あり、おり、はべり、いますがり・・・

このエントリーをはてなブックマークに追加
124国語
論点の整理を。
1「事故によるけが人はなかった」/「事故によるけが人はいなかった」の正しさについて
   どちらも可。
2「事故によるけが人はなかった」は、「事故によるけが人はある」の否定文
   人(や生物)に対して「ある」を使えるのか?というのがそもそもの疑問点だろう。
3「車がいる」もよく聞かれる
   無生物に「いる」が使われ得る原理は何か?
∴論点1=「ある」「いる」の使い分けを明らかにしよう。
4「ビールが売っている」は許容できるか
   「AがBしている」の「Aが」にくるものは主語か否か。同様に
   「AがBしてある」についても。これについては上記の形を
   [AをBする]a+[てある/いる]bととるか、[Aが]c+[Bしてある/いる]dととるかで
   かなり感覚が変わってくる。
   []aの中のAは明らかに目的語で、を→が の交替があったと考えればいい。
   []cのAは、主語または主題である。この分析をした時、
   [Aが]c+[Bしてある/いる]d → [Aが]c+[Bする]d'としようとすると、
   違和感のないものと、とたんに違和感が生じるものが存在する。
   「A、Bしてる」の省略形、「AがBしたい」等との関係も考える必要がある。
   さらに論点1の問題(ある/いる)の違いが、許容度に影響を与えるのかも問題。
   動詞の性質(自動詞か他動詞か、瞬間動詞か結果動詞か、etc...)
∴論点2=「ている」「てある」文の文構造を明らかにしよう。
「が」だけでなく「は」も考慮して欲しい。
次の例は不自然でなく聞こえるが、どうか。

1.「あそこのコンビニはビールは売っているが焼酎は置いていない」
2.「あの酒屋は(店主の主義で)ビールは売るが発泡酒は売らない」

これらはc主題の「は」であるか。
1.は「は」を「が」に置換可能だが2.はヘン。
>>123
方言の違いってことで解決させちゃうの?
>>125
主題の「は」ではない。対照の「は」だ。
128名無し象は鼻がウナギだ!:02/01/17 06:46
>>124
国語さん、>>90で言ってた、先行研究ではどう説明してるんですか?
129国語:02/01/17 22:00
>128
>>125,>>127 のことですか? だとしたら普通は対照の「は」という方が適切だと
思うけれど。「何を売っているの?」という問いかけがあるような文脈を想起できる
場合は、いわゆるとりたての表現と扱うのがいいかと。

