【好きなもの?】素直でクールな娘【キミだ】

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1ほんわか名無しさん
ここは素直クールのスレです。

素直クールとは
・自分の思ったことをストレートに表現する
・常に冷静沈着
・厳密な定義は無いので、後は各人のイメージで

ガイドライン的なもの
・基本sage進行で
・馴れ合いは度を越さないように
・荒らしは徹底スルーで
・気楽に投下しよう
2ぺ〜た ◆FkQ2mlPwt2 :2007/01/17(水) 21:04:14 0
2だろ
3ほんわか名無しさん:2007/01/17(水) 21:05:51 0
ほぅ
4ほんわか名無しさん:2007/01/17(水) 21:05:51 0
乙!
5まこ3 ◆MAKO31DYHk :2007/01/17(水) 21:06:45 0
_ノフ([]:)
6ほんわか名無しさん:2007/01/17(水) 21:17:46 0
7ほんわか名無しさん:2007/01/17(水) 21:18:56 O
>>1
8ヒヨコ ◆MYukg4pfVM :2007/01/17(水) 21:19:37 O
今日シチューが食べたかった。
2日続いてカレーは嫌だった。
9ほんわか名無しさん:2007/01/17(水) 22:06:02 0
書いたらくるぜ
10ほんわか名無しさん:2007/01/17(水) 22:25:18 0
せっかくスレが立ったのにネタが思い浮かばん
11ほんわか名無しさん:2007/01/17(水) 22:29:01 0
ゆっくり考えればいいのさ
まず落ちる事はないんだから
12キモス大佐 ◆bsT/OjRr8w :2007/01/17(水) 22:33:37 O
コージーコーナーより不二家が好きだったんだがな
13ほんわか名無しさん:2007/01/17(水) 22:44:46 0
一応保管所のアドレス貼っておく
ttp://sucool.s171.xrea.com/
14ほんわか名無しさん:2007/01/17(水) 23:50:06 0
>>1
俺もなんか書いてみる〜わ。
15ほんわか名無しさん:2007/01/17(水) 23:59:52 0
貯めておいたネタを出してみる
つ【引越し】

男「ふー…。これで最後かな…」
ク「私も終わった。一段落したのでお茶でも入れよう。君の好きなケーキもあるぞ」
男「ありがとう。でも、突然引越しとはね」
ク「うむ。前の部屋の大家さんが色々な事情があったみたいなのでな」
男「それでこの新しい部屋にか…」
ク「いいではないか。結構ここも居心地がよさそうだ」
男「でもね。前の部屋のことを思い出すと…」
ク「しかし、我々はいつまでも同じところにはとどまれない。事態に応じて臨機応変
  に対応する必要がある。今回はその結果だ」
男「それは分かるんだけど、僕は思い出しちゃうんだ。あの部屋でクーの行動で僕が
恥ずかしかったけど嬉しかったこととか、一緒に楽しく笑い合ったこととか…」
ク「私も思い出してしまうが、それは過去の素晴らしい思い出だ。想像したくも無い
が私と君が別れるわけでは無い。これからこの新しい部屋を舞台に私と君で昔と
同じように素晴らしい出来事を起こそうではないか」
男「そうだね。別に僕とクーがお別れするわけじゃなかったね。ということで、これ
からもよろしくね。クー」
ク「うむ…(チュッ)」
男「クー、いきなり…///」
ク「早速、愛する男と素晴らしい出来事が起こせたな。ということで、これからもよ
ろしく頼むぞ」
16ほんわか名無しさん:2007/01/18(木) 00:37:36 0
これは迸るGJ
17ほんわか名無しさん:2007/01/18(木) 01:39:08 O
新スレおめ

と言いたいが、シベリアにある素ク板はどうすんだ?
18ほんわか名無しさん:2007/01/18(木) 02:06:03 O
>>15
これはGJ!!

>>17
俺はたまに見たりするが……
19ほんわか名無しさん:2007/01/18(木) 02:39:32 0
新スレおめアンド乙

>>17
シベリアだけじゃなく、喪板、虹板、エロパロにもあるよー。
それぞれ、それなりに動いてるから、それでいいんじゃね?
20ほんわか名無しさん:2007/01/18(木) 09:05:33 O
喪板スレ復活してたんだ…
VIPの姉妹スレって扱いだったから嵐がそっちに出張ってたんだよな
21ほんわか名無しさん:2007/01/18(木) 09:23:45 O
確かに2ちゃんねるに最初に素直クールを持ち込んだのはVIPだけど、
今や素クールは属性として十分広まってるわけだし、
やたら他板の素クールスレに連帯意識みたいなものは持たない方がいいかもね
22ほんわか名無しさん:2007/01/18(木) 09:26:31 0
>今や素クールは属性として十分広まってるわけだし、
>今や素クールは属性として十分広まってるわけだし、
>今や素クールは属性として十分広まってるわけだし、
>今や素クールは属性として十分広まってるわけだし、

お前はすごいやつだw世界が>>21みたいな楽観主義者でいっぱいになって平和になりますようにwwwwwwww
23ほんわか名無しさん:2007/01/18(木) 12:40:24 0
『素直クール』でググってみると、13万ヒット。
また、『現代用語の基礎知識2007』(自由国民社 刊)にて、キーワードとして掲載。

けっこう広まってるとは言えるんじゃないか。
24ほんわか名無しさん:2007/01/18(木) 12:41:01 0
h
25ほんわか名無しさん:2007/01/18(木) 12:45:37 O
それだけ広まってるのに何故これだけ過疎なのは何でなんだろうな…
やっぱネタ切れなのかなぁ
26ほんわか名無しさん:2007/01/18(木) 12:52:47 0
ツンデレだと200万ヒットだな
27ほんわか名無しさん:2007/01/18(木) 13:52:19 0
>>26
なんでか、漏れのグーグル様によると
ツンデレは、450万ヒットだったwww

いつ、黒メガネの某司会者がお昼の番組で言ってもおかしくない。
もう広まってるとか、流行を通り越して、古い言葉になりつつあるとも言える。
28ほんわか名無しさん:2007/01/18(木) 14:26:12 O
>>27
既知ってやつだな。
まぁ、あれだ。

ツンデレ→悪い言い方だが番茶
貴重な茶葉が大量生産され一般化しすぎた
香りも旨味も薄く広がりすぎている

素直クール→隠れた名茶
飲んだ人だけがよく分かる
しかし、徐々に口コミが広がり一部雑誌で取り上げられたりしつつある

ついでにシュールは見た目・薫り・味どれを取っても魔化不思議。
ヒートはホット専用。
29ほんわか名無しさん:2007/01/18(木) 14:37:10 0
どちらかというと、

素直クール→頑固親父のラーメン屋
居心地が悪いのではやらない
「まずい」と言うやつ=味の分からないやつ。作る親父の味覚が絶対で一番偉い

もしくは
地方のトンデモ郷土料理
地元民しか食わない。地元民はうまいうまいと言うが、外から来た人にはとても食えたモンじゃない

かなあ。
なんにせよ、素直“かつ”クールと、的を狭い方狭い方へ絞ってるからネタが尽きやすい。ほの板でやるなら、もう少し広義に解釈していろんな素直クール書いた方がいいかもね。
馴れ合いカテゴリの板だから、少々ずれても文句言うやつはいないだろうし。
30ほんわか名無しさん:2007/01/18(木) 14:52:05 0
総合スレに【素直ツンデレ】ってのを書いてみたwwwwww
http://human6.2ch.net/test/read.cgi/honobono/1167739235/196
31ほんわか名無しさん:2007/01/18(木) 16:12:04 0
>>1

素直クールとは
・厳密な定義は無いので、後は各人のイメージで

ガイドライン的なもの
・気楽に投下しよう

今まで、色んなことに過剰反応しすぎだったと思うんだ。

このスレではあんまり難しいこと考えずに気楽に行こうよ。気楽に。
32ほんわか名無しさん:2007/01/18(木) 16:26:50 0
一つアイディアがあるんだが……

ネタが尽きかけてるんなら、いわゆる「どこかで見た設定・話」
っていうのを、パロディとしてやっちゃえばいいんじゃないか?

例えば、映画やドラマなんかの名シーンの
登場人物を、クーと男にして作り直すとか
33ほんわか名無しさん:2007/01/18(木) 19:29:01 0
パロディも新鮮さがあっていいな
ただお題という昔ながらのシステムも生かしたいな

■お題/性格ジェネレーター
http://udonkari.run.buttobi.net/

とりあえずジェネレータで出てきたお題を
つ【遊園地/図書館で 「君は思慮が足りないな」と からかわれる】
34ほんわか名無しさん:2007/01/18(木) 21:15:49 0
>>33 遊園地で「君は思慮が足りないな」とからかわれる

男「やー楽しかった。さて、そろそろ帰る?」
ク「ふむ、最後にあれに乗っていかないか?」
男「観覧車……クー、だから俺高いところダメだって」
ク「どうしてもダメか?」
男「ん〜……なんでそんなに乗りたいのさ?」
ク「当ててくれたら乗らなくてもかまわないよ?」
男「えぇ? ……///」
ク「なにを赤くなっている?」
男「わかった……ず、ずばり!! 観覧車でキスがしたいからだっ!!///」
ク「はずれ……正解は観覧車から夕日が見たかったから」
男「……///」
ク「ふふ、キミは思慮が足らないな。というか、したかったのか? キス」
男「う、うるせい! 違うよ///」
ク「まぁいい、観覧車はあきらめよう」
男「え……いいの?」
ク「その代わり、キスはしてもらうぞ」
男「あの……帰ってからだよね?」
ク「ここで。今すぐ」

>>32 パロディやってみたい……
元ネタをお題としてもらうっていうのは甘えすぎかな?
35ほんわか名無しさん:2007/01/18(木) 21:20:05 0
つ【お金がない!】
36ほんわか名無しさん:2007/01/18(木) 22:45:16 0
>>34
GJ!
37ほんわか名無しさん:2007/01/19(金) 00:08:03 0
男「お? クーiPod買ったの?」
ク「NO MUSIC NO LIFE」
男「……言いたかったんだな」
ク「人生で一度は言ってみたい台詞ベスト8だ」
男「そ、そうなのか?」
ク「〜♪」
男「ま、楽しそうでなにより」
ク「……?」
男「?」
ク「……??」
男「どしたん?」
ク「電源の落とし方が……わからない」
男「……」
ク「スイッチはどこだ?」
男「……機会オンチ……」
38ほんわか名無しさん:2007/01/19(金) 01:54:30 0
男「……悪かったって」
ク「ダメだ。許さない」
男「いいじゃんかあれくらい」
ク「楽しみにしていたのに……私のプリン……」
男「反省してますって」
ク「じゃあしばらく正座していろ」
男「うぅ、この歳になって正座させられるとは……」
ク「……」
男「……何してるんだ?」
ク「いや、せっかくだから膝枕をと思って」
男「……」
39ほんわか名無しさん:2007/01/19(金) 02:07:17 0
投下が増えてきて嬉しい

ク「突然だが男よ。最近、何かほのぼのした行為をするべきという気がしてきたんだ」
男「本当に突然だね。だけど、僕たちは昔からほのぼのとしていると思うんだけど」
ク「いや、男よ。常日頃の私の求愛行動に対して君は消極的だ」
男「でも、それはほのぼのとは違うんじゃ…」
ク「もっと積極的にならないと災厄が訪れるかもしれないという噂を聞いた」
男「いくらなんでもそれは嘘じゃないかな」
ク「その災厄を避けるためには私と君がもっと積極的に愛し合う必要がある。私は大
  丈夫だが、君は多少こういうことになると消極的だから心配なのだ」
男「だけど、その災厄って言うのは何なの?」
ク「君は知らないのか。我々が積極的に愛し合わないと、しまっちゃうおじさんがやっ
てきて私たちをしまっちゃうんだ。そんなのはいやだろう?そうであれば、早速ベッド
でそういう行為を…」
男「クー。それはほのぼのじゃないよ。僕が騙されやすいって評判でも、いくらなん
 でもそれは無理があるよ」
ク「むう。やはり騙されなかったか。しかし、男よ。騙してすまなかった。どうか機嫌
を直して欲しい。何でも好きなことをするぞ」
男「いや、別にいいよ。機嫌は悪くなって無いよ」
ク「いや、私の気が済まないんだ。…よし。私が一緒にデートをしてあげよう。今日
は君の好きなようにしてかまわないから」
男「え…。デートはいつもやっているじゃないか」
ク「デートはいやかね?」
男「いやどころか、むしろ嬉しいけど、///…そんな上目遣いでじっと見ないでよ。ど
きどきしてきたじゃないか」
ク「君が喜ぶと思ってそうしたのだが。だめかね」
男「嬉しいけど、余り心臓に良くないよ」
ク「何かあれば、私がマウストゥマウスで人工呼吸をしてあげるから安心したまえ。
じゃあどこでデートをしようかね?」
40ほんわか名無しさん:2007/01/19(金) 02:19:57 0
とてもGJ!
41ほんわか名無しさん:2007/01/19(金) 09:59:49 O
素直クールな姉ちゃん

「じゃ姉ちゃん、俺風呂入るから。先寝てていいよ」
「わかった。おやすみ」
「おやすみー」

--オフロオフロ--

「ふいー……あれ」
(姉ちゃんまた電気付けっぱなし……最近多いなあ。姉ちゃんらしくもない)
パチン

「……おやすみ、姉ちゃん」

--翌朝--

「うぅ、さぶっ……おはよう姉ちゃん」
「おはよう」
「姉ちゃん、昨日も部屋の電気消さなかっただろ。最近多いよ?」
「ああ……すまなかった。わざとだ」
「ええ!? 何でんなことすんのさ!」
「何でってそりゃお前…………」

「……そうすれば寝る前に、お前が部屋に来てくれるから」
「えっ!?」

「さあ、突っ立ってないでここに座れ。もうパンが焼ける」
「え、う、うん………………」
(んなこと言われたら怒れないよ…………)
42ほんわか名無しさん:2007/01/19(金) 10:29:18 0
なんか素直クールの新たな可能性が次々と拓けていくな
ほの板に来て本当によかった
43ほんわか名無しさん:2007/01/19(金) 17:50:45 0
勢いはないが、これはこれで悪くないな
つっても本スレから保守抜きゃこんなもんか
44ほんわか名無しさん:2007/01/19(金) 21:13:46 0
なんだかんだ言っても常に投下できる場所があるのはいいな
みんなGJ!
45ほんわか名無しさん:2007/01/19(金) 21:57:20 0
男「なぁクー、俺のケーキ知らない? とっといたんだけど」
ク「し、知らん」
男「ホントに?」
ク「キ、キミのショートケーキなど私は知らんぞ」
男「(嘘が下手だなぁ……)まぁ、いいか」
ク「ほっ」

―――

ク「男、キミの言っていたケーキとはこれのことか?」
男「……」
ク「冷蔵庫の奥の方にあったんだ」
男「(お菓子作りもヘタクソ……)」
ク「さぁ、ぞんぶんに食べるがいい」
男「お、おう」
ク「うまいか?」
男「おう、うまい」
ク「ホントか? うむ、がんばったんだ」
男「あ……」
ク「あ……」
46ほんわか名無しさん:2007/01/19(金) 23:48:32 0
こんなところにあったのね…。
書くのやめてた長編、また書き始めてみるわ。
47ほんわか名無しさん:2007/01/20(土) 00:08:27 0
素直クールの避難所2
http://yy17.kakiko.com/test/read.cgi/sucool/1169048301/

一応貼っとくね。
48ほんわか名無しさん:2007/01/20(土) 01:36:53 0
クー「ぐぐっ…朧め、弦之介を殺すとはなんて奴だ」
男「仕方ないんじゃない?『愛し合う運命。殺し合う宿命』ってのがテーマなんだし」
クー「納得いかん。そこは『愛し合う運命』だけで十分ではないか」
むふー。
男「落ち着いて、クー。鼻息が荒くなってるよ」
クー「朧はバカ者だな、愛している者に刃を向けるなど話にならん」
男「でも朧のおかげで伊賀と甲賀の民が守られたんだしさ」
クー「私は…私なら…」
ギュッと男を抱きしめるクー。
クー「男を…男だけは守ってみせる。例えどんな大きなものを敵に回しても」
男「クー…」
クー「私には男が必要なんだ」



男「ところでいつまで抱きしめるの?」
クー「もうちょっとだけ」
男「結構長いじか…」
クー「男、愛してるぞ男」
男(クーと見る映画はハッピーエンドでなきゃだめだな……)
49ほんわか名無しさん:2007/01/20(土) 01:42:35 0
お題を消化。2レスほど使わせてもらうよ
つ【お金がない!】1/2

ク「我が大学食堂の食事はうまいな。…ふぅ、満腹だ。会計を済ませて、研究室に戻って
研究の続きをやるかな。…む、あれは男だ。レジのところで何をやっているのだ」
男「ああ。どうしよう。財布をゼミ室においてきちゃったみたいだ。お金が無い。あの、すい
ません。お金をゼミ室に置いてきてしまったみたいで…」
店員「困りますよ。お客さん。何か身分証とか無いですか」
男「あの、その、学生証も財布の中にあって…ええと僕は教育学部…」
ク「店員さん。彼は私の連れだ。私とあわせていくらになるかね」

------------------------------------------------------------------------

男「ありがとう。もしクーがいなかったら面倒なことになっていたよ」
ク「はは。君は本当におっちょこちょいだな。財布をゼミ室に忘れるなんて」
男「面目ないよ。でもクーのおかけで助かったよ。本当にありがとう」
ク「こんなことでも君の役に立てて嬉しいよ。じゃあ理工学部のビルはこの先だからな」
男「待ってよ。今、財布を取ってくるから」
ク「どうせ今日も一緒に夕御飯を食べるんだからそのときにでも渡してくれれば良い。
じゃあ、また後でな。今日も腕を振るうぞ。楽しみに待っていてくれたまえ」
50ほんわか名無しさん:2007/01/20(土) 01:43:17 0
2/2

男(昨日のクーの手料理はおいしかったな。そんなこと考えてたらお腹がすいてきたよ)
男「そろそろ、お昼なんで食事に行ってきます」
友人「お前、昨日、机の上に財布を忘れただろう。今日は忘れるなよ」
男「今日は忘れずに持っていくよ。あんな恥ずかしい思いはごめんだからね」
(コンコン)
男「誰かな?どうぞ、開いてますよ」
ク「男よ。君が食堂では恥ずかしい思いをしなくてすむように弁当を作ってきたぞ」
男「///…クー。皆がこっちを見ているよ…」
ク「見たまえ。君の好きな卵焼きも入っているし、このハートマークはでんぶで…」

----------------------------------------------------------------------

男(ああ…ゼミ室に戻ったら皆に言われ続けるんだろうな…。でもおいしいな)
ク「男よ。おいしいか?」
男「すごくおいしいよ。やっぱりクーの手料理は最高だね」
ク「喜んでくれて嬉しいぞ。これから毎日作るからな。楽しみに待っていてくれたまえ」
男「これからはゼミ室に直接じゃなくて、できれば…」
ク「君の好きなケーキもデザートとしてもってきたんだ。明日も楽しみだな。男よ」
51ほんわか名無しさん:2007/01/20(土) 01:45:28 0
【お金がない!】はとりあえず終わり

>>48
映画にも真剣になるクーはかわいいな。GJだ!
52ほんわか名無しさん:2007/01/20(土) 07:58:15 0
>>50
日常の素直クールって感じで凄くいい
53ほんわか名無しさん:2007/01/20(土) 08:21:44 0
ああそうか。素直クール側のキャラ付けが狭くなる分、男のキャラを多彩にすればいろいろ書けるんだな。
板を変えるだけでこんなに多くの発見があるとは思わなかった。全ての書き手にGJを!
あとは絵師さんが帰ってきたり新規で増えたりすれば盤石なんだけどなあ。
54ほんわか名無しさん:2007/01/20(土) 08:59:55 0
まあ、ほの板らしく、ゆるゆるいこうよ
55ほんわか名無しさん:2007/01/20(土) 10:29:01 0
56ほんわか名無しさん:2007/01/20(土) 11:52:09 0
二つほど借りますー

クー「では、試験頑張って来てくれ。」
男「う、うん・・・。(多分、だめだろうなぁ・・・)」
クー「・・・・・・」
男「・・・・・・」
クー「・・・昔、こんな少女がいたんだ。」
男「え?」
クー「彼女はある人を好きになった。けれど、ある人には既に好きな人がいたんだ。」
男「・・・。」
クー「周りの友人達に相談したところ、彼女は諦めるように言われたんだ。それに、彼は
貴女には相応しくないとな。」
男「・・・それで、彼女はどうしたの?」
クー「・・・どうしたと思う?」
男「・・・諦めた?」
クー「違う、彼女は諦めなかった。そして、彼に振り向いて貰えるように努力しつづけた。
万に一つでも可能性があるならとね。」
男「・・・」
クー「・・・そして、彼女は彼を振り向かせた。周りに諦めるようにいわれていようが努力し
た彼女は彼女自身を信じた結果、自分自身の望みを叶えたんだ。」
57ほんわか名無しさん:2007/01/20(土) 11:54:58 0
男「クー・・・」
クー「いいか、君は努力してきただろう?進路指導の教員がなんていったかは知らない
が、君はそれでも頑張ってきただろう?もし頑張ってないと思うなら、私は怒るぞ。
君は頑張ってきた。間違いない事実なんだ、それは。それを否定して、自分を信じる
のをやめないでくれ。」
男「・・・」
クー「だから・・・いつものように笑って、いつものように行ってきてくれ。」
男「・・・うん、任せておいて。」
クー「うん、それでこそ私が好きな男だ(ちゅっ」
男「!?」
クー「なに、勇気のでるおまじないだ。」
男「だ、だからってこんな会場の目の前d」
クー「私は君とキスをするたびにいつも何か暖かいものを貰っている。今度は私が君に
何かを上げられればと思ったんだが。」
男「く、クー・・・(*ノノ」


受験シーズンってことでクーデレ好きな受験生にプレゼントしてみる。
オチ?そんな上等なもの用意できるはずg(ry
ほの板に移転してたのをきづかなかったのは秘密だぜ
58ほんわか名無しさん:2007/01/20(土) 15:36:42 O
GJ!!!
59ほんわか名無しさん:2007/01/20(土) 16:43:21 0
SSに関する技術的なアドバイスっている?
感想みたいなものだけど

小説板じゃないんだからいらない?
60ほんわか名無しさん:2007/01/20(土) 19:29:58 0
欲しい人はその旨明記して投下、その人にはアドバイスを
別にいらん人はそのまま投下、その人には無しで、でいいでしょ、萌えスレだし
61ほんわか名無しさん:2007/01/20(土) 20:22:09 0
なしでいいよ
VIPでもそうやって分けてみたけど、結局全部を批評する人が出てきて荒れたし
62ほんわか名無しさん:2007/01/20(土) 20:41:12 0
男「う〜ん、前髪がうざったい」
ク「ふむ、確かにちょっと伸びすぎだな」
男「切るか」
ク「切るのか?」
男「いや、ハサミもってスタンバってる所申し訳ないがな」
ク「む?」
男「普通に切りにいくから」
ク「……むぅ、何故だ?」
男「なんかオチが見えるから」

―――

男「ただいまぁ。やーすっきりした」
ク「男……切りすぎた」
男「そう? ちょっと短くしすぎたかな?」
ク「違う……私の前髪」
男「……なにをやってるんだ……」
ク「私も散髪ぐらい出来るというところを見せようと思って」
男「……」
ク「やっぱり変か?」
男「ふむ……まぁいいんじゃない? 女の子らしくて」
ク「本当か?」
男「うん、かわいいんじゃない?」
ク「そうか。うむ。ふふ」
男「(あ、ちょっと喜んでる)」
ク「では、今度から男の髪も私が――」
男「断る」
631/2:2007/01/20(土) 20:53:09 O
うちの素直クールはわがままなようです

「雨だな」
「ああ」
「傘は」
「ある」
「じゃ、帰るか」
「待て」
「なに?」
「君はさすな」
「………………何で」
「相合傘だ。相合傘」
「えー結構降ってるぞ」
「一度やってみたかった」
「……こりゃ聞かねえな…………」
ばさっ
「さあ、入れ」
「…………へいへい」

642/2:2007/01/20(土) 21:01:51 O
--ピチピチチャプチャプランランラン--

「……どう、相合傘は」
「……………………」
「…………くー?」
「ん…………あぁ。悪くない」
「そう。大丈夫? 濡れてない?」
「うむ…………」
「…………………………」
「…………………………」
「…………………………」
「………………やっぱり嫌だ」
「何が」
「男、傘を出せ。君のを」
「何で」

「肩を寄せ合っているだけなんて嫌だ。
手をつないでる方がいい」
「………………」

「さあ、早く。」

「…………へいへい。」
65ほんわか名無しさん:2007/01/20(土) 23:42:35 0
イイ!!
66ほんわか名無しさん:2007/01/21(日) 01:02:11 0
GJ!
67ほんわか名無しさん:2007/01/21(日) 13:03:04 O
ここに居たのか!我が愛しの素直クールは!
ほの板初めてだけど、これからよろしく。
68ほんわか名無しさん:2007/01/21(日) 14:40:56 0
男「クー、コーラの缶なんか見つめてどうしたんだ?」
女「ふと飲みたくなって買ったのだが、どうにも飲みきれなくてな……」
男「あー、今500mlしか売ってないしな。捨てるしかないんじゃないか」
女「物を粗末にするわけにはいかない。それに口をつけてしまったから誰かに分ける事もできない。どうしたものか」
男「そうか……クー、ちょっと貸して」
女「あぁ」
男「(ゴクゴクゴク)」
女「何をしている!? 汚いぞ!?」
男「ん、うまかった」
女「うまかったじゃないだろう……雑菌がついているかもしれないじゃないか」
男「クー、今俺とキスは出来るか?」
女「愚問だな。出来れば人目がついていない場所のほうが望ましいが」
男「だろ? なら別にこれを飲んだって大丈夫じゃないか」
女「なるほど……君は頭がいいな」
男「そういう事だ。って、なんで腕を引っ張るんだ?」
女「キスをするのだろう? 君からそういう言葉を聞けるとは思ってもいなかった」
69ほんわか名無しさん:2007/01/21(日) 18:23:51 0
ク「具合はどうだ?」
男「うん、だいぶ楽になったよ」
ク「ふむ、熱は下がったようだな」
男「ん、もう大丈夫」
ク「そうか、よかった。しかし、今日までゆっくりしておいた方がいい」
男「そうだね」

ク「ほら、リンゴだ」
男「ありがと……いや、クー? 何してんの?」
ク「それはこっちの台詞だ。何を自分で食べようとしている」
男「え? いや……」
ク「こういう時は私が食べさせてあげるというのが決まりだろう」
男「き、決まりなのか?」
ク「決まりなのだ……ほら」
男「……」
ク「ん? 顔が赤いぞ? また熱が出てきたか?」
男「ち、違うよ/// 大丈夫。もう寝るね」
ク「ああ、暖かくしてな」

男「うぅ……寒……ん?」
ク「スー……」
男「クー!? あ……毛布……取られとる……」
ク「んむ……暖かいか? 男……スー……」
男「まぁ……いいけどさ」
70ほんわか名無しさん:2007/01/21(日) 18:54:32 0
安定して投下されていてうれしいな
書き手の皆GJ!
71ほんわか名無しさん:2007/01/22(月) 01:01:29 0
3レスほど借ります。
72ほんわか名無しさん:2007/01/22(月) 01:02:02 0
1/3
七時二十八分――目覚し時計が鳴る二分前。
7:28といデジタルの数字を見て、今日は寝坊せずにすんだと安心して
もう一度だけ目を閉じる―――

瞼を開けた時、目の前にあったのはクーの顔だった。

男「うわっ!? クー!?」
ク「おはよう。さっさと仕度しないと遅刻するぞ?」
男「え……ああぁぁ!! もうこんな時間!?」
ク「毎朝慌しいな、キミは」
男「いや! 今日は七時半にちゃんと起きて……」

また二度寝してしまったのだ。
クーは毎朝僕を迎えに来てくれる。
いや、正確には起こしに来てくれるかな。
毎回毎回起きるとクーの顔が近くにあるのは嬉しいような恥ずかしいような――
まさか落書きとかしてないだろうなって聞いてみたら、すごく恥ずかしい答えが返ってきた。

彼女は感情表現がストレートだ。
73ほんわか名無しさん:2007/01/22(月) 01:02:34 0
2/3
ク「朝食作っておいたから」
男「毎朝ごめんな、ありがと」
ク「ん」
男「ところでさ……」
ク「ん?」
男「着替えたいんだけど」
ク「着替えればいい」
男「……いや、そうじゃなくてさ」

クーはこういうことには無頓着というか
普通の女の子なら恥ずかしがるようなことでは恥ずかしがらない

男「いただきます」
ク「うむ」

朝食作っておいたから――なんて言うから
料理が得意そうに聞こえるけど、今僕の目の前にあるのは
トーストと目玉焼きと野菜ジュース。
ちょっと焦げた目玉焼きを、サニーサイドアップが作れるんだぞって
得意げに言ってるところからすると、たぶん料理は得意じゃないんだろう
74ほんわか名無しさん:2007/01/22(月) 01:03:07 0
3/3
クーは小さい。

男「なんで自転車でこなかったんだよ?」
ク「私が出る時は歩いてでも間に合う時間帯だったんだ」
男「ぐ……」
ク「キミが起きていれば、ゆっくり歩いて行けたんだが?」
男「だぁ〜! わかったよ! 文句言わずに漕ぎます!!」
ク「ふふ、よろしい……それに私はここが好きなんだ」

見た目は中学生って言っても大丈夫なんじゃないだろうか?
そんな外見とは裏腹にすごくしっかり者で、僕は彼女に頭が上がらない。

ク「ほらほら、しっかり漕がないと遅刻してしまうぞ」
男「さ、坂道なんだから無茶言うな!!」

慌しい朝
少し焦げた目玉焼き
素直でクールな彼女が、少し嬉しそうな自転車での道

毎日が、こうだといいなと思う。

ク「いやいや、明日は寝坊せずに起きるんだぞ?」
男「あ……はい」
75ほんわか名無しさん:2007/01/22(月) 01:04:15 0
終了です。
お粗末さまでした。
読んで下さった方、ありがとうございます。
76ほんわか名無しさん:2007/01/22(月) 01:29:04 0
これはGJとしか言いようが無い
77ほんわか名無しさん:2007/01/22(月) 01:32:43 0
朝弱い自分からすればこんなクーはまさにGJ
78ほんわか名無しさん:2007/01/22(月) 21:24:06 0
GJだな
ちょっと今から朝弱くなってくる
79ほんわか名無しさん:2007/01/22(月) 23:04:54 O
これはGJだろ、常識的に(ry
80ほんわか名無しさん:2007/01/23(火) 01:19:48 O
>>75
GJとしか言いようがない!!!
81ほんわか名無しさん:2007/01/23(火) 23:43:24 O
うはwGJwww
82ほんわか名無しさん:2007/01/24(水) 02:27:36 0
3レスほど使わせてもらうよ
つ【クーが男、男がクー】
83ほんわか名無しさん:2007/01/24(水) 02:29:19 0
1/3

男「だからね。駅前のケーキ屋はおいしいんだけど、変に高級臭が漂っているし、いわし堂
はやや甘さが勝ち過ぎてる。やっぱり、いるか堂が一番おいしいと思うんだ」
ク「確かにな。しかし、君のケーキに対する情熱とその評価は一級品だな。敬服するよ」
男「帰ったら一緒にケーキの試食会をしようね」
ク「うむ。実に楽しみだな。……?男、危ない!」
男「…え?」
(ドンッ)(ガチャン)
ク「大丈夫か。いきなり外壁のタイルが落ちてくるとな。建物の修繕を大学の施設課に要求
  せねばな。ん…?なぜ私が目の前にいるのだ?」
男「大丈夫だけど。いきなり突き飛ばされてびっくりしたよ。…あれ?何で僕が目の前に?」
ク「つまり…これは…、私が男で、男が私で、ということか」
男「僕とクーが入れ替わっちゃってこと?」
ク「これは興味深い現象だ…」
男「興味深いより、これって大変なことだよ!どうしよう?クー…」
ク「今考えている。少し待ってくれ…」
教授「おお。クー君探したよ。現在研究中のテーマについてぜひ君の意見を聞きたくてね」
男(外見はクー)「すいません。僕はクーじゃ…」
教授「何を言っているのかね。誰が見てもクー君だぞ。さあ研究室に戻るぞ」
ク(外見は男)「男が連れ去られていってしまった…。しかし、本当にどうするべきかな」
友人「ゼミ室にいないから、探したんだぞ」
ク(む…。確か男と同じゼミの奴だな)
友人「レポートに使うからお前の持っている資料をコピーさせて欲しいんだ。ゼミ室にある
んだろ?」
84ほんわか名無しさん:2007/01/24(水) 02:32:59 0
2/4

男(どうしよう…。何か教授が言っているけど。全然分からないや…)
教授「…ということで、この部分をアシル化するのはうまくいっている…。…で、ここから先
のプロセスがうまくいかないんだ。この設計図を見て欲しいんだが…」
男(何か難しそうな図を出してきたよ。理科を真面目に聞いていればよかったなぁ…)
教授「ぜひ、この問題について、クー君の率直な意見を聞きたい」
男「…えっ!(変な事言ってクーに迷惑かけるわけにもいかないし…。そうだ!この図の変
な記号について質問をしよう。うまくいけば、質問の答えだけで時間がつぶれるかも)」
教授「さすがの君でも悩む問題かな?思いつきだけでもいいから、意見か欲しいのだが…」
男「ええと…。質問があるのですが…。ここにある四角の記号についてなんですが…」
教授「このバルブかね…。これはだな…ん?うーむ…むむ…これは…?」
男(何かまずいこと聞いちゃったかな?緊張で汗が止まらないよ)
教授「うーむ…。やはり君は素晴らしいな。わずかあの時間だけで、このプロセスの問題を
発見するとは」
男(何があったんだろう。でもうまくいったみたいで良かった)
教授「おや、クー君。汗がすごいな。体調でも悪いのかね。こんな時間まで拘束してすまな
かったね。今日は帰って休みたまえ」
85ほんわか名無しさん:2007/01/24(水) 02:33:37 0
3/4

友人「資料を貸してくれて悪いな。今度何かおごるからな」
ク(しかし、これでは愛する男の顔が見れないな。どうするべきか…)
友人「お前日頃からボーっとしているけど、特に今日はどうしたんだよ。もしかして、あの
彼女について考えているんじゃないのか?」
ク(対策を考えるにしても、一回研究室に戻る必要があるか…。…ん、彼女?)
友人「ははは。また、いつものように照れちゃうのかよ。この幸せ者」
ク「確かに私は幸せ者だな。彼…じゃなかった…彼女に愛されているし、今現在も彼…じゃ
なかった…彼女のことを考えてているからな」
友人「お前どうしたんだ!日頃なら照れて、否定するくせに。熱でもあるんじゃないのか?」
ク「私はいたって正常だが」
友人「じゃあ聞くぞ。お前、あの恋人のことはどう思っているんだよ?」
ク「私は恋人のことを熱烈に愛している。たとえどのような障害があろうとも私は乗り越え
てみせる。私たち2人はどんなときでも一緒だと思っている」
友人「普段なら照れて黙り込む奴が、今日はクールに答えている…。お前…変わったな…」
ク「ん…。私はいつもどおりだが」
86ほんわか名無しさん:2007/01/24(水) 02:34:37 0
4/5

男「このままだったらどうしよう。今日はうまくいったけど…。あ、クーだ」
ク(元に戻す方法か…。むぅ。なかなかいいアイデアが思いつかないな…)
(プップー)
男「クー!危ない!」
ク「む…」
(ドンッ)
男「クー。大丈夫?僕がいえることじゃないけどボーっとしてちゃいけないよ。車にひかれ
るところだったよ」
ク「すまない…。元に戻す方法を考えていたんだが…。ん…?目の前にあるこの顔は、私の
愛する男の顔だ!」
男「このかわいい顔は…クーの顔だ!元に戻ったんだ!」
ク「うーむ。もう少しこの状況を考察してみたかったのだが…」
男「僕はもうごめんだよ。これで一件落着じゃないか」
ク「そうだな。じゃあ、約束どおり、ケーキの試食会を一緒にしようか。…ところで、つい
さっき私の顔をかわいい顔と言ったな」
男「えっ…そんな事を僕、言ったかな…///」
ク「ふふ。やはり元に戻って良かったよ。その照れた顔を見れるのだからな」
87ほんわか名無しさん:2007/01/24(水) 02:35:19 0
5/5

ク「しかし、昨日は大変だった。…あ、教授、おはようございます」
教授「クー君。体調はどうだね。しかし、君は実に素晴らしいよ。行き詰っていたあのテー
マが君の昨日の指摘で全てうまくいったよ」
ク「昨日…?」
教授「どうしたんだね。まさか、昨日のあの素晴らしいアイデアを覚えてないのかね?しか
し、君は素晴らしいね。これからも期待しているよ」
ク(まさか、男に理系の適正もあったとはな。さすが、私の愛する男だ。)
----------------------------------------------------------------------------------
男「みんな、おはよー」
友人「おう。今お前の話題でゼミが持ちきりだぜ」
男「え…。どうしたの?僕、何かしたっけ?」
友人「何とぼけてんだよ。じゃあ聞くけどな、お前、あの彼女のことどう思っているんだよ」
男「彼女ってクーのこと?」
友人「彼女の事好きなんだろう?いつも考えているんだろう?」
男「ええっ…///」
友人「昨日言ったみたいにな…あれ…いつも通り、こいつ照れているぞ。おかしいな?」
88ほんわか名無しさん:2007/01/24(水) 02:39:39 0
終わり
3レスで終わるはすが本文の長さの関係で5レスになってしまった
ということで
1/3→1/5
2/4→2/5
3/4→3/5
に訂正する。本当にすまない
89ほんわか名無しさん:2007/01/24(水) 07:25:17 O
GJ!!
90ほんわか名無しさん:2007/01/24(水) 08:22:00 O
こいつはGJ!!
91ほんわか名無しさん:2007/01/24(水) 10:49:13 0
たまには男っぽい口調以外の素直クールも見たい。
92ほんわか名無しさん:2007/01/24(水) 10:52:57 O
>>91
つ【自分で書く】
93ほんわか名無しさん:2007/01/24(水) 18:59:39 0
口調変えるのって結構難しいよな。
男口調じゃなくすると「素直で普通の娘」になっちゃうんだよなw

描写を詳しくするとかすればいけるのかな?
ちょっと挑戦してみる。
94ほんわか名無しさん:2007/01/24(水) 22:12:48 0
敬語とか、クールビューティーなお姉さま風とか色々あると思うけどね。
それだけで素直クールにバリエーションが出たりする。
95ほんわか名無しさん:2007/01/24(水) 23:04:45 0

飲んで気分が悪くなった素直クール
 
「クーさん、大丈夫?」
「う・・ん、大丈夫・・・・・たぶん。」
「クーさんって酒よわいんだね。」
「うん。・・・そんなに飲んだこと無いから。」
「そうなんだ。けっこう強そうなイメージあるけど。」
「・・・・・よく言われる。でも、実際はこの通り・・」
「へぇ〜・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・(やばい、話題が思い浮かばない・・・)」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・(・・・なんか変な間だ。頑張れおれ!なんか話題を考えろ!)」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・男くん。」
「はいっ?」
「その・・・・・みんなの所に戻らないでいいの?私は・・大丈夫だから。」
「えっと・・・その、うん。大丈夫。」
「・・・・なんで?」
「なんでって・・・その、やっぱり心配だからさ・・・・」
「・・・・・・・・・そっか。」
96ほんわか名無しさん:2007/01/24(水) 23:05:22 0
「うん・・・」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・(あぁ〜、会話しろっての!俺のバカ!)」
「・・・・・・・・・・ありがとう。」
「えっ?」
「・・・・・・男くん。ひとつ頼んでもいいかな?」
「あっ?・・あぁ!うん!もちろん!・・・なに?」
「水が飲みたい。」
「わかった。いま持ってくる。」
「あと・・」
「あと?」
「水を持ってきたら、もう少しの間そばにいて欲しい。」
 
 
おしまい
97ほんわか名無しさん:2007/01/24(水) 23:12:00 0
>>96
言われてえええぇぇ
98ほんわか名無しさん:2007/01/24(水) 23:12:17 O
クー「会話の前に名前を入れると分りやすくなるぞ」
99ほんわか名無しさん:2007/01/24(水) 23:15:05 0
GJ
ちょっと酒に強くなるための訓練をしてくる
100ほんわか名無しさん:2007/01/24(水) 23:20:45 0
待て、酒に強くなったらクーに介抱されるフラグがバキバキになるぞ
101ほんわか名無しさん:2007/01/24(水) 23:29:42 0
普段はクーを介抱し、たまに酔ったフリをして介抱される…どうだね?
102ほんわか名無しさん:2007/01/24(水) 23:31:38 0
>>101
それだ!
103ほんわか名無しさん:2007/01/25(木) 01:13:56 O
>>101
鬼才現る!!!
104ほんわか名無しさん:2007/01/25(木) 12:00:28 0
女「男さん大丈夫ですか?」
男「うーん、いつもはこれくらいの量なら大丈夫なんだけど」
女「体調が悪かったんですね」
男「たぶんそうかな、先にお金払って帰ろうかな」
女「それでしたら私も帰ります。男さんが帰ってしまったらお話する人も居ませんし」
男「そうですか……うーん、それならもう少し居ます。後三十分くらいで解散でしょうし……」
女「横になった方がいいですよ。男さん少しふらついています」
男「そうですね、それじゃ……」
女「そっちじゃないです」
男「へ?(ぽふっ)」
女「硬い床では駄目です。嫌かもしれませんが、私の膝で我慢して下さい」
男「は、はい……」
105ほんわか名無しさん:2007/01/25(木) 13:03:54 0
>>104
うん、萌えた。
106ほんわか名無しさん:2007/01/25(木) 19:08:51 0
3レスほど使います。
107ほんわか名無しさん:2007/01/25(木) 19:09:25 0
1/3
いつも通りコンビニで朝食を買って――朝食といってもゼリー飲料だけど
バスに乗って学校へ着くまでの時間をボーっと過ごす。
坂の多い僕の町では自転車に乗ることなんて滅多になくて
19歳を過ぎた今でも、僕の周りには自転車に乗れない人が珍しくない。
学校も丘の上にあって、この時間帯のこのバスの中は学生ばっかりだ。
普通の学生は、バスを利用するのだ。自転車で登校することなんてない。
普通は。

ク「おはよう、男」

彼女はいつも僕より先に来ている。自転車登校のクセに。
いつも同じ席に座っていて、僕はいつも彼女の隣に座らせられるのだ。

ク「だって、好きな人が隣にいた方が楽しいじゃない」

たまには後ろの方で授業受けたいんだけどな、なんてことを言うとこれだ。
周りに人がいるっていうのにお構いなし。彼女は動じない。
一緒にいたいとか、好きとか、なんで何の恥じらいもなく言えるのか……
いつも顔を赤くするのは僕ばっかりで、彼女は無表情のままだ。
……そういえば、僕は彼女が笑っているところを見たことが無い。
108ほんわか名無しさん:2007/01/25(木) 19:09:56 0
2/3
無表情っていうのは、彼女の特徴の一つだ。
この前、学食で一緒に昼食をとっていた時のこと。
ラーメンフェアっていうのをやっていて――全国各地のラーメンが食べれるらしい。
僕は熊本ラーメン、彼女は尾道ラーメンを注文した。

男「うーん……ただの豚骨ラーメンだな。高速道路のパーキングエリアとかで売ってそう」
ク「そう? 私のはおいしいよ」
男「……じゃあもっとおいしそうな顔をするべきだ」
ク「美味しそうな顔って?」
男「え? いや、なんかこう……おいしぃ〜って」
ク「よくわかんない」
男「ぬぅ」
ク「それより男」
男「ん?」
ク「お水とってくるけど、いる?」
男「ああ、いや俺はまだあるから……って、あれ? 無い!?」
ク「飲んじゃった」
男「いつの間に……ってか自分の飲めよな」
ク「それも飲んじゃったんだもん」
男「そんなに喉渇いてたの?」
ク「んーん、舌やけどしちゃって」
男「……いつの間に」

彼女はとことん無表情だ。
109ほんわか名無しさん:2007/01/25(木) 19:10:29 0
3/3
金曜日はバイトもなくって、授業が終わるのも彼女と同じ時間だから、二人で一緒に帰ることになっている。
彼女が自転車で登校する理由……
彼女曰く
二人乗りで帰りたいから――だそうだ。
だったら、金曜日だけ自転車で来ればいいのにって言うと
毎日自転車で来たほうが、自然に見えるからだという。
いつもバス通学なのに、金曜日だけ自転車というのは不自然なのだそうだ。
変な所にだけは気を使うやつだ。

男「一緒に帰るだけならバスでもいいと思うんだけどなぁ」
ク「ダメ。こっちの方が楽しいもん」
男「そりゃ、クーは座ってるだけだから楽だろうけど」
ク「下り坂なんだから男だって楽でしょ?」
男「そ、そりゃそうだけど……じゃあ、たまにはクーが漕いでよ」
ク「ダメ。ここは私の特等席なんだから」
男「へいへい」

彼女を後ろに乗せてる間、彼女は少しだけ――本当にほんの少しだけ、普段よりおしゃべりになる。
いつも無表情な彼女。
緩く長い坂を下って行く間、彼女はどんな表情をしているのだろう。
110ほんわか名無しさん:2007/01/25(木) 19:12:20 0
終了です。
話題に上がっていたので、ちょっとクーの口調を変えてみました。
111ほんわか名無しさん:2007/01/25(木) 19:17:30 0
よく考えたら態度はクールで愛情は大胆にが素直クールなんだから、
積極的に迫ってくるクールなお姉様も実は素直クールなんだろう。
112ほんわか名無しさん:2007/01/25(木) 19:35:27 0
>>110
うまいな
GJ
113ほんわか名無しさん:2007/01/25(木) 20:43:18 0
>>104
酒が弱くなるにはどうすればいいのでしょう?
>>110
いいなこの雰囲気
114ほんわか名無しさん:2007/01/25(木) 21:48:14 0
>>113
そこら辺の運動場とか道路で全力疾走。
10分くらいすると血圧上がってよい安くなるってウキウキウォッチングの人が言ってた。
金が無いときに安い焼酎でメロメロになるにはコレが一番だったって
115ほんわか名無しさん:2007/01/25(木) 21:51:47 0
>>113
ポカリ割とかオヌヌメ
116ほんわか名無しさん:2007/01/26(金) 04:43:29 O
>>113
っ ポン酒と洋酒のちゃんぽにんぐ、コレ。最強。
117ほんわか名無しさん:2007/01/26(金) 20:47:11 0
【金曜日だヨ】素直シュール【夢だけど】
http://ex17.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1169811432/
118ほんわか名無しさん:2007/01/26(金) 22:49:10 0
>>114-116
これで酒に弱くなることができる。みんなすまない
ということで次のステップなんだが
素直クールな女性を彼女を作るにはどうすればいいでしょう?
119ほんわか名無しさん:2007/01/26(金) 22:57:10 O
120ほんわか名無しさん:2007/01/26(金) 22:59:13 O
>>119
あれ?脳内に既にいr…


素直クールな彼女を作るんじゃなくて彼女を素直クールにすればいいじゃまいか
121ほんわか名無しさん:2007/01/26(金) 22:59:23 0
>>110
亀だがGJ! うまいな。

>>118
素直クールな娘は画面の中にしかいないよ……きっと。
122ほんわか名無しさん:2007/01/26(金) 23:24:54 0
映画好きな素直クール
 
 
男の部屋にて

女「・・・・」
男「クー、すごい映画に集中しているな・・」
女「・・・・・・・」
男「なぁ、ク・・」
女「男、ごめんね。後でにして。」
男「はい・・・」
女「・・・・・・・」
男(肩に手をまわしてもいいかな・・・?)
女「・・・・・」
男(・・・ええいっ、いったれ!)
女 パシッ!
男「いてッ!」
女「男、気持ちは嬉しいけど映画より男が気になっちゃうから今はダメ。」
男「はい・・・」
女「私も男とスキンシップがとりたいけど我慢しているの。」
男「はぁ・・そうなの」
女「でも、そのせいで余計に映画に集中できなくなっているのね。」
男「そりゃ大変だ。」
女「だからね、男、手をつなごう。」
男「んん?あぁ、わかった。」
女「よし!これで二人とも大丈夫だね。」
男「・・・まっ、これでもいいな。」
123ほんわか名無しさん:2007/01/27(土) 00:31:42 0
>>122
いやー素直クールって本当にいいものですね
124ほんわか名無しさん:2007/01/27(土) 01:05:56 0
>>123
誰がウマいこと言えとGJ
125ほんわか名無しさん:2007/01/27(土) 01:15:45 0
書きたいんだけどネタが思い浮かばない
誰かお題をくれないか

>>122
GJ
126ほんわか名無しさん:2007/01/27(土) 01:40:08 0
つ【お題ジェネレータ】 http://udonkari.run.buttobi.net/
127ほんわか名無しさん:2007/01/27(土) 02:13:22 0
>>126
ちょwwwwwどうがんばってもシュールになりそうなお題ばっかりジェネレイトしやがるぞwwwwwwwwww
128ほんわか名無しさん:2007/01/27(土) 02:27:54 0
お題
・こんな夢を見ました
・涙目の理由
・クールなのにクールになりきれない
・朝/昼/夜 素直クール時計
・あなたに一つだけ勝てないこと

どっかで見たようなものもあるかもしれんがヌルーしてくれ
129ほんわか名無しさん:2007/01/27(土) 13:13:41 O
つ【男は恋愛恐怖症なようです】
130ほんわか名無しさん:2007/01/27(土) 17:32:07 0
つ【涙目の理由】

男「…」
ク「どうした。男よ」
男「なんでもないよ」
ク「(む…。男の目が赤いぞ)…本当に大丈夫か?」
男「ちょっと疲れただけだから。大丈夫だよ」
ク(何か男に嫌な事があったのかもしれない…)
--------------------------------------------------------------------------------
友人「えっ?あいつに何か嫌な事があったかだって?」
ク「そうだ。男の友人の君なら何か知っていることがあるかもしれないと思ったのだが」
友人「確か、最近あいつため息をついてばかりだったな…」
ク「それは本当か。男に何があったのだ」
友人「うーん…。ごめん。ちょっとそこまでは良く分からないな」
ク「そうか…。すまない。時間をとらせてしまって」
友人「いや、力になれなくて悪いな。まあ、あいつの好きな甘いものでも持っていってやれ
よ。しかし、あいつも幸せ者だな。こんなに心配してくれる彼女がいるんだものな」
---------------------------------------------------------------------------------
ク「男よ。君の好物のケーキを買ってきたぞ。一緒に食べよう」
男「ちょうど良かったよ。今レポートが終わったところなんだ」
ク「しかし男よ。大丈夫か?何か心配事とか…」
男「ついさっきからどうしたの?」
ク「うむ。傷ついたら申し訳ないんだが、率直に言おう。君は涙目になっていただろう?」
男「えーと…。ああ、あの時だね。ちょうどあくびをしていたんだ」
ク「あくび…」
男「レポートのせいでね、最近睡眠時間が足りなかったんだ」
ク「それでは、ため息というのは…」
男「それはレポートのテーマがなかなか思いつかなくてね」
ク「良かった…男に何もなくて本当に良かったぞ…」(ギュッ)
男「///…クー、何でいきなり抱きつくの?そうだ、クーが買ってきてくれたケーキ、一緒
に早く食べようよ」
131ほんわか名無しさん:2007/01/28(日) 05:11:51 0
>>130
睡眠不足GJ
132ほんわか名無しさん:2007/01/28(日) 22:14:16 0
素直クールが空腹でお腹を鳴らしてしまっても

「何か食べなくてはいけないな。時間があれば男にもつきあってもらいたい」

みたいに言いそうだ
133ほんわか名無しさん:2007/01/30(火) 08:20:57 0
2レスほど使います
134ほんわか名無しさん:2007/01/30(火) 08:22:31 0
つ【男は恋愛恐怖症なようです】

1/2

ク「男よ。私と付き合ってくれ」
男「…」
ク「なぜ何も言ってくれない?」
男「君と付き合うことはできないよ」
ク「私はこんなにも男のことを愛してるのに」
男「クーは僕にはもったいないような女の子だからさ」
ク「私のことが嫌いなのか?それならそうとはっきりと……」
男「嫌いじゃないよ」
ク「それは好きと解釈してかまわないんだな?」
男「クーには僕よりもふさわしい人がいるよ」
ク「私にとって男は一生に一人の人だ。男以外の人を好きになることなどできない」
男「それでも僕は君と一緒にいることはできないんだ。僕は二度と人を好きになる気はない」
ク「男は恋愛が怖いのか?」
男「…っ!!」
ク「男がいままでどんな恋愛をしてきたのか、残念だが私は知らない」
男「…」
ク「でも私は男を愛している、この気持ちはたとえ人類が滅びても変わることはない」(ギュッ)
男「…」
ク「男よ。私のためを思ってくれるのなら、私のために付き合ってはくれないか?」
男「クー」
ク「なんだ?」
男「そんな目で見つめるなんてずるいよ」
135ほんわか名無しさん:2007/01/30(火) 08:23:25 0
2/2

男「クー?いつまで抱きついてるの?台本では次は…」
ク「私がこうしていたいからだ。できるならこのままずっと」
男「///…クー…」
ク「しかし男よ」
男「なに?」
ク「男は演技がうまいな」
男「何で?」
ク「演技とわかっていてるのに「君と付き合うことは〜」と言われて涙が出てしまった」
男「クー…」
ク「男よ、愛しているぞ」


男(僕は一生彼女から離れられないと思った)
136ほんわか名無しさん:2007/01/30(火) 15:00:42 0
GJ!
ということで、こっちも投下
2レスほど使わせてもらうよ
137ほんわか名無しさん:2007/01/30(火) 15:01:58 0
1/2
ク「銀行からお金を下ろそうと思ったのだが、かなり混んでいるな…ん?何だあいつらは?」
強盗A「このまぐろ銀行は我々黄色い1月団が占拠した!諸君らは人質になってもらう!」
ク「銀行強盗…?」
強盗A「さあ、そこで固まっておとなしくしていてもらおうか」
ク「これはまずいことになったぞ。どうするべきか…」
強盗A「そこの女、何をしている」
ク「強盗さん。ちょっとトイレに行きたくなってしまってな…」
強盗A「何だと!」
ク「突然のことで驚いてしまってな。余りレディに恥をかかさせないでくれると嬉しいんだが」
強盗A「生理現象なら仕方が無い…。そこのお前、この女を見張っていろ」
強盗B「へい。ボス」
----------------------------------------------------------------------------------
ク「しかしこんなことになるとはな。外部に連絡はできないものか…」
強盗B「ずいぶんと長いな。まだか?」
ク「申し訳ない。手を洗っているところだ」
強盗B「出たか。こんなときでも落ち着いてハンカチで手を拭くとはお嬢ちゃん、肝が据わっ…う?」
ク「ふぅ。ハンカチに染みこませておいた特製麻酔薬が役に立ったな」
(ガサッ)
ク「しまった新手か?」
男「クー。僕だよ」
ク「なぜこんな所に君がいるんだ?」
男「買い物してたらトイレに行きたくなってね。銀行のトイレをちょっと借りていたんだ」
ク「こんなときでも君と一緒なのは嬉しいが、君が自分の身を守れるのかが少し不安だな。よし。私が
守ってやるからな」
男「ありがとう。僕あんまりこういうことは自信ないんだよね」
強盗C「なかなか戻ってこないな…。おい!そこの女、誰と話をしている!」
ク「まずい見つかった!」
(シュッ)
強盗C「ぐわっ…」
138ほんわか名無しさん:2007/01/30(火) 15:05:26 0
2/2
ク「強盗が気絶している…。男!今、何があったんだ?」
男「たまたまポケットにナイフが入っていてね。それを相手の手に投げて、怯んだ隙に軽く当身をして、
  気絶させただけだよ」
ク「だけって…。君にこんな特技があったとは。ますます惚れ込んでしまうではないか」
男「所で、クー。残り何人強盗はいるの?」
ク「君と私で1人ずつ倒したから…あと3人だ」
男「3人だね。じゃあこの気絶した強盗さんから銃をちょっと借りようか」
-------------------------------------------------------------------------------------
強盗A「あの女遅いな…。…何だお前は!」
男「もうおしまいだよ。おとなしく降参した方が良いと僕は思うよ」
強盗A「何を言うか。こっちは3人もいるのだ。お前ら、かかれっ!」
ク「よし。男に気を取られているうちに人質を逃がさねば」
強盗A「くそっ!こんなガキ1人に…我が黄色い1月団が…」
男「もうあなた1人だけだよ。もう抵抗はやめて欲しいんだ。僕は余りこういうこと好きじゃないし…」
ク「男よ。人質を全員逃がしたぞ!」
男「クー危ない!」
強盗A「わはは!形勢逆転だな。この女に傷が付きたくなければ、降参してもらおうか」
男「分かった。だけど、僕がどうなってもいいから、大事なクーだけには絶対手を出すな!」
ク「男よ…。何と嬉しいことを…。しかし、このまま男に迷惑をかけてはいけないな」(ゲシッ)
強盗A「ぐわっ…この女…急所に蹴りを…」(ドサッ)
男「クー!大丈夫?怪我は無い?」
ク「人質になってしまって、すまないな。それより男のほうは大丈夫か?」
男「僕は大丈夫だよ。でも、クーに怖い思いさせてごめんね。お詫びのキスをするから目を閉じて…」
------------------------------------------------------------------------------------
ク「…という夢を昨日見たのだ」
男「でも、何でそんな夢を見たの?」
ク「うむ。寝付けなくて、深夜のB級映画を見てから寝たのだが…。しかし、素晴らしかったぞ。男」
男「だけど、現実の僕はクーと腕相撲やっても負ける位弱いんだけどな…」
ク「ただ、キスの直前で目が覚めたのはとても残念だった。…そうだ。今からその続きをしよう。男よ。
ここにキスしてくれ」
139ほんわか名無しさん:2007/01/30(火) 15:07:14 0
ということでつ【こんな夢を見ました】は終了
140ほんわか名無しさん:2007/01/30(火) 15:27:42 0
男強スギワロタ
141ほんわか名無しさん:2007/01/30(火) 17:51:27 0
ハレグゥ思い出した
142ほんわか名無しさん:2007/01/31(水) 16:28:22 0
やっぱ本スレあると過疎だねえ
143ほんわか名無しさん:2007/01/31(水) 16:54:08 0
いつもこんなもんでしょ
てか、その言い方だとまるで本スレが盛り上がってるみたいじゃないかw
144ほんわか名無しさん:2007/01/31(水) 17:16:54 0
過疎っていると感じているなら何か投下してみようぜ
145ほんわか名無しさん:2007/01/31(水) 19:39:30 0
SSじゃなくてもお題を投下すると盛り上がるぜ
別ジャンルのスレで実証済みだ!
146ほんわか名無しさん:2007/01/31(水) 22:58:10 0
本スレおちちゃいましたね
147ほんわか名無しさん:2007/01/31(水) 23:28:27 0
鯖落ちもあったしねえ
148ほんわか名無しさん:2007/02/01(木) 00:48:40 0
まあとりあえずここでがんばってみようよ
ということで季節柄
つ【節分】というお題を提案してみる
149ほんわか名無しさん:2007/02/02(金) 01:41:33 0
私には好きな人がいる。
そして、私が好きな人にも好きな人がいる。
・・・だから、私は彼を遠くから眺めるだけ。

普段の私からは考えられない行動だ。
いつも通りに行動するなら、私は既に彼のところへ行き自分の思いを打ち明けているだろう。

けれど、それはできない。

それは、私が好きな彼にとって迷惑な行為だから。
そんなことをすれば、きっと彼のことだ。 私を傷つけないためにどうすればいいか悩むだろう。
もしかしたら、自分の思いを殺して私の思いに応えてしまうかもしれない。


・・・だから、私は彼を遠くから眺めるだけ。



・・・・・・これが彼のためだと、言い聞かせて。
150ほんわか名無しさん:2007/02/02(金) 02:05:34 0
切なくなってきた
GJ!
151ほんわか名無しさん:2007/02/02(金) 02:13:27 0
上でsage忘れてゴメン

クー「・・・。」
男「・・・クー・・・・・・大丈夫・・・?」
クー「・・・男、これは何の冗談だ?」
男「・・・あはは・・・・・・もっと、うまく助けるつもりだったんだけど・・・。」
クー「・・・冗談、だろう? これは・・・。」
男「・・・ごめん、ね・・・・・・。」
クー「なんで・・・どうしてなんだ? どうして私を庇ったんだ、男っ!」
男「・・・。」
クー「聞いているのかっ! どうして私なぞを庇った!」
男「クー・・・。」
クー「君に・・・君にひどいことをしたのは私だ・・・。そして、怒りに身を任せ
君の家を飛び出したのも私だ。」
男「クー、それは・・・・・・」
クー「頭の中では君が悪いことなど何もしていないのは分かっていた。けれど、
それでも私は君に謝ろうと家に戻らなかった。 そして・・・そして、道路に飛び出したのも私だ。」
男「・・・。」
クー「どうして・・・どうしてなんだ、男・・・。 君は・・・どうしてそこまで、優しいんだ・・・!」
男「・・・クー。」
クー「・・・なんで・・・私なんかを庇って、君がこんな事に・・・・・・。」
男「・・・・クー、僕は・・・君が好きだから。」
クー「・・・・・・。」
男「・・・月並み、だよね・・・・・・。陳腐だよ、ね・・・。でも、それでも・・・僕は君が、好きだから。」
クー「・・・・・・。」
男「だから・・・これで、いいんだよ。 僕は、大好きなクーが護れて・・・・」

幸せだよ、と。
彼はそう言い残して、天国へと旅立っていった。
152ほんわか名無しさん:2007/02/02(金) 02:14:12 0
私は今でも、彼の事が好きだ。
彼を失ってから早5年。 一時たりとも彼のことを忘れたことはない。
彼との思い出は増えない。 彼との事は全てが過去となり、未来も、現在もなくなった。
けれど・・・・・・。
それでも私は、彼の事が好きだ。
周りの友人達や母親からは間違っていると非難される。
「天国にいる彼はそんなことを望んでいないよ」と。
それはそうだろう。 彼が・・・私の事を心から思ってくれていた彼が、そんな事を望むはずはない。
これは、私の、彼に対する精一杯の反抗。
・・・私は、彼を許さない。  私なんかの為に命を捨てた彼を、決して許さない。

だから――


  ――――――私はずっと、君を好きでいてもいいだろう? 男。
153ほんわか名無しさん:2007/02/02(金) 02:15:38 0
なんで何度もsage忘れるんだ俺は・・・orz
154ほんわか名無しさん:2007/02/02(金) 02:16:12 O
GJ!!!
155ほんわか名無しさん:2007/02/02(金) 02:29:46 0
もっと切なくなった
GJ
156ほんわか名無しさん:2007/02/02(金) 03:12:54 O
超良作GJ!!
157ほんわか名無しさん:2007/02/02(金) 06:52:45 0
なんか避難所おかしい?
158ほんわか名無しさん:2007/02/02(金) 18:06:33 0
GJ
159ほんわか名無しさん:2007/02/03(土) 01:37:04 0
ク「私の愛する男よ。君のことを考えない時はなかったよ。今日も一緒にごはんを食べよう」
男「///…。クー、そんなに大声で恥ずかしいこと言わないでよ。僕の友達が見ているよ…」
友人A「おい、冬だってのにこの部屋熱いな」
友人B「地球温暖化だというが、この部屋の温暖化レベルはすごく高いな。地球の危機だぜ」
男「ほら、あんなこと言われているよ。恥ずかしいな…」
ク「私が君のことを愛していることを君に伝えるのはいけないことなのかね」
男「いや、そうじゃないんだ。むしろとても嬉しいんだけど…ただ、声の大きさとか、言葉とか…」
ク「ふむ。君がそういうのなら検討してみよう」
------------------------------------------------------------------------------
ク「私の愛情表現を彼は受け取っているはずだ。現に男と2人きりの時は恥ずかしがりながら、
すごく嬉しそうな顔をしてくれるからな。しかし、男が少し言葉とか言っていたな。彼が恥ずか
しがらず、かつ愛情を伝えられる表現を考える必要があるかもしれないな」
------------------------------------------------------------------------------
ク「おーい。男よ。今すぐ君とキスをしたいくらい愛しているよ」
男「クー…///」
友人A「いつからここは南半球になったんだ」
友人B「まったくだ。冬だってのに夏の気候のようだな」
ク「ふむ。男が恥ずかしがっているな…この表現はだめか…。では、男よ、私を抱いてくれ」
男「///…クー。愛してくれるのは嬉しいんだけど、昨日の事覚えてないのかな…」
ク「いや、覚えているぞ。だから、今このようにして、どの表現方法なら恥ずかしがらないかを実
験しているのだ。とりあえず3000種程度ピックアップしたのだが、これもだめか…。では、次だ。
男よ、今夜は君のベッドで共にすごしたいのだが」
160ほんわか名無しさん:2007/02/03(土) 02:32:13 0
>>149に触発されて書いてみた

男「……でさ、今度の日曜のことだけど」
彼女「あ、うーん…ごめんね。ちょっとレポート入っちゃってて」
男「なんだ、そっか。映画のタダ券もらったからさ、一緒に行こうと思ったんだけど」
彼女「ほんと、ごめんね。月曜までに仕上げなきゃいけないレポなんよ。あのセンセー、うるさいから」
男「やれやれ、それじゃ俺も手伝うよ。何か出来ることあるだろ」
彼女「わぁ、ほんと?ありがとー!大好き!」
男「ゲンキンだよなぁ…」
彼女「えへへ、そんなことないよ〜♪……あ、クーちゃん!」

クー「ん?…ああ、君か。こんにちは」
男「よぉ、何してるんだ?」
クー「………別に」
男「(なぁ、俺って嫌われてないか?)」
彼女「(えー?そうかなぁ…人見知りしてるだけじゃない?)ね、クーちゃん。あのね、レポートの手伝いだけど…やっぱりいいや」
クー「ほう。目処が立ったのか?」
彼女「あはは、それはぜーんぜん。でも男くんが手伝ってくれるみたいだから」
クー「……なんだと?」
男「(うっ、ものすごい目で睨まれた…)あ、あー…えっと。クー、お前が手伝うならそっちのほうがいい。お前のが頭いいしな」
クー「…いや。彼女は君に頼った。ならば君は、その信頼に応える義務がある」
男「そりゃそうかもしれないが…でも」
彼女「じゃあじゃあ、二人とも手伝ってくれればいいよー!」
クー「な…!?」
男「お、そりゃあいい。三人でやろうぜ?」
彼女「きっまり〜♪それじゃ日曜に私の家にお願いね。あっ、次の講義始まっちゃう!またね〜♪」
男「おう、終わったら電話しろよ〜」
クー「……まったく、彼女はいつも強引だな」
161160:2007/02/03(土) 02:33:39 0
そして日曜。約束の時間までまだあるというのに、俺とクーは駅でばったり出会ってしまった。
電話したがまだ彼女は寝ているそうなので、近くの公園のベンチで時間を潰すことにしたんだが…

