>>115 動詞「欠ける」「欠く」がある場合、
口語だと、連結子音、連結母音の後続音脱落により、
未然形[kake + anai --> [kakenai], [kak + anai] --> [kakanai]
連用形[kake + imasu --> [kakemasu], [ka + imasu] --> [kakimasu]
終止形[kake + ru] --> [kakeru], [kak + ru] --> [kaku]
仮定形[kake + reba] --> [kakereba], [kak + reba] --> [kakebe]
と(命令形を除き)体系だって説明できるが、文語だと
未然形[kake + azu] --> [kakezu], [kak azu] --> [kakazu]
連用形[kake + tari] --> [kaketari], [kak itari] --> [kakitari]
終止形[kake + xu] --> [kaku(?)], [kak + xu] --> [kaku]
連体形[kake + xuru] --> [kakuru(?)], [kak + xru] --> [kaku]
已然形[kake + xureba] --> [kakureba(?)], [kak + xureba] --> [kakeba(?)]
となり、どうしても連結子音、連結母音以外の法則が必要になる。
(例えば、仮想子音 x は子音結合では後続母音を削除し、母音に挟まれると
前出母音を削除する・・・それでも、苦しいね。)
よって二段活用と四段活用の全活用形を統一的に説明することが
複雑になる。もともと、語源意識を無視した便宜法であるだけに、
ここまで複雑になった時点で、この作業はお終い。
あとは、大野晋に任せるしかない。
(でも、大野晋の「活用形の起源」説も結局二段活用と四段活用の
未然形が説明できないんだよね。たまたま已然形と命令形が
甲乙母音に『偶然』ヒットしたいうレベル。)
>>118 >原型がkakruだった
これは誤解ですね。kakにruがくっつくときは必ずrが脱落すると
言っているわけであって、いかなる意味においても、kakruなどと
いう語形が存在するというような主張をしているわけではないわけ
です。
それから、Blochを、まぐれ当たりした素人みたいに思っている人が
いるようですが、彼は、チョムスキー登場直前の米国の言語学界に
おける最も優秀な研究者の一人だったのです。別に、だからと言って
彼の理論が正しいはずだと言っているわけではありませんが。