り
お
る
と
ろ
す
ふ
い
あ
ー
論
現在512kb。
そろそろ次を立てた方がいいか?
>>709 ?専ブラで見たら477KBなんだが?
次スレはまだ少し早い気もするが、職人さんが快適に投下できるように
環境を整えておくのも大事だとも思った。どうなのかな?
専ブラだと477KB、ブラウザで見ると478KB
もう少し後でもいいとオモ
ほ
ごめん。
ファイルをローカルに落として情報で重さ見たら
512kbだったんだよ。
dat見たら480くらいだった。( TДT)ゴメンヨー
ぼ
前話:
>>372-377 (リーブinFF6という奇妙な設定です。苦手な方は回避推奨)
----------
***
……と、言うわけで。
ケアルを施され、ようやく体調も回復した私は改めて礼を述べると、目の前の見るからに人の良さそうな
老人と、好奇心旺盛な少女は、屈託のない笑顔で応えてくれた。
聞けば老人はこの家の主で名前をストラゴス、少女はその孫娘でリルムと言う。私達はお互いに簡単な
自己紹介を終えた後、早速この奇妙な現象について検討を始めるのだった。
互いの認識をまとめると、どうやらここは私の知っている世界ではないらしい事が分かった。
なるほど。……話の輪郭が、ぼんやりとではあるが見えて来た。
魔晄炉の炉心部に落ちた私は、そのままライフストリームの奔流に乗って「この世界」に流れ着いたの
だろう。無論、ライフストリームは星の中を循環する精神エネルギーとする説から考えれば、実際にこの
身が別の世界へ転送されたのではなく、ライフストリームに溶け込んだ様々の意識(記憶)に影響を受けた
結果、引き起こされた現象なのかも知れない。もし仮にそうだとすれば、これは私の意識が見ている“夢”と
言えなくもない。
またこの場合、私自身の肉体の存続について確証をもった回答は出せない。
しかしこの辺を追究していくと恐ろしい結論にたどり着きそうだったので、この先は敢えて考える事を
やめておく事にした。
もちろん、こうして出た推測を彼ら2人に話して聞かせるつもりはなかった。少なからず彼らは「この世界」で
生きている。彼らにとって「ここ」は夢でも虚像でもないのだから。
郷には入れば郷に従え――私はしばらくの間、この「夢」の世界の住民となることにした。夢ならばいつか
覚める時が来る。そう割り切ってしまえば、なにも悲観するような事態ではないだろう。
***
「ワシらは、封印されていた古の神の復活を阻止するために旅立つことを決めたんじゃ」
古の神の名は『三闘神』。それはこの世界に存在する魔法を生み出した神なのだと、老齢の魔導士は
語ってくれた。もちろん、私の知る限りではそんな神は存在しないし、それを信仰するような思想があると
いう話も聞いたことがない。
しかし「この世界」の中では紛れもない事実だった。それは、目の前にいる彼らの表情を見ていれば
明らかだった。
「だからしばらく家を空けるの、留守番に誰かいてくれた方がいいし。どうせおじさん行くところないんでしょ?
良かったら使ってよ」
その後に続いて少女が申し出る。正直、彼女の提案はとても有り難かった。なにせ神羅カンパニーの
存在しないこの世界で、私は住所不定無職という身分である。ここは素直に彼らの好意に甘えることにした。
それにしても、話を聞いていて不思議に思った。
老人と幼い少女が、なぜそんな危険な旅に出るのかと。彼らの内情に立ち入った事を聞くのは憚られたが、
それでも聞かずにはいられなかった。
「危険を承知の上で、なぜ?」
その言葉に、老齢の魔導士ストラゴスは眉をひそめながら、絵筆をもった幼い少女リルムは、同時にこう
反論する。
「ワシを老人だと思って甘く見とるじゃろ?」
「リルムがまだ子どもだからって甘く見てるでしょ?」
彼らに対して不謹慎ではあるかも知れないが、真剣な表情で反論するふたりの姿が微笑ましく思えた。
「まだまだ若い者には負けんゾイ!」
「見た目で決めたら痛い目みるよ!」
そんなふたりの姿に、思わず笑みがこぼれた。私は気を取り直してこう尋ねた。
「いえ……そうではないんです。ただ、危険だと知っているのに、どうしてそこへ行こうとするんです?
誰かに頼まれたんですか?」
その言葉に少女は首を横に振る。
「じゃあ、何か目的があって?」
ストラゴスさんは少し唸ってから、ぎこちなく首を縦に動かした。
「良かったらその目的を教えていただけませんか?」
命を懸ける理由があると言うなら、それを知りたかった。
「……この目で……見届けたいと思ったんじゃろうな」
「この目で、見届ける? そのために自分の命が危険にさらされても?」
死んだら全てがお終いだというのに?
