2 :
だんご:2006/01/24(火) 10:21:13 ID:LKeJxKyi0
サントハイムの人たち、帰ってきてたね。
旅の最中はお姫様らしいところ余り見られなかったけど、ああいう状況になるとやっぱりお姫様だったね。
………でも、此からあの城の再建かぁ。
魔物が徹底的に汚してたし、大広間なんてバルザックとの戦闘で跡形もなくなってたよ?
嬉しいはずなのに、王様の顔色が青ざめていたのは見間違いじゃなかったと思うわ。
ライアンさん、此で出世するかな?
だって、世界を救った戦士だよー。国のことはほっぽり出してたわけだけど。
まぁ、王様もあんなに嬉しそうだったし、安泰なのかな。
ま、朴念仁だけどいい人だし、それに今は英雄よ?気の利くお嫁さんも直ぐ出来るでしょ。
あ、ロザリーヒルじゃない?あれ。
うわーなに?ピサロがこっち見てる。かっこつけてなんか偉そう………
ううーなんかむかつくなぁ。こっから馬の糞を投げつけてやろうかしら。
トルネコさんてさぁ、世界一の武器商人を目指してるんでしょ?この旅で商人らしいことしてた?
わたしは、馬車の片隅でのの字を描いていたことしか覚えてないんだけどなぁ。
奥さんのお陰でお店も益々繁盛しているようだし、むしろ帰らない方がお店のためになる気がするわ。
マーニャさんとミネアさんも、仇討ちの為だったんだよね。
二人のお父さん。自分がが発見した呪われし錬金術の遺産、
進化の秘宝を娘たちが封印した事を知って、きっと喜んでるよね。
……ええと、舞台の上で踊ってるマーニャさんにみとれるのは判るけど。
おっぱいばかり見てるのは、何かわたしにいいたいことがあるって解釈でいいのかな?
3 :
だんご:2006/01/24(火) 10:22:31 ID:LKeJxKyi0
ピサロのヤツ、徹底的にやってくれちゃって。
瓦礫しか残って無いじゃないっ。草もボーボーで。
今度会ったら、どくばりの餌食にしてやろうかしら………
………長いこと旅してたんだ。やっと帰ってこられたね。
えへへ。みんなみたいに、わたしたちを待ってる人なんて誰もいないけれどさ。
でも大丈夫、勇者にはわたしが付いてるからね。一人ぼっちにはさせないよー。
みんなのお墓作らないとね。
誰も知らない山奥の此の村があった場所で、供養もされてないんだから。
クリフトさんに葬式あげて貰おうか?
もう勇者の使命は終わったんだよね………
えへへ。此で、もしかしてわたしの夢って叶うのかな?
もうみんなはいないけど……わたしたちがいつまでも幸せに此の村で暮らしてる夢。
その為には、此の村を再建しないとね。
(ギュッ)
ちょ、いきなりなにするの、吃驚するじゃないっ。
………え…?しあわせ、に……?
ぶーだめだよー。もう判ってないんだから。
わたしはね、あなたより年長さんなの。だから、おねーちゃんがあなたを幸せにするの。
それでね、一緒に幸せになるのよ。
さて、先ずは今日の寝床を用意しないと。このままじゃ、供養することもままならないしね。
早く準備してよね。何云ってるの、勿論あなたの仕事に決まってるじゃない。
わたしは料理作るんだから。ほらほら、行った行ったっ。
(タッタッタッタッタ………)
ふふふ。大好きだよ、わたしの勇者様―――
4 :
だんご:2006/01/24(火) 10:41:47 ID:LKeJxKyi0
いやぁ、昨夜は焦りました。
わたしが一レス分投稿したら、512k規制に引っ掛かってそれ以上書き込め無くなっちゃったし、
新スレを立てようと思ったら、それも規制に引っ掛かって駄目だったし。
気が動転して自治スレにスレ立て要請を出してみるものの、時間も遅いのかなんの反応もなかったし。
取り敢えず諦めて、今日出掛けに試してみたら無事立てられたので、最後まで投稿してみた次第です。
そんなわけで、此でシンシアの旅は終わりました。
あとはエピローグを投稿すれば終わりなのです。
が、済みません。その前に実はあと一ネタ仕込んであります。
残り数レス、お付き合い下さい。
5 :
箸休め:2006/01/24(火) 22:29:06 ID:LKeJxKyi0
放たれた大火球が炸裂したのを見て、勝利を確信する。
だが、其れが敗因だった。攻撃するなら灼熱の炎でも輝く息でも吐けば良かったのだ。
とにかく、呪文でなければ足を止めることは出来ただろう。
炎を全身に纏いながらも、火球を抜け出し駆ける勇者の姿を見て、皆は安堵の溜息を漏らす。
紫の霧が、呪文の効果を勇者に届く前に完全に打ち消していた。
次手として、進化を窮めたと宣う化け物から放たれた、絶対零度の輝く息。
が、その数瞬前にブライが唱えたフバーハが、その威力の大半を削っていた。
その為、勇者の足を止めるには至らない。
エビルプリーストは両手を前に翳す。放たれたは凍てつく波動。
勇者の身を守っていたマホステの呪文も、炎吹雪を軽減する光の衣も、全てが消え去る。
その大口を更に異形に歪めて、紡がれる呪文。
が、後ろから密かに近付いていたトルネコがその口を塞いだ………!!
身震いで小賢しい商人を振るい落としたときには、勇者は直ぐ其処に迫っていた。
右手で薙ぎ払おうと、強大な鉤爪を振るう。
然し、其の世の何よりも強大なその凶器は、寸前で勇者に届かなかった。
全身の力を振り絞って、ライアンが世の何よりも硬い剣で押し留めている。肉の中程まで食い込む刃。
呆気にとられたのは一瞬か、だがその一瞬。
「てやぁぁぁぁぁーーーーーーー!!」
彼女にとっては一瞬もあれば十分だった。死角から迫っていたアリーナの必殺の一撃。いや、二撃。
ただの魔物相手には必殺であっても、この化け物には体勢を崩す程度のものでしかなかった。
だが、崩した姿勢は再び僅かな隙を生む。
勇者は、押し留められている右手を踏み台に、大きく飛び上がった。
6 :
箸休め:2006/01/24(火) 22:30:40 ID:LKeJxKyi0
「ギガッ―――――」
天空の勇者にしか身につけられない神秘の剣が光を放つ。
所詮人間。勇者とはいえ矮小な生き物に過ぎない。天空の血?そんなものがなんだ。
天空の竜なぞ、既に敵ではない。此奴等を倒し、地上を征服した次に滅ぼされる存在よ。
進化を窮めたわれが、この様な生き物の攻撃に滅ぼされる筈がない。
例えどんな傷を受けようと、其れすら更なる進化の糧にしてくれる………!!
空いている手で頭を庇うような素振りを見せる。
だが。
光が満ち満ちて、天空の剣は其の刀身を視認することが困難になっていた。
「ソードォォォォッ!!!!!!!!」
振り下ろされる光の斬撃。
その狙いは急所ではなく。
完成した進化の秘宝。その魔力増幅装置である、黄金の腕輪。
光の刀身と錬金術の奥義・黄金の腕輪は反発し、放たれる昏い光と眩い光。
鬩ぎ合うその時は、永遠のものと思われた。いや、思ったのは一撃を放った勇者だけか。
掛かる時間は一瞬。威力に耐えきれずヒビが入り、次の瞬間砕け四散する黄金の腕輪。そして斬り落とされる腕。
7 :
箸休め:2006/01/24(火) 22:32:12 ID:LKeJxKyi0
「グッガァァグォォガjwgyケウィhタwヌユゴイ@dスy!!!!!!!!!!!!」
進化の秘宝は、黄金の腕輪により増幅された闇の魔力が完成させた。
ならば、その増幅装置であった黄金の腕輪が存在を失ったら?
答えは目の前で繰り広げられていた。制御の効かない躯。崩壊していく体。溶け出る肉。
だが、膨大な魔力は確実に未だ醜い身体に残っており、その力は未だ健在。
「ぐぅっ!」
腕(であったもの)にライアンも勇者も薙ぎ払われた。
だが、期せず距離を取ることになった勇者は、隣にヤツが居ることを肌の感覚で悟る。
だが、そんなことはどうでも良い。今はあの化け物を………ッ!!
先程受けた一撃によるダメージと、限界に達した体力に悲鳴を上げる身体に鞭打ち、立ち上がる。
「ギガ――」
「ジゴ――」
集中する意識と魔力。鏡あわせのように突き出された腕。二人は同時に其れを開放する。
「デインッ!!!!」
「スパークッ!!!!」
選ばれし者のみが操ることを許された、窮極たる二つの雷の呪法。
天より降る雷と、地より昇る雷。
相反する雷は。互いに、喰らい合い絡み合い増幅しながらエビルプリーストであったものを灼き尽くす。
「わ、われこそ…は、魔…族の王、エビルプリースト……世界を…支配する……ッ
そのわ……れが、われがこ…んな処でっ……こんな処でぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
その肉片、細胞、塵一つすら残さぬ威力の雷が、進化の系図から外れた化け物を蹂躙する。
轟く雷鳴、唸る稲光が、進化の道から外れた化け物をこの世から、完全に消し去った。
8 :
箸休め:2006/01/24(火) 22:34:36 ID:LKeJxKyi0
数年ぶりの村。いや、村であった処か。
残酷な時の流れは、全てに平等だった。
辺り一面に広がる草むら。辛うじて家だった物だと判る物体にからみつく蔦。
目を閉じれば浮かぶ惨劇の痕は、時間と植物たちの生命力が覆い隠していた。
未だ痛む拳が、此で良かったのかと問いかける。
マスタードラゴンの声が聞こえると、ピサロが一歩引いた。
「仮にも魔族を束ねるものだ。天空の城に入ることはできない」
静かな声で発された言葉は、この男との別れを意味していた。
目的が同じだから仲間に入れた。わだかまりは確かにあったが、仕方がなかった。
殺しても殺し足りないほど憎いのは確かだが、此奴も…………
「歯を食い縛れよ」
前もって掛けた声は其れだけ。
意味するところを察して、黙って従うピサロを確認する。
右拳をぎゅっと握り込んで、左頬に向けてそのまま思いっきりアリーナ仕込みの一発を喰らわせた。
仲間が、その痛みを想像して顔をしかめるほどの一発。
それでも倒れなかったのは、魔族の長としての矜持か。辛うじて踏みとどまった。
「本当は、今すぐにでも殺してやりたいぐらいだ。
けど、ロザリーさんに免じてその一発で我慢してやる。
だけど、きっと僕はお前を一生赦すことは出来ない」
ピサロは一度だけ、深く頷いた。
9 :
箸休め:2006/01/24(火) 22:35:49 ID:LKeJxKyi0
天空の城ではマスタードラゴンに、城に残らないかと云われた。
だけど、其れを受け入れることはしなかった。
地上の人のため。別に其処まで高邁な精神でやってきた訳じゃない。その殆どは復讐のためだ。
だけど、全てを失った自分が手に入れた、其れが仲間との絆だった。
再び其れを捨てるだけの強さは自分にはない。だから地上に残った。
みんなの笑顔を見るのは好きだ。だから、みんなに帰るところがあり、待つ人がいるのは嬉しかった。
例え、自分を待つ者が、誰もいなくとも。
先ずは、みんなのお墓を作らないと。
供養もされずに数年間放置してしまった。仕方ないとはいえ、やはり申し訳ない思いで一杯だった。
彼処は宿屋のおじさんの家で、此処にあった家が、僕があの両親と暮らした家………
既に跡形もないほど破壊されていても、17年間暮らした村だ。目を瞑ってたって歩ける。
そして此処が…………
無意識のうちに懐をまさぐっていた手が握っていた物。シンシアにあげたはねぼうし。
血に塗れ汚れた其れを、拾ったあの日からずっと懐に入れ持ち歩いていた。
村を発った日からずっと泣くことはなかった。その目に涙が溢れる。跪いて啼き叫ぶ。
其れはまるであの日の焼き増し。あの日以来止まった時に繋がる時間。吹き抜ける一陣の風。
10 :
箸休め:2006/01/24(火) 22:40:23 ID:LKeJxKyi0
痛みも苦しみも哀しみも辛さもない、ただただ光に満ちた世界。
流れるは、何ものにも邪魔されることのない、幸せの時。
たゆたうように眠りを過ごす其処で、ずーっと夢を見ていた。
わたしが望んだ形ではないけれど。あの人と一緒に居られた夢。
其れだけで充分だった。それ以上何もいらなかった。
そして、泣き喚きたくなるくらい、その夢のわたしが、妬ましかった。
わたしが欲しかったのは、其れ。その時が欲しかっただけなのに。
叶わない夢。叶ってはいけない夢。叶ってはいけなかった夢。
―――どうして?願うことすら罪だったの?赦されないことだったの?わたしは、ただ。ただ―――
声なき叫びと叫びがもたらしたのは、奇跡だったのか。
全てが調和された世界に生まれた綻び。止まった時に繋がる時間。吹き抜ける一陣の風。
身体を襲う浮遊感に戸惑う。身体に感じる感覚など、此処で感じることなど無かった。
訝しみながらも開けた目に映ったのは。丈の長い草むらの中、蹲りながら嗚咽する緑の髪の青年。
11 :
箸休め:2006/01/24(火) 22:41:06 ID:LKeJxKyi0
「ちょっとおっきくなったかな?」
背中に声が掛けられる。響いた声は、ずっと耳から離れなかった声色。もう一度聴きたかった声音。
驚きで嗚咽が止まる。反射的に声のしたほうを振り向く。
もしも此処で思った通りの人がいなかったら、きっと勇者は壊れていただろう。
だが、其処に立っていたのは。物心付いた頃から、変わらずに共にいた娘。
「あー、もうそんな顔しちゃって。綺麗な顔が台無しじゃない。
なに握りしめてるの?其れ、わたしにくれたはねぼうし?
うわぁ、凄い汚れちゃってるよ。ひどいなぁ、結構気に入ってるのに?」
あっけらかんと宣う娘。顔には笑みが浮かんでいる。
だが、その瞳は何処までも深く、そして優しい。
「シン………ッ!」
声にならない叫び。立ち上がるのももどかしそうにシンシアに抱きつく。
其れが幻でないことを願いながら。その姿が消えないように。二度と居なくならないように掻き抱く。
理由など、どうでも良かった。其処にいる事実だけが欲しかった。
存在を確かめるように肉の感触を確かめる。
「もう。図体ばっかり大きくなっても、まだまだ子供なんだから」
胸に埋められた頭を撫でる小さな手。そして掛けられる砂糖菓子のように甘い声。
胸に満ちる暖かい想いに、あの日以来張っていた心が解きほぐされる。
「シンシアッ、僕は……僕は………っ」
伝えること、伝えたいことがいっぱいある。だが、想いが溢れて言葉にならない。
「大丈夫、時間は此からいーっぱいあるわ」
涙で溢れた瞳ではどんな表情をしているか確認することすら出来ない。
でもきっと。涙の向こうでいつもの、僕の大好きな満面の笑みを浮かべていることだろう。
両手で頭を抱えられる。首筋に掛かる暖かい吐息と冷たい滴。心臓の鼓動と感じる体温が、心を融かす。
そして掛けられる優しい声。
「おかえりなさい。わたしの大切な―――」
雲一つ無い空は何処までも高く青く、照りつける太陽の光は地上にある全ての命を祝福していた。
Fin
12 :
箸休め=だんご:2006/01/24(火) 22:49:30 ID:LKeJxKyi0
殆どの人は気が付いていたかもしれませんが、箸休めを書いていたのもわたしです。
箸休めを書いてたら、シンシアが酷い目に遭うじゃないですか。
心が痛くなってねぇ。それでなんとかしてやりたくて、シンシア道中記に着手した次第です。
で、そっちを書いている間に、箸休めで書いていたシンシアにもちゃんとした結末を付けてやりたくなって。
というわけで、仕込んでいた一ネタが此でした。
今度こそ、次にエピローグが来て終わりです。その他諸々の云いたいことは、その時に。
ていうか、わたしが思わぬ処で前スレを埋めちゃったから、みんな迷子?誰も書き込み無いよっ!?
自分で一人でスレ独占というのは、なんか胃に悪いです。
気が付いてー戻ってきてーわたしが悪かったからー
ということで、ageます。
新スレ立て乙
そしてだんごさんもGJ!
14 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/25(水) 20:16:39 ID:QYzNn9OE0
住人がきづくようにage
15 :
名無しでGO!:2006/01/25(水) 21:16:18 ID:VzItfgsi0
漏れも同じ理由でage
YAMA氏早く来ないかなぁ
待ってるでぇ
シュウウウウゥゥゥゥゥ…
「………っ」
ガランッ
「ケホッ、ケホッ…ゴ…ゴドーっ!!」
「………」
「…ほう。イオナズンを受けて、尚立っているとは。やはり、ここまで辿り着くだけはある。
だが、それが限界だろう、人間。いっておくが、わしの魔力量を貴様らの常識で考えん方がいいぞ」
「…っ…(…しくじったな…神経系と骨格はとりあえず無事…訂正、あばらが三本、逝ってるな。…右目の視力が若干低下…問題なし。
内臓は…まぁいい、どの道とりあえず放置してもあと三十分くらいはいけるはずだ。外傷は…)」
スッ
「ベホマ」
ポウゥッ
「!ほう、完全治癒魔法か。だが知っているぞ、その系統の呪文で治せるのは直接触れられる¥揩セけだろう。
打撲や裂傷はともかく、内部の損傷までは取り繕えまい」
「…(ご名答。…ちっ、肺と心臓が音を上げてやがる。もう少し辛抱強いかと思ったが…根性無しめ)」
「そら、休んでいると黒焦げだ。メラ…」
「!ちぃっ!」
ダンッ
「ゾーマッ!!」
ボッッッッッ、ヒュンッッッ
トンッ
「ゴドー!」
「アリス、ぼさっとしてる暇はねぇ、走れっ」
「え、あ、うん!!」
「イオナズンッ!!」
ズドオオオオオォォォォォンッ
17 :
箸休め=だんご:2006/01/25(水) 22:24:26 ID:11x3xSuG0
epilogue
「ふ〜んふふ〜ん〜♪」
鼻唄を歌いながら台所に向かう彼女をを眺めつつ、食後のお茶を啜る。
彼は一日の労働による、心地の良い気怠さに身を任せていた。
世界のためにと剣を振るった手には、農具が握られ、
戦うことしか考えていなかった頭は、日々の生活をどうするか思案するのに使われていた。
命のやりとりをする必要のない、ただ生きる為だけに過ごす平穏な日々。
それは、飽きるほど退屈だけれど、何よりも幸せな日々だった。
自分たち二人しかいない名もない村。生まれ育ち、そして鎮魂のために暮らす場所―――
「飽きた」
振り向きざま発せられた言葉を理解することは、彼には不可能なことだった。
「飽きた。飽きたの。もーうーあーきーたーのーぉー」
「え?何に?洗い物が面倒臭いなら替わるけど………」
「違うの、此処の生活に飽きたのっ」
いったい何を仰っているのだ、この娘さんは。
「だって、毎日毎日毎日同じ事の繰り返しじゃないっ。なんか別の事しないと腐っちゃう。
そうよ、刺激。わたしは刺激が欲しいのよっ!!あなたもそうでしょ?」
「いや、別に。僕は今の生活も充分しあ………」
18 :
箸休め=だんご:2006/01/25(水) 22:25:04 ID:11x3xSuG0
やべ、被った。自粛します。
「くそ、そりゃそうだ、魔王ともあろう者が、呪文を使えないはずがねぇ。見くびってたな、これじゃ近寄れねぇ…!」
「いってる場合!?なんか策は無いの!!?」
「今考えてるっ。とりあえず、目には目を、魔法には…魔法ってところだ!」
ザッ
「ぬ?」
「腹を狙え。俺は頭を吹っ飛ばす」
「了解!メラミッッッ!!」
「ライデインっっっ!!」
「!!」
ボンッッッ、ピシャアアアアァァァァンッッッ
シュウウウウゥゥゥゥゥ…
「今度はどうだ、この野郎…」
「はぁ、はぁ…」
「…なんだ、それは」
「「!?」」
ブンッ
「女の火球魔法が足しにもならんのは云うに及ばず…勇者であるゴドーの雷ですら、わしの頭部を少々焦がした程度じゃ。
云っておくがな、わしと呪文で張り合おうなど愚の骨頂だぞ。やるのなら、そう…やはり、斬撃が一番堪えたな、くくっ」
「…あいつ…完全に誘ってるわ」
ギリッ
「ああ。…だが、現時点の俺たちの手札じゃ、打撃が一番有効なのは多分、本当だな」
「でも、あいつの懐に飛び込むなんて、自殺行為よ」
「………呪文がやばいなら、封じてみるか?」
「…はぁ?…ちょっと、まさか。相手は魔王よ、通じるかどうか」
「賭けてみる価値はあると思うぞ。どの道、このままじゃジリ貧だし」
「…ああもう、わかったわよ。やってやるわ」
「いいか、次に奴が魔力を集め始めたら…」
ザッ
「ふん、鬼ごっこは仕舞いか?」
「ああ。お望み通り、肉弾戦で相手をしてやるよ」
「ほほう。腹をくくったか、その潔さや良し、褒美に一撃で灰にしてやろう」
「やってみろ…はぁぁぁっ!!」
ダンッッッ
「性懲りも無く…メラ」
マホトーンッ!!
「ゾー…マ………な…に…!!?」
ガシュッッッ
「グハッッッ!!」
「あ…ホントに効いた」
「もろに入ったな…今のはちょっと痛いはずだぜ」
「ぐ…女、貴様、魔封じの呪文を…!?」
「ええ、さっきからあたしのこと眼中に無かったみたいだったけど、ちょっとは見直したかしら?
でも、魔王ともあろう者にこんな安直な手が通じるとは思わなかったわ。…あんた、案外搦め手には弱いんじゃないの?」
「ぬぐ…」
「さっきの続きといこうか。本当の地獄を見せてやる…アリス!」
「!」
「一気にけりをつけるぞ。…ついてこれるか?」
「…舐めないでよ。あたしがついていけなければ、誰があんたについていけるっていうのよ」
「…くくっ、たかだがわしの呪文を封じた程度で、何をいい気に。状況が振り出しに戻っただけではないか」
「それはどうかしら?…バイキルト!スカラ!」
ミシミシッ
「!…女…」
「…覚悟しろ。その肢体、原型がなくなるまでぶった切ってやる」
「あんたなんかに…あたしたちは止められない!!」
ダダンッッッ
「!!(バカな…この踏み込み…さっきので全力のスピードではなかったというのか!?)」
ザンッッ
「ぐ…このっ!!」
ブンッ、ゴッ
「くっ…上等、そうこなくちゃな」
「ほら、いつまでもどこ見てるのよ!」
「!ぬぅっ!」
ズシャッ
「く…ふ…(…捉えきれんだと…!?魔王である、わしが…!!)」
「決めるぞ、アリス!」
「ええ!」
ダダンッッッ
「(この…!!)…虫けら風情が…っ…図に乗るなああああぁぁぁぁぁっ!!!!!」
ゴオオオオオォォォォォォッッッッッ
「(…ほの…お………?…あれ、何かゆっくり…避けて…あー…ダメだ、あたしの動きもゆっくりだ…これは………やばい、かも…)」
22 :
YANA:2006/01/25(水) 22:32:04 ID:a8WggDG90
うあ、かぶっとるorz
参上!
だんごさん、貴殿の意志はしかと受け取った!!
てか実はここ一週間くらい前まで、ダチのとこからかっぱらってきた
PS版ドラクエ4を全力クリア(PS版は初プレイ)してました。
更新遅かったのは本業が忙しかったのに加えて、そのためもあります。
そして一週間前、真のエンディングを迎え、ここに座っています。
そしてだんご氏に云うことがある。
ありがとう。実に五年越しのアナザーエンドに立ち会える幸運に感謝します(FC版クリアが五年前)。
23 :
箸休め=だんご:2006/01/25(水) 22:39:36 ID:11x3xSuG0
「何云ってるのっ!良い若いもんが今からそれじゃあ、先が思いやられるわっ」
思いっきり眼前に指を突きつけられた。
「ということで、明日から旅に出ます」
「ちょっ、なに云ってるのっ!それじゃ、誰がいったいみんなのお墓をみるのっ。
それに云ってたじゃないかっ。ずっと此処で暮らすのが幸せだってっ」
「うん云った。だけど、ちょっと出掛けるぐらい良いじゃないの。
その位の間お墓の世話が出来なくたって、みんなも文句云わないわよ」
「いや、そういう事じゃなくてさ。然も明日ってなんなんだよっ」
慌てふためく彼を一瞥すると、彼女は言い放つ。
「ふーん、別に良いわよ、あなたが来なくても。そしたらわたしは一人で行くから」
「………!!!」
一度決心を固めた彼女を動かすのは、余程のことがなければ無理だと判っている。
そして今は、余程の事なんて何処にも転がっていない。
ああつまりだ。一人で行かせたくなければ、僕は彼女に付いていくしかないのだ。
思わず頭を抱えたくなるが、辛うじてそれは押し留めて問う。
「で、何処に行くつもり?」
「?そんなの決まってるじゃない、世界一周よ」
頭を抱え込んでしまった。
「いいじゃない、あなたが平和をもたらした世界を見て歩くのよ。
あなたの辿った足跡を辿ってね。ふふふ、楽しそうじゃない?」
本当に楽しげな笑みを浮かべて、心底嬉しそうな声を出す。ああ、心が融けそうだ。
24 :
箸休め=だんご:2006/01/25(水) 22:40:45 ID:11x3xSuG0
「そしたら、みんなにもまた会えるよ?」
なかなか魅力的な条件を提示してくる。導かれ、共に戦った仲間とは確かに強い絆で結ばれている。
だが、みんなにも自分の生活がある。離れて暮らしていればなかなか会えるものではない。
「ねぇ、あなたも一緒に行くでしょ?」
止めは熟し切った果実のように甘い、問いかけ。彼にはもう頷くことしかできなかった。
「やったーっ!!じゃあほら、早く準備して早く寝るのよ。明日は早いんだからねっ」
全身から喜びを漂わせて、再び鼻唄を歌い始める彼女。
其の姿を見て溜息を吐きつつも、口元がにやけてくる自分が居る。
色々云いたいことはあるものの、喜んでいる姿を見て嬉しくないわけがない。
「もうっ!!あなたも早くこっち来て手伝ってよー!!」
ゴメンと呟いて、立ち上がった。
明日からは久方振りの旅の日々がやってくる。ワクワクしないと云ったら嘘になる。
だが、それ以上にただの旅行者として……
いや、洞窟に潜るとか言い出すかもしれないから、そんなにお気楽ではいられなさそうだ。
それでも。彼女と二人で、再び巡る世界は、きっとひどく楽しいものであろう。
それは掛け替えのない記憶となって、彼の人生を更に彩る筈だ。
其の日々を想像し、期待に胸を躍らせながら。
かつての勇者であった男は、彼の愛するシンシアを手伝うために歩き出した。
END
25 :
YANA:2006/01/25(水) 22:41:05 ID:a8WggDG90
ってか前スレが512オーバーになった原因は八割がた俺のせいなんだろうなぁ…スマソ
ああそうそう。
前にやった次回予告の内容が63話に入りきらなかったことに謝罪を。馬鹿か、俺はorz
どうしても、ここでバラモスの呪文を封じておきたかったので試行錯誤したら鬼長くなっちまいました。
26 :
YANA:2006/01/25(水) 22:44:08 ID:a8WggDG90
>>25 馬鹿だ。ここに馬鹿がいる。
お詫びといってはなんですが、64話も掲載。
ボオオオォォォォォ…
「………」
「………」
「…ふん、死んだか。よもやわしが、人間風情に本気を出すことになるとはな」
「………」
「………」
「…つまらん時を過ごした。暫し再生に専念するか…彼奴らの屍は、その後ゆっくりと咀嚼してやろう」
ズンッ、ズンッ
・ ・ ・
………………あれ?…ここ、どこ…?
確かあたしは………アイツと、バラモスを倒しに来て………。
…そっか。負けちゃったのか。…せっかく、アイツと今まで頑張ってきたのにな…こんなとこで終わっちゃうんだ…嫌だな。
もうちょっと、アイツと一緒にいたかったんだけど…。
………でも…えっと………アイツ≠チて…誰だっけ?
………まずったな…というか、俺は馬鹿だな。あいつが火を吹く事くらい、予想できただろうに。
そうだろうよ、魔法を封じたくらいで勝てるような奴が、今まで世界中で誰も打倒し得なかった魔王であるはずがねぇ。
…っくしょう。アイツまで巻き込んで、派手な目標まで立てて、結局俺も、親父と同じじゃねぇか。笑わせる。
…俺が勝手にくたばるのは仕方ねぇ。でも、せめてアイツだけは………?
………アイツ?………俺は誰と、ここに来たんだっけ…?
少し、過去を振り返ってみよう
「誰かと思えばおまぁは・・・・・・・・・・・・誰だったかのう?」
スタロン…相変わらず、頭悪そうな顔してるわね。…って、そりゃそうか。あたしの記憶だもんね。
…そうそう、確かアイツとの出会いは、こいつに襲われるところを、助けてもらったんだっけ。
あの時は、アイツの勝手っぷりに腹立てたっけ…。
…うん、そう。アイツはすごく、勝手な奴だった。
「うわぁぁぁ!わかった、王冠は返すから、も、もう勘弁してくれ〜っ!」
こいつは…確か、ロマリアの時の覆面パンツ…情けねぇ面しやがって。
アイツと冒険に出てから、初めてガチンコの殴り合いをしたのはこれだったな、確か。
アイツは、俺の戦い方が無茶だと呆れてた。
…そうだな。アイツは俺の無茶を見ると、いつもすぐにそれを咎めた。
「…私の眠りを妨げるのは…おまえ達か…?」
…わ、この人は…イシスの、幽霊。腕輪をもらったんだっけ。
もう、アイツってば、あたしの意思なんか無視して、夜のお城に忍び込むんだもん。
かと思えば、幽霊に平然と交渉成立させちゃって。
…あいつは、怖いものなんかないんだったよね。
「ありがとうございました!なんとお礼を言ってよいか!」
「うふふっ…仲、およろしいんですね!」
…えーっと…この二人は…そうだ、くろこしょうの。
あの時は、アイツが人攫いに捕まっていらん苦労をしたんだったな。…まったく、手間が掛かる。
…でもな…随分気が強くて、ことあるごとに突っかかってくるだけの女だと思ってたんだが…。
…アイツ、時々。本当に、極稀にだけど。物凄く優しい顔をするんだよな…。
「…んー、私は、もう賢者じゃないわよ?今はただの商人。枯れかけた夢を求める、ね」
アレイ…うん。あたしの、一番の親友。この時は賢者の修行を教わりに来たんだよね。
…でも、あたしもアイツも、この頃はまだあの子が心の奥で抱えてるモノのことを知らなくて…あの子の笑顔に、甘えてた。
…ううん、そうじゃない。甘えてたのはあたしだけ。
アイツはいつも仏頂面だけど…あの子のことを、あたしなんかよりもずっと理解してた。
「グォォォォッ!!黙れ黙れぃっ!!貴様ら生かしておけばいい気になりおってぇっ!」
やまたのおろちか。思えばこいつには、初めての敗北を味わわされたな。思い出すだけで腹が立つ。
あんまり悔しいんで少し鬱憤晴らしをしたんだが…まさかアイツが、あんなに泣きそうな顔するとは思わなかったぞ。
てっきりいつもみたいに怒鳴りつけられると思ってたのに…。
…ああ、くそ。アイツのああいう顔は怒鳴られるより堪えるんだ、って意識させられたのは、あの時だ。
「勇者よ、よくぞ来た!」
…あれ?この人は………あーっ!ランシールの、嫌味な神官!!
そうそう、ブルーオーブを探しに来たときは、この人に散々ねちっこく悪口いわれたのよ。
出てくるのはアイツの悪口ばかりで…まぁその後情けない顔でうな垂れてたから、あたしもすっきりしたけどね。
…そうそう、アイツの悪口いわれて腹が立ったの、あの時は不思議だったよね…。
「…で?あんた、海賊のアジトに盗みに入って、どう落とし前つけるつもりだい?」
…む。海賊の…。
俺の目玉と船を賭けて、勝負をしたんだったな。…アイツを賭けのチップにするのが、無性にムカついたのを覚えてる。
前にアイツに無茶をするなっていわれたばっかりだったのに、結局やっちまって。またあの顔をされる前に謝ったら…。
…俺は俺のやりたいように、か。…まったく、どうしろっていうんだ、アイツめ。………でも、そう。…少し、安心した。
「―――ゴドー殿。…今一度。私の為に力を貸して欲しい…」
…エデンさん。勇者サイモンさんの息子さん。
お父さんの無念を晴らし、その目標としたお父さんを超えるために、サマンオサの魔物に戦いを挑んだ人。
最後は結局、アイツに国の未来を託して、復讐は果たせなかったけど…満足そうだったな。
…うん、アイツは、そんな風に、人の思いを優しく受け止めることも出来る奴だったんだ。
「かかか!そうか、人間にも貴様のような非情な人間がおるのだな!愉快よの!」
この汚い笑い方は…忘れもしねぇ、サマンオサの偽王か。
何年かぶりに本気でキレたんだっけな。…俺も、まだまだ理性を鍛える必要があるな。
そもそもエデンがあんな怪我をしたのも、俺がキレたのも、俺自身の判断ミスだった。…と思ったら。
…アイツは俺の行動をミスじゃない、もしそう思うならあとで自分が叱ってやる、と。…なんで喜んでるんだろうな、俺はよ。
「…よろしく、ここで医者をやっているライナーという者だ。よければ、名を聞かせてもらえるかな?」
あ…ライナーさん。綺麗で、大人で、強くて…そして、アイツへの好意を隠さない、真っ直ぐな人。
アイツがキレて右腕がなくなったとき、この人のところで治したんだよね。
…うん。わかってる。あたしがアイツに対して素直になれたのは、この人がいたからだってこと。
アイツはこれが終わったら、あたしに答えをくれるっていってたけど…ああもう、それも聞けないのかな…?
「…なぁ、あんたたち。そいつに用か…?」
…幽霊船のおっさん。あそこでは、色々あったな。
あの時は、俺自身が一番驚いた。まさか、アイツに俺の冷徹さを責められて、あんなに熱くなるとは思わなかった。
…最後まで、俺は俺であり続けるつもりだったのに。アイツに、俺が冷たい奴だって思われるのが、無性に許せなくて。
それでもアイツは…そんな俺に、ごめん、と謝った。
「………殺してやる。この町の人間。全員。一人残らず殺してやる…」
…あれ?これは…あたしじゃない。バークのときの。
もう、我ながら恥ずかしいこと思い出すなぁ。…頭に血が上って、アレイのことなんかこれっぽっちも考えないで、暴れようとして。
今、冷静になって考えると、あたしってば世紀の大殺人鬼になるとこだったわ。…それでも。それでも、アイツは。
そんなあたしの怒りに任せた正義感を、否定せず、その全てを肯定した上で、止めてくれた。
「…私たちは、ラーミアの巫女」
「…私たちは、ラーミアの巫女」
ラーミアの嬢ちゃんたちか。これは、ついさっきの話だな。
何百年…あんなところで、ラーミアの卵を守ってたんだよな。可哀想とか、幸せになれとか、赤の他人の俺にはいえなかった。
俺に出来ることは、ただ、二人が果てしない道を歩んできたことを、労ってやることだけだった。
………ん?…ああ、そうか。
―――アイツは、俺が、二人を抱きしめた事に、怒ってたのか…そういえば、アイツには一度もしたことなかったな。
………(あれ?)。
………(む…)。
―――まだ。何か一つ。もう少しで、『アイツ』のことを全部思い出せそうなのに
カタンッ∞
!!
!!
