連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 19クール目

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1いなかもの
本ドラマは全くのフィクションであり、実在の国家・指導者とは何の関係もありません。

前スレ
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 18クール目
http://ex.2ch.net/test/read.cgi/korea/1053855838/
2いなかもの:03/08/22 21:23 ID:7w4P2kbB
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」
http://teri.2ch.net/test/read.cgi?bbs=korea&key=994719628
大河ドラマ「ニホンちゃん」
http://teri.2ch.net/test/read.cgi?bbs=korea&key=995270347
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 3クール目
http://teri.2ch.net/test/read.cgi?bbs=korea&key=995710507
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 4クール目
http://teri.2ch.net/test/read.cgi?bbs=korea&key=996515142
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 5クール目
http://rkrc5w2q.dyndns.org/cache/korea/kaba.2ch.net/korea/kako/997/997449486.html
愛と憎しみのドラマ小説「ニホンちゃん」 6クール目
http://rkrc5w2q.dyndns.org/cache/korea/kaba.2ch.net/korea/kako/998/998497708.html
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」避難所版 6クール目
http://rkrc5w2q.dyndns.org/korea_refuge_old/999011509.html
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」避難所版 7クール目
http://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=korea&key=100320260
3いなかもの:03/08/22 21:24 ID:7w4P2kbB
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」避難所版 8クール目
http://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=korea&key=1006483116
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 9クール目
http://rkrc5w2q.dyndns.org/cache/korea/kaba.2ch.net/korea/kako/1010/10103/1010376182.html
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 10クール目
http://rkrc5w2q.dyndns.org/cache/korea/kaba.2ch.net/korea/kako/1014/10143/1014327874.html
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 11クール目
http://academy.2ch.net/test/read.cgi/korea/1018599620/
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 12クール目
http://academy.2ch.net/test/read.cgi/korea/1021604702/
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 13クール目
http://academy.2ch.net/test/read.cgi/korea/1024846941/
http://ex.2ch.net/test/read.cgi/korea/1024846941/
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 14クール目(dat落ち)
http://ex.2ch.net/test/read.cgi/korea/1028225672/
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 15クール目
http://ex.2ch.net/test/read.cgi/korea/1032396328/
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 16クール目
http://ex.2ch.net/test/read.cgi/korea/1039534514/
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 17クール目
http://ex.2ch.net/test/read.cgi/korea/1046677620/
4いなかもの:03/08/22 21:24 ID:7w4P2kbB
<丶`∀´>このスレの起源は速報板ニダ「韓国逆切れ、日本に制裁措置発動!」
http://kaba.2ch.net/test/read.cgi?bbs=news&key=994649225
<丶`∀´>このスレのミラーニダ
http://members.tripod.co.jp/sute2ch/
<丶`∀´>このスレのHPニダ
http://funshei.tripod.co.jp/
<丶`∀´>イラスト倉庫ニダ
http://page.freett.com/nihon_chan/
<丶`∀´>画像掲示板ニダ
http://cgi.www5b.biglobe.ne.jp/~yo-in/gazou/imgboard.cgi
<丶`∀´>このスレの大辞典ニダ
http://www7.plala.or.jp/nihongatyo/dic/dictop.htm
<丶`∀´>お絵描き掲示板ニダ
http://w3.oekakies.com/p/nihon2/p.cgi
<丶`∀´>このスレの検索エンジンニダ
http://isweb41.infoseek.co.jp/novel/mrcopa/
5いなかもの:03/08/22 21:25 ID:7w4P2kbB
主な登場人物 (一部抜粋、順不同)
ニホンちゃん‥‥‥‥本編の主人公。可憐で弱気な美少女。
カンコ君‥‥‥‥‥‥ニホンちゃんになにかとちょっかいを出すが自滅する事多し。強きに従い弱きをいたぶる。
アメリー君‥‥‥‥‥クラスの番長。一番大好きの陽気な暴れん坊。
エリザベスちゃん‥‥権謀術数に長けたお嬢様。ちょっと嗜虐的なところがある。
ゲルマッハ君‥‥‥‥金髪碧眼の知性派。マイスター並みの器用な手をもつ。
アーリアちゃん‥‥‥ゲルマッハ君の双子の妹。暗殺者として養成された暗い過去を持つ。ニホンちゃんが大好き。
フランソワーズちゃん‥ワガママいっぱいのクラスの女王様。エリザベスちゃんとの仲は宿敵と書いて友と読む。
マカロニーノ君‥‥‥美女と美食をこよなく愛するプレイボーイ。
ロシアノビッチ君‥‥良家の御曹司のはずが、家が破産して今は貧乏暮らし。小学生なのに呑んだくれる日々。
チューゴ君‥‥‥‥‥クールで不気味な策士。クラスの不良的存在。
タイワンちゃん‥‥‥ニホンちゃんの親友。元気印の拳法娘。チューゴ君に絡まれて困っている。
アサヒちゃん‥‥‥‥ニホンちゃんを困らせることが好きな捏造娘。チューゴ君が好き。
ベトナちゃん‥‥‥‥昔アメリー君とけんかしたときの後遺症なのかどこか影のある少女。
フラメンコ先生‥‥‥五年地球組の担任。情熱的指導で子供たちを導く。
ウヨ君‥‥‥‥‥‥‥ニホンちゃんの弟。姉を心配しつつ見守っている。三年地球組。
ラスカちゃん‥‥‥‥アメリー君の義理の妹。幼さを色濃く残す無垢な少女。三年地球組。
ハプスブルク先生……三年地球組の担任。没落した旧家のお嬢様で、保母さんタイプ。

<丶`∀´>ここに詳しい登場人物紹介があるニダ
http://funshei.tripod.co.jp/about.htm
6いなかもの:03/08/22 21:25 ID:7w4P2kbB
どうも皆さん初めまして。
当サイトは巨大匿名掲示板 2ch で大好評連載中の
連続小説ドラマ小説ニホンちゃんをまとめたサイトです。
元ネタはこちら
http://teri.2ch.net/test/read.cgi?bbs=korea&key=994719628&ls=100
さて、2ch からこちらにいらした方はともかく、「ちゆ12歳」など、
このサイトの元ネタを知らずにここに来た方には、まず知っておいてもらいたいことがあります。
このサイトにある100話以上小説ですが、驚くべき事に
その全てが(多少の脚色はあるものの)歴史的事実に基づいています。
とても信じられない? では、そんなあなたに質問です。

問題1 サクラのソメイヨシノはどの国が起源でしょうか?
問題2 寿司はどの国が起源でしょうか?
問題3 剣道はどの国が起源でしょうか?

答え 上記問題1、2、3ともに正解は韓国
7いなかもの:03/08/22 21:26 ID:7w4P2kbB
嘘だと思いましたか? その通り、上記の答えは全て真っ赤な嘘です。
ただし、これを大まじめで主張している国があります。
それが韓国です。
言っておきますが個人がおかしな電波を飛ばしているのではありません。
韓国のマスコミなどが本気で言っているのです。
例えば剣道などは以下のサイトがとても詳しいです。

剣道の起源は韓国にあり!?
http://www.geocities.co.jp/Athlete-Acropolis/6963/

これらは氷山のほんの一角にすぎません。
韓国は知れば知るほど訳がわからなくなってくる謎の国です。
興味がわいたなら、2ch のハングル版を覗いてみればどうでしょう?
http://academy.2ch.net/korea/

色々書いてきましたが、このサイトはそんな韓国に対して、
もう怒るのや呆れるのを通り越し、笑うしかねーYO! という立場に立っています。
読んでみればわかりますが、カンコ君に対する東海より深い愛情が感じ取れることでしょう。

それと一応最後に断っておきます。
本ドラマは全くのフィクションであり、実在の国家・指導者とは何の関係もありません
8いなかもの:03/08/22 21:26 ID:7w4P2kbB
本スレに掲載するのが微妙な作品や、長文感想や火病は総督府のスレを活用するといいかもしれません。

連続ドラマ小説「ニホンちゃん」補完・議論用スレ4
http://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=korea&key=1061482795
9いなかもの:03/08/22 21:27 ID:7w4P2kbB
以上勝手に立てさせていただきました。
常連の皆様お許し頂ければ幸いです。
10いなかもの:03/08/22 21:35 ID:7w4P2kbB
sage進行なのを忘れてました。
11<丶`∀´> 氏:03/08/22 22:18 ID:iFQs15fz
乙。
12無銘仁 ◆uXEheIeILY :03/08/22 22:29 ID:PKxTu7v1
 「火遊びイク(・A・)ナイ」

子供はいつの時代も火遊びが好きなようです。失火の原因が火遊び
ってことも少なくはありません。ましてやこの悪戯小僧に至っては……
「チョッパリの旗はこうしてやるニダ。ウリナラマンセー!」
などと叫んで、日ノ本家の旗に火をつけています。チョゴリちゃんや
ウヨ君が怒りましたが、ジミンさんは諦めているのか何も言いません。
カンコ君はすっかり味を占めてしまいました。
数日後……
「首領はキッチョム兄さんを返すニダ。ウリナラマンセー!」
今度はキッチョム君の旗と、首領の写真に火をつけてしまいました。

首領というのはキッチョム君の義理のお父さんです。カンコックさんの
いとこで、ニッテイさんと戦った勇士の子と言われています。
ところが、この人実はちょっと頭がおかしいのです。養子を口実に
キッチョム君を連れ去り閉じ込めたうえ、自分を「首領」と呼ばせて
あがめさせています。キッチョム君にご飯も与えず、栄養失調に
させても平気な顔をしています。おまけに離れに引きこもったまま
出てこようともせず、実験室を作ってなにやら物騒な実験をしている
ようなのです。日ノ本家も首領には迷惑しています。

そんな狂人の写真と旗を燃やしたからさあ大変。早速キッチョム君を
使って報復措置に出てきました。次の日の深夜のことです。
「ぐぎぎ、うるさいニダァ、地震か火事かアボジか何があったニダ」
カンコ君が両耳を手でふさいで起きてきました。見れば家族も次々と
寝室から出てきます。パンムンジョムから物凄い勢いで騒音が聞こえ、
とても眠れるものではありません。
「我らが偉大なる首……里馬運動の推進は……に一族の太陽で」
何かと思えばいつもの宣伝放送です。今日は音量が何倍も大きい
ですね。洗脳されたキッチョム君が懸命にがなっているのです。
「写真と旗を燃やした米帝の傀儡、右翼反動カンコは謝罪しる!」
13無銘仁 ◆uXEheIeILY :03/08/22 22:31 ID:PKxTu7v1
次の日、カンコ家では親族会議が開かれました。議題は当然、放火の件
です。はじめにアボジが沈痛な面持ちで口を開きました。
「確かに首領にはおかしなところもあるが、ウリとは血のつながった
いとこニダ。話せばわかるニダ。カンコの火遊び癖が分かってて注意
しなかったウリにも責任はあるから、謝罪するべきニダ」
一方、チョゴリちゃんとオモニは納得いかない様子です。
「火をつけたのはだめだけど、兄さんのしたことには兄さんに責任を
とらせたほうがいいニダ。アボジが出て行くことはないニダ」
「キッチョムをとられたウリの気持ちも考えるハセヨ。かわいい我が子
を取り返すまでは死んでも謝らないニダ」
そんなこんなで会議は紛糾しています。謝るべきでない、という意見に
分がありそうですが、アボジは世帯主の責任だと言って譲りません。
「あんたの弱腰ぶりには呆れるニダ。ウリはウリで行動するニダ」
ハンナラおじさんが激昂して席を立ち、会議は決裂しました。

結局、アボジは電話で首領に謝りました。この話を聞きつけたウヨ君が
カンコ家に殴り……もとい怒鳴り込んできました。
「カンコ、卑怯じゃないか。うちの旗を燃やしたときは謝らずに、
同族の首領様には謝るってのかい」
「ふん、うるさいニダ。ウリたちはニッテイの被害者ニダ。お前のとこの
リューが自分で旗に火をつけてたのを知らないニカ」
「そんな馬鹿な、自分ちの旗に火をつけるなんて嘘だろう」
ウヨ君が目を見開き、声を荒げて言い返します。
「とにかく自分で火をつけるぐらいだから謝罪なんてしないニダ」
強気のカンコ君に、成すすべもなくすごすごと退散したのでした。
14無銘仁 ◆uXEheIeILY :03/08/22 22:33 ID:PKxTu7v1
「ただいま。姉さん、どこ。ちょっと聞きたいんだけど」
ウヨ君が玄関口で靴を脱ぎながら問いかけると、返事がしました。
「どうしたの、帰るなり。元気のない声しちゃって大丈夫なの」
「それがさ、実は……」
ウヨ君がさっきのことを話すと、ニホンちゃんはきりりとした顔で、
「残念だけど本当。リュー君は人がいいから、すぐ騙されちゃうんだよ。
あの時も『日の丸は喧嘩の旗、占領の旗』なんて言われてね」
と言いました。そういえばサヨックおじさんはリュー君のところで
活動してることが結構多いな、とウヨ君は思いました。
「どっちにしろ、そんなのを理由に謝らないのはおかしいだろ」
「その辺は大人の世界だよ。武士が怒る気持ちも分かるけど、お父さん
も周りに配慮して怒らないんだし、カンコ君のお父さんも親戚に配慮して
いるんじゃない」
大人の世界とか配慮とかって理不尽だな、とウヨ君は思うのでした。

ttp://news.bbc.co.uk/1/hi/world/asia-pacific/1268800.stm
ttp://news.bbc.co.uk/1/hi/world/asia-pacific/1268168.stm
ttp://japanese.joins.com/html/2003/0819/20030819173542500.html
ttp://japanese.joins.com/html/2003/0819/20030819192455100.html
ttp://www.jca.apc.org/okinawashadai/history/history3.html
ttp://www.worldtimes.co.jp/w/korea/news/021014-082413.html
新スレ乙です。ちょっと新設定の説明に紙数を割き過ぎたかもしれません。
15ab-pro:03/08/22 23:41 ID:vO6pd4Df
 ある日のことです。
 ニホンちゃんが学校から帰っていると、ビシッと礼服を着こなした従兄弟
のリクジーお兄さんと出会いました。
 「リクジーお兄ちゃん、どうしたの?・・デート^^」
 「ああ、さくらちゃん。違うよ、デートじゃなくて、今から仕事している
場所で結婚式があるから、それにでるんだ」
 「ええ、それじゃあ、花嫁さんが見れるんだ!ねえねえ、私もついて行っ
て良い?」
 女の子は、何時でもウエディング・ドレスに憧れるものです。瞳を輝かせ
てお願いするニホンちゃんに、リクジーお兄さんは、ちょっと思案気な表情
を浮かべましたが、
 「・・まあ、何事も勉強か。・・よし、ちょっと遠いから、急ぐぞ」
 「やった!・・で、どこであるの?」
 「紫苑ちゃんの家とシリア君の家の境界だよ」
16ab-pro:03/08/22 23:42 ID:vO6pd4Df
 荒涼とした大地を引き裂くように、一筋の大きなフェンスの壁がどこまで
も続いています。そのフェンスの両側に、大勢の人が集まっていました。片
方に新郎の親族、もう片方が新婦の親族のようです。
 「このフェンスが、もう紫苑ちゃんの家とシリア君の家が二度と喧嘩をし
ないように、町内会の人が立てたフェンス。・・本当はこんなにフェンスの近
くに近づくことも禁止だけど、今日は結婚式だからね・・・」
 なんだか結婚式場にしては異様な雰囲気があることに、ニホンちゃんも気が
付きましたが、それでもお目当ての純白のウエディング・ドレス姿の花嫁さん
を見つけます。丁度、お母さんと思われる女性に取りすがって泣いていました。
 結婚式式では良くある光景ですが、でも・・・
 「なんだか、花嫁さん、悲しそう・・・」
 「・・・そうだろうね。さくら、何で花嫁さんが悲しそうなのか理由を教え
て上げるよ」
17ab-pro:03/08/22 23:42 ID:vO6pd4Df
 リクジー兄さんは語ります。
 紫苑ちゃんとシリア君の喧嘩を防ぐために作られたフェンス。しかし、その
フェンスは元々この地に住んでいた遊牧民達の生活圏の真ん中に引かれたので
す。其れが遊牧民達にとってどういう事かは誰でも分かることでしたが、戦争
を再び引き起こさないためには他に手がなかったのです。
 それから、二つの国に引き裂かれた彼らは、フェンスを張ることも見張りを
おくことも出来ない深い境界の谷を挟んで、お互いの親族・知人達の安否を叫
び合って確かめるしか、互いを知る術がありませんでした(何時の頃からか、こ
の谷を「叫びの谷」と言うようになりました)。
 そんな中、叫びの谷を挟んで出会う男女の中に、互いを愛し合う人々が現れ
ました。けっして越えることの出来ない境界線。愛し合っても決して互いに触
れ合うことも出来ない悲恋。
18ab-pro:03/08/22 23:43 ID:vO6pd4Df
 「そんなの酷すぎるよ!」
 涙を瞳にたたえたニホンちゃんは、思わずリクジーお兄さんに詰め寄ります。
 そんなニホンちゃんに、寂しげに花嫁を見つめたまま、リクジーお兄さんは
ゆっくりと説明を続けます。
 「・・流石にそんな彼らに、仇敵同士の紫苑ちゃんとシリア君も同情を禁じ
得なかったんだろうな。境界を挟んでの結婚に関しては、例外的に認めること
で合意したんだ」
 「なんだぁ!・・・でも、それなら何で花嫁さんはあんなに悲しそうなの?」
 「・・あの花嫁は、フェンスを越えて花婿の所に行けるんだけど、そしたら
もう二度とこのフェンスを越えて故郷に戻ることは出来ないからね・・。たと
へ両親の葬式のためでも」
 「え!!」
 凍り付いたようにたたずむニホンちゃん。
 「それじゃあ、行ってくるから。あのフェンスを越えられるのは花嫁のみ。
嫁入り道具は僕たち、このフェンスを警備している人間が運んで上げないと・」
19ab-pro:03/08/22 23:44 ID:vO6pd4Df
 そうして、この結婚式は粛々と進んでいきました。
 両親との涙の別れを済ませた花嫁は、リクジー兄さん達に伴われて、警備用
のフェンスの扉から、1人で新郎の待つ側へと歩いていきました。
 そして、この式が始まって初めて本当の笑みを浮かべた花嫁は、花婿とひし
と抱き合うと、誓いの接吻を済ませて・・・
 やがてフェンスの両側に誰もいなくなった頃、リクジーお兄さんはニホンちゃ
んの元に返ってきました。
 「・・お兄ちゃん・・・」
 頬に涙の跡の残るニホンちゃんの眼差しは、物憂げにリクジーお兄さんを見つ
めます。その眼差しの意味をお兄さんは取り違えません。
 「・・ごめんな。僕には荷物持ちをするぐらいしか、あの二人にして上げるこ
とは出来ないんだ。僕の仕事はこのフェンスを越える者が居ないように警備す
るだけ・・・。フェンスを取り払うことは出来ないんだ」
 「・・・・」
 「・・・でも、キスを交わすあの二人、本当に幸せそうだったな」
 「・・うん」
 
 そして家路につく二人。帰り道を歩きながらニホンちゃんは、今日見た出来
事は絶対に忘れない、と、心に誓ったのでした。         end
20ab-pro:03/08/22 23:44 ID:vO6pd4Df
 ソースは暫く前の朝○新聞。(朝日にあらず)
 今年の五月、ゴラン高原に展開中の自衛隊が、兵力引き離しラインを挟んで
結婚する遊牧民の新婦の花嫁道具の輸送支援を行ったというお話。詳細は本編の
通りです。
21名無しさん ◆B9.JhkARyE :03/08/23 02:07 ID:K5ZU57N/
「パリを離れて」
 ニホンちゃん家は今年雨が多く寒い日が続いています。このままではお米が採れないので
は、と危惧する声も出ています。
 ところが全く逆の状況の家もあります。
 「あーーーーー、暑い暑い暑い暑いですわーーーーーーーーーっ!!」
 フランソワーズちゃん家をはじめEU丁は今年記録的な猛暑なのです。
 「クーラーも効かないしどういうことですのーーーーーー!?」
 もうかなりいらだっているようですね。自慢の縦ロールのブロンドも汗でびっしょりです。
 「元々我が家は寒い方だというのに、これでは葡萄も麦も干からびてしまいますわ」
 事態はかなり深刻のようですね。
 「もうパリの間にはいられませんわ、ニースの間にバカンスですわよ」
 そう言うと自分のものを袋に入れ部屋を後にしました。
 別邸ニースでフランソワーズちゃんはくつろいでいました。赤いビキニに着替えビーチに
寝転がっています。
 「やっぱり夏のバカンスはニースですわね。この優雅な雰囲気がたまりませんわ」
 青い切ったオレンジとチェリーを入れたトロピカルドリンクを飲みつつサングラス越しに
マリンブルーの海を見ます。
 「暑い街を離れ一人一時の休暇を楽しむ。これこそわたくしの最高の楽しみ」
 うっとりとした目で言います。
 「・・・はずですのに」
 急に表情が暗くなります。
 「どうして貴女までいるの!?」
 エリザベスちゃんもいました。
22名無しさん ◆B9.JhkARyE :03/08/23 02:08 ID:K5ZU57N/
「たまたまわたくしもバカンスでして。それにしても立派な水着ですこと。体型を上手く
誤魔化していますわね」
 エリザベスちゃんは白のワンピースです。
 「あら貴女こそ。牛乳がこれでもかという位目立ってましてよ」
 「ほほほ、有難い御言葉ですわね」
 剣呑なオーラが漂います。
 「それにしても今年は暑いですわね。料理自慢の貴女も流石にメニューが思い浮かばない
のではないこと?」
 その言葉にフランソワーズちゃんのこめかみがひくり、と動きます。
 「言ってくれますわね。このわたくしにメニューが思い浮かばないなどと」
 「あら、図星ではなくて?」
 エリザベスちゃん挑発にかかります。
 「そこまで言うなら召し上がれ。わたくしの新メニューですわよ」
 ちりりん、と鈴を鳴らします。すると執事が二つのデザートを持って来ました。
 「アイスクリームですわね」
 コーンの上に乗せられたジェラート状のアイスクリームです。
 「これまでのアイスクリームとは違いましてよ。さあ一口」
 スプーンで取ってその整った口に入れます。それを見るフランソワーズちゃんの瞳が真剣
な面持ちとなります。
23名無しさん ◆B9.JhkARyE :03/08/23 02:10 ID:K5ZU57N/
「如何でして?」
 「また腕を上げたようですわね」
 エリザベスちゃんが微笑みます。それを見てフランソワーズちゃんも会心の笑みを
浮かべます。
 「ではわたくしもお礼を。アイスティーですわよ」
 氷を入れたグラスに紅色の茶が注ぎ込まれます。かちっと氷が割れる音がします。
 「やっぱり貴女の入れたお茶が一番いいですわね」
 「あら、どういたしまして」
 ストローで少しずつ飲んでいきます。
 「今年の夏もそろそろ終わりでしてよ」
 「そうでしたの?パリにいてはわかりませんでしたわ」
 「そういうところが抜けているんだから。ねえフランソワーズ」
 「何、エリザベス」
 「わたくし貴女が大嫌いなのですわよ。ここにも暑さにやられた貴女を笑う為に来
たのですから」
 「あら奇遇ですわね。わたくしもここで暑さにひいひい言う貴女を笑っていたので
すわよ」
 二人は微笑み合って言います。
 「けれど貴女の作る料理は好きですわよ」
 「わたくしも貴女の入れるお茶は好きですわよ」
 「・・・本当に素直でないこと」
 「あらそれはお互い様」
 「うふふ」
 「ふふふ」
 太陽の光を照らす蒼い海を前に優雅に微笑み合う二人でした。
24名無しさん ◆B9.JhkARyE :03/08/23 02:11 ID:K5ZU57N/
25Who are You?:03/08/23 17:54 ID:leGKv8tr
ニホンちゃんは本屋の帰りにアメリー君に会ってしまった。この時ニホンちゃんは人に見られると恥ずかしい部類の本を
購入した後だった。お年頃であり、女の子でもある。だけど抑えることができない何かを発散させるため、あえて本を購入した。
そんな時に同級生に合うのは気まずかった。またタイミングよく紙袋は破れ本は下にポトン。
アメリー君に本を見られてしまった。アメリー君はニヤリとし、少し付き合ってくれ、と誘います。目的はチューゴ君ち。

ニホンちゃんは軽く強請られ、彼と一緒にチューゴ君に会いに行くことになってしまいました。
また彼は携帯でカンコ君、ロシアノビッチ君に連絡し、こないか?と誘っています。ニホンちゃんは男の子ばかりに
一抹の不安を感じ、タイワンちゃんを誘うこと提案します。しかしアメリー君は「彼女は適任ではないよ。」と一蹴します。
アメリー君はカンコ君、ロシアノビッチ君、チュ-ゴ君を伴ってニホンちゃんと、チューゴ君んちの裏から、とキッチョム君んちへ向かいます。
目的は明かしてくれません。ニホンちゃんはのん気ですが女の子としてさすがに貞操の危機を感じ・・・急に不安になりました。

「ニホンちゃん着いたよ!」アメリー君は爽やかにいいました。ここは小高い丘の上の湖、天池。木陰にカメラのフィンダーが見えます。
明らかにチューゴ君に言われてスタンバっていたっぽいアサヒちゃん。人気のないロケーションにカメラマンと無骨な男の子たちに、
一人の気の弱い女の子・・・。いつ出てくるかわからないキッチョム君。冷や汗がニホンちゃんの頬を伝います。話題を変えよう!


(;^▽^)<「そういえば、キッチョム君んち近いね。        「そんなことより!」>(゚ぺ;)
       あ、そうだ。このメンバーで・・・」                            フ、フフフ

一発で新提案の話が終わるニホンちゃん。同時に焦ります。アメリー君が興奮していて変なのに気づきます。
そう、いつの間にかチューゴ君とアメリー君だけ。あとの2人がいません。見張り?静かな緊張感。シャッター音が響いています。
26Who are You?2:03/08/23 17:56 ID:leGKv8tr
 「ニホンちゃん、君の嗜好はわかっているつもりだ。だから誘ったんだ。いやむしろ君が古典的にボクを誘ったんだ。」
とアメリー君。自分はこの先どうなってしまうのか。想像をして真っ赤になり固まります。少し涙目で木陰のアサヒちゃんを見ます。
助けて!と表情で訴えてもアサヒちゃんはまかしてよ!とアイコンタクト。親指を突き出すばかり。その時、アメリー君は叫びます。「きた!」


(;^▽^) ヒィィ          カモ――――――――p(゚ぺ;)q―――――ン!!!!!!!!

ニホンちゃんがペタンと尻餅をつきます。当のアメリー君は湖に向かって凝視中。時折、イエス!イエス!Oh〜イエ〜ス!と叫んでます。
なんと、目の前の湖に風もないのに波が立ち、さらに水の中から怪獣が現れました。アメリー君は完全に別の世界にいっちゃてます。
怪獣は湖から森の中へと移動しています。アメリー君は森の中へと追いかけます。それをみて「これで終いアル。」とチューゴ君。
「ニホン帰るアルか?どうするネ?」 問いかけにニホンちゃんは答えます。なんで怪獣がいるの?ってこれは何の会なの?

チューゴ君は丘を少し降りた岩場へニホンちゃんを連れて行きます。岩場には温泉があり、そこには森の中に消えた怪獣がいました。
怪獣が湯に浸かると一瞬にしてロシアノビッチ君に変身しました。もう一匹のエラの張った怪獣が違う湯に飛び込みました。
「カンコ、それ違うアルよ。」と同時に湯煙の中から子供のチャウチャウが出てきました。ニホンちゃんが不思議そうに子犬を
抱きかかえるとチューゴ君が説明交じりで叫んでいました。子犬はつり目で顔をニホンちゃんに胸に埋めこんでいます。


  ( ` ゝ´)<「 カンコ!オマエ、仔犬溺泉に落ちてしまた。仔犬溺泉とは700年前、仔犬が溺れたという
アイヤー       悲劇的伝説があるのたよ。以来そこで溺れたもの皆、仔犬になてしまう呪い的泉!   」
27Who are You?:03/08/23 17:56 ID:leGKv8tr
そう、これこそが怪獣の秘密。ここの温泉に入ると変身体質にかわる。そしてカンコとロシアノビッチはここで前日に温泉につかり、
水をかぶると怪獣になってしまう体質になっていた。チューゴ君は2人をだまし、湖で泳いで温泉でマッタリしようと誘ったのでした。
UMA好きのアメリー君はお得意さん。アメリー君はいい臨時収入なのです。チューゴ君の敷地は広く、不思議な温泉があっても
不思議じゃありません。そして怪獣の正体のロシアノビッチ君は温泉が大好きでした。「いい湯・だ・な・〜。ハラショー♪」
本人は同意しているようです。が、そこへ跡を追ってきたアメリー君が現れ、この光景をみてしまいました。そして彼は叫んだ!

   「騙したな!怪獣なんていないじゃないか! 野人とか、仙人とかはどこだよ!
     隠してるんだろう。だせ!だせ!だせ!だせよ!オープーン ユーエムエー」>(゚ぺ;) U.M.A!U.M.A!U.M.A! 

と猪突猛進でチューゴ君に突っかかるアメリー君。しかし、チューゴ君はヒョイっとよけました。とアメリー君は後ろの温泉にダイブ。
手をパーにして中指と薬指を曲げた形のまま、一番奥の温泉の中に落ちてしまいました。再び、チューゴ君は叫びました。


  ( ` ゝ´)<「お客さん、原人溺泉に落ちてしまた。原人溺泉とは69万年前、原人が溺れたという
アイヤー       悲劇的伝説があるのたよ。以来そこで溺れたもの皆、原人になてしまう呪い的泉!」

「UPA―――−−−−−−」なんと、湯のなかから現れたのは金髪の北京原人。脅威的な身体能力で岩場を飛び回ります。
28Who are You?:03/08/23 17:57 ID:leGKv8tr
男の子達はパニックアメリー君を男子溺泉に入れようと捕獲しようとしますが捕まりません。ニホンちゃんはすったもんだで下山。 
しかし、ドサクサであの本を落としてしまいました。遠くで一部始終を撮影していたアサヒちゃんはこの北京原人に興味を持ちました。
なにかこれで一発当ててやる、と思っていました。止めればよかったのに。そしてあの本は湯の中に落ちて、秘密は秘密のまま。
       O  0
      o 。0
┏━━┓ 0  o
┃ムー┃。 。
┃   ┃。
┗━━┛

都合よく記憶喪失のアメリー君。ガイド料を払い、下山。怪獣を見た記憶はあるらしく、下山中も興奮しっぱなしです。
全員何か忘れてる気がします。ニホンちゃんとアサヒちゃんは先に下山。男子溺泉には浸かった。さて・・・
解散後、チューゴ君は臨時収入でご馳走を食べる計画。市場に行き、食材選び。チューゴ君に物売りが声をかけます。

「坊ちゃん、今日は山でいいのが手に入りました。見てください。野生のチャウチャウですよ。肉の柔らかい子犬です。」

 ( ` ゝ´) !    ∧_∧
ジュルッ        <`Å´=> ガクガク
少し前に中国と北朝鮮の間の湖で怪獣が現れたニュースが元になっています。
またこの年頃の多感な感情や恥ずかしさを表現できればと頑張りました。
夏は大人の郷愁を誘う季節。皆様も故郷に、お墓参りにかえられましたか?
30目次158:03/08/24 15:36 ID:m/lWWozf
第1626話「火遊びイク(・A・)ナイ」
>>12-14
第1627話「フェンス」
>>15-19 ( >>20 解説)
第1628話「パリを離れて」
>>21-23 ( >>24 解説)
第1629話「Who are You?」
>>25-28 ( >>29 解説)
31珊璞マンセー:03/08/24 22:26 ID:aVuDdaZf
欄間弐分乃壱ですか……
32774RR (初登校):03/08/24 23:56 ID:Fee0AbUJ
 「キナ臭さ、しかしそれに気づかぬ者」

 ボカッ!
アーリア「くっ!! 何をする! 飢えに苦しんでいるものがいるのになんとも思わないのか!」
キッチョム「我が家を冒涜するものは絶対に許さないニダ。」
ゲルマッハ「貴様! それでも人間か!」


タイワン「我が家はもはやチューゴ家ではないのよ。タイワン家と名乗って何が悪いのよ!」


パレス=チナ「許せ、同胞よ。だが、これ以上血を流すことは避けたいのだ。」
紫苑「・・・(まだ信用はできないわ)」


ニホン「はぁ・・・ なんでみんな仲良くなれないのかな・・・」
ウヨ「何を言っているんだ姉さん! キッチョムのラジコン船が来ているのに気を抜いているヒマはないよ!」 


カンコ「美女軍団ニダー! 」
アサヒ「美人揃いですわねー。」


*なんか予告編みたいな話の流れです。お目汚しでしたらスマソ。
33774RR:03/08/24 23:57 ID:Fee0AbUJ
34 :03/08/25 02:20 ID:NOVGh8Qe
地鎮祭、ないんだな……
毎回楽しみにしてるのに
35更科うどん ◆bc/WMtRnlQ :03/08/25 09:00 ID:okyaABq9
フラ 「ち〜く〜しょ〜、暑いわね〜。今年の夏は異常だわ」
バス「しょうがないね姉貴は・・・・。ほらシャキッとする! 服を着る! 部屋を片付ける!」
フラ .「ううっ、バスク・・・・・。私、ダメなの。私の可愛い生徒達が心配で、何も手につかないの・・・・(泣」
バス「(ねごとはスルーしよ)所でこの部屋、元に戻ってる? つーか前の地鎮祭より汚くなくない?」
フラ 「それはあなたの気のせい・・・・だと思うわ多分・・・・。まあ、さすがの私もちょっと困ったわね」
バス「その上、なんか酸っぱい臭いまですんだけど・・・・・。あれから一回でも自分で掃除した?」
フラ 「あら、 あなたに憶えがないなら、私の部屋はあれ以来掃除されていないという事になるわね」
バス「・・・・・・・・・・。 ムキーッ! 掃除しろ今しろすぐしろ! なぜ平気でいられるのか小一時間(ry」
フラ 「怒らないの! 何しろ今年の夏がこんなに暑くなるなんて思わなかったんだもの〜。誰のせいでも
   ないの、不幸な事故なのよこれは。そうよねバスクちゃ〜ん(はぁと」
バス「まっ纏わりつくな! だーもう! 暑苦しい! ヘンなトコ触るな!!」
フラ 「ねえ〜、バスク〜〜、お願いまた掃除して〜〜〜」
バス「知るかー! いくら頼まれてももうアタシは掃除やらないぞ!」
フラ 「まっ、いつにもまして挑戦的な態度ね! ・・・・・・・・まったく、ひどいわバスク・・・・・・こんな暑い中
   動き回れだなんて、私の身に何かあったらどうするの・・・・・(泣。というわけで、私何もしたくない♪」
バス「あのね・・・。ま、ここが暑いのは確かだぁね。ポルとガルも、こないだ会ったら可哀相にフラフラだった」
フラ 「猛暑でEU町は大騒ぎだけど、 あんなの私に言わせれば可愛いもんだわ! 私達なんか毎年
   大変なんだから! .メゾンドイベリアの夏は普段から暑い!」
バス「そーだそーだ! 西日すごいし! .そもそもメゾンドイベリアが(・A・)イクナイんだ!」
フラ 「・・・というわけで頑張って掃除しましょう! その怒りを力に換えるのよバスク!」
バス「・・・・待ちなよ、.それでごまかしたつもりか!」
36更科うどん ◆bc/WMtRnlQ :03/08/25 09:01 ID:okyaABq9
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030821-00000064-kyodo-int
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030820-00000713-jij-int
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030816-00000025-kyodo-int

他人の褌で相撲を取ってみる厨な漏れ。
北極星さん、名無しさん、申し訳ありません。
37 :03/08/25 12:11 ID:EGE3xMnw
『困りモソ』

ゲルマッハ君といえばお子様の権利になにかと小五月蝿いのは意外と知られない真実。
西でボスニアちゃんが近所の川で命の洗濯をしているとSニッククレンジングは体にイクナイと植

物○語ボディソプをハァハァしながら差しだし、東でニホンちゃんがカンコ君の勉強を見てい

ると矯正エンコウには謝罪と賠償を声高に唱える。
変は盲目とは良く言ったもの。権利を主張するあまり言動がDQNになっている自分に気

がつかないゲルマッハ君。事実とは作られるためにあるのだよウン我ながら名言であるな

と悦に入り、友達から煙たがられてしまいます。
そんな彼ですが、最近のお目当てはキッチョム君。
ガリガリに痩せ細ったキッチョム君を見て、もうみてらんない、よーし我れが食糧差し入れちゃうぞと決意を新たにするゲルマッハ君。匙の上げ下げからなにから世話を焼いている自分の姿を想像してハァハァ。
「ゲルマッハ君ちょっと待つニダ」
遊びに来たとおもったらハァハァしながら土足で敷居をまたいでカンコ君をスルー、風船ガム片手にハァハァしているゲルマッハ君はキモイというか厄介者としか言いようがありません。
そこでカンコ君ぶち切れです。
「む、そこを退きたまえ。我はこれからキッチョムに差し入れをせねばならない」
風船ガムだよ風船ガム、ビックオネガムを彷彿とさせるケェスには1/32スケールのラヂヲのプラモまでおまけとして付いているのだカンコ君。おお信じられないという顔をしているね。だがこの世に不思議なことなとひとつもありはしないのd(以下云々略
ゲルマッハ君が捲し立てますが、カンコ君だって引かない。
「いま風船ガムなんか食わせたら腹壊してしまうニダッ」
普段から食の細いブラジャーを気遣うカンコ君。
それは兄弟愛のなせる技。
「退くニダ」「我が逃走であると? ヴァカも休み休みいいたまえ」
喧喧囂囂とすったもんだする二人でありますが、そこでキッチョム君登場。

「美人草でも喰ってもちつけよおめーら」
その手には黒い色の白桔梗という罠。

ttp://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2003/08/22/20030822000063.html
ttp://www.bekkoame.ne.jp/ro/renk/PECTORAGI_1.htm
38  :03/08/25 12:28 ID:Pj5yREsF
>>37
とりあえず君が落ち着け。
39 :03/08/25 13:41 ID:khwOa3ey
>>変は盲目

「恋は」だろ!
ネタニマジレスカコワルイ
403ちゃんねる:03/08/25 14:21 ID:+GgW8TUi
>>39
>>変は盲目

>「恋は」だろ!
>ネタニマジレスカコワルイ

狙ってやってるんじゃ。
ネタニモジレスニマジレスチョーカコワルイ
41名無しさん ◆B9.JhkARyE :03/08/26 04:10 ID:yhxEiXDL
                   「キノコ」
 カンコ君のパパさんとママさんは電波です。あのカンコ君の両親なのですから当然
なのですがそれはもう凄まじい電波です。何しろ『嘘も百回言えば真実になる』と真
顔で言う人達です。
 しかも食べ物にも意地汚いです。何でも食べます。例え道の脇に生えているキノコ
でも。
 「今日のお酒のつまみにはこれがいいニダな」
 ママさんが道の脇に生えているキノコを抜き取りました。何か毒々しい不気味な色
あいのキノコです。
 「おお、今日はキノコニダか。炒めると美味しいニダな」
 台所に積まれたキノコを見てパパさんも上機嫌です。夕食の後さっとバターで炒め
マッコリの肴になりました。
 「うん、中々いけるニダ。オモニも食べてみるニダ」
 パパさんに勧められママさんも一口。
 「ん、これは中々」
 「美味しいニダな」
 「うん、沢山摘んできた介があったニダ」
 その夜二人はキノコとお酒に舌づつみを打ちました。
42名無しさん ◆B9.JhkARyE :03/08/26 04:12 ID:yhxEiXDL
 食べ終わり後片付けをした後です。何やら二人の様子が妙になってきました。
 「アンニョーーーーーン!!」
 「ウリナラマンセーーーーーーーーーーッ!!」
 家を出て夜空に向かって叫び始めました。
 「何だ、またあの家か!?」
 ウヨ君が木刀を手に出て来ます。あんまり喧しいとぶん殴って黙らせるつもりなのです。
しかし彼は叫びよりも凄いものを見ました。
 「お前が悪いニダ!」
 「ウリは悪くないニダ!」
 カンコパパさんとママさんが路上でいきなり取っ組み合いの喧嘩を始めてしまいました。
髪を引っ張り引っ掻き噛み付き、もうマントヒヒか日本猿の喧嘩です。
 「何かいつもより酷いな」
 あまりの凄惨な夫婦喧嘩にウヨ君も呆然としています。
 「ファビョーーーーーーーーーン!」
 喧嘩は夜明け近くまで続きました。仲介にも入られず途方に暮れたニホンパパさんが警
察に通報して話は収まりました。後で解ったことですが二人共毒キノコの幻覚症状に陥っ
ていたそうです。
 「どうしてうちのお隣は・・・・・・はああ」
 結局一睡も出来ず就かれ切った顔で朝の食卓に座る日之本家の面々でした。
43名無しさん ◆B9.JhkARyE :03/08/26 04:14 ID:yhxEiXDL
 今回のソースはこれです。
http://honyaku.naver.co.jp/ktj.html?trn=1&frmbar=0&css_url=www.hankooki.com/NewsPortal/200308/np20030804074356h7210.htm
迷惑な話だなあ。薬はそのまま出すとちょっと、と思いました
のでキノコにアレンジしました。
 あと西遊記は全部書き終え次第一部ずつのせます。
44名無しさん ◆B9.JhkARyE :03/08/26 04:20 ID:yhxEiXDL
 あと地鎮祭どうしましょう?
45無銘仁 ◆uXEheIeILY :03/08/26 10:54 ID:wsTNviKL
 「かわいそうな……」

放課後の教室でニホンちゃんが探し物をしています。
「困ったなあ。お父さんに叱られちゃうよ……」
「どうしたの、ニホンさん。正直に言ってみなさい」
悩んでいる児童を捨て置けない熱血教師、フラメンコ先生。
ニホンちゃんも顔を上げると、素直に事情を話します。
「はい、実はお父さんの会社に届ける鞄をなくしたんです」
「何が入ってたの」
「よくわかんないけど、書類とか、写真とか」
フラメンコ先生は鞄の特徴を聞き出すと、一緒に探して
くれました。それでも教室からは見つかりませんでした。

翌朝の五年地球組……
「……で終わります。きりつ。れい。ちゃくせき」
「今日は私からみんなに話があるから、よく聞いてね」
先生は昨日ニホンちゃんが鞄をなくした話をしました。
教室に緊張が走ります。そう、例のあれが発動するのを
みな恐れているのです。あの息詰まる緊迫感、いつ解放
されるとも分からぬ地獄のエンドレス弾劾学級会……
「それで、ニホンさんのお父さんが困ってらっしゃるの。
もし鞄のことを知ってる子がいたら先生に教えて頂戴」
完全にあの展開です。児童たちは既に青ざめています。
そのとき、一人がやおら立ち上がりました。
「わたくしが捨てました。だって、かわいそうでしたもの」
46無銘仁 ◆uXEheIeILY :03/08/26 10:55 ID:wsTNviKL
皆がみなあっけにとられています。なぜって、エリザベス
ちゃんの言葉は自白に等しいものでしたから。
「いったい鞄のどこがどうかわいそうだったというの」
意外にも冷静に、フラメンコ先生が尋ねます。
「鞄じゃありません。ニホンさんのお父様が実験に使って
いる動物たちです。人間のためだけに罪のない動物を
苦しめるなんて、ひどすぎます。だから邪魔したんです」
エリザベスちゃんは目に涙を浮かべながら、動物たちの
窮状を訴えました。EU町のお友達も泣いています。
(エリザベスちゃんのお父さんだって……)
ニホンちゃんは喉元まで出かかった言葉をぐっとこらえ
飲み込みます。こういうところ、変に遠慮深いのです。

教壇に立ち尽くしたままじっと話を聞いていたフラメンコ
先生が、児童たちを静かにさせました。
「いい、みんな。かわいそうだと思うのは大切な心よ。
でもね、反対に実験によって助かる人もいるかもしれない
でしょう。実験が中止になってその人が死んじゃったら、
かわいそうだとは思わないかな」
教室はしんと静まり返っています。
「それに、自分の主張を通すためにきまりやお約束を破る
のはいけません。思ったことを言葉で伝え合うのが
私たちが人間である証なのよ」
エリザベスちゃんはうつむいたまま顔を上げませんでした
が、少しは考えを変えてくれたのでしょうか。
47無銘仁 ◆uXEheIeILY :03/08/26 10:56 ID:wsTNviKL
ttp://www.asahi.com/national/update/0825/011.html
小ネタドゾー。今回のエリザベスちゃんがもつ偏った
正義感は、アサヒちゃんと重なって見えますね。
小学校の道徳の資料みたいなお話になっちゃいました。

↓では地鎮祭もどき(名無しさんすみません)
カンコ「ちょっと名無しさん、ウリナラが舞台なのにウリが
  登場しないなんて、勝手なことしないでよニダ」
ニホン「む。なぜなの。わたし的には問題ないよ」
カンコ「あ、そうか、ニホンはウリナラの外から来たニダ。
  このスレではウリが登場しない作品は駄作ニ……」
ニホン「表現の自由を規制するのはよくないよ」
カンコ「アイゴー、謝(ry」
こんなのでもいいでしょうか。
48更科うどん ◆bc/WMtRnlQ :03/08/26 15:24 ID:en7ghLR6
>>44 >>47
む、地鎮祭なら、僭越ながら漏れがやってしまいますたよ。
49 :03/08/26 15:30 ID:eDjLm48r
ああ、更科うどん氏は独身貴族謳歌するつもりニダね。
そうは問屋がオロナミンC。
ケコンおめでと〜もちろん式は朝鮮神社で韓服を(ry


というわけで、何事もなかったように新作うpを待ちつづける。
50有閑工房:03/08/26 21:15 ID:ORBV49ye
『彼方からの手紙』

『わかって欲しい。逃げ出した訳じゃない。いつかまた、君に会うために戻
って来る。・・・』
昔の手紙を見ながら、わたしはふと思った。
一体これは誰に宛てた手紙なんだろうか?多分・・・ラブレターじゃないかと思
う。わたしは貰った記憶ないし、文字が男って事は、やっぱりママンだろうか?
「何してるのベトナ?」
「あ、・・・ママン。お掃除してたら古い手紙が出てきたの。」
わたしはちょっとドキッとした。掃除をサボって手紙を読むなんて、普段のマ
マンだったらカミナリの一つを食らうのを覚悟しなきゃいけない事なのだ。
「どれ?ああ、懐かしいなあ・・・もう焼けちゃったと思ってたけど、残ってたの
ね。」
「これ、ラブレター?」
まだちょっとどきどきしてる・・・・・・
「うふふ。そうよ。ママンは昔モテたのよ。」
うん。それは確かにそう思う。ママンは今でもすごく綺麗だもの。若い頃はい
ろんな事があったと聞いている。けれども私はママンの口から直接聞いた事は
なかった。娘に話すような事じゃないのか、辛い話なのか良くわからない。
「・・・・・・聞きたい?」
「え?」
「昔の事。聞きたい?」
わたしの顔を見て、何を考えているのか察したらしい。
怖いくらいにママンは勘が鋭い。
「いいの?話したくないならいいよべつに・・・」
ママンはにっこり笑うと私の頭を撫でてキッチンに向かった。
「掃除も良く頑張ってくれたし、お茶にしない?ベトナ。」
51有閑工房-2:03/08/26 21:17 ID:ORBV49ye


「おじさん帰っちゃうの?」
「ああ。喧嘩に負けちゃったしなあ。仕方ないよ。」
「でもまだ、全部教えてもらってないよ!レイギサホウだって全然駄目だって
前に言ってたじゃない。」
「でもアメリー家との約束でね・・・。残念だ。お前さんが立派なレディになるま
で面倒見てやりたいけど、あいつらはそれが一番気に食わないらしいからな。」
「でも・・・」
「・・・何人か用心棒残しとくから、店だけは守り抜くんだぞ・・・」
「・・・・・・」
私もまだ中学生くらいだったからよくわからなかったけど、当時アメリー家や
フランソワ家、エリザベス家の出店扱いだったアジア町で、半ば強引に店の権
利書を奪い取り、使用人達に店を任せてしまったのはニホン家のニッテイおじ
さんだったの。
その頃ニッテイさんの店は物凄い勢いで大きくなっていてね、それが面白くな
いアメリー家、エリザベス家、チュウゴ家とそれからオランダ家が一緒になっ
てニホン家に嫌がらせしてたのよ。
このままだとニホン家は倒産してしまうというので、ニッテイさんはアジア町
で片っ端からヨーロッパ家の支配人を追い出しちゃったのよね・・・。
「これからはみんな、人任せにせずに自分達で店を切り盛りするんだ。私みた
いな人間にでも店一つから始めて大きくできたんだ。君たちにできない筈がな
い!」
ニッテイおじさんてね、ほんと熱血男って感じだったわ・・・。一本気で曲がった
事が大嫌いで、そのくせ照れ屋で不器用なのよね。
それから頼みもしないのにアジア町の人を集めて店の経営について色々教えて
くれたの。そりゃあもういろいろとね。商品の仕入れ方とか経理の仕方、お客
さんへの応対とかね。
あんまり一生懸命なもんだから、不真面目な人を怒鳴りつけたりとかしてたわ
ね。それで嫌ってる人もいたけど、自分の店を持ちたいって人には慕われてい
たわ。
52有閑工房-3:03/08/26 21:18 ID:ORBV49ye
最も、うちにはあんまり構ってられなかったみたい。フランソワ家とは事を構
えたくなかったらしくてね、何だか私と話す時は歯切れが悪い感じだったな。
それでもフランソワ家と折り合いが悪くなった後、使用人追い出してくれて、
さあ今度は家の番て時にニッテイさん帰っちゃったからねえ・・・

わたしは疑問を素直に口にした。そんな立派な事をしていたおじいちゃんがい
るのに、何だか普段ニホンちゃんがカンコ君やチュウゴ君に無茶苦茶言われて
いるのが不思議でならなかったのだ。
「ニホンちゃんのおじいちゃんて、チュウゴ君やカンコ君の話と全然違うね。」
ママンはやっと出来上がったコーヒーを一口飲んで、少し考えてから答えてく
れた。
「そうでしょうね。ニホン家もあんなに大人しくする必要ないんだけどねえ・・・。
仕方ないのかもしれないな。」
「?どうして?」
「御先祖様を大事にしてないからよ。」
「そう・・・なのかなあ・・・。」
ママンはそんなの当然だという顔をしている。それはつまり、ニホンちゃんの
おじいちゃんの事は自分の方が良くわかっているという事なのだろうか・・・
53有閑工房-4:03/08/26 21:19 ID:ORBV49ye

ニッテイさんがいなくなった後、思ったとおりフランソワのお父さんのドゴー
ルさんが昔の手下をまとめてやって来たの。それで前みたいに店を自分の物に
しようとしたんだけど、ニッテイさんが来てたせいで皆ドゴールさんの言う事
を聞かなくなっちゃったのね。
とはいえ昔の方が良いという人と、自分達で何とかするという人が別れちゃっ
て、家の中が真っ二つに割れちゃったのよ。それでディエン・ビエン・フー商
店の所有権争いでとうとう喧嘩になっちゃったのよね・・・。それでドゴールは負
けて国に帰ったの。さっきあなたが見たラブレターね、出したのドゴールよ。
ニッテイさんが来る前から頻りにラブレターくれてたんだけど、ドゴールの実
家がゲルマンスキー一家に乗っ取られたので家に帰る事になって、その時私に
くれた物よ。『必ず帰る』なんて勇ましい事言ってたけど、結局また逃げ出し
ちゃったわね。
ん?カレが好きだったかって?どうかなあ・・・。ドゴールは優しかったけど隠れ
ていろんな子にちょっかい出してたから、信用できなかったな。うん・・・、遊び
友達には丁度良かったかも。
ニッテイおじさんはうるさいお兄さんて感じかな?ドゴールは遊びを色々教え
てくれる先輩みたいなものね。
54有閑工房-5:03/08/26 21:20 ID:ORBV49ye

「それから、ドゴールさんはどうしたの?」
「実家の建て直しが大変だったらしくてね、こっちに構ってられなくなったそ
うなの。『君の事は一生忘れない。でも何かあったら力になる』って手紙を貰
って暫く音信不通になったわ。でもカレ、実家の建て直しにアメリー家に世
話になって、それで口実作られて自分達の代わりをアメリー家に任せたのよ
ね・・・」
 ママンはちょっと表情が硬くなった。アメリー家にはやっぱり良い印象は
ないのかもしれない。でも、ドゴールさんたちフランソワ一家にもどういう印
象を持っているのかは少し解らない。
ママンは昔言っていた。
『私は自分の生きたいように生きたいの。真実の愛だとか、円満な家庭だとか、
理想の家族とか、そんなものは私が決める事。誰にも指図されない。道が無い
なら作って進む。それが私のやり方。』
 あれは一体、誰に向かって言っていたのだろうか?あまり覚えていない。

 パパと仲良くなったのはこの頃からよ。ディエンビエンフー商店の諍いで先
頭に立ってドゴールと渡り合っていたの。すごくカッコ良かったなあ・・・。式も
挙げずに一緒に暮らしはじめて、少ししてお兄ちゃんが生まれたのよ。ただ、
力不足でどうしてもお店全部の切り盛りができなかったから、周りの人達の力
を借りなきゃいけなくて、それでママンとパパで店を半分ずつやってく事にし
たの。
 ・・・悔しいよね、やる気はあっても経験が無いのは。
55有閑工房-6:03/08/26 21:21 ID:ORBV49ye
その頃よ、アメリー家が手伝ってくれる事になったのは。勿論、店の皆はせっ
かく自分達でどうにかしようとしてたのに茶々入れられて面白くなかったわ。
でも、ナイフ突きつけて手助けしたいって言われて、嫌だなんて言ったら店自
体が無くなるかもって思ったら・・・どうしたら良いかなんて選べなかったなあ。
それで、店の半分をアメリー家に手伝ってもらう事になったの。
 でもね、パパが凄いなあって思ったのは、こんな時にチュウゴ家やロシアノ
ビッチ家に蔭で手助けしてもらってた事ね。どっちもアメリー家が調子に乗っ
てるのを面白くないって思ってたから、二つ返事で協力してくれたそうよ。
 ただ問題はチュウゴ家もロシアノビッチ家もマル教に御執心だった事ね。言
ってる事はわからないでもないんだけど、物凄い御布施を強要するのだけは勘
弁して欲しかったなあ・・・。
 とは言えパパもマル教には随分影響受けたみたいでね、今でも昔の癖は抜け
ないな・・・。
 でも、アメリー家にも困り者だったわ。商品を沢山分けてくれるのは嬉しい
んだけど、売り方とか管理の仕方全然教えてくれないんだもの。そんなだから
売り値は無茶苦茶、会計も丼勘定。酷いもんだったわ。
『しきたりや決め事なんてどうだっていいじゃないか。夫婦に必要なのは信頼
だし、家族に必要なのは愛じゃないか?』
 なんて言う手紙くれたのはあの頃よ。言ってる事には同感なんだけど・・・、何
かなあ・・・直接渡さずに人使うのがわかんなかったな。本気でそう思うんなら直
接渡しにくればいいのに。
 その上アメリー家の使用人使って私に結婚しようって迫って来るんだもの。本
気だったら自分から言ってくればいいものを人にやらせるのよ?なんかねえ、女
心解ってないのか、単に自信無いのかわかんないけど、そんなんじゃ私なびかな
かったなあ。
56有閑工房-7:03/08/26 21:22 ID:ORBV49ye
 そしたらカンコ一家やオージー一家使って嫌がらせやるんだもの。もう幻滅す
るわよ。
 オージー一家はそんな事に駆り出されても、元々乗り気じゃないから適当にお
茶を濁してくれたけど、カンコ一家はお金が貰えるんだとかでやたら張り切って
てね、店に何度も火をかけるし、裏の畑に塩撒いて使えなくするし、とにかく散
々だったな。ベトナの火傷もボヤ騒ぎの時に怪我しちゃったのだよ・・・。 女の子
にそんな傷つけるのは・・・、ホントに悪いと思ってる。ごめんね、あなたまで巻き
込んじゃって・・・。

 ママンは言葉に詰まってしまった。
 わたしは恨んでもどうしようもないから誰にも言わないけど、ママンやパパにし
たら、やっぱり気が重い事なのだろうか?
 誰かさんみたいに口先だけで自分の心の中にあるものを解消しようとは思わない。
そんなものは、相手がぐうの音も出ないくらいわたしが立派になって見返せば良い
事だと思うからだ。
 「ママン、わたしちっとも気にしてないよ?」
 何度同じ事を言ったかわからない。でもその度にママンは『無理しなくていいの。
辛いんでしょ?』という目で私を見る。そして最後はいつも、
 「ベトナは優しい子ね・・・」
で終わるのだ。
 わたしは・・・・・・、別に優しくなんかない。どちらかというと冷たい子だと思う。
優しいというのは、―――そうだ、ニホンちゃんみたいなのをそう呼ぶんだ。
57有閑工房-8:03/08/26 21:24 ID:ORBV49ye

 アメリー家がやたらと関わっていた頃、チュウゴ家とロシアノビッチ家がパパの
援助を色々していたのは言ったよね?
 実はね、あの頃ママンとパパは正式に結婚してなかったの。後から考えるとその
辺が周りに付け込まれた原因みたいなんだけど、こぞって皆が結婚認めたがらなか
ったのもあるのよね。ママンがパパにわがまま言って一人身でいたのもまずかった
なあ・・・。
 その頃ロシアノビッチ家ではブレジネフが頭領になっててね、やっぱりって言う
か何て言うか、ママンを口説きに来たのよね。パパが色々助けてもらってたからデ
ートも断りにくくてねえ、何回か食事に行ったりしたけど、理想ばっかり並べて語
るだけでちっとも面白くなかったな。
 まあ、お付き合いですから仕方ないけど・・・ママンが全然なびかないの見ていつの
まにかいなくなってた。良く覚えてるのはプレゼントだけだな。腕時計や宝石なんか
よくもらったなあ・・・
 アメリー家とロシアノビッチ家がいなくなって、チュウゴ家のモウさんがモーショ
ンかけてきたのもそんな時。ちょっと変わった人でね、『鉄を沢山作っちゃえ』なん
て言ってチュウゴ家のヘアピンまでありったけ鋳潰して鉄の塊を作って喜んだり、
『皆がお腹いっぱい食べれば幸せになれる』とか言って中華マンションでありったけ
の食べ物を3日で食べ尽くして途方に暮れたり、何か笑い話作るのが大好きな人だっ
たね。あの頃の中華マンションの人達はいい迷惑だったろうけど・・・
 家とチュウゴ家は昔から付き合いがあってね、といってもこっちが嫌だっていって
も向こうは認めない・・・まあそんな関係よ。
58有閑工房-9:03/08/26 21:25 ID:ORBV49ye
『白い連中の言う事なんか聞いちゃ駄目だ!伝統!やっぱり大事なのは遠い昔から大
切に大切に両家の関係を作り上げて来た伝統を大切にしなければならない!さあ、二
人で新世界を作り上げようじゃないか!私たちは水と魚の仲なのだから!』
 随分言ってくれるけど、そんなに大切に思ってくれるならあの浮気性何とかして欲
しかったな・・・マンションの外から中から手当たり次第だもん。ちょっと真っ当な人に
は見えなかったな。
 まあ、生傷だらけの人捕まえて『こいつとは大親友』なんて平気で言う人だからわ
かるでしょ?
 でもね、断るの一番大変なのモウさんだったわ・・・
 アメリーのとことかロシアノビッチのとことか邪魔者がいなくなって、さて式でも
挙げましょうかという話をしてたら、モウさんが血相変えてやってきて、
 「結婚するって言うあの約束はどうしたぁ!!!!!」
 って叫ぶのよ。それも延々と。
 いい加減鬱陶しくなって
「そんな約束した覚えもないし、私はこの人と結婚するの。」
って言ったらいきなり殴りかかってきたの。うーん、私の言い方も悪かったかもしれな
いけど、あれはちょっと・・・やっぱりどうかしてたよあの人。
最初そばにいたパパも助けてもらった手前黙ってたけど、ママンに殴りかかって来た時
に流石に割って入ってね、ボロ雑巾になるまで殴られてた・・・。

「どうしてパパは殴りかえさなかったの?」
「そうねえ、ママンとホーチミン、ベトナ。私たちがいたからよ。パパもよっぽどやり
返したかったろうけど、もしやったらモウさんなんかは一家総出で仕返しにくるしね。
そうなったらママンが殴られたくらいじゃ済まないもの。パパは我慢したのよ。」
59有閑工房-10:03/08/26 21:26 ID:ORBV49ye
 私は言い返せなかった。言い返したかったのは本当はやり返したかった筈のパパの気
持ちが痛いほど分かっていたからだ。一人で色々考えていると、ママンが優しく言った。
「ベトナ、悔しい?」
 また、見透かされたようだ。
わたしの事を良く解ってくれているのは嬉しい。でも、それがママンの怖さの裏返しで
もある。たぶん、ママンにラブレター寄越した人達も、同じ思いを味わったのじゃない
だろうか?
「ママンも悔しかったけどね、ママンもパパに言われてよくわかったのよ。」
「?何を?」
「『私たちは喧嘩をしたくて意地を張ってたんじゃない。静かに暮らし、生きていくの
を望んだから意地を張っていたんだ』って。」
「・・・・・・」
「そう言われると悔しい気持ちも少し無くなった。そうだよね、誰かと喧嘩したくてや
ってた訳じゃないんだもの。」
 わたしは、少し恥ずかしくなった。単純に悔しかったり怒ったりするのはわたしがま
だ子供なんだとわかったからだ。そして、目先の気分に振り回されないママンやパパは
本当に大人だと思う。
 お店も決して楽じゃないのに、わたしや兄さんを一生懸命守ってくれるママンやパパ
が私は大好きだ。
 今日こんな話を聞いたらもっと好きになった。
 わたしも・・・いつか、ママンのように強い大人になれるだろうか?
60有閑工房-11:03/08/26 21:27 ID:ORBV49ye
***
私には子供が二人いる。一人はホーチミン、もう一人はベトナ。ベトナは今目の前で
解り易いくらいに思案にくれている子だ。
ベトナは父親に似たみたいだ。感情は表に出さないがかといって冷たい訳じゃない。儚
げな見てくれに似合わず闘争心は旺盛だ。温和でそのくせ芯は滅法固い。
 私がそうしたように、この子にも自分の信じた道を強かに歩んで欲しいと思う。助けて
くれなくとも理解してくれる友人を、自分の思い通り生きてゆける良い時代を願って止
まない・・・・・・
 それはわたしの親馬鹿なのだろうか?別にそれでもいいと思う。子供の未来の幸福を祈
らない親なんてどこにもいやしないのだから・・・。それはフランソワ家もアメリー家もロ
シアノビッチ家も、そして、チュウゴ家も一緒の筈だ。
***
 わたしが考え事をしていると、ママンは静かに立上り、そして言った。
「さ、ベトナ、休憩おしまい。今日中に片付かなかったら晩御飯抜きよ。」
「えええええええーーーーーーーー」
 どうやら元の怖いママンに戻ったみたいだ。
 そうじ……がんばろっと……

終劇
61有閑工房の解説1:03/08/26 21:28 ID:ORBV49ye
解説・捕捉・閑話休題
※交渉(殆ど内政干渉でしょうが)はここではベトナのママンの恋愛遍歴としました。
作中でも書きましたが、何だかこうするとどいつもこいつも偏執狂のストーカー(藁
※日本の独立工作は話中の経営講習会の意。ビルマ、インド等の独立はこの頃養成さ
れた反植民地勢力の存在が非常に大きいものです。ただ仏領インドシナは『進駐』と
いう名目を律義に守り(フランス政府はドイツの傀儡政権を正当とした為)独立工作
を進めたのは終戦直前・・・結局現地人にとっては支配者が変わっただけという結果に。
第2次大戦後にインドシナ3国が独立に遅れて苦しんだ背景にはこういう事情もあっ
たようです。

※ディエン・ビエン・フー=インドシナ戦争で、ベトミン(ベトコンとは別です)と
フランス植民地軍が行った戦闘で事実上の天王山。ベトミンの勝利となり、フランス
は支配地域から撤退した。つーか、第二次大戦で無茶苦茶になった本国の建て直しで
植民地どころではなかったのが実状。アメリカは共産化の阻止という理由もありフラ
ンスに軍事援助をした。その後アメリカは南ベトナムとの関係を深くする。南ベトナ
ム自体は女房によっかかって生きてるヒモみたいなもの・・・。

※パパはボー・グエン・ザップという設定です。ディエン・ビエン・フーの決戦を勝利
に導いた伝説的な名将です。
62有閑工房の解説-2:03/08/26 21:29 ID:ORBV49ye
※ベトナのママン(フランスで言う「おかん」の意)は国の象徴ですね。旦那役にした
かったホー・チ・ミンは既出。やむなくボー・グエン・ザップを引っ張り出す。素晴らし
い人だが知名度では・・・・・・職人さんは解るでしょうが、知名度低い人はツライヨネー(藁

※共産主義の階級闘争及び大虐殺→御布施。人口の例えで出てた花畑でもいいけど、
左翼イデオロギーはとかく犠牲が(いろんな意味で)つきものなのでこうしました。マ
ル『教』だしね(藁。しかしベトナムはマル教はどうもただの方便で使っただけのよう
です。今あんなだし…

※ロシアノビッチ家の贈り物は、貴金属=武器弾薬です。
中国は食料中心(武器とかもあったけど)ソ連は火器、自走砲、戦闘機を主に供給した
そうです。

※愉快なモウおじさんがやってるのは『大躍進』と言う名の国を挙げてのお祭りです。
一説には2000万人からの餓死者を出し、毛主席の支配の邪魔になる連中を燻りだしたの
だとか。文革の前にもこんな事やってたんですね。スターリンには負けますが。
その後のモウおじさんの殴り込みは中越紛争ですね。独立国家としてやっていきたいベ
トナムと、影響下に置きたい中国との紛争です。原因は確かベトナムのカンボジア侵攻。
カンボジアでは中国の支援するポルポト政権が全国民の半分近く(推定300万人)を大
虐殺するという大フェスチバルを敢行し、「そら兄さん、やばいっしょ。」とばかりに
ベトナムがカンボジアに侵入しプノンペンからポルポト派を追い出した。それを口実に
人民解放軍が国境を越えてやりたい放題やらかして帰っていったというもの。一方的に
ベトナムが非難されてましたが、ほっといたらえらいことになっていたので『人道支援』
と言えなくもない。その後の知識層を喪失したカンボジアの苦難は言うまでもないですね。
63有閑工房の解説-3:03/08/26 21:31 ID:ORBV49ye
※ベトナのママンは表現が消化不良気味ですが、ベトナムは悉く恐妻家だそうです。情
に厚く浮気は絶対に許さない。故に『タイガー・マダム』と呼称されるとか・・・こわっ。
それ故ベトナは『ママン』と『パパ』の順で呼んでます。
そのうち親子関係をネタにして一つ話を書いてみたいと思います。(この辺知りたい人
は下記の近藤紘一氏の著作を読んでみそ)

参考文献
HP
東南アジア関係史(昭和史の真実)/
http://www.history.gr.jp/showa/index.html
ベトナム戦争/http://www.combat.ch/cotent/history/vietnam/ind_1.htm
書籍
ベトナム関連:
「ベトナムから来た妻と娘」「目撃者」「したたかな敗者たち」/近藤 紘一
「夏の闇」/開口 健
中国関連:
「Wild Swan」/ユン・チアン
インドシナ関連(一般社会):
「ASIAN JAPANESE」/小林 紀晴
ほか、ちょいと書ききれません…
以上、初投稿です。にも拘らずだらだら長い駄文失礼しました。
謝罪はある程度しますが賠償はやっぱないです。
64名無しさん ◆B9.JhkARyE :03/08/27 03:47 ID:D5dCN2Fs
 更科うどんさんへ
 そうだったのですか、見落としてました、すいません。僕の作品を使っていただいているのに。
 あと西遊記書き終えました。随時のせていきます。他の作品もありますのでそっちものせてい
きます。
65 :03/08/27 04:46 ID:1yFJsWKw
地鎮祭ってどこ。
>>48-49で何話してるか意味不明なんだけど。
66 :03/08/27 09:42 ID:jbx8NI9e
>>65
>>35のメ欄
67 :03/08/27 22:31 ID:1yFJsWKw
いや、メール欄は気づいてたんだけどさ。
どこをどう読めば地鎮祭になるの?
68 :03/08/27 22:45 ID:r4qZmgi7
なんかよく分からんけど、地鎮祭あるなら糞スレに収録するニダ。
で、どれすか?
69 :03/08/27 22:51 ID:r4qZmgi7
ん、35のナナメ読みか?
どうなんだろ、糞スレに収録は誰かしるニダ。
70拙い初投稿:03/08/28 05:06 ID:B1d6Ml4c
「ガードマン」

地球町に、とある2件のお金持ちがいました。
そのうちの片方は町一番のお金持ちのアメリーくん。
一番のお金持ちだけあって、豪邸の門には鍵がかかっており
最新式のセキュリティと頼りになるガードマンが
お家と財産と家族の命を守っています。
泥棒や強盗の入る隙間もありません。

そしてもう片方は小さいお家にもかかわらず
町で2番目のお金持ちニホンちゃんです。
ニホンちゃんのおじいさんは昔
アメリー君のおじいさんにいじめられたりもしましたが、
アメリー君とニホンちゃんは結構仲良しです。
さて、そのニホンちゃんのお家を見て見ると不思議なことに
門に鍵がかかっていません。お家のドアまで開けっ放しです。
セキュリティを探しても見当たりませんし、ならガードマンは?
と探して見たら家を囲む塀の周りにアメリー君のところが
ちょっと強引に連れてきたガードマンさんが数人居るだけです。
71拙い初投稿:03/08/28 05:06 ID:B1d6Ml4c
町で2番目のお金持ちの家なのに、これでは泥棒が入り放題です。
ひょっっとしたら誘拐犯や、ニホンちゃんの秘密を探り出そうとする
ストーカーだって入ってきてしまうかもしれません。
いえいえ、それどころかもしかしたら殺人犯が忍び込んで
お家の人を殺してお金を奪おうとするかも・・・。

と思っていたら、実はニホンちゃんの大事な親戚が何人か誘拐されて居たのです!
相手は身代金を要求してきて、事件はまだ解決していません。
ニホンちゃんは、二度とこんなことが起こらないように
ガードマンを雇うことにしました。

アメリー君にばかり頼って居るのでは申し訳ないですし、
何より情けないと思ったからです。それに頼り過ぎると
お家の中の敷地をまた無料で貸すことになってしまうかも
・・・という不安もありました。
72拙い初投稿:03/08/28 05:07 ID:B1d6Ml4c
ところがそのときサヨックおじさんが出てきてニホンちゃんに抗議し始めます。
「とんでもない。ガードマンなんて必要ない!そんなことをして相手に怪我をさせたらどうするんだ!!」
と。ニホンちゃんは困ってしまいました。
サヨックおじさんはこういいますが、奥ゆかしいニホンちゃんが
「そうなのかな…」とサヨック叔父さんのいう通りにしている間に
何人も大事な親戚がさらわれてしまっていたのですから。

シシロー叔父さんは「ガードマンを雇おう。それがニホンちゃんの家のためなんだよ」
と言ってます。ニホンちゃんも、そのとおりだな、とおもうのです。
でも、サヨックおじさんはニホンちゃんの家は、
このままのほうが良いと思ってるみたいです。
「もしかしてサヨックおじさん……私のおうちに泥棒がはいれるようにしておきたいの…?どうして…?」
73拙い初投稿:03/08/28 05:07 ID:B1d6Ml4c
一瞬、頭に浮かんだとんでもない想像をニホンちゃんはブンブンと頭を振って追い出しました。
そんなはずはありません。
誘拐犯とサヨックおじさんが共犯だなんてそんなことがあるはずがないんです。
ニホンちゃんは心の中でサヨック叔父さんに謝りながら、心細くおうちを見上げて呟きました。

「でも…やっぱり、このままじゃダメだよね…」

気の弱いニホンちゃんのその瞳には大事な人達を守ろうとする決意が現れ始めていました
74 :03/08/28 22:53 ID:Gg3IIwR9
ブツ切れ?
最近まともにレスもないし、ニホンちゃんは終わったのかな。
75名無しさん ◆B9.JhkARyE :03/08/29 02:24 ID:qVOWnOnJ
              「ニホンちゃん西遊記!」
 「えーーーそれでは今回の演劇の出し物は西遊記となりました」
 文化委員を務めるアテネちゃんが皆に言いました。
 「異義なあーーーーーーーーし」
 皆賛成の声をあげました。
 「ただ今回はまともな役がいいな」
 「馬とか五人公子とかろくな役やってないアルぞ」
 「あの時タイワンとアーリア思いっきり殴ってくれたしな」
 「しかも軒下に捨てられちゃうんだもんなあ」
 どうも演劇になると変な役ばかりやらされる男性陣は不満みたいです。
 「大丈夫よ。今回はわたしが脚本、演出全部やるし」
 アテネちゃんが不満たらたらの男性陣に言いました。
 「だといいけど」
 「マカロニーノは今回演出とかやらないの?」
 タイワンちゃんが言いました。
 「僕は今回は役に専念させてもらうよ。格好良いところを見せて女の子達のハートを
ゲットしておきたいからね」
 まだ配役も決まってないのに。
 「ふうん、まあ頑張ってね(けどもしニホンちゃんが出るならあたしも出たいなあ。ニ
ホンちゃんといつも一緒にいられる役で)」
 (・・・成程ね)
 そんなタイワンちゃんをアテネちゃんはしっかりと見ていました。
76名無しさん ◆B9.JhkARyE :03/08/29 02:26 ID:qVOWnOnJ
 町の図書館へ行きアテネちゃん思案中です。まずは脚本と演出です。
 「有名な話だしなあ。普通にやってもなんか面白くないわねえ」
 ふと棚に並べられている漫画コーナーに目がいきます。
 「ニホンちゃんとこのが多いわね。彼女この話好きなんだ」
 とりあえず漫画に一通り目を通します。
 「勉強になるなあ。あ、ビデオもあるわね。これだと法師が女の人かあ。これは
使えそうね」
 かくして数日後脚本が仕上がりました。
 「次は配役・・・っと。ナレーターはわたしがやるとして肝心の主役だけど猿の
孫悟空か。これは彼で決まりね」
 大きな文字で『カンコ君』と書かれます。
 「お釈迦様は彼、三蔵法師はこの子、そうなれば白馬は・・・うふふふ」
 なんか妙に楽しそうです。
 「アメリー君やチューゴ君もしっかりとした役で出さなくちゃね。劇になるとい
つも貧乏くじ引いてるって文句言うし。あとカナディアン君も忘れちゃいけない、
っと」
 結構マイナーどころもついていますね。
 「よし、これで完成。くわしい配役はネタバレなので伏せときますか」
 あらら。
 「さあ後は演出ね。楽しくなってきたわよお」
 熱心に演技や小道具の指導もするアテネちゃん。彼女の努力の介あり稽古も進行
も順調に進みました。本日いよいよ本番です。さあ開幕です。

 西遊記ニホンちゃんバージョンです。これから色んなキャラクターがそれぞれの
役で登場してきます。
77ああああ:03/08/29 05:48 ID:aFqZbNBE
演劇って西遊記ばっかやってない?
78 :03/08/29 09:56 ID:9BdlKDxt
>>74
>最近まともにレスもないし、ニホンちゃんは終わったのかな。
で……貴方はあくまで部外者を装われるわけですか?
終わらないで欲しいのなら、貴方もレスをすればよろしいだけの事ではないでつか……と思いつつ
他の読者にレスをするよう促しているのではと、ちょっと好意的に受け止めてみるテスト。
よーし、パパ釣られてレスしちゃうぞー。

>有閑工房さん
長文力作乙。こういう作品、なんだか懐かしいよママン。
やはり、勉強になる作品は(・∀・)イイ!
モテモテのベトナママの独白にハァハァさせていただきますたw
長くても面白ければ良し。ウリはおもろかったから許可。でも賠償として新作うpしる。

>拙い初投稿さん
ネタのかぶりはケンチャナヨ〜。
同じネタでも違う視点から見たり、別の作風に仕上げれば無問題。
で……ガードマンというのは軍隊の事でふかね? 
自衛隊と軍隊とは違うのだよ!ということか。

>名無しさん
ある意味、今までいろいろな方から指摘されてきた事が
どれだけ名無しさんに伝わっていたかが、この作品ではっきりするような気がする。
ありがちかどうかはひとまず置いておいて、
じっくりと拝見せていただこうではありませんか?>ああああさん
79 :03/08/29 10:05 ID:w0CSZ0IP
で、machina氏の復活マダー? マチクタビレタ-(AA略
80名無しさん ◆B9.JhkARyE :03/08/29 12:24 ID:qVOWnOnJ
 >ああああさん
 ハイジとかカエサルとか他にも結構ありますよ。僕も竹取物語書いたことありましたし。
 >78さん
 そう言われると怖いな、作品もだいぶ変えてきたつもりなのですが。全九部なのでゆっ
くりとのせていきます。誰がどの役やるか当てられたら凄いですよ、出るまで僕はそのこ
とに関してノーコメントですし。
81 :03/08/29 12:48 ID:1lv+Wfj/
六カ国協議ネタきぼん
82 :03/08/29 12:52 ID:1lv+Wfj/
北朝鮮が6カ国協議の28日までの全体会合で、米国が「敵視政策」を転換しない
場合、核保有の公式宣言や核実験を行う用意があると表明していたことが29日、
分かった。米政府当局者などが明らかにした。
ロイター通信によると、北朝鮮は一方で「核放棄」などの言葉を使用、「非核化」
を追求するような相反する姿勢を示したという。
こうした立場は4月の米朝中3カ国協議で米国に通告したものと基本的に同じと
みられ、米政府高官は「予期できないことではない」と述べた。しかし6カ国協議
でも「瀬戸際戦術」を続ける姿勢を示したことになり、米議会などを中心に強硬論
が高まる恐れもある。
協議筋によると、北朝鮮は米国が「敵視政策放棄」と不可侵条約締結をしなければ、
核実験や核保有宣言を行う用意があると表明した。

引用
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030829-00000010-kyodo-int
836カ国協議はこんな感じか?:03/08/29 16:30 ID:++vhmYwQ
これはあらすじの案なのでまとめサイトには載せないでね。
------------------------------------------------------
普段引きこもってるキッチョム君を社会復帰させるべく、
チューゴ君の呼びかけで話し合いをすることになった。
参加したのはニホンちゃん、カンコ君、アメリー君、ロシアノビッチ君、
そして議長のチューゴ君と当事者のキッチョム君。
ニホンちゃんは折角の機会だからと以前キッチョム君が盗んでいった
お人形セット(一部は取り返したが残りはまだ)を取り戻すべく提案。
アメリー君は、キッチョム君が持っている凶器を今回の話し合いで
何とか取り上げようと画策中。
カンコ君は、兄弟として何とかキッチョム君を立ち直らせたいと期待するが・・・

キッチョム「なぜ人形を返す必要があるニダ?大体今回の話し合いとは関係ナイニダ。」
ニホン「・・・。」
キッチョム「ナイフなんて持ってないニダ。アメリーはウリを苛めようとしているだけニダ。」
アメリー「・・・。」
キッチョム「アメリーがこのままウリを苛めるつもりなら、『ナイフ実は持ってる』って
    みんなに言っちゃうニダ!」
一同(要するに持ってるんじゃねえか・・・)
キッチョム「とにかく食べ物をよこすニダ!おもちゃをよこせニダ!話はそれからニダ」
チューゴ「・・・。」  プチーン  「・・・カンコ、後で体育館裏に来るアル」
カンコ「!?   アイゴー・・」 
84_:03/08/29 23:03 ID:+XUK/9vP
>>78
全く伝わっていないようですが…
85 :03/08/29 23:35 ID:TqPfziYG
>>83
面白そうになる悪寒。
期待。でもsage。(w
つーかお前はスマイル人形イパーイ持っとるだろ!・・・と小(ry。
86名無しさん ◆B9.JhkARyE :03/08/30 04:43 ID:4djSGtgv
                 「珍遊記」
 「遠い昔のお話です」
 天女の服を着たアテネちゃんがナレーターを務めます。
 「花果山の頂上に一つの大きな岩がありました」
 舞台に灯りが差し込み一つの大きな岩が映し出されます。その岩に雷が落ちました。
 「ニダーーーーーーーッ!!」
 中から一匹の猿が出て来ました。演ずるはカンコ君、お猿さんの着ぐるみを着てい
ます。
 「岩から生まれた猿は山の麓の方まで降りるとそこの猿達の群れに入りました」
 石猿は群れで毎日楽しく遊んで暮らしていました。ところがある日とんでもない事
に気が付きました。
 「どうしたんだい?」
 仲間の一人が尋ねます。演じているのはパラ雄君。
 「今はこうして楽しくやっているがウリも何時か死んでしまうニダ。そうしたらも
う二度とキムチを食べたり雌猿をはべらしたり出来ないニダ」
 「じゃあ仙人にでもなるかい?そうしたら不老不死になれるからずっと面白可笑し
く遊んで暮らせるよ」
 「本当ニダか!?その仙人になるにはどうすればいいニダか!?」
 石猿は真剣な面持ちで聞きます。
 「ここからだいぶ離れた方寸山に須菩提禅師という高名な仙人がおられるからその
人に弟子入りすればいいな。それが一番いいと思うよ」
 「よし、じゃあ早速行くニダ、皆の衆、達者でな!」
 あっという間に走り去っていきました。
 「まあ無理だろうな、あいつには」
 残された猿がぽつり、と一言漏らしました。
87名無しさん ◆B9.JhkARyE :03/08/30 04:45 ID:4djSGtgv
 「ふう、やっと着いたニダ」
 やっとの思いで方寸山に辿り着いた石猿。門が開き中から須菩提禅師が出て来ました。
演じているのはゲルマッハ君。
 「見たところ猿のようだが一体何の用か」
 「単刀直入に言うニダ、ウリを仙人にして不老不死にして欲しいニダ」
 それに対し禅師は厳しい声で言いました。
 「仙人になるには先ず厳しい修行を積まなくてはならない。それから天界へ登り崑崙
山の桃を食べなくてはならない。それでもいいというのなら弟子にするが」
 「うう・・・」
 気の遠くなるような話ですが不老不死の為です。猿は禅師の弟子になり仙術を学びま
した。やがて全ての術を覚えてしまいました。
 「よし、もうそなたに教える事はない。これからは孫悟空と名乗り天界へ登るがよい」
 「禅師様有り難うニダ、ウリはこれから天界へ行って偉くなって不老不死になるニダ、
ウリの活躍を楽しみにしていて欲しいニダ」
 そう言うとキント雲に乗って天界へ飛んで行きました。
 「きっと偉くなるニダーーー、一番偉くなるニダよおーーーーーー」
 なんか当初と目的が異なっていますが。
 「無理だな」
 悟空が消えて禅師はぽつりと言いました。

 誕生篇完。次回は天界篇です。
88 :03/08/30 05:29 ID:snM+4pAu
>>83
面白そう。本編きぼん
89有閑工房:03/08/30 09:32 ID:bTAYzQBK
>>78
感想ありがとうございます。初投稿でドキドキしていたので
レス帰ってきてとても嬉しいですね。賠償の新作は早めにうp
します。
……何せ今会社なもんで。
(投稿ネカフェからしてるんでIDころころ変わります。悪しからず)
9083(初投稿)・1/5:03/08/30 18:48 ID:HoKMwl5Y
朝のニホン家。なにやら騒がしい様子です。
おやおや。いつものようにウヨ君とアサヒちゃんが口論してますね。
この口論、ことの始まりは、前の日にチューゴ君が
「いいかげんにキッチョムを社会復帰させるアル。
 ボクの家で集まって話し合いをすることに決めたから、
 みんな明日はちゃんと集まるアルよ」
と提案したことがきっかけです。普段引きこもっている上に
ニホンちゃんが電話しても全く相手にしてくれないキッチョム君と
直接話す機会が得られるということで、ニホンちゃんはこれを機に
以前キッチョム君が盗んでいったお人形セットを返してもらうように
頼もうと思っていたのですが・・・
「姉さん、今日という今日は取り戻してきなよ!」
「何度言ったら分かるのよ、取り戻すより先に
 謝ってしまう方がいいに決まってるでしょ!」
「うるさい!泥棒から自分のものを取り戻して何が悪いんだ!」
「あ〜〜もう!二人とも喧嘩しないの〜!とにかくいってくるね!」
9183(初投稿)・2/5:03/08/30 18:48 ID:HoKMwl5Y
そして、チューゴ君宅。集まったのは、ニホンちゃんとご近所の
ロシアノビッチ君、「クラスの風紀委員」を自称するアメリー君、
キッチョム君の弟カンコ君、今日の幹事のチューゴ君、そして
当事者のキッチョム君の計6人。チューゴ君、わざわざ6角形の豪華な
テーブルを用意してくれたあたり、いいだしっぺのプライドが
垣間見えます。
「今日はわざわざ集まってくれてすまないアル。本題に入る前に、
 まずみんなの意見を一言ずつ聞いておきたいアル」
チューゴ君の司会を受けて、先陣を切って話しはじめたのはアメリー君。
「キッチョム、お前ナイフ隠し持ってるだろ。そんなものは
 危ないから持ってちゃいけない。・・・まあ、とりあえず
 僕がいっておきたいのはこれだけだ」
この発言で一気に顔をしかめたキッチョム君を尻目に、次はその隣に
座ったニホンちゃんの番です。
「えっと・・・ナイフもってるのはやっぱしあぶないよ・・・
 それとね、いいかげんにお人形・・・返してほしいんだけどなあ」
「また『もう終わった話題』を蒸し返すニダか!いいかげんにシル!」
ボソボソっとニホンちゃんが言い終わらないうちに、キッチョム君の
怒号が飛びます。しかし、チューゴ君が怒号の主をキッと睨むと
再び黙り込んでしまいました。そして、次に立ち上がったのは
ウォッカ片手に赤ら顔のロシアノビッチ君。
「まあ、あれだ。キッチョム。お前もいいかげん立ち直れよ。
 ニホンの人形もいいかげん返してやれや。」
当事者の兄弟、カンコ君も続きます。
「兄さん、いいかげんに表に出るニダ。こうして皆も心配して
 くれてるし、第一ウリと兄さんが力をあわせればアジア町で
 邪魔者を蹴散らして『再び』トップにのし上がれるニダ!」
・・・一瞬、チューゴ君の目が怪しく光ったような気がします。
9283(初投稿)・3/5:03/08/30 18:49 ID:HoKMwl5Y
最後にそのチューゴ君の番です。
「まあ、こうやって集まったからには有意義な話し合いにするアル。
 僕は議長なので今回は意見は差し控えておくアル。
 それでは本題。引き篭もり改善の前に、キッチョムが持ってるん
 じゃないかと噂になってる『ナイフ』について確認しときたいアル。
 町の平和のためにも、無駄に凶器を持つような事はなるべく避けたいアル。
 キッチョム、それについてはどう考えてるアルか?」
「それは」「ちょっと待てよ」
キッチョム君が発言しようとするのを抑えてアメリー君が話し始めます。
「キッチョム、ナイフ持ってるのは分かってるんだからさ、
 おとなしく差し出してもう手に入れたりしないって皆と約束しろよ。
 そうすれば皆だって安心してお前とつきあえるんだ。町の安全の
 ためにも、お前は協力すべきだと思う。」
「何言ってるニダ!お前はウリを苛めようとしているだけニダ!
 お前のほうこそ何が自称風紀委員ニダか?いじめっ子が風紀委員とは
 カン違いも甚だしいニダ!ウェー、ハッハッハ。大体ニホンもニホンニダ、
 こんなカン違いとつるんでウリを苛める圧殺策動に乗っかってるニダ。
 それにニホンはウリが庭に浮かべてたマンギョンボンがニホン家側に行くのを
 ことごとく邪魔してるニダ、第一ニホンは・・・」
9383(初投稿)・4/5:03/08/30 18:50 ID:HoKMwl5Y
5分でしょうか10分でしょうか、気がついたら延々とニホンちゃんに
ついての文句を垂れ流すキッチョム君。さすがにスレ違い・・・
じゃなかった筋違いと気付いたチューゴ君が「いいかげんにするアル」
と制するまで続き、今回あんまりこの話し合いに重要性を感じてない
ロシアノビッチ君は半分夢見心地です。
「とにかく!ウリはナイフなど持ってないニダ!町の平和を乱してるのは
アメリーとその子分どもニダ!あんましウダウダ言ってるとしまいには
『実はナイフ隠し持ってる』ってバラしちまうニダよ!?」
一同(いや、つーことは持ってるんじゃねーか・・・)
その後も、誰かが発言してはキッチョム君がいちゃもんをつける、
それをチューゴ君が諌める、という流れが続き、そろそろおひらきの時間も
迫ってきました。ポーカーフェイスが売りのチューゴ君も、さすがに
眉毛がピクピクしてるのが誰の目にも(キッチョム君除く)明らかです。
そんな時・・・
「だ、だからね、ナイフのこともお人形のことも、まずはキッチョム君が
 みんなに打ち解けようとすることからはじめていけば・・・」
「ファビョーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!
 ニホンは黙ってろとさっきから言っているニダ!ニホンは黙っておもちゃとか
 お菓子とかをウリに差し出してりゃいいニダ!
 もういいニダ!こんな話し合いには興味も期待も持てないニダ!
 も   う   帰   る   ニ   ダ  !」
9483(初投稿)・5/5:03/08/30 18:50 ID:HoKMwl5Y
ガタン!と勢い良く席を立ち、キッチョム君は帰っていきました。
もちろん、話し合い用にチューゴ君がテーブルの上に置いておいた
お菓子を詰め込めるだけポケットに詰め込んで。
折角話し合いをセットしたチューゴ君、しかも面子を重んじる彼が
今回完璧に面子をつぶされたとあって、ポーカーフェイスはどこへやら、
もはや拳が震えています。
「か・・・帰っちゃったケド・・・どうしようか・・・」
「どうするも何も、当人が居ないんじゃどうしようもないよな。」
「まあ、アメリー、お前煽り過ぎだったな。引き篭もり相手に
 少々キツ過ぎたんじゃないか? それはそうとチューゴ、この後
 どうするんだ? ・・・おい、チューゴ?」
「チューゴ君・・・兄が迷惑かけたニダ、すまんニダ・・・。
 ・・・それもこれも全部ニホンが悪いニダ!ニホンが余計なことしなけりゃ
 兄さんは立ち直れたニダ!謝罪とはんせ」
「おい、カンコ」
「? 何ニダか?」
「・・・あした」
「へ?」
「明日の放課後、体育館裏へ来るアル。『おもてなし』したいアル。」
「あ・・・あ・・・アイゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」

             完
9583(初投稿)・あとがき:03/08/30 18:52 ID:HoKMwl5Y
まとめサイトで1000話位まで読んだことはありましたが、
書くのは初めてなので違和感があったらごめんなさい。

あと、6カ国協議の詳細はリサーチ不足だし、北朝鮮は別に
途中で席を立ったわけではないとこもまだまだでした。
9683(初投稿)・おまけ:03/08/30 18:59 ID:HoKMwl5Y
家に帰ったニホンちゃんが、夜中に「妖刀・村正」で素振りをしているのを
ウヨ君が目撃したそうな・・・
97有閑工房:03/08/30 20:29 ID:X2xxKQpR
>>83さん、楽しい話ありがとう。もう6カ国協議の話し書いちゃったのか。
真似できないなあ。
と、いうわけで一作うpします。
98有閑工房:03/08/30 20:30 ID:X2xxKQpR
『買物天国』

夏の日差しの昼下がり、池の端のあぜ道を一人の少女が歩いています。赤いリボンの
ついた鍔広の白い帽子、薄い青に胸元に蓮の刺繍のついたアオザイの裾を翻し、何だ
かこの子の周りにはうだるような暑さが無いみたいな雰囲気です。ニホンちゃんはぼ
うっと南支那池の端で釣り糸を垂らしていましたが、それが誰だか解ると何の逡巡も
なく声をかけました。
「あ、ベトナちゃんだ。ベトナちゃーーーん!」
 呼ばれた少女は立ち止まり、声のした方を振り返ります。そこには麦藁帽子に訳の
解らない漢字の四字熟語がが沢山書いてあるTシャツを着たニホンちゃんが勢い良く
手を振っていました。
「・・・ニホンちゃん?こんにちは。」
 何となく改まってしまうベトナちゃん。普段の教室の中と何となく違う感じだか
らでしょうか?ニホンちゃんは思わず吹き出してしまいました。
「あはは、なんかおかしいの。」
「そうかな?」
 笑っているニホンちゃんを不思議そうにベトナちゃんが見ています。
「そうだよお。―――ところでベトナちゃんどこに行くの?」
「わたし?お買物よ。ママンに言われて晩のおかず買いに行くの。」
「へーえ、凄いなあ、一人で行くんだ。私そんな事無いのになあ?あ、それじゃう
ちのスーパーにおいでよ、何でも揃ってて便利だよ。」
「ニホンちゃんの?・・・うーん、それじゃあ見に行くだけでもいい?」
「もっちろん!大歓迎だよ。それじゃ一緒にいこっ!」
そう言って心底嬉しそうにベトナちゃんの手を取り、ニホンちゃんは半ばベトナち
ゃんを引きずるような感じで連れて行きました。ベトナちゃん、何故だかちょっと
赤面しています。
99有閑工房2:03/08/30 20:31 ID:X2xxKQpR

「ここがスーパー『帯電原子』だよ。うちで一番人気あるの。」
そう言うニホンちゃんは何だか得意そうです。物陰一つない明るい店内、あちこち
にある綺麗な飾りと案内標識。ベトナちゃんはちょっと面食らって戸惑っているよ
うです。
「ここ、遊園地?」
「あははは、違うよお。ほら、商品がいっぱい並んでるでしょ?こうやって籠に欲
しいもの入れて、あそこのレジでお金払うの。」
「そう・・・」
「?どうする?買うの?」
買物カートをセットして、ニホンちゃんは他意もなく笑っています。
 その素直さは好意に受け取れるのですが・・・自分の買物カゴからお財布を取り出
して、ベトナちゃんは中身を見ていました。が、少し困った顔をして言いました。
「・・・ごめんねニホンちゃん。今持ってるお金だと、多分全部買えないから・・・」
 それでニホンちゃんはっとします。そうでした。普段見ているとぜんぜんそう思
えないのですが、ベトナちゃんの家はあまり裕福とは言えないのです。
「あ・・・・・・ごめん。私全然考えてなかった。うちってお店の商品の値段町で一番
高いんだよね。」
「ううん、気にしないでニホンちゃん。」
「あ、あ、それじゃあスーパー『ぐれーとぶりてん』は?あすこは安いよ、他に
も『西のともだち』とか、フランソワーズちゃんとこの『軽いけど古い』とか・・・」
自分の迂闊さを何とか挽回しようとするニホンちゃんをベトナちゃんは静かに押
しとどめると、確認するようにゆっくり言いました。
「そのスーパーって、全部値段決まってるの?」
「え・・・、ええっと、店が終わる前とか、バーゲンとかでは安くなるよ。」
100有閑工房3:03/08/30 20:31 ID:X2xxKQpR
「そう。それじゃあわたしが店の人と話して安くしたり量を増やしてもらえる?」
「うーん・・・お魚とかお肉ならできるかも・・・」
 ベトナちゃんの質問の意味が少し解らずに、ニホンちゃんは答えました。
 ベトナちゃんはというと、小首を傾げたまま何だか考え込んでいます。そのポ
ーズは『どうしたもんかなあ?どうしようかなあ?』と言っているみたいで、同
じ女の子ながら可愛いなと思わせるものでした。
「ねえニホンちゃん。お礼にわたしと一緒に買物付き合わない?」
「え?別に・・・いい・・・けど。」
ベトナちゃんは不敵な笑みと共に言いました。
「私が本当の『お買物』を見せてあげる。」
目の錯覚でしょうか?いつも物静かなベトナちゃんの背中から、めらめらと燃え
上がる炎が見えた気がしたのは・・・

さて、ニホンちゃんが辿り着いたのは『さいごん』と大書きされた看板と、その
下にある何だか薄暗い店のような所でした。
「ここは?どこ?」
ニホンちゃんには、その入口が時間に追いたくられた白兎が飛込んだ穴みたく見
えました。
「ここは『市場』よ。わたしやママンはいつもここで買物するの。」
怖気づいているニホンちゃんの手を取って、ベトナちゃんはずんずん奥へ進んで
いきます。
そこはニホンちゃんにとってまさに不思議の国。山積みされた野菜や果物、つい
さっき絶命したらしいお肉の山。まだ生きている鶏や犬猫。何だか猿もいた気が
する。しかもそこはペットショップには見えない事甚だしかった気がする。
101有閑工房4:03/08/30 20:32 ID:X2xxKQpR
しかも見慣れた『値札』が全く見当たらないのは一体なぜなんだろう?あ、そー
か、今から値段変わるんだ。きっとそうに違いない・・・
千々に乱れまくる思考の中で、ニホンちゃんの手を引っ張るベトナちゃんは、ハ
ンターよろしくその瞳は輝き、背中から何かゆらいでいるものが出ているように
も感じます。
『あああ、なんだかベトナちゃんが輝いてみえるよう・・・』
商品の山と、それらが混ぜ合わさった何ともいえない匂い。どうやって行き交っ
ているのか摩訶不思議な人波。店とお客の喧嘩みたいなやり取り。そういうもの
がニホンちゃんの五感を数瞬で麻痺させてしまい、悠々と前を行くベトナちゃん
を更に神々しく見せたのでした。
 その神様が不意に立ち止まります。目線の先は魚屋みたいです。『みたい』と
いうのは、もはやニホンちゃんにはどこがなんの店か判らなくなってしまったか
らです。
「ど、どうしたの?」
立ち止まったベトナちゃんを見て、店の売り子の人がすかさずここの魚の素晴ら
しさを話しはじめます。ニホンちゃんは聞いているだけで納得しかかりましたが、
ベトナちゃんは何だか不満そうです。見るも珍妙な一匹の魚の目を指差し、これ
は目が濁っているからあんまり鮮度が良くないのじゃないかと言っています。
ニホンちゃんの買物辞典には店の人にそんな暴言を吐く事はタブーになっていま
すが、ここは違う世界のようです。店の人もムキになって抗弁し、新たな説明を
加え、そしてその魚をべた賞めしはじめます。それを半分しか聞いていない風の
ベトナちゃんはいかにもうんざりした感じで歩きだそうとしはじめました。店の
人は慌てて
102有閑工房5:03/08/30 20:33 ID:X2xxKQpR
「100ペリカでどう?」
と声をかけます。ベトナちゃんは立ち止まって、考えた風で振り向きながら、
「35ペリカ」
と短く言いました。
『さ、魚がタッタノ100ペリカですかあ・・・』
それでもニホンちゃんには充分安く思えたのですが、ベトナちゃんはその1/3
くらいだと言った気がします。いや、確かに言いました。店の人はそんな横暴な
値段はありえない。100ペリカだって生活できるぎりぎりの値段で、そんな値段
で商売したら飢え死にしてしまうといい、
「そんなら85ペリカだ!」
と自信満々に言い放ちました。
『え・・・さっき、100が限界って言った気がする・・・』
ニホンちゃんは耳を疑いましたが、確かにそう言ったようです。
「でもこれは40ペリカ位しか値段つけれないよ・・・」
ベトナちゃんも更に言い募ります。心なしか上げ幅が店の人の値下げより渋い
気もします。ベトナちゃんは先程の魚の目の件に加え、一部身が崩れている(ニ
ホンちゃんはどうしてそう目ざといのか解りかねましたが)だの、魚に打ってあ
る氷が少ないだの、他の店のよりも少し小ぶりだの、本当にそうなのかニホンち
ゃんには理解できないいちゃもんをつけ続けます。
 それでもお互いの攻防は続き、50ペリカに至って、白熱の展開をしています。
ニホンちゃんは、勿論蚊帳の外。閑になったのでそこにいたネコと遊びはじめた
のですが、他の店から
「そのネコは私のものだが、大変に賢く買主にも従順だ。どうかね、6000ペリカ
で譲ろうじゃないか。」
103有閑工房6:03/08/30 20:36 ID:X2xxKQpR
という嘘まるわかりの話を持ち掛けられ、
「ネコいじめの好きな犬がうちには沢山いる。」
と言って断りました。最もそのひとは
「じゃあその犬の餌に2000ペリカでどうだ?」
と聞いてきて、さすがにうんざりした所でベトナちゃんのそばにいるのが一番無
難なのだと悟りました。
30分が経過し、ベトナちゃんは2回くらい他の店に行きかけ、そのたびに店の人
はわずかに値段を引き下げつつベトナちゃんを引き留めます。そしてようやく52
ペリカで手打ちとなり、ベトナちゃんはオーバーに思える謝意を表し、店の人は
装飾過剰で目が痛くなるような喜びと共に目当ての魚を渡しました。
「べ、ベトナちゃん・・・」
「なあに?」
「いつもこんなことしてるの?」
「そうよ。でも今日はニホンちゃんがいるから、少し手抜きしちゃったけど・・・」
「て・・・・・・手抜きれすかあ?」
「うん。こんなに高い値段だとママンに怒られるかもしれないな。」
「高いの?うちじゃあお店の人が最初に言った値段でも十分安いよ。」
何の気無しに言ったニホンちゃんの一言に、ベトナちゃんの肩がピクッとゆれます。
「・・・だめ。」
104有閑工房7:03/08/30 20:37 ID:X2xxKQpR
「え?」
さっきの神様が柔和だったベトナちゃんに再び降臨したかのように一瞬で雰囲気
が変わってしまいました。
「だめなの。それじゃあ本当のお買物じゃないの。」
「べ・・・ベトナ・・・ちゃん?」
「お買物はわたしとお店の人の知恵比べなの。」
「は・・・はあ・・・」
「一度でも妥協したら、お店の人から舐められて高いまま買わされちゃうのよ!」
「そうです・・・か。」
こんな力説するベトナちゃんをニホンちゃんは初めて見ます。
「そう!そうなの。だからお買物はわたしの全ての力を出し切るに相応しい仕
事なの!」
いつもの物静かで不敵なベトナちゃんとは、かなり違ってしまっているようです。
口調は一貫して落ち着いているのですが、その語気たるや電波全開の誰かさんよ
りも遥かに迫力と説得力があります。
そういえばベトナちゃん、目に付くものがあると、
「それ、いくらしたの?」
と、挨拶代わりに聞く事がよくあった気がします。あまり気に留めていませんで
したが、それは何がどのくらいするものなのか聞いてまわっていたんですね。確
かに値段が決まっているようには到底思えないこういう場所で買物をしていたら、
ニホンちゃんみたいに『値札があってナンボ』の買物をしているのと訳が違うよ
うです。
「さ、ニホンちゃん、次いこ・・・」
がしっ!という感じでベトナちゃんはニホンちゃんの二の腕を掴みます。
105有閑工房さいご:03/08/30 20:38 ID:X2xxKQpR
「つぎ?・・・次ってまだ行くの・・・?」
ニホンちゃんの心の内を読み取ったようにベトナちゃんはにっこり微笑むと、い
つもの調子で答えました。
「まだ、お魚しか買ってないもの。」
その日、『さいごん』市場では、女の子の悲鳴ともつかない叫び声がこだまし
たそうです。
「いやああああぁぁぁぁん!おうちかえるううぅぅぅぅーーーー。」

後日談
「あ、トル子ちゃんだ。」
「あらニホンちゃん。どこに行くの?」
「お家に帰るとこ。トル子ちゃんは?」
「『ばざーる』にお買物に行く所よ。ニホンちゃんもくる?」
「・・・」
 トル子ちゃんにはニホンちゃんの額にタテジマの線が出てきた錯覚にとらわ
れました。どうやら怯えているようです。
「?どうしたの?」
「そこって・・・、商品に値札ついてる?」
「え?確かについてるのもあるけど、殆どないよ?」
「・・・・・・いい。」
「?」
「やめとく。おうち帰る。」
「うん、別に無理にじゃないし・・・て、ちょっとニホンちゃん?」
ニホンちゃんは一目散に逃げてしまったとさ。呆然と見送るトルコちゃんが一言。
「・・・・・・へんなの・・・・・・」
106有閑工房かいせつ:03/08/30 20:40 ID:X2xxKQpR
※元ネタは
「サイゴンから来た妻と娘」/近藤紘一より。
同じネタから二作品は卑怯技かもしれませんが、ご容赦くだされば幸いです。
この人で私ご飯3杯はいけますんで………
元ネタはありますがストーリーは完全創作です。
ベトナムは戦争の恨みで周辺諸国から暫く干されていたため、経済の立ち遅
れが響いています。それに加えどこぞの大国がばんばか花火ぶち込んだので
インフラは絶無。今は日仏企業の進出やニホンのODAなどで一息ついてい
るようです。
かのドイモイ路線は市場開放というか先祖帰り現象に近い気がします。未だ
小売店よりも市場が強いお国柄で、ベトナちゃんのような駆け引きは当たり
前にやられている事と思います。というか、市場での駆け引きはカンコ君の
所からトル子ちゃんの所まで当たり前のように行われ、買物時間も今の日本
人からすると学校朝礼と国会中継くらいの差があると思います。他の家の買
物事情も絡めてはみたいのですが、詰め込みすぎは長文になるので止めました。
誰か書いてくれる事キボン。とか言ってみる。
ラストの「おうちかえる」はカンコ君の「アイゴォ」をもじって遊んでみま
した。そういやカンコ出てないな・・・カンコすまん。
今回は会話中心の形式としたので、少々長いですが、多少読みやすくなった
のではと思います。ご意見、ご批判、ご感想お待ちします。

追記:前回の『彼方からの手紙』にて参考文献にある近藤紘一氏の著作名間
違えていました。
(誤)「ベトナム・・・」→(正)「サイゴン・・・」
反省しますが、謝罪はそれなり、賠償はケンチャナヨーです。
それではまた。
107北極星:03/08/30 21:59 ID:yXHr8zBC
その女の子は碧なす黒髪をしていました。



どこまでも高い青空。ときおり吹く涼しい風。
騒がしく鳴き交わすセミの声はここまで聞こえてきます。
夏の陽光は眼底を灼きますが、給水塔の陰にはいるとひやりと気持ちいいのです。
地球小学校の屋上で――。

ニホンちゃんは手すりにもたれていました。

足元には校庭が一望できるのです。同級生がドッヂボールをしています。アウトになったカンコ君が
火病って、タイワンちゃんにつまみだされるのが見えました。


「ふう……」


ニホンちゃんの唇から深いため息が漏れました。
翡翠をあざむく漆黒の瞳。その目蓋の端に涙がたまるのです。ぬぐいもせず手すりの外にうつむくと、
真珠のような粒がぽろぽろこぼれました。
108北極星:03/08/30 22:00 ID:yXHr8zBC
「どうしたんだい? ニホンちゃん」

聞き慣れた声がしました。アメリー君が傍に来ています。
「屋上でひとりで泣いていると聞くじゃないか。どうした?」
「アメリー君」

顔をふせるとまた涙がたまるのです。アメリー君はしわくちゃのハンカチを出しました。
「ああ、そんなに泣くな。――きみに涙は似合わないよ?」
「…………」
「いやその」
マカロニーノ君の真似がすべって、アメリー君は赤面しました。


「とにかく、何があった?」
「だって」
「だって?」
返答はないのです。ニホンちゃんは軽く頭をふりました。
「話したくないならそれでいい。でもな、悩みってのは他人に話すと、意外と気が楽になるもんなん
だぜ?」
「…………」
「愚痴でいいからさ。聞かせてくれよ。おれは聞きたいな、きみの愚痴」

「……が」
「うん?」
涼しい風が通りすぎました。ながい黒髪が踊り、科白が吹き散らされて、アメリー君は少女の顔を見
上げました。
109北極星:03/08/30 22:01 ID:yXHr8zBC
「…………!」
「わっ」
いきなりニホンちゃんはアメリー君の胸に飛びこみました!
「ニ、ニホンちゃん?」
「……が、……さんが………」
「うん?」
細い肩がアメリー君の手のなかで震えました。
「どうした? なにがあった?」
「……レを、……に………」
切れ切れに漏らす言葉が嗚咽にかすみました。

アメリー君の胸に顔を埋めながら、ニホンちゃんはなにかを訴えるのです。
まるで濡れそぼった小鳥です。抱きついてくるニホンちゃんの身体から哀しみがとめどなく伝わりま
した。アメリー君は少女の頭を撫でました。

「よしよし、そんなに怖がらなくていい。おれがついてるから」
「…………」
「でもさ、なんでそんなに泣いてるのかだけでも教えてくれないかな。ここには誰もいないし、おれ
は絶対秘密にする――」
「…………」
「駄目かな」
明るい笑顔。ニホンちゃんは面をあげました。
110北極星:03/08/30 22:02 ID:yXHr8zBC
「……あのね」
「うん?」



「だって……>>1さんが勝手に新スレを立てたんだもの」



「えっ?」
>>1さんは前スレで1000getしたわけでもないのに新スレを立てたのよ。このスレは削除人さんに発
見されしだい消滅する運命なの。これまでの書き込みもすべて無駄になってしまう」
「……」
「なんて儚い運命なのかしら。そう思うと涙がとまらなくなって」
「……」
>>1さんに悪気はなかったのよ。ちょっとしたボタンの掛け違いだったと思うわ。でも」
ニホンちゃんは言葉を切りました。
大きな瞳に涙が浮かび……。
「それが……こんな大事になってしまって……」
111北極星:03/08/30 22:03 ID:yXHr8zBC
ニホンちゃんはアメリー君の胸で、ふたたび泣き出しました。今度は誰はばかることなく、声のかぎり
号泣するのでした。
(ああ、ニホンちゃん。きみは……きみは……)

同人板から来たのか……。

その言葉は、口にされないうちに泡のように消えました。
1000getした者のみが新スレを立てられるという同人板の鉄の掟。それに縛られているからといって、そ
れはニホンちゃんの罪なのでしょうか。
(そうだ、誰が彼女を責められるというのか)

「ニホンちゃん!」
アメリー君が力のかぎり抱き締めると、少女はびくりと震えました。
「ニホンちゃん、泣く必要はない。きみにはおれがついてる。だから泣くな。もう泣くな」
すすり泣くニホンちゃんに、意味のない慰めを続けるのです。

夏の日はどこまでも明るく、活気に満ちていて――。
そしてアメリー君は、ニホンちゃんを抱き締めることしか出来ないのでした。

               fin
112北極星:03/08/30 22:06 ID:yXHr8zBC
>>35
の地鎮祭ですが
「ちょっとあなた」「ム何故だおれ的には」「ああそうか」
までは確認しました。

あとは更級うどんさんの解説待ちですね。

もうすこし分かりやすい地鎮祭もうpしておきました。

たまには二つ地鎮祭があってもいいでしょう。
113 :03/08/30 22:45 ID:tIoTWLZF
>>95
ナイス。面白かったよ
114いなかもの:03/08/30 23:29 ID:DqCD3sAA
>>112
ごめん
115名無し丼:03/08/31 01:16 ID:TbvWwhCn
゙おうちかえるぅぅぅ!゙に思わず萌えてしまいました。
116\\\:03/08/31 01:35 ID:U+iAmUYX
117 :03/08/31 02:04 ID:J85+c24w
だいぶ前に地鎮祭キボンヌした者であります
作家の皆様方に多謝!
118七志野 :03/08/31 02:19 ID:2oTJ9DP9
>>116
中国の走狗、ビルクリントンが大統領していたころ、
マジで再占領化プログラムが発動しかけたらしい。
119 :03/08/31 08:34 ID:rFNQOdJv
>>95
面白かったけど"まんま"で捻りが少なかった。
"まんま"な行動しかとれない元ネタの国が悪いんだけど。(w
120 :03/08/31 09:33 ID:XSTU6ulC
>>97
よかったら有閑工房さんの6カ国協議ネタが読みたいです
121目次159:03/08/31 11:11 ID:/CuuQOg6
第1626〜1629話
>>30

第1630話「キナ臭さ、しかしそれに気づかぬ者」
>>32 ( >>33 解説)
第1631話「困りモソ」
>>37
第1632話「キノコ」
>>41-42 ( >>43 解説)
第1633話「かわいそうな……」
>>45-46 ( >>47 解説)
第1634話「彼方からの手紙」
>>50-60 ( >>61-63 解説)
第1635話「ガードマン」
>>70-73
第1636話「ニホンちゃん西遊記!」
>>75-76
第1637話「珍遊記」
>>86-87
第1638話「6角テーブル」
>>90-94 ( >>95-96 解説)
第1639話「買物天国」
>>98-105 ( >>106 解説)
122目次159:03/08/31 11:40 ID:/CuuQOg6

地鎮祭 >>35-36
地鎮祭 >>107-111
 
123名無し:03/08/31 17:55 ID:OXNu5/4P
CGIエラーでハン板に書き込めない machina ◆CnqNOeLs さんのカキコを転送しまつ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
>>121-122
目次たそ乙

   ∬
|>つ旦 インサムチャドゾー
124更科@反省中 ◆bc/WMtRnlQ :03/08/31 19:45 ID:u6m87Myy
>>121-122
乙です!

>>112
>「ちょっとあなた」「ム何故だおれ的には」「ああそうか」
>までは確認しました。

はい、それで全部でつ・・・。カッコ書きの一文字目から斜めです一応。
悪ノリし過ぎでつか分かりにくいでつかそうでつか(TД⊂)
125匿名:03/09/01 15:30 ID:NRT6QkH3
   「ハイテクトイレ」

※元ネタ 「化け物トイレだ!」日本のハイテクトイレ
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030820-00000003-wir-sci
マーシャル氏「トイレに近づくと、ふたが自動的に開いたんだ。そして前に立つと、便座まで持ち上がった。化け物トイレだ! としか思えなかった。次に何が起こるのかが怖くて、小用が足せなくなってしまった」


 日之本家にアーリアちゃんが遊びに来た
ニホン 「いらっしゃ〜い」
アーリア 「・・・お邪魔します・・・」
 お茶を飲みながら世間話をしたりする二人。お茶を飲んだものだから当然自然の摂理で小用を足したくなるアーリアちゃん
アーリア 「かわやを拝借したいのだが、場所はいずこであろうか?」
ニホン 「ええっとね、トイレの場所は・・・」
126匿名:03/09/01 15:32 ID:NRT6QkH3
何の疑いもなくお手洗いに入るアーリアちゃん。ユーロ、北米町での見慣れた洋式トイレ。ところが・・・
   がぱっ
アーリア 「か、勝手にふたが開いた・・・」
 しかも、アーリアちゃんがトイレに近づくと、
 センサーに反応して勝手に便座がせりあがった
アーリア 「ひとりでにせりあがりとは・・・」
 よくわからないものに対する疑念は誰にでもわく。
アーリア 「・・・何をちゅうちょしているアーリア!たかがトイレだトイレ・・・」
 震える足を無理やり進め、トイレに一歩一歩近づく
 アーリアちゃんは震える手でスカートを下げ、次に純白のぱんてぃーを下げ、おずおずと腰掛けた
アーリア 「・・・こわくない、こわくない・・・」
 震える手が脇にある小さなパネルのボタンに触れる。すると、霧吹きのように水しぶきが出始めた。 
 それは少しづつ強くなり始め、そのうち、しゅーしゅーと音が鳴り始めた。
 おしりが食べられるような気がしてアーリアちゃんは怖くなった。
アーリア (助けて兄者・・・)
 結局アーリアちゃんも用を足さずにトイレを後にした。
127匿名:03/09/01 15:32 ID:NRT6QkH3
ニホン 「あ、アーリアちゃん、おかえり。」
アーリア 「・・・」
 険しい表情でアーリアちゃんは戻ってきた。何かを耐え忍んでいるような表情だ
ニホン 「それでね、さっきの話の続きだけどさ、キッチョム君のマンギョンボン92号が・・・」
 アーリアちゃんは、もれそうなのを我慢するのに精一杯だった
アーリア (礼儀と規律の伝統を誇るゲルマンスキー家の人間として、この歳でおもらしなど・・・(赤面)
       絶対に許されない!)
 ニホンちゃんは、アーリアちゃんの険しい表情に気づかず、べらべらしゃべり続けた
ニホン 「・・・チューゴ君家で六人で話し合ったんだけどさ、予想通り結局何も決まらず・・・」
 ニホンちゃんのおしゃべりは続いた。アーリアちゃんには、一分が一時間に感じられた。
128匿名:03/09/01 15:33 ID:NRT6QkH3
ニホン 「・・・それでねそれでね、ウチの株価がなぜか上がってて・・・」
アーリア 「・・・」
 もはやアーリアちゃんは頭が真っ白だった。
ニホン 「・・・カンコ家でスポーツ大会をしたとき、キッチョム君が同じ顔の女のお人形をいっぱい持ってきて、
     カンコ君がそれにめろめろになったり、キッチョム君に謝罪したり・・・」
アーリア 「・・・んっ・・・あ・・・」
ニホン 「・・・日之本家の来年度の大まかな予算案が決まって、借金が30兆以上・・・ってアーリアちゃん大丈夫?」
アーリア 「・・・ハァ、ハァ・・・」
 アーリアちゃんはかすかに体を震わせ、顔はわずかに赤らんでいた
ニホン 「うちの近くに診察所があるから・・・」
 しかし、アーリアちゃんはまたをがっちりと両足でしめており、少しも体を動かせない状態だった
ニホン 「ほら、立って。近くの診察所に連れて行くから。」
 ニホンちゃんはアーリアちゃんの手を取り、引っ張っろうとした
アーリア 「・・・ハァ、ハァ・・・ん・・・や、やめて・・・そんなことしたら・・・で、出ちゃう・・・」
 ニホンちゃんはかまわずアーリアちゃんの手を引っ張った。アーリアちゃんの目にうっすらと涙が浮かんだ
アーリア 「お願い、やめて・・・ん・・・」
ニホン 「足がしびれて立てなくなったのかな?もっと力を入れて引っ張ってあげるよ。」
 そして、無理やりアーリアちゃんを立たせた
アーリア 「あ!そんなことしたら・・・出ちゃうよぅ・・・!はぅ・・・!」
 水門が開かれ、水があふれ出た
ニホン 「・・・」
アーリア 「・・・ぐず・・・」
 アーリアちゃんはその場でめそめそと泣き出してしまった
129匿名:03/09/01 15:34 ID:NRT6QkH3
アーリアちゃんは、日之本家のハイテクトイレが怖かったので用が足せなかったと正直に釈明した
ニホン 「わかった。おもらしのことは誰にも言わないから安心して。」
 ニホンちゃんから替えのぱんてぃーとスカートを借り、アーリアちゃんは家に帰った
 そして、一家そろっての食事のとき、ニホンちゃんはウチのハイテクトイレは他の家の人にとって使いにくいから何とかしたほうがいい  と言った
ジミン 「そうか。じゃあ、トイレを普通のトイレに戻すか。すぐに業者を呼んで工事させるよ。」

 後日、アーリアちゃんが菓子折りを持ってやってきた
アーリア 「・・・ニホン、この前は・・・その・・・」
 アーリアちゃんは赤くなってもじもじしていた
ニホン 「誰にも言ってないから大丈夫だよ。」
アーリア 「あ、ありがとう・・・」
 ニホンちゃんはアーリアちゃんを家に入れ、お茶を飲みながら談笑を始めた
 そして、アーリアちゃんはトイレに行きたくなった
ニホン 「あ、トイレなら普通のトイレに戻しておいたから安心して」
 アーリアちゃんは安心してトイレに向かった
 しかし・・・
アーリア 「なんだこれは・・・どうやって用を足すんだ・・・?」
 座る部分がないトイレらしきもの。ユーロ町の住人のアーリアちゃんは和式トイレなど知るはずもなかった
130匿名:03/09/01 15:34 ID:NRT6QkH3
 ニホンちゃんのところに戻ってきたアーリアちゃん
ニホン 「あ、アーリアちゃん、おかえり。でさ、さっきの話の続きだけどさ、北米町の停電でアメリー君とカナディアン君が・・・」
 アーリアちゃんは何かに耐えるような、険しい表情をしていた
 ニホンちゃんはそれに気づかずしゃべり続ける。アーリアちゃんは、かすかに顔を赤らめ、震え始めた
 またを両足でがっちりとしめている
アーリア 「・・・ん・・・ハァ、ハァ・・・」
131匿名:03/09/01 15:36 ID:NRT6QkH3
 ・・・一方、ところ変わって中華アパートにて
タイワン 「遊びに来たよ。」
チューゴ 「よく来たアル。ささ、中国四千年のお茶を好きなだけ飲みながら談笑でもするアル。」
タイワン 「まあいいけど・・・でも、なんでこんなにお茶があるの?」
チューゴ 「ワタシはタイワンの健康を考えて用意したアル。たくさんたくさんお茶を飲むヨロシ。」
タイワン 「・・・そういえばこのアパートのトイレってドアがないんだっけ。」
チューゴ 「トイレは廊下のつきあたりにあるアル。
       トイレに行きたくなったらムリして我慢することないアルよ。ハァ、ハァ・・・」
 バキッ!ズシャ!バキン!
チューゴ 「アイヤー!」
タイワン 「トイレに行かせてのぞき見しようなんて最っ低!」
132匿名:03/09/01 15:37 ID:NRT6QkH3
長くなってしまった。つまんなかったらごめんなさい。
元ネタが米国人のはずなのにアーリアタンを使ったのは自己満足の脳内妄想によるものですハァハァ
※ソース
「中国のトイレってドアがないってほんと?」
ttp://www.furai.co.jp/life/china/log/1.html
133 :03/09/01 16:24 ID:CFvEuNTc
>>132
面白かたYO。
なんかやらしいけど。(w

JOJOオタの俺としてはフランソワにして欲しかった。
「あら結構綺麗なトイレじゃない。」
「エレガントなワタクシとしてはトイレの汚いのだけは我慢できませんわ。」
 ・
 ・
 ・
ぎ・ぎにゃあ・・・キャー!
『どうしたの?』
「信じられない!トイレの中から、トイレの中から・・・タイワンちゃんが水を吹いているわ!!」
http://www.nikkansports.com/ns/entertainment/p-et-tp0-030817-0002.html
134名無しさん ◆B9.JhkARyE :03/09/01 22:32 ID:Yi3k7bbU
 >132
 今はかなり整備されているそうです。
135名無しさん ◆B9.JhkARyE :03/09/02 00:15 ID:lSJFPUc4
                  「ウリナラシアード」
 地球町では運動大会だけでなく子供達が主催して行われる運動会もあります。これの名を
『ゆにばーしあーど』といいます。運動大会程盛り上がりませんが町中の子供達が参加する
結構大きな大会です。
 今回はあのカンコ君が主催です。皆白い目で見ていますが決まったことはもう覆すことは
出来ません。早速キッチョム君の参加でもめましたがなんとか始まりました。
 「うちだと絶対に謝らないのになあ」
 「それにしてもキッチョムの人形・・・気持ち悪いな」
 皆の声なんてケンチャナヨ、まずはテコンドーです。
 「これは絶対にウリが勝つニダ!」
 しかし決勝戦でペルシャちゃんのネリチャギをまともに受けてしまいます。
 「弱っ・・・」
 しかしパパさんの判定は無効でした。息子の助っ人に来ているのです。
 「そんな、入ってるじゃないの!?」
 気の強いペルシャちゃんが昂然と抗議します。しかし判定は変わりません。最後には彼女
は泣いてしまいました。
 「こんなの・・・スポーツじゃないわ・・・」
 御昼御飯ですが頼んでいたハンバーガーとコーラが無くてアメリー君かんかんです。
 「キッチョムの奴がコーラ飲んでてなんで僕のは無いんだ!?」
 カンコ君の喉をつかんで詰め寄ります。その隣では当にキッチョム君が涼しい顔でコーラ
を飲んでいます。
 「そ、それは手違いニダ・・・」
 実は自分の家の料理を宣伝する為にハンバーガーを入れていなかったのです。その一方で
キッチョム君のコーラは確保していたのですから呆れます。
136名無しさん ◆B9.JhkARyE :03/09/02 00:16 ID:lSJFPUc4
「やっぱりこの判定はおかしいアルな」
 チューゴ君が顔をしかめます。得意の体操で点が取れないのです。
 「どうしてあの肥満した欠食児童のあいつが一番アルか」
 矛盾した設定のキッチョム君が表彰台に立っているのを苦々しい顔で見ています。
そこへとんでもない知らせが。
 会場へ移動中のタイラン君とマレーシア君達の自転車にカンコ君のパパさんの自
転車が衝突したのです。幸い怪我はありませんでしたが。
 「・・・少しは交通整理して欲しいな」
 そう言っている側からキッチョム君がごねだしました。もう大会そっちのけで文
句を言いまくっています。
 「兄さん、そんな我が侭言ったら困るニダ」 
 カンコ君が必死に宥めますが元々聞く耳持っていません。皆呆れた顔でその光景
を遠巻きに見ています。
 「ウリの主張が認められないニダか、じゃああウリは帰るニダ!」
 目玉(注:脳内ソース)の人形を持って帰っちゃいました。後にはぽつんと残され
たカンコ君とどうフォローしたらいいか困っている皆。
 「な、なじぇこういうことになるニダーーーー!?折角アボジにウリに有利にな
るような判定を頼んでお小遣いを奮発してもらってウリナラの名誉を伝えて一番を
独占するつもりだったのに・・・何故ニダーーーーーーーーーーッ!!」
 「結局それが本音かよ」
 そう、カンコ君気付かなかったけれど皆まだいたんですね。その皆に袋にされる
カンコ君でした。
137名無しさん ◆B9.JhkARyE :03/09/02 00:18 ID:lSJFPUc4
138 :03/09/02 01:01 ID:XrP3ynEP
>135-137
名無しさん確変?かなり面白く出来てますな。
139 :03/09/02 12:25 ID:Z2XN9zaV
>>「どうしてあの肥満した欠食児童のあいつが一番アルか」
>>矛盾した設定のキッチョム君が表彰台に立っているのを苦々しい顔で見ています。
・・・激藁。
140名無しさん ◆B9.JhkARyE :03/09/03 01:00 ID:cehj62Sm
                  「西遊妖猿伝」
 天界へ昇った孫悟空、『弼馬温』という馬の御守りを任じられますがあまりにも低い役職なの
で火病を起こしてしまいました。
 「もっと高い役職をよこすニダーーーーーーーーッ!」
 四海竜王達から武具を半ば強制的に貰い受け暴れ回ります。まずは崑崙山へ行き西王母の桃を
強奪です。
 「キムチ味じゃないが美味かったニダ。閻魔帳も書き替えたしこれでウリは不死身となったニ
ダーーーーーーッ!!」
 雲に飛び乗り天界へと戻ります。
 「これからはウリが天界の宗主ニダ、ウリに逆らう奴は皆折檻してやるニダーーーーーーッ!」
 方術まで使って大暴れです。ご馳走を喰い散らかし宮女達のスカートをめくりお酒を頭から被
ります。
 「ひょっとしてこれで出番終わりかYO!!」
 「こんな役しかないアルか!」
 「酒飲む暇もねえぞ!」
 「わたくしはどうなりますの!?」
 「馬鹿キャラ認定だけはさせませんことよ!」
 巻き添え食らって多くの天上人が下界へ落ちていきます。
 「ニダッハッハッハ、後は天帝をやっつけるだけニダな」
 高笑いを浮かべる悟空、しかしそこに強敵が。
 「待て、そうはさせんぞ!」
 
141名無しさん ◆B9.JhkARyE :03/09/03 01:03 ID:cehj62Sm
「ニダッ!?」
 見ればタイラン君扮するナタク太子とマレーシア君演じる二郎真君です。二人共豪華な
鎧と戦抱に身を包んでいます。BGMはキャシャーン。
 「どうしてBGM付きニダ!?」
 演出です。
 「天界を騒がす馬鹿猿め、我等が相手だ!」
 「帝には指一本触れさせん!」
 左右から悟空を取り囲みます。
 「ふん、面白いニダ、ウリに勝てると思っているニダか!」
 「戯言を」
 二人がにやりと笑いました。
 「喰らえ、乾坤圏!」
 太子がアッパーで竜巻を起こします。
 「受けてみよ、哮天犬!」
 孫二郎が懐から愛犬マハティ−ルを出します。
 「そんなものウリには通用しないニダ!」
 如意棒を振り回します。その風圧で口から出されるキムチ臭とエラからの電波が撒き
散らされます。
 「ぐっ、これは耐えられん・・・」
 「一時撤退だ」
 二人は止むをえなく退きます。
 「フン、口程にもない奴等ニダ、それでウリを阻む奴はいないニダな!?」
 「お待ちなさい」
 「今度は誰ニダ!?」
 そこにいたのはお釈迦様でした。イン堂君です。
 「♪悟空よ、それ以上の乱暴はお止めなさあーーーい♪」
 急に踊り始めました。何処からか仏達が出てきてそれに加わります。バックには乱れ飛
ぶ仏像。
142名無しさん ◆B9.JhkARyE :03/09/03 01:06 ID:cehj62Sm
「二、ニダッ!?」 
 あまりのことに悟空も呆然としています。
 「♪もしもと言うならば私のところにきなさあーーーーい♪」
 「・・・よくわからないが行ってやるニダ」
 雲を飛ばし向かいます。やがて四本の柱の前に来ました。
 「ここは世界の果てニダな。記念にウリの名前を書いてやるニダ。釈迦は何処行った
ニダ?」
 「♪私はここですよおーーーー♪」
 仏の団体を引き連れ出て来ました。 
 「♪悟空、それは私の指なのでえーーーす、貴方は私の掌を飛んでいただけなのでえ
ーーーーす♪」
 「ど、どういうことニダ!?」
 「♪貴方は確かに強い、ですがまだまだ井の中の蛙でえーーーーーす♪」
 何時の間にか頭から下が岩の中へ埋め込まれています。
 「♪これから五百年後五行山に三蔵法師という高名な僧侶が天竺へ経典を取りに行く
途中で通りがかりまあーーす、貴方はその弟子として経典と唐の国まで持ち帰りなさあ
ーーーーい、それまでは天界を荒らした罰としてその岩に埋めておきまあーーーーす♪」
 歌い終わると消えていました。
 「ふざけるなニダ、なんでウリが坊主についていかなければならないニダ、しゃ(略」
 ぼこっ
 黒子の鉄拳が炸裂。
 かくして悟空は五百年の間岩に埋められることとなりました。

 天界篇完。イン堂君怖いな。次回三蔵法師、八戒、悟浄登場です。今回はインド映画
と天空戦記シュラトが元ネタです。あと封神演義と餓狼伝説です。僕の作品はSNKの
ネタが多いな。
143_:03/09/03 07:51 ID:vLHJcEkB
>126
ここなんかどうだ
漏れのお勧め
ttp://www.geocities.co.jp/Playtown-King/6523/gulfwar_02_01.html
144無銘仁 ◆uXEheIeILY :03/09/04 23:43 ID:jCLtOX4r
 「またもゆんゆん!サヨックおじさん」

「さあ、今日はお隣のカンコ家について勉強しよう」
平和の戦士サヨックおじさん、今日も電波を飛ばします。被害にあうのは
またもや子供、こんどはどんな電波かと、不安な講義の始まり始まり。
(あいつ、子供たちに変なことを吹き込まなきゃいいが)
ふすまの向こうでジミンさん、心配そうに見守ります。

一人ひとりがテーマを決めて、順序正しく発表会。一番手にはウヨ君です。
「オレはカンコ家の生活を調べました。カンコ家のお金はうちとは違って、
『うぉん』といいます。500うぉんにはなんと硬貨と紙幣両方があります」
(おいおい、変造硬貨には触れないのか。……不安だ、不安だぞ)
「カンコ家の人はうちのG-SHOCKに似たC−SHOCKというのを
使ってます。両家には似たところもあるのです」
(武士、それは朴李というんだ。騙されちゃいかんぞ)
145無銘仁 ◆uXEheIeILY :03/09/04 23:43 ID:jCLtOX4r
気をもむばかりのジミンさん、成すすべもなく聞き入ります。
次の発表はニホンちゃん。テーマにしたのは一風変わり
キッチョム君との関係です。
「……それで、カンコ君とキッチョム君が殴り合いを始めました」
(キッチョム君の方が先に手を出したことは教えないのか……)
「運動会にも一緒に出て、近頃は兄弟の仲もうまくいってるみたいです」
(正気か、さくら。落ち着くんだ、どこをどう見たらそうなる)

「さて、それじゃアサヒちゃん、何か感想を言ってみなさい」
満足そうにおじさんは、講義のまとめにかかります。
「カンコ家を35年間も子分扱いしてたなんて、知りませんでした。
ひどいことをして、かわいそうです」
(……あんなに習って知らないというのか)
「ザイ君やザイニーちゃんは保険証を持ち歩かされているのもおかしい
と思いました」
(何かの時身分証明にでもなればと僕なりに気を使っているのに)

なんだか疲れたジミンさん、我が家の明日に思いを馳せて、
ひとり窓辺で夕陽を眺め、深くため息つきましたとさ。
146無銘仁 ◆uXEheIeILY :03/09/04 23:44 ID:jCLtOX4r
ttp://hij-hiji-e.oita-ed.jp/gakushu/2000/sougou/6nen/kankoku/sougou.htm
大分県のとある小学校の総合的学習、韓国マンセー気味の授業です。
隣国をよく知るというのは大切なことですけどね。
147KAMON  ◆9awzJSYC0I :03/09/05 01:11 ID:8XHWoKpL
>>146
ジミンパパのつっこみがいい感じです。

教育って恐ろしいですね・・・。
私は、保守的な土地柄のせいか、幸運にも日教組系の教師には今まで出会わなかったのですが(その代わり大学になってからぽつぽつ現れた)、
運が悪いとこういうのに当たってしまうわけですか。うーむ。

しかし、URL先を見る限りでは、この小学校は生徒に自主的に調査させているだけ「まだマシ」な方でしょう。
そして、生徒が手近の「日韓関係」を扱った文献で自主的に調査すれば大体URL先のような内容になると思います。
(まあ、日本有利な内容はダメ出しを食らっている可能性もありますが)
学校によっては、韓国から「語り部」を招いたり、逆に韓国に土下座行脚しに行ったりして、自分で調査するいとまも与えず洗脳教育するような処があるわけですから。
URL先にしても、「日韓関係クイズ」と称した部分に恣意的なものを感じますね。

悲しいのは、洗脳教育をするにしても、自主的に調査させるにしても、
「日韓関係」を調査すると決まった時点で既に結論は決まっているという点ですね。
148 :03/09/05 01:47 ID:QQWhfFNb
>>144-145
アサヒちゃんのさりげない電波も良いスパイスになっていると思います!

厨房の頃、日本史の教師に
「好太王碑文はニッテイが捏造したニダ。そこには本来、ウリミンジョクの
 輝かしい歴史が詰まっていた(はず)ニダ。ウリナラマンセー!!」と
授業をわざわざ一時間使って電波を飛ばされた経験がある・・・。
149名無しさん ◆B9.JhkARyE :03/09/05 11:22 ID:JyLy5qoi
 >KAMONさんへ
 僕のいた奈良県は被差別部落があったせいか日教組の力が強く洗脳教育やってましたよ。
勿論教師の暴力はOK,他の生徒の見てる前で教師に袋にされた友人もいます。まあ北朝鮮
の教育を理想としていた連中ですからね。
 大学にはいますね、そんな左翼。何とかのひとつ覚えみたいに我が国の悪口言ったり韓国
マンセーな輩。御前は一体どこの国の人間なんだ、しかもそういった奴に限って北と関係が
深い。ゴルゴムの協力者そっくり。
150名無しさん ◆B9.JhkARyE :03/09/05 11:25 ID:JyLy5qoi
                        「子猫」
 何やら皆ニホンちゃんの机の周りに集まっています。そしてきゃっきゃっと何枚かの
写真を見て黄色い声をあげています。
 「やっぱりウタダの声はいいよな。うちにいただけのことはあるよ」
 「僕はノリピーがいいアルな。いくつになっても可愛いいアルし」
 「女の子もいいけど男の子も悪くないわよ。あたしはカネシロが好き」
 アメリー君、チューゴ君、タイワンちゃんが写真を手にして笑っています。
 「その三匹他の家に行くこと多いのよ。これからも宜しくね」
 「ええ」
 「うちに来た猫じゃあ僕はアオシマが好きだな」
 タイラン君がちょっと耳が大きいけれど端正な猫の写真おとりました。
 「今度踊ってるのよ。楽しみにしてて」
 「わたしはカトアイ。最近元気なかったけど」
 ベトナちゃんがぽつりと呟きます。
 「ちょっとカナディアン君とこに行ってたのよ。また元気になったから安心して」
 大人びた感じのするすらりとした猫です。
 「けど皆猫が好きなんだなあ。ちょっと意外」
 自分家の猫が思ったよりも人気があるのでニホンちゃん少し戸惑っています。
 「可愛いいもん。あたしはジャニーズ猫も好きよ」
 タイワンちゃんにこっと笑って言いました。ジャニーズ猫とは若い雄猫をグループに
しているものです。
 「田野近、渋柿鯛、少年、光源氏、男組、忍者、東京、武威六、関西小僧、荒氏、色
々あるのよね。皆どれが好き?アサヒちゃんは光源氏と東京が好きみたいだけど」
 「マッチ、ヤックン、カッチャン、タッキーってとこかなあ」
 「関西小僧は両方とも平均点高いアルな」
 「あたしはサワ君と・・・マツオカかなあ」
 「わたしはヨッチャンとマエダ」
 「僕はバンジー。けど微妙にこれ書いている作者の趣味と被るね」
 「そんなことは決まっているニダ!」
 いきなりカンコ君が飛んできて話に入ってきました。
151名無しさん ◆B9.JhkARyE :03/09/05 11:28 ID:JyLy5qoi
 「カンコ君」
 カンコ君、実はニホンちゃん家の猫でお気に入りがあるのです。
 「猫といえばチョナンカンニダ、これより格好いい猫は他にはいないニダ!」
 この猫最近カンコ家へ入り浸りすっかりなついているのです。
 「チョナンカン?確かにいいけど格好いいかなあ。優しいイメージだけど」
 ニホンちゃんが言いました。
 「最近毛が薄くなってきた気がするけど」
 「あのままいくとやばいアルぞ」
 「そ、それは気のせいニダ。ケンチャナヨニダ」
 アメリー君、チューゴ君、それは言ってはいけません。
 「スケボーボーイズだとあたしはキムタクかなあ。やっぱり一番格好いいよ」
 「僕はシンゴちゃん」
 「わたしは・・・ゴローちゃん」
 誰か抜けてるような。まあいいか。
 「キムタクなんかチョナンカンの敵ではないニダ、あいつはちょっと足が短いニダ」
 カンコ君やけに必死にチョナンカンを擁護します。
 「ウリナラのユンソナに匹敵するのはチョナンカンだけニダ、他のジャニーズ猫もその他の猫
もウリは認めないニダ!!」
 「えっ、けどチョゴリちゃんは」
 チョゴリちゃんは学校でも指折りの猫好き、ニホンちゃんのところの猫には目がありません。
 「チョゴリは関係ないニダ、とにかくウリはチョナンカン以外は認めないし見たくもないニダ!」
 もう顔が真っ赤です。
 「なんでそんなに猫のことでこだわる?」
 皆首を傾げたその時です。
152名無しさん ◆B9.JhkARyE :03/09/05 11:31 ID:JyLy5qoi
「兄さーーーーーん、ちょっといいニダか?」
 ひょっこりとチョゴリちゃんが顔を出してきました。
 「チョゴリ」 
 「ウリがニホンさんから貰った写真返して欲しいニダ」
 「写真!?何ニダ?」
 「サクラバとフカキョン」
 「えっ!?」
 皆目が点になりました。サクラバはジャニーズ東京の猫、フカキョンは人気の可愛いい
雌猫です。かなり太いですが。
 「どういうことかな?カ・ン・コ・く・ん?」
 ニホンちゃんとベトナちゃん以外の皆があえて意地悪そうに尋ねます。
 「ウ・ウリにはよくわからないニダ・・・・・・」
 顔から冷や汗が流れています。視線が泳いでます。
 「兄さん、何処ニダか?早く返して欲しいニダよ」
 「・・・ウリの筆箱の中ニダ」
 「判ったニダ、悪いけど開けさせてもらうニダよ」
 クラスに入るとカンコ君の机へ行き筆箱を取り出し中から二枚の写真を取り出しました。
その間皆のカンコ君を見る視線の痛いこと。
 「じーーーーーーーーーっ」
 「じゃあウリはこれで失礼するニダ。あ兄さん、フカキョンにあれ以上肉食べさせたら
駄目ニダよ」
 「ふーーーーーーーん、チョナンカン以外は駄目だったんだあ。ふーーーーーん」
 横目で見るタイワンちゃん妙に嬉しそうです。
 「結局他の猫も好きなんじゃないか。ぷっ」
 「どうりでフカキョン最近丸くなってきたと思ったら」
 「アイゴオオーーーーー・・・・・・」
 頭を抱えへたれ込むカンコ君でした。
153名無しさん ◆B9.JhkARyE :03/09/05 11:32 ID:JyLy5qoi
154名無しさん ◆B9.JhkARyE :03/09/06 02:47 ID:ySbHxcB3
 ちょっと149の書き込みで弁明を。
 部落差別はなくなるべきですがそこに左翼勢力が入り込み自分の飯の種にしているのが現状なのです。
差別を利用しそれを隠れ蓑に己が思想を子供達に吹き込む教師も見てきました。口では民主主義を唱え
ていますがその実は北朝鮮の如き全体主義的教育を行っているのが日教組なのです。どれだけ無能で卑
劣な教師であってもお咎め無しでした。僕の見た教師は部活で生徒を袋叩きにしていました。普通なら
懲戒免職ですけどね。
 話をニホンちゃんに戻しますとそういった連中を見てきたので僕はニッキョーソ先生なぞという存在
はこの世界に絶対に書きたくありません。このキャラは僕の中ではいなかったことになっています。本
当にこのクラスの担任がフラメンコ先生でよかった。色々とまあ問題の多いというかギャグも凄いキャ
ラですが実に魅力的な先生です。この人も時々体罰やるけど何処かユーモラスですしね。日教組の暴力
は生徒を萎縮されPTSDを起こしかねないものもあります。本当に日教組なぞという閉鎖的で狂信的
な組織は解体すべきです。以上スレとは無関係なことのレス申し訳ありませんでした。
155七志野 :03/09/06 18:34 ID:K4drjU7/
>>154
隣の三重県にも県立学校の入試・県職員の採用にB・K枠が在って
「まちがってるだろ、それ」としか思えない状況があるんですが。(つД`)
156 :03/09/06 19:50 ID:mbKSEm5+
>>154
前々から思っていたんだが、名無しさん ◆B9.JhkARyE の物事に対する批判ぶりは実に徹底的で感情的だ。
日本の腐った左翼陣営や半島にさまざまな問題があるのはハン板住人なら誰でもわかっているが、
果たして、あえてここまでボロクソに叩く必要が人間としてあるのかというくらいしつこく叩いている。
敵にはこの上ない徹底した憎悪をもって容赦なく攻撃する。
まるで半島人のようだ。
157 :03/09/06 20:39 ID:bV9WwMqP
つーか、

「厨」

其の一言に尽きる。
158 :03/09/06 22:31 ID:xeFyiEIU
登場人物について、好き嫌いがあるのはある程度仕方ないとしても、
わざわざそれをしつこく書き込むのには閉口する。
お願いだから、それだけは止めてくれ。ものすごく気分が悪くなるから。

じゃ、見なけりゃいいじゃん、と言われるかも知れんが、
この人粘着な感じで書き込むんだもん。いやでも目に付いちゃうのよ。
159 :03/09/06 22:36 ID:EOUkqRJA
んじゃ簡単に
「ヤならNGワードに登録すれば?」
160_/_/_/_/_/:03/09/06 23:34 ID:CN+Z3NmZ
ほらほらおまいら、そーゆー話題は補完スレでやりましょうねー。

http://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=korea&key=1061482795/l50





て言うか、こっちでそんな叩きレスしてるのはソースもない番外編ネタをここで貼ってる彼の人と
カワラネーぞ。
161名無しさん ◆B9.JhkARyE :03/09/06 23:46 ID:ySbHxcB3
 >無銘仁さんへ
 日教組も何か二つの流れがあるのでしょうか。僕も素晴らしい先生には会っています。そういう
教師もいた、ということです。
 >machinaさんへ
 嫌いだから書かないのは登場させるとどうしても私情が入り作品が駄目になってしまうので。ナ
ナッシィさんも仰ってましたがもう少し離れて書けるようにします。
 >156、157、158さんへ
 しつこ過ぎました。以後書かないようにします。気分を害して申し訳ありませんでした。
 >醜男さん、160さんへ
 演劇ものは以前より本スレでありましたし17クールで僕は『竹取物語』書いてますし。補完用
のストーリーならネットカフェ等で書き込みます。ただ今は補完用の作品は書いていません。ネタ
が思い浮かばない・・・。あと西遊記のタイトルはこの作品を題材とした漫画から取っています。
特に深い意味は無いです。
162名無しさん ◆B9.JhkARyE :03/09/06 23:55 ID:ySbHxcB3
                   「悟空道」
 「岩に埋められた孫悟空、五行山で五百年の間罰として閉じ込められることとなりました」
 アテネちゃんのナレーションが響き渡ります。何時の間にか天女から女官の服に着替えて
います。
 「何が五百年ニダーーーーー、ふざけるな二ダーーーーーー」
 「経ちました」
 「・・・早いニダな」
 そこへ馬に乗った一人の僧侶が通り掛かりました。白い法衣に金の袈裟と頭巾、三蔵法師
です。演じるのはニホンちゃんです。
 「馬よ、ここまで来ると流石に静かですね」
 周りの景色を見ながら法師は言いました。
 馬から降りました。
 「さあ行きましょう。天竺はまだまだ遠くにありますよ」
 その前に大きな岩が現われました。
 「・・・岩!?」
 「岩じゃないニダ、ウリがいるニダ」
 岩の上から猿が首だけ出しています。
 「御前は何者ニダ!?」
 「唐の僧三蔵法師です。天竺へ御仏の経典を授かりに行く途中です」
 「三蔵法師ニダか!?早くウリをここから出すニダ」
 岩の上から叫びます。
 「・・・どうやってでしょうか?」
 「岩に触るだけでいいニダ、そうすればウリは出られるニダ」
 「では」
 法師が岩にそっと手を触れます。すると岩が見る見るバターの様に溶けていきました。
163名無しさん ◆B9.JhkARyE :03/09/06 23:57 ID:ySbHxcB3
 「やったニダやっと出られたニダーーーーーー!」
 悟空は大喜びで跳び上がっています。
 「あの、お猿さん・・・」
 法師がおずおずと尋ねます。
 「ウリは斉天大聖孫悟空ニダ。憶えておくニダ」
 「はい」
 法師の顔をちらちらと見ます。
 「御前よく見ると可愛いいニダな」
 「は、はい有り難う御座います」
 「気に入ったニダ、ウリのお嫁さんにしてやるニダ」
 そう言うとにじり寄って来ました。
 「あ、あの私は御仏に仕える身ですので」
 法師が引いています。
 「関係無いニダ、経典のことなんか忘れてウリと一緒になるニダ」
 「あ、あのそうするとストーリーが」
 「ストーリー?そんなのケンチャナヨニダ」
 どこっ
 岩をどけている黒子と法師の馬に思いっきり張り倒されました。
 「アイゴオォ・・・・・・」
 とりわけ白馬の蹴りは効いた様です。ぴくぴくとなっています。
 「あの、悟空さん?」
 床に倒れている悟空を心配そうに見下ろします。
 「・・・わかったニダ、天竺まで弟子としてお供させて欲しいニダ」
 「喜んで」 
 何時の間にか黒子に頭に輪を嵌められ法師の弟子として同行することとなりました。
164名無しさん ◆B9.JhkARyE :03/09/07 00:00 ID:RWdj2u2R
 「そして法師に新たに二人の弟子が加わりました」
 まずアメリー君が出て来ました。青い上着に白いズボン、手には馬鋤があります。
 「豚の化け物猪八戒」
 「何で僕が豚なんだーーーーーーーっ!」
 「そしてもう一人」
 チューゴ君登場です。緑の上着とズボン、手には宝杖を持っています。
 「河童の妖怪沙悟浄」
 「結局こんな役アルかーーーーーーっ!」
 二人共凄く不満そうです。
 「やっとメインキャラだと思ったら化け物かよ、つくづくろくな役がないな」
 「本当は僕の家の物語だから僕が主役の筈アル。何故脇役アルか」
 ぶつぶつと文句を言っています。
 「けれど二人共元々は天界の武将だったニダ。気にすることないニダ」
 悟空がフォローを入れます。
 「御前のせいで落っこちたんだろうが」
 「一体誰のせいでこうなったと思っているアル」
 得物で張り倒します。
 「アイゴオオ・・・・・・」
 「あの二人共私と行くのは嫌なのですか?」
 法師が哀しい顔で尋ねます。
 「いえ、御師匠様となら何処までも付いて行きます」
 「これも御仏の御導き命に替えても御守りするアル」
 「そうですか、よかった」
 法師はほっと微笑みます。
 (逆らったら頭の輪っか締められるもんな)
 (悟空だけだったのにアテネの奴、僕達が信用出来ないアルか)
 そりゃあこれだけ不満言えば。
 後ろには黒子が控えています。手に持つ万力やロープがやけに生々しいです。
 何はともあれ仲良く(何処が)一行、天竺へ歩を進めます。

 三蔵法師登場篇完。やっとレギュラー揃った。次回は金角銀角です。タイワンちゃんも出ます。
165名無しさん ◆B9.JhkARyE :03/09/07 00:18 ID:RWdj2u2R
 >醜男さんへ
 みにふろに書こうとするとまだ『ブラウザが変ですよん』と出るのでこちらで。何でだ!?
 そちら向けですかね、演劇ものはハイジとかシーザーとかあったしこちらだと思うのですが。
あと資料は最後に出します。しかしこのシリーズ長いな、原作は百話あるし。
166名無しさん ◆B9.JhkARyE :03/09/07 00:37 ID:RWdj2u2R
 >ポシンタンさん、無銘仁さんへ
 ソースは小ネタに使っています。例えばアメリー、チューゴ両君の原作にはない輪とか。黒子は
演出ですけどね。このソース(といっても皆さん既にご存知のものばかりですが)で危険な行動に走
るキャラもいます。今までだとイン堂君は仏教発祥(廃れてますが)なのと映画です。彼の国のあの
映画は凄い・・・。あと今回元ネタ滅茶苦茶多いです。
167名無しさん ◆B9.JhkARyE :03/09/07 03:00 ID:RWdj2u2R
 >machinaさんへ
 このシリーズは僕もどちらに書き込もうかずっと考えていました。今まで演劇物があったのと
今回資料やソースが多いのでこちらにしました。『子猫』の時より多いし。
 演劇といってもところどころにソースあるのを入れています。それも見つけていただけるとよ
いのですが。
168名無しさん ◆B9.JhkARyE :03/09/07 03:10 ID:RWdj2u2R
 >三毛さんへ
 御意見有り難うございます。実際僕もみにふろに書き込めない状況に困っております。どうもセキュリティの
問題らしいですが。本当にどうなったのか。もしよろしければどなたか原因わかる方お
られればいいのですが。今画像掲示板にも行けないのです。
 あとソースですが今のせます。ネタバレになるけど。
169名無しさん ◆B9.JhkARyE :03/09/07 03:15 ID:RWdj2u2R
170 :03/09/07 04:04 ID:oRYr8BSy
名無しさんからは、作家うんぬん以前に、人間としての常識の欠如が感じられる。
失礼ながら、本当に二十代ですか?
そして、社会人ですか?それとも学生ですか?
171 :03/09/07 09:19 ID:auQgnGnL
>名無しさんへ

もし、ウイルス対策にノートン様をお使いなら、同じトラブルが発生した事があります。
その際、いろいろ実験してみた所、プライバシー制御を無効にすると書き込めるようになりました。
・・・・・・でも本当にそんなことして良かったのか、もう分かりませんが(藁

ちなみに、書き込めなくなる直前に、何かインストールとかしたかどうか、
参考までに思い出してもらいませんか? それが原因かもしれませんし、
それが分かればトラブル解決の糸口になるかもしれませんから。
といいつつ、漏れは多分答えられない(藁
172 :03/09/07 16:00 ID:7ORd+lEa
もういやだ。どうしてネット上でも子守しないといけないの!?
173目次160:03/09/07 17:17 ID:zVFNVR5b
第1630〜1639話
>>121

第1640話「ハイテクトイレ」
>>125-131 ( >>132 解説)
第1641話「ウリナラシアード」
>>135-136 ( >>137 解説)
第1642話「西遊妖猿伝」
>>140-142
174目次160:03/09/07 17:17 ID:zVFNVR5b

第1643話「またもゆんゆん!サヨックおじさん」
>>144-145 ( >>146 解説)
第1644話「子猫」
>>150-152 ( >>153 解説)
第1645話「悟空道」
>>162-164
175 :03/09/07 17:53 ID:/hGpLGmp
目次さん乙〜

  ◇ミ
|>ノ <最中ドゾー
176有閑工房1:03/09/08 21:27 ID:g3Bryfxd
『釣りに行こう!前編』

「こんど皆で釣りに行くアル!そんでもってアジア班の親睦を深めるアル!」
いつになく営業口調でチュウゴ君が言い放ちました。ここのところ半島兄弟
のごたごたで(いつものことではありますが)ギクシャクしているアジア班。
リーダーの自覚あふれるチュウゴ君はこれではいけないと一念発起し、皆で
釣りを通じて親睦を深めることを思いつきました。
 勿論誰も利益の無い気苦労な提案をするチュウゴ君を、言葉どおりの善意
の人と受け止めはしません。しかし、誰にも万事都合がいいのでそのまんま
任せることにしました。
汗まみれになって敷地内の池の手入れや道具の準備をし、参加呼びかけに精
力的に動き回るチュウゴ君。どうやら幹事役が結構好きなようです。
キッチョム君、カンコ君には体を張ったコミュニケーションで参加を取りつ
け――とはいえキッチョム君は、後先考えずにわがまま放題言い散らかしま
したが。――、渋るアメリー君にも頭を下げて参加を約束させました。ロシ
アノビッチ君は、
「えー?オレ関係ねえジャンか。」
 などと酔いたんぼうの赤ら顔で嫌がられましたが、『お隣さんアルから。』
ということでこれまた参加に成功しました。
『まあこんだけやってやればあのヒッキーも大人しく話を聞くアルな。…途
中で席立ったら、お仕置きどころの話じゃ済まさないアルしな…フフフ。』
疲れはしましたが、思い通りに事が運んだ充実感と共にチュウゴ君は家に帰
りました。しかし…
「あ、お帰りなさーい。」
家の中に居る筈のない声を聞いてチュウゴ君呆気にとられます。
177有閑工房1:03/09/08 21:27 ID:g3Bryfxd
『釣りに行こう!前編』

「こんど皆で釣りに行くアル!そんでもってアジア班の親睦を深めるアル!」
いつになく営業口調でチュウゴ君が言い放ちました。ここのところ半島兄弟
のごたごたで(いつものことではありますが)ギクシャクしているアジア班。
リーダーの自覚あふれるチュウゴ君はこれではいけないと一念発起し、皆で
釣りを通じて親睦を深めることを思いつきました。
 勿論誰も利益の無い気苦労な提案をするチュウゴ君を、言葉どおりの善意
の人と受け止めはしません。しかし、誰にも万事都合がいいのでそのまんま
任せることにしました。
汗まみれになって敷地内の池の手入れや道具の準備をし、参加呼びかけに精
力的に動き回るチュウゴ君。どうやら幹事役が結構好きなようです。
キッチョム君、カンコ君には体を張ったコミュニケーションで参加を取りつ
け――とはいえキッチョム君は、後先考えずにわがまま放題言い散らかしま
したが。――、渋るアメリー君にも頭を下げて参加を約束させました。ロシ
アノビッチ君は、
「えー?オレ関係ねえジャンか。」
 などと酔いたんぼうの赤ら顔で嫌がられましたが、『お隣さんアルから。』
ということでこれまた参加に成功しました。
『まあこんだけやってやればあのヒッキーも大人しく話を聞くアルな。…途
中で席立ったら、お仕置きどころの話じゃ済まさないアルしな…フフフ。』
疲れはしましたが、思い通りに事が運んだ充実感と共にチュウゴ君は家に帰
りました。しかし…
「あ、お帰りなさーい。」
家の中に居る筈のない声を聞いてチュウゴ君呆気にとられます。
178有閑工房2:03/09/08 21:27 ID:g3Bryfxd
「ニホン、ここで何してるアル?」
「え?何って遊びに来たんだよ。」
「もう夕方アルぞ!時間を考えないなんて失礼アル!大体約束もしないで来
ること自体がおかしいアルぞ!」
「えー?今日学校でちゃんとチュウゴ君にお願いしたよ?」
しれっと答えるニホンちゃん。いつもの叱られた子犬のような態度とは違っ
ています。おまけに白装束に鉢巻姿では、遊びに来た訳がありません。しか
も鉢巻には『ヨリコ 跳ぶ!』なんて事が書かれています。
学校での事を思い返すチュウゴ君。確かにニホンちゃんとそういう約束はし
たかもしれませんが、ハッキリ言って覚えていません。何せ数日後になった
釣大会のことで頭が一杯でしたから。
疲れていた上面倒くさくなったチュウゴ君、単刀直入に切り出します。
「で、何の用アルか?どうせ遊びに来た訳じゃないアルな?」
「うん、実はね……」
待ってましたとばかりに説明を始めるニホンちゃん。それからチュウゴ君は
2時間8分に渡ってニホンちゃんから今度の釣大会に参加したい参加したい
参加したいと延々言われ続け、燃え尽きて真っ白になったところで遂に折れ
てしまいました。実はチュウゴ君、キッチョム君がニホンちゃんの参加は絶
対嫌だと言い張った為に『ニホンは参加させないアル。』と約束していたの
でした。
「判ったアル判ったアル…ニホンの席も用意するあるから今日はもう帰って
欲しいアル…」
ごねるキッチョム君を思うと暗澹たる気分のチュウゴ君、珍しく本気の懇願
です。
「ありがとー!やっぱりチュウゴ君はアジア班の頼れるリーダーだねっ!」
179有閑工房3:03/09/08 21:29 ID:g3Bryfxd
「お世辞はいいアルから早く……」
「それでねっ!釣のときにキッチョム君ちにいるうちの子猫ちゃんたちのお
話していい?いい?ねえいい?」
「それは今回と関係ないアル。その話はまた明日にでも…」
ニホンちゃん止まりません。更にそれから1時間以上もの間、チュウゴ君は
1.5秒に1回の割合で『ネコ』か『子猫』の単語を聞かされ、もうどうでも良
くなってニホンちゃんの言うがままになってしまいました。
『おかしいアル、幹事ってこんなに大変だったアルか?太平洋池の親睦会の
ときはこんなこと無かった筈アル……大体ネコなんてペットじゃなくて食べ
物アル、なんであんなにこだわるかわからんアル…』
哀れチュウゴ君。合掌…

「それでねえ、チュウゴ君!」
「アイヤァァーーーー!もう勘弁してくれアル!」
ニホンにはしのごの言わずしばらく大人しくしよう。そう心に誓うチュウゴ
君でした。
     *
さて、当日。肌の色艶の良いニホンちゃんと、土気色の肌の肥満児キッチョ
ム君。そして『ネコ』と聞いただけで黙り込んでしまうほど憔悴しきった4人
とで楽しい釣大会が始まりました。
アメリー君持参の釣道具をおもむろに取り出し、解り易く用意してあったチ
ュウゴ君謹製の釣道具には目もくれません。ロシアノビッチ君は一度池に投
げ込むと、さっさと竿を固定してしまい、ウォッカを煽って昼寝を始めます。
どうやら何も期待していない様子。
180有閑工房4:03/09/08 21:29 ID:g3Bryfxd
我等が半島電波兄弟はと言いますと、これまた竿には目もくれず底引き網の
設置を始めるカンコ君と、釣そっちのけでアメリー君相手に友達になろうと
必死こいて叫んでいるキッチョム君…アメリー君は無視を決め込んでいます。
あ、耳栓してますね。
そうでなくても今日に至るまで脳内補完てんこもりの毒電波を参加者に対し
てばら撒いていたキッチョム君。返ってくる返事は、
「煩いなあ…それより猫返してっ!」
「昼寝の邪魔だ!黙ってろ。」
「YES!YES!……Oh!No! Jesus Crist!」(←全然聞いてないと思われます。)
といったものでした…。
『くっ…予想していたとは言え何アルかこの纏まりの無さは…アメリーはさ
りげに人の好意を無視するし、ロシアノビッチはフテ寝してるし、カンコは
勘違いしているし、キッチョムは相変わらずだし…ニホンには今関わりあい
たくないし…。ああもうっ!あの勘違い野郎をとっちめて憂さを晴らすアル!』
言うが早いか、チュウゴ君、カンコ君に忍び寄ります。
「カーーーンーーーコーーー!!!」
「ア…アイゴーーーーー!!!!!な、なんだか判らないニダがごめんなさ
いニダーーーー!!」
 さてさて、この後どうなることやら…
181有閑工房5:03/09/08 21:32 ID:tk6NY+9G
『釣りに行こう!後編』

 さて、カンコ君が無意味に東風爆裂拳を食らってしまうアクシデントがありま
したが、会も中盤、昼のお食事会になりました。チュウゴくん心血を注いだメニ
ューとみんなをリラックスさせようと選んだお部屋の調度品、全てが目的は別と
して真心の表れであります。
 しかし、集まった猛者はそんなことお構いなしです。カンコ君は歓談そっちの
けで料理を漁りまくり、あまつ窓辺の飾り物の間に料理を並べまくって食べてい
ます。どうも本題を半万年彼方に忘れてしまったようです。
『こいつの品性は小皇帝にも劣るアル…』
 校舎裏に呼ぶ気も失せて、他の参加者を眺めます。
 ロシアノビッチ君は出された青島ビールに飽き足らず、チュウゴ君がパパから
ディスプレイに借りてきたマオタイ酒に目をつけると、有無を言わせずラッパ飲
みをはじめます。チュウゴ君流石に一瞬青くなりましたが、もう止めても無駄だ
と悟りました。
 アメリー君は全てを無視しつつヘッドホンでCDを聞きながら陽気に部屋を闊歩
しています。その後から抜け目無く料理を食べつつ(しかも持ってきた袋に料理
を流し込みながら)キッチョム君がアメリー君に付き纏っています。
 更にその後から、猫耳のヘアバンドをつけたニホンちゃんが
「♪にゃにゃんにゃにゃにゃんにゃにゃにゃんにゃにゃにゃにゃ♪にゃにゃにゃ…♪」
 と歌いつつ、キッチョム君が隙を見せるたびに執拗に猫返せ猫返せと言ってい
ます。端から親睦なんてありえないとチュウゴ君は思っていましたが、流石にこ
れは想像を絶する様でした。本来聞き役に徹して貧乏くじを引いているニホンち
ゃんがこの状態なのは主催者にとって大誤算です。つまるところその貧乏くじを
引かされるのは…
182有閑工房6:03/09/08 21:33 ID:g3Bryfxd
「朕……アルか?」
はいご名答。
「でも幹事さんはそれなりに甘い汁があるものアル。」
チュウゴ君、それはこの濃ゆい面子をみて考えましょうね。
『あああああああああ、何か納得いかないアル。何で朕ばっかり苦労しているア
ルか?それもこれもニホ…はっ、いかんいかん、朕ともあろうものが我を失って
あの馬鹿と同じになるところだったアル。しかし、ニホンがあれでは落とし所が
難しいアルな…』
 好意を悉く仇で返されるチュウゴ君ですが、そこは東洋一の作り笑顔で無難に
ごまかし、みんなを釣り場に追い払いました。みんなが出て行った後の食事会の
会場を、チュウゴ君が寂しそうな目で眺めたのは秘密です。
   *
「チュウゴ様、ウリに池の魚を恵んでほしいニダ。実はアポジに池の魚を根こそ
ぎ持って帰るって約束したニダ。このとおりウリはチュウゴ様に一生仕えるニダ。
だからウリの願いを聞いてほしいニダ…」
 釣りが始まるなりカンコ君がチュウゴ君の足に取り縋り、言葉に出来ぬ哀れさ
で懇願します。しかし元々半島の二人に対しては虫の居所が悪いチュウゴ君、願
いを聞く訳はありません。
「泣き真似をして天国にいけるのは死人だけアル。カンコがその覚悟があれば願
いを聞いてやるアル。どうアルか?」
 顔はにこやかに、目はゴビ砂漠よりも苛烈にチュウゴ君は聞き返します。それ
で虚勢を張れるほど根性の据わっていないカンコ君はすごすごと引き下がりまし
た。
183有閑工房7:03/09/08 21:34 ID:g3Bryfxd
 チュウゴ君は釣り場を眺め渡しますが、やはりというか釣果は皆芳しくないよ
うです。というか、端から誰も釣れるなんて思ってはいませんし、取り敢えず花
火抱えているヒッキーを皆の前に引きずり出すのが目的みたいなものでしたから、
それはそれで成功と言えなくもない気がします。
『まあこのまま無事に終わってくれればそれでいいアル…』
 溜め息混じりにチュウゴ君は思いました。
 やがて夕方近くになって釣り大会は終わり、チュウゴ君は労いの言葉を皆にか
けて廻ります。
「まあ釣りはいいとしてだなあ、俺また来なきゃいかんのか?」
 飲んで昼寝していただけのロシアノビッチ君ですが、やはり面白くない様子。
「キッチョムに睨みが効くのはロシアノビッチだけアル。いるだけで大切アル。
次もぜひ来て欲しいアル!」
 そこまで言われて少し機嫌を直したロシアノビッチ君、ニホンちゃんを避けて
帰ります。
「……カンコ。」
「な……何ニダかチュウゴ様。」
「小魚はちゃんと池に返すアル。食べもしないのにもって帰るのは許さないアル。」
「わ……わかったニダ。必ずそうするニダ。」
小さくアイゴォと呟きながら、カンコ君は一目散に池にとって返します。
「ようチュウゴ、ごくろーさん。」
「アメリーも良く来てくれたアル。お疲れさんアル。」
「俺もう帰るぞ。あのヒッキーに付きまとわれてかなわん。」
「いいアルいいアル。また次もよろしく頼むアル。」
「えー、次もやるのかよ。」
184有閑工房8:03/09/08 21:35 ID:g3Bryfxd
「そういわずよろしく頼むアル。」
「ちっ、めんどくせえなあ。まあいいけどまたお前んちでやれよ。じゃあな!」
返事も聞かずアメリー君は帰ってしまいました。今、『またチュウゴが幹事やれ』
と言った気がしてチュウゴ君は頬が引きつっていますが、多分そう言いました。
「あ、キッチ…」
「キッチョム君お疲れー!」
キッチョム君にチュウゴ君が声をかけた瞬間、縮地法で近付いてきたニホンちゃ
んが割り込みました。ニホンちゃんさりげにキッチョム君の背中で右腕をねじり
上げています。
「イタタタ!な…何ニダか!今日のニホンはしつこするニダ!そんなんじゃまだ
まだ謝罪と賠(略)」
ニホンちゃん、朗らかに聞き流していますが、全然話を聞いていないのは丸分か
りです。
「それでネ、キッチョム君」
「二……ニダ?」
ずいっとキッチョム君にニホンちゃんは顔を寄せ、口元だけ笑ってキッチョム君
に言い寄ります。
「早く、子猫ちゃん、返して、欲しいんだけど?」
「か……考えておくニダ…」
流石のキッチョム君もあまりのしつこさにとうとう折れてしまいました。
チュウゴ君は話に割り込まれたのは不快でしたが、ちょっぴりキッチョム君に同
情もしています。今回のニホンちゃんはあまりに普段と違いすぎましたから…
キッチョム君からそれだけ聞き出すと日本ちゃんは満足そうに引き下がりました。
そして隣で固まっているチュウゴ君に優しくねぎらいの言葉をかけます。
185有閑工房9:03/09/08 21:35 ID:g3Bryfxd
「チュウゴ君お疲れ様。色々気遣いしてくれてありがとね!」
ニホンちゃんの苦労が一瞬消し飛ぶような微笑で、チュウゴ君はにへらーと笑っ
て手を振ります。―――何か全てを誤魔化されたような気もしましたが―――
『これで…これで良かったアルか?』
単に『終わった』以上の感慨が無いのは気のせいなんでしょうか?再びやってき
たカンコ君が足元にいますが、チュウゴ君は何も見えなかったように家に引き返
してしまいました…。取り残されたカンコ君、一体どうしていいかわかりません。
カンコ君、それじゃいつものよーに
「アイゴォォォーーーーーーーーーーー!!!」
ハイ良く出来ました。

それからお家に帰ったニホンちゃん。家では相変わらずアサヒちゃんやシャミン
ちゃんが電波を飛ばしまくりましたが、どうせ絵に書いた餅程度の価値しかない
ので黙殺する事にしました。子猫奪還大作戦はこれからが大変でしょうが、ニホ
ンちゃん頑張ってくださいね。

おしまい
186有閑工房かいせつ:03/09/08 21:38 ID:g3Bryfxd
解説・詭弁・其他諸々
皆様こんにちは。6カ国協議ネタキボンという言葉につられてまんまとうPしてし
まった有閑工房です。
元ネタは言うまでも無く6カ国協議ですが、ソースは特に表示しません。ネットも
新聞も2chも出来るだけ見ましたが、話が複雑な分内容はある程度絞りこまさ
せていただいています。
※先ずはチュウゴ君の幹事ぶり。今回は涙ぐましい限りです。このメンツで幹事
やるなんざサミットよりもキツイかも…。そんでもってこねこ電波全開のニホン
ちゃん。凄かったなあ今回は。ヨリコさん、シシローおじさんみんな総出でこね
こ言いまくってたもんな。あと籔中さんカッコええなあと素直に思いました。
※釣果は言わずもがなですが核問題の例えです。端からどの国も坊主覚悟でした
から釣果ゼロでしたね…カンコ君の底引き網はちょっと創作入っています。何か
その位やりかねん気はしますし…米中のブラフでそれどころではなかったかもし
れませんが。……しかし、影薄かったなあカンコ。
※ニホンちゃんがにゃんにゃん歌っているのは懐かしの「アジアの純真」です。
語呂で作ったとしか思えない歌詞ですが、出てくる地名がえらく物騒だなあと思
った…だけです。

あー最後は尻切れとんぼだな。もう少し推敲すべきか…批判・感想ささやかにお
待ちしています。
187有閑工房:03/09/08 21:47 ID:g3Bryfxd
あーー、二重投稿しちゃった・・・みなさんすんまそん。今日は帰りますだ。
188 :03/09/09 02:14 ID:BrEn99sF
あなたたち、正気ですか?
こんな5歳児の苛めですね。レベル低すぎて
笑えますね。在日はでももう少しシビアないじめにも耐えてきたので
こんなものは
189.:03/09/09 02:22 ID:KN24zwdO
>>188
Σ( ̄□ ̄;
190 :03/09/09 04:03 ID:sIMudBnH
>>188
>あなたたち、正気ですか?
>こんな5歳児の苛めですね。レベル低すぎて
風刺には風刺する対象を低く貶めるかのような表現がされていたり、(主な登場人物が小学生等)
欠点は誇張して書かれること(カンコ君自爆等)が多々ありますが、ソースを提示することで、一応現実を反映していすます。
現実の欠点を指摘されることが、あなたにとっていじめなのですか?

>笑えますね。在日はでももう少しシビアないじめにも耐えてきたので
>こんなものは
大いに笑って下さって結構です。それも風刺の楽しみ方です。ユーモアセンスは多少は持ち合わせた方が良いと思われます。

ちなみに>>188>>176-187に対するレスならば少しソースを出して置こうと思ったので張っておきます

"北, 戦争準備中断して経済主力を" フジンタオ, 金正日に '警告' CNN, 6者会談背景報道
ttp://korea.hanmir.com/ktj.cgi?url=http://www.joins.com/internatio/200308/25/200308252116082571160016101613.html
「中国が北朝鮮の政権交替に乗り出すべき」
ttp://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2003/08/26/20030826000023.html
韓国は「置之度外」
ttp://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2003/08/26/20030826000016.html

米中は半島2カ国に対して厳しい様です。

【6カ国協議】専門家の座談
ttp://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2003/08/29/20030829000062.html

それに対して韓国は少々当事者意識が欠けているというか・・・・。
191KAMON  ◆9awzJSYC0I :03/09/09 10:48 ID:UDrpKouQ
「アテナちゃん」

「・・・というわけで、人間の中で一番大事なのは、『理性』だと思うの。
その点ニホンちゃんは安心よね。何をされても最後まで『理性』を貫くから。
・・・まあ、隣がああだと嫌でもそうなるのかもしれないけど(笑。
この『理性』に関してアリストテレスは・・・うんたらかんたら・・・
・・・万物の根源とは・・・うんぬんかんぬん・・・」

お昼休み、教室の片隅で、ニホンちゃんとアテナちゃんが哲学談義中。
・・・と言っても、口角泡を飛ばしているのはもっぱらアテナちゃんで、
ニホンちゃんはさっぱり訳が分からないと言ったご様子。

アテナちゃんは、クラスで一番の物知り。
深刻な悩み事があった時、彼女に相談すると的確な助言を得られるのですが、
時々こういった小難しい論議をふっかけられるのが困りもの。
本当は窓の外の円陣バレーに加わりたいのに、
NOと言えないニホンちゃん、なし崩し的に彼女の餌食に。
192KAMON  ◆9awzJSYC0I :03/09/09 10:49 ID:UDrpKouQ
「Bonjorno! 哲学に関しては僕も興味があるな、アテナちゃん!
・・・どうだい、週末にでも僕と愛の哲学について語り合わないかい?」
突然マカロニーノ君が割って入ります。アテナちゃんは露骨に嫌〜な顔。
「・・・アリストテレス哲学的観点から言えば、ナンパは哲学の範疇に含まれないわよ?」

図星を突かれたマカロニーノ君、ターゲットを変更。
「ニホンちゃん、僕と愛の哲学について・・・」
「そんなことより、拉致の哲学について語り合わない? 特にお隣のヒッキーについて・・・」
「う゛・・・え、遠慮しておくよ・・・はははは・・・」
最近のニホンちゃん、なんだか確変したみたいで、寄ると触るとキッチョム君と拉致の話ばかり。

「こら! 昼休みは校庭に出て遊びなさい!」
フラメンコ先生が教室に入ってきました。
『だって今、「拉致「哲学「愛 について語り合っていたのに・・・』
厳密に言うと、誰も語り「合って」はいません。
193KAMON  ◆9awzJSYC0I :03/09/09 10:49 ID:UDrpKouQ
「まったくもう・・・。
・・・あ、ところでアテナちゃん、運動会の準備は進んでるの?」
「ぎくぅっ!」
そう。アテナちゃんは、運動会の実行委員なのでした。
「・・・まさか、まだ出来てないとかいうんじゃ・・・?」
フラメンコ先生、優等生のアテナちゃんにも容赦なくキレかかります。

「・・・半角板住人が蓮乳画像を踏むという現象をソクラテス哲学的観点から・・・」
「今更な話題で話を逸らさない!」
「プラトンの哲学的論理を解釈すれば、運動会には間に合う速度で準備は進めている・・・と・・・思います・・・多分。」
「フラメンコ哲学的観点から述べるとどうなの?」
「・・・多少・・・遅れています。」
「多少遅れていますじゃない! もう時間がないのよ!
公欠扱いにしてあげるからとっとと準備に行ってきなさい!」
「はいいいいいいいい!」
フラメンコ先生の剣幕に、アテナちゃんは脱兎の如く走り去っていきました。
194KAMON  ◆9awzJSYC0I :03/09/09 10:59 ID:UDrpKouQ
KAMONです。
気が付けばアテネオリンピックまであと1年。そろそろアテナちゃんの出番といったところですか。
書いてから気づいたのですが、彼女、慣例では「アテネちゃん」ですね。統一すべきでしょうか?

今回のソースは、アテネオリンピックの準備がまだ出来てないYO!というIOCの悲鳴から。
スタジアムも基礎しか完成していず、いまだに鉄道すらひかれていない状況だとか。
劇中のアテナちゃんとは違い、ギリシア人達はあまり気にしていないようですけど。

おまけ:
マカロニーノ「運動会のことなら、今度冬の運動会の実行委員をやる僕と語り合わないかい? ついでに愛の哲学について・・・」
アテナ「昔、私んちを荒らして運動会を潰したくせに、よく言うわよ。」

ちゃんちゃん。
195KAMON  ◆9awzJSYC0I :03/09/09 11:04 ID:UDrpKouQ
>>186
有閑工房さん乙!
各国の立場とニホンちゃんの一生懸命さがよく出ていて、面白かったです。
猫耳ニホンちゃん萌えー。

>>188
「あんまも」ですか。分かりました。
すばらしいですね、「あんまも」。
196:03/09/09 15:19 ID:nQjy9KcN
ニホンちゃんのがんばりに萌えです。職人様方、ゴチ…じゃないや、乙です!
197安崎上葉 ◆giKoK4gH6I :03/09/09 20:03 ID:UDjeCSHr
>>186
それにしてもニホンちゃんの性格が1クール目の頃ととえらく違ってる気が・・・(w

時代が動いてる証拠ですな。
198 :03/09/09 21:16 ID:D3WgWUkV
カンコも丸くなった・・・・・を通り越して、しおしおになった(w
199無銘仁 ◆uXEheIeILY :03/09/09 21:58 ID:8dCsenQf
 「こんなウヨ君は嫌だ」

「お兄様、早く例のものをとってきて。お・ね・が・い」
「まあまあ、朕も何度か奪取を試みてるから、も少し待つヨロシ」
香ちゃんがほしがっているのは尖閣ぱんつです。身が引き締まる
という、いわくつきのぱんつなのです。
「あれを穿けば全世界から注目を浴びる美少女になれるのよ」
すっかり恍惚に浸りきっている香ちゃん。一方……
「チューゴ君やタイワンちゃんに取られたら嫌だなぁ」
「この前もチューゴのやつが忍び込もうとしてたよ。今度来たら
叩きのめしてやる」
所有者のニホンちゃんより弟の方が怒っちゃっています。

ところ変わって新潟の間では、軒先の池にキッチョム君のボート、
「マンギョンボン」が、接岸してきました。引きこもりのキッチョム家と
唯一交流できるのはこのボートだけなのです。でも、ウヨ君がなぜか
怒っています。どうしたんでしょう。
「あの船を使って色々盗んでったんだぜ。くそっ」
まだ幼いというのに、この調子では血圧が上がりそうで心配です。
狂えるウヨ君は拡声器で声高に接岸反対を叫びます。近所に
迷惑がかかろうとお構いなしです。いやあ、若いって大変ですね。

次の日、ウヨ君は沖縄の間にいました。この大事に新潟の間を
離れたのはなぜでしょう。実はチューゴ君に対抗して、尖閣ぱんつに
強行突入するつもりだったのです。
「うおっしゃーオレは姉さんを守るぜ。日ノ本マンセー!」
意味不明な雄叫びをあげながら突撃するウヨ君でしたが……
「こら、また君か。駄目じゃないか、危ない遊びをすると許さないよ」
いきなり首根っこを引っつかまれて宙吊りにされたうえ、お説教まで
されてしまいました。恐る恐る肩越しに相手を見ると……
200無銘仁 ◆uXEheIeILY :03/09/09 21:59 ID:8dCsenQf
警備員のカイホさんが立っていました。男勝りの頼れる女性です。
カイホさんはカイジさんと協力して安全を守っています。ただ、窮地に
陥ってカイジさんに助けに来てもらうことも少なくありません。
「なんだ、カイホおばさんか。まあしかしすんごい力だね」
「話をそらさないの。それにしても失礼な。兄さんに比べたら私なんて
か弱い乙女なんだよ。それと年齢からいっても……」
「はいはい、『お姉さん』だろう。もっと高度なボケをしてくれないと
こちらもつっこみようがないよ」
この後ウヨ君は日ノ本が誇る警備員の実力を骨の髄まで味わう
羽目になりますが、紙数の都合上割愛させていただきます。

その頃、新潟の間では大変なことになっていました。
「早くボートに乗らせてほしいニダ。親族の仲を裂くなんて卑劣も
極まるハセヨ」
「これ以上僕らを邪魔するんなら、どうなっても知らないニダ」
ニホンちゃんがザイ君・ザイニーちゃんから脅……もとい抗議を
受けています。ジミンさんがボートの安全性をしっかり検査しないと
乗らせないと宣言したからです。
「そんな気じゃないのにぃ。誰か助けてよぉ。武士ぃぃぃ!」
ウヨ君、ぱんつに気を取られてる場合じゃないぞ!
結局マンギョンボンは検査で見つかった故障を直してから出港する
ことが出来ました。ウヨ君はしょぼくれています。
もっと理性的に姉を守れるようになってほしいものですね。
201無銘仁 ◆uXEheIeILY :03/09/09 22:00 ID:8dCsenQf
 <おまけ>
さて、新聞委員会はウヨ君の暴走をどう記事にしたのでしょうか。
アサヒ「ウヨ君は過激派。この反動的愚行を天下に晒すのよ」
ヨミ&マイニチ「まあ普通に事実を書いとけばいいよね」
サンケー「今はキッチョムを叩く方が大事だから、記事はなし」
見事に四分五裂、この委員会の先行きが心配です……

ttp://www.yomiuri.co.jp/national/news/20030825i403.htm
ttp://www.asahi.com/national/update/0825/016.html
ttp://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20030825k0000e040071001c.html
ttp://ez.st37.arena.ne.jp/cgi-bin/search/namazu.cgi?query=%90%EB%8At&whence=0&whence=0&max=20&result=short&sort=date%3Alate&idxname=nat&idxname=spo&idxname=pol&idxname=bus&idxname=int&idxname=bun&idxname=1m
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030825-00000734-jij-soci
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030825-00000144-kyodo-soci
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030825-00000697-jij-soci
202名無しさん3エロエロ大魔人2号:03/09/10 02:45 ID:2vZ2WQWw
                    「謎のサイン」
 クーロイ君がパツキン君の部屋に物を借りに来ました。しかし当のパツキン君は不在
でした。
 「さっきまでいたのに。遊びに行ったのかな」
 仕方なく帰ろうとしたその時です。ふと彼の机の上に置かれていた数枚のメモ帳に気
がつきました。
 「?何だこれ」
 ふと目をやりました。何か不自然な記号やマークが書かれています。ねじれたり直線
になったりしています。
 「・・・わからないな。算数か理科の復習でもしてたのかな」
 とりあえずアメリー君を呼びました。
 人目見てアメリー君の顔色が変わりました。
 「クーロイ、これは宇宙人の仕業だよ」
 (またか・・・)
 X−ファイルモードに突入です。ほとんどチューゴ君の『料理』と変わりません。
 「元々パツキンの部屋の辺りには怪しげな怪生物の目撃が絶えない」
 「チュパカブラとかね」
 最近話題の謎の爬虫類系の怪物です。
 「それのいくらかは宇宙人ではないかと言われてるんだ。キャトルミューティレーシ
ョンは知っているだろう」
 「牛が目とか内臓だけなくして死ぬあれだね」
 真相は蝿とか蛆に食べられたのですがアメリー君は信じてはいません。
 (こいつにそういうこと言っても無駄だしな)
 流石に家族だけあってよくわかっています。
203名無しさん ◆B9.JhkARyE :03/09/10 02:47 ID:2vZ2WQWw
 「おそらくパツキンは宇宙人と何らかのコンタクトをとっているんだ。ひょっと
したら彼等に洗脳されているかも知れない」
 (そうだとしたらイラクんとこの親父の一千万倍やばい話だろ)
 突っ込み役へ内心突っ込みを入れます。
 「これは一大事だ。慎重に捜査を始めよう」
 「へいへい」
 そこへ当のパツキン君が帰ってきました。髪はやはりリーゼント。
 「二人して何の話をしているんだよ」
 「あ、いやちょっと・・・」
 アメリー君の手に隠されたメモに気付きます。
 「それおいらの部屋のメモ帳じゃないか」
 「パツキン、これは・・・」
 アメリー君が問い詰めようとします。
 「そうか、二人共ようやくこの髪形の素晴らしさに気付いてくれたか」
 「へ!?」
 「WHAT!?」
 二人は目を丸くしました。
204名無しさん ◆B9.JhkARyE :03/09/10 02:50 ID:2vZ2WQWw
 「これはおいらのリーゼントのスタイルを考えてたメモだよ。リーゼントつっても
色々あるだろ」
 「・・・まあ」
 「バシッと決めて格好よくするにはどうしたらいいか、ちょっと考えてたんだ。や
っぱりロックンローラーは常に決まっていないとね」
 「・・・小学生でロックンローラーもねえだろ」
 「同感」
 「二人共どれがいいと思う?おいらに一番合ってるのはどれかなあ」
 「・・・そんなことは自分で考えてくれ」
 「大体僕パンチかアフロだし」
 アメリー君はやけにがっかりして帰って行きました。クーロイ君も借りたかった物
を借りると帰って行きました。
 
 「ちぇっ、二人共リーゼントにはしないのかよ、面白くないなあ」
 パツキン君が部屋に帰ったその時です。
 「ルーンヤッ、チュパカブラだぞーーーーっ」
 怪しげな怪物がいました。
 「牛の血吸ったらかえるわ」
 隅っこで吸血鬼みたいに牛の血を吸いはじめました。
 「モオオーーーーーーーー」
 「どれがいいかなあーーー」
 怪物を無視して机で思案にふけるパツキン君でした。結局怪物いるんじゃん。
205名無しさん ◆B9.JhkARyE :03/09/10 02:52 ID:2vZ2WQWw
 自分でもまさか二回やるとは思わなかったリーゼントネタ。
http://www.cosmo.ne.jp/~barber/regent.html
http://www.h4.dion.ne.jp/~pale333/eiji.html
 オチはこれです。怖いな。
http://toshigc.hp.infoseek.co.jp/uma/uma-chup.htm
http://www.crc-japan.com/research/chupacabra/
http://homepage3.nifty.com/yoyoyo/tyupa.htm
 ちなみに今回の元ネタはみずしな孝之先生の『ササキ様に願いを』六巻と
真右衛門先生の『G組のG』58話です。
206 :03/09/11 01:40 ID:sxQnlwAx
名無しさんは、自分のうpした作品すべてを自分で面白いと思っているんですか?
もしそうなら、あなたの感性自体が多くの読者・作家さんと違うということなのでしょう。
machina氏や有閑工房氏もおっしゃっているように、
うpする作品は少なくとも自分で面白いと思わえるものでないと、
他の人が読んで面白いわけがないですからね。
207・A・:03/09/11 02:12 ID:CL/odzts
というか、何時も思うんだけど、何もニホンちゃんじゃなくて良いじゃん…
AA板に行けば?どうも時事ソース使って書くの嫌いみたいだし。
208・A・:03/09/11 02:13 ID:CL/odzts
失礼、SS板ね
209ロム:03/09/11 03:57 ID:ul+qdLNl
専用ブラウザで「名無しさん」を透明あぼーんしているので不快にならずにすんでいます。
ニホンちゃん関連スレが他にあったと思うので、一度そちらに上げて感想をいただいてから本スレにupしたらいかがでしょう。
210_:03/09/11 04:15 ID:HNS16cVI
>>209
補完スレでやった方がいい、とかって話は既出。 てか補完スレチェックしてないのはニホンちゃんファンとして
結構損してると思うぞ。
211 :03/09/11 05:07 ID:lKVcIfg+
「自己満足の域を出ていない」ってことだね。
212醜男 ◆SiKoOok7TQ :03/09/11 21:06 ID:5sRVdxmv
はいはい、君らもそういう話はこっちでやろうね。

連続ドラマ小説「ニホンちゃん」補完・議論用スレ4
http://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=korea&key=1061482795&ls=50
213 :03/09/14 00:56 ID:J2coDHL9
保守
214有閑工房:03/09/14 15:51 ID:2syqXhkC
誰も投稿しないのね?そんじゃまあ中継ぎ登板いたします。
215有閑工房1:03/09/14 15:52 ID:2syqXhkC
『おそうじ番長』

 この度ゲルマッハ君は美化委員になりました。
秩序を重んじ公正な判断をすると、先生をはじめ皆から太鼓判を押されたからです。
とはいえ、委員でもないのにやたらと口を挟むくらいならいっそそのものにしてやれ
と言う気持ちが皆にありましたが。
自分にも適任と思ってか、ゲルマッハ君張り切って仕事をしています。
「と言う訳で、このクラスでは他に先駆けてゴミの分別をもっと徹底して行いたいと
思う。」
誇らしげにゲルマッハ君が提案し、アメリー君やユーロ班は渋々と、他の皆は歓迎し
ながら賛成しました。そう、誰もが彼に任せちゃえば大丈夫と簡単に考えていたので
すが、3日もしないうちに全員が後悔する事になりました。
「アメリー、ゴミはちゃんと分けて捨てるように言っているだろう。」
「えー、めんどくさいじゃんかよ…」
「皆で決めた事だ。ちゃんと守ってもらおう。君は決まりを守ると言う精神に少々不
誠実な面が見受けられる。皆で決めた際君の意見も取り入れたわけであるし、自分か
ら言った事は少なくとも守るべきではないかと常々思っているのだが?」
「わかったよ。うるせえなあもう…次からちゃんとするからそれで良いだろ!」
「その『次』があと何度あるのかを正確に聞きたいところだな。少なくとも今まで12
回は聞いている。」
アメリー君、ウンザリした様子でその場を立ち去ります。内憂を外患で全てごまかし
ているので、こういう事には歯切れが悪いです。
216有閑工房2:03/09/14 15:53 ID:2syqXhkC
「さて、チュウゴ。君は要らなくなった物は見えない所に捨てれば良いと考えがちの
ようだな。」
「い…いきなり何アルか。朕のことは放っておいて欲しいアル。」
「そうもいかない。こういう事は一人一人の自覚が大切だ。」
「他のやつらがちゃんとすれば、朕もするアル。」
身に覚えがあるのかチュウゴ君不機嫌です。ゲルマッハ君、不思議な顔をしてチュウ
ゴ君に語りかけます。いや、語ると言うより尋問かもしれませんが…
「チュウゴ、君は常々アジア班で班長になりたいと言っているだろう。リーダーと言
うのは他者の模範として行動しなければならない。この場合で言えば決まり事を守り、
行動でそれを示し、誰かが違反すれば厳正に注意する。そのような態度が必要だ。然
るに君は率先して違反を犯し、他者の違反には目を瞑るか殊更批判するかを行い、リ
ーダーと言うよりもフーリガンに近い行動が目に付く。言行不一致は一番他者の信用
を失うと言う事を知っているのか疑問を感じざるを得ない。当然誰かの上に立つとな
ればすべからく全ての人に納得のいく行動や態度を示せない物だ。だからこそ普段の
行動から自らのひととなりを示す事は重要ではないだろうか?アメリーにもその傾向
はあるが、大事に事を成し得るからといって瑣末な事を看過するのは、例え公正・厳
密な対応を取ってもエゴや自己保身の為の行動と取られる事も多い。そのような錯誤、
不利益を被らない為には、繰り返しになるが…ん?どうしたチュウゴ?」
流石のチュウゴ君もいっぱいいっぱいのようです。
217有閑工房3:03/09/14 15:54 ID:2syqXhkC
「さて、ニホン。君にも一言良いだろうか?」
 ゲルマッハ君、自分の責務からか手当たり次第に吹っかけます。
「な、なあにゲルマッハ君。」
ニホンちゃんは少々顔が怯えを含んでいますが、それでも健気に笑顔で応じました。
さりげに隣で談笑していたタイワンちゃんがいなくなります。
「君はアジアでも優等生と言って良いだろう。クラスの決まり事もきちんと守り、他
の友人にも助言や援助を惜しまない。」
「ど、どうも。」
ニホンちゃん内心『しかしだな』とか言われるのを嫌だなと思っていました。
「しかしだ。」
『はうっ…やっぱりこうなるの?』
当たって欲しくも無い予想が当たり、カンコ君のファビョンとは違った意味でニホン
ちゃんは鬱になってきました。
「自分の身の回りの物を片付けるのに何故そんなに道具が必要なのだ?見たところ機
能が重複するものや分別の仕方に多少疑問が残るのだが?」
「ええとお、それはそのお…」
「優秀な道具を揃えても、運用する人間によって結果は大きく変わってくる。君は家
でも努力は重ねているようだが、形作りを重視するあまり中身については無頓着にな
ってはいないだろうか?」
「そうかも…しれ」
「そうニダ!大体ニホンはムダな事ばっかりやってウリたちに迷惑をかけてるニダ!
人の心配する暇があったら自分のやってる事を早く直すニダ!ニホンは反省しる!つ
いでにウリに賠償するニダ!」
218有閑工房4:03/09/14 15:55 ID:GvABcP5r
「なんでそこでカンコが出てくる?君はニホンの件に無関係と思うが?それに言わせ
てもらえば、ニホンは君に助言をしてやっているのではないのか?」
「いや、なんて言うか…」
「ハッ!ウリはニホンに助言をされるほど落ちぶれていないニダ!ウリナラの技術を
もってすればゴミなんてケンチャナヨーニダッ!」
「ふむ。確かに表向きカンコの言っていることは正しいか。君の家は大きさ故にゴミ
に関しては真剣に取り組まざるを得ないからな。」
「当然ニダ。ほっといたらウリの家はゴミだらけになるニダ。ウリとアポジは毎日家
をきれいに掃除しているニダ。ニホンには尊敬されても侮辱されるいわれはないニダ!!!」
ふんぞり返って堂々とカンコ君が言います。確かに意外なほどカンコ君ちは掃除に精
を出しています。
「ゴミを出させない努力、出したゴミを処理する努力はカンコにも見られる。それは
賞賛に値する。」
「当然ニダ。ゲルマッハはウリを尊敬シル…」
「だが、」
「ニ…ニダ?」
「表面上取り繕っているだけでは真に尊敬に値するとは言い難い。何故なら生活とは
即ちゴミを生み出すことに他ならないからだ。それはあたかも…」
「ちょっと待つニダ!難しい言葉を並べてウリを誤魔化す気ニダな!その手は食わな
いニダ!」
ゲルマッハ君が心外だという風に眉根を寄せます。どうもこれでもレベルを下げたつ
もりのようです。
「そうか。それならわかり易く昔話に例えようか。あるところにおじいさんとおばあ
さんがいました…」
219有閑工房5:03/09/14 15:56 ID:2syqXhkC
「ウリィィィィーーー!!!パカにするのも程があるニダァァ!ゲルマッハは反省シル!!」
「何なのだ一体。カンコに合わせて話しているだけではないか。大体…」
火病と理論の戦いがこうやって火蓋を落としました。
途中で放置されたニホンちゃん、二人の間で小さくなっています。
「ニホンちゃん、ちょっと…」
「あ…、タイワンちゃん。どうしたの?」
「どうしたのじゃないでしょ!早くここから逃げなきゃ」
「あ…そ、そか」
こっそり抜け出して教室の外に退避するニホンちゃん。エキサイトした二人は全然気
が付いていません。
「はぁぁ。こわかったあ。」
「ニホンちゃん大丈夫?」
「なんとか…あ、でもどうしてタイワンちゃんあそこからなくなったの?」
「あ、うん。ちょっと……ね。」
お家のゴミに関しては、昔のこととはいえスネに傷持つタイワンちゃん。『三つ葉マー
クのゴミは絶対隠さず徹底管理』という地球町の鉄の掟を守らずえらい目にあったこと
があるからです。
「ファビョーーーーーーーン!!!!!」
その時教室の中からおなじみな叫び声が上がり、二人同時に溜め息をつくのでした。

おしまい
220有閑工房かいせつ:03/09/14 15:57 ID:2syqXhkC
解説・補足・上意下達
どうも皆さんおはこんばんちわ。前作が好評と一本釣り認定を頂いて喜んでいる有閑工房です。
※今回は先進国共通の悩みのゴミ問題です。アメリーとチュウゴは国土の広さに物を言
わせて誤魔化していますが、都市の周りにゴミを積み上げて無事で済むわけありません。
フィリピノ君を笑えんぞ君ら。特にアメリー、火遊びに金使う前にもっと内政重視すべ
きだな。花火大好き国は疲弊するぞ。
※彼の国は本当にゴミ問題には真剣です。日本より逼迫しているので、真剣にならざる
を得ないのでしょう。ゴミの処理に一般市民の負担が増えると不法投棄が増えるのは日
本も同様ですね。ただまあ、話には取り上げませんでしたが、海に棄てるのはいい加減
止めようや。君らひどすぎんぞ。
※ゲルマッハ君が各国に苦言を呈したのは創作ですが、取り組みの先進性でこういう役
回りをして貰いました。まあすんごい理屈っぽいこと…物言いは某ドラマにもなった漫
画の大学教授がモデルです。
※あと、タイワンちゃんの三つ葉ゴミは台北の放射能マンション騒ぎからです。三つ葉
マークはロシアノビッチと言う凄まじいパイオニアがいますから可愛いもんですが…ロ
シアノビッチ、また原潜沈めてたな。泥んこ遊び並に放射性物質を扱うあの国には敬礼
したくなる。
※日本の環境技術は世界トップレベルですが、一般市民の低い理解度と、企業努力に留
まりがちな環境対策が今後の課題でしょう。ハードはあるけど、それらを繋ぐソフトが
弱いのが現状です。みんながんばろな(w

というわけでまたまたお目汚し。感想、批判お待ちします。
221有閑工房のソース薄口:03/09/14 15:58 ID:2syqXhkC
※取り敢えずソース↓
About USA:アメリカゴミ事情。ちゃんと考えろってば…
ttp://www.kokugai.com/zakki_gomi.html
中国のゴミ問題 消えたゴミの行方がとても心配
ttp://homepage2.nifty.com/jianyuan/chdust.htm
韓国のゴミ問題(PDF)彼の国も大変だ。
ttp://www.fsinet.or.jp/~sri-01/randi/images/pdf/AJ0205.pdf
ドイツのゴミ事情 やるとなったらこの国は徹底的
ttp://www.c-able.ne.jp/~ymgplaza/recycle/loehr.html
ttp://www.tiara.cc/~germany/umwelt/abfall/1_Hausmuell.html
日本の環境技術。技術だけは凄いぞ。この前爆発しちゃったけど…
ttp://e-tech.eic.or.jp/navi/12_hai.html
台湾放射能マンション。こんなのしか捜せんかった…
ttp://www.asahi-net.or.jp/~xa8m-adc/sinpou2002.07.03.3sjis.html
あと脳内ソースですが、SARS騒ぎでSAPIOに取り上げられた中国広東省の衛生環境報告とか、
とある事情で一時調べていた日本の環境技術関連の書籍があります。
222生駒 ◆S3iyOiMLIA :03/09/14 18:00 ID:nFuh3GTY
キャラクターの性格がよく出ていますね
特にゲルマッハ君の性格がドイツの国民性を如実に表しているような気がします

これからもがんばってください
223七志野 :03/09/14 18:07 ID:WmK/gDbH
>>221
三重には後2ヶ所ほど噴火しそうなサイロがあります(つД`)
224目次161:03/09/14 19:02 ID:p4YnrOId
第1640〜1645話
>>173-174

第1646話「釣りに行こう!」
>>177-185
第1647話「アテナちゃん」
>>191-193
第1648話「こんなウヨ君は嫌だ」
>>199-200
第1649話「謎のサイン」
>>202-204
第1650話「おそうじ番長」
>>215-219
225補完レスて評判がよかったので:03/09/15 23:07 ID:XnivIgnP
今日はマラソン大会
先進の子と後進の子とはかなりの差が開いてしまいました

「うう、EU町のみんなはあんなに前を走ってるいてる」
「このままじゃ追いつかないニダ」
徐々に差をつけられ 諦めかけるアジア町のみんな
そんな中、一人みんなをはげます。ニホンちゃん

「みんな何言ってるのよ、がんばりましょ」
「でも、EU町のみんなはあんなに前を走っているから追いつけないよ」
「だったら追いつけるようにペースを上げるのよ!
 ほら行くわよ、タイワンちゃん、カンコ君!
 もたもたしてたらもっと差がつくのよ! さっがんばりましょ」
「ニホンちゃんまってよ〜」
「ほらカンコ君、私に勝ちたいんでしょ!」
「ニダーニホンなんかに負けないニダ」

226大洞:03/09/15 23:08 ID:XnivIgnP
ニホンちゃんに先導され頑張るアジア町のみんな・・・でも

「チュウゴ君どうするニダ、ウリたちも」
「まあ、待つアル キッチョム こんなに差をひらかされているのに同じ道を走って
 EUの連中に 追いつけるわけ無いアル」
「だったらどうするですか」
「こんなときは頭を使うアル! 見るアル」
チュウゴ君が指差した先には茂みに隠れたわき道が
「きっとコレは近道アル、さあ私に続くアル
 キッチョム、ベトナ、カンボジア」
「おお!!」
「ニダ〜!!」
赤く鋪道されたわき道に入るチュウゴ君その後にキッチョム君とカンボジア君
ベトナちゃんも後に続こうとしましたが
「・・・・・・」(止めた!やっぱりニホンちゃんの後に続きましょ)
わき道に入るのを止め、ニホンちゃんを追いかけるベトナちゃん
「まってくださ〜い」
さてどちらが先に先進の子に追いつけるのでしょうか?
おしまい
227なー ◆GMi2juaL6k :03/09/16 02:52 ID:X48+28HR
「街路樹」

ベトナちゃんが道を歩いています。

家へ帰る途中のようですが、ふと立ち止まり街路樹を見上げました。
「ん?なんか変な感じ・・・なんだろう?」

少しの間見上げていましたが、また歩き始めました。

少し歩くとまた立ち止まり、なにか考えています・・・
(んー、なんか違和感あるんだけどなぁ・・・分かんないや)


あきらめたベトナちゃんは考えるのを止めて家への道を再び歩き出しました。

夏の盛りだというのに葉が全て枯れ落ち、骸骨のように立ち並ぶ裸の街路樹の
中を歩いてゆくベトナちゃんをお昼の日差しが照らしておりました。


おしまい

※なんとなくホラー風味で。
 今回も特にソースURLとかはないっす。スマン。
228なー ◆GMi2juaL6k :03/09/16 21:36 ID:X48+28HR
すいません、ネタ的に薄いような気がしてつい「ソースURLとかはないっす。」
なんて書いてしまいました。
すいません、不適切でした。謝罪します。
229 :03/09/17 17:37 ID:NmulUZSf
>>209-210
補完スレを見てないとは、爪楊枝の付いていない割り箸のようなもんだぞと逝ってみる。
230有閑工房:03/09/17 21:06 ID:k9Smbjcf
すいません…なんか取り敢えず書けちゃったんでうpします。
『彼方からの手紙』その後でございます。
231有閑工房1:03/09/17 21:07 ID:k9Smbjcf
『それから…』

 あの日の情景は良く覚えている。
 やっと自分たちの店を持てた事で喜びを爆発させるパパの店の従業員。
 笑顔の中に微妙な不安をにじませる私の店の従業員。
 誇らしげに飾られた『独立と自由ほど尊いものはない』という家訓の横断幕。
 久しぶりに見るホーチミンの、まるで他人を見るように私を突き刺す視線。
何が起こったか解らないけれども、周りにつられてはしゃいでいるベトナ。穏
やかな微笑みの中に、今後の不安を隠せないでいるパパの顔…。
 つい昨日のことのような気がする。
 パパの不安が的中し、あれからは気の休まらない日々が続いた。
 店を自分の手に取り戻す戦いは確かに終わったが、それは店を切り盛りする苦
労と、一度バラバラになった家族を新たに作り直すという苦労の始まりでしかな
かった。
 親の苦労がそうだから、ホーチミンとベトナはもっと苦しかったかもしれない。
 パパから凄まじいまでにスパルタ教育を受けたホーチミンと、私が甘やかしま
くったベトナでは、歴然とした差が出て当然だった。
 私は忘れない。駄々をこねて泣き出したベトナを冷たい目で見下ろすホーの姿を…
232有閑工房2:03/09/17 21:09 ID:k9Smbjcf
   *
「ベトナ、ママンが何で怒ってるか判るね?」
「……はい。」
「遊びに行ってつい忘れたのはわかる。でもね、家族みんなで決めたことを守れ
ない子は家にはいらないからね。わかった?わかったら行きなさい。」
 ベトナはしょんぼりとして玄関に向かった。友達と遊んでいるうちにお使いに
行くのを忘れたのだ。罰は晩御飯抜きか家の前の掃除。どちらも辛いものだ。
「ママン、何でベトナにはあんなに厳しいんだよ。」
 私の怒声に釣られてやって来たホーが食ってかかる。ベトナが怒られるといつ
もこうだ。優しいには違いないが少々甘い。
「あの子が甘ったれだからよ。ホーはそうじゃない。だからベトナには厳しくする。」
「でもママンはやりすぎだ。」
「それでホーがベトナを甘やかす。ベトナをいじめたカンボジアとかアメリーに仕
返しをする。そういうこと?」
「それはあいつらが…」
「先にやったのよね。でもその後で謝りに行くのはパパとママンよ。あなたそこま
で考えてた?」
「考えて…なかったさ。」
「ホー、あなたは自分の身は自分で守れる。強い子だよ。でもね、自分の出来ない
ことまで噛み付くのは勇気じゃなくって無謀って言うんだよ。」
「……」
「どこ行くの?もうご飯よ。」
「ベトナもまだだろ?後で一緒に食べる。」
「あの子は罰で遅くなるの。あなたは先に食べなさい。」
233有閑工房3:03/09/17 21:10 ID:k9Smbjcf
一瞬ホーの目に怒りが浮かぶが、それを必死に押し殺し従う。
「……わかったよ……」
 自分がどんなにひどいことをしているかの自覚はある。けれども今ここで手綱を
緩めるわけにはいかない。やっと家族が一緒に暮らすようになったのだ。その幸せ
をかみしめ、続けていく為にはそれなりの犠牲もまた必要なのだと最近しみじみ思う。
 今のあの子達には私は鬼か悪魔に見えるかもしれない。でも、きっといつか解っ
てくれるだろう。そうしなければならなかったのだと―――
   *
 私の戦いの始まりは皮肉にも家族が一緒に暮らし始めてからだった。
 独立と自由―――それを手に入れる為、私たち夫婦は命がけで店の切り盛りをやっ
てきた。
 そしてやっと手に入れたささやかな暮らしは、新しい困難に直面することでしかな
かった。人生には物語のようなハッピーエンドの後があるのを迂闊にも忘れていた…。
 とはいえまず血祭りにあげられたのは私自身だ。男からの貢物で生計を立てるのに
何の疑問も感じなかった私に、パパは容赦なく生活の改善を迫った。
 夜遊びはしなくなり、服を買わなくなった。パパの言う事に従うのを強制され、一
時期は財布も握られたのだ。私は執拗に反抗したが、やがて無駄だと悟った。
 パパが頑なな人だったのもあるが、良く考えたら二児の母がいつまでもちゃらんぽ
らんな生活をしている方がどうかしているのだ。自省するだけの分別を私は持ってい
たから、パパの言うことを聞くのも従うのもやがて疑問に感じなくなった。
 今や家計は私が握り、七割方はパパより私の意思決定が店でも家でも幅を利かして
いる。パパはそれで不貞腐れたかというとさにあらず。今は私に重要事を任せっきり
にして、店の奥で好きな本を読むようになった。パパの満足そうな表情は、これで良
い事の表れでもある。つまり私は信用に足る存在になれたという事だ。
 たまに怠けているパパを叱り飛ばしたくなるけど…
234有閑工房4:03/09/17 21:11 ID:k9Smbjcf
   *
 気が遠くなる。お仕置きでもこんなに広いところをちゃんと掃除するのは大変だ。
 いや…冷静にいっている場合でもない。でも考えてないと涙が零れそうだ。
 ママンは良く私に言う…
『お前は家の中で一番とろくて甘えん坊だからママンは厳しくするんだよ。ママンに
文句言う前に文句言われない子に早くなりなさい。』
 わたしは、確かにそうかもしれない…家で一番ぐずでのろまだ。
 兄さんはママンとパパの言いつけを良く守る。その上学校でいじめられそうになる
と必ず助けてくれる。わたしにとってかけがえのな兄さんだ。
 わたしには優しい。でもママンはそれがいけない時もあると言う。人に優しくする
のは大切なことだ。でもそれがいけないと言うのは良く解らない。私が馬鹿だからだ
ろうか…
 じわっと溢れる涙をもう止める事は出来なかった。箒を取り落としてその場にしゃ
がみこむ。啜り泣きが漏れないように必死で口を塞ぐ…

   *
 カンッカンッ
「ひのよーじん!」
 カンッカンッ
「はなびいっぱつ けんかのもとー!」
 全く面倒くさいことこの上ない。何で最近物騒だからって俺が見回りしなきゃいか
んのだろうか?俺だって子供だし、人攫いにでも会ったらどうするつもりなんだろう。
「こんな事しても帰ったら宿題やれとか家の手伝いしろとか言われるもんなー…勘弁
してほしいよ。」
235有閑工房5:03/09/17 21:12 ID:k9Smbjcf
 とはいえ姉さんは行きたくもないカンコの家のほうに見回りに行っている。カイホ
おばさんが一緒だからあいつらが変なことしないだろうが…
「カイジおじさんは一人で遠くに行くし…こういう時なんか損だなあ男って。」
 ぼやいても仕方ないし、適当にやって帰るほうがよさそうだ。
 そんじゃせーの…
カンッカンッ
「ひの…………なんだ?」
 叫ぼうとして人の気配に気がついた。月明かりの下でなんだか白い塊みたいなのが
人影にも見える。静かに近づくと、自分と同じ子供だとわかったので気配を消すのを
やめた。
 近所にアオザイ着た女の子なんてそうそういない。姉さんと同じくらいの背格好と
いったら、ベトナさん…だよな?
 もしかして…もしかしなくても…泣いてる?
 情けないけどどうしたら良いか判らなかった。
『なんだっけ…どうだっけ…あ、そうだ!こういう時こそ有事に備えてリサーチして
おいた対女の子戦用マニュアル発動だ!』
 タイワンさんの必勝戦術その1、女の子には優しく声をかける。
 ええとそれから…その2、許可をもらって横に座る。
『でも泣いている子にどうしたらいいかなんて聞いてない。あああ、電話するわけに
もいかんし・・・どうしろって言うんだ。ええい!ままよっ!』
 「あの・・・」
 言葉が、出てこない。ベトナさんはゆっくりとこっちを見た。涙に濡れた頬と、う
るうるになった瞳がこっちを見る。おかげでますます頭は真っ白になった。
236有閑工房6:03/09/17 21:14 ID:k9Smbjcf
「ウヨ・・・すんっ・・・くん?」
 まだ啜り上げている。必死でタイワンさんの言葉を復唱する。
 その3、当り障りのない話題で相手の出方を見る。
「つ・・・月がきれいですね。」
「・・・すんっ・・・うん。」
 何だろう?何かとてつもない誤爆をした気がするのは気のせいだろうか?
 よし、次はなんだったっけ?あ、そうそう。
 その4、相手の事を色々聞いてみる。
「ド…どうしたんですか?こんな夜に。」
「あのね、そうじ。」
「いや…その…掃除ですか。」
「うん。」
 沈黙が流れる。……これでいいんだよな?でもなんでこんなに気まずいんだろう?
 少しずつ、ベトナさんの嗚咽の間隔が長くなる。何にせよ泣き止んでくれるだけ
でも助かる。
 それからやっと落ち着いてきたベトナさんは、隣に俺がいるのを思い出して、は
っとなると顔を背けてしまった。
 こちらを改めて見た時、泣いていたことの照れ隠しなのか、ベトナさんは無理矢
理に笑顔を作る。何でそんな顔をするのかわかるだけに、こっちもやたらと照れく
さい。
『これ以上展開がないときは、次のステップに進むべし!』
 力強く言っていたタイワンさんを思い出しながら、次が何だったか考えた。
 ええっと、マニュアルその5、・・・・・・拒否されなければ押し倒すのも一興。
237有閑工房7:03/09/17 21:15 ID:k9Smbjcf
 …いいのか?女の子は本当にそんな事を望んでいるものか?いやこの場合は年上
だし、そもそもどんな子にも当てはめて良いんだろうか?
 流石に逡巡する。何だかあまりに無謀な気がしないでもない。しかし他にやりよ
うがあるかといえば、・・・ない気がする。・・・ま、まあここはタイワンさんを信じて・・・
 かちっ
 ベトナさんに近付こうとした瞬間背後に気配が動いた。どっと冷や汗が噴出して、
恐怖で振り返ることも出来ない。
「妹から離れろ。」
 短い声は地の底から沸き上がるようだった。声に従い、ゆっくり立ち上がって両
手を無意識に上に挙げ、あとずさる。
 そしてコケた。
『じいちゃん・・・俺は修行足らずここで逝きます。姉さんを守れないで申し訳ありま・・・』
「ところで君、だれ?」
 今度は左後方から別の人物が近付く。足音も気配もなかった。
「ママン・・・この子はニホンちゃんの弟の、」
「ああ、ニッテイさんの忘れ形見ね。ホーもそんなに警戒しないの。この子は大丈夫よ。」
 ホー?あの人が有名なベトナさんのお兄さん。起き上がりながら、やっとのことで
その顔を見る。不敵な表情、妥協を許さない鋭い眼光。でも意外なくらい小柄だ。
 俺の視線に全く構わず、ホーチミンさんは無言で家に入っていった。
「それで、こんなところで何してるの?」
 今気が付いたが、この人は誰だろう?そしてどうしてこんなに言い方がぶっきらぼ
うなのだろうか?きっと綺麗な人なんだろうけど、眼は何者も寄せ付けない強い光が
ある・・・。この辺はこんな怖い人しか住んでないのか?正直言って逃げ出したい。
238有閑工房8:03/09/17 21:16 ID:k9Smbjcf
「いえあの、夜の見回りして来いって言われて・・・」
「ああ、さっきのヒノヨジンて言ってたのあなた?いい声ね。」
「どうも。ところであなたは、」
「あれ?知らなかったっけ?私はベトナの母親。さっきの軍人が兄のホーよ。」
 みなまで親が息子を軍人と言っている。ちょっと家とは家風が違いそうだ。たぶん
冗談と思うけど。
「さて、と。ベトナ。」
 ベトナさんの肩がびくっと震える。泣き面は遥か彼方へ忘れたように消え、怯えと
一緒に絶対服従を誓ったような硬い表情になっていた。
 姉さんの話していたベトナさんとだいぶ印象が違う。姉さんの話では、あのアメリ
ーが恐れて近付かない人物で、クラスでも大人扱いを受けていると聞いたのだが?
「早く家に入りな。ご飯冷めちゃうよ。」
「でも、そうじ・・・」
「今日はここまで。明日から少し早起きしてちょっとづつやってく。いい?」
「はい。」
「それじゃ中に入りなさい。食べたらちゃんと片付けるのよ。それから宿題。サボっ
たら今日みたいなのじゃ済まないからね。覚悟なさい。」
「はい。」
 二人は俺を無視して中に入っていった。ベトナさんは家で毎日あの絶対零度の命令
を受けているのだろうか?俺が母さんからあんな言い方されたら、…どうだろう?反
抗できないかもしれない。そりゃ家であれだけ鍛えられたら、同級生は怖くないだろう。
 まあ、いいや。見回り続けよう……拍子木を拾い上げ、法被の裾を正すと、俺も気
合を入れなおした。
カンッカンッ
「ひのよーじん・・・・・・」
239有閑工房9:03/09/17 21:18 ID:k9Smbjcf
   *
 次の日、姉さんとタイワンさんのお喋りを聞きながら登校した。
 昨日の夜の出来事を反芻する。ホーチミンさんに完敗した。他はどうよりもそれが一
番衝撃だった。
「あ、ベトナちゃんおはよー」
「おはよう。」
 能天気な姉さんの声に、いつも通り静かな声でベトナさんが答えた。俺はどうもベト
ナさんの顔を直視できない。
 姉さんたちの会話にすぐ入らず、ベトナさんが俺にすっと近付く。
「ねえウヨ君…、昨日のことだけど、その…二人の秘密にしてもらえるかな?」
「え…、も…勿論です。武士道の誇りに賭けて、一言半句他人に漏らしません。」
 少し声が上ずった気がするけど、気にしない。…事にした。
 ベトナさんはぱっと喜色を浮かべて、「ありがとう」と短く言った。その笑顔ははにか
みと嬉しさの混ざった、何とも表現のしようがないくらい綺麗な笑顔だった。
 気が付くと、姉さんとタイワンさんがじーーーーっとこちらを見てる。
「ウヨー、ベトナちゃんと内緒ごと?姉さんに聞かせてごらーん…」
「あらあら、ラスカちゃんという人がありながら、年上の女の人の方がいいのかしらねえ?
おませさん…」
 二人がどう表現したらいいか解らない程、好奇心と野次馬根性丸出しで俺にじりじり
近付いてくる。冗談じゃない。ベトナさんの秘密をここで漏らす訳には…その上気が付
けば背後の植え込みにこちらを伺う気配が…
「じゃっ、そういうことで、俺先に行くから!」
 そう言って逃げ出す。前門の龍、後門の虎。冗談じゃない!
240有閑工房10:03/09/17 21:20 ID:k9Smbjcf
「ちょっとウヨ!何なのよー!」
「こらーっ!逃げるなー!」
 声に振り向く気はなかった。しかし、暫くどうやって追求を避けるか考えなくてはいけ
ない。かわさないと…かわさないと俺は……。
  *
 あれからどれ位経ったのだろう。シエスタのまどろみは私を思い出に誘う。
 近所から総スカンを食らってそれにただひたすら耐え、家族の融和を図る為に全ての力を
注いできた。一緒に働くことを待ち望み、それを果たした従業員たちも、馴染めずに何人か
は去っていった。
 全く上手くいかないものだ…。本当にままならないものだ…。
 必要以上にベトナに辛く当たるのも本当にしたくない。出来るなら毎日でも抱きしめてや
りたい。でもそれじゃ駄目なのだ。ホーもベトナもそのうち一人で生きていかなければなら
ないからだ。
 誰も味方がいない事だってある。そんな時に絶望せず、自らの意思を貫いて闘っていかな
ければならない。戦いの中で妥協し、服従を強いられ、本心を隠して応対しなければならな
い時もある。世の中に送り出すとき、一人前にしてやれるかどうかは親の責任なのだ。
 最も私は神様に感謝しなければならない。責任感と強い意志に恵まれたホーと、優しく思
いやりのあるベトナ。あの子達なら力強く生き抜いていけるに違いない。そう信じるからこ
そ今から徹底的に鍛え上げなければ…。
 そう。二人とも私のかけがえのない宝物なのだから―――。

終 劇
241有閑工房回折:03/09/17 21:23 ID:k9Smbjcf
解説・忌憚・尊師解脱
毎度毎度になりました。有閑工房です。
※今回はベトナム南北分断その後です。ベトナムは三十数年の分断の後に統合されましたが、
本当の苦難は統一後にやってきました。
 各国の経済制裁。国内にわだかまる勝者の優越と敗者の卑屈。全国民に強いられる窮乏と
溢れ出す亡命者の群れ…国の理が変わり、同じだと信じていた人々が経験する苦悩と錯誤
の連続は、我らが隣国にも他人事ではないでしょう。東西ドイツ、南北イエメン、分割され
るユーゴスラビアやチェコスロバキア。融合と破綻は世界中で繰り広げられています。
 正直なところ、物理的に半世紀、精神的に六十年近く分断された国家がもし統一されたと
して、どのような悲喜劇が繰り広げられるかは想像も出来ません。
 このお話はウヨ君の勘違いが間に挟まれていますが(話を軽くする為)、恐らく周辺諸国
に壮大なインパクトを与えるであろう南北統一を遠巻きに眺めるお話に致しました。語るま
でもないですが、三十年であの混乱振りです。世代が二回転以上している国は一体どうなる
のでしょうか?
 これから起こることを隣人としてある程度の覚悟は必要ではないかと思います。
※ウヨ君の有事マニュアルは、対ラスカちゃん専用だった模様(w。状況を想定してのマニ
ュアル整備は必要ですが、起こる事件は斜め上ってのが良くあるもんで、『作ったけど役立
たず』と言うのに対する風刺でもあります。まあ、『押し倒せ』ってのはどうかと…
※『独立と自由ほど尊いものはない』はサイゴンの戦勝式典で掲げられた横断幕だそうです。
元はホー・チ・ミン語録の「自由と独立ほど尊いものはない」。
わざと逆に書くのはそれだけ単一国家としての独立に思い入れが強かったっからか、統一後
の『自由』よりも『独立』を優先する決意を表すものだったのか…。
242有閑工房のソース:03/09/17 21:27 ID:k9Smbjcf
文字が多すぎた上にやたら長くてすんまそん。
以後気をつけます。だから許してねママン。……またやっちゃうかも知れんけど……
※ソースはこちら
HP:
↓ベトナビ。検索に便利です
ttp://www.vietnavi.com/vietnavi.html
↓ベトナムデジタルギャラリー。ここのベトナム資料室は詳細でわかりやすいです。
 現実の厳しさがまざまざと…うーむ。
ttp://www5c.biglobe.ne.jp/~vdg/
↓海上保安庁です
ttp://www.kaiho.mlit.go.jp/info/books/report2002/nonframe.html
 その内の東南アジアにおける海賊対策。海猿がんがれ!
ttp://www.kaiho.mlit.go.jp/info/books/report2002/nonframe/topics/01_5.html

書籍:
「目撃者」「したたかな敗者たち」/近藤紘一
243ゼロ:03/09/17 23:18 ID:sSF4PwK9
お久しぶりです。ゼロでございます。
今回は、下記の記事を元にした話をひとつ・・・
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030917-00000393-reu-int

フラメンコ先生の災難

 本日の仕事が終わって、アパートに戻ってきたフラメンコ先生は、ちょっと1杯飲
もうかなと冷蔵庫の中をあさり始めました。
 フ 「この仕事の後の1杯がたまらないのよねぇ・・・」
 冷蔵庫の中からビールを取り出し、テーブルの上におくと、ビールをグビグビと飲
み干しました。おつまみが欲しくなったので、もう一度冷蔵庫の中をあさり始めました。
 フ 「確か、何日か前に買ってきたチーズがあったわね・・・ん?奥のほうにあるの
は何かしら?」
 フラメンコ先生が手を突っ込んでみると、そこには、何ヶ月も前に買ってきたイカが
ありました。何日も何日も経っていたせいか、激しく巨大化して食べきれないほど大き
くなっていました。フラメンコ先生は、驚いて腰を抜かしてしまいました。
 その後、巨大イカは、フラメンコ先生のコルテスキックとピサロパンチによって処分
されたそうです。
244ゼロ:03/09/17 23:25 ID:sSF4PwK9
 またまたゼロです。いかがでしたか?
 何ヶ月かぶりに書いたので、(しかも即興で!)ちょっとお目汚しスマソかもしれません。
 やはり補完スレに書いてからのほうがよかったのかなぁとおもったのですが・・・
 久しぶりに楽しめました。またお会いしましょう。
「郷に従わぬもの」

シシローおじさんが「聖域なき構造改革」を進めている日ノ本家ですが、
そんな彼でも、乙女の聖域だけはどうしようもありません。

「とーらをたおしてこいつーってー はーまのせーいざにくーもをかけー♪」
鼻歌を歌いながら、気持ちよさそうにシャワーを浴びているのはニホンちゃん。

「つーばめおとしておーおおとこー いーきのーねとーめてかーちすすめー♪
・・・? 何かアルコールの匂いがするような・・・」
湯煙の中に、ニホンちゃんがナニモノかの気配を感じ取った、その時!
246KAMON  ◆9awzJSYC0I :03/09/18 01:11 ID:5D/KOum5
がらり。突然引き戸が開きました。
「ズドラストブーイ! イワン=ロシアノビッチ様は今日もご機嫌だぜ! ハラショー!」
「・・・・・!!!!!!!」
突然のロシアノビッチ君の乱入に、ニホンちゃんは言葉も出ず、浴室の隅に張り付きました。
彼は、「大阪の間」で行われている柔道大会に出場するため、ニホンちゃんちに来ていたのです。
かなりアルコール度の高いウォッカをあおってきたようで、浴室中が酒臭くなります。

「ウラー! なんだニホン、相変わらずちっとも育ってねえじゃねえか、
ウチのウクライナみたいにボインボインにしてやろうか、ああん?」
ニホンちゃんの様子など気にも留めず、ロシアノビッチ君は超セクハラマシンガントークを展開。
彼は、小学生から見れば雲突くような大男。
ニホンちゃんはただ怖くてかたまっているしか出来ません。
247KAMON  ◆9awzJSYC0I :03/09/18 01:11 ID:5D/KOum5
とはいえ、ニホンちゃんをどうこうしようという気はなかったらしく、
顔を真っ赤にしてうつむいているニホンちゃんに言うだけ言うと、豪快に湯船にダイブ。
湯船には容赦なく垢が浮き、ニホンちゃんは思わず顔をしかめます。

「ニホン、おめえとこの風呂は町内で一番気持ちいいなあ。
がっはっはっは! 酒持ってこい酒!」
言いつつ湯船で体を洗ってしまうロシアノビッチ君。
浴室の扉は開けっ放しで、脱衣所には酒瓶が散乱しているのが見えます。
ニホンちゃんは、恥ずかしいを通り越してもはや呆れ果てていました。
ロシアノビッチ君は無視してとっとと髪を洗い始めます。

温まった所に更にアルコールが入り、下品さに拍車がかかるロシアノビッチ君。
彼の下ネタはついにウヨ君にまで及びます。
「さっき、おめえとこのチビのヤポーネツ野郎が柔道やってんのを見たんだけどよお、
技だけ出来てても体が小さくて話になんねえでやんの。
体がああじゃモチモノの方もさぞかし小さ・・・」
248KAMON  ◆9awzJSYC0I :03/09/18 01:12 ID:5D/KOum5
ばさっ!
「・・・・・・!!!!」
その時、Z旗柄のバスタオルが、ロシアノビッチ君の頭にかぶせられました。

「・・・さぞかし小さくて悪うございました。」
後ろで皮肉めいた笑いを浮かべているのは、三助スタイルのウヨ君。
「しかし、柔よく剛を制するのが柔の道というものですよ。
・・・もっとも、モチモノの場合、大きいだけで柔はあなたの方ではないのですか?」
顔こそ笑っていますが、ハラワタが煮えくり返っているのは一目瞭然です。

「う゛・・・。な、なんだい、いたんなら言ってくれよ、は、は、は・・・。」
乾いた笑いを返すロシアノビッチ君。湯船の中だというのに嫌な脂汗が流れます。
「いえいえ。僕ならどう言われても構いませんよ。でも・・・」
ウヨ君の皮肉めいた笑い顔が、雪女のように凛々しくも冷酷な顔に豹変しました。

「・・・姉さんに妙なことをしたら、誰であろうと絶対に許さない・・・」
249KAMON  ◆9awzJSYC0I :03/09/18 01:12 ID:5D/KOum5
「ちっ、分かった、分かったよ!・・・くそっ、酔いが醒めちまった。」
ロシアノビッチ君は、舌打ちをすると、大儀そうに湯船からあがり、
がに股でのしのしと歩いていってしまいました。

「姉さん! 大丈夫? 何もされなかった?」
ニホンちゃんの苦虫をかみつぶしたような顔を、ウヨ君がのぞき込みます。
「・・・うん、ありがとう、ウヨ!」
ニホンちゃんの顔がぱっと明るくなり、思わずウヨ君を抱きしめます。
「・・・ちょっと姉さん、服着て服!」
ウヨ君が顔を真っ赤にして叫びます。

「・・・あ゛!」
ニホンちゃんも同じく真っ赤になります。
「キャー! いやあー! 早く出てってよエッチ!」
金切り声を上げ、ケロヨンの洗面器で連打するニホンちゃん。ウヨ君は這々の体で退散。
「なんで俺だけが・・・くそっ、硬さじゃロシアノビッチになんか負けないんだからなー!」


その後、日ノ本家の浴室には、「ロシアノビッチは入るべからず」の看板が掛けられたそうです。
250KAMON  ◆9awzJSYC0I :03/09/18 01:27 ID:5D/KOum5
KAMONです。有閑工房さんの良作のあとで恐縮ですが、新作を。

今回のソースは、
ロシア人のあまりのマナーの悪さに、
北海道の銭湯が「ロシア人お断り」の札を掲げている、という話から。

良心的なロシア人の人には可哀想だと思いますが、
郷に入って郷に従わないものは、村八分にされても仕方ないでしょう。

銭湯を利用しているロシア人は、本当は船乗りが多いそうですが、
ロシアノビッチ君を船に乗せるわけにはいかないので、
世界柔道でニホンちゃんちに泊まっている、という設定にしています。

今回、悪役が珍しくロシアノビッチ君なので、
それを意識しつつ、3人の行動を書いてみました。
ちゃんと出ているでしょうか?

>>243-244
ゼロさんグッジョブ!
・・・うちの冷蔵庫のイカ、巨大化してないかな(汗
251七誌:03/09/20 09:24 ID:+Sq8Yz/o
燃料投下。アメが韓国にイラク多国籍軍の指揮を要請したそうです。
・・・正気かぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!
252KAMON  ◆9awzJSYC0I :03/09/20 13:24 ID:L4W1ItRZ
>>251
なんですとおおおお!
自衛隊は撤退だ撤退!
253:03/09/20 14:05 ID:Ba0wH4mI
飯研スレでは“単なるリップサービス説”が出てますけどね。万一のときは
「イラクはウリナラの植民地ニダ!」とやってくれそうで戦々恐々ですよ
254なー ◆GMi2juaL6k :03/09/20 18:59 ID:KMc6GC+c
「夏休みの絵日記帳(1/2)」

笑っている姉さんは好きだ。
オレの手をつかんで引っ張り寄せて、顔を近づけて笑いかけてくれる。
そのあと、オレを両手でふわりと抱いてくれるのだ。


泣いている姉さんを見るのはつらい。
ちょっと前になるが、迷子になっていた姉さんのかわいがっていた猫が帰ってきた。
全部じゃなかったけど帰ってきたんだ。
でも、残りの猫は死んでいたと聞いたとき、姉さんは泣いた。
姉さんは、ぽろぽろとその目から涙を流し泣いたんだ。


姉さんは爆笑するときもある。
TVのお笑い番組を見ながら体をくの字に曲げて、畳をバンバン叩きながら
体をふるわせて笑ってる姉さんを見る。
TVのコメディアンは「まんぎょんぼんが定員オーバーで来た為、船長捕まった
らしいでー」とか言っていたが良く覚えていない。


姉さんはたまに怒る。
正直言うと、怒った姉さんは怖い。
自分が悪かったと思うときはなおさらだ。
オレはうつむいて、その後、謝る。
そして、目を見るのは怖いが、顔を上げる。
姉さんの怒っている表情は怖い、だがその表情すら美しいと思ってしまうのだ。

たいていはその後、怖かった顔を笑顔に変えてくれて、そして、オレを抱きしめて
くれるのだ。

255なー ◆GMi2juaL6k :03/09/20 19:00 ID:KMc6GC+c
「夏休みの絵日記帳(2/2)」

んー、夏休みの日記帳・・・、ウヨ君のは「お姉ちゃん観察記」になってるわね。
お姉ちゃん子なのは別にいいんだけど・・・

はいはい、これで全部チェック終了と。


ハプ先生、お疲れ様

おしまい
256なー ◆GMi2juaL6k :03/09/20 19:02 ID:KMc6GC+c
ソースの希薄度では前作以上ですね。
そろそろ補完スレに逝けといわれるか・・・
257OO:03/09/20 23:17 ID:KKu6Qlze

今日はアラブ君家でお勉強会

「あー、ねえアメリー君、この問題答えられる?」
ニホンちゃんはすすっとアメリー君に自分の書いたノートを見せました。
「あぁ、この問題ね。。。うーん難しいな」
ニホンちゃんは自分のノートを見て、こまったような顔をし続けています。
「なあ、やっぱりここをこうしたほうがいいんじゃないか?」
アメリー君はささっと鉛筆で文字をかきつらねました。
ニホンちゃんは其れをみると関心したようで、
「ああ、なるほど。そこで切り上げすればいいんだ。」
アメリー君はうなずきます。
「そうそう、こうすれば簡単に切り上げられるだろ?」
しかしニホンちゃんはちょっと考え込むと
「うーん、でもやっぱりこれだと、、切り上げた後難しいと思う・・・」
「そんなことないよ、後なんてこの前僕がやったみたいに強引にいけばいいんだよ」
「そうだね。アメリー君みたいにやればいいんだよね。。
でも自信ないなぁ・・」

と、そこに隣のほうで喋っていた。
チュウゴ君が二人の間に首をつっこんできました。
「一体どんな問題が解けないアル?我はニホンに算数を教えるくらい算数はできるアルヨ。
ちょっとみれば一発でわかるアル。」
「え?算数?私たちが喋ってるのは算数じゃないよ」
「え。。?さっきから切り上げ切り上げって、小数点の切り上げの話じゃないアルカ?」
にほんちゃんとアメリー君は顔を見合わせて、
「元の切り上げの話だよ」
といいました。
258OO:03/09/20 23:19 ID:KKu6Qlze
http://news.goo.ne.jp/news/kyodo/keizai/20030911/20030911a2430.html
人民元、円売り介入議論も G7などで米財務長官

それだけ。

259名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/09/21 01:19 ID:fcsRxKMX
                  「ヘアースタイル」
 アメリー君とチューゴ君、ニホンちゃんと地球町で知らない人がいない三人が図書館へ宿題
をしに行った帰りです。通りかかったフランソワーズちゃん家の前にヘアーサロンがありまし
た。
 「何時出来たんだ、これ」
 「午前中通りかかった時はなかったアルぞ」
 二人は首を傾げています。
 「ええと、『ヘアーサロン フランソワーズ家万歳』か。物凄い名前ね」
 ニホンちゃんもきょとんとしています。
 「まあ物は試しだ。お金もあるし入ってみるか」
 「丁度髪が鬱陶しくなってきたアルしな」
 「わたしも。髪形変えてみようと思ってたし」
 かくして三人は店に入りました。
 「ようこそ、真の芸術の場へ」
 そこにはフランソワーズちゃんがいました。
 「悪い、急用思い出した」
 「家に帰って宿題の続きをするアル」
 「あ、そうだ武士に頼まれてる本買わなくちゃ」
 彼女の顔を見て三人は踵を返して店を出ようとしました。
 「ぽちっとな」
 フランソワーズちゃんが手に持つボタンを押すと店の玄関に鉄格子が降りました。
 「帰る必要はありませんわ。これから三人には究極のヘアースタイルをプレゼント致します」
 その言葉に三人は心の中で呟きました。
 「大きなお世話・・・・・・」
 最早逃れられぬと悟った三人は諦めました。
 「諦めたら終わりだけどな」
 そんな三人をよそにうきうきと鋏やバリカンを用意するフランソワーズちゃんでした。
260名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/09/21 01:21 ID:fcsRxKMX
 「わたくしヘアースタイルについて学ぶうちに究極のアバンギャルドに巡り合いましたの。
本当の芸術を三人に今から差し上げましてよ」
 「って阪神虎刈りとかそんなんじゃないのかよ・・・・・・」
 これから起こる事を考えると絶望的ですがもう開き直ることにしました。
 「まずはアメリーですわね。アメリー家は・・・モヒカンでしたわね」
 「ちょっと待て」
 椅子から首を捻ってフランソワーズちゃんに言います。
 「あれはうちのごく少数の人がやるだけだ。うちのポピュラーな髪形じゃないぞ」
 「あら、そうでしたの?」
 「あの髪形は特別なんだ。絶対に断る」 
 アメリー君、見事に突っぱねました。
 「それではチューゴを先に。辮髪はそちらではポピュラーでしたわね」
 「・・・一体何時の時代アル。それに辮髪は元々モンゴルの家の髪形アルぞ」
 迫り来る危機に対しチューゴ君も必死に立ち向かいます。
 「あれ、けど昔は」
 「その時の家長が押し付けたアル。今うちで辮髪にする者はいないアル」
 「あらら、それでは止めますわ」
 チューゴ君も危機を脱しました。
 「それではニホンさんですわね。御安心を、わたくしニホンさんの家の文化には精通して
おります故」
 (それが一番怖いよお。フランソワーズちゃんのうちに対する知識って無茶苦茶偏ってるん
だもん。漫画とか特撮みたいにされなきゃいいけど)
 すごく不安です。
 椅子に座るニホンちゃん。その緑なす絹の様な豊かな黒髪を手に取りフランソワーズちゃん
はうっとりとしました。
 「・・・本当に何時見ても綺麗な髪」
261名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/09/21 01:22 ID:fcsRxKMX
 「この髪に相応しい髪形はこれですわね。これしか考えられませんわ」
 そう言うと鮮やかな手さばきで鋏を入れます。鏡を見るとそこにはいつもと変わらぬ
姫カットのニホンちゃんがいました。
 「フランソワーズちゃん、これ」
 「やはりニホンさんはその髪形が一番ですわ。他には考えられませんでしてよ」
 「ふうん」
 髪に指を絡めつつニホンちゃんは言いました。
 「何だ、似合う髪形にしてくれるのか」
 「だったら安心アルな」
 ニホンちゃんが帰った後男二人は安堵の面持ちで椅子に座りました。
 「そうですわね、どの殿方にも合う髪形と言えば・・・これしかありませんわね」
 「えっ・・・・・・!?」
 鋏が不気味に唸ります。
 「マイガーーーーーーーーーーーーッ!!」
 「アイヤーーーーーーーーーーーーッ!!」
 二人の叫びが町中に響き渡りました。

 翌日
 「二人共その髪形は何!?」
 登校する二人を見て皆大爆笑です。何と横をカールにした昔の欧州丁の偉い人達の髪形
なのです。
 「シット、見るんじゃねえよ!」
 「笑ったら唯じゃおかないアルぞ!」
 そこへフランソワーズちゃんが優雅な笑みを浮かべてやって来ます。
 「如何でして?わたくしの提供したヘアースタイルは。ベル薔薇を参考にしましてよ」
 「宝塚に行ってこーーーーーーーーーーーーーーーーい!!」
 二人の怒りの叫び声が教室に木霊しました。
262名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/09/21 01:25 ID:fcsRxKMX
263なー ◆GMi2juaL6k :03/09/21 12:13 ID:Quz9lqDE
「夏休みの絵日記帳〜その後(妄想編)」

オヤジが外出するらしい。
母さんにネクタイ締めてもらってるが、いい年してネクタイ一つ自分で締められ
ないものか。


でも、オレが大人になって、身長も姉さんより高くなったあと。
就職でもして、初出社の日。

姉さんに頼んだら、ネクタイ締めてくれるかな。


(こんどこそ)おしまい
264なー ◆GMi2juaL6k :03/09/21 12:16 ID:Quz9lqDE
スマンです。
なんか妄想炸裂してしまいました。

漏れの属性とは違うはずなんですが・・・
しばらくおとなしくしてますんで、スマソ。
265目次162:03/09/21 16:01 ID:G94qnAd/
第1646〜1650話
>>224

第1651話「マラソン大会」
>>225-226
第1652話「街路樹」
>>227
第1653話「それから…」
>>231-240 ( >>241-242 解説)
第1654話「フラメンコ先生の災難」
>>243
266目次162:03/09/21 16:01 ID:G94qnAd/
第1655話「郷に従わぬもの」
>>245-249 ( >>250 解説)
第1656話「夏休みの絵日記帳」
>>254-255
第1657話「今日はアラブ君家でお勉強会」
>>257 ( >>258 解説)
第1658話「ヘアースタイル」
>>259-261 ( >>262 解説)
第1659話「夏休みの絵日記帳〜その後(妄想編)」
>>263
267無銘仁 ◆uXEheIeILY :03/09/22 18:54 ID:q5AkeyM5
 「兄弟喧嘩は止まらない」

「アイゴー! なんということニダ!」
キッチョム君が地団駄踏んで悔しがっています。自室の押入れから出てきた
盗聴器を床に叩きつけると、力まかせに踏み潰してしまいました。
「首領に教えてもらった方法でカンコのやつを監視してるつもりだったのに……
ウリの方が監視されてたハセヨ!」
そうは言っても、キッチョム君がカンコ君の部屋に盗聴器をたくさんしかけて
いるのは町中に知れ渡っています。この盗聴器はカンコ君に発見されると
破裂する仕掛けになっていて、証拠を残さない優れものです。キッチョム君は
これを持って扉から窓から何度もカンコ君の部屋に侵入しました。
実はニホンちゃんの家にもいくつかしかけられています。そのうちいくつかは
カイホおばさんに見つかって破裂してしまいましたけどね。
しばらく怒り続けたキッチョム君。あることに気づきました。
「そういえばこの前、喧嘩はやめて遊びに来たとかいって居座っていったニダ。
お土産につられて大人しく遊んだけど、あの時もしかけたかもしれないニダ」
キッチョム君は部屋の中を捜索しはじめました。
268無銘仁 ◆uXEheIeILY :03/09/22 18:55 ID:q5AkeyM5
カンコ君が部屋でヘッドホンをつけ、手帳を片手に真剣な顔つきで寝ています。
机に突っ伏すカンコ君の顔。そのかたわらには大きな受信機が不気味に
黒光りしています。
「ちょっと兄さん、兄さん起きて!」
肩を揺さぶられ、机の脚でひざをしたたか打ったカンコ君は飛び起きます。
「痛いニダ! なんだチョゴリか。何の用ニカ。ウリは今忙し……」
「買い物に行くから、この前貸したお小遣いを返してほしいニダ」
「な、何のことを言ってるか全然わからないニダ。さっぱりニダ」
あまりに斜め上の返答だったので、チョゴリちゃんは一瞬固まってしまいました。
「……この前、キッチョム兄さんを監視するために必要だっていうから貸した
でしょう。それで盗聴器を作るのをウリも手伝ったニダ」
「ウリは盗聴器なんか作った覚えがないニダ。さあさあ、邪魔だから部屋から
出て行くハセヨ」
さすがのチョゴリちゃんも、度重なる兄の暴言に頬をキムチ色に染めています。
「覚えがないわけないニダ! あの時ウリは兄さんのためを思って一生懸命に
作って、工具で怪我までしたニダ。兄さんは恩を仇で返すつもりニカ」
「知らないものは知らないニダよ。ウリは無関係ニダ」
269無銘仁 ◆uXEheIeILY :03/09/22 18:55 ID:q5AkeyM5
どうしても認めようとしないカンコ君にあきれたチョゴリちゃんが、諦めかけた
その時でした。カンコ君が身を乗り出した拍子にヘッドホンが受信機から抜け、
部屋全体に音が響きわたりました。
『アイゴー! なんということニダ!』
「こ、これは、キッチョム兄さんの声?」
「あ、いや、これはその、あの……チョ、チョゴリ、おやつの時間ニダ」
グシャッバキッガリガリズザザザザー……
通信が途絶えました。
「盗聴器は見つかって壊されたようね、兄さん。さあ、謝罪と(ry」
「アァイィゴォー!」
いつも通りに絶叫するカンコ君でした。兄弟喧嘩もほどほどにね。

ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030922-00000795-reu-int
ttp://japanese.joins.com/html/2003/0915/20030915164606500.html
ttp://www.kaiho.mlit.go.jp/info/news/h14/fushinsen/
工作員合戦。スパイ防止法すらないウリたちの祖国では考えられませんね。
270更科うどん ◆bc/WMtRnlQ :03/09/23 23:21 ID:8mUrKoZ7
  『セルフ・プロデュース』

「アメリー、今日はぺくと山に輝ける光明星にして、ウリミンジョクの運命、
 ウリミンジョクの守護者! ウリナラを領導し・・・・・・・・・

         (長いので以下省略)

 ・・・・・・・・・百戦百勝の鋼鉄のケンカ番長である偉大なウリが、下賎なお前に
 特別に口をきいてやるニダ」
「あーはいはいわかったYO(プ」
「・・・・・。ウリナラはどんな強敵も容易に近づくことができない不敗の金城鉄壁であり、
 無比の勇敢性と英雄主義を発揮して決死的に・・・・・・・・・

         (疲れたので以下省略)

 ・・・・・・・・・テーコク主義者に恥ずべき大惨敗を浴びせ、無慈悲な鉄槌を下すため
 力強く闘争していく気概に溢れているニダ!! アメリーは後悔する事になるニダ!」
「あーはいはいわかったYO(プ」
271更科うどん ◆bc/WMtRnlQ :03/09/23 23:23 ID:8mUrKoZ7
「ムキーッ! アメリーはイマノウチにウリナラに対する悪辣なテーコク主義的圧殺策動を
 改め、ハレンチで強盗的な反ウリナラ対決策動とミンジョク分裂策動と挑発策動を
 取り下げなければ・・・・・・

         (てか、誰も読まないので以下省略)

 ・・・・・・・・・寿限無、寿限無、五劫の擦り切れ、海砂利水魚の水行末、雲来末、風来末、
 食う寝るところに住むところ、やぶら小路ぶら小路、パイポ、パイポ、パイポの
 シューリンガン、シューリンガンのグーリンダイ、 グーリンダイのポンポコピーの
 ポンポコナーの長久命の長助」
「あーはいはいわかったYO(プ」
「・・・・・・・・。ファッファビョーン! アメリーはウリの話を聞くニダ! コピペは嫌ニダー!」
「あーはいはいわかったYO(プ」


「・・・・・・・・。ねえ、クーロイ。何か・・・・あのおじさん・・・・・すごいね」
「おじさんって・・・・。まあ、キッチョムはいつもあんなもんだ」
「わたし、頭いたい・・・・。お、お兄ちゃん大丈夫なの? 平気なの?」
「大丈夫だろ。実はどっちもどっちだから」
「?」
272更科うどん ◆bc/WMtRnlQ :03/09/23 23:26 ID:8mUrKoZ7
 後書きなぞを

 サムい演出といえば北朝鮮ですが、実はアメリカも負けていません。

 テディベアのルーツにもなった、セオドア・ルーズベルト大統領の有名な逸話
「ハンティングに出かけたが何も捕れず、困った側近が小熊を捕まえ、これを撃つよう
大統領に促したが、大統領は憤然として拒否。小熊を逃がしてやった」
の真相は、実はマスコミ向けのパフォーマンスです。
大統領は新聞記者の見ていないところでしっかり小熊に止めを刺していたらしい。
 それと、初代アメリカ大統領ジョージ・ワシントンの有名な逸話
「親が大事にしていた桜の木を折ってしまい、それを正直に謝った」
は後世の捏造です。そんな事実は存在しません。

 偉い人には飾りがいるんですよ。パンピーにはそれが分から(ry
273七志野 :03/09/24 05:30 ID:jBPVlnaS
>>272
尾崎行雄がDCに贈るまで桜の木なんて無いわな
274有閑工房1:03/09/24 11:02 ID:4iNon3UE
『屋根の上のニホンちゃん』

「なーがれーるくもーをおいーかけてー♪あかーしあーのおかーいこーくのちにー♪…」
 ニホンちゃん今日は屋根の上に上がって一人ゆらゆらしています。
 秋や春のぽかぽか陽気になると、猫よろしく屋根に上がってひなたぼっこをす
るのが大好きです。サヨックおじさんやシャミンちゃんは危ないからやめろと度
々言いますが、隙を見ては屋根に上がりこむので二人とも説得は半分諦めています。
 屋根の上から眺めると、騒々しいまんぎょん宅急便のトラックや周りのみんな
が好き放題走らせているラジコンボートものどかに見えるから不思議です。そん
なニホンちゃんに気分ぶちこわしの抗議をする声がしてきました。
「こらー、ニホンちゃん駄目でしょぉー!」
「?」
何事かと下を見てみると、アサヒちゃんが下にいます。
「そうやって高いところから人の家を覗き見してあること無いこと探るつもりね
っ!そんな覗き見行為は私のペンで阻止してやるわ!降りてらっしゃい!」
 ニホンちゃんいい感じにぼんやりしている為、アサヒちゃんの妄言にも馬耳東
風です。面倒くさくなってまた定位置に戻ってしまいました。
 お空をぼうっと眺めると、飛行機雲が流れています。
『いーなー、ゆっくりお空を飛びたいなー。』
「言うこと聞かない悪い子は、夜中に迎えに来るんだぞー!ニホンちゃーん!早
くこっちに戻ってらっしゃい!」
 アサヒちゃんこんどは1階の屋根の上から叫んでいます。
「もーう!いい気分なのにぃ」
 ニホンちゃんぷんすか怒ります。勿論戻る気もありません。
275有閑工房2:03/09/24 11:03 ID:4iNon3UE

「この前だって他のところの屋根から落ちそうになってまだ懲りないのっ!人の
心配無視する人にはペンの力で上がれないようにバリケート作っちゃうぞ!」
「?バリケート作るんなら別にペンの力じゃなくても出来るんじゃないの?」
 素朴な疑問をニホンちゃんは投げかけます。アサヒちゃん、黙り込んでしまい
ました。ニホンちゃんの突っ込みに顔を旭日旗のように赤白させています。
『何でそんなに悔しがるかなあ…』
 時々純粋まっすぐなアサヒちゃんが気の毒にすら思えます。そして気を使った
つもりのニホンちゃんの言葉がアサヒちゃんに追い討ちをかけるのもいつものこと。
「こっち来てみればいいのに…ぼうっとしてると気持ちいいよ?」
 アサヒちゃんは両肩を震わせてその場を立ち去りました。食わず嫌いの世の常
で、高いところには恐怖心があるようです。
「私は優等生で無きゃいけないの、だから世界共通の良識にのっとって自分の行
動を律するべきなんだわ…人の家を覗き見する行為は正義の為に行われるべきで
あって、悪意を持つ者が行うそれ即ち犯罪なのよ…私は…私は…」
 なんだかニホンちゃんには訳のわからない独り言を呟きながらアサヒちゃんは
去っていきました。
「ヘンなのお…」
276有閑工房3+かいせつ:03/09/24 11:04 ID:4iNon3UE
 ニホンちゃん特にこだわりもせず自分の世界に戻ります。この間上ってやろう
として失敗をした場所を含めてあと3箇所、ニホンちゃんが登ろうと心に決めて
いる屋根があります。そこに上ったときにどんな眺めがあるのか一人で考えなが
ら、ニホンちゃんはお昼寝してしまいましたとさ。
 
おしまい

追伸:あーニホンちゃん、屋根に上がるときはスカートやめようね。男の子喜ば
すだけだよ…

  解説・説明・以心伝心
どーも皆さんアニョハセヨ。小ネタに挑戦の有閑工房です。
※ 今回は日本国産偵察衛星の話をば。先日打ち上げ失敗しましたが、偵察衛星は
合計で4つは打ち上げるそうです。いっつもアメリー君から衛星画像もらってい
て、不便が多くなったので自分で持っちゃおうということですね。地元紙にもあ
からさまに『北朝鮮の動向偵察』と書いてあったし、目的は非常に露骨。言える
だけの事をする隣国の隣に感謝ですな。解像度は1mのものを判別できるくらい
で、2008年からは50cmまで見えるように性能を上げるそうです。
※ ニホンちゃんの歌は「流れる雲を追いかけて」/サザンオールスターズ(歌は
原由子)歌の舞台は満州。サザンの初期の曲だね。この曲好きなもんで…
※ 赤い三連星は言うことにばらつきはあるでしょうが、総じて反対するのが身上
なんで色々言っています。アサヒちゃんが高所恐怖症かどうかは知りませんが、優
等生たらんとして自分に必要以上の枷をはめる傾向が強いもんで、ああいう役回り
をしてもらいました。「言うこと聞かない…」は説明せんでもいいよね?ね?
277有閑工房そうっす:03/09/24 11:05 ID:4iNon3UE
はー、しかしこねこ隊長のヨリコおばさんも留任したし、ええこっちゃですね。
※ソース↓
・日本の偵察衛星計画
↓防衛白書から
ttp://www.jda.go.jp/j/library/wp/15/2003/html/15311300.html
・シャミンちゃんたちの反応
↓アサヒちゃん過去記事。疑問だそうです。
ttp://www.asahi.com/special/nuclear/TKY200306070230.html
↓『週間かけはし』見事な電波ですなあ。戦争ビジネス反対だそうで。ご苦労様(w
ttp://www.jrcl.net/web/frame0347c.html
↓電波ゆんゆんですが、どいつらが反対してるか探すのに便利。
ttp://www1.jca.apc.org/aml/200303/33293.html
↓国際勝共連合…ウヨ君たち?の、1号機打ち上げ時点の記事。興味ある人は共産
党関連でもドゾ
ttp://www.ifvoc.gr.jp/2003/new_page_030415.htm
(よろく)・サザンの歌は?
↓アルバム紹介。もう20年前なのね…
ttp://www001.upp.so-net.ne.jp/rorotomashi/southern_album_nude.html
278名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/09/24 11:15 ID:2TpniNvz
               「ビールごくごく」
 ごくっごくっごくっ
 「ふうーーー、たまんねえなあ」
 「ロシアノビッチ、何を飲んでいるんだ?」
 口に泡を付けているロシアノビッチ君に一緒にいたゲルマッハ君が声をかけます。
 「?ビールだぜ」
 「ビール?君もビールを飲むのか?」
 「ああ。前はそんなに飲まなかったけどな。飲んでみるとなかなかいいなあ」
 その言葉にゲルマッハ君はにやりと笑いました。
 「ほう、君もようやくあの美味さがわかったようだな」
 「おう、いけるなあ、これ。ウオッカは暑い時には効き過ぎるからな」
 「今うちに丁度いい位に寝かしたのがあるがどうだ?」
 「俺が断る訳ねえだろ」
 「では行くか」
 「おう」
 かくして二人はゲルマッハ君の家でビールで一杯ということになりいました。
279名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/09/24 11:17 ID:2TpniNvz
 「美味えな、これ」
 黒ビールを一口飲んでロシアノビッチ君が感嘆の声を出します。
 「どうだ、なかなかいけるだろう」
 「なかなかどころじゃねえな。やっぱりおめえんとこはビールがいいな」
 「ビールだけではないぞ。ワインも得意だ」
 赤ら顔でゲルマッハ君が言いました。
 「モーゼルだったっけ。俺もあれは好きだな」
 「光栄だな」
 「けど今はビールにしようぜ。ソーセージも芋もあるしな」
 茹でたジャガイモにバターがたっぷりとつけられます。ソーセージがしゃくっと
音を立てて割られます。
 「食い物の美味いし言うことなしだな」
 「しかし二人だと少し寂しいな。誰か来ると面白いが」
 そこへチャイムが鳴る音が。アメリー君でした。
 「ビール飲んでるんなら誘ってくれよ。冷たいぜ」
 手にはハンバーガーとホットドッグの山が。
 「いいぞ。入ってくれ」
 かくして三人となりました。すぐにまたチャイムが鳴ります。
 「最近ビールにも凝ってるアル。つまみも持ってきたアルぞ」
 餃子と焼売が。
 「いい雰囲気になってきたな」
 「しかし何で二人共ここにきたんだ?」
 「ビールの匂いに引き寄せられのだろう」
 「成程」
 宴は四人となりました。しかしあとの二人流石に食べ物に鼻がききます。
280名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/09/24 11:26 ID:2TpniNvz
 「そういえばビールはかなり前から飲まれてるんだよな」
 アメリー君ガジョッキを空にして言いました。
 「エジプトのところかイラクのところの御先祖が作り始めたらしいアルがな」
 チューゴ君が餃子をぱくつきつつ言います。
 「それを考えると古いな」
 「まあここでそんな難しいこといいっこなしにしようぜ。飲んで食べるとしよう。俺
のとっておきのビール持って来たしな」
 どすん、と大量のビールがテーブルの上に置かれます。
 「今日は心いくまで飲み明かそうぜ」
 「よし!」
 一数時間後ー
 「しかしあの虎が優勝するとはな」
 「ニホンの家アルな」
 「オオサカの間でパレードだそうだな。なんでも四十四年振りだそうだ」
 「鷹チームが優勝した時だよな」
 「スギウラカードがシリーズ四連投四連勝」
 「もう伝説アルぞ」
 「血染めのボールをノムラが取ったのだよな」
 「そういえばノムさんとドンツルオカ仲が悪かったらしいな」
 「その話はやばいぞ」
 「ニホンの家のボーキューではかなりの実力者だったアル」
 
 夕暮れー
 「この世界とは関係無い上にもう殆どの人が見たことの無い話をしていると思えば酔い
潰れているとは。困ったものだ」
 空になった皿とビンに囲まれテーブルに伏す四人を見てアーリアちゃんは呆れています。
 「兄上もこれさえなければ完璧だが。ロシアノビッチは仕方無いとして」
 溜息をつきつつもふっと微笑みました。
 「まあいいか。人間誰にでも欠点はある」
 皿とビンを直すと四人に毛布をかけました。
281名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/09/24 11:29 ID:2TpniNvz
ロシアでは最近ビールが人気だそうでビールネタを。
http://f4.aaacafe.ne.jp/~russianr/photo/pivo.htm
http://www002.upp.so-net.ne.jp/dachang/travel/beer/russia/russia.html
 ドイツ、アメリカ、中国もビール消費量は凄いです。ニホンちゃんもそうだった気が。
http://www.kushiro-beer.com/html/ryokou/ryokou-1.html
http://www.246.ne.jp/~ron-e/02-special.html
http://www.bea.hi-ho.ne.jp/wtr_sakai/waiwai/hitori/hitori14.htm
 最後の方の四人のネタ御存知の方がおられたら本当に嬉しいです。鶴岡さんは関西球界
のドンと言われ長嶋さんとも洒落にならない話があります。興味のある方はプロ野球板
282:03/09/24 20:26 ID:7idfuBch
「うふふふ、もうすぐだ。もうすぐ俺の時代がくるんだ」
 醸造中のノンアルコールビールの樽を抱えて悦に入るはウヨ君です。
銀河高原の間には他にも樽が山と積まれて出荷の時を待っているのですが、
樽に話し掛けたり頬擦りするというウヨ君のいつにない行為に気味悪がって
ニホンちゃんですら近づきません。
 旭日旗印(決してアサヒビールではない:アサヒちゃん注)という名の
それは、百年前にロシアノビッチ家と雌雄を決した戦いを記念して
造られたものだった。その百年目まであと2年。
 なのでウヨ君は暇を見てはここに通い詰めては樽ひとつひとつに
話し掛けて回っているのでした。
「愛情を(?)込めれば味が良くなるんだ」とはウヨ君の弁ですが
ニホンちゃんは諦めたのか何も言いません。何故かといえば…。

 ttp://www.gingakogenbeer.co.jp/rjw/index.html



 ニホンちゃんはその味を既に知っていたからなのです。
「出来上がった樽と途中の樽を摩り替えても気が付かないなんてね」
 ウヨ君をそっと見る彼女の手には旭日旗の缶があったのでした。
283:03/09/24 20:29 ID:7idfuBch
&です。ビール話に触発されて小話をひとつ。
百周年記念なのに既に販売中というのもどうかと思いますが
味についてはコメントを避けさせていただきますw
284いつもの名無しさん:03/09/24 20:43 ID:wsEcQsOv
小学生ちゅ絶妙な設定が全然生きてないちゅのは
漏れの思い過ごしだろか?
285 :03/09/24 22:55 ID:VIJBeQFy
つうか麦ジュースってのがあったよな、初期に………。
286siki:03/09/25 17:48 ID:4jjsfhtY
「リッチになる方法」

「ねぇどうこれ」
「あ〜〜〜!!! どっどうしたのよその服!」
「いいでしょ〜 買っちゃった。」
「そんなお金がどこに有るのよ! あなたんちは、あたしんちと
 同じで貧乏のはずでしょ」
「そんな貧乏って決め付けないでヨ、まあ確かにそのとうおりだったけどさぁ」
「だったらどこにそんな・・・・だった?」
「そっ ちょっこっとだけリッチなくらしに近づいたわけヨ」
「なんで、あんたんちだけ、そうなるわけよ」
「なんでってニホンちゃんと仲良くなったからよ」
「ニホンちゃんと仲良くあるとキレイな服を買うことができるの?」
「そっ」
「私もニホンちゃんと仲良くなりた〜〜い!!!なりたい!なりたい!なりたい!
 どうやったら仲良くなれるか教えなさいよ〜〜〜!!!」

ぎゅ〜〜〜〜〜〜〜!!!!
287siki:03/09/25 17:48 ID:4jjsfhtY
「くっ 首をしめないで 言うから・・・・くる・・・し・・・」
「あっごめん」
「もう、ニホンちゃんと仲良くなるコツはねっ」
「コツは・・・・・・」
「約束はまもる!!」
「フン フン それから?」
「それだけよ」
「それだけ?」
「うん」
「誕生日にはこんなプレゼントをとか、こんな事言われると嬉しがるとか・・・」
「うぅうん、それだけ」
「それだけのはず無いでしょ! 自分だけが仲良くなりたいからって
 なにか隠してるでしょ!! 言いなさいよ〜〜〜〜!!」

ぎゅ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!

「ほ ほんとに それだけだってば くっ 首しめ・・な・・・くるし・・・ぃ〜」
おしまい
288Siki:03/09/25 17:49 ID:4jjsfhtY
説明
アジアかアフリカかは忘れましたが、妙に羽振りのいい会社があって
他の会社の人が尋ねると、日本の企業と取引してるからだとか
そこで自分も日本の企業と取引したいから上手くやってくコツを聞くと
上の話のような事があったとかなかったとか・・・

おまけ
「ホントはもう一つだけ、あるんだけどね〜」
「あっ〜!! やっぱし隠してたんだ」
「そんな、たいしたことじゃないから・・・」
「またクビを締められたいわけ?」
「いいます、いいます」
「素直でよろしい・・・っで」
「ウソをつかない!」
「それだけ?」
「うん、それだけ」
「まだ、何かかくしてるでしょ〜〜〜」
「ホントにそれだけだってば!! だから首は・・・くるしぃぃぃぃ〜」
おしまい

本当は他にも 約束を守れそうになときは早めに連絡するとか
ミスしたら素直に謝るとかありますけどね
289ナナッシィ:03/09/25 22:52 ID:QHBGJ8o0
『空と君のあいだに』

○月○日
  今日、学校でタイワンちゃんが、自分の名札にボールペンで『タイワン』と書き加えていた。
 「へへーん、どうニホンちゃん?」と見せびらかしてくる彼女に、それどうしたの? と尋ねると、
 「だってこれがアタシの名前だもん」と言って、嬉しそうに笑った。
  それを聞いたチューゴ君は、真っ赤になって怒ってたけど。

○月×日
  今日は、タイワンちゃんの家に遊びに行った。アメリー君やフランソワーズちゃんにもらった
 メリケンサックとか鉄扇とかを見せびらかしてくる彼女に、そんなの何に使うの? と尋ねると、
 「最近チューゴも力づくでアタシをゲットしようとしてるみたいだからね」と言って、薄く笑った。
  それを聞いたチューゴ君は、真っ赤になって怒ってたけど。

○月△日
  今日、学校でタイワンちゃんが、しょんぼりして廊下を歩いていた。どうしたの? と尋ねると、
 「校長先生がアタシの名前覚えてくれないの……」と言った。私が何も言えないでいると、彼女は
 「ま、また頑張るよっ。うん、次は12回目の挑戦!」と言って、ニカッと笑った。
  チューゴ君は、機嫌良さげだった。噂では校長先生に催眠術をかけてるって……まさかね(汗
290ナナッシィ:03/09/25 22:53 ID:QHBGJ8o0

○月□日
  今日は、アメリー君やカンコ君達と一緒にタイワンちゃんちに遊びに行った。
 近所の子がお呼ばれしてたけど、チューゴ君は来てなかった。彼女に、どうして? と尋ねると、
 「だってアイツの考え方を直させるためだもん」と言って、ちょっぴり意地悪そうに笑った。
  新手の嫌がらせ? もっとも、チューゴ君がその程度で堪えるとは思えないけど。

○月☆日
  何だかんだ言って、タイワンちゃんはチューゴ君とそれなりの付き合いはしている。
 さすがに直接お互いの部屋の行き来はしてないけど。彼女に、嫌じゃないの? と尋ねると、
 「ちっちっちっ、ニホンちゃ〜ん、オンナはしたたかでなきゃ生きていけないのよ?」と言って、
 ウィンクしながら笑った。……だからって、ひと(と言うか私)をダシにして会うのはどうかなぁ?


「何て言うか、タイワンちゃんも大変だね」
「同情するなら金をくれ!」
「あはっ、古ぅ!」
「え〜? 今これマイブームなのにぃ〜……」
「こらタイワ〜ン! ニホンのODA賃は朕のものアルヨ〜!」
「……ったくも〜、うっとーしいなぁ〜……行こっニホンちゃん!」
「あ、待って――」

 駆け抜ける青空の下、振り向いたタイワンちゃんは、今日も元気にニッコリと笑った――。


おしまい。
291ナナッシィ@休場明け:03/09/25 22:54 ID:QHBGJ8o0

コソーリ復帰。ウリの疲れにもタイワソ。君が笑ってくれるなら僕は……ハァハァ
……え? 何も変わってない? 進歩が無い? オチも無い? ケ、ケンチャナヨ……

台湾が新旅券を発行 「TAIWAN」と表記
 ttp://news.www.infoseek.co.jp/topics/world/taiwan.html?d=01kyodo2003090101000336&cat=38
台湾で史上最大の実射演習、中国の軍備増強にらみ
 ttp://news.www.infoseek.co.jp/topics/world/taiwan.html?d=04reutersJAPAN124328&cat=17
国連、台湾の加盟申請を11年連続で否決
 ttp://news.www.infoseek.co.jp/topics/world/taiwan.html?d=18reutersJAPAN125485&cat=17
「民主太平洋大会」を開催 中国けん制狙い台湾
ttp://news.www.infoseek.co.jp/topics/world/taiwan.html?d=19kyodo2003091901000364&cat=38
那覇乗り継ぎで中台間運航 中華と中国東方が協力
 ttp://news.www.infoseek.co.jp/topics/world/taiwan.html?d=23kyodo2003092301000333&cat=38
「家なき子」台湾ブレーク
 ttp://news.www.infoseek.co.jp/topics/world/taiwan.html?d=23sankei28406&cat=6
292 :03/09/25 23:19 ID:jD/dYOsB
ベトナム艦、中国漁船2隻を攻撃=1隻が消息不明に−トンキン湾
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030925-00000005-jij-int

293名無しさん ◆XSSH/ryx32 :03/09/26 21:16 ID:26pZlyjV
「姉と妹」
 「ストラーーイクバッタァーーーアウト、ゲーームセエェーーーット!!」
 最後のバッターを見事三振に討ち取りニホンちゃん今日も勝利投手になりました。女房役である
タイワンちゃんがマウンドに駆け寄ります。
 いつもはここでグラブとミットのタッチですがそこへキューバちゃんが駆け寄ってきました。
 「やったよ、ニホンちゃん!」
 「きゃあっ!」
 サードの方からダッシュしてきてニホンちゃんに抱き付きます。
 「ちょっとお、離れなさいよお」
 小さな身体で思いっきり抱きついているキューバちゃんにあからさまに嫌な顔をして言います。
 「いいじゃない、あたし今日はホームラン三本打ってファインプレーまでやってるのよ」
 「何よ、そんなの。あたしは猛打賞にホームスチール、盗塁は全部刺してるのよ、それにニホン
ちゃんをいつもリードしてるのはあたしなのよ!」
 「ニホンちゃんみたいに良い投手だったら壁でも勝てるわよ。壁でもね」
 「何よ、あたしが壁だって言うつもり!?」
 「ちょ、ちょっと二人共・・・」
 言い合う二人の間に挟まれニホンちゃんおろおろしています。
 「それにあんたいつもニホンちゃんと一緒だからいいじゃない。たまにはあたしだって・・・」
 少し哀しく寂しそうな顔になりました。けれど多少頭に血が登った状態だったタイワンちゃんは
気付きませんでした。
 「何言ってんのよ、ニホンちゃんはあたしだけのものなのよ!!」
 「な、なんですってえ!」
 「何よ、やるつもり!?」
 二人はマウンドで睨みあいだしました。
294名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/09/26 21:18 ID:26pZlyjV
 このいがみ合いはアーリアちゃんの仲裁で事無きを得ました。けれど二人は解散になって途中まで
帰る間顔をずっとそむけ合っていました。
 「ふん、タイワンの奴あんなこと言わなくたって」
 夕暮れの家への帰り道かばんやバットを担いだキューバちゃんが一人とぼとぼと帰っていました。
 「いつもニホンちゃんと一緒のくせに。いつも友達の一緒のくせに」
 彼女はアメリー君に苛められクラスではいつも一人ぼっちなのです。
 「あたしにはあんな友達なんて・・・」
 夕陽が小柄な彼女の影を大きく映し出します。
 「どうしたんだい、そんなにしょげかえって」
 前から女の人の声がしてきました。その声をキューバちゃんはよく知っていました。
 「え・・・っ!?」
 そこには壁にもたれかかるようにして立っている女の人がいました。迷彩服に身体を包み黒く
長い波がかった髪にベレー帽を小粋に被り端正で日に焼けた顔には葉巻が咥えられています。
 「ゲバラ姉さん・・・」
 「久し振り。ちょっとこの町に通りがかったんでね。顔見に来たよ」
 「そうだったの」
 「カストロ親父は元気?」
 「ええ、とても」
 ゲバラさんは放浪癖があり一箇所に留まる人ではないのです。
 「試合見たけど大活躍だったじゃない、特にショートの頭上越えた打球がそのままホームランに
なったのは凄かったね」
 「うん、ありがと」
 「?元気ないねえ、マウンドのことかい?」
 「・・・・・・」
 キューバちゃんは黙ってしまいました。
295名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/09/26 21:21 ID:26pZlyjV
 「あんなのよくある事さ。あたしだってあんたの歳の頃は色々とやったさ」
 「・・・・・・」
 「けどそれも友達だよ。そういうこともあって友達になっていくんだよ」
 「・・・違うもん」
 キューバちゃんは唇を噛み締めて言いました。
 「あたしなんかに友達なんていないもん!あたしと一緒にいるとアメリーに色々と言わ
れるから、だから皆あたしと話そうとしないのよ!それに小柄で力も弱いし勉強もそれ程
良くないし・・・。そんなあたしに友達なんている筈ないじゃない!!」
 大声で姉に言いました。黒く大きい瞳から涙が溢れ激しく嗚咽しています。
 「・・・じゃああそこにいるのは誰だい?」
 「えっ・・・!?」
 キューバちゃんはゲバラさんが指差した方へ顔を向けました。
 「あ・・・・・・」
 タイワンちゃんが駆けて来ています。ニホンちゃんも、ナイン達も一緒です。
 「マウンドのことで仲直りしに来たんだろうね。友達だから」
 「とも、だち・・・・・・」
 「そう、友達だよ。あんたにもちゃんといるんだよ。あんたが気付かなかっただけで」
 「・・・・・・」
 「哀しんで泣いてばかりじゃあ何にもならないよ。あんたはあたしの妹なんだ、明るく
進むんだ、いいね」
 「うん・・・」
 ゲバラさんは妹へ背を向け歩き始めました。
 「諦めるんじゃないよ、自分の信じた道を最後まで歩くんだ。友達を信じて。さあ行くんだ。
いざとなったらあたしが駆けつけて来るしね」
 「うん!」
 涙を拭きキューバちゃんは友達の方へ駆けて行きます。
 「まああの娘達がいたらあたしがでしゃばることもないか」
 歩きながら後を振り返ります。仲直りをし多くの友達に囲まれている妹がいまし
296名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/09/26 21:23 ID:26pZlyjV
 337話程で出ていたゲバラを。この世界では行方不明らしいので出してみました。
ttp://www.kt.rim.or.jp/~katsuma/jiten.f/Guevara.html
ttp://www.geocities.co.jp/HeartLand-Poplar/1535/genkou/che.html
ttp://homepage2.nifty.com/GAKUS/hetareron/che.html
 この人の本も多いです。
ttp://www.interq.or.jp/world/naoto/bolivia/che/che.html
 凄い人生ですね、本当に。
297目次163:03/09/28 17:24 ID:Nc4rPjPI
第1651〜1659話
>>265-266

第1660話「兄弟喧嘩は止まらない」
>>267-269
第1661話「セルフ・プロデュース」
>>270-271 ( >>272 解説)
第1662話「屋根の上のニホンちゃん」
>>274-276 ( >>277 解説)
第1663話「ビールごくごく」
>>278-280 ( >>281 解説)
298目次163:03/09/28 17:25 ID:Nc4rPjPI
第1664話「もうすぐ俺の時代」
>>282 ( >>283 解説)
第1665話「リッチになる方法」
>>286-287 ( >>288 解説)
第1666話「空と君のあいだに」
>>289-290 ( >>291 解説)
第1667話「姉と妹」
>>293-295 ( >>296 解説)
299名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/09/30 06:11 ID:0UjB+hDR
                     「本当に人それぞれ」
 「ねえ、胸小っちゃくする方法知らない?」
 学校の帰り道かき氷をぱくつくタイワンちゃんに一緒にいたキューバちゃんが尋ねました。
 「・・・・・・・・・」
 タイワンちゃん目が点になっています。とりあえずかき氷をかきこみます。
 「ぐっ・・・ぐうああああ・・・・・・」
 頭に激痛がきーーーんときます。よじれるタイワンちゃん。
 「・・・聞いてる?」
 「聞いてるわよ、痛ててて・・・」
 こめかみを押さえ苦しそうにしています。
 「何であたしに聞くの?」
 「あんた小さいし。あたしに体型似てるしね」
 二人共小さいですしね。それに胸も・・・。
 「まあ否定しないけど。大石大二郎だし」
 まだ根に持っているのですか。
 「じゃああたしは藤瀬吾郎かな」
 「えらくマニアックね。盗塁マシーンなんて」
 二人共よく知っていますね。
 「・・・まあそれはともかく。何で胸小さくしたいの?」
 「いやあ、小さいほうが動き易いし。あたしの家じゃあ皆小さいほうがいいって言うのよ」
 「そういえばあんた野球とかダンスとか好きだしね」
 そう言いつつちらりとキューバちゃんの胸を見ます。タイワンちゃんに勝るとも劣らない見事な貧乳です。
 (大丈夫だと思うけど。そんだけ小さけりゃあ)
 内心そう思いつつもクラスメイトの相談を無下に断るタイワンちゃんではありません。
 「まあ牛乳飲むの止めたら。あと肉控えて菜食中心でいくといいわよ」
 「わかったわ。じゃあやってみる」
 「うん(それ以上小さくなったらミニモ二じゃない。メンバーじゃないけど)」
 何の話やら。
300名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/09/30 06:14 ID:0UjB+hDR
 これは以外と楽でした。元々暑い家の子なので果物をよく食べるキューバちゃん、それは
別にどうということはありません。しかし問題が。
 「ちょっとスタミナ不足かな」
 牛乳は栄養の宝庫です。モンゴル君の強靭な体力は乳製品あってのものである程です。そ
こで彼女が注目した一人の少女。
 「ニホンちゃんの家の人も野菜とかばかり食べてたらしいけど凄い体力あったらしいし。
何でかなあ」
 ちらりと側で着替えているニホンちゃんを見ます。コバルトブルーのショーツに同じ色の
ブラ。胸は・・・ノーコメント。
 「胸も・・・無いわねえ」
 じろじろとニホンちゃんの胸を見ます。
 「ちょ、ちょっとキューバちゃん・・・」
 引くニホンちゃん。
 「・・・あんた、何してんのよ」
 タイワンちゃんが来ました。
 「んー、ちょっとニホンちゃんの胸をね」
 そう言いつつ眺め続けます。
 「ちょっとあんた、止めなさいよ」
 注意する彼女の目もニホンちゃんの胸に。
 「あの・・・タイワンちゃん・・・ちょっと・・・」
 二人の目は胸に釘付け。
 「やっぱり小さいなあ。どうしたら小さいままでスタミナ保てるんだろ」
 「まだ胸にこだわってたの?」
 「うん」
 「二人共・・・もう・・・止めて・・・よ」
 話しつつ視線を外さない二人。
 「いい加減にしろ、これ以上は十八禁指定受けるだろうが」
 着替え終わったアーリアちゃんが二人を制止します。黒いジャージがよく似合っています。
301名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/09/30 06:17 ID:0UjB+hDR
 「今度は胸か。全く皆何故そう身体にこだわるのか」
 「だって貧乳のほうがいいから」
 話を聞くアーリアちゃんが髪に手をあてつつ溜息をつきます。
 「確かに胸は小さいほうが動き易い。それに小さい胸が好きな男もいる」
 彼女の胸はかなり大きいほうですが。
 「でしょ?だからあたしも」
 「だからといってニホンの胸を見るのはどうかと思うぞ。それではマカロニーノと変わらん」
 「うっ・・・・・・」
 「菜食でも体力をつける方法はいくらでもある。大豆とか。それに魚なら別に構わないだろう」
 「そうかあ・・・」
 キューバちゃん目から鱗です。
 「それで大きくなったら矯正するなりすればいいだろう。そういうブラも出ているし」
 凄く生々しい話ですね、また。
 「矯正か・・・そだね」
 キューバちゃん大きく頷きます。
 「・・・わかってくれたみたいだな」
 アーリアちゃんはにこりと微笑みました。その語キューバちゃんの家では胸を小さくする
ブラが家のお金で皆に配られることとなりました。
 「・・・わかっているのかな」
 首を傾げるアーリアちゃんでした。
302名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/09/30 06:19 ID:0UjB+hDR
 キューバでは胸の小さい女性の方がもてるそうです。
ttp://topia.e-city.tv/taikei02.html
 あと世界史板で読むと政府が整形費用負担だとか。こちらのソースは
こちらです。
ttp://www.beads-peach.com/sonota/diary/02-11.htm
ttp://mimiguro.cside21.com/wm/556.htm
 ソースとするには弱いですが。手術を矯正ブラに変換し
303ウホ:03/09/30 12:08 ID:mf4AjUXo
カンコ君出てこないとさびしいなぁ
304七氏:03/09/30 12:35 ID:i421HL+z
カンコ君がいないと閑古鳥が鳴くニダ
305ちょこっと言訳@有閑工房:03/09/30 15:45 ID:/wHg4lsS
 こちらカンコ家の台所。冷蔵庫を漁っていたカンコ君にアサヒちゃんがいきな
りやってきてツッコミまくっています。
「ちょっとカンコ、>>303-304みたく言われてるわよ!私も昨日の社説みたく一
生懸命電波飛ばしてるんだから早く海原○山イワすくらいのネタ提供なさいよ!」
「アサヒはいっつもうるさいニダ!しょんなことより人が真面目にやってるのに
ネタ呼ばわりするのはどう言う事ニダ!今の言葉でウリは東海よりも深く傷つい
たニダ!アサヒは謝罪しる!賠(以下火病 」

 同時刻日乃本家台所。ニホンちゃん割烹着でお手伝いの真っ最中です。
「そんじゃあまたごひいきに宜しく!」
「はーい配達ご苦労さま。」
 魚屋『共同』の配達カブは軽快に帰っていきます。
「わー、こりゃ新鮮だなー。作者の人はどんな料理にするんだろ?おいしく
食べたらちゃんと感想も言わなきゃね!」
料理によっては素直に喜べないだろうに、ニホンちゃん健気です。

作者の皆さん料理頑張れ。ウリも食べれる物出せるようがんがるニダ。
読む人もちゃんと読め。んで食べたら感想言おうね。補完スレで…

※>>目次さま 念のため断っときますが、話数には入れないで下さいね。
おねがいします。
306雄山もとい有閑工房:03/09/30 19:16 ID:/wHg4lsS
訂正
アサヒちゃんのセリフ
「…昨日の社説…」→「…一昨日の社説…」
でした。あーなさけなー
307名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/10/02 23:45 ID:uT47eX9i
               「おじさん大暴走」
 今日も虎チームの歓呼の声が絶えない日之本家。アサヒちゃん以外はもううんざりしています。
 「ここまで来ると・・・ねえ」
 「相手のチームは無視かよ」
 皆ちょっと不満です。けどアサヒちゃんの狂喜乱舞ぶりに何も言えません。
 そんな中一人苦虫を噛み潰している娘が一人。ついでにおっさんが一人。
 「あの戦力で勝てなかったなんて」
 「バッキャアロオ、キョジンは球界の盟主だぞ、優勝して当然なんだ」
 これを奢りと言わずして何と言いましょう。ヨミちゃんとナベツネおじさんがすごく久し振り
に出て怒り狂っています。
 「ぺタ入れたせいかなあ、バンチョーの怪我もあったし。いや、それよりも投手陣の不調が」
 ヨミちゃんはまだ理性的です。しかしナベツネおじさんは違います。
 「バカヤローー、ワカダイショーは何やってんだ」
 実はこの人ボーキューのことを知りません。町のことにはそれなりに知っていてわりかしまともな
ことを言うのですがボーキューになるともう滅茶苦茶です。ひょっとしておじさんは多重人格者なのかも。
 そもそもあのチョーさんカードのミラクル采配を止めオーソドックスな采配をしてチームを優勝
させたのはワカダイショーカードです。面白くないと言われながらも基本に忠実は采配が功をなした
のです。
 「やっぱりトレードかな。モトキなんていらないや」
 押し付けられそうになった牛チームのファンから総スカン喰らいましたね。
 「あとストッパーを何とかしなくちゃ」
 まともですね。しかしおじさんの発送はことボーキューに関しては斜め上でした。
 「カントクカードに問題あるんじゃねえか」
308名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/10/02 23:48 ID:uT47eX9i
 この言葉にワカダイショー敏感に反応したかも知れません。現役カード時代から勝って当たり前
でONの幻想ばかり抱いている無理解なファンに出鱈目な批判を受けてきましたし。
 「えっ、ワカダイショー辞めるって!?」
 ヨミちゃんびっくりしました。いくらなんでも辞めるには早過ぎます。しかしワカダイショー
は頑なです。もう嫌気がさしたのでしょうか。ウエハラ達選手カードもカントクに危機を救うべく奮起します
が結局辞任となりました。
 「辞めるのは仕方ねえ。伝統あるうちは一日たりともカントクカードが無いのは駄目だ」
 その体質がワカダイショーに辞めようと思わせた一因なのかも知れません。おじさんの出した
カードは。
 「・・・・・・・・・」
 そのカードを見てヨミちゃん絶句しました。アクタロウカードでした。
 選手カードの時からやりたい放題の遊び人で人望ははなはだ疑問です。コーチの時も何かと
悪評があります。
 「どうだ、これでいいだろう」
 おじさんは一人得意になっています。それを見てヨミちゃんは言葉を言う気力を失いました。
彼女はエガワにするつもりだったようです。
 「もううちのチーム駄目かも」
 新しいカントクカードを手に取り肩を落とすヨミちゃんでした。
309名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/10/02 23:51 ID:uT47eX9i
 巨人の監督交代劇を。何か三山代表が問題らしいですけど。
ttp://www.sannichi.co.jp/DAILY/news.php?y=2003&m=09&d=27&s=1
 後任はこの人。
ttp://www.webmie.or.jp/~m-yama/player/sportshoriuchi.htm
 選手の反応。
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030928-00000000-nks-spo
 個人的な意見としましては原監督でやるべきですね。近鉄ファンの目から見ても。
しかしローズを取ろうとするとは。本当に学習能力の無い球団だ。これには本気で頭に
きてます。まあ江尻の記事なので根拠は出鱈目でしょうが。そもそも自分のチームの選手
育てないでどうするつもりか。 
310いつもの名無しさん:03/10/03 14:30 ID:gO164XJZ
既に国際関係や日韓朝関係と関係ないキャラノベルな訳?
311 :03/10/03 16:03 ID:UVPTXmvq
312 :03/10/03 17:23 ID:lZqsVrj5
>>310
ここまでくると、スレ違いにしか見えないよな・・・。
常連作家が次々と逃げ出すわけだ。
313いつもの名無しさん:03/10/03 18:00 ID:gO164XJZ
>>311
複数のキャラを動かそうとすると、南北鮮と他国が絡んだ
話題でないと難しいと思う。このニュースだけじゃ、「カンコ
君が駄菓子屋で点取り占いにハマって素寒貧」で終わり
じゃないかしらん?
最初期の話ではそういったシンプルなのが多いから、それ
が悪いちゅ訳でもないでせうけど。

…今、初期の話を改めて読むと、何かヒジョーに新鮮w

ttp://funshei.at.infoseek.co.jp/1_50.htm
314海防艦笠置 ◆pOZmaChInA :03/10/03 18:14 ID:UVPTXmvq
>>313
敢えてこのソースを選んできぼんぬした訳ですが、
これだけでどれだけ楽しませてくれるかを問うているのです。

本刷れにはコテで書き込まないという自分に課した枷を外してしましました。
ウリ、カコワルイ
315いつもの名無しさん:03/10/03 18:26 ID:gO164XJZ
タイトルが「ニホンちゃん」だし。

基本的には日韓・日朝関係を主題とすべきなのでせう。
可愛いニホンちゃんと可愛くないカンコ君の絡み、ちゅ
のがやっぱり楽しい。
これが通常ならセクハラちゅトコだけど、ここで小学生
ちゅ設定が生きてくるんだな。今更ながらこの設定は
実に絶妙。活かさないテはないやね。
316いつもの名無しさん:03/10/03 18:27 ID:gO164XJZ
…ちゅのはここで話すコトじゃないんだっけ。
ゴメソ。疾く疾く引っ込みまつ。
317 :03/10/03 19:26 ID:dqvkUfWR
もうなくなったと思ったのに、まだやってたのか。
318有閑工房:03/10/03 20:14 ID:VWnjYfIh
うpしようとしたらデータぶっ壊れたので>>311のネタでで即興に
挑戦しる。
319有閑工房1:03/10/03 20:16 ID:VWnjYfIh
『わくわく×カンカン』

 今日も今日とてニホンちゃん、少ないおこずかいにも不埒な近所の同級生にもめげず
ニコニコ笑っています。ニホンちゃんにとっては天気がいいとか子猫が生まれたとかいう
些細な事でも幸せを感じてしまうようです。
 で、今日は何でそんな笑ってるのかな?
「うん、銀の羽が5枚揃ったのー。」
 ……左様でございますか。それは良かったですね。そんな小さな幸せにもエシュロン並み
の食いつきの良さで対抗する子がいます。言うまでもなくカンコ君です。
「ウエェーハッハッハ!ニホンは相変わらず志が低いニダ!男なら金の羽5枚集めるニダ!
ウリは既に10枚集めたニダ!見るニダッ!この『金の羽ゲットおめでとう男の子専用缶』
の数を!」
 業務用のミカンのカンズメ位の大きさの缶々でご丁寧に首輪を作っています。しかも10個。
「わたし女の子だもん。それに中身が同じなのになんで10個も集めるの?」
「そ、それが男のロマンニダ!ニホンには半万年たっても解らないニダ!」
 別に解りたくもありません。
「いかに金の羽を見分けるにはそれなりの技術がいるニダ!それを徹底的に研究してついに
ウリはいつか見つかる方法を考え出したニダ!どうニダか!ウリはすごいニダ!日本はウリ
を尊敬シル!ついでにおこずかいもよこすニダ!」
 言うが早いかニホンちゃんに襲い掛かろうとしますが、ぶら下げた缶々が邪魔で思うように
動けません。そりゃそうです。ひょいひょいよけるニホンちゃんのせいで、カンコ君はすぐに
息をぜいぜいいわせてその場にへたり込んでしまいました。
『カンカン下ろせばいいのに…』
 ニホンちゃんしみじみ思いましたが、もちろんそんな助言なんかしません。
320有閑工房2:03/10/03 20:16 ID:VWnjYfIh
「ところでカンコ君?」
「な…何ニダか?」 
「その金の羽見つける方法ってどんななの?」
 大体予想はついていますが、敢えて聞いてみました。カンコ君何とか立ち上がると自慢げに
説明してくれました。
「本当なら教えないニダがニホンには特別に教えてやるニダ。簡単ニダ。沢山買えばいつかは
当たるニダ。」
『やっぱり…』
 ニホンちゃん少しこめかみに痛みが走ります。それで無事に済むわけないのにと思った
矢先、キムチ色の影がカンコ君めがけて突進してきました。カンコパパです。
「くおのパクチョンムスコガァァーーー!!!」
 カンコパパ、怒りのKTXパンチが炸裂です。
「アポジ何するニダ!ウリは何にも悪いことしてないニダ!それよりアポジ、ウリは日本に
勝ッ…」
 今度のパンチは風圧無視です。カンコ君高々と垂直に打ち上げられ、カンコパパの腕にも
鈍い痛みが走ります。
「やかましいニダッ!お前はウリの財布から金盗んで食べもしないチョコばっか買い込み
おって!おまけにチョゴリのおこずかいもある事ない事言って巻き上げたらしいニダな!
後でたっぷり折檻してやるニダ!さっさと来るニダ!」
 カンコ君髪の毛を掴まれて引き摺られてゆきます。ニホンちゃんはそれをなんだかなあ
という顔で眺めていました。そういえば男の子缶の中身はなんだろうかと考えてみます。
でも別に欲しくもないようなものしか入ってない気がしたので考えるのをやめました。

「あー、…なんだっけ?そだ、ハガキ買いにいこっと。」
「ァーーーィーーーゴォーーーーー!!!」
 後ろからはカンコ君の遠ざかる叫びがこだましましたとさ。

おしまい
321有閑工房あとがけ:03/10/03 20:19 ID:VWnjYfIh
解説とかなんとか
※ 話の練度はケンチャナヨー、KTXと同じく早さが命です。いや命取りかも(w
※ 子供に射幸心といえばウリの頃は当たり付きとかおまけ付きの駄菓子の類。羽根集める
やつも子供心をやたらと刺激したんだが、今になって思うと何であんなもの欲しがったんだ
ろうと小一時間… やっぱギャンブルものは落とし込みが難しいな。
※ カンコの身動き取れないカンカンは『借金』。ギャンブラーからは儲けた話『しか』聞
かないよなそういえば。

ソースとりあえずはっとこか。
>>311に同じ
ttp://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2003/10/02/20031002000067.html
↓羽根のやつ カンヅメシャトルが懐かしくていい
ttp://www.morinaga.co.jp/member_kyoro/
322:03/10/04 01:17 ID:HSsywee6
>>いつもの名無しさん
同意。もうなりきり板に次スレは行った方がいいんじゃないか?
323北極星:03/10/04 02:01 ID:oU6U44Gd
まあ、そう言わないでください。
このスレはすくなくとも作者にとっては、同人誌的な感覚で非常に楽しめる舞台
なのです。なるべく大目に見てやってください。

「諷刺」という原点を放棄したわけではありません。
ただ、現在の外交環境はひじょうに萌え化しにくいものなのです。
はっきり言ってしまうと日本が強硬姿勢に転じたから。つまり当初のニホンちゃん
から変質を余儀なくされたのです。

時々妄想することがありますが、村山政権がいまだに続いていたとしたら、さぞや
ニホンちゃんは盛況をきわめたことでしょう。(日本にとっては不幸なことですが)
橋本派も凋落するし、このスレは日本の進路のネガなのです。
324\:03/10/04 02:16 ID:HSsywee6
別に議論したいわけじゃないので
このレスで終わらせるけど、
同人誌を書きたいという作者の自慰なら、なおの事そういう人達向け
の板でやるべきだと思う。
一時は2ちゃんの象徴の一部とまでいわれたものが
今はどうだ?
存在すらも忘れられているなら。
これ以上、汚い手垢で汚すべきではない。

また昔のような状態に戻したいなら、別の板でまた盛り返せばいいことだしな。
以上
325 :03/10/04 02:50 ID:yL6xTzii
>>323
>はっきり言ってしまうと日本が強硬姿勢に転じたから。つまり当初のニホンちゃん
>から変質を余儀なくされたのです。
だったら、その辺の経緯も含めて面白可笑しく書いてほしいけどね。
作者のネタと合わなくなってきたから国際諷刺を止めざるを得ないというのは、
単に作者側の都合なだけでは。

他の人の言うように、そういう板にでも行って、そこでネタを披露すればいいのでわ?
ハン板でやるからここまで言われるのであって、他の場所なら、
どんな暴走でも誰からも咎められないだろうし、好き勝手にやれますけど。

ハン板の名物とまで言われたプロKも一度死にましたし、
何も無理やり延命させる必要は無いと思うけどね。
326北極星:03/10/04 03:01 ID:oU6U44Gd
「諷刺を放棄していない」といっておりますが。同人オンリーではないですよ。

また、2chの象徴などというご大層なものを目指したことは今も昔も一貫して
ありません。スレとは元来、そこで楽しみたい人が勝手に集まるものです。
人口が一定数以下になればdat落ちして自動的に終了します。
わざわざ終了宣言を出すことはないですよ。

ところで議論スレででもこの続きをしたいのですが、もうつきあってくれない
のですか。残念ですね。
327北極星:03/10/04 03:30 ID:oU6U44Gd
まあ、こんなことを書いたものの、「諷刺を基点にすえつつ何でもあり」が
ニホンちゃんの魅力だと思っているんですけどね。
328 :03/10/04 03:53 ID:xATaKJnv
>>327
その「風刺を基本に」は同意するがね。
今の作品群の ど こ に 風刺があるのかね?
髪型だのビールだの、そんなわけわからん話読みたいわけじゃないんだがな。
現に俺はそういうのは読み飛ばしてるし。


こう書くと、「ならお前も書いてみろ」とほざく馬鹿がでてくるんだよな。
いつのまにか、ここで批評するのは御法度になってるし。
補完スレに引きこもってる作者さん達は、ここのこういう雰囲気が厭だから向こう
から出てこねえんじゃないのか?
もう放棄しちまってもいいんじゃねえの?ここ。
329悲しくなってきた…:03/10/04 06:26 ID:tEHy2bfz
ここがハン板だということを知らない方が紛れ込んでいるようです。
心からのお願いです。創作文芸板かライトノベル板に帰っていただきたい。
330北極星:03/10/04 09:48 ID:oU6U44Gd
>>328
名無しさん氏の創作意図を尋かれても…。ご本人に尋いてください。
ただ、逆に質問したいのですが、「髪型だのビールだの」はニホンちゃんで
とりあげてはいけない題材なんでしょうか。
過去作では十分にアリだったと記憶しています。更なるハードル上昇ですか?

>>329
十分認識しております。
だからカンコ君が真主人公として君臨しているんじゃありませんか。
331ナナッシィ:03/10/04 11:01 ID:eap1jeyo
『やったニダ、アボジ! 今日はホームランニダ!』

 さて、今日も5年生の教室で、一段と賑やかなカンコ君。
 ニホンちゃんの顔に小汚いプリントを押し付けると、キムチを漬け込むかのごとく揉み込みます。
「ウリィィ! ニホン! 瞳孔が開くまで目ん玉かっぽじってよく見るニダ!
 網膜に死ぬまで焼き付けるニダ! 記録と記憶に骨髄まで刻み込むニダァ!」
「ひゃ、ひゃんひょひゅん……わひゃっひゃひゃひゃひゅひょひひゃひゃひへ〜〜!」
 (訳:カ、カンコ君……わかったから少し離して〜〜!)
 なんとかカンコ君の手を引き離し、顔に隙間なく張り付いたプリントをぺりぺりはがしました。
「ふぅ……で、これは……?」
 その皺くちゃなプリントを見てみると、右上の方に赤サインペンで「56」と書かれています。
 ニホンちゃんが視線を移すと、カンコ君はひっくり返らんばかりに仰け反っていました。
「エッヘン! ウリがアジア班新記録の56点を叩き出した歴史的テストニダ!」
「へぇ〜、すごいねぇ」
「ニホンも謝罪するなら今の内ニダ。まごころが伝われば思わず許してしまうかも知れないハセヨ?」
 どうせそんな気なんて無いくせに、と心の中で呟きながら電波は軽くスルーするニホンちゃん。
再びテストに目を通しているうちに、
「ねえカンコ君……これって……ムグッ」
「あ〜ら、カンコやるじゃない。アンタもやればできる子だったのね〜」
 ニホンちゃんが何かを言いかけたところ、その口を背後から両手で塞いだタイワンちゃんが、
愛想笑いを浮かべながら割り込みました。
「当然ニダ! これからはウリがアジア班を背負って立ってやるニダ!」
「そうそう、その調子でどんどんすごい記録作ってよ。がんばって〜」
「ム、タイワンもウリを見習って精進するといいニダ! ウリナラマンセー!!」
 喜色満面で歩いていくカンコ君を、タイワンちゃんは妙に冷めた目で見送っていました。
332ナナッシィ:03/10/04 11:02 ID:eap1jeyo
 一方、ようやく解放されたニホンちゃん。眉を顰めながら、タイワンちゃんに向き直ります。
「タイワンちゃん……どうして?」
「ニホンちゃん、アイツも努力した結果、これだけの点を取る事が出来たんじゃない。
 それで今あんなに喜んでるんだから、余計なチャチャを入れるのは野暮ってものよ?」
「うぅ〜ん? そうかな〜?」
「そ。そういうもの」
 それでも両腕を組んで、小首を傾げるニホンちゃん。まだ納得いかない様子です。
 そんなニホンちゃんに子供をあやすかのように微笑みかけながら、タイワンちゃんは言いました。
「それにね……」
「……それに?」
「低い所からよりも高い所からの方が、落ちた時ダメージが大きいと思わない?」
「え?」
「……バカンコが現実の壁にのたうち回る様……見物だわ……うふふふふ……」
 タイワンちゃんが浮かべた絶対零度の微笑に、思わず頬を引き攣らせてしまうニホンちゃん。
「……タ、タイワンちゃん……け、結構ワルだね……」
「あら心外。これが、カンコでの正しい遊び方よん?」

 その日の夜、カンコ家の居間では額縁に入れられた『4年生』のテストが高々と飾られ、
カンコ君・アボジ・オモニが誇らしげに、チョゴリちゃんが苦笑しながら眺めていましたとさ。

カンコ 「次はアメリーを超えてやるニダ! ウリナラマンセー!」
ニホン 「(アメリー君がやってるのは6年生の問題なんだけど……大丈夫かなぁ?)」

おしまい。
333ナナッシィ:03/10/04 11:05 ID:eap1jeyo

それでは、ハン板らしいネタをひとつどうぞw

李スンヨプがアジア新の56号達成
 ttp://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2003/10/02/20031002000048.html
大リーグに来る李スンヨプへ
 ttp://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2003/10/01/20031001000096.html

いや、韓国やきう<<<日本やきう と言いたいわけじゃないんですけどね。
アジア記録ニダ!アジア記録ニダ!(ドドンガドン)とお祭り騒ぎなモノですから、
「ちょっともちつけよおめーら」という愛情メッセージを込めてつくってみますたw
334有閑工房1:03/10/04 11:41 ID:Uvv466qE
『おべんと おべんと』

 秋晴れの朝、今日は低学年の遠足で、ウヨ君とザイ君、ザイニーちゃんは出発も早い
のでいつもより早目に登校です。
「いいなあ、今日みたいに天気が良かったら遠足楽しいよね。私もがっこいこーっと。」
 少しして少々不満そうにニホンちゃんも学校に向かいます。子供たちを送り出した後は、
ジミンパパとニホンママには少しくつろげる時間です。
「ふう。遠足はお弁当作らなきゃいけないから大変よ。」
「おや、そういいながら結構楽しそうじゃないか。」
ニホンパパ、愚痴を漏らすニホンママをからかいます。
「それは…もう、意地悪ねあなたは。ええそうですよ、食べた後でおいしかったって
言われるのが楽しいからですよ。」
 なんだか二人とも新婚当事に戻ったみたいにいちゃついています。お熱いことで。
「あら、たいへん。」
「ん?どうした?」
「ザイ君お弁当忘れてる。」
「おいおい、あいつは相変わらずあわてんぼうだな。まあいい、僕も時間があるし、
届けてくるよ。」
「もう、慌て者はわかるけど、ちょっと面白くないわね。」
「まあそうすねるなって。自転車借りてくよ。」
「え?車で行かないの?」
「そんな大げさにしたらザイ君も嫌がるだろ。」
335有閑工房2:03/10/04 11:42 ID:Uvv466qE
 ジミンパパは気軽にそう言うとニホンママの自転車『うきしま』号に乗って颯爽と
出かけます。しかし学校の正門が見えたところでこともあろうにバスがちょうど道路
に出てくるところでした。ジミンパパ慌てて追いかけます。当然バスは気が付きません。
ジミンパパは冷静に『3年地球組』のバスを見つけると追いかけはじめます。
「ザイくーーーん!おべんとーーー!」
 ジミンパパは必死にバスを追いますが、勿論追いつくわけがありません。それを
ヨハネ君が見つけてウヨ君に尋ねます。
「ねえウヨ君、あすこにいるのは君の父さんじゃないかい?」
「え?まさか…。あ、本当だ。何してんだろ?」
「きっとウヨ君が心配で追いかけてきたんですよ。」
「えー、まあ気持ちは嬉しいけどちょっと恥ずかしいなあ。別に一生会えないわけでも
ないし。」
「それが主なる御一人子イエスキリストの教えにもある愛と言うものです。嗚呼美しき
かな親子の情愛。それは人の作り出す万物の営みに勝るとも勝らない…」
「お前の説教はいい。おーい、コルシカ、トランプしよーぜ!」
 ヨハネ君は自分の言葉に酔ってウヨ君がいなくなったのにも気が付きませんでした。
ジミンパパ、車内の事情に勿論気づかず追いかけますが、アメリー君がいたずら半分に
撒いていたマキビシをふんずけてタイヤがパンクしてしまい、遂に転んでしまいました。
バスは無情に走り去っていきます。
「あたたたた…。ザイ君もあわてんぼうだな。どうしようこのお弁当…帰ったらママに
何言われるか…」
前輪がひん曲がった自転車を押して、ジミンパパは取り敢えず家に帰ることにしました。
336有閑工房3:03/10/04 11:42 ID:Uvv466qE
 さてその日の夜、ザイ君がいつまでたっても帰らないのを不思議に思いつつ日乃本家で
晩ご飯を食べている途中…
「ニホォーーン、謝罪シルーーーーー!」
 年中やってくる風物詩のように例の叫びが玄関の方から近付いてきます。心なしかいつも
より足音が多い感じです。
 バターンと勢い良く引き開けられた戸の向こうには、カンコ君、キッチョム君、シャミン
ちゃんにザイ君が立っています。
「どうニダか!今日はキッチョム兄との生ステレオでお送りしたニダ!感謝シルニダ!
ついでにいつもの三倍増しで賠償するニダ!」
 どうりで叫びにヘンなビブレーションがかかっていました。無意味な事に情熱をかける
ものだとニホンちゃん素直に感心してしまいましたが、賠償の三倍増しに根拠が見出せ
ません。ま、理不尽なのはいつものことですが…。
「それで、今度は何なのかな?」
 顔のバンソコウをさすりながら、先にジミンパパが問い掛けます。カンコ君は三人を
代表して尊大に言い放ちました。
「ハッ!ニホンもしらばっくれるのだけは上手くなったニダ(いや、聞いたのはジミンパパ
なんですけどね)!忘れたとは言わせないニダ!今日の遠足でザイの奴はお弁当がなくて
えらい赤っ恥をかいたニダ!ニホンの家にいながらザイはこんなにもひどい仕打ちを受けて
いるニダ!それは人として許してはならないニダ。ニッテイ36年の仕打ちにも飽き足らずに
何でこんなひどい仕打ちを続けるニダ!ニホンはまだまだまだまだまだまだまだまだ反省が
足りないニダッ!よってニホンは謝罪シルッ!賠償シルッ!勿論ここにいる全員にニダ!」
 カンコ君をはじめ、三人とも凄い剣幕です。ただ一人ザイ君は浮かぬ顔。きっと後ろめたい
心がどこかにあるのかもしれません。
337有閑工房4:03/10/04 11:43 ID:Uvv466qE
「ニホン、お醤油とってくれ。」
「はい、どーぞ。」
 しかし食卓を囲む日乃本家の面々は、カンコ君の長広舌を聞き終えると何事も無かったの
ように団欒に戻ります。
「ウ、ウリたちを…」
「ところでニホン、最近うちも何かと物騒だろう?」
 カンコ君が言い出す前にジミンパパが強引にニホンちゃんに話し掛けます。
「うーん、どうかなあ?わたしはお父さんがいてくれたらいつでも安心だよ。」
「ハハハ、嬉しいことを言ってくれるねえ。けどパパもいつもニホンの傍に居れるわけでもない
からね、こんどまた警備員を増やすことにしたんだ。」
「ふーん。そんなに危ないかなあ?わたしはだいじょうぶだよ。」
「親っていうのはいつでも子供が心配なんだよ。勿論ウヨもザイ君もザイニーも大事だよ。」
 にこやかにジミンパパはニホンちゃんに答えます。そして話を聞いているうちに段々顔色が
青くなってきたザイ君にも軽く目配せをします。それだけでザイ君は黙って食卓につき、
シャミンちゃんも歯列矯正器を気にしながら家に帰ってしまいました。ずっと無視されていた
キッチョム君はいつのまにかいなくなっています。
 あとに取り残されたカンコ君、しばらくファビョっていましたが、仕方なしにすごすご帰って
しまいました。約一名を除いて楽しい団欒の席にあの声がこだまします。いや、こだましかかった
ところで止められてしまいました。
「ア…アイ…」
「カーンーコーーここにいたニダかぁーー!」
 どどどどど…という擬音をつけたいくらいの勢いでカンコパパが日乃本家の玄関に殺到して
きます。
「あ、アポジ、来たニダか!実はニホ…」
338有閑工房5:03/10/04 11:46 ID:Uvv466qE
 カンコ君の言葉は下顎にめり込んだアポジの拳で掻き消えます。
「ア、アポジなにするニダか!」
「しょんなことはどうでもいいニダ!カンコ、ウリは今日から独立するニダ!カンコ家の将来を
考えるとこうするしかないニダ!勿論カンコもウリに隷属するニダ!事大するニダ!親に子が
従うのは当然ニダ!」
 カンコ君、何がなんだか解りません。そうでなくても最近のアポジは言う事に脈絡が無く、行動
にも全く一貫性がありません。正直そんな父親に『ついてこい』と言われて、素直に『当然ニダ!』
と言えない心境です。
「どいつもこいつもウリをパカにするニダ!もう我慢ならないニダ!ウリはたとえ掘っ立て小屋
でも新しい家を作って真のカンコ家を想像するニダ!事実や現実ケンチャナヨーニダ。さあカンコ
も付合うニダ。」
 そう言ってカンコ君の返事も聞かずアポジはカンコ君を引きずっていきます。ところでアポジ、
取り敢えず今日寝るのはどうするんです?
「当然野宿ニダ!」
 そう誇らしげに言われても困るんですが…ともあれ、改めてカンコ君の叫びがこだますることに
相成りました。
「ア、アイゴォーーーーーーーーーーーー!」

おしまい
339【解説】有閑工房【ソース】:03/10/04 11:47 ID:Uvv466qE
解説・繰言・交渉不調
※ 今回は断末魔の叫びにも似た浮島丸訴訟の件を中心にして。狙い定めたゴシップってのは、中国の
買春騒動や毒ガス兵器遺棄事件をこの時期にぶつけてくることを言うのになあ。悔しいけど政略の悪辣
さでは中国がいい模範だね。勿論皮肉だけど。
※ ザイ君のお弁当は帰国事業での帰還船です。ジミンパパが転んで届けられなかったのが例のあれで
す。勝手に来ておいて国に帰せと叫び、アメちゃんのせいで船が沈めば賠償を請求し、返したら返した
で強制送還呼ばわりし、帰らなかった連中は都合のいい権利ばかり要求する。ほんま半島人は『癌』以
外の何者でもないな。
※ 警備員増員は先の警視庁大増員計画。なんでも1万人増やすそうです。
※ 後半のアポジの電波は飯嶋酋長の離党騒ぎ。北のスピーカーに成り下がり、党内調整も出来ずに進
んでボロ小屋に移り住む。気が知れんわほんま。あの国らしいと言えばそれまでだけど…

※あまり直撃していないソース一覧
↓なんで日本の市民団体がピョンヤンにいるんだYO…
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030930-00000110-mai-soci
↓今回の晒しちゃん。俵のホームページ。なんかさあ、こういう連中って…
ttp://www.linkclub.or.jp/~teppei-y/tawara%20HP/index.html
 ↓紹介したのは下のリンクがあるから。当の本人たちが言ってるんだから間違い無いんで
 しょ『戦後補償裁判一覧表』良くもまあ次から次へと。
 ttp://www.linkclub.or.jp/~teppei-y/tawara%20HP/sengo%20hoshou.html
↓警察官増員関連 警察も本気だ。
ttp://www.sankei.co.jp/news/030826/0826sha041.htm
↓酋長離党。このネタぐぐるといくらでもひかっかるけど…
ttp://news.fs.biglobe.ne.jp/international/ym20030929i411.html
340名無しニダ:03/10/04 13:31 ID:tEHy2bfz
ナナッシィさん有閑さん乙!

携帯なんで補完行けないからここで乙コールさせていただきます。
ご容赦を…
341 :03/10/04 15:13 ID:9YPMfoXI
>>330
この際、思い切りハードル上昇させてもいいと思うけどな。
なんのために本スレと補完・議論スレに分かれてるの?
漏れも、ソース無しや風刺なしでも、面白ければ(゚∀゚)イイ!と思ってたけどね。
最近の状況はどうよ?もう読む気もおこらなくなってきてるんだけど。
342無銘仁 ◆uXEheIeILY :03/10/04 20:43 ID:jm+MTmoh
 「兄弟喧嘩が止まりそう」

キッチョム君は無類の映画オタクです。その変質……失礼、偏執ぶりは
町内に並ぶ者がありません。カンコ君もこの点には一目おいていました。
自室でひとり、瞑想にふけるカンコ君。表情は真剣そのものです。
(ニホンは侵略者のくせに何かと絡んできて面倒ニダ。さっさとニホンを
抜いてアジア地区で一番になりたいニダ。アメリーも偉そうに指図して
じゃまくさいニダ。でも兄さんが意地を張ってる限りウリナラの力を結集
するのは無理だし……そうだ、あれがあったニダ)
さて、カンコ君の思いつきとはいったい何でしょうか。

次の日、カンコ君は家族を集めて言いました。
「アボジ、オモニ、聞いてほしいハセヨ。兄さんは確かにちょっと変なとこ
もあるけど、優れたウリナラの一族ニダ。その証拠を今から見せるニダ」
そして、方眼ノートを持ってきました。表紙には「ごねんちきゅうぐみ 
きっちょむ」とあります。カンコ君はノートの角を持つとパラパラとめくり
ました。すると……。
「うわぁすごい、絵が動いたニダ。これ、キッチョム兄さんが描いたニカ」
「見てあなた、あの子にはこんな才能があったニダ」
キッチョム君はさすがオタクだけあって自分で映画を作ろうとしましたが、
なにしろお金がないのでパラパラ漫画に凝っていたのです。
カンコ家ではちょっとだけキッチョム君の株があがりました。
(よおし、兄さんを誉め殺して和解するニダ。兄弟が協力すればアジア
地区の覇権はウリナラのものニダ。ウェーッハッハ)
343無銘仁 ◆uXEheIeILY :03/10/04 20:43 ID:jm+MTmoh
調子に乗ったカンコ君は日ノ本家に押しかけました。
「ニホン、出てくるニダ。ウリがわざわざ至高の芸術を教えにきてやった
ニダ。感謝しる謝罪しる賠償しる」
「どうして賠償しなきゃなんないの」
「あれ、ついいつものくせで……ってそんなことどうでもいいニダ。
これを見てウリナラの文化的水準を思い知るがいいニダ」
ニホンちゃんにノートを無理やり押し付けます。ニホンちゃんは嫌な表情
こそ見せないものの、疲れているようです。おもむろに座布団にすわり、
お茶を飲みながらパラパラとページをめくります。わくわくしながら覗き
込むカンコ君とは対照的に、ひとつ見るごとにニホンちゃんの表情が
険しくなっていきます。全て見終わるころには普段の大人しさもどこへ
やら、すっかり怒ってしまいました。
「そう。わざわざ見せに来てくれたと思ったら、そういうことだったの。
わたしは二人と仲良くしたいと思ってたのに。もう帰ってよ」

ニホンちゃんがあんまり怒るので、ゴネ得名人のカンコ君もほうほうの
体で逃げ出しました。
「おかしいニダ。ニホンは芸術の理解できない馬鹿だったニカ」
カンコ君は気づいていませんが、キッチョム君の作ったパラパラ漫画の
内容はひどいものでした。いえ、技術のことではありません。絵は
なかなか、演出も相当なものです。ただ……脚本がキムチなんです。
というのも、主人公のかっこいいキッチョム君が、悪役の醜くて残酷な
アメリー君とニホンちゃんをこてんぱんにやっつけるという話なのです。
こんなのを日ノ本家で宣伝すれば、反感を買って当たり前でしょう。
「まあいいニダ、馬鹿にも分かるように兄さんに描き直してもらうニダ」
勝手なことを言うカンコ君。しかし次の瞬間、背後に殺気を覚えました。
「よおカンコ、なんか面白そうなものもってるじゃないか」
344無銘仁 ◆uXEheIeILY :03/10/04 20:44 ID:jm+MTmoh
チョゴリちゃんが机に向かって筆を走らせています。
「題材は何がいいかな……そうだ、兄弟なのに喧嘩し続ける哀しみを
描くニダ。これを機会に仲良くなるといいニダ」
どうやらチョゴリちゃんもパラパラ漫画にはまってしまったようです。
この脚本なら日ノ本家でも受け入れられそうですね。
『アーイーゴォー』
「あら、カンコ兄さんの声。ううん、そんな訳ないニダ、今頃兄さんは
ウリナラの芸術を宣伝しているはずニダ。きっと空耳ニダね」
さてさて、パラパラ漫画で二人の仲は戻るのでしょうか。

ttp://www.elufa.net/
ttp://japanese.joins.com/html/2003/1003/20031003171414500.html
ttp://japanese.joins.com/html/2003/1003/20031003194934500.html
ttp://www.informatics.tuad.ac.jp/net-expo/asian-cinema/n-korea/ja/index.html
ttp://www.seochon.net/korean_movie/movie/jsa.htm
韓国、北朝鮮の映画を上映。
※ごめんなさい。かなり長い作品です。

「わぁー気持ちいいねー」
 ニホンちゃんは一家揃ってお出かけしています。
ニホンちゃん・ウヨ君・アサヒちゃんら3人の子供グループと、ニホンちゃんパパ・ママ・ジミンさん・サヨックさんの大人4人グループです。
「ふん、当たり前よ。ここはチューゴ君の敷地だもの。チューゴ家と比べたらニホン家なんて……」
「だったらさっさとチューゴ家の養子にでも行けよ。あ、お前だけはチューゴと直通電話引いていたな」
「ま、まぁまぁアサヒちゃんもウヨも仲良く、仲良くね!」
 今日は紅葉狩りということもあって普段は喧々囂々侃々諤々な家庭内も……比較的穏やかでした。一応は。
 ここは町内では間島と呼ばれる郊外の野原です。
チューゴ家所有の土地とはなっていましたが、実際には管理もしていなくて放置状態です。
またロシアノビッチ家との境界付近でもありますが、両家の杜撰な管理もあって一体どちらの土地なのかも分からない状態でした。
黙ってこっそり入っても見つかりはしないのですが、ニホンちゃん家は律儀にもチューゴ家にしっかり連絡してからピクニックをしていました。
本当はロシアノビッチ家もチューゴ家もニホン家の立ち入りは禁止したいのですが、ちょっと前にニホン家との喧嘩で負けてしまってからこの付近で遊んでも良いと約束させられていたので、ニホンちゃん達の散策を許可するしかなかったのです。
でもそんなことは大人の事情なので、ニホンちゃん達子供には無関係です。
 元気いっぱいの子供二人と違って、ニホンちゃんはちょっとおとなしげです。理由は簡単。
「ねぇお母さん、ちょっと摘み食いしていい?」
 実は昨晩興奮して寝付かれず、朝寝坊して朝食を食べ損なっていたのでした。
他にも寝付けなかった理由には、隣の家が何やら夜中中騒がしかったこともあるのですが。
「お行儀悪いわね。でもちょっとだけなら」
「わーありがとう!」
 ニホンちゃんママが重箱を取り出しました。
「名付けて『琿春弁当』。沢山作ってきたから少しくらいは構わないわ」
「はーい、いただきまーす」
 一口サイズに分けられた海苔巻きを頬張ろうとしているニホンちゃんを、アサヒちゃんが目ざとく見付けました。
「ああっニホンちゃんだけ狡い! 差別だわ! あたしにも食べさせないと壁新聞で訴えるわよ!」
「いっぱいあるからアサヒちゃんもいいわよ」
 ニホンちゃんのママはにっこり笑ってもう一つの海苔巻きをアサヒちゃんに渡してあげました。
アサヒちゃん的には単にニホンちゃんに言いがかりを付けたいだけでお腹は空いていなかったのですが、くれるんなら貰っておくわ、と受け取りました。

 しかしその時!
「ニダッ!!」
「ウェーハッハッハッ!!」
 悪寒が走る二つの濁声と共に、ニホンちゃんの手から半分食べかけの海苔巻きがかっさらわれました。
後に残る強烈なキムチ臭。
「お前ら!」
 ウヨ君が反射的に正拳突きを繰り出します。
微かな手応え有り。
しかし不充分であることはウヨ君にも分かっていました。
 異様な素早さで二つの影は森の中に消えていきます。
そして安全を確認すると木の陰から尖ったエラだけ出して叫び始めました。
「ニホン一家がピクニックなんて生意気ニダ! ウリ達が邪魔してやるニダ!」
 敢えて確認しなくてもこの声はカンコ君に間違いありません。
「手始めにお前達の食糧をいただく! 忠義!」
 キッチョム君に違いない号令が発せられると、草の中に伏せていた茶色い物体が猛然とニホン一家に襲いかかりました。
「きゃあっ!」
「な、何だ? 猿?」
 それは数匹の山猿でした。
猿たちはニホン家の大人達を避けて、ニホンちゃんママ会心の『琿春弁当』だけを奪っていきました。
「こいつ!」
 ウヨ君は足元にあった松ぼっくりを拾って投げつけました。
数個は当たったのですけど、元々が猿の奇襲だったので対応が遅れ、まんまとお弁当は奪われてしまいました。
「私の海苔巻きー!」
 空腹に耐えかねていたニホンちゃんは、少ししか口にしていない海苔巻きを奪われて号泣状態です。
「プハハハ〜 やいニホン! お前の海苔巻きはウリが食べてやるニダ!」
 森の中でカンコ君が笑っています。
「く、あいつら、許さ……」
「許せないわ! 差別よ!」
 ウヨ君が怒ろうとしたところを別の声が遮りました。
いつもは「喧嘩反対! 喧嘩するくらいなら殴られるべきだわ」と言っているアサヒちゃんが、何故だかとても激昂しています。
 訝しがっているウヨ君を無視して、アサヒちゃんは携帯電話を取り出して登録してある番号を押します。
「もしもし、チューゴ君?」
『あーアサヒちゃんアルか? こんなに朝早くどうしたアル。まだ9時12分アルね』
「そんなことどうでも良いの! それよりチューゴ君の土地の猿! あれは何よ!?」
『猿アルか? その辺にはサクリンってボス猿が支配しているはずアルが』
「その猿が、よりにもよってあたしの食べかけだけは奪っていかないのよ! ニホンちゃんのは真っ先に取っていったのに! 女性差別よ! 酷いわ!」
 ウヨ君は少し脱力してしまいました。
ニホンちゃんは空腹のあまりに呆然とし、聞いてはいませんでした。
 アサヒちゃんのデムパ抗議に呆気にとられていたチューゴ君ですが、気を持ち直して返答します。
『確かにその辺は朕の家の土地アルが、猿のことまでは責任持てないアル』
「そんなの無責任よ!」
『まったくサクリンのやつ、はぐれ猿の手懐けに失敗したアルね。ボスの勢力争いに懸命なのは分かるアルが、自分の子分くらいはしっかりと……』
「やっぱりチューゴ君の管理怠慢なのね!」
『し、知らないアル』
 アサヒちゃんの抗議に、チューゴ君はのらりくらりとはぐらかすだけです。
そのやりとりを聞いていて業を煮やしたウヨ君が、アサヒちゃんから携帯を奪いました。
「あっ何すんのよ!?」
「俺が話す。もしもしチューゴか?」
『ウヨ君アルか。とにかく朕は猿のことまでは知らないアル。勝手にするヨロシ』
「そーかそーか。じゃ、チューゴ家の土地を自由に探索するからな」
『ま、待つアル! 勝手に敷地内を荒らすのは良くないアル』
「だったら猿どもをどうにかしてくれよ」
『そ、それは……し、仕方ないアルね。勝手にするヨロシ』
「了解。勝手に山狩りするからな。後から文句を言うなよ。それじゃあ」
『やっぱり待つアル! 山狩りは……』
 ピッ
「チューゴの許可を取ったよ。さて、弁当の奪還と匪猿並びに不逞カンコの掃討作戦だっ!」
「おーっ!」
 ウヨ君はやる気満々。
アサヒちゃんも別の理由で燃えています。
「ほら、姉さんも!」
「おー……」
 ウヨ君に嗾けられましたが、空腹のニホンちゃんは体力半分です。
どうしても気力が萎え気味だったりします。
 大人グループは奪われてしまったお弁当の代わりを買い出しに行きました。
ここからは子供グループ3人で行動開始です。
「現地時間10時13分行動開始! 俺は正面から進む。姉さんは?」
「私はちょっと……」
「元気無いね。じゃあ迂回してカンコ達が逃げ出さないように包囲網を作ってよ」
「うん。そのくらいなら出来ると思う」
 ニホンちゃん、また溜息をつきます。
「で、アサヒは?」
「あたしは喧嘩反対! 暴力反対よ!」
「じゃあ弁当を取り返してもお前は要らないんだな」
「不平等差別だわ!」
「……じゃあどうするんだよ?」
「あたしは予備隊として見張っているわ!」
 何事にも自分の都合がよいアサヒちゃんでした。
ウヨ君もアサヒちゃんの性格は知っているので、それ以上は何も言いませんでした。
自分から協力することだけでも珍しいのですから。
「アサヒが予備隊なら……便宜的に俺は歩兵隊、ニホン姉さんは騎兵隊ってことで」
 ウヨ君はさりげなく自分の趣味を入れていたりします。
いつもは「軍靴の音が」と騒ぐアサヒちゃんも、今はそれどころではないようで作戦行為に積極的です。
「敵はあっちの山の方に逃げたわ! チューゴ君によると青山の里って地名ね」
「では青山の里に潜伏している敵を包囲殲滅する! 進軍!」
 子供グループ3人はそれぞれ別れて行動開始しました。
・10時13分

「む、あれは……」
 ウヨ君が前方の原っぱに何かが点在しているのを発見しました。
それは食い散らかされたお弁当の残骸でした。
「うぬぅ、許るせん。母上の手料理を奪っただけでも万死に値するのに、ゴミの不法投棄で環境破壊とは!」
 『我々』だけが良ければケンチャナヨ、なカンコ家では他人の迷惑なんて気にしません。
弁当がまだ乾ききっていないところから敵はまだ近くにいることが伺えます。
「よし、予想進路確定! 距離近し! 突撃!」
 草が乱されている方に向かってウヨ君は猛ダッシュしました。
しかし予想していた地点には何も居ません。
「くっ、おかしいな。絶対この辺だと思ったのに……むっ!?」
 背後に視線を感じて振り返りました。
 ガサッ
 葉音だけ残して気配は消失していきます。かなり高く細い木の上の枝だけが揺れ残っていました。
「猿? まさか間者に猿を使っているのか?」
 そうです。
カンコ君達は手懐けたはぐれ猿たちを密偵にして情報収集していたのでした。
「あいつら、セコい真似を!」
 しかしシートンさんも言っているように、人間と動物とでは追跡方法を熟知している人間の方が有利です。
ウヨ君は今度は猿の気配にも注意しながら、カンコ君達を追いつめに掛かりました。
・10時21分

「ふん、見付けたぞ」
 しばらく探索していたウヨ君は、先程捨てたばかりと思われるゴミを発見しました。
しかも前方の草むらからはガサガサと音までしています。
「プハハハ〜 ニホンの奴、あわてふためいていたニダー!」
「これは強奪ではない! 主体思想で正義の徴収だ! ウェーハッハッハッ!」
 間違いありません。
ウヨ君は背後まで近付き、ヤマダ印の木刀をゆっくり構えます。
 シュッ
「はっ!」
 突撃開始寸前、ウヨ君の耳には微かに空気を割く音が聞こえました。
反射的に身を躱すと、元居たところを松ぼっくりが通過していきます。
「猿か!?」
 いつの間にか忍び寄っていた猿が、ウヨ君に向かって先制攻撃を仕掛けたのです。
「ニダ? お前はウヨ!」
「くっ、気付かれたか!」
 もうこうなったら隠密行動をしても無意味です。
ウヨ君は一直線にカンコ君とキッチョム君に向かって走っていきます。
「お、応戦するニダ〜!」
「は、発射ー!」
 カンコ君とキッチョム君は手当たり次第松ぼっくりを投げてきます。
ウヨ君もこれに応じて松ぼっくりの弾を投げ返しました。
カンコ君達の乱射と違い、ウヨ君は落ち着いて狙いを定めて投げつけます。
カンコ君の松ぼっくりは全く当たらないのに、ウヨ君の投げる弾は的確に命中しました。
「ニダ〜! ここは不利ニダ! 一時撤退するニダ!」
「俺様も縮地法で撤退だ〜」
 30秒ほど戦っただけでカンコ君達は逃げ出しました。
「待ちやがれっ!」
 ウヨ君は果敢に迫ります。後一歩でカンコ君の背中を掴めると思ったその時……
「これでも喰らえニダ!」
「ぶわっ!」
 清々しい山林の空気を徹底的に破壊する悪臭! 鮮やかな緑は、どす黒い赤に染まっていきます。
「キムチ爆弾ニダ!」
「き、貴様! なんてことしやがる!?」
 ウヨ君は幸いにも寸前で躱しましたが、周囲の草木は強烈な刺激に萎れていきます。
恐るべき環境破壊! 自分が逃げるためだけで、他人の迷惑省みずです。
 さすがの猪突猛進のウヨ君もこれには怯みます。
その僅かな隙に、カンコ君とキッチョム君は姿を隠してしまいました。
「ちぃ、逃がしてしまったか」
 ウヨ君は勝ったとは言え4つほど松ぼっくりが当たってしまいました。
先制攻撃されたことが原因のようです。
「だがこっちは16発も当ててやったぞ。ざまをみろ」
 しかも慌てふためいてバラバラに逃げたので、敵戦力は分断されています。
戦術的にはこれでだいぶ有利に立ちました。
「あとは姉さん達が上手く包囲してくれればいいけど……俺も急ごう」
 ウヨ君はさらなる追撃を再開しました。
・10時22分

「はぁ……疲れちゃった」
 ニホンちゃんはぺたんと腰を下ろしました。
ウヨ君のような草むらを歩かなくて済んだだけマシですけど、やはり山道の迂回は辛いものがあります。
しかも朝食抜き。
体力半分です。
「少し休もっと。ウヨもそろそろ来る頃だと思うし」
 疲れていてもさすがはニホンちゃん、律儀に予定通りに指定ポイントには到着しています。
本当ならば付近探索を続行しなければならないのですが、体力無限のウヨ君と違って女の子なのですからそこまでは無理でした。
 寝不足もあってウトウトとし始めます。
気が緩んでしまったその時……
「ニダ〜!!!!!」
 無防備のニホンちゃんに突如襲いかかる不逞な人影!
 こんなことを大喜びでするのは勿論カンコ君です。
「え? 何? 何?」
「今日こそスカートまくりを成功させるニダっ! パンツ見せやがるニダ!」
 油断していたニホンちゃんは、カンコ君の接近を許してしまいます。
カンコ君の欲情にまみれた手がニホンちゃんの下半身に迫ります。
しかし!
「ニ、ニダ?」
 掴もうとしていた布きれがありません。
カンコ君は空を切る自分の手を不思議そうに眺めています。
そしてはっと我に返ってニホンちゃんを問いつめました。
「おいニホン! どうしてスカートはいてないニダか!?」
「だって山歩きだし」
 そうです。
ニホンちゃんはズボンに履き替えていたのでした。
草の汁でかぶれたり虫に刺されたりしないようなKanouブランドの長いズボンです。
後ろのボッケには『27』との数字とお馬さんのアップリケが入っています。
「ム、ム、ム、」
 カンコ君はなにやら唸り始めました。
お腹でも痛いのでしょうか?
ニホンちゃんが心配そうに、カンコ君の顔を覗き込みました。
「カンコ君、大丈夫?」
「ニ、ニホン……」
「なあに?」
「ズボンを脱ぎやがれニダー!!」
「いやぁ〜!!」
 子供にあるまじきセクハラです。
ニホンちゃんは、鼻息荒く近付くカンコ君に向かって松ぼっくりを乱投しました。
「来ないで! 来ないで〜!」
「お、おとなしくするニダ!」
 カンコ君の奇襲にも関わらず、ニホンちゃんは意外と頑強に防御しています。
攻防5分間、ニホンちゃんは3回ほどズボンを脱がされそうになりながらも、60発の松ぼっくりをカンコ君にぶち当てました。
予想外の抵抗と反撃に、カンコ君はタジタジです。
「い、一旦守りに入るニダ」
 カンコ君はニホンちゃんのものすごい松ぼっくり反攻から身を守るため、木の陰に隠れて防御態勢をしました。
 ですがその均衡もすぐに破られます。
「天誅〜!!」
「ニ、ニダ〜!?」
 カンコ君の背後に、鋭い打ち込みが繰り出されました。
閃くのはIino印の竹刀です。
しかし悪運だけは強いカンコ君は野生のカンで寸前で躱します。
「姉さん大丈夫か!?」
「ウヨ! 助かったわ!」
 追撃していたウヨ君が間に合ったのです。
これで大勢は決しました。
有利な位置にいたカンコ君も、ここまでのようです。
「戦略的撤退ニダ〜!」
「待て、この野郎!」
「再び喰らえニダ!」
 カンコ君はまたしてもキムチをばらまいて山の中に逃げていきます。
しかしさっき既にウヨ君の追撃を躱すためにキムチを随分と使ってしまったので、もう残りは少ししか有りませんでした。
「ムム……仕方ないニダ。これも使うニダ!」
「ああっ、弁当の残りを!?」
「プハハ〜! いい気味ニダ!」
 カンコ君はニホンちゃんママの作ってくれたお弁当の残りを放り出して行きました。
それが地面に落ちる前にウヨ君がキャッチしている合間に、カンコ君は山猿と共にさらに山奥へと入っていきます。
「くっ、またしても逃がしてしまったか」
 ウヨ君は歯ぎしりして悔しがりました。
少々の食糧は取り戻したとはいえ、本来の攻撃目標の殲滅は完遂できなかったからです。
「でもまぁ……」
 ウヨ君は、ちょっと泣きべそをかいているニホンちゃんの無事を見て、胸をなで下ろしました。
・10時25分

「差別だわ! 差別だわ! 差別だわー!!」
 山間に一人響く糾弾のこだま。
……道に迷って心細くなったアサヒちゃんでした。
予備隊として待機していれば良かったのに、暇だからと歩き回ったのが原因です。
「もう、どうしたものかしら。……ん?」
 腹癒せにウヨ君の中傷広告を考えていたアサヒちゃんは、向こうの木の間から細い煙が立ち上るのを発見しました。
こっそり近付くと、何やら声が聞こえます。
「カンコ! 食糧を放り出してしまったらウリの食べる分はどうするつもりハセヨ! 本来ならば粛正対象だ!」
「め、面目ないニダ……」
 それは焚き火をして山芋や川魚を焼いているカンコ君とキッチョム君でした。
二人ともウヨ君やニホンちゃんとの交戦、そして山道の逃亡でヘトヘトになっています。
 同じく道に迷っていたアサヒちゃんは、天の助けとばかりに大声で駆け寄りました。
「発見したわ〜! 二人ともそのまま動かないで〜!」
 アサヒちゃんの突然の急襲に、精神的に怯えきっていたカンコ君とキッチョム君は完全にパニックに陥りました。
「アイゴーーー! は、反撃! 反撃だー!」
「痛い! 痛いニダ! キッチョム君、メチャクチャに松ぼっくりを投げると危ないニダー!」
 混乱した不逞二人は、手当たり次第松ぼっくりを周囲に投げつけています。
「な、何?」
 アサヒちゃんは驚いて木の陰に隠れました。
眼前では、カンコ君達が互いに松ぼっくりをぶつけ合って自滅しています。
「に、逃げ……いや、戦略的撤退〜! ロシアノビッチ家なら安全だ!」
「待って欲しいニダ〜! ウリも連れて行ってくれニダ〜!」
 あたふたと後ろも見ずに遁走していきます。
 数分後、静寂は戻りました。
恐る恐る木の陰から顔を出したアサヒちゃんが見たのは、食べかけの食料もそのままに敗走した跡だけでした。
「……なんだったのかしら?」
 アサヒちゃんはぽかんとして立ちつくしました。

 それからカンコ君達の姿が見つからなくなったので、ニホンちゃん達は当初の作戦は終了したと考えて元の場所に戻りました。
・正午

「3人とも、ご飯よー」
 買い出しに行っていたニホン家大人グループが戻ってきました。
近くのキャンプ場からレンタルでバーベキューセットも借りてきたようです。
「お母さんのお弁当はダメになっちゃったけど、こういう食事も良いね」
 ニホンちゃんはすっかり元気を取り戻し、焼きたてのお肉を頬張っています。
ウヨ君もアサヒちゃんも食事に夢中です。
 次の串を取ろうとしていたニホンちゃんは、ふと視線を感じました。
「あれ?」
 木の陰から猿が何匹もこちらをじっと見ています。ウヨ君もそれに気付きました。
「姉さん、下がって!」
「あたしも守りなさいよ!」
 ニホンちゃんの前に出たウヨ君の後ろに、アサヒちゃんも素早く隠れます。
こんな時だけは調子がいいですね。
「ウヨ、ちょっと待って」
 攻撃態勢に入ろうとしていたウヨ君を、ニホンちゃんが手を掴んで止めます。
猿たちをよく見ると、羨ましそうにしています。
「……おいで、おいでー」
 ニホンちゃんが手招きすると、猿が何匹か寄ってきました。
どうやらカンコ君達の手下になっていたはぐれ猿のようです。
「姉さん、危ないよ」
「うーん、でも大丈夫そうだよ」
 ニホンちゃんはお肉と野菜を皿に取り分けて、ふぅふぅして冷まして猿に渡してあげました。
猿たちはちょっと警戒していましたが、危険でないと分かると喜んで食べ始めました。
「ほらね。きっと私たちと仲直りしたいんだよ」
「む……そのようだね」
 山からは次々とはぐれ猿たちが姿を現しました。
仲間の猿が保護されているのを確認して、安心したようです。
ニホンちゃん達は出来る限り猿たちに食べ物を与えてあげました。

 こうしてニホン家・秋の間島ピクニックは終了したのでした。
――――――――――――――――
 次の日……

「おはようニホンちゃん」
「おはようタイワンちゃん」
 教室にはいつものクラスメイトが元気良く登校しています。
その中でも、昨日良いことがあったニホンちゃんはちょっとご機嫌です。
次に間島にピクニックに行く時にはお猿さん達とも仲良く遊べそうなので、また楽しみが増えたからです。
「ニホンちゃん、嬉しそうだね。何かあったの?」
「うん。ええとね、昨日ピクニック行った時に……」
 ガラッ!
 粗暴に開けられる教室の扉、そして尊大に床を踏みならす足音。
ニホンちゃんの情緒が一気に下降します。もう条件反射になってしまったようです。
そしてその不安は、不幸にも大当たりです。
「ウェーハッハッハッ! やいニホン! 昨日はウリ達に大負けしていたな!」
「プハハ〜! ウリ達はニホンたちと青山の里で喧嘩して大勝利したニダ!」
 予想通り、いつものコンビです。
休み明けからニホンちゃんは溜息が出ました。
「ねぇカンコ君キッチョム君、私は喧嘩したなんて考えていないよ。ちょっと鬼ごっこしたくらいで……」
「プ〜 歪曲は良くないニダ! お前達は、ウリ達に大人4人とウヨとアサヒが総掛かりで殴りかかってきたニダ!」
「……は?」
 ニホンちゃん呆然。
いつからそんなことになったのでしょうか?
「えと、カンコ君、お父さんやお母さん達は買い出しに行っていて、私たちと一緒に鬼ごっこなんてコトしていないよ」
「ウェーハッハッハッ! 捏造は良くないぞ! 我々はお前達一家全員と勇敢に戦い、1200個も松ぼっくりを当てて撃退したぞ!」
「そうニダ! 神出鬼没の素早さと火計を使った諸葛亮に匹敵する策略そして完璧な伏兵戦法で、ニホン一家全員をやっつけたニダ! プハハ〜」
 いつものことながらニホンちゃんは頭痛がしてきました。
先程までの浮かれ気分はどこかへ飛んでいってしまっています。
反論するのも馬鹿馬鹿しいので、そのまま彼らの講演を聴いていました。
「プ〜 そしてこれが証拠写真ニダ!」
 カンコ君が大威張りで写真を突き付けてきました。
「……これって……」
「ニホン達がすごすごと逃げ帰るところニダ!」
 単に家に戻るところを写しただけです。
しかも背景は夕焼け。
カンコ君達と遭遇したのは午前中ですから、全く時間が違うのは明白です。
「次はこの証拠写真ニダ! ニホンがウリ達の大勝利に逆恨みして、間島を荒らしまくった犯行の瞬間ニダ!」
「……」
 ニホンちゃんは絶句して、何も言う気力もなくしてしまいました。
それはカンコ君達がキムチを撒いて汚していった場所を、ウヨ君・アサヒちゃん・ニホンちゃんで掃除している場面だったのです。
それを逆に『汚している場面』と歪曲を言い張っているのでした。
「ウェーハッハッハッ! 我々の大勝利とニホン一家の悪行を知らしめるため、この写真を学級掲示板に貼っておく! 主体思想がある限り、これは永久に保存だ!」
「賛成ニダ! 大賛成ニダ!」
 カンコ君とキッチョム君は、周囲の白い視線にも構わず踊り出しています。
キッチョム君に至っては、携帯カラオケを持ち込んで歌うほどです。
 脱力しきって机に伏せているニホンちゃんに、タイワンちゃんが心配そうに寄ってきました。
「ニホンちゃん、大丈夫?」
「うん……なんとか……」
「でもあれって……嘘よね……」
「想像に任せるよ。ごめんね、今は何もする気が起きないの」
「察するよ……」
 タイワンちゃんはニホンちゃんにつき合って溜息をついてあげました。
 さて、自分で捏造していることがわかっていても他人から何も抗議されないと勝手に史実にしてしまうのがカンコ家の習慣です。
げんなりしているニホンちゃんが無言で居ると、既に青山の里での攻防は自分たちの主張通りになったと思い込んで大喜びです。
「ウェーハッハッハッ! ニホン家をやっつけた勇敢な我が正義の軍団は、100万に増えて間島付近で活躍している!」
「ほう、100万アルか。随分と派手アルな」
「そうニダ! 大軍団になったウリの光復軍は、八面六臂の活躍で、ある時はロシアノビッチの領地を駆け、ある時はチューゴん家の土地に潜伏し、その土地を支配していったニダ!」
「ウィ〜、おおそうか。お前らはマンシューにも土足で踏み込んでいたんだな」
 ニホンちゃんとタイワンちゃんは「あ……」と驚きにも憐憫にも似た呟きを上げました。
ウリナラマンセーで現実を見ていなかったカンコ君達の背後には、いつの間にか地球組の大ボスが揃い踏みしていたのです。
浮かれまくっていたカンコ君とキッチョム君が正気を取り戻したのは、襟首を乱暴に捕まれた後でした。
「チュ、チューゴ君……ロシアノビッチ君……」
「おいカンコ、朕の土地で何をしていたのか、ゆっくりと聞かせて貰うアル。お前達のせいで、朕の家はまたニホン家に頭が上がらなくなったアルよ」
「ウィ〜、あ、俺様達は1時限目はサボりね。さてキッチョム、体育館裏に行こうか」
 カンコ君とキッチョム君はずるずると引きずられて教室から消えていきました。
二人の顔面蒼白で死体のような無気力さを、地球組のみんなは『ドナドナ』を思い出しながら見送っていました。
 廊下の向こうから「アイゴーーーーーーー!!」の悲鳴が響いて消えて、地球組は静けさを取り戻しました。
 その後、何日かはカンコ君とキッチョム君の姿が見えず、ニホンちゃんは比較的平穏な日々を過ごしました。

 終わり
こんにちは

数日前からnaverで祭がありました。
李舜臣の海戦と並んで韓国最大の自尊心の一つ『青山里戦闘』に関してです。
経過とsourceは下記のスレで
ttp://ex.2ch.net/test/read.cgi/korea/1065253393/19-23

ちなみに作品内の時刻は、時=月 分=日です。
現実とちょっと違うところは、ニホンちゃん扮する加納大佐率いる第二十七騎兵連隊の援護に到着したのは、飯野大隊です。
(ウヨ君は山田討伐隊)
またアサヒちゃんの支隊予備隊は、最後には支隊長である東少将が直々に指揮して最後の殲滅を行いました。

韓国では10月20日前後に必ず『青山里戦闘』マンセーのドラマやドキュメンタリーが放送されているようですので、予備知識としてどうぞ。

参考文献は、アジア歴史史料センター
ttp://www.jacar.go.jp/
のレファレンスコード(C20030227702)『間島出兵史について』です。
367目次164:03/10/05 20:24 ID:F12PzOBH
第1660〜1667話
>>297-298

第1668話「本当に人それぞれ」
>>299-301 ( >>302 解説)
第1669話「おじさん大暴走」
>>307-308 ( >>309 解説)
第1670話「わくわく×カンカン」
>>319-320 ( >>321 解説)
第1671話「やったニダ、アボジ! 今日はホームランニダ!」
>>331-332 ( >>333 解説)
368目次164:03/10/05 20:25 ID:F12PzOBH
第1672話「おべんと おべんと」
>>334-338 ( >>339 解説)
第1673話「兄弟喧嘩が止まりそう」
>>342-344
第1674話「血戦! 青山の里」
>>345-365 ( >>366 解説)
369 :03/10/05 23:51 ID:RlgnpdY6
>>345殿
ニホンパパ=ジミンさんではないかと...。
370名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/10/06 00:09 ID:Vmm+9b0P
                   「見よ、恐ろしい炎を」
 「何ニダ、このタイトル」
 それは話が進んでからのお楽しみ。スタート。
 カンコ君の自転車の運転はとても下手です。よくニホンちゃんにぶつけたりします。それで
皆からとても嫌われていますが一向に直すつもりはありません。
 インドネシアちゃんの家の近くを通った時です。前からインドネシアちゃんが来ました。その手
には可愛い鳥のぬいぐるみがあります。信号が赤だったので止まりました。しかしカンコ君は信号を
全く見ていませんでした。
 「信号?そんなものケンチャナヨニダ」
 いつもの調子で突っ込みました。しかも横を通りがかった綺麗なお姉さんに見とれています。
 「凄く綺麗ニダ・・・ハァハァ」
 「ん?えっ・・・ちょっと・・・・・・!」
 一直線にインドネシアちゃんへ突っ込みます。ぶつかるその時までカンコ君は前を見ていません
でした。
 「痛っあーーーーーい」
 インドネシアちゃん肘をすりむいています。脚は白いズボンだったから無事でしたがそのズボン
が破れてしまいました。
 「あーーーーーーっ、折角買ったぬいぐるみがああーーーーーっ!!」
 ぬいぐるみが破れて綿が出ています。
 「カンコ、ちゃんと前見て運転しなさいよ!」
 当然の如く頭にきて抗議します。
371名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/10/06 00:11 ID:Vmm+9b0P
 しかし相手はカンコ君です。自分の非を認めないことは地球町一の人間です。
 「なに言ってるニダ、お前がそこにいるのが悪いニダ!」
 逆切れです。これに対しインドネシアちゃんもヒートアップ。
 「な・・・ぶつかっといてよくそんなことが言えるわね!」
 「何言ってるニダ、ウリに迷惑をかけているのはお前のほうニダ!」
 「あたしが!?」
 きょとんとするインドネシアちゃん。カンコ君はさらにまくしたてます。
 「ウリはオモニに頼まれた買い物をしていたところニダ、おかげで買ったものが傷んで
しまったニダ、しゃ(略」
 「・・・買い物、ねえ」
 ぷつん、と何かが切れる音がしました。インドネシアちゃんが口だけで笑いました。
 「じゃあその分は弁償してあげる。今すぐにね」
 「ふんっ、当然ニダ」
 カンコ君ふんぞり返ってます。インドネシアちゃんの顔に青筋が無数に浮かんでいるのに気付いて
いません。
 「シラットで返してあげるわ。ゆっくりと時間をかけてね」
 「シラット?」
 「あたしんとこの格闘技よ。まあタイランとこのムエタイみたいなものかしら。今ズボンだし丁度いいわ」
 ぼきぼきと指を鳴らします。そして構えをとりました。
 「ア、アワワワワワワワ・・・・・・・・・」
 カンコ君脚がすくんで動けません。
 「遠慮はいらないわ。百倍にして返してあげるから。その後でぬいぐるみの分の謝罪と賠償も
してもらうから安心してね」
 その後ろで燃え盛る怒りの炎。
 「アイゴーーッ、これがタイトルの意味だったニダかーーーーーーッ!」
 はい。鶏が絞め殺されたような声が響きました。
372名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/10/06 00:12 ID:Vmm+9b0P
 今回のソースはこちら。
ttp://korea.hanmir.com/ktj.cgi?url=kr.dailynews.yahoo.com/headlines/wl/20030926/yn/yn2003092655509.html
 どこでもやらかすことはかわらないな。
 インドネシアの格闘技シラットの資料。
ttp://www.cafeglobe.com/news/dailynews/dn20001128-01.html
ttp://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/pride/live/200210/20/021020_c02.html
 太平池の子って格闘技盛んなんだなあ。
373 :03/10/08 18:52 ID:cBqggw0e
          ∧_∧
         <丶`д´> ホゼン…
         ( つ日)
         (⌒_)__) ┳━━━┳
        ⊂===⊃.┃    .┃
374_:03/10/09 15:14 ID:2wVjk//0
          ∧_∧
         <丶`д´> ホゼン…
         ( つ日)
         (⌒_)__) ┳━━━┳
        ⊂===⊃.┃    .┃
375 :03/10/10 17:01 ID:wt/pxJ75

          ∧_∧
         <丶`д´> ホゼン…
         ( つ日)
         (⌒_)__) ┳━━━┳
        ⊂===⊃.┃    .┃
376七子:03/10/11 09:08 ID:L4UvyxDq
>>373-375
ここ数日「人大杉」でアクセス不能だったしね・・・。
377杞憂スミダ:03/10/11 10:43 ID:sLCFgD/x
ヨカタ
原因は人大杉か…
ぼかぁてっきり圧力!?とか思うて…

ホゼンしてたカンコくん乙〜
378名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/10/11 15:25 ID:wUzKmDW+
                 「当てが外れて」
 カンコ君は部屋の片付けをしていました。彼にしては殊勝ですがオモニに言われ
嫌々やっているのが実情です。
 「何でウリがこんなことしなくちゃいけないニダ」
 ぶつくさ不平を言っています。
 「物置の中なんてどうでもいいニダ。どうせ大事なものなんて一つもないニダ」
 出るわ出るわガラクタが。トンチャモンのビニール人形にテコンVの超合金、ええっと・・・
パワーモンのぬいぐるみ。色々ありますね。
 「ろくなものがないニダ。そもそもこんなことやっても意味がないニダ」
 ところがあるのです。ほら
 「ん?何ニダ」
 出てきたのは一枚の絵。
 「こ、これは・・・・・・」
 それを見てカンコ君の顔色が変わります。同時にある本を見つけました。
 「な、成程・・・・・・」
 それを見てカンコ君二ダリと笑いました。
 「これでニホンをへこませられるニダ」
 何やら考えが浮かんだようです。
379名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/10/11 15:27 ID:wUzKmDW+
 次の日登校するや否やカンコ君は真っ先にニホンちゃんのところへ行きました。
 「ニホン、これを見るニダ」
 「?」
 後ろから何かを取り出しました。それは一枚の絵です。
 「あれっ、それって」
 ニホンちゃんの家の昔の絵でした。浮世絵です。
 「あ、これって・・・」
 「ウリの家にあったニダ。そしてこれを読むニダ」
 次に見せたのはカンコ君の家の本でした。
 「えーーっと・・・。ニホンの絵画は精巧でない。そしてウリナラの絵画に何の影響も
及ばさなかった。ふーーーん」
 特に表情を変えることなく文章を読んでいます。
 「どうニダ、町中に影響を及ぼしたと言われている浮世絵の評判なぞ所詮こんな
ものニダ」
 得意げに言います。
 「カンコ君の家でもそうだったんだ、成程」
 「ニダっ、ウリナラでも!?」
 意外な言葉にカンコ君たじろぎます。
380名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/10/11 15:30 ID:wUzKmDW+
 「実はうちでも浮世絵って大して価値はなかったのよ。ふすまが破けたらそこに
貼っていたし」
 「な、そんな事に?」
 浮世絵が今どんな価値があるかはカンコ君も知っています。その価値を貶める為に
持って来たのに。・・・通じてません。
 「役者さんの絵なんかもあるよ。死んだ時にはプロマイドみたいにいっぱい出てたし」
 それどころか懐から何枚かの浮世絵を取り出してきました。
 「ダンジューローさんとかね。ほら、こんなのもあるよ」
 「・・・・・・・・・」
 それは今将に腹を切ろうとする絵でした。あまりの凄さに芸術に疎いカンコ君も
唖然としています。
 「こんなのが普通に安売りされてたのよね。本当にセンスないよね」
 「そ、そうニダな・・・」
 「ところでカンコ君」
 急にニホンちゃんが話を振ってきました。
 「な、何ニダ!?」
 いきなりなので慌てています。
 「前浮世絵はウリナラ発祥とかシャラクはカンコ家の人間とか言ってなかったっけ。
だったら何で大した事無いとか言うの?」
 「そ、それは・・・アイゴーーーーー」
 また墓穴を掘ってしまったカンコ君でした。
381名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/10/11 15:31 ID:wUzKmDW+
 今回のソースはこちら。
ttp://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2003/10/09/20031009000056.html
 資料にもなった死絵。特に塩谷判官の八代目団十郎と三代目田之助がいいですね。
ttp://www.rekihaku.ac.jp/kikaku/index59/egakikata/egakikata.html
382ニホン君:03/10/11 19:47 ID:gajD7u5v
「誉め合い」

今日はニホンちゃんと大の仲良しのアメリー君が遊びに来ました

「やあ親愛なるニホンちゃん、ナイスチューミーチュー」
「あらアメリー君、いらっしゃーい。」
「やっぱニホンちゃんはいつ見ても可愛いなあ。」
「いやだ、アメリー君こそ本当にカッコいい。クラスの女の子から人気があるのもわかるわ。」
「それに料理だっておいしいし。スシ、テンプラ、スキヤキ、
僕の大好きなものばかりだよ。ニホンちゃんは料理の天才だね。」
「アメリーくんちのハンバーガーやポテトやコーラだって私大好きよ。」
「それにアニメやゲームだって面白いしね。ポケモンとかマリオとか。
うちでもものすごい大人気だよ。」
「アメリーくんの撮る映画も最高よ。全部見てるけどタイタニックとか
ロードオブザリングとか全部見てるもん。」
「本当に地球町の奴らって使えない奴らばかりだけどニホンちゃんだけは
なんか心から信頼できる気がするんだよね。本当に優しいし勤勉だし。
僕と肩を並べられるのは本当に君だけだよ。」
「私もアメリー君のリーダーシップとか本当に頼りになる。
いつも私を守ってくれて本当に感謝してるわ。ありがとう!」
「そんなニホンちゃんに一つだけお願いがあるんだ。」
「何でも言って!私アメリー君の言うことならなんだってきくわ!」
「イラクとのことでお金援助して欲しいんだけど・・・。」


「(・∀・)カエレ!」
383ニホン君:03/10/11 19:51 ID:gajD7u5v
ソース
http://www.jiji.com/cgi-bin/content.cgi?content=030925005126X854&genre=pol

ブッシュが日本に来て小泉と会談するらしいけどこの話みたいに毅然とした態度を取って欲しいものですね。
384【 ・∀・】:03/10/11 21:39 ID:tC+lLIWn
ああ・・・でも結局押し切られちゃうニホンちゃん萌え
385有閑工房:03/10/11 23:16 ID:HsDWMifY
ハン板復活おめっ
386_:03/10/12 07:23 ID:0CnoV8cV
前々から拝見してますが、ナナッシィさんはコンスタントに面白い作品を提供してくれてますね。
というか密かにファンだったりします…(*´д`)
あとは83さんの六カ国協議、思い切った捻りはなかったけど全体的に安心して読めました。
というか事実に基づいたネタのほうが個人的に好きなので、あまり捻らずにそのまま書かれた事が良かったのかも。
とりあえず感想だけ。読むばかりだけど作家さんたち、ガンガレーと応援してます(・∀・)
387ab-pro:03/10/13 22:22 ID:ulDkPkCE
 眠る前の幼い子供に、母親が昔話を読み聞かせるのは良
くあることです。今日は一体どんな昔話なのでしょうか?

 其れは遠い遠い昔のお話です。
 まだ世界にいろんな言葉が満ちあふれ、隣の家の人とも
満足に会話が出来なかった 大昔。ただ、天空に住まうアメ
リー神の言葉は多くの人に理解されていました。
 そんな天空の神様を熱心に見上げる少女がいました。ニ
ホンちゃんです。
 「神様の言葉は良いなぁ。本当に便利だし・・」
 世界のみんなが呟いている台詞ですが、しかし、ニホンち
ゃんはその後が違いました。
 「あんな言葉、私も作ってみたいなぁ・・・」
 そうなのです。興味があるものにはとことん入れ込んで、
いつの間にか自分の得意分野にしてしまうのが、ニホンちゃん
なのでした。
388ab-pro:03/10/13 22:24 ID:ulDkPkCE
 「そうだ、やっぱり私も言葉を作ってみよう!
 神様の言葉は便利だけど、お供え物しないと使えないし、や
っぱりみんなが自由に使える言葉が必要よね!」
 一度物事を決めると、後は怒濤の勢いで事に邁進するニホン
ちゃん。たちまち素案をまとめ上げると、近所の人々を集めて
本格的な言葉をまとめ上げはじめました。
 「みんなで一緒に作るんですもの、お供え物もいらない、み
んなで自由に使える言葉にしましょう!
 そうだ!誰でも簡単にこの言葉をお勉強出来るように、大き
な塔を作って、その外壁に言葉を書き込んでみましょう!」
 ニホンちゃんの言葉に、大勢の人々が集まって、やがて天に
もとどきそうな巨大な塔が築き上げられはじめたのです。
 それを人々はトロンの塔と呼びました。

389ab-pro:03/10/13 22:25 ID:ulDkPkCE
 その様子を苦々しく見下ろしている存在がありました。アメ
リー神です。
 「ザ、ジャパンバッシング。クール・ザ・ゲイツ。ホールド・
スーパー301!! (訳・忌々しいニホンめ。天界の言葉は唯
一無二であるというのに。分を知らぬものどもに神の鉄槌を下して
くれよう!!)」
 そう言うと、アメリー神はあらゆる物を打ち砕く雷の杖・スー
パー301を振り下ろしたのです。
 闇夜を貫いた閃光は、一瞬にして天界に届かんとしていたトロ
ンの塔を打ち砕いたのです!
 「エムエスドス!!(訳・世界に言葉は一つ!!)」
390ab-pro:03/10/13 22:26 ID:ulDkPkCE
 粉々に砕け散ったトロンの塔の残骸の中でニホンちゃんは呆然
としていました。塔を築くために集まっていた大勢の人々は、神の
怒りを目の当たりにしてちりぢりに逃げ散っていました。
 「エムエス・・!?」
 悲しみの言葉を紡ぎ出そうとしたニホンちゃんの口から、アメリ
ー神の使う言葉がこぼれ出しました!
 「・・・バグ・フリーズ・ビル!(訳・ひどいよ、むごすぎるよ、
神様!)」
 号泣するニホンちゃんは、そう叫ぶと、辺りに散らばる塔の残骸
を抱きしめて、その場に崩れ落ちてしまいました・・・
391ab-pro:03/10/13 22:27 ID:ulDkPkCE
 「・・・それで、世界の言葉は神様のもの一つになったの?」
 「いいえ。その後ニホンちゃんは、彼女が作り出そうとしていた
言葉が刻まれたトロンの塔の残骸を使って、いろんな器(うつわ)
を作ってみんなに配っていったの。神罰を受けても諦めなかったの
ね。
 そのうち、世界のみんながその器を使い始めて、言葉も広がってい
ったの。やがて神様の言葉と混ざり合って、世界のみんなが使える、
いまの言葉が出来上がったのよ・・・」      
 そんな母親の言葉を聞きながら、睡魔に抗しきれなかった子供はい
つの間にか眠りについていました。
 そんな子供を優しく見つめる母親。
 ・・・そうして、神様とニホンちゃんが作り上げた言葉は、今日も
世界のみんなに語り継がれているのでした。        end
392ab-pro:03/10/13 22:28 ID:ulDkPkCE
 あくまで昔話と言うことで、深い突っ込みはご容赦ください^^;
 地球町で使われている言葉を扱った、一つの絵本と言うことで。
 元ネタは、暫く前にプロジェクトXでも扱われた、世界で一番普及し
た基本OS「トロン」です。
 オープンソースで開発されていた日本発のOSソフト「トロン」は、
アメリカの圧力でパソコンのOSとしては潰されてしまいましたが、そ
の後の困難も乗り越えて、やがて家電や携帯電話のOSとして、いまで
は世界で一番普及したOSと言う地位を得たとか。
 なかなか見応えのあるプロジェクトXだったので、思わず書いてしま
いました。  
393有閑工房1:03/10/14 20:08 ID:E4ltBgYT
―還らぬ海路を進んだ、名も無き人々に捧げる―
『とおくにありて おもうもの』前編

         第1夜
 空を横切る飛行機雲、遠い彼方へ消えて行く。
 手を伸ばして掴むことが出来るなら、とても自由になる気がした。

 家出してしまった。
 最近のママンはいくらなんでもひどすぎると思う。失敗したりしたときに怒られ
るのは解る。けれど、どう考えてもママンの不機嫌のとばっちりも多い。初めて
ママンと言い合いになって、今こうして夜の道を歩いている。大丈夫、わたしは
大丈夫なんだと言い聞かせる。帰りたい思いと二度とママンの顔を見たくない思い
が交錯する。
 そういえば部屋から思いついたものをまとめて出てきた。何を入れて来たか覚えて
いない。ふと立ち止まってカバンの中を見てみる。教科書が一揃いとお気に入りの
人形。それはまあいいとして、どうしてわたしは今日の新聞とかホー兄さんの虫眼鏡
を持ってきているのだろう…
「なんでだろ?」
 自分で解んないからどうしようもない。とはいえさすがに寝る所は何とかしたい。
いざとなったら一人ででも生きる。わたしはそれくらいの覚悟をしている…つもりだ。
 気が付けばここはタイワンちゃんの家だ。待ってても始まらないので玄関の
呼び鈴を鳴らした。
「ハーイ」
 学校で聞き慣れた声がして、ドアががちゃりと開く。
「どちら…て、ベトナちゃん?」
394有閑工房2:03/10/14 20:09 ID:E4ltBgYT
 もうお風呂に入ったのか、パジャマ姿のタイワンちゃんが驚いている。
「ごめん、タイワンちゃん、ちょっといい?」
「へ?」
 返事も聞かずにわたしはタイワンちゃんの腕を掴むと玄関前に引きずり出した。
「ちょちょちょっと、ベトナちゃん!!」
 体勢を崩しかけてタイワンちゃんが慌てる。
「一体どうしたのこんな夜にいきなり来るなんて。それに、そのカバン…もしか
して。」
「そう。家出してきたの。」
「いえで…」
 タイワンちゃんは絶句している。それがちょっと不思議だった。わたしなんか
よりよっぽど家出だとかは縁がありそうなんだけど、それはわたしの思い違い
だったのだろうか?
「それで…どこかアテあるの?ほら、ご飯とか寝るところとか…」
「それがね、ないの。」
 隠しても仕方がないし正直に答えた。タイワンちゃんはまじまじとわたしの顔
を覗き込む。
「ベトナちゃんて、冷静で慎重て思ってたけど、結構勢いで行動しちゃうタイプ?」
「わかんない。」
 そんなふうに自分を見つめたことはない。いつも目の前のことに必死だった
からだ。タイワンちゃんはわたしの答えで大体納得したようだ。どう納得したか
興味もあるけど、聞かないことにした。なんだか、聞くのが恥ずかしいから。
「それで、今日だけでも泊めてくれないかと思って。」
395有閑工房3:03/10/14 20:10 ID:E4ltBgYT
 少しタイワンちゃんは考え込んだ。もし逆の立場だったらわたしは断っている
かもしれない。そのことを考えると別に断られてもいいと思っていた。その時は
また別の家にお願いしに行く気だったのだ。
「ちょっとまってて。」
 そう言うとタイワンちゃんは家の中に引っ込んだ。どうやらお父さんとお母さん
に話しているようだ。タイワンちゃんがなじられる声がする。それでも必死に言い
募っているみたいだった。少ししてタイワンちゃんが戻ってきた。
「オッケーだよ。今晩だけだったら泊めてもいいって。」
 情けないことにそれで一気に安心した。
「ありがとう…」
 あとは言葉にならなかった。タイワンちゃんが戸惑っているのが滲んで見える。
引きずられるように家の中に入れてもらい、タイワンちゃんのご両親から暖かい
言葉をかけてもらった。それだけで心の底から嬉しかった。
 一緒のベッドにもぐりこんだタイワンちゃんとおしゃべりに花が咲く。それは
一時の気休めだったかもしれない。勿論こんな夜ばかりじゃないのはわかっている。
単にママンから逃げ出しただけなのもよく分かっている。
 でも、それを忘れたかったと言うのは我侭なんだろうか…
 夜が、深くなる。
396有閑工房4:03/10/14 20:11 ID:E4ltBgYT
    第2夜
 水面に漂う木の葉は、一体どこに向かうのだろうか。
 漂ってしまえば、誰も何も考えなくなってしまうのだろうか。

 学校でわたしの事は一気に噂になったらしい。少し居たたまれない気分になる。
フラメンコ先生に昼休憩のときに呼び出され、ママンがめちゃくちゃ怒っている
のを聞かされた。どっと気が重くなる。
 職員室に行っていた間にタイワンちゃんはニホンちゃんに声をかけ、今日わたしが
ニホンちゃんに世話をかけるように交渉していたらしい。その事を後になって聞いた。
 帰り道、半ば強引にタイワンちゃんの手に引かれ、ニホンちゃんの家を目指した。
ニホンちゃんは何の逡巡もなくにっこり笑いながら「いいよー」と言ってくれた。
ニホンちゃんの言葉はわたしが実はそんなに大した事をやっていないような気分
にさせる。
「ねえ、今ベトナちゃんが何考えてるか当てようか?」
「え?」
 タイワンちゃんが悪戯っぽく笑いながら訊いてきた。
「『ニホンちゃんのパパが駄目だって言ったらどうしよう』とか考えてるでしょ?」
 わたしは赤面して俯いた。タイワンちゃんの言った通りだったし、考えていた
ことを読まれて恥ずかしかった。でも、何となく嫌な気分ではなかった。
 わたしは、誰かに心を晒すのが恥ずかしいことだとばかり思っていた。でも、
もしかしたら違うのかもしれない。何となくそう思う。
397有閑工房5:03/10/14 20:12 ID:E4ltBgYT
「ただいまー。」
「お帰りさくら。」
 ニホンちゃんのお母さんだ。
「ベトナちゃん、事情は聞いてるわ。さ、遠慮なしにどうぞ。」
「は…ハイ。」
「ほうら、ベトナちゃんも固まってないで上がるよ。」
 陽気なタイワンちゃんの声は屈託がない。術が解けたようにわたしは靴を脱ぐ。
ちらっと見たタイワンちゃんは我が家のように振舞っている。すこし、羨ましい
なと思う。
「お、お邪魔します。」
 ニホンちゃんのママはにこやかに笑う。わたしはいわば厄介者なのだけど、
どうして笑っているんだろう?まるでわたしが何を考えているかわかったかの
ようにそっと頭をなぜてくれる。そして誰にも聞こえないように小さな声で言った。
「気が済むまでここにいていいよ。あなたのママも心配してるみたいだけどね。」
「ママンが?」
 意外だった。というより、ママンがそんなことを思うはずないと思った。
「あのねベトナちゃん。親ってのはどこまでも子供が心配なのよ。」
 ニホンちゃんのママが相変わらず頭をなでなでしている。他はそうかもしれない
けど、うちはそうじゃない気がした。…違うのだろうか?
 夕方になるとタイワンちゃんは元気に帰っていった。晩ご飯の準備は居たたま
れないので一緒に手伝わせてもらう。ニホンちゃんのママはしきりに誉めてくれた
のでとても照れくさかったけど、正直に言えばとても嬉しかった。
 晩ご飯はとても賑やかだった。ニホンちゃん一家にはザイ君やザイニーちゃん
もいたのを思い出す。そうか、色々あるんだろうけどこの二人もニホンちゃんの
家に厄介になっているんだった。
398有閑工房6:03/10/14 20:12 ID:E4ltBgYT
 そしてなぜかアサヒちゃんもいる。
「ご両親に裏切られ、かわいそうにも天涯孤独の身になったベトナちゃんを
受け入れることは日乃本家にとっては過去の過ちを償う絶好の機会よ!ぜひベトナ
ちゃんを養女に迎えるべきだわ!それが日乃本家の定め、いや掟なのよ。」
 なんだか一人で燃え上がっているけど、わたしは裏切られた訳でもなくて、
可愛そうな訳でもない。確かにこのままだと天涯孤独だろうけど、養女に入れて
もらうほど甘える気もない。それから過去の償いって何の事なんだろうか?それを
聞こうと思ったら、アサヒちゃんは食べるだけ食べてさっさと帰ってしまった。
…ごはん、食べに来ただけなんだろうか?
 他の人たちも苦笑いしながらアサヒちゃんの言う事を聞いていた。ニホンちゃん
はわたしを済まなさそうに見ていたけど、『べつに気にしてないよ』と目配せしたら、
少し安心したようだった。だって、本当に気にしていなかったし。
 ご飯のあと、ニホンちゃんと一緒にお風呂に入った。よく考えたらニホンちゃん
の家に泊まるのは初めてだ。脱衣場でためらっていると、先にすっぽんぽんになった
ニホンちゃんに無理矢理脱がされてしまった。恥ずかしくて縮こまっているわたし
をお風呂場に押し込む。必死に火傷の痕を隠していると、ニホンちゃんは何も言わず
ににっこり笑ったままその手を引き剥がす。残酷な仕打ちだけど、声に出して言わな
くても解る。
『気にしちゃ駄目だよ。』
 と言っているのだろう。それでも拘って俯いているわたしに、ニホンちゃんは
頭から思いっきり湯をぶっかけた。
「やああーーん。」
 びっくりして自分でも意味不明の声を上げる。
「あはははははは、ベトナちゃん貞子みたーい!」
399有閑工房7:03/10/14 20:14 ID:E4ltBgYT
 さだこってなんだろう?それはそれとしてやられたらやり返さないと気が済まない。
手近にあった洗面器を掴むと笑い続けるニホンちゃんの真正面にお湯をぶちまける。
「あははは…はっ!!」
「…お返し。」
 一瞬怯んだニホンちゃんだけど、瞬時に目つきが変わってシャワーに手をかけた。
わたしもすかさず湯船に洗面器を突っ込む。その振り返りざま、
「やあああーーーー!つめたーーーい!」
 ニホンちゃんは水シャワーで仕返ししてきた。わたしも蛇口をひねると指で出口
を押さえてニホンちゃんに直撃させる。それからは二人とも夢中で水のかけあいこ
をしていた。あまりにうるさいのでニホンちゃんのママが怒りに来て、それでやっと
静かになった。ニホンちゃんのママがいなくなった後で、二人でくすくす笑いあって
湯船に頭まで入った。なんだか久しぶりに弾けてしまって気分がいい。それは
ニホンちゃんも同じみたいだった。
 お喋りして、大騒ぎして、夜が更けてゆく。
 昨日は何を考えていたっけ?まどろみの中で考えながら、私は目を閉じた。
400有閑工房8:03/10/14 20:14 ID:E4ltBgYT
       第3夜
 変わることは難しい。変わることは突然に。
 誰も望むままにやってこないもの。例外なく。違いなく。

 今日も同級生の視線が突き刺さる。別に気にしてはいないけど、その中に
混ざっている好奇心めいた視線にはどう対処していいか解らない。
 昨日ニホンちゃんのママに服を無理矢理洗濯されてしまい、今日はニホンちゃん
の服を借りている。迂闊にもわたしは着替えを用意していなかった。わたしが
チェック柄のシャツにスカート姿をしている。自分でも鏡で見てどぎまぎして
しまった。あまつニホンちゃんは面白半分で髪をポニーテールにしてくれて、
それがわたしと周りの違和感を更に掻き立てる。誰もがどう声をかけたものかと
逡巡してるけど、それはわたしも一緒だった。
 昼休みにタイラン君が校舎裏に呼び出した。近所だけどあまり話したりする仲
じゃない。というか仲が悪い。少し嫌だったけど、舐められるのはもっと嫌なので
行くことにした。でもそこにいたのはタイラン君だけでなくホー兄さんもいた。
わたしが来るとタイラン君はそそくさと教室に戻る。
「元気だったかベトナ。」
「うん。ごめんね。」
 後に続く言葉がなくても、ホー兄さんとは解り合える。嬉しいことだと思う。
「まだ戻らないのか?」
「戻りたいけど…」
 ――戻りたくない。後の言葉をとっさに口ごもる。なんだかもやもやしてて、
今の気持ちを上手く表現できない。もどかしいな、どうして言葉は全部伝えられ
ないんだろう。
401有閑工房9:03/10/14 20:15 ID:E4ltBgYT
「ベトナ、気の済むまでやればいい。家の事は心配するな。気が済めばいつでも
帰ってくればいい。」
「うん…」
 それからしばらくホー兄さんは黙ってわたしを見ていた。別に責めている訳
でもない。単に見ていたのだろう。わたしは俯いてまともに顔を見れなかった。
まごまごしているうちに、気が付けばホー兄さんはいなくなっていた。
 その夜、寝付かれずに何度も寝返りを打っていた。もう寝たと思っていた
ニホンちゃんがそっと手を握る。
「ベトナちゃん、だいじょうぶ?」
 返事が出来ない。なぜなんだろうと自分でも思った。答えの代わりにすこし強く
ニホンちゃんの手を握り返す。ニホンちゃんのパパとママがひそひそ話をしていた
のを思い返していた。話の中にわたしの名前が出ていたから察しはつく。
 ここは居心地がいいけど長く居れない所かもしれない…。
「ニホンちゃん…」
「なあに?」
 たぶんこっちを見ている方向に静かに言う。
「あした、他の子の所に行こうと思うの。」
402有閑工房:03/10/14 20:17 ID:E4ltBgYT
本日はここまで。長いので後半は後日。解説・ソースもその時にうpしますだ。
リュー君の家は、ニホン家の離れにあります。
そんなリュー君の家ですが、元々はニホン家とは
別のお家として、チューゴ家やニホン家、その他のお家と
お土産などを交換したり、贈ったりして
生計を立てていました。

とくにチューゴ家とは古くからの付き合いで、
様々なお土産が入ってきました。
絵、食べ物、ダンス等など。

そんなある日、シマヅさんという
ニホンちゃんのご先祖様がリュー君の
お家をなんとか我が物にしようと
ケンカをふっかけてきました。

そのころ、ニホン家はチューゴ家に
出入り禁止にされていて、チューゴ家の
お土産を手に入れることが出来なかったので、
リュー家を使ってなんとか自分も
チューゴ家のお土産を貰おうと考えたのです。
元々ケンカ慣れしていないリュー家、
必死の抵抗はしたものの結局すぐに
シマヅさんに負けてしまい、それからは
全面的にシマヅ家がリュー家を
管理するようになってしまいました。

しかし、リュー家はそれによって
結果的に助かりました。
もしシマヅさんの管理がなかったら、
お金がなくてリュー家は消えていたかもしれないのです。

それから第二次町内大喧嘩後、アメリー家の
管理になりましたが、しばらくしてまた
ニホン家の管理になりました。
それが今のリュー家です。

頼りになるチューゴ家、フランクで先進的なアメリー家、
そして優しいニホン家の生き方や考え方を
吸収して成長してきたリュー家。
そんな精神をリュー君も培っています。
「みんな、僕のお爺さんや、
 お父さんみたいなものだったんだ」

リュー君も、今はこう考えて、みんなに感謝しています。
そんなリュー君の大好きなコトワザにこういうものがあります。

 いちゃりばちょーでー(出会えば、みんな兄弟だ)

今日もリュー君は、チューゴ家に伝わる「ショーリンジ」と
リュー家独自の「ティ」を組み合わせて発展したカラテを嗜み、
アメリー家から伝わったコーラを飲み、ニホン家の性能の良い
テレビを見て過ごします。

そんな何気ない1日がリュー君は大好きです。
406有閑工房10:03/10/15 10:41 ID:4RrR1Ndg
『とおくにありて おもうもの』後編

      第4夜
 必死で掴んでいた手を離したとき、そこにあるのは不安だった。
 泣きながら追いかけていたのはいつの日か。今もまだ追いかけているのか…

 言い出したこには決して後悔しない。それがわたしが自分に課した掟だ。
そりゃあ、いつもそうとは限らない。適当にやったり妥協したりもする。だから、
『できるだけ』そうするようにしている。…それじゃ駄目だろうか?
「お前から呼び出し食らうなんて俺もヤキが回ったか…」
 苦虫を噛んだ顔をしてアメリー君が言う。
「どうして?」
「今は二人しかいないから言うが、俺はお前に負けたんだぞ。」
「わたしは、全然気にしていないけど?」
「慰めか、それとも脅迫か、一体どっちだ?」
「どうして勝手に白黒つけるの?わたしはお願いしに来たの。」
「はあ?」
 アメリー君はますます困惑の態になる。
「今日、泊めて。」
 わたしは勇気を振り絞ってそう言った。アメリー君は何を言われたか解らない
感じで暫く固まっていた。搾り出した言葉は何か上の空に聞こえた。
「泊めるって、誰を。」
「わたし。他に誰かいる?」
「……いないけどさ。」
407有閑工房11:03/10/15 10:42 ID:4RrR1Ndg
 何が彼を後ろめたくするのだろう。純粋に興味のあることだ。
 一緒に喋る話題もなくアメリー君の家の玄関に向かう。アメリー君は時々
振り返りながらわたしの前を歩いている。その背中が何だか小さく見える。多分
原因はわたしなんだろうけど、勝手に気にしてる事まではどうにもできない。
 アメリー君のご両親は屈託なくわたしを受け入れてくれた。お世話になるの
だからとお手伝いを申し出たら、アメリー君のママは快くわたしをこき使って
くれた。最も、うちのママンに比べれば優しすぎるくらいだけど。
 食べ物が口に合うかどうかは別として、アメリー君の家の団欒も結構楽しい
ものだ。わたしはラスカちゃんとたちどころに仲良くなり、ご飯の後はずっと
一緒にいた。
 ラスカちゃんは甘え上手だ。わたしも妹がいたらこんな子がいいな…。遊んで
いるうちに、いつのまにかラスカちゃんはわたしが通された客間で寝てしまった。
わたしは手紙を書き終えると、ラスカちゃんの横に一緒になって眠る。
 そういえば、誰かの寝顔を眺めながら寝ることが、今までどれ位あっただろうか
と考えてみる。あまり思い出せない。でもそれはきっと、今までこんな事を考え
なかったからだ。
 夜を重ねる度、わたしの世界が広がってゆく。
408有閑工房12:03/10/15 10:43 ID:4RrR1Ndg
     第5夜
 両の腕(かいな)をすり抜けて、無くしてしまうものがある。
 気付くのが無くしてからなのは、何かの皮肉なのだろう。

「兄さん、これ、…その…。」
 言いあぐねている私にホー兄さんは静かに近付き、わたしが両手で握り締めて
いる手紙を引き剥がし気味に受け取った。表書きも中身も確認せず、ホー兄さん
はわたしに言う。
「ママンにだろ?」
 図星だ。わたしが何を考えているかよく解っているらしい。ホー兄さんは静かに
笑うとポケットに手紙をしまい込んだ。
「アメリーの奴にヘンなことされてないか?」
「うん。とても親切だよ。」
 半分嘘だ。パツキン君は露骨に嫌な顔をしたし、アメリー君のパパが何を考えて
いるのか全くわからない。それでも部屋をあてがってくれたり、一緒の席で食事
をしてくれたりするのは感謝しなければならないだろう。
 ホー兄さんもその辺りは判っているのかもしれない。
「じゃあな。」
 と短く言うとやはり振り返りもせずに帰って行った。自分勝手だと思うけど、
せめて一度くらい振り返ってくれてもいいんじゃないかと思う。
 本当に…自分勝手だ。
 身勝手さを噛みしめながら教室に戻り、同じ足取りでアメリー君と学校を後に
する。昨日よりはだいぶましだった。二人の共通の話題はラスカちゃんの事だけ
だけど、それだけでも会話がある。ああ、誰かと話すと言うことはとても大切
なんだなと納得した。
409有閑工房13:03/10/15 10:44 ID:4RrR1Ndg
 他の状況は大して変わらない。わたしとラスカちゃんはますます仲良くなり、
冗談交じりにアメリー君が嫉妬していた。それをラスカちゃんと二人でからかって
遊ぶ。夜が更けてラスカちゃんの部屋を出た時、一緒に出てきたアメリー君は
お兄ちゃんの顔だった。それがとても微笑ましい。彼にはこういう方が似合って
いると思う。
「なんだよ人をじろじろ見て。」
「別に。なんでもないよ。」
 ああ、確かに少々不躾だったかもしれない。なんだかおかしくなって私が笑うと、
アメリー君も釣られて笑顔になった。
「あした…」
「明日?何だよ。」
「別の子の所に、行くわ。」
「……そうか。」
 それから、何も言わずに別れた。ベッドに横になり、わたしは自分の部屋で
天井を眺める。昨日夜中に目を覚ました時に、見上げた天井がいつもと違うのに
びっくりしたのを思い出した。わたしは、こんな時に一人きりなのを実感する。
 次に目を覚ますのが夜明けなのを願って、瞼を閉じた。
410有閑工房14:03/10/15 10:44 ID:4RrR1Ndg
     第6夜
 伝えたい言葉がある。伝えきれない思いがある。
 それでも言葉を重ねるのは、大事な大事なことなんだ。

 学校に来ると、わたしは始業前に無言でフランソワーズちゃんの腕を掴み、
女子トイレにつれ込んだ。わたしの剣幕と予想外の成り行きにフランソワーズ
ちゃんは動転している。
「な、なんなんですの朝っぱらから。不躾にも程があってよベトナさん!」
 内心の怯えを悟られないように気丈に振舞っているのが判る。それに対しては
素直に済まないなと思った。表に出さないけど…。
「あのね、お願いがあるの。」
「な…何かしら、事によっても考えてよろしいかとかとか思うわよ。」
 フランソワーズちゃんが、なんだかおかしい。
「今夜、泊めてくれないかな。」
「そんなことくら…て、何ですって?」
「あのね、泊めて欲しいの。今夜。」
 フランソワーズちゃんが固まった。鳩が豆鉄砲を食らうと言うのはこんな感じ
なのだろうか。機会があればフランソワーズちゃんに今何を考えているのか聞いて
みたいと思う。
 理由はともかく、フランソワーズちゃんもお泊まりのことは引き受けてくれた。
何だか自慢のカールがしおしおに見えたのは、単にわたしの気のせいだったの
だろうか?
 それにしても、わたしはここの所人を驚かせてばかりいる気がする。
411有閑工房15:03/10/15 10:45 ID:4RrR1Ndg
 昼休みにいつものように校舎裏に行くと、ホー兄さんも当たり前のように現れた。
今まで気にしていなかったけど、一体どこにいたのだろう。最近誰かに好奇心が
沸くのを押さえられない。いいことなのか悪いことなのか、解らないけど。
 わたしの思案に関係なく、ホー兄さんは封のされていない手紙を差し出した。
 背筋に冷や汗が浮かぶ。間違いない。ママンの手紙だ。
 意味もなく緊張しながら封書を広げる。真っ白な便箋にたった一言しか書かれて
いないのはママンらしいなと思う。最も、それだけにわたしは何が言いたいのかを
図りかねた。
『好きにしなさい。』
 受け取った手紙にはそれだけしか書かれていなかったので、わたしは途方に
暮れてしまう。ママンは帰っていいと言っているのだろうか?それとも頭を下げて
も許さないと言っているのだろうか?
 ホー兄さんは一言も発しない。内容を見ていないのか知ってて黙っているのか
判らないけど、聞いたところで思うようにしろと言うだろう。うん、…試しに
聞いてみようかな。
「兄さんは手紙の内容知ってる?」
「大体ね。」
「わたし、どうすればいいんだろ?」
「ベトナの思うようにしたらいい。」
 ほら、ね。思わずわたしは笑みが零れる。おかしいな、笑うことじゃない気が
するんだけど?どうしたんだろ。
「それじゃあ。」
「うん、ありがとう兄さん。」
412有閑工房16:03/10/15 10:46 ID:4RrR1Ndg
 ホー兄さんは軽く右手を上げたまま、振り返らずに帰って行った。ホー兄さん
らしいなと思う。わたしも踵を返して教室に向かう。もう、覚悟は決めていた。
それがどんな結果になろうと構わない。わたしは自分の決めたことに納得している
のだ。それが、一番大切なことだと思う。
 フランソワーズちゃんと一緒の帰り道、今まで関わりは薄かったけれど案外と
話が弾む。とは言っても一方的にフランソワーズちゃんが話して、わたしはそれに
返事をするだけなのだ。それでも段々フランソワーズちゃんが砕けた調子で話すのを
見ると、話していて楽しいのだろうと思う。
 フランソワーズちゃんの家はわたしには眩しい。日々の暮らしで憧れていた
ものが全てある気がした。わたしの表情に満足したように、フランソワーズちゃん
は得意そうに色々な所を案内してくれた。
 ニホンちゃんやアメリー君の家と少し違うのは、わたしが『お客さん』だった
事だ。手伝いは一切させてもらえず、始終フランソワーズちゃんだとか執事の人
だとかが近くにいた。どうもこの家の流儀に沿って行動しないといけないらしい。
わたしには何も言う権利はないから、それに従う事に異存はない。
 食事の後でお互いの家の事について話したのはとても楽しかった。わたしは自分
の知らない家の事を沢山聞けたし、フランソワーズちゃんもわたしの家の事情を
聞いて、色々と納得できたようだ。話しているうちにフランソワーズちゃんはベッド
で眠り込んでしまい、わたしは荷物をまとめるとソファに毛布を被って寝た。
 朝になって、フランソワーズちゃんはお客様にソファで寝かせた事を恥じ入り、
ついでにわたしをなじった。それが照れ隠しと言い訳だと解っていたので別に
腹も立たなかったけど。
 家の人に礼を言ってフランソワーズちゃんの家を後にする。今度はちゃんと
お泊りに来たいなと思った。
413有閑工房17:03/10/15 10:50 ID:4RrR1Ndg
     朝の情景
 ツバメが飛び去る。雨が近い。
 雨が降ろうとも、いつか雲が切れれば晴れ間が覗く。そういうものだ。

「おはよー!」
 教室に入って元気よく挨拶。大切なことだ。
 少し周りの反応がぎこちないけど気にしない。何人かは明るく答えてくれる。
それだけで充分だ。自分の席に座り、教室を見回す。当たり前のようにニホン
ちゃんとタイワンちゃんが近付いてきた。
「だいじょうぶ?」
「だいじょうぶだよ。」
 短いやりとりでも、思っていることは十分に伝わり、わたしも伝えることが
出来る。なんだ、こんなに簡単なことだったんだ。それに気が付かない自分が
バカだなと思うけど、気が付いたことが嬉しくもある。
 他愛もないおしゃべりをしていると、アメリー君が入ってきた。
「おはよ。」
「…おはよう。」
「色々ありがとう。感謝してるよ。」
 目線をそらして応対していたアメリー君ははっとなって見返した。わたしは
それに微笑みで答えて立ち去る。何を考えて受け入れてくれたか、それは
どうでもいい。おかげでわたしは助けられたのだから。
 始業前になってフランソワーズちゃんがやって来た。
「あら、ベトナさんごきげんよう。」
「フランソワーズちゃんおはよう。迷惑かけてごめんなさい。」
414有閑工房18:03/10/15 10:51 ID:4RrR1Ndg
「…別に、謝る必要はなくてよ。いわばあなたとは浅からぬ縁がありますもの。」
「ありがとう。でもそれだけで、わたしは感謝できるもの。」
 返した言葉にフランソワーズちゃんは絶句する。わたしの見方が間違っていな
ければ、それは照れているのだけど…実際はどうなのだろうか?

 ママンは家に帰ったときも相変わらずだった。そんなものだとわたしは思ったが、
後でこっそりとパパからママンのここ一週間の様子を聞けた。なんだかやっぱり
落ち着いていなかったらしい。
 パパは悪戯っぽく笑いながらそう言ってくれたけど、ママンが割り込んできた
ので慌てて自分の部屋に駆け込んだ。その時、ママンは確かに赤面していた。
それだけでわたしは充分に嬉しかった。
 でも…どうして嬉しかったんだろう?もし思い出す事があったら、もう一度
考えてみたい。わたしは机の灯りを消してベッドに潜り込む。
 朝は、いつ来るのだろう。明日は、今日よりも良い日なんだろうか。

 おやすみなさい……

  終 劇
415憂患工房のカイセツ:03/10/15 10:52 ID:4RrR1Ndg
解説・逃避・生々流転
※ 今回はベトナム難民のお話。むむ、彼女の話になるとやたら長くなるなウリは。謝(ry
閑話休題、ベトナム難民は主に華僑、知識人、一般庶民の順に構成が変わりながら発生していま
した。華僑は経済の実権を握っていた為、知識人は北の思想に外れた為、そして一般庶民は苦しい
生活に耐え切れずに脱出。といったところです。
 始めは政治的難民、段々と経済的難民に変化しています。日本は難民受け入れに非常に消極的
でした。もしここで無制限にベトナム難民の受け入れをしたら、周辺諸国からどっと流入が増える
ことは火を見るよりも明らか(あそことか)。人道上ひどいもんですが、日本国民の生活と安全を
守るのが政府の仕事ですから、ある意味当然の態度です。
 政府レベルはともかくとして、民間レベルでみれば日本行きに便宜を図った台湾の貨物船の話やら、
辿り着いた難民に優しく接した沖縄県民の話とかもありますから、国を挙げて反対していたわけ
じゃありません。
※ ベトナム難民の受け入れ先で、大口はアメリカ、フランスでした。アメリカは多分後ろめたさ
から。フランスは移民とネイティブの軋轢が少なめで比較的寛容ですが、十把一絡げに排斥すると
収拾のつかない大混乱になるのも大きな理由。宗主国はどこも大変だ。
※ 八方美人なベトナちゃんは近年のベトナムの全方位外交です。大国偏重では国が行き詰まる為
の方針転換が背景にあります。実際ソ連重用の外交をしていたら、ソ連崩壊と内政行き詰まりで
ビンゴの状態になってしまい、こりゃ狭く深くよりも広く浅くのほうがマシという結論に達した様で。
故に国際評価の改善の為にカンボジア撤退、ASEAN加盟、米中との国交正常化を行ったようです。
416有閑工房ソース ニュクマム風味:03/10/15 10:54 ID:4RrR1Ndg
※ ソース一覧。
↓中央日報でも取り上げてました。
ttp://japanese.joins.com/html/2002/0819/20020819223304100.html
↓玄人向け、論文『ベトナム難民の発生原因』大阪外大のセンセイです。
ttp://homewww.osaka-gaidai.ac.jp/~goto/nanminhasseigenin.htm
↓国連難民高等弁務官(貞子のいたところ)べんきょうになるなー
ttp://www.unhcr.or.jp/
 ↓素人向け、上記機関作成のパンフ(PDF)挿絵が何故か久保キリコ
 ttp://www.unhcr.or.jp/info/pdf/nanmin_momdai.pdf

台湾・日本での難民遭遇ソースは、毎度おなじみ
近藤紘一/「サイゴンからきた妻と娘」から。
417名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/10/15 19:48 ID:r2B5GDNQ
                   「スパイス」
 今日ニホンちゃんはフラメンコ先生の家に呼ばれています。先生が手料理をご馳走
してくれるのです。彼女の他にはイン堂君とポルとガルちゃんがいます。
 「どうかしら、美味しい?」
 若鶏の大蒜炒めを口にするニホンちゃんに笑顔で尋ねます。こうして見るとやっぱり
綺麗な人です。紅いロングスカートが似合ってます。
 「はい、とても」
 ニホンちゃんも笑顔で答えます。お世辞ではなく本当に美味しいです。
 「胡椒もよく効いてるし」
 切ったところから肉汁が溢れ出ています。オリーブ油の香りがさらに食欲を促します。
 「嬉しいわ、先生胡椒が大好きなのよね」
 「え、そうなんですか?」
 「先生の家じゃ胡椒は昔とても高かったのよ」
 先生はそう言って微笑みました。
 「嘘、胡椒が!?」
 ニホンちゃんはびっくりしました。普段何気なく使っている胡椒が高かったなんて。
 「それは本当だよ、ニホンちゃん」
 イン堂君が言いました。
 「欧州丁は寒いからね。胡椒はなかなか育たないんだ」
 「そうなのれす、胡椒は昔とても高かったのれす」
 「それを欧州丁に売って大儲けしたのがうちなのれす」
 ポルとガルちゃんが言いました。
418名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/10/15 19:50 ID:r2B5GDNQ
 二人は昔胡椒を手に入れる為イン堂君家に行っていたのです。そこで安い胡椒を買って
欧州丁の皆に滅茶苦茶ふっかけて売っていたのです。これで二人は大金持ちになりました。
 「けど何でそんなに高く売れたの?」
 「欧州丁はお肉をよく食べるかられす。お肉の匂いを消すのに胡椒は欠かせないのれす」
 「イン堂さん家はとても遠かったれす。そしてとても危なかったのれす」
 大西池から船ではるばる行くのです。それはそれは危険な道です。
 「歩いては無理だったの?」
 「お金と時間が船よりずっとかかるのれす」
 「それにイン堂さん家までの道はトル子さん家が塞いでました」
 当時アラブ丁を占めていたのはオスマンおじいさん、饅頭屋なのに何故か胡椒まで取り
扱っていたのです。しかもイン堂君家へのツアーを独占していました。
 「だからトル子ちゃん家の料理はあんなにスパイス使うんだあ」
 「彼女の家は香辛料には困らないからね。けど香辛料といえばやっぱり僕の家だよ。
ね、二人共」
 イン堂君は笑ってそう言うとポルとガルちゃんにウインクしました。
 「おかげでもうかりました」
 「イン堂さんには感謝しているれす」
 「ふふふ、いいよ感謝なんて。じゃあ今から僕がスパイスをふんだんに使った料理を
皆にご馳走してあげるよ」
 「あら、それは楽しみね」
 先生が微笑みました。
 「イン堂君、メニューは何?」
 「はい、これとあれとそれとこれとそれとあれとこれとあれとそれを使って・・・・・・」
 次々とスパイスを出していきます。何やらすごく手の込んだ料理みたいです。
 「そしてその料理は・・・!?」
 「カレー」
 「結局それなのね・・・」
 予想通りの展開に呆れながらもカレーに舌づつみを打つ一同でした。
419名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/10/15 19:52 ID:r2B5GDNQ
 今回は歴史もの。胡椒のお話。
ttp://www.interq.or.jp/red/chuta/gss/txt/4.html
 スペインの料理はこちら。
ttp://www.disseny.jp/kimama/recipe/top.html
420リュー君好き好き ◆vtdPsCBL0s :03/10/16 04:46 ID:IyxrvWMP
「楽器」

「ニホン姉ちゃん、この楽器あげる」
ある日、リュー君はニホンちゃんに贈り物をしました。
リュー君家で「サンシン」と言われている楽器です。

「わぁ、ありがとうリュー君。・・・これ、どうやって弾くの?」
「僕のところでは、爪というものを使ってるけど・・・今日持ってこなかったんだ」
「そっかー、うんわかった。私のほうで考えてみる」

そして数日後、ニホンちゃんの家からキレイなサンシンの音が聞えてきました。

「ニホン姉ちゃん、弾けるようになったんだー。・・・って、何使ってるの?」
「あ、リュー君。このバチっていうのを使うと、すごい弾きやすいんだよ」
「しかも、僕ん家よりも少し長くなってるね」
「弾きやすいカタチはなんだろう?って思って改良してみたの。そしたら
 すっごい面白いね!私の家ではシャミセンって名づけたよ」
「シャミセン?」
「うん、三味線って書くの。三つの弦の味が絡み合うって感じかな?」
「なんか使ってる皮も違うし…早速自分のものにしちゃったんだね」
「うん!だってこの楽器、とっても面白いんだもん!」
「そう言ってくれると僕も嬉しいよ。よーし、僕もサンシンの練習しなくちゃ!」
「競争だね、あはは」

こうしてリュー君とニホンちゃんはお互いの腕を競いあうように、
独自の弾き方を勉強したのでした。

「元々はウチの楽器あるよ、ったく…まぁいいあるけど」
と、チューゴ君はボヤくと同時に、少し嬉しくもあるのでした。
421リュー君好き好き ◆vtdPsCBL0s :03/10/16 04:49 ID:IyxrvWMP
ソースは歴史的なものなんですが・・・前回はニホン家の昔、という
感じで作ってみましたが、今回は現代っぽく作ってみました。
文章力つけないとなぁ。

とりあえずのソースです。
http://www.hozonkai.com/kaiinshoukai/kougeihin/shamisen/shamisen.htm

他、山川出版社 新里恵二 他著「沖縄県の歴史」です。
422ななしんぐ:03/10/16 13:11 ID:Qyvv+nQc
>>419
メヒコ君も絡んでくると、もっと面白そう・・・。

唐辛子ことチリペッパーの原産地メキシコ。
この唐辛子が世界中に普及。
それ以前のインドカレーには唐辛子は使われてはいませんでした(現在ではふんだんに使われているけれど)。
当然キムチもその恩恵に・・・と書くと「唐辛子はウリナラ発祥ニダ」って電波が飛んできそう・・・。
423名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/10/17 00:58 ID:av3RSk2h
                「池を願えば墓穴」
 「この二百以上の資料が示す通り昔から東池と呼ばれていたニダ」
 チューゴ家シャンハイの間で皆を前にカンコ君熱弁を振るっています。
 「僕の家の部屋借りて何をするかと思えば」
 チューゴ君何やらすごく不満そうです。
 「香に化粧品をあげるとかゴマをするし。うちにはもう化粧品は足りてるアル」
 「そもそも自分の脳内の妄想だろ?勝手にすればいいじゃないか。毎度毎度」
 アメリー君も嫌そうです。
 「何で俺まで呼ぶんだよ。関係ねえだろが」
 「貴方方はいいですわ。そもそもわたくしが来る意味がありまして?」
 ロシアノビッチ君もフランソワーズちゃんも不平たらたらです。
 「皆揃ったニダか?」
 一人張り切るカンコ君が部屋を見渡します。
 「ニホンちゃんが遅れるってさ」
 「皆早く帰りたいアル。さっさと終わらせるよろし」
 皆の嫌そうな視線が集中します。しかしカンコ君にとってそんなもの屁でもありません。
 「では始めるニダ。まずは特別ゲストーーーーーっ!」
 「へーーーー」
 「ふーーーん」
 ロシアノビッチ君、フランソワーズちゃん席に肘をついて見ているだけです。アメリー君と
チューゴ君はゲストの顔を見て目から剣呑な光を発します。
 「マイブラジャーーーーキッチョム!ブラジャー東池について話をしてくれるニダ!」
 「ウェー、ハッハッハッハ!」
 キッチョム君を取り囲む様にアメリー君とチューゴ君がやって来ました。
424名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/10/17 00:59 ID:av3RSk2h
 「ちょーーどいいやキッチョム、手前に話したい事がたっぷりとあるんだ」
 「いいところで会ったアル。この前の六者会議でだいぶ言いそびれていたアル。ちょっと来るよろし」
 「ア、アイゴ・・・・・・」
 二人に囲まれキッチョム君ガクブル状態です。
 「ふ、二人共今日は東池の話で・・・・・・」
 カンコ君兄を救おうとします。
 「ああ、御前にも見せたいものがあるんだ」
 それはアメリー君のお父さんの下品な合成写真。カンコ君の家の人も一緒です。この人はカンコ君が
嫌いな人です。
 「御前が作ったんだよな」
 「ぁ、亜輪話羽我・・・・・・」
 焦りと驚きの為一字ごとに漢字が変わっています。そこへチューゴ君のコンボ。
 「最近うちで居候している御前の親戚が御前の家に行ったきり帰らないアルな。どういう事か説明して
欲しいアル」
 「そ、それは・・・・・・」
 カンコ君の顔色がもう様々に変わります。絶体絶命の立場にいる事が嫌でもわかります。
425名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/10/17 01:01 ID:av3RSk2h
 ロシアノビッチ君とフランソワーズちゃんの方を見ます。全くやる気の無い二人は
もう寝ています。責任転嫁しようにもニホンちゃんはまだ来ていません。
 「二人共ちょっと来い」
 「たっぷりと話を聞いてやるアル」
 襟首を掴まれ強制連行されていきます。
 入れ替わりにニホンちゃんが来ました。
 「御免なさーーーい、ちょっと遅れちゃったあ」
 部屋を見るとロシアノビッチ君とフランソワーズちゃんだけです。ニホンちゃんの声
に二人共目を覚ましました。
 「あれ、これだけ?アメリー君やチューゴ君は?カンコ君や豪華ゲストも来るって
聞いたのに」
 「豪華ゲスト?ああ、あれな」
 「もう帰りましたわ」
 「何だ、つまんないの」
 ちょっと残念そうなニホンちゃん。まあカンコ君が彼女を狙った集まりだったので危機
を脱したと言うべきか。幸運でしたね。
 その頃不運なブラジャースは。
 「アーーーーイーーーーゴーーーーオーーーーッ!!」
 二重唱が夜まで木霊していましたとさ。
426名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/10/17 01:05 ID:av3RSk2h
427 :03/10/18 19:35 ID:m4/aD6nB
スペイン沖で不審船取締りの合同演習が西海軍主催で行われたとかbyNHK
ヤフーにまだ出てないのでソース待ちです。
フラメンコ先生、久々のハッスルのようでw
428リュー君好き好き ◆vtdPsCBL0s :03/10/19 01:51 ID:zno3Q+O8
今から少し昔、リュー家がアメリー家の管理下にあったときのお話し。

リュー君とアメリー君はギクシャクしながらも
同じ部屋を分け合って暮らしていました。
しかし、アメリー君のオモチャがリュー家のオモチャを
壊したり、リュー君に怪我をさせたりする事故が
相次ぐようになってきました。

怒ったリュー君は、アメリー君に言います。
「アメリー君、事故を起こしたオモチャを
 僕に渡してくれない? 危な過ぎるから」
ですがアメリー君は聞きません。
「こっちの責任はこっちでなんとかするよ」
挙句の果てに空気銃を威嚇射撃してきました。
429リュー君好き好き ◆vtdPsCBL0s :03/10/19 01:56 ID:zno3Q+O8
リュー君の中で何かが数本、キレました。
「ヤナウランダーグァー!!
 イッタームルシナサリンドー!!!!」

それからのリュー君は手がつけられません。
アメリー君のオモチャを70個も壊し、
別荘にもなだれこみ破壊の限りを尽くしました。
後の「コザの部屋騒動」と言われる事件です。

この騒動から少し頭を冷やしたリュー君ですが、
これではいけないということで、ニホンちゃんに
助けを求め、アメリー家管理下からニホン家管理下に
置いてもらったのでした。

おかげで、今では少しアメリー家とは
仲良くやっていけてます。
最も、中には未だに少し困った行動を起こす人も
アメリー、リュー両家にはいるのですが…。

リュー君はそれが少し残念でなりません。
430リュー君好き好き ◆vtdPsCBL0s :03/10/19 01:57 ID:zno3Q+O8
ソースは「コザ騒動」です。
ググってみるといろいろ出てきます。

どうもカンコ君と絡む機会がないなぁ…。
チューゴ君は結構あるんですけどね。尖閣とか。
431 :03/10/19 12:51 ID:MBFTkwnV
明時代にチューゴ君とリュー君は交流があるけど、カンコ君とはないねぇ。
冊封の話はむずかしくてかけなかった。 リュー君の歴史を検索するとなかなか面白いですね。
432 :03/10/19 15:00 ID:tXlcI9MK
 ┌┐     ┌┐     ┌┐     ┌┐
 (゚Д゚)ウサマー (゚Д゚)ウサマー .(゚Д゚)ウサマー (゚Д゚)ウサマー
 ┗┛     ┗┛     ┗┛     ┗┛
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031019-00000019-kyodo-int

 ┌┐     ┌┐     ┌┐     ┌┐
 (゚Д゚)ウサマー (゚Д゚)ウサマー .(゚Д゚)ウサマー (゚Д゚)ウサマー
 ┗┛     ┗┛     ┗┛     ┗┛
433目次165:03/10/19 16:40 ID:jgdVjBSY
第1668〜1674話
>>367-368

第1675話「見よ、恐ろしい炎を」
>>370-371 ( >>372 解説)
第1676話「当てが外れて」
>>378-380 ( >>381 解説)
第1677話「誉め合い」
>>382 ( >>383 解説)
第1678話「トロンの塔」
>>387-391 ( >>392 解説)
第1679話「とおくにありて おもうもの 前編」
>>393-401
434目次165:03/10/19 16:41 ID:jgdVjBSY
第1680話「リュー君の家」
>>403-405
第1681話「とおくにありて おもうもの 後編」
>>406-414 ( >>415-416 解説)
第1682話「スパイス」
>>417-418 ( >>419 解説)
第1683話「楽器」
>>420 ( >>421 解説)
435目次165:03/10/19 16:42 ID:jgdVjBSY
第1684話「池を願えば墓穴」
>>423-425 ( >>426 解説)
第1685話「コザの部屋騒動」
>>428-429 ( >>430 解説)
436ほい。:03/10/19 20:36 ID:aTkNSmK9
437リュー君好き好き ◆vtdPsCBL0s :03/10/20 00:26 ID:dDxa4Tbk
「フランソワーズちゃんの驚き」

エリザベス「フランソワ、面白い話しを持ってきましたわよ」
フランソワ「あら、ちょうど良かったわ。退屈していましたの。
       お茶でも飲みながら、じっくり聞かせていただきたいわ」
エリザベス「お構いなく。実はこの前、リュー君の家に行ってきましたの」
フランソワ「リュー君…?ごめんなさい、存じ上げないですわ」
エリザベス「ニホンちゃん家の離れに住んでいる子のことよ」
フランソワ「貴方もニホンちゃん家が好きですわねぇ」
エリザベス「ニホンちゃん家には研究意欲をそそられますのよ。
        リュー君の家の方々には危ないところを助けていただいてますし」
フランソワ「それで、面白い話しというのはなんですの?」
エリザベス「実はねフランソワ。・・・リュー君の家には、喧嘩の道具がないんですの」
フランソワ「!?まさか…」
エリザベス「真実でしてよ」
フランソワ「それでは、どうやって喧嘩をすると言うんですの?」
エリザベス「それが、喧嘩をしたことがないようなんですの」
フランソワ「う、嘘でしょ?お願い、嘘だと言ってエリザベス」
エリザベス「もう一度言うわ。・・・真実でしてよ」
フランソワ「信じられませんわ・・・この世のそんな家があったなんて・・・」


とくにオチもなく終り
438リュー君好き好き ◆vtdPsCBL0s :03/10/20 00:30 ID:dDxa4Tbk
またもや歴史ネタです。
フランソワやエリザベスの口調って結構難しいことを実感しました。

で、ソースはイギリスのバジルホールがフランスのナポレオンに
琉球の紹介をしたときの様子です。
http://w1.nirai.ne.jp/ken/pro.htm

エリザベスちゃんの「危ないところを助けていただいた」という話しは
このページに載っております。
http://www.lib.u-ryukyu.ac.jp/digia/tenji/tenji2001/m04.html

>>431
琉球と朝鮮とは貿易があったのですが、朝鮮が一方的に
取りやめてますからね…とりとめて話しがないです。
あまり乗り気ではなかったようですね。
リュー君の歴史はニホンちゃん家とはまた違っていて面白いですよね。
439名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/10/20 01:41 ID:gMDnTR/P
                 「嵐の前」
 ファビョーーーンになっちゃって家を飛び出たカンコパパさん。無理矢理カンコ君とママさんも
巻き込んで独立しました。
 独立、といっても家なんぞありません。ついこの間まで野宿でした。今はようやくテントに住んで
います。
 「あいつの親父は何考えてんだ・・・・・・」
 空き地でテント暮らしをする一家を見て皆呆れています。チョゴリちゃんなんか相手にせず家に
います。
 しかし常に人の予想を斜め上遥か彼方アンドロメダ星雲辺りまで裏切るカンコ家、これで話は
終わりませんでした。パパさん急に家へ戻ると高らかに言いました。
 「ウリは決心したニダ!」
 はい、何でしょうか。皆生暖かい目でどころか絶対零度の目で見守っています。
 「これからウリの家長としての信用を問うニダ!」
 「アボジ、そんなの最初からわかってるニカ」
 チョゴリちゃんが小声でぼそりと呟きます。
 「その為に皆にウリが必要かどうか聞くニダ、反対が多かったらウリは家長を止めるニダ!」
 「な、何だってェーーーーーーーっ!」
 あまりの予想外の行動にカンコ家の皆びっくりしています。
 「どうしてこんな時に、しかも家訓と違っているニカ」
 アボジを絶賛する兄を横目にうなだれ溜息をつくチョゴリちゃんでした。
440名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/10/20 01:43 ID:gMDnTR/P
 話は瞬く間に町に広まりました。翌日の壁新聞にも大きく張り出されクラスの皆
の話題もそればかりです。
 「どうニダ、アボジは真のミンシュ主義者ニダ!」
 カンコ君大喜びで皆の前で言っています。
 「家長の信任を問うのはウリナラが始めてニダ、ウリナラこそ本当にミンシュ的な
家ニダ、ウリナラマンセーーーーーーッ!!」
 すっかり有頂天です。
 「ウリは最後までアボジについていくニダ、ウリはコーエーヘーニダ!」
 はあ、よくそんな昔の事知っていますね。
 ところが皆の反応はいまいちです。チョゴリちゃんなんかクラスで皆から慰められて
いました。彼はというと。
 「・・・・・・・・・」
 呆れ果てています。誰も声をかけようとしません。カンコ君だけ馬鹿騒ぎしている状況です。
 よく見たら太平池の会合のメンバーの状況が変です。クラスの端っこでカンコ君をちらちら
見ながら輪になって話しています。
441名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/10/20 01:45 ID:gMDnTR/P
 「・・・なんか皆の様子がおかしいね」
 話し合いからそっと抜けニホンちゃんがそっとタイワンちゃんに言いました。二人共会合の
メンバーです。
 「まあ会合近いしね。それよりあっち見て」
 タイワンちゃんが指差します。そこには。
 アメリー君とチューゴ君がいました。二人共黙っていますが全身怒りの炎で燃え
盛っております。勿論この二人もメンバー。それもニホンちゃんと並ぶメインイベンター。
 「あ・・・・・・・・・」
 「この時期にあんなことしちゃあね。暫く二人には近寄らない方がいいよ」
 「・・・・・・うん」
 よく見たら二人の半径5メートル程には誰もいません。
 「キッチョムの馬鹿が何しでかすかいよいよわからねえって時期に大馬鹿な事
しでかしやがって」
 「コーエーヘーか。面白いアル。それでは御前を真っ赤にしてやるアル」
 「今度の太平池の会合ではウリが主役ニダな。皆ウリナラのミンシュ性を尊敬しる!」
 「心配しなくても御前は真っ先に吊るし上げてやるよ」
 「それまで精々有頂天になっているよろし」
 さてさて今回の会合大丈夫でしょうか。血の雨が降らなければいいけど。
442名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/10/20 01:49 ID:gMDnTR/P
 経済中心なのに半島のせいで軍事にまで広がりつつあるAPEC前夜ということで。
 今回はよりによって前代未聞のやり方でこの時期に政治的空白を作ったあの話。
ttp://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2003/10/10/20031010000056.html
 カンコ君の対応。
ttp://korea.hanmir.com/ktj.cgi?url=http://www.chosun.com/w21data/html/news/200310/200310140441.html
 チョゴリちゃん。
ttp://www.crezio.com/cznews/news_korea.php?ddate=20031014&lang=ja
ttp://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2003/10/10/20031010000055.html
 APECではこんな話が出ています。
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031016-00000203-yom-int
 本当にあの大統領大丈夫か?えらい事になるぞ。作中の二人みたいに米中激怒しなかったらいいけど。
443名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/10/21 01:00 ID:j43LyALt
                  「確信犯」
 さあ今年の太平池の会合のホスト役となったタイラン君、大張り切りです。なにしろ彼は
普段大人しくても人付き合いは上手い、料理上手、喧嘩は強いと陰の実力者なのです。
 「ベトナちゃんには負けてられないよ」
 ほいっとナムプラーを用意します。臭いこそきついですが慣れれば食欲をそそります。
 「通好みだよ。コリアンダーも忘れないでね」
 実にマニア心をそそる憎い料理人です。
 「けど今度来る連中味に五月蝿い奴ばかりだしなあ。正直心配」
 あのアメリー君ですら料理には五月蝿いのです。
 「まああいつは何でも食べるからね。まあうざいのは無視していくか」
 うざいのは誰ですかね。
 「しまった、ナムプラーが足りないぞ」
 えっ!?
 「どこにあるんだ?」
 目の前に。
 「あ、あったか、よかった。これで皆に御馳走がふるまえるな、あいつ以外は」
 あいつ?だれでしょう。
 「それはオチのお楽しみ」
 わかりました。
444名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/10/21 01:02 ID:j43LyALt
 さていよいよ太平池のお茶会です。皆タイラン君の家の食べ物を楽しみにしています。
 「ぼくナマズが食べたいんだけどいいかな」
 「キムチニダ!」
 フィリピ君が尋ねます。
 「いいよ」
 タイラン君は快諾します。
 「わたしはトムヤンクンが食べたいけど」
 「ポシンタンニダ!」
 ニホンちゃんの気弱なおうかがいにも快諾。
 「ニホンちゃんのおうかがいは断らないよ、お得意様なのに」
 まあ誰かさんよりずっといいお付き合いのセンスですね。
 「じゃああたしもニホンちゃんとおなじのね」
 「カクテキニダ!」
 タイワンちゃんも注文。
 「了解」
 「あっさりしたものがいいアル」
 「レイメンニダ!」
 「了解」
 何か意図的に誰かを無視しているような。
 「僕はなんでもいいよ」
 「ビビンバニダ!」
 言う度にメニューが変わってますな。
 「アメリー君で最後だな。じゃあこれで終わりか」
 スルーしてタイラン君厨房へ。
 「アイゴーーー、ウリの御飯はどうなったニダーーー!」
 「君いたの?」
 タイラン君の意地悪い笑み。
 「アーーーーイーーーーゴーーーーオーーーー!」
 タイラン君の人付き合いのやり方を思い知る彼でした。
445名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/10/21 01:05 ID:j43LyALt
 飯研で拾ったソースです。APECネタ。
ttp://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&cid=1516&ncid=1516&e=6&u=/afp/20031016/od_afp/apec_food_offbeat_031016135117
 タイ政府が本当に無視してたら本当にすごい。まさかね、いやどうやら本当に
韓国が嫌いみたいだしな、わからんな。
 あと下がっていたのであげました。
446リュー君好き好き ◆vtdPsCBL0s :03/10/21 05:23 ID:4BF1HBnV
「タイワンちゃんとリュー君」

あまり知られていないことですが、タイワンちゃんとリュー君は
深い結びつきがあります。

かつて、リュー君の家は大リュー家、タイワンちゃんの家は
小リュー家と呼ばれていたころがあったのです。

今でも、タイワンちゃんの家ではリュー君の家は
ニホンちゃん家とは別の、独立した家として
認識されています。

タイワンちゃんの家とリュー君の家は、それだけ近しい存在です。
今日も両家の交流は続くのでした。

二人の共通の悩みは、チューゴ君です。
チューゴ君は「タイワン、リューどちらも僕のものアル」と言って
聞かないのです。

この二人の悩みが解決する日はいつになるのでしょうか…。
447リュー君好き好き ◆vtdPsCBL0s :03/10/21 05:31 ID:4BF1HBnV
またもやたいしたオチもなく、歴史ネタですいません。
で、とりあえずのソースです。

http://www5.ocn.ne.jp/~isao-pw/sankoku.htm
http://www.fujikihayato.jp/sibai/umincyu.html
その他。

実際、晴れた日には沖縄から台湾が見えます。
「一番近い外国」ということでCMもやってますしね。
普通に台湾の人も沖縄に住んでいますから。

ただ、そのせいでいろいろゴタゴタはあったようで、
日中関係がそれに関わってきたこともありました。
琉球処分直前の話しです。

大国に翻弄された島々、なんでしょうね。
448だっかるび:03/10/21 14:59 ID:cpQJUMe8
「ウリは人気者」


 カンコ君は今、イラク君の家の後片付けを手伝っています。
 アメリー君とのケンカの末、ボロボロになってしまった
塀や壁の補修をしているのです。

「ブツブツ…せっかくこんな田舎まで来て手伝ってやってるのに、
 アメリーはちっとも感謝しやがらないニダ。納得行かないニダ…」

 もともと重労働が大嫌いなカンコ君。
 アメリー君が近くにいないと思って、文句たらたらです。
 そこへ、この家の持ち主であるイラク君が通りかかりました。
 何やら溜息をついています。

「なに辛気臭い顔してるニダ? 何かあったニダか?」
「…明日の授業の事なんだけど」
「明日? 何かあったニダか?」
「今、うちお金がなくて、筆記用具やノートを買えないんだ。
 どうしようかと思って…」
「フッフ〜ン、そんな事ニダか! ウリはノートもエンピツもたくさん
 持ってるニダ。お前にやってもいいニダ」
「えっ、本当か!?」
「ちょっと待ってるニダ。すぐ持って来るニダ」

 おやおや、意外と面倒見が良い所もあるんですね。
 カンコ君は早速、自分の筆記用具を取りに走ります。
449だっかるび:03/10/21 15:00 ID:cpQJUMe8
「ほら、どれでも好きなのを選ぶニダ!」
「………」

 受け取ったイラク君は困惑顔です。
 カンコ君が持ってきた筆記用具は、乱雑に扱われていた為か、どれも
ボロボロになってしまっていました。
 これを使えと言われても、困ってしまいます。
 ですがイラク君はニッコリと笑顔を浮かべ、親指を立てる仕草をしました。

「そうか、そんなに嬉しいニダか! もっとウリに感謝するニダ!
 ウリは人気者ニダ! ウェーハッハッハ!!」
450だっかるび:03/10/21 15:01 ID:cpQJUMe8
 嬉しい事は、即、ニホンちゃんに自慢しなければ気が済まないカンコ君です。
 翌朝、タイワンちゃんと遊んでいるニホンちゃんの所へやって来ます。

「おいニホン! クラス一の人気者に挨拶するニダ!」
「人気者ぉ? バカンコ、あんたなに寝ボケてんのよ?
 クラスに一人も友達いないあんたのどこが人気者なの?」
「シッバァアル!! タイワンは黙ってるニダ!」

 そこへ、イラク君が通り掛かります。

「イラク! おはようの挨拶をしてやるニダ!! お前も挨拶を返すニダ!」

 これ幸いとばかりに、手を振るカンコ君。
 イラク君も昨日と同じように、親指を立てる仕草で親愛の情を表してくれました。

「どうだ、見たかニダ! あいつはウリの友達ニダ! ベストフレンドニダ!
 ウリは人気者ニダ!」

 カンコ君は鼻高々で自慢します。
 ですがニホンちゃんは、一言。

「…カンコくん。イラク君のお家ではね、あのジェスチャー、
 『死ね』って意味なんだよ」
451だっかるび:03/10/21 15:01 ID:cpQJUMe8
ソースは、
> 「韓国軍の人気は高い。イラク人は韓国軍を見ると親指を立てるほど」
ttp://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2003/10/19/20031019000039.html

> テレビカメラを向けても、アメリカ兵の前で、
> 「俺はアメリカが嫌いだ。ファック!」
> と親指を突き出してみせる若者が大勢いる。
ttp://www.h3.dion.ne.jp/~sugioka/diary5.htm

彼らはイラクで一体何をしたのでしょうか(;´Д`)
452名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/10/22 04:55 ID:PGace3YW
 面白かったですよ。ただ彼等はイラクで何やらかしたのか知りたいです。
本当に何やったんでしょう。
453リュー君好き好き ◆vtdPsCBL0s :03/10/22 05:08 ID:l2bXQEXY
「コンスって何?」

ある日、リュー君はニホンちゃんにカラテを教えていました。

「あ、そこはネコ足で、その後に上段受け、そしてサンチン立ち…」
「こ、こう?」
「うん、スゴイや姉ちゃん、短期間でこんなに上達するなんて」

ニホンちゃん、リュー君に褒められて満足そうです。
「エヘヘ、そうかな」
「もしかしたらもう僕よりも強いかもね」
「えー、そんなことないよう」

そこへ通りかかった、ご存知我らがカンコ君。
「お、何ニダ? またニホンにいじめられてるニダか、リュー」
何故かリュー君には優しいカンコ君。
「違うよカンコさん。ニホン姉ちゃんにカラテを教えてるんだよ」
「カラテニダ!?」

カンコ君の目の色が変わりました。
「シッパル! カラテはニッテイがテコンドーを歪曲して作り上げた
 格闘技ニダ! それをニホンは自分たちが発祥だと言い出したニダ!
 ニホンは謝罪しる賠償しる反省しるぅぅぅぅぅぅ!!!!!」

どうやらカンコ君、ファイヤーシックを発病したもようです。
リュー君はそのカンコ君の言い分を聞き、青筋立ってきました。
「・・・カンコさん、それ本気で言ってるの?」
リュー君の殺気立った視線にも気付かず、カンコ君はまくしたてます。

「当たり前ニダ! テコンドーこそコンス(空手)、またはタンス(唐手)の発祥ニダ!!」
454リュー君好き好き ◆vtdPsCBL0s :03/10/22 05:08 ID:l2bXQEXY
そこへチューゴ君がゆらりと出てきました。
「ほほう、カンコ。 カラテとは我がショーリンジが元となっているアルが、
 そんな歴史の浅いテコンドーが発祥と言うアルか…?」
リュー君もどこかゆらりとして言いました。
「カンコさん…そうなると僕の家のティもテコンドーから発祥したと言うのかなぁ…?」
いつのまにかウヨ君もそこに立っていました。
「カンコ・・・、お前また相変わらず電波飛ばしてるのか・・・
 カラテはリュー家から入ってきた正当な格闘技だと知らんのかな…?」

カンコ君、失禁しそうです。
「あ、いやその・・・ニダ」

三人からカラテ、ショーリンジ、ティの技を受けたカンコ君。
「アイゴー」を言う暇もなく、沈んでしまいました。

それを(カンコ君が出てきたあたりから避難していて)遠巻きに見ていたニホンちゃん。
出てくる言葉は一つだけでした。

「カンコ君…バカ・・・」
455リュー君好き好き ◆vtdPsCBL0s :03/10/22 05:20 ID:l2bXQEXY
やっとカンコ君と絡めました。

テコンドーが空手、または唐手の発祥のソース
http://members.at.infoseek.co.jp/koreawatcher/docs/www_14.htm
突っ込みソース
http://members.at.infoseek.co.jp/koreawatcher/docs/webzine2.htm

唐手から空手へ
http://www10.ocn.ne.jp/~fuku/sub3/karatehistory.html

ちなみに、ocnのほうのページに書いてある
琉球唐手の伝説は、沖縄ですら信じられていません。
(というかそんな伝説があるなんて知らなかったです)
唐手に武具もあったのはすでに常識です。
そもそも薩摩藩に対抗するために出来た格闘技ならば
それまでの手(ティ)の存在自体が危ぶまれてしまうのでは…。
そういやカポエラも同じような伝説がありますね。

手(ティ)というのは琉球独自の格闘技で実在します。
グラップラー刃牙で「御殿手」というのが出てきましたが、
一子相伝というのも事実です。あんなに最強ではなかったと思いますが(w
今では広く(でもないかな?)、門戸が開かれています。

興味のある方は「本部御殿手」でググッてみては。
456有閑工房1:03/10/23 11:46 ID:khbFCgQY
『ダンスナンバー』

「チューウーゴくーん!」
「アイヤー!な、ナニスルアルカニホン!少し落ち着くアル!」
 背後からいきなり抱きつくニホンちゃんにチュウゴ君タジタジです。
「ね、踊ろ、踊ろうよチュウゴ君!」
 最近こうやってやたらとテンションが高くなるニホンちゃん。チュウゴ君に
はいい迷惑です。どうもニホンちゃん、嫌がらせとわかっていても一向に止める
気配がありません。
「踊るって何アルか、朕はそんな気分じゃないアル。」
「あのね、キッチョム君をお外に引っ張り出すのは、家の外で皆で楽しそうに
踊ったりしたら良いんじゃないかって思って私練習してたのー!」
 そう言うと頼みもしないのに神楽演舞やらカルメンやらガムランやらをやり
始めます。
 頭にバンダナを巻いて白いTシャツ(なぜか『パンダ大好き』とマジックで
書いてある)にジーンズのミニスカ姿のニホンちゃんが一生懸命踊り、ちらつく
お腹に際どいスカートライン、そんなこんながチュウゴ君の萌え中枢を激しく
揺さぶります。
 うっすらと汗をかいたニホンちゃん、前屈みに堪えているチュウゴ君を踊り
たくてうずうずしているのと勘違いして快活に話し掛けます。
「だいじょうぶ、かっこ悪くても良いじゃない、そんなこと問題じゃないよ。
誰かが笑ったら私が象ぶつけるよ!」
 何だかいやにハイテンションなニホンちゃんです。大丈夫でしょうか?
457有閑工房:03/10/23 11:46 ID:khbFCgQY
 そのノリに多少引き気味のチュウゴ君ですが、今誰に一番係わり合いになりたく
ないって、言うまでもなくお隣の舎弟です。
「朕は踊りをするよりも見ている方が性に合っているアル。そんなに運動神経
良くないアルしな。それに大体キッチョムと踊りたいんなら直接奴に言えばいい
アル。何で一々朕のところに来るアルか?」
「だってキッチョム君、チュウゴ君の一番弟子だとか一の子分だとか小チュウゴ
だとかいつも言ってるでしょ?そしたらやっぱり兄貴分にお伺い立てないと
いけないし…」
「だー、もう昔の話一々持ち出して欲しくないアル。そうでなくても最近ニホン
の親戚がうちで万引きしたりニッテイが棄てていったカンシャク玉がいきなり
爆発したり大変アル!この落とし前どうにかしてくれないと聞ける話も聞けない
アル!」
 チュウゴ君カンカンに怒っていますが、半分は鬱陶しいニホンちゃんを黙らせる
ために取り置きしていたネタです。
「えー、だってチュウゴ君ちの親戚がうちで好き放題やってるのに比べたら可愛い
もんよ。」
「比較の問題じゃないアル!起こった事実が大事アル。」
「あー、そう。最近チュウゴ君も私に嫌味なくらい色々と上手くなったし、
そろそろODA賃も…」
「朋友ニホン、知らない仲じゃないし、穏便にいくほうがヨロシ。」
 さすがはチュウゴ君、この辺の引き際はどこぞの劣化コピーと訳が違います。
しかしここで即答しないのも白髪三千丈の歴史のなせる技でしょうか?
 ニホンちゃん満足な答えも聞けずにチュウゴ君に逃げられてしまいました。
458有閑工房3:03/10/23 11:48 ID:khbFCgQY
 さてやっとこさ帰った中華マンションで、帰るとすぐにアメリー君からの
電話です。
「おう、どこほっつき歩いてんだよ。」
「お前がニホンを良く教育していないから付き纏われていたアル。責任感じて
欲しいアルな。」
「しらねえよそんな事。レディには優しくするのが男だろ。お前モテないぞ
そんなんじゃ。…ま、それはいいとして、クリスマス前にはまたキッチョム
引きずり出して晒しもんにするから、なんかネタ考えとけよ。」
  ち ん っ

 返事も聞かずに電話は一方的に切れてしまいました。チュウゴ君、言い返そう
と口をあけた瞬間のまま固まってしまいます。
  ち り り り り り り ん っ !

 すぐあとにまた電話が鳴ります。条件反射でチュウゴ君が思わず電話を取ると、
受話器の向こうから聞き慣れた火病声が響いてきます。
「チュウゴ君ニダか!忠実なる朋友キッチョムニダ!聞いて欲しいニダ!最近
ニホ…」
  ち ん っ

 耳鳴りのように聞こえないはずの『アイゴォォォー―――』という声を聞き
ながら、チュウゴ君は重い足取りで自分の部屋に帰りましたとさ。
 ではチュウゴ君、ヴァルハラで会おうか。

終  劇
459有閑工房カイセツ:03/10/23 11:49 ID:khbFCgQY
解説・舞踏・幕間間隙 ちょっとあげとこかな
※ さあ早口言葉に朝鮮!『こねたをこねてこねこでごねた』
またやっちゃったハイパーニホンちゃん(w 今回は『執拗な』キッチョム君
へのラブコール話。それと日中のスキャンダル合戦ですね。これから何が飛び
出すやら…中華思想を鑑みればこの状況は中国に面白くないでしょう。まあ、
全部身から出た鯖なんですけど。
※ まあそれにしても、見捨てられたら寂しいくせに、北のあの国は
お 盛 ん な 事 で す な あ

※料理人の命一覧
↓日米のお願いお願い。共同通信ですが…
ttp://news.kyodo.co.jp/kyodonews/2003/nkorea/news/1007-1067.html
↓好き放題の一部、福岡一家惨殺関連の最新版
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031017-00000025-nnp-kyu
↓万引きは集団買春。見計ってたね。福岡事件の沈静化の為に。しかし白髪三
千丈だけに数が大規模(w
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030928-00000346-reu-int
↓かんしゃく玉は埋蔵毒ガス。本当に日本軍のものか甚だ疑わしいけど、それ
よりもキミら、庶民の人死にに今までどれだけ関心あった?
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031019-00000122-reu-int
↓青い心の人たち(抄)ニホンちゃんはマーシーのコスプレでつ。
ttp://www.meldac.com/catalog/buleheart.html

あり…王毅だったか呉邦国だったかが「ダンスは二人で踊るもの」とか言って
460有閑工房:03/10/23 11:51 ID:khbFCgQY
ごめん、なんか上がりすぎた
スマソ>>ALL
461ウェーハッハッハッハ:03/10/23 23:48 ID:rFS6p/BW
http://ex.2ch.net/test/read.cgi/korea/1065890496/l50

http://ex.2ch.net/test/read.cgi/korea/1066877766/l50
http://www.goodmorning-invent.com/hp/sanseiken.cgi
これネタにしてくれませんか?
楽しすぎますんで。

■ 在日外国人(韓国人・朝鮮人etc)に参政権を与えるべきか?
■ チェックして投票ボタンを押します。
■「賛成」投票の場合のみコメントの書込みを認めます。
■ 「反対」および「どちらともいえない」の投票の場合、コメント書き込みは禁止です。
  ルールに違反した場合、コメント削除および賛成票を3票増加となります。
■ このランキングでは賛成票でも他人に対するいやがらせ、悪口、脅し、
  わいせつな内容、不愉快な趣旨などのコメントはすべて禁止です。
  違反の場合、削除はもちろん、投票禁止措置を取ることもあります。
■ 短時間の連続投票は発見次第、荒らしとみなし投票禁止措置を取ります。
■ データが消えても当方では責任を負いかねますので、ご了承ください。
■ この投票は2003年11月15日に終了します。
■ この投票は公正な投票に基づいているものではありません。
■ 賛成票が有利となっている投票であります。
■ ルールに賛同できない方の投票をご遠慮願います。

462ウェーハッハッハッハ:03/10/23 23:54 ID:rFS6p/BW
463ウェーハッハッハッハ:03/10/24 00:29 ID:OTvMDQ1a
在日外国人に参政権を与えるべきか?投票もやっております
こちらでは投票数操作は一切ありませんのでこちらにもどうぞ。

http://www.goodmorning-invent.com/hp/sanseiken2.cgi


ヘぇーヘぇーヘぇーヘぇー
464名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/10/24 03:37 ID:JRC4ZJV7
               「歌に生き 愛に生き」
 今日も女の子に声をかけるマカロニーノ君。クラスの女の子はもうなれっこです。
 「ニホンちゃん今日うちに来ない?スカラでニホンちゃん家を舞台にしたオペラやるんだよ」
 「『蝶々夫人』か。うーーん、けどあれってわたしの家と微妙に違うし・・・」
 押しの弱いニホンちゃんなんかはいつも口説かれています。そしていつもやって来るあの天敵が。
 「ほう。『フィデリオ』はやらないのか」
 「あれはベートーベンの作品にしてはいまいち・・・ってうわあっ!」
 アーリアちゃんです。長身のマカロニーノ君と同じ位の背の彼女に頭を掴まれます。
 「御前には節操というものが無いのか?さっき私には『ローマで『魔弾の射手』やるけど来ない?』
と言っていたな。その舌の根も乾かないうちに」
 「ま、まあ演奏にもよるし・・・」
 「ほう、私の見たところ蝶々さんはかなり人を選ぶ役だがな」
 目が座わっています。
 「ま、まあ二人共良かったら来てよ。パスタもワインもあるし」
 「だから小学生という事を無視するな」
 「あれっ、アーリアの家でも飲んでなかったっけ」
 「だから設定を無視するなと言っているのだ」
 「まいいや。来る?来ない?」
 聞いちゃいねえ。
 「わたしはいいけど・・・アーリアちゃんは?」
 「そうだな。プッチーニも嫌いではない。いいか」
 おおっ、意外な趣味ですね。
 「私がプッチーニを聴いて悪いか?」
 いえ。
465名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/10/24 03:39 ID:JRC4ZJV7
 さてデートの待ち合わせ、藤色の着物を着たニホンちゃんと黒ズボンのアーリアちゃん。
しかしアーリアちゃん何かイライラしている様です。
 「待ち合わせはいいが何時来るのだ、あいつは」
 「アーリアちゃん、もう時間を二十分も過ぎてるよ」
 腕の時計を見てニホンちゃんが言います。そこへようやく登場。
 「やあ、女神達に会いたくて急いで来たよ」
              C R A S H
 アーリアちゃんの必殺ブローが炸裂。
 「い、痛いなあ何するんだよ」
 「急いでいる奴が二十分も遅れるか?御前の時計はどうなっているのだ?」
 「時計?そんな事気にしてちゃ駄目だよ」
 よく見たらマカロニーノ君の時計は三十分遅れています。どうも壊れているみたいです。
しかし全く気にしていません。
 「じゃあ行こうよ。ディナーを食べてから行こう」
 かくしてマカロニーノ君家の料理に舌づつみを打った後オペラです。
 「結局蝶々夫人か」
 アーリアちゃん少し残念そうです。
466名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/10/24 03:41 ID:JRC4ZJV7
 歌劇も終わり三人は劇場を後にしました。
 「良かったね」
 「うむ。演出も演奏も素晴らしかった」
 「歌も良かっただろ?やっぱり歌はああでなくちゃ」
 身振り手振り付きで言います。
 「マカロニーノ君って歌をまず見るのね」
 「そうさ、何と言っても『歌劇』なんだから」
 「確かにそうだが演奏や演出も大事だ。全てが良くなくてはな」
 完璧主義のアーリアちゃんらしい意見ですね。
 「参ったなあ、歌は第一じゃないのかい?」
 「そうは言ってはいない。だが他をおろそかにしては駄目なのだ」
 「うーーん、演出家みたいな事言うなあ」
 マカロニーノ君渋い顔です。
 「まあいいや。夜は長いんだし語り明かそうよ。ワインもあるし」
 「だからそれは止めろ」
 「いいじゃないか。たまには設定や規則を無視するのもいいよ」
 「・・・おい、一言言っておくが規則は絶対に守れ」 
 「固いなあ、アーリアは。たまにはハメを外そうよ」
 「御前はいつも外しているだろうが。今度時間に遅れたら冬の北池を寒中水泳してもらうからな」
 「そんなああーーー」
 「うふふ」
 情け無い顔になるマカロニーノ君。そんな二人のやりとりを笑いながら見るニホンちゃんでした。
467名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/10/24 03:42 ID:JRC4ZJV7
 今回のソース。
ttp://www.geocities.co.jp/SilkRoad/1310/italiano.html
ttp://minori.interfree.it/back/italia_20030730.html
 イタリアで憎めないな、本当に。
 オペラはこっち。タイトルもプッチーニの名作「トスカ」のアリアから取りました。
ttp://homepage2.nifty.com/pietro/storia/puccini_madama_butterfly.html
 どうもイタリアオペラが歌に比重が重くドイツが演出の割合が高いのは
ヴェルディとワーグナーの影響かも。
468 :03/10/25 10:43 ID:ssV2Y8HR
むぅ、最近作品ばっかで感想レスが少ないような気がする。
これもまた不思議な事態かなと思ったりもしないでもない。
469 :03/10/25 18:00 ID:vJU9+YLb
 子供向けにワインを水等で薄めて飲ませる、と何かで読んだ記憶が。
シャンメリーみたいなものかな
470名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/10/25 21:04 ID:n78nCByE
 「ああ無情」
 今日のホームルームは準クラス委員の選出、このクラスは五人いるクラス委員の他に十人
の準クラス委員を決めるのです。
 「で、うちのクラスは一体何人いるんだ?」
 さあ、何人でしょう。
 「気のせいか増えてるアル」
 気のせいですね。
 それはともかく選挙です。アジア班とアフリカ班、アメリカ班、EU班からそれぞれ出すこと
になっています。他の班は出る人がもう決まっていますね。ではアジア班は。
 「フィリピ君がいいな」
 普段はあまり目立たないけど陽気で明るい子です。ヨハネ君の親友でもあります。
 「いいわ、フィリピ君頑張ってね」
 「うん」
 ニホンちゃんからのエール。これは心強い。
 「僕も賛成するアル。これからはフィリピもクラスの仕事にどんどん参加するよろし」
 チューゴ君も賛成です。フィリピ君と親しいアメリカ班からアメリー君が親指を立てて賛成の
意思を出しています。
 まあこれでほぼ決まりですね。とはいきません。物事にはトラブルがつきもの。
 時としてトラブルは人が持ってきます。クラス一のトラブルメーカーといえば。
 「フィリピなぞに準クラス委員は任せられないニダ、それはウリがやるべき仕事ニダ!」
 カンコ君、またもやクラスに嵐を巻き起こします。
471名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/10/25 21:06 ID:n78nCByE
 「今回の準クラス委員にはウリが立候補するニダ、何故ならウリはいずれクラス委員になるべき
人物ニダ!」
 その無神経な発言にクラスの皆が青筋立てまくっているのに一切構わず話を続けます。
 「皆ウリを支持するニダ、そしてウリに全てを任せるニダ!」
 何人か席を立ちます。カンコ君を張り倒そうとしますがフィリピ君は言いました。
 「いいよ、カンコ君も出たらいいよ」
 「えっ!?」
 この発言には皆びっくりしました。
 「フン、当然ニダ」
 カンコ君ふんぞり返って言います。
 「けれど僕も出るよ。皆が支持してくれているしね」
 「フン、勝手にするニダ。どうせウリが選ばれるに決まっているニダ」
 「うん、それでいいよ」
 フィリピ君の紳士的な対応に皆驚いています。ニホンちゃんがこっそり聞きました。
 「フィリピ君、いいの?」
 とても心配そうです。
 「いいんだよ、僕は皆を信じているから」
 フィリピ君はにこりと笑いました。白い歯がきらりと光ります。
472名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/10/25 21:08 ID:n78nCByE
 さあ投票です。カンコ君はもう自分が選ばれるものと確信して大喜びです。それに対して
フィリピ君は冷静に黒板を見つめています。結果は。
 「準クラス委員アジア班からはフィリピ君!」
 先生の声が響きます。フィリピ君は皆の拍手に包まれました。
 「投票数179対1!」
 その一票が誰か・・・・・・・・・。あえて言わないでおきましょう。
 「ど、どういう事ニダ、何でウリがウリの一票だけニダ!」
 カンコ君憤然と抗議します。しかし。
 「・・・・・・・・・」
 それを見る皆のドライアイスの様に冷たい眼。さすがのカンコ君も黙っています。
 「何か言ったか?カンコ。誰が御前に投票すると思ってるんだ?」
 アメリー君の冷たい声。
 「こうなる事は分かっていたアル。最初から出ないほうがましだったアルな」
 チューゴ君も同じです。ここでいつもの責任転嫁。
 「こ、これは全てニホンのせいニダ、ニホンがウリを準クラス委員にしない為に根回し
したニダ!ニホンにしゃ(略」
 「きゃあっ!」
 ニホンちゃんに掴みかかろうとします。
 「そうくると思ったよ」
 そこへフィリピ君が来ました。彼の蹴りを顔にまともに受け吹き飛ぶカンコ君でした。
473名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/10/25 21:10 ID:n78nCByE
 寝かしてないので申し訳ありませんが新作。
 いやあ、久々に爆笑しました、非常任理事国選挙。ソースはこちら。
ttp://www.un.org/News/Press/docs/2003/ga10181.doc.htm
 何も言いません、今までの行いの報いですね。
474目次166:03/10/26 17:41 ID:nCMqKa5+
第1675〜1685話
>>433-435

第1686話「フランソワーズちゃんの驚き」
>>437 ( >>438 解説)
第1687話「嵐の前」
>>439-441 ( >>442 解説)
第1688話「確信犯」
>>443-444 ( >>445 解説)
第1689話「タイワンちゃんとリュー君」
>>446 ( >>447 解説)
475目次166:03/10/26 17:41 ID:nCMqKa5+
第1690話「ウリは人気者」
>>448-450 ( >>451 解説)
第1691話「コンスって何?」
>>453-454 ( >>455 解説)
第1692話「ダンスナンバー」
>>456-458 ( >>459 解説)
第1693話「歌に生き 愛に生き」
>>464-466 ( >>467 解説)
第1694話「ああ無情」
>>470-472 ( >>473 解説)
476  :03/10/26 23:06 ID:uBv5TgxZ
なんとも面白い歌を見つけたのですが、ネタになりませんか?

日本ブレイク工業『社歌』PV
ttp://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Bay/1018/shaka.mpeg
日本ブレイク工業『社歌』
ttp://www.nbk.gr.jp/melody/nbk.wma
日本ブレイク工業のホームページ
ttp://www.nbk.gr.jp/
会社HPみたけどきけねーって方はコチラ↓
http://www.gazo-box.com/sound/src/1067039646864.wma

事実は小説より奇なり。
477有閑工房:03/10/27 11:34 ID:10j2cMb3
『PARTY HARD』

 タイラン君のお家でのパーティーの最中、今日はタイワンちゃんと顔を合わせたくない
ニホンちゃん。盛装している皆に遠慮して一人だけ地味な格好のタイワンちゃんと距離を
置きがちです。
 勿論いつも通り仲良くしたいのは山々ですが、子猫の事を考えるとチュウゴ君を蔑ろ
にも出来ず、ちょっと悶々としています。
「あ、ニホンちゃ…」
「あ、タイワンちゃん、あとで、ね?」
「…うん。ニホンちゃんも大変だもんね…」
 寂しそうな顔で同意して、弱々しく手を振って見せるタイワンちゃん。ニホンちゃんは
これで良かったのか激しく後悔しますが、かと言ってここで弱音を吐いていてはタイワン
ちゃんにも申し訳ないというもの。振袖の襟元をきゅっと正し、皆の輪の中にまた入ります。
『そうアルニホン。それでいいアルよ…』
 二人の様子をじっと眺めていたチュウゴ君はほくそえんでいました。

 いつの日か、誰憚る事も無く二人が笑い合う日が来ると良いですね。ね、チュウゴ君。
「そんなの、二人の問題アルよ。フフフフフ…」

to be continued?
478有閑in大企業一人ぼっち:03/10/27 11:36 ID:10j2cMb3
解説・離間・策士跋扈
※ 今回はAPECにおける中国の台湾封じ込め策。北朝鮮問題でどんどん発言力を増す中国様に
日米は押され気味。結果台湾を会議内で孤立させる羽目になりました。去年は日台代表者が
和やかに歓談する機会もあったようですが、今回はシシローおじさんも黙殺。国際関係のこと
とはいえ心痛む話です。結局その犠牲にも関わらず宣言内に北朝鮮拉致問題を放り込めなかった
のはキツイですな。これには外務省、総理大臣に正式に非難致します。
『シャキっとせえや、わりゃしごうしたるどほんまあ!』
※ 説明するのもなんですが、盛装はどのレベルの要人が参加したかという事。

ん?そう言えばまた最近カンコが出てこないな。居ると鬱陶しいが居ないと物足りん。物足りん
つーのが真性と違うところか(w

※ ソース駄菓子屋風味
↓産経記事より。
ttp://www.sankei.co.jp/news/031018/1018kok061.htm
↓APEC関連の中台のやりとり。
http://nsearch.yahoo.co.jp/bin/search?p=APEC%A1%A1%C2%E6%CF%D1&st=t
479megrim ◆QMalDHgQsE :03/10/27 17:13 ID:d5bOYu7Z
>>470-473でやったばかりのネタだが、これで話はできますかね。

日本、05年国連安保理入り…非常任「アジア枠」確実
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031026-00000001-yom-pol
480ななしんがー:03/10/28 11:44 ID:RRY+E77N
>>479
土壇場で再びカンコがしゃしゃり出てきそうな気分・・・。
今度はキッチョムも引き込んで・・・。
481名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/10/29 04:31 ID:ImZBJctL
 「メタル」
 アーリアちゃんの音楽センス、それはそのメタリックなドラマティック=ソプラノ
の声と相まって実に素晴らしいものです。家や学校での歌劇において劇的な役や
難しい役でさえこなします。その中でもブリュンヒルデは当たり役です。
 しかし彼女はクラシックだけ歌うのではありません。ロックも好きです。それも
メタルです。
 それはジャーマンメタル。髪を派手に立てたり皮ジャンに身を包みエレキギターを
かき鳴らすその姿に男の子も女の子も虜です。
 元々ゲルマッハ家の歌劇の演出はかなり過激なことでも知られています。とりわけ
バイロイトのそれはいつも注目され議論の的です。アーリアちゃんのメタル、それに
影響されたのかも知れません。
 ゲルマッハ君の演出もコスチュームが大きく変わりました。現代風のほとんどメタルな
ジークフリートやブリュンヒルデです。こちらも大反響です。
 これにめらめらと対抗の炎を燃やす娘が一人いました。
 
482名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/10/29 04:32 ID:ImZBJctL
 「メタルでわたくしのハートを燃えさせるとは・・・。アーリア、やりますわね」
 フランソワーズちゃん?違いました。エリザベスちゃんです。アーリアちゃんのジャーマンメタルを見て
彼女の中で何かが弾けました。
 「で、あたし達に召集かけたの?」
 キュート=ビート=クラブバンド久々の集結です。
 「いい加減終わったと思ったのに」
 「大体ソース無いのに」
 「チェッカーズ解散して十年経ってるよね」
 タイワンちゃん、インドネシアちゃん、トル子ちゃん思いっきり不満です。しかしそれを無視するリーダー。
 「まあそれはいいとして」
 フランソワーズちゃんが口を開きました。
 「エリザベス、この格好は何ですの?」
 メンバー全員髪を立たせ派手なメイクです。しかも皮ジャン。
 「ヘビメタですわ」
 「ヘビメタス?」
 ベトナちゃん、ナイスボケ。
 「うちはロックとポップス、バラードではなくて?」
 「フランソワーズ、だから貴女は弾けられませんのよ」
 彼女で弾けてなかったら鼠花火も弾けてはいませんね。
 「ブリテンよ統治せよ、乙女よ恋せよ、芸術よ爆発せよ、音楽よ弾けよ、ベッカムよ奥さんと仲直りせよ、
音楽は弾けなければいけませんことよ!」
 関係ない言葉も入れつつリーダーの演説は続きます。
 「わがエリザベス家はメタルの発祥の家、だからこそメタルの素晴らしさを地球町に伝えねばなりません、そして
勝たなくては。皆さんよろしくて!?いきますわよ!」
 ああ、もう滅茶苦茶。論理もへったくれもありません。大体トレードマークのチェック柄は何処へいったやら。
 「えーーん、エリザベスちゃんが壊れたよおーーー」
 ニホンちゃんの悲痛な声も空しくブレーキを断ち切った(最初から無いという説あり)リーダーによりほとんど
無理矢理駆り出されるメンバーでした。
 
483名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/10/29 04:34 ID:ImZBJctL
 いきなりイメージを一八〇度どころか根本からかなぐり捨てたコスチュームと音楽に観衆は目が点になって
います。もう呆然としています。
 「ふふふふふ、どうやらわたくしの音楽の素晴らしさに皆心を奪われているようですわね」
 「駄目だこりゃ」
 メンバーは溜息ばかり出ます。しかしそれを見たアーリアちゃんのハートには燃え盛る炎が宿りました。
 「ヘビメタか、成程な」
 不敵に笑います。ジャーマンメタルにとってヘビメタは永遠のライバルなのです。ほとんど変わらないように
見えても。ていうかジャーマンの元がヘビメタです。そもそも区別のつけようがなかなか困難です。
 「ならば私も・・・!」
 自分の番になるとエリザベスちゃん達に負けじとギターをかき鳴らします。万雷の拍手を全身で受けます。
 「エリザベスに負けるわけにはいかないな」
 「それはわたくしも!」
 両者がステージで激しくぶつかります。二つのジャンルの音楽がせめぎ合います。何時に無くエキセントリック
な二人です。やがて全ての演奏が終わりました。
 「勝敗は・・・」
 「どちらでして・・・!?」
 結果は両方共同じ位激しい拍手でした。すなわち引き分けでした。
 「ヘビメタもいいものだな」
 「ジャーマンも。感動いたしましたわ」
 ステージの上で熱い握手を交わす二人。
 「ところでジャーマンとヘビメタの違いって何?」
 「知らなーーーい」
 引っ張り出された他の娘達は後ろで冷めた眼でした。
 
484名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/10/29 04:37 ID:ImZBJctL
 ヘビメタとジャーマンメタル。どうもケルトとゲルマンらしいです。最初は
パンクとヘビメタになると思っていたのですがヘビメタがイギリス発祥と知り
こういったふうになりました。パンクがイギリス、ドイツがヘビメタと思ってました。
ttp://www.geocities.co.jp/Hollywood-Miyuki/8484/whats.html
 今回のアーリアちゃんにはモデルがいます。
ttp://www.harapan.co.jp/Books/Amazon_DE/jde_hofmann.htm
ttp://www.d1.dion.ne.jp/~t_imac/lohen.htm
 このホフマンと伝説のワーグナーソプラノビルギット=ニルソンです。
ttp://www5.plala.or.jp/teddy-ka/nilsson.html
 あとブリュンヒルデです。
ttp://www.h7.dion.ne.jp/~ohkuma/buryunhirute.htm
ttp://www.asahi-net.or.jp/~cs7t-ftm/www2/www3/www4/valkiry.htm
 ちなみにゲルマッハ君の演出は現代風ですがそちらの資料です。演出によってはワルキューレ
はほとんどヘビメタになります。
ttp://1876.net/wagner/video/vdring5.htm
 この話補完にしようか、とも考えましたが文化ものも本スレにはやはりいいだろうと
思ったのでこっち。こっちでいいかなあ?
485いつもの名無しさん:03/10/29 10:28 ID:Rd/oGhjb




どうかねぇ。ニホンちゃんもカンコ君も関係ない話だしねぇ。
486 :03/10/29 13:10 ID:MIkGlX/m
>>485
スルーしる
487いつもの名無しさん:03/10/29 13:17 ID:Rd/oGhjb
>>486
そういう対象の御仁だっけか? それならスルーするけど。
折角の長文が勿体無い気がしてさ。
結構な労力だって掛っとるだろうに。
488 :03/10/29 15:03 ID:FvDAsFVc
>487
俺もうあぼーん対象にしてる。
489.:03/10/29 23:00 ID:1iipkhAr
今日のトリビアネタで、ひとつなんとかできないもんだろうか…
490 :03/10/29 23:24 ID:zyghg9PU
ウンポーコちゃん登場編?
491. :03/10/30 01:04 ID:B0Taqtrs
いや、それはw 
ベルリンの壁崩壊とかで…うまくネタがまとまらない…(´・ω・`)
492名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/10/31 03:31 ID:YaTcTSJ0
                「カンコ君の智略」
 ニホンちゃんは今日もカンコ君家に呼ばれています。
 「わたしが嫌いなのに何でいつも呼ぶんだろう」
 それが男心というものです。誰もがパラ雄君みたいにストレートに好意を言う
わけではありません。
 「ふん、ウリは寛大ニダ、町の嫌われ者の御前を気の毒に思い特別に呼んでやって
いるニダ、ウリに感謝しる」
 皆ニホンちゃんとこには来るのにカンコ君とこには来ないのはケンチャナヨ。
 「しかしウリはニホンだけを呼んでいるニダ。何で御前まで来るニダ」
 「姉さんを男と二人だけにするわけにはいかないからな」
 ウヨ君もいます。
 「それにチョゴリと一緒に勉強する予定があるしな」
 「じゃあチョゴリのとこへさっさと行くニダ」
 「言われなくてもすぐ行く」
 チョゴリちゃんの部屋に向かいます。そこでくるりと後ろを向きます。
 「くれぐれも言っておくが姉さんに変な真似したら・・・わかってるな」
 目が本気です。
 「ウ、ウリは君子ニダ、そんな事はしないニダ」
 ウヨ君の殺気にびびっています。
493名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/10/31 03:33 ID:YaTcTSJ0
 かくしてカンコ君の部屋に呼ばれたニホンちゃん、二人で勉強をしています。
 「ニホン、教えるニダ」
 「そこはね」
 カンコ君のぞんざいな態度をスルーして優しく教えてあげます。
 「それにしても何か暑いなあ」
 ニホンちゃんは着物なのに対してカンコ君は半袖、半ズボンです。秋だというのに。
 「どうしたニダ、ニホン」
 「あ、何でもないの」
 控えめなニホンちゃんは何も言いません。ただ温度計を見ると三十度になっています。
 「嘘・・・・・・」
 秋の服装にはこたえます。ニホンちゃん汗だくです。
 「うーーーん、暑いよお」
 黒く長い髪が汗で乱れ肌に纏わり付きます。紅と緋色の着物も乱れていきます。白い
太腿がちらり。
 (ハァハァ・・・)
 カンコ君もう全身真っ赤です。けどこれはいつもの事なのでニホンちゃん気が付きません。
 白い足袋から伸びる脚、もう付け根まで見えています。胸ははだけかけ乳首まで露に
なりかけです。
 (も、もう少しニダ)
 鼻血がでそうです。そこで。
 ブツン
 部屋は真っ暗になりました。
 「嘘!?」
494名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/10/31 03:36 ID:YaTcTSJ0
 暫くして灯りが点きました。同時にこちらへ全速力で向かって来る足音。
 「兄さん、また暖房つけ過ぎたニダな!」
 チョゴリちゃんです。ブレーカーが落ちたのですね。
 「チョゴリ・・・・・・」
 「いつも節約しろとオモニに言われているニダ、気をつけて欲しいニダ!」
 「おいチョゴリ、何もそこまで言わなくても」
 ウヨ君が宥めに来ます。そこで彼が見たものは。
 「ね、姉さん何て格好してんだよ!」
 そこにはニホンちゃんのあられもない姿が。
 「えっ・・・きゃあ!」
 それに気付いたニホンちゃん慌てて服と髪の乱れを直します。
 「そうかカンコ、貴様これを狙って暖房を入れていたのか」
 ウヨ君の整った顔に無数の青筋が浮かび上がります。白い超長ランが怒りでたなびきます。
 「そ、それは誤解ニダ、チョゴリ、御前からも何か言うニダ」
 そこへチョゴリちゃんの痛烈な一言。
 「知らないニダ、助平な兄は氷に包まれて頭を冷やすニダ!」
 「そうだな、氷がいいな」
 背中から奇妙な形の剣を取り出しました。
 「喰らえっ、幻夢氷翔剣!」
 「アーーーーイーーーーゴーーーーオーーーーッ!!」
 氷づけにされた上角刈り褌男の胸毛、スネ毛、腋毛の怖ろしい幻覚まで見させられた
カンコ君でした。
495名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/10/31 03:37 ID:YaTcTSJ0
 今回のソースはこちら。
ttp://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2003/10/21/20031021000037.html
 何か無駄使いは韓国の文化風土にあるような。
496有閑工房1:03/10/31 14:17 ID:Uj2DkAfZ
『夜明け前』

「兄上、こんな夜遅くまで何をしている?」
「アーリア、まだ起きていたのか。」
「目が醒めた、醒めたら灯りがついている、それで来てみただけだ。」
「そうか。…見てみるか?」
「うん。」
 そう言ってゲルマッハ君は書いていたレポートをアーリアちゃんに渡すと、温かい
ココアを作ってそっとアーリアちゃんの傍に置きます。
 それをアーリアちゃんはにっこり笑って受け取りますが、ゲルマッハ君の書きかけの
レポートを読み進むうちに段々顔つきが険しくなります。
「兄上、この内容は…」
「見てのとおり、我が家の過去を見直している所だ。」
「しかし、良いのか?ナッチ叔父や紫苑の家の事まで書いてあるぞ?」
「良い機会ではないかと思ってな。」
 あくまでゲルマッハ君は物静かです。逆にその平静さがアーリアちゃんには信じがたい
事です。それだけ書いてある内容が衝撃的だったのですが。
「いや、それにしても…」
「アーリア、周りの家々の人間、アメリーたち、そして紫苑が言っていることが我が家
の全てじゃない。祖父プロイセンが背負わされた借金で極貧の生活を送っていた我が家
をナッチ叔父が建て直したのは厳然たる事実だ。」
「しかしそれによって周囲にばら撒いた敵意や火種は…」
「アーリア、それはお互い様だ。強いて言うなら負ける事が諸悪の根源だったんだよ。
負けてしまえば相手の落ち度まで背負わされ、その上徹底して弱い立場に立たされる。
EU地区の古いしきたりはそう大きくは変わっていないという事だ。」
497有閑工房2:03/10/31 14:18 ID:Uj2DkAfZ
「確かに兄上の言う事にも一理ある。しかし紫苑の事は…」
「ナッチ叔父は紫苑の家から全ての財産を巻き上げようとしたわけではない。やっていた
のはせいぜいいじめだ。その頃紫苑家の面々の中にマル教にかぶれて好き放題やっていた
連中が多くいた。主にそのような輩を隔離する目的で、次いで紫苑家の連中を家の敷地
から追い出す目的であのような措置を取ったのだ。」
「それにしても・・・私にはもっと他に手段があったように思うが?」
 ゲルマッハ君はそんなアーリアちゃんを優しい瞳で眺めています。しかし口調は反論を
許さないほど厳然としたものでした。
「時間などなかったんだよアーリア。血の一滴も出ないくらい大借金を背負わされ、近所中
から村八分にされていた。誰もが投げ遣りになっていた。そんな中バラバラになりそうな
我が家をナッチ叔父が一つにしたのは事実だ。他に方法があったにしても、果たして周りが
それを許してくれるとは限らない。そういうものなのだよ。」
 アーリアちゃんは反論できません。ゲルマッハ君も少し言い過ぎたかなと思い、デスクライト
を消して立ち上がります。
「心配かけて済まなかった。もう寝るとしよう。」
「いや、…別に私は心配していたわけではない。」
「そうか。ではそういう事にしておこうか。」
 ゲルマッハ君は悪戯っぽくそう言い、ゲルマッハ君の言葉にむっとした上釈然としない
アーリアちゃんを伴って部屋を出ます。
 さて、ゲルマッハ君の努力が日の目を見るのはいつなのでしょうか。

「兄上、繰り返すようだが別に心配をしていたわけではないぞ。」
「わかったわかった。(^^)」

おしまい
498有閑工房解説汁:03/10/31 14:19 ID:Uj2DkAfZ
解説・諦観・千夜一夜
※ さて今回はドイツの歴史見直し運動どすえ。ウリもつい最近知ったのだけど、ドイツでは
ホロコーストに異議を唱えると投獄されます。また、左翼運動が西側でも戦中戦後とも激烈な
一帯でした。ドイツが戦後ホロコーストを計画的に実行したとして一方的に悪名を被りました
が、どうも嫌ってはいても計画的なものではなかったようです。これは戦後ユダヤ人が捏造し、
謝罪と賠償を半永久的に求める為の口実にしたのが…て、どこかで聞いた話ですな(w。罪悪
感と負い目を持たせるのは、被害者面して利権をむさぼる為の格好の餌食になるということで
すね。安心しましょう、そういう目に遭っているのはニホンちゃんだけではありません。
…安心できんか。

※ とはいえ紫苑ちゃんとブラジャーズの大きな違いは国民の質の優劣が決定的な所。それだけ
に紫苑ちゃんが眼の敵にされるところでもあるんですが、アラブ諸国には嫌われる別の理由があ
ります。ま、それは後日という事で、取り敢えずぶぶ漬けなんぞドゾ。
499有閑工房出典一覧:03/10/31 14:25 ID:Uj2DkAfZ
※ 出汁一覧
↓見直し論議についてこんな記事が出回っています。
↓玄人向け:木村愛二の憎まれ愚痴。濃いいです。
ttp://www.jca.apc.org/~altmedka/index.html
 ↓その内ホロコースト関連リンク。
 ttp://www.jca.apc.org/~altmedka/gas-linkall.html

↓素人向け:maaと愉快な仲間達 内世界史コンテンツはお薦め。随分偏って
ますが(w
ttp://maa.main.jp/
 ↓ここから『???お姉さんの居残り授業』を長いこと電波を浴びながらROMしてください。
 どこにもリンクがないので貼るわけにもいかず…つか、おもろいから読んで見てね。
 ttp://maa.main.jp/ruri/gulfwar_02.html

ベースのネタはこちら。新聞記事は消滅しちゃいました…。
↓ここのメルマガの地域レポートの欧州欄より
ttp://www.melma.com/mag/42/m00001142/a00000402.html
●被害者か、加害者か、「戦後追放記念館」の建設で揺れる(ドイツ)
●歴史見直し機運高まる
 第2次世界大戦後に中・東欧諸国から集団追放されたドイツ系住民らが計画し
ている「戦後追放記念館」の建設の是非と立地をめぐって、ドイツだけでなくチ
ェコやポーランドを巻き込んだ論争が繰り広げられている。“被害者”の側面に
焦点を当てた記念館建設には、隣国からの反発が強い。(ベルリン・豊田 剛)
500 ◆r5m21u0gDo :03/11/01 04:01 ID:bwy8XiIj
気がつけば、もう11月
501unknown_J:03/11/01 13:48 ID:bl9yiFyp
>ニホンちゃんちでショータイム その1
「ふぅ、とりあえず、なんとか完成したよぉ」
 八つのタイヤを持つラジコン電気車を見ながらご満悦の表情です。
 前は、ガソリン車を作っていたニホンちゃんですが、最近ママが環境を大切にしないといけないねと言って、ガソリンエンジンとモータを複合させたラジコンを完成させて、地球町で話題を集めています。
 ニホンちゃんは、ママに負けないように電気だけで動くちょっと変わった車を完成させました。今回が初のお目見えです。ウヨ君がプロポのステアを握ります。
「ウヨ、走らして」
「わかった。全力で行ってもいいの?」
「全力で走るのは、マカローニ君とこでやるから、今日は動きの確認だよ」
「わかった」
 ウヨ君はプロポを操ります。軽快に駆けていく姿は結構いい感じです。電気車で世界最速を目指す、ニホンちゃんが作った逸品のひとつです。これとは別に、ニホンちゃんは可愛いチョロ車も展示しています。
「どう・・・」
 ちょっと心配そうなニホンちゃん。
「大丈夫だよ、姉さん」
 ウヨ君の答えに笑顔になるニホンちゃん。
「じゃぁ、そのままメッセの間に運んどいてね。ママの手伝いしてくるから」
「わかった」
502unk_J:03/11/01 13:49 ID:bl9yiFyp
>ニホンちゃんちでショータイム その2
 ウヨ君は、メッセの間に向かいます。ニホンちゃんは、ママの電気車や複合車に
 ニホンちゃんちでは、未来の車を創造する車祭りは二年に一回、車のお祭りが開かれていましたが、最近は毎年開催されています。
 アーリアちゃんやアメリー君、マカローニ君、エリザベスちゃんにフランソワちゃんがやってきます。ウヨ君は、メッセの間で最終セッティングをおこなっている、みんなを回りながら、電気車を置いて、磨いて
います。
「あら、ウヨ君、その車は」
ちょー豪華な車を作って乗り込んできたのは、エリザベスちゃんです。
「あ、エリザベス先輩。今度、姉の作った電気車です」
「あら、面白そうですね」
「先輩の車も豪華ですねぇ」
「まぁ、うちの車は一台、一台丁寧に手作りでつくりますからね」
エリザベスちゃんちの車は年に50台しか作りませんが、根強いファンがいる超高級車です。
「お、これがニホンが言ってた、電気車か、完成したんだな」
ウヨ君の後ろから、声がします。チョー豪華な車とスイッツランド君が共同で作った3輪車を持ち込んだのはアーリアちゃんです。
503unk_J:03/11/01 13:52 ID:bl9yiFyp
>ニホンちゃんちでショータイム その3
「おや、みんな集まってるね。うちの車もどうだい、ハニー達ぃ」
カロッツェリアエリアの外からじかるーい声をかけたのは、エンジン音が低音に轟き響くマカローニ君の登場です。
「相変わらず、速そうだが、軽薄そうな車だな」
「エレガントさに欠けますわね」
しんらつな批評もなんのその、地球町で人気と伝統を誇るマカローニ君の車です。アーリアちゃんにせよエリザベスちゃんにせよ、気になる車のひとつです。
アーリアちゃんが近づいて良く見ようとしたとき、足の下で、グチャ・・・
「こ、こらぁ、ウリの車に何するニダぁ!!」
マカローニ君の圧倒的な車に隠れていて気づかなかったのですが、カンコ君の車が在ったのです。
「え・・・」
みんな呆然としています。カンコ君が来ているとは、誰も思っていなかったようです。
「お前の車が在ったのか? 気づかなかった、スマン」
素直に謝るアーリアですが、カンコ君は止まりません。
「何をするニダ、ウリの車は半万年前から世界一ぃニダ、謝罪と賠償を・・・」
いつもどおり喋ろうとするカンコ君の口をゲルマッハ君が後ろからふさぎます。小声で、
「こら、カンコそのへんにしておけ、次のシューキュー大会で、お前のところをスポンサーから下ろすぞ」
「え、それは困るニダ」
「なら、忘れろ」
「アイゴー・・・」
いつもの通り、カンコ君はそのまま走り去っていきました。どっとらはい。

 ども、unknown_Jです。
東京モータショーネタです。ソースはttp://www.tokyo-motorshow.com/show/2003/PUBLIC/index.htmlが基本です
オチの部分は、ワールドカップの公式スポンサーがヒュンダイであるところから考えました。
ソースはttp://fifaworldcup.yahoo.com/06/en/loc/s/os.htmlです

504unknown_J:03/11/01 13:57 ID:bl9yiFyp
sage進行でしたね。
申し訳ありません。ageてしまいました。
モーターショーネタはいかがでしたでしょうか?
気にいっていただけましたら、また何時の日か・・・
505名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/11/01 14:20 ID:2BVTUeQG
               「遂に出た!究極の格闘技」
 「ふっふっふ、ウリは遂に最強となったニダ」
 「最狂の間違いじゃないのか?」
 「いい加減聞き飽きたアル」
 観客のいつもの突っ込みをものともせずカンコ君はニホンちゃんとウヨ君に対峙しています。
 「姉さん、今度はどうしたの?」
 「わたしもよくわかんないんだけどここに来いって言われて」
 二人も事情がよくつかめていません。よく見たら二人のクラスの皆が集められています。皆
よく付き合いますね。
 「たまたま暇だったし」
 「今度はどんなネタ振ってくれるか楽しみだし」
 そういうことですか。
 「ウリナラ半万年の伝説の暗殺術、とくと見せてやるニダ」
 腕を組み高笑いを始めました。
 「暗殺術って人に見せたら意味無いだろ」
 「何も考えていないアルな」
 そんなことはケンチャナヨ。カンコ君ゆっくりと構えをとります。
 「これがウリナラの歴史の陰で伝えられてきた暗殺術・・・」
 身体がゆらゆらと動きます。
 「テッキョンニダ---------ッ!!」 
506名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/11/01 14:21 ID:2BVTUeQG
 「・・・・・・・・・」
 一同呆然としています。アメリー君がポツリと一言。
 「確かテコンドーでも同じ事言ってたな」
 「いつもの事アル」
 チューゴ君が頷きました。
 「で、どっちが最狂なんだ?」
 「あいつ自身がそうアル」
 二人の突っ込みをよそにカンコ君の自慢は続きます。
 「二千年前に完成された伝説の暗殺術、それが今復活したニダーーーーーッ!」
 アメリー君とチューゴ君の突っ込みはもう耳に入っていません。いつもの事ですが。
 「また言ってるぞ、あいつ」
 「後でおしおきアル」
 やばい方向に話がいってるのもお構い無し。
 「テコンドーにも勝るこの暗殺術、皆ウリにこれを教わるニダ、そしてウリを尊敬
しるーーーーーっ!」
 「暗殺術をおおぴらに教わるの?」
 「じゃあ何の為の暗殺術だよ」
 ニホンちゃんとウヨ君の冷静な突っ込みは耳を素通り。しかしそこへ。
 「兄さん、こんなところにいたニダか」
 チョゴリちゃんがやって来ました。
507名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/11/01 14:22 ID:2BVTUeQG
 「チョゴリ・・・・・・」
 「また部屋を散らかしたままにして出て行って。オモニがカンカンニダよ」
 「オモニが・・・」
 カンコ君の顔が急に蒼ざめていきます。折檻を思い出したのでしょうか。最強の暗殺術を
身に着けている筈なのに。
 「また訳のわからないこと言って。うちの人がここんとこ細々とやっていた格闘技を今更
持ち出してどうするつもりニダ」
 「え!?」
 「暗殺術じゃないのか?」
 「ここんとこ細々と!?」
 チョゴリちゃんの言葉に皆目が点になります。
 「二千年前にそんなもの無かったニダよ。チューゴさんを家に教えてもらったものを勝手
に自分のものにするのは良くないニダ」
 「アイゴオ・・・」
 うなだれるカンコ君。
 「さ、帰るニダ。すぐに部屋を片付けるニダよ」
 「アイゴオオ・・・」
 兄を引っ張って家へ帰って行きます。
 「結局そういうオチか」
 「まあそこそこ楽しめたからいいか」
 皆それぞれ帰っていきます。
 「何かいつもと変わらないね」
 「まあカンコだからね。さ、帰って宿題でもしようよ」
 「そうね」
 夕陽の中帰っていくニホンちゃんとウヨ君でした。
508名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/11/01 14:25 ID:2BVTUeQG
 ウリナラに二千年前から伝わる伝説の格闘技を。
ttp://members.at.infoseek.co.jp/koreawatcher/docs/taekkyun-defi.htm
ttp://academy.2ch.net/korea/kako/1022/10222/1022231311.html
 二千年前、ねえ。また捏造か。
 結局李氏朝鮮、古くて高麗時代のものでしょう、大体暗殺術なのか、これって。
509 :03/11/01 14:34 ID:y+ygxCeu
>>508
李承晩時代に最後のテッキョン使い孫老がいたそうです。
彼は一通り舞った後、寂し気にこう呟きました、「これは本来二人組で舞う
宮廷舞踊ニダ、相方がいないからウリが最後の舞い手ニダね」と。
伝説の格闘技、か・・・。
510 :03/11/01 16:41 ID:g5+Jas5q
まあ、ン千年前にあったであろう子どもの喧嘩も格闘技と言いかねん連中だし。

朝鮮民の伝説は今なお継続中ですよ。
511 :03/11/01 21:38 ID:3LornpNs
「二千年前から伝わる暗殺拳はうちのものアルが、カンコ」
「ニ、ニダッ!?」
「ォアタタタタタタタタタタタタタタタタ ホォァタァァ!!」


  北  斗  百  裂  拳


「……おまえはもう、逝ってるアル」
「あ……あいご!!」


「それ…… 私の家の……」
「しっ、それを言ったらだめアルよ」
512無銘仁 ◆uXEheIeILY :03/11/02 09:23 ID:uhb/lWEh
 「隣人愛と家族愛」

かわいそうに、ニホンちゃんが泣きながら家に帰ってきました。
「ひっく、ただいま」
「おかえり、さくら。え、どうしたのその服は。ぼろぼろじゃないの」
「うわああん」
お母さんの胸に顔を埋めて何も言わないニホンちゃん。後から
帰ってきたウヨ君が大まかな事情を説明しました。
数時間前、ニホンちゃんはチューゴ君の家へ遊びに行きました。
「ニホンか。よく来たアルな。今日はホームパーティーをしていた
アル。ニホンも参加するヨロシ」
ニホンちゃんはチューゴ君の家の食べ物や本が好きです。
チューゴ君と仲良くしたいので、パーティーにも参加させてもらう
ことにしました。そして余興のつもりでちょっとした芸をしたところ、
突然その場にいた人たち全員が怒り出したというのです。

「チューゴは姉さんに掴みかかって来たらしい。汚らわしいやつだ。
オレがその場にいたらただじゃ済まなかった」
そのときバタンと音がしたかと思うとジミンさんがトイレの中から
飛び出して来ました。
「なんだ、どうした、ああっ。さくら、その服は……まま、まままさか
おおおおまえそそそそその格好は」
「大丈夫だよ父さん、たいした怪我はしてないし、変なことされた
訳じゃないから」
「武士ちゃん、変なことって、何かあったの」
「い、いや別に何もなかったってことでそのあの」
「あれ、さくらはどこ行った」
ニホンちゃんは悲しみの余り部屋に籠もってしまいました。
無理もありません。仲良くしようとして逆に責められたのですから。
513無銘仁 ◆uXEheIeILY :03/11/02 09:26 ID:uhb/lWEh
ジミンさんは困りました。もちろん事件に腹は立つのですが、ことは
容易ではありません。今までチューゴ家に文句をつけてうまくいった
試しがないのです。無視されるのはいい方で、逆に屁理屈で謝罪を
要求されたり、アサヒちゃんが騒いでうやむやになったりしました。
しかもアサヒちゃんやヨミちゃんたちが香ちゃんに聞いたところでは、
ニホンちゃんが下品な芸をしてチューゴ家を馬鹿にしたというでは
ありませんか。本人はもちろん否定していますが、昔喧嘩したことも
あってこういう話題が出ると話しづらいのです。
「父さん何とかしてくれよ。姉さんがかわいそうだろ」
「一応遺憾だとは強調して話してきたよ。だがなあ、サヨックが
うるさいんだ。隣人愛が足りないとか言って。それにさくらは誤解を
与えて悪かったと謝ってしまったらしいしな」
町内会の役員で面の皮が厚、いや顔が広いチューゴ家とは揉めたく
ないのが本音のようです。

こちらは新聞委員会。サンケー君が対抗心に燃えています。
「まったくアサヒちゃんは何考えてるんだか。いくら好きだからって
チューゴ君の言うことをそのまんま記事にするなんて。僕は納得
いかないから疑問を記事にしよっと」
家族のお約束が厳しいあの家でチューゴ君が暴力をふるうのだから
両親が容認した可能性はないのか。どこをどうしたら香ちゃんが
言ったような嘘が出てくるのか。なぜ嘘に乗って家族全員が抗議し、
暴力沙汰にまでなったのか。疑問は尽きる所がありません。
「この前の万引き事件のことも含めておかしな点は究明してもらい
たいものだ、と」
514無銘仁 ◆uXEheIeILY :03/11/02 09:29 ID:uhb/lWEh
ニホンちゃんが引きこもって静かになってしまった日ノ本家。
「結局あの家とうちの考え方の違いだろうな。うちでは寛容にしてる
ことも子供に厳しいあの家では駄目になるらしい」
「そうだとしても、オレはやっぱり許せないよ」
「あああ、どうしてこう近所に気違いばかり集まるんだ。もう沢山だ
引っ越したい」
ジミンさんは頭を抱えました。
「だめよあなた。80年ローンの返済がまだでしょう」
「そうだよ、オレが爺さんになるまで払わなきゃならないんだから」
「そうだったな……」
この土地を離れられない日ノ本家が、お隣さんと仲良くできる日は
来るのでしょうか。

ttp://www.asahi.com/special/seihoku/index.html
ttp://www.yomiuri.co.jp/world/news/20031101i504.htm
ttp://www.sankei.co.jp/news/031101/morning/01pol002.htm
ttp://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20031102AT2M0101G01112003.html
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031101-00000490-jij-int
西安大学祭寸劇事変。暴動で女性も含む関係ない日本人留学生が負傷。
515 :03/11/02 12:54 ID:XdUj2w+U
なーんか、報道を斜め読みしてると、「これが中国人だ」の札は嘘っぽいけど、
寸劇の中で卑猥な格好してたってのは本当って感じなのかな?

それは兎も角、エチーな格好して踊るニホンちゃんハァハァ……。
516目次167:03/11/02 14:14 ID:ZI9fka76
第1686〜1694話
>>474-475

第1695話「PARTY HARD」
>>477 ( >>478 解説)
第1696話「メタル」
>>481-483 ( >>484 解説)
第1697話「カンコ君の智略」
>>492-494 ( >>495 解説)
517目次167:03/11/02 14:14 ID:ZI9fka76
第1698話「夜明け前」
>>496-497 ( >>498-499 解説)
第1699話「ニホンちゃんちでショータイム」
>>501-503
第1700話「遂に出た!究極の格闘技」
>>505-507 ( >>508 解説)
第1701話「隣人愛と家族愛」
>>512-514
518ナナッシィ:03/11/03 23:02 ID:Zzin+lrP
ダレモイナイ……シンサクうpスルナライマノウチ……
519ナナッシィ:03/11/03 23:03 ID:Zzin+lrP
『FLY,DADDY,FLY』

 ……私は静かに椅子の背もたれに寄りかかった。そのままの姿勢で、目で妻の姿を追う。
 鍋にかけていた火を切り、妻はキッチンに向いたまま、横顔だけ私の方を向けた。
 先程からの笑みこそ消えてはいないものの、その表情には明らかな戸惑いの色が滲んでいる。
「ご、ごめんなさい……何と仰ったのか、聞き取れませんでした……」
 そんなはずは無い。ならば、何故そんなに強張った笑顔をしているのだ。
 ゆっくりと私の方を振り向いた妻に、私は、機械の様に抑揚無く応えた。

「別れようと言ったんだ」

 笑みは完全に消え、血の気が引いているのか、妻の顔全体が青白く見えた。
 そのすがる様な、責める様な視線を無理矢理引き剥がして、私はテーブルの上に眼を戻した。
 グラスに注がれたビールが、細かい泡音を立てている。
「……何故です? 何故、急にそんなことを……」
「急な話じゃない……前々から考えていた事だよ」
 私はグラスを見つめながら、妻に椅子に座るように顎で促した。

 私は妻に語った。家の事……仕事の事……子供達の事……
 その全てに、私は自分の信じる道を貫いてきた……否、貫けると思っていた。だが、現実は――

 部屋を照らす裸電球が、俯いた妻の表情に濃い影を刻んでいる。
「……それは、離婚の理由になるとは思えません……」
 私の告白内容については否定も肯定もしていない事に、私は自嘲気味に口元を歪めた。
「いや、君さえ納得してくれれば、何の問題も無いんだが」
「答えになっていません」
 既に落ち着きを取り戻していた妻の言葉は、驚くほど鋭く、冷たい。
520ナナッシィ:03/11/03 23:04 ID:Zzin+lrP

 私は乾いた喉に、一口ビールを流し込んだ。気持ちに虚ろな潤いが生まれる。
「……そうだな、じゃ、少し違う見方をしてくれないかな?」
 訝しげに眉を寄せて、妻が顔を上げた。その瞳を見つめ、私はうすく微笑む。
「……私は別れた後、この家を出ていくつもりだ。君は家に残り、新しい亭主を迎える。
 私のような甲斐性なしとは違う、もっと立派な亭主をね。それは家にも君にも、子供達にも
 いいことだと思わないか? だから自分達の幸せの為にも、私達は離婚するんだ……ってね」
 暫し、その場を沈黙が支配した。柱の時計の秒針が、ただ無機質に刻の流れを告げる。
 手を伸ばせば届くはずなのに、妻の体が酷く遠くにあるように感じられた。

 ずるいです、と妻はポツリと云った。
「貴方は卑怯です。自分が善人になるような理由をつけて、自分の思惑通りに物事が運ぶように
 仕向けている。それは偽善者の手口です。私の、私たちの気持ちなどお構い無しなのですか?」
「だから、さっきも言ったように、君さえ納得してくれれば問題無いんだ」
 妻は一瞬、言葉を飲み込んだ。同時に顔が紅潮し始める。
「……あ、貴方の本心は、どうなのですか!? そんなに私と別れたいのですか!?」
 予想はしていたとはいえ、私もまた、瞬時には応える事が出来ない。
 だが私は、あらかじめ用意していた台詞を口にする……否、しなければならない。
「……私はいつでも、君達の幸せの為に最善となること、それを選――」
 それが詭弁なのですっ、と妻が叫び、椅子を蹴って立ち上がった。
 と、その瞳が大きく見開かれた。
 視線は私の頭を掠め、その背後に向けられている。その意味を、私は瞬時に察した。
「どのあたりから聞いていた?」
「……パパが、会社のこと話してたとこから……」
 消え入りそうな、か細く弱弱しい返事。
「じゃあ、パパとママがどんな話していたかも分かっている――」
 私は背もたれに肘を乗せながら、上半身を背後に向けた。
 だが、その小さな影は私の視界を横切り、気付いた時にはもう私の懐に飛び込んできていた。
521ナナッシィ:03/11/03 23:05 ID:Zzin+lrP

「ダメ! パパ出てっちゃダメ!!」
 そして火がついたように泣きじゃくる息子の頭を、私はそっと撫でてやる。
「分かっておくれ……みんなが幸せになるにはこれしか――」
「僕、もっといい子になるからぁ! おうちの手伝いもするし、勉強も頑張るからぁ!」
「いや、そういう……」
「お友達とも、お兄ちゃんとも仲良くするからぁ……お小遣い少なくても我慢するからぁ……」
「……」
「だめだよぉ……パパ……いかないでよぉ……お願い……パパァ……」
 ……子供の涙には、あらゆる理屈を超越した説得力があるものだ。それでも、私は……
「あ……パパはな……」
 妻が遮った。
「あなた……あなたは、一つ勘違いをされています」
「……勘違い?」
 顔を上げると、そこには妻の微笑みがあった。頬を伝う一条の筋が部屋の光を受けて煌く。
「私達にとって、あなたを失う以上の不幸はありません。あなたのいない幸せなどありえないのです」
「……いや、だが私はこの家を……」
「全てをあなたのせいになど致しません。家族はそれぞれが役目を果たし、支えあうものでしょう?」
 妻の言葉に、その温かな笑みに、心の奥底に凍らせた想いが、ゆっくりと溶かされてゆく。
「……君達は、それでいいのか? 本当にこんな私と一緒に暮らしていきたいのか……?」
 妻は息子の肩を優しく抱き、ゆっくりと目を伏せた。そして――
「もう一度、愛し合うことから始めましょう……見えなかったこと、見えなくなっていたもの……
 その全てが、きっと今なら見えるはずです……私は、私達は、あなたを、心から愛しています……」
「僕も僕もっパパのこと大好きだよ? パパは? ねぇパパは僕たちのこと嫌いなの?」 
 
 ……そうか……はじめから、答えなんて一つしかなかったのか……
「わ……私は――」
522ナナッシィ:03/11/03 23:06 ID:Zzin+lrP

「――とーいうぅ、シニャリォを〜ウリはかんぎゃえはニラ〜」
「はぁ、そうですか」
 カンコックさんはただでさえ赤い顔を、アルコールで更に真っ赤に染め上げて、ジミンさんと
肩を組んで……もとい、ジミンさんに肩を支えられて、夜道を歩いていました。
 今晩は、APEC(アジア町辺りのパパ達がいー感じでちょっと一杯引っかけていく会)が催され、
その場で本当にいー感じで泥酔してしまったカンコックさんを、家が隣という運命を呪うしかない
超合理的な理由で、ジミンさんが送り届けることとなった次第です。
 ほっとけばご近所に騒音公害と汚染物質を撒き散らしそうなカンコックさんをげんなりした表情で
支えて歩くジミンさん。
「――で、ウリナラのケッショクはましゅましゅかちゃく……」
「血色が硬くなってどうするんですか……って、さあ着きましたよ」
「にゃ?」
 気がつけば、二人はカンコ家の玄関先に立っていました。
「しゃしゅがウリニラ〜。こんニャによっててみょちゃんとおうちにかえれちゃニラ〜」
「……はいはい、そうですよ、だからとっとと家に入ってさっさと寝やがっていい夢見てください」
 ジミンさんは玄関扉の前にカンコックさんを下ろすと、憔悴した後姿で自宅へ向かいました。

 さて、勢いよくドアを開けて、カンコックさんご帰宅です。
「アニョハシェヨー! かちょーにょおきゃえりニラ〜!」
 するとカンコオモニが、どかどかと廊下を走ってきて、
「ニラ〜、でみゅかえごくりょ――」
 無言でカンコックさんのエラをむんずと掴むと、くるりと方向転換し居間の方へぐんぐん引っ張って
いきます。悲鳴をあげるカンコックさんを、そのまま居間の床へ乱暴に引っ張り倒しました。
 そして、潰れた蛙のように床にへばりついたカンコックさんが文句を言うより早く、カンコオモニは
一枚の名刺をその顔に突きつけていました。
523ナナッシィ:03/11/03 23:07 ID:Zzin+lrP

「ニダ!?」
 そのピンク色の名刺には『はいくおりてぃくらぶ・タイフーン』と黒字で印字され、色ボールペンの
可愛らしい丸文字で 『 マ エ ミ 』 と大きく書かれています。更にその下には、
「『今日はとても楽しかったです! また遊んでくださいね(はぁと)』……ニカ?」
「……オ、オモニ……こ、これを……どこで……」
「スーツに入っていたニダ……アボジ、確かこの日はオペラを見に行くとか言ってたニダな……?」
 鏡を置かれたガマ蛙のように、後から後から粘っこい汗がその全身から吹き出てきます。
 ガクガクブルブル震えているカンコックさんに迫るカンコオモニの顔には笑みが浮かんでいますが、
そのこめかみには、今にも破裂しそうな青筋がぴくぴく震えていました。
 カンコオモニはカンコックさんの両頬を両手で挟み込むように、そっと触れました。
「本当にオペラを見に行っただけニカ? 正直に言うニダ。ウリはアボジの言う事を信じるニダヨ?」
 ゴクリと唾を飲み込むカンコックさん。冷たい汗が背筋を伝い落ちてゆきました。
「そそそうニダ…そ、その子とはオペラの会場でぐ偶然隣り合っただけでやましい事は何一つ……」
 表情一変、カンコオモニの手がカンコックさんのほっぺたをギュ――ッと思い切り抓りあげました。
「……どうせ嘘つくなら、も う ち ょ っ と ま し な 嘘 つ く ニ ダ !!」
「ハイホー! ははってはははなははひへははひふはヒハ!」
 (訳:アイゴー! 分かってたなら初めから聞くなニダ!」
 更にカンコオモニ、怒りに任せてカンコックさんのほっぺを上下左右にぐいぐい引き伸ばします。
「大体大した稼ぎもないくせに玄人オンナに入れ込むなんて正気の沙汰じゃないニダ!
 ウリはそんなことのためにお小遣いをあげてるわけじゃないハセヨ! 反省しる!」
「ヒョ、ヒョヘヒャひょみふゅふふゃいフヒひょひゃっひぇヒハ!!」
 (訳:オ、オペラを見るぐらいウリの勝手ニダ!)
「問題はそこじゃないニダァァァァ!!」
524ナナッシィ:03/11/03 23:08 ID:Zzin+lrP

 カンコックさんを張り倒したカンコオモニは台所に走っていくと、手当たり次第食器や台所用品を
嵐の如くカンコックさんに向けて投げつけます。それらを避けながら慌てて逃げ出すカンコックさん。
 いつの間にか現れたカンコ君は、意味も分からずに「カンツーザイニダ!カンツーザイニダ!」と
お子様にはオススメできない台詞を口走りながら囃し立てていました。
(ま、まずいニダ……このままでは、ほ、本気で生命の危機ニダ……)
 肩で荒い息をしながら、箪笥の陰に小さくなって隠れるカンコックさん、その頭からは痛々しく
キムチがたらたらと流れています。そうしている間にも、箪笥には包丁やナイフといった刃物が
ざくざく突き刺さっていくのです。更に、椅子・机やテレビなどもぶつけられ、けたたましい音を
立てながら、箪笥はその原形をとどめないほどに歪んでいっていました。
(こ、こういう時には……そうニダ! 今こそ、あのシナリオを使うニダ!)
 カンコックさんは何度も深呼吸を繰り返し、そして更に一度大きく息を吸って、

「わ、わ、別れるニダ!!」

 ……ぴたりと嵐が止みました。逆に耳鳴りがするくらいの静寂が広がっています。
(ニダ? 本当に効いたニカ?)
 恐る恐るカンコックさんが箪笥の端から顔を出したところ、

『バッシ〜ン!!』

 乾いた破裂音と全身を浮かすほどの衝撃が頬に走り、カンコックさんは再び床にぶっ倒れました。
 くらくらする頭で何とか顔を上げると、平手打ちを見舞った格好のまま、表情を消して仁王立ちする
カンコオモニがいました。一瞬見つめあった後、踵を返してどこかへ行ってしまいます。
 カンコックさん、訳がわからず起き上がろうとしたところ、手元に一枚の紙が落ちていました。

              『 離 婚 届 』
525ナナッシィ:03/11/03 23:09 ID:Zzin+lrP

「アーイーゴーー!!」
 カンコックさんは慌てて、廊下をずんずん突き進んでゆくカンコオモニの背中に追いつき、その足元
にすがり付きました。
「ま、待つニダ! 落ち着いて話し合うニダ! 話せば解るニダ!」
「……ウリは十分落ち着いているニダ……とりあえずウリは実家に帰らせてもらうスミダ」
「ど、ど、どうしたニダ!? まずはもう一度愛し合うことから始めるんじゃないニダか!?」
「自分から切り出しといて、何を訳のわからないことほざいてるハセヨ? とっとと手を離すニダ」
 どげしっと冷たい視線で見下すカンコオモニに足蹴にされ、完全に潰れた蛙状態のカンコックさん。
どたどたと遠のいていく行く足音を聞きながら、知らず知らずその頬には熱い涙が流れていました。
(な、なじぇニダ……なじぇこうなるニダ……なじぇこうも理想と現実が重なりあわないニダ……)
 しかし、感傷に耽っている場合ではありません。そうしている間にも、カンコオモニが家を出て行く
準備を着々と進めているのです。
 カンコックさんは、今度は「祭りにはつき物」とばかりにロウソクに火をつけようとしている
カンコ君を捕まえました。
「カンコ、協力するニダ。オモニが出て行くのを止めるニダ!」
 本気で必死なカンコックさんに対し、振り向いたカンコ君は露骨に嫌な顔をしました。
「……アボジ〜、今回はあらゆる意味で自業自得スミダ。そんなアボジに協力なんて……」
「そ、そんな事言っちゃダメハセヨ! 家族は支えあってこそ家族ニダ!」
 と、カンコ君はカンコックさんの顔を横目で見ながら、
「……最近小遣いが少ないような気がするニダネ〜……あ〜懐サムソンニダ〜……」
 懐からこれ見よがしに財布を取り出し擦っています。
 カンコックさんはその意図を理解し、苦虫を噛み潰したような表情をしました。
(シッパル! このガキ、足元見やがったニダな!)
526ナナッシィ:03/11/03 23:10 ID:Zzin+lrP

 とは言え、特に現状を打開する策があるわけでもなし、味方は多いに越した事もなく、渋々懐から
財布を取り出したカンコックさん。なけなしのお札をニダニダ笑顔のカンコ君に手渡そうとした所、
「アボジ……一体何をしているハセヨ?」
 振り向いたカンコックさんの視線の先では、既に身支度を整えて、旅行用のトランクを引きずる
カンコオモニが立っていました。
「こ、これは――」
 カンコックさんが弁明するよりも早く、カンコ君は大声で騒ぎ出しました。
「オモニ! アボジがウリを金で買収して味方にしようとしたニダ! サイテーニダ!
 でも、ウリは勿論オモニの味方ニダ! 金なんて一ウォンたりとも受け取ってないニダ!」
(シッパル! このガキ、速攻で裏切りやがったニダ!)
 限りなく殺意に似た感情を込めたカンコックさんの視線を背中に受けながら、カンコオモニに小走りで近づいていくカンコ君。その顔をカンコオモニは笑顔で優しく両手で包み込み、
「お前も同罪ニダ!」
 激しく合掌ひねり。カンコ君の体はきりもみ回転しながら押入れへと突っ込みました。
「……ア〜イ〜ゴ〜〜……」
 頭に星を点滅させるカンコ君を尻目に、カンコオモニはビシッとカンコックさんを指差します。
「全く愛想がつきたニダ! 何でもかんでも金に頼って解決しようなんて根性が腐ってるニダ!
 お金の本当の価値、使い方を理解できない亭主なんかと、もう一緒になんていたくないニダ!」
527ナナッシィ:03/11/03 23:11 ID:Zzin+lrP

 きっちり捨て台詞まで吐かれたカンコックさん、呆然と立ち尽くすその横をトランクを引いて通り
過ぎていくカンコオモニ。ドラマのワンシーンを思わせる場面ですが、そうはイカのキムチ和え。

  『 フ ァ ッ ビ  ョ 〜 〜 〜 ン ! ! 』

 カンコックさんは白目を剥きながら、カンコオモニのトランクにしがみつきました。
「イヤニダイヤニダ! オモニデテッチャイヤニダァァァ!!」
「……ファビョって済むなら在韓米軍はいらないニダ!!」
 ダダッコのように頭をぶるぶる振り回すカンコックさんに、ゲシゲシ容赦ない喧嘩キックを入れて
引き離しにかかるカンコオモニ。そうはさせじと必死に食い下がるカンコックさん。お互いに全身全霊
を込めてトランクを引っ張り合います。
「はーなーすーニーダー!!」
「イヤニダァァァァァ! デテッチャイヤニダァァァァ!!」
そして、

 『バカッ』

 無理に詰め込んだトランクはあっけなく開き、中の衣類などが爆発したように空中に広がっていき
ました。
「あ〜〜〜〜〜!!」
 そしてぼさぼさ落ちてくる衣類を、慌てて拾い上げるカンコオモニ。それらの一つを見事顔面キャッチしたカンコックさん、急に冷静になりそれを手にとってしげしげと眺めました。
528ナナッシィ:03/11/03 23:12 ID:Zzin+lrP

「……ん? オモニ、こんなコートいつの間に買ったニダ?」
「え゛?」
「この襟巻きも……このスーツも……そのドレスも……ウリは見たことないニダ……」
「き、気のせいニダ! アボジ最近物忘れが激しいから……」
 冷や汗をかきながら引き攣った笑いを見せるカンコオモニには目もくれず、カンコックさんは足元に
転がっていた豪奢な金細工でできた宝石箱を手にとりパカッと開けました。
「ああ〜〜!! それは〜〜!!」
 中には、ダイヤのほかルビー・サファイア・エメラルドを散りばめた指輪やネックレスなどの貴金属
が溢れんばかりに詰まっています。箱を持つカンコックさんの手がプルプルと震えてきました。
「……なぁんだ……ウリの事を散々罵倒しておいて、自分もちゃっかりやっていたわけニダね……」
「が……頑張る自分へのご褒美って奴ニダヨ……」
 
「ふざけた事言うなハセヨ! ウリの食費が減らされてたのもこのせいニカ!
 家計簿を見せるニダ! どんな金の使い方していたかウリに分かる様に説明しる!」
「ぎゃ、逆ギレ<`A´>カコワルイ!ニダ! それよりアボジの領収書と小遣い帳を出すニダ!
 どれだけアボジが無駄な遊びに金使ったか、嘘ついてるところ残らず指摘してやるスミダ! 」
「二人ばっかずるいニダ〜! ウリのお小遣いも増やすニダ〜!!」

 復活したカンコ君も加わって、三者三様に同じ事を深夜のご近所迷惑顧みず、ひたすらギャーギャー
喚き散らします。
 そして見事なまでの泥仕合に発展していく様をドアの隙間からコッソリ覗いていたチョゴリちゃん。
静かに後ろ手で閉めたドアにもたれ掛かり、小さな溜息をついてポツリと呟きました。

「……バカばっか……ニダ」
529ナナッシィ:03/11/03 23:13 ID:Zzin+lrP

一方、お隣の日ノ本家では……

「お父さんもいいけど、シシローおじさんもかっこいいよね〜?」
「ふふふ、そうね……でも、ママ的には部下のアベさんの方が……」
「あ〜、お母さん赤くなってる〜いけないんだ〜!」
「まぁさくら! ……パパにはナイショよ?(はぁと)」

「……」
 襖の間から部屋の灯りとともに漏れてくるニホンちゃんとニホンママの会話に、ジミンさんはとても
微妙で複雑な表情を浮かべながら暗い廊下に立ち尽くすのでした。


おしまい。


どぅも〜、本スレは、ちょうど1月ぶりでつね。
ちょっと途中で役柄が入り組んだりしていますが、あまり深くはツッこまないで下さいw

「再信任発言で政界が反省すると思った」
 ttp://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2003/10/20/20031020000027.html
韓国全閣僚が辞意表明 盧大統領は認めず
 ttp://news.www.infoseek.co.jp/topics/world/korea.html?d=11kyodo2003101101000108&cat=38
韓国の不正資金事件、大統領派と野党が疑惑の暴露合戦
 ttp://news.www.infoseek.co.jp/topics/world/korea.html?d=29yomiuri20031029id24&cat=35

しかしノムたんは、やっぱり酋長を辞めたいのでせうか?
530 :03/11/04 15:12 ID:9AhP3NV3
>>518-
今更だが

(・∀・)ミタヨー
531名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/11/06 04:32 ID:zSc0yw3l
                 「クーロイ君の復讐」
 クーロイ君は昔はパツキン君と仲がよくありませんでした。パツキン君が彼を嫌い、
クーロイ君も彼を嫌っていました。しかし時が経つにつれ彼等はお互いを認め合い
アメリー5のメンバーとなりました。
 「ただ俺らはこのリーゼントだけは譲れないぜ。これはロックンローラーの生き方、
そうポリシーって奴さ」
 「僕もこのパンチ、もしくはアフロは絶対だね。サックスはこの髪形じゃないと
格好よくないんだ」
 二人はそれぞれ得意な音楽のジャンルが違います。しかし喧嘩する事はあっても
仲良くやっています。
 「はっきり言ってパツキンは家族だよ。お互い良い所も悪い所もよく知っているしね」
 褐色の肌で長身の彼は今ではもてる部類です。スポーツ万能で独自のファッション
センスも好評です。 
 「ラッパーでもあるんだよ。ダンスを堪能してよ。ところで今回は僕の紹介話かい?」
 いえ、違います。その彼が本気で腹を立てているクラスメートがいるのです。それは
誰かというと。
 「ウリナラマンセーーーーーーーッ!」
 クラス一の喜劇役者です。
532名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/11/06 04:34 ID:zSc0yw3l
 彼はとにかく嫌いな人が多いのです。まあそれは今まで皆からその都度タコ殴りに
されているのでここでは言いませんが当然のようにクーロイ君も彼を嫌っています。
 「フン、まるで墨を塗ったみたいニダ。練炭と区別がつかないニダ」
 ブチッ
 彼がそんな事を言う度に袋叩きにしていますが学習能力の無いカンコ君の事、結局
同じ事を繰り返します。本気で切れたクーロイ君は彼を完全にぶちのめす計画を
立てました。
 「さて、どうしたものか」
 彼はは策を練ります。そして遂にカンコ君サンドバック計画が完成しました。
 
 ある日パツキン君とクーロイ君が教室で喧嘩を始めました。争点はこの前の喧嘩の続き。
 ほんっっとおーーにどうでもいい話なので皆相手にしません。殴り合いになりかけたら
止めるつもりです。
 しかしこの喧嘩何処か妙です。場所が段々カンコ君の席に近付いています。クーロイ君
がわざと動いているのです。
 「?何かおかしいぞ」
 皆がようやくそれに気付きました。一人を除いて。
 「こらクーロイ、あっちへ行くニダ!」
 カンコ君がキムチ臭を撒き散らしつつ怒鳴ります。
533名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/11/06 04:36 ID:zSc0yw3l
 「お前が来ると席が黒くなるニダ!さっさと何処か行くニダ!」
 拳を振り回して叫びます。その酷い言葉に皆顔をしかめます。
 「ん?何か言った?」
 その言葉にクーロイ君が振り向きます。顔には青筋が・・・立っていません。
何故かニヤリ、と笑っています。
 「何処か行くのはお前の方だろ。その言葉聞き捨てならないね」
 ボキボキと指を鳴らします。ちなみに彼の拳は凶器指定受けています。
 「な、ななななな、パツキン、止めて欲しいニダ」
 パツキン君は何時の間にか取り残されています。何故自分に向かっていかないのか
不思議に思っていました。けれどすぐに真相を納得しました。クーロイ君にゴーサイン。
 「つつつ、つまりウリは・・・・・・」
 そうです、見事にはめられましたね。
 けれど皆彼を助けようとはしません。酷い言葉を言ったのは事実ですから。
 「さて、と。新しいブローの練習でもするか」
 「ガクガクブルブル・・・・・・・・・」
 「アクセルラッシュ!BUST YOU UP!」
 クラスから壮絶な叫びが聞こえて来ましたとさ。
534名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/11/06 04:38 ID:zSc0yw3l
  ロス暴動。ソースはこちらです。何故か擁護しているのが苦しいような。
ttp://www.mainichi.co.jp/news/kotoba/ra/20020428_01.html
ttp://purehabu-web.hp.infoseek.co.jp/zakki_korean.htm
あと下がっていたのであげました。
535有閑工房1 ◆WOaKOSQONw :03/11/06 12:13 ID:iRFd4FJm
『ひとにやさしく』

「と、いうわけで、おこずかいの乏しいアジア地区の皆に今日は朗報を持ってきたんです!」
 東シナ池のほとり、なんだか風体の怪しいおじさんが近所の子供を集めて辻説法をかまして
います。
「ところでお嬢さん、おこずかいは月いくらかな?」
「ないの。」
 答えたのはベトナちゃん。するとおじさん演技100%の悲しい顔で嘆願します。
「アイヤ…でなくて何てことだろう!おじさんが持ってきたお話はキミみたいな子の為のもの
なんだよ。こんなに家族想いで優しい子なのに、自由に使えるお金が無い!世の中にこれほど
不公平な事がアルか?な、お嬢ちゃんもそう思うだろ?」
「そうかな?」
「そうだとも。お嬢ちゃんはある意味騙されているアルじゃなく騙されている。」
 ベトナちゃんの反応は鈍い事この上ないものです。おじさんは口角泡を飛ばしてベトナちゃん
がいかに不幸かまくし立てます。そのうち人垣を作っていた子供は、このおじさんがベトナちゃん
ばっかり相手するのでつまらなくなって帰ってしまいました。
「ぜえ、ぜえ、ぜえ…という訳だけど、わかったかな?」
「だいたい。」
「そうかい。」
―――5分経過。
「で、おじさんに何か聞く事は無いかい?」
「べつに…」
「そ、そうアル…じゃなくそうかい。」
536有閑工房2 ◆WOaKOSQONw :03/11/06 12:14 ID:iRFd4FJm
 どうやらおじさん話の接ぎ穂に困ってしまったようです。ベトナちゃんも飽きてしまったのか
そのまま帰ろうとします。
「じゃ、帰る。」
「あ…そう…」
 それだけ言うとベトナちゃんもすたすた歩み去ります。しかし、
「覇ァァァ、全ては中華四千年…ではなくて五千年の歴史の為にっ!」
 鈍くさそうなおじさんが突如敏捷な身のこなしを取り、用意していた大きなずた袋にベトナちゃん
を放り込むと、あっという間に走り去ってしまいました。
 ちょうど通りかかったホーチミン君、一瞬その姿を目撃しましたが、まさかベトナちゃんが入って
いるとも思わず無視してしまいました。
『かどわかしか…関係ない物は放置すべきか否か…』
 下手に関わると要らぬ災厄を呼び込むのがアジア地区のジンクスです。思わずホーチミン君は逡巡
します。直後に思い巡らせていたのを後悔する事になりましたが…。何せ道端に見慣れたカバンが
投げ捨ててありましたから。
「ベトナッ!」
 カバンを取り上げ、誘拐犯の去った方向を青い顔で振り返りますがそれも後の祭り。舌打ちして
急いで家に帰ります。
 いつもの黒豹のような身のこなしと程遠い感じでホーチミン君が家に駆け込んでくると、早速
ママンが咎めます。
「ホー!家の中で用もないのに走らない!」
「それどころじゃないママン!ベトナが攫われた。」
「いつ、どこで?」
「さっき南シナ池のほとり。カバンがそこに投げ捨ててあった。犯人はチュウゴの家にむけて走って
いった。」
537有閑工房3 ◆WOaKOSQONw :03/11/06 12:15 ID:iRFd4FJm
 さすが普段のスパルタ教育が行き届いています。情報は的確で無駄がありません。
 ベトナちゃんが心底恐怖するママンでも、このときばかりはうろたえるのかと思えば、さにあらず…
「そう、それならホー、ベトナのお守りお願いね。」
「はあ?」
 『お守り』と『誘拐』は意味がまるで違います。一瞬ホーチミン君もママンが聞き違えたのかと
思いましたが、どうもそうではない様子。
『まあ、何するにしても見捨てないだろうから…任せようか…』
 変に毒気を抜かれて、それでも急いでホーチミン君も出撃です。
―――当たり前のように中華マンションへ―――

 さて、攫われたベトナちゃん、都合上大人の世界のえっちな事はされてません。
 不安なのは確かなんですが、目隠しされて椅子の上に後手に縛られていては何も出来ませんから、
仕方なしに大人しくしてました。
 暫くして足音と共に誰かが近付き、目隠しを取ります。
「あ。」
「これはベトナ、奇遇アルな。」
「何の用?」
 いそいそとチュウゴ君が紐を解き、ベトナちゃんは縛られたところをさすりながら質問します。
「フフフ、特にこれといって無いアル。」
「じゃあ帰る。」
「まあ待つアル。これも何かの縁アルから暫く遊んで帰るアル・・・」
 そう言うとチュウゴ君、そそくさとお茶を淹れ始めます。部屋中にジャスミンの香りがたちこめ、
ベトナちゃんもそれならばと居直って香りを楽しみます。
538有閑工房4 ◆WOaKOSQONw :03/11/06 12:15 ID:iRFd4FJm
 出された茶菓子とお茶はなかなかセンスのいいものでした。しかし普段が普段なだけにベトナちゃん
も警戒心は解けません。
『こうやって油断させて、何かするつもりかな…えっちな事とかやだな…』
 実際どんな事かはわかっちゃいませんがそう思いました。それにしてもチュウゴ君、何だか不気味
なくらいに優しいです。ベトナちゃんがじっと空になった湯呑を眺めていると、そっとおかわりを
注ぎ足し、「暑いな…」と呟くと一目散に部屋の窓を開け放ちます。
「ねえ…」
「何アルか?」
「何か遊ぶものある?カバン無いから宿題も出来ないし…」
 チュウゴ君自信満々で答えます。
「当然遊ぶものも用意しているアル!好きなのを選ぶアル。」
 そう言って目の前に広げたのは男の子用のおもちゃのオンパレード。これ見よがしなのは充分嫌味
ですが、チュウゴ君の鼻っ柱を折るのもなんなので一番無難なトランプをする事にしました。
『もしかして・・・遊び友達が欲しかったのかな?』
 ふとベトナちゃんは思いました。チュウゴ君の周りには確かに友達はいますが、あまり気安い間柄
ではない様子。それだからといって攫ってきてまで友達を作るのはどうかと思いましたが…。そういう
意味でチュウゴ君は案外不器用なのかもしれません。
二人だけでしたが、結構色々なゲームで盛り上がり、何だかんだと二人とも笑いながら過ごしている
うちに外が暗くなってきました。
 そろそろ帰りの時間が気になる頃、部屋のドアが開けられて、ベトナちゃんにとっての恐怖の大王
がやって来ました。
「ベトナ、帰るよ。」
 条件反射のように立ち上がり、散らかったゴミやおもちゃをかき集めると、ベトナちゃんはいつもの
ように短い挨拶で部屋を出ようとします。
539有閑工房5 ◆WOaKOSQONw :03/11/06 12:16 ID:iRFd4FJm
「じゃ、また明日。」
「ああ。」
 チュウゴ君、名残惜しそうです。ベトナちゃんはその表情に何か突き動かされたのでしょうか、
すっとチュウゴ君に近付くと一言言って立ち去りました。

 帰り道ママンは一言も喋りませんが、ママンのはるか後の戸の影からタクミンパパの姿がちらっと
見えたのを考えると、きっと何かあったのでしょう。どうせ聞いても答えてくれないので黙っている
事にしました。
「ところでベトナ、わかっていると思うけど帰ったらちゃんと家の手伝いしなよ。」
 一瞬ベトナちゃんは悲しそうな顔をして、その後憮然とした顔になります。
「ママン、でも今日はチュウゴ君の家に無理矢理連れて来られたんだよ。」
「それはそれ、これはこれ。」
 他にもいろいろ言いたい事はありましたが、ママンが抗弁を許す人ではないのは骨身に沁みている
ので黙っていました。
 それから暫く黙って歩き続けましたが、家の近くまで来たところでママンがボソッと呟きました。
「ご飯作るのも面倒だし、みんなでどっか食べにいこっか…」
 一瞬ベトナちゃんは耳を疑いました。ママンは余程の事がない限り外食しない人です。特に家族
みんなでというのはお祝い事とかの時しか…
「うん。」
 ベトナちゃんもはにかみながら答えました。ちょっとほろっと来たのは秘密です。そんなベトナちゃん
をいつのまにか一緒に歩いていたホー兄さんが優しく見つめます。
540有閑工房LAST ◆WOaKOSQONw :03/11/06 12:18 ID:iRFd4FJm

 夜。部屋で一人になってチュウゴ君も今日の事を思い返していました。
『今度はちゃんと招待してね。』
 いつのまにかポケットに入っていたメモにはそう書かれていました。考えれば至極当然の要求ですが、
自分の血迷った行動を考えると赤面する事しきりです。
『そうアルな、次はそうするアルよ…』
 ベトナちゃんの別れ際の一言、
「がんばれ。」
 と共に、一人勉強机に向かいながら考えるチュウゴ君でした。

おしまい
541有閑工房解ソース ◆WOaKOSQONw :03/11/06 12:20 ID:iRFd4FJm
解説・拉致・世相反映
※ 今回は中国人のベトナム女性を誘拐して中国人のお嫁さんにしちゃえ問題から。中国の一人っ子
政策は構造上女性が不足する社会を招いています。その為農村の男性は慢性的な嫁不足。よって嫁の
なり手を近隣諸国にまで拡大せざるをえないとか。真っ先にその犠牲にベトナムがなり、半島の強制
連行よろしく甘言で女の子を唆すブローカーが跋扈しているそうです。この手のかどわかしは世界中
どこでもあること。とくに妙齢の娘さんは上手い話に乗らんようにしましょうね。
※ 実際はこんなほのぼのした話題じゃないんですけどね…嫁ならまだしも売春目的でさらってくる
連中もいるようですし…。

※ ソース
↓こういう誘拐が多発しているそうな。
ttp://www.ipsnews.net/jp/2002/10/01.html
↓毎日でも取り上げてますな。
ttp://www.mainichi.co.jp/asia/column/kenbun/20/
↓おやまあ、中華週報(台湾)にもあった。
ttp://www.roc-taiwan.or.jp/news/week/1997/116.html
542 :03/11/06 21:58 ID:/F6ujUBV
アクセルラッシュ、懐かしいなー。
でも使用者は黒人じゃなかったり……
543 :03/11/06 22:41 ID:u8QaRsRN
こらこら、気持ちは分からんでもないけど、
そういうとこ反応しちゃだめよん。彼、調子に乗るからw
それにしても、良作に挟まれると、特に彼の作品は際立ちますなw
544名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/11/07 02:36 ID:JU509uAg
               「ウリジナルメニュー」
 「ニダッハッハッハ、遂に究極のメニューが完成したニダ」
 カンコ君が真夜中の自分の家の台所で何やら不気味な行動をとっています。
 「これを食べれば皆ウリの料理の腕の素晴らしさを知るニダ、そしてウリを増々尊敬
するようになるニダ」
 薄暗い明かりの中包丁を手に一人笑っています。周りには飛び散った赤い液体が。
何かお化け屋敷の鬼婆みたいです。
 「・・・さと、と。明日はこれを学校に持って行くニダ」
 額の汗を拭きます。台所から気色悪い叶笑が響いてきます。カンコ家の周りを飛んでいた
蝙蝠や梟達が一斉に逃げていきます。

 −翌日
 爽やかな朝です。昨日のカンコ君の不気味な笑いなど皆知りもしません。
 「皆の衆、アンニョンハセヨ!」
 その爽やかな空気の中カンコ君がやって来ました。
 「珍しく早いな」
 皆目を丸くしています。
 「今日は皆に飲んで欲しいメニューがあるニダ」
 顔一面に笑みをたたえて言います。
 「言っとくがコーラもどきは飲まないぞ」
 「お茶もどきの新種アルか?」
 まず恒例の二人の突っ込み。しかしそれに対するカンコ君の自信に満ちた笑み。
 「いつもの事ですわ」
 「それからコントがはじまりますものね」
 お嬢様二人の突っ込み。しかしそれでもカンコ君、平気です。
 「こんな時いつも最悪の事態になるのよねえ・・・・・・」
 ニホンちゃん深い溜息。
545名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/11/07 02:37 ID:JU509uAg
 「とにかくもったいぶってないで出してくれよ。今二日酔いで頭が
割れそうなんだ」
 ロシアノビッチ君が急かします。それでカンコ君もようやく後ろに
持っている物を出してきました。
 「これが昨日ウリが徹夜で考えた新メニュー・・・・・・」
 さあいよいよです。
 「キムチシェーキニダーーーーーーーッ!」
 高々とそのシェーキを掲げます。
 「さあ皆早く飲むニダ、ウリナラの誇るキムチとシェーキをミックスさせた
究極のメニューニダ、美味いニダよ!」
 しかしそれを見る皆は目どころか全身が凍ってしまっています。
 (・・・何時か絶対やると思ってたけど)
 (有り得ねえ、何かのジョークか?)
 (常識では考えられない話アルな)
 (これだけはないだろうと思ってましたのに)
 (まさか実行に移すとは)
 (これ飲んだら二日酔いどころのダメージじゃねえな)
 皆目の前の赤と白が混ざった不気味な色のドロドロした液体を見て静まり返って
います。そこへ赤トンボが一匹。
546名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/11/07 02:39 ID:JU509uAg
 ポト
 そのシェーキの容器にとまったところでトンボは地に落ちました。
 「!!」
 皆の全身が更に凍りつきます。
 「どうしたニダ?騙されたと思って飲んでみるニダ」
 (御前は今のトンボが見えなかったのか?)
 (死んでるアルな・・・)
 皆は教室から出て行きます。
 「どうしたニダ?皆何処へ行くニダ!?」
 カンコ君が不思議そうに尋ねます。
 「悪いですわね、わたくし今お腹いっぱいでして」
 「わたくしも。朝は食べないといけませんものね」
 カンコ君と目を合わそうとせず教室をでて行きます。
 「ニホン、飲まないニダか?」
 「あ、あの、ちょっとお腹の調子が・・・」
 そそくさとタイワンちゃんに護られながら出て行きます。気が付けばもう
皆いません。
 「・・・面白くないニダ。どうして皆遠慮するニダ」
 カンコ君一人だけ残った教室でふてくされています。
 「この美味しさが解からないとは残念ニダ。ウリは非常に哀しいニダ」
 そう言ってシェーキを飲みはじめます。
 「何ともないのか、あいつは・・・」
 「どういう味覚してるんだ・・・」
 皆窓からそっと覗きつつカンコ君がシェーキを全部飲んでしまうのを
待っていました。
547名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/11/07 02:41 ID:JU509uAg
  今回のソース。他のスレで飲んだ人の話を読んでみると冗談抜きでまずい
らしいです。誰が考えたんだ・・・。そもそも試食はしたうえで出している
のだろうか。
ttp://fromto.cc/hosokawa/diary/2003/20031010-kawasaki/
 あとコーラもどきとお茶もどきです。
ttp://www.pluto.dti.ne.jp/~argent/mccol.htm
ttp://ww1.tiki.ne.jp/~tomoco/seoul/seoul3.html
 かの国は『茶』を使わない『お茶』ばかりだな。
548Unknow_J:03/11/07 23:17 ID:oncknNfG
「ボウキュー大会予選」

その1. ニホンちゃんVSチューゴ君
 ニホンちゃんちでは、ボーキューカードゲームが盛んです。今年は、ホークスデッキと
タイガースデッキが圧倒的な強さでニホンちゃんちを制覇し、最終決戦で、ホークスデッ
キが、タイガースデッキを破り、ニホンちゃんち最強の座を掴みました。
 今度のアテネちゃんちの地球町大会が開催されます。ボーキュー大会も開催されるので
すが、前回のキャンベラちゃんやオージー君ちでの大会で不本意だったこともあり、今回
は、ミラクルチョーさんを監督に向かえ、デッキを厳選し、大会に望みました。
「やれるだけのことは、やったよねタケシ」
「そうだね、もう少し戦力的に欲しいカードもあるけど、今の姉さんのデッキが最強だよ」
「うん、頑張るね」
そうやって、サッポロの間へチューゴ君との対戦です。
「チューゴ君。あたしも必死だからね」
「わかってるアル」
 凄まじい、ニホンちゃんの攻勢にチューゴ君は、なすすべも無く、1点はとれたものの、
結果的に13対1でニホンちゃんの勝利に終わりました。
「さすがにニホンは凄いアル。まだまだ及ばないアルよ」
チュウゴ君はそういって次の対戦に臨みます。
549Unknown_J:03/11/07 23:19 ID:oncknNfG
その2. タイワンちゃんVSカンコ君
 その裏で、タイワンちゃんは、カンコ君との対戦です。
「タイワンちゃん。頑張ってね」
「うん。ニホンちゃんとは、勝って対戦したいからね」
「こら、ニホン。ウリもちゃんと応援するニダ」
「うん。カンコ君も頑張ってね」
「それで、いいニダ。タイワンみたいに弱いやつに負けるわけはないニダ」
「・・・」
 まぁ、試合前ということもあり、タイワンちゃんも何も言いませんが、現在のアジア区
の第一位は、タイワンちゃんであることは、他のみんなも知っています。カンコ君は2位
で、ニホンちゃんは3位です。今回の大会にかけるニホンちゃんの意気込みはかなり凄ま
じいものがあります。カンコ君が去った後、
「タイワンちゃん。一緒にアテネに行こうね」
「うん。ニホンちゃんに勝てるかどうかはともかく、あいつには負けたく無いからね」
 試合は、凄まじい打撃戦の末、4−4の同点で延長に入って、タイワンちゃんが、張誌
家のカードできっちりカンコ君を抑え、最後に高志綱カードのタイムリーで5−4で勝利
を収めたのでした。
550Unknown_J:03/11/07 23:21 ID:oncknNfG
その2+.試合後のこと
「何故、ニダ。タイワンに負けるのは間違いニダ。もう一回やるニダ」
「駄目だよ、カンコ君。負けは負けなんだから」
「ふざけるニダ。ウリが負けるのは、間違っているニダッ・・・」
と言い捨てて、泣きながら去っていきましたとさ。
「良かったね、タイワンちゃん」
「うん!!」
苦節ウン年、アジア代表は、カンコとニホンちゃんの独占状態だった中で、ようやく取った
一勝です。嬉しそうにタイワンちゃんは、次のニホンちゃんとの決戦にのぞみます。
551Unknown_J:03/11/07 23:25 ID:oncknNfG
その3.ニホンVSタイワンちゃん
「頑張ろうね!」
ニホンちゃんの張り切る声がサッポロの間に響きます。
「そうだね、いい試合をしようね」
タイワンちゃんが応えます。
試合は、2回にオガサワラカードがタイムリーを放って、点を取ると、マツザカ、イシイ、
クロダと繋いでタイワンちゃんの打線を抑えきり、最終的には9−0の大差での勝利を収め
ました。
「さすがだね。ニホンちゃん」
「うん。2回のファインプレーも良かったし、結構きつかったんだよ」
「そう言ってくれると嬉しいな」
「まだ、試合があるから、頑張ってねタイワンちゃん」
「うん。ニホンもあいつとだから、負けんじゃないよ」
「うん。頑張る」
「ニホンちゃんが勝って、私がチューゴに勝てば、2人でアテネだよね」
「うん!」
嬉しそうにニホンちゃんとタイワンちゃんは連れ立って、サッポロの間で食事に出かけます。
552Unknown_J:03/11/07 23:27 ID:oncknNfG
その4.ニホンちゃんVSカンコ君
「ふん。ウリの凄さの前には、ニホンなんか、たかが知れてるニダ。さっさと降参するニダ」
「そうはいかないよ、カンコ君。今回は、オージー君ところの試合みたいにはならないからね」
ニホンちゃんも今回は、強気です。ドリームチームとまではいかないですが、できる限りのカ
ードを集めての試合です。そうそうカンコ君の好きにさせる気は毛頭ありません。
 試合は、白熱の試合は、ミヤモト、フクドメカードによる適時打で点を重ねたニホンちゃん
をカンコ君が必死で攻めますが、先発のワダカード、抑えのコバヤシカードが素晴らしい動き
を見せて、2−0でニホンちゃんが勝利をおさめます。
「これは、なにかの間違いニダ。ウリがアテネに行けないなどおかしいニダ」
「それも、これもニホンが悪いニダ、謝罪と・・・」
「お前はそれしか言えんのか!!」
後ろから、チューゴ君を破った、タイワンちゃんの蹴りがカンコ君を吹き飛ばします。
「アーイーゴーーーーー」
空の彼方へと叫び声とともにカンコ君は、星になってしまいましたとさ。
553Unknown_J:03/11/07 23:29 ID:oncknNfG
その5.試合が終わって夜も更けて
「さすがにうちは、ボーキューは勝てなかったアルな」
「でもさ、チューゴ君。結局、あたしのピッチャーから点を取ったのは、チューゴ君だけだよ」
「そういえば、そうだね。私もカンコもニホンちゃんから一点も取れなかったものね」
「そういえばそうアルね。ま、明日を楽しみに頑張るアル」
「そうだよ、チューゴ君。あたしだって、全勝したのは初めてなんだから」
「今回は、みんな頑張ったよね」
「そうアルな」
みんなで、サッポロの間で宴会を始めています。星になった方を除いて・・・どっとら、はい。

ども、Unknown_Jです。
 ソースは示してませんが、ネタは、オリンピックアジア大会予選です。メイクミラクルに近い
形ですが、長嶋ジャパンは順調な滑り出しのようです。(ちょっと出来過ぎっぽいのが心配)
 今回は、シーズン終了直後のオフということもあり、プロ組みはほとんどペナンとレースの体
調を維持しつつ、参加できたことが、今回の結果を生んだように思います。
 アテネは、シーズン中になりそうな感じなので、そこら辺が、非常に厳しいのではないかなと、
思っています。
 それでは、また会えましたなら、お気に召すままに・・・
 結果は事実なので、謝罪と賠償は・・・です。
554日台友好:03/11/08 00:14 ID:iabTBTJg
>Unknown_Jさん
素直に面白かった。
最近殺伐としたニュースが多い中で、今回のボウキュー大会は心の清涼剤となりました。
日本と台湾が代表ということで、日台友好の気運も高まってくれたら嬉しいのですが。
555 :03/11/08 02:08 ID:ITcq4R+u
>>4
><丶`∀´>このスレのHPニダ
http://funshei.tripod.co.jp/

もう更新されないの?
556 :03/11/08 02:38 ID:mIZ4Yt1R
アテネ五輪野球アジア予選日本&台湾突破をネタにもう一つ希望
557更科うどん ◆bc/WMtRnlQ :03/11/08 10:51 ID:t+tdsjEa
物凄い勢いで即興で作ってみるてすつ。
本当はニホンちゃん&タイワンちゃん萌えを期待されている悪寒…。
まあそれは次の作家さんに期待してくだちい。
558更科うどん ◆bc/WMtRnlQ :03/11/08 10:53 ID:t+tdsjEa
アメリー「で、僕に見せたいカードってどれ?」
カンコ 「アイゴー! アメリー君踏んでる、踏んでるニダー!」
アメリー「へ? ああこれか。全然目立たないんで気付かなかったYO。
   …で、このカードは大丈夫なんだろうな?」
カンコ 「ニダ? 何の事ニダか?」
アメリー「決まってんじゃねーかYO! お前んとこのカードにデフォでついてる、
   あのわけの分からない…」
カンコ 「ああ、ヘタレスキルと火病スキルの事ニダね。それは使ってからのお楽しみニダ!
   とにかくアメリー君は、アジア町の自尊心であるこのカードを使わなければ
   ならないニダポックキュ!」
アメリー「へえ、そう…………………………………………………………………………………
   ………………………………………………………………………………………………
   ………………………………………………………………………………………………
   …………………………………ところでカンコ、今最後に何言った?」
カンコ 「ニ、ニダ? ケンチャナヨ。ちょっとしたアメリージョーク…」
アメリー「  今  最  後  に  何  言  っ  た  ?  (ゴゴゴゴゴ」


アメリー「あ、ニホンちゃーん!(heart りとるカードカッコ良かったねえ。
   いや、欲しいとか寄越せとかキボンヌとかクレクレとか、思ってないYO?
   ホントだYO?」
カンコ 「……た、多分これはニホンのせいニダ……きっと……そう…ニ…ダ………(どくどく」
559更科うどん ◆bc/WMtRnlQ :03/11/08 10:54 ID:t+tdsjEa
|д゚)っttp://japan.donga.com/srv/service.php3?biid=2003110818638


|彡 サッ


ソースの方が面白いや(w
560目次168:03/11/09 15:21 ID:9VVVt94q
第1694〜1701話
>>516-517

第1702話「FLY,DADDY,FLY」
>>519-529
第1703話「クーロイ君の復讐」
>>531-533 ( >>534 解説)
第1704話「ひとにやさしく」
>>535-540 ( >>541 解説)
第1705話「ウリジナルメニュー」
>>544-546 ( >>547 解説)
第1706話「ボウキュー大会予選」
>>548-553
第1707話「自尊心カード」
>>558
5612ch語誕生の瞬間!伝説に立ち会え:03/11/09 19:36 ID:p/WJiDZW
★アホと一言言われただけで数百レスの自作自演で連日煽りっぱなし★
43というコテハンが、過去スレで「能無し」みたいな事を一言言われただけで激怒
丸5日、自作自演で「バカはお前」「激同」と煽り続けてる。自演丸出しなので、通りすがりの人が呆れ様に書き込むと「43に煽られた奴キター」と、全部同一人物と妄想し更に煽る。
毎晩徹夜で自作自演。 通りすがりに一言43を煽ると、数時間後、恐ろしく(レス数も執念も)反論がついてます。
学校や仕事に出掛ける前に、一言煽って出掛けると、帰宅時に自分がどれだけ煽られてるか、スレを開いてみるのが楽しいかもしれません。
ミニゲームとして楽しむスレです。 現在新展開、なんと43は
「 稚 拙 」を「 せ っ し ゃ 」 と 読 む と 思 っ て た 事 が 発 覚。
伝説の目撃者達は43を神厨と崇め、とうとう2ch公式用語辞典に正式に「稚拙(せっしゃ)」が依頼され、2ch語「拙者」が誕生。FLASHも製作中の神光臨の噂も。
スレは毎回あっと言う間に1000へまで
http://life.2ch.net/test/read.cgi/hage/1068308107/
562名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/11/10 06:13 ID:GwSPYEHw
              「お薬の話」
 アメリー君との喧嘩に負けたイラク君の家には今色んな家の人達が復興の為に来ています。
その活動は様々で中にはトラブルもあります。
 「それは仕方無いさ。俺は喧嘩に負けたんだし。けどな」
 イラク君は一呼吸置いて言いました。 
 「俺は誇りまで失なっちゃあいないぞ」
 彼にも誇りがあります。たとえ負けてもそれだけは失なってはいけませんね。しかし。
 中には誇りも無く他人の誇りを容赦なく踏み躙る輩もいます。
 「フン、ウリ達は戦勝家ニダ」
 毎度毎度同じ事を言っている彼です。イラク家の人達は彼に親指まで突き立てる程嫌悪感
を示しています。それはなぜでしょうか。
 「訳をしりたいか?」
 ええ、とても。
 「・・・じゃあ教えてやるよ」
 
 
563名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/11/10 06:15 ID:GwSPYEHw
 「これ見てみな」
 イラク君が差し出した物、それは薬です。何やらあまり見かけない文字ですね。
なんか丸と棒線ばかりですが。
 「・・・だろ。けど誰の家のやつかはわかるな」
 はい。それにしても何の薬でしょう。
 「あおつに聞いても教えてくれねえよ」 
 イラク君の機嫌がさらに悪くなります。けれど何の薬でしょう。
 「聞いて驚くなよ、それは犬の胃腸薬だ」 
 え!?
 「俺達にくれたのは他にちょっとした風邪薬だけだ。俺は犬じゃねえぞ」
 その黒い瞳に怒りの炎が宿ります。
 「許せねえ、俺達を喧嘩に負けたってだけで犬と同じ扱いをするなんて・・・。
あいつは何時か叩きのめしてやる」
 ぞんざいにふるまうカンコ君を怒りの目で見ています。果たしてどうなるか。
564名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/11/10 06:16 ID:GwSPYEHw
 ソースはこの朝日の記事。
 特派員メモ ナーシリヤ(イラク南部)
「ぜひ、見に行ってほしい。某国軍の援助した薬が犬の胃薬だったんだ」ー。
イラク南部のナーシリヤで知り合った薬剤師は、日本の記者と知るとそう訴えた。
翌日、半信半疑でその病院を訪ねた。イラク戦争中、捕虜になった19歳の
米女性兵救出作戦で有名になった病院だ。
 薬局に並べられた78種の薬を見て驚いた。薬の成分、効能、使い方が
分からない。某国の言葉しか使われていない。説明もなく一方的に渡された
ものだという。
 頭を抱えた薬剤師長(30)が、砂漠にある同国軍の診療所まで説明を
求めに行ったが、「忙しい」と断られた。仕方なく、一部のアルファベットを
手がかりにインターネットで調べ、半分まで使途を割り出した。
 その結果、犬などの動物用の胃腸薬であることを確認した、という。
この国では、犬は不浄として嫌われている。現地の家畜用、あるいは外国軍の
軍用犬用ということかもしれないが、結局、患者に処方できるのは、正体の
分かった風邪薬2種類だけ。
 残飯を投げ与えられたような屈辱感だった、薬剤師長が言った。
「南部に来られる自衛隊の援助は、こんなものではないと信じています」

引用 朝日新聞2003年11月7日9面
 とこれ。
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031014-00000754-jij-pol
 本当だったら実に酷い。人を馬鹿にするにも程があります。
565有閑工房 ◆WOaKOSQONw :03/11/10 10:16 ID:PZiVq6GH
>>560
目次製作者さま 地道な作業乙です。

うわ、ネタ被っちゃったよ…ちょと怖いけどケンチャナヨー精神でうp汁。
566有閑工房1 ◆WOaKOSQONw :03/11/10 10:17 ID:PZiVq6GH
『God Save The King Crimson』

 「♪ぐんぐつ追いかけ特ダネを 身命をかけて手に入れて?
  万民の下に照らし出し 我等が旭日映えるかな♪」
 さり気に物騒な歌を歌いながら、われらがアサヒちゃんは今日もイラク君の家を物色して
います。彼女の場合、態度は真摯ですがベクトルが歪みまくっているのがチャームポイント
でしょうか?

「むむむ、クリムゾンレーダー感アリ!事件ね!」
 いったいどこに内蔵されているのかは疑問ですが、これぞ現場記者の勘というやつで
しょうか。渡り鳥並の方向感覚でアサヒちゃんはネタに向けてダッシュします。
 そしてたどり着いたはナッシリアの間。物騒なイラク君の家でも一番安全なところです。
こんな所にネタが転がっているものかと自分の勘を訝っているところに聞き慣れた軟派な
声がしてきました。
「ボナセーラ子猫ちゃん、僕も君のメガネっ子萌えにはメロメロだよー」
 やたらとC調な口振りで近づいてきたのはマカロニーノ君です。彼はアメリー君の無茶の
後始末に借り出され、ガラクタの片付けをしている最中でした。もちろんペースは彼なり
です。
 言うまでもなくこういうノリが大嫌いな自称優等生のアサヒちゃん、当たり前のように
黙殺してスルーです。
「違う、ネタは奴なんかじゃない。きっともっと大物がいるはずよ!」
 偏った判断ですが、どうも今回はあながち間違いでもないようです。
「ちょいちょい、ジブン日乃本家の人間か?」
「え…、そ、そうですけど。」
567有閑工房2 ◆WOaKOSQONw :03/11/10 10:18 ID:PZiVq6GH
「せやせや、顎の形とかアレと少しちゃうもんな、ほら見てみいな、オレの言うたとおりやろ?」
 アサヒちゃんが呼び止められた方向には二、三人のおじさんたちが屯しています。
「なんかな、エラ張ったチビが来てな、薬箱が壊れたゆうたらこれ使えゆうてくれたんは
ええんやけど、ホンマ全っ然何の薬かわからんのや。しゃあないから聞きに行ったら忙しい
言うて門前払いやし、人に聞いてもしっとるもん全然おらんしな、正直困っててん。ジブン
これ何の薬かわからんか?」
 説明を聞きながら渡されたビンには、どこかで見たというか、とっても見慣れた達筆な
文字が書かれています。
『こ…この図形を組み合わせたような独特の字は…』
「んー、私もちょっと読めません…ゴメンネおじさん。」
 諸般の事情でアサヒちゃんも断定を避けます。いや、これはジャーナリストとして然る
べき態度でしょう。
「せやなあ、こんだけムチャクチャな字ぃ書かれるとそら読めんわな。しゃあないしゃあない
気にせんといて。せやけどこの薬くれたチビな、オレの事バカにしたいんか知らんけど、
コレ子供用の薬やってな、そら子供やからしゃあないゆうたらせやねんけど、ちょいオトナ
なめとんちゃうんかと思うたらやたら腹立ってきてな、今度やったら大人気ない話やけど一度
シメたらなアカン思うねん。ジブンもあのチビに会うたら言うといたってんか?くれるんは
ええんやけど、使えもせんもん貰ても意味ないでホンマ。」
「あ…、ハイ。多分会わないと思うけど、そう…します。」
 さすがは日乃本家の一員、年上相手の営業スマイルは町内一番です。おじさんたちも言うだけ
言うと溜飲を下げて家に戻ってしまいました。
 その後姿に手を振りつつ、アサヒちゃんは素早く考えます。
『んー…どう考えても犯人は あ れ なんだよな…。見切りつけたって言っても無碍にすると
粘着してくるから面倒だし…。いやいやでも私は事実をありのままに伝えるのが責務のジャーナ
リスト。私の報告を待っている良識ある人々の為には正確な記述こそが要求される。……でもなあ、』
568有閑工房3 ◆WOaKOSQONw :03/11/10 10:18 ID:PZiVq6GH
 ちょっと肩を落とし加減でアサヒちゃんも元来た道を引き返します。

 さて次の日、ニホンちゃんがぶらぶらとオオサカの間に行くと、テーブルの上にアサヒちゃんが
作っている壁新聞の縮小版が置いてありました。
 そこには昨日アサヒちゃんがイラク君の家で見聞きしたことが書いてありました。経緯は正確
ですが、犯人は伏字になっていました。しかし、おとといジミンパパからイラク君の家の片付けの
手伝いに行くように言いつけられ、ニホンちゃんは渋々承知したところです。しかもその場所は
アサヒちゃんの言っているところ。しかもその上そこで同じようにお手伝いしているのはマカロ
ニーノ君とカンコ君。そこまでニホンちゃんは知っていましたから、犯人は誰かと問われれば…
「愛護ーー。言えないよう…」
 遠い目をしながらニホンちゃんは呟いたとさ。

おしまい
※ さて今回はアカヒ新聞大阪版(?だよね)の特派員記事から。特派員といえばジャーナリストの中
でもアウトロー集団といって差し支えない方々です。現地採用の記者がいたり、本社や地方の支社では
色々な意味で満足できないため、命懸けで事実を追うことに快感を示すという救われない人種ですな。
いや、ウリはしょんな人たちが大好きなんでつけどね。自分も近いものあるし。記事の内容、詳しくは
スレ立ってますんで下のソース参照で。
※ しかし自衛隊の派遣先がナッシリアに大方決まりのようですが、あすこは
治安維持:イタリア
医療支援:韓国
つー、味方につけるとこれほど怖い存在はないという二大事大主義国が幅を利かせている所。誰だよこの
組み合わせ考えた香具師は…謝罪と(ry
※ アサヒちゃんの歌の節は『軍艦マーチ』です(w
※ あのー、自分で書いてて何なんですが、『C調』ていつごろの流行語で語源なんでしたっけ……サザン
の歌の『C長言葉にご用心』思い出しながら書いてたんですが起源が…
※ うーむ、このネタがフライングだったらウリはいい赤っ恥だな

※ アサヒちゃん的ニュースソース
今回の記事は(たしか)地方版なんで、ハン板スレからどぞ。
↓◆◆この某国軍って、あの国ですか◆◆
ttp://ex.2ch.net/test/read.cgi/korea/1068174884/l50
570unknown_J:03/11/10 19:14 ID:AuEtgAzR
医療支援で薬の誤配送(??)ですか。
それは、あんまりといえばあんまりではないでしょうか?
昔、ユ◇セフで、アフリカに援助物資を送った時、援助物資は港までは
到着したのだが、現地には到着しなかった。(現地まで運ぶ輸送が現地
対応だったので運ぶ金がなかった)ということが起きたので、必要な場
所まで運ぶのが支援の基本事項なのだが、支援内容そのものに問題があ
るのは・・・言葉にしようが無いですね。

追記
 私は、萌え路線は描けないので、ご容赦ください。
571竜田揚げ:03/11/11 10:03 ID:bovgue/q
下がりすぎ。唐揚げ!
572名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/11/11 21:35 ID:oRfrtfys
             「無謀な挑戦」
 シンタローおじさんはよくカンコ君の家について言います。ここぞとばかりに
挑発するのが大好きなようです。そんなおじさんをニホンちゃんは少しハラハラ
して、ウヨ君は楽しそうにいつも見ています。
 「さくらちゃん、武士君、昔うちとカンコ君の家が一緒だったのは知っているね」
 「はい」
 「勿論です」
 それが両家の騒動の元凶なのですから。カンコ君はそれを根に持って未だに謝罪
だの賠償だの五月蝿いのです。
 「あれはね、カンコ君の家の方から頼んできた話だったんだよ」
 まあ本当の話です。実際に頼んで来た人達がいたのですし。しかし。
 この言葉が問題なのは事実か嘘か、という問題ではないのです。お隣が怒るか
怒らないか、という問題なのです。
 「フッッッアアアビビビビビヨヨヨヨヨォォォォーーーーーーンンンンン!!!!」
 この話を聞いたカンコ家一堂予想通りファビョーンです。シンタローおじさんに
発言を取り消せと抗議の嵐です。
 
573名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/11/11 21:36 ID:oRfrtfys
 それに対するおじさんの対応。
 「どうして謝らなくちゃいけないの?」
 平然と言います。更にファビョーーンしていくカンコ家一同。
 「こうなったらシンタローを家に呼ぶニダ!もしあいつが忙しいというのなら
ウリ達が直々に出向いてやるニダ!」
 カンコ君も負けていません。ニホンちゃんとウヨ君に対し言いました。
 「ウリは子供だから勉強という事で行ってやるニダ、あいつにそう伝えておくニダ!」
 もう顔が真っ赤っかです。
 「え、けど・・・」
 「やめた方がいいぞ」
 二人はあえて止めます。いくら何でも子供が大人に挑むのは。
 「うるしゃいニダ、ええい決めたニダ、こうなったらウリが一人で論破してやるニダ!」
 おじさんのコメント。
 「いいよ、何時でもいいから是非来てくれ」
 自信に満ちた笑み。
 「見ていろニダ・・・」
 そうしてその日早速おじさんのいるトーキョーの間に乗り込んでいきました。それを
見送る二人。
 「大丈夫かなあ」
 「駄目だろ」
 ー数分後
 「ファビョーーーーン!」
 論破された声が聞こえてきました。この後暴れようとして逆にウヨ君に摘み出される
カンコ君でした。
574名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/11/11 21:37 ID:oRfrtfys
 今回のソースはこちら。シンタローに論戦か。飛んで火に行く夏の虫ですね。
相手がてぐすねひいて楽しみに待っているとこに突っ込むとは。何でこんな
簡単に釣られるんだろ、理解出来ない。
ttp://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2003/11/03/20031103000047.html
 何かシンタローおじさん連中をファビョーーンさせるのが面白くて仕様がないのかな。
確信犯としか思えないけれど。
575 :03/11/11 21:45 ID:FCd3RdFE
あげ
576Unknown_J:03/11/11 22:25 ID:6L6h7Gt1
「今年はさらに参加者が増えたね」
その1.
年に一度、アーリアちゃんちで開かれるゲームイベントです。

どこでやるのかなぁ・・・地球町の家は広くて色んな部屋があります。
今回はニホンちゃんは、地球町から24家参加するゲーム大会のヒノモト代表として、
戦うことになったのです。アーリアちゃんちに、知的格闘技を極めた戦士達が集います。
凄い人ごみで、
「ふわぁ、凄い人だねぇ・・・どこでやるのかなぁ」
知らない人が多くて、少し心配そうなニホンちゃんの後ろから声がかかります。
「ニホン! こっちだ」
「あ、アーリアちゃん」
「大丈夫か、迎えに行くといっただろ」
「え、でも地図とか貰ったから、行けるかなって思って」
「なんだかんだ行っても広いからな、迷ったら大変だ」
「ありがと、アーリアちゃん」
「あぁ・・・」
少し、嬉しそうにアーリアちゃんが微笑みます。
「ねぇ、アーリアちゃん。後は、誰が来るの?」
「えぇーと、エリザベスやフランソワは来るし、フラメンコ先生にハプスブルク先生も出場する」
「凄いねぇ、勝てるかなぁ」
「おや、去年、強くないですって言いながら、6位になったのは誰かな?」
「え、それはまぁ、そういうこともあるって、アーリアちゃんだって3位だったじゃない」
「まぁ、うちで作ったゲームだからな」
そうなのです。電気を使うゲーム作りは、ニホンママの得意技なのですが、アーリアちゃん家では、
電気を使わないゲーム作りが得意なのです。最近のゲルマッハ君は、次から次へと素晴らしい非電気
系ゲームを作っているのです。
577unknown_J:03/11/11 22:27 ID:6L6h7Gt1
その2.
参加者達
「おやおや、話をするの嫌がる方も参加するんですの。故郷の言葉は通じませんことよ」
「あら、海賊の末裔に知的格闘技が理解できるのかしら」
「それこそ、お互い様でしょ!」
耳慣れた言い合いは、フランソワちゃんとエリザベスちゃんです。どちらもこの手の知的格闘技でも
ライバル同士なので、バチバチ火花が飛んでいます。
「フラメンコ先生もおでになるんですの?」
「ええ、自信がありますから。生徒達にそうそう負けられませんわ。そういうハプスブルク先生も」
「ええ。好きなのですよ。こういう知的な競技というものも」
これは先生方が参加しているのは、校長先生には内緒にね・・・
「そこを行くのは、過去の勝者ネーデルランドじゃないか。今年の優勝者の私への挨拶は無いのかね」
「何を言うんだか、今年も僕が優勝者さ。君は永遠のファイナリストとでも言っていたらどうだい」
「ふん!!」
お互いにそっぽを向いたのは、去年2位のマカローニノ君と去年のチャンプ、ネーデルランド君です。
「はっはっはっ、まぁうちの家も電気を使わないゲームは得意なんだがね」
「そのわりには、最近、元気が無いような気がするけどね」
「そっちが元気すぎるだけさ」
「あ、兄さん。ニホンが来たよ」
「あ、ゲルマッハ君にアメリー君」
「お、ニホンちゃん。ママにお礼を言っておいてね。盛大に世界大会が開催できるようになったのは、
 ニホンママのおかげだから」
「ありがとう。言っておくね。喜ぶよ」
「頼んだよ」
そうなのです。今回の世界大会は、去年、ニホンママがゲルマッハ君の作ったゲームを手直しして、
世界中に発売を開始しました。それを受けて、エッセンの間で開かれるゲーム大会に、世界大会を併催
するようになったのです。
「あの、僕もでるんですけど・・・」
あれ、ごめん。カナディアン君も出てるよね。大丈夫、今回は、チューゴ君もロシアノビッチ君もフィラン
ちゃんもでてるんだけど、書ききれないし、・・・m(__)mゴメンナサイ、謝罪はしますが賠償は・・・
578Unknown_J:03/11/11 22:29 ID:6L6h7Gt1
その3.
参加者達”追記”
 何故追記があるのでしょうか、そこはそれ、お約束の方が登場してないからです。
「フフフ。これがウリのオリジナルゲーム、ニダ」
取り出したのは、ウリナラ語版でつくられたゲルマッハ君のゲームです。
「え、それは・・・」
これもニホンママがゲルマッハ君の許可を得て、アジア区の言葉に直して作ったのです。
「ウリナラ語で書かれている以上、ウリのものニダ。ニホンはウリの真似ニダ」
凄い言い方ですが、かの地では事実みたいなものらしいです。
「ほぉ、そんなことを認めた記憶は僕には無いが」
後ろからスリーパを決めて、カンコ君を引きずって行くのはゲルマッハ君です。
「じゃ、ニホンママによろしく」
「ウリ・・・」すぅー
手足をだらんとしたまま、泡を吹きつつ、ずりずりと引きずられていくカンコ君でした。
「大丈夫かな・・・」
心配そうですが、ただ見送るだけのニホンちゃんです。そこへ
「気にするな、自業自得だ。行こう!」
「うん!」
決勝会場に向かうアーリアちゃんとニホンちゃんでした。
579Unknown_J:03/11/11 22:29 ID:6L6h7Gt1
その4.
ゲーム大会、その結果
決勝は、アーリアちゃん、フラメンコ先生、フィランちゃんにニホンちゃんの4人です。
激戦の末、アーリアちゃんが逃げ切って勝ちました。予選を含めた獲得ポイントは、フラ
メンコ先生が1位で、ニホンちゃんが2位です。
「すっごーい、アーリアちゃん強い」
「勝負は手加減なし、だからな。結構あぶなかったし」
「もうちょっとだったのになぁ・・・」
「フィランちゃんも強いねぇ」
「ま、ここはアーリアちゃんに花を持たせましょ。総合優勝は私ですし」
ちょっと悔しそうなフラメンコ先生です。あと一回手番があれば、勝ってた手札だったよ
うです。
そこへ、
「ちょっと待つニダ・・・」
出て行こうとしたカンコ君でしたが、出る前に
「引っ込んでろ」
「予選で負けた奴は引っ込むアル」
「お前に言う権利無し」
同じく決勝に残れず、予選落ちしたロシアノビッチ、チューゴ、アメリーに引きおろされて
裏庭に連れて行かれます。今回の大会で、カンコ君の最終成績は24カ国中24位に終わっ
ていました。頑張れカンコ君、来年があるさ・・・
580Unknown_J:03/11/11 22:30 ID:6L6h7Gt1
あとがき.
 ども、Unknown_Jです。最近、非電気系ゲームが浸透してきているようです。(ゲーセンも
アヴァ○ンの鍵みたいなものが出てるし)TVとかでもかなり取り上げられつつあります。
日本では、囲碁、将棋、麻雀やオセロ、バックギャモン、チェスなど伝統的なボードゲームが
あり、新しくはトレーディングカードゲームなど、プロ活動が存在するゲームを含めて色んな
形で日本で浸透しています。
(単純にカードゲームや将棋等を含めると、非電気系ゲームのプレイ可能な人口は世界一なの
 ではないかな。大抵の人は、将棋にオセロはできるし、のべ人口ならどの国にも負けない気
 がします。どのゲームもそれなりに強いし・・・)
 今回は、そんな日本にドイツから来たボードゲーム”カタン”世界大会の結果を元にニホン
ちゃんの世界を構成してみました。(全部書くと長すぎたので、これでも端折ってます)
2003年のソース:ttp://www.herne.de/spielezentrum/Siedler/catanwm-start.html
去年の第一回大会は、参加17カ国でヨーロッパ勢と、アメリカ、カナダ、日本だけでしたか
らアジアから出場しただけで、かなり向こうでは印象深かったようです。カプ○ンさんが英語
や日本語だけでなく、ハングル版や中国語版もだしてるので、アジア地域にもかなり浸透して
いるようです。(電気版はあんまし上手くいってないようですが・・・)
2002年のソース:ttp://www.herne.de/spielezentrum/Siedler/SD02-eng/eng-indexwm.htm
それでは、また逢えましたなら、お気に召すままに・・・
581  :03/11/12 12:43 ID:9CM54PW1
日本と韓国の関係は、最近著しく良くなってきてるけど
それがぜんぜん反映されてないね
北朝鮮に当たるキャラもいないし・・・
582 :03/11/12 14:06 ID:Nd+KjKX6
>581
読んでないのか読解力が皆無なのかしらんが、電波は他のスレで放出しる!
583 :03/11/12 14:46 ID:Z0fHlAbE
>>581
いたたたた…。
584名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/11/12 22:32 ID:HaqdcgqK
                   「哀しい思い出」
 ニホンちゃんとノーベル=スウェーデン君、ハイチちゃんはインドネシアちゃん家に遊びに
来ています。どうもちぐはぐなメンバーな気が。
 「いらっしゃい」
 玄関で三人を明るく出迎えます。家の中へ案内されます。
 「今バリとか危ないから部屋変えましょう。ボゴールの間がいいわね」
 インドネシアちゃんの家で一番大きなジャカルタの間の隣にその部屋はあります。休憩室
といったところです。
 「さ、お茶にしましょう。丁度美味しいジャスミン茶があるのよ」
 四人はジャスミン茶にピサンゴレンというバナナを揚げたお菓子でティータイムを取りました。
ふとインドネシアちゃんの胸の石に目がいきます。
 「インドネシアちゃん、その石何?」
 ニホンちゃんが尋ねます。
 「これ?パワーストーンよ」
 「最近流行ってるおまじないの石よね」
 流行りものが好きなニホンちゃんもこの石には興味があります。
 「それを着けてると運がよくなるのよ。お母さんからもらったの」
 「インドネシアさんのお母さんはおまじないが得意でしたね」
 ハイチちゃんが不思議な笑みを浮かべます。実はインドネシアちゃん家は古くからおまじないが
よく行われており時には呪いをかけたりする人もいました。
585名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/11/12 22:33 ID:HaqdcgqK
 「呪術は自らの身を護る為のもの。人を呪う為に使う不心得者の邪な念を送り返す為に
使うものなのです」
 「・・・なんか怖いね」
 「そういえばお母さんそんなこと言ってたな」
 ちょっと怯える顔になる二人。
 「別にそれだけではありませんよ。インドネシアさんのように自分の幸福を願って行うぶんには
構わないのです」
 「ふん、そうなんだ」
 「だったら安心ね、インドネシアちゃん」
 「うん」
 ほっと安堵する二人。
 「要は使い方と心の持ちようです。心正しく使い方を誤まらなければまじないは貴方達の身を
護ってくれますよ」
 「そう、ハイチちゃんの言うとおりだよ」
 それまで黙々とお茶とお菓子を口にしていたノーベル君が話に入ってきました。丸眼鏡で童顔ですが
顔に似合わず大柄です。
 「魔術は正しい心で使わなくちゃいけない。そうでないと他の人も不幸にしてしまうんだ」
 そう言うと胸の石を取り出しました。
 「あ・・・・・・」
 三人は息を飲みました。その石に書かれた文字を皆知っていました。
586名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/11/12 22:35 ID:HaqdcgqK
 「やっぱり知っているね」
 ノーベル君は微笑みました。少し哀しげに。
 「ルーン文字は魔力を秘めていると言われているんだ。かって僕やデンマークの家の者達が
嵐の神ヴォータンに自らの勝利と力を願ったり豊穣や繁栄を祈ったんだ。けど・・・」
 北欧丁と関わりの深いゲルマッハ家がかって狂気に取り憑かれていた頃あの漆黒の服等に描かれていた
のもこの文字だったのです。彼等により紫苑ちゃんの家族をはじめ多くの人が不幸な目にあいました。
 ノーベル君の家もそうでした。直接被害にはあいませんでしたがノーベル君が大好きだったおじさんが
紫苑ちゃんを護る為ナッチ会に脅され続けたのです。手段を選ばぬ彼等はおじさんを追い出そうとさえしました。
 「おじさんを連れて行ったのはソレンの奴等だったけどね」
 顔を俯けます。自分の家の願いを込めた文字を刻んだ者達に尊敬するおじさんが狙われたのですから。
 「ノーベル君・・・・・・」
 ニホンちゃんは声をかけようとします。しかし言葉が見つかりません。
 「本当にね、魔術は使う人の心によるよ。あんな連中が使ったばかりに・・・」
 「けれど彼等は裁かれましたね。おじさんを連れて行ったソレン家もありません」
 「ハイチちゃん・・・・・・」
 「邪の事に呪術を使った者はそれにより滅びます。しかしそれにあがらう心があれば必ずや神が護って
くれますよ」
 「そうだね、きっとそうだよ」
 ニホンちゃんが言いました。
 「今ルーン文字はノーベル君を護ってくれてるよね。それはノーベル君がいい子にしてるからだよ」
 「そうそう、あたしに勉強教えてくれるし。感謝してるのよ」
 「ニホンちゃん、インドネシアちゃん・・・」
 「安心して下さい。魔術は貴方を護ってくれていますよ」
 「うん、そうだね」
 ノーベル君はにこりと笑って微笑みました。石に刻まれた文字がきらりと輝きました。
587名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/11/12 22:37 ID:HaqdcgqK
588 ◆UW/0iG.1vs :03/11/13 04:25 ID:A8/DJCNu
韓国関係ねぇし

ここハン板だろうが!
韓国の呪術なら現代、過去ともに有名でユニークなものが多数あるのに…
使わない手はなかろう?なぜわざわざ…
もう、できる事なら創作文芸板で新スレ立ててそっちでやってもらいたい。
589名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/11/13 05:33 ID:8Mu+Tu+8
 いずれあちらの呪術もネタにしたいと思っています。ただニホンちゃんに出してもいいと思ったから
書きましたし。キャスティングも呪術の話に強いメンバーですし。
 
590名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/11/13 05:48 ID:8Mu+Tu+8
                 「猪鹿蝶」
 昔からですがこのクラスでは皆カード遊びが好きです。トランプが主流です。まあ
中には小学生の分際で教室で麻雀やっている奴等もいますが。
 「・・・大三元」
 「マイガアーーーーッ!」
 「アイヤアーーーーッ!」
 「ニホンちゃん強いわね」
 見事に爆沈する男二人。二位のタイワンちゃんがトップのニホンちゃんに言いました。
 「この前お父さんに教えてもらったの。まあこれも人付き合いの一環だって」
 「まあそうだけど。あたしも好きだしね、麻雀」
 「けれど難しいよね。中々ルール覚えられないよ」
 他にはどんじゃらも。カードはやはりトランプが主流です。ポーカーやブラックジャック
等が人気ですね。
 稀に花札もやっています。ニホンちゃんはこれはあまりしません。何故かカンコ君
がよくやっています。そして負ける度にこう言います。
 「ウリが負けたのはニホンがウリの家に花札を教えて堕落させたからニダ!しゃ(略」
 流石に誰も相手にしません。それどころかその場で袋にされて金を持っていかれます。
払えないと身ぐるみ剥されてトランクス一丁にされます。
 「わけわかんねーー事言う暇あったら金払え」
 「アイゴオオ・・・」
 こうしていつもスカンピンになります。いつもそうなので彼はある事を考え付きました。 
 
591名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/11/13 05:49 ID:8Mu+Tu+8
 「何とかして勝ちたいニダ。さもないと破産してしまうニダ」
 止めようとかいう発想は無いんですね。その前に君の家はまた破産寸前
なのですが。
 「イカサマをやったら簀巻きにされて窓から放り投げられた上に倍取られたニダ。
ここはやはり正攻法でいくニダ」
 さて、何でしょう。しかし鉄火場ですね、まるで。
 「願掛けニダ」
 ・・・・・・・・・。
 さて数日後登校して来たカンコ君。皆彼の靴下を見て驚いています。
 「ニダッハッハッハ、驚いたニダか。靴下に花札をペイントしたニダ」
 呆気に取られる一同を前に得意満面です。
 「身体に花札を着けて花札の力を着けたニダ、さあこれでウリは無敵ニダ!」
 「ほお、面白いな」
 「じゃあやるアル」
 早速勝負となりました。結果は。
 「アイゴーーーッ!何故勝てないニダーーーーッ!」
 「だってカンコ君ペイントしたお札踏んでいるんだもん。それじゃあ花札の神様
怒っちゃうよ」
 「しまったあーーーーっ、そうだったニダかあーーーーっ!」
 またもや身ぐるみ剥されすってんてんになるカンコ君でした。 
592名無しさん ◆O4x3A1GrPw :03/11/13 05:51 ID:8Mu+Tu+8
 今回のソース。別に花札を靴下にしても別にいいですが。
ttp://japanese.joins.com/html/2003/1110/20031110221828300.html
 花札が流行ったのは日本のせいではありません。大体今やってる人少ないし。
ttp://members.at.infoseek.co.jp/koreawatcher/docs/nanum58.htm
 韓国ネタの新作を。そういえばこれはウリナラ起源とは言わないのか。
593 :03/11/13 15:54 ID:nbsydDMW
>>589
>いずれあちらの呪術もネタにしたいと思っています。
つーか、いいよ書かなくて。せっかくの面白そうな素材が台無しだ。
それから、葛城蛭子神ネタも止めろ。また飯研と葛城氏に迷惑をかける気か。


あんたの技量ではどうせ面白く出来ないだろ?
594 :03/11/13 20:22 ID:TJUGlN2v
自分はスレの振興にまったく寄与しないくせに(感想も書かない)作者を叩くしか
脳のない>>588>>593みたいなやつが跳梁するようになったのはいつからかな。

偉そうに「楽しませろ」と要求するだけの「お客さん」はいらないよ。
595ニダる:03/11/13 21:06 ID:A8/DJCNu
>>593
毒舌だけど言っている事には同意。
スレ番号の若いころに少し文を書いていた身としては
当初のスタンスとかけ離れている、というより明らかにスレ違いな文章を見るとなんとも言えない気持ちになります。
数スレ前の言動を見ているときっと言いがかりにしか感じないのだろうなぁ…
596いつもの名無しさん:03/11/13 21:10 ID:2rSJcho1
だからココはハン板だちゅの。
南北鮮に関係ない話は他の板でヤレちゅの。
597ニダる:03/11/13 21:13 ID:A8/DJCNu
>>594
煽りたいのなら総督府にでも場所をかえてください。
ここでは遠慮しましょう。
脳もとい、能なしなんて言われたら荒れると思いますので…
598593:03/11/13 21:16 ID:/RHpUp/G
>>594
一応補完スレに意見を書いたので、議論するなら補完スレ行こうか?
>>595 >>ALL
スレ汚しスマソ。作者叩きめいた事は俺もしたくなかったのだが・・・。申し訳無い。
599ニダる:03/11/13 21:17 ID:A8/DJCNu
>>594
煽りたいのなら総督府にでも場所をかえてください。
ここでは遠慮しましょう。
脳もとい、能なしなんて言われたら荒れると思いますので…
600595:03/11/13 21:26 ID:A8/DJCNu
ハンパに二重スマソ
消えます。
601 :03/11/13 21:36 ID:TJUGlN2v
ここは何でもアリだと思ってたがなあ。
>>596
が個人的にカンコ話を読みたがってるだけじゃねーの?

あと煽ってない。正直な感想。
素人にご大層な筆力を期待するなよ。
つまらないのならこのスレに来なければいい。
602いつもの名無しさん:03/11/13 21:51 ID:2rSJcho1
>>601
何でもアリってあーた…。
判った。つまらないとは思ってないが消えるよ。
603 :03/11/13 22:05 ID:hr70NUF5
>>601
何でもありといえば確かにそうだが、その前提条件として 「 面 白 い こ と 」
がまず要求されると思うぞ。
同じ「ソース無し、萌え重視」の話を補完スレに書いても、キタ━━━(゚∀゚)━━━!!の嵐
の作者と完全スルーの作者がいる。
同じ批評を受けても、全体的に肯定的な意見もらえる作者とぼろっかすに言われる作者がいる。
ましてやこの人は、何度忠告貰っていた?しきりに助言してた人も、今じゃ無視してんじゃん。
叩かれるのはいたしかたないと思う。つうか叩かれて当然だべ。
604 :03/11/13 22:15 ID:hr70NUF5
ああ、いま気づいた。名無しさんって誰かに似てると思ってたが、さんちゃんだ。

・人の話を聞かない
・何度小言を言われても、すぐに初期化して同じ事を繰り返す
・ソースを微妙に読み間違える
・それどころか、恣意的に解釈して嫌いなものを貶める

まあ捨て台詞吐かないだけまだましかな。
605 :03/11/13 22:22 ID:PIJS+PUF
ああ、そうか、ニホンちゃんが広まると困る人がいるわけか。
だから初めに「萌え」を規制し
次に「朝鮮関連以外」を規制し
最後は「ニホンちゃんそのもの」を規制しようとするのか

世界情勢の寓話だったころが懐かしい・・・・
606 :03/11/13 22:29 ID:TJUGlN2v
まあねえ。名無しさん最大の弱点は熱意が完全に空回りしていることだからねえ。
意味不明の作話ばかり連発するあたり気の毒にさえなってくる。

ところでそろそろ次スレだよ。
ハン板に立てるの?
607 :03/11/13 22:29 ID:Osh0jtc/
>>605
誰もそんなこといってないと思うけど。
ただ、ネタが板違いに近くなってきたら、創作文芸辺りに行ってくれといっているわけで。
(その方が広まるし(w)
608@:03/11/14 09:18 ID:xXKKKEeA
もうええやん…
また人の話聞かないで何もなかったかのようにつまらんオナニーするんだろうから。
NGワードにいれとこうよ。
どうせ擁護も自演だろうし。
609
>>604
>ああ、いま気づいた。名無しさんって誰かに似てると思ってたが、さんちゃんだ。

いや、それよりもカンコにそっくりだと思うのは
僕だけだろうか・・・