FFの恋する小説スレPart6

このエントリーをはてなブックマークに追加
523名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/15(日) 18:46:25 ID:/kFvGmkF0
>>516-521
>加速してでも踊り続けよう。

そう来たか!あの人だったのか・・・!
崩したどころか、ものすごいイメージアップですよ奥さん!
乙とGJを加速しながら贈りますwww
524名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/15(日) 21:38:46 ID:uXfbiqI00
>>516-521
狂おしくGJ!!
ハチミツでもしや…と思ったけど。
そっか…彼も一応神羅の上層部に居たんだもんなぁ。
525名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/16(月) 23:16:02 ID:N7Yr33KT0
GJ!!
本編ロケット村でタイニーブロンコ回収する時
「わし、宇宙部門統括 なのになんでわしがこんなこと…」
てかんじの台詞を言ってたけど、あのうひょひょキャラの裏に
今回みたいなシリアスな一面が隠されていても不思議じゃないと思った
◆Lv.1/MrrYw氏の書かれる小説好きなので、もし兵器開発部門編を投下されたら
また読みに来ます
526名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/17(火) 14:25:33 ID:KTW01bdZO
イイヨイイヨー!
このスレいつも楽しませてもらってます
保守
527名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/18(水) 09:03:22 ID:Tmc7UBjP0
保守
528名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/19(木) 13:16:32 ID:IkyB/0y+O
ほしゅ
529名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/20(金) 11:05:08 ID:kfuWU+bm0
保全
530FF6 : The Executor 1:2006/10/21(土) 01:48:38 ID:qzhiFqSj0
舞台:FF6(大三角島上陸後/魔大陸浮上前)
注意:FF6のとあるアイテムの安置方法について捏造してみた(つもり)。
----------



 魔導士の末裔が暮らす小さな村。この土地に代々伝わる“時計”の物語。祖父から聞かされた
その話を、今度は孫に話して聞かせる番が巡ってきたのだ――ストラゴスは幼い頃の自分を
思い出しながら、目の前で犬と戯れる孫の姿を見つめていた。
 彼女はある歌を口ずさんでいる。

 ――大きなサマサの古時計 おじいさんの時計
    100年いつも 動いていた ご自慢の時計さ

 その歌はサマサの村に伝わる童謡で、この村で生まれ育った者ならば誰もが知っている。

 ――おじいさんの 生まれた朝に
    やって来た時計さ

 しかし、歌詞として歌われている物語は、決しておとぎ話ではない。語るに忍びない凄惨な事実を、
それでも絶やすまいとした結果なのだ。
 童謡の裏に隠された悲惨な歴史。それはサマサの民として生まれた以上、知らなければならない真実。
 代々歌い語り継がれてきた、それはサマサの歩んだ悲しい物語。
 この歳にしてようやく、ストラゴスはその一端を垣間見たに過ぎない。それは途方もなく長大な歴史。

 ――今は もう 動かない
    この時計

 なぜ、時計が動かなくなってしまったのか。
 そこに秘められた歴史と、悲劇。

 それは二度と繰り返してはならない、過ちの物語。
531FF6 : The Executor 2:2006/10/21(土) 01:52:20 ID:qzhiFqSj0

                    ***

 彼らがこの土地へやって来たことも、恐らく最初から定められた運命――あるいは、気の遠くなるような
過去からの約束が果たされただけに過ぎないのだとしたら?
 しらを切り通すことを諦め、ワシは彼らへの同行を申し出た。
 あの伝承が、遠い昔に祖父から聞かされたおとぎ話が……もしかしたら現実になってしまうのかも知れ
ない。そう思うと、居ても立ってもいられなかった。

 目の前で燃えさかる家屋。その中に取り残された愛孫を救うべく、ワシは躊躇うことなく禁じられた力を
放った。確かにその時はリルムを助けたい一心だった。
 けれど魔法を放ったあの瞬間、決めたんじゃ。
 ワシはこの目で自らのルーツを辿り、最後までその行く末を見届けるのだと。