>>90で書いた時に指摘していたことを知りたいというお尋ね? だとしたらそれは、
たとえば40番台と80番台でやりとりのあった、格助詞「が」に関する扱いのことなど。
「が」はいうまでもなく主格のみを表すものではなく、
・水が欲しい。/水が飲みたい。
などの「水が」を対象格と呼んで区別する(つまり正統な用法として認める)立場も
あります。もちろんこれには、上記を
・水が(私の)欲しい(ものだ)。
の括弧内が省略された形なのだという反論、その他いろいろな考えがあります。
全部書こうとするとすごく長くなりそうだし、90を書いたのはそもそも、これら
のことにあらかじめ共通理解があれば、40番台、80番台の中のいくつかのやりとりの
ような、ある種の遠回りをすることなくタイトルにある「あり・をり」、つまり
存在詞文の特殊性について直接つっつき合えるのにな、と思ったからです。
>>124 で論点の整理がしたかったのは、「ある・いる」を正面から扱うスレに戻る
といいな、と思ったからです。
ここに集まる人が全員学者である必要はないし、専門的な勉強をしたことの人が
発言できなくなる雰囲気でない方がいいという気もし始めたので、知ってるぶった人
(例えば私のことです^^;)知ってる限りを書きまくるってのは、果たしてよいこと
なんでしょうか。
皆さん、もし面倒でなければ、発言する前に、Googleなどでちょこっと検索をかけて
みてはいかがですか? 書こうと思っていたことがすごく昔からごく普通に指摘され
ていた事だったり、実は自分の考え方がずれてたりすることがわかることもあります。
「あり・をり」など存在詞文の特殊性についての、先行研究を知りたいアゲ。
131国語:02/01/18 21:11
Googleで検索してけっこうまとまってるものを見つけました。
中に存在詞(←古い言葉なんですね)に関する記述もあります。
h t t p ://member.nifty.ne.jp/4423/unaigibun.htm
カウンタが回るからTOPから入ってあげるほうがいいのかな?あらしちゃだめですよ。
132名無し象は鼻がウナギだ!:02/01/19 05:44
TVにイマソカリという若手のお笑いコンビが出ていたぞ。
>>124を叩き台に、再開しませんか。アゲ。
134エツゥー:02/01/22 13:14
>1
「事故による怪我人はなかった。」の方がただしい!
なぜなら、それが僕の直感だから。
みんな、直感を信じてください。
日本語の文法というものは、どんな「文法書」をみるよりも、
日本人であるわれわれの直感に聞くほうが早いのです。
135sage:02/01/22 13:22
>>134
直感が異なる人はどうしますか。直感はしばしば誤りますが度婦しますか。
直感を裏づける論理、それを説明できる言葉を見つけてこそ学問です。
136名無し象は鼻がウナギだ!:02/01/22 15:43
>>135に激しく同意します。
>>121-122
>「飲む」ってのは、ある程度時間がかかる行為なのに対し
>「売る」ってのは、瞬間的な行為だという違いがあるのでは?
逆ではないか。
飲むのはその時だけだが「ビールが売っている」はその店ではいつも販売中なのである。
「映画がやっている」「番組が放映している」も同様。
これらの例における「〜ている」は「動作の進行」ではなく「状態の継続」を表す。

ところでこれらの用法には「〜中」の類推が働いてるのではないか。(>>12-13
継続動作動詞に「中」を接続させると「食事中」「勉強中」など動作の進行を表し、
瞬間動作動詞に「中」を接続させると「閉鎖中」「凍結中」など状態の継続を表す
とされる(『月刊言語』1975年3月号、読者欄参照)。そして
「一般的に言えば、「ナニナニ中」(調査中)という表現が可能であれば、
「ナニナニしている」(調査している)という表現も可能である」由。
これを補助線として「ビールが売っている」を再考できないか。
>>137
「ビールが売っている」「映画がやっている」「番組が放映している」
は「動作の進行」も表せると思われ。

一時間前から、ハリーポッターがやっている。(動作の進行)
一ヶ月前から、ハリーポッターがやっている。(状態の継続)
139名無し象は鼻がウナギだ!:02/01/23 21:28
限量的存在文 QE
空間的存在文 SE
>>139
で、この場合に当てはめるとどうなるのさ?
○ビールを売っている
×ビールを売っていた(過去)
○ビールを売ってある
×ビールを売ってあった(過去)

×ビールが売っている
○ビールが売っていた(過去)
×ビールが売ってある
○ビールが売ってあった(過去)

…これは論外か。
142名無し象は鼻がウナギだ!:02/01/24 13:38
>>141
「昔は、あの店でも日本酒を売っていたんだが……」
↑どこが×なのさ? アナタ語感、ヘンです。
それに>>134みたいな直感判断はもういい。それをどう説明するか。ですよ。
143 :02/01/25 06:36
>>ビールが売っていた(過去)
これなんか変。僕の直感では(笑)
「ビールが売られていた」の方がよくない?
>>143 既出の論点を繰り返しなさんな。>>14のリンク先(下)参照。
問題は、「ビールが売っている/売っていた」を不自然に感じない話者も
現に多数存在することで、この事実を如何に説明できるか、である。
145名無し象は鼻がウナギだ!:02/01/27 20:38
>143
「ビールが売られていた」

この類いの受身形はいかにも英文直訳調な感じがする。

オレは「ビールが売っていた」にも違和感を感じない。
小説や映画の用例を探せばけっこうあるはず。
google等で検索すればもちろんたくさんヒットする。

146 :02/02/02 02:57
>>145
ビールが何を売っていたのかな?(笑)
>>この類いの受身形はいかにも英文直訳調な感じがする。
日本語にはもともと受身形はなかったとでも?
受け身は英語だけだとでも?
英語コンプレックスなんだね。わかるよ。
147145ではないが:02/02/02 13:37
>146
>ビールが何を売っていたのかな?(笑)
そんな話は、>>14のリンクをはじめ、すでに語られていることなんだが。
このスレ全部読んだの?

