっっ!」
「こんなに湿らせて・・・」
梓は股間の縄を引っ張り、秘裂に食い込ませる。
以前ならば痛いだけの行為も、今のはじめにとっては媚薬に等しい。梓の動き
に合わせて、腰を仰け反らせて反応する。
「ほら、ここも・・・」
こりこりっ!
「きひゅぅっ!」
「こんなに尖らせて・・・」
乳首を弄くり、
「これは?」
ぎゅむぅっ!
「ふぁうっ!」
「ふふっ、パンパンに張っちゃって・・・」
胸を握り締める。
「ひゃぃっ!」
「きゃぁっ!・・・うンっ・・・だめぇっ!」
「ふ・・・うっ・・・くぅっ・・・・んん・・・」
「ひっ・・・ひっ・・・ひゃっ・・ああっ・・・」
「くひゃああああっ!」
梓に触れられ、愛撫される度に、嬌声を上げて応えるはじめ。体も限界まで追
い込まれているが、まだ一度もイかせてもらえておらず、蛇の生殺しがもう1
時間は続いている。
「お・・・願いします・・・一度でいいから、い、イかせて下さい・・・」
とうとう梓に請われなくても、自分の口からおねだりの言葉を発するようにな
ったはじめ。そんなはじめを満足そうに眺めた後、梓は
「どうして・・・欲しい?」
やさしく尋ねる。
「あ・・・」
先程までの厳しい責めとは違い、普段の梓のやさしい口調で問われ、一瞬えも
いわれぬ幸せな感情に支配される。その感情のままに「やさしく抱いて下さ
い。」と言いかける理性を、しかし、限界まで昂ぶらされた身体が許さない。
せめぎ合う感情に左右されながらも、はじめは言葉を選び、答える。
「し・・・縛ったままで、そのままで・・・梓のお・・・おちんちんを、はじ
めのおまんこに・・・入れて、ぐちゃぐちゃにして下さい!」
「くすっ、分かったよ。」
梓は、涙ながらに懇願するはじめを、心底いとおしく思いながら、軽くキスを
する。
「んっ・・・」
そしてそのまま押し倒し、うつぶせに組み敷いて、尻をこちらに向けさせる。
「あ・・・」
はじめが、期待のこもった声を上げる。
「いくぞ」
ずぶうぅうっ!
「っくあぅっ・・・ああああああぁぁっ!」
言うや否やはじめの秘裂に剛直を捻じ込む梓。何度も押し入っているのに、き
つくうねり、それでいてやわらかく纏わりついてくる秘腔の感触に、梓も快楽
を刺激される。
「ひっ・・・イクぅ・・・」
散々昂ぶらされていた為、すぐにイってしまうはじめ。しかし、梓がそれで終
わらせてくれるはずも無く、ゴリゴリと秘腔を擦られる度に、何度も絶頂を迎
えてしまう
「きゃうぅン!・・・くぅうっ・・・うンっ!・・・」
「あぁっ・・・あぁんっ!・・・ひぃんっ!・・・ぅンンー!」
「あ・・・はぁあっ!・・・き、気持ちいいっ!あぁっ、梓ぁっ!」
「うぅっ・・くうぅ・・・身体が・・・ふぁっ・・・溶けちゃうぅっ・・・」
「あ・・・あはぁあっ!・・・また・・・またぁっ!・・・」
すでに何回イったのかも判らない。後背位で突かれ、胸を揉みしだかれ、乳首
を捏ねくりまわされ、全身を愛撫される。荒々しく、時に繊細に、巧みな愛撫
と腰使いによって、はじめは絶頂の渦へと落とされていく。
「そろそろ・・・俺も・・・イクぞ!」
はじめの絶頂毎に、淫らに収縮する秘裂からの刺激にとうとう梓も限界に達する。
「あンっ!・・・は、はいっ・・・下さい・・・梓の、せ、精子・・・下さいっ!」
自分の言葉に興奮したはじめの秘腔がきゅうっと梓の剛直を刺激し、それが止
めとなった。
「くぅっ・・・はじめっ!」
ビュクッビュクッ!
「ふぅあっ!・・・あ、熱いひぃぃっ!」
溜めに溜めた精液が、濁流の如くはじめの子宮を打ち付ける。その衝撃で、最
後の防波堤も決壊した。
「やぁっ、ダ、ダメ・・・来る・・・イく、イきます。イっちゃいますぅぅぅっ!!!」
胎内の奥に浴びせかけられる精液を感じながら、はじめは身体をわななかせた。
梓は身体の緊張を抜くと、柔らかい身体を抱きしめたまま、はじめの上に倒れこむ。
上からのしかかってくる梓の体重を感じながら、はじめは身体を震わせて余韻に浸る。

しばらく息を整えていたが、やがて梓がはじめの横に倒れこみ、腕枕をしてやる。
まだはじめは緊縛されたままだが、はじめは気にしない。梓の胸に顔をすり寄
せて鼓動を聞く。
ドクンドクンと、平常時よりも早い鼓動。自分と同じリズムの鼓動。
「梓・・・」
「ん?」
「大好きだよ。」
「ああ、俺もだ。」
お互いの気持ちを言葉にし、どちらかともなく唇を合わせる。

二人の表情は、とても幸せに満ちていた。
翌朝
とあるマンションの寝室、女性が一人、ベッドに腰掛けている。
女性の名前は柳川裕子。刑事であり、柏木4兄弟とはじめの叔母にあたる人物
だ。以前起こった猟奇事件の中心人物であり、はじめの発情にも深く関わって
いる。だが、はじめと梓に倒され、鬼の衝動が収まってからは、事件の立件が
難しい事もあって、取りあえずのごく普通の生活に戻っていた。
しかし、普段ならば知的な雰囲気を醸し出すであろうその身体も、着崩したネ
グリジェから肩を出し、艶っぽい顔で息を整えている。
「あ・・・あいつらは、化け物なの?散々一つの体位でイキまくったくせに、
その後4回も別体位で・・・しかもイったのは4回じゃすまないどころの話じ
ゃないし・・・」
以前の事件ではじめと一時的にリンクしていた裕子は、鬼の破壊衝動がなくな
ったことによって、裕子の方からは余程の事が無い限り、はじめとつながる事
も無くなっていた。しかし、はじめからの場合、薬のフラッシュバックによる発情がきっかけになると、時々リンクしてしまう事がある。昨夜がそれであった。
「いくら鬼だと言っても限度があると思うのよね。自業自得だけど。でもこん
なのが毎回じゃないとはいえ続くとなると、さすがに・・・ねえ・・・」
軽く溜息をついてベッドに横になる。
「私も男作って、対抗してやろうかしら・・・ねぇ、貴美・・・」
かつての心の支えだった少女の名を呼びながら、思案する。その脳裏に思い浮
かべたのは、柏木兄弟の末弟の・・・
(は、初音!?)
「な、なんで『男』で初音を思い浮かべるわけ!?」
思いもかけない己の思考に珍しく動揺する。
「たしかに初音は可愛いし、優しいけどそれだけじゃなくてしっかりしてる
し、好みではある・・・け・・・ど・・・」
最後の台詞で詰まる。
(こ・・・好み!?)
「これは・・・もしかして・・・所謂・・・ショタ・・・というやつ・・・?」
自問してからハっとなり、
「ち、違うわよ!私はそんなのじゃなくて、単に初音が可愛いだけよ。そう!
甥として!鶴丸は年が近すぎるし、梓は生意気だし、楓は分けわかんないか
ら、一番『甥』として理想的な初音の事が可愛いと思っているのよ!『男』と
してじゃないわ!たしかに柏木家に何度か行った時には、一人だけ私の弁護を
してくれたり、自分の兄弟や従姉にひどい事をした私に『裕子さんも辛かった
んですね』って同情じゃない優しさで傍にいてくれた事もあったけ・・・
ど・・・それだけ・・・の・・・はず・・・」
再び言葉に詰まる。
(思考中)
(思考中)
(いっぱい思考中)

「叔母と甥ってやっぱりまずいわよね・・・はっ!」
ふともらした言葉にはっとなる。
「何を考えているのよ私は!いくらなんでもまずいに決まっているでしょ!叔
母と甥なんて近親相姦じゃないの!そんなのがばれたら、初音が世間から爪弾
き・・・に・・・」

(思考中)
(思考中)
(いっぱいいっぱい思考中)

「戸籍上はつながりがないから、良いかしら?」


裕子さんの明日はどっちだ!?(ついでに初音くんも)
440梓とはじめさんのその後 (:04/02/08 03:55 ID:hv4Hmdrl
半分程書いていた、緊縛調教 梓×はじめを<<398から<<403を元に再構成してみますた。
当初ははじめ調教物として書いていて、何かちがうなーと思っていた物を再利用した形になった為、変な感じになったらスマソ。

これが始めての小説でエロってどうよ自分。
なので自分を吊って切ます

 ∧||∧
(  ⌒ ヽ ブラン
 ∪  ノ
  ∪∪



441名無しさんだよもん:04/02/08 04:19 ID:ehDS/FgV
初めて触れる男、しかも甥という背徳感に身を震わせ、
それでも年上ということもあり、こわごわと初音君をリードする裕子さんの続編キボンw
442名無しさんだよもん:04/02/08 04:53 ID:URAw4IC0
>>440
吊るなー!Good Job!
改行にもう少し気をつければかなり良い。
443名無しさんだよもん:04/02/08 09:14 ID:dwa9bTKG
むぅトラウマからすると梓緊縛ではじめが言葉責めした後騎上位とか考えてた俺馬鹿。
やはり生意気な男子高校生夜は従順かなーと。
つうか貴美さん少女ですか(゚∀゚)!

>441
先生、続編だと裕子姉さん初めて触ったどころか強制結合までやらかしてますがw
いやまあ初音くんのは初めてということか。大器晩成型なアレかもしらんしな。
で、さんざん気張ってリードしてさて本番って時にいきなり性格反転した悪音くんに
いろいろ苛められる裕子さんとか。
444名無しさんだよもん:04/02/08 09:31 ID:Nq6I1zsU
>>440
俺が書こうとして挫折したネタを…グッジョブ!
初めてのSSでエロとは、なかなかのツワモノやね。

>>443
実は強制結合で処女散らしてた裕子さん(元々はレズ)とかw
あ、でもディルドーがあるか?
445名無しさんだよもん:04/02/08 23:51 ID:oYU/8nWW
>>428
「母性」よりも「有能さ」が前面に出てるのか?
なかなかピッタリしてるかも。

でもアルルゥに乳揉まれたりするとたちまちヘニャへニャになってしまう
敏感すぎるハクオロおかーさん。
記憶はなくても身体の方はバッチリ開発済み。
446名無しさんだよもん:04/02/09 00:23 ID:qg78oOOR
>>445

え?誰に開発されますたか?
ミコト?それともミズシマさんたちにかね?

そのもっと前かな…
447名無しさんだよもん:04/02/09 00:53 ID:71jte2nQ
ハクオロおかーさんがばっちり開発済みなのはもうデフォなのねw
あんまり話に出てこないけど、さつきとかどうよ?
448名無しさんだよもん:04/02/09 19:20 ID:VcFwI3R7
>>447
どちらかというと奥手なタイプのような気がする。
性知識自体は年相応にあるだろうけど。

樹はエネルギーを全部同人活動に費やしているから、
性欲にまで回らなかったりして。
その分、ちょっと暇になったりしたら凄い事に…?
449名無しさんだよもん:04/02/09 23:05 ID:D329mFbm
 水瀬直雪17歳、周囲から同年の従姉相沢祐に好意を持っていると思われている。
 その露骨かつ脳天気な態度からそれに誤解の余地はない、そう誰もが思っていた。
 親友北川潤、その恋人美坂香里、祐の妹で同居人の相沢真琴、義妹水瀬あゆさえも。
 そうただ一人、祐葉本人だけを例外として。
 ただ、薄々気付いているものがもう一人だけはいたのだけれど。

 恋愛沙汰には鈍感だと思われている祐だが、実はそうでもない。
 だから気付いていたのだ、直雪の本当の気持ちに。
 そう直雪が祐を好きなことは間違いではない。
 ただそれは従姉妹に向ける親愛の情であり、恋愛感情などではないと言うだけ。
 直雪の心に自分以外の誰かが住み着いていることに気付いていた。
 ただそれが誰なのかは知ってはいない。
 もっともそのことに関して好奇心以上のものは持ってもいなかったが。
 なぜなら、祐には祐の思い人がいたから。
 だから直雪の思いが自分に向けられたものでなければ関係ない。
 同居の従姉弟同士とは言え、互いの恋に干渉することなどない。
 極めて常識的かつ合理的にそう判断する、祐はそんな風に考え行動する少女だった。

 そう、だから直雪の内面に踏み込もうとは、直雪の恋の対象を知ろうとはしなかった。
 自分のことで精一杯で、そんな余裕などなかったから。
 二人の下級生美坂透と天野真汐の間で揺れる心で手一杯だったから。
 そうでなければ、祐は直雪の恋の相手に気が付いていたかも知れない。
 とても身近な人、その人に向けられる直雪の視線が時に尋常でないことを。
 でも祐は気が付かなかった。そう気が付いても、なにも出来なかっただろうけれど。
 そうそれは祐には関わりのない話。これは直雪とその人の、ただ二人だけの物語。
450名無しさんだよもん:04/02/09 23:07 ID:D329mFbm
 直雪は悩んでいた、思い人が禁断のヒトであり、その恋が決して許されないことに。
 だが、どうしても思いを断ち切ることは出来ない。だから、ただ悩むしかなかった。
 直雪は周囲が思うほどぼんやりしているわけではない、完全に覚醒している時はだが。
 そう自分が祐に好意を持っていると誤解されていることも、至極当然ながらちゃんと気付いていた。
 でも本心を隠すカモフラージュに都合がよいと思ったから、誤解を解こうとはしなかった。
 祐が嫌がるならともかく、別に迷惑がっていないようだから。
 それなら利用できるものは利用しよう。そう考えていたのだ。

 最初は最も身近な生身の女性に対する思春期特有の単なる性的好奇心、一過性でいつか克服できると思っていた。
 否、そう信じ込もうとしていただけかも知れない。
 だから、両親の転勤による祐の同居は、まともな恋愛のチャンスだと思った。
 祐は7年前に恋した相手でもあったから。
 7年の間にいつしか風化していた思いだが、久々の再会で再び燃え上がるのではないか。
 そんな期待のせいで必要以上に浮かれすぎ、祐への強い思いだと誤解されたのだが。

 だが再会になんのときめきもなかった。ただの懐かしい従姉、ただそれだけのこと。
 それでも祐の方に直雪に対する恋愛感情があれば、違っていたかも知れない。
 祐がもっと異性を意識させる、そんな存在であれば違ったかも知れない。
 しかし、祐は自身の恋愛対象を見つけてしまった。
 また女性特有の丸みや色気の乏しい祐は、仕草や言葉遣いはそれなりに女らしいがどこか直雪に異性を意識させなかった。
 いや、本当はそうではない。
 祐は確かに地味な印象があり体はやせ気味で凹凸に乏しかったが、それでも十分に魅力的で多くの男子達に目を付けられていた。
 そう比較対象が悪すぎる、あまりにも美しすぎる若々しい叔母、従弟の母親が相手では。

 かくて直雪は今夜も悶々と眠れぬ夜を過ごす。
 朝起きられない、授業中の居眠り、いつも眠たそう、それは当然だ。
 そう直雪は夜ろくに寝ていないのだから。そして今朝も祐に文字通りたたき起こされる。
 ああなぜ、起こしてくれるのが美しい母でないか?そんな思いを抱きながら。
451名無しさんだよもん:04/02/09 23:09 ID:D329mFbm
 朝食時、少しでも長く母を見ていたいから、わざとゆっくりトーストを囓る。
 大好物のいちごジャムに夢中なフリをしながら。
 本当は母のことで頭が一杯で、味などほとんど分かっていないのに。
 いつもぎりぎりまで粘るから、当然毎朝マラソン登校だ。
 どちらかと言えばインドア派の祐がそれに着いてこられるわけがない。
 だから祐はトーストを囓る直雪を見捨てて、あゆや真琴とさっさと登校してしまう。
 それは誰が見ても至極当然で、直雪にも文句はない。ほんの少し寂しくはあったが。
 そして今朝も直雪は一人孤独に走り続ける。母への思いを断ち切るかのように懸命に。
 そんなことは出来もしないのに。ただ懸命に走り続けるのだ。

 そしてその日がきた。世間ではなんの変哲もない金曜、だが直雪にとっては特別な日。
 直雪がその思いを内に秘めておくことが出来なくなった日。
 ついに行動を起こしてしまう日が、やって来てしまったのだ。

 その日部活を終えて直雪が帰宅したとき、家には誰もいなかった。
 いつもにぎやかな義妹のあゆも、同居人である従姉妹の相沢姉妹も。
 そしてリビングのテーブルの上に、ただ1枚のメモが置かれているだけだった。
『今日は少し遅くなります。夕食はカレーを暖めて、冷蔵庫のサラダも忘れないでね。
あゆと祐さん達はお友達の倉田さんのお宅です。日曜日の夕方に帰るそうです。秋子』

 このメモを見るまでは、直雪にとってもその日はただの金曜に過ぎなかった。
 しかし、これからほとんど丸2日の間、この家で母と二人きりなのだ。
 それに気が付いた時、直雪の中でなにかが弾け、なにかが永久に変わってしまったのだ。
「とりあえず、準備が必要だよ」
 しばらくそのまま立ちつくしていたが、吹っ切れたような口調で呟くと自室へ向かう。
 そして数分後、私服に着替えると外へと出かけていったのだ。
452名無しさんだよもん:04/02/09 23:13 ID:D329mFbm
 直雪は1時間ほど後に帰宅し、なにやら紙包みを自室に運び込んだ。
 そして15分ほど何かゴソゴソとやた後、そそくさと食事を済ませた。
 しばらくぼんやりとテレビを眺めていたが、サッと立ち上がりなんでもないように呟く。
「さて腹は満ちたし、準備も出来たよ。後はさっさと風呂に入って寝ようかな」
 それから1時間後、寝室には久々に安らかな寝顔を晒している直雪がいた。

 翌日の早朝、と言うより深夜、直雪は本当に久々にすっきりとした気分で覚醒した。
「では、そろそろ行動を開始するかな」
 ごく平坦な口調からは、これから行動についての迷い、悩みなどは微塵も感じとれない。
 内心では緊張しているのかも知れないが、少なくとも態度には現れていない。
 むしろ、いつもより落ち着いているようですらある。
 手早くトレーナーの上下に着替え、音を立てないようそっと自室のドアを開け、そろりそろりと階段を降りていく。
 まずは玄関で靴箱を確かめて母の帰宅を確認した。
 それから音を立てないように気を遣いながら、母の寝室へと向かっていく。
 さすがに部屋の前では躊躇うかのようにしばし動きを止めたが、それも大して長い時間ではない。

 実は秋子は直雪同様に睡眠過多体質、それを超人的努力により克服しているだけだ。
 それ故眠っていてよい時には、一度眠ったらめったなことで起きることはない。
 直雪も当然そのことは良く承知していたが、それでも細心の注意を払って行動していた。
 何しろ失敗は絶対に許されないのだから。

 直雪が母の寝室に踏み込んだとき、幸いなことに秋子はぐっすりと眠り込んでいた。
「まあ目を覚ますことはないと思うけど、でも手早くやるに越したことはないよね」
 自分に言い聞かせるようにそう呟き、手提げ袋からおもちゃの手錠を取り出した。
 そして秋子の細い右手首に手錠をかけると、手早くベッドにつなぎ止めた。
 目的はあくまで拘束で母の体を傷つけることではない。
 だから一応は擦れないように気を遣って、手首には裂いた手拭いを巻いておく。
 それで効果があるのかどうかは、良くわからなかったが。 
453名無しさんだよもん:04/02/09 23:16 ID:D329mFbm
 続いて左手も同じように繋いでしまう。
 そうする間も熟睡している秋子は起きる気配もなかった。
 それから足下に回った直雪は、短めの白い縄で秋子の両足をベッドの足に縛り付けた。
 更に手拭いで秋子に目隠しをしたところで、多少緊張を緩めて小さく溜息をついた。
 滅多なことでは母が起きないとは知ってはいたが、それでも万が一との思いで、相当に緊張していたらしい。
「今からこんなに緊張してたら持たないよな」
 そう呟いた直雪は、体をほぐすように軽く動かした。

「母さん、じゃあ見せてもらうよ」
 ゴクリと生唾を飲み込むと、直雪は秋子の体に掛っている毛布に手をかけた。
 そしてそっとめくり上げていくと、秋子の生白い胸元が露わになっていく。
 そう胸元が、秋子にはショーツ以外はなにも身につけずに眠る習慣があった。
 もちろんそんな習慣までは知らない直雪は、予想外のことに多少はたじろぎはした。
 しかしもともと余り物事に動じない質の上、そう言う習慣の存在だけは知っていたので、
母もそうだったのだなとすぐに立ち直った。

 そして期待に打ち震えながら更に毛布を引き上げていく。
 やがて高校生の子供がいるとは到底信じられない、張りのある乳房が完全に露出した。
 さすがに乳首はやや黒ずんではいるが、それはけっして醜くいものではなかった。
 乳輪は友人と観賞したビデオに出てきたAV女優達に比べるとやや小さめのようだ。
 そんなことを考え、その乳房に顔を埋めたい衝動と戦いつつ、さらに毛布を引いていく。
 
 年齢を感じさせない引き締まった腹が、女性を意識させる豊かな腰が露わになっていき、飾り気のないベージュのショーツが姿を現わした。
 そこまで来るともう我慢できなくなって、毛布の残りの部分をサッと勢いよくはぎ取る。
 幸い今日の秋子はいつも以上に熟睡しており、それでもまだ目を覚ますことはない。
 だから直雪にはこんなことを呟く余裕もあった。
「母さんは案外色気のないパンツをはいてるんだよね」
 それはともかく、とりあえずは改めてじっくりと母の裸身を観察する直雪だった。
「この肢体が母さんのものだなんて信じられないよ。若いとは思っていたけどまさかここまでとはね。
AV女優なんて比較にならないくらい綺麗だよ」
454名無しさんだよもん:04/02/09 23:19 ID:D329mFbm
 直雪はしばらくそのまま母の体に見とれていたのだが、ようやく我に返った。
「そうだ、いつまでも見てるだけじゃあね、とりあえずはこれも取っちゃおう」
 鋏を取り出した直雪は、秋子のショーツの両サイドを切り取って取り去った。
「ここだ、ここが母さんの……」
 その時、どうやらさすがに寒さを感じたらしい秋子が体を動かそうとした。
 小さく身じろぎしただけだが、直雪を一瞬たじろがせるのには十分な動きだ。
「ふう、脅かかさないでよ。でもこの調子だとそのうち目を覚ましちゃうな。まあそれは最初から覚悟の上だけどね」

 幸いなことにとりあえずは秋子は目を覚まさなかったようだ。
 そこで落ち着きを取り戻し、もう起きてもかまわないとの覚悟で母の体の手を伸ばす。
「どこに触ろうかな、いきなりあそこってのはさすがになんだし、まずは胸からいくかな」
 最初は恐る恐るそっと触れてみる。手に吸い付いてくるような何とも心地の良い感覚だ。
 しばらくはその感触を楽しんでいたが、もうたまらずに本気で揉み始めてしまう。
「すごい、すごいよ。これが女性の体なんだね。なんかもうたまんないよ」

 だんだん歯止めが効かなくなってきて、母の体を好き勝手に弄び始める。
 拘束された体の上に覆い被さり、べろべろと舐める触るとやりたい放題だ。
 もちろんそこまでやれば、さすがに秋子も目を覚まさざるを得ない。
「ううーん」
 秋子の口から声が漏れ始めたが、今更そんなことで行為を止める気などない。
 ますます激しく母の体にむしゃぶりついていく直雪だ。
455名無しさんだよもん:04/02/09 23:20 ID:D329mFbm
 そんなわけで秋子はすぐに本格的な覚醒へと導かれた。
 寝起きのはっきりしない頭では事態をはっきりと理解は出来ないだろうが、それでも自分の身に何か異変が起こっていることは十分感じたれたようだ。
「キャー!な、なに?」
 ついに秋子の口から悲鳴が上がったが、直雪の手も舌も動きを止めることはない。
 視界が効かない状態で誰とも知らぬ相手に好き勝手に体を弄ばれているというおぞましい感触、加えて体が自由にならない。
 そのことがはっきりしてくると、秋子の心は恐怖に染まっていく。
「誰?誰なの?なんの為にこんなことをするの?」

 秋子の懸命の問いかけにも直雪はなにも答えようとはしない。
 しかしやはり母の勘だろうか、上にのしかかっている人物が息子だとわかったようだ。
「直雪、直雪なんでしょう?馬鹿なことは止めなさい」
「チェッ!やっぱりばれちゃったか」
 悪びれた風もなく答える直雪の態度に、秋子は怒りをぶつけていく。
「離れなさい!そして早く解くのよ。こんな馬鹿なことをして、一体どういうつもり?」
「そんなこともわかんないの、母さんも案外鈍いんだね。それとも、わからないふりをしてるのかな?」
 ちょっと小馬鹿にしたような態度でそう答える直雪である。

「直雪、あなたまさか?」
 そうなると、懸命に否定し考えまいとしていた結論が正解だと認めざるを得ない。
 そして直雪の答はというと、からかうような口調で発せられたものだ。
「そうだよ正解。母さんが思っているとおり。でも、母さんの口からはっきりと言って欲しいよ」
「直雪、あなた本気なの?」
「もちろん本気に決まってるよ。ねえ時間稼ぎは止めて早く答えてよ」
「そ、そんなこと、そんな恐ろしいこと……言えない」
「まあどうしても言いたくないなら別にいいよ。どっちにしてもやっちゃうだけだから」
 口籠もる母を見下ろして平静に答えるが、その口調はごくわずかに残念そうではある。
456名無しさんだよもん:04/02/09 23:22 ID:D329mFbm
 そんな会話を交わす間も母の体を弄ぶ直雪の手は止まらない。
「直雪、とにかく止めなさい。今なら許してあげるから」
「別に許してもらわなくていいよ。これ以上話す事ないし、我慢出来ないからやっちゃうね」
 そう言いながら母の裸身の上で姿勢を変えて、母の秘密の部分に手を伸ばしていく。
「ちょ、ちょっと、そこだけは止めてー!」
「へー、こんな風になってるんだ。さっきなめ回していたら乳首は勃っちゃったけど、ここをいじるといったいどうなるのかな?」
「ヒッ!ヤメー!止めなさい」
 直雪は秋子のうろたえぶりを楽しむかのように、陽気な態度で指を動かしていく。
「えへへ、この突起が堅くなってきたよ。こっちのびらびらは結構伸びるんだね」
「イヤー!もう嫌ー!止めてー!」

 それからさんざん母を弄んだが、さすがに飽きたのか、もう我慢できないのか、再び姿勢を変えて強引に母の唇を奪う。
「へへへ、ごちそうさま。焦らせてご免ね、いよいよ本命だよ」
 直雪の言葉に我に返った秋子は、最後の抵抗の叫び声を上げた。
「止めなさい直雪!わたし達は母子なのよ」
「そんなこと関係ない。母さんみたいな魅力的な女が身近にいて、それを放って置くやつなんて男じゃないよ」
「駄目!それだけは止めてー!」
 もはや母の悲鳴程度でひるむような状態ではなく、委細かまわず母の中へと突っ込んでいく。

「キャーッ!アア、なんてことを……」
「ハハ、やった!やったんだ!僕はついにやったぞ」
 秋子の悲鳴ともため息ともつかない叫びと、直雪の歓喜の声が混ざり合う。
 それからしばし、母の嗚咽をBGMに感慨深そうに母の体に抱きついたまま動こうとはしない。

「エヘヘ、想像してたよりずっと気持ちいい、最高だよ。もうずっとこうしていたいよ」
「ねえもう満足したでしょう。だからもう馬鹿なまねは止めて、早く解放しなさい」
 ようやく幾分は落ち着きを取り戻して必死に直雪をたしなめる秋子だが、こんな惨めな姿では母の威厳など有りはしない。
457名無しさんだよもん:04/02/09 23:23 ID:D329mFbm
「なにを言ってるんだよ、この程度で満足するわけないよ。こうなった以上徹底的にやらせてもらうよ、僕が本気で満足するまでね」
 直雪の容赦のない言動に秋子の心は絶望に染まっていく。
「あなたは悪魔よ。どうしてこんな酷いことをするの?いったいなんの恨みがあるの?」
「馬鹿だなあ、恨みなんかあるわけないよ。母さんが好きだからに決まってるよ」

「好きって?直雪、あなた……」
「うんそうだよ、僕が好きなの母さんだけ。ずっと前から母さんだけを見てきたんだ」
 直雪は母の問いかけに悪びれる風もなく答えた。
「直雪、こんなことをしたら祐さんが悲しむわよ」
「関係ない、祐のことなんかなんとも思ってないよ。それに祐には別にいるんだ。だから、だから僕は母さんだけが好きなんだ」
 気持ちの全てを素直にぶつけてくる直雪に、どう言葉を返すべきか思い悩む秋子だった。
「そう、そうだったの。信じたくはなかったけれど、やはりそんなことを考えていたのね」
 それからしばらくの間、二人の動きが止まり、静寂の時間が流れていった。