 この身に流れる魔導の血、封印せざるを得ない力。
 果たしてそれが、世界に何をもたらすか。
 その、真実を。

 その為にはまず、ワシから語らねばならないようだ。





----------
・元ネタは某板の替え歌から。
・この話の勢いとノリは分かりませんが、ひとまず保守させて頂きます。
532名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/21(土) 01:56:11 ID:uQAvXJjr0
リアルタイム新作投下キタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━ !!
FF6では爺孫コンビが一番好きなのでうれしい。
続きをwktkしつつ期待sage
でも、ストラゴスがゾイじゃないのはモノローグだから?
533名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/21(土) 10:08:33 ID:WE7iYqtS0
GJ!
ストラゴスの一人称小説とはなんとも新鮮だ
続き激しく期待
534名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/22(日) 17:42:04 ID:QEVBHalx0
>>530-531
GJです!
自分も爺孫コンビが好きなので続きが楽しみです。
535Mission Start !〈1/3〉 ◆iQTbYgzv1U :2006/10/22(日) 17:44:26 ID:QEVBHalx0
※FF7、DC後に世界がだいぶ落ち着いて来た頃の話。
※投稿人、こんな話が読みたい!で導入部分を書いただけなので続く予定は全くなし。
 ふざけんな、と思われた方はスルーよろしこです。
※登場人物はリーブとシェルクとケット・シー。シェルク嫌いな方もスルーよろしこ。