だれも、日本語にもともと受け身がなかったなんて言ってないじゃん。
受け身が英語だけとも言ってないじゃん。
>145にある「この類いの」というのが読めなかったの?

「ビールが売っていた」という表現をよしとする人にとっては、
「ビールが売られていた」という表現は回りくどく聞こえるんだろう。
>145にいう「英文直訳調」というのは、この〈回りくどい表現〉を英文の影響と
考えて言ったものだと思う。
少なくとも、受け身が英語だけで、日本語にはもともとなかったなんて、誰も
言ってないんだよ。
148 :02/02/03 00:02
ぷっ。(*'m')
マジレスしてやんの。
149名無し象は鼻がウナギだ!:02/03/26 12:13
結局……? 
誰もうまい説明は出せませんか。
この辺に関する先行研究でもないのかな。
150名無し象は鼻がウナギだ!:02/04/09 17:20
                 /\             /\
               // \           // \          |
              //   \         //   \       ―┼―
             /∠___ \____∠∠___ \      /|
            /                        \       |
           /                          |
          /     / ̄ ̄ ̄◎\   / ̄ ̄ ̄◎\  |    ___
         |:       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       /
         |::       _               _   |     \/
         |::::      | \            /|  |      \
         |:::::::     | \             //   |
         |:::::::        \_______/     |    ──┬─
         |:::::::::         \□□□ □■□  /           |       │
          \::::::::         \      /       /     ──┴──
           \:::::::::         \□□/      /
            \:::::::::::::::::::                /      ──┬──
             \:::::::::::::::::::::::            /        ──┼───
              |::::::::::::             /            │
              |:::::::::             |             │
              |::::::::             |              └──
              |::::::::::            |              │
             /:::::::::      _∠ニニ)_L___      ──┼──
           /::::::::::      /:::::::            )        │
         /::::::::::::      /:::::::::      ̄) ̄ ̄ ̄ ̄        │
       /:::::::::::::::::     /::::::::::       )|             /
     /:::::::::::::::::       |::::::::        )|           /
    /::::::::::::::::        |::::::   ____)|            ___
   /:::::::::::::         |:::::   /      |             |/
  /::::::::::::           |::::::  |       |             |
                                             /   
151名無し象は鼻がウナギだ!:02/05/13 22:32
152名無し象は鼻がウナギだ!:02/05/13 22:51
>>146
実際、売ってるるのは人で、売られてるのはビールと、ちゃんと通用するで。
「象は鼻が長い」「太郎君は花子さんのことが好き」とかいうときの「が」
はなんで主語でなく対象だったりするのに「が」で受けてるのかとか、説明
できる?
124 :国語 :02/01/14 16:07
論点の整理を。
1「事故によるけが人はなかった」/「事故によるけが人はいなかった」の正しさについて
   どちらも可。
2「事故によるけが人はなかった」は、「事故によるけが人はある」の否定文
   人(や生物)に対して「ある」を使えるのか?というのがそもそもの疑問点だろう。
3「車がいる」もよく聞かれる
   無生物に「いる」が使われ得る原理は何か?
∴論点1=「ある」「いる」の使い分けを明らかにしよう。
4「ビールが売っている」は許容できるか
   「AがBしている」の「Aが」にくるものは主語か否か。同様に
   「AがBしてある」についても。これについては上記の形を
   [AをBする]a+[てある/いる]bととるか、[Aが]c+[Bしてある/いる]dととるかで
   かなり感覚が変わってくる。
   []aの中のAは明らかに目的語で、を→が の交替があったと考えればいい。
   []cのAは、主語または主題である。この分析をした時、
   [Aが]c+[Bしてある/いる]d → [Aが]c+[Bする]d'としようとすると、
   違和感のないものと、とたんに違和感が生じるものが存在する。
   「A、Bしてる」の省略形、「AがBしたい」等との関係も考える必要がある。
   さらに論点1の問題(ある/いる)の違いが、許容度に影響を与えるのかも問題。
   動詞の性質(自動詞か他動詞か、瞬間動詞か結果動詞か、etc...)
∴論点2=「ている」「てある」文の文構造を明らかにしよう。
再考を促したい。
「水が飲みたい」と「水を飲みたい」はどう違う?
http://www.alc.co.jp/jpn/com/nndm/q0025.html
構成要素の結びつき方に違いがあります。「水が飲みたい」は「水が+(飲み+たい)」、「水を飲みたい」は「(水を+飲み)+たい」であると分析することができます。
この違いは、次のような副詞が挿入された場合の許容度として反映されます。
 ?水が3杯飲みたい。
  水を3杯飲みたい。
 ?水がゆっくり飲みたい。
  水をゆっくり飲みたい。

