1 :
名無しさんだよもん:
病気が治って復学し、無事に進級できた栞。
一年前の一学期以来の登校を果たした栞に
興味を覚えた美汐。
果たして二人はお友達になれるのか!?
(栞の出席日数は課題とかの提出でなんとか
あるいは仮進級とか・・・)
前スレは盛り上がってきたところで無念のdat落ち。
逆境から立ち上がれ!!
3 :
1:02/07/16 04:13 ID:ko7gm6WB
4 :
1:02/07/16 04:14 ID:ko7gm6WB
糞スレキタ━━━━(Д゚(○=(゚∀゚)=○)Д゚)━━━━━!!!
立てたのか…
いや、うれしいけどね。
>前スレは盛り上がってきたところで無念のdat落ち
それはほんとに盛り上がっていたのか?
真・8音ストッパー( ̄ー ̄)ニヤリッ
9 :
名無しさんだよもん:02/07/16 04:21 ID:rpLRrnMQ
∧∧ ミ _ ドスッ
( ,,)┌─┴┴─┐
/ つ 糸冬 了 │
〜′ /´ └─┬┬─┘
∪ ∪ ││ _ε3
10 :
1:02/07/16 04:23 ID:ko7gm6WB
SSや栞×美汐雑談、萌え絵(栞、美汐etc・・・)
などなど。(前スレでは画像はなかったが)
二人に絡めていれば他のキャラが出てきても全然問題なし!
(あくまでメインは栞or美汐で・・・)
萌えシチュの力説OK!(職人さん到来の可能性も)
後はひたすら萌えるだけ!!
_ _ /
〃┏━━ 、 ∠
>>1通報うぐすた
| ノノソハ))) \
(\ リリ ´Д`)リ \___________
(\\.リ\-(ソ
(\(ぃ9 ∞ | ビシッ!
\ / ∞ /.__
/ ∞∧_#|]つ
/ = ∞ /
/ ヽ
く__ ヘ__\
/ / > ) (´⌒
/__ノ /__/ (⌒(´⌒
/_/ /__/ (´⌒(´⌒
/ / ( ヽ、 ズザー ≡≡(´⌒(´⌒;;≡
(___ _) \ ___) ≡≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡≡≡≡≡
(´⌒(´⌒;
>>1 いちいち本スレにまで営業しに来るな。
ウザ
13 :
1:02/07/16 04:37 ID:ko7gm6WB
>>12 ああ、美汐スレの方ですね。
いらっしゃいまし。
>>89-
>>92辺りの方々が前スレを偲んでいた
ようですのでご連絡差し上げましたです、ハイ。
何で責めるほうしかいないんだろ、
前スレで盛り上がった人はいないの?
カップリングシテュとしてはだめなのかね。
15 :
名無しさんだよもん:02/07/16 05:02 ID:W04k64FI
新一年生に真琴とあゆを。
前スレってあれか?
あの放尿スレ?
おとなしい者同士だからな・・・
結構気があって仲良くするんじゃないの?この二人。
>>1 スレ立て乙彼〜
前スレ好きだったよ
落ちたのは今回の猶予時間が短すぎただけで毎日書き込みあったしね
19 :
1:02/07/16 13:03 ID:ko7gm6WB
>>15 いい感じですが、難点がいくつか。
真琴・・・戸籍がない。
あゆ・・・7年間眠っていて、いきなり高校の勉強に
ついていけるか(実年齢は祐一と同じだが)
これをクリアできる説明がつけば問題なしかと。
>>16 そういえば前スレの創立時はそうでしたね。
まあ、SSのパターンの1つとしてはOKということで・・・
(ただのスカトロは嫌ですが)
>>17 そうですね。おとなしい者どうしでも、
大人びた美汐と少し無邪気さが残る栞の組み合わせは
微笑ましい情景を作り出してくれる気がします。
>>18 そうですね。いきなり落ちた感じさえしますからね。
目が覚めてスレ見ようとしたらdat落ちでびっくりです。
今度のスレはそんなことがないといいんですけどね。
20 :
551:02/07/16 16:42 ID:O3+Hda/v
(しゃく、しゃく)
「ねえ、美汐ぉ………」
「なんですか、真琴?」
「寒いよぅ…」
「そうですね、私もとても耐えられそうにないような気がしてきました」
「だから、なんでこんなところでかき氷食べてるのよぅ!」
「違いますよ、真琴。これはシャーベットです。
美坂さんが、この寒空でおいしそうにアイスクリームを食べておられるのが
不思議でしたので、私も試してみようかと思ったのですよ」
「こんなところでアイスクリーム食べて平気な奴なんて、
○○か○○○○に決まってるわよぅ!」
「真琴、そういう言い方は、政治的に正しくない表現ですよ。
独創的な表現力を持った人、とか個性的な温度知覚の人、というべきです」
「あうー………」
あ、みしまこSSになっちゃったよ。
おちてないけど、真琴から栞への印象ということで〜
進級に際して、日数の足りない栞は
学年主任の先生に悪夢のような課題を出されたのであった・・・
栞「う〜・・・お姉ちゃんは勉強は自分でやらないと身につかない
って言って教えてくれないんですよ・・・」
祐一「はははっ香里らしいな。でも、お勉強できない栞が
一番悪いんだぞ。」
栞「祐一さん、ひどいです。そんなこと言う人、嫌いです。」
祐一「もちろん冗談だぞ。でも、俺も教えられないしな・・・」
その時、祐一の頭に、栞の同級生で、物腰の上品な少女が頭をよぎった。
祐一「そうだ、栞。俺の知り合いが栞のクラスにいるんだ。教えて貰うといいぞ。」
栞「え、祐一さんのお知り合いですか?」
祐一「ああ、天野美汐っていって、またおばさん臭い・・・」
栞「(祐一さんの知り合いに女の子・・・?)」
結局、美汐に勉強を教えて貰うことになった栞だった。
そして、当日・・・
祐一「おい、栞、こいつが先日話した天野だ。」
美汐「こいつとは、ずいぶん酷い言い方ですね。」
祐一「まあ、そんなに気にするな。前にもいった通り、栞を頼むぞ。」
美汐「わかりました。美坂さん・・・でしたね。どうぞよろしくお願いします。」
栞「・・・・はい。(祐一さんとどういう関係なの、この人)」
そ し て 伝 説 が 始 ま っ た ! ! !
22 :
原点回帰:02/07/17 02:32 ID:ewLWfOE9
美汐「美坂さん」
栞「はい?」
新学期。
新しいクラスになって、栞に突然話し掛けてきた人がいた。
落ち着いた感じの美人、天野美汐だ。
美汐「あなたは、相沢さんとどういうお知り合いなんですか?」
栞「え!?祐一さんのことを知ってらっしゃるんですか!?」
栞の心臓が早鐘を打つ。
いきなり綺麗な女の子に、自分の恋人の名前を出されたのだ。無理も無い。
栞(さっき会ってたところを見てたのかな・・・・)
美汐「はい。いろいろとお世話になりました。・・・そう、いろいろと」
含みのある言葉。
にこりともせずに大人びた眼差しで遠くを見るこの女の子は、
同性の目から見てもはっとさせられる美しさがあった。
23 :
原点回帰:02/07/17 02:34 ID:ewLWfOE9
栞「ええと・・・どういうって言われても・・・」
困り果ててもごもごと言葉を濁す栞。
それを見て、いままで仮面のような表情だった美汐の表情に陽光のような微笑が浮かぶ。
美汐「・・・そんなに構えなくても大丈夫です。
あの方は私の恩人なので、お知りあいならご挨拶をと思っただけですから」
ほっと薄い胸をなでおろす栞。
しかし問題は他にもあった。この人にどう説明すれば・・・
栞「あ、は、はい、私はあの、祐一さんの、その・・・」
美汐「恋人ですか?」
栞「・・・・!」
いきなりな言葉に、頭の中がパニックになる。
あんなことがあった後でも、やはり見知らぬ人に恋人同士だと思われるのは恥ずかしいらしい。
24 :
原点回帰:02/07/17 02:36 ID:ewLWfOE9
美汐「・・・私の勘違いでしょうか?」
申し訳なさそうに表情を翳らせる美汐。
栞「いえ、あの、ええと・・・」
ひとしきり一人でうろたえた後、
栞「・・・そう、なんだと思います・・・」
もじもじと照れながら耳たぶまで真っ赤になる栞。
いままで姉の香里にしか打ち明けたことが無かったし、
同級生にこういった話題を振られた場合、どういうリアクションをしたらいいのかがわからなかった。
そもそも同級生と話をする、ということ自体久しぶりなのだから無理も無い。
美汐「そうですか。先ほどお二人が親密そうにお話なさっているのを見て、もしや、と思ったのですが・・・」
寂しそうな、うれしそうな、なんとも言えない複雑な色を浮かべたまま、穏やかに微笑む美汐。
美汐「立ち直られたのですね、相沢さん・・・」
栞「はい?」
視線を外してつぶやいた美汐の言葉は、栞には聞き取ることが出来なかった。
25 :
原点回帰:02/07/17 02:40 ID:ewLWfOE9
美汐「いえ、何でもありません。それよりもしよかったら、お昼をご一緒してよろしいでしょうか?」
栞「え・・・?
あ、はい、喜んで!」
屈託の無い、周りが華やぐような笑顔。
美汐(私はもう何年、こんな笑みを浮かべていないのだろう。
・・・いえ、そもそも私には、そんなこと出来ないのかもしれないですね)
うらやましいと思い、妬ましいと思う。
美汐(あなたはこうして元気に相沢さんとお付き合いしていて、幸せで、
・・・・・・でもあの子は・・・・・・)
本来ならあの子がいるはずの場所にちゃっかり居座る彼女に、
理不尽な怒りをぶつけたいと思う気持ちも、美汐の中に確かに存在していた。
美汐(でも・・・)
さっき祐一と話していた時の彼女と祐一の雰囲気に、
真っ赤になって照れている彼女に、
美汐は黒い感情と同じぐらい・・・むしろそれ以上に、栞に対して好感を持っている自分に戸惑っていた。
26 :
原点回帰:02/07/17 09:50 ID:ewLWfOE9
そして昼休み。
昼食は、栞の提案で校舎の外で食べることになった。
なんでも校舎裏にお気に入りの場所があるらしい。
美汐はもともと饒舌な方ではないし、栞はまだ戸惑っていたので、
なんとなく黙って廊下を歩くことになった。
美汐(あの子はこの子を見てどう思うでしょう・・・
わけもわからず拒絶してしまうか、それとも・・・)
美汐は栞を見て思う。
しかし今、この場所、この世界に真琴はいない。
どんなに願っても、真琴には、あるいは祐一には、奇跡を二度起こすことはできなかった。
美汐(相沢さんはもうあきらめてしまったのでしょうか?
あれほどまでにあの子を想っていたのに・・・・)
栞「ええと、天野さん?」
沈黙に耐えかねたのか、栞が美汐に話し掛けた。
美汐「はい。なんでしょう」
落ち着いた、大人びたというより達観した感のある声。
なんとなく、栞は姉のイメージを美汐に重ねていた。
栞「確か祐一さんが恩人だって言ってましたよね?
なにがあったのか、なんて聞いちゃっていいでしょうか」
美汐「それは・・・・」
27 :
原点回帰:02/07/17 09:52 ID:ewLWfOE9
実のところ、美汐はまだ迷っていた。
この子に真琴のことを教えて、何もかもを壊したいと思う気持ちもある。
真琴のことを忘れて違う女に幸せを求める祐一に、何らかの形で復讐したいとも思う。
実際祐一とこの子が親しげに話しているのを見たときは、そうしたいとも思った。
その反面、縛から逃れて生きようとしている祐一を応援してあげたいという気持ち、
この邪気の無い少女を悲しませたくないという気持ちも、急速に美汐の中に膨らんできてもいた。
栞「あ、無理に教えてくれなくてもいいです。ごめんなさい」
ちょっと戸惑う素振りを見せた美汐に、慌ててパタパタと手を振る栞。
それは腫れ物に触るような、おっかなびっくりとした態度でもある。
美汐(この子は多分、私と相沢さんの関係を知りたがっているのですね)
心の中で苦笑する。
話をはぐらかすためにも、ちょっとからかってみたくなった。
美汐「恋人だったんです。美坂さんの前の」
栞「え!?」
あからさまに動転する栞。
感情が素直に表に出る子らしい。
美汐(・・・いえ、相沢さんの事に関してだからかもしれないですね。)
栞「祐一さんの、前の―――恋人って、あの、ええと・・・」
予想だにしていなかった(内容ではなく、ストレートにそう言ってくることが、だが)
言葉を聞いて、いっそう戸惑う栞。
やたらもじもじと胸の前で指をからませている。
栞「ふぇ〜、あついよぉ〜!」
美汐「ほんと、暑いですね」
栞「裸になっちゃおっと!」
美汐「あはっ、おなかが出てる〜、かわいい〜」
栞「実はこの前相沢さんとやったとき・・・・・」
美汐「え・・・、それって・・・・」
栞「3ヶ月です・・・」
美汐「・・・・・(避妊しろよな・・・)」
29 :
原点回帰:02/07/18 02:08 ID:ste+lVX5
美汐「―――くすくす。冗談ですよ」
栞「え?・・ええ!?」
予想通り、とても素直に驚いてくれる少女に、美汐は親しみを覚える。
美汐「あなたが打ち解けてくれないから、すこし意地悪をしてしまいました」
栞「・・・うう、ひどいです・・・」
ちょっと呆然とした後に、安堵したためか半泣きになってしまう栞。
美汐「私と相沢さんはそういう関係ではありません。美坂さん、少し疑っていたでしょう?」
栞「・・・はい。ごめんなさいです・・・」
美汐「ふふふっ」
いたずらを見つけられた子供のようにしょんぼりする栞を見て、
美汐は楽しげに笑った。
30 :
原点回帰:02/07/18 02:09 ID:ste+lVX5
栞「でも天野さんもひどいです」
栞がちょっとふくれっつらになる。
先ほどまでのおどおどした感じがだいぶ和らいできたようだ。
美汐「そうですか?・・・そうですね。ひどいかもしれません」
そういいながらも、美汐の端整な顔には穏やかな微笑みが浮かんだままだった。
美汐「それから美坂さん」
栞「はい?」
美汐「栞さん・・・と、お呼びしてよろしいでしょうか」
栞「あ、はい。じゃあ天野さんは・・・」
美汐「私のことは、お姉ちゃんと呼んでください」
栞「お、お姉ちゃん、ですか・・・?」
お姉ちゃん、と言ったときに、栞になんとも言えない感覚が湧き上がってきた。
栞(この人・・・なんとなく知らない人と思えなかったのは、お姉ちゃんに似てるんだ。
あの頃のお姉ちゃんに・・・)
端整な顔立ち、賢そうな物言い、そして、何か、大切な何かをあきらめたような・・・・
美汐「冗談です。私のことは好きに呼んでください」
栞「うー、天野さん、さっきからひどいです」
穏やかな表情のまま、とても冗談を言ってなどいないように見えて、美汐は栞をからかっていた。
31 :
原点回帰:02/07/18 02:11 ID:ste+lVX5
栞が言うお気に入りの場所とは、どうやら校舎裏にあるらしい。
普段はあまり使われない重い鉄の扉を押し開けて、彼女達は中庭に向かう。
桜の花びらが舞い散り、この地方では長い間残る雪も、もうすっかりなくなっていた。
美汐「栞さんは」
栞「はい?」
美汐「相沢さんとどうやってお知り合いになったのですか?」
栞「あ、はい、ええと・・・」
それからお昼を食べながら、栞は祐一との思い出を語った。
雪が積もる並木道での突然の出会い、病欠中に支えになってもらったこと、
姉との和解、そして・・・
最後の方は、何かを思い出したのか言葉を濁らして真っ赤になってしまう。
栞「私、もう駄目だと思ってたんです。お医者さんももうあきらめていて。
でも祐一さんは、最後まで私に付き合ってくれて・・・」
美汐「そう・・・ですか。栞さんには、奇跡が起こったんですね」
美汐の胸が詰まる。
彼女は乗り越えたのだ。
あの子には超えられなかった、絶望的に高い壁を。
美汐(相沢さんには、ひょっとしたら栞さんとあの子がかぶって見えたのでしょうか)
32 :
原点回帰:02/07/18 04:10 ID:ste+lVX5
栞「奇跡・・・そうですね。
私、奇跡なんて起きないと思っていました。起きないから奇跡と言うんだと」
美汐「・・・」
栞「でも今はこうして元気になれて、大好きな祐一さんと一緒にいられて、
・・・お友達とお昼を一緒に食べられて」
カタ
軽い音を立てて小さな弁当箱を閉める。
栞「本当に、神様と、祐一さんに感謝です」
そう言って満面の笑顔を浮かべる栞。
その笑顔が、まぶしいぐらいの笑顔が、美汐の心に穏やかな暖かさと・・・
微かなささくれを産み出した。
栞「でも意外でした」
栞が話題を継ぐ。
もうそこには、友人と接するときの気安さが感じられた。
美汐「何が、でしょうか」
栞「天野さんって、もっと冷たい感じの人かと思ってたんです」
その言葉に、美汐はハッとする。
33 :
名無しさんだよもん:02/07/18 09:55 ID:jv76Q/BG
原点回帰氏良い!!
微妙な関係ですな。
ついでにメンテage。
……個人スレ?
>>34 って訳でもないんだろうが・・・
何かやってちょ。
36 :
原点回帰:02/07/18 12:14 ID:ste+lVX5
冷たいと思われるなら、今までと同じことだ。
自分からそう振舞ってきたのだから、今さらそう言われても何の感慨も無い。
だがこの子は、意外にも冷たい人ではなかった、と言っているのだ。
美汐「・・・冷たい感じ、ですか」
栞「あ、悪い意味じゃないです。
綺麗な人だったし、なんて言うか、イメージ的に近寄りがたいって言うか。
すみません、うまく言えないです」
美汐「では、実際の私はどうだと思いますか?」
栞「ええと、すごく意地悪さんでした」
えへへ、と、なぜか嬉しそうに照れ笑いを浮かべる栞。
そのあまりの邪気の無さに、つられて美汐も微笑む。
栞「でも偶然です。お姉ちゃんも祐一さんも意地悪さんなんですよ」
美汐「それはきっと、栞さんがからかいやすい人だからだと思います」
言ってから、くすくすと口に手を当てて笑う美汐。
栞「そんなことないですよー」
困ったように抗弁する栞を見て、美汐は更におかしそうに笑う。
それは彼女自身気付いていないが、先ほど自分にはできないだろうと考えた、
あの周りが華やぐような笑いだった。
栞「うー、そんなこと言う人、嫌いです!」
拗ねたように膨れる栞。
でも彼女はわかっている。
美汐のこういう態度は、限りない優しさの裏返しなのだと言うことを。
>>36(原点回帰氏)
さわやかですね。
二人の感情の動きが丁寧に描写されていて好感が持てます。
これからの息を呑むような急展開に期待しております。
39 :
原点回帰:02/07/19 03:32 ID:LwmKcrAj
きーんこーん かーんこーん
間延びした予鈴が、穏やかな時間の終わりを告げる。
栞「あ、もう授業始まっちゃいますね」
美汐「少し長話をしてしまったかもしれません」
ぽんぽんとスカートについた土を払いながら、二人は立ち上がり、教室を目指す。
美汐「ところで栞さん」
栞「何ですか?」
教室まで戻る廊下で、美汐が何気なく質問をする。
美汐「ものみの丘という場所を知ってますか?」
栞「ものみの丘・・・ですか?」
少し考えて、ああ、と手を合わせる。
栞「思い出しました。確か近くにある丘のことですね」
美汐「ではあそこには狐が住んでいる、と言う話はどうでしょう」
栞「それは・・・すみません、聞いたこと無いです」
40 :
原点回帰:02/07/19 11:25 ID:LwmKcrAj
美汐「そこの狐たちは、時々人里に下りてきて人を化かすと言います」
栞「あはは、なんだかおとぎ話みたいですね」
美汐「おとぎ話・・・そうかもしれませんね」
栞「・・・天野さん?」
突然表情を翳らせた美汐を、栞が不安そうに覗き込む。
美汐「栞さんには・・・」
栞「え?」
美汐「いつか話すときがくるかも知れません」
何のことかわからずに戸惑う栞。
しかし、美汐はそれ以上のことを話そうとはしなかった。
そうこうしているうちに教室にたどり着いてしまう。
美汐「それでは、今日はありがとうございました」
栞「あ、天野さん」
さっさと自分の席に戻ろうとする美汐を、栞が呼び止める。
美汐「何でしょう」
栞「また、いろいろお話してもらえますか?」
あったら怖いネタ・・・
美汐「結局美坂さんの病気はなんだったのですか?」
栞「祐一さんが心配すると思うので、祐一さんには言わないでくださいね。」
美汐「(やさしい人なのですね・・・)わかりました。秘密にします。」
栞「実は・・・梅毒です」
美汐「性病かよ!」
42 :
原点回帰:02/07/20 02:23 ID:+T1Jmbb7
一瞬驚いたような表情を見せる美汐。
そのあと見せた泣き笑いのような表情の中に、彼女は何を思ったのか。
しかしそれもすぐに穏やかな微笑みに変わる。
美汐「それは約束できません」
栞「え・・・?」
その穏やかな表情からは想像も出来なかった言葉に、
今度は栞が言葉を失う。
一瞬、香里に拒絶された時のことが頭をよぎる。
栞「・・・だめ、ですか?」
美汐「そうですね。栞さんが私のことを美汐と呼んでくれるなら考えましょう」
43 :
原点回帰:02/07/20 02:24 ID:+T1Jmbb7
きーんこーん かーんこーん
本鈴が鳴る。
先生がくる前に席につこうと、教室の中がざわざわとし始めた。
栞がほっとしたように大きく息をつく。
栞「おどかさないでください」
美汐「忘れてしまったのですか?私は、意地悪なんですよ」
そして、美汐も微笑んだままゆっくりと大きく息をついて。
美汐「これからもよろしくお願いします」
栞「こちらこそです、美汐さん」
暖かな春の日差しの中、ふたりの少女が微笑む。
この穏やかな時間が、いつまでも続くよう願いつつ。
終・・・るのか?