「コスタ・デ・ソルで事件?」
「はい。」
事件、とはおかしな言い方だとシェルクは思った。
トラブルではなく、なんとなく犯罪の匂いがする。
「そこで、コンピューターの技師達が行方不明になっているんです。」
大きなテーブルが2人を遮っているせいもあり、
シェルクには話をしている相手が遠く感じる。
(と、言うよりも何故その件で私が呼ばれるのでしょう?)
相手の目をじっと見つめ、次の言葉を待つ。
今話している相手、WROの局長、リーブ・トゥエスティは穏やかにシェルクを見つめ返す。
「確か、あそこの基地は新しいマシンを導入したばかりでしたね。」
「はい。その為に必要な物の調査とリストアップは私がしました。」
それだけではない。設置や設定…全てシェルクがプランを立てた。
だから自分が呼ばれたのだろうか?
それと行方不明者となんの関係が?
「そこにシェルクさんに調査に行って頂きたいのです。」
「私が…ですか?」
WRO内にも事件を調査する組織がある。彼らの役目ではないのか?
「それは…専門外だと思いますが。」
「もちろん、そうです。」
リーブは立ち上がると、シェルクにソファに掛ける様に促すと、
手ずからコーヒーを入れ、手渡す。
これは、話が長くなるか、ややこしいお願いのどちらかだなとシェルクは思った。
536Mission Start !〈2/3〉 ◆iQTbYgzv1U :2006/10/22(日) 17:45:46 ID:QEVBHalx0
「どうも…調査の報告書を読んでいると…腑に落ちない点があります。」
「彼らも共犯だと?」
事件などという言い回しをするので、思わず“共犯”という言葉が出てしまった。
「いえ、そうではないのです。あまりにも…現実離れしていると言うか…」
リーブはそう言いながら局長室内を忙しく歩き回る。
そして、シェルクの前でふと足を止める。
「あなたにお願いするのは、先入観のない状態で状況を報告して貰いたいからです。
残念ながら、私はここを離れる事が出来ないので。」
確かに。
日常が多忙なのはもちろんだが、シェルクは彼が家に帰ったり、
またこの局長室にやって来るのを見た事がない。
しかし、身だしなみはきちんとしており、食事も摂っている様だ。
隊員達にも“私生活が謎”と言われている。
「危険はないかと思いますが、ユフィもあなたのサポートに
コスタ・デ・ソルに向ってもらっています。」
「ユフィも来るんですか?」
再会出来る事を 一瞬喜んだシェルクだが、またもやおかしな事に気付く。
ユフィは自称ウータイ一の忍びで、調査のプロのはず。
そこに素人同然の自分が何故?
「シェルクさん。」
「は…はい。」
自分の考えに沈んでいたシェルクは慌てて顔を上げる。
しかし、リーブはニコニコとどこか楽しそうだ。
「考えている事が随分と顔に出やすくなったようですね。」
シェルクは肩を竦める。
「お気持ちは分かります。…わざわざあなたにお願いするのは…
場合によってはあなたの能力(ちから)が必要になるかもしれないからです。」
シェルクの表情がサッと緊張する。
リーブは確かにシェルクをネットワークのスペシャリストとして迎えたが、
彼女独自の能力は、むしろ禁じていた程だ。
537Mission Start !〈3/3〉 ◆iQTbYgzv1U :2006/10/22(日) 17:50:08 ID:QEVBHalx0
「行っていただけますね?」
技術屋達とチームを組む事が多いシェルクの一番の悩みは予算でもなく、
はかどらないプロジェクトでもなく、どうやってスタッフを動かすかだった。
なのにこの男と来たら、畑違いの仕事までこうやって引き受けさせてしまうのだから恐れ入る。
「コスタ・デ・ソルにはどのように?」
シェルクは飲み干したカップをリーブに返す。
リーブは満足そうに頷くと、カップを受け取る。
「明日、午前8時発のフェリーに乗って下さい。
船着き場にはクラウドさんが送ってくれることになっています。
ユフィさんはコスタ・デ・ソルの船着き場で待っていてくれるそうです。」
リーブは机の引き出しからチケットを取り出し、渡す。
ここまで段取りをしておいて“行っていただけますね?”も何もないと思うのだが。
「そうそう、こいつをお供に連れて行って下さい。」
机の影からぽてん、ぽてんと不思議な足音をさせてケット・シーが出て来る。
「ケット・シー」
シェルクは思わず立ち上がると、ケット・シーを抱き上げる。
「電話も無線機もありますが、彼が居ると何かと便利ですからね。」
「ほんならシェルクはん、よろしくです。」
シェルクはにっこりと笑う。
「こちらこそ、よろしく。」

=========================================================

以下チラシの裏。
書き逃げでごめんなさいよ。映画の予告編みたいな物だと思って下さい。
漫画のリ●ート読んでたら、安楽椅子探偵よろしくケット・シーを通じて
あれこれシェルクとユフィに指示を出して事件を次々と解決!な局長と、
ユフィとシェルクは変装して潜入捜査におとり捜査(ちょっとお色気アリ)、
ピンチには仲間が駆けつけて大団円!なお話を書きかけたのですが、
投稿人、謎解き物は全くダメなのでここで終わりです。orzムシロダレカツヅキカイテー
538名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/23(月) 18:50:37 ID:1bDz2ZIpO
保守
539名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/23(月) 20:09:30 ID:8hH0GJNF0
>>535-537
乙&GJ!続きが気になるww
職人さん誰か続きを書いてはくれまいか、と言ってみるテスト
540名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/23(月) 20:26:37 ID:Zywdmx+V0
>>535-537
元ネタの漫画が分からないけどGJ!
ところで安楽椅子探偵って聞くとどうしても某警部補を真っ先に連想するんですが
外見や服装(?)的にリーブ良いと思うんですよ、犯人側としてはうっとうしいことこの上ないですがw
犯人役によってはシリアスになったりするんじゃないか?
三毛猫ホームズみたくケット・ホームズでもいいな!とか、夢がひろがり(ry。
(すいません三毛猫については元ネタ知りませんが猫つながりって事で)