「でもね直雪、それはいけないことなの。許されないことなのよ」
 ようやく一応の気持ちの整理が付いたのか必死に説得を試みる秋子だが、今ひとつ迫力が感じられない。
 それは秋子の中に直雪の思いを、行為を容認するものがあるからだろうか?
「そんなこと関係ない、もうどうなってもいいよ。この気持ちを抑えておくことはできないよ」

「駄目よ。もう一度、もう一度だけ考え直して頂戴」
 にべもない返答にも再度の説得を試みるが、既にあきらめの気持ちが過半を占めだしていた。
「はい、もうお説教の時間はお終い。これからはお楽しみの時間。母さんがなにを言おうと関係ないよ。じゃあ始めるからね」
 もうなにを言っても無駄と悟り、と言って直雪の行為を容認するわけにもいかず、秋子はぷいと目隠しされたままの顔を背けた。
 その動作を消極的な承認と受け取ったのだろう、直雪は母への陵辱行為を再開した。
「それにしても、母さんの体は本当に気持ちがいいよね。最高だよ」
458名無しさんだよもん:04/02/09 23:25 ID:D329mFbm
「お願い、もう止めて」
 抗議する秋子の声もいつしか弱々しいものに変わっていた。
「今更やめられるわけないよ。へっへ。なんと言ってもこんなに具合がいいんだから」
 秋子はなにも感じまいとするかのように、きっと唇を噛み体を固くしていたが、徐々に肌が紅潮していき息も荒くなってきていた。
「感じてるのかどうかはよくわからないけど、結局誰のでもあれを突っ込まれると反応しちゃうんだ。女って悲しいね。その方が都合いいけど」
 秋子の反応を敏感に感じ取り、揶揄するように呟くと徐々に腰の動きを早めていく。

 そのとき、秋子の口から小さなつぶやきが漏れた。
「ち、違う」
「えっ、母さん今何か言ったの?」
 直雪に問い返されて秋子は今度ははっきりとした声で言葉を続ける。
「違う、違うのよ。あなただから、直雪だからよ。誰でもいいなんてことはないの」
「本当?本当なの母さん?嘘じゃないよね」
 秋子はこっくりと頷いて言葉を続ける。
「本当はとっくにあなたの気持ちに気付いていた。そんなことあるわけないって考えないようにしてたけど、本当はわかっていたの」
「そう、そうなんだ」
「そしてわたしも、直雪のことが好きだった。ずっと自分をごまかしていたけれどもう限界。わたしを好きにして頂戴」
「いいよ母さん、もう思いっきりやってやるよ」
 直雪は力強く答えると動作を速めていくのだった。

 そして後は室内に二人の矯正が響き渡るだけだ。
「直雪、直雪が欲しいの。わたしを滅茶苦茶にして!」
「うぐ、いいぜー!やってやるよ」
「アー!アアーン!もう我慢できないの、秋子イイノー!」
「それー!それ、ここかー!」
「そう、そこ。イイー!いいわー直雪、父さんなんかよりずっと素敵。もっと突いてー!」
「駄目だ、こっちももうたまんないよ。母さん良すぎるよー!」
「アア駄目!まだ早いのー」
「あー、もう駄目だー!」
「アーン!直雪ー!」
 直雪は秋子の上に倒れ伏し、数分間安心しきったように寝そべっていた。
459名無しさんだよもん:04/02/09 23:27 ID:D329mFbm
 それからしばらく後、秋子の拘束を解いた直雪は面目なさそうにうなだれていた。
 一時の激情が去るとさすがに自分のとんでもない行動が堪え、母への申し訳なさで心が一杯になっていた。
「ご免母さん、僕とんでもないことをしちゃったね」
「謝ることはないわ直雪……。それとも、母さんとこうなったことを後悔しているの?」
「そんなことあるわけないよ。僕は母さんが一緒ならどうなってもかまわない」
 直雪は秋子の言葉を大慌てで否定する。
「それでいいわ。わたしも直雪とこうなったことは後悔していないわ」
「母さん」
 直雪は満面に笑みを浮かべて秋子に抱きついた。
「もう駄目よ直雪、ちゃんとわたしの話を聞いて頂戴」
「ううん、わかったよ母さん」
 やや不服そうではあったが直雪は素直に秋子から体を離した。

「あのねえ直雪、今日のことはいいわ。でも、これからどうしたいの?」
「これからって?」
「今のことはなかったことにして、明日から普通の親子にもどるのかってことよ。今なら夢でも見たと思って済ませることができるわ」
「それは……」
「それとも関係を続けたいの?当然わかっていると思うけど、それは世間では許されないことよ」

 秋子に真剣に見つめられながら直雪はごく短時間だけ躊躇していたが、すぐにきっぱりと答を返す。
「答なんか最初から決まっているよ。もう絶対に母さんを手放さないよ」
 秋子は一瞬嬉しさと困惑が微妙に入り交じった表情を見せたが、すぐに真剣な表情に変わった。
「そんなにも思ってくれているのね。嬉しい。でもそれはとても危険なこと。誰かにばれたらわたし達は破滅なのよ」
「そんなのわかっているよ」
「前のように二人っきりじゃないのよ、あゆや祐ちゃん、真琴ちゃんもいるのよ」
460名無しさんだよもん:04/02/09 23:28 ID:D329mFbm
「わかってる。でももう我慢できない。母さんさえいてくれれば他はどうでもいい。もちろん気を付けるけど、破滅したってかまわない」
 秋子はしばらくの間直雪の目をじっと見つめたまま、身じろぎもしなかった。
 直雪の方もそれ以上付け加えることなどないとばかりに、秋子の目から視線を外さない。
 永遠とも思える沈黙の時間、実際にはそれはごく短時間だったのだが。
 それが過ぎ去った後に、秋子は満面に笑みを浮かべて話し始めた。
「わかったわ直雪、もうあなたを放さない。二人で堕ちていきましょうね」
「もちろんだよ母さん」

「ところで直雪、一つお願いがあるんだけど」
「なんだい母さん?」
 悪戯っぽく笑う秋子に、直雪もにっこりと微笑み返し、しばしの沈黙の後。
「もう一回しましょう」
「大歓迎だよ」
461名無しさんだよもん:04/02/10 07:22 ID:dFr6n8Z+
>>449-460
大作乙。
どことなく読みづらい感はあったけどインモラルわしょーい。
462名無しさんだよもん:04/02/10 11:51 ID:9Hq5vSHX
読みづらいというか舞台演劇みたいな感じがした。なんとなく。
463名無しさんだよもん:04/02/10 12:47 ID:t/p2uFzR
>>449-460
あんな母親持ったら、やっぱ息子はこうなるしかないわな(;´Д`)ハァハァ
464名無しさんだよもん:04/02/10 17:39 ID:hQLIccBf
>>463
激しく同意。
465名無しさんだよもん:04/02/10 20:27 ID:u94sax2v
実はあゆの父親は脳外科医で、あゆは死んだ母親に生き写し。
で狂気に染まった父親が祐一を拉致して脳をあゆの身体に移植。
さらに妻の代わりにする。
なんてのを思いつきました。
責任取れってやつですね。
そんなの書く力量は有りませんが。

みさおの病気が脳腫瘍かなにかで浩平の脳を移植ってのもありかな。

反転名雪の性格で母親が秋子さんなら100%マザコンになると思う。
母子相姦(鬼頭龍一の世界)まで行くかどうかはともかく。
466名無しさんだよもん:04/02/11 01:05 ID:3vqnYL+b
インモラルか…
激シスコンで国家の運営ほっぽらかして愛するカルラ兄上を追っかける
デリホウライの純情すっとこどっこいスラップスティックとか誰か書いてくんないかなw
467名無しさんだよもん:04/02/11 01:06 ID:3vqnYL+b
あ、兄だからブラコンか。
468:04/02/11 01:37 ID:zEB+5/fT
>>465 碇ゲンドウ?  違うか。

確かに秋子さんが母親ならまず間違いなくマザコンになりますね。
でも、ちょっと流され過ぎな気も・・・・
もうちょっとこう・・・ 秋子さん攻めなカンジが私的にはします。。。
469名無しさんだよもん:04/02/11 11:44 ID:q5t5uum0
>>466
ユズハが盲目なのをいい事に、ハクオロのふりをして
弟の童貞を狙うオボロ姉ちゃんとかw

一歩間違えるととんでもない鬱話になりそうだが。
470名無しさんだよもん:04/02/11 12:15 ID:coch/JQT
本来の名雪自体同性だけどマザコン的なところがある。
祐一に求めているものも父親代わりのようなところが有りますし、
ファザコンでしょうか?
すると秋子さんのみ反転の父子相姦ものも良いかな。

>>465
犯されはしたもののかろうじて逃げ出したあゆ(祐一)だが、
かくまってもらおうとした北川にもやられちゃう。
更に名雪に祐一を返せと襲われちゃう。
月下冴喜の「BRAIN DRAIN」的世界?
それだと祐一の体にはあゆの父親の脳が入っている?
471名無しさんだよもん:04/02/11 20:44 ID:coch/JQT
 水瀬あゆ、相沢祐・真琴の登校時の会話より
「ねえ祐さん、最近お義母さんが綺麗になった気がするんだけど」
「あゆちゃん、秋子さんは前から凄く綺麗ですよ」
「うぐぅ、それはそうだけど、前よりもっと綺麗になったんだよ」
「冗談です。確かに秋子さんますます美しくなられましたね」
「真琴もそう思うよ、お肌がますますつやつや」
「そうだよね、うらやましいよね。恋人でも出来たのかな?」
「まさか」
「でも、最近下着が派手になったみたいですよ」
「うぐぅ、そうだよ洗濯する時気がついたけど、あれ見せる下着だよね」

 雰囲気が気まずくなったので慌てて話題を変えようとする祐。
「ところで、最近直雪君が元気になりましたね」
「そうだね明るくなったよ。でもお義兄ちゃんこのごろますます眠そうだよ」
「あぅー、そうそうちょっとやつれたみたい。目の下に隈が出来てるわよ」
「それってもしかして?いえ、そんなはず有りませんよね」
「まさかね、あははは」
「あぅー、なに?」
「何でも有りませんよ真琴、気のせいですよ」
 なんとなく話が続かなくなって無言で学校へ向かう3人でした。

次回「覗き見編」に続く(大ウソ)
472名無しさんだよもん:04/02/12 01:54 ID:BeFyamKx
>>471
地味で色気のない下着だったのが、最近急に派手になった秋子さんハァハァ。
直雪は何か吸われてるようだけど、本人にしてみれば幸せなんだろうし、まあいいか。

覗き見編か…三人は一体どんな光景を目にするのやらw
473名無しさんだよもん:04/02/12 21:54 ID:KnZFfpFZ
保守代わりの一発ネタ。
AA裕子さん↓
    _
    '´ M ヽ.  
  i ノ从 リ))〉
  | (|( !)_(!)リ  
  レ< )! Y〉>  
    〈__l」j   
     し'ノ  
474名無しさんだよもん:04/02/12 22:19 ID:3hO5HlHm
ドリィとグラァは反転しない方が萌える?
グラァだけ反転させてみる?
反転させずに、反転オボロに攻められる

どれがいいだろう?
475名無しさんだよもん:04/02/12 22:21 ID:rh2Moghy
先のSSとは逆に、秋夫×名雪となると、
やっぱり名雪はファザコンになるんだろうか?
476名無しさんだよもん:04/02/13 02:24 ID:jufX0psV
>>473
グッジョブ!
477名無しさんだよもん:04/02/13 23:04 ID:e2ILt4Kq
 わたしは七年ぶりに訪れた雪の降る街のベンチで、迎えに来るはずの従妹をずっと待っていた。
 寒い、身も心も寒いわね。なんて思わず言いたくなったりして。
 あら、ようやく現れたみたい、さすがはわたしの従妹水準以上の美少女ね。
 白いケープの付いた赤いワンピースも良く似合っている。ただすごく派手な私服ね。
 ところで、七年ぶりだし、わたしはすっかり変わってしまった。
 彼女、わたしのことをちゃんとわかるかしら?

「雪降ってますよ」
「……」
 一体誰のせいだと思ってるのよ。
「つもってますけど……」
 確かにつもってるわね。このままじゃ埋もれちゃうわね。
 まあ皮肉の一つくらいは返さないとね。
「そりゃあこんなところで二時間も待たされればね」
「そうですか、それは大変でしたね。ところでここにはあなたしかいないんですか?」
 あら、この子は従妹の名雪だと思ったんだけれど、違うのかしら?
「そうね、こんな寒いところで人を待ってる馬鹿なんて、他にいたら顔を見てみたいわね」
「そうですか、どうもすいませんでした。ところであなたはなぜここにいるんですか?」
「わたしを迎えに来るはずの従妹の女の子を待ってるんだけど」
「それはビックリ。偶然ですね、わたしも従兄を迎えに来たのにどこにもいないんですよ」
 ふーんやっぱり名雪なのかしら?それとも本当に単なる偶然で他人なのかしら?

「遅れたせいで怒ってどこかに行っちゃったのかなー?七年ぶりの再会なのに困ったよー」
 七年ぶり?そこまで一致するととても偶然とは思えないわね。
 どうやらその従姉って、多分わたしのことなんですけど、わからないのかしら?
 自分の考えにふけっていてフッと気が付くと、目の前の少女は泣きそうになっていた。
 わあ普通にしてても可愛いけど、困り顔はとってもキュートね。
「変だよー祐一がどこにもいないよー」
 あらこれで決定的だわ、やっぱりこの子は名雪みたいね。
478名無しさんだよもん:04/02/13 23:07 ID:e2ILt4Kq
 でもいい加減に気が付いてくれないかしら、ここってすごく寒いんだけど。
 可愛い女の子が困っている様子を見るのはとっても楽しいんだけど。
 このままじゃ埒が明かないし、本気で凍死しかねないわ。
 しかたがない、わたしの方から打ち明けるしかないわね。

「あのー、もしかして、あなたは水無瀬名雪さんじゃないですか?」
 そう話しかけると目の前の髪の長い少女は、驚いたような表情になって少しの間固まってしまった。
「あれっ、どうしてわたしの名前を知ってるんですか?もしかして祐一の知り合い?」
 どうしてかしら随分切なそうな表情になったわね?
「えっと、知り合いって言うか……」
 本人だってはっきり言えばいいんだけど、何となく七年前に酷いことをしちゃったような気がして、なぜか言葉を濁しちゃったの。

「もしかして、あなたは祐一……」
 良かった、ようやく正解にたどり着いてくれたわね。
 これでようやく暖かい家に行けるんだわ。
 そう思ってホッとしたら、言葉の続きに驚いて思わずベンチからずり落ちそうになった。
「祐一の恋人ですか?」
 わたしはあまりの衝撃にしばらくなにも考えられず、当然言葉も出なかった。
 それからしばらくしてようやく少しは落ち着いてきたんだけど。
 今度は目の前の名雪のことも忘れて自分の世界に入ってしまったわ。
 なんでそうなるのよ、七年ぶりとは言え従姉の顔もわからないの?
 まって、そう言えばさっきから通称じゃなくて戸籍名で呼ばれてはいたけれど……。
 それはわたしが祐美になってから会っていないからだと。
 昔の癖でその名前で呼ばれているだけだと思っていたんだけど、もしかして……。
 どうも秋子さんは名雪にわたしが本当は女の子だって伝えてなかったのね。
 道理で話が噛み合わないと思ったわ。などと自分の考えにふけるわたし。
479名無しさんだよもん:04/02/13 23:09 ID:e2ILt4Kq
 しばらくしてやっと名雪のことを思いだしたら、名雪はわたしの顔を不思議そうに見つめていたの。
 そんなに見つめられると恥ずかしい、じゃあなくって、こうなるとどう説明していいのか困ってしまうわね。
「あのー、大丈夫ですか?なんだか驚かせてしまったようですいません。……それで、やっぱり祐一の知り合いですか?」
 そうやって先に謝られると困るわね。こっちはもっと驚かせることになるんだから……。 でもまあ、気を取り直していきましょう。

「あのねえ落ちて聞いてもらえる」
「あなたの方が取り乱してると思いますよ」
 それは確かにそうなんだけど、これからがすごいんだけど、大丈夫かしら?
「名雪、実はわたしが祐一本人なんだけど」
 名雪は一瞬なにを言われたのか理解できなかったみたい。目を白黒させていたの。
 まあ当然の反応よね、わたしだって突然そんなことを言われたらそうなるわよね。
「ウソだよ。祐一は男の子だよ。冗談は止めてよう」
 当然だけど名雪は全然信じてくれなかった。でもとりあえず説明を続けるしかないわね。「ご免なさい、嘘じゃないのよ。わたしは十歳まで男として育てられたけど本当は女だったの。七年前に弟が生まれて女の子に戻れたの」

 この辺の事情は面倒だから詳しくは説明しないけど、まあ旧家だからいろいろあるわけ。
 簡単に言うと当主は男じゃないと駄目だとか、そんなところ。
 と言っても今時本当にごまかせるわけないから、格好だけの話よ。
 つまり、男として振る舞えってことなの。
 わたしの戸籍名が祐一なんて言う男みたいな名前なのもそのせいね。
 で、両親が半ばあきらめていた長男祐司の誕生でお役後免、女の子に戻れたわけ。
 その時祐美って言う通称を貰って、それからそれで通しているのよ。
 実は7年前からこの街に来なかったのも、そのことが関係してるんだな。
 まあ3,4年は女に子に戻るための修行で忙しかったって言うことよ。
 その後は今度は勉強で忙しくなっちゃったしね。。  
480名無しさんだよもん:04/02/13 23:10 ID:e2ILt4Kq
 閑話休題、名雪の様子がかなりやばそう。
「嘘、嘘だよー、そんなこと絶対に信じられないよー」
 困ったわね、名雪は完全にパニック状態みたい。どうすればいいのかしら?
「祐一、どこかに隠れてるんだね。意地悪しないで出てきてよ」
 わー、駄目だ。信じてくれてないわね。そう言えばこの子前から頑固だったわね。
 そんなところは全然変ってないんだ。でも困ったわね。

 名雪はそこら中を探し回っている。居るわけがない祐一を。
 茂みをのぞき込んだり、ゴミ箱をひっくり返そうとしたり。
 止めた方がいいんだろうけど、あの調子ではまあ無理ね。
「わーん、祐一がどこにもいないよー!」
 あああ、とうとうどこかに走り去っちゃった。どうしよう?

 名雪において行かれちゃったから、仕方なく交番でも探すことにした。
 一応住所の書いたメモはあるから、大まかな位置を教えてもらえれば多分大丈夫。
 方向音痴の自覚はあるから、ちょっと自信はないけど。
 とりあえず、ベンチから腰を上げ歩き出そうとしたわけ。

 その時わたしに話しかけてくる女性の声が聞こえた。
「あの、なにかお困りのようですね」 
 声の方を見てみると、雪のように白い肌の中学生くらいの美少女が立っていた。
 やや小柄、髪はショートで肩にかけたストールがよく似合っている。
 ちょっとロリだけどすごく好み、こんな子にお姉様なんて言われてみたいな。
 胸がないところも親近感が持てる。名雪はちょっと大きすぎ。
 そんな風にやや下心有り、それが彼女との出会いだった。  
481:04/02/14 05:58 ID:YdQMWxkm
祐一だけ反転の百合モノですか? いいですね。 是非続きを・・・
482名無しさんだよもん:04/02/14 22:43 ID:/uwffR90
 駅前で案内役の従妹に逃げられたわたしに話しかけてきた少女。
 とりあえず、交番を教えて貰おうと事情を話したんだけど、少々意外な答が返ってきた。
「えっと、名雪さんのお知り合いなんですね?」
 ってことはこの子は名雪の知り合い?
「はいそうですが、あなたは誰でしょう?ああ、わたしは名雪の従姉で相沢祐美です」
 うん、人に名前を聞くときはこっちから名乗らないとね。
「わたしは、美坂栞と言います。名雪さんはお姉ちゃんの親友なんです」
「そうですか、名雪の知り合いならあれをなんとかして欲しかったですね」
 さっきの奇行を見過ごすのは人としてどうかと思う、わたしも人のことは言えないけど。
「祐美さん、この街には暴走する水瀬名雪に手を出すなって格言があるんですよ」
「格言って……」
 それなら仕方がないか、いえそうではなくて名雪って何者?なんか頭痛くなってきた。
 まあ頭痛の原因は冷えて風邪をひいたせいかもしれないけど。

「まあそれはさておき、名雪さんの家に行かれたいんですね。わたしが案内しますよ」
「なんだか悪いですね」
「別に今日は暇だからいいです。それに健康のために少し歩いた方が良いんです」
「そうですね、いくら女の子でももう少しは肉が付いた方がよいですね」
 彼女はちょっと病的なくらい細い。でもなんとなく不健康には見えない。
「えぅー、失礼です。それと祐美さんの方が年上ですから丁寧語は止めてください」
 それは渡りに船、丁寧語はちょっと疲れるから。
「そう、じゃあ普通にしゃべるわ栞ちゃん。お礼に何か奢るわよワンコインだけだ」
 我ながら情け無いセリフだけど、今ちょっと金欠だから仕方ないわね。
「ではバニラアイスにしてください」
 即答ね、すごく嬉しそう。よっぽど好きなんだ。
 この笑顔のためなら少々のお金は惜しくないって思う。
「同士発見、冬の氷菓も美味しいわよね。わたしは宇治金時が好きなんだ」
 これは本当、練乳付ならもう最高。某ゲームのお下げ少女には親近感があるんだ。
483名無しさんだよもん:04/02/14 22:46 ID:/uwffR90
「では途中にスーパーがありますから、そこで買って公園で食べましょう」
 えっと正気?さすがに外で食べるのは遠慮したいんだけど。
 あれはこたつの中で食べるのが最高。涎が出そうだ、はしたない。
 そんな私の気持ちをよそに、栞ちゃんはわたしの手をぐいぐいと引いて歩き出した。

 それで今わたしは、栞ちゃんと水瀬家に向かって歩いている。
 ちなみに公園で食べるのは勘弁して貰った。栞ちゃんはひどく残念そうだったけど。
 それで栞ちゃんは、スーパーの袋をぶんぶん振り回すようにしながら鼻歌を歌っている。
「バニラ、バニラ、バニラアイスー♪とっても美味しいバニラちゃん♪」
 可愛いんだけど、結構恥ずかしいから周りに人が居ないことを神に感謝。
 途中で聞いた話だと栞ちゃんは病弱で月に1,2回熱を出して学校を休むらしい。
 検査のために通院もしていて、今日も検診の帰りだったようだ。
 元気一杯でとてもそうは見えないが。そう言えば高一だそうだが、ちょっと幼いかな?
 そのうちにどこかしら見覚えのあるあたりについた。
 ああここからならわかるわ。もう水瀬家はすぐそばだ。

 その後、水瀬家に到着し叔母の秋子さんにご挨拶。
 秋子さんは7年前と全然変っていない。名雪とは姉妹にしか見えないわね。
 わたしのあこがれの人だ。7年間の努力で1マイクロほどは近づけたのだろうか?
484名無しさんだよもん:04/02/14 22:48 ID:/uwffR90
 それで今は、水瀬家のリビングで栞ちゃんと一緒にアイスを食べている。
 栞ちゃんはとろけそうな笑顔だ。お持ち帰りしたいな。
『栞はわたしの物、誰に渡さないわよ』
 今、背中に悪寒が走った。なにか生命の危機かも?
 なぜか栞ちゃんも震えている。これは絶対アイスのせいじゃないと思う。
「お姉ちゃんです。今お姉ちゃんがなにか邪なことを考えています」
 よくわからないけど、栞ちゃんのお姉さんは危険人物のようだ。気を付けよう。
 わたしは可愛い女の子が好きなだけだけど、彼女は多分ずっと危険、真性だ。
 誓って言うけど、わたしは、手を握るとか、ほっぺにキスとかしかしないわ。
 抱きつくのは好きだけど。それだけよ、そのくらい年頃の女の子なら当たり前よね。
 別に百合じゃないし、可愛ければ男の子でも好き。マッチョは大嫌いだけど。

 そうそう、走り去った方向が全然違うから多分とは思ったんだけど。
 名雪は案の定家に帰っていなかった。
 どこに行っちゃったんだろう?そう言えばすごく足が速かったわね。
 秋子さんの話だと、頭が冷えてお腹が減ったら戻ってくるでしょうとのこと
 ってそんなものなの?良くあることなのだろうか?
 そう言えば、栞ちゃんも全然心配していなかった。本当に名雪って……?
 せっかくおみやげに、白百合印の農協特選いちごアイスを買ってきたのにな。
 多分いちご好きは変っていないだろうから、喜んでくれると思うんだけど。
 避けられているのは辛いけど、そのうち仲良くなれるだろうか。早くなれるといいな。

「ただいまー」
 玄関から元気な声が聞こえてきたわね。でも名雪じゃないみたいだし誰だろう?
「お母さーん。お腹空いたー」
 元気な声で部屋に飛び込んできたのは、茶色の髪をツインテールにした女の子。
 中学生くらいかな、セーラー服も良く似合っている。
 なんだけど、わたしと目があった途端に部屋から飛び出しちゃった。
 わたし、そんなに変な顔してたのかな?祐ちゃんショック。
 この子も栞ちゃんと同じくらい可愛いから嫌われたくないな。
485名無しさんだよもん:04/02/14 22:50 ID:/uwffR90
「あぅー、知らない女の人がいる」
 ドアの影から顔を半分だけ出してそう呟く。警戒されてる?
 でも、そんなに怖がってはいないみたい。もしかして人見知りなだけかな?
「真琴さん。この人はあなたの従姉の相沢祐美さんですよ」
 栞ちゃんはこの子の知り合いのようで、優しく声をかけていた。
「あぅー、祐美?……???……くんくんこの匂い祐一だー。祐一ー!」
 ちょっと戸惑っているみたい。と思ったら。
 えっ、この子なんで名前を知ってるの?わたしはこの子知らないよ。
 と、戸惑っているうちに女の子はわたしに飛びついて、頬をすり寄せてきた。
 可愛い子にこうされるのは嬉しいけど、なんなのこの突然の変化はなに?

「あぅー、祐一、祐一ー」
 滅茶苦茶懐かれてるけど、こっちに自覚はないから困惑。
 ただ、どことなく懐かしくはあるのよね。
「えぅー、真琴さん積極的です。ドラマみたいで素敵ですぅ」
 栞ちゃん、感動してないで助けて欲しいんだけど。
 それにしても、この真琴って子本当に誰なんだろう?
 そう言えば、母さんが名雪の他に中三の養女が二人居るって言ってたわね。
 多分、その一人なんだろうけど、どうしてわたしに懐いてくるの?

「お母さん、ただいま。祐一君来てる?」
 また一人帰ってきたみたい。この声も名雪と違うから、この子がもう一人の養女かな?
 なんだか小学生みたいな声だけど。
「ああ、あゆさんが帰ってきたんですね」
 あゆ?はっきりとは思い出せないけど、どこかで聞いたような名前ね?
「あぅー、祐一、祐一」
 真琴の方は相変わらずで、もうまとわりつかれるのはあきらめたわ。
 なんとなく頭を撫でたくなって、やってみたらすごく気持ちがよさそう。
「あぅー」
「えぅー、うらやましいです」
 なんだか栞ちゃんも撫でて欲しそうね。可愛い。
486名無しさんだよもん:04/02/14 22:51 ID:/uwffR90
 そうしていたら、真琴と同じセーラー服で赤いカチューシャの少女が部屋に入ってきた。
 えっ、この子は……。うそ、なんであの子がここにいるの?どういうこと?
 それにしてもこの街での生活、なんだかすごいことになりそうね。
487名無しさんだよもん:04/02/14 23:19 ID:KNisqPui
>>477-480、482-486
名雪はどうしても損な役回りになるしかないのか?(w
最初からメンバーが揃っている点がどう活用されるのか、続き楽しみ。



ところで今日は、反転ヒロイン達も各々の「ばれんたいんでぇ」を過ごしたのだろうな。

チョコの自作なんぞ面倒なので、既製品で済ませる朱鷺乃。
「あんたにも一応、ね」と朱鷺乃からチョコを貰い、ちょっと舞い上がり気味の透。
そんな二人を物陰から暗い目で眺める忍。
本命っぽいチョコを渡され、密かにニヤリ笑いの明日馬。
「姉貴、今年は何か妙に気合入ってんな〜?」とチョコを手に首を捻る恵。
488名無しさんだよもん:04/02/15 07:35 ID:wjgTgzjX
ところでおまいら、少年少女文庫は知ってますか?
489名無しさんだよもん:04/02/15 15:12 ID:Qw8bplsT
存じません。
490名無しさんだよもん:04/02/15 16:27 ID:wV+zugzK
存じてます。
491名無しさんだよもん:04/02/16 23:35 ID:ixS4tyyG
>>488
あなたのおかげで知りました。
「転辞苑」が何気に内容が充実していてワロタ。

そういや、このスレでも以前は性転換ネタも多かったんだよな。
492名無しさんだよもん:04/02/16 23:40 ID:XT1/rPwl
 今度入ってきた子は、確か昔遊んだ覚えがある子だ。
 でも、記憶の中の7年前の姿と全然変ってないわね。
 大人ならともかく、いくらなんでも子供でそんなことあり得ないわ。
 きっと他人のそら似なのね。第一あの子は、わたしと同い年だから高二のはず。
「うぐぅ、この人誰?」
 この子も真琴と同じ質問だ。
 どうやら秋子さんは全然わたしのことを説明していないらしい。なぜだろう?
「あゆさん、この方はあなたの従姉の祐美さんですよ」
「うぐぅ、祐美さん?祐一くんじゃないの?」
 あゆって子はキョトンとした表情だ。頭の周りに?マークが飛び交っている感じ。
 なんだか可愛らしいわね。

 て、待って、私の知ってるあの子も「うぐぅ」が口癖だった。確か名前は月宮あゆ。
 あんな特徴的な口癖の子他にいるとは思えないから、やっぱり同一人物なの?
「ねえ、あなた月宮あゆちゃんなの?」
「うぐぅ、なんでぼくの名前を知ってるの?今は水瀬あゆだけど」
 自分のことをぼくというし、名前も一緒、間違いないあゆあゆだ。
 で、今は水瀬あゆ?じゃあこの子がやはり養女なんだわ。でもどうして中学生?
 それとも、お母さんかわたしの勘違いで本当は高校生なの?とてもそうは見えないけど。
「うぐぅ、なんか今馬鹿にされた気がするよ」
 あら、幼そうな割に結構鋭いわね。ああまあそんなことはどうでもいいわ。

「あゆちゃん、覚えてる。わたし7年前に遊んだ相沢祐一よ」
「うぐぅ、でも祐一君は男の子だよ」
 すぐには信じてくれないみたいね。でもこれはまあ、当然の反応だから驚かない。
 次の対応をどうしようかと考えていたら、真琴が横から口を出してきた。
「真琴もそう思ってたけど、この人は祐一だよ。昔の祐一と同じ匂いがするもん」
「真琴がそう言うならそうなんだ」
 えっと、名雪は全然信じてくれなかったのに、どうしてこの子達はあっさりと信じるの?
 いやまあ、信じて貰った方が嬉しいんだけど、少しは疑うもんじゃないの?
 この子達、悪い人に騙されないか心配だわ。これはわたしが守ってあげないと駄目ね。
493名無しさんだよもん:04/02/16 23:43 ID:XT1/rPwl
 なーんて思っていたら。
「祐一君、祐一君はオカマさんなの?それともモロッコに行って来たの」
 唖然、しばらく返答不能。あゆあゆなにを言っているのよ。
「あゆさん、最近は東南アジアの方がポピュラーらしいですよ」
「あぅー、意味がわかんないわよー」
 栞ちゃんなんでそんなこと知ってるの?真琴ちゃんはわけわからないみたいだけど。
「うぐぅ、そうなの?」
「そうそう、って違ーう!わたしは前から女の子、あの時は家庭の事情で男装してたの」
 それからもう少し詳しく説明したんだけど。
「うぐぅ、そうなんだ」
「あぅー、そうなの」
「へー、そうなんですか」
 3人とも可愛らしい表情で一応納得してくれたみたいだ。良かった。

 ところで、真琴ちゃんはどうしてわたしのことを知っているんだろう?
 まあそれは複雑そうだからひとまずおいといて、あゆあゆの学年に関して尋ねてみた。
 そうしたら、あゆあゆはやっぱり中学生だった。なんでも怪我で2年遅れているそうだ。
 えっ、怪我?そのことを聞いた途端、なんだか強烈な頭痛がしてきた。
 思わず頭を抱えて蹲ってしまったので、3人とも心配してくれているようだ。
 しばらくして頭痛が治まると、あゆのことをいろいろと思い出していた。
「思い出した!あゆ、あなたあの木から落ちたとき大丈夫だったの?」
「あ、うん。その時の怪我がさっき言ったやつだよ。でも、今は全然大丈夫だよ」
「はー、良かったー。後免ねあゆ、今まで忘れていて」
「いいよ、祐一、じゃなかった祐美さん。これから仲良くしてね」
「こっちこそ、よろしく」
 あゆの事故の後、わたしはショックから高熱を出して1週間ほど寝込んでいたんだ。
 それでその直後に弟が生まれたりして、わたしの周りの環境が激変したのよね。
 多分それで、あの事故のことだけを忘れていたのよね。
 でもまあこれで、あゆとは仲良くやっていけそうね。
494名無しさんだよもん:04/02/16 23:49 ID:XT1/rPwl
 じゃあ次は真琴ちゃんのことを尋ねてみよう。
「ねえ真琴ちゃん、申し訳ないんだけどわたしあなたのことを覚えていないんだけど」
「あぅー、祐一……」
 真琴ちゃんは明らかにがっかりしている。なんか悪いことしちゃったわね。
「あのねー、祐美さん、祐美さんは7年前に狐を拾ってきたでしょう」
 あら、どうも落ち込んでいる真琴ちゃんの代わりに、あゆが説明してくれるみたい。
「ああうん、そう言えば怪我した子狐を拾ってきたこと有るよ」
「あのねー、信じられないと思うけど……その狐が真琴なんだよ」
 なに?そんなことあるの?ちょっとにわかには信じがたいわね。
 でも、あゆは嘘をついているようには見えないわ。

「真琴は祐美さんがいなくなった後も、この家で飼われたんだけど……」
「あれっ、あの時は丘にかえしたはずなんだけど?」
「うん、なんかいつの間にか戻ってきたってお母さんが言ってたんだよ」
「あぅー、真琴人間の匂いがついちゃったから仲間に戻れなかったの」
 ああ、なんかそんな話聞いたこと有るけど、連れて帰ったのはまずかったのかな。
「後免ね、真琴。わたしが余分なことをしたせいでそんなことになって」
「あぅー、真琴は今幸せだから、祐一は気にしないでいいよ」
「そう、それならいいんだけど。ああそうだ、これからは祐美って呼んで欲しいな」
「あぅー、わかった。祐美って名前好き。美汐と同じ美があるし」
 良かった、ところで美汐ってだれだろう?真琴の友達かな?
 って、わたし、真琴の話をいつの間にか信じちゃってるね。

「真琴は、ぼくが退院してここの子供になった時には完全に家族の一員だったんだよ」
 とりあえずこっちは一区切りついたと判断したのか、あゆは話の続きを始めたよ。
「ふーん、そうだったんだ。で、どうなったの?」
「うん、なんか3年ほど前に突然人間になっちゃったんだよ。あの時は驚いたよ」
「真琴はただの狐じゃくて妖狐で、その時になって人間になれるくらい妖力がたまったの」
495名無しさんだよもん:04/02/16 23:51 ID:XT1/rPwl
「うーん不思議な話だけど、あなた達が嘘をつくとは思えないから信じるわ」
「ありがとう、祐美さん」
「あぅー、ありがとう祐美」
 真琴はまた頬をすり寄せてきた。かなり甘えん坊みたい。
 そう言えば、あの子狐も良くこうしてじゃれついてきていたわね。
 真琴って名前はあのころあこがれていた上級生のお姉さんの名前だ。
 ああもちろん、好きって言うんじゃんなくて、ああなりたいって方よ。
 それでそのことを子狐に話した記憶がある。きっとそれを覚えていたんだ。

 あゆの話だと真琴は人化したときの年齢は12歳くらいに見えたそうだ。
 それで秋子さんが、丁度中学入学予定のあゆと一緒に通うようにしたんだって。
 あゆや真琴は知らないらしいけど、戸籍とかはどうしたんだろう?
 まあ一応あゆが次女で真琴が3女になるらしい。
 それとこの辺の話は、栞ちゃんもほとんど家族同然ってことで知っているんだって。
 名雪の話からお姉ちゃんの親友の家って言っていたけど、本人自身あゆの親友だそうだ。
 年も近いしなんでも、入院仲間だったとか。

「あらあら、お話は終わりましたか」
 丁度話が終わるのを見計らっていたのか秋子さんが、お茶とお菓子を持ってこられた。
 それで、どうしてわたしやあゆ達の事情を事前に説明されなかったのか聞いてみたんだ。
 そうしたら、
「あら、だってこういうことは直接話をした方がよいと思ったからです」だそうだ。
 なんとなく言っておられる意味がわからなくもないけど。
 あゆと真琴についてはそれで良かったと思うけど、名雪は問題有りなんですが……。
「名雪もそのうちわかってくれますよ。何と言ってもわたしの娘ですから」
 その言葉信じさせていただきますよ、叔母君様。
496名無しさんだよもん:04/02/16 23:52 ID:XT1/rPwl
 その後栞ちゃんに案内してもらって学校にやって来た。かなり大きい学校だ。
 本当は初登校の時に名雪に連れて行ってもらうつもりだったんだけど。
 あの調子だと教えてもらえるかどうか怪しいから仕方がない。
 少なくとそんなすぐには仲良くなれそうにないから。
 それに、あゆも真琴も、それは絶対に止めた方がいいって言ってた。なんでだろう?
 秋子さんと栞ちゃんも笑っていたし。名雪には何か有るのだろうか?
 真琴は相変わらずわたしにピッタリとくっついているし、あゆも付いてきている。
 二人とも今度ここに入学するそうだ。4月から一緒に登校できるって嬉しそうだ。
 結構優秀でもう推薦で入学が決まっているんだって。
497名無しさんだよもん:04/02/17 21:44 ID:4eQZ/3AJ
「キャッ!」
 突然栞ちゃんの可愛らしい悲鳴が上がった。
「栞ー、こんなとこにいたんだ。帰りが遅いからお姉ちゃん心配したのよー」
 悲鳴に驚いて振り向くと、そこには栞ちゃんに後から抱きついている女性がいた。
 その人は名雪とよく似た髪型で、年は20代ぐらいだろうか?落ち着いた感じだ。
 もっとも今の行動は、とてもそんな風ではないけど。過保護?
 それで多分この人が、栞ちゃんの言っていた「邪な」?お姉ちゃんなのだろう。

「えぅー、お姉ちゃん、恥ずかしいから放してください」
「嫌っ、こーんなに可愛い、栞ちゃんを誰が放すもんですかー」
 微笑ましい姉妹の関係なんだろうな多分。なにか邪オーラが出ている気もするけど。
 まあきっと年の離れた姉妹だから、お母さん的な気分で心配なのよね。
 ってこの時はそう思ったんだ。知らぬが仏ってやつ?ちょっと違うかも。

 しばらくしたら、彼女もようやくわたし達の存在に気が付いたようだ。
「あら、あゆちゃん、真琴ちゃんこんにちわ。いつも本当に可愛いわね」
 なんか、ちょっとだけ目つきが怪しい気がする。それからわたしを見て、
「この人は誰?」
「初めまして、この子達の従妹の相沢祐美です。栞ちゃんのお姉さんですね、よろしく」
「ああどうも、栞の姉の香里です。こちらこそよろしく」
 香里さんはわたしを値踏みするように見つめている。
 言ってなかったけどわたしは身長168a、女性としてはかなり長身だ。
 でも、彼女の視線は胸に……。あっ、あの表情絶対に勝ったって思ってる。失礼な。

 その後すぐに栞ちゃん達とは別れた。
 多少不愉快ではあったけど、まあお姉さんと会う機会はあまりないだろうからいいか。
 あれっ、でも栞ちゃんはお姉さんと名雪が親友だって言ってたわね。
 名雪の親友にしては、どうも年が上すぎる気がするけど。
 うん、多分もう一人お姉さんがいるんでしょう。そうね、そうに決まってるわ。
 そっちのお姉さんと仲良くなれるといいな。
498名無しさんだよもん:04/02/17 21:47 ID:4eQZ/3AJ
 その後は帰りに商店街を案内してもらうついでに、秋子さんに頼まれた買い物。
 二人にねだられてたい焼きと肉まんを奢る羽目になった。金欠なのに。
 まあ、安かったのがせめてもの救いかな。

 翌日の朝、目を覚ましたら真琴が抱きついていた。
 どうも夜の間に忍び込んできていたらしい。甘えん坊ね、でもすごく可愛い。
 ただそれを起しに来てくれたあゆちゃんに見られたのは、ちょっとね。
「うぐぅー!真琴ずるい。ぼくも一緒に寝たかったのにー」
 それで秋子さんが、
「あらあら了承。ベッドをダブルに替えましょうか?」
 って……。まあ女同士だから問題ないけど。

 ちなみに名雪は部活の朝練が有るとかで、とっくに出かけている。
 足が速いと思ったら、陸上部の部長なんだそうだ。
 あゆちゃんの話だと、名雪は制服を探してかなりドタバタしていたらしいんだけど。
 昨日はいろいろあって疲れていたせいか、わたしは全然気が付かなかったわね。
 それからみんなで朝食、今朝はパンだ。わたしは紅茶派、砂糖はなしで。
 別に甘いものは嫌いじゃないけど、紅茶に入れるのはミルクだけ。それがこだわり。
 パンに塗るのはブルーベリージャム、なんと秋子さんの手作りだそうだ。美味しい。

 昨日の夕食もすごく美味しかった。名雪のことがなければもっとね。
 あの後名雪は夕食前に帰ってきていたようだ。
 ほとんど部屋にいたようで、夕食時以外は顔を合わせなかったけど。
 それでも名雪は、別にわたしのことを睨んだり無視したりはしなかった。
 でも愛想はないし、必要以外のことは話そうとしない。完全に他人行儀。
 多分わたしのことは、彼女の中で単なる居候として処理されることになったらしい。
 それでどうも、祐一の存在は記憶の底に押し込めちゃったみたい。
 憎まれたりするよりは良いんだけど、なんか気まずい。
 そのうち改善されるんだろうか?
 
499名無しさんだよもん:04/02/17 21:49 ID:4eQZ/3AJ
 午後からはあゆと真琴に手伝ってもらって荷物の整理。
 二人とも思っていたよりは戦力になる。力仕事は駄目だし、時々脱線したけど。
 名雪は帰ってこない、昼はどこかで食べると言ってでたんだそうだ。
 多分、わたしを避けてるんだね。あーあ。
 その後カステラでおやつの時間。これも手作り、すごいとしか言いようがないわ。

 その後は夕食のお買い物、二人ともまたもやべったりわたしに付いてくる。
 なんというか、ひどく懐かれたものね。
 八百屋の前で赤い髪の可愛い女の子が、わたし達の方に向かって上品に会釈してきた。
 多分わたしより少し年下、でもとっても落ち着いているわね。
 わたしの知り合いのわけないから、あゆか真琴の友達かな?
「あっ、美汐ー!」
 突然真琴が手を挙げて元気にはしゃぎ出す。ああ真琴の友達なんだ。

 彼女はゆっくりとこちらに向かった来ると、わたしに頭を下げた。
「真琴さんの友人をさせて頂いています、天野美汐ともうします。以後お見知り置きを」
 う、すごく丁寧と言うか堅い挨拶。で、こっちもつられて頭を下げた。
「ああわたしは真琴の従姉で相沢祐美です。こちらこそよろしく」
「美汐、この人が祐一なんだよー」
 真琴がわたしのことを紹介した途端、彼女の表情が硬くなった。
 さっきまではややよそよそしくても暖かみがあったけど、今は冷ややかな感じだ。
 で、真琴やあゆへの話もそこそこに、用があるからとそそくさと立ち去って行った。
 なんでどうして?名雪に続いてまた嫌われたみたいでショックだ。
 真琴も戸惑っているようで、不安そうな表情。そんな表情も可愛いけど、困ったわね。
 ところであゆちゃんは何か知っているような態度、後で聞いてみよう。
500名無しさんだよもん:04/02/17 21:50 ID:4eQZ/3AJ
 帰ったら秋子さんに制服を渡された。こ、これは……名雪の来てた派手なワンピース。
 これ制服だったの?なんちゅう派手な、って言うか丈短すぎ。憂鬱。
 でも、あゆの話だとこの制服人気があるらしい。信じられない。
 ああ前の学校の、カーディガン風変形セーラー服が懐かしい。
 なぜか学食の主だった黒髪の先輩を思いだした。お元気かしら?

 名雪の態度は相変わらず、とにかく気まずい。
 それは連絡しなかったり、騙した形になったのはこっちが悪いんだけど。でも寂しいな。
 名雪は一番にお風呂にはいるとさっさと自室へ引き上げた。
 まだ8時だ、そんなに顔を合わせるのが嫌なのかな?

 真琴がお風呂に入ったときに、あゆに天野さんのことを聞いてみた。
 天野さんも真琴の事情を知っているそうだ。
 それで、真琴を放っていたことになるわたしに好意を持っていないとか。
 まあ、そう言われればそんなものかもしれないけど。
 ああ頭の痛い問題が多い。わたしは本当にこの街で上手くやっていけるのだろうか?
 まあ明日は転校初日、明日に備えて早く寝ようっと。
501名無しさんだよもん:04/02/17 21:52 ID:4eQZ/3AJ
ようやく二日目が終了しました。
前回はうっかりあげてしまい申し訳なかったです。
以上。
502名無しさんだよもん:04/02/18 02:17 ID:VltsMBW2
>>501
なんか、みなさん祐美を狙う気満々ですなw

名雪がレズに目覚めて祐美と和解→というわけで押し倒す→エチー
なんてルートもありえる?
503名無しさんだよもん:04/02/18 23:48 ID:pCMRcBns
 翌日何か苦しくて目を覚ますと、案の定真琴とあゆがわたしにしがみついていた。
 またわたしが寝た後で布団に潜り込んできたらしい。可愛いけど、狭い。
 時計を見るとそろそろ起きた方が良さそうだ。
 まずはあゆを起こす。少し揺するとすぐに目を覚ました。
「うぐぅ、うーん。あっ祐美さんおはよう」
「クスッ。はい、おはようあゆ」
 とりあえず、朝の挨拶。でも、寝起きもうぐぅなんだ、思わず失笑。

 続いて真琴を起こす、この子はあゆよりちょっとは手強かったが、まあすぐに起きた。
 さあ行動開始、まずは顔を洗って着替え。やはりあの制服を着るのか?憂鬱だ。
 わたしの髪は癖がないし肩までだから、軽く梳かせばそれで完了。ありがたい。
 それにしても寒い。この街の人はなんで平気なんだろう?
 今朝もパン食、相変わらずジャムが美味しい。もちろん紅茶も。
 ところで名雪はまだ起きない、時間大丈夫なの?
 パンを二口ほど囓ったところで、突然二階から大音響が聞こえてきた。
 驚きのあまり、あやうく口の中のものをはき出すところだった。危ない危ない。

 で、この大音響なんなの?はっきり言って近所迷惑だと思う。
「うぐぅ、今日の当番はぼくだよー」
 あゆが情け無い声を出して、二階に上がっていく。当番?なんのだろう?
 真琴に聞いてみたら、あの音は目覚ましで、当番は名雪起し当番だって。なにそれ?
 まさかこの音でも起きれないの?信じられない、名雪って難聴?なわけないわね。

 しばらくして、音は止まり焦燥しきったあゆが降りてきた。
「うぐぅ、やっぱり無理だった。これで10連敗だよ」
 聞いてみたら、目覚ましは留めたけど、なんと名雪は起こせなかったらしい。唖然。
「名雪は昨日夜更かししたの?」
「ううん、普通だよ。8時には寝たもんね」
 はー、8時に寝て起きられないの。本当に高校生?
 しかも、これが日常だって、なんかとんでもない家に来たのかも?
504名無しさんだよもん:04/02/18 23:50 ID:pCMRcBns
 わたしも起こすのを手伝った方が良いんだろうけど……。
 どう考えても初心者のわたしに起こせるとは思えないわね。
 それに、わたしが部屋にはいるのはきっと嫌でしょうしね。

 あゆが降参した後、秋子さんが名雪を起しに上がられた。
 それからしばらくして、名雪はボーっとした表情で降りてきた。
 この子ちゃんと間に合うんだろうか?まだ完全には覚醒してないみたいよ。
 寝ぼけているせいか、トーストの上にいちごジャムを積んでいる。
 あんなもの食べるのと思ったのだけど、平気で食べていた。恐るべし寝ぼけ。

 とっ、そろそろ出ないと間に合わない。急いで皿を運んで歯を磨き出発。
 もちろん名雪はまだお食事中。足が速いからまだ十分間に合うらしい。
 少しはうらやましいかな。走るのは後免だけど。
 あゆと真琴も途中までは一緒、中学校はわたしの学校とほど近いそうだ。
 外はまた一段と寒い。厚めのコートも気休めにしか感じられないわね。
 実は制服の下も結構着ぶくれ。やせているせいで目立たないのは幸いだ。
 それにしても、名雪に案内してもらうのは止めた方がいいってこのことだったんだ。

 二人と別れて校門に近づくと、見覚えのある後ろ姿(ストール付)が見えた。
 もちろんあれは栞ちゃんね。後から駆け寄り、肩を叩いて声をかける。
「しおーりちゃん、おっはよー♪」
「きゃっ、えぅー、誰?あっ、祐美さんおはようございます」
 そうしたら隣にいた女性に睨まれた。怖い。昨日あった香里さんにそっくりだ。
 じゃあこの人がもう一人のお姉さんで名雪の親友なんだ。
 さすがに姉妹でそっくりだ。栞ちゃんはあまり似ていないけど。
 でも、この人も落ち着いた感じで、制服でなければ高校生には見えないわね。
505名無しさんだよもん:04/02/18 23:51 ID:pCMRcBns
 まあとりあえずはご挨拶、ご挨拶。
「初めまして、栞さんのお友達の相沢祐美です。栞さんのお姉さんですか?」
「えっ、昨日会いましたよ」
「昨日?まさか香里さんなんですか?……同級生だったの、わたしはてっきり」
 香里さんの表情がひどく険悪なものに変わった。
「てっきり、なにかしら?」
 なんとかごまかそうとしたけど、結局ごまかしきれずに怒られた。
 栞ちゃんは二人姉妹だったんだ。でも香里さんは、絶対に社会人に見えると思うよ。
 栞ちゃんは笑いをこらえるのに大変そうだった。ひどいなあ。

 その後二人と別れて職員室に行き、担任の先生に会った。
 ホームルームの時に紹介するから、始業式の間はここで待つようにと指示された。
 ふーん、ここはそう言うシステムなんだ。
 時間になり担任の生成に連れられて教室の前まで行き、しばし廊下で待機。
 それから先生に呼ばれて教室に入り、ごく普通に自己紹介だ。
 転校生なら誰でも受ける質問攻め、そこはまあ適当に答えておく。
 なんと幸か不幸か名雪と香里さんが同じクラスだ。なんとなく気まずいなあ。
 ただ席はちょっと離れていたから少しだけホッとした。
 ああ名雪はちゃんと時間前にはついていたようだ。

 ところで今日から早速授業があるんだ、困ったことに教科書はまだだ。
 どうしようかと思っていたら、隣の席のアンテナ頭の可愛い男の子が見せてくれた。
 北川君と言うそうだ。男の子でもこんな子なら守備範囲。
 でも今は勉強に集中、集中。幸い前の学校と同じようなところをやっていた。安堵。
 跡継ぎでは無くなったけど、可愛い弟の補佐として学問も頑張らないとね。
 だってあの子はまだ小学校低学年。半ズボンの似合う年頃だもん。
 ちょっと気になって名雪を見ると、しっかり眠っていた。あの子は睡眠魔神か?
 従姉として名雪の将来が心配でならない。
506名無しさんだよもん:04/02/18 23:52 ID:pCMRcBns
 授業が終わり、一人で帰宅。寂しいけど仕方がないな。
 そうそう香里さんとは朝の件でうち解けることが出来たんだ。
 ああいうのを怪我の功名って言うのかな?
 ただ香里さんとは、名雪とのことがあるから微妙な関係よね。
 校門まで行くとあゆと真琴が待っていた。思わず笑顔になる。
 例え、たい焼きと肉まんが目当てだとしてもね。

 帰る途中、あゆが友達を見つけたらしく突撃していく。
 視線の先にいるのは160センチそこそこだろうか、小柄な男の子だ。
 あゆにぶつかられたが、小さくてもさすが男の子。吹っ飛ばされはしなかった。
 で、その子をあゆに紹介してもらった。二人の同級生で倉田一弥君と言うらしい。
 すごく可愛い。いやもうその表現がぴったりだわ。
 この街は男の子も女の子も可愛い子が多い。なんだか楽しくなってきたわね。

 ところで実は彼も、あゆの入院仲間だったそうだ。
 そう言われればちょっとひ弱そう、それで小柄なのかな?
 それとお姉さんがわたしの学校の3年生なんだって。
 きっと美人で素敵な先輩なんだろうな。一弥君は自慢そうに話していたし。

 さてあとは、名雪と天野さんとの関係を修復しないといけないわね。
 ただどうも糸口がつかめない。本当にどうしたらいいんだろう?
507名無しさんだよもん:04/02/19 01:18 ID:+Nt/Ilce

 …やっぱり、寝付けないや。
 僕の心臓がどきどきしてる。ものすごくワクワクしてる。
 遠足の前の夜みたいな、楽しくってたまらない気持ちでいっぱいだ。
 僕はベッドから飛び起きて、部屋の扉を開ける。
 廊下はエアコンが効いてないから、むしむしする空気が僕の顔をもやっと覆った。
 階段を下りながら、ものすごく素晴らしい事が起こった今日という日を、
 もう一回繰り返して思い出してみることにした。

 早起きして、夕のやつと浜辺までダッシュして、そしたら社の扉が開いてて、
 そんでもってその中に入ったら、なんか変な格好した女の人にいきなり襲われて、
 そうしたら…!

 階段を下りて、そのまま廊下を進んで二つ目の部屋。
 いつもは使わない、お客さん用の部屋。
 胸のどきどきが、バクバクに変わってく。
 その部屋の中に、あの人がいる。そう思っただけで、こんなになってる。
 僕、どうしちゃったのかな。あの人が好きなのかな。わかんないや。

 とりあえず、僕はこの部屋のドアをノックした。

508名無しさんだよもん:04/02/19 01:19 ID:+Nt/Ilce

「蝉枝〜、まだ起きてる〜?」
 小さな声で呼んでみた。
 坂神蝉枝。さかがみせみえ。おばあちゃんと同じ、変な名前の女の人。
 社の中で襲われた僕たちを助けてくれた、とっても強い女の人。
 しかも、すごくきれい。
「夜分に用か?」
 ちょっと言葉づかいがおかしいけど。
 だって、蝉枝は50年前からやってきた不老不死でおばあちゃんのクローンの兵隊さん。
 …こんなこと言って信じてくれる人いるのかな?きっといないと思う。
「入っていい?」
 でも、僕は信じる。
 蝉枝とおばあちゃんって、本当にそっくりだったから。
 そう言ったら蝉枝に怒られたけど。
「構わない」
「うん、入るね」
 ドアのレバーを握って、扉を開ける。
「ごめんね、眠れなくて――あれ、蝉枝クーラー入れないの?」
 部屋に入ったのに涼しくない。蝉枝は暑くても平気なのかな。
「必要ない」
「そ、そっか…」
 やっぱり、蝉枝はなんかヘンだ。

509名無しさんだよもん:04/02/19 01:20 ID:+Nt/Ilce

「ね、蝉枝はどの辺の生まれ?ここの人だったの?」
「御霊だ」
 僕の質問に、蝉枝はおばあちゃんみたいな調子で答える。
 クラスの女の子が絶対しないような、格好いい話しかただ。
 そのギャップがなんかおかしくて、僕はどんどん質問する。
「ね、ね、それどこ?僕、夏休みしかこっち来ないからわかんないんだ。
 近いの?歩いていけるの?それとも全然遠い?」
「50年前と変わっていないなら、市内にあるはずだ」
「あ、そうなんだ!それじゃあさ、今度そこに行ってみようよ!
 蝉枝の家もあるかもしれないよ?」
 蝉枝の家族ってどんな人たちなんだろう。
 やっぱり蝉枝みたいにヘンな話し方するのかな。
『うむ。三井寺殿、ご苦労であった』みたいな時代劇っぽい話し方なのかな。

「その必要は無い」
「えっ?どうして?」
「家の者に会ってどうする。挨拶でもするというのか」
「それはそうだけど…ほらさ、『帰ってきましたよー』みたいな感じで…」
「私はあの家とは縁を切った。天涯孤独の身だ」
「なんで?どうして?」
「私が最早人間では無いからだ」
 蝉枝の顔はさっきまでと変わらないけど、なんだかさびしそうに見えた。
 そんな気がした。

510名無しさんだよもん:04/02/19 01:21 ID:+Nt/Ilce

「そんなことないよ。僕から見たら、蝉枝は十分人間だよ。」
 ちょっと変わってるけれど、蝉枝はちゃんと生きてるよ。人間だよ」
「月弥、お前はまだ何も知らない」
「僕はそんなことないと思う」
 じーっ、と蝉枝の顔をのぞきこんだ。
「…………」
「今だって人間だもん。これからもずっと。ずっと人間でいようよ。ね?」
「そう見えるだけだ」
「じゃあ見せなきゃいいんだよ」
「そういう問題では無い」
「そういう問題だよ。そんなの、そのうちどうにかなっちゃうよ」
「楽観的すぎるな」
「うん。蝉枝は…そういうのは嫌い?」
「…嫌いでは無いな」
 僕はものすごい勢いで一気にしゃべった。
「良かった!それじゃ、決まり!蝉枝は人間です!
 それで、このままずっと一緒にいます!はい、決定!じゃーね、お休み!」
 蝉枝がちょっとあっけに取られているうちに、僕は開けてあったドアから走るように逃げ出す。
 心臓がバクバクからズキズキに変わってる。握ってた手は、汗まみれだ。
 僕、なんだかヘンだ。

511元380:04/02/19 01:26 ID:1H3kmnP4
…ということで反転誰彼を月弥少年視点で書いてみたわけなんですが…

只今帰って参りました。そして久しぶりに書いてみました。
最近KANONねたが多いので、一つ隙間を縫って誰彼ネタなど振ってみたわけです。
誰彼は月代視点で進めたら面白かったんじゃなかったかな、なんて思ったわけです。
それでは回線吊って首切ってきます。
512名無しさんだよもん:04/02/19 20:53 ID:FrSGK4L+
誰彼はまず、蝉丸が現代に慣れるまでをおもしろおかしく描いてつかみをしっかりし、
かつその日常に月代や夕霧、高子に萌えポイントを提供しつつじっくり描写すればなあ。

まあここでしゃべってても詮無いことですが。
513名無しさんだよもん:04/02/19 23:36 ID:pPTXZQS5
 例によって(早くも恒例になった。あーあ)肉まんとたい焼きを買って帰宅。
 あの二人の笑顔には弱い。って言うか子供のおねだりには弱い。
 部屋のプレートが「祐美、あゆ、真琴の部屋」に変っていた。いつの間に変ったの?
 しかも部屋に入ると、天蓋付ダブルベッドがある。秋子さん本気だったんだ。
 ついでに部屋が広くなっている。単に真琴の部屋との仕切が無くなっただけけど。
 どうも部屋の壁は仮設のものだったらしい。今まで気が付かなかった。
 制服から着替えるとき、自然と二人の胸も視界に入ってくる。
 抱きつかれたからわかっていたけど、真琴の胸はそれなりに大きい。
 あゆはサイズ自体は小さいけど、体が細いからメリハリはある。
 ちなみにあゆは結構重ね着だけど、真琴は薄着だ。やはり元狐だけ有って寒さに強い?
 うーん、あゆは着込んだせいで、胸が目立たなかったのかもしれないわね。
 わたしの胸はあゆと同じ感じ。大きさも、体が細い点も。
 ただしわたしは、背が高い分相対的に小さく見えるから悔しいなあ。

 着替え終わると買い物に出かける。目的は明日のお弁当の材料と今日発売予定の本。
 明日からは通常授業だが、金欠だからお弁当持参に決定。
 台所の使用許可はもう秋子さんにもらってある。お願いしたら1秒で了承された。
 そのことを二人に話したら、一緒に作ってとお願いされた。
 ここの中学は給食じゃないんだって、今給食センターが改修中だからだそうだ。
 とにかくこの二人にお願いされると、どうも断れないのよ。
 まあ3人分でも手間はあまり変らないし、材料が無駄にならなくていいか。
 でまあ、荷物持ちの口実で二人とも付いてきているのよね。両手が自由にならない。
 いや懐かれるのは良いのだけど、ここまでのベタベタぶりで良いのだろうか?
514名無しさんだよもん:04/02/19 23:38 ID:pPTXZQS5
 今の服装はあゆはクリーム色のセーターとキュロット、その上にダッフルコート。
 真琴はミニスカートにデニムのジャンパー。本当に寒くないのかしら?
 そうそう一緒に寝ると体温高いから、湯たんぽ代わりになってありがたいんだ。
 わたしは今も厚手のコート、下はセーターとジーパン。
 地元でも冬はスカートはあまり履かなかったくらいだから、ここでは当然ね。
 寒いの嫌だから、ババシャツとガードルはもちろん標準装備。色気がない話で後免。

 えっと、そうだわたしは一応料理は出来るよ。秋子さんの足下にも及ばないけど。
 まあ一応母さんに家事一般はたたき込まれたんだ。
 ちなみに母さんの料理はごく普通レベル、秋子さんと姉妹とはとても思えないわね。
 買い物をしているときふと気が付いたことがある。
 二人の分を作って、名雪の分を作らないのは角が立つかな?一応は作ろうか。
 ただ作っても食べてくれるかどうか?うーん難題だ。

 帰りに本屋に寄ってみたが、お目当ての本はまだ未入荷。
 田舎だから二日遅れなんだって。この街、こういうところとと寒さだけは嫌だなあ。
 真琴は漫画を3冊ほど購入。一方あゆはお菓子の本。碁石クッキーを思い出す。
「あゆ、そう言えば今は食べられるクッキーを作れるの?」
「うぐぅ、当然だよ。子供の頃と一緒にしないでよ」
 ふくれた表情も可愛い。だからついからかっちゃうんだよね。
 ところで、わたしもそうだがまだ子供だと思うよ。
「真琴も肉まんとか作れるよ」
 対抗してか真琴もそう言ってきた。こっちも可愛い。
 二人の手で両手が塞がっていなければ撫でてあげたいな。
 ちなみに荷物は二人が持っている。重くてもわたしと手を繋ぐ方が良いんだって。
 もっとも、途中で疲れてわたしが持つことになったのはお約束かな?

 帰り道での話だと、二人とも秋子さんのお仕込で、それなりに料理は出来るらしい。
 お弁当づくりを手伝ってくれるそうだ。
 けど二人とも秋子さんの直弟子だ、ひょっとすると手伝うのはわたしの方?
 まあ3人でも仲良く作るのは楽しそうだから、どっちでもいいか。
515名無しさんだよもん:04/02/19 23:40 ID:pPTXZQS5
 夕食は初日ほどではないけど今日も結構豪華だ。
 とりあえず名雪とも話すようには心がける。
 一応普通に答えてはくれるけど、やはり他人行儀だ。
 向こうから話しかけてはくれないしね。
 そのうち真琴がお弁当の話をぽろりと漏らしてしまった。

 わーどうしようかなと思っていたら、あゆが名雪に尋ねてくれた。
「お姉ちゃんも、お弁当いる?」
「うにゅう、お弁当?そうだね、たまにはいいね。お願いできるの?」
「うん、もちろんだよ」
 ナイス、わたしから持ちかけるのは難しかったから。感謝。
 これは多分、あゆの気遣いなんだろう。まあ、自然に出たものだろうけど。
 あゆはそう言うところは大人だ。おそらくわたしや名雪よりずっと。

 夕食後お弁当の下ごしらえ、わいわいやりながらでとても楽しい。
 あゆと真琴は予想通り結構手際がよい。さすが秋子さんの愛弟子だ。
 ただし、やはり生来の不器用からかあゆは時々失敗、まあそんな点もあゆらしいかな?
 真琴の方は多少おおざっぱなところがある。まあこれも個性だから。
 会話の中に「うぐぅ」と「あぅー」が混ざるのはお約束かしらね。
 二人の話だと名雪は相当な腕だけど、遅刻確実になるからお弁当作りは無理だって。
 いつもぎりぎりだけど、あれで案外遅刻は少ないらしい。
 そうは言っても、遅刻回数学年ベスト10から外れたことはないそうだけど。

 お弁当の下ごしらえの後は入浴してちょっと休憩、更に予習復習もしないと。
 学生もそれなりに忙しい。後は寝るまで本を読んだり雑談したり。
 それで、いよいよこのベッドに3人で寝るわけね。
 まあ広くなった分苦しくはないだろう。わたしを中にして川の字で寝転がる。
 ベッドの中でもしばし雑談、そのうちいつの間にか眠っていた。
516名無しさんだよもん:04/02/19 23:42 ID:pPTXZQS5
 朝起きると、やっぱり二人にしがみつかれている。やれやれ。
 今朝は昨日より早めに起きている。お弁当を作らないといけないからね。
 3人で手早く作っていく、あゆと真琴も楽しそうだ。
 お弁当が出来て食を摂っているうちに、名雪を起こす時間だ。
 今日の当番の真琴が二階に上がっていく。それでやっぱり、真琴も玉砕。
「あぅー、連敗記録更新。名雪ねえ手強すぎ」
 なんと真琴は15連敗中らしい。秋子さん以外は起こせないのか?恐るべし名雪。

 その後しばらくして例によって糸目の名雪が降りてきた。
 今朝はなにやら縫いぐるみらしきものを抱えている。
「ケロピーはここ」
 糸目のままぬいぐるみ(カエル?)を横の席に置く。
 意外な一面を見たわね。妙に可愛いけど、これでいいのか高校生?

 今朝も山盛りのイチゴジャムを食していく、多分トーストは皿代わりなんだ。
「苺を食らわば皿まで、なんちゃって」
 思わずそんなセリフ、戯れ言?が漏れる。
「うぐぅ、祐美さん。毒と苺をかけたんだね」
「あぅー、確かに字で書けば似てるわね」
「あらあら、上手いですね」
「うにゅう?」
 皮肉にも、まだ寝ぼけ状態のご本人だけは意味わかってないみたいね。

 名雪に付き合ってたら遅刻するから、今日も3人で先に行く。
 わたしはあんなに速く走れないから。しょうがないよね。
 お弁当は今の状態の名雪に渡しても不安だから、秋子さんに渡しておく。

 校門前でまた美坂姉妹と会った。早くも恒例?
 教室で北川君に挨拶。彼は良い人だ、仲良くして置いた方が良いみたい。
 名雪は結局ぎりぎりで教室に駆け込んできた。わたしのスピードなら絶対遅刻だ。
 さあ今日も勉強頑張ろう。
517名無しさんだよもん:04/02/20 00:14 ID:g6JGPtLN
>>512
やっぱ誰彼には萌え要素が少なかったよなぁ…。
きよみを巡っての蝉丸と悟の三角関係とか、反転したら面白そうかも。
518名無しさんだよもん:04/02/20 00:23 ID:Xcnr9RCn
>>今KANONネタ書いてる人

お願いです、もう少し会話文考えてください。
話の展開とか考えるの上手そうなんで、読んでいく分には問題ないんですが、
とにかく登場キャラの会話文が「口癖の見本市」みたいになっちゃってます。
どんだけ面白いもの書いても、それじゃ勿体ないですよ。
惜しいです。頑張ってください。

ちなみに、自分は祐美のツッコミ体質が大好きですw
519名無しさんだよもん:04/02/20 20:03 ID:iwY80Y2x
はじめさんと裕子タンのレズシーンが見たいポ・・・
520名無しさんだよもん:04/02/20 23:30 ID:si2W4zd8
はじめさんと裕子さん、どっちが攻め役なのか気になるな。
521名無しさんだよもん:04/02/21 22:21 ID:PCoFmv2O
 唐突だが昼休みになった。さあお弁当の時間だ。
 もちろんちゃんと授業は受けているけど、描写してもつまらないので省略。
 名雪は今日も寝ていたわね。3時間目と4時間目は。
 あゆの話だとこれでも赤点はひとつもない、成績良好とまではいかないがとのこと。
 絶対に理不尽だ。真面目に授業を受けている人間の立場ってなに?
 なぜかよく寝ている授業の方が成績がいいとも言っていた。実は睡眠学習なの?

 突然難題に突き当たる。一緒に食べる人がいない。一人はやっぱり寂しいな。
 それにしても今頃気が付くとは、わたしも結構抜けてるね。
 名雪はお弁当のはずだが、まだ気まずいし、他に思い当たるのは香里さんくらい。
 香里さんがお弁当なら名雪と3人で食べるといいな。
 それならどうにか会話になりそうだ。
 しかし、残念ながら香里さんは学食行きのようだ。今日だけかどうかわからないけど。
 他に誰か?……居た。前の席の七瀬さん。彼女もお弁当だ。
 幸い一人のようだから声をかけてみよう。

 案ずるより産むが安し、七瀬さんは快くOKしてくれた。
 くれたのだが、なぜか名雪と北川君も一緒だ。まあ別に悪くはないけど。
 ただ、北川君の女3人の中に平気で入ってくる心臓は、正直感服ものだ。
 北川君は話術が巧で話題も豊富。話が弾んでありがたい。
 とりあえず、たわいのない話でも名雪と出来るようになったのは良いことなのだろう。

 お弁当の定番の卵焼き、焼いたのはあゆだ。
 少々形がいびつで幾分焦げてもいるけど、味は上々。さすが秋子さん仕込。
 程良く焼けた鮭は真琴の仕事、ブロッコリーを茹でたのも同じ。
 ただし、こっちはおしゃべりに夢中でちょっと茹ですぎになったみたいね。
 わたしの作った筑前煮、今回は自分としてはまあまあ上出来だな。
 秋子さんの料理を食べつけている肥えた舌には不満が残るだろうけど。
 
522名無しさんだよもん:04/02/21 22:22 ID:PCoFmv2O
 名雪がアレッという表情になった。味の違いを感じたみたいだ。
 それは当然だ。母さんはおばあちゃんからあまり料理を習わなかったそうだから。
 そんなわけで、家の味は水瀬家とはかなり違う。
 でも、とりあえず名雪はそのことはなにも言わなかった。
 一緒に住んでいることを説明したくないのかな?
 でも、お弁当の中身が一緒なんだから、一目瞭然だと思うんだけど。

 幸いというか七瀬さんも北川君もそのことはなにも言わない。
 気を遣ってくれているのかな?と思ったのだけど。
「あれっ、水瀬さんと相沢さんのお弁当のおかず全部同じだね。すごい偶然」
 どうも七瀬さんは今までまるで気付いていなかったらしい。結構彼女も謎な人だ。
 北川君なんかは、あまりのことにこけかけてたよ。
 ちなみに名前は美雪さん。七瀬美雪と水瀬名雪、少々紛らわしいかも。
「本当すごい偶然だよね、相沢さん」
 ああそう、名雪がそう言うつもりなら、こっちも合わせるしかないわね。
「うーん偶然ってすごいね、水瀬さん」
 とまあそう言うことにしておこう。北川君は絶対変だと思っているだろうけど。
 この相手への呼び方が、お互いの関係を如実に示しているわけだ。
 つまり単なるクラスメートで、他人同士にとどまるってことね。
 まあそれこそが名雪の望むことなのだろうから、これは仕方がないことなのだ。

 5時間目、名雪はまた寝ていた。この子は寝るために学校に来ているのか?
 まあ午後は誰しも眠い、北川君もうつらうつら、わたしもついついあくびが。
 集中できないから変なことを思いつく。寝る子は育つ、名雪の胸はその実例?
 わたしも名雪並みに寝ればもう少し胸が育つのだろうか?
 わたしも名雪と遺伝子の1/4は共有しているはずなのに。
 まあ惰眠遺伝子とセットだったら困るから、これは我慢するべきなのかも?
 ああ視線を胸におろし、漏れる溜息よ。……むなしい。

 再び名雪を見たときに香里さんと視線があった。彼女は真面目に授業を受けている。
 そう言えば彼女も名雪同様胸が大きい。なんだやっぱり寝ているせいじゃないのね。
 って、それじゃあ逃げ道が無いじゃない。墓穴?
523名無しさんだよもん:04/02/21 22:24 ID:PCoFmv2O
 授業が終わり帰宅する。今日も一人だ。
 ちなみに今日は名雪は部活が休みらしいけど、香里さんと帰宅していく。
 耳に入ってくる会話の断片から察するに、百花屋なる喫茶店に行くらしい。

 校舎を出るともちろん校門にあゆと真琴が待っているけど、今日は人数が多いね。
 増えたのは栞ちゃんと天野さんだ。天野さん以外は元気に手を振っている。
 天野さんの表情は今日も硬い、でもこの間のように冷ややかではないみたい。
 何か心境の変化があったのだろうか?
「祐美、おそーい」
「そうです。遅いです」
「ぼくもう待ちくたびれちゃったよ。祐美さん」
 口々にそう言いながら駆け寄ってくる天野さん以外の3人組。
 うーんわたしは年下懐かれ体質なのだろうか?ってあゆは同い年だった。

 まとわりつかれながら校門まで着くと、いきなり天野さんが頭を下げてきた。
「相沢さん、先日は失礼な態度を取り申し訳有りませんでした」
「えっと、天野さん、悪いのはわたしだから、別に気にしてないよ」
「真琴から相沢さんの事情は聞きました。それに真琴がこんなに懐いています」
 はい、いまもわたしの両手にあゆと真琴がぶら下がってますよ。
「ですから、相沢さんが悪い人でないのはわかりました」
 それはありがたいです。真琴の友達と気まずいのは嫌ですから。
 しかし、最後に釘を差された。
「でも、わたし個人はまだあなたのことを許したわけではありませんよ」
 要するに真琴の友人同士として仲良くするけど、個人的には好きじゃないです、だね。
 まあそんな簡単には仲良くなれないわね。
 でも天野さんの態度、はっきりしていて好感が持てるかも。
「人間そう簡単に割り切れるものでもないし。あからさまに敵視されなければ良いです」
「わかりました、そうさせていただきます」
 これでとりあえずは一応の手打ちね。
524名無しさんだよもん:04/02/21 22:27 ID:PCoFmv2O
「美汐さん、ちょっと堅いですね」
「うん、美汐は考えすぎだと思うよ」
「でも、これがわたしと言う人間ですから」
 栞ちゃんは天野さんを名前で呼んでいるわね。同級生だし友達なのかな?
 聞いてみたら同じクラスだそうだ。世間は狭い、いやわたしの交友範囲が狭いだけ?
 転校したてで仕方がないけど。

 その後栞ちゃんの提案で百花屋に行くことになる。
 もちろんそれぞれ自腹だ。別に奢る理由なんて無いからね。
 頼んだものはわたしはカフェオレ、あゆはたい焼きセット、真琴は飲茶セット。
 栞ちゃんは特製バニラアイス、天野さんはクリームソーダー。
 それにしてもやたらにメニューが多い店だ。他にも牛丼などもある。
 真琴の話だと、名雪は常連でいつも同じものを注文するらしい。
 正確に言うと、注文しなくてもちゃんと同じものが出てくるそうだ。いちごサンデーが。
 
 いろいろと話をしてみると、天野さんは何となく思っていたとおり結構博識だ。
 おばあちゃんの知恵袋的なところもあるが、それを言うほど馬鹿でもない。
 いやもっと親しければ、多分冗談として言っちゃうけどね。
 それと前から思ってたけど、あゆと真琴は知識が偏っているんだ。
 常識を知らなかったりするのに、妙なことに詳しかったり。
 多分、今まで過ごしてきた環境のせいなんだろうね。

 栞ちゃんとお弁当の話をする。香里さんは料理は得意だけどあまり作らないらしい。
 面倒だからとか、努力家に見えたから意外かも?
 お弁当の話は、いつの間にか天野さんも参戦していた。
 天野さんの得意は、きんぴらゴボウ、卯の花、里芋の煮物にひじき、やっぱり和風?
 でも好きな物は以外と洋風、チキンカツとか鶏の唐揚、マカロニサラダ。
 ところで天野さんがはしゃぐ真琴を世話する姿は、お母さんか保母さんみたいだ。
 もちろんこれも口には出さないけどね。
525名無しさんだよもん:04/02/21 22:28 ID:PCoFmv2O
 ところで名雪と香里さんはここに来るって思ってたのだけど、聞き違いかな?
 店内のどこにも姿が見えない。まっすぐ来たからもう帰ったってことはないと思う。
 まあ、むこうが寄り道している可能性は高いな。あるいは気が変ったのか?
 結局二人とは会わないまま帰宅した。

 帰宅してしばらくしたら、涙と鼻水で顔をグチャグチャにさせた名雪が帰宅。
 ああ多分、百花屋に行く途中で猫に遭遇したんだ。納得。香里さんも気の毒に。
 それにしても、名雪の観察は面白い。普段の行動に突っ込み所満載だ。
 もっと親しい関係なら、心の中だけでなく実際に突っ込んでしまうだろうな。
 さてその後はたいしたこともなく、今日は平和な1日でした。本当に?
526名無しさんだよもん:04/02/21 22:34 ID:PCoFmv2O
>>518氏感想ありがとうございます。
ご指摘は「うぐぅ」等の多用の意味でしょうか、あるいは会話がぶつ切れ?
それともそもそも全然会話になっていないとのご指摘でしょうか?
このあたり自分でも自覚はあるんですけどね。なかなか治らないです。
山場なしのまったり御気楽Kanon、やっと4日目終了です。
527:04/02/22 03:44 ID:lIIcrD0F
>>526
そうですね、前、どこかのスレで話題になっていたんですが、 うぐぅ とかそーゆーキャラ特有の口癖が多いSSは読んでてどうかと・・・ みたいな意見が多かったです。
特に名雪の だおー と くー は反感を買うみたいです、原作ではそんなに多用されていないからってのが理由らしいです。
私個人としてはあまり気になりませんけど。毎回楽しく読ませてもらってます。続き期待です。
528名無しさんだよもん:04/02/22 22:56 ID:fvLXB/nG
>>526
まったり(・∀・)イイ!
北川がいなければ完璧に女子校ものだな。
529名無しさんだよもん:04/02/22 23:33 ID:pa2EKP7C
 いつも通りの目覚め、今日は土曜日半日授業だ。張り切っていこう。
 今朝は名雪が自分で起きてきた。あゆと真琴が驚愕している。
 あのものに動じそうにない秋子さんまで、ちょっと動揺しているみたい。
 表情は変らないけど、皿を持つ手がちょっと小刻みに震えているわね。
「転変地の前触れよー。地球の終わりが来るのよー」
「大変だよー。雨が降るよー。ノアの箱船だよー」
 いや、確かに寝汚いとは思っていたけど、そこまで珍しいことなの?
「うー。みんな酷いよ」
 名雪は当然不機嫌、でもいちごジャムを食べ出すと途端に満面の笑顔になった。
 しかし、覚醒していてもあの食べ方なんだ。脅威の光景ね。

 名雪が早起きしたので、初めて一緒に登校することになった。
 かなりの部分あゆ、真琴と同ルートで助かったわね。
 二人っきりだと話すことが無くて間が持たない。名雪に昔の話は禁物だから。
 本当はこうして一緒に登校することを想像していたものだけどね。

 今日は二人と別れた後で天野さんと会った。丁寧に会釈してくる。
 随分軟らかい表情になったわね。昨日のことで少しはうち解けることが出来たのかな。
「相沢さん、天野さん、二人は知り合いになったんですね」
「はいそうですよ、水瀬さん」
「ええ水瀬先輩、真琴のお友達はわたしのお友達でもあります」
 なんだろう、名雪と天野さんの遣り取りにも冷ややかなものが流れている。
 やはり従兄の祐一に好意を持っていない天野さんとの仲は、良好でないのだろうか?
 それでまあ非常に気まずい、当然のごとく全く会話にならないわね。

530名無しさんだよもん:04/02/22 23:34 ID:pa2EKP7C
 校門前で栞ちゃん発見、隣は当然香里さん。
 いたたまれない気持ちから逃げるように駆け寄って、栞ちゃんに抱きつく。
「きゃっ、祐美さん、脅かさないでください」
 あいかわらず、栞ちゃんの悲鳴は可愛い。だからついやってしまうんだよね。
 と誰かに襟首を捕まれグッと後にひかれる。く、首が苦しいー!
 殺気のこもった視線を感じた。気が付くと鬼のような形相の香里さんが目の前に。
「相沢さん、わたしの栞になにをしているのかしら?」
 恐怖のあまりなにも言い返せず、ただ口をパクパク。
「あら答えてもらえないのかしら?」
 うっ、う、これは尋問だよ。このままじゃあ拷問されるよー。

 いつの間にか胸元を捕まれていて、首が絞まる。息が苦しい。気が遠くなっていく。
「ねえ、相沢さんどうなの?」
 いや、その手を緩めてもらわないと声が……。と突然、呼吸が楽になった。
「美坂先輩、その状態で答えられるわけないでしょう。それでも学年主席なんですか?」
「そうです、お姉ちゃん乱暴すぎます」
 どうやら天野さんと栞ちゃんが止めてくれたらしい。
「えっ、いやわたしは栞のために……」
 香里さんは栞ちゃんに迫られてたじたじだ。
 それに対して、栞ちゃんは香里さんを鋭く睨み付けて静に一言。
「お姉ちゃん」
「あっ、う……相沢さんご免なさい」
 栞ちゃん強い、って言うより香里さん弱すぎ。さすが超絶シスコン。
 しかし、香里さんの目の前で栞ちゃんにスキンシップするのは危険すぎると認識。
 今後は気を付けよう。命が惜しいからね。


531名無しさんだよもん:04/02/22 23:36 ID:pa2EKP7C
 名雪は横で楽しそうに笑っていた。本当はこんな子なんだけどな。
「名雪、見せものじゃないわ。笑うなー!」
 香里さんはかなりお冠で、とばっちりが名雪に行ったみたい。
「うー、香里の意地悪。いちごサンデー追加」
「わたしは奢らないって言ったわよ」
「うー、だって昨日邪魔した、猫さん、猫さん、猫さーん。猫さんなんだよー」
「理屈になってないわね」

 どうも、昨日猫を触らせてもらえなかったことを怒っているらしい。
 悪気はないんだろうけど、ちょっとそれは勝手だと思う。
 名雪はまっすぐないい子だが、自分の欲望に忠実すぎる気がする。
 お気に入りの昔のアニメのDVDのヒロインを思いだした。
 彼女は親友に「あいつは悪気がないのが最大の欠点なんや」と評されていた。
 うん、名雪もそんな感じだ。甘えさてくれる人にはとことん甘え倒してしまう。
 しかしまあ男女問わず人気はあるみたいだし、きっと良いところも多いはず。
 わたしの前ではあまり見せてくれないけど。
 多分わたしは名雪と一歩引いた立場にいるから、そんな感想を持つのだろう。
 わたしが最初から女の子として接していれば、香里さん同様の立場だったのだろうか?
 祐一のままだったらどうだったんだろう?まあそれは考えても仕方がないことだ。

 なんだか名雪は手のかかる妹のように感じる。水瀬姉妹はみんな妹みたいだけど。
 あゆはドジだけどしっかり者、真琴は天の邪鬼な可愛い妹かな。
 なんとなく名雪には遠慮があるのだが、本音で文句を言った方がよいのかも?
 それが簡単に出来たら苦労はないけどね。
 この騒動のお陰で、教室にはぎりぎりで駆け込む羽目になった。
 早起きしても名雪と一緒では、余裕のある登校は無理なのだろうか?
532名無しさんだよもん:04/02/22 23:37 ID:pa2EKP7C
 さて放課後だ。香里さんを百花屋に連行しようとした名雪、陸上部員に捕獲さる。
 今日はちゃんと部活があったらしい。
「わたしの、わたしのいちごサンデー!いちごサンデーがわたしを待ってるんだよー!」
「名雪御達者でー。部活頑張るのよー。部長なんだから」
「香里、酷いよ、極悪だよー!いちごサンデー!」
 悲痛な叫び声を残して連行されていく、涙目が哀れだ。ドナドナが聞こえそう。
 香里は手を振ってお見送り、でも口元が緩んでますよ。
 横で七瀬さんが「またか」と呟く。北川君は気にも留めていない。
 どうやらこれも日常の光景なのか?名雪、部長がさぼってどうする。

 校門までは香里さんと七瀬さんと一緒。例よって校門であゆと真琴に捕獲された。
 天野さんは用事があるとかで、今日はここには居ない。七瀬さんとはここで別れる。
 栞ちゃんは香里さんに引きずられていった。こっちもドナドナ、目の幅涙。

 帰り道でまた一弥君と会った。今回も突撃しようとしたあゆだが、こけた。
 それはもう見事にこけた。あゆは良くこける、あれで怪我をしないのが不思議だ。
 それにしても一弥君は可愛い。制服取り替えたら絶対に女の子で通るよ。
 なんかこの子も頭を撫でたくなるんだよね。
 女の子の中に一緒でも全然違和感ないから、平気で一緒に歩く。
 後から突然一弥君を呼ぶ声がした。若い女性の声だ。
「一弥ー!」
「えっ、お姉ちゃん」
「はい、お姉ちゃんですよ」
 振り返ると、にこにこと手を振るとっても綺麗な女性だ。横にも黒髪の綺麗な女性。
 こっちはかなり背が高い、わたしとほぼ同じくらい。が、しかし、胸がでかい。
 もう一人の方もかなり、名雪以上だ。くー、コンプレックス刺激されまくり。
 二人ともわたしと同じ制服で、リボンの色から上級生だとわかる。

533名無しさんだよもん:04/02/22 23:38 ID:pa2EKP7C
 これが一弥君のお姉さんか。まずその人がご挨拶。隣の女性も。
「初めまして一弥の姉の佐祐理と言います。佐祐理と呼んでくださいね」
「川澄舞、舞と呼んで」
「ああどうも、この二人の従兄弟で相沢祐美です。相沢でも祐美でもお好きにどうぞ」
「ではわたしは祐美さんと呼ばせていただきますね」
「祐美と呼ぶ」
「じゃあわたしは佐祐理さんと舞さんと」
「さんはいらない、舞だけでいい」
「わかりました、舞」

 あれっ、川澄舞って聞き覚えがあるよ。えーと、思い出した兎耳カチューシャ。
 10年前に出会って、7年前まで一緒に遊んだ一つ上の女の子だ。
「舞ひさしぶり。7年ぶりだね元気してた」
「あなた誰?」
 舞はわたしのことがわからないらしいけど、まあ当然だろう。
「祐一よ、祐一。わたしは相沢祐一よ」
「祐一は男の子?あなたは女???」
 無表情に首を傾げているんだけど、どことなく可愛い。

「いや、あの時は家庭の事情で男の格好をしてたけど、本当は女なの」
 その後いろいろ説明。
「わかった。確かに魂の波長が祐一と同じ」
「わかりました、祐美さんはモロッコに」
「佐祐理さん、そのネタはあゆがやりました」
「はえー、そうですか」
 この人絶対に天然だ。うーん天然は名雪だけでいいよー。
534名無しさんだよもん:04/02/22 23:39 ID:pa2EKP7C
「祐一ー、会いたかったよー」
 舞の態度がころっと変る。抱きつかれたけど、胸の感触が、感触がー。
 舞はしばらく離れなかった。真琴がちょっと不服そうだ。
「連絡しなかったことは牛丼奢りでゆるして上げる。ただし、ここにいる全員に」
「わかった、けどわたしのお手製でもいいかな」
「それでかまわない祐美」
 で結局、明日のお昼に牛丼を作ることになった。
 まあこれで仲良くできるなら安いもの。名雪もいちごサンデーくらいで済めばねえ。

 とりあえず百花屋で再会のお祝い兼昼食、これはみんな自腹ね。
 先にきていた香里さんと栞ちゃんを発見。栞ちゃんは巨大パフェに挑戦中。
 香里さん財布を振って涙目ね。まあ強引に引っ張った報いでしょう。
 名雪にこの話はしない方がいいと、あゆと真琴に釘を差す。今日はそんな1日。
535名無しさんだよもん:04/02/22 23:43 ID:pa2EKP7C
5日目終了、一弥再登場、そしてやっと上級生コンビが登場です。
あとは久瀬と斎藤、この二人に出番があるのか?
536名無しさんだよもん:04/02/23 01:05 ID:OehqmO05
微妙にスレ違いだが、質問させてください。
「性転換=モロッコ」って一般的な連想らしいんだが、
これって一体なんなの?
537名無しさんだよもん:04/02/23 01:26 ID:X63HZBYs
総受け百合風味でいい感じなだ。
538名無しさんだよもん:04/02/23 01:47 ID:7HpPNOmY
>>535
マターリマターリしてますなあ。GJ。
秋子さんすら動揺するなんて、自力で起きた名雪って一体…(w


>>536
70年代に、カルーセル麻紀がモロッコで性転換手術したのが有名になったためかと。

当時の日本ではモロッコの知名度は皆無だったため、
その事件のインパクトが強すぎて「モロッコ=性転換」という変な先入観が
日本人の意識に刷り込まれてしまったという次第。

事実、現地の人に性転換の事について尋ねてもキョトンとされるだけらしい。
539名無しさんだよもん:04/02/23 15:27 ID:+N15BDLE
最近、このスレに足りないものがあると思った。
工口だ。
昔のような工口スが足りないんだ。
とはいえ自分は書けないので誰かネタ出しきぼん
540名無しさんだよもん:04/02/23 22:56 ID:oDdPZYU1
 今日は日曜だからやや寝坊、といっても8時前には起きた。
 と言うかあゆと真琴に起こされたようなもの。
 あゆは基本的には朝が強い、その気になればいくらでも早起き可能だそうだ。
 真琴はなぜか休みになると早起きらしい、子供だ。若干迷惑かも。
 それで二人はわたしより早く起きたんだけどね。
 あゆはわたしの寝顔を見ていたかったらしい、真琴は早く起こして遊びたい。
 で、言い争っているうちに、うるさくて嫌でもわたしは目を覚ますという寸法。
 結果的には真琴の勝ちだね。あゆは少々膨れてました。

 今朝は和食、あゆの希望で休日はいつもだそうだ。
 あゆはこの方が好きだけど、名雪の都合(時間がないから)で平日はパン食。
 その点休日は、朝食の時間に名雪が起きるわけないから無問題。
 家は和食だったから、本音はこっちの方が落ち着くわね。
 真琴は別にどっちでもいいらしい。実は一番好きなの朝メニューは中華粥とか。
 あれは確かに胃に優しい。ただ名雪は寝惚けていちごジャムを落としたそうだ。
 美味しそうに平らげたそうだが、そんな光景見たくはない。

 食後の後かたづけと休憩の後、9時過ぎから2時間ほど3人で勉強。
 牛丼の下ごしらえは昨夜のうちにやってあるから、そんなに早く始める必要は無し。
 11時半、そろそろ舞達が来る頃だ。ピンポーン。ほら来たみたい。
 あゆと二人でお出迎え。その間真琴はお茶の準備をしてくれている。
 なお秋子さんは用事があってお出かけだ。夕食づくりも任された。


541名無しさんだよもん:04/02/23 22:58 ID:oDdPZYU1
 ドアを開けると、舞と佐祐理さん、もう一人恥ずかしそうに俯く知らない女の子。
 すごく可愛いけど、もじもじ佐祐理さんの陰に隠れている。
 うーんよく見てみると、どことなく見覚えがあるような気がするわね。
「ようこそいらっしゃいました」
「おじゃましまーす」
「お邪魔する」
「あ、あのー、お邪魔します」
 佐祐理さんは朗らかに、舞は愛想無く、最後の子は消え入りそうな声だ。
「もっと元気良く言わないと、お姉さん許しませんよー」
「元気ないのは駄目」
 佐祐理さんと舞の突っ込みが入る。あれっ、そう言えば一弥君が居ない。後で来るの?

 真琴がリビングから顔を出す。
「お茶の準備できたわよ。……えっ、この匂い、一弥君なんで女装を」
 なに、一弥君!でも、言われてみれば確かにそうだ。
「うぐぅー!一弥君だよー」
「え、えっと、一弥君も女の子だったの?」
 わたし達3人はしばし混乱、落ち着くまでに10分以上かかった。

 一弥君はちゃんと男の子で、女装は佐祐理さんの趣味だそうだ。気の毒に。
 立場は反対だが、過去の自分と似たような境遇に同情を禁じ得ない。
 それはそれとして可愛い。それはもう可愛い。国宝級の可愛さ。
 はっきり言ってそこら辺の女の子なんか目じゃないくらい可愛い。
 わたしが芸能プロの社長かスカウトなら、もう絶対にものにする。

 身長も丁度高からず低からずいい感じ、足がまた細いんだ。
 恥じらいもまたくるものがあって、わたしなんかよりずっと女の子している。
 あゆと真琴も自信喪失気味のようだ。うー天然より養殖の方が上なのか?意味不明?
 もう絶対に常時女装するべきだ。天然記念物、いや世界文化遺産に指定すべき逸材。
 何かさっきと言っていることが180度違う気もするが気にしてはいけない。
 などと興奮あまり思ったことを全部口に出してしまった。 
542名無しさんだよもん:04/02/23 22:59 ID:oDdPZYU1
 あゆと真琴も似たようなことを言っていたようだ。夢中で良く聞いてなかったけど。
 佐祐理さんはニコニコ笑顔でウンウンと頷き、舞もコックリと同意。
 しかし、一弥君にジト目で恨めしそうに睨まれた。ああ泣いてるよ、反省。
 いや、思ってることは正しいと思うけど、見境なく発言したのはまずかったね。
 肝心の一弥君に嫌われては元も子もないから。えっ全然反省してないって?

 一弥君を宥めてから食事の用意、多めに作る。名雪が起きくてるかもしれないし。
 まあ真琴によると、その可能性はロト6を当てるくらい低いそうだが。
 練習がない日は3時前にはめったに起きないとのこと。今日は練習は休みだ。
 練習があっても11時がやっと、名雪が部長になる前は午前中の練習も有ったそうだが。
 今は午後だけだそうだ。いくらなんでも一個人のためにとは信じがたいのだが。

 ドタバタのせいで、準備が出来たら1時を過ぎていた。みんな空腹で元気よく食べる。
 美味しいと評判、嬉しいけど、空腹のせいと社交辞令があるのだろうな。
「佐祐理より落ちるけど美味しい」
 あっこれは嬉しい、舞は正直だから。自然に顔がほころぶね。
「ただし、今度はつゆだく」
「うんわかった、それがお好みね、覚えておきましょう」
「舞は注文厳しいね」
 ビシッ!照れた表情の舞が佐祐理さんにチョップ。可愛い。
 佐祐理さんはキャアキャアと逃げ回っている。微笑ましい光景だ。

 しかしみんなこの細い体のどこにはいるのだろう?よく太らないものだ。
 結構よく食べているのに倉田姉妹、もとい姉弟の食べ方は上品だ。育ちの違い?
 舞はがっついているのになぜか優雅。高貴な野獣の趣かな?

 食後の後かたづけの後の談笑は、あゆが焼いたクッキーがお茶請け。
 実はここに出ていない半分は碁石になっている。真琴曰くあゆ碁石の呪いとのこと。
 絶対に半分は碁石になるそうだ。残り半分はすごく美味しいのだけど。
543名無しさんだよもん:04/02/23 23:01 ID:oDdPZYU1
 佐祐理さんはとても朗らかで話題も豊富、常に会話をリードしている。
 一弥君は女の子に混じっても違和感なさ過ぎ。良いのだろうか?
 舞はあまり話さないが浮いているわけではない、自然な態度が素敵だ。
 それで佐祐理さんが振った話題はなぜか名雪。もしかしてすごい有名人?

 前に栞ちゃんが話していた名雪に関する格言、他にもいろいろあるそうだ。曰く。
「泣く子と名雪には勝てない(泣く子と地頭には勝てない)」
 こ、これは……意味はわかるけど。うーん、名雪は地頭並なの?
「名雪も夢から覚める(猿も木から落ちる)」
 なぜか何事にも終わりはあるという意味で使われているそうだ。納得できるけど。
「休みの午前に名雪はいない(柳の下に鰻はいない)」
 まあ言ってることは間違ってないわね。
「起きない名雪はいる(開けない夜はない)」
 これは酷っ、でも言い得て妙かも?
「人間は考える葦である。しかし名雪は寝こける葦である」
 パスカル……しかしこれは格言と言うより戯れ言?それに名雪は人類の例外?
「名雪を見たら遅刻と思え(人を見たら泥棒と思え)」
 これは単なる事実ね。実際昨日も名雪を見た途端、生徒達は大慌てで走り出していた。
 天を仰いだり、時計を何度も見直してる子もいたし、やれやれ。
「猫に勝節、名雪に猫(orいちご)」
 いや、これはそのまんまね。説明の要無し。
「白い猫でも黒い猫でも、名雪から逃げない猫は馬鹿な猫だ」
 これは中国の偉い人の発言の言い換えね。内容は激しく同感。
「良い名雪は、眠っている名雪だけ」
 いくらなんでもこれは酷いと思う。まあ確かに寝惚けている時の方が性能高いけど。

 上の格言?、わたし以外の全員が全部知ってましたよ。
 なんか酷いものも多い気もするけど、それだけ街の人から愛されてるんだよね。多分。
 まあ名雪も、この街にいる限りは幸せに暮らしていけるんだろうな。


544名無しさんだよもん:04/02/23 23:03 ID:oDdPZYU1
 楽しい時間はアッという間に過ぎる。気が付いたらもう3時半だ。
 えっ、名雪まだ起きてこないの?さすがに心配になるが、あゆと真琴は平気だよって。
「水瀬さん、家にいらっしゃったんですか?」
「眠り病?」
 噂は聞いていても、目の当たりにすると(見てないけど)驚くものらしい。

 と、階段から下りてくる足音が、名雪やっと起きたんだ。
「ああよく寝た、すっきりしたよ。もうお腹ぺこぺこ、お母さん何かないの?」
 今日の目覚めはすっきり顔、まああれだけ寝ればね。で、パジャマとはんてん姿。
「って、お客さん?あっ、倉田先輩、川澄先輩。わーはしたないよー」
 真っ赤な顔で大慌てで二階に駆け上がる。下の会話が聞こえてなかったのかな?
 ところで名雪が両先輩を知ってたね。有名なのかな?

 しばらくしてから、ちゃんとした格好に着替えて降りてくる。
「先ほどは失礼しました。相沢さんの同居人であゆと真琴の姉の水瀬名雪です」
 結局同居人としか認識してくれてないんだね。なんかもういいやって気になってきた。
 しかし名雪は知り合いじゃないんだね、じゃあこのお二人やっぱり有名人?

「お姉ちゃん、御飯食べるの?牛丼でもいい?」
「うん、あればなんでも」
 今更隠しても仕方がないから、素直に答えたみたい。
 多めに作って置いたから、みんなでよく食べても残っていたんだ。
 作り過ぎかなとも思ったけど、丁度良かったみたいね。

545名無しさんだよもん:04/02/23 23:04 ID:oDdPZYU1
 御飯食べ終わってから名雪も会話に参加。一弥君が男の子と知って驚いたらしい。
「わっ、びっくり」
 全然驚いたようには聞こえないが、つきあいの長いあゆの話だと間違いないらしい。
「じゃあわたしもいいものを見せてあげるよ」
 そう言って2回から写真を持って降りてきた。
 文化祭か何かの写真らしく、お姫様ドレスの金髪美少女と宝塚風美青年が写っている。
 えっ、でも男の方は香里さんだ、女性はよく見るとアンテナが……北川君?
 一弥君と言い北川君と言い美人過ぎる。女として自信喪失だ。
 ところで佐祐理さんの目が怪しい、北川君も目を付けられたようだ。合掌。

 その後、5時頃に舞達は帰っていき、4人で夕食の準備。
 名雪がリードを取って、わたし達は補佐。こういう時は手際がいいわね。
 食事が出来たら丁度秋子さんが帰宅、和やかな夕食でした。
 名雪とはまあ仲良くなれた、あくまで単なる同居人としてだけど。
546名無しさんだよもん:04/02/24 00:59 ID:ZGLx784W
北川も、かw
547:04/02/24 21:37 ID:71Tv0tXm
佐祐理さんが・・・ 佐祐理さんが大変なことに・・・w
毎日お疲れです。毎回続き楽しみです。
548名無しさんだよもん:04/02/24 23:00 ID:HCfoF/gm
 誰しもちょっと憂鬱な月曜日、今朝の名雪起し当番は真琴。
 5分ほどで降りてきてガッツポーズ。やったね真琴、16連敗は免れた。
 そりゃあまあ昨日あれだけ寝ればね、目が覚めない方がおかしいよ。
 名雪はあの後も8時には就寝。ほとんど20時間寝ていたわけね。
 ただねえ、それでもかろうじて目が覚めた程度で動作は遅いまま。
 結果として今日も登校は別でした。

 昼休み、お弁当を食べていたらなぜか生徒会から呼び出された。
 メッセンジャーはクラスの斉藤君、長身で格好いい野球部員で生徒会書記。
 でもなんで?わたしなにも悪いことしてないよ。
 ひょっとして栞ちゃんに抱きついた件?それとも真琴とあゆのこと?
 部外者をいつも校門前に待たせておくのはまずいのかな?
 他に思い当たることないよ。ところでなぜか香里さんも一緒、やはり栞ちゃんの件?

 生徒会執務室で待っていたのは、ちょっと冷たそうな表情の縁なし眼鏡の少年。
 同じ2年で生徒会長、名前は久瀬さんだそうだ。
 用件は名雪の件、居眠りが目に余るとのこと。確かに今日も2時間目以降は熟睡。
 でもなんでそれをわたし達に言うわけ?普通本人を呼び出すものでは?
 第一、先生に呼ばれるものだと思うのだけど。
 そのことを尋ねたら、本人に言っても効果がないから周りから攻めるとのこと。
 同居の従姉と親友じゃないかって、わたしが従姉だって知ってるんだね。
 それと生徒の自主性を重んじるため、その手の問題は生徒会に任されているとか。
 でまあ、あくまで協力要請だそうだ。そう言われると断りにくいけど。
 でも、はっきり言って無理、わたしには荷が重い。
 まあ、出来るだけ気を付けてみますと言う返事で幕。香里さんも同じ答だ。

549名無しさんだよもん:04/02/24 23:02 ID:HCfoF/gm
 そんなことで昼休みが半分以上つぶれちゃって、二人ともちょっと不機嫌。
 久瀬さんは職務熱心で、名雪のことも気にかけてくれているのだろうけどね。
 小さな親切大きなお世話、少々迷惑と言うのが本音かな。
 それで遅刻の件、本人には言い難いから秋子さんに伝えるしかないのか。
 告げ口みたいで嫌なのだけど、どうしようかなー。
 それと香里さんが教えてくれた、久瀬さんがわたしのことを知っていたのは当然。
 彼は全生徒の情報を把握しているらしい。職務熱心か?やばい人か?微妙だ。

 で悩みながら教室に帰ったら、名雪ったらこうよ。
「香里ー、呼び出しなんて珍しいね。真面目にしないと駄目だよー」
 普段は名雪の天然に和まされることもあるけど、この脳天気はさすがにムカッと来た。
 とわたしが行動するより早く、香里さんの手刀が名雪の頭を直撃。
「まったく誰のせいだと思ってるのよー!この3年寝雪!」
「香里いきなりなにするの、痛いよ。極悪だよ。いちごサンデーだよ」
 突然のことに訳がわからず、名雪が怒るのも当然か。でもこの場合はねー。
「うるさい!あんたの居眠りのせいで呼び出されたんでしょうがー!」
 香里さんは名雪の口に指を突っ込んで力一杯引っ張っている。よく伸びること。
「そんなこと言うのはこの口かー。えっ惰眠娘」
「いらい、いひゃいひょ、ひゃおひー」
 多分、痛い、痛いよ、香里って言ってるんだろうね。

 七瀬さんをはじめ、名雪を痛ましそうに見ている人もいるけど。
 香里さんの剣幕が怖いのと、怒りの正当性からか誰も止めようとはしない。
 いやまあ、止めようたって止められないだろうけど。
 結局、香里さんの怒りが治まったら昼休み終了。
 名雪は香里さんにチョコパフェを奢ることとなった。
 更に居眠り1回罰金105円だとか、多分栞ちゃんのアイスに化けるんだろうな。
 逆に一週間居眠り0ならいちごサンデーを奢ってもらえるそうだけど、無理ね。
 なにかその条件だと、名雪はマジで破産するんじゃないだろうか?
 実際5時間目に早速居眠り、6時間目は起きてたけど。懲りない子だ。
550名無しさんだよもん:04/02/24 23:04 ID:HCfoF/gm
 放課後は真琴、あゆ、栞ちゃんと天野さんのお家にお邪魔。
 香里さんは名雪を引っ張って百花屋に直行したから、栞ちゃんはフリーだ。
 えっと、今日は部活は良かったのかな?まあ、わたしは知ーらないっと。
 ちょっと無責任かな?
 しかし、香里さんと名雪の関係、昔のアニメの宇宙刑事コンビみたい。
 それを言ったら香里さんは、冗談じゃないわよって怒るだろうけどね。
 そう言えば前の学校の先輩、演劇部長と学食の女王の関係にも似てるかな?

 天野さんのお母さんがお出迎え、天野さんによく似た若々しくて品が良い人だ。
 天野さんも20代後半以降になれば、言動と年齢のバランスがとれるのだろうと納得。
 すると名雪もそのうち秋子さんの様になるのだろうか?……駄目だ、想像できない。
 まあ人は成長するものだ、それに期待することとしよう。

「お姉ちゃーん、まこちゃん来たのー?」
 パタパタと可愛い足音とともに、小さい女の子と子猫が部屋に駆け込んでくる。
 多分天野さんの妹さんかな、年は6歳くらいだろうか?
「こんにちわ、真琴の従姉の相沢祐美よ。あなたは天野さんの妹さんかな?」
「うんこんにちわ、わたし美子(みこ)ちゃん、6歳です。こっちはぴろなの」
 猫の方は雑種?可愛いけど変った名前ね。で、いきなり真琴の頭の上に載った。
 まるでそこが定位置のようにピッタリ。真琴のオプションパーツ?
 ところで美子ちゃん可愛い、天野さんをそのまま小さくしたみたい。ミニ天野さん。

 実はぴろは真琴が拾った猫だそうだ。でも名雪は猫アレルギーだからね。
 水瀬家には居場所が無くて、真琴の友達の天野さんの飼い猫になったんだって。
 私が思うに、名雪が天野さんと仲良くないのは、そのせいもあるのかな?
 わたしの猫さんをさらっていった極悪人だよ、ってわけ。邪推だろうか?
 最近大分名雪の思考パターンが読めてきた気がする。気がするだけだけど。

551名無しさんだよもん:04/02/24 23:05 ID:HCfoF/gm
 楽しく遊んでいると、栞ちゃんが絵を描きたいと言い出した。
「美汐、勉強教えてー!今すぐ、すぐに」
「うぐぅー!ぼ、ぼくも教えて、大至急」
「そ、そうですね、学生の本分は勉強。すぐわたしの部屋に行きましょう」
 3人とも大慌てで、部屋から出ていった。なんなの?

 でまあ、部屋に残されたのはわたしと栞ちゃん、美子ちゃんとぴろだけ。
「美子ちゃんもお絵かきする」
 これで必然的にわたしとぴろがモデル。お題は猫と戯れる少女だって。
 自然のままでいいと言うことだから、しばしぴろと遊ぶ。楽しい一時だ。
「出来ました、傑作です」
「美子ちゃんも描けたー」
 どれどれ、二人の作品を見せてもらいましょうか。まずは美子ちゃんの方から。
 美子ちゃんはこの年にしては結構上手いわね。そう言って頭をなぜなぜ。
 ほわーんとなっていてものすごーく可愛い。

「祐美さん、わたしも撫でてください。わたしの絵はどうですか?」
 栞ちゃんは結構甘えん坊さんだ。では栞ちゃんの絵を拝見。
 こ、これは……酷いこれ絵なの?美子ちゃんとは比較にならない。異次元生物?
 わたしも絵は土下手だが、人物画はちゃんと人に見えるよ。正直に答えたら。
「そんなこという人嫌いですー」
 真琴達これで逃げたんだね、後で酷いから。もちろん、撫で撫では無しね。

 帰りにお弁当の材料を物色、ついでにいちごのデザートを購入。
 これは多分不機嫌であろう名雪への対策。
 ところが、なぜか名雪は上機嫌だった。なにがあったんだろう?
 ああ居眠りの件、香里さんが動いているから当面秋子さんへの報告は保留。
552名無しさんだよもん:04/02/24 23:16 ID:HCfoF/gm
ようやく1週間終了、久瀬、斎藤、ぴろとオリキャラ美子ちゃんが登場。
端役以外はこれで全員登場の予定です。あくまで予定ですが。
ガラス事件の代わりの久瀬との接点として、名雪が割を食いました。
彼女はいろいろと突っ込みやすいので、ついギャグに使ってしまいます。
最後に今まで感想くれた方、ありがとうございます。
553元380:04/02/25 00:59 ID:myiLC1Rt
>>548-551
連日の投下、お疲れ様です。
楽しそうな世界ですね。キャラが元気そうです。

ところで、以前リクエストを受けたシチュで書けたので、投下します。
554名無しさんだよもん:04/02/25 01:00 ID:myiLC1Rt

「…なるほど、ね」
 窓から差し込んでくる夕暮れの光に目をしかめながら、
 叔母は瑞穂くんが作成した報告書をまじまじと眺めていた。
「報告漏れは無いわね?この内容で間違いない?」
「…は、はい、あの……そう、です。はい」
 
「ありがとう、祐子。あなたのお蔭で調査も無事に終了したようね」
「…はい、最初はどうなるかと思ったけれど…
 藍原くんがいてくれたおかげで、助かりましたから」
 私の言葉を深読みしたらしく、叔母の唇がにやりと吊りあがる。
 灰皿から吸い掛けのタバコを口にやると、また灰皿に無造作に置いた。
「ふふふ、若いっていいわね。彼は逞しかったの?」
「…え?あ、あの、僕はそんな、その…」
 そんな彼の様子がおかしかったのか、また彼女はくくっ、と笑う。
 私はその光景をぼんやりと見つめていた。
 自分の事を言われているのだけれど、まったく気にならない。
「…それで、祐子。これはあくまで確認の為にもう一度訊ねるけど…」
 そう言うと、叔母はわざとらしく椅子に座り直す。
 キャスターが軋み、嫌な音を立てた。

「本当に、生徒会室での乱交騒ぎは無かったのね?」

555名無しさんだよもん:04/02/25 01:01 ID:myiLC1Rt

「…はい。私と藍原くんで一緒に調査しましたけれど、
 別にそれらしい証拠は見つかりませんでした。そうよね、藍原くん?」
「…え、あ、はい、そうです。生徒会の人も見つかりませんでしたし…」
 叔母はそれを聞くと、ふーっと煙草の煙を大きく吐き出した。
「何も無かった、というわけね。うん、上出来上出来」
 私が煙草の匂いに顔を歪ませていると、
「煙草は苦手?これに慣れておかないと、大人になれないわよ。
 …それとも、昨日のうちに大人になっちゃったかしら?」
「…な、長瀬先生!」
「…叔母さん」
「冗談よ、御免なさいね」
 叔母はそう言いながら再びにやりと笑う。そういう女性なのだ。
「ありがとう。後は警察に任せるからあなた達はお役御免よ。帰っていいわ」
「…わかりました。それじゃ、お疲れ様でした」
「…さようなら、先生」
 私は藍原くんの後ろを付いて、職員室を後にする。
「叔母さん――」
 そして、ドアを通り抜ける直前、踵を返す。
「ん?どうしたの、祐子?」
「私、もう大人だよ」
 何の事だか分かっていない叔母を尻目に、私はドアを閉めた。
 
556名無しさんだよもん:04/02/25 01:02 ID:myiLC1Rt

「うわぁぁっ、あっ、あぁっ…!」
「それで?ちゃんと学校側は騙せたのね?」
「…は、はい!そうです!嘘をついてきました!祐子さんと一緒にぃ…!………!」
 瑞穂くんの身体に絡みつくように、白い指が這いずり回る。
 脳髄を電波で犯されているから、それだけで絶頂が訪れる。
 びくびくと身体が震え、瑞穂くんは正体を失って床にどさり、倒れる。
 精液でどろりと粘つく手の平を、月島さんは陶然とした表情で見つめていた。
「ふふ…うふふ……あはははは………愛してるわ……」
 そしておもむろに舌を伸ばし、一滴も残すまいと淫らな音を立てて舐めとった。
 照明の落とされた生徒会室の中で、月の光だけが私たちを照らしている。
 蛍光灯の偽りの明るさの下で冷たい刃物のように凛と光る彼女の顔が、
 淫らな液にまみれながら月の明かりを浴びて妖美に輝いていた。

「拓美さん……拓美さんっ…………!」
 私はその姿を見ただけで、精神的な絶頂へと追いやられていた。
 脳髄を電波で犯されているのは、瑞穂くんだけではなかったのだ。
 部屋の壁に寄りかかりながら、うっとりと彼女の媚態を眺めていた。
 太田くんに流し込まれた精液が、秘窟からとろりと垂れてきた。
「んっ…!」
 こぼれた精液がお尻の穴をくすぐるこの感じが好きになった。
 前と後ろを一緒に犯されているような錯覚を起こすから。

557名無しさんだよもん:04/02/25 01:02 ID:myiLC1Rt

 あの夜、叔母さんに命じられて校舎を調査していた私と瑞穂くんは、
 生徒会室で行われていたいやらしい行為と、その黒幕を知る事になった。
 自分達の貞操を失うことによって。
「ぅあぁぁぁぁーーーーーっ!」
「……………………」
「ゃ、やめ…っ!痛いよ、助けてっ……!」
「あははははっ!どう?どうなの?愛しの『叶人くん』と一つになれた感想は?
 嬉しいでしょう?感激でしょう?好きで好きで堪らなかったんでしょ?」
「……………………」
「やっ、か、叶人くん!叶人くんっ…!」
「痛いの?辛いの?もうやめて欲しい?」
「は、はい…もう、やめ…」
「…嘘つきは嫌いよ」
 月島さんが瑞穂くんのものを強く握りしめた。
 苦痛に歪んでいた瑞穂くんの顔が、さらに軋む。
 激痛と、それに伴う快楽に。
「あぅっ!あっ、ああっ…!」
「だったらどうしてこんなにココを硬くさせているの?
 好きだからでしょ?愛しいからでしょ?憧れの人のモノを受け入れられて!」

558名無しさんだよもん:04/02/25 01:03 ID:myiLC1Rt

 私はその光景を見ながら、自分を慰めていた。
 瑞穂くんが羨ましかった。
 月島さんと、太田くんと、二人に一緒に虐めてもらえる瑞穂くんが。
「…ん……ふぁ……ぅ…」
 汗と精液でべとべとになった身体を横たえて、床に乳房を擦りつける。
 硬くしこった乳首がタイルの継ぎ目に当たって、
 身体の奥のほうまでやんわりと痺れが伝わっていく。
 同時に、空いている手を秘裂へと持ってくる。
 月島さんにそうする様に申しつけられてから、下の毛は全部剃り落としてある。
 授業で体操服に着替える時、クラスの女の子達に気付かれやしないかと
 思っただけで絶頂してしまった事も一回あった。
 白く汚された姿をさらけ出している秘裂を、中指と人差し指でこじ開ける。
 熱く、どろつく感触が指先を犯す。
 それに構わず、私は秘窟の中を掘り進めていく。
 壁の内側を擦り、引っ掻き、撫で、突付く。
 思いつくだけの策を講じて、自分を絶頂の高みへと昇らせようとする。
「……っ……くぅ……ん……」
 なのに、届かない。
 あと一歩、手を伸ばせばそこに届く。その一歩が、どうしてこんなに遠いのだろう。
 助けて。瑞穂くん。太田くん。月島さん。誰か。誰でもいい。だれでもいいの。
 たすけて。いじめて。くるしめて。おかして。つきあげて。くるわせて。
 …こわして。


「欲しいの?」


559名無しさんだよもん:04/02/25 01:04 ID:myiLC1Rt

「あああああーーっ!」
 太田くんに抱きかかえられたまま、後ろから貫かれている。
 腰から下がどろどろに溶かされて、下から上へと流動する倒錯感がこみ上げてくる。
「お尻ぃ!おしりが、ああっ、熱、あ、あ、あぁぅっ!」
 そして、私の前を塞ぐように瑞穂くんのものが奥まで差し込まれている。
 硬く鋭い肉の凶器が、私を理不尽な悦楽の地獄へと叩き込む。
 それは、なんて甘美な地獄なんだろう。
「どうなの?二人のどっちのものがイイの?貴女を善くしてくれるの!?」
 瑞穂くんのものが好き。
 小さいけど、硬くて、強くて、ちょうどよくて好き。
 深くまで突き入れてはくれないけど、その分だけ速く出し入れしてくれるから。
「……うあ、あっ!あっ、あっ、あっ…!」
 あぁ…あんまり強くされてるから、うまく喋れない。
 それでもいいかな。また月島さんがお仕置きしてくれるから。
 今度は何をされるのかな。
 全校集会で教壇に登って自慰でもさせられるのかな。
 楽しみだな。

 ごわついた白い闇が私を包んでいく。
 私の中に突き立てられた『違和感』だけが、私を支配していく。
 ありがとう、叔母さん。
 あの夜ここに来なかったら、生きている意味なんて見つからなかったよ。

 叔母さん、私、もう大人だよ。

560元380:04/02/25 01:05 ID:myiLC1Rt
…ということで>>362さんのリクエストをあえて無視して
「一件落着しなかった後の、愛抜きの電波あるエチー」を書いてみたわけなんですが…
>>362さん、今、御覧になっていますか? 
あなたのリクエストはこんなことになってしまいましたw
…そのうちリクエスト通りに書くかもしれませんので、まあ、御容赦ください。

それでは回線吊って首切ってきます。
561名無しさんだよもん:04/02/25 21:02 ID:egqMWeaM
吊っちゃ駄目だ!!!Goodjob
562362:04/02/26 01:20 ID:k/tg46lm
>>560
…そうきましたか(w
こういうのを「予想の斜め上を行かれた」って言うんですかね?(w

これはこれで長瀬ちゃんは幸せになったみたいで。
グッジョブ!