「そうじゃ」
「それだけの価値があるものなのですか?」
その問いに、ストラゴスは腕組みをして考え込んでしまった。それから顔を上げ、何かを決意したように語る。
「ワシの……ルーツじゃ」
その後ストラゴスさんがそれ以上を口にすることはなかった。
***
彼らの出発は明日なのだという。明朝、彼らの仲間と共にこの村を発つのだと言った。そんな事情を知って
しまった以上、こう言わずにはいられない。
「そんな日に押しかけてしまってすみません」
意図するしないに拘わらず、彼らにとって私が突然の訪問者であることには変わりない。
「いーよ別に。それに、賑やかな方が楽しいじゃん」
対照的に、少女はあっけらかんと答えてみせる。
スケッチブックを挟んで正面に座る少女は、楽しそうに筆を動かしている。どうやら絵を描くことの方に夢中
らしい。私は彼女の求めに応じてここに座っていた。
「……ところで、私なんてスケッチしても面白くないと思いますけど」
「いーよ別に。それに、面白いか面白くないかはおじさんが決めることじゃないよ」
とても利己的な考え方だとは思うが、実際は少女の言うその通りだった。隠し立てせずストレートに語って
いるせいか、不思議と嫌な気にはならなかった。むしろ、そうと知りながらも本心を悟られまいとして振る舞う
自分の方こそが利己的なのだとすら思えてくる。
「絵を描くのが趣味なんですか? ……ええと」
「リルムでいいよ」
素っ気ない答えを返す少女――リルムの視線は、スケッチブックの上と私の間を忙しなく動いていた。
集中が途切れるから話しかけない方がいいのかと発言を差し控えていると。
「リルム様の絵は趣味なんかじゃないよ、立派なジツエキ」
「実益、ですか?」
「そ」
どうやらスケッチが完成したようだ。モノクロの陰影だけで描かれた肖像画が向けられる。
「……これは……」
紙であるはずなのに、まるで鏡を見ていると錯覚するほどの――紙の中に描かれた私は、まるで生き
写しのようで――その絵に見とれていると、くるりとスケッチブックをひっくり返され、たちまち白紙が目に
飛び込んできた。
リルムは手を休めることなく2枚目の絵を描くべく、手を動かし始めた。
「……おじさん面白いね」
「はい?」
実は先程から気にはなっていたのだが、私は既に「おじさん」と呼ばれるほど歳を取っていただろうか?
脳裏に止まる疑問を、けれどどうしても口には出せなかった。いや、まだ幼い彼女から見れば充分「おじさん」
なのだろう。そうだ決して私の容貌的な問題ではないのだ、そう思っておくことにしよう。よし、それがいい。
必死に結論を導き出している私の心中は知る由もなく、リルムはこんな感想を呟いた。
「服だけじゃなくて……見てる物も面白い。リルム、こんな物見たこと無いもん」
「えっ?」
私には、目の前の少女の言っていることの意味がさっぱり分からない。それを承知しているといった風に、
リルムは問いかけてきた。
「ここが魔法の村だって言ったの、覚えてる?」
「はい」
私が頷くと、さらにこう続けた。
「リルムね……回復魔法は使えないけど、絵が描けるんだ」
「そのようですね。とてもお上手でしたよ」
それにしても絵なら、誰にでも描けると思った。上手い下手は別として、絵が描けること自体はそれほど
特別視する能力ではないと。
しかし、その予想とは違った言葉が少女の口からもたらされる。
「リルムが描く絵は、何も目に見えている物だけじゃないんだよ」
「心象風景、ですか?」
「……そう、それもホンモノの心象風景」
その言葉に首を傾げていると、リルムは再びスケッチブックを翻す。その中身を見て、私は今度こそ息を
のんだ。
「……これは……」
それは、恐らく私でさえこの短時間で描き出すことは難しいだろうと思われる設計図面。それも、まだ完成
していない魔晄炉の精巧な図面だった。図面と言うよりも、どちらかというと外観を描写したものに近い。
「リルムはね、心を描き出す絵師――ピクトマンサーなんだ。どう? すごいでしょ」
そう言ってリルムは誇らしげに胸を張った。
驚きのあまり開いたままの口をようやく動かす、出てくる言葉を選んでいる余裕などなかった。
「すごい! ……一体どうやるんですか?」
何かの手品かと思った。いや、手品ではないことは分かっていても理屈が分からない。
もし、これは自分が見ている夢だとすれば、自分の記憶を元にこの世界が作られている。夢から覚めて
冷静に考えればそんな結論が出たのかも知れない。しかし今は、そんなことを思いつく余裕も材料も無かった。
「名前」
「……名前?」
リルムの口から出た思いがけない言葉に、私は確認するように問い返す。
「そ。絵を描くときに相手の名前を聞くの。そうするとね、その人の心を支配できるの。つまり心が見えるんだよ。
リルムはその絵を描く」
「なるほど!」
そうかと思った、これはたとえ話なのだ。
「確かに。親しい間柄である事を示すために、私も相手の名前を口に出す事が良くあります」
部下と話をするとき、取引先と話をするとき、それはいつも心がけている事だった。相手の顔を見て、相手の
名を口にする。
「相手に名前を呼ばれると安心……というのも変かも知れませんが、落ち着く感じがしますよね」
私の言葉にリルムは首を横に振った。それから顔を上げると真剣な眼差しを向けてこう言った。
「だけど相手に名前を知られるとね、完全に心を支配されちゃうの。だからうかつに教えたらダメなんだよ?」
少女の発したこの言葉には参った――心を支配、とは少し大袈裟にも思えたが上手い表現だ。彼女は
私などよりもはるかに立派な交渉術を身につけているのだろう。
だとすれば、とんでもない少女だ。
----------
・時間かかってすみません。これまだ続くんですが息抜きがてら。忘れた頃にやって来ますw
・FF6とFF7に共通(?)するアビリティとアイテムのお話が主題。
・一部表現がおかしいところ(
>>716の真ん中あたり)すみません…。たぶんリーブ一人称で作りたいんです。
・新スレ立てて頂いたとして、今のところ手元に保守投下用のストックが無いのでお役に立てないかも
知れません。ごめんなさい。
G−−−J!FF6知らないけど、リルムスゴスw
>いや、まだ幼い彼女から見れば充分「おじさん」なのだろう。
>そうだ決して私の容貌的な問題ではないのだ、
>そう思っておくことにしよう。よし、それがいい。
このへんで吹いたw
新スレ立てるなら乙レスでかせげばいいですよ
別に謝る必要なんてさらさら無いし。マターリ行きましょうや。
GJ!
おつー
乙
ほ
よし保守だ。
ぼ
ま
り
730 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2007/10/01(月) 00:24:08 ID:Tsp01z3oO
もしかしてわりと真面目にFFを小説化するスレって落ちた?
も
ん
も
ん
前話:
>>679-683 ----------
こうも立て続けとなると、さすがに息が上がった。
過去に経験してきたモンスター相手の実戦でさえ、これだけの短時間に大技を連続して放つ機会もそう
滅多になかった。それはユフィ自身が、身軽さを活かした戦術を得意としているせいもある。クラウドやシドの
ような重量武器は扱えない、だから一撃のダメージで仕留める事を狙うよりも、敵の目を攪乱させながら
不要な戦闘を回避しつつ、最小限の交戦で目的に辿り着く。それが彼女の戦闘スタイルだった。
しかし文字通りに立ちはだかる壁は行く手を阻み、回避することはできなかった。5枚目の隔壁をくぐった
ユフィは呼吸を整えるのもそこそこに立ち上がると、正面を見据えた。
――「必ず戻って来るから!」
あの時の宣言通りにここまで戻って来た。
この扉の先に、リーブがいる。自分のことを「星に害をなす存在」だと告げてユフィの背を押すと部屋から
追い出し、この隔壁を作動させたリーブが。その言葉の意味を聞くために、何よりも彼を助けるために、
ユフィはここまでやって来た。
「これで……最後っ!」
大きく息を吸い込んで、うっすら血のにじんだ左の拳を全力で床面に叩きつける。これが6度目だったが、
もはや痛みは感じなかった。
床面を走る亀裂が扉まで達すると、室内から漏れ出た光が薄暗い通路に差し込んだ。やがて亀裂が
広がって最後は扉ごと真っ二つに砕くと、太い光の帯が通路を照らし出した。亀裂の行方を目で追いながら、
威力は衰えていないようだと安堵する。
すぐに立ち上がる事ができずに片膝をついた体勢のままだったユフィは、差し込む光の眩しさに思わず
目を細めたものの、顔を逸らそうとはしなかった。
視界いっぱいに溢れる光の中、崩れた扉の向こうに佇んでいたリーブの影を見つけたからだ。
重々しい響きを伴って、砕かれた扉の断片が粉塵を巻き上げながらフロアに横たわる。扉の前に立って
いたリーブは特に驚くでもなく、その様子を眺めていた。
やがて砕け散ったフロアタイルの残骸を踏みしめて室内から一歩踏み出すと、リーブは改めて周囲に