ところでそろそろ次スレテンプレ案でも貼っておこうかなと思います。
480kbぐらいで宣言して立ててもらえると助かります、他力本願ですみません。
テンプレは修正などあったらお願いします。
541Part7 >>1:2006/10/23(月) 20:28:27 ID:Zywdmx+V0
文章で遊べる小説スレです。
SS職人さん、名無しさんの御感想・ネタ振り・リクエスト歓迎!
皆様のボケ、ツッコミ、イッパツネタもщ(゚Д゚щ)カモーン
=======================================================================
 ※(*´Д`)ハァハァは有りですが、エロは無しでお願いします。
 ※sage推奨。
 ※己が萌えにかけて、煽り荒らしはスルー。(゚ε゚)キニシナイ!! マターリいきましょう。
 ※職人がここに投稿するのは、読んで下さる「あなた」がいるからなんです。
 ※職人が励みになる書き込みをお願いします。書き手が居なくなったら成り立ちません。
 ※ちなみに、萌ゲージが満タンになったヤシから書き込みがあるATMシステム採用のスレです。
=======================================================================

前スレ
FFの恋する小説スレPart6
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1150527327/

記述の資料、関連スレ等は>>2-5にあるといいなと思います。
542Part7 >>2(過去スレ、板内文章系スレ):2006/10/23(月) 20:29:49 ID:Zywdmx+V0
【過去スレ】
初代スレ FFカップルのエロ小説が読みたい
http://game2.2ch.net/test/read.cgi/ff/1048776793/
*廃スレ利用のため、中身は非エロ
FFの恋する小説スレ
http://game2.2ch.net/test/read.cgi/ff/1055341944/
FFの恋する小説スレPart2
http://game5.2ch.net/test/read.cgi/ff/1060778928/
FFの恋する小説スレPart3
http://game8.2ch.net/test/read.cgi/ff/1073751654/
FFの恋する小説スレPart4
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1101760588/
FFの恋する小説スレPart5
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1134799733/


【FF・DQ板内文章系スレ】
FF・DQ千一夜物語 第五百五十二夜の2・5
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1137717472/
かなり真面目にFFをノベライズしてみる。その7
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1144319254/
もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら七泊目
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1148786712/
543Part7 >>3(書き手さん向け案内・お約束):2006/10/23(月) 20:31:39 ID:Zywdmx+V0
【お約束】
 ※18禁なシーンに突入したら、エロパロ板に書いてここからリンクを貼るようにしてください。
   その際、向こうに書いた部分は概略を書くなりして見なくても話はわかるようにお願いします。
【推奨】
 ※長篇を書かれる方は、「>>?-?から続きます。」の1文を冒頭に添えた方が読みやすいです。
 ※カップリング・どのシリーズかを冒頭に添えてくれると尚有り難いかも。

 初心者の館別館 http://m-ragon.cool.ne.jp/2ch/FFDQ/yakata/

◇書き手さん向け(以下2つは千一夜サイト内のコンテンツ】)
 FFDQ板の官能小説の取扱い ttp://yotsuba.saiin.net/~1001ya/kijun.html#kannou
 記述の一般的な決まり ttp://yotsuba.saiin.net/~1001ya/guideline.htm
◇関連保管サイト
 FF・DQ千一夜 ttp://www3.to/ffdqss
◇関連スレ
 FF・DQ千一夜物語 第五百五十二夜の2・5
 http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1137717472/
◇21禁板
 【FF】エロパロFF総合スレ 3
 sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1160480047/
 FFDQカッコイイ男キャラコンテスト〜小説専用板〜
 www3.to/ffdqss
544Part7 >>4(板設定):2006/10/23(月) 20:35:55 ID:Zywdmx+V0
【補足】
 トリップ(#任意の文字列)を付けた創作者が望まない限り、批評はお控えください。
 どうしても議論や研鑽したい方は http://book.2ch.net/bun/

