ふらふらと浮かびながら、古風な帆を掲げて帆走…というより漂流するプラチナン。その
会議室内では、各軍の代表を集めて会議が開かれていた。
シース「さて、ようやくオークランドの動乱が片付いき、祖国への岐路に付くことが出来た。
諸君等には感謝する。」
会議室の、一番上の椅子に座っているシース。
シース「さて、会議を始めよう。君、頼んだよ。」
シースの言葉に答え、参謀の一人が立ち上がる。
参謀A「はっ、オークランドに出現した未確認巨大生物7匹、巨大機動兵器19機、量産型
究極ロボ4機を撃退、張角なる人物には『馬鹿でも分かる、みんなのホイミ』『やさしい
ラナリオン』他2冊の魔道書を与えて帰ってもらい、ゼントラーディの戦艦とは和解して
帰ってもらって、ばいきんマンなる者はあんぱんの化け物にお持ち帰りしていただきま
した。軍は半壊と言うか壊滅状態、まともな戦力は砲兵と戦車隊、プラチナンの開戦前
に完成していた部分、そして古風な魔道部隊ですね。」
シース「うむ。…我等を攻撃してきたメタルインダストリー…何の意図があるかは知らぬが、
我等の兵器の内、統合軍の技術orそれを模した理論が使われている兵器は全て
破壊しおった。」
技師A「プラチナンの武装も主砲と36cm砲、高角砲以外は全滅…もっとも、主砲は既に切り
放されておりますから、こっちも使用不能ですね。また、本艦も魔力増幅装置と推進
装置が奪われ、艦各部の浮遊区画しか残っておりません。」
よく見ると、会議室の壁も所々剥がされ、剥き出しになった配線に衛生兵達が直接魔力を
送り込んでいる。
シース「うむ、…攻撃を受けてからもう3ヶ月…時空の歪みのせいか、現在第三世界と、第五
世界とでは時間の流れ方が違うらしいが、向こうの状況は…」
参謀A「グレイダーキンが出現し、メタルインダストリーは撤退したようです。バラモス城陥落も
時間の問題でしょう。向こうでの経過時間はおよそ1時間です。」
シース「むむむ…」
険しい表情で黙り込むシース。それを見て、突如立ち上がる一人の議員。
議員A「何が『むむむ』だ!我々の仇、メタルインダストリーを討伐はせんのか!」
ガーラ「恐れながら世間知らずの議員閣下…」
議員A「何ィ?」
立ち上がるガーランドと、怒りの芳情でガーランドを見据える議員。
ガーラ「先の攻防だけでも、8つの宇宙と5つの裏宇宙に穴が開き、内3つが崩壊、次元には
0次元から2983次元まで大穴が開いて、大宇宙と各次元全体の死者は八千那由他
を超えると言います。崩壊、消滅した星系だけでも垓を軽く上回りますぞ。更に、故意
ではないとはこの度の事態で、タイムパトロールや宇宙連邦軍なる組織から厳重注意
を受けている身、今の我々とて、次元操作能力での抵抗が出来なければ、今ここには
居らなかったでしょう。それでも再び戦いを引き起こそうとは…大宇宙を、消滅させるお
つもりで?我々は既に宇宙連邦及び時空監視隊、タイムパトロールの特級監視対象に
なっておるのですぞッ!ま、どんな組織かは知りませぬが…ヤバい組織でしょうな。」
凄まじい表情で議員を見据えるガーランド、黙って座る議員。
シース「…兎も角もだ、次元と宇宙空間、平行世界の穴はそれこそ異次元や未来、別の宇宙から
来た者達と、第五世界の祈祷師達が修復を行なっている。あちらは任せておこう。我々は
祖国へ帰り、以後空間や次元への干渉は、敵からの同様な干渉を受けない限りは行なわ
ない。軍は5ヶ年計画で再建を急ぐ。プラチナンもな。しかし、メタルインダストリーや、統合
軍とは事を構えない。そんな事をしたら全宇宙、全時空、全時代から討伐軍が来るわ。」
参謀A「つまりは…鎖国ですな。いや、鎖世界と言うべきか…」
シース「その通り、我々はバラモス軍及びメタルインダストリーが統合、破滅魔王軍に敗北し、第三
世界が滅亡した上で彼らが第五世界に侵入しない限りは動かぬ。」
会場の全員が黙り込む。同時に、見張りからの連絡が入った。
見張り「見えました〜!我等が祖国です!」
会議室から出て、艦橋に上がる一同。その前には、少しばかりの復興が始まっている王国が見えて
来た…。
プラチナン、スライム王国跡地へ帰還。
〜〜〜〜〜〜〜〜
グレイダーキンはビックバンを引き起こした!
ビックバンを引き起こした!
ビックバンを引き起こした!
グレイダーキンはビックバンを引き起こした!
ビックバンを引き起こした!
精神を統一した!