目をやった。隔壁は確かに無傷だが、フロアタイルは見るも無惨に砕かれている。これでは“侵入を阻む”
という隔壁の機能を果たしているとは言えない。
「……『力山を抜き気は世を蓋う』とは、よく言ったものです。あなたなら必ずここへ戻って来ると思って
いましたが、正直なところもう少し時間を稼げると考えていました。……お見事です、私の負けですね」
目の前の光景を見つめながら感心した様に呟くと、組んでいた手を下ろして頷いた。それからユフィの
前まで来ると、リーブは屈んで回復薬を差し出した。
「技の名前なんて深く考えたことないよ」
こうも正面切って褒められるとどこか照れくさい。そもそも抜山蓋世と命名されたこの技の名前の由来も、
自分ではあまり理解していないし。と、そんな言い訳じみた言葉がなぜかユフィの脳裏を過ぎる。回復薬を
受け取ると、視線を逸らして短く礼を言った。
「ここでお待ちしていた甲斐がありました。ですが本音としては、あなたには戻って来てもらいたくなかった
んですよ」
リーブの言葉に思わずユフィは顔を上げた。
「なんかさ、言ってる事おかしくない?」
真っ直ぐに向けられた視線と指摘を、リーブは否定しなかった。
「そうですね。しかし理屈と感情は別物です。頭で理解していても感情で納得できるとは限らない、
ユフィさんにもそういう経験、ありませんか?」
それは人としてあって当然の揺らぎであり、矛盾だとリーブは言った。
だからユフィは期待を込めてこう返す。
「! じゃあ、やっぱりおっちゃんは……」
しかし期待に満ちた声は、あっけなく否定された。
「“人形”ですよ。あなたが下で会った『リーブ』と同じです」
「……!」
あまりにも簡単な否定。ユフィは思わず手にした回復薬を握りしめた。リーブは立ち上がると言葉を続ける。
それは疑問というより、避難の色が強い口調だった。
「ユフィさん、忠告は何度も受けていたはずです。なのにどうしてここへ戻って来たんですか?」
下で会ったリーブは確かに言っていた――「上で会ったのがリーブ本人であるという確証もなければ、
人形だと判断する根拠もありません」――だからこうなる事も、頭の片隅では分かっていた。それでもここへ
来たのは、明らかにユフィの感情だ。根拠や確証と聞かれたところで、そんなものはどこにもない。
なぜなら彼らは皆、『リーブ』だったからだ。姿や声、言葉遣いも、立ち居振る舞いも。なにもかもがユフィの
知るリーブのそれだった。しかし彼らの言うとおり、彼らが“リーブによって作られた”のなら、それも頷ける。
作り主が自分の特徴を人形に組み込んだのだろう。しかもそれを本人が操作しているのだとすれば、似ると
言うよりもそのものだ。
しかしユフィをここへ向かわせた動機となるものが、まったく無いわけではない。
「理由って聞かれても、うまく説明できないよ。でも……違う気がしたんだ」
僅かに揺れる身体を支えようと両足に力を入れて、ユフィはゆっくり立ち上がった。それから、リーブの顔を
真っ直ぐ見上げて断言する。
「下で会った『リーブ』と、おっちゃんは、違う。だから……!」
戻ってきた。そう言い切ったユフィを見下ろしながら、自らを人形だと言ったリーブは考えた。
自分達は同じ人形であるはずなのに、同じようにしてインスパイアの制御下にあって操られているはず
なのに、どこが“違う”のか。なぜ“違う”のか。実際は彼女の思い過ごしだとしても、彼女はどこにその違いを
見出したのだろうか? いくら考えたところで、人形である自分にその答えは見つけられないだろう。
だから考えることを諦めた。
「ありがとうございますユフィさん。“人形”である私のこともそんな風に思い遣っていただけるなんて、
なんだか少し嬉しいですね」
そんな場合ではないと分かっていても、面と向かって礼を言われるとやっぱり照れるのだと、ユフィは
気まずくなって視線を逸らした。
「あっ、あのねえ当ったり前じゃん! ……仲間なんだからさ、そうだ当然だよトーゼン!」
言っていること自体は本心だったが、改めて口に出すとなるとどうも気恥ずかしい。居ても立っても
いられずに、無意味に腕など振り回しながらそう言った。そんなユフィの姿をじっと見つめていたリーブの
視線に気付いて、ユフィは恐る恐る顔を向けた。
すると、当然だがリーブとまともに目が合い、お互いを見つめ合う格好になる。
「…………」
「な、……なんか言えよ」
ちょっと恥ずかしい。
「…………」
「こらっ、無視すんな!」
ユフィの抗議は気にせずに、そのままリーブは背を向けた。その後を追おうとして慌てて踏み出した一歩が、