「ふーん。じゃあさ、僕が大きくなったら、強くなって、お兄ちゃんとお姉ちゃんを助けてあげるよ!」
うん…この子は…ジョン君。滅びの村、テドンの男の子。
一度目は我慢したんだけど…あはは、二度目は、ちょっと、無理だったな…。
「…そんな風に、辛そうな顔して一人で全部背負い込まないでよ…!」
…ポルトガでの事。いや、正確には、ムオルの村からの一連の出来事。
俺はアイツに、親父のことを知られたくなかった。…知られるのが、怖かった。
そう、あたしは、再びテドンを訪れたとき…そこで最後まで流さないと誓った涙を、流したんだっけ。
そんなあたしを、アイツは優しく、泣き止むまで抱きとめていてくれた。
ちょっとした出来心で、旅の仲間を作ってしまった。そいつは親父のことを知らなくて、魔物と戦うことを望んでいた。
心のどこかで、そいつは俺自身を見てくれるかもしれないことを期待した。だから、怖かった。
―――アイツが、親父が勇者であることを知ったら、俺を勇者の息子≠ニしてしか見なくなるんじゃないかって。
よく、頑張ったな、って。そう、あたしが戦うことを決意させてくれた、あの人…オルテガさん、そっくりに微笑んで。
あたしはその時、あの人とアイツの関係に気付いた。…でもね。それももういいの。
でも、アイツは泣いた。笑顔で包み込むような慈愛はない。感情を殺し、平静を保つようなこともない。
それでもアイツは、不器用だけれど、それでも必死に、自分にとって俺は俺でしかないことを叫んだ。
それが、俺にとっては心の底から嬉しくて―――ああ、なんだ。何も、難しいことはないじゃねぇか。
俺は、アイツが好きで好きで、いとおしくてしょうがなかったんだ。
あたしはオルテガさんに憧れた。けど、今のあたしの大切な人は、あの人≠ナも、あの人の息子≠ナもない。
時間が惜しい。グズグズするのは性に合わない。すぐにでもこの想いを伝えたい。
そうだった。あたしの大切な人の名は―――
そのためには、あの野郎をぶちのめさねぇとな…なぁ…そうだろ!―――
33 :
箸休め=だんご:2006/01/25(水) 23:21:06 ID:11x3xSuG0
被らないよーに、時間をずらして書き込み。
まずは、YANA氏キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
いやもう、このままいつまでわたし一人なんだろうとか、
箸休めENDを複数回に分けて投稿するべきだったかとか、そんなこと考えてました。
良かった良かった。わたしの文はこれでもう終わりですが、此からも楽しみにさせていただきます。
ドラクエ4の方は、御礼を云われるとこそばゆいですが、
わたしの書いた拙いものが原動力になったかと思うと、それはそれで素直に嬉しいものです。
そして。此でファイナル!!本当に終わり。もうなんの隠し球もありません。
余り反響が無くてどう思って貰っていたのかは判りませんが、最後まで付き合ってくれた方々、本当にありがとうございました。。
せめて、割いてくれたその時間分が無駄にならない程度には楽しんでくれていれば幸いです。
何しろ、此処に投下したものが、生きてこの方初めてまともに最後まで書けて、かつ人の目にみせたものなので全くもって自信がありません。
まぁ、それでも自分なりに納得行くものになったと思ってます。
此が最後だから、もう一寸書きますよ。
34 :
箸休め=だんご:2006/01/25(水) 23:43:19 ID:11x3xSuG0
確かシンシアを幸せにする為にはじめた筈だったのに、
なんか色々酷い目に遭ってるし、黒いし、毒吐きだしと、ある意味困ったキャラになっていたりして。いや、書くときはノリノリでしたが。
最初は執筆係氏の賢者にどうしても似てしまいましたが、最後の方は少しは違うものになってくれたような気もします。
つうかね、ツンデレむつかしいよっ、萌えを書ける人って凄いよっ。
意識しすぎて不自然になったところがチラホラ………
大した伏線もないですが、恐らく拾い忘れはないと思うし、使い古された感はありますが、ハッピーエンドに落ち着けて良かったかと。
因みに箸休めシンシアと珍道中シンシアは、全く別のパラレルワールドのようなものです。
かといって全く関係がないわけではないのは、幾つか本文に張った伏線からもわかるかと。
珍道中シンシアのあるところから、箸休め−珍道中−箸休めという構成が作れることに気が付き、
珍道中は全て夢にしようかと思ったのですが、そうするには少々進みすぎていたし、それはそれで可哀相なので、
箸休めシンシアは死んでいる間に共に旅するシンシアをのぞき見ていた(書いていてややこしい)、という形にしてみました。
もし、本文で此は判らんとか、此はおかしいとかあったら云ってください。なんかリアクションとります。多分。
もしも此でシンシアスキーが増えてくれたなら嬉しいなぁ。なんか、ググってみると不遇っぽいので。
二ヶ月の長きに渡り、ってホント長いな。わたしなどの拙い文にお付き合いいただき、有難う御座いました。
また、何か良いネタが出来たら書き込ませて頂きたいと思います。
それでは、名無しに戻りたいと思いますノシ
35 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/26(木) 01:49:48 ID:MonQ72ChO
迷える子羊が到着orz
そして来てみれば終わってるじゃないか!!そんな規制があるなんて知らなかったしヽ(`Д´)ノウワァァァーン!!
それはともかくだんごさんお疲れ様でした〜
>>3-5の流れは混乱した…誰が書いてんの?ってw
個人的にはびっくりどっきりハッピーエンドって感じになりました
世界一周した後は、2人の子供が生まれちゃったりするのかな〜
――――――――ベホマッッッッッ!!!!!
ズンッ
「…………………?」
ズンッ
「……………………貴様ら。何故…立っている…!?」
「…ゴドー」
「…アリス」
…!?…!!
「やっこさん、何か喚いてるみたいだぜ」
「あたしたちが生きてることが、よっぽどショックだったみたいね」
「…お互い、よく生きてたな」
「…んー、ホントは、ちょっと危なかったんだけどね」
「実は、俺もだ…丁度こいつが手元に転がってて、助かった。こいつの感触のおかげで、なんとかあっちに逝かずにすんだんだ」
「?…あ、オルテガさんの兜…捨てずに持ってたんだ。てっきり、もうどこかにやっちゃったのかと」
「ああ、俺自身びっくりした」
「でも…事態は何も好転してないのよね…どうするの?あいつの再生を何とかしないと、勝ち目はないわよ?
こっちは炎を封じる手立てはないわけだし…炎に対処しながらだと、絶対再生速度に追いつけないわ」
「それに関しては、同感だ。…いや実はな、ここにきて切り札を持ってきてたことを思い出したんだけどな…」
「は?切り札?」
「ああ…前々から用意して、袋に忍ばせておいたんだが…使う機会があまりにもなかったんで忘れてた」
「バカ。じゃあ、それで」
「待て待て。話は最後まで聞け」
「?」
「こいつを使うにはかなり接近する必要がある上…一発で奴の頭から足元まで、全身に当てないといけねぇ。
奴の炎とでかい図体のせいで、それが出来そうにねぇんだよ」
「はぁ…お手上げってわけ」
「さて、どうしたもんかな………ん?おまえ、その手にもってるのは何だ?」
「?………あれ、いつの間に。…ああ、思い出した。あたしも、これのおかげで意識を取り戻せたの。
…ほら、テドンの村のジョン君、覚えてる?あの子にもらった水鉄砲」
「………」
「ジョン君には悪いけど…まいったな…仇、討てそうにないなー…これでまおうなんかやっつけて…か…
いっそ、破れかぶれでホントに撃ってみる?案外効くかも…」
「………」
「…ゴドー?」
「…いけるぞ、アリス。あいつに勝てる」
「え、えぇ!?」
「よく聞け。…こいつを…」
「……!?」
「………!」
「…(…不可解。確かにわしの炎は奴らの全身を焼いたはず。我が炎に包まれたものは、例え極地の凍土であろうと溶解する…!!
生物や魔物でも云うに及ばず、その全身は灰燼となる…だが、あやつらはなんだ。なんなのだ!!?)」
「…いいな?」
「…わかったけど。本当に、そんなんでいいの?」
「ああ、アレがあいつに効いた以上、間違いなく効くはずだ」
「そうじゃなくて…あんた一人で」
「ああ、そっちか。心配するな…俺たちはもう」
「…うん。二人じゃない、よね」
「………」
「………」
コクリ
「…往くよ、ジョン君。あなたの力、あたしたちに貸して」
チャッ
「…往くぞ、親父。俺はあんたが大嫌いだ。だから、俺のために体を守ってくれとは言わん…」
ガチャッ、グイッ
「…(頼む。あいつのために、今だけは俺の力になってくれ)」
ザッ
「…よう。第2ラウンド開始といこうぜ」
「…不可解。あまりにも不可解じゃ。何故貴様らは生きている?人間の身であり、何故そう何度も魔王であるこの身に刃向かえる?」
「はぁ?…そんなもん、知るか。…ああ、そうだな。一言だけ答えてやるとしたら、それは…」
「………」
「俺たち人間は、今まさに死ぬ、っていう時に、時々何かに引き止められるんだ。
だからある意味、おまえや、他の魔物なんかよりもずっと死ににくい」
「…???…実に不可解。なんだ、それは」
「…俺たちは、それを」
―――絆≠ニ呼ぶ。
「………」
「………くくくっ、くははははっ!!笑わせるな、そんな世迷言を!!よかろう、最早どうでもよい!!貴様らが今生きていようと、
それも無意味なこと!!今度こそ再び生き返らぬよう、そなたらのハラワタを食らい尽くしてくれるわ!!!」
「やってみろ」
チャキッ
「…ぬ?…貴様、一人か?おい、女、貴様は掛かってこぬのか?万に一つでも、わしの急所を捉えられるかも知れんぞ?」
「…ふん、あんたなんかにあたしはもったいないわ。いい、ゴドーを倒したら、相手をしてあげるんだから、
せいぜい殺されないように気をつけなさい」
「………思い上がるなよ、虫けら。よいか、ゴドーとやら。その兜一つがどれだけの力をもつかは知らんが、
先ほど貴様ら二人掛かりで返り討ちに遭った事を」
「ごちゃごちゃうるせぇ。こっちは肺がイカれて呼吸もままならねぇんだ、往くぞ!!」
ダンッッッ
「!ふん、莫迦め!!」
ブンッ、ゴッ
「!うおおおおぁぁぁぁっ!!」
ザンッッッ
「ぬぅ!?(効いていない!?…そうか、あの兜か…ならば攻撃の隙を突き、首元を…!!)」
スッ
「くらえっ!!」
「!」
ビチャッッッ
「むぅっ!!?(目に…何か…!!?)」
「はっ!!」
ザクンッ
「ぐお!!…ぬぐ…」
グシグシ…
「…何だ、今のは…」
「………」
キッ
「…女。何の真似だ、それは」
「知らない?………水鉄砲、よ」
「………」
「目にしみるでしょ?」
「………馬鹿に…するなぁぁぁぁぁっっっっっ!!!!!!」
ゴオオオオオオォォォォォォォッ
「!っと!」
タンッ
「ちぃ…」
「女、その位置にいる貴様なら確かに避けられよう、だがわしに接近戦を挑むゴドーは我が火炎を一身に浴びることになる。
それでよいのか!?よくはなかろう!!人間どもは馴れ合いが好きだからな、そら、こいつを庇いに来い!!」
「………」
「―――いってるだろ。あいつは、俺を倒さねぇとおまえの相手はしねぇってな…!!」
ザクンッッッ
「がは!!…この…!!」
ビチャッ
「………」
「くはは!二度も同じ手を食うものか!貴様の役目は攻撃しようとするわしの目を撹乱することだろう!?
そんな水如き、払いのけられるんと思うたか!!」
「…おらっ!!」
ガシュッッッ
「くっ…よかろう!!こやつをくびり殺した後、女、貴様もゆっくりと嬲り殺しにしてくれるわ!!!」
ゴオオオオオオオオォォォォォォッ
「く…お…」
「熱かろう!?痛かろう!?苦しかろう!?」
「………」
ビチャッ
「無駄じゃ無駄じゃ!体に当たろうが目に当たろうが、そんな貧弱な水流では全てを焼き尽くすこの火炎は防げん!」
「…ベホ、マ」
ポウゥゥゥッ
「…む?…くくくっ、よいのか?回復などに手間をかけて。そんなことでは、わしの再生速度を上回ることなど出来ぬぞ…!」
ズブズブズブッ
「…いってろ。安心しろよ、おまえはちゃんと、俺が殺してやるから」
「ふん…威勢だけはいいな。だが、貴様が回復に一呼吸・一工程を置かねばならないのに対し、
わしは攻撃しながらでも再生による回復が可能…一対一の戦いならば、わしが絶対的に優位であると知れ!!」
「…ああ…(もう、知ってるよ…そんなことは…)」
ビチャッ
「…っ…目障りな女め。見ておれ、すぐにこの虫けらを叩き潰してやる…!」
ビチャッ
「…はっ、その台詞、何度目だよ。それが出来ねぇのは、証明済みだろうが…!!」
ビチャッ
「ほざけぇっっっ!!」
ゴオオオオオオオオオォォォォォォォッ
・ ・ ・
ビチャッ
「はぁ…はぁ…はぁ…」
「………」
「…く…(傷の再生は滞りなく行われている…疲労は拭えぬが、それは奴とて同じ…)」
「………でええぇぇぇぇいっ!!」
ザンッッッ
「ぐほっ…!!…う…(…何故だ…わしの優位は変わらぬというのに…何故わしが怯まねばならん!!?)」
「………」
「(見ろ…奴は既に喋る余裕すらないではないか…何を躊躇うことがある?)死ねェェェェッッッ!!」
ゴオオオオォォォォォォォッ
「ぐ…ベホ…マ…」
ポウウゥゥゥッ
「ボソボソと小賢しい…」
ビチャッ
「…貴様もだ女。いつまでそうして、わしの周りを這い回る?…まあよい。女だけなら問題ない。
この不快な勇者さえ消せば、わしの錯覚も収まろう」
ジャコッ
「!…(弾切れ…あいつからもらった水は全部当てた…あとは…!)」
キッ
「…頼んだわよ、ゴドー…!」
グワシッ、カランッ
「ぐ…」
「どうだ…この体勢なら身動きをとれまい。剣も盾も落とし…貴様には最早反撃の手段はない。
このまま握り潰すのは簡単だが………?」
「………」
「…(…?…女が水をかけてこなくなった?…ふん、何のつもりだったか知らんが、貴様だけなら殺すのは造作もない。
鬱陶しいゴドーめも、我が手中にいる…敗北は必至!)」
「…どう、した…殺さねぇのか?」
「…減らず口を。わしを嘲った事を後悔するがよい、その身はじわじわと焼き尽くしてくれる…!」
「…そうか。じゃ、最後に、俺の言葉を聞いてくれ」
「?…くくっ、よかろう。ここまでの善戦に免じて、遺言くらいは聞いてやる」
「………旅の航海中、海の上は魔物があんまり出なくてな…俺は、暇を持て余してた…
何しろ、打ち込める趣味っていうのが、あんまりなかった身だからよ」
「…?」
「それで、船に備え付けの釣竿を借りて、釣りをしてたんだ。…これが、意外と面白くてな」
「…??」
「…ところが、ポンポン釣り上げるうちに、魚の置き場所に困って…海水を汲み上げて、そこに放り込み始めた…」
「おい、貴様、何を言って…?」
「…で、その汲み上げた海水を、竿垂らしながら眺めてたら…面白い戦い方を思いついたわけだ…」
…バリッ
「…(…何だ?…奴の体に魔力が…?この期に及んで、まだ何かするつもりか…!?)」
「…さて、問題だ。――――――おまえが、さっきから頭から腕から、全身に浴びてる水は、何だと思う?」
「――――――」
サーーーーーーーーーーッ
「…き………貴様…」
バリ、バリバリッ
「…全魔力、収束完了」
ブン、ブンッ
「その腕を離せ!離れろっ!虫けらめっ!!」
「…せっかく掴んだんだ、遠慮するな。俺の全力の魔法なんて、滅多にあるもんじゃねぇんだからな…絞り粕まで持っていけ…!!」
「よせ、やめろーーーーーーーーーーっっっっっ!!!!!」
―――ギガデインッッッッッ!!!!!!!
ピシャアアアアアァァァァァァァンッ
「ぐぎゃああああああああああああっっっ!!」
「はっ!」
ブンッ、トンッ
「ゴドー!」
「まだだ!」
ズンッ、ズンッ
「…まだ…じゃ…まだ勝負はついて…!」
ブスブス…
「…詰みだ」
チャキッ
「…ゴドオオオオオオオオオォォォォォォッ!!!!」
「…バラモオオオオオオオォォォォォォスッ!!!!」
ズパアアアアアァァァァァァンッッッ
―――ゴトンッ
「………何か、言い残すことはあるか、魔王」
「…く…ふ…馬鹿な…わしが、たった二人の人間に…!!」
「………」
「………ゴ、ドー…わ、わし、は…あきらめんぞ…」
ズズゥン…
「…二人≠カゃねぇ」
ザッ
「…四人≠フ勝利よ…!!」
「………あー…疲れたーーーーーーーーーーっ…」
バタンッ
「あ…大丈夫!?ゴドー!」
「…ん…ちょっと、不味い」
「ゴドーッ!!」
「…冗談だ。でも、半分は本当」
「………もう。今回のは、本当にひやひやしたんだからね。見てるこっちの身にもなってよ」
「アレしか方法を思いつかなかったんだから、仕方ねぇだろ」
「でも、これじゃまたあたしだけ楽をしたみたいじゃないの」
「ま、最後だし、力は出し切ったし、俺はこれでいいけど」
「あたしが満足しないのよ、それじゃ」
「…あーもう、うるせぇな、こっちはしんどくて口動かすのも億劫なんだ、文句は後でゆっくり聞いてやるから、今は黙れ」
「黙れって…そんな言い方はないんじゃない!?」
「黙らねぇと、無理矢理黙らせる」
「満身創痍で何いってんの。出来るもんならやってみなさいよ、バカ勇s………ん…ふ…」
「………」
「………」
「………」
つぷっ
「…(/////////)」
「………ありがとう、な。おまえへの気持ちに気付かなかったら、俺、あの時死んでた」
「………い」
「?」
「…ずるいよ。そんな風に言われたら、あたし、何もいえないじゃない…」
「…アリス」
ギュッ
「あ…」
「………俺、おまえが好きだ」
「………………うん…!」
「…帰ろうか。アリアハンに」
「…うん。でも、今はもうちょっとこのままで…」
「…そうだな」
45 :
YANA:2006/01/26(木) 09:49:12 ID:kOtTRS3M0
俺の頭はスーパー系(挨拶
BGMの件については「島」のつく人の歌。何に影響受けてるかバレバレだね、俺
ちょっと解説。
真水って云うのは、実は世間で言うほど電気の伝達率よくありません(一部では絶縁体といわれてる程)。
で、これをやるのに一番都合がいいのが、多分に塩分その他不純物を含んだ海水。
死刑に使う電気椅子でも、死刑囚を一発昇天させるために海水を含んだスポンジを対象者の頭に乗せるのです。
鳥肌立ちますた・・・
GJです
素晴らしい二人のチームワークでした。
次はゾーマ様の登場かワクワク
『拝啓 …えっと…母さん、お久しぶりですね。…あ、まだ最後の手紙から、五日くらいしかたってませんでしたっけ。
もう、何ヶ月も手紙を書いていなかったような気がします。
私たちは、アリアハンに帰ってきました。…そう、私とゴドーは、無事、バラモス退治の旅を完遂して、帰ってきたんです!
これでもう、世界中が魔王の影に怯えないで生活できるんですよね。
私たちはこれから、王様のところにそれを報告に行くところです…短くてすみませんけど、今回はこれで失礼します。
安心して下さい、終わったら、すぐにでも母さんのところにも帰りますから。…その、会わせたい人もいるので! 敬具』
―――ストンッ
「投函完了、と」
「終わったか?アリス」
「ん、ありがと、待っててくれて」
「俺はいいさ。ただ、町の皆が待ちくたびれてるかもな」
「………」
「どうした?」
「んーん、別に。…なんだかさ、ゴドー、表情が柔らかくなったなって」
「そうか?…そんなに硬い表情してたか、俺は」
「うん。いつも不機嫌そうに、眉間にしわを寄せてた…今だからいうけど、最初はちょっと怖かったんだからね」
「悪かった。勇者らしくあろうとして、結構、必死だったからな…こんな風に笑ってる余裕なんか、なかったんだろ」
「んー…でも今思うと、あれはあれでキリッとしててよかったかもね」
「なんだ、それ」
「あんまりヘラヘラ笑われても、それはそれで困るってこと。…あ、でも、ずっと仏頂面だと嫌だけど…その…」
「?」
「…そういう風に笑うのは、なるべく、あたしと一緒にいるときだけにして欲しいな」
「…ん、わかった。約束する」
「えへへ…」
「じゃ、行くか。門をくぐったら、もう町だぞ」
「うん!」
ワァァァァァァ…
「「!!」」
よう、ゴドーッ!!やったじゃねーか!
バラモス打倒の報せは、すでにこのアリアハンまで届いております!
新たなアリアハンの勇者の誕生だーっ!!
「…報せに戻る必要も、なかったみたいだな」
「…そうみたいだね」
「ゴドー!」
「あ、母さん…」
「やったのね…うう…母さん、ゴドーが無事に帰ってきてくれたことが嬉しくて…」
「ああ、もう…泣かないでくれ。うん、大丈夫、やることやったら、ちゃんと家にも帰ってきて話をするから」
「うん…うん…」
「それじゃ、俺たちは城に行ってくる」
「あ、待って…」
「ん?」
「―――おかえりなさい、ゴドー」
「―――ああ、ただいま、母さん」
・ ・ ・
「お母さん、嬉しそうだったね」
「まぁ、何も知らない俺に、勇者の心構えから叩き込んだ人だから…喜びも一入(ひとしお)だろうな」
「…ねぇ、ゴドー」
「ん?」
「…帰ってきたんだね、あたしたち」
「…ああ、そうだな」
「…!おお、ゴドー殿!ささ、上で王様がお待ちですぞ!」
「ああ、すまない」
カツン、カツン…
「ゴドー、いよいよ終わりだね」
「…長いようで、短かい旅だったけど…終わらせに、行くか」
「…うん。でもさ、あたしたちは…ここからが始まりでしょ?」
「…違いねぇ。じゃあ、始めに行く≠ニするか」
「うん!」
ギィッ
「おおゴドーよ!待ちかねたぞ!」
カッ、ザッ
「はい。…勇者ゴドー、只今帰還しました」
「(ゴドー…やったね)」
「よくぞ魔王バラモスを打ち倒した!新たな英雄の誕生じゃな」
「は…」
「――――――さすがオルテガの息子!国中の者がそなたをたたえるであろう」
「――――――え?」
「………」
「さあみなの者! 祝いの宴じゃ!」
オオオオオオォォォォォッ!!
アリアハンの勇者、バンザーイ!
「ま、待って下さい、王s」
スッ
「!…ゴドー」
「………」
フルフルッ
「でも、そんな…あんたの目的は…!」
「…今は、いい。魔王が滅んで、おまえがいて…今はそれだけで、十分だ…」
「……っ…」
「大臣!演奏の準備を!」
「はっ!全員、構え!…始め!」
ターン、タタタターン…
―――ピシャアアアアアァァァァァンッ
「!!?なんじゃ!?」
「!?ゴドー!」
「…!!」
ピシャアアアァァァァンッ、ピシャアアアァァァァンッ
う、うわああああぁぁぁぁっ!!
ボシュンッ、ボシュンッ、ボシュンッッッ
「なに!?兵士に雷が…!?何が起こって…!?」
「…赤い、霧…?」
「え?」
「…上だっ!!」
キッ
「!?……………ちょ…ちょっと…何よ、あれ…」
―――ふふふ…喜びのひと時に 少し驚かせたようだな。
「ひ…ひぃ…」
「………」
「何なのよ、これ…悪い夢でも見てるの…?」
我は、闇の世界を支配する者…。
このわしがいる限り やがてこの世界も闇に閉ざされるであろう。
さあ 苦しみ悩むがよい…そなたらの苦しみは 我が悦び…。
命ある者全てを我が生贄とし 絶望で世界を覆いつくしてやろう。
「………何者だ、おまえは」
む?…貴様は…そうか、貴様がバラモスを…そうか、丁度よい。…よく覚えておけ、人間ども。
―――我が名はゾーマ。大魔王ゾーマ。全てを滅ぼす者なり。
「…大魔王…」
「…ゾーマ」
そなたらが我が生贄となる日を、楽しみにしておるぞ…くははははははっ!
シュゥゥゥゥゥッ…
「………」
「………」
ヨロッ
「!」
「お、王様!大丈夫ですか!?お怪我はありませんか!?」
「なんとしたことじゃ…やっと平和が取り戻せると思ったのに…闇の世界が来るなど、皆にどうしていえよう…」
「王様…」
「………」
「………」
「大臣…ゴドー…大魔王ゾーマのことは、くれぐれも内密にな…」
「は、はい…」
「………王様」
「………ゴドー。…そなたなら、或いはゾーマをも」
「!っ!!!」
「…いや、よい。聞かなかった事にしてくれ」
「………」
クルッ
「!ちょ、ゴドーっ!?どこ行くのよ!?」
「―――」
ギィ…バタンッ
「………ゴドー…。…っ」
キッ
「…なんじゃ、そなたは…わしはもう疲れた…下がってよいぞ」
「娘よ、王様はお力を無くしておられる。用があるのなら、私が代わりに―――」
「――――――あなた達はいい。そうやって、勇者の起こす安易な奇跡に縋って、待っていればいいんだから」
「…?」
「な…」
「あなた達は、一度でも考えたことがある?世界の全てを、望んでもいないのに背負わされた重圧を!
あなた達は、想像したことがある?そんな周囲の期待から逃げず、たった一人で、本気で全てを救おうとして、
皆が当たり前に得られる幸せを、笑顔を、友達を、通り過ぎて戦い続ける苦しみを!!
あなた達は味わったことがある?世界中から存在を祝福されながら、勇者の息子≠ニいう記号でしか見られない虚しさをっ!!!」
「………」
「………」
「……っ……それだけです。失礼しました」
ダッ、バンッ…カンカンカンカン………ギィ、ギィ、ギィ
―――笑っていた。嬉しそうだった。私に優しく笑み掛けて、抱きしめて、好きだといってくれた。
その笑顔が、再び消えた。あいつの顔は、以前のしかめ面に戻っていた。…それがきっと、あいつの勇者としての在り方だから。
あいつはまた、勇者に戻った。今度こそ、全てを終わらせるまで、あいつにあの笑顔は戻らない。
…そして、あいつはきっと、世界を救う。心と体を、鋼と剣で武装したまま。あいつは全ての闇を振り払う。
―――そうして、最後に残ったあいつは、何を思うのだろう…?
55 :
YANA:2006/01/27(金) 00:11:18 ID:ddNrmQOs0
俺 た ち の 戦 い は こ れ か ら だ ! 完
うん。嘘。引かないで下さい。
第二部 「ギアガ激動編」 完
…やっと、やっと長かった第二部が終了…しんどかった。
そして第三部、全体的な尺はまず第二部に及びませんが、ラストバトルの長さだけは比になりません。
…蛇足ですが、これだけ云わせてください。
それぞれの章にテーマソングをつけるなら、
第一、二部が「未来(あす)への咆哮」、
第三部が「GONG」です。
第二部は正統派の、弱き者を強大な魔物から守る勇者の物語。
そして第三部は…守りを捨て、未来を勝ち取りに行く勇者達、そして残された全てのか弱き人々の戦いの物語。
俺の人を楽しませる器が許す限り、どうか最後まで、二人の往く道を見届けて欲しいです…。
ゾーマ様キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
ああ、一瞬本当に終わるのかと思ってあせった・・・
ゴドーとアリスのカップル本当に好きになりそうなときだったからな
第3部楽しみだ。
第二部完(゚∀゚)キタコレ!!
YANAさん乙です
YANEさん超GJです!!(゚∀゚)
コレ、アニメにならんの?wあまりの物語に全身鳥肌総立ちです!!1111
そしてだんご氏=箸休め氏も超乙ですた!(`・ω・´)
相変わらずGJです
BGMもハマってる!と思いきやナイルの流れ〜で違和感がw
……イシス?
いやー燃えました。第三部期待
61 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/27(金) 02:06:29 ID:2waey+SS0
ドラクエ・FF版入れねぇなーとか呑気に思ってたら落ちたのか。
くそー、データ残してねぇよ…orz
まとめサイトあるけどやっぱスレ独特の空気がなー。
ってかだんご=箸休めさんお疲れw
ぶっちゃけ全然気づいてなかったですwww
シンシア良かったねー、ホントに良かった…。
YANAさんGJ!!二部完乙!!
気になるのはその他のキャラの再出があるのかってとこですww
そしてゲームやり直して気づいたが、サイモンの息子ってホントに出てるのなwww
では、皆ココだよageでwww
神竜編はどうなるのかな〜とふと思った。(´・ω・`)
神竜なかったらそれはそれで寂しいけど、話繋ぐのにやっぱ無理あるのかなぁ…
個人的には神竜編はすごく読ませていただきたいです。
63 :
YANA:2006/01/27(金) 16:58:30 ID:xYsehYUf0
>>62 ………。
1>とある事情で矛盾が生じるので、書かない(推奨)
2>エンディングやそれまでの流れとは全く無関係な、お祭り要素の一巻として書く(いつになるか保証できない)
3>それより次回作を見てくれ。こいつをどう思う?
さあ選べ(ぉ
第三部の展開を考えると、「天界」だの「神」だのが頻繁に語られる神竜編は、あってはならない矛盾になります。
…というのも、第三部の土台にあるのが、「精霊ルビス」の世界だから。
察しのいい人がどれだけいるかわかりませんが、俺から言えるのはこれだけです。
てことは。
神竜編があるのなら、その舞台は異世界である必要が出てくるわけですね、おにーちゃん。
66 :
YANA:2006/01/27(金) 23:56:34 ID:MbdrR5Mz0
実は、二部中盤辺りを執筆中に、本気で考えたんです。神竜編をどうするか。
でも、アレフガルドや地上にまつわる、精霊神たるルビスたちの物語を
無視することが出来ず、あえなくストーリーに組み込むことを断念。
やるなら、世界を作ったルビス達「精霊」を蔑ろにせず、且つ、
神竜やゼニスらの「神」というポジションを確保した上で、独立したシナリオでやらにゃあなぁ、と。
ネタはあります。えぇ、山ほど。
ただし、クオリティは保証しません。今以上にやりたいこと全開、
どう見ても作者のオナニーです本当に(ry なことになります。それでもいいのなら…
劇場版!○○○○ー○!!(ネタバレワード)
ある日ゴドーとアリスが目覚めると、そこは天空に浮かぶ見知らぬ土地だった!
一方同じ頃、別々の場所で意識を取り戻す三人の仲間!
洞窟を進むと、そこには格闘場が!集結する勇者と愉快な仲間たち!
やめろ、ライナー!武器を収めろ、エデン!謎のトーナメントで繰り広げられる、猛者たちの宴!!
その頃アレイは観客席で菓子を売っていた!!
俺達をここに呼び出したのは誰だ?事件の背後に見え隠れする「かみ」の影!!
本編で実現されなかった夢のチームが、今、実現する!!!
…あなたは、こんなのを読みたいですか?
ああ、一寸読みたいかもなぁ。
(説得開始)
書いてたわたしが云うのもなんだが、此処に書いてるだけだって(ry
つうか、わたしのは間違いなくオナニーだったし。
まぁ、わたしたち読み手は与えられたものを貪るだけです。
書きたいのなら、是非。
>>66 おもしろそうwwwwww
折角ネタあるんなら是非
ルビス様とゾーマ様がツンデレというのもなかなか面白い
70 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/28(土) 01:48:18 ID:14cB2OmV0
とりあえず、完全に番外編って形なら読みたいかなぁ…
だって、物語的にはゾーマ倒したら地上戻れないハズだし…違ったっけ?
72 :
YANA:2006/01/28(土) 15:37:46 ID:G6OAI4220
>>66 ………。
なんだこの最高に頭の悪い構ってちゃんレスは。だから変なテンションの時レスをするなとあれほど… orz
よし決めた。書こう。ガチで書く。もう何も云うまい。
決定事項は、
「時間軸はゾーマ戦以降ではない、いつか」
「でも神竜が真の勇者の称号を得た者にしか会わないという設定は有効」
であるというニ点。
気長によろしく。
―――勇者ゴドーの伝説。
このギアガの地に住む者ならば、知らぬ者などいないだろう。
今では記録の上でしか確認することが出来ない「魔物」と呼ばれる、人に仇為す邪悪なる生命種。
ニ百年前、それを世界から根絶したとされている、完全無欠・無敵と伝えられる英雄の逸話である。
が。当時、確かに実在したとされる彼に関する記録には、謎が多く残る。
時にアリアハン暦864年、この地から、オルテガと呼ばれる勇者が旅立った。
旅の目的は、魔王バラモスの討伐。
…かの者は、当時でこそそれほど名が知られていなかったが、
その強大な力と、率いる数多の魔物の軍団でいずれ世界を手中に収めようとした、醜悪な怪物である。
しかしながら、勇者オルテガの魔王討伐は、彼の「魔物との死闘の末、火山の火口落下」という形で、失敗に終わった。
…勇者ゴドーの名が初めて歴史上に登場するのは、その十余年後である。
彼はオルテガの嫡男であり、父同様、勇者の称号を授かりアリアハンを旅立った。父の無念と遺志を、その胸に。
世界各地に逸話を残す、勇者ゴドーの、魔王討伐の伝説はこれより始まるのである。
ロマリアの地に曰く、盗賊に盗まれた金の王冠を奪還、かの盗賊も討伐。
バハラタの地に曰く、人攫いを討伐し、人質の男女を救出する。
黄金の国に曰く、五つ首の巨大なクチナワの変化を滅す。
サマンオサの地に曰く、王に成りすました怪物を倒し、国の危機を救う。
これ以外にも、その年代の、いくつもの国・町などの危機を救った伝承には、決まって勇者ゴドーの名が称えられている。
彼は魔王討伐の道中、これだけの、否、記録に残っていないものも含めれば、それこそ数え切れないほどの人間を救っているのである。
…そうして、最終的に彼の魔王討伐が成功したかというと…ここからが、歴史学者の学説が分かれるところだ。
勇者ゴドーが、バラモスを倒し、アリアハンに凱旋したという記録は確かに残っている。
しかし、その凱旋の日付の時点で、「世界中の魔物が消えたという記録が何一つ残っていない」。
伝承によれば、「魔王を倒せば、その魔力で形成されている魔物の肉体は力の供給を失い、自壊する」とされている。
もし彼が本当に魔王・バラモスを倒したのであれば、世界中の魔物は凱旋の日付の段階で消滅していなければならないのである。
だが、その記録が、無い。
勇者ゴドーの伝説に否定的な立場をとる学者は、バラモス打倒の報告を捏造だとすることが多い。
又、凱旋の直後から、彼が歴史的に表立った活躍をしなくなったことも、彼が真相が世間の公になることを恐れ逃亡したのだ、
とする見方を強める要因の一つといえよう。
とはいえ、彼がそれまで行った人道的救済活動を鑑みるに、そのような捏造をやってのけるような人物とは、到底思えない。
無論、現在も大半の学者は彼の功績を考慮し、バラモス打倒に関しては真実であったとしている。
そして、もう一つ、不可解な点がある。
前述したように、彼はバラモス討伐の凱旋の直後、行方を暗ましている。
厳密には、それ以後も世界各地で彼の姿を見た、という証言は残っている。
だが、その様子はそれまでのように、歴史的偉業をなすわけでもなく、目立った活躍をしているわけではない。
つまり、彼は凱旋以後、勇者としての活動はしていない。
………だが。彼がそうして、勇者としての活動を停止した数ヵ月後…世界中の魔物は消滅したのだ。
これこそが、勇者ゴドーの伝説における、最大の謎である。
各地の記録を見ても、その時代に世界規模で活躍していた勇者といえば、彼一人である。
彼以外の勇者が、魔王を討伐したとは考えにくい。
加えて、魔物の消滅が記録された日付以降、彼の姿を見たという者は、世界中を探しても、誰一人存在しない。記録も残っていない。
これだけの材料が揃いながら、魔物の絶滅と勇者ゴドーの間に関連性を見出すなという方が無理な話だ。
彼が魔物絶滅に関わる何か≠したのは火を見るより明らかである。
そうしてその何か≠ノついて学者たちが議論している最中のことであった。
…ここに一冊の本がある。タイトルを『偽神のノート』…現在の義手・義足技術の発展に多大な貢献をした、
世界的医学者L.S.ライナー¥落jが、若くしてその命を閉ざさんとする晩年著した自伝。
これの出版が、何か≠フ議論に一石を投じた。
ライナー女史は勇者ゴドーと同じ時代に生き、また彼の故郷と同じアリアハンで、当時闇医者を営んでいた。
その彼女が執筆した自伝には、一部で勇者ゴドーの名を何度か目にすることが出来る。
彼女が自伝で言うには、「ゴドーは大怪我をするたびに自分の研究室に来て治療を依頼して」いたのだという。
そして、驚くべきことに、そこには歴史学者なら誰もが興味を持っている勇者ゴドーの凱旋後の空白≠煖Lされていた。
…しかしながら、その内容は、にわかに信じられるものではなかった。
最初こそ歴史学者はこの自伝に群がったが、その内容のあまりの突飛さ・現実離れした単語の羅列に、次第に狂人の妄想だとか、
天才にありがちな性質の悪い悪戯だとかいわれるようになり、目もくれなくなっていった。
実際、ライナーという人物はかなりの変わり者で有名だったらしく、ゴミ捨て場の地下に住んでいたとか、
魔物を解剖するのが趣味だったとかいう逸話が有るくらいだ、無理もないだろう。
二百年後に生きる私だって、実際に読んでも信じられなかった。
――――――――そう。あの手紙が見つかるまでは。
アリアハンから遠く離れた、辺境の地の名も無い村。伝説の時代から姿を変えず残り続ける、保守的な山村だった。
先日、その村にある一つの民家の隠された地下倉庫で、大量の手紙の束が発見された。
その文面は、一人の少女が、母に自分の旅の過程を知らせるものだった。
…どうやら、魔物のいた時代のものだったらしく、彼らとの戦いの様子も散見できる。
だが、ここからが問題なのだ。
少女の手紙には、頻繁に「勇者ゴドー」の名が登場する。
更に言うなら、文面からいって、彼女は旅立ちの時からずっと、彼と苦楽を共にしていたと見ることが出来る。
それだけなら、勇者に憧れる少女の悪い冗談として流すことが出来るかもしれない。だが、そうもいかないのである。
手紙の日付を見る。
…二百年前。そう、勇者ゴドーの時代、それもその全てが二年間という、短期間の間に投函・配達されたものだ。
鑑定の結果、インクと消印も偽造でなく間違いなく当時のものであることが証明された。
―――二年間。歴史に詳しい諸兄ならご存知だろうが、この期間は、勇者ゴドーの旅立ちから、魔物根絶までの期間なのだ。
勇者ゴドーの伝説が記録としてまとめられ、学者以外の人間も閲覧できるようになったのは、今から凡そ百年前のこと。
つまり、当時の彼女が「勇者ゴドーの活躍に準(なぞら)えて、手紙の内容を改竄することは不可能」ということである。
これを踏まえた上で、手紙の内容を紐解く。
少女はゴドーとの旅での出来事を、事細かに手紙に記していた。
…ロマリアの金の冠。バハラタの人攫い。黄金の国の怪物退治。サマンオサの偽王打倒。
各地に残る逸話の記録された日付。そして、それらが記された手紙の日付。二つの間には、誤差といえる誤差が殆ど無い。
この手紙の主が勇者ゴドーと実際に旅をしていたのは、最早疑うべくも無いだろう。
さて。長くなったが、いよいよ本題に入る。
誰もが気になっているだろう。勇者ゴドー、凱旋以後の動向…勿論、それもこの手紙の中に記されている。
しかし、驚愕するような内容ではない。強いて言うなら、内容・日付などの記録の綿密さが、『それ』より遥かに増している程度。
―――賢明な諸君なら、既にお察しのことと思う。我々は、「彼の動向を既に知っている」のだ。
私がこれについていうべきことは一つ。
―――『偽神のノート』に、嘘は一切書かれていなかった。
ここに二つの記録が、偶然にも長き時を超えて存在し、同じ歴史を語っている。
…しかしながら、かの本が語ったのは、ほんの一部分だけに過ぎない。
これよりこの手紙によって語られるのは、歴史の裏側、もう一つの伝説。
伝えよう。今まで、名も無かったこの物語を。
認めよう。いつの世も世界は完璧な英雄を求め、時代を必死に生き抜いた人間を神格化する。その偶像に甘えてしまう我らの弱さを。
受け容れよう。手紙に語られる勇者は、伝えられているような超人ではない、我々と同じ不完全な人間であったことを。
私は名づけよう。この、時の彼方に忘れられた、闇の世界の語り部に。
この手紙を遺してくれた、少女の名をとって。
『アリスワード』―――と。
普段はROMってる私ですが是非見たいです、番外編。
79 :
名無しでGO!:2006/01/28(土) 22:19:21 ID:W+DojnOB0
FFTのデュライ白書みたいな展開になってきましたね
期待してます
80 :
名無しでGO!:2006/01/28(土) 22:31:38 ID:W+DojnOB0
始まりの部分ね
81 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/29(日) 00:01:08 ID:unNlmTNm0
ヤベェ…チョー続きがwktk!!
>>YANA氏
超乙であります!!
第三部、こういう展開大好きなんですわwwwww
期待しまくりんぐwwwwwww
>>だんご氏
遅ればせながら乙乙乙でござる!!!
これ読んでもう一度4をやりたい気がわいてきましたwww
上手く言えないけど本当に面白かったです!
またあなたの文に会えたら嬉しいなぁ
ありがとう
横槍なレスだけど、ゲームじゃゾーマ破壊直後に世界が分断されてしまうけど世界が完全に分断されるまで多少時間がかかるとか、
キングヒドラに親父がぬわーされたあと一旦引き返すことができるわけでとか、
ゾーマ倒しても魔物が消えないよこの野郎仕方がないから神に訊けとか、
魔王の一番強い魔物軍団は実は神界を襲ってて一掃できるのは勇者だけ、とか、とかとか。
時間軸や設定に絶対無理、ということのない話は作れるんじゃないかなぁ。とふと神竜編を思い出してしまった俺はまた思ってしまうのです(´・ω・`)
とにもかくにも読みたいってだけなんで、おとなしく待つしかないのですが。
第3部、序説からなんかすごいのでこれからもワクテカしております。
84 :
YANA:2006/01/29(日) 13:34:30 ID:aNz95iev0
83よ、すまん。せっかく案を出してもらって何だが。
その四つの案、どれか一つでも採用するとエンディングと
それまでの流れ全部台無しにする自信あるわ(;´Д`)
>世界が完全に分断されるまで多少時間がかかる
確実にクライマックスの展開に水を差します。
>一旦引き返すことができる
必殺を誓って敵地に乗り込んだゴドーは何があろうと敵に背は向けません。
(おろち戦ではアリスを守ろうとしたから。今回はアリスも必殺の覚悟)
>仕方がないから神に訊け・魔王〜神界を襲ってて
しつこいようですが、この世界で「神」とはルビスのことです(公式設定)。H井氏はどうやらなかったことにする気みたいですが。
神竜のことは下界の人間は知りません。
あと魔王倒して魔物が消えないとやっぱりラストに水を差します。
神竜編に合わせてラストの展開を変える、っていう選択はまずありません。
かなり早い段階から、この展開の為に伏線を張りに張ったので。
まぁ、最後まで見届けて欲しいってのが本音です。
コオオオオオォォォォォォ…
「………」
「…クゥゥゥ」
「…ご苦労様、ラーミア。こんな陰気臭いところまで、よく飛んでくれた」
ザッ
「………ゴドー…」
『拝啓 母さん、まずは、ごめんなさい』
「………なんで、ついてきた」
「…当たり前でしょ。あんたを一人にしたら、何をしでかすかわからないもん」
「…おまえは、事の重大さをわかってるのか?」
「………」
『村には暫く、帰れそうにありません』
「…ギアガの大穴。いつかの祠で聞いた言葉…全ての災いはそこからいづる=c」
「………見張りの兵士さんに聞いたわ。あたしたちがアリアハンでゾーマを見たのと同じ頃…
ここが大きく裂けて、何かが通り抜けて行ったって」
「…ここが、奴の居場所に繋がってるのは、多分、間違いねぇ」
「………」
「…だが、この先に何があるのかは分からん。無事奴のもとに辿り着けるかも保証できん。無駄死にするだけかも知れない」
「………」
『私たちの旅は、終わってなんかいませんでした』
「…もう一度云う。おまえは残れ」
「…やだ」
「………アリス」
「だって」
「聞け。…俺は嬉しいんだ。もう一度、親父を超える機会が巡ってきた。今度こそ、奴を倒せば、王様も俺を」
「うそ、だよ」
「………」
「…あんたはもう、気付いてるはず。どんなに頑張っても、王様はあんたとオルテガさんを別々には考えない」
「………」
「それに、今のあんたの顔は、バラモスを倒した時の百万分の一も嬉しそうじゃないよ…?」
「………」
「…あたしは、こんな中途半端なところであんたと別れるなんてやだ。せっかく、せっかくここまで来たのに…」
『これからが、本当の始まり…』
「………ねぇ、ゴドー。勝負、しようか?」
「…勝負?」
「うん。あんたが勝ったら、あたしはここに残る。でもあたしが勝ったら、あんたと一緒にここに飛び込む…どう?」
「…いいだろ。で、勝負の方法は?」
「………キスして」
「――――――は?」
「あたしが満足したら、あんたの勝ち。もし満足できなかったら、あたしの勝ち」
「…なんだそれ」
「心配しないで。あたしは、真剣に審査するから」
「………………いくぞ」
「………………うん」
『もしかしたら、もう帰ることはないかも知れません』
「………ん」
「………」
スッ…
「………………不合格。あたしの勝ちね」
「…理由を聞かせろ」
「今のあんたは、空っぽだもん。そんな気持ちの無いキスじゃ、女の子は動かないよ?
…理想的なのは、バラモスを倒した時のキス。…うん、あれくらいあったかくないと」
「………」
「約束よ。あたしはあんたと一緒に行く」
「…一つ訊かせろ」
「なに?」
「…おまえは、何が目的で俺についてくる」
「…も、もう…それ、本気でいってるの?」
「当たり前だ、ふざけて訊くか」
「………好きな人の力になりたいっていうんじゃ、駄目、かな」
「(/////)………っ………ああ、もう、分かったよ。好きにしろ。知らねぇぞ、どうなっても」
『でも、心配はいりません。私たちは、必ずこの世界に平和をもたらします』
ザッ
「…秒読みは無しだ。一思いに行くぞ」
「うん」
ダンッッ
「………っ…!」
「…っ……」
ヒュウウウウウゥゥゥゥゥゥ………
『―――それと、一つ約束をしてください』
――――――――――――――――――――――ストンッ
『これから先の手紙は全て、念のため今までの手紙も一緒に、誰の目にもつかないところに隠して下さい』
「………………あれ?」
「………」
「…地面。…ううん、それだけじゃない。草原に…海?…どこ…?ここ…」
「…アリス。空を見てみろ」
「?………太陽が…ない…?」
『そして、誰にもその内容を口外しないで下さい。この事実は、多分、世界中を恐怖に陥れるから…』
―――何か降ってきたと思ったら、あんたたち新入りかい。
「…ん?」
「…へ?」
「よう、あんたたち、上の世界から来たんだろう?」
「…上の…」
「世界?」
「おう、時々、上の世界の住人が、ギアガの大穴を抜けてここに降ってくるんだ」
「…悪い、おっさん。状況が掴めねぇ」
「そうだな、まずはこの世界の名前から教えようか。それ以上のことは、東に渡ってラダトームで聞いたほうが早い」
『全ての災厄の原因が住む世界。それは、私たちの大地の下に確かに存在します。その世界の名は―――』
「ここは闇の世界、アレフガルドだ」
アリスワード=@第三部 「アレフガルド激震編」
89 :
YANA:2006/01/29(日) 18:44:04 ID:rzAgdKgp0
一応追記。
神竜編、番外編ではありますが、ゾーマ編以降の展開が全く内容に関係しないかっていうと、
実はそうでもありません。途中で、ちゃんとゾーマ戦以降の展開とリンクします。
ヒントをいうなら、『ひぐらし』の罪滅ぼし編を想像していただけると早いです。
(分かる人が何人いるかわかりませんが)
もし本編とのリンクについて心配されてる方がいる場合、そういうことでお待ち下さい。
「アリスワード」がタイトルなんだね
wktk
『拝啓 母さん、お返事を、ありがとうございます。
それでは、全てをお話します。…まず、魔王バラモスは、本当に倒すべき敵の、手下の一人にしか過ぎませんでした。
そして闇の世界、アレフガルド。全ての災厄の原因…大魔王ゾーマの世界。でも、そんな世界にも、人間は住んでいます。
私たちは今、その世界の人々を治める唯一の国、ラダトームに来ています。
…しかし、この世界は暗黒に包まれ、太陽が空に昇ることはありません。…国の人々は言います。
ゾーマはそうして人間の希望を奪い、絶望を啜り、憎しみを食らい、悲しみの涙で喉を潤す…。
…かくして、ゾーマの思惑通り。この国の人々は、今、絶望に包まれています…。
私とゴドーは、何とかゾーマを倒す術を知るべく、ラダトームの王様を訪ねましたが…』
「………なんじゃ、そなたたちは。見ぬ顔じゃな…」
「………」
「そうか、そなたらもまた、上の世界から来たのか」
「はい。…私たちの世界も、ゾーマの脅威に晒されつつあります。ですので、ギアガの大穴を通り抜け…」
「…よい。みなまで言うな」
「…?」
「え…?」
「…わしはラルス。一応は、この国を治める王を務めている。…だが、それも肩書きだけのもの」
「「………」」
「ここに来るまでに、凡その事情は聞いているのではないか?…この国にあるのは絶望だけ…既に誰も、希望を失っておる…」
「…王様!それは」
「アリス」
「…っ……」
「…そなたたちは、ゾーマを倒すためにアレフガルドに来たのだろう?」
「はい」
「…ふむ…そうだな…そなたらがこの国に希望をもたらすというのなら、わしは待つとしよう…
入用なら、この城の空き部屋を使ってくれ。必要なものがあれば―――」
・ ・ ・
ボフンッ
「………」
「…ねぇ、ゴドー」
「…なんだ?」
「…勇者って、何なのかな?…」
「…どういう意味だ?」
「だんだんね…あたし、分かんなくなってきちゃった」
「………」
「アリアハンの王様…この国の王様…皆、都合が悪いことがあると人任せで…」
「…しかもこの国は、その、人に頼る気力すらも、失いかけてると来てる」
「うん。………ねぇ。…人間って、本当に、救う価値があるのかな…?」
「…アリス?」
「だって、そうでしょ?…あんたがどんなに頑張っても…ううん、きっと、誰が頑張ってもそう。
皆、勇者、勇者っていって…こんなんじゃ、何をやっても、人間なんか滅んで当たり前だよ…」
「………」
「ゴドー、今からでもきっと、遅くない。勇者なんてやめて、あたしと一緒に村で暮らそう?」
「冗談じゃねぇ…俺の今までの苦労を無駄にする気か、おまえは。大体、奴を倒さねぇと遅かれ早かれ」
「わかってるよっっっ!!!」
「!…」
「だって、何をやっても無駄じゃない!?みんなみんな、危なくなっても自分じゃ何もしなくて!
あんただけが、傷ついて、倒れて、それでも立ち上がって頑張って!!それで危険がなくなっても、また大変になれば人に頼って!!」
「………」
「ゾーマを倒しても、倒さなくても関係ない!!…人間なんか…人間なんか…っ!!」
―――コンコンッ
「っ……」
グシグシッ
「…どうぞ」
ガチャッ
「!…大臣さん」
「ゴドー殿と、アリス殿でしたな」
「はい」
「………はい」
「ゾーマを倒すのに有力な情報をいくつか持参しましたが…お取り込み中でしたかな?」
「………いえ。どうぞ、仰って下さい」
「はい。…まずは、この国の海岸から、向こうの大地にそびえる、靄(もや)の掛かった城…ご覧になられましたか?」
「…はい」
「あれが魔王ゾーマの居城。しかしあの島は絶海の孤島。回りは岩山に囲まれ、船で入ることは適いません。
まずはあの島に渡る手段を手に入れねばなりますまい」
「…何か、手掛かりは?」
「この国に、古い言い伝えがあります。…雨と太陽が合わさる時、虹の橋ができる。…何かのお役に立てばよいのですが」
「…雨と太陽、か」
「………」
「そして、この国に伝わる、三つの伝説の武具」
「伝説の武具?」
「遥か昔、この国に保管されていたものです。…王者の剣、光の鎧、勇者の盾。
…残念ながら、今は魔王に奪われてしまい、行方不明ですが」
「…なによ、結局あたしたちで探すしかないんじゃない」
「アリス」
「…ふん」
「いや、お恥ずかしい限りです。…ですが、逆にいえば、魔王がそれらを警戒したととることも出来ます。
伝説の武具があれば、奴を倒すことも或いは可能かと…」
「…わかりました。何とか、探してみます」
「…どうかお気をつけて。これまで数多の勇者が魔王を倒そうと旅に出ましたが…帰った者は、誰一人おりません」
「…心配には、及びません。私たちは」
―――そう、あの―――さえも。
「――――――」
「―――え…?」
「?どうか、なさいましたかな?」
グイッ
「ヒャッ!!」
「今、何ていった」
「で、ですから、魔王を倒そうと旅に出た者は、誰一人」
「違うっ!!その後だっ!!」
「え、は…そ、そう…あのオルテガ≠ウえも…と」
「―――」
「…そんな…こんなことって…ゴ、ゴドー!」
「…そいつは、何者だ」
「………実は、オルテガ殿は発見された当時瀕死の重傷を負っていて、その際記憶を無くされたらしく…
ご自分の名前と、アリアハンという土地から来たという以外のことは、何も」
「!!」
「アリアハン…間違い、ない…!」
「?…???そ、それがなにか…?」
「…親父が…生きてた…?………………アリス」
「…何よ」
「…勇者がどうとか、人間がどうとかは…とりあえず後回しだ」
「…聞くまでもないだろうけど。なにするつもり?」
「親父を追う」
「うん。わかった。そういうことなら、あたしも反論できない…でも、追って、それからどうするの?あんたは」
「………」
「もし、あんたがオルテガさんを今も許してなくて、殺したりするために追うって云うなら…あたしはあんたを止める。
…あの時、あんたがあたしにしてくれたように」
「………………わからねぇ。俺も、どうしたいのか」
「………そう。そう、かもね」
「…でも」
「うん?」
「少なくとも、俺は世界が滅ぶのをただじっと待ってるなんて、ごめんだ。…例えそれが、おまえと一緒だったとしても」
「…はぁ。ゴドーは、やっぱりそうだよね。もしかしたら、オルテガさんを追いかけてる内に、答えが見つかるかもしれないし…。
…あたしもそれに、賭けてみるわ」
「…アリス」
「なに?」
「…その。また、よろしく頼む」
「…うん。よろしくね、ゴドー」
『母さん、私は今、迷っています。人間を救うべきか。このまま、ゴドーの往く道を助けていいか。
でも…あの人は救おうとした。私は、あの人と同じ道を往くことで、答えを探そうと思います。 敬具』
3の時から伝説の武具なんだっけ?
97 :
YANA :2006/01/30(月) 22:18:54 ID:n/UWnN6y0
そういや作中では、伝説っていわれてませんね。
>「その昔 王者の剣は魔王により砕かれ〜」
昔ってのがどれくらい昔なのかわかりませんが、とりあえずここでは100年以上は昔と考えてます。
あと、あの三つの武装は(人の住む)アレフガルド創世の時代以前に作られた神具(公式設定)ですので、
まず間違いなく伝説級の存在、という意味もこめて。この辺は、最後の方でも説明があります。
そんなわけで、便宜上「伝説の武具」という扱いにしましたが、気に障ったらすみません…。
違ったような希ガス
『拝啓 母さん、そういえば、まだお話していませんでしたね。
私はもしかしたら、帰れないかもしれません。ですから、今のうちに話しておきます。
あの人…オルテガさんは、ゴドーのお父さんです。今まで黙っていてごめんなさい。
本当は、バラモスを倒して、全部が終わったらお話するつもりだったのですが…今度の戦いは、本当にどうなるかわかりません。
魔王を倒すことを諦めて、世界が滅ぶのを待つか…魔王に戦いを挑み、負けてしまうか…勝てる可能性はあるのか。
…前のお手紙で、私たちは今後、オルテガさんの軌跡を辿ることになったことは、話したと思います。
それで、大臣さんにオルテガさんのお話を更に言及したところ…』
「オルテガ殿は、火傷による重傷を負い、暫くは寝たきりでした。
ですがこの国の現状を聞き、数年の療養生活の後、ゾーマを倒すため旅立ったのですが…」
「火傷…火山に落ちたときのものか。まさかあの火山が、この世界に繋がってたとはな。
…で、おy…オルテガは、どちらに向ったか、わかりますか?」
「いえ…申し訳ありませんが…」
「仕方ないわね…どうしようか?」
「ふむ…大臣さん、この近くに、何か、旅の手掛かりになりそうな場所はありませんか?」
「それでしたら。…船をもらったといいましたな?でしたらまずは、大陸の南、砂漠の町ドムドーラに向われるとよいでしょう。
町としての規模はここより大きいですからな、何か有力な情報を掴めるかも知れませんぞ」
「ありがとうございます…」
「ああ、それと」
「?」
「参考までに、もう一つ。………魔王の爪痕≠フことは、お聞きになりましたかな?」
「…いえ」
「ここより北西に、洞窟があります。その最深部に、この世の全てを拒む、巨大な地割れが口を開けております。
それは魔王がこの世界に現れた際に出来たとされる、曰く付きの地割れでして…それに由来し、魔王の爪痕≠ニ呼ばれています」
「全てを拒む地割れ…」
「手掛かりになるかな…行ってみようか?ゴドー」
「行かれるのでしたら、どうかお気をつけて。あの洞窟は、魔王の爪痕の影響か、あらゆる呪文が封じられてしまいます」
「はい。色々とありがとうございました。…それと」
「…?」
「先ほどは、取り乱してすみませんでした。…狭量な自分を、許して頂きたい」
「ゴドー…」
「…ふむ。感情は表に見せず、しかしその心はどこまでも真っ直ぐに…いやはや、貴公は、オルテガ殿とよく似ている」
「………」
「ゴドー。…こういうのは、喜んでもいいと思うよ?」
「…行くぞ、アリス」
「あ、もう。待ってよ!」
・ ・ ・
――――――で。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
「………」
「ゴドーぉ…ちょっと待ってよぅ…」
「…いいけど。大丈夫か?おまえ」
「あう…呪文を使えない、っていうのがこんなにきついと思わなかったわ…」
「…無理だったら、外で休んでてもかまわねぇぞ」
「む、なにそれ、どういう意味よ。…あたしはお荷物だっていいたいわけ?」
「いや、そういうわけじゃ…」
「別に、あたしが軟弱なわけじゃないわ。あんたのタフさが異常なのよ…ふんだ」
プイッ
「………少しはマシになったみたいだな。ほら、階段が見えたぞ」
「…うん」
・ ・ ・
オオオオオオオォォォォォ…
「…っ……」
「………………凄い邪気。何よこれ…正気の沙汰じゃないわ」
「…これが…魔王の爪痕…くそ、冗談じゃねぇ、頭がどうかなりそうだ…」
「え?…ちょ、ちょっと…確かにこの空気は体に悪いけど…あんたがそんなに成る程じゃ…」
「おまえこそ…何でそんなに元気なんだよ…ゲホッ!」
「!も、もう、さっきの勢いはどうしたのよ。ほら、しっかり…」
――――――ピカンッ
「…ん…」
「?どうしたの?」
「…今何か、地割れの中で光ったような…?」
「はぁ?…まさか、気のせいでしょ」
「…いや、確かに光った…」
ザッ、ザッ…
「あ、ちょっと、そんなに近寄ったら危ないわよ!」
「………」
「………ほら、何もないって」
「……っ」
ズッ
「!!ゴ、ゴドー!本当に大丈夫!?」
グオオオオオオオオォォォォォッ!
ズンッ
「!ヒドラ!?」
「っ…!(馬鹿な…俺がここまでの接近を許すだと…!?そうか、ここの強力な邪気に紛れて…!)…くっ…!!」
チャキッ…
「グオオオッ!!」
ゴオオオオォォォォッ
「そんな炎で…!」
タンッ
「…!ゴドー!!?」
「…(くそ…体が云うことを…!)」
ズルッ
「!!!ゴドーーーーーーッッッ!!!!」
「(あ…まず…)」
ヒュウウウウウゥゥゥゥゥゥッ
「グルルルル…」
「………許さない。あんただけは、絶対に!」
チャキッ、ブンッ
・ ・ ・
――――――消えろ。
消えろ消えろ消えろ消えろ消えろきえろきえろきえろきえろきえろキエロキエロキエロキエロキエロ。
…なんだこりゃあ。痛くも痒くもねぇ。
帰れ帰れ帰れ帰れ帰れかえれかえれかえれかえれかえれカエレカエレカエレカエレカエレ。
…そうか。全てを拒絶するとか、何とかいってたな。…ここにあるのは、あらゆるものを拒む想念だけ。
出ていけ出ていけ出ていけ出ていけ出ていけでていけでていけでていけでていけでていけデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケ。
―――そう。例えそれが、死であっても。ここにおいては、死ぬことさえも拒絶される、ということか。
失せろ失せろ失せろ失せろ失せろうせろうせろうせろうせろうせろウセロウセロウセロウセロウセロ―――――――!!!
―――ああもう、うるせぇな。そんなに消えて欲しいなら、さっさと帰らせてくれ。
いつまでもここにいると、あとであいつに小言を云われるんだよ。
―――ポウッ
?…なんだ?…光。…俺が帰れないのは、おまえが俺を呼び止めるからか。
成る程…おまえ、俺の気を引くためにここの邪気に混ぜてあんな気分の悪い方法を…。
…ちっ、仕方ねぇ。云いたいことはあるが、ここから出るためだ、付き合ってやるよ―――!!
・ ・ ・
「はぁぁぁぁっ!!」
ザシュッ
「グギャァァァッ!」
「…っ…(魔法なしの単独の戦いも…あたしじゃこの辺りが限界か…)」
「グオオオオッ!」
「(でも安心して、ゴドー。あんたの仇くらいは、刺し違えてでも…!)」
ゴオオオオオォォォォォッ
「いくわよ、アリス!!―――!?」
グイッ
ゴオオオ、パァンッッッ
「―――よう。まだ死ぬには早いぞ、アリス」
「―――ゴドー?…なんで、だってあんた、地割れに」
「ちょっと待ってろ」
ダンッ
「!?グオ…」
「くたばれっ」
ザン、ザン、ザン、ザン、ザンッッッ
「!…!!…」
ボトボトボトボトボト、ズズゥンッ
・ ・ ・
「ふん…」
「…ねぇ、ホントに、大丈夫?」
「だから、心配ねぇって。事情は今話したとおり。あの地割れには危険はない。あれはただ、全てを拒む力しか持ってねぇ」
「それはわかったけど…さっき、今にも死にそうな顔してたじゃない、あんた」
「ああ、それはこいつが原因だったらしい。もう何ともねぇよ」
「?………盾?…あ、そういえば、さっきあたしを炎から庇った時も、その盾が炎を弾いて…?何なの、その盾」
「よくわからん。…ただ、何とか俺があの地割れに落ちて、見つけるように仕向けたかったらしい。それで、あんな面倒を…」
「???」
「だが、この盾が凄い力を持ってるらしいことは分かったから、とりあえず使わせてもらうことにした」
「ふぅん。…でもよかった。あんたが無事で」
「…すまんな。ちょっとの間とはいえ、心配させて」
「…ふぅ、いいわ、もう。いい加減、慣れたもん。それに、へばってるあんたっていう貴重なものも見れたしね」
「………」
「あ、あはは、冗談、冗談よ。予定外の戦力アップも出来たし、ほら、こんなとこ早く出て、ドムドーラに行きましょ?ね?」
『母さん、魔王の爪痕には、なんだか凄い盾が眠っていたみたいです。もしかして、これが大臣さんの言ってた伝説の武具…?
あはは、そんな都合のいい話、ありませんよね! 敬具』
>>YANA氏
乙です。
>王者の剣
『その昔 王者の剣は 魔王によりこなごなに くだかれたとききます。
しかし その魔王ですら王者の剣を くだいてしまうのに3年の年月を 要したとか。
いやはや すごい剣もあったもんですね。』
マイラの商人だったかがこんなこと言ってたハズ
ただこれも伝聞口調ですから、真偽のほどは微妙ですがね
106 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/31(火) 01:33:28 ID:X9j+fnun0
三つの武装はお城の宝って話はあったなー。
表現は作家さんの好きで良いと思うが・・・。
YANE氏乙です。
実際魔王の爪痕はやくそう持ってれば勇者一人でなんとかなるんだよなー。と思ってしまった俺は冷めてますかそうですか。ゴメンナサイorz
王者の剣ってその剣が剣の中の王者だから王者の剣なんだったような希ガス。定かじゃないけど。
なんだかんだ言って1〜3のみの流れだけを見ても矛盾点はあるんだよね。
1・2で勇者ロトが使った武具がロトの装備と言われるようになった、って設定だけど2のロトの兜がありえないとか3で勇者の盾とすでに名がついているとか…
だからあんま気にしなくてもいいんじゃないかと思いますよ。これはYANE氏の作品なんだし。
矛盾点と言えば他にギアガにいた竜の女王。竜王って竜の女王の子孫だと思ってるんだけど分断された世界でどうやって竜王がアレフにきたのかとか。
あと3では1の範囲しかアレフガルドがない→2の世界はいつどうやってできた?など。
チラ裏だけど分断されるのに時間がかかるのでは?と思ったのはこの理由からなんですよね。
それとルビスの世界では完全にそうなのかもしれませんが、魔物も魔王の力で具現化しているものと、そうではなく単に邪気の影響で悪くなっているものの2種類がってのが一応公式だったような。
重ねてDQモンスターズのことも考えると魔物はそれ自体で生きていると考えるのが普通になってきそうですし。
108 :
YANA:2006/01/31(火) 13:54:18 ID:YN934zuR0
>だからあんま気にしなくてもいいんじゃないかと
そういってくれると助かるます。あと原作の矛盾点は、出来るだけ埋めるつもりでプロット書きますた。
…でも俺の名前は家屋の雨除けじゃないんだorz
ちょいと時間がないので次回予告だけ。
次回はスレタイの原点に返り、テーマ「ツンデレ」と「エロス」
………ここんとこ真面目なシナリオが続くので、ちょっと息抜きを(でもフラグ回収はするw)
『拝啓 母さん、ラーミアもいないので、久しぶりの船旅です。…といっても、海岸沿いを小さな船で航海しただけですけど。
さて、そうして着いた砂漠の町、ドムドーラ。砂漠の町という事もあり、この町では水が貴重です。
ですが、町の井戸は涸れ果てる寸前で、やはり町の人も元気を失っています…。
そして私たちは、オルテガさんの手掛かりを探し、町の人に聞き込みをしているのですが…』
「………駄目だな、手掛かりになりそうな情報はねぇ」
「うん…オルテガさん、ここには寄ってないのかな?」
「ま、親父が旅立ったのはもう何年も前の話らしいからな…仕方ねぇといえば、仕方ねぇ」
「…でも、あんたは諦めないんでしょ?」
「どうやら俺のしぶとさは親父譲りらしいからな。…大臣さんの話を聞いたときから、どうももう死んでるっていう気がしねぇんだ」
「…ふぅん。親子の絆、っていうのかな?」
「よしてくれ、俺と親父に限って。…そうだな、することもないし、そろそろ武装の新調くらいするか。
バラモス戦以降、まともに買い替えしてねぇから、ここらでやっておいていいだろう」
「そうだね」
・ ・ ・
「…力の盾?悪いが、あいつが使うには小回りが利かねぇな、これは。俺はもう、いいのを持ってるし」
「いやいや、にいさん、こいつはただの強固な盾じゃないんだ。掲げるとなんと、持ち主の傷を癒すっていう…」
「…?」
「…!」
「…ふぅ。あたし用の装備は、ラダトームの方で揃っちゃったし、この町のお店は戦士用の装備ばっかりだし、暇だなー。
…何か面白そうなものは…と………?………なにこれ」
「…?…どうした、アリス。何か珍しいものでもあったか?」
「………」
「?(何見てるんだ…?)」
ヒョイッ
「………なんだこれ」
「わっ!!!ちょっとゴドー、声くらい掛けてよ!もう、びっくりしたー…」
「声なら掛けたぞ。…で。おまえ、こんなのが欲しいのか」
あぶない水着 価格:78,000G
「ち、違うわよっ!…そ、その…こんな、見るからに防御力無さそうで恥ずかしい水着が、どうしてこんな高いのかなー、って…」
「ん?ああ、ねえさん、そいつはシャレで置いてあるんだ」
「シャレ、ですか?」
「ああ、こんな世界だからな、そういうバカをやるのもいいだろうってな。見ての通り、ただの水着だから、
それ買って着て、魔物と戦おうなんて考えなさんな」
「し、しませんよ、そんなこと!」
「同感だ」
「………」
「なんだ」
「…ねぇ、ゴドー。これ、あたしに似合うかな?」
「医者に行くぞ」
「まま、待ちなさいって!誰が戦闘に使うっていったのよ!?あたしはただ…その…似合うかな、って、訊いただけじゃない」
「………仮に似合ったとしよう。だが、この値段は手がでねぇ」
「わ、分かってるわよ。…いいじゃない、話くらい。見たくない?あたしの水着姿。興味ない?」
「………」
クルッ
「あ、こら、ゴドー!!」
「やってられねぇ…宿をとりにいく」
・ ・ ・
ボフンッ
「もう…ちょっとくらい付き合ってくれてもいいじゃない…」
「あのな…当初の目的忘れて、寝言を言うのも大概にしろよ」
「…ぶー。何よぅ…あたしのこと好きだっていってくれたじゃない…もうちょっとさ…相手にしてくれてもさー…」
「…っ…」
「むー…」
コンコンッ
「む…どうぞ」
ガチャッ
「…すみません…」
「?どちら様?」
「…あの…こちらに、上の世界から来たという勇者様がいらしていると聞いたのですが…」
「ああ、そりゃ俺だ。その話は、誰から?」
「はい。この町で聞き込みをしている勇者様が、何でも上から来たらしいと噂されていまして」
「あー、あれねー。ま、不都合はないから、ちょっと口を滑らしちゃったんだけど」
「つかぬ事をお訊きしますが…勇者様は、今、上の世界に戻る術をお持ちですか?」
「?…ああ、ちょっと疲れるけど、瞬間移動の呪文で何とか行き来することは出来る」
「それでは…その…お願いが、あるんです」
「…いいよ、話してくれ」
「…(こいつは本当に…人助けだと見境がないんだから)」
「はい…自己紹介が遅れましたね。私の名はレナ。昔、アッサラームという町で踊り子をしておりました」
「ふむ(あー、そういえば…何だか足運びが一般人と違うな)」
「ですが、嫌なお客に迫られて…逃げ出してしまったんです…」
「どこにでも、バカな男はいるのね」
「で、行き着いた先がこの世界、か。…それで、俺たちに何をしろと?」
「…もし。もしあれば、でいいんです。勇者様がこの先アッサラームに立ち寄ることがあれば…座長に私の無事をお伝え下さい」
・ ・ ・
〜アッサラーム・楽屋〜
「…そうですか。レナちゃんが、そんなことを」
「ああ。…どこにいるかは云えませんが、無事生活しています、だそうだ」
「(で、早速そのためだけ≠ノ来ちゃうんだもんね。全く、相変わらずお人好しっていうか、何ていうか…)」
「胸の支(つか)えが取れました。知らせてくださって、ありがとうございます。お礼に、これを差し上げます」
ゴソゴソ…
「?…うわ(これ、さっきの水着じゃない!?)」
「………」
「魔法のビキニ、というモノです。見た目はただの水着ですが、魔力的な洗礼が施されているので、下手な攻撃なら通しません」
「いいんですか?これ、貴重なものなんでしょう?」
「いえ、心配していたレナちゃんの無事を知らせてくれたのです。これくらいは」
「わー、ありがとうございます!」
「………ありがとうございます」
「ね、ね、着てもいいでしょ?」
「…やめとけ」
「む…何でよ?座長さんの話聞いてたでしょ?装備品としての実用度なら、申し分ないじゃない?」
「………」
「…そんなに見たくないの?あたしの水着姿…」
「………」
「…もう!知らない!」
ダッ
「!お、おい、アリス!」
「先にドムドーラの宿に戻ってて!あたしはこの町で憂さを晴らしてくから!べーっだ!!」
「………………まいったな」
「…ゴドーのバカ…嫌なら嫌って、はっきりいえばいいのに…っ…バカ。大バカゴドー…」
ちょいと、そこ行くお嬢さん!
「へ?なに?あたし?」
「おお、やっぱり!私の友達!」
「は?(友達?…誰よ、このおじさん)」
「よく来てくれました!ささ、どうぞ、品物を見ていってください!」
「ちょっと、あたしは今、機嫌が悪いの。押し売りならまたにしてくれる?」
「おお、これは悲しい!私の友達は不幸に遭っている!いけません、私としたことが…」
「わかったら、さっさと」
「ずばり当てましょう!あなたは、男性のことで怒っていらっしゃる!」
「う…(聞いてないし…しかも当ててるし)」
「わかります、わかります、意中の男性が自分に冷たい!これは悲しいことです!そんなあなたにはこれです!!」
「………なにこれ」
「見た目はただの金のネックレス!しかし、これをつけた男性はたちまち女性の誘惑の虜に!
あなたの意中の男性につければ、必ずやその男性はあなたに振り向き、あなた無しではいられなくなるはずです!」
「………本当?」
「ええ、勿論ですとも!もし男性に何の変化もないようでしたら、どうぞ返品にいらして下さい!」
「(キュピーン)買ったわ。いくら?」
「16000Gになります」
「高いし!!」
〜二時間後、ドムドーラの宿屋〜
「はぁ、はぁ…散々値切り倒して2000G…覚悟はしてたけど、これ…もしかして騙されたかな…」
カン、カン、カン…
「(…さて。問題は、これをどうやってあいつにつけるかね…
警戒心の強いゴドーのことだから『つけてくれ』ってストレートにいっても怪しまれるかも…うーん)」
ガチャッ
「ただい………?」
「すぅ…すぅ…」
「………………寝てる。………チャ〜ンス!」
・ ・ ・
「…これでよし、と。あとはこいつが起きるのを待つだけね」
「…すぅ…すぅ…」
「そうだ、今のうちに水着、用意しておこうっと」
ゴソゴソ…ゴソゴソ…
「すぅ…ん………」
「わっ!」
「…ん…?………」
「あ、あはは、ただいま。おはようゴドー。…き、気分はどう?…」
「………………」
「………………」
「………………」
「…ゴドー?…(うーん…やっぱりあたし、騙された…?)」
「……………………………………………………(゚Д゚)?」
「え?『その手に持ってるのは何だ?』…もう、忘れたの?アッサラームで座長さんにもらった水着じゃないの」
「( ´Д`)………」
「なに?…『着てみてくれ』?………そんなに、見たい?あたしが、これ着てるところ」
「 (・∀・)…」
「(すごい…効果覿面じゃない!ありがとう、私の友達!←※錯乱中)…ふふん…しょ、しょうがないなぁ…ちょっとだけだよ?」
「キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!」
・ ・ ・
「どう?…似合う?」
クルッ
「(*´Д`)ハァハァ…」
「えへへ、ありがと」
「(*´Д`)…」
「え?何?…『その格好でぱふぱふしてほしい』?…ぱふぱふ?…何だか前にも聞いたことある気がするけど…なにそれ?」
「(・∀・)…」
「………『胸と胸の間に』…!!!!!???(////////) ばばばばばば、バカいわないでよっ!!
そそそ、そんな、そんな恥ずかしいこと…出来るわけないでしょ!!?」
「………(´・ω・`)ショボーン」
「…っ…そ…そんな顔したって駄目なんだからね!………」
「(´・ω・`)」
「………」
「(´・ω・`)」
「………ああ、もう!!…わかったわよ!や、やればいいんでしょっ!?」
「(`・ω・´)シャキーン!」
「い…いくわよ?(あうぅ…確かにゴドーは積極的になったけど…なんだか、変なことになってきてる…)」
「(*´Д`)…」
ギシッ…
「ん…」
ふにふに…ぱふぱふ…
「ん…ふぅ…」
「)´Д`(」
ぱふぱふ…むにむに…
「…はぁ……ど、どう?…気持ちいい?」
「(*´Д`)ハァハァ、ハァハァ…」
「…っ…そ…そんなこと…いわないでよっ…死ぬほど恥ずかしいんだから…」
「――――――(*゚∀゚)=3 ムハーッ!!」
「!!きゃっ!」
ボフンッ
「ちょ、ちょっとゴドー、いきなりなにす…ふわっ!?」
ビクンッ
「(*´Д`)ハァハァ」
「はぁ、はぁ…何…して…やめ…」
「(*´Д`)ハァハア」
「『ナニをしている』って…ホント、やめ…んっ!」
ビクビクンッッ
「ひ…ひぐ…(…こんな…こんなのやだ…あたし…あたし…!!)」
「(*´Д`)ハァハァ」
「…そうだ…(あのネックレス…あれをとれば…!)」
「(*´Д`)ハァハァ」
「ん…っ!」
ブチッ
「(*´Д`)ハァハ………………(;゚Д゚)!?」
「はぁ……グス…はぁ…はぁ…」
「………………………」
「…ヒック…ゴ、ドー…?」
「………………………」
――――――さて。説明せねばなるまい。
アッサラームの怪しげな商人がアリスに売りつけた金のネックレス。
原理は不明だが、このネックレスは、装備した男性の基本的な人格はそのままに、性的欲求という一点のみを強化する代物である。
本能から来る欲求を、内的要因である理性のみによって抑えつけるのは難しい。欲求を抑える決め手は、いつでも外的要因である。
例えば上の立場にいる者からの命令であるとか。例えば金銭の不足であるとか。…例えば、性交渉相手の意思の尊重であるとか。
ゴドーという人間が他の男性に比べて性的欲求が小さいかというと、決してそんなことはない。
彼はただ、常に冒険で生き残る上で、性的欲求よりも生命活動に関わる欲求を優先させているに過ぎない。
だがここに、一時的にせよ性的欲求が他の欲求を上回った。加えて、多少受動的とはいえ、欲求を扇情したのはアリスである。
誘ったのがアリス自身で、ゴドーの性的欲求は強化されている。ここに、彼の欲求を抑える外的要因は存在しない―――!
ただ。このネックレスは装備者の欲求の指向性を定め「性格」を変化させるだけであり、当人の「人格」を入れ替えるわけではない。
「………………………」
「………………………」
――――――まぁ、有体に言えば。彼はネックレス着用時の自分の行動を、全て記憶しているのである。
「…っ!!!!!!」
ダッ、バンッ
「あ、ゴ、ゴドーっ!待って!!」
ダダダダダダダッ…
「っ…追いかけないと!服、服!!」
・ ・ ・
ザッザッザッザッザッ
「はっ、はっ、はっ、ちょ、ゴドーっ!待ってってばっ!!」
「…っ……」
「話を聞いてよ!」
「………」
ザッザッザッザッザッ
「はっ、はっ…もう…ボミオスっ!!」
キュウウウウッ
「!」
「捕まえたっ!」
ガシッ、ドザーーーーッ…ゴテンッ
「………………」
「はぁ…はぁ…はぁ………ふぅ。いきなり逃げないでよ…ゴドー」
「………すまん」
「え?」
「…言い訳をする気はねぇ。頭を冷やして、落ち着いてから謝ろうと思ったんだが…その、こうなったら仕方ない。
煮るなり焼くなり、好きにしてくれ」
「…だーかーらーっ!話を聞いてっていってるでしょっ!!」
・ ・ ・
「………つまり、俺がおかしくなったのは、その妙なネックレスのせいだと?」
「…うん。あんまりゴドーが冷たいから…つい、カッとなって」
「………」
「………やっぱり、怒ってる?」
「………逆だ。きっかけがなんであれ、俺はそれをつけている間、ちゃんと意識があった。
あの衝動を抑えられなかったのは、間違いなく俺のせいだ。………すまん」
「あ…あんたが謝らないでよ…悪いのはアレつけたあたしなんだから…あたしの方こそ、ごめん」
「いや、俺が悪い」
「ううん、悪いのはあたし」
「「………」」
――――――キラッ
「ん…?」
「?…どうしたの?」
「…いや。そこの茂みで、今何か…ん」
ゴソゴソッ…グイッ
「………なにこれ?…結構大きいわね」
「…石か?………いや、違う…この感じは…あの盾に似てる―――?」
「?」
「…何かの役に立つかも知れん。とっておこう」
「ふぅん………で。さっきの続きだけど」
「アリス。…ごめん」
「だから、悪いのはあt」
「違う。…昼間の、水着の事(まぁここはずっと夜だけど)」
「………」
「見たくないわけじゃなかったんだ。…ただ…」
「…ただ?」
「………」
―――俺は、おまえにイカれちまってるから。おまえの、そういう格好を見たら平静を保てねぇかも、って。
「――――――」
「…あと、おまえの水着姿を他の奴に見られたくなかった。…ごめんな。それだけだtt―――!?」
ギュッ
「お、おい!」
「…ゴドー」
「…なんだよ」
「…大好き」
チュッ
「………(…まいった。俺は近い将来、こいつにだけは勝てなくなるかも知れん)」
『母さん、あなたは、父さんと結婚する前、どんなことをしましたか?どんな喧嘩をしましたか?
もしかして、水着のことで喧嘩とか…しましたか?もししたのなら…私はちゃんと、母さんの血を受け継いでます(笑)。 敬具』
119 :
YANA:2006/01/31(火) 19:41:11 ID:AMVy3X1S0
Q. レナのキャラが原作と違いませんか?
A. 仕様です。プレイには(ry
Q. ネックレス着用時のゴドーが凄い顔してますが?
A. 外見上は変わらず、いつもの無愛想です。
あの時の彼の感情の変化を読めるのは、アリス・アレイ・ライナーの三人くらいです。
AAは彼の心理変化を分かりやすく表したものです。
白状しよう。この展開やりたいが為に第一部から頑張ってきますたよ、俺は。
スマソ、ちょっとの間留守にすると思うので、暫く宜しく。
ゴドーバロスwwwwwwwwwwwwww
なんだかんだ言って彼も16歳ですものね。(笑)
YANE氏乙でした。ヽ(・∀・*)ノ
ボミオスにワラタwww
しかしこれがやりたいが為に書いてきたってのも凄いなwww
俺は今まで以上にYUNA氏を尊敬するようになった。
123 :
YANA:2006/01/31(火) 21:25:29 ID:B1XnIPc30
>>120 だから俺の名前は家屋の雨除けでも
>>122 FF10のヒロインでもないんだってばヽ(`Д´)ノ ウワァァァン!!
>>NAYA氏
乙ですwwwww
不覚にも顔文字ゴドーにモエスwwwwwwww
こんなに笑ったのは久々かもしれんwww
KANA氏GJ!!!!!!
顔文字にはしてやられたぜ。
NANA氏乙wwwww
YANA氏GJ!!!!!!
128 :
120:2006/02/01(水) 01:16:40 ID:uml9/PumO
ごめん、俺ずっと間違えてたんだな。orz
本気でゴメンナサイorz本当に今まで気付かなかったorz
家屋の雨避けって名前のことさしてたのか。ずっと『(・∀・)?』こんな感じでしたorz
YANA氏グッジョブ
続きをお待ちしております
ネックレスがバイアグラ並に使える装備じゃないかwwwww
131 :
YANA:2006/02/01(水) 17:33:13 ID:5tbCV2iO0
金のネックレス→着用すると性格が「むっつりスケベ」に
ドムドーラ→あぶない水着(高額にてまず購入不可)、踊り子レナのイベント
アッサラーム→レナイベントですぐさま代用品(魔法のビキニ)入手、金のネックレスがボッタクリ商人によって販売
これだけの材料が揃っててコンボさせない手はないwww
※向こう一週間取材にて作者休載。何かあれば答えますが掲載は一時休止のこと。ご了承を。
132 :
名無しでGO!:2006/02/01(水) 18:46:10 ID:9cazBW0MO
掲載再開の際には節穴で応えよう
昨日、久しぶりにカーチャンから電話があった。
「ちゃんとご飯食べてる? 部屋きれいにしている?」
心配してくれているのだろうか。 漏れは素直に現状を伝えた。
「まぁ、部屋はヒドイもんだよ、でも野郎の一人暮らしはそんなもんさ。 メシは毎日コンビニ弁当だよ、自炊ダルい。」
「あらあら・・・。」
「まぁ、こっちはこっちで何とかやってるから、カーチャンも健康に気をつけてくれや。」
と、軽く答えた。
でも、火曜日はカーチャンのパートが休みの日だというのを忘れていた。
昨夜、友人と飲みまくって帰ったのは深夜。
部屋が見違えるほどキレイになっていて、コンロの上にはカレーができていた。
まさか! と、思って部屋に入ると手紙が・・・
○○へ
ズボン2枚と上着3枚とクツをもってきました、ソファーは押入れに入れちゃいました
冷蔵庫に福神漬とめかぶのサラダが入ってます
カレーを作っておきました ご飯は6時ごろに炊けるようにセットしてあります
コタツをかってにまたつくりましたがいやだったらふとんは
押入れに入れておいてもいいと思います
―――どうも勝手におじゃましました
かぜひかないようにね!!
んで、冷蔵庫には漏れの大好きなチューハイの缶と、ビールが入ってました
ビールはあまり好きじゃない・・・カーチャンは大好きだけど。
つまり・・・漏れが帰ってきたら一緒に飲もうと思って・・・ゴメン カーチャン。
実家が遠いというわけじゃないが、それでも普通に電車で2時間以上かかる場所からわざわざ漏れのためだけに・・・
今さっきカーチャンに電話しました、ゴメンネ アリガト・・・カーチャン
押し入れからローラ姫の日記が発見されました。
長くないものなので、保守がてら書き込んでみたいと思います。
−−−−−−−−−−−−−
○月×日
今日は竜王の手下に攫われてしまいました。
なんのためか知りませんが、何処かの洞窟に閉じこめられてしまったようです。
ドラゴンさんが門番やっているようですが、ときどき聞こえてくる唸り声が怖くてたまりません。
わたしはこのまま殺されてしまうのでしょうか?
グスグス泣いていたら、ドラゴンさんがわたしを威嚇しながらノートとペンをくれました。
何かの気晴らしになるかもしれないので、此から日記を書いていきたいと思います。
ああ、お父様早く助けて。
135 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/02/03(金) 01:00:44 ID:TonOpcFw0
保守?いらない?ww
ドラクエTの世界に何故押し入れが
ドラゴンさんはツンデレでした
まで読んだ
書き手さん達はみんな当時からのVIPPER?
ここの住人さんも交じってる?
>>138 わたしはスレがvipにあったときからの住人ですがなにか?執筆係さんの降臨を待ち悶えています。
と云うわけで、今日のローラ姫の日記です。
−−−−−−−−−−−−
△月□日
今日は何処かの戦士さまがドラゴンさんに追い返されていました。
この暗い洞窟から出られると思ったのに、ドラゴンさん強すぎです。
このまま誰にも助けられなかったら、わたしはいったいどうなってしまうのでしょう?
ドラゴンさんの美味しいおやつになるのは、ちょっと遠慮したいところです。
此を書いているときに部屋の松明が消えてしまいました。
暗いところが怖いとグスグス泣いていたら、ドラゴンさんが入ってきたのです。
そのまま大きなお口を開けてたので、とうとう食べられてしまうのねとこの世を儚んでいたら、
松明に火を付けてくれました。御礼を云おうとしたら、思いっきり威嚇されてしまって怖かったです。
お父様はいつ助けに来てくれるのかしら。
ちょっと面白いw
ドラゴンたん萌え
まさか、ドラゴンがツンデレですか?w
モンスタ―がツンデレ・・・悪くない
×月○日
洞窟の中にいると朝も昼も判りませんが、
一日一回、朝にドラゴンさんが吼えるので辛うじて日付が判りますが。
ここに来てからだいぶ経つのに、一向にお父様の助けが来ません………
今日は外も寒かったのでしょうか、洞窟の中がとても冷えました。
何度もくしゃみをしてしまい、風邪を引いてしまいそうになりましたが、
ドラゴンさんが入ってきて、薪に火を付けてくれました。
お部屋は煙たくなりましたが暖かさには勝てません。有難く暖をとらせていただきました。
でも…お部屋から出るときに、此方を向いて威嚇するのは吃驚するので止めて欲しいです。
お父様は……わたしなんてどうでも良いのかしら。
日記の写しを間違えてしまいました。
×洞窟の中にいると朝も昼も判りませんが、
○洞窟の中にいると朝も昼も判りません。
俺の中でのローラ像が変わっていく。
ドラゴン倒すのがかわいそうになってきたw
□月×日
今日も何処かの戦士さんが、ドラゴンさんに追い返されていました。
ドラゴンさんはとっても強いのでもう期待はしていなかったのですが、
それでもやっぱり一寸はショックです。
もうわたしは此処で一生を終える運命なのでしょうか……
わたしが閉じこめられている部屋には寝床がないため、いつも毛布にくるまって地べたに寝ています。
流石にこんな日が続くと身体が軋んできて、横になるのが辛くなってきてしまいました。
それから何度溜息を吐いたでしょう。
いきなりドラゴンさんが部屋に入ってくると、わたしを威嚇してきます。
そのまま部屋の中央で座り込むとわたしを手招きしたので、いよいよ覚悟を決めました。
だけど、ドラゴンさんはお腹の上にわたしを寝かせると、目を閉じてしまいました。
暖かくて柔らかく、とっても心地が良かったので思わず御礼を云おうとしたら、
目の前で大きく口を開け牙を煌めかせたので、そのまま食べられちゃうかと思いました。
お父様はなんて、だいっ嫌い。
俺もドラゴンのおなかで寝てみたい
ドラゴン萌え
殺すんじゃなくて追い返してんのか。結末が気になる。
152 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/02/06(月) 03:05:13 ID:tqMk91T60
なんか平井堅の君は僕の友達のプロモ思い出した、アレ泣けるんだよなぁ…
△月○日
久しぶりに太陽の光を見たとき、何故か知らないけど涙が出ました。
そう、わたしは洞窟から出ることが出来ました。
今までも何度かドラゴンさんと戦っていた戦士…いえ、勇者さまが助け出してくれました。
ドラゴンさんも強かったのですが、蒼く輝く鎧と盾を身につけた勇者さまのほうが更に強かったです。
長い戦いの末にドラゴンさんがうずくまり、とどめの一撃を与えようと勇者さまが剣を振り上げたときです。
ドラゴンさんが此方を見て、ニヤッと笑ったように見えました。わたしにはそう見えたんです。
其れを見て、わたしはとっさに叫んでしまいました。
勇者さまはわたしに気が付くと、閉じこめられていた部屋から出してくれて、話を聞いてくれました。
良くしてくれたことなど、全部聞いてくれた勇者さまは、薬草でドラゴンさんの傷を治してくれました。
ドラゴンさんは躯を起こすと、唸り声を上げましたが攻撃しては来ません。
長い幽閉生活で体力の落ちていたわたしは、勇者さまに抱えられて洞窟を出ました。
最後にドラゴンさんに御礼を云おうと思ったのですが、いつものように威嚇されちゃいました。
結局、最後迄ちゃんと云えなかったので、日記ですけど此処でお礼を書かせていただきたいと思います。
ありがとうございました、ドラゴンさん。
勇者さまも………ありがとう。
あの童話っぽいやつか
てか姫の心境がダークになっていきそうでコワスwww
発見されたローラ姫の日記は此処で終わっていました。
YANA氏もそろそろ帰ってくるかと思うので、頃合いかと。
で。このドラゴン、経験値も普通のに比べて高いので、竜王の血族だったら面白いですよね。
DQ2でネタを練ったりなんかもしてますが、ソル・シエールに冒険に出ているのでなかなか。
ま、もし期待してくれる人がいたなら気長に待っていてください。
>154
もっと先も発掘した方が良かったですか?
だったら押し入れを漁りますが。
良かったよぅ
ハッピーエンドで良かったよぅ
てか続きがあるなら希望したくはあるがキリも良いし
無理にやらんでもいいような
そちらさんに任せます
保守がてらに書き込み。
>157
日記の残りの発掘は大変そうなので、>153で〆と云うことで。
どうせあれです。残りは皆の知っている流れでしかないし。
と云うわけで次回作にご期待下さい。
159 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/02/08(水) 02:02:44 ID:AA4LZtUV0
いい加減クロノトリガーゼノギアスDQ2,3FF5,6崇拝してるおっさん死ねば?
1 :ゆとり世代代表 :2006/02/04(土) 23:43:56 ID:C64G4e0a0 ?#
今やるとグラフィックに萎えてやる気おきないから
あの2Dの雰囲気がいいとか言ってるおっさんは死ね
今の時代についていけなくなったおっさんは
一生昔の思い出に浸りながらクロノトリガーやってろばーか^^あはははは♪
ネ申ゲーを馬鹿にしている奴らに制裁を!
http://news19.2ch.net/test/read.cgi/news/1139064236/
次はムーンブルク王女(2ね)の日記を探してくんない?
>160
日記形式じゃないのであれば直ぐにでも。
と云いたいところですが、日記の方が良いんですかね?
いや未だ全然なんですよ。色々と試行錯誤をしてはいるんですが。
なんか日記っていう形が面白そうだだけどね。お任せするよ。
YANA氏はそろそろ戻ってくるんだろうか
保守
まぁ気長に待ちますか
保守
167 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/02/12(日) 06:40:05 ID:lh/5hLAq0
保守
168 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/02/12(日) 08:40:07 ID:WR8IL8YhO
あげ
まだ戻ってこないのか?
きっとみんなバレンタインの準備に忙しいんだよっ!!
保守
神がメインだからか雑談もないな
ほしゅ
バレンタインネタでも仕込んでるのかとwktkしてたが
気長に待つか
ていうかDQの世界観でバレンタインってあんのかな
言い始めるとキリないがw
かつて、闇の世界に陥れたアレフガルドを大魔王の手から開放したという勇者ロト。
光の玉を奪い、アレフガルドを恐怖のどん底に陥れた竜王を倒し、
アレフガルドに平和をもたらした勇者ロトの子孫、アレフ。
彼らが命を賭してもたらした平和は、大神官ハーゴン率いる邪神の軍勢によって破られた。
彼の軍勢はロンダルギアの地平から、ロトの血脈を守っていたムーンブルクに奇襲を掛け、攻め落とした。
ハーゴンの野望は、禍々しい神を呼び出し世界そのものを破滅させること。
勇者の血を同じく受け継いでいたローレシアとサマルトリアは、王子たちをハーゴン討伐に向かわせる。
彼らの故事に習い。その受け継がれる血に世界の希望を託し。
今は昔。
既に伝説でしか語られることのない、ロトの勇者たち。
地上から姿を消したその血脈。人々の記憶から消えゆく、その最期の戦い。
今から紐解く物語は、その戦いの記録である。
うぅ……此処は………?
って、言葉が喋れるっ!?前足じゃない……指が五本ぁ……鏡はっ!!!?
(ドタバタ)
戻ってる、戻ってるよ!!夢じゃなかったんだ!!!
あの鏡には人間のわたしが映っていて、鏡から出た太陽のような光で照らされたかと思うと割れちゃって。
その後人間に戻って、気を失っちゃったんだ…。
………ちょっと待って。あの時わたし、何か着てた?姿が戻ったと、き………
まさか、見られた?全部見られた?余すところ無く見られた?その上介抱された?アイツらに………?
(コンコン)
ちょ、ま――――――
(カチャ)
は、は、は、は、は、は、は、は、入って、くるなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!
バギィィィィィィィィィ!!!!!
(ズシャズシャズシャズシャ)
見切り発車万歳。
YANA氏の帰りが遅くなりそうなので、予定を繰り上げて練り上げてみました。
ホントにこの形式で良かったのかとも思うのですが、もう知らん。
の割には、今でも自問自答中。でもあんまり悩むと禿げそうなのでこのくらいで。
2は物語自体が短い上に且つ途中からなので、今回はのんびりゆったり行きたいかと。
もしも気に入ったら、是非書き込んでください。声援があるから僕たちは頑張れるんだっ!!とかなんとか。
さて、其れでは此から暫くのお付き合いを宜しくお願いします。
声援があるから僕たちは頑張れるんだっ!!
こうですかわかりません><
見切り発車万歳!ローラに続き王女も人物像に期待
2の王女はほっかむりに萌えだとか(なんとか)
2の三人と7の最初の三人は頭部が似通ってるよね
それはともかく期待してます。頑張れ!頑張れ!
wktk
184 :
見切り発車:2006/02/16(木) 00:06:12 ID:ory7gTBB0
だから、悪かったって謝ってるじゃない。
色々思い出して気が動転してたんだから仕方ないでしょ。
ちゃんとベホイミだって掛けてあげたんだからもう平気よね。だからそんなに痛そうな顔しないで。
むー、未だ足らないなら、好きなだけ掛けてあげるわよ。ほーらベホイミベホイミベホイミ……
でもねー、いきなり入ってきたらそりゃ吃驚して当然よ。心の準備ってものが………
ノックしたって、わたしが応える前にドア開けたら意味無いじゃないのっ。
大の男が二人もいるんだから、もう少し気を利かせなさい。
―――――それに、みたんでしょ?わ、わた、しのは、は、は……………
な、なんでもないっ!!なんでもないったら、なんでもないのっ!!
………あんまりしつこいと、またカマイタチで切り刻むわよ。
で、此からどうするの?わたしは今の状況判ってないんだから、ちゃんと教えてよねっ!!
185 :
見切り発車:2006/02/16(木) 00:11:44 ID:ory7gTBB0
展開考えると、既に後悔が襲ってきていたり。練りが足りないというのはこういう事ですね。
そういう自戒を込めてハンドル付けてみました。
因みに、今回は終わりありきではじめたので最後まで頑張れると思います。多分。
>179
確かにそう取られてもおかしくない書き方でしたね。
申し訳ない。照れ隠しを付けるぐらいならそんな文付け足すなと、反省。
>>見切り発射殿
王女が既に抱き締めたい程カアイイ
漏れにもバギしてぇ〜(*´д`)ハァハァ
王女のハダカ・・・
なっ、ばっ、おま、あんなお子様のハダカなんて興味ねーよ!
wktkほしゅ
189 :
見切り発車:2006/02/16(木) 17:45:11 ID:DZsBnsYL0
風の塔〜?
そのくらい知ってるわよっ!!全く二人して莫迦にしてっ!
此処一帯はムーンブルクの領土なんだから、わたしが知らないはず無いじゃない。
……まぁ、今ではその国も無くなっちゃったんだけどねっ。
あー、もう二人してそんな昏い顔しないのー。男なんだからシャキッとなさいっ。
風の塔に行きたいって、風のマントが目当てなんでしょ?
ずーっと前から、わたしが生まれる前からその話はあるみたいだけど、誰も実物を見た人はいないのよ。
そんな実在すら怪しいもののために、あんな遠いところまで行く気なの?
其れに高いところから落ちたときに少しだけ空を飛べるって、なんの役にたつのよ………
てか、コナン!貴方もヘラヘラしてないで、あの脳味噌筋肉になんか云ってやってよっ!!
そのくらいの寄り道いいだろうって………あーもう、のんびりシスコン王子には期待しないわ!!!
だから、わたしは先を急いだ方がいいんじゃないかって云ってるのっ!
け、決して面倒臭いとか、高所恐怖症だとか…そんなんじゃ………
そ、それに……っ!ううん、やっぱなんでもない―――――
ん?なによその手は…………わんっ!!
…………………………………………………〜〜〜〜〜〜!!!
な、なっ、なにっ、な、なっ、なにやらせるのよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!
190 :
見切り発車:2006/02/16(木) 17:54:37 ID:DZsBnsYL0
この後、とある呪文で宿屋の一室がボロボロになり、修理費を請求されたことは想像に難くありません。
どう見ても話が進んでいません。本当に(ry
で。色々悩んだ挙げ句、三人には名前をCDシアターから頂いて付けることにしました。
やっぱりサマルは置いてくるべきだったか………
ありゃ大分時間経ってるのにレスなしかyp
GJ!
それはともかく作者さんのコメントと内容は分けたほうが良い希ガス
まぁ何にせよ続き期待しとります
>やっぱりサマルは置いてくるべきだったか………
このツンツンめw
風の塔から飛び下りるときは
「当ててんのよ!」希望。
犬王女モエス
195 :
見切り発車:2006/02/17(金) 17:59:58 ID:VjlrnrFb0
もうっ!!そっちじゃなくてこっちっ!!
この山脈を大きく北から迂回しないと風の塔には行けないのよ。
其れとも、山登りでもする気?
全く……自分から行くとか云っておいて、そのくらい調べておいておきなさいよ。
そうね、昔っからそうだった……考えるより先に…………
なっ、なっ、なにっ!?い、いきなり声掛けないでよっ!!吃驚するじゃないっ。
ちゃんと一言断ってからにしてよねっ、もう。
そんなにゴチャゴチャ云うなら、待ってれば良かったって………?
なぁに、そんなにわたしに付いてきてもらいたくなかったのっ?
其れに、もしわたしを置いてきてたら、道間違えて余計に時間が掛かってたんだよ。
一寸は感謝してくれるのが筋ってもんじゃないの?
……ちょ、待ってよっ!!なんでいきなり早足で……付いて行けないじゃないっ!!
そんな云い方……もしかして怒っちゃった…?
待ってっ………あーん、ごめんなさいっ。お願いだからおいてかないでよー………
やっと街を出ることが出来ました。相変わらず足の遅いパーティーですね。
>191
>190の一行目が本文だと思われたって事ですよね?
だったらごめんなさい、其れコメントですorz
なんか、今回は紛らわしい書き方することが多いですね、反省。
今後こういう事がないように、ハンドルに米時は米を入れてみるテスト。
>193
其れは無理です。
と書こうと思ったのですが、考慮してみた結果いけそうかもしらん。
あんま期待されるとプレッシャーに負けそうなので、適当に待っていてください。
話の進み具合はそこまで気にならんよ
王女が如何にツンデレであるかが重要なのだ!
あと俺191だけど俺が勘違いしただけだから気にせんといてや
見切り発車氏って前に4の話書いてた人?
199 :
見切り発車:2006/02/18(土) 02:02:34 ID:Dpt7jUET0
あ、あんまり端っこ歩かないでよ………
怖くなんか無いもんっ!!で、でもさく、柵一つ無いんだよ?
足を踏み外したら、あ…危ないじゃない…?
ひゃあ!!
かっ、かぜが、風がぶわーって………こ、怖かったわけじゃ………!
(ガシッ)
きゃあ!!!
い、いきなり手なんか握らないでよっ!!
引っ張ってくから……?じゃなかったらって、そんな……っ!
わたしひとりでこっから降りられるわけ無いじゃないっ!!
それに、一人で待つのだって無理よ………此処の魔物強いもん……
…………い、良いわ…わかった。てっ、て、手で繋がれててあ、あげるわよ。
わっ、わたしのラリホーだって、必要でしょ。其処のシスコン王子より強い回復呪文だって使えるし。
だ・か・ら、仕方なく繋がれていってあげるのっ!わかったっ!?
ほら、そうと決まったらちゃっちゃと行くっ。目的果たして、こんな処さっさと出るのよっ!!
200 :
見切り発車:2006/02/18(土) 02:08:31 ID:Dpt7jUET0
>198
うわぁ!!ばれたっ!!逃げろっ!!
って、別に隠す必要もないし逃げないし。ハンドル変えたのは自意識過剰のためです。
まぁ、公然の秘密と云うことで。
うーん、やっぱりキャラクターの差別化が上手く出来てないかなぁ?
どうしても似通ってしまうような気がするんですよね、書いていて。むつかしいもんだ。
携帯から失礼します。やっぱり、元だんごさんでしたか。自分はこの作風が大好きです!真面目なシンシアの話をみるかぎり…素人とは思えねぇです。まったり頑張って下さい!!携帯からごめんなさいm(_ _)m
「当ててんのよ!」に加えて
頂上に到着→下から強い風が→ムーンのスカートが→
まで書いてくれたら抱かれていい。
発車氏乙です。
…にしてもYANA氏はまだかなぁ。
気長に待とうぜ
見切り発車氏が間を有効に使ってくれてるんだしさ
205 :
見切り発車:2006/02/18(土) 23:03:13 ID:Dpt7jUET0
此が風のマント………本当にあったんだ。
でも、見た目は普通のマントにしか見えないよ、一寸ヘンテコな形の。本当に此で空を飛べるの?
え……?試さないよー試さないよー……だってっ!!こ、こっ、こっ………
いっ、いいのっ!そういうのはぶっつけ本番で!魔法の道具は失敗、しないんだから……!!
ねぇ、それよりもっ。
屋上になんて上がる必要なかったんじゃないっ!!
最初からわたしが見つけた、あの階段を降りていれば良かったのにっ。
宝は絶対てっぺんにあるもんだー、なんて威張りくさっちゃって。
そんなに簡単に手に入る物だったら、とっくに他の誰かが持って行っちゃってるはずでしょっ!
そのくらい考えれば直ぐに判りそうなもんなのに………
なによ………なんか文句あるの?
もう、ほらぁ。早く出ましょうよ、こんな塔。
………なにしてるの、手握ってよっ。
なんでって、何云ってるのよ……またあの柵もないところを通ることになるじゃないっ!!
ほらっ。早くぎゅ、ぎゅっ…ぎゅーって、しっかり、にっ、握ってよねっ!
206 :
見切り発車:2006/02/18(土) 23:10:23 ID:Dpt7jUET0
執筆係氏とYANA氏、帰ってこないかなぁ。
>202
よしわかった。隅々まで綺麗にして待ってろっ!!
ナンだこのうほっな流れw
ホシュ?
210 :
見切り発車:2006/02/20(月) 01:59:49 ID:f+gTCZkC0
何よ、さっきの女の人は。
アレンのこと、見るなり駆け寄ってきたけれど。目なんか潤ませちゃって……
昔、ローレシアのお城で働いてた人なの?
ふーん、其れにしてはとーっても親しそうでしたけれど?
なーんでわたしが機嫌損ねなきゃいけないのよ。
貴方が誰と仲良くなろうがどういう関係になろうが、わたしには関係ないもん。
…ちょっと外で風に当たってくる。
………誰?
お城の……そう。逃げた、のね………
貴方一人いようがいまいが、結果は変わらなかったわ。
……助かった命、せいぜい大切になさい。
はぁ……なにやってんだろ、八つ当たり?情けないなぁ……
なんでこんなにイライラするのよっ!!あーむかつくっ!!
萌え成分が足らなくてごめんなさいorz
なんかイベント突っ込んだら、こんなのになっちゃいました。
改めて力不足と執筆係氏の偉大さを実感。
鬆大シオ繧後?
萌えとは伏線が必要だったりするしツンが多めなのが好きな人も居るんじゃないかと
なにはともあれ書けば力は付くでしょう
読むだけのこちらからすると文句の付けようはないけどな!
214 :
見切り発車:2006/02/21(火) 01:14:26 ID:mp6lvD070
はい、ベホイミ。まったく、呪文だって無限じゃないの。
少しは頭使って戦いなよ。
なによ、別に愛想良くなくたって良いじゃない。
愛想良くしてモンスターが一網打尽になるんだったら、幾らでも良くしてあげるわよ。
だけどね、戦ってモンスター倒して、最後にハーゴンやっつければ良いんだから、
仲良しこよしなんてやる必要ないでしょ。
其れにねぇ、どーせ向こうだってなんとかしなきゃなんて思ってないわよ。
コナンは気を回しすぎなの。
このまま進むとムーンブルク城のそばを通るわね……お城に寄るわ。
……大丈夫。お城が、みんながどうなったかわかってる。
だけどね、ローレシアにロトの印、サマルトリアにロトの盾が伝わっているように、
ムーンブルクにはロトの鎧があるのよ。
無事に残っているかは分からないけれど……探す価値はあるでしょ。
平気よっ!!――――わたしなら平気。だから、行くの。
>213
そう云っていただけると光栄です。
まぁ然しだ。もし気になるところやら文句があったらいってください。
批判は甘んじて受け、以後の糧にします。
お褒めの言葉だったりしたら、勿論踊りだすけどなっ。
216 :
見切り発車:2006/02/22(水) 00:28:12 ID:H/C8JfSr0
……………こんな………
なんて……有様なの………怨嗟の……呻きで満ちて………
………みんな……………
大丈夫……大丈夫だから、探しましょう。
……待って、向こうから何か……?
お、とう…さま……?お父…様……お父様ッ!!!
お父様ッ!!!わたしは此処に居ますっ!!
わたしですっ、ナナです!!貴方の娘の………!!!
呪いも解けて……みんなの仇を討つために旅をしているんですっ!!
二人に………たすけ……られ……………て………………
………わ、からな……いの………?そう……………
ごめんなさい、手間取らせちゃったわね。早く………
なによ、同情なんかいらないわ。だから――――
(ギュッ)
ちょ、離し………うぅぅぅ……ふぐぅぅうわぁぁぁぁぁぁぁぁん…………!
ここコメントする人減ってきちゃってる?神には頑張っていただきたい
ホシュ?
218 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/02/22(水) 07:06:29 ID:s8Gzi8PIO
ドラクエ2やったことないけどこのシーンにはぐっとくる。
220 :
見切り発車:2006/02/23(木) 02:24:09 ID:r4iLd7Ki0
あーあ、結局無かったわね、ロトの鎧。
……ハーゴンの軍勢がどっかに隠したんだと思うの。
んー、こんな短期間で破壊されている可能性はないと思うのよ。
わたしも何度か見たけれど、あの鎧に宿る力は濃すぎて呪いかと見紛ったほどだもん。
あれだけのものを破壊するのは、恐らく無理よ。
余程道から外れた力を使えば可能性はあるけど……
な、なによー。どうしてお城に寄ったのかって?そ、そんなのロトの鎧の為よ。
あんな思いしてまでって……装備できるの…………
ち、違うよっ!!ちがうよーちがうのーちがうんだからー……
ほ、ほらっ!わたしって非力な女の子でしょ?
だから、やっぱり壁役が居ないと呪文だってロクに唱えられないしっ。
だからねっ、ちょっとやそっとのことじゃ倒れないように………
あ、ちょっと………もうっ、莫迦王子のせいで変なこと云っちゃったじゃないっ!!
アレンっ、待ってよっー……
(タッタッタッタ………)
いい子だのう王女
222 :
見切り発車:2006/02/24(金) 00:49:06 ID:xl0FPSXA0
この祠を抜けないと、向こう岸には渡れないのよ。
少し前から海のモンスターが強くなってきてね。
じゃなかったらムーンブルクから船………も無理か………
もー、そりゃわたしも悪いけどさ、そんなに気を遣わないでよね。
雰囲気悪くなるじゃない。
そんなのどうでも良いって云ってたじゃないかって?そんなこと忘れちゃったわよー。
ふーん、此処の祠に二人で一度来たんだ。
追い返された?わたしを連れてこないと通せないって……?
ちょっと待って。もしもフツーに通行出来たら、どうするつもりだったの?
なにっ!?なんで其処で目を逸らすのっ!!?
もしかしてそのまま先に進むつもりだったのっ!!?犬に変えられるのを知ってて!!?
もう、信っじられないっ!!!!
可愛かったじゃないかって……自分が可愛くても愛でられないわよっ!!!
其れにアンタたちっ、わたしが擦り寄っていったら邪険に扱ったじゃないっ!!
あーそうだった、思い出した………手で追い払ったわよね!?シッシッてっ!
あの時、どれだけわたしが哀しんで絶望したか、アンタたちには判らないでしょ!!!
あーもうこの憤りをどうしてくれよう………なによ!?
………………わんっ!
…………………………………………バカァァァァァァァァァーーーーーー!!
バァギィィィィィィィィィィィィィーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
(ズシャズシャズシャズシャ)
ちょwwww王女wwwww
バギワロスwwwwwwww
225 :
見切り発車:2006/02/24(金) 17:05:12 ID:7wIGa5o40
ねぇ………ホントにこの砂漠渡るの?
水とか食べ物とか、蓄え充分だっけ?広いんだよ、この砂漠。世界で一番おっきいんだよ。
なんとかなるって………やっぱり脳味噌まで筋肉で出来てるんでしょ………
そりゃ此を越えないと、ルプガナへは行けないけどさ………
いっそのこと山脈越えしてロンダルキアに行くとかっ!?
……お願いだからそんな可哀想を見る視線をこっち向けないで………
えっ、はっ!?やっ。は、肌が焼けるのが厭だとか、髪の毛が荒れちゃうなぁとか、
やっぱり暑いから汗くさくなっちゃうなぁとか、そしたらやっぱり厭が…………とか
そ、そんなことおもってないよーそんなりゆうでしぶってるんじゃないよー………
わ、わかったわよっ!もうグチグチ云わないわよっ!
反対する理由もな、ないしねっ………………
うぅ……アレンのばかぁ…………
そうか・・・普通に考えれば王女日焼けなんかしないよなW
日焼けあと萌え
228 :
見切り発車:2006/02/24(金) 18:31:36 ID:9X6/iosc0
ミスッたぁー………ちょっと切腹してくる。
×可哀想を見る
○可哀想な子を見る
切腹よりも続ききぼん
ダメか?w
230 :
見切り発車:2006/02/24(金) 23:35:05 ID:E7d0dBjF0
み、水………もう無いんだっけ………
暑いよー咽乾いたよー干涸らびるー死ぬー………
なによー。わたしはちゃんと訊いたでしょ、準備は出来てるのかって。
それなのに深く考えず砂漠を越えようとしたのは貴方じゃないっ。
良いよそんな無理しないで。自分のぶ、ん………
なんでそんなに持ってるの?干し肉まであるんだ………
ああ、そうだった。昔っからコナンは気が利くというかマメだったような気がする。
良い奥さんになるわよ、きっと。
ねぇ、わかってる?
もしもコナンが水とか食料を準備してなかったら、
このオアシスにたどり着くこともなく、今頃モンスターのお腹を満たす羽目になってたのよ?
ホントもう考え無しなんだから……結果オーライじゃ済まないわよっ。
えっ……え?五月蠅く云う割に、何もしてなかったじゃないかって…………
そ、それはあれよ…ほら、アレンがちゃんとリーダーやれるかってね……
決して面倒臭かったとかそんなことはないのよ?ないんだから。ないんだからねっ!?
あ、話は最後迄聞きなさいよっ!!自分から訊いたくせにぃ!!
全くもうッ………でもコナンたら、何時の間に準備してたのかしら…?
231 :
見切り発車:2006/02/24(金) 23:35:58 ID:E7d0dBjF0
>229
ノ続き
本当に仕事が速いな!
なんか、恋愛まで書いてくれそうな気がする。
ふと思い立ったんだけど
王女が水の羽衣を装備して
「あんまりジロジロ見ないでよ!」
とか言っといて
「ちょっとだけなら・・・いいよ」
というシーンを作ってくれれば掘られてイイ。
235 :
見切り発車:2006/02/25(土) 18:33:28 ID:HF6sl8aE0
くんくんくんっ………
あーやっぱり臭うー………汗もいっぱいかいたし当然よね。
顔も髪も砂まみれ……ずっと気を遣ってたのになぁ。
滅んだとはいえ、一王国を背負うべき王女がこれじゃあお父様に叱られちゃう。
あー、でも犬だった頃はずーっと臭かったっけか………
誰かに世話されてたわけでもないし、雨に濡れても任せるがままだったし。
毛を梳くにもあの指じゃねぇ。ああでも肉球はよかったなぁ、プニプニしていて。
プニプニプニプニ………やっぱり自分で触った方が気持ちいいかも。
人間に戻して貰ったんだよね、あの二人に………
お父様、お城のみんな……仇はきっと……………
………よしっ、水浴びしてこよう。
二人は………寝てる。よし、今のウチに………
236 :
見切り発車:2006/02/25(土) 22:06:31 ID:YCFZg18n0
(チャポン)
うーん、冷たくて気持ちいいっ。さっぱりするなぁ。
ホントは熱いお風呂に入りたいけど、そこまで云うのは贅沢か。
あーあ、鼻の皮も剥けちゃって………砂漠は陽の光が強すぎるのよね。
他の処は露出してないから、あんまり焼けないけど……そばかすになっちゃうかなぁ………
せめて鐔の広い帽子でもあれば顔を守れるのに。
この世界になんで帽子の一つも売ってないのかしら。
第一、わたしが被れる帽子が非売品てどういう事よ………
(ガサガサ)
っ!?何………?
…………………………………きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
ちょ、アンタたちなにし………見るな覗くな凝視するな!変態ッ痴漢ッ犯罪者ッ!!!
マヌーサマヌーサマヌーサマヌーサマヌーサッ!!!
此で…………って、駄目じゃん!!向こうから見たらわたしがいっぱいじゃんっ!!!
そんな目でわたしの幻を見ないでよぉ……!!莫迦ぁぁぁぁぁぁ!!!!!
ラリホーラリホーラリホーラリホーバギッラリホーラリホーバギッラリホーバギバギバギーーー!!
(ズシャズシャズシャズシャズシャズシャズシャ)
ちょ、GJ!!
やべぇマヌーサテラエロスwwwwwwww
王女サイコー! 王子達も期待通りの行動! 俺もバギで斬られたい(´д`)
なんだこりゃ
萌えるじゃないか
――――――バタンッ
「っもう!何よ!どこのお店もやってないじゃない!」
「………」
「ほら、ゴドー!ボサッとしてないで、次いくわよ、次!!」
「ん?………ああ」
『拝啓 母さん、ここは酷い町です。
城塞都市メルキド。町の周りを高い城壁で余すところ無く囲った、アレフガルド一の防衛施設を誇る大都市です。
…ですが、町の人々は、こんな城壁など魔王の力に掛かれば何の役にも立たない、それどころかどうせ働いても
世界は滅ぶのだと絶望し、ラダトーム、ドムドーラの何倍もの無気力に包まれています。
人々は賭博に溺れ、商売も行わず、寝たり遊んだりするばかり…心なしか、ゴドーの気も沈んでいる気がします』
「たのもーっ!」
バンッ
「…ん?…むにゃむにゃ…騒々しいな…今日は休みだよ」
「いいから!売ってるもの見せてよ!!」
「何慌ててるんだい…そんなに必死にならなくても、世界はどうせ近いうちに滅ぶんだ、諦めなって。ふぁ〜…」
「っの…だーもぉっ!猫も杓子も同じ事ばっかりいって!!あんたたち少しは働きなさいよ!!」
「働いたら負けかな、と思ってる」
「ムキーッ!!」
・ ・ ・
〜宿屋〜
「はぁ…もう。お店って言うお店、みんな言う事は同じね。寝てるか遊んでるかどっちか…」
「………」
「『今の自分は勝ってると思います』じゃないってのよ、バカじゃないの!?
何だか知らないけど、何もしないで勝てる勝負があってたまるかっていうのよ…ちょっとゴドー、聞いてるの!?」
「…ん。ああ、すまん。少し、考え事をな」
「?」
ギシッ…
「………(ラダトーム、ドムドーラ…どちらも陰気だったが…ここは比じゃない。
何度危機を脱しても、人は脅威に自ら抗おうとはしない。その原因。
…無為、依存、堕落…この世界を包む絶望を砕くのは何だ?………………そうだ。それこそが)」
カタンッ
「ん…」
「わ」
「失礼。隣、いいかな?」
「あ、はい」
「………」
「…フーンフフンフンフンフンフンフン♪」
「…詩人か。いい声だな」
「ホント。ただの鼻歌なのに…」
「あはは、ありがとう。ごめんね、相談の最中に邪魔しちゃったかな。つい癖で…」
「いや、構わない」
「うんうん。ね、ね、よければもっと聴かせてくれない?」
「うーん…ごめんね、人に聴かせる為の歌は、竪琴を使うって決めてるんだ。生憎、あれは家に置いて来ちゃってさ」
「妙な話だな。詩人が楽器も持たずに、何をしてるんだ」
「ん?ああ、僕は詩の材料になりそうな話を探すために、たまに世界を旅して歩き回るんだ。
そういうときには、竪琴は置いていくことにしてるのさ。…あの竪琴の音色は、ちょっとワケありでね」
「?ふーん」
「…ちょっと待った。世界を旅して回ってる。そういったな?」
「?うん。それがどうかしたかな」
「…オルテガ、という男を、知ってるか?」
「!ゴドー…」
「…いや、知らないな」
「そうか…じゃあ、雨と太陽が合わさる時」
「虹の橋が出来る、かい?」
「「!」」
「アレフガルドの神話なんかをちょっと齧った人間なら、割とよく知ってる言葉だね。…もっとも、その真意を知る者は限られるけど」
「…なら話が早い。この言葉の意味を知っていたら、教えてくれないか?」
「…熱心だね。君たち、この世界の人間じゃないだろう?」
「む…」
「!…」
「ははは、構えなくていいよ。…うーん、僕もね、この世界の人たちの倦怠感には辟易してるんだ。だから、分かるんだ。
…何かをなそうと必死になってる人間の目。この世界では貴重なんだよ、そういう意志はさ」
「…食えねぇ奴だ」
「…掴めない人」
「うん、どっちもよく言われる」
「…ふっ」
「…ふふっ」
「…ははっ。それで、例の言い伝えだけど」
「ああ」
「詩の材料を探してこの町の神殿を訪ねた時、そこの主に聞いたことがある。
けど、あまり声を大にしていっていいことじゃないと思うんだ」
「…なるほど。確かにそうかも」
「条件か。どうしろと?」
「そんな難しいことじゃないよ。…君らが目的とする何かをなした時。
それを元に、詩を作らせて欲しいんだ。他の誰よりも先に、僕に、さ」
「へ?」
「…なんだ。それでいいのなら、お安い御用だ。
…とはいっても、俺はそっち方面はからっきしだから、どこまで協力できるかわからんが」
「いやいや、事を終えた後、ちょっと話を聞かせてくれればいいんだ。本当にそれだけ」
「…わかった」
「ありがとう。じゃ、いいかい?まずは…」
・ ・ ・
「…ありがとう。大体わかった。要するに、その三つを集めればいいんだな?」
「そう。…その三つを集めるって事は、魔王にでも挑むつもりなんだろうね、君らは」
「「………」」
「僕は腕力も魔力も無いから、このくらいしか役に立てないけど。君らの無事を祈らせてもらうよ」
「…ううん。本当に、ありがとう。アレフガルドに来て、あなたが初めてだもん」
「?」
「こんなに快く、あたしたちに協力してくれたのは。なんとなく、勇気が出てきちゃった」
「はは、買被りだよ。僕はただ、新しい詩を紡げればいいだけなんだから。…さて、次はどこに向おうかな、っと」
ガタンッ
「あ、待って」
「うん?」
「名前。まだだったよね?よかったら…」
「ああ。僕はガライ。ご覧の通りの吟遊詩人さ」
「ゴドーだ」
「アリスよ。よろしく」
「こちらこそ。また、いずれどこかで逢おう」
ギィ、バタン
「…驚いた。あんな人も、いるんだ」
「…ふぅ。これでまた、面倒が増えたな」
「?なに、どういうこと」
「わからんか。俺たちがあいつから情報を得た以上…俺たちはあいつの要望に応える努力をしなくちゃならねぇ」
「あ」
「…要するに。形はどうあれ、何もしないで後には引けなくなった、ってことさ」
『母さん、今日は不思議な出会いを経験しました。暗闇に包まれた世界で出会ったその人は風に舞う木の葉のような人で、
絶望にも依存にも振り回されず、ただ自分の道を往く…ああきっと、あの人の詩はさぞ美しいのでしょうね。 敬具』
245 :
YANA:2006/02/26(日) 01:34:14 ID:UHYaAorn0
ただいま〜。
アナログの仕事が修羅場っててこっちに手がつかなかったさ。
ごめんよ。でも資料集めてたのは本当。
そして見切り発車氏のなんか無闇に萌える2を尻目に、
もはやツンデレもへったくれもないストーリーを展開してるバカが一人。
およそ一ヶ月ぶりで、鈍っていないか心配です。
それにしても終盤が当初の予定以上にすごいことになりそうです。
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
YANAさんも見切り発車さんも、萌えるツンデレはサイコーです!
今回もGJ&乙です!
これからも期待してます!
ひさしぶりの降臨キタ―(゚∀゚)―!!
メルキドニートの国かよwwwwww
ニートの楽園メルキド
いいキャッチフレーズじゃないか…
250 :
見切り発車:2006/02/26(日) 16:15:02 ID:FUQqcqcX0
はい、ベホイミ。
どう、これでもう大体治ったでしょ?
気が付いたら死にそうだったなんてしらないわよ。
大方、寝ている間におばけねずみに咬まれたんでしょ。
大体、なんでわたしがスケベゴーグルの傷を治してあげなきゃならないのよ………
だ、第一其処までして見たいんだったら、ちょ、ちょっ、ちょっとくらいだったらね?
た、た、たっ、たっ、たのべ…………………ば?
一度見たんだから…………って、バカァ!!
なんでいつもそんなことばっかり云うのよっ!!!すみからす………
死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえーーーっ!!!
もー、早く膝から頭下ろしてッ!!ふとももが気持ち良いって……頬を擦り付けるなぁ!!
一体どんな育てられかたしてきたのよぉ、もう厭ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
コナンまでなによっ!?アンタは自分でホイミが使えるでしょっ!!自分でなんとかなさいっ!!
251 :
見切り発車:2006/02/26(日) 16:21:05 ID:VSm7+HKk0
YANA氏戻ってキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
wktkして待ってました。わたし的にはマイラ西の塔が楽しみだなぁ。
で、前回の反応を見て思ったのですが。
やっぱりみんなああいうネタ好きだねぇ。わたしも好きだぁ!!
あんまり萌え展開は苦手ですが、ポイントポイントを押さえていけたらなぁと思います。
然しアレだ、やっぱり反応が多いとやる気が出ますね。よし頑張ろう。
見切り発車氏GJ!!!!
かなり萌えましたwww
さらにはオカエリナサイYANMA氏!!!
二人の神にwktk!
ニートの楽園に行きたいな…明日からまた仕事orz
253 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/02/27(月) 02:04:45 ID:A8Cr0Pqb0
>>252 YANA氏だwwww
おかえりなさーい、YANA氏!!ドドッと終盤突入かな!?楽しみーwww
スケベゴーグル・・・・
ていうかガライもキャラ立ちすると格好いいな
255 :
見切り発車:2006/02/28(火) 00:36:27 ID:puDJUW110
やっぱり土の上は歩きやすくて良いわー。
砂地は足を取られて無駄に体力使う割りに、進みも遅くて厭になっちゃうっ。
日差しが強いから顔が焼けちゃうし、髪の毛も痛むし。
もう一生砂漠になんて足を踏み入れないわよっ。
あーあ、街に着いたらちゃんとお手入れしないと。
ずーっと気を遣って大事にしてきたのになぁ……
そういえば久しぶりに逢ったのに、なーんにも云ってくれなかったなぁ。
可愛いとか云われてたのは、親の欲目だったのかしら………はぁ。
ねぇ………そんなこと無い、って信じてるんだけど。
万が一って事もあるかもしれないから、訊くね?
あの遠くに見える塔に登る。なーんてことは当たり前の如くないよね?
………帰る。帰ります。帰らせてください。
お二方がどうしても行かれるのなら、わたしも止めません。
わたしは引き返してムーンペタで船を造らせます。其れではごきげん………
ちょ、無理矢理引っ張ってかないでよう、この筋肉莫迦ッ!!
いやだーいやぁーーたかいところはいやぁー………
(ズルズル)
これは・・・もしや風の塔か!?マズイ、早く綺麗にしないと・・・
ドラゴンの角じゃね
258 :
見切り発車:2006/02/28(火) 20:14:31 ID:L7F6WWX20
なんで、塔の中に吹き抜けがあるのよぉ!!
手摺り一本用意されてないし。
風の塔もそうだったけれど、自殺の名所にでもしたいのかしら………
塔の天辺から落っこちて、傷一つ負わない人なんて居るわけないのに、危ないなぁ。
ほらぁ、ちゃんと手繋いでよー。
わ、わたしが落ちないためであって、深い意味はな…ないんだからねっ!!
ねぇ……そういえば一階でおじさんが昔は橋が架かってたって云ってたけど………
それってさぁ、今は架かってないって事じゃないの?
なら、なんでわたしたちはこの塔を登っているの?何処に登る必要があるの?
あー!!目を逸らしたっ!なんでよっ!!どうしてよっ!!!
後ろめたいことがあるんだっ!!口元がにやけて………なに考えてるのよっ!?
ちょ、離して……手を離して……っ!!
助けてぇーーーーー!!おとうさまぁぁぁぁーーーーーー……………
王女かわいいよ王女
高い所ニガテな王女萌えス
『拝啓 母さん、私たちが追っている、アレフガルドの言い伝え、
その詳細をガライさんから聞き出した私とゴドーは、メルキドの南、海岸の祠に来ています。
話によると、このアレフガルドには太陽の石=E雨雲の杖≠ニ呼ばれる秘宝が伝わっており、
その二つを携え、この世界の南東の島にある祠で聖なる守り≠ニ呼ばれる勇者の証を立てると、
ゾーマの島に渡る手段を得られる、ということです。
そしてそのうちの一つ、雨雲の杖がここにある、と聞いたのですが…』
「…くちゃい」
「大地が腐ってやがるな…。下手に動くといらん消耗になりそうだ」
「祠って、この毒沼の真ん中に見えるあれよね?あそこまで走るわけ?」
「いやならトラマナでも使っておけ。俺は我慢してもいいし」
「…うーん…そこまでの距離でもないし…しょうがないわね、あたしも走るわ」
「よし、じゃあ、往くぞ」
「うん…すぅ…だーーーーーーっ!!」
ボチャボチャボチャボチャッッッ
・ ・ ・
「…ふぅ」
土いじりをやめ、相変わらず曇天の空を見上げる。
この祠の花を世話するのは、私の日課であり、数少ない日々の楽しみである。
…しかし、ゾーマのせいでこの世界がこんな風になり、花も日に日に元気をなくしている。
だからといって、いや、だからこそ毎日の手入れは欠かせない。
ただでさえこの祠の土壌は、アレフガルドの他の土地より瘴気による腐敗が激しいのだ。手など抜けようはずも無い。
勿論、そんな土に直に触れさせるわけにはいかず、花は随分前に二階に植え替えられ、汲み上げられた地下水で育てられている現状だ。
そんなわけで、使える土を選別して外と二階を行ったり来たりするのは、結構、骨だったりする。
「…ちょっと、外の空気でも吸いにいこうかな」
独りごちてみる。
祠の中はルビス様の加護のおかげで安全だ。だが、気分としてやはり閉鎖的なのは健康によろしくない。
…それが例え、妖精であるこの身であったとしても。
つ、と。振り返って見る。玉座にはあるべき姿が無い。…姉さんは席を外しているようだ。
…少しくらいなら、いいだろう。
姉さんには祠の外に出ることは禁じられている。
外は魔物が跳梁跋扈している。私の身を案じてのことなのだろうが、元々が風と大地の種族である妖精の女の子が、
若い身空で引きこもり、というのは我慢ならない。
ほんの少しのつもりで、祠の階段から門を目指す。
と。外から何かが聞こえてくる。…魔物はここに近寄れない。では、まさか…人間?
…前例が、無いわけではない。私は意を決して、階段を踏み抜いていった。
・ ・ ・
「…なにかしら?」
………ぁぁぁぁぁ…
「???」
「…ぁぁぁぁぁあああああああっっっ!!!」
「!!!」
ボチャボチャボチャボチャボチャドシーーーーーンッッッ、ズザーーーーーーーッ
「〜〜〜〜〜…いたたた…な、なにごと…!?」
「う〜………いったー…」
ボチャッ、ボチャッ、ザッ
「おまえな…少しは加減しろよ。というか最後の方、前見てなかっただろ」
「だ、だって、足、痛かったんだもん」
「まったく。…ん、そうだ」
「!」
ビクッ
「うちのバカがすまなかったな。大丈夫か?…ほら、おまえも謝れって」
「ごめんなさい、毒沼を抜けるために、つい、力が入りすぎちゃって」
「…ふん。気をつけなさいよね」
「む…」
カチーン
「悪かったな。気を悪くしないでくれ」
「…ま、いいわ。それよりあんたたち、人間でしょ?この祠に何の用?
毒沼走り抜けてまで来たって事は、迷い込んできたわけじゃないんでしょ」
「ああ、実はな」
「あ、いい、いい。やっぱりいわなくてもいいわ」
「む…」
「え…」
「あんたたちがここに用があっても、ここは人間に用なんて無いの。さっさと出てってちょうだい」
「な、なによそれ!?横暴じゃない!責任者出しなさい、責任者!!」
「ふんだ、あんたたち如きに姉さんが出るまでも無いわ。いっておくけどね、あたしたちは人間って奴が大ッッッッ嫌いなんだから」
「はぁ!?ちょっと、あたしたちがあんたに何したっていうのよ!?わけをいいなさいよ、わけを!」
「胸に手を当てて聞いてみたら?このアレフガルドがいつまでもこんななのは、誰のせいかを!」
「!っ…」
「確かに元凶は大魔王。でも、立ちはだかる障害を乗り越えるのは自分たち自身でなければならない。
あたしたち妖精は、直接的な戦いは出来ない。だから代わりに、いくつもの神秘を人間に提供した」
「………」
「………」
「…だけど人間は諦めた!初めの内こそ何人もの勇者が魔王を倒そうと旅立った!
でもそれが無駄だと分かると、誰もこの世界を救おうとしなくなった!」
「………」
「………」
「知らないとはいわせないわ。アレフガルドの人間がどんな有様か。…わかった?わかったらさっさと」
「救う」
「え…?」
「ゴドー…」
「俺は諦めねぇ。ゾーマを倒し、この世界を、人間も、あんたたちも救ってみせる」
「っ…ふ、ふん…信じられるもんですか。人間のいうことなんか」
「あんたねぇ、いい加減にしなさいよ!ゴドーがどういう成り行きでここに来たか知らないくせに!」
「うっさいわね、そんなの知りたくもないわ!大体あんた何なの!?ギャーギャー喚いてみっともない!」
「な、あんたにいわれたくないわ!あんたこそさっきから叫びっぱなしじゃない」
「なによ!」
「あによ!」
「………(…アリスが二人いるみたいだ)」
ゴドー…。
「ん?」
「え…姉さん?」
「え?え?…何よ、二人とも。何か聴こえたの?」
「!」
ジッ
「…ん?どうした」
「…嘘。あんた、今の、姉さんの声が聴こえたの?」
「?ああ。なんだ、アリスは聴こえなかったのか?」
「え?あたし?ううん、全然なんにも」
「………じゃあ、あんたが」
イデア、そこまでです。
「!!姉さん…!」
お二方を上にお連れしなさい。わかりましたね?
「………………はい」
「???」
「あんたの姉さんの方は、俺に用があるらしいな。悪いが、案内してくれ」
「…ふん。わかったわよ。いっておくけど、仕方なくだからね」
「ちょっと…わけわかんないんだけど」
YANA氏GJです!
妖精はツンが強いな
デレを出すのがいつになるやら・・・
え、やっぱ出ない?
267 :
見切り発車:2006/03/01(水) 22:04:04 ID:h7uA4A4W0
ねぇ、アレン……その風のマント、どうするの?
………えーっと、まさかとは思うけれど身につけて、此処から飛び降りるつもりじゃあ………
ニヤって、ニヤって笑った!!そでれあの海峡越えるつもりなんだ!!
厭だよっ!!もし魔法の効果が切れてて、潰れたトマトになったらどうするのよっ!?
せめて、試してみてから………試さないって、わたし云った………?
お、おぼえてないよーそんなことおぼえて………ひゃあっ!?
(ブワー)
み、みたっ!?……赤いぱ………そ、其れは見たって云うのよっ!!もうバカァ!!!
あーん、もうお嫁にいけなよぉ………せ、せき………あれ?立てない………?
風に吃驚してこ、腰が抜けちゃったみたい。どーしよ……
(ヒョイ)
な、なにするのよ!!こ、こんなお姫様抱っこなんて恥ずかしい…でしょ!!
ちょ、そんなに端っこに近付くのよっ……やめて、お願いだからぁ。
な、なによ……当たってる?なに………む………
あ、あ、あっ、あ、あっ、あ、あててんのよぅっ……!
……なんで其処で赤くなるのよっ!!もっと恥ずかしくなるじゃない…………
って、そんないきなり飛びぃぃぃぃぃぃいいいいやあぁぁぁぁぁぁぁぁーーーー………
(ヒューーーーー)
268 :
見切り発車:2006/03/01(水) 22:10:05 ID:h7uA4A4W0
>202
べ、別にあんたのために、か…書いたんじゃないんだからねっ!!
プ、プロット立てたらこうなっちゃっただけなんだからっ!勘違いしないでよ!!
270 :
暇潰し:2006/03/02(木) 00:04:46 ID:JI31gHYy0
〜終わりの始まり〜
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
何故世界はこんなにも汚れに満ちているのだろうか
人は皆自分だけの為に他人を傷つける
何が努力だ。何が愛だ。何が友情だ。何が・・・
そんなものどこに存在しているというのだ
もしあると言うなら、今すぐここに示してみせろ
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
何故世界はこんなにも不幸に満ちているのだろうか
自分は何もしていないのに苦しい事ばかりじゃないか
こんな世界なら存在しなくていい
こんな世界なら壊れてしまえばいい
誰もいなくなれば、どんな苦痛も、不幸も、悲鳴も、死さえも無くなるだろう
そうだ。そうなってしまえばいい
僕を傷付けるものは全て無くなってしまえ
そして僕も消えてしまえばいい
そうすればきっとこの世界は救われる・・・
壊れてしまえ壊れてしまえ壊れてしまえ壊れてしまえ壊れてしまえ壊れてしまえ
271 :
暇潰し:2006/03/02(木) 00:06:03 ID:JI31gHYy0
〜Annunciation〜
タタタッ・・・!
街の騒音に混じって軽快な足音が響く
「はぁはぁはぁ・・・。」
時間は通勤ラッシュをとっくに過ぎ、昼前である。
「ちっくしょ〜」
そんな悪態をつきながらも、その声の主は通行人を華麗に交わしていく。
夏に入る頃の爽やかな風も手伝って、彼女が足を運ぶその度に赤チェックのスカートが危なげに舞う。
上は白いブラウスに赤のネクタイ。この先にある高校の制服である。
なかなか映える服装だが、遅刻なこともあり、周囲からはかなり目立ってしまっている。
普段から朝は強くないが、今回の寝坊は特に酷かった。
昨日遊んだ帰りに靴の紐が切れるし、夜は枕の形が気になってなかなか眠れなかった。
今朝は今朝で髪型がうまく決まらなかった。
「また怒られっかな〜・・」
遅刻は3回で欠席1に数えられてしまう。ちなみに結構ピンチである。
♪♪♪あの〜虹を〜渡って〜
「もう!何よこんな時に・・・」
携帯を取り出し、外れかけた赤いヘアピンを直しつつ画面を見る。
番号は分からないが、【RUBISU】と表示されている。
疑問を抱きつつも、条件反射で出てしまう。
「はい、もしもし?」
「私の名前はルビス。世界は再び危機に瀕しています」
イタズラかと思う。
「真理奈、あなたの力が必要です。どうか私達の世界を救って下さい」
「あんたね〜・・・」
言い終わらない内に真理奈の世界は白く包まれた。
272 :
暇潰し:2006/03/02(木) 00:07:20 ID:JI31gHYy0
目を開けるとそこは一面の草原だった。
正面の遠く向こうには海岸、右手には山が連なり、左手には森が見える。
ちょうど丘のような場所に真理奈は立っていた。
さっきまでの高層ビル群は跡形も無く消えて、代わりにどこまでも抜けるような青空が広がっていた。
「・・・・・・何だこれ」
まるで夢の中で場面が突然変わってしまうかのように、景色が一変してしまった。
無意識的に頬をつねる。痛い。
どうやら夢ではなさそうだ。
というか、「夢かな?」と考えることができる時点で夢ではないことを証明しているようなものだ。
しかし真理奈はそんな事を考えられない。
(学校は間に合わないか・・・)
と、どこか間の抜けたボンヤリをしていると、何やら青くて丸いものが坂を登り、真理奈の方へ向かってくる。
サッカーボールよりも小さいが、ツノや目や口らしきものがついている。生き物・・・か?
「ピキー!!」と声を出し、必死に走って(バウンドして?)来る。
よく見ると、青いのの後ろからウサギが追いかけて来ていた。
こちらもなぜか大きな1本のツノが額の辺りから生えている。
スピードをつけ、頭を低くし、青いのを突き刺そうと猛ダッシュをかけている。
青いのも頑張って逃げているが、とうとう転んでしまった。
ウサギがチャンスとばかりに青いの目掛けてジャンプする。
「危ない!!」
真理奈はとっさに飛び出し、ウサギを思いっ・・・きり蹴飛ばした。
タタタタ タータッタ〜ン♪♪♪
273 :
暇潰し:2006/03/02(木) 00:09:19 ID:JI31gHYy0
「ピー、ピー」
青いのが真理奈の足に擦り寄って来る。
「お〜よしよし」
持ち上げて体を撫でてみる。
不思議な感触だ。プヨプヨと柔らかいが、形を崩しても元に戻る。
色は真っ青で、向こう側が透き通っている。
ツノを体の中に押し込んでみると「プニュ〜・・・」と困ったような声と顔をした。
「ねぇ、ここはどこなの?」
さすがに人間の言葉は分からないみたいだ。
「ピー!」となぜか嬉しそうな返事をされてしまった。
「おい!お前そこで何してる?!」
突然、若い男の声が聞こえた。
振り返ると2人の男がこちらに向かってくるのが見えた。
しかし格好がおかしい。
映画に出てくるような鎧を着、手には槍が握られている。
「見かけない奴だな。どこから来た?」
「どこって・・家だけど?」
「家はどこかと聞いてるんだ!」
「怒鳴らなくてもいいじゃん・・・」
「こんな服見たことないし・・怪しいな。先輩、どうします?」
「そうだなぁ。とりあえず報告だな」
「分かりました。ほら、こっちこい」
若い方が真理奈の手を引く。
「ちょっと!引っ張らなくてもいいじゃん!」「ピー!」
「なんだ?・・スライムか。こんなの持って、ますます怪しい奴だ」
若いのはそう言うと、青いのを掴み投げ捨てた。
「あぁ!!」「いいから行くぞ!」「ピ〜・・・」
スライムは強引に連れて行かれる真理奈をいつまでも見つめていた。
274 :
暇潰し:2006/03/02(木) 00:16:30 ID:JI31gHYy0
「ね〜ここはどこなの?」
「ん?アリアハンに決まってるだろ?」
「アリア・・・?」(そんな国あったっけ?)
「お前はどこから来たんだ?」
「幕張だけど?」
「マク・・?どこだそれは」
「千葉よ、日本の。ジャパン。分かる?」
「そんな国は聞いたことないな・・・」
話がまったく通じなかった。いや、日本語は通じるのだが、内容が話にならなかった。
「先輩、やっぱりモンスターが化けてるんじゃ・・?スライム持ってたし」
「誰がモンスターなのよ!」
「ん〜それはないだろ仮にモンスターだとしても、俺達にこんな嘘を付く理由がない」
「なるほど・・・それもそうですね」
「それにもうモンスターは―――」
話をしている内に、3人はアリアハンの町に入った。
何の事はない。真理奈がこの世界に現れた時は、アリアハンに背を向けていたのだ。
町の道路はまったく舗装されておらず、車はおろか、自転車の一台も走ってはいない。
そして都会のように小走りで歩く人もいない。皆運ばれてくる風を楽しむかのようにゆっくりと歩く。
建物はまばらで2階建てが多く、一軒一軒の敷地は広かった。確実に日本家屋とは様子が違う。
唯一高い建物と言えば、左手に見えるお城だった。これまた映画に出てくるような西欧のお城である。
真理奈はそれらを眺め、初めて今までと違うトコロにいるんだと実感した。
しかしまったく不安や焦りを感じなかった。
それはアリアハンの持つ、どこかのどかな雰囲気のおかげかもしれない。
275 :
202:2006/03/02(木) 02:23:30 ID:nPN1QRi/O
とりあえずベッドで待ってますね。
276 :
暇潰し:2006/03/02(木) 12:18:08 ID:MGeAPYKl0
「キャー!!」
突然女性の叫び声が辺りに響き渡った。
真理奈を連行していた2人はとっさに走り出す。
「お前はそこで待っていろ!」
先輩の方が走りながら振り返り、真理奈に言い放つ。
「・・・まったく何なのよ・・・」
真理奈は1人取り残され、またしても呆然とする。
2人と入れ替えに青年が町の中に入って来た。腕にはぐったりとした女性を抱きかかえている。
「モ、モンスターだ!モンスターが攻めて来たぞ!!」
青年は町中に警告するように声を上げた。町人はすぐそれに反応し、家の中に避難していった。
(モンスター?あの2人もそんな事言ってたっけ・・・あのウサギや青いのの事かな?)
持ち前の行動力からか、単に騒ぎが好きなのかどちらかは分からないが、真理奈は2人を追いかけることにした。
町の外では2人がモンスターと戦っていた。
普段からの訓練が活かされているのか、次々と撃破していく。
「中々やるようになったな!」「先輩のおかげです!!」
なんて熱血する余裕もあるみたい。と言ってる傍から後輩の後ろに大きなカエルが突進してきていた。
「おぉ〜りぃやぁ〜〜!!」
真理奈はダッシュの勢いを付けカエルの腹に蹴りをぶち込む。カエルは泡を吹きながら吹き飛んでいった。
「油断よ、後輩ちゃん?」「お、お前!どうしてここに・・・」
「いいからいいから〜。私ちょっと自身あるんだ。一緒に戦うよ」
「何言ってるんだ!ダメに決まって――」
「口論してる場合かなぁ?先輩が大変そうだよ?」
真理奈の指差す方を見ると、先輩がカラス達に骨やら石を頭上に落とされて困っていた。
「あ・・」「ほらほら、行くわよ!」真理奈は走り出す。
「・・・・」後輩ちゃんは真理奈の背中を追うように走り出した。
その頃、アリアハンへと続く道には続々とモンスタ−が集結していた。
277 :
暇潰し:2006/03/02(木) 13:00:16 ID:MGeAPYKl0
「お前やるなぁ〜!」「でしょでしょ〜!!」「ありがとう。例を言うよ」
カラス達を撃退した後、お城の兵士が援軍に駆けつけ、事態は終息を迎えようとしていた。
真理奈は先輩後輩コンビと一休み。最初の疑いはどこへやら・・・
「しかし、なぜ今さらモンスターが凶暴化したんでしょうね?」
「分からん・・・」先輩は心底不思議という顔をしながら言った。
「今までもモンスターが襲ってくることはあったが、こんなにも多くのモンスターが攻めて来ることはなかった」
「???モンスターは凶暴なものなんじゃないの?」真理奈も不思議な顔をして尋ねる。
「ここ数年は大人しかったんだ。こんなの初めてだ・・・」
「お前はまだ若いからな。あの頃は―――」
ドド・・ドドドドド・・・ドドドドドドド・・・・!!!
地面がかすかに揺れる。それはゆっくりと、確実に力を増しながら近くなってくる。
「隊長!!モンスターの大群が・・!」兵士が走りながら報告する。
兵士の焦り具合を見ると事態は良くないようだ、と推量できる。
実際に群れを見て推量を確信に変える。が、隊長としてひるむ訳にはいかなかった。
「・・・よし!隊列を組みなおせ!!傷を負った者は今の内に治療しておけ!!」
先輩は兵達に声をかけていく。
「さ、さすがにあれは無理だ。ここからは俺たちに任せて、お前は避難しろよ」
「震えながら何言ってるのよ後輩ちゃん。ここまで来たら最後まで付き合うわ」
「でも・・・」
「負けたら町の中にいても同じじゃない」
「それは・・そうだけど・・・」
「じゃあ決まり!」
「巻き込んですまない。だが無茶はするなよ」先輩が戻ってきて言った。
「大丈夫だって!」
真理奈は満面の笑みで答える。その顔に2人はどこか安心感を覚えた。
278 :
暇潰し:2006/03/02(木) 13:01:42 ID:MGeAPYKl0
モンスター達はアリアハンから200m、兵士達からは100mの辺りで進行を停止した。
まるでその数を見せ付けるように、横一列に並んでいる。
そのちょうど真ん中には一際大きなモンスターが見える。
「馬鹿な・・・あれはグリズリーか・・・」
「え?!グリズリーってアリアハンにいるんですか?!」
「いや、いない。いるはずはない・・・」
(あれって熊よね?そりゃヤバいわ・・・)
日本にもいるが、当然遭った事はない。
「よし、俺達はあれをやるぞ」
「・・・お前、この盾使えよ。さすがにその装備じゃ辛いだろ」後輩ちゃんが盾を差し出す。
「ありがと」と、受け取ろうとする手を先輩は遮った。
「いや、俺のを使え。少なくともこいつよりも俺の方が強いからな」
先輩はニヤリと不敵に笑った。
グア〜オオォォオー!!!
グリズリーが雄叫びを上げる。それに呼応するように他のモンスターも奇声を発した。
「怯えるな!日頃の成果を見せる時が来たぞ!」
「薬草と聖水忘れてないな?!何としてもアリアハンを守るんだ!!」
先輩が檄を飛ばす。
グァアアァァ〜!!!オオオオオオオオオ!!!
グリズリーが再び吠え、モンスターに突撃を命じた。一斉に動きだすモンスター達。
「行け〜!!」
隊長の掛け声に合わせて兵士達も迎撃に向かった。
真理奈も同じく駆け出す。真理奈の制服は戦場でも目立っていた。
279 :
暇潰し:2006/03/02(木) 13:04:09 ID:MGeAPYKl0
ほとんどの兵士が善戦する中、真理奈達3人は苦戦を強いられていた。
グリズリーがその巨体に似合わず俊敏な動きで真理奈達を翻弄したからである。
素早い攻撃を何とか盾で受け止めるものの、盾がひしゃげる程の威力があった。
「うあぁぁー!!」ガキン!!後輩ちゃんへの攻撃を真理奈がかばう。
「後輩ちゃんしっかり!」
「ふんっ!!」先輩が力を込め、グリズリーの心臓目掛けて槍を突き出した。
が、皮膚を少し傷つけることしかできなかった。
「!!」
渾身の攻撃が効かなかった事で先輩は少し怯む。怯みは隙となり、戦闘中の隙は致命傷である。
グリズリーの爪が先輩の腹を貫いた。
「せんぱ・・・こんちくしょー!!!」
後輩ちゃんが怒りに任せて突撃する。
しかしそれも虚しくグリズリーにかわされ、後輩ちゃんは蹴り飛ばされた。真理奈がフロッガーにしたように・・・
(先輩・・・後輩ちゃん・・・)
グリズリーはなおも攻撃の手を緩める事なく、真理奈に迫ってきた。
左右の腕を交互に振り上げ、真理奈を裂くために動かされる。
ヒュッ!!ガキンっ!
盾が使い物にならなくなり、紙一重で避ける真理奈の服は少しずつ破れていった。
(ヤバっ・・・間に合わ――)
まともに攻撃を受け、吹き飛ばされる。
グリズリーの爪は真理奈の背中左脇と左腕を切り裂いていた。
血がブラウスも赤く染めていく・・・
(もうダメか・・・)
朦朧とする意識の中、グリズリーが近づいて来るのを確認する。
グリズリーは勝ち誇ったような笑みを浮かべている。最後の止めを刺す為に腕を振り上げた。
(お母さん・・・!)
その時、青くて丸いものが飛び出し、真理奈を守るかのように立ちはだかった。
「ピーー!!」「お前・・!」
しかしスライムではグリズリーの抑止力にはならない・・・!
ズシュ!!!
戦場では珍しくない肉の千切れる音がした。
280 :
暇潰し:2006/03/02(木) 13:59:40 ID:MGeAPYKl0
次に真理奈が目にしたのは空中を舞うグリズリーの腕だった。
「大丈夫か?」
見知らぬ青年が真理奈に声をかけて、返事を待たずにグリズリーとの戦闘に戻っていった。
「ベホイミ」
凛としたその声とともに体の痛みが消える。
振り返ると、少女が真理奈を見ていた。
「・・・あなたがやってくれたの?」
少女は答えない。
「大丈夫かの?」その後ろからおじいさんがやってきた。
「は、はい。あなたは?」
「自己紹介は後じゃな。今は勝つ事だけ考えるべきじゃ」
少女が真理奈に何かを差し出す。パンチングマシーンのグローブのようなものだ。
甲の部分にカッターの刃のようなものが3本取り付けてある。
しかしそれはカッターよりも刃が太く、簡単には折れそうになかった。
「これは・・・?」「鉄の爪じゃよ。最後の一撃、頼みますぞ」
そう言うとおじいさんはグリズリーの方へ向かっていった。
「ありがとね」真理奈は少女に礼を言う。
「ピー!!」スライムが自分も忘れるな、と声を上げる。
「お前もありがとね」スライムを持ち上げナデナデする。
そして真理奈は鉄の爪を右手にはめてみた。不思議と手に馴染む・・・
「よし!じゃあ行ってくるよ!こいつよろしく!」少女にスライムを渡した。
ニッコリと微笑むと、少女は小さく手を振ってくれた。
「ピ〜!」
スライムの声援を背中に受け、真理奈は再び戦場に舞い戻る。
281 :
暇潰し:2006/03/02(木) 14:08:08 ID:MGeAPYKl0
片腕を無くしたグリズリーは痛みと怒りに狂い、滅茶苦茶な攻撃を青年に仕掛ける。
スピードはやや落ちたものの、攻撃力は増している。まともに受ければ命はないだろう。
しかし、避けきれない程ではなくなっている。
チャンスが生まれるまで青年は走り回った。
「さてさて、久しぶりに頑張ろうとするかのう」
おじいちゃんがMPを練り、青年と目を合わしてタイミングを取る。
「ヒャダルコ!!」
氷の波が地面を這い、青年を攻撃することだけに執着していたグリズリーの両足を凍らせた。
グァワァァァ〜!!!
突然動きの取れなくなったグリズリーはバランスを崩す。
その隙に青年はグリズリーの残りの腕に剣を突き刺し、腕の動きも奪う。
「今だ!!」
青年が叫ぶと同時に、真理奈が走りこんで来る。
(何かよく分かんない内にこんなことになっちゃったけど・・・)
(先輩と後輩ちゃんの仇は取る!!)
「ルカニ!」
「やぁぁぁああぁぁ〜!!!」
真理奈は勢いを殺さずに飛び上がり、グリズリーの胸に鉄の爪を突き立て、心臓を貫いた。
グリズリーは空を見上げるように顔を上げ、動きを止めた。
オオオォォォオオ・・・・
戦場に戦いの終わりを告げるグリズリーの断末魔の叫びが響き渡った。
王女は赤か・・・w
しかも何か味の大分違う作品がキター
全く予想がつかない内容になりそうだなw
期待してま
283 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/03/02(木) 19:15:41 ID:D6EGGtLO0
284 :
暇潰し:2006/03/02(木) 19:33:41 ID:wuFxlODjO
>>282 サンクス!素で嬉しいわ
>>283 そんなスレあったのか…知らなかった
主人公ツンデレじゃないしな〜そっちに移行した方がいいか…
285 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/03/02(木) 20:59:31 ID:WjeUEWD00
私としては暇潰しさんのもここで読めると嬉しいと思ったのだけど・・・
「………」
「えっと…」
「ようこそいらっしゃいました。まずは…妹が失礼をしましたね。すみません」
「いえ、あなたが謝ること、ないですよ」
「…ふんだ」
「………」
「ここは私たち妖精が、とある理由で管理する祠です。ここに来たと言う事は、既にこの祠の役割を知っていることになりますが…」
「………」
「説明しなければならないことがあるのも事実…さて。何からお話しましょうか」
「ちょっと待ってくれ」
「「「?」」」
「さっきから気になってたんだが…あー…あんた、どこかで俺と会ったことがないか?」
「………」
「…いや、気のせいだろ。悪かった。続けてくれ」
「いえ、お察しの通りです。覚えていたのですね」
「???」
「む…」
「あの日…あなたが16歳の誕生日を迎えた朝、夢の中であなたに語りかけたのは私なのですよ」
「!!あぁ、思い出した。俺に、友達の数がどうとか質問したり、酒場に放り込んで行動を監視したりした…!
そうか、声に聞き覚えがあるはずだ!」
「ふふ…あの時は失礼なことをいったかもしれませんね。ごめんなさい」
「いや、それはいい。あれは、一度俺っていう人間を再確認するいい機会だった」
「なに、何の話よ?」
「こっちの話だ。機会があれば話してやる」
「むぅ…」
「あの時、あなたに語りかけたのにはわけがあります」
「ほう…」
「原因から申します。…このアレフガルドの主、精霊神ルビス様がゾーマに封印されました」
「精霊神…」
「ルビス?」
「はい。その昔、奢り、信仰を失った地上の人間が神々の裁きを受けました。
そんな中、心を失わなかった一部の人々はここ、アレフガルドに移り、新たな世界を築いたのです。ルビス様の導きの下に…」
「なるほど…この世界にとって、そのルビス様が神で、ゾーマはそれが世界を手にするのに邪魔だったわけですね」
「恐らく。ルビス様なくして、世界の再興、ゾーマの打倒は成らないでしょう。
ですから、まずはルビス様を救って欲しかったのです。そこで、地上の勇者を選定し、その方にルビス様の救出を委ねる事に」
「何で俺なんだ?」
「―――」
「ゴドー?」
「………ふん」
「いや、他意はないんだ。元々、世界は救うつもりだったし、今もそのつもりだ。
間接的にとはいえ、救われる側から指名まで来てるし、応えない理由がねぇ」
「…そうではない、でしょう。あなたの疑問は」
「ああ。俺がわからねぇのは、何でわざわざ地上の人間から勇者を選定したのか≠ニいうことと、
それがなぜ俺である必要があったのか。何しろ神を救うんだ、しっかりした基準があって然るべきだろ」
「………」
「なに?どういうこと?」
「だって、おかしいだろ?火山にせよギアガの大穴にせよ、あちら側からこちら側に来るには、リスクがでかすぎる。
選定した奴が死ぬ確率だって、決して低くはない。
にも拘らず、アレフガルドでなく、地上の人間から勇者を選定する。明確な理由があるはずだ」
「そういえば…そうね」
「どうなんだ?えっと…」
「申し遅れました。私はエイド。あちらが、妹のイデアです」
「ああ、よろしく。…それで」
「ごめんなさい。その基準を語ることは、私達は許されておりません」
「…む」
「ですが、これだけは。地上の人間でなければならないこと、そしてその中でもあなたでなければならないこと。
二つとも、ある一つの同じ理由によります。私からいえるのは、ここまでです」
「………」
「本当にごめんなさい。勝手は重々承知です。それでも…私たちにはあの方が必要なのです。どうか、ルビス様を…」
「何度も言わせないでくれ」
「え…?」
「俺は今でも、世界を、そこに住む人を救うつもりだといった。そのルビス様だって、例外じゃない」
「ああ…ありがとうございます!」
「まったく…何だか、完全に吹っ切れちゃったみたいね、あんた」
「む…そうか?…いや、それでも、迷ってるといえば、迷ってるんだが」
「?」
「…そうだ、俺たち、ここに雨雲の杖っていう、魔王の島に渡るために必要な道具があると聞いてきたんだけど」
「はい。今でこそルビス様の代理の座となっていますが、あの神器の管理がこの祠の本来の役割なのです」
「へぇ」
「イデア、雨雲の杖を」
「イヤよ。私はイヤ」
「な…」
「姉さんが認めても、私はまだそいつを認めてない。だから杖は渡さない」
「何をいっているのです。この方が選定の条件を満たしているのは確かなのですよ?」
「聞かないわ!えぇそうよ!ゾーマを倒すのはオルテガに決まってる!私は再び彼がここに来た時にこれを渡すんだから!」
「イデア!」
「違う違う違う!私は認めない…オルテガ以外の人が…こんな奴があの方≠пv
「イデアッ!!」
バチンッッッッッ
「あ…」
「…っ…!!」
ダッ、カンカンカンカンッ
「っ…イデア!待ちなさい!!」
「…また、オルテガ、か」
「…まいっちゃったな」
「ん?」
「あの子、あたしと同じ匂いがする…多分…多分、だけど。あたしと似た経験、昔したんじゃないかなぁ…」
「…ちっ。記憶失ってまで誰彼構わず助けてやがるのか」
「うっわ、すっごい棚の上げっぷり」
「うるさい」
「あの…ごめんなさい。妹が…」
「いや、仕方ねぇさ。さっき逢ったばっかりの、どこの馬の骨とも知れねぇ奴に大切な神器とやらは渡せないだろう」
「本当に………!!」
「?どうしたんです?」
「いけない、あの子…祠の結界の外に!!」
「…行くぞ、アリス!」
「オッケー!」
ダッ、カンカンカンカンッ
・ ・ ・
「あ…」
言葉の途中であるにも拘らず、事態の危険性を察知するやゴドーは祠の外に駆け出した。
そして一拍とおかず、それに追従する少女、アリス。
今までいくつもの国や町、何人もの人々を救ってきたであろう経験が、その瞬間的な判断を可能にするのか。
「………」
―――私がこの祠の、あの子が雨雲の杖の管理を任される前。十年近く昔の話。
誤って祠の外で迷ってしまった時、一人の老いた、けれど不思議と力強く、優しい空気を持つ男性に助けられた。
それ以来、草木や大地を愛し、逆に彼らを苦しめる原因を倒そうとしない人間を憎むイデアは、
その男性…オルテガにだけ心を許している。
無理からぬことだろう。彼は皮肉にも、勇者であった。イデアは彼があの方≠ナあると、今尚信じていたのだ。
オルテガが立派な勇者であることは、私も知っている。だが、彼はあの方ではない。
私は精霊神ルビス様の代行者。仮にオルテガがゴドーの何倍優れていても、彼があの方でない以上は、選定するわけにはいかない。
ルビス様がいない今は、ルビス様が私、私がルビス様。私はルビス様の意向を汲み、それを可能な限り遂行しなければならない。
―――それにしても、ああ。妹は気付いていないようだけれど。ゴドーとオルテガの目が、こんなにも似ているのは…まさか。
290 :
YANA:2006/03/02(木) 22:26:09 ID:dFFESOpS0
原作で杖一本受け取るだけのイベントが、こんなにも長くなるとは…。予想外。
妖精の祠編、次回完結。
さて、そろそろ知っている人は気付き始める頃かと思います。
あの方、ってのは知る人ぞ知るあの人です。
291 :
暇潰し:2006/03/02(木) 23:09:07 ID:JYVWEr490
>>285 ありがとう!そう言われると揺らぎますなw
とりあえず
>>283のスレを一通り読んできました。面白かった
と思うと同時に、同じ事考える人いるんだなぁ・・・と少しショックだったりw
確かに設定的にはあっちの方が合ってるんだよね
でも正直迷っています
実は以前携帯で書き溜めていたんですが、その携帯を洗濯してしまってデータが消えてしまったんです
だから今の時点では
>>281までしか書けていません・・・
続きを書きながら、今後を考えたいと思います
・・・主人公ツンデレにすれば良かったなw
YANA氏GJ!
>>291 今からツンデレにすればいいじゃないかwww
293 :
見切り発車:2006/03/03(金) 00:02:48 ID:3QNCR1B/0
お父様にお母様!!と云うことは、やっぱり死んじゃったのね……
本懐を果たすことの出来なかったわたしを許してくださる?
あれ……でも確かお父様は未だ成仏してなかった筈じゃあ………
ひはひーー!はにすんおよ、ほのひんにふははっ!!!
……アレ?此処は天国じゃないの?わたし、生きてる………?
草の良いにおーい。って、どうして生きてるの!?塔の屋上から飛び降りてっ!?
ぁ……風のマント………それ壊れてなかったんだ。
うわぁ……よく死ななかったねぇ、わたしたち……
………え?向こう側?
わぁ!!海峡越えてるよっ!!すごーい、ホントに空飛んだんだ……
……!勘違いして貰ったら困るけど、他に良い手があったかもしれないんだからねっ!
なのに相談もしないであんな危険な手段を選んだのは、最良じゃないんだから!!
此からは、わたしにちゃんと相談して………なによ?
もうちょっと年相おう……………ひ、ひ、ひっ、人のパンツにケチつけるなぁ!!!!
バギィィィィィィィィィィ!!!!!!!!
(ズシャズシャズシャズシャ)
アレンのバカァ………クスン
294 :
見切り発車:2006/03/03(金) 00:15:31 ID:3QNCR1B/0
>257
さくばんは おたのしみでしたね
今回のプロットを立ててると、DQ2を根っこから作り直した物をプレイしたいと度々思います。
アレフガルドからは街が無くなってるし、最近の作と比べても街の数は少ないし。
もっと世界を広くし、ストーリーの幅も広げたものをやってみたいなぁ、なんて。
今の時代、ロム容量なんて気にすること無いんだぜ!!
で、今更だからみなさんに訊けるのだが。
やっぱり王女のパンツは縞パンの方が良かったのだろうか?
ちょっと背伸びをして過激なテーバックを履いてみました。なーんて設定にしてみたのだが。
結局個人的な嗜好を反映させただけで、今になってもどっちがよかったのかわたしにはわからんのです。
YANAさんGJです! 暇潰しさんのもいい作品ですね! 自分もここで見れるとうれしいですw これからツンデレ成分が出てくるとゆう事で…………………………………………ダメカナ( ´・ω・`)
296 :
見切り発車:2006/03/03(金) 00:17:28 ID:3QNCR1B/0
うわ、ネタでアンカーミスorz
○>275
いたたまれないので、ドラゴンの角から海峡に落ちてくるノシ
お〜!見切り発車さんも来てたー 王女がTバックなんて……………………………………………背伸びしてる王女萌えス( ´д`)ハァハァ
>>293を読んだとき何故かカボチャパンツが脳裏に浮かんだ俺ガイル
「年相応」の解釈、逆だったorz
Tバックしかも赤(´д`)ハァハァ
おいおい王女がTバックだと?萌えるジャマイカ・・・
ツンデレのセオリーとしてはいつも口ではえらぶっているのに下着はお子様パンツか
ソッチの知識は無いくせに自分は大人の振りして下着は背伸びパンツかだけど・・・
だめだ私には決められない・・・
きっと母親から「これを履けばどんな男もいちころよ!」て言われたんだよ。
あと王子があててんのよの時感じた感想を王女に↓
王女実はノーブラ告白
↓
になれば上目遣いで○o○していい。
303 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/03/03(金) 17:29:39 ID:mQnblHqkO
保守
ザッザッザッザッ
「はっ、はっ、はっ…」
―――信じない。例え姉さんがあの男を選んだとしても。
私にとってオルテガ以外の勇者、ううん、人間は信用に値しない。
選定を受けた、ということは、あの男は地上の人間。…頭では分かっている。アレフガルドの、堕落した人間とは違う。
事実、彼は静かで、落ち着いた瞳の中に、あんなにも闘志を燃やしているではないか。
それでも…それでも私には…!
「グオオオオォォォォッ!!」
「…!」
突如、眼前に現れた魔物。…しまった。いつの間にか、祠の結界の外に飛び出してしまっていたのだ…!
―――ドクンッ
ああ。これは。あのとき、と、おなじ―――。
一瞬の逡巡。覚悟する。オルテガはいない。今度こそ、私は死ぬのだ。
怖い?…どうなのだろう。既にこの身は、あの時たまたま拾い上げた命。
こんな世界に身を置く以上、こういう時が訪れるのは仕方ないのだろう。
後悔があるとすれば…そう。こんなことなら、雨雲の杖を、祠に、残していくべきだったか。
頭上に、ダースリカントの豪腕が振り下ろされる。ゆっくり、ゆっくりと。
私は目を閉じ、思考を停止する。次に目を開けるのは…あの世なんだろうなぁ、と漠然と感じながら。
ボゥンッッッ
「グガァァァァッ!!?」
「………?」
―――腕は、私に届かなかった。何かが飛来し、魔物の顔面で爆散したらしい、ダースリカントはうめいている。
と。次の瞬間。黒い影が私を追い越し、眼前の巨大な獣を両断した。
………何の冗談だろう。こんなところまで、あのときと同じなんて。
・ ・ ・
「生きてるか?」
「………生憎と、ね」
「素直じゃないわね。こういうときくらい、お礼、いいなさいよ」
「ふん」
プイッ
「その様子なら大丈夫そうだな」
「おかげさまでね。一応、ありがと」
「ん。祠まで送る。落ち着いたらいってくれ」
「いいわ、すぐでも」
「結構。俺も時間は惜しいからな」
「…むぅ。いっておくけどね、助けてくれたのは感謝してるけど、私は杖をあんたに渡す気はないんだからね」
「ああ、いいよ。それで」
「え…」
「ちょ、ゴドー、何いってるの!?それないと、魔王の島にいけないのよ?」
「仕方ねぇだろ。本人が渡す気ないっていってるんだから、無理矢理奪うわけにもいかんし、
この場合説得して譲ってもらおうっていうのも失礼な話だ。…イデアのオルテガへの思いは、そんなんで覆るもんじゃねぇはずだ」
「「…む」」
「…くくっ、おまえら、面白いくらい反応が似てるな」
「「な、誰がぁっ!…っ!」」
「いい、いい。ほら、行くぞ」
・ ・ ・
「それで…どうするのよ?あんた。杖無しで、島に渡る方法はあるの?」
「今考えてるとこだ」
「…ねぇ。私、やっぱり、信じられないんだけど」
「ん?何がだ?」
「………あなたが、あの方の」
「待った」
「何よ」
「やめときな。それ以上は、いっちゃいけないんだろう?」
「………」
「ただの規律精神だったら、別に止めねぇんだがな。あんたの姉さんの反応がな…そういう感じじゃない、
もっと別の、思いやりみたいなものが働いてるような気がするんだ」
「………鋭いじゃない。人間のくせに」
「あんたねぇ、もうちょっと」
「あー、アリス、話が拗れるからちょっと黙っててくれ」
「むー…」
「…とにかく、俺はあんたから杖を奪おうとは思わない。ここからはさっさといなくなるから、安心しt」
「一つだけ聞かせて」
「ん」
「あなたが、仮に、私たちの選定の条件を満たしていない、ただの何でもない人間だったとして。
…神にも、精霊にも選ばれていない、一人の人間だったとして」
「………」
「………」
「あなたは、それでも、世界を救うために命を懸けてくれる?」
「………」
「………」
「………」
「…懸けよう」
「何を根拠に?」
「この世界と、大切な人が在る限り」
「………」
「選ばれようと、選ばれまいと、俺が守りたいと思えばそのために力を尽くすだけだ」
「………ん」
ズイッ
「え…」
「ん………杖?」
「か、勘違いしないでよね!べ、別にあなたを認めたわけじゃないんだからね!」
「?」
「私にとって勇者はオルテガだけ。私は彼がもう一度、杖を求めてここを訪れるのを待ってる。でも彼は現れない。
だから、あなたには、この世界のどこかにいるオルテガにこの杖を渡す役目を与えるわ。
いい?預けるだけなんだからね?オルテガに会ったら、すぐに渡すのよ?」
「「………」」
「…な、なによその目は!あなた、いったじゃない!自分が選ばれた人間でなくても、命を懸けるって!
だから、この役目に命を懸けなさい!い、今更嘘だったなんて、いわせ、ないんだからね!」
「…ふふっ…いいぜ。その役目、やろう」
「むー…」
「だが、真剣な話」
「?」
「オルテガが死んでいる事態も、考えるべきだ。もし俺が旅先でオルテガが死んでいると判断した場合…
この杖を遊ばせて置くわけにはいかねぇ」
「………考えたくないけど。確かに、そう」
「その場合、俺はどうしたらこの杖を使うことを許される?」
「………ルビス様」
「え?」
「北の山奥に、マイラっていう村があるわ。そこから西の、内海の島。そこに建つ塔に、ルビス様は封じられている。
もし、あなたが姉さんに言ったように、ルビス様を本当に助けられたら…きっとルビス様はあなたを認めてくださる。
いくら私でも、ルビス様直々に認められた人間は認めるしかないもの」
「…わかった。わかったけど、最後のが引っ掛かる」
「え?」
「誰が認めたとか、認めないとか、関係ねぇだろ。
あんたがオルテガだけを勇者と思ってるなら、あんたの中のその思いを大事にしてくれ」
「っ…でも!それじゃあなたに杖を使わせるわけにはいかない!」
「あ、ちょっと待って、イデア」
「な、なによ」
「ゴドーはそういうこといってるんじゃないと思う。
ルビス様がゴドーを認めて、杖の使用を許してくれる。その下にいるあなたやエイドさんは、それに従うしかない。
…でも、それに心まで従う必要はない、って。そういうことじゃないかな?ね?ゴドー」
「…っ」
「…あー…ま、そういうことだ。いいか?あんたはルビス様に忠実に従って、仕方なく♂エを黙認するだけだ。
まぁ、要するに。あんたは心の中では俺を勇者として認めなくても構わない、ってこと」
「………ふん。いいわ、どっちにしても、そのうち結果はでるんだから。
でもあなたたちの役目は、あくまでオルテガにその杖を届けることなんだからね?忘れないでよ?」
「わかってるさ」
・ ・ ・
「…それにしても、ホント、あんたも変わったわよね」
「何がだ?」
「以前はオルテガさんの名前を出すだけで、目の色変えてたのに。それが今じゃ、『その思いを大事にしてくれ』だもんね」
「なに、誰も心まで強要する事は出来ねぇってことだ。…さ、次の目的地に行こうか」
「あ、ちょっと、何急いでるのよ!?」
「また仕事が増えたんだぞ?ぼやぼやしてると本当に世界が滅ぶ」
「………あんた、もしかして、まさか…本当にオルテガさんの死を確認する気?」
「当たり前だ。俺に嘘吐きの罪を背負わせたいのか、おまえは」
「…そうじゃないけど…」
「…っと。そうだった、な。悪かった。おまえにとっての親父は…」
フルフル
「ううん、気にしないで。あたしも、見てみたいから。
あんたの選んだ、世界を救う道ってやつを、ね。さ、急ぎましょう」
「ん」
『母さん、あの人は、オルテガさんは、記憶を無くしてもやっぱりオルテガさんでした。
アレフガルドでも、私と同じように、あの人を慕い、強い意思を持つ女の子が育っていました。ちょっと、親近感です。敬具』
309 :
見切り発車:2006/03/03(金) 21:02:20 ID:3QNCR1B/0
もう、泥人形からやっつけてくれなきゃ駄目じゃないっ。
あの変な踊り踊られると、呪文唱えられなくなるんだから。
わたしのバギやベホイミが使えなくなったら、ピンチなのよ。
ピンチもピンチ、大ピンチ。ルプガナに着く前に腐った死体の仲間入りしちゃうんだから。
其れをちゃんと判ってるの?
それならだいじょーぶよ。
アレンが泥人形と格闘している間、ラリホーで他のモンスター眠らせちゃうから。
そしたらほら、アレンが横合いから殴られる心配もなくなって、わたしも安心。
じゃなくてっ!!ち、ちが……ちがうのっ、そうじゃなくてっ。ね?
そっ、そうっ。余計な攻撃受けたら結局ベホイミ使うことになってわたしが疲れちゃうじゃない?
そしたら泥人形やっつけても意味無いのよっ。
だから、その心配が無くなって安心っていみ……意味でっ。
べっ、別に痛そうな攻撃受けてるのみて、胸が痛んだりなんかしてなんだからねっ!!
勘違いされたら、わたしが迷惑なんだから…………
310 :
見切り発車:2006/03/03(金) 21:03:50 ID:3QNCR1B/0
パンツ問題はアレでもよかったようなので、一安心。
だけど、カボチャパンツネタは捨てがたいな………
もしかして途中からサマル居ない?
もしも居ないんだったらバロスwwwwwwwxwwwwwww
宿屋に忘れてきたってことでいいんじゃないか?wwwww
このスレの胸焼けがするくらいの特濃なツンデレが好きだ・・・
『拝啓 母さん、出鼻は、いきなり挫かれました。
湖に囲まれた町、リムルダール。大陸をぐるりと南から東に回り、辿り着いた、丁度魔王の島の真東に位置する町です。
前のお手紙で、イデアから雨雲の杖を預かり、オルテガさんを見つけたら渡し、もしその死が確認されたらルビス様を助け、
私たちで使う、という約束をしたことは書いたと思います。
そして向った次の町で、それは明らかになりました…』
「…まさか、いきなりとは、な」
「………」
『ある子供はいいました。「オルテガが魔王を倒しに向かった」
またある戦士はいいました。「老いた一人の男が、魔王の島に伸びる西の岬に立っているのを見た」
またあるお爺さんはいいました。「哀れオルテガは、魔の島に渡る術を知らず、海の藻屑と消えた」』
「………」
「大体だな、あの親父は物事を何でも力技で解決しようとしすぎなんだよ」
「………」
「アリアハンの旅の扉の壁が壊れてなかったことからも、魔法の玉を使おうとかは考えなかったみたいだし。
火山は正面突破で抜けようとするし。挙句の果てに海を泳いで渡ろうとするし」
「………」
「まったく、少しはモノを考えて行動しろっていうんだ」
「ゴドー。ちょっと黙って」
「………………………すまん」
「あ…ご、ごめんね。気を紛らわしてくれようとしたんだよね?つい、気が立ってて…」
「いいさ。戦いの前に感傷に浸られても面倒だ、今のうちに怒るだけ怒って、悲しむだけ悲しんでおけ」
「あんたは、平気そうね」
「当たり前だろ…まさか、忘れてねぇだろうな?俺はあの親父を憎んでるんだぞ?
おまけに、ここに来てからは障害さえ作ってくれやがった」
「障害?…ああ、例の約束のこと?その割には、イデアさんのオルテガさんへの想いに肩入れしてたじゃない」
「ん?馬鹿いうな、俺が親父を憎むのをとやかく言われる筋合いないのと同じで、
イデアが親父をどう思ってようと俺が出る幕じゃねぇだろうが」
「ま、そうだけど。…あんた、そういう、いわれてみれば当たり前だけど、実行するのは難しいこと、割と簡単にやってるわよね」
「大した事じゃねぇって。単なる個人主義だよ、これは」
「そうかな。…でも、あんたのそういうとこ、結構好きかも」
「…ふん。まぁ話を戻すけど、それでも親父に特別死んで欲しいとか考えてたわけじゃねぇんだ」
「あれ、意外」
「面と向かっていってやりたいことは、山ほどあるんでな」
「記憶喪失なのに?」
「それでも、だ。例え五感がなくなってようが、いってやらんと俺の気が済まん」
「災難ね、オルテガさんも。クスクス…」
「…もう、大丈夫そうだな。よし、予想外のことだったとはいえ、これは寄り道が最低限で済んだ事態ともいえる。
とりあえず、現状を整理しよう」
「ええ」
「敵は大魔王ゾーマ。奴の本拠地に渡るには、太陽の石、雨雲の杖、聖なる守りが必要だ」
「雨雲の杖は、手に入れた。でも…」
「マイラの西の塔、封印されたルビス様を助けること。杖の使用の条件であり、エイドが言うにはアレフガルドを救う鍵でもある。
当面の目的の一つは、これだな」
「もう一つが、太陽の石と聖なる守りを見つけること」
「ああ。聖なる守りの在り処はガライは知らなかったが…こっちは自力で何とかするしかねぇだろ。
あとは、例の伝説の武具、か。こいつの所在は、イマイチはっきりしねぇが…まぁ、なければないで、何とかするか」
「うわ、いい加減ね」
「そうそう武器に頼ってもいられんさ。…まぁ、こんなところかな。次は、太陽の石か…」
「待って」
「ん?どうした?」
「信じて、いいんだよね?」
「…何をだ?」
「あたしはまだ、人間を救うべきかどうか、迷ってる。
でも、あんたは…いったよね?必ず、世界も、そこに住む人も救うって。…答え、見つけたんだよね?」
「…ああ」
「でもまだ迷ってるって、いった」
「………ああ」
「無理に話せとはいわない。話したくなったら、話してくれればいい。いつまでたっても話したくないなら、それでもいい」
「………」
「でもその代わり」
「ん…」
「あんたはあたしの信じた男なんだから…もし、あたしの期待を裏切るような答えだったら、一生あんたを許さないから…!」
ポフッ、ギュッ
「あ…」
「…約束する。絶対に、おまえも、世界も裏切らない」
「…うん」
「信じてくれて、ありがとう。…アリス」
『母さん、ゴドーはやっぱり、何かの答えに思い至ったようですが…それを私に語ることしませんでした。
でも、約束してくれました。私の期待に、必ず応えると。今はそれを信じて、前に進みます。 敬具』
317 :
YANA :2006/03/04(土) 00:32:32 ID:T8znOu6I0
リムルダールでネタが思いつかなかったので総集編(ぇー
近いうちにまた間があくかもしれないので、予告。
次回、太陽の石探しに戻ったラダトームでこの期に及んでまた新キャラを出して一話、
マイラで王者の剣と温泉イベント(ちょっと待て)をクリアするのに一話。
更にマイラ西の塔で1〜2話を消費し、その後竜の女王の城で一話。
そこから先は…いよいよ第三部の半分以上のボリュームを占める(予定の)、最終決戦です。
さて、アナログの原稿も頑張ろう(ぉ
温泉クルーーー―(゚∀゚)ーーー―!!
お・・・温泉だと・・・ゴクリ。
きっと一騒動あるにちがいない。
>>YANA氏
つ(□~
今日は寒いのでホットミルクドゾー
322 :
見切り発車:2006/03/05(日) 02:44:11 ID:tJRYgUAG0
やってきました、ルプガナの街っ!!
久しぶりのベッドだ、お風呂だ、豪華お食事だっ!!
ムーンペタ以来の人里だよー。
むー、そりゃ人には会ってるよ。ムーンブルクの西の祠とか、ドラゴンの角とか。
だけど其れと此とはまた違うじゃないっ。だって、宿屋があるんだよっ!
ねぇ、今日はもう休みたいー。宿屋に行こうよぅ。
良いでしょ良いでしょ良いでしょ良いでしょー?
やったぁ!!へっへー、おやっどおやっど♪おやどはどこかなおやどはどこなー♪
はぁー、ふかふかのベッドに寝っ転がるなんてどれくらいぶりだろう………
疲れたなぁ……旅の最中は緊張しっぱなしだし、寝るときも地面の上だし……
シスコン王子は何気に気が利くけど、戦闘中は微妙に………
其れにあの、筋肉莫迦よ。考え無しの無鉄砲で……ホント莫迦なんだから………バーカ……
ああ、それにしても…眠いなぁ……疲れたなぁ………ふぁぁーー………
しょく…じ……たべないと……おふろ……ふぁ…も………すぅー…すぅぅ……………
323 :
見切り発車:2006/03/05(日) 02:45:25 ID:tJRYgUAG0
危なく誤爆しかけたorz
書き終わってから気が付いたのだが、ツンデレ分がどっかいってますね、今回。
何故だろう。
>>322を見るとまた何かトラブルが起きる予感が。
そう・・・寝ぼけた王子が、とか。
325 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/03/05(日) 13:20:15 ID:zphPFR4M0
326 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/03/05(日) 16:17:54 ID:PcKLFzW5O
なぁ
ジパング
ランシール
海賊の家
ネクロゴンド
商人の町
の他あと一個グリーンオーブって
どこだったっけ…?
すぐわかる神いますか?
テドン…だっけ?
328 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/03/05(日) 16:21:17 ID:PcKLFzW5O
あ!!!!!
そうかもしんない!!
一分でわかるとは…
>>327 まじネ申!!
ありがとう!
329 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/03/05(日) 16:26:30 ID:PcKLFzW5O
手に入ったぜ!!
お陰でラーミア産まれそうです
センキュ!
330 :
見切り発車:2006/03/05(日) 20:19:58 ID:9FgS+L4c0
うぅ……ん………
あれ、寝ちゃ………うわああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!
(ゴチンッ!)
いっ………つぅ……っ!!!
なっ、に人の寝顔覗き込んでるのよっ!!
あー、まだ心臓がバクバクいってる………
もしも吃驚しすぎて、わたしの心臓が止まったらどうするつもりよっ。
……心臓マッサージに人工呼吸って、普通に云わないで………
其れに目付きと手つきが怪しい人にされるのは、わたしの方から断ります。
で、レディーの部屋に侵入した挙げ句に、乙女の顔を覗き込んでた犯罪者が一体なんの用なの?
何よ、その指?ほっぺ………?〜〜〜〜〜〜!!!!ば、ば、ばっ、ば、ばかぁ!!!!!
い、いいのよっ!!部屋を出る前に身だしなみのチェックなんてするんだからっ!!
もう、ホントになんの用なのよっ!!……もしもろくでもない用事だったら、切り刻むから。
………その指輪、どうしたの?くれる……の?
福引きで、当たった……?精神力を回復してくれる祈りの指輪……………
ええ、そう。そんなことだろうと思ってたわ。うん、思ってた。
で、どーしてわたしなのよ。
そんな効果があるんだったら、わたしじゃなくてコナンでもよかったじゃない。
あ、あげたかったって……そんなの理由にならないよっ!
………で、でも、どうしてもってアレンが云うなら、仕方なく貰って上げてもい、良いわ。
ほらぁ。貰って上げるから、そんな顔してないで早く寄越しなさいっ。
331 :
見切り発車:2006/03/05(日) 20:25:45 ID:9FgS+L4c0
>>326-328 テラワロス
>324
期待に添えずに御免なさい。
今回は展開が決めていたので使えませんでした。
でも、その展開良いなぁ………
指輪!挙式はいつですか!?
333 :
見切り発車:2006/03/06(月) 02:31:03 ID:FO6BpQu80
はぁ〜。やっぱりちゃんとした処で食べるご飯は美味しいなぁ。
お風呂もちゃーんと入れたし。温かいお湯に浸かる幸せ……
ああ、お母様。ナナはこのまま堕落してしまいそうです。
指輪、かぁ………どーせあの莫迦、なーんにも考えてないんだろうなぁ。
はぁ………早く寝間着に着替えて寝よ寝よ。明日も早いんだろうし。
アレ、そういえば明日どうするって云ってたっけ………
(コンコン)
ちょっとま―――――
(ガチャ)
………………………………………………明日は港に行くのね。
うん、其れは判った。でもさ、その前に云う事あったでしょ?
………やっぱり年相応の履いた方が良いよとか、
そのパンツロトの紋が描いてあるんだねとか、前も思ったけれどお尻がかわいいとかじゃなーい!!
ノックしたって、返事訊く前に開けたら意味無いって前にも云ったでしょっ!!!
その上未婚の娘の着替え途中を見ておいてっ!!!!云うことは其れだけかっ!?
アンタの頭の中には、謝罪するという行為は入ってないのかっ!?
……一度全ぶ……………今までの記憶、全部消してやるっ!!!!
バギバギバギバギバギバギバギバギィィィィィィィィィィィィィィーーーーーー!!!
(ズシャズシャズシャズシャ)
………別に……見られるのくらい………お尻…………褒められちゃった………莫迦…………
334 :
見切り発車:2006/03/06(月) 02:40:03 ID:FO6BpQu80
妙にテンションが高まってしまい、こんな時間に勢いで一遍書き上げて投下してました。
然しおかしい。
反応からすると先程のは萌えが足りないのかと、もっと萌え成分を増量するつもりが、何故か増えたのはエr(ry
然も何故か王女が凶暴化してるし。ストレスでも溜まってたんですかね?
>302
其れは、由緒正しきムーンブルク王家伝来の赤ティーバックだったそうだ。
代々の国王は其れで落とされたと、此の文献には残っている。
>311-312
残念ながら、未だいます。相変わらず影薄いけれど。
>332
挙式イベントって、需要あるのかな?
王女可愛すぎ!!この展開に悶えるほどGJ!
挙式イベントより「私が他人の物になっちゃっていいの・・・?」
的な展開はどうでしょう。
可愛いなぁ王女
王女可愛いなぁ
親愛なる妹へ
ぼくが城を出てからだいぶ経ちますが、何か変わったことはないかい?
ぼくが添い寝をしなくても寝られるようになった?
風邪を引いたり、体調を崩したなんて事がなければいいのだけれど。
この手紙は、ルプガナという港町から、こうして手紙を書いてます。
此処に辿り着くまでに、なんども危険な目に遭ったけど、
ぼくの機転と実力のお陰で、生きて辿り着くことが出来たんだ。
特にあのドラゴンの角からの海峡越え、あれは是非見せたかったよ。
みんな、風のマントをつけたぼくにしがみついちゃってね。
無事に着地した後、二人がぼくを見る視線が憧憬に満ちていて、困ってしまったよ。
此から海に出るんだけど、きっと海の魔物だってぼくの剣術のと呪文でイチコロさ。
だから、心配しないでぼくがハーゴンを倒して帰るのを楽しみに待っているんだよ。
お前の大好きな兄より
−−−−−−−−−−−−−
はぁ……お兄ちゃんたら、相変わらずなんだから…
でも、こんな嘘丸見えの手紙送ってきて、どういうつもりなんだろ?
苦労してないといいけど、アレンさんとナナさん。
今度訪ねて来られたときに謝っておかなきゃ………
サマルの影が薄くなっていたのはわたしも気になっていたので、
発見されたサマルの手紙を公開します。
最後のは妹のぼやきです。
ちょwwww妹もモエスwwww
>ぼくが添い寝をしなくても寝られるようになった?
ちょっとまてこらサマルwwww
『拝啓 母さん、私たちはもしかして、ガライさんにからかわれたのでしょうか?
それともガライさん自身、その情報が嘘である事を知らなかったとか?
私とゴドーは今、ラダトームに戻り、お城を探索しています。というのも、ガライさんの情報では、
太陽の石はラダトーム城に保管されているとのことだからです。
しかし、お城のあらゆる場所を探し回っているにも拘らず、それらしきものの影さえ見受けられません…』
カン、カン、カン…
「うー…見つけたと思ったんだけどな。こんな分かりにくいとこに階段が見えたから、今度こそって」
「地下のおっさんも知らなかった…これ以上の隠し場所があるってことか…?ふーむ…」
「ねぇ、もしかしてガライさん、勘違いとかしてたんじゃないかな?」
「だが、雨雲の杖はちゃんといわれた場所にあっただろ」
「そうなんだけどさ…」
わーーーーーーっ!
「「!」」
「聴こえた?」
「ああ。行くぞ」
・ ・ ・
「「「「クエエエエエエッ!!」」」」
「わわわわわっ!つ、ついてこないでよ〜っ!」
バサッ、バサッ、バサッ
「はっ、はっ、はっ…わっ!!」
ガッ、ズザーーーーッ
「クエエエッ!」
「ひ…」
ザンッッッ
「クエッ!?」
「え…」
「次!!せいっ!」
ザクンッッ
「クゥッ!」
「二人とも、伏せて!!」
「!来いッ!」
「!?ひゃっ!」
ガバッ
「マヒャドッッッ!!」
ビュウウウウウゥゥゥゥッッッッッ
「「!!!」」
ビキビキビキッッッ
「ミッションコンプリート、ってね」
「わ〜…ありがとうございます」
「やれやれ。…おまえ、何やってるんだ、こんなところで。町の外は魔物だらけなのは知ってるだろ」
「はぁ…そうなんですが…」
・ ・ ・
「「魔物退治の特訓?」」
「はい…」
「………どう見ても逃げてるようにしか見えなかったんだが。これは俺の目が悪いのか」
「あはは…はぁ。そうなんです。僕、アルムっていいます。実はラダトームの新米の兵士なんですけど…お城でも一番弱くて。
だから、特訓してるんですけど…実戦になると、強い魔物ばっかりで、数も多いし、どうしても逃げちゃうんです…」
「まぁ、確かに、この辺りの魔物はちょっと戦闘初心者の手には余るかもね」
「だが、実戦ってのはそんなもんだ。怖いんなら、兵士なんてやめたらどうだ」
「そ、それはダメです!!」
「む…」
「みんな、ゾーマの影に怯えて、萎縮して、絶望しています。僕よりずっとずっと強いはずの、他の兵士さんたちも、
いざ魔王が本気になれば、こんな城や町なんて、あっという間に滅ぼされてしまうって…」
「………」
「………」
「僕は、そんなのいやです。だから、弱くても、何の抵抗もしないでみんなを殺されるなんていやだから…」
「…ふぅ。まぁ、好きにすればいいさ」
「あの!」
「ん?」
「先ほどの戦いぶり、お見事でした!あなたの実力を見込んで、お願いがあるんです!」
「なんだよ」
「僕に、戦いを教えてくださいっ!!」
「え、えぇっ!?」
「いやだ」
「って即答!?ちょっと、考えてあげるくらいしないわけ!?」
「そこを、なんとか!」
「別に、意地悪でいってるわけじゃねぇ。単に、俺の戦い方がおまえに向いてないだけだ。
人に合わせた戦い方を教えてやれるほど、俺は器用じゃねぇしな。おまえ、敵の攻撃を真っ向から受ける覚悟があるか?」
「う…」
「さっきはたまたま、奴らの注意がおまえに向いてたから無傷で倒せた。
だが俺の本来の戦いは、肉を切らせて骨を断つやり方だ。度胸とタフさのない奴が真似したらあの世行きだぞ」
「………」
「でも」
「え?」
「戦い方を見て、何が不味いか見てやるくらいは出来る」
「!」
「じゃあ…!」
ザッ
「…殺す気でかまわん、全力でかかって来い」
「あ、ありがとうございます!」
「もう…こういうやり方しか出来ないのかしら、こいつは」
・ ・ ・
〜三十分後〜
「………」
「はぁ…はぁ…はぁ…」
「………おまえ、ほんっっっっっっっとに弱いな」
「うぅ…」
「ちょ、ゴドー、もう少し他の言い方ないの?」
「じゃあ、採点よろしく」
「………………目一杯おまけして、20点」
「………」
ズゥゥゥン
「あ、ご、ごめんね、アルム君!」
「ほらみろ、どう見ても一般人並じゃねぇか。緊張して剣の握りがガチガチ、太刀筋は迷いっぱなし、身体能力は平凡、
そもそも本人が全力で切り込む根性なし。これなら九歳の時の俺のほうが強かったぞ」
「…すみません」
「………ただ、一つ気になるところがある」
「はい?」
「どうしたの?」
「おまえ、俺のどこを狙って切り込んできた?」
「?」
「はい…えっと…怒らないで、聞いてくれますか?」
「ああ。約束しよう」
「…腿と、股間の関節の辺りに」
「…やっぱりな。おまえ、一応、いわれた通り全力で殺りにきたらしいな」
「す、すすす、すみません!命の恩人に失礼とは思ったのですが、殺す気で来い、との指示でしたので…!」
「???なに、どういうこと?あたしにも分かるように説明しなさいよ」
「ん?ああ、普通、対人戦で切りかかるっていうと上半身を狙うことが多いよな?」
「うん」
「だけど、こいつ、どうも俺の下半身ばっかり狙ってきてたみたいなんで、おかしいと思ってたんだ」
「?確かに狙いにくいといえばそうだけど、下半身を狙うとなんなのよ」
「いいか?こいつが狙ってきた部分…股関節は、人体の致命的な急所であり、死角でもあるんだ。どういうことかわかるか?」
「ううん。…そうなの?アルム君」
「はい。そこはですね、深い傷が入ると、たくさん血が出て、危ないんです。
あと、なんていうか…狙われると、すごく、避けづらいんです」
「ボキャ貧な解説だが…成る程、一応の性質は理解してるらしい」
「す、すみません」
「じゃ、あんた解説してよ」
「いいけど。…まず、人体で一番自由に動かせるのが、肩関節。こいつは球関節っていう種類の関節で、
更に関節窩(わ)っていう関節の嵌りが浅いから、とにかく可動率が高い」
「「………」」
「で、股関節も同じ球関節なんだが、こっちは体重を支えるためか関節窩が深い。だから肩ほどの自由度がなく、
移動や攻撃の瞬間なんかに狙われると避けにくい。踏ん張りが利かないからな、下手にかわすと」
「「………………」」
「で、性質の悪いことに、ここには…えーっと、なんていったかな、とにかく結構重要な血管が通ってて、傷むとかなり不味い。
俺も、攻撃中ここだけは狙われねぇようにいつも祈ってる。幸い魔物どもにそんな知恵は…どうした?」
「ごめん、もういい。私が悪うございました」
「す、すごいです!言葉の意味はよくわかりませんけど、すごく的確なことをいっている気がします!」
「おまえら………まぁ、とにかく。俺もここを狙われるなんて初めての経験だ。
もしおまえに相応の力量があったら、ちょっと梃子摺るかもな」
「そんなこと…」
「で、気になったんだよ。なんでおまえが、ソレを知ってるのか」
「あ、はい。僕は、勇気もなくて、実力も大した事ないから…せめて、自分の体や、魔物のことを調べて、
その性質に沿った戦いができたら、少しはマシかな、って、思って…書物を漁ったり、自分の怪我の経験を書き溜めたり」
「で、これか。…だが実践する根性がないんじゃな」
「…すみません」
「ま、得意なことがあるんだ。あとは実戦で慣れるだけだろ。努力次第で伸びるんじゃねぇか?」
「ありがとうございます!」
「それまで死ななければ、の話だがな」
「あう…」
「ゴドー、一言多い」
「ふん。…さて、長居したが、そろそろ行くか」
「あ、待ってください!何か、お礼を」
「ん?いや、別に気にするな」
「いえ、駄目です!命を助けられ、修行までつけていただいて、何もお返しできないなんて!」
「そういわれてもな…」
「…あ、ゴドー。アルム君なら、何か知ってるかも?」
「あぁ?いやだが、こいつ新米だろう?そんな、ラダトームの古くからの宝を知ってるとは思えねぇんだが」
「何でしょう?何か、探し物でしょうか?協力させてください!」
「ん…じゃあ、一応聞くけど。おまえ、太陽の石って、知らないか?城にあるはずなんだけど」
「太陽の石、ですか?」
「話によると、真っ赤な水晶の玉らしいんだが…」
「はぁ…」
「…知るわけないよな」
「もしかして、アレの事かもしれませんね」
「「は?」」
・ ・ ・
〜ラダトーム城、台所〜
「いいですか?いきますよ?」
「「………」」
「えい」
ギッ
「わわ!?か、壁が回転した!?」
「隠し部屋…?」
「ははっ、とにかく中の階段を上ってください」
「うわ、凄い本…これ、全部例の調べ物の…?」
「はい。こつこつ運び込んでたら、こんなんになっちゃいまして」
「ここはおまえの寝室か。なんでまた、こんなところに?」
「あはは。僕、新入りの中でも特別弱くて。お城の警護も任せてもらえないで、代わりに雑用の仕事なんかもやってるんです。
で、台所も近いし、丁度空いてたのを偶然見つけたんで、王様に許可をもらって間借りさせてもらってます。
一人部屋なんで、本を溜めても他の兵士さんに迷惑はかかりませんし」
「これを偶然見つけたのか…?どういう運だ、まったく」
「僕、昔から悪運が強いんですよ…っと、これですね」
ゴソゴソ、ポンッ
「これが…太陽の石?」
「わかりませんよ?僕が初めて部屋に来た時…ほら、そこに二つ、炎が燃えてるじゃないですか?
あれ、何をやっても燃え上がることも消えることもないんです。その二つの炎の間の宝箱に、保管されてたんです。
持ってると暖かいんで、寒い日はゆたんぽ代わりに使ってますけど」
「じ、神器をゆたんぽに…」
「いやぁ、おまえもしかしたら、将来大物になるかも知れねぇな」
「はい?」
「じゃあ、悪いけど、こいつはもらっていく。…城の連中には、すまないが上手く言っておいてくれ」
「大丈夫ですよ、皆さん、その石どころか、この部屋の存在すら忘れてたみたいですから」
「ん。わかった。…それと、まぁ、頑張れよ。俺は駄目だけど、その内いい師匠が見つかるといいな」
「はい!」
『母さん、二つ目の神器が手に入り、残すは聖なる守りのみとなりました。
そうしたら、あとはルビス様を助けて…決着の日は、着々と近づいています。 敬具』
YANA氏の文章、戦闘描写が出るたびに思うんですけど戦いや人体に関する含蓄が
すごいなぁと思います。
どこで学んでくるんですか、そんなこと!?
349 :
暇潰し:2006/03/06(月) 23:55:07 ID:pXbrcnMS0
皆さん乙です
YANAさんはアルム君のように勉強家なんだろうなぁ
とか思いつつ・・・
さて自分の作品ですが、考えた結果このスレに投下することにしました
「このスレが好き」という自分のわがままで決めてしまいました
反対意見ありましたら容赦なく言ってください
ツンデレは何とか頑張ります
が、あの主人公にツンデレはキツそうです。ごめんなさい
萌えるツンデレは見切り発車さんに期待w
それでは改めてよろしくお願いします
・・・・・作品タイトルでも決めたいなぁ
350 :
暇潰し:2006/03/06(月) 23:58:00 ID:pXbrcnMS0
夜―――アリアハンで迎える初めての夜である。
真理奈は夜中に目を覚ましてしまった。
ここは宿屋2階のベッドの上。
横にはスライムが「ピー・・・ピー・・・」と寝息をかいている。
微かに笑った後、ベッドを抜け出して窓を開け、窓枠に腰掛ける。
まったく静かな夜である。
家屋の軒先には明かりの炎が焚かれているが、空の色を変えたりする程ではない。
視線を少し上げると、数ケ所に設置されている、民家と同じく小さい炎の中に浮かび上がるお城が見える。
夜空に浮かぶお城というと不気味に聞こえるが、決して威圧感を与えるような風景ではない。
時々運ばれてくる風に髪を揺らされ、どこか懐かしいような香りを感じる。
そして真理奈は自分の家の事を思う。
母親は心配していないだろうか、と。
いやあの母親では逆に、帰った時に怒られるのを心配した方がいいかもしれないが・・・
(携帯繋がらないかな・・・?)
ふとそう思い、携帯を取り出してみる。
・・・・・・・・圏外だ。
(そりゃ当たり前か)
諦めの表情に苦笑を浮かべる。と、携帯が鳴り出した。
♪♪♪あの虹を〜
「はいはいはい!もしもし?!」慌てて出る。
「ルビスです。ありがとうございました」
「あんたね〜!!」大声で怒鳴ってから、はっとする。
・・・良かった。スライムは起きなかったようだ。
「あなたには申し訳ないと思っています。しかし、これしか時間も方法も無かったのです」
「はいはい、そ〜ですか」投げやりに答え、窓の外に目を戻す。
351 :
暇潰し:2006/03/07(火) 00:00:16 ID:pXbrcnMS0
「で?もう帰してくれるの?」
「・・・それはまだできません。この世界を救って下さい。そうすればあなたの世界に帰します」
「随分な条件だこと!」
「お願いするしかありません。私の力は、あの力には及ばないのです」
「偉そうなくせして役立たずね〜」
「・・・1通だけメールを送れるようにします。お母様によろしく」
「え?!」ツーツー・・・・
「何なのよ!」
終了ボタンを押し、画面を見ると確かにアンテナが4本立っている。
「マジ?!」
慣れた手つきで母親のアドレスを呼び出し、メール作成画面に入る。
「えーっと、えーっと・・・何て書けばいいの・・・」
迷っていると、アンテナが3本に減った。
「え?!ちょっと待ってよ・・・」カコカコカコ
【お母さんごめんなさい。何か帰れなくなっちゃった。怪我とかしたけど、心配しないで―――】
「って怪我したって言ったら心配するじゃん!」
アンテナはもう1本になっている。
「こら〜ルビス〜!まだ終わってないんだからちょっと待て〜!!」
・・・・ちょっとだけ2本に戻った。
【―――ちゃんと帰るから怒らないで待ってて。真理奈】
「よし!送信!」送信完了と共に、再び圏外に戻ってしまった。
「ふぅ・・・今度から着信拒否しよっかな・・・」
少し本気で考える真理奈であった。
352 :
暇潰し:2006/03/07(火) 00:02:32 ID:NXxWxYnp0
夜空を見上げると、本当に真っ暗で星が良く見えた。
あの星のどれか1つに自分の故郷があるのではないか。
そんな思いがするくらい、自分の世界が遠く感じる。
「世界を救って下さい・・・か」
昨日までそんなことを言われたこともなければ、考えたこともなかった。
真理奈の世界も色んな危機に瀕していると言えるだろう。
しかし、その危機を救おうとしているのは全人類のごく一部の人である。
ほとんどの人はその日を精一杯生きるのみである。
真理奈とてその中の1人である。
こっちの世界の危機がどんなものか知らないが、本当にそんな事ができるのだろうか。
人1人の力なんてたいしたものではない事を真理奈はよく知っている。
漫画のように何か秘めた力でもあれば可能なのかもしれないが、そんな力を持っている訳ではない。
それに「世界を救う」と言われても漠然としすぎているし、事が大きすぎてさっぱり実感が沸かない。
「これからどうなっちゃうんだろ・・・」
自分がルビスに選ばれた訳や、この世界の事、それに元の世界の事・・・
色々と知りたいことはあるが、今日のところは寝るしかなさそうだ。
使わない頭で考えすぎて疲れてしまった。
(やるしかない、か。自分の世界に帰りたいし)
ベッドに戻り、スライムを起こさないように手に乗せる。
スライムが息をする度にその体が膨らみ、しぼむ。それの繰り返し。
その緩やかなリズムによって、真理奈の心はまどろみの中に誘われる。
「おやす・・み・・・」
そんな初夜だった。
353 :
見切り発車:2006/03/07(火) 00:21:53 ID:go5pv3FB0
もーなによっ!!
「余所者には船を貸さぬのがこの街のならわし。すまんのう」だってっ!!
謝るくらいなら、さっさと貸してくれれば良いのにっ。
に、似てないなんて自分でも判ってるわよっ!!!いちいち指摘しなくてもいいじゃない……
あーあ、もうどうするのよ。買うだけのお金だって持ち合わせてないでしょ?
わざわざ長い道程、踏破して漸く着いたってのに。
やっぱり時間掛かってもムーンペタで船を造らせた方が………
や、もう一度あの道を歩いて引き返すのは、遠慮したい。
……うん、そうだね。ちょっと他行って考えよーか。
徒歩で情報を集めるには限界があるから、船が欲しいのになぁ。
あーん、もうこうなったらいっそのことラリホーで眠らせている間に……
……真っ昼間から酒臭いわね………うっるさ……………
や、やめてくださいー……おねがいしますぅー………は、はなし…………
………………あんの筋肉莫迦、どーして全く後ろを気にしないかな……
か弱いお姫様が酔っぱらいに絡まれるって、ベタなイベント起こしたのにっ!
……あんたもいい加減ウザイ。それ以上付きまとうなら、港に沈めるよ?
あ、ちょっ!なに二人して走り出して………っ!!
待て、待ってっ!!えーん、待ってよぉーー……………
(タッタッタッタッタ)
354 :
見切り発車:2006/03/07(火) 00:32:31 ID:go5pv3FB0
YANA氏乙。相変わらず戦闘シーンを見てると、こうなんつうか刺激されます。
だけど、わたしが戦闘シーンを書けるのは、またまた最後なのさ〜。我慢我慢。
で、次が嬉し恥ずかし温泉イベントですねっ!?
せっかくだからwktkさせて貰うぜっ。
暇潰し氏乙。初夜に妄想爆発。
然も何か期待されてるしっ!?執筆係氏帰ってこないかなぁ(遠い目)
>>335 >挙式イベントより「私が他人の物になっちゃっていいの・・・?」 的な展開
というのは、王国再興しなきゃいけないのに〜って感じですか?
其れだとむつかしいかもしれない、けれどまだまだ先の話にはなると思うので練ってみたいとは思います。
取り敢えず、リクエストがあれば出来る限り応えていきたいとは思いますが。
ぁ、アンタたちのために、こ、応えてる訳じゃないんだからね……っ。
そ、そうしたら面白くなるかなーって思ってやってるだけなんだからっ!!
期待なんかしたって…だ、駄目だよっ!!
いけない子だなぁ見切り発車は。
356 :
見切り発車:2006/03/07(火) 17:06:01 ID:3nZnyeDw0
はぁはぁ、はぁはぁ……もうっ!いきなりはし…………
(ガキーン ズシャァ! ブォォォ)
……街中にグレムリン!?どーして……って考えてる暇無いわね。
二人とも、もう戦い始めてるし。
ええい、マヌーサッ!!
あんたはいつまでも、大して威力もない槍で突いてないのっ!
アイツらラリホー唱えてくるから、コナンは早くマホトーンで封じて……………
って、云ってる側から眠らされてぇぇぇぇ!!莫迦っ!
ああもう、援護いくわよっ、バギッ!!!
(ズシャズシャズシャ)
やったっ、一匹やっつけたっ!アレン、止めをっ!!
(ザシュッ!!)
ふぅー、無事倒せたね………?なにキョロキョロしてんの?
女の子がおそ……わ…れ…………
(タッタッタ ガシッ)
………ああ、この子なのね………「怖かったですわー」だって、ふんっ。
……アレンもそんなにきつく抱きしめてなくたって………もう、いい加減離れなさいよっ。
あ、ちょっとっ!何処行くのっ!?あー腰に手なんか回してぇっ!!
ねぇ、この莫迦どうするのよっ!?…こっちに気が付かない振りするな、スケベゴーグルッ!!
ああ、もうホントにどうするのよ、此……棺桶にでも入れて引き摺ろうかしら。
『拝啓 母さん、黄金の国、ジパングを覚えていますか?以前、おろちが支配していた島国です。
そのジパングから、このアレフガルドに迷い込んだという夫婦が、ここ、マイラの村に住んでいるといいます。
夫婦の評判は良好で、旦那さんの方は、なんでも刀鍛冶や道具の細工などを専門とする職人さんとかで、村で商売をしています。
で、私たちはせっかくなので、伝説の武具について何か知っているのではないか、ということで、今お邪魔しています』
「………そう、ですか。おろちは」
「ああ。俺とアリスが、ぶっ倒した」
「あの…もしよければ、私たちがジパングまでお送りしますけど…」
「お気持ちはありがたい。だが、私は、妻を生贄の役目から逃すため彼女を連れ出し、ここに行き着いた。
自分勝手な事情で故郷を捨てた、その事実は拭えません。今更、どの面を下げて戻れというのです…」
「…そうか。まぁ、無理にとはいわねぇさ」
「それに」
「ん?」
「ジパングは、まだ国だけの脅威に止まっていたからよかった。それに、今はその脅威からも解放されている。
…しかし、この世界は。世界そのものが闇と絶望に包まれ、今にも滅びようとしている」
「「………」」
「こんな世界があることを知ってしまった以上、私は放って置くことは出来ません。やっと、この村での生活にも慣れてきました。
…もう二度と…自分の住む国を、見捨てたくはないのです…!」
「…そっか。あなたも、まだ諦めてないんですね」
「え?」
「俺たちは、ゾーマを倒すために伝説の武具を探している。何か、知っていたら、協力して欲しい」
「伝説の武具?王者の剣、光の鎧、勇者の盾のことですね?それは、頼もしい!ですが…」
「ですが?」
「率直にいいますと…三つの武具は、もう二度と揃わないのです」
「…なんだって?」
「どういうことなんです!?」
「はい。…三つの武具のうち、王者の剣は…遥か昔、大魔王ゾーマの手によって、粉々に砕かれているのです」
「!」
「そいつは…周到なことだな」
「ですが、ゾーマがそれほどまでに恐れる剣…もし健在であったなら、確実に奴を倒す決め手となったでしょう。
―――何しろ、奴が剣を砕くのにかけた歳月は、三年に及んだといわれています」
「すごい…」
「三つの武具は、神代の時代…アレフガルドの開闢以前から存在したといわれている神具。その力も凄まじいものでしょう。
ですが、それも過去の話…今では、剣はおろか、盾と鎧もどこにあるか…」
「………なぁ、あんた。その、三つの武具だけど。それは、あんたが見れば本物かどうか分かるか?」
「はい?それは、もう。これでも幼少の頃より職人としての技術と知識の鍛錬は、怠ったことがありません故。
日常的なものから伝説で語られるだけのものまで、あらゆる素材・鉱物を知り尽くしております。
もし一目見れば、それほどの神器、ええ、見間違うはずがありません!」
「ゴドー?どうかしたの?」
「…そうか。じゃあ、この盾を見てくれないか?」
ドンッ
「は…?」
「あ…これは」
「ある洞窟で見つけた盾だ。不思議な光を放って、俺を引き寄せた。
前々からかなり強力な力を秘めてたとは思ってたんだが…生憎、俺にはモノの真贋がわからねぇんだ」
「………」
「もしかしたら…勇者の盾じゃねぇか、って」
「………すごい。なんて綺麗なミスリルだ。流白銀をこれほどの精度で加工するなんて、
まともに石炭を使っては熱量が足りない…そうか、言い伝えでエルフが…ブツ…ブツ…石炭の選別を…」
「お〜い…」
ガバッ
「うわっ」
「素晴らしい!これは間違いなく、伝承に残る勇者の盾です!」
「わ、本物だったんだ。ってことは、ゴドー、あんた伝説の武具に選ばれたってこと?」
「………む」
「…しかし、盾だけでは…やはり、せめてあと剣だけでもないと、ゾーマは」
「…あんたは、そればっかりだな」
「は…?」
「え?」
「砕けたのなら、また作ればいい。あんた鍛冶師だろ?どうしてやろうとしない?」
「…無理を言わないで下さい。王者の剣はオリハルコンの塊。だが、もはやアレフガルドに、
剣の精製に使えるほどのオリハルコンは存在しません…材料がない以上、例えどんなに技術があっても」
「ふぅん。…その、オリハルコンっていうのは、どういうモノなんだ?」
「そうですね…本来は、神々の武器を鍛えるための金属で、人間に扱うことは適わない鉱物、と聞いています。
勇者の盾の素材、ミスリルも、光の鎧の素材、ブルーメタルも大変優れた鉱物ですが、性質こそ似ていても、
鉱物の頂点に君臨するオリハルコンには一歩譲る形になるでしょう」
「………」
「人間に扱うことは適わない?…じゃあ、手に入れても作れない、ってことですか?」
「…いえ、もし。もし伝承が全て真実なら………決して不可能ではないはずd」
「似てるんだな?」
「「は?」」
「勇者の盾に、そのオリハルコンは似てるんだな?」
「はぁ…はい。そうですね、勇者の盾が自ら引き寄せたというあなたでしたら、或いはそれを肌で感じられるかも知れません」
「もしかして…」
ゴソゴソ
「「?」」
「…こいつのことか?」
ゴトンッ
「!」
「……‥純正の、オリハルコン…!?そんな、こんな巨大な結晶が…!!これをどこで!!?」
「ビンゴか。…いや、なに、ちょっとした痴話喧嘩の果てに」
ボカッ
「…何言い出すのよ」
「…すまん、口が滑った」
「?…しかし、これは…むぅ…」
「…お膳立ては、揃ったぜ」
「………」
「あんたの力を借りたい。あんたは、この世界を見捨てないといった。俺も見捨てるつもりはねぇ。
…一つ、世界の救済に手を貸してくれねぇか?」
「…無論です。勇者の盾とオリハルコン、そしてその担い手。…これほどの巡り会わせ、間違いなく生涯に一度限りでしょう。
我が職人としての全霊を懸け、最高の一振りを鍛え上げて見せます…!是非、お任せを!!」
・ ・ ・
カポーーーーーーーン
「ふにゃ〜…気持ちい〜」
ザパーンッ
「マイラ名物・露天風呂、か〜。鍛冶屋のお兄さんのお勧めだけはあるわねー…ふぅ」
「王者の剣は必ず明日までに仕上げるって意気込んでたな。ま、とりあえずゆっくりするか」
「うんうん。こんなにのんびりお風呂に入るなんて、どれくらい、ぶ、り………!!!!!??
ゴゴゴゴゴゴドーっ!!!?何であんたがいるのよーーーーーーっ!!」
「ここ、混浴だぞ。知らなかったのか?」
「なァーーーーっ!!?」
「大丈夫。見てないから。あと風呂で騒ぐな、迷惑だ」
「ううっ…」
「…泣かんでいい、泣かんで。大人しく浸かってろ。…タオル、とれるぞ」
「!」
チャプンッ
「〜〜〜〜〜〜」
「落ち着いたか?」
「ずるいよ…あたしばっかり慌ててさ。これじゃあたしだけバカみたいじゃない」
「…あのな。俺だって結構恥ずかしいんだぞ。必死こいて抑えてるだけだ」
「え…そうなの?」
「………」
プイッ
「あ、今あからさまに目を逸らしたでしょ!?やっぱり嘘だぁっ!」
「バカ、おまえ、そんな上目遣いで覗き込んだら見えるだろうがっ」
「見えるって………!!?」
バチャンッ
「………」
「…えっち」
「…そっちが勝手にやったんじゃねぇか。知るか」
「ねぇ、ゴドー」
「ん?」
「ギュッてして」
「はぁ?こんな格好でか?…馬鹿いうな」
「こんな時間だし、他に誰も見てないじゃない?ね?」
「俺は、そこまで分別なしじゃねぇよ。おまえと一緒にするな。もういい、俺はあっちで温まる。付き合ってられん」
プイッ、ジャブジャブ…
「ふーん。そういうこというんだ…」
「………」
「えいっ」
ザパーンッ、バフッ
「うおっ!?」
「ほーら、観念しなさいって!」
「な、何考えてんだっ、ば、おま、当たってる当たってる!」
「あててんのよっ」
「!!…!!」
「!?…!!!」
ジャバジャバッ、ムギュッ
「あ…あれ?何これ…?なんか、変な感触が…」
「…それは俺のお稲荷さんだ」
「!!!!!いやーーーーーーーーっ!」
ギュッッッッッ
アリスのこうげき!かいしんのいちげき!
ゴドーをたおした!
※ただいま大変お見苦しい場面があったことをお詫び申し上げます。そのまま暫くお待ちください。
「………ん?」
「あ、気がついた?」
「………あれ、俺は一体?ここは…マイラの宿屋か?」
「あは、あはは、ゴドー、温泉でのぼせて倒れたのよ?もう、世話焼かせないでよね!」
「そうなのか?…すまん。…にしては、いつつ…いつになく体が痛むな…特に下半身の」
「わ〜っ!!そ、それよりほら、これ見て、これ!」
「ん?…なんだそれ。笛か?」
「うん。あんたを部屋に運ぶ途中の茂みで拾ったの。ほら、今までさ、拾い物が何かの鍵になったことって、沢山あったじゃない?
これもそうかもしれない、って思って、持って来ちゃった」
「成る程。いい心がけだな」
「でしょでしょ?さ、鍛冶屋のお兄さんのところに行きましょ。剣、そろそろ、出来てる頃かもよ?」
「そうだな。…ああくそ、それにしてもいてぇな…何なんだ?」
・ ・ ・
「おはようございまー…」
「しっ!」
「わっ!」
「ぐー…ぐー…」
「…(静かにして下さい。夫が起きてしまいます)」
「(すみません…)」
「(…どうかしたのか?)」
「(ゴドーさんと、アリスさんですね?)」
「「………」」
コクン
「(話は聞いています。こちらに…)」
「こちらをお持ち下さい」
「…!これは…」
「…つい先ほど、夫が誰にも知られたくない鍛鉄を行う時にだけ使う、裏山の鍛冶場から帰ってきました。
この剣を、完成させて。これを私に手渡すと、夫は泥のように眠ってしまいました」
「………」
スッ、ヒュンッ
「…綺麗」
「すごいな…まるで違和感を感じねぇ。俺の体の一部みたいだ。これが、あの石ころだったっていうのか…?」
「生涯最高の一刀だと。夫は太鼓判を押したようです」
「そうか…ありがとう、と伝えておいてくれ」
「はい。…ですが、夫が鍛冶場に向かう時、私にあそこまで嬉しそうに剣を打つ喜びを語ったのは久しぶりです。
私は世界を救う一振りを作るのだ、この国を救う一端を担えるのだ、と、まるで子供のようにはしゃいで」
「「………」」
「夫は、辛かったのでしょう。故郷で、何人もの娘が殺されるのを、ただ指を咥えて見ているしかなかった…
なのに自分だけは、私を連れて逃げ出した。それが今、漸く、あなたという勇者に協力し、かつての弱い自分と決別できる、と」
「………よかった」
「「?」」
「そう思ってくれる心が、今の俺には一番嬉しい」
「…ゴドー?」
『母さん、気のせいでしょうか。今朝のゴドーは、その…何だか、バラモスを倒した時のそれに近い…
柔らかい笑顔を、久しぶりに見せた気がするのです。あいつの中で、一体どんな変化が起こっているのでしょう…?』
364 :
YANA :2006/03/07(火) 17:24:25 ID:wMsb4t4/0
相手のデレにはツンで応え、ツンにはデレで応える、それがツンデレカップルクオリティ。
何やってんだろうね、このバカップルは。
はい、そんなわけで二番煎じ「あててんのよ」ネタです。
思いつきにしては結構上手く纏まったんじゃねぇかと(ry
>>356 ちょwwwてつのやりカワイソスwwwww
流石サマルだ、役立たずでも何ともないぜw
GJ!!
サマルの鉄の槍。それは最強武器2択の内の1つ。
367 :
名無しでGO!:2006/03/07(火) 20:27:32 ID:9qJlpsp10
変な奴→変な事を言う奴
バカップル最高wwwwwwwwwww
369 :
暇潰し:2006/03/07(火) 23:58:27 ID:q0O+qqpa0
>>366 そうですか
では向こうに行くことにします
すいませんでした
>>369 内容は良かったと思うよ。
向こうに行ってもガンガレ
YANA氏の話に挿絵が欲しくなった。ファンす
ドゴォォォォォォンッ
「〜〜〜…いったー…な、なによ今のは!?受身を取る暇もなかったじゃない!」
「おかしいな…いきなり、体があさっての方向に走り出しやがったぞ?」
「ふーむ…何か仕掛けがあったとしか思えねぇな。もう一度調べてみよう」
「どうやってよ!?あたし、また突然今みたいに塔の外に放り出されるのはイヤだからね!」
「そうならないようにやるんだろうが。どっちにしても、後戻りは出来ねぇよ」
『拝啓 母さん、私たちは今、ルビス様を助けるため、マイラの西の塔に挑んでいます。
…で。勢い込んで塔に乗り込み、階段を駆け上がり廊下を走っていたところ、突然体があらぬ方向に曲がり、
塔の淵から身投げをしてしまったのです。あまりにびっくりしたのと、地上との距離がそれほどなかったせいで受身を取りそこない、
久しぶりに地面激突を味わってしまいました…一体、どうなってるんでしょう?』
「ほっほっほっ、お若いの。ここの回転床に嵌ったようじゃの」
「え?」
「…む…爺さん、あんたは?」
「わしは単なる世話焼き爺じゃよ。それより、お若いの。おまえさんたちが踏んだのは回転床といってな、とある法則にしたがって、
踏んだ者の進行方向を歪曲してしまう仕掛けなのじゃよ。この塔の至る所に施されておる」
「え゛。あれが、沢山あるってことですか…?」
「…だが、裏を返せばそのとある法則≠ウえ見破れば突破は可能、か」
「うむ。理解が早くて感心じゃ。…ところでおぬしら、妖精の笛≠持っておるかの?」
「妖精の笛?なんですか、それ」
「まぁ、いいからいいから。どうじゃの?」
「………ん?おい、アリス。もしかして、おまえがマイラの茂みで拾ったっていう…」
「へ?…あーっ!!アレ!!」
ゴソゴソッ
「おお、それじゃそれじゃ。いやいや、天はやはりルビス様を見捨ててはおらなんだようじゃな、南無南無」
「え、縁起の悪い念仏唱えないで下さい!」
「爺さん、今、ルビス様っていったか?どういうことだ?」
「ふむ。この塔に挑んでいるということは、おぬしらはルビス様を助けに来たのであろう?」
「ああ」
「ならば、この塔の5階に、ルビス様の石像がある。それこそが、ルビス様ご本人が、ゾーマによって姿を変えられたモノ。
石像の前で、妖精の笛を奏でるがよい。さすれば、封印は解けようぞ」
「うわー…割と適当に言ったのに、この拾い物の笛、本当に世界を救う鍵なんだー」
「爺さん。あんた、なんでそんなことまで」
「はてなぁ…なんでかは、わしにもわからん。ただ、いずれここを訪れる勇者を待っていた。
それだけなんじゃなぁ。…ルビス様のことを、頼んだぞ、若者よ」
「ありがとう。参考になった」
「任せて下さい!」
・ ・ ・
「とはいったものの…どうする?」
「この白黒の矢印みたいなのか。さっき俺たちが踏んだのは」
「回転床、だっけ?避けて通ろうとして通れないことはないけど…」
「この先も、避けられるように設置されてるとは限らん。階が低い今のうちに克服しておいた方がいいだろ」
「同感ね。ま、落ちると分かってれば受身の取りようもあるけど…同じ道を上るのは面倒だしね」
「あっちに、お誂え向けにバリアと宝箱と回転床の部屋がある。せっかくだから向こうでやろう」
「じゃあ、俺から行くぞ。まずは慎重に」
タンッ、クイッ
「!」
バリバリバリッ
「………」
「おかえり。どう?何かわかった?」
「第一声がそれか、おまえは」
「どうせあんた、それくらいのダメージ屁でもないんでしょ。で?どうだった?」
「…床に乗るまでは、普通に歩けた。だが、あれを踏んで前に進もうとしたら、急に体が左に進みやがった」
「なるほどね。ってことは、相対的に言って、床に乗った状態で右に進もうとすれば正面に進むんじゃない?次はあたしが」
タンッ、クイッ
「え!?」
バリバリバリッ…
「………いたい」
「というかおまえはトラマナを使え、馬鹿者」
「先に言ってよ、もう!…でもおっかしいな…こんなはずじゃないのに」
「………ん?おまえ、今どの床を踏んだ?」
「え?どの床って…そこの」
「…俺の踏んだ床と違うな」
「どこが?」
「ほら、見てみろ。俺が踏んだのはこっちの白い矢印がこっち側を向いてる床。
それに対しておまえが踏んだのは、白い矢印があっち側を向いてる床だ」
「あ…そういえば」
「………もしかしたら、矢印が法則性の鍵を握っているのかもしれん」
タンッ
「………」
「…(さっきのあいつの言うことも一理ある。俺が踏んだ床…そこで右に意識を傾けて…!)」
―――タンッ
・ ・ ・
「…今、何階だ?」
「ひぃ、ふぅ、みぃ…四階かな?」
「上に行く階段はなし。…いつもの如く、何らかの仕掛けがあると見ていいだろう」
「うん」
「だが、当面の問題は」
「あの、宝箱ね」
「………どう思う?」
「周りは手摺もない絶壁。不自然に張り出した床。通り道には回転床。
ついでにいうなら、この階にあるのはあの宝箱だけ。…何かあるわね」
「だろうな。…だが」
「それが、どうしたっていうのよ!」
タンッ
「「………(落ち着いて、意識を床に合わせる…!)」」
タンタンタンッ…タンッ
「…ふぅ。仕組みを見切ったとはいえ、結構緊張するわね」
「神経泣かせなトラップだよ、全く。さて、箱の中身を、検めさせてもらうか―――」
ガチャッ
「!…よろ、い…!?」
「ただの鎧じゃねぇ…王者の剣、勇者の盾…三つ目ともなると、もう偶然では片付かん。この感じは」
「光の鎧!」
「こんなところに…ルビス様と一緒の場所に隠すとは、随分厳重なことだな。神本人と同格か」
「でも、これで、三つの武具、揃ったね」
「…あとは」
「ルビス様を助けるだけ…!!」
ヒューーーーッ、ストンッ
「…思ったとおり!見て、裏口よ!」
「塔探索の基本は落ちることと見たり、か。本でも書くか?」
「バカいってないで、ほら、急ぐわよ」
「ああ」
カン、カン、カン、カン…
「…仕掛けらしいものは回転床だけ。通路はほぼ一本道」
「今までの作りとは違うな。さっきまでの真っ当な迷宮作りは、ここには何もないと思わせるためのブラフか」
「ということは」
「近いな。この先に、ルビス様がいる」
・ ・ ・
ヒュゥゥゥゥ…
「塔の5階。広間。…じゃあ、この石像が」
「冷たい場所。…こんなところに、長い間閉じ込められてたなんて…」
「…アリス?」
「ううん、大丈夫。…それより、見て。この石像」
「ん…」
「これ、ルビス様自身なんだよね?綺麗な女性(ひと)だと思わない?」
「…ま、神だしな。人間のそれとは、元々規格が違うんだろう。笛を貸してくれ。封印を」
「うん」
パシッ
「…す」
♪〜♪♪♪♪♪♪、♪、♪♪♪♪♪〜
「………」
「………」
カッッッッ
「!」
「っ!?」
シュゥゥゥゥッ…
「…な、なに!?どうなったの?封印は!?」
「………」
――――――よくぞ、封印を解いてくださいました。心より、礼を申し上げます。
「!あ…ああああ、あなたが、ルビス様…です、か?」
「はい。私は精霊ルビス。この、アレフガルドを創った者です。
どなたかは存じませんが、ゾーマの戒めから解き放ってくださって、ありがとうございます」
「そ、そんなこと…ほ、ほら!ゴドー!あんたも何かいいなさいって!」
「ん…」
「ゴドー?………!!」
「?どうか、しましたか?…ルビス、様」
「っ………いえ。何でもありません。…時に、ゴドー。あなたは、どういった経緯でここに?なぜ私の封印を?」
「地上から、ゾーマを倒しに。
そうしたら、あなたの代行者を名乗る、エイドという妖精から、世界を救う鍵はあなたが握っていると聞きました」
「エイドが…そうですか。やはり、あなたが…。
では、あなたが私のことを知ったのは、エイドに会ってからということなのですね?」
「はい。そうなります」
「………そう…そうですか。今代の、あなたは、まだ………」
「?」
「え?え?え?ルビス様?」
「…すみません。私的な話は終わりです。遠路遥々、このアレフガルドまでようこそいらっしゃいました。
喜んで、力をお貸ししましょう。まずは、お礼の印に、これをあなたに差し上げます」
「…これは?」
「聖なる守り、というものです」
「「!」」
「既にご存知かもしれませんが、聖なる守りは勇者の証。太陽の石、雨雲の杖を持つ者を魔王の島へ導く紋章です」
「これが…」
「それを持って、リムルダールの南東の島へ向かって下さい。…さて。
自由になった今、私はあまり長い間現界しているわけにはまいりません。疑問や質問があれば答えます。今のうちに仰って下さい」
「では、二つだけ」
「はい」
「俺は何故、エイドに…いや、あなたに選ばれたのです?」
「―――」
「エイドもイデアも、それを語ることは許されてないといっていました。しかし、あなた本人ならば」
「ごめんなさい」
「む…」
「きっと、許してはもらえないでしょう。なんて勝手なことを、とお思いでしょう。
ですが…これを語れば、私はあなたという人間を否定することになってしまう…!それだけは、なりません」
「ルビス様…」
「…わかりました」
「ゴドー、いいの?」
「少しだけ、予想してた答えだ。別段、驚きはしねぇさ」
「すみません…本当に」
「いえ。―――では、もう一つの質問を。よろしいですか?」
「はい」
「―――、――――――?」
「え…?ゴドー、それ、どういう…?」
「…どうなんです?」
「………」
「…アレフガルド、そして地上。異なる二つの世界が繋がっているのは、恐らく元々ではないでしょう。
エイドの言が真実なら、アレフガルドは裁きを受けた地上の、神の救済を受けた一部の人間だけを導いた新天地。
それが地上と繋がっているはずがありません」
「あ…」
「答えてください。―――このアレフガルドは、ゾーマによって地上と繋げられたのでしょう?」
「…仰るとおりです。そしてゾーマがもし倒れれば、ギアガの大穴は閉じ…」
―――地上には二度と、帰れなくなるでしょう。
「―――――――――」
「…そうですか」
「ごめんなさい。…私には、どうすることも出来ません。結局、あなたの役に立つ答えは、何一つできませんでしたね…」
「………」
「それどころか、あなたのせっかくの決意を揺らがせるようなことを…」
「………」
「それでもどうか。私たちに、アレフガルドに力を貸して下さい…!」
「……ゴドー?」
「………わかったよ、アリス。腹は決まった」
「え?」
「?」
「ありがとうございます、ルビス様。その答えで、決心がつきました。…チャンスは一度だけ。
この最大の障害を、俺たちの手で必ず、打ち破ってみせます」
「あ…」
………チクン
「俺たちは行きます。ルビス様、どうか、見守っていてください。…アリス」
「え…あ…うん」
「………」
「辛かったら、おまえはここで降りてもいいんだぞ。今回は本当に、勝っても負けても、帰れないんだからな」
「…意地悪、いわないでよ」
「違う。そんなんじゃねぇ。…おまえは、本当に、いいんだな?」
「しつこい!あたしは、あんたと、一緒に行くのっ!!前に言ったでしょ!?あたしはあんたの行く道を見たいの。
あんたを信じてるの!ゴドーと…二人なら…なんだって…乗り、越えて、いけるんだからっ!!!」
「………」
「…そうか。わかった。これで最後だ。―――行くぞ、アリス」
「ええ!」
「ゴドー、待って下さい」
「は…?」
「ゾーマに挑む前に、地上の竜の女王を訪ねてください。きっと、奴の闇の力を打ち破る力を、貸してくれるでしょう」
「…はい。助言を、感謝します」
「ありがとうございます」
「アリスさん」
「はい?」
「彼と、お幸せに」
「な…!?(/////)………は、い」
「ふふっ…ゴドー」
「はい」
「いつかきっと、この恩をちゃんとした形で返したいものです。それでは…」
ヒュッ…
「ルビス様…なんだか、寂しそうだったね」
「…そうなのか?俺にはちょっと、よくわからん」
「もう…あんた、そういうのには、本当に鈍いんだから」
「どういうのだ?」
「…もういい。ほら、行きましょう!」
『母さん、去り際のルビス様、なんだか…そう。ゴドーのことを見る目が、恩人とか、勇者とか、
そういう人を見る目じゃなかったと思うんです。なんだったんでしょう…?』
―――ふと。以前、ゾーマがこの世界に現れた時にエイド達に伝えた、もしもの時の勇者の選定の条件を思い出す。
『遥か昔、地上に舞い降りた一人の精霊がいる。その男の血と器を持つ人間こそ、勇者の―――』
その時が、来てしまったのだ。
淡い期待と、いくらかの皮肉を込めて、このような命を伝えてはみたものの…実際はどうだ。
いざ、本人を目の前にすれば、結局、何をすることも出来なかったではないか。
…仕方ないだろう。今代の彼は、あの人の記憶を持ち合わせていなかったのだから。
それでも彼は、自分自身の意志で、アレフガルドを、世界を助けるために来てくれた。
そこに私の私情と都合を押し付けて、彼が今まで歩んできた人生をふいにすることが、どうして許されよう。
精霊神となって、すでに数万年。これほどの無力感は、あの時以来か―――。
私と彼が。私とディアルトが、ブラックオーブの呪いを受けた怪物と共に、魔峰オーブの火口に落ちた、あの時。
私はどれほど、自分がただの一介の精霊の娘に過ぎなかったことを呪ったか。
五大家の名が何だ。神託が何だ。そんなもの、何も出来なければ、結局は同じではないか。
地上に落ちたディアルトの血筋は、今尚そこで息づいている。
そしてエイドが選定した若者は、間違いなく彼の面影を残していた。
何を、感情的になっていたのだ、私は。自身の立場も弁えず、本能の命ずるままに動いたことが、
あの日の悲劇に繋がったことを思い出せ―――!
私は精霊神。まず考えるべきは、この世界の平和なのだ。
それに今代の彼には、既に、愛しい人がいるではないか。彼は人として生きている。
ならばそこに、何万年も昔の前世の話を持ち出すなど、無粋極まる。
さあ、懐郷に浸るのはここまでだ。私は見届けなければならない。ゴドーと、世界の行く末を…。
383 :
YANA:2006/03/08(水) 02:12:09 ID:+okm9zcs0
ディアルトを知らない方のために。
「精霊ルビス伝説」って小説があります。
ドラクエ3の時代からずっと昔、ルビスがまだ一介の精霊だった頃、彼女の住む精霊の世界が崩壊するときの一連の物語です。
ディアルトってのは彼女の想い人で、作中終盤では結婚します。が、その矢先、それまでも結構やばかった大地が
最後の崩壊を始め、紆余曲折あってディアルトとルビスは、ブラックオーブの呪いを受けて怪物と化した男
(こいつが後の全ての魔王のルーツであるという説もあります)と火山の火口に落ち、地上に辿り着きます。
その後、ディアルトの血筋は地上に根付き、代々勇者の称号を受け継ぐその血筋の者は、常にディアルトとしての側面を持つとか。
で、共に地上に下ったルビスは精霊神となり、大地の守り神となりました。
彼女が一人の少女として、愛する者の腕に抱かれて眠ることができるのは、善と悪の戦いが終結した時。
つまり、3の段階ではまだ、神としての役目を果たさなければならなかった、と。
目の前に愛する人の生まれ変わりが自分を助けに来てくれているのに、結ばれることが出来ない。
その心中は、さぞや辛かったのだろうなぁ、と、この事実を知った私は思ったのでした。
以上、駄文スマソ。
>>371 き、貴公にそんなことをいわれても、う、嬉しくなどないのだからな!
しかし、挿絵はなぁ…これ、基本的に状況描写がないから、何が起こってるか分かってもらえてるか心配で。
アリスにしょっちゅう説明君になってもらってますが。あればこんなに嬉しい事はないですねー。
俺も前から挿絵欲しいなと思ってたよ
誰か絵師さんいないかな
>>YANA氏
GJ。ルビスはツンデレじゃなかったのか。
>>見切り発車氏
まだとても若干先の話ですが水の羽衣は「スケスケ」らしいですよ。
既にそんな雰囲気じゃないことはわかってますがwwwwwww
変態仮面キター!!!!!(゚∀゚)wwwwwwwww
387 :
見切り発車:2006/03/08(水) 16:35:27 ID:6uH5kEIV0
なによ、船が手に入ったんだからよかったじゃない。
ならどうして機嫌が悪いのかって………?
むー、そんなの知るわけ無いじゃないっ!!ばーかばーかばぁーかっ!!
……あの娘さんと勝手に仲良くなってればいいでしょ、わたしに構わないで。
何よ、真剣な顔して。は?訊きたいことがある?わたしじゃなきゃ駄目?
…………し、仕方ないから訊くだけ聞いてあげるわ。ほら、早く云いなさいよ。
……先程抱きつかれたときより、ドラゴンの角であてられたときのほうが柔ら………
な、なにをこん、じゃなくて、え、えっとそれは、ほら、人に因ってサイズが違うし、
色々詰める人もいるからね、あの子がどうかは知らないけど。
それにあのときは、下着のストックが切れてて其れで………
って、な、な、な、な、なっ、な、なに云わせるのよーーー!!!
ばかばかばかばかっ!!ふむそうかって、それだけかぁ!!
然もそのままさも当然のようになに道具屋に入ろうとするなっ!!ちょっと待てぇーー!!
もう、待ちなさ………あげるって、魔除けの鈴じゃない。
ああ、さっきの戦闘で。でも此あげるならさっきの場所でまだ寝ている人にあげた方が………
……お金がないから二つしか買えなかったと。で、片方は自分の分。
じゃあわたしの分をあげるから……って、駄目なの?
ふぅ、まぁ貰ったもの人にあげるのもあれかぁ。まぁいいわ、じゃあ貰っておいてあげる。
いーい?仕方なくだからね?仕方なく貰ってあげるんだから、忘れないでよっ。
………もしかして此って、よく考えたらお揃い?
ちょっとっ!自分から渡しといて赤くなるなぁ!!わたしまで恥ずかしくなるじゃない………
388 :
見切り発車:2006/03/08(水) 16:47:46 ID:6uH5kEIV0
>>YANA氏
もしかして、と思ってたら本当にイデーンキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
魔峰オーブの麓に住まう川辺の民ですな。
ああ、然し此でゴドーがわたしの頭の中ではいのまた絵になって動いてます。
そしたらサークレットもつけてないし、ツンツン頭でもなくなりました。いや、一応尖ってたか。
ロトの装具の件もどこぞで見たような気がしてたけど、アイテム物語出典だったんですね。懐かしいなぁ。
>>302 ぐ、偶然なんだからねっ!あんたを喜ばせるためにリ、リクエストに応えたなんて、
そんなこと、な、無いんだからぁ!
『拝啓 母さん、私たちは、地上に戻ってきました。
ルビス様の助言を元に、地上の竜の女王様を訪ねるために。…かくして、お城は見つかりました。
高い、高い山に囲まれた、とても人間の足では辿り着けない山奥。
ラーミアで大空から見下ろさなければ、到底見つけることさえ適わなかったと思います。
お城に住む妖精やホビットの話では、このお城は最も天界に近い場所であり、
女王様は神の使いであるため、人間が近寄れないように作ったのだとか…。
そうして私とゴドーは、今、竜の女王様と対峙しています』
「―――成る程。お話はわかりました。よもや、別世界でそのようなことが起きていたとは…」
「神様の使いでも、知らないことあるんですね」
「………」
「アリス」
「あ…ご、ごめんなさい!そんなつもりじゃ…」
「いえ。この身を病に蝕まれ、早数百年…私の千里眼も衰えるばかり。かような叱責を受けても、反論の余地もありません」
「「………」」
「全て、承知しました。貴方方に、この光の玉を授けます」
スッ…
「わ…綺麗な玉」
「これは…?」
「もしその者が魔王を名乗っているのなら、それが必ず役に立つでしょう。
貴方がたがゾーマの闇の力に阻まれた時、それを掲げなさい。闇は、その力を失うでしょう」
「ありがとうございます。それで、あなたの病は…」
「…私ももう、長くはないでしょう。死に逝くのも時間の問題。さればこそ、私はこの一命を以って、次の世に繋ぐ命を生み出します」
「次の世に繋ぐ…命?」
「ふふ…アリス。女性である貴方も、いつかその喜びを知ることが出来ましょう?」
「…!女王様…子供を!?」
「む…」
「はい。…逝く前に、私も平和のために貢献できたことを嬉しく思います。これも、主神ミトラの御意志か…。
あの世で祈っていますよ、ゴドー、アリス。この世界に、一日でも早く平和が訪れる日を…!」
ピカッッッッ
「!」
「わっ…!」
「…卵、だね」
「ああ…」
そっ…
「…温かい」
「次の世の命か。そうだな、それがあるから、世界は続いていく」
「うん」
「行こう、アリス。こいつの世話は、ここのホビットや妖精がちゃんとやるだろう」
・ ・ ・
「んー!流石にいい眺めね。地上の空、雲、風。やっぱりお日様が出てると違うわね」
「今まで気付かなかったけど、そんな当たり前がない世界を見て、初めてそのありがたみが分かった気がする」
「だね。でも…」
「………」
「ゾーマを倒したら、この世界には、もう、戻れないんだよ、ね」
「…そうだな。今のうちに、目に、焼き付けておかないとな」
「珍しいね。ゴドー、今日はなんだかすっごく素直に答えてくれる」
「俺はいつでも、素直だ」
「嘘吐き〜」
ギュッ
「…む………」
…ギュッ
「にゃっ………えへへ」
「…なぁ、アリス」
「なに?」
「決戦の前にさ。おまえの村に行っていいか?」
「え?」
「最後にお袋さんの顔。見たくないのか?」
「………」
「それに、俺もおまえの故郷、見てみたいから」
「………あのね、ゴドー」
「ん?」
「…母さんには、その」
「知ってるよ。わかってる」
「え…?」
「おまえのお袋さんには、例え勝っても俺たちが帰れないこと、知らせてないんだろ?…余計なことは言わない。約束する」
「………あり、がと。わかった、いいよ。…いこっ!」
「ん。ラーミア!」
バサバサッ
「クゥゥッ」
「もう一仕事、頼むぞ」
「クゥッ!!」
『母さん、突然ですが…久しぶりにそちらに帰ります。決戦前だからっていうのも、ありますけど。
…えっと、その…母さんに、会わせたい人もいるので。 敬具』
>>見切り発車氏
顔を赤くするスケベゴーグルかわいいよスケベゴーグル
>>YANA氏
いきなりアリスの母君登場ですか。
やはり母君もツンデレですか?
393 :
見切り発車:2006/03/08(水) 22:28:45 ID:v9rBuVFW0
思ったより立派な船ねぇ。
此だけしっかりしていれば船酔いしないかしら………?
え、関係ないの?外海に出たらどんな船でも揺れるって………
あーあ、今から気が重くなっちゃったよ……アレンのせいだからねっ!
……魔除けの鈴って船酔いも除けてくれないかな………
(チリーン)
港の中は結構静かに進むんだねー。
……わたしだって、ずっと此なら平気なのっ。もう、人のこと莫迦にしてっ。
ねぇ!あそこ!なんか人の家があるっぽいよ。行ってみない?
財宝が沈んだって云われても……何処で沈んだかも判らないのに、ねぇ?
それにお礼よりも、その財宝をくすねた方がよかったりして。
でもさぁ、船に乗らないと行けないなんて、不便なところに住んでるわよね。
それにあの扉。銀の縁の扉は銀の鍵で開くって、みんな同じ鍵を持ってるのかな?
だったら、鍵を付けておく意味がないような気もするんだけど………
……ねぇ、そういえばさっきからちょーっとだけ気にかかってることがあるんだけど。
わたしたち、何か忘れ物してない?
「ん…あっ!!アリスちゃん!アリスちゃんじゃないかっ!?」
「あ、宿屋のおじさん。二年ぶりですねっ」
「いやぁ、見違えたよ!色っぽくなっちゃって」
「あはは、ありがとう」
「なに?アリスちゃんが帰ってきたって!?…おわっ、これまた随分立派になって!」
「あ、道具屋さん、元気そうで何よりです」
「はっはっはっ、あと二十年は現役よ!そっちの兄ちゃんは、あれか、アリスちゃんのコレかい?」
「え、な、もう、からかわないで下さいっ!」
「アリスねーちゃーんっ!」
ボフッ
「ひゃぁっ!もう、アレクね、どこに顔突っ込んでるのよ!」
「ねーちゃん、あいかわらずスキだらけだなー、あははっ」
「ふふっ…みんな、変わってないなー」
「随分、人気者なんだな」
「ん、そかな?…この村はいつもこんな感じなんだよ」
「ふぅん」
「何もない村でしょ?ごめんね、がっかりした?」
「何でだよ?都会とどっちがいいとはいわねぇが、ここにはここの良さがあると思うぞ。静かだし、落ち着く」
「ありがと。そういってくれるとあたしも嬉しいな…あ、ここよ、あたしの家」
「ん」
「母さん、元気にしてるかな…」
・ ・ ・
ガチャッ
「ただいまーーーーーっ!!」
「お邪魔します」
カタンッ
「わわわわっ!」
ガチャーーーーーンッ
「か、母さん!?大丈夫!?」
「あはは、急に開けるからびっくりしちゃったわ。お茶の用意をしてたんだけれど…ごめんね、すぐに片付けるから」
「俺がやります」
「あら、あなたがゴドー君ね。娘から手紙でお話は聞いているわ。アリスがいつもお世話になっています」
「いえ、俺も、アリスには助けられています…あ、その破片、危ないです」
「ごめんなさいね、いいのよ?そちらで座っていても」
「そうはいきませんよ、と…」
・ ・ ・
「改めて紹介するわね。こちらがあたしの母さん。…で、こいつがあたしのパートナーの勇者、ゴドー」
「初めまして、ゴドー君」
「こちらこそ」
「で、二人とも、いつ祝言を挙げるのかしら?」
「ブッ!!かかか、母さん、いきなり何言い出すの!?」
「………(汗」
「やっぱり、例の、大魔王を倒したあとかしら?それとも、そのあともう少し恋愛経験を踏んで…」
「まままま、待ってってば!」
「ふふ、冗談よ。アリスってば、相変わらずそういう話には免疫ないのね」
「う…」
「…ちょっとだけ、真面目な話をするわね」
「…はい」
「むー…」
「アリス。事情は、手紙で知ってるわ。今のあなたが、どれほどのものを背負って、どれほど巨大な敵に挑もうとしているか。
母さんに出来ることは、あなたのいうように、この事実を世間から隠すことだけだけれど…あなたの無事を、祈っているわ」
「…母、さん」
「…そして、ゴドー君。貴方がお父上の話をされるのを嫌っているのは知っています。でも、これだけは言わせて下さい」
「………」
「貴方のお父上のおかげで、今の私とこの子がいるのです。…どうか、今一度。あなたが、アリスを、護って上げてください」
「………」
「…おば様。一つ、勘違いをしています」
「はい?」
「アリスは、既に俺が守るまでもなく強くなっています。俺がこいつを支えた回数と、こいつが俺を支えた回数。
そこには決して、大きな差はありません」
「ゴドー…」
「ゴドー君…」
「…ですが。それでも敢えて、約束しましょう。俺が、アリスを死なせません。必ず」
「…ありがとう、ございます」
「さて…。挨拶も済んだし、俺はそろそろ行きますね」
ガタンッ
「へ?あれ?ゴドー、どこ行くの?聞いてないわよ?ちょ、待ってってば」
「何言ってる。おまえはここに残るんだよ」
「………は?」
「…?」
「一週間したら、迎えに来る。それまで、おまえはここにいろ。わかったな?」
「…!」
「ちょっと、まさかあんた、一人でゾーマを」
クイッ
「母さん?」
「ごめんなさいね、ゴドー君。ごゆっくり」
「…すみません。お手数をおかけします」
ガチャッ、バタンッ
「あ、ちょ、待ちなさい!」
「いいからいいからっ」
「もう、何で止めるの、母さん!」
「あのね、わからない?彼にも、お母さんがいるのよ?」
「あ………」
「あなたが大切な戦いの前に私に会いに来てくれたように…ゴドー君にも、家族がいるのよ。
その気持ちを汲んであげないと、嫌われちゃうぞ?」
「………うん。そうだよね。ごめんね、母さん」
「ん。素直でよろしい」
「…あ、そうだ。母さん、例の手紙だけど、今はどこに…?」
「うん?ああ、ほら、父さんがこの家を建てるときに、地下室のある家がほしいっていって、
結局物置にしか使ってなかった地下の隠し倉庫、あったじゃない?あそこに隠してあるわ」
「ああ、あそこ。確かに、入り口は物凄く分かりづらいし、安心ね」
「それが、どうかしたの?」
「ん…ちょっと。こっちで出来る最後の仕事、しちゃおうかな、って。
母さん、ごめんね。あたしの部屋、そのままだよね?ちょっとの間、部屋に篭もるから、夕方まで一人にしてね」
ガチャッ、パタン…ギィ
「…ふぅ。それじゃ、始めますか」
〜一週間後〜
コンコンッ
「はいはい…」
ガチャッ
「あら、ゴドー君。そろそろ来る頃だろうと思ってたわ。どうぞ、上がっていって」
「いえ、お気持ちだけ戴きます。俺は、アリスを迎えに来ただけですので」
「あ、ゴドー、早かったわね。もうちょっと待ってて、すぐに支度するから」
「外にいるぞ。準備は万全にな」
「わーかってるってば!」
・ ・ ・
「…よしっ!準備完了!じゃ、母さん。いってくるね」
「ええ」
「何度も言ったけど、もうあの地下室には入っちゃ駄目だからね?勿論、手紙もいじっちゃ駄目だよ?」
「はいはい。わかってるわ。でもそれは、いつまでかしら?あそこには、父さんとの思い出の品も結構あるから…」
「………っ…そうね、じゃあ」
「―――私が、帰ってくるまで」
「…ええ、わかったわ。それまでは、我慢するわね。安心して、絶対に手紙のことは人に話さないから」
「う、ん。…ありがと」
「それじゃ、いってらっしゃい。私の可愛いアリス」
「うん。いってきます、母さん」
「―――ゴドー君と、幸せにね」
「―――――――――かあ、さん?」
「うん?」
「…きづい、て…?」
「何のことかしら?大丈夫、心配要らないわ。母さん、ちゃんと約束は必ず守るから。
―――『あなたが帰るまで、地下室にも手紙にも関わらないから』」
「!!っっっ!…」
「アリス。あなたは強い子よ。ゴドー君も言ってくれたじゃない?泣かないで。ほら、ゴドー君に笑われちゃうぞ?」
「っ…はい!母さん、今まで…本当に、ありがとうっ!!」
『―――これを読んでいるあなた。今、あなたの住む世界に、魔物はいますか?
あなたがこの手紙を読んでいるのが、私がこれを書いている時からどれだけ経った時代かはわかりません。
十年後かもしれないし、百年後かもしれない。それでも、魔物のいなくなった時代のために、これを残します。
この手紙は、この箱の一番底、束ねられた手紙の最後に保管します。ですので、この手紙を読んでいるということは、
あなたは今まで、私とゴドーが歩いてきた軌跡を知っているということになります。ですから、包み隠さず、お話します。
…私たちはこれから、最後の戦いに向かいます。
敵は大魔王ゾーマ。バラモスを越える、諸悪の根源。闇の世界の支配者。
私はこのことを、すぐに世間に知らせることを思いとどまりました。世界が混乱の渦に陥ることを、恐れたからです。
ですが、これを読んでいるあなたの世界に魔物がいないのなら…それは、過去のこととして、安心して語ることが出来ます。
もしあなたの時代に魔物を見たことがないのなら、私たちは戦いに勝ち、ゾーマを倒したということでしょう。
ですがその時、戦いでの生死を問わず、私とゴドーはこの地上にはいないでしょう。
なぜなら異世界への道は、ゾーマによって開かれたからです。奴が倒れれば、私たちはこの世界に戻ることは出来ないのです。
こんな突飛な話を、突然、こんな形で話しても信じてもらえないかもしれません。
でも、私にいえるのはそれだけです。あとのことは、これを読んでいるあなたにお任せします。
信じて世界に公表しても、嘘だと判断して焼き捨てても、私はそれに文句をつけることは出来ません。
だって、その世界は、あなたたちのものなのだから。
ただ、世界の脅威に立ち向かった二人の人間がいたということだけは、どうか、あなたの胸に秘めていてください』
アリアハン暦 664年 ○月×日 T.アリス
400 :
YANA :2006/03/08(水) 22:57:12 ID:L9U+VkQt0
俺 た ち(ry
はい、いい加減しつこいですね。いややっぱり、これをやらんと締まらんというか(黙れキチガイ
手紙を指す意味でのアリスワード≠ヘこれで終わりです。
これよりラストバトルに突入するわけですが、俺は別に、変わったことをやろうとはしません。
「ああ、やっぱりこうなるのか」っていう、王道中の王道を突き進む所存です。
しかし、その王道の展開を使って、如何に人を楽しませるかが腕の見せ所なわけで。
部屋の引越しにつき、ネット環境復活がおよそ二週間後になります。
クライマックス投下は…いつになるかなぁ。ちょいとわかりません。
もしかしたら早まるかも。せっかく盛り上がって?来たところですが、区切りがいいので一先ずここまで。
気長にお待ちください。
>>392 残念、実はアリスのおっかさんは第一部の終盤で既に登場してます。
そんなわけで、真っ当なお母様でありました。母は強し。
>>見切り発車氏
アレン「おおっ、ナナちゃん!
コナン「こいつは、さいこうだぜ!
*「ああ、このとしまで、
いきててよかったわい!
な展開キボンヌ(黙れキチガイ
敬意を評しつつ乙ッ!
今回も見応えタップリですね、泣けた…
故郷の地…そして、アレイ、ライナー、エデン、船長。
世話になり、共に戦い歩んだ彼らとの別離はいかに?
眼が離せませんね。
嗚呼、メイン、サブキャラクター含め絵板でもあれば溢れる妄想のはけ口になるものを( つД`)
モンスターは全ての人の心の中に
それはゾーマにもなれ、スライムにもなれる
されど勇者も心に同居せん
遊び人から伝説まで
403 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/03/09(木) 01:52:55 ID:pYXLyGhm0
母さーーーーーーーん!!!(カダー○ュ風)
オーケストラの勇者の挑戦の途中でファンファーレが流れる理由は
ゾーマのあまりの強さに意識を無くしかけてるとき、アレフガルドの大地を思い出している勇者に
精霊神ルビスの力によって勇者の心の中に不思議な力が芽生えたかららしいが…。
こんな王道展開かな?
hosyu
ヤバイ涙腺が・・・・
ぐっ、な、泣いてなんか、ないんだからねっ!
408 :
見切り発車:2006/03/09(木) 23:33:41 ID:LWn8qket0
だから、ごめんなさいって云ってるじゃない。
何度云えば気が済むのよ。もー、いい加減機嫌直して。
そりゃあ、棺桶に詰め込まれて放っておかれたら、怒るのはトーゼンよ。
わたしがやられたら、もう二度と立ち直れないくらいへこむわ。
だけど、仕方がなかったのよ。
ほら、助けたあの子とアレンはさっさと先に行っちゃうし、
そしたらほら、変なところに行かないかわたしとしては気が気じゃなくて……
じゃなくて!わ、罠かもしれなかったじゃない?
だったら独りで行かせるわけにもいかなかったし、わたし独りで引っ張るには重かったし。
だから仕方なく、彼処において行かざるおえなかったのよ。
でね、船が貰えることになったから、先に様子を見てから迎えに行った方が良いかなって思って。
け、決して忘れていた訳じゃないのよ?
もーほらっ!アレンも謝るの。ごめんなさいしてっ。
コナンもいつま…で………うぅ、騒いだら気持悪くなってきた………
はぁ、もーどうでもいいや……わたし、船室で休んでるね……………
べ、べつにおくってくれなく………うぅ……ゴメン、やっぱり肩貸して。
じゃあ…コナン……は気が済むま……ぅ…で…潮風にで…も当たっ…うぅぅ…てなさい………
409 :
見切り発車:2006/03/09(木) 23:36:17 ID:LWn8qket0
>YANA氏
乙です。最終決戦、首を長くして待ってますね。
その間力不足ですが、細々とやっておきます。
M○○展開は(ry
サマル棺桶放置ワロスww
アレンとずっと二人きりを想像して顔を赤くする王女
412 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/03/11(土) 00:12:09 ID:SZywBqhQ0
>>YANA氏
鳥肌がたちまくりだわ
ここからの放置プレイテラキビシスwwwww
引っ越し引っk(ry
413 :
見切り発車:2006/03/11(土) 00:28:28 ID:MR4mZH2N0
ぅ………ん……うぅー、気持悪いー……
未だ揺れてる。って、そりゃ海の上なら当たり前かぁ……
………どうしてアレンがベッド脇で寝てる………
…………………!!ふ、ふくっ、ふくのみだ………れはない、のね………
此は濡れタオル………あれからずっと付き添って…………?
…ね、寝相変じゃなかったかな!?寝言で変なこと云って………
ひぇっ!?ア、アレン起き………じゃなくて。なんで此処で寝てるのよっ!!
仮にも未婚の乙女の部屋で一晩過ごすなんて、どういう事か判ってるの!?
寝、寝顔が可愛かったって……へ、変なこと口走……………
ばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかっ!!!
そんな莫迦なことばっかりいってっ!
ま、まさか、やっぱりわたしが寝ているときに変なこと………
もー出てってっ!出てってよっ!!
早く出てけーーーー!!
414 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/03/11(土) 17:39:20 ID:NfKbA3av0
今ちょうどDQ3やってるんだけどYANAさんの呼んでたら普通にやってるより
だいぶ感情移入しちまった・・・(つω;`)
YANAさんの読んでから、
DQ3やると物足りなくなるよなwww
416 :
見切り発車:2006/03/12(日) 02:23:31 ID:spugabcv0
う〜ん、地面に足を付けてるのに、未だ揺れている気がするわ……
でもやっぱり揺れない地面はいいなぁ。
んー、そりゃちょっとは慣れてきたけどさ、グラングラン揺れたらそりゃ気持悪くなるもの。
此からも船旅を続けること考えると、ちょっと気が重くなるよ………
此処が伝説の地、アレフガルドなのね。
わたしたちのご先祖様が此処で残した偉業を考えると、身の引き締まる思いだわ。
「お帰りなさいませロトの子孫たち」って何処行っても云われるのは、ちょっと嬉しい気がするな。
……アレンはそうじゃないの?俺は俺、ねぇ……
まぁそうカリカリしないで。民の期待の応えるのは為政者の義務ですのよ。
あー、なによーなんで笑うのー?せっかく真面目に云ったのにっ。
似合わないって………アレンのばかばかっ!!もー知らないっ!!
そういえばUの主人公達は王族なんだよなあ。
世界でただ一人の愛する妹へ
元気にしているかい?もう大分春めいてきたけれど、花粉症の具合はどうだろう。
鼻水と涙で苦しんでいる姿を思い返すと萌え、もとい心配でたまらないよ。
今回は、伝説の地アレフガルドからこの手紙を書いてるんだ。
ぼくの活躍で船を手に入れることが出来てね。
ちょっとだけ書くと、船を所有しているお爺さんの孫娘がグレムリンに襲われてたんだ。
ぼくたちは其奴と戦ってね。二人は早々に奴らのラリホーで眠らされちゃって。
だけど、ぼくの孤軍奮闘の結果グレムリン共を倒すことに成功したんだ。
それで孫娘を助けてくれたお礼にって、お爺さんが船を僕らにくれたんだよ。
戦いを見ていた娘は、ぼくらが港を離れてもずっと潤んだ目で見つめちゃってね。
でもぼくにはやらなければならないことがあるから、その目に気が付かないようにして再び旅路についたのさ。
そんなぼくをあの二人は頼もしげに、今まで以上に尊敬するように接してくるようになったんだけど。
ぼくらは此から、どうしてもってアレンが云うから竜王の城の跡地に向かうんだ。
まぁ、何があるとも思えないんだけど頭を下げて頼むから仕方がない。
また何処かの町に着いたら手紙を送るから、楽しみに待ってておくれ。
世界一頼りになる兄より
−−−−−−−−−−−−−
お兄ちゃん…………手紙の文字が水か何かで滲んでるよ……………
ちょwwwwwwサマルの扱いヒドスwwww
サマルのキャラいいなぁ〜
妹はおしゃまキャラで。
422 :
見切り発車:2006/03/13(月) 00:09:21 ID:GKm1loJO0
あ、ねえ。此から竜王の城跡地に向かうんでしょ?
ほら此見てよ、この服もうボロボロなのね。足の辺りなんてふとももが………
(ガバッ)
イヤらしい目で見るなあっ!きょ、許可も出してないのにみ、見ちゃ駄目だよっ!!
でね、わたしは新しい服が欲しいのっ。それに武器だって未だに聖なるナイフ。
そりゃわたしが攻撃することは殆ど無いけどさ、心許ないというかなんというか………
もしかしたら竜王のお化けと戦うことになるかもしれないじゃない。
その時にわたしが戦力にならなかったら、困るでしょっ。
だからほら、早く行くのー。
(グイグイ)
ねぇ、これで良いと思うー?
ち、ちがっ……似合ってるとかじゃなくてっ!え?だったらなんなんだ………?
うーん…………や、そういうことだったのかな………
で、でも謝らないもんっ!あ…謝らないんだからねっ!!
さぁ、どうなの、此のみかわしの服っ!大丈夫!?変じゃないっ!?
……さっき云った………に、似あ………………うぅぅぅぅぅぅーーー
お、おじさんっ!此、10着下さいっ!!!!
王女可愛いよ王女
ドラクエ2にメダパニがあればなぁ。
425 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/03/13(月) 10:28:39 ID:weHzc8B50
426 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/03/13(月) 12:18:31 ID:jOtzQRJLO
すばやさ上げる呪文ってなんだっけ?ど忘れした
ピオリム?
428 :
見切り発車:2006/03/13(月) 23:32:23 ID:OoAH/n230
へっへー、どうどう?似合う?格好いーい?
みかわしの服を纏って、魔導士の杖を持つと、ほら。
じゃっじゃーんっ、魔法使いみたいでしょー。
それにこの杖、実は振るうだけでね……えいっ!!
(ボッ!)
ほらほら、火の玉が飛ぶんだよっ!コナンの呪文と同じなんだよっ、すごいでしょー。
此で後は三角帽子でもあれば、絵本に出てくる魔法使いそのものなんだけどなぁ。
え?本に出てくる魔法使いはどれもこれもしわくちゃ婆?
そんなことないわよー。魔法使いのおばあちゃんだって若い頃があったんだから。
そのころはほら、きっと可憐な魔法使いの女の子だった筈よっ!!
ぶー、わたしが年取ったときにの話なんていーじゃないっ。アレンのいじわるっ!!
……………なっ、ば……っ!じ、自分で可愛いとか云っといて顔あ、赤くしないでよぅ………
あっ!ほ、ほら、彼処に階段があるよっ!下に降りてみようよっ!!
>424
2にはメダパニも温泉もないんですよね、はぁ………
すいません。アレンに萌えました。