グレイ「ふぅははは!エンドレスじゃ!」
- - - - - - - - - -
マジン「ぬ、ぬわ〜〜〜〜〜〜〜!」
ディン「撤退、全軍、撤退を!」
空に飛び、消えていく陸軍の生き残り18名と士官達。
ビッグバンの嵐の中で、電気をまとったままネロの方をじっと見るゴールドマン。
金「うおおおおおおおぉおおおお!」
溜まっていたジゴスパークを放出する。電気の弾となって、グレイダーキン・ネロ・ブースカに降り注いでいく。
デスJ「ゴールドマン殿!危険です!早くバラモス城に戻りましょう!」
金「!?え、ええ…」
〜バラモス城〜
マンダー「バラモス軍は撤退か…やむを得んな。
北部軍・ドラゴン部隊は直ちにピラミッド前に退避せよ!
ピラミッドでは落ち着いて行動すること!以上!」
スタンバイしていた北部軍やドラゴン部隊が、次々に消えていく。
マンダー、カイラス、ノールは他が全員移動するまで残るようだ。
ロン「マンダー!状況はどうなってる!?」
マンダー「少々まずいようだ。お前もピラミッドに移動した方がいいだろう。
それから…大陸組の方々も、急いでピラミッドに逃げて下さい。」
ベータ「もう少し待たせてくれませんか!?ゴールドマンさんは…」
マンダー「………仕方ありませんね…分かりました。」
〜世界樹〜
ダークマター「どれ、一段落ついたところで私はバラモス城に向かわねばならん。状況が心配だ…」
ロット「世界樹の事は心配いらないぞ。早く行ってこい!キメラの翼がここに1個だけ残っている。」
ダークマター「分かった…毎回助かる。」
ダークマターもバラモス城へ。
慌ててルーラで避けるネロ、直撃するも、平気な顔のブースカ、そして、攻撃が
素通りするだけのグレイダーキン。
グレイ「貴様の攻撃など無駄!無駄よォ〜ッ!」
〜バラモス城〜
金「みんな!なんでさっさと逃げないんだ!」
ゴロー「いや、お前が来るまで待ってたんだよ…さっさとピラミッドに移動した方がいいぞ。」
ダークマター「ゴローの言う通りだ!ここでもたもたしていると全滅するぞ。」
マンダー「ダークマター殿…世界樹は?」
ダークマター「壊滅状態だ。ただ、世界樹だけは生き残ったから大丈夫だろう。
ロットはずっとあの場所に残るようだ。」
金「とりあえず、みんなは急いでピラミッドに移動して。
そのうちダークマターさんと僕も行く!」
ロン「俺もか?」
金「当たり前です!」
銀「よし、分かった。くれぐれも気をつけてな!」
ホーク「ピラミッドか…」
大陸組とロンもキメラの翼を使い、ピラミッドに移動。
マンダー、カイラス、ノール、ダークマター、ゴールドマンが残っている。
ネロ「さてさて…バラモス城を…ん?」
グレイ「何じゃ?」
ネロ「これは〜…撤退命令ですね。我々がズタボロの奴等に、負けるとでも思ってるんで
しょうかね?」
ブース「ぐぶぶぶ、所詮は動く半導体よ…所詮計算でしか動かぬわぃ。」
グレイ「全く…これだから負け続けるのだよ統合軍は。手本を見せてやらねばな。」
グレイダーキンはバイキルトを唱えた!
力を溜めている!
爆裂拳を放った!!
グレイダーキンは輝く息を吐いた!
ボミオスを唱えた!
精神を統一した!
-デストロイヤー・装甲格納庫-
クラックス「推進機関?」
技術士官「はっ、我が軍の推進機関と類似する点が多々見られました。
そう考えてよろしいかと」
クラックス「(まさか、キラルスがA-6計画の為にか…?