>>552
なんか久瀬が普通に生徒会長だ(w
ガラス割り事件が無いだけで、こうも印象が変わるのか。

まさか彼まで女装の道には…行かないよね?ね?
563名無しさんだよもん:04/02/26 05:33 ID:uRU69Vhi
>>553-560
もうね、ハァハァですよ。GodJob!!
首切っちゃ駄目です!
564名無しさんだよもん:04/02/26 23:07 ID:qVuMIjuL
 火曜日、例によってあゆが名雪を起こせなかったとか、ジャム山盛りはお約束。
 それ以外は特に変ったこともなく時間が過ぎていき、無事授業終了。
 なお今日の居眠りは4時間目の途中からと5時間目の半分だけ。罰金210円。
 放課後、陸上部名雪捕獲部隊通称「スリープハンター」5名が名雪を強制連行。
 ちなみにこの名称は七瀬さんが教えてくれた。命名は北川君とか。
 ああやっぱり昨日は、部活さぼりと言うことになったらしいね。
「さあ部長行きますよ、今日はきりきり働いていただきますからね」
 苦労性っぽいこの子は副部長さんかな?きっと名雪のフォローが大変なんだろうな。
 でもみんな楽しそうでもあるね、名雪のことが好きなんだ。
 うん多分名雪はムードメーカー、実務の束ねは副部長ってところかな?

「うー、しょうちゃん、昨日は仕方がなかったんだよ。わたしのせいじゃないんだよ」
 うん、まあ確かに昨日(だけ)は、そのとおりだ。自業自得でもあるけど。
「言訳はもう聞き飽きました。またいちごサンデーですね」
 しょうちゃんがそう決めつけるのも無理はないのだろう、他の4人もウンウンと頷く。
「信じて、違うんだよー。香里ー親友でしょ、黙ってないで助けてよー!」
 名雪が助けを求めたけど、香里さんはただ一言。
「わたしには、部長のくせに部活をさぼる親友なんていないわ」
 あっ、酷っ。当事者なのに。
「わー、香里の薄情者ー!」
「さっ、ぐずぐずしないで、とっとと部活に行きますよ。みんな行くわよー」
「「「「イエッサー!」」」」
 ザッザツザッ、まるで軍隊の行進のように足並みをそろえて陸上部一同退場。
 名雪はいつの間にか簀巻きで猿ぐつわ、これって拉致じゃないの?

 



 
565名無しさんだよもん:04/02/26 23:09 ID:qVuMIjuL
 妙に簀巻き姿が似合う名雪をお見送り?した後下校する。
 今日は栞ちゃんが逃走したらしく、香里さんが不機嫌。本当に可愛いんだね。
 でも、これじゃあほとんど家庭内ストーカーだよ。
 今日はあゆは当番とかで、校門には真琴だけが待っていた。
 それで今日もぴろと遊ぶために天野家に行く約束だそうだ。
 でしばらく、天野さんが出てくるのを待っていたのだけど。
 先に出てきた佐祐理さんと舞に捕まってしまった。
「あははー、祐美さん、真琴さん、今日はわたしのお家に行きましょうー」
「佐祐理の言うことを聞く」
 佐祐理さん、今日はやけにテンション高い。舞はいつも通りだけど。
 それとご招待はありがたいけど急な話だ。一応こちらにも予定が有るんですけど。

「でも、今人を待っているんですけど」
「そうよ、美汐を待ってるんだからー!」
「あははー、その人も一緒に来ればいいですよー」
 佐祐理さん口調は柔らかだけど、有無を言わせぬ意志の強さを感じるわね。
 でも真琴にすがるように見つめられているし。
「でも、ご迷惑じゃないですか?」
「えー、わたしのお家には来てくださらないんですかー?わたしが嫌いなんですかー?」
 うっ、佐祐理さんそのうるうる上目遣いは反則。
「えっ、あ、あの、別にそう言うわけじゃあ」
「あぅー、別にそんなことないわよー」
「佐祐理を悲しませるものは許さない」
 ぐっ、舞は淡々とした口調と無表情だけど、ある意味香里さん以上に怖い。
 これあきらかに脅迫だよね。わーどうすればいいのかしら?





566名無しさんだよもん:04/02/26 23:10 ID:qVuMIjuL
「校門の前で騒ぎは困りますね。まったくいったい誰なんですか?」
 救世主登場、この声は久瀬さんだ。……と思ったのだけど。
「げっ、倉田さん。し、失礼しましたー」
 佐祐理さんだとわかった途端に、突然真っ青な顔になりきびすを返して逃走。
 今のはいったいなんなの?とにかくすごいうろたえ方ね。
「今のは久瀬、また逃げた」
「あははー、どうしてでしょうね?変な久瀬さんですねー」
 なんだろう久瀬さん、佐祐理さんをひどく苦手にしているみたいだけど?
 佐祐理さんと舞の方は特に気にしていないようだし、不思議ね。

 結局天野さん共々倉田家に引っ張って行かれた。佐祐理さんは見かけによらず強引だ。
 天野さんは騒ぎが嫌で近づけなくて、離れたところから様子を見ていたようだけど。
 持ち前の律儀さから逃げれないでいるうち、真琴に発見されて一蓮托生ってわけ。

 まあ覚悟を決めてしばし歩くと倉田家に到着。うっ、大邸宅って言うのが素直な感想。
「あぅー、おっきいお家」
 真琴なんか、それっきり声もないようだ。
 佐祐理さんと一緒だから入れるけど、一人はとても遊びになんて来れないわね。
 ただ舞は全然平気のようだ。慣れているせいか?いや舞は最初からこうだろうな。
 真琴は緊張してギクシャク歩いているし、天野さんも内心は緊張しているようだ。
 いつもの落ち着いた態度で外には出していないけどね。

 先に帰っていたらしい一弥君がお出迎え、今日の服装はなんとメイドスタイルだ。
 本人はもうあきらめの境地みたいだけど、この姿も実によく似合っている。
「いやー、ぼくは姉さんの着せ替え人形だから」
 ご愁傷様。でもわたしも弟を着せ替え人形にしてみたかったかも。

567名無しさんだよもん:04/02/26 23:18 ID:qVuMIjuL
 真琴が羨ましそうに見ていたら、いつの間にか全員が同じ格好になる話になった。
 なんでこんなことになったのか?佐祐理さんって教祖か詐欺師の才能有り?
 でまあ着替えた。なぜか天野さんだけ割烹着姿。大正時代の女中さん風?似合いすぎ。
「なんでわたしだけこうなんですか?」
「あははー、とってもお似合いですよー」
「佐祐理の趣味最高」
「美汐、イメージピッタリ」
 わたしも同意するけど、天野さんはやや不服そうだ。

 更に佐祐理さんは一弥君と真琴の制服を取り替えさせた。
 この二人は体格似てるから丁度いいらしい。でもだからってさせる?
 まあこの人には逆らえない。後免ね真琴弱いわたしを許して、なんちゃって。
 ところで普通男子生徒に制服を貸すなんて嫌だと思うのだけだ。
 真琴は一弥君なら別にいいって言ってた。もしかして男性として認識されてないの?
 でも考えてみたら、わたしも一弥君なら別に気にならないな。
 さてそれはそれとして、真琴が体育祭の応援団みたいで可愛い。
 一弥君は清楚な女学生の趣だ。わたし達は一弥お嬢様に仕えるメイドかな?
 大正ロマンの世界観だろうか?

568名無しさんだよもん:04/02/26 23:19 ID:qVuMIjuL
 気がついたら、佐祐理さんの指導の元夕食を作っていた。真琴は再びメイドスタイル。
 更にそのまま夕食をごちそうになる約束になっていた。
 うーんおかしいなあ、完全に佐祐理さんのペースに乗せられてるよ。
 秋子さんに連絡し了承を頂く。背後にかすかにあゆの声が聞こえた。
 佐祐理さんはお料理上手、秋子さん級か?とにかく夕食は美味しかったです。
 夕食後帰宅すると想像通りあゆが膨れていた。
「うぐぅ、ぼくもおよばれしたかったよー」
 これは見越していたので、たい焼きを進呈するとすぐに機嫌が直った。お手軽だ。
 名雪はもう寝ていた。まだ7時30分だよ。居眠り対策だろうか?

 ところで佐祐理さんの部屋で、十歳ごろの佐祐理さんの写真を発見したのだけど。
 写っているのは女の子4人、佐祐理さんと舞、一人は多分一哉君
 あともう一人、佐祐理さんより少し年下で目が悪いのか目を細めている子がいる。
 かなりの美少女で、どことなく見覚えのあるような顔だがだれだろう?
569名無しさんだよもん:04/02/27 02:54 ID:cNXiuM8r
やはりw
もうこの世界ではY染色体がレッドデータブックにのるんじゃないのか
570名無しさんだよもん:04/02/27 10:41 ID:ZGGVvKDm
四人目の子が誰なのか、しばらく首を捻ってしまった。

とりあえず佐祐理さん最強すぎw
571名無しさんだよもん:04/02/28 13:08 ID:4OCZNFGa
 水曜日、真琴は名雪を起こせなかった。再び連敗が始まるのか?
 せめて今回は記録更新とならないことを切に祈るのみ。
 名雪は根性でか午前中起きていた、がついに4時限目終了5分前に机に倒れ伏す。
 そのまま昼休みが終わるまで起きない。おいおい。
 そして午後も根性で起きている。あるいはお腹が減って眠れないのか?
 多分それが正解か?休み時間に必死で弁当をかき込んでいた。
 でお腹が膨れたら、やっぱり努力の甲斐無く6時限目は熟睡。
 結局今日も罰金210円。報われないわねー。
 なにか無駄な努力だとも思うけど、止めなさいとも言えないしねー。あーあ。
 その後眠ったまま陸上部員に運ばれていきました。
 部員の皆さんもご苦労様なことですが、あれで部活になるんでしょうか?

 続いて、香里さんが栞ちゃんを小脇に抱えて走り去る様を目撃。
 七瀬さんと顔を見合わせて嘆息する。ここには常識人はいないのか?
 北川君がぽっつりと呟く。
「類は友を呼ぶ」
 失敬な、腹が立ったので例の写真の件を追求。でも北川君は全然動じなかった。
「ああ、あれね。うん毎年のことだから」
 反応が無くてなんかつまんない。もう少し詳しく聞いてみると。
 つまりは、中学校以来毎年文化祭には女装させられているってことだそうだ。
 もう慣れっこだし、余興と割り切っているから気にならないんだって。
 そう言われるとそんなもんかもしれないね。趣味じゃないのはやや残念。
 まああとは佐祐理さんに捕獲されないことを、影ながら祈っておくよ。

 今日は校門の前はあゆだけ、真琴は用事で遅れるから少し待って欲しいんだって。
 時間つぶしに、あゆと一緒に名雪の部活の様子を見てみることにした。
 普段が普段だから、ちゃんと出来てるのか心配だったんだけど。
 これが思いの外きっちりやっているんだ。
 部外者だからよくわからないけど、テキパキと指示を出して部員の信望も厚そうだ。
 走る姿もなんか凛々しい。普段もあの半分、いや1/5ほどシャンとしてくれれば。
 男の子に人気があるのも当然と納得。
 もしかすると、ブルマー姿と健康的な太股が人気の元かもしれないけどね。
572名無しさんだよもん:04/02/28 13:09 ID:4OCZNFGa
 真琴と合流 別に用がないからこのまままっすぐ帰っても良いのだけど。
 ふと思いついて図書室を覗いてみた。なにか面白い本があるかな?
 うちの学校は見学に寛大らしく、中学生はかなり自由に出入りできるんだって。
 と言うわけであゆと真琴も着いてきている。
 入ってすぐのカウンター、良く知った顔がいる。天野さんだ。
 天野さんは図書委員だったらしい。真琴が駆け寄ろうしたから、慌てて止めた。
 図書館ではお静かに。

 天野さんに挨拶したあと、読みたい本の場所を尋ねてそのコーナーへばらける。
 わたしは歴史関係、中国史の本などあさってみる。
 いくつか興味深い本を見つけ、それを片手に真琴とあゆを探す。
 あゆは実用書のコーナー、お菓子づくりの本を眺めていた。
 真琴は漫画はないから少女小説を読んでいる。横にはなぜか七瀬さん。
 感動したのか泣いてるよ、結構少女趣味。まあこれは見なかったことにしてあげよう。

 あっ、久瀬さんがいるね。難しそうな顔で哲学書でも読んでるのかな?
 と思ったら、なんだSFだ。机の上はハインラインにアシモフか、まあ古典だね。
 今読んでいるのは「光の王」、あれ好き。趣味が合うかも、少しだけ親近感。
 探してみると、なにげに早川や創元の初期の本が一杯。
 バローズの火星シリーズとか、キャプテン・フュチャーとか。
 誰の趣味だか知らないけど、すごいねまた来てみよう。
 実は古い本とかアニメが好きなのはお父さんの影響。家にごろごろしてたからね。
 で結局、真琴の読みかけの本と後漢書列伝訳本の文庫本を借りて帰る。
 その時に、ぴろと遊ぶべく天野さんと真琴が約束。美子ちゃんに会うのが楽しみだ。
 名雪は夕食前に糸目で帰宅、食後はお風呂に入ってすぐに寝ちゃった。

 木曜日、今日も名雪は起きない。その代わりというか、ついに午前中居眠り無し。
 しかし弊害が大きい、これは止めさせた方がよいかも?
 午後は6時間目の残り15分でついに力つきる。結局罰金105円。
 当然のように今日も部員に運ばれていった。あるいはあれで結構体力が付くのかも?
573名無しさんだよもん:04/02/28 13:11 ID:4OCZNFGa
 放課後また佐祐理さんに捕まった、舞はもちろん一緒。でも今日は真琴が抵抗。
「真琴は今日こそぴろと遊ぶんだからー」
「ぴろってだれ?」
「ぴろは真琴の猫よー」
 正確には真琴のじゃないけどね。
「猫さん、嫌いじゃない」
 舞の表情がうっとり。多分動物が好きなんだね。
「あははー、舞は猫さんと遊びたいんですね。佐祐理はそれでかまいませんよー」
「えっ、ちょっと待ってください」
 天野さんはちょっと困惑していたけど、真琴のうるうる攻撃で陥落。
 結局都合5名が天野さんのお宅に伺うことになった。

 美子ちゃんは、佐祐理さんと舞にもすぐ懐いた。人見知りしない子だね。
 舞はぴろがお気に入りのようだ、真琴を真似て頭の上に載せたりしている。
 珍しく無防備に笑っている。和むわね。

 佐祐理さんは美子ちゃんに猫しっぽ付きメイド服を着せて悦に入っている。
 鈴付き猫耳帽子もセット。なぜそんなものを持っていたのか理解不能だけど。
「で○こ?」
 なにか真琴の知っているキャラクターだったらしい。漫画なの?
「美子ちゃんはで○こちゃんにょ。可愛いにょ」
 語尾がどこか変だがやたらに可愛い。なんか抱きしめてずっと放したくない。
 お持ち帰りしたい衝動って必死に戦ってところだね。
 しかし、真琴は美子ちゃんと同レベル?いいのかなー?
 ところで天野さんは、なんとなくそう言うのは嫌がる人だと思っていたのだけど。
 美子ちゃんが喜んでいるから別にいいらしい。
574名無しさんだよもん:04/02/28 13:12 ID:4OCZNFGa
 あと佐祐理さんは明日お弁当をごちそうすると言って聞かなかった。
 いろいろと迷惑かけたからお詫びだそうだ。
 さすがに人を騒動に巻き込んでいるという自覚は有ったんですね。
 それで返事の方だけど、恐縮しちゃうけどこれが断れないんだよね。
 まあ純粋にお弁当が楽しみではあるけど。
 ちなみにあゆと真琴は昼休みに食べに来るって、ここは本当に自由だね。

 帰宅後名雪の御弁当のことを思い出した。それで正直に事情を話したんだけど。
「うん別にいいよー。学食のAランチが楽しみだからねー」
 なにかうっとりとした表情だ。Aランチってそんなに美味しいのだろうか?
 たまには学食もいいから、今度食べてみようかな。
 そんなこんなで、今日も楽しい1日でした。
575名無しさんだよもん:04/02/28 13:19 ID:4OCZNFGa
今回はいつにもましてまったりです。動きがない。
×お持ち帰りしたい衝動って必死に戦ってところだね。
○お持ち帰りしたい衝動と必死に戦ってところだね。
×お持ち帰りしたい衝動って必死に戦ってところだね。
 ↓
お持ち帰りしたい衝動と必死に戦ってるってところだね
 もしくは
お持ち帰りしたい衝動と必死の戦いってところだね
 では?

蛇足でしたが、何はともあれグジョーブです。
577名無しさんだよもん:04/02/28 21:35 ID:5KWqKN4y
グッジョーブだ!!!!!
578名無しさんだよもん:04/02/29 01:26 ID:WwvlVEb+
お持ち帰り(・∀・)イイ!
衝動と戦わず、そのまま突っ走れ!(;´Д`)ハァハァ。
579名無しさんだよもん:04/02/29 01:40 ID:J+3ytowr

「ねえ、蝉枝。今から外に行こうよ。僕が案内するからさ」
 蝉枝の部屋に入るなり、僕はそう切り出した。
 ベッドに座ってた蝉枝の手を握って、ぐいぐい引っ張る。
 握った蝉枝の手は、柔らかかった。
「街は昨日案内してもらったが」
「でもさ、お昼でしょ?昼と夜じゃぜんぜん違うんだよ〜」
「そういうものなのか」
「そういうものなのだ」
 蝉枝の言い方に合わせて、僕も蝉枝っぽくしゃべってみた。
 なんだかちょっと偉そうだった。ヘンな感じ。
 蝉枝は腕を組んでむぅ、と少し考えたあと、
「少々時間をくれ。覆製身に了承を取る」
 と言っておばあちゃんの所へ行ってしまった。

 一人ぼっちになってしまった僕は、蝉枝の部屋をきょろきょろ見回してみた。
 部屋の中は、蝉枝が来る前となんにも変わってなかった。
 ドラマとかで見た女の人の部屋とは、ほんとにぜんぜん違ってた。
 昔の女の人ってこうだったのかな?それとも蝉枝だけそうなのかな。

 そんな事を考えてたら、蝉枝が部屋に入ってきた。
「許しが出た。ただし、私の側を離れるな」
「うん!そんじゃ、行こ!」
 僕は蝉枝の腕を引っ張って、玄関にダッシュした。

580名無しさんだよもん:04/02/29 01:41 ID:J+3ytowr

 そして、僕はいま、蝉枝と手をつないで歩いてる。
 堤防のコンクリートの道は、海から吹いてくる風で涼しいから好きなんだ。
「涼しいね、蝉枝」
「風が心地良いな」 
 蝉枝の手は大きくて、あったかい。
「ねえ、夜はどうだった?やっぱり違う?」
「ああ…何もかもが違う。人工の光に満ちた…明るい、夜だ…」
 夜が明るい?
 蝉枝はヘンなことをたまに言う。それで僕をおかしくさせるときがある。
「あははっ、ヘンな蝉枝。夜は暗いものだよ〜」
「…そう、だったな。ふふ…」
 自分が言ったことがおかしかったみたいだ。蝉枝も笑い出した。
 僕は、蝉枝の顔をじっと見ていた。
 蝉枝はいつも恐い顔をしてるから、こんな風に蝉枝が笑うことなんて見たことがなかった。
 蝉枝の笑顔が、ライトの光ではっきり見えた。
 きれいだった。

「…どうした、月弥。私の顔が可笑しいか?」
「あ、う、ううん?なんでもないよ?平気だよ?おかしくないよ?」
 …また、いつもの恐い蝉枝に戻っちゃった。
「あ、そうだ。ねえ蝉枝、ちょっと寄り道していい?」
「少しならな」
「うん!こっちだよ!」
 本当のことを言います。
 僕は、蝉枝をそこに連れて行きたかったんです。

581名無しさんだよもん:04/02/29 01:42 ID:J+3ytowr

 堤防が海に突き出しているところまで、蝉枝と一緒に走ってきた。
 やっぱり蝉枝はすごい。けっこう速く走ったのに、ぜんぜん息が切れてない。
 僕は堤防の先っぽまでてくてくと歩いていく。
「ほら…海が黒いよ。昼間はあんなに明るかったのに」
「月弥、危ないぞ」
「平気だよ。ほら!」
 僕は一番先っぽまで行くと、スニーカーを脱いでそこに座った。
 足をぷらぷらさせてると、たまに波がかかって気持ちいいんだ。
「蝉枝もやってみる〜?」
「いや、結構だ」

「…本当は、ちょっと怖いんだ」
 右足に波のしぶきが当たった。冷たい感じがする。
「ちょっと怖いけど…でもね、ほら、海がざあーっ、ざあーっ、って音がするでしょ?
 それを聞いてたらね、なんだか懐かしい・・・のかな。そんな感じになっちゃうんだ。
 …なんでだろ?」
「……」
 蝉枝は、何も言ってくれなかった。
 だけど、無視されたりとかっていう感じじゃない。話を聞いてくれてる。
 そんな気がした。

582名無しさんだよもん:04/02/29 01:42 ID:J+3ytowr

「ねえ、蝉枝」
 僕は蝉枝に振り向いて、聞いてみたかったことを聞いてみた。
「この辺りって、蝉枝がいた頃と比べて変わっちゃった?」
「私が暮らしていた頃、ここにはこのような…」
 蝉枝は足元のコンクリートの床を、ドアをノックするみたいに人差し指で叩いた。
 こつ、こつ、こつ。
 固い音がした。
「近未来的な建造物は存在していなかった。道路も無く、街灯さえも無い。
 ただ一面の砂浜だけがあった」
「そっか…やっぱり、違うんだ…」
 僕がいま見ている景色は、蝉枝が見ていた景色とは違うらしかった。
 蝉枝の時代の景色って、どんなだったんだろう?
 一回見てみたいと思う。
「その景色って、きれいだった?」
「…とても美しかった……」
「それじゃ、今の景色はさびしい?」
「特に感慨は無い」
「カンガイはない、って?」
「…思う所は無い、と言う事だ。わかったか?」
「…うん」
 蝉枝は、この景色を見てもなんとも思わないのかな…。
 でも、さびしくないってことはいいことなのかな。
 …よくわかんないや。蝉枝の言葉は難しいから。

583名無しさんだよもん:04/02/29 01:43 ID:J+3ytowr

「本当はね、もう一つ蝉枝を連れて行きたいところがあったんだ」
「ここではないのか?」
「うん。もう少し高い所…」
 僕は空を指差した。
 そこには数え切れないくらいの星がきらきらと輝いている。 
「夕のやつから、さっき聞いたんだ。
 あと1週間くらいかしたら、あの南の空の向こうに…」
 足を堤防の上に持ち上げて、そのままごろんと寝転がった。
 蝉枝の顔の向こう側に、夜空が光ってた。
「流れ星の軍団がやってくるんだって」
「集団か」
「うん、それ。だからここに来たんだ。蝉枝に見てもらいたくって」
「そうか…」
「でも、まだ見えるわけないんだよね。
 ごめんね、ちょっと早かったよ」
 すごく残念だった。
 流れ星を見られなかったことよりも、蝉枝に見せてあげられなかったことの方が悔しかった。
「月弥、落ち込むな。その気持ちだけで充分嬉しい」
 だから、この言葉を聞いたとき、僕は本当に嬉しかったんだ。
「うん…ありがとね、蝉枝」

「これ以上の長居は危険を招くとも限らない。帰るぞ」
「うん…」
 僕は立ち上がって靴をはいて、背中の砂を手ではたいて、
 また明日来るからね、と海におやすみのあいさつを言った。

584名無しさんだよもん:04/02/29 01:44 ID:J+3ytowr

 そのとき、僕は見たんだ。
 夜の向こうの、雲の向こうの、星空の中から、一つの星が線になって落ちてきたのを。
「あっ…」
 空に引かれた一本の線は次の瞬間にはもうなくなっていて、
 それを見ていた僕の頭の中にだけ残った。
「ねえ、蝉枝も見た!?」
「ああ」
「うわ〜…すごいよ!いっぱいお願いごとしちゃったよ〜!」
 流れ星を見たのは初めてじゃなかったけど、とても嬉しかった。
 今までで一番嬉しかったと思う。
「何を願った?」
「ひみつだよ〜ん」
「む」
 …言えないよ。蝉枝にだけは。
「きれいだったね…たった一瞬だったのに、すごく光ってて、きれいだった」
「人と同じだ。人は一瞬しか輝けない。だから、その一瞬に全てを掛ける。
 それが人間というものなのだ…人間、という…」
「蝉枝…」
 蝉枝はヘンなことをたまに言う。それで僕をおかしくさせるときと、悲しくさせるときがある。
 気がついたら、僕は蝉枝の手を握っていた。
「もう帰ろっか。おばあちゃんも心配するし」
「…ああ、そうだな」
 僕たちは、おばあちゃんが怖い顔して待ってるはずの家へと急いだ。

「あ、蝉枝は何をお願いしたの?」
「秘密だ」
「むー」

585元380:04/02/29 01:47 ID:J+3ytowr
…ということで>>508-510の続きを書いてみたわけなんですが…

二人をほのぼのさせてみました。
それでは回線吊って首切ってきます。
586名無しさんだよもん:04/02/29 11:02 ID:bWoyJpEu
禿しくGJ!(・∀・)b
切っちゃダメですw
587名無しさんだよもん:04/02/29 18:55 ID:x4TO4Ufg
 金曜日、さわやかな目覚めだ、しがみつかれるのはもう慣れた。
 それにしても、今日は佐祐理さんの御弁当が楽しみだ。
 でもまた名雪が起きなかった。真琴の様子が哀れでわたしも協力するけど効果無し。
 初めて名雪の部屋に入った、普通の女の子の部屋だ。大量の目覚ましを除けば。
 ザッと見て30個はあるそれを急いで止める。名雪は例のケロピーを抱いて熟睡。
 無心で可愛いのだが、起こす立場になるとこのお気楽な顔が憎たらしいかも。
「なぜ彼女を殺したんだ」
「それは、起きなかったから」
 これじゃあサスペンスにならない。いけない、現実逃避しちゃったよ。
 でやはり秋子さんの降臨を願うことになる。二人がかりで女の子一人起こせないとは。
 少々情け無いなあ。

 今朝の名雪は遅刻、わたしの転校以来初めてだ。これが日常になりませんように。
 とりあえず無事昼休みになった。佐祐理さんの指示通り屋上に通じる階段を上る。
 佐祐理さんが笑顔でお出迎え。舞も無表情で手を振る、でも口はもぐもぐ。
 おいもう食べ始めているの?このお姉さんは常にマイペースだ。

「お帰りなさい。御飯にしますか、それともお風呂に?」
 佐祐理さんがいきなりボケを振ってくる。
 そうきたら、もちろんこっちも応えなくてはなるまい、それが礼儀だ。ちと違うか?
「いいや、食べるのはお前だー」
 佐祐理さんを押し倒し体に覆い被さる。女同士で何やってるんだろうね。
 舞が突っ込んでくれない。むなしいが誰か止めてくれないと止めるに止められない。

 もうやけくそだ、せっかくだから制服に手を入れ佐祐理さんの豊かな胸を堪能する。
 下着の手触りがすべすべ、ひょっとしてこれがシルクってやつ。さすがお嬢様。
 お肌の方ももちろんすべすべ、しかもしっとりと手に吸い付いて来るみたい。
 そうよね、女の子の体って本来こうゆう柔らかなもののはず。自分は骨皮だから。
 佐祐理さんもわたしの制服に手を入れてくる。触り甲斐が無くて申し訳ない。
 結局、あゆと真琴がやってきて止められた。舞、ちょっと冷たいぞ。
 幸い遅れてきた天野さんには見られなかった。彼女こういうの嫌いそうだからね。
588名無しさんだよもん:04/02/29 18:56 ID:x4TO4Ufg
 佐祐理さんの御弁当は豪華5段重ねのお重、女の子6人には多すぎるかな?
 あゆなんか驚愕して固まっているよ。そう言えばあゆは佐祐理さんの料理は初めてだ。
 幸い後頭部を軽く叩くと再起動したのでOK。
 それにしても豪華弁当なんだけど、量の方もこれまた相当に多いよ。

 でも心配無用だったね、黙々と食べる舞の口にどんどん消えていく。
 っていうか最後は、舞とわたし、真琴の3人で取り合いになった。
 と言っても実態は舞の圧勝。二人がかりでも勝てない。
 後で振り返るとどうも大人げなかったね。天野さんにあきれられちゃったよ。
 でもね、考えてみると舞は年上なんだけど。
 御弁当は当然ながら美味しかったです。わたしももっと精進しよう。
 ああそうだ、あゆは感動と緊張のあまり、あまり食べられなかったらしい。

 ところで、なんとこの日はついに名雪は全授業起きていた。快挙だ!
 ただ反動が怖いんだよね。
 でホームルームが終わった途端に机にバッタリ、部員の皆さんご苦労さん。

 帰宅後夕食のお手伝いをしていると、名雪がやけに上機嫌で帰ってきた。
 まあついに居眠りしなかったから当然かも。でもそれだけではなかったらしい。
「えへへー、斉藤君がご褒美にいちごアイスを奢ってくれたんだよー」
 斉藤君は名雪のフォローに回ってくれたのかな?
「この間、居眠りしなかった日は奢ってくれるって言ってくれたんだよ」
 なるほどこの前名雪が上機嫌だったのは、斉藤君のその約束のせいなんだ。
 斉藤君って優しいんだ。すごいいい人じゃないの、これは要チェックだね。
 しかし上機嫌なせいか、こっちが聞かなくてもべらべら良くしゃべってくれる。
 この子に隠し事は無理っぽい、少なくとも嬉しいことについては。
 機嫌がよいせいか、名前をさん付けで呼び合うようにしようと提案された。
 まあ苗字で呼ぶのはよそよそしいもんね。特に依存はない。
 実は名雪はちゃん付けにしたがったのだけど、それは丁重にお断りした。
589名無しさんだよもん:04/02/29 18:57 ID:x4TO4Ufg
 夕食後、栞ちゃんから電話があった。どこからかお昼の件を聞きつけてきたらしい。
 情報源は天野さんあたりか?
「祐美さん、わたしを仲間はずれにするなんて酷いです」
 声の様子だと、結構怒っているようなので一生懸命宥める。
 で話しているうちにいつの間にか、明日のお昼一緒に御弁当を食べることになった。
 誘われたのは名雪、あゆ、真琴、天野さんとわたし。もちろん香里さんも来るそうだ。
 御弁当は栞ちゃんが作ってきてくれるんだよ。楽しみね。
「明日は張り切って作ってきますね」
 うん、かなり気合いが入った声だね。頑張ってね。

 ところが、電話を替わった香里さんのセリフときたら。
「相沢さん、あなたもお気の毒様ね」
「なにそれ?どういう意味?」
「言葉通りよ」
 いや全然訳がわからないんですけど。
「そんなこというお姉ちゃん大嫌いですぅ」
 電話の背後で栞ちゃんが騒いでいたわね。仲のよい姉妹だこと。

 電話が終わった直後、ちょんちょんとあゆに肩を突かれる。
「あのねえ祐美さん、明日は胃薬を持っていった方が良いよ」
「そうよ、絶対に必要なのよー」
 真琴も同調。理由は教えてくれなかったけど、もしかして栞ちゃん料理が下手なの?
 その疑問には、あゆと真琴、二人で声をそろえて回答してくる。
 そうじゃないけど、絶対に準備しろ。出来れば舞を呼んだ方がいい?
 忠告に従い舞と佐祐理さんに連絡。快くOKがあった。
 しかしなんか不気味だ、気になってなかなか寝付けなかったりした。
590名無しさんだよもん:04/03/01 15:50 ID:rfLSlGv6
>>585
ほのぼのでありながら、
どこかハードボイルドちっくな蝉枝さんカコ(・∀・)イイ!
グッジョブ。


>>587-589
何気にソフト百合シーン(;´Д`)ハァハァ
ツッコミ役不在でのボケ合いは果てしなく危険だw
591名無しさんだよもん:04/03/02 20:56 ID:Z0IwH4Uq
591
592名無しさんだよもん:04/03/02 22:52 ID:ONSxzEeA
 土曜日、今日も名雪はぎりぎりで駆け込んでくる。寝てるようにも見えるけどね。
 まあとにかく無事授業も終了し、とりあえず昨日と同じ屋上の踊り場に向かう。
 ああ名雪は今日も居眠りしなかった、根性だね。ただ、また寝ちゃってるんだよね。
 だから今は、香里さんと二人がかりで引っ張ってるわけ。やれやれ。
 ところですごい大人数になってるけど、ちゃんと全員あの場所に座れるんだろうか?
 踊り場に付くと、佐祐理さんと舞が既にビニールシートを敷いて座って待っていた。
 残念一番乗りは逃したか。で佐祐理さんと昨日と同じボケをする。
 そうしたら香里さんに叩かれた。どこから取り出したのそのハリセン?
 痛かったけど、やはりボケには突っ込みがないとむなしいと再認識。
 心の中で彼女を突っ込みカオリン1号に任命する。もちろん口には出さない。
 その後すぐに天野さん、続いてあゆと真琴が到着し、一挙ににぎやかになる。
 この二人は一人で3人分うるさいが、二人そろうと相乗効果で10人分だ。
 これで後は栞ちゃんだけだが、既にせまっくるしい。本当に大丈夫なの?

 その後ようやく真打栞ちゃん登場、でも手ぶらだよ。御弁当はどこ?
 それにしても、校内でもストール常備なんだね。
「お待たせしました。お風呂にしますか、それともお食事ですか?」
 まさか栞ちゃんも同じボケをかますとは。しかし香里さんが怖くてボケはパス。
 さすがの佐祐理さんも初対面の相手には遠慮があるみたいで動きなし。
 もとより他のメンバーには期待できない、名雪なんか寝たままだし。
 しらけかかったところで、香里さんが応じる。でもこの人目がマジだ。
「食べるのは可愛い栞よー」
593名無しさんだよもん:04/03/02 22:54 ID:ONSxzEeA
 あっ、本気でパンツ脱がそうとしている。怪しげな道具をポケットから取り出すな。
 人前でそれはやばいって、この光景男の子がいたら鼻血で失血死だよ。
 香里さん、どういうものか栞ちゃんのこととなると羞恥も理性も無くなるらしい。
 既に乳房は丸見え、栞ちゃんやせてる割に胸があるね。白く綺麗な肌も羨ましいな。
 これはもう興奮ものですよ。などと冷静?に分析している場合じゃなかった。
 ようやく我に返り、これはやばいと栞ちゃんの貞操を守るべくハリセンで突っ込み。
 しかし、いつの間にハリセンなんか持っていたのだろう?覚えがないよ。

 さて香里さんも無事正気に戻ったが、御弁当はどこ?
 と、栞ちゃんがストールをサッと一振り。すると突然巨大な重箱?が出現。
「じゃーん、栞特製スペシャル弁当です。皆さんたくさん食べてくださいね」
 今の光景はなに?さっきまでは絶対になにもなかったよ。手品?四次元?
 これに比べたらさっきのハリセンなんて、不思議でもなんでもないね。
「続いてデザートです」
 もう一回ストールを振ると今度はクーラーボックスが、中身は間違いなくアイスだね。

 ところで突然のことに驚いてそれどころじゃなかったんだけど、この量多すぎでは?
 いくら舞がいても女の子9人では食べきれないよ。
 前の学校にいた黒髪の先輩なら楽勝だろうけどね。
 つまりは胃薬が必要って、この量のことだったわけだ。うむ。
「栞ちゃん、スペシャルはいいんだけど、量多すぎない?」
「これはわたしの気持ちなんです。みんなで御弁当を食べる。素敵です」
「いや、素敵はいいんだけど」
「無駄よ相沢さん、わたしと母も必死に止めたんだから。母なんて半泣きよ」
 まあお金もかかりそうだもんね、お母さんが泣くのは当然か。
 それにしても香里さんでも止められないのか、困ったものね。
594名無しさんだよもん:04/03/02 22:55 ID:ONSxzEeA
「それにしても多すぎ、せめて北川君や七瀬さんを誘ってくれば良かったかも」
 思わずそんな言葉が漏れると、佐祐理さんが突然魔法のバトン?を取り出した。
「あははー、それならわたしにお任せ下さい」
 えーと、お任せってどういうことだろう?
「マジカルサユリンの召還術ですよー」
 なんて言ってバトンを一振り、でもなにも起こらないんですけど。

 そうしているうちに
「お腹減った」
「あぅー、真琴も」
「うぐぅ、ぼくも」
「くー、わたしも早く食べたいおー」
 やれやれ欠食児童が4人。名前は言わなくてもわかるよね。
 って名雪起きてる?なんか語尾が変だよ。
「はいはい、たくさん食べてくださいね」
 栞ちゃんが言葉が終わるか終わらないかのうちに、舞が箸をのばす。
 わたしもお腹空いたし、たーべようっと。

 栞ちゃんの御弁当は結構美味しいけど、どうも味付けがちょっと甘めだね。
 卵焼きや牛肉をすき焼き風に煮たのとかはいいけど、たこさんウインナーまで甘いよ。
 なぜか美味しいのが不思議だけどね。

 突然頭上から人が降ってきた。な、なに?
 えっ、女の人?忍者装束?くのいち?担がれているのは七瀬さんだよ。
 続いて黒服黒眼鏡の一団が簀巻きにされた人を担いできた。久瀬さん気の毒に。
 その次は黒子が金髪の女の子を担いでくる。わあ北川君じゃないの?
 うわっ、ナチスの軍服みたいな集団が斉藤君を連れてきたよ。
 で今度は、メイドさんがセーラー服の女の子を担いでる。これは一弥君?
「あははー。倉田家くのいち部隊、黒眼鏡軍団、黒子隊、親衛隊、メイド隊の皆さんです」
 えーと、これもしかして全部佐祐理さんの仕業なの?
 お金持ちなのは知ってたけど、すごすぎ。倉田家ってどんな家なの?
595名無しさんだよもん:04/03/02 22:56 ID:ONSxzEeA
 巻き込まれた皆さん、久瀬さんと一弥君は慣れっこなのか割りと落ち着いてるけど。
 他の3人はなにがなんだかわかってないみたい。
 そりゃまあ北川君なんか、不思議の国のアリス風エプロンドレスだもん。
 突然さらわれた上にそんな格好にさせられれば、誰だってねえ。

「あっそうです、もう一人忘れてました」
 佐祐理さん、もう一度バトンを一振り。エッまだ呼ぶんですか?
 もう何でもありだね。もういいや気にせずに御弁当をパク付くことにする。
 ってまた頭上から忍者装束が、今度は男性?抱えているのは美子ちゃんだよ。
 これ幼児誘拐じゃないの。美子ちゃんはキャラキャラ喜んでるけど。
「これが倉田お庭番衆ですよー」

 頭痛い。
「もうこれで秋子さんがいたらオールスターキャストですね」
「あらあら呼びましたか?」
「って秋子さんいつの間に?」
「いえ何となく(どうもわたしの出番が少ないですから)」
「はー、そうですか」
 これ以上追求すると命に関わりそうなので、ここで矛を収めることにした。

 しかしわたしたちどうやってこの狭い踊り場にいられるんだろう?
「了承」
 ってなにを?
「お母さんが了承しちゃったから仕方がないんだよー」
 それでいいの?まあなんとなく納得できるけど。
「なゆねえ起きたんだ」
 名雪やっぱり寝てたんだ。まあそれはもう突っ込まないよ、疲れるから。
596名無しさんだよもん:04/03/02 22:57 ID:ONSxzEeA
 その後初対面の人もいるので全員が自己紹介。仲良く御弁当を食べる。
 人数が増えすぎて足りないかと思ったら、いつの間にか御弁当が増えてるわね。
 この味は佐祐理さんと秋子さんね。
 佐祐理さんの方はお供の人が持ってきたんだろうけど、秋子さんは謎だ。
 大体いつの間にか肉まん、たい焼き、牛丼、いちごサンデーまであるね。

 御弁当を食べ終わった後は、佐祐理さんに巻き込まれてコスプレの嵐。
 あゆが学生服になったり、裾を追ったりしてサイズが合わないのがまた可愛い。
 雰囲気に飲まれたのか天野さんと真琴、美子ちゃんがそろいの猫耳を付けたり。
 舞と香里さんの男装はデフォルト?
 わたしはなにかアンミラ風の衣装にうさ耳だよ。でも胸がぶかぶか、みっともない。

 しかしとんでもない大騒ぎだけど、どうして誰も注意しに来ないんだろう?
 ここは一応校内のはずだよね?それとも異空間なの?
「だってお母さんだからだよ」
 名雪、なんでもその一言で片づけるのはどうかと思うよ。気持ちはわかるけど。
 とまあそんな調子で今日は大変な一日でした。
 大騒動で忘れたけど、名雪は今日も部活があったはず。あーあ。
597名無しさんだよもん:04/03/02 23:03 ID:ONSxzEeA
前回の祐美、佐祐理さんに続き、今回の犠牲者(この表現がピッタリ)は栞ちゃんでした。
お弁当のシーン、最初は数人のつもりだったのに何時の間にか全員集合、
やはり多すぎですね。
まあ全員を顔見知りにしておけたので自分的にはいいかな。
598名無しさんだよもん:04/03/03 10:54 ID:W+9J1VWG
>>592-596
もう何がなんだかw
北川なんか普通に女装させられてるし。

もっとやってくれ。
599名無しさんだよもん:04/03/03 22:08 ID:8cRNbM20
 この街に来て2度目の日曜日、名雪は午後から練習があるそうだ。
 11時半過ぎたけど起きてこないよ、大丈夫なのかな?
 もうしょうがないな、日曜日は当番がないので全員で起しにかかる。
 部屋にはいるととにかく目覚ましの音が酷い、わたし達の方が難聴になりそうだよ。
 で起きないんだこれが、12時半分には出ないと間に合わないらしいんだけど。
 ぶっ叩くを含めたあらゆる選択肢を試すも、30分経っても起きない。
 今日は秋子さんはお出かけだから、わたし達で何とかしないとね。
 なんだけど、既に12時15分。もう駄目だー!
 もうあきらめちゃおうかな。わたし達のせいじゃない、起きない名雪が悪いんだよ。
 そんな気にもなるよね。と思ったら、やっと起きたよ。

 どうにか名雪を送り出したけど、疲れた。もうしばらくはなにもしたくない。
 あゆと真琴は完全にダウンしてる。わたしもほぼグロッキー。
 それに名雪はいちごジャムトースト添えを食べていったけど、わたし達はお昼まだだ。
 お腹空いたから、余計脱力感が……。でも作る気力もないよー。
 困ったことにこの家は簡単に食べられものがない。こうなると手作り主義も良し悪しね。
 しかし、そこまでしても結局出発は12時45分、多分間に合わないね。徒労?
 とは言っても、明日の御弁当と晩ご飯のおかずを見繕ってこないと駄目ね。
 しばらく休息してから、買い物に出かけよう。でも今だけはなにもしたくなーい!

 買い物に出たら同じくお使い中の一弥君に出会った。またメイドスタイルだ。
 うーんなにか一弥君が女装していても、なんの違和感も感じなくなった自分が怖いね。
「お姉ちゃんが買い物は絶対この格好で行けって言うんです」
 それはちょっと可哀想だな。でもわたしよりたくさんおまけしてもらってる。
 もしかして佐祐理さんそれが狙いなの?やはりお金持ちはけちなんだ。
 いやそうじゃなくて、生物学的な女はわたしなんだけどな。落ち込んじゃうよ。
 いくらなんでも男には見えてないと思うんだけどね。多分?
 ところで、あゆと真琴はまだダウン中、だから今は珍しく一弥君と二人っきりだ。 
600名無しさんだよもん:04/03/03 22:09 ID:8cRNbM20
 買い物が終わって、商店街の出口まで一弥君とお話しながら歩く。
 その時もしやと思って、久瀬さんが佐祐理さんを避けている理由を聞いてみた。
「ああそれなら、知ってますよ」
 駄目元って言うか軽い気持ちで聞いてみただけだけど、思いがけず回答有り。
 久瀬さん、実は子供の頃佐祐理さんに女装させられてたんだって。
 幼なじみで佐祐理さんの着せ替え人形1号だそうだ。そりゃあ逃げたくもなるわね。
 ちなみに2号が一弥君、3号が舞とか。もしかして4号以降はわたし達?

 花柄ワンピースでしかめっ面の久瀬さんなどを思い浮かべてしまい、失笑。
 でも久瀬さん、実は子供の頃はかなり可愛らしかったらしい。
 って、もしかしてこの間佐祐理さんの部屋で見つけた写真の子?
 その点も確かめてみたら、一弥君はこともなさげに答えてくれた。
「もちろんそうですよ。とっても可愛いですよね」
 一弥君、もう完全に感覚が麻痺しちゃってるんだ。佐祐理さんも罪作りだね。
 それはともかく、一弥君が微笑んだら勘違いした通行人がバタバタ倒れていくよ。
 まあ直接話しかけられてるわたしも、男だと知ってても押し倒したくなるもんね。
 知らない人だと無理もないか。

 けどナンパ男も寄ってこないね。あまりに高貴かつ可憐すぎて手が出せないのか?
 あっでも、身の程知らずにも近寄ろうとした軽薄そうな兄ちゃんがいる。
 と思ったら、突然どこからか出てきた黒服の人に連れて行かれた。
 なるほど、ちゃんと影で守ってるんだ。
「あいつよそ者だな。馬鹿だな倉田家の人間に手を出すなんて」
「気の毒に、五体満足でこの街から出られないぜ」
「自業自得とは言え、正気のままだといいな」
 などと周囲のひそひそ声が聞こえる。それかなりやばいって。
 もしかして、わたしが男だったら同じ運命?背筋をつーと冷や汗が流れたりして。
601名無しさんだよもん:04/03/03 22:15 ID:8cRNbM20
 一弥君と別れて帰宅。途中で迎えにきていたあゆと真琴が飛びついてくる。
 出迎えご苦労、こういうところがけなげで可愛いんだよね。
 でも例によってあゆはこけた。鼻の頭が赤いよ。
「うぐぅ、痛い」
 目から涙がじわりとこぼれる様を見て、ごく自然に頭を撫で撫で。
「はーい、痛いの痛いの飛んでけー」
「うぐぅ、ぼく子供じゃないよー」
 口ではそう言いつつも、にっこり笑顔になるのがたまらなく可愛い。
 もう母性本能刺激されまくる感じ。
「あぅー、真琴も撫でてよー」
 まあ当然こうなるわけで、真琴も撫で撫で。いつもながら手触りのいい髪だね。
「あぅー」
 恍惚の表情、愛おしいよー、思わずギューッと抱きしめ。今度はあゆがちょっと拗ねた。
 それからおみやげの肉まんとたい焼きを3人で食べながら帰る。うん小さな幸せね。

 ちなみに名雪は浮かない顔で帰ってきた。
 まあ結果的にだけど昨日のサボりと,今日の遅刻だもんね。
 しょうちゃんに絞られたんだね。
「しっかりしてね」
 の言葉とともにお手製いちごシャーベットを手渡す。
 すると満面の笑みが、これがあるから見捨てられないんだよね。得なタイプだ。
 でも、明日はちゃんと起きてよね。お願い。
602名無しさんだよもん:04/03/04 00:02 ID:DvuTAqmY
> まあ直接話しかけられてるわたしも、男だと知ってても押し倒したくなるもんね。

祐美は女性であるからして、男を押し倒す方がまだまともな気もしますがw
603名無しさんだよもん:04/03/04 00:45 ID:NjAsFNmb
朱に交わって赤くなりつつあるな、祐美(w
つうか既に手遅れ?


ところで、反転ヒロインがどんな下着つけてるだろうかとイメージしてみたが…
なかなか難しいな。
下手すると、はじめや往穂よりも浩子の方が勝負下着等は充実してそうな気が。
ふゆは純朴そうに見えて、意外と派手なチョイスだったりして。
(で、それをネタにまたからかわれる、と)
604名無しさんだよもん:04/03/04 13:41 ID:yTWFBMo3
裕子さんは黒がデフォルトです
ハァハァ(´Д`;)
605名無しさんだよもん:04/03/04 16:09 ID:EaNB40D8
さつきは逆に白一色。自分に色気とか見い出せないタイプではなかろうか。
606名無しさんだよもん:04/03/04 22:51 ID:JAhgkMOI
 さてまた月曜日が回ってきた。今日も気合いを入れて頑張りましょう。
 最も今日は学校では大したことはなかった。ある一点を除いてはね。
 そうなんだ、問題はそこにあるんだよ。

 香里さんの怒り爆発から1週間、名雪の授業中の居眠りは確かに減りましたよ。
 やはり香里さんの鉄拳制裁と罰金が相当に嫌らしい。
 でもその弊害があちこちに出ているわけよ。
 まず朝ますます起きなくなった。あゆと真琴は当番の朝はもう半泣き状態だ。
 最近は気の毒でわたしも手伝っているけど、ほとんど意味はないね。
 昼休みはほとんど寝てるし、登下校もほとんど寝たまま歩いてるのはお約束。
 練習中もよく寝たまま走っていて、部員も困ってるそうだ。器用なやつ。
 夕食の最中や入浴中に寝てしまうのも、今では珍しいことではないしね。
 で溺れないように誰かと一緒に入浴。乳児じゃないって!誰かなんとかしてよー!
 とまあ、多分に誇張が混じってるけど、困っているのは本当なのよね。
 やはり名雪は授業中に居眠りしている方が平和なのか?

 夕食後御弁当を作りながらそんなことを悩んでいたら、秋子さんに問いつめられた。
 ごまかそうと思ったけど、秋子さんには太刀打ち不可能。最初からわかってたけどね。
 まあそれに、いい意味で単純なあゆや真琴がごまかせるわけないし。
 結局一切合切話すことになった。後免名雪。
「実は……中略……と言うわけなんですよ」
「しょうがないわね名雪は、身内だけでなくそこまで皆さんにご迷惑をかけていたとは」
 秋子さん、一見にこやかに笑っているようだけど、額に青筋、目が笑ってない。
「これはもう、特製ジャムで体質改善するしかないわね」
 何かその言葉を聞いた途端背筋がゾーッとなったんだけど。
 追求してはいけないと、わたしの本能が告げている。このことはきっぱりと忘れよう。
607名無しさんだよもん:04/03/04 22:52 ID:JAhgkMOI
 翌朝、例によってわたし達では起こせずに秋子さんに起こされた名雪。
 そしていつものように、糸目でいちごジャムにかぶりついたんだけど。
 一口食べた途端に、なんとも言えないって感じの情けなさそうな表情になった。
 どうしたのかな?それでしばしの沈黙の後、ようやく口を開く。
「お母さん、これなに?」
「あら、名雪のために作った特製いちご風ジャムよ。ちゃんと残さず食べてね」
「ふーん、いちご風ね。風ってなにかな?」
「あら、風は風よ」
「ふーん、そうなんだ」
 一見穏やかな遣り取りだけど、二人の間にとてつもない緊張感が走る。

 やだ、これ以上ここにいたくない。気絶寸前のあゆを抱え、真琴の手を引いて退散。
 そして生まれてこの方初めて出すと言うほどのスピードで学校に向かう。
 いやもう今なら世界が狙えそう。

 500mほど死にものぐるいで走ってから、ようやくストップ。滅茶苦茶怖かった。
 あの場にいたら、どんな勇者だって裸足で逃げ出すに違いない。
 秋子さんが怖いのは当然として、名雪もおっかないよ。
 普段はボケボケに見えても、やっぱり秋子さんの娘だよ。勘弁して。
 再会した日に名雪の怒りが爆発しなくて本当に良かったよ。
 ほんと、あやうくあの日がわたしの命日になるところだったんだ。
 ところで、わたし本当にあの二人と血のつながりがあるんだろうか?疑問だ。

 まあとりあえず虎口は脱したけど、真琴は震えが止まらず、あゆは泡を吹いている。
 よく見たら真琴、狐耳と尻尾が出てるって。言葉も完全に退行してるよ。
「あぅー、あぅー、ああぅー」
 あゆの方は幽体離脱してるし、おーい二人とも帰ってこいよ。
 火曜日はこんな風に最悪に始まった。そう「風」にね。あーあ。
608名無しさんだよもん:04/03/04 22:54 ID:JAhgkMOI
 とにかく真琴をどうにかしないと、こんな姿を人に見られるのはやばすぎる。
 あゆも放っておくわけにはいかないし。あーん、一体どうすればいいの?
 まあしかし、世の中困っていると助けが来たりするもので。
「相沢さんどうされましたか?」
「あっ、天野さん実はこれこれこういうわけで」
 良かった天野さんなら真琴の事情がわかっているから、話をしても大丈夫。
「わかりました。わたしにお任せ下さい」
 天野さんは真琴を優しく抱きしめて、背中をさすりさすり。
「真琴、もう大丈夫ですよ。落ち着いて」
「あぅー」
 すごい子供を宥めるお母さんみたい。真琴が見る見るうちに落ち着いていくよ。

 じゃあこっちはもう大丈夫として、わたしの方はあゆを介抱するか。
 でも幽体離脱なんて、どうやって直せばよいのよ?
「祐美わたしに任せる」
「そうですよ、祐美さん。霊感少女と名をはせた舞にお任せですよー」
 ああ助かった、でも二人ともどこから出てきたの?まあこの際どうでも良いか。
 舞はあゆを左手で抱きかかえて、額に右手をかざしている。気功?ハンドパワー?
 そう言えば、舞って子供の頃不思議な力を持ってたっけ。
 ところでどうして巫女装束の一弥君が後にいるんだろう?

