葉鍵キャラを性別反転させてみよう! その5

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1名無しさんだよもん
いつも見慣れた葉鍵キャラの
しかしいつもとはちょっと違う世界。
数々の職人が織りなす彼女(彼)と彼(彼女)の物語を
お楽しみください。
(3代目テンプレより)

このスレもついに5本目まで到達しました。これも職人様方のなせる業です。
既出の反転キャラに萌えるも良し、新たな反転キャラを創造するも良し…どっちにします?


前スレ 葉鍵キャラを性別反転させてみよう! その4
http://wow.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1030414461/l50

過去スレやその他細かい詳細は>>2-10をどうぞ
2過去スレ、まとめサイト:02/10/30 05:26 ID:1/Yhr7KS
初代  葉鍵のキャラを性転換させたらどんな感じ?
http://wow.bbspink.com/leaf/kako/1015/10153/1015395011.html

2代目 葉鍵キャラを性別反転させたらこんな感じ!
http://wow.bbspink.com/leaf/kako/1017/10178/1017826789.html

3代目 葉鍵キャラを性別反転させたらいい感じ!
http://wow.bbspink.com/leaf/kako/1025/10251/1025102249.html

まとめサイト 3代目スレの181 ”管理”者さんだよもむ ◆.JgAOy9cさん作成
ttp://isweb45.infoseek.co.jp/play/hanten/index.html
3反転キャラ名の例:02/10/30 05:27 ID:1/Yhr7KS
◆ONE
 折原浩平  → ひろみ
 住井護   → 麻森
 長森瑞佳  → 佳瑞 瑞鶴(不確定)
 川名みさき → 御崎

◆Kanon
 相沢祐一  → ゆう
 水瀬名雪  → なゆき 雪弥 雪彦
 水瀬秋子  → 秋人
 沢渡真琴  → 誠
 倉田佐祐理 → 祐佐 祐理
 川澄舞   → 舞人
 天野美汐  → 汐(せき)
 北川潤   → 潤
 久瀬    → 奏(かなで)

◆AIR
 国崎往人  → 往穂
 神尾観鈴  → 鈴
 神尾晴子  → 晴彦
 みちる   → 満
 霧島聖   → 聖
 霧島佳乃  → 佳之
4反転キャラ名の例:02/10/30 05:28 ID:1/Yhr7KS
◆雫
 長瀬祐介  → 祐子
 月島瑠璃子 → 瑠璃
 月島拓也  → 拓美

◆痕
 柏木耕一  → はじめ
 柏木千鶴  → 鶴丸
 柏木梓   → 梓
 柏木楓   → 楓
 柏木初音  → 初音
 柏木賢治  → 賢子
 柳川祐也  → 裕子
 阿部貴之  → 貴美
 日吉かおり → かおる
 次郎衛門  → 芙蓉
 エルクゥはそのまま
5反転キャラ名の例:02/10/30 05:28 ID:1/Yhr7KS
◆To Heart
 藤田浩之   → 浩子
 神岸あかり  → 燈人
 長岡志保   → 保志
 佐藤雅史   → 雅美
 来栖川芹香  → 芹哉
 来栖川綾香  → 綾哉 綾彦
(芹香、綾香は合わせる必要あり?)
 宮内レミィ  → レナード
 保科智子   → 智
 松原葵    → 葵
 姫川琴音   → 琴音
 雛山理緒   → 理央
 HMX-12マルチ → HBX-12マルチ
 坂下恵    → 恵
6反転キャラ名の例:02/10/30 05:28 ID:1/Yhr7KS
◆WHITE ALBUM
 藤井冬弥  → ふゆ
 森川由綺  → 勇輝(芸名YUKI)
 緒方理奈  → 理玖 理雄(芸名RIN)
 緒方英二  → 英奈
 七瀬彰   → あきら
 河島はるか → 遥
 はるかの兄 → かなた(妹)
 澤倉美咲  → 岬
 観月マナ  → 真央

◆こみっくパ〜ティ〜
 千堂和樹  → かずき
 芳賀玲子  → 玲
 猪名川由宇 → 由太 悠 ゆう
 長谷部彩  → 綾(りょう)
 おたく縦、横 → 緒田久縦子、緒田久横子

◆誰彼
 坂神蝉丸  →蝉枝
 岩切花枝  →華丸

無視して自由に書いて良いです
7おまけ(w:02/10/30 05:30 ID:1/Yhr7KS
◆胸の大きさについての考察(前スレ400以降を参照)

ハクオロ……99(G)(108のHカップ説有)
裕子……95(F)
はじめ……93(E)
御堂……93(D)
浩子……91(E)
拓美……91(E)
往穂……91(D)
ひろみ……86(C)
蝉枝……86(B)
柳乃……84(C)
潤……83(B)
ゆう……83(B)
祐子……80(B)
芙蓉……80(B)
ふゆ……78(B)(もっと小さい説有)
奏……75(AA)

(前スレ417、萌虚仮氏の発言から。変動制なのであまりとらわれずに書いて良いです)
8前スレの884:02/10/30 05:49 ID:1/Yhr7KS
PCが凍る寸前でなんとか設置完了…
テンプレ考える時間がなくて3代目のパクリになってスマソ…

    プラーン
 ∧||∧
(  ⌒ ヽ
 ∪  ノ
  ∪∪

割り込まれなかっただけが救いか………
9名無しさんだよもん:02/10/30 06:09 ID:FGedJqrA
おお立った。
10地獄車 ◆Xoa6WeBjxs :02/10/30 06:10 ID:p5ShtmC+
お疲れ。
時間ができたことだし、俺もなんか書こうかな…
11前スレ350:02/10/30 07:32 ID:t3sMtn/B
 ∧||∧
(  ⌒ ヽそうさ……>>1にとって俺なんかどうでもよかったのさ……
 ∪  ノ わかり切っていた事じゃないか……
  ∪∪
12名無しさんだよもん:02/10/30 09:01 ID:KMLgS37u
>>1
乙かれー。


>>11
「はじめ」じゃない方の反転耕一(貧乳)の作者さんですな。
たのしく萌えさせてもらっております。

だから、生きろー! このスレでもよろしくお願いしますー!
13名無しさん、…複雑です:02/10/30 09:29 ID:6FOhLajs
>1
スレ立て乙です。

>11
あなたの作品を楽しみにしている者がここにも一人おります。
吊るなー!

しかし、いつまで経っても元の名前が「恵」のままの好恵姐さん…哀れ。
14名無しさんだよもん:02/10/30 09:57 ID:kw+nWmtF
キャラ多いからな…いっそ名前リストは無くても良いかもナー。
15名無しさんだよもん:02/10/30 12:32 ID:JzPFOA2M
でも名前リストがあったほうが新入りさんも入りやすいだろうし

で、1さん、乙〜
16前733:02/10/30 18:48 ID:KK9FAEMN
名前リストか……………使うんだろうか?
あと「…」の書き方おせーて。
17名無しさんだよもん:02/10/30 20:10 ID:jDFxwlqH
>>1乙です。容量制限気づかなカータヨ…(;´Д`)
そして、吊らないでください。期待してまする…>>11

名前リストは、HTMLにして何処かに載せるとかは?
スレ容量+発言数の節約にはなると思いますが…

>>16
IMEだと「・・・」(・が3つ)で変換されないかな?
漏れはATOKに乗り換えた上に単語登録してあるけど
18名無しさんだよもん:02/10/30 20:20 ID:csHDYlwN
>>16
MS-IMEなら「てん」「さんてん」で変換できる
あと、記号の名前は「三点リーダ」だと超先生が仰っていた(w
19前733:02/10/30 20:35 ID:0jC7Mco5
サンクス!
20名無しさんだよもん:02/10/30 21:15 ID:RHFrkRDU
まとめサイトの方に載せてもらいますか?>名前リスト等

“管理”者(中略)さんが、まだここにいるのかどうかはわからないけれど。
21萌虚仮 ◆VDVqNOfj.c :02/10/30 23:02 ID:SDfqSVFj
新スレおめっとさんです。
とりあえず祝賀絵ってことではじめさん&ふゆ……
素っ裸なのはサービスです(?)

 ∧||∧
(  ⌒ ヽ 嘘です。手抜きでした……
 ∪  ノ
  ∪∪

http://www.kitanet.ne.jp/~cas-per/cgi-bin/img-box/img20021030230037.jpg
22萌虚仮 ◆VDVqNOfj.c :02/10/30 23:08 ID:SDfqSVFj
23前スレ715:02/10/30 23:44 ID:0e7BGtFP
新スレおめー&おつー。
萌虚仮氏もおつー。
さて、次のネタを考えるか…
24さぼり屋”管理”者 ◆DY.JgAOy9c :02/10/31 01:23 ID:TgZJDsO6
スレ立て乙です。
一応ROMはしています。


名前リスト、即興で作ってこっそりupしたり。
あと、今週末は暇が無いので、来週に前スレの分をまとめる予定です。


 ∧||∧
(  ⌒ ヽ  しょうもない管理者で申し訳ない…
 ∪  ノ
  ∪∪

※infoseekとhoopsの統合により、近々URLが変わる予定です…
25柳乃(女柳也)の作者:02/10/31 05:29 ID:Vdc4czJj
 ∧||∧
(  ⌒ ヽ 名前がねぇ……
 ∪  ノ
  ∪∪

いや、別に無くても問題ないのですが(w
26名無しさんだよもん:02/10/31 12:20 ID:S8SYt8jP
>>21
マタマタキタ━━━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`) ゚∀゚)━━━!!!!
お昼からふゆとはじめさん…素晴らスィものを見てしまいますた…
萌虚仮さん、サルベージと併せてぐっじょぶです

 ∧||∧
(  ⌒ ヽ そして、>>25の身代わりに吊ってみるテスト
 ∪  ノ   ここに期待してる香具師がいます、がんがってくだちぃ…
  ∪∪
27sage:02/10/31 22:11 ID:7vJVbUu+
sage
28名無しさんだよもん:02/10/31 22:17 ID:U68jlqpG
あああ
29名無しさんだよもん:02/10/31 22:27 ID:zVKnGX+E
 というか、英二とふゆ、というのは無いのだろうか。
 自分で書くしかないのか。
 ……文才、ボーナス一括払いで買えないものか。
 
30萌虚仮 ◆VDVqNOfj.c :02/10/31 22:47 ID:W9eeYalL
久しぶりの浩子投入。


 ∧||∧
(  ⌒ ヽ そしてまた服を端折るタワケが一人……
 ∪  ノ
  ∪∪


http://www.kitanet.ne.jp/~cas-per/cgi-bin/img-box/img20021031224516.jpg
31前スレ847:02/10/31 22:57 ID:suf+XXym
新スレおめでとうございます。
>萌虚仮さん
浩子萌え〜!
服なんて飾りですよ!偉い人にはそれがわからんのです(爆)
サルベージお疲れ様です。僕の分まで救って頂いて…
ありがとうございます(感涙)

32現スレの1:02/11/01 02:04 ID:B7SaOo9D
現在某Kanonキャラの反転SSを書いている途中…

…前スレ350さん&柳乃(女柳也)の作者さん、申し訳ありません…
どうでもよかったなんてことじゃなくてこっちの確認ミスです…

 ∧||∧
(  ⌒ ヽ 言い訳する前に書くもの書かないと……
 ∪  ノ
  ∪∪
33元380:02/11/01 02:34 ID:4bNb2siY
新スレ記念カキコ。
余裕が出来たら、また書いてもいいですか?
34名無しさんだよもん:02/11/01 17:58 ID:UPDdAZLe
>>33
むしろ忙しくてもk(吊
35名無しさんだよもん:02/11/01 20:03 ID:XpJZeBgX
 >>29
 ……即効思い付いた話は鬼畜突っ走りだよ。
 書いてください。読みたいです。
36前17:02/11/01 20:15 ID:QD1HYn8W
スレ立ておつ〜<遅

でも、えらい忙しくてなかなかSSを書けない罠
37名無しさんだよもん:02/11/01 21:01 ID:OIphR30w
というか、なんで>>29>>35は同じく一段空けなんだ。狙いか。
それはさておき、貧乳萌え―――!!貧乳が好きなんだ―――!!

38名無しさんだよもん:02/11/01 21:06 ID:6RYOzVwj
スレ立て乙カレー
>>10じごぐるの絵見てみた( ・∀・)イイ!
39前733:02/11/02 08:35 ID:UuWsXv2S
「美坂く〜ん、みてみて〜」
潤が湊君(でよかったか?)に呼びかける。よく見るとネコ耳と尻尾をつけていた。
正直それはターゲットが違うだろと思いながらその様子を眺めていると、
「で、猫がどうかしたのか?」
湊君が言葉を返す、それに反応したかのように、
「ねこ!?」
さっきまで寝ていた雪弥が起きた。
「ねこ……ねこ……ねこ〜〜〜〜〜!」
そして潤にだきついた。どうやらネコ魂に火がついたようだ。
「ちょっ、ちょっと、水瀬君!?」
「ねこーねこー」
そしてそのまま押し倒してしまった。
「きゃぁ!!み、水瀬君、ちょっと!!み、美坂君、見てないで助け…」
「違うよ、北川さん。ネコはにゃーってなくんだよ?」
雪弥が恍惚の表情を浮かべる。
「にゃ〜〜〜〜っ!!」
潤が泣き出して(鳴き出して?)しまった。
仕方がないので私は雪弥の目の前でパチンと手を叩いた。
「ハッ、あれ?ぼくは何を……?」
雪弥が我に帰る。そして自分の席に戻り、また寝てしまった。
目に涙を浮かべながら潤は乱れた服装を整える。そこへ湊君が口を開いた。
「一つ質問していいか?」
「なに?美坂君」
「尻尾はどうやってつけているんだ?」
そういえばそうだ、さっき雪弥に押し倒された時下着が見えたが何の仕掛けもなかった。
「えっと………あの……その………」
潤が口をもごもごさせる、そしてだんだん顔が赤くなる。それが最高潮に達した瞬間、
「美坂君のバカ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
と言って泣きながら走り去っていった。
40前733:02/11/02 08:44 ID:UuWsXv2S
このスレにおける、SS第1号です。
とりあえず猫北川のイラストから思いついたネタだったんですが、
尻尾がどうやって付いているかはご想像にお任せします。

あと、セリフが1個もなかったけどゆう視点で書いています。

 ∧||∧
(  ⌒ ヽ さて、吊って来るか………
 ∪  ノ
  ∪∪
41名無しさんだよもん:02/11/02 12:25 ID:zZanyuv7
>>40
激しく潤のスカート内が気になりました(;´Д`)ハァハァ
イ`、というかもっとおながいします…。
42萌虚仮 ◆VDVqNOfj.c :02/11/02 16:02 ID:1H5LBT3v
ここんとこ風邪気味&イベント控えてるため
数日間絵描きモードは休むです……

多分火曜日くらいには復活……できるといいな。
43名無しさんだよもん:02/11/02 20:13 ID:wNZZiy4Z
>>40
雪弥に萌えますた
44千堂さんと九品仏君と:02/11/02 22:10 ID:INKazM5g
……私は、相当イカれた男に恋をしている。
という事は、私も相当にイカれているのだろうか。

かずき「ねえ、大志」
大志 「なんだ、まいしすたー」
かずき「……私がピーチのコスプレしたら萌える?」

奴は呆れ顔で。

大志 「愚問だな」

後ろを向いたから、私はそっと後ろから大志を抱き締めてみた。

大志 「なんだ、ホワルバの勇輝の真似事か。言っては何だが、アレはセクハラだとは思わんか」
かずき「そーだよねー、後ろからこう、ふゆちゃんの無いちちをねぇ。しかも昔っからやってると」

……っておい。前途多難だ私の濃い。……否、恋。
こいつを落とすのは北川潤ちゃんが美坂くんと周囲を引かせるバカップルになる位難しい。
でも、私は諦めない。……いや、やっぱ諦めようかなぁ。しくしくしく。
45前スレ715:02/11/02 23:22 ID:AsVncB0H
>>44
なるほど、そういうカップリングもありだね。
おまけにさりげなく他の反転カップリングを混ぜる辺り技あり!
その調子でお願いします。
46調子に乗った44:02/11/03 10:41 ID:3i89QjQE
「え」
ぐらりとバランスを崩して、私は前のめりに階段(しかも最上段)から落ちそうになる。
「ゆ、祐子さんっ!?」
慌てて、瑞樹くんが私の身体を支えようとする。
ぽにょ。
『え』
今度は二人同時に間抜けな声。助けてくれたのは嬉しいけど、掴んだ場所はマイバスト。つまり私の乳。
大きさはそれ程じゃないけど、形の良さならどんと来い!!って。
「きゃあああああああああああああああああああ!?」
「ああああああああ、ごめんなさいいいいいいっ!!」
瑞樹君は顔を真っ赤にして、ぱっとその手を離した。はなし……た?その瞬間、視界が暗転した。

ごろどががががが。

「うわああああっ!祐子さぁあああんっ!!」
見事に私は転落、お尻突き出しバックからいつでもどうぞ的(あらお下品)な格好に。
瑞樹君は泣きながら階段を一段飛ばしで降りて駆け寄る。私は頭を軌道に星が公転している。
「しっぽをたぁ〜てぇ〜ろぉ〜……ホホ……ホ」
「ああああ、ガン○の大冒険は止めて下さい、しかもこの階段じゃしっぽ立てても無意味ですよ…」
そういう問題か。というか、私はもう一刻も早く帰りたくなっていた。
月島も電波も生徒会の二人の裸のビッグショーもどうでもよくなっていた……

……って、これ別に反転でもラヴでもないや。ガ○バのしっぽで吊って来ます……
47名無しさんだよもん:02/11/03 11:35 ID:lpjV3TyV
>>46
なんかもう訳わからんノリだけど、笑える。
48前スレ350:02/11/03 15:07 ID:8suc+YMF
 ドクン、ドクン、ドクン、ドクン……
 私は、夢を見ていた。
 夢であるとわかる、それ。
 夢であるのに、強烈な息苦しさ、リアルに動悸が感じられる。
 夢の中で私は、漆黒の影となり、風のごとく駆け抜けていた。
 エモノハコイツダ
 夢の中で、私は、その単語を思い浮かべる。
 エモノハコイツダ
 これは、私の意志……違う、私は……
 そして、やがて“私”は、1人の少女を思い浮かべる。
 エモノハコイツダ
 それは……

「うおぉぉぉぉっ!」
 雄叫びを上げ、私は反吐が出るような夢を振払い、飛び起きた。
 取るものもとりあえず、私は階段を開け上り、楓ちゃんの部屋の前に走る。
「楓ちゃん!? 起きてる? 返事してくれ!」
「耕一さん、いったいどうし……きゃあっ!?」
 ガシャーンッ!!
 楓ちゃんの悲鳴と共に、ガラスが割れるような破壊音。
 私は、構わず、扉を開けて中に飛び込んだ。
 そこには――
4948:02/11/03 15:08 ID:8suc+YMF
 窓を突き破って飛び込んできた、異形の怪物――『狩猟者』。
 ベッドの上で、怯えている楓ちゃん。
 こいつは……『狩猟者』は、楓ちゃんを“獲物”と言い、この家の中までや
ってきたのだ――!
「一匹、目を覚ましやがったか……ククク、大人しく寝ていれば自分は助かっ
たものを……」
「はっ」
 私は跳躍し、楓ちゃんとヤツの間に割って入る。
「楓ちゃんがさらわれそうになってるのに、はいそうですかと見ていられるか
よっ!」
「なら」
 ヤツはそう言うと、すっと拳を引き、
「まずは、貴様からだ」
 ごっ、がすっ!
 私の鳩尾に、強烈なフックをくり出してくる。
 私は、目にも止まらぬようなそれを、しかしがっしりと両腕で受け止めた。
「さすがに一筋縄ではいかんか、さすが、同族か……」
 ヤツはそれでも、鼻で嘲るかのようにそう言った。
「耕一さん!」
 楓ちゃんが心配そうな声を、私の背後からかけてくる。
 私はしっかりとヤツの腕を捕らえたまま、
「大丈夫、まかせといてよ」
 と、楓ちゃんを振り返って、笑顔を見せる。
「なめるなぁっ!」
「耕一さんっ!!」
 ヤツは反対側の腕で、その鋭い爪先を私に向かって振り下ろす――
 がしっ!
「な、なにっ?」
 一転、ヤツのうろたえるような声。
 私は、ヤツの一撃を片手で、止めてみせたのだ。
 そして、私は……
5049:02/11/03 15:09 ID:8suc+YMF
 テレビのブラウン管越しに見ているような感覚が、急激にリアルなそれにか
わる。
 やれやれ……宿主め、また都合の悪い時にあたしと交代してくれたわね。
 まぁ、結構宿主には遊ばせてもらっているから、文句も言えないけどね。
 あたしは内心でため息をついてから、その内に秘めるあたしの力のすべてを、
身体に向かって解放する。
 ぐぐっ……
 全身の組織が一気に密度を増し、筋力が飛躍的に向上する。
 特に腕は著しく筋肉が盛り上がる。
 さすがに同族の男性とは異なり、顕著な変態はしない。けれど……
 研ぎすまされた五感、みなぎる力。確信できる、あたしは今、この地上で最
強の生物へと変化を遂げたのだ。
「耕一……さん?」
 後ろでカエデが、おずおずと、宿主の名前――まぁ、あたしの名前でもある
わけだが――を呼んだ。そうだろう、女性でここまで顕著な変化を見せる者は、
逆に珍しいはず。
「いい加減にしなよ、この下衆がっ」
「何……?」
 目の前のヤツが、あたしの言葉に反応するより早く、私は片手につ、と力を
入れた。
 ドグァッシャッ
 ヤツの身体は宙返りし、そのまま床に叩き付けられる。
「けっ、見てくれだけの下衆にやられる程、あたしは優しくないよ!」
 あたしはそういって、目の前で床に這いつくばっているヤツを見下ろす。
5150:02/11/03 15:11 ID:8suc+YMF
「耕一さん……なんですか……?」
 カエデの声に、あたしは振り返る。
「……そうね、宿主……あんたが知ってる『耕一』とは、ちょっと違うかも知
れないけどね」
 宿主、って言い方はあたしが、宿主を呼ぶ時にめんどくさいから決めただけ
の事で、まぁ、実際にはあたしにとっても、この身体は自分のモノでもあるわ
けだけど。
「『鬼』……耕一さんの中に、なぜ? 女性なのに」
「んー、難しい質問をしてくれるね……」
 カエデの質問はもっとなんだけど、そんなこと、あたしにも宿主にもわかん
ない。答えようがないよ。

 ガシッ
 その時、あたしの足首がつかまれた。そして次の瞬間、視界が回る!
 グワシャッ!
 あたしはそのまま、強烈に壁に叩き付けられた。
「こ、耕一さんっ!」
 あたしの身体が壁との間に立てた強烈な衝撃音の後、カエデの悲痛な叫び声
が聞こえてくる。
「あ……ひっ……」
 そして、小さな悲鳴。
5252:02/11/03 15:12 ID:8suc+YMF
「ぐっ……」
 あたしはさすがにダメージに呻きながらも、ゆっくりと壁から離れる。
 振り返ると、ヤツは無防備にもあたしに背を向けて、カエデに襲い掛かろう
としている。
「あんたみたいな下衆程度に、あたしがやられるなんて……」
「な、なにっ!?」
 あたしの声に驚き、ヤツはうろたえるようにして振り向く、けど、遅いっ!
「思わないでって言ってるでしょーがっ!」
 ガシッ!
 あたしは、いわゆるネックハングブリーカーの要領で、ヤツの喉元をつかむ。
 そしてそのまま、ヤツの身体モロとも、ヤツが突き破ってきた窓から今度は
外へ飛び出した。
 重力に引かれて、あたしとヤツは大地へ向かって降下する。
 ドタンッ!
 あたしはヤツの喉元をつかんだまま、体重をかけてヤツを地面に叩き付けた。
「ガッ!」
 ドサッ!
 ヤツは地面に転げる。だけど、今のさっきで、あたしはもうコイツに手加減
しようと言う考えを綺麗さっぱり捨てていた。
 そのまま、バック転するようにして、膝をヤツの胸に突き立てる!
 ガッ!
「グアァッ!」
 肋骨を粉々に砕く感触。さすがに即死はしなかったが、わかる。こいつはも
う、2度と立ち上がれない。
 あたしは自分の力に満足して、ニヤリと笑った。
5352:02/11/03 15:13 ID:8suc+YMF
 ひょおう……
 風をまとい、私は今や単なる破口と化した窓から、カエデの部屋に立つ。
「こ、耕一さんっ!?」
「終わった、わよ……」
 あたしは笑って、カエデにそう伝えた。
「そう……ですか……」
 カエデが、視線を落としてそう言った。
 あたしは、カエデに歩み寄る。
「あ…………」
 怯えたような眼で、カエデはあたしを見上げる。
「怖い?」
 あたしは微笑みながら、少し意地悪げにカエデに聞いた。
「は、はい……少しだけ……」
「正直でいいわ……でも、逃げないのね?」
 あたしはそれまでの意地悪げな色を消して、優しく聞き返した。
「だって……あなたも……『耕一さん』……ですから……」
 そういって、カエデは健気に笑う。
「やれやれ……参ったわね……」
 あたしは今夜何度目かのため息をついてから、カエデを抱き寄せ、キスを奪
う。
 ついでに、パジャマ越しに胸も試食させてもらっちゃう。
 カエデは身を硬くしていたけど、抵抗はしなかった。あたしは口付けたまま、
慎ましやかだけど柔らかな膨らみをいじってあげる。
5453:02/11/03 15:13 ID:8suc+YMF
 ひとしきりそうしてから、あたしは口を離し、カエデをベッドにしっかりと
座らせなおした。
「あたしはこう言うことが好きなの、宿主よりね。それでも平気?」
 カエデは少し戸惑ったような表情をして、でも嫌ではなさそうに、
「はい……大丈夫です……」
「全肯定ってワケ……そっか、じゃああたしも否定する理由はないわね。宿主
と違ってめんどくさがりだからなかなか出てこないと思うけど、よろしくね、
カエデ♪」
 あたしはそう言ってウィンクしながら、カエデの頭を撫でた。
「!、はい…………!」
5548 - 54:02/11/03 15:17 ID:VRNWN5ie
 やっほーい、やっと「鬼モード」書けたぞキャホーイ
 この鬼モードは、乱暴ではあるが、実は普段より女らしいという設定です(笑)

 なんか、少し展開が強引だった上に、
 妙に長ったらしいので、

 吊 っ て お き ま す 。

 ∧||∧
(  ⌒ ヽ ブラン
 ∪  ノ
  ∪∪
56名無しさんだよもん:02/11/03 17:31 ID:pvwlwKdP
女耕一反転キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!
57千堂さんと九品仏君と2:02/11/03 21:03 ID:O0FFjAbG
海に行く約束をした。事実上デート。私もデート気分。ただ問題は。
……相手は、全くデートと思っていないのみならず、私がこいつを好きだという事すら気付いていない事。
だがしかし、今日こそ。今日こそあのウルトラマニアックバカ(人の事ァ言えないが)を振り向かせようと画策していた。
そんな訳で私はこみパで出たスズメの涙程の黒字で新しく水着を買った。オレンジの、少々大胆なビキニ。
ここ最近運動不足だけど別の意味で活発だからね。スタイルにはちぃぃとばかし自身あんのよ。
拓美さん以上浩子ちゃん以下って事かしら。おおっと、あまり意味ないわね。数字一緒じゃない。
この乳とここ最近の同人人間関係で培われた忍耐力であいつ(属性おそらくDARK−CHAOSの一番隅っこ辺り)を仲魔……否、ゲットだぜ。

「……笑っているのか?恐いぞ、マイシスター」
来たか!私は颯爽と振り向く。
「どぇあわあああっ!?」
その瞬間、私は凍り付いた。あら大志さん以外とええ身体しとるのね。というかそんなもんどーでもええのよ。なんですかその格好。
ワンサイズ小さめのビキニパンツはいいとしてさ。その股間と口元の薔薇はなんなのよ。
お前は薔薇のさだめに生まれたのか。華やかに激しく生きろと生まれたのか。だったらイギリス国旗柄でなくフランスにしろと小一時間(以下略)。
「どうした。我輩のセクシーさに悩殺されたか」
それはこっちの計画だったんだよこのアホたれ。
……薄れ行く意識の中、私の頭にはこんな時なのにアイドルの歌が流れていた。

タイトルは……『マジでこいつに恋した事を後悔する5秒前』だった……かな……(違う)
5844:02/11/03 21:12 ID:O0FFjAbG
すいませんすいませんすいません。
もうしません。ベルサイユで首吊って来ます。
みのむしのようにぶらりんしゃんと吊って来ます。
59名無しさんだよもん:02/11/03 22:28 ID:2l3Phz87
>>58
逝かないで、逝かないで…
6055:02/11/03 22:44 ID:8suc+YMF
 ∧||∧
(  ⌒ ヽ
 ∪  ノ
  ∪∪

 つまり漏れは逝ってもいいと。最近レスも少ないしな。
 でもよ、ウザかったら正直に言ってくれ。

   ∧||∧
 ・゚・(  ⌒ -=y ターン
   ∪  ノ ̄
    ∪∪
61名無しさんだよもん:02/11/03 23:23 ID:YeXjYrWs
>>60
んなこたーないです。鬼の様にイ`。

てかカコイイです、耕一@バトル。楓も一途でカワイイですし。
少なくとも、漏れは期待してます。ガンガレ!
62名無しさんだよもん:02/11/03 23:52 ID:dCeVJ5f4
ってゆーか職人の皆さん、被害意識強すぎです。
こんなに萌えるもの読ませてくれるんだから、もうちょっと胸張ってください!
63名無しさんだよもん:02/11/04 09:42 ID:Bg6mKv+A
>44
すんません。そのシーン思い出してとっさにこんなものが頭に浮かびますた…

ぐらり、と瑞樹君の体が傾いた。階段の最上段。このままじゃ大怪我しちゃう!?
私はとっさに手を伸ばした。だけど上半身はすでに泳いでいる。間に合うのは…。

「あ、危な…!」

  もにょ

「「………」」

えーと、恐怖で縮こまってもいなく、かと言って膨張状態ではない、にもかかわらずに
それなりの存在感を主張する、これこそ若さの証明のような立派な…って!

「「ひゃああああっっ!?」」

それがどちらの悲鳴だったやら…。
とっさに手を伸ばした私がつかんだのは、瑞樹君の…「息子」だった…。

*以下省略。とりあえず吊ってきます。
64起き抜け44:02/11/04 10:46 ID:5QLgtwwv
>>63
貴方はサイコーだー!!
吊るなー!いや、吊らないでたもれー!!
65千堂さんと九品仏君と2.5:02/11/04 10:53 ID:5QLgtwwv
「……お前、最近大志とばっか一緒にいるな」
訝しげな表情で、瑞希は言った。
「うん」
「……友達いないのか?」
お前は違うんかい。
ちろり、と私は瑞希を見る。呆れ顔の瑞希。
「瑞希さ、愛と勇気しか友達いない奴と、アライグマが友達になってくれたのを
神様に感謝してる奴と、どっちが嫌?」
その微妙な質問に、瑞希は頭を傾げる。相当悩んだ後。
「……アライグマの方」
やたら真面目な顔をして答えるなぁ。
「なんで」
「だって、アライグマは去ってくけど、愛はともかく勇気はいつまでもあるだろ
うし……第一神様ありがとうってのはなぁ……」
……どうコメントしろと。質問した私が一番アホだケロも。
「だったら、相手が人間な分、まだいいじゃん」
「アレは人間だったのか」
ナイスな心意気だ、瑞希。
「いいか、お前アイツと一緒にいたら戻れなくなるぞ。オタクなんてのは……」
また始まったよ。もういいよ、戻れなくても。アイツとなら、これ以上堕ちる事
も無いだろうし。堕ちる所まで堕ち切ってるってか。

……好きって、言えたらいいのに(言っても気付かない可能性大だけど)……
瑞希の説教を右から左に聞き流しながら、私は溜息をついたのだった。


蛇足:……瑞希ルートに入ればその内(e)コスプレしてくれるんでしょうか。
   マグ○大使とかギ○バンとか仮面○イダーアマ○ンとか……
   そして色んな意味ですいません。発煙筒持って火事だと叫びながら逝きます。
66名無しさんだよもん:02/11/04 14:12 ID:D8NVpEzM
北川反転話、導入部を書いてみました。相方は祐一(♂のまま)。
読み難い点があろうかと思いますが、平にご容赦を。…面白くなかったら、もっとご容赦を。←出来るか
67北川(♀)×相沢(♂):02/11/04 14:17 ID:D8NVpEzM
その状況を理解するまでには、多少の時間が必要だった。…多少、で済んだ自分の柔軟性を褒めてやりたいが。
「で、俺にどうしろと? 北川…言っておくが、起きないから奇跡っていうんだぞ?」
「…今現在、俺の身に起きていること自体が奇跡そのものなんだが」
そうなのだ。これは確かに奇跡といっても良いだろう。俺の目前にぺたっ、と座り込んでいるのは北川潤その人で。
…それなのに
シャツの袖から覗くほっそりした手首。胸部の生地を押し上げるゆるやかな隆起。
明らかに狭まった肩幅。対照的に発達した安産型の腰部。
要するに女の子。つまりは婦女子。平たく言って女人。…北川なのに。
「そうか…北川もそういう年頃になったんだな…」
「年頃になったからって性別が変わる奴がいるかあっ!」
逆切れしやがったなコンチクショウ。なんか声まで高くなってやがるし。
…しかし、なんだな。こいつの顔パーツって、そもそも女の子向きに出来てたんだな。
「…まあ落ち着け。いがみ合ったところでどうなるわけでもないし。詳しい話、聞かせてくれるか?」
「すまん相沢…つい、カッとなって…。えーと、朝、目が覚めたらこうなってた。以上」
「終わりかよっ! もっと、こう、ヒネれよっ!」
「…ほんとにそれだけなんだから、仕方、ないだろっ…」
てっきり噛み付いてくると思った。なのに北川は、唇を噛んで俯いて。小刻みに肩を震わせて。…泣いてる?
「な、なあ、北川。悪かったよ…他人事だと思って、その、言い過ぎた。すまん」
「…いいよ。ごめんな。いきなり押しかけて、みっともないとこ見せて…もう俺、帰るよ…」
そう言ってふらりと立ち上がる北川。どこか虚ろなその目を見て、俺の直感が「一人にさせるな」と囁く。
「待った。そんなんじゃ家にも居辛いだろ? この休み中ぐらい、ここに居ろよ。…な?」
「…でも。迷惑だろ?」
涙の溜まった瞳で俺を見上げる、北川に良く似た女の子。混乱と不安がない交ぜになった表情。
いつも、しれっとした顔で俺をからかう『北川潤』の面影が、そこに見出せないのがなんだか悔しくて。
「…いいから。秋子さんと名雪には俺から話しておく」 
そんなことを言った。「友達が困ってるんだから」と、誰に対してなのか良く判らない言い訳をしながら。
68北川(♀)×相沢(♂):02/11/04 14:18 ID:D8NVpEzM
俺の予想通り、家主とそのご息女は快く北川を受け入れた。…あんたら大物だよ。マジで。
「わ、可愛いね北川くん。すごく綺麗なお肌…羨ましい」
「大変でしたね。北川さん…わたしたちに出来ることがあったら、遠慮せずに言って下さいね?」
「あ、ありがとう、ございます…少しの間、ご厄介になります」
しおらしく頭を下げる北川を見ながら、先ほど自分が抱いた奇妙な感情を反芻してみる。やっぱり判らない。
ただ確実に言えるのは、今のこいつは「危うい」ということだ。
「なあ北川…とりあえず俺の部屋でのんびりしてろよ。話はそれから…」
「あの、秋子さん。何か用事があれば言い付けてくださいっ。買い物とか掃除とか…」
北川は俺の言葉も聞こえない風に、秋子さんに話しかける。どこか必死な雰囲気で。
気圧されるように「じゃあ、お風呂のお掃除、お願い出来ます?」と秋子さんが言う。
腕まくりをして浴室に向かう後姿を見て、俺はため息をつきながら後に続いた。
「…おい北川。つうか、そんなことしてる場合じゃ…」
「いいんだ」
「義理堅いのは良いことだが、別に掃除なんぞしなくても」
「…何かしてた方が、気楽なんだよ。いろいろ考えたくないんだ、今は」
掛ける言葉も無く、しばし無言のまま床を磨く。ちらっと横目で様子を伺う。…そして息を呑む。
大きめのシャツの胸元から覗く、柔らかそうな半球。その先端には桜色の突起。
「…ブラぐらい付けろよ…」
「へ? ブラクラがなんだって? …ヘンな画像探してて、また踏んだのか?」
「いや、なんでもないっス」
まあ、慌てて家を飛び出してきたようでもあるし。そもそもそんなこと考え付きもしなかったんだろう。
おかげで良いもの拝めたわけだが…。いやいやまてまて。『良いもの』て! 所詮は北川だぜ?
「これぐらいでいいかな…んーと、シャワーは…」
「そのバルブを両方回せ。そう、それ…」
蛇口の前でしゃがんでいる北川の手元を、背後から覗き込む。…再度見える、ふっくらしたおっぱい。
もの問いたげに首を捻って俺を見上げるのは、白い額に汗を浮かべた無防備な美少女。凶悪なアングル。
目を合わせないようにしながら、独り言みたいに呟く。
「…もう掃除はいいだろ。部屋で休憩しようぜ」
「うん…そう、だな」
69北川(♀)×相沢(♂):02/11/04 14:19 ID:D8NVpEzM
その日の夕飯はいつにも増して手が込んでいた。どれぐらい手が込んでいたかというと。
「秋子さん…なぜ、お赤飯?」
「あら、お赤飯は嫌いですか?」
「嫌いじゃないですけど…その…」
向かいでちまちまと赤飯を食す少女は、恥ずかしげに身を縮めて俯き加減。北川…哀れな…。
俺は「意味深」がてんこもりになった茶碗を眺めて、溜め息まじりにそれを口に放り込んだ。
「さて、部屋に戻……北川、北川くんや。それは何の真似なんだい?」
「口調変わってるぞ、相沢」
「いいから質問に答えろ。そのパジャマは…」
「あ、ああ…これ、水瀬が貸してくれたんだ…俺はいいって言ったんだけど…やっぱり、ヘンか?」
濡れた髪をかしかしとタオルで拭きながら、カエル柄のパジャマを着た北川が答える。
上気した肌、隆起した胸、石鹸の匂い。…なんというか、とても、マズい気がした。
「相沢が気になるなら、シャツがあるからそれ着るけど」
「余計気になるわっ! やめやめっ! そのままでいいっ!!」
「なんでそんなに怒るんだよ…」
「と、とにかく今後の対策会議するぞっ!」
階段を乱暴に駆け上がり、床に座り込んで考える。
どうすればいい? どうしたい? どうなっちまうんだ? …答えなんか、出るわけもなかった。
7067-69:02/11/04 14:20 ID:D8NVpEzM
という感じで。なんか801風味溢れるものが書き上がってしまいました。
…さて。ひとまず、からっと香ばしく揚げられてきますか。アデュー。


    ,.、,、,. ∧_∧,_        /i
   ;'~;...::⊂(´∀`⊂⌒`つ:::`゙:.:゙:`''': -‐i
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71名無しさんだよもん:02/11/04 15:55 ID:lVMMw6H5
反転北川キタ━━━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`) ゚∀゚)━━━!!!!

ちょい萌え。
72前スレ847:02/11/04 16:16 ID:deKDuk0u
>>39
遅レスすみません〜
ネコ潤ネタに使って頂いて恐縮です。
尻尾、どうやって付けたんだろう…(爆)。
後先考えずに制服に穴をあけている事だけは確かです(笑)。

>>67-69
反転北川〜!萌え!
元に戻らなくていいと本気で思う位萌えです(笑)。
続きが楽しみ。
73名無しさんだよもん:02/11/04 17:20 ID:W6uVVVtM
>67〜69
⊂⌒~⊃。Д。)⊃
(萌え死にますた)
7467:02/11/04 20:00 ID:Yh5mwM6X
ああっレスどうもです。
北川のみ反転の続きを書きました。方向性としては、エロになりました。
…いいのかな。いいよね? ねっ? ←誰に許しを請うていますか、貴様は
75北川(♀)×相沢(♂) :02/11/04 20:01 ID:Yh5mwM6X
「もし…このまま戻らなかったら、俺どうすればいいのかな。はははっ…」
「…そのまま生きていくしか、ないだろうな」
「簡単に言うなよ。…俺、17年間、男やってきたんだぜ?」
「混乱してるのは判る。だが…」
「…相沢に、なにが判るんだよっ!!」
突然の叫び。…いや、多分突然では無いんだろう。
女になってからずっと抱えていた混乱と怒りと不安が、キャパシティを超えた。それだけのことだ。
「いきなりこんな身体になって、それまでと変わらず生活しろって!? 
        しろっていうならそうするさ…好奇の視線と下世話な噂に囲まれながらなっ!!」
「落ち着け、北川。そういう意味で言ってるんじゃ…」
「…まともな恋愛とか出来るのかな? 好みの女の子がレズである可能性って、どれぐらいなんだろうな? 
     それともいっそ男とくっつくのが自然かな? ははっ…元『男』の女が? 気持ち、悪いな…ははははっ!」
「自虐は止めろっ! いい加減に冷静に…」
「うるさいっ! …お前だって、俺のこと気持ち悪いって、思ってるんだろ!?」
「思ってねえよっ!」
「……そうやって、うそ、つくんだな…お前もっ…」
悲しげに俯いた北川の眦から、ひとしずくの涙。床に落ちて染みを作る。
刹那、俺の内部でなにかいろいろなものが弾け飛ぶ。…信用しない、お前が悪いんだからな?
「北川、顔上げろ」
「……?」
「…俺は、うそつきなんかじゃない」
「あいざわ…? …んうっ!?」
華奢な顎を捉えて、噛み付くように唇を奪う。強引に舌を割り込ませ、口腔の隅々までを蹂躙する。
「ン…ふあっ! や、止めっ… んぅぅっ…!」
顔を離そうとする北川を抱き締めて、床に押し倒す。柔らかな身体に覆い被さる。
…どれだけの時間、そうしていたかは判らない。我に返って拘束を解くと、北川は息も絶え絶えで目を閉じていた。 
76北川(♀)×相沢(♂):02/11/04 20:02 ID:Yh5mwM6X
「北川…大丈夫か? おい?」
「……な、なんで…こんな…あいざわ、が、なんで…?」
「…お前が俺を嘘つき呼ばわりするからだ。気持ち悪かったら、こんな真似しない。
                お前は気持ち悪かったかも知れんが…許せ、二度とこんなことは…」

ぎゅっ

「…き、北川っ?」  
「…気持ち悪くなんか…なかった…びっくりしたけど…でも」
「でも?」
「き、気持ち、よかった……」
半身を起こして抱き付いたまま。白いうなじを真っ赤に染めた北川が、この上なく恥ずかしそうに囁く。
柔らかく押し潰されている胸の感触。首筋に当たる吐息。石鹸の香り。…女の子の、身体。
異常な状況に麻痺した脳とは対照的に、激しく活性化する俺の一部分。マズい、マズいっ!
身を捩って離れようとする。…少しだけ、遅かった。
「ぁ…あい、ざわ……これ?」
「ち、違うっ! これは、そのっ…そんなんじゃないんだ!」
「……したい、のか…?」
「ば、ばかっ! そんな訳ないだろうがっ! は、はははっ…」
「…いいよ。相沢が嫌じゃなかったら…しても」
「…………………ぇ?」
「……だ、だって…このままじゃ、辛いだろ? 元は男なんだから…わかるよ」
しなやかな指が、そっとその部分に触れた。優しく撫で上げる感触に反応して、硬度が増していく。
「くっ…きたがわ…や、やめ…」
「…もしこのまま戻れなかったら、この身体と折り合いを付けて生きていくしかないんだ…」
「……?」
「いずれ、『そういう時』が来るんだったら…どうせ、そうなるなら…」
「北川…」
「…は、初めては、相沢がいい。…迷惑、か?」

……勃った。完璧に。痛い位。
77北川(♀)×相沢(♂):02/11/04 20:03 ID:Yh5mwM6X
「北川…いいんだな? 泣いても、途中じゃやめないぞ?」
「いい。お、男に二言はない」
突っ込みどころ満載なのに、別に間違ってはいない台詞を吐く北川。俺の混乱が増していく。
ベッドに座らせ、背後から包み込むように抱き締める。ぴくっ、と揺れる肩越しに見える、二つの膨らみ。
「綺麗な形だな、これ」
「そういうコト言うなっ…死ぬほど恥ずかしいんだぞ…」
「我慢しろ。これからもっと恥ずかしいことされるんだから」
「も、もっと?」
怯えたような声で問う北川には構わず、パジャマの胸元に左手を差し入れる。
もう一方の手はパジャマのズボンに…えっ? あれ? えーと…ショーツは? 
「ひゃっ! あいざ、わっ…そんな、いきなりっ…!」  
「いや、当初はショーツ越しにソフトタッチするつもりだったんだが…下着、着けてないのか?」
「だ、だって…そんなの持ってるわけ…うあっ!」
淡い茂みの下、密やかに閉じた秘所が指先に触れる。くすぐるように、指の腹で優しくなぞりあげてみる。
「…ん…はぁ…っ…ふ、うぅ」
「どんな感じだ? …辛いか?」
「辛くは、ないっ、けど…あァッ…へんな感じ…うあっ!」
「…少し濡れて来たな。じゃあここは?」
指先をスライドさせて、張り詰めた突起を弾く。硬いゼリーみたいな感触。…反応は劇的だった。
「…ぁああああああァっ!!! やめっ…あ…いざわ…やめて…っ! ひゃ…ぅあっ!!」 
「敏感だな北川は。大きな声出すと、秋子さんと名雪が起きてくるぞ? …見られたいんなら、話は別だが」
耳元に口を寄せて、からかい混じりに囁く。濡れた瞳で俺を睨みつける北川。…苛め甲斐があるなあ。
「あ、悪人…お前、いっつもこんなことしてるのかっ…?」
「いや、相手によるな。お前はなんだか、嗜虐心をそそるというか…例えばこんなふうに」
言うなり、吸い付くような乳房を強く掴んで、すっかり濡れた秘腔に指を差し込む。まとわりつく熱泥の感触。
「…っくぁぁっ!! …や、やだ…よぅ…あいざわ…怖い、こわい…っ」
「怖くない。大丈夫だ、もう意地悪はやめるから…泣くなって、ほら」
「……んっ……」
唇を重ねて、優しく髪を梳いてやる。小刻みな震えが収まるまで、抱き締めながら啄むようなキスをした。
7875-77:02/11/04 20:07 ID:Yh5mwM6X
次回本番突入。マジで嫌だという方、止めるなら今のうちです。
…それでは、からっと油切れよく揚がってきます。

    ,.、,、,. ∧_∧,_        /i
   ;'~;...::⊂(´∀`⊂⌒`つ:::`゙:.:゙:`''': -‐i
   :';: ...:,.: .、.:...: ,:. :.、.:',.: .:::,.: . ::,;;;;:'゙~' ̄
   '、;,.: .:: : ...: ,:. :.、.:'_;.;;..; :..‐'゙
79名無しさんだよもん:02/11/04 20:24 ID:aNorZvXl
>>78
烈しく続き⊂⌒~⊃。Д。)⊃きぼーん
80417:02/11/04 21:00 ID:fShU+l9s
 萌えるのでOKです。
続きが読みたいのでだから油にとびこまないで下さい
 
81前スレ715:02/11/04 22:20 ID:nBi8oQ6n
>>44氏はじめ、各職人様一同
出かけてたので2日見なかったら盛況になってて私はうれしいよ。
とりあえず皆さんグッドジョブ!!

>>78
是非続きを書いてください。お待ちしてます。
82⊂⌒~⊃。Д。)⊃:02/11/04 23:34 ID:ii7/ZPjI
怖がる北川…否、潤に萌え死にますた。
烈しく続きを希望!!>>78
83自分のを改めて読んだ44:02/11/05 18:00 ID:+HeC6wFd
他の職人様と比べて圧倒的に『萌え』要素が足りない事に気付く。今更。
……可愛くないなぁ皆。特に……雫の裕子さん。
精進します。とりあえず逝って来ます。ノ○さんの如く油で揚がって来ます。
8455:02/11/05 19:52 ID:/h35eX/h
>>83 = 44
イキロ。貴様はこのスレに重要な若い力だ。
 かわりに漏れが逝っておくから安心しろ。

  ||∧ ∧
 /( ⌒ ヽ
 \⊂  ノ どっこいしょっと。
   ∪∪
| ̄ ̄|
85名無しさんだよもん:02/11/05 21:01 ID:D9iHt+E7
 ∧||∧
(  ⌒ ヽ
 ∪  ノ
  ∪∪

俺は人柱になる…このスレの繁栄を願って…!
8667:02/11/05 21:47 ID:FWg6pLmh
さて、潤ちゃんと祐一くん本番突入編です。もう戻れません。いや、書いた俺がね。
…やっちまった感で一杯です。平に平にご容赦とお慈悲を。
87北川(♀)×相沢(♂) :02/11/05 21:48 ID:FWg6pLmh
ぎしっ、と軋む安物のベッドに身体を横たえさせるまでの間、北川は終始無言だった。
不安、なんて生易しいものじゃないんだろう。たった今俺の手で与えられた、未知の感覚に怯えているのだ。
「や、やっぱり、痛いのかな…やだな…なんか、相沢の大きそうだし…」
「…お前は無自覚にやらしい台詞を吐くな。更に大きくさせてどうする」
「うぅ…お、お手柔らかに…」
「力抜いてろよ? いいな?」
こくんと頷いて目を閉じる、ついさっきまで俺の男友達だった女の子。理解し難い背徳感に、眩暈を覚えた。

くちゅ

性器同士が触れる。びくっと大きく震える北川の身体。俺の先端がピンク色の裂け目に埋没する。
きつい腔内をゆっくり進んで、中ほどで感じる抵抗。強く、突き刺す。…ごめんな、北川。
「っはぁ、あああああああぁぁっ!! いた、いっ…いたいいたいっ! …う、あぁっ…っ!」
「…全部、入ったぞ。痛かっただろ? 良く我慢したな、北川」
「つ、うっ…くはぁ……はあっ、はあっ……お、女の子って、偉いな…こんなの、我慢するんだから…い、たっ」
「なあ、もういいよな? …これで止めようぜ?」
「…どうして?」
「痛々しくて、見てられない。俺は、お前のことを痛めつけたいわけじゃないんだ」
「…相沢は、やっぱりうそつきだ」
「……?」
「自分で言ったくせに…『泣いても止めない』って。こんな中途半端なの、嫌だ…」  
「…お前…どうして…」
「…えっ…?」
「そうやって、無闇に俺を挑発するんだっ…!」
脳内が白熱する。きつく、柔らかく俺を締め付ける肉壁。貪り尽くしてやりたい。…こいつの全部を。


88北川(♀)×相沢(♂):02/11/05 21:49 ID:FWg6pLmh
「動くぞ。どうなろうと、お前が全面的に悪い。…もう、知らんからな?」
「んっ…いたっ…! うあっ…あいざわ、んあっ!」
「…く、うっ! ば、ばか…そんなに締め付けるな…っ!」
「だって…そんなの自分じゃわから…はぁうっ! んっ…ひゃ、うっ!」
絡みつくような粘膜。悲鳴にも似た嬌声。縋りつく細い腕。限界は近い。
「…あいざ、わ…きもち、いい? きもちいい、の?」
「っあ…もう、限界、だ…くっ…!」
「ぅあぁっ! …なにか、きてるっ…よぅ…っくあっ!…お…おかしく、なるっ…!」
「…いきそう、なのか?」
「わかんない…わかんないっ…! あっ…ああああああああアァッ!!!」
「いくぞっ…北川!」

びゅるっどくっどくっ

音が聞こえそうな勢いで、射精が始まる。北川の一番深いところに、叩きつけるように。
脳髄が痺れるほどに激しい快感が、背筋を駆け巡る。…気付けば、一滴残らず搾り出していた。
「はあっ…はあ……す、すまん北川、中に出し…北川? おい、どうした?」
「…………ンぁ……ふっ、ぅ……」
「…おーい、初めてなのに、いっちゃいましたかー?」
「……あ、あれっ…? 相沢? え、えーと…どうなった、の?」
「つまりだな…お前が淫乱だということだ。OK?」
「い…淫乱なんかじゃないっ! なんてこと言うんだっ!」
「しかし、初めてでこれだけ乱れるやつはそうそういるもんじゃ…」
「相沢が…じょ、上手だったからだっ…それに、その…優しくして、くれたし…」
怒ったように口を尖らせて、照れくさそうにシーツを巻きつけて体を隠す。…可愛い、と素直に思った。
8967:02/11/05 21:50 ID:FWg6pLmh
もうちょいで終わるので、あと少しだけお付き合いのほどを。
さて、鍋も火にかかったようなので、外はさくさく、中はジューシーに揚がって来ます。再見。
    ,.、,、,. ∧_∧,_        /i
   ;'~;...::⊂(´∀`⊂⌒`つ:::`゙:.:゙:`''': -‐i
   :';: ...:,.: .、.:...: ,:. :.、.:',.: .:::,.: . ::,;;;;:'゙~' ̄
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90なんだかもう44:02/11/05 21:54 ID:akPZohYl
人柱はやめて―――!!
次の終わったら私が逝きますから―――!!
9167:02/11/05 22:04 ID:FWg6pLmh
あ、それと44さんと55さん。
お二人の書かれたやつ、めっさ好きなので。きちんと完結させるまでは

逝 く こ と も 吊 る こ と も 揚 が る こ と も 許 し ま せ ん

もちろん完結させた後も、次の反転の為に次の次の反転の為に。レッツ無限地獄。
9229・35両氏に捧ぐ英二×ふゆ:02/11/05 22:05 ID:akPZohYl
元気それなり、悩み満々の少女(って程の年齢でもないが)ふゆは、今日は『エ
コーズ』でバイトをしていた。
にもかかわらずTV局にいるのは毎度お馴染みドリンクの運び屋をしていたから
だ。空のグラスを手に、ふゆは早足でこの建物を後にしようとしていた。
最近色々な事があったせいか、会いたくない人間が多すぎるのだ。具体的に言う
ならば勇輝・篠塚・英二の三人。理奈ならまだいい。そんなに接点無いから。
わがままだなぁと思いつつ、ビクビクしながらふゆは歩いていた。

「藤井くん」
後ろから不意に声を掛けられて、ふゆは心臓が跳ね上がる。が、すぐに該当人物
でない事に気付いて胸を撫で下ろした。
「あ……お、おはようございます」
名前は思い出せないが、見覚えはあった。確か何度か担当した番組のディレクタ
ーだ。
「ああ、おはよう。実はちょっと話があるんだけど、いいかな」
「あー……あの、私、今バイト中でして……」
「いや、時間は取らせないよ。少しでいいんだ」
馴れ馴れしく、手を肩に回す。少し嫌な感じはしたが、一応バイト先の上の人間
なので口は出さなかった。
「……はい。それなら……」
時間は取らせない、というのなら、と、ふゆは承諾した。肩に回した手はどけな
いまま、二人は奥の方へと向かった。

そんな様子を見ていた男がここに一人。
「アレは……勤労少女……ってか、ふゆちゃんか?」
そう、訝しげに呟いた。
9329・35両氏に捧ぐ英二×ふゆ:02/11/05 22:08 ID:akPZohYl
時間は取らせないって言ったのに……
奥の方の控え室に通されて、ふゆは心持ち不安になっていた。
「あの、ご用件は―――」
振り向いて、ふゆは言葉を失った。真正面に男の顔。両手を壁に突いて、ふゆが
逃げられないように自分でその小さい身体を囲んだ。
「あ、あの……」
言いようの無い恐怖を感じて、ふゆは脅えた。気分は正に蛇に睨まれた蛙。そっ
と頬に触れた手に、肌を粟立たせる。
「君の事、前から可愛いなって思っていたんだ」
厭らしい笑みを浮かべて、男は顔を近付ける。背けようとしても、出来ない。
「あの、私……」
声が震えて、上手く喋れない。男がふゆの口唇を親指で撫で、奪おうとする。
「っ嫌―――」
小さく呟いて、眼を瞑った。
「……そういうやり方ってアンフェアじゃないかなぁ」
ぽそ、と無気力な声がした。男はその声に驚いて振り向き、そして更に驚いた。
「お、緒方英二!?」
「さっさと行きな、勤労淫欲壮年。今なら見なかった事にしてやるからさぁ」
軽口を叩いているがそれはそれ。眼は笑っていなかった。底知れぬ恐怖を感じ、
男は逃げて行った。
英二は溜息をつくと、腰が抜けて床に座り込んでいるふゆを見下ろした。
9429・35両氏に捧ぐ英二×ふゆ:02/11/05 22:10 ID:akPZohYl
「大丈夫か?勤労少女」
 言ってから、英二は舌打ちをする。既にふゆは涙ぐんでいた。そして、その一
言で安心したのか、大粒の涙を流し始めた。
「……いいか、君みたいな娘が、のこのこ男についていっちゃったら、こんな目
に遭うんだからさぁ。な、これを教訓にして―――」
英二の言葉は全くふゆの耳には入っていなかった。ただ華奢な双腕を震わせて、
泣くのみだった。多分、今までに心の中に溜まっていた何かも一緒に出てしまっ
たのだろう。泣き止む気配は無い。
はぁ、と溜息をついてから、英二はドアの鍵を閉める。
(こんな所、見られたらエライ事になるよなぁ……特に……理奈か)
頭を抱えながら、泣いているふゆの前にぺたん、と座る。そして。
「ほらほら、もう大丈夫だから。ね」
ぎゅう、と小さな身体を抱き締めた。その瞬間。
「っ……ぅ……ぅわあぁぁぁっ!!」
堰が切れたかのように、声を上げて泣き出した。溢れ出した涙が英二のセーター
を濡らす。
(ってか、涙だけで済めばいいんだけどなぁ)
それ以外の液体の心配もしながら、頭を撫でた。

「……泣き止んだ?」
静かに、外の喧騒が微かに聞こえるようになった頃、出来るだけ、優しく呟いた。
こく、と頷いて返事をする。すいません、と呟いたが、言葉にはならなかった。
「……怖かった?」
また頷く。
「不安だった?」
再度頷く。
「嫌だった?」
やっぱり頷く。
「へらちょんぺ?」
ぶほ、と吹いた。
9529・35両氏に捧ぐ英二×ふゆ:02/11/05 22:12 ID:akPZohYl
「な……懐かしい……」
それまでと全く同じ調子で言ったので、余計くだらなさが際立った。
「少し、元気が出たね」
にま、と笑う。にこ、でないのが彼らしい所か。何故かその笑顔でさっきまでの
事を思い出し、急にふゆは真っ赤になった。
「よーしよし、それでこそ勤労処女藤井ふゆちゃんだ」
「あの、なんか今凄い事言いませんでした?」
「言ってないよ、言ってないよ。ははは。と、いう事で」
 何がという事でなのかはわからない。
「お礼、欲しいんだけど」
「……え」
 天下の大プロデューサー様がバイト何個も掛け持ちしてるような学生からお礼
を要求しないで欲しいんだけど……そう思ったが、言葉には出せなかった。

「いいんだよ、別にお金とか君の処女とか後ろの方の処女とか勇輝くんと別れろ
とかじゃないから」
……相変わらずどえらい事をさらりと言う。
「俺の事、笑わせてくれたらそれでいいから」
「はい?」
また唐突な事を。ふゆは頭を悩ませる。簡単に言うが、それは難しい。
「……あの」
「ん?」
「……鯨漁船の乗組員が驚いて叫びました」
「……その心は?」
「………………ほげー」
沈黙。ものっそい沈黙。
「……五点」
「何点……満点でですか?」
「五点」
そう言うと、英二はふゆの額に軽く口付けた。
9629・35両氏に捧ぐ英二×ふゆ:02/11/05 22:15 ID:akPZohYl
あれから三ヶ月。ふゆは今ぼーっとテレビを見ていた。
時刻は九時。あの緒方英二が久々のテレビ出演、と聞いて驚きながら今日を待っ
ていた。
歌番組や一人をクローズアップする番組ならともかく、バラエティなのだ。どう
いう事だと、前評判も酷く高かった。

『初登場、緒方英二―』
普段のアレとは間逆の、というか普段の方がおかしいのだろうか。テレビで改め
て見た英二に、不覚にも『かっこよさ』を感じてしまった。

その番組は、ゲストの昔の写真や題に沿っての様々な出来事、一般人の目撃情報
などで成り立っていた。昔の写真については、妹である理奈の幼少時の写真も交え
て、中々面白い事となっていた(後の本人の反応が楽しみだ)。目撃情報も、ソ
ツが無い。流石だ緒方英二。

が、ふゆが笑っていられるのはそこまでだった。
最後のコーナーのお題。『それはねぇだろう』。

『第一位、緒方英二・『ほげー』!』

その瞬間、ふゆは確かに自分の顔が引き攣るのを感じた。
9729・35両氏に捧ぐ英二×ふゆ:02/11/05 22:17 ID:akPZohYl
『この局のADの女の子に一発ギャグを頼んだら『鯨漁船の乗組員が驚いて叫び
ました。ほげー』だった』

……私ですか。それ、私の事ですか。

『それ、どういう事ですか?』
『いえ、ちょっとした事で知り合いましてね。面白い子なんですよ。それで、あ
る日何気なく聞いたらそれですよ』
『ひどいギャグですな〜。誰ですかそれ。この局にそんなヒドイ子いました?』
『今日、いるか?』
……その収録日いません。
『ヒント、ヒントだけ教えてぇな』
教えないで―――!!
『いえ、言えませんよ。ピ―――でバイトしてるADの子なんて』
言ってます―――!!
『ピ―――て、もしかしてあのピ―――か?』
知ってるんですか―――!?
『あー、その子知ってる。ピ―――でバイトしててADの子でしょ?可愛いよね。
ちっちゃくて、なんかこうちまちましてて。ねぇ』
他の人も―――!?
『あー、僕見た事無いですけど、ピ―――でバイトの子ならー、あの、幸薄そう
な……長い間想っていた先輩とか親友に寝取られそうな子?』
『どういう例えやねん!!』
……あきらの事ですか。

既に、ふゆには突っ込む気力も残っていなかった。

テレビ画面でば、苦笑とも照れ笑いとも取れる英二の笑顔が写っていた。
98前733:02/11/05 22:17 ID:QNlIMoFh
>83=44
自分が「萌え」と思ったものをそのまま書けばいいと思う。
猟奇モノ萌えとかでない限り。次に期待してます。

>84
古参の方々に触発されて書く人もいるんです、逝かないでください。

>85
1レスでもいいのでSSを書いてくれたほうが繁栄するのでは?
無理強いはしないけど。期待してます。

うっわ〜むちゃくちゃ偉そうだ俺、逝ってきます。
いや、逝く代わりにSSを書こう。休みを利用して投下する予定。
99最後です。すいません。44:02/11/05 22:19 ID:akPZohYl
ふゆが取った行動はひとつ。

「あきら……私、暫くバイト休む……」
『私も……』
そう、短い会話を親友と交わす事だけだった。

ベッドに寝転がり、ふゆは溜息をついた。
……なに、考えているんだろう……英二さん……もしかして、このテレビ出演も、
私への嫌がらせの為に……とか……違うよね……

ぷりょりょりょりょりょ。ぷりょりょりょりょりょ。
……電話だ。ふゆはとりあえず出た。
『……ふゆちゃんの、思ってる通りだよ。多分』
ぷつ。つー、つー、つー。

その、悪魔の如き言葉に、ふゆはただ立ち尽くすしか無かったのだった。


えー、すいません。マジですいません。萌える所が一個もありません。
それどころかふゆぶっ壊しちゃいました。っていいますか後半が書きたかっただ
けでした。
でも、有名人行きつけの喫茶店でバイトしててしかもADもやってておまけにト
ップアイドルや新進気鋭のアイドルとよく立ち話してる可愛い女の子って……目
立ちますよねぇ。ものっそい。
……さて、もう逝きます……
100名無しさんだよもん:02/11/05 22:26 ID:FWg6pLmh
…味わい深いな…このふゆは。言わば珍味(w
というか英二さんが美味しすぎるのか。その調子で千堂さんと九品仏君の続きもプリーズ。
101名無しさんだよもん:02/11/05 22:34 ID:ru69e7dY
 ∧||∧
(  ⌒ ヽ 人の道を踏み外せというのか
 ∪  ノ
  ∪∪
102名無しさんだよもん:02/11/05 23:08 ID:j2xTFZ1x
踏み外せー。踏み外してくださいー。
103無理やりクロスオーバー:02/11/06 00:06 ID:u8lcSbx9
あ〜る晴れた昼下がり食費がな〜いよ♪
そんな歌が聞こえてきそうなある日。
おそらく貧乏学生な柏木はじめはアパートの一室でだらんと寝転がっていた。
「うう、ひもじいよう、鶴丸さん達からのお土産は食べちゃったし〜」
「何かいいバイトないかな〜」
そう言いつつごろごろとしていると、チリリンと電話が鳴った。
「ん〜、誰かな〜お昼奢ってくれるっていう電話ならいいけど…」
十中八九ありえないだろうことを口にしつつ這いずりながら電話を取ると
「こんにちは、まだ生きてる?」
同じ大学のかずきの声が聞こえてきた。
「生きてるよ〜、かずきこそ生きてる?」
「ええ、この前、修羅場終わったしね」
「ふーん、ところで今日は何の用?お昼を奢るっていうなら喜んで行くけど」
「そういうことは先月の割り勘分返してから言ってね」
「う゛…」
「まぁ、それは置いといて、はじめ、あなたバイトしない?」
「バイト!やるやる」
「そう言うと思ったわ。できれば後一人はじめの方で都合のつく子いない?」
「うーん」
はじめはちょと考えて最近バイト先にいけなくなった友人がいるのを思い出し。
「うん、いるよ。多分大丈夫だと思う」
「そう、じゃあ今日の午後三時頃にウチにきて」
「ん、了解」
「じゃあね」
「うん、バイトの話ありがとう、また後で」

かずきからのバイトを内容も聞かずに受けることになったはじめ(とふゆ)ちなみにバイトの内容はかずきさん?
「ん、裸婦モデルだけど…言ってなかったかな〜(汗」
以下21の萌虚仮さんの絵に続くカモ…
104旧69:02/11/06 00:10 ID:u8lcSbx9
……また44さんのパクリかいな自分(鬱
あろうことか萌虚仮さんの絵もネタにして

 ∧||∧
(  ⌒ ヽ 逝くか…
 ∪  ノ
  ∪∪
105名無しさんだよもん:02/11/06 00:12 ID:OVJGT1pK
 ∧||∧
(  ⌒ ヽ >>101
 ∪  ノ 奈落の果てまでGO。
  ∪∪

やっぱりふゆ強いなぁ…。
萌えた&英二さん含めてワロタ。
106名無しさんだよもん:02/11/06 00:16 ID:OVJGT1pK
 ∧||∧
(  ⌒ ヽ そして逝くな、漏れが逝く。>>104
 ∪  ノ てか、クロスオーバー(・∀・)イイ!!
  ∪∪
107浩子と燈人と春の空:02/11/06 01:52 ID:qw9Pa8Bl
 あるお昼休み。ぶらぶらぶらと階段まで歩いてきた時だった。
「あっ、浩子ちゃん。捜してたんだ」
 燈人が階段から駆け降りて来た。
「捜してたって、私を?」
「うんっ。ねっ、屋上に行こうよ」
「なんで?」
「行ってのお楽しみ」
 燈人は嬉しそうに微笑んだ。
「…たく、しょーがないなー」
 ここは燈人に付き合ってあげよう。軽くぼやきながら、私は一緒に階段を登っていった。

 扉を開くと、広い屋上のそこかしこに、青い空を写す水たまりができていた。
 そういえば、さっきまで雨が少し降っていた。
「浩子ちゃん、見て」
 視線を上げると、燈人が目を細めて微笑んでいた。その指の先には…
「へえ、虹だぁ…」
 澄み切った青空に、大きく七色の弧を描く橋が横たわっていた。
 虹の外側にはそれよりも少し薄いもう一つの、さらにその外側にはほとんど消えかかっている虹。
 三重の虹だった。
108浩子と燈人と春の空:02/11/06 01:53 ID:qw9Pa8Bl
「虹なんて見るの、久しぶり…」
「ね、来てよかったでしょ?」
 燈人がにっこりと微笑んで言った。
「なんだ、見せるために、わざわざ?」
「うん」
 そして大きくうなずいた。
「――綺麗だよね。なんだかさ、とっても神秘的な感じがするんだ」
 うっとりと目を細めてそう言うと、燈人は私の側に近寄ってきた。
 そのとき。
 ぱしゃん。
 水音に目をやると、燈人がうっかり足元の水たまりを踏んでしまったらしかった。
 慌ててぴょんと横に移動したけれど、さらに水たまりを踏みつけて靴下に水が入ってしまった。
 あっ、と呟き、困った顔をしたけれど、その表情はどことなく楽しそうだった。
 水たまりでじゃれる子犬…なんとなく、そんな光景を思い浮かべていた。
「ん?なに?」
 嬉しそうな顔でこっちを見る燈人。
「いや、べつに…」
 そんな燈人を見て、私は――。

A 相変わらずドジだなぁ、と思った。
B 可愛い奴め、と思った。
C 燈人は犬ちっくだなぁ、と思った。
109浩子と燈人と春の空:02/11/06 01:53 ID:qw9Pa8Bl
 A
 相変わらずドジだなぁ。
 そう、私は思った。
 すると、
「いま、相変わらずドジだなぁって思ったでしょ?」
 燈人にズバリと言い当てられた。
「へぇ、よくわかったね」
「…そりゃわかるよ。浩子ちゃん、僕のことドジだって言うときは、いつもそういう目をするんだもん」
「そういう目…って、どんな目?」
「ドジだなぁって言いながら、しょうがないなぁっていう目をするんだよ」
 しょうがないなぁっていう目?
 それって、燈人がいつも私にする、あんな感じの目のことなのかな。
「ふーん、さすが深いね」
 と私が言うと、
「だって、もう16年来の付き合いだからね」
 そう言って、燈人は笑った。
110浩子と燈人と春の空:02/11/06 01:54 ID:qw9Pa8Bl
 B
 可愛い奴め。
 そう思った。
 たかが虹ぐらいで、あんなに嬉しそうな顔をしている燈人。
 なんと安上がり。
 将来、燈人と付き合う娘はラッキーだなぁと思う。
 お金のかかるプレゼントなんかしなくても、この程度のことで十分喜んでくれるから。
「なに?さっきから」
「ん?なにが?」
「だって、じっと僕のこと見て…」
「相変わらず、お子ちゃまな奴だなー、って思ってたのよ」
「え?そ、そうかな…」
 頭をぽりぽりと掻く燈人。カッコよさにはまだまだほど遠かった。
111浩子と燈人と春の空:02/11/06 01:55 ID:qw9Pa8Bl
 C
 そういえば燈人って犬ちっくな奴だなぁ。
 主人(もちろん私)に従順な犬。うん、そんなイメージ。
「燈人、燈人、ちょっと来て」
 私が手招きすると、
「え?」
 燈人は警戒した顔を浮かべた。私が変なモードに入ったのを敏感に察知したらしい。
 ちっ、さすが犬。
「まーまー、いいから来てよ」
「…うん」
 とことこと私の目の前まで歩いてくる燈人。
「お手」
 と、手を出してみる。
「え?」
「お手」
「…浩子ちゃん」
「お手」
 三回目にしてようやく、燈人はゆっくりと右手を重ねてきた。
 よしよし。
112浩子と燈人と春の空:02/11/06 01:57 ID:qw9Pa8Bl
「おかわり」
 私が言うと、燈人はしずしずと逆の手を重ねてきた。
「はい、よくできました」
「あの、浩子ちゃ…」
「よし、あご」
「え?」
「あごよ、あご」
「え、あごって…」
「あご!」
 観念して、手の上にあごを乗せようとする、燈人。
 私は手を引っ込めた。
「…あっ…」
 がっくーん、とずっこける燈人。どうにか体勢を持ち直す。
「ばーか。本気にしないの」
「…も、もう…」


 その後、私たちは空を見上げながら一緒に帰った。
 
113元380:02/11/06 02:00 ID:qw9Pa8Bl
…ということで久しぶりに反転あかり編を書いたわけなんですが…

久しぶりに帰ってきたというのに何と萌えないものを書いとるか自分は。
やっと娼館スレのSSも終わってのんびり書けたと言うのに…
一ヶ月ぶりに回線吊って首切ってきます…
11455:02/11/06 02:48 ID:7zzjnkZf
萌虚仮さんがいないとここのボルテージは半減しているような気がする。
思わず
 ∧||∧
(  ⌒ ヽブラン
 ∪  ノ
  ∪∪
115旧69さん面白いですby44:02/11/06 19:03 ID:mXuJB85V
いやもうどんどこパクって下さい。ものっそい面白いです。
こっちは相も変わらず妙なのしか作れませんので(泣)。
純愛とかラヴとかえろえろとかシリアスとか苦手で……はは……は……
116名無しさんだよもん:02/11/06 19:33 ID:NdJAq5Fb
というか萌虚仮氏には自分のhpをどうにかしろと(略)
でもそうするとここが手薄になる罠。

ど う す れ ば い い ん だ。
117前スレ715:02/11/06 20:07 ID:tpvnHkZf
>>元380氏
微笑ましくて良いではないですか。その調子でGO!

>>55、116
今日あたりから復活と萌虚仮本人は言っていた。期待しよう。

>>萌虚仮
おーい、期待されてるぞー(笑)
118千堂さんと九品仏君と3:02/11/06 20:22 ID:mXuJB85V
「……どうした、まいしすたー」
こみパ会場午後2時。大志が買い物から戻って来たら、暗い顔で俯いている相方
かずきと、その机の前で渋い顔をしているスタッフ・牧村北斗がいた。
「あ……」
よく見れば、眼が赤い。
「どうした牧村氏。まい同志かずきが何かやらかしたのか?」
その言葉に、牧村は益々難しい顔をする。ちろりと横目でかずきを見て、言おう
か言うまいか迷っている、といった様子だ。
「……いいよ、別に隠す事じゃありませんから」
そう言うと、かずきはまた顔を伏せた。
「実は、かずきさん、さっきまで性質の悪い参加者の方に絡まれていたんですよ」
はぁ、と溜息をつく。勿論その参加者はレッドカード・即退場を願ったが。
かずきは傍目にも無理をしているとわかる笑顔で、笑い掛ける。
「仕方ないよ。女でエロゲージャンルやってるー、なんての見たらさ、すぐやら
せてくれるとか思ったんだしょ。全然、気にしてないから」
そうは言うものの、明らかに傷付いている。大志も溜息をつくと、かずきの頭を
乱暴に撫でた。
「すまなかったな、我輩が出掛けてたばっかりに」
その言葉に、牧村は複雑そうな表情で。
「……その事についてなんですけどもね……通報してくれた方によると、どうも
大志さんがいなくなったのを見計らって来たようなんです」
「なんか、エライ粘着質だったよー」
今になって腹が立って来たのか、怒り顔で口を挟んだ。
「……あのさ、大志」
「なんだまいしすたー」
打って変わって、眼を逸らしながら弱々しく訊ねる。
「今日、もう帰って……いいかな」
呟いた言葉は、とても小さなものだった。
119千堂さんと九品仏君と3:02/11/06 20:26 ID:mXuJB85V
「……大志、まだいても良かったのに」
「何を言うまい同志。我等は一心同体、大家といえば親も同然、店子といえば子
も同じであろう」
イマイチ掴めないが、なんとなく、なーんとなくこの男に恋心を抱くかずきとし
ては嬉しかった。
「……まいしすたーよ、ひとついいか」
「ん?」
唐突に真面目な顔をする。そういう顔をしていると一見爽やか(でもないか)好
青年なのだが。
「……人の趣味にどうこう言う趣味は無いが、何故にお前はエロゲージャンルを
選んだのだ?」
「だってさ、可愛いじゃんか」
ずばり言い放つ。的を得すぎて大志も一瞬凍り付く。が、かずきは言葉を続ける。
「可愛いから幸せになって欲しいし、そんでもってこんな風にいつも笑っていて
欲しいな、って思って描くのよ。まぁ、ある意味萌えパワーやね。でもそれ、私
が考えるとエロ無しになるのが多いんだけどね。ほら、感想とかでもエロ描け言
われてるんだけどさー、そうなると、私が描きたいもんじゃなくなるし……」
チヒ、とテレながら喋る。どうも自分の言っている事が相当恥ずかしいようだ。
「……変、かな」
小っ恥ずかしくて、急に話を振る。が、当の大志は妙に嬉しそうな表情でかずき
を見ていた。
「た……大志さん?」
「……いや、成長したなと思ったまでだ。最初はなんとなく描いていたように見
受けられたが……知らない内にお前がそこまで考えるようになったとはな」
ぶんぶん手を握って振る。
「売れ行きも好調だし、それだけお前の思いが届いているという事だ。我輩の眼
に狂いは無かったようだな」
と、妙に納得したような顔で頷き続ける。が、ふと大志の動きが止まる。
「……いやいやいや、そうではない。何故にお前はその大いなるエナジーの大元
であるエロゲーと出会ったのかを聞きたいのだが」
120千堂さんと九品仏君と3:02/11/06 20:28 ID:mXuJB85V
かずきはきょとんとした顔で。
「だって、色々大志からゲーム借りたじゃん。その中にあったんだよ。『TO H
EART』が」
……思いっきりやっちゃった、という表情をする大志。結果オーライと言えばそ
うなのだが。
「あれね、マジ萌えたわー。特にいいんちょね。ほら私と大志と瑞希と三人じゃ
ん。それに当て嵌めて考えるとねー。私が引越しして暫く立って友達から大志と
瑞希が付き合ってるー、なんて聞いたら超ショックだもん」
マジ顔で言うかずき。珍しくペースを乱された大志が。
「……別に引っ越してから聞かなくとも、我輩とてショックだ。それは」
そう、呟いた。
「……しかし、今のジャンルを続けるとなると、またああいった事態になるやも
知れぬぞ。いくら好調とはいえ、お前に何かあったら元も子も無い」
「何、心配してくれんの?」
心持ち、挑戦的に言う。が、大志は読めない表情で。
「当然だ。お前は我輩のえたーなるぱーとなーなのだからな」

……普通の意味で?―――その言葉は、言い出せなかった。
「そっか……そうだよね。私を魔の道に引きずり込んだのは大志だもんね」
「その割にしっかり順応しているように見えるのは我輩の気のせいか?」

笑いながら、二人並んで歩いた。
願わくば、その距離がもう少し縮む事を―――と思ったけど。

「……暫くはいいかな。バイトの事(旧69氏参照)で忙しくなるし」
怪しい含み笑いをしながら、今感じられる幸せを噛み締めたのだった―――

―――千堂かずき、あんな事を言いつつもエロが描きたくなって来たようだ。
121言い訳がましい44:02/11/06 20:32 ID:mXuJB85V
パクリのパクリ。なーんちゃって。すいませんすいませんすいません。
そして南さんの名前ですが……やっぱり、南といえば……北斗でしょう。
駄目ですか?……駄目ですよね。すいません。思い付かなかったので苦し紛れで
す。本気でスイマセン。
今日は大安売りで買い込んだ細目のパスタ(アルデンテ)で吊って来ます……
122北川(♀)×相沢(♂) :02/11/06 21:05 ID:ut9FyT67
北川のみ反転、ようやく終わります。無意味に長かったです。反省。

「北川。身体の具合はどうだ? どこか異常はないか?」
「異常? いや、別に……あっ」
「どうした?」
「…な、なんか…中を流れて…えっ? ってことは…」
「あのな、全部中に出した。気持ちよくてな、つい…」
「…………つい、じゃないっっ!! ど、どうしよう…妊娠、とかしちゃったら…」
おろおろと所在無げに視線を泳がせる北川を見ながら、俺はもう覚悟を決めていた。
「もしそんなことになったら…責任は取る。だからそう怯えるな」
「責任? それ、どういう…」
「お前と一緒になる。お前が嫌じゃなければ、の話だが」
「ば、ばかかお前っ! そんなこと、出来るわけがっ…!」
「…お前『その身体のまま生きていくなら、どこかで折り合い付けなきゃ』って、言っただろ?」
「言った、けど…」
「俺じゃ『折り合い』付かないか?」   
「ばっ……」
「…………?」
「馬鹿だ馬鹿だと思ってはいたけど…相沢は、ほんとに、ばかだ」
俯き加減で表情は伺えない。でも、その声はとても静かで優しく聞こえる。
やがて顔を上げた北川は、晴れやかな笑みを浮かべて。
「お前が友達で、良かった。うん…良かった」
「…友達にこんなハードコアな真似をする奴は居ないと思うが」
「もし、このまま戻らなくても、友達でいてくれるか?」
「ああ。なんなら、一足飛びに彼女にしてもいいぞ?」
「それは遠慮しておく…毎回こんな風にされたら、身がもたないし」
そうして二人、顔を見合わせて笑う。きっと、どうにかなるだろう。そんな気がした。
123北川(♀)×相沢(♂):02/11/06 21:06 ID:ut9FyT67
〜翌日〜 水瀬家への電話

―もしもし、相沢?
―北川か、どうしたんだ? あれっお前その声…
―うん……戻った……元に、戻ったんだ
―……なんで?
―判らない…でも、もう…元通りだ
―……
―……あ、相沢、あの、さ……
―良かった、な
―……そう、だな
―これで万事解決だろ? 辛気くさい声出すなよ
―べ、別に辛気くさくはないだろ…声が低くなったから、そう聞こえるだけだ
―……用件は、それだけか?
―それだけ、だ……じゃあ、また学校でな
―ああ、じゃあな

受話器を置いて、しばし目を閉じる。そして考える。この、誰も傷つかない順当な結末を。
結構なことじゃないか。あいつだって本心では喜んでいる筈だ。もちろん俺だって。

―違う―

どこからか耳障りな声が聞こえた。そして想う。一夜だけこの腕に抱いた少女を。
今はどこにも居ない。…そんなの、判ってる。わかってるから、俺は平気だ。
「祐一、お風呂空いたよー。……どうしたの? ヘンな顔、してるよ…?」
「…つまり、いつも通りの顔ってことだ」
「そんなんじゃ、ないよ…なんだか泣いてるみたい…」
名雪の横を足早に通り過ぎて、階段を駆け上がる。部屋に入るなり、こみ上げる苦笑い。

―こういうのも、失恋っていうのかな?
12467:02/11/06 21:10 ID:ut9FyT67
さて、迷走したまま終わりましたので、景気よく揚がって来ます。スレ汚しの段、平にご容赦。
    ,.、,、,. ∧_∧,_        /i
   ;'~;...::⊂(´∀`⊂⌒`つ:::`゙:.:゙:`''': -‐i
   :';: ...:,.: .、.:...: ,:. :.、.:',.: .:::,.: . ::,;;;;:'゙~' ̄
   '、;,.: .:: : ...: ,:. :.、.:'_;.;;..; :..‐'゙


それはそうと。「千堂さんと九品仏君と」の新作が。嗚呼⊂⌒~⊃。Д。)⊃至福
「……あれ」
ふと眼を覚ますと、ふゆは自宅の部屋の天井を見上げていた。
頭が少し痛い。身体もだるい。
というか、ついさっきまでADのバイトをしていて、さて帰ろうかと意気込んだ
ばかりだと思っていたのだが……
「眼が覚めた?」
優しい声。優しそうな声。優しさの皮を被った腹黒い声。
「……英二……さん?」
「久し振り、勤労処女」
「だから……あの……」
「ははは、気にしない気にしない」

……どうやら、疲労で倒れてしまったようだ。しかも英二の真ん前で。おそらく、
疲れていた所に英二の顔を見て、疲労が倍増してしまい、倒れるに至った模様。
「……中々に失敬だね」
「す……すいません」
わざわざ家まで運んでくれたのに、とふゆは恐縮してしまった。
……家まで?
「……あの、英二さんどうして部屋を……私、鍵も掛けたのに……」
「いや、大した事じゃあないよ。家の場所は知ってたし、鍵は持ってるだろうか
ら君の身体を物色させて貰ったから。まさかブーツの踵部分に隠しておくなんて、
君も芸が細かいなぁ」
……それを見付けたアンタの方が凄いよ、とふゆは思った。
「しかし、倒れるまで働くとは良くないな。ちゃんと食べてちゃんと寝て、健康
管理もきちんとしないと、働く資格は無いぞ」
そう、もっともらしい事を言う。素直に受け取ったふゆは、すまなさそうに俯く。
「あんまり最近食べていないだろう?胸なんか栄養失調の極みとも」
「……地です」
泣きそうになりながら、ふゆは反論した。その余計な一言さえなければ……と思
った。
「ははははは。すまないすまない。冗談だ冗談」
「……うそつき」
恨みがましい眼で見る。全くこたえない。流石緒方英二。
「ははは。ばれたか。じゃあ、お詫びの印に君の為だけに歌を作ろう」
「―――え」
唐突に言われる。天下の大ヒットメーカに直々、となるとふゆも少しときめく。
営業用の笑顔になると、すぅっ、と息を吸って、歌い始めた。
「アンマン食マンカレーマ―――ン♪」
……アン○ンマンのパクリだろうか。が、流石歌は上手い。ってか食マンって何。
「ジャムバタチーズマンマンマ―――ン♪」
どこまで行くのだろうか。
「めーだーまーがマンマンーバーイキーンマ―――ン♪」
でもやはり声はイイ。心なしか顔付きもカッコ良く見える。こんな歌詞なのに。
「やーさーしーいーかーおのージャームーおーじーマ―――ン♪」
……おじさんまでヒーロー化か。
「マーンーマーンー走るよ―――♪」
…………ちょっと待て、そのパターンで行くと……
「マーンー……」
「スト―――ップ―――!!」
必死で英二の口を抑えるふゆの姿がそこにあった。
「……ぷは。はは、ヒドイな勤労猩々」
半ばふゆに押し倒される格好となった英二が、実に楽しそうに言う。
「段々離れてるじゃないですか英二さん……病人に何をさせるんですか」
はぁ、と脱力するふゆ。どっと力が抜けて、熱が上がったようだ。
「……でも、そっちこそ男の上で何をしているんだ」
にまー、といつもの笑いを浮かべて言った。一瞬何を言われているのかわからな
かったが、理解した瞬間、顔が真っ赤になった。
「はっはっは、危うく貞操が危なくなる所だったよ」
「う〜……」
一頻り笑った後、どっこいしょ、とおっさん臭く英二は立ち上がる。
「じゃあな。身体には気を付けて……次もまた俺が運んであげられるって訳じゃ
ないからさぁ」
からかうような、少年じみた笑い。ふゆはどうしても、それが悔しかった。
「……もう、英二さんの前では倒れませんから」
「はは、その意気だよ、勤労怪奇ファイル」
また懐かしいネタを―――そう思ったその一瞬が命取り(大袈裟な)だった。

「ぅ―――」
その一瞬で、ふゆの口唇は英二に奪われた。唖然とした表情のままのふゆにバイ
バイ、と手を振って、嵐を呼ぶ男―――てか本人そのものが嵐な男緒方英二は去
って行った。

―――そのせいかどうかは知らないが、結局ふゆは5日間寝込んだ挙句、交友関
係ほぼ全員からお見舞いに来られたそうな。
12844:02/11/06 21:36 ID:mXuJB85V
……なんだか……本当にいよいよスイマセンって感じです。
ちょっと調子に乗り過ぎました。
チャンスがあれば今度は真面目にまともに真っ暗なふゆ物語を……
…………無理か。お目汚しスイマセンでした。
今度こそ逝って来ます。人文字で私の人生の『END』作って来ます(少なくと
も九人は必要だったり)。
129逝く前に44:02/11/06 21:40 ID:mXuJB85V
相沢×北川の完結篇に胸キュンの自分がここに!!!
……いいなぁ、ハートフルだなぁ……甘く切なく酸っぱい時間をありがとうござ
います。
130便乗ふゆ:02/11/06 22:49 ID:5FSAYrsm
「……藤井さん?」
 スタジオで声をかけられて振り向けば、そこには篠塚弥生氏が立っていた。いつものように艶のある黒髪を綺麗に切り揃え、整えてある。いつ見てもそれが崩れている所を見た事が無い。もしかしたら、カツラか何かなのだろうか。
「失礼な事を考えている顔ですね。それは」
「はうっ!」
 冷淡な声が私の妄想を断ち切った。思わず声をあげて、恐る恐る、弥生さんの顔を見上げる。すると……正直、本当に驚きなのだけれども。
 その口の端が、「しょうがないな」とでもいうかのように、微かに上がっていた。
 冷淡で、冷酷で、ついでに人非人で。
 そんな印象しか持っていなかった弥生さんの、その、本当に稀少な苦笑いに、私は思わずマジマジと見つめてしまう。
「……なにか?」
 途端、弥生さんの口に浮かんでいた表情は消え、冷たい――私がよく知っている顔になる。
「あ。い、いいえ。あの、どうして弥生さんがここに?」
「私はYUKIのマネージャーですから。彼がいるなら、私も居る。当然の事でしょう?」
 相変わらず人を小馬鹿にした表情で首を傾げてみせる。そういう時の笑顔は、何度も見た事があるのだけれど。
「――じゃあ、勇輝。いるんですか?」
「ええ。いらっしゃいますよ。ですが、会わせる訳にはいきません」
「……分かってます」
 俯いて、視線を逸らす。
 弥生さんはそんな私を見つめて、そしてため息。
「そう言いたい所ですが、暫く貴女に会っていないせいか勇輝さんのモチベーションが低下しているようなのです。そこの第三控え室に居ますから、寄っていっていただけますか?」
「へ?」
 顔を上げれば、そこには妙に優しげな表情で微笑む弥生さんが、いた。
131130:02/11/06 22:50 ID:5FSAYrsm
便乗して、ふゆ。
どっちかってーと、弥生さんと絡めたいと願いながらも、絡めにくいので尻切れ。

むむむ。難しいです。
132萌虚仮 ◆VDVqNOfj.c :02/11/06 23:37 ID:6BpXxtyU
初心に返ってふゆ。
……手が小さいなぁ(爆)

http://www.kitanet.ne.jp/~cas-per/cgi-bin/img-box/img20021106233115.jpg
13355:02/11/07 03:56 ID:MChxoiKH
 すいません、とても勝手な申し出ですが、今週末あたりは、
 一度こちらはお休みして、自サイトの更新やっても良いでしょうか?
 7月から更新と待ってる……(涙)
134:02/11/07 06:30 ID:QMRLMKLG
 ものみの丘
 過去2回、私は誠を探しにここを訪れ、彼を連れて家の戻った。
 そして今、私は誠をここに来ている……誠を送りとどけるために。

「……」
 裾を引っぱられる感触に視線を向けると、誠が物欲しげにこちらを見つめていた。
 男の子にしては小柄な――それでも私よりは大きい誠が、今ではとても小さく感じられた。
「…あ、そうか。これが欲しいのね?」
「……ぅ……」
「じゃ、食べよっか? いっぱいあるから思う存分食べてね」
 返事と受け取った私は枯草の上に腰を下ろし、肉まんが詰まったコンビニの袋を開ける。
 その一つを手に取り、紙を外す。隣に座った誠に渡すと、誠はすぐにそれを口に運んだ。
 それを見て私も一つ手に取る。ここに来るまでに表面が少し冷めていたが、美味しかった。
 しばらくの間は2人で肉まんを食べ、草の上で静かな時間を過ごしていた。

「さすがに買いすぎちゃったかな…」
 だいぶ日が傾いた頃、手元にはすっかり冷めきった肉まんがいくつも残っていた
 もともと小食な私と高熱に冒された誠には手に余る量だったようだ…私は仕方なく諦めた。
「じゃあ……そろそろ始めよっか、誠」
「……?」
 不思議そうにこちらを見ている誠に、私はさらに言葉を続けた。
「…私たちの結婚式」
135:02/11/07 06:31 ID:QMRLMKLG
 ウエディングドレス一式を用意するだけの資金は持ち合わせていない。
 お父さんなら、お母さんが着ていたドレスを大事にしまっている…雪弥はそう言っていた。
 でも、さすがに気が引けた――秋人さんなら了承してくれるかもしれないけど。

 私は制服を来ている。雪弥に会いに学校に向かった都合もあるが、別の思惑もあってのことだ。
 胸元のリボンを解く。それから…肩に掛かったケープを外し、自分の頭に掛ける。
 これで…ちょっと格好は悪いけどドレスはできた。さて、次は…
「誠、こっちに来て」
 草の上でボーッとしている誠に右手を伸ばす。左手は、今にも飛ばされそうなケープを押さえている。
 フラフラになっている誠を何とか立たせると、私はその左手を取った。
「ごめんね誠…肉まん沢山かっちゃったから、こっちに手が回らなくなっちゃって」
 安い指輪を買う位の資金は持っているけど、肉まんと指輪、誠がどっちを喜ぶかは想像がつく。
 私はさっき解いたリボンを取り出し、誠の左手首に巻く。私から誠への結婚指輪。
 左手が塞がってるのでなかなか結べない。仕方が無いので私はリボンの片端を口で咥え、結ぶことにした。
 少し苦労したけど…なんとか誠の手首にリボンを絡ませることができた。
 あとは誠の指輪を受け取るだけだけど…どうしようかと思案する。
 誠が持っている指輪に相当するものといえば…あの日私が買った鈴だろう。
 でもそれを持っていっていいものだろうか、誠、昔から鈴の音が気に入ってたから…
「……そうだね、私の指輪は誠に預けておくから」
 だから、敢えて取らないことにした。誠が悲しむといけないから…

「………おめでとう………誠………。これでずっと一緒だよ…」
 最後の仕上げ…私も、もう感情を押さえることが出来ないから…
 私は誠の前に立つ。頭のブーケを外して……そっと口付けを交わした。
136:02/11/07 06:32 ID:QMRLMKLG
ということで…萌えブームに反して作ってしまいますた、反転真琴の結婚式の図。
この後のシーンも考えてはありますけど、少しお待ちください…。
ていうか真琴好きな人力不足でごめんなさい、とりあえず吊っておきます…


 ∧||∧
(  ⌒ ヽ 汐と誠を絡ませられなかった…無念なり
 ∪  ノ
  ∪∪
137名無しさんだよもん:02/11/07 09:51 ID:kz4H1RIn
ttp://banaga.axisz.jp/cgi-bin/hakagi/img-box/img20021106182831.jpg

これを見て最初男か女か分からなかった…
大分このスレに毒されてしまったな。漏れ。
138名無しさんだよもん:02/11/07 12:02 ID:+ErdE5HI
>>128
暴走しまくってる英二に爆笑。
個人的には、ドロドロよりこういうノリの方が好きだったり。

>>131
続きが気になる…。勝手な言い草だけど、がんばれー。

>>136
萌えというか、泣ける。いい感じです。
139名無しさんだよもん:02/11/07 15:44 ID:exc2+S1w
>67氏
オチとか見るにTSモノ書き慣れてるようなw
Good job!!
140名無しさんだよもん:02/11/07 16:11 ID:P3AKfCyU
相も変わらず素晴らスィスレだ…。

>>エビフr…もとい67氏
『切なさ炸裂』なんて死語が出てくるほど
(・∀・)イイ話ですた…こういうのもアリです。
本当に乙彼ですた。

>>133
勿論問題ないと思われ。
ご帰還待ってます。
141追い詰められた勤労少女44:02/11/07 20:58 ID:xP7Kp19P
二月十四日。草木も眠る丑三つ時。表情の無い顔で、藤井ふゆは鍋の前で呪詛を
唱えていた。
「……悪くない……私は悪くないんだから……」
一人暮らしには不要な程に大きい鍋。ぐつぐつ煮え立つ紫色の汁。
「アガリクス茸……竜眼肉……カコ○ール……豚の肛門……銘菓いたらき……つ
のだ★ひろの真ん中の星……高遠草……デケェあめふらし……」
ぶつぶつと呟きながら、ぼちゃぼちゃと鍋の中に放り込む。最終的に何色になる
のか、そして何が出来るのかは作っている当人にしかわからない。
「そして、最後にはじめさんの従兄弟の長男の方が作ったという益荒男ぶり溢る
る漢の手料理……」
それを入れた瞬間、ペパーミントグリーンだった鍋の内容物が、茶色に変わった。
「……これで……後は冷やして固めれば……」
くす、と口の端だけで笑った表情は、身震いする程に―――

「……あの、これ……」
いつもバイトをしている喫茶店、エコーズに偶然立ち寄った勇輝のマネージャー、
篠塚弥生に、ピンク色で統一された可愛い箱を渡す。
「……彼に、渡して欲しいと?」
いつものように機械を思わせる冷酷な表情。ふゆはそれに脅えながらも、頷いた。
「まぁ、彼も喜ぶでしょうね」
そう言うと、承知しました、という風に手元に置いた。
142追い詰められた勤労少女44:02/11/07 21:01 ID:xP7Kp19P
「あの……それから……」
少し頬を染めて、今度はシックな色合いにラッピングされた箱を渡す。篠塚には
その意図がわからなかった。
「……あの、これはどういう事でしょうか」
「はい……し、篠塚さんの……です……甘さは控えてありますし……あ、あの、
いらなかったら……捨てて下さって……結構ですから……」
そんなふゆを見ながら、篠塚は少し驚いたような表情をし、そして受け取った。
「……ありがたく、頂戴いたします」
そう、やはり無表情に礼を言い、席を立った。

―――私は、悪くない―――
篠塚の後姿を見送りながら、ふゆはまた恐ろしい―――あの表情で微笑んだのだ
った。

後日、勇輝から篠塚が倒れた、という情報を聞いた。なんと彼は半日で復活した
模様。
「……やっぱり、あんなのじゃ効かないか……今度はもっと―――」

―――もぉギリギリまでヤバイくらいどんどこがっつんがっつん追い詰められた
勤労少女・藤井ふゆの戦いはまだまだ続く―――


あー……もぉホントすいません。この人絡めると鬼畜エロかこんなのしか出来ま
せんよぅ……130氏の手腕が羨ますぃい……
143名無しさんだよもん:02/11/07 22:59 ID:8ND6ZI4U
保全age
144名無しさんだよもん:02/11/07 23:00 ID:ZPKV+tFD
145名無しさんだよもん:02/11/08 00:25 ID:E8i0+ktk
>141−142
ある意味で、ふゆ陵辱SSのような気が。主に精神面で。こういうの好きだ(w
しかし

>はじめさんの従兄弟の長男の方が作ったという益荒男ぶり溢るる漢の手料理……
>「……やっぱり、あんなのじゃ効かないか……今度はもっと―――」

…あれ以上のものがあるというのか。
テトロドトキシン? パトラトキシン? パリトキシン?
146名無しさんだよもん:02/11/08 00:41 ID:HZ/hWhdF
初めまして、SS書こうとして問題が出来たんで書き込ませてもらいます
え〜、で、住人さんたちに質問したいんですが
カミュの通常のハクオロの呼び方は「おじさま」ですよね
これが反転したらどうなるんでしょうかね?
「おばさま」だと何か違和感があるし…………
かといって「おねえさま」だと違う雰囲気ただよってくるんで
どなたか良い案ありませんか?
147sage:02/11/08 00:44 ID:HZ/hWhdF
・・・・・・・・上げてしまった…


 ∧||∧
(  ⌒ ヽ ブラーン
 ∪  ノ
  ∪∪

吊ってきます……
148名無しさんだよもん:02/11/08 00:48 ID:VLtcDq8j
なんだろうなぁ…「おかあさま」?
149萌虚仮 ◆VDVqNOfj.c :02/11/08 01:03 ID:S6y/l7uI
>>145
原作に即してアマニトキシンという手も。

>>146
姉様と書いて「あねさま」ってのは如何でせうか。
150名無しさんだよもん:02/11/08 06:53 ID:ANZjBhxG
むしろおばさまの方が萌えますがなにか?

ある程度達観した感じのキャラの反転Hは書くのがムズカシイ……女柳也とか。
151名無しさんだよもん:02/11/08 09:25 ID:fG5xPbSO
「 小母様(おばさま) 」という表記の仕方もあります。
152名無しさんだよもん:02/11/08 09:56 ID:e1QX3r+p
>>146
「姫さま」……∧||∧
153続・柳川さんと初音君1:02/11/08 13:57 ID:RIxbyO0D
 私の名は柳川裕子。いわゆる「男嫌い」…のはずだった。
 甥の柏木初音を家に泊めたことから、私は思いがけず自己分析を行なう羽目になった。
 …私は、初音の事をどう思っているのだ? 親戚?子供?それとも…恋愛対象?
 一晩中悶々としたものの結局答えは出ず、私はさしあたって問題を棚上げにする事にした。
 極めて不本意ながら。

「ふわあぁぁ…。」
 私が朝食の支度をしていると、少々寝ぼけ眼の初音が起きてきた。
「おはよう、初音。よく眠れた?」
「あ、おはようございます。…柳川さんって、起きるの早いんですね。」
「まあ、私みたいな仕事をしていると、ね。さ、顔洗ってきなさい。」
 適当にごまかす私。『実は寝てない』なんて事は秘密だし、徹夜一日程度なら別に平気だ。
 私達は差し向かいで朝食の席につき、食べ始めた。
 …うん、やはり食事は一人よりも二人の方が美味しい…おっと、いかんいかん。妙な事は考えるな。
 朝食も半ば終わろうとした頃、電話のベルがなった。
 何かを察したらしく、初音は身を固くする。私は受話器をとった。
「もしもし…裕子さん? 私、柏木はじめです。」
 予想通りの声。私はそっけない態度で答えた。
「おや、お久しぶり。朝っぱらから何か用?」
「あ…はい。
あの、初音君が昨夜出かけたまま家に帰ってこなくて…。大丈夫だとは思っているんだけど…。
仕事の空き時間でかまわないので、初音君を探すのを手伝ってもらえませんか?」
「初音? 彼なら今、私の目の前で食事をしているけれど?」
 たっぷり十秒程、はじめは絶句していた。
「…裕子さん、それって冗談?」
「残念ながら事実。ま、今日は非番だから私がそっちまで送っていくわ。それではまた後で。」
 私は電話を切り、神妙な顔つきの初音に笑いかけた。
「さて、と。お迎えの時刻ではあるけれど…。ちょっと位なら向こうも待っていられるでしょう。」
 私は腰をおろし、朝食を再開した。
154続・柳川さんと初音君2:02/11/08 13:59 ID:RIxbyO0D

「全くもう、心配してたんだよ?」
 私達が近づいてくるのを見るや、はじめが駆け寄ってきた。
「ごめんなさい、はじめお姉ちゃん。」
「…でも、何事もなくて本当によかった。裕子さん、ありがと。」
「どういたしまして。」
 初音は大人しくはじめに頭を撫でられていたが、やがておずおずと尋ねた。
「あの…はじめお姉ちゃん。昨日、鶴丸お兄ちゃん怒ってた?」
「ううん、そんなに大した事はなかったわ。皆、小言をもらった程度。だから安心していいよ。」
 はじめの言葉に、初音は安堵の吐息を漏らす。
「それじゃ、初音君。鶴丸さんの所に行きましょ。」
 はじめに促され、歩き出す初音。私も二人に同行した。

 だが、話はそう簡単には終わらなかった。

 初音の前に座る鶴丸。その顔は、少しも笑っていなかった。
「まあ、確かに今回の件は私にも反省するべき点が多々あります。しかし…。」
 鶴丸は初音に厳しい視線を向けた。
「だからといって無断外泊した事を許すわけにはいきません。初音、わかっていますね?」
 兄の宣告に初音は青ざめる。はじめが抗議の声をあげるが、鶴丸の一瞥で黙ってしまった。
 さらに言葉を続けようする鶴丸を、私の発言が遮った。
「異議あり。」
「…? 柳川さん、何か?」
「初音を泊めたのはあくまでも私の判断です。その事に関する責任は全て私が負います。」
「…初音をかばうおつもりですか?」
「いいえ。単に冤罪を見過ごしたくないだけ。」
 私と鶴丸の視線が交錯する。ほどなくして彼は相好を崩し、一つ頷いた。
「わかりました。では、弟を朝帰りさせた責任を取ってもらいましょう。
そうですね…貴女には今日一日鶴来屋の業務を手伝ってもらいます。よろしいですね?」
「OK。で、初音は無罪放免?」
 鶴丸が再び頷く。初音とはじめの方はというと、二人ともあっけに取られていた。
155続・柳川さんと初音君3:02/11/08 14:00 ID:RIxbyO0D

「あの…柳川さん…、ごめんなさい。」
「…別に謝られるいわれは無いわ。」
「裕子さん…一体どういう風の吹き回しなの?」
「さっき言ったとおりよ。ちゃんと話を聞いてなさい。」
 恐縮する初音、訝しげなはじめ。私は小さく肩をすくめた。
 そんな光景をなにやら得心顔で眺めていた鶴丸がおもむろに口を開いた。
「それでは柳川さん、存分にこき使わせてもらいますよ? 覚悟してくださいね。」

 書類仕事、掃除雑用、使い走り…。私が解放されたのは、いい加減夜も更けた頃だった。

「はい、これで全て完了ですね。お疲れ様。」
 最後の書類の内容を確認し、鶴丸はにこりと笑った。私は大きく伸びをする。
「ふう…。確かに、思いっきりこき使ってくれたわね。」
「これからも、ちょくちょく初音を泊めてやってもらえませんか? もちろん私には無断で。」
「お生憎様、こんな経験はもうこりごり。…色々な意味でね。」
 私は苦笑し、鶴丸が差し出した茶を受け取った。しばし、茶を啜る音が部屋を支配する。
「…それにしても、驚きましたよ。」
 ふいに、鶴丸がしみじみとした口調で呟いた。
「柳川さんは、私が思っていたよりもずっと優しい方のようですね。」
「優しい…?私が?」
 切れ者だの冷血だのといった評価は飽きるほど受けているが…優しいとは。
「ええ。たぶん、貴女ご自身が考えている以上に。」
 私は頭を掻いた。嬉しい事は嬉しいが、何だかこそばゆい。
「…鶴丸、あなたは人物鑑定士の素質があるみたいね。いっそのこと転職してみたら?」
「でしたら、鶴来屋は貴女にお任せします。弟達よりも適任でしょうから。」
「へえ、私を引き抜こうというわけ? 国家権力の独占欲を舐めない方がいいわね。」
「おやおや…。こうして有為の人材が世に出ることなく死蔵されていくのですね…勿体無い話です。」
 大げさに嘆いてみせる鶴丸。私は吹きだし、つられて彼も笑い出した。
 実に馬鹿馬鹿しいやり取り…かつての私達では想像もできなかった光景だ。
156続・柳川さんと初音君4(オチ):02/11/08 14:02 ID:RIxbyO0D

「ああ、そうそう。一つ言い忘れてました。」
 いとまを告げ、帰ろうとする私に鶴丸が声をかけた。
「何か?」
「柳川さん、初音は未成年ですから、あまり無茶なことはしないでいただけますか?」
「…は?」
「それに、貴女と私達は、血の繋がった叔母と甥の関係であることもお忘れなく。
…って、どうしたんです? いきなり頭抱えてしゃがみこんだりして?」

 …しばらく、私に話しかけないで…お願いだから。
157153−156:02/11/08 14:08 ID:RIxbyO0D
以上、前スレ>797-800の続きでありました。
やっぱり柳川が壊れてる…。待ってた人、こんな話で御容赦。

「小母様」な女ハクオロっていいな〜。
と言い残し、逝ってまいります。
158名無しさんだよもん:02/11/08 16:12 ID:LiyqJ3Kq
>>146
姫姉様(ボソ)
159旧69:02/11/08 16:19 ID:eQcKsOjO
44さん
もったいないお言葉ありがとうございます。
その上SSに組み込んでもらって、もう足を向けて寝れません。
追い詰められた勤労少女がどこまでいくか楽しみです(ぇ

元380さん
反転してもあかりはあかりな感じがいいです(RR?

67さん
王道な反転もの、面白かったです。

153-156
待ってた人だったりします。
思う存分壊してくださいw

女ハクオロは「小母様」なイメージかな。
どこかの鬼さんと違ってそう言っても笑ってそうな雰囲k(ザシュッ


160便乗ふゆ@130:02/11/09 00:27 ID:NABBNcmR
 勇輝のテレビ番組の収録中――そのマネージャーである篠塚弥生には、これといってやることは無い。精々、ディレクターやプロデューサーと次の打ち合わせをしているだけである。
 他の居丈高なタレントと違い、森川勇輝はマネージャーが控えていなければ不機嫌になるような人間ではないからだ。更に言えば、弥生が姿を見せないからといって、何もしていないなどという事は決して無い事を知っているからでもある。
「……藤井さん?」
 そんな彼が見たのは、“エコーズ”のデリバリ姿で荒い息を吐いている藤井ふゆの姿だった。壁に背を預けて、荒い呼吸に肩を上下させている。エプロンははぎ取られたように紐がほどけ、白い肩が半ばまで見えていた。
「――あ」
 一瞬、怯えたように自分を見つめ、そして弥生である事を認識したのだろう。その大きな瞳が潤み、目の端に雫が溢れ始める。
「や……弥生……さん……」
 さらに、まるで凍えるように震えだした少女を前に、弥生は凍り付いたように立ちつくす事しか出来ずにいた。
 ようやく再起動に成功すると、今度は目の前の少女のただならぬ様相に、戸惑ってしまう。
「い、一体、どうしたというんです。その姿……まさか……!」
 弥生の脳裏に、最悪の想像が浮かぶ。
161便乗ふゆ@130:02/11/09 00:28 ID:NABBNcmR
「……あ、あの……勇輝の出ている番組のプロデューサーって人が……勇輝のためだって……でも……私……我慢できなくて……」
「何を言っているんです! 貴女にそんな真似をする人間が、彼の関係者の筈が無いでしょうっ!」
 震える肩を晒したまま、途切れ途切れにしゃくりあげながら言葉を続けるふゆの声を遮るように、弥生の怒声が廊下に響いた。途端、ふゆの身体が雷に打たれたように震えた。
「それ以上、何もされてはいないのですね? その様子ならば……一線を越える前に、逃げ出せたのでしょう?」
 確認するように弥生が歩み寄る。だが、ヒッと怯えたように後ずさるふゆを見て、足を止める。一瞬、弥生の表情が痛みを堪えるように、歪んだ。
「……答えて下さい。藤井さん。貴女は、途中で逃げ出せた。そうですね?」
 怯えたふゆをなだめるように、ゆったりとした口調に改めて、弥生は問う。ふゆはエプロンを全てはぎ取られる事もなく、着衣も肩口が晒されている以外はそれ程乱れてもいない。それを見てとってなお、弥生は冷静な仮面を付ける事が出来ずにいた。
 どんな事があっても、勇輝の事以外で眉一つ動かす事は無いだろう、と言われる彼が、である。震える身体を隠す事もできずに、それでも少女が小さく頷いた。
 それを見て、ようやく弥生は深い息を吐いた。彼を知る者――例えば緒方英子――ならば、驚いただろう。それは紛れもなく、安堵の吐息だったのだから。
「貴女にそんな真似をした者の名を教えて下さい」
「え?」
 硬い声に驚いたようにふゆが顔を上げる。
162便乗ふゆ@130:02/11/09 00:28 ID:NABBNcmR
 冷徹な美形の青年が、静かにふゆを見つめていた。ただし、その表情は固い。まるで、何か強い感情を押さえつけているかのように。
「YUKIの名を使い、女性に不埒な真似をしているなどと――警察だけならまだしも、週刊誌が面白半分に嗅ぎつけでもすれば無関係な勇輝さんに無用な傷が付きます。私は、その可能性を排除せねばなりません」
 ふゆの身体に触れる事はせずに、ただ弥生は自身のスーツの上着を脱いでふゆに差しだした。
「これを着て下さい。そして、私達の楽屋で服を直して、そこにいて下さい。そこに入れるのは勇輝さんと私だけです。――そこなら、安全でしょう」
 そこでようやくふゆは、弥生との距離に気付いた。“男性”という存在に怯えてしまっていた彼女を気遣うように、弥生は一定の距離を取っていたのだ。決して触れる事もせずに。今、男性に触れられれば、例えそれが勇輝だったとしてもふゆには恐怖でしかないだろう。
「――は、はい」
 厳しい表情のままの弥生から上着を受け取ると、もそもそと着込む。元より身長から体格から何から何まで弥生の方が大きいのだから、当然その上着もぶかぶかだった。
「あ、あの……」
「私はこれから、その馬鹿な真似をした犯罪者に思い報せに行って来ます。良いですね? 貴女は私達の楽屋で休息をおとりなさい。……そんな顔のままで、勇輝さんに会うつもりですか?」
 一瞬、弥生の声が優しい――本当に、柔らかい口調に変わった。まなざしは愛しい者を見るかのように和らぐ。
「弥生……さん?」
「それでは、失礼」
 一礼すると、弥生は足早にふゆの前から立ち去る。恐らく、あの自称ダンディなプロデューサーは業界――いや、世間からも抹殺されるだろう。弥生の敵に対する徹底的なまでの攻撃性を知っているふゆは、一瞬自分がされた事も忘れて気の毒にすら思ってしまった。
163便乗ふゆ@130:02/11/09 00:36 ID:NABBNcmR
>>92-97
英二さんが助けに入らなかった――っていうより、英子って書いてるな、私。
まあ、そういう可能性話で。弥生さんと絡めてみました。絡まってるか不安ですが。

あああ。どうして、こう、弥生さんは屈折した愛情表現しかできないんだ。
164名無しさんだよもん:02/11/09 00:38 ID:5IeWDwKz
いいなぁ…
やっぱふゆは反転SSの元祖だね。
165146:02/11/09 01:58 ID:kursOwua
皆様、どうもありがとうございます
これでSS書けます

























やはり、搾乳ねt(プラ〜ン)
166名無しさんだよもん:02/11/09 06:38 ID:4luRaBpn
………………ぼにう?
167名無しさんだよもん:02/11/09 08:40 ID:OiZV5JQ4
爆チチ搾乳…ぼにう…素晴らしい!
ぜひそれでおながいします。

>130
弥生さんカッコいい〜。屈折してこその弥生さんでしょう、うん。
168130氏最高44:02/11/09 15:56 ID:c3HWUAkS
「…………買っちゃった」
金が無い癖に、柏木はじめは携帯電話を購入した。
目的は勿論、この夏を境に妙に親しくなった従兄弟達とのメールが目的だ。
「えへへー……」
思わず顔がにやける。
「何笑ってんの」
「おひょおおおおおおお」
背後からいきなり自慢の乳を揉む親友・千堂かずき。妄想で少々イってたとして
もはじめの背後を取るとは侮りがたし同人作家。笑いながらどす、と無造作に荷
物を置くと、幸せそうな顔に戻ったはじめの顔を見る。
「……幸せそうじゃない。好きな人でも出来たの」
「え……い、いやいやいや、べっつにぃい」
なんだその顔。目下片思い一方通行中のかずきにとっては腹立たしい事極まりな
い。ちょっとからかってやる事にした。
「ほー、それって計算し尽くした無造作ヘアを寝癖と勘違いした長男?」
「……ちがう(ちょっとショックだった)」
「じゃあ、アンタの19.76倍家事の上手い巨根次男?」
「……ちがう(大分ショック)」
「それじゃあ、顔は美形なのに電波っぽい事言ってヒャッハァ笑ってる三男?」
「電波はともかく笑ってないから(認めるんかい)」
「わかった、刺さりそうな四男か」
「……あえてどことは聞かないわ」
「となると……」
「もういいもういい」
途中からからかってるとわかったので、いい加減遮る事にした。

……そんな風に談笑している二人を暗く見つめる人物がいる事に、まだ彼女等は
気付いていなかった。
169130氏最高44:02/11/09 15:58 ID:c3HWUAkS
『のぉ!?』
よろよろよろりらどっす〜、と力無く二人の背に倒れ込む少女が一人。
「なっななななな……だっ……え?」
「……なにやってんの、ふゆ」
 あいたたた、と頭を抱える。ぶつかった拍子に3人分の荷物が散乱してしまっ
たのもあるが。
「……っていうか、何その顔色の悪さ」
「えー、大丈夫だよ」
そうは言うものの、全く大丈夫そうに見えない。
「……今日、早く寝なよ」
さっさか荷物をかき集めて、はじめはかずきとふゆに荷物を渡す。
「そうだよ、健康第一だからね(私が言うな)」
心の中で突っ込みを入れながらふゆの頭を撫でた。
「じゃ、私用(原稿)があるから。じゃねー」
と、まずかずきがイチ抜けした。
「……それじゃ……私も」
何が目的だったのか、ふゆもバイバイしてしまった。

「……なんだったんだろ」
首を傾げながらまた携帯を開く。
「あれ、電源切ったままだっけ?」
と、電源を入れた瞬間、いきなり七件のメールが入った。
「……え?」
170130氏最高44:02/11/09 16:00 ID:c3HWUAkS
『ふぬぅう〜!なんで連絡つかねーんだよ!!早く原稿渡せ! 詠輔』
『電波悪いフリしても無駄やで!今日そっち行くからな!! 由太』
『……………………………………………………………………………… 綾』
『やっほー、かずき君に似合う衣装作ったから、これから行くね★ 玲』
『お前なんで何日も大学来ないんだよ!また原稿か!? 瑞希』
『ぱぎゅー!!約束を守らない人は悪ですぞ!! すばる』
『かずきよ、悪いが世界ウ○ルン滞在記を録画してくれ ゆあぶらざー』
ぱたん。
―――はじめは、何も見なかった事にした。

「……あれ、緒方理奈の新曲?」
……の着メロ。電源は切った筈なのに。てか私の着メロは仮面ラ○ダーXの筈。
嫌な予感がしてメールを見る。
『わかりました。今日も待っています 篠塚』
「……どゆ事?」
意味が全くわからなかった。

メールが届いた。しかし、知らない曲。が、心此処にあらずのふゆは気付かない。
(……やっぱり、私の事、軽蔑してるかな……あの人の事、好きでもなんでもな
いのに……私どんどんおかしくなってく……)
かぱ、と携帯を開く。
『今度の連休、こちらへ来ませんか?私が腕を振るってご馳走します 鶴丸』
『悪い事は言わねー。来るな!来るんじゃねぇ!!来ないで下さい!!! 梓』
『……お願いです。命に関わります。来ないで下さい 楓』
『あのね……お願いだから今度の連休旅に出て。お兄ちゃんが…… 初音』
「………………あの料理?」
思い当たる節があるのか、ふゆは身震いしてもと来た道を回れ右した。

―――ヒロインズの受難は続く―――
171前733:02/11/09 18:43 ID:AiqA5463
風邪と戦いながらSS書いてます。
今回はネタにしづらく、敬遠されがちなAIRモノです。
それでは導入部をどうぞ。
172前733:02/11/09 18:44 ID:AiqA5463
夢を見た。小さいころの夢。太鼓の音。にぎやかな声。露店の食べ物の匂い。
そのかたわらで泣いている小さい女の子。
私はその女の子に何もしてやることができず、ただ立ち尽くすばかりだった。
ふと私はあるものを見つける。1枚の羽根。その羽根は不思議な光を放っていた。
私は女の子を連れて社の中に入った。羽根を見ているうちに女の子は泣き止んだ。
女の子が羽根に手を伸ばす。しかし届かなかった。
そこで私が手を伸ばして羽根を掴み、女の子の目の前にやった。
するとその羽根は強い光を放ち、私たちを包み込んだ。

「!!」
私は勢いよく起き上がる。なんだったんだろう今の夢は。
ふと時計を見ると時計の針は5時半を指していた。
目がさえてしまったので起きることにした。とりあえずお湯を沸かし、
お茶を淹れる事にした。しかし時計はなかなか進まない。
お茶を飲み終えてから私は診療所前を掃除することにした。
待合室のソファーでは国崎君がタオルケットに包まりながらすうすうと
寝息を立てていた。私はその前を通り過ぎ、診療所のドアを開ける。
ほうきを持ってその辺の吸殻やごみを掃いた後、軽く水撒きして中に入った。
ソファーでは国崎君がまだ寝ていた。そこで私は国崎君の枕もとにある
黒い布を見つける。国崎君がいつも来ているシャツだ。
おそらく寝苦しくなったか何かで途中で脱ぎ捨てたのだろう。
私はシャツをたたみ、すぐ横のテーブルにそれを置いた。
「んん………」
国崎君が寝返りを打つ。その拍子に体に掛かっていたタオルケットが落ちた。
私はそれを拾い、国崎君にかけようとしたその瞬間、私の目に映ったのは
胸元の二つの膨らみ。その先には小さい桜の蕾があった。
「国崎君、国崎君!」
私は何度も彼の名を呼んだ。しばらくして国崎君が起き上がった。
「何だ聖、まだ6時半じゃないか。」
私は彼の言うことを無視して診察室に連れ込んだ。
173前733:02/11/09 18:44 ID:AiqA5463
夢を見ていた。小さなころの夢。母に抱きしめられる夢。
あたたかい。心地よい。母の体に包み込まれそうだ………。
そんなとき、母とは違う女性の声が聞こえてきた。
「………君、………崎君、………国崎君。」

「国崎君!」
聖に体を揺さぶられながら俺は目を覚ます。
時計を見るとまだ6時半だった。
「何だ聖、まだ6時半じゃないか。」
しかし、聖はお構い無しに俺の腕を掴み、診察室まで引っ張っていった。
「とりあえずお茶でも飲まないか?」
俺は聖が差し出したお茶をすする。だんだん目がさめてきた。
「で、単刀直入に言うが、その体は何だ?」
聖が俺に向かって言う。わけがわからず俺は聞き返した。
「俺の体がどうした?」
聖が右側にあった鏡を指差す。俺はその鏡を覗き込んだ。
そこで俺が見たものは胸元の二つのふくらみと小さな桜の蕾だった。
「!!」
俺は思わず両手で胸元を抑える。何故俺にこんなものが?
俺がその姿が現実のものであると認識したのはそれから10分後のことであった。
「少しは落ち着いたか?」
「ああ、なんとなくだがな。」
「国崎君はなんでこんな体になったかわかるか?」
「いや、わかんねえ」
「これは私の推測だが……………」
聖は朝見た夢のことを話す。要するに神社の羽根の影響かもしれない
ということらしい。しかし、佳乃の一件で俺は法術が使えなくなっている。
解決策は無いに等しかった。
174前733:02/11/09 18:55 ID:AiqA5463
とりあえず往人反転してます。さてこれからどうしようか。
濡れ場は今推敲しているので、完成は明日中になるかな。
175名無しさんだよもん:02/11/09 18:59 ID:6MbTi/MZ
━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!
176名無しさんだよもん:02/11/09 19:44 ID:NNysDq9f
久々に見に来たら、恐ろしく傑作揃いですな。
ニヤニヤしながら読んでたよ。
177名無しさんだよもん:02/11/09 22:19 ID:+J/+5G9S
聖×往穂ネタ考えてたら、先にやられちまったw
とりあえず発表はもっと先で、ネタ練るだけ練っとくとしますか。
178趣向変えたら見事に被った44:02/11/09 22:25 ID:A+TwuxRV
―――暇だ。
他人の家で偉そうに寝転がりながら、孤高の旅人国崎往穂(年齢不詳)は呟いた。
あまりに暇なので、往穂は頭にふと思い浮かんだメロディを口ずさんだ。

「怪医〜ひ〜じり〜ん、メス投〜げろ〜♪」
バビ○2世の節で世露死苦。
「みち〜るどんは〜みぞきっく〜(鳩尾キックの意)♪」
「ほうほう」
「酒飲み晴彦〜悶絶死〜♪」
「おお〜★って、なんで俺だけそんなやねんっ!!」
すぱぁんっ、と往穂の頭を叩いた。
「……痛いじゃないか」
「当たり前や!なんでこの俺だけ死亡、しかも悶絶の末なんや!!」
……そんなに怒る事か、と本気で思う。
そして同時に、起きたか、と思った。

「んっ……ぅ……う……」
涙眼になりながら、口で男のものを咥え込む。涎が口から溢れ、晴彦のそれを濡
らす。
いつもの黒いシャツを着たまま、下半身は何も着けずに、四つん這いになった姿。
「あー……ええで、その調子や。アンタも上手くなったなぁ」
往穂の頭を撫でながら、茶化すように呟く。
二人が身体を求め合うようになったのは、五日前に遡る。ふとしたきっかけで、
晴彦が押し倒した。そして往穂が抵抗しなかった。それだけの事。
晴彦にとって計算外だったのは往穂が初めてだった事。好都合だったのは往穂が
処女を捨てたがっていた事だった。
二人の間に恋愛感情は無い。ただ、お互いの身体を貪り合うだけ。
ただ、主導権は未だ晴彦の方にあった。
179趣向変えたら見事に被った44:02/11/09 22:27 ID:A+TwuxRV
「……あ」
往穂の頭を掴み、口を自由にさせてやると、汗で身体に張り付いている黒いシャ
ツをたくし上げる。予想外に大きめだった乳房を露わにすると、指先で乳首を擦る。
「っ……ぅあ……」
逃げようとするが、許さない。『感じる』事自体に羞恥を感じているのか晴彦に
感じさせられるのが悔しいのか、何故か彼女はいつも快感から逃れようとする。
晴彦はそれが面白く、執拗にその肢体を嬲る。
「その姿で外出る気ぃか?」
だらしなく、そして扇情的に曝け出した身体。潤んだ瞳。男の情欲をそそる、一
人の女がそこにいる。
いつもとは違う、情けなく、滑稽なまでに女を前面に押し出した哀れな彼女。
覚え立ての快感と羞恥と悔しさと、なんだかわからないドロドロの感情とが混ざ
り合い、往穂を翻弄している。
「や……ぁあっ……あ……やめ……」
力の抜け切ったその細い腰を掴む。無理矢理膝を立たせてもう一度四つん這いに
させる。股の間に指を滑り込ませると、ぬるりと濡れるものが指に触った。
「いや、やないやろ。濡れとるんやろ?な、俺のこれ、アンタの口で元気にして
もろたモン、今度はこっちの口に入れて欲しいんやろ?」
耳元で、囁く。その声が、往穂の意識を溶かしてしまう。服従させるように、優
しく、いやらしく責める。
「な、往穂……入れて欲しいんやろ?ここ、もう欲しいって、泣いとるで。ほら」
試しに指を一本だけ差し込む。きつく締め付ける膣中に、更にもう一本。
「うぅ……うっ……く、くぅ……」
指で弄ばれながら、片方の手で乳房を柔く揉まれる。往穂が肘を着くと、膣内に
差し込んだ指はそのままに、その華奢な身体を仰向けする。
「ほら、どんどん入るで」
「っあ―――!!」
指を三本に増やし、奥まで突く。
往穂の声が、初めて大きく響いた。
180趣向変えたら見事に被った44:02/11/09 22:29 ID:A+TwuxRV
「なぁ、アンタいつも俺にだらしない言うとるやろ?なぁ、見てみいや自分のカ
ッコ。大股広げてアソコ濡らして。自分の方が酷いんちゃうか?」
見下すように言い放つ。だが、既に往穂の耳にはそんな言葉は入っていない。
それこそが、彼女の意思表示。彼女の、返事だった。
「しゃあないわな、ホンマ。この淫乱娘はなあ」
くくく、と笑いながら往穂に覆い被さる。そして―――本当は、自分も限界寸前
だったりするそれの先端を、往穂の入口に押し付けた。
「ぁ―――」
小さな、往穂の声。何か言おうとしたようだが、それはキスで塞がれた。さした
る抵抗もしないまま、それを受け入れる。
「くっそ、相変わらずええ仕事しとるわ……」
強引に押し入る晴彦自身をやわやわと締め付ける。あくまで、往穂は晴彦の背に
手を回さない。シーツを握り締め、自分の腕を噛む。そうする事で、声を漏らさ
ない為に。
―――最初は、晴彦もその行為を止めさせようとした。
今は、もうどうでもいい。必要なのはそんなものじゃない。
「ふ―――っく、ふぅっ……ふ」
ぎりぎりと、腕を噛み締める。服が傷むから、直接。そして声を出さない代わり
に涙を流す。心を受け入れないために、最大限身体を受け入れる―――そんな風
だった。
「くうぅっ……う……ぅ」
びくびくと、往穂が小刻みな痙攣を始める。あぁ、イきそうなんやな、と頭の中
の、どこか別な場所で考えた。そして―――
「っひぁ―――!?あ、やめ、はる―――」
気まぐれで、その腕を引き剥がす。当然、堪えていた声が全て出てしまう。
そして、今までに無い程、激しく奥を突く。ぐる、と体位を変えて、片方の肩だ
けが着くように、いつも噛んでいる方の二の腕を掴んで、後ろから。
「いやぁあっ!あ、ああ、あ、やめっ……あ……はる、ひ……こぉっ!!」
泣き叫び、哀願する往穂を無視して、まるで強姦するかのように一方的に貪る。
最後の叫びは、嬌声か、それとも―――
181趣向変えたら見事に被った44:02/11/09 22:31 ID:A+TwuxRV
「……アホやなぁ……俺も、こいつも」
静かに眠る(失神したともいう)往穂を(半ば嫌がらせに)抱きながら、ひとつ
の布団に沈み込む。
不安げに眠る女。どうしようもない程、可愛くて、憎らしい。

でも―――けして『恋』や『愛』の類ではない。
傷の舐め合いでも、遊びでもけしてない。

「きったなぁ……」
胸に濡れた感触。当然の様に寝ながら垂らした往穂のヨダレ。そっとその頭を抱
き締め、ひとりヤバ気な自己満足に浸る。
「中途半端なセフレやなぁ……」
苦笑しながら、押し寄せる睡魔の波に身を任せる晴彦だった。


……この二人性別逆転させたら一番エロ書きやすかったんですけど……
すいません、色んな意味で……
エビの背わたで吊って来ます……うっうっうっ……
182便乗ふゆ@130:02/11/09 23:48 ID:ox8/prFk
 冷酷な人。けれど、どこか寂しい人。
「――だから、かな。こんなに気になるのは」
 ただの同情? それだけで、こんなにも彼の事が気になるのだろうか。どうして……こんな風に思ってしまうのだろうか。自分の恋人は、彼では無いというのに。
 森川勇輝といる時、自分はきっと幸せなのだと思う。優しく、そして愛しい人。ああ、私はこれだけは言える。私は――藤井ふゆは、森川勇輝を愛している、と。
 だというのに、なぜ。
「なんで――なの」
 心の片隅に焼き付いたのは、一人の男性の姿。常に乱れず、常に冷静にあり続ける。氷のような人。けれど、時折見せる微笑みがほっとさせてくれる人。
 勇輝にとって敵になり得るならば。マイナスになり得るならば。どんな手段を採ってでも排除すると宣言したあの人。篠塚弥生の顔が、脳裏に浮かぶのだ。
 恋ほど優しくなく、愛ほど確かな物でもない。
 この感情は、そう。多分、きっと――――。
 私は、頭から布団を被ってベッドの中に潜り込む。目を閉じて、眠ろうとする。
 けれど、眠ろうとすれば眠ろうとする程に、彼らの姿が浮かぶのだ。
「……勇輝ぃ」
 泣きたくなる気持ちを叱咤しながら、私は枕に顔を埋めた。
183便乗ふゆ@130:02/11/09 23:48 ID:ox8/prFk
 篠塚弥生は沈黙したまま、YUKIと緒方理緒のステージを見つめていた。横には事務所社長でもある緒方英二が立っている。
「勇輝クン。なんだか最近、様子がおかしいねえ」
「……ええ」
 言葉少なに頷いてみせる弥生を横目に見ながら、英二が煙草をくわえる。火をつける事はないが、それでも弥生の視線が言外に止めろと言っていた。しかし、英二はそんな視線を無視して笑う。
「君らもさぁ。いい加減、決めたほうが良いんじゃないの?」
「――決める、とは?」
「だからさ。あんまりフラフラしてるんなら、俺が貰っちゃうよって意味」
 英二はそれだけを言うと「煙草吸ってくるわ」と言ってスタジオを出ていく。弥生はと言えば、先程の言葉の衝撃からまだ復帰していなかった。ただ、呆然とした顔で英二の背中を見つめるだけである。
「どうしたの? 弥生さん」
 収録が一区切りしたのだろう。背後から勇輝の声がかかる。ハッとしたように弥生は振り返ると、口を開いた。
「あ。い、いえ。なんでも。お疲れさまでした。理緒さんも」
「あんがと。兄さんは?」
「――煙草を吸いに行かれる、と」
 視線をスタジオの外に向けると、理緒は軽く肩を竦めた。そして、スタッフからドリンクを受け取る。
「……ったく。あのヘビースモーカーめ。言っても止めやしない」
「――ですが最近は吸われていなかったように思えますが?」
「ああ。多分、ふゆさんが居たからだろ」
 理緒の何気ない言葉を聞きながら、弥生の眉が微かに跳ねたのだった。
184便乗ふゆ@130:02/11/09 23:51 ID:ox8/prFk
>>168-170
ありがとうです。
でも、軽妙な話が書けるというのは、私は憧れるので羨ましいですが。
185名無しさんだよもん:02/11/10 00:02 ID:xgdOlFh9
>178−181
うははははははははは! グッジョブッ!!
ねちっこくて、エロっちくて、品がなくて。…そんでもってどこか哀しいのがとても良い。
惜しむらくは「ええか? ここがええのんか?」が無かった点か。←関西の人に謝れ貴様

吊らんでくれい。「千堂さんと九品仏君と」が読めなくなるではないか。
俺が代わりに
 
    ,.、,、,. ∧_∧,_        /i
   ;'~;...::⊂(´∀`⊂⌒`つ:::`゙:.:゙:`''': -‐i
   :';: ...:,.: .、.:...: ,:. :.、.:',.: .:::,.: . ::,;;;;:'゙~' ̄
   '、;,.: .:: : ...: ,:. :.、.:'_;.;;..; :..‐'
186名無しさんだよもん:02/11/10 01:20 ID:H9WJ5zST
キッタ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!!
往穂えっちくてイイ!
弥生さんはどうゆきと向き合うんだろ?
気になりまふ
187名無しさんだよもん:02/11/10 02:06 ID:DiQw+Zzj
>183
愉快な英二×ふゆ を秘かに期待して居るんで・・・もっとフラフラしててください(w
18855:02/11/10 04:28 ID:P4pPSDyD
まことに申し訳ありませんが、別スレで、ねこかめん氏およびその周辺から、
「お前つまらないよ」「消えろ」まで言われたので、私のSSは打ち切りさせ
ていただきます。

 このスレでどうしても!というリクがあれば別ですが、
 正直、ウザイと思ってる人間もいるんじゃないかな、と思ってたので
 (他の方の作品よりレスが少ない気がしてたので)
 マジ、大人しく引き下がります。
 残りの方、このスレの発展の為によろしくお願いします。

 ∧||∧
(  ⌒ ヽ バイバイ……
 ∪  ノ
  ∪∪
189名無しさんだよもん:02/11/10 08:51 ID:yKR1DIi0
>>188
お願いだから、

他  人  の  せ  い  に  す  る  な

おもろいと自分で思ったなら書きつづければいい。納得でけんようなもの
を最初に出してきたお前さんには、他人のせいにする資格は無いだろ。
あははは、ありがとうございます。
本当は『えーか、えーのんか。この(以下略)』考えたんですけども。
やっぱりやめました。私の中のお笑いコスモが発動しますんで。
阿呆なネタしかないんですけども。逝きっ放しでやります。人の迷惑顧みず。

>>188
別スレで言った人も無責任に言ったんでしょうけど、貴方の作品を好きだと言
った人もいたじゃないですか。そっちの事考えないであくまで誘い受けでそう
いう事を無責任に言う貴方もその別スレの人と大差か無いと思います。ウザイ
と思う方は貴方のそういう姿勢をウザイと思っているのではないでしょうか。
例え少なくても好きだと言ってくれる方を、一番蔑ろにするやり方だと思います。

……偉そうな事言ってすいません。私もヘタレで後ろ向きですけど……もう少し、
人の言う事を気にしない事も大事だと思います。というか気にするな!!


19155:02/11/10 19:05 ID:P4pPSDyD
 ∧||∧
(  ⌒ ヽ
 ∪  ノ
  ∪∪

どうなのかなぁ……
 ここではストレートな意見が少ないのがやっぱり気になる……
192名無しさんだよもん:02/11/10 19:24 ID:ip6sQbEN
>55氏
ふむ。ではストレートに言おう。

あなたの作品が、私は好きだ。消えてくれるな。
193名無しさんだよもん:02/11/10 19:33 ID:tjt7wSPx
>>191
だったらストレートに言わせてもらいます。
もっと腕磨いた方がいいのではと思いますよ。
SSやめるやめないはご勝手に。
それについてどうこう言える立場じゃないですからね。
194なんか暗いんで44:02/11/10 19:46 ID:Zd2Jat4r
「……これは、いつかのお返しと考えていいんだね?」
「ちちちちち、違いますぅ〜……」
喫茶店、エコーズ。客は緒方英二オンリー。
ビタミン豊富なグァバジュースを、思いっきり頭から掛けてしまった。
「ははは、ビタミンを全身から吸収か。これはいいな。」
錯乱状態にあるふゆには、とてつもない厭味として聞こえる。緒方英二得意のテ
キサスジョークなのだが。
「ああ、すまないな」
慌てて頭から身体から側にあった雑巾で拭く。勿論それが雑巾だとはふゆは気付
いていないし、英二本人も気にしていない。
「あ、あとクリーニング代金……あ、マスター、私の給料から引いて下さ……っ
て、起きてー!!」
既に恐慌状態に陥っている。そんなふゆを見て、英二はとっても面白がっている。
「……あのさ、勤労ロードショー、ちょっと、聞いて。聞いてってば」
「あああ、すいません。本当、あ、今レジから……にきゃああああ」
慌てず騒がず英二はふゆの脇腹をプッシュする。本当はもう少し上を狙いたかっ
たがこの場では痴漢になる。そして、やっとふゆが落ち着いた。
「はぁ……すいません。お騒がせして……」
「いや、それは面白かったからいいんだがね」
お得意のにま、という笑顔を出して。
「……シャワー浴びたいんだけど」
と、言い出した。
195なんか暗いんで44:02/11/10 19:48 ID:Zd2Jat4r
「……どうして、こんな事に……ていうか、どうして私の家に……」
あの後ふゆの自宅まで英二を連れて来て(というか連れて来られて)、今英二が
シャワーを浴びている。てか、湯船に浸かっている。
はぁ、と溜息をつきながら、なんとなくふゆは緊張している。
何をする訳でもないのに。
「……英二さん、そういえばご飯注文してたのに……お腹空いてないかな……」
いらん気を回すふゆ。首を傾げながら冷蔵庫を覗いた。

「ん、いい匂い」
風呂から上がった英二が無事だったズボンと裸にストールだけでキッチンに顔を
出す。男物の服が無いから、友達(同人作家)に貰ったものを仕方なく出したの
だ。
「あ、英二さん。お腹空いてるでしょう」
「ああ、そうだね。嬉しいなあ女の子の手料理。いいね、浪漫だね」
なんだか遠い眼をする英二をなるべく見ないようにする。
「でもこれ、結構いい品だね。柄もいいし、あったかいし。自分で買ったのかい?」
「いえ、友達の友達が友達にくれたそうなんですけど友達が自分には似合わない
からって……白いセーターと二枚重ねのキャミワンピと黒いニーソとセットで」
「……あえて追求はしないよ」
珍しく微妙な顔をする。
「あ、クレープ作るんですけど……マグロ生クリームと、カレーカスタードアイ
ス&チョコクッキーと、味噌ワンタン&イチゴジャム、どれがいいですか?」
そのラインナップを聞いて、英二は笑顔で。
「どうしてもその三品目から選ばないと駄目なのかい?」
と聞いた。
196なんか暗いんで44:02/11/10 19:49 ID:Zd2Jat4r
「ごちそうさま」
少し青い顔をしながら英二は言う。丁度服も乾いた。
「……本当にすいませんでした。あの、これ……」
香典袋にお金を入れて渡す。
「いや、縁起悪いから。ていうか、クリーニング必要なくなったし」
「……でも、お客様に粗相をしてしまったのですから……」
……このままではループに入ってしまう。英二は笑って溜息をつくと、ころん、
と横になる。正座しているふゆの膝を枕に。
「じゃさ、暫くこうさせてよ。寝てないんだ」
そう言うと、位置を調整して眼を閉じた。
「……危ないですよ」
そっと、眼鏡を外す。安心したような、あどけない寝顔。
「萌えるなよ、勤労ショパン」
「……段々苦しくなってますよ」
苦笑いする。若手名プロデューサーの、知られざる素顔。
正直、困る事の方が、多いけど―――
くしゃ、とその短い髪を撫でる。
「ん……」
ヴバァ―――、と大量にヨダレを垂れ流す英二。
……正直、困る事しかしないけど―――
ぐしゃ、とその短い髪を鷲掴みにする。

「―――私、馬鹿みたい」
自嘲的に、そう呟いた。
197なんか暗いんで44:02/11/10 19:50 ID:Zd2Jat4r
「ああ、よく寝た」
爽快感たっぷりの顔で伸びをする。対してふゆは新しいスカートを穿いて出支度
をしていた。もう一度エコーズに行く為だ。
「……でも、本当にあんな事で良かったんですか。他に―――」
「じゃあ、パペットマ○ット&星○卓也の再結成」
「無理です」
即答した。
「んー……じゃあ」
「駄目です」
先手必勝。ふゆも強くなったものだ。
はぁ、と溜息をつく英二。が、ここで諦める男ではない。
「……じゃあ、次会うまでに考えておくから」
と、一応油断させておいた。
「……はい」
何をさせられるのかドキドキしながら頷いた。
部屋を出ると、ふゆは鍵を閉めようと英二に背を向ける。
―――そう、ふゆは忘れていた。この男といる時は一時も油断してはならぬ事を。

ばっ。

「きゃああああああ!?」
「……ピンクかぁ」
振り向いた時、既に英二は消えていた。
「っうぅぅううう……」
―――またやられた。というか。
「あの人いくつなの…………」
泣きたい気分で鍵を閉めるふゆだった。
19844:02/11/10 19:55 ID:Zd2Jat4r
もうやりたい放題緒方英二。
普通に彼が好きな人すいません。
さぁて、ストールで吊って来ますか……
199名無しさんだよもん:02/11/10 20:37 ID:E6YMvlPG
ちょっと待ったー!
あなたが吊る必要はない、代わりに自分が吊ります!

 ∧||∧
(  ⌒ ヽつ
 ∪  ノ
  ∪∪

しかし、友人からもらった衣装って、やはりあれ、だよな…

20055:02/11/10 20:44 ID:P4pPSDyD
 ∧||∧
(  ⌒ ヽ
 ∪  ノ なんか私事でスレを停滞させてしまい申し訳ありませんでした。
  ∪∪

 気分がノってきたらまた書くかもです。
 とりあえず……今週は無理です。かくなくとも。ネタがもうでません。

 失 礼 し ま し た 。

    ∧||∧
  ・゚・(  ⌒ -=y ターン
    ∪  ノ ̄
     ∪∪
201名無しさんだよもん:02/11/10 22:07 ID:mF1bpyTX
>55氏
作品をけなされたからって、あまり気にしすぎないほうがいいと思いますけどね。
暴言かもしれないけれど、そもそもネタスレなんだし。

しばらく休んで、気持ちが落ち着いてきたようだったら、またお願いします。
202名無しさんだよもん:02/11/10 23:36 ID:DiQw+Zzj
英二×ふゆキタ━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━!!!!!

>「どうしてもその三品目から選ばないと駄目なのかい?」

 漫画なら汗マーク付いてるンでしょうねぇ(w

 44さんの思惑とか、他の住人の希望はおいといて(w
 フラフラしてる奴らを後目に、持って行って欲しいでつ。
203177@聖(♂)×往穂:02/11/10 23:37 ID:JyORn6YY
事の始まりは夏、私が診療所に居候するようになってしばらく経った時だった。
佳之が出ていて聖と二人だけで過ごしていた夜、待合室でくつろいでいた所を聖に……襲われた。
その時の私の格好、パンティにタンクトップ(ノーブラ)という姿に欲情してしまったらしい。
私は子供の時からずっと旅暮らしで、男と接する機会がほとんどなかった。
だから男心の機微を察する事は元より、セックスについての外形的な知識すらほとんど欠落していたのだ。
そのため、この日のようなラフな格好でくつろぐことがしばしばあった。
今にして考えたら、よくそれまで聖か佳之に襲われなかったものだと思う。
聖も、相当我慢に我慢を重ねていたのだろう。
しかし何事にも限界というのものがあるわけで、とにかく押し倒されて、そのままされてしまった。
それから折を見計らっては床に誘われて、半ば嫌々ながらも何度も体を重ねるうち……
最初は痛いだけだったのに、今ではなすがままに激しく突かれ、何度も絶頂に達するようになってしまった。
聖に抱かれることを想像してしまっただけで濡れてしまうことすらある。

私は性欲に溺れているんじゃない。
聖には恩があるし、何より家主の言う事に逆らえないだけだ。
事が終わって心地よいまどろみの中に落ちようとする度、何度も何度も自分にこう言い聞かせてきた。
204177@聖(♂)×往穂:02/11/10 23:37 ID:JyORn6YY
「佳之は今日は帰らないそうだ。」
聖が何気なくそう言ってきたのは日暮れ前、玄関の掃除を終えて台所で水を飲んでいた時だった。
一瞬ドキリとして聖の方を見たが、診療室に戻ろうとして背中を向けていたため、聖の表情を伺うことはできなかった。
今夜は佳之がいない。
私はもう、その言葉の裏の意味がわからないほど子供じゃない。
だから今夜もまたいつものようになるのだろうと思いつつも、なるべく平静を装って夜を待った。

夜が更け、夕飯を食べて風呂に入った後、いつもと様子が違うことに気づいた。
聖が自室に戻らないのだ。
部屋に戻る直前に私に目配せして、それに付いて行く形で私も部屋に入る。
それがいつものパターンだったはずなのに、今夜に限りずっと診療室にこもったきりなのだ。
覗いてみると、机に向かって何かをしている。
カルテの整理でもしてるのかと思ったが、あの几帳面な聖がこんな時間にそんなことするとは考えにくい。
そもそも整理が必要なほど患者も来ていないというのが実際のところである。
まあ邪魔するのも悪いし、そもそも何事もないならそれに越したことはないと思い、私はずっと居間でテレビを見ていた。
でも、何故か聖のことが気になって仕方がなかった。
どうしてそんなに気になっていたのか、自分でもよくわからない。
とにかくお茶を汲んで持っていくフリでもして、様子でも探りに行こうと思ったその時、
「おーい、すまないがちょっとこっちに来てくれ。」
診療室の方から、私を呼ぶ聖の声がした。
日付はあと30分ほどで変わろうとしていた。
205177@聖(♂)×往穂:02/11/10 23:38 ID:JyORn6YY
診療室に入ると聖は、寝台の上に腰掛けて手招きしていた。
そして隣に座ると、入れ替わりに聖が席を立つ。
何をするのかと思うと、ドアを背もたれにして出口に立ちふさがるように立った。
「さて……」
聖の目が細くなった。
これはよからぬ事を企んでいる時の目だ。
何かヤバい。
そう直感はしたものの、出口は聖に塞がれて出られないようになっている。
どうしようもない。
「キミの考えていることを当ててみせようか?」
「な、何だよ……」
まさかと思いつつも、内心ドキッとした。
「診療所に篭りきりで何をしているのか。二人きりなのに、今夜は手を出さないつもりなのか。」
図星。
そのまま言葉は続く。
「折角可愛がってもらおうと思っていたのに、このままでは収まりがつかない……と。」
理性より先に体が反応してしまった。勝手に。
「あ……う……」
「否定しないんだな。」
聖の唇の端が軽く吊り上がった。
「やれやれ……この夏まで男と女のことなどまるで無知だったキミが、まさかこんな風になろうとはね。」
「いっ……一体誰がこんな女にしたんだっ……!」
そう叫ぶ私の顔は、多分真っ赤になっていただろう。
206177@聖(♂)×往穂:02/11/10 23:39 ID:JyORn6YY
「人聞きの悪い。僕が好きなようにしている内に、キミが勝手にそんな女になっただけだろう。」
ドアを背にしていた聖の手がノブにかかったと思った次の瞬間、がちゃり、という音がした。
鍵をかけたのだ。
私を何事もなく帰すつもりはないという意思表示。
「心配には及ばない。今日はちょっと違う趣向を試そうとしただけだ。お望み通り、する事はさせてもらう。」
もう、強がりを言えるような状態ではなかった。
聖の思惑が確認できてしまった以上、いくら理性が拒んでも条件反射で体が火照ってしまう。
「じゃ、立ってもらおうか。」
聖は立ったまま腕を組み、ふんぞり返るような姿勢でそう言った。
私はおずおずと立ち上がり、聖の方を向いた。
余計な事を言わせるつもりはないという態度が見て取れる。
明らかにいつもと様子が違っていた。
鼓動がどんどん早くなっていくのを感じる。
「手は後ろで組んで。」
言われるままに両手を後ろに回す。
自然と、胸が突き出されるような形になった。
私の今の格好は、Tシャツ一枚に短パン。
ブラはつけていない。
視線が胸、特にシャツに浮き出ている乳首に向けられているのがよくわかる。
「夏に比べて大きくなったんじゃないか?胸。」
一瞬間を置いて、私は首を縦に振った。
207177@聖(♂)×往穂:02/11/10 23:39 ID:JyORn6YY
「ほう。それは、旅をやめて栄養状態がよくなったせいか、それとも、」
一呼吸置いて、
「体が男を誘っているのか。」
ふっ、と聖は鼻で笑った。
私は息を飲んで、聖から顔を背けた。
「目が潤んでるぞ。どうした?」
誰のせいでこうなったんだと悪態の一つでも突いてやりたかったが、もうそんな余裕はなかった。
いや、そんなことを考える理性すらグラついてきてしまっている。
恥ずかしい話だが、いつもと異なる責められ方に、体が過敏に反応してしまっていたのだ。
「暑いか?それなら冷房をつけてやっても別に構わないが。」
きっと、顔だけでなく全身が紅潮してしまっていたのだろう。
はっきりとは口にしなかったが、聖の言わんとしていたことはわかっていた。
脱げ。
私は裾に手をかけてシャツをまくり上げ、そしてゆっくりと脱ぐ。
その時に裾にひっかかった胸がぷるんと揺れた。
脱いだシャツを寝台に置くと、短パンに手をかけ、腰を屈めてそれを脱ぐ。
続けて、動作を止めることなく下着を脱ぎ、それも寝台の上に放り投げた。
下着を一度脱ぐことを躊躇ったら、羞恥心が先行してもう脱げなくなる。
だから一気に脱いだ。
裸になることはたまらなく恥ずかしかった。
しかし下着を脱がないままでいると、聖に何をされるかわからない。
心の中でそう言い訳しながら、私はさっきと同じように後ろに手を組んだ。
208177:02/11/10 23:41 ID:JyORn6YY
とりあえず、それなりに出来上がってる分だけうpしてみましたが…
エロ丸出しの上反転SS初挑戦なもので、どうも自信がありませぬ。
209名無しさんだよもん:02/11/10 23:56 ID:h6Ew+c14
>>208
キタ━━━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`) ゚∀゚)━━━!!!!
のっけからエロースな展開に…眠れなくなりますた。(w
210前733:02/11/11 01:23 ID:t1Q+69BX
「そこへ横になってくれないか。」
聖がベッドの方を指差す。俺は言うとおり、ベッドに横たわった。
「とりあえず君の体を調べさせてもらおう。」
聖はそう言うと俺の体を触診し始めた。
「ふむふむ、肉のつき方も大分変わっている、特にここがな。」
聖の手が俺の胸に及ぶ。俺はぴくっと体を震わせた。
「なるほど、いい形をしている、弾力もあるな。」
俺の胸を揉みながら聖が言う。俺は気がヘンになりそうな妙な感触に耐えていた。
「くっ………うあっ」
思わず声を出してしまう。しかし聖の手は休む気配が無い。
「ひょっとしたら私より…………って、国崎君?」
ようやく手が止まり、聖が俺の異変に気づく。
「もしかして………胸を揉まれて感じていたのか?」
「わからねえ、けど気がヘンになっちまいそうだった。」
「そうか、たとえばこういう感じかな?」
聖が俺の乳首を摘む。びくっと俺の体が震えた。
そしてくりくりと指で転がし始めた。
「ううっ……くはぁっ………くっ」
その時、じゅんっと股間から何かがにじみ出るような感触がした。
「さて、少々脱線してしまったが今度は下のほうを調べさせてもらおう。」
聖はそういうと俺のズボンを剥ぎ取った。そしてトランクス越しに股間に触れる。
「ふむ、確かに男のモノは無いな。で、これは何だ?」
聖が指を突き出す。その指先にはぬるっとした液体が付着していた。
おしっこではないことだけは確かだった。
211前733:02/11/11 01:24 ID:t1Q+69BX
「下着、それもトランクス越しに濡らすとはいやらしいな、国崎君も。」
聖が俺のトランクスを脱がしながら言う。
「俺を裸にして何をするつもりだ。」
「なに、性欲処理の仕方を教えてやろうとしただけだが。」
「性欲処理?」
「こう濡れたままじゃつらいだろう、私も女なのだからそれぐらいわかる。」
トランクスが剥ぎ取られ、俺は一糸纏わぬ姿になる。
「ほう、なかなかいい形じゃないか。」
聖が俺の陰部を見ながら言う。俺は恥ずかしさからか顔が熱くなった。
「まずはこの辺から………」
聖が俺の陰部にある小さな突起物を指でさする。
「くあっ」
痺れる様な感じがして、思わず声をあげてしまう。
「ほら、愛液もこんなにでている。」
聖が俺の目の前に指を突き出す。さっき見せられたときよりさらに
多い量の液体が指に付着していた。
「ほら、味わってみるといい。」
聖がその指を俺の口の中に突っ込む。いやらしい香りが口の中に広がる。
頭がぼーっとしてきた。聖は指を抜くと、再度俺の陰部に触れる。
「く………はぁ」
息が漏れる。聖はさらに指を中に入れてきた。
「うああっ」
未知の快感が俺を襲う。頭がどうにかなりそうだ。
聖は指を入れたり出したりを繰り返す。指を動かすたびに
俺は体を震わせた。
212前733:02/11/11 01:26 ID:t1Q+69BX
「こんなところも実は気持ちいいんだぞ。」
聖が俺のお尻の穴に指を入れる。
「くっ………はぁっ」
俺は指が入ってくる感触に必死で耐える。聖が入れた指をぐにぐにと動かす。
「くあああああああっ」
体が弓なりに跳ねる。俺はみっともない声をあげてしまった。
「ほう、国崎君はここが弱いのか。」
聖がさらに指を動かす。俺はわずかに残っている理性で聖に呼びかけた。
「聖っ、頼むからやめてくれっ」
聖が手を止める。
「なんだ、気持ちよくなかったのか?」
「気持ちよかったけど…………気が狂いそうだ。」
「存分に狂ってもらってもかまわん、続けるぞ。」
聖がまた指を動かす。再度、快感が俺を襲う。
口の中に涎が溜まる。意識がほとんどなくなってきた。
その時、聖が俺の陰部にある小さな突起物をもう片方の手の指で摘んだ。
「うあっ、うあああああああああっ」
体がびくびくと痙攣し、頭の中が真っ白になった。それと同時に、
しゃあぁぁぁぁぁ…………
股間から黄金色の液体が噴出した。
尿の勢いは収まらず、30秒ほど排尿は続いた。
「はぁ………はぁ………」
「全く……初めて絶頂を迎えたとはいえ、失禁してしまうとはな。」
「仕方ないだろ、トイレに行ってないうえにお茶も飲んでたんだ。」
「早く服を着ろ、掃除をするぞ。」
俺は服を着た後、シーツを片付け、床をモップで拭き、消臭スプレーをまいた。
213前733:02/11/11 01:28 ID:t1Q+69BX
朝食を食べている最中、国崎君が口を開いた。
「なあ聖、後で話がある。」
「あ、あたしもお姉ちゃんに話があるんだよぉ。」
それに続いて佳乃も口を開く。
「俺は佳乃の後でいいぞ。」
「あ、あたしのは長くなるかもしれないから往人くん先でいいよぉ。」
「なら先にさせてもらうぞ。」
朝食を終え、国崎君と診察室に入る。
「で、話というのは何だ?」
「また旅に出ようと思う。」
私は内心驚きながらも、話を続ける。
「佳乃はどうするんだ、君が出て行ったらすごく悲しむだろう。」
「じゃあ佳乃が同性愛者として白い目で見られてもいいと言うのか?」
「うっ」
「それならまだ出て行くほうがマシだ。話はそれだけだ。」
「じゃあ最後に佳乃を呼んできてくれるか?」
「わかった。」
そういって国崎君は診察室を後にした。
「あの羽根はどこまで佳乃を苦しめるんだ………。」
悔しさがこみ上げる。しばらくして佳乃がやってきた。

214前733:02/11/11 01:29 ID:t1Q+69BX
「佳乃、話というのは何だ?」
そう言うと佳乃はブラウスを脱ぎ、ハーフパンツを下ろした。
「佳乃………これは………。」
「朝、起きたらこんな風になってて………」
胸のふくらみがなくなり、下着からは棒のようなものが現れていた。
佳乃の体は男性そのものだった。
「どうしよう、こんな体じゃ往人くんに嫌われちゃうよぉ………」
佳乃が泣きそうな顔をしながら言う。
国崎君はここを出て行こうとしている。今出て行かれると
二人の体は二度ともとに戻らない。今ならまだ間に合う。
私は国崎君を追いかけることにした。
「ちょっと待ってろ、佳乃。」
私はそう言うと診察室のドアを思い切り開けた。
ゴンッ!
何かにぶつかる音がした。その先には国崎君が大の字になって倒れていた。
どうやらバイト代をもらいに来ようとしてたようだ。
215前733:02/11/11 01:33 ID:t1Q+69BX
とりあえずこの話はここまで。
続きはネタがまとまったら書きます。
216萌虚仮 ◆VDVqNOfj.c :02/11/11 02:20 ID:r5wpoE9C
最近旬の往穂さん@風呂上がり。


 ∧||∧
(  ⌒ ヽ 描き上がってから耕一(♀)とコンパチなことに気付きました……
 ∪  ノ
  ∪∪


http://www.kitanet.ne.jp/~cas-per/cgi-bin/img-box/img20021111021722.jpg
217177@聖(♂)×往穂2:02/11/11 21:37 ID:egmgeYLw
「へぇ。」
聖の顔から表情が消えた。
「わざわざ脱ぐとはね……よほど裸を見られたかったと見える。」
「そ、そんな……」
「だってそうだろう?僕は脱げとは一言も言っていないんだからな。」
軽蔑するような視線が、一糸纏わぬ姿となった私の全身に浴びせられる。
顔に、胸に、股間に、太腿に、容赦なく冷たい目が刺さる。
屈辱的だった。
あの澄ました表情の裏で私のことをはしたない女だと見下しているのだと想像すると、泣きたいぐらい情けない思いに駆られた。
でもそれよりももっと恥ずかしかったのは、こんな仕打ちを受けながら自分の体が、冷めるどころか一層熱くなっていってることだった。
それも、普段抱かれている時とは比べ物にならないほど。
不意に、聖が目の前に寄ってきた。
そして顎を指で掴んで軽く頤(おとがい)を反らせると、視線を外したままの私の目をじっと覗きこんだ。
横目に見た聖の目は、いつもと明らかに違っていた。
普段の何を考えているのかよくわからない目でもなく、夢中で私を貪るときの激しい目つきでもない。
言うならば、まるで獲物の動向をじっくり観察する、ハンターのような眼差しだった。
「恥ずかしいか?」
聖が問い掛ける。
「は……恥ずかしいに……決まってる……だろ……」
途切れ途切れの言葉でそう返す。
羞恥のあまり、まともに喋ることすら出来なかった。
218177@聖(♂)×往穂2:02/11/11 21:38 ID:egmgeYLw
「そうか、恥ずかしいか。それなら一つ、賭けをしようじゃないか。」
「賭……け……?」
一体何を賭けようというのだろう、と思いを巡らすほどの余裕は、当然私にはなかった。
が、おそらくどう転んでも自分の好きなようにするつもりなのだろうとは、薄々感じていた。
「そう。もし今キミが濡れていなかったら、今夜はこれでおしまいにしよう。
 そのかわり濡れていたら、一晩ずっと言う事を聞いてもらう。」
私は思わず息を呑んだ。
「大丈夫だろう?こんな恥ずかしい目に遭って感じるほど、キミは恥知らずな女じゃないはずだが。」
ここに至ってようやく、聖の意図が飲み込めた。
私をまともに抱く気など最初からないのだ。
一晩かけて嬲り者にするつもりなのだろう。それも徹底的に。
普段の聖は確かにサディスティックな面が多々あったが、まさか性趣味まで加虐嗜好があるとは思わなかった。
「で、賭けに乗るのか?乗らないのか?」
乗るなどと言えるはずもない。
しかし、乗らないという返事を出すことも出来なかった。
そんな事を言ったとしても、どうせ別の手で私を追い詰めてくる。
「沈黙は肯定とみなすぞ。」
それでも私には、黙っているしかできなかった。
どれを選ぼうと同じ結果になるのはわかっている。
でも、自分から墓穴を掘ってしまうような事だけはどうしてもしたくなかった。
黙っているのも同じことなのに。
「それじゃ、試させてもらおうか。」
聖の手が私の股間に伸びた。
「だっ、ダメっ!」
219177@聖(♂)×往穂2:02/11/11 21:39 ID:egmgeYLw
私は股を閉じ、必死に聖の手の侵入を防いだ。
いくら相手が男だといっても、さすがに指先の力が足の力を上回ることはなかった。
何度となく強引な接触を試みたが、強固なブロックに阻まれては諦めざるを得なかったようだ。
呆れたように軽く溜息を一つつく聖を見てそう思ったが、それが油断だった。
「んっ……!?」
突然首を掴んだと思うと、唇を重ねてきたのだ。
意識が完全に下に向いていたため、まさか上から攻めてくるとは思わなかった。
戸惑っている間に聖の舌が私の口の中に入り、私の舌をねっとりと舐めあげる。
「んふ、ぅぅぅ……」
口腔をねぶられる度どんどん性感が高まり、体の力が抜けてくる。
私はもう立っていられなくなり、聖の肩に手を回し、体を預けた。
その瞬間だった。
「あっ……」
私の腰がびくんと跳ねた。
聖の指が私の股間をまさぐったのだ。
入り口やクリトリスのあたりを擦るように、ゆっくりと撫でる。
上下の優しい愛撫に、まるで酔ったように私の頭はとろけきっていた。
唾液が顎を、愛液が太腿を濡らす感触が愛おしく思えた。
不意に、聖が唇を離した。
「……賭けは僕の勝ちだな。」
しばらく間を置いて、私はその言葉の意味するところをようやく理解した。
私は一瞬後悔したが、それと同時に、これから一体何をされるのか、少なからず期待もしてしまっていた。
220177:02/11/11 21:41 ID:egmgeYLw
こっから完璧にエロ一直線に入ります。笑いも感動もありません。(w

>>216
聖でなくても襲いたくなります、そんな往穂。(w
221名無しさんだよもん:02/11/11 23:08 ID:Ou43fQ/7
>>216
む、ムネが…胸が…(;´Д`)ハァハァ

>>220

 だ が 、 そ れ が い い 。

エロさが更にパワーアップしてますな…。
とにかくGood Jobです。
222前スレ715:02/11/12 00:08 ID:qY+Y8cwH
うーむ、活況で何より…

>>177
意地悪な聖んに弄ばれる往穂に激しく萌え

>>前733氏
意地悪な聖んに弄ばれる往人(女)に激しく萌え(手抜き)

>>216
書いている最中に気づけ(w)

>>55
万人を満足させる事など出来ないもの。一部の批判に凹むな。とりあえず私は応援しているよ。
223名無しさんだよもん:02/11/12 00:41 ID:3XoI6qC5
146氏の爆乳ハクオロおかーさんを心待ちにしつつ、
柳乃&芙蓉の共闘SSをセコセコ書いてる今日この頃……
……って、この2人のHシーンが全然書けない罠(泣
そっちの方は淡白そうだし、基本戦闘力が強過ぎて無理矢理もダメっぽい……
御堂さんに浮気するか……
224千堂さんと九品仏くんよ:02/11/12 01:53 ID:W2PiaKhL
「そんな訳でお願いします」
ちょこん、と三つ指を突いて頭を下げた。
妙に神妙な顔の売れっ子同人作家、千堂かずきはとある一大決心をしていた。
「―――わかった。お前がそこまで言うのなら」
そう言うと、眼鏡を外して、座ったかずきの前に跪く。
そして、頬と頬が擦れ合う程に、顔を近づけた。

右手に待ち針、左手に消しゴムを持って―――

ぷす。
「あううううううう」
「ほれ、後は十分待ってこっちを刺すだけだ」
泣き叫ぶかずきと、至って冷静な大志。
「……いつまで泣いているまいしすたー。元はといえばお前が言い出した事であ
ろう」
そう。千堂かずきは街に出掛けた時、吸い込まれそうな翠色の石のピアスに心を
奪われた。最近少々懐が暖かい為、即決でそれを買った。
そして自分の耳が処女である事に気付いたのは家に帰ってさあ付けるぞと興奮最
高潮に達した時だった。

自分で開ける事も適わず、結局泣きながら大志を呼んだのだった。
「……ありがと」
「言うな。我輩とお前の仲だ。ウル○ンも録画して貰った事だしな」
それを言われて、この間の締め切りぶっ千切り集団押し掛けリンチの悪夢を思い
出す。
「あはは……あは……は……」
苦笑いしながら、また涙を零す。どうやらめっさ痛いようだ。
真正面からかずきを見ると待ち針の安っぽい玉がピアスに見えた。
225千堂さんと九品仏くんよ:02/11/12 01:55 ID:W2PiaKhL
「……やはり病院に行った方が良かったのではないか?」
呆れ顔で大志は言う。が、もう後の祭りだ。
「……ううう……いたいよぅ。いたいのにょー」
何キャラだ。
「萌えんぞ、正直」
「ふみゅううううううううううう……」
おもっくそ涙を流す。はぁ、ともうどうでもいいような溜息をつくと、大志はキ
ッチンの方に行って、すぐ戻って来た。そして。
「きょほおおおおおおおおおおおおお」
葡萄か?と突っ込みをいれようと思ったがやめた。
大志が、耳から待ち針&消しゴムの即席ピアスを外したのだ。
「―――ぁ」
それから、かずきの耳朶を咥える。冷たい。
鳥肌が立って、逃れようとするが大志の両腕ががっちり肩を掴む。
「や、やぁっ……いや」
舌で、傷痕を舐められる。冷たいのは、氷を口に含んでいるから。焼けるほどの
痛みが、冷やされて行く。

―――いつの間にか、拒む手は大志の服を掴み、自分から身体を押し付けるよう
にしていた。時折、大志が息をして首筋に掛かる。その感覚と、再び襲う冷たさ
と、自分の肩を掴むその腕の強さに、かずきは酔っていた。

「―――もういいか?」
疲れたような声を出して、不意にかずきから離れた。当のかずきは既にボーっと
夢見心地で微動だにしなかった。
「全く、今度は我輩の方が痛い」
ずっと氷で冷やしていた為、大志の口の方の感覚が麻痺している。
「……痛いの?」
ぽそ、と呟くように問い掛ける。
ああ、と頷いた時、かずきは久々に素で驚く大志の瞳を見た。
226千堂さんと九品仏くんよ:02/11/12 01:57 ID:W2PiaKhL
「っ―――!?」
そそそ、と近寄って、半開きだった大志の口唇に、そっと自分の口唇を重ねる。
そして、そのまま今度は冷たい舌に絡める。
「んー……ひもひいい」
動転している大志の脳裏に何故か『喋るなよ』という突っ込みだけが浮かんだ。
力が抜け切っていたので、簡単にかずきに押し倒される。
暫くそのままされるがままになっていた。そして、その真っ赤になった顔をかず
きが離した時、つぅっ、と糸が伝った。虚ろに光るその瞳に、不覚にも魅入られ
た。その瞬間、何かが頭の中で弾けた。

「―――あ」
一瞬だった。かずきが上だったのだが、今度は大志が上になる。さっきまでと打
って変わって―――いつものマイペースさからは思いも寄らぬ程乱暴に口唇を奪
う。抵抗は、全く無かった。かずき自身は、こうなる事をいつも望んでいたから。
「ぁ……っ」
セーターの上から、胸を掴む。片手で余るほどの乳房の感触をゆっくり確かめる
かのように、優しく。
痛くて、でも嬉しくて、気持ち良くて。
かずきはされるがままだった。そうされるのを悦びとして、幸せを感じている。
何をされても、いい―――とすら思っていた。
大志が、セーターを脱がそうとする。
ああ、見られるんだー、と思いながら、ぎゅっと眼を閉じる。
好きだよ、大志。
心の中で呟く。そして
「―――大好き」
初めて、大志の前で言った。

―――その瞬間、大志の動きが止まった。
227千堂さんと九品仏くんよ:02/11/12 01:59 ID:W2PiaKhL
「どうし……て?」
急に身体を離して、自分に背を向ける大志に、かずきは泣きそうな声を上げる。
苦々しい表情で、大志はそんなかずきを見る事すらままならなかった。そして、
絞り出すように、低く呟く。
「……我輩がした事は、お前の気持ちを利用した暴力になる」
かずきには、その言葉の意味がわからなかった。大志はその言葉を告げるのを少
し躊躇ったが―――
「お前は我輩が好きだ、と言ったろう。だから我輩の突然の暴挙を受け入れた。
だが、これが他の男だったらどうする」
「回転蹴りからの連続技で確実にボディを狙い体力を削った後にSTO」
さらりと言い放つかずきにちょい恐怖を覚えながら、頭を抱える。
「そうだろう、お前は我輩だから受け入れた。他の男と同じ事を、ただ我輩がす
るだけだ」
そう、言い放つ。
「―――大志?」
「自分が本当にお前の事を好きかわからぬまま、一時の欲に溺れお前を抱くのが
嫌なのだ」
ぼろぼろと、無意識に大粒の涙が頬を伝う。
それは、即ち―――
「……わ、わたし……いい……よ?たい……し、なら、わたし……」
「やめろ。そうやって抱いてどうなる。その先に何があるという」
冷たく、哀しい瞳で見据える。先に眼を逸らしたのは大志だった。
「―――暫く、距離を置かせてくれまいか」
返事を聞かぬまま、大志は帰り支度をする。ばたん、と戸が閉まる音を他人事の
ように聞きながら、かずきは涙だけを流し続けた。
かつ、かつ、という大志の靴の音が途切れても、それは止まらなかった―――
228千堂さんと九品仏くんよ:02/11/12 02:02 ID:W2PiaKhL
―――とかシリアスな雰囲気をしていたのに、それを壊すような音が聞こえた。
さっきと同じ靴の音。そして。
「……おかえり」
何故か、そう言ってしまった。大志はさっきからペースを崩されっぱなしで珍し
く真っ赤になりながら。
「……眼鏡と財布を忘れた」
照れ臭そうに呟いた。もう一度部屋に上がると、私物の方でなくかずきの方に一
直線に向かうと、さっきと同じ体勢で跪く。そして、今度はかずきの頭を撫でた。
「……それでも、お前は我輩が好きか」
そう、恥ずかしげも無く聞いた。勿論、かずきは頷く。
「我輩は、まだわからん。答えが出るのに時間が掛かる。それでも―――」
うん、と頷く。
「このままお前の前から逃げたら、我輩は……」
げし。
かずきは迷わずグーで大志を殴る。そしてやっぱり泣きながら。
「……そんな言い訳いいよ」
そして笑顔で。
「私の事、ちゃんと真剣に考えてくれて、ちゃんと私の事を好きになってくれる
可能性があるって、わかっただけで、私、嬉しいから―――」
泣いて笑って、喧嘩して―――♪とは行かないがかずきは泣きながら喜んでいた。
まるで狐の嫁入りのような感覚を味わいながら、大志は顔を引き攣らせた。

―――今、この瞬間からかずきに恋をした事を伝えたら―――

……確実に、自分は駄目になるような気がした。
暫くは、このままの方がいいか、と自分が嫌いな日和見的な意見を胸にして、か
ずきの頭を撫でるのだった。
229千堂さんと九品仏くんよ:02/11/12 02:03 ID:W2PiaKhL
蛇足。

「ね、なんでいきなりあんな事したの?」
「いや、よく考えたら最初に冷やすのを忘れていたのだ。そりゃ痛いのも至極当
然であろう」
と、平然と言う。何故かピアスは大志の耳に収まっていた。正直、自分より似合
ってるな、と悔しいながら思う。
「―――まあいいや。あげるよそれ」
「そうか」
「いつか、倍で返して貰うから」


―――なんかもう……アレですね。ハイ。すいません。
でもこれよく考えるとイベント的には11月くらいでしょうか。
これで12月のクリスマスが大志の誕生日で、1月くらいに瑞希と諍い起こして、
2月か3月で―――て、何イベント表作成してるんでしょうか私は。
そげな訳でもうちびっと続くの……かもしれません……てか……
吊 っ て 来 ま す 。
230名無しさんだよもん:02/11/12 02:26 ID:nokzLG87
美味しいお話を完結させてくれたので、逝って良し!・・・などと無茶を言ってみる(w

御馳走様でした。
寸止めだったけど、逆に寸止めな所がゴロゴロ出来る余地があって(・∀・)イイ

御苦労様でした&御馳走様でした(^^/
231名無しさんだよもん:02/11/12 20:45 ID:SmugbE0S

ああっ千堂さんと九品仏くんだ……泣くほど萌えるよぅ…
「互いの唇を伝う銀糸」「耳朶甘噛み」「痩せ我慢」「好きなのに」「好きだから」
俺のツボがこんなに沢山。腹一杯だ…もう食えねえよ。←遠まわしな催促
こんなに幸せな気分で揚がれるなんて夢みたいだ。44氏サンクス!
    ,.、,、,. ∧_∧,_        /i
   ;'~;...::⊂(´∀`⊂⌒`つ:::`゙:.:゙:`''': -‐i
   :';: ...:,.: .、.:...: ,:. :.、.:',.: .:::,.: . ::,;;;;:'゙~' ̄
   '、;,.: .:: : ...: ,:. :.、.:'_;.;;..; :..‐'゙

232前733:02/11/12 21:29 ID:MyEBspKA
>>222
内容がめちゃかぶってるということですか。
次は佳乃も加わるのでこれ以上はかぶらないと思うが。
233名無しさんだよもん:02/11/12 21:53 ID:JiLzW24H
ごく稀に見られるシリアス大志イィィィィィ!!!




……そしてこんがりと

    ,.、,、,.,、,. __,∩       /i
   ;'~;...::⊂(。Д。⊂  `つ:::`゙:.:゙:`''': -‐i
   :';: ...:,.: .、.:...: ,:. :.、.:',.: .:::,.: . ::,;;;;:'゙~' ̄
   '、;,.: .:: : ...: ,:. :.、.:'_;.;;..; :..‐'゙
234177聖(♂)×往穂3:02/11/12 22:12 ID:wARU+OQU
「さて、と……」
聖は私の体を離した。
愛撫によって力の抜けた私は立つことができず、そのまま寝台の上に尻餅をついた。
「ちょっと向こうを向いていてもらおうか。できれば手は後ろに回したままでいてもらいたいが。」
そう言うと聖は、自分の机の方に向かっていった。
私は言われるまま、手を後ろに回したままドアの方を向く。
何かを取り出しているのだろうか、引き出しを開け閉めする音が聞こえる。
再び、私の背後に近づく足音。
そして右の手首が掴まれたと思うと、金属の輪を手首につけられたような冷たい感触がし、続けてがちゃり、という音がした。
あっと思って左手を引っ込めようとしたが、その左手首も掴まれ、右と同じようにされてしまう。
手錠をかけられたのだ。
間髪入れず私は床に押し倒された。
四つん這いの態勢ではあるが、後ろ手に手錠をされてしまっているため、顔を床にこすりつけ、尻を高々と上げる形になってしまっている。
あまりに屈辱的な格好だ。
聖が私の正面に回った。
顔を上げてその姿を見ると、手には首輪が握られていた。
「や、やめ……」
やめてという言葉を言い終える前にはもう、首輪は手際よく私の首にかかってしまっていた。
首輪に繋がっている紐は、聖の左手にしっかりと握られている。
「ふふ……いい格好だな。」
聖は見下すようにそう言った。
235177聖(♂)×往穂3:02/11/12 22:12 ID:wARU+OQU
「いつもの強気で男勝りなキミは何処に行ったのかな。
 そうして僕の前に裸で跪いている様は、まるで牝犬そのものだな。」
牝犬。
その言葉は私の心と体を大きく揺さぶった。
あまりに屈辱的な仕打ちに、涙が溢れてくる。
にも関わらず体は、恥知らずにもまだ熱を帯びてくるのだ。
違う。
体が勝手に、聖が望むように反応してしまっているだけだ。
本心からこんな行為で感じているわけじゃない。
無意味なことと知りながら、私は心の中でそう叫び続けた。
「おやおや。そんなにお尻を揺らして、もう我慢が出来ないのか?」
どうやら知らず知らずの内、腰を振ってしまっていたらしい。
聖は私の背後に回った。
四つん這いになった状態では、秘所を隠すこともままならない。
「ひいっ!」
私は叫ぶように喘ぎ声をあげた。
何の予告もなく、指が膣内に進入してきたのだ。
それも、一度に二本も。
「あぁっ……!あっ!あっ!」
指先が蛇のように動き回る度に、ぐちゅぐちゅと卑猥な音がする。
「ほとんど触ってないのに、簡単に指が二本も入ったな。しかもこんなに音がするぐらい濡らして……」
ただでさえ正気を保つのが難しい状況なのに、聖の言葉によって一層理性が飛びそうになった。
でも、どうしても理性を失うわけにはいかない。
本当は私は、こんな事をされて悦ぶようなはしたない女ではないのだから……
「…………」
勇輝は、立ち尽くしていた。
エコーズには、今一組しか客がいない。
ひとつの机に、四人。ふゆとあきらと岬と遥。勇輝と変わらず接してくれる大切
な友人と、恋人。
入っていけばいいのに、入る事が出来なかった。なんだか、二組のカップルのよ
うに見えてしまったから。
「……何で……こんな事思うんだろう」
誰にも聞こえないように呟く。一人カウンターに座る勇輝に、誰も気付かない。
四人は仲良く談笑している。どうしようもない疎外感。
からん。
また一人、客が入って来た。はぁ、と溜息をつく。何もかもが上手く行かない。
独り暗くなる勇輝。その入って来た客が誰かは気付かない。
「あー、勤労少女×(征服欲そそる系+幸薄系)+知らない人×(朴念仁系+悩
んで悩んで結局しまい込む系)」
「なんですかその方程式!!って、勇輝も一緒ですか?」
いきなり注目を浴びて驚く勇輝。そっと英二は。
「……普通に行けばいいんだよ」
と、いらん忠告をしたのだった。
「考え過ぎはね、よくないと思うんだけどさぁ」
「……英二さんは考えなさ過ぎじゃあ……」
机に突っ伏したまま、勇輝は呟いたのだった。
(……貰っちゃうよ、君がそんなままだと)
自分のその表情が誰にも見えないのをいい事に、勇輝の後頭部を凄い眼で睨む。
それで口元は笑ったままなのだから、ああ嫌だ嫌だこんな大人。
「ま、今夜は二人で飲もうや。マスター、バーボン」
勇輝の肩を叩いてぱちん、と指を鳴らす。ふゆの方を見て。
「今は夜でもここはバーでも私はバーテンでもないです……」

―――大分ふゆもツッコミ人間となって来たのだった。
237177:02/11/12 22:15 ID:wARU+OQU
大志×かずきで感動してるところ水さしてスマンですが、とりあえず新作でつ。
調子に乗ってちょっとSM入れました。どんな具合でしょ。
238177氏最高です。44:02/11/12 22:20 ID:Wkqi+Uhg
……エロエロ具合に水をさすアホ文出してしまいました。
逝って良し貰ったのに……あはは……すいません。
エロさ最高潮です。もっともっとがっつんがっつんお願いします。
私は首輪で吊って来ます。
239名無しさんだよもん:02/11/12 22:22 ID:nokzLG87
征服欲そそる系+幸薄系 マンセーでつ。

いぢめられる ふゆと、いじわる英二をキボンでつ。
240177:02/11/12 22:24 ID:wARU+OQU
>>44
イ`
ホントに何考えてるのかわからない英二さん萌え(w

あと期待を裏切るようで悪いですが、がっつんがっつんは行きません。
ねちねちねちねち、真綿で首絞めるるように責めてきます。悪しからず。
24144:02/11/12 22:32 ID:Wkqi+Uhg
>>177
―――いえ、真綿でゆっくりねちねちねちねちの方が好みです。凄く好みです。

>>239
なんだか、ふゆの方に英二への耐性が出来てしまったようで……なんででしょう。
当初は無理矢理にでも―――的な方向で行くような感じだったのにどんどん……
どこから英二はあんな風になってしまったんでしょうか……へらちょんぺからで
しょうか……?

……あと、マトモな大志は自分でやっといて背筋が凍る思いをして、心配でした。
でも腹一杯な所をまた詰め込むような事、その内また…………
242さぼり屋”管理”者 ◆DY.JgAOy9c :02/11/12 23:23 ID:8Bt3edm3
4スレ目のCGうp完了しました。
SSの方はもう少し待ってください…


 ∧||∧
(  ⌒ ヽ アドレスが変わりましたです…
 ∪  ノ
  ∪∪

ttp://hanten.hp.infoseek.co.jp/index.html
243萌虚仮 ◆VDVqNOfj.c :02/11/12 23:37 ID:/kqUh705
とりあえず、最近のSSシチュに合わせて。


 ∧||∧
(  ⌒ ヽ ……と思ったら、上も脱いでたのね……
 ∪  ノ
  ∪∪


http://www.kitanet.ne.jp/~cas-per/cgi-bin/img-box/img20021112233526.jpg
「今日誕生日だって聞いたから」
はい、と何か堅い紙が入った紙袋を渡される。
「……すいません、わざわざ。開けてもいいですか?」
「ああ、いいよいいよ。遠慮無く開けなよ」
不安と期待と不安と不安が入り混じった表情で中身を取り出す。
それはサイン用の色紙。
物凄い殴り書きで。

『緒方英二』

と書いてあった。
「どぉ?」
相変わらず読めない表情。感想を言え、とでも?
「あ……ありがとぉ……ございます」
震える声でふゆは言う。
「ははは、喜んで貰えて何より。苦労した甲斐が合ったよ」
何の苦労ですか。
「世界に一枚しか無いんだからさぁ、それ」
「―――英二さん、サインした事無いんですか?」
「いや、それ書いたの俺じゃないし」
あっさり言い放つ。ふゆは眼が点になってしまった。が、英二は構わず。
「緒方理奈が書いた緒方英二のサイン。世界で一枚のレア物だぜ」
……それは確かに苦労しただろうし、レアっちゃあレアだ。が。
「……貰っておいてなんですけど……それで私にどうしろと……」
「神棚に置くも良し、仏壇に飾るもよし、抱き締めて寝るとイイ夢が見られるぞ」
―――どっちかというと、悪夢を見そうだが。
「はい……わかりました」
どうする事も出来ずに、ふゆは英二に礼をした。当の英二はというと、満面の笑
顔でふゆを見つめているのだった。
245ちょっと違う方向で44:02/11/13 21:39 ID:24KB3DWM
「……ゆうちゃん」
―――そんな風に名を呼ばれるだけで、私は幸せな気分に浸れた。
ぎゅうっ、と私の身体を抱き締める祐佐さん。
嬉しいけど、でも、私はまだ貪欲に求める。
「……祐佐さん、出来れば―――呼び捨てが……いい」
彼の背に手を回し、私も抱き締める。困ったような笑顔でいるであろう彼が、愛
しくて、とてもいとおしくて。
「……ゆう……好き―――好き、だよ」
普通に、敬語を使わないで、私を呼んで、抱き締めてくれる。
こんな単純で馬鹿馬鹿しい幸せを、私はやっと手に入れる事が出来た。
この人の束縛を解く事が出来て、私はとても嬉しかった。
「祐佐さん、祐佐さん―――」
ただ、抱き合う。
夕暮れの海辺。沈み行く夕日。静かに吹く潮風。
お気に入りの、白いワンピース。白い帽子。
祐佐さんは、似合うよ、と言ってくれた。

こんな事で喜ぶなんて、なんて乙女チックなんだろう、と、昔の私なら鼻で笑っ
ていた。
でも、私は変わった。
好きな人が出来て、好きな人を振り向かせた。
そして、今私達は―――

「―――覚悟はいいですか、ゆうさん」
「へ?」
物凄い笑顔でやたら燃え盛る剣を手に構えている。
「そ、その剣って……魔王ス○トの魔○変化で手に入るレーヴァ○イン!?」
頼むから、笑顔で斬り付けて来ないで―――!!
「って、なんで私達が戦うのー!?」
246ちょっと違う方向で44:02/11/13 21:41 ID:24KB3DWM

「夢って最初っからわかってんだよど畜生――――――っっ!!」
がば、と起き上がる。傍らには平然と和風カレー丼を食べている舞人。
「……魔物は……もういないの」
「スパイシースパイシードロップ」
と頷く。
「倒した……の?」
「モチョロモチョネーモ」
と首を横に振った。

そう。今までのは私のくそたわけた妄想ってか夢ってか願望。現実は今日も夜の
校舎で舞人とデビルバスターズ。勿論祐佐さんは私をさん付けで呼んで敬語。
恋人同士なんか夢のまた夢。
私は魔物からの攻撃を避けて頭を壁に強打し今まで気絶していて、舞人は差し入
れを黙々と食べていたのだった。剣持ちながらスプーンは危ないぞ。

……祐佐さんの過去を聞いたのは先日の事。舞人からも祐佐さんを救って欲しい
と言われてみたものの、手立てなんか何一つ無い。何かしようと思ったら生徒会
の久瀬奏に敵認定された。正直言うと私にとっても敵となるが。

「……北川っちが美坂くんを落とすのと、私が祐佐さん落とすの、どっちが先か
しらね……ははは……あはは、あははははははは」
「…………」
私の呟きに興味を示す事も無く舞人はただ黙々と和風カレー丼を食するのだった。

「……舞人、それどう?」
「……嫌いじゃない」
247177@聖(♂)×往穂4:02/11/13 22:16 ID:NzAhJTiL
聖は膣内をいじり回していた指を二本から三本にすると、愛撫と呼ぶにはあまりにも乱暴に、私の秘所を掻き回し始めた。
私は手錠をかけられたまま体を振り乱し、まるでけだもののような嬌声をあげていた。
私の痴態を責めるような聖の言葉。
愛撫される度に立てられるいやらしい音。
そして私自身の喘ぎ声が、容赦なく私の理性を攻め立てた。
心に反して体が反応する度、たまらない悔しさがこみ上げてくる。
「考えるのはやめなよ。心も体も聖のなすがままにされれば、もっと楽しめるだろ?」
私の脳裏にそう呼びかける声がした。
「なあ往穂、本当は自分でも気付いてるだろ?お前は男に抱かれるのが好きな淫乱な女なんだよ。」
違うっ……
「それだけじゃない。乱暴にされたり恥ずかしい目に遭わされるのも好きじゃないか。なぁ?」
違うっ……違うっ!
「聖に無理やり犯されてるように見えて、実は自分も楽しんでるくせに。」
楽しんでなんかいないっ!あれは聖がそうするのを望んでるから……
「違うね。それを本当に望んでるのは、聖じゃなくお前だよ。」
いやぁっ……
「その証拠に、感じてるだけじゃなく、されるがままで全然抵抗してないじゃないか。」
やめて……
「もう自分に嘘つくのやめ
248177@聖(♂)×往穂4:02/11/13 22:18 ID:NzAhJTiL
コピペミススマソ…

「もう自分に嘘つくのやめなよ、牝犬ちゃん♪」
やめてぇぇぇぇぇぇっ!

一際大きな絶叫と共に、私は絶頂に達してしまった。
膣と子宮が激しく蠢き、それに伴って深々と突き入れられた聖の指がきつく締め付けられる。
断続的な痙攣が収まった後、聖はゆっくりと指を抜いた。
私は顔を伏せたまま、肩で息をしていた。
「今日はまた、随分とイクのが早いな。虐められていつもより興奮したのか?」
心身ともに、それに返答するだけの余裕はなかった。
ただ、一区切りついたのだからこれで終わってもらえるのではないか。
いつもじゃ到底考えないような、そんな淡い期待を持っていた。
これ以上続けたら、本当に気が狂いそうだった。
だから首輪を引っ張って私の上体を起こさせられた時、聖が微笑を浮かべているのを見て、気が抜けてホッとしてしまった。
こんな所で終わらせてくれるはずがない。
いつもならそんな事、考えるまでもなくすぐわかったはずなのに。
「余韻に浸っている所を済まないが、この始末をどうしてくれるつもりだ?」
そう言って聖が指差したのは、自分の股間だった。
寝間着のズボンごしでも限界ギリギリまで勃起しているのがよくわかるほど、隆々と盛り上がっている。
聖しか男を知らない私には、それが標準と比べて大きいのか小さいのかわからない。
が、それは私の情欲を煽るには十分だった。
欲しい……
これで終わると(勝手に)思っていたにも関わらず、思わずとろんとした目で、聖のズボンの膨らみを見つめてしまった。
……さんざん体を弄ばれてエクスタシーまで感じさせられて、少しでもそう思わない方がおかしい。
「どうした?いつものように口でしてくれないのか?」
そうは言うものの、私の手は後ろに回されたままだ。
それに聖も、ズボンを下ろそうとする気配が一向にない。
口で脱がせろ。
おそらくはそう言いたいのだろう。
249177@聖(♂)×往穂4:02/11/13 22:18 ID:NzAhJTiL
私はズボンの腰の部分をくわえ、それを一気に引き下ろした。
そしてトランクスも同様にして脱がせて上体を起こすと、勃起したモノが私の目の前にそそり立っていた。
脱がせている様を想像するとこの上なくはしたなかったが、今はもうそんな事を考える余裕などなかった。
劣情をそそられる匂いが、私の鼻腔を刺激する。
考えるより先に、体が動いていた。
ぺたんと股を開いて床に座ったまま口いっぱいに竿を頬張ると、私は唾液を含んだまま、頭を前後に動かし始めた。
出し入れされる度に、ぴちゃぴちゃと、私のアソコをいじる時と似た音がする。
舌を絡めて頬をすぼめると、口の中で小刻みに脈打ってるのがわかった。
口から竿を離し、亀頭にキスをして舌先でちろちろと舐める。
それから裏筋を舌で何度も辿り、袋を軽くくわえる。
そして再び竿を咥えて、慈しむように丹念に全体を舐め上げた。
「随分上手くなったじゃないか。」
聖は跪いて懸命に奉仕している私の頭を撫でた。
私の行為に感じてくれている。
そう思うと、こんな恥ずかしい姿にさせられているにも関わらず、何故か嬉しかった。
違う。
理性がその感情を否定する。
嬉しいはずがない。
聖にいいようにされて、一時的に理性の飛んだところを突けこまれてしまっただけだ。
「ほう。なかなか口を離そうとしないが、どうした?」
でもそんな理性の声など、もはや強烈な本能的欲求にかき消されつつあった。
「キミがそんな熱心に咥える所、始めて見たな。ふふふ……」
それにどんなに否定しようとも、私が聖に抱かれているという事実は全く変わらないのだから……
抗っても……仕方のないこと……
250177@聖(♂)×往穂4:02/11/13 22:20 ID:NzAhJTiL
えっと、ここでお知らせです。
ここに発表した分と現在書き溜めている分を合わせて、25kオーバーしました。
とりあえずそんだけです。ペコリ

>>44
あんさん、どんどんネジが外れていってますなぁ(褒め言葉w)
251名無しさんだよもん:02/11/13 22:42 ID:uZGgi1Kj
>>242
お疲れ様です。

>>243
個人的には、全裸よりこっちの方がハァハァできまつ(w

>44氏
ここまでストレートな馬鹿話でこられると…凄いや(w

>177氏
相変わらずエロエロ〜。まだまだ続くとは…嬉しい。
252名無しさんだよもん:02/11/14 03:52 ID:XIv3MUc2
(`・ω・´)ホシューソ
253名無しさんだよもん:02/11/14 11:29 ID:QBpq0aSf
44さんとか177さんとか、生産力のある職人さんって羨ましい…。

そろそろ新作書きたい所だけど、ちっともネタが出ねえ〜。
254名無しさんだよもん:02/11/14 14:34 ID:orClJsuP
誠×ゆうでジュウカーン。
255第3スレの44:02/11/14 15:56 ID:qMN0585n
うあ、暫く来れない内に素晴らスィ事に…。(;´Д`)
あ、久品仏×かずきを書いてる>>44氏とは別人です…念のため。

 ∧||∧
(  ⌒ ヽ 最近、めっきりリアル暇が無くなってしまったので、
 ∪  ノ 暫くの間沈黙いたします。皆さん、色々とスマソですた…。
  ∪∪  新>>44氏と他の職人様方、ご健闘を。デハ イテキマス...
256名無しさんだよもん:02/11/14 15:56 ID:mRzUY19N
むしろ舞人&祐佐×ゆうでリンカーン
257天気屋@ゆう陵辱:02/11/14 17:54 ID:mRzUY19N
学び舎とは神聖なものである。
一体誰が言った言葉だろう。
少なくとも今目の前に広がっている光景は、神聖と呼ぶには程遠かった。
「いいザマね、相沢さん。」
ビデオカメラを手にした久瀬奏は、誰に聞かせるでもなくそう呟いた。
カメラのレンズの先にあるもの。
それは、何人もの男子生徒に犯されている一人の女子生徒……相沢ゆうの姿だった。
下着を剥ぎ取られ制服までボロボロに破られたゆうは、上半身を一人、下半身を二人の男に責められ、激しく腰を振っていた。
いや、腰を振っているのではない。
ただ男子生徒の激しい動きになすがままになっているのだ。
「なんだこの女、ダッチワイフみたいだな。全然自分から動きやがらねーでやんの。」
「バカ、それがまたそそるんじゃねーか。」
そんな下卑た会話が、横で様子を見ている生徒の間で交わされる。
ゆうの全身は、髪の毛から爪先に至るまで、精液の生臭い匂いが立ち込めている。
その様子が陵辱の凄まじさを物語っていた。
口を、膣を、肛門を、何人もの男にかわるがわる犯され、体内に精液を流し込まれ、あるいはぶっかけられる。
輪姦が始まったのは放課後まだ日の高い時間だったが、もはや空は夕闇が支配しつつあった。
転入したばかりでまだ右も左もわからない転校生に、生徒会長が一対一でこの学校の生徒会のシステムを説明する。
そう言って奏に生徒会室に呼び出されたゆうを待っていたのは、男子生徒数名によるあまりにも残酷な歓迎パーティーであった。
しかしそれを主催したのは、ここでカメラを回している生徒会会長、奏だった。
男子生徒が奏の名前を使ってゆうを罠に嵌めたのではなく、最初から奏が絵を描いていたのだ。
258天気屋@ゆう陵辱:02/11/14 17:54 ID:mRzUY19N
月と星が空に上りきる頃になってようやく、長い宴は終わりを告げた。
生気を失った目をぼんやり開いたまま精液まみれで床に放り出されたゆうは、
もはや一見して生きているのか死んでいるのかもわからない有様だった。
ゆうが呼吸をして微妙に体が動く度に、緩んだまま戻らなくなった穴の奥から、どろりと精液が溢れてくる。
「気分はどうかしら?」
奏では、仰向けになって死んだようになっているゆうを、まるで虫ケラでも見るような目で見ながらそう言った。
無論、返事はかえってこない。
奏は、ふふ、と笑うと、ゆうの枕元に立った。
「思った通り、本当にあなたにお似合いのパーティーでしたわね……
 正気を失うほど喜んでいただけるなんて、本当に嬉しいですわ。」
こんな事をされて喜ぶ女がいるはずがない。
ましてゆうは、セックスの経験が皆無なのだ。
初めての時は愛する人と結ばれたいと切に願う少女の心は、無惨に踏み躙られた。
全ては、祐佐に馴れ馴れしく近づくゆうに対する、深い嫉妬ゆえだった。
お嬢様育ちで何不自由なく育ってきた奏。
自分の思い通りにならないものがあるのは構わない。
だがそれを、見も知らぬ女が横取りするように奪ってゆくのだけは、どうしても我慢がならなかったのだ。
259天気屋@ゆう陵辱:02/11/14 17:55 ID:mRzUY19N
「これでわかったでしょう?あなたのような卑しい女じゃ、倉田先輩には釣り合わないのよ。
 さっさと身を引いた方があなたのためよ。」
奏は吐き捨てるようにそう言った。
その時、ゆうの口が微かに動くのが見えた。

素直に祐佐を諦めるつもりになったのかと思った奏は、精液の匂いを我慢しつつ、ゆうの口に耳を近づけた。

「ゆさ……さん……たすけて……」

ゆうを陵辱することで溜飲を下げたと思われた奏の嫉妬心は、その一言で一気に頂点に達した。

「お前がっ!お前がっ!お前のような恥知らずな女が、倉田先輩の名前を呼ぶなぁぁぁっ!」

ゆうの体に馬乗りになり、髪を掴んで平手打ちを何度も何度も食らわせる。
精液で自分の制服が汚れることなど、まるで意に介さない。
正気のものとは思えないような狂乱の叫び声をあげていた奏だったが、やがて気分が落ち着いてくると、
ゆうの体を床に叩きつけるように放り出し、帰る準備に取り掛かった。
「倉田先輩に近づきたいなら勝手になさい。
 そのかわりその時は、全校生徒に裏ビデオを無料配布することになるでしょうけどね。」
最後にそう言葉を残して奏は、素知らぬ顔で生徒会室を後にした。

後に一人残されたゆうは、姿勢も表情も変えないまま、ただぼんやりと窓の外の月に浮かぶ眺めていた。
「ゆさ……さん……」
そう呟いたゆうの目から、一筋涙がこぼれ落ちた。
260天気屋(元177):02/11/14 17:58 ID:mRzUY19N
突然ですがコテハン名乗ってみました。
177だけに天気屋っつーことで。w

帰宅中に思いついて、帰宅直後に30分で書き上げたネタですが、うpした後で激しく後悔しそうな予感……
吊る準備してきます。
261グッジョブ天気屋44:02/11/14 21:34 ID:kgd+rhAS
「……どうした、珍しい」
沈痛な面持ちで霧島医院を訪れた往穂。初めて見るそんな彼女にどうしていいか
チトわからず、聖は眼を泳がせる。
―――それ程、往穂は暗い顔をしていた。

「……今の仮○ライダーは何型改造人間なんだろうな」
「……コモドオオトカゲかなんかだろ」
―――沈黙が続く。

「―――胸が、痛い」
そう、呟いた。
「それは、乳房か?心臓か?もしかして、肺とか―――」
首を振る。往穂はただ、下を向いて黙り込んだ。
「……すまない」
珍しく殊勝にそう言うと、往穂は立ち上がり、診察室を後にしようとする。
「……どうした。いつもの倍は支離滅裂だぞ」
「もう……この町を出ようと思っているんだ」
そう、虚ろな眼で呟いた。
その真意は、本人にすらわからなかった。

「……町、出てくんか」
元々少ない荷物を整理する往穂。一升瓶片手に、晴彦は何故か感心したような表
情で頷いた。
「もう少し、ここにいてもいいんだよ?」
家主ではない鈴がそう言う。が、往穂は力無く首を振った。
「―――別に、無理にここで金を稼ぐ必要も無いからな。歩けば別の町へ行ける」
「じゃあ、この新発売のジュース持ってってよ」
―――げちょり薄味梨ジュース。
往穂は無言でそのジュースを全っ力で外に投げ捨てた。
「……がお……」
262グッジョブ天気屋44:02/11/14 21:35 ID:kgd+rhAS

「……なぁ、最後に一発ええか?」
鈴が寝てから一時間が経った頃であろうか。やらしー笑顔で晴彦が近寄って来た。
が、珍しく往穂は首を横に振った。
「なんや、ケチ臭い。俺とアンタの仲やんか」
少し強引に、二の腕を掴む。が、往穂は思い切りその手を振り払った。
―――肩が、震えていた。

「……俺のせいか?……俺のせいで、お前―――」
「……ちがう……違うと思う……多分……ちがう」
本当の所は、往穂にもわからなかった。そして、晴彦にも。
「悪い。もう、寝させてもらう。明日の朝早く、出るから―――」
ころ、と横になる。何も、聞きたくはなかった。引き止める事も、また強引に身
体を求めようとする事も無いだろうが、なんとなく、晴彦に関わりたくなかった。
しかし。
「……なぁ」
嫌でも、聞こえて来る。なんの抑揚も無い晴彦の声。
「……聞いてない」
「……聞ぃとるやんけ」
その言葉を最後に、お互い黙り込む。
―――なんか、倦怠期の夫婦のようだ、と思った。お互い、そんな経験無い癖に。

「なぁ」
また、晴彦が口を開く。
「聞いてないぞ」
「ここ出るの、も少し後にせぇへんか?祭あるんやで」
なんか思いついたような声色。
「……だからどうした」
「なんか二品くらい奢ったるで」
―――なんだその微妙な数。
263グッジョブ天気屋44:02/11/14 21:37 ID:kgd+rhAS

賑やかな祭囃子。笑う親子。美味しそうな匂いを上げる屋台。
これでもかっつー程の祭だった。
「お祭やでー。三人でも七人でも十人でもない祭やで」
「……とっくに旬過ぎてるぞ」
突っ込みながらリンゴ飴を舐める往穂。二品につられて出発を見送った女である。
「…………」
ふと、往穂の歩みが止まる。安っぽいアクセサリーの露店。
「……なんや、それ欲しいんか」
往穂の目線の先には、翼と、青い石が絡んだピンズ。
「いらん」
言い捨てると、往穂はさっさと露店を後にした。


「……これで命はつなげるな」
バス停で、晴彦に買って貰ったコンペイトウ(三百g)を鞄に詰めると、青空を
仰ぎながら溜息をついた。

―――ずっと、胸が痛い。
晴彦といると、凄く痛い。なのに、離れると、もっと―――
消えない痛みを胸に、この町から逃げ出そうとしている。
ここ最近で癖になってしまったかのように下を向くと、暗い影が落ちた。

「……?」
「……なに辛気臭い顔してんねん」
しけた面をした仕事服の晴彦が、でかい包みを持って、往穂の前に立っていた。
「鈴からの餞別や」
投げ付けるかのようにでかい包み(中身は恐らくおにぎり&例のジュース)を渡
し、その隣にどっかり座り込んだ。
264前733:02/11/14 21:39 ID:9YB0o+Yf
管理者のサイトのネーミングリストを見てきたところ、
とりあえず祐佐と書いてゆうすけと読むそうです。
とりあえず名前なんざ自由につければいいので
気にしないでください。

>AIRのSS
それにしても自分の奴と天気屋さんの奴では自分の方が見劣りするなぁ……。
でもくじけず、最後まで書き上げてみようと思います。
265グッジョブ天気屋44:02/11/14 21:38 ID:kgd+rhAS

バスは来ない。うるさい蝉の音と時たま吹く風。過ぎるだけの時間。
ふと、晴彦は口を開いた。
「……アンタ、背中に羽背負った姉ちゃん探しとる言うたな」
「そういう言い方やめてくれ。一応私の旅の目的なんだ」
うんざり顔で突っ込んだ。が、晴彦はやめない。
「……なぁ、俺的意見、言ってもええか」
「却下」
「……返して貰おかコンペイトウ」
「どうぞ素敵な意見を仰って下さい」

一呼吸おいて、妙に真面目な顔で、晴彦は言った。
「―――それは、アンタの事ちゃうんか?」
「…………は?」
全く意味がわからなかった。が、晴彦は妙にゆっくりと続ける。
「なんでそう思うんかは、俺にだってわからへん。でも、俺にはその羽の姉ちゃ
んが―――自由な癖に押し潰されそうなアンタの事なんやないかって、そう」
「……違う」
晴彦の言葉を遮って、往穂は苦々しい表情で言う。
「私は―――私は、そんなんじゃない。私には、翼なんて―――ぉう!?」
いきなりバッグを引っ張られる。そして晴彦は何かを付けてそれをまた往穂に返
した。それは―――

「いらん、て言ったのに……」
あの、安っぽいピンズ。
「それに―――翼なんて、ひとつじゃ飛べない―――」
266グッジョブ天気屋44:02/11/14 21:42 ID:kgd+rhAS
「……まぁ、ひとつじゃアカンわな」
そう言うと、自分が持っている鞄をわざとらしく持ち直す。
「だっっっさ」
往穂に渡したのと同じものが、光っていた。
ほっとけ、と視線を逸らしながら往穂の足を蹴った。
「……それに、いくら羽生えとって空飛べてもな……飛びっ放しやと疲れるやろ。
その内落ちてまうで。だから―――」
一旦、言葉を区切った。
往穂は、晴彦とは逆向きに顔を向けている。
晴彦は、往穂の方をチラ見しながら、脚を組み替える。

「気が済んだら、いつでも戻って来いや」

「………………言ってて、恥ずかしいだろ」
「当たり前やドアホ。何俺にこんな事言わせとんねん」

暫く沈黙が続いた頃、ようやくバスが到着した。
「……とはいうものの、俺みたいなええ男、他の女が放っとかへんで。いつまで
も待っててやるとは思わん事やな」
「ほざいてろ、見切り品」
そう、いつものように軽口を叩いて往穂を見送った。
―――次に会う約束も、会える確証も無いまま。
それでも、よかった。それが、この二人の関係だから。

「―――俺には、俺の仕事が残っとる」
一人の男の気配を感じ、そう自嘲的に呟く。

―――往穂が(包み一杯に詰め込まれたジュースの事で鈴を殴りに)戻って来た
のは、いい年した男二人が道端でやたらと感情に走った口論を繰り広げてる正に
その時だったという―――
26744:02/11/14 21:47 ID:kgd+rhAS
さ―――て、吊るぞー!!
昨日とはまた違ったギャグと思って下さい。すいません。

>>前733氏
見劣りなんてしてませんよー。味が違うだけです。
言うなればカレーとシチューの味の差を比べても仕方が無いってもんです。
268名無しさんだよもん:02/11/14 23:52 ID:cno/nWA5
>>44
ギャグか?
吊る必要皆無。
269天気屋:02/11/15 00:06 ID:TcoUnSKQ
>>44
ストーリーがよくわからないようでいて、なんとなく繋がってるような感じがグー。
こういう星野のスローカーブみたいな切り札を持ってたとはいやはや。

>>前733氏
頑張ってください。
イイものを書いてくれれば、その分私も燃えます。
270名無しさんだよもん:02/11/15 14:46 ID:DvHMrQGz
>>天気屋氏
ダークで鬼畜な奏さん、イイ!
この次は、ゆうへの仕打ちを知ってしまった潤ちゃんを口封じに凌じょk…
いや、なんでもないです。

>>44
しんみり進めていって、最後にきちんと落とす。上手いですな。
271天気屋@聖(♂)×往穂5:02/11/15 20:49 ID:oGreDH6b
「いい加減にしないと、そのまま口の中に出すことになるぞ。」
ぞくり、と私の背中に電流が走った。
口腔奉仕は何度となくさせられてきたが、今まで口に出されたことはなかった。
それが今、私のフェラチオに感じて、中に出すと言っている。
あまりに刺激的な想像に、一瞬に意識が飛んでしまった。
私が一向に口を離そうとしない様子を見た聖は、私の頭を掴むと、喉の奥まで竿をねじこんだ。
思わずえづきそうになったがなんとか我慢する。
そのまま私は聖の腰が動くままに任せ、ただ口を開いてなすがままにされるだけになった。
普通にセックスをする時と同じように、私の口の中で激しく竿が動く。
いや、普通でもこんなにはしないだろうと思えるほど乱暴なピストンだったが、それがまた私をひどく興奮させた。
もう私の頭には、感じたいとか感じさせたいとかいう思考は完全になかった。
蹂躙されて、汚されたい。
メチャクチャにされた上で、聖の精液が欲しい。
渇きにも似た強烈な欲求だけが体を支配していた。
突如、口の中の竿が大きく膨らみ始める。
「そろそろ……出すぞ……」
微妙に切羽詰った声で、聖がそう呟いた。
腰の動きが一層速くなる。
男は、限界が近くなると大きくなるのか……
快楽でぼけた意識でそんな事を考えながら、私はその時を待っていた。
そして。
口に含んだ物が小刻みに震えると同時に、尿道から粘液が飛び出してきた。
どくん、どくんと、リズミカルに吐き出される精液を、私は夢中で飲み下す。
だがあまりに量が多かったため、溢れ出した分が唇の端から滴り落ちた。
272天気屋@聖(♂)×往穂5:02/11/15 20:49 ID:oGreDH6b
精液を一通り放出し終えると、聖は私の口から竿を引き抜いた。
こんな、精液を直接体内に流し込まれる経験は初めてだった。
口の中をむせ返るような匂いが立ちこめていたが、それがまたたまらなかった。
正直、味自体はいいものだとは思わないし、匂いもお世辞にもいい香りだとは言えない。
でもその事が一層、私が汚されたという事実を際立たせているように思えた。
聖の望むまま、なすがままにされる事が、もはや抗いようのない快感となっていた。
舐めるような視線で体を鑑賞され、犬みたいな格好にさせられ、奉仕させられて汚される。
人格を無視されて物のように扱われるという、そんな背徳的な快楽に私は酔っていた。
それもほろ酔い気分などという軽いものではなく、前後不覚になるほど酩酊している。
ふと、まだ怒張したままの聖の竿に目をやった。
尿道に残っていた精液が、自然と排出されて滴り落ちてきていた。
「ほら……まだ残ってるだろ。」
聖に促されて私は、再び亀頭に唇を重ねた。
尿道に残っていた精液を吸い出して飲み干す。
それから竿のまわりにベタベタまとわりついていた、私の唾液混じりの精液を丁寧に舐めとっていった。
「で、初めて精液を飲んだ感想はどうだ?」
私の頭を優しく撫でながら、聖はそう聞いてきた。
私はただ聞いてない振りをして、無言で竿にくちづけていた。
例えどう思っていたとしても、そんな質問に答えられるはずがない。
そんな私を見て聖は、
「……変態。」
まるで吐き捨てるようにそう言った。
体が凍りついてしまったように感じた。
今までとは比べ物にならないほどの屈辱感が、私の全身を支配する。
淫乱とか牝犬とか言われるなら我慢できた。
これではまるで、私は性欲しかない女だと言われたようなものだ。
でも、それを否定できない自分が悲しかった。
頬に涙が流れるほど悔しい思いをしているのに、体はまだ熱くなってゆく。
273天気屋@聖(♂)×往穂5:02/11/15 20:50 ID:oGreDH6b
不意に、聖が机の引出しを開いた。
そしてもう一つ手錠を取り出して私の背後に回り、何の前触れもなく、私の右手の手錠を外した。
両手を解放してくれるのだろうと思っていたら、もう一度右手首に手錠がかけられた。
しかし左手には、片方が外されて垂れ下がった手錠の重みが残ったままだ。
どうやら、右と左に一個ずつ手錠をかけたようである。
何のつもりでこんなことをするのだろうと思っていたら、いきなり聖が私を抱え上げた。
いわゆるお姫様抱っこというやつだ。
そしてそのまま私の体を、診療室の隅に置いてあるハイプベッドの上に横たえた。
病院によくある、枕と足のところに縦の格子のついているベッド。
ベッドの上に横になっている私と、枕元に立つ聖。
上から見下ろしながら私に言葉を発する姿は、まるで患者に問診する医者のようだと言えなくもなかった。
「さて……ここで一つ問題を出そう。正解か不正解かでシナリオが変化するので、そのつもりで。」
「……問題?シナリオ?」
聖がふざけているのか本気なのか、一瞬わからなくなった。
「そう、問題。キミを後ろ手に拘束していた手錠を外し、わざわざ両手首に一つずつ手錠をつけた。
 そしてこうしてベッドの上まで運んできたわけだが、次に僕が何をするかわかるか?」

・わかる
・わからない
274天気屋:02/11/15 20:54 ID:oGreDH6b
というわけで聖×往穂の続きです。
最後のはちょっとゲームっぽくお遊びってことで。(w
どっちに進むかはもう決めてありますが、ま、それがどっちかは続編をお楽しみに。

>>270
気が向いたらやりますわ、潤陵辱。
でも陵辱ばっかだとちょっとこっちの精神衛生的によくないんで、いつになるかは保証できません。
あ、でも、奏陵辱なら案外スイスイできるかも。(w
275名無しさんだよもん:02/11/15 22:05 ID:nSLZHBAM
>>274
>あ、でも、奏陵辱なら案外スイスイできるかも。(w

  禿  げ  る  程  キ  ヴ  ォ  ン  ヌ  !  !  !
「という訳で腱鞘炎になりました。両方」
包帯の巻かれた両手首を見せ、かずきは笑った。
「……何が『という訳』だ」
実は全く説明されていない大志が突っ込む。
「あはは、詠輔の下僕やって、挨拶回りで荷物持ちしてたら予想以上に貰った新
刊重く」
ぱきょ。
持っていた缶コーヒー(中身半分入り)で思い切り叩かれた。
「ぅわひっど」
「すまんな。中身が飛び散った」
珍しくストレートに怒っている。
額を擦りながらかずきは笑う。
「第一『下僕』とはなんだ。ユニットを組んだのではなかったのか」
「んー……まぁそうっちゃそうなんだけど」
あさっての方向を見ながらかずきは。
「ああいうタイプって操縦しやすいからね。結構いい思いさせて貰ったわ」

ピンポーン。
「ホラ来たー。ちょっと隠れて見てて。面白いから」
笑いながら玄関へと赴く。

「……あ、詠輔くん。どうしたの?」
「……別にぃ。俺は別に気にしてないけど、ちょーなんじゃくなアンタの手首、
どうなったかって思っただけだ」
―――気にしとるやんか。大志はそう思ったが、当のかずきは見た事無いような
優しい、そして哀しげな微笑で。
「ごめんね……詠輔くんの役に立てなくて……私、ホントダメダメだね……」
と、伏目がちに呟いた。
詠輔の顔が真っ赤になる。そして、後ろ手に隠し持っていたものをさっ、とかず
きの横に置くと、後ろを向いて。
「あっ、ああ、アンタがダメダメダメ助なのは前から知ってんだよ!それより、
はっ……はや、はやく治せよ!!別に俺様はアンタの原稿が無くてもいーけど、
約束は約束だからなっ!!無理してろくでもねー原稿渡すなよ!!あんせーにし
てろ!!」
支離滅裂な事を言いつつ、ばん、と乱暴に戸を開く。そして出て行こうとするが、
それより一瞬早く、かずきの手が詠輔の制服を掴んだ。
おばかの詠輔にしては早い回転で、動けば手に障ると理解して、立ち止まる。
かずきは詠輔の背中にこつん、と未だ缶コーヒーアタックで痛む額を付けた。
「……なっ……ななな……なんだよ……」
「―――ありがと、詠輔くん……私……私、その気持ちだけで嬉しいよ―――」
くい、とまた制服を引っ張る。暫くその姿勢のままで二人は佇む。
やがてかずきが手を離すと、静かに引き止めてごめん、と呟いた。
もう詠輔はユデダコ状態になりながら帰って行ったのだった。

「……面白いでしょ」
お土産の並ばないと買えないめちゃうまワッフルを食べながらきしし、と笑った。
「―――大手同人作家を掌で転がすとはな―――さすがまいしすたー。我輩が見
込んだだけの事はある」
変に感心しながら、大志もめちゃうまワッフル(三個目)を食すのだった。


すいません。ホントすいません。でも男詠美は泳がし易そうです。
ラヴでもエロでもほのぼのでもありません。
さて、今日は扇風機のコードで吊って来ます……
278名無しさんだよもん:02/11/15 23:47 ID:Ev+xliNE
男詠美か…。

以下妄想。

終盤には「こんな手いらない!」イベント

下手に力あるもんだから一月くらいリハビリに必要な大怪我

「手が使えなくて大変でしょ?」看病イベント

「あ…溜まってるんだ…。私が手伝ってあげるね」

「あ、だめ…手に負担掛けちゃいけないから私が上に…!」 ブシュッ!<鼻血

尽くすようでいて完璧に詠輔を虜にしたかずき嬢…。
279浩子と燈人と恋心:02/11/15 23:58 ID:4bzA7H1P
 ある日の二時間目の休み時間、思わぬ客がやってきた。
 同じクラスの矢島さん。バスケ部の人で、…私よりか胸がある。
「ねえ、藤田ぁ」
「…ん、なに」
「ねえ、ちょっと…訊いていい?」
「なにを?」
「神岸くんのことなんだけど…」
 鼻の頭をぽりぽりと掻きながら、矢島は照れくさそうに笑って言った。
 かみぎし……?……………ああ、燈人のことね。
「家が近所で、小さい頃から、ずっと仲がいいって、ホント?」
「うん、そうだけど。…それで?」
「それってさぁ、その、付き合ったりしてるってこと?」
 だんだん、頭のもやもやが晴れてきた。
「…べっつに、そんなんじゃないって」
 私は一笑した。
 今まで、そんな風に燈人との関係を考えた事はないし、きっとこれからもそうだと思う。
 それにしても矢島のやつ、どうして私にそんなこと訊いたのだろう。
 …もしかして。
「まさか矢島、あんた、燈人に気があんの?」
 ストレートに訊くと、
「ま、まあね」
 と彼女は照れて微笑んだ。
 ――マジですか!?
280浩子と燈人と恋心:02/11/15 23:59 ID:4bzA7H1P
「彼、前からいいなぁって思ってたんだけどね、特に、ホラ、最近髪染めたでしょ?眼鏡も外したし…
 周りの女子からも人気出てきたし、さ…」
 女子に人気が?
 燈人に?
 そう言えば、最近よくあいつが他の女子軍団から声を掛けられてるみたいだったけど。
 …そっか、人気あるんだ。
「…で、昔っから彼に目をつけてたあたしとしては、これ以上ライバルが増えないうちに
 彼にトライしようって思ったってわけ」
 ――ちょ、ちょっと待って。
「そこで、あんたに一言断っておこうと思ってね」
「なんで私に…」
「いや、あたしてっきりさ、あんたら二人が付き合ってるんだと思ってたし、
 佐藤に聞いてもそれっぽい事言ってたから」
 雅美のやつ、勝手な事を…
「付き合ってるんだったら、あたし…」
「だから、別にそんなんじゃないって」
 私は言葉をさえぎって否定した。とても嬉しそうな顔をして、矢島は笑う。
「そっか。だったら、気兼ねなく告白できるね」
「……」
「あ、だったらさー」
「…な、なに?」
「ね、藤田ぁ。なんとかして、彼との仲、取り持ってくんない?」
281浩子と燈人と恋心:02/11/16 00:00 ID:vQk9zeL4
「ふざけないでよ!なんで私がそんなことしなきゃなんないのよ」
「だってあんた、今、彼と付き合ってないって…」
「それとこれは別。なんで私があんたの恋に協力しなきゃいけないの?」
 しかも、よりによって、燈人相手に。
「だってさ、やっぱ神岸くんだって、よく知ってる人に紹介された方が心開くと思うしさ」
 なんだか、とっても頭にくる言い方だ。
「ね?佐藤はなんか、あんたに恨まれるのが嫌だからやんないって。…長岡くんは、
 なんか一晩たったら学校中に噂が広まっちゃいそうで…」
「だから、私?」
「そ」
「…ったく、やめてよホントに。私、そういうの苦手なんだから」
 心底嫌な顔を作ってそう言った。
「けどさ、まぁ、きっかけだけ作ってくれたら、そのあとの押しの部分は自分でやるからさ」
 矢島は自信ありげにうなずいた。
 …確かに、燈人は押しに弱い。必死に頼まれたら、相手が誰だって、最後には言う事を聞いてしまう。
 矢島ぐらいの女の子に頼まれたら…きっと断りきれないんだろうな…
「じゃ、さっそく次の休み時間にお願いね」
「ちょっとちょっと、いくらなんでも早すぎない?」
「成功のあかつきには、なんでもおごってあげるからさ?ね?」
 …勘弁してよ……
282浩子と燈人と恋心:02/11/16 00:01 ID:vQk9zeL4
「おーい、燈人ー」
 三時間目の休み時間。私は燈人を廊下に呼び出した。
「なに、浩子ちゃん?」
 なんにも知らない燈人はすたすたと私のもとにやってきて、にっこりといつものように笑った。
 見慣れた笑顔に、罪悪感が沸く。だけど…
 燈人の背中越しに廊下の端を見ると、不安そうな顔で矢島がこっちを見てた。
 仕方ない…
「燈人」
「うん」
「…ちょっと、付き合って」
「うん、いいよ」
 私のいかにもな勧誘にも、燈人はすんなりとOKした。

 体育館前の渡り廊下は人通りも少なくて、落ち着いて話すにはいい場所だった。
「話ってなに?」
 燈人のほうが先に切り出してきた。
「いや、ほら…」
「?」
「え〜っと…」
「…浩子ちゃん?」
283浩子と燈人と恋心:02/11/16 00:02 ID:vQk9zeL4
 ちらりと向こうを見ると案の定。廊下の向こうには矢島の影が。
 私が呼ぶのを今か今かと待っているに違いない。
「……」
 こうなったらもうこの縁談、壊すもまとめるも、全て私のサジ加減ってわけね。
 このままみすみす燈人を矢島に渡しちゃっていいの…?
 …燈人が矢島の彼氏?燈人の手料理が毎日矢島の口に運ばれるの?
 納得いかない!激しく!断じて!心の限り!
 …とはいっても、矢島だって、燈人にはもったいないくらいの女の子だ。
 性格いい、運動できる、クラスみんなの人気者、おまけに胸でかい(むかっ)。
 考えようによっては、燈人の人生最高のチャンスかもしれないし…

 どーすればいいのよおおおおぉぉぉぉ〜〜〜〜〜〜っ!!
 
「…浩子ちゃん、僕に用があるんでしょ?」
「あ、うん…」
「…言いにくいこと?…悩みとか?」
「そ、その…」
「ねえ、もし僕でよかったら、なんでも遠慮しないで言ってみて」
 心配そうな顔で、燈人は言った。
「わ…」
「わ?」
「私…」
「わたし?」
 私はっ…!
284浩子と燈人と恋心:02/11/16 00:03 ID:vQk9zeL4
 あいつに燈人はやれない!

「燈人!」
「な、なに?」
 私はじっと、燈人の顔を見た。
「…な、なに?浩子ちゃん?」
「……」
「浩子ちゃん?」
 わずかな沈黙の後。
「…燈人、いま、好きな人っている?」
「えっ!?」
 予想通りびっくりする、燈人。
「答えて」
「えっ!?えっ!?えっ!?」
 明らかに、燈人は動揺している。私は一度俯いて、ため息をついて見せた。
「いるのか、いないのか、それだけでいいの」
「……」
「…いるの?」
「……」
「…いないの?」
 真剣な表情に気付いたのか、やがて燈人はこくん、とうなづき、
「………いるよ」
 とだけ呟いた。
285浩子と燈人と恋心:02/11/16 00:04 ID:vQk9zeL4
「……そっか…」
「……」
「じゃあ、もうひとつだけ。…その好きな人って、矢島さん?」
「え?矢島さん?」
「うん、ほら、バスケ部の」
「…ちがうよ」
「違うのね?」
「…うん」
「他に好きな人がいるのね?」
「…うん」
「わかった。じゃあ、もういいよ」
「…浩子ちゃん?いったい…」
「――なにも訊かないで」
「…え」
「いいね」
「うん、わかった」

「――と、いうわけだから」
「納得いかないわよ〜〜っ!」
 しつこく暴れる矢島にやれやれと手を振ると、私は教室に戻った。

 正直、わかってる。燈人の言う好きな人って…
「……」
 やっぱ私って、ずるい女だ。
286元380:02/11/16 00:05 ID:vQk9zeL4
最近のスレの流れに逆らって非エロで。

…やっぱ回線吊って首切ってきます…
287名無しさんだよもん:02/11/16 01:31 ID:BGCcYfEW
>276−277
じゅようはあるよ。ここにあるよ。

…いいなあ反転かずき。したたかでおバカで健気で。メラ萌える。反転詠美もかわいらしいし。
俺、こみぱプレイしてないけども。←何故要らんことを白状しますか

なんか俺も書きたくなってくるけど、現在うたわれプレイ中なので。
反転クロウは…まんまタカさんになります。ダメです。
反転オボロは…病弱な弟の為に、はした金でその身体を売る…。欝です。
反転ドリグラは…大して変わりません。却下です。
やはりハクオロおばさましかないのか。
…そんで反転カミュにその熟れた肉体を弄ばれてあろうことか御懐妊とか。

考えもまとまらんので、ごま油で揚がって来ますか

    ,.、,、,. ∧_∧,_        /i
   ;'~;...::⊂(´∀`⊂⌒`つ:::`゙:.:゙:`''': -‐i
   :';: ...:,.: .、.:...: ,:. :.、.:',.: .:::,.: . ::,;;;;:'゙~' ̄
   '、;,.: .:: : ...: ,:. :.、.:'_;.;;..; :..‐'゙
288名無しさんだよもん:02/11/16 02:15 ID:JXWlZOhU
>>44

滅多に見れないかずき嬢の悪女っぷりが炸裂してますな。

だ が そ れ が い い
289長瀬ちゃんのゆーうつ 瑠璃1:02/11/16 02:39 ID:NkvyOX98

 拘束が外された。

 ……長瀬ちゃんの小さな肩、ほそい首、スレンダーな胸から腰、そしてかわいいおしりまで。
 あったかくって、やわらかくって、ちょっと汗ばんでいる、あまい香りがする身体。
 本来なら白いほうだけど、今はほんのり桜色に染まっている、背中と頬。
 時折ふるえる肢体、まぶた、声。

 すべてが僕をたまらなくさせる。
 長瀬ちゃんが欲しい。そう、思わせる。
 いつもなら自分が暴走しないように抑えている。
 そうしないと、滅茶苦茶に壊してしまいそうだから。

 彼女に出会うまでは、自分にこんな獣が棲んでいるなんて知らなかった。
 恋人になってからは、嫌というほどそれを思い知らされた。
 今日まで理性が獣に負けた事はなかったけど。

 ――そう、今日この瞬間までは。

 目の前には長瀬ちゃんの背中。腰にまわった姉さんの手が、おしりを開いている。
 おしりのあな、そこは確かにヒクついていた。

「……長瀬ちゃん」

 僕の言葉にビクッと震える仕種がとても愛しい。
 後ろからそのあったかい身体を抱きしめると、安心感と欲望が同時に吹き出てきた。
290長瀬ちゃんのゆーうつ 瑠璃2:02/11/16 02:41 ID:NkvyOX98
「……ごめん、長瀬ちゃん」
「……なぁに…るりくん……?」

 ああ、その声。
 わずかな怯えとたくさんの優しさが含まれた、震える音色。
 それが何故こうも、僕を堪らなくさせるのだろう。

「長瀬ちゃんのこと……壊しちゃうかもしれない……」

 自分を抑えることができなくなるかもしれない。
 とりかえしのつかない事をしてしまうかもしれない。
 それが、怖い。

 でも、長瀬ちゃんはそっと僕の手を取って。

「……壊れちゃうくらい、愛してくれるんだ……」
 
 触れたら壊れそうな彼女。その印象が、そのまま言葉になったような台詞。

 いつも、いつもそうしたいと思ってた。でも、怖くてできなかった。

「うれしい……すごく、すごくうれしいよ……るりくん……っ」

 でも、怖さよりも今は……長瀬ちゃんを、強く、壊れるくらいに抱きしめたい。
 
 そう、おもった。
291あとがき(今回不調気味):02/11/16 02:42 ID:NkvyOX98

「こわれるほ〜どあい〜しても〜っ、さんぶんのいち〜もつた〜わらな〜いっ」
「なんでそんな投げやりに歌ってるんですか、拓美さん……」
「いいわねあなた達は久しぶりの出番で。くやしいから歌ってみただけよっ」
「欠片もでられなかったからって、そんな」
「だいたい、アナルセックスの前になに雰囲気だしちゃってるのよ二人ともっ!」
「そ、そうはいわれても……」
「ええいっ、見てなさいよ。次回はしっかりと長瀬さんサンドイッチを実行してみせるわ」
「サンドイッチ……そういえば、今回は瑠璃くんの視点だったけど短いし……その……H、ないね」
「……それは、作者さんがスランプだからってことだったらしいけど」
「瑠璃、あんなのにさん付けする必要なんてないわよ」
「そ、そうかな……」


「それじゃあまた次回、今度は私が大活躍する『長瀬さん、ついにサンドイッチに!』をおたのしみに〜」
「そ、そんなタイトルじゃありませんっ!」
292『ふゆ』書きの残骸:02/11/16 05:54 ID:PBIdfY0g
男の子になっても性格変わらず犬チックな燈人君に萌え〜っ
この上で矢島さんが奏嬢のごとく萌えキャラ化する可能性は…
限りなく低いんだろうなぁ。
奏さんと言えば……悪役だったんだよなぁそう言えば。
>>257読むまで忘れてました。
すっかりこのスレに染まってますねぇ、自分。
293名無しさんだよもん:02/11/16 06:57 ID:m3/KQz5r
(´-`).。oO(反転ウルト・カミュ兄弟ってやっぱ巨○なのかなぁ……)
(´-`).。oO(で、反転エルルゥってやっぱ短shターン
294名無しさんだよもん:02/11/16 08:31 ID:sxUZqjur
>元380さん、いよいよ東鳩コンプも間近ですね。
非エロ上等、萌えられるので問題無し。

…でも浩子×燈人のエチシーンも期待してたり(ボソッ


>長瀬ちゃんシリーズの作者さん、お久しぶりです。
スランプっすか…大変ですな。続き、気長に待ってますよ。
295名無しさんだよもん:02/11/16 08:33 ID:sxUZqjur
…sage忘れ申し訳ない。
296天気屋@聖(♂)×往穂6:02/11/16 09:52 ID:d3rWl3jP
 
  わかる
→ わからない click!!

「……わかるわけないだろ……」
顔を伏せながら私はそう言った。
半ば意識が朦朧として、質問に答えるのが億劫だった。
「ヒントは、今キミの寝ているそのベッドだ。」
私は相変わらず顔を背けたまま、じっと黙っていた。
この時聖の顔を見ていたならその唇が吊り上ったのを見逃さなかっただろうが、もう遅い。
「じゃ、正解を教えてやろう。」
聖は私の体に覆い被さると、両手にかけられた手錠を掴んだ。
視線を外していた上に頭がぼやけていた私は、即座に反応することができなかった。
そしてあっという間に両手をそれぞれ枕元のパイプに繋がれ、ベッドの上でYの字に固定させられたてしまった。
さっきの犬のポーズも確かに屈辱的だった。
しかしこのように拘束されたら、例え拒否しようとしても身をよじることすらできない。
ある意味一番ツラい姿勢だった。
「ここまでされたなら、いくらキミでも何がどうなったかわかるだろう?」
聖は、その瞳に映った私の姿が見えるほど、間近に顔を近づけた。
そして私の顔を撫でながら、
「怖がることはない。たっぷり時間をかけてさっきの続きをするだけだ……」
優しく、囁くように、怖ろしいことを口にした。
聖の気が済んで事が終わるまで、私は一体どれだけ犯されるのだろう。
想像するだけで気が変になりそうだった。
「やめて……それだけは……やめてぇ………」
知らない間に私はそう哀願していた。
297天気屋@聖(♂)×往穂6:02/11/16 09:52 ID:d3rWl3jP
そんな目に遭わされたら、わずかに残った理性も間違いなく弾き飛ばされてしまう。
そして性衝動につき動かされるまま、まるで獣のようにセックスに狂ってしまうだろう。
自分が自分でなくなるような、耐えがたい恐怖が私を襲った。
しかし聖の返答は、驚くほど意外なものだった。
「そうか……そこまで言うなら止めるとしよう。」
「え……?」
私は思わず聞き返していた。
「……滅茶苦茶にされるのはイヤなんだろう?」
小さく頷く。
「だって……怖い……」
そう言った瞬間、聖は私に唇を重ねてきた。
舌を割り込ませ、私の口を乱暴に嬲る。
さっき自分の精液を口の中にいっぱい注いだばかりだというのに、まるで意に介していないようだった。
にちゃにちゃとくぐもった音が、口の内側から鼓膜に伝わる。
いつもなら舌と唇を軽く舐めあうだけで終わるのに、今回はそれだけで止まらなかった。
舌が絡み、唇をねぶられ、唾液を吸われる。
唇を離すと、糸を引いた粘液が私の唇に垂れる。
聖がそれを舐めとると、また濃厚なキスが始まる。
延々とそれの繰り返しだった。
さっきまで乱暴を働いていた人間とは思えないほど、優しくて情熱的な口づけ。
私は心身ともに、浮遊感にも似た心地よい陶酔に浸りきって安心してしまっていた。
それが私を嵌めるための罠だということなど、到底気付きもせず……
298天気屋:02/11/16 09:55 ID:d3rWl3jP
ぬぅ、寝てる間にハイレベルなSSが続々と……
おかげで私のが目立たなくて目立たなくて仕方がない。(w

さーてと、これから教習所に逝ってきます。
続きは夕方か夜にでも。今日は週末なんで、特別拡大枠でお届けします。
299ホモ属性ちょい有44:02/11/16 17:13 ID:HOEt7Ais
「うわ〜いやらかいよ〜か〜わいぃ〜よ〜」
ぎゅむもも、とスフィーの身体を抱き締め今日も今日とて結一は悦っている。
見ているさつきはとっても暑苦しい。特殊な感性を持つ者ならばちっこい可愛い
男同士が抱き合って(てか一方的だが)いる姿はある種感動的だろうが、生憎と
さつきは普通の一般人だった。
「……オイコラ、そこのショタホモ、いい加減にしろ」
少々ドスをきかせた声でさつきは呟いた。その言葉にぴき―――ん、と結一は反
応する。そしてさつきは知っていた。カチンと来たのは『ホモ』でなく『ショタ』
である事に。
そしてスフィーも悟っていた。それが新たなバトルの始まりのゴングだという事を。
「……てめぇ、いい度胸だな。生きて帰れると思うなよ」
ばさりとエプロンを剥ぎ取り、投げ捨てる。
「ふふふ、そっちこそ明日の朝日を拝めると思うんじゃないわよ、このクソチビ」
ぷっつ――――――ん。
あっさりさつきの挑発に乗る結一。
普通の女性と比べてけして高いという訳ではないさつきより、更に三cm程低い
結一。それこそが彼のコンプレックスだった。

「おんどりゃああああ!!てめぇ人の嫌がる事は言ったらあきまへん、と幼稚園
で習わんかったんかあぁあああ!!」
必殺の回し蹴り。しかし一発目がそれであるという事を読んでいるさつきはさっ
と身を低くし、そこから蛙跳びアッパーでKOを狙う。だがそれもかわされる。
「ば―――か!!私が通ってたのは保育園よ!てかアンタも一緒でしょ!?これ
だからチビ・ホモ・短小の三重苦は嫌なのよ!!」
「見た事あんのかてめええぇええ!!これでも結構なモンなんだぞ!!」
「知らないわスカポンタン!見たくもないわ!この見た目は子供頭脳も子供!」
そんなバトルを傍観しながらホットケーキを食べるスフィーは。
(……なんで『ホモ』は否定しないんだろ……)
と、どうでもいい事を思っていたのだった。
300ちょっと待った44:02/11/16 17:18 ID:HOEt7Ais
……私がホモ属性ある訳じゃ無いです―――!!
なんだその書き方―――!!わ―――ん!!

……ちょいとその気のある結一。全く男女を意識しない二人の筈なのに日に日に
仲良くなっていくさつきとスフィーを見て、不安になってしまう―――的な感じ
でしょうか。しかし男だとしてもガサツにも程ありますな。やるとしたら強姦か。

―――逝って来ます。スイマセン。マジでスイマセン。
301天気屋@聖(♂)×往穂7:02/11/16 20:14 ID:PiCmY4Lw
唇が離れたかと思うと不意に、聖の手が体をまさぐってきた。
掌でお腹の上を、円を描くようにさする。
手が少しずつ上にのぼってきたかと思うと、指先が胸の谷間を辿って右の鎖骨の上で一瞬止まった。
その指が下に降りて胸の上に乗り、蟻が這うように乳房の上を動き回り始めた。
不規則な動きがもどかしかったが、それ以上に、乳首に触れようとしないのがたまらなかった。
たまたまそうなっているのではなく、明らかに意図的に避けているのだ。
乳輪の周りをくるくる器用に回っている指は、頂上まで到達することなく再び胸の上を這い回り始める。
しかもそれを一度だけでなく、何度も何度も、まるで当てつけのように繰り返すのだ。
と思うと今度は、私の胸を掴んできた。
が、それは鷲づかみにするような乱暴なものではなく、包み込むような優しいものだった。
それはそれで気持ちがいいものだというのは確かだ。
でも今は刺激が足りない。
いつものように力強くされたい。
私の体に少しずつ、そんな不満が澱のように積もり始めていた。
「ひゃうっ!?」
聖の不意打ちに思わず私は声をあげた。
耳を舐められたのだ。
「んうっ……ううっ……」
一度舌先でぺろりと舐めた後、今度は舌全体を私の耳につけ、まるで味わうようにゆっくりゆっくり舐めあげてゆく。
生暖かい感触が耳でゆっくり動く度に背中を心地よい悪寒が走り、体が細かく震える。
やがて舐め終わって舌を一旦離すと、耳が唾液でべとべとになっているのがよくわかった。
それを聖が唇で軽く噛んだ。
「ふうぅっ……」
次は何をしてくれるんだろう。
私は小さく期待しながら、聖の動きを全身で感じていた。
しかし聖はそれ以降、私の耳に一度も触れようとしなかった。
耳に唇を寄せることはあっても、その先には至らない。
何かがヤバい。
得体の知れない不安が広がり始めていた。
302天気屋@聖(♂)×往穂7:02/11/16 20:15 ID:PiCmY4Lw
聖の手が私の閉じられた太腿に触れた。
太腿それ自体は、それほど感じる場所じゃない。
でもそこに触れたということは、続けて別の所にも触れてくれるという事。
うなじに吹きかけられる吐息の温度に酔いながら、私はじっとその時を待った。
ゆっくりと、まるで掌の温度を伝えるように私の太腿を触っていた聖の指が、腿と腿の間に入る。
そして指先で、脚をこじ開けるような動作をした。
股を開け。
私は無言で脚を開き、濡れそぼった性器を表に晒した。
垂れた愛液は膣周辺だけでなく、太腿やお尻の穴まで、テラテラ光るほど濡らしていた。
「んっ……」
聖の指が入り口に触れた。
愛液をすくうように下から上へと指先をなぞらせ、それを私の脚の付け根のあたりになすり付けた。
もう一度同じように愛液を掬い、同じようにお腹の上になすりつける。
子宮の疼きが強くなる。
もっといじってもらえるものだと期待していたのに、肩透かしを食らったような感じだった。
そのまま聖は、何度か同じことを繰り返していた。
そしてしばらくしてようやく、力を込めて中に突き入れる素振りを見せた。
私は目を閉じてその時を待った。
しかしそれは結局素振りを見せただけだった。
そのまま愛液のついた指で、入り口のあたりをヌルヌルと撫で回す。
「あぅぅ……んうぅ……」
まるで、縫い針の切先で全身を刻まれているようだった。
痛みも感じる。
血も滲んでいる。
でも致命傷に至るには、傷はあまりにも浅い。
生殺しというのはこの事を言うのだろう。
303天気屋:02/11/16 20:17 ID:PiCmY4Lw
週末拡大枠第二弾。
続きは深夜にでも。

>>44
一人冷静なスフィー萌えw
304千堂さんと九品仏くんと4:02/11/16 23:31 ID:99y6KETm
「はっぴばーすでーとぅーみー♪」
その微妙な歌声に、かずきも瑞希もただ黙っていた。
「はっぴばーすでーとぅーみー♪」
暗い部屋。クリスマスツリー。ケーキとその上の二十本程の蝋燭。
「はっぴばーすでーであきりすとー♪」
「それはお前が神だとも取れるぞ」
無視すればいいのに、瑞希は大志に突っ込んだ。
十二月二十五日―――クリスマス。そして大志の誕生日。
とりあえず腐れ縁の三人で集まって、かずきの家にてパーティーをしていた。
「おー、一気に消えたぞ蝋燭」
「肺活量凄いねー」
それなりに、盛り上がっていた。
「HAHAHA、苦しうないぞまいしすたー&ぶらざー」
主役の為機嫌が良いのと既に酒が入っているのとで上機嫌だ。
しかし瑞希は少し機嫌が悪い。大志はともかく瑞希は彼奴があまり好きではない。
つーか嫌いの域に達している為だ。
「おらよ!」
ぺし、とプレゼントを投げ渡す。う○い棒業務用三十本セットだ。
「おお、すまんな」
―――ストレートに喜ぶ大志さん。その様子を見て瑞希は舌打ちをした。
「ほい、私はこれ」
少し大きめの紙袋。
中身は、六十cm程の黒目の可愛いO脚気味のピンクの熊。口元と爪に血が付着
している。可愛いっちゃ可愛いが。
「……なんだこれは」
「なんだこれ」
仲悪いのに同じような事を同時に言う。
「ほら、プレゼントって自分が貰って嬉しいものをって」
可愛いっしょ?とあっけらかんと言うかずきだった。
305千堂さんと九品仏くんと4:02/11/16 23:33 ID:99y6KETm
それから暫く、どんちゃん騒ぎが続いた。高校を卒業してからこうして語り合う
事も無かった為に、思い出話は募っていた。
少し前の事だというのに、大分昔の事のように思える。
―――中でも、かずきは自分が物凄い変化を遂げたと思っていた。
大学入学してから抜け殻のように過ごして、そこに大志から同人への誘いを受け
て―――今に至る。そして―――
ちら、(多分)酒を平然と水のように飲んでいる大志を見る。
「…………」
もぎもぎとケーキを食べる。
複雑な気持ち。嬉しくて、もどかしくて、ちょっとだけ辛い。
半々。イエスかノーか確率五十%の問題。

―――私の好きな人。
プレゼントに渡したはずなのに抱いて離さないピンクの熊をぶんぶん振り回す。
この変態を好きになって久しい。自覚したのはいつだろう。どうして、コレを?
考えても仕方ない。決定権は眼の前のドアホにある。
視線に気付いたのか、大志は。
「どうしたまいしすたー。飲め飲め。潰れるまで飲め」
―――おぉ、飲んだるわ。
全く真意に気付く事の無い大志に理不尽を感じ、かずきはヤケになった。


「……潰れたな」
言いつつ自分もかなり酔いが回っている瑞希。
「そうだな」
本当に酒を飲んでいたのか疑わしい大志。多分飲んでいなかったのだろう。
瑞希は大雑把に片付けをし、帰り支度をしていた。勿論、大志も。
かずきは一升瓶を抱えたまま丸まっていた。とりあえず毛布を掛けようとしたら
大志の袖を掴んで、離さなくなってしまった。
「……大志……プレゼントぉ……」
306千堂さんと九品仏くんと4:02/11/16 23:34 ID:99y6KETm
「あぁ、忘れていない。ここに持っている」
ちゃんと血熊を脇に抱えている。
「ちがぁ……私……貰ってない……クリスマ……」
大志の耳に触る。一月程前、自分が付ける予定で買ったピアス。
今では、大志の耳に収まっていた。
倍で返して貰う、と宣言されたものの未だ何もしていない。
「……すまんな。我輩は今日何も持って来ていないのだ」
マジ手ぶらで来た大志。そもそも主役だから、とそう言ったのはかずきなのだが。
「―――ばぁかぁー……」
ぼろぼろ泣きながら、そう呟いた。
「…………」
苦い顔をしながら、瑞樹の方を見る。
幸い、瑞希は靴を穿こうとしているが酔い過ぎて悪戦苦闘している。
小さく溜息をつくと、大志はそっとかずきに耳打ちする。するとかずきの掴む手
がぱた、と落ち、そのまま動かなくなった。


雪の降る夜道を男二人で歩きながら、大志はかなり複雑な表情をしていた。
「……お前、かずきに何してたんだ?」
かずきを撃沈させた様子は見られていたようだ。舌打ちをすると、大志は瑞希の
顔を見ないように。
「別に。他愛の無い事だ……ただ、ちゃんと返事をしただけだ」
「ふー……ん……」
聞いて満足したのか、そのまま瑞希は前のめりに倒れる。大志の眼は点になる。
慌てて抱き起こすと既に瑞希はヨダレを垂らして寝ていた。起きる気配は全く無
い。ここからかずきの部屋まで徒歩一分強。瑞希を担いで帰るのは少々酷だ。
「―――また……戻れというか……」
顔を引き攣らせる男が夜道に一人。

―――受難はまだまだ続くようだ。
307ビバ生殺し44:02/11/16 23:38 ID:99y6KETm
久々といいますかしつこいといいますかなんといいますか……
とりあえず逝きます。吊ります。もしくは吊ります。

>天気屋氏
ねちっこいエロバンザーイ。
続き待ってます。いやもうホントこっちも生殺しです。
308天気屋@聖(♂)×往穂8:02/11/17 00:17 ID:XaHTXwfg
「何故ここまで焦らすのか。もっと激しくしてほしい。」
聖が不意に、耳元でそんな事を囁いた。
一瞬、私の意識が覚醒した。
私の思っていることと全く同じだったからだ。
聖は鼻で笑いながら、言葉を続けた。
「だがこれはキミが望んだ事だろう。」
「……え?」
顔を聖に向ける。
「滅茶苦茶にされるのが嫌だと言った。だから僕はこうして優しくしてやっているだけだ。」
「そんな……」
確かにそう言った。
あのまま犯され続けるのは嫌だから、それだけはやめてと。
だからといってこの仕打ちはあまりにも残酷だった。
ただでさえ焦らされ続けて頭がおかしくなりそうだったのに、突然のこの宣告は余計に私を苦しめた。
「してほしいなら素直にお願いしたらどうだ。」
「うぅ……」
聖のその一言は、私を大いに揺さぶった。
体が男を求める精神的な辛さには耐えられる。
いやらしい女だと罵られることも我慢できる。
でも、自分からそんな言葉を口にしてしまったなら……
そんな事ができるはずがない……
「そう……キミにそんな事が出来るはずがない……」
309天気屋@聖(♂)×往穂8:02/11/17 00:17 ID:XaHTXwfg
「え……?」
聖の言葉はまるで、まるで私の思考を代弁したかのようだった。
「キミに自分から求めることは出来ないってことだ。」
私の髪を軽く掴み、じっと目を見てかすかな笑みを浮かべながら言葉を続ける。
「あくまで僕に犯されているという名目があるから、キミは僕にこうして体を預けているんだからな。」
「っ……!?」
全てを見通されたような感じだった。
精神を揺さぶられるような恐怖感を感じる。
「キミはきっと内心こう思ってるんだろう。
 私は家主に追い出されてるのが怖くて、こうして望まないセックスを続けているんだ。
 そして体が反応してしまうのは僕に開発されたせいであり、本能的なものでもあるから仕方ない、と……」
私は何も言わなかった。
いや、言いたくても言えなかった。
「なるほど……キミは確かに自我の強い子だ。
 ここまで性感を開発されたにも関わらず性欲に溺れることなく、むしろそれを上手く制御できている。
 その点においては少なくとも僕の知る限り、キミは最高の女だよ。
 だが……本当はこうなることを望んでたんじゃないのか?」
「えっ……?」
「思い出してごらん。キミが処女を失ったあの日……
 キミは誘っているとしか言いようのない姿で僕の目の前にいた。
 あんな格好で男の目の前にいたらヤバいという事ぐらい、少なくとも頭では理解していたはずだろう。
 なのに何故あんな姿でいた?それもあの日だけじゃない、何日も何日も同じような格好で……」
「っっ……!」
「それだけじゃない。キミは抱かれる時、最初こそ激しく抵抗したが、途中から僕のなすがままになった。
 僕はキミのことを脅迫もしていなければ殴りつけたわけでもないのに、だ……」
「いやぁっ……」
310天気屋@聖(♂)×往穂8:02/11/17 00:18 ID:XaHTXwfg
「まだあるぞ。エクスタシーを感じ始めた頃ならともかく、まだ挿入される事を痛がっていた時にも、
 キミは僕の誘いを拒否しなかった。これをどう説明する?」
「や……やめてぇ……」
「それにさっきもそうだ……僕は口でしろとは言ったが、飲めとまで言った覚えはない。
 それを一滴残らず飲み干して、あまつさえ尿道に残っていたのまで啜っていたな。
 あの時のキミは、一体どんな表情をしていたと思う?
 もっとして下さい、どんな事でもしますから……そんな顔だったぞ。」
「違う……違うぅ……」
「何も違いはしない……そう、何もね……」
聖はより一層顔を近づけた。
私はその目に引き込まれるような錯覚を覚えた。
「キミは本当は、心も体も僕に犯されたがっている……
 それを認めたくないから、こうして受身に、ただなすがままになっているだけ……」
もう、精神が壊れそうだった。
体が聖を求めている。
私にとって一番隠したかったその事実を突きつけられただけでなく、その裏側にある無意識の領域に至るまで、
聖によって残らず見透かされてしまった。
最後の依り所である私の心の柱に、大きな亀裂が広がってゆく。
「ほら……もう我慢することはない……」
優しい言葉が私を包む。
「今、キミの体が求める言葉を口にすればいい……それだけの簡単なことだ……」
あまりにも甘美で魅惑的な悪魔の囁き。
それに従えば私は私でなくなる。
体はそれに追従する事を望んだが……
ほんのわずかに残った理性は……
「もう……やめて……お願い……ぃ……」
最後の最後で拒絶の意思を示した……
311天気屋@聖(♂)×往穂8:02/11/17 00:19 ID:XaHTXwfg
聖の表情が消えた。
視線は私の目を見つめたまま固まり、何を考えているのかすらわからない。
二人の間に沈黙が走る。
「く……くくく……」
その静寂を破ったのは、聖の噛み殺すような笑い声だった。
「ふふふふ……はははははっ……」
さっきまでの驚愕の表情とは打って変わって、愉快そのものといった表情で笑う聖。
「凄いな……キミのような強い子は見たことがない……」
そして聖は、私に唇を重ねてきた。
舌を絡めないフレンチキス。
「……覚悟はいいな……」
聖がその言葉を言うが早いか、
「ひうぅぅぅぅぅぅぅっ!」
私の膣に、一気に三本の指が侵入してきた。
あまりにも突然のことに心の準備ができてなかった私は、思わず悲鳴にも似た嬌声をあげた。
さんざん焦らされて感度が最大になった体を電流が走り、思考回路は完全に焼きついた。
理性など欠片ほども残っていない。
頭の中はもう、卑猥な単語だけで満ち溢れていた。
「ああぁぁ……くうぅっ!ひいぃぃぃっ!」
私の中で動かずに止まっていた指の感触を味わっていると、突然指に強烈な振動が加えられた。
鉤状に曲げられた指が、ぐちゃぐちゃ音をたてて膣を跳ね回る。
あまりの激しさにに身をよじって激しく転げようとするが、私の両手の手錠がそれを許さなかった。
それによって体外に逃げようとした快感は外に出ることができず、私の体に逆流してくる。
混沌として激しく渦を巻いた私の感情は、もう制御しようと思っても無理だった。
312天気屋:02/11/17 00:23 ID:XaHTXwfg
というワケで週末拡大枠第三弾。
予告すると、明日には長編完了します。
いやあ、長かった長かった。
もはや反転どころかAirSSである必要ですらないような気もしてきましたが。(w

>>44
プラトニック寸止めバンザーイ。
そっちはそっちで生殺しで、見ててキツいです。(w
313鬼神楽 〜反転耕一・痕〜:02/11/17 02:55 ID:c3sp7GHI
「朝ぁぁぁぁっ!」

 その日、目覚めは最悪だった。
 喉はからからに乾き、起きがけだと言うのに動悸が激しい。吐き気もする。
「これ……は……」
 苦しみ、床に這いつくばり、悶える夢。自分の精神の奥底から、響いて来る
声と衝動に、暗闇で耐え続ける自分の姿。
 でも、その夢の中で、“自分”は“私”じゃなかった。
 ただ、私も、同じ思いをしたことがある。
 思春期の入りはじめ……そう、初潮を迎えた頃。私と、本来いるはずのない
“あいつ”とが混在したため、身体の調律がくずれて、激しく苦しんだ。
 だが、私の場合、“あいつ”には毒が少な………………いと言うことはない
が、積極性がないので大したことはなかった。
 しかし、もし、これが……私……じゃないのだとしたら……

「耕一さん?」
 びくっ!
 仰向けに突っ伏していた、背後から声をかけられて、私は我に返る。
「あ、ち、千鶴……さん?」
 布団から起き上がると、客間の障子を開けて、そこに千鶴さんが立っていた。
「どうか……なさったんですか?」
 千鶴さんが、小首をかしげるような仕種で、私をのぞきこむ。
「い、いえ……別に、どうってことないです、あはは……」
 笑ってごまかす、私。
 どうやら、千鶴さんはまだこのことに気がついてないみたいだ。

 でも……待てよ?
 だとしたら、アレは……いったい、誰だ?
 親父がいない今、柏木家に直系の男はいないはずだ。
 だとすれば、あの夢の“主”は…………
314313:02/11/17 02:56 ID:c3sp7GHI
 なんでこんなことになったんだろう?
 最初は、確か、朝飯の話だったはずだ。
 その後、千鶴さんのダイエットの話になったんだっけか。
「梓、貴女だって今に解るんだから、部活をやめて、身体を動かさなくなると
……」
「はぁ……でも千鶴さん、私、3食食べてますけど、あんまり太りませんよ
?」
 私だって一応、女だ、梓のような手の込んだものは無理としても、手間がか
かるから朝食抜き、なんてのはさすがにプライドに障る。
 しかし、これを思わず言ってしまったのが間違いだった。
「確かに太ってないよな、耕一は」
 梓が、感心したように言う。
「脂肪の燃焼率がいいんだろうな」
 私は別に、気負うわけでもなくそう言った。
 ところが、梓は、急ににやっと、中年親父のようなニヤけ顔になって、こと
もあろうに、
「そのかわり、つくべきところにもほとんどつかなかったみたいだけどな」
「? なんのことだよ?」
「胸だよ、ムネ」
 この瞬間、千鶴さんの眼の色がかわったことを、私は見逃すべきじゃなかっ
た。
「なんだ、そんなことか、つまらん」
「つまらんって、アンタ……」
 私は素っ気無くそういって、味噌汁をすする。梓はつまらなそうな表情にな
った。
「この前も言ったが、私は全然気にしてないからな」
「本当かぁ?」
 ますます、怪訝そうに聞いて来る梓。
315314:02/11/17 02:57 ID:c3sp7GHI
「本当だよ、それに、私の行動パターンは基本的に、男、だからな。あの馬鹿
親父のおかげで……だから、むしろでかくならなくてよかったよ。梓みたいな
デカイのがついてたら、邪魔でしゃーない」
 私はそういって、梓のデカいモノを箸の先で突く。負け惜しみに聞こえない
こともないかも知れんが、思ったまま実のところだ。
 てっきり梓も、そう言う反応をするかと思ったのだが、
「な、なに馬鹿なこと言ってんだよっ!」
 と、自分の胸を手で隠すようにして、噛み付いてきた。
 甘い。その程度で顔を真っ赤にしちまうような奴が、百戦錬磨の都内大学生
に絡もうとは、10年早い。
「そうですよねっ! 大きくたって邪魔なだけですよねっ!」
 不意に千鶴さんが、急に身を乗り出してきた。
「? な、なんですか、千鶴さん?」
 私は少し驚いて、お椀をもったまま仰け反ってしまう。
「千鶴姉は耕一とは根本的に事情が違うと思うけどねぇ?」
 梓が呆れたような顔で言う。
「そんなことありませんっ! 耕一さんはともかく、梓程大きかったら、邪魔
なだけで……」
「千鶴姉」
「なによっ?」
「本音がでてたぞ。『耕一さんはともかく』」
 梓に指摘されて、手で口を押さえて、真っ赤になる千鶴さん。
「す、すいませんっ、耕一さんっ」
「いいですよ、別に気にしてないですから……」
 私は困ったように笑った。
「耕一のほうが、千鶴姉より人間ができてるみたいだな」
「あ、梓ぁっ!」
 まったく、この2人は放っとくと胸だけで1日コントできそうだな……
316315:02/11/17 02:57 ID:c3sp7GHI
 …………
 再び味噌汁に口をつけようとして、ふ、と視線に気がついてそちらを向くと、
初音ちゃんが私の方を――性格には私の胸元を、凝視している。
「…………初音ちゃん?」
 私のこの声には気がつかなかったのか、初音ちゃんはなにやらぼそぼそと…

「勝ってる……よね?」
「初音ちゃん!?」
 今度は少し、声を張り上げる。
「え? あ、こ、耕一お兄……お姉ちゃん? な、ななな、なに?」
 初音ちゃんはどもりながら、あわてて姿勢を正した。
 まったく……この家では胸の話は鬼門か。鬼だけにな。なんつって。
 …………笑えるかばかやろー

 その後、登校間際の楓ちゃんにも胸元を丹念に弄られたりして、そうとう凹
んだ私だったが、1つだけ確信した。
 私以外の人間は、まだこのことに気がついていない。
 とすれば…………
 むぅ、千鶴さんはただでさえ仕事のある身だし、梓たちにも変な苦労はかけ
たくない……それに、楓ちゃんや初音ちゃんでは、下手に危険に晒すだけにな
ることだろう。
 とりあえず私が、今一番フリーなんだし、それに……“自分”で言うのもな
んだが、“あいつ”の能力にも、けっこう自信があったりするし……
「よしっ、決めたっ」
 自室に使っている客間で、私はとりあえず、1人でこのあたりを調べてみよ
うと、財布をもって立ち上がった。
317313 - 316:02/11/17 03:00 ID:c3sp7GHI
うぃ。結局投下してしまいました。
 というわけで、なんだかようやく、という感じですが、「痕」本編のはじま
りの部分をコンパチさせてみました。
 千鶴シナリオベースで、梓編を途中で分岐させようかな、などと思うてます。
 多分に予定は未定ですが……

 さぁ、久々に回線吊って首切ってきます。
318名無しさんだよもん:02/11/17 04:05 ID:upVV+4N9
おかえりなさいませー。o(_ _)o
319天気屋天気屋@聖(♂)×往穂ラスト:02/11/17 17:05 ID:4qTckntV
「ああっ……ダメっ……もうダメぇぇぇっ!」
砂浜から潮が一気に引くのを感じた。
津波の予兆。
「イキそうなのか?」
獣のような絶叫をあげながら私は頷く。
「ダメっ!ダメっ!ダメっ!あっ……ああああああっ!」
そして全身が震え出したその時だった。
突然、波が砕けた。
さっきまで激しく私のことを掻き回していた聖の指が、何の予告もなく外へ引き抜かれたのだ。
「あぁっ……?ううぅぅぅぅ……」
一番大事なところでお預けを食った私の子宮は、今まで体験したこともないような激しい疼きを訴えていた。
聖のせいですっかり緩んでしまった膣は、だらだらとだらしなく粘液を垂れ流しながらヒクヒクと蠢いている。
「どうして……ぇ……」
思わずそう呟いた私の唇に、聖は唇を重ねる。
もう何度目のキスだろう。
でも脳髄をとろけさせるような口づけも、もはや絶頂に飢えた私の体の前には無意味だった。
舌を絡めれば絡めるほど、どんどん疼きがひどくなってゆく。
「んふっ!」
唇を重ねたまま、聖は再び私の中に指を突き入れた。
「ふっ……んぅっ、んっ、んんんんんっ……」
口を塞がれて満足に声をあげることができないのに、指は容赦なく私をえぐる。
私の意思に反して、膣が少しずつ収縮を始めた。
来る。
さっき途中で止められただけに、次の波が来るのもぐんと早かった。
私はもう一度、その波に身を任せようと歯を食いしばった。
すぐ直後に絶望の淵に叩き落されることなど、想像だにしないまま……
320天気屋天気屋@聖(♂)×往穂ラスト:02/11/17 17:05 ID:4qTckntV
どれだけの時間が過ぎたのだろう。
そんなことなど考える余裕など、もう今の私にはなかった。
私の中に確かに存在するものは、両手首を拘束している二本の手錠と、聖によって与えられる快楽という名の地獄だけだった。
指で、舌で、あらゆる手段で私のことを責め立てる聖。
しかし絶頂に達しようとするその度に、愛撫をぴたりと止めるのだ。
指で膣をいじっては止め、口でクリトリスを吸っては止め、お尻の穴をいじり回しては止め……
何度も何度も繰り返される寸止めに、心も体もねじ切られてしまいそうだった。
一体何をすれば、聖はこの拷問を止めてくれるのだろう……
「……イキたいか?」
不意に聖はそう問い掛けてきた。
私は無言で頷く。
「だったら、な……わかるだろう?」
ようやく私は聖の策略に気付いたが、もう遅かった。
理性らしきものは、寸止めの繰り返しで既に瓦解してしまっている。
「聖……お願いぃぃ……なんでもするから、わたしをイカせてぇ……」
もう恥の外聞もない。
今の私はただの肉欲の塊……発情したメスそのものだった。
だが聖は、そんな私すら容赦なく追い詰めてきた。
「何を虫のいい事を言っている。ここまで来て今更、その程度でキミの言うことを素直に聞けるとでも?」
ひっ、と息を呑む。
「お願い……しますぅ……私のおま●こをメチャクチャにしてくださいぃぃっ……」
はしたなく媚びる私を見て、聖はニヤリと笑った。
そして口を耳に寄せ、
「だったらこのぐらいしてもらわないとな……」
と耳打ちをした。
だがそれは、女に言わせるにはあまりにも残酷すぎる言葉だった。
321天気屋@聖(♂)×往穂ラスト:02/11/17 17:06 ID:4qTckntV
「言えないぃ……そんなこと言えないぃっ……」
何もかもが壊れてしまった私の何が、その台詞を言うことをそんなに拒んだのかわからない。
ただ、ほとんど無意識の私がそう言ってしまうほど、情け容赦のない言葉だったのは間違いなかった。
「言わないなら言わないで僕は構わないが……ずっとこれを繰り返すだけだからな。」
私の全身が震え出す。
心も体も完全に限界を超えてしまった私に、その追い討ちは完全なとどめとなった。
聖は優しく私の頭を撫で、悪魔のように優しく微笑みながら私の目を見つめている。
「ほら、もう虚勢を張るのはやめて……言えるはずだな……?」
……何かが弾け、飛び散った。


ゆ……往穂は……

男に虐められ……蔑まれることをこの上なく悦ぶ……変態な……牝犬……です……

何もしないでも……濡れて……緩んでしまうような……恥知らずな穴でよろしければ……

どうぞ……壊れて使えなくなるまで……お好きなだけ……

犯して……ください……


322天気屋@聖(♂)×往穂ラスト:02/11/17 17:07 ID:4qTckntV
身も心も聖に完全に屈服させられた私にはもう、屈辱感や痛みというものは存在しなかった。

あるのはただ、体の中を跳ね回る、今までのそれとは比べ物にならないほどの快感だけ。

聖の腰が私の腰を打ち据えると、爪先から頭のてっぺんまで体の隅々に電流が走る。

そしてエクスタシーを感じさせられる度に意識が飛び、また聖のピストンによって意識を覚まされる。

それを延々とそれを繰り返しながら、夜はどんどん更けてゆく……
323317:02/11/17 17:07 ID:c3sp7GHI
 ∧||∧
(  ⌒ ヽ1本逝っとく?
 ∪  ノ
  ∪∪
324天気屋@聖(♂)×往穂ラスト:02/11/17 17:08 ID:4qTckntV
「ああっ……あっ、はぁぁぁぁっ……!」
汗と唾と愛液と精液でどろどろになった私のアソコが卑猥な音を立てる。
それをいじっているのは聖ではない。私の指だ。
聖にさんざん突かれて粘膜が擦り切れてしまっているのはわかっていたが、それでも手は止まらなかった。
快感が痛みを完全に麻痺させてしまっているのだ。
「ほらぁ、ひじりぃ……ぐちゅぐちゅいってるでしょぉ……?わたしのおま●こぉ……」
四つん這いになって尻を高々と上げた私は、膣に指を四本も突っ込み、懸命に自慰に励んでいた。
聖はただニヤニヤ笑いながら、その様子をじっと眺めている。
いやらしい視線を意識する度に、私の指の動きはどんどん早くなってゆく。
「あんっ……そんなにみちゃだめぇ……はずかし……んんっ……!」
私の腰がびくびくと小刻みに震え出した。
何度となく経験してきた、絶頂の予兆。
「あっ、だめっ……そんなっ、だめっ、あっ、ああっ、あああああああっ!」
強いエクスタシーに一瞬頭が真っ白になったが、聖のキスによってすぐに意識は覚醒させられた。
自分から積極的に舌を絡め、ぴちゃぴちゃと音を立てて唾液をすする。
その一方で私は、勃起したまま一向に萎えようとしない聖の竿を手でしごいていた。
こちらも、いろんな体液がまとわりついてべとべとになってしまっている。
「ねぇ、ごほうび……ごほうびちょうだいぃ……」
好きなだけ突いてやるから、自分の目の前でオナニーをしろ。
これが聖が私にした命令だった。
「はいはい、よくできました……わかったから早く指で広げろ。」
そして、膣を貫く熱い感触。
むせ返るほど粘着質な雄と牝の匂いの中、狂った夜はまだ終わらない……

「んんっ……のませてっていったのにぃ……ばかぁ……」

...to be continued?
325天気屋:02/11/17 17:11 ID:4qTckntV
というワケで長編エロSS、ようやく完結でつ。
途中コテハンのコピペミスで「天気屋天気屋」になりましたが、
なんとなくそれが「さいたまさいたま」っぽいななどと思ったり。(w

さーて、次は何やろーかなっと。
ちなみに奏陵辱も試しにやってみましたが、書いてて凄ぇ痛々しいくなりました。
いやぁ、本格的な陵辱をねちねちやると、精神的にキツいです。
326ある種今こそ復讐の時!!44:02/11/17 19:56 ID:EQUmjjKC
二月二十七日。
明日は音楽祭があるというのに―――何故か、英二さんがここにいた。
勇輝や理奈ちゃんも放っといて、この人は何をしているんだろう……
訪ねて来てから数時間。お互い何を喋るでもなく、ただぼぉっとしている。

―――二箇月程前、私は英二さんに告白された。
勇輝のクリスマスライブの日、英二さんに車で送られた時、何故か電話ボックス
の隣で。

私は、答える事も出来ないまま、英二さんを避け続けた―――

「……食べますか」
「正直、実は本当に絶対いらんなぁ」
冷蔵庫に入れておいたクレープを出すと、即効拒否された。
もしかして、余裕無いのかな……なんか、火のついてない煙草をくるくる回して
いるし。居心地の悪い空間を自分が作っている、と痛感した。
その時だった。

ぷりょりょりょりょりょ。ぷりょりょりょりょりょ。
―――電話だ。出ようとしたその時。
「―――ぁ」
後ろから、抱き締められた。英二さんらしからぬ強引さで。
「英二……さん……」
英二さんの身体が、震えていた。電話は、鳴り続ける。
「―――出ないで」
掠れる様な、小さな声。私を抱く力が、また強くなる。
……私は―――私は―――

A:「藤井でございマース♪」とめっちゃ明るく電話に出た。
B:無言で、抱き締める英二さんの手を、握り返した。
327名無しさんだよもん:02/11/17 20:00 ID:qj3P7qvE
328完結ご苦労様でした44:02/11/17 20:03 ID:EQUmjjKC
確かに陵辱系は続けると精神衛生上アレですよね……
聖女王……いや、えーと……キングバンザーイ。
正直マジ怖かったです。壊れてく過程が。最高です。
ねちねちねちねち……いやもうホント。お疲れ様でした。
さて次は……?
329スンマセン44:02/11/17 20:06 ID:EQUmjjKC
アレ……一発ギャグです……AともかくB行くとエロ突入となるじゃないですか。
スイマセン誤解させて。逝って来ます……吊って来ます……
330名無しさんだよもん:02/11/18 01:24 ID:1Q/FJ+me
 もう家まですぐの所まで帰って来て、ふと燈人の事を思い出した。
 その日、燈人はなぜだか来なかった。
 さては風邪でもひいたか。
「……」
 なんか物足りなかった。
 いつも側にいるやつが急にいなくなると、なんだか妙に寂しくなる。
 ホームルームの後で先生に聞いたら、やっぱり風邪だったという。
 あいつんち、ウチと同じで共働きだから、きっと今頃ひとりで退屈してるはず。
 …よし。ちょっと寄ってあげよう。もし寝てたら帰ればいいし。
 私は、燈人の家へと向かった。

 燈人の家は、私の家からもう少し行って道を曲がった所にある。
 こんなに近所なのに、燈人の家なんて滅多に来なかった。本当に久しぶりだ。
 …と、こんなことを懐かしんでいても時間のムダ。
「…お〜い、あきとぉ〜」
 起こしちゃ可哀相なので、二階の燈人の部屋に向かって、ちょっと小声で呼んでみる。
「…………」
 返事なし。
 なんだ、寝てるんだ。
 そう思って、燈人の家に背中を向けたとき。
331名無しさんだよもん:02/11/18 01:26 ID:1Q/FJ+me
「…浩子ちゃん?」
 くぐもった声。
 からからから…と窓が開き、燈人が窓から身を乗り出した。
「おっす、燈人」
「…どうしたの?」
「あんたの様子を見に来たの」
「あ、ちょっと待って…」
 
 かちゃり。玄関の扉が開く。
 扉を開けると、淡いベージュのパジャマ姿の燈人が立っていた。
 白いマフラーを羽織っている。
「なんだ、寝てたの?」
「…うん」
「ごめんね、起こしちゃって」
「いいよ、べつに。来てくれて嬉しいから。待ってて、いま着替え…ごほごほっ!」
「あーあー、無理しないで。私は構わないから、燈人は早くベッドで横になってよ」
「でも…」
「いいからいいから。おじゃましまーす」
 そこはそこ、勝手知ったる燈人の家。
 私は靴を脱いで図々しく家に上がると、燈人の肩を押して二階の部屋へと連れて行く。
 そして燈人をベッドに寝かすと、私は椅子に座った。
332名無しさんだよもん:02/11/18 01:27 ID:1Q/FJ+me
「ゴメンね…」
「なにが?」
「…わざわざ、来てくれたのに…」
「わざわざって、すぐ近くじゃない」
 今にも泣き出しそうな燈人に、私は微笑んで言った。
「それに、このくらいで感謝されたらいちいち身が持たないの。
 いったい私は何回燈人にお礼を言わなきゃならないの?」
「浩子ちゃん…」
 熱があるのか、燈人の瞳はわずかに潤んで見えた。
「で、なに?風邪なの?」
「…うん。昨日からちょっと…」
「まったく、しょーがないなぁ、燈人は」
「……」
 燈人はくすっと笑った。
「なによ?」
「…それ、口癖だよね」
「え?そ、そう?」
「うん」
 しょーがないなぁ、か。
 うん、なるほど。そういやそうかも。
 さすが燈人。しっかり見てる。
333名無しさんだよもん:02/11/18 01:28 ID:1Q/FJ+me
「で、熱はどうなの?まだある?」
 そう言って私は燈人の額に手を当てた。
 ちょびっとだけ、熱いような気がする。
「少し…熱、あるかな」
「…うん、今はちょっとあるみたい」
「しっかり寝てないと治んないよ」
「うん」
 額から手を離し、乱れた前髪を戻すように手で撫で上げた。
「ねえ、お腹減ってない?」
「うん、まだ減ってない」
「薬、ちゃんと飲んだ?」
「うん、さっき飲んだ」
「じゃあ、何かしてほしいことは?」
「…ずっと、そうしてて」
「……」
「……」
「…ばーか」
 私は窓の方を向いて言った。
「いる間だけだからね」
「うん」
「…ったく、しょーがないなぁ」
 ……しまった。
 燈人のほうをちらりと見ると、やっぱり目を細めてくすくすと微笑んでいた。
334名無しさんだよもん:02/11/18 01:28 ID:1Q/FJ+me
「…僕、その口癖言うときの浩子ちゃんの目、好きだよ」
「な、なによ、突然」
「すごく、優しい目だから」
「ちょ、ちょっと、熱でもあるんじゃないの?」
「うん、少し」
「あ、そっか…」
 また燈人はくすくすと笑った。
 私の手は、燈人の髪を撫で続けている。
 燈人は、うっとりと目を細めて幸せそうな顔をしている。
「……」
「……」
 普通、逆よね…

 それからしばらくの間、私たちは適当な話をして、適当に盛り上がった。
 昔話だったり、学校の話だったり、友達の話だったり、何でも話した。
 燈人と一緒に話していると、それこそ何でも落ち着いて話せるような気がした。

 ひと息ついて、燈人が言った。
「…でも、浩子ちゃんが来てくれるとは思わなかった」
「なんで?」
「…だって、最近は、めったに僕の家に来ないし…」
「特に用事もないしね」
「…来づらくなっちゃったのかなぁって……そう、思ってた」
335名無しさんだよもん:02/11/18 01:29 ID:1Q/FJ+me
「…来づらい?」
「…うん」
「…そうかもね」
「…でも、今日は来てくれたよね」
「…うん」
「…なんで?」
「…気になったから」
「……」
「いつも隣にいるやつがいなくなると、気になるのよ」
「……」
「…だから、早く治して学校に来なさい」
「…わかった」

 …そうだ。今、言ってしまおう。

「ねえ、燈人」
「ん?」
「あのさ」
「…うん」
「……」
「……」
「いつも…ありがとね」
「……」
「……」
「浩子ちゃん…」
336名無しさんだよもん:02/11/18 01:30 ID:1Q/FJ+me

 やっと言えた。
 いつも言いたくて言いたくて、結局言えなかったこの言葉。
 今日だけは、この部屋を満たした燈人の空気のお陰かはわからないけど、はっきりと言えた。
 西日がそっと射しこんで、オレンジ色になった燈人の部屋。
 燈人と私。
 ただの幼なじみだった二人。
 友達じゃなくて、だけど、恋人じゃないふたり。
 手を伸ばしたらすぐに届くのに、それでも私たちは、その一歩を踏み出そうとしなかった。
 いつまでも…変わらない二人でいようと願えば、それは永遠に叶う。
 だけど…

「燈人…」
「浩子ちゃん…」
 私が唇を寄せると、燈人は自然とまぶたを閉じた。
 そして――

 初めて、燈人とキスをした。
 
「浩子ちゃん」
「…うん?」
「風邪、うつるよ」
「…ばーか」
 こつん。
337元380:02/11/18 01:31 ID:1Q/FJ+me
 吊 っ て 切 っ て き ま す 
338萌虚仮 ◆VDVqNOfj.c :02/11/18 01:56 ID:zNitzioO
>>337
激しく萌えました。
ここんとこ多忙でこのスレ宛には何もできないってのが歯痒いだす。
339名無しさんだよもん:02/11/18 09:40 ID:F/lnusE0
原作と殆ど同じ奴は久しぶりだな。
昔はこんなのが大量にあふれてたワケだが、なんか今見ると新鮮だな
340天気屋@レナード暴走:02/11/18 18:56 ID:YdsSrw8t
机の上に突っ伏して寝て起きてを繰り返しているうちに、いつのまにか放課後になっていた。
別段やることもない私は、燈人と保志を連れ立ってヤックにでも行こうと、廊下をぶらつきながら二人のことを探していた。
校舎の中で見つからないので、靴を履いて中庭に出ると、妙に剣道場の方が騒々しいのに気付いた。
するといきなり、たくさんの生徒が悲鳴をあげながら、こちらの方に大わらわで逃げてきた。
「あ、保志。」
私は、走ってこっちに逃げてきていた保志を捕まえて、何が起こったのか聞き出そうとした。
「随分騒がしいけど、何かあったの?」
「れ、れ、れ……」
掃除が好きなドングリ眼のおじさん?とボケようとしたが、私はその言葉を飲みこんだ。
息があがっていて満足に言葉を続けることができないが、保志の顔は明らかに真剣そのものだった。
「れ?」
「レナードがイカれた……」
「は?」
「け、剣道部の顧問が部員に日本刀見せてて、レナードがそれを手に取った途端……」
とまで言いかけて保志は、いきなり何も言わずに向こうへと走って逃げていった。
「ちょ、保志?保志ったら!」
「ウフフフフフフ……」
背後で不気味な笑い声。
振り向いて見るとそこには、抜き身の日本刀を手にした、剣道着姿のレナードがいた。
金髪碧眼に日本刀という、ある非常に意味マニア受けしそうないでたちだったけども、
さすがにその目を見たら萌え萌えなどと言っていられる余裕などないことに気付いた。
何かトランス状態に入ったみたいで、あきらかに正気を失っている。
「れ、レナード……?」
「フフフ……今宵の虎徹は血に飢えておるワ……」
……し、志村けんの時代劇コントの見すぎじゃ……
341天気屋@レナード暴走:02/11/18 18:57 ID:YdsSrw8t
ふと周りを見渡す。
生徒も先生も遠巻きに私達のことをじっと見守っているが、誰も助けてくれそうな気配はない。
その中には剣道部員の姿もちらほらと見えた。
えっと、みなさん、突然ですが「剣道三倍段」って言葉知ってますか?
剣道と他の素手の武道との実力の開きを言い現した言葉で、例えば剣道初段の人間に勝つためには、
一般に空手三段、柔道三段クラスの腕前がいるというわけです。
今私の目の前にいるレナード宮内君、私の記憶が確かなら剣道二段の腕の持ち主。
で、私ですか?
エクストリーム同好会についこないだ入ったばかり。
それ以前の格闘技経験は一切なし。
では、三択 ― ひとつだけ選びなさい。

A.美人の浩子ちゃんは突如反撃のアイデアがひらめく。

B.仲間(葵くんとか坂下とか)が来て助けてくれる。

C.かわせない。現実は非情である。

ほとんど人を殴ったことのない私に反撃のアイデアなど出てくるわけもなく。
で、何度あたりを見回しても誰も助けにきてくれる気配はない。
そりゃ剣道の心得のある人間が気が狂ったみたいに刀振り回してるんだから怖いのはわかるけども、
うら若き乙女が生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされてるんだから、誰かどーにかしなさいってば!
「一つ、士道不覚悟切腹ヨ……」
それゲーム違う。
ってかCなの!?やっぱ私にはCしかないの!?
342天気屋@レナード暴走:02/11/18 18:58 ID:YdsSrw8t
ええい、こうなったらヤケクソ!
時代劇好きの外人相手にはこれがきっと通用するはず!
いや、通用させなくても通用させる!
「あっ!向こうに三船敏郎が歩いてる!」
といって私はレナードの背後を指差す。
「really!?」
ホントか!?と叫んだレナードは、嬉々として後ろを振り向いた。
さすが黒澤映画の看板役者、効果は抜群。
これが萬屋錦之介や高橋英樹じゃこう上手くいったかどうか。
で、最後に一ついい事を教えてあげるわ、レナード。
三船敏郎はとっくの昔に死んでるのよ……そして、わかった時にはもう遅い。
「キエェェェェェェッ!」
三角飛びをする直前の若島津くんのような怪鳥音をあげて、私は後頭部に思いきり飛び蹴りを食らわせた。
前のめりに倒れたレナードは、そのままピクリとも動かなくなってしまった。

そのままレナードは保健室に運び込まれ、しばらくして目を覚ました。
けどどうやらに刀を振り回していた時のことは覚えてないらしく、自分が何故ここにいるのかしきりに不思議がっていた。
とにかく、美人の浩子ちゃんに突如ひらめいた反撃のアイデアによって、嵐は去っていったのであります。

ただ、あの事件のせいで私に暴力女というイメージが定着してしまったらしく……

「よっ、グラップラー藤田。」
「やかましい!」

事有るごとにグラップラーというあだ名で呼ばれるようになってしまいました。
ちゃんちゃん。
343天気屋@レナード暴走:02/11/18 19:01 ID:YdsSrw8t
元380氏を見習って原作準拠でやろうとしましたが、
内容うろ覚えだったので自分で勝手に色々アレンジつけてるうち、なんだかよくわからんものになってしまいました。
さー、吊ってきますか。

っと、吊る前に予告しまする。
近いうち、「往穂ちゃんで遊ぼう(仮題)」の、選択肢からの分岐をやろうと思います。
お楽しみあれ。
344名無しさんだよもん:02/11/18 19:48 ID:F/lnusE0
>>341のネタ回しがナカナカ
345名無しさんだよもん:02/11/18 22:16 ID:c4mAkqYb
>天気屋氏
激しく笑わせていただきました。


ところでふと思ったんだけど、反転うたわれが原作準拠だと、
男トウカが女オボロをボコる(しかもマウントで)ことになるのか…?

ち と ヤ バ い 光 景 が 想 像 で き て し ま い ま し た

冗談抜きで腹かっさばきかねないな、男トウカ。
346パクリですスイマセン44:02/11/19 01:06 ID:K1FSmfil
B.仲間(葵くんとか坂下とか)が来て助けてくれる。

祈るような気持ちで、私はBを選んだ。
……私はあまりにも恐ろしくて、その場にへたり込んだ。
―――お願い、助けて……誰か……誰でもいいから……
涙で、視界が霞んで来た。私の人生、これでお終いなのかしら。思えば苦節十五
年ちょい。借金重ねて田舎に帰ったら村の人間の大半が整形手術をしていてあら
大変。しかもど辺境にも関わらず借金取りは追い掛けて来ておまけに十歳近く年
の離れた幼馴染は私好みになると言って外人になって……
走馬灯のように思い出が駆け巡ってくる。気配を感じて閉じた眼を開くと、そこ
には脚。赤い短パンと歳相応にちょい生えて来た太腿の裏の微妙な太さなの毛。
「―――あ、葵……くん……」
「……良かった……間に合って」
息の切れた声で、呟く。私の為に?―――思った瞬間、物凄い寒気と生ぬるい風。
「……………………」
横を向けば帽子にマントに本と黒魔道士だか学者だかタマネギ剣士だか判別の付
き難いフル装備の来栖川先輩。ちら、と私の方を見る。
「せん……ぱ……い」
先輩も、私の為に―――?
レナード・葵くん・先輩の全学年が出揃い、何故か三竦み状態に。
正直な話、某大作RPGで言わせて貰えば戦士・武道家・魔法使いの対決だ。
別の大作で言わせて貰えばナイト(アビリティみだれうち)・モンク(アビリティ
いあいぬき)・黒魔道士(アビリティれんぞくま)って所か。
―――やばい。つーか誰が勝っても確実に一人は死ぬ。
「や……やめてええええええ!!」
泣きながら絶叫する。だが、既に戦いは始まっていた。
347パクリですスイマセン44:02/11/19 01:07 ID:K1FSmfil
再び私が眼を瞑ったその時だった。
「……任せてください」
静かな、声。
「琴音……くん……」
絶望的な声で私が呟く。
―――ここで風水士(アビリティあおまほう)が現れてどうする。余計被害が広
がる上に死亡率もUPするだけだろうと私は思った。

―――かくなる上は―――
私は袖で眼を擦りながら立ち上がる。かまわない、どうなろうと―――私が後で
なんと言われようと―――

皆が、無事でいてくれるなら―――私は、ポケットの中に忍ばせていたあるもの
を取り出した。

私の決死の決断によって、また学校に平和が訪れました。
―――でも、それ以来私には変なイメージがついてしまい……

「よっ、魔獣使い」
「だまらっしゃい!!」

―――と、事あるごとにそう呼ばれる事となった私は―――
みねうちで攻撃した後、とんずらで即効逃げるのが日課となっていた。

―――すっぴんマスター藤田浩子の戦いは続く―――
34844:02/11/19 01:10 ID:K1FSmfil
スイマセンスイマセンスイマセン。
ホントにもうスイマセン。天気屋氏のネタで大爆笑して即効思い付きました。
もうホントすいません。
吊って来ます。もうホント逝って来ます。
英二ネタ選択肢Bやってみようか考えながら逝って来ます。
349名無しさんだよもん:02/11/19 01:17 ID:OjRfgYDE
>345
んむ。かっさばくだろうね。一文字かコの字型かはわからんけど。

ちなみに男ウルトは、子育てで培った父性愛を暴走させてハクオロ母さんを孕ませかねないし。
「ハクオロさん…私のフミルィルを、産んでください」 …怖っ(w
350名無しさんだよもん:02/11/19 11:19 ID:NCQCBiOA
>>348
狙いすぎてる感が滲み出てるね。
俺は普段のギャグの方が好きだから頑張ってね。
351狙い過ぎは良くないですねぇ44:02/11/19 18:21 ID:XfK/FEES
私も思います。
やはり全ジョブコンプリート7時間ぶっ続けでやると脳に良くない、というのが
よぉおおおぉぉぉおぉくわかりました。何考えてたんでしょう約18時間前の私。
352という訳で気を取り直して44:02/11/19 19:18 ID:XfK/FEES
A:「藤井でございマース♪」とめっちゃ明るく電話に出た。

英二さんが後ろでものっ凄い脱力しているのがわかる。だって、仕方ない。
―――私が今、誰を好きかなんて考えなくたってわかる。そして取るべき道も。

自分のプロデューサーに自分の恋人を取られたなんて、笑い話にもならない。
篠塚さんじゃないけれど、そんな下らない三文話で勇輝の将来を潰したくはない。
―――それが私の罪。勇輝を裏切った私への罰。だから。
だから、今この場ではっきり言う。
「勇輝―――私」
『すいません、太田と申しますが―――月島さんのお宅ですか?』
………………タイムリーな間違い電話。
「違います……」
かちょん、と電話を切った。英二さんが後ろで笑いを堪えているのがわかる……

「……逃げるんだ?俺からも、勇輝からも―――」
からかうような口調なのに、眼は笑っていない。
「はい……逃げます。私、こういう嫌な人間なんです」
精一杯、涙を堪えて、私は笑顔を見せる。見破られているんだろうなぁ。
「―――見損ないました?」
英二さんは親指と人差し指をくっつけるようにして、ちょっと、と表した。
「―――もう、ここには来ないで下さい」
しっしっ、となんかヤな感じで私は英二さんを追い出そうとする。苦笑しながら
どっこいしょ、と腰を上げる英二さん。
「ははは。最後まで歓迎はしてくれなかったな」
「そうですね。ホントは来て欲しくなかったですから」
最後まで―――英二さんは―――
……ごめんなさい。私に勇気が無くて。ごめんなさい。
「じゃあ、もう来ないよ」
そう、最後まで英二さんは軽く言ってくれた。
353という訳で気を取り直して44:02/11/19 19:19 ID:XfK/FEES
「……ごめんなさい……英二さん」
玄関先でへたり込んで、私は泣いてしまった。
勿論、英二さんの車が走り出す音を聞いてから。
「私……私……」
流れ落ちる涙を拭いもせず、私は泣きじゃくった。
誰もいないこの部屋で、私は伝えたかった言葉を紡いだ。

「私ぃ……わっ……私―――貴方の事……好きでした……」
ごめんなさい。返事もしないで、拒絶だけして。逃げ回って。
あの人がどれだけ傷付いたかもわかっていた筈なのに。
怒っても、詰っても良かったのに、最後まで軽く、笑ってくれた。
いつも、私を―――

「英二……さんっ……英二さん……」
私は逃げ出した。あの人からも、勇輝からも。

ぷりょりょりょりょりょ。ぷりょりょりょりょりょ。
―――電話だ。何故か条件反射で出てしまった。
そして、今度こそ間違いではなかった。
「勇輝―――?」
『あ―――ふゆ。あ……今、家から掛けてるんだ』
知ってる。だって、今までここに英二さんがいたんだもの。というか、何か落ち
着きが無い。いつもなら何だって話してくれるのに、今日は何か違う。
「……勇輝、何か隠してる?」
そう言った途端、勇輝は黙ってしまった。
―――やっぱり、なにかあったんだ。
「ごめん、ふゆ……」
唐突に、勇輝は言い出した。
354という訳で気を取り直して44:02/11/19 19:21 ID:XfK/FEES
「俺、今日弥生さんに―――『愛してる』って告白された……」
うっそ。いや、確かにあの人すっごい勇輝LOVE(英二さん談)だけど。
言いながら、勇輝は泣いていた。
「俺……寂しかったんだね、きっと……さっき、部屋まで送って貰った時に弥生
さんにそう言われて……キスしちゃって……どうかしてたんだ……ごめん」
……勇輝にそんな事言われる資格なんてない。私だって……
「でも、どうしてか弥生さんにキスされるのも、抱き締められるのも全然抵抗無
くて……」
完全に、勇輝は泣きじゃくっている。
「俺、もう判らないよ……自分でも何がしたいのか、何がいけない事なのか、ど
うしたらいいのか……」
……いや、私もわかんないよ。ってか、弥生さんって男っしょ!?
嫌じゃなかったんですか!?アンタそっちの属性だったんスか!?私の方こそど
うしたらいいのかわかりませんよ!!ホントにさぁ!!


―――悪夢は、まだ始まったばかりだった―――
355名無しさんだよもん:02/11/19 21:10 ID:VImt7Euu
>354
すまん、激ワラタ。
個人的にふゆ×勇輝×弥生で勇輝受けの変則3Pが見たいが需要ないだろうな、やっぱ。
356名無しさんだよもん:02/11/19 22:14 ID:+/kU58nv
>>352-354
…やられた。爆笑です。
反転弥生さんの名前が変わってない点を逆手に取るとは。
357名無しさんだよもん:02/11/19 23:13 ID:gBu/sb96
英二! あんたバカァ!?
なんで、退くのさぁ(シクシク

物凄い泥沼の世界に(笑
恋人をプロデューサに寝取られるアイドルも笑えないけど、
恋人を男のマネージャに寝取られるのもワラエナイ・・・

幸薄そうな(byバラエティ番組スタッフ)ふゆタン マンセー!(クスッ
358航海長:02/11/20 19:53 ID:OpN4kdRz
なんか沈みそうなのでage
359名無しさんだよもん:02/11/20 19:59 ID:bHq0wWdn
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360名無しさんだよもん:02/11/20 20:02 ID:cgLkdiqJ
関係無いけど天気屋氏の奏さんは某動物変身登場人物ほぼ親類関係漫画の鼠王子
ファンクラブ会長のようだ。
361名無しさんだよもん:02/11/20 22:17 ID:cEp2ylxp
 それは、ある日の出来事でした。

……ヒュン、チィン……
「ハクオロ様〜、お茶が入りましたよ〜。どこにいらっしゃるんですか〜?」
……シュシュッ、カンカン……
「出かけたのかな? でも、僕に何も言わずに出かけるのも変だし。」
……ブゥン、ガキィン……
「…それにしても、誰か剣の稽古をしているのかな? …あ、もしかして。」
 僕…エルルゥは庭に出ると、剣戟の音がする方へ向かいました。
 ハクオロ様のことです。気分転換に他人の稽古を眺めているというのは大いにありえます。
「…あ、いたいた。やっぱりそうだった。ハクオロ様〜。」
「ん?ああ、エルルゥ。丁度いい所に来たね、一緒に見ていかないか?」
 稽古の主はオボロさんとトウカさん。真剣な眼差しの二人が凄い気迫で打ち合ってます。
 …って、なんか真剣通り越して殺気がこもってませんか?
「あの…ハクオロ様。これ、本当に稽古なんですか?」
「うーん。初めのうちはもっとこう、和気あいあいとしていたんだけどねえ。」
 頭を掻くハクオロ様。その声を聞きつけたのか、二人が打ち合いを中断して叫びました。
「姉者が見てるんだ! 無様な格好を見せられるもんか!」
「左様! 稽古とは言え、聖上の前で負ける訳にはいかぬ!」
「…とまあ、こんな次第だ。」
 再び激しい打ち合いを始める二人を、ハクオロ様は呆れた風に笑いました。
「はあ…。でもいいんですか? 二人とも熱くなりすぎだと思いますけど?」
「まあ、大丈夫だろうね。それに怪我をしたらしたで、いい薬になる。」
 危機感の無いハクオロ様の言葉に今度は僕が呆れたその時、トウカさんの横薙ぎが一閃しました。
 オボロさんは紙一重で避けて無傷。…と思いきや、彼女の服の胸元に切れ目が走り、上着の前がめくれ落ちました。
 一瞬、世界が凍りつきました。
362名無しさんだよもん:02/11/20 22:19 ID:cEp2ylxp

「…!? キャアアァ!!」
 普段のオボロさんからは想像もつかない悲鳴。つまり、その、彼女の胸がほぼ丸見えになったわけでして…。
 …はい。僕の眼にしっかりと焼きつきましたとも、ええ。
「ふむ、剣技ではトウカのほうがまだ一枚上手か? しかし…。」
 …あの、ハクオロ様。今は感心している場合じゃ…。
「オ…オボロ殿、某、何も見てはおりませぬ! 貴殿の裸など少しも…!」
 剣を取り落とし、そっぽを向いて弁明する真っ赤な顔のトウカさん。…真正面にいたくせに。
「う…ううっ。なんて事するのさ…酷い…。」
 オボロさんは胸を両腕で抱え込むように隠してうずくまりました。…あ、泣いてます…ちょっと意外。
「あわわ…某としたことが…! と、とりあえずこれを…!」
 おろおろしながらトウカさんが自分の上衣をオボロさんにかけると、涙目の彼女がポツリと呟きました。
「こんな形で…あなたに素肌を見せたくはなかった…。」
「…え?」
 ポカンとした表情になるトウカさん。と、次の瞬間、オボロさんの必殺技が炸裂しました。
 …そういえば、オボロさん、まだ剣を手放してなかったっけ。

「ふふ…なんちゃって! こんな嘘泣きに引っ掛かるなんて、甘い甘い。」
「う…嘘泣き…? ぐう…某一生の不覚〜。」
 悔しそうな顔でのびてしまったトウカさんに、オボロさんはニヤリと笑ってみせました。
「やれやれ…。エルルゥ、トウカの手当てを頼む。」
「あ、はい。」
 僕はトウカさんの元に駆け寄りました。背後からはハクオロ様とオボロさんの会話が聞こえてきます。
「…ま、たとえ男に裸を見られたからって、別に全然平気だね。このアタシを舐めるなっての。」
「本当にそう考えてる? なら、あの時の恥ずかしがり方は全部芝居?」
「…姉者、何が言いたいのさ?」
「…なるほど、ね。まあいいでしょう、今の質問は忘れて。」
 ハクオロ様のくすくす笑いがそれに続きました。

 …ハクオロ様、何がそんなに可笑しかったんだろう…?
363361−362:02/11/20 22:23 ID:cEp2ylxp
以上、なんとなく思いついた反転うたわれでした。

極 め て ベ タ ネ タ な 話 で す が 何 か ?

…では吊ってきます。
364天気屋:02/11/20 22:37 ID:Yo5LQgKD
スイマセン、風邪ひいてクタヴァリかけてます。
しばらく休養します。失礼。
365さぼり屋”管理”者 ◆DY.JgAOy9c :02/11/21 00:26 ID:hZ3cAOuC
やっと4スレ目のSSのうpが完了しました。
相変わらずセンスの無いタイトルで申し訳ない。

さてと、久しぶりにSS書くか…反転クラナd(略


 ∧||∧
(  ⌒ ヽ  寝言は吊ってから言うとするか…
 ∪  ノ
  ∪∪
366名無しさんだよもん:02/11/21 09:17 ID:xvEuMVrX
>>364
風邪ですか…お大事に。
復帰するまで、こちらもスレを落とさないよう頑張りますので。

>>365
SSうpお疲れ様〜。
反転クラナd(略 はともかく、SS期待しちゃってもいいですか?
367名無しさんだよもん:02/11/21 16:47 ID:uubXWfna


人妻マニア必見!本物の人妻が顔出しで出演しているナマハメ撮りビデオがついに流
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368名無しさんだよもん:02/11/21 18:29 ID:cQq3auoP
>>361-363
ベタネタマンセー。
個人的には剣風でハクオロ母さんの裾がまくれるとかいうのも(吊)
―――鶴丸さんが狙われている。
夢の中の出来事で、私はそう感じた。
あの化物に。あの、なんかリーマンとかマッポはあっさり殺ったのにホモだけど
可愛い男子高生や性格キッツイけどかっこヨロシイ記者とかは持ち帰る化物に。
そりゃ私は女だ。鶴丸さんは夢ん中でやたら強かったけど。でも、でも、仏間で
の憔悴し切ったあの顔を見てから―――私は、あの人を守りたいと思った。
「―――っ」
そう思った時、障子に黒い影が映った。梓ほどとは行かないが、長身の男の人。
……鶴丸さんだ。直感的に思った。
しかし、何故か―――何故か私はそのまま寝たフリをしてしまった。何故かは、
本当にわからない。
暫く影は何をするでもなく佇んでいたが、やがて意を決したように、部屋に入っ
て来た。
薄目を開けて見ると、やはり鶴丸さん。暗くて、表情はわからないけど。
鶴丸さんは寝ている(フリをしている)私の枕元に座り、暫く私を見つめている
と、徐に掛け布を剥いだ。
そして―――え、え?
つ……鶴丸さんが……私に覆い被さって……キス……して、来た。
ただ触れるだけのキスだけど……そのまま何度も、離れては触れて、を何度も繰
り返して来た。そしてそのまま、シャツの中に手を……入れて……私、汗かいて
る……ブラも着けてない……
「い……ゃ」
そう呟いたと同時に、鶴丸さんが慄いた。

「……いや」
少し間を開けて、もう一度、私は呟いた。
鶴丸さんはとてもバツの悪そうな顔をして。
「いつから……気付いてました」
「……さ……最初……からです」
そう、正直に答えてしまった。
「……どうして、どうして……あの……」
ぅわやだやだやだ。勝手に涙出そうになってる。必要以上に私驚いてたんだ。
「っ……あ……」
真っ赤になってしまった鶴丸さん。両者思考停止してしまったようだ。
てか夜這い?夜這いなんですか!?あたふたし続ける私を、いつの間にか鶴丸さ
んは見た事も無いような……いやいやいや、さっき夢で見たようなおっかない、
冷徹な瞳で見ていた。
無機質で、何も映していないような、まるで氷のようだった。
けど……私には、そんな鶴丸さんが……ってか……てかさぁ、ずっと前から思っ
てたんですけど『鶴丸』ってなによ。
私の表情が歪む。鶴丸さんはその氷のような表情を少し曇らせた。
……絶対、今私が考えてる事言えない。絶対言えねー。
第一、初音、楓、梓。んで鶴丸。何さその差は。酷いわ。意味わかんないわ。意
味わかんないんだけど意味わかんないんだけど。ってヤバイ、この間見たお笑い
番組思い出しちゃったよ。『お久しブリーフ』って。やばいよ、なんでこんな状
況でこんなギャグで笑ってんだよ。かなり追い詰められているよ私。

……自らの記憶の中の笑いの渦に飲み込まれそうな私を、鶴丸さんはやっぱり冷
たい瞳で―――いや、プラス、哀しみのこもった瞳で見ていた。
鶴丸さんは、突然襲い掛かった『男』としての自分に心底脅え、震えていると思
ってるんだろうか。多分そうだろうなぁ……

「……鶴……丸、さん……」
私は気を取り直して、この―――初恋の人を見つめた。頭をよぎるのは、何故か
あの仏間の時の顔。私は……
「私は、貴方を……守りたい」
そう、口にした。
ちら、と鶴丸さんを見ると、なんかすっごいびっくりした顔になっていた。そこ
まで驚かんでもええやん。
私は恥ずかしさのあまり、鶴丸さんに抱きついた。
「……っ……はじめ、さんっ」
「―――きゃ……っ」
乱暴に、私は布団の上に押し倒される。さっきと同じ格好。私は鶴丸さんを抱き
締める。もう、なにもかもどうでもよかった。今、こうしてこの人といられれば。
「好き……好きです……」
それだけを、私は伝える。理屈なんかいらない。鶴丸さんが好きなの。好き。大
好き。鶴丸さんが。鶴丸さんが―――そういや鶴丸ってアレ、つる○カハゲ丸の
弟かなんかでいなかったっけ?―――

……またしても私は、余計な事を考えてしまった。
いや、実は私今この瞬間も好き、とか言ってますよ。本当に好きだし、嘘は無い。
それに鶴丸さんは私の服を脱がして、あちこち触ったりキスしたりしてますよ。
でも、それなのに嗚呼それなのに。思考は妙に別の方向に。
もしかしてアレか。おっかない夢とか今のこの状況とか、私現実逃避してるのか
な。実は私って、かなりデリケートだったのかしら……いや、マジデリケートな
ら『お久しブリーフ』で笑わんわな。
……あ、やだ。いきなり変な事思いついた。すっごいパクリだけど。題して、ダ
ンディはじめの痕ジョーク。鶴丸さんに呼ばれて〜―――ってアカン!戻れなく
なる!!
「だめぇっ!」
思わず声に出してしまう。酷く、心配そうな顔の鶴丸さんが、私の顔を覗き込む。
いやいやいや、違うんです鶴丸さん。もう言いません。だから、ほら、あの……

「つ……続き、して下さい……」
頭の中で未だ流れる痕ジョークと裸を、そして感じているのを見られる事への恥
じらいを隠し切れず(比率6:4)、私は思わずそんな事を口走った。
「……はじめさん……」
―――鶴丸さんは知らない。私がこんな事考えてるなんて。知られたら生きてい
けない。知られたくない―――

爽やかな朝。私は鶴丸さんの胸の中でそれを迎えた。
本当は、何か言わなければいけないような事があったような気がするんだけど。
―――今は、いい。愛しい人の胸の中でこうしていられるのなら―――
私は寝ている鶴丸さんにそっとキスすると、二度寝に入ったのだった。


爽やかな朝。私は病院のベッドでそれを迎えた。
「……なんでまた、道路で倒れて車に轢かれたのかしら?」
全身包帯ぐるぐるの柳川裕子。
柏木家に猛スピードで向かう途中に突如頭の中に流れた痕ジョーク。
―――お陰で彼女は道の真ん中で脱力。走って来たトラックに轢かれて今に至る
という訳で。
「……生きている方がおかしいわよねぇ」
ころころと笑いながら、長瀬は言うのだった。

「……柳川だけに、やながおしないで……ってか」
パクリの上にパクリやん、と裕子は虚脱感たっぷりの視線で呟いたのだった。
373山崎渉 ◆yGAhoNiShI :02/11/22 04:16 ID:BI9Fby8d
(^^)
374山崎渉 ◆yGAhoNiShI :02/11/22 04:18 ID:33zLGf+R
(^^)
375名無しさんだよもん:02/11/22 10:06 ID:v66Oi666
>>369
かなりキてるねこれは。オモロかったけど。
養生してください。
376名無しさんだよもん:02/11/22 21:37 ID:POaApiX6
保全age
377名無しさんだよもん:02/11/22 21:39 ID:POaApiX6
age
378名無しさんだよもん:02/11/22 21:44 ID:FUKxDCk1
なんだそれ
379ええ加減にせぇ44:02/11/22 23:30 ID:Gtbnokmr
ずるるるるるる。
寒風吹き荒ぶ中、ゆうと舞人と祐佐と三人でラーメンを食べていた。
屋台のラーメンというのは不思議なもので、妙に美味い。三人でいる事と、この
ラーメンの美味さと、ダブルで幸せを感じていた。

「……美味しかったですね」
「あははっ、そうですねぇ」
「……おいしかった」
三人で暗い道を歩きながら、そんな取り留めの無い会話をした。
―――季節はもう、変わろうとしていた。色々とあったけれど、祐佐も舞人も今、
卒業を目前に控えている。
もうすぐ、ゆうは二人と離れる事になってしまう。別にそれで疎遠になる、とか
そういうのではないけれど、今までのように校内ですれ違ったり、一緒にお弁当
を食べたり、久瀬奏と1on1で会ったらすげぇ勝ち誇った顔で中指おっ立てる
事も―――もう無くなる。

舞人が見も心も自由になったから、という訳でもないけど―――ここ最近、三人
で平日休日問わずに出掛ける事が多くなっていた。

「うわぁ、あったかい」
好奇心で、もうバスの来ないバス停の中に入った。戸を閉めると、意外と暖かい。
なんとなく、気分は遭難して見っけた山小屋だ。
「ね、二人とも……」
振り向いた時、祐佐さんは、やっぱり笑顔で謎のステッキを手にしていた。
舞人は、何故か日本刀を手に無表情でこっちを見ていた。
「―――ちょ……あ、あの……」
ああああああ、なんか変な振り付けとかして呪文唱えてるよおお。舞人もすっげ
ぇ構えてますよぉおおおぉ。
「だから……だから、あの、だからさぁ……」
380ええ加減にせぇ44:02/11/22 23:32 ID:Gtbnokmr
「同じネタはよせっちゅ―――ねん!!」
ぐゎばっ、とゆうは起き上がった。
が、そこは学校の冷たい床ではなかった。
水瀬家の、自分の部屋の自分のベッドの中。
―――こんな夢を見たのは、久し振りだ。
まぁ、いろいろあって決着が着いたのが数日前。んでもって目下あの二人は入院
中。大した事無いから(一人はともかく一人はどうだろう)すぐ退院する、とは
言ってたけど。

はぁ、と溜息をつく。
―――寒い。寂しい。
今のゆうは、そのふたつの思いが哀しいほど身に染みていた。
今日一日、二人共に会えなかった。
こんな事を思うのはアレだけど―――嫌だけど。正直、自分が二人を支えてた、
とか思っていた。けれど、本当は……

「……本当は、私があの二人に守られてたんだなぁ……」
口に出して言うと、余計恥ずかしい。
「……舞人……祐佐さん……」
恥ずかしいついでに、二人の名を呟いた。

―――好きだよ。二人とも大好き。ずっと、ずぅっと、三人でいようね。

流石に、コレは言えなかった。でもいい。約束したから。ずっと、一緒って。
そう思って一人にやけた時、カーテンの陰に影が見えた。
……もしかして。
ゆうは期待感を胸に、カーテンをしゃっと開いた。
381ええ加減にせぇ44:02/11/22 23:34 ID:Gtbnokmr
「………………」
「………………」
両者、沈黙。ガラス越しにゆうの眼の前にいたのは見知らぬオッサン。全身黒ず
くめで、見るからに―――

「きゃああああああっ!?」
「さ、騒ぐでねぇ!!」
がしゃん、と窓ガラスが割られ、強盗が侵入する。常識で考えれば、あの二人は
この家に来た事が無いのだ。なのにそれに気付かなかったのはひとえに今のゆう
がDREAM状態だったからだろう。
「や……むぐ」
床に叩きつけられ、口を塞がれる。痛みで眼の前が一瞬真っ暗になったが、すぐ
に部屋の隅っちょに置いてあった例の木刀に目が行く。
―――あれさえあればっ……そう思うが、訛りの強い強盗の力は強い。
そして、眼の前が真っ白になった。首を締められたのだ。
殺される……本気でそう思った。しかし、急に力が緩んだ。そして、ここ最近で
ゆうもその手の気配に敏感になったのか。恐ろしいほどの殺気を感じ、ドアの方
を見た。

「……何を、しているんですか……」
多分、強盗も同様だろうが、ゆうはその声を聞いただけで身震いした。
―――この家の主である、秋人がそこにいた。
「―――我が家に深夜押し入り、預からせて貰っている大事なゆうさんを殺めよ
うとするその行為―――許すわけには行きません」
ずる、と背中からバット―――しかも釘バットを出すと、秋人は電光石火の勢い
で名も無き強盗(多分東北系)に襲い掛かった。
382ええ加減にせぇ44:02/11/22 23:35 ID:Gtbnokmr
「うっ……うわああああああんっ!!」
ゆうは、秋人の胸の中で、恥も何も無く、泣き叫んだ。怖かった。姿の見えない
魔物と戦っていたのに、たった一人の人間によって、正気を失うほどの恐怖を味
わった。
「―――安心して下さい……もう、大丈夫ですから……」
泣き咽ぶ姪を強く強く抱きしめ、秋人はそう、何度も呟いた。
勿論、この家のもう一人の住人である雪弥は当然起きていない。強盗さんがどう
なったかは秋人以外知らない。

いつまでも脅えるゆうを抱き締めている内に、秋人に妙な感情が芽生える。
可哀想という気持ちと連動する、泣き止ませたい、なんとか安心させてあげたい、
という感情とは違う―――とっくの昔に、自ら封じた感情。

「―――ふっ……」
ゆうの口唇に、そっと自身の口唇を重ねる。短いキスが終わると、秋人は先程ま
での慈しむような抱擁から、少し乱暴なそれに変えた。
「あき……と……さん……?」
不思議がるゆうの呟き。だが秋人はそれに答える事なく、ゆうを抱き続けた。
「あきと……さん」
―――嫌ではなかった。寧ろ―――心地良かった。その強い力に応えるように、
ゆうは身を摺り寄せるのだった。


相沢ゆう、十七歳。クリア直前に秋人ルートに方向転換―――
38344:02/11/22 23:37 ID:Gtbnokmr
―――はい、今日も今日とてすいません。
なにやってんでしょうか自分。もうなにがなんだか……
……とりあえず、吊って来ます……
384名無しさんだよもん:02/11/23 00:41 ID:lONqCtHu
>>383
また無茶馬鹿ネタかと思いきや、落ちにワラタ。一日一作品ペース?
…つーか、あなた風邪の方は?とりあえずお大事に。


なんか最近、職人さんの書き込みばかりが目立ってないか?ここ。
ちょっとした感想やネタ振りも書き込んで欲しいところかと。
385元380:02/11/23 02:33 ID:Nll/cfjE
…と言われながら早速でアレなんですが、
諸用であと半月ほど執筆に当てる時間を割けません。(一応ROMはできるのですが。)
なので、しばらく休ませてください。ごめんなさい。
44さんや天気屋さん達の爪の垢を煎じて飲みたい気分です。

あと、祐子ちゃんが瑞樹シナリオで叶人くん(仮)に襲われるのはありでしょうか

回線吊って首切ってきます
386やたらハイです44:02/11/24 01:30 ID:Fa0Ob2N1
B:無言で、抱き締める英二さんの手を、握り返した。

ぽたぽたと、涙が手に落ちる。そして、英二さんの大きい手にも、それは伝った。
「はなして……ください」
私は、やっとの事で、そう呟いた。

―――勇輝、私決めたよ。もう、戻れない。私―――
心に浮かぶ勇輝の顔。笑顔。勇輝の、笑顔。
私の言葉に素直に英二さんは私を解放してくれた。
「……英二さん」
くるりとターンして英二さんの真正面に立つ。ターンの必要無かったけど。
……英二さんは、笑っていた。いつもと同じ、からかう様な読めない顔。
「―――え」
私は、初めて自分から英二さんに口付けた。頬が擦れ合う。流した涙が英二さん
の頬にも付いた。
そのまま英二さんの胸に顔を押し付けるように、抱き付いた。

「―――私、これが最後ですから」
戸惑うように私の背に手を回す。自然と、抱き合う形になる。英二さんは何も言
わずに、そのままの格好で私の言葉を待っているようだった。
「これが、最初で最後……です。勇輝を……勇輝を裏切って……そしていつか貴
方を裏切ったら―――私は、もう誰からも―――私からも信じて貰えなくなりま
すから……」
最後の方は、言葉にならなかった。私は勇輝を裏切った。そして、勇輝が最も信
頼しなければならない人と―――二重に勇輝を裏切ろうとしている。
「―――覚悟は、してるさ」
強く、英二さんは私を抱いた。彼自身も、わかっているのだろう。
自分達がする事の罪の重さを―――汚さを。
387やたらハイです44:02/11/24 01:32 ID:Fa0Ob2N1
「ふゆちゃん……」
今度は、英二さんの方から―――どこまでも、優しいキスをくれた。
いつまでもなり続ける電話の方は、とりあえず線を抜く事で解決した。
「……はい」
求める瞳。もしかしたら、私も同じ眼をしているのかもしれない。
頷いて、英二さんから二歩、引いた。そして、眼を閉じて気をつけをした。

「………………」
無言で、私はされるがままにしていた。英二さんは何度も、私に軽いキスをして、
それからやっと服に手を掛けた。
カーディガンを脱がせ、シャツを脱がせて―――そして、スカートのホックを外
そうとする。
耳まで熱くなっているのを自覚しながら、私は薄目を開ける。英二さんはやはり
優しい顔で、私を見ていた。眼を開いたのがわかると、また、キス。
すとん、とスカートが床に落ちて、私はキャミソールとぱんていという下着姿に
なってしまった。
……男の人に、下着姿を自ら晒すなんて、初めて。涙が出そうで、必死に堪える。
「きゃ……っ!?」
羞恥心に苛まれているとひょい、といきなり抱き上げられた。ぞ、俗に言う……
お姫様抱っこ……ですか?
そのままベッドの方に連れて行かれる。優しくその上に乗せられると、英二さん
は私の上に覆い被さった。
「……英二さん」
何故か、私は英二さんの顔に手を伸ばし―――眼鏡を取った。素顔の英二さん。
かっこいい……素直に思ったけど、それを口に出す事は出来なかった。
「いい―――かな」
遠慮がちに、訪ねて来た。勿論、覚悟は決めている。私は小さく頷いた。
「……はい……初めて……ですから、優しくして……下さい」
そう、在り来たりだけど―――伝えた。
388やたらハイです44:02/11/24 01:33 ID:Fa0Ob2N1
「……マジっすか」
あ、なんか通常英二さんに戻った。そんなに意外ですか。
「君ら……確か高校から……だっけ?」
遠慮がちにまた訪ねる。そしてまた頷くと、英二さんは視線を合わせようとせず
小声で『ありえねー……』と呟きながら暫く考えた後、自己完結してまたさっき
みたいな優しい顔に戻って私にキスをした。
……なんかムード70%減って感じだ……
「ま、それはとりあえず置いといて。そっか、初めてか……ほー」
悪かったなぁ処女で……面倒だから、嫌なんですか?
もしかして、それが思い切り顔に出たかもしれない。英二さんは笑って首を横に
振った。そして、いきなりキャミソールをたくし上げた。それは即ち―――

「きゃあっ!!」
私の薄い胸が、外気に、そして英二さんの眼前に晒される。英二さんは構わずに
そのままキャミソールを脱がせてしまった。パンツ一丁だ……
「あ」
パンツ一丁に気を取られて、英二さんが私の胸を掴む。むむむ……英二さんの掌
に納まっちゃった……
「小さい……ですよね」
「小さいね」
即答しないで―――!!私は英二さんを睨み付けた。でも彼はどこ吹く風。笑っ
て両手で寄せるように私の胸を揉み始めた。
……あうう……どうしよう……変な感じ……どうしよう、だって、私、おっぱい
揉まれてるんだよ?パンツ一丁の姿で、男の人に、胸、触られてるんだよ?
「いやぁ……」
呻き声に、自分でびっくりした。どうしよう、全然嫌がってないよ……どうして
こんな声、出るんだろう……私、いやらしい……よ……
「―――あっ……あっあ……」
乳首を、親指で擦られる。その瞬間、私は初めてそんな声を上げてしまった……
389やたらハイです44:02/11/24 01:35 ID:Fa0Ob2N1
「んっう……ぅあ、え、いじさぁっ……」
怖くて、私は英二さんにしがみついた。私を、こんな風にしているのは他でも無
い、この人なのに―――
「怖いの?」
からかうような声。私は本当に怖くて、はい、と言ってしまった。だけど、英二
さんは笑って。
「……そっか。そうか……」
そう言うだけで、何も言わなくなってしまった。意味あったんですかその質問。
英二さんは止めるでもなく、私の身体を撫で回して……その度、私は声を上げて
―――いつしか、気持ち良くて、でも、恥かしくて―――『嫌』を繰り返した。
「あぁっ……」
するっ、と英二さんは最後の一枚を片手で脱がせてしまった。私はこれで裸にな
ってしまった。言い方を変えるとすっぽんぽんになってしまった、という話だ。
―――英二さんの指が、そこに触れる。そんな所、誰にも触らせた事無い。
「んっ……」
触られて、私はどうしようもない感覚に見舞われる。足を閉じようとしたけど、
もう遅かった。
「まだ、か」
何がまだかはよくわからなかった。唐突に触る事を止めた英二さんは、ごそごそ
と服を脱ぎ始める。……どうしよう。わかってた筈なのに、急に英二さんが『男
の人』だという事を意識してしまった。それまで宇宙人感覚だったから……
「……俺のストリップ見て楽しい?」
楽しくないです。視線でそれがわかったのか、英二さんは苦笑する。もしかして
照れてるのかなぁ。
「あのさぁ、ふゆちゃん」
急に畏まって、英二さんは私を睨んだ。多分、眼鏡が無いからなんだろうけど。
「……いや、やっぱやめ」
何がですか。一瞬視線を外して、また改まって英二さんは。
「―――あのさぁ、愛してるよふゆ」
……私は、今度こそ真っっっ赤になってしまった。
390やたらハイです44:02/11/24 01:37 ID:Fa0Ob2N1

「あっ……あっあっ……くっ」
水音が妙に頭に響く。我慢はしない方がいい、と言われて、私は―――本当は死
ぬ程恥かしかったけど、素直に声を出していた。私の……あそこには、英二さん
の指が……二本入れられていて、それがちょっとずつ、優しく動かされている。
時折親指が敏感な部分を刺激して、堪らず一際大きな声を出してしまう。英二さ
んの指は―――もう、ぬるぬるになっていた。
後ろから抱えるように抱かれ、脚を拡げて、そんな格好で弄られている。私は私
自身のあそこから眼を離す事も出来ずに、ただ与えられる快楽を享受していた。
「いい……です……あ、指、もっと……大丈夫です……」
最初は一本だけだった。少し痛かったけど、慣れた。そして慣れたら、指を増や
すから、と。少しずつ慣らしてから、本番、という事になっていた。
「くぅっ―――あ、ぁあ」
一本から二本、の時は……痛かった。けど、それも次第に慣れていった。でも、
今―――二本から三本になった時は、最初から気持ちよかった。私のあそこから
たくさん……また英二さんの指を濡らしているのがわかる。
「んっ……あ、ああっ……あああ」
少し強めに指が動かされる。ヌルヌルした指で、気持ちいい所を擦られると、も
っと、我慢出来なくなる。自然と声が大きくなる。
「ここ、いいんだ」
意地悪く呟くと、きゅっ、とそこを摘まれた。その瞬間、私の意識は真っ白にな
った。
「っ―――!!」
声を出す事も適わず、私はぐったりして英二さんの胸にもたれかかる。汗で額に
張り付いた前髪を撫でられ、そっと首筋にキスされる。
「―――そろそろ、貰うよ」
英二さんの言葉に、私は無言で、何故か二度頷いた。
391やたらハイです44:02/11/24 01:38 ID:Fa0Ob2N1
「英二さん……怖い……」
再び仰向けになって、私は言われるがままに足を広げて―――そっと英二さんの
をチラ見して、私は言ってしまった。
「そりゃあ、怖いだろうね」
しかし英二さんはやたら淡白に言ってくれた。軽っ。まるでお化け屋敷の入口で
交わす会話みたい。そう思った。
「でも、最初は痛いもんだからさぁ。ま、絶対に出来る限りは優しくするからさ。
本当に痛くて痛くて我慢出来ないんだったら、止めるし」
がしがし頭を撫でられる。本当に、いつもみたいに軽く、おちゃらけて。
―――英二さん、私の緊張解そうとしてくれてるのかな?―――多分、そうなん
だろうな……うん。私、信じる。
私は意を決してぎゅっと眼を閉じ、口唇を尖らせた。英二さんはそれに応えてキ
スしてくれた。舌を絡めて、神経を痺れさせるような、キスを。
「ぷは……」
口唇が離れた時、なんとも間抜けな声を出してしまった。

「っく―――ぅっううう」
先端が、あそこに触れた。そのまま、私のなかに英二さんが入ろうとする。
―――大方の予想通り、痛かった。でも、出来る限り我慢した。今の私には、そ
の痛みを我慢して、真っ向から受け止めなければならないと思っていたから。
……痛みの分だけ、英二さんをもっと愛せると思ったから。
暫く進んでから、ぷつ、と切れるような感触がした。痛みは最高潮に達した。新
たに涙が溢れた。
「―――ごめんな」
英二さんの舌が、私の涙を舐め取った。私は馬鹿みたいに頷いて、キスを求めた。
好きって、愛してるって、何度も呟いた。英二さんは全てを受け入れて、応えて
くれた。
「えい……じ……さぁん」
そして私はまた、名を呼んだ。その度、英二さんは『ん』と優しく返事をし続け
てくれた―――私は、妙にそれが嬉しかった……
392やたらハイです44:02/11/24 01:39 ID:Fa0Ob2N1

「……ん……」
眼が覚める。そう広くないベッドの上に、私ひとり―――もしかして、夢?
そう思ったけど、下半身の痛みで、それがとりあえず夢じゃない事はわかった。
「英二……さん」
あの人の―――愛しい人の名を呟く。しかし、返事は無い。
痛む下半身に鞭打って立ち上がる。すると、机の上にメモが。
「………………」

『ふゆへ
それじゃあ、行って来るから 安静にしてなよ』

思わず、笑ってしまう。もしかして英二さん、ここに帰って来るつもりなのかな。
それに安静って……そういう言い方すると加害者は英二さん、貴方だよ……
「……あ……」
笑っているのに、涙が零れた。
寂しいから?後ろめたいから?―――嬉しいから?

今日、予定は無い。夜まで家でのんびりして……音楽祭を待つだけ。
失って、手に入れた―――愛しい人を。
どう思うだろう、皆……この事を知ったら……
自分の弱さと図太さに呆れ感心しながら、私はもう一度ベッドに戻る事を決めた
のだった―――
393名雪並の睡眠時間44:02/11/24 01:42 ID:Fa0Ob2N1
……Bルートをやってしまいました……なんていうんでしょう。
えーと……とにかく、あー……逝って来ます!!スイマセン!!!
394名無しさんだよもん:02/11/24 01:50 ID:gtmHiV16
リアルタイムキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!
395名無しさんだよもん:02/11/24 12:54 ID:xL1TrzC2
>>44はいつもベタオモロイ作品を提供してくれるなぁ。
つうか、最近>>44の独壇場なんだけど、他の書き手は何処?
396現スレの1:02/11/24 13:05 ID:3dxOTQWP
しばらく来れない間に豊作になってる…天気やさんも44さん380さんもグッジョブです
で、保守ついでに昼間から変なブツを投下してみるテスト…非エロですけど
397現スレの1:02/11/24 13:06 ID:3dxOTQWP
 誰かの鳴き声
 子供の泣き声
 夕焼け空を覆うように、小さな子供が泣いていた


「………何もあたしの目の前で泣かなくてもいーじゃんかよ」
 あたしの目の前で泣いているガキが一匹…はっきし言って邪魔くさい
 通行人は誰一人と視線を合わせようとしない。まぁ、気持ちはわかるけど
 厄介ごとに巻き込まれたくない、そういうのはあたしだって同じだ
 でも気づいちまった以上放っておく訳にもいかないか…あーあ、貧乏くじだよ…
「ったく、こいつの保護者は何やってるんだか…」


「おい、そこの坊主」
 とりあえず商店街のど真ん中で泣いているガキに向かって呼びかけてみるが、反応無し
「んな所で何泣いてるんだ? 母ちゃんとはぐれたんか?」
 反応無し
「それとも何だ、誰かにいじめられたのか? ん?」
 反応無し…段々苛々してきた
「メソメソ泣いてるんじゃねぇぞ!とっとと家帰れクソガキィッ!」
 と言って蹴りを入れたい所だが、場所が場所なのでぐっと堪える
 しかし困った、こっちもいい加減どいてもらわないと困るんだけどなぁ…

 仕方がない。あんまり使いたくはないけど、奥の手にご登場願いますか…
398現スレの1:02/11/24 13:07 ID:3dxOTQWP
「え…?」
 あたしが差し出した『奥の手』を見て子供が顔を上げる
 涙と鼻水でくしゃくしゃになってはいるけどかわいい顔をした男の子だった
 肩にかかるくらい伸ばした栗色の髪を見て女の子とばかり思っていたので、ちょっと意外
「これ、くれてやるから泣いてないでとっととウチに帰んな」
「…いいの?」
「いいの」
 ま、今日はそろそろ閉めるつもりだったし、こっちも売れ残りが処理できるわけだし 
「ああ、何なら出世払いってことでもいいぞ」
「え、えっと…しゅ、しゅっせばらい…??」
「あーもういいからさっさと食っちまえ! でないとオネーサンが全部食っちまうぞっ!」
「た、たべるたべるっ!」
 うむ、近頃のガキは聞き分けが良くてよろしい

「そろそろ帰んな。母ちゃんも心配してるだろうし、あとはウチに持っていきな」
 男の子に釘を刺す。男の子が2匹平らげる間に人通りも随分少なくなっていた
「………」
「ん? どうした」
「おかあさん……」
 男の子が何かを言いたそうな顔をした、あたしはそれを見逃さなかった
「……」
 わからない
 わからないけど
 なんとなく放っておいてはいけない、そんな気がした
「…明日も来いよ、また焼いてやるからさ」
 だから、何時の間にかこんな言葉を発していた
「…いいの?」
「ああ、約束だ。だからメソメソ泣くな、男の子だろっ?」
「…うん、約束…」

 約束…だよ…
399現スレの1:02/11/24 13:08 ID:3dxOTQWP
「お姉さん、お姉さんっ?」
「…ん…あ・・・」
「…あのぉ……鯛焼き欲しいんだけど…」
 いけないいけない。あまりに客がこないもんだからついうとうと眠っちまったよ
 しかも眼前に鉄板が迫ってたし…あやうく嫁入り前の顔を焦がしちまう所だったぞ
 っといけなっ、客を待たせてるんだった。さて、商売しますか…


 注文の鯛焼きを焼きながら、あたしはさっきまでの夢を思い出していた
 何だっただろう。何かが引っかかるのだけど…あれは何だった?
 えっと、約束…夕焼け…赤い、紅い、朱い………… くそっ! 思い出せない
「えっと、じゃあ代金は5匹で500円ね」
「……」
「? お客さん? どうしました?」
「え、え、えっと…あれ、おかしいな……お財布……」
 コートやポケットの中を何かゴソゴソ探している…ってオイ、まさか…
「あ、あのっ! お姉さんっ?!」
「えっと…何?」
「ご、ご、ごめんなさいっ!!」
 
 反転、直後にダッシュ

「ってごめんなさいで済むかコラァッ!」
 しまった、あたしとしたことが代金を受け取る前に品物を渡すなんてミスを犯すとは…
 仕事中に考え事なんかするものではなかった…ともあれ、こうなったらすべき事は一つ!
「あたしの店で食い逃げしようとは上等だゴラァ! とっ捕まえて地獄を見せてくれようぞっ!」
 あたしは通りに飛び出し、羽の生えた食い逃げ野郎の方向に駆け出した


 って、羽って………ナニ?
400現スレの1:02/11/24 13:10 ID:3dxOTQWP
地味〜に新キャラ(かな?)を投下してみるテスト。鯛焼き屋さん(名称未設定)です
あゆ(歩)だけ対応するサブキャラがいないので作ってみますた(秋子さんは名雪と被るので)
恋愛対象になる程度に年齢は下げました。7年前で20歳(あゆ10歳)くらいとして、現在は27,8歳くらいが妥当でしょうかね…



 ∧||∧
(  ⌒ ヽ ……誠×ゆうの決着もつけないとなぁ…
 ∪  ノ
  ∪∪
401前スレ715:02/11/24 18:12 ID:iuuv0aLf
>>44
相変わらずの量産体制でうらやましいですな。

>>現スレの1さん
こ、これは意外なキャラを…しかもお姉さまですかハァハァ

とりあえずMOON.ネタが少し思いついたので始めてみるか…
402j実話だ―――44:02/11/24 18:44 ID:XD4RYMsG
「死んだりゃああああああああああ!!」
ごげす!!
どえらい気合と共に保志の鳩尾に拳を叩き込む。
「ごふっ……」
白目を向いて、保志は倒れた。そして出てくる黒いアレ。それも倒して、一件
落着。お、レベル上がった。

「……起きて、保志起きて」
「うげ……げふげふ」
首筋に手刀を叩き込みながら保志を起こす……叩くのってここで良かったっけ?
「……あ、浩……子っ」
「動かない方がいいわ、実は―――」
今までの事を説明する。

「……マジかよ、俺そんな……ダークキングダム長岡イン・ザ・サマーなんて名
乗ってたのか……」
「ええ……恥かしかったわ……おまけに最初会った時なんて……うぅっ、七色の
全身タイツにうさみみまで付けて……」
「……そうか……ってんな訳ねーだろ!!」
びし、と突っ込みを受ける。慌てて避けようとするが、それは直前で止まり、代
わりにぎゅっ、と浩子の身体を抱き締めた。
「えっ?―――えっ!?え……」
「……悪ぃな……悪い……マジで。そんな、ボロボロにさせて……お前を、危険
な目に遭わせて……たった独りで―――」
「ん……う、うん……」
―――予想外に、保志に優しくされた事が、今までずっと独りで戦っていた浩子
の心を、溶かしてしまった。
「ばっ……な、お前、何泣いてんだよ、馬鹿か、馬鹿じゃねーの!?」
403実話だ―――44:02/11/24 18:45 ID:XD4RYMsG
「……ごめん……なんでだろう……なんでだろう……」
両手をぐるぐる回しながら、浩子は泣いた。
「……浩子」
保志はバツの悪い気持ちで、浩子の額を突いた。
「……青春だぁなあ」
座り込む二人に黒い影が落ちる。
赤く長い三つ編みの髪、あどけない顔、銃刀法違反。
「あ……職業勇者……」
「ははは、もっと呼んでくれ」
妙にキラキラしたその男。
「何か用?」
「いや、別に。ただ一言だけ言いたくて」
その意味深なセリフ。保志は少しムッとして職業勇者―――ティリスを睨んだ。
「―――あのさ、他の人は?」
「……え、鶴来屋に……」
その言葉に、はふ、と溜息をついた。

「……あの、他の人と、パーティー、組めるんだよ」

―――沈黙。車の音や虫の音だけが、その空間に響く。
「ええええぇえぇぇええええええええっ!?」

その事に気付いた時はもう―――むやみに浩子だけがレベルの高い状況になって
いたと云う―――
40444:02/11/24 18:51 ID:XD4RYMsG
一息アホネタで攻めてみました。
……なんか、上の方でありましたけど……私のネタばっか……ウザくないでしょ
うか。イヤイヤ本当に心配なんですけども。

>>1氏
鯛焼き屋さん……盲点でした……萌ええええぇえ!!
>>元380氏
大アリだと思います。
405名無しさんだよもん:02/11/24 20:03 ID:Ue3CgTNT
44さんマンセー!

ああ、ふゆ×英二♪えへへへへッ
堪能させていただきました。

帰ってきたら、いつものボケとツッコミで・・・
こうなるのが日常――自然な流れなんだと互いに確信(錯覚?)する二人。
ああ、ドリームが廻る(笑)
406名無しさんだよもん:02/11/24 23:02 ID:j6vxAv1k
>>現スレの1氏
鯛焼き屋のお姉さんか…なんかよさげです。
ゆうが他のルートを選択した場合、このお姉さんが主役になるわけですな。

>>44氏
…ごめん、今回のネタにはついていけなかったっす(w
407前スレ:02/11/24 23:39 ID:iuuv0aLf
なんか姉妹スレが出来てる(笑)
支援しよう。

http://wow.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1037625491/l50
408雅也 ◆yGAhoNiShI :02/11/25 00:36 ID:eCVj2JvN
俺はスコールよりかっこいい中3なんだけど、
うちの学校にすげーユウナに似てる女子がいるんだ。
うらやましいだろ?
409前スレ715:02/11/25 01:04 ID:+sVPMnDG
>>408
こんなところでその発言か。つまり貴様アレだな?

反 転 さ せ て 欲 し い の か(笑)
410名無しさんだよもん:02/11/25 02:00 ID:Cj02TfJZ
411317:02/11/25 02:55 ID:cW8aEdAT
>>410
凄まじく気になるだろが!
祐一のみ反転で、のぞきの北川に天誅をくらわしたところか?
412名無しさんだよもん:02/11/25 09:34 ID:CXt7SUPa
>>408
こいつ俺がお気に入りに入れてる殆どのスレに書き込んで有ったからビクーリしたよ。
413名無しさんだよもん:02/11/25 10:28 ID:TpIpbkty
>>412
スクリプトです。事実上、この板の全てのスレに書き込みやがりました。
コイツのおかげで今回の圧縮状況が滅茶苦茶になりました。

>>410
スク水萌え〜。これって改造絵?
414孫悟空 ◆yGAhoNiShI :02/11/25 13:39 ID:eCVj2JvN
ドラゴンボールZ
フジ(関東)で毎週月曜16:30〜放送中!!

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と〜けたこおりのな〜かに〜♪恐竜がい〜たら〜たまのりし〜こ〜みたいね〜♪
415孫悟空 ◆yGAhoNiShI :02/11/25 13:54 ID:7rVzW2B0
ドラゴンボールZ
フジ(関東)で毎週月曜16:30〜放送中!!

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と〜けたこおりのな〜かに〜♪恐竜がい〜たら〜たまのりし〜こ〜みたいね〜♪
416孫悟空 ◆yGAhoNiShI :02/11/25 14:11 ID:6RAq4N3S
ドラゴンボールZ
フジ(関東)で毎週月曜16:30〜放送中!!

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417孫悟空 ◆yGAhoNiShI :02/11/25 14:26 ID:Fo+7mUKL
ドラゴンボールZ
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418名無しさんだよもん:02/11/25 16:45 ID:Ip981xsB
>409
おまいは悪の科学者か(笑)
419 ◆giko/g1Vmc :02/11/25 20:12 ID:C1kOIyZp
>>410
ぱんだはうすの新体操(仮)に出てくるキャラですな
私も雑誌で見たときおもわずニヤリとしましたわ(w

ttp://www.pandahouse.net/panda/gym/yu.html
420もっと精進します44:02/11/25 20:21 ID:m2qPU4Vv
「……ね、スフィー一緒にお風呂入ろ」
にこにこ笑ってさつきはスフィーの肩を叩いた。
「え……やだよ……そんな」
真っ赤になって断るスフィー。
「いいからいいから」
断ったのに、その体格差(二十歳前後と推定十歳程度)のせいか強引に脱衣場ま
で連れて来られてしまった。
さつきはぐゎばっ、とスフィーの服を捲り上げる。
「わっわっ、ふ、服くらい自分で脱げるよっ!!」
「やだ、可愛い〜」
「かっ、可愛いって言うな!!あっ……そ、そんなとこ触るなっ」
ぺちん、とさつきの手を叩く。ぷ、と頬を膨らませると、さつきは自分の手を叩
いたその手を自分の胸に当てた。
「もう、スフィーのケチ魔神。代わりに、私の触っていいから……」
「っ……あ……」
その柔らかさに、一瞬頭が真っ白になる。
「ん、気持ちいいよ……ほら、スフィーも気持ちよくしてあげる」
妖艶な表情で、さつきはスフィーの口唇を奪う。
「んっ……」
甘い味。さっき食べた、ホットケーキのシロップの味。
不思議な甘さと、快感に、スフィーは流されようとしていた。
421もっと精進します44:02/11/25 20:22 ID:m2qPU4Vv

「……なーんて事になってたら嫌だよなリア」
「妄想は頭の中だけにせんかああああぁぁああぁ!!」
ごげし。轟く轟音に、リアンは思わず眼を瞑る。
暫くして眼を開くと、イスで結一を攻撃し、烈火の如く怒るさつきの顔がそこに
あった。
「なっ……なにしやが」
言葉の途中でボディを踏み付ける。そして何事も無かったかのように笑顔で。
「やっほリアン、このチビホモと一緒で貞操大丈夫?」
「え……ええ、と、とりあえずは」
ガクガクブルブル震えながらリアンは頷いた。さつきの傍らでやぁ、と手を上げ
る兄の姿を見て、やっと笑顔を見せる。
「兄さん、相変わらずちっこ……」
「……余っっっっ計ぇぇぇぇなお世話」
何故か妙に不機嫌そうな顔でそう答える。
さつきは今も結一のボディをぐりぐり踏み躙っている。
「ったく、人がたまに来てやれば人をネタにおピンク妄想、しかも私が攻めと来
たもんだ。全くあー、ゲロむかつく。もう帰ろ、スフィー」
来たばかりなのに回れ右するさつき。スフィーは困り眉で。
「えー、ホットケーキ……」
「私が作ってあげるから!」
「……さつきの作ったの、ホットケーキってよりもホットケーキケーキだし……」
「うるさいっ」
……それってなんだろう、と思いつつ、リアンは二人を見送るのだった。
422もっと精進します44:02/11/25 20:23 ID:m2qPU4Vv
―――帰り道。
「……なんであんな動揺するのさ。バレバレじゃないの」
真っ赤になっているさつきを見て、スフィーはにやにや笑う。小学校中学年程度
の独特の厭味な笑いが、今のさつきにはとても恐ろしかった。
「だっ……だって、だって」
ぎゅ、とさつきの手を握る。
「なに、実際手ぇ出してんのは俺の方だって言いたかった?」
「っ―――」
「ったく、あいつ何か勘違いしてんだよな。悪いけど俺、二十歳越えてんだぜ?
馬券も買えれば酒も飲めるっつーの」
やたら下品な笑いをしながら、さつきを見上げる。耳まで真っ赤になっている。
戸惑いと、照れと、恐怖。色々なものが綯い交ぜになって、さつきを翻弄する。
「なぁ、なんで俺の事ずっとチビのままにしとく訳?このままじゃ無理だからさ
ぁ。俺だって我慢してんだぜ……も少しでかくなったら挿入れてやれるのに」
「そっ……そんな事言わないでっ」
さつきが止めるのも構わず、スフィーは喋る。
「いっつも最後には言う事聞くのに、どうしてそうなのかなぁ。俺の事、本当は
嫌いな訳?」
「……ち、違う……嫌いじゃないよ……でも、そんなの、まだ……私とスフィー、
そういうのは……」
つっかえつっかえ言うさつきに、スフィーは溜息をつく。
「ちぇっ、骨董屋だけにものの考えが古いんだよなぁ……」
「……そういうのじゃなくて……」
「ま、いいさ。その内……な。とりあえず帰ったら風呂入ろうぜ」
その無邪気な笑顔に底知れぬ恐怖を感じながら、二人は歩くのだった。

―――魔法……魔法もっとたくさん使わせないと―――
心の中でそう誓うさつきであった。
42344:02/11/25 20:58 ID:PTG0fOsk
……また下らないものをトウカ……いやいや投下してしまいました。
とりあえず……吊って来ます……はぁ、タオルかな、いやいやうどんで……
424名無しさんだよもん:02/11/25 22:07 ID:jQVyNavg
>>44氏
今後の光景を妄想して(;´Д`)ハァハァ
スフィーめ…羨ましい奴。
425名無しさんだよもん:02/11/25 23:49 ID:6hEEmL7Y
一応保守
426旧69:02/11/26 01:02 ID:PxXdiNH6
他スレに浮気してた旧69です。
POMしつつ44さんの生産力に感服したり、現スレの1さんに虚を突かれたりしてました。
今月中に一本書きたいなと思いつつsage
427旧69:02/11/26 01:52 ID:PxXdiNH6
POMってなんじゃい!(鬱
428名無しさんだよもん:02/11/26 02:21 ID:6F0Exj9o
( ゜ー゜) σ) ゚д゚)POM POM
429Clannad プロローグ編:02/11/26 02:50 ID:yzMVc4bG
 桜の舞う季節は、出会いの多い季節だなんて、物語の中だけだって、ずっと思っていた。


 今日は始業式。
 わたしは久しぶりに制服にそでを通す。クリーニング特有の香りが芳しい。

 いつも通りの道をいつものように歩く。この前と比べても何も変わらない。
 この調子なら珍しく遅刻せずに済みそうだ。


 校門まであと200メートル。
 そこで立ち尽くす。

「はぁ」

 わたしは思わずため息をつく。
 目の前には、急な坂道―ため息の元凶―がわたしを拒むかのごとく居座っている。

 いつも思う事だけど、この坂道は何とかならないのだろうか。まったくもって創設した人間の気が知れない。
 でも、この坂道を登らない限り学校にたどり着くことは出来ないので、仕方なく歩を進めようとした時だった。
430Clannad プロローグ編:02/11/26 02:51 ID:yzMVc4bG
「はぁ」

 後ろから似たようなため息が聞こえる。
 わたしはその声のする方に顔を向ける。

 そこには、ちょっと童顔の男の子がいた。校章の色からして…1年生?
 おかしい。今日は始業式だから、新入生はまだのはず。もしかして、わたしが日付を間違えたんだろうか。
不良少女と呼ばれているわたしの事だし、きっとそうに違いない。
 そんな適当なことを考えていると、彼は突然口を開いた。

「この学校、好きか?」
「え…?」

 いや、わたしに聞いているわけではなかった。

「僕は、とっても好きだ。でも、なにもかも、変わらずにはいられないと思う。
 楽しいこと、うれしいこと、いろんなこと、全部。
 そう…全部、変わらずにはいられないんだ。
 …それでも、この場所を好きでいられるのか」

 ただただ自問自答をする彼に、わたしはたまらず口を挟む。
431Clannad プロローグ編:02/11/26 02:52 ID:yzMVc4bG
「見つければいいだけでしょ?」
「え?」

 彼は驚いた表情をする。わたしは構わず話しつづけた。

「次の楽しいことやうれしいことを見つければいいでしょ?
 一つだけしかないわけ無いんだから。違う?」

 そう、何も知らなかった無垢の頃。
 誰にでもある。

「ほら、行こうよ」

 わたしは彼の手をつかもうとした。しかし、彼は戸惑いの表情で言った。

「あ、いや、僕急ぐので先に行きます」

 そう言い残して、彼は猛スピードで長い坂道を登っていった。あの脚力なら日本代表も夢じゃない。
でも、そんな事より驚いたのは、新入生とはいえ、『不良少女・岡崎ともみ』として目をつけられていて
近所でも(悪い意味で)有名なのに、避ける様子は感じられなかった。
 もっとも、外見だけじゃ不良と言われるほどじゃないから、気付かなかったのかも。

「まあいいか。さてと、わたしも急がないと。初日から遅刻だなんて嫌だし」

 わたしは登り始める。
 長い長い坂道を。
432Clannad プロローグ編:02/11/26 02:53 ID:yzMVc4bG
とりあえず、Clannadプロローグ編でした。
と言ってもこの後どう続けるかあんまり考えていませんが(死


さてと。床に未使用のコードもあることだし。

 ∧||∧
(  ⌒ ヽ 本家のプロローグを少々いじっただけだしなあ…
 ∪  ノ
  ∪∪
433ふと44:02/11/26 19:08 ID:FaNRzn1p
「……ね」
眼の前のグラスの中の、炭酸飲料の泡を眼で追いながら、あきらは呟く。
「……なに」
溶けてしまったアイスを長いスプーンでかき混ぜながら、私は返事をした。
そのまま、暫し沈黙が続く。だがその沈黙をお互い苦痛とは思わない。
―――恋に悩む大学生二人の、微妙にだらけた空間。

「―――勇輝とは、どこまで行ってるの?」
唐突にそんな事を聞いて来る。
「もう、最後まで行っちゃった……?」
私は頬が熱くなるのを感じた。

―――勇輝とは、高校からの付き合い。
でも、勇輝は私の身体に触れて来ない。なんでだろう、って歌っちゃうほど清い
付き合いだ、と思う。でも、端から見ればおかしいんだろうな……

A:「……うん」と、私は見栄を張った。
B:「……まだ」と、私は正直に言った。

(どっちを選んでも)
「……このような場所でするような話題では無いと思いますが」
「っわ!?」
カウンター席から突っ込みを入れる弥生さん。うわ、聞かれてたの!?うわ、呆
れた顔して行っちゃった……ううう、あきらめ〜。睨んだら、眼を逸らしてしま
った。うぬぬ、許さないんだから……

……このAとBで前は残す方向で行くのと誤って自分がふゆの処女を奪ってしま
うルートに分かれる篠塚弥生篇、というのはどうでしょう、と。
いや、つい思っただけです。すいません、逝って来ます。
434ふと44その2:02/11/26 20:23 ID:Eo60U4HI
鯛焼き屋のお姉さん……名称未設定……
大谷貴野(おおたに たかの)さんってのはどうだろう。
漢字を別な読み方すると……
って、嘘です。スイマセン。下らない事ばっか考えてスイマセン。
435天気屋@聖(♂)×往穂5’:02/11/26 21:25 ID:MCBKt7qg
>>273から分岐

→ わかる click!!
  わからない

私はそれぞれ手錠のかけられた両手を背後に隠した。
「べ……ベッドに括りつけるつもりか……?」
「……ほう。」
聖が驚いたような表情を見せる。
「カンがいいな……そんな事を考える余裕すらないと思ってたが、これは意外と……」
唇の端が吊りあがる。
「それじゃ、やり方を変えるとしよう。読まれている手を使っても面白くないしな。」
そう言うと私の両手を取り、鍵を差し込んで手錠を外した。
手首には、さっきまで後ろ手にされていた分の痕がくっきりと残っていた。
それを見ると何故か、体がまた熱くなるのを感じた。
普通の女も、私みたいに虐められて感じてるのだろうか……
そんな事を考えていると聖が、引出しの中からまた新しい道具を引っ張ってきた。
「これはなんだかわかるか?」
聖が手にしていたのは、カチューシャみたいなヘアバンドについた動物の耳と、
ふさふさした毛のついた犬か猫の尻尾らしきものだった。
「何かはわかるけど……」
何に使うのかは皆目見当がつかなかった。
「それはこれから使ってみればわかる。さ、四つん這いになった。」
私は言われるまま、ベッドの上に両手両膝をついた。
436天気屋@聖(♂)×往穂6’:02/11/26 21:25 ID:MCBKt7qg
聖は私の頭にヘアバンドを乗せた。
それから鏡を私に手渡して、頭の上に乗った耳を見るように薦める。
漫画に出てくる擬人化した犬みたいになった私は、見ようによっては何だか滑稽だった。
「なかなか可愛いじゃないか。」
不思議なもので、そう言われると何だかまんざらでもない気がしてくる。
でももう片方の、根元の方に直径1.5cmぐらいのボールが三つほど数珠繋ぎになった尻尾の方は、
一体どんな風に使うのか未だに予想もできなかった。
「それじゃ、次はこっちだな。」
そう言うと聖は、尻尾を手にして私の背後に回った。
あっ、と思った時には既に、聖の指が私の秘所に入ってしまっていた。
「んんっ……!」
そのまま音を立てて、ちょっと乱暴に中をまさぐる。
「キミは愛液が多いタチだからな……こう言う時には便利だ。」
「……え?」
そう言った聖が中から指を引き抜いたかと思うと、突然、お尻の穴に人差し指を突っ込んできた。
「ひっ!」
一瞬、腰に電流が走ったかと思った。
それが収まると、聖の指の入った部分を中心に、くすぐったいような感触が広がる。
「こっちをいじるのは初めてだが……どうだ、気分は悪くないか?」
ふざけてる様子の薄い、半ば本気で心配してるような声でそう聞いてくる。
「び……ビリっときてムズムズして……何だかよくわからない……」
私の返事を聞いた聖は、なら問題ないなと一言言うと、そのままお尻の指をグリグリと動かし始めた。
「ふぅっっ!んんっ、んんんっ、ああっ!」
膣をいじくる時のとは明らかに異なる未経験の感覚。
私の心はそれに戸惑っていたが、体は敏感に反応してしまっていた。
前の方からとろとろと、シーツに粘液が垂れてゆくのが感じ取れた。
437天気屋@聖(♂)×往穂6’:02/11/26 21:26 ID:MCBKt7qg
「いぐぅっ!?」
私は思わず悲鳴をあげてしまった。
聖が人差し指だけでなく、中指までも差し込んできたのだ。
そのままズブズブと、奥の方にゆっくりと突き入れる。
「いたっ……ぃ……!ああぁ……」
肛門が裂けるような鋭い痛みが走る。
しかしそれと同時に、体に走る快感もまた大きくなっていた。
相反する感覚のせめぎ合いが苦しい。
「さすがにこれは痛いか。なら、こうすれば……」
そう言うと聖は、クリトリスにもう片方の指を添えてきた。
そのまま何度も何度も、すくい上げるように撫で回す。
「あっ……ふっ、んっ……」
続けているうちに、痛みが段々和らいできた。
それに反比例して快感が増幅されてゆく。
不意に、お尻に突っ込んだ指を出し入れし始めた。
「んんんんんんっ!」
まるで、脳天を通って電流が外に走っていったみたいだった。
今まで体験したことのない類の痺れが、体に残っている。
「……まだ、痛いか?」
私は首を振った。
本来排泄に使うはずの器官で、信じられないほど感じてしまっている。
この背徳感はあまりに刺激的だった。
内心、もっとお尻をいじってほしいとすら思い始めている自分が怖かった。
438天気屋:02/11/26 21:28 ID:MCBKt7qg
どうもお久しぶりです。
熱引いて動けるようにはなりましたが、咳が全然止まりません。
そんなわけで続編はちょっとスローペースになると思いますが、ご了承下さい。
ゲホゲホ
439名無しさんだよもん:02/11/27 02:18 ID:UzM71976
>44氏
>433のBきぼん
その後の弥生さんの応対が見たい…

>天気屋氏
休養をゆっくり取ってください。 お大事に。
ちなみに、私の周りでは「今年の風は腹にくる」らしいです。
やたらトイレ行くんで現在ちょっち痛い…
ってSS見てたらなんかぶり返した…
440前置き:02/11/27 04:07 ID:3rbqi8Vi

 道端。制服の少女とコートを着た女性が、壁に背をあずけている。
 お互い、手には缶コーヒー。
 少女が口を開いた。
「……むっちゃくちゃ間が空きましたね」
「そうね。もう、覚えてる人は本当にいるのかというくらい空いたわね」
 お互いの表情は厳しい。
「八月三十日ですもんね。これが学生だったら…夏休みと期末試験の間くらい離れているわけですか」
 女性は目線を上げ、ため息を吐く様に、言った000000。
「……冬休みとの間よりは、一ヶ月ほど早く出来たわけね」
 少女は鋭い目付き――あまり似合わない――で女性を睨む。
「遅い事に変わりはありません。……それとも、まだマシな方だ、とでも云うおつもりですか?」
 女性は手に持った缶を握り潰し、底冷えのする声を出した。
「――冗談。私がこの日をどれだけ待ったと思っているの。あの腐れ作者、見付けたら必ず捻り殺してやるわよ」
「その時は加勢します……月島さん。前回の出来は酷いものでしたし」
「そうね、是非ともお願いするわ……長瀬さん。私なんて前回は出番すら無かったんだから」
 二人の口は歪み、怒りの行き渡った含み笑いをあげた。

 むっちゃ怖いです。

 一方で、てふてふとおっきな看板を持った少年が歩いている。
 看板には、誰の字なのか丸めの文体でこう書かれていた。
『これは、前スレ79〜91の続きなのです。それと、私の雫シリーズの時系列はあまり気にしてはいけません』
441やっちゃえ拓美さんor瑠璃くん:02/11/27 04:07 ID:3rbqi8Vi

 勝負は立ち上がりで決まる。
 何事に置いても攻撃は最大の防御だ。
 相手の攻撃を防ぐ自身のない場合はなおさらの事。

 瑠璃の愛撫は凄い。思わずこの私が身体を完全に預けてしまいたくなる程に。
 天性の物であろうが、テクニックが半端ではないのだ。気を緩めれば、たちまち自分は堕ちてしまうだろう。
 しかし、だ。姉として、やはり瑠璃は私の手の中で悶えて欲しい。
 その為には隙を与えてはいけない。
 速やかにイニシアチブを取り、最大限の攻撃でまずは瑠璃を一度イかせてしまおう。

 そう思った私は、お風呂で問答無用の攻撃とは何か考えた。
 定番は阿波踊りなどだがイマイチ弱い。あれは純粋な快感を与える物ではないからだ。
 フェラは有りだが、やはりお湯がすこし邪魔だ。手間取る間に反撃を受けてしまう可能性が高い。
 挿入は……風呂で試したことはまだ無いので分からないが、お湯で緩く感じないだろうか?
 しかし、お湯のおかげでより気持ち良くなるかも知れない。

 そこで気が付いた。そう、お湯の利用価値である。
 潤滑するための液体になるのではないか。お尻ですれば、ジェルなどよりも滑らないため、よりきつく締められる事になる。
 そして何よりも、熱いのだ。粘膜にとっては、火傷してしまいそうなくらいに。
 それに私が瑠璃にお尻をあげるのは、実は今日が初めてだ。
 ドキドキする。

 方針は決まった。後は――有無を言わせず、自分が流れを掴めばいい。
4422:02/11/27 04:08 ID:3rbqi8Vi

 肩を掴み、抑えつける。
 そうして分かったのだが、瑠璃は少し緊張していた。
 私は安堵させるように笑顔を浮かべた。
「……いくわよ。たっぷり楽しみなさいね」
「……う、うん」
 瑠璃の喉が鳴ったのが分かった。
 真正面からのしかかり、腰を降ろしていく。
 対面座位だ。
「…ん……く…ぁ……はぁ………」
「えっ……うあっ、あっ、うああっ……」
 驚いたような表情。まさか後ろだとは思わなかったのだろう。
 力を抜き、瑠璃にしがみつき、身体を沈める。 
 少しずつ、お湯と瑠璃とが入ってきた。
「う、ああ、…くぅ……る、り……」
 カリの辺りまで行ったかという所で、ぎりっ、と締めつけた。
 瑠璃の顔がせつなく歪む。
「る…り、も……こ、し…つかんで……てつ…だ、て…」
 熱い。お風呂のお湯も瑠璃そのものも、想像以上の熱さ。
 でも、癖になりそうなくらい、それがいい。
「ひあっ…や、あ、あああ………」
 ゆっくり、確実に呑み込んで行く。
 奥まで入ってくると不思議な感じ。えっと、ほら、その…………瑠璃が、ぴくぴく動くし。

 グッと力を込めて、根本まで一気に沈める。
 身体を揺するとお湯がまとわりつくように波がたつ。
4433:02/11/27 04:08 ID:3rbqi8Vi
 ちゃぷ…ちゃぷ…とお湯の音をたてて瑠璃と身体を合わせ、抱きついて動く。
 息は荒くなっていく。
 胸はぐにぐにとカタチを変えて、乳首はお互いに擦りあって。
 お尻は、瑠璃の動きと温度が直接伝わってきて。
 ちょっとむずむずとくるけど、本当に気持ちいい。

 瑠璃を見ると、ずっとせつなそうな顔だ。
 気持ちよくないのだろうか。お湯を潤滑液にした後ろでは、やはりきつすぎたのだろうか。
「ぁ、はぁ……るりぃ、どうしたの………はぅっ…ぁ……きもち、……ぁっ……よくないかしら……?」
 喋るたびに後ろの穴が収縮し、瑠璃を逐次攻めたてる。
 擦りつける身体からは甘い痺れ、お尻からはひどく熱を持った痺れが私を追いたてる。
「ね、ねえさん…………く、うあ、すごく、気持ちいい、けど……」
「けど……はぁっ……どう、したの……?」
 やはり、喋るとギリギリと締めつけてしまう。
「ねえさん…大丈夫、なの…?」
「……え……?」
 大丈夫とは、何を指しているのだろうか。
「ねえさんの、顔……つらく、みえるよ、ぅっ……」
 身体の奥で震えを感じた。
 瑠璃が動いたのか、私が締めたのか。おそらく両方だろう。
「はぁっ、う……そ、そう……?」
「う、うん……」
 まあ、確かにそうかも知れない。お尻に大きな圧迫感があるから当然ともいえるだろう。
 でも、それもとても気持ちいいのだけど。
4444:02/11/27 04:09 ID:3rbqi8Vi
 ちょっぴり無理に笑顔を作る。
「……ばか。瑠璃だって、そうみえるわよ……」
「……ぼくも?」
「ええ……それに……私は、とても、……あはっ……気持ちいいわ………」
 言って、瑠璃のを入れてから初めて、自分の意思で後ろに力を込める。
 今までとは比べものにならないだろう締めつけで、瑠璃のものをしごいてあげる。
 むずむずしていた感覚が、じんじんと疼く熱さに変わる。
 もっと、もっと欲しくなる。

「はっ、くぅっ……」
 お尻を上下左右に揺すり、瑠璃のを腸壁で少しずつ擦る。
 動かす度にせつなく変化する顔は、私の嗜虐心に火をつけるには充分すぎた。
「ほら、どうかしら……んっ………瑠璃、きもちいいって、……んふっ……いったのに、苦しそう…っ…」
 瑠璃はちいさく喘いだ。でも、確かにとても気持ち良さそうな声だった。
 今、私はどんな顔をしているだろうか。
 瑠璃を攻めているという愉悦のため口元が多少、笑みで歪んでいるのは確実だろう。
 それは先ほどの、安心させるための笑顔とはあきらかに違うものだ。
 他に自覚できるのは、荒い息と潤んだ瞳。それに満ち足りている想い。
 男を惑わす表情、なんてのができれば最高なんだけど、それが具体的にどんな顔なのかはわからないし。

 ……いやまあ、本当にわからない、というわけではない。たまに長瀬さんがそんな表情をする事があるから。
 酷く淫猥な、蕩けきった表情。おもわずドキッとしてしまったり、それが見たくて限界まで攻め立てたりした事もある。
 あの表情ときたらそりゃあもう、匂い立つような色気と、むしゃぶりつきたくなるほどのいやらしさで。
 その時の雰囲気は、本当に、ねばっこい糸でもひくんじゃないかって思うくらい凄い。
 普段のおとなしさとのギャップもあってとても良い。彼女の恋人である瑠璃のことが、純粋にうらやましくなるくらいだ。
4455:02/11/27 04:10 ID:3rbqi8Vi
 しかし、アレはやろうとしてできる物ではない。彼女だって、半ばトランス状態になってはじめて見せるのだし。
 そんな風になるほど理性を剥ぎ取るには、激しく相手を攻めないといけない。
 近い状態なら瑠璃にキスされた後か。ぼうっと頭の中が真っ白になるあれ。
 でも、あの状態は確かに蕩けているのだけど、淫猥か、と言われるとやはり違う。
 淫靡さをだすには、いくら上手いからってキスだけでは足りない。それに、放心状態ではいけない。
 めちゃくちゃになってしまって、それでもさらに堕ちたいと願う程でなければいけない。
 今の場合でいうなら、私が瑠璃に一度限界になるまでいいようにされなければ駄目なのだ。

 瑠璃に主導権を渡したら、すぐにでもそうなってしまいそうだけど。

 まあ、それは後でやってもらうとして、今は私が瑠璃をいいようにするのだから、取りあえずは置いておく。
 やはりお姉様というのは、理性を残して年下をいたぶるものだし。

 お尻の圧迫にも、身体がなれてきた。
 もっと強く欲しい。
「ね、瑠璃……そっちからも、してみて……」
 揺すりながらおねだりしてみる。
 どうも瑠璃はこういうのに弱いらしい。まあ、私もだけど。
 最近気付いた事だが、以外と瑠璃も長瀬さんも、結構えっちな性格だ。
 ただ、普段は理性で抑えているからそうは見えないだけで。
「ね、どうしたの…はやくぅ……う、うあっ………!?」
 いきなり強く胸をつかまれた。乱暴といえるほどの、けどとても上手な愛撫。
 瑠璃の事だから、頷いてゆっくり腰を動かしてくれるかと予想していたのに、まさかこうなろうとは。
4466:02/11/27 04:10 ID:3rbqi8Vi

 お湯で滑ったりしながらくにゃくにゃ揉まれるのはとても気持ちいいのだけど、このままでは瑠璃のペースに嵌まってしまう。
「ちょ、る、るりっ……まっ、ひゃんっ……ああっ!」
「……だめ。待たないよ、姉さん……姉さんが可愛すぎるから」
「や、は、はひぃっ……うあぅっ、ひぃんっ……」
 たまらず瑠璃にしがみつく。
 お風呂では声が反響するため、自分の喘ぎが耳に入り、より性感が高まる。
 胸を押しつける。これで揉みにくくなり、愛撫の激しさも少し収まった。
 そのかわり、腰を大きく上下させられる。
「う、あぅっ……は、んっ…っ……」
 身体が上がる時は排泄感に似ているけど、それよりもずっと強い何かがある。
 中身が全部出てしまうんじゃないかってくらい。
「ひぃっ………うぁっ、くあっ、んん……っ!」
 突かれる時はもっと凄い。
 電気が走ったようになる。けれど、何かが絶対的に足りない。
 もっと奥まで欲しい。そう、膣内でいえば子宮を突かれる充実感が欲しい。
「うああ………や、る、るりぃ……ひぃんっ……た、たすけ……」
 喘ぐたびにおなかの中が凄いことになる。
 ぐるんぐるんと、掻き回されているんじゃないかって思う程むちゃくちゃな衝撃がくる。
 痛いのか辛いのか気持ちいいかもよくわからない。
「あっ、あつっ……うああっ……ひ、ひど、うあっ、……くぅっ……!…!」
 わかるのは、熱いってことだけ。自分が何を言っているかなんて、当然の如くわからない。
「まだだよ、姉さん」
 瑠璃の手が股間に伸びてきた。
 後ろでつながってるって事は、前は空いているってわけで。

 お湯の中でもどろどろになっているそこに、指が三本突き立った。
4477:02/11/27 04:11 ID:3rbqi8Vi
「い、ああああああっ!!」
 唐突に深く突き入れられ、目の前がくらんだ。
 前後で瑠璃を咥えている、酷く倒錯的な状態。
「あ、あっ、ひぃんっ……あひぃ、やあっ…っ、っ」
 もう、完全に瑠璃にペースを奪われてしまった。
 取りかえそうとしてどれだけ前後を締めつけても、自分が喘ぎ声をあげるだけ。
 自分の余裕をなくすだけだ。
「あっ、あぅっ、うぅっ、ひゃっ……くぅんっ!」
 くるくる指を絡めるように動かしたかと思うと、激しく出し入れされる。
 ほんっとうに瑠璃はこういう愛撫が上手い。天才とでもいうのだろうか?
「ねえ、姉さん……きもちいい……?」
 耳元で囁かれる。瑠璃にしてはとても珍しい、からかうような口調。
「ひぁっ……」
 息が耳に吹きかけられた。これは、私の得意技ではないか。
 という事は、次にくるのは、もしや……。
 怯えるように身構えると、程なくして、思った通りの事をされた。
「うぁ、あぁ………あああああっ……!」
 舌が、ぺちゃりと耳の内に進入してくる。
 背筋に凄まじい震えが走った。
 それが過ぎ去った後は、下半身が激しく愛撫されているにも拘わらず、うっとりする恍惚感がわきあがる。
4488:02/11/27 04:12 ID:3rbqi8Vi
 ごちゃまぜになった快楽はもう、私の許容範囲を越えているのではないかと思う。
「やあ、やあっ…………る、るりぃ……うぇっ、るりぃ……」
「くすっ……姉さん、さっきから言葉になってないよ」
「…ふぇ、だっ、ぇ……だっ、てぇ……」
 だって、なんだろう。言葉もない。
「……ほんとうに可愛い。姉さんが僕とか長瀬ちゃんをいじめる気持ち、わかった気がする……」
「…ふぁああん…ひぅっ、ひっ……ふあっ、あっ………」
 普段、別にいじめているわけじゃないと思っていたけど、これは考え直す必要があるかもしれない。
 確かにこれは酷い。こんな事をされたら、どうにもならなくなる。
 きもちよくって、すごくって、うん。
 長瀬さんがえっちのときぼろぼろ泣きだしてしまう事があるのも、瑠璃がぎゅうっと抱きしめられるのが好きなのも、凄くわかる気がする。
 感情が抑えられなくなるのだ。
 そもそも、その感情がわけわからなくなる。それで、言葉にする事ができなくなる。
 それでも無理やり言うなら……そう、「すっごく」なるのだ。
「ひっ、ふぅっ、ああっ……く、くぁっ………、ふ………………」

 全部の動きがとまる。

「……ふ、ぅ……どうしたの、るり……?」
「うん。ちょっと良い事を考え付いたんだ」
「……いいことって?」
 何だろう。
 なにか、良いとも悪いともいえない微妙な予感がする。
「……やってみてもいいかな?」
4499:02/11/27 04:12 ID:3rbqi8Vi
 ちょっと考えてみる。
 例えば、私がこういう時に良い事を考え付いた場合。

 なぜか、泣き出してしまった長瀬さんが思い浮かんだ。

 むう。如何したものだろうか。
 といっても、実際に瑠璃が思いついた事だし、試してみたいという気もする。
「…………いいわよ。言ったでしょ? 私は瑠璃がしたいならなにをしてもいいって」
 言ってみて、本心からの言葉ではあるのだけど、ちょっと不安にもなる。
「……うん、それじゃあいくよ」
「ひ、ひゃうっ!」
 じゃぷっとお湯が跳ね、身体を回転させられ、座位の体勢になる。
 腸内がぐるっと捻られたような感覚は形容しがたかった。
 それから、瑠璃の親指はクリトリスの上に。人差し指から薬指までが膣内に入ってきた。
「う、あぁ……ま、まさか……瑠璃……」
「うん……これで僕のを触ってみたらどうなるかなって思って」
 ぐちゅっというアソコの感触とともに、奥まで入った指が膣内の壁を押す。
 自分のものを探り当てたのか、壁がゴシゴシと擦られるのが分かる。
「……っ! や、だ、だめっ、るりぃっ!?」
「ん……したい事、してもいいんだよね………姉さん?」
 ふたたび胸を掴まれる。今度は後ろからなので、しっかりと抑えつけるようにされる。
 ぎゅうっと押しつぶされると、まるでそれに呼応するかのように下半身も締め付けを強めた。
 自分の身体なのに、瑠璃にいいようにされてしまう。
「んあ…やあっ……ひぅん……! は、はげし…、うっ、や、やだ、だめぇっ!」
「はっ……ん、きもちいいよ…姉さん」
 ぐいぐいと指が押しつけられて、クリトリスは親指に蹂躙されて、胸はしこりを全部ほぐすよう揉まれた。
45010:02/11/27 04:14 ID:3rbqi8Vi
 膣内も腸内も限界までひき絞られる。
「や、あっ、ひぃ! や、だっ! あっ、やだぁっ!!」
 今までで、まだイッてなかったのはほとんど奇跡みたいなものだった。
 でも、それももう限界だ。

 耳たぶを吸われる。
 最後の仕上げとばかりに、瑠璃はクリトリスと乳首を手加減もなしに押し潰した。
 身体中に電気が走った。カミナリに打たれたんじゃないかと思うくらいの強烈さだった。

「や、あああああああああっ!!!」

 身体の中に入っている瑠璃のアレと指を、親の仇とでも言わんばかりに締めつける。
 その感覚を少しでも長くしようと全身をピンと突っ張り、声を張り上げ続けた。

 絶頂感が途切れた。荒い息で後ろに倒れこむと、瑠璃がしっかり支えてくれる。
 入っていたものが抜かれて、ようやく一息ついた。

 ……結局、瑠璃にいいようにされてしまったか。
 ちょっと悔しい。
 しかし、以前やってあげたことは学習してやり返してくれるあたり、敵は手ごわい。
45111:02/11/27 04:14 ID:3rbqi8Vi
 ふと、気付いた。
「瑠璃、まだイってないわね……?」
「う、うん……もうちょっとだったんだけど……」
「そう…もう少し私が我慢すれば、出せたかしら?」
「う、ううん……その、締めつけが強すぎて、出なかったんだ……」
「……そうなの……じゃあ、ちょっとそこに腰掛けてちょうだい」
「う、うん」
 お風呂の縁の、壁を背にして座れる場所。
 私が座って瑠璃に愛撫された場所だ。
「……こんなにしちゃって、ふふっ」
 パンパンになったそれをそっと手に取り、舌を這わせる。
 くちゃくちゃ、と音をたててしゃぶってあげると、我慢できないといわんばかりに震える。
「う、うあ……っ」
 胸で挟みながら先端を咥えたら、びくんっ、とひときわ大きく震えて、私をめちゃくちゃにしてくれたものはあっけなく果てた。
 そして、事後の心地よい感覚。

「さて、そろそろ身体を洗いましょうか。ずっと湯船にいたらのぼせちゃうわね」
「……うん、そうだね」
「じゃあ瑠璃、久しぶりにあらいっこしない?」
「うん、いいよ。何年ぶりだろうね」
「さあね? ふふっ、長瀬さんも今度誘ってお風呂に入ってみようかしらね」
「……いたずらしちゃ、駄目だよ」

 それから二人で一緒に笑って、あらいっこをして、今日は二人で、一緒になって寝た。
452あとがき:02/11/27 04:16 ID:3rbqi8Vi

やー、やっと一つ終わったですよ。
しかし、曲がりなりにもマトモなのは久しぶりですねぇ。
相変わらずへぼですが。

とりあえず、前回のヤツはなかったことに(何


突然ですが、幸せっていいですよね。今回のSSでいうなら最後の一文ですかね。
こんな感じに仲のいい姉弟。らぶらぶですよ。方向性が間違っている気がしなくもないですが。

私も風邪が腹にきていたり……

ではまた次回、いつになるかは微妙ですがお会いしましょう。


――ぱあん、と銃声。 銃を持った拓美さんが駆け寄ってきてTHE・END
453元380:02/11/27 05:32 ID:/rMjguVT
⊂⌒~⊃。Д。)⊃     何回も

⊂⌒~⊃。Д。)⊃     何回も

⊂⌒~⊃。Д。)⊃     萌え死にました


早く自分も書きたいよぉ…
454名無しさんだよもん:02/11/27 10:02 ID:w8THwNPn
>>432
ついにClannadキタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!!
本編には焦らされまくってるので、反転ネタ大いに歓迎。

>44氏
Aを選択→興味津々のあきら(未経験)に散々つっこまれてしどろもどろなふゆ、
なんてのをみてみたかったり。

>天気屋氏
開発されまくりの往穂たん(;´Д`)ハァハァ
男聖の鬼畜度、あがりっぱなしですなw

>>452
お久しぶりでもいい! 萌え+ハァハァがあるのだから!!
エロエロでラブラブな二人に乾杯。
455調子乗り44:02/11/27 20:21 ID:r1ztfZXY
弥生さんが去った後、私は半泣き状態であきらの方を向いた。
ううううう、あきらめ、NANTE質問をしてくれたの。よりによって勇輝専用
対人兵器がいる前でぇえ……
私の心中など知る由も無く、あきらは外の方を見て思案に耽っている。どうせ岬
さんの事を考えているんだ。
「……あきらぁああ」
「どうしたのふゆ?なんだか怖い顔して」
この無神経女ッ!と言いたがったけど、それじゃゲームが違うし……
「あ、そうだ、忘れてた」
今度は何……英二さんと違う意味で侮れないよぅ……
「本当は、これが聞きたかったんだ」
そっちを先にしてくれれば良かったのに……

「初めての時って痛かった?」
………………ある意味離れてないよ、話題……
溜息をつきながら、今更ながら嘘をついた事を後悔した。でも、まさか嘘でした、
なんて言いにくいし……
「……うん……死ぬかと思ったっていうか……死んだ方がましだった」
こ、この位の方がリアリティあるよね……
「い、いつ頃から……あの、その……よくなった……?」
「……よ、四回目くらい……かなぁ」
「態度とか、あの、エッチの後とか、変わった?勇輝」
「ううん、えと、ちょっと、あー、照れ臭いって顔してた」
「えへへへへへへへへへへへ」
「あははははははははははは」

「………………帰るか」
空笑いをする友人二人を尻目に、来た早々回れ右をする遥。
何も考えずに外に出たので、何かにぶつかってしまった。
456調子乗り44:02/11/27 20:22 ID:r1ztfZXY
「あー、すいませ……」
言葉の途中で黙ってしまう。どこかで見た顔だった。が、ぶつかった人物は意に
介さない表情で『失礼』とだけ呟くと、遥の行く道とは反対方向に歩いて行った。
「……誰だっけ……まぁいいや」

「……肉体関係にあったとは……」
ちょっと、かなり、ものすごく意外だった。
しかし、それとこれとは関係無い。今の弥生にとって、勇輝の、ふゆへの行き過
ぎた感情はただただ邪魔なだけのものである。
勇輝は、弥生の夢―――そして全てでもある。
彼が成功を掴む事、それが弥生の至上の喜び。その為には、勇輝の邪魔をする者
は誰であっても排除する。
―――それが、他ならぬ勇輝の大切な人間であっても―――

「―――ならば、その事を利用させてもらうまで―――」
誰にも聞き取れない声で、呟いた。
それは哀しい程、冷たい声だった―――


……というような感じで篠塚弥生人生転落ルートが始まるという感じです。
遥が出たのは普通に次は遥篇をやろうかなぁ、と思った所を変えた名残です。
それはさておき、今年の風邪は腹に来る、というのを今知りました。
朝方腹痛起こしたのは寒冷地、暖房もつけず賞味期限が去年のアイス(勿論バニ
ラ)を食べたからじゃなかったんですね。嗚呼怖い怖い。

>天気屋氏
ああ、がっつんがっつん幸せです。お身体には本当に気を付けて下さい。
>いっちゃえシリーズの作者氏
本編も好きですけど、私前書きor後書きがものっそい好きなんです。
457別バージョン44:02/11/27 20:43 ID:r1ztfZXY
「……もう知らない」
私は真っ赤になってあきらを叩いた。
「お、怒らないでふゆ……」
「どうしてこんな所でそういう質問するのっ」
ぽかぽかあきらを叩きながら泣きそうになってしまった。
「ゆ、優等生パンチはやめてよぅ、だって、知りたかったんだもん……私だって、
まだした事ない……もん」
どうして自分の所だけ小さく言う。
弥生さんにあんな事知られて、どうしたらいいの私。
ただでさえあの人、私と勇輝の事良く思ってないのに、そんな深い関係じゃない
んならええやん、とっとと別れぇや、なんて言われたら……
「うぬぬぬぬ〜っ」
「わぁああ、痛いよ、やめて〜」
「うぬぬぬぬー」
やたら気合の入っていない声。見ればもう二本の腕があきらを叩いている。
「……あれ、遥」
「遊びに来たよ、ふゆ、あきら」
叩く手は止めずに言った。
そして私の顔を見て、遥はぽむ、と手を叩いた。
「ど、どしたの?」
「ん、いや、入口でちょっとボーっとしてた人にぶつかったんだけどさ。見た事
ある顔だなーって思ってたけどふゆの顔見たら思い出した。勇輝のマネージャー
の人だなって」
が―――ん。
「そ……そんなぁ」
呆れてたのかなぁ、高校くらいからの付き合いって知ってる筈なのに、まだ何も
してないって、引かれたのかなぁ。
「……遥、やっちゃえ」
びし、とあきらを指差す。おーけー、と気の無い返事であきらをまたぺちぺち叩
く遥だった。
458別バージョン44:02/11/27 20:43 ID:r1ztfZXY

「……やはり……そうだったか」
そうだろう、と思っていたが、あの二人の間は清いものだった。
ならば、もっと深い仲になる前に、その段階で留めて貰う。
余りに深いものになりすぎた対人関係は、やがて破滅の道を辿る。
―――勇輝は。勇輝にだけは、そんな下らない事で失敗して欲しくなかった。
それなら―――

「―――殴られる、だけじゃ済まないかもしれませんね」
誰に言うでもなく、そう呟いた。
―――あの少女を、汚す。
あのあどけない顔を、苦痛に、そして絶望に―――快楽に歪ませる……他でも無
い自分が。
いつの日か、勇輝自身が彼女を本当の意味で手に入れる日まで、ふゆを堕とし、
そして守る。

「……私は、憎んでいるのかもしれません」
やはり自嘲的に、弥生は呟くのだった―――


……通常ルート、と言って良いのか悪いのか。
どっちに転んでも幸せの欠片は見つかりません……あはは……
459名無しさんだよもん:02/11/28 01:46 ID:eUoYMQ3A
別バージョンの続きを希望してもいいかね? ←外道
460旧69:02/11/28 03:39 ID:cJ/NKG30
優しくて、厳しくて、頭がよい、ハクオロさん。

巨乳で、敏感で、流されやすい、ハクオロさん。

息子にあたるエルルゥくんを襲っちゃう?ハクオロさん。
カミュくんに金縛りにされたうえに色々吸われちゃうハクオロさん。
カルラに香で体の自由を奪われた挙句襲われちゃうハクオロさん。
父性愛?に目覚めたウルトリィさんとつい関係を持ってしまうハクオロさん。
何か吹き込まれたトウカに××を○○されるハクオロさん。
ある国から若いツバメを送られるハクオロさん。

こんなハクオロさんは如何ですか?



ユズハは思いつかなかったりする罠。
何、書いてんだ私は(汗
44氏さん、天気屋さん、いっちゃえ作者さん、相変わらず、イイ!作品ですね。



むーほったらかしの作品終わらせんとなー自分・・・
461名無しさんだよもん:02/11/28 12:45 ID:+yYfiFhX
>>460
そんなハクオロさん、大好き(w


ユズハねえ…
弟の背中流すついでに、その細い腕や薄い胸板、白い首筋に(;´Д`)ハァハァして
鼻息が荒くなりっぱなしのオボロ(女)

なんてのが先に思いついてしまった(爆
462名無しさんだよもん:02/11/28 14:59 ID:gfSkGIfg
やっぱユズハはショタなのかなぁ
463雅也 ◆yGAhoNiShI :02/11/28 16:19 ID:mtonQnHl
俺はスコールよりかっこいい中3なんだけど、
うちの学校にすげーユウナに似てる女子がいるんだ。
うらやましいだろ?>>1 >>1 >>1 >>1 >>1 >>1 >>1 >>1 >>1 >>
>>1 >>1 >>1
http://game2.2ch.net/test/read.cgi/ff/1037430276/l50
464雅也 ◆yGAhoNiShI :02/11/28 16:33 ID:ZVcdwyrK
俺はスコールよりかっこいい中3なんだけど、
うちの学校にすげーユウナに似てる女子がいるんだ。
うらやましいだろ?>>1 >>1 >>1 >>1 >>1 >>1 >>1 >>1 >>1 >>
>>1 >>1 >>1
http://game2.2ch.net/test/read.cgi/ff/1037430276/l50
465名無しさんだよもん:02/11/28 21:55 ID:+VUywNIx
保守
466なんだか泣きたい44:02/11/28 22:16 ID:DONw2vgs
「あ……駄目……だ……めっ」
「いいからいいから、大人しくして」
やたら曇りのない笑顔で、玲はかずきを抱き締めている。そして器用にも服の上
からブラのホックを外した。
「やっ……やだぁ、やめて、本当やめてぇええ」
マジ泣きで懇願するのだが、玲は全く気にせずにかずきの服を脱がせていた。
「あー、別にコレ、ブラ外さなくても良かったよね。失敗失敗」
笑顔でそう言い放つ彼の頭に、男としての機能を働かせる力があるのかないのか。
かずきの半裸を目の前にして全く動じる様子が無い。それどころかハンガーに掛
けた服を何着か持ち出し、かずきに渡そうとする。
「コレとコレ、俺的にオススメなんだけどぉ、どっちがいい?」
「どうしてどっちも制服なのぉおお……」
ひとつはあたし○ちのお母さんが好きな色の制服に、可愛いケープがついている
もの。
もうひとつはセーラー服なのにリボンが無い珍しいタイプの青と白の制服。
「んー、ぷりちーうぃざーどかずきっち、巨乳系だからこっちかな」
ずずい、とセーラーの方を勧める玲。
「……私、男じゃないし魔女でもないし可愛くもないもんだ」
「あはは、可愛いよかずきくんは」
「……説得力無い……」
ぷい、とそっぽを向く。
―――それもその筈。

「ねーねー、むくれないでよかずきくーん。どうしたのさぁ」
永遠の世界に旅立ちそうな心境のかずき。そう。
「そういう事はその服脱いでから言えや―――っっ!!」

クリーム色のシャツ、黒い制服、赤いネクタイ。そして手首に黄色いバンダナを
巻くそこらの女ぶっちぎりの可愛さを誇る玲の姿がそこにあったのだった―――
467ところで44:02/11/28 22:19 ID:DONw2vgs
>>459
別バージョンってどっちの事でしょう。
468はてさて459(=440):02/11/28 22:59 ID:q3v0Thlt
後の方ので、というより名前欄のところに書いてあると思うのですが、どうでしょう。
469名無しさんだよもん:02/11/29 01:18 ID:Mx7vyzVG
>>466
かずきちゃん、女としてのプライドがズタズタですな(w
470名無しさんだよもん:02/11/29 19:52 ID:qNw5vwUH
かずきタン(*´Д`)ハァハァ
471前733:02/11/29 21:55 ID:jgtFMMlM
うわぁ……しばらくネタ詰まりしてるあいだに
すごいレスが進んでるなぁ。
自分が最後に書いたのってもう200レス以上前だよ。
とりあえず最後までやると決めたからAIRのやつ
最後までまで書き上げることにします。
472お馬鹿でスイマセン44:02/11/29 22:05 ID:5qZDGtjY
「……キャッチフレーズ?」
唐突に言ったはじめに、四男初音はつい聞き返す。
柏木家の朝の食卓。四兄弟+その親戚のはじめが爽やかに揃っている。
「うん、ほら、せっかく特殊な家系なんだし、かっこいいの無いかなぁって」
「……いや、普通に『エルクゥ』でいいんげふ」
どびし、と延髄にチョップを叩き込まれる次男梓。勿論犯人は長男鶴丸。
「そうですね……『爽やか変身・メタモルフォーゼ柏木家』なんてどうでしょう」
穏やかに笑いながら自信満々に言う鶴丸。が、他四名の反応は薄い。はじめと初
音は愛想で笑っているが、それが丸わかりなので余計哀しい。
なんとか空気を戻そうと初音が一生懸命考える。
「う……うーん『正義の柏木!鶴来屋をどうぞよろしく!!』なんて……」
「それってただの宣伝なんごへ」
梓の側頭部に拳骨を叩き込むはじめ。
「……ごめん、朝っぱらから変な事言い出しちゃって」
話題を打ち切ろうとした時、三男楓がぽそりと呟いた。

「……『ミラクル★鬼ッコ』……」
―――一瞬、静寂が訪れる。ネタ的にも時期的にも中途半端だなと梓は言おうと
したが、命の危険を感じ、黙り込んだ。そして、はじめが笑い出した。
「あはは、駄目だよ楓くん」
そうはじめが言うと、楓はちょっとしょんぼりしてしまう。
「だって、梓と楓くんと初音くんはともかく、鶴丸さん鬼ッコなんて可愛い年じ
ゃないじゃん。そりゃ確かに子供っぽい所もあるけど」

―――その瞬間、確実に一度目より更に長い静寂が訪れるのを(はじめ以外は)
感じた。
鶴丸は張り付いたような笑顔のまま固まり、はじめの方を見ている。
そして次男三男四男は悟る。

……間違い無く柏木家最強の座は眼の前で無邪気に笑うこの女にあると……
47344:02/11/29 22:11 ID:5qZDGtjY
……名前欄はネタにも459氏への返事にも掛かっています。
最近こんなんしか(ボコボコと)浮かびません……
ははは……とりあえず逝って来ます。
474名無しさんだよもん:02/11/29 23:31 ID:+9x1EqId
彼は、思ったより近くにいた。木陰でうずくまっているが、その姿は隠れきっていない。
軽く上下する肩を見るに、奴に襲われた訳でもないようだ。
あれだけの時間があれば、奴の力なら人一人など楽に殺せるだろうから。

…奴はいない。あの怪我であきらめてくれたのか?

安堵して、だがなぜもっと遠くへ逃げなかったのかを注意しようとして…私は気づいた。

不自然に上下する肩…荒い息。
近づくにつれてはっきりする、赤い顔。

なにより、股間にて強く存在を主張する剛直と、鼻につく微かな性臭。

(しまった…さっき私がかばったせいか)

逃げられないわけだ。腰に力が入るまい。私が近づいていることにも気づいているかどうか。
…こうなってはこれを解放する方法はひとつしかない。
私は彼の上に覆い被さるようにし、そっと声を掛けた。


「あなたが今感じている感情は精神的疾患の一種よ。治し方は私が知ってる。私に任せなさい」
475名無しさんだよもん:02/11/29 23:38 ID:+9x1EqId
シーンうろおぼえでつ。元の文に似せるのはあきらめてます。
気分悪くされた方々申し訳無い。
476名無しさんだよもん:02/11/30 09:05 ID:Z9fYk6Db
これがかの有名な感感俺俺なのか…
477名無しさんだよもん:02/11/30 15:19 ID:s5DHHYF8
ひ、久しぶりに見た…
478名無しさんだよもん:02/12/01 00:29 ID:ejtHzY2J
つまり感感私私!?
479おねーさんといっしょ(1/4):02/12/01 05:28 ID:1/RuSPjO
「で、でぇと?!!」
「うむ。デートなのだ、少年」

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 あの子供――歩(あゆむ)と出会って10日ほど経つ

 あれから毎日、歩は夕方になるとあたしの所にやって来るようになった
 遊ぶ相手欲しさ…というよりはあたしの鯛焼きが目当てなのかもしれないけど
 2,3匹くらいなら大した出費じゃないし、うまそうに食う歩の顔は見ていて気持ち良いし
 それにあたしも暇つぶしの相手が欲しかった所だ…だから、構ってやっている

 …ところが、その歩がいい按配でうちの『サクラ』になってしまったらしい
 うまそうに食べる歩の姿を見て駄々こねるお子様が続出。で、親御さんが御購入という展開
 しかも『子供に鯛焼きを配る優しいオネーサン』という噂まで立ってるらしいし…
 なんだか偽善者みたいでヤな気分だが…まぁ、儲かるってるからこれもいいのか?

 これぞ『海老で鯛を釣る』改め『鯛焼きで釣ったうぐぅで客を釣る』っていう奴?

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 ――ということで、たまには気前の良いところを見せてあげようということで
「そ、優秀な助手くんへのご褒美。いいよな?」
「ボクがじょしゅ? ボク、何にもしてないよ。オネーサンの邪魔してるだけだし…?」
 まぁ、歩にしてみれば単に鯛焼きを食っているだけだからな
「それとも何かな?レディーのお誘いを断るとでもいうのかなぁ坊主?」
「うぐ…オネーサン、目がひきつってるよぉ…」
480おねーさんといっしょ(2/4):02/12/01 05:29 ID:1/RuSPjO
 とりあえず最初は腹ごしらえっしょ♪ ってことで、2人で喫茶店に入る

「え〜っと…回鍋肉に青椒肉絲に干焼蝦仁、あとライス大盛り〜」
「あの、お客様…当店は中華料理はやってないのですが……」
「あ、心配ない心配ない。婆…じゃなくてマスターに話通してみな」
 喫茶店って言ってもここはあたしの居候先だし。何の遠慮もいらないんだよね…
「歩は何頼むんだ?フルコースでも満漢全席でも何でもいいぞ〜?」
「あの、いくらなんでもそれは無理ですよ…」
 いや実際作るんだよあの婆さんは。頼む奴がいないからメニューに書いて無いだけなんだよ
「………」
「っておい歩? オネーサンの奢りだから勘定気にしないでも――」

 歩が複雑な顔で見つめている先は、奥のテーブル席の様子
 鼻の頭とほっぺたにクリームを付けた、元気そうな女の子
 幸せそうに苺を食べている、青い髪の男の子
 その2人の口元を拭いているのは、父親としては随分と若い男性
 テーブルの真ん中にあるおっきなパフェをつついている、仲の良い家族の光景

「うぐぅ…」
「…………」
 歩の家庭についてあたしは何も知らない。本人も言わないし、あたしも訊かないでいる
 だが以前私に見せた表情で大体見当はつく…多分、あたしと同じ
「……向こうのテーブルのアレも頼む。あ、スプーン2つね」
「え…?」
「嫌か歩、2人で同じパフェ突付きあうのは?」
「う、ううん! 嫌じゃないよっ!」
 やっと見せてくれたな。お前にはその笑顔が似合ってるんだよ、助手くん

 しばらくして到着した巨大パフェ(と中華3品とライス、さすが婆ちゃん)を2人で摘む
 歩とパフェの食べさせっこをしたり、フルーツの奪い合いをしたり、楽しい時を過ごした
 視線が少し気になったけどな…はてさて、周囲はあたしたちの関係を何だとおもってるのだろ?
481おねーさんといっしょ(3/4):02/12/01 05:30 ID:1/RuSPjO
 ようやく明るい表情になった歩を連れて、商店街をぐるり1周デートの旅
 ちなみにあたしはパフェと中華の食い合わせが不味かったらしく、少しグロッキー気味

「…オネーサンオネーサン?」
「うぷっ…ん…なんだ歩…」
 歩が指差す先にあったのはゲームセンター。この歳のガキにはまだ勧められない場所だな
 歩の歳だと中の機械は難しいだろうし…入り口にあるクレーンゲームが妥当だろうな
「アレ、やってみるか?」
「うんっ、とれたらオネーサンにプレゼントするよっ!」
「お、若いうちから女に貢ぐか? 殊勝な心がけだねぇー」
 …まぁ結局歩は1個も取れず終いで、その後あたしの挽回で2つ取ったんだけどさ
 でもまさか2000円もスっちまうとは…くそっ、食い合わせで集中できなかった所為だな

「ごめんねオネーサン…ボクがとってあげるはずだったのに…」
 小さな天使の人形を握った歩が、申し訳なさそうにこちらを見上げている
「ま、気にするな…(っていうかゲーム代出すのはあたしなんだしさ)」
 というあたしが持ってるのは、シンプルな白いカチューシャ
「そいつは初デートの記念だ、取っときな」
「うんっ……うぐ…オネーサン、これ読めないよぉ…」
 歩が睨めっこしている紙―カプセルに入っていたものを取り上げる。何なにぃ…

 ・・・・・・・・・・・・グハッ!

「? オネーサンどうしたの?」
「あ、えっと…えっとだな…願い事が3つ叶うんだとさ。す、すげーなこいつ」
「えっ!ほんと? 何でもかなうのっ?!」
 とりあえず適当な嘘で誤魔化す。本当の事は…と、とてもじゃねーけど言えねぇ……
「じゃあじゃあ、いまからおねがいしてもおいかな?」
「あ、お、オネーサンが叶えられる範囲で頼むぞ、あ、あはははは…」
「うんっ、じゃあ。ボクのさいしょのねがいは……」
 オイオイ…まさか願い事をあと100個増やせとかってオチじゃないよなぁ……?
482おねーさんといっしょ(4/4):02/12/01 05:31 ID:1/RuSPjO
「ボ……ボクとけっこんしてくださいっ!」
「おうっ、お安い御用―――って何ィィィィィッツ!!!」

 …ぷ、ぷぷぷプロポーズでしゅかぁぁっ?

「うぐぅ……ダメかな……てんしさん、おねがいかなえてくれないの…?」
「うぐぅ……そ、それはだなぁ…え〜〜っとぉ…」
 ぐはっ、思わずあたしにまでうぐぅが移っちまったじゃねーかっ
「……えっとだなぁ……歩。まだ、お前は9歳、だよな?」
「うん…もう少しで10歳……」
「じゃあ…早くて8年後か…」
 その頃はあたしも三十路直前――今の美貌も崩れる頃かぁ…
「うぐぅ……おねぇさぁん……?」
 そんな瞳であたしを見つめないでくれよぉ…そういう顔をされると、あたしは……

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   ♪

「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ???!!」
 ほら、思わずカウンター入れてしまったではないか
「なんだだらしないなぁ、夫婦になるんだからこんくらいで驚くなよ?」
「え、え、ふうふ?! じゃ、じゃあっ?!」
「8年後だぞ。その時もあたしのことが好きだって言うなら……
「約束…してくれる?」
「ああ、約束するぞ。続きはその時にしてやるから、今はこれで我慢な?」
「え、えっと…おねーさん、つづきってなに――うぐっ!な、なんでたたくんだよぉ?!」
 あ、あたしも一応女なんだぞっ、んな事軽々しく言えるわけねーだろっ!

 ……それに、あたしもまだ……そっちはよく知らないんだしさぁ……
 今だってかなりドキドキしてるんだぞ? なにぶん初めて…だったからさぁ…ブツブツ
483現スレの1:02/12/01 05:34 ID:1/RuSPjO
 鯛焼き屋さん(名称未設定、♀)×歩(反転あゆ、♂)、7年前にデートするの巻

 週1でしか書き込みできない都合、妙な設定とかが色々浮かんでしまう罠
 同じ飲食店つながりで百花屋とかとも関連持たせてるし…別の機会に書くかもしれないですけど…
 なによりあゆ(♀)は「ボク口調」だから歩(♂)に反転しても区別がつかないし…
 しかも本家の『3つの願い事』に手を入れちゃったし…どうなるのかなぁ…


 ∧||∧
(  ⌒ ヽ ところで、8年経つ前にお2人さんは『続き』をしちゃうのかなぁ(死
 ∪  ノ
  ∪∪
484名無しさんだよもん:02/12/01 09:45 ID:/lRNod41
>>479-483
イキロ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
代わりに漏れが閻魔大王の下僕化するからつ、続きを・・・
⊂⌒~⊃。Д。)⊃ガハッ
485名無しさんだよもん:02/12/01 18:00 ID:D29sPkkb
>>現スレの1さん
グッジョブ!!
十歳のガキ相手にマジになって照れる鯛焼き屋のお姉さん萌え〜。
486孫悟空 ◆yGAhoNiShI :02/12/02 14:25 ID:f89OzW+e
ドラゴンボールZ
フジ(関東)で毎週月曜16:30〜放送中!!

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と〜けたこおりのな〜かに〜♪恐竜がい〜たら〜たまのりし〜こ〜みたいね〜♪
487孫悟空 ◆yGAhoNiShI :02/12/02 14:49 ID:f89OzW+e
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488孫悟空 ◆yGAhoNiShI :02/12/02 15:14 ID:f89OzW+e
ドラゴンボールZ
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489現スレの1:02/12/02 15:29 ID:MSZTk362
不意に休みが入った…ので、放置状態のアレを続けてみるテスト
490ねがい(1/2):02/12/02 15:32 ID:MSZTk362
 かつて自分に訪れた災禍が、あの人を焼き尽くす、いめぇじ

「…いけませんっ!」
 駆け出していた。あの人たちが赴くだろう、あの場所へと

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 コマ送りのように、ゆっくりと
 抱きとめようと伸ばす手をすり抜け、新雪の上へ
 とすんと、小さな躰が、落ちた
「――誠っ?!!」
 腕の中の誠を見る。雪のように真っ白で、生気の失われた顔
「誠、まこと…ねぇ、しっかりしてよ、起きてよ、ねぇっ!」
 呼びかける。意味を為さないだろうことは分かっていたけど
「ほら、鈴があるよ。誠、これが好きだったよね?」
 ちりんと、鳴らしてみる。それでも目は開かれない
「じゃあ肉まんは?少し冷えちゃったけどまだ有るよ?」
 …反応しない。もう十分すぎるほど食べているから
「ねぇ……起きてよぉ……何でも我侭言っていいから……目を開けてよ…誠ぉ…」

 誠は人のぬくもりを求めて人里にやってきた
 私たち――雪弥や秋人さん、それに汐くんはそれを誠に与えた
 花火や紙飛行機で一緒に遊んだ
 水瀬家の一員となって家族のぬくもりを与えた
 大好きな肉まんを思い切り食べさせた
 汐くんという友達を得た
 たった今、私と結婚した

 では、それら全てが成就されたら?
 私たちは誠を満足させたいと思って奔走した
 その努力が誠の存在理由を失わせる結果になったとしたら?
491ねがい(2/2):02/12/02 15:33 ID:MSZTk362
 ―――――――――マコトヲコロシタノハ、ワタシタチ?


「違う……違う違う違うっ!!」
 私の脳裏を過ぎる最悪のイメージ。それを否定するように私は叫ぶ
 なんてこと、私たちは誠が人であり続ける理由を奪ってしまったんだ
 ………でもちょっと待って。望みが叶ったから存在が消えるのなら、その逆は?
 誠が何かを望みつづけるなら、誠の存在は危ぶまれないのでは?

「だったら……だったら……」
 思いつく限り、私たちは誠の望みを全てを叶えてしまっている
 でも考えるの、考えるのよ…誠が望んでいることはまだ残っていないか?
 誠本人も気づいていない願望がどこかに隠れてはいないだろうか?
「わからない…わからないよぉ…」
 駄目…全然わからない……誰か…誰か教えて……
「ウ……ァ……ゥ…」
「誠?苦しいの?どこか痛いの?」
 誠の体をさする。蒼ざめた表情に反し、異常なほど熱を帯びている
 私は少しでも望みを叶えてあげられればと思い、さする
 誠の躰を、優しく、くまなくさする


 …とくん


 あ、ああ……
「……かみ…さまぁ……」
 うれしくて、涙が零れ落ちた
 私に答えを気づかせてくださって…心から感謝します……
「そうだったんだね。分かったよ……誠…貴方の望みは……」
492現スレの1:02/12/02 15:34 ID:MSZTk362
一月前に書いた誠(反転真琴)×ゆう(反転祐一)を続けてみました(>>134-136)
あと1回でおそらく完結させますが…あらかじめ予告しときます

エロ、書きます
そのかわり思いっっっきりダークな路線になります
「吊るなーっ!」どころか「地獄に逝けやゴラァ!」と叫びたくなります(汗)
「お姉さん×歩」が極甘な分、ごそっとしわ寄せきちゃってます


 ∧||∧
(  ⌒ ヽ では又来週…
 ∪  ノ
  ∪∪
493元380
>>現スレの1氏
シリアスな誠編、最高にイイです!
…自分も早く書けるようになりたいです…