いや、出来すぎているな…)」
技術士官「どうなされますか?」
クラックス「慎重に保管せよ。以上だ」
技術士官「はい!」
クラックス「(…だが、報告を見る限りでは既に戦力は8割以上を損失。
決行できうる作戦はゲリラ戦にA-6計画か…。
世界を浄化せんが為には、夢のまた夢と嘲笑されたA-6計画も再度検討せねばならんか…)」
オぺレ「報告します、次元の穴の修復が終わったそうです。」
架設の首相官邸で報告を受けるシース。
オぺレ「プラチナンの方は大型改装とそれに伴う機関の再開発、再製造に年単位でかかる見込みです。」
シース「止むをえんな。防御上の欠陥が見つかった以上は。」
オぺレ「後、時間の流れが矯正されました。メタルインダストリーは行動を起こしていません。
ま、向こうでは2時間も経ってはいませんが。」
シース「メタルインダストリー…ガーランドが過去に潜りこんで探り当てなければ、解らんままだったな…」
オペレ「はい、恐るべき技術を持っているようで。」
シース「…まぁ、統合軍は奴らに任せればいいさ。我々は祖国復興に専念するとしよう。」
オペレ「軍も、志願者と新兵にはことかきませんが、敬礼と行進しか出来ないようなものが殆どですし。」
シース「…バラモス軍には、彼らを通じて伝えておいてくれ。」
オペレ「はっ、あちらの世界での戦闘が終わり次第。」
-デストロイヤー・作戦会議室-
戦力の8割をも失ってしまった統合軍は
カルネアデス・バグラチオン作戦の中止を全軍に伝えると共に
新たな作戦案を練っていたが…殆どはゲリラ的な作戦か、地上での大量破壊兵器の使用を
前提とした物であった。
ゲリラ的作戦では何時終わるかも分からない。
だがしかし大量破壊兵器をバラモス軍のみに使うのは得策ではない、と。
代案もないまま、既に30分が経過した。
その時であった。一人の参謀の一人が発言した。
若い参謀「A-6計画はどうでしょう?」
会議に出席した何人かが、失笑をこらえきれずに漏らした。
参謀「馬鹿馬鹿しい。何がA-6計画だ」
高級士官「A-6計画には巨大な推進機関が必要となる。
それも、空中艦艇を動かす程の物だ。
技術員が多数失われた今、製造は不可能に近い。
デストロイヤーやファラオを解体するのか?」
ヤジにも似た批判が投げかけられる。
まさかの作戦失敗ということもあって、皆冷静ではない。
高級参謀が再度大量破壊兵器による作戦を提唱しようとしたが…。
若い参謀「待ってもらいたい。推進機関ならキラルス様が月光龍に託された物がある。
実行は可能だ」
参謀「ふんっ。君はまだ若いからわからんだろうがね…」
そこまで高級参謀が話したとき、クラックスが手で制した。
クラックス「A-6計画は決行可能であると?」
若い参謀「はい。最新の報告によれば、月光龍が持ち帰った機関は
大型空中艦艇を動かす程の代物でした」
参謀「ま、まさかクラックス様…」
高級士官「A-6計画を…」
クラックス「伝えろ。全軍はジパングに終結せよ。A-6計画を実行すると、な」
輝く息でできた氷の粒が乱れ飛ぶ。
ダークマター「おのれ…こう人数が少ない時に…!」
金「あのギャグみたいな攻撃をしている奴をなんとかしないと!」
ダークマターはキラ・リーに向けて使ったものと同じ光の刃を無数に発射。
ゴールドマンはとりあえず様子を見ている。
グレイダーキンに向かった光の刃は、グレイダーキンの口の中に吸い込まれ、消えていった。
グレイ「ふむふむ…あまり憎しみという感じはしないのぅ…怒りはあるようじゃが…絶望も薄い。
これでは地獄の三丁目にあるコンビニの絶望弁当の方がまだ美味いわ。まあいい…」
グレイダーキンはビックバンを引き起こした!
灼熱を吐き出した!
冷たく、輝く息を吐いた!
グレイダーキンはメラゾーマを唱えた!
まごまごしている!
精神を統一した!
ネロは大魔神切りを放った!
ザラキーマを唱えた!
ブースカはイオナズンを唱えた!
ベギラゴンを唱えた!
マヒャドを唱えた!
グレイ「これから絶望一色に染めてやるわぁ〜っはっは!」
ミイラ男「ネ、ネロ様〜!」
軽装のミイラ男が、ひぃひぃ言いながら走っている。
ネロを見つけると、一息ついて
ミイラ男「A-6計画の実行が決定されました〜!
早急にジパングに撤退せよとの命令が全軍に発せられています〜!」
と、大声をあげた。
ダークマター「掟破りの連続攻撃ばかりしてるな…だが!」
向かってくる攻撃を前に、電気を体に溜めて放出。
ダークマターの ひかりのかべ!
地上に降りてきたマンダー、カイラス、ノールを含めて5人全員を覆える光の壁を造り出した。
マヒャドで飛んできた氷の塊はガンガン音を立てて壁にぶつかり、地面に落ちる。
メラゾーマの火球は光の壁にぶち当たり、炎のカケラになった。
グレイ「A-6?なんじゃそれは?」
ミイラを振り返るグレイダーキン。
ネロ「Aー6…確か…フフフ、面白い事になってきましたぞ。まさか本当に実行するとは…」
ブース「ダーキン様、A-6と言うのは…ゴニョゴニョ」
グレイ「ほ〜っほっほ!それは素晴らしい!ここで奴等を殲滅するよりもずっと素晴らしい
絶望が手に入りそうじゃ!ここは…引くぞ!」
グレイダーキンから黒い霧が噴出し、その霧が晴れた後には、グレイダーキンもネロも
ブースカもミイラ男も居なかった。
前スレが冗談抜きで陥落しそうです〜。
ぬおー。2人で保守するのは大変だー。
とはいえ、忙しくないのってどっちみち2人か3人ぐらいしかいませんね。
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ダークマター「ふむ…退いたか。」
マンダー「ダークマター殿。我々はどうしましょうか?」
金「今いるのは5人だけ。でも、城を離れるべきかどうか分かりませんよ…」
ダークマター「うーむ…ピラミッドに行った者たちは大丈夫かどうか気になるが…
とりあえず様子見ぐらいしかできんだろう。」
5人は様子を見ている!
臨時復活。今日は十時までー。
こっちが多少残ってるとはいえ、次スレが危ないんならいっそ移動しませんか?
みんなして裏ネタとか没ネタとかで埋めるのも面白いと思います。
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ミカワ「退き、ましたか、ぜぇぜぇ…」
どさ、と疲れて地面に倒れるミカワ。そのまま軽く目を閉じる。
ミカワ「すみません師匠、手伝っていただいて…」
『一時は乗っ取ろうかとも思ったがな。危なかった』
ミカワの頭の中に声が響く…。
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ヘリス「あー、危なかった…
…リュエンはどこだろ?まさか前線に出てたってことはないよね…」
こちらも力が抜けて座り込む。
-ジパング・大本営
-ジパング・大本営跡-
ゴールドマンのメガンテにより、ボロボロの廃墟と荒れた大地が
残された地…統合軍ジパング方面大本営。
統合軍は、起死回生の作戦…A-6計画の実行のため
デストロイヤーを筆頭に、ファラオとかき集められた兵員が集結中であった。
いや、戦闘員だけではない。貧しい身なりの人間から名門貴族まで
様々な階層の人間もいた。
-デストロイヤー・ブリッジ-
オペレーター「クラックス様、残存部隊は既に7割方終結しておりますが
推進機関の改修には2日ほど時間がかかります」
クラックス「ああ、慎重に行え。決してバラモス軍に悟られぬようにな」
世界樹組を動かしてみる。
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〜南部集落〜
ラス「…何だと?」
セッテ「ジェノ様以下残っていた六人が、突然襲ってきたバームに封じられた…みたい。
…悪いけど、僕はしばらく別行動する」
アクロス「………」
ラス「…ミカワとヘリスに連絡しなけりゃいかんな」
アクロス「…城まで行くの?こっちはまだ終わってない…」
セッテ「いや」
言葉をさえぎって、セッテが持ち物を探り始める。
セッテ「さっき、通信を拾ったんだ。
世界樹も城も、おそらくもう大丈夫だ、と」
アクロス「じゃあ、ヘリスのほうも無事なんだ…!」
ラス「ひとまずは終わり、ってか。アジトは大変だが…
まぁ、なんとかなるだろ」
セッテ「うん、それ。僕のほうでも何か探してみるからさ、
そっちにはこれを渡しておくよ」
セッテは懐からバラモス軍の通信機を取り出す。
ラス「…キシュ?バラモス軍の通信機…
……セッテのだろ、それ?」
セッテ「いや、少し旧型だけど、僕の分もあるから」
大丈夫だよ、と盗んだことを感じさせずに言う。
アクロス「…じゃ、ありがたくもらっておくよ」
しっかりとした足取りで一歩進み出て、通信機を受け取る。
「どこを押せば繋がるんだ」「通話って書いてあるじゃん、ご丁寧に」
だとかいう会話を聞きながら、セッテは「じゃね」と短く呟き、ルーラを唱えた。
アクロス「こちらアクロス。聞こえるかい、ヘリス?」
ヘリス『良好だよ、アクロス。状況は?』
アクロス「セッテさんからの情報だけど、世界樹、城ともに無事らしい」
ヘリス『うん、聞いた。城もなんか一時大変だったけど平気』
アクロス「了解。僕たちはどうしよう?今、南部の集落だけど」
ヘリス『…うん、どうしようか?
とりあえずこっちではリュエン見つけたけど』
リュエン『たいちょー、お腹すいたー。何か作ってー』
ヘリス『リュエン、頼むから隊長はやめて…』
通信機の向こうで聞こえるリュエンの声とヘリスのため息に、苦笑するアクロス。
アクロス「…わかった、こっちで考えてみる。それじゃ」
ヘリス『うん、わかった。それじゃ』
通信を切り、「悪いけど、少し待っててくれる?」とラスに声をかけ、
手近な木に背を預けて目を閉じる―いや元々見えないが―アクロス。
魔鳥族にしてはあまり羽のない腕を動かし、額を押さえる。
意識が遠くなっていくのを、頭のどこかで感じる…。
額のハチマキをずらすと、視覚ではない感覚で前が見えた。
木は立ち枯れ、水はよどみ、赤い月のみが辺りを照らしている。
僕が背を預けていた木が、重さに耐えかねて折れていく。
「僕ではない」僕が、歩き出す。
しばらく歩くと、話し声が聞こえる。とっさに、身を隠す。
「何が起こっておるのじゃ!?」
「わ、わかりません、ですが何者かが世界樹に…」
声が遠ざかってから再び世界樹に向かい、少し経つと開けた広場に出た。
赤い月が、変わらず世界樹を照らしている。
「この樹を枯らせば、世界は徐々に死にゆくだろう。
緩慢なる滅びを。全ての生き物に苦しみを…それこそが俺の望み」
聞き覚えのある声。発せられる、強大な邪気。
「うぬ…!なんと禍々しき影よ!」
「これでは、近づくことも…」
「しかし、このままでは…!」
――その時、世界樹が倒れ…轟音が響いた。さらに膨れ上がる邪気。
自然に倒れていく木々。強さを増す赤い月の光。
「世界は、ゆっくりと滅びへと向かっていく…
……当初の予定とは違うんだけどなぁ…」
知らない声が、聞こえた気がした。
目を開ける。額から手を離す。ふぅ、とため息を一つ。
…もう、三年になるかな。額に第三の目が開いてしまったあの日から。
「(……あんなことが、起こりうるっていうのか?)」
この眼の能力に、再びため息をつく。
――『心眼』。戦闘中に相手の行動がわかる。今思うと、これもイレギュラーの能力なのか。
そして、今のような予知夢。しかし、今の夢は…恐ろしすぎて、まともに受け止める気にならない。
…難儀な能力だ。
もう一つため息をついて、感覚の告げるままラスの居る(と、思われる)方向へ向く。
「お待たせ。…バラモス城に行ってみようか。
散らばってたら、何かあったときに困る」
「おう。そんじゃ、こっちから連絡入れるぞ」
『…うん、わかった。あの時の岩場にでも居てくれる?』
「了解、だ。キシュシュッ」
―アクロス達はバラモス城の近くに飛んでいった!
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落ちます。
…オーバーラン作戦成功後の事だ。
元会議室を利用し、統合軍のお偉い達が
今後の対策を検討中であった…。
キラルス「月を落とす?」
技術士官「はい。部下からの提案なのですが、
人間の遊戯に『ビリヤード』なる物が存在しまして
このビリヤードは、玉を突き、他の玉をを動かして六つの穴に入れるのですが
これを参考に、小惑星を動かしてより大きな小惑星にぶつけ、さらにより大きな…と
観測上ではこれを三回繰り返せば、月はこの惑星に落下。
まず、月が大気圏との摩擦によって生じた熱エネルギーが解放され、
地上の温度は5000〜2万℃に上昇。次に想像を超える氷河期が到来し、
作物は枯れ、全ての人間、生物、魔物は消滅します。我々はこれをA-6計画と名付けました」
キラルス「待て、まずどうやって小惑星をそこまで加速させるのだ?
誘導方法は?」
技術士官「想定では約14kmの小惑星を加速させるのですが、これには建造中の大型空中艦艇を2隻ほど解体し、
改修すればよいかと。誘導方法は、縮退砲…別名ブラックホール砲を使えば何とか…」
高級士官「馬鹿馬鹿しい!絵に描いた餅のような話だ!夢のまた夢だ!
そんなことをすれば、再生計画が大きく遅れる!」
参謀「空中艦艇解体に見合うだけのメリットがありませんなぁ。
現状を見たまえ。そこまで急を要する必要があるのか?」
ざわざわと喧噪にも近くなった時、
キラルスがバンっと机を叩いた。驚き、話を止める皆。
キラルス「まあ、面白い案ではあるが、現実的ではないな。
そこまでする必要性もない」
技術士官が落胆し、着席する。
キラルス「だが、個人的には興味深い。
君、後でA-6計画に関するデータを提出しろ。修正個所が多々あるぞ」
…これがA-6計画のそもそもの始まりは
このようなものであった…。
-ジパング・大本営跡-
オペレーター「クラックス様、推進機関の改修、完了いたしました」
クラックス「人員は?」
オペレーター「はぁ、それが、予定よりも遅れている者が…」
クラックス「……急がせろよ…」
一機のゴースト・ノアがジパング大本営跡のデストロイヤーに近づき
装甲格納庫上部の装甲甲板に着陸。
そのまま収容された。
オペレーター「クラックス様、これで最後です。惑星再生計画の人員は全て揃いました」
クラックス「…ついにこのときが来たか。
デストロイヤー、並びにファラオ発進せよ!」
オペレーター「全艦に通達。直ちに上昇、秒速11.2kmまで加速せよ。大気圏を離脱する」
瓦礫や砂を吹き飛ばし、上昇を始めるデストロイヤーとファラオ。
宇宙(そら)へ向けて、今飛び立った。
一方その頃、カルネアデス・バグラチオン作戦が中止された後のバラモス城…
一人のキラーマジンガが、バラモス城を尋ねてやってきた。
未だに周辺地域に統合軍の残党がいる可能性もあるため、
警戒が厳しく門番に呼び止められた。
門番「止まれ、何者だ!?」
フライト「私はメタル・インダストリーの者だ。
この城の最高責任者に会わせて欲しい。大事な話があるのでな」
門番「なに?…ちょっと待っていろ。マジン様の判断を仰ぐ」
門番は城の中へ駆けていった。
マジン「ふむ、あの方達が大切な話というからには、なにかあるのでしょう。お通ししなさい。」
陸軍本部で、椅子に座って金槌を磨きながら、マジンが門番に答えた。
門番「許可が下りた。通ってよい!」
これまた駆けて城の入り口に戻る門番。
フライト「ご苦労様。では…」
一瞬のうちにフライトの姿が消え
門番が目をパチクリさせた。
そして、フライトは唐突に陸軍本部へ現れた。
フライト「お久しぶりです。メタル・インダストリーより参りました。
実は大切なお話がありまして…。この度の作戦で戦力の大多数を失った統合軍は
A-6計画…月を地上に落とそうとしているそうで、上からの命で警告に来ました」
唐突に現れたフライトのトンデモな話に、驚いて椅子ごと後ろに倒れる陸軍総長マジン。
金槌の下敷きになり、もがきながら6分をかけて脱出した。
マジン「な、なんだってー!月をォ?…そんなものを落としたら核の冬が来る!地球に誰も
住めなくなるぞ!」
にわかには信じられないといった感じのマジン。
フライト「はい、その通り。地球上の全生物は死滅します。そこで…」
懐からバサッと地図のような物を出すフライト。
だが、大陸のようなものは書かれていない。
いろいろな色や形の球体が黒い背景の上に書かれている。
フライト「これが貴方達の星…」
青い球体を指さすフライト。
フライト「A-6計画は星をどんどんぶつけて
最終的に月を落とすらしいです。ビリヤードのようなものだと。
我々の予想では…この辺りの小惑星をまず動かすでしょうな」
月と言って指さした位置から
やや右上をさす。フライトが示さねば分からないほど
ゴマのように小さい円が描かれている。
フライト「直径14.8km…統合軍の話から推測するに、十中八九この小惑星です。
これで私の役目は終わりました。あなた方バラモス軍はどうしますか?このまま滅亡を待ちますか…?」
そこまで言い終わった時、フライトは先程と同じように消えた。
後に残ったのは、フライトが広げた不思議な地図のみ。
そろそろ次スレに移ったほうが良いかとおもいますが?