頼む!続いてくれ!
sageたほうがいいのかな?このスレは。
45 :
原点回帰:02/07/20 12:09 ID:+T1Jmbb7
暖かな春の日差しの中、その少女はゆっくりと目を醒ます。
周りは一面見渡すばかりの草原。
ぽかぽかとしたおひさまが、もう一度睡魔を呼び起こす。
少女「気持ちいい・・・って、わーっ!」
心地よくまどろんでいると、突然少女の頭の上に何か動くものが飛び乗ってくる。
少女「わーっ!取ってーっ!」
ぶんぶんと闇雲に頭を振り回す。
頭の上の何かもさすがにたまりかねたのか、身軽な動作で草地に飛び降りる。
少女「びっくりした・・・あ、仔猫」
得体の知れない何かは、かわいらしい仔猫だった。
少女に視線を向けられると、にゃー、とこれまたかわいらしい声で鳴く。
少女「おどかさないでよ・・・」
少女がほっとした表情を見せると、あれだけ振り回されたにも関わらずもう一度少女の頭に飛び乗ってきた。
46 :
藁:02/07/20 13:53 ID:mMVnuzNB
栞の1日
朝:朝ご飯を食べて部屋でごろごろ
昼:アイスを買って祐一といちゃいちゃ
夕:おねえちゃんとお風呂&夕ご飯
夜:ちょこちょこっと勉強して、オナニーして寝る。
夜中:おねえちゃんのベッドに潜り込んで、おねえちゃんに叩かれる。
>>45 三角関係になるヨカーン 美汐はどっちを応援するのか
激しくつづき期待
栞「暑いですね」
美汐「うん」
栞「・・・・・(それだけ?)」
美汐「・・・・・(何この人?私に何を言わせたいの?)」
美汐の一日
朝:日の出前に起床、仏壇掃除の後朝食
昼:家中の雑巾掛け、脱穀作業(要一升瓶)
夕:庭木に水やり(含菜園、盆栽)
夜:夕食後に入浴(薪式風呂)
夜中:空襲警報で避難
>夜中:空襲警報で避難
どこに住んでんだよ、ワラタ。
いや、彼女は時を越えたのだ…。
そして、祐一の曽祖父と恋に落ち…(w
52 :
原点回帰:02/07/21 01:23 ID:I3xtb4qP
少女「わっ、おもい・・・」
しかし乗られてみると、まるでそこにいつも乗せていたみたいにしっくりと馴染むのが少女には不思議だった。
少女「もう・・・」
なんとなく振り落とす気にもなれず、そのまま頭の上に乗せておく。
少女「でもあたし、何でこんな所にいるんだろ・・・?」
周囲を見渡してみても、ちょっと高い丘になっていることがわかるぐらいでめぼしいものは何も無い。
ぐう〜
少女のおなかが、ちょっとかわいらしいとは言えないぐらい大きく鳴る。
少女「おなかすいた・・・」
おなかを押さえてうずくまる。
しかしそうしていても空腹が癒されるわけではない。
少女「あっちに行けば何かあるかな・・・?」
丘の下には、ちょっとした住宅地のようなものが見えた。
特にあても無いその少女は、頭に仔猫を乗せたまま、
誘われるようにふらふらと頼りない足取りで住宅地の方に向かって歩き始めた。
53 :
原点回帰:02/07/21 01:26 ID:I3xtb4qP
少女「あんたも来る?ええと・・・」
頭の上の仔猫に向かって話し掛けようとしたときに、なんと言っていいのか一瞬迷う。
しかし次の瞬間、突然一つの言葉が頭に浮かぶ。
少女「ぴろ・・・でいいのかな?あたし、あんたのこと知ってる気がする・・・」
にゃ〜、と、間延びした声で仔猫が応える。
そんなことわかるはず無いのに、なぜかその少女にはその仔猫が頷いているように思えた。
少女「あはは、やっぱりぴろって言うんだね。ぴろ〜」
なんとなく嬉しくなった少女は、軽快にスキップを踏み始めた。
その少女・・・・真琴は知らない。
自分がどうしてここにいるのか、自分は一体何をしたいのか。
彼女は、再び奇蹟を起こす代償として、もう一度記憶を失っていた。
54 :
原点回帰:02/07/21 09:05 ID:I3xtb4qP
住宅地についても、金を持っているわけでもない真琴には食料を調達する術は無い。
仕方が無いのであても無く歩いていると、いい加減空腹で眩暈がしてきた。
真琴「なんだろ、くらくらする・・・」
昼間の住宅地、全く人がいないわけではないのだが、真琴にはそれらの人たちに声をかける勇気は無かった。
しばらくさまよった後、知らない家の庭先の石段で、ついに力尽きてしゃがみこんでしまう。
真琴「どうしよう、ぴろ・・・」
頭の上の仔猫に話し掛けても、いつもの調子でにゃーと鳴くだけで一向に事態は改善されない。
真琴「おなかすいたな・・・」
膝を抱えてうつむく彼女の胸には、ぼんやりとした想いが去来する。
真琴(あたし、誰かを探してた気がする。だれだっけ・・・?)
わからない。
わからないけど、その人は真琴にとって、とても大きな意味を持った人だったような気がする。
顔もわからない、名前も覚えていないその人のことを想うと、自然と涙がこぼれてきた。
>>原点回帰さま
SSおもしろいですね。真琴登場で三角関係ですか・・・祐一はどうする?
続きがんばってくださーい。なにげにメール欄がおもしろい。
2chだからだろうか、おっかなびっくり?
病気が治ったと言っても病弱な栞。
夏の暑いある日の教室。
ぶほっ!!
いきなり鼻血を出す栞。
美汐「ど、どうしたんですか、美坂さん!!」
栞「うう〜っ。あまりに暑いせいか鼻血が・・・」
美汐「鼻血を止めるには・・・確か首の後ろを叩くんでしたね」
スッ(手刀を構える美汐)
栞「えっ・・・!?」
ズビシっ!!!!ガクン
美汐「少し強く叩きすぎましたね・・・」
生徒A「先生!天野さんが美坂さんをいぢめてます!!」
58 :
原点回帰:02/07/21 21:48 ID:I3xtb4qP
真琴(何でこんなに悲しいんだろ・・・)
すぐ近くにあった門にもたれかかる。
空腹はすでに限界点を過ぎ、涙とめまいで視界がゆがむ。
真琴(何でこんな苦しい思いをしなきゃならないんだろ・・・)
何もかもがわからなくなってきた。
頭上のぴろが心配そうに真琴の顔をのぞきこんでくるが、真琴はそれすらも気付かない。
混濁した意識は、そのまま徐々に薄れて・・・
少女「ちょっとあなた、どうしたの?」
突然呼びかけられて、薄れかけていた意識が覚醒する。
真琴「え!?あ、ご、ごめん!」
べたっ!
慌ててその場から離れようとするが、弱っていた足がもつれて派手に転んでしまう。
真琴「あうぅ、痛い・・・」
少女「・・・大丈夫?」
声をかけた少女が、呆れたように声をかける。
ウェーブのかかった長い髪、大人びた顔立ち―――
香里だった。
59 :
原点回帰:02/07/21 21:52 ID:I3xtb4qP
真琴「膝すりむいた・・・」
香里「何をやっているのよ・・・」
呆れたような素振りを見せつつも、しゃがみこんで真琴の膝のあたりを見る。
香里「だいぶ派手にすりむいたわね・・・早めに消毒しないと化膿するわよ」
真琴「大丈夫よぅ」
上目遣いに香里を見る真琴。
警戒心に満ちたその目には、大粒の涙が溜まっていた。
香里「はあ・・・ちょっと待ってなさい。今薬箱もってきてあげるから」
溜息をついて立ち上がり、目の前の家の中に入っていく香里。
よく見ると、表札には「美坂」と書かれていた。
60 :
原点回帰:02/07/21 21:53 ID:I3xtb4qP
あげちまったゴメソ
このスレいいな。
違うネタやっても良いんじゃなかろうか
って俺が言ってもしゃぁないけど
これから、どう話しが交わるのか楽しみで仕方がない
>>56 先生「ん?どうしたんだ?」
生徒Aの一言で、教室中の注意が二人に集中する。
先生が振り向くと、そこには机に倒れ伏して微動だにしない栞と、
何事もなかったかのように教科書を開く美汐の姿があった。
先生「何だ美坂か。はっはっは、そいつなら大丈夫だ」
生徒A「・・・先生・・・?」
生徒B「・・・っ!先生っ!美坂さん、血を吐いてます!!」
机に突っ伏した栞から、ごぷごぷと真っ赤な液体が流れ出る。
その体は遠目に見えるほどはっきりと痙攣していた。
先生「おいおい美坂、今日は派手だな。あんまり汚すなよ?」
生徒A「先生、そんなこと言ってる場合じゃあ・・・!」
栞「ふう、びっくりしちゃいました」
生徒A・B「うごあぁぁっ!?」
あわてふためく生徒達の心配をよそに、何事もなかったかのようにむくりと体を起こす栞。
生徒B「ちょっ、美坂さん、あなた・・・!」
美汐「すみません美坂さん、少々やりすぎてしまいました」
栞「あ、気にしないでください。いつものことなんで・・・」
先生「おいおいおまえら授業中だぞ?」
生徒A・B「・・・・・」
ハイアットかよ・・・
66 :
56:02/07/22 05:23 ID:2BuD2Pw0
>>原点回帰氏
ありがとう!!!!!
よくぞネタとして使ってくれました。
かなりイイ感じです!
68 :
原点回帰:02/07/22 18:59 ID:PIeVBsdp
真琴「いっちゃった・・・ぴろ、いこ」
ぴろ「にゃー」
やはり他人の世話になるのは抵抗があるのか、怪我をした足を引きずりながら
よろよろとこの場から離れようとする真琴。
しかしその足取りは重く、すぐに道端にへたり込んでしまう。
香里「どこに行こうって言うのよ、まったく・・・」
香里が思いのほか早く戻ってきた。
真琴「あうぅ、ほっといて・・・」
香里「そんなふらふらなのにほっとけるわけ無いでしょ」
いらついたように強引に真琴の手を取って引っ張る香里。
真琴「わーっ、なにすんのっ!?」
香里「ちょっと、暴れないでよ」
わめく真琴を無理やり引っ張って、玄関先に座らせる。
香里「あんな道端に座ったままじゃ手当ても出来ないじゃない。ほら、見せて」
真琴「ううぅ・・・」
いい加減観念したのか、されるがままになる真琴。
69 :
原点回帰:02/07/22 20:15 ID:PIeVBsdp
真琴「あぅーっ、しみるーっ!」
香里「我慢しなさい!!」
消毒し、傷口に絆創膏を貼りつけて手当てが終了する。
かなり大きくすりむいてしまっていたので、一番大きな絆創膏を使う羽目になった。
香里「はいおしまい。でもなんであんなところで・・・」
ぐう〜
香里が質問をし終わる前に、真琴のおなかが派手に鳴る。
香里「・・・おなかすいてるの?」
真琴「・・・うん・・・」
手当てをしてもらって安心したのか、それとも本気で限界が近いのか、
今度は真琴も素直にうなずく。
香里「はあ・・・待ってなさい、なにか食べられるもの探してきてあげるから」
真琴「ほんと?」
香里「嘘ついてどうするのよ」
そう言って何度目かわからないため息をつくと、
香里は食べられるものを探すためにキッチンへ向かった。
70 :
原点回帰:02/07/22 20:22 ID:PIeVBsdp
香里「で。結局なんであんなところにいたのよ」
その質問が全く耳に入っていないかのように、
香里が差し出したジャムパンを美味そうに頬張る真琴。
香里「はぁ・・・」
何を言っても無駄だと判断した香里は、
とりあえず目の前の少女が食事を終えるのを待つことにした。
ぴろも真琴の頭から下り、皿に入れられたミルクを舐めている。
真琴「はあっ、美味しかった」
コップになみなみと注がれたミルクを一気に飲み干し、ようやく人心地がついたようだ。
香里「気が済んだかしら」
真琴「もっとないの?」
香里「・・・ずうずうしいわよ」
真琴「あうぅ・・」
ずうずうしいくせに睨まれてすくみ上がるこの少女は、
どことなく子供や小動物を香里に連想させた。
いかん。
栞の影響で「皿」が「血」に見えてしょうがない。
72 :
名無しさんだよもん:02/07/23 11:06 ID:gOZtL3x3
なんか原点回帰氏の独壇場になってるな・・・
>>72 それがいいのだよ。ごちゃごちゃしなくていい。荒れないし。
>>原点回帰氏
とりあえず密かに楽しみなのでがんばれー
SS面白い
期待して待っております
75 :
原点回帰:02/07/23 21:23 ID:7NiaPU+W
香里「それで。もう一回聞くけど」
真琴「わかんない」
香里が聞きなおす前に即答する真琴。
ミルクを舐め終わったぴろをもう一度頭の上に乗せる。
香里「聞いてたんじゃない。なによ、わかんないって」
真琴「わかんないものはわかんない。気が付いたら原っぱに倒れてたの」
わからないのはこっちだ。
何が何だかさっぱりわからない。
大体この少女はこっちの質問に答えていないではないか。
あまり気の長い方ではない香里は、少々苛立ち始めていた。
香里「なんで原っぱに倒れてたのに、うちの前でうずくまってたのよ」
真琴「おなか空いてたから、こっちの方にくれば何かあるかと思って・・・」
香里「・・・で、うちの前で力尽きちゃったのね。それよりも何で原っぱなんかに倒れてたのよ」
真琴「わかんない」
香里「はぁ・・・」
埒があかない。
香里はこのままでは何も発展しないだろうと判断し、質問を変えることにした。
76 :
原点回帰:02/07/23 21:26 ID:7NiaPU+W
香里「とりあえず、あなたの名前は?」
真琴「ええと、わかんない・・・」
香里「名前がわかんないって・・・じゃあ家はどこなの」
真琴「わかんない・・・」
ふてくされたように同じ答えを繰り返す真琴。
香里はいい加減にしなさい、と言おうとして、あることに気が付く。
目の前の少女の服が、よくみるとところどころかなり汚れているのだ。
香里「あなた・・・」
真琴「あぅーっ、わかんないものはわかんないのっ!」
癇癪を起こしたように地団駄を踏む真琴。
しかし、突然その脳裏に一つの単語が浮かぶ。
真琴「あ・・・」
香里「どうしたの?」
真琴「まこと・・・思い出した、沢渡真琴」
香里「真琴?」
真琴「うんっ!」
嬉しそうに目をきらきらと輝かせる真琴。
一体どうなってしまうのか
このスレから天才が現れたな。
素晴らしいことです。
素直にのめりこめるSSですね〜
また落ちちゃイヤンなので保守
この組み合わせは、、まさか!
久Y
81 :
原点回帰:02/07/24 19:46 ID:C9geqQ6U
香里「もしかして、それがあなたの名前なの?」
真琴「そうっ!ぴろ、思い出したよーっ!」
嬉しそうにぴろを振り回す真琴。
ぴろはぴろで、振り回されているというのになぜか嬉しそうだ。
香里の目にも、その喜び方がポーズではないように見えた。
香里(名前を思い出すだけでこの喜びよう・・・やっぱり)
突拍子も無いことだが、これまでの言動を総合すると一番説得力があるのは・・・
香里(この子、ひょっとして記憶喪失・・・?)
ただの家出少女という線も考えたが、それにしては名前一つで尋常ではない喜びようだ。
原っぱに倒れていたと言っていたから、ひょっとしたら事故にでもあったのかもしれない。
香里(まいったわね。警察?医者?)
なんにせよ本当に記憶喪失なら、いろいろと厄介なことになるだろう。
しかし目の前の少女・・・
真琴が無邪気にはしゃぐのを見ていると、そんなことは些細な問題に思えてきた。
82 :
原点回帰:02/07/24 19:56 ID:C9geqQ6U
香里「とりあえず真琴・・・でいいのよね?あなた、ひょっとして記憶が無いの?」
それまではしゃいでいた真琴がぴたりと止まる。
真琴「・・・」
一気に落ち込んでしまうところをみると、どうやら予想通りだったらしい。
香里「本当に無いのね・・・ちょっと信じられないけど」
真琴「あうぅ、真琴のせいじゃないもん」
香里「なにか、自分のことがわかる物とか持ってないの?お財布とか」
言われて気付いたのか体中のポケットを探るが、特にそれらしいものは見つからないようだ。
しかしスカートのポケットを探っていると、何か紙切れがひらりと落ちた。
香里「ちょっと、今何か落ちたわよ」
真琴「え?どこどこ?」
きょろきょろと足元を見ると、白い紙切れが落ちていた。
それを香里が拾い上げる。
香里「何これ、レシートじゃない。ニクマン・・・肉まんしか買ってないみたいだけど」
真琴「あぅーっ、肉まん!」
肉まん、という言葉を発したと同時に、真琴が過剰なぐらい反応する。
83 :
原点回帰:02/07/24 22:39 ID:C9geqQ6U
香里「なに?あなた、肉まんが好物なの?」
真琴「うん・・・たぶん・・・」
香里「・・・どうでもいいことは思い出すのね」
まったく、と肩をすくめる香里。
香里「とりあえず手がかりになりそうなものは無かったわね。他に何か覚えてることないの?」
真琴「そんなこと言われても・・・」
一生懸命思い出そうとする真琴。
真琴「あ、そうだ、一つだけ」
香里「何か思い出したの?」
真琴「誰かを探してたような気がするの」
思い出すと胸が痛む。
この気持ちは何なんだろう?
この、胸を焦がすような気持ちは・・・
今の真琴には、その気持ちが何なのかわからなかった。
もしや、全キャラ登場ですか?
栞「昨日お姉ちゃんとスターウォーズ見に行ったんです、スレとあんまり関係ないんですけど。
ヒロインがとってもきれいでしたよ。
名前が確か、ええと、ダメポ……」
美汐「パドメです」
ところでこれは栞エンドの後日談なのか?
てことはあいかわらず舞は孤独に魔を狩り続け、
あゆは病院で植物状態なんだろうか・・・
87 :
名無しさんだよもん:02/07/25 19:05 ID:ekg1a2Y0
ちがうだろ。
真琴は復活後だから全員奇跡終了では?
それにしても美汐、香里と気に入りキャラが出て(・∀・)イイ!
さゆりんはまだか・・・( ゚д゚)
全員奇跡、だけど祐一と付き合ってるのは栞か・・・
それはそれであゆが可哀相。
89 :
原点回帰:02/07/25 22:57 ID:iMKJ1E/U
香里「誰かって、誰よ」
真琴「あうぅ・・・」
香里「またわからない、ね。じゃあ探しようがないわね」
名前もわからなければ顔もわからない。
それでは結局なにも思い出していないのと一緒ではないか。
真琴「会えば・・・」
香里「え?」
真琴「会えば・・・多分、思い出すと思う・・・」
それは根拠のない思い。
しかし同時に、いろいろなことを忘れてしまった真琴が頼りに出来る、たった一つの拠り所でもあった。
香里「ふうん・・・」
その理由も何も無い思い込みに近い主張を、香里はなぜか笑い飛ばす気にはなれなかった。
香里「でも会ったらわかるって言っても、この町だけでどれだけ人がいるかわかってる?
手がかりもないんじゃどうしようもないわよ」
真琴「あうぅ・・・」
残念そうにうめく真琴。
90 :
原点回帰:02/07/26 00:39 ID:n1yffFRV
香里「それで、これからどうするかなんだけど・・・あなた、警察と病院どっちがいい?」
ちょっと意地の悪い質問だったろうか。しかし、
真琴「けーさつ?びょういん?」
何の事かわからないと言う風に首を傾げる真琴。
香里「・・・そんなことまで忘れてるの?」
よくドラマなんかで描かれる記憶喪失というものは大体この辺の一般常識は忘れないはずなのだが、
あれは嘘だったのだろうか。
香里(でも・・・目的があるのならあんまりそういう場所には任せない方がいいのかも)
それに名前も思い出したことだし、記憶喪失といっても軽度なものなのかもしれない。
ひょっとしたらあっさりと何もかも思い出すかもしれないのに、
あまり事を荒立てるのは良くないような気がする。
そんな香里の心配をよそに、当事者である真琴は頭上のぴろを撫でながらきょとんとしていた。
香里(人の気も知らないで・・・とはいえ、参ったわね。
栞が通っていた総合病院にでも行って、カウンセリングでもしてもらったほうが・・・)
しかしなんで私はこんなに親身になっているのだろう?
香里がそんな事を考えたとき。
91 :
原点回帰:02/07/26 01:19 ID:n1yffFRV
誤)しかしなんで私はこんなに親身になっているのだろう?
正)しかしなんであたしはこんなに親身になっているのだろう?
ちょっと混乱・・・
原点回帰氏、毎回楽しみにしてます。
もうつづきが気になって気になってしょうがないっす。
俺ぁ読んでる part1の時から読んでる
あぅ−
続き読みたい・・・
>>90 のメール欄の疑問に答えてみる。
俺は読んでる。楽しみにしている。
つまり今の所、少なくとも四人は楽しみに待ってるわけですよ、原点回帰氏。
実際はもっと多いと思われ。
>>95 もう一人足してくれ。俺もだ。少なくても五人。
俺も入れて六人
んじゃ7人目━━(Д゚(Д゚(Д゚(○=(゚∀゚)=○)Д゚)Д゚)Д゚)━キタ━━━━!!!
我、8人目也。
なんか他所でも点呼参加したなぁ。あ、9人目です。よろしく。
記念すべき10人目
102 :
七汐:02/07/26 23:03 ID:Xp0j7pkV
あたくしを忘れるな。
漣(さざなみ)の11人目だ。
なんだ、多いじゃないか。
>>100 まさか反転繭スレじゃないだろうな。
点呼が開始されてる…黙っちゃいられないな(w
獣煮人目っと。続き期待してます。
銃惨人目でごわす
>>105 ・・・そのスレ見てみたが、すごいな。言葉も出ない。
いかに葉鍵板が21歳未満ダメダメ板だからって
中のスレまでエロじゃなきゃいかんわけじゃないと思うのだが・・・
とりあえず、原点回帰氏はこんな方は気にしないで下され。
樹宇夜人目や
>>106 あの1は21以上じゃないでしょう。
あんな奴が成年だったら鬱だ。
従吾任目や。
頑張ってくだちぃ。
絨碌認目でございまふ
銃御予算で作ります
112 :
越中:02/07/27 12:34 ID:K8JlRj7g
17人目だって!
いつも楽しみにしているので頑張って下さいと言うことですよ。
18人目でごわすよ。
しおりマンセー。
真琴香里編の続きはめっさ気になるんだけど。
美汐はどーなんだ? 栞はどう絡んでくるんだ!?
114 :
原点回帰:02/07/27 20:50 ID:28Ak4DfU
栞「ただいまー。あれ?」
突然玄関から声がする。
栞が学校から帰ってきたようだ。
とんとんと廊下を歩く音がした後、リビングに現れる。
栞「ただいまお姉ちゃん。そのひとは・・・お客さん?」
真琴「・・・・」
香里「お客なんていいもんじゃないわ。うちの前で行き倒れてたから助けてあげたの」
栞「え?・・・ええっ!?」
香里は不機嫌そうに頬杖をついて言った。
予想もしていなかった言葉に驚く栞。
そして警戒して身を固めている真琴をまじまじと見る。
栞「行き倒れって・・・大丈夫ですか?」
香里「大丈夫よ。おなか空いて倒れてただけなんだから」
真琴「あうぅ・・・」
さすがに見知らぬ人に知られるのは恥ずかしかったのか、ちょっと困ったような声をあげる真琴。
それにあわせて頭上のぴろもにゃあと鳴いた。
115 :
原点回帰:02/07/27 22:45 ID:28Ak4DfU
そのことによって栞の注意がぴろに向く。
栞「あ。かわいい。ねこさんですね?」
栞がぴろに手を伸ばそうとすると―――
ばっ!
野良猫に近寄ったときのように飛びのく真琴。
当のぴろはのんきにあくびをしている。
栞「あ・・・・ごめんなさい」
びっくりして謝る栞。
さすがにそこまで警戒されているとは思わなかったので、かなり傷ついたようだ。
だが実のところ、飛びのいた当の本人の方がびっくりしていた。
真琴「ご、ごめん、つい・・・」
香里「どうしたのよ。この子は妹の栞。そんなに警戒する必要は無いわ」
真琴「あうぅ・・・」
栞「あ、大丈夫ですよ。気にしてないです。
・・・でも、ちょっとびっくりしちゃいました」
片手を胸に当てて、おどけたように微笑む栞。
・・・・無理をしているのは一目でわかった。
この子は、拒絶には人一倍臆病なのだ。
敏感な香里はそのことに気付いてしまう。
―――そして、栞がそうなった原因を作ったのが自分だということにも。
116 :
七汐:02/07/28 20:32 ID:HD4YfCbt
真琴の再会も、そう遠くないね。
そんなメンテ
117 :
原点回帰:02/07/29 00:54 ID:jVbPGp7S
表情は相変わらず不機嫌なまま、香里が真琴の後ろにまわる。
香里「まったく・・・ほら」
そのまま真琴の背中を、栞の方に向けて押す。
真琴「わっ、なにするのよー!」
手足をじたばたさせながら、真琴が栞の目の前に押し出される。
栞は栞で、いきなり目の前に差し出された真琴にどう接したらいいかわからないようだ。
香里「いいから挨拶しなさい。手当てした上に食べ物あげたんだから、そのぐらいしてもいいでしょう?」
真琴「あうぅ・・・」
栞「あ、あの・・・」
今度はおろおろしてしまっている栞の後ろに回り、ぽん、と優しく肩に手を乗せる。
栞「あ・・・」
その手はとても暖かくて、励ますような、包み込むような、そんな優しさに満ちていた。
その優しさに後押しされたかのように、栞が口を開く。
栞「・・・美坂栞です。はじめまして」
真琴「・・・沢渡真琴だよ。こっちはぴろ。さっきは・・・ごめん」
栞「こちらこそ・・・ぴろちゃん、撫でてみていいですか?」
真琴が頷くと、今度こそとぴろに手を伸ばす栞。
その指が喉元に触れると、ねだるように首を伸ばすぴろ。
喉を撫でられてごろごろと鳴くさまはとてもかわいらしい。
余は10人目、であるな
某十一人目で御座る。
120 :
原点回帰:02/07/29 19:16 ID:jVbPGp7S
栞「わあ・・・人なつっこいんですね」
香里「飼い主よりよっぽどね」
皮肉るような声で横合いから茶々を入れる香里。
真琴「余計なお世話よ!ええと・・・」
考え込む真琴を見て、まだ名前すら名乗っていなかったことを思い出す。
香里(何で忘れてたの・・・?)
自分がそんなことも忘れていたことは意外だった。
それで違和感も無かった。
この子を見ていると、怯えた子犬が精一杯虚勢を張っているようなそんな錯覚にとらわれてしまう。
そんな相手の警戒心を解くには、名前なんか些細な問題だと無意識に思ったのだろうか。
香里(不思議な子よね。なんとなく放って置けないし)
自分は実は情に脆いのだと再認識させられる。
それは、照れくさくはあったが不快なものではなかった。
ここか?対抗スレの
>>1が言ってた、SSオンリーの点呼スレッドは?
美汐「美汐とっ!」
栞「栞でっ!」
美汐・栞「フュージョンッ!」
美栞「そんな酷なこという人嫌いです」
祐一「あったなぁ……そんなスレ」
美栞「絶対既出だと思いますけど」
>美栞「そんな酷なこという人嫌いです」
勘弁して下さい。飲み物を吹きそうになりますた。
合体後の名前が 『み・しお・り』っていうのがまたいい。
>美栞「そんな酷なこという人嫌いです」
サイコ―です。しばらく笑いが止まらなかった。ツボにはいりまくり
126 :
原点回帰:02/07/30 23:22 ID:QPvu+Pl8
香里「美坂・・・香里よ。さっきも言ったけど、栞の姉。名乗るの忘れてたわね」
真琴「じゃあ香里ね。栞さんは栞さんでいいのかな」
栞に向かってたずねる真琴。
香里「ちょっと、何であたしだけ呼び捨てなのよ」
香里は笑ってはいるが、ちょっとだけ頬が引きつっている。
しかし真琴の態度は、香里に気をゆるしたがゆえの態度でもあった。
真琴に対する今までの香里の態度は、ぶっきらぼうでそっけないものだ。
それでも真琴は心を開いている。
真琴は憶えてはいないが、心の奥で気付いてるのかもしれない。
香里の態度が、祐一の裏返しの愛情表現に似ているのだということを。
栞「栞でいいですよ、真琴さん。ぴろちゃんもよろしくね」
自分のことが言われたのがわかるのか、喉を撫でられながらにゃあ、とぴろが鳴く。
127 :
原点回帰:02/07/30 23:41 ID:QPvu+Pl8
栞「あはっ、かわいー」
真琴「でしょー?」
栞「抱っこしていいですか?」
真琴「ぴろ、いい?」
ぴろ「にゃー」
真琴「いいって」
栞「ほんとですか?わあ・・・」
はしゃぐ栞と得意そうな真琴。
なにはともあれ、最初の警戒心はいつのまにかなくなってしまったようだ。
香里(ふう・・・)
そのことを感じとって、香里は心の中で安堵のため息をついた。
しかしあの過剰な反応はいったいなんだったのだろうか。
自分でも驚いていたようだし、いまはそんなに警戒する素振りを見せていない、
ということは、無意識の反応だったのだろうが・・・
香里(やっぱり、わけありなのかもしれないわね)
厄介なことに関わってしまったと思いつつも、無邪気にじゃれる二人を微笑ましく見つめていた。
>>122続き
美汐「ちなみに右半分が美汐で」
栞「左半分が栞です」
祐一「あしゅら男爵かよ(;´Д`)」
美栞「冷たいアイスを食べつつ熱いお茶を啜ると、温度差で口の中がおかしくなりそうです」
祐一「そろそろ分離しとけ」
祐一「まあ、なんにしても特に違和感が無いよな?」
美栞「何がですか?」
祐一「いや、二人ともここらへんの寂しさが共通しkIBツM:,FG]:;OO;
130 :
原点回帰:02/07/31 22:48 ID:e/Duapja
一通り自己紹介が済んだので、香里は事情を説明することにした。
香里「この子、記憶喪失らしいのよ。これからどうするか話してたんだけど」
栞「記憶・・・喪失?」
香里「名前ぐらいしか思い出せないんだって」
栞「わあ、ドラマみたいでかっこいいですね」
真琴「ほんと?えへへ・・・」
香里「笑ってる場合じゃないでしょ。あなたこれからどうするつもりなの?」
そんな脳天気な・・・と、妹の反応にも、無自覚な真琴の反応にも呆れる香里。
和やかなのはいいのだが、それだけなのも困りものだ。
香里「とりあえずわかってることだけ説明するわ」
栞「うん」
真琴「お願いね」
香里「あんたのことでしょ・・・」
それから栞に、玄関先でうずくまっていたところを助けたこと、手がかりとなるようなものは持っていないということ、
誰かを探しているらしいこと、など、今わかっている情報を説明した。
こうやって見ると祐一と香里は似ているかもしれない…とメンテ。
話動かすの難しいかもしれないけどがんばってー。
132 :
名無しさんだよもん:02/08/01 23:56 ID:Uj5+88gR
age
(・∀・)
うー、止まったな。美汐と栞を絡ませなかった本編はなんだろうな…
完全に二次創作の域だが佐祐理、秋子さんとの絡みも良いものだ…
麻枝派の私もKanonのキャラの魅力については納得せざるを得ない。
ONEの良かった点は、シナリオが分岐しても
ヒロインになれなかった他のキャラも話に絡んでくるとこだった。
あくまでも俺的な感想だけど。
KanonやAIRはそういう部分がほぼ皆無なのが最大の不満。
栞「止まってしまいましたね」
美汐「まあ、仕方ないでしょう。多少の充電期間も必要でしょうし」
栞「ところで天野さん、一緒に夏休みの宿題しませんか?」
美汐「宿題は自力でやるから意味があるものです。写しても意味はありませんよ。」
栞「う〜。そんなのじゃないです。共同で自由研究をしようと思ったんです・・・」
美汐「自由研究ですか・・・何をする予定なんですか?」
栞「えへへ・・・凄いですよ。私たちが被験者になって、お互いのレポートを作るんです。」
美汐「(果てしなく嫌な予感)」
栞「タイトルは『謎ジャムとアイスだけで、人は何日間生きられるか』です!!」
美汐「却下(0.5秒)」
>136
なにげに仲が悪い二人?
自分にはちゃっかり好物を確保して、相手には謎ジャムを与える栞・・・
>136の勝手に続き。
栞「天野さん、即答なんて冷たいです」
美汐「よく考えてみてください。『何日生きられるか』と言うことは、どちらかが死ぬまでレポートしなきゃいけないんですよ」
栞「私はアイスさえあれば、10日は持ちますよ」
美汐「……それって私に氏ねっていっているんですか?」
秋子 「大丈夫ですよ、美汐さん。こっちのジャムなら、11日間は生きられますよ(にっこり)」
140 :
原点回帰:02/08/03 17:12 ID:4spMZwV0
香里「・・・っていうこと。普通に考えると警察に保護してもらう、ってのが一番なのよね」
栞「警察・・・」
栞が眉をひそめる。
困っている人間をそういった機関に任せるということに抵抗があるのだろう。
香里「でもまあ、ひょっこり思い出すかもしれないし、あんまりおおごとにすると
後でこの子が困るかもしれないでしょ。どうしようかなあって」
片手を頬に当てたままちょっと首を傾げる。
本気で何かを考えているときの、昔からの香里の癖だ。
真琴「あうぅ・・・」
真琴も嫌な空気を感じ取ったのか、ちょっと不安そうにしている。
141 :
原点回帰:02/08/03 17:37 ID:4spMZwV0
栞「お姉ちゃん、行くあてが無いんだったら記憶が戻るまでここに住んでもらおうよ」
香里「ここに?」
栞「うん。お父さんには私から話しておくから。いいでしょ?」
実のところ、今のこの家には香里と栞しか住んでいない。
両親が仕事の都合で半年ほど家を空けることになってしまい、美坂家は子供達だけになってしまっている。
・・・栞を看取るまでは、と、昨年両親が会社にいろいろ無理を言っていたつけが回ってきたのだ。
しかしそのことを栞は知らない。知る必要もないのかもしれない。
香里「でも・・・」
栞「お願い。真琴さん、悪い人だとは思えないし、困ってるのにかわいそうだよ」
甘えるような上目遣いで頼まれると、香里はどうしても嫌とはいえなくなってしまう。
142 :
原点回帰:02/08/04 00:04 ID:PxEaTU1r
香里「わかったわよ。でも栞が面倒見るのよ?」
栞「面倒って、そんな捨て犬じゃないんだから・・・」
香里「似たようなものよ」
はあ、と、また溜息。
なんとなく今日一日でかなり老け込んでしまった気がする。
香里「というわけで、記憶が戻るまではうちに居ていいわよ」
真琴「なんか、すごく嫌そうなんだけど・・・」
香里「別に嫌じゃないわよ。面倒なだけ」
栞「お姉ちゃん、それ、嫌がってるよ・・・」
苦笑いする栞。
真琴はまだ戸惑っていた。
確かにこれからどうするか困っていたので、ここに住ませて貰えるなら助かるのだが・・・
143 :
原点回帰:02/08/04 00:10 ID:PxEaTU1r
真琴「・・・ほんとにここにいていいの?」
香里「何言ってんのよ、どうせ他に行くとこないんでしょう?行くあてがあるなら追い出すけど」
真琴「行くところ・・・?」
そんなところないよ、と即答しようとして、心の奥に何か引っかかりがあることに気付く。
『ここがおまえの居場所だからだろ』
それは、とても大切ななにかだったような気がする。
しかし、今の真琴にはぼんやりとしたイメージでしかなかった。
香里「どうしたのよ」
真琴「え・・?あ、ううん、なんでもない」
栞「何か思い出したんですか?」
真琴「わかんない。でも・・・」
真琴が帰るべき場所。
探している人はそこにいる。
今度は、しっかりとした確信だった。
真琴「行かなきゃいけないところがある気がするの。でもそこがどこだかわかんない。
・・・だから、そこを見つけるまでは」
それは、確かな決意。
人と距離を置き、拒絶することしか知らなかった真琴の、初めての歩みより。
真琴「ここにいさせてほしい」
おおうきたきたぁ
香里「じゃあ、まずはおトイレの躾からね」
うそですもちろんたんなるねたです
>>145 いや、書くならそれもまたOKですぞ(w
むしろ、是非・・・
147 :
原点回帰:02/08/05 10:59 ID:e3f9BnYo
深々と頭を下げる真琴。
いきなりだったので頭上のぴろがびっくりして飛びのく。
香里「なに言ってるのよいまさら。さっきからいいって言ってるじゃない」
栞「こちらこそよろしくお願いします、真琴さん」
こうして真琴は、美坂家に居候することになった。
栞「真琴さんって私と同じ位の歳ですよね」
真琴「うん、たぶん。だから真琴でいいよ」
栞「ええと、じゃあ、まこちゃんでどうですか?」
真琴「あ、かわいい」
栞「はい。じゃあまこちゃんです」
自分で考えたくせにちょっと恥ずかしいのか、えへへと照れ笑いする栞。
そんな姿を香里は微笑ましく見守っていた。
栞にとって、数少ない年代の友人になって欲しい。
記憶が戻っても友人として付き合ってくれるようになって欲しい。
そう思っていた。
この時は、そう思っていたのだ・・・
148 :
原点回帰:02/08/05 11:02 ID:e3f9BnYo
誤)数少ない年代
正)数少ない同年代
なんだかな・・・
っていうかやっと本編(?)かな。
ようやくスレ違いから脱出・・・するはず。
もしかして泣けるのでは…
しかしまあ、よくここまで続いたよな、このSS。
そーとー暇人なのね・・・・
見守ってる我々はもっと暇人でつよ。
ある程度まとまったらちゃんとしたサイト作って欲しいな。
153 :
原点回帰:02/08/06 03:28 ID:DPOkXg3X
ある日の放課後。
美汐が廊下を歩いていると、栞が嬉しそうに掲示物を見ているところに出くわした。
美汐「何を見ているのですか?」
かなり顔を綻ばせていたので、何を見ているのかと隣から覗き込む。
栞「あ、美汐さん」
美汐「実力テストの結果ですね。でも二年生の結果はここではないですよ」
言ってから気付く。
栞は一年のとき病気で長期欠席をしていたので、こんな所に張り出されるような成績ではないはずだ。
見ているとしたら他の人のだろう。
美汐「ひょっとして・・・相沢さんですか?」
栞「あ、いえ、いてくれたら嬉しいんですけど・・・」
苦笑する栞の表情を見るに、彼はあまり成績がよいとは言えないようだ。
154 :
原点回帰:02/08/07 02:06 ID:e4SfYEGm
ふと何気なく順位表を見たとき、嫌でも目に入る位置―――主席に、見覚えのある文字が書いてあった。
美汐(美坂香里・・・美坂?)
美坂という姓は全く聞かないというわけではないが、珍しいといっていい部類に入るだろう。
同時に、栞に姉がいたということを思い出す。
美汐「栞さん、三年生の主席の方はひょっとして・・・」
栞「あ、はい、私のお姉ちゃんです」
美汐「そうですか。ずいぶん優秀な方なんですね」
栞「はい。自慢のお姉ちゃんです」
晴れやかな表情の栞。
確か一時期確執があったと言っていたが、それももう無いようだ。
栞「落ち着いた雰囲気とか、ちょっとだけ美汐さんに似てるかもしれません」
美汐「私に・・・ですか?」
栞「それにとっても美人なところとか」
臆面もなく言う栞。
美汐は返す言葉もなく赤面してしまう。
赤面か。美汐の赤面ね。
(;´Д`)ハァハァ
ところで前スレの
>>10の画像持ってる人いないか?
最近この板に引っ越してきたので知らんのだが・・・・
持ってたらうぷキボーン(おながいしますだ)
158 :
156:02/08/07 23:46 ID:8qURqwCW
>>157 キタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!
マジでありがd!(;´Д`)ハァハァ
159 :
原点回帰:02/08/08 02:49 ID:VXE/YVsZ
栞「それに前も言いましたけど、お姉ちゃんもちょっとだけ意地悪さんなんです」
香里「・・・そう。そんなふうに思っていたの」
栞「あっ」
後ろから聞こえた声に、目に見えて狼狽する栞。
栞「お、お姉ちゃん・・・」
香里「なにびっくりしてるのよ。大丈夫よ、気にしてないから」
名雪「香里、目が怖いよ・・・」
香里の隣には親友の名雪がいた。
名雪「こんにちは栞ちゃん。前に百花屋で会って以来だね」
名雪が気軽に声をかけて来きた。
彼女は栞とはあの時が初対面だと思っている。
しかし実は、香里と一緒に歩いているところを何度か見られているのだ。
もちろんそんなことは知るはずもないが。
160 :
名無しさんだよもん:02/08/08 16:19 ID:w5Tygpm4
mente
まだ必要なさそうだけどメンテ
栞→ドリカム・ミスチル・そしてポルノグラフィティ
美汐→山崎まさよし・スガシカオ・そしてフリッパーズギター
163 :
原点回帰:02/08/09 04:40 ID:AIhTNIeW
栞「お久しぶりです名雪さん」
名雪「祐一ったら全然うちに連れてこないんだもん。やっぱり照れくさいのかな」
栞「あはは、どうなんでしょう?」
もちろん栞が遠慮しているからなのだが、そんなことは言えるわけがない。
栞が水瀬家にあがったのは、結局あれ一度きりになっている。
・・・名雪の気持ちも知っている香里は、この手の話題は続けたくなかった。
香里「ところで、そっちの子は?」
美汐「あ、はい、天野美汐といいます」
突然話を振られて、ちょっと狼狽気味の美汐。
名雪「栞ちゃんのお友達?」
美汐「はい。クラスメートです」
何気ないことだが、友達かと問われて「はい」と即答してくれたことが栞には嬉しかった。
どっかの同人屋が「栞のしおり」とかいうのを作ってたよな。
どこだっけ?
「美汐のお塩」とかいうのをどっかで作らないかな?(中身は赤穂の塩)
「香里のかおり」・・・・・・
「真琴のお琴」(誰も買わないか?)
真琴の鈴(100円)はだめ?
にゃうーん
名雪の寝巻き(模様は猫と名雪)
秋子さん印のイチゴジャム(これは売れるでしょ?)
寝巻きは何処かで一度商品化してた気が
栞 「次元さんってかっこいいですよねー」
美汐「いいえ、やっぱり五右衛門様です。」
香里 「・・・バカじゃないの?銭形警部でしょ。」
祐一 「おまえら、一体何の話を・・・?」
174 :
原点回帰:02/08/11 02:25 ID:KfCzXBKq
香里「そう。あたしは姉の香里。よろしくね」
美汐「はい。こちらこそよろしくお願いします」
行儀よく頭を下げる美汐。
不自然でも嫌味でもないところがすごい、と香里は思う。
美汐「栞さんからお噂は聞いています」
香里「・・・いったいどんな噂なんだか」
ちょっと冷たい目で栞のほうを見ると、あはは、と誤魔化すように笑っていた。
美汐「・・・自慢のお姉さんだそうです」
香里「・・・それはそれでくすぐったいわね」
腕を組んだまま照れ笑いをする香里。
名雪「香里また一番だしね。やっぱりすごいよ」
香里「たまたまよ」
そう言って謙遜しているが、あまり謙遜に聞こえないのが珠に傷だ。
>>174 前々から思ってたんだが香里は一番らしいが、他の奴らはどんなもんなんだろう?
北川は何気に頭良さそうなんだが
美汐タンは意外に学校の勉強は出来ないとか
176 :
名無しさんだよもん:02/08/12 02:20 ID:mAFVnqK6
いや!美汐たんは優等生だ!
むしろ北川のほうが出来なさそう・・・
177 :
175:02/08/12 03:20 ID:jrNUgRXt
>>176 まあ普通はそう思うんだろうけど、勉強出来なくて悩んでいる美汐タンってシチュも萌えるなぁ〜って・・・・(異常)
小難しい事はたくさん知っているのに、数学とかサパーリで祐一に教えてと泣きつく・・・・(;´Д`)ハァハァ
178 :
原点回帰:02/08/12 09:56 ID:r/wLnR1F
名雪「そんなこと言って、いっつも一番じゃない」
名雪が香里と知り合ってから、その順位に違う人の名前が刻まれるのを見たことがない。
香里「でも名雪だって載ってるじゃないの」
香里が順位表を指差す。
五十位まで張り出されたその順位表。
その端っこのほうに、申し訳なさそうに名雪の名があった。
栞「あ、ほんとですね」
素直に感心する栞。
名雪「香里とは逆の端っこだけどね」
照れくさいのかぽりぽりと鼻の頭を掻く名雪。
栞「でもこんなところに名前が載るなんてすごいですよ。うらやましいです」
香里「栞はみんな赤点だったものね」
自分のことを引き合いに出されてひるんだ栞に、名雪が助け舟を出す。
名雪「栞ちゃんは仕方ないよ。学校にほとんどこれなかったんだから」
香里「でも家でだって勉強は出来たはずよね?」
栞「うぅ、お姉ちゃんひどい・・・」
しかしながら、あまり効果はなかったようだ。
179 :
原点回帰:02/08/12 21:01 ID:r/wLnR1F
和やかに話す彼女たちを、美汐は一歩引いた目で見ていた。
楽しそうに話す女の子たち。
本人達は意識していないだろうが、そういった雰囲気は第三者に疎外感を与える。
まだ美汐には、その輪の中に入っていくことはためらわれた。
香里「でも久しぶりじゃない、名雪がここに載るの」
名雪「そうなんだけど・・・ちょっとひどいこと言ってない?」
香里「事実しか言ってないわ」
名雪「うー」
そんなことを言っている間に、栞が美汐に耳打ちをする。
栞(お姉ちゃんってば、いっつもこうやっていじめるんですよ。ひどいです)
栞から話しかけられたことで、なぜだか美汐はほっとしてしまった。
美汐(その割に栞さんも楽しそうですけど)
栞(そんなことないですよー)
といいながら、栞の表情はとても嬉しそうに微笑んでいる。
香里「何話してるのよ」
栞「なんでもないですよー」
ぱたぱたと手を振る栞。
美汐には彼女達がとてもうらやましく感じられた。
180 :
減点怪奇:02/08/12 21:51 ID:ZtmWWABI
ところでこの話の流れだと、舞と佐祐理さんはどうなってるんだろう?
