いつもふたりで〜DQ5の王子と王女SSスレ5〜

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1 ◆bsDQ5/RxE.
DQ5の王子と王女カプに切なく萌える紳士淑女のスレです。

前スレ
不思議なふたり〜DQ5の王子と王女SSスレ4〜
http://game8.2ch.net/test/read.cgi/ff/1086043624/l50

     >
/∨∨へヽ
〃(*゚ o゚ノ過去スレ・まとめサイト・避難所・関連スレ・注意書きは>>2-5辺りを参照。

∞ノノハヽ   
|||(*゚ー゚@vsage進行、荒らし・煽りは無視して進むように
2 ◆bsDQ5/RxE. :04/07/30 11:56 ID:2MzjSu9d
初代スレ  近親相姦〜DQ5の王子と王女
http://game6.2ch.net/test/read.cgi/ff/1081474477/
二代目スレ  ふたりはらぶらぶ〜DQ5の王子と王女SSスレ2〜
http://game6.2ch.net/test/read.cgi/ff/1082691544/
三代目スレ  ふたりの世界へ〜DQ5の王子と王女SSスレ3〜
http://game6.2ch.net/test/read.cgi/ff/1083424080/
四代目スレ  不思議なふたり〜DQ5の王子と王女SSスレ4〜
http://game8.2ch.net/test/read.cgi/ff/1086043624/l50

小説まとめサイト
http://smcf.xrea.jp/dq5/
避難所
http://2chevent.net/BBS/test/read.cgi/ff/1082554457/
関連スレ DQの双子萌えスレpart6 
http://game6.2ch.net/test/read.cgi/ff/1081482223/
えちいのはエロパロ板に【ドラゴンクエスト官能小説1〜8】があるのでそちら に。
子供も見ているので大人は自分で探しましょう。
31レス劇場屋 ◆SSS1Rus0TY :04/07/30 12:00 ID:eVZlgQOv
>>1
乙彼様〜。
4名前が無い@ただの名無しのようだ:04/07/30 13:06 ID:Euabq9II
早すぎない?
5名前が無い@ただの名無しのようだ:04/07/30 13:09 ID:P5vzMkqf
前スレ 865レス、486 KB
6名前が無い@ただの名無しのようだ:04/07/30 15:11 ID:UCttbN9r
>>1
新スレ乙王子王女
74:04/07/30 17:12 ID:f6GDwiOb
あ、そっか、レスの数しか見てなかった
逝ってきます
8ノッティ:04/07/30 17:17 ID:EGd+6WQj
お、新スレ。乙カレー!!

DIONアク制解除かどうかを確かめる意も混めて
9ノッティ:04/07/30 17:18 ID:EGd+6WQj
僕は部屋の外から聞こえる猛烈な音で眼を覚ました。誰かがドアをノックしている。僕はいつのまにか眠っていたみたいだ。眠たい眼をこすってドアの方へ近づいていく。もしかしたらソラかも知れない。さっきの事を謝りに来たのか、それとも・・・・・
「はぁい」
僕がゆっくりと扉を開けると、僕は驚いた。何故かって、それは扉の前に立っている人がソラじゃなかったから。
「やっほ〜、テン」
黒髪のロングヘアーをした、年上の女。ドリスだった。陽気に手を振って、ニッコリと笑顔を作っている。
「ド、ドリス!」
ドリスは扉を遮る僕を押しのけるように僕の部屋に潜入してくる。別に入られること自体が嫌いな訳じゃないけど、僕だって年頃なんだから他人に見られたくないものもあるし・・・・・そのぉ、あのぉ・・・アッチ系のもいくらか・・・・
と、まぁドリスはそんな事もお構いなしにズカズカと僕の部屋に入ってきた。そして、さっきまで僕が寝ていたベッドに無許可で座る。
「ドリス、用がないなら、出て行ってよ・・・・」
迷惑そうに僕が言うと、ドリスはベッドに座りなおし、空いているスペースを軽くポンポンと叩く。まるで、僕を誘うかのように
10天空物語〜心〜@ノッティ:04/07/30 17:23 ID:EGd+6WQj
「別に用がない訳じゃないんだぁ。だから、さ。こっちに座ってよ」
どうせ、ドリスの事だから話を聞くまでは出て行かないつもりなんだろう。一緒に旅をしたこともあったし、その辺は結構熟知しているつもりだ。僕は大儀そうにベッドまで歩いていくと、ドリスの隣に腰を掛けた。と、その時である。
僕の体が突然、ベッドに叩きつけられた。ドリスに押し倒されたのだ。
「ド、ドリス?」
起き上がろうとして、体を起こそうとしてもドリスがしっかりと僕の腕を押さえているので動かない。ドリスは僕の腕を1つにまとめて片腕で握り締めると、片手で僕の上着の下部に手を持っていった。
「ちょ、ド、ドリス。冗談でしょ、やめてよっ」
ジタバタしても逃れられなかった。ドリスってこんなに力、強かったけ・・・などと思いつつも徐々にだがドリスのなすがままにされていく。
「ソラとコリンズがイチャついてるところ、見たんだろ?」
心に動揺が走った。
「な、なんでそれを・・・・・」
「さぁ、なんでだろ?」
気付いたときには僕の上着は胸のあたりにまで上げられていた。恥ずかしさに思わず顔を赤らめる・・・・。
「可愛いっ♪」
と、僕は川に流れる落ち葉のようにドリスのおもちゃとして弄ばれるのだった。   

漏れ、何書いてるんだろ・・・・しかも1つ前のレスで題名付け忘れてるし。
これじゃあ、ただのエロ・・・・・
書かないほうが良かったかも・・・・新スレで調子乗ってたかも
すいません。
ってこんな事いうなら、最初から書くなって?
う〜ん、まぁそうだよねぇ
>>10
まぁとりあえず続けよう。いきなりいなくなられるのもあれだしね。
それに萌えられればなんでもいい。
なんかドリスが今回のキーキャラになってそうだ。気になる。
一番問題なく収まる組み合わせは王子×ドリス、王女×コリンズかも。
ビアンカは…あれだ年齢が違いs
13天空物語〜心〜@ノッティ:04/07/30 19:21 ID:RHFjEy7b
ドリスのおもちゃになってどれぐらいたった時だろうか、ボーッと天井を見ていた時である。既に僕はドリスに体中をいじくりまわされて、何も考えられないような状態になっている時だった、と思う。
バタバタバタバタ
と外の廊下を走ってくる音が聞こえる。足音が徐々に近づいてくる。足音が止まった。と、次の瞬間。ドアをノックする音が聞こえて、僕の返事を待つこともなくドアがゆっくりと開けられた。
「テーン、あの、さっきの・・・・」
声の主はソラだった。顔の半分ぐらいがドアの隙間から見えている。何か忘れてる・・・・・あっ!!
僕は力いっぱいにドリスに抵抗して振り払おうとするが、さっきと同じように全く離れる気配がなかった。
そして、ドアは完全に開けられた。
「あっ・・・」
僕は思わず声を漏らした。ソラの方は入ってきて、最初は何も変化はなかったけど徐々に顔色が変わっていくのが見えた。やヴぁい・・・・・さっきあれだけ僕から怒ったのに、ドリスの一方的な攻撃とはいえこんな光景を見られたら・・・・
頭の中で必死に言い訳を考えた。
14名前が無い@ただの名無しのようだ:04/07/30 19:41 ID:ISkns3NF
ワクワク(・∀・)続きは?ワクワク
ダブル誤解かな?
ドリスはからかってるのかそれとも狙ってるのか
ただ、確実にテンのがヤバイ。
TEST
18てんあい:04/07/31 03:26 ID:CDAQAX7E
初投稿です。双子の名前はテンとソラ。どうぞよろしく。

翼の欠けた天使たち 第一話
「ねぇソラぁ。そろそろ終わりにして帰ろうよぉ。」
「お兄ちゃん、まだ三時でしょ。お兄ちゃんも少しは魔法の勉強してください!」
 今、ボクとソラは天空城の書庫にいる。昨日、この天空城にはボクたちがまだ知らない
魔法が眠っているかもしれないってお父さんから聞いて、ソラと二人でやってきたんだ。
ボクはあんまり乗り気じゃなかったんだけど、ソラがその気になっちゃって強引に連れて
こられたんだ。来たのはいいけど、ほとんどの本が今は使われていない古代の文字で
書いてあるから、古代文字があまり読めないボクはまだ一冊目を読んでいるところなんだ。
「いいよぉ、ボクは剣で強くなるからぁ。」
「じゃあたくさんの魔物さんと戦うときどうするの?」
 古代文字が読めるソラはもう数十冊読破していた。
「ミナデインやギガデインだって万能じゃないんですからね。」
「それはわかってるけど…。でもさ、何でソラは天空城の古代魔法なんかに興味持ったの?」
19てんあい:04/07/31 03:46 ID:CDAQAX7E
「…私、もっと強くなりたいから。」
 ソラは読んでいた本を机に置き、真剣な表情になってそう言った。そんなソラにボクは少し
戸惑いながらきいてみた。
「どうして? ソラは今のままでも十分強いと思うよ。それに、また大魔王なんか出てきたって
ボクたち四人なら大丈夫だって!」
 そうボクが言うと、ソラはボクの手をとってまっすぐボクを見つめて言った。
「…私はお父さんとお母さんにはもう戦ってほしくない。」
 突然ソラに触れられて鼓動が高まっていくのが自分でもわかった。
「えっ、でも…。」
「…二人とも私たちにはあまり話さないけど、お父さんは小さいときから考えられないくらいの
苦労して、お母さんも小さいころにおばあ様が亡くなって…。そして世界のために戦いの連続
で…。それが全部終わってやっと手にした幸せだから、私ずっとそれを守ってあげたい…!」

20てんあい:04/07/31 04:03 ID:CDAQAX7E
 ソラの目には涙が浮かんでいた。どうしてソラが古代魔法を手に入れてまでレベルアップしようと
するのかボクにもようやくわかった。
 ボクが勇者としてここまでやってこられたのはボクを導いてくれたお父さんとお母さんのおかげ
なのにボクはそのことに気づいていなかったんだ。二人がいなかったらボクは何もできない子供の
ままだったと思う。ボクじゃ絶対に耐えられない苦難を乗り越えて世界を救ったお父さんとお母さんは
ボクよりずっとすごい“勇者”だったんだ。今度はボクが二人より強くなってソラと一緒にお父さんと
お母さんの幸せを守っていきたい。ソラの涙を見てボクはそう決意した。
「…うん、そうだね。やっぱりボクももっと強力な魔法がないか調べてみるよ! お父さんとお母さんの
幸せはボクたちで守ってあげよう!」
「うん…! ありがとうお兄ちゃん。一緒に頑張ろうね!」
>>18
両親のために強くなろうとする二人(・∀・)イイ!
親側としたらむしろ自分たちが、とも思って複雑な気持ちもありそう。

リメイクだと息子にギガソード(スラッシュ)、娘にマダンテあたりを追加して欲しかった
22ノッティ:04/07/31 08:47 ID:aEFDtEU1
テン愛?

漏れも同じ。抱きしめてあげたい
ただ、ソラはテンに対して言葉で「お兄ちゃん」と言ったことはないはず。
天空物語をモチーフにしているとしたらだが・・・・
23天空物語〜心〜@ノッティ:04/07/31 11:07 ID:IN7xRw5t
「あ、あのソラ・・・その・・・あの・・・これは・・・・」
いい言い訳が思いつかぬまま僕は、ただ呆然と立ち尽くしているソラに言った。けど、それ以上の言葉は出てこなかったんだ。そうしたら・・・・・
「よぉソラ!驚いた?あたしとテン、付き合ってるんだよ!!」
つ、付き合ってる!?ドリスが何訳の分からないことを言っているのかが分からなかったけど、僕は慌ててドリスの口を押さえるとソラの方を見て大きく横に首を振った。
「ち、違うよソラ・・・・これはドリスが一方的に」
と、こんなことを言ってみても僕もドリスも服が乱れているので説得力がない。
その時、雨が落ちるような音が近くから聞こえた。それは次々と落ちていき、僕の部屋の床に小さな水溜りを作っていた。泣いている・・・ソラが泣いてる・・・・
24天空物語〜心〜@ノッティ:04/07/31 11:08 ID:IN7xRw5t
僕は思わず立ち上がった。でも、それと同時ぐらいだっただろうか。まだ、涙を流しているソラがキッとこっちを睨むと大声で
「テンの馬鹿ッ!!私とコリンズ君がキスしたぐらいで怒ったのに、自分はドリスともっと凄い事やってるじゃない!!最低ッ!!」
「な、なんだよ。僕は何もやってないって言ってるだろっ!全部、ドリスが一方的に!!」
「じゃあ、なんなのよ、その服の乱れは!?」
「これは・・・」
「もう知らない!!ドリスが好きなら、結婚でもなんでもすればいいじゃない!オジロンおじさまもきっと喜ぶわ。私はコリンズ君と幸せになりますから!!」
アッカンベーをしながら僕の部屋を後にするソラ。そして、部屋の入り口のあたりで何かを投げ捨て、そのまま速い足取りで僕の視線から消えてしまった。
ソラが投げ捨てて行ったもの・・・・僕とソラの『絆』の証。それを拾うと、自分のポケットのねじ込み、またベッドにうっぷした。

http://jbbs.shitaraba.com/bbs/read.cgi/game/2960/1091201564/

避難所スレ立てました。
game8鯖は今のところ安定していますが、落ちたら利用してやって下さい。
26レとタ ◆bsDQ5/RxE. :04/07/31 13:40 ID:MdsLql4S
>>25
27名前が無い@ただの名無しのようだ:04/07/31 13:51 ID:o6/LAnKZ
セク‐スシ‐ン出してくらさい…(´・З・
>>27
ここを何処だと思ってるんだ
エロは板違いだってわからないのか?
>>28
いいから放っておけって。
>>てんあい
なんて親想いのいい子なんだ…。
もう双子だけで魔王倒せるくらい強くなってもらいたい。

>>24
ますます修羅場に。オジロンが喜ぶにワラタ
31てんあい:04/08/01 03:38 ID:IbYCzIr/
双子の名前はテンとソラですが天空物語とは無関係なんです。
それでは第二話いきます。

翼の欠けた天使たち 第二話
 強力な古代魔法か…。ボクならやっぱりミナデインやギガデインより強力な電撃系の魔法かな。
とは言ったものの古代文字が少ししかわからないボクにはどうやってさがせばいいのか見当も
つかないなぁ。うーん、とりあえずそれらしい本を少しづつでも読んでいくしかないのかな。ソラとも
約束したし頑張ってみよう。まずボクは書庫の本棚を調べて魔法の本を集めることにした。当然
だけど、ほとんどが古い本で中には損傷の激しい本もあるからなるべく丁寧に扱わないとね。
32てんあい:04/08/01 04:05 ID:IbYCzIr/
 あ、そうだ。もしかしたら…。
「…えーと、『え』で始まる名前の本の棚はここだな…。」
 …。…やっぱり天空城の書庫にあるわけないか。
 ん? 『イブールの本』? なんであんなヤツの本がここにあるんだよ。こんなものはこうして
処分してと…。
「何だこれ…、『シン…カ…ノ…ヒ…ホウ』?」
 しばらくさがしていると『進化の秘法』という本を見つけた。その本を手にした瞬間、他のどの
本にもない圧倒的な力を感じた。ボクは恐る恐るその本を読み始めた…。うーん、これは特に
難しい文字ばっかりで何て書いてあるのか全然わからないな。まぁいいか、あとでソラに読んで
もらおう。これだけスゴそうな本ならきっと強力な魔法のことが書いてあるよね。
「お兄ちゃん! ちょっとこっちに来てみて!」
 そのときソラがボクを呼んだ。ボクはその本を放り出してソラのところに向かった。
33てんあい:04/08/01 04:25 ID:IbYCzIr/
「どうしたの? 何か見つかった?」
「ほら、これ見て。」
 ソラは読んでいたページを開いてボクに見せた。
「…って、何て書いてあるの?」
「あ…、ごめんなさい。えっとね、私も全部はわからないんだけど、ここに“炎の竜”、ここには“変化”って
書いてあるの。これってもしかしたらドラゴラムの上位魔法かもしれない。魔法の名前はかすれていて
わからないんだけど…。」
「へぇー、すごいよソラ! ドラゴラムならソラの得意な魔法だし、それよりもっと強いやつなんてどんな
魔法なんだろう。でも、どうすれば使えるようになるの?」
「何だか普通の魔法とは習得方法が違うみたいなの…。ここに描いてある魔法陣の中でこの呪文を唱える
みたい。」
「じゃあ早速やってみようよ! 魔方陣はボクが描いてあげるね。」
「でも…。」
34てんあい:04/08/01 04:46 ID:IbYCzIr/
 ボクは書庫の床に魔法陣を描き始めた。んと、こんな感じかな。
「お、お兄ちゃん! こんなところに描いたらダメだよ!」
「あとでちゃんと消しておくから平気だよ。それよりほら真ん中に立ってみて!」
 ソラの背中を押して半ば無理やり魔法陣の真ん中に立たせた。ソラはまだ不安そうな表情で
ボクを見る。
「ソラなら大丈夫だよ。」
 そうボクが言うと、ソラの顔から不安は消えて、何かを決意した表情になった。
「うん…、じゃあいくね。」
 ソラは目を閉じて呪文を唱え始めた。
「“…………………………”。」
 呪文を唱え終わると魔法陣が青白い光を放って、その光がソラを包み込んだ。


第二話はこれで終わりです。
あと、ミスがありました。 魔方陣⇒魔法陣 訂正いたします。
35ノッティ:04/08/01 08:47 ID:pipPlTGE
・・・し、進化の秘法がやたらと眼に付いた。
個人的にはテンorソラが進化の秘法で魔物化してそれをテンorソラが救う展開などがいいかなぁ・・・・などと

何か嫌なオーラがプンプンと出てるのは放っておくべきなのか・・・・
おお、人間をやめるぞー的で面白そうな展開
魔法陣と兄弟だから鋼が思い浮かんだ
続き期待
37名前が無い@ただの名無しのようだ:04/08/01 12:55 ID:lrGqNWp1
官能
38天空物語〜心〜@ノッティ:04/08/01 17:03 ID:pipPlTGE
今、書いている物を早く終わらせて、新作を書きたい俺。
どうしよ、楽屋裏物やろうかな・・・・?
て訳で続き。徐々にヤヴァイ展開に。

やっぱりソラと話をしなきゃ。僕が部屋に籠もって考え出した結論はそれだった。
よく考えるとソラが悪いわけでも僕が悪いわけでもないと思うし、きちんと話をすれば分かってくれる・・・・・と思う。
まぁ、そうと決ればやるっきゃナイト。僕は部屋を出てソラの部屋へと向かった。
ドアをゆっくりとノックする。・・・・・あれ、おかしいな返事がない。もうコリンズは帰ちゃったし、部屋にいれば返事ぐらいはすると思うんだけどなぁ・・・・
それとも、まださっきの事を怒ってるのかなぁ・・・
「ソラ」
と、部屋の前で声を出してみても声は返ってこなかった。・・・・ま、いいか入っちゃえ。とテンは思いドアを開けた。
・・・・・いない。部屋にソラの姿はなかった。部屋の中に入ってベッドやタンスの中とかを探してみたけど、当然姿はなかった。
「どこ、行ったんだろ?」
部屋にソラのいない事を確認した僕はソラの部屋を後にした。あとソラがいそうな所といえば・・・・
お父さんの部屋?お母さんの部屋?講堂?城下町?それともドリスの部屋・・・などとたくさんの場所が頭に浮かんでくる。その一つ一つの可能性を考慮し、最も可能性の高いところを考えるとお父さんかお母さんの部屋、ということになった。
講堂にいったって今の時間帯では一人になるだけだし、城下町なんて行ってもたいしておもしろくはない。
ドリスの部屋に殴り込み、ということは考えられないでもなかったけどソラの性格上それはあり得ない。
ということでお父さんかお母さんの部屋ということになったんだ。
39天空物語〜心〜@ノッティ:04/08/01 17:04 ID:pipPlTGE
僕はとりあえずお母さんの部屋を覗いてみた。覗いてみたというよりドアに耳を当てて、様子を聞いていたという方が正しいかもしれない。・・・・お母さんの声が聞こえる、その隣で小さくボソボソと聞こえてくるあの声。
やった、やっぱりお母さんの部屋だった。
「               のよ」
ドア越しに聞いているせいか分からないけど、ソラの声は聞き取りにくかった。もっと、耳をドアに近づけて会話を聞き取ろうとする。
(けど僕、なんでこんなストーカーみたいな事やってるんだろ・・・・)
と心の中で思いつつもなかなか中に入るれなかった。別に入っても問題はなかったのだろうけど、ドアノブに手がどうしてもかからなかった。まぁ、いっか。といつものテンの様に開き治ると、お母さんとソラの会話に精神を集中させた。
「もぉ、ソラとテンは双子の兄妹なんだから、もっと仲良くしないと」
と、お母さんの声。
40天空物語〜心〜@ノッティ:04/08/01 17:05 ID:pipPlTGE
「双子?」
と反発するようにソラの声。この様子からだとやっぱりさっきの事をまだ引き摺っているらしい。ソラの気持ちが大体把握できたので、部屋に入ろうとドアノブに手を掛けた時である。中から
「あんなのと双子ってだけで迷惑なの」
・・・えっ。今、なんて。まさにドアを開けようといてたその時だったからその声は特に響いて耳に聞こえてきた。
双子ってだけで迷惑・・・ずっと前に聞いたことがある言葉、だけどその言葉を言ったのはソラじゃなくて別人だったし、まさか本物のソラの口からそんな言葉が放たれるとは思わなかったのだ。
(迷惑・・・・・)
僕はいつの間にかドアノブから手を放していた。
「私がコリンズ君とキスしてるのを怒ったくせに、自分はドリスと○○○してるの。最低じゃないお母さん?」
(最低・・・・・)
迷惑と最低という2つの言葉がテンの頭の中で巡っている。ソラが本気で言っているのかが分からない・・・けど、けど・・・僕は突然お母さんの部屋の前から駆け出した。やっぱり、僕なんてソラにとってはどうでも良かったんだ・・・。
そう思うと、まともに話なんか聞いていられない。どこまで走ったらいいのだろう・・・分からないけど僕は走り続けた。
41天空物語〜心〜@ノッティ:04/08/01 17:06 ID:pipPlTGE
――――――――なんて冗談。私、テンにはすごく感謝してるんだよ。私の大事なお兄ちゃんだもん。嫌いになんてなるわけないよ・・・・。
ソラの真実の気持ちはテンには伝わらないままだったという。
やっぱ一人視点は難しそうだね。ヘタしたらどんどん蟻地獄に…
続きがあるのなら最後のレスはちょっと余分だったかも。
43新人職人 ◆/R5xmbPMYs :04/08/01 22:50 ID:A983fmaK
やっとここまで読み終えた
みなさんGJです!
>>42
自分のも一人称ですが、実は小説ではこれが一番簡単と言われてるんですよ。
三人称(第三者からの視点)のほうが難しいらしいです。
つか、みんな新スレに移動してますけど、新スレに投下することになったんですか?
>>43
一人称はすべてのシーンに主人公を絡ませなければならないから難しいと
漫画家でだれか言っていた記憶があったんで、そうなのかと。

えと、前スレの容量が512KBに近づいているので。
→488 KB [ 2ちゃんねるも使っている 完全帯域保証 専用サーバ Big-Server.com ] 30,000円/月
このスレに移ることになったみたいですよ。
おっと、漫画と小説では違うか…。
46新人職人 ◆/R5xmbPMYs :04/08/01 23:44 ID:A983fmaK
>>44
そうなんですよね…本人が聞いた事見たことしか書けないから、関係ない話をどうもっていくのかが
重要なんですよ、自分の場合は伝聞と言う形にしたんですけどそこが一番難しかったです、でも逆に言えば
主人公=自分と言う形にしてイメージをわかせやすいから小説ではオススメらしいです。
話は変わって…ということはこっちに投下すればいいのか、でも自分だいぶ間が開いたからなあ…
一応前スレ>>484-487 >>551-555 >>561-562 >>634-637 >>664-675です
こうして見ると随分長引いてるな…
47新人職人 ◆/R5xmbPMYs :04/08/01 23:50 ID:A983fmaK
レックスは16歳の誕生日にタバサとの関係を父に話す事を約束する。
当日、レックスは意を決し父に話すが、父アルスに猛烈に反対されてしまう。
さらにタバサとコリンズの抱き合う姿を見せられレックスは混乱する。
冷静さを失ったレックスはタバサを信じる事ができず冷たく当たってしまうが
これは二人の覚悟を試すためにアルスが用意した試練だったと言う事を知る。
そしていなくなったタバサを探して城の外へ飛び出したレックスだったが、途中力尽きて倒れてしまう。
 その反動によって記憶をなくしたレックスは、半年もの間をある小さな村で過ごす。
父親のホランドと姉のセシリアとギガンテスのギーガと一緒に。
しかしある日一人の少女がこの村を訪れる。グランバニアの王女タバサ───彼女はレックスをずっと探し続けいたのだ。
タバサはレックスの素性をみんなに話す、レックスは最初こそ信じることができなかったが、話を聞いていくうちに自分の正体を悟る。
しかし、記憶が無い今の自分にはどうすればいいのか分からなかった。
 タバサが訪れた夜、ふと目を覚ましたレックスは大雨の中の人影に気付く。そこにはタバサの姿があった。
タバサは、レックスがいなくなったのは自分のせいだと責任を感じていた事を言うが、途中熱のせいで気を失う。
 タバサを家まで運んだレックスは、自分の事を想うタバサを見て迷う。その様子を見た姉のセシリアは、レックスへの気持ちからか
タバサの行動を批判する、それを聞いたホランドはセシリアの頬をおもいきりひっぱたく、そしてセシリアは泣きながら
外へ飛び出してしまう。しかし、目の前には荒れ狂うギーガの姿があった。