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
>>923の少し前
〜デストロイヤー内〜
キラーマシン「ガダ殿…聞きましたか?」
ガダ「ん?作戦失敗の事かい?」
キラーマシン「カルネアデス・バグラチオン作戦は失敗ではなく中止だとの発表ですが、
まあ失敗でしょうね…いえ、その事ではなく、次の作戦の事です。」
ガダ「もう次の作戦?戦力の建て直しが先だろう?」
キラーマシン「…もう戦力の建て直しなど無理なのです…」
ガダ「…そうか…やっぱりな…」
キラーマシン「私も詳しい事は聞いてませんが…友人が最高幹部の話を偶然立ち聞きしたものですが…
我々は宇宙へ向い、月を落す計画だそうです…」
ガダ「???ごめん、言ってることさっぱり分からないんだが…」
キラーマシン「私も詳しくは分からないのです…理論的に可能とは私の回路では考えられないですし…」
ガダ「……でも、クラックス様には成算があるんじゃないか?」
キラーマシン「実効に移すとなれば当然そうでしょう。」
ガダ「その計画が成功したら…どうなるんだ?」
キラーマシン「月が落ちた場合どうなるかの計算は出来ます。
全ての生物は死にたえ、この星は死の星になります…」
ガダ「俺たちの家族…いや、それ所か…」
キラーマシン「ガダさん…001号開発メンバーとして、あなたを友人と思っています。
だから言うのですが、あなたたちは本当に世界の浄化の理想についてきたのではないでしょう?」
ガダ「……ああ…そうだ。」
キラーマシン「もし逃げるなら…手伝ってあげますよ。今なら間に合う。」
ガダ「見つかったら、あんたも処刑されるぞ?」
キラーマシン「覚悟の上ですよ…」
ガダ「…分かった、ありがとう。シャーマン達を頼む。
だが、俺は残る。」
キラーマシン「ガダさん?」
ガダ「けじめだよ。俺は残らなくちゃな…」
キラーマシン「シャーマン達が逃げた事が分かれば、あなたは処刑されますよ。」
ガダ「いいさ。仕方ないよ。統合軍には世話になってきたしな。」
キラーマシン「……」
ガダ「001号は…どうするんだろう?」
キラーマシン「クラックス様にお考えがあるのでは?」
ガダ「そうだな…でもこいつは俺たちと統合軍の共同開発だろ?
俺たちにも権利があるな…」
キラーマシン「?どういう意味でしょう?」
ガダ「001号本人に決めさせよう…」
>>874の11行目、
骸骨剣士じゃなくて地獄の騎士です…
どうでもいいとか言うな。
〜エジンベア〜
影「困りましたね…」
トロル「お前さんが余計な嘘つかないほうが良かったんじゃねえか?」
影「そうかもしれませんが…」
アリア「どうするの?ジョンさんたちをこのまま待つ?」
影「そうですね…」
ストリ「あれ?誰か来るよ!」
ストリコが道の先を指差す。一行が見ると、確かに砂煙が上がっている。
影「エジンベア兵かな?」
トロル「多分そうだろうな。城に戻るんだろう。」
アリア「じゃあ、統合軍ですと話して一緒に入れてもらったらどうかしら?」
トロル「さっきの門番の様子じゃ、この連中もどうだか…」
アリア「あの門番さんは特別よ!他のエジンベア人は気位は高いけど、
話もろくに出来ない何てこと無いわよ!」
影「ふむ…まあやってみましょう。」
砂煙が段々と近づき、近づいてくる一団の姿がはっきりと見えてきた。
影「あの旗はエジンベア軍に間違いないですね。」
アリア「そうね。影さん詳しいの?」
影「ま、人間の王国の研究は軍でもしてますからね…戦争目的かどうかはともかく。」
アリア「…」
ファルコ「人数から見ると、小隊ってとこかな?」
エジンベア軍の一隊…騎馬隊だ…整然とした行軍は、ぐんぐん近づいて来る。
影「ふむ、装備から見ると、上級兵…近衛兵と言いましたか?もいますね…あれ?あの旗…」
アリア「陸兵団団長旗!?」
影「やっぱりそうですか!」
マジン「と、いうことだ。」
バラモス城の大広間、各軍のお偉いさんがぎっしり詰め込まれ、異様な熱気が辺りに
みなぎっている。
マジン「…なお、スライム王国からは先程使者が来た。『謎の』、敵に襲われ、戦力の9割を
失ったがその敵は撃破した。しかし、援軍の派遣は不可能だそうだ。」
マジンがため息をついて座る。マジンも、スライム王国からその謎の敵が誰だったのかは
聞いているが、その襲撃の張本人から促され、開始された月落し阻止作戦なので、それを
隠しているのである。
ディン「(さらに、陸軍の中で動かせて、かつ戦える兵はもう14名しか居ません。勿論、ピラ
ミッド守備部隊を引き上げれば100人ほどは都合出来ますが…。)」
マジン「それはなるべくなら避けたい。統合軍は去ってもまだイシス軍が少々いるからな。
幸い、空軍と海軍はさして損害を受けていない。此度の作戦は彼らを中心に組み立て
ていく事になるだろう。」
水を一口飲むマジン。そのコップを、机の上にドシンと置いた。
マジン「敵の作戦は、何としてでも阻止しなければならないッ!月落しの阻止を目標とする今次
作戦は、何としてでも成功させねばならぬのだッ!」
ディン「(さて、宇宙に上がる方法と宇宙での行動についてですが…)」
一呼吸おいて、ディンゴが話し出す。
ディン「(エビルマージ殿のオメガルーラを使って上がり、宇宙空間での生命維持にはトラマナを
使います。)」
- - - - - - - - - - -
ビート「あ〜、会議長いね…」
ラキッ「そ〜だな〜…」
メラー「そうだね〜…」
バラモス城の中庭で昼寝をしている三人。赤、黄、青と並んだその姿はまるで信号機のようだ。
ガーラ「今度ばかりはヤバそうだなぁ。」
姿を消して、中庭から大広間の話を立ち聞きしているガーランド。手には地獄耳の巻物が握
られている。
934 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/11/09(水) 23:15:35 ID:+FBNT5yp
age
宇宙空間に魔法障壁の「扉」が開かれ、デストロイヤーとファラオ
統合軍に所属する二隻は、比較的近年にアステロイド・ベルトからはぐれた
とされている直径14.8kmの小惑星A-6に着陸した。
-デストロイヤー・ブリッジ-
オペレーター「5次元より離脱!」
クラックス「直ちに降下。A-6に推進機関を取り付けろ」
オペレーター「はっ、降下を開始します」
ガダ「すげえな…星だぜ…」
デストロイヤーの窓からガダが外を見て、感嘆したようにため息をつく。
001「ううう…」
隣には001号が彼にしては珍しく不安そうな顔をして立っている。
ガダ(こいつもなんとなくこれから起こることを察しているのかな?)
001号はどうしてもガダから離れなかった。
ガダがシャーマン達と行くようにしかりつけても、頑として船を降りようとしなかった。
ガダ「001号…」
001「うが?」
ガダ「いや…何でもない。」
001号はガダを見てニコニコしている。
ガダ(思えば可哀想な奴だよな…せめて、ちゃんとした名前くらい付けてやりたかったな…)
キラーマシン「ガダさん…」
ガダ「おう!いろいろすまなかったな。ありがとう。」
シャーマン部隊脱出を手伝ってくれた、001号開発部のキラーマシンだ。
キラーマシン「それが…」
キラーマシンが言いにくそうに言葉を切った。
「ガダさん!水臭いですよ!」
そのキラーマシンの背後の通路から…シャーマン達が現れた!
ガダ「お前等!なぜここに!」
シャーマンA「俺たちは最後まで一緒です!」
ゾンビマスター「ガダさん、一人の責任、違う。」
シャーマンB「ガダさん!ここで俺たちだけ逃げたらシャーマンの名折れです!」
ガダ「お前等…」
ガダ「むざむざ死にきたんだぜ?お前等…」
シャーマンA「ガダさんだけ残して逃げられません!」
シャーマンB「聞いてください!俺たち、話し合ったんです!」
ガダ「?何のことだ?」
ゾンビマスターA「この計画、無茶。この世界、おしまい。」
シャーマンA「もうシャーマンも何もないですよ。この計画だけは成功させてはならない!」
シャーマンB「そうでしょう!?ガダさん!」
ガダ「……みんな…実は、俺は、この計画を何とか阻止できないかと思っていた。」
シャーマンA「やっぱり!」
ガダ「でも、犠牲になるのは俺一人でいいと思った。」
ゾンビマスターA「わしらも、戦う。」
シャーマンB「何で一人でやろうとするんですか!」
ガダ「お前等…死ぬんだぞ!?シャーマン族はどうなる?
女子供と老人しか地上には残ってないんだぞ?」
ゾンビマスターA「子供、大きくなる。」
シャーマンA「っていうか、ガダさん一人で出来ますか?」
ガダ「…」
シャーマンB「俺たちはシャーマンの未来のために死ぬんです!
このせいでシャーマンの人口は減るでしょうが、シャーマン魂は必ず受け継がれます!」
ガダ「……よし!そうと決まれば、計画を立てるぞ!」
シャーマン達「おおー!!」
キラーマシン「ガダさん…」
キラーマシンが進み出る。
シャーマンの数人が緊張した。キラーマシンの存在を忘れて、造反を叫んでいたのだ。
ガダ「あんたはどうする?」
キラーマシン「ガダさん…私を壊してくれませんか?」
ガダ「!?何を言うんだ!」
キラーマシン「私もこの計画には反対です。
でも、私はクラックス様に逆らう事は出来ません。
生きていれば、あなたたちの造反を報告しなければなりません。
それはしたくない…」
ガダ「だからって…」
キラーマシン「もう統合軍は終わりです。統合軍がなければ、私の生きる道はない。
もし計画が成功したら?私はそんな死の世界に住みたくない。
お願いです。私は今死ななければ、この計画がどうなっても、
今よりずっと悪い死に方をしなければならないのです。
いまなら、クラックス様の兵として、あなたたちの友人として、死ねる…
自殺は出来ないのですよ…」
ガダ「俺には出来ねえよ!!」
ガダが…いや、シャーマン全員が顔をそむけた。
あるものは横を、あるものは床を見ている。
キラーマシンが悲しげに首を振る…
001号「があああ!!」
突然、001号が唸り声をあげ、その拳をキラーマシンに叩きつけた!
ガダ達が驚いて顔を上げると、頭部から上半身までひしゃげてつぶれたキラーマシンが、
煙を上げていた…
ガダ「001号!何を!!」
キラーマシンからバチバチと火花が上がる。
つぶれた頭部から覗くモノアイが、弱弱しく点滅する。
001号「うが!うがが!うがあ!」
001号はキラーマシンを指差し、それから自分の胸をどんどんと拳で叩いた。
001号の顔には、涙が流れている…
ガダ「お前…」
キラーマシンが床に倒れる。
キラーマシン「ア…リガ…ト…ウ………001…g」
キラーマシンのモノアイから光が消えた。
ガダ「…」
001号「うううう…」
うな垂れるガダの肩を001号がつつく。
ガダ「そうだな…これでよかったのかもしれないな…」
シャーマンA「ガダさん!計画、絶対阻止しましょう!!」
シャーマンB「ガダさん!指示を出してください!」
シャーマン達全員の顔に、決死の覚悟が浮かんでいた。
ガダ「よし!みんな集まれ!」
シャーマン達は数人の見張りを残して、ガダの元に集まってきた。
ガダは倒れて動かなくなったキラーマシンを振り返り、統合軍式の敬礼を送ると、
皆に向き直り、事前に用意してきたデストロイヤーの見取り図を床に広げた。
ガダ「まずは計画の詳細を知りたいな…」
ぴったり500KBか…まだ書けるかな?
3周年まであと1週間…
それまでに機械大戦終わるでしょうか?
次スレではいよいよ、最終決戦!
乞うご期待!!
あやしい影「止まってください!」
エジンベア兵「む!?何者だ!」
街道を行軍してきたエジンベア兵の一体が、馬のいななきとともに行軍を止める。
突然現れた影とトロルに、素早く3人の騎兵が行く手を阻むように立ちふさがり、
隊の中央では指揮官と思しき男を守るように騎兵達がさっと陣形を組んだ。
アリア「行軍中の軍にしては、小隊にしても少ないわね…」
ストリ「あれが陸軍の大将なら、その人の移動と、その警護ってところじゃない?」
アリア「そうね…」
草むらに身を潜めたまま、アリアたちが小声で囁き交わす。
トロル「俺たちは統合軍の兵です!任務を帯びてきたのですが、
あの門番さんが入れてくれなくって…」
影「その旗印は、陸兵団団長ガラハッド様ご一行とお見受けしました。
なにとぞお取次ぎ願います。」
騎兵A「む、そうか…」
騎兵B「門番殿らしいな。」
騎兵C「暫し待たれよ。」
影たちの前にいる騎兵が馬上から答え、そのうちの一人が隊列の中央へ向っていった。
指揮官のところまで戻り、何事か話している。
やがてその騎兵は馬の首をめぐらすと、再び影たちの待つ隊の先頭へと戻ってきた。
騎兵C「ガラハッド様が、我等と一緒に入場するよう仰せだ。
そなた等の身分を証明するものはあるか?」
トロル「この肩当は統合軍の至急品ですが…」
騎兵A「ふむ、それは確かにそうだが…」
騎兵C「まあ、よかろう。ただ、武器は預からせてもらうぞ。
私についてきたまえ。ガラハッド様が話をされたいそうだ。」