出て来ないの?
181 :
名無しさんだよもん:02/08/12 23:46 ID:aH86MEE4
無理やり登場とか?
たとえば中庭で栞とご飯を食べる約束してたのに遅れてしまって、
急いでいたら舞と佐祐理さんに出くわすとか?ぶつかったりしてw
どちらかというと栞がぶつかりそうだがw
182 :
名無しさんだよもん:02/08/12 23:52 ID:nqEIBKa2
そして突然全員集められてバトルロワイヤルが始まる
183 :
減点怪奇:02/08/13 00:53 ID:AArwavLc
>>181 って言うか卒業して他の町に行ってるはずじゃないかと。
全員出す必要性などない。
根本はスレッドタイトルのみ。
弾き語る原点回帰氏の意のままに。
俺としては、舞は近くのアイス屋でバイトしてる展開とか希望
栞は常連で顔見知りとか
186 :
原点回帰:02/08/14 00:25 ID:qUK820yl
香里「じゃああたしはもう帰るけど。栞は?一緒に帰る?」
栞「あ、私は祐一さんを・・・」
ちょっと照れながら、栞は想い人の名を口にする。
しかし名雪が口にした言葉は、栞を落胆させるものだった。
名雪「祐一はもう帰っちゃったよ」
栞「え?」
名雪「何か用事があるって言ってたけど」
栞「・・・そうですか・・・」
がっくりと肩を落とす栞。
名雪「ひょっとして約束とかしてたの?」
栞「あ、いえ、私が勝手に待ってただけなんですけど・・・」
香里「しょうがないわね。運が悪かったと思ってあきらめなさい」
そう香里に言われても、栞は残念そうなままだった。
マターリペースでちょっとずつ読むというのもなかなかいいものですな
188 :
原点回帰:02/08/14 20:11 ID:qUK820yl
美汐「何か用事でもあったんですか?」
栞「ええと、そういうわけでも・・・」
言いよどむ栞。
別に何か隠しているふうでもないので、本当に用事とかはなかったらしい。
香里「ここんとこあの子のことで忙しかったからね。久しぶりに会いたかったんでしょ?」
名雪「あの子?」
何気ない一言に名雪が反応する。
香里「ちょっと変なことに巻き込まれちゃってね。まあ、たいしたことないんだけど」
名雪「なにかあったの?」
香里「まあ、落ち着いたら説明するわ。名雪にも協力してもらうかもしれないし」
名雪「ふうん・・・」
納得したわけではなさそうだが、名雪はそれ以上は詮索してこなかった。
保守
栞がいつもアイスを食べてるのは、熱っぽい体を冷却するためかも?
美汐がおとなしいのは、実は美汐自身が狐の生まれ変わりだから。
なんちゃって・・・・・
(・∀・)ホス
栞「美汐ちゃん」
美汐「なあに?」
栞「パンツ見せて」
美汐「それは秘密です!」
栞「あ!あれ・・・」
美汐「え?きゃっ!」
栞「わーい!白ぱんちゅー!」
美汐「馬鹿っ!何でそういうことするの!もう栞ちゃんなんか大嫌い!!」
栞「びぇーーーーーーーん!(号泣)」
教訓:自業自得・・・・
ダットオチスルスレ(・∀・)キライデス
そんな事いうなんて酷な事はないでしょう
195 :
原点回帰:02/08/18 00:27 ID:h1ZvGe+d
そのやりとりに、美汐は何か引っかかるものを感じていた。
美汐(あの子・・・)
あの子。変なこと。巻き込まれた。
何ということはないやり取り。
しかし、なぜだか美汐は胸騒ぎがしている。
この感じは一体・・・?
美汐「・・・」
栞「どうしたんですか?美汐さん」
急に考え込んでしまった美汐に、栞が声をかける。
はっ、と我に返る美汐。
美汐「あ、いえ、なんでもありません」
漠たる不安は、しかしまだ確証と呼べるものもなく、彼女の心の中に埋没していった。
>>194 (・∀・)イイッ!
美栞タンの名台詞第二弾ですか?
そんな事はないでしょう
198 :
原点回帰:02/08/18 23:44 ID:h1ZvGe+d
香里「そういえば、あなた」
思い出したかのように香里が美汐に声をかける。
美汐「私ですか?」
香里「そう。美汐だっけ?あなた、栞の友達だって言ってたわよね」
美汐「はい」
香里「あなた頭よさそうだし、時々でいいからうちにきて栞の勉強見てあげてくれないかしら。
ほんとなら相沢君に頼みたいんだけど、彼ちょっと頼りないし」
ほんとだよね、と横で名雪がくすくす笑っている。
美汐「それは・・・かまいませんけど・・・」
栞「お姉ちゃん、それはちょっとあつかましいんじゃあ・・・」
心配そうに言う栞。
しかしその声には少しだけ、期待するような響きが混じっていた。
マッテマス
201 :
名無しさんだよもん:02/08/19 20:42 ID:gBEj1h3Y
メンテage
(・∀・)ホス
保守
いらねーよこんな糞スレ
粘着が一匹いるな。
栞「えう〜。熱っぽいです・・・」
美汐「大変。早退したほうがいいですよ」
栞「うう・・・鼻血でそうですぅ〜〜」
ぶほっ!!ドクドクドク・・・
生徒C「先生!!また天野さんが美坂さんをいぢめてます!!」
Σ( ̄□ ̄;)ライバルを蹴落とそうなんて微塵も!
相変わらず原点氏の独占状態になってるな・・・
じゃあ新ネタよろしく。
そうだな。いやなら新ネタ振れ。でなきゃ見るな。でなきゃ新スレ立てろ。
使えるオプションは幾らでも有る。単に一行レスで文句付けたって何も変わらん。
なんかやれ。やらん奴は只見てる以外何もするな。
新スレ立てたら荒らされてDAT落ちしたぞごるぁ!
新しいネタ振っても結局くだらないSS書くし。
ここは21未満禁止板であって、SSで感動するのは明らかに板違いだし。
ひろゆきにSS専用板作るようにメール出してみるか。
無視されると思うよ。
まぁそうだろうな
あー、なんだ。
>>211 おぬしもしや元対抗スレの1か?
ここは『LEAF・Key板』だ。
『21才未満禁止板』ではないぞ。それはあくまで二次的なものだ。
そもそも21才未満禁止は『エロねた専用板』と言う意味では断じてないぞ!!
半角板ならともかく・・・。QOHやEFZのスレも立ってるだろ!!
はっきりいうが原点回帰氏のSSはこれっぽっちも板違いでもスレ違いでもないぞ!!
というか『LEAF・Key板』にSSのないキャラスレなんてあるのか?
それで盛り上がるのかと小一時間・・・(略
というかここはここでdat落ちしない程度にマターリやっているのだから
気に入らなければ他にいってくれ、頼むよ。
別にあんたは『栞&美汐』にこだわる必要もネーダロ。
栞スレや美汐スレでも十分エロねたで盛り上がってるぞ。
全てのスレに押し付けるのヨクナイヨ。
真性は放置して、以下何事もなかったかのようにどうぞ。
スマンね
>>204>>208 まあとりあえず、話が終わるか俺が書けなくなるまで書かせてよ。
別に俺のSS無視してネタ振ってもいいじゃん。
面白きゃ誰も叩きゃしないって。
SS以外でレス付けたくなかったんだけどな・・・イメージ壊れるし。
そもそもこんな長く続けずに
>>43で終わってたほうが綺麗に終われたのかもね。
217 :
原点回帰:02/08/22 01:03 ID:yQHFBBSq
香里「やっぱり駄目かしら。あたしも自分の勉強があるし、
いろいろやらなきゃいけないことがあるからできれば、と思ったんだけど」
残念そうな様子の香里。
両親がいないということは、気丈な香里にもやはり負担になっているのだろう。
美汐「いえ、かまいません。人に教えることは自分の勉強にもなりますから」
もう一度美汐が繰り返す。
栞「え、でも・・・」
美汐「それに」
なおも遠慮する栞の言葉を美汐が遮った。
美汐「栞さんの家に招待されたようで嬉しいですから」
まっすぐに栞の方を見て言う美汐。今度は栞が赤面する番だった。
ひょっとするとさっきの仕返しだったのかな、と栞が思うのは、もっとだいぶ後のことだ。
(・∀・)ホス
219 :
名無しさんだよもん:02/08/24 10:49 ID:kXIiO3j8
原点回帰氏( ゚∀゚)アナタハ神デスwこのまま長く続けてください。
「204に伝えてくれ、ここは、良スレだぁぁぁ!!y=-(゚д゚)・∵.ターン」
「204?あれは飾りです。偉い人には良スレが解らんのです。」
このSSさぁ・・・すごくおもしろいけど、目茶目茶長くなりそうだよね?
全体の話の流れを考えるとまだ序盤もいいとこでしょう。真琴が祐一に会ってもないんだし。
再会したら再会したで、三角関係に悩むのだし祐一や美汐の苦悩もかかなきゃならないよね。
・・・ということはかなり長ーーーく楽しめるんだよね。うれしいな。
これ読んでるとさぁ・・・某君望が思い浮かぶんですけど・・・(藁
真琴=遥 栞=水月 美汐=茜 って感じで。(まぁ、真琴と美汐は姉妹ではないが)
一応、あのヘタレ主人公と祐一は性格が全然違うのであんな鬱一直線な話にはならないと思うけど(;^_^A
で、このSSは最後散々苦悩した祐一が結局どちらも選べずに逃げてしまって美汐と・・・
とかいう茜EDで終わると。(核爆)
そういうことでいいんだよね、原点回帰氏?(笑
・・・・ごめんなさい、嘘です、冗談¢( '')ノ゜ポイ
(・∀・)ホス
エロ画像で、露天風呂で栞が美汐のお乳を吸ってるのがあったんだが。
あれって続きとかあるのか?
(あの後レズプレイしたとか)
>>225 美汐らしい絵だね。(正座してる所が)
>>226 美汐ってビキニ派?ちなみにこのあと栞と美汐は湯船で禁断の行為を・・・
230 :
名無しさんだよもん:02/08/26 17:35 ID:XKZcUXe0
ここですか?
神 が い た と い う ス レ は
>>230 とsage忘れ
逝って来るy=-{ ゚w゚ }・∵.ターン
232 :
原点回帰:02/08/26 22:42 ID:+Uosgd5j
香里「悪いわね。栞は相沢君が来ると勉強どころじゃないから」
栞「お、お姉ちゃん!」
妹を更にうろたえさせておいて、香里がいたずらっぽく微笑む。
仲のいい姉妹。一年前からは想像もつかなかった光景だ。
そんな彼女らに、美汐はなぜか微笑ましさだけではなく、微かな危うさを感じた。
美汐(それにさっきの言葉・・・)
香里が何気なく言った言葉。
もう誰も気にもとめてないであろう言葉が、どうしても美汐の頭から離れなかった。
名雪「そういえば美汐ちゃん、祐一のこと知ってるの?」
唐突に名雪が美汐に問い掛ける。
この二人は以前会っているのだが、だいぶ前に一度会ったきりなので忘れてしまったのだろう。
美汐のほうは憶えていたが、別段気にする風も無く黙っていた。
美汐「はい。以前少しだけお世話になりました」
名雪「そうなんだ。さっき香里が祐一のこと引き合いに出したから・・・」
そこまで言って、はっとしたように腕時計を見る。
233 :
原点回帰:02/08/26 22:52 ID:+Uosgd5j
名雪「あ・・・もうこんな時間。じゃあわたしそろそろ部活行くから」
ちょっと長居をしてしまったらしく、そろそろ部活が始まってしまう時間だ。
香里「名雪も大変よね。もう引退してもいい時期なのに」
名雪「そんなことないよ。大変だと思ったら、もうとっくに辞めてると思うし」
部長の座は退いたが、名雪の実力は部全体でも低いものではない。
それに彼女は走ること自体に楽しさを感じているから、最後まで部活に残るつもりだった。
名雪「・・・でもちょっとだけ悔しいかも」
香里「え?」
名雪「なんでもないよ〜」
名雪はそう言って、小さく手を振りながらパタパタと走り去る。
栞「あ、行っちゃいましたね」
ちょっとあっけにとられたような様子の栞。
香里は名雪が何を言いたかったのか、すこしだけわかる気がした。
それは多分、栞の前で、というより人前で話すようなことではないだろう。
美汐が祐一にお世話になってたみたいだからちょっと悔しい?
栞「あ、美汐さん」
美汐「…なんでしょうか?」
栞「今から、カラオケ行きません?」
美汐「…はぁ」
栞「実は、じゃーん! 二時間無料優待券を手に入れてしまったのです。
これで、私たち後十年は歌えますよ!」
美汐「…えーと、よくわかりませんが、つまり私にカラオケに行けと」
栞「はい、ぶっちゃけた話そうです」
美汐「カラオケに…」
栞「はい」
美汐「美坂さんはいいのですか?」
栞「…はい?」
美汐「本当に、私が、カラオケに、行ってもいいんですか?
…止めるなら今しか有りませんよ?」
栞「…え? え?」
美汐「まあ、別にいいんですけどね…ふふ」
栞「あの、えーと…?」
美汐「さあ、行きましょうか! 私の栄光の未来に向かって!」
栞「あ、えと、ごめんなさい。たった今急用が出来ましたのでやっぱり今日は取りやめましょう!
さよなるっ!」
美汐「…」
美汐「………」
美汐「………………」
美汐「久しぶりにエンドレスで歌えると思ったのに…おきなわユンタ」
238 :
原点回帰:02/08/27 21:09 ID:q62kyIpR
名雪が行ってしまったので、香里も特にここに居る理由が無くなってしまった。
それに自分の名前が堂々と書いてある場所に居るのは、さすがにちょっと気まずい。
香里「じゃああたしもそろそろ帰るわね」
栞「あ、じゃあ私も」
香里「じゃあ一緒に帰りましょ。あなたは?途中まで一緒に帰る?」
美汐に向かって問う香里。
途中まで一緒に、と言ったが、もし美汐に時間があるなら家に誘ってもいいかもしれない。
栞「そうだ。もし今日お暇でしたら、うちに遊びに来ちゃったりしませんか?」
香里が切り出そうとしていたことを、栞が先に言い出した。
香里「・・・遊びに?」
栞「暖かくなってきてからアイス作りに凝ってるので、手作りアイスをご馳走しちゃいますよ」
ほんのりと香里が突っ込みを入れるが、さりげなく無視される。栞もこういうところは結構いい度胸をしている。
まあ香里としても別に、いきなり勉強させようとは思っていなかったのだが・・・ちょっとだけ悔しかったようだ。
栞「みしおちゃん」
美汐「なに?栞ちゃん」
栞「コブラツイスト!」
めきめきめき・・・ばきっ!
美汐「うぎゃああああああ!」
栞「勝った・・・・」
美汐「栞ちゃん、ちょっとおいで」
栞「なあに?」
美汐「バックドロップ!」
べきっ!
栞「うぐぁ!おぐぇーーーー!」
美汐「ふふふふふ、勝ったわ!ついに勝ったわ!」
(その後二人は死ぬまでプロレス技をかけまくったらしい)
いよいよか……
栞「あれ…美汐さん、何のテレビ見てるんですか?」
美汐「国営教育テレビです」
栞「(国営って…)え、っと、一緒に見てもいいですか?」
美汐「ええ、隣にどうぞ」
栞「(じっとテレビをみる)」
美汐「無言でテレビをみる」
数十分後
栞「…なんだか久しぶりにこういうのみた気がします」
美汐「…こんな年になるとあまりこういうものは見ませんからね…」
栞「昔はよく見てたのにあ、ほら、にこにこぷんとか」
美汐「ああ…実はに○にこぷんのライブ映像がありますよ」
栞「わ。本当?(…でも、何で持ってるんだろう)」
美汐「せっかくですから見ましょうか…よいしょっと」
テレビ「にこ○こ〜じまがありまして」
テレビ「にこに○なかまがいるんです〜」
栞「わ。うたのおねーさんだ」
美汐「…(無言で見ている)」
テレビ「じゃじゃまる!」
栞「ぴっころ!」
テレビ「ぴっころ〜」
栞「え?(愕然と)」
美汐「(ニヤリ)」
242 :
234:02/08/28 15:12 ID:O6EpYb0C
む。ちょっと違うのか。
あ、なるほど
栞「ねえ、みっしー」
美汐「私はみっふぃーじゃないですっ!」
栞「えぅ〜!みっしーっていたんだよぅ〜・・・」
美汐「あ、ごめんね〜、しおりん」
栞「めそめそ・・・・・」
美汐「もう!泣き虫っ!」
栞「栞パンチ!」
美汐「はぐぅ!」
245 :
原点回帰:02/08/29 23:06 ID:a60dqhSc
美汐「それは魅力的なお誘いですね」
香里「あ、なるほど。今日はそれを相沢君に食べさせたかったわけね」
栞「そ、そんなんじゃあ・・・ない、こともないけど・・・」
勢いよく反論するが、すぐにその声がしぼんでいく。
なんだかんだと言っていても、やっぱり祐一との仲をからかわれるのは恥ずかしいらしい。
彼女たちの微笑ましいやり取りで和んだせいか、美汐も好意に甘えることにしたようだ。
美汐「相沢さんの代わり、と言ってはなんですが、試食させていただけますか?」
栞「あ、じゃあ」
美汐「はい。お邪魔させてください」
それを聞いて、栞が心底嬉しそうな表情を作る。
香里も本音は、勉強がどうとかより栞が喜ぶ方が嬉しかった。
それに真琴も一人で退屈している頃だろう。
遊び相手になってくれるなら、香里の苦労も少しは軽くなる・・・かもしれない。
香里「じゃあ行きましょ。うちには今両親が居ないから、気兼ねしないでいいわよ」
香里が先頭になって歩き出す。
こうして美汐は美坂家へ。
それは満開だった桜も散った春の日のこと。
さあさあさあ!
とりあえずPCで栞を、DCで真琴を再プレイすました。
これから原点回帰氏のSSを頭から読み直し、次に備えます。
(・∀・)hoth
249 :
原点回帰:02/08/30 22:04 ID:vBK5u9AA
栞「いっぱい作ったのでたくさん食べてくださいね」
美坂家へ向かう途中、栞がうきうきと美汐に話し掛ける。
祐一のために作ったアイスが無駄にならないことが嬉しいのだろうか。
香里「でも栞、いっつもアイス食べてるのによく太らないわよね」
しかしそれに答えたのは美汐ではなく、香里がちょっとだけうんざりしたように割り込んできた。
基本的に香里は食べたら太る体質なので、プロポーションを維持するためにあまり甘いものは食べないようにしている。
・・・甘いものは好きなのに、だ。
だから栞がアイスを作っているときは、その匂いで常に拷問されているに等しい。
愚痴のひとつも出てくるというものだ。
栞「ひどい。それじゃ私がいつもアイス食べてるみたいじゃない」
香里「・・・何をどう勘違いしたらそれを否定できるのよ・・・」
今度はちょっとではなく、本気でうんざりした様子だった。
250 :
原点回帰:02/08/30 22:11 ID:vBK5u9AA
栞「そうかなあ、一日一個のアイスなんて普通ですよね」
美汐に同意を求める。
確かに、好きな人ならそのぐらいは食べるかもしれない。
そうですね、と言おうとした瞬間、
香里「なに言ってるのよ。そんなこと言って、一個で止めたためしなんてないじゃない」
さすがにこれには苦笑するしかなかった。
美汐「栞さんはアイスがお好きなんですね」
栞「はい。特にバニラアイスが大好きです」
肌の色素が薄い栞には、きっと雪のような白いバニラアイスはとても似合うだろう。
そんなことを美汐は考えていた。
>常に拷問されているに等しい。
今この状態の事か…
252 :
原点回帰:02/08/30 23:31 ID:vBK5u9AA
栞「まこちゃんなんて一度気に入ったらそればっかり食べてるよね」
香里「あの子は特別よ。肉まんばっかり食べてるもの」
真琴が肉まんばかり食べているところを思い出したのか、胸焼けでもしたかのように渋い顔を作る香里。
美汐「まこちゃん・・・どなたですか?」
姉妹のやり取りが何のことだかわからなかった美汐が何気なく尋ねる。
香里「ああ、今うちで居候してる子よ。どうも記憶喪失らしくて、行く当てがないんだって」
居候。記憶喪失。
どくん
突然出てきた単語に、さっきの不安が蘇ってくる。
まこちゃん・・まこ―――
253 :
原点回帰:02/08/30 23:34 ID:vBK5u9AA
美汐『お名前は?』
真琴『あ、あぅ・・・』
美汐『ほら、頑張って』
真琴『あぅ・・・ま・・・』
美汐『ま?まの次は?』
真琴『こ・・・』
美汐『まこ?まこでいいの?』
美汐『まこ・・・の続きは―――』
真琴と最後に言葉を交わした時の記憶がよみがえる。
まさか・・・いや、そんなはずはない。ただの偶然だ。
美汐は必死で自分に言い聞かせていた。
―――それを、その奇跡を認めることは、美汐には辛過ぎることだったから。
しかし―――
痒いのはギプスの中ーーーぁ!!!!
何とかしてくれーーーーっ!!!!!!
……ハァハァハァ
>>254 バカヤロウ!
不覚にもワロタ(w
ところで合間合間にショートコント入れてるのはあなたですか?
い い ぞ 、 漏 れ は あ ん た も 大 好 き だ ( w
256 :
原点回帰:02/08/31 00:46 ID:NvkBLoGs
香里「どうしたの?顔色が悪いわよ」
心配そうにのぞき込まれて、はっと我に帰る。
美汐「い、いえ、なんでもありません」
栞「ひょっとして体調でも悪かったんですか?ごめんなさい、無理に誘っちゃったかも・・・」
栞も心配そうな様子だ。
美汐(そんなに酷い顔をしていたのでしょうか、私は)
気が付くと、無意識に握り締めていた手がじっとりと汗ばんでいた。
美汐「・・・ほんとに大丈夫です。それより、その子の名・・・」
栞「あ、あそこが私たちの家ですよ」
どくん
質問を途中で遮った栞の一言で、美汐の心臓がもう一度跳ね上がった。
体全体から冷たい汗が吹き出るのがわかる。
香里「まあここまで来ちゃったんだし、うちで休んでいきなさいな。常備薬ぐらいあるから」
香里の言葉に相槌を打つことすら忘れて、美汐はふらふらと美坂家へと向かっていった。
どきどき。もうすぐ再会の時・・・
あとちょっと! あとちょっとで物差しに手が届く!!
痒い〜〜〜〜ぃ!!
というか、この先の展開どうなるんだ…
ここで落とさせてたまるか的保守
ほっほぅ。おもしろくなってきやがったぜ。
激しくdat落ちのヨカーン!
させん!
264 :
原点回帰:02/08/31 20:34 ID:NvkBLoGs
栞「ただいまー」
香里「帰ったわよー」
挨拶とともに玄関を開けても、中からの返事はない。
家の中は薄暗く、人などいないように思える。
栞「まこちゃん、どこか行っちゃったのかな」
きょろきょろと辺りを見回しながら、栞が不思議そうに言う。
香里「どうせまたその辺で悪戯でもしてるんでしょ。探してくるから遠慮せずに上がっててちょうだい」
そう言って香里は奥に消えていった。
栞「美汐さん、本当に大丈夫ですか?」
まだ青い顔をしていたのだろう。栞がもう一度美汐の体調を気遣ってくる。
美汐「大丈夫です。心配させてしまってすみません」
栞「じゃあとりあえず私の部屋に・・・」
香里「あーーーっ!!」
行きましょうか、という言葉は、香里の悲鳴によってかき消された。
265 :
219:02/08/31 20:41 ID:J4npuWuw
「dat落ちだと〜!!たかがdat落ちごときに、
原点回帰氏の栄光はやらせはせん!!、
やらせせんぞ〜〜〜〜〜〜!!!」
ミ(dat)+― ・・・―=yヽ(`Д´)ノ
と言う事はdat落ちするのか?(((;゚д゚)))ガクガクブルブル
266 :
原点回帰:02/08/31 20:47 ID:NvkBLoGs
次いでどたどたという足音。
香里「いい加減にしなさい!また私の物持ち出して!!」
真琴「ふーんだ、いいじゃないけちー」
香里「けちですって!?高かったのよ、それ!!」
怒声とやかましい足音がだんだんと近づいてきて―――
だっ!
玄関に来て止まった。
真琴「へへーんだ!・・・って、あれ?」
美汐「・・・・・・っ!」
現れたその姿を見て、美汐は声にならない悲鳴をあげる。
恐らく香里の部屋から持ち出したのであろう、小さな鈴のついたハンドバッグを持ったまま立ち尽くすその姿。
267 :
原点回帰:02/08/31 21:16 ID:NvkBLoGs
真琴「栞、その人は?」
そしてこの声。
最後に聞いたときよりずっと張りのある、無邪気で明るい声だったが―――
間違いない。
間違うはずがないではないか。
美汐(この子は、また)
ぶるぶると自分が震えているのに気付いていたが、気にしている余裕なんてなかった。
嗚咽をこらえるように、右手を口に当てる。
美汐(そんなにも、相沢さんのことを・・・!)
その右手にかかる吐息は、火のように熱かった。
やっぱり覚えていないのか…(;´Д`)!?
祐一「せっかく学食にきたが何処も席があいてないな…っと、あれ?」
栞「わ。祐一さんですー」
美汐「……よろしければご一緒に如何ですか?」
祐一「いいのか? 悪いな……?(二人の前に置かれているトレイの中身を見て呆然とする)」
栞「?(お得用2リットルバニラアイス――恐らく主食――とハーゲンダッツ一カップ
やっぱりこっちもバニラ。どうやらこれがデザートのようだ)」
美汐「?(手作りのお弁当のようだがあまりにおふくろの味臭い惣菜の数々
は著しく色彩に欠ける。鶏の煮しめ、筑前煮、金平牛蒡、たくわん、五目御飯…etc.)」
祐一「もはや何も言うまい……」
栞「?」
美汐「?」
沈ません沈ませんぞ〜〜〜〜〜
270 :
名無しさんだよもん:02/08/31 23:30 ID:YGcA2ypQ
あげり
>>268 チャーハソをおかずにご飯を食べるようなもんですか?
>>270 麦飯をおかずにご飯をたべるようなもんだろ
ササニシキをおかずにコシヒカリを食べる・・・
食後のゴハンか…
>>270-273 ではこうなるのか?
栞「♪〜」
美汐「美坂さん…」
栞「う〜、バニラだらけです…うっとり」
美汐「アイスでアイスを食べるなんて……そんな酷なことは無いでしょう」
栞「でもでも、こっちのはラクトアイスでこれはアイスクリーム。そっちのはアイスミルクです。
全然違うんですよ?」
美汐「そう、ですか……」
栞「幸せ……あれ、どうしたんですか?」
美汐「……いえ、急に食欲が」
栞「? アイスを食べないとおなかすきますよ?」
あ〜るのおかゆライスとはまた違う気がするな。
ところで、二人の呼び方はどうなんだ? 原点回帰氏は名前+さんだけど。
栞はちゃん付けで美汐は呼び捨てというのも有りかなと考える。
栞はちゃん付け、美汐はさん付けだろ。
279 :
原点回帰:02/09/01 21:20 ID:l+PQVzwA
最後に真琴と会ったときのことを思い出す。
あの時は、自分から心を閉ざすよう努力していた。
弱い自分が傷つかないよう・・・・
一度張り裂けてしまった心がもう一度裂けてしまわぬよう・・・
そのために結局、真琴との接触は真琴が自我を失った後にしかしていない。
しかし今は違う。
真琴を失っても自分を見失わないよう頑張る祐一を見て、弱い自分を殻から外に出そうと努力していた。
そんな状態の美汐にとって、元気な真琴との再会はあまりに強烈な衝撃だった。
その姿を見て、今まで考えていたことはすべてどこかへ行ってしまった。
真琴に、幼い頃別れたあの子の姿がだぶる。
そのことが美汐の心を大きく揺さぶった。
お帰りなさい、と言ってあげよう。
息苦しいほどに抱きしめ、祝福の涙で出迎えてあげよう。
そう思って真琴の方に向かいかけたとき、
栞「美汐さん、どうしたんですか?」
美汐(・・・っ!)
邪気の無い声。
何も事情を知らない、無知から来る無邪気さが、美汐の心に冷水を浴びせた。
>>277 これはご丁寧にどうも。
色塗ってみようと思ったけど、線修正の途中で挫折。塗り師失格ですな。
実は前にうちの絵師に、挿絵描いてくれって頼んだんだけど、
「んなSS書いてる暇があったら貴様のせいで開発止まってる同人ゲームのシナリオ書けやフォルァァ!」
・・・と言われてしまいますた(汗
けちんぼさんですよねw
絵 師「んなSS書いてる暇があったら貴様のせいで開発止まってる同人ゲームのシナリオ書けやフォルァァ!」
原点回帰「けちんぼさんですよねw」
絵 師「開発、止まってるんだよ・・・そんな酷なことはないでしょう・・・」
282 :
277:02/09/02 00:35 ID:7OQ+qeLY
>>279 そんな腕も時間も根性もないす。(特に腕
原点回帰氏
そんなっ! 氏ご本人に塗ってもらうなんてことしてもらたら
申し訳なさで顔から業火が出てしまいますわ。
ちぅか塗り師だったんですか?
以降、何事もなかったかのようにどうぞ。
283 :
原点回帰:02/09/02 08:26 ID:RoZbVnSG
美汐(そう。真琴の帰る場所には、もう・・・)
ここに来るまでは別のことで頭がいっぱいで、そこまで考えが及ばなかった。
おそらく無意識のうちに考えないようにしていたそのことが、急速に美汐の心を冷やしていく。
真琴「誰なの?」
栞「あ、この人は私のお友達で、天野美汐さん。
で、こっちが今うちに居候している、沢渡真琴ちゃん」
真琴「ふうん・・・」
自分の鼓動の音にかき消されて、二人の声がすごく遠くに聞こえる気がする。
美汐(なぜ、よりにもよってなぜこの二人が一緒に―――!)
香里「もうっ!いい加減にしなさいよね!・・・って、あれ?どうしたの?」
少し遅れて香里がやってくる。
ハンドバッグから美汐へと興味が移ってしまった真琴。
片手で顔を覆ったまま、今にも泣き出しそうな様子の美汐。
そんな二人を見て、少し戸惑ってしまったようだった。
しかしすぐに我に帰ると、
香里「まあいいわ。じゃあこれは没収ね」
そう言ってハンドバッグに手を伸ばし、するりと真琴の手の中から抜き取ってしまう。
栞「いのちーかけてと〜 ちかーった日から〜♪」
双方が無言になった状況を穴埋めするかのように歌いはじめる栞
美汐「"あのすばらしい愛をもう一度"ですね。」
美汐自身は知っている曲だし嫌いな曲でもないのでそのまま栞の歌に耳をかたむける
栞「素敵なー 思い出ー のこしーて来たーのに〜♪」
美汐の言葉を聞いているのかいないのか、歌いつづける栞
――― ――― ――― ―――
栞「あの すばーらしい ア イ ス もういっこ〜♪」
ここで突然歌い終わり、苦笑いのような照れ笑いのような表情を見せる
栞「えへへ、どうだった? どんな感じかきかせて」
美汐「・・・・・・」
沈黙する美汐
美汐「そんな酷なことはないでしょう」
栞の手には自家製のバニラアイスがあった・・・・・・
285 :
原点回帰:02/09/03 14:25 ID:dncmS+zP
真琴「あっ、なにするのよぅ」
そこで初めて香里の存在に気がついたようだ。
ぶんぶんと手を振って取り戻そうとするが、香里の身軽さの前にむなしく空を切る。
ちりんちりん
その動きにあわせてハンドバッグについた鈴が激しく鳴る。
美汐にはその音が、やけに耳障りに感じられた。
栞「美汐さん、ほんとに大丈・・・」
もう一度栞が美汐の顔を覗き込み、びっくりして言葉に詰まる。
香里「美汐・・・あなた泣いてるの?」
真琴に取られないようハンドバッグを高々と持ち上げたまま美汐の方を見つめる香里。
そう言われて自分の頬をぬぐうと、そこには熱いものが流れていた。
その様子を不思議そうに見つめる真琴。
彼女にはまだ、何が起こっているのかよくわからないようだ。
重要度+3は伊達じゃない
287 :
原点回帰:02/09/04 03:39 ID:J6xdpVgy
美汐「何でもありません。目にごみが入っただけで・・・」
苦しい言い訳。
誰もそんなことを信じはしないだろう。
香里「あなたこの子のこと何か知ってるのね?」
美汐「私は・・・・」
言いよどむ美汐。
栞も黙って美汐のことを見つめている。
そして少しの逡巡。
時間的には少しかもしれないが、美汐には途方もなく長く感じられる時間の後、
美汐「知りません」
きっぱりと言った。
香里が美汐の表情を伺う。
香里「そう。なら仕方ないわね」
香里は、美汐が何か知っていることは大体わかっていた。
わかった上で彼女は、「仕方ない」と言ったのだ。
美汐ちゃん・・・それは問題の先送りだよ・・・
みしおたんやっちまったなあ…気持ちはわかるが、それはだめだろw
栞「ところで、美汐さんって普段どんな音楽聴きます?」
美汐「どんな……音楽を聴くと思います?」
栞「えっと……」(考えてる)
美汐「……」
栞「……」(視線が宙を漂う)
美汐「……」
栞「ごめんなさい、演歌歌手には詳しくないんです」
美汐「いくらおばさん臭いキャラだからといって普段から演歌は聴きませんよ……
私だって普段は歌謡曲くらい聞きます。そんな酷なことは無いでしょう」
栞「……(その、ポップスを歌謡曲と言うところが不味いと思うんですけど)」
美汐「何か?」
栞「……な、なんでもないですよ?」
言いそうなんてレベルじゃねぇ…絶対言うっ…
291 :
原点回帰:02/09/05 11:01 ID:yr+lJh01
美汐「・・・ありがとうございます」
聡明な美汐にもそのことは伝わっている。
香里の気遣いに感謝しながら、自分の心を落ち着けようと頑張っていた。
香里「あたし、御礼を言われるようなことしていないと思うんだけど?」
美汐「・・・そうですね。その通りです」
いつもの彼女ならここで少し表情を和らげたかもしれない。
しかし、今の彼女にはそんな余裕はありはしなかった。
美汐(私は・・・)
様々なことが頭を駆け巡る。
栞のこと。
祐一のこと。
そして自分自身のこと。
美汐には、自分がどうしたらいいのか、どうすべきなのかがわからなかった。
>>289 美汐たんには
さだまさし
が似合うと思うのは私だけ?
カラオケで泣きながら「防人の歌」を熱唱するミッシー
海は死にますか〜
山は死にますか〜
おしえて〜ください〜
>>292 速攻でデリられてます(泣
出来ればさいうpキボンヌ。
ほのぼの
真琴「ねえ、みんなどうしちゃったのよぅ」
突然重くなった空気は、原因がわからないまでも、いや、原因がわからないからこそ真琴のことを困惑させることになる。
香里「なんでもないわ。せっかく遊びにきてくれた美汐が体調を崩した、それだけのことよ」
いい加減疲れたのか、掲げていたハンドバッグを手元におろして香里が静かに言った。
真琴も今は悪戯するような状況じゃないということがわかっているのか、それを見ても大人しくしている。
栞「美汐さん・・・」
大人びた美汐の突然の涙に、栞は掛ける言葉もとるべき行動も見当たらない。
このことに真琴が関係しているのはわかる。
しかしどうやら美汐はそのことに触れられたくなさそうなので、やはりどうすればいいかわからなくなってしまう。
・・・重苦しい沈黙が場を支配した。
298 :
原点回帰:02/09/06 13:02 ID:nomxdNQQ
↑は俺ね。コテ忘れた・・・
300 :
277:02/09/07 15:43 ID:hdiDBWNP
>>原点回帰氏
このスレ見る前に画像掲示板でみつけて、お茶吹きまちた。
ただいま顔から業火を吹き中。
ちぅか、なんだか、ありがとうございまつる。
他人が色を塗るとこうなるのかー、と感慨もひとしお。
自分、基本的にセル塗りなもんで。
スレ住人としてSSの今後の展開を期待しとりまする。
ここから展開させるのはたいへんだぞうっと。
302 :
原点回帰:02/09/08 04:57 ID:5T3a0CL7
香里「美汐、せっかく来てもらったのに残念だけど、今日はもう帰りなさい」
沈黙を最初に破ったのは香里だった。
優しいが有無を言わさぬ口調だ。
栞「え・・・?」
美汐「私は・・・」
残念そうな顔をする栞と、何か言いたそうな美汐。
しかし香里はそのぐらいで意見を曲げるつもりはなかった。
香里「仕方ないでしょ。何か言いたいこともあるみたいだけど」
いまだに不思議そうな顔をしている真琴の方にちらりと視線を走らせ、
香里「そんな状態じゃどうしようもないわ。今日のところは帰って、また今度いらっしゃい」
いつもよりやさしい声で、諭すように語り掛ける。
美汐「・・・はい」
わずかな逡巡の末、美汐は頷いた。
彼女もまた、自分自身の心に整理をつける時間が欲しかったのだ。
303 :
原点回帰:02/09/08 05:01 ID:5T3a0CL7
栞「美汐さん・・・」
美汐「すみません栞さん、今日はここでおいとまします」
帰ると決心して踏ん切りがついたのか、少し声に張りが戻っていた。
香里「それがいいと思うわ。またいらっしゃい」
美汐「ご迷惑をおかけしました。・・・真琴さんも」
真琴「な、なに?」
いきなり声を掛けられてびっくりする真琴。
美汐はじっと真琴を見つめる。
その視線にこめられた意味を理解できるものは、ここにはいない。
なぜ戻ることが出来たのか。
なぜあの子は戻って来れなかったのか。
・・・祐一のことは覚えているのか。
聞きたいこと、問いたいことはいくらでもある。
しかし、今の美汐にはその問いを発する勇気がなかった。
みっしースレ落ちちゃったよ・゚・(ノД`)・゚・
305 :
304:02/09/09 16:32 ID:VtIaoOoM
あれ? フカーツしてる…
例の騒ぎ、このスレは大丈夫でしょうか。
待 ち 人 来 ズ
308 :
219:02/09/11 21:21 ID:DDZZc7bE
age
>308
IDカコイイ
310 :
原点回帰:02/09/11 23:32 ID:U4qtuxnN
美汐「また、お会いしましょう」
真琴「あ、うん・・・」
真琴はその視線に気圧されたように、あいまいな返事を返してしまう。
なんだか自分が責められているようで、居心地の悪さを感じてしまった。
香里「じゃあ気をつけてね。辛いようなら戻ってきてもいいから」
香里が後押しするように言葉を掛ける。
その後半の一言が意味することはひとつ。
気が変わったら打ち明けろ、ということだろう。
しかし美汐は首を振る。
美汐「・・・いえ、今日はもう帰ります」
香里も後を引くつもりなどないので、そう、と一言返事をしただけだった。
栞「あ、じゃあそこまで送っていきますね」
美汐「ありがとうございます。ですが・・・」
二人きりになったら確実に事情を聞かれるだろう。
今はまだ、特に栞には事情を説明できる自信がない。
香里「栞」
栞「・・・はい」
気配を察して、香里が短く制止の声をはさむ。
実は美汐の考えすぎで、栞には事情を聞き出そうとする意思はなかったのだが、
彼女が一人になりたがっているのを悟って仕方なく引き下がる。
期待sage
312 :
219:02/09/13 20:34 ID:C0GJKryd
( ゚∀゚)サテ、ツヅキデモ〜♪
・・・・・Σ(゚д゚;マダダッタ!!
ハァ、デナオシテコヨウ(´・ω・`)ショボーン
□λ・・・・・トボトボ
(´-`).。oO(期待してるゼ!!)
313 :
原点回帰:02/09/13 23:45 ID:tsXJBqXX
美汐「それでは失礼します。栞さん、また明日学校で」
栞「あ、はい、また明日です」
美汐はそう言って軽く頭を下げた後、最後にもう一度真琴の方を見る。
しかし今度は何も言わず、そのままドアから出ていった。
音を立ててドアが閉まると、最近の美坂家では珍しい静寂が残される。
香里「行っちゃったわね」
栞「うん・・・」
そして美汐が出ていった後、残された三人は互いに顔を見合わせる。
お互いに釈然としないものを抱えたまま。
栞「あ、そうだ、アイス余っちゃう」
何気なく自分で言った一言が取り残されたという気持ちを強くさせ、ひどく寂寥感に襲われる。
栞の申し出を断ったときに美汐が栞に向けた瞳の色。
複雑なその色の中に、少しだがはっきりと拒絶の色が混じっていた。
314 :
原点回帰:02/09/14 01:49 ID:+gK4tvRR
真琴「あの人どうしちゃったの?」
一番事情がわかっていない真琴が説明を求めてくる。
そう。真琴だ。
美汐は明らかに真琴の話題が出てから様子が変になっていた。
知り合い・・・だったのだろうか。
ただの知り合いだったのなら別に隠す必要もないはず。
栞「まこちゃん、記憶なくす前にさっきの人と会ったことない?」
駄目もとで聞いてみるが、
真琴「ううん、初めて会ったと思うけど・・・」
自信なさげな答えが返ってくるだけ。
記憶喪失の人間は家族や恋人のことでも忘れてしまうらしいから仕方がないのだろう。
だが仕方がないで割り切るには、美汐の態度は余りに不自然だった。
栞(それでも仕方ない、ですよね。美汐さんが話したくないなら)
自分は美汐に信用されてないのだろうか。
友人と言ってくれて嬉しかった。
家への誘いを受けてくれて、打ち解けてくれた、と思ったのに・・・
ミッシー…
316 :
原点回帰:02/09/15 00:30 ID:lkdowuhB
美汐「あ、す、すみません」
ふらふらとした足取りで帰途に着いた美汐は、途中で何度か通行人とぶつかりそうになってしまう。
不審げな顔をして通りすぎる通行人達。
混乱している彼女には周りがまるで見えていない。頭の中は真琴のことでいっぱいだった。
栞にこのことをどう伝えればいいのか。
祐一には・・・?
気が重い。
いっそ皆にはこのまま黙っていようか、とも思う。
栞たちには不審に思われているだろうが、時間が経てば忘れてくれるかもしれない。
しかし―――
美汐(それだけは、しては駄目)
祐一が真琴の正体を知ったときの、必死で助けようとする懸命さを見てしまった美汐には、それだけはできない。
なにより自分が祐一の立場だったらと考えると、このまま黙っているなんてできるはずがなかった。
317 :
原点回帰:02/09/15 00:46 ID:lkdowuhB
しかしどうしても湧き上がってくる暗い感情。
祐一への嫉妬心だ。
それが美汐の心を更に重くさせる。
自分と祐一とでは何が違ったというのだろう。
なぜ、あの子は帰ってきてはくれなかったのだろう。
心が壊れそうなほどに熱望しても、私では叶えられなかった奇跡。
実際に会うまでは、まさか、と思った。
しかし現実に真琴はあそこにいる。
愛情の深さ。絆の太さ。
どちらが足りなかったのか、別の要因があるのか。
なんにせよ自分の想いが足りなかったように思えてならない。
それが、そう思うことが、美汐には耐えがたい苦痛だった。
様々な逃げ場の無い考えは袋小路に入り込み、彼女は果てしない自己嫌悪に陥っていく。
美汐(私はどうすれば・・・教えてください、相沢さん。そして―――)
気がつくと身体中じっとりと汗を掻いている。
うららかな春の日差しが、美汐にはやけに暑いものに感じられて仕方が無かった。
祐一の幸運に嫉妬するぼくらの美汐たん。そのうち良いこともあるさ。
美坂・姉の大人げな対応が非常にいいです。がんばってくだされ。
ううむ… そう思っちゃうよなそりゃ
あー、そういや美汐も別れを経験してんだったな。
今の今まですっかり忘れてたよ…。
良スレハケーン。頭から一気読みしました。
スッゲェ面白いです。期待してます。
322 :
名無しさんだよもん:02/09/15 23:57 ID:zyc4F0ej
メンテage
323 :
322:02/09/16 00:04 ID:HgS0uHc0
ごめんね、dat落ちの危険があったから…
>>原点回帰氏
とても面白いです。これからの展開に、期待しています。
圧縮ってスレの位置関係あるの?
基本的に無いよ
只、下に在るよりは上に在った方が
次の書き込みを招き易くするのでdat落ちには有利
>>324 そういうのって、いつわかるの?
運営関係者ですか?
wow鯖は生きてるスレ数が500超えたら圧縮警報。
圧縮が起こったかどうかは自分でスレ一覧見て確認汁。
ツールを使えば簡単にわかったり。
330 :
322:02/09/16 02:49 ID:N5tqHkLQ
ごめん、変なこと書いてしまって…
良スレなので、期待しています。
331 :
原点回帰:02/09/16 22:11 ID:XzThl3mm
その日の夜、天野家の電話が鳴った。
ひょっとして、と考えて美汐が電話に出る。
美汐「はい。天野です」
相手はほぼ予想通りの人間だった。
香里「夜分遅く申し訳ありません。美坂と申しますが美汐さんは・・・」
美汐「美汐は私ですが、もしかして香里さんですか?」
香里「あら、やっぱりそうだったの。そうかな、とは思ったんだけど、あなたの声って落ち着いてるからお母さんとかだっ」
美汐「ご用件は何でしょうか」
ちょっと強い調子で香里の言葉を遮る美汐。
話をはぐらかそうとする香里に釘をさしたという感じだが、それだけでなく、
似たようなことをうんざりするぐらい言われているのかもしれない。
香里「・・・ごめんなさい。はぐらかすつもりじゃなかったんだけど」
香里の声が真剣味を帯びる。
美汐には今回の用件の大体の見当はついていた。
香里は聡明な女性だ。
いつまでも隠して、いや、ごまかしておけないだろう。
帰ってきてから悩みぬいて精神的に多少落ち着いてきていたし、何より栞がいないということが美汐の背中を押す。
332 :
原点回帰:02/09/16 22:27 ID:XzThl3mm
美汐「真琴さんの・・・真琴のことですか」
美汐の耳に電話を隔てて小さなため息が聞こえてくる。
香里「・・・やっぱりそうなのね。
知りあいだったことを黙ってたからって今更どうこう言うつもりはないわ。わけありなのは見ててわかったし。
ただ、知ってることは出来るだけ教えてほしいの。あの子のためにも」
美汐「それは・・・」
香里は純粋に真琴のことを心配している。
赤の他人なのに、だ。
このまま真実を黙っているのは、あまりにも後ろめたい。
だが―――
香里「だめなの?」
美汐「すみません、私にもどうしたらいいのか、何を伝えたらいいのかわからないんです」
祐一のこと。栞のこと。
美汐にはまだ、打ち明けるべきことの整理が出来ていなかった。
って、自分でageちまったYO!
334 :
名無しさんだよもん:02/09/16 23:16 ID:YlHS6/dw
2ヶ月も続いてんだ・・。すげえ。
>>334 それだけ皆さんが期待しているということです。
336 :
名無しさんだよもん:02/09/18 00:37 ID:Ctcp1BO9
ageときますか。
337 :
原点回帰:02/09/18 01:10 ID:DjcfJkPc
香里「何もすべてを打ち明けろなんて言うつもりはないわ。
知り合いだってことは告白してくれたんだから、せめてあの子がどういう子なのかぐらい教えて頂戴」
わかっている。香里が言っていることはもっともだということは。
しかし、今美汐にできることは―――
美汐「相談、したい人がいるんです」
そう。すべてはあの人―――祐一の問題なのだ。
香里「相談?真琴の家族とか?」
言ってから香里は失言に気付く。
家族がまともな状態なら、相談などせずにうちに来るはず。
今現在、真琴の事情はまったくわかっていない。おそらく何かわけがあるのだ。
言えない、もしくは言うことをためらわせるような何かが。
それはひょっとしたら家庭事情なのかもしれないではないか。迂闊なことは言うべきではない。
香里「あ、えっと、誰なのかは教えてくれないの?」
考え込むような沈黙。
無理に言わなくてもいいわよ、と言う前に、美汐が静かに口を開いた。
おおおおお美汐 どこまで言うのか
美汐タン、今こそ漢を見せるときですぞ!
美汐たん応援sage
341 :
219:02/09/19 00:15 ID:jcxGuhxb
age
このスレに期待sage
みっしー寸止め(;´Д`)ハァハァ
344 :
原点回帰:02/09/19 01:30 ID:d6PQ5990
美汐「できれば、その方と相談してからに・・・」
その答えは香里の予想した答えと同じものだった。
同じものだったが、正直落胆もした。
香里「そうよね、その人と相談してからよね」
こればかりは本人が話す気になってくれないとどうしようもない。
別に話さないと言っているわけではないのだ。ここは気長に待った方がいいだろう。
すみません、と申し訳なさそうに繰り返す美汐が気の毒になり、香里は話題を変える事にした。
香里「あの子ねえ、今日見たと思うけど私のハンドバッグが気に入っちゃってて、ちょっと目を離すとすぐ悪戯するのよ。困っちゃうわよね」
今のところ香里と美汐の間にはあまり共通点がない。
真琴の知り合いだとわかったからか、今までの気苦労を吐き出すかのように真琴の話題を始めた。
香里「止めなさいって言ってるのに肉まんばっかり食べてるし、そのうち栄養が偏って大変なことになるわよ。
カロリーも高いし、女の子が太っちゃみっともないって言ってもあの子聞かないし・・・」
場を持たせる世間話のつもりなのだろう。まるで自分の娘か妹のように真琴のことを語る香里。
普段の彼女を知っている人間なら、その饒舌さに驚きを覚えただろう。
呆れたようでいて、怒ったようでいて、愛情に満ちあふれている。
香里自身気がついていないが、真琴のことを家族として認識し始めていたのだ。
>>345 なかなかいい感じにグロ画像でした。
落ち着いてからまた見たいですが一生見ません。
今日の出来事スレ に良い見分け方が載ってました。
209 名前:名無しさんだよもん 投稿日:02/09/19 01:02 ID:0F8hcfR/
アドレスにfleshという文字が有ると危険
212 名前:流水塔 ◆skb1Nfqs 投稿日:02/09/19 01:28 ID:96QJ0zPV
fleshって新鮮って意味じゃないの?
214 名前:名無しさんだよもん 投稿日:02/09/19 01:43 ID:cSZbGyKa
fresh:新鮮
flesh:人肉
だそうです。
350 :
原点回帰:02/09/20 20:11 ID:lc7w19ji
そんな香里の言葉を聞きながら、美汐の心はやかましいぐらいの警鐘を鳴らしていた。
美汐(このままでは・・・)
繰り返される、皮肉な運命。
香里も、恐らくは栞も、美汐と祐一が歩んだ道に踏み入ろうとしているのではないか。
そのこと自体はいい。むしろ真琴にとってはよいことだろう。
問題は祐一のことだ。
彼女らと祐一に事情をすべて話したときに、どう考えても悲劇しか生まない、美汐にはそう思えて仕方がなかった。
この姉妹が真琴に深入りするべきではない。
それが彼女の決断だった。
美汐「香里さん」
香里「何?」
美汐「真琴を・・・うちで引き取ろうと思うのですが」
電話の向こうで動揺する気配が生まれる。
一時凌ぎ、その場限りの逃げであることはわかっていた。
わかってはいても、真琴をこの姉妹のそばに置いておくことからは取り返しのつかない事態しか想像できない。
唐突に冷えた場の空気。
わずかな沈黙の後、香里が言いづらそうに口を開いた。
351 :
原点回帰:02/09/20 20:20 ID:lc7w19ji
香里「理由は?」
美汐「・・・」
香里「教えてくれないの?」
美汐「・・・すみません」
はあっ、と、大きくため息をつくのが聞こえてくる。
香里「わかったわ。あなたは真琴の事情を知っているみたいだし」
美汐「では・・・」
そもそも美汐が真琴のことを知っていた時点で、真琴を引き取りたいと言ってくる事は香里にも予想できた。
おそらくそれが一番なのであろうことは香里にもわかっている。
だが。
香里「断るわ」
美汐「・・っ!」
今度は美汐が息を呑む番だった。
美汐「・・・なぜですか?」
香里「あなたこそ何を言ってるの?
真琴は物じゃないわ。理由も教えてもらわずに、ほいほいと引き渡せるわけないじゃない」
香里の口調に少なからぬ怒気が混じっていることが、美汐の危機感を倍増させる。
香里らしいね。
ここで美汐がいきなり反転して
美汐「あの子はペットですわ。ペットは飼い主に返すのが礼儀でしょ、ふふふ」
なんて言えるキャラなら・・・だめか。
なるほど…こう来るのか…
どうすればいいんだ…
ドキドキ・・・
ああぁ、緊張に耐えられません!
美汐「では、どうしてもお聞き入れいただけないと・・・」
香里「くどいわ」
美汐「・・・交渉決裂、ですね」
香里「殺る気?」
美汐「暴力に訴えるのは本意ではありませんけど、仕方ありません。
栞さんに貰ったこのカッターナイフで・・・」
チキチキチキ・・・
香里「物腰が上品なわりには、随分物騒な物を持っているのね」
しゃきーん
美汐「香里さんこそ、学年一の才女と誉れ高くていらっしゃるのに、
メリケンサック・・・ですか・・・フフフ」
真琴「やめて、やめてー!真琴の為に二人が争うなんて!
いくら真琴が超プリチーでセクシーダイナマイツだからって、
真琴を賭けて決闘だなんて・・・・あたしって、罪なオ・ン・ナ(ぽっ」
香里・美汐「「おのれは黙っとれ!!!」」
真琴「あうーっ」
スレ汚し、スマソ
356 :
原点回帰:02/09/21 21:11 ID:hH7cGccL
わかっていない。
この人は全然わかっていない。
美汐はもどかしさで、無意識のうちに青くなるほど唇をかんでいた。
その怒気を生む原因こそが、美汐が一番危惧していることなのに―――
美汐が良かれと思ってやったことは、完全に裏目に出てしまっていた。
美汐「どうしても駄目ですか」
香里「違うわ。どうせ保護するなら事情を知っている人間のところのほうがいいのはあたしだってわかってる。ただ―――」
そこで噛み締めるようにいったん言葉を切る。
香里「何も教えようとしない、あなたの態度が気に入らないだけよ」
美汐には、何も言い返すことが出来なかった。
357 :
原点回帰:02/09/21 21:17 ID:hH7cGccL
表面的には美汐を一方的に責める言葉だ。
だがその言葉はむしろ、香里自身に向けられていたのかもしれない。
妹の存在を消そうとし、ひた隠しにしようとしていた自分への怒り。
香里「子供の駄々みたいだっていうことは自分でもわかっているわ。見苦しいことを言っているのもわかってる」
香里は賢い女性だが、そもそもの気質は激情家だ。
普段あまり自分の内面をさらけ出さないが、いや、むしろその分の反動で、
自分の深く関わった部分での駆け引きを生理的に嫌う。
不器用、と言っていいのかもしれない。
香里「ただね、あの子は言ったのよ。ここにいさせて欲しいって。
それを・・・!」
震える声でまくし立てる。
ふと無意識のうちに電話の子機を力いっぱい握り締めていたことに気付いて、無理やり自制心で力を緩めた。
そこで一旦沈黙し、大きく息をついてから続ける。
358 :
原点回帰:02/09/22 20:19 ID:WrX70JpV
香里「あの子、探している人がいるって言ってたわ。会えば思い出すだろうとも。
・・・でもあなたに会って何も思い出さなかったって」
こういう言い方で美汐が傷つくかもしれないことは想像できる。
美汐が苦悩しているのも、今までの態度から察していたから。
八つ当たりなのは香里自身わかっていた。
それでも自分を抑えられない。
仮にも今まで保護していた人間に対して、なにも言いたくない、黙って引き渡せと言う。
そんなことを言われたまま一方的にさよならでは、あまりに冷たいではないか。
関わってしまった。
情が移ってしまった。
礼を言えなんて言わない。
だが、せめて事情を聞いて、悩みを共有したいと思うことがいけないのか。
359 :
原点回帰:02/09/22 20:22 ID:WrX70JpV
美汐「・・・それはそうでしょうね」
真琴が美汐のことを忘れていたのは、彼女の態度を見れば明らかだ。
自分にとっての真琴ほど、真琴の中での自分の存在が大きなものではないことは充分に承知していた。
悲しいことではあったが、予想していたことでもあっ。
しかし今の美汐にはそのことよりも、もうひとつの言葉のほうが大きな衝撃だった。
美汐「それよりも、探している人がいる・・・今そうおっしゃいましたか?」
聞くまでもないことだ。真琴がまた戻ってきたと言うなら、理由など一つしかない。
だが、それでも。
香里「そうよ。確かにそう言っていたわ」
美汐にはそのことが妬ましく、同時に、嬉しくてたまらなかったのだ。
誤)悲しいことではあったが、予想していたことでもあっ。
正)悲しいことではあったが、予想していたことでもあった。
なんつーか、このスレ絶対落すわけに逝かないね
362 :
219:02/09/22 22:59 ID:d3p4cJHU
361に同意age
漏れも同じく361に同意sage
そういうことでめんてしとくぞ♥
メンテsage
366 :
原点回帰:02/09/24 00:33 ID:ZSUsYIRJ
美汐(やはりあの子は、相沢さんに焦がれて)
そう思うと、もう一度その事実を噛み締めると―――
もう、我慢の限界だった。
美汐「香里さん」
香里「なによ」
言い過ぎたことは香里自身わかっているので、自然と返答が憮然としたものになる。
しかしその怒りはむしろ、美汐には好ましいものに思えた。
美汐「約束してください。栞さんには絶対に話さないと」
香里「もしかして、話してくれるの?」
美汐「・・・はい」
意を決して頷く美汐。
自然と受話器を握る手に力がこもる。
香里「ありがとう。でも栞に内緒って、なぜなの?」
当然のごとく疑問を口にする香里。
この事に栞がどう関わっているのかわからなかったのだから、無理もない。
367 :
原点回帰:02/09/24 00:35 ID:ZSUsYIRJ
香里(あ―――)
唐突にひとつの考えが頭に浮かぶ。
そうか。
美汐は栞の友人だ。
もしここまで言う事を躊躇った事情に美汐の非が含まれているのだとしたら、その関係が壊れることを恐れているのではないか。
他の可能性もあるだろうが、香里はそう考えるのが妥当だと判断した。
香里「いいわ。栞には黙っていてあげる」
姉としては少々気が咎めるが、このままでは何の進展もないだろうと思っての決断だ。
それに香里は少しだけ美汐に対して親近感を抱き始めていた。
栞とこの子の友人関係を壊したくない、そう思い始めてもいたのだ。
香里はどんな反応するかなぁ
しかし今更ながらU1は羨ましいやつだ
大丈夫だとは思うけど一応保守っとく
ずーと気になってたんだが……
ひょっとして原点回帰氏って長期更新停止中(だった?)
のSSサイト持ってたりします?
いや、俺の勘違いかもだが…
372 :
sage:02/09/25 18:52 ID:IZgc3ucC
なんとなくカキコ
ここで保守
期待保守
守り
376 :
原点回帰:02/09/27 02:24 ID:gUc5bF9l
美汐「ありがとうございます・・・本当に」
美汐は見えない話相手に、深々と頭を下げた。
真琴を受け入れてくれていること。
栞のこと。
そして今日美坂家へ行った時の、自分への気遣い。
この人には何度感謝してもし足りない。
この激しいくせに優しい女性への恩に、私は報いることなど出来ないというのに。
さあ、覚悟を決めなくては。
私はこれから、この人を傷つけるのだから―――
気持ちを落ち着かせる為に胸に手を当てる。
今まで気付く余裕がなかったが、やかましいぐらい早くなった鼓動に自分自身驚いた。
そして。
美汐「私が相談したいと言っていた人は、相沢祐一さん―――栞さんの恋人です」
血を吐くような気持ちで、美汐は香里に真実を告げ始める。
とうとうイってシマターーーーっ!!!
夜番保守
379 :
371:02/09/27 11:01 ID:ZTGGC6cg
>>376 ん〜と、登場キャラ(天野と美坂姉妹)や
キャラの性格があるSSを思い出させるので。
なんとなくストーリー展開や連載の仕方も…
まあ、KanonのSSなんていくらでもあるから
思い込みかもしれんけど
380 :
原点回帰:02/09/27 14:41 ID:gUc5bF9l
香里「・・・どういうことよ、それ。何で相沢君の名前が出てくるの?」
嫌な、予感がする―――
美汐がここまで事情を話すことを躊躇った訳。
栞には絶対に話すなと言ったその理由。
今美汐が、栞の恋人と敢えて念を押した理由。
一番そうであって欲しくないと思ったそのことで、すべてのつじつまが合ってしまうではないか―――
香里の激しい動揺は、美汐にもはっきりと伝わってきた。
美汐「恐らく、香里さんの想像通りかと・・・」
香里「そんなことは聞いてないわよ」
美汐の言葉を拒むように、ぴしゃりと言い放つ。
肯定の言葉なんか欲しくなかった。
自分の下世話な想像なんて、考えすぎだと一笑に付して欲しかった。
香里「どういうことだか、ちゃんと言ってちょうだい」
美汐「はい。では、改めて申し上げます」
耳を塞ぎたい。続く言葉なんて聞きたくない。
美汐「相沢さんと真琴は、恋人同士でした・・・いえ」
しかし現実は無慈悲で。
美汐「恐らくは・・・今でも」
ぬはぁ
382 :
371:02/09/27 18:04 ID:fF+RGrQ4
かおりん、大ショーック!!
こ、この流れはぁ〜・・・・・・
キ…(−_−)キ(_− )キ!(− )キッ!( )キタ(. ゜)キタ!( ゜∀)キタ!!( ゜∀゜ )キタ━━━
うむぅ
香里逆ギレか?
387 :
原点回帰:02/09/29 02:09 ID:zyZ8pzFa
香里「・・・何いい加減なこと言ってるのよ」
怒りが、込み上げてくる。
祐一に対する怒り、嫌なことばかり言う美汐に対する、理不尽な怒り。
美汐「香里さん」
香里「真琴が相沢君の恋人?どういう神経してたらそんな嘘がつけるの?」
嘘ではない。美汐の声にそんな響きは含まれていない。そんなことは香里にもわかっている。
香里はただ、聞きたくないことから耳をそむけているだけだ。
問い詰められても美汐は黙っている。
自分の言葉が香里にどういう思いをさせてしまったかがわかるから、信じたくない気持ちが、痛いほど伝わってくるから。
美汐には香里の言葉を否定することも、肯定することも出来ないでいた。
そして重い沈黙が訪れる。
自分で招いた沈黙に、香里が耐えられなくなって口を開いた。
香里「事情を、説明して欲しいわ」
そう。すべてはそれから。
何も聞かないで耳を背けていては何も進展しない。
昂ぶる心を抑え、香里は何とか冷静さを取り戻す。
388 :
原点回帰:02/09/29 02:18 ID:zyZ8pzFa
美汐「真琴は、行方不明になっていたのです」
いきなり本当の事情を話したら、おそらく茶化されたと思われるだろう。
それは避けたかった。
香里「行方不明?」
美汐「はい。香里さんが真琴と出会ったのはいつ頃ですか?」
香里「確か・・・半月ぐらい前だったわ」
美汐「そのずっと以前から、真琴は相沢さんの前から姿を消していたんです」
行方不明。
記憶喪失。
隠し事をしているとはとても思えなかった、祐一の態度。
そして美汐の苦悩。
ただ単に祐一が浮気をしているとか、そういった話ではないだろうと言うことは香里にも想像がついた。
香里「そして真琴が行方不明になっている間に、相沢君は栞と出会った―――そういう事?」
美汐「はい。そのあいだ真琴は生死すら確認できない状態でした。
・・・いえ、てっきり死んだものと思われていたのです」
美汐はうまい嘘をついたね。
狐うんぬんより行方不明の方がまぁ、信じられるよな。
それでいて祐一にも迷惑をかけることもないだろうしー。
こんなスレがあったなんて・・・。
美汐&栞萌えとして凄い感動。
原点回帰さんがんばってください。
そして、本当の事を知った香里は二度ビークリですか?
香里さんもなかなか可哀相・・・・
香里vs祐一の予感
どうなるというのか。祐一…
ああ、やっぱ面白い……
396 :
原点回帰:02/09/30 02:52 ID:POLFmL92
説明を進めていくうちに当時のことを思い出す。
次第に弱っていく真琴にどうしてやることも出来ずに、焦燥と自己嫌悪で狂わんばかりだった祐一。
言葉すらも失い、ただただ在りし日のぬくもりを求める真琴の痛々しい姿。
関わることを恐れて殻に閉じこもって、遠くから様子を伺うことしか出来なかった情けない自分。
美汐「相沢さんは奇跡を信じて待っていました。来る日も来る日も、真琴が帰ってくることを願って。
・・・孤独に耐えられなくなったとしても、誰が責めることができるでしょうか」
少なくとも、自分には耐えられなかった。
あの子が帰ってくると信じて玄関のドアが開く音に胸を躍らせ、街中で似たような後ろ姿を見かけるたびに走りよって―――
そして落胆を繰り返す、いつまでそんなことを続けただろう。
磨耗していく心が痛くて、忘れたいと願う自分が憎くて。
心を閉ざしてしまおうと思ったのは、いつのことだったろうか。
397 :
原点回帰:02/09/30 02:55 ID:POLFmL92
香里「責められないって」
香里が聞き咎める。
その言葉が意味するのは、祐一が責められるようなことをした、ということ。
それはつまり―――
香里「ちょっと待ってよ、それじゃ何、相沢君にとって―――」
言ってはいけない。
美汐はこのことで責任を感じている。
本来感じるべき責任ではないはずなのに、だ。
これ以上はこの子に言っても、傷つけるだけでしかないではないか。
・・・それでも。
香里「栞は、真琴の代わりでしかなかったって言うの!?」
激情を、吐き出さずにはいられなかった。
>>397の香里のセリフ。
>>31以来だな。もはやなつかしい。
代わり〜代わり〜代わりはいいねぇ♪
そりゃ怒るわな…
400げとー
野暮な事突っ込むのだが、祐一が栞と知り合ったのは真琴が消える前でないんかい?
知り合ったのが後とは書いてないと思うんだけど…
>>400 栞に会うのは最初だけで真琴シナリオ突入→真琴あぼーん→
中庭で真琴との思い出にふけってるところに栞と再会→栞シナリオ(誕生日に関してはずらすなりして各自補完)
ぐらいの脳内補完はしとこうや。
2つのシナリオ同時進行は出来ないし、出来たとしてもこのSSの祐一はそれやっちゃダメだろう。
一応設定みたいのも考えてあるけど、基本的に
>>402のような脳内補完でよろ。
そういう流れになったら文中で語るかもしんないけど、多分くどくなるのでそれはしないと思う。
どうやったってこの手のクロスオーバーは、多少の差はあれ本編との矛盾は出るし、あえてぼかさせてね。
今ごろこの手の突っ込みが来るとは、ちょっと意外w
―――俺的脳内補完―――
真琴が死んでからある程度長い間、祐一が真琴をふっきれない期間が欲しいので
ここは大胆に祐一が転校してきたのを一年さかのぼらせて一年の三学期にするのはどうだろう?
そこから真琴シナリオ→真琴あぼーん で、二年の冬に栞と出会うと。
祐一が一年なら美汐は中3だけど美汐は別に祐一と同じ学校である必要もないし、
ものみの丘で美汐に会ったというのでも違和感はないと思う。
で、祐一が三年になって本編と・・・。
こういうのどう? >>原点回帰氏 & このスレのSS楽しみにしてる同士諸君。
別に詳しい設定なんていらないと思うけど。
ただそこに感動があれば。
細かいこと全然気にしてなかったっすよ
>>404 この際、細かい設定はどうでもいいと思うです。
自分は、同時進行で進めてて、美汐と会った後思いのほか真琴速攻アボーンしたけど、
栞はその後の祐一の必死の看護の末あゆの奇跡で助かったとか、適当に解釈してます。(w
408 :
404:02/10/02 04:08 ID:9wTwXvL7
俺だってさ、細かい設定なんて考えて読んでたわけじゃなかったけどさ、
話がでてたからさ、ちょっと考えてみただけなんだけどね。うん。。・゚゚・(>_<)・゚゚・。
まぁ、蛇足だったかもと今思えば思うわけよ。
404 ってことで not found ってことでよろ。
405のメール欄がワラタ
404の場合だと名雪に
「お前は一年間何をしていたのか」
と小一時間(略)
>>410 7年前の繰り返しを恐れて祐一が立ち直るのを待ってたとか。
いや、だからなぜいきなり告白しようすると小一時間…
メンテ
メンテsage
保全
保全
このスレdat落ちはさせん
メンテ! 保全! 保守!
保ち
420 :
名無しさんだよもん:02/10/07 19:31 ID:qwKFHBSl
保全および保守。頑張れ! 原点回帰!
帰って来てください…
……教授を……呼ぶ……か?
いや、待て俺、それだけはダメダッ ((((((;゚д゚))))))
濃い恋来い!「
小ネタを出して間を持たせたいけど
Kanosoしかやってない俺。泣くか…
425 :
219:02/10/07 22:25 ID:cwvRuKNq
美汐「やはり、北川さんの書かれた同人誌”愛・戦士”は良い物ですw
特に攻めの香里サンが・・・受けの栞サンの乱れ方も中々・・・」(;´Д`)ハァハァ
Σ(゚∀゚ )「そうだ!!」
「今度私と真琴で書いて貰いましょうwもちろん私が攻めで・・・(-_-)ニヤソ」
最近AIRRPGやったもので^^;(水瀬さん家風味)
原点氏帰って来て下さい!!
むしろ北川×祐一がよみたいです
そのうち、原点氏のに則った美汐と栞の絵かマンガを描かせていただきます。
間を持つことができれば。
ををっ!
その為にも落とすわけには湯熊稲
かおりん
しおりん
さおりん
みぽりん
ワロタ
436 :
219:02/10/08 20:05 ID:rHIR4O7v
栞の部屋を掃除中
香里「普通の姉ってどんなのだったかしら・・・」
ハァとため息をつく。
奇跡により病気から回復し、栞と仲直りした香里だが避けていた期間が長すぎ
妙に意識してしまう。・・・まるで片思いの相手に接するように
栞の行動にドキドキしてしまうのだ。
香里「いけない、掃除掃除っと」
作業を開始しようとしたとき
香里「何かしら?これ」
と手に取ったのは”愛・戦士”北川ジュン作
まだ未開封だ。
香里「何かしら?」
と、封を切り読んでみる。
香里「・・・・」
無言でページをめくるその手に血管が浮き出ていた
香里「あいつ!!私の栞に何て物を!!!!」
(´-`).。oO(マターリ
437 :
219:02/10/08 20:06 ID:rHIR4O7v
友人A(可奈)と買い物帰りの栞
栞「そういえばお姉ちゃん、あれ(奇跡が起きて)から様子がおかしい様な・・・」
可奈「どんな感じにおかしいの?」
栞「この前、アイスを”あ〜ん”って食べさようとしたら、
妙に鼻息が荒かったんです」
可奈「へ、へ〜(汗)」
栞「この前なんか私がお風呂に入ってて「背中流してあげる」
って入ってきて流してる最中に鼻血出してました・・・」
栞「別にいやってわけではないんですけどね」
可奈「・・・・あはははっあ!私用事があるから〜またね、栞」
栞「あっ・・・それじゃあ」
一人になり、帰り道を歩いていく。
栞「そういえば、今日届くはずでしたねw
美汐さんのお勧めですか・・・楽しみです。」
(´-`).。oO(マターリ
438 :
219:02/10/08 20:06 ID:rHIR4O7v
美汐「ここですね、北川さん家は。」
北川に(自分で書いた)原稿を渡し、漫画化してもらおうと来たのだ。
美汐「完成したら、是非真琴に読ませてあげましょう。(-_-)ニヤソ
部屋に鍵を掛けてw(ボソ)」
玄関をくぐり、最初に見たものは
血まみれで倒れている北川だった。
まるで、メリケンサックで真正面から、しかも
思いっきりフルスイングで何度も殴打されたようだ。
倒れているその手には出来上がったばかりだろう最新刊
”愛・戦士2〜私は帰ってきた〜”
が”何か”から守るように握られていた。
一応おわりです・・・間が持たないようヽ(`Д´)ノウワァァン
帰って来てくれ〜原点氏
ネタもないのにメンテ…
ええと、なんというか、ごめんなさい。
ネット上でもリアルでもいろいろあって、かなりへこんでますた。
きっかけが某スレで……まあ、その辺はどうでもいいですね。
でもまあ、もともと見切り発車で始めたものだし、今更へこんでもしょうがないかな〜って。
ちゅうわけで続けたいので、あんまり期待しないでママーリ待っててもらえるとうれしいっす。
441 :
原点回帰:02/10/09 18:25 ID:Sa8TcJzp
予想していたものとはいえ、香里の言葉が辛いものであるのは変わりない。
泣き出したいほどの胸の痛みをこらえて、美汐は言葉を搾り出す。
美汐「・・・わかりません」
そう。わかるわけがない。
確かにあの時、真琴と別れた時は、祐一にとって最愛の人間は真琴だったろう。
でも今は・・・?
祐一と栞が刻んできた時を、美汐は栞の話にしか知らない。
それがどんなに深いものだったのか、当人以外にわかるはずがなかった。
香里「そう。そうね。相沢君以外にはわかるはずがないわね」
自分に言い聞かせるように呟く言葉は、意識したわけではないが少々棘のあるものになってしまった。
442 :
原点回帰:02/10/09 18:31 ID:Sa8TcJzp
香里「あなたが相沢君と相談したいと言ったわけがわかったわ。
ごめんなさいね。無理やり聞き出すような形になっちゃって」
栞のことに関して美汐からこれ以上のことを聞くことはできないだろう。
むしろ今は、嫌な思いをさせて悪かったという気持ちのほうが強い。
後は祐一に聞くしかないだろう。それがどんな結末を迎えるとしても。
そして他にもう一つ、聞いておきたいことがあった。
香里「そういえば、あなたと真琴ってどういう関係なの?」
美汐「関係・・・ですか」
真琴と自分の関係。
どう、説明すればいいのだろう。
友人?知り合い?
どういう言葉でも、自分たちの関係を説明しきるには足りない気がする。
美汐「わかりません。隠しているのではなく、本当に・・・
いえ、真琴は私のことを覚えていない可能性も高いでしょう。たとえ記憶を取り戻したとしても」
キタ━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━!!!!
444 :
219:02/10/09 19:06 ID:Zo1CsVmC
原点氏帰還!!キタ━━(゚∀゚)━━ !!!!!
お帰りなさいー。某スレって直後に祭りが起きたあのスレですか?
ともかく応援してますから頑張って下さい。
祐一がすっかり鬼畜
まぁ、一言でいうと
祐一にとっての栞は真琴の代わりで
美汐にとっては真琴こそがあの子の代わりということかな。
448 :
原点回帰:02/10/10 21:49 ID:570Lflgp
追求してくるかと思った香里も、そう、と素っ気なく応じただけだった。
それが何を意味するのかは美汐にはわからない。
香里「じゃあ、明日にでも相沢君に問いただしてみるわ」
美汐「それは・・・できれば待ってもらえないでしょうか」
香里「なぜ?」
美汐「・・・」
意地の悪い質問だと自分でも思う。
祐一に話さないでくれという理由は一つ、この二人の間に香里に話していない秘密があるということ。
それが後ろめたいものなのか、それとももっと別の性質のものであるのかはわからなかったが、香里に言いたくないものなのだろう。
おそらく今、美汐は苦しそうに狼狽しているに違いない。
香里「いいわ。関係者同士、あなたから直接話したいでしょうしね」
香里はそれ以上は追求しなかった。
449 :
原点回帰:02/10/10 21:52 ID:570Lflgp
美汐「・・・ありがとうございます」
緊張がとけて、ほうっと息をつく。
今日一日で何度この言葉を繰り返しただろう。
自分がとても安っぽい礼を言っているような気がして、なんだか申し訳ないような気分になってしまった。
香里「そうそう」
何か思い出したかのような軽い調子だが、その声を聞いて美汐の背筋が凍りつく。
調子も声音も軽いものだったが、なぜか寒気がするほど深いなにかを感じたからだ。
香里「あなたも相沢君もこれからどうするのかわからないから、先にこれだけは言っておくわ」
いったん言葉を切り、ごく短く、深い沈黙の後―――
香里「あたしは、何があっても栞の味方だからね」
450 :
原点回帰:02/10/10 22:04 ID:570Lflgp
香里「ふう」
長い長い詰問のような時間が終わり、香里は言葉を返せないでいる美汐を顧みず、子機の電源を切る。
美汐から受け取ったさまざまな問題は、香里の気分を暗くさせた。
今、真琴や栞の顔をまともに見る自信がない。
香里「ふ、ふふふふふっ」
と、突然受話器を持ったまま肩を震わせる香里。
香里(笑っちゃうわ。偽善もいいとこよね。こんなあたしが)
栞の味方ですって?
その味方であるあなたは一年前、栞に何をしていたというの?
―――図々しい!!
451 :
原点回帰:02/10/10 22:08 ID:570Lflgp
持っていた子機を、ベッドの柔らかい布団に力任せに叩き付ける。
ぼすっ、と込めた力の割には軽い音がして、罪のない機械は羽毛の布団に深々とめり込んだ。
何を投影していたのか憎々しげに子機を見ていた香里だったが、すぐに空しくなって拾いなおす。
香里(・・・栞のところから持ち出した、クラス名簿を返さないと)
正直立ち上がる気力も萎えていたが、今返しておかないと余計に返し辛くなる。
香里(ふふ、美汐の気持ちがちょっとわかったわ)
腰掛けていたベッドから勢いをつけて立ち上がり、子機をおくと廊下に向かう。
そしてドアを開けて廊下に出た瞬間。
真琴「あ、香里」
今一番会いたくない少女に出会ってしまった。
ほす
期待保守です
454 :
名無しさんだよもん:02/10/11 23:19 ID:IJc+Atoq
保守。頼むから落ちるな。
455 :
おっぱい:02/10/11 23:35 ID:Il5wnKRB
456 :
原点回帰:02/10/11 23:50 ID:gtZc4uda
香里「真琴・・・ごめん、今日は疲れてるの。後で遊んであげるから」
風呂から上がってきたところなのか、栞のパジャマを着た真琴の身体は上気していて、少しだけ女っぽい感じがする。
香里はいつもなら気にも留めなかったそのことで、どうしても困惑してしまう自分を感じていた。
真琴「いいお湯だったー。香里も入ってきなよ」
いつもなら愛らしさを感じる無邪気さが、この時ばかりは微かに癇に障った。
香里「・・・いいわ。後で入るから」
真琴「あれっ?香里なんか元気ないね。あっ、わかった。カレシにでもフラレタんでしょ〜」
ふふ〜んと、腰に手を当てて得意げな態度の真琴。
恐らくは栞とのやり取りから聞きかじった、他愛もない、意味もよくわかっていないであろう一言。
だがその内容も、何も知らない気楽な態度も、香里の逆鱗に触れるには充分だった。
き、キレるんですか香里さん(((((;゚Д゚))))
メリケンサック、キタ━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━!!!!
八つ当たりだあぁぁぁぁぁ!!!!!
・・・実にかおりんらしい。
香里の、世界を取った右がまこぴーに!!(w
>>460 真琴選手ダウン!!
無情にもカウントが進む!!
立てるか、立ち上がれるか!?(w
メンテ
//
464 :
名無しさんだよもん:02/10/13 01:07 ID:74C962lZ
保守アゲ 期待してまつ
465 :
名無しさんだよもん:02/10/13 01:14 ID:sL44Yqrg
466 :
原点回帰:02/10/13 04:57 ID:H4sxy5yY
香里「―――っ、このっ!!」
反射的に手を振り上げる香里。
右手に力を込めることによって、さっきのやり取りで溜まったやるせなさが一気に噴出す。
真琴「わあっ、怒ったー!」
いつもの冗談だと思っているのか、笑いながらオーバーな身振りで更に香里を刺激する真琴。
香里の上げた手が握り締められ、ふるふると小刻みに震える。
・・・が。
香里(本気で殴れるわけ、ないじゃない。この子が悪いわけでもないのに)
真琴「あうーっ!ぼーりょくはんたーい!
・・・って、あれ?どしたの?」
いつまでたっても何もされないので真琴が頭を庇った腕の隙間から香里の方を伺う。
いつも冗談でぽかぽか叩かれているので、香里が逡巡しているのが意外だったのだ。
怯えた様子もなく身構える真琴を見下ろしたまま、香里は震える手をどうすることもできずに立ちすくんでいた。
香里選手のチョッピングライト不発〜っ!!
沢渡選手、命拾いしました〜!!
このラウンドは10対9で、沢渡選手がとりました!!
なんでこのスレにはSSが多いんだYO!
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!!!
ラウンド終了後・・・
―――香里サイド―――
栞(セコンド)「お姉ちゃん、だめじゃないですか!もっとガンガンいってください!!」
香里「でも、栞・・・。真琴にはなんの罪もないし・・・」
栞 「なにいってんですか!祐一さんの元恋人というだけで十分に万死にあたいしますっ!!」
栞 「お姉ちゃんは私の味方じゃないんですか? 私が祐一さんに振られちゃってもいいんですか!」
香里「そう・・・そうよね。やっぱりここで息の根をとめるべきよね」
栞 「そうです、さすがはお姉ちゃん。さぁ、このメリケンサックを使ってください」
香里「こ、これは・・・もしかして・・・伝説の?」
栞 「そうです!これはかつてJなんて名前のアメリカ人が使っていた伝説の武器ですっ!!」
栞 「マッハぱんちですよ〜」
香里「・・・まっは・・・ぱんち・・・か。やれるかもしれないわね( ̄ー ̄)ニヤリッ」
―――真琴サイド―――
美汐(セコンド)「はい、真琴。水と肉まんです。補給しなさい」
真琴「わーい、んぐんぐ・・・どうだった?美汐?」
美汐「よくやりました、真琴。さすがの香里さんも真琴の純真無垢攻撃の前に手も足もでてませんでした」
真琴「うん、ポイント・・・取れたよね?」
美汐「ええ。10対9ってところでしょうか。でも油断はいけませんよ」
真琴「わかってる。で、次のラウンドはどうするの?」
美汐「そうですね・・・真琴、あちらのコーナーを見てみなさい」
真琴「うわっ!! 栞、すごい剣幕だね」
美汐「はい。あの様子だと次のラウンドは攻めてくるでしょうね、純真無垢攻撃は通用しないでしょう」
真琴「美汐ぉ・・・どうしよう・・・」
美汐「香里さんの攻撃をかわしつつ両手に狐火を纏わせてカウンター・・・ですね」
真琴「・・・りょうてに・・・きつねび・・・」
美汐「そうです。狐火を制するものは世界を制す! ですよ」
真琴「せかいをせいす・・・せかいを・・・せいす・・・ゆういちも・・・せいす・・・」
美汐「そうです真琴、行ってきなさい!! 美坂姉妹をぎゃふんといわせるのです」
くだらない長文スマソ
香里と真琴が同じクラス(階級)になったら
>469>470
そのころ祐一は.....
祐一「舞、牛丼買ってきたぞ〜」
舞 「・・・牛丼、嫌いじゃない」
原点回帰様、お待ちしております(はぁと
_
'´ ヽ. / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
,' ノノノ)))〉 |
く((レ゚ ‐゚ノァ < ………
く/jつつ .|
/__il〉 \_____
し'ノ
俺的良スレ保守
476 :
原点回帰:02/10/15 12:36 ID:ITCD1H31
その時、廊下を歩く軽い足音が聞こえてくる。
その音を聞いた香里はため息をつくと、爪が手の平に食い込むほど硬く握り締めた手をほどき、ゆっくりと下に降ろした。
栞「まこちゃん、まだ?」
廊下の角から栞が姿を現す。
真琴と一緒に風呂に入っていたのか、同じように白い肌が上気していた。
そして両手にはガラスのカップ・・・中身は、今日美汐に食べさせられなかったアイスだろうか。
栞「あ、お姉ちゃん」
こっちを向かれて、咄嗟に手に持っていた名簿を背後に隠してしまう。
香里(あ・・・)
やってからしまったと思った。今隠してしまうと後で返すのが余計に気まずい。
幸い隠したことは気づかれなかったようだが、返すタイミングを逸してしまったことは確かだ。
477 :
原点回帰:02/10/15 12:48 ID:ITCD1H31
真琴「あ、ごめん。今行く」
栞「うん。溶けちゃうから早く食べよー」
いくら毎日食べていても飽きないのか、カップを持って満面の笑みを浮かべる栞。
栞の手作りアイス、前に香里も味見したことがあるが、さすがに好きなだけあって美味しかった。
栞「そうだ、お姉ちゃんもいっしょに食べる?アイスなんだけど」
両手のカップを傾けて、中身をこちらに見せる。
・・・だが、とてもじゃないが今はそんな気になれなかった。
香里「遠慮しとくわ」
何か気の利いたことを言いって誤魔化したかったが、口から出た言葉はそれだけだった。
ここまで読んだ。
続きに期待しちゃうぞー!
メンテ
原点氏最強。
現役のシナリオライターか何か?
フォッシュ
原点氏の復帰を待とう。
484 :
減点怪奇:02/10/17 17:19 ID:jsT31mS6
復帰って、まだ前回の描き込みから2日しか経ってないだろ・・・
一日千秋ってヤツですよ。
486 :
名無しさんだよもん:02/10/17 22:56 ID:reFk2DS1
頼む、消えるな。いいスレなんだから。
保z
フォォシュ
正直、原点氏がゲームを作ったら買うわけだが。
_、_
( ,_ノ` ) n ばっちりほぜんしますた。
 ̄ \ ( E)
フ /ヽ ヽ_//
492 :
原点回帰:02/10/19 13:39 ID:SROkgAxG
真琴「なんか香里、さっきからちょっと元気ないのよね」
さっきのやり取りで拍子抜けしたからか、真琴の声には少し不満そうな色が混じっている。
栞「・・・そうなの?」
香里「なんでもないわよ」
心配そうに覗き込まれて、香里は少しうろたえてしまった。
香里「あたしのことなんかどうでもいいのよ」
栞が心配するべきなのは、自分自身のことなんだから―――
こっそりと心の中で呟くことで憂鬱さに拍車がかかる。
しかしそんなことを、まさか口に出すわけにもいかない。
真琴「香里つめたーい」
あいかわらず呑気な調子の真琴。もう怒る気にもなれなかった。
493 :
原点回帰:02/10/19 13:43 ID:SROkgAxG
香里「・・・ごめんなさい。疲れてるのよ。悪いけど、あまり構わないで」
栞「疲れてるって・・・」
さっきまではそんな素振りは見せていなかった。
夕食も普通に作って食べていたし・・・
しかし確かに香里の顔色も表情も、昼間とは別人のように暗く沈んでいた。
栞「どうしたの?いきなり。なにかあったの?」
心配そうな栞の様子が、余計に香里の胸を打つ。
香里「本当に大丈夫よ。風邪でも引いたのかも知れないわ。今日は早めに寝させてもらうわね」
自分は今ひどい表情をしているのだろうな。
ふとそんなことに思い至り、無理に笑顔を作ろうとしてみる。
・・・だが、苦労して作った笑顔は、苦笑いのようなとてもいびつな表情になってしまっていた。
原点氏、キタ━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━!!!!
うわ〜ん2レス分だけ…?
まぁ感謝しねぇとな…
忙しいとか言ってたし…
がんがってください
毎回コピペしながら補完。
gangare
原点氏に期待sage
499 :
原点回帰:02/10/20 20:35 ID:t5mlGGIp
香里「じゃあ・・・」
足早に、逃げ出すようにそこを立ち去り、手近にあったトイレに入る。
意味もなく入ったはいいが、当然することなどない。
香里「ふう」
まるで外から開けられるのを拒むかのようにドアにもたれかかり、ため息一つついて手もとの名簿に視線を落とす。
二つに折りたたまれた名簿の、一番上に書かれた美汐の名前が嫌でも目に付いた。
そういえば祐一も確か一番最初だったはずだ。
香里「明日は相沢君と会うのよね・・・」
気が重い。
恐らく祐一は真琴がここにいることなど知らないはずだ。
美汐の話では、そもそも真琴が息災でいること自体知らないことになる。
・・・全てを知ったら彼は、どういう反応をするのだろう。
少なくとも香里が知っている祐一は、真琴の事は過去のこと、などと割りきれるような人間ではないような気がする。
500 :
原点回帰:02/10/20 20:45 ID:t5mlGGIp
だが、美汐の話では恋人ということだったが、実際どのような関係だったのか本人達の口から聞いたわけではない。
栞と祐一の付き合いを目の当たりにしていた香里には、どうしてもそのことが実感できなかった。
香里「大丈夫、相沢君なら栞を裏切るような事はしないわ」
痛みをこらえるかのように右手を胸に当てて、自分に言い聞かせるようにつぶやく。
―――だが、もし祐一が真琴を選んだら・・・?
それは考えたくない、考えてはいけないことだった。
自分は一度栞のことを追い詰めている。
本当に辛かった時に、差し出された弱々しい手を無残にも振り払ってしまったのだ。
祐一という救いが現れなかったら、栞は病気よりも絶望に押しつぶされていたかもしれない。
その彼が、自分のもとから去ると栞が知ったら・・・?
自分では栞の傷を癒してやることなどできないのではないか―――
501 :
原点回帰:02/10/20 21:09 ID:t5mlGGIp
・・・考えれば考えるほど、思考が泥沼にはまっていくのがわかる。
香里(こんなところで悩んでても仕方ないわ・・・)
何もしていないというのに水を流して、香里は自分の部屋に戻ることにした。
ドアのノブに手を当てたときに、手のひらにじっとりとした感触が伝わってくる。
そこで初めて、自分が全身に冷や汗を掻いている事に気がついた。
だんっ、と、罪もないドアに握り締めた手を打ちつける。
香里「参ったわね」
自分が一番追い詰められていたのだ。
それは栞のことというよりも、取り返しのつかないことをしてしまった自分の罪、
裁かれないまま許されていたあやまちを、もう一度突き付けられることを恐れていたのだろう。
今回のことで栞が立ち直れないほどの傷を受けるとしたら、間違いなく自分にも罪があるのだから。
香里(なんて、偽善―――)
忘れようとしていた現実が香里を苛む。
罪滅ぼしなど出来るはずがない。
自分にはただ、祐一が取り戻してくれた栞の笑顔を守る為に尽力するしかなかった。
どんなことでもしてやる。栞が笑っていてくれるなら―――
自分の思考が暗くいびつに歪んでいくことに、今の香里が気付くはずがなかった。
もうすぐ祐一登場か…
原点氏サイコ─wwヘ√レvv~(゚∀゚)─wwヘ√レvv~─ ッ!!!
PSYCOッ!!
PSYCOッ!!
PSYCOッ!!
香里もう、真琴を刺しそうな勢いだなw
いや、メリケンサックの登場だろう。
506 :
香里:02/10/21 01:47 ID:84nCFR/8
...栞...大丈夫....
お姉ちゃんが全てうまく処理しといてあげるから...
真琴は....まあ大したことはないわ...
問題は、美汐...
現時点で、真琴の存在を知っているのは、美汐だけ...
明日、相沢君に会って話しをすると言ってたわ...
殺るなら今晩......
「あたしのことを『ばーか』って言った罪は重いわ」
>>506 某事務所の香里ですか?漏れはあそこの住人でもあり、こちらの住人でもあり。
どちらも良スレに付きsageでマターリ進行
508 :
名無しさんだよもん:02/10/21 14:05 ID:5Df2OKeB
_、_
( ,_ノ` ) n ばっちりほぜんしますた。
 ̄ \ ( E)
フ /ヽ ヽ_//
祐一が真琴選んでダークなエンディングでも
私は一向にかまわんッッッ!
色を識る歳ということだな。
_、 _
(* ー`) n ばっちりほぜんしますた。
 ̄ \ ( E) りせっとぼたんをおしながらでんげんをきらず
フ /ヽ ヽ_// またーりまちましょう。
良スレ保全
何気なくパート3、4、5・・・と
続いていきそうな予感・・・
伝説のスレになるだろうな・・・
というわけで、続く
515 :
名無しさんだよもん:02/10/22 20:01 ID:sTHeObJN
これ、落とすにはあまりに勿体無い。
516 :
エッチなお姉さん:02/10/22 20:01 ID:h2gfcGIH
保全してるヤシHP化しる。
原点氏の許可出てからだけど
このスレは、sage進行でまったりとね。
初めて読んだが良いではないか!
つー訳で、sageつつ保全。
hozenしますた。
久々に見に来たけどかなりいい感じで伸びてるねー。
待機保守。
たおやかに保守
あでやかに保守
525 :
名無しさんだよもん:02/10/24 11:17 ID:+TL1ohi1
浮上
保守レット
527 :
原点回帰:02/10/24 19:04 ID:hwPY27gg
美汐「ふぅ・・・」
香里から一方的に電話を切られた後、自分の部屋に戻った美汐はしばらく放心状態でいた。
・・・話してしまった。
この事は彼女らには話さずに、祐一と二人で話し合おうと思っていたのに。
香里の最後の言葉が耳から離れない。
あれだけ真琴のことを思ってくれていた香里だ。
事情を知ったからといって真琴にどうこうするとは思えないが、最後の彼女は少し普通じゃなかった。
『あたしは、何があっても栞の味方だからね―――』
前に栞から、香里と一時期確執があったと聞いた。
自分のせいで姉を傷つけることになって、二人でとても悲しい思いをしたという。
詳しく聞くことは出来なかったが、今回の香里の過剰な程の反応はその辺に起因しているのかもしれない。
キタ(゚∀゚)!
ここでRRが出てくるとは思わなかった
529 :
名無しさんだよもん:02/10/24 20:00 ID:9PIomISL
HooooooZeeeeeeenn!
軽やかに保守
激しく保守
鮮やかに保守
豪快に保守
艶やかに保守
朗らかに保守
強かに保守
なあ、うぐぅよ。
あゆ「うぐぅ、ひどいよ祐一君」
健やかに保守。
美汐って・・・いいですね。
美汐「いいんですよ私は...」
高らかに保守。
_、_
( , ノ` ) 保守・・・か。
\,; シュボッ
(),
|E|
_、_
( ,_ノ` )y━・~~~ 原点、お前は一人じゃない。
_、_
( ,_ノ` )y━・;;~~ お前を待つ友がいるということだ。
.,..,,.,,.
┗━┛
_、_
( ,_ノ` ) n∫ ・・・なんてな。
,!..,,.,,.
┗━┛
みんな、保守多いよ(笑)
dat落ちさせたくない気持ちはものすごくわかるけど。
543 :
名無しさんだよもん:02/10/26 09:21 ID:S5MfErtq
541が渋いのでホス
なんか、保守だらけだ。
そんな漏れも保守。
…これでもし、美汐が祐一に興味を持ったなら泥沼…。
約二時間カキコなかったら(・∀・)ホッシュホッシュ
・・・これって早すぎでつか?
早すぎかも?そんな漏れも保守する。
547 :
原点回帰:02/10/27 03:18 ID:XwkR47yU
・・・こんなことを考えていても結局、彼女らが事情を話してくれないことには想像しか出来ない。
明日が大変になるのは目に見えているので、少し早いがもう寝ることにした。
ベッドに転がり、薄い布団を閉じこもるように頭からかぶる。
しかし、いつもより早い時間に興奮した状態で眠ろうというのがそもそも無理だったのか。
すべて忘れて寝てしまおうと思ってはいても、ベッドで横になっているとどうしてもいろいろな考えが頭をよぎってしまう。
美汐「姉妹、恋人・・・」
自分とはなんと縁遠い言葉だろう。
そのどちらでもあり、どちらでもなかったあの子。
香里とのやり取りを思い出すたびに、真琴ではなくあの子が帰ってきてくれていたらば・・・と、どうしても考えてしまう。
・・・こんなことを考えてしまう嫌な自分が、またそれを意識するのが、美汐にはたまらなく苦痛だった。
原点さん乙。
>>545 早すぎっつーか、圧縮時期に遠い時は何日放置したって落ちないんだから、
スレ数が490とかいったあたりから保守すれば一応は問題ないやね。
まあ、このスレの保守は、点呼や期待してる読者数っていう意味もあって
ちょっと特殊だと思うけど。
むしろ、保守という名の声援。
原点回帰氏の文章の心理描写はホントにイイ!と思います。
大きな期待をしつつホシュ
( ノ゚Д゚)ノ保守
正直、祐一が羨ましい
そんな漏れも保守
555 :
原点回帰:02/10/28 22:19 ID:NWyTK1eu
眠るのをあきらめて布団から顔を出す。
そこで初めて、窓から微かに入りこむ月明かりが思いのほか明るい事に気がついた。
その明かりで見慣れた天井が目に入ってくる。
美汐(ああ、そういえば・・・)
小さい頃、あの子と一緒にこの天井を見上げた事もあったっけ。
その時は確か、今よりもっと寒い季節だったはず。
薄青く浮かぶ天井は寒々しくて、傍らに寝るあの子の手をしっかりと握っていたっけ。
そんなことを思い出すと、あの子のぬくもりがもう一度この手によみがえった気がした。
当時ならどうということもない、いつでもできるような日常の出来事。
美汐は、自分が知らないうちに涙を流している事に気付かなかった。
美汐(そう。悪い事のはずがないですね)
真琴が帰ってきた。
それがどのような結果を生もうと、その事自体が悪い事なわけではないではないか。
どれほどの想いを抱えて、真琴は戻ってきたのだろう。
・・・なぜ祝福してやらなかったのだろう。
ごろりと一度寝返りを打って、顔を枕に埋める。
美坂家から逃げ帰ってしまった事が、まるであの子のことを見捨てたような気がして。
彼女は、そのまま枕に突っ伏して、いつまでも嗚咽を漏らしていた。
うう…美汐タン…(;´Д`)
総スレ数が500overなので、保守。
糞スレなんぞいくら落ちてもかまわんが、このような良スレは絶対落としてはいかん。
原点氏乙。
_、_
( ,_ノ` )そして応援フォヅェン。
眠る前の保守。
保
守
口
>559
IDがRR
565 :
559:02/10/29 20:06 ID:UP2eSvcW
言われると思ったよ…
566 :
名無しさんだよもん:02/10/29 20:35 ID:bbpnKQBz
ただひとへにほすすべし
568 :
名無しさんだよもん:02/10/30 00:58 ID:8ae5p5mg
age
なんかこのスレ、保守だらけになってしまった。まあ、それも原点氏への期待だと思うのだが。
保守したところで落ちる時は落ちる。
571 :
原点回帰:02/10/30 18:20 ID:VpiMwpJq
―――そして、夜が明ける。
美汐が目を覚ました時、外はまだ薄暗かった。
ぼんやりとした目を枕もとにある時計に走らせる。
暗くてはっきり見えなかったが、よく目を凝らしてみるといつも起きる時間より一時間近くも早かった。
目を覚ますために顔を洗おうと、寝ぼけたような足取りで洗面所に向かう。
水道の蛇口をひねった時、何気なく、鏡に映った自分の顔が目に入ってきた。
美汐(・・・ひどい顔ですね)
病人のような顔色、泣きはらして赤くなった目、その下に微かに浮かんだ隈、そして光の無い瞳。
全部洗い流してしまおうとするかのように、彼女は何度も顔を洗った。
・・・だが、まだ足りない。
こんな顔では栞にも祐一にも会うことなどできない。
朝食なんて喉を通りそうもなかったので、時間も早かったしシャワーを浴びる事にした。
572 :
原点回帰:02/10/30 18:22 ID:VpiMwpJq
シャワーのお湯が程よく暖まってきたのを見計らい、美汐は手早く服を脱ぐ。
暖かくなってきたとはいえ、朝方に裸はやはり寒い。
急いで風呂場に入り、温かいシャワーを全身に浴びると、昨日からささくれ立っていた気持ちが少し和らいだような気がした。
美汐「ふう・・・」
身体を洗い、頭上からシャワーを浴びたまま、美汐は一つ息をつく。
と、その視界に、ちっぽけな古いおもちゃのかえるが入ってきた。
水に浮かべてゼンマイでじたばた動く、どこにでも売ってるありふれたあれだ。
当時あの子が風呂に入るときに、いつも遊んでいた物だった。
何年も手にとる事すらなかったが、どうしても捨てられなかったそのおもちゃ。
いつもなら気にも留めないようなそれが、なぜだか少し気にかかった。
そのかえるは、風呂場の片隅でひっそりと遊んでくれる相手を待っているような気がした。
573 :
原点回帰:02/10/30 18:24 ID:VpiMwpJq
そのおもちゃを何年ぶりかに手に取ってみる。
当時は結構重いものに感じていたはずのそれは、今では重さなどほとんど気にならなくなっている。
ゼンマイを巻いてみるが、もう中身がさびてしまったのか、振動で微かに揺れるぐらいでほとんど動いてくれなかった。
美汐「あなたも・・・待ちくたびれてしまったのですか」
なんだか少し裏切られたような気分になって、しばらくはじっとシャワーに打たれたままそのかえるを見ていた。
お湯で濡れたそれはまるで泣いているように見えて。
・・・まるで、自分の事を見ているようで。
いたたまれない気分になってしまった美汐は、そのかえるをそっと元の位置に戻し、風呂場を後にした。
574 :
名無しさんだよもん:02/10/30 19:24 ID:GjH9mzWe
美汐たんのシャワーシーン
キタ―――(゚∀゚)――― !!!!!
保守
んんん、良い…(*´д`)
美汐たんの「あの子」は、男の子なのかな〜、女の子なのかな〜?
年下だとは思うけど...
(;゚∀゚)y─┛~~
580 :
名無しさんだよもん:02/11/01 21:03 ID:hDwCiQvJ
女の子であることを激しく希望!!
お風呂で年下の女の子と一緒におもちゃで遊ぶ美汐たん萌え〜(゚∀゚)
お、おもちゃって…まさか
582 :
原点回帰:02/11/02 06:46 ID:LvUuKlhu
母に悪いと思いながら朝食を断り、重い足取りで学校へと向かう。
美汐の気分とは裏腹に今日は快晴だった。
透き通るような青空には雲ひとつ無く、清々しいほど澄んでいる。
しかし今の美汐には逆に、澄みすぎていて吸い込まれそうな、そんな不安な感じがした。
校門の前までくると、特徴ある人影が誰かを待つように門に寄りかかって立っていた。
ゆるくウェーブした艶のある髪、知的で少しきつそうな顔立ち。
昨日が初対面の美汐でも間違いようが無い。香里だ。
香里「おはよう。早いわね」
美汐「おはようございます。香里さんこそ」
心なしか香里の顔色も悪いような気がした。どうやら彼女もあまり眠れなかったようだ。
微笑んではいるが、どこか板についていない、作ったような微笑だった。
キター
男の子か〜(原点氏公式設定)
お風呂で年下の男の子と一緒におもちゃで遊ぶ美汐たん・・・ハァハァ(´Д`)
585 :
原点回帰:02/11/03 00:10 ID:nDp3NkdD
香里「そうね。ちょっと早すぎたかもしれないわね」
美汐は当然、香里がここでいつから待っているのか知らない。
―――むしろ知らないほうがいいのかもしれない。
香里「相沢君はまだ来ないわよ。彼、いつも遅刻ぎりぎりに来るから」
美汐「そうなんですか」
香里「・・・冷たいわよね。栞を迎えにきた事なんて一度も無いんだから」
香里の声のトーンが一段下がる。
美汐はその声に、背筋が凍るような嫌な感覚を覚えた。
美汐「香里さん」
香里「中に入りましょ。こんなところにいても仕方ないし」
美汐「あの、栞さんは・・・?」
香里「栞はまだ家にいるわ。まだ時間も早いし」
そして美汐に背を向け、校舎のほうに向かって歩き出す。
その背中は、ついてこいと言っているようにも拒んでいるようにも見えた。
美汐もその背中を追って早足で歩き出す。
おっ、ついにタイマンですか?
587 :
原点回帰:02/11/03 12:20 ID:nDp3NkdD
まだ時間が早かったせいか、昇降口に着いても誰もいなかった。
二人とも無言でそれぞれの靴箱へと向かう。
校庭の方から部活で朝練をしている生徒たちの掛け声が微かに聞こえてきた。
その声を聞いて香里が少し渋い顔をする。
香里「名雪・・・昨日あたしと一緒にいた女の子憶えてる?」
もう一度美汐と合流したあと、唐突に香里が質問を投げかけた。
美汐「はい。名雪さんは覚えていなかったようですが、以前に一度お会いしています」
香里「そう?で、その名雪ね、陸上部なのよ」
彼女は何を思い出したのだろう。
人気のない昇降口で立ち止まり、淡々と言葉をつむぐ。
香里「名雪、陸上部の部長なんてやってたくせにてんで朝が弱くてね。朝練なんて出た事なかった」
美汐は香里が何を言いたいのか測りかねて、黙ってその独白のような言葉を聞いていた。
kita-
ここで名雪投入ですか?
いったい ど う な る ん だ 〜!
スレ数が500を超えたので、
とりあえず声援という名の保守。
いつ終わるのかなこの話
…俺は別に永遠に続いてもいいのだが
結末が想像できない…
淡々としてるな…(・∀・)イイ…
たんたん美汐たん...
;y=ー( ゚д゚) 呼んだ?
\/| y |)
呼んでねーって!
っていうか、それは ターン だろ(w
596 :
名無しさんだよもん:02/11/03 22:31 ID:jhfTQw7d
;y=ー( ゚д゚)・∴, ;y=ー( ゚д゚)・∴, ターンターン
\/| y |) \/| y |)
;y=ー( ゚д゚)・∴, ;y=ー( ゚д゚)・∴, ターンターン ( ゚д゚)美汐 ;y=ー( ゚д゚)・∴, ターン
\/| y |) \/| y |) | y |) \/| y |)
598 :
名無しさんだよもん:02/11/03 22:37 ID:GmYoqFyD
美汐「お、お前はーーっ!」
栞「フッフッ、これにて貴殿の大往生間違い無し!」
600 :
原点回帰:02/11/04 19:29 ID:WoY/9mMg
香里「あの子ね、相沢君の家に一緒に住んでるのよ。それも知ってる?」
美汐「・・・はい」
香里「そう。何でも知ってるのね」
あくまで淡々とした調子の香里。
皮肉を言っている感じではなかったが、美汐には少々棘があるように聞こえた。
香里「じゃあこれは?あの子、相沢君の事が好きだってこと」
それを誰かの口からはっきりと聞いた事はなかったが、昨日のやりとりを見る限り、ありえないという感じもしなかった。
美汐「それは初耳です」
香里「でも驚いたって反応じゃないわね。まあいいわ。
名雪はね、あたしの親友なのよ。だからあの子が相沢君の事を好きだと気が付いたときは、心から応援してあげようと思った。
もちろん本人たちにはこんなこと言ってないけど」
そして少しだけ遠い目をして、校庭のほうから聞こえてくる掛け声に耳を傾けた。
当時の事を思い出しているのか、それとも別の何かがあるのかは、美汐に知るすべはなかったが。
キタ―――(゚∀゚)――― !!!!!
正直、祐一が羨ましい…
y=ー( ゚д゚)・∴,
\/| y |)
祐一ィィィィィ!!
セーブしますか
→はい
いいえ
メモリーカードに容量の空きがありません。
某輝かない季節のデータを消去しまつた。
606 :
原点回帰:02/11/06 03:04 ID:e6f0AERZ
そして一度ため息をついて後を続ける。
香里「でも、もう駄目。今は駄目。相沢君は栞を選んだし、栞も相沢君に惹かれた。名雪には悪いけど、その気持ちは知らなかった事にさせてもらったわ」
―――そういうことですか。
ようやく香里が言わんとする事がわかった気がする。
美汐「つまり、真琴にも同じ事をしようというのですか?」
香里「・・・そうよ。真琴には気の毒かもしれないけど、今の相沢君の彼女は栞なのよ。
あたしは何も聞いてないし、知らない。いけない?」
淡々と語っていた香里だったが、今度ははっきりと感情を出してきた。
きつい印象を与える眼をさらに吊り上げて、こちらを睨みつけるような視線を送ってくる。
美汐は、その目をまともに見ることが出来なかった。
美汐「私にはわかりません・・・」
香里「どうして?あなたは栞の友達なんでしょう?」
今にも掴みかからんばかりの勢いで香里が詰め寄る。
原点氏、最高です。
608 :
名無しさんだよもん:02/11/06 10:06 ID:s6hZIFWJ
あげてみる
死闘sage
Kanonの主人公である祐一ってのに魅力を感じることが出来ないのが
私にとっていちばん痛いところ。単純に構図なのかも知れないけど
祐一が絶対的に優位になってヒロインをあしらっているようにしか。
原点回帰氏は祐一をどのように表現されるのか気になるところです。
まま、そう堅苦しく考えずに。
マターリ(・∀・)シヨウヨ
613 :
減点怪奇:02/11/07 02:45 ID:KyKW5ze9
>>610 エロゲ、ギャルゲの主人公なんて大抵そんなもん。
>610
祐一は浩平に比べれば100倍はましかと・・・
ここまでのレスをセーブしますか?
→ はい
いいえ
ERROR:空き容量が足りません
えっ! 巨人だろ!?
新しいメモリーカードを購入しますた。
そしてセーブ。
抜き差ししないでください
セーブは終了しますた。
保全しますた。
500over、保守します。
すわ。
上書きセーブします。
保全、保全、保全。
最近栞があまり出てきていないね。
出てくる場面でもないのだろうけれど。
627 :
名無しさんだよもん:02/11/09 19:45 ID:AlmCFyi5
続き続き〜( ゚∀゚)ノシペラペラ
Σ(゚□゚;)!!!
栞挟ンデナカッタヨ
(´・ω・`)ショボーン
628 :
原点回帰:02/11/10 08:24 ID:YV6UjIIg
栞の友達・・・
その言葉が意味することは、美汐にとって軽いものではなかった。
あの子と別れた後で、自分から他人に歩み寄ったのは、祐一以外では栞が初めてかもしれない。
彼女の屈託の無い、朗らかな笑顔が脳裏をよぎる。
香里「あなたも知ってると思うけど、栞はね、大きな病気にかかっていたのよ。助かったら奇跡、と言われるぐらいの」
辛そうな香里の表情が、美汐の胸を締め付けた。
もちろん美汐は栞が病気だった事を知っている。最初に出会ったときに栞自身が話してくれた事だ。
その時の栞の、本当に辛そうな、でも無理して笑っている姿は今でも忘れられない。
香里「医者もみんな匙をなげてたわ。今考えるととんだ藪医者よね」
その医者の事を思い出してか、香里が忌々しげな表情を見せた。
美人なだけにこういう蔑んだ表情は背筋が凍るほどの威圧感を感じる。
侮蔑と憎しみと悲しみ、そして後悔の入り混じった複雑な表情。
629 :
原点回帰:02/11/10 08:44 ID:YV6UjIIg
香里「あたしももうあきらめてた。そう、あたしは当時、栞を見捨ててしまった。
あたしには妹なんていない、始めから存在しなかったって、あの子のことを突き放したのよ」
吐き出すように告白する香里は、むしろまた淡々とした調子に戻っていた。
それは吹き出してくる感情を押さえようとしてのことかもしれない。
美汐「・・・」
そんなことがあったのか。
美汐は、香里が言ったことの意味を考えてみる。
医者から助からないとの宣告を受け、肉親からは冷たく突き放され―――
栞がどんな思いをしたか想像すると、美汐は正直なところ香里に対して怒りを感じてしまった。
香里「そんな時にあの子を支えてくれたのが相沢君だった。
栞は相沢君しかいない。いないのよ。あんな事をしたあたしじゃ代わりになれない。だから・・・」
美汐「私にどうしろというのですか?」
自分で思っていたよりもはっきりとした言葉が出てきたことに、自分自身驚く。
誤)栞は相沢君しかいない
正)栞には相沢君しかいない
( ゚Д゚)⊃旦 <乙津彼。
やはり死闘編。
原点氏、その誤字はそのままでもよかったかも。
俺は『栞は』の方が好きだなぁ・・・
>>632 それだと真琴には誰かいるって意味に聞こえてしまうが?
原点回帰ってどういう意味?
634 :
602:02/11/12 09:12 ID:A8R5qg0v
辞書引き給えよ
635 :
634:02/11/12 09:13 ID:A8R5qg0v
悪い、なんか残ってた
俺、602じゃないです
スマソ
636 :
名無しさんだよもん:02/11/12 16:04 ID:qExmg+Hf
>>633 前スレは氏が降臨する前まではお漏らしスレに向かって一直線だった為、
スレタイトルの原点に戻す意味でつけたコテハンと認識してましたが。
栞萌え…メンテ
メンテ
>>1から一気に読んだけど、まだ続いてるとは思いもしなかったw
期待保守sage
そういえば、合間のショートコントを書いていた人は?
漏れは、アレも大好きだ。
原点氏のSSの間に、アレもやって欲しいな。
>>640 漏れも好きだった、アレ。
あのギャップがたまらなく良かったんだが(w
>>641 シリアスな本編と、息抜きになるショートコント。
ただ保守と書くより、ショートコントを思いつくのなら書いていったほうがいいと思うのだが?
でも今回はショートコントが思いつかなかったので、ただの保守。
糞スレキタ━━━━(゚Д(○=(゚∀゚)=○)Д゚)━━━━!!!!!!