 などと考えているうちに、あゆの表情が見る間に穏やかになっていくわね。
 やっぱ本物は違うわ。
「あははー、舞すごい、すごーい」
「別に大したこと無い」
 いや、わたしも正直本当にすごいと思うよ。
「またまた舞ったら照れちゃって、このこのー」
「照れてない」
 舞はわたしにあゆを手渡すと、佐祐理さんの頭をポカポカ。
 なんかこの光景も見慣れてきたね。

609名無しさんだよもん:04/03/04 22:56 ID:JAhgkMOI
 そう思っているうちに、あゆが気が付いた。良かったよ。
「あれっ、祐美さん、ぼくどうしたのかな?」
「ああ別になんでもないからね。ちょっと気が遠くなっただけだから」
 まあ思い出せないならその方がいいよ。

 そうだ、真琴の方はどうなったかな?
 天野さんの腕の中で安心しきっているよ。良かった。
「この子達はこうしてやると落ち着くんですよ」
 ウンウンそうだね。アレッ?でも、この子達?達?確かにそう言ったよね。
 天野さん真琴の他にも他にも妖狐に知り合いがいるのかな?
 まあ他人の事情は詮索しないでおこう。必要が有ればそのうち話してくれるよね。
 それでまあ二人とも落ち着いたから登校再開。遅刻はいやだからね。

 ところで舞と佐祐理さんは相変わらず追いかけっこしてるよ。
「二人ともいい加減にしないと遅刻しちゃいますよ」
 一応そう声をかけたんだけど聞こえてるかなー?
 まあ思わぬ時間を取ったから、天野さんと学校へ急ぐ。
 分かれ道で真琴達と別れた後は二人っきりだ。
 でも前と違って随分仲良くなったから、気まずくはないね。
「あははー、祐美さんおいていくなんて酷いですよ」
「祐美薄情」
 校門の直前で、追いついてきた両先輩に文句を言われた。わたしが悪いの?

 幸い早めに家を出たせいで、騒動があってもどうにか遅刻しないで学校に着いた。
 で名雪だが、もう2時間目が始まるのにまだ来ない。
 あの後あの場所でなにがあったんだろう?一瞬そんなことが頭をかすめる。
 うっでも、わたしは知らない、知りたくない、想像できない、想像もしたくない。
 このまま名雪が登校してこなかったらどうしよう。
 このままじゃあ家に帰りたくないよー!
610名無しさんだよもん:04/03/04 22:56 ID:JAhgkMOI
 ところで香里さんもお休みだ。北川君の話だと多分栞ちゃんが病気だかららしい。
 看病の為らしいのだが、そう称して不埒な行為に及んでいたりしないだろうか?
 まあ病気で弱っている可愛い妹の病状が悪化するようなことはしないと思いたいけど。
 日頃の行いが行いだから、今一その疑いを捨てきれないのよね。
 とは言えどのみち他人の家庭の事情には手出しできないから、香里さんを信じよう。

 お昼休みになった、けど名雪はまだ来てないんですけど。
 何か水瀬家の方向から謎の爆発音が聞こえてきた様な気もするけど。空耳だよね。
 救急車とか消防とかパトカーのサイレンも、気のせいだよね。
 ねっ、誰かそうだって言って……お願い。

 まあとにかく御弁当だ。今日は特に約束がないから七瀬さんと一緒。
 ちなみに北川君は佐祐理さんにさらって行かれた。
 どうも今、佐祐理さんにとって彼が一番面白いおもちゃらしい。ご愁傷様です。
 ところで舞は佐祐理さんのあの趣味をどう思っているんだろう。
 おそらくは佐祐理さんが喜んでいればなんでもいいんだろう?
 まあ舞のことだから、実はなにも考えて無いという可能性もあるな。
 なんにしても、後で佐祐理さんから北川君の女装写真をもらっておかないとね。

 それはさておき、うん今日のアスパラのベーコン巻は上手くできてるね。
 あゆお手製の海苔を巻き込んだ卵焼きも美味しい。今日は焦げてないよ。
 ぶりの照り焼きは真琴が焼いたもの。味が少し濃いかな?
 などと御弁当を堪能。北川君も別に命まで取られるわけじゃないしね。
 わたしは結構食い意地が張っているから、食べてる時は名雪のことも忘れていた。
611名無しさんだよもん:04/03/04 22:57 ID:JAhgkMOI
 午後も真面目にお勉強して、もう放課後だ。で名雪は結局欠席。
 しょうちゃん以下の名雪捕獲部隊に事情を説明。わたしにできるのはこの程度だね。
 だけど秋子さん、居眠り防止のはずが欠席。これじゃあ本末転倒ですよ。

 例によって校門で合流したあゆと真琴とともに帰宅する。
 家は別になんともなっていなかった。やはりあれは気のせいだったんだよね。
 周りの家が何か綺麗になっている気もするけど。まるで新築みたいに。
 お隣の奥さんは右手を吊っているとか、向かいのおじいちゃんが頭に包帯とか。
 そんなの、ぜーんぶ偶然だよね。
 と、そう言うことにしておこう。それがこの街で生き抜く秘訣だ。

 で妙に真新しい家に入ったら、名雪は見事に寝こけていた。
「名雪ったら、また寝ちゃったのよ。本当にしょうがないわねー」
 とにっこり微笑んで迎えてくれる秋子さん。
「あははそうですね」
「あぅー、なゆねえに困ったもんよね」
「そうだね。お姉ちゃんたらもう」
 わたし達は3人で示し合わせたように大慌てでこう答えた。
 まあ名雪の寝顔が安らかだから、いいんだろうきっと、多分……。
 それで名雪は、少なくともわたしが寝るまで起きませんでした。
 えー、今日は名雪が休んだ以外は平和な1日でした。と日記には書いておこう。
 ところで、今のフレーズ大昔のCMにあったらしいね。
612名無しさんだよもん:04/03/04 23:39 ID:/A4FIQ6R
>>603
浩子は、いざという時の為に勝負下着を持ってはいるが、
初めての時は普通の下着で行為に及んでしまうに一票。

>>604
男を誘惑する為ではなく、隠れおしゃれの為に黒下着を着けているのに、
初音君を誘惑してしまって、戸惑いながらもリードしてあげる裕子さん
ハァハァ(´Д`;)
613名無しさんだよもん:04/03/05 00:08 ID:g2agVM7O
>>606-611
秋子さんばかりか名雪までアンタッチャブルな領域へ…
(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル


>>612
両方とも同意だ(;´Д`)ハァハァ

かずきの下着は縞パン(青系)がいいな。
長瀬ちゃんはちょっと背伸びして大人っぽいやつかも?
614名無しさんだよもん:04/03/05 12:14 ID:g2agVM7O
そういや明日でこのスレも2周年か。
新スレが立て続けにDAT落ちした事件は、まだ生々しい記憶だったりする。
615名無しさんだよもん:04/03/05 19:37 ID:e+tuqCIP
Goodjob
616名無しさんだよもん:04/03/05 22:39 ID:E+f+G3By
 水曜日、名雪が自分で起きてきた。えっと、あれは効果があったんだね。
 しかも、テキパキと支度している。食事のペースもめちゃ速い。
 なんだか別人28号だよ。
 で、珍しく4人そろって歩いて登校である。ああこんな日がついに来たんだねー。
 感慨に浸っていたらアッという間に学校に着いた。
 周囲の生徒がみんな駆けだしていたけど。例の格言のせいだよね。
 まあそこまではわたしも面倒見切れないし。

 校門の前で美坂姉妹と出会う。栞ちゃんが元気そうで良かったよ。
 でも香里さんが壊れた。
「そこにいるのは名雪。いいえそんなはずないわね、名雪がこんなに早く登校するなんて」
「香里酷いよ」
「こんなことあり得るわけないわ。あなた、名雪の偽物ね」
 名雪をビシッと指さしそう決めつける香里さん。
 いや気持ちはわかるけどね。わたしだってまだ信じられないし。
「うー、酷いよ。わたし本物の水瀬名雪だよー。そんなこと言うなんて極悪だよー」
 名雪は怒っているらしいけど、今一歩迫力が感じられないわね。
 もしかしてあの怒りは、いちご・猫関係限定なの?
「嘘をつきなさい。偽物の分際でわたしを騙そうたってそうはいかないわ」
「うー、違うのに」

「偽物の証拠にこの胸も作り物に決まっているわ」
「わっ、香里なにをするんだよー」
 香里さんは制服の上から名雪の胸を揉みしだいている。大胆。
 栞ちゃんは真っ赤の顔でてで顔を覆っている。でも指の隙間からチラチラ見ている。
「黙れ!偽物。この手触り本物っぽいけど、直に触ればわかるわ」
 ああ、今度は制服の中に手を入れてる、香里さん公道でそれはまずいって。
「あ、ちょっと香里止めてよー。アン、アーン」
「おかしいわね、手触りまで名雪と同じ。なんて良くできた偽物なの」
「アン、だからさっきから本物、アン、だって言ってる。アーン!」
617名無しさんだよもん:04/03/05 22:40 ID:E+f+G3By
 名雪のもだえっぷりかなり色っぽいわね。
 密かに観賞した、お父さんの秘蔵AVコレクションに出てくる女優さんみたい。
 それにしても香里さん、なんで名雪の胸の感触なんて知ってるの?
「うう、不潔です。こんな人お姉ちゃんじゃありません」
 栞ちゃんの気持ちは良く分かるよ、わたしもさっきから他人のふりをしてる。

「香里、アーンそこは駄目。アーンすごい」
 ちょっと名雪のあの恍惚の表情、外で見せてはやばいような。
 わいせつ物陳列罪で捕まっちゃうよ。
「うりゃ、ここか?ここがいんかー?」
 香里さんも完全に自分を見失っているし、目的を忘れてるって。

「あははー、これは是非記録して佐祐理コレクションに加えないといけませんね」
「名雪、演技が甘い。もっと声を色っぽく」
 聞き覚えのある声が、っていつの間に現れたんですか先輩方?
 ビデオ撮影と、濡れ場の演技指導は女子高生としてどうかと思いますけど。
 いやむしろ人として終わってるんじゃあ?
 第一なんで二人ともバニースーツなんですか?舞は黒、佐祐理さんは赤。おいおい。

 あーあ、名雪ほとんど裸。まだパンツだけは脱がされてないけど、乳首も丸見え。
 香里さんも制服脱いで下着姿、二人とも寒くないのかな?
 でどうして先生が出てこないんだろう?これでも生徒の自主性に任せるってわけ?
 それただの無責任だよ。久瀬さん&生徒会が出てこない理由は想像が付くけどね。
 この状況だとわたしが止めるべきなんだろうけどなー。
 それにしても香里さんだけならともかく、佐祐理さんまで暴走してるもんね。
 わたしじゃ絶対に止められないよ。

「全く校門の前でこんなことをしでかすとは、人として不出来でしょう」
 突然は以後から不機嫌そうな天野さんの声が。
「天野さんコメントはいいから、出来たら止めて欲しいんだけど」
「無理です」
 一言ですか?で天野さんはすたすたと校内に入っていく。
618名無しさんだよもん:04/03/05 22:40 ID:E+f+G3By
 気が付いたら、名雪達の周りを倉田黒眼鏡隊が囲んでいる。
 そうか、生徒以外の野次馬を近寄らせないようにしているんだ。
 うんうんこれなら、名雪の痴態が公衆の面前に晒されることだけはないね。
 じゃあわたしも教室に入ろう、遅刻しないようにね。我ながら薄情だと思うけど。
 それで、まだ名残惜しげな栞ちゃんを引きずって校舎に入りました。
 でも栞ちゃんも、結構好きねえ。
 実はわたしもどさくさに紛れて栞ちゃんの胸を触っちゃいました。
 今なら怖ーい香里さんの目が届かないからね。わたしって悪女?

「あらあら名雪、わたしはそんなぬるい演技しか出来ない娘に育てた覚えはありませんよ」
「ウウン、お母さん、わたし頑張るよ。アッ、アーン!」
「名雪ー、あんたの初めてはわたしの物よー!」
「お庭番の皆さん。北川君を絡ませますよー。衣装は十二単でお願いしますねー」
「佐祐理のセンス、嫌いじゃない」
「了承」
「あははー、久瀬さんも参加させましょうかねー」
 背後から聞こえてくる声は空耳、もちろん空耳、断固空耳、絶対に空耳なのよー!
 真琴達と別れてからで本当に良かった。教育上悪いから、うん。
619名無しさんだよもん:04/03/05 22:41 ID:E+f+G3By
 そのあとわたしは真面目に授業を受けたよ。学生だから当然だよね。
 ちなみに教室は空席が目立つ。もちろん?北川君の姿は見えないんだ。
 なお名雪の早すぎる登校による一時的精神ショックで倒れた生徒が続出。
 保健室は空前絶後の大忙しだったそうね。
 また校門の前で野次馬していた連中もいたみたい。馬鹿ばっか。(星野ルリ風)
 今日の教訓、人間自然が一番、名雪はやっぱり寝かしておいた方がいいわ。
 それにしても、秋子さんって何者なんだろう?

 今日のお昼は栞ちゃんと七瀬さん、天野さんと食べた。他の人は……知らない。
 わたしには、学校の正門前でAVを撮るような知り合いなんていないわ。
 さて前回のお礼にと、栞ちゃんの分はわたしが作ってきたんだけど。
 鯖をカレー粉で炒めたものは不評。人類の敵ってなに?青身魚は駄目だったのかな?
 では今度はキャベツをカレー粉で茹でてこようかな。楽しみに待っててね栞ちゃん。

 そうそう、3時間目からはクラス全員がちゃんと授業を受けてたわね。
 もちろん居眠りをする人なんてないわよ。
 放課後、クラスの誰かが陸上部員に拉致されていった。ご苦労様。
 もちろん本当は誰だか知ってるけど、今日だけは知らないことに決定。
 騒動はこりごりだから。
620名無しさんだよもん:04/03/06 22:28 ID:kjyy2ez+
ずっと前からここにいるけど、もう2周年か。早いな。
相変わらず、ここの住人は優しい。そう思った。
んじゃ、これからもがんばれみんな。
6212周年の感謝。:04/03/06 23:57 ID:nOpZE4fo

自分は見ました。車の中で弥生さんに愛を奪われたふゆを。

自分は見ました。梓くんと一緒に裕子さんに辱められるはじめさんを。

自分は見ました。聖先生にはしたないと叱られる往穂を。

自分は見ました。屋上でいとおしげに瑠璃くんとキスをする祐子を。

自分は見ました。九品仏とアンビバレンツな関係を持ったかずきを。

自分は見ました。半纏を着込んで戦うどこか間抜けな少女たちを。

自分は見ました。ちちばんどに難儀し悶える蝉音を。

自分は見ました。悲しすぎる状況の中ででえにしと結ばれた牟祢を。

自分は見ました。人と触れ合うにはあまりに痛みすぎる体をもった朱鷺乃を。

6222周年の感謝。:04/03/06 23:58 ID:nOpZE4fo

自分は、見ました。

浩子を。
さつきを。
ハクオロさんを。
郁巳を。
ひろみを。
ゆうを。
渚を。

数え切れないほどの世界を。
数え切れないほどの萌えを。
数え切れないほどの笑いを。
数え切れないほどの感謝と、
数え切れないほどの感動とともに。


この、反転スレッドで。


今まで、ありがとうございました。
そして、これからも。
2周年、おめでとうございます。
623元380:04/03/07 00:00 ID:nwtptHUo
…ということで2周年おめでとうございますの気持ちを文にしたわけなんですが…
本当はSS書きたかったんですけど、時間がなくてw

ということで、これからものんびりがんばっていきましょーか。
3年目になっても回線吊って首切ってきます。
624萌虚仮 ◆VDVqNOfj.c :04/03/07 05:12 ID:NJzE8p0y
1.長瀬ちゃんの場合
「ふふ……大胆にレース入ってるなんて長瀬ちゃん、大人〜」
「瑠璃くん、一々講評しながら脱がせちゃ恥ずかしいよ〜……」

2.はじめさんの場合
「そういえば、はじめさんはあまり派手な下着は持ってないんですか?」
「うーん……わざわざ外を飾り立てるよりも、中身の素材で勝負したいな、って」
「なるほど……でも、せっかくの素材を引き立てる方法を知っておいても損はしないと思いますよ?
 まあ、そんなところがはじめさんらしくて私は好きですけど」
「つ、鶴丸さんったら……」

3.浩子の場合
「ご、ごめんね燈人……今日こんなことになるなんて思ってなくて……」
「大丈夫だよ、浩子ちゃんはそのままでも十分可愛いから」

4.ふゆの場合
「そういえば、ふゆってああ見えても下着の好みは派手めなのな」
「そうそう、この間スカート捲ったら紫のハーフバックだったよ。人は見かけによらないねぇ」
「俺のときは黒のレース……って、兄貴何やってんだよ!」
「人のことが言えるか、弟よ」
「わーっ! さっきから聞いてれば二人ともなんの話してるんですかっ!(泣)」
(この間は赤のシースルーだったことは……言わないほうが彼女のためですね)
625萌虚仮 ◆VDVqNOfj.c :04/03/07 05:21 ID:NJzE8p0y
5.さつきの場合
「へー、いつも白のコットンばっかりのさつきにしちゃ、頑張ってるじゃん」
「た、たまには気分変えたっていいじゃない……」
「まぁ、そうまでして誘われちゃあ期待に応えないわけにはいかないなぁ(にやり)」
「ちょっ、待ってスフィー、そういう意味じゃ……やっ、あぁんっ!」

6.かずきの場合
「かずき……いつも思うんだけど、縞のショーツばっかりってのは一部のオタクを喜ばせるだけよ?」
「うーん……瑞希の言うことももっともなんだけどね……
 なんとなく、そういう感性ってわかっちゃうんだよなぁ……」
「だめよそれじゃ。今からでも遅くないから、ちゃんとした下着を選べるように……」
「でも、瑞希もこの前コスに響くからってTバックを物色してたよね?」
「え……あ、あれは必要に迫られたんだから仕方ないじゃない! 不可抗力よ!(慌)」
626名無しさんだよもん:04/03/07 22:23 ID:U5ArwrxS
萌虚仮さんに続けてみる。

7.ひろみの場合
「七瀬く〜ん 一つ聞いてもいいかな?」
「なんです、折原さん?」
「どんな下着着てるの?」
「…へ?」
「ブリーフ? それともトランクス? まさかビキニパンツだったりする?
 ちょっと見せてよ」
「え、な、何言ってるんですか折原さん!? 冗談にも程が…
 あ、待って、そんな所に手をかけないで!(悲鳴」

麻森「うわ…白昼堂々逆セクハラだよ」
佳瑞「…俺、あいつの幼馴染みやめようかな(´Д`)」


…あれ?(w



ひろみの下着は意外と可愛い系(プリントパンツとか)だったらいいかも。
627元380:04/03/08 05:37 ID:xNMJaMT6
>>625
お帰りなさい。ずっと待ってました。ということで勝手に続けてみる。

8.蝉枝の場合
「…………」
 ゆさっ
「どうした、月弥?」
 ゆさゆさ
「…な、なんでもないでもないよっ!?」
「そうか?それならいいが」
 たゆん

(絶対なんにも着けてない〜っ!(泣))

「そ、それじゃ僕、夕貴のとこに行ってくるね」
「…む、ちょっと待て。髪が撥ねているぞ」
「え?どこどこ?」
「こっちに来い。直してやる」
「え、あ…」
 ふわっ
(蝉枝の匂い…なんか、あったかい…)

「男と言えども、身嗜みには気を付けねばな」
「…………」
628名無しさんだよもん:04/03/08 23:03 ID:oTNgeMQw
保守
629名無しさんだよもん:04/03/08 23:05 ID:jV1otfZs
無料のすごいの見つけた!携帯限定だけど(ニガ)http://www.80607.jp/?see70
登録したら女の子紹介してもらえた
630名無しさんだよもん:04/03/09 00:07 ID:cVqh+CJG
9.反転うたわれの場合
 〜戦闘中〜
ハクオロ「はあぁぁぁっ!!」
      ゆさゆさ
オボロ「殺ァ――――――――――ッ!!」
      たゆんたゆん
クロウ「うおぉりゃあぁぁぁ!!」
      ぶるるん


トウカ、出血多量(鼻血)につき戦闘不能

 
ベナウィ「…聖上達には今後、胸に布を巻きつけて固定してから戦場に出てもらいます」
631名無しさんだよもん:04/03/10 01:47 ID:YyKy8EqD
女ベナウィの胸は控え目?
それとも、裕子さんや蝉枝よろしく無駄な巨乳をうざったく思ってる?
632昔1だった人(w:04/03/10 17:52 ID:U0MSWZdU
やっと葉鍵板(つか、ネットに)帰ってコレタ――ヾ(≧▽≦)ノ――!!!
で、早速便乗してみる。


10.往穂の場合

「暑ぃ……暑いよぉ……なんでこんなに暑いんだよぉ…」
「往穂さん、黒いシャツ着ているからすごく暑そう。」
「『暑そう』じゃなくて『暑い』んだよ…」
「往穂さん、汗ビッショリ。」
「ぁぁ……ベトベトして気持ち悪ぃよぉ…」
「お父さんのシャツだったらあるけど、着る?」
「あ、ああ。頼む……」

 シャワーを借りて、まっさらな白いシャツに着替える往穂

「……暑ぃ……暑いよぉ……な(略
「往穂さん、さっきと同じ事言ってる」
「ああもお! シャワーも浴びて着替えもしたのに、まぁた汗ダクになっちゃったじゃないのよ!(怒)」
「うわっ! 八つ当たりは良くないと思――――あ。」
「? どうした? なに赤くなって…………………あ。」

 (みーんみんみんみんみんみん……)

「――――――――――――――見えた?」
「うん、お父さんのシャツ、汗で透け透け…にはは(ポカッ!)


 (おそらくノーブラ派の)往穂がいつも黒いシャツを着ているのは、こういう理由からなのです(嘘)
633昔1だった人(w:04/03/10 17:54 ID:U0MSWZdU
ネットから隔離されている間、色々あったんですね…
超先生の件、今さっき知ってショック……遅ればせながら御冥福をお祈りします(ー人ー)

反転関連のネタだと……何なのデスか、あの『♂スイッチ』とかいう物体は?
(↑CAGEのエロゲ『大好きな先生にHなおねだりしちゃうおませな(以下略』の恐るべきシステムw)
―――――ここの住人のアレな妄想を具現化した理想のアイテムじゃんヽ(*´ー`)ノ(←お前だけだろ)





それより…帰還早々450KB突破してますねw

ハガレンネタでテンプレネタ考えてたのですけど、詰まり気味です…(葉鍵の反転術士w)
「理解・分解・再構築」とか「禁忌の技(人体練成)」とかは使えるんだけど…等価交換ネタが思いつかないっす

テンプレの基本部分を用意しつつ、回線吊って首持ってかれてきます…
634てんぷれ:04/03/10 17:55 ID:U0MSWZdU
◆前スレ:葉鍵キャラを性別反転させてみよう! その8.6
http://wow.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1070125178/l50
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※過去スレなど※

◆初代スレ:葉鍵のキャラを性転換させたらどんな感じ?
http://wow.bbspink.com/leaf/kako/1015/10153/1015395011.html
◆2代目スレ:葉鍵キャラを性別反転させたらこんな感じ!
http://wow.bbspink.com/leaf/kako/1017/10178/1017826789.html
◆3代目スレ:葉鍵キャラを性別反転させたらいい感じ!
http://wow.bbspink.com/leaf/kako/1025/10251/1025102249.html
◆4代目スレ:葉鍵キャラを性別反転させてみよう! その4
http://wow.bbspink.com/leaf/kako/1030/10304/1030414461.html
◆5代目スレ:葉鍵キャラを性別反転させてみよう! その5
http://wow.bbspink.com/leaf/kako/1035/10359/1035923181.html
◆6代目スレ:葉鍵キャラを性別反転させてみよう! その6
http://wow.bbspink.com/leaf/kako/1038/10389/1038936645.html
◆7代目スレ:葉鍵キャラを性別反転させてみよう! その7
http://wow.bbspink.com/leaf/kako/1049/10492/1049292019.html
◆8代目スレ:葉鍵キャラを性別反転させてみよう! その8
http://wow.bbspink.com/leaf/kako/1066/10666/1066656649.html
◆9代目スレ(実質8スレ目代理):葉鍵キャラを性別反転させてみよう! その8.5
http://wow.bbspink.com/leaf/kako/1068/10686/1068646334.html

 名前が思いつかない、このキャラの反転名はなんだろう?など、名前にお悩みの方は
 下のまとめサイトを参考にどうぞ。(※強制ではないので、あくまで"参考"程度にどぞ)

◇まとめサイト:性別反転スレッド@葉鍵板
ttp://hanten.hp.infoseek.co.jp/
635名無しさんだよもん:04/03/10 23:56 ID:cm3q9ne1
―――体は女に出来ている。

血潮は電波で 心は乙女。
幾たびの濡れ場を越えて全敗。
ただの一度も逃走はなく、
ただの一度も( A )されない。
彼の者は常に独り 反転のスレで性欲に酔う。

故に、元ネタに意味はなく。
その体は、きっと女に出来ていた。


―――――――――
問1 これは誰のことでしょう?
問2 ( A )に入る単語は何でしょう?

正解者には長瀬ちゃんプレゼント。ただし拓美さんから奪ってきてください(w
636名無しさんだよもん:04/03/10 23:57 ID:0HKHKWxp
祐美ちゃん話の続きマダー?チンチン(AA略
637名無しさんだよもん:04/03/11 22:49 ID:jUo8FvTp
>>632
そ、そうだったのカー!納得納得(ヲイ

でも、たとえ透けなくても汗で張り付いたシャツなんて
十分すぎるほど破壊力がありますぜ往穂さん。
今日はやけに男の見物人が集まるな、と思ってたら
連中の視線は人形じゃない場所に釘付けになってたりして。
638名無しさんだよもん:04/03/12 01:24 ID:7bxh0WX4
>>635
回答1 七瀬留美
回答2 (´A`)マンドクセ
639名無しさんだよもん:04/03/12 23:53 ID:zYq64bOq
>>635
お、なかなかナイスなテンプレ。
次スレはこれでいけるか?


…で、

回答1 柳川裕子さん
回答2 ノーマル扱い

と言ってみるテスト。 回答2が単語じゃない気もするがw
640名無しさんだよもん:04/03/14 21:35 ID:07dMmdln
保守カキコ。

ところで、今、何キロバイトあるんですか?
ギコナビでスレの容量表示する方法わからなくて…
641名無しさんだよもん:04/03/14 21:37 ID:PsXgx+u8
保守保守
642名無しさんだよもん:04/03/14 22:24 ID:e+6muEHD
>640
456KB (466069Byte)
643名無しさんだよもん:04/03/15 22:04 ID:wJdLZ0fn
残り容量微妙だな…次スレは650あたり?

さて、昨日はホワイトデーだったわけだが、
反転ヒロイン達も各々男性陣から三倍返しを貰っているんでしょうな。
…そりゃもう色々な形でw
644名無しさんだよもん:04/03/17 09:20 ID:A1uzfz8S
テンプレは>>635のでいいのかな?
他に案ある人いる?
645名無しさんだよもん:04/03/17 11:22 ID:1X+3Y6Zw
それでいいと思います。
立てるのは>650あたりでいいかな?
…というわけで誰か頼んだ。
646名無しさんだよもん:04/03/19 01:50 ID:830iMB0o
そういや、ディーはまだ性別反転ネタないな。
弥生さんを銀髪にしたみたいな感じ?

で、マントの下は体の線出まくりタイツスーツなわけでして。
まさに極悪ガード不可。
647名無しさんだよもん:04/03/19 02:00 ID:1Orbh4WR
しかも網タイツ。
648橘って反転してたかな?:04/03/19 08:21 ID:WRkiKBmB
「今さらどんなツラして会いに来たんや、敬(けい)」
「母親が自分の子どもに会うのに、どんな顔もないでしょう。晴彦」
「ケッ、何ぬかしとんねん。だいたい、さっきの顔は、母親の顔やなかったで」
「──どういうこと」
「舌なめずりした売女の顔や。鈴は郁(いく)兄貴によう似てきたからな。
 アンタがあれだけの真似をして手に入れた郁兄貴に…っと。
 相変わらず手ェ早いな」
「取り消しなさい」
「今の言葉は取り消せても、事実は消えへんからな。同じこっちゃで。
 あれから何人の男を食ったんや。そのバケモノじみた若さと幼児体型を
 維持するために」
「取り消しなさい」
「だけど、残念やったな。アンタ好みの鈴は、もう他の女のもんや。
 アンタと違う、下品で、女らしうなくて、口下手の、いい女にな。ムチプリやで」
「……取り消しなさい」
649名無しさんだよもん:04/03/20 13:22 ID:ASAyIASo
…えろい。GJだ。
そっか、反転すると子供産んで押しつけてdズラした事になるのか。
そりゃ売女扱いされても仕方ないな。
↓新スレよろしく
650名無しさんだよもん:04/03/20 22:30 ID:LsiPJpnH
新スレ?まだ早いだろうがゴルァ
651名無しさんだよもん:04/03/20 22:54 ID:cFGWWLRj
↑次スレヨロ
容量の問題だよ。
652名無しさんだよもん:04/03/22 01:21 ID:C6xXVTkV
650は逃げたっぽい?

>>648
バケモノじみた若さと幼児体型の母親…八神くんの家庭の事じょ(ry
敬の葉鍵らしからぬストレートな悪女っぷりがナイス。
653名無しさんだよもん:04/03/23 14:55 ID:2VXW/mD4
次スレは「その9」?
654名無しさんだよもん:04/03/23 19:52 ID:vEUYNKKF
>>653
その9.6。
655名無しさんだよもん:04/03/23 22:15 ID:Po8MN6Ai
普通に「その9」でいいってw
で、誰が立てるよ?
656名無しさんだよもん
660でいいんじゃね?