男「………」
クー「………」
男「……えーっと。何聞いているんだ?」
クー「パッヘルベルのカノンだ。君も聞いてみるか?」
男「パッへル…何?」
クー「クラシックだが…その顔だと興味はなさそうだな」
男「あー、えっと。ごめん」
クー「……そうか」
男「………」
クー「………」

男「(……か、会話が続かねー!いや、これは仲良くなるチャンスだ。それはムリにしても、せめて嫌われてる理由を聞きださないと…)」
男「あの、さ。突然こんな事聞くと気分悪くするかもしれないけど…どうして俺のこと嫌ってるんだ?」
クー「……何?何と言った?」
男「(うげ、また睨まれた…)いや、クーは俺のこと嫌ってるんじゃないか、って…」
クー「そうか。だがそれは君の誤解だ。私は君を嫌ってなどいない」
男「でも時々睨んでくるし」
クー「睨んでなどいない」
男「俺が顔を見せると急に黙り込むし」
クー「黙ってなど…いない」
男「あんまり俺と関わりたがらないし」
クー「そんなことは……ない」
男「いや、あのさ。気使ってウソとかつかなくていいからな?」
クー「ウソなんかついていない。別に君の事は嫌いじゃない」
162160:2007/02/03(土) 02:34:24 0
男「はっきり言ってくれれば俺だってなんとかするからさ」
クー「だから…別に嫌いではないと……」
男「悪いところ、言ってくれないか?気分が悪くなるかもしれないけどよ、彼女の友達と仲悪いままっていうのは落ち着かないからさ」
クー「だから、嫌いではないと言っているだろう!」
男「じゃあなんだよ、いつもの態度は!」
クー「それは私が男の事を好きだからだ!君の前に出ると言葉が出なくなってしまうんだ!君の目を見れなくなってしまうんだ!」
男「……え?」
クー「あ……」
男「………」
クー「………」
男「あの、さ」
クー「………には」
男「…?」
クー「…彼女には言うな。わかってる、叶わない恋だと言うことくらいは。勝手な言い分だが、君も今日のことは忘れてくれ」
男「……」
クー「…帰る。彼女には連絡を入れておくから……」
163160:2007/02/03(土) 02:34:57 0
無表情のまま涙を拭った彼女の表情が、今でも心にしこりとなって残っている。
あれから三年。俺も社会人になった。彼女とは自然消滅の形で別れ、今は仕事が恋人だ。
冬、疲れた体でベンチに座るといつもクーを思い出す。ガキの俺にはどうしようも出来なかったあの涙を。
男「……もう一度、クーに」
今ならどうにかできると思っているのか。俺のくだらない願いは星空に消えていく。
目を閉じたままついたため息は、例外なく白く凍って―――

?「こんばんは。久しぶり…いや、ただいまかな」

目を見開く。聞こえてきた声は、間違いない。あいつのものだ。
会ったら、まず最初に何を言ってやろう。色々考えていたはずなのに、それはため息と一緒に消えてしまった。
だからせめて。俺は言ってやろうと思う。笑顔で、あいつに。

「ああ…おかえり、■■■」


fin.
164149:2007/02/03(土) 11:57:38 0
くそぅ・・・涙が止まらないじゃないか・・・
GJ!
っていうか、そういうハッピーEDの書き方俺におしえt(ry
165160:2007/02/03(土) 15:59:37 0
>>164
最後の■■■が誰かは想像に任せる事にしてるから、クーとは限らな(ry
だから164がこの話をハッピーエンドだと思ったんなら、そのまま書き綴れば書けると思うぞ
166ほんわか名無しさん:2007/02/03(土) 18:21:31 0
流れを切るようですまないけど
3レスほど使わせてもらうよ
167ほんわか名無しさん:2007/02/03(土) 18:23:49 0
1/3
男「ふぅ。今日も平凡な一日だったな」
(ピンポーン)
男「ん、誰だろう。こんな時間に」
(ガチャ)
男「ええと…。どちら様ですか?」
ク「うむ。ここなら大丈夫だな。すまないが、少しかくまってもらえないだろうか」
男「はい?」
ク「ちょっとしたことがあってな。今晩だけでいいから、ここにいさせてもらえないだろうか」
男「(何だろう?この女の子。だけど困っているようだし)いいですよ。どうぞ」
ク「すまない。お礼はする」
男「汚い部屋だけど、こんな所でいいのなら」
ク「ありがとう。所で、食事は摂ったかね」
男「いえ。まだだけど。おなかが空いているの?」
ク「そうじゃないんだ。君のおなかが空いているかと聞いているんだ」
男「まだご飯を食べてはいないんで、おなかは空いてるけど…」
ク「じゃあ、台所と冷蔵庫の中を少し借りるがいいかね?たいした物はできないが…」
男「えっ!そんなことしなくていいのだけど…」
ク「いや。これくらいのお礼はさせてくれないか」
-------------------------------------------------------------------------
男「すごくおいしい。こんなおいしい料理を食べたのは久しぶりだよ」
ク「そんなに喜んでもらえると嬉しいな」
男「ふぅ。ごちそうさま。すごくおいしかったよ。所で、まだ名前を聞いてなかったけど…」
ク「クーだ」
男「クーさんか。いい名前だね」
ク「そうかね。しかし、君は見ず知らずの私をかくまってくれたんだ。本当に優しいな」
男「最初、顔を見た時、とても困っているように見えたんでね」
ク「本当に君は優しいな。所で、いまさらながら、私がここにいて大丈夫かね?君の彼女とかにあ
らぬ誤解を受けるかもしれんぞ」
男「彼女なんていないから大丈夫。クーさん」
ク「すまない。君ほど優しい人間なら彼女の1人位は普通にいると思ったのだが…。本当にすまない」
男「気にしてないから、顔を上げてよ。クーさん。ケーキがあるんだ。一緒に食べようよ」
168ほんわか名無しさん:2007/02/03(土) 18:25:45 0
2/3

(ピンポーン)
男「ん…。今度は誰だろう?」
(ガチャ)
友人「おーい。一緒に飲まないか?」
男「うわっ。酒臭いな」
友人「今、節分パーティをやっているんだ。お前も来いよ」
男「僕はそんなににぎやかなの得意じゃないし…」
友人「ん…。お前いつ彼女ができたんだよ。そんな奴には豆をぶつけてやる」
ク「!」
男「やめてよ。痛いじゃないか。かなり酔っているんじゃないのかい」
友人「付き合いの悪い上に勝手に彼女を作ったお前と彼女に豆をぶつけてやる」
男「痛いな。…大丈夫?クーさん」
ク「…もう…いやだ…やめて…くれ…」
男「…おい!いくら僕でも怒るよ。豆をぶつけるなら僕だけにしてくれ!それにこれ以上ふざける
なら僕の家から出て行ってくれ!」
友人「怒るなよ。悪かったな。でも、パーティはまだやっているから気が向いたら来いよ」
男「クーさん、大丈夫?あいつ悪い奴じゃないんだけど…酒を飲むとね…」
ク「…すま…ない。かばって…くれるなんて…君は本当に…優しいな」
男「今、落ち着くためのお茶を持ってくるから、そこで待っていてね。クーさん」
------------------------------------------------------------------------------
男「落ち着いた?クーさん」
ク「…段々落ち着いてきた。君には本当にすまないことをした」
男「もしかしたら、聞いていいのか分からないんだけど…。クーさんはどうしてうちに来たの?」
ク「やはり、言わねばならんか…」
男「いや。クーさんが言いたくなければいいよ」
ク「君は信頼できる男だ。よし話そう」
169ほんわか名無しさん:2007/02/03(土) 18:27:38 0
3/3

ク「驚かないで聞いて欲しい。私は鬼の血がわずかだが入っている女なんだ」
男「えっ!クーさん、冗談はやめてよ」
ク「本当だ。ただ、人間のほうが強いから日常生活を送るのは特に支障が無いんだが、毎年この時期
になると、そのわずかな鬼の血がうずいてしまってな…」
男「この時期というと…。そうか、節分か!」
ク「うむ。そうだ。このわずかな鬼の血が反応するんだ。もしかしたら、遺伝子レベルで恐怖の感情が
  呼び覚まされているのかもしれん。こういったことは往々にして生存に関わるからな」
男「だけど、クーさんは何で僕の家を選んだの?」
ク「うむ。それは単純なことだ。まず第一に君の家の前には豆をまいた形跡が無かった。それに第二
に君の玄関にはひいらぎといわしの頭が無かった」
男「節分なんてイベント自体を忘れてたからね」
ク「家にいても、自分一人だけで、よその家から聞こえる鬼は外の声がとても怖かったんだ。しかし、
今日は優しい君に出会えてよかったよ。久しぶりにこの日を安らかに暮らせそうだ…」
男「クーさんがこんな汚れた部屋でこんな僕ごときで落ち着くなら、それでいいけど…」
ク「自分を卑下してはいけないな。君は本当に素晴らしい男だ」
男「そういわれると照れちゃうな…///。そうだ、お菓子があるよ。一緒に食べようよ」
---------------------------------------------------------------------------------
男「…。もう朝か…。あのままコタツで寝ちゃったんだ…」
ク「おはよう。男よ。朝食ができているぞ」
男「そんな事しなくても良かったのに…。でも、おいしい食事がまた食べられるから嬉しいな」
ク「そうだ。お礼の件なんだが…」
男「いいよ。おいしいご飯が食べられたことと、彼女ができたみたいで嬉しかったから…」
ク「そうか…。…所で、男よ。昨晩聞いたが、君は彼女がいないな?」
男「生まれてこのかた彼女はいないし、欲しいとは思うけど…」
ク「よし!お礼は決まった。私が君の彼女になってやろう。いや、なって欲しい。私は昨晩の君の優
しさにやられてしまったんだ。迷惑はかけないから、一緒になって欲しい。私の愛する男よ」
170ほんわか名無しさん:2007/02/03(土) 18:29:48 0
つ【節分】は終了

今晩の夕食は売れ残りの丸かぶり寿司でも食べようかな…
171ほんわか名無しさん:2007/02/03(土) 19:12:13 O
ぐっどじょぉぉぉぉぉぶ!!!!!!
172ほんわか名無しさん:2007/02/03(土) 19:37:37 O
>>170
GJ!
173ほんわか名無しさん:2007/02/03(土) 20:43:48 O
最近、素クーの長編てあまり見ないな

ここに書いてみても良いのかな?まだ中途半端だけど…
174ほんわか名無しさん:2007/02/03(土) 20:49:30 0
>>170
GJ!

>>173
個人的にはいつもスレが立っているから長編はいいと思う
175ほんわか名無しさん:2007/02/03(土) 21:34:34 O
>>174
わかった、頑張る。
176 ◆098PR7A.iI :2007/02/03(土) 22:24:22 O
ある日、少年は夢を見た。

それは目覚めの直前だったからか、深い眠りの最中だったからか

それはもはや夢とも呼べない、水面へと浮かび上がる間に消えゆく泡のような、淡く儚い幻想のようなものではあったが、


少年は夢を見た。目覚めて目蓋を開けた時の眩しい朝日、それに目を細めた瞬間に、危うく忘却に置き去りにしてしまいそうな夢を。

朝日が放つまばゆい光と、家の前の通学路を走りゆく小学生達の弾むような笑い声に、まだ重い目蓋を手の甲で擦りながらこじ開ける。

首に感じる鈍い痛みと、傍らに無造作に転がる天文学の雑誌を見て、またやってしまったのかと少年は苦笑した。

その苦笑も机上に置かれた時計を見て焦りの表情へと変わるが、少年はまるでこの事態に慣れたかのように再びフローリングの床へと身を横たわらせる。

「…あーあ、二日連続の寝坊か…もう良いや、今日も休んじゃえ」

177 ◆098PR7A.iI :2007/02/03(土) 22:25:49 O

…どうせ、父さんも寝坊したんだ…親子揃って低血圧、朝は弱いもんなぁ…

言い訳にもならないことを考えているうちに、目蓋はまた重くなってくる。そうして完全に目を閉じそうになったとき、部屋のドアが勢いよく開けられた。

「…朝だ!」

「…そんなの知ってるよ、父さん」

「…なんで起こしてくれなかった!?」

「…いい加減に目覚ましで起きてよ…まあ、僕が言える立場じゃないけどさ。…じゃ、僕、寝るから…」

そして僕は再び眠りにつこうと、机の横に投げっぱなしになっていたタオルケットを手繰り寄せた。

「何言ってんだ、今日は平日だろ!学校だろ!それをこんな時間になって…」

「それは父さんも同じですー。今から準備したって遅刻するし、だったらもう一眠り…」

「それを言うなら俺も同じ!同じように寝坊したのに、俺だけ遅刻で怒られるのは納得できん!」

…なんか、親として怒るべき部分がずれてる気がする。でも僕は気にせず、籠城を決め込むようにタオルケットに包まった。
178 ◆098PR7A.iI :2007/02/03(土) 22:27:59 O
「ふふ…晴樹、お前だけのうのうと休めるとは思うなよ…」

「うー…なんだよ父さん、気持ち悪いなぁ…良いから、早く仕事に行きn」
「既にまひる君を呼んだ。彼女なら首に引き摺ってでも、お前を学校へ連れて行ってくれるだろうからな」
「…マジカナ?」
「マジダヨ♪」

「邪魔するぞ、晴樹。ああ、お父様もこちらにいらっしゃいましたか。おはようございます」

「おはようまひる君、ではこいつをよろしく頼んだよ。俺は仕事に行かねばならないからね」

「了解しました、お父様。…なんだ晴樹、まだ着替えてもいないじゃないか。」
さっきまでの邪悪な笑いは何処へやら、爽やかな笑みを浮かべて父さんは部屋を出て行った。

「…ごめんねまひる、すぐに準備するから玄関で…って、なんで手をわきわきさせてんの」
「深いことはハァハァ気にするな、それよりハァハァ急ごうじゃないかハァハァ」
「気にするなって…ちょ、なんで息まで荒いの」

まひるが、両手をわきわきさせながら、鼻息を荒くしながらにじり寄ってくる。昔からの付き合いだから、この次にはどうなるかわかっているわけで…

「仕方ないなハァハァ寝起きで着替えるのもハァハァ時間がかかるだろうハァハァし手伝ってあげようハァハァほらばんざーいフヒヒ」

「やめてぇえぇえええええぇ!!!!」


少年は夢を見た。記憶には無いのに懐かしく、しかし何故か悲しくなるような夢を。
…だがそんな夢も、朝の喧騒に少しずつ掻き消える。
179 ◆098PR7A.iI :2007/02/03(土) 22:29:41 O
とりあえずの投下終わり、みんなの反応を見て続けるかどうか決めようと思います。

駄目なとことか、何か問題があったら言ってもらえると嬉しい。
180 ◆098PR7A.iI :2007/02/03(土) 22:32:44 O
>>178、3行目の「首に」はスルーしていただきたい
181ほんわか名無しさん:2007/02/03(土) 23:14:14 0
GJだ!

後、一応新しい素直クールwikiのアドレスを貼っておく
http://www16.atwiki.jp/sucool/
182ほんわか名無しさん:2007/02/03(土) 23:16:26 0
悪い
新しいんじゃなくてほの板の作品が保管されているwikiだ
よかったら協力を
183ほんわか名無しさん:2007/02/04(日) 01:00:28 0
>>182
乙ノシ
50レスずつで登録していってるんかいね?
出来る限りで、協力するよ〜
184ほんわか名無しさん:2007/02/04(日) 01:28:23 0
便宜的に50ずつ保管しているんだけど
長編は別ページを作ったほうがいいかも
185ほんわか名無しさん:2007/02/04(日) 13:54:02 0
俺も手伝うかな
手伝う人数は多いほうがいいだろう
ちゃんとwikiが動いているとなると、投下してくれる人も増える……と思いたい
186ほんわか名無しさん:2007/02/04(日) 20:41:44 0
>>176
久しぶりに純文学風の長編を見た気がするね
夢の伏線もなかなか気になるし。

よってwktk。

187 ◆098PR7A.iI :2007/02/05(月) 00:00:37 O
誰もいないと思うけど…昨日の続き投下しても良いかな?
あと、やっぱり題名とかつけるべき?
188ほんわか名無しさん:2007/02/05(月) 00:26:25 O
おkおkじゃんじゃんやっちゃってくれい
題名……付けたら保管の時楽かもね
189ほんわか名無しさん:2007/02/05(月) 00:43:38 0
どしどし投下してほしい
とりあえず保管は短編と長編は分けようと思っているから
題名があると保管しやすいな
190ほんわか名無しさん:2007/02/05(月) 07:14:55 0
逆に題名をつけてコテは外すべき
191ほんわか名無しさん:2007/02/05(月) 07:58:54 0
いやそれは意味わからんだろ
192ほんわか名無しさん:2007/02/05(月) 08:11:22 0
じゃあコテをつける意味を教えてくれ
193ほんわか名無しさん:2007/02/05(月) 09:16:21 0
コテ付ける意味があるとしたら……要望とか感想を伝えたりする時にやり易いとか……
いや、別に作品名さえあればいいのかな……うーん?

著者の自己顕示欲をある程度満足させられるから、モチベーション維持に役立つとかw
194 ◆098PR7A.iI :2007/02/05(月) 09:22:55 O
題名を考えていたらいつの間にか寝てた…

で、結局コテを外して題名を入れた方が良いのかな?
195ほんわか名無しさん:2007/02/05(月) 09:54:15 O
どっちでもいいから、とりあえず書いてください。
196 ◆098PR7A.iI :2007/02/05(月) 09:56:38 O
>>195
わかった、ごめん

とりあえず、題名は『素直クールのつくりかた』で。
では投下しまつ。
197 ◆098PR7A.iI :2007/02/05(月) 09:57:26 O
少女は駆けた。すらりと伸びた足は軽やかにアスファルトを蹴り、腰までもある艶やかな黒髪を踊るように風へなびかせて。

その走りはすれ違う人々皆が振り向くほどに華麗で、かつ少女らしい躍動感があったが、残念なことに道行く人はほとんど見られなかった。

「まったく、無駄に派手な抵抗ばかりして…冗談に決まってるのに、余計に時間がかかったじゃないか。」

「まひるのやることは、全然、冗談に、見えな…ま、まひる早すぎ、ちょっと歩こうよ…」

少年は駆けた。…いや、駆けていると呼べるだろうか。
その足は、地面を蹴るには程遠く靴の踵を引き摺り、右へ行ったかと思えば左へ行ったり…
何より、その目を見事に渦巻きを描いて回していた。
198 ◆098PR7A.iI :2007/02/05(月) 09:58:41 O

「まったく、只でさえ遅れそうだというのに…仕方ない、その様子ではいつ倒れるかわからないしな。」
「はあっ、はぁ…ごめんね、僕のために…」
「晴樹が倒れたら、遅刻どころの話じゃなくなるからな…第一、そう言うなら寝坊なんかするな。」
「う…ご、ごめんね…」

…ほんとに、まひるは言いたいことをズバズバ言うなぁ…と、少年は心の中で呟きながら頭を垂れた。

「まあ、昔からのことだからな…いい加減、晴樹の世話役にも慣れたよ。不本意ながら、な。」
「わかってるよ、感謝してるってば…昔から、まひるには迷惑かけっぱなしだもんね…」
「うん、一応理解してるようだな…。それにしても、随分と頑固なまでに二度寝に執着していたようだな。何かあったのか?」

声色は先ほどまでと変わり無いが、首を傾げながら少年の顔を覗き込んで問うあたり、どうやらまんざら不本意というわけでもないらしい。

199 ◆098PR7A.iI :2007/02/05(月) 09:59:51 O
「何か、って…別に何も無いよ?」
「うーん…ほんとに、か?」
「うん、ほんとに。…でも、なんでそんなこと?」
「いや、なんと言うか…」

少女は、隠し事を打ち明ける子供のように、どこか恥ずかしいような表情で、
人差し指で頬をかきながら、少しばかり考え込んだ。
「…晴樹があんなに駄々こねたの、小さいころ以来だったから、さ。」
「…だ、駄々って…」

少年は、そのあまりに子供扱いな言葉に一瞬顔を引きつらせたが、
少女のどこか遠くを見つめる表情を見て、朝の自分を思い返した。

200 ◆098PR7A.iI :2007/02/05(月) 10:00:40 O
…いつもなら、絶対に逆らわないまひるの言葉を聞いても、それでもずる休みを決行しようとした自分。

どうして?

また眠って、ずる休みをしてまで何があっただろう。
せいぜい、夢を見るくらいで…

…夢?


なんだろう、何か大切なことを忘れてる気がする。
別に、忘れても何が問題があるわけでもないことだけど…
それでも、大切な何かを。

「よし、休憩は終わりだ。…校門までラストスパート、倒れるなよ晴樹!」
「わ、ちょ…待ってよまひる!」


『…晴樹があんなに駄々こねたの、小さいころ以来だったから、さ。』

追憶の続きは後回しにしなくては、と少年は思った。
とにかく今は、自分の前を駆ける少女の後を追い、一刻も早く校門をくぐらなければならないのだから。

電線の上の雀は、小刻みに首を傾げながら、二人の少年少女を可笑しそうに見下ろしていた。
201 ◆098PR7A.iI :2007/02/05(月) 10:02:45 O
投下終わりー、もし要望があればコテも外します。
202ほんわか名無しさん:2007/02/05(月) 10:20:24 O
GJ!コテは好きにして
203ほんわか名無しさん:2007/02/05(月) 10:42:03 O
>>201
GJ!
小手に関しては、別に気にすることないんでないかい?
204ほんわか名無しさん:2007/02/05(月) 13:59:09 0
◆098PR7A.iI にアドバイスを少し

「…」や「・・」は誤り、「……」に統一するといい
「〜〜。」は誤り、括弧内の最後にはつけないように

これだけでぐっと見栄えよくなるぜ
205ほんわか名無しさん:2007/02/05(月) 17:40:07 0
著者が欲しいと明記しない限りは技術的なツッコミはやめようぜ、小説スレじゃないんだから
206ほんわか名無しさん:2007/02/05(月) 18:46:52 0
>>201
外していいって思ってるんなら、外した方がいいんでない?
コテが嫌いな人がいるのも事実。
できる対策はやっとくべきだとオモ。
207ほんわか名無しさん:2007/02/05(月) 18:50:53 0
>>204は書き手にとっちゃ確実にプラスになってると思うがなぁ……
208 ◆098PR7A.iI :2007/02/05(月) 19:16:43 O
>>204
ありがとうございます。
たまにSS書くくらいの初心者なので、ちょっとしたアドバイスでもすごく嬉しいです。
209ほんわか名無しさん:2007/02/05(月) 19:37:37 O
>>204は確かに良いアドバイスだとは思ったが、上から的な物言いは少しアレじゃね?

何にせよ書き手さんが増えるのはメデタイ事だ、GJ!続きも期待してまっせ〜
210ほんわか名無しさん:2007/02/05(月) 19:59:10 0
>>201
おお、長編の続きGJ

ところでwikiの方なんだけど見やすさから長編と短編を分割したいんだがいいだろうか?
あと、個人的には長編を他に書く人が出た場合、保管の観点からトリは欲しいと思うのだけど
211ほんわか名無しさん:2007/02/05(月) 20:07:17 0
タイトルで分けたらええがな
212ほんわか名無しさん:2007/02/05(月) 20:43:23 0
好きなように変えていいと思うぜ?
それで不都合が出たらその時作り直せばいいし
213ほんわか名無しさん:2007/02/05(月) 20:55:08 0
>>211
確かにそうだな。
ただ、今のところはコテトリ使用は執筆者に任せるのが個人的には良いと思う

>>212
了解。とりあえず、長編部門と短編部門は分割しておくよ
214ほんわか名無しさん:2007/02/05(月) 20:56:08 0
VIPでの教訓を生かしてコテはやめといた方が良いと思うが…
ヒートの方はどんな有名所の書き手もコテ無しで全然問題なく行ってるし
215ほんわか名無しさん:2007/02/05(月) 20:57:13 0
コテじゃねぇ、トリだ
長編ならコテがないと何の話が投下されたかわかんなくなるなwww
216ほんわか名無しさん:2007/02/05(月) 21:04:05 0
長編書くならタイトルをコテにするのが無難な気がする
217ほんわか名無しさん:2007/02/05(月) 21:07:05 0
きっと>>215>>216と同じことを言いたかったんだろう
>>214に賛成
ここが素直クール最後の砦だと思ってるから、崩壊したスレから教訓をきちんと学ぼう
218ほんわか名無しさん:2007/02/05(月) 21:28:20 0
テンプレに項目追加してみた。

ここは素直クールのスレです。

素直クールとは
・自分の思ったことをストレートに表現する
・常に冷静沈着
・厳密な定義は無いので、後は各人のイメージで

ガイドライン的なもの
・基本sage進行で
・馴れ合いは度を越さないように
・荒らしは徹底スルーで
・長編投下の場合はコテトリよりも作品にタイトルをつけることを推奨←ここが追加分
・気楽に投下しよう

まとめ
http://www16.atwiki.jp/sucool/

「推奨」という形でガイドライン的なものに加えてみるっていうのはどうだい?
219 ◆098PR7A.iI :2007/02/05(月) 21:42:58 O
VIPの素クースレに続き投下しましたー
220ほんわか名無しさん:2007/02/05(月) 22:38:21 O
疑問なんだが…


wikiって分ける必要性あったのか?
最近避難所見てないからなんとも言えんが
221ほんわか名無しさん:2007/02/05(月) 22:50:28 0
>>220
便宜的に前wikiと今wikiと呼ぶが
前wikiはログの回収をしているわけじゃないし、SSも直上げがほとんどということで
まとめサイトというより外部サイトみたいになってるんじゃないか
⇒この際あたらしくwiki作り直さないか?
⇒今wikiできる

という流れだった。
俺は別にいいんじゃないかと思う。
222ほんわか名無しさん:2007/02/05(月) 22:55:13 0
>最近避難所見てないから

ならまず避難所を見るべきじゃないか?
223ほんわか名無しさん:2007/02/05(月) 23:05:53 0
>>222
まぁまぁ、ほの板なんだしほのぼのいこうよ。

>>221は避難所の>>9-15の流れね。
224春の始まる日の話:2007/02/06(火) 05:15:22 0
男「……なぁ」
クー「……どうした」
男「あたたか、だな」
クー「君がその台詞を言うのはまだ早い。せめて七十年後に言ってくれ」
男「……まさか蒼天航路まで読んでいたとは予想外」
クー「つい先日、漫画喫茶で読破したばかりだ」
男「なるほど」
クー「まぁ……確かに今日は、季節外れと言って良いほどに暖かい」
男「寒い日の合間に、こんな暖かい日ってのもいいよな」
クー「ああ。それに、今日は君の誕生日だしな。天がささやかながら祝ってくれているのだろうさ」
男「ん…………今日、だっけ?」
クー「信じられないのなら、カレンダーを確認してみるといい」
男「あー、確かに今日だな。すっかり忘れてたわ」
クー「全く……だが、君らしいな」
男「お前の誕生日は忘れていないから安心しろ」
クー「分かっているさ。君の場合、自分の事は忘れていても他の人の事は忘れないからな」
男「よく分かってらっしゃる事で」
クー「それでだな……プレゼントを何にしようかと考えたのだが、結局決まらないまま、手ぶらで来てしまったんだ。済まない」
男「気にすんな。俺の誕生日なんて毎年やってくるんだから、一回くらい忘れても何の問題も無いさ」
クー「いや、だから、君の望む事をしてあげたいと思うのだが……どうだろう?」
男「望む事ねぇ……」
クー「耳掻き、膝枕、手料理、あとは背中を洗う位しか出来ないが……」
男「それじゃあ、傍にいて欲しい」
クー「傍に…………こう、か? それとも、もっと密着した方がいいのか?」
男「そういう意味じゃなくて…………まぁいいか」
クー「……?」
男「気にすんな、独り言だ」
クー「そうか…………君の体は暖かいな」
男「……お前もな」
225ほんわか名無しさん:2007/02/06(火) 08:38:22 0
これはGJ
226ほんわか名無しさん:2007/02/06(火) 09:21:06 O
ほのぼのしててとってもいい!!
GJ!!
227ほんわか名無しさん:2007/02/06(火) 10:43:07 0
ほのぼのした
意外に積極的な男もいい
GJ!
228ほんわか名無しさん:2007/02/06(火) 22:54:20 O
誰もいないな……保守。
229ほんわか名無しさん:2007/02/06(火) 22:58:39 0
ほの板はまず落ちないから保守はいらないんだぜ
230ほんわか名無しさん:2007/02/06(火) 23:09:56 O
>>229
わかった、では安心して長編の続きを仕上げてくる
231ほんわか名無しさん:2007/02/07(水) 00:43:22 O
>>230
頑張れ!待ってるからなw
232ほんわか名無しさん:2007/02/08(木) 01:19:25 O
今、長編の続き書いてたんだけど……

中途半端に詰まった
233ほんわか名無しさん:2007/02/08(木) 01:53:09 0
>>232
あんまり自己主張しすぎるとそのうち叩かれるから控えめにな。
234ほんわか名無しさん:2007/02/08(木) 01:58:35 0
途中で投稿してしまった。続き。
作品すげー楽しみにしてるよ。頑張ってくれ。せっかくやる気出してる所に突っ込んじゃってごめんな。
男「オッス」
クー「やぁ、おはよう」
男「ん……何か嫌な事でもあったか?」
クー「別にそんな事は無いが、どうしてそんな事を聞く?」
男「眉間に皺寄ってる」
クー「コンタクトを付け忘れてしまってな……因みに、今の私はどんな表情だ?」
男「正直言って、メンチ切ってる様にしか見えない」
クー「そうか。ならば別に問題ないな」
男「かなり問題あると思うぞ?」
クー「ならば、その問題とやらを聞かせてもらおうか」
男「友達とか恐がらせるんじゃないか?」
クー「大丈夫。外見で人を判断するような者は、私の友人にはいない」
男「無駄に威圧感あるし……」
クー「私に言い寄ってくる者が減るのならば、それは李典と成り得る」
男「……そうか」


子「ヒック……おかぁさーん……どこぉ……」
男「……迷子か?」
クー「みたいだな……坊や、お母さんとはぐれてしまったのか?」
子「ビクッ……ウエェェェェェン!」
クー「何で泣き出す……男、君からも何か言ってやってくれ」
男「はいはい……少年、このお姉ちゃん目は恐いけど悪い人じゃないよ」
クー「そうだぞ、私は君に危害を加えたりしないぞ」
子「ヒグッ! 恐いよぉぉぉぉぉぉ! おかぁぁぁぁぁさぁぁぁぁぁん!」
クー「…………」
クー「むぅ……」
男「気にすんな。あの子供だって謝ってたじゃないか」
クー「しかしだな、恐いと言われてしまったのだぞ……」
男「コンタクト付け忘れた自分の愚かさを呪っとけ。大体、何で付け忘れるんだ?」
クー「寝坊して、君との待ち合わせの時間に遅れそうだったからだ」
男「……少し遅れたからって、俺が怒るとでも?」
クー「いいや。どんな約束だろうと、君との約束は絶対に破らないと決めているからだ」
男「んー、前もって連絡すれば、何の問題も無いと思うんだが」
クー「余程の事があればそうするだろう。しかし、今回の場合は些事に過ぎないからな」
男「それで……コンタクトはちゃんと持ってきてるのか?」
クー「勿論。ちゃんと鞄の中に…………あ」
男「忘れたな」
クー「……どうやらそうらしいな」
男「ノートは俺が貸すから良いとして……お前、裸眼で視力どれくらいだ?」
クー「確か……0.1前後だった筈だ」
男「じゃあ、俺の右手見てみろ」
クー「うむ。かぶりついていいか?」
男「……指、何本立ててるか分かるか?」
クー「いち、に、さん…………七本」
男「乱視まであるか……よく駅まで辿り着けたな」
クー「電柱にぶつかる事四回、段差でこける事七回。瘤一つで済んだのは奇跡に等しいな」
男「ったく……今日だけは補助してやるから、感謝しとけ ギュッ」
クー「ああ、ありがとう。ところで……」
男「ん、何だ?」
クー「手を繋ぐのも今日だけか?」
男「それは……」
クー「初めて君と手を繋いだが、君の手の感触はとても心地良い。出来れば、今日だけとは言わずにまた繋いで欲しいのだが」
男「……気が向いたらな」
237ほんわか名無しさん:2007/02/08(木) 06:54:37 0
>>235訂正

×それは李典と成り得る
○それは利点と成り得る

ゴメヌナサイorz
238ほんわか名無しさん:2007/02/08(木) 07:45:24 O
>>236
GJ!!
朝から良い物読ませてもらったぜ
239ほんわか名無しさん:2007/02/08(木) 16:30:52 0
>>237
保管したぜ
勝手に誤字訂正したから、ダメだったら直しておいてくれ
240ほんわか名無しさん:2007/02/08(木) 20:09:27 0
3レスほど借りるよ
体調が良くない時に思いついた
つ【風邪をひく】
241ほんわか名無しさん:2007/02/08(木) 20:12:05 0
1/3

男「うーん。ゴホゴホ、まいったな風邪をひくなんて」
ク「男よ。大丈夫か。風邪だと聞いて助けに来たぞ」
男「クー…ゴホゴホ。ありがとう」
ク「辛いなら喋らなくていいぞ。色々なものを持ってきた」
男「もしかして、ケーキはあるかな?」
ク「…君は風邪をひいているんだぞ。薬と雑炊の材料だ」
男「ケーキ無いんだ…ゴホゴホ」
ク「まあ、そう落ち込むな。治ったら、ケーキは一緒に食べよう」
男「わかったよ。楽しみにしておくね」
ク「で、男よ。調子はどうだ」
男「余り良くないんだ。のどは痛いし、熱も結構あるし…ゴホゴホ」
ク「うむ。こんなこともあろうかと、私の開発した風邪薬だ。男の体に合うように調
合には工夫をした」
男「クーって薬剤師の免許は…」
ク「む、危険物と毒劇物なら持っているが…。まあ、そう細かいことを気にするな」
男「いくらクーが頭がいいからって、僕はちょっと不安だよ」
ク「大丈夫だ。基本成分は動物だけでなく人体実験でも安全性は確認できた」
男「…クーなら大丈夫かな…ゴホゴホ。じゃあお願いするよ」
ク「それでいい。さあ、男よ。下を脱げ」
男「えっ!ゴホゴホ…どうして突然」
242ほんわか名無しさん:2007/02/08(木) 20:12:56 0
2/4

ク「何を言っている。これは解熱鎮痛用の坐薬だ」
男「だけど飲み薬じゃなくてどうして坐薬なの?」
ク「男よ。坐薬は経口薬に比べ、様々な長所がある。まず1つ、肝臓を通過することな
く、全身血流に入る。これによって薬効成分を損ねずに素早く効く」
男「……」
ク「まだ不審がっているな。まだ長所はあるぞ。一般的な経口薬は胃腸に負担をかけて
しまう。余りおなかの具合も良くないと聞いていたのでこの選択になった」
男「クー…。そういう理由で坐薬を選んでくれたんだ…」
ク「まだあるぞ。君は苦いのが嫌いだろう。この薬はすごく苦いんだ。坐薬ならば苦味
を感じることも無い」
男「うん。僕は苦いのはいやだよ」
ク「それにだ…男の下半身を見ることで私の好奇心も満たすことができる。これらのこ
とから私は坐薬を選択したのだ」
-----------------------------------------------------------------------
ク「なあー。男よ。大変だろう。私が手伝ってやるから、トイレの鍵を開けたまえ」
男「ゴホゴホ…大丈夫だよ…。クー」
ク「本当に大丈夫なのか?男よ」
男「大丈夫だから、トイレの前で待たなくてもいいよ」
ク「何かあったら大変なのだが…。分かった。雑炊を作ってくる」
243ほんわか名無しさん:2007/02/08(木) 20:15:02 0
3/4

男「ふー…。トイレまで行って大変だったけど、クーが作ってくれた薬、何か効いて来
た気がしてきたよ」
ク「男よ。ちゃんとベットにいるか?」
男「ちゃんとベットで寝てるよ」
ク「雑炊ができたぞ。そっちに今もって行くからな」
男「いい匂いだな。おいしそう…。あれ、クー?早くレンゲをちょうだい」
ク「だめだ。まだ熱いからな、私が冷ましてあげよう」
男「大丈夫だよ。一人で食べられるよ」
ク「私の大事な男が風邪をひいているのに、さらに火傷をするという事態は回避したい。
さあ、今冷ましてやるからな…フーフー…さあ、口をあけたまえ」
男「本当に一人で食べられるよ。それに恥ずかしいよ…///」
ク「君は病人だ。それに愛する君のためにやっているんだ。私に少しは甘えてほしい」
男「///…分かったよ。じゃあ、今日は甘えさせてもらうね…モグモグ」
ク「男よ。雑炊の味はどうだ?」
男「やっぱりクーは料理がうまいね。すごくおいしいよ。もう一口もらえるかな」
ク「君がおいしいと言ってくれて私はすごく嬉しいぞ。今、冷ましてやるから、少し待
っていてくれ」
-------------------------------------------------------------------
ク「全部残さず食べたな。食欲が戻ったのは良いことだ」
男「クーの料理がすごくおいしかったからね。でも、一口ずつ冷ましてもらった上に食
べさせてもらうのはやっぱり恥ずかしかったな…///」
ク「もっと甘えてくれても良かったんだぞ。…そうだ。もう一つ薬があったんだ」
男「何か嫌な予感が…」
ク「大丈夫。今度は飲み薬だ。各種ビタミンや整腸剤、解熱鎮痛剤をミックスしてある」
男「良かった…。じゃあ、水をちょうだい。…ん?苦いよ。クー」
ク「男が飲みやすいように工夫をしたのだが。やはりまだ苦かったか…。すまない男よ」
244ほんわか名無しさん:2007/02/08(木) 20:16:01 0
4/4

男「これくらいなら大丈夫だよ。良薬口に苦し、って言うし」
ク「無理をしていないかね。じゃあ安静にしていたまえ。後片付けをしてくるからな」
男「やっぱりちょっと苦かったけど、せっかくクーが心配して作ってくれたんだから、
多少は我慢しなくちゃ…。満腹になったせいかな、眠くなってきちゃった…」
ク「男よ。何か欲しいものは…おやおや寝てしまったか。無理も無いか。あの薬は眠く
なる副作用があるからな」
ク「寝ている姿も実に愛おしいな。(チュッ)…まあ、これくらいは役得だろう」
---------------------------------------------------------------------
男「ごめんね。本当にごめんね。僕の看病のせいで風邪をうつしてしまうなんて」
ク「(ううむ。唾液で感染するということをうっかり失念していたな)…ゴホゴホ」
男「本当にごめんね。クーほどうまくできないけど、雑炊を作ったよ」
ク「君か来てくれただけでも嬉しいのに料理を作ってもらうとは…すまない」
男「謝るのは僕だよ。本当にごめんね。…あれ、クー。食欲が無いの?」
ク「とても熱そうで火傷をしそうだ。フーフーして冷ましてくれるとすごく嬉しい」
男「フーフーしてあげるから、今回のことは許してね」
ク「食べさせてくれないかな。それで許してあげよう」
男「フーフー…はい。口あけて。余りおいしくないと思うんだけど…」
ク「モグモグ…。君が作った雑炊は極上の味だ」
男「おいしいなら良かったよ。クー、もう一口食べる?」
ク「君の手料理なんてそうそう食べる機会がないからな。全部食べるぞ」
男「食欲があって何よりだよ」
ク「しかし、風邪をひくというのもなかなか悪くないな」
男「僕を心配させないでよ。クー。健康が何よりだよ」
ク「冗談だ。男よ。君とケーキを食べるという約束があるからな。早く治すから少し待
って欲しい」
245ほんわか名無しさん:2007/02/08(木) 20:17:22 0
終了

3レスのつもりが4レスになってしまった。すまない
ということで1/3→1/4に訂正
246ほんわか名無しさん:2007/02/08(木) 20:19:46 0
書き忘れていた

>>237
GJだ!
247ほんわか名無しさん:2007/02/08(木) 20:50:23 O
>>245
GJ!!!
248ほんわか名無しさん:2007/02/08(木) 21:47:04 O
誰もいないのかな…

「素直クールのつくりかた」、続き投下します。
249ほんわか名無しさん:2007/02/08(木) 21:48:15 O
「……ねえ、まひるも手伝ってよー」
「うるさーい」

晴樹が一人で食後の洗い物をしている間、まひるはリビングの床に寝転がってテレビを見ていた。

「まったくもう……まひるのうちでご飯食べた時には、いつも手伝わせるくせに……」
「……んー……まあ、細かいことは気にするなよ」

晴樹は、自分専用の水色の前掛けを台所の壁にかけると、
テレビから流れる平面的な笑い声を聞きながらソファーへ座った。

「あ、これまひるが好きな芸人だよね!」
「あー……そうだな……」

その夜、まひるは静かだった。確かに普段から物静かだし、騒がしい性格ではないが、
何を話しかけても上の空だった。今も、仰向けになったままテレビを見てはいるが、
内容にはまるで関心が無さそうに見えた。

「……なあ、晴樹」
「なっ、なになに!?」

ようやくまひるの方から話しかけられ、晴樹は、目を輝かせながら身を乗り出した。

「……夕焼けを見てるとき、何考えていたんだ?」
「え?何をって、別に何も……ただ、ぼーっとしてた、っていうか」
「……そうか」
250ほんわか名無しさん:2007/02/08(木) 21:49:29 O
それだけ答えると、まひるは気だるそうに再びテレビへ目を向けた。
どんな答えを期待してたのかな、と晴樹は思った。
しかし実際に、ぼーっとしていたとしか言い様の無いのも事実だ。
夕焼けを見て……その奥に何かが見えたような気がして、
気がついたときには、まひるに肩を掴まれていた。

「ねえ、まひる?」
「んー、なんだ?」
「明日、土曜日だよね?」
「ああ、土曜日だな」
「部活も休みだったよね?」
「そうだな、休みだ」
「それじゃあさ……も、もし良かったら、久しぶりに」

どこか気の抜けたようなまひるの返事を聞きながら、
このどこかくらい雰囲気を払拭しようと、晴樹がさらに身を乗り出した瞬間、
玄関から、聞き慣れた呑気な声が聞こえてきた。

「たーだいまー!」

「ああ、お父様が帰ってきたようだな」
「……みたいだね…」

実に間の悪い父親の帰宅に、晴樹は顔を引きつらせて答えた。
二枚の映画の割引券を、再びズボンのポケットへねじこみながら。
251ほんわか名無しさん:2007/02/08(木) 21:50:33 O
「良い匂いだ、今日の夕飯はまひる君が作ったようだね?」
「お疲れ様でした、お父様」「……おかえり、父さん」

「いやー、まひる君にはいつも世話になってるね。……なんだ晴樹、まだ起きてたのか」
「まだ九時だよ、っていうかそれが帰りを待ってた息子への態度?」

父親の露骨な態度の違いに、ジト目で睨みつける晴樹。

「はいはい、正直すまんかった。……ところでお二人さん、明日は暇かな?」
「ええ、私は部活も休みですし。どうせ晴樹はいつも暇ですから」
「人を暇人みたいに言うな!」

まひるは、でも事実だろう?と呟いて小さく肩をすくめた。

「まあ良いけどさ……で、明日がなんだって?」
「私もそれをお聞きしたい、何か用事でもあるのでしょうか?」
「いやー、大した事じゃないんだがな……」

そして、少年達は舞台に上がる

少年は、日常から非日常へ
少女もまた、日常から非日常へ

そしてまだ見ぬもう一人の少女は、あまりに長い時間を経て、非日常から日常へ。
252ほんわか名無しさん:2007/02/08(木) 21:51:52 O
以上、投下終わり。

こんだけ長かったくせに、まだ始まってもいないようですorz

253ほんわか名無しさん:2007/02/08(木) 22:01:08 0
>>252
人はいるよGJ!続きが楽しみだ
254ほんわか名無しさん:2007/02/09(金) 18:34:21 O
GJ!
255ほんわか名無しさん:2007/02/10(土) 22:43:22 0
長編の人、続きVIPに投下したのか?
どっちかにした方がいいと思うんだが…ほの板しか見ない人、或いはその逆も多少なりいるとは思うし
256ほんわか名無しさん:2007/02/11(日) 00:13:53 0
Vipに書いてもいいんじゃないかね
書く人に流動性があるのはいい事だと思うし
wikiを見てくれって付け加えておけばよくね?
257長編の人 ◆098PR7A.iI :2007/02/11(日) 03:25:37 O
>>255
確かにそうかも、すまん

こっちと違ってVIPはすぐ落ちるから、保守代わりに投下するときもある
258ほんわか名無しさん:2007/02/11(日) 05:04:55 O
がんばれ
259ほんわか名無しさん:2007/02/13(火) 08:47:16 O
見事に時間が止まってるね……あげておこう
260ほんわか名無しさん:2007/02/13(火) 11:51:00 O
そして刻は動きだす
261ほんわか名無しさん:2007/02/13(火) 18:31:28 0
いざ決戦
合格するぞ!!
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆祝合格☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
これを見た人は確実に【祝合格】となります。どこかに3回コピペすれ現実となります。
これは本当です。一年間お疲れ様でした
262ほんわか名無しさん:2007/02/13(火) 18:59:37 O
遅くなったけど、「素直クールのつくりかた」の続きをVIPの素クースレに投下しました
263ほんわか名無しさん:2007/02/13(火) 19:53:12 0
>>262
GJなんだが君は少々自己主張が激しすぎる
ヒートスレまで言って長編書いてる事をアピールせんでもいいだろう…
それと基本sageな、こっちもヒートスレも
264ほんわか名無しさん:2007/02/13(火) 20:42:20 O
>>263
わかった、気を付けるよ。
265ほんわか名無しさん:2007/02/13(火) 20:45:30 O
あと、この場を借りて、このスレのみんなに謝っておきたい。

自己顕示欲に駆られて、言葉を選ばず、VIPの素クースレでこのスレに対して失礼な言動をとってしまった。

一度に二つのスレの住人を不快にさせてしまい、心から後悔している。

重ねて謝罪させていただく、本当に申し訳なかった。
266ほんわか名無しさん:2007/02/13(火) 21:05:42 0
>>265
これからも素晴らしい長編を書いてほしい
今後ともがんばってくれ
267ほんわか名無しさん:2007/02/13(火) 21:07:51 0
俺も書いて欲しいが、無理にこっちじゃなくてVIPでもいいぞ?
多くの人に見てもらいたいって気持ちはわかるし素直クールな文が見れれば俺はどっちに投下されようが構わんし
268ほんわか名無しさん:2007/02/13(火) 21:14:29 O
>>266
そう言ってもらえると、すごく救われた気がするよ。ありがとう。
甘えさせてもらっても良いなら、これからも書かせてください。

>>267
でも、宙ぶらりんだと不快に思う人もいるってわかったから。
ここのみんなさえ良ければ、これからはここに書かせてもらいたい。
269ほんわか名無しさん:2007/02/13(火) 21:24:09 O
……しかも、またあげてしまったorz
いや、本当に申し訳ない…
270ほんわか名無しさん:2007/02/14(水) 08:05:48 O
男「じゃ、行ってくるよ」
ク「ああ、いってらっしゃい……事故に遇うなよ」
男「うん、大丈夫だよ」
ク「不審な輩に出くわしたら、すぐに交番か民間に逃げ込むんだぞ」
男「はいはい」
ク「この時間は車も飛ばしているからな。道路を渡る時は、右を見て左を見て、もう一度右を……」
男「朝の星座占いでビリだったからって、心配しすぎじゃない?」
ク「それとこれとは別問題だ」

男「…でも、一応兄としての威厳というものが……」
ク「昔からそそっかしい所は直っていないようだからな。ほら、さっそく忘れ物だ」
男「え?別に忘れ物なんて何も……」
ちゅっ
男「!?」
ク「ん、これでよし」
男「う……かなわないな、ほんとに」

男「じゃ……いってきます、クー」
ク「いってらっしゃい、兄さん。今日も、君の好物を作って待っているぞ」
271ほんわか名無しさん:2007/02/14(水) 08:08:59 O
「兄上」も良いけど、クーには「兄さん」と呼んでほしいと思う俺

みんな、今日も一日頑張ってね
272ほんわか名無しさん:2007/02/14(水) 20:21:28 O
バレンタインで一つ投下

クー「男、バレンタインのプレゼントだ」
男 「ありがとう……これ?」
クー「そうだ」
男 「口紅?」
クー「中身はちょっとちがうがね」
男 「チョコレート……って、まさか!!」
クー「察しがいいな、その通りだ」
ヌリヌリ
男 「ちょっと、待――」
ちゅ
クー「……これは君とキスをするための口実だから、こっちに別のものを用意してある」
男 「…………これは?」
クー「『オペラ』というケーキだ、あまり甘くないから全部食べられるはずだ」
男 「……ちょうどいい甘さだね、美味しいよ」
クー「その言葉が聞けて嬉しいよ、ありがとう」
男 「あ、これって層になってるんだ」
クー「ああ、これから先も二人で色々な事を積み重ねて行きたい、という願いを込めて作ってみたんだ」
男 「……ありがとう、これからもよろしくね、クー」
クー「こちらこそよろしく。……ところで、ホワイトデーは少し期待してもいいだろうか?」
273ほんわか名無しさん:2007/02/14(水) 21:51:31 O
>>272
GJ!
274ほんわか名無しさん:2007/02/14(水) 22:19:02 0
>>272
GJ。一ヵ月後のホワイトデーの話にも期待

ということでなんとか間にあったんでこっちも投下
数レスほど借りるよ
2751ページ:2007/02/14(水) 22:19:55 0
友人A「今日はバレンタインだな」
友人B「しかし、今日もあいつとクーちゃんが見せ付けてくれるんだな」
友人A「うらやましいぜ」
友人B「まったくだな。少しは幸せを分けて欲しいぜ」
(コンコン)
友人A「噂をすれば何とやらだ。どうぞ開いてますよ」
ク「男よ。今日はバレンタインだろう。ほらチョコだ」
男「あれ、これ10円チョコだよ」
ク「不満なのかね」
男「そうじゃないよ。クーの気持ちは十分伝わっているよ。ありがとう」
ク「そうか。そうだ、ゼミ室にいる他の皆さんもどうぞ」
友人A「おう。すまんな」
友人B「10円チョコか…。まあチョコには縁が無いと思っていたからな。クーち
ゃん。悪いね」
ク「では男よ。私はまだやることがあるのでな。じゃあ」
(バタン)
友人A「…おい、何かずいぶんとあっさりじゃないか」
友人B「何があったんだろう。あいつ、なんかチョコをじっと見つめてるぞ」
友人A「クーちゃんの機嫌を損ねたのかね」
友人B「さあ、俺はわからんな」
男(クー、忙しかったのかな…きっとクーは僕を驚かせようと思ってすごいの
  を作って家で待っているんだ。クーを待たせちゃいけないから今日は寄り
道しないで早く帰らないとね)
2762ページ:2007/02/14(水) 22:20:54 0
男「ただいまー。…あれ、誰もいない。普段ならクーがいるのにな。もしかしたら
早く帰りすぎただけなのかもね」
------------------------------------------------------------------------
男「…クーが帰ってこないなぁ…。この時期だからクーの研究とかが忙しいのかも
しれないなぁ…。…ん?携帯がなっている。きっとクーだ!もしもし?」
友人A「おう」
男「なんだ」
友人A「なんだは無いだろう」
男「ごめんね。所でどうしたの?」
友人A「いや、お前に話そうかと悩んだんだがな」
男「何があったの?」
友人A「いや、いつかは知ることだろうから、今言っておこうと思ったんだが、帰り
際に大学の中央広場でクーちゃんを見たんだ」
男「クーが?」
友人A「いいか、落ち着いて聞けよ。クーちゃんが別の男と楽しそうに歩いていたん
    だ。その上、何かプレゼントらしき包みをを男が持っていたんだ」
男「えっ!そんな…。クーが…別の男と…」
友人A「おーい、もしもし?だめだ、あいつショックで受け答えができなくなってる」
---------------------------------------------------------------------------
男「そんな…クーが…どうして…」
男「もしかしたら、僕がクーの愛にこたえられなかったのかもしれない。クーが好きだ
って言っても僕は恥ずかしがるしかできなかったからな…。考えてみれば、クーは
僕にはもったいなさ過ぎる位の女の子だったね…。クーも僕じゃなくてもっといい
男と付き合ったほうが幸せだよね…。そうだ…これで良かったんだよ…。クーの幸
せを考えればね…。一人ぼっちにはもう…慣れっこだよ…」
2773ページ:2007/02/14(水) 22:21:59 0
男「…グスン…クー…。会いたいよ…。でも、もうクーとは会えないんだ…。あの時、
愛しているよって言われたときにどうして僕もだよって言えなかったんだろう…
  何でクーが抱きついたときにも抱き返してあげられなかったんだろう…。クー、
僕は君のことが大好きだよ…。君がまた来てくれたら僕は絶対離さないよ…」
(ガチャ)
ク「男。ただいま。遅くなってすまない」
男「クー!クーが帰ってきてくれた!僕のところに帰ってきてくれた!クー!僕はクー
のことを愛しているよ!絶対君のことを離さないからね!」
ク「男よ、どうした。君が普段なら恥ずかしがって言えないことをそんな大声で言って
  いる上に抱きついてくれるのは私は嬉しいのだが、君が泣いているのは悲しいぞ」
男「クー…クーが帰ってきてくれた…僕は嬉しいよ…」
ク「泣いている君も愛おしい…じゃなかった。早く涙を拭きたまえ。一体何があったの
だね?事態がつかめんのだが?」
男「クーが…クーが…グスン…僕を見捨てて…別の…男と…」
ク「私が君を見捨てる?どんな冗談だそれは。私は君のことを誰よりも愛しているん
  だぞ。そんなことがあるわけがあるまい」
男「だって…別の男に…プレゼントを…渡して…」
ク「ああ、あれか。そのことは今持ってきたものに関係している」
男「え?」
ク「しかし、君も早とちりをする男だな。別の男と付き合っていると思っていたんだろ
う。安心しろ。私は君のことが全宇宙のどの生命体よりも大好きだ」
2784ページ:2007/02/14(水) 22:23:11 0
ク「つまりだ…。君はケーキが好きだったろう」
男「うん。大好きだよ」
ク「うちの研究室の同期に男だというのにケーキ作りのうまい奴がいてな。そいつに教わ
っていたんだ。それであいつはその代わりにに今日は彼女の誕生日だから彼女に似
合いそうな服を見て欲しいとか言ったのだ」
男「つまり、その包みはその同期の男の人が彼女に渡すプレゼントだったの…」
ク「うむ。後、君は普段から恥ずかしがって、皆の前で恥ずかしいこと言わないでって
言うだろう。だから今日は君のゼミ室ではあっさり目にしてみた」
男「ごめんね。いつも通りのクーでいいよ。どんどん恥ずかしいこと言っていいよ」
ク「そうか。ではこれからもどしどし言わせてもらうぞ。で、本題なのだがそいつに教わ
って私が作ったのがこのチョコレートケーキだ。ケーキ専門店の味に勝てるとは思
わないが、食べてくれるかな」
男「そうだったんだ…。それなのに僕は…。クー、ありがとう。本当にありがとう…」
ク「私は君が私を熱烈に愛してくれたことが再確認できて嬉しかったぞ。よし、今切る
からな…。どうだ味のほうは?」
男「おいしいよ。こんなおいしいケーキ初めて食べたよ」
ク「君が喜んでくれて本当に嬉しいよ。男よ愛しているぞ」
男「僕もだよ。クーのこと大好きだよ。そうだ、クーも一緒に食べようよ」
ク「よし、では頂くか。…ふむ。我ながらなかなかうまくいったな」
男「こんなおいしいケーキ食べるのがもったいない気がするなぁ…」
ク「気にしないで食べたまえ。愛する男のためならいつでもいくらでも作ってやるぞ」
279ほんわか名無しさん:2007/02/14(水) 22:24:21 0
バレンタインデー短編は終わり

今日の私ですか?大学研究室の女の子から何か義理とやらを同室の連中に配ってしま
したが、なぜだが私は麦チョコ1粒ももらえなかったことを付記しておきます







------------------------------------------------------------------------


ク「ふむ。そうだ…。この文を読んでくださる、いつもお世話になっている皆様方にもチョ
コをあげねばな。こんな安物だが迷惑でなければ受け取って欲しい」
つ【10円チョコ】
280ほんわか名無しさん:2007/02/15(木) 09:16:20 O
GJ!!
281ほんわか名無しさん:2007/02/15(木) 11:21:14 0
>>279
俺もチョコはもらえなかったぜ
GJ
282ほんわか名無しさん:2007/02/15(木) 13:52:28 0
GJ!
で、バレンタインって何だ?
283ほんわか名無しさん:2007/02/15(木) 22:37:33 0
GJ!
>>282
しょっぱくて苦いものだよ。
284ほんわか名無しさん:2007/02/15(木) 22:41:32 O
携帯からですまん。
素直クールのつくりかたより、千弓
http://p.pita.st/?9b4e1pva

着物は記憶を頼りに描いたから、けっこう適当かも
285ほんわか名無しさん:2007/02/16(金) 10:14:29 0
男「あ〜、バレタインか。そんな日もあったなぁ」
ク「チョコを貰えなかったからって現実逃避は良くないぞ?
 14日はチョコに欲しそうな顔で女子の近くをウロウロしてキモがられてたじゃないか」
男「古傷にふれるなぁぁぁぁぁぁああ!!(´ノω;`)」
ク「やれやれ、しょうがない・・・ほら つチョコ」
男「・・・え?」
ク「当日は家に忘れて渡せなかったんでな・・・遅くなったが受け取ってくれ」
男「ほ、ほ、ほ・・・・ホンマデスカ!?姉さん!!!」
ク「ああ、私の気持ちだ。受け取ってくれると嬉しい。」
男「ぜ、ぜひ受け取らせていただきます!!」

男「と、言う夢を見たんですが正夢でしょうか?」
ク「・・・人の夢と書いて儚いと言うんだ。」
男「ですよね(´ノω;`)」

「バレンタイン後はデパートで安売りするぜwww」
とか言ってる友人がいて悲しかったwwww俺も貰えなかったがwwww
286ほんわか名無しさん:2007/02/16(金) 10:15:20 0
そしてsage忘れた。すいません orz
287ほんわか名無しさん:2007/02/16(金) 14:10:26 0
何か物悲しいわね
288ほんわか名無しさん :2007/02/17(土) 18:25:49 0
<<285
あぁ・・・P2
289ほんわか名無しさん:2007/02/18(日) 01:35:14 O
過疎だ
290ほんわか名無しさん:2007/02/19(月) 16:20:41 0
夜女に夢中でクーの相手ができない俺。
291ほんわか名無しさん:2007/02/19(月) 23:12:07 0
そして過疎すぎるほどの過疎。
292ほんわか名無しさん:2007/02/20(火) 01:30:42 O
今はシベリアの素クールスレが賑わってるな
293ほんわか名無しさん:2007/02/20(火) 01:42:40 0
じゃあほの板振興のために一つ急造ネタを投下
週末に本スレでこのお題で書こうと思ったら落ちていたので今投下させてもらうよ
実はこれは先々週の本スレのお題消化

つ【本の好きな男とスポーツ好きなクー】

書いているうちに何かすごくお題からはみ出ているように感じたのは秘密だ
2941ページ:2007/02/20(火) 01:43:16 0
書店の親父「まだ立ち読みしている客がいるな…。ちょっとお客さん」
男「ああ、すいません。家に帰るのが待てなくて、今買いますから…」
店「なんだ。男君じゃないか。君だったらいくらでも見てくれていいよ」
男「そうもいかないですし…。それに家に帰るきっかけがなくなりそうで…」
店「ははは。本当に男君は本が好きだね」
男「この作家さんの新刊とても楽しみにしていましたからね。…あれ?あの人何やっている
んだろう…?…おじさん!あの人、万引きを!」
不良A「…ちっ!」
店「おいこら!逃げたか…。被害が無いのは何よりだったが…」
男「万引きが最近多いんですか?」
店「最近、結構増えていてねぇ。困りものなんだよ。例えば1冊当たりの本屋の儲けを10 %と
  すると、1冊万引きされたら10冊売らないと取り戻せないんだよ…」
男「それは大変ですね」
店「今日は男君のおかけで助かったよ。ありがとう」
-----------------------------------------------------------------------
男「さあ、新刊が楽しみだな。家に帰ってお菓子食べながら読もうっと」
不良A「おい、兄ちゃん。ついさっきは世話になったな。面貸せや」
男「えっ…僕のこと…」
2952ページ:2007/02/20(火) 01:44:48 0
不良A「ついさっきはよくもやってくれたじゃねぇか」
男「ええと…。こんな路地裏に連れ込んで…もうちょっと明るい表通りで話をしようよ…」
不良B「俺たちの大事な収入源をよくも邪魔してくれたなぁ」
男「でも万引きはよくないと思うな…」
不良C「兄ちゃんのせいでシンナー代が足りねぇんだ。どう落とし前をつけてくれる」
--------------------------------------------------------------------
ク「今日はいい買い物日和だ。男を誘おうとして連絡が取れなかったのは残念だが、大方本屋
で熱中しているのだろう。…ん?あれは男ではないか。友達と一緒にいるみたいだな。おー
い。男よ。…ん?何かジェスチャをしているぞ。甘えん坊さんめ。こっちに来いということだな」
男(クー、こっち来ちゃだめだったら!)
不良A「兄ちゃん、何ついさっきから手を振ってやがるんだ?」
男「ええと…なんでもないですよ」
ク「男よ。君と会えて嬉しいぞ。…おや、普段の君の友達層とは違うな」
男「クー。ジェスチャが見えなかったの。来ないでって」
ク「君は私のことが嫌いなのか…」
男「そうじゃなくて…」
不良B「ついさっきからごちゃごちゃ何言ってやがるんだ」
男「彼女は僕とは関係ないんで…」
ク「恋人に関係ないとはひどいな。相当ショックを受けたぞ」
男「だからクー。危ないから今は僕から離れて」
2963ページ:2007/02/20(火) 01:45:43 0
不良A「兄ちゃん、そいつはお前の女か。見せ付けてくれちゃってよぉ。気にくわねぇな」
不良B「おい、そこの女。そんな貧弱な男はやめて俺の女にならねぇか」
不良C「しかし、この女幼児体型だぜ。おまえロリの気があるんじゃねぇのか?」
ク「男よ。こいつらは何だね。知能指数の総和が2桁にも達していないようなこの連中は?」
男「僕を恐喝しようとしているみたい。危ないからクーは逃げてよ」
ク「そうはいかん。愛する君の大ピンチだ。私が君を助けて見せよう」
男「いくらクーが護身術として武道をやっているとはいってもこれだけの相手じゃ…」
ク「無論、私のスポーツ武道で勝てるとは思わん。ただ、私は交渉術の心得もある。彼らも人
間だ。穏便に説得できるはずだ」
男「大丈夫かな…」
ク「あー、君たち…」
不良A「なんだぁ?有り金全部出す気になったかぁ?」
ク「いや、そうじゃない。どうすれば君たちは満足かな」
不良B「あの貧弱な男の有り金全てをよこして、俺の女になるんなら許してやってもいいぜぇ」
ク「ううむ。もう少し条件は緩和できんものかな」
不良C「しかし、あんな男のどこが気に入っているのか、俺にはわからねぇぜ」
ク「…私を幼児体型だとかけなす分にはかまわんが、私の男をけなすのだけはやめてほしい!
しかし、君たちはチンパンジー並みの知能だな。人間の言葉を話すのはやめてもらえんかな」
不良A「俺たちをチンパンジーだと…」
ク「申し訳ない。チンパンジーに失礼であったな」
2974ページ:2007/02/20(火) 01:46:19 0
不良B「女だと思っておとなしくしていれば付け上がりやがって!痛い目にあいてぇのか!」
男「…!クー!危ない!」
ク「男!大丈夫か!すまない。私がかっとしたばかりに…君をこんな目に…私なんかをかばわ
なくても…」
男「クー…。怪我は無さそうでよかったよ…。僕のことは気にしないで…早く…逃げて…」
不良B「へっ、俺のパンチをもろに腹で受け止めやがったぜ。さぁ女。おまえの男はそこで気絶
しているぜ。俺と一緒に茶でも飲みにいかねぇか」
ク「許さん…。許さんぞ…貴様ら…」
不良A「おめぇも痛い目にあいたいのか?」
ク「愛する男をこんな目に…貴様ら生きて帰れると思うな…」
不良B「しかたねぇな。こうなったら力づくでも俺の女にしてやるぜ」
ク「汚い手で触るんじゃない!」
不良C「何だぁ?じゃあ、俺のパンチで気絶させてから…食らえっ!…うっ」
不良A「おい?どうした」
不良C「この女。俺のパンチを受け止めやがった、しかも強く握って動かねぇ!」
ク「貴様らには地獄すら生ぬるい…」
2985ページ:2007/02/20(火) 01:47:16 0
ク「男!男!目を覚ましてくれ!お願いだ!」
男「…うーん。クー?…良かった。クーは無事だったんだ…」
ク「男よ。身を挺してかばってくれてすまなかった。ただ、格好良かったぞ」
男「クーを守れなかったんだ。格好良くないよ」
ク「いや、私にとってのヒーローは君だ。愛しているぞ。男よ」
男「えへへ…///。何か照れちゃうな。所で、クー?小腹が空かない?」
ク「あんなことがあっても小腹が空くとは大物だな。よし、ケーキでも食べに行くかね」
------------------------------------------------------------------------
男「よくあれだけの不良から気絶した僕を連れて逃げられたね。さすがクーだよ」
ク「さすがにそんなことはできない。少し説得をしてな、それで決着が付いた」
男「あんな険悪な状態から説得に成功したんだ。クーの交渉術はすごいね」
ク「たいしたことではないよ。所で、このスペシャルケーキを注文しようと思うのだが」
男「それ、すごくおいしいけど高いよ。誕生日とか特別な日には頼むけど…」
ク「心配するな。この金を見たまえ。ここは私のおごりだ」
男「こんなに一杯…。このお金、どうしたの?」
ク「実は説得中にあの連中が自らのを非を認めて、君の治療費と我々への慰謝料をくれた
のだ。さぁ、これだけ金があるんだ。好きなものを好きなだけ食べようではないか」
299ほんわか名無しさん:2007/02/20(火) 01:48:42 0
ということで、急造ながらお題消化

後、3ページ目でsage忘れた。すまない
300ほんわか名無しさん:2007/02/20(火) 01:49:43 0
さらに申し訳ない
3ページではなくてsage忘れたのは2ページだった
301ほんわか名無しさん:2007/02/20(火) 01:51:34 0
クーカッコヨス!!
302ほんわか名無しさん:2007/02/20(火) 01:51:52 O
どんまい且つGJ!
303ほんわか名無しさん:2007/02/20(火) 03:42:42 O
GJ!!

ふと思ったけど、ケンシロウって素直クールじゃね?
304ほんわか名無しさん:2007/02/21(水) 17:19:51 O
これがいわゆる過疎というものかね
305ほんわか名無しさん:2007/02/21(水) 17:25:31 0
あぁそのようだ
306ほんわか名無しさん:2007/02/21(水) 18:08:59 O
男 「人が居ないらしいよ」
クー「そうなのか?」
男 「うん」
クー「逆に考えると二人きりということだな」
男 「う、うん……」
クー「なぜ距離をあける?」
男 「いや、何となく」
クー「…………」
男 「…………」
クー「少し寒くないかな?」
男 「……気のせいじゃないかな?」
クー「震えているぞ?」
男 「寒いからだよ、きっと……はっ!」
クー「そうか、なら暖めないとな」
男 「いや、ちょっと、ま――」
ぎゅ、すりすり
クー「やはり抱きごこちは最高だな」

友 「いくら放課後でも教室でやるなよ……」
307ほんわか名無しさん:2007/02/21(水) 18:40:36 O
逆に考えるんだ、教室だからこの程度ですんでいるんだと
308ほんわか名無しさん:2007/02/21(水) 20:43:02 O
なんという過疎…

長編「素直クールのつくりかた」、続き投下します。
ちょい長めになるかも
309ほんわか名無しさん:2007/02/21(水) 20:44:55 O
「……では、それがどういった状況か説明してもらおうか」

まひるは、腕組みをしながら頬をピクピクと引きつらせた。
目の前には、説明に困っているのを力なく笑って誤魔化そうとしている晴樹と、
ぎゅっと晴樹のシャツの裾を掴んで、まひるをじっと見つめる着物姿の少女がいた。

「え、えーっと……あはは」
「晴樹の悪い癖だ、笑って誤魔化すな。
 人が心配してようやく見つけてみれば、異性交遊の最中とはどういうことだ?」
「べっ、別にそういうわけじゃ!」
「……………」
「ちょ、まひるも千弓もなんでガンつけあってんの!?」
「……相変わらずね、まひるちゃん」

突然目の前の少女に名前を呼ばれ、まひるは些か困惑気味の表情を浮かべる。

「……どちらのお嬢様かな?」
「ち、千弓……」

晴樹は、何故か千弓に対して敵意むき出しのまひるを見て、
戸惑いながら千弓を見る。

「大丈夫、まひるにも思い出してもらうから」
「思い出す?一体何のことだ?」

さっきのアレか……と、千弓のどアップを思い出し、晴樹はわずかに赤面した。
310ほんわか名無しさん:2007/02/21(水) 20:46:44 O
しかし、千弓はただ自分の人差し指をまひるの額にあてただけだった。

「あれ?」
「……思い出した?まひる」
「ふむ……ああ。久しぶりだな、千弓」

おまじないとやらが解けたのか、まひるは千弓を思い出したようだった。

「……え、今ので思い出したの?」
「そうだが?」
「そうだけど?」
「じゃあ、さっきの……その、おでこ同士のアレは?」
「あれは私がやりたかっただけ」

晴樹はずるりと肩を落とした。
そういえば、千弓はこういう性格だった気がする。
一見おとなしく感じるけど、実は自分の欲求に忠実な性格。

「……だからと言って、千弓が晴樹にしがみつく理由にはならないな」
「久しぶりの再会だから。少しは感傷に浸っても良いじゃない」
「それなら私にしがみつくが良い。気持ち良く昇天させてやるぞ」
「お断り、気持ち悪いもの」

(久しぶりの再会にしては、なんか険悪な雰囲気のような……)
311ほんわか名無しさん:2007/02/21(水) 20:47:52 O
「でも、僕知らなかったな」
「何が?」
「千弓が、その……幽霊?だったなんて」
「晴樹は昔から怖がりだったから」
「気を使ってくれたの?」
「違う、私が怖がられたくなかっただけ。
 私はこんな性格だけど、晴樹に怖がられたら、傷つく」
「小さい頃の僕でも、千弓を怖がることはなかったと思うよ?」
「そう?」
「そうだよ、だって千弓だから」
「私、だから……」
「うん」
「……嬉しい」

「仲良くご歓談の最中失礼だが、お婆さんの所に戻るぞ。
 ……行くぞ、晴樹」
「え、あ……!」

完全に蚊帳の外にいたまひるは、どこか不機嫌そうに言うと、
むんずと晴樹の腕を掴んで勝手口に入った。

「ほんと、相変わらずね……」

千弓が小さく呟いた言葉は、開けっ放しになっている勝手口に吸い込まれていった。
312ほんわか名無しさん:2007/02/21(水) 20:50:08 O
「あぁー……忘れ物、やっと見つけたみたいじゃね」
「まあ、ね……正直、まだ理解できてないことも多いけど」
「あの子のこと、かねぇ?」
「うん……」

晴樹が力なく頷くと、祖母は柔らかい微笑みを浮かべたままゆっくりと話し始めた。
千弓は、まだ三人のいる茶の間には来ていない。

「あの子は……ただの幽霊、というわけでもなくてねぇ」
「どういうことですか?」

意味深に受け取れる祖母の言葉に、晴樹の横に座るまひるが尋ねた。

「平たく言えば、この家の守り神じゃねぇ」
「えっと……座敷童、みたいな?」
「そうとも言えるがね……簡単に言えば、我々のご先祖様じゃ」
「僕達の?千弓が?」

さらに自分の理解を超えた祖母の言葉に、晴樹は困惑の表情を深めた。
その後も、祖母の説明は続いた。
313ほんわか名無しさん:2007/02/21(水) 20:52:11 O
千弓は、大昔から続く珠猫(たまねこ)家……晴樹の家系の一族の、ご先祖様だということ。
そして、代々この家を守ってきた、ということ。
そして……祖母の目にも、千弓は見えないということ。

「お婆さんにも、見えない?」
「でも僕の記憶だと、お婆ちゃんと一緒に遊んでもらってたような……」
「まったく見えない、というわけじゃないんだけどねぇ……」
「え?」
「どういうわけか、晴樹と一緒のとき……晴樹のそばにいたときは、私にも見えたんじゃよ」
「僕と、一緒に……」

そこまで聞いたところで、ふと晴樹の頭に浮かんだ疑問。

「ねぇ……僕が最後にここに来たのって、小学校を卒業する前だよね」
「そうじゃねぇ」
「僕の記憶でも、千弓と最後に会ったのは小学校卒業前」
「ん」
「じゃあ……僕がいなかった間、千弓は……」
「……ずっと一人だった、と」

思わず絶句する晴樹に代わって、まひるが小さく言った。
314ほんわか名無しさん:2007/02/21(水) 20:53:04 O
「そんな……ひどいよ、なんで僕を呼ばなかったの?」
「ご先祖様の……千弓ちゃんの、はじめてのお願いじゃったからねぇ」
「千弓の……お願い?」
「そこから先は私が話す」

気付くと、いつの間にか居間の入り口には千弓が立っていた。

「千弓……」
「晴樹」

千弓は音を立てずに晴樹の横に座る。
その凛とした声で名を呼ばれ、晴樹のは思わず身を固くした。

「な、なに?」
「とりあえず、私にもお茶」

つづく
315ほんわか名無しさん:2007/02/21(水) 20:55:35 O
以上、投下終わり。
いまいち素直クール分が足りない気もするけど、
できるだけ明るい展開にしようと頑張ってみた。
316ほんわか名無しさん:2007/02/21(水) 22:17:44 0
前回分見逃したからかもしれんが、千弓も素直クールだったのか
317ほんわか名無しさん:2007/02/21(水) 22:51:31 O
>>316
図々しいかもしれないけど、詳しくはまとめを見てもらいたい。

ちなみに、今のところ素直クールは千弓だけなんだぜ。
318ほんわか名無しさん:2007/02/21(水) 23:28:11 0
>>315
おもしろいんだが、投下前に前回投下がどのスレの何レス目だったか書いてくれないか?
投下場所が散らばっていて見落とす可能性があるので、面倒だとは思うがそうしてくれると非常に助かる。
319ほんわか名無しさん:2007/02/21(水) 23:39:07 O
>>318
わかった、善処するよ
320ほんわか名無しさん:2007/02/23(金) 23:03:28 O
突然すいません
vipスレのテンプレに、こちらで使っているまとめサイトのリンクを貼ってもいいですか?
321ほんわか名無しさん:2007/02/24(土) 00:12:54 O
とくに問題ないとは思うけど…
322ほんわか名無しさん:2007/02/24(土) 00:27:52 0
問題は無いと思うよ
第一あのwikiは最近のvipのログも収容されているし
323320:2007/02/24(土) 07:00:20 O
>>321-322
dクス

一つ投下します。
男 「……おはよう」
クー「おはよう、男」
男 「……どうして隣に寝ているのかな?」
クー「おかしな事を聞くね?」
男 「確か戸締まりはしてあったはず」
クー「愛の力の前に鍵など無いに等しいよ」
男 「……どうみても不法侵入です。本当にありがとうございました」
クー「……実は開いていた」
男 「え?」
クー「窓から何者かが侵入しようとしていたのでね、そこに転がしてある」
男 「……!」
? 「……むーむー」
クー「……私は命の恩人だぞ?」
男 「け、警察を……ってよくみたら友じゃないか」
友 「むーむー……ぷはっ。スマン、おどかしてやろうと思ってやった。今では反省している」
男 「……は?」
クー「君の安眠をさまたげようとしていたんだ、睡眠不足は健康の大敵だからな」
友 「今まで一度も気付かれずに目覚ましの時間を10分ずらしたりしてたのに、オレの腕も落ちたかな?」
男 「……なんの腕だよ」
クー「だがもう心配はいらない、これからは私が男の目覚ましになろう」
友 「くやしいけど、これからはクーさんに任せるよ」
クー「任せてくれ、快適な目覚めを約束しよう」
男 「……静かに眠らせて下さい」
324ほんわか名無しさん:2007/02/25(日) 00:06:46 0
男友なにしてんだw
325ほんわか名無しさん:2007/02/26(月) 21:31:07 0
たぶんこれも素直クールだと思うんだ 2レス投下します


 こんな夜中の11時に玄関のチャイムを鳴らす奴はきっと非常識なやつで、そして周囲の
人間にも非常識だと思われている奴にちがいない。面倒くさいな。いったい誰?
 覗いたドアのレンズの向こう側に立っていたのはあいつ。沈んだ顔。わかりやすい。
 またフラれたのか。面倒くさい。
 
 でも部屋に入れる私。
 
 
 またこいつはフラれた。そりゃそうだ、中身をよく知る前から顔で女を判断しているんだもの。 
 
メールのやりとり→ちょっと盛り上がる→その気になる→告白→つき合う→浮かれる→すぐフラれる。
 
そしてこのしょうもないローテーションのゴールでありスタート地点である私の部屋に戻って来る。
要するにこいつはアホなんだと思う。うん、ホントに。人間なら反省するというか経験を活かして欲しい。
いや、動物でもそれはするか。でもこいつはしない。どうしようもない奴。でも放っておけない。なんで?
 
 本当は分かっているくせに。
 
 ごまかしの効かない私の性分、べつに求めていないのに答えてくれる。認めたくないけど
私は好きになっている。誰を?あいつを。本当に?ホント。間違いない?しつこい。
 
 じゃあ、とっとと彼に気持ちを伝えようよ。
 
 でた。私の今の正直な気持ち。いや、でもフラれるのが目に見えているから止めておこう。でも自分の
気持ちにウソをつくのは嫌い。っというより面倒くさい。ストレスは溜めたくない、でも傷つくのはイヤだ。
ああ、今この瞬間のモヤモヤが嫌っ。とりあえず、いまは抑えておこう。
326ほんわか名無しさん:2007/02/26(月) 21:31:44 0
 玄関を開けるあいつ。やっと帰る気になった。『いつもありがとな』って? ホント。少しは
私がいつでも慰める理由ぐらい考えて欲しい。
 こいつ、ホントは気づいているんじゃないのかな?いま思ったけど。そうだよ、普通なら気づくというか
少しくらいは考えたりするんじゃないのかな?年頃の女がどうも思っていない男をいつでもを部屋に歓迎なんかする?
そのことになんの勘ぐりも持たない男がいるの?いる。目の前にいる。こいつならありえる。もう嫌だ、また
モヤモヤと考えている。面倒くさい。
 
 
 『誰でもいいから俺とつき合ってくれないかな〜』
 
 
 やっぱり言った。フラれてヤケになると帰る時はいつもこんなことを言う。『じゃあ、私とつき合ったらいいのに。』
 

あっ・・・
 
 
 まさかの発言。私の本音。頭の中でのつもりだったのに外に飛び出てしまった。聞こえた?こっちふり向いた。
そりゃ聞こえるか、声大きかったもんね。ああ、耳が熱くなってきた。なんか反応して欲しい。沈黙しないで。
 
 
『なにそれ?騙されると思ってんのw』
 
 
 えっ、騙すも何もホントのことなんですけど。あっ、こいつ冗談と思っている。けっこう笑っている。よかった。
よかった?いや、よくないよ。なんで?ちょっと酷いよ。『じゃあ、またな。』って。えっ、帰るの?
 
 
もうヤだ。面倒くさい。なんで好きなんだろ。
327ほんわか名無しさん:2007/02/26(月) 22:12:47 0
違うねえ
328ほんわか名無しさん:2007/02/26(月) 22:26:13 0
素直クールの内心に踏み込んだ作品としてみれば、なかなか良いのでは?
329ほんわか名無しさん:2007/02/26(月) 22:59:33 0
>>326
これが男口調だったら案外、イケるんじゃないか?
330ほんわか名無しさん:2007/02/26(月) 23:40:19 O
良くも悪くも俗っぽい感じが好き
なんかスレで出る素直クールって凛としてるっつーか、キャラが強いじゃない?
331先輩×後輩 1/3:2007/02/27(火) 07:57:45 0
「先輩……? そ、それは―――」
『恥ずかしがらなくていいよ。大丈夫』
「いやっ、ダメですって……!」
『絶対悪いようにはしないから。ほら、力抜いて』
「や、や、や、……その、超えちゃいけない線ってあると思うんです」
『取って食う訳じゃないんだから。ね?』



「ね? ――じゃないですって! なんで僕がスカート穿かなきゃいけないんですか!!」  (←男)
『うん? 可愛いと思うけど』  (←女)



「と・に・か・くっ! 女装なんて絶対しませんからね」
『んん……君にしては珍しく強情だ』
「そりゃ強情にもなりますって! 好き好んで女性の格好なんて出来ませんっ」
『きっと似合うよ?』
「不名誉です!」
『あ、こっちよりもアレの方が……ちょっと待ってて』
「無視!?」
『―――っと。これ、どうかな』
「……………………(ツーン」
『……………………(ジーッ』
「…………(チラッ) ってうわぁ!? 10着くらいある!?」
『8着。このフリフリなんか堪んないよね……』
「……あの、妄想で犯したりとかしてませんよね」
『ごめん。それに関しての言及はできない』
「何ですかその正直すぎるコメント!? そこは嘘でも頷いて下さいよ」
332先輩×後輩 2/3:2007/02/27(火) 07:58:15 0
『嘘はなるだけ吐かない主義なんだ。まぁ、とりあえずこれを着ると良いと思うよ』
「絶対着ません」
『む。写真を撮る訳でもなし、言いふらす訳でもなし。何が不満なんだい?』
「僕が女装すると言う点において全てです」
『はぁ―――。外を歩け、とも言わないよ?』
「当然です。もし言われてたらこの部屋から全力で逃げ出してます」
『…………そっか。そんなに嫌か』
「(う、そんな顔されると……)」
『だとすると、もうこの服には出番が無い訳だ……。どうしたものか』
「え? 着もしない服持ってるんですか?」
『母が少女趣味でね。たまによこしてくるんだ』
「はあ」
『どうせだし、といくつか君用にリサイズしたのがコレ等だな』
「それ絶対余計なコトしてますって」
『捨てるのも忍びない。また奥の方へ仕舞うか……』
「(ぐっ、耐えろ僕。この罪悪感は本来感じなくて良い―――ん?)」
『片したあと、紅茶でも淹れてこよう。少し待』
「あの、先輩」
『っ―――、なんだ?』
「“いくつか”って事は、先輩が着られるこんな服もあるんですよね」
『そうだね。日の目は見ないだろうけど』
「じゃあ、次どこかデートする時にそれ着てくれたら、今日だけ……」
『約束しよう』
「(“日の目は見ない”―――絶対に着たくないんだ。まずOKはしないだろうし、これで僕の罪悪感も……)
って即答!? ワンテンポ遅れちゃった!?」
『んー、あそこまで嫌がってた君のためだ。一着で我慢しよう。ゴスロリ決定』
「展開速ぇ!! ちょっ先輩、なんでそんな一瞬で」
『わざわざ君がそう言う、ということはフリフリの私を見たいのだろう? 君の願いを私が妨げるとでも?』
「うわーん! 読み違えたー!!」
『ふふふ、どうやら向けられた愛の深さをまだ解ってない様だね』
333先輩×後輩 3/3:2007/02/27(火) 07:59:13 0
  〜そして後日のデートとやら〜

「……あの、先輩。隣に居る僕が恥ずかしいんですけど」
『多少注目されるのは仕方ないよ。こんな格好の女が居たら、私も見るし』
「そんなアナタにガッチリ腕組まれてる僕は一体……。肩身狭いなぁ……」
『やましい事はないんだから、堂々としてればいい。それよりも私が気になるのは――』
「なんですか?」
『君。私みたいなデカ女に、こんな格好させて楽しいかい?』
「それを言うなら、先輩こそちんちくりんの後輩捕まえて離してませんが」
『…………例え恋人でも、人として理解できない範疇があるという事かな。まして異性……
お互い、今の自分を卑下する発言は無かったことにしようか』
「そうですね。じゃ、今日は新しくできた―――」


  〜更にその後どうなったか〜

「…………先輩、網膜に焼き付けたんじゃなかったんですか」
『生で見るとまた違う趣があるからね』
「うわーん! なんかアクセサリー増えてる!!」
『いけない、涎が』
「そんな欲望丸出しにしないで下さいよ……」
『さぁ愛の抱擁の時間っ!』
「おぶっ!? ちょっ、ぜんばいぐるじ……」
『―――っ、はぁ―――。君の匂いだ』
「…………(///」(←抱き寄せはするものの間が持たない)
『ありがとう。いつも私の我がままを聞いてくれる。愛してるよ』
「……(/////)……はい、あの、僕もです……(/////」
『あ、こんなものも用意してみたよ  つ【ウィッグ(所謂カツラ)】』
「ぎゃー!!」

  教訓:突き通したい意地は意地でも突き通しましょう
334ほんわか名無しさん:2007/02/27(火) 16:02:18 0
>>331-333
GJ!!
335ほんわか名無しさん:2007/02/28(水) 22:50:54 0
だれもいないの?
336ほんわか名無しさん:2007/02/28(水) 23:01:24 0
いる
誰かお題をくれないかな
337ほんわか名無しさん:2007/02/28(水) 23:05:57 0
っ花粉症
338ほんわか名無しさん:2007/03/01(木) 08:31:25 0

男「はぁはぁ、ティ、ティッシュくれ」
ク「……ほどほどにな」
男「ありがとう、恥ずかしいから向こう向いてて」
ク「ああ」
男「チーン もういいよ」
ク「随分と早いな」
男「普通だと思うけど」
ク「それにしても凄い量だな」
男「あ、あまり見るなよ」
ク「これだけ出されたら一発で孕んでしまいそうだ」
男「何を言ってるんだ、おまえは」
339ほんわか名無しさん:2007/03/01(木) 09:56:46 O
少し頭の弱いクーは好きだよ
GJだ!!

スレ活性のためお題を投下したいのはやまやまなのだが思いつかないんだ
無念…
340ほんわか名無しさん:2007/03/01(木) 12:07:58 O
>>338
氏家臭がプンプンするよ

お題つ花見
341ほんわか名無しさん:2007/03/01(木) 20:49:33 O
お題

つ【春一番】
つ【卒業式】
つ【高校or大学の合格発表】

文才のない俺に代わって誰か書いてくれ
342ほんわか名無しさん:2007/03/01(木) 21:21:34 0
お題を要求したので遅ればせながら投下するよ
つ【花粉症】

男「ハクション!うぅ…今年も花粉症の季節が来たのか…」
ク「男よ、大丈夫か?君が辛そうで私はすごく心配だ」
男「クー、すまないけどティッシュ取ってくれる?」
ク「今取って来てやるぞ。しかし、愛する君が苦しむのは心苦しい。できることなら
君の苦痛を私が代わってあげたい」
男「ありがとう。クーは優しいんだね」
ク「よし。インターネットという道具があるのだ。どうすれば君の苦しみを取り除け
られるか調べてみるか…。ふむ、原因植物を取り除くのが良いそうだ」
(キュイイイン)
男「…!クー、今の音とその機械は何?」
ク「見れば分かるだろう。チェーンソーだ。確か町外れの山はスギ林があったからな。
今から全て切り倒してこようと思ったのだが…」
男「いくらなんでも、やりすぎだと思うよ…。とにかくそれはだめだよ」
ク「君のためを思えば、山を一つくらい禿山にすることくらいは容易なのだが…。君
がだめというのならこの方法はやめておこう」
男「そうだよ。あの山はよくハイキングに行くじゃないか。禿山だと楽しく無いよ」
ク「では次だ。スギ花粉の少ない北海道や南西諸島で療養するのが有効だそうだ」
男「うーん…。僕たちはお金も無いし、学校もあるからなぁ…」
ク「むぅ。この方法もだめか。なんて私は無力なんだ。愛する君の苦しみを取り除く
こともできないなんて」
男「クー。気持ちだけでも僕はすごく嬉しいよ」
ク「む?まだ情報があるぞ。過労や睡眠不足、精神的ストレスは自律神経のバランス
を崩し、花粉症の症状を悪化させるそうだ」
男「そうなの?」
ク「よし。君が精神的な安定と睡眠が得られるように寝るときに君と一緒に私が寝よ
う。嫌な事があったり、不安を感じたら私に甘えてほしい」
男「///…。クー、そんなことされたらどきどきして余計寝れなくなっちゃうよ…」
343ほんわか名無しさん:2007/03/01(木) 23:21:51 0
>>342
GJ!!
俺も花粉症
今ごろは一年で一番つらい季節だ
344ほんわか名無しさん:2007/03/02(金) 00:25:49 0
花粉症じゃないけど投下 2レス使うよ

男「ッブシ!!ヘェッックシッ!!」 
女「風邪ひいてるの?」
男「うん。最悪だ、鼻がずっとムズムズしてイライラする。」
女「そうなんだ。私、すぐに風邪が治る方法知っているよ。」
男「うそ!?まじで?助かった〜。なにすんの?」
女「体の中の菌をね、半分くらい他の人にうつせばいいの?」
男「・・・・はぁ?」
女「それで、さすがに見ず知らずの人にうつすわけにはいかないでしょ?だから
私が男の菌の半分をもらってあげる。」
男「いやいやいや、絶対それってデタラメだから。誰がそれ考えたんだよ?」
女「私がいま考えたの。どう?いいでしょ?」
男「よくないよ。ってか、第一にどうやって菌をうつすんだよ?」
女「そりゃ口移ししかないでしょ。」
男「・・・・・・」
女「する?」
男「しない。」
女「なんで?」
男「・・・・・・・風邪がうつるからダメ。」
女「大丈夫。私は健康が取り柄だから。」
男「いや、ダメだってば・・・」
女「お願い。」
男「ダメ。」
345ほんわか名無しさん:2007/03/02(金) 00:26:22 0
・・・・・・数日後
 
女「ックシっ!ハァッックシッ!」
男「うつった?」
女「・・・・うつった。う〜、ムズムズする。」
男「だから言ったのに。」
女「男のせいだよ。はやく私から菌をもらって。」
男「やだよw」
346ほんわか名無しさん:2007/03/02(金) 01:06:24 O
バカップルだ
347ほんわか名無しさん:2007/03/02(金) 19:49:00 0
【桃の】素直シュール【せっくs】
http://human6.2ch.net/test/read.cgi/honobono/1169035252/
348ほんわか名無しさん:2007/03/02(金) 20:12:01 0
349ほんわか名無しさん:2007/03/02(金) 20:23:07 0
>>345
GJ
350ほんわか名無しさん:2007/03/03(土) 12:45:22 0
ほす
351ほんわか名無しさん:2007/03/03(土) 12:46:36 0
ごめん間違えた
352合格発表:2007/03/03(土) 16:05:27 0
>>341 つ【合格発表】
何レスになるかわからないけれど投下します。
353合格発表:2007/03/03(土) 16:06:44 0
「あった……」
 合格一覧に自分の番号を見つけたとたん、気が抜けてしまった。
今まで意識していなかったけれど、随分緊張していたんだな、と、
いまさらながら思う。
 入試の手ごたえはまるで無かったし落ちると思っていたので、
正直素直にうれしい。とてもうれしい。
 さきほどまでは喜び騒いでいる周囲の学生たちを見てうらやましいような
ねたましいようないやな気分になっていたのだけれど、
もちろんもうそんなことはどうでもよくなった。
 むしろ騒げ。浮かれたまえ喜びたまえ若者よ。
 微妙にハイになりつつ自宅の母に電話連絡を済ませ、
さて帰ろうとしたところでふと気がついた。
「あれ ?」
 首に巻いていたマフラーが無くなっている。どこかに落としたっぽい。
 うーむ、どうしようか。妹の手編みの白いマフラー、無くしたなんて
知られたら何を言われるかわかったものじゃないな。
 すこしばかり面倒に思いながら、仕方なく今来た道を逆に歩きマフラーを
探すことにした。足元に注意しながら、ゆっくりとうろうろ。

 そんなとき、彼女を見つけた。

 正門前に差し掛かったところ。ちょっとクールな印象の、とてつもない
美少女がそこにいた。
 背は僕よりも少し高目(ちょっとヘコむ)、170cmほどだろうか。
腰まである長くまっすぐな髪が目を引いた。年のころは僕と同じくらい、
合格発表の場にいるのだ、たぶん僕と一緒でこの春高校に入学するのだろう。
354合格発表:2007/03/03(土) 16:08:35 0
 探していたマフラーは彼女の手の中にあった。
 彼女はなぜか、僕のマフラーをまるでそれがとても大事なものであるかのように
胸の前でぎゅっと抱きしめ、目を閉じていた。何かに祈っているようにも見える。
 一見無表情に見えるその外見からは、彼女が何を考えてそんなことを
してるのかはわからない。ただ、どうしてか彼女が寂しげに見えて、
何かに必死なように見えて、目が離せなかった。
 しばらく、ぼうっと彼女を見つめる。
 自覚はしていなかったけれど、きっと、このとき僕は恋に落ちていたのだ。
 なめらかでやわらかそうな彼女の頬に、どうしても触れてみたくなって。
自分でもどうかしているとは思いつつ、その気持ちを抑えきれずに
ゆっくりと彼女に近づき手を伸ばす。

 指先が頬に触れる直前、不意に、彼女が目を開けた。
 う、目が合った。どうしよう。というよりそもそもどうするつもりだったんだ ?
びく、と、僕の指が震える。

「やあ」
 右手を上げ、ほんのりと微笑みをうかべながら、彼女から先に声をかけてきた。
 うはあ。クールな彼女のはにかみながらの笑顔。すさまじい破壊力だった。
 このままじゃあ会話するのも難しそうだ。声が裏返りそうになるのを
必死で抑え、心の中で深呼吸してから返答する。……こういうときには素数を
数えたほうがいいんだっけ ?
「や、やあ。……えっと、どちらさまでしたっけ?」
「入試のとき、隣の席で試験を受けていたものだ。
私が転んで鞄の中をばらまいてしまったとき、君が拾い集めてくれただろう?」
 器用に片方の眉を上げながら彼女は言った。
355合格発表:2007/03/03(土) 16:09:28 0
「あ、ああっ! ごめん、言われるまですっかり忘れていたよ」
「いや、謝る必要は無い。入試直前なんてそんなものだろう。あの時は
ありがとう。おかげで合格できたのでね、どうしても会ってお礼が言いたかった。
……合格、できたのだろう ?」
「うん、何とか、ね。君も、合格おめでとう。
お礼を言われるような大層なことは別にしていないよ。そんなに気にしないで」
「そうはいかない。こういうことはきちんとしなくてはな。それに……」
 なぜだろう。はきはきと喋る彼女からは、さきほどまでの寂しげな雰囲気は
かけらも感じない。何があったのかはわからないけれど、まるで人形に命が
宿ったかのように生き生きとして、それが彼女をより魅力的に見せていた。いや、実は受け手の問題なのかも。単に僕が彼女にどんどんめろめろになってきているだけなのかもしれない。
「このマフラー、君のだろう?」
 彼女は持っていたマフラーを僕に差し出す。
「そこで拾ったのだが、君のものだとすぐにわかったよ。
君のぬくもりが
感じられるかと思ってずっと抱きしめていたのだが、残念ながら君の体温は残っていなかったな。
私の心は十分に温められたのだが」
「えっ!?」
 ずっと? ぬくもり? ってどういう?
 どこかの歌の如く、僕の思考回路はショート寸前だった。
 そのせいだろう。いまさらながら、自分の頬に触れる寸前の僕の指先に
気がついた彼女が不思議そうな瞳をこちらに向けてきた時も、
『どうしても頬をなでてみたくなった』と正直に答えてしまう。本当に、
どうかしている。
356合格発表:2007/03/03(土) 16:11:24 0
「ふふっ」
 彼女はなぜか楽しそうに自分から頬を僕の右手に摺り寄せてきた。
「構わないぞ。そうしてくれると私も嬉しい。ただそのかわり、
私も君を撫でていいだろうか」
 こちらの答えを待たず、彼女は僕の頭を撫でてくる。彼女の指に触れられるのは心地よかった。……こういうときは、女の子の方が背が高いのもいいな、
なんて、ぼんやりと思う。
「先ほど、ね」
 しばらくして、彼女が言った。
「どうしても君と会って話がしたくて、生まれてはじめて何かに本気で祈ったよ」
「お礼ならもうしてもらったじゃないか」
「いや、そうじゃない。もう一つ話がある」
 彼女はまっすぐに僕の目を見ていった。
「君が好きだ。付き合ってほしい」
357合格発表:2007/03/03(土) 16:11:54 0
 期待しなかったわけじゃない。けれど、本当に言われるとは思わなかった。
自分の心臓の音が、やけに大きく聞こえる気がする。
 僕もまっすぐに彼女の目を見返す。
「僕も君が好きだ。こちらこそ付き合ってほしい」
 言ったとたん、周りから歓声が聞こえた。……いつのまにか、僕たちは
たくさんの人から注目の的になっていた。何だか恥ずかしい。
しかも彼らの中には春から同じ高校に通う者もいるわけで。
 そんな僕の表情を見たのか、彼女が声をかけてくる。
「何を気にしているんだ。皆祝福してくれているぞ。いいことじゃないか」
 ちょっと苦笑してしまったのだけれど、彼女の素直さをまぶしく感じたりもした。
そうだね、周りを必要以上に意識しても仕方ないしね。
「うん、じゃあ行こうか」
 とはいえさすがに場所を変えたくなる。呼びかけようとして、まだ
お互い名前も知らないことに気がついた。
「まず名前を教えあおうよ。僕はーー」
「私の名は空。親しい人間はクーと呼ぶ。君にもそう呼んでほしい」

 これが、僕と彼女、クーのはじまり。

 その後、入学式の日にクーがを読むことになってびっくりしたり、
さらにその答辞の最中に彼女が僕に愛の言葉を叫んで場内騒然となったりするのだけれど、
それはまあ、また別の話。
358352:2007/03/03(土) 16:12:57 0
以上でした。初投下なので問題あったらツッコミよろしくです。
359ほんわか名無しさん:2007/03/03(土) 17:26:52 0
>>358
最後から3行目に答辞が抜けてる
それ以外はGJ!
360ほんわか名無しさん:2007/03/03(土) 18:02:36 O
>>358
GJ!
361ほんわか名無しさん:2007/03/03(土) 18:32:54 0
>>358
おお新人さんですか
GJ!
これからも期待しているよ
362ほんわか名無しさん:2007/03/03(土) 23:05:03 O
>>358
GJ!
超GJ!!
363352:2007/03/04(日) 04:00:32 0
>>359-362
反応ありがとうです。
仰しゃるとおり、「答辞」抜けていました。ごめんなさい。
×クーがを読むことになって
○クーが答辞を読むことになって

それにしても、反応があるとうれしいものですね。
うれしさあまって勢いで書いてしまったので何レスか投下します。

>>341 つ【卒業式】
364卒業とわがままと:2007/03/04(日) 04:01:23 0
「卒業おめでとうございます」
 春、三月、卒業式の日。
 毎日欠かさず屋上で過ごしたクー先輩と二人っきりのこのお昼の時間も、
今日でおしまい。やっぱり、ちょっと、寂しかった。
「うん、ありがとう。……ん、どうした? 何か私に用事でもあるのか ?」
 やはりクー先輩は目ざとい。ぼくが何か言いたげにしているのを
一目で見破ってすぐに声をかけてくれた。
 今日は先輩にわがままをいうつもりで、そのタイミングをうかがっていた。一緒に過ごした 2年間、
ずっと先輩に振り回されっぱなしで、それはもちろんイヤではなかったけれど、
最後くらいは子どもっぽい無理なわがままを言って先輩を困らせてみたかったのだ。
「前にも言ったかもしれないが、言いたいことがあるのなら素直に相手に伝えた方がいい。つまらない誤解やすれ違いで時間を浪費するほど、人生は長くはないし友情や愛情は安くは無い。そうは思わないか?」
 そう。いつも自分の心に素直でいること。それがクー先輩の座右の銘であると
聞いたことがあった。
もっとも、そんな話を聞かなくとも、行動を見ているだけで
クー先輩がそういう人だということは、誰でもすぐにわかる。
クー先輩は、そんな、有言実行の人だった。
 でも、そんなことができるのは、クー先輩が強い人だからだ、と、ぼくは思っている。
さらけ出しても恥じることの無いように自分の心をまっすぐに保ちつづける強さと、
他人にそしられ傷つくことを怖れない強さと、
結果的に他人を思い通りに動かしてしまう強さと。そんな強さのいずれもを
クー先輩は持ち合わせている。
 そして、クー先輩が、その強さを手にし続けるために大変な努力をしていることを、
ぼくは知っている。だからこそぼくはクー先輩が大好きで、少しでも
その手助けがしたくって−−って、話がそれた。
365卒業とわがままと:2007/03/04(日) 04:02:43 0
「どうした? 私にも言えないことなのか?」
「じゃ、じゃあ言います。クー先輩、お願いです、卒業しないでください!!
ぼくはクー先輩と、来年もこの学校に一緒に通って、この屋上で一緒にお弁当を食べて、一緒に卒業したいんです!!」
 ……言ってしまった。あまりに子どもっぽい無茶なお願いでちょっと
恥ずかしいけれど、さて、クー先輩はどうやってぼくをなだめてくれるだろうか。
「うん、わかった」
 え !?
「そうだな、とはいっても私は今日で卒業しているわけだから、
いまさら戻るのは難しい。誰かと入れ替わる必要があるな。
ふむ、こうしよう、幸い私には一歳下の海という従妹がいる」
 え、え !?
「海は来年度から転入する、ということにして、彼女と入れ替わることにしよう。
海と私はとても仲がいい。一生の頼みだといえば聞いてくれるさ。
考えてみれば、君と一緒に学校生活を過ごす、
というのは、一生を左右する重大なイベントには違いないのだからね」
「く、クー先輩!?」
 し、失言だったかもしれない。なんだか妙にノリノリだ。
考えてみれば、クー先輩は行動力のありあまっているような人だ。まさか本気で……。
「そのクー先輩、というのも今日で止めた方がいいね。愛称だから構わない
気もしないでもないが、ウミという名前でクーというのはさすがに不自然だ」
「せ、先輩っ」
「それも止めよう。来年度からは同級生だ。私のことは海、と呼んでくれ。
心配しなくてもいい、海と私はとても似ているし、家族さえ丸め込んで
おけば問題はないだろう。第一、この学校の教職員の弱みは全て握っている。
たとえ入れ替わりがばれたとしても、
この学校で私にたてつこうと考える人間はいないだろうさ」
 本気だった。クー先輩の瞳は、この上なく本気の色を秘めていた。
366卒業とわがままと:2007/03/04(日) 04:04:25 0
「クー先輩っ、止めてください!! ごめんなさい、ぼくが悪かったです」
 思いっきり大声を出してクー先輩の科白をさえぎる。
 なんかもう涙目。おかしいな、クー先輩を困らせるはずだったのに、
どうしてぼくが困っているのだろう。なにやらとても不穏当な科白を聞いた気がするけれど、
正直言ってそれどころじゃない。
「どうして謝るんだい? そんなに私のことをクー先輩と呼びたいのであれば、
二人っきりのときにはそれでも構わないと思うぞ? ただ、クセになっても困るだろうし」
「ち、違うんです、卒業しないで、というのがウソなんですっ。
ほんのちょっと、無理なわがままを言って、駄々をこねて、甘えてみたかっただけなんです。
こんなことで先輩の大事な将来を左右したくありません。お願いですから止めてくださいっ」
 ……。
 ほんの少しの間をおいてから、クスッと先輩が微笑む。自分で言うのも何だけれど、『可愛くって仕方が無い』
という目をしてぼくを見ている。あああ、恥ずかしい。
普段のぼくなら、子どもに見られている、と、反発して
少しでも背伸びをしようとするところなんだけれど、
今回は実際にやっていることがお子様なわけで、何の弁解もできやしない。
「なるほど、そういうことか。君と一緒に修学旅行に行けると思ったのだが。残念だ。
……ただ、わかってほしいな」
 クー先輩が優しくふんわりとした声で微笑みながら言う。
 ちょっと驚いた。『やさしく微笑む』こんな表情のクー先輩は初めて見た。
とにかくいつもクールな人で、微笑むだけでも珍しいのに。レア物だ。
「君を困らせようと思ったわけじゃない。ただただ、君のわがままを聞いて
あげたかったんだよ。覚えておいてほしい。私は君にならどんな迷惑を
かけられても構わないし、多少無茶だろうがわたしにできるあらゆることをしてあげたい。
本気でそう思っている。好きな人のわがままを聞いてあげたり、好きな人に
振り回されたりすることほど、楽しいことはないじゃないか?」
367卒業とわがままと:2007/03/04(日) 04:05:30 0
 いつもぼくを振り回しているクー先輩に言われるのは複雑だけれど、
確かに、そう思う。そう、ぼくだって、クー先輩に振り回されるのは嬉しかった。振り回されたかった。
 いつだってクー先輩は自分を律して、無理をして。
 誰に対しても冷静に対応して、常軌を逸するのはぼくを相手にするときだけ。
 あれは、ぼくを相手に少々無茶をするのは、甘えなのだ。クー先輩が甘えることのできる
相手はぼくだけなのだ。そう思うと、なんだか嬉しくて自然と笑みがこぼれてくる。
「はい。ぼくもそう思います」
 微笑み返しながらクー先輩に言う。
「だから、クー先輩もぼくにたくさんわがままを言ってください。
ぼくもクー先輩にわがままをいいます。困らせて差し上げます」
「そうだな。私たちはお互いにわがままを言い合おう。お互いに相手を
困らせよう。それは、とても楽しそうだな」
 いつしか、クー先輩とぼくはにこにこと笑いあっていた。こんなクー先輩の
表情も、レア中のレア物だ。
 クー先輩とこの校舎での最後の時間。
 寂しいはずだったのに、いつのまにかちっとも寂しくなくなっていた。
368卒業とわがままと:2007/03/04(日) 04:06:43 0
「さて、それじゃあ帰るとしようか」
「はいっ」
「ところで、卒業祝いということで、ひとつ私のわがままを聞いてくれないだろうか ?」
「はいっ、もちろん!」
 ……あれ ?
「君の進学先を、私と同じ高校にしてほしい」
「はいっ、喜んでっ……って、先輩の進学先、女子高じゃなかったでしたっけ」
 ……あれあれ ?
「ああ、そうだ。何、心配はいらない、君の容姿ならいくらでも女生徒として
通用するさ。半年あれば私も君の性別を誤魔化し得る立場くらい手に入れることもできるだろうし。一緒に寮生活でもすれば、いろんなことし放題だ。
楽しそうじゃないか」
「く、クー先輩、いくらなんでもそれは無理です」
「そんなことはないさ、私の言うとおりにすれば大丈夫。寮がいやなら
私の家にくればいい。さすがに実家から通うのは抵抗があるだろうしね。
ああ、楽しそうだなあ。フリルの服は好きかい?」
「せ、先輩、勘弁してくださいーっ」

 やっぱりどうしても振り回されるのはぼくのほうみたいだ。
369363:2007/03/04(日) 04:08:02 0
以上で投下終わりです。
370363:2007/03/04(日) 04:34:28 0
オチ、かなり >>331 にインスパイアされちゃってますね。
気に障ったら申し訳ないですが許してください。
371ほんわか名無しさん:2007/03/04(日) 08:53:03 O
>>370
インスパイアは良いことだと思う

それにおもしろかった!
GJだ!
372ほんわか名無しさん:2007/03/04(日) 09:22:42 0
>>370
GJ!

>>331書いた者だけど、別に気に障ったりとかは無かった。
楽しく読めたので、いつの日か投下される別の話にwktk
373ほんわか名無しさん:2007/03/04(日) 22:20:38 O
>>370
続編があったらうれしさだだ漏れするぐらいGJ!!
374気まぐれ素直クール:2007/03/04(日) 22:22:56 0
とーかー

ク「男。料理くらい私がするが」
男「いつも作ってもらって悪いじゃん。たまには俺が作るよ」
ク「そうか。ならば甘えるとしよう」
男「ところで、食べたいものとかある?」
ク「そうだな。ラーメンかな」
男「クーは相変わらずラーメン大好きだな」
ク「いや、うどんでもいいな」
男「じゃあうどん?」
ク「まて、蕎麦も捨てがたい。いや待て……」
男「まったく。どれなんだよ。相変わらず気まぐれなんだから」
ク「それは認めよう。だが、私にだって変わらないことくらいあるぞ」
男「ふぅん。何?」
ク「君が好きだということだ」
375ほんわか名無しさん:2007/03/04(日) 23:50:52 0
>>374
夜食に麺類食いたくなった
GJ!
376ほんわか名無しさん:2007/03/05(月) 04:33:28 0
>>374
GJ!

A.ちょっとクール男の場合
男「そうか。大好きには、なってくれないのか?」
ク「ふふっ。すでにこれ以上は無いくらい MAXに好きだからな」

B.純情男の場合
男「うわっちっ。クー、急に何を言い出すんだよっ。
 指先に湯をこぼしちゃったじゃないか。熱かったー」
ク「そうか。それはいけない。すぐ冷やさなくてはな
 (そのまま男の指を自分の口にくわえる)」
男「えっ、ちょっ、なっ!」

どっち ?
377ほんわか名無しさん:2007/03/05(月) 17:11:24 0
お題【(男に永久就職するために)就職活動をする素直クール】
378ほんわか名無しさん:2007/03/06(火) 23:01:43 0
379ほんわか名無しさん:2007/03/07(水) 22:29:58 0
んなという過疎!!!!!!!
380ほんわか名無しさん:2007/03/07(水) 23:08:43 0
人、いないねー
381ほんわか名無しさん:2007/03/07(水) 23:18:31 0
じゃあ過疎打開として投下してみるよ
つ【卒業】
382ほんわか名無しさん:2007/03/07(水) 23:21:38 0
男「卒業式か…」
ク「我々も卒業だな…」
男「考えてみればクーとは高校からの付き合いだよね」
ク「うむ。クラスメイトとして3年弱、そして高校の卒業式から大学生活で4年近く恋人とし
ての付き合いだな。本当に君に会えてよかったよ」
男「僕もクーに会えてよかったよ。卒業しても会おうね。絶対だよ」
ク「当たり前だ。愛する君と別れられるわけがないだろう。週末は両方とも予定が開くはず
だ。必ず週末は一緒だぞ」
男「うん。週末もそうなんだけど…」
ク「どうした。男よ。これで私達は終わりじゃないんだ。涙はなしだと約束したではないか。
愛する君が悲しむところは見たくないぞ」
男「///…。あの、僕が、僕がクーにふさわしい男になったら…、その時は僕とけ、けっこ」
(ゴトン)
ク「ん?何か大きな郵便物が入ったようだな」
男「///…。ええと…僕が取りに行ってくるよ」
ク(ええい。男の意気地なしめ。まあ、その奥手さがいいのだがな)
男「僕とクー宛の郵便物が入っていたよ。はい、これクーの封筒」
ク「どれどれ…。ほう。入学金免除と入学手続きのお知らせか…」
男「えっ!今何って言ったの?」
ク「うむ。大学院に進学するのでな。入学金免除の申請が通ったらしい」
男「それってどこの大学院?」
ク「うちの大学からそのまま進学だが?ところで君のほうは?」
男「僕も大学院入学金免除と手続きのお知らせだよ。僕もそのまま進学するんだ」
ク「ならば、まだ愛する君と一緒の生活は続けられるのか。非常に嬉しいぞ」
男「本当に良かったよ。クーとまだしばらくいられるなんて考えてもいなかったよ。クー、こ
れからもよろしくね」
ク「うむ。よろしく頼むぞ。所でついさっきは何と言おうとしたのかね?確か、けっこまでは
聞いたのだがな。その続きがぜひ聞きたいな」
383ほんわか名無しさん:2007/03/08(木) 00:01:49 O
>>382
GJ!!
これはいいヘタレですね>男
あとちょっとなのに!


お題置いとくよ【イメチェンした男orクー】
384ほんわか名無しさん:2007/03/08(木) 03:50:37 0
>>341 つ【春一番】
ちょっと長いけど投下します。
385クーとコウの帰り道:2007/03/08(木) 03:51:20 0
クーとコウの帰り道

「クー。そろそろ帰ろうぜ。乗ってくだろ?」
 買ったばかりの自転車の後ろを指差しながらクーを誘う。春の夕暮れ。
「ああ。ありがとう、コウ」
 春休みの夕方。校庭は人もまばらで、夏を目指す野球部員だけが
黙々とトレーニングを続けている。がんばれ。
 クーとオレは生徒会の野暮用のため、休日返上で登校していた。
 ちなみにコウはオレの名前な。
 クーはこの学園きっての才媛で、なおかつ超がつくくらいの美少女だった。
学業では学年トップから外れたことは無いそうだ。オレとは比べるべくも無い。
いつも冷たい物言いをするやつなのだが、そこがまたいい、と、ファンもたくさんいるらしい。
なんでもてきぱきこなすクールビューティー、ってところか。オレの印象はちと違うのだけれども。
「ちゃんと乗ったか? しっかりつかまってろよー」
「ああ。大丈夫だ」
 新品の自転車はペダルも軽い。走り出すとすぐにトップスピードになる。
「なんだよなんだよ、随分軽いなー。ちゃんと飯食ってるのか?
ダイエットなんてしょーもないことしてるんじゃないだろうなー?」
 オレはちょっと浮かれていた。
以前からクーと自転車で二人乗りをしてみたかったのだ。この自転車もそのために買ったようなものだし。
「してない。なあコウ、女性に体重の話なんてするものじゃないぞ。失礼だ」
 右手でオレの頭をぴしっとチョップしながら、すこしばかりムッとしたような声色でクーが言う。
とは言っても、こいつは基本的に不機嫌そうというか冷静な感じの声の持ち主なので、
本当に機嫌が悪いのかどうかは尋ねてみないとよくわからない。難儀なやつだ。
「別にいいじゃないか。重いと言っているわけでもなし」
「軽いと言われると、肉感的じゃない、
女性としての魅力が無い、といわれているようで、それはそれで気にいらないのだ」
「そりゃまたなんとも。ま、あんまり気にすんな。ちょっと思っただけだ」
「そーか」
386クーとコウの帰り道:2007/03/08(木) 03:52:56 0
 その後しばらくは会話も無いままに、のんびりと鼻歌交じりに自転車のペダルをこいでいた。
 会話が無くても別にいやな空気になっているわけじゃない。
たとえ何も喋らなくても、いつどんなときでも、こいつとはずっと自然体のままでいることができる。
クーとはそんな関係だった。クーと一緒に居るときのそんなゆったりした時間をオレは気に入っている。

 春の風が気持ちいい。

 川沿いの道に差し掛かった頃。クーが体をオレに押し付けてきた。
やわらかくなにやら気持ちのいいものが、こう、オレの背中にあたってくる。おいおい。
バランスを崩しているわけでもなさそうだ。
「なあ」
「なにかな?」
「さっきから、おまえの、その、胸が背中にあたっているのだが」
「そうだな。あててみた」
「はぁ?」
 キキーッ、と、急ブレーキの音があたりに響く。
なんの音だよ。思わず周囲を見渡す。って、オレのブレーキの音じゃないか。
「なんだそりゃ」
 とりあえず自転車を止め、クーのほうに向きなおり尋ねる。
「いや、コウのせいではないのだ、気にしないでくれ。私の個人的なコンプレックスの問題だ」
 頭脳優秀才色兼備、完璧超人に見えるこいつでも、コンプレックスなんてものを持ち合わせているとは。
「コンプレックスって、あー、その、胸、が?」
 一点を見つめ、こくり、と、無言でうなずくクー。なんだよそのえらく可愛らしいオトメチック仕草は。らしくもない。
オレ、地雷を踏んでしまったのだろうか。
387クーとコウの帰り道:2007/03/08(木) 03:54:09 0
「さっきの体重の話、まだ気にしてるのか?」
 こくり。
「だからってオレに胸をあてるのにはどういう意味が?」
「最初はコウの気持ちを確かめたかった。
そうしているうちにコウの背中が気持ちがよくなり離れがたくなった」
「はぁ?」
「……」
 無言でうつむくクー。だから愛くるしすぎるだろうそれは。無自覚なのが余計始末に悪い。
オレ以外を相手にそんな仕草はしないでほしいとちょいと願う。何されるかわかったものじゃないぞ。
「いや、別に責めてるわけじゃなくてだな。
う、その、なんだ。さっきも言ったがあまり気にしないでくれ。
深く考えた発言じゃないんだ。おまえの胸も、可愛いと思うしさ。
とにかくわざとあててくるのは止めてくれ」
「だがしかし、しっかりつかまっていろ、と言ったのはコウだろう」
「そりゃそうだけど、そうじゃないだろ?」
「どういう日本語なのだ、まるで意味がわからないぞ。ひょっとして、私に触れるのが嫌なのか?」
 クーはまっすぐオレを見つめてくる。
こんちくしょ、その瞳は卑怯だ。オレには勝てっこない。
「そうじゃないって。お前に触ってもらうのはオレだってうれしい。
あーもうわかったよ、オレが我慢すればいい話だ、乗ってくれ、行くぞ」
「いや待てコウ。私はキミに我慢を強いるつもりはないんだ。
何か問題があるなら言ってくれ」
「あー、いや、我慢は言葉のあやだから気にするな。いいから乗ってくれよ」
「そうか ?」
 微妙に不審そうな顔をしながらも、クーは素直に自転車に乗り、
ぴと、と、オレの背中に張り付いた。子猫みたいなやつだ。

 自転車は再び走り出す。
一本道をまっすぐに走る。背中のやわらかな感触が気にはなるが、気分は上々だった。
先ほどまでは微妙だったクーの機嫌もとりあえずは直った様子。オレの背中には張り付いたままだけどな。やれやれ。
388クーとコウの帰り道:2007/03/08(木) 03:56:08 0
 それにしても、いまさらながらオレは思う。クーはすこぶる変なやつだ。
 容姿は端麗だし、成績は確かにすごくいいのだが、
日常生活はまるでダメ、常識というものを持ち合わせていないへっぽこだ。
今日のオレとの会話だって、どこかズレズレだ。
お嬢様育ちのせいか、テレビも映画も見たことが無い、お金を触ったことも無い、
というのを聞いたときには、正直あきれたものだ。
 そしてどうやら、オレはこの、クーのヘンテコっぶりが好きでしょうがないらしい。
なんだか心配でどうにもほうっておけないのだ。
 クーは純粋で素直なのだ、と思う。世間や常識にゆがめられていない純粋さ。それがオレには妙にまぶしかった。
それは普通の人間からみるとダメとかへっぽこといったことになるのだが
(いやま、そう評しているのはオレだけどな)、
それでもオレはクーにはそのままでいてほしかった。世間ずれなどして欲しくなかった。
クーのダメっぷりに気がついてからというもの、オレはとにかくこいつのサポートに徹することにしたし、
教師に見込まれてクーが生徒会長に立候補することになったときなどは、
オレはこいつをフォローするため慌てて副生徒会長に立候補したりもした。
 その甲斐あってか最近は結構懐かれているような気もしているのだが。さて。

「ところで、コウ」
「んー?」
「ひょっとして、キミは私の扱いに困ってたりしないだろうか?」
 どういう思考をたどったのか、いきなりクーはそんなことを尋ねてきた。
なにかしらの自覚はあったのだろうか ?
「んなわけないだろ。なんでだよ」
「……理由は無いが」
 オレの答えに納得していない様子ありありだ。
微妙に困っているといえなくもないのだが、決して迷惑ではない、という
オレの気分は複雑で、なんとも言葉にはしづらいものだった。
「困ってるわけじゃねーよ。ただちょっと、恥ずかしいだけだ」
「ちっともわからない。何が恥ずかしいんだ ?」
「さあなあ」
389クーとコウの帰り道:2007/03/08(木) 03:57:45 0
 しばらくの沈黙の後、はう、と、クーがため息をつく。人の背中に吐息を吐きかけるなよ、
どぎまぎするじゃねーか。
「コウは時々すごく難しいことを言うね。
私にはキミの言っている意味がまるで理解できないことがある」
「そりゃお互い様だろ。それに、それがいいんじゃないのか。
オレにとってはその理解できないところが楽しいところでもあるけどな」
「ふむ、そうか。なるほど、それはそうかもな」
「そうだろそうだろ」

 しばらくは無言で川沿いの道を走る。

 と、突然の強風にあおられた。
さえぎるものもなにもなく、自転車はよろよろとバランスを崩しそうになる。
「わっ、よっ、とっ。いや、すげー風だな。春一番、ってやつかね」
実際かなりの突風だった。どこからか、ぱたぱたと何かはためく音が聞こえてくる。
ん? 音?
「なあ、クー」
 ちらと振り向いた瞬間、オレはものすごい勢いで慌てた。
 風にあおられパラシュートよろしくパタパタと舞い上がっていたのは
クーのスカートだったからだ。肩近くまで舞い上がるスカートを
後ろからみた光景はさぞや壮絶だったに違いない。
「ちょ、おま、クーっ、そのスカートっ」
 オレはまたも急ブレーキをかけ、クーに向かって大声で叫ぶ。
「うん? ああ、強風だな」
「そーじゃねーよっ!! おまえ、それ、ぱんつ丸見えだろうが。
ちょっとは恥じらえっ」
「大丈夫だ、誰もいないぞ。それに、私にとって性的に対象となる人間は、
コウ、キミただ一人だ。他の誰に見られたとしてもキミに見られなければ問題はない」
390クーとコウの帰り道:2007/03/08(木) 03:59:03 0
 はぁ ?
 それってつまり「観客をじゃがいもやピーマンに思えば舞台に上がるのは平気理論」を敷衍
するとぱんつ見せても大丈夫っていう理屈 ? こいつにとって、
オレ以外の男はじゃがいもだからって ?
「このアホ娘がっ」
 オレはクーにデコピンをお見舞いした。痛いやつだ。これがツッコミをいれずにいられようか。
 大阪人はいかなるときでもツッコミ可能なように常にハリセンを持ち歩くと
風のうわさで伝え聞くが、オレもそうしたほうがいいかもしれない。
「痛いぞ」
 涙目で訴えかけるクー。
「痛くしたのだ。とっとと降りろ。ここから先は歩き」
「やだ」
「やだは無し。文句は春一番に言え。あんな恥ずかしいこと、クーがよくてもオレがよくない。
好きな女の子のぱんつを見せびらかす趣味は持ち合わせてねーよ」
「む、そうだったのか ?」
「そりゃそうだろ。恥じらいってのは必要だ」
「いや、そこじゃないのだが。……まあいい。仕方が無い、
コウのわがままにつきあうとしようか。そのかわり、こうして帰ろう」
 なぜか微妙に嬉しそうにしながら、クーは右手を差し出す。
「なにこれ」
「手をつないで帰ろう、といっているのだ。キミも察しの悪い男だな」
「あーそりゃ悪かったなー」
 いろいろと釈然としない部分はあるが、こいつと手をつないで帰る魅力には勝てない。
オレとクーは自転車をはさむように二人並んでてくてくと歩いた。
391クーとコウの帰り道:2007/03/08(木) 04:00:28 0
 もう 5分もすればクーの自宅だ。
 クーはふと立ち止まり、オレに尋ねてきた。
「なあ、コウ」
「なんだよ」
「先ほど、キミは私のことを好きな女の子と呼称したが、あれは
キミから私への告白とみなしても構わないものだろうか」
 しまった。そういえばそんなことを口走った気がする。
「ああ。勢いあまってつい本音がでた形だが、そうとってもらって構わない」
「ふふ、そうか、それはよかった」
 てくてく。
 嬉しそうにクーは歩く。えいくそ。このままでは悔しいので反撃を試みる。
「なあ、クー」
「なんだね」
「先ほどの、性的対象がオレだけって話。あれは、クーからオレへの
告白とみなしても構わないものだろうか」
「構わない。全然」
「そうか、そりゃよかった」
 てくてく。てくてく。
 反撃は成功したのだろうか ?よくわからない。

 何とも不思議な気分だった。
 クーもオレも恋愛事は不得意だ。告白なんてしようものなら、
緊張してしまって普段のようには過ごせなくなるものかと思っていた。
しかし、今は本当にいつもとかわりない状態で。
392クーとコウの帰り道:2007/03/08(木) 04:01:19 0
 クーの家に着く。
「コウ、どうする? 寄って茶でも飲んでいくか ?」
「いや、よしとく。また明日な」
「ああ、また明日」
「ショートパンツ未着用ならオレのチャリには乗せねーからな」
「ふふ、了解した、じゃあな」

 クーと別れ、自転車に飛び乗る。やはりいつもとかわりはない。
 自然体でいられなくなるのを恐れ、ずっとクーに好きだとは言わずにいた。
しかし、もうその心配はいらないようだ。
 考えてみれば、告白のきっかけもぱんつが丸見えになったからというロマンスのかけらも
感じないイベントが原因だ。緊張なんてしないのも当たり前かもしれないよな。

 とりあえず、きっかけをくれた春一番に感謝だけはしておこうか。やり方は気に入らないが。
この次はオレだけにはぱんつを見せるようお願いする。
393384:2007/03/08(木) 04:03:32 0
以上でした。

どうしても、「あててんのよ」がやりたかったのでやってみましたよ。
394ほんわか名無しさん:2007/03/08(木) 08:29:44 0
これは良い
GJ!!
395ほんわか名無しさん:2007/03/08(木) 14:49:32 0
お題の「イメチェンしたクーor男」をヒントに2レス投下
 

女「ん・・?あっ!?男、その耳・・・・・」
男「おっ?気づいた?ピアスしちゃったんだよね。」
女「気づくもなにもそれは・・・」
男「かっこいいだろ?両方じゃなく片方にだけって所がこだわりなんだよな〜。」
女「・・・・・」
男「・・・・あれ?どうした。なに急にだまってんの?おーい、クー?」
女「そうか・・男。君は・・そういうことだったんだな。」
男「えっ、何が!?」
女「確かに、いま考えれば思い当たることはいくつもあるな。部活もしていないのに
 筋トレに励んだり、好きな芸能人がケイン・コ○ギだったり・・・」
男「えっ、さっきから何言ってんのかわかんないんだけど?」
女「いいんだ。いまさら否定はしなくても。そうだね・・・確かに私は普通の
 女子に比べたら女らしさが足りない気がする。だけど、男にはそれがよかったんだね。」
男「・・・・・????」
396ほんわか名無しさん:2007/03/08(木) 14:50:32 0
女「だけど・・・男。これだけは言わしてもらうぞ!」
男「は、はぁ・・」
女「私は君が男しか愛せないと分かっても、私の君を愛するという想いは変わらないぞ。いや、
むしろ私が君を生物としての本来の雄の在り方に戻してみせる!」
男「・・・・・・・ん?お前・・いまのはどういう意味だ?俺がなんだって?」
女「私は君が『ゲイ』だとしても愛し続けるということだ!」
男「はぁぁあ!?な、ななにを言ってんのあんた!!?」
女「だから!君はゲイなのだろ!?」
男「ちょっとまて!!誰がゲイだぁ!?何を根拠にそんなこと!?」
女「だって、片方にしかピアスしていない男は自らをゲイだと証している人なのだろ?私は
 そう聞いたぞ!?」
男「え〜〜!!?なにそれ!?そんなの話があるの!?」
女「なっ、知らなかったのか!?と言うことは・・男、君はゲイじゃ・・・ないのか?」
男「なわけないだろ!!俺は普通だ!!普通の女が好きな男だ!」
女「あぁ・・そっか。男はゲイじゃないんだな・・よかった。」
男「当たり前だ。あ〜、びっくりした。」
女「よかった・・よか・・ぅぅ、ヒックッ・・うわぁぁぁ・(ボロボロボロ)」
男「ちょっ、泣くなw」
 
終劇
397ほんわか名無しさん:2007/03/09(金) 03:41:00 0
>>396
GJ
398384:2007/03/09(金) 04:35:14 0
>>396
吹いたw
帰宅部で筋トレ怪しいのかwww
399ほんわか名無しさん:2007/03/09(金) 04:59:27 0
名前欄消し忘れてた……
400ほんわか名無しさん:2007/03/09(金) 08:27:34 0
帰宅部で筋トレしてる俺を呼びましたか?
4011/3:2007/03/10(土) 01:08:02 0
ク「何故ゆえに私のプリンを食べた?」
男「そこにプリンがあったからです…」
ク「楽しみにしてたのに…」
男「だったら勝手に人ん家の冷蔵庫に入れないで下さい」
ク「何か言ったか?」ギロッ
男「…いえ、何も…。すいませんでした…」
ク「刑罰を言い渡す。今から一時間放置プレイの刑に処スル」
男「は?はぁ…」
ク「口もきかん、ハグや頭ナデナデもさせないし、チューなどもってのほかだ」
男「はぁ…」
ク「二人きりなのに何もしない。せいぜい悶え苦しむがいいわ!」
男「…んぅ…まぁ、それで許されるなら…」
4022/3:2007/03/10(土) 01:08:52 0
数分後
男はテレビを見てボケーっとしている
クーは本を読んでいる

男(夕飯何にしようかな?)
ク チラッ
男(あ、スーパーいかなきゃな)
ク チラッチラッ ウズウズ
男(そーいえば今日豚肉が安いんだっけか?)
ク ジィー ウズウズウズウズ
男(よし、今日は生姜焼きにしy)
ク「…男よ…」
男「あ、はい?」
ク「…放置プレイの刑は終わりだ」
男「え?でもまだ五分くらいしか…」
ク「別の刑に処する」
男「…はぁ」
ク「今から一時間背もたれの刑に処する」
男「左様ですか…」
ク「ハグや頭ナデナデもしてもらうし、良きところでチューもしてもらう」
男「はい、わかりました」
4033/3:2007/03/10(土) 01:09:30 0
一時間後

ク「♪」
男「あの、クーさん?」
ク「何かな?」
男「もう一時間経ったんですけど…」
ク「では、刑を30分延長する」
男「それは僕も嬉しいのですが、そろそろスーパーに行きたいのでs」
ク「何か言ったかな?」
男「いえ、何も…」
404ほんわか名無しさん:2007/03/10(土) 19:17:34 0
>>401-403
こういう話いいわぁ〜
和んだ。
405ほんわか名無しさん:2007/03/12(月) 19:19:27 O
>>403
GJ!
406ほんわか名無しさん:2007/03/13(火) 00:35:22 0
VIP落ちた。新スレたったらだれか教えてください。いや本当に。
407ほんわか名無しさん:2007/03/13(火) 01:00:58 0
>>406
避難所チェックしてるといいよ。
まぁVIPではとりあえず金曜にスレ立てらしいから金曜にのぞいてみなよ。
408ほんわか名無しさん:2007/03/13(火) 07:30:22 O
>>406
一応、金曜日午後9時以降に立つ事になってるみたいだよ。
409ほんわか名無しさん:2007/03/13(火) 12:44:54 O
何故ゆえwwwww



なにゆえで変換なさいな
410ほんわか名無しさん:2007/03/13(火) 20:58:08 0
クーがプリン好きの話し多いな!!
ほかんんこにもいっぱい。
伝統?
411ほんわか名無しさん:2007/03/13(火) 21:59:17 0
あんぱん?
412ほんわか名無しさん:2007/03/13(火) 23:27:39 0
女「まったく……あんぱんは食べる物であり投げつける物ではないぞ?」
男「(今さりげなく鞄の中に入れなかったか? まさかな……)」
413ほんわか名無しさん:2007/03/14(水) 01:49:21 0
ク「3月も中頃だというのに寒いな…。コタツから出れないではないか…」
(ガチャン!)
ク「む?何の音だ?台所の辺りから聞こえような気がするが…」
男「いたた…。うーん。うまくいかないなぁ」
ク「大丈夫か!…しかし、台所がめちゃくちゃだな。何をやっていたのだね?」
男「クーには関係ないよ。大丈夫だからコタツで休んでいてよ」
ク「関係ないということは無いだろう。それに君の危機を見逃すわけには行かない」
男「本当に大丈夫だってば」
ク「ふむ…。この材料から類推するに何か甘い物を作ろうとしていたのだな。私に言えば愛
する君のためいくらでも作ってやるのに。しかし本当に君は甘いものが好きだな」
男「大丈夫だよ。クーは疲れているんでしょ。僕が作るから」
ク「ついさっきまでコタツで休んでから疲れてはいないぞ。おや、ここにレシピがあるでは
ないか。君の字は相変わらずきれいだな。ふむ…。ゼラチンを溶かすのか…」
男「僕が作れるから。クーはコタツで…」
ク「遠慮しなくて良いのだぞ。次は卵白を泡立てて…砂糖を入れ、エッセンスを加えて…」
男「あぁ…」
ク「これを型にいれ、冷ますのか…。む?ひょっとしてこれは…」
男「そうだよ。マシュマロだよ。今日はホワイトデーでしょ。せっかくクーに作って驚かせ
ようと思ったのにな…」
ク「そうだったのか…。君の好意を無にしてしまった。本当にすまない。償いになるかどう
か分からないが、何でも君のいうことを聞こう」
男「別に謝らなくてもいいよ。じゃあ、一つお願いしてもいいかな」
ク「君のためなら何でもするぞ」
男「これからマシュマロを作ろうと思うんだけど、少し見ていてくれないかな?やっぱり一
人で作るのは無理があったかもしれないからね」
414ほんわか名無しさん:2007/03/14(水) 01:50:31 0
ということで つ【ホワイトデー】



ク「しかし、君の作ったマシュマロは本当においしいな」
男「クーが喜んでくれて嬉しいよ」
ク「しかし、君も甘いものが好きだろう。私の作ったのを食べてくれ」
男「ありがとう。でもその前に…」
ク「何をしているのかね?」
男「クーの好みに合うかどうか分からないけど…。受け取ってもらえるかな?」
ク「ハンカチではないか。きれいな柄だ…。すまない、男よ。大事にするぞ」
男「お店で見たとき、クーに似合うような気がしてね。こっちで驚いてもらえたかな?」
ク「今年も最高のホワイトデーだ。男よ、これで礼になるかどうかは分からぬが…」
(チュッ)
男「///」
ク「ふふ。男よ。今日はホワイトデーだ。今日位は顔を赤くしてはいけないぞ」
415ほんわか名無しさん:2007/03/14(水) 01:53:33 0
分かりづらいかもしれなかったから
一応>>414>>413の続きであることを記しておくよ
416ほんわか名無しさん:2007/03/14(水) 21:53:38 O
GJ!
417ほんわか名無しさん:2007/03/15(木) 00:01:12 0
朝帰りの車内
 
女「男、いつも家まで送ってくれてありがとね。」
男「ああ。別に大丈夫だよ。帰り道の途中だし。」
女「でも、みんなと朝まで遊んで君も疲れているでしょ?」
男「いいんだよ。それに俺も一人だと居眠りしそうだからさ。気にしないで。」
女「うん。そっか・・・あっ、そうだ。ここで止まって。」
男「えっ、クーの家ってもうちょい先でしょ?」
女「いいからいいから。」
男「・・?オッケー、わかった。」
女「男、ちょっと待っててね。すぐ戻ってくるから。」
男「えっ?なに?なんかあるの?」
女「ささやかなお礼ってやつかな。」
 
 
女「はい、男。いつもありがとう。」
男「おっ、缶ジュース。ありがと・・って、これ冷たいんだけど。」
女「帰りに居眠りしないようってね。君が死んだらすごく困るもの。これで目が覚めるでしょ。」
男「はは。ありがとね。そんじゃあ、俺はこれで・・」
女「あと、もうひとつ。」
男「もう一つ?」
女「(チュッ)ジュースじゃ足りないかもしれないからね。目、覚めたかな?」
男「・・・・かなり覚めました。」
 
418ほんわか名無しさん:2007/03/15(木) 00:16:01 0
朝帰りもこんなのだったら爽快だろうなぁ…
GJ!

ところで誰かお題をくれないかな
419ほんわか名無しさん:2007/03/15(木) 04:59:46 O
つ【看病】
つ【クーの素直じゃない一面】

そんな面があるのかわかんないけど。
420ほんわか名無しさん:2007/03/15(木) 12:48:16 0
 ホワイトデーってことで投下。3レス消費させて貰う。
○○ってのがク−のパートナー。好きな名前を入れてくれ。自分のとかw

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 その日はオレのクラスだけでなく、学校全体が妙に浮ついた雰囲気だった。

クー「おはよう、○○!(うずうず」
○○「やぁ、おはようク−……って何? どうかした?」
クー「……いや、別にどうもしないぞ?(うずうず」
○○「そ、そぉ? なーんか珍しく落着かないように見えるけど……?」
クー「……そんなコトはない。ええ、ありませんとも(うずうず」
○○「……?」
男友「いよぉす、お二人さん!」
ク−「おはよう、男友」
○○「あ、おはよう男友……って、何だいその大荷物は?」
男友「フ……○○よ、今日はカノジョの居ない男にとっては戦いの日なんだぜ?」
○○「……あー……もしかして……それ、ホワイトデー用の……?」
男友「その通り。どっかの誰かさんと違い、オレは弾をばらまく必要があるのさ」
○○「ばらまくって……んなコトしたら節操無い男って思われるだけじゃ?」
男友「黙れッ! ク−さんという恵まれすぎな彼女の居るオマエなどには判らんッ!」
○○「ばっ……べ、別にオレとク−はそんな……」
ク−「……そんな、何だ?」
○○「い、いや、それはその……」
421ほんわか名無しさん:2007/03/15(木) 12:48:56 0
男友「オイ待て。オマエまさか……ク−さんにお返ししてないんじゃねーだろうな?」
○○「別に男友には関係ねーだろっ! オレには菓子屋の陰謀などに興味はないッ!」
男友「な、なんて奴だこの野郎……クソッ、憎しみで人が殺せたら……」
○○「ホレ、オマエはプレゼント配りに忙しいんだろ。あっち行けよ、しっしっ!」
男友「あ、コイツ! 彼氏としての自覚が無いばかりか長年の親友まで邪険に……」
○○「っせぇーな! 誰が彼氏だよ! オレは別にク−とは……」
ク−「…………(グスッ」
男友「あ〜〜ッ!? み、見ろ、ク−さん泣き出しちまったじゃねーか!」
男A「なにぃ!? ○○、貴様ぁ〜〜!!」
男B「ク−さんを悲しませるなんてイイ度胸じゃねぇか、○○……」
男C「○○てめぇ、表ぇ出ろ!」
○○「え、ちょ、ク−……」
ク−「……○○の言う通り、プレゼントなんてどうでもいいんだ。でも……」
○○「で、でも……?」
ク−「……私は○○の……特別な人でいたかった……でも、違ったんだな……」
男A「ク−さん、今からでも遅くない! ボクの特別な人になってくれ!」
男B「てってめぇ、なに抜け駆けしてやがる! ク−さん、それならオレと……」
男C「オレなら君に悲しい思いなんてさせないぜ、ク−さん!」
男友「オイ、○○。ク−さんにこんな思いさせて……オマエそれでも男か!?」
○○「すまなかった、ク−……つい、勢いっていうか、売り言葉に買い言葉で……」
ク−「…………(グスッ」
女達「サイッテー! この期に及んで自己保身? ちゃんと謝罪しなさいよ!」
○○「な、なぁ? 本気じゃなかったんだ。あやまるよ、この通り!」
ク−「……………(シクシク」
○○「ど、どうすれば許して……信じてくれる? そ、そうだなぁ……」
ク−「……………(めそめそ」
○○「よし、オレの誠意を見せよう! 今日一日、ク−の言うコト何でも聞くよ!」
422ほんわか名無しさん:2007/03/15(木) 12:49:30 0
ク−「……本当……に?」
○○「マジマジ! 何でもいいぜ? だから泣き止んで……」
ク−「じゃぁ今すぐ二人で早退する。デートしよう」
○○「……って、ク−、そ、それ目薬……? な、泣いてたんじゃ……?」
ク−「何のことだろう? そんなことより、さぁ行こう○○」
男達「いってら〜。良かったねぇ、ク−さん」
女達「あ、代返はしといてあげるから。安心して遊んできていいわよ」
○○「……て、てめぇら……最初から全部判ってたんだな!?」
男友「ったりめーだろ。ク−さんがそう簡単に泣くかよ。相変わらず単純な奴だ」
女達「まぁ、○○君のそういう所に惚れたんでしょ、ク−さんは」
男達「己がいかに果報者であるか自覚しろ! ボケ! ク−さん泣かしたら殺す!」
ク−「一度○○と二人きりでカラオケに行きたかったんだ。皆、協力に感謝する」
○○「ず、ずりーよ、そんなの! の、ノーカンだ、ノーカン!」
男達「ふざけんな! 男に二言はねーんだよ! 独り者に喧嘩売ってんのかコラ!」
女達「誠意を見せるんでしょ! いいから早く行きなさいよ!」
○○「…………」
男友「ったく、鈍感な上に奥手すぎる友人を持つと辛いぜ。いい加減学習しろよな」
ク−「キャンディの代わりに……甘〜いラブソングを聴かせてくれ、○○」
423ほんわか名無しさん:2007/03/15(木) 13:01:37 0
マジレスすると、ホワイトデーは昨日じゃね?
424ほんわか名無しさん:2007/03/15(木) 17:48:34 O
>>423
デッデュウ!
425ほんわか名無しさん:2007/03/15(木) 20:59:05 O
>>272の続きのようなもの

ホワイトデー翌日
クー「昨日は男に会えなかった。期待していると言ったことがいけなかったのだろうか……」

男 「クー、あの……」
クー「どうしたんだ、男?」
男 「遅くなってゴメン……これ」
クー「クッキー……それに男その手の包帯は」
男 「アハハ……慣れない事はするもんじゃないね。火傷しちゃって」
クー「火傷、という事はまさか」
男 「うん、自分で作ってみたんだ。クーのケーキみたいに上手く出来なかったけど」
クー「……」ポリポリ
男 「どうかな?」
クー「……少し硬いが美味しい」
男 「ゴメンね、焼きすぎたみたい」
クー「なにより手作りというのがいい……そうだ」
男 「どうしたの?」
クー「このクッキーは少し縦長だな」
男 「……まさか」
クー「察しがいいね……はい」
男 「クッキーを口にくわえて」
クー「んー」
男 「いや、そんな目を閉じて近付いて来られても」
クー「んー」
男 「いやだか(ry」

クー「……ご馳走様、最高のホワイトデーのプレゼントだったよ」
男 「……喜んでもらえたなら嬉しいよ」
426ほんわか名無しさん:2007/03/15(木) 22:28:01 0
>>425
それを狙って縦長にした男に萌えた
427ほんわか名無しさん:2007/03/16(金) 06:44:01 O
>>426
ムッツリな男に萌えた
428ほんわか名無しさん:2007/03/16(金) 22:49:41 0
VIPにスレたちましたね
429ほんわか名無しさん:2007/03/18(日) 03:11:05 O
そうなん
430ほんわか名無しさん:2007/03/19(月) 02:23:46 0
とりあえず活気を取り戻すためにお題消化
つ【看病】
4311ページ:2007/03/19(月) 02:24:23 0
男「クー!どうしよう、大変だよ!」
ク「どうしたんだ。大声をあけねばいかぬほど人生は事件に満ち溢れていないぞ」
男「僕達のアパートの前で、前で…」
ク「落ち着きたまえ。深呼吸をして、ゆっくり私に話したまえ」
男「子猫が震えながら家の前で捨てられていたんだ。どうしよう…」
ク「何だって!それは大変だ!私の学科に詳しい奴がいるぞ。しばし待ちたまえ!」
------------------------------------------------
友人「んー…。外傷も特にないし、血液検査の結果から見て、栄養失調だね。これは」
ク「すまないな。こんな夜に来てもらって」
友人「いや。臨床例が増えるのは良いことだからね」
男「どうもありがとうございます。所でうちの大学は獣医学科あったっけ?」
ク「彼は実験動物で猫を使っているからな。動物用の薬品開発が趣味なんだ」
友人「この薬品を食後に3回飲ませれば、すぐ健康になるよ。私の薬品は完璧だよ」
------------------------------------------------
猫「にゃー…にゃー…」
男「大丈夫かなぁ。この薬…変な色と臭いがするよ」
ク「あの男はああ見えても優秀な男だ。私の見識が間違っていなければだが」
男「クーが優秀というなら、きっとそうなんだろうな。よし。お飲み…」
猫「にゃー…」(ピチャピチャ)
男「良かった。飲んでる飲んでる」
猫「にゃー…」
男「どうしよう!何かぐったりしているよ」
ク「確かこの薬品はマタタビエキス配合らしい」
男「そうなの…良かった…」
猫「にゃー」
4322ページ:2007/03/19(月) 02:26:14 0
猫「にゃーにゃー」
男「ああ、かわいいなぁ。膝の上に乗っかって。はい。ご飯だよ」(なでなで)
ク「おお。元気になったじゃないか」
男「クーのお友達のおかげだよ。ありがとうって言っておいてね」
ク「しかし、このアパートでは猫は飼えないだろう。どうするつもりかね」
男「うちの学科で飼う事になったんだ。事務の人が今、小屋を作っているよ」
ク「それは良かったじゃないか」
男「良かったねー。ピート。ああ、本当にかわいいなぁ」(なでなで)
猫「にゃー」
ク「その猫の名前はピートとというのかね。膝の上に乗っかって、君に良くなつ
いているな」
男「うん。ピートはジンジャーエールがなぜだか好きなんだよ。かわいいなぁ」
ク「膝の上に乗せて幸せそうだな。私はちょっと部屋に帰っているぞ」
男「じゃあ僕はピートの看病をしているからね。はい。お薬だよ」(なでなで)
---------------------------------------------
男「元気になったね。良かったよ。ピート」(なでなで)
ク「男よ。待たせたな」
男「あ、クー。え…?その頭にあるのは何?」
ク「見れば分かるだろう。今作ってきた猫耳と尻尾だ」
男「どうしてそんなことを…」
ク「君の膝に猫がいる。私も君の膝の上に乗っかりたい。これらのことから私が猫
  になれば、君の膝の上に乗れると思ったのだ」
男「うわっ…僕の膝の上にクーが…///」
ク「さあ、ピートと同じようにこの膝の上の猫をなでなでしてくれ。まさかピート
  にだけして私にはしないということはないだろうな」
433ほんわか名無しさん:2007/03/19(月) 02:27:14 0
とりあえず終了
後1ページ目をsage忘れた
すまない
434ほんわか名無しさん:2007/03/19(月) 03:30:14 O
>>433
こんな夜中にGJだぜ
435クーと猫と子供扱い:2007/03/19(月) 23:12:10 0
>>433
GJ!!

やはり猫はピートって名前が決まりなんだなー。それだとやっぱりクーはロリだよね、ってな感じで
インスパイアされたのでちょっと勝手に何レスか続きを投下。

以下、クーはローティーンだと思ってください。

>>433
勝手に続きなんて書いてスマン。設定変えてしまって更にスマン。

--
男「あれ、クー、何読んでるの?」
ク「これ」
男「あー、『夏への扉』かー。懐かしいなあ。
 (パラパラ)そういえば、これにもピートって名前のジンジャーエール好きの猫が出てくるんだよな。偶然だね」
ク「む。君はこの本の中身と現実とで一致している部分を『偶然』と呼んでいるのか?」
男「ん。そうだけど?」
ク「……この本には、結構な年の差カップルが登場する。それを踏まえて、私と君の関係も『偶然』にしたいのだがどうだろうか」
男「……(そんな、じっと見つめて言われても、照れる)///」
ク「……伝わらなかったか? 言い直そう。私は君と恋人関係になりたい、と、
 こう要請しているのだが。どうだろうか」
男「いや、言い直さなくていいから。はいはい、わかりましたよ(なにかの冗談、だよね……)」
ク「子供扱いしないでくれ。私は本気だぞ」
男「そんなことするもんか。僕はいつだってクーに助けられているんだから、子供扱いなんてするわけないよ」
ク「それでも君の先ほどの言葉じゃ納得できない。
 私は本気だ、と言った。私の目を見て答えてくれ(……ジー)」
男「いやほんとだって。僕の中学、高校時代の同級生だってクーより大人びた人は
 見たことないし。それに僕だってクーのことが、だ、だい」
ク「(……ジー)」
男「(……なにかに耐えられなくなって目をそらす)///」
436クーと猫と子供扱い:2007/03/19(月) 23:14:27 0
 しばらくして。

ク「……う、うっ」

 クーはビー玉のような涙をぽろぽろとこぼしていた。

男「えっ、く、クー!? どうしたのいきなり!?」
ク「(……グスッ)どうして私はこんなに遅く生まれてしまったんだろう。
 あと 7年、いや、あと 5年でいい、早く生まれていたら、(グスン)君と一緒に学校生活を過ごすことができたのにっ、(……ヒック)子供扱いされたりもしなかったのにっ」
男「(しまった。飛び級でいきなり大学入学したクーには中学高校の話題は禁句だったか。その頃の思い出が何も無いなんて、かわいそうだよな。
 ……それにしても、こんな風に泣くクーははじめて見た。かわいらしすぎるよ)」

 思わずクーをギュっと抱きしめ、頭をそっとなでる。

ク「あっ」
男「(ナデナデ)今までのことはいいじゃないか。これから一緒に過ごせば。
 いまさら中学や高校に行くことはできないけど、クーと一緒ならどこでだって何をしたって楽しいよ。
 何度も言ってるけど、僕はクーのことを子供扱いなんて絶対にしない。
 僕は今のクーが大好きだ。クー以外の人を好きになることは無いよ。それじゃあ、だめかな?」

 クーは泣き止んで、おずおずと抱きしめ返しながら自信なさげに言った。

ク「(フルフル)だめじゃない。それでいい。それがいい。
 ……じゃあ、約束してくれるか ? 君は私を絶対に子供扱いしない、と。それと、……君と私は今日からずっと一緒に、恋人同士として過ごすと」

男「もちろん! (ニコッ)」
ク「そうか。それはよかった(ニコッ)
 本当は君と一緒に、修学旅行や体育祭といった行事にも参加したかったのだけれどな。
 それは潔くあきらめるとするよ。私以外を好きにならないという君の言葉だけで十分だ。
 ……そうか、わかったぞ(ピキーン)。君はアレだね、いわゆるロリコンというやつなんだだねっ」
男「えっ、ちょっ、なっ、クー!?」
437クーと猫と子供扱い:2007/03/19(月) 23:15:31 0
ク「ふふふっ、そっかそれなら納得だ。そういうことなら君と私のこの年の差もハンディじゃなく武器になるんだね。
 これはありがたいな。君もそうならそうと早く言ってくれればいいのに。
 ずっと悩んでいた私が莫迦みたいじゃないか」
男「クー、ちょ、ちょっと待ってよ!!」
ク「何を待つと言うんだ? 私は先ほどから君に抱きしめられたまま一歩たりとも動いていないじゃないか」

 うわーっ、と気がついて手を離したけれど、クーはぴとっと男に抱きついたまま。

ク「もう抱きしめてくれないのか? 先ほど愛の約束をしてくれたばかりなのに、寂しいな。
 別に恥ずかしがることはないじゃないか。
 人にはそれぞれ違う趣味嗜好があって当たり前なのだから。胸を張ってロリが好きだと言いたまえ。
 ひょっとして、私が成長してしまうのは問題なのか? 私の家系は代々小柄だ。
 母や姉を見るかぎり、身長はもうこれ以上あまり伸びないと思うぞ。
 胸……もあまり大きくなりそうにないのだが、君が小さめが好きだと言ってくれるのなら安心だ」
男「ち、違うよクー」
ク「う、やはり胸は大きいほうがいいのか。どうしよう。あまり科学的根拠はなさそうだけど、
 今日から毎日ミルクを飲むことにしようかな」
男「ち、違うってば。僕はロリ嗜好があるってわけじゃないんだよー!!」

--
以上ですよ。

おまけ。

ク「にゃー」
男「あれ、クーってば、なんでまた猫耳つけてるの?」
ク「風のうわさでロリ好きはみな猫耳好きだと聞いたぞにゃ。君もそうなんにゃろ?」
男「だから違うってばー」

438433:2007/03/20(火) 01:01:33 0
>>437
やっぱり猫は護民官ペトロニウスだよね
私の中ではクーはなんとなくロリ体型で頭が良いというイメージがあるので実に良かったよ
GJ!
439ほんわか名無しさん:2007/03/21(水) 10:22:45 O
ケータイからなので、見にくかったらすいません
3スレくらい借ります




僕と彼女はいつものように下校する途中にある公園のベンチに座っていた。
季節はもう春、と言ってもまだまだ少し肌寒い。
なので、さっき自販機でホットのコーヒーと紅茶を飲んでいる。

……

いつになく空気が重い。そんな中、彼女がいつもと変わらない口調で口を開いた。

クー「なぁ、もう私は君と一緒にいてはいけないのか?」
僕「仕方ないよ……。こればっかりはどうしようもできない。」
クー「そう……か……。」
………

沈黙が訪れる。空気が重く、なんだか居心地が悪い。クーも、うつむいたまま少しぬるくなった紅茶を眺めている。

僕「でも、きっと大丈夫だって。」
440ほんわか名無しさん:2007/03/21(水) 10:26:59 O
全く意味のない、信憑性など微塵もない慰めをする僕……。さっき、どうにもならないと言っておきながら……。

僕「それに、たった1年だよ。来年になればまた、一緒になれるって。」

僕自身に言い聞かせるような言葉……。自分でもわかっているのに、自分が何かしたことどうにもならない事ぐらい……。
僕も、うつむきかけたそのとき、

クー「そうだな、たったの1年だな。」

そして、彼女は更に続ける。

クー「私と君がこれから先ずっと共に生きていく中でのたったの1年。それに、物理的に離れてしまっても、私と君は心が繋がっていると信じてる。」

彼女は本当に強い人だ。まっすぐに前を見つめて、自分の気持ちに正直に生きている。僕の好きになった彼女はこんなにも前向きで、素直な彼女だった。

僕「うん。僕とクーの心はいつも繋がってるよ。」

あぁ、僕は彼女を好きになって本当に良かった。この後、僕らは軽い口付けをして笑いあった。少しぬるくなったコーヒーと紅茶の心地よい温もりを感じながら。







同級生1「あいつらクラス替えくらいでなにやってんだ?」
同2「さぁ…?」
441ほんわか名無しさん:2007/03/21(水) 10:29:43 O
以上です。

朝起きてパッと思い浮かんだネタです。

勢いで書いた、だか反省はしない。
442ほんわか名無しさん:2007/03/21(水) 18:17:26 O
>>439
話は大変GJなんだが、3スレか…
443ほんわか名無しさん:2007/03/21(水) 20:20:10 O
>>442
今更気がついた…

やらかしたぜorz
444ほんわか名無しさん:2007/03/21(水) 20:57:19 0
>>443
何を言う、3スレ分の超大作を書いてくれるんだろう!?
期待してるからな!誰が何と言おうと期待してるからな!
445ほんわか名無しさん:2007/03/21(水) 22:09:46 O
wikiの話なんだけど、各タイトルをまとめたメニューみたいなものって作れないかな?
当方携帯で、編集履歴しか無いのはちょっとキツかったりする。
446ほんわか名無しさん:2007/03/21(水) 23:08:00 0
>>441
コーヒー返せwwwGJ
447ほんわか名無しさん:2007/03/21(水) 23:19:05 0
>>441
男も突っ走っていていいな
GJ

>>445
避難所のwiki編集議論スレッドに相談してみてはいかが
448ほんわか名無しさん:2007/03/23(金) 02:14:21 0
少し借りるよ
つ【甘える方法を研究するクー】
449ほんわか名無しさん:2007/03/23(金) 02:15:42 0
ク「男もいないし暇だな…。テレビでも見てみるか」
TV「今日の特集は男の人に甘える方法!チャンネルはそのまま!」
ク「甘える方法か…。男は甘えようとするとすぐ恥ずかしがってしまうからな。この
方法を学べば男が恥ずかしがることなく甘えられるかもしれん」
----------------------------------------------------
ク「ふむ…。総合すると怖がるフリをして甘えるのが効果的なのか…。そうすること
  で優しい言葉をかけてくれるのか…」
TV「天気予報です。本日は大気の状態が不安定で所によって雷雨となるでしょう」
ク「雷か…。そうだ!雷を怖がるフリをして男に甘えよう。これは我ながら名案だ」
男「ただいま。クー、何か外が真っ暗だよ」
(ピカッ ゴロゴロ)
ク「雷だ!男よ助けてくれ」
男「…」
ク(予定通り、男に抱きつくことができた。しかし、相変わらず抱きつかれた途端に
男の心拍数は上がっているな。まあ、止むを得まい)
(ピカッ ゴロゴロ)
ク「男よ。この手を離さないでくれ!握ったままにしてくれ」
男「…」(ギュッ)
ク(おお。男が握り返してくれたぞ!テレビを見ていたかいがあったというものだ)
男「クー…僕はこの手を離さないからね…」
ク「男よ。君がそんなことを恥ずかしがらずに言ってくれて私は嬉しいぞ」
(ピカッ ゴロゴロ)
男「うわっ!クー、怖いよ…」
ク「男よ。今、何と言ったかね?」
男「僕は雷が大嫌いなんだ…。クー…どこにも行かないでね。すごく怖いんだ…」
ク「安心したまえ。私がついているぞ」
男「手離さないでね…。雷怖いよ…」
ク「君の不安を取り除けるならなんだってするぞ。私に好きなだけ抱きついてくれ」
450ほんわか名無しさん:2007/03/23(金) 02:18:21 0
とりあえず終了
ちなみに今日(というか昨日)突然雷が鳴ってすごい怖かった…
451ほんわか名無しさん:2007/03/23(金) 20:33:35 0
金曜だぜ
452ほんわか名無しさん:2007/03/23(金) 20:34:31 0
もきん☆
453ほんわか名無しさん:2007/03/24(土) 23:21:04 0
土曜だぜ
454ほんわか名無しさん:2007/03/27(火) 00:06:27 O
火曜だぜ
455ほんわか名無しさん:2007/03/27(火) 19:54:19 0
なんの時報だ。

こっちのスレでは続き物はご法度?
456ほんわか名無しさん:2007/03/27(火) 20:28:05 0
こっちだけじゃなくてVIPにも言える事だが
続ける気概と叩かれる覚悟があればいいんじゃないかな
457ほんわか名無しさん:2007/03/27(火) 21:28:50 0
個人的には続き物大歓迎
ただ以前問題になったんだけど
ほの板で始めるなら続きは全てほの板で書いたほうが余計なトラブルを回避できるよ

では続き物の投下を期待しているよ
458ほんわか名無しさん:2007/03/28(水) 07:32:12 O
素直クール初投下
初投下なので王道な設定の出会い編で
459ほんわか名無しさん:2007/03/28(水) 07:34:15 O
僕は今、見慣れた朝の教室の風景の中で自分に割り当てられた席に座り
いつもの通りに今日に使う教科書やノートをまとめながら友達と談笑をしていた
僕の名前は「尾渡 鼓(おわたり つづみ)」
自分で言うのもちょっと情けないけど、本当に何処にでもいる少し気弱な学生だ

「はぁ〜、今日の体育はプールだっけ。着替えんのめんどくせぇよな」
「そうだね、プールは楽しいけど着替えはちょっと面倒だよね」

しんどいと言った様な顔の友人に同意の返事をする
普段と変わらない、今日も……そしてこれからもこんな高校生活が続くと思っていた

教室のドアが開く音が響き渡る、またクラスメイトが入って来たのだろう、僕も友人もそう思って大して気にも停めずに雑談を続けていた
だが一瞬の間に空気の流れみたいなものがざわつき始めた
僕と友人はほぼ同時に教室のドアに視線を合わせた

そこに居たのはクラスメイトの姿ではなく、ウチの高校で恐らく一番に知名度の高い異性の先輩だった
先輩の名前は「主南 御空(すなみ みそら)
腰まで伸びた紺色の髪、やや釣り目がちで純真な光を放つ大きな黒曜の瞳
絹糸の様な肌、175cmはあろう見事な長身とスタイル
外見だけでなく、学業や部活動、はたまた生徒会などの人事の上に立つことにも文句の付けられない結果を残している
そんな人がこんな何の変哲の無いクラスに何の用事なんだろう?
460ほんわか名無しさん:2007/03/28(水) 07:37:40 O
彼女…主南先輩は周りの視線などおかまいなしに歩みを進める
まあ、僕には間違いなく用事は無いだろうと思っていた…接点がまったく思い浮かば無い
そんな事を思っていたら主南先輩が窓際の僕の席に静かな足音を鳴らしながら近づいて来た
やがて椅子に座りながら呆然とする僕を大きな瞳で見下ろす様に見る
瞳に吸い込まれる僕を気にする事無く主南先輩は口を開いた

「おはよう、キミが尾渡 鼓君だね」
「えっ? あっ…はい、僕が尾渡です……」
「中性的で可愛い顔立ち、長い睫毛、切長の眉、小ぶりな鼻、控え目な唇、程良い肉付きの頬、丸みのある輪郭、やや長めの髪型、全てにおいて私の嗜好のツボを突いている」

突然の讚美の台風に僕は魚の様にただ口を開け閉めする事しか出来ない
女々しい顔立ちと家族や友人に言われる事はあっても、中性的と言われるのは過去に数えるくらいしか無い

「身長163cm・体重46kg、19XX年XX月XX日生まれ、家族構成は父・母・姉・ペットにドワーフハムスターが二匹
趣味は家庭用ゲームハードで遊ぶ事、愛読書はゲーム雑誌、好きな食べ物はハンバーg」
「ぅわあぁぁぁっ!!やめてくださいっ、というかなんで知っているんですかっ」
461ほんわか名無しさん:2007/03/28(水) 07:40:39 O
主南先輩による僕のプロフィール暴露から、僕の飛んでいた意識は現実に引き戻された

「やめろというならやめよう、今日はキミに伝えて置きたい事があってキミの前に馳せ参じたのだ」「えっ、なっ…何でしょうか?」

そう言うや否や主南先輩は僕の前に片膝を着き、僕の右手を両の手のひらで包み込んだ
そして僕の眼をしっかりと見据えて言葉を紡いだ

「尾渡 鼓、キミが愛しくて堪らない。婚姻を結ぶ事を前提で私の恋人になってはいただけないだろうか」
「………へっ? ぅえっ!? っええぇぇぇぇ!!!」

主南先輩の半ばプロポーズの様な告白に、僕はこの世に生まれて以来一番間抜けな反応をしたんだろうなぁ……
必死に意識を戻して、ようやく言葉を発して返事をする僕

「えっと、その…少し時間を貰えませんか?」
「それもそうだな、唐突過ぎたのかもしれない。
何時までも待っている、ゆっくりと考えて欲しい、そして良い答えを待っている」

先輩はそう言うと、両手で包み込んでいた僕の右手の甲に軽く口づけて教室を後にした
462ほんわか名無しさん:2007/03/28(水) 07:43:22 O
名前はかなり無理にこじつけますた
続きはその内にでも
463ほんわか名無しさん:2007/03/28(水) 07:59:49 O
>>462
GJ!
464ほんわか名無しさん :2007/03/29(木) 15:24:54 0
GJ!
いいですよ!!
もっと御願いしますっ
465ほんわか名無しさん:2007/03/29(木) 23:08:09 0
>>462
GJ!

ところで総合スレ落ちてない?
466ほんわか名無しさん:2007/03/29(木) 23:47:41 0
落ちてるね
467ほんわか名無しさん:2007/03/30(金) 03:16:24 O
続き投下します
468ほんわか名無しさん:2007/03/30(金) 03:17:55 O
主南先輩の唇の感触が残る右手と、先輩が出ていった教室のドアを
半口を開けたまま交互に見ている僕に、我に帰った友人が問いかけてきた

「お、おいっ!! お前、いつから主南先輩とあんな仲になったんだよっ!!」
「ぼっ…僕にも全然わからないよ!! 先輩とは初対面なんだよ、仲良くなる様な事は何もしてないって!!」

友人と言い争っている内に、教室の中は僕への視線と
小声で聞こえてくるクラスメイト達の嫉妬やら期待やらのヒソヒソ話で満杯になっていた

「ちくしょお〜、なんで男っ気の無い尾渡なんかが……」
「主南先輩ってショタ趣味なのかしら」
「尾渡君、カワイイから微妙に狙ってたのになぁ」
「3年の女神、主南先輩がアイツに婚約前提だなんて……
このあんパンで目に物見せてやる……クククッ」

そこはかとなく命の危機を感じていると、担任の先生が教室に入ってきた
僕はホッとして溜息を一つ吐いた、とりあえずあんパンフルバーストは免れたみたいだ
友人も少し納得行かない様で、渋々と自分の座席に戻って行った

主南先輩は何で僕なんかに告白をしたんだろう?
僕には何か取り柄があるとはとても思えないから
今日は出来るだけ昼食や休み時間は人目を避けて過ごそう
そう思いながら授業にいつもの様に身を入れた
469ほんわか名無しさん:2007/03/30(金) 03:21:02 O
4時限目の授業も終わり、僕のお腹の虫が弱々しく鳴いている
昼休みの時間だ、僕は制服のズボンのポケットに入っている財布の中身を確認して
学食のランチを目当てに席を立った
そして教室の入り口を眼に入れたら、凛としてはいるけど無表情の主南先輩がこちらに向かって歩いてくる
その手には弁当箱にしては大きく、重箱にしては小さい
先輩の長い髪と同じ色、紺の風呂敷に包まれた箱を持っている

「キミがまだ教室に居て良かった、また会えて私はとても嬉しい
今日は朝早く5時に起きて、キミだけの為にこの弁当をつくったのだ
キミさえ良ければ屋上で二人きりで食べないか? 私はキミの事をどんな些細な事でも良いからもっと知りたいし
何より今朝の返事をキミのその可愛いらしい唇から紡ぎだして欲しいんだ
それにキミの口に私が愛を込めて作った弁当が入るのを考えただけで、私の全身に極上の蜂蜜さえ敵わぬ甘美な快感に犯される
今朝はそれだけで二回はイッt」

僕はこの場から逃げ出したい一心で、なりふり構わず先輩の手を取り
周囲の視線を無視して持てる力を振り絞って屋上に向かった
470ほんわか名無しさん:2007/03/30(金) 03:23:56 O
今回はここまでです
少し長くなりそうかも
471ほんわか名無しさん:2007/03/30(金) 07:41:25 O
>>470
GJ!
続きに期待
472ほんわか名無しさん:2007/03/30(金) 18:21:05 0
てす
473ほんわか名無しさん:2007/03/31(土) 00:11:00 0
一瞬落ちたかと思った
474ほんわか名無しさん:2007/04/01(日) 11:53:56 O
475ほんわか名無しさん:2007/04/01(日) 16:19:25 0
【素直】クール・シュール・ヒート【総合3】
http://human7.2ch.net/test/read.cgi/honobono/1175411602/
476ほんわか名無しさん:2007/04/01(日) 21:49:12 0
>>470
王道、良いですね。続きに期待です。

どれの続きかわかりづらくなりそうなので、
できれば名前欄か投下前かにでもタイトルをいれていただけると
ありがたいですがどうでしょ。
477ほんわか名無しさん:2007/04/02(月) 08:32:25 O
>>476
タイトルは正直、無題でもいいかなって思ってました
わかりにくいという意見が出ましたので付けようと思います

では続きを投下しますね
478Junction:2007/04/02(月) 08:34:44 O
一体何人の人にぶつかったのだろう? 僕は中腰で膝に手を付き肩で息をしていた
荒い呼吸の横で主南先輩は顔色と息一つ乱さず僕を見ていた
何で全力で一年のクラスがある二階から屋上まで走ったのに、平然としていられるのだろう……

「キミはなかなかの瞬発力とスタミナを持っているみたいだな
またキミの事を一つ知る事が出来て私は感激だ」
「……ふぅっ……はぁっ……どちらかと言うと火事場のバカ力だと思います……」

先輩はブレザーの内ポケットから屋上の鍵を取り出し、ドアノブの鍵穴に差し込んだ
ガチャリという音がすると先輩は鍵を引き抜き再びブレザーの内ポケットに鍵を入れた

「よく屋上の鍵、貸してくれましたね…」
「私はこれでも品行方正で通っているからな、用務員の御老人から疑いなく貸して貰えたよ」

先輩がドアノブの捻り、押し込むと軋みと共にドアが開く
先輩の後に着いて行きながら屋上に出た

「あそこに座ろう、見晴らしがとても良かったぞ」

指差した先は貯水タンクがある場所だ
備えつけられた梯子を上る先輩、僕も後ろに再び着いて行く
479Junction:2007/04/02(月) 08:37:29 O
先輩が上ったのを確認してから、僕も梯子を上った
貯水タンクに先輩は寄りかかり、僕はその隣に座った
弁当の風呂敷を開けながら先輩は言う

「今朝の返事を聞かせて欲しいのだが……私はキミに強要はしないし、出来る立場でもない
キミの真摯な答えを聞きたい……頼む」

先輩の大きな瞳に僕が写し出される、いつもの様に無表情ではあるけれど視線に熱が込もっている
だけど何かすごく不安そうでもあった

「僕は……今まで女の子からこんなに好かれたりしたことが無いから、すごく戸惑ってます」
「………」
「でも、僕の事を好きになってくれた主南先輩にいい加減な返事だけはしたくないです……」
「キミが私を拒絶しようとも自分の気持ちにケジメはつけられる、覚悟は出来ている」

お互いの眼を見つめながらの沈黙が続いた
時間にして20秒も無かったけど、とても永く感じられた
僕は左胸に軽く手を当て、息を吸い込み声と共に吐き出した
480Junction:2007/04/02(月) 08:39:56 O
「僕は先輩の事はあまり知りません、でもこれから知って行ける様に努力したい
僕は何も知らない子供です、でも色々と学んで先輩に愛想を尽かされ無い様に頑張りたい
だから……だから………」

僕の体全ての勇気を振り絞り、想いを紡いだ

「主南御空さん、僕と付き合ってください」

一瞬の間……そして先輩の黒曜の瞳から涙が溢れた
それと同時に僕の身体はコンクリートの床に倒れ、視界は涙を流し眼を閉じた先輩の顔で一杯になっていた
僕の身体と唇には柔らかく暖かい感触が感じられた

「………っ!!! んむぅ〜っ!! ん〜っ!!」

事態に気付いた僕は先輩を引き剥がそうとはするけど、体格で勝る先輩に組伏せられているので全く抵抗できない
抵抗を諦めて何分くらい経ったんだろう?
先輩はようやく僕から身体を離してくれた
481Junction:2007/04/02(月) 08:44:41 O
「……私はキミの女になったのだな?」
「はい……間違いなく僕は先輩に言いました」

事実を確認すると先輩は僅かだけれど笑顔を見せ僕に言った

「先輩ではない、クーだ」
「えっ? あっ…でもそんな」
「身内と特別な人間にしか許して居ない呼び名だ、無論最愛の人になったキミにも呼ばれたいのだ」「わ、わかりました……クー」

そう呼ばれた先輩……クーはとても嬉しそうだった
が、たちまち不満そうになっていく

「対等の立場、いや私はキミだけのモノになったのだから、その言葉使いはおかしいハズだ」
「でも僕は二つ年下なのにタメ口なんて……」
「キミは私の恋人であり主でもある、主は決してそんな態度はしない」
「うっ……わかったよ、クー」

一体どっちが主なんだろう、僕はクーのプレッシャーに圧されながら思った

「そうだ、キミの事はどのように呼べば良いのだろう?」
「ツヅミでいいよ、特にあだ名もないから」
「ツヅミ……愛する人の名前を言う、それだけなのに満たされる」「クーはちょっと大袈裟だよ……」
「そんなことは無い……っと、弁当があるのを忘れていた」
「そうだね、色々あったからお腹がすごく空いちゃった」
「私が口移しで食べさせてやろう、ツヅミの唇と舌も味わえて一石二鳥だ」
「そ、それは勘弁してよ〜、普通に食べたいよ〜」

一年生の初夏、僕は主南先輩……クーと恋人になった
昨日までは穏やかな日々だったけど、自分の心に正直でクールなクーにきっと振り回されるんだろう
僕は出来るだけ早くクーを受け止められる様に頑張らなければ
そう思いながら改めてクーの隣に座った
482ほんわか名無しさん:2007/04/02(月) 08:47:36 O
これで一通り投下が終わりです
応援、ありがとうございました
483ほんわか名無しさん:2007/04/02(月) 08:51:33 O
携帯だから改行し忘れて気がついてないところがあるなぁ(汗
読んでいる人、まとめる人、本当にすみません(´Д`;)
484ほんわか名無しさん:2007/04/02(月) 16:20:45 0
>>483
すごくいいなぁ…
GJ
485ほんわか名無しさん:2007/04/03(火) 17:33:45 O
>>483
とってもGJだ!
486ほんわか名無しさん:2007/04/04(水) 22:52:24 0
>>483
GJ
良かったよー。
梯子を上るシーン、スカートの中をのぞくイベントがあるんじゃないかとどきどきしたw
487ほんわか名無しさん:2007/04/05(木) 02:21:06 0
初投下行ってみます。
7レス程お借りします。
4881/7:2007/04/05(木) 02:22:18 0
『悩み事』

「私にも悩み事はある」
 クーの表情には悩み事がある様には見えない。
 しかし、クーが嘘を付くとも考えにくい。
「どんな悩み事?」
 クーは少し目線を逸らした。
「出来れば君に迷惑を迷惑を掛けたく無いな」
 どんな悩み事か凄く気になってきた。
 不本意だが友情に訴え掛ける事にする。
「迷惑なんかじゃない、話してくれよ友達だろ!」
 どうやら効果はあったようだ。
 目をほんの少しだけ見開いたからな。
「……そうだな友達だったな、それでは――」
4892/7:2007/04/05(木) 02:23:00 0


 日曜日の駅前は騒がしい。
 周りを見回してもクーの姿は無い。
 ここで集合という事なので待つしかない。
「男、そこにいたか」
 突然後ろから名前を呼ばれた。慌てて振り向く。
 そこにはクーがいた。いつもの制服姿では無く、私服姿である事が新鮮だ。
 クーの美しさを改めて認識する。
 学校でもクーの人気は高い。成績優秀、スポーツ万能の上この美貌だ、憧れている者の多い。
仲の良い俺は妬みの対象だ。
 まぁクーには友達としか思われて無いだろうが……。
「どうした?」
 クーの声で現実に戻る。
「こ、これからどこに行くんだ?」
「あぁ、こっちだ」
 クーは俺の手を握ると、そのまま俺を引っ張りながら歩き始めた。
 柔らかい。その感触で俺の頭の中には色々な妄想が流れた。
 気が付くと目の前にボウリング場がある。
「着いたぞ、ここだ」
 いつの間にか手は離されていた。
「ボウリングはした事が無いんだ、教えて欲しい」
 これはチャンスだ。
「分かった、じゃあ入ろうか」
 俺は意気揚々のまま中に入った。
4903/7:2007/04/05(木) 02:23:33 0


「男、楽しかったな」
 俺は楽しく無かった。
 クーは始めに少し教えるだけで次々とストライクを取っていった。
俺とのスコアの差は大人と子供並になった。
 クーの心配そうな声が聞こえる。
「男よ、落ち込まないでくれ、私の分析ではあの重さのボールは男に合っていないようだった、
そうだな……私の使っていた物より1ポンドくらい軽い物を――」
「クーは凄い! 見事なストライクだった!」
 急いで話を変える俺。
「そう褒められると照れるな」
「うん凄い! 普通は少し教えただけで、そこまで上手くなれない」
 クーの動きが止まった。
「そうか、上手過ぎたか……」
 何で落ち込むんだ?
 また話を変える俺。
「それよりさ、クーの悩み事ってボウリングの事?」
 クーは考え込むのを止め、こちらを見る。
「男、その事は今日一日付き合ってくれたら教えると言ったはずだ」
「そ、そうだったな」
 クーはちらりと腕時計を見た。
「もう昼時だ、次の目的地に急ごう」
 そう言うとクーは歩き始めた。
 ……手は?
4914/7:2007/04/05(木) 02:24:15 0


「男、美味しかったな」
 俺は魔物を見た。
 ケーキバイキングであんなに食べた人はいまだかつて誰もいなかったはずだ。
 他にもいた客からは、クーが美少女の形をしたケーキ専用掃除機に見えただろう。
 負けじと食べた俺は食べ過ぎで気持ち悪い。
「ああ、美味しかったな、バイキングで普通はあそこまで元取れないぞ」
 クーの動きがまた止まった。
「また、やってしまったか……」
 また落ち込ませてしまった。
 話を変えないと。
 ふと、疑問が過ぎったので聞いてみる。
「そうだ、今日こうして一緒にいるとさ、デートっぽく無いか?」
 クーは俺を見ると。
「やはり気付いてしまったか、君の察する通りだ」
 まさか!
「今日は私に恋人が出来た時のためのデート練習だ」
 俺、帰っていいですか?
「次の目的地で最後だ、時間が無い急ごう」
 俺は片手を前に出す。
 するとクーは気付かずに歩いて行った。
 デート練習なら手ぐらい繋ごうよ……。
4925/7:2007/04/05(木) 02:25:08 0


「男、大丈夫か?」
 たかが映画と思っていたが、想像を絶する怖さだった。今絶対、青い顔しているはずだ。
 表情を変えずに見ていたクーに聞く。
「クーは、映画怖く無かったのか?」
「映画を見ているとな、次にどうやって驚かそうとするか分かってしまってな」
 世の中には凄い人もいるもんだ。
「それよりも、君が悲鳴を上げて私に抱き付いて来た時には驚いたな」
「く、クー……その事については触れないでくれ」
 クーは直ぐさま聞き返してくる。
「む、何故だ?」
「それはさ、やっぱり怖がって抱き付いてくるのは普通は女の子の方だと思うしさ」
 あ、止まった。
「くっ、そんな事しても許されるか!」
 何で悔しがってるんだ?
 とりあえず何か言わないと。
「クー、あのさ――」
「男!今日は楽しかった、また明日!」
 そう言うとクーは歩いて行く。
 何でいきなり帰るんだ? ……本来の目的を思い出した。
「クー待て、送って行くよ」
 俺の声が届いたらしく、クーは立ち止まりこちらを振り向いた。
「わ、私は一人で帰れるぞ」
 そうは行かせない。
「今日はデート練習だろ、送ってもらうのも体験しておくべきだと思う」
 まだ悩み事について聞いて無いからな。
4936/7:2007/04/05(木) 02:25:51 0


 き、気まずい。
 クーのやつ、あれから一言も喋らない。話す気は無いのだろうか?
 こっちは一日付き合ったんだ、聞く権利はあるだろう。
「あのさ、悩み事って何だったんだ?」
 クーは立ち止まりこちらを見る。
「今日は悩まなくてすんだ、しかし来週また悩むことになるだろう」
 意味が分からない。
 クーは俺の顔を見つめてくる。
「私は日曜日には耐えられなくなるんだ」
 俺は問い掛ける。
「何に耐えられなくなるんだ?」
「君に会えない事だ」
 そうか、俺に会えない事か……え?
「今日、君と一緒にいる事で満足出来ると思ったのだが、むしろ新たに欲が出来てしまった」
 クーは続ける。
「私は君を愛している、私の恋人になって欲しい」
 頭の中が真っ白になる。返事の言葉が思いつかない。
 いや、自分の気持ちを素直に言うべきだろう。
「俺も、クーの事好きだ」
4947/7:2007/04/05(木) 02:27:05 0
 体にちょっとした衝撃が走る。
 クーが俺に抱き付いている。柔らかく、髪からは良い薫りがした。
 ずっと、このままでいたい。
「クー……」
 思わず声が漏れた。
 それを聞いたクーが、我に返ったかのように俺から離れる。
「驚かせてしまって申し訳ない、まさか相思相愛だとは思わなかった、
嬉しすぎて思わず抱き付いてしまった」
 俺的には抱き付いたままの方が。
「そうだ男、来週のデートだが今日の特訓の成果を見て欲しい」
「特訓? あ、そうかデート練習の事か――」
 嫌な予感がする。
「今日と同じコースを回るという事か?」
「そういう事になるな」
 予感的中、何とかしなくては。
「クー、あのさ、デートコースって彼氏が決めるのが普通だと思うんだ、
俺に決めさせて貰えないかな?」
 クーは俺をじっと見る。
「そうだな、男に決めて貰う事にしよう」
 やった!映画回避!
「毎週、楽しみにしているぞ」
 ……え?
 慌てて聞く。
「毎週?」
 クーは淡々と。
「ああ頼むぞ、まさか男と毎週デート出来る日が来るとは、私は何て幸せ者なんだろうか――」
 今日、俺に悩み事が増えた。
495ほんわか名無しさん:2007/04/05(木) 02:30:40 0
以上です。
ありがとうございました。
496ほんわか名無しさん:2007/04/05(木) 02:31:49 0
>>495
リアルタイムで見てた俺は幸運だ
GJ
497ほんわか名無しさん:2007/04/05(木) 06:15:54 O
相手の悩みを解決したが、自分が悩みを持ってしまった
まるでクロ高のようだw
498ほんわか名無しさん:2007/04/05(木) 10:11:06 0
>495
いいなこれ
すごく新鮮で
久しぶりに言おう、GJ!
499ほんわか名無しさん:2007/04/05(木) 22:21:13 O
誰か素直クールで百合もの書いてくれい
500ほんわか名無しさん:2007/04/05(木) 22:39:43 O
500ゲト
501ほんわか名無しさん:2007/04/05(木) 22:49:38 0
>>495
GJ! いいね。こういうの大好き。めちゃめちゃ好き。

個人的には、台本じゃなくて小説形式の場合は
主人公の名前は「男」じゃ無くて名前のあるほうが読みやすいんだけど、
これは好みが分かれるのかなあ。
502ほんわか名無しさん:2007/04/05(木) 22:55:58 0
分かれるな、名前有りじゃ萌えれねぇという奴も結構いると思う
503ほんわか名無しさん:2007/04/05(木) 23:19:48 0
>>502
なるほど。それもわからないでもないね。
504ほんわか名無しさん:2007/04/06(金) 15:12:34 0
( ^ω^)お
505ほんわか名無しさん:2007/04/06(金) 19:54:30 0
>499
ちょっと素直クール分すくないですけど、こんなんでよければ
5061/5:2007/04/06(金) 19:55:24 0
背中合わせに座るお互いの感触を、時々確かめながら読書を続ける。
何も話さない。でもすぐそばに居る。
そんな過ごし方がとても心地よくて、
いつもお昼休みになると、中庭の木陰まで彼女を誘う。
でも「お互いの」? もしかして、わたしだけってことは……。
ちょっと不安になって、そっと彼女の方を見ると、
気配に気付いた彼女が、「なに?」と言うように目顔で問いかけてくる。
やっぱり、わたしだけじゃない。
うれしくって、思わず顔がほころんでしまう。
不審がられたけど、そのまま笑ってごまかした。

わたしの名前は、桐崎雪音。聖穂乃女学院高等部の1年生。
ないしょだけど、実はわたしには同性の恋人がいる。
高等部に編入してすぐ一目惚れしたその人と、
両思いになれたのは、ほんの一月前のこと。
その人の名前は、藤枝千晶さん。
何でも見通しているような、怜悧な瞳。
物静かで、どんな時にも感情を露わにしない、落着いた所作。
全てが、二つしか年が離れていないとは思えないほど大人びていて、
美人で賢く、スタイルも抜群、もう本当に素敵な女性だ。
そんな千晶さんもわたしの事を見ていてくれたなんて、
そう告げられた時には、そのまま死んじゃうかと思った。
こうして一緒にいても、本当に夢みたい。
この幸せを皆にも分けてあげたい、なんて思ったりもするけど、
女子校でも、私たちみたいなカップルは少数派なんだよね。
だからホントに親しい子にしか、千晶さんとのことは話してない。
5072/5:2007/04/06(金) 19:56:30 0

二人の時間を満喫した後、用事があって校舎裏に向っていると、
同じように倉庫に行くという、隣のクラスの弓佳と一緒になった。
この子は、わたし達のことを知っている、数少ない友達の一人だ。
軽く挨拶を交わすと、弓佳はぐっと顔を近づけてきた。
「あのさ、ちょっと変なこと聞くけど」
「なに?」
「あんたって、藤枝先輩と付き合ってるんだよね?」
「そうだけど」
「じゃあさ」
「ん?」
「その、Hとかしたことあるの?」
びっくりして思わず足が止まった。ものすごい勢いで顔に血が上る。
「な、なに言ってるの! そんなことしてないよ!」
「ええ〜? だって恋人同士なんでしょ。したっておかしくないじゃん」
「そ、それは……」
そうかもしれないけど、そんな事、考えただけで気が遠くなりそう。
「じゃあ、キスは? キスくらいはしてるでしょ?」
「う、うん」
しまった。正直に答える必要なんてなかったのに。
「うわー。で、どんな感じなわけ? あたしってまだしたことなくってさ」
「どんなって、言われても困るけど……」
ホントに困る。う〜ん。
「……頭がぽうっとなって、胸がドキドキして、気持ちよくって」
「やっぱり気持ちいいんだ。いいなあ、あたしも早くしてみたい」
「弓佳かわいいから、相手なんかすぐ見つかるでしょ?」
ホント、わたしなんかより弓佳のほうが、ずっとモテそうなんだけど。
5083/5:2007/04/06(金) 19:57:17 0
「そんなことないって。引っかかるのは変な奴ばっかでさ。
 そんなのとするんだったら、雪音の方がずうっといいよ」
「え〜? なにそれ」
なんだか話が、変な方向に向かっているような気がするな。
と思っていたら、いきなり弓佳が手を握ってきた。
「なんだか、ものすごくしたくなってきちゃった。ねえ、してもいい?」
「え! だ、だめだよそんなの」
あわてて手を振り払おうとしたけど、弓佳は放してくれない。
「いいじゃん、減るもんじゃなし」
弓佳は自分のほうへわたしを引き寄せようとする。
ここは人通りも少ない場所で、誰かに見られたりする心配はないけど、
いや、見られなければいいってわけじゃ……。
「だめー! 雪音は千晶さんのものなの!」
目をつぶって、思わず叫んでた。
驚いたように、弓佳が手を放す。
そのまま身構えていると、押し殺したような笑い声が聞こえてきた。
ゆっくり目を開けると、いたずらっぽく笑っている弓佳の顔。
「……いやあ、ちょっとした冗談だったんだけどね。
 すごいセリフ聞いちゃったなぁ」
え? え?
「あたしもそんなにラブラブしてみたいよ」
もうどうにもならないほど、顔が赤くなっているのが判る。
「ひどいよ、弓佳〜」
もっといろいろ言ってやりたいのに、
こんな言葉しか出てこないのが悔しい。
5094/5:2007/04/06(金) 19:58:06 0

でもその後、わたしが本気で機嫌を悪くしているのに気付いて、
用事を終えて校舎に戻るまで、ずっと弓佳は謝り続けてくれた。
(まあ、半分遊んでたような気もするけど。
 頭を撫でるくらいはともかく、肩を抱いたりもしてたし。)
それで、弓佳の教室の前で別れた時には、すっかり気分も直っていた。
そのまま、ふんふんと鼻歌交じりに自分の教室まで来ると、
入り口の前に、人だかりができている。
中心にいるのは、千晶さんだ。
上級生が下級生の教室まで来るのは珍しいし、
その上、やって来たのが有名人だから、人が集まっていても当然だ。
無表情で無愛想だ、なんて言われる事もあるけど、
それ以上の魅力で、千晶さんは学院でも一、二の人気がある。
だから、わたしの教室にまで来た事なんてなかったのに、なぜ?
疑問に目を丸くしながら立ち尽くしていると、
千晶さんがわたしに気付いた。
周りの生徒をそっと押しやって、こっちへ歩いてくる。
そしてわたしの前に立つと、じっとわたしの顔を見下ろしたまま、
まるで身動きしない。
その表情は平静そのもので、いつもと全然変わらない。
なのになんだか、すごく怖いよ。
「あ、あの、千晶さん?」
「なに?」
勇気を振り絞って声をかけたけど、返ってきた声は氷点下。
理由はわからないけど、これは……。
「なんだかものすごく、怒ってないですか?」
「そう。私は怒っている」
びくびくしながら聞いてみると、予想通りの答え。
でも、どうして?
5105/5:2007/04/06(金) 19:59:01 0
「親しすぎる」
「え?」
「あの子と親しすぎ」
あの子? あの子って?
「さっき、自分の教室の窓から、何気なく渡り廊下を眺めていたら、
 あの子とイチャイチャしている、雪音が見えた」
弓佳のこと? ああ、そうか。肩を抱いたりしてたから。
「あれは違うんです。私は千晶さん以外の人なんて……」
弁解しようとすると、千晶さんは首を振った。
「雪音がそんな子じゃないって事は、わかってる。
 けれど、この気持ちは、どうにもならない」
「それって……」
「要するに、私はヤキモチをやいている」
きっぱりと、あくまでも淡々とした口調で、言い切る千晶さん。
わたしは目をぱちぱちさせるばかり。
「そ、そうなんですか」
「だから」
「だから?」
「これは、私にヤキモチをやかせた罰」
言うなり千晶さんは、わたしを強く抱き締めた。
突然の成り行きに、いままで呆然としていた生徒たちから、
甲高い悲鳴が上がる。
「ちょ、ちょっと。みんな見てますよ!」
「ちょうどいい。雪音が誰のものか、みんな理解するだろう」
「そ、そんな……ん、んん!!」
抗議しようとして開いた口が、千晶さんの口でふさがれる。
その甘い感触と、嵐のような悲鳴の中で、
いつか私は、気を失っていた。
511ほんわか名無しさん:2007/04/06(金) 20:47:18 O
>>505
GJ!ありがとう!
512ほんわか名無しさん:2007/04/07(土) 10:08:19 O
>>505
GJ!そしてワッフルワッフル!!
513ほんわか名無しさん:2007/04/07(土) 13:45:43 O
とりあえず投下、今度は朝編
514Morning glory:2007/04/07(土) 13:48:44 O
「……うーん………」

何か少し眩しいな、と思った
この感覚は生まれた時から数えきれないくらい体験したから分かる、朝が来たんだ
窓際の棚に置いてある目覚まし時計に目を見やる

(まだ目覚ましが鳴る30分と少し前だ、もう一度寝ちゃおうかな……)

僕は迷う間も無くもう一度深くタオルケットを被った



「……ヅミ、起……くれ」

誰かに身体を揺さぶられ呼ばれた気がするけれど、寝起きの悪い僕は起きるのがなかなか辛い
声から逃れる様にますますタオルケットにうずくまる

「ツヅミ、起きて欲しい。キミが起きないとお義母様が困るし、何よりツヅミとの一日が始まらない」
「んもぉ〜……まだ目覚まし鳴って無いからいいじゃん……」

何で僕はこの時に気付かなかったのだろう
どう考えても違和感あり、自分の鈍感具合と寝起きの悪さを少し恨んだ

「キミにないがしろにされると、こんなにも胸が苦しいとはな……
昨日、私に囁いてくれた愛は偽りなのか……?」

何かが明らかにおかしい事にやっと気づく僕
急いでベッドから飛び上がり、声の主の方に振り向く
そこには僕の母さんとは全くの別人が立ち膝で座っていた
515Morning glory:2007/04/07(土) 13:51:10 O
主南先輩、いや……クーだ
瞳に涙を少し滲ませながら、僕を上目使いで見ていた
僕は尻餅を着いて両腕をバタつかせながら慌てふためく

「なっ、なんで先輩…じゃなかった、クーが僕の部屋にっ?」
「その様子だと押し掛けてしまったみたいだな……すまない
ただツヅミと一緒に居られる時間を僅かでも無駄にしたくなかったのだ」

クーは少し顔を背けて伏し目がちに言った
その仕草に僕はクーに悪い事をしてしまったんだな、と感じた

「謝るのは僕だよ、クーがわざわざ僕を起こしに来てくれたんだから
さっきはあんな態度してごめんね……母さんだと思ってたから適当にしちゃったんだ」
「では、決して私を嫌いになったのでは無いのだな……」
「あんな事で嫌いになったら、それはそれで問題になっちゃうよ」
瞳に溜めた涙をハンカチで拭うクー
ハンカチをブレザーのポケットにしまい、いつものクールな表情に戻り僕に言った

「では和解の印にキスを交そう、朝のキスも兼ねて……な」

唐突過ぎる事態に僕の頭は薄い靄が掛かる
またしても両腕をジタバタする事しか出来ない
非常に情けない状態だった
516Morning glory:2007/04/07(土) 13:53:56 O
「なっ、仲直りでキスはスゴイ大袈裟だと思うよっ!?」
「何も気にする事は無い、恋人は食事と同じ様にキスをするのだろう?
だから最低でも一日三回はキスをしよう」

そう言いながらクーは僕に歩み寄る
大して広くはない部屋なので、僕は後ずさりしてすぐに背中に壁が当たった
クーはすかさず僕の両腕に手を掛け、壁に押し付けた
抵抗をしたけど僕より10cm以上も背が高い上に
スポーツも万能なクーは単純な腕力も僕より上みたいなので、全く腕が動かなかった
見た目を細い腕なのに、凄く力強かった

「わかったよ、でもあまり激しいのは……ダメだからね?」
「………」

そう僕が言い終えると突然にクーの動きが止まる
僕とクーの顔との距離は20cmくらいしかない
クーは相変わらず表情を変えない……が、彼女の形が良く綺麗な鼻から赤い液体が流れた

―――ツー……ポタッ―――

クーは液体、つまり鼻血が床に三滴程垂れてから力無く座り込んでしまった
僕は急に鼻血を出してしまったクーにただ呆然としていた
517Morning glory:2007/04/07(土) 13:55:56 O
「フッ……フフフッ………」
「ク、クー? 大丈夫……?」

クーはすかさず鼻と口元をハンカチで抑えながら、肩を小刻みに震わせながら笑っている

「ツヅミ、キミは私が思っていた以上…いや、正直なところ私はツヅミを甘く見ていた様だ」
「へっ? え、えーと……」

困惑する僕に構わずクーは続ける
「キミが顔を紅潮させ視線と顔を私から背け、いじらしい事を言うから
私の思考は限界を容易く越えてショートしてしまった、その結果がこの鼻血だ」

鼻血が出た理由に少し呆気に取られてしまったけど、すぐに意識を戻して
ゲームラックに備え付けてあったウェットティッシュをクーに渡した

「うーん……ハンカチはすぐに洗濯しないとダメだから、僕が責任を持って洗うね」
「すまない、迷惑かけてばかりだな……」
「大丈夫、僕はクーのいろんな一面を覚えられるから気にしてないよ……
ってあんまり時間無いみたいだから急がないとっ」
「むぅ、今度から時間に気をつけなければ」

僕はクローゼットを開けて、シャツとズボンに手を掛けた
パジャマのズボンを脱ごうとした時、クーの視線に気が付いた
518ほんわか名無しさん:2007/04/07(土) 13:57:00 O
今回の投下はここまでです
519ほんわか名無しさん:2007/04/07(土) 14:02:01 0
>>518
リアルタイムで見ていたからどんな風に話が進展するかを楽しみにしてしまったよ
GJ
520ほんわか名無しさん:2007/04/07(土) 15:51:28 0
さて、ひとつ投下してみようかな
2レス程借りるよ
つ【お花見の場所取り】
5211ページ:2007/04/07(土) 15:52:53 0
男「あぁ暇だなぁ…。ゼミでやるお花見の場所取りを押し付けられちゃったよ。
持ってきた本も全部読んじゃったしなぁ…。まあひなたぼっこは好きだから
いいんだけど…。どうせならクーと一緒にお花見したかったなぁ…」
ク「ふふ。すごく嬉しいことを言ってくれるじゃないか」
男「…!クー、なんでこんな所に…///」
ク「私も研究室の花見会の場所取りの大命を仰せつかったのだ。さて、君の隣に
  陣取ってもいいかな」
男「クーなら大歓迎だよ」
ク「男よ。私が作ったお花見用の食事があるぞ。楽しみにして欲しい」
男「すごく楽しみだよ。甘いものもあるかな?」
ク「無論だ。今日、君のゼミが花見会だから、私は研究室の花見会をこの日にし
ようと提案したのだ。私は少しでも君と一緒にいたいからな」
男「そんな風に言われると、すごく照れちゃうな…///」
ク「照れた顔も素敵だぞ。しかし、実に桜がきれいだな」
男「うん。そうだね。本当に桜がきれいだよ」
ク「男よ。乙女心に疎いな。こういうときは君のほうがもっときれいだ、とでも
言うべきだぞ」
男「ごめんね。ええと…///…君の…ほうが…もっときれい…///…だよ…///」
ク「ふふ。やはり、君にはこういう台詞は似合わないな。君は君のままが一番だ。
あんなことを言ってすまなかった」
男「クーったらひどいな。だけど、今日はあったかくていい陽気だね。何か眠く
なってきちゃったよ…。クー、おやすみ」
5222ページ:2007/04/07(土) 15:54:19 0
ク「相変わらず寝つきのよさは素晴らしいな」
男「…zzz」
ク「やはりシートだけでは寝心地も悪かろう。どれ、私の膝を枕にしようか」
男「うーん…むにゃ…」
ク「寝顔もこんなに素敵な男だ。彼の恋人になれて、私は本当に幸せ者だな。し
かし、私も眠くなってきてしまったな…」
-----------------------------------------------
群集「ざわ…ざわ…」
男「うーん…何か騒がしいな…。…!何で皆が僕たちを囲んで…」
ク「…おお、眠ってしまったか。男、おはよう」
男「えっ!どうして、クーが膝枕しているの…///」
ク「君に良い寝心地を提供してやろうとしたのだが。私も寝てしまってな。気付
いたら夕方になってしまった」
男「夕方って、皆がお花見に来る時間帯じゃないか…」
友人「おう。今来たぞ。しかし、お前さんたちは必ず何か話題を残すな。見てい
て飽きないな」
群集「もしかして、あれが噂の校内一の熱愛カップルかな…」
群集「多分、そうだよ。広場で弁当を食べているところを見たことがあるよ」
ク「男よ。私と君の仲は予想以上に有名であったようだな」
友人「良かったな。この有名人。うらやましいぜ」
男「///…すごく恥ずかしいな。明日から大学構内を歩けなくなっちゃうよ…」
ク「逆に考えれば、私と君の仲は周知の事実になったのだ。構内で手をつなぎあ
  っても君が恥ずかしがる必要がなくなったのではないかな」
男「僕はそういう問題じゃないような気がするよ…」
523ほんわか名無しさん:2007/04/07(土) 15:56:33 0
とりあえず終了
524ほんわか名無しさん:2007/04/07(土) 16:16:48 O
魂が震えた…GJ!
525ほんわか名無しさん:2007/04/07(土) 16:36:41 0
>>505
GJ!
読んだら逆に、百合クー成分が補充したくなったよ。
新作でも続編でもいいので更に投下してくれると嬉しいな。
526ほんわか名無しさん:2007/04/07(土) 20:08:27 0
527ほんわか名無しさん:2007/04/07(土) 22:00:16 O
>>526
最後以外全部見た事あるwww
続きwktkしてますが、
あなたのペースで書いてくだちい。
どMなんで逆にきm(ry
528ほんわか名無しさん:2007/04/07(土) 22:16:08 0
>>520
529ほんわか名無しさん:2007/04/08(日) 00:02:43 0
芥川のラブレターは素直クールじゃないかとおもた
530ほんわか名無しさん:2007/04/08(日) 00:44:36 0
投下行ってみます。
2レス程お借りします。
5311/2:2007/04/08(日) 00:45:32 0
   『いつもと違う朝』

 男は目を覚ます。
「クーおはよう、あれ?」
 いつもは彼に、抱き付いて寝ている彼女の姿が無い。
「何処行ったんだろう……」
 彼はつぶやく。
 男はベットから出ると、クーを捜し始めた。
 彼女は直ぐに見つかった。
 男は彼女の姿を見て驚く。
「クーどうしたの!」
 クーは男に気付き、彼の方を振り向く。
「見れば分かるだろ」
 クーの右手には包丁が握られている。それはキラリと妖しく光る。
 男はクーに近付こうと歩み寄る。
 彼女はそれに気付き叫ぶ。
「私に近付かないでくれ! 君まで傷付けたくないんだ」
 男は叫ばれた事に驚き立ち止まる。
 彼はクーの手に付いた傷を見つける。
「私は君にもっと愛されたい、そのためにも君好みの彼女のようになりたいんだ」
 男の顔は青白くなる。
 彼は昨日、会社の同僚――彼女の事をクーに喋ってしまった。
「クー、そんなに気にしてたんだ……ごめん」
 クーは謝る彼を見つめていた。
5322/2:2007/04/08(日) 00:46:14 0
 突然、彼女は包丁を振り上げる。
「男、見ていろよ……くっ」
 彼女の手から血が滴る。
「ははっ、私では彼女のようになれないようだ」
 クーの目には涙が浮かんでいた。
 男は彼女に駆け寄り抱き締める。
 彼は優しく話し掛ける。
「僕は今のままのクーが好きなんだ、クーに愛してもらえれば他は要らない」
 彼は続ける。
「彼女からの好意も受け取らない」
 クーの目から涙が流れ落ちる。
「こんなに愛されているなんて、私はとても幸せだ」
 彼女の手から包丁が滑り落ちる。
 包丁は床に落ち、金属音が鳴り響く。
 その音が鳴り止んでも二人は抱き合い続けた。


 しばらくし男は口を開く。
「クー約束して欲しいんだ」
 彼は真剣な表情で話す。
「僕は手作り弁当を貰わない、だからクーは料理を作ろうとしないで」
533ほんわか名無しさん:2007/04/08(日) 00:46:51 0
以上です。
ありがとうございました。
534ほんわか名無しさん:2007/04/08(日) 00:47:40 0
料理下手すぎワロタwww
535ほんわか名無しさん:2007/04/08(日) 01:18:33 0
>>522
すごくほんわかした。この板にぴったりな感じ。
でも、そんなに有名になっているってのは、
いろんな普通じゃないエピソードがありそうで気になる。
536ほんわか名無しさん:2007/04/08(日) 01:22:57 0
>>526
紹介ありがとうです。

でも残念ながらみんな既読だったのでやっぱり続編もしくは新作希望。いつまでも待ちます。

しかし、みんな同じ作者だったのか……。百合ネタって、書き手はかなり少ないのかな。
ひょっとして需要も少ない?
537523:2007/04/08(日) 02:44:38 0
>>533
かんばるクーもいいが男もかっこいいね
GJ

>>535
何回かネタ投下するとどうも自分の中だけで男とクーの世界観ができてしまって
いやはや申し訳ないです
538535:2007/04/08(日) 04:11:21 0
>>537
あれ、別に非難なんてぜんぜんしてないつもりなのですが、そう見えたならごめんなさい。

「気になる」というのは、単に「良かったのでエピソードがあるならもっと投下希望」と
言いたかっただけで、誤解させてしまったのならこちらこそ申し訳ない。
539523:2007/04/08(日) 14:41:08 0
>>538
申し訳ございません
お褒め頂いたのに不快な気分にさせてしまって

ただ良い出来になるかわかりませんが
次の話も期待していただいて本当に嬉しいのです

ちなみにいくつか似たようなスタイルで投下しているのがあるので
それがそのエピソードの一部と考えていただけると幸いです

これからエピソードをさらに増やせるように努力をしていく所存ですので
これからもよろしくお願いしますね
540ほんわか名無しさん:2007/04/08(日) 17:54:48 O
お題があったら適当に書きます
541ほんわか名無しさん:2007/04/08(日) 18:20:57 0
【Ghost of Honest Cool】
542ほんわか名無しさん:2007/04/09(月) 03:30:05 0
>>518

ttp://akm.cx/2d2/src/1176056337875.jpg

なんとなく描いた。
クールって感じじゃないんでイメージと違ったらスイマセン。
543ほんわか名無しさん:2007/04/09(月) 03:35:38 0
つ【ファービー】
544ほんわか名無しさん:2007/04/09(月) 11:25:09 0
つ[入学式で男に一目惚れ]
545ほんわか名無しさん:2007/04/09(月) 12:37:26 0
「幸せそうな素直クール」
546ほんわか名無しさん:2007/04/09(月) 13:37:19 O
>>542GJ!!!!
547518:2007/04/09(月) 18:00:27 O
>>542
これは素晴らしい、SS書いたりして年月が浅くまだそんなに投下数は少ないですが
イメージ画をいただけたのは初めてです、本当に感謝です

応援してくださる皆さんにも感謝です
548ほんわか名無しさん:2007/04/09(月) 23:43:24 O
ふと思ったんだけど、このスレならGJ(GOOD JOBorGOD JOB)じゃなくGC(GOOD COOL)じゃまいか?
549ほんわか名無しさん:2007/04/10(火) 00:55:15 O
わかりにくいのでGJでいいです。
550ほんわか名無しさん:2007/04/10(火) 06:31:02 0
GCだとゲームキューブかガスクロマトかわかんないです
551ほんわか名無しさん:2007/04/10(火) 19:16:33 O
GOOD COOLだと音ゲー好きは微妙に反応しますな
552ほんわか名無しさん:2007/04/11(水) 02:51:12 O
ちょっと長めの投下
7レスか8レスほど
553ほんわか名無しさん:2007/04/11(水) 02:53:25 O

―――どうやら私は、素直ということらしい。

そも、私の生まれは山と山の谷間に位置する村落 俗に言えばまさに陸の孤島の
ような場所であり、私はそこで外の世界もおしゃれもお化粧も知らぬまま中学ま
では小さな分校で年も男女も一緒くたにされて過ごし、高校も数十キロ先に一つ
だけある、とても満足いくとは言えないようなところに通った

しかし2年の時祖母がお前は都会に出た方がええ、と言ったものだからこのまま
家族やお隣のたかし君と一生この村で暮らすのだと思っていた私の考えはそこで
覆されることになり、それからというもの私は大学受験の為の勉強に身を傾けた

すると今度は父が都会出るっつーに訛っとってはいかんなァ、と言い出してある
人を紹介してくれた
村役場に勤める30前くらいのその人は村の住人の中で唯一都会から来た人で、私
はその人にいわゆるヒョウジュンゴというやつを教わることになった
生来荒々しい訛りを聞き使い暮らしてきた私にとってヒョウジュンゴというもの
はただそれだけで洗練されたとても格好良い言葉に聞こえて、元々良い人だった
のかヒョウジュンゴの効果なのかなんて今となってはわからないけれど、落ち着
いた物腰と丁寧な標準語で丁寧にヒョウジュンゴを教えてくれたその人は確かに
素敵だった
一介の田舎娘が毎日同じ男の人と顔を突き合わせていればそうなるのも自然なの
だろうか 思えばあれが初恋だったのだろうか 今となっては知る由もない。
554ほんわか名無しさん:2007/04/11(水) 02:55:53 O
ともあれ私は無事東京の中堅私立に合格することが出来、村を離れ一人暮らしが
始まった
ヒョウジュンゴもようやく標準語に、様になってきたように思う

そうして一回を終え無事進級し夜に独り親の顔を思い出して俯くことも少なくな
り都会の空気というものにも慣れ始め、ここでようやく私にも同年代の若者達が
あふれる大学でひたすら一人講義を受け続けるのはどうも物悲しいと気付ける程
度の精神の余裕が生まれた

新入生でない者が新歓イベントに近付くというのも妙な話だけれど、行ってみな
ければどうしようもない 半ば諦観して飛び込んだ長机には、よくわからない派
手な花の挿絵と共に南方文化研究会と描かれたパンフレットが置かれていた
勧められるがまま話を聞いてみると研究会と言うのは名ばかりで、現地視察とか
こつけて沖縄だの何だのに旅行に行ったりせいぜい皆で食事会、コンパ、と言う
らしいそれに行ってしーくわーさー、よくわからないが説明してくれた彼はそう
言っていた、を注文してみたりと活動らしい活動はその程度、要は馴れ合いサー
クルということらしかった
どうせやりたいこともない、このまま入会してしまおうかと考えながら二言三言
会話を交わしていると急に長机の奥から面白いしゃべり方するなぁ、女の子?
と男性らしからぬ明るい声で話しかけてくる人がいた
そうだヒョウジュンゴを教えてもらったはいいものの、教えてくれた彼が男性だ
ったために私もまるで男のような口振りで覚えてしまったのだ
一回生のうちに周りにいた都会の女の子達のかわいらしい言葉遣いなり何なりを
真似しておけばよかったのだが私はそうもしなかった
これを捨てたら一緒にあの人まで忘れてしまうような気がしてどうもやめる気に
なれなかったのだ
それに、このヒョウジュンゴは唯一モノとして残った、私に彼がいてくれた証明
なんだなんて色ボケた考えだったけれど正直私はこの話し方が嫌いではなかった
その時わかったやはり私はあの人のことが好きだったのだろう
555ほんわか名無しさん:2007/04/11(水) 02:58:19 O
とは言いつつもこの口調について他人に触れられたことなど一度もなくましてや
面白いなどと言われて私はどうせ顔には出ていないのだろうが一通り心の中で狼
狽した後どう対応すればよいのかわからず申し訳ない、昔から癖なんです。 と
まるであの人に責任を押し付けるような少し厭な言い訳をした
すると彼はいや謝らなくてもいいって、なんかカッコイイじゃん! と言ってく
れた
カッコイイのか、少しでも格好良かった彼に近付けているのだろうか
何故かその頃私はことある毎にあの彼の事を思い出していた それほど私は独り
を淋しがっていたのだろうか 今となってはどうでも良いことだけれど
でも、彼にそう言われた時、私は確かに嬉しいと思った
都会の女の子のようなかわいらしい喋り方になんとなく憧れていたけれど、初め
てこの口調でよかったと思えた それほど彼の一言は大きかった
結局ほとんどその一言がきっかけで決意が固まり、私はその日のうちに入会を済
ませた
しかし、二回生は二回生同士で既にグループが出来ているし、実際二回からいき
なり入って来た私は同輩の目にさぞ不自然に映ったことだろう いきなり先輩と
つるもうとする新入生もそうはいない 結果私は浮いていた

そんな私に話しかけてきてくれた人がいた
髪を軽く脱色し少し目が大きい彼
名前を河内君と言った 同じ二回生だった

あの時の彼だった。
556ほんわか名無しさん:2007/04/11(水) 03:00:45 O
私はとても嬉しかった
話しかけてくれた人がいたことが そして何よりその人が彼だったことが
謝辞を込めて私が適当に話が切れたところで話しかけてくれてありがとう、と言
うと彼は面食らったような顔をして言った
素直だね、と。
一体私のどこが素直だというのだろう
山奥の小さな村からのこのこと上京してきて右も左もわからず自分で問題を解決
することも出来ず人に尋ねることも出来ずひたすら独りでいることしか出来なか
ったこの私が。
しかしその言葉の意図はわからずとも優しく微笑みを浮かべる彼は何を言っても
人を喜ばせる力があるような気がした
事実私はそう言われて嬉しかった

それからというもの彼とはよく話すようになった
他愛ない話ばかりだったがやはり私は楽しかった

半年ほど経ったある時出身の話になり彼が東京が地元だと言うので私は福島だ、
と返すと彼はへぇ〜じゃあやっぱり方言とかあるの? と興味ありげに聞いてき


人間という生き物は意外に薄情なものらしく、あの村を離れてもう一年半 私は
今更訛りを話すのも何だか気恥ずかしくなっていた
たった一年半で故郷の言葉を恥じるなんて私はどうしてしまったんだ、ああそも
そも素直に福島だと答えたのがまずかったか……ふむ、もしかして彼が前に素直
だと言ってくれたのはこういうところなのか等と思考を巡らしていた

そんな余計な事ばかり考えながらも会話を途切れさせまいと内心必死になってい
たものだから もぉ東京来て長ェから、とっくに忘れちまった と、気付けば私
は矛盾だらけの嘘を口走っていた
557ほんわか名無しさん:2007/04/11(水) 03:05:34 O
しまった、と思った。
自分の身勝手から出た下らない嘘とはいえ人を騙してしまった 彼を騙してしま
った 自分の実に愚かで醜い本心を露呈してしまった
ああ彼に嫌われるかもしれない 軽蔑されるかもしれない どうすればいい
体の芯が冷えきっていくような感覚の中で聞こえたのは、彼らしい明るい笑い声
だった
どうやらその笑いは私に向けられているらしい

「利恵ちゃん、面白いなぁ。なんか真面目で」

彼は、こんな嘘をついた私を真面目で面白いと言う
私はわけがわからなかった
でも、前にも見たことのある優しい笑顔で私を見つめる彼を見ていると ああも
しかして彼は冗談として受け止めてくれたのか、なんと寛大な男だろう
私はそれを甘んじて受け入れ話を続ければよいのだろうか 続けてよいのだろう
か と欺瞞が自分の中に見え隠れし始めた
いやそれではいけない私の汚い嘘を穏やかに収めてくれた河内君に礼ないしは謝
罪をしなければ

しかし笑顔のままで私の次の言葉を待っている彼に真顔で正面を切って謝るのは
いかがなものか、という自己弁護も混ざっているであろうがこの場では妥当かと
いう判断を私は何とか下すことが出来て その瞬間ふと蘇ったあの村役場の彼の
顔もそれにまつわる郷愁も全部振り切ることが出来て、そして私はこれまで一年
半の間幾度となく耳にしてきた都会の女の子のかわいらしい話し方を精一杯思い
出して それでもひねり出せたのはたったの一言、ごめんね、それだけだった。
558ほんわか名無しさん:2007/04/11(水) 03:08:48 O
すると河内君は少し顔を赤くして彼にしては珍しくどもりながらい、いいよ と
言ってくれた 許してくれたようだった
そしてさっきまではちゃんと私に合わせてくれていた視線を急に所在なさげに泳
がせながら河内君はらしくないぼそぼそとした声で何か言ったあとそそくさと私
の隣を離れていった

その事以来私は何だか彼を妙に意識するようになってしまった
いや 前からそれはあったのだ
こないだの件でようやくそれに気付けただけの事なのだろう
一方 河内君は最近私に話しかけてくれることが前より増えた でも口数は逆に
減ってしまって、何だかぼんやりとした目で私を見つめていることが多くなった

私は大きな勘違いをしているのではないのだろうか、それも実に自信過剰な。
この疑問も今までなら独り悩むことしか出来なかった
しかし今は聞ける相手がいる
問題は聞く人間が答えを持つ人間と同一人物であることだが、不器用な私にそれ
以外の方法を考えつくことなど到底出来ない
何より私はもうこの衝動を抑えることなど到底出来ない
どんな答えであろうと自分の気持ちを伝えるのみ それが不器用な私に出来る最
大の解決策だった

しかし質問という形をとる以上質問者が回答者の元に訪れるというのが筋であろ

だから私は部室の中で別のグループと談笑している河内君の元に自ら向かい他の
友人達に一言断りを入れ彼を少しだけ拝借することにした

どうしたの? と椅子に座ったままうわずった目でこちらを見上げる彼に
君は私のことが好きなのか と聞いた
559ほんわか名無しさん:2007/04/11(水) 03:12:53 O
その瞬間部室内がしんと静まり返った
特に皆に向かって何か言ったわけでもないのに何故黙るのかと不思議に思いなが
ら私は彼の答えを待っていた
すると河内君はさっきまでのうわずった目はいつの間にかどこかへやってしまっ
ていて。
そして私の知っているあの明るい笑顔で、ああ、好きだよ。と言ってくれた

よかった、と思った
自分の何の根拠もない疑問が幸運にも当たったこと いや、そんなことはどうで
も良い
彼が私を好きだとわかったことが それがただただ単純に嬉しかった

自分の想いを伝える下地は整った しかしまずは質問にちゃんと答えてくれた彼
に礼をすべきだろう自分の主張はそれからだ、そう私は考えた
しかしその時私はとても嬉しくて嬉しすぎて舞い上がってしまっていて、だから
私は息もつかぬうちに
ありがとう、私も君のことが好きだ、大好きだ、ありがとう
と、自分の意志を伝えようとする意志が意識に現れるその前に私はすでにそう言
っていた

そこで部室内は蜂の巣をつついたように騒がしくなり始めた
ふと河内君と目が合った
部室の喧騒に目を丸くしていた彼は私に優しく微笑んでくれて、素直だね、と言
ってくれた

ああそうか 私が好きなこの人はあの時から私の知らない私を知ってくれていたんだ 自分で気付けぬ部分にも気付いてくれたんだ
だから私は彼が好きなんだ
彼の言うことなら間違いあるまい―――どうやら私は、素直ということらしい
そう気付かせてくれた彼と出会ったのは二回生の時、季節は秋口のことだった。
560ほんわか名無しさん:2007/04/11(水) 03:14:22 O
いじょです
方言は適当です><すいません><
561ほんわか名無しさん:2007/04/11(水) 04:13:49 0
>>560
GJ!!
適当もなにも方言一言しか出てこないじゃまいかw

どんな風に喋っているのか明示しないじれったさがいいのかなあ、
りぼんの短編読んでるみたいにきゅんとした。

なんだか河内くんに萌えてしまうw 女の子一人称だからなのかも。


562ほんわか名無しさん:2007/04/11(水) 11:12:13 0
こういう感じの話って好きだな…GJ!

細かいところ突っ込んでアレなんだけれど、東京だと二回生ではなくて二年生にした方がしっくり来ると思う。
(あ、でも関西方面から来たという設定ならいいのかな…)
563ほんわか名無しさん:2007/04/11(水) 12:59:59 O
えっ東京だと回生って言い回し一般的じゃないのか
ごめん何も考えてなかったよ
564ほんわか名無しさん:2007/04/11(水) 16:07:58 0
コノヤロウ!GJ!

オレハ フクシマケンミナンダゾォー!!
565ほんわか名無しさん:2007/04/12(木) 03:22:41 0
WW!!携帯厨はいってみ!
マジうけるww
http://uproda11.2ch-library.com/src/112606.htm
566ほんわか名無しさん:2007/04/13(金) 01:01:02 0
>>560
GJ
関東在住だけど確かに関東じゃ回生表現を使う人は周りにはいなかったね
昔関西の人に会った時に3回生とか言われたことがあって
そういう表現をするんだと思ったことがある

ということで>>550からちょっと考えた急造ネタを投下
つ【男、クロマトグラフィーを学ぶ】

5671ページ:2007/04/13(金) 01:02:36 0
男「うーん。分かんないなぁ…」
ク「男よ。どうしたのだ」
男「今勉強しているんだけど、ここが分からないんだ」
ク「ほぅ。これは化学ではないか。君は文系なのになぜこのようなことを」
男「教養の単位で必要なんだけど…」
ク「しかし、確か専門とは異なる他の文系科目でも良いのではなかったのかな」
男「文系も理系のことは少しでも知っておいたほうが良いと思ったんだ。」
ク「実に広い視野を持っている。素晴らしいぞ」
男「後、クーは理系でしょ。クーが嬉しそうに研究で何か見つけたとか言っているよね。
僕は良く分からないから、少しでも言っていることを理解したいと思ったんだ」
ク「何と嬉しいことを…。さあ、何が分からないか言ってみたまえ。私の持てる力全て
を君にささげよう」
男「ありがとう。で、ここなんだけど…」
ク「む。クロマトグラフィーか」
男「うん。この説明が良く分からないんだ。簡単に教えてくれないかな」
ク「クロマトグラフィーというのは混合物を分離、検出する手段だ。一概に色々な原理
があるが、ここではカラムクロマトグラフィーを例にしようか」
5682ページ:2007/04/13(金) 01:06:37 0
男「それでどうやって分離をするの?」
ク「カラムという筒に詰め物をする。この筒に混合物を入れて、液体とかを流すんだ」
男「それで原理が良く分からないんだ」
ク「物質ごとにこの充填物とくっつきやすいかくっつきづらいかという性質を利用して
分離するんだ。くっつきづらい物はすぐこの筒から出てくる」
男「逆にくっつきにくい物はなかなか筒から出てこないということ?」
ク「そうだ。これを利用すればくっつきやすい物とくっつきづらい物を分けることが出
  来る。このようにして物質を分離したり、どのような物があるかが分かる」
男「そういうことなのか。教科書の用語とかが専門的過ぎてよく分からなかったよ」
ク「教科書は分かりづらい表現が多いからな。それで教科書と呼べるか甚だ疑問
だと思うのだがな…」
男「でも、結構原理は簡単だね」
ク「いや。実際にやるとこれは難しいんだ。様々な条件を整えないとうまくいかない。
うまくくっつかなくて分かれなかったり、くっつきすぎて出てこないこともある」
男「つかず離れずが一番いいんだね」
ク「まあ、そういうことになるが、例外というものはあるし、分離できないものもある」
男「それはどういう場合なの?クー」
ク「それは私の心だ。どのような手段を使っても君と離れることは無いぞ」
男「クー、そんなに僕にくっついてとても嬉しいけど恥ずかしいよ…///」
ク「無理だ。どんな担体や溶媒を使っても分離することは不可能だぞ」
569ほんわか名無しさん:2007/04/13(金) 01:09:08 0
とりあえず終了

ところで先日大学院で配布されていた専攻概要の序文に
「素直で賢い研究者になってください」と書いてあったんだけど
これは素直クールになれということなのかな
570ほんわか名無しさん:2007/04/13(金) 01:16:56 O
>>569
ここに一人素直クールが誕生した・・・




GJだ!!
571ほんわか名無しさん:2007/04/13(金) 01:29:43 O
魂が震えたぜ…GJ!
572ほんわか名無しさん:2007/04/13(金) 02:49:43 0
>>569
理系の話はまったく分からないが
やっぱり素直クールは最高だという事は分かった。GJ!!
573ほんわか名無しさん:2007/04/14(土) 13:22:40 O
>>569
GJ!
574ほんわか名無しさん:2007/04/15(日) 20:58:38 0
ちくしょー、こっちのスレまだ生きてたのね…。
vipに投下した奴投下したほうがいいかい?
575ほんわか名無しさん:2007/04/15(日) 22:55:23 0
是非頼む
576ほんわか名無しさん:2007/04/16(月) 00:24:22 0
>>574
是非お願い
ところで避難所でも言ったんだけど
vipの148以降のログ持っていたらwikiに保管してくれないかな
577ほんわか名無しさん:2007/04/16(月) 19:16:21 0
じゃあ>>541のお題のやつを投下しますね。
8レスほどいただきます。
読んだと思った方はそのまま目をつぶってください。
578Ghost of Honest Cool 1/8:2007/04/16(月) 19:17:11 0
 彼女が亡くなったのはつい先日で、ちょうど僕が仕事をしている最中だった。
残念ながら彼女の死に目に会うことができなかった。
いつも、愛していると言う彼女はもういない。
いつも、君といる世界が好きだと言う彼女はもういない。
そう…。もう彼女はこの世にはいない。
悲しいかと言われれば悲しい。だけど、正直言ってよくわからない。
つい昨日までいた人が、ふと、いなくなる。つい昨日まで一緒にいて、つい昨日体を重ね合わせたあの人が、いない。
どこかのヒーローみたいに、なぜ僕じゃないんだと、自責の念にかられた。
でも、所詮それは嘘に塗り固められたヒロリズムに過ぎず、僕はただ彼女の死を認めたくはなかった。

 彼女の死から数日。やっと彼女の死を認めた。だが僕はまだ、立ち直れないでいる。
毎日、飲んで、飲んで、会社にも行ってない。
彼女がいないこの世界はこんなにも不安定なのかと。
彼女がいないこの世界はこんなにもつらいものなのかと。
彼女がいないこの世界のどこに真理があるのかと。
色々考えた。
彼女がいた日々は、それはそれは楽しい日々だった。
彼女がいればそれでよかった。全てうまくいった。
彼女のために働いて、彼女のために死のうと。
そう思っていた。
でも、その最愛の、人はもういない。
胸に大きな穴が…。難しく言えば、僕は僕を見失った。
579Ghost of Honest Cool 2/8:2007/04/16(月) 19:18:25 0
 ある日の晩のことだ。僕は不思議な体験をした。
いつものように酒を飲まれるぐらいに飲んでいた。だがこの日はいつもより早くつぶれてしまい、早い段階で寝てしまった。
そして、いつもは見ない夢をみた。
場所はどこだったかは定かではない。でも、クーが――僕の最愛の人、クーがそこにいた。
「ずいぶんと飲んでるみたいだな…」
彼女は心配そうな顔をして、そう言った。
「クー?クーなのか?」
僕がそう問いかけると、彼女はこくんと頷いた。
「久しぶりだな。男」
「今更、何しにきたんだよ」
「感動の再開なのに随分と冷たいんだな…」
「誰のせいで、こんな飲んだくれになっているのかわかってんのか?」
「仕方ないじゃないか。私も死にたくて死んだわけではない。寿命だったってことさ」
「で、でも君は言ったじゃないか。僕と生きて僕と一緒に死ぬって」
「あぁ。言った。そしてその思いは今も変わらない。最愛な君と共に…」
「でも、でも、君は約束を破ったんだ…。僕はもう君と会うことができない…。僕はもう君と…」
「いいか?男。辛いのは君だけじゃない。私も……、私も辛いんだ…」
580Ghost of Honest Cool 3/8:2007/04/16(月) 19:19:22 0
彼女はそういうと突然泣き出した。生きている時は泣きも怒りも恥ずかしがりもしなかった彼女は今、泣いている。
少し、僕は反省しないといけない。彼女の気持ちを察するべきだった。
彼女は不意に死んだのだ。僕は彼女を失ったが、彼女もまた僕を、失った。
それがどれほど、辛いことか、僕は早く察するべきだった…。
「ご、ごめん、クー…。お願いだから泣かないでくれ。今まで君の涙なんて見たときないからどう対処すればいいかわからないよ…」
「えぐ……か、簡単なこと…グ、今すぐにキスを……エグ……して……」
「な〜んだ簡単なことだ!っておい!君は幽霊、僕は実体。触れ合うことなんて…」
「ちっ…」
「今舌打ちしたよね?舌打ち。なんだよ。泣きまねだったのかよ…。ものすごい深いことを思ったのに…」
「すまない。少しからかってみただけだ。しかしお互い体に触れることができないのはつらいな…。君を触りたいのに触れられない…。生き地獄だ」
「それがクーに対する罰だったりしてね」
「私は何も悪いことはしてない。それにそのような罰も信じない性分でね。君もよく知っているだろう?」
「まぁそうだけど…」
「おっと、もうこんな時間か…。男、君と話ができてよかったよ…。じゃあ…また来世でな…愛しき人…」
彼女が消えていく。このままでいいのか?と短い間で自問自答をする。
このままでいいのだ。と答えをだした瞬間に目が覚め、目からは涙が流れていた。
もう、彼女とは一生会えない気がした。
581Ghost of Honest Cool 4/8:2007/04/16(月) 19:19:54 0
 次の日、僕は何となく外に出かけることにした。天気もよく、何かが起こりそうな気がした。
いつもならこ期待はずれに終わるのだけど、今日この日だけは特別だった。
公園を散策していると、ある人影を見つける。その人影はある人物に似ている。でも似ているだけでどってことないだろう。と
無視して青いベンチに腰掛けて、物思いに耽った。
――――隣、いいかしら?
そっぽむいたままどうぞとだけ答えた。その声は、誰かに似ている。でも似ているだけだ。
あの人と同じ匂いがする。でもただそれだけだ。
――――こんな話知ってる?
なんです?
――――死んだ人間が生き返る話。
なんですそりゃ?
――――死んだ人間はそのままではなくて、一度だけ、しかも一日だけ蘇ることができるという話。あなたは信じる?
いいえ。
――――そう…。じゃあ、あなたの愛していた人が一日だけあなたに会いにきたとしたら?
そりゃあ嬉しいね…。でも、現実的じゃないな。
――――いいえ。あなたが今すぐ、横を向けば良いんです。その話が現実であることをあなたは認識するはず。
君のいる方向は振り向いちゃいけない場所じゃない?
――――大丈夫。地獄にはいきっこないわ。そもそもあの漫画自体非現実的よ。
僕は隣に座っている女性に顔を向けた瞬間に唇を奪われる。
そして、僕の目の前にいるのは…、そうやはり、彼女――クーだ。
クーがここにいる。
「ん…く、はぁ!はぁはぁ…。長すぎるだろうこのキスは…。いくら感動の再会とはいえ…」
「やっと、あなたに会えたんですもの、この数日間生きている心地何てしなかったわ…。あなたがいない世界なんて…」
「そりゃあ、君は死んでるからね…。それはそうと、しゃべり方変わってない?」
「どうも、無理やってこっちへきたから、少しおかしくなってるみたい。でも、あなたを愛する私は変わってないわ」
「そうか…。なにはともあれ、おかえり…クー…」
僕とクーはもう一度軽いキスをした。今日一日だけ、神と言う存在を死んだはずの神の存在を信じようと思った。
582Ghost of Honest Cool 5/8:2007/04/16(月) 19:22:33 0
 久しぶりの再会でやることといったら一つだ。そう愛し合うこと。それ以外にないのかよと言われると、堂々と胸を張っていえる。
僕とクーは体を何度も重ね合わせ、彼女からは脳が溶けてしまいそうなほど甘い言葉をかけられ、疲れたら休憩して、性病も何も心配することなく
至福の時を過ごした。
こんな日がいつまでも続けばいいと、乙女チックなことも考えた。でも、日が明けてしまった今、後数時間しか彼女といられない。これも事実だ。
彼女は料理を作ってくれた。僕が大好きだった彼女の手料理。最後の晩餐だ。
「そうだよ…。あの日も僕はこの料理を待っていたんだ…」
「私も、あなたのために料理を作ろうと家に帰る途中で…」
「なぁ…。こっちに居座ることはできないのかい?」
「できるのならしているわ。ずっとずっとあなたのそばにいたいもの。でも、できないのよ…」
「そうか…。しかし、美味いな…。もう食べれないんだな…」
「私も、もう愛しいあなたの愛らしい顔を見ることができないのね…」
「残念だ…」
「残念ね…」
「ねぇ、クー、僕がもし、君を忘れてツンデレ娘や素直シュールやヒート、鬱ンデレ娘の元へいったらどうする?」
からかわれたあげくマウントポジションを譲らなかった彼女にささやかな仕返しとして意地悪い質問をした。
彼女は少し。本当に少し考えて口を開いた。
「忘却こそ最大の幸福よ。私を忘れることがあなたにとってプラスになるのであれば大いに忘れてもらって構わないわ」
「そんな、それじゃあ君は救われないじゃないか」
「私の幸福はあなたの幸福。あなたが救われればあたしも救われるのよ」
「そうか…」
「でもね、男。私はあなたを愛し続ける。これだけは約束するわ。たとえ、あなたが私を忘れようと、誰とSEXしようとね…」
もの悲しそうに見えた彼女の表情は何か覚悟を決めたような語りえない表情をし、黙り込んだ。
もうすぐ、彼女はいなくなる。その現実を僕は受け入れることができるだろうか?
「そう、悲しい顔しないで…。あなたのその今にも泣きそうな顔、好きだけど、やっぱり笑ってほしいわ」
「笑えって?馬鹿言うな。笑えるわけないだろ?後もう、少ししかないんだ。君といれる時間は」
「いい?男。夢であったときも言ったけど、辛いのはあなただけじゃないの…わかる?」
「ん…、すまない…」
583Ghost of Honest Cool 6/8:2007/04/16(月) 19:23:04 0
 この後しばらく沈黙が支配した。
本当に会えないという事実
本当の本当に彼女を失うという事実
本当の本当の本当につまらなくなるこの世界
僕は生きていけるだろうか?いっそ彼女と…
「あなた、今私と一緒に逝こうとおもったでしょ?」
僕はぎょっとした。一瞬呼吸ができなくなってしまった。
「…………。はぁはぁ……な、なんでわかったの?」
「私を誰だと思っているの?あなたを愛するただ一人の女性であり、あなたの思考を唯一理解することができる女性」
「僕について知らないことは何もない…か…」
「そういうこと。あなたの考えてることはわかるわ。でもね、あなたを連れて行くことはできないわ」
「いやね、冷静に考えてみたんだよ。クーがいなくなるだろ?そしたらまた僕はどうしたらいいのかって。いっそ一緒にと思ったんだがやっぱだめか…」
「駄目よ。いい?あなたはいち早く私を忘れ、私というものを乗り越えなくちゃいけないの」
「乗り越える?」
「そう。乗り越えなくちゃならないの。いつまでもあなたは私を――死んだ人間を引きずってはならないの」
「忘れろって?君は僕にそういうのかい?」
「ええ。できないかしら?」
彼女を忘れる?何度となく流れ行く季節を見、何度となく体を重ね、何度となく認識し合った、その彼女のことを?
出来るわけがない。
「出来るわけないだろう…」
彼女はため息をつき、俯いたまま言葉を発した。
「でも、あなたは私を忘れないと…。きっとあなたはだめ人間になってしまうわ…」
「そう根も葉もないこというなよ。大丈夫さ、きっと」
「あるわよ。あなた、私が死んでから毎日飲んでるでしょ?」
彼女の一言に黙りこむしかなかった。
584Ghost of Honest Cool 7/8:2007/04/16(月) 19:23:35 0
「だから、あなたは私を忘れなくちゃならないの。一刻も早くね…」
「本当の本当に?」
「えぇ。本当の本当に。ねぇ、知ってる?」
「何が?」
「死人はね、お星様になるんじゃなくて、壁になるの」
「壁になる?」
「そう」
「で、今僕はその壁にぶち当たってると?」
「そう」
「で、自力で乗り越えろと?」
「そういうこと。いい?私の死は事実で、本当にいなくなるの。あなたとは離れたくないわ。でも…」
彼女は小さく肩を上下し、声を殺して泣いていた。
「ふふ…、あなたの前では何があっても泣かないと思っていたのに…。駄目ね…」
「クー…」
「もうじき、時間だわ…。本当の本当にお別れ。もう会うことはないわ…」
僕は必死だった。彼女との最後の、本当に最後の思い出を作ろうと。彼女は忘れろというが、きっと僕には無理だ。忘れられない。
彼女というモノを僕の手元に何か残したかった。彼女がいたと言う証拠が…
「そうだ、クー、写真を撮ろう」
「写真?そういえば一度も撮ったときなかったわね…」
「僕が写るの嫌いだったからね。あまり撮らないようにしてたんだ」
「でも、そんな都合よくカメラなんてあるの?」
「確か、どこかにあったはず…」
ベッドの下、机の上、大事なものが入ってる場所だがどこにもない。
だめもとで引き出しをあけたら…。あった。それはあった。
「あったよ。クー。さぁ撮ろう」
「えぇ…」
僕とクーは寄り添い、シャッターを押した。カメラはカシャともの悲しい音を立てた。
それと同時に、彼女はもう行かなくちゃといって、最後にキスをして、さよなら、愛しき人と一言言って微笑みながら消えていった。
彼女がいなくなったこの部屋は異様に広く感じ、一人では何かに押しつぶされそうになる。ついつい、ウィスキーに手が伸びそうになる。
でもついさっき言われた彼女の言葉を思い出して、自分を制止する。
585Ghost of Honest Cool 8/8:2007/04/16(月) 19:24:07 0
 彼女が本当にいなくなって数ヶ月。僕は何とか生きている。酒に溺れることなく、ヒキコモリになることなく、普通に生きている。
彼女を忘れるため、新しい彼女を作った。このことでは非難をあびるかもしれない。
でも、忘却こそは幸福といった彼女のために、僕は新しい人と新しいスタートをきった。
この先、何度となく最愛の人を思い出すだろう。それは一種の呪いのように、消えては浮かんでくるだろう。
でも、僕はこの苦しみを乗り越えなくちゃならない。全ては最愛の人のために。
「ねぇ、男。この写真なんであなた一人だけで写ってるの?ちょっと心配しすぎて腕切っちゃいそう…」
「ん?あぁ。これ?実は、隣に移っているのさ…。幽霊が!!!!!」
「ヒッ!!」
「ハハハハ…。冗談だよ冗談…。さぁ、君の家へ行こうか。両親に挨拶しなきゃならないしね」
「次そういう冗談いったら、私、死ぬから…」
「わ、悪かったって…。さぁ、行こうか」
彼女の手をとり、外の世界へと繋がる方へと足を向ける。
もう、この部屋には戻らないつもりだ。
彼女とは結婚も決まっている。今日からは彼女の家で暮らすつもりだ。
この部屋はこのままだ。あの写真もそのままだ。
彼女には見えない、でも僕には見える最愛の人はここに置いて行く。
さよなら最愛の人、とぽつりと、彼女に聞こえないようにそっと言って
僕は、新しき世界へと歩を力強く進めた。
586ほんわか名無しさん:2007/04/16(月) 19:24:39 0
以上でございます。楽しんでいただければ幸いでうございます。
では、またどこかで。
587ほんわか名無しさん:2007/04/16(月) 21:37:11 0
>>586
GJ!
VIPでも読んでたけど、切ないね。泣けるよ。
588ほんわか名無しさん:2007/04/18(水) 01:31:12 0
>>586
VIPで読んだはずなのにまた泣けてきたよ
GJ!

ということで、こっちも投下
今回はちょっと長めに6レスほど借りるよ

つ【もう一つのGhost of Honest Cool】
5891ページ:2007/04/18(水) 01:35:35 0
男「ねぇ!クー、大事件だよ!大学新聞を読んだ?」
ク「あの新聞を信じているのかね。君は純真だな。まあ、その純真さが君の
良い所なのだが…」
男「今度こそ、本当の大事件だよ」
ク「しかし、前回は確か近くの川で河童を見たという記事であったし、その
前は近くの丘で宇宙人を見たという記事であったな」
男「確かにあれには騙されちゃったけど、今回は本当だと思うな…」
ク「もう一つ前は生命科学科でゾンビを製造しているという記事で、さらに
その前は近くの老人ホームでプレスリーを見ただった気がするぞ」
男「確かにあの2つにも騙されちゃったけど、だからこそ今回は本物だよ」
ク「非常に言いづらいのだが…。君以外の学生はあの新聞が日付以外は全て
誤報だと思っているぞ」
男「今回は本当だよ。ほら、"理工学部旧総合実験棟で霊を目撃"だって」
ク「ほう。今になってあの噂が再燃したのかね」
男「えっ?この噂を知っているの?クー」
ク「うむ。理工学部では有名な話だがな、あの建物はこの大学がここに建つ
前からあったのだ。どうも、元は病院だったらしい」
男「あの古い建物はそんな昔からあったの?」
ク「その上、病院だからな。この手の話には事欠かなかったぞ」
男「僕はそんな噂があるなんて知らなかったよ」
ク「まあ、理工学部内だけで有名だったからな。しかし、新総合実験棟が完
成して、引越も終わったから、来月には完全に壊されてしまうそうだ」
男「壊されちゃうのか…。そうだ!今晩一緒に探検してみようよ。クーは理
工学部だからあの建物の中は良く知っているでしょ」
ク「君は怖がりのくせにこういうことは好きだな」
男「だからこそ、僕はクーと一緒に行きたいんだよ」
ク「誰も行かないとは言っていないぞ。男が私を必要としているなら、私は
喜んで応じよう。ただ、今日は遅くなりそうだが良いかな?」
男「僕から頼んでいるんだから、いつでも良いよ。今晩、理工学部旧総合実
験棟の前でいいかな?」
ク「うむ。では、今晩、旧総合実験棟の前でな」
590ほんわか名無しさん:2007/04/18(水) 01:37:10 0
ク「すまない。研究実験が長引いてしまってな」
男「僕も今来たところだし、僕から頼んだことだから気にしなくていいよ」
ク「そうかね。では行こうか。瓦礫とかゴミが多いから気をつけたまえ」
----------------------------------------------
男「何か変な雰囲気だね」
ク「昔は病院だったからな。建物の構造自体が大学の建物とは異なるのだ」
男「本当に何かが出そうだね…」
ク「男よ。所々、床が腐っているところがあるから気をつけ…」
男「うわぁぁぁぁ!」
ク「男よ!大丈夫か?」
男「いたた…。いきなり床が抜けるなんて…。瓦礫とかゴミとかがクッショ
ンになって怪我は無かったけど…」
ク「そこで待っていろ。今すぐ、君の元に行くからな」
----------------------------------------------
男「クー、遅いな…」
ク?「君に会えるとは思わなかった!私は君のことを忘れたことは一度たり
とも無かったぞ!本当に私は嬉しいぞ」
男「クーったら、大げさだな」
ク「男よ。遅れてすまない。予想以上に瓦礫に足をとられてしまってな」
男「あれ、クー?じゃあ、こっちのクーは…よく見ると足が無い…」
ク「ほう。噂には聞いていたが本当にいたとはな…」
男「お化けだぁぁぁ!」
ク「しかし、この霊は私に似ているな。なんだか親近感が沸いてきたぞ」
男「…確かに、クーにそっくりだね。そう考えると怖くなくなってきたよ」
霊「驚かせてすまないな。実は人が来るのを待っていたのだ」
男「僕たちで力になれることがあれば協力するよ」
霊「実は私の恋人を探しているのだ」
5913ページ:2007/04/18(水) 01:39:48 0
霊「私は昔この病院に入院していたのだが、その時、ちょうどそこにいる男
にそっくりだった医師見習いと恋仲だったのだ」
ク「素晴らしいではないか。で、その男はどうしたのだね」
霊「彼は医師としての勉強のために海外に留学してしまったのだ。その間に
私は病状が悪化して死んでしまった。彼に会いたいが故に未だにこの世
をさまよっているのだ」
男「クー…。この人の力になってあげようよ」
ク「無論だ」
男「ありがとう。クー」
霊「礼を言うのは私の方だ。本当にすまない」
ク「…所で、あなたの名前は"くぅ"というのではないのかな」
霊(以下く)「なぜ、私の名前を知っているのかね?」
ク「私の曾祖母の妹がこの辺りの病院で早世したと聞いていたのだ。その名
前は確か"くぅ"であったと記憶している」
く「では、私の姉の子孫か…。どうりで良く似ていると思ったのだ」
ク「私のこの性格は親戚の誰にも似ていなかったが、まさかこんな所でその
理由が分かるとは思わなかったな」
男「ねぇ…。今、くぅさんって言ったよね?」
く「私の名は確かにくぅだが、それが何かな…」
男「心当たりががあるんだ。明日、もう一回、クーと一緒に来るよ」
5924ページ:2007/04/18(水) 01:43:22 0
ク「男よ。昨日は一体どうしたのだ。何か心当たりがあると言っていたが…」
男「気になって実家からアルバムを取ってきたんだ。くぅさん。もしかして、
その恋人ってこの人?」
く「間違いない!彼だ!この写真は一緒に病院を抜けて、近くの丘で遊んだ
時だ…。懐かしい…。しかし、何故、君がこの写真を…」
男「この人は僕が小さいときに死んじゃった曾お爺ちゃんの弟なんだ。よくこ
のアルバムを僕に見せてくれたんだ。爺ちゃんが結婚しないのはこの人と
約束したからさ、とよくこの写真を見せながら言っていたよ」
く「彼は…、私のことを…」
ク「男よ!この写真から何か煙が出てきたぞ」
男「本当だ!一体何が…」
霊(以下お)「くぅ!くぅじゃないか!僕だよ!」
く「本物だ…。本物だ…。会いたかったぞ!」
お「僕も君の事を忘れたことはなかったよ!くぅ!」
男「一体、何が起きたの?クー?」
ク「ううむ…。どうやら、君の曾祖父の弟もくぅに会いたくて、この世をさまよ
っていたみたいだな…」
お「くぅ死んじゃったんだ…。院長が退院したって、僕が海外から帰ってきた
時に言っていたからね。僕は長い間君を探していたんだよ」
く「君がショックを受けると思って院長さんは嘘をついたんだろう。しかし、私の
死にショックを覚えているようだが考えれば君も死んでいるではないか」
お「良く考えてみれば確かにそうだね。うっかりしていたよ」
く「ふふ。昔から変わらんな。医師がうっかりしていたら大変だぞ」
お「医者の仕事でうっかりしたことは余りないよ」
く「余りというのはまずいのではないかな…。しかし、私との約束を守らせて
すまなかったな」
お「あの時、僕は勇気を出して言ったんだよ。海外から帰ってきて立派な医者
になったら、僕と結婚して欲しいって」
く「昨日のことのように憶えているぞ。いつもは私からのアプローチに顔を赤
くしていた奥手の君からプロポーズをしてくれたんだからな」
5935ページ:2007/04/18(水) 01:46:39 0
お「君が生きているかもしれないって思っていたから、約束を守っていたんだ
よ。ただ、一回だけ君にそっくりな子がいて間違えそうにはなったけどね」
男「もしかして、クー…」
ク「この間、君の実家にお邪魔したときに妙に肩が重かったのはそういうわけ
だったのか…」
お「ああ。この子がうちに来たんだよ。あの時はごめんね」
く「彼女は私の姉のひ孫なんだぞ」
お「へぇ!奇遇だね。僕のお兄ちゃんのひ孫と付き合っているんだよね。クー
ちゃんだっけ?うちのをよろしくね」
ク「彼は最高の男だ。どんなことがあっても離さないから安心して欲しい」
お「あはは。昔のくぅは良くこんなことを言っていたよね」
く「君も変わってなくて、私は嬉しいぞ」
お「ところで、くぅ、あのね…///」
く「どうしたのだ?」
お「あのね…///…今更こんなこと言って迷惑じゃないかと思うんだけど…///」
く「君の願いを閉ざす扉は私は持っていないぞ。言ってみたまえ」
お「あのね…///…僕と結婚して欲しいんだ…///」
く「嬉しいぞ…。私はこの言葉を再び聞けるとは思っていなかったぞ…」
お「それって、OKってこと?」
く「もちろんだ。さあ、一緒にあの世で素敵な生活を築こうではないか」
お「くぅ…。やっと、昔に戻れたね…。ちょっと遅くなったけど、ごめんね」
く「君が謝ることはないぞ。そうだ、あの世に行ったら一緒に甘味処であんみ
つか汁粉を一緒に食べようじゃないか」
お「よく病院を抜け出して一緒に食べに行ったね」
く「そうと決まれば、早速出発だ。私と君の新しい門出を祝って」
5946ページ:2007/04/18(水) 01:51:08 0
お「ああ、そうだ。君達2人に医者としてアドバイスをしておくよ。互いに健康
に気をつけてね。栄養のある物を食べて、無理しないようにね」
く「君達には本当に世話になったな。すまなかった」
お「じゃあ、お盆とかにまた会おうね。今度は君達の結婚式に呼ばれたいな」
く「ふふ。彼は君と一緒で奥手だからな。今日、明日というわけには行くまい。
しかし、楽しみにしているぞ。じゃあ、またお盆に会おう。さらばだ」
----------------------------
ク「男よ…。この話を他の人にしても誰も信じてはくれなさそうだな」
男「そうだね…。今でも夢なんじゃないかって思っているよ」
ク「…」(ギュッ)
男「///…クー、いきなり抱きついてどういうつもりなの?」
ク「いや、君が霊体だと抱きつけるかどうか不安になってな。今のうちに君の
ぬくもりを最大限味わおうと思ってな」
男「でも、彼らは霊体同士で抱き合っていたような気がするよ」
ク「でも、生身の味をしっかり味わってからにしたい。…所で、彼らも言って
いたがいつになったら私にプロポーズをしてくれるのかね」
男「///…えっと…僕が…クーにふさわしい男に…なったら…かな…?」
ク「ならば、もう既に十分すぎるほどふさわしいぞ。朝になったら、式場の予
約をしに行こうではないか」
----------------------------
お「やれやれ、あいつも大変そうだが幸せそうで何よりだね」
く「おーい。男よ。式場と新居を決めよう。君との新生活を思うと心がうきう
きしてくるぞ。何せ、何十年も待ったのだからな」
595ほんわか名無しさん:2007/04/18(水) 01:52:32 0
とりあえず終了
596ほんわか名無しさん:2007/04/18(水) 07:49:08 O
>>595
GJ!
朝から和ませてもらった
597ほんわか名無しさん:2007/04/19(木) 08:03:00 0
>>595
GJ!
ほのぼのしてて良かったよ。

>>586 も良かったけれど切なかったから、
その気持ちが癒された。
598ほんわか名無しさん:2007/04/20(金) 00:10:56 0
どうも、vipの保管庫が死んでるようだ。
599ほんわか名無しさん:2007/04/20(金) 00:32:25 0
>>598
本当だ
昔からあるほうが死んでる
一体何があったんだろう
600ほんわか名無しさん:2007/04/21(土) 14:05:00 0
あいつのことか
ああ 知っている
話せば長い
そう 古い話だ

知ってるか?
エースは3つに分けられる
強さを求める奴
プライドに生きる奴
戦況を読める奴
この3つだ

あいつは―

彼は『片羽の妖精』と呼ばれた傭兵、『彼女』の相棒だった男

《よう相棒 いい眺めだ》
《ここから見ればどの国も大して変わらん》

私は『彼女』を追っている

―あれは雪の降る寒い日だった

"新たなる血、新たなる戦い"

《『エリアB7R』で大規模な戦闘!》
《援軍か?どこの隊だ!》

 COOL COMBAT ZERO

《ガルム隊へ 撤退は許可できない》
《だろうな 報酬上乗せだ》
601ほんわか名無しさん:2007/04/21(土) 14:05:36 0
A RECORD OF THE TSUNDEREN WAR

《こちらクロウ隊のPJ 可能な限り援護する》
《落ちるなら 俺の見えないところで頼む》
"Roger that!"

ツンデレ戦争には謎が多い

誰もが正義となり
誰もが悪となる
そして誰が被害者で
誰が加害者か
一体『平和』とは何か

《ツンデレ戦闘機接近 全機撃墜し 制空権を確保しろ》
《玄関でお出迎えだ》

AIRSPACE B7R "THE ROUND TABLE"
 エリアB7R−通称『円卓』

A GRAND STAGE FOR MASTERS OF THE SKY
  エースたちに与えられた舞台

《野犬狩りだ》

A PILOT THAT LIVES BY PRIDE

THE STRATEGIST

《円卓の鳥だ!油断すんな》

A MAN WHO UPHOLDS HONOR
602ほんわか名無しさん:2007/04/21(土) 14:06:11 0
《円卓がなんだ 俺がやってやる!》

THE FALLEN

THE BRINGER OF DEATH

A MAN WHO LIVED FOR BATTLE

《空戦にルールは無い ただ敵を殺すだけ》

THE REBORN VETERAN

《この戦いは どちらか死ぬまで終わらない》

A WOMAN WHO UNDYING FAITH

A REVOLUTIONARY

THEY CALLED THEM "THE KNIGHTS OF THE ROUND TABLE"
   人は彼らを『円卓の騎士』と呼んだ

《受け入れろ 小僧 これが戦争だ》

CHANGING ENCOUNTERS  変化する出会い

TWISTING FATE 変わる運命

《連合の犬が!》

AN UNCHANGEABLE WORLD  変われない世界

《撃てよ 臆病者!》
603ほんわか名無しさん:2007/04/21(土) 14:07:00 0
"Comeoooooon!!"

COOL COMBAT ZERO THE TSUNDEREN WAR

THERE IS ONLY ONE ULTIMATE RULE IN WAR−
交戦規定は唯一つ

《生き残るぞ!ガルム1》

 SURVIVE
“生き残れ”



という妄想をした俺はだめ人間ですかねorz
604ほんわか名無しさん:2007/04/21(土) 14:10:36 0
妄想は勝手だが、スレ違いの投下はいただけない
605ほんわか名無しさん:2007/04/21(土) 16:16:34 0
>>603
こちら管制機スカイアイ、聞こえるか?
君のコールサインは「男603」だ
貴機はこのスレッドの管制下に入った
まもなくお題が見える、全機撃墜せよ

つ【飛行機に乗るクー】
606ほんわか名無しさん:2007/04/21(土) 18:06:46 0
<<>>603を生きて返すな>>
<<コックピットを狙え>>
<<火を噴いて(ry

そんなことやってるとPJの彼女を素直クールにしちまうぞ
607ほんわか名無しさん:2007/04/21(土) 18:18:38 O
>>606
いや、PJの彼女は素直クールであってるらしい‥‥‥
608ほんわか名無しさん:2007/04/21(土) 18:41:24 0
>>607
なんとっ・・・

ちょっくら相棒にPJ落としてもらってくる

↓以下、いつもの素直クールスレ
609男603 ◆OsIQsh77BM :2007/04/21(土) 19:01:58 0
【飛行機に乗るクー】

《こちら基地司令部 全機あがったようだな》
男「こちらオウル1、オーディションに遅れてすまない」
《焦らせるのも戦術のうちか、傭兵?では編入試験を開始する、模擬戦を開始せよ》
男「オウル1交戦!」
?「オウル2交戦!」
ギュイイィィィーーー!
男「(こいつ、出来る!)なぁ、あんた名前は?」
?「…クー、皆はそう呼んでる」
Bee!Bee!
《オウル1 レーダー照射を受けているぞ!》
男「(ちっ、いつの間に!?)今回はあんたのk どんっ!
男「くぉ!なんで実弾が飛んでくんだよ!?」
《どうした!?状況を説明しろ!》
クー「オウル1、大変よ!片羽が無くなってる!」
《両機模擬戦を中止!オウル1、基地まで帰還できそうか?》
男「…こちらオウル1、行けそうだが滑走路が汚れるな 掃除係を呼んどいてくれよ?」
クー「無謀だわ、脱出レバーを引いて!」
《オウル1、君を信じるぞ 危なくなったら迷わず脱出しろ、いいな!》
男「オウル1、了解 RTB」
クー「…オウル2、RTB」
…ヒューーーーンシュゴッッッ!
《両機、よく戻ってきた!》
男「…ふぅ、落ちるかと思ったぜ?」
…ヒューーーーンシュゴッ!
男「(うそだろ、俺は女に墜されたのか!?ヤキが回ったか…)」たったったっ!
クー「…オウル1、私と結婚してくれ!」
男「…おぃおぃいきなり冗談はないぜ、お嬢ちゃん?」
クー「私は本気よ?まぁ時間はいっぱいあるわ、また後で会いましょ」かつかつ…
男「(…なんなんだよ、あいつは!?)」
…書いててgdgdになってしまったorz
610ほんわか名無しさん:2007/04/21(土) 23:23:23 0
VIPのお題の物を投下したいと思います。
お題【手紙で告白】
3レス程お借りします。
6111/3:2007/04/21(土) 23:24:07 0
   『手紙で告白』

 授業終了の音が鳴り響く、それは同時に昼休みになった事を示す。
 朝飯を抜いて来た俺には救いの音だ。
 俺は鞄から弁当を取り出すと、急いで開け食べ始める。
「男、ちょっと良いだろうか?」
 俺の食事を邪魔する奴は許さな――。
 顔を上げた先には、艶やかな長い髪、透き通るような目を持った女子がいた。
 つまりクラスメイトのクーさんだ。
「俺に何の用?」
「これを渡しに来たんだ」
 彼女は俺に白い紙のような物を渡してくる。
 俺はそれを受け取る。どうやら手紙のようだ。
 俺は疑問に思い質問する。
「この手紙、何?」
「君への恋文だ」
「なるほど恋文ね……え?」
「最初は君に直接告白しようと思ったのだが、友達が手紙にしろと言うのでな」
 教室が騒がしくなってきた、どうやら俺達の状況に気付いたらしい。
6122/3:2007/04/21(土) 23:24:45 0
 俺は何とか頭の中を整理しようとする。
「えと、恋文って……」
「ん? 内容について知りたいか、では大まかに」
「いや、そんな事言って――」
 彼女は淡々と話し出す
「まず最初に君を好きになった理由が書いてある、そうだな一番好きな所は優しい所かな」
 いや、聞いてない。
「次に私について書いてある、読めば私の事が全て分かるぞ、
ここでは詳細は省かせて貰おう、私の秘密を知るのは君だけにしたいからな」
 俺は回りを見る。
 他のクラスメイトは、俺達の話に聞き耳を立てているようだ。
 誰か俺を助けろ。
「次に将来について書いてある」
「将来?」
「ああ、子供は3人は欲しいな」
 ……この手紙には、どれほど先の未来が書かれているのだろうか、読むのが怖い。
「そして最後は――」
 彼女は真剣な表情になる。
「君を愛している、私の恋人になってくれ」
「え……よ、よろしくおねが――」
「という流れで書いてある、どうか読んで欲しい」
 これは嫌がらせか?
6133/3:2007/04/21(土) 23:25:15 0
 突然、彼女は俺をじっと見つめてくる。
「口元にご飯粒が付いてるぞ」
「ど、何処に?」
 彼女の細い指が俺の口元に触れる。
「な、何を!」
「取れたぞ」
 彼女の指先にはご飯粒が摘まれて――って食べた!
「ふむ、これが君の好きな味か、覚えておこう」
 教室が急に静かになる。
 今の行動には皆、驚きを隠せないようだ。
「では、良い返事を期待してるぞ」
 そう言うと、彼女は俺の席から離れて行った。
 彼女は自分の席まで行き、座る。
 鞄から弁当を取り出すと、黙々と食べ始めた。

 ……この状況、何?
614ほんわか名無しさん:2007/04/21(土) 23:25:45 0
以上です。
ありがとうございました。
615ほんわか名無しさん:2007/04/21(土) 23:40:30 0
>>614
GJ!
吹いた。
その辺の、「恋に対する常識の無さ」がクーの可愛さだなー、と、すごくすごく思う。
616ほんわか名無しさん:2007/04/22(日) 08:47:06 0
>>614
GJ!
クーには、「口元のご飯粒は口でとるほうがいいよ」と助言しておきます。
クーなら次回はやってくれるはずだ。

あと、「よろしく…」を無視される主人公が妙に可愛いw

自分も VIPのお題消化させてください。

あっちがあんなに早く落ちるとは思わなかった……。
百合ネタです。3レスくらいかな。

つ【部室で二人きり】
617【年下の彼女】:2007/04/22(日) 08:48:37 0
【年下の彼女】

「あ、ジャケット」
 春だというのに、校舎を出ると外の風はまだ冷たくて。
 そこでようやく、あたしはジャケットを部室に忘れたことに気がついた。
 ちょっと面倒にも思ったけれど、この寒さの中、家まで歩くのは気が重い。
 部屋の窓を見るとまだ電気はついている。誰かしら残っている部員がいるのだろう。あたしは部室に引き返すことにした。
(あれ、空ちゃん)
 部室の中は、中等部の後輩、空ちゃん一人だけだった。
 なぜか彼女はあたしのジャケットを着て、嬉しそうにくるくると回っている。かわいくって天使みたいに見える。
 微笑ましく感じつつも、どこか気後れしてしまい、扉の前であたしは立ちつくしていた。
 空ちゃんがあまりに楽しそうで邪魔をしたくなかったし、あまりに綺麗で可憐で見とれてしまってもいた。
 あたしのジャケットは、以前ライブ会場で手に入れた、某英国ロックバンドのオフィシャル品だ。空ちゃんも彼らのファンなのかな。
などと考えていたところで、空ちゃんと目があってしまう。
「こんにちは」
 なんとなくばつの悪さを感じながら、部室に入る。
「部長っ」
 空ちゃんは満面の笑みでこちらに飛びついてきた。
 普段の空ちゃんはあまりにクールで大人びていて調子を狂わされることが多い。
 今日の彼女は、珍しく年相応の可愛らしい振る舞いで、あたしはどこかほっとしていた。
「空ちゃん一人? 他の部員は?」
「ええ、もう皆さんお帰りに」
「やれやれ、仕方のない人たちね」
 空ちゃんは無論高等部の正式部員ではない。
 鍵の管理などもあるのだ、彼女を残して帰るなんて部員たちもどうかしている。明日きっちり言っておかなくては。
618【年下の彼女】:2007/04/22(日) 08:49:32 0
 ま、それはそれとして。
「空ちゃん、そのジャケットあげよっか」
「ええっ、よろしいんですか」
 空ちゃんは目を輝かせる。
「ええ、構わないわ。それを着た空ちゃんがとても嬉しそうだったから」
「ありがとうございます、嬉しいです、大事にします」
「それにしても、空ちゃんが彼らのファンだとは知らなかったわ」
 あたしが某ロックバンドの名を口にしたとたん、空ちゃんの顔色が曇る。
「は?」
「だからファンなんでしょう、その」
 あたしがジャケットのロゴを指差すと、空ちゃんの顔色はますます曇り、どこから見ても不機嫌な顔つきに。あれ?
 空ちゃんはジャケットを脱ぎ、あたしに突きつける。
「知りませんよ」
「え?」
「そんなバンドなんて知りません、お返しします」
「え? だってさっきはあんなに嬉しそうにしてたじゃない」
 はあ、と空ちゃんはため息をつく。
 そこには、先ほどまでの年相応の空ちゃんはいなかった。そこにいたのは、いつもと同じ、内面だけなら私より年上かと思うくらい大人びた空ちゃんだった。
「部長も本当にこういう方面には疎い方ですね。そういうところも好きではあるのですが、いささか歯がゆくもありますよ」
 指示語ばかりでわけのわからない科白を空ちゃんは口にする。
「え?」
「つまりは、こういう事です」
 空ちゃんはいきなりあたしに口付けをした。深くて甘い、大人のキス。
 とっさのことで、あたしは身動きもできない。
「おわかりでしょうか。私は部長が好きなんです。恋しているんです。このジャケットは部長のものだったから欲しかっただけですよ。
やっと私の気持ちに気が付いてくださったと喜んだのですが、勘違いだったようですね、残念」
 あたしは呆然としていた。
619【年下の彼女】:2007/04/22(日) 08:50:07 0
「このジャケットはお返し致します。そのかわり、もっと別なものを頂きたいんです。ご理解、くださいますよね」
 空ちゃんは、にっこりと笑う。
 しかしその笑みは、先ほどまでとは全く異なったものだった。
 先ほどまでの笑みが、何の意図も無い無邪気な子どもの笑いだとしたら。
 今の笑みは、その魅力で相手を篭絡しようとする、大人の微笑み。
 あたしは彼女に心を奪われ、その場にへたり込みそうになる。頬が、熱い。
「部長の都合もあるかと思いこれまでは人目を気にしていましたが、どうもそれでは埒があかないご様子。
明日からは私の全てをかけて部長の御心を頂きに参ります。本気ですので御覚悟くださいませ。それでは、今日のところはこの辺で失礼いたしますね」
 そう言って、空ちゃんは帰っていった。引き止める間もない。
 ……なんて、娘なんだろう。
 あたしは胸の疼きを覚えていた。彼女に対して友情以上の好意を抱いているのを自覚した。
 だけど、五つも年下の、しかも同性の女の子に対して、恋愛感情を抱いているとは思いたくはなくて。
 いや、認めよう。あたしは彼女に恋してる。この胸のドキドキは、切なさは、そうとしか思えない。
「明日からは、人目もはばからず、か……」
 どうすればいいんだろう。
 あたしは、自分自身がどうしたいのかさえわからず、生まれて初めて本気で途方にくれていた。
620ほんわか名無しさん:2007/04/22(日) 08:51:31 0
以上でした。

昨日 VIPで初めて百合ネタを投下したんだけど、妙に癖になってしまった……
621ほんわか名無しさん:2007/04/22(日) 11:27:21 O
GJ!これからも百合クール書いてくだしあ
622ほんわか名無しさん:2007/04/22(日) 19:20:57 0
>>614
さすが素直クール
凡人にできないことを平然とやってのける!
そこにシビれる
GJだ

>>620
百合ネタ良いね
私は前1回だけ百合ネタ書いたけどギャグだったからなぁ…
623ほんわか名無しさん:2007/04/23(月) 13:17:22 0
>>620
百合はよいものです。

みなさんにお勧めの一冊
むっちりむうにい「絶対×浪漫」
一迅社のHPで一話分が読めます。
6241/4:2007/04/24(火) 00:30:55 0
人、ボール、歓声。
様々なものが飛んでは跳ねる校庭。
その隅にある、学校のシンボルである大きな椎の木――
さらにその足元にあるベンチに……いた。
騒がしさに包まれた昼休みの校庭において、
そこだけ異なる風が吹いているかのような……。
見ていて痛くなるくらいぴんと伸びた背筋。短く切り揃えた髪が揺れてる。

「ごめんね、待ってた?」
「いや、気にする必要はないぞ。それより昼食はもう済ませたのか?」
「うん、とっくとっく」
軽く手を振って彼女の横に腰を下ろす。
「で……。このわたしを呼び出すなんて只事ではないですな」
彼女の顔を覗き込むようにして言ってみるが、彼女は前を向いたままだ。
「……うん。お前には、事前に言っておこうと思ってな」
「え? 何よ何よぉ」
姿勢を戻し、改めて彼女の顔を横から見た。
あれ?なんかちょっと……耳が赤い?
「今日の放課後、決行する」
「けっ……こう……?」
あの、決行って。なんか、恐いんスけど……。
相変わらず彼女の視線は動いていない。
が、よく見ると、スカート越しにも分かる形の良い太腿の上で、
二つの拳がきつく握られていた。
「ヤツに……伝える。想いを……」
「ッ!」
彼女の瞳が初めてわたしを捉えた。
6252/4:2007/04/24(火) 00:31:39 0
「……そう……」
そっか……そっかぁ……そっかぁ!!
「ね?マジ、マジだよね?ね!ね!ね!!」
思わず彼女の両肩を掴んで無理やりこちらを向かせ、
ガックンガックン揺すってしまった。
「おっ、ほっ、本当だっ」
「……」
息がかかる距離から、彼女の瞳の中を覗き込む。
「よかった……」
「お、おい! まだ実際にヤツに言ったわけでは……」
長かった……長かったよぉ。
気がつけば最終学年のわたし達。彼女に想い人がいることを知ってから早2年。
時には学校で、時には電話で、時にはお互いの家に泊まり、
わたしと彼女は”ヤツ”について、”ヤツ”を想う彼女について、話をしてきた。
だが……。

「ね、カワイイよねぇ〜、これぇ」と同意を求められても
必要とあらば「私はそうは思わない」と即答する彼女が……、
めずらしく早起きしてわたしが作った弁当をつまみ
「あと3時間は早起きして作り始めたほうがいい」と言った彼女が……、
男どもからの告白を毎度毎度あまりにきっぱりはっきり断るので
「振られたんだという余韻すら残してもらえない」と評される彼女が……、

そんな彼女が、”ヤツ”に想いを伝えることだけは、できなかったのだ。

彼女を見ていてどれほどイライラしたことか……。
何度わたしが言ってしまいたいと思ったことか……。
いっそのこと彼女も”ヤツ”も気絶させて素っ裸にひん剥いて
抱き合わせてロープでグルグル巻きにして頭から水をかけてやろう、
何度そう思ったことか……。

しかし、そう、無駄ではなかったのだ。
6263/4:2007/04/24(火) 00:32:33 0
「おい、おい!大丈夫か?」
「はふぇ?!」
気がつくと目の前に、何かを心配しているような彼女の顔があった。
いけない、どうやらわたしは一人の世界にいたらしい。
咳払いをし、彼女の横に座りなおす。
「ん……。で、なんて言うか決めたんだ?」
「いや……」
おい……いやって……。
「だがいい! 決めた、決めたのだよ。すべてをありのまま伝えると……」
「……」
まっすぐな背筋はそのままに、彼女は静かに立ち上がった。
風が通り、砂が舞う。
「お前には本当に感謝してる」
「おいおい、なんだよぉ」
「結果がどうなるかは分からん」
顔だけをこちらに向け、彼女は続けた。
「ただ一つだけ分かっていることがある。結果に関係なく、
 私のお前に対する友情は何も変わらないということだ」
「……馬鹿。そんなこと言ってどーする!かならずヤツを落としてこいっ!」
わたしは思わず立ち上がり、彼女の背中を平手で強く叩いた。
一瞬だけびっくりした彼女の顔に、ゆっくりと不敵な笑みが浮かんだ。
「うん、行って来る。後で会おう」
「馬鹿、来なくていいから。そのまま処女くれてやってこい」
生徒であふれる校庭の真ん中を、まるで何も存在しないかのように、
彼女はまっすぐに歩いていく。
あ、歩いてるのに手だけが「気をつけ」をしたまま……。やっぱ緊張してるんだ。
その姿が校舎の中に消えるまで、わたしはずっと彼女の背中を見ていた。
6274/4:2007/04/24(火) 00:33:12 0
「はぁ……」
なにかすごく疲れた気がする。
よっこらしょ、とベンチに腰を下ろし周りを見渡した。
あれ、そういえばまだ昼休みなんだよね。放課後まで2時間もある……。
なんか気張って送り出しちゃったけど……もつかな、彼女。
……まぁ、いいか!
「おしっ!」
わたしは走り出す。
購買に売れ残っているだろう、硬いコッペパンと冷たい牛乳を求めて。

お粗末さま
628620:2007/04/24(火) 02:18:21 0
>>621-623
ありがとう。これからも百合ネタ書くようがんばるつもりです。
かなりよさそうなので「絶対×浪漫」、注文してみましたよ。楽しみです。

>>627
GJ! 超GJ!
上手いなあ。こんな文章書けるようになりたいです。
629ほんわか名無しさん:2007/04/24(火) 12:15:21 O
素直クールの友達視点てなんか斬新やね
630ほんわか名無しさん:2007/04/24(火) 21:31:25 O
Morning gloryの続き投下します
5レスほど借ります〜
631Morning glory:2007/04/24(火) 21:33:54 O
「あのぅ……何で僕の下半身をそんなに見つめt」
「何故脱がないのかね、早く着替えないと朝食は食べれないし何より遅刻してしまうのだが」
「クー……男の着替えを見るのは良くないと思うよ」
「男の着替えなど頼まれても見たくはない、ツヅミだからこそ良いのだ」

僕はため息を一つしてから、クーの手を取り部屋の外へと連れ出した

「いきなり手を取られ心拍数が少し上がったが、積極的なキミも良いモノだな」
「そんな事言ってもダメだからね、とにかく着替えは見たりしたらダメだよ」
「ツヅミが言うならば仕方ない、だがツヅミにこうして躾をされるのもなかなかに良いな」
「絶対に誤解されるから他の人には言わないでね………」

部屋に戻りクーが覗いていないか、ドアを確認しながら僕は着替えを済ます
まさか男の僕が覗きの危機に会うなんて夢にも思わなかった
ネクタイを締めて寝癖をワックスで直し、部屋を出てクーに一声かけて階段を降りリビングへ向かった
632Morning glory:2007/04/24(火) 21:42:28 O
僕はリビングのドアを開けるや否や、ご飯を食べながらTVを見ている母さんに軽く注意をする

「おはよう、母さん。ていうか、知らない人を勝手に部屋に上げちゃうって危機感無さすぎるよ……」
「おはよう、ツヅミ。とても素敵な女の子がツヅミの婚約者と名乗るのですから
お母さん、嬉しくて喜んで上がっていただいたわぁ」
「そ、そういえば結婚前提でお付き合い始めたんだった……」

女の子に告白されるなんて無かったし、スゴイ美人に告白されたモノだから
こんな事は二度と無いだろうし、色々と決心して付き合う事にしたからすっかり忘れていた……

「主南さんも朝ごはん食べますか?」
「いえ、私は家で食べて来ましたので大丈夫です。あと私の事はクーとお呼び下さい
私の義母上になる方にその様に気を使っていただく訳にはいきません
お義母様の御子息に相応しい妻になれる様、厳しくご指導をお願い申しあげます」
「あらあら、そんなに固くならなくても良いんですよ〜」
「ちょ、ちょっとクー!? 母さんの前で三つ指ついたりしないでよ〜!!」

父さんに助けを求めようとしたが、既に出勤したみたいだ
クーが来た時点で何かを察知して逃げたのだろう……
僕は渋々椅子に着いてご飯を食べる事にした
633Morning glory:2007/04/24(火) 21:45:04 O
「ツヅミったらダメじゃないの、こ〜んなに可愛い彼女が居るのに一人でご飯食べて
クーさんに食べさせていただきなさい!!!」
「流石はお義母様、例え食事であっても愛しい人の世話は手を抜きたくはないものです
さあツヅミ、私が食べさせるから口を開けるのだ」

時間もあまりないので僕は半ばヤケになって口を開いた
クーの白く綺麗な手が僕の顎に添えられ、口にご飯が入る

「よし、良い子だ。お義母様の料理は美味しいだろう」
「あらあら、仲睦まじいわねぇ」「もうどうにでもしてよ……」

こんな調子で食事も終わり、ようやく登校出来そうだ
歯磨きを済ませ、鞄を手に取り玄関へと向かおうとしたらクーに肩を掴まれた

「ツヅミ、少しネクタイが曲がっている」

そう言うとクーは僕のネクタイに手をかけ、少し緩めてからまた締めなおした

「うむ、これでよし」

ネクタイを直してもらったお礼を言おうとした瞬間、唇に暖かく柔らかい感触
鼻には甘く心地よい香り、視界にはクーの顔が広がっていた

「クーさんたら情熱的ね〜」
「ツヅミを誰よりも愛していますから
ではお義母様、高校に行って参ります
昼食は私が弁当を作って置きましたので安心してください」
634Morning glory:2007/04/24(火) 21:47:07 O
「学食があるから面倒で作らなかったけど助かるわぁ、二人とも行ってらっしゃい」
「行って参ります」
「あ…う、うん……行ってくるよ」

呆気に取られている僕の手を取り、玄関でローファーを履くクー
僕は回らない頭のまま、とりあえずスニーカーを履いた
再び手を取られ玄関から出た

「私に朝からキスをされるのは気分が受け付けないのか……?」

家の門の前でクーに突然言われる
顔を見ると普段のクールな彼女ではなく、少し不安げに僕を見つめていた

「そっ、そんなことないよ!! ただスゴく突然にクーにキスされて気が動転してたんだ」
「決して私の事が嫌いになったという訳では無いのだな?」
「とんでもないっ、そんな事は無いから安心して」

そう言うとクーは僕を優しく抱きしめた
ああ……クーは心が落ち着く良い匂いがする

「ツヅミは私が嫌いでないと解ったし、学校へ行こう」
「そうだね、あんまり時間無いし早歩きでね」

クーは僕から離れて通学路を歩き出した
僕も彼女の隣に並び一緒に登校する
635Morning glory:2007/04/24(火) 21:49:15 O
「今日は突然押し掛けてすまなかった」
「いや、大丈夫だよ。結構驚いたけどね」
「少しでもツヅミと一緒に居たかったのだ、許可してくれるならば毎日でもキミを起こしたい」

僕もクーの事を知りたいし、クーと居ると何だか楽しいし暖かい気持ちになれる
だから断る理由も無いので即OKした

「じゃあ、これからもよろしくね。僕もクーと一緒に居ると楽しいから」
「本当か? 明日からはキスをかかさないからな」
「……あまり過激なのは控えてね」

という事で毎朝、クーが僕を起こしに来る事になった
クーの行動力と熱意はスゴイなぁ、僕には足りない部分だから憧れる
騒がしくなるだろうけど、クーとの楽しい朝が明日から始まる
そう思いながらクーと通学路を歩いて僕は学校に向かった
636ほんわか名無しさん:2007/04/24(火) 21:51:05 O
これでMorning gloryはおしまいです
それでは失礼しました〜
637ほんわか名無しさん:2007/04/25(水) 19:55:45 0
>>636
GJです!
638624-627の続き 1/4:2007/04/25(水) 23:54:23 0
──15:00──
**高等学校・屋上機械室内で待機中。
現在屋上に人影なし。両ターゲットは間もなく現れると思われる。
撮影は行うが、室内の騒音により撮影機材に付属のマイクでの集音は不可。
又、集音器が不調。装備課に要報告。

──15:34──
ターゲットK(以後・K)、確認。
学校指定の制服を着用。
10時半方向、距離約6mのベンチに、こちら側を向いて着席。
口元に動き(暗唱か?)。動きが小さく読唇術による読み取り不可。
口元以外は動きなし。表情に気になる点なし。

──15:39──
K、起立。
ターゲットM(以後・M)、確認。
急いで駆けつけてきた模様。
身長約170cm、中肉、黒髪。上・学校指定の体操服、下・ジャージ着用。
こちらに背を向けているので人相の確認は不可。
モップを所持、用途不明。攻撃的な姿勢はうかがえないが、要注意。
両者の相対距離、約1.5m。

──以後、詳細な時間は表記せず。映像での確認求む──
6392/4:2007/04/25(水) 23:55:07 0
K──発言。読唇の結果(以後略)、語尾「……すまん」と思われる。
M──うなずく。容認の意思表示か。
K──口を数回開閉、両肩が上がる。深呼吸と思われる。
    発言──「好きだ」と思われる。
M──状態に変化なし。

15秒経過。

M──首を回す。周辺状況を確認か。尚、人相は確認できず(要映像確認)。
    何か発言している模様。
K──発言──「……ちがう」と思われる。語気強めか。
    発言中にMとの距離を約70cmに縮める。
    発言続くも顔を下に向けているため読み取れず。
M──Kと同じく顔を下に向けている状態。
    尚、両者の足元に気になる物体・現象は確認できない(要映像確認)。
K──M所持のモップを奪取。緊急展開準備指令を発令。
    モップを投棄。後、Mの両腕を両手でホールド。
    発言──「好きなんだ」と思われる。2回繰り返す。
    緊急展開準備指令を解除。

10秒経過。

M──わずかだが、頭部が上下。うなずきか。
K──Mの上半身を完全にホールド。緊急展開準備指令を発令。
    両者の距離0m。尚、Kの顔はMの肩越しに視認可。
    発言──「ありがとう」と思われる。
    緊急展開準備指令を解除。
    顔面に光る物体を確認(特に両まぶた下、要映像確認)。
    再び発言も読み取れず。
6403/4:2007/04/25(水) 23:55:44 0
12秒経過。

K──Mに対しテイクダウン、マウントポジション。緊急展開準備指令を発令。
    下着を確認。白・青のストライプと思われる(要映像確認)。
    発言──「……処女……」。頭髪に隠れ詳細確認できず。
M──上半身を起こす。
    何か発言している模様。
K──上記の状態でMの上半身をホールド。
M──Kの上半身をホールド。
    両者の顔面を含む上半身は完全に密着していると思われる。

10秒経過。

M──Kに対するホールドを解き、両手を上下に激しく振る。発作か?
K──Mに対するホールドを解く。
    発言──「私は幸せ者だ」。
    起立。緊急展開準備指令を解除。
M──Kの腕につかまり起立。
    何かを発言。

両者並んで階段方向に歩行開始。
Mの人相はKの体に隠れて確認できず。

K──発言──「……処女……いつ……」
    逆光気味で詳細確認できず。

両者視界外へ。

──16:06──
撤収。
6414/4:2007/04/25(水) 23:56:27 0
男「奥様、お呼びでしょうか」
女「映像とレポート見せてもらったわ。こんなところでしょうね」
男「はっ。……しかし、奥様」
女「なに?」
男「なぜ、このような……」
女「あら、決まってるじゃない。
  夕食のときにあの子に呼んで聞かせるためよ。楽しそうでしょ?」
男「……」

──メモ──
早急に次の就職先を探すべきと思われる。


おしまい
642ほんわか名無しさん:2007/04/26(木) 10:54:32 O
何コレ?
643ほんわか名無しさん:2007/04/26(木) 15:22:06 O
20-30分かけてよく読んだが、やはり理解できなかった
オレがアフォなだけかも知れんが
644ほんわか名無しさん:2007/04/26(木) 16:01:17 0
作者じゃないので、間違ってるかもしれないが、
@Kが素直クールで、Mが男。
A4/4の男はKの家の使用人で、女は素直クールの母親。
B1〜3/4は素直クールの告白を、使用人が盗撮してレポートしたもの。
C1/4で素直クールが告白。
D2/4で男はドッキリかと疑うが、再度の告白に受け入れる。素直クール泣く。
E3/4で素直クールは「処女をもらってくれ」と要望。男は何とか言い逃れるが、
 素直クールは「で、処女はいつもらってくれるんだ?」と再確認。
と、解釈した。

個人的には、こういう新機軸への挑戦は大歓迎したい。
645ほんわか名無しさん:2007/04/26(木) 20:26:08 0
実に新鮮だよ
GJ
こっちもちょっと違うアプローチを考えてみようかな
646ほんわか名無しさん:2007/04/27(金) 05:16:31 0
>>598-599
消えてるのはミラーの超保管所のほうで(トップページが鯖会社のデフォルトになってたからたぶん契約切れ)
オリジナルの保管庫(わかりにくい)は無事
647ほんわか名無しさん:2007/04/29(日) 01:08:44 O
ほす
648ほんわか名無しさん:2007/04/30(月) 22:29:54 0
今週はVIPも無事に持ったことだし
このあたりでほの板ももっと盛り上げたいね

ということでお題をくれると嬉しいな
649ほんわか名無しさん:2007/05/01(火) 00:05:25 0
>>648
お題 「家族」 「親友」
650ほんわか名無しさん:2007/05/01(火) 00:33:27 O
VIPもう1日あると思ってた…

http://imepita.jp/20070501/012600
651ほんわか名無しさん:2007/05/01(火) 12:26:50 O
>>500
GJ!
652ほんわか名無しさん:2007/05/01(火) 12:28:31 O
ごめんアンカーミス
>>650です
653ほんわか名無しさん:2007/05/03(木) 08:07:49 O
避難所のアドレスどこだよ
654ほんわか名無しさん:2007/05/03(木) 08:09:30 0
ググレカス
655ほんわか名無しさん:2007/05/03(木) 09:43:12 0
まあググってもわかりづらいよね。

VIPのテンプレ相当の情報がないのは不便かも、と思ったよ。向こうが落ちてるととくに。

以下、VIPのテンプレのコピペ。
--
●初めての人は軽くでいいので保管庫を見てみて下さい
■素直クール保管所Wiki
http://sucool.s171.xrea.com/
http://www16.atwiki.jp/sucool/

■素直でCOOLな娘避難所
http://yy17.kakiko.com/sucool/

■あぷろだ@素直クール保管所
http://sucool.s171.xrea.com/up/
携帯からはこのへん
写メうpろだ http://kjm.kir.jp/index.php
@ぴた    http://pita.st/index.html

■素直クール過去ログ保管所
http://sucool.skr.jp/kakolog/
■お題/性格ジェネレーター
http://udonkari.run.buttobi.net/
●お知らせ●
【避難所でスレ立て等に関する話し合いが行われています。意見のある方は避難所までお願いします】
素直クール避難所2
http://yy17.kakiko.com/test/read.cgi/sucool/1169048301/

656ほんわか名無しさん:2007/05/04(金) 17:24:32 0
過去ログ保管所は消えてるのね
657ほんわか名無しさん:2007/05/05(土) 18:56:19 O
ほす
658ほんわか名無しさん:2007/05/06(日) 15:37:16 O
ほし
659ほんわか名無しさん:2007/05/07(月) 23:31:37 O
660ほんわか名無しさん:2007/05/08(火) 00:34:22 O
 おはよう、と鏡の前で繰り返してみる。
「……顔色が少し悪いな」
 やはり昨晩脳裏から離れなかった彼の姿のせいだろうか。
「笑顔、か」
 電話越しに友人としていた会話を思い出す。
「好きな男は笑顔で落とせ、と言っていたな」
 自称『常に新しい恋を探す女』が口癖の親友の顔が浮かぶ。
「確かにいつも笑顔なら好感を持ちやすいだろう。だが私に同じ事が出来るだろうか?」

 自分でも無表情だと思う顔を眺めながら悩む私に、壁掛け時計が八時を告げる。
「そうだな、行こう」

 新たな学年で隣の席になった彼が、私と同じ通学路を使うと言う情報も、深夜に
話し相手になると言う対価を払って入手済み。

「上手く笑えるだろうか?」
 一抹の不安を覚えつつ私は玄関の扉を開けた。


――告白の日の朝・その一コマのイメージで
661ほんわか名無しさん:2007/05/09(水) 00:06:59 O
GJ
続きに期待
662ほんわか名無しさん:2007/05/09(水) 00:29:19 O
続きが気になる
GJ!!
663ほんわか名無しさん:2007/05/09(水) 01:20:12 0
投下行ってみます。
3レス程お借りします。
6641/3:2007/05/09(水) 01:20:52 0
   『幸せな家庭』

「わたしね、大きくなったらパパのお嫁さんになるの」
 娘は目を輝かせて、そう言ってくれた。
 俺は娘に「将来の夢は何?」と聞いてみたのだ。
 すると、こんなに嬉しい事言ってくれた。
 可愛い事言ってくれるなあ。
 これこそ、幸せな家庭によくある状況の一つじゃないだろうか。
 俺は隣を見る。そこには愛する妻――クーが座っている。
 クーは娘を眼光鋭く睨んでいる……え?
「何で睨んでるの?」
「済まない、今は早めに白黒決着をつけなければならない。君はしばらく口出しをしないでくれ」
 クーの声には凍りつくような冷たさがあった。
 俺は思わず黙り込む。
 クーは娘を見据えると、ゆっくりと口を開く。
「娘よ、その夢は諦めろ」
「どうして?」
 娘は不思議そうな顔をしている。
「君のパパは、すでに私の夫だ。諦めるんだ」
「いや! わたし、パパ好きだもん」
「確かに彼ほど出来た人はいない。君が惚れるのも分かるし、私も彼を愛している。
……そうだ、君は何歳だ?」
「え、えと……五さい」
 クーは、それを聞いて不敵な笑みを浮かべる。
6652/3:2007/05/09(水) 01:21:39 0
「妻は夫の最大の理解者である必要がある。
一緒にいた年月が長く、彼の事をより理解する者が適している」
「わたし、ずっとパパと一緒だったよ」
「残念だったな。君が一緒にいたのは五年間だが、
私は高校1年の時から、つまり十二年間一緒にいるんだ」
「十二って五より多いの?」
「ふむ、五は君の片手の指で数えられるが、十二は両手の指を使っても足りないぞ」
 娘は意味を理解したらしく黙り込んでしまう。
「どうやら私の方が妻に適しているようだな。それに君には根本的な問題がある」
 俺はクーの言おうとしている事を悟る。
 まさかクーの奴、あの事を言う気か?
「君と彼は親子だ、親子では結婚は出来ない」
「そんな……」
 娘は今にも泣き出しそうだ。
 俺は、すぐにクーを止めに入る。
「その辺でやめとけ。子供の言う事だからそこまで言わなくても――」
 喋ってから気付いた。
 俺の言葉は、どう考えても娘に対しての失言だ。
6663/3:2007/05/09(水) 01:22:17 0
 娘を見ると涙目になっている。
「わ、わたし本気だよ!」
「あ、ごめん。今のはそういう意味じゃ――」
 クーが俺の言葉をさえぎって喋り始める。
「ふふ、どうやら君のパパは私の味方のようだな。娘よ、叶わぬ夢はさっさと捨てるんだな」
「うぅ……」
 娘は大粒の涙を流し始める。
 今のは言い過ぎだ。
 俺はクーの頭を軽く叩く。
「親は子供の夢を大切にしてあげないと駄目だろ」
 頭を叩かれてショックを受けたらしく、クーの表情は沈んでいく。
「そうだな……。私は娘が産まれた時に良い母になると君に誓った。
でも今の私は子供の夢を壊すような非道な女になってしまった。君に嫌われても仕方ない……」
「ちょっと待て、俺はそこまで言って――」
「うぅ……」
 クーの目から涙が静かに流れ落ちる。
 俺は思わず言葉を失う。
 そして、二人は俺の前で泣き続ける。
「わ、わたし……ぐす……お嫁さんに……」
「君に……き、嫌われては……うぅ……生きていけない……」


 ……俺の幸せな家庭は何処に行った?
667ほんわか名無しさん:2007/05/09(水) 01:23:28 0
以上です。
ありがとうございました。
668ほんわか名無しさん:2007/05/09(水) 06:50:17 0
>>667
GJ! 娘に嫉妬するクーもかわいいなあ
669ほんわか名無しさん:2007/05/10(木) 11:01:44 O
クー容赦なさすぎワロタ
670ほんわか名無しさん:2007/05/11(金) 00:57:36 0
投下行ってみます。
2レス程お借りします。
6711/2:2007/05/11(金) 00:58:07 0
   『母の日』

「母よ、これを見て欲しい」
 そう言うと、クーは手に持っていた紙を机の上に置いた。
 ――どうやら何かのチラシのようだ。
 私は、そのチラシを読む。そこには、ある温泉旅館の紹介文などが書いてあった。
 私はクーに聞く。
「これが、どうしたんだ?」
「もうすぐ母の日だ。母には父と一緒にここに行って貰う。日頃の感謝の気持ちだ」
 クーがこんな気が利いた事をしてくれるとは思わなかった。
 しかし私は、ある疑問を持つ。
「温泉旅館と言えば、男君と一緒に行くんじゃなかったのか?
そのためにクーはバイトしてただろ」
「……いや、実は母のためだったんだ」
 クーの喋り方に違和感を感じた。
 どうやら嘘をついているようだ。しかし、何故?
 そう思っていると、クーは私に問い掛けてくる。
「母よ、何故難しそうな顔をしている。行きたくなかったか?」
「いや、是非行かせて貰おう」
 愛する夫と、旅行に行けるチャンスを逃すわけにはいかない。
 この際、クーが嘘をついている事など関係ないな。
6722/2:2007/05/11(金) 00:59:07 0
 私の返事を聞いて、クーは満足そうな表情を見せる。
「日取りは決めてある。今度の土曜日からの一泊二日だ。ゆっくり日頃の疲れを癒して来てくれ」
「ああ、ありがとう」
 私は夫との旅行の事に考えを移す。
 普段、子供の前という事で色々と行動を抑えていたが、旅行の間は抑えなくても良いわけだ。
 ふふ、楽しみだ。
「私は用事を思い出した。では」
 クーはそう言うと、別の部屋に行った。
 しばらくして、その部屋から話し声が聞こえる。
 電話でもしているのだろうか?
 いや、そんな事はどうでも良い。
 今は旅行中にする事をリストアップしないと――。


「……私だ。……いや、その事は諦めた。……本当だ。今日は違う用件なんだ。
君はこの前、勉強を教えて欲しいと言っていただろ。なので、私の家で泊りがけの勉強会をしよう。
……いや、君の学力向上のためには二日必要なんだ。……本当だ、信じてくれ。
……その点は大丈夫だ。君が叫び声を上げれば、私の親が助けに駆けつけてくれるはずだ。
……決心してくれたか、嬉しいぞ。
……それでは今度の土曜日に。……では、失礼する」
673ほんわか名無しさん:2007/05/11(金) 00:59:37 0
以上です。
ありがとうございました。
674ほんわか名無しさん:2007/05/11(金) 07:41:19 0
>>673
GJ。クー策士www
675ほんわか名無しさん:2007/05/11(金) 23:23:39 O
>>664-666が素でほのぼの家族に見えた俺エドモンド本田
可愛いよ大人げ無いクーも可愛いよw

>>671-672
次の土曜の朝、クーん家に来た男とクー母が鉢合わせ。
娘を『くれぐれも』ヨロシクね、と挨拶するクー母と呆然と立ち尽くす男
そして明後日の方向見ながら知らん振りしてるクーが目に浮かぶww

書き手さん皆GJ!
676ほんわか名無しさん:2007/05/14(月) 06:58:24 O
維持
677ほんわか名無しさん:2007/05/14(月) 21:11:28 0
―ピキーン!
クー「む…近くに男がいるな?電波を感じ取ったぞ!」

クー「やぁ、男。」
男「あ、クー。こんなところで会うなんて偶然だね。」
クー「そうだな。だが実を言うと電波を感じて探しあーゲフンゲフン何でもない。」
男「なに、そのわざとらしい咳払いは…」
クー「そんなことより、暇か?」
男「まぁ、暇って言われれば暇だけど…」
クー「そうか。ならちょっとお茶でもしていかないか?」
男「いいよ。」
クー「良かった。この前良い店を見つけてね。」
男「そうなの?センスがいいクーが認めるくらいのお店なんだから、きっと本当に良いお店なんだね。」
クー「あぁ、良い店だ。さぁ行こうか。」
男「うん。」

―数分後
男「ね、ねぇクー?なんか、さ…その……さ…」
クー「なんだ、男よ?」
男「こ、ここら辺の町並みって…俗に言う……ピンク街ってとこじゃ…」
クー「む、着いたぞ。」
男「…って、あれ?こんなところに喫茶店がある?」
クー「ふふふ、男、この通りを歩いていて一体何を想像していたんだ?」
男「な、なんにも想像してないよ!///」
クー「…ちょっと期待したか?」
男「……正直ね。」
クー「そうか、なら躊躇う事はない。行こうか。」
男「えっ、ちょ…待ってクー!ダメだよ!僕たちまだ…」(カランコローン)
クー「何がダメなんだ?喫茶店に入っては行けないのか?(ニヤニヤ)」
男「あっ、え……ぅー……なんか、今日のクーは意地悪だ…」
678ほんわか名無しさん:2007/05/16(水) 02:09:16 O
>>677
電波受信

アホ毛装備ver.クー

という連想が浮かんだ
679ほんわか名無しさん:2007/05/16(水) 09:20:39 O
神スレほす
680ほんわか名無しさん:2007/05/18(金) 09:01:06 O
ほし
681ほんわか名無しさん:2007/05/20(日) 00:02:53 O
682ほんわか名無しさん:2007/05/21(月) 00:32:46 O
683夕焼け小焼けで 1/5:2007/05/22(火) 23:26:24 0
 おんぼろドアの取っ手に指を掛けちょっとだけ力をいれてやる。するとドアは、その見た目とは裏腹に素晴らしい勢いでレールの上を滑っていった。
「うぃ〜っす」
 真正面にある窓から夕日が射し込んでいて、思わず目を細めた。
 視界の中で人影が片手を上げる。久美──クー先輩だ。逆光なので表情は影のままだが、耳が隠れる程度の短い髪と、細い眼鏡のフレームがキラキラと光ってる。
「今日は遅かったな」
「や、バスケやってて」
 先輩は膝の上に広げていた本を閉じると、それを折りたたみ式の安っぽい机の上に置いた。後ろ手にドアを閉めて先輩に近寄っていくと、カバーのかかっていない本の表紙が見えた。
「あ、これ」
「知ってるのか? クラスメートが貸してくれたが、男子向きではない」
「いや、妹が」
 うん、たしかそうだ。妹がきゃっきゃ言って読んでたやつだ。ボーイズラブってやつですな。
 しかし、アニキの前でそんな本を読んでる妹ってどうなんだ? もしおれが妹の前でフルカラー女体図鑑をきゃっきゃ言って見たりしたらどうなるだろう?
「なるほど、妹か……。ちなみに君は男子とキスしたことはあるか?」
「ありません!」
「そう……。よくキスの味をミントの味とかレモンの味とかって言うだろう? 男子同士でキスしても同じような表現をしたくなるものなのか、経験があれば聞きたかったのに」
 先輩は残念そうにそう言うと、薄いピンク色の眼鏡のフレームを細い指で押し上げた。
 まったく、この人は突然びっくりするような質問や発言をしてくる。衆人環視もおかまいなしで、しかも多分にセクシュアルなものもが飛び出すから、こっちはたまらない。
「ん? それは?」
 先輩がおれの胸元を見つめている。
 あ、そうだそうだ、忘れてた。
 ちょうど先輩の真後ろにある古い戸棚から救急箱を取り出す。それを机の上に置き、パイプ椅子を引っ張り出して先輩の隣に座った。
6842/5:2007/05/22(火) 23:29:52 0
「怪我をしたのか?」
 座っている事務用の椅子をクルッと回し、先輩がこちらを向く。
 ちなみに、今先輩の可愛いお尻の下になっている椅子の座面には、「部長用」と書かれたデカいシールが張ってある。張ったのは先輩だが、なんでそんなことろに張ったのかはよく分からない。
 しかも、インクがボタボタ状態の極太マジックで書いたあと、すぐにその上に座ろうとしたので、「すぐに座るとスカートにインクつきますよ」と言ってやったら、なるほどと頷いて椅子の前に正座し、しばらくシールに向かってフーフーしていたっけ。
 さらに付け加えておくと、ここは「部」じゃない。
 おれがいきなり救急箱を出したせいか、心なしか先輩が心配そうにこっちを見ている。
「ちがいます、怪我じゃないですよ。ん〜、あった」
 どう見ても効果が切れていそうな無臭の湿布やら薄く埃がついた包帯やらをどけ、おれが探し出したのは針と糸。バスケをやっているとき、学ランのボタンが取れてしまったのだ。
 糸の先をナメナメし、針の穴へと狙いを定める。うわっ、ちっちゃいなこれ。
 なかなか糸を通せないでいると、横から細く白い手が出てきた。
「貸して」
 先輩がおれから針と糸を取り上げる。
 ペロン。
 あっ! 舐めちゃった、先輩舐めちゃったよ!?
 でもどうやらドキっとしたのはおれだけみたいで、先輩は眼鏡の奥で片目を瞑って針と格闘中。わずかに首を傾けそうしている先輩が妙に可愛くて、さらにドキドキしてしまった。
「通った」
「あ、はい、すみません」
 先輩から針と糸を受け取ると、出来るだけ先輩の顔を見ないようにしてボタンを付けることに集中する。鎮まれ〜鎮まれ〜。
 先輩が話し掛けてくるが、こちらはいたって普段通りだ。
「君は偉いな。今どき女子でも出来ない子はいる」
「うち、おふくろいないですからね〜。一方で妹がいるし」
「こういうのは君がやるのかい?」
「そうっすね、自分の分くらい自分でやれよって言ってるんですけど……。あ、この前は学校で使うからっていうんで巾着袋作らされたんですよ」
 そんな会話をしているうちにボタンを付け終えた。一丁上がり!
6853/5:2007/05/22(火) 23:30:37 0
 針と糸を救急箱に閉まっていると、先輩が学ランを手にとってまじまじと見ていた。
「見事な手際だ」
「ははっ、そんな大袈裟な」
「着てみてもいいかい?」
 はい!?
 おれが返事をするより早く、先輩はセーラー服の上から学ランに袖を通す。
「うん、いいな。男の子の匂いだ。帰るまで貸してくれ」
 よく分からない感想をもらしながら、先輩は満足げだ。いや、まぁいいんですけどね。
 おれは身体が大きいほうじゃないんだけど、先輩が小さいので、袖が余ってしまっている。それが可愛いと言えば可愛い。
 学ラン・セーラーという需要があるのかどうか分からない先輩を眺めていると、もう一つ、忘れていたことを思い出した。
 ガサガサとデイバッグをあさり、中からビニール袋を取り出す。
「先輩も食べます?」
 机の上で輝くのはアルミホイルに包まれた二つのお握り。一つは梅干、もう一つは鰹節。おれは伝統的なものを愛するのだ。
「君が作ったのか?」
「はい。今日妹が遠足なんですよ。たくさん作ってくれって言われて、ご飯炊きすぎちゃって」
「そうか。一つもらおう」
「どうぞどうぞ。あ、卵焼きもあります。箸はないんで指で」
 ビニール袋からタッパーも出す。中にはいっている卵焼きは妹の大好物だ。これもせがまれてたくさん作りすぎた。
 先輩が卵焼きを一切れ摘み、口に運ぶ。
「これは……いい味だな。どうしたらこんなに美味しく作れるんだ?」
「特別なことはしてないですよ。まぁ、どうせ作るんなら旨いに越したことない、と思って作ってはいますけど」
 先輩は聞いているのかいないのか、今度は小さな口でお握りをはむはむしている。
「もう一つ聞いてもいいか?」
「ふぁい?」
「どうしたら君の妹になれる?」
6864/5:2007/05/22(火) 23:31:52 0
 ぶっはぁっ!
 窓から射す夕日、そのオレンジ色の帯の中を米粒が飛んでいく。よかった、先輩と向かい合わせに座ってなくて……。
 そうじゃない! なにを言ってるんだ、この人は。
「妹って、なんですか、それ」
「話を聞いていると──」
 キィっと椅子を鳴らしてこちらを向くと、先輩が腕を伸ばしてきた。指先がおれの口元に触れる。指で摘んで見せたのは、米粒。あ、すんません。
「君の妹は君に対して多大なる影響力を持っているらしい。それが非常に羨ましい」
「いや、無理ですから。先輩ですから、年上ですから、妹は年下ですから」
 おれはそれだけを一気に言い切った。先輩は指先の米粒を見つめながら首をかしげている。
 しばらく沈黙が流れ、
「そうか。無理か」
 納得するのにそんなに時間が必要だとは思えないんだけど……。
「まぁ必ずしも妹である必要はないか、うん」
 パクッ。
 あっ! 食べちゃった、今度は食べちゃったよ!?
「ごちそうさまでした」
 先輩は丁寧にそう言って頭を軽く下げる。米粒のことなんか何も思ってないようだ。またおれだけドキドキかよ。
 誰かがここにいたら、二人しかいないのにやたらと騒がしいと思うだろう。ただ、騒いでいるのはおれかもしれないが、原因は先輩だ。それだけは言っておきたい。
 そうこうしているうちに、帰宅を促すアナウンスが流れ始めた。
 学ランはしっかり返してもらい、先輩と二人で玄関へと移動する。部活終わりや駄弁っていた奴らで、下駄箱の辺りはけっこう混んでいる。
 と、その人ごみの中で先輩が足を止めた。
「考えたんだが、君の妹になるのはあきらめよう」
 突然なんですか? しかもその話ですか?
「まぁ、今日は間接ではあるがキスもしたことだし」
 ちょっとぉ! こんな人がいることろで、な、なにを!
6875/5:2007/05/22(火) 23:32:40 0
 周囲にいる人の動きが、一瞬止まった気がした。
「しかもあれは、間接ではあるがディープキスだった」
 ヒソヒソ……。
「一回目は何度も舐め回していたし、二回目は咀嚼もした」
 ヒソヒソヒソ……。
 おおゴッド、みんながこっちを視ています。これは新しい趣味に目覚めよということですか? 無理です。視られるより視るほうを好むようにおれを創ったのはあなたです。
 居たたまれなくなったおれは、自分の下駄箱へとダッシュした。
 いや、嫌いじゃないよ、むしろ好きよ、クー先輩。でもね、うぶな少年に何故この仕打ち?
 俯きがちに玄関を出ると、そこには当然のように先輩が立っている。
「どうした? 帰ろう」
 溜息を一つつき、先輩の後ろをとぼとぼとついていく。
 家まではまだ遠い。願わくば、どうか先輩が電車の中で「男子はよく自身の陰嚢のことをおいなりさんと言うが、酢飯の味はするんだろうか?」などと言い出さないことを……。


おしまい
688ほんわか名無しさん:2007/05/23(水) 04:27:11 O
>>687
これは良い話ですね
GJ!!
689ほんわか名無しさん:2007/05/23(水) 23:57:34 O
良作にGJ!

なんか続きとかあったらむっちゃ楽しみだ
690ほんわか名無しさん:2007/05/24(木) 00:06:48 0
>>687
これはすごくいいな
GJ

こっちもほの板にも投下しないとなぁ…
691続683-687 モーニング・ムーン 1/4:2007/05/24(木) 22:50:41 0
 ジャアッ! 
 宙を舞っていた色とりどりの野菜がフライパンへと戻ってくる。
 その中からピーマンを一切れ摘んで口に放り込む。あっち! ん〜、ちょっとだけ醤油。
 フライパンを数回揺すり足した醤油を馴染ませると、野菜炒めを皿に移した。このまましばらく冷ます。
 できた〜。
 今日は休日。いつもだったらまだ夢の中にいる時間だが、今日はクー先輩と二人でのサークル活動がある。
 何をしているサークルかというと、いわゆる社会科見学だ。なんか小学生みたいだけど。
 訪れる場所は、街の工場や会社やその他諸々。ほとんどの場所は学校の名前と、学校の活動であることを言えば、見学させてくれる。
 普段訪れる機会が無い場所ばっかりだし、その非日常的な空気になんかとってもワクワクするし、それこそ小学生の頃から好きなんだよね。
 場所を決めるのは先輩。だからとんでもない所へ連れて行かれることもある。試飲を目的にワイン工場に行こうとしたり、着いてみたらラブホテルの前だったり。
 ちなみにラブホテルへ連れて行かれた日、休日だったのになぜか先輩は制服姿だった。ホテルへ突入するのを断念させたあとで理由を聞くと、「場所と合わせ、私なりに君の嗜好を吟味した」と言われた。
 そんな結構めちゃくちゃな活動だが、今日は安心。近くにある水産試験場だそうだ。何をしているところなのかはよく知らないが、鰻がいるらしい。
 試験場に行った後は、隣接する大きな公園で弁当を食う予定になっている。先輩も作ってくるらしいので、お互い持ち寄っての昼飯だ。
「ん〜美味しそう」
 背後から間の抜けた声がする。真美だろう。
「おまえの朝飯の分もあるから。おれはもう食った。とりあえず顔洗ってこい」
「ん」
 パジャマ姿の真美が洗面所に消えていく。こいつを起こすのに目覚まし時計は必要ない。何か食い物を作っていれば勝手に起きてくる。
 おかずは全部出来たので、次に広げたアルミホイルの上にお握りを載せていく。今日は梅干、鰹節、鮭、昆布の四種類。
 海苔を取り出し、ここで巻いてしまうか別に持っていくか悩んでいると、玄関でチャイムが鳴った。
 あれ、先輩か? 確かに先輩が迎えに来る予定だが早くないか?
6922/4:2007/05/24(木) 22:51:32 0
 エプロンをしたまま玄関に向かう。ドアを開けると、
「やあ、おはよう」
 やっぱり先輩だった。しかし、
「おはようござ……いま、す」
 なんだ、それは?
 服はいい。スニーカーにデニムのミニ、フード付きのスウェット、いつもの眼鏡に肩にはトートバッグ。
 しかし首から下げているそれは、双眼鏡? しかもデカくて傷だらけで、なんか軍とかで使うやつじゃないのか? だいたい今日は鳥じゃなくて魚見にいくんだよな?
 先輩もおれの視線に気付いたらしい。
「これか? 昨日物置で見つけたんだ。なんか使ってみたくてね」
「はぁ」
 なんだ、この人も子供っぽいところあるんだな。ちょっと可愛いかも。
「エプロン姿か。板についてる」
「え? あ、ども」
「とてもいい。ムラッとする」
 朝ですよ〜新しい朝ですよ〜。
 おれが密かに憧れていた、「年下の男が年上の女を可愛いと思いフッと笑う」図は、あっという間にどこかにすっ飛んでいった。
「あれぇ……」
 どうやら洗面所から出てきた真美が先輩を見つけたようだ。先輩の視線もおれの背後へと向いている。
「妹です。こんなところじゃなんなんで、すぐ準備するから上がってください」
「そうか。じゃあ失礼しよう」
 先輩は靴を脱いで上がるとクルッと回り、床に両膝をついて脱いだ靴を綺麗に揃えた。こういうところはしっかりしているというか。
 もっとも、前に屈んだときに首から下げた双眼鏡を床板に打ちつけ、「ガンッ!」と凄い音をさせたのだが。
6933/4:2007/05/24(木) 22:52:48 0
 狭い居間に案内し、とりあえず椅子に座ってもらった。おれは台所に駆け込み急いで準備をする。
「すいません、すぐ出来ますから」
「いや、こちらこそ朝からお邪魔して申し訳ないな。で、はじめましてだね、國木田久美です」
「あ、はじめまして、妹の真美です。不束な兄ですがよろしくお願いします」
 いきなり何を言ってるんだと思い、振り返って真美の顔を見ると、あ、目がキラキラしてる。先輩は先輩で、興味深そうにしげしげと真美を見ていた。
 あ〜、なんか分からないけど早く家を出たほうがいい気がする。出たい。
「よく話には聞いているよ。真美さんは随分お兄さんに愛されてるようだね」
「え〜、わたしがいないところでいったどんな話してるんですかぁ?」
 おい真美、なんかおかしいぞ、その返しは。おまえは誰だ? おれのなんだ?
「しかし愛に甘えているばかりなのはどうだろう? 君もいつか独り立ちしなければならない」
 それはおれも言ってやりたい。が、なんでいきなりそんな話題に?
 知らず知らずと、おかずを弁当箱に放り込む手つきが乱暴になる。さらに、お握りをアルミホイルで包むが、隙間が出来て海苔が見えてる。
 一方居間では、二人の女子によるよく分からない会話が継続中だ。
「可愛いパジャマだね。君によく似合ってる」
 なんか妙に「可愛い」が強調されてなかったか?
「え、そおですかぁ。うれしぃ〜」
 こいつは何も感じてないようだ。
「私はもちろんネグリジェだ、透け透けだぞ」
「きゃ〜、だいた〜ん」
 ちくしょう! 箸箱! 箸箱はどこだ! あった!
「できた! 準備できました!」
 狭い台所のあちこちに身体をぶつけながら居間へ飛び出す。まだ家から一歩も出てないのに、すでに汗だくだ。
「え〜、もういっちゃうんですかぁ?」
「うん、残念だけど。でも、いずれきっちり話をするときが来るだろう」
「わぁ〜たのしみ〜」
 これ以上この場に居たくないおれは、立ち上がった先輩の手を掴んで玄関に向かった。その後ろを真美がとてとてと追いかけてくる。
6944/4:2007/05/24(木) 22:53:33 0
 スニーカーを突っかけ、すでに靴を履き終えた先輩を玄関からそっと、しかし力を込めて押し出す。
「お邪魔しました」
「気をつけてね〜」
「夕飯までには帰ってくるから」
「帰れないかもしれ──」
「いってきますっ!」
 玄関のドアを閉め、そこでやっと一息ついた。横にいる先輩が、靴のつま先をトントンと打つ。
 顔を上げると、空に薄く輝く月が見えた。その、向こう側が透けて見えそうな白さが、今の自分の状態を表しているように思えた。まだ朝なんだけどなぁ。
 おれの前に先輩の手が差し出される。
「さあ、行こう」
 帰ったら真美に何を言われるのか、訊かれるのか、そんなことが過ぎった頭を振り、おれは先輩の手をとった。


おしまい
695ほんわか名無しさん:2007/05/26(土) 05:07:57 0
>>687
>>694
GJ! 超超GJ!

相変わらずやわらかでやさしい文章がすごくいいですよね。
こんな文章書きたいー
696ほんわか名無しさん:2007/05/28(月) 02:03:31 O
>>694
GJ!
697ほんわか名無しさん:2007/05/28(月) 02:39:01 0
>>694
続きがあったんだ
GJ
698ほんわか名無しさん:2007/05/30(水) 01:45:59 O
ほし
699ほんわか名無しさん:2007/06/01(金) 00:51:35 0
ほし。
誰かいるー?
700ほんわか名無しさん:2007/06/01(金) 01:19:49 O
いるぜ
701ほんわか名無しさん:2007/06/01(金) 01:22:10 0
いるよー
702ほんわか名無しさん:2007/06/01(金) 01:26:45 0
はるか昔にスレに書き込もうと思ったやつがあるんだ。
問題なんだが、書き込んだのか書き込んでないのかはっきりしない。
wikiは探ったところなさそうな感じだったんだが、書き込んで見てもいいものかな?
703ほんわか名無しさん:2007/06/01(金) 01:29:16 0
どんとこい
704ほんわか名無しさん:2007/06/01(金) 01:31:23 0
じゃあはじめてみる。
長いのでよろしく。
705ほんわか名無しさん:2007/06/01(金) 01:32:45 0
大学の入学式の日。
講堂から出た瞬間にいろんなサークルの勧誘員に取り囲まれた。
大学に入ればサークルに入るものだ、そんなことを三年生に言われて強引に入れられた英会話サークル。
英会話サークルなんてのは名前だけで、実際は部室でごろごろしたり各々好き勝手なことを楽しむサークルのようだった。

親元から離れて新しい土地で一人暮らしをした俺に一日二日で友達なんて出来ているはずもなく、ただ肩身狭げに部室にいるだけだった。

何人かは俺と同じように連行されてきた新入生のようだが、それでも2、3人同士で固まっている。
完全に一人なのは俺だけだった。
正直いって気が重い。

「はーーーーい! 十人目の新入部員ゲットしてきたよー! どうよアタシ。褒めてくれて構わないぜっ」

がたーん、と大きな音を立てて立て付けの悪いドアが開いた。

いえーい、とVサインを出しながら女の人が大股で部屋に入ってくる。
栗色の腰くらいまでの髪、大きめの赤いヘアバンドが目を引く。

あまり化粧っ気のない人だったが、はっきりした目鼻立ちとすらっとしたスタイルが衆人離れしている。
ありていに言ってしまえば美人だ。

「おおお! やったね姐さん! これで三年連続勧誘ノルマ達成じゃん」
「おうよ! 勧誘の天才のアタシからすればこのくらいは当然さねっ! 
 ……んで。ノルマもクリアしたことだし、そろそろみんな自己紹介してみよーか。
 アタシは法学部三年の仁和 仁美(にんな ひとみ)。 姐さんと呼んでくれぃっ!
 ま、他の二年三年は有象無象だから割愛するね」

うえー、と言う声が有象無象呼ばわりされた先輩方から上がる。
当然といえば当然の抗議を仁和さんは片手で制し、

「大事なのは新入生。 んじゃ…まずはそこのジャケットの君、いってみよ!」
706ほんわか名無しさん:2007/06/01(金) 01:33:48 0
「大事なのは新入生。 んじゃ…まずはそこのジャケットの君、いってみよ!」

びし、っと俺を指差した。
……う。
一瞬のタイムラグ。

「文学部一年の森 慎矢です。 出身はF県。四月から一人暮らしをはじめました。 よろしくお願いします」

何も考えずに言葉を発する。
俺の長所なのか短所なのかは判然としないが、不測の事態に陥ると頭が真っ白になる代わりに当たり障りのない返答を返すことができるのだ。

「へええ、F県かあ。遠いとこからよく来たね、お姉さんはうれしいよー」

うんうん、なんて泣真似をしながら仁和さんがうなずく。

「OK,じゃあ次だっ。 そこの赤いスカートのかわいい子、いってみよっ」

新入生の挨拶がくるくると回っていく。
それに関して仁和さんがコメントをしたり、回りの先輩が冷やかしたりする感じで自己紹介は進んでいった。

「うっし! じゃあ最後の十人目、アタシが自らスカウトした期待の新人! いってみよー!」

ずびしっ、っと今までより勢いよく指差された女の子。
がたり、と立ち上がる。
707ほんわか名無しさん:2007/06/01(金) 01:34:29 0
「怜崎 素直(れいさき すなお)。 文学部一年、趣味は読書と散歩」

黒い髪。
染めていないというだけではなく、まさに漆黒。 一本一本絹みたいにさらさらしている。
髪の色に合わせたかのような真っ黒な服装に、あまりに白い肌が映える。
小柄な体格であり、相当な華奢さ。
おそらくどこにも余分な脂肪などはついていないのだろう。
顔立ちも整っている、どころの騒ぎではなく相当な美人なのだが――表情がない。
大きめの眼鏡のせいで印象が伝わりにくいのかもしれないが、それにしても無表情だ。

素っ気無くそれだけを告げると、怜崎は椅子に腰を下ろそうと――

「よ、かわいいー。処女ー?」

先輩から冷やかしが飛ぶ。
赤くなってうろたえたりするのだろうか。
そんな期待で部室中のみんなが怜崎を見る。(仁和さんは冷やかした先輩にチョークスリーパーを加えていたが)

「性交渉の経験はない。処女だ」

こともなげにさらりとそう言った。
全員が凍りつく中、さらに怜崎は続けた。

「だが、愛した男ならばどんな要求にも応える用意はある」

聞いてもいないのに付け加えられたダイナマイトに一同は愕然とする。

そのままかたん、と椅子に座る怜崎。
圧倒されつくした部室の中、仁和さんだけが気を取り直したように言葉を発した。

「は、はいー。クール・ビューティーだねー。アタシにそっくりだ、うん。 
それじゃあお待ちかね、新入生と在学生入り乱れてのフリートークターイム! これが終わったらみんなで飲みに繰り出すからね。各自仲良くなっておくことー!」
708ほんわか名無しさん:2007/06/01(金) 01:35:14 0
頭が真っ白になる。
となると俺は自分の行動をコントロールできないのだ。

「よう」

気がついたときには怜崎の横に座って声をかけていた。
心臓は破裂しそうだ。

「………」
つ、とこちらに視線を向け、首を軽く傾げる。

「あー、いや、ほらさ。俺、今年から一人暮らし始めたから。 友達いなくて話す人いなかったんで、一人っぽいお前に話しかけてみた」
「……それは私に友達がいないように見えるということか」
「……え、違うって。 友達になってくれたらな、って思っただけだよ。 自分を卑下するのはよくないぞ」
「………ふむ」

沈黙。 
時間にして三十秒くらいの間だっただろうが、話しかけなきゃよかった、と三千回は思った後のことだった。

「すまなかった。私もがらにもなく緊張していたようだ、謝罪する」

予想外の言葉に驚く。

「よければ私の友達になってくれ。 強がってはみたが、私にも友達と言えるほどの人間は存在しない」

二段階の驚き。
そして燃料タンク切り離し、ブースターがフルスロットルで成層圏へ――
何でそんなにぶっ飛んでるのかって?
それは――怜崎のやたらと暖かい手が、ひざ上の俺の手のひらと重なったからだ。
709ほんわか名無しさん:2007/06/01(金) 01:35:56 0
とりあえず以上で。
書き込んだような気もしてきた……w
710ほんわか名無しさん:2007/06/01(金) 12:08:14 O
ちょwwwそこで終わりかよwww
続きあるならうp、無いなら作って下さい。
気になってしょうがないwww
711ほんわか名無しさん:2007/06/01(金) 12:38:49 0
>>709
読んだことの無い人が居る限り、お前には投下義務があるんだぜ?
712ほんわか名無しさん:2007/06/01(金) 13:02:40 0
読んだことあるようなないような・・・・
713ほんわか名無しさん:2007/06/01(金) 13:49:59 0
そこで終わりだと……ドラマが尻切れトンボっていうか、何やら蛇の生殺しっぽいぜ。
続きを書いてくれたまい。
714ほんわか名無しさん:2007/06/01(金) 16:34:58 0
去年、読んだ気がするー! 続いてくれ!
715ほんわか名無しさん:2007/06/01(金) 21:12:37 O
>>711が良いこといった!!!!!!!!!
716ほんわか名無しさん:2007/06/01(金) 23:49:42 0
ぬあ。ではでは続きを投下しますね……って言っても、残りはそんなに量がないのだが。
お待たせして申し訳ない。
717ほんわか名無しさん:2007/06/01(金) 23:50:26 0
「はいはいはーーい! フリータイムしゅーーーりょーーーう! 
 まだまだ話し足りないみんなのためにこのアタシがセッティングを済ませてきたよー!」

再び立て付けの悪いドアを勢いよく開けた仁和さんが入ってくる。
いつか壊れますよ、そのドア。

「よっし。みんなそこそこ仲良くなってるねー? 
 今から場所を移して飲み会やるわけだけど、都合が悪かったりする人は帰っていいからね。無理して出ても楽しくなーい。
 でもでもアタシ的には出て欲しいとこだけどね、なはははー」

そういうと仁和さんは先輩たちとなにやら打ち合わせに入ったのだった。
周りでは新入生の女の子たちがちらほらと帰り支度を始めている。

入学式の初日から酔っ払って帰っては親御さんも驚くだろう。

「怜崎。お前はどうするんだ?」

隣でちゅーちゅーとストローでジュースを飲んでいた怜崎に声をかけてみる。
十中八九「そんなことにかけている時間はない」とか言われそうな感じだったんだが――

「そう…だな。君はどうするんだ?」
「え、俺? 正直どっちか決めかねてる」
「そうか……君が行くのなら、行こう。 君がいかないのなら、帰り道をご同道願いたい」
「え……うーん」

正直迷った。
俺も怜崎の行動に合わせようと思ったのだが、怜崎が俺の行動に合わせるつもりならそういうわけにもいかない。
718ほんわか名無しさん:2007/06/01(金) 23:51:14 0
「やっほう、クールビューティー。 仲良くなってるじゃなーい」

――と、唐突に仁和さんが目の前に現れた。
今後ろのほうにいたはずだぞ、この人。 どんな動きしたんだ。

「ああ。彼はいい人だ」
「……っ!」
「あはははは、そうかそうか! いい人らしいね、森くん。 アタシもそう思うから間違いないね、こりゃ」

ばんばんと背中を叩かれる。

「それで、君らはもちろん飲み会出るよね?」
「あー……どうしようかな、って思っt……」

瞬間、何かふかふかしたもので鼻と口が塞がれた。

「……む……がっ…!?」

それが仁和さんのチョークスリーパーのよるもので。
鼻と口を塞いでいるのが仁和さんの豊富なバストだと気づくのに、俺は五秒の時間を要した。
つーかこれチョークスリーパーか……!?

「ほらほら! 苦しかったら行くと誓うことだねっ!」
「むー! むー!」

行くどころかギブともいえない。
意思表明のためにぱんぱんと仁和さんの腕を叩く。
ばっ、と離れてくれる。
719ほんわか名無しさん:2007/06/01(金) 23:51:55 0
「OKOK。 で、いくよね?」

くいくいとチョークスリーパーの構えを見せながら笑う仁和さん。

「い、行きます……! 行けばいいんでしょういけば……!」
「よーし! それでこそウチの新入部員だっ! 女の子は帰ってもいいけど野郎はダメだかんねー!」

うおっしゃー、なんて言いながら腕をぐるぐる廻して立ち去っていく仁和さん。
熊にも勝てそう。

と、さっきから無言の怜崎に目線をやる。
目が合った。

そのまま怜崎は自分の――けしてお世辞にも厚いとはいえない――胸板に視線を落とし、もう一度こちらを見やって、

「………大きいほうがいいか?」

なんて質問を真顔で繰り出したのだった。
720ほんわか名無しさん:2007/06/01(金) 23:52:51 0
仁和さんの先導(ご丁寧にバスガイド風の手旗を持って)で到着した居酒屋。
焼き鳥なんかを出すチェーン店で、大きな座敷が宴会用として設けられていた。


「よおーーーっし、がんがんいくよぉ! 夜は長いからねー!」

ジョッキ片手に音頭を取る仁和さん。
夜は長い、ということに異論はないがまだ午後四時だ。
この時間帯を普通夜とは言うまい。

「森」

目線を前方に固定したまま怜崎が俺の名を呟いた。

「お酒というのは美味なのか」
「…え、お前飲んだことないのか?」
「……ない。別に怖かったりしたわけではないので誤解しないでほしい。ただ必要に迫られなかっただけの話だ」

まあ、酒を飲む必要に迫られることは殆どないと思うが。

「うーん……苦い、かな? 俺もスキだってわけじゃない。 怜崎は無理して飲まなくていいんだぞ」
「だが、君は飲むのだろう?」
「俺は……まあ一応な。飲み会だし」
「ならば私も飲もう。君が飲むのなら」

淡々と話す怜崎。
だが、俺はなんとなく最初の鉄面皮な印象とは違うものを感じはじめていた。
721ほんわか名無しさん:2007/06/01(金) 23:53:57 0
梅サワーを二つ注文する。
がやがやと周りが騒がしくなっていく中、俺と怜崎は二人で話しこんでいた。

「……へえ、怜崎もひとり暮らしなんだ。 出身は?」
「この県内だ。母親が心配性なのでそう遠くの大学には進学できなかった」
「ふーん……残念だったな」
「……いや、そうでもない。私はそれなりに運がよいようだ」
「うん?」
「聞き流してくれ。 料理と酒が来たようだぞ」

と、顔を上げればそこには二人分の料理と梅サワー。
焼き鳥、から揚げ、刺身。 酒の肴のオンパレードである。

「……ん、うまい」

もぐもぐと食べる。 朝から何も食べていないので腹が減っているのだ。

視線を感じる。
怜崎がこちらをじっと見ていた。

「……どうした?」
「いや、その。 まだ酒は飲まないのか」
「ああ、……じゃ、飲むよ」

くい、とコップを傾ける。
このくらいのサワーならば酒の味など殆どしない。

じーっ、と俺が酒を飲む様子を見ている怜崎が気にはなったが。
722ほんわか名無しさん:2007/06/01(金) 23:55:42 0
とん、とコップを置く。

「……酔ったか?」
「酔うか。そんなに即効性の酒じゃないぞ」
「そ、そうか。 では私も飲むぞ」
「おう、飲め飲め」
「言われずとも飲む。……の、飲むとも」

がしっ、と両手でコップを掴み、一気にごくごくと流し込む――かと思えば、途中で減速し、ちびりと一口。

「どうだ?」
「……これが酒か? ジュースと大して変わらないように思えるが」
「ああ、まあサワーだしな。っていっても酒は酒だからあんまり飲みすぎるなよ」
「ふふ、見くびるな。これしきの酒に飲まれる私ではない」

口角がゼロコンマ何ミリの単位で上がったように見える。
笑っているのだろうか。

「ならいいけどな……」

......................
................................................
............................................................................と、六時間後。
723ほんわか名無しさん:2007/06/01(金) 23:56:26 0
がたん、と立ち上がった仁和さんが朗々と声を張り上げた。

「よーしみんな、そろそろお開きだよー。 
酔っ払っちゃった人はこのときのためにお酒を飲まなかった先輩軍団が引率するからね、感謝することっ!」

うぇーい、と声が上がる。
夜十時、怒涛のごとく過ぎ去った飲み会なのだが――

「おやおや森くん? 早速やるじゃないのさ」

にまにまと笑顔を浮かべながら仁和さんが寄ってきた。

「え……え、と。ははは、あははははは」

汗をだらだらと流して笑うしかない。
俺の膝の上では、酔いつぶれた怜崎がぐっすりと眠っていたのだった。

「……もり……」

ごにょごにょと、怜崎が寝言で俺の名前を呼んでいた。

「……あは。なんだなんだキミ、結構スミにおけない人?」
「いえいえ、そんな……」
「ふぅーん……」

目を細め、じろじろと俺と怜崎を見比べる。

「ふふふふふふ。楽しくなりそうだねぇ、森くん?」

にっこりと不敵な笑顔でそう言った仁和さん。
仁和さんのその予言は、もうこれ以上ないってくらいの形で成就していくことになるのだが――それはまた、別のお話だ。
724ほんわか名無しさん:2007/06/01(金) 23:58:03 0
以上です。
よければ感想とかいただきたいー。御目汚し失礼しました。
725ほんわか名無しさん:2007/06/02(土) 01:14:18 0
('A`)b グッ!!
726ほんわか名無しさん:2007/06/02(土) 04:45:59 0
>>724
いいぞもっとやれ
727ほんわか名無しさん:2007/06/02(土) 07:46:54 O
>>724
GJ!
728ほんわか名無しさん:2007/06/02(土) 07:54:51 0
>>724
GJ
729ほんわか名無しさん:2007/06/02(土) 10:15:47 0
「別のお話」が読みたいっ
730ほんわか名無しさん:2007/06/03(日) 00:44:57 0
おお、なんか全面的にほめていただいてる……とうけとっていいのか。
今続きを書いてるには書いてるが投下はいつの日になることやら不明。
長くなりそうなのでカタチを変えるかもしれないですね……
731ほんわか名無しさん:2007/06/03(日) 15:00:57 0
いつまでも待つので自分のペースでヨロ
732ほんわか名無しさん:2007/06/03(日) 18:31:31 0
気長に待ってますよ〜。
でも今度からは、タイトルをいれていただけるとありがたい。
733ほんわか名無しさん:2007/06/04(月) 01:49:53 O
>>724氏以外のSSにも言えることなんだけど、登場人物に名前を付けると感情移入しにくいと思うんだ。
人それぞれだから自分がズレてるだけかもしれんが…
734ほんわか名無しさん:2007/06/04(月) 04:04:51 0
>>733は小説が読めない子
735ほんわか名無しさん:2007/06/04(月) 09:06:32 O
男、クーだけだと味気なくね?
736ほんわか名無しさん:2007/06/04(月) 09:50:23 0
>>724
ほとばしるほどにGJ!
続き楽しみにしてます。
737ほんわか名無しさん:2007/06/04(月) 11:13:20 0
素直クール限定でだが長編はともかく
短編で名前があるとなえる俺みたいな奴もいる。
738ほんわか名無しさん:2007/06/04(月) 14:18:19 O
仁和さんが鶴屋さんにしか見えないんだが
739ほんわか名無しさん:2007/06/04(月) 19:04:04 O
>>733
>>735
>>737
だからどうした、って程の事じゃあ無い。
そんなん書き手さんの自由でいいJamaica(´・ω・`)
740ほんわか名無しさん:2007/06/04(月) 21:32:53 0
書き手の脳内素直クールを垣間見せてもらう以上
名前ありかなしかは書き手に任せるべきだと思うよ

それに名前があればあったでそれも味になると思う
741ほんわか名無しさん:2007/06/04(月) 21:53:11 0
この流れには見覚えがあるぜ
かつてVIPのスレを荒廃させた流れだ
742ほんわか名無しさん:2007/06/04(月) 22:20:01 O
>>741
だが流れにあえて乗る俺のターン。

逆に名前があったほうが良いと思う。
まあ、無くても面白いけどね。
読み手も書き手も好みは様々なんだし、
あんま書き手がやる気無くしちゃうような注文はやめてくれ。
743ほんわか名無しさん:2007/06/05(火) 00:01:41 0
>>738
作者の俺ですら否定でき得ない事実

んで、こっからスレの流れにつきまして愚考をひとつ。

あれだよみんな、何か名前のどうこうとかで殺伐とするのはやめようぜ!

名前あり→小説風味
名前なし→清く正しい新ジャンル形式

とかそんな感じかと俺は思って書いてたんだけど……。
書き手が何人もいる以上、当然スタンスとかの違いはある、よね?
だからどちらかがどちらかに合わせて自分のやり方を変えないといけない、っていうのはスレの本意ではないと思う。
もちろん感情移入できない人、できる人、色々いると思うけど、書き手が色々いるからこそソレを満たせて、っていうのがこういうスレのいいところだ。

みんな、もっとほのぼのしようぜー。
744ほんわか名無しさん:2007/06/05(火) 00:11:17 0
モナ王かじりながらこの眺めてる俺に一言
745ほんわか名無しさん:2007/06/05(火) 00:12:34 0
>>744
叩き割らずに噛み砕いていただきたい
746ほんわか名無しさん:2007/06/05(火) 00:12:43 0
ほのぼのと修正

モナ王かじりながらこの流れを眺めてる俺に一言
747ほんわか名無しさん:2007/06/05(火) 00:13:21 0
>>746
モナ王くれよ
748ほんわか名無しさん:2007/06/05(火) 00:14:58 0
>>747
残念ながらこのモナ王は俺の嫁
一欠けらたりとも譲れんさ
749ほんわか名無しさん:2007/06/05(火) 00:15:11 O
廚くさい名前でなきゃいいよ。
750ほんわか名無しさん:2007/06/05(火) 00:18:58 0
ほの板の空気は自由にする、というのが個人的な希望
ちなみに私は名前無しでやっているけど
それぞれ書き手のスタンスがあるわけだし
名前有り無しは書き手に任せるのが良いと思う


ということで、ちょっと甘い物見つけに食料棚あさってくる
751ほんわか名無しさん:2007/06/05(火) 00:20:00 0
ごめんsage忘れた
752ほんわか名無しさん:2007/06/05(火) 00:43:41 0
名前が無いと感情移入しにくい(例:数多の新ジャンルスレ
名前を勝手に決められると余計感情移入し難い(例:ツンデry

そんな俺はちょっと長いの書くときは名前をつけてキャラを大切にします
最近の新ジャンルは男、女、だけどクーは愛称みたいなもんだと思って短い文では抵抗無く使っている
753ほんわか名無しさん:2007/06/05(火) 00:58:30 0
男、女しか使わない俺は真性のカタブツ
754ほんわか名無しさん:2007/06/05(火) 01:18:13 0
名前有りが好きという奴は登場人物に名前が無いSSの場合(男、女orクー)、自分の好きな名前に脳内変換すればいい
名前無しが好きという奴は登場人物に名前が在るSSの場合、名前を男、女orクーに脳内変換すればいい

何が言いたいか分り辛いと思うが、これじゃいかんのか?
755ほんわか名無しさん:2007/06/05(火) 01:43:27 0
素直クーラーはくだらない議論で我を通さずにはいられないってことか
ここをつぶしたら次はどこに行こうか?
756ほんわか名無しさん:2007/06/05(火) 06:10:48 0
>>752
長編で名前無きゃキャラを大切にしてませんか、そうですか
757ほんわか名無しさん:2007/06/05(火) 06:54:29 O
>>755
素直ヒート行こうぜ
758ほんわか名無しさん:2007/06/05(火) 06:55:30 O
名前があろうと無かろうと素直クールへの愛は
ここにある全作品から見えるぜ
759ほんわか名無しさん:2007/06/05(火) 09:26:52 0
まあ、仲良くやろうよ
760ほんわか名無しさん:2007/06/05(火) 09:30:37 O
結論がほぼ出たっぽいしここで一言。

続きは避難所で。
てか論議したいもしくはなりそうな話題は、
なるべく避難所でして欲しい。
作品の感動が萎える。
わがままかな?www
761ほんわか名無しさん:2007/06/05(火) 11:18:54 0
議論は避難所、建設的意見にござる。
762ほんわか名無しさん:2007/06/05(火) 15:24:42 0
仕事さぼってVipの本スレ用にSS打ってたらスレが落ちやがった……orz
なのでココに投下させて貰う。以下5スレほど頂くぜ。
763「涙の理由」その1:2007/06/05(火) 15:25:57 0
 オレは愕然としていた。
 夕刻。西日が最後の残照を投げかけてくる生徒会室。部屋の全てが紅く染まった黄昏の
中で、何ごとにも動じない鋼の自制心を持ち、己の欲望を満たす為には手段を選ばず、常
に冷静に悪魔的頭脳でコトを進める白面鬼、地獄の生徒会長と全校生徒に恐れられている
あのクーが……その目に大粒の涙を浮かべていたのだ……。

「く、クー……ど、どうしたんだ、何があったんだ?!」

 オレの声は自然と荒くなった。なぜなら……クーは制服を半ば脱ぎかけているような格
好――ブラウスのボタンが外れ胸元が大きく開いて下着が見えており、スカートに至って
は脱ぎ捨てられたように床の上に広がっていた――をしていたからだ。その上で彼女は声
もなく泣いていた。
 生徒会室にはクーしか居なかった。生徒会の仕事も終わった頃だろうと思い、部活を終
えていつものように迎えに行ったオレを待っていたのは、そんな光景。
 クーが……襲われた!? 誰に? 生徒会の面々? いや、それとも教師、か……!?
 オレの脳裏には様々な憶測がいくつも飛び交い、混乱、怒り、悲しみ……それらの感情
が複雑に混じり合い、今にも叫び出して……爆発してしまいそうだった。
 
「……男、クン……み、見ないでくれ……い、今の私の顔を……見ないで……!」

 クーが……生徒総会の質疑応答でも一度たりとも言いつかえたことのないクーが……ど
もった? 付き合い出して2年にもなるが、こんなにも混乱して……苦しそうなクーは見
たことがなかった。
 クーの両目から涙が溢れ頬を伝うのが見えたが、彼女はそれをオレに見せまいとその細
い身体ごと顔を背けた。
 オレの心の中で、いいようのない怒り、クーを傷つけた者に対する激しい憎悪――それ
はほとんど殺意に近かった――が燃え上がった。
 ……よくも……オレのクーを……クーを傷つけ、泣かしたな……!!
764「涙の理由」その2:2007/06/05(火) 15:28:05 0
 だが、オレは内なる怒りと必死で戦った。誰よりも辛いのはクー自身なのだ。普段どれ
だけ冷静であろうと、やはりクーは女の子なのだ。どんな時でも人を真直ぐに見つめ、ま
た自分も相手からの視線を正面から受け止めるあのクーが「今の自分の顔を見ないで」と
言った。その一言が、彼女が心に負った傷がどれだけ深いかを物語っている。傷付いたク
ーの苦痛を少しでも和らげ、受け止めてやれるのはオレの役目だ。それが出来るとしたら
オレしか居ない。それは恋人であるオレの義務であり、権利なのだ。卑劣な襲撃者に復讐
し、恨みを晴らすよりも先にやらねばならないことがある。

「クー……その、守ってやれなくて……ゴメン。でも、オレが何とかする。二度とこんな
 目には遭わせない、約束する。今は……今は辛いかも知れないけど……いや、辛いに決
 まってるよな。でもオレが……オレは、クーの全部、受け止められるから! 今のクー
 が全部、す、好きだ! それにその……クーは泣いていたって綺麗だよ? だから……」

 オレは今のクーにどんな言葉をかけてやれば良いのか判らなかったが、ただひたすらに
心の痛みを和らげてやりたくて必死だった。
 だが、オレのつたない言葉でもクーには届いたらしい。彼女はハッとした表情で振り返
り、泣き濡れた顔をオレの方へ向けてくれた。オレはハンカチで優しく涙をぬぐってやる。

「……男クン……どうして今? いや、そんなコトはどうでもいい。男クンが自分から私
 を好きだと言ってくれたのは初めてだ……とても……嬉しい……」

「どうして、って……そりゃ……少しでもクーの痛みを癒してあげたいから……」

「本当に? ……こんな幸せな気分になれるなら、痛いを思いをするのも悪くはないな」
765「涙の理由」その2:2007/06/05(火) 15:29:59 0
 涙を拭いてやったクーは、次第にいつもの調子を取り戻して来たかに見えた。だが彼女
はどんな時でも常に冷静に振る舞おうとするものだから、一見しただけでは心の内に気付
いてやることは難しい。しかし、今のこれは強がりだ。

「ば、馬鹿言うな! もう、二度とこんな辛い目には遭わせない! オレが守ってやる!」

「今日はいつになく頼もしくて更に素敵だ……改めて惚れ直してしまったぞ、男クン……。
 なぁ、このまま……抱き締めてくれと言ったら……迷惑か?」

「め、迷惑なものか! オレはクーの彼氏なんだからな!」

 普段ならこんな風に言われてもやんわりと拒絶している。時も場所もわきまえず好意を
ストレートに表現し、それを相手にも強要してくるクーにまともに付き合っていたら、こ
ちらの身がもたない。しかし今はクーの心のケアが最優先だ。オレの照れや倫理なんて!
 オレはクーを抱き締め、滑らかな黒髪を指ですくようにそっと頭を撫でてやった。クー
はそれで多少落ち着いたのか、オレの胸に頭をもたせかけたまま、じっと静かにしていた。
 夕焼けの中、重なった二人の影は床に長く延びていたが、次第に周囲の景色から色彩が
失われていき、生徒会室には沈黙と共に夜の帳が降りた。
 そしてオレは……自分たちの置かれた状況に気付き、このままだと甚だ不味いことにな
りかねないと内心であたふたとし始めた。

「……男クン? ……お腹に熱くて硬いモノが……当たってる……」

 ……そうオレは……クーがついさっき何者かに酷い目に遭わされたばかりだと言うのに、
クーの艶やかな髪から立ちのぼる甘い香りと、自分の胸に押し付けられた柔らかな彼女の
それ――しかもブラウスがはだけて下着が露出、下半身に至っては下着丸出し!――に反
応してしまっていたのだ。
766「涙の理由」その4:2007/06/05(火) 15:32:39 0
 ヤバい……節操の無い自らの肉体に「おさまれおさまれ」と何度も念じ、元素記号を心
の中で唱えたり素数を数えたりしていたが、欲望を抑えようとすればする程、クーの身体
のなまめかしい感触を意識してしまう……。

「い、いや、これはその……け、健全な男子としてはその……ご、ゴメン!」

「どうしてあやまる? 君が望むのなら、今この場で押し倒してくれても私は構わない。
 あ、でも出来れば優しくして欲しい。私も初めてだから」

「いや、それは……って……初めてって……」

「何だ? まさか疑っているのではなかろうな? 君に嘘などつかないぞ」

「え? で、でもクーは……さっき誰かにその……」

「誰かに? 誰かに何だ? 私が浮気して君以外の誰かに抱かれたとでも言うのか?」

「……ちょ、ちょっと待て……クー、おまえ誰かに……乱暴……されたんじゃ?」

「私が? 私の合気道の技前は君も知っていように。誰が私に乱暴なんてできる?」

 ……そういえばクーの爺さんは道場を開いていたし、彼女は黒帯で師範代クラスだった。
では、だとするとクーは一体……? 何故……半裸で泣いていたんだ……? 
 混乱したオレが疑問を口にすると、クーは珍しく驚いたように目を丸くし、次の瞬間、
オレの背にまわしていた腕の力を強め……胸に顔を埋めたまま震え出した。また泣き出し
たのではないかと思わず心配したが……どうやら笑いを堪えているらしい……。
 なんで!? 一体何がどうなって……?
767「涙の理由」その5(ラスト):2007/06/05(火) 15:35:11 0
「フフフ……私は君が部活動を終えて迎えに来てくれる前に汗を拭き、下着を替えようと
 していただけだ。汗臭いままの姿で君のそばに立ちたくなかったからな」

「え……? で、でもさっきクーは泣いてたじゃないか!?」

「アレは着替え中に資料入れの箪笥の角に足の小指をぶつけただけだ。あんまり痛いので
 思わず涙をうかべてしまったが……そこに君が現れたんだよ」

「……だ、だって……い、今の顔を見ないで、なんて言うから……オレはてっきり……」

「私だって女だ。薄くても化粧くらいする。涙でメイクが崩れた顔など好きな人には見せ
 たくない、という乙女心だ」

 クーに対する愛情と保護欲と、ほんのちょっぴりの(?)肉欲、そして実際には存在し
ていなかった襲撃者に対する怒りが入り交じった複雑な思いが一瞬で空中分解し、オレは
脱力しきって床の上にへたりこみそうになった。

「それにしても……君の普段のそっけない態度の裏側に、私に対する愛と情熱が隠されて
 いたことが判って嬉しいよ……って、あ……なんで抱擁を解くんだ? 今がイイ所だと
 いうのに。夜は長いんだ、まだいいじゃないか男クン。さぁ続きをしよう」

「ば、馬鹿なこと言ってないで服を着ろ!」

「あぁ……夕焼けの生徒会室で愛の告白、そして熱い抱擁……そしてこのまま愛と官能に
 押し流され晴れて二人が身も心も一つに結ばれれば、今日の出来事は私の人生の中でも
 最も輝かしく、最良の思い出として完成……って待て男クン、何処へ行く?!」

 オレはうっとりとした表情で演説しているクーを残し、生徒会室から退散したのだった。
768ほんわか名無しさん:2007/06/05(火) 15:37:35 0
以上、「涙の理由」はこれでおしまい。
ホントは本スレの「箪笥の角に小指をぶつけた」というお題用だった。
オチまでがちょっと冗長すぎたかなーと思わないでもないが、あえて気にしないことにする。
769ほんわか名無しさん:2007/06/05(火) 18:38:55 0
>>768
ちくしょー!
おれも「何があってもクーは綺麗だ!」って叫んじまったじゃねーか
GJ!!
770ほんわか名無しさん:2007/06/05(火) 19:46:42 0
「男クン」が鮮明に音声で再生されたぜ!
771ほんわか名無しさん:2007/06/05(火) 20:12:35 0
>>768
GJです!
772ほんわか名無しさん:2007/06/05(火) 20:17:23 0
>>768
クーもすごくかわいいけど
男がかっこ良すぎるよ
GJ!
773ほんわか名無しさん:2007/06/08(金) 00:37:34 O
774ほんわか名無しさん:2007/06/08(金) 03:20:04 0
ログ持ってないけど
確かVIPの月曜スレの最後に
【別の女にデレデレする男】
というお題があったような気がする

で、それで考えていたらいつの間にか
【別の女"が"デレデレする男】
になっていた

5レスほど借りるよ
775ほんわか名無しさん:2007/06/08(金) 03:22:25 0
ク「男よ。一緒に昼食を食べよう」
男「あ、クー。よくここにいるって分かったね」
ク「うむ。君のゼミの者に聞いてみたら実習で幼稚園に行っていると
言っていたでな。付属幼稚園まで来てみた」
男「今からお昼だから、子供達と一緒に食べようよ」
ク「本当は二人きりが良かったのだが…。君の提案を受け入れよう」
男「ごめんね。お昼を子供達と一緒に食べるのも勉強だからね」
------------------
ク「男よ。今日の料理はどうかね?」
男「最高だよ。やっぱりクーは料理うまいね」
ク「ふふ。嬉しい事を言ってくれる。所で、男よ。口をあけたまえ。
食べさせてあげよう」
男「ここでそれはちょっと…」
女の子「せんせー。玉子焼き大好きだよね?」
ク「…む?」
男「うん。僕は玉子焼き好きだよ」
女の子「あたしね。せんせーのためにお母さんに玉子焼きの作り方を
教えてもらって作ったんだ。食べてほしいな」
男「ありがとう。どれどれ…うん。すごくおいしいよ」
女の子「喜んでもらえてうれしいな。今度はお口あけて。食べさせて
あげる」
男「ちょっと恥ずかしいな…。あーん…」
ク「!」
男の子「あーっ!お前、せんせーのこと好きなんだろ」
女の子「あたし、せんせーのこと大好きだもん。せんせー。あたし、
せんせーのお嫁さんになってもいい?」
男「うれしいな。大人になってまだそう思えるようだったらおいでね」
ク「…。男よ。少し急用を思い出した。すまない。失礼する」
7762ページ:2007/06/08(金) 03:24:45 0
男「クー。一緒に帰ろうよ」
ク「…」
男「クー。黙っちゃってどうしたの?具合悪いの?」
ク「自分の胸に手を当ててみたらよかろう」
男「クー。僕は心当たりが全然無いけど、何か悪いことをしちゃったの
  なら謝るよ」
ク「男よ。私はクールだと人に言われているがたとえ冗談でも好きな人
が他の女と結婚の約束をして傷つかないわけがないぞ」
男「もしかして…。お昼ごはんの時の…」
ク「そうだ。それ以外にあるまい。その上、私が口をあけろと言った時
は拒否したのに…あの子には…」
男「あのさ、クー。あれは幼稚園児で…」
ク「しかし、恋人の目前で言う台詞や行動ではない」
男「うーん。クーなら分かってもらえると思ったんだけどなぁ…。とり
あえずクーを傷つけたのは謝るよ。だけど、話を聞いてよ」
ク「…分かった」
男「ありがとう。ところで、聞くけど。クーって幼稚園のときサンタさん
は信じていた?」
ク「いや。幼稚園のときに肯定派と大論争になって、イブの日に赤外
線カメラを自宅に仕掛けた。結果、正体が父親だと分かった。ただ、
テープは母親に没収されてしまった」
男「…えーっと、困ったな。このままじゃ話が続かなく…」
ク「構わん。続けてくれ」
男「じゃあ、話すね。少なくとも、幼稚園児の大半はサンタさんの存在
を信じていると思うんだ。実際にはいないんだけどね」
7773ページ:2007/06/08(金) 03:28:24 0
ク「それが一体、この事と何の関係があるのかね?」
男「最後まで聞いてよ。つまり、あの子達は夢を見ているんだ。今回の
こともそれと一緒だよ」
ク「しかし、いつか現実を知るだろう。それが今でも論理をもって話せ
ば、たとえ幼稚園児でも納得してくれるのではないか」
男「確かにいつかは現実を見なくちゃいけないけど…」
ク「そうすれば良かったではないか。恋人がいると一言、言えば良い」
男「ただね。このタイミングで現実を突きつけたら、あの子の位の年に
はショックが大きすぎるよ。もしかしたら、夢を見ることに意味を見
出さなくなっちゃうかもしれない」
ク「しかし、私はあのサンタ事件後も様々な夢を持てた」
男「皆がクーみたいに強くは無いと思うよ。人間は夢を見なくちゃいけ
ない生き物だと僕は思うんだ。夢を見て、少しでも実現させようと
人間は進歩すると僕は思うよ。特にクーは理系だから分かると思う
けど…」
ク「うむ。その点に関しては私は否定しないし、現実として事例はいくら
でもある。それに私は今でも科学上の大発見をして、そして君と結婚
するという夢がある。それなのに…」
男「僕が仕事としようとしている事は子供達を少しでもいい方向に育てる
ことなんだ。だから、夢を壊さないためには、ああ言うしかなかったん
だ。もしかしたら、もっといい言い方があったかもしれないけど、僕に
は思いつかなかったよ…」
7784ページ:2007/06/08(金) 03:30:41 0
ク「男…」
男「ごめんね。クーの気持ちも考えなかった上にこんな言い訳なんかし
ちゃって。僕って最低だよ…」
ク「謝るのは私だ。私は自らの狭量さを恥じている…」
男「クー。悪いのはデリカシーの無い僕だよ。顔を上げて」
ク「いいや。君のその深い考えに気付かないばかりか、私が身勝手なこ
とばかり言って君を不快にさせてしまった…」
男「クー。お願いだから。顔を上げてよ」
ク「男よ。良く考えたが私は君にふさわしくないかもしれない」
男「…!そんなこと無いよ。僕のほうこそクーにふさわしくないよ」
ク「お世辞はやめてくれ、私は君を傷つけてしまった…。非常に悲しい
ことだが私は君の恋人の資格が無いかもしれない…」
男「違うよ!僕が…」
(ギュッ)
ク「男よ…」
男「僕が一番傷つくのはクーがいなくなっちゃうことなんだ!クーだっ
て僕と離れ離れになるのが嬉しいの?」
ク「すまない…ありがとう…。やはり、私は幸せ者だ。君という素晴ら
しい男にこんなに愛されている…」
男「クー…。ごめんね…。クーに心配かけて…」
ク「悪いのは私だ…。男よ。愛しているぞ…」
(チュッ)
男「やっぱりキスされると恥ずかしいな…///」
ク「ふふ。自分から抱きつくのは恥ずかしくなくて、キスされると恥ず
かしいのかね?」
男「やっぱり、クーのこの笑顔が素敵だよ。クー…好きだよ…///」
ク「ああ。私もだ。ずっと一緒だぞ」
7795ページ:2007/06/08(金) 03:33:04 0
男「ところで、クー。実習なんだけど、園長先生がおこづかいくれたん
  だ。ケーキおごるから、一緒に食べに行かない?」
ク「うむ。食べに行こう。しかし、あんなことをしたのに君におごって
もらうのは気が引けるな…」
男「今日くらい僕におごらせてよ」
ク「すまない。じゃあお言葉に甘えるとしよう」
男「…あのね。怒らないで聞いてくれる?」
ク「うむ。何でも答えよう」
男「確かに僕の言い方も悪かったけど、何で、幼稚園児に嫉妬したの?」
ク「それはだな、君が幼児体型が好きだと前に言わなかったか?」
男「えっ…!確かにそう言ったけど、それはクーが幼児体け…」
ク「そういうことを言っている以上、心配になってしまってな」
男「クー。僕はロリコンじゃないよ…。第一、ロリコンが幼稚園の教員にな
ったら大変なことになるよ…」
ク「ただ、あの中で最も大人の女の体型は私だったからな」
男「だけど、身長を除けばあんまり変わらなかったような…」
ク「そういう状況で突如不安にかられてな。君から愛を失うのではないか
と思ってしまった。無論、今思えば、取り越し苦労なのだが」
男「僕はロリコンじゃ…」
ク「男よ。これから、何かを感じたら私に言ってくれ。君の望むこと私に出
来ることであれば何でもしよう」
男「だから、僕はロリコンじゃないから。信じてよ…。…でも、嫉妬される
ってのは愛されている証拠だからなぁ…。ちょっとうれしいよ….///」
780ほんわか名無しさん:2007/06/08(金) 03:34:57 0
ということで【別の女がデレデレする男】は終了

>>768に触発されてかっこいい男を目指してみたんだけど
書いているうちにかっこいいから離れていったような気がしてならない

後、最後になったけど>>775の名前欄に1ページ入れ忘れたのと
sage忘れをいくつかしてしまった
すまない
781ほんわか名無しさん:2007/06/08(金) 04:16:26 O
GJ!
782ほんわか名無しさん:2007/06/08(金) 16:35:15 0
>>いや。幼稚園のときに肯定派と大論争になって、イブの日に赤外線カメラを自宅に仕掛けた

の下りに爆笑してしまった。GJ! ガキの頃から冷徹な視線。らしいというかなんというか……w

ふと思ったけど、多くのクーは無表情でも嫉妬深い乙女なんだよな。
このパターンを崩して一本書いてみたい気もするなぁ。
783ほんわか名無しさん:2007/06/09(土) 01:11:04 0
>>780
GJ!
いつもながらほのぼのしていいですねー

4ページ目で終わっていればスゴクいい話なのに、
5ページ目のオチがロリで笑ったw
784ほんわか名無しさん:2007/06/09(土) 01:13:31 0
VIPに投下するとどうしてもエラーになっちゃうんで
こちらに投下してみます。

百合ネタ。
785【手紙】:2007/06/09(土) 01:17:58 0
【手紙】
 近ごろ、妙な手紙をもらうようになった。ラブレター、の、ようなもの。

 親しくなりたい、恋人になりたい、などの文句は一切無い。ただただわたしのどんなところが好きか、どんなふうに好きかだけがたんたんと綴られている目的不明の手紙で、読んでいるだけでかなりくすぐったくなる。
 二週間ほど前から毎日わたしの靴箱に差し込まれるようになった。差出人の名前は無くて、宛名は間違いなくわたし。心当たりなんてあるはずもない。

 どうしたものかなあ。
 ほんの少し嬉しくて、ほんの少し戸惑う。わたしにはずっと前から好きな人がいるから。

 放課後、美術部の部室。
 もう十通以上にもなる手紙の束をためつすがめつしていると、誰かが勢いよく扉を開けて部屋に入ってきた。わたしは慌てて後ろ手に手紙を隠す。

 入ってきたのは二年の空先輩だった。ぴくん、と、心臓が跳ね上がる。だって空先輩こそは、わたしの。
「碧、早いんだな」
「えと、はい」
 彼女はいつも男口調で会話するちょっと変な人だ。だけどそれがクールで格好いい、と、男女問わずみんなに人気がある。長く真っ直ぐな黒髪も、すらりとした長身も、みんなの憧れ。
普通の人が使うと野暮ったくなりそうな黒縁の眼鏡だって、空先輩がかけると知的さと可憐さの象徴になってしまう。
 ご多分にもれず、わたしも空先輩のことが好きだった。内緒だけど同性同士だけど、恋の相手として彼女のことが大好き。空先輩に憧れて、空先輩と話がしたくて、美術部に入部してしまったくらいに。
「碧、今なにか隠したね」
「え、いえ別に何も」
 わたしはふるふると首を振ったけど、空先輩は強引だ。椅子の後ろに回していたわたしの手首をぐいっとつかみ、無理やり自分のほうに引き寄せてしまう。
786【手紙】:2007/06/09(土) 01:24:23 0
「あ」
 ぱらぱらぱらと、落ち葉みたいに手紙の束が零れ落ちる。
「なんだ碧、手紙じゃないか。これは」
 何か言われる前に、と、わたしは先輩の言葉を遮ってあたふたといいわけめいたことを口にした。
「あ、えとあの、差出人不明のラブレターみたいなの、最近ずっともらってるんです。迷惑ですよね、こんないたずら。誰のしわざかなあ」
 あはははは、と頭をかきつつ笑って見せたら、空先輩は言いかけた言葉さえも飲み込んで押し黙ってしまった。
 ……なんだか、とても気まずい。
「先輩? 空先輩?」
「……迷惑だったのか。すまない、それは申し訳ない事をしたね」
「え。やだなあ、どうして先輩が謝るんですか。冗談はやめてくださいよう」
「冗談などではないよ。その手紙を出したのは、私だから」
「は?」
 私は空先輩の顔をぽかんと見つめた。しばらく見つめ続けてしまった、気がする。
「なっ、……なんで、ですか」
「碧。私は君のことが好きなんだ。残念だけれど、迷惑なら仕方が無い。なるべく顔もあわせないようにするが、君を想うことだけは許してくれないか。自分でもこの気持ち、止めようがないんだ」
 それじゃあね、と言い残して先輩は部室から立ち去ろうとする。
「ま、待って待って、待ってください空先輩っ」
 私は先輩の袖にぎゅっとしがみつき、必死で引き止める。本当に無我夢中で、必死に。
787【手紙】:2007/06/09(土) 01:35:33 0
「違うんです違うんです誤解です、空先輩が迷惑なわけありません!! だってわたし、空先輩のこと好きなんですからっ。前から恋しているんですからっ!!」
 勢いあまって大声で叫んだその後で、わたしは自分の発言内容に気がついた。かーっと頬が熱くなる。……どうしようどうしよう。なにを言っているのだわたしってば。
 わたしはそれ以上何も言葉にできず、自然と俯いてしまった。視界に入るのは薄汚れた部室の床だけ。空先輩に目をあわせることなんてとてもできない。

「ありがとう」
 固まっている私を、空先輩はぎゅっと抱きしめてくれた。うわーっ。空先輩の、ふわりとやさしく甘い香りがして、わたしはくずれ落ちそうになる。
「あのあの、わたし、迷惑じゃ、ないですか」
 わたしはおずおずと先輩を見上げた。いつもクールな先輩の表情は、こんなに近くてもやっぱりちっとも読めなくて、困る。
「どうして。こんなに嬉しいことはない。踊りだしたいくらいにね。これで私たちは両思いということじゃないか。それに、先にあの手紙を出したのは私だよ」
「手紙、いたずらとかじゃないんですか? 差出人の名前もなかったし」
「え、ラブレターってそういうものじゃないのか? 私が女の子からもらう手紙にはたいてい差出人の名前は無いけれど」
788【手紙】:2007/06/09(土) 01:37:13 0
 ……空先輩、それはラブレターじゃなくてファンレターとかそういったものでは。空先輩宛の手紙じゃあ、同性からは恥ずかしくて名前を書けなかったりするのかもしれないし、生徒会とかに検閲されてるかもしれないし、。
「えっとでも。差出人が誰かわからなかったら、その先はどうするんですか。空先輩、何が目的で手紙を?」
「え? 碧、その先ってなんだい。ラブレターに『想いを伝える』以外の目的なんてないよね」
 わたしは今度こそその場にくずれ落ちた。

◆◇◆

 いまだに毎日、空先輩はわたしにラブレターをくれる。あれからは必ず、空先輩の名前つきの手紙を。嬉しいよ。嬉しいけどでも。
「空先輩、毎朝わざわざクラスメイトたちの前で『ラブレターだ』と告げながら手渡しすること無いじゃないですかっ。照れちゃいます恥ずかしいです。どうしてそんなことするんです」
「虫除け」
「虫ってなんなんですかーっ」
789ほんわか名無しさん:2007/06/09(土) 01:38:12 0
以上ですよ。
790ほんわか名無しさん:2007/06/09(土) 02:08:24 O
GJ
791ほんわか名無しさん:2007/06/10(日) 13:18:38 0
>>789
先輩、毎日素敵すぎ
GJ
792ほんわか名無しさん:2007/06/12(火) 07:01:10 O
維持
793ほんわか名無しさん:2007/06/14(木) 22:14:14 O
794ほんわか名無しさん:2007/06/15(金) 14:57:42 O
維持



ここってこんなに過疎だったのか……
795ほんわか名無しさん:2007/06/15(金) 15:00:49 O
糸冬
796ほんわか名無しさん:2007/06/15(金) 17:45:47 0
まだ終わらせはしないさ
797ほんわか名無しさん:2007/06/15(金) 19:12:54 0
本スレまだ?
798ほんわか名無しさん:2007/06/15(金) 23:36:33 0
いまVIPはバルス祭でえらいことになってるからね
799ほんわか名無しさん:2007/06/17(日) 01:52:31 O
維持
800ほんわか名無しさん:2007/06/17(日) 02:40:21 0
素直クールって発祥は虹裏だっけ?
801ほんわか名無しさん:2007/06/17(日) 02:52:39 0
>>800
確かそうだった気がする
詳しい歴史に関しては発祥から考えると
新参だから良く分からないけど


後、VIPのが落ちたんで一応考えていたお題を消化
つ【長雨で暇を持て余すクー】

といきたいんだけど雨が梅雨なのに私の街じゃなかなか降らないので
勝手にお題変えてみる

つ【雨を待ち望むクー】

3レスほど借りるよ
8021ページ:2007/06/17(日) 02:54:39 0
男「クー。ただいま。いきなりだけど。1つ聞いていい?」
ク「私は君に閉ざす口は持っていないぞ」
男「あの庭に置いてある変な白いものは何?」
ク「あれは高層気象観測用の風船だ」
男「クー。今度は気象の研究してるの?」
ク「いや違う。人工降雨の実験だ。梅雨だというのに雨が全然降らないだろう」
男「人工降雨なのに何で気象観測用の気球なの?」
ク「良い質問だ。雨は雲の中で出来た氷の結晶が水蒸気を吸収して雪となる。
それが大きくなり、高度が下がる事で溶けて雨になるのだ」
男「クーって物知りだね」
ク「つまり意図的に高空で氷の結晶を生成させれば、人工的に雨を降らすこと
が可能になる。つまり、高空にその素を散布すれば良い」
男「すごいね。クーの頭の良さには毎回感服だよ」
ク「君に褒めてもらえるのはすごく嬉しい。そこでだ、氷の結晶に構造が似て
いるヨウ化銀をその風船を使って高空に散布するのだ」
男「僕なんかにクーみたいなすごい女の子が恋人でもいいのかなぁ…」
ク「そんなに自分を卑下するな。君は私なんかよりずっと美点を有している」
男「そう言われるとうれしいよ。ところで、何で雨を降らせたいの?やっぱり
水不足とか考えているんだよね。僕なんかよりずっと立派だよ、クー」
ク「いや、雨を降らせようと思ったのは、そこにあるこの前に駅前で買った傘
 が原因だ」
男「え…?」
8032ページ:2007/06/17(日) 02:58:07 0
男「あの傘、この間買ってきたんだよね。でも、クーにしては大きすぎると思
ったんだけど…」
ク「私には大きすぎるが、君と2人で入るにはちょうど良い。つまり、あの傘
で梅雨時は毎日と2人で相合傘で大学に行ったり帰ったりと考えていた」
男「あの傘が大きいのはそういう理由だったの…」
ク「しかし、私の予想と反して、全然雨が降らない。ということで、雨を降ら
す方法を調べていたら、ヨウ化銀を使う文献を発見したのだ」
男「つまり、相合傘をしたいということで人工降雨を…」
ク「うむ。雨が降らないかといつまでも待っていたが、全然降る気配が無い。
いうことで、科学の力を持って、相合傘をかなえようと思った」
男「クー…。科学力ってそういうことに使うものなのかな…」
ク「何かをしたいという思いが科学技術を発展させてきたのだ。君と相合傘を
したいということもそれに当てはまる」
男「何か、クーが言うと説得力があるようなないような…」
ク「さあ、気球を打ち上げるぞ。明日はきっと雨だ。男よ。相合傘をしてくれ
るな」
男「うーん…。僕とクーが別々の傘を持つっていう選択肢は?」
ク「男よ。つれないことを言うな。何のためにあの傘を買ったのか分からなく
なってしまうではないか」
男「でも、恥ずかしいよ…///」
ク「我々が愛し合っていることはもはや公然の事実だ。恥じることなど何一つ
無い。明日が楽しみだな。男よ」
男「また、大学中の噂になるんだろうなぁ…」
8043ページ:2007/06/17(日) 02:59:03 0
男「クー。おはよう」
ク「何故だ!何故晴れているのだ!」
男「やっぱり、自然には勝てないよ。クー」
ク「天気予報を見ても、今日は一番の暑さでその上、気圧も安定か…」
男「週間予報見ても、今週は晴れ続きらしいよ」
ク「やはり、誰かが開発した成功率の低い方法を模倣するよりも、自らで人工
降雨を開発すべきか…。よし。私はやるぞ。相合傘のために」
男「クー…。もっと皆のためにその頭脳を使うべきだよ」
ク「男よ。君は実に優しいな。自分より他の誰かの幸せをいつも考えている」
男「そこまで、僕は考えてないけどなぁ…」
ク「男よ。私は素晴らしい君と一緒にいれて幸せだ。…む?」
男「どうしたの?クー」
ク「ふむ。いつも思うが君は肌が白くてきれいだな」
男「ただ単にあんまり外に出ないからだけどね」
ク「肌に白いということは紫外線に弱いということになるな?」
男「うん。日に焼けるとすぐ赤くなって痛くなるんだよ」
ク「そうか。なら万事解決だ」
男「どういうこと?」
ク「この傘はUVカットの機能もついている。つまり、晴れ続きということは紫外
線も多くなる」
男「ということは…」
ク「この傘は日傘としても有効なのだ」
男「クー…」
ク「男よ。君の肌が傷つくのは大損失だ。これで晴れであろうと、雨であろうと
毎日、君と相合傘ができるのだ。何故、この事に早く気付かなかったのか」
男「あぁ…。晴れだろうと雨だろうと毎日噂になるのか…。クーが僕のこと想っ
てくれるのは嬉しいんだけどね…」
ク「さあ、男よ。行こうか。やっと望みがかなって私は嬉しいぞ。これで雨の日
々を待つということが無くなったのだからな」
805ほんわか名無しさん:2007/06/17(日) 03:01:02 0
ということで【雨を待ち望むクー】は終了
途中sage忘れてすまない

VIPのスレタイに相合傘が入っているのに
全然雨が降らないんでこういう風になってしまった
ちなみにヨウ化銀うんぬんは本当に使われている技術
ドライアイス使う方法もあるみたいだけど
どっちも成功率は結構低いみたい

しかし、梅雨なのに雨があんまり降らないなぁ…
806ほんわか名無しさん:2007/06/17(日) 10:20:59 O
素直クール発祥はふたばちゃんねるだぜ

>>805
GJ!
807ほんわか名無しさん:2007/06/17(日) 12:31:14 0
>>805
理系素クールktkr!

発祥など詳しくはこちら。
はてなキーワード 素直クールとは
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C1%C7%C4%BE%A5%AF%A1%BC%A5%EB
808805:2007/06/17(日) 13:09:57 0
>>806-807
ごめんうっかりしていた
指摘に多謝

ふたばだっていうのは知っていたはずなんだけど
酒飲んでたせいでなんか見間違えたのか記憶がこんがらがったかもしれない

第一ふたばであの絵見ていたはずなんだけどなぁ…
809ほんわか名無しさん:2007/06/18(月) 04:04:26 0
本当は昨日投下するはずだったんだけど
昼寝してたら夜中まで寝ていたので
少し【父の日】とはずれちゃったけど投下

以前VIPで出ていたお題の【紅茶】も混ぜてみた
男との絡みパートが少ないけどここはご容赦を

6レスほど借りるよ
8101ページ:2007/06/18(月) 04:05:52 0
これは私が男と出会うずっとずっと前の話だ。当時の私は――今でも多分そう
かもしれないが――人付き合いがうまくなかった。余り、人と話したところで
面白いと感じたことは無いが、それでもいわれの無い非難とかされれば何か感
じることがないというわけではなかった。そして、あの日も学校で素晴らしい
とは程遠い生活を送っていたのだった。ただ、そんな私を見て両親はいつも心
配してくれた。特に私の父は休みになると私の話し相手になってくれた。

「クー。最近調子はどう?」
「それなりと言ったところ」
「この感じを見ればお父さんは大体のところは分かるよ。余り良くないんだろ」
「父には何でもお見通しか…」
「パパは何でも知っている、って言う位だからね。だけどごめんね。お父さん
はクーが幸せになるように努力をしなくちゃいけないのにな」

私の父は私を優秀児の為の学校に入学させたがっていた。私は――自分で言う
のも何だが――頭が良かった。また、こういう性格ゆえ一般の学校では浮いて
しまうと両親は考えていた。そして、その予想は当たっていた。しかし、その学校
はそれなりの費用を必要とした。そして、我が家は裕福でなかった。ここで導き出
される結論は一つだ。父は自分の収入が低いことをこれほど呪ったことは無いと
言っていた。ただ、私は父は父なりの努力してくれたし、色々な人から何と言われ
ようと(私が誰かに迷惑をかけない限り)私を弁護してくれた。私は両親、特に父に
はとてもありがたいと感じていた。
8112ページ:2007/06/18(月) 04:09:03 0
「いや、私の幸せを最大限考えてくれてとてもありがたいと思ってる」
「お父さんはいつでもクーの味方だから何でも相談して欲しいな」
「特に相談は…」
「大体の所は分かるよ。もし、クーが嫌じゃなければ言ってもいいかい?」

父は私が友達が1人もいない事を心配していたのは明白であった。私はそれに
対し、複雑な感情であった。嫌いな奴の興を買う必要など何一つ無いが、何か
漠然とした寂寥を感じていたのも事実であった。私は父の申し出を受けた。そ
して父に自分の感じていること全てを言ってみた。父は二言三言コメントを発
しつつも私の言葉を全て聞いてくれた。

「往々にして小学生とか中学生はまだ子供だからね…。心無いこと言う奴は結
構いるんだよね。…気休めにしかならないかもしれないけど、もう少しすれば
きっとクーのことを分かってくれる人が出るかもしれないよ」

そう言うと父は立ち上がり、台所のほうへ行った。そして、父の趣味である紅
茶のセットを持ってきて、私の目前で紅茶を入れ始めた。

「お父さんだって小学校の時はいじめられていたらからね。だけと、大人になっ
てくるにつれて、人付き合いの技術を身につけていくんだ。無論、クーもなん
だけど。そういう内にきっと1人くらいはクーのことを気にかけてくれる人はい
るはずさ。それまではお父さんとお母さんが相談に乗ってあげるよ」
「…ありがとう」
「100人、1000人敵がいたって、大事な友達が1人いれば何とかなるさ。もちろん
クーもそういう人を探して、どうすれば仲良くなれるかを学ばなくてはいけない
よ。ところで紅茶飲むかな」
8123ページ:2007/06/18(月) 04:10:47 0
当時の私は紅茶とかコーヒーの様な飲み物は刺激物質が多く含まれており、控え
るべきだと思っていた。父がいつも私に勧めてはいたものの、私はいつも断って
いた。その度に父は残念そうな顔をしながらも母と共に飲んでいた。しかし、こ
の日は父は私が答える前にさらに言葉を続けた。

「紅茶はね。実は心を落ち着かせる作用があるんだよ。暖かい飲み物は特にそう
なんだけど、紅茶は特に落ち着くんだよ。お父さんも紅茶を飲むと心が落ち着
くんだ。だから、クーにもこんな日には飲んで欲しいな」

私は了承し、ティーカップに茶を注いでもらった。考えてみれば、私が父の紅茶
を飲むのは初めてであったのだ。そして、私は紅茶に口をつけた。

「どうだい。お父さんの紅茶の味は」
「おいしい…。紅茶とはこんなにおいしい飲み物であったのか」
「その笑顔だよ。久しぶりにクーの笑顔が見れてお父さんはすごく嬉しいよ」
「何か特別な葉や水を使用しているのか?」
「まあ、すごく安い茶葉ではないけど、すごく高い茶葉でもないよ」
「普通の葉でこの味か…。紅茶というのも奥が深い…。どうすればこの味が…」
「じゃあ、お父さんが紅茶の淹れ方を教えてあげようか」

そして、その日から父から紅茶の淹れ方を教わった。父からすれば、紅茶の淹れ
方よりも、私と話して、少しでも私の気持ちを軽くさせてあげようと考えていたらし
い。しかし、私はどうすれば紅茶がおいしくなるかという事にとりつかれてしまった。
茶葉の性質、水質や適正温度、浸出時間、とかく様々な文献を調べ、そして技術
を伝授してもらい、あの父の味に近づけようと思っていたのだ。
8134ページ:2007/06/18(月) 04:13:30 0
「あれだけの期間でここまでおいしい紅茶が作れるなんて…。お父さんはびっくり
だ。我が娘ながら、頭が良いね。コツというものの習得がすごく早い」
「違う…この味じゃない…」
「でも、この年でここまでできたら十分だよ」
「何故だ。全ての条件を吟味して淹れたというのに…」
「うーん。何と言えば良いのか…。まだ、クーはその域には達していないんだよ」
「しかし、技術に関しては完璧だと思う。まさか、経験とかいうあいまいなものを
持ち出すのは何か違うと私は思う」
「いや、技術に関しては完璧さ。お父さんよりうまいかもしれない」
「では、何故?」
「難しいね…。おいしい紅茶のコツはお父さんは3つあると思うんだ。1つは紅茶を
淹れるテクニックだね。2つ目は紅茶に合う食べ物。そして、3つ目は…」
「ただいま。あなた。クー」
「あっ、お母さん。ちょうど良いところに来たね。紅茶淹れたから飲む?」
「いつも思うけど、あなた紅茶好きね。頂くわ」
「はい。どうぞ」
「…あなたの淹れてくれた紅茶はおいしいわ。お菓子食べてもいい?」
「どうぞ。君に喜んでもらえて嬉しいよ。…つまり、こういうことさ。クー。お父
さんはお母さんと会って初めてこの域に達したのさ」
「どういうことだ?」
「大事な人に喜んでもらいたいという想いが魔法のようにおいしい味を引き出すの
さ…。ふふ。柄にも無いことを言ったかな。きっと、クーにも大事な人が出来るよ。
その時にきっとクーの紅茶は完成するよ」
8145ページ:2007/06/18(月) 04:14:24 0
ク「すまないな。男よ。どうしても今日だけは付き合って欲しいのだ」
男「クーの申し出ならなんだって僕は受けるよ」
ク「実家の父に父の日のプレゼントを送ろうと思っているのだが、どうしても君が
必要なんだ」
男「僕も実家に帰って渡してきたからね。ちょうど良かったよ」
ク「君の両親にも会えて良かったぞ」
男「でも、僕の家族の前であんなことするとはなぁ…///」
ク「皆、君に恋人が出来たといって喜んでいたではないか」
男「嬉しいけど、これから実家に帰るたびにからかわれるのかな…」
ク「おお、これが私の家だぞ。ただいま」
父「おかえり。そっちがいつも話をしてくれる男君かな。良く来たね。いつもうち
のクーと仲良くしてくれてありがとう」
男「僕のほうこそクーにお世話になりっぱなしで恐縮です」
ク「父よ。プレゼントとして、ティーセットを持ってきたぞ」
父「ありがとう。でも、お金ないのに、そんな事しなくても良かったんだよ」
ク「今日こそあの味を再現してみせる。父よ。飲んでくれるかな」
父「よし。クーがあの域に達したかお父さんは楽しみだ」
男「あの域ってなんですか?」
父「まあ、そのうち分かるよ。ところで、うちのクーは大丈夫かな?」
男「ええ。いつも、僕のほうがお世話になっていて…」
父「君以外の子とはどうかな?」
男「ええ。大丈夫です。結構友達がいますよ」
父「良かった…。うちのクーはああいう性格だからね。心配なんだよ」
男「クーは誤解を受けやすいけど優しい性格をしていますよ。安心してください」
父「そうか…。これからもうちのクーをよろしく」
男「こっちこそ、クーに優しくしてもらってありがとうございます」
8156ページ:2007/06/18(月) 04:15:22 0
ク「よし、準備が出来たぞ。お菓子はこの男お薦めのケーキだ。父よ。今日こそ、
あの域に達したと思う。皆飲んでくれ」
父「どうかね?男君。うちのクーの紅茶は?」
男「いつも思っているんですけど、こんなおいしい紅茶は無いと思います」
ク「男よ。おいしいかね?」
男「おいしいよ。クー。いつもありがとう」
ク「君の笑顔は最高だ。これだけでも紅茶を淹れたかいがあったというものだ。
さあ、次は父だ。飲んでくれ。今日こそはあの味に近づけたはずだ」
父「…合格だよ。クー」
ク「父よ。冗談はやめてくれ。飲んでもいないのに分かるわけがあるまい」
父「男君がすごく嬉しそうな顔をして、それを見たクーがとても幸せそうにして
いるんだ。飲まなくてもすごくおいしい味っていうのは分かるよ」
ク「…」
父「クー…。大事な人をちゃんと見つけて、その人の幸せを考えられるようにな
って、そしてクーが幸せでお父さんはとても嬉しいよ」
ク「…父よ。ありがとう…」
父「でもね、技術が落ちているかもしれないから一応飲んでみようかな。…合格
だよ。腕もさらに磨きがかかったね。次はケーキだ…」
男「ここのお店のケーキはとてもおいしいんですよ」
父「うむ。実にこのケーキもおいしい。クー。免許皆伝だ。お父さんが教えるこ
とはもう何も無いよ」
ク「やっとここまでこれたか…。長かったぞ…」
父「男君。うちのクーをよろしくお願いします。もし迷惑でなければ、うちのク
ーと一緒にいてあげてください」
男「こっちのほうこそお願いします」
ク「父よ。この男は素晴らしい男なのだ。男よ。今日は実家に泊まっていってく
れ。父と母に君の素晴らしさを語りたい。ただ、一晩ではとても足りそうに
無いのが残念なのだがね」
816ほんわか名無しさん:2007/06/18(月) 04:16:50 0
ということで【父の日】は終了

本当はもっと違う感じになるはずだったんだけど
クーみたいな娘がいた場合に家族はどう接するのか
ということを考えていたらこんな話になってしまった
817ほんわか名無しさん:2007/06/18(月) 10:45:06 0
GJ! クーとティータイムできる男がテラウラヤマシス
短編でクーの家族が出てくる話ってのもあまり類を見ない気がするな。
クーの人格が出来上がる土壌としてどんな家庭があったのか、とか考えると
また別のドラマができそうだ。
818ほんわか名無しさん:2007/06/18(月) 23:29:49 0
>>816
GJ!
普段ほのぼのな 816さん描かれるクーですが、
幼い頃は身近に誰一人友人と呼べるものもなく、
いつも両親とばかり会話をしていた、なんて考えると、
ちょっと切なくてしんみりしますね。
クーの子供時代、他のエピソードもいずれ読んでみたい気がします。

読んでみたいといえば、男側の実家との顔合わせも見たかったなw

>クーの家族
たいてい男の一人称だから、男側の子供時代の描写はあっても
クー視点、クー側の幼い頃の描写って珍しいのかな。
819大きなことは 1/3:2007/06/19(火) 08:52:53 0
 ベッド上に広がる色とりどりの色彩。
 その前に胡座をかくわたしと正座する彼女。
「う〜ん、これかなぁ」
「これ、か?」
 彼女がベッドの上から一枚の布切れを手に取る。それを見つめる彼女の表情は、いまいちすっきりしない。
「とにかく着てみ、きっと似合うって。サイズも大丈夫だと思う」
 息を一つ吐いて立ち上がった彼女は、表情とは裏腹にぱっぱっと手際よく服を脱いでいく。
 あの、なんつ〜か……。
「なんだ?」
 わたしの表情に気がついたのか、彼女が手を止めた。
「今は女同士だからいいけどさ。やつの前でもそんな感じなわけ?」
「どういう意味だ?」
「やつの前で服を脱ぐときは、もうちょっと恥らってみせたほうがいいと思う」
「そうなのか? まだ彼の前で服を脱いだことはないが……。男とは少しでも早く女の裸身がみたい生き物じゃないのか?」
 ”彼”だってさ。ついこの間まで、お前だって”やつ”って言ってたくせに。と、それは置いといて。
 彼女は心底意外なことを聞いたという感じで、普段は理知的な瞳を大きく見開いている。いや、想定内の反応ではあるんだけどね。
 コホン、いいでしょう、このわたくしが教えて差し上げます。
「あのね、いや……恥ずかしいよ……、ってくらいのほうが男はグッとくんのよ」
「そうか」
「それと、そのセリフの前には必ず両手を口元に、こうもってきて、軽く拳を握るの」
 脱ぎかけた服はそのままに、彼女がわたしを真似る。
「ちっが〜う! それじゃ殴るときの拳みたいじゃない。もっと軽く柔らかく」
「ふむ」
「ちなみに、同時にさりげなく両腕の間に胸を挟んで寄せられれば、上級者よ」
「こうか」
 なっ! こいつ、いとも簡単に寄せやがった……。
 そうか、「胸が無い」女にとっては上級テクでも、「地味に巨乳」な彼女にはさほど難しくないってわけか、チッ。
「やるわね、でもまだよ。そのまま少し俯いて上目遣い。今よ! か細い声で、恥ずかしい……」
「今のお前を見てるほうが恥ずかしいぞ」
「うるさいっ! ったく……。なんか飲み物持ってくるから着替えてなさいよ」
 せっかく男心をくすぐる技を伝授しようとしたのに。
 彼女を残してわたしは部屋を出た。
8202/3:2007/06/19(火) 08:55:27 0
 今日も今日とて、わたしと彼女のミーティング。
 少し前、彼女は”やつ”に告白し、それは受け入れられた。そこに辿り着くまで、わたし達は多くのミーティングをした。告白が成功したことで、その時間はもう無くなると思っていたんだけど……。
 何事も、心さえ決めてしまえば直球勝負な彼女。それは彼女の美点であると同時に、相手が面を喰らったり引いてしまうこともあるわけで。それを考えると、むしろ付き合い始めた後のほうが心配事が増えてしまったのだ。
 そして今日のミーティングのお題は「水着」。
 彼女の話によると、”やつ”からプールに行こうと誘われたのだが、誘われたのが今日で行くのは明日。なんでも貰ったチケットの期限が明日までらしい。乙女としては新しい水着を買いに行きたいところだけど時間が無い。
 そこで、わたしのや友達から借りた使っていない水着を集め、どれで勝負を掛けるか決めようというわけ。
 冷蔵庫から取り出したペットボトルを手に、部屋へ戻る。
「どう、着てみた──おぉ!」
 ドアを開けた向こうには、ビキニを着けた彼女の後姿。水色とそれを縁取るオレンジ色の組み合わせ、その鮮やかさが透き通るような白い肌に栄える。
 それにしても、悔しいけどやっぱスタイルいいわ。
「いいじゃない!」
「色はいいと思うが、ちょっとな」
 そう言って振り返る彼女。わたしの視線はある一点に釘付けになり、そして固まった。
8213/3:2007/06/19(火) 08:56:56 0
 し、し、下乳!
 なんてことだろう。わたしなんて、普通に谷間を作るのにさえ苦労してるのに。
 彼女の谷間は深く、上からはこぼれそうで、あろうことか下からもはみ出てる。下着のブラ姿じゃ、この巨乳具合は分からなかった。
「あんた、もともと巨乳気味だったけど……」
「これか? ここ一年くらいでまた大きくなった」
 わたしが殺意を覚えたその胸を見下ろしながら、しかし彼女の表情は冴えない。
「あまりいいことはないぞ。運動するときに邪魔だし、肩は凝るし、夏は汗疹ができるし」
 売ってる? 売ってるよな? 喧嘩売ってるよなっ!
「まぁお前が教えてくれた通り、彼は隠れ巨乳好きだからな。よかったのはそれくら──どうした、なぜ泣いている?」
「いいの、ほっといて。あんたはやつのでもなんでも、挟んでやればいいわ」
「挟む? なんだそれは? 彼が喜ぶなにかがあるのか? おい、それはぜひ教えてくれ」
 彼女が、わたしを敗北せしめた胸を押し付けて迫ってくる。押し返す気力も無く、かといってわたしには不可能な技──おそらく一生──を説明する気にもならない。
 わたしは床に転がっている細長いクーラーのリモコンを拾い、それを彼女の胸の谷間に突き刺した。
 いいのよ、なんとかって俳優なんて、胸は大きさじゃくて味だって言ってたし。よく分かんないけど。世の中は広いんだから……。
 わたしがそう自分に言い聞かせている間、彼女の胸はぷにぷにとごつごつのハーモニーを奏で続けていた。

おしまい
822ほんわか名無しさん:2007/06/19(火) 13:18:56 0
すまないがむしろ友人のキャラが好きだw
823ほんわか名無しさん:2007/06/19(火) 14:22:38 0
GJ!! 超GJ!!

やはりこのシリーズ、好きで好きで大好きで仕方が無いです。
おっぱいネタにもかかわらず品のある文章が素敵だと思いました。

貧乳好きの自分にとっては、今回の話が大好きだというのは
自分自身に対する裏切りのような気もするけど、
好きなものはしょーがないよなあ。
824ほんわか名無しさん:2007/06/19(火) 22:08:22 0
GJ

クーもいいが友達のキャラが素敵過ぎだよ
825ほんわか名無しさん:2007/06/20(水) 16:38:11 0
連投許
会話部分多
読辛鴨   m(_ _)m
826激しい雨が 1/4:2007/06/20(水) 16:38:54 0
 網戸に付いた水滴がキラキラ光る。ついさっきまで激しい雨が降っていたが、今は小降り。心なしか空が少し明るくなったような。
 漫画をその辺に放り出して、ベッドの上でうぉ〜んと伸びをした。
 わたしは基本的に外へ出たがりだけど、雨の日は予定が無ければ紅茶と漫画、そう決めてる。静かで平凡な、でも幸せな時間。
 あいつ、うまくやってるかな。
 一瞬親友のことが頭の中を過ぎる。今日はやつと一緒に室内プールでデートしてるはず。
 わたしは再び伸びをすると、体を起こして漫画を手に取った。さあ、ほとんどのストーリにおいてちょっとしか登場しない天才スナイパー、その彼が纏うプロフェッショナルな空気に同化するのだ。後ろには誰もいないよな。
 しかし、わたしが集中力を高めて国際的な謀略渦巻く世界へ身を投じようとしたとき、それを阻むものが現れた。
 携帯鳴ってる。あれ、あいつから? 今ごろデートの真っ最中じゃ……。
「はいよ〜」
『よかった、出てくれたか』
「おう、どうしたの?」
『実は、助けを借りたい』
「ふむ。報酬は全額前金で、指定したスイスの──」
『彼がトイレに篭って出てこない』
「は?」
 トイレ? 篭る? 何を言ってるかさっぱり分からない。
 私はとりあえずベッドから降て座椅子に座り、落ち着いて話を聞くために紅茶を口に含んだ。
「プールにつかりすぎてお腹下した?」
『いや、まだ彼の部屋だ』
「はぁ!? なにやってんの? ちょっと、状況が全然分かんないよ」
『そうだな……』
 沈黙。わたしは再び紅茶。
『昨日二人で選んだ水着があるだろう』
「あの水色極小ビキニ?」
『そうだ。今日はあれでいく予定だった。しかし──』
「うん」
『彼はいい、彼には是非見てもらいたかったからな。だが、プールで待ち構えているだろう他の獣どもは駄目だ。私は彼のものだからな』
 さりげなくムカツく、もとい、すごいこと言うね、あんた。
8272/4:2007/06/20(水) 16:40:05 0
『そこでだ。プールに行く前に彼の部屋で彼にだけ、あの水着姿を見せようと思った。プールへは別の水着で行くことにしてな』
「はぁ」
『そして私も彼の裸体……水着姿を堪能したかったから──』
 おい、言い直しただろ。しかもなんでそこだけ言い直す。
『私だけでなく、お互いの水着姿を披露しあって、それからプールに行くことにしたんだ』
「なんか、ビミョ〜にマニアックなプレイな気もするけど、まぁいいわ。それで?」
 つか、ちゃんと話の核心に迫ってるんだろうか?
『まず彼が先に着替えた。そうだっ、おいっ!』
「な、なによ」
 急にでかい声だすなっ! ティーカップが載ったテーブルを蹴っ飛ばしちゃったじゃない。
『彼は背が低いし身体も小さいだろう? しかしな、すごいぞ!』
「だ・か・らっ、な・に・がっ」
『彼はな、着やせするんだ、本当は逞しいんだ! 無駄な贅肉はもちろん無い。そしてあの童顔からは想像できないくらい、男らしい身体なんだ。あ、マッチョではないぞ。さりげなく男らしい身体つきだ。あぁ、あの彼に抱きしめられる日を想像──』
「お〜い、戻って来い」
『……すまない』
 なにをやってんだ。だいたいこんな電話してきたの、緊急事態だからなんじゃないの?
『それで、どこまで……』
「彼が先に着替えたっ!」
『そうだ。そして今度は私が水着に着替えたんだ』
「やっと彼の前で服を脱ぐチャンスが来たわけね」
 と、冗談で言ったんだけど、
『そうだ、彼の前で脱いだ』
「え!? ほんとに彼の前で脱いだの? その、洗面所借りるとか」
『心配ない。服の下に水着を着てきたからな』
 小学生か、あんたは。
8283/4:2007/06/20(水) 16:41:37 0
『彼は喜んでくれた……と、思う』
「思う? なんでそんな言い方なの?」
『そこなんだ。綺麗だ、って言ってくれたんだが──』
 少しだけ彼女の声が沈む。
『そう言ってくれたあと、すぐにトイレに駆け込んでしまったんだ』
「はぁ」
『しかもな、何故かものすごく前かがみな姿勢で、だ。おかしいだろう?』
 なんか、携帯の向こう側から急激にアホらしい空気が流れてきた気がするんですけど。
 わたしは思わず眉間に手をやり、揉んでしまった。
「あのさ、水着姿を見せたって、どう見せたの? モデルみたいに立って?」
『最初は立った状態のまま服を脱いだだけだ』
「最初は?」
『ああ。しかし彼がなかなか顔を上げてくれなくてな。だから彼の目の前に寄って、手で顔を上げさせた』
 突きつけたわけだ、あの巨乳を、やつの目の前、ゼロ距離で。そりゃ前かがみにもなるでしょうよ。
「あーはいはい、分かった分かった、心配ないわ」
『本当かっ?』
 前々から思ってたんだけど、やっぱ変だ、こいつは。やつの前で惜しげもなく水着姿になる一方で、相手の反応の意味が分かってないなんて。
「あのね、いい? あんたはやつに水着姿、しかも極小ビキニあ〜んど巨乳姿を見せつけたのよ? 男がどう反応するかくらい分かるでしょ?」
『……』
「しかもやつも水着姿なんでしょ? そりゃ困るわよ」
『……そうか、彼は私に欲情してくれたんだな』
 欲情って、官能小説か。あんた、そんな趣味あったの?
『彼は非常に奥ゆかしいからな。そうか、そんな彼でも……』
 この時点で、わたしの頭の中は「アホ」が充満しつつあった。いっそのこと、彼女にトイレのドアを蹴破らせ、突入させてやろうかとも思ったんだけど。
 まぁさすがにそれはアレだし、むしろ彼女を暴走させないように、対処方法を教えることにした。
8294/4:2007/06/20(水) 16:43:10 0
「あのね、とりあえずもう5、6分待ってみなさい」
『しかし、もうすでに──』
「いいから! 待ってみてそれでも出てこなかったら、そうね、ドアの前で九九を唱えるの」
『九九?』
「そうよ。それで駄目なら元素記号。暗記したでしょ、語呂合わせ。それでも駄目なら三平方の定理でも解説してあげて」
『おい、いったいそれに何の意味が』
「何だっていいのよ。とにかく数学とか科学とか難しそうな話とか、そんなのを唱えてあげればやつの心は安らかさを取り戻すから」
『彼は確かに数学が得意だが……。分かった、お前を信じよう』
 そんなに長い時間電話しているわけじゃないんだけど、わたしの全身はなんともいえない疲労感に包まれていた。
『ありがとう。やはりお前は頼りになる』
「はいはい。いいから早くプール行きな、ね?」
『ああ。そうだ、念のため』
「なに?」
『私はお前を信じているが……。つい興奮して彼の身体のことを話してしまったからな。まぁ彼の逞しい肉体を想像してしまうのは、許そう。しかし、だ。もし彼の肉体を想像して自慰などしようものなら──』
「するかっ、アホッ!」
 ピッ、プー、プー、プー。
 私はテーブルに上半身を突っ伏した。目の前にはさっきまで読んでいた漫画。この漫画の主人公が持ってるライフル、どこかで売ってないだろうか?
 気がつくと、雨は再びその激しさを増し、まだ昼だというのに夕方のような暗さ。
 わたしの優雅でスィートな時間を、返せ。

おしまい
830ほんわか名無しさん:2007/06/20(水) 18:40:09 0
よく考えたら電話がプープーって鳴るのって
向こうから切られたときだったorz
831ほんわか名無しさん:2007/06/20(水) 21:48:56 O
>>830
これは良い話
GJ!!
832ほんわか名無しさん:2007/06/21(木) 21:33:03 0
GJ! やはり素敵すぎるー
833ほんわか名無しさん:2007/06/22(金) 20:56:38 O
ほし
834ほんわか名無しさん:2007/06/23(土) 05:37:00 0
投下しますね。4,5レスくらい。6月なのに冬のネタ。

夕べ、素直シュール作品をはじめて書いてみたのですが、
( http://www14.atwiki.jp/gaseousform/pages/161.html#11 ) まったく
同じモチーフをクーで書いてみたくなりました。

シュールスレ見た人には同じネタの使いまわしですがご了承ください。
二つ見比べるってのもありかも(?)。

自分はそうして自分内部のクーのポジションを再確認したかったんだけど
結局よくわからなかったw
835【雪に、描く】:2007/06/23(土) 05:37:54 0
【雪に、描く】

 初雪が降った翌日、オレはクーに呼び出された。朝早く、まだ誰も登校しないうちに学校に来てくれ、というのだ。
 しかし、朝の 5時だぜ? 正直オレは眠かった。
 とはいえ惚れた弱みというやつで、行かないわけにもいかない。そう、オレはクーに惚れているのだ。

 学校に着くと、そこにはすでにクーの姿があった。
 グラウンドで一人、もくもくと何かの作業を行っている。ただ、何をしているかはよくわからない。

「クー。何かあるのか、こんな朝早く」
「あ、そこでストップだ。立ち止まってくれ」
 駆け寄ろうとしたオレはクーに押しとどめられてしまう。
「どうしたんだ?」
「申し訳ないが準備にはもう少々かかりそうだ。あと15分も必要ないと思うけれど、グラウンドの端の方で少しばかり待っていてくれないかな」
「あ、ああ、わかった」
 クーはオレに『使ってくれ』とカイロを渡し、また作業へと舞い戻っていく。
 はてさてこいつ、いったい何をしているのかね。

 ぎゅ、ぎゅ、ぎゅ、ぎゅ。
 クーは何かを測りつつグラウンドを踏み固めていく。おそらく足跡で文字を書こうとしているのだろう。
踏み固めたあとを雪かき用のスコップで平らにならしていく、という、えらく地味で几帳面な作業が続いている。
 しかし、それがなんだかとても楽しそうに見えた。
 普段はポーカーフェイスで表情をあまり見せない彼女なのだ。楽しげにしているところなんて見た記憶がない。微笑ましくなってきてオレは彼女をしばらくぼんやりと眺めていた。
836【雪に、描く】:2007/06/23(土) 05:38:54 0
 10分も待っただろうか。
「よし、完成だ」
 クーが呟く。
 内容は不明だが、何かしらの文章がグラウンドに記されたというところなのだろう。
「すまないが、一緒に屋上に来てくれないか。君に見せたいものがある」
 クーはオレの手を引き、グラウンドの端を辿って校舎へと向かう。
 繋いだ手が、随分と冷たくて驚く。こいつ、何時からあの作業を行っていたのだろうか。
 その手を少しでも暖めてやりたくなって、オレは先ほど受け取ったカイロをクーに握らせる。
「これ、クーが使えよ。手、かなり冷たくなってるじゃないか」
 しかしクーは、そのカイロをまるで忌々しいものでも見るかのように睨み付け、ぽいっとゴミ箱に投げ捨ててしまう。それからオレの手を再度握り直す。
「カイロはもう温くなっていたようだ。すまないが君の手で暖めてくれないか」
「あ、ああ。もちろん」
 オレは彼女の手をぎゅっと握り返す。
 まだ十分暖かだったけどな、あのカイロ。
 まあオレとしてはこいつの手を握るのは嬉しいし、願ったりかなったりだけどさ。

◆◇◆
 屋上で。
「それでは読んでほしい。私から君への手紙だ」
 クーはフェンス際までオレの手を引っぱり、グラウンドを指差しながら告げる。
「なっ」
 驚いた。『私は君のことが大好きだ』と、そんな内容の文章が地面にでかでかと記されていたのだ。ラブレター、と呼んでいいものなのか、これ?
 差出人の名前もあて先も几帳面に記述されている。律儀すぎて、ある意味アホだ。
 印刷物みたいな綺麗な文字で、超巨大に書かれたオレの名前を見るのはなんとも気恥ずかしい。いや、そもそもこの文章全体が嬉しくも恥ずかしい。
837【雪に、描く】:2007/06/23(土) 05:40:02 0
「一晩かけて書いた、君へのラブレターだ。どうだろうか」
 どうもこうもあるか。オレは言葉も出なかった。
 先にも言ったが、オレも前からクーに惚れていた。ただ、こいつはいつだってクールで、恋愛なんぞに興味はなさそうで、どうにも告白しづらい相手だったのだ。
「迷惑、だっただろうか」
 呆けているオレに対し、クーが心配そうにそっと呟く。
「あ、いや違う違う。驚いていただけだ。嬉しいよ。めちゃめちゃ嬉しいよ、オレも前からお前に惚れていたからな」
 オレがそう告げたとたん、彼女は花がほころぶような微笑を見せる。
 ……またも驚いた。今日は驚いてばかりだ。
 いつもポーカーフェイスなこいつがこんな表情を見せるとは思いもしなかった。おそらくオレ以外、誰も知らないこいつの一面なのだろう。そう考えるとなんだか頬が熱くなる。
「では君と私は両思いというわけか。嬉しいね」
 そういいながらクーはにこりと笑う。彼女の微笑みは更に破壊力を増し、オレはその場にへたりこみそうになる。
838【雪に、描く】:2007/06/23(土) 05:41:13 0
「どうかしたか?」
「いや、なんでもない、こっちの問題。……あっ」
 オレはふと嫌な予感を覚え、クーに確認する。
「なあ、クー」
「うん?」
「このラブレター、ひょっとしたら屋上以外からでも丸見えじゃないか? うちのクラスとかからもさ」
「それは無論そうだろうな。それが何か?」
「うわ。皆が来る前に消しとこうぜ、何言われるかわかんねーよ」
 そういって走り出そうとした俺の腕を、クーはぐいっと捕まえる。
「寒空の中一晩かけて書いた君へのラブレター、そんなにすぐに消してしまいたいものなのか?」
 そういって、クーはオレをじっと見つめてくる。切ない、だけど、強い意志を秘めた目だ。その目に呪縛されたように、オレはその場で固まった。お前、そんな目、卑怯だろ。
「いや、でもな、ちょっと」
「……」
「クラスのやつらに見られると、困ったりとかな」
「……」
「どうせそのうち、消えてしまうだろ?」
「……」
 ちくしょう、負けた。こいつの見つめ方、ずるいよ。
◆◇◆
 結局、クーのラブレターはクラスメイトどころか全校生徒に注目されてしまった。
 恐ろしいことに、全校でこの噂が持ちきりなのだ。いやひょっとしたら町中だ。そりゃそうか、あんなことするやつ滅多にいないしな。人事だったらオレだって面白がる。

「人の目なんて、気にしなければいいのに。もうこれだけ有名になってしまったんだから、考え方を切り替えたほうがいい」
「オレは普通に気になるんだよーっ」

839ほんわか名無しさん:2007/06/23(土) 05:43:21 0
以上ですよ。
840ほんわか名無しさん:2007/06/23(土) 05:47:07 0
>>839
リアルタイムGJ!
841ほんわか名無しさん:2007/06/23(土) 16:56:03 0
あぁ……涼しげで大変よろしいですな。二人の仲は熱いし。

あぁ……オレの部屋は蒸し暑くて最悪。一人で心は寒いし。
842ほんわか名無しさん:2007/06/23(土) 22:12:50 0
>>839
これはいい
GJ

>>841
心の中にいつでもクーがいると思えるようになったら
寒くない別の世界が開けるよ

いろいろと日常生活に問題が生じるけど…
843ほんわか名無しさん:2007/06/24(日) 02:26:23 0
本当はVIPスレ用に考えていたんだけど落ちちゃったんで
月曜日スレにと思ったんだけど
ラブレターネタがここで出ていたんで投下

つ【ラブレターが欲しい】

4レスほど借りるよ
8441ページ:2007/06/24(日) 02:28:02 0
ク「男よ。非常にすまないのだが折り入って頼みがある」
男「クーが困っていて僕に出来ることなら何でもするよ」
ク「すまない。実はラブレターというものが欲しいのだ」
男「え?僕とクーは既に一緒に住むくらい仲良いんだよ。何で今更ラブ
レターなの?」
ク「うむ。先日テレビを見ていたら男性が女性にラブレターを渡すシー
ンがあった。他の資料等を見てみたのだが、このようなシーンが恋
愛物ではいくつか散見できた」
男「確かに僕は1回もラブレター出したことないね…」
ク「ここで私はラブレターという行為はたいていの恋人が通る通過儀礼
のようなものだと考えた。そしてほぼ全てにおいて女性は受け取っ
たことによる興奮と喜びがあった」
男「つまり、他の恋人もやっているからってこと…」
ク「うむ。1度で良い。私もこのような喜びを体験してみたいのだ」
男「何か違うような気がするけどなぁ…。でも、クーのお願いなら最大
限努力しようか」
ク「ありがとう。私のわがままを聞いてくれて」
男「僕に出来ることでよかったよ。…えーっと…」
ク「男よ。何をしているのだ」
男「何って、ラブレターの下書きだよ。どういう風にどんな事を書くか
を考えているんだ」
ク「遠慮せず私への想いをすべてぶつけてくれ」
男「とは言ってもね、文章で考えるのは難しいんだよね。第一、ラブレ
ターなんて書いたことが無いからなぁ…」
8452ページ:2007/06/24(日) 02:28:46 0
男「うーん…」
ク「男よ。うまく書けないか?」
男「結構ラブレターって難しいなぁ…」
ク「そうだ。私が見た資料によると出会いとかそういう所から切り出す
例が多かったな」
男「ええと…。憶えていますか。僕とクーとの初めての…」
ク「ううむ…。初めて会ったときから、見たいな書き出しが多かったよ
うな気がするぞ」
男「じゃあ…初めて会ったときから…。うーん…。続かないなぁ…」
ク「女の事を太陽とか花とかに例えていた例もあったぞ」
男「よし…クーは僕の太陽だ…」
ク「男よ。ラブレターは呼び捨てにしない例が多かったぞ」
男「じゃあ、クーさんで良いかな。その言い方久しぶりだなぁ…」
ク「うむ。それで良いと思う。そうだ。君の事を考えると、と言うよう
な描写も見られたぞ」
男「クーさんの事を考えると夜も寝られません…。ねぇ、クー。何かラ
ブレターとは違うような気がしてきたよ」
ク「私はラブレターというものが良く分からないし、君も書いたことが
無いだろう。何事も試すと言うのは重要ではないかな」
男「そういうものかなぁ…」
ク「そうだ。男よ。他にはこのような表現も見られたぞ」
男「ふんふん…。じゃあ…」
ク「このようなことも書いていた資料もあったぞ」
男「じゃあ、ここはこれでいいかな。クー」
8463ページ:2007/06/24(日) 02:30:38 0
ク「男よ。できたかね」
男「この文章をこうつなげて…。よし。完成だ」
ク「よし。どれどれ…」
男「クー。本書きするところなのに…」
ク「ならば、そこに便箋がある。楽しみで仕方が無いから、急いで書い
てくれ。…ラブレターか。実に楽しみだ」
男「…よし。クー。できたよ」
ク「どれどれ…。ううむ…。確かにラブレターだが、私の予想していた
  結果とは違うな…。もっと心踊るものだと思っていたのだが…」
男(そりゃそうだろうねぇ…)
ク「ううむ。おかしいな。様々な資料ではラブレターを好きな男性から
もらった女性は例外なく心が踊っていたりしたものだが…」
男「クー。僕が思うにラブレターってのはね…」
ク「良く分からなくなってきてしまった。恋愛とは何なのか。ラブレタ
ーという恋愛の一要素に関して考察すべきかもしれん」
男「だからさ…。ラブレターって言うものはね…」
ク「男よ。私は君のことを愛しているはずなのに、ラブレターをもらっ
ても心躍るような興奮と喜びが感じられなかった。これは一体どう
いうことなのだろうか」
男「いや、それはきっとね…」
ク「君の文章のうまさは私が良く知っている。君の文が悪いということ
は考えがたい。ならば、私の愛しかたが足りなかったのか…」
男「ああっ…。クー。自室にこもっちゃった…。僕以上にクーって結構
恋愛物に疎いからなぁ…。まあ、そこがいいんだけどね…」
-----------------------------
ク「むぅ…。もう朝か。結局結論か出なかったな…。よし。今朝も朝食
を作って、隣の部屋の男を起こそう。しかし、彼も同じベッドで寝
てくれれば、彼の寝顔が見れて、彼を起こす時間も早くなると良い
  事ずくめなのに、彼は何故了承してくれないのか…。まあ、彼は恥
ずかしがりやだからな…。む?何だ。この枕元にある物は…」
8474ページ:2007/06/24(日) 02:32:04 0
男「…むにゃ…クー…zzz」
ク「男よ!ありがとう!ラブレターの喜びがやっと分かったぞ!」
男「…むー…クー。おはよう…」
ク「枕元に置いておくなんて素晴らしい演出ではないか!」
男「…んー。眠い…。読んだの、あのラブレター」
ク「私はラブレターの興奮と喜びが良く分かったぞ。この突如来る驚き。
そして、便箋や封筒も君らしいチョイスだ」
男「あの便箋じゃ素っ気無かったからね。ちょっと買ってきたんだ」
ク「そして、普段の君の口は直接聞けない私への愛が書いてある。私は
すごく嬉しいぞ。君が私をここまで愛してくれて私は幸せだ」
男「ラブレターって直接言えない事も書けるからね」
ク「"普段恥ずかしくて直接言えないけど"、と言う書き出しが君らしさ
とラブレターというものの特性を良く表している」
男「クーが喜んでくれたなら僕はすごくうれしいよ」
ク「"僕はクーのことがうまく言えないけどすごく好きだよ。クー、ずっ
と一緒にいてね"、という最後の文に私は特に感動している」
男「目の前で朗読されると自分が書いた文だけど恥ずかしいよ…///」
ク「男よ。私は君とずっと一緒だ」
男「クー…///」
ク「む…?あのゴミ箱の紙くずの山は…」
男「下書き書くのに結構てこずったんだよ。でも、クーが喜んでくれた
なら苦労して書いたかいがあったよ」
ク「ありがとう。私なんかのわがままを聞いてくれて…。私は銀河一の
幸せ者だ」
男「…あのさ。クー。ちょっとお願いしてもいいかな」
ク「うむ。君の願いなら何でもだ」
男「昨日一晩文章考えていて、眠いんだ。もうちょっと寝かせて…」
ク「よし。ならば、君を見守って…。分かった…その眼はどきどきして
眠れないからという眼だな…。ならば、おいしいブランチを作って
おく。期待して眠っていてくれたまえ」
848ほんわか名無しさん:2007/06/24(日) 02:33:14 0
といことで【ラブレターが欲しい】は終了

ここ使っちゃったから
月曜日用のネタまた考えないとなぁ…
849ほんわか名無しさん:2007/06/24(日) 03:04:04 O
これは良い
850ほんわか名無しさん:2007/06/24(日) 12:33:31 0
GJ!
男の話を聞こうとしないクーに笑ったw
851ほんわか名無しさん:2007/06/25(月) 01:33:51 0
GJ
852過疎:2007/06/25(月) 18:00:24 O
GJ
853ほんわか名無しさん:2007/06/25(月) 19:50:30 0
VIPのすれいつたつの?
854ほんわか名無しさん:2007/06/26(火) 18:50:53 O
855ほんわか名無しさん:2007/06/26(火) 19:32:54 O
明日提出の宿題のレポートが全くできてないよー

助けて、クー!
856ほんわか名無しさん:2007/06/26(火) 21:15:02 O
女「ふっ、良い方法を教えてあげよう。このやり方は私もよくお世話になる。
まず、レポートの名前に私の名前を書く。それで提出すると良い。私のレポートには
君の名前を書いておくよ。
何、気にする事はない、私もよく使う手だ」
857ほんわか名無しさん:2007/06/26(火) 23:10:56 0
ク「良いではないか。私の知り合いの院生はしっかりしたresultが出ていないにも関わらず
それをabstractでほのめかして学会申し込みをして大変なことになっている。それに比
べれば学部生の宿題のレポートなど小さいものだ。適当に枚数を稼げば良い。人数が
多ければ採点官は中身を念入りに見れる訳ではないので何とかなるぞ。ということで、
今日は頑張って徹夜をしたまえ。私も影ながら応援しよう」





どうしよう…。abstractでほのめかした事とは全く違うresultがでている
というか十分なデータすら出ていない…orz
858ほんわか名無しさん:2007/06/26(火) 23:12:03 0
ごめんその上sage忘れた
859ほんわか名無しさん:2007/06/27(水) 07:24:59 O
>>853
月曜と金曜の21時以降

>>857
理系の人?
失敗をSSのネタにすれば気分が少しは晴れるかも
と言ってみるテスト
860ほんわか名無しさん:2007/06/28(木) 21:36:43 0
>>859
私、応用化学専攻の院生です
SSのネタにもなる位だとそれはそれであきらめもつくんだけど
専門的過ぎてネタにししづらいし、うちの研究室は学生が私しかいないから
担当教官達のプレッシャーがきつすぎる…
あぁ、クーが私の共同研究者で研究室に来てくれないかなぁ…


ところでレポートの人はうまく行ったのかな?
861ほんわか名無しさん:2007/06/29(金) 02:23:36 O
応用生物化学科の俺が参上
862ほんわか名無しさん:2007/06/29(金) 18:47:27 0
じゃあ応用化学科の俺も
863ほんわか名無しさん:2007/07/01(日) 08:50:05 O
クー「ただいま」
男 「おかえりクー、ご飯にする? お風呂にする?」
クー「……実は今日、実験中にちょっと失敗してね」
男 「……目つきが怖いんですが」
クー「まずは男をいたd」
男 「って危ない! イテテ……大丈夫?」
クー「……アルコールは……アルコールは……ダメ……だ」
男 「……お酒くさい」
クー「……すーすー」

━━朝
クー「ふぁ……う、頭が痛い」
男 「おはよう、はい水」
クー「すまない、迷惑をかけたみたいだね」
男 「……昨日はいきなりだったからびっくりしたよ」
クー「……」
男 「どうしたの?」
クー「私がなにかしたのか?」
男 「うん(酔いつぶれて)押し倒された」
クー「!」
男 「いきなり(倒れて)きたからちょっと抵抗出来なかったけど」
クー「なんと言うことだ、覚えていない」
男 「いや、覚えてない方が良いんじゃないかな」
クー「貴重な2人の時間を覚えていないとは……今日やり直しを要求する」
男 「いや、恥ずかしいからいいよ(男の方が押し倒されたなんて)」
クー「そうか、仕方ない。無理強いは出来ないしな」
男 「今日もご飯作って待ってるから」
クー「ありがとう」

そして昨日の事が気になるあまり、クーは実験に失敗、
アルコールを浴びてしまい1行目に戻る。
864ほんわか名無しさん:2007/07/01(日) 14:35:29 0
>>863
GJ
アルコールに弱くて素敵だ
というか酔っても余り変わっていないw
865ほんわか名無しさん:2007/07/01(日) 18:56:56 O
約1年ぶりに素直クールスレを見た。
感動した。
866マイケル:2007/07/02(月) 06:49:34 O
GJ
867ほんわか名無しさん:2007/07/04(水) 11:46:29 O
ほしゅ
868ほんわか名無しさん:2007/07/05(木) 21:38:41 O
869ほんわか名無しさん:2007/07/07(土) 15:23:45 O
七夕
870ほんわか名無しさん:2007/07/09(月) 09:33:29 O
保守
871ほんわか名無しさん:2007/07/09(月) 21:49:50 O
投下しまっせ
872突然 その1:2007/07/09(月) 21:52:14 O
キーンコーンカーンコーン……
4時限目を終えるチャイムの音が学校全体に鳴り響く
教壇に立ちチョークと教科書を片手に化学反応の説明をしていた先生は、チャイムに気づき教科書を閉じため息を一つ

「今日はここまで、続きはまた次回な。日直、頼む」
「起立っ、礼っ、着席っ」

先生は荷物をまとめて教室から出て行った
みんながお弁当の包みを開いたり学食に向かって行く中、僕は椅子に座りながらクーを待つ
ぼんやりと外を眺めていたら、友達の尋友(ひろとも)に脇を小突かれた

「ひゃっ!? びっくりさせないでよっ」
「毎日羨ましい限りだよな、文武両道で容姿淡麗の主南先輩の愛妻弁当だぜ」
「嬉しいけど……やっぱ出会いが出会いだけにちょっと複雑だよ」
僕は少し苦笑いをした、凄い唐突なお付き合いだったからなぁ

「手放しに喜ばない、浮かれないのがツヅミらしいぜ
そういう真面目で謙虚な性格だから憎めないな」
「半端な気持ちで恋愛したら相手に失礼だからね、尋友は学食行かないの?」
「ツヅミに一声かけて行こうと思ってたからな」

尋友は変なところは律義なんだよね、そんな事を思いながら僕らは軽く談笑していた
873突然 その2:2007/07/09(月) 21:53:32 O
「あっ……主南先輩よ」
「やっぱ美人だねぇ」

クラスメイトの声でクーが来た事に気付く僕と尋友
みんなはもう慣れたらしく、事情を知っているから以前の様にあまり騒がしくはならない

「ツヅミ、昼食の時間だ。今日もキミの健康を考えて作った
食べた後に感想と到らない部分を聞かせて欲しいな」
「いつもありがとう、クー」

お弁当を渡された時に気付いた、今日はクーの手に包みがいつもより一つ増えていた

「そして……尋友君だったかね?」
「え゛っ、俺の事ッスか?」

予期せぬ事態という感じの尋友、少し声が裏返っていた

「ツヅミの親友との事らしいな、中学時代からの」
「ん〜、一応親友ですかね……一番遊んでるし」

尋友がそう言うとクーは少し微笑み、尋友にお弁当の包みを差し出しながら言った

「ツヅミの親友は私の友でもある、だから今日はキミにも弁当を作って来た
これからもツヅミの事を友人として支えてあげて欲しい」
「ちょっ……先輩、大袈裟じゃねッスか、でも先輩にそこまで言われちゃあな」

尋友は後ろ頭を軽く掻きながらお弁当を受け取った
874突然 その3:2007/07/09(月) 21:55:12 O
「あんまり他の野郎に気を使ったらイカンですよ、コイツがジェラシー感じちゃいますよ」
「なっ、何を言うのさ!?」

ニヤニヤしながら僕の肩を軽く叩く尋友、クーは微かに微笑む

「私に焼きもちを焼いてくれているのか、大事に想われているのだな、私は」
「うっ……うん、ちょっと嫉妬したかも……」

クーは優しい笑みで僕の頭を撫でる、恥ずかしいけれども
とても心地良かったので素直に撫でられていた

「恋の道は長く険しいぞい、若人。そんじゃ俺は馬に蹴られて
地獄に行きたくないんで、学食で弁当をいただきますよ」
「ああ、良く味わって食べてくれ」

尋友はそう言って教室から出ていった

「私達も行こうか、ツヅミ」
「そうだね」

お弁当を持ち教室を二人で出る
廊下を歩きながらクーは僕に話しかける

「なかなか気さくな人物だな、尋友君は」
「三枚目だけど結構気配り出来るんだよね」
「私にとっても良い友人になれそうだ、だがツヅミが彼に嫉妬してしまったらしいからな
尋友君に弁当を渡すのは今日限りだな」
「うっ……尋友には悪いけどクーの手料理は他の人に食べて欲しくないな」
875突然 その4:2007/07/09(月) 21:57:11 O
痛い所を突かれながら屋上へと向かうクーと僕
屋上のドアの前に立ち、制服のポケットから鍵を取り出す

「何か、私物になっちゃったね……その鍵」
「使う人物は私達以外には居るまい、何も言うまいさ」

鍵を差し込み、そして捻る
ガチャッ……キキィィィィ………
「今日も良い天気だ、昼食もより美味に感じられるな」
「お腹空いちゃったから早く食べたいなぁ」
「うむ、いつも通りに貯水タンクの所で食べよう」

いつも通りに梯子を上り、貯水タンクに寄りかかりお弁当を広げる
「弁当を食べる前に話がある」
「ん? どうしたの」

僕が相槌を打つとクーの表情が綺麗に、且つ妖しく微笑む
思わず僕は美しさを感じると同時に背筋に軽い寒気が走る

「私の部屋に今日、来ないか」

うほっ、いい美人……じゃなくて!!
まだ出会って10日くらいしか経ってないのに、部屋に誘うなんてっ
クーはちょっと……いや、かなり展開が早すぎるよ

「あの……まだ出会ってからそんなに経っていないし、それは早すぎr」

徐々にクーの表情が崩れて今にも目は潤んで涙が溢れそう
ずっ、ずるいよクー……そんな顔されたら押しが弱いヘタレな僕は断われないよっ
876突然 その5:2007/07/09(月) 21:59:56 O
クーは僕の頬に軽く手のひらを当て、顔を近づける
距離にしてペンケースに入るくらいの小さな定規くらいしかない

「両の手では数え切れぬ程にキスをし、キミの御父上と御母上に交際と婚約の許可も頂いた
この様な関係になっても未だキミは私に心委ねてはくれぬのだな……」

あちゃー……弱ったなぁ、クーを泣かすワケにもいかないし
こうなったら覚悟を決めるしか無い、対人能力の無い自分が悲しい

「わかった、僕行くよ」
「……本当か? 下校時間になったら正門で待っているぞ」

そう言うと同時に唇にキスをされてしまった……
クーは上機嫌になるとキスしちゃうクセがあるみたいだ

「もしかしてさ、クーって狙ってやってる?」
「そのような事はない、私はツヅミに否定されれば悲しくなり涙を堪えきれず
ツヅミに認められるならば、キミが愛おしくなり肌に触れたくなる、ただそれだけだ」

僕の首に両腕を巻き付け頬擦りをしながらクーは言う
何でここまで好かれているんだろう、未だに謎だよね……

「気持ちはすごく嬉しいけど、お昼休み終わっちゃうよ?」
「そうだな、弁当を食べる事にしよう。ツヅミの好きな生野菜サラダを多めに作ったぞ」
「へぇ〜、楽しみだなぁ、いただきます」

こうして昼休みは予想外のお誘いがあったけど、とりあえず無事(?)に終わった
877突然 その6:2007/07/09(月) 22:04:19 O
帰りのSHRが終わり、掃除当番以外のみんなは部活に行ったり早々と帰宅したり
掃除当番サボりを捕まえる女の子が居たり
僕は鞄を持って立ち上がった、尋友が僕に話しかけて来た

「今日も主南先輩と帰るのか?」
「あ、うん。最近一緒に帰れなくてごめん」
「気にするなって、やっぱし友情より愛情なんだなぁ、とりあえずじゃあな〜」
「また明日」

教室を出て下駄箱でスニーカーに履き替えて校門に向かった
校門には既にクーが待っていた、こちらに気付いて微笑を浮かべる

「来てくれて嬉しいよ、では行こうか」
「何処に?」
「私の家だ、ツヅミを招待したい」
「えっ……すごく緊張するなぁ、でもまだ僕達は10日くらいしか……」
「私達の愛情に年月の長さなど些細な事だ、私がキミを連れて行きたい以外に理由は無い」
「そ、そうなんだ」
「行こうか、私の愛しい人」

クーは手を僕に差し出す、僕はクーの手を優しく握った
だがクーは互いの指を絡めた、恋人繋ぎというヤツだ
いつもは握るだけなのに、今日はどうしたんだろう

「クー……?」
「すまない、本当は最初からこうして居たかった
でも、ツヅミは恥ずかしがり屋だから我慢していたが
そろそろ我慢できなくな
878突然 その6 続き:2007/07/09(月) 22:06:07 O
そろそろ我慢できなくなってしまってな
ああ……素晴らしいよ、キミの手は、この場ですぐにでも舌舐めずりしt」
「クー!! 早く行こう!!」

相変わらず公衆のど真ん中でエッチな事を平気で言うなぁ……
僕は全力でクーを引っ張って走った



行数が多すぎて切れてしまった(汗
879突然 その7:2007/07/09(月) 22:09:22 O
(何か最近の僕って良く走るなぁ……)

息を切らしながらそんな事を考えてしまう
クーが自分の欲求をストレートに表現しちゃうからなんだろうけど……
クーは相変わらず息を切らさずに涼しい顔で居る
この人ならフルマラソンも普通に走ってしまいそうだ

「はぁっ……ふぅっ、もうあまり人も居ないかな……」
「人気の無い場所へ連れ込むとはな、私は何時でも準備は出来ていr」
「違うでしょっ!! ところでクーの家は何処なのかな?」
「うむ、着いて来たまえ」

クーの手に引かれるがままに着いて行く、クーは迷う事無く歩き続ける
やがてとても大きな一戸建てが見えてきた

「もしかして、ここが……」
「入りたまえ」

僕は一言頷いて家に上がらさせてもらった
家の中には人の気配はない

「ご家族の方は外出しているのかな?」
「何を言っているのか、この家は私一人しか住んで居ない」
「……ええぇぇぇぇっ!?」

こんな広い家にクー一人しか住んでいないなんて……
クーの実家はきっととんでもないお金持ちなんだろうなぁ

「予定では今日、同棲相手が増える」
「へぇ、じゃあ仲良くしないとね」
880突然 その8:2007/07/09(月) 22:11:17 O
「こちらの部屋を見て欲しいのだが」

クーが他人に見せたいくらいだから、何かスゴい部屋なのだろう
僕は少し期待に胸膨らませていた

ガチャリ……キィィ……

「……あ、あれ? 何処かで見た事ある家具や配置……って」

何故か僕の部屋にある筈のパソコンやPCデスク、タンスやベッドが
自宅の自室と全く同じ配置に置かれていた
僕はタンスを真っ先に見た、タンスの横には僕が幼い頃に書いた落書きがあるから
……見事にあった、これは間違いなく僕が使っているタンスだ
という事は他の家具も……

「ク、クー……これはどういう」
「今日、キミを起こしに行く時にお義母様とお義父様に直訴したのだ
ツヅミと一緒に同棲……いや、愛を育みたいと」
881突然 その8 続き:2007/07/09(月) 22:12:52 O
少し呆然としたのち、僕はすぐに自宅に携帯から電話をした

「あら、ツヅミ。何かしら?」
「母さん!! どういう事なの!? なんで僕の家具がクーの家に!!」
「その事だけどツヅミ、今日からクーちゃんに教育してもらいなさい」
「ワケがわからないよ!!」
「アンタはいつまでも優柔不断だから親元を離れて、クーちゃんを守れるくらいになりなさい
大丈夫よ、男の子は愛する人が出来ると男に成長して逞しくなるのよ、それじゃ頑張りなさい」

プツッ……ツー

電話が切れると同時にクーが後ろから僕の身体を抱きしめる
そして僕の肩に顔を乗せて頬擦りを初めた

「そういう事だ、今日から私とキミは運命共同体、何をするにおいても一緒だ
食事・睡眠・趣味・家事はもちろん、排泄に自慰もな
よろしく頼むぞ、ア・ナ・タ♪」「うっ……うわぁぁぁぁぁっ!!」

今思うと、僕はとんでもない人に捕まったのかもしれません
882ほんわか名無しさん:2007/07/09(月) 22:14:09 O
投下終了、今後は1レスの行数を考えないとイカンな
883ほんわか名無しさん:2007/07/09(月) 23:25:42 0
非常に素敵なシチュエーション
男がすごくうらやましいよ

GJ!
884ほんわか名無しさん:2007/07/09(月) 23:30:36 0
>>882
なんという急展開wwGJ!
885ほんわか名無しさん:2007/07/10(火) 00:00:27 0
男の母がw
GJ!!
886ほんわか名無しさん:2007/07/10(火) 03:51:50 0
>>「予定では今日、同棲相手が増える」

なぜここで気づかんのだw
GJ!!
887ほんわか名無しさん:2007/07/10(火) 18:25:51 O
GJ

読みやすい文章だった
888ほんわか名無しさん:2007/07/12(木) 05:13:33 O
あげ
889ほんわか名無しさん:2007/07/14(土) 20:45:53 O
ほしゅ
890ほんわか名無しさん:2007/07/16(月) 04:55:05 0
男「クー、どうしたの?」
ク「いや、今日は借りていたDVDの返却日なのだがまだ見てなかったのを思い出したのだ」
男「それじゃあ急いで帰らないといけないね」
ク「そうなのだが急いで帰ると男と一緒にいる時間が短くなってしまう」
男「そうなっちゃうけどDVD見たいんじゃないの?」
ク「当然見たいのだが男と一緒の時間が少なくなるのなら延滞料金を払った方がマシだ」
男「そんなのもったいないよ」
ク「しかし…」
男「今日は自転車で来たからとりあえず後ろ乗りなよ」
ク「うむ」

キコキコ

ク「男」
男「何?」
ク「今から私の家に来ないかい?」
男「いきなりどうしたの?」
ク「今から一緒に私の家でDVDを見よう。そうすれば全てうまくいくと思うのだ」
男「そうだね。そうしようか」
ク「そうと決まったら急ぐのだ男よ!」
男「よし来た」
891ほんわか名無しさん:2007/07/16(月) 04:56:22 0
ク「もっと急ぐのだ男!!」
男「はぁはぁ」

キコキコ

ク「どうした男、限界なのか?誰よりも早く走れる男の名が泣くぞ!」
男(そんなこと言ったっけ?)
ク「もっと、もっとだ!」
男「ぜぇぜぇ」

キコキコキコ

ク「あと少しだ男!!!」

キコキコキコキコ

男「と、到着…ぶはぁぶはぁ」
ク「学校から12分20秒、さすが男だ、5分以上も世界を縮めたな」
男「もう限界だよ…」
ク「そうか、それは大変だ早く家に入って横になるのだ私が看病してやろう」
男「ディ、DVD見なきゃいけないんでしょう?」
ク「それだが、昨日すでに返してたのをさっき思い出したのだ」
男「え……」
ク「さあ早く家に入ろう、早く元気になってまぐわおう」
男「外でそんなことを言わないでよ////」
892ほんわか名無しさん:2007/07/16(月) 04:56:56 0
勢いだけで書いた、反省している
893ほんわか名無しさん:2007/07/16(月) 22:30:32 0
>>892
男がかわいそうだw
GJ
894ほんわか名無しさん:2007/07/16(月) 22:38:18 0
>>891
このクーはスクライドを見ているなww
GJ!
895ほんわか名無しさん:2007/07/17(火) 02:48:03 0
ちょっとVIPで不完全燃焼だったんで
保守代わりの作品をちょっと肉付けして投下

素直クールとは違うような気がしてきたけど
素直クールの内面を私なりにちょっと分析してみた
2レスほど借りるよ
896ほんわか名無しさん:2007/07/17(火) 02:53:46 0
ここは静かな1人だけの場所であった

私はこの静かな場所を1人で歩んでいた
様々なことを論理的に分析する思索の日々――
周りの人々の敬遠する視線――

ただ、私はこの日々を虚しいと思ったことは無かった
私は1人でこの道を歩んでいくという宿命を負わねばならぬのだ
なぜなら、私は他の"普通”の人とは性格からして違うのだ――
そんなことは未来永劫続き当たり前のことだと思っていた

しかし、ある時"彼"が私の1人の世界に現れた
"彼"は私にいつも優しくしてくれた
"彼"は私に好意を抱いていてくれた

そして、あれはいつの日だったろうか
彼の喜びが私の喜びに、彼の悲しみが私の悲しみに変わったのは
そして、1人ぼっちの時が寂しくなったのは
そして、ある日から"彼"がいなくてはいけないと思うようになったのは

私はいつも1人だった――そんなことは昔から分かっていたのに――
8972ページ:2007/07/17(火) 02:55:26 0
ク「…む?寝てしまったか?」
男「クー。やっと起きたね」
ク「君の膝枕で寝ていたか…?」
男「耳かきしていたら、寝ちゃうんだもん。僕動けなかったよ」
ク「すまないな。ちょっと夢を見ていた」
男「いいんだよ。クーなら歓迎だよ。ところで、どんな夢だったの?」
ク「ふふ。君は本当に優しいな。昔の夢を見ていた」
男「僕と一緒にどこかに行った夢?」
ク「ずっとずっと昔のまだ君と出会う前の話だ…。所で、男よ。私は君のこと
が好きだが、君は私のことが好きかな?」
男「突然どうしたの?僕はクーのことが好きだよ。好きじゃなくちゃ膝枕で耳
かきなんかしないよ」
ク「いつも恥ずかしがっているが本当に本当に私のことが好きか?」
男「みんなの前でそういうことするとみんなの視線が集中して恥ずかしいけ
ど…僕はクーのことが好きだよ」
ク「本当に本当にか?」
男「クー、一体どうしたの?」
ク「何か突然不安になってしまってな。君を抱きしめても良いかな?」
男「…うーん。誰も見ていないし…いいよ」
ク「すまない。突如不安に駆られてしまってな…。君が私からいなくなってし
まうような…」
男「クー…怖い夢でも見たんだね。今日は僕が抱きしめてあげるよ…、ちょ
っと恥ずかしいけどね…///」
(ギュッ)
ク「男よ…。本当に君は優しいな…。私は幸せだ…」
898ほんわか名無しさん:2007/07/17(火) 02:58:56 0
ということで終了

クーみたいな性格だと人間関係がうまく行かないだろうなぁ
と思っていたときにこんな話が思いついた

後、また>>896に1ページを書き忘れた
すまない
899ほんわか名無しさん:2007/07/19(木) 03:16:51 O
GJです!
900╋虎╋ ◆TIGER/h9OE :2007/07/19(木) 06:31:39 O
900get
901ほんわか名無しさん:2007/07/20(金) 10:11:18 O
>>898
イイヨイイヨ!おいちゃんこういうの大好きヨw
902ほんわか名無しさん:2007/07/23(月) 08:56:31 O
ほしゅ
903ほんわか名無しさん:2007/07/23(月) 21:28:02 O
人いないね…
904ほんわか名無しさん:2007/07/24(火) 22:54:31 O
まったりと保守
905ほんわか名無しさん:2007/07/26(木) 22:43:31 0
ネタはあるけど、書く時間がない。というのはいいわけだねそうだね。
ちょっとクーにいじめてもらってくる
906ほんわか名無しさん:2007/07/28(土) 01:43:26 O
保持
907ほんわか名無しさん:2007/07/29(日) 22:46:57 0
時期なんて考えないで七夕をテーマにしたもの
908ほんわか名無しさん:2007/07/29(日) 22:51:09 0
雪 「龍一、七夕の話を知ってるか?」
龍一「そりゃ知ってるよ、織姫と彦星が天の川で1年に1度に会うって話でしょ」
雪 「そうだ。その話を思い出すたびにいつも私は織姫がとても不憫でならないと思うんだ」
龍一「どうして?」
雪 「どうしてと言ったな、1年のうちに愛する人に会えるのがたった1回しかないんだぞ。
   こんなに悲しい事はないと思わないのか?」
龍一「それはそうだけどさ、そもそも何で1年に1回なんだっけ?」
雪 「それはだな、織姫は機織りと彦星は牛を引きと一生懸命仕事をしていた。
   そのうち二人は段々夫婦の生活に夢中になり仕事をしなくなり始めた。
   神様はそんな二人のことを怒り天の川の対岸に引き離したというわけだ」
龍一「うーん、そうだねぇ。
   僕から見れば二人が仕事を怠けるからいけないんだと思うけどなぁ」
雪 「だが二人で生活していればそんな時だってあるだろう、それなのに引き離すまでしなてもいいと思う」
龍一「でもやっぱり仕事を怠けるのは良くないよ」
雪 「じゃあ話を変えよう、もし私と龍一が1年に1回しか会えないと言ったら君はどうする?」
龍一「えっ?」
909ほんわか名無しさん:2007/07/29(日) 22:53:37 0
龍一「話が一気に身近になったような、まぁ極端な事が無い限りずっと会えないってわけじゃないだろうしね、
   それにそれだけの事が起きるなら何らかの事情があるわけだし」
雪 「むぅ」
龍一「だったら僕は全部終わった上でまた雪に会いたいよ。
   何か色々残ってて会ってまたさよならってそれは嫌だからね」
雪 「そうか、そこまで考えていたのか……」
龍一「えっ?そこまでって言われても考えてたわけじゃないけど」
雪 「いや、それだけで十分だ。龍一がここまで考えてくれているなら安心できる」
龍一「安心できるって?」
雪 「実はな一昨日父から連絡があって仕事の手伝いで来週から1週間ほどそっちへ行くと言う事なんだ」
龍一「それ初耳なんだけど」
雪 「うむ、いつ龍一に言おうか迷ってそれに1週間会えなくなるから何て言おうか
   そう考えてたら言い出すタイミングがわかなくなって」
龍一「だからいきなり七夕の話を出したの?
   それに1週間なら大丈夫だよ、1週間会うのを我慢すればまた会った時に喜びが増えるみたいな」
雪 「そうだな、前向きに考えればいいんだな!」
龍一「そうそう、前向きに前向きにってね。それでいつから行くの?」
雪 「明日昼前に迎えに来るそうだ」
龍一「……せめてそういう事は早く言おうよ」
910ほんわか名無しさん:2007/07/29(日) 22:55:55 0
一応名乗らなかったけどこのキャラはここでもおkなのだろうか

そしてこの単発に七夕は関係あったのか、謎である
911ほんわか名無しさん:2007/07/31(火) 01:44:29 0
>>910
GJ!
この2人をほの板で見たのは初めてのような気がする
またここに姿を見せてくれると嬉しいな

後、旧暦で考えれば七夕は8月なんでテーマとしては全然遅くないと思う
912ほんわか名無しさん:2007/08/02(木) 08:28:11 O
>>910
GJ!
913ほんわか名無しさん:2007/08/04(土) 12:59:23 0
1
914ほんわか名無しさん:2007/08/04(土) 18:00:06 0
6
915ほんわか名無しさん:2007/08/05(日) 14:20:11 0
壁]ω・) ニャ
916ほんわか名無しさん:2007/08/05(日) 22:36:56 O
>>915を見て思い付いたのでカキコ

ク「む、可愛らしい猫がいるぞ」
男「あ、ホントだ。」ク「うむ、何故かは分からんが男のような愛しさが溢れる可愛らしさだ」
男「ハズい事言うなっ!…(///)」
ニャー
ク「よしよし、ん?なんだか変わった毛並みだな?」
男「たしかに、なんか字に見えるな。えっと…」
「保守」

VIPでの保守SSが大好きでつい書いたが、
ほの板では無意味だった。すまん。
917ほんわか名無しさん:2007/08/08(水) 06:03:29 O
保冷
918ほんわか名無しさん:2007/08/08(水) 10:57:19 O
台詞でお題
っ クー「違うよ!ぜんぜん違うよ」
(ふだん冷静なクーが思わず↑の様に言ってしまう状況をお考え下さい)

っ クー(男)「は、謀ったな…男(クー)!」
男(クー)「ふふふ、君は良い友人であったが…君のお父上(○○)がいけないのだよ」

ムチャ振りサーセンww
919ほんわか名無しさん:2007/08/08(水) 22:41:50 O
>>918
男「クー、ちょっといいかな?」
ク「ん?なんだおt(ぎゅっ」
男「…(クーに抱き付く」
ク「お、男!?(///)なにを…(さっ」
男「…(クーから離れる」
ク「??いったいどうしたのだ?」
男「…78センチか…」
ク「なっ…はっ、はかったな?!男!!」


字は違うけど思い付いたので書いちゃったw
920ほんわか名無しさん:2007/08/09(木) 08:56:51 0
>>919
はかる違いwww
GJ!
921ほんわか名無しさん:2007/08/10(金) 22:59:18 0
レッド「そこまでだ!悪党共!俺達が来たからにはもう好きにはさせないぜ!」
ブルー「その通りだ。私とレッドの愛の奇跡でこの世から完全消滅させてやる」
レッド「な、何言ってんだブルー!てか何で俺のマシンにお前まで乗ってるんだよ!?」
ブルー「勿論博士に頼んで二人乗りにしてもらった。さあレッド合体だ今こそ一つになろう!」
レッド「だー!コラ何しやがる!服を脱ぐんじゃねえーーーッ」

ピンク「それでどうなったのよ?」
ブルー「『俺達は地球の平和の為に戦ってんだ!ふざけてる場合か!!』って強制射出させられた・・グスン」」
イエロー「当然だろ・・・・」
922ほんわか名無しさん:2007/08/11(土) 02:11:32 O
まとめてGJ!魂が震えた…
923かおリ:2007/08/11(土) 02:51:19 O

ここ意味わからン(^ω^)ワラ

何が言ぃたいン?ワラ

うちにわ理解不能やわァ
924ほんわか名無しさん:2007/08/13(月) 01:17:11 0
「くっ…… うぁ、もう少し……」

うぃぃぃ〜〜んうぃぃぃ〜〜ん

「……クー、ナニしてんの?」
「いや、何か変なところに入ってしまったようで……」
「いやそうじゃなくって! 公衆の面前で何変な声出してるのか聞きたいわけで、ね?」
「もう、少し…… ちょっと手伝って欲しい」
「えぇっ!! いや、だからそんなこと言われても困るって!」
「君の長い指なら届くと思、う…… くっ」
「そんな、らめぇぇえぇぇぇぇぇえぇぇぇっっ! ってなにコレ?」
「ありがとう、バッグの奥に入ってしまったようで携帯が取れなくて困っていたんだ」
「えぇぇぇぇぇ」
925ほんわか名無しさん:2007/08/13(月) 01:25:44 0
「くっ…… これはなかなか……」

うぃぃぃ〜〜んうぃぃぃ〜〜ん

「……えーと、また?」
「ちょうどいいところへ」
「なんか前回のこともあるから近づきたくないんだけど……」
「だ、大丈夫だから…… あっ! くぅぅ」
「お願いだから変な声出さないでよ」
「そんなこと言われ、ても……」
「それで今回のこれはなんの音?」
「君の指が私の身体をすみずみまで」
「って誤解されるようなこと言うなーっ!」
「あ……」
「マッサージ器ですか……」
926ほんわか名無しさん:2007/08/13(月) 08:38:47 O
>>924>>925
GJ!
927ほんわか名無しさん:2007/08/13(月) 21:38:57 O
これは良いエロスw

GJ!
928ほんわか名無しさん:2007/08/14(火) 01:40:09 0
「さて、カラオケにきたわけだが」
『コッコッコッ。あ〜あ〜あ〜』
「もしもしクーさん、何やってるんでしょうか?」
『カラオケというのは初めてなのでちょっと興味が、ね』
「あー、マイクごしに話さなくていいから」
「それもそうか。しかし、こんな厚いカタログから曲を探すのは大変だな」
「そんな1ページ目から順番に探さなくていいから」
「それもそうか」

「って、何もかも諦めたような目でカタログ滑らせてこないで!」
「そうは言っても何を歌えばいいのかわからない」
「知ってる曲とか、歌いたい曲を選べばいいんだよ」
「ふむ。ならば、あらん限りの気持ちを込めてこの曲を」
「うっわ、意外だね。こんな激甘のラブソング選ぶなんて」
「それほどでもない。ところで、この採点機能というのは?」
「あー、どれくらい上手いか評価してくれるんだよ。場も盛り上がるしやってみようか」

『〜〜♪』

「カラオケ来るの初めてとは思えないくらいに上手いよ!」
「褒めてもらえるのは嬉しいが、そんなにおだてられると少し恥ずかしいな」
「いやマジ上手いって! これなら点数もかなり期待、って採点始まったよ」
「……うむ」

タタタッタ〜♪ 53点

「……くっ」
「って、涙目で機械にらんでも点数変わらないから」
「私の君に対する想いはそんな評価しか受けないというのか……」
「って、どこ行くの!? クーさん、クーさ──ん!」
929ほんわか名無しさん:2007/08/14(火) 01:51:36 0
「さて、先日の雪辱を晴らすとのことですが……」
「うむ……」
「おいおい、カラオケ行くなら俺も誘えよなー」
「って、どこから湧いた」
「ロビーで見かけたからこっそりとな!」
「こっそりとな、じゃねぇ」
「一人増えても私がすることに変わりはない」
「それはそうだろうけど……」
「さすがクーちゃん話せるな!」
「むしろ、君の友人にも私の君に対する想いの深さというものを
理解してもらういい機会かもしれない」
「うっわ、甘っ! ちくしょうやってられないぜ!」
「ってお前もいきなり何曲も入れるな」
「私もその間に準備するから君も歌っていて欲しい」
「うん。まあ、そう言うなら構わないけど……」

『wヘ√レvv〜─ !!』

「うっわ、ヒド! ガナリたててるだけで歌じゃないだろ。
クーさんは黙々とカタログに見入ってるし……」
「ぐっはー! どうよ俺の歌唱力は」
「どうよと言われてもなあ」
「採点始まった始まった。さあ来い!」

タタタッタ〜♪ 96点

「キャッホ──っ!」
「嘘だろ……」
「……くっ」
「って、どこ行くの!? クーさん、クーさ──ん!」
930ほんわか名無しさん:2007/08/15(水) 18:32:25 O
どこに行ってるんだW
931ほんわか名無しさん:2007/08/18(土) 22:42:41 O
ク「男、首のところが赤くなっているぞ」
男「うん。蚊に刺されて痒い…」
ク「かきすぎるのは良くない。痒いのなら良い方法がある」
男「お、なになに?教えてくれ」
ク「ふむ、蚊は刺した後に毒を残す、それが痒みの原因だ」
男「…なんか嫌な予感」
ク「つまり、その毒を私が吸い出せば万事解決だ!」
男「ちょwwwここ教s」
ク「問答無用♪」
男「やめっ…て……アヒャー!?」

先生「はい、続きは保健室でしろ。みんなは授業に戻ろう」
932ほんわか名無しさん:2007/08/20(月) 20:12:43 O
>>931
GJ!
933ほんわか名無しさん:2007/08/23(木) 21:32:27 O
維持
934ほんわか名無しさん:2007/08/26(日) 02:07:26 0
http://sucool.s171.xrea.com/up/src/up0618.jpg
クースレはここに?
>>928借りました。
935ほんわか名無しさん:2007/08/26(日) 04:23:59 0
>>934
おいおいこれは…GJってレベルじゃねーぞ
936ほんわか名無しさん:2007/08/26(日) 08:57:59 0
>>934
ここに。
毎週金曜日と月曜日もVipに立っているからチェックするといいんだぜ。
937ほんわか名無しさん:2007/08/26(日) 13:15:09 0
>>934
クオリティ高すぎだろ…常考
938ほんわか名無しさん:2007/08/26(日) 22:57:51 0
>>934
これ素晴らしすぎるよ
また次回にすごく期待だ
GJ!

ということで素晴らしい後に気が引けるけど
こっちも1つ投下
つ【海水浴】

4レスほど借りるよ
9391ページ:2007/08/26(日) 22:58:45 0
ク「すまない。男よ。更衣室が混んでいてな」
男「待ってないよ。大丈夫だよ」
ク「しかし、今日は晴れてよかったな。絶好の海水浴日和だ」
男「うん。ちょっとシーズンずれちゃったけど、本当にいい海水浴
日和の天気だね」
ク「今日のために水着を新調したのだが、どうかな?」
男「クー…///…とっても…///」
ク「ふふ。顔を赤くしてしまって実にかわいいぞ。こんな幼児体型
の私でもそんなに魅力的かね?」
男「うん…///…クーは…///…とっても…///…かわいいよ…///」
ク「愛する君にそう言ってもらえるととても嬉しいぞ」
男「僕にはもったいないくらいだよ」
ク「君は素晴らしい男だ。もっと自信を持ちたまえ」
男「だけど…僕は他の男の人と違ってスポーツとかも出来ないよ。
他の男の人みたいにかっこよくないからなぁ…」
ク「スポーツの出来る者に心動く者もいるだろうが、君には君の誇
るべき所がある。私は君の優しさに心動いているぞ」
男「クーにそう言ってもらえるとうれしいよ…///」
ク「ふふ。君の白くて綺麗な肌が赤くなるのはやはりいいな」
男「クー…///」
ク「ただ、その綺麗な肌が紫外線で赤くなるのはいただけないぞ。
そこに寝たまえ。私が日焼け止めを塗ってやるからな」
男「大丈夫だよ。自分で塗れるよ…///」
ク「背中は無理だし、遠慮しないでくれ。それに私も君に塗っても
らいたいからな」
9402ページ:2007/08/26(日) 22:59:31 0
ク「ふふ。私の肌に塗る時に硬くなりすぎではないかね?」
男「だってさ…///」
ク「私が塗ってあげている時もそうだったな」
男「僕とクーの肌がさ…///…直接触れるし…///」
ク「ふふ。いつまでたっても君はうぶだな」
男「うー…。面目ないよ。クー」
ク「いや。私は君のそういう所が大好きだ。さて、せっかく海に来た
のだ。一緒に泳がないかね?」
男「ええと…。日焼け止めとか流れちゃうんじゃないかな?」
ク「大丈夫だ。こんなこともあろうかと、私の開発した日焼け止めは
強力ウォータープルーフだ」
男「ええと…。波とかさ…」
ク「今日は波は危険ではないぞ。…もしかして。男よ。私と泳ぎたく
ないのか」
男「そうじゃないよ。その…」
ク「正直に言ってくれ。私は君の全てを受け入れよう」
男「うん。じゃあ言うよ。…実は僕泳げないんだよ…。クーと一緒に
泳ぎたいけど…」
ク「そうだったのか。では、磯遊びとか波打ち際で…」
男「ねえ…。もしクーに迷惑じゃなければ、泳ぎ教えてくれるかな?」
ク「私の力が君の助けになるというのなら、私は非常に嬉しいぞ。う
まく教えられるかは分からんが。持てる力全てを使おう」
男「ありがとう。クー」
9413ページ:2007/08/26(日) 23:03:23 0
ク「顔を水にしっかりつけてだな…。足を伸ばして…」
男「クー。お願いだから、手を離さないでね」
ク「私が君を離すことなど絶対にありえないぞ。安心したまえ」
男「本当に、本当に離さないでね」
ク「君が公共の場でこんなに私の手を強く握ってくれるとは…。私は
嬉しいぞ」
------
男「クー!泳げたよ!一人で泳げたよ!」
ク「君は実に上達が早いな。本当に素晴らしいぞ」
男「クーのおかげだよ。本当にありがとう」
ク「いや。これは君の実力だ。私はそれを少し助けたに過ぎない」
男「でも、クーの力、あってこそだよ。ありがとう。クー」
ク「大好きな君に評価されるのは本当に嬉しいぞ」
男「あのさ、クー…。まだ、足手まといかもしれないけど、一緒に泳
いでくれるかな…」
ク「願っても無いことだ。ただ、自分のペースを考えたまえ。私は君
にあわせるし、君に何かあったら私は嫌だからな」
男「ありがとう。クーは本当に優しいね」
ク「私の優しさは君の優しさに比べればまだまだだ」
男「そうかな…///…クーに褒められるのはうれしいよ」
ク「君は素晴らしい男だ。もっと自信を持ちたまえ。泳ぎだってうま
くできたんだぞ。さあ、一緒に泳ごうではないか」
9424ページ:2007/08/26(日) 23:06:03 0
男「本当にこの夕焼けはきれいだね。クー」
ク「綺麗なのは夕焼けだけなのかね?」
男「えっと…///…その…///…クーも…///」
ク「ふふ。全て言わなくてもその顔で分かるぞ。本当に今日は素晴ら
しい日だった」
男「僕も今日は普段以上に楽しかったよ」
ク「うむ。磯遊びも出来たし、そして何より、君の力になれて、君と
一緒に泳げた事が良かった」
男「今日は本当にありがとう。クー」
ク「なに、私の方こそ君と一緒で素晴らしい日を今日も送れた。私の
方が君に感謝を述べたい」
男「でも、クーのおかげで泳げるようになったんだ。今日は本当にあ
りがとう」
ク「今日は公共の場で恥ずかしがる事なく、私の手を握ってくれたの
だ。これに勝ることはないぞ」
男「あのさ…その事なんだけど…。クー。手握ってもいいかな…///」
ク「恥ずかしがりやの君からそんな言葉を聞けるとは…。実に嬉しい
ぞ。さあ、好きなだけ握ってくれ」
男「どうかな…///…クー…///」
ク「ふふ。泳ぎの練習で強く握るより、優しく包んでくれるこの握り
方の方が君らしくて、素晴らしいぞ」
男「えへへ…///…僕もこっちの方が…///…安心できるよ…///」
ク「君が手を握ってくれたんだ。私もお礼に…」
(チュッ)
男「クー…///」
ク「ふふ。夕焼けのように顔を赤くして、本当に君はかわいいな。夕
焼け以上に君に見とれてしまいそうだ」
943ほんわか名無しさん:2007/08/26(日) 23:07:18 0
ということで【海水浴】は終了

しかし、今年も海の側まで行ったけど海にはいけなかったなぁ…
944ほんわか名無しさん:2007/08/28(火) 00:52:49 0
実にアマアマだw読んでて恥ずかしくなるほどに
9451:2007/08/30(木) 02:32:22 0
「放課後、体育館倉庫脇の塵処理施設にて待機、以上!」
 隣の席で、僕に指を差して言い放った彼女。かるく目が据わってた。
 瞬時に僕は、行かなければ何をされるかわからない、と感じた。この彼女が言い放った漢字のオンパレードは恐怖だった。
 彼女は現在高校一年生にして生徒会長。当学園のカリスマ的存在である。
 学力は学園トップ。ミスひがんばな受賞者で男子学生の憧れの的。
 僕に差していた指を引っ込めると、彼女は一度うつむいて目を瞑った。頭をかいて、イキナリ近距離に顔をやった。
「君に用事があれば仕方がないが、来ないのであれば……それはそれで、非常に困る」
 唇をへの字に曲げ、とても残念そうに呟いた。
「行ってもいいけど、その体育館倉庫の裏に何があるの?」
 いったら、彼女はそれは目を爛々と輝かせた。しかし目が据わっている。
 なんだろ――彼女が嬉しそうにみえるのは僕の勘違いだろうか?
「そうだね、何が在るって? 二者択一だ」
「二者択一?」
「そう……体育館倉庫脇塵処理施設には愛、もしくは地獄が君を歓迎している」
 彼女は一人頷いている。
「他に選択肢はないの?」
「残念、無いな。私のお薦めは、愛だ。君も幸せ私も幸せ、利害に一致している」
 本当に残念な結果になっていた。いや、しかし――僕は地獄への可能性を見出してみることにした。もしかすれば、愛よりも確かな手応えがあるかもしれない。
9462:2007/08/30(木) 02:34:03 0
 放課後、例の体育館倉庫の傍にあるゴミ捨て場に着いた。すでに彼女は仁王立ちで待っていた。
 彼女は額に汗を滲ませていた。彼女の横にある焼却炉から煙があがっている。
「この可燃焼却装置の外面は異様に熱を持つな。だともいって、この場所を指定した手前、離れる訳にもならないし、実に困った」
 僕は、その彼女の姿に、いたずら心が芽生えた。なんとなくみてていようと、草むらに隠れた。
「遅い……暇だ……。体育館と対区間って似ているな。結構、字面が恰好良いな」
「暑い。早く来ないものかな。このままでは愛の前に、私が地獄を味わってしまう。これは奥ゆかしい問題発起だ。ああ、こうなれば、この可燃焼却装置に水道水をぶちまけてやろうか。
いや、待て。そうなればバックファイヤーの可能性が生じてしまう。このような形で身を焦がしてしまうのはアイツに対して失礼に当たる。私はアイツで身も心も焦がしたいのだ。燃え上がる情熱、素晴らしい。――しかし困った」
 雑草の隙間から彼女をみているが、彼女のここまではっきりした独り言は、僕に聴かせているんじゃないかと思わせる。
 とりあえず、上着を脱いだらいいんじゃないだろうか。
 僕は草むらから飛び出して、彼女にいった。
「遅くなってゴメン。思うんだけどさ、あつかったら上、脱いだらいいんじゃないかな?」
 彼女はピタリと固まった。そうして手を叩き「ホントだ! バックファイヤーの危険性を思考している場合ではなかった。そうだ、脱げば良かったんだよ」と、関心した面持ちで僕をみた。
9473:2007/08/30(木) 02:35:55 0
 彼女はブレザーのボタンを外し、リボンを解いた。そのまま、彼女はブラウスのボタンに手を掛けた。
「え? ちょっと待ってよ。なんでブラウスまで」
「正直にいうと、君が想像するこの暑苦しさ、不愉快感。私はその先を越えている。君に私のエロティックを魅せつけたい想いも確かにある、それは否定しない。が、もぅ熱くて堪らん。脱ぐ!」
 ブラウスを脱いだ彼女は、木の枝にブレザーとブラウスを掛けた。彼女の淡いクリーム色のブラが胸を包み込んでいた。
 そのはちきれんばかりのバストに僕は引き寄せられる。胸の谷間の中心にフロントホックがある。手を伸ばして外したい、そう思わせるほどの魅力的な彼女の姿。
 これが愛なのか。
 だが、僕は堪えて、地獄の扉を開けようとしている。彼女のエロティシズムに呑まれかけている僕には、その選択が正解なのか間違っているのか、それはわからない。ただ、地獄の可能性を導き出した僕自身に嘘は付きたくなかった。
 僕は彼女の姿、瞳から目を逸らして、訊いた。
「地獄を選択してみます」
948end:2007/08/30(木) 02:36:44 0
 彼女は、ことなしげに言い放った。
「あー地獄? 駄目駄目、先ほど味わった。あれは身体に悪いわ」
「えー!」
「君は愛を選択というか、選択肢がなくなったため愛を味わって頂きましょうか」
「えー」
「まあ、気を取り直して、ホック外してくれないか?」
 突き出された胸は、拘束具であるブラジャーを解き放って欲しそうに、僕の視界の中で揺れていた。
949ほんわか名無しさん:2007/08/30(木) 21:56:49 0
  ∩  :・:∵          
⊂、⌒ヽ∴: L/     ,r=''""゙゙゙li,
⊂( 。Д。)つ  > 、、,,_ ,r!'   ...::;il!.
  V V ; Y⌒r!'゙゙´  `'ヾ;、, ..::::;r!.'゙ ┏━━┓┏━┳┳┓
グハッ  ,i{゙‐'_,,_        :l}..::;r!゙   ┃┏┓┃┗┓┃┃┃
.  ,r!'゙´ ´-ー‐‐==、;;;:....   :;l!:;r゙..   ┃┣┻╋┓┃┃┃┃
 ,rジ          `~''=;;:;il!::'li    ┃┗  ┃┗┛┣╋┫
. ill゙  ....         .:;ll:::: ゙li   ┗━┻┻━━┻┻┛
..il'   ' ' '‐‐===、;;;;;;;:.... .;;il!::  ,il!
..ll          `"゙''l{::: ,,;r'゙
..'l!       . . . . . . ::l}::;rll(,
 'i,  ' ' -=====‐ー《:::il::゙ヾ;、
  ゙i、            ::li:il::  ゙'\
  ゙li、      ..........,,ノ;i!:....    `' 、  Λ素Λ
   `'=、:::::;;、:、===''ジ゙'==-、、,,,__  `(=゜ω゜) 
     `~''''===''"゙´        ~`'''' ヽ   ノつ
                       〜( ,,(~)
                         ヽ)
950ほんわか名無しさん:2007/08/31(金) 01:30:39 0
>>948
何かすごく不思議な雰囲気で素敵だw
GJ
951ほんわか名無しさん:2007/08/31(金) 13:44:57 0
>>948
こういうの好きだ
GJ!
952ほんわか名無しさん:2007/09/04(火) 22:54:57 O
>>948
GJ!
953ほんわか名無しさん:2007/09/07(金) 20:24:24 O
保守
954ほんわか名無しさん:2007/09/08(土) 03:00:55 O
保守
955ほんわか名無しさん:2007/09/09(日) 13:52:11 0
956ほんわか名無しさん:2007/09/11(火) 18:31:23 O
最近VIPに応酬シリーズが投下されない件
957ほんわか名無しさん:2007/09/11(火) 19:51:03 0
応酬シリーズと言われても何のことだか全然わからない
958ほんわか名無しさん:2007/09/12(水) 00:46:44 0
恐らく「クールな応酬」シリーズだと思う
959ほんわか名無しさん:2007/09/12(水) 16:18:43 0
シュールで新シリーズ書いてた
960ほんわか名無しさん:2007/09/13(木) 20:01:36 0
>>959
マジでぇぇ

カムバック!!
961ほんわか名無しさん:2007/09/13(木) 23:39:56 0
シュールも見に行けばいいじゃない
962ほんわか名無しさん:2007/09/14(金) 10:51:28 0
ここでクールシュール共に保守役を承っている俺が登場
963ほんわか名無しさん:2007/09/16(日) 15:41:41 0
クルーが保守
964ほんわか名無しさん:2007/09/17(月) 17:19:50 0
965ほんわか名無しさん:2007/09/17(月) 21:22:45 0
もうすぐ1000だけどあえて投下する。とりあえず8レス前後借りるよー

【ただのクール → 素直クール】
「――これで本日の生徒会を終わる、解散」
 自分以外のほとんどの生徒が退出していき、すぐに教室が閑散とする。
とりあえず手に持った書類に目を通して文化系の部に対する部費の問題に頭を悩まし始めた。
「すみません会長、ここの計算なんですが――」
「ああ、ここはこちらの諸経費が――」
 いつものように下級生からの質問に答える、頼られるのは確かに嬉しい、嬉しいのだが……
「はい、ありがとうございました! 会長」
「なに、また分からないことがあったらいつでも質問してくれ」

 ――いつからだったろうか、こうして優等生であり続けることに苦痛を感じ始めたのは。

 自分では実感できないものだが周りの生徒や教師は私の事を『優等生』と呼んでくれる。
一応それなりの努力はしてきたつもりだし親も褒めてくれる、私はその事を誇りに思ってさえいる。
しかし、もし私がどうしようもなく辛い問題に当たった時、苦しくてしょうがないとき、
私は他の誰かに頼ることは出来るのだろうか、『優等生』は誰かを頼っても良い存在なのか……

 ふと、気がつくと時刻は午後六時を回っていた、いくら会長とはいえおいそれと校内に残っていては教師に叱られる時間である。私は慌てて荷物を片付け教室を出ようとして、

 角の方に座っている男子生徒に気づいた。
 その生徒はうんうんと唸り書類とにらめっこしている、
もし本当ににらめっこしているのなら書類の方が意表を突かれて負けそうなほど真面目な顔だ。
「こんな時間までどうしたんだ?」
「えっ、かっ会長さん!? ……いや、その……」
 いきなり声を掛けられ相当驚いたと見える、よく見ると書類の他に真っ黒に汚れた
計算用紙があった。 なるほど、この生徒もさっきのと同じところでずっと悩んでいたのだろう。
男子生徒の方はというとずっと取り乱している。
「まったくこんな時間まで考えているなんて……質問なら私にいくらでもしてくれればいいんだぞ」

 口を突いて出た台詞……嘘だ、本当は嫌だ、そうやって優等生を作ろうとしている自分が嫌だ、
果てには自ら質問されることまで望んで――苦しい、けど、誰も頼るわけにはいけない。
無意識に拳に力が入る、爪が皮膚に食い込んで痛いくらい――

「いえ、大丈夫です。僕の力だけでやってみますから」
「――え?」 
 その時はよく分からなかったが、まるで死刑宣告を下されたような気分だった。
「何故だ!」
「わわっ! ど、どうしたんですか!?」
 どうして叫んでしまったのか分からない、ただ、その言葉は自分にとって余りにも致命的……優等生だったからこそ、
頼られていたからこそ私は人と関わっていられた。でも、誰かを頼ることすら出来ない私が頼られることすらなくなったら……私はどうすればいいんだ!?
「頼む! 答えさせてくれ! 私を……使ってくれっ!」
「……かい、ちょう」
「私は……私は……そうでもしないと……私は……っ!」
 自身を縛る『優等生』と言う名の檻が憎かった、誰でもいいからこの苦悩をぶちまけたかった。
 ……気がつくと涙が出ていた、情けない、止めなければ、積み上げてきた物が崩れる前に。
「……いやです」
「! どうしてだっ! 使ってくれればそれで良いんだ!」
 思わず身を乗り出す、自分自身何をしたいのか分からないくせに。
「いやったらいやです!」
「っ!」
 突如、彼の外見からは想像も出来ないほどの気迫を浴びせられて思わず身がすくむんだ。
「……どうして? どうして私を頼ってくれない」
「……実は、見てしまったんです。一ヶ月前、会長さんがここでしていたことを」
 私は思わず息を呑む。
「見られていた……のか」
 一ヶ月前、私はここで満点のテストを思いっきり破り捨てた、跡形もなく。
自分を『優等生』と呼ばせてしまうそれを、自分が『優等生』として居ることになる場所で。

「あの時に分かったんです、会長さんが苦しんでいるってこと……でも、僕には何も出来ない。
会長さんが笑っていたことがないと分かっていたけど、一介の生徒である僕じゃ何の慰めも
与えられない! きっと下手なことを言えば会長さんは傷ついてしまうから……今以上に苦しんでしまうから……」

 彼も吐き出すように続ける、今度は彼自身の苦悩が出てくるように。
「だから……せめて僕の分だけでも、会長さんに『苦労』はかけたくないと……」
 ぽつり、ぽつり、俯いたままの私の耳に聞こえてくる懺悔の声。
「そう思ってきたけど、でも僕は……聞いてしまったから。会長さんの本心を聞いてしまったから。だから、僕も言う」
 涙は止まらなかったが、彼の声はよく聞こえた。
「お願い、だから無理しない、でよ……あんな『優等生』な会長さん、は、見たくないよっ……」
 興奮していたのかすっかり敬語が外れた口調で叫んで、彼もまた……俯き、泣いていた。
その場をしばらく、ポタポタと零れおちる水音だけが支配している。

「もう少しで良いからヒック……素直になってヒック……みんなを頼って、誰だって会長さんのこと好きだから……あんな、あんな顔をしないで……」
 涙でくしゃくしゃになった顔で訴えかけてくる、そうか……一人だと思いこんでいたのは私だけだったのか……私は同じように涙でくしゃくしゃになった顔を上げる、溢れる涙を止めようなどとは思わずに。

「……すまない。でも……ありが、とう、本当に、ありがとう」



 そう言って私は彼を思いっきり抱きしめた、しがみつく様に、寄り掛かる様に。
「……!!? かっかかいかか会長さんっ!?」
 個人的には抱きついた、と表したいところだが同学年でも生憎私の方が少し背が高い。
構図的には抱きしめたと言わざるを得ないだろう。でもその抱きしめた体は私の体よりずっと、ずっと立派なもので満ちている。
「すまない、でも少しだけ……少しだけでいいから、こうさせてほしいんだ」
 彼の肩辺りに顔を埋めてまた泣く、彼もまた嫌がらず私の方に寄りかかってきてくれた。

……嬉しかったんだとても、何より、私の為に泣いてくれる人が居ることが。


「――それにしてもいきなりで、びっくりしました」
 ようやく落ち着いた私たちは二人一緒にお茶を飲んでいる、鍵がかかるのは七時なのでもう少しは居てもバレない。
「いやすまない、嬉しかったものでつい――本当にすまなかった」
「あ、いやいや、その――嬉しくはあったんですけど、その、ムネが」
「む――――――このエロ」
「あわわわわわ違います! 僕はそんなつもりじゃ!」
 慌てて否定する彼、少しイタズラ心が掻き立てられた。
「冗談だ、でも悪いと思うなら一つお願いがある」
「え?」
 ビクッとして身をすくませる彼。
「敬語はやめて欲しい、同学年でもあることだしな」
「う……わ、分かったよ、善処するね」
 彼の態度を見ていればわかるがこういうのは苦手のようだ、少しイタズラが過ぎたかな?
「……それにしても、大胆なことするんだね」
「うん、君が言うようにもう少し素直になってみようと思ってな」
 楽しい時間が過ぎるのは早いと言うのは本当のようだ、もう七時とは信じられない。
「――そろそろ帰ろうか、君のご両親も心配するだろうし」
「そうだね、今日はいろいろとごちそうさま」
「いやいやこちらこそ」
 持ってきていた水筒を鞄にしまう、彼とならこうしてまたお茶をするのも悪くない――
「っとちょっと待て、そう言えばすっかり忘れていたが君の名前は?」
「僕は男っていう名前、目立たない方だから知らないと思うけど……」
 その名前を脳裏によく刻み込んでおく、大切でしょうがなくなったその名を。
「男か、覚えた。ちなみに私はクーと言う、気軽にそう呼んで欲しい」
「分かったよ、クーさん」
「クー」
「あうぅ……分かったよ、クー」


 それから数週間、私に特に目立った変化は無い。強いて言うなら以前より頼られるのが心地良くなったことだろうか。今も生徒会が終わったところに早速下級生がやってきた。
「かいちょーう、これ今年度の予算表と次の委員会の資料です。それと……」
「ん?」
「疲れているだろうと思ってココアなんて入れちゃいましたー! バーホーデンのやつを良く練って
ミルクと砂糖アリアリに入れたバージョンですよー」
「今の台詞どこかで……まぁいいか。今の時期はまだ冷え込むからな、ありがたく頂くとしよう」
 口の中に甘い香りが広がる、……少し甘過ぎか?
「そういえば会長、今日は男先輩居ませんね? いつもは会長が仕事を終えるまで一緒に傍に居てくれるのにぃ〜」
 ごつん。
「痛い〜〜〜〜! 会長何するんですか〜! 暴力反対〜! ガンジーに殴られろ〜!」
非暴力者に暴力行為をさせてどうする、なんて野暮なツッコミはやめておくことにしよう。
「男なら居なくて当然だ、私が委員会が終わったら屋上で待つように言ったんだからな」
「え? この寒空の下に? ……男先輩、寒いからって逃げ出してなきゃいいけど」
「大丈夫だ、男は約束を守る人間だぞ。だって――」
「だって、何ですか?」
「そこは、乙女の秘密ということにしておこう」
 乙女の秘密……多分今までの私なら決して出てこなかった言葉だ、イメージに合わないかもしれないな。
「え〜〜〜っ! ズルいですよっ!」
 そんなやりとりをして私は教室を後にする、向かう先は決まっている、足取りは軽い、男が風邪を引かない程度には急がなければ。
 ……程なくして屋上前に着き、扉を押し開ける、そこに待っていてくれるのは私の大切な人。私を素直にしてしまった魔性の男性。
だから私は素直に打ち明けさせて貰うことにしよう、この想いを、大好きな人に。

「男、改めてお願いしたい……私と――正式に、付き合ってくれないか?」

 そのお願いに、彼はその小さな首を一つ縦に振って答えてくれた――
974ほんわか名無しさん:2007/09/17(月) 21:40:44 0
GJ!
975ほんわか名無しさん:2007/09/17(月) 21:41:01 0
というわけで【ただのクール → 素直クール】は終了。
>>972は 【ただのクール → 素直クール 8】の間違いです、失礼。
普段文を書かない人間がただでさえ書いたことのないシリアス風味を書くと
これだけしかなくても2時間もかかるという恐ろしい罠っ……!

あ、あと遅れたけど>>964 GJ
976ほんわか名無しさん:2007/09/17(月) 22:01:21 0
>>975
また間違えてた、【ただのクール → 素直クール 7】の間違いだった……しっかりしろ、俺。

ついでに言うと>>968にも誤植があった、なんなんだ、すくむんだって
977ほんわか名無しさん:2007/09/18(火) 02:36:49 O
GJ!!
ヘルシングネタワロタww
978ほんわか名無しさん:2007/09/20(木) 12:34:53 O
クー「そういえば男。君は重度のガンダム好きだったよな」
男「まぁ」
クー「そうだなぁ……ハマーン、なんだかお股がヌルヌルするぅー」
男「なぜミネバ様。しかもエロネタ」
クー「これは嘘の話しなんだが、君の友人に言えと強要されてだな、仕方なく」
男「あ? お前、誰に強要されたんだ。明日見つけだして、ぶっ殺してやる」
クー「えー! 心の準備もなく、いきなりのノリツッコミは心臓に悪いぞ」
男「たまには逆にプレッシャーを与えてみるのもいいかな、と」
クー「君が急に怒りだすと、胸がキューっと締め付けられて、涙が出てくる」
男「クー。ちょっとふざけすぎた。ごめんな」
クー「わかった。なぁ切ないぐらい痛いから、痛いの痛いの飛んでいけやってくれ。胸の谷間に手をやって」
男「……痛いの痛いの飛んでいけ」
クー「しまった! このままでは死んでしまう!」
男「なんだよ」
クー「飛んでいった痛いのが、唇とお股と胸に転移した。痛いよー痛いよー」
男「……」
クー「お兄ちゃん。お股がジンジンするー」
男「答えはNO! だ」
979ほんわか名無しさん:2007/09/21(金) 02:52:14 0
クーがあほの子みたいだwwwwwwGJ!
980ほんわか名無しさん:2007/09/21(金) 09:31:58 0
>>978
コイツは素直クールじゃないッ!!

コイツは…アホの子クールッ……!!
981ほんわか名無しさん:2007/09/21(金) 16:07:30 O
>>978
(゚д゚)……

ピノだ、ピノ持ってこい!
982ほんわか名無しさん:2007/09/21(金) 17:16:24 0
ピノ懐かしいなwww
とはいえ、ピノの話は新ジャンル学園でだぜ
983ほんわか名無しさん
バカな子ほどかわいいってのはこういうことだったのか