とまあこれが今までの超簡潔なまとめです、続きは明日にでも投下します
>>47
姉妹丼期待sage
49てんあい:04/08/02 00:01 ID:A2vZBwt6
それでは少し早いですが第三話を投下します。

翼の欠けた天使たち 第三話
 光がソラを包み込んだ次の瞬間、それが一気に開放されて強烈な光となった。その光をまともに
受けてボクの目はくらんでしまったんだ。
 ようやく見えるようになって辺りを見回すと魔法陣の中でソラが倒れていた。
「ソラっ!」
 ボクはあわてて駆け寄ってソラを抱き起こした。ボクがいけなかったんだ、よくわからないまま古代
魔法を使おうとしたから…。
「ソラっ! ソラっ!!」
 もしソラに何かあったら…。いくら考えないようにしても嫌なことばかりが頭に浮かんでくる。それを
振り払いたい一心でボクは叫んだ。
「…ん…、…おにい…ちゃん…?」
「ソ、ソラ!? よかった無事なんだね! 本当によかった…。」
「…お兄ちゃんの声がしたの。ずっと私を呼んでくれてた…。」
 ボクの声がソラに届いた。そして、こうしていつものように優しい笑顔でボクを見つめてくれる。ソラが
こうして無事でいてくれただけで、それだけで本当にうれしかった。
>>47
で、昨日の明日になった訳だが…
あ、いやっ言ってみただけです。
51てんあい:04/08/02 00:24 ID:A2vZBwt6
「お兄ちゃん…?」
「あ、あれ? どうしちゃったのかな、ボク…。」
 ボクの頬には涙が伝っていた。
「ごめんね、お兄ちゃん…。私、お兄ちゃんにいっぱい心配かけたみたいです…。」
 ソラはボクの顔に手を当てて涙を拭ってくれた。その手はいつもより温かく感じた。
「謝るのはボクのほうだよ、ボクが無理やりさせたんだから。…本当にごめんねソラ。」
「ううん、私のレベルが足りなかったからこうなったと思うの…。だから気にしないでお兄ちゃん。」
「…うん。でもソラ、どこか痛いところとかないの?」
「うん、平気だよ。ちょっと体に力が入らないだけだから…。でも、もう少ししたら治ると思うから、
…このまま抱いててくれる…?」
 ボクはソラを抱きしめていたことに今になって気がついた。触れたソラの体はとても柔らかくて、
サラサラした髪からはシャンプーの甘いにおいがする。…小さかった頃はこうしていても何も
感じなかったのに、今のボクの胸はこれまで感じたことのないくらいドキドキしていた…。
「うん…。」
 ボクはソラを強く抱きしめた。
52てんあい:04/08/02 00:40 ID:A2vZBwt6
 ソラの体調が戻ったのでグランバニアに帰ることになった。あ、そういえばあの本、ソラに読んで
もらおうと思ってたけど…。今日はもう遅いし今度にしようかな。すると、書庫の管理人さんに挨拶しに
行っていたソラが戻ってきた。
「お兄ちゃん、お待たせ。じゃあグランバニアに帰りましょ。」
 そう言うとソラはボクと腕を組んだ。
「あ、そうそう。ねぇお兄ちゃん、『え』の本棚を調べてるときだけすごく熱心だったけど、何の本を
さがしてたのかなぁ?」
「(ドキッ!) え,えーとあの本棚から強い魔法の力を感じたんだよ! うん!」
「ふーん。じゃあそういうことにしといておいてあげる。」
 何だかソラには見透かされてる気がするなぁ…。
「行くよ、お兄ちゃん。“我に光の翼を与えよ ルーラ!”」
53てんあい:04/08/02 00:42 ID:A2vZBwt6
第三話は終了です。第四話の投稿は少し遅れるかもしれません。
>>53
乙!マターリ書いちゃって下さい
ふたりとも助かり安心だけどここからどう話が続くのだろう
>>53
いいね、乙
続き楽しみにしております
がんがれ(´д`)9
56ノッティ:04/08/02 09:47 ID:Km7oHX02
てんあい氏
乙、個人的には『進化の秘法』で双子のどちらかが魔物化する展開が良かったかなぁ・・・などと叶わぬ文句を言ってみる。
続き、期待してますよ。
>>56
何故ソラが>41の通り「感謝している」のか、ちょっと説明が欲しいんだけどな。
58ノッティ:04/08/02 10:46 ID:8Pl0x7dI
>>57
漏れは天空物語をモチーフにして書いてるから。天空物語を読んでない人には、少しわかりにくい・・・かなと思われる。
ソラの方はたくさんテンに守られてるし・・・・

・・・・・スマソ。上手く弁明できん

59天空物語〜心〜@ノッティ:04/08/02 14:03 ID:8Pl0x7dI
僕はどこにいるんだ・・・・?ここはどこだ?なぜ、こんなところにいるんだろう?
深い森のようなところで僕は倒れていた。
城を出たのが確か5日ぐらい前だ。それから何も食べてない。いや、食べたには食べたが毒のある植物を喰らって死に掛けた事がある。それ以降は何も口に入れていない。
小川で水を少し飲んだぐらいだ。・・・・・自分でも何故、城を飛び出したのかが分からない。
――――――――――あんなのと双子ってだけで迷惑なの
思い出すたびに胸が痛くなる。ソラが双子ってだけで迷惑するっていうなら僕が城を出て、お父さんとお母さんの子どもをやめちゃえばいいんだ。
そうすればソラがお父さんとお母さんのたった一人の子どもとして溺愛されるだろう。コリンズと何をしたって文句をいう人もいなくなる。僕がいない方がソラはきっと幸せだ。
僕はそう思っていたんだ。
でも、もう立ち上がる気力もないよ。もしかしたら城の兵士達が僕を探しに来てくれてるかもしれないけど、見つけられないならこのまま死ぬってういうのも悪くないかもしれない・・・。
行く当てもないし・・・お腹が空いて倒れそうだし・・・・
どんどん意識が遠くなっていく・・・僕は瞳を閉じた。
(最後にソラに会いたかったなぁ・・・・・)
僕の体から何かが抜けていくような気がした。

60天空物語〜心〜@ノッティ:04/08/02 14:10 ID:8Pl0x7dI
・・・・なんか新人職人さんのパクリみたいになっちった。すいません
61二つの思い / 受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/08/02 14:41 ID:zyYGvxpA
前スレ>>783-784 の続きです。

妖精の村の大きな木の中にかけていく一人の少年が見える。
ほどなくしてその少年の影が消えたかと思うと、
今度はけたたましい階段をかける音がした。
・・・ダダダダッ。
金髪レックスだった。

「ポ、ポワンさ、さま、ハァハァ、こ、こんにちは・・・ハァハァ」
「まぁ!レックス。何をそんなにあわてているのです?
落ち着きなさい。ほら、妖精の村特製のミルクをどうぞ。」
「・・・はぁ、はぁ・・。あ、ありがとうございます・・・。」

ゴクッゴクッゴクッ。
・・・ップハァ。

「・・・ありがとうございます。ポワンさま・・・。」
「何があったのです。お父様が何かお困りなの?」
「いえ・・・そうではなくて・・・あの・・・」

「はっきりとおっしゃいなさい。」
ポワンはピシャっともじもじするレックスをたしなめる。
62二つの思い / 受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/08/02 14:42 ID:zyYGvxpA
「実は・・・タ・・・タバサのことで・・・」
「まぁ。タバサ?喧嘩でもしたのかしら?」
「話すと長くなりますが――実はこの間、グランバニアに起こった地震で、
僕とタバサにそっくりな髪の色が青い子が突然僕たちの部屋に現れたんです。」
「まぁ!そんなことが実際におこるなんて・・・」
「あの、それで、そういった現象をご存知ないですか?
・・・ただ、問題もあって・・・。」
「問題?」
「青い髪の僕と、金髪のタバサが・・・二人で・・・」
金髪レックスは恐る恐る口を開いた。
「―まぁ!」
ポワンは意外だ!とでも言いたいような表情をした。

「はい・・・。それで―」
ポワンに詳細を語り始めた。

************************

こうして金髪レックスとポワンはじっくりと話し合った。
二人はあれやこれやと話し合い、気づいた頃にはもう辺りは真っ暗になっていた。

「・・・なるほど。大体はわかりましたわ。つまり、金髪のレックス。
あなたは、元通り、金髪のタバサと一緒にいたいのね。
それで、青髪の2人を元の世界にかえしてあげて欲しいのね。」
「ハイ・・・なんとかならないでしょうか?」
金髪レックスは恐る恐るポワンに問いかける。
ポワンの顔は強張っている。

「・・・困ったわね・・・。金髪のタバサが、あなたではなく、青髪のレックスと
一緒にいたいと思っているのなら、ダメなのよ・・・。わかりますか?レックス。」
63二つの思い / 受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/08/02 14:43 ID:zyYGvxpA
「え・・!でも、それでは・・・」
金髪レックスはうろたえる。

「話はちゃんと最後まで聞きなさいね。もし・・・もし、あなたが金髪タバサの気持ちを
再びあなた自身へと向けさせることができれば、私は青髪の2人を元の世界へ
かえすことができます。この現象はあなたたち二人の思いが元から強く、それがたまたま
七夕のお願い事を書くという行為によって爆発したために起こったものだと思いますわ。」
「そうですか・・・。」

金髪レックスはうなだれた。が、やがてうなづいたかと思うと、
「ポワンさま。僕、絶対やってみせます。
だから、その時はよろしくお願いします。」

力強さのあらわれた言葉だった。


(さて・・・どこへいこうか・・・。
いまさらグランバニアには戻れないし・・・・・・。)
妖精の村をでた金髪レックスは魔法のじゅうたんに乗りながら、目的地を考えていた。
本当は大神殿にいきたい金髪レックスだったが、残念なことに
金髪レックスはそこへいたる移動手段、ルーラをもっていない。
天空のベルはお父さんが持つものだし、お父さんやタバサの使役する魔物も
全員グランバニアにいて、ここにつれてきたものはいなかった。
(たしか・・・こういうのはコリンズくんが得意だよな・・・。)
金髪レックスは悩んだ末、ラインハットへとじゅうたんをとばした。
64ノッティ:04/08/02 15:32 ID:8Pl0x7dI
受験生さん
乙〜!!ポワン大活躍。
ん〜、つまりレックスは青髪のレックスが嫌い・・・だと。
受験勉強で忙しいと思うけど、がんがって。
続き投下しま〜す

眼を開けた。ここは天国・・・もしかして地獄・・・・?僕はゆっくりと首を上げて回りを見回した。
「お、テン。気がついたな」
見た事のある風景。僕の故郷グランバニアだ。僕はどうやら救出されたらしい。
「行方不明になったお前を探して、みんな奔放してくれたんだぞ。まったく、なんで家出なんか・・・・」
と、目の前にはお父さん。その横には心配そうな眼で僕を見つめてくるお母さん。そして、サンチョや・・・ドリスといった人たち。けど、僕の知らない人が一人・・・。金髪に大きなリボンを付けている僕と同じぐらいの身長の女の子。
見たことがあるけど思い出せない。というより、僕はなんで家出したんだっけ・・・・。
「ねぇ、お父さん、あの子誰?」
僕は金髪の女の子を指差してお父さんに尋ねた。そうしたらお父さんったら、まるで鳩が豆鉄砲を食らったような顔をするんだ。僕が何、したっていうんだよ。
「ど、どうしたレックス?熱でもあるんじゃないのか?」
と言って僕の額に片方の手をあてて、もう片方の手を自分の手にあてる。僕はその行動がひどく幼稚ぽくて、首を振って手を振り払った。・・・・・もちろん、僕は熱なんかないし。本当にあの女の子の事は知らないんだ。
「ね、熱なんかないよ。で、あの女の子は誰なの?」
僕が悪い事をいったのかは分からないけど。お父さんもお母さんも、サンチョも誰もがみな驚いた顔をしていた。そして、今、話題の中心となっている女の子は今にも泣き出しそうな顔をして僕を見詰めている。君は僕の何だっていうんだよ・・・・
「ほ、本気で言っているのか?テン」
「本気って。真剣に分からないから聞いてるんだけど・・・」
と、その時である。奥の方で泣きそうな顔をしていた女の子が突然、近づいてきて僕の肩を掴んだ。
そして、涙を流している顔をくっつくんじゃないかってくらい近づけた。なんで、泣いてるのか分からないけど・・・僕が悪い、のかなぁ?
でも、その泣き顔をみたとき、とってもとっても心が痛くなったんだ。けど、その原因も分からない。
「テン、本当に私が分からないの?ソラよ、双子の妹のソラ・・・」
ソラ・・・・いくら考えても思い出せなかった。頭に浮かんでくるのは青くて雲が広がる、あの空しか思いつかない・・・。
「ゴ、ゴメン。本当に分からないんだ」
僕がそう言ったらソラとかいう女の子はより一層、眼から涙を流して僕の肩から腕をゆっくりとおろした。そして、うなだれるようにしてお母さん達の後ろに隠れた。
(泣かないで・・・泣かないで・・・・君が泣くと僕はもっと悲しいんだ・・・・)
頭の中に響いてくる誰かの声。
「・・・・・」
全員の間に無言の冷たい空気が流れる。
「・・・・まぁ、テンも色々あって疲れてるんだろう。今日はゆっくりと休むといい」
お父さんはそう言った。

まだまだツヅ〜ク
ついにテンは現実逃避にまで(つД`)
でも他人と認識してたら恋心持てるからそれが幸せかも


>>61-63
ついに次でコリンズ登場か、楽しみ
68ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/08/02 23:04 ID:wjRlGvMU
>>1さん乙です。
前のトリップ間違って消しちゃったので新しいの付けました。

>>52
進化の秘法気になりますね・・・。もう両親に苦労をかけまいとする双子がイイ!

>>63
4つ巴の戦い?まったく先の展開が読めません・・・。

>>66
大人な展開に期待・・・!(ぇ

職人様方、GJです!自分もちょっと頑張ってみるかな・・・
69新人職人 ◆/R5xmbPMYs :04/08/02 23:31 ID:oPCF2PQv
>>50
(*´∀`)σ)Д`)
>>53
何もなかったように見えてこれから何がおこるのか…ドキドキ
>>60
同じようになっても全然かまいませんよ!
それにしてもこのスピードでこんなすごいものを書けるってすごいです!
>>61
金髪レックスがどうやって金髪タバサを振り向かせるのか気になる所
でもちょっと青髪タバサがかわいそう…誰にも相手にされてないなんて
これも 後々解決されていくのかな?
>>68
新作クル━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ ??

では私も続きを投下
70新人職人 ◆/R5xmbPMYs :04/08/02 23:36 ID:oPCF2PQv
>>47のまとめより

「─────え?ギーガ…?」
僕は目の前で起こっている事を理解できず、しばらく呆然と立ち尽くしていた。
…しかし…目の前で鼓膜が破れるほどの雄叫びをあげ、気が狂ったかのように暴れているのは
間違いなく親友のギーガだった
「……おいしっかりするんだレックス!」
父さんが僕の肩を強く揺さぶる、そのおかげで僕はハッと我に返った
「…父さん…」
「あれはいつものギーガじゃない!早くセシリアとあの子を連れて逃げるんだ!」
「え…でも父さんは…?」
「俺は…なんとかギーガを止めてみる…」
「え!?でっでも…」
「いいから言うとおりにするんだ!」
僕はまだ混乱していた…なんで…どうしてギーガが…?
あんなに優しくて…あんなに臆病で…あんなにこの村を愛していたギーガが…。
…けれど今はそんな事考えている場合じゃない、そう必死で自分自身に言い聞かせ
僕はお姉ちゃんに駆け寄った。
「…お姉ちゃん大丈夫?」
「うん…レックスは…?」
「僕は大丈夫────」
そう言いかけたその時
「ぐわあああぁぁぁぁぁ!!」
父さんの悲痛な叫びが辺りに響き渡った
71新人職人 ◆/R5xmbPMYs :04/08/02 23:38 ID:oPCF2PQv
「父さん!?」
「イヤアァァァァァァ!!お父さぁぁぁぁぁん!!」
「お姉ちゃん!?行っちゃ駄目だ!」
「離して!お父さんが…お父さんが!!」
僕は必死で止めた、けれど我を失っているのか、お姉ちゃんは僕の言う事を聞かない
このままだといけない……僕は決心した
「…僕が行く…僕が引き付けてるうちに父さんを助けて」
そうお姉ちゃんに告げ僕は一人向かう…どう考えても無茶なことは分かっていた…
なぜなら僕は…記憶とともに戦う力をも失っていたのだから…
「ギーガァァァァ!!!」
けれど僕はギーガの注意を引きつけようと必死で叫んだ、するとギーガはくるりとこちらをふり向き
雄叫びをあげつつ猛烈な勢いで突進してくる。
「ギーガ…思い出して、僕らは親友じゃないか…」
僕はただギーガに語りかける他なかった、しかしその言葉は届く事はなく、
僕はギーガの思いきり振りぬいた腕によって吹き飛ばされた。
「ぐあぁぁぁぁ」
激痛が体中をかけめぐり僕は絶叫した
「…ギ…ーガ…」
ふいに思った……大切な人に忘れられるって、こんな気持ちなんだ…
…あの子も…きっとすごく苦しかったんだろうな…。
ギーガは追い討ちをかけるように家の瓦礫を拾い僕に投げつける。
やられる…そう思ったその時

「イオ!」
その掛け声が聞こえたと同時に目の前で爆発が起こる
「お兄…ちゃん、大…丈夫?」
僕のそばには熱で顔を真っ赤にした彼女が立っていた
72 ◆/R5xmbPMYs :04/08/02 23:43 ID:oPCF2PQv
「ラリホー!」
さらに彼女は呪文を唱える。
「これで…しばらく大丈…」
そう言った彼女だったが、熱のせいか息を切らせて片ひざをつく
「心配しないで…私は…大丈夫…だから」

「レックス!」
お姉ちゃんの声に気付いた僕は後ろを振り返った
「なんとか大丈夫……父さんは…?」
「大丈夫よ…他の人に頼んで避難させてもらったから」
「そう…良かった」
僕がホッとしたのもつかの間
「早く…二人とも逃げて…」
そう彼女に言われ今の危険な状況を思い出す。と同時に僕は彼女の言った事に耳を疑った
「え…二人でって…きっ君はどうするの…?」
僕は驚いた表情で問いかけた
「私は…あの子をひきつける為におとりになるわ…」
「え!?」
僕らはそろって答えた
「…さっきかけた呪文はもうすぐ効果がなくなる…
そうしたら私たちの足じゃすぐに追いつかれてしまうわ…」
「そんな…無茶よ…」
「そっそうだよ…その体じゃ」
「けど…私にしかできないでしょ…?戦う力…ううん…この力は大切な人守る為にお父さんとお母さんが
私にくれたもの…そう思ってる…だから私は行くの……大丈夫、いざとなったらルーラがあるから…」
「駄目だ!」
僕は声を張り上げた。そして彼女の手をつかんで言った
「…行かせない…絶対に行かせないから…」
「お兄ちゃん…」
絶対に彼女を行かせちゃいけない…僕の心がそう言ってる気がした。
すると彼女は少しの間だけ上を向いた後、涙を流しながら言った
73新人職人 ◆/R5xmbPMYs :04/08/02 23:47 ID:oPCF2PQv
「…ありがとう…お兄ちゃん……私…お兄ちゃんを好きになってほんとに良かった……でも…ごめんね」
そういうと彼女は僕の額に手をかざし、眠りの呪文を唱えた─────

手足の感覚がなくなっていく…意識が遠のいていくのが分かる…
けれど僕は眠らなかった、声を出す事も指一本動かす事さえもできなかったが、
なぜか周りの音だけははっきりと聞こえていたのだ

「セシリア…さん…お兄…ちゃんをお願いします」
「え…どういう意味…?」
「…おそらく今の私にはもう…魔力が残っていません…」
「え…じゃっじゃあ…どうやって」
「いいから…行ってください…お願いします」
「…なんで…どうしてそこまでできるの……死んじゃったら意味無いじゃない…
あなたはレックスとずっと一緒にいたいって思わないの…?」

「……いつだってお兄ちゃんは私を守ってくれた…戦う時だけじゃなくて、辛い時や苦しい時、
私が泣いてる時いつも優しく抱きしめてくれた……だから…だから今度は私が守ってあげたい…。その為なら…私は……。
それに……セシリアさんなら…お兄ちゃんを…」
「なっ…なに勝手なこと言ってるのよ……レックスはあなたの事を!」

────
74新人職人 ◆/R5xmbPMYs :04/08/02 23:53 ID:oPCF2PQv
「…さよなら…お兄ちゃん…」

行っちゃ駄目だ…そう何度も叫んでも声にはならなかった。
僕は自分の無力さを嘆いた、もし僕が本当に伝説の勇者だというのなら今すぐでもその力を使いたい。
けどどうすればその力を取り戻せるのか自分でも分からないんだ…
さらに意識が遠のいていく…まるで奈落の底に落ちていくような感覚…
苦しい……もし…このまま眠って、すべてを忘れられるなら……もう…このまま…

「…レックス…あなたは本当に女泣かせな人ね…」
(…お…姉ちゃん…?)
「…いつまでこうしてるの?このまま行かせていいの?タバサさんを愛してるんでしょ?」
(…お姉ちゃん……ごめん…なんとかしたいけど…もう体が動かないんだ)
「……逃げちゃだめ…頑張って…あなたならきっと思い出すことができるはず……負けないで…」
(…頬が冷たい…お姉ちゃん…泣いてるの?僕…また…女の人泣かせちゃったのか……あれ…またって…?
…前にもあったっけ…ああ……あの子か……ふふ…タバサってすぐ泣いて僕に抱きついてくるんだもんなあ…)

────え?

その時、僕の頭の中で何かがはじけた────
75新人職人 ◆/R5xmbPMYs :04/08/02 23:56 ID:oPCF2PQv
…なんで…なんで今まで忘れてたんだろう…タバサじゃないか…優しくて…ちょっとわがままで…
しっかりしてるようですぐ泣いちゃうけど…いつも僕に笑いかけてくれる…僕の一番大切な人じゃないか…

次の瞬間僕は、目を覚まし立ち上がっていた。
体が動く…声が出る…そして…この気持ちは……

「レックス…」
「…ありがとう…お姉ちゃん…僕…」
「いいから…ほらっ早く行ってあげなきゃ!伝えたい事があるんでしょ、タバサさんに!」
「……うん!」

「タバサァァァァァァァァァァ!!!」
僕はあらん限りの声を張り上げ、タバサに駆け寄った
「お兄…ちゃん…?」
「…あの…ごめん…その…」
勢いよく叫んだけど…タバサは僕を許してくれるのだろうか…?急に不安に思い僕は下を向いた。
けれど

「…おかえり…お兄ちゃん」
そう言ってタバサは僕に優しく笑いかけてくれた
僕は一言だけ返した

「ただいま…タバサ…」


76新人職人 ◆/R5xmbPMYs :04/08/03 00:00 ID:TV0jyMiC
「グオオオオォォォォォォ!!!」
「!!?」
「目を覚ましちゃったみたいね…」
「…僕に任せて」
ギーガはすぐに僕らを見つけ、再び瓦礫を持ち上げた。
僕はタバサをかばうように前に立った。
ごめん…ギーガ…少し痛いけど…すぐに生き返らせてあげるから…
「ギガデイン!!」
しかし呪文は発動しなかった

「お兄ちゃん!!!」
瓦礫がぶつかり僕の体を痛めつける
「…ぐ…大丈夫…心配しないで」
「…だっだけど────」
ギーガは猛烈な勢いで突進してくる。

僕は目を閉じた…
もう一度…もう一度僕に戦う力を…いや…タバサを守る力を…
僕が僕であるために────

「ギガデイン!!」
77新人職人 ◆/R5xmbPMYs :04/08/03 00:03 ID:TV0jyMiC
>>72
名前忘れた…

お約束…話してるうちに逃げろや
ってのは禁止ね(*´∀`*)

P.S 蘇生呪文がなければどんなに展開しやすかっただろう…
78DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/08/03 00:42 ID:MUUqcKhx
>>62
乙です。呪文で展開が足止めされる時ってありますよね。
以下、なんとなくなSS。また勢いって奴です。

大魔王ミルドラースを倒して早4年。
かつて『小さな大勇者』と言われたレックスも今年で14歳。
年頃のレックスにもやっとと言うべきか、気になる女の子が出来きる。
そして、今日もレックスは無意識に彼女の行動を目で追ってしまう。
そんなレックスからの視線に気づいた彼女は側に歩み寄りこう問いかけた。

「何を見てるの?お兄ちゃん。」

その一言で我に返るレックス。
突然で驚いたレックスはあろうことか激しい音を発てそのまま椅子から転げ落ちてしまう。
「キャッ・・・大丈夫?お兄ちゃん・・・。」
そう言って笑いをこらえながら手を差し伸べると、レックスはその手を取りこう答える。
「だ、大丈夫だよ・・・タバサ。」
「んもう・・・お兄ちゃんはもうちょっと落ち着けないの?
それに、何見てたの?私の顔に何かついてる?」
タバサはレックスを起こしながら聞き、立ち上がったレックスの瞳に映る自分の顔を覗き込んだ。
79DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/08/03 00:44 ID:MUUqcKhx
アンカーミス!
×62 ○>>77

目の前に妹とはいえ、女の子の顔が飛び込んできたレックスはもう大変。
慌てて顔を背け「べ、べつに・・・。」とちょっとキョドった感じで言葉を返す。
タバサはそんなレックスの行動を見て首を傾げ、
「変なお兄ちゃん・・・。」と呟き、軽やかにカカトをひるがえして部屋をあとにしました。
レックスはタバサの背中が見えなくなると、「ハァ」と少し大きくため息をこぼした。

─────────

最近・・・タバサを見るとドキドキしちゃうけど、この気持ちは何なんだろう・・・?
タバサがボクの隣に来るともう息をしちゃうのも忘れるくらい慌てちゃって・・・。
タバサが見てるって思うと蝶々結びもすっごく難しく感じるし・・・。
あーあ・・・いつからこんな風になっちゃったんだろう・・・。
そうだ・・・あとで父さんに聞いてみよう・・・。

─────────
80DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/08/03 00:48 ID:MUUqcKhx
夕食後、食器を片付け始めたメイドさんに「今日もおいしかったよ。」
とお礼を言ってからレックスは父アルスの元へと足を運ぶ。
「父さん、レックスです。」ノックをしてそう話し掛けると
「・・・どうぞ・・・。」と少し不機嫌な声で返事が返ってきた。
レックスは一瞬ドアノブから手を離すが、思い切って再び握り、力強く右に回しドアを開ける。
「し、失礼します・・・。やっぱり仕事中でしたか・・・。」
恐る恐るドアの隙間から顔を覗かせ部屋の中央に座りこちらを上目遣いで見ているアルスに声を掛けた。
すると、アルスは穏やかな笑顔をレックスに見せると手招きをして中に入れる。
「どうしたんだ?」
立ち上がり椅子を用意するアルス。
レックスは辺りをキョロキョロしながら腰掛けたと同時に「実は・・・」と口を開く。
「最近・・・どうしても目で追ってしまう女性が出来たんです・・・。
その女性が気になって仕方ないんですが・・・。」
その言葉にアルスは驚きながらも喜び、レックスの肩をポンッと叩く。
「そうかそうか・・・レックスもそんな歳になったか・・・。」
アルスの喜びにレックスは不思議な顔をし、「この気持ちは・・・なんなんでしょうか・・・?」
と付け足して問い掛ける。

つづく
81ノッティ ◆wn2N3LD9DQ :04/08/03 09:19 ID:LdSD3KJh
新人職人さん
乙です。
巧みな文章構成に、ひしひしと伝わってくるキャラの感情。
見事です。続き期待

ペコ氏    キター!!━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ キター!!
相変わらずの双子はLOVELOVE!!
続き期待してます
>>80
父と子の男の話がされるのか
父さんは結構波乱万丈な経験持ちだし
>>76
タバサ健気だ…ダイ大のダイの記憶呼び覚ましたポップのように
83ノッティ ◆wn2N3LD9DQ :04/08/03 16:43 ID:u7QTnaij
続きは明日になりそうです。
>>83
ふむ。待ってるぞ。
双子絵発見。絵は可愛いが、ネタはどうかと思う。

http://asame.web.infoseek.co.jp/bbs/cgi-bin/data/IMG_000606.jpg
>>77
(・∀・)イイヨイイヨー!!
へたれまくりだったレックスの逆襲なるか?


>>85
いやいやこういうどこかずれてる妄想っ娘も萌え。
>>85
タバサすっげえカワイイ
このスレの挿絵とか描いてほしいな
88レとタ ◆bsDQ5/RxE. :04/08/04 09:07 ID:O2yaLhnF
>>85
萌えた なんとなく書いたものうp「夏祭り」

「お兄ちゃ〜ん準備まだ〜?」
「もうちょっとだけ待って〜」
「しょうがないな〜………(あ〜楽しみだな〜)」タバサはニコニコしてレックスを待って
いる。
スタスタスタ ガチャ「おまたせ〜」
「もう、遅いよ〜」 「ゴメンゴメン」
タバサはホッペを膨らまして上目使いでレックスを見ている
「(カワイイなぁ…ニヤニヤ)」
「どうしたのお兄ちゃん?よだれ出てるよ」
「…えっ?な、なんでもないよ…そ…その服きれいだね。」

「ほんと?えへへ…うれしいな。この服、ゆかたっていうのよ。」
「ゆかた?(かわいい…(*´Д`)ハァハァ)」
「?(今日のお兄ちゃんなんだかヘン)…それじゃあ行きましょ」
タバサはレックスの手をグイグイ引っ張った。
89レとタ夏祭り ◆bsDQ5/RxE. :04/08/04 09:09 ID:O2yaLhnF
祭り会場
太鼓や笛の音などが聞こえてくる。
「わ〜スゴ〜い、楽しそ〜」
「うひゃ〜、スゴい人だな〜」
二人が歩いていると、タバサ達にとって珍しい物を見つけた。
「あっ、ねぇねぇお兄ちゃん、あそこに雲が売ってるよ」
「えっ雲?どこどこ?」
レックスはタバサに連れられその場所に来た
「ヒャー、ホントだ…雲だ、まさかこの店の人って…」
「すみませ〜ん、この雲一つくださ〜い」
「ハッハッハ、お嬢ちゃんこれは雲なんかじゃないよ。これはわたがしってんだ。」
「えっわたがし?」タバサは不思議そうにわたがしを見つめる
「よし、お嬢ちゃんはカワイイから特別だ。一つプレゼントだ、好きなのを持って行きな!!」
「わ〜い、ありがとうおじさん、ところでこれって何するの?」
「あっはっは、何するって、食べるんだよ。」
「え〜〜、これって食べ物なの?」「そうだよ、食べてみ」
「……ボク、完全に忘れられてる?」
「あ〜ホントだ〜甘くてとってもおいし〜」
「そうだろ?なんならお嬢ちゃんも作ってみるかい」
「えっ、いいの?作りた〜い」
突然の申し出に大ハシャギのタバサそして忘れられるレックス。
「そうそう、お嬢ちゃんなかなか腕がいいねー、あとそこをこうして……ほーら完成だ」
「真っ白できれい。」
「それもプレゼントだ。持っていきな」
「ありがとうごさいます。……あっお兄ちゃん?(すっかり忘れてた)」
90レとタ夏祭り ◆bsDQ5/RxE. :04/08/04 09:15 ID:O2yaLhnF
なんとなく続く。
91レとタ夏祭り ◆bsDQ5/RxE. :04/08/04 12:24 ID:O2yaLhnF
続きできたので書き

タバサが後ろを振り返ると、そこにレックスの姿はなかった
「あれっ?お兄ちゃんどこに行ったんだろ?」
タバサが不安げに辺りを探していると
「タ〜バヒャ」と後ろから呼ばれた
タバサが後ろを振り向くとフランクフルトをほおばるレックスがいた
「ひゃっほほふぁっらほ?(やっと終わったの?)」
「ごめんねお兄ちゃん、わたしつい夢中になっちゃて……一緒に楽しみたかったのに…ぐすん…」
レックスは急いで口の中のものを飲み込んで
「わわ、泣かないでよタバサそれにまだまだ時間あるから大丈夫だよ。」
「うんっ。そうそう、これお兄ちゃんにあげるね、わたしが作ったの」
タバサは先ほど作ったわたがしをレックスに渡した
「あぁさっきのやつだね、ありがと。ところでこれ何なの?」
「これはね・・・」


92レとタ夏祭り ◆bsDQ5/RxE. :04/08/04 12:26 ID:O2yaLhnF



一時間後
「ふぅ〜時間もだいぶ遅くなってきたな〜」
「うん、ひょふふぁへほひひぃひゃん{そうだねお兄ちゃん}」
「てゆーかタバサまだ食べるの?」
「らっへほんはほほひろみはひんらもん{だってこんなのお城に無いんだもん}」
「アハハ、何言ってるか全然ワカンナイや、てゆーか太るよ」
「む〜〜…ゴクン」
タバサは口の中のものを一気に飲み込んだ
「太らないも〜んだ」
タバサはレックスに向かってベーっと舌をだした
「アッハッハッハ、口の周りにソースとかついてるよ」
「えっ?恥ずかしい……んむ…」
タバサが口を拭こうとしたとき、不意打ちの様にレックスがキスをした。
「んん……ぷはぁ……もう…こんな所で恥ずかしいじゃない」
「アッハッハッハ、ゴメンゴメン、タバサがあまりにもカワイかったからつい」
「もう……」
タバサは顔を真っ赤にしながらうつむいてモジモジしている。
ヒュ〜〜 バーン!!
ピュ〜〜〜 バーン!!バチバチバチ
93レとタ夏祭り ◆bsDQ5/RxE. :04/08/04 12:38 ID:O2yaLhnF
「おっ、花火だ、見に行こうよ」
「あっちょっと、お兄ちゃ〜ん」
レックスはタバサのゆかたをグイグイ引っ張ってゆく
「ハァ…ハァ…お兄…ちゃん…歩くの…はやいよぅ……ハァハァ」
「まあまあ、それより見てよ、スゴくきれいだよ」
ヒュ〜〜 パーーン
「すご〜い、きれ〜い」
しばらく花火を見つめるふたり

ヒュ〜〜 パーーン バチバチバチ
「ねえお兄ちゃん、わたしたちってここの人たちからどういう風に見えてるかな」
ヒュヒュ〜〜ン
「どういう風って?」パパーーン
「ただの兄妹か、恋人同士に見えてるかな?ってこと」
「きっと恋人同士に見えてるよ。」
「えへへへ、うれしいな」
ピュ〜〜 パーーン
「よ〜ヒック、レックスにタバサ〜ヒック、お前たちも〜ヒック来てたのか?」
「ん?」「えっ?」
94レとタ夏祭り ◆bsDQ5/RxE. :04/08/04 12:48 ID:O2yaLhnF
チュンチュン パタパタパタ
「………ん?ここは……ボクの部屋?」ズキッ「あたたたた……そうだ昨日あれから…」
「よ〜ヒック、レックスにタバサ〜ヒック、お前たちも〜ヒック来てたのか?」
って感じでコリンズ君が現れて

「あっコリンズ君、どうしたのなんだかヘンだよ?」
「いや〜んコリンズ君お酒くさいの〜」
「あ〜?俺はいつもどおりだ〜よぉ〜?」
「コリンズ君、こどもがお酒なんか飲んだらダメなのぉ」
って言ってタバサがコリンズ君からお酒を取り上げたんだ
「もうっ……」ってタバサが言いながらお酒のラベルを見てるときに
ドンッ「おっとごめんよ」って感じに後ろの人がタバサにぶつかって
「ゴプッ………ゴクン」
って感じにタバサがお酒を飲んじゃったんだっけ。そしたらコリンズ君が
「お〜タバサちゃん、いい飲みっぷり〜アヒャヒャ〜」とか何とか言いながらタバサに抱きついたら
「イ・オ・ナ・ズ・ン」
「おぶげぶぁ〜〜〜〜〜・・・」
タバサがイオナズンでコリンズの奴を吹っ飛ばしたんだな〜(いい気味だ)
「キャハハハハハ〜〜〜、コリンズ君ふっとんだ〜、おもしろ〜いキャハハハハ〜」
タバサってメチャクチャ酒癖悪いな〜。って思ってたらタバサがボクに抱きついてきて
「おに〜ちゃん」ギュウゥゥゥゥ〜〜
「くっ苦しい……」
「おにいちゃん、わたしのことしゅき?ねぇ〜」ギュウゥゥ
「('A`)ヒィィィィィィィィ(怖い、苦しい……)」
「おに〜ちゃん、さっきみたいにチュウしよ〜」
ってタバサが言ってボクを押し倒してきて
「うわっとっとっとっと〜〜〜!!!!」ドッシーーーン



それでボクは頭を打って気を失っちゃったんだな〜ハァ〜〜〜
95レとタ夏祭り ◆bsDQ5/RxE. :04/08/04 14:25 ID:O2yaLhnF
ドンドンドンドン、ガチャッ
「お兄ちゃん起きてる?」
「おっ起きてるよ」
「あ…あの、昨日はゴメンネ、わたし酔っちゃって…その」
「あ…あぁ、そのことならいいよ、悪いのはお酒を飲んでたコリンズ君だし」
「うん。それでね、今日はラインハットの方でお祭りがあるんだって、だから今日も行か
ない?」
「えっきょ、今日も?(も、もうお祭りは…((((;゚Д゚))))ガクガク」
「ねっ?行こうよ」
「('A`)ヒィィィィィ」

96ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/08/04 18:26 ID:ONlGIqXr
>>95乙乙!
じゃあ、ついでにこんなのを付けて。

夏、浴衣姿でりんご飴を口一杯に頬張りながら歩くタバサ。
「ほら、口の周りについてるから・・・。」と手にしたハンカチでタバサの口を拭くレックス。
「えへへ・・・。」
タバサは はにかみながらレックスに笑顔を見せた。

イイナァ・・・そうゆうの・・・。
夏祭りシチュいいね、酔っ払いタバサ(*´д`*)ハァハァ
イオナズンなんかされたら花火が霞むだろうな
もちろんお金はレックス持ち
酔っ払いタバサたん(*´Д`)ハァハァ
尻に引かれるレックスたん('A`)ヒィィィィィ
という訳で続き投下 少しヤバ気な展開に

1日寝ても、ソラって子の事が一向に思い出せなかった。ソラは僕の双子の妹だっていうけど、信じられなかった。
記憶喪失?とかいうヤツとは医者は言ってたけど・・・・けど、何故か思い出したくないんだ。思い出してはいけないような気がするんだ。
トントン
部屋をノックする音。朝食ができたよ、とでも誰かが呼びに来たのかもしれない。
僕は「はぁい」と軽く返事をして、ドアを開けた。開けたと同時に僕の体の上に何かが飛び掛ってきた。あの長い黒髪・・・はぁ、またドリスだ。昨日の夜だって僕が疲れてるのに部屋に押し入ってきて、好き勝手するんだもん・・・・。
「おっはよ〜テン。朝飯できてるぞ!!」
僕の上にのしかかりながらドリスが言う。僕はそんなドリスの下から必死に這い出すと、
「ご飯ができたって言いに来るだけなら、いちいち僕に抱きつかないでよ・・・・」
と迷惑そうに言った。その言葉でドリスは止めてくれるかなぁ・・・とか思ってたりしたけど甘かった・・・。すごく甘かった。まだ、床に寝転んでいるドリスが勢いをつけて立ち上がると、僕のほっぺたを指でグリグリしながら顔を近づけてくる。

「へぇ〜、そういう顔も可愛いなぁ・・・・ほれ、プニプニのほっぺ」
楽しそうに笑いながら僕のほっぺたをツンツンとつつくドリス・・・・。どうも最近のドリスはなんかおかしい・・・。
積極的といえば聞こえはいいかもしれないけど、これじゃあまるで変態・・・・・。ソラの記憶はなくなっているといってもドリスの事は忘れた訳じゃない。あの日の出来事もキチンと覚えてる。
思い出しただけでも恥ずかしくなる出来事だ。
ドリスはまだ僕のほっぺをつついている。いい加減止めてくれ、と言うようにドリスの指を振り払った。
「もう!ドリスはいったい、何がしたいんだよ!?僕、ばっかりいじくりまわして。気持ち悪いッ」
その言葉にショックを受けたのか受けなかったのか、ドリスは急に黙り込んだ。・・・・なんか、嫌な予感がする。
その直後に僕の予感は的中することになる。あの日と同じだ。ドリスは僕をベッドに押し倒した。
う〜ん、こういうのをデジャヴっていうのかな?状況的には全く同じだし。でも、今回は少し内容が違った。前は僕の上着に手を掛けたけど今回はしない。僕がする事は前回と同じ。ただ抵抗するだけ・・・・でもやっぱり外せない。僕、これでも勇者なんだけどなぁ・・・・
「ドリス!いいか・・・んっ」
いい加減にしないとギガデイン落とすよ、と言おうとしたのだがドリスの何かに唇をふさがれた。最初は掌かとも思ったんだけど、手は両方とも僕の腕を押さえているしあり得ない。だから、最後の可能性としては・・・・・
「んっ〜んっ〜」
体をジタバタと動かして必死にドリスのKISSから逃れようとする。前は僕の体をめちゃくちゃにいじくりまわすことはあってもキスはしなかった。それにこれは僕の初めてのキスだし・・・最初は・・・あれ?最初は誰にあげようとしてたんだっけ・・・・。
必死に抵抗する僕の気持ちとは裏腹にドリスの口から伸びてくる舌と僕の舌が1つになってクチャクチャという嫌らしい音を立てる。
自然と体と体が重なる。僕は眼を瞑っていた。自分の意志に逆らって僕の小さい腕がドリスに抱きついていた・・・・・
そして、そのまま、しばらく時間が流れた・・・・・・
「テン・・・・好きだよ」
朝から一日分のエネルギーを使ってしまって、ぐったりしている僕の耳元でドリスが囁く。僕は何も答えなかった・・・
「どうせ、ソラについての記憶なんか全て消え去ってるんだろ?なら、あたしと・・・さ」
やっぱりドリスは何かをしっている・・・・・けど、もう・・・僕は・・・僕は・・・・
二人は乱れている服を正して下へ降りた。呼びに行って、戻るのが遅かったのでお父さんやお母さん達に変な目でみられたけど、二人は何事もなかったかのように席へついて朝食を取った。
でも、何故だろう。その時、僕はソラちゃんの顔を直視することができなかったんだ・・・・。

続く・・・かも

・・・・またヤヴァイないようにしてしまった。
「ヤヴァイって思ってるなら最初から書くなよ」
ん・・・・まぁ、それはそうなんだけど。はい、以後気をつけます
キモチワルイ…
>>101
( ´∀`)ショター

でも別に弁解は不要じゃない?
>>101
一度官能小説スレで気兼ね無しでえちぃのを書いて欲しいであります
105 ◆bsDQ5/RxE. :04/08/05 14:57 ID:G8eoabL9
>>104
ソレダ
和の雰囲気に弱いオレは夏祭りネタに( *´Д`)ハァハァ

>>104
(;゚∀゚)=3ハァハァ/lァ/lァ/ヽァ/ヽァ ノ \ア ノ \ア / \ ア / \ ア

>>85
(;´Д`)ハァハァ (;´  Д`)ハァハァ (;´   Д `)ハァハァハァハァ :.` ;:.・∵ ゚ д:.`
ゲームでもそうだが王子は年上受けが良いのか
108 ◆bsDQ5/RxE. :04/08/06 18:05 ID:cC8OuRR+
>>107
レックスはほとんどの女性から受けがいいよ
いままでにここでSS書いてた作者さんと作品を誰かまとめてくれ
110てんあい:04/08/07 02:24 ID:RIeuuyk0
みなさんお久しぶりです。少々遅れましたが第四話をお送りします。

翼の欠けた天使たち 第四話
 ボクたちが戻ったときには、グランバニアはもう夜になっていた。
「思ったより遅くなっちゃったね。明るいうちに戻るつもりだったのに…。」
「ソラ、お父さんとお母さんにはボクから話しておくからもう休んでていいよ。」
「どうして? 一緒に行こうよお兄ちゃん。」
「ソラは倒れたんだよ、ゆっくり休まなきゃダーメ。」
「もう大丈夫だよぉ…。」
 ボクはぐずるソラを部屋まで連れて行く。
「それじゃおやすみソラ。」
「…お兄ちゃん。」
 ソラを部屋まで送って、お父さんのところに行こうとしたそのとき、突然ソラがボクの腕をつかんで
引き止めた。
111てんあい:04/08/07 02:37 ID:RIeuuyk0
「…ソラ?」
「…私、今度はちゃんとあの魔法使えるようにがんばるから…。」
「うん、ボクだって今度はすごい魔法見つけてみせるよ!」
「あ、あとね…。私が倒れたとき、お兄ちゃん抱きしめてくれたでしょ…?」
「え…。」
「ううん、何でもないの…。おやすみなさいお兄ちゃん。」
 そう言ってドアを閉めたときのソラの顔は真っ赤だった。ソラ…、ボクだってソラに触れてあんなふうに
感じたのは初めてだったんだから…。ソラを妹としてじゃなくて、一人の女のコって…。な、何考えてるん
だろうボク…。
「お父さんお母さん、ただいま戻りました。」
「おかえりテン。どうだった、天空城の書庫は。何か見つかったかな?」
「…うん。あることはあったんだけど…。」
112てんあい:04/08/07 02:58 ID:RIeuuyk0
「おはようテン。今日は早いのね。」
「うん、何だかいつもより早く目が覚めちゃて…。」
 普段ならソラに起こされることが多いボクだけど、今日は少し早めに目が覚めた。眠い目をこすりながら
食堂に行くと、その隣のキッチンでお母さんが朝食の準備をしていた。もちろんお母さんはグランバニア王妃
でもあるんだけど、ボクたち家族の食事はいつもお母さんが作ってくれる。
「もうすぐできるからソラを起こしてきてくれる? いつもだったらもう起きてて手伝ってくれるんだけど…、
今日はあのコがお寝坊さんね。」
「へぇー、珍しいねソラが…。じゃあ起こしてくるよ。」
 まだ寝てるなんてどうしたのかなソラ…。そのとき昨日の天空城での光景が頭をよぎった。もしかしたら
また…。ボクは急いでソラの部屋に向かった。…ソラ、無事でいて…!
「ソラっ、入るよ!」
 ボクはノックをするのも忘れるほど気が動転していた。ベットの上ではシーツを頭からかぶったソラが
寝ているようだった。ソラが無事でいてくれるのを願ってベットに駆け寄る。
113てんあい:04/08/07 03:16 ID:RIeuuyk0
「…すぅ…、…すぅ…。」
 わずかだけど寝息が聞こえてきた。よかった、何もなかったみたい…。
「…わっ!」
 ソラが無事とわかると、何だか力が抜けたみたいで床にしりもちをついてしまった。
「てへへ…。」
 ボクは一人でテレながら立ち上がる。ソラの顔の辺りにかかっているシーツを
めくってみると、そこにはソラの寝顔があった。…あれ? 何だかいつもと違うような…。
とにかくソラの体をゆすって起こしてみる。
「ソラ、起きて。もう朝だよ。」
「…ん…、うん…。ふわぁ…。」
 ベットから起き上がって目をこすりながらかわいらしくあくびをするソラ。
「あ…、おにいたん。おはようございます…。」
 ソラはボクを見て笑顔を見せた…って、お、おにいたん? そ、それにその格好…。
「…おにいたん、どうしたの…?」
「ソラっ、どっ、どうしちゃったの!?」
114てんあい:04/08/07 03:19 ID:RIeuuyk0
第四話終了です。次の第五話は土日のいずれかに出せると思います。
それではおやすみなさい。
おにいたんキタ━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!もしかして副作用で幼児退行?
続き気になる
>>114
乙です
続きを楽しみにしております


ノッティ氏 『天空物語〜心〜』
>9-10 >13 >23-24 >38-41 >59 >65-66 >99-101

てんあい氏 『翼の欠けた天使たち』
>18-20 >31-34 >49 >51-52 >110-113

新人職人氏
>47 >70-76

受験生氏 『二つの思い』
>61-63

ペコ氏 『DQ外伝』
>78-80

レとタ氏 『夏祭り』
>88-89 >91-95

コノスレに投下されたSSをまとめてみた
今までのは正直無理・・・_| ̄|〇
117 ◆bsDQ5/RxE. :04/08/07 09:49 ID:G7fjaujd
もしかして退化の秘法を使っちゃった?
>>116
作者名と作品名だけ分かりますか?
今過去ログが見れない状態なんで・・・

誰かお願いします
出来れば1スレ目から・・・
小説まとめサイト
http://smcf.xrea.jp/dq5/
120ノッティ ◆wn2N3LD9DQ :04/08/07 10:49 ID:Ygyl5dL+
お、お兄たん・・・・・ハァハァ
続き投下♪

僕の中から徐々に消えていくソラの記憶。ドリスと交わることで、その速度は急激に上がっている・・・と僕は思う。
忘れてはいけないことだと思ってるんだけど、ドリスの愛を毎日のように受け止めている僕がいる。ソラは僕の部屋に来たりはするけど、ほとんど何もしゃべらずに出て行くことが多かった。時には涙も見せて。ドリスとの関係を指摘されたこともあった。その時は
「別になんの関係もないよ」
といって優しくあしらうしかなかった。
そんな事が続いていたんだ・・・。
ある日、僕はお父さんとお母さんに多少怒られて、部屋の整理をしている時だった。部屋にあるゴミがたっぷりと詰まったゴミ箱を僕の不注意で蹴ってしまったんだ。
「あれ、これは・・・・?」
ゴミ箱から出てきた二つの物体。盾を象ったネックレスと剣をかたどったネックレス。僕はそれを拾い上げようと、腕を伸ばし、ネックレスを手に取った時である。
(あんなのと双子ってだけで迷惑なの)
(最低)
頭の中に浮かんでくる光。光の中でたたずんでいる少女から発せられる言葉。迷惑、最低。見覚えのある少女。金髪の長い髪。
「ソラ・・・・ちゃん?」
光がより一層強くなったような気がした。
「―――――ン、テン。起きて、テン」
何かに体を揺さぶられて僕は眼を覚ました。ゆっくりと眼をあけると、自分の部屋に居た。
そして、目の前に映っているのは金髪の女の子。いつもは忘れていたこの子の事。だけど、今はしっかりと思い出せた。ソラ。僕の双子の妹。僕が一番好きな人。
そして、最も失ってほしくない人。『心』の支え・・・・
「ソラ・・・・」
そう呟く。泣いているのか、ソラの顔の辺りから水がポタポタと立っていた。
「あのね、私、ドリスから聞いたの。テンが・・・テンが城を飛び出したのは、私とお母さんの会話をテンが聞いたからだって。それにネックレスを捨てたのも、テンの記憶を消したのもドリスだって・・・
でもねテン、聞いて・・・・」
と言って耳元に口を近づけてくる。
「愛してる」
ソラから発せられた1つの単語。愛してる、の一言。
「愛してるよ、誰よりも愛してる・・・・。迷惑なんて嘘。最低なんて嘘。だから、思い出してよ私の事・・・・」
ひっくひっくと涙をすすっているソラ・・・・もう全部思い出した。あの日の事も・・・・僕はそっと起き上がってソラの頭を抱いてあげる。
「ゴメンね。ソラ。全部・・・全部、思い出したよ・・・・だから、泣かないで。ソラが泣くと僕はもっと辛いんだ」
「テン・・・・・」
二人で抱き合った。僕の体はもう記憶をなくす前の状態ではなくなっている。
何回も何回もドリスと交わった。けど、それでも今度はソラは許してくれると思う。でも、僕もちゃんと謝らなきゃいけない・・・・そうしないと二人の『心』はきっと繋がらないから。
ゴメンね。ゴメンね、ソラ。
そして
――――――――――ただいま、ソラ。
                              FIN
124 ◆bsDQ5/RxE. :04/08/07 11:09 ID:G7fjaujd
ドリスはどうやって記憶を消したのか気になる
キスは?キスは?
1261レス劇場屋 ◆SSS1Rus0TY :04/08/07 14:01 ID:cDQ1EwJY
>>123
けっきょく、ドリスとの絡みを書きたかっただけのような……。
それでもって、ボーッとした頭で無理矢理ハッピーエンドに叩き込んだような……。
例えばこのパラグラフ
>何回も何回もドリスと交わった。けど、それでも今度はソラは許してくれると思う。でも、僕もちゃんと謝らなきゃいけない・・・・そうしないと二人の『心』はきっと繋がらないから。
ちゃんと読み直して投稿したのかなあと疑ってしまう、ノッティさんらしからぬ悪文です。
次回作に期待しております〜。
肉体関係を持たせるとつまんねくなる
すいません・・・うん、確かに劇場屋氏の言うとおりでしたね。
本当はもうちょっと、詳しく書きたかったんですけど、う〜ん、忙しいから早く終わらせてしまおうと思って手抜き・・・・になったかなぁ・・・
まぁ、言い訳はこれ以上言いません。
本当にすいませんでした
129名前が無い@ただの名無しのようだ:04/08/07 18:46 ID:V42R4wu+
中途半端に官能〜…
>>114
・幼女化した
・分裂した(2〜12人)
・言葉に「たん」がついてしまう呪い

どれだろう


>>128
>>104みたいな感じで完全版の執筆して欲しいです
>>128
方向性としては別に悪くないから、皆が言っているように、
今回のネタをベースにしてエロパロの方で投稿されてはいかがでしょう?
話の方も、ところどころ布石を作ったままの箇所がありましたから、
そこの所も追加して頂くと有り難い。
ところでエロって難しいの?
書いてるほうが恥ずかしくなりそうだけど。
133名前が無い@ただの名無しのようだ:04/08/07 21:48 ID:V42R4wu+
誰か官能書いてグレ…
134名前が無い@ただの名無しのようだ:04/08/07 21:49 ID:ej88bGF4
真面目に読んでくれる奴さえいればやりまつよ
135名前が無い@ただの名無しのようだ:04/08/07 23:52 ID:V42R4wu+
真面目に読んでる奴その1でつ〜
1361レス劇場屋 ◆SSS1Rus0TY :04/08/07 23:56 ID:cDQ1EwJY
だったらageないでもらいたいなあと酔ってるついでに釣られてみる。
137名前が無い@ただの名無しのようだ:04/08/07 23:56 ID:ej88bGF4
大人板に飛ばされても知らんよ。
ていうかこのスレでやっていいのか?
いや、だから大人板にある官能スレに作品を落とす、って事じゃないの?
139新人職人:04/08/08 10:11 ID:5FUF04s3
携帯からです、現在家のネットが使用できない状態になってまして、復旧までしばらくかかりそうです…
>>139
マターリ待ってるよ〜、復旧したらまとめてうpしてください。


116見たけど続きが気になる作品多いなあ、ノッティ氏の次回作期待。
えろなのも好きだけどくっつくかつかないかなのスレスレな方が個人的には好き。
何で1レス劇場ってつまんないくせに偉そうなの?
1421レス劇場屋 ◆SSS1Rus0TY :04/08/08 22:02 ID:yOqbSpFm
>>141
そういう内容は雑談スレへ書き込んでくださいな。
143DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/08/08 23:14 ID:alSF+tef
>80 突然ですが続き。

「ハッハッハ・・・なんなんだろうな?」
そう言うとアルスは立ち上がり、
徐にサイドボードの中から恐らくはお酒が入ってるのだろうビンとグラスをふたつ取り出し、
そのひとつをレックスの目の前に置く。
「あ、あの・・・これは・・・?」
レックスが話し掛けるも、アルスは笑顔でそのグラスにビンの中身を注ぐ。
グラスに注がれた液体はブドウに似た色をしており、
ツンと少し鼻に刺さるような匂いがレックスの顔をしかめさせる。
「まあ、飲みなさい。」
アルスは自分の前に置いたグラスにも同じように注ぐ。
そして、グラスを手に持ちレックスが持つグラスに軽く当て、「ティン」と小さく音をさせると、
アルスはそのまま口に運び、レックスが見つめているのを横目でチラリと覗きながら
コク・コクと喉を鳴らす。
レックスも真似をしてグラスに口を着け、目を瞑り勢いよく飲み干すのだが・・・
144DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/08/08 23:15 ID:alSF+tef
瞬間、喉に突き刺さるような刺激とお腹の底に感じるボディーブローのような衝撃。
唇から喉元を通る生まれて初めてのアルコール。
それは決しておいしくはなく、ただただレックスに焼けるような熱さをもたらしたのであった。

目を開け、視界に入った世界に歪みを覚えたレックスはまわらない口にムチを叩き、アルスに話し掛ける。
「父さん・・・何を飲ませるんれふか・・・。」
「ハハハハ。お前もそろそろ酒の味がわからないとな!
好きな女性が出来たのはめでたいことだよ!ハハハハハ!」
アルスは声を大にして笑いながらそう答えた。
低下する思考回路でレックスはアルスの言ったセリフを頭の中でリピートさせる。

(お酒の味?・・・好きな女性・・・?好き?気になる女性は好きな女性・・・?
ボクの気になっている女性はタバサ・・・それはタバサが好きってことですか・・・、そうですか・・・。
・・・ん?待てよ・・・タバサが好き・・・って・・・)
145DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/08/08 23:17 ID:alSF+tef
その先を考えた途端、レックスは突然言葉にならない吐き気を感じる。
必死に両手で口元を押さえ「すびばぜん・・・!」と漏らし部屋を猛スピードで飛び出す。
グラスに二杯目を注ぎ、それを飲みながらアルスは
「おいおい、もうギブアップか?ハッハッハ!」
と見えなくなったレックスにそう言った。こちらももう酔っているようだ・・・。

─────────

事を終え、部屋に戻るなりボクはベッドに仰向けになって天井を見つめていた。
「・・・タバサが好き・・・か・・・。」
口に出しただけで心臓に爪を立てた様な痛みが走る。これが恋・・・。

恋というものを初めて知ったボク・・・。

そして、同時に失恋の痛みも覚えた・・・。


つづく
146てんあい:04/08/08 23:24 ID:aK1eLDJm
それでは宣言通り第五話を投下いたします。

翼の欠けた天使たち 第五話
「…それで、その古代魔法を習得しようとしたらソラが倒れたんだね?」
「うん…。でもそのときはすぐに気がついたから大丈夫だと思ったんだ…。」
 昨日の天空城での出来事をボクはお父さんとお母さんに話した。
「じゃあやっぱりその魔法のせいなのかしら?」
「おそらくね。とりあえず僕は天空城に行ってその本を調べてくるよ。」
 そう言ってお父さんは椅子から立ち上がる。ボクはいてもたってもいられなかった。
「お父さん、ボクも行く! ソラがああいうことになったのはボクのせいだし…。」
 ボクがしたことだから…。お父さんにこれ以上迷惑はかけられないよ…。
「テン、そんなふうに思い詰めるのはダメだよ。」
「お母さん…。でも…。」
 するとお父さんが手のひらをボクの頭にポンとのせて、
「わかった、一緒に行こう。元に戻る方法を二人で見つけてあげよう!」
「うん! ありがとうお父さん!」
 ボクたちが部屋を出ようとすると、ソラが駆け寄ってきてボクの脚に抱きついてきた。
「どこかいっちゃうの…?」
 と、上目遣いでボクを見ながらソラが言った。
「すぐに帰ってくるから大丈夫だよ。お母さんと一緒に待っててね。」
 そう言って頭をなでてあげると不安そうな表情がやわらぎ笑顔を見せた。
「はい。いってらっしゃいおにいたん。」
父と子の語らい、お父さんいきなりお酒飲ませちゃいますかΣ(゚д゚lll)
恋と失恋と酒を一気に味わうなんてレックス大変だ
148てんあい:04/08/08 23:38 ID:aK1eLDJm
 お父さんのルーラでボクたちは天空城に到着した。天空人さんたちへのあいさつもそこそこに書庫へ向かう。
ボクは問題になっているあの本をさがしだしてお父さんに渡した。…あの魔法ソラにいったい何をしたんだろう…。
「お父さん、何かわかった?」
「うん…。もう知ってると思うけどこれはドラゴラムの上位魔法なんだ。…ただ、厳格な習得条件があって、
その条件を満たしていない者が習得しようとするとその者にペナルティを与えるんだ。」
「ペナルティ…?」
「ああ、おそらくソラにはまだその資格が無かったということだろうね。でも安心していいよ。そのペナルティは
永遠に続くものじゃない。」
「そうなんだ! それでいつ戻れるの?」
 そうボクがきくとお父さんは表情を曇らせてこう言った。
「…それは書かれていないんだ。明日戻るかもしれないし、…もしかしたらかなり長い間あのままかもしれない。
しばらくは見守っていくしかないようだね…。」
149てんあい:04/08/08 23:52 ID:aK1eLDJm
 そ、そうなんだ…。いつ戻れるのかわからないのか…。結局ボクにはなにもできないのかな…。
今のボクがソラのためにできることって何だろう。そのときソラが言った言葉を思い出した。
『お父さんとお母さんの幸せを守ってあげたい』。今のボクにみんなを守ることなんて無理かもしれない。
でも…。
「…お父さん、ボクがソラを守るよ。いつかソラが元に戻るまで。…ボクはお父さんのように強くない。
お母さんみたいにやさしくできない。だけど、ソラの幸せは絶対にボクが守ってあげるよ。それが、
今のボクがソラにしてあげられるたった一つだけのことだから…。」
「…そうか。」
 お父さんは微笑みながら、そう一言だけ言った。
「じゃあそろそろ帰ろうか。二人が待ってるからね。」
「うん…。」
 あ、そうだ。グランバニアへ帰ろうと書庫を出ようとしたとき、ボクはあの本のことを思い出した。
150てんあい:04/08/09 00:12 ID:OhpvONrg
「お父さん、ボク昨日ちょっと気になる本を見つけたんだ。…読んで欲しいんだけど、いい?」
「いいよ。持ってきてごらん。」
 ボクは急いであの本を取りに行って、それをお父さんに渡した。
「『進化の秘法』? どれどれ…。」
 しばらくして、一通り読み終えたお父さんは苦笑いしながら、
「…これは古代魔法の本ではなくて、大昔に編み出された錬金術について書かれた本だよ。
この技法を使って生物をより強力に進化させるものみたいだね。まぁお話だろうけど。」
「きっとすごい魔法のコトが書いてあると思ったんだけど…。」
「ははは、残念だったね。じゃあこの本を戻しておいで。」
「うん…。」
 …最初に手にしたときに感じたあのすごい力、お父さんは感じなかったのかな…。強力な
古代魔法の本じゃなかったけど、ボクにはこの本に書かれていることがお話だとは思えないんだ。
ここに書かれていることを試してみればきっとボクはもっと強くなれる! …ソラを、みんなを
守れるくらいに…!
「テンどうした?」
「ううん、なんでもない。帰ろうお父さん!」


第五話終了です。第六話はコミケ明けになると思います。
双子のために頑張って並んできますよ。レックス×タバサ本たくさんあるといいな…。
ハガレンっぽいけど乙。
ペコ氏の主人公がいままでにないタイプで新鮮に感じた

>>150
続きとコミケ報告期待してます。ついにエスターク化くる?
>>146
乙!でもソラは結局どうなったの?
なんとなく小さくなったのはわかるけどいまいち描写不足な気が
もしかして噂のエス○ーク○戦が描かれるのかと密かに期待してたり
154ノッティ ◆wn2N3LD9DQ :04/08/09 21:56 ID:6SvOAvvg
・・・・・・旅行から帰ってみれば様々な作品がァァァァ!!
とりあえず感想を
>ペコ様
新感覚SSキター!!
酒・・・・か。やはり未成年の飲酒はいかん・・・はず。しかし、普段おとなしい人が酒を飲むと性格がキツくなるというから
タバサに飲ませてみれば・・・・

>てんあい氏
コミケか・・・・・漏れも報告待ちで
エスターク化キタ?
ということは黄金の○輪も!?色は金色っぽいか・・・・。


次回作はできるんですけど、前回の反省も兼ねてしばらくは投下しないと思います。
最近は忙しいですし・・・・
155二つの思い / 受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/08/10 02:31 ID:LJsucbf/
突然ですが>>61-63の続きです。


ラインハット城。
「レックスさま、ラインハット城へようこそお越しくださいました!
コリンズさまもたいそうお喜びでございます。ささ、こちらへ!」
レックスが生気の抜けたような顔でラインハットの城門をくぐるやいなや、
明るい兵士の声が金髪レックスの耳を貫いた。

(――コリンズくんが・・・? この間あったばっかりなんだけどなぁ・・・?
僕が会いたいってこと、なんでしってるんだろう・・・)
レックスはそんなことを考えながら、足を踏み出した・・・が。

「レックスさま?どうなされました。コリンズさまの部屋はこちらですぞ!」
踏み出した方向が違う。
しかし頭の中でぼんやりそんなことを考えていた金髪レックスには、
兵士の声など聞こえていないようだ。
「レックスさま? ――レックスさま!」
兵士の叫び声もむなしく、レックスは目的の場所とは違う方向へ歩んでいった。
156二つの思い / 受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/08/10 02:36 ID:LJsucbf/
(あれ・・・ここは・・・?ええと。・・・旅の扉?)
金髪レックスがはっと気づくと、そこはひんやりとした場所であった。
彼はいつのまにか今は使われていない地下迷宮の牢屋に来ていた。
平和なラインハット、罪人も最近はでないものだから、あらゆるところが汚れているのがわかる。

何もない・・・はずだった。
しかし目の前には確かに大きな青みがかった空間のひずみが存在している。
「・・・ッハァッ、ハァッ、ハァッ・・・ レ、レックスさま・・・?」
さきほどの兵士が息を荒げながら追いついてくる。
「――この旅の扉は・・・?」
金髪レックスはその兵士に問いかける。
「・・・いえ・・・私どもも存じませんが・・・」
兵士は首を傾げながら金髪レックスの質問にこたえる。
「いったいどこへ通じているのでしょうか・・・
レックスさま。飛び込んでみる価値はあると思います。
普段と違って私の言葉に耳を傾けなかったレックスさま。ひょっとしたら・・・」

兵士の言葉に、金髪レックスは表情を明るくした。
(旅の扉・・・僕の大好きなタバサに・・・金髪のかわいいタバサに会えるかな・・・
うん、きっとそうだよね・・・あの兵士さんの言うとおり、お導きなのかも・・・)
かすかな希望を前に、金髪レックスの目は潤みはじめた。

「あの・・・レックスさま? ・・・何か悲しいことでも?」
そんな金髪レックスの様子に気づいた兵士が心配そうに問いかけてくる。
「あぁ・・・ごめんなさい。僕、いってみるね。」
詳しく事情を語る気にもなれなかった金髪レックスは、一言謝った後
旅の扉に吸い込まれるように飛び乗っていった。
157二つの思い / 受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/08/10 02:38 ID:LJsucbf/
***********


爽やかな日差しとともに、爽やかな風が金髪レックスの髪を乱している。
かすかだが、しょっぱいにおいがする。

(ここはポートセルミ・・・? ここに、いるの・・・?)
気が付くと、金髪レックスの予想とは裏腹に、目の前に現れた光景は
何の変哲も無い日常の場所―ポートセルミだった。
(いないって・・・僕は何を考えているんだ。 あの2人は大神殿にいるし・・・
なにやってんだ、僕は・・・)
もう1度魔法のじゅうたんを広げようとした金髪レックスだったが、その時―

キラッ。太陽の日差しの向こう側に、一つのレックスと似た背の高さの女の子の
シルエットが見える。
(――!! もしかして、タバサ?!)
金髪レックスの顔がみるみるうちに元気を取り戻していく。目は輝いている。
すでに周りの人が見れば、恐らく誰しもが「いいことがあったんだな」
と思えるだろう顔になっていた。

だが、期待は一瞬で裏切られた。
歩み寄ってきた少女は期待したあの人ではなかった。
いや、確かにタバサはタバサだった。だが、髪の色は―青だった。
レックスの顔は今度は急にしおれてしまった。
158二つの思い / 受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/08/10 03:08 ID:LJsucbf/
「こんにちは。ご機嫌いかが?レックスくん。―いや、お兄ちゃん?」
フフッ、と青髪タバサはいたずらっぽく笑う。
「―何をしにきたんだ?」
金髪レックスの声はとげとげしい。

「ねぇ・・・お兄ちゃん?私はお兄ちゃんと一緒になりたいの。」

「いやだ・・・!僕はタバサ、金髪タバサじゃなきゃダメなんだ!」

「なんで・・・?私、あの子と違って好き嫌いもしないし、料理もできるよ。
洗濯も、裁縫も―まだお母さまに習ってる最中だけど―あの子よりは、絶対うまいはず。」

カチン。
「違う!僕はタバサのそんなところ、全然気にしてない!むしろ、そんなタバサが
かわいくてしょうがないんだ! ・・・それに、そんな他人の短所と自分の長所を比べるキミのことを
僕が好きになるわけないじゃないか!」

カチン。
「違う、お兄ちゃん!私はお兄ちゃんのためを思っていってるのよ!
実際に生活するんだったら私のほうが役に立つ!」

「どこが僕のためだ!それに・・・キミにお兄ちゃんなんて呼んで欲しくない!
呼んでいいのはタバサ・・・金髪のタバサだけだ!」

「何よ!」
「何だよ!」

「・・・」
お互い激しく口論しあった。一通り言い尽くしたのか、二人の間に妙な沈黙が流れる・・・
>>154
暇になったら是非次回作キボン!


>>155-158
なんか金髪王子と青髪王女の二人、凄く気が合いそうでお似合いなようなw
はじめはケンカからというのもラヴコメぽいし金髪王子も素直になれば丸く収まるのに
コリンズは結局出てこないのかな
さりげなく青髪タバサは金髪タバサをぼろくそ言ってるな
やっぱり同類忌み嫌うところがお互いあるのだろうか
161ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/08/12 09:08 ID:RPH/ohKn
受験生さん
とりあえず乙!!
コリンズ無視?
こういう王女タンは4コマの結城まさのへの王女が思い浮かぶ・・・・
162 ◆bsDQ5/RxE. :04/08/12 10:02 ID:4dk/BWX9
最近激しくペースダウンしてるな
レックエ作者さんとかは何処に行ったのだろう?
別の双子とはやはり今の双子ほど仲良くはなれないのかなあ。

>>162
ペースはこれで十分すぎるほど豊作だと思う。けどたしかに以前連載していた人にまた書いて欲しい。
>>151
重装な鎧姿の王女たんを想像してしまったじゃないか(w

てんあいさんの作品は先が見えなくて面白い
165赤穂浪士:04/08/12 23:11 ID:vYU61Tr/
お久しぶりです。
相変わらずの多忙な日々を過ごしているので、チョコチョコ投下します。
ブランクもあるのでまずは短いのを…
166赤穂浪士:04/08/12 23:13 ID:vYU61Tr/
「『いちま〜い、にま〜い、さんま〜い…ウウウ、一枚足りないぃぃ』」
「もうやだぁ、怖い〜〜!!」
あまりの恐さに耐えられなくなったタバサはついに悲鳴を上げる。
それとは対照的に大笑いしているのは…
「ぎゃははははは!!一枚足りないだって!!この女の子ドジすぎ〜!!」
怪談でここまでバカ笑いできるのは世界中探してもレックスくらいだろう。
「レックスこれは怖い話なんだからさ、少しくらいは怖がってくれないと…」
ドリスが呆れた顔でレックスに目をやる。
「だってさ、さっきのもホーイチの代わりに耳だけ持ってっちゃってさ〜!!昔の人ドジすぎるよ〜!!」
当のレックスはベッドの上で腹を抱えながら笑い転げている。
「まったく…」
二人を怖がらせて楽しむつもりのドリスとしては全くの予想外の結果だった。
「ひっく…グスン…」
まぁ一人怖がって、もとい恐怖に押し潰されているタバサを見てドリスは意地悪な笑みを浮かべる。
「タバサぁ〜」
「ひっ…な、なに?」
「この話を聞いた夜にはねぇ…ユーレイが迎えにくるんだよぉ〜」
ドリスが手をブラブラさせておどろおどろしくさせてみせる。
「そんなのやだよぉ…ユーレイやだよぉ〜!」
シーツから顔だけ出して震えているタバサの顔が真っ青になっていく。
(ププ…タバサは引っかかりやすいなぁ)
「そんなわけだから今夜は気をつけてねぇ〜おやすみぃ」
思いっきり意地悪を言うとドリスは部屋の外へ出て行ってしまった。
「ぅっ…ぅえ…ユーレイ…ふえぇ〜ん…」
( ゚∀゚)ワクワク
>>165
ああ、生きてたー。
169ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/08/13 07:58 ID:EiHLVKfA
萌え・・・・
170お盆@ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/08/13 09:47 ID:ZnNrtGdY
新作?という訳ではないですけど、少し短編を

8月13日。暦の上では『お盆』ということになる。
というわけでグランバニアの王家も今は亡きマーサとパパスの墓参りに来たのだった。
「ねぇ、お父さん。お墓の上に水を掛けるんだよね」
と、水が大量に入ったバケツを重たそうに持ってレックスとタバサが坂を上ってくる。
「そうだよ。夏だとおじいちゃんも、おばあちゃんも暑いだろうからね。しっかりと水を・・・・」
バケツから時々、水が毀れている。少し子どもには重たいらしくバケツは振られている。
(う〜ん、天空の剣は軽々と扱うのになぁ・・・)
などと心の中で思いつつも必死に坂を登ってくる子ども達にアベルは微笑みかけるのだった。
「ハァハァ・・・持って来たよ。お父さん・・・重かったァ・・・」
「お疲れ様♪じゃ、これで水を・・・って、レックス・・・お前は何をしている・・・」
「えっ、何って。お墓に水を・・・・」
「だからって、バケツの水を直接掛けなくてもいいだろ・・・この尺を使え」
そういって、墓の裏に回りこんでバケツを墓の上でひっくり返そうとしているレックスに尺を渡す。
「ププッ、レックスったら馬鹿なんだから・・・」
「なんだよタバサまでぇ・・・・ちょっと間違えただけじゃんかぁ・・・」
171お盆@ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/08/13 09:48 ID:ZnNrtGdY
続く
>>166
キタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!!
夏と言えば怪談ネタだね


>>170
天然レックスかわぇぇ、そういえばパパスとマーサの墓もその後造られたのだろうな
173お盆@ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/08/13 14:08 ID:j6ZTv36S
4人で墓に手を合わせる。
それぞれが何を思っているのかは分からない・・・・なんせレックスとタバサは祖父の顔を見たことがないのだ。
肖像画は飾られているが所詮は絵。
「ふぅ、これでいいかな」
最初に手を戻したのはアベルだった。続けてビアンカ・タバサと順々に手を降ろしていく。
だが、いつまで立ってもレックスは手を降ろそうとはしなかった。
「どうしたレックス?」
心配したアベルがレックスの肩をポンと叩いて、声を掛ける。
レックスは周りが手を降ろしていることも気付いていなかったのか、叩かれた手に驚いて体をビクビクッと震わせた。
そして、アベルの方を慌てて振り向く。
「お、お父さんか・・・ビックリした・・・」
「もう、みんな手を降ろしているのに、お前だけ降ろしていないからな・・・」
「あ、ゴメンね。ちょっと考え事をしてたから」
「考え事?」
「うん。本で読んだんだけど、お盆って幽霊が降りてくるんだよね。だから、おじいちゃんとおばあちゃんの幽霊に会えないかなぁ・・・なんて」
「ははは。レックスらしい考えだね。そうだね・・・会えるかもしれないね。夜とか」
「本当?」
帰り道を行く家族を夏の太陽が照らしている。この太陽の下でレックスもタバサもさわやかな汗をかいている。
「実際にお盆に家族の幽霊を見たっていう例は少なくないらしいよ」
「会えたらいいなぁ・・・・ね、お母さん」
「うふふ、そうね」
174お盆@ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/08/13 14:09 ID:j6ZTv36S
などと家族の楽しげな会話の中に参加していない人物が一人。タバサである。
(イヤだなぁ・・・夜にお化けになんて会っちゃったら、泣いちゃうかも・・・)
と心の中で思ったりしていたのだ。
暗所恐怖症であるタバサにとってはお化けとか幽霊とかいった類の物は苦手なのである。だから、できるだけこういう会話はしてほしくないのだが
家族が楽しそうにこの話題で盛り上がってるので止めることは、やはり気が引けたのだ。
できるだけ会話を聞かないように頭の中では別のことを考える。すると、
「ね、タバサもおじいちゃんの顔、見たいよね?」
突然レックスにこう問われた。
「え・・・」
(どうしよう・・・ここは正直、見たくないっていった方がいいのかな・・・)

175お盆@ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/08/13 14:11 ID:j6ZTv36S
色々と試行錯誤を繰り返すが、どう答えていいか分からず結局は
「う・・うん、そうね」
と簡単に答えただけだった。

しかし、事件はこの日の夜に起こる・・・・
                     続〜く


訂正
おじいちゃんの顔→おじいちゃんの霊の顔
176お盆@ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/08/13 18:31 ID:artrI0B0
8月13日(金)

無事にアベル達は墓参りを終えて城に帰ってきた。その後もパパスの幽霊から話がどう発展したのか城の重臣を集めての
『真夏の怪談大会』
となり、タバサもそれに参加してしまったのだ。タバサにしては、どの話も死ぬほど怖い物だったがレックスはなんともないように聞いていた。
その話も終わり、それぞれが部屋に戻っていった・・・・。もちろんタバサも自分の部屋に。

だが、幽霊などの話を聞いて寝れる訳がない。
眼を瞑っていても、話が頭の中に浮かんできて眠りに入れない。ベッドに入ってから何時間経ったのだろう・・・・
部屋は真っ暗なので何も見えない。時々、見張りの兵士の歩く音が聞こえるが、それすらタバサにはとてつもない恐怖に感じられた。
ダブル作品でタバサが幽霊に怖がっていて萌えです。
ゆうじいやレヌール王&王妃がいる世界だから
普通にひょっこりパパス&マーサが現われたりして
178お盆@ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/08/14 11:04 ID:qCDWLyRf
トントン・・・・トントン・・・・
夜に眠れないでいるタバサの部屋の扉がノックされている。見張りの兵士かとも思ったが、普段ならわざわざタバサを起こしになど来ないはずだ・・・
(やっぱり、幽霊・・・・?)
しだいにノックは強くなっていく。ドンドンッ!!
タバサは怖くて震えていた。頭まで布団を被り、眼をギュッと瞑って何も見ないようにした。
それでも耳に入ってくるノック音だけは止まらなかった。
「怖いよぉ・・・お兄ちゃん」
頭の中で兄であるレックスを思い浮かべる。
・・・・・アレ?
ただ考え事に夢中だったタバサはある事に気が付いた。
止まっている・・・ノックの音が。何事もなかったかのように部屋は静まりかえっていた。
「止まった・・・・?」
タバサがホッと胸をなでおろす。ただの風の音かも知れない・・・・などと思ってみる。
だが、次の瞬間にはその安堵は恐怖へと変貌する。
179お盆@ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/08/14 11:07 ID:qCDWLyRf
バキィッ!!・・・・キィ・・・
ドアから盛大な音がしたかと思うと、まるで風でドアがゆっくりと開くような音を立てる。
そして、何かがゆっくりとタバサに近づいてきている。足音がするのだ。
ゆっくりと・・・・ゆっくりと・・・
得体の知れない何かはタバサのすぐ側まで歩み寄ってきていた。
180名前が無い@ただの名無しのようだ:04/08/14 13:51 ID:Yx+Z3Ran
(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
続き楽しみにしてまつ
181お盆@ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/08/14 18:44 ID:qCDWLyRf
何かがタバサに向かって手を伸ばしていく。ただ、無言で、まるで本物の幽霊のように気配すら感じさせにくい感じだった。
(・・・・・・)
布団の中から小さな何かが聞こえてきている。
そして、次の瞬間に部屋一面がカッと光ったかと思うと、大きな爆発を起こしてその得体の知れない何かは激しく壁に吹き飛ばされた。
最強の閃光呪文イオナズン。幽霊に殺される前に殺してやる、などという考えをタバサは思いついた。さきほど、布団の中から聞こえていた小言はイオナズンの詠唱だったのだ。
「いってぇぇぇぇぇ〜!!」
タバサが布団から出て、得体の知れない何かに歩み寄ろうとした瞬間である。例の得体の知れない何かが大きな声を上げる。
聞き覚えのある・・・というか、いつも聞いている声。
「お、お兄ちゃん?」
恐る恐る、部屋の電気を付ける。そして、声が聞こえた方に眼をやると、やはり予想通りだった。
イオナズンを喰らい、壁に叩きつけられて半ば血塗れになっているレックスがいた。大ダメージに慌ててベホマを掛けている。
「何するんだよタバサ・・・。ひどいじゃないか」
「お、お兄ちゃんこそ、こんな時間に何しにきたの?だいたい、名前を呼んでくれればドアを開けたのに
ドア壊して、入ってきて・・・私、すっごく怖かったんだから・・・グスッ」
幽霊じゃなかった安堵感とたまりにたまった恐怖でタバサは思わず泣き出してしまった。
最初はスズメの涙のような量だったが、徐々に徐々にと眼から溢れてくる涙の量が増えていく。
「グスッ、ヒグッ・・・・ズズッ、グスゥ」
いっこうに泣き止まないタバサを見て慌てたのか、レックスは必死にタバサを宥めていた。
「ゴ、ゴメンよ。今度からは気をつけるからさ・・・だから、ね、泣き止んでよ。タバサァ・・・」
「馬鹿ぁぁ・・・・」
「ゴメンってばぁ〜!!」
タバサを宥めるのに、しばらく時間が掛かりそうだ・・・・
 
                       続く
幽霊よりいきなりイオナズン放つタバサの方が恐ろしいw
レックスは怖がっているタバサのためにやってきたのかな
それならあまりにもひどい仕打ちになってしまったね


>>赤穂浪士氏
チョコチョコ投下してやってください〜
雑談スレ落ちたっぽい?
185お盆@ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/08/15 11:57 ID:C35HEdg4
>>184
落ちてるね

結局、タバサを宥めるのに30分前後掛かってしまった。
(どうしよう・・・タバサって幽霊とか苦手だったんだ・・・それじゃあ、行けないかなぁ)
「お兄ちゃん?ところで何のようなの?」
「あ、いや・・・・その、今日お盆だから、おじいちゃんの霊に会いに行こうかなぁ・・・って
タバサが幽霊とか苦手なんだったら仕方ないよね。」
そう言って、タバサの部屋を後にするレックス。
おじいちゃんの霊に会いたい。普通なら変に思われるかもしれないが、レックスもタバサも幽霊には何回も会っている。
ゆうじい、などがいい例だ。
だから、こういう日には霊に会えるかもしれない、と思いタバサを誘ってパパスが死んだという古代神殿へ行こうと思っていたのだ。
しかし、タバサがここまで怖がりとは知らず、結局はタバサをおびえさせる結果となってしまったのだ。
「ふぅ・・・・」
心なしかため息が普段より大きいように感じられた。そのため息を聞いたのか、聞かなかったのかタバサが部屋を後にしようとするレックスの服を引っ張って、無理に歩みを止めさせた。
「待って」
急に動きを止められたレックスがタバサを振り向く。
「どうせ、私が行かなかったらお兄ちゃん一人で行くつもりでしょ?」
「・・・はへっ!?」
「その顔・・・やっぱり図星ね。そんなの余計イヤ!!私もおにいちゃんと逝く!!」
「いや、『逝く』じゃ、なくて『行く』だと思うよ・・・」



186お盆@ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/08/15 12:03 ID:C35HEdg4
・・・・こうは言ってみたもののやはりタバサには恐怖があった。しかし、それよりもレックスが側にいない、という方が不安だった。
だから、付いて行くと言ってみたのである。
「けど、タバサは幽霊とか苦手なんでしょ?」
と、やはりこう聞かれる。タバサは間髪入れずに
「お兄ちゃんと一緒なら平気だもん♪」
と、ぎこちない微笑みを作ってみた。誰から見ても、作り笑いである事は見て取れる。もちろん、レックスも分かってはいたのだが
(こ、これはタバサが幽霊に「こわ〜い」とか言って、僕に抱きついてくれるチャンスかもしれない・・・)
と考えたので
「分かったよ・・・一緒に行こう。けど、無理はしないでね。」
タバサがゆっくりと頷くと、レックスも合わせて頷いた。
そして、ソロリソロリと城を抜け出して、二人はラインハット近くの古代神殿へ向かうのだった。

続く
横島な考えを持って誘ったレックス燃え
188名前が無い@ただの名無しのようだ:04/08/15 17:59 ID:5PxWT2F6
逝く にワロタ
王子の目的がパパスに会うことから王女に抱きつかれることに変わってる罠
190お盆@ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/08/15 20:12 ID:C35HEdg4
ちなみに決してパパスに会うことを忘れているわけではないですよ
パパス「おー孫よ〜大きくなったな〜」

タバサ「きゃーお化けこわい!」

レックス「大丈夫、ボクがついてるよタバサ(・∀・)ニヤニヤ」

パパス「…!(;´Д`) 」
192DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/08/15 23:47 ID:zEAlFH61
たまにはババーンと・・・!
>>145のつづき

そして翌日、失恋の痛みも消えぬボクはタバサとラインハットにコリンズくんの所へ出掛けた。
ボクらがラインハットの城下町を歩いていると、
街の人達がボクらに気づいたのか駆け寄ってきたんだ。
「勇者レックスさまですよね?」と聞かれて
ボクは「はい、そうです。」と答えたらその人達は喜んでた。
その時は悪い気はしなかった。ボクって有名なんだなって思ってたから。
街の人が小さな子供・・・ボクら位の歳の子にこんな子を言ってたのが耳に入ってきた。

『まったくこの子って子は・・・!勇者レックスさまを見習いなさい・・・!!』

その瞬間、何故かボクはその場から逃げ出したくなった。
────やめてください・・・!
ボクはあなた達が思ってるほど凄くもないし偉くなんかもない・・・ボクだって普通の男の子だし、
ちょっとエッチなことに興味だってあるし、買い食いだってするんだ・・・!
それに・・・ボクは・・・横にいるタバサ・・・妹が好きで・・・。
と、とにかく・・・ボクなんか見本にしてもいいことなんかないんです!────
193DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/08/15 23:51 ID:zEAlFH61
しまった・・・パソコンかわったんだった・・・ageてすいません・・・orz

「どうしたの?お兄ちゃん・・・?顔色悪いわよ??」
ボクがどんな顔色をしてたかはわからないけど、
タバサが心配そうな顔でボクの顔を覗き込みました。
「え、あ・・・だ、大丈夫・・・昨日、父さんにお酒飲まされちゃってさ・・・ちょっとね・・・。」
フラフラと足取りも重く、ボクは急いでその場を離れました。
途中、タバサがボクの右腕を掴み、支える様にして歩いてくれた。
(ありがとう・・・でも、そんなに優しくされたら・・・もっと好きになっちゃうだろ・・・)
心の中でそう呟く。

─────────
194DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/08/15 23:56 ID:zEAlFH61
タバサに肩を支えられたレックスはコリンズの部屋に運ばれ、ベッドに座らされる。
「おいおい、大丈夫か?レックス・・・?」
ドアを閉めてコリンズがレックスに近づき顔を覗く。
「あ、ああ・・・ごめんね・・・コリンズくん・・・。」
レックスが力なく答えると
「いや、いいってことよ。
・・・でもよお、酒いっぱい引っ掛けたくらいでそこまでベロベロになるなんて・・・仮にも勇者だろ?」
コリンズが冗談交じりにそう言うと、タバサはレックスの背中をさすりながら
「・・・もう!お兄ちゃんだって万能じゃないんだからそんなこと言わないでよ!」
と少しきつくコリンズに反発した。コリンズはバツが悪そうに「ああ・・・そうだな・・・。」と答え頭を掻き毟る。
二人の間に流れる冷たい空気を察し、レックスは背中をさするタバサの手を制止させ
「ありがとう、だいぶよくなったよ・・・。
それに、今日はタバサとコリンズくんの披露宴の準備会なんだから、ケンカなんかするなよ?」
と言い、軽く身体を伸ばす。
「でも・・・。」
タバサが何か言いたそうにモゴモゴしているが、
「大丈夫だから・・・。」とレックスはタバサの頭を撫でながら腰を上げる。
「じゃあ、ボクはヘンリーさんの所に挨拶に行って来るね。」
レックスは一歩踏み出しコリンズにそう言うと、後ろでタバサが「わたしも。」と立ち上がるも、
レックスは続けてこう答える。
「タバサは、コリンズくんの側にいてあげて。じゃないと二人きりなんかそうそうなれないんだから。」
そして、レックスは半ば強引にタバサを再びベッドに座らせる。

─────────
195DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/08/16 00:04 ID:FzcPsKql
「それじゃあ・・・。」
タバサを見ると、どこか悲しい顔をしていて・・・それを見てボクは昨夜と同じ痛みを胸に感じた。
そして、部屋を出たあとは急ぎ足でその場を離れた。
中の会話が聞こえないようにわざと大げさに足を踏み出す。
(これが今のボクに出来る精一杯の自己防衛・・・。
うっかり二人の領域に入るのが怖い・・・。
ボクがいない時、タバサはボクに見せたこともないような表情をきっとコリンズくんに見せてるんだろうね・・・。)
そんなことを考えながらもう声が聞こえなくなるくらい部屋から離れて歩くスピードを落とした。

コリンズくんとの結婚は結構前から出ていた話で、
タバサは13歳になるまで嫌がっていたのを覚えてる。
タバサに突然「わたし、コリンズくんと結婚しますね。」
と3ヶ月くらい前に面と面向かって言われたときは、驚いた。
あれだけ嫌がってたのに・・・って思ったし、急にタバサが遠い存在になった気もした。
精一杯「おめでとう」と言葉にした時の顔と、さっきのタバサの顔はどこか重なる。
きっと、ボクはあの時にはもうタバサに心を奪われていたんだと思う。
少し歩るくと、頬を冷たい水が伝っていった。
「雨・・・?違う、涙か・・・。」
何故かボクは中庭で一人泣いていた。
木陰で声を殺して泣くボク。
タバサを失う悲しみと、この気持ちにもっと早く気づきたかった後悔。
小鳥達が相変わらずな歌声と、そよ風が草木を小さく踊らす中、
ボクは・・・初めて自分がタバサの兄であることを呪った・・・。

続く〜
>>195
専用ブラウザ使うと楽なんじゃない?

っていきなし重いなー。
でもこれで「みゆき」的展開になったらそれはそれでどうなんだろう。
あ、いえ、後の展開楽しみにしてます。
レックス…あまりにも悲惨すぎ。
199ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/08/16 08:09 ID:L0wsoyyj
(・∀・)ニヤニヤ
200お盆@ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/08/16 08:32 ID:L0wsoyyj
ペコさんの神SSの後に漏れの駄作を投下してもいいのだろうか・・・
上手く書けるようになりたいです。

という訳で僕僕達は今ラインハット近くの古代神殿に来ている。目的はまだ見ぬおじいちゃんの顔を見るため。
そして、タバサには言っていないけど、タバサが自分に抱きついてくれることを僕は期待している。もしかしたらタバサもそれを望んでいるのかも・・・
(いや、ないない)
と首を振ってレックスとタバサが抱き合っているシーンの妄想を振り払う。その光景はどこか滑稽だったのか横にいたタバサには変な目で見られた。
「じゃ、行こう」
レックスはタバサの掌を取った。暖かくて、ふわふわしたタバサの手。怖いのか、ときどきブルッと震えていた。
確かに嫌な感じがする遺跡だ。遺跡の奥の方は真っ暗で何も見えないし、空気はひんやりとしている・・・。
だけど、ここで迷っていても仕方がない。
レックスは意を決して遺跡の中へ入っていった。
201お盆@ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/08/16 08:47 ID:L0wsoyyj
外から見るよりも中はろうそくの火があって、思ったよりは明るかった。空気の冷たさは変わらないが、明るい、というだけでもレックスはどこか安心した。
だけど、タバサは違っていた。レックスの腕をギュッと力強く握り締めている。
「大丈夫、タバサ?」
ずっと下を向いて、体を震わしているタバサを心配してレックスが声を掛ける。
「う・・・うん、平気」
「怖かったら、先に帰ってもいいんだよ?」
遺跡の散策もすでに半ばまで差し掛かってもいるし、魔物の動く音や物音が多くなってきたのでタバサは今にも泣き出しそうな顔をしていたのだ。
レックスは、もう少しこの半泣きの顔を見ていてもいいかなぁ・・・などと考えていたのだが、すぐにその考えを頭からかき消した。
自分の大切な人のピンチ?にそんな事を考えるなんて馬鹿だ、と考えたからだ。
(もう・・・限界かな・・・)
前を行っているレックスがふと、後ろを振り向いて歩みを止めた。
「ど、どうしたのお兄ちゃん?」
「引き返そうタバサ」
「えっ?」
タバサは驚いた。あれだけ、おじいちゃんの霊に会うことを楽しみにしていたレックスなのに、ここまで来て引き返すである。
だが、驚いたとはいえ、これはタバサにとっては好都合であった。もう限界なのである。
これ以上、怖い思いが続くと気を失ってしまいそうだ・・・・・
タバサはその事を悟られないように、わざとらしく理由を尋ねる
「な、なんでなのお兄ちゃん?あれだけ、パパスおじいさまに会いたがってたのに・・・・」
「うん。会いたいよ・・・」
「じゃ、なんで?」
「でも、僕はタバサを怖い目にあわせてまで会いたいとは思わないよ・・・・ね?だから、引き返そう」
「お、お兄ちゃん・・・・・」
レックスがタバサを追い抜いて、もと来た道を戻り始める。その後に、タバサも続いていこうとするが・・・その時である。
「コ ロ シ テ ヤ ル ! !」
不気味な声が遺跡内に響き渡った。
202てんあい:04/08/16 16:06 ID:ky4Zynzu
皆さんお久しぶりです。
少し間があきましたが第六話をお送りいたします。


翼の欠けた天使たち 第六話
「おかえりなさい、おにいたん。」
 グランバニアに着いて最初に出迎えてくれたのはソラだった。
「ただいまソラ。一人でここまで来たの?」
「ううん、おかあさんとだよ。」
 ソラが振り向くほうにボクも目をやる。
「お帰りなさい。何かわかったかしら?」
 と、お母さんもボクたちを迎えてくれたけど、その表情にはいつものやさしい笑顔は無かった。
「そうだな…、詳しくは上で話そうか。」
203てんあい:04/08/16 16:20 ID:ky4Zynzu
「そう…。このコそんな魔法を…。」
 上のバルコニーにはお茶などが用意されていて、それを飲みながら天空城で調べてきたことを
お母さんに話した。あの古代魔法のこと、ソラがその魔法を習得しようとしたこと、でもその魔法を
習得するには条件を満たしていなければならないこと、そしてソラがそのペナルティを受けてしまったこと…。
「…でもずっとこのままってわけでもないのね。」
「ああ。でも天空城で調べても元に戻る方法は見つけられなかったんだ。おそらくこの世界には
その方法は存在しないということだろうね。だとしたら魔界のような異世界でその方法をさがし出すか、
このまま自然に戻るのを待つか、どちらにしても時間をおくしかないようなんだ。」
「そうね…。」
「でも魔界でさがすとしても、何の手がかりも無いのにどうすればいいの?」
「うん…。」

204てんあい:04/08/16 16:32 ID:ky4Zynzu
「でも…、このコったらどうしてそんな魔法を…?」
 お母さんがそう言ってソラを見つめる。その理由はお父さんとお母さんの幸せを守るため。…でもそれは二人には
いえないこと。ボクには黙っていることしかできなかった。
 当のソラはボクたちの話は気にもせず、お母さんが焼いてくれたクッキーを食べている。まぁ、今のソラにしてみたら
ボクたちが何か難しい話をしているって感じなのかな。
「ソラ、お母さんのクッキーおいしい?」
「はい、とってもおいしいです。」
 そんなボクたちのやりとりをお母さんは微笑みながら見つめている。
「あのね…、もしかしたらあなたたちは怒るかもしれないけど、私はこのままでもいいかなって思う気持ちもあるの…。」

205てんあい:04/08/16 17:07 ID:ky4Zynzu
「え…、どうして?」
「あなたたちが出かけてる間に二人でいろいろなこと話していて思ったの。あなたたち二人が
このくらいのとき、私たち一緒にいてあげられなかったんだなって…。」
 そう言うお母さんの表情はどこか寂しげだった。
「お母さん…。」
「…なんてね、気にしないで。ソラを元に戻してあげるのが一番いいコトなんだから…。」
「でも…。」
 ボクにはわからなくなっていた。ボクはソラを元に戻してあげることが一番いいコトだと
思っていたけど、お父さんとお母さんにとって、そしてソラにとっては何がいいコトなのかな…。
お母さんはああ言ったけど、本当の気持ちはきっと…。十年もの長い間離れ離れになって
いたボクたちだから、ボクにもお母さんの気持ちは痛いくらいわかる。もしやり直せるならって
思うときもあった。きっとお父さんも…。ボクたちにとって何が一番いいコトなんだろう…。
「テン、あなたたちと再会してまだ一年とちょっとだけど、それでも私たち家族の楽しい思い出は
他の誰のものよりきっと素敵なものだって思ってる。後悔なんてしてないよ。早くソラが元に
戻ってもっと楽しい思い出がいっぱいできたらいいね。」
「うん…。」
 お母さんはああ言ってくれたけど、ボクの心にはお母さんのあの言葉がいつまでも消えずにいた。


第六話終了です。久しぶりに行列に並んできたせいか、少し体が重いです。
それでは第七話をお楽しみに。失礼します。
>>205
続き&コミケ乙!
ビアンカだけでなく自分もそのままの方が(ry

>>195
いきなり結婚間近でビクーリ
これはレックスヤケ酒モードになるか
207名前が無い@ただの名無しのようだ:04/08/16 21:53 ID:MOFdl+BI
翼を欠いた天使、第6の話「――返ること(おにいたん)"それはGURAMBANIAとSORAに到着しました、最初に会いました。
「それは今SORAです。それはここまで単独で来ましたか。
「――よく、それは得てそうです」母親と"さらに、SORAが回転するところで、私はその方法に目を向けます。
「返ってください。いくらかは理解されました--」
母親はさらに私と他のものに挨拶し料理しましたが、表現に通常の温和な微笑はありませんでした。
「――それは正しい――それは詳細に話すでしょう、の中で、1つの、
208名前が無い@ただの名無しのようだ:04/08/16 21:54 ID:MOFdl+BI
トップ--""――したがって――このKO--そんなマジック"空城、茶などで調査した、
上部のバルコニーのために準備されそれを飲むこと。それは母親に話しかけました。
SORAは、マスターする傾向がありました[その古代のマジック、そして]マジック(しかし)マスターするために条件を完了しなければならないマジックおよび受理[SORA]罰--. (このままってでない、終始推論する」")「そのようなもの。
しかし、それが空城で調査しても、返っている方法は見つかりませんでした。
恐らく、この世界では、それはそうです。私は、方法が存在しないと聞いていますか。それ、その時間見える、魔界のように異なる世界の方法を発見するかあるいはそれがあるか、それを作るだろうように、
自然に返るために、それが待つものはどちらでも包囲するに違いない、へ、それが何を作るべきであるかだとして考える場合、何、キーがまた持っていないもの、どれくらいよく「]――」"「――、このKOったら--どのように――実行すること」
(そのようなマジック)母親はそのように言い、
209名前が無い@ただの名無しのようだ:04/08/16 21:56 ID:MOFdl+BI
SORAを見つめます。理由が父親と母親の幸福を維持するかもしれないために。さらに、のために――、それは2人にあります。
言わないでください。
私はそれを単にすることができました、それは静かでした。このSORA--私の、また、他のものは話します(心)Cookie、
あることがまぁおよび現在のSORAになる場合、
燃やされたどの母親が食べられますか
[それ、私と他のものがいくつかの困難な会談をもたらしている/ってタッチ]仮名。
「SORAおよび母親(それはおいしい)」のCookie?"である、
また、それは、それをとっても、おいしい。"母親は見つめています、で、私の、そして他のもの、交換、微笑むこともの会談を行なっています。
そのね--
「そして持っていること[それの推測が実行して腹を立ててもよいが、あるいは/私/スーツおよび]感覚、として、どれ、この十分なisstill、
また、どれが考慮しますか――」「――2人で外出していた一方、様々--考慮しましたか。「――得ること--なぜ――?」あなたのうちの2人、それは私たちにあることをやめました、
1つ、その時の手掛かり、の[これ]に関して
――"そのように言う母親の表現はどこかに孤独でした。かまわない、の中で「母親など("") 最良の琴がSORAを返すので""(さえ)――"
それは、私に今は理解しませんでした
210名前が無い@ただの名無しのようだ:04/08/16 22:02 ID:MOFdl+BI
事態--目的が、まだ見ない私のおじいの顔を見るために、僕僕と他のものは今いう訳によって、ライン帽子の近くの古代の神社へ来ます。
また、TABASAに言われていませんでしたが、私はTABASAがそれ自体にはりつくと期待します。
それが実行する場合、TABASAがさらにそれを望む場合
211名前が無い@ただの名無しのようだ:04/08/16 22:03 ID:MOFdl+BI
...(あるいは)(不愉快(何もありません)はそこで何ではありません)頭が振りかけられる場面およびレックスの幻覚およびTABASAは、互いに包含しています、振り落とされます。
光景は、奇妙な目によってそばに見られました、かどうか、どこかにユーモアがあった、そして水平にあったTABASA。「それはするでしょう、じゃ、また行く。」
レックスは、TABASAの手のひらをとりました。それが元あったTABASAの手、暖かい、また軽く実行されました。
それは時々震動していました[それは恐ろしいですか、そして]BURUTSUで。それらはなるほど嫌なタッチが実行する廃墟です。廃墟の内部の部分中の方向は真っ黒です。
何も見られません。また、空気は涼しさを感じています...しかしながら、ここに揺れることは避けられません。レックスは廃墟へ心を入力しませんでした。の外部から見たのではなく、
その中で期待されたより、内部がろうそくの火を持っていた。およびそれは明るかった。空気の寒冷は変わりませんでしたが、レックスはさらに発言によりのみ容易に感じました[明るいこと]どこかに。
212名前が無い@ただの名無しのようだ:04/08/16 22:04 ID:MOFdl+BI
しかしながら、TABASAは異なっていました。
レックスの腕は、GYUTSUでしっかりと強制的に理解されます。
「OKおよびTABASA?」底は、TABASAに終始回転されます。それは、どれが身体を振っているかTABASAに関して心配します。
また、レックスは話します。「――得ることよく、そして静か」"(恐ろしい場合、最初に戻ってもよい)"?音以来、どれがありますか、も、廃墟の歩行、既にアプローチ、に、
中間、そして、それによってそれは実行します、また、魔物は移動します、また、雑音は増加しました、TABASAは、今にも涙を流し始める顔を実行していました。
レックスは少しの程度への涙の寸前のこの顔を見ているかもしれません――が...など、考慮された、その考えは平らに直ちに取り消されました、それはそうです、ので、それ、愚かだったthoughtthat、
一つへのそのようなものの考慮は重要人物のピンチです?。(既に 欄外の仮名...)急に、正面を実行しているレックスは戻り、ペースを止めました。"ど、そして達するアウト何、兄?」「TABASA(返る)」"えっ」?TABASAは驚きました。
それだけは私のおじい's魂に会うことを期待していたレックスですが、
それはここまで来て返ります――それは現われます、
213名前が無い@ただの名無しのようだ:04/08/16 22:05 ID:MOFdl+BI
しかし、それは驚きましたが、これはTABASAに便利でした。それは既に限界です。これおよび恐ろしい考えを越えるものが.....を継続する場合、それは遠方に気絶するでしょう。
よく[/TABASAがそれを悟らないように、それは理由を不自然に尋ねる/「]
「――[それ]インであること、何、兄?――それだけがPappasおじい氏に会っていたい...."私は会いたい」..."じゃ(なぜ)?」私は尊重しません"恐ろしい目、
どちらかでTABASAを結合することによりさえ会いたいとともに....したがって、私は兄.....を返しましょう。
("")「レックスはTABASAを渡し、基礎以来た道を返し始めました。TABASAはさらにその後に継続する傾向がありますがそれは
そのときあります。
「KO RO Shi Te YA Ru!!「異様な音声は鳴り、廃墟の中で交差しました。
てんあいさんの双子は11〜12くらいで王女の方は6才くらいに逆戻りな感じなのか。


>>201
レックスの中ではやはり、
タバサ>>>>>>>超えられない壁>>>>>>>パパス なんだろうな。
貞○系のキャラ登場?
2151レス劇場屋 ◆SSS1Rus0TY :04/08/16 23:59 ID:vJRd2/iG
雑談スレ落ちてる……。

でもそれで困ってるのはたぶん漏れだけだろう……。
前スレが実質雑談スレとなってるような
>>195
トリップ変えた?
あ、>>68だった。すんません。
219名前が無い@ただの名無しのようだ:04/08/17 09:33 ID:ZCS+dcip
レックス「さて、優しいお父さん。それでも僕を殺せますか?」
アベル「・・・・・」
レックス「僕は殺せる!大切な人を守る為なら、たとえお父さんでもお母さんでも!!」
ビアンカ「やるしかないわ、あなた。もう、レックスはレックスではないのよ」
アベル「・・・・」
レックス「どうしました?何もしてこないなら僕から行きますよ」
ビアンカ「アベル!!」
アベル「くそっ・・・」
220名前が無い@ただの名無しのようだ:04/08/17 09:43 ID:ZCS+dcip
ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・
ビアンカ「何?この音は・・・」
アベル「地面が揺れている・・・まさか、ここの地盤が崩れていっているのか!?」
レックス「ふふふ・・・あはは。始まった・・・終末の時計は動き出しました、もう誰にも止められません・・・全てが終わる・・・」
アベル「何?」
レックス「ゲマがベルクラントを浮上させたんでしょう・・・ここは直に崩れます」
そして徐々に激しくなる落石。
ビアンカ「あなた!!危ないわよ・・・・って、あなた」
アベル「レックスを放ってはおけないだろう!!」
221名前が無い@ただの名無しのようだ:04/08/17 09:51 ID:ZCS+dcip
レックス「ギガデイン!!」
レックスがわざと壁にギガデインを放ち、アベルとレックスの前に壁を作る
アベル「何をっ!!」
レックス「あはは・・・・僕は、もうお父さんたちとは違う道を辿っているのですよ・・・裏切り者・・・というね」
ドドドド・・・ガラッ・・・ガラガラガラッ!!
突如として激しくなった岩盤がさらに二人の間に立ちふさがった。
手も届かない・・・・声しか届かない・・・・
アベル「レックス!!」
ビアンカ「あなた・・・・脱出しましょう。レックスは殺されても罪に問われないような事をしたのよ」
アベル「ビアンカッ!!君は本当に、そう思ってるのか!?」
ビアンカ「いいから、黙って脱出しなさい!!」
そう言ってアベルの腕を取って出口に向かって掛ける。
その様子をレックスは遠目で見ていたが、
レックス「お母さん・・・・タバサを、タバサを助けてやってください」
ビアンカ「え・・・!?今、なんて」
もう声は届かなかった、二人とレックスの間には巨大な岩盤がいくつも落ちてきていたのだ。
ビアンカ「レックスゥゥゥゥゥゥッ!!」
222テイルズオブディスティニー:04/08/17 09:52 ID:ZCS+dcip
219と220の間

戦闘終了後・・・・
223中山 悟 ◆1AeKISTOmo :04/08/17 09:53 ID:L+vIrM+H
何このクソ話w
         ____ 
      、-''~:::::::::::::::::::::::"ー-,
      ;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
     |:::/ ̄ ̄ ̄`' ̄ ̄¨ヾ::::|
      |:::|   ━、_  _.━  |.:.::|
     |/  .,-ェュ   ,-ェュ  |.:.:|_
    (゙|   ´ ̄ ,/ 、  ̄`  |/,. |
      |  ( 、 ゙、__,-'' 、)ヽ__/
      \   `こニニ'´ _..┘
        \___ _ ,∠
       <⌒i。___。!⌒> 
       /  ^ヽ、´,,)~i|
       〉    へ,へ|
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         (__}   ー'ー―'
224ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/08/17 15:10 ID:GI8q5gFS
微妙にえちぃ表現があるんだけど、貼るべきかな?
>>224
度合いの個人差あるだろうけど基本としてそういうのは簡潔にごまかした表現にするか
ギャグオチとして処理するか
突き抜けて官能の方に貼るのが一番いいと思う
226中山 悟 ◆1AeKISTOmo :04/08/17 16:08 ID:L+vIrM+H
とりあえず クソばっかりだから お前等まとめて死んでいいよ
         ____ 
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         (__}   ー'ー―'
>>226はこの板でも有数のクズコテなので名前、メル欄をNGワードに設定しよう!
>>227
このスレ専用の荒らしじゃないの?
229名前が無い@ただの名無しのようだ:04/08/17 16:46 ID:fQz4hd9X
中山リュック
>>228
もう、お気に入りのスレをコイツが荒らしまくってさ
腹立つな夏厨には
231 ◆bsDQ5/RxE. :04/08/17 18:03 ID:+ndiCnOP
>>224
貼ってもいいと思うよ。
232ノッティ@ ◆9SqXjvykIQ :04/08/17 20:21 ID:ZCS+dcip
やれやれ、だぜ

ペコ氏
是非、貼ってください!!
233お盆?@ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/08/17 20:36 ID:ZCS+dcip
不気味な声が遺跡内に響き渡った。レックスの耳にもタバサの耳にもしっかりと聞こえたその声は徐々に大きなっていく。
ただでさえ、怖がりなタバサだ。こんな声まで聞こえてきたら、もう・・・
レックスは自分の後ろをゆっくりと振り向いた。やはり・・・タバサも体を震わして、何も聞かないように下を向いて耳を塞いでいる。
レックスは耳から強引にタバサの腕を引きはがすと、しっかりと掴んで駆け出した。ここは危険だ・・・・レックスはそう感じたのだ。
「走って、タバサ!!」
二人は駆けた。このときほど、早く走れたことはないと思う。それほど速かったのだ。
しかし、耳元に響いてくる、その声は途絶えることがなかった。もうすぐ、入り口だ・・・けど耳に入りこんでくる「呪・・・殺・・・滅」とかいった不気味な声。
入り口まであと数歩という所である。
突如としてレックスの足の動きが止まった。そして、それと同時に声も止んだ・・・・
「お、お兄ちゃん?」
レックスは呼ばれて、後ろをゆっくりと振り向いた。
234てんあい:04/08/17 20:50 ID:noCX5gFF
ペコさん
自分もちょっとだけ書いてみるつもりだったのでぜひ参考にさせて下さい。
235DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/08/17 21:06 ID:GI8q5gFS
>>195つづき

あれから数日、ボクは四六時中タバサのことから頭が離れなかった。
(このままじゃいけない。タバサへのこの気持ちは忘れなきゃいけないんだ。)
って自分に言い聞かせていろんな女性を見てみた。
でも、ひとつひとつのしぐさをどうしてもタバサを重ねて見てしまうボクは結果として忘れることなどできなかった。

父さんは「あれからどうなった?」とよく聞いてくるけど、
言えるわけもないから「どうにもなってませんよ。」と素っ気無く答える。
タバサと一緒に住んでいるから、一日に何回も顔を合わせるんだけどまともに話すことも出来そうにない。
(ごめんね・・・こんな兄貴で・・・。最低だよね・・・。)
そう思いながらも部屋で独りタバサのことを想っては自己嫌悪に陥るんだ。
236DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/08/17 21:11 ID:GI8q5gFS
そんな毎日を過ごしていたらタバサが夜、急に部屋に入ってきた。
「お兄ちゃん、最近元気ないけど・・・何か悩み事でもあるの?」
案の定心配している。
「なんでもない、大丈夫だよ。」
とがんばって笑顔を見せるけど、タバサはその顔の裏に隠していることに気づいていた。
「うそ言わないで!わたし、お兄ちゃんが悩んでること知ってるもん!・・・わたしには言えないことなの・・・?」
最初は強い口調だったタバサの声はいつのまにか涙声になっていた。
(ああ・・・タバサを泣かせてしまった・・・。)
タバサは大粒の涙を頬からポロポロとこぼし、じっとボクの顔を見ていた。
ボクは必死になって今の自分の感情をギッと抑えた。
タバサを強く抱きしめて、タバサの小さな唇にキスをして、そして・・・タバサの全てに触れたい衝動を・・・。
237DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/08/17 21:14 ID:GI8q5gFS
頭の中ではすでにタバサを抱きしめてベッドの上にお互いが寝転んでいる場面が繰り広げられていた。
甘い吐息がボクの首筋にかかるたびにボクはタバサを強く抱きしめて、
ボクの吐息がタバサの耳元にかかるたびにタバサは小さく身体を動かした。

振り子時計のように左右に揺れるボクらは真新しかったベッドのシーツにしわをいくつも作り、
まだ終わらない夏の夜の蒸し暑さで汗をにじませる。
タバサの顔がじょじょに紅潮し、自由になった両手で顔を抑える。
ボクは耳元でタバサに「顔を見せて。」と囁く。
タバサはボクの言うとおりに手をゆっくりと顔から離し目をつむる。

タバサの白魚のような脚にボクは自分の右手を這わせ少しずつソコに近づくたびにタバサの身体は小さく、
時には大きく反応した。
238DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/08/17 21:21 ID:GI8q5gFS
ボクはピピンに教えてもらったありったけの知識と、いつも想像していたように腕を、手を、指を・・・
全神経を指先に集中させてタバサを感じた。

時々ピクンと波打つタバサの身体を・・・

恥ずかしさのあまりに小さく握った拳でコツンとボクの身体をたたくその仕草を・・・

きっとまだコリンズくんが触れたこともない場所をボクは今触れている。

─────それは優越感にも似た感情。

ゆっくり、最初は小さく動かすたびにタバサの身体が上下する。
こんな時でも、思った通りに身体が動く。頭の中が落ち着いている感じだ。
初めてだったけどボクにはこの手の才能があるみたいで正直、驚いていた。
239DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/08/17 21:28 ID:GI8q5gFS
左手でタバサの頭を優しく撫で、時々離れる唇からはタバサの吐息がこぼれる。
「お兄ちゃん・・・やだ・・・恥ずかしい・・・。」タバサがかすれるような声でボクに呼びかける。
「大丈夫・・・。」ボクはそう答えてタバサの胸元に顔をうずめ、
まだ発達していない小さな丘の中心にゆっくりと近づいていった。

「タバサ・・・君がいけないんだ・・・ボクがどれだけこの気持ちを我慢してたと思ってるんだ・・・!」

タバサの胸元でそう告げると、タバサは両手でボクの頭を優しく包み

「うん・・・ごめんね・・・お兄ちゃんの気持ちに気づいてあげれなくて・・・わたしも・・・お兄ちゃんが大好き・・・だよ・・・。
だから・・・もう我慢しなくていいんだよ・・・?」

その言葉はボクの中の一番奥まで聞こえてきて、それは母なる海に包まれているかのような・・・
暖かくて・・・昔、まだ赤ん坊だったころ、きっと母さんのお腹の中にいた時の感覚が蘇ってきたみたいで・・・あふれる位のタバサを感じたボクは・・・
こみ上げる自分の熱い思いを抑えることは出来ずにその全てをタバサに受け止めてもらった。
そして、お互いの呼吸をゆっくり合わせて最後にもう一度タバサに口付けをした。

─────タバサの全てを愛しく思った。


続く

露骨すぎる表現は抑えてみたつもりです。書いてて顔から火噴きそうでしたよ・・・
240てんあい:04/08/17 21:37 ID:noCX5gFF
ペコさんお疲れ様です。
自分は匂わせる程度にしとこうかと思っていましたが
少し考えてみようと思います。
241ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/08/17 22:02 ID:ZCS+dcip
スゲー!!
官能でも通じるよ。さっすが!!
>>239
萌えさせてもらってこういうこと言うのもなんだがエロSSにしか見えない…
えちぃさは直接的な表現とか間接的な表現とかよりも表現量で決まるので。

>>237-239は健全SSとするなら
ボクは自分の気持ちを抑えられずタバサの唇を奪い、そのままの勢いで肌を重ねる。
タバサはボクを拒まず、両手でボクの頭を優しく包み込みボクを受け入れた。
─────ボクはタバサの全てを愛しく思った。

ぐらいの方がいいかと。
___ ______________
    ∨
  ∧_∧
 ( ・∀・)
 ( 建前 ) 
 | | | 
__(__)_)______________
 ( _)_)
 | | |  
 ( 本音 )  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ( 。A。)< 官能小説スレで作品キボンハァハァ…
  ∨ ̄∨   \_______________

2431レス劇場屋 ◆SSS1Rus0TY :04/08/17 23:16 ID:TYNv2rP3
>>239
微妙…何がって、レックスの想像(実際はどうあれ)における描写という点が、判断つけようがなくて微妙……。
たとえば、
>─────それは優越感にも似た感情。
実際コトに及んでいるのなら、ここは「―――優越感」だけがいい(童貞君が「それは〜に似た感情」だのと冷静でいられるワケがない)、あるいはダッシュはいらないと書くのですが、
想像の内(つまりある程度は客観性が働いているとき。繰り返しますが「実際」はどうあれ)だと、どうなんだろう、と腕組みをして考え込んでしまう。
しかも、現在進行形でなく過去形なのがペコさんの文体だと考えると、これが実際の行為における描写でも構わないような気もするんです……(何なんだ)。
また、ある行為を具体的に想像するにはその行為(あるいはせめて材料)を目の当たりにしたことがないと不可能ですが、それはまだわかりませんね。

エチシーン書くときに限らず、小説を書いてるときは、ここは漏れの小説で絶対不可欠なシーンなんだ文句あるか、と開き直りましょう!
でないと筆が変な方向に滑ってしまうものです。何作も書いていればそのうち慣れてきます(慣れたくないとか思ってはいけませんぜ)。
では、続き、期待しております!


ここでひとつ。
「エロゲー」とは「性描写シーンのあるゲーム」のことですが、
「官能小説」とは「性描写のある小説」ではなくて「読者に性的な感覚を呼び起こさせることを執筆の主目的とした小説」です。
はたして「エロ小説」というジャンルが存在するか、存在したとして定義がどうなるかビミョーなところです(性描写の定義ですら面倒ですので)。
たとえばエロゲーを性描写含めてノベライズした場合、ふつう官能小説とは言われません。
18禁の指定ももちろんなく、中学生でも平気で買えます。実にビミョーです。
(ただし、こうした掲示板に投稿するSSは小説である前に「WEBコンテンツ」です。そこのところご注意)
244「鈍感な手紙」 ◆SSS1Rus0TY :04/08/17 23:42 ID:TYNv2rP3
コリンズ君へ

 お元気ですか。
 遊びに行けなくてごめんね。コリンズが言ってた帝王学ってやつ、僕にも始まっちゃって。
お父さんたちって子供のとき勉強しなくてもりっぱな王様とか言われてるのに、なんで僕ら
には勉強させようとするんだろ。
 僕も時間あったらラインハットに行くから、コリンズも遊びに来てよ。何泊もでね。コリンズ
が来たときなら、勉強お休みしてもいいって言われるって思うから。
 下余っちゃったけど、書きたいことそれだけなんだ。じつ言うと、ソラが手紙書けってうる
さいから、書いてるんだ。だから返事は別にいいよ。書いてくれるならうれしいんけどね。
 そうだ。ソラのことで気になることあるんだ。書こうか迷うけど、書いておくね。
 部屋が僕とソラで別々になったって話したよね。隣の部屋だから僕がソラを呼びに行くっ
てことになってるんだけど、こないだ、ソラに朝ご飯って呼びに行ったら、まだ鍵閉めてた
んだ。でね、寝てると思ったから、いきなり起こしておどかそうと思って、最後の鍵取って
きてそうっと開けてみたら、ソラは、まだベッドで丸まってたんだけど、もぞもぞしながら、
ぼくのこと苦しそうに呼んでるんだ。お腹痛いんだと思って、だいじょうぶって聞いたらさ、
ものすごい声上げて、私のお部屋に勝手に入らないでだってさ。せっかく心配してあげた
のに損したよ。その日はぜんぜん口きかなくて、僕も口きいてなんかやらなかった。いつの
間にか仲直りしてたんけど。それで、昨日の朝、ソラを呼びに行ったら、また鍵閉まって、
でも何か聞こえるから、気になって入ってみたんだ。そしたらやっぱり、ソラがお布団に
丸まって、虫みたいにもぞもぞ動いて、僕の名前を呪文みたいに唱えてるんだ。迷ったけど、
またケンカするのは嫌だから、そのままにして出てきちゃったよ。ソラって一体何してるんだ
ろう。何かの修行なのかな。
 そうだ今思いついたよ。今度、同じことあったら、そうっと近づいて、ソラのお布団を、バッて
めくってみようっと。そうすれば、何をごそごそしてたか、すぐわかるね。そのこと次の手紙に
書くことにするよ。つまんなかったら、書かないけど。
 わあ、結局便せんいっぱいに書けたよ。じゃあまたね。        テン
何こいつ
氏ね
>>244
普通逆のシチュ、というか気づけと突っ込みたくなる
>>233
乙かれさまです
二人はどうなるのかとても楽しみ


えと・・・一つだけ・・・
ちょくちょく小出しで投下もいいですが、もう少しまとめて投下して欲しいです
その方が前の投下部分とか探しやすいので・・・
俺個人がそう思っただけなので、気に障ったらすみません

>>239
乙です

微妙にえちぃというかかなりえちぃのですが・・・
まあ何はともあれ続き楽しみにしております
最近保管所でこのスレを知ってはまっている者です
保管所の403氏のレックスクエストにはまったんですが、レックスクエストには保管所にのっていない作品が2話ほどあると聞いたのですが、どのような話でしょうか?
その作品を保存している人とかいませんか?
>>243
毎回毎回偉そうですね。
ここはあなたが文章を添削するスレですか?
250おぼーん@ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/08/18 10:06 ID:E1EgFC+T
とりあえず完結を目指して。あと、自分、執筆が遅いからチョコチョコになるんですよ・・・次からは気をつけます。なんか、前にも言った様な気がするが・・・・
あと、ここってダークストーリーとかはダメなんでしょうか?本職はソッチなんで

突如として動きを止めたレックス・・・そして、その様子を見て兄に心配そうに声を掛けるタバサ。
「お兄ちゃん?」
呼ばれてレックスは振り向いた。だが、その時分かったのだ・・・その兄の感じが普段の兄とは違うことを。まるで別人のように変わってしまったことを
確かに他の人から見ればたいした違いは分からないだろう。双子だから分かる、という感じだ。どことなく違うような気がするのだ。
やはりタバサの予想は間違っていなかった・・・・次の瞬間である。
ドサッ
強引に肩をつかまれ、地面に押し倒された。力いっぱいにタバサの肩を握っているので逃げることもできない。
「お、お兄ちゃん!痛い・・・・やだ、やめて!!」
必死に体をくねらせて逃げ出そうとする、しかし逃げることはできなかった。
何がどうなったかは分からないが、普段のレックスではない・・・・逃げないとヤヴァイ、そう思ったのだ。
「・・・・ゲテ・・・・タバサ・・・ニ・・テ」
何かの声が耳元に入ってきた。さきほどから、その声は耳に入っていたらしいのだが、いかんせん逃げることに集中していて耳に入っていても感知はしていなかったのだ。
その声はレックスから聞こえている。一旦、逃げるのを止めて耳を声に傾ける。


251おぼーん@ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/08/18 10:11 ID:E1EgFC+T
「ニ・・・ゲテ・・・タバサ・・・・ボクカラ・・・」
ボソボソと呟くように、けどはっきりと聞こえる『逃げて』というお願いの言葉。
「ハヤク・・・ジャナイト・・・ボクハ・・タバサ・・・ヲ」
タバサは初めて悟った。レックスは誰かに操られている、と。
さっきまで聞こえていた不気味な声が聞こえなくなったことから、恐らくはさっきの声の主に・・・・
「レックス!!しっかりして!!」
レックスを正気に戻そうとタバサは声を張り上げる。
だが、その声はレックスには届いていなかった。
その時すでに、レックスの精神は乗っ取られようとしていたからである。
252名前が無い@ただの名無しのようだ:04/08/18 10:13 ID:6JWlI8c6
また官能キボンヌ
253おぼーん@ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/08/18 10:21 ID:E1EgFC+T
※注 何故かここはレックス視点です

僕はタバサを押し倒していた。自分の意志とは裏腹に・・・・
さっきまでは口で「逃げて」と言えていたのに今は言えない。さっき、体に何かが入り込むような感じがした。
恐らくはそれが原因だと思う。
タバサも逃げようと必死に抵抗しているが力強く僕の腕がタバサをさ抑えている為に逃げられない。
まだ、それだけならいい。僕の意思の効かない手は、タバサの腕を1つにまとめて力強く片手で握り締めると、空いたほうの手でタバサのピンク色の服に手を掛ける。
「やっ・・・・」
と小さな声がタバサから漏れる。
(まさか・・・・このままタバサを・・・・犯)
頭の中で思い浮かべた淫らな光景。確かにそういう部分を望んでいたこともある。僕だって男の子だし。
でも、こんなやり方いやだ!!やるなら二人同意の上で!!
僕は必死に自分の行動に抵抗していた。だが、いうことを効かない。
そして、次の瞬間には
ビリビリビリッ!!
タバサの上半身の服が破られ、現れたのは小さな2つの突起・・・・
(・・・・ノーブラか、妹よ・・・。って、こんなこといってる場合じゃない!!)
タバサは恥ずかしいのか悔しいのか必死に唇をかみ締めて、体を震わしている。
そして、僕の腕は徐々に徐々に・・・・と。
だが、その時である。僕の周りに暖かい風が流れ込んできた。

                          続く

エンディングは夜・・・の予定。お盆の間に終わらせるつもりが長引いてしまったな。
あ、いつもどおりエッチィシーンは眼をつぶってくだせぇ。
自分の趣味の範囲です故。
254 ◆bsDQ5/RxE. :04/08/18 10:41 ID:JKsljMHG

  OK大量SSゲット
         >   
    /∨∨へヽ  ノノハヽヽ∞          
   〃(*゚ー ゚ノ   (゚ー゚*||| 流石よねお兄ちゃん
    /   \  /  ⌒i
    /    / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
  __(__ニつ/  FMV  / .| .|____
      \/____/ (u⊃
255ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/08/18 12:02 ID:E1EgFC+T
>>254
コラ!それはいかんだろ、それは。
健全なイメージがぁぁぁぁぁぁ!!やめてくれい!!
256 ◆bsDQ5/RxE. :04/08/18 17:17 ID:JKsljMHG
>255 スマソ
なんか今見たら微妙にずれてるし_| ̄|.......○コロコロ
逝ってくる                  
257ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/08/18 19:10 ID:cSRKT76a
「お兄ちゃんと結婚するもん」を再翻訳してみたら「兄は結婚しています」
になった・・・・。哀れタバサ
>>244
どう見てもコリンズに自慢してるね
これを素で書けてしまう王子の天然さに萌え

>>248
前スレにあったと思うよ、まだ前スレは存命だから>>1のリンクからいけるはず

>>250
本当に意識と体が別物って感じだ、タバサを襲ってるのに妙に平常心だし
ダークなのは以前ノッティさんが書いたのと同じようなのなら
保管所の掲示板の方に投稿→このスレに告知、したほうがいいと思う。
個人的にはエロも苦手だけどラヴの延長のエロと違ってダークは読む人選ぶから
>>250
ダークの定義次第ですね。シリアスなら個人的には構わないんだけど。
260ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/08/18 22:16 ID:cSRKT76a
シリアスとダーク、は紙一重なのかな・・・?いや、バッドエンドになるのがダークだから微妙に違うのかな・・・?
バッドエンドってどうなんですかね?受け入れてもらえるのかな?

あと、話は変わるが天空物語のテレカ、当選したぜぇぇぇぇぇ!!
2611レス劇場屋 ◆SSS1Rus0TY :04/08/18 23:14 ID:8omsEuGf
シリアスの一分野がダーク系なのだと思いますが……。
それとバッドエンドとダークも分類が別。バッドエンドの一分野として「ダークエンド」なるものが存在します。
また、ダーク系の話だからといって必ずバッドエンドになるわけではありません。ダークなゲームにもハッピーエンドはあります。
定義しにくいのですが「病的な脚本あるいはキャラクターを描くことで読者に生理的嫌悪感を生じさせる小説」……これではマイナス過ぎますね。うーん。

>>260
ピッ
.     そう かんけいないね
  にア ころしてでも うばいとる
.     ゆずってくれ たのむ!
ねんがんの てんくうてれか を てに いれたぞ !!


>>260
ダークとシリアスの違いはグロ描写かな、下手な文で例えてみると

例:
レックスと魔物の剣戟が火花を散らし合う。〜そして一瞬の隙をついたレックスの剣が魔物を一撃で絶命させた。
勝利の喜びにやっとレックスの顔に笑みが戻る。(シリアス)

レックスと魔物の剣は互いの肉を引き裂きあい、あたりの草原を血に染める。〜レックスの剣は魔物を首を容赦なく飛ばす。
返り血と自分の血で、赤一色になったレックス。その顔はまるで笑っているようだった。(ダーク?)


最後に心中とか、原作のふいんき←(なぜか変換できない)壊すほど猟奇モードなネタはこっちのスレでは勘弁して欲しい。


>>243
エロゲに慣れた身としてはついエロがあって当然と思ってしまう罠
萌えとエロの定義さえ微妙だしなあ
>>260
バッドですか。なんだか荒れそうでちょっと…
やっとレックエの補完所未収録分が読めて満足
>263
上手くオチを付けたらバッドでもいいのではと思うのは私だけ?
>>264
バッドがどういう中身か、にもよるかもしれない。個人的に誰か死ぬのは勘弁。
>>262
>ふいんき←(なぜか変換できない)
出来る訳無いじゃん・・・
雰囲気=「 ふ ん い き 」だ!


      ・・・と、一応まじれす。
>>266
ふいんき←(変換できない)は一種の常套句なんです


ところで保管所のBBSに面白い作品が貼られてるね
エロもダークも苦手な自分はウロウロオロオロしてまつ。
ほのぼのなラブラブが読みたいと言ってみるテスト
>>267 (´∀`;)

>>268
わざわざさんくす。某板で良く見かけますね。
いや、知った上でつっこんで「一応まじれす」とw

スレ違いな話でスマソ〜

あまたのSS作者殿、いつも楽しませてもらってますよん。
俺はエロもダークもほのぼのも みんな(・∀・)イイ!
271ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/08/19 07:37 ID:EMRha1OZ
何も問題がないのが一番、かな・・・・。
ダークは一人でひっそりと書かしていただきますよ。
ていうか書けない「ふいんき」、いや「ふんいき」。
272ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/08/19 07:40 ID:EMRha1OZ
>>262
発送待ち?
>>254
GJw
>>271
避難所用意しておいたから、そこに投稿するのもいいかも。
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/read.cgi/game/2960/1091201564/
ただ、萌えスレのみの住人もいるだろうから難しいかな。
保管所にでも投稿して、告知だけしておくってのはどう?
275おぼーむ@ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/08/19 12:52 ID:EMRha1OZ
遅くなっちまったな・・・・続き

暖かい風が二人を取り囲む。レックスは何かに体を操られている?ので感じ取ってはいないかもしれないが、タバサは周りの空気の変化を感じ取っていた。
「何?この暖かい風?」
(・・・だ)
タバサの頭に響いてくる、優しい声。懐かしいような響き・・・・
「誰?」
(大丈夫だ・・・私が助けてあげるから・・・)
「お父さん・・・?」
いや、微妙に違う。父の声とは微妙に違い、少し低く、そして厚みがある。
暖かい風が二人の回りを渦巻き、その風はレックスを取り囲んだ。
「コ、コレハ・・・・マサカ・・・イ、イギャァァァァ!!」
レックスから断末魔にも似た叫び声が聞こえると、そのレックスの背中から何かが抜けていくような気がした。
そして、ドサッという音を立ててレックスは地面に倒れ込んだ。
「お兄ちゃん!」
慌てて、兄の体を揺すり、必死に意識を取りもどそうとする。
(心配ない・・・ただ眠っているだけだ)
また頭の中に響いてくる、あの懐かしい声。まだ、暖かい風は吹き続けている。
いや、風は一点に集まり、人の形を模しているように見える。
(レックスはここで死んでいった者の悪霊に取り付かれていただけ・・・・じきに眼をさます)
風の中から声が聞こえているようにも聞こえる。
「・・・あなたは?」
思わず声を出していた。何かが、とても暖かい何かがそこにいるような気がするのだ。
「あなたは誰なんですか?」
風はしばらくの間、無言だった。そして、短い沈黙の後
(私はいつも、お前達を見守っている者・・・・いつも・・そう、心はお前達と共に・・・)
そう言い残して消えていった。
(・・・・もしかしてあれは、おじいちゃんの・・・・)
タバサの頭の中ではそんな事が巡っていた。
276おぼーむ@ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/08/19 13:03 ID:EMRha1OZ
「ありがとう・・・おじちゃん」
そうタバサは呟いた。
「んっ・・・・・」
タバサの横で短い声がした。
「お兄ちゃん!!」
「ふえ、あれ・・・・ここは?・・・・ッ!!!!」
「もう、お兄ちゃん何、寝ぼけてるの・・・って」
話の途中でタバサはレックスの目線が自分の眼に向いていないことに気がついた。
自分の眼よりも下を見ている。タバサも目線を下へ反らしてみると・・・・
「ッて!お兄ちゃん!!どこ、見てるのっ!!」
すっかり忘れていたが、あの風に助けられなければタバサはレックスに犯されていたのだ。
その事を思い出すと、無性に恥ずかしくなってきた。しかも、レックスは嫌らしい眼で自分の小さな胸を見ている。
「タバサの胸、可愛い・・・って、タバサは何の呪文の詠唱を・・・」
タバサの腕がわずかに光っている。これは・・・まさか・・・いや、やはりあれしかない。最強の閃光呪文・・・
「もぉ〜バカァァァァァァァ!!」
「ゴメン、ゴメン、タバサ!!だからイ、イオナズンだけはやめてぇぇぇぇぇ!!」
遺跡内に爆音が轟いた。
「うっぎゃぁぁぁぁぁ!!」
277おぼーむ@ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/08/19 13:15 ID:EMRha1OZ
帰ってきたときにはもう朝になっており、城のみんなが心配して外へ出てきていた。
「お、お前ら、どこへ行っていたんだ?心配したんだぞ・・・って、タバサ。なんだその服は!!」
「エッ!アッ!!あ、あの、ちょっと・・・・これは・・・」
「レックスに何かされたんだな!!そうなんだな!!」
「い、いや、あのぉ・・・・」
父がタバサに引き摺られているレックスの頬を2、3度叩くと、レックスは低い声を上げて眼を覚ました。
そして、起きてすぐにレックスが見たものとは・・・・
「お前は実の妹に何をしとるんじゃぁぁぁぁぁ!!バギクロス!!」
巨大な真空の刃がレックスを襲う。
「これには、ちょっと訳が!!って、ちょっと待ってぇぇぇぇぇ!!うっぎやぁぁぁぁ!!」
そしてレックスは夕方頃まで目覚めませんでしたとさ。
                       FIN

タバサ「あちゃ〜、今回のお兄ちゃんの役どころは最悪だったね・・・」
レックス「上級魔法2連発・・・」
タバサ「でも、いいじゃん。おじいちゃんの霊には会えたし・・・っておにいちゃんは分からないか」
レックス「知ってたよ。タバサがおじいちゃんとしゃべってるの・・・・」
タバサ「えっ・・・・」
レックス「いや〜、おじいちゃんの声優しそうだったよねぇ・・・」
タバサ「じゃ、お兄ちゃんは悪霊に取り付かれたときには意識あったの?」
レックス「あったよ(キッパリ)」
タバサ「あ・・・そう。じゃあ、覚悟はいい?」
レックス「覚悟って・・・またイオナズン!?」

ドカーン

レックス「うっぎゃぁぁぁぁぁ!!」
タバサ「では、また!!」
ウホッ!いいパパス…
レックスは散々だな〜と思ったが考えたら事故とは言えタバサを襲ったのだ、おいしい思いしおって(;´Д`)ハァハァ
279 ◆bsDQ5/RxE. :04/08/19 18:20 ID:2wph3ei8
レックス・・・・(-人-)ナムー
280二つの思い / 受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/08/19 19:46 ID:DSxxvg4s
>>155-158の続きです。

**************

一方、グランバニア城では4人の帰りが遅いと城中で大騒ぎになっていた。
彼らの父、アルスも王座に座っていられず、さきほどから歩いたり、時々とまったり、
あるいは頭を抱え込んだり、落ち着きの無い状態だった。

「アルス。もう座りなさいよ・・・あの子たちなら大丈夫よ。
ほら、一国の主が落ち着いていなくてどうするのよっ。レックスたちに笑われちゃうわよ?」
ビアンカがお姉さんらしくアルスをたしなめる。―こういうところはいくらたっても全然変わっていなかった。

「ああ・・・」
ビアンカに言われ、ようやく腰を落ち着けるアルス。
そこへ、誰かがドタドタとけたたましい音を響かせて王の間へ走りよってきた。
―サンチョだった。

「サンチョさん!どうしたの、そんな急いで。」
「・・・はぁ・・・はぁっ・・・ぼ、ぼっちゃん、ビアンカさま、申し訳ございませんっ・・・
し、しかし・・・さきほど、大神殿でお二人らしき姿を見たとの兵士から報告が・・・!」
「大神殿・・・?なぜ、そんなところに・・・。サンチョ、その報告をした兵士はどこにいるんだい?」
「そ、そろそろ王の間にやってくるはずです・・・わ、私めは一足お先にお知らせしようと・・・」
「ありがとう・・・」
「では、私めはここで失礼させていただきます・・・」
サンチョは歩きだしたが、今までの疲れのためか、サンチョは歩き出すやいなや倒れてしまった。
「ぁ、サンチョ! ―誰かサンチョを寝室へ!」
そばにいた兵士がとっさにサンチョの大きな体を受け止めた。
しかし、なんせあの巨体のサンチョである。1人では受け止めるのが精一杯。
もう1人の兵士が助けに入って、なんとか引きずりながらも動かせる状態となった。
わっせ、わっせ、と重そうに二人はサンチョを上の階へと運んだ・・・いや、引きずっていった。
281二つの思い / 受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/08/19 19:48 ID:DSxxvg4s
入れ替わりに、報告の兵士がやってきた。
「アルス王、ご報告いたします。」
報告の兵士はビシッと身をただし、静かに話しはじめた。
「アルス王、すでにサンチョ殿よりお聞きとは思いますが、
タバサさまとビアンカさまは大神殿にいらっしゃいます。」
「ええ・・聞きました。しかし、なぜそこにいるのでしょう?」
「喧嘩でもしたのではないかとご推察いたしますが・・・。
何せ、青髪のレックスさまと金髪のタバサさまの2人しかおりませんでしたので。
4人ご一緒ではないところを見ますと・・・」

「・・・。」
(普段から仲が良いことでしられているんだ。喧嘩なんて考えられない・・・
いや、でも違う髪の双子もいるんだ・・・万が一ということも・・・)

「と、とにかく、アルス王。お二人のところへいってみてはいかがでしょうか?
先ほど申し上げましたように喧嘩―少し考えられないところもありますが―かもしれませんし、
何か他に理由があるのかもしれません。」

(それ以外の理由・・・なんだろうか・・・)

「アルス、私も賛成よっ。」
ビアンカの声に背中を押され、アルスは決断した。
「・・・、わかりました、いってみることにしましょう。 ご苦労様、下がっていいですよ。」
「ハッ!」
282二つの思い / 受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/08/19 19:54 ID:DSxxvg4s
兵士が下がった後もアルスは玉座に座ったまま何か考え込んでいるようだった。
なかなか腰の重いアルスをビアンカが早く行きなさいよ、とせかす。
ビアンカもだんだんアルスをせかすのに疲れ始めたころ、アルスが急に立ち上がった。
「よし!何か悪い話があるかもしれない。最低限の装備だけはしていこう!
・・・あれ?ビアンカ?」
横をふりむくと、彼の最愛の妻がぽかんと大きな口をあけている。

「・・・そんなことでいつまでも考え込んでたの?」
「・・・。」
「どっちでもいいじゃないのよっ。
もうっ!さっさといきなさいっ!」

アルスは追い出されるようにして城をでた。
だが、アルス自身知ってか知らずか、この時の「装備をしていく」という選択が
この後アルスの身、ひいては子供たちを守ることになるのだった。


城をでた後、アルスはルーラで北の教会まで飛び、
教会近くの平原で天空のベルを軽くゆらした。
チリン..チリン..
心の奥底まで響きわたるようなきれいな音色とともに、
マスタードラゴンがグランバニア城へと近づいてくる。

遥か彼方よりだんだんと大きくなる翼は他のどの竜のそれよりも美しく、力強く、
さらにはグランバニアの城全体を覆わんばかりの迫力さ―
283二つの思い / 受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/08/19 20:00 ID:DSxxvg4s
「アルスか。久しぶりだな。」
「はい、マスタードラゴンさま。 また、お力をお貸しください。」
「遠慮なぞいらぬ。 どこまで飛ぶか?」
「大神殿へお願い致します。息子たちがいるのです。」
「大神殿・・・おぬしはなぜかそこに縁があるな。」

ピクッ。 アルスの表情に少し変化が現れる。

「・・・本来であれば思い出したくもない場所なのですが・・・」
「うむ・・・ しっかりつかまっておれよ。」
「・・・お願い致します。」

そんなやりとりを交わした後、マスタードラゴンは大神殿へと羽先を向けた。

*****
SSがいっぱいで嬉しいです。 頑張って読破します!
皆さん本当にお疲れ様ですm(__)m
>コリンズ
登場させようといきごんでたんですけどね・・・
少しでも読みづらさを失くそうとしてみたのですが、
あの ごめんなさいorz
受験生さんキタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!!
>タバサさまとビアンカさまは大神殿にいらっしゃいます。」
ここはレックスの間違いかな?
すっかりアルス王がビアンカの尻にしかれている様子
変な突っ込みでスマン。
ビアンカは青髪の双子が現れたことを知ってたっけ?
>>277
上手くオチがついて笑わせてもらいますた。
それにしてもイオナズン×2とバギクロス…


>>283
双子は結局登場せず…、だけどマスドラも来てついに話はクライマックスに近づいたね
コリンズ期待派だったけどたしかに話に入る隙ないから出さなくて良かったと思います
287DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/08/20 00:48 ID:4XmC0bpM
やっぱえちすぎたかな・・・。気を取り直して>>239の続き。

「・・・ちゃん、お兄ちゃん・・・?」
タバサの呼びかけで我に返ったボク。どうやらまた変なことを妄想していたらしい・・・。
「ああ、ごめん・・・。」
そう呟き、いつのまにか側に寄っていたタバサとの距離に思わず息を飲む。
手を伸ばせば届く距離なのに・・・そんな勇気すらボクにはない。
いや、これがタバサじゃなかったらきっと手を伸ばしていたはずだ。

出来ないのはボクらが兄妹だから・・・

この気持ちはいつか忘れないといけない・・・

でも今だけは・・・。
288DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/08/20 00:51 ID:4XmC0bpM
そうこうしているとタバサがポツリと口を開いた。
「お兄ちゃんに・・・聞いて欲しいことがあるの・・・」
その言葉から始まり、タバサはボクのベッドに座る。
ちょっと昔ならボクはタバサの隣に座れてただろうけど、今の状況だとそれがちょっと出来ない。
(だらしないな・・・。)
自分の事ながら心底そう思う。
タバサは座ったまま何度か深呼吸をしてようやくさっきの続きを話出す。

「・・・あのね、わたし・・・。」
「う、うん・・・。」
そこから先をタバサは躊躇してなかなか話そうとしない。
膝の上で指をモジモジとさせ、チラチラとボクの顔を見てくる。
(何か言いにくいことなのかな・・・。)
ボクは思い切ってタバサの横に座ろうと一歩踏み出す。
きっと、ボクの右手と右足は一緒に出てたかもしれない。
ギコチない・・・自分の部屋にいるってのがまるで感じられない・・・。
タバサがボクの部屋に入ってきた時からボクの部屋の空気は変わっていた。

─────タバサが側にいるだけでボクの世界は変わる。
そう思った。
289DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/08/20 01:00 ID:4XmC0bpM
ベッドに腰を掛けた時のギシッという乾いた音が部屋全体に響き渡る。
少し驚き、半歩タバサは右にズレる。
そのズレた距離を、ボクにはとても、とても遠く感じていた。
再び顔をうつむかせ、相変わらず指をモジモジさせて「あのね・・・」と口をまごまごしている。
「わたし・・・ね・・・。わたし・・・」
霞んだ声でボクに話掛けるタバサ。
きっとお風呂あがりなんだろう・・・タバサの身体からは石鹸の香りがした。とても優しい匂いだ。
まだ乾ききっていないタバサの髪は夜風に揺れ石鹸とは違う匂いがまざっていた。
(これは・・・タバサの匂い・・・なんだろう・・・頭がボヤ〜っとしてきた・・・。)
いつしかボクらは向かい合い、ボクはタバサの左手を握っていた。
握っていた手はやがて指と指の間に絡まるように繋がれる。
(あ・・・れ・・・、なんでボクは今タバサの手を・・・?
タバサも目が潤んで頬が少しピンク色に染まってる・・・かわいい・・・ううん、綺麗だ・・・。)
さっき頭の中で妄想してた場面が再び蘇る。
ボクらの距離は誰からともなく近寄り始め、ボクは右手に掴んだタバサの左手をグッと自分の背中の方にまわそうとした。
「ぁ・・・。」
タバサの色っぽい声がボクの脳みそにギガデインを放つ。
目の前が真っ白になってボクは、タバサを抱き寄せてその小さくて柔らかそうな唇に・・・。

続くってことで。
うーむ…毒スラ…
2911レス劇場屋 ◆SSS1Rus0TY :04/08/20 03:47 ID:CCum7JEz
>>289
GJ!
ハートのAまでコンマ1秒(明石原人的表現)のレクタバ(;´Д`)ハァハァ

しかし、エロに手を出し始めると並大抵の萌えでは物足りなくなってしまうようになるのは気のせいでしょうか。
>>287
前回のは妄想だったのかぁ、ほっとしたような残念なような
現実の方はすんなりコトに及べるほど甘くない感じ
寸止め展開かな
2941レス劇場屋 ◆SSS1Rus0TY :04/08/21 02:27 ID:LroJkiwZ
前スレ埋め立て(?)完了。
このスレも今のところ容量オーバーペースですね。
前スレついに埋まっちゃったのかぁ、ちょっと残念w
296ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/08/21 21:36 ID:xd2DJb24
ttp://smcf.xrea.jp/dq5/cgi-bin/ibbs/img-box/img20040821204014.jpg

古いGファンタジーにてハケーン
297ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/08/21 21:37 ID:xd2DJb24
ゴメン、ギャグ王だった・・・・・
さくらたん(;´Д`)ハァハァ(違

魔法少女な王女たんの話見たいな
ドラゴラム使って「タバサ怪獣じゃないもん!」とか
2991レス劇場屋 ◆SSS1Rus0TY :04/08/21 23:59 ID:LroJkiwZ
はっ!
雑談も前スレもなくなった今、漏れの中途半端なギリギリネタはどこに書き込めばいいんでしょう!?
>>299
避難所
>>299
氏ねばいいと思うよ
>>301
doui
303 ◆9SqXjvykIQ :04/08/22 12:35 ID:9Cn6YYTE
>>301
同意
>>301
救命胴衣
>>299
( ´,_ゝ`)プッ
実は前スレまだ余裕あるような。

>>296
普段の旅人格好よりこういう服の方が萌え。
307てんあい:04/08/22 18:05 ID:UXd2Auwz
ノッティさん、受験生さん、ペコさんご苦労様です。
第七話を投下しますがちょっと急ぎで作ったものでご容赦ください。
ストーリーは新章突入という感じです。

翼の欠けた天使たち 第七話
 あれから一ヶ月が過ぎた。だけどソラは相変わらずあのままで元の姿に戻るような気配はなかった。
この間、お父さんとお母さんは忙しい合間を縫ってあの古代魔法に関する情報を集めていたんだけど、
天空城の書庫で調べたこと以上の情報は得られなかったんだ。やっぱりお父さんの言っていた通り、
元に戻す方法はこの世界には無く、存在するのは異世界、特に魔界はその可能性が高いみたい。
以前ボクたちが足を踏み入れたのは魔界の一部であって、そこを中心として周囲には未知の大陸が
あるみたいなんだ。そのどこかにソラを元に戻す方法が眠っているかもしれないとお父さんは言っていた。
だけどこのグランバニアを治める立場にあるお父さんがそう簡単に城を留守にするわけにはいかず、
何もできないまま時間だけが過ぎていった。
308ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/08/22 18:08 ID:9Cn6YYTE
てんあいさんキター!!

個人的にはエスターク化を希望していたりするのだが・・・・
次は魔界ですかぁ・・・続き楽しみにしてます。
309てんあい:04/08/22 18:22 ID:UXd2Auwz
「おにいたん、あのおっきいねこさんだれ?」
「お父さんとお母さんの友達だよ。名前はね…。」
 あれ以来ボクはソラを元の姿に戻すことには積極的になれないでいた。ボクはお母さんの
あの言葉を引きずったままで、お父さんに何か頼まれても理由をつけては逃げて、こうして
ソラの相手をしていた。
「…ぼくもおともだちになりたいです。」
「ソラならきっと仲良くなれるよ。いってみようか。」
「かまない…?」
「平気だよ、おいで。」

「えっ魔界に…?」
「ほら、エビルマウンテンから脱出したとき洞窟があったでしょ?」
 それから数日後、一週間ほどの休暇がとれたお父さんがソラを元に戻すために、お母さんと
魔界へ行くことになった。大魔王を倒したあとに出現した謎の洞窟が目的地みたい。
「魔界もかなり広いようだし、まずはそこから調べていこうと思ってね。キミはどうする?」
「…ボクはいいよ。ソラを一人にするのはかわいそうだし…。」
 ボクはまた逃げてしまった。このままじゃ何も解決しないのに…。
310てんあい:04/08/22 18:58 ID:UXd2Auwz
「うーん、それもそうね。じゃあ私たちで行って来るから。」
「ごめん…。」
「いいのよ。それよりソラのことお願いね。あなたと二人きりで“冒険”なんてレヌール城以来ね。
何だかすごく楽しみね!」
「遊びに行くわけじゃないんだから…。テン、こっちに残るようならちょっと頼まれてくれないかな?」
 そう言って、きれいにラッピングされた小さな箱をボクに渡した。
「それをラインハットのヘンリーに届けてほしいんだ。本当は僕が行こうと思ってたんだけどね。」
「それなら今から行ってこようか?」
「そんなに急ぐことはないよ。これは私的なものだしね。このごろはキミに僕の仕事を手伝って
もらっているし、ソラを連れて旅行だと思ってこの一週間のんびりしてくるといい。」
「うん…。ありがとう。」
「よかったねソラ。お兄ちゃんが旅行に連れていってくれるって!」
 お母さんがそう言うと、ソラはボクの服をつかんで上目遣いで、
「おにいたん、ぼくもいっしょにいっていいの…?」
「うん、もちろんだよ。じゃあ旅行の支度しようか。先にボクの部屋に行って待っててくれる?」
「はーい!」
 ソラはとても喜んでいるみたいで、スキップをするかのようにリビングを出て行く。少しして、
ボクも部屋へ行こうとしたとき、ふと思いついた。そう言えばこの箱の中って何が入ってるのかな?
「お父さん、これって何なの?」
「まぁ友情の証ってところかな。」
 そうか…。お父さんとヘンリーさんは長い付き合いなんだよね。お母さんも幼馴染だし、
ボクにはそういう人いないかな少しうらやましいかも。

第七話終了です。
ノッティさん、ありがとうございます。
ペコさんやノッティさんのSSを見て自分もえちぃのをと思ったんですが、
よく考えたらうちのソラたんはいまy(ry
311ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/08/22 19:39 ID:9Cn6YYTE
テン、魔界行かないのか・・・残念 _| ̄|○
あ、でも二人きりってことは!
あんな事やこんな事も・・・・
>>310
続き乙!
なんだか両親から、戦場で家族の写真を見る兵士並に脂肪フラグの匂いが・・・

>よく考えたらうちのソラたんはいまy(ry
よよよよんさい?
>310
どうかそのままのスタイルで続けてください。
ヘンにえっちネタに走られてもアレだし…
私は最近ではあなたと受験生さんくらいしか続きが気になるモノがないです。
個人的に某SS作者さんと苗木さんとScherzoさんといった方々に
また書いて欲しいなー。
夏が終わってからでも構わないけど…
「ぼく」っ娘になってたんだΣ(゚д゚)
ここは単にレックスが主人公であるってだけのシリアスものの長編はありでしょうか?
316DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/08/23 01:48 ID:7si0Cp9m
>>289の続き

ボクとタバサの唇が触れるほんの手前で、突然部屋の扉が勢いよく開いた。
「ハァハァ・・・お兄ちゃん!ここにもうh・・・(ガンッ)」
扉の方からは聞き慣れたタバサの声が・・・え?タバサ??
ボクは急いで声の主を探す。部屋の入り口にはタバサが頭を横の壁にぶつけていた。
「タ、タバサ?あれ?じゃあこっちのは?」
横を振り向き今までタバサだと思ってイイ感じになってた女性の方を見るとやっぱりタバサだった。
「!?!?!?!?!?」
ボクの頭は混乱した。タバサが二人いるんだ!
ボクの横に座っているタバサは相変わらず潤んだ瞳でボクを見ていて、
部屋の入り口に立つタバサは驚いて声も出ない様子だ。
横に座ったタバサがうっかり離してしまったボクの右手を再び握り、今度は身体をピッタリと寄せてきた。
「ちょ、え?タ、タバサ??が・・・二人?」
「お兄ちゃ〜ん♪」
どうなってるの?ボクの胸に収まっているタバサはなんか凄い積極的で、
そこに立ってるタバサは壁に頭が埋まってるんですけど・・・。
317DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/08/23 01:54 ID:7si0Cp9m
「お、お兄ちゃん・・・落ち着いて聞いてくださいね・・・。」
後から入ってきたタバサが口を開く。
「う、うん・・・。」とボクは答えて右手の自由をもう一人のタバサに奪われたままタバサの話に耳を傾ける。
「ちょ、ちょっと・・・離れなさいよ!・・・えっとね、その子はわたしが新しく作った呪文なの・・・。」
「ぇぇぇえええ!!この子が呪文??」
いやぁ・・・驚いた。タバサは昔から頭のいい子だったけど、まさか自分で新しい呪文を作ることが出来るだなんて・・・。
でも、なんで自分をもう一人作ったんだろう?
ボクはその理由が気になり、タバサに聞いてみた。
「え、えっと・・・それは・・・。」
とタバサがモジモジしている。ああ、さっきこっちのタバサがやってた仕草とそっくりだぁ・・・まあ、本人なんだけどね。
「わたし知ってますよ〜!」
タバサが言い渋っていると、ボクの横に座ってるタバサが右手を挙げてそう言った。
「えっとですね〜、ご主人さまは〜本当は〜・・・」
「キャー!ちょ、ちょっと!勝手なこと言わないでよ〜〜!!」
「ご、ご主人さま・・・?」
ご主人さまと呼ばれたタバサは何かを言いかけたタバサの口を塞いだ。
タバサ・・・凄くあせってる・・・顔が真っ赤だよ・・・。
318DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/08/23 01:59 ID:7si0Cp9m
「あーえーうー・・・あ!ほら!自分が二人いたらいろんなことが楽になるじゃない?
そ、それに、自分の魔力がどこまで使えるのかも知りたかったし・・・。」
必死にもう一方のタバサが言おうとしたことを止めたタバサ。
本当はどんな理由だったの?それがウソだってことぐらいはボクにはすぐにわかったよ。
これでも、一応双子だからね。
そんなセリフが喉まで出掛かってたけどゴクンと飲み込んだ。
「そ、そっか・・・ボク驚いちゃったよ・・・アハ・・・ハハハ・・・。」
「そ、そう?ウフ・・・フフフフ?」
お互い顔を見合わせてギコチなく笑った。・・・あれ?口を塞がれたタバサの方はどんどん顔色が変わってくよ?
「ンーンー!・・・プハァッ・・・ハァハァ・・・ご主人さま苦しかったです・・・!」
「ご、ごめんね!そ、それより、もうそろそろ戻りましょ?
お兄ちゃんにもこれ以上迷惑かけちゃ駄目だしね?ね?」
「えー?でもー・・・。」
「でもじゃないでしょ?
まだこの呪文は未完成なんだから、あんまり長く使っているとわたしが疲れちゃうのよ・・・ごめんね?」
「わかりました〜・・・それじゃあお兄様!続きはまた今度でもしましょうね☆」
「ヴッ・・・あ、あはは・・・ま、またね・・・タバサも、お休み。」
「う、うん・・・ごめんね・・・この子が迷惑かけちゃって・・・お休み、お兄ちゃん・・・。」
もう一人のタバサはしぶしぶタバサに手を引かれて部屋を出て行った。
出際にもう一人のタバサがボクにウインクをしてちょっとドキッとしてしまった。
そうだよね・・・外見はタバサそっくりだもんね・・・。
あ・・・タバサの奴、ボクらが何しようとしてたか見ちゃってたよね・・・二人っきりの時が今以上に緊張しそうだな・・・。

──────────────
319DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/08/23 02:01 ID:7si0Cp9m
「いいんですか?・・・本当のこと隠したままで?」
もう一人のタバサが問いかける。
「・・・言えないよ・・・やっぱり・・・今の関係が壊れちゃうの・・・嫌だしね。」
タバサは少し涙目になりながら、もう一人のタバサに笑顔を見せてそう答えた。
もう一人のタバサも、その笑顔を見て自らも笑顔を返す。
「さ、誰かに見られちゃったら大変だし、そろそろ戻りましょうね?」
そう言ってタバサは両手をもう一人のタバサと繋ぎ呪文を唱え始める。
「ご主人さまがそうおっしゃるなら・・・(でも、お兄様も・・・きっとご主人さまと・・・)。」
淡く黄色い光が二人を包むと、もう一人のタバサの全身が強く光、タバサの右腕の薬指にはめた指輪の石に吸い込まれていった。

同じ頃、部屋で一人さっきまで一緒だったタバサの手のぬくもりを思い出すレックス。
「だめだ・・・ドキドキして眠れそうもないや・・・。」
そう呟いて、ベッドの上で一人眠れぬ夜を過ごす。


続く

もうえちぃのは書かん!
>>319
お疲れさまです!
しかし切ない展開だなぁ…
>>319
ちょっと積極的なもう一人のタバサ、イイです。
本当のタバサの願望が形になったような存在みたいで


>>315
ありだと思いますよ、そんな感じの作品も多いですから。
でも一応基本が王子×王女スレですから王子を主人公にして王女以外のキャラをヒロインにする展開は批判覚悟が必要かも


保管所サイトにてシリアス系の良作が貼られていたので宣伝
ttp://smcf.xrea.jp/dq5/cgi-bin/bbs/index.cgi?res=13#Form
ペコ氏乙!
ハァハァすますた〜イイ!
えちぃの書かんなんて言わずに是非この流れでおながいします。
323315:04/08/23 08:59 ID:akft4WBo
>>321
なるほど… 一応ヒロインは王女という設定ではあるのでこのスレでもありかな…
とりあえず投稿してみます。ゲーム中にはない自分で勝手に作ってしまった設定のオンパレードですが。
もし良かったら読んでやってください。

…しかし、せっかくレス頂いたのにその時には寝てしまっていた自分が情けねー…
324鏡の中の群像:04/08/23 09:01 ID:akft4WBo

鏡の中の群像

プロローグ

世界の中心、神に最も近くまた地獄にも最も近いと言われるその大陸より
やや南にその島はあった。緑で覆われたその島の中央にひっそりと
建っている博物館。それは五年前に魔界の王を滅ぼしたグランバニアの英雄王アベルが
館長を務める博物館であった。
へんぴな場所にある博物館ではあったが、魔物の脅威が無くなったためもあってか
世界の珍品、名品を見るため、連日世界中から多くの客がそこを訪れていた。

博物館の受付嬢ミミは、満足しながら帰っていく客の様子を見て
ニッコリ笑いながら頷いた。今日もアベル王の博物館は盛況だ。
給料もいいし自分は本当にいい職に就いたものね、などと彼女が考えていると
また新たに客が一人、入ってきた。
「どうぞ、ごゆっくりご鑑賞ください!」
入場料を受け取った後、ミミは良く訓練された営業スマイルを客に向ける。
その客は若い男であった。パンフレットを受け取った後、その若者は
無愛想に礼をして、ゆっくりとした足取りで展示室へと入って行った。
どことなく影を帯びているこの若者を彼女はどこかで見たことがあったような気がした。
(あの人とはどこかで会ったのかしら? 何かすごく懐かしい感じがする…)
ミミは考えようとしたが、タイミング悪く博物館に団体の観光客がやってきた。
「ようこそ、グランバニア王立博物館へ!」
彼女は思考を中断して立ち上がりニッコリと微笑んでまたプロの受付嬢の顔に戻った。

それから約一時間後。
にわかに一階の展示室が騒がしくなった。もし喧嘩でも起こり、大事な名産品が
壊されでもしたらたまらない。ミミは近くにいた警備員の男に素早く目配せをする。
うんざりしたように首を横に振りながらも、警備員は急いで現場へと向かった。
325鏡の中の群像:04/08/23 09:01 ID:akft4WBo
騒ぎは一階の展示室の奥で起こっていた。酒で酔っていると思われる男が若い男に
絡んでいるらしい。怒鳴る酔った男を、若い男が黙ったまま血走った目で
睨み付けている。若い男とは先程ミミが懐かしさを覚えた例の男であった。
館内は飲食禁止だってのに。警備員はチッと舌打ちをして
二人の元へと駆け寄る。このままでは本当に殴り合いが起きかねない。
周りの客は不安そうに、またはニヤニヤ笑いながら二人の様子を眺めている。
「どうしたのですか? 館内で喧嘩は困りますよ、お客様」
警備員は彼らを刺激しないように柔らかく仲裁にはいった。
酔った男は不機嫌そうに警備員の肩をつかんでまくしたてる。

「どーもこーも無ぇよ、ここの兄ちゃんがこの展示物のまん前に立って
 どきやしねぇんだ。注意しても睨みつけてきやがるしよ。
 なんとかしてくれよ、警備員さんよー」
警備員はチラッと台座を見た。そこにあったのは人間が魔物に変わる様を
描いたという、決して趣味のいいとは言えない絵巻物、「禁断の巻物」であった。
なるほど、この展示物なら360度どこから見ても問題無いと言うことはできない。
はっきり言って巻物の正面に立っているこの若者の存在は、
巻物の内容を見たい客にとっては邪魔なことこの上なかった。
「申し訳ございませんお客様。熱心に展示品をご覧になるのは結構なことですが、
 他のお客様にも見えるように場所をお譲りしていただけないでしょうか?」
若者は警備員をギロリと睨みつけた。シン、と館内が静まりかえる。
真正面から睨みつけられて、警備員は背筋が寒くなるのを感じたが
客の手前、逃げるわけにもいかない。ただただ彼に頭を下げる。
しばらくしてから、若者は諦めたように頭を振り、
「申し訳なかった」
とだけつぶやいてその場を後にした。警備員は安心したようにため息をついた。
館内にもやがて元のような和やかな空気が戻り、
その後は特に閉館まで何も問題は起こらなかった。

しかし、事件はその日の真夜中に起きる。
「禁断の巻物」が何者かにより持ち去られ消えてしまったのであった……
326鏡の中の群像:04/08/23 09:03 ID:akft4WBo

第一章,肩書き

その日、グランバニアでは王子レックスと王女タバサの十五歳の誕生日を祝う宴が
夜遅くまで続いていた。一般民衆にも多くの酒とご馳走が振舞われる。
酔って、振り付けの滅茶苦茶な踊りを披露する者もいたし、
肩を組んで、レックスとタバサに万歳を唱え続ける者もいた。
宴の主役の一人でもあるレックスは楽しそうに笑いながら、この様子を見て回っていた。

「楽しんでいるか、レックス」
レックスが振り返ると、父アベルが手を振りながらこちらに近づいてきていた。
「もちろん楽しんでいるよ、父さん。楽しんではいるんだけどさ…
 その、タバサがどこにいるのか知らない? 
さっきから捜してるんだけど全然見つからなくてさ」
「あぁ、タバサなら、さっき上の階のテラスに行ったような気がするよ。
 ホラ、あいつはあまり騒がしい所は好きじゃないだろ?
 それに今日はみんな酒飲みまくってるからさ」
あぁ、とレックスは頷いた。タバサが酒臭い匂いを嫌いであることを思い出したのだ。
かくいうレックス本人も少々酒を飲んでしまったのではあるが。
「ありがとう、父さん。ちょっとタバサのとこに行ってくるよ」
「あっ、レックス。パーティの主役が二人ともいなくなったら駄目じゃないか」
アベルは走り去るレックスを追いかけようとしたが、
途中で誰かに腕をつかまれてしまう。
327鏡の中の群像:04/08/23 09:14 ID:akft4WBo
「あなたぁ、もっとお酒飲みましょうよぉ〜」
「ビ、ビアンカ? ちょっと飲みすぎじゃないか?」
「坊ちゃん、坊ちゃーん!お二人とも大きく、そして立派になりましたね!
 もうサンチョは嬉しくて嬉しくて…」
「だから坊ちゃんはよしてくれと何度言ったら… あー、もう面倒だからいいや」
「アベル王、最近は王としての仕事振りも板についてきましたなぁ、
 昔あなたはいつも城のことなんか放って置きっぱなしで本当に大変でした。
 今思えば、兄パパスも面倒なことは自分に押し付けてばかりでしたなぁ…チクショウ」
「あの、その… オジロンさん、ゴメンナサイ……」

皆それぞれに酔っている。この調子なら別にあの二人がいなくても
それほど問題は無いかな、とアベルは苦笑した。
「アベル様ー!! いやぁ、レックス様とタバサ様の誕生日おめでたいですねぇー!
 特にタバサ様なんか本当に美しく成長しちゃって!
 もし良かったら僕のお嫁さんにタバサ様いただけないですかー?なんつって、ハハハ!」
「ピピン、酔っているみたいだから今日は見逃すけど…
 この次同じことを言ったら、どこか地方へ飛ばすよ?」
アベルは爽やかなことこの上無い笑顔でさらりと言った。
328鏡の中の群像:04/08/23 09:19 ID:akft4WBo
「タバサ、やっと見つけたよ!」
レックスがテラスに上がってきた。それを見たタバサは一瞬嬉しそうな顔つきになったが
次の瞬間、露骨に顔をしかめる。
「…お兄ちゃん、お酒飲んだでしょ。十五歳じゃまだ早いわよ?
 それに明日はラインハットに行くんだからあまりは羽目をはずすわけには…」
「少しくらいなら大丈夫だって。 …星でも見てたのかい?」
レックスは手すりから身を乗り出して空を見上げた。
雲一つ無い夜空。星は今日も変わらず輝いている。
「星を見ていたっていうかね、ちょっと考え事をしていたの。
 五年前のあの闘いが終わって世界は平和になったわ。
 今は何もかも満たされた日々を私たちは過ごしている」
「あぁ、そうだね… けど、それがどうかしたのかい?」
「ええ… 最近になってまた何かが動き始めているのを感じるの。
それが何なのかは分からないけど、また世界に良くないことが起こりつつある。
私にはそれが分かる」
レックスはマジマジと、力説するタバサの横顔を見つめた。
タバサは昔から、物事を敏感に感じ取ることの出来る少女であったし、
はったりや冗談でこんなことを言う性格でもない。酔いなど一瞬で醒めてしまった。
329鏡の中の群像:04/08/23 09:23 ID:akft4WBo
「…それ、ホントなのか?」
「確証は無いけど多分… お兄ちゃんの勇者としての力がまた
 必要になる日が来るかもしれないわよ?」
タバサがイタズラっぽく微笑んだ。レックスは天を仰いで何かを考え込んでいたが
不意にニッと笑って、タバサの腕をつかんで走りだした。
「え? ちょっとお兄ちゃん?」
「ここで悩んでいても仕方ない問題だろ?何かが起きたら、そのときに動けばいい。
さっ、今日はせっかくのパーティーなんだから楽しもう!」
「え? あっ、でも何かが起きる前に手を打つのが為政者の役目なんじゃ…」
言いながらもタバサは、今日はいいか、と考え直した。
確かに何が起こっているのかが分からない以上、手の打ちようはない。
そして何より、今日と言うめでたい日を暗い気持ちで過ごしたくはなかった。
「ありがとう、お兄ちゃん」
タバサがレックスには聞き取れないほど小さな声でつぶやいた。
330鏡の中の群像:04/08/23 09:26 ID:akft4WBo

次の日、アベル一家はラインハットへと向かった。
国の代表者同士の会談などという大げさなものではなく
単に友人の家に家族で遊びに行くという感覚で。ルーラを使えば長い距離も一瞬だ。
アベルの親友ヘンリーが一家を出迎えてくれた。
「よー、久しぶり! 元気… では無さそうだな。そちらのお二人さんは」
ビアンカとレックスの二人は二日酔いで早くもダウンしかかっていた。
顔は蒼ざめ、その瞳は何を見ているのやら焦点が定まらない。
そのさまはまるで砂漠のド真ん中に放置されたアマガエルのよう。
アベルとタバサは情け無さそうに顔を見合わせてため息をついた。
「まぁ、座れや。せっかく来たんだからな。
 気分直しにハーブティーでも飲ませてやるよ」
ヘンリーは笑った。

久しぶりの再会。アベル、ビアンカ、ヘンリー、マリアの大人四人は
思い出話に花を咲かせた。レックスは退屈そうに背伸びをして
父アベルに話しかける。
「父さん、ちょっと城を出たいんだけどいいかな」
「どこに行くつもりなんだ?」
「古代の遺跡。せっかくラインハットに来たわけだから
 おじいちゃんに挨拶をしておきたいんだ」
「あぁ……」
アベルは遠くを見るような目をした。そこは父パパスが自分を守るために散った場所。
もう三十年近くも昔のことではあったが、思い出せば今もなお胸が詰まる思いがする。
「分かった。僕の分まで頼むよ。仮にも王としてここに来ている以上、
 しばらくはここを抜け出せないだろうから」
「あっ、それなら私も行きます。お兄ちゃんだけだと道に迷いそうで心配だし」
タバサが横から口を挟んだ。それを聞いて、欠伸をしていたコリンズが急に気色ばむ。
「ラインハットの地理は俺が詳しいぞ! だから俺が案内してやるよ!」
アベルとヘンリーはお互いの顔を見合わせ苦笑しながらも頷いた。
331鏡の中の群像:04/08/23 09:29 ID:akft4WBo

空はよく晴れている。散歩をするにはこれ以上はない陽気だった。
「普通の人間だったら結構時間かかるだろうけど、俺たちなら
ちょっと急げば、二時間くらいで着くだろ」
コリンズが笑った。タバサを意識しているのかその声は
幾分はしゃいでいるかのような印象をレックスは受けた。
「…こうやってお前らと自由に外を出歩くのも、あと何回出来るか分かんねぇしな」
不意にポツリとコリンズがつぶやいた。
「今日は随分大げさなコト言うんだな、コリンズは。
 タバサがルーラ使えるから会おうと思えばいつでも会えるし、出掛けられるじゃんか」
レックスは笑ったが、コリンズはゆっくりと首を横に振った。
「確かにいつでも会えるだろうさ。けど、そうそう気ままに遊びに出る
 訳にはいかなくなるだろ? …俺たちは国の主にならなきゃいけないんだからな」
いつになく真剣な様子のコリンズにレックスは内心驚いていた。
「もう、コリンズ君は王様になること考えてるんだ。将来を見据えて…
 いつもと全然雰囲気が違ったから見直しちゃったわ」
「そんな大層なモンじゃねぇよ」
タバサの言葉に少し顔を赤らめたコリンズがぶっきらぼうに答える。
「…二人ともデール叔父さんが結婚していないのは知っているだろ?
 俺はこの前まで、それは単に叔父さんが女嫌いなのかモテないだけだと思っていたんだ」
ひどい言い草ね…とタバサは思ったがとりあえずは何も言わない。
「でも違ったんだよな。全部俺のためだった。いや、国のためなのかな?
 親父たちの代のとき散々もめて、いろんな物をラインハットは失ったから。
 それを繰り返さないためだったんだ」
「コリンズ…」
332鏡の中の群像:04/08/23 09:37 ID:akft4WBo
「なんかよ、ここまで期待っていうか重圧みたいなモンかけられたら
 放り出すわけにゃいかねーだろ? 逃げるのも癪だしな。
 どーせ、王になるんだったら俺は最高の王になってやる!
 だから俺はこれから、そんなに自由気まましてばかりはいられない。
 …堅苦しい話して悪かったな。パパスさんに挨拶し終わったら、たっぷり遊ぼうぜ!」
そう言ってコリンズは走りだした。レックスとタバサは慌てて彼を追いかける。
走りながらレックスは考えていた。
(コリンズは自分の未来のことをしっかりと考えている。
僕は何をやりたいんだ? 王になること? 世界で一番強い戦士になること?)

思えば魔王を倒した以後、レックスは求めるということを忘れてしまっていた。
家族の温もりや世界の平和など、欲しかったものがあまりに一度に
手に入りすぎてしまったので。幸せで満たされた中、ただ何となく過ごした日々。
それはレックスにある種の不幸をもたらしていたのかも知れない。
この日レックスは勇者とか身分、そして自身の使命を抜きにして初めて自分の人生を
真正面から見据えることになるのであった。

333鏡の中の群像:04/08/23 09:44 ID:akft4WBo
歩き始めて約二時間。目的地の古代の遺跡が見えてきた。
歴史を感じさせる古びたその建物からは、ある種の寂寥感のようなものも漂う。
昔、天空城でゴールドオーブの行方を追ったときに見た
パパスの最期を思い出してレックスとタバサは物憂げに目を細めた。
「じゃ、中入ってみるか」
「…あぁ、そうだね」
コリンズとレックスが歩き出した。
タバサも二人に続こうとしたが不意に、何か邪悪な波動が体に入り込んで
くるような不吉を感じた。タバサの目が大きく見開かれる!
「ま、待って! 二人とも入ったらいけないわ!!」
「「え?」」

その男は遺跡の最初のフロアの奥の方にいた。全身を黒いローブが覆い、
フードを目深に被っている。それのせいで顔はよく見えなかったが、
全身から見るものを畏怖させるような強烈な気を放っている。
その男の周りを何か黒い霧のようなものが漂っていた。
レックスはゴクリと喉を鳴らし、無意識のうちに身構える。
「わぁ、びっくりだね、こんな所に人が来るなんてさ。もしかして迷子なのかい?」
男が喋った。大人びた雰囲気を醸し出す服装とは裏腹に若そうな甲高い声。
いや、その声はむしろ邪気の無い少年のそれと言ってもいいくらいのものだった。
男、いや、少年はクスクス笑いながらレックスたち三人を眺め見る。
「……あなたは一体誰なの?」
タバサが低い声で尋ねた。
「さぁ? 誰だろう?」
「こんな所で一体何をしているの?」
「んー? 何してるんだろうねぇ?」
「……」
ふざけているのか、からかっているのか少年はあくまでも無邪気そうに笑う。
無邪気そうな声なのだが、しかしその笑い声の底からは、限りない悪意が感じ取れた。
レックスたち三人の中に緊張が走る。
334鏡の中の群像:04/08/23 09:50 ID:akft4WBo
「…っていうか俺の国の領地で怪しいことやってるんじゃねぇよ!」
そう言うなりコリンズが鋼鉄の剣を鞘から抜いて飛びかかった!
コリンズの剣の切先が少年の頭のフードをかすめる。
彼のフードがはらりと地面に落ちた。それで少年の顔があらわになる。

太陽を思わせる金色の髪に、空を彷彿させる青色の瞳。
無造作に分けられている髪は、首の後ろで束ねられている。
三人は一瞬、呆気にとられた表情になり、そしてみるみるうちに目が丸くなった。
「レックス…?」

そう、その少年はレックスと瓜二つだった。
コリンズは目の前にいる少年と、後ろに控えているレックスの二人の顔を
交互に見比べる。
レックスと少年の二人の視線が交差した。
驚きを隠せないでいるレックスと、不敵に笑う少年。
穏やかな光を宿す瞳を持つレックスと、冷たく暗く輝き凍てついた瞳を持つ少年。
顔はそっくりな二人ではあったが、しかし二人は決して互いに
相容れない存在であることをタバサは悟った。


今日はここまでにします。最初なんで多めに投稿してしまいました。次からはこの半分くらいで投稿します。
3351レス劇場屋 ◆SSS1Rus0TY :04/08/23 10:28 ID:ZDf07Ilr
>>319
ええ、書かないんですか!?
エチネタ書いてもらわないと漏れだけ浮いてしまいますから無理してでも書いてくださいよ。
あ、もちろん冗談です。メイドロボタバサ(?)萌え(;´Д`)ハァハァ

>>334
連投規制辛かったでしょうに乙彼〜。邪悪レックスですね。
セリフと地の文が少々説明臭いような気もしますがそれも味ですね。
ヘンリー一家から誕生日おめでとうの一言がないのが不思議……。


それにしてもこのスレはドッペルゲンