トンデモ言語学の世界

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117名無し象は鼻がウナギだ!
>>115
動詞「欠ける」「欠く」がある場合、
口語だと、連結子音、連結母音の後続音脱落により、

未然形[kake + anai --> [kakenai], [kak + anai] --> [kakanai]
連用形[kake + imasu --> [kakemasu], [ka + imasu] --> [kakimasu]
終止形[kake + ru] --> [kakeru], [kak + ru] --> [kaku]
仮定形[kake + reba] --> [kakereba], [kak + reba] --> [kakebe]

と(命令形を除き)体系だって説明できるが、文語だと

未然形[kake + azu] --> [kakezu], [kak azu] --> [kakazu]
連用形[kake + tari] --> [kaketari], [kak itari] --> [kakitari]
終止形[kake + xu] --> [kaku(?)], [kak + xu] --> [kaku]
連体形[kake + xuru] --> [kakuru(?)], [kak + xru] --> [kaku]
已然形[kake + xureba] --> [kakureba(?)], [kak + xureba] --> [kakeba(?)]

となり、どうしても連結子音、連結母音以外の法則が必要になる。
(例えば、仮想子音 x は子音結合では後続母音を削除し、母音に挟まれると
前出母音を削除する・・・それでも、苦しいね。)
よって二段活用と四段活用の全活用形を統一的に説明することが
複雑になる。もともと、語源意識を無視した便宜法であるだけに、
ここまで複雑になった時点で、この作業はお終い。

あとは、大野晋に任せるしかない。
(でも、大野晋の「活用形の起源」説も結局二段活用と四段活用の
未然形が説明できないんだよね。たまたま已然形と命令形が
甲乙母音に『偶然』ヒットしたいうレベル。)
>>117
>[kak + ru] --> [kaku]
で、この辺↑がトンデモ、と。
書く・掻く・缺くの原型がkakruだったてのは無理がある。
 cf.「アルタイ語屋さん、清瀬義三郎則府について」
  http://mentai.2ch.net/test/read.cgi/gengo/1013347411/15-23
119115:02/02/28 23:52
>>117>>118

どうもありがとうございます。
現代語と同じ法則を適用しただけでは説明が終わらず、仕方なく法則を追加すると複雑になって便利でもわかりやすくもなくなり、さらには語源まで考慮するとトンデモになる、という理解でいいでしょうか。
120名無し象は鼻がウナギだ!:02/03/02 14:35
>>118
>原型がkakruだった

これは誤解ですね。kakにruがくっつくときは必ずrが脱落すると
言っているわけであって、いかなる意味においても、kakruなどと
いう語形が存在するというような主張をしているわけではないわけ
です。
それから、Blochを、まぐれ当たりした素人みたいに思っている人が
いるようですが、彼は、チョムスキー登場直前の米国の言語学界に
おける最も優秀な研究者の一人だったのです。別に、だからと言って
彼の理論が正しいはずだと言っているわけではありませんが。
121名無し象は鼻がウナギだ!:02/03/02 14:46
もう一つ補足しておきます。
幼児が言語を習得する際に接するのは、当該言語の現在の状態だけです。
例えば、日本語を習得する幼児は、現代日本語に接することを通じて
現代日本語を習得するのであって、古典日本語に接する機会は(通常は)
ありません。したがって、古典日本語がどのような規則性を持っているか
という問題は、現代日本語の文法体系を考える際には無視して構わない
はずです。と言うか、無視すべきです。そうしないことの方がトンデモ
です。国語学系の「活用」理論自体をトンデモ呼ばわりする気はあり
ませんが。
122名無し象は鼻がウナギだ!:02/03/02 17:05
とうとう「日本語には活用はなかった(上代編)」が登場しちゃいました。

http://member.nifty.ne.jp/ComWin/ja/colum011.htm#joudai
123オッカムの剃刀:02/03/02 20:33
>>120
>これは誤解ですね。kakにruがくっつくときは必ずrが脱落すると
>言っているわけであって、
必ず脱落するものをナゼわざわざくっつけるのか。
初めからkak+uにすればよいだけのこと。
無理にkake+ruと平仄を合せようとするから不自然になる。
よけいな存在物を増やしてはいけません。