「タイ構文におけるガーヲ交替の研究」
http://www.obirin.ac.jp/gscl/kenkyu/2000/19941122.htm

小川栄一「「水が飲みたい」「水を飲みたい」式表現の用法差―室町期の状態―」『日本語と日本文学』ニ、1983年
>>156
とすると――

ビールが+(売って+いる)/(ビールを+売って)+いる

――ってことか?
用例
「浅草の仲店にお正月の獅子舞いのお獅子、子供がかぶって遊ぶのには
手頃な大きさのが売っていたけど、欲しくないか。」
――太宰治『人間失格』
http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/301.html
http://academy.2ch.net/test/read.cgi/gengo/1039150999/363-372
363 :名無し象は鼻がウナギだ! :02/12/17 17:39
え、、と、、すみません、日本語を勉強している韓国のものなんですけど、
ちょっと伺いたいものがありまして、、

1)帽子が入荷します
2)帽子を入荷します

どちらのほうが正しいんでしょうか。
gooには、
「初物が入荷する」
って例文がのってあります。ま、納得って感じですけど、
そうすると、「帽子が入荷します」のほうが正しくて、
「帽子を入荷します」っていうのは間違っているのでしょうか。
どうか、お教えください。
>>159
「そうは問屋が卸さない」という言い回しを連想しました。
>>160 ……???
162名無し象は鼻がウナギだ!:02/12/19 17:26
「帽子が入荷します」…帽子だけでなく、他の品物も同時に入荷してるかもしれない。
    また、わざわざ注文したのではなく毎月とか毎週入荷してるイメージがある。
「帽子を入荷します」…帽子だけをわざわざ注文して入荷するイメージがある。
http://academy.2ch.net/test/read.cgi/gengo/1039150999/426-428n
426 名前:名無し象は鼻がウナギだ! :02/12/19 17:04
「Aを好き」は、誤り?
「Aが好き」じゃないとだめ?

「Aを好きになる」は違和感ない。「好き」は形容動詞だけど、「好きになる」
は動詞だから良いのかな?

「Aを好きだった頃」は、「Aを好き」ほどの違和感はないけど、どうなんだろう?


427 名前:名無し象は鼻がウナギだ! :02/12/19 18:49
>>426
前スレに同様の議論がありましたが、「○○が好きだ」「○○を欲しい」など、
形容詞や形容動詞にヲ格を取るのは最近では許容の範囲内のようです。
164 :03/01/06 01:25
文法的に論ずるならば「ビールが売っている」は変だと思う。
変に感じないのは一般には文法どおりに話されてなくて
それを聞きなれているからでしょう。
「黒板を消す」とか日ごろ言うけど本当はおかしいのと同じ。
165名無し象は鼻がウナギだ!:03/01/06 01:36
>>164
「ビールが売っている」も「黒板を消す」も文法的には完璧だろ。
(文としてもおかしいとは思わないが。)
166山崎渉
(^^)