 挿し絵をうpしたい方はこちらへどうぞ ttp://ponta.s19.xrea.com/


━━━↑↑ここまでが>>3(書き手さん向け案内・お約束)に記載してほしい事。↑↑━━━
━━━↓↓ここからが>>4(板設定)              に記載してほしい事。↓↓━━━


【参考】
 FFDQ板での設定(game10鯖)
 http://game10.2ch.net/ff/SETTING.TXT
  1回の書き込み容量上限:2048バイト(=2kb)
  1回の書き込み行数上限:32行
  1行の最大文字数     :255文字
  名前欄の文字数上限   :24文字
  書き込み間隔       :45秒以上
  (書き込み後、次の投稿が可能になるまでの時間)
  連続投稿規制       :3回まで
  (板全体で見た時の同一IPからの書き込みを規制するもの)
   1スレの容量制限    :512kbまで
  (500kbが近付いたら、次スレを準備した方が安全です)


━━━━━━━━━━━━━━━━━━
しくじったスマソ。
545名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/23(月) 20:45:27 ID:jmRqQbWy0
>>543
◇書き手さん向け(以下2つは千一夜サイト内のコンテンツ】)

◇書き手さん向け(以下2つは千一夜サイト内のコンテンツ)
546名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/24(火) 07:53:20 ID:GX+nr0j30
>>540
テンプレ乙です。こんな感じでおkではないかと。

自分、>>535-537 ですがGJ貰ってやる気が出て参りました。
謎解き物ではありませんが、お話が出来てきたので週末にまた参ります。
>>539>>540さん、ありがとう。
547名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/24(火) 21:38:08 ID:Djy4mMOPO
無理せずガンガレ。
548名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/24(火) 22:54:09 ID:Bm0w0zov0
マターリいこうぜ
549名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/25(水) 01:58:57 ID:2oYWemu+0
常にヒソーリ、コソーリ、マターリ。
それにしてもこのスレの作品を読んでると色々感化されるので楽しいです。
これがいわゆるインスパイアというヤツですか?w
550ALERT 01:2006/10/25(水) 02:09:50 ID:2oYWemu+0
舞台:DCFF7終了後から4年ぐらい経過した世界。
設定:FF7本編→DCFF7→FF7AC公式サイトの小説に準じた設定+個人的解釈。
    BCとかCCは考慮してませんすみません。
----------



「使途不明金……ですか?」
 彼は通信の相手に問い返すと言うよりも、直前までの会話で聞いた言葉が本当にこれだったのかを
自分に確かめる意味で復唱した。
 その意図を察したのかは分からないが、通信先はそれを肯定し、続けて彼にあることを命じた。それを
聞いて今度こそ、彼は確認するように問い返す。
「私が……その内偵を?」
 すぐさま「もちろんだ」との返答が得られた。しかしそれは“依頼”ではなく、むしろ“命令”に近いものだった。
 もっとも、これが依頼だろうと命令だろうと、こちらに拒否権が無いことは自身が一番良く理解している。
かつてはもっと汚い――身内にすら口外できないような――仕事にも手を染めていた経歴から考えれば、
内偵調査なんて今さら気が引けるようなものでもない。
 それなのに何故だろう? この違和感のような、確信を得た不安のような。とにかく心に何かが引っかかって
いる。
 通信が切断されるまで、彼は心の内を口に出そうとはしなかった。
551ALERT 02:2006/10/25(水) 02:20:25 ID:2oYWemu+0
 回線を切ると室内は静寂に包まれる。身につけた腕時計が時を刻む音、並んだ端末から吐き出される
僅かなノイズまではっきり聞こえてくる程だった。こんな場所に一人でいると、考えなくてもいい余計なこと
まで考えてしまう。
 放っておくと悪い方にばかり働く思考から意識を逸らすように手元の端末を操作し、ある画面を呼び出した。
起動と同時にプログラムが自動実行され、画面上にはそのプロセスを示すためだけに文字が流れている。
疑問も、迷いも、どんな感情も伴わず、ひたすら命令された処理を実行するだけのプログラム。それを見つめ
ながら、誰にともなく語る。
「しかし……出資している我々が、出資先の使途不明金について調査をするというのも皮肉な話だ」
 彼は実行した侵入プログラムを使い、世界的規模で展開するある機関のネットワークにアクセスを試みた。
ここに侵入するのは、正直なところ今日が初めてという訳ではない。それでも、この領域に対して接続する
のは今回が初めてである。
 流れ続けていた画面上の文字が、あるところで停止した。

 Connected to ***.***.*.*** (***.***.*.***).
 Remote system type is....

 ....access "world restoration organization"
 command _

 準備は全て整った。あとは実行者からの“命令”があるまで、この画面は動かない。端末の前にいる彼が
キーを押せば全てが始まる。逆を言えば彼がキーを押さない限り何も始まることはない。
 待機を続けるプログラムに向けて語ったところで、反応するわけではないのだが。吐き出さずにはいられない。
「世界再生機構……出資先であるこの組織の使途不明金……」
 気が引けると言うよりも、気が重い。
 いや、決して良い気分にはなれない。
「あなたは……何を考えている?」
 脳裏に過ぎった――かつて自分と同じ企業に所属し、一部門の統括責任者まで務めた――男に問う。
男は世界再生機構の創立者であり、現局長。
 ここで問う声が届くことはないと分かっていても、問わずにはいられない。それはどこか怒りにも似た衝動だった。
 会社の崩壊と共に袂を分かつことになった彼らが、再び出会おうとしている。
552ALERT 03:2006/10/25(水) 02:29:26 ID:2oYWemu+0
 出来るならば、もっと別の形で再会を果たしたいと思っていた。願えば叶うというならば、跪いて祈りを
捧げても構わないと、信仰心の薄い彼がそうまで思うのだ。事態は本人が思っている以上に深刻だった。

 祈り願うのではなく、自らの行動で叶えればいい。
 この手で実現してしまえば、思い悩む必要もない。
 任務とは、成功させるものだ。

 昔を思い出した。過酷な任務に従事する過去の自分ならば、迷わずそう思ったに違いない。
 横にあった別の端末を立ち上げる。普段であればそれほどストレスには感じない起動の手続が、ひどく
長く感じられた。その間に懐から携帯端末を取り出し、登録された番号を呼び出す。2回もしないコールで
繋がった相手に、挨拶も無しに切り出した。
「彼女の所在が判明次第、ここへ。……ああ、思っていたより状況は良くないようだ」
 伝えるべき用件以外一切の無駄が省かれた会話。それは、互いが相手を信頼している故に成り立つの
だと言うことを、本人達は無意識のうちに知っている。これを信頼と呼ぶべきかどうか、そんなことを考えは
しなかった。恐らくはこれからもしないだろう。
 考えたからといって特別なにが変わるわけでもない、だから考える必要もない。

「仮に侵入できたとしても、目的のデータに辿り着ける保証はない」
 あの人のことだ、このまま簡単に終わるとは思えない。無意識のうちに通信機を持つ手に力がこもった。
「万一の場合は……最終手段も辞さない。以上だ」
 それだけ告げて、通話を終えた。
 プログラム待機中だった端末に向き直り、男は慣れた手つきでキーを操作し、決定の意思を伝える。


 疑問も、迷いも、これが終わる頃にはすべてに結論が出るだろう。
 たとえそれが、どんな形の結末であったとしても。

                                        ―ALERT<終>―
----------
・これから本編に続く…ような気がします。
・コンピュータ等に関する知識に持ち合わせはあまりありません。記述に一部テキトーな部分があるのは
 どうかご容赦下さい。
553名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/25(水) 07:47:32 ID:54K2vC460
GJだ!
本編楽しみ!!
554名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/26(木) 09:20:32 ID:LTnhoDX20
GJ!
555名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/27(金) 13:10:49 ID:+++6jENmO
保守
556名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/28(土) 15:22:22 ID:dUaWrW0s0
557FF6 : The Executor 3:2006/10/28(土) 21:23:12 ID:qSSR4Goo0
前話:>>530-531
舞台:FF6大三角島上陸後/魔大陸浮上前。

----------
「昔、人間は魔石から魔導の力を取り出した。そして魔法を使えるようになった者を『魔導士』と
呼ぶようになった。それがワシらの祖先じゃ」
 ストラゴスは旅人の求めに応じて語り出す。それはこの村にまつわる悲しい歴史であり、これまでは
決して村の外には語られる事の無かった伝承。
「今を遡ることおよそ1000年前――長きにわたった魔大戦の後、幻獣達は封魔壁の向こうに結界を
張り、そこに隠れ住んだ。自分たちの魔導の力を、利用される事を恐れた為じゃ」
 辺境の村、外界とは隔絶されたサマサを訪れた旅人達に語った話は、いつもストラゴスの傍らにいた
リルムにとっては今日初めて聞くものではなかった。リルムだけではなく、サマサの村人なら誰もが
一度はこの話を聞かされる。
「幻獣達が去ったこの世界で暮らす人々が最も恐れたのは、魔導士の力。……当時は皆、魔大戦の
悲惨さが身にしみていたから無理もない」
(ちぇ。またじじいの長話か……もう聞き飽きたよ。それよりリルム、こいつらの話聞きたいのに)
 テーブルに肘をついて、いかにも退屈そうだという表情で祖父を見つめるリルムをよそに、ストラゴスの
話は続く。
「そこで行われたのが『魔導士狩り』。不当な裁判により魔導士達は次々と殺されていったのじゃ」
「魔法を使えること以外は何も変わりのない人間なのに……」
 旅人の一人――珍しい髪の色をした少女――が、つらそうな表情で呟いた。まるで、いま目の前で起きて
いる出来事のように心を痛めている。そんな彼女はどこか自分達と似た境遇にあるのだろうと、ストラゴスは
そんなことを思った。
558FF6 : The Executor 4:2006/10/28(土) 21:30:21 ID:qSSR4Goo0

「その時に逃げ延び、この土地に隠れ住んだ魔導士達がワシらの祖先――これが、サマサのはじまりじゃ」

 禁断の地、サマサ。
 この土地に逃げ延びた祖先から受け継いだ血。先天的に魔力を持って生まれる村人達の力の源泉。
 旅人の一人、先ほどの少女が真っ直ぐに視線を向けてくる。
 ストラゴスは観念したように小さくため息を吐いた後、こう告げた。
「君らがここへ来た目的が幻獣探しだと言うのなら、ワシも協力しよう。孫を助けてもらった礼もせねば
ならんしの」
 この言葉を一番喜んだのは、ストラゴスに協力を乞うた旅人達ではなかった。
「リルムも行く!」
 待ってましたとばかりに真っ先に声をあげたのは、まだ幼い少女だった。彼女はストラゴスの愛孫にして、
サマサに生まれた魔導士の末裔。隔絶されたこの村に生まれ育ち、まだ外の世界を知らない。彼女は
純粋な好奇心から、ストラゴスの決断を喜び、旅人達への同行を申し出た。
 それは恐らく、この場に居合わせた誰もが理解できる感情だった。同時に、だからこそこの少女を
巻き込んではならないとも思うだろう。
「ダメじゃ」
 ひときわ厳しい口調でストラゴスはリルムを制した。些か言い過ぎではないかと心配する旅人達を尻目に、
ストラゴスは一歩も引く気はないようだ。
「リルムつまんない……」
「遊びではないんじゃ。分かるな?」
 諭すようなストラゴスを睨み付けた後、リルムは無言で部屋を出て行った。感情をぶつけるようにして
閉められた扉が、ひときわ大きな音を立てた。
(……なんだよ、くそじじい!!)
 リルムが出て行った後の沈黙、部屋に満ちた空気さえストラゴスには重たく感じた。だが、これでいい。
そう必死で自分に言い聞かせながら、一方で誰かが沈黙を破ってくれるのを待つように、ただ俯くばかりだった、
「…………」
559FF6 : The Executor 5:2006/10/28(土) 21:34:05 ID:qSSR4Goo0
 一部始終を目の当たりにした旅人の一人――まだあどけなさの残る青年――は、心配そうに扉の方を
見つめていたが、やがて視線をストラゴスに向け、逸れた話を本題へと戻すべく沈黙を破った。
「しかし飛び去ってしまった幻獣を探すと言っても、一体どうすれば?」
 青年の言葉に思考を巡らし、ストラゴスはある結論にたどり着く。
「……この島に幻獣が逃げ込んだと言うならば、恐らく西にある山かも知れんゾイ」
 西の山――そこはサマサの民が代々『幻獣の聖地』と呼んできた、強い魔力を湛えた山。
「暴走した幻獣達は、その魔力に引き寄せられた……?」
 少女の言葉に、ストラゴスは黙って頷く。それを見て、青年はこう言った。
「行ってみよう」

 彼らの会話を、扉の向こうでリルムが聞いていたとも知らずに。



----------
・480kbも近いことですし、そろそろ次スレ移行を提案してみるテスト。
・もし今日で良ければ立ててみますが、いかがなもんでしょう?
 (新スレ保守の兼ね合いもあると思われるので)
560名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/29(日) 19:55:04 ID:AUTjOIk60
乙です!
それにしても人いないっすねー
561名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/30(月) 00:37:11 ID:bHB5dlBp0
>>557-559
爺と孫娘続きキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!

ドット絵でちょこまか動くリルムを思い出して(´∀`*)
プレイ中の印象ではちょっとコミカルだった
ストラゴスがこちらではどっしりした感じですね。
続きwktkの期待sage

次スレ、チャレンジしてみましょうか?
こんな夜中だと人が集まらないから明日の方がいいのかな?

562名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/30(月) 21:08:21 ID:HEcX9VyZ0
宿屋スレの新スレが立ったみたいなので、テンプレ入れる時は新スレで。

もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら八泊目
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1162106116/

このスレの移行準備が整うまで保守。
563561:2006/10/30(月) 23:20:12 ID:vpHwbPFm0
チャレンジしてみましたが弾かれましたorz
どなたかお願いします。
564名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/30(月) 23:34:44 ID:wJ2CKE8L0
自信ないけどやってみる。
565名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/30(月) 23:41:46 ID:wJ2CKE8L0
無理でした…
566名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/31(火) 20:23:37 ID:PT4lXM8f0
自分も駄目だとオモ。でも駄目元でやってみる。
567名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/31(火) 20:30:55 ID:PT4lXM8f0
FFの恋する小説スレPart7
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1162293926/l50
テンプレ最後ミスったorzスマソ
568名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/31(火) 21:25:43 ID:HPi4gGWB0
>>567
ヨチヨチ( *´д)/(´д`、)アゥゥ
自分ダメだったのでものすごく助かりました。トン!
新スレ誘導のため、一旦ageますね。
569名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/11/05(日) 11:08:20 ID:eqbG9eCN0
落ちる前に誘導し隊!というわけで上げてみる
皆様次スレでもよろしくお願いいたします。
570名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/11/26(日) 22:12:58 ID:bqhhwaBaO
最下層あげ
571名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/11/26(日) 22:34:08 ID:R/Flj1mC0
じゃあ俺も記念に
572名前が無い@ただの名無しのようだ
ちょwww>>569から>>571まで21日開いてたwww落ちなすぎwww
といいつつビックリ記念あげ。