散乱するフロアタイルの破片を踏み外してバランスを崩した。とっさに両手をついて顔面強打は免れたものの、
非常にみっともない体勢を取らざるを得なかった。
さすがに恥ずかしい。
しかし幸いなことに背を向けているリーブは、こちらの状態には気付いていない様子だった。それはそれで
恥ずかしいが、気を取り直して立ち上がると今度は慎重に歩き出した。足下がおぼつかないのは、先ほどの
無理が影響しているせいだろうか。隔壁破壊に意識を集中していた事もあったが、ユフィが思っている以上に
身体に負担をかけていたことを今になって知った。扉が開いて真っ先に回復薬を手渡してくれたリーブの
判断は、正しかったのだ。
だからといって、もらった回復薬を使う気にはなれなかった。おかしな話だが、ちょっと悔しいのだ。「負けた」
とか言っておきながら実際に負けてるのは自分のような気がする。ユフィはそれを認めたくなかった。もらった
回復薬をしまうと、ユフィは室内に足を踏み入れた。
部屋に入ると、壁面に並んだたくさんのモニタがユフィを出迎えた。しかし先ほどとは違い、その多くは何も
映し出していない。
「我々W.R.Oは……『星に害をなす、あらゆるものと戦う』事を目的として存在しています。しかし、発足当初は
戦うことよりも傷ついた土地と人々の復興に重きを置いていました。もちろん、その理念は今でも変わりません、
むしろその目的を達成するための手段として、我々は『戦うこと』を選びました。それが今のW.R.Oです」
何も映し出さないモニタを見上げながら、リーブは語り始めた。
「我々“人形”は、そのために生み出されました」
----------
・こんなに必死になるユフィの動機付けが文中ではちゃんと示されずに曖昧だった気がしますが、
この辺の補完用SSができたら貼らせてもらいたいなと。(どうなんでしょう?)
・ここで500kbだったとしたら、次スレ立てさせてもらいますね。週末だし頃合いかなと。
更新キター!
スレ立てした人も乙。
744 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2007/10/07(日) 13:01:14 ID:phsUC1k00
>うっすら血のにじんだ左の拳を全力で床面に叩きつける。
ユフィ…(´;ω;`)
一人一人の言動を見ていると、古代種の神殿でケット・シーが
犠牲になった時からメンバーの認識はインスパイヤで創造されたケット・シーも、
リーブも、リーブ人形もみんな“仲間”なんだなーと。
ユフィが真っすぐで一生懸命になればなるほど、
なんだか局長に踊らされている感じがして、
もどかししうて、じれったくて、たまりません。
次スレに誘導も兼ねまして、期待age
×もどかししうて
○もどかしくて、
失礼しますた。
ほ
前話:
>>736-740 ----------
3年前、ディープグラウンドとの交戦によって破壊された本部施設に代わる新しい施設の建造を提案した
のは、局長であるリーブ自身です。また、この建物の設計はすべてリーブが担当しています。実際の建造
作業には一部W.R.O隊員の協力もありましたが、ほとんどの部分はリーブだけで行っています。
これだけの規模の建造物ですから、一部に協力を得られたとは言えかなり大がかりなものになるのは
想像に難くないでしょう。それを「ひとりで」となると不思議に思われるかも知れませんが、リーブの持つ
異能力を用いればそれを実現することが可能です。異能力……インスパイアと呼ばれるこの能力は、
無機物を自在に操ることが出来るものなのです。これは、マテリアを使った魔法の類とは原理が違います。
先ほど下でも聞いたかと思いますが、リーブは6年前、このインスパイア能力を使ってケット・シーを遠隔
操作していました。そもそもケット・シーは小型コンピュータを内蔵したぬいぐるみです、インスパイアで
補えない一部の動作を内蔵コンピュータが補っていますが、あくまでも補助的なもので基本的にはリーブに
よる“直接操作”で動いています。
またご存知の通りケット・シー自体は戦闘向きではありません。ですからインスパイアで動いている
ケット・シーは、さらに別の機体を操って戦いに臨んでいました。この施設の建造方法も原理はこれと同じ
です。この建物を建造する際、リーブはインスパイア能力を使って様々な機械を操り、建造作業を進めて
来た……と言うわけです。
……それではなぜ、「ひとりで」作業を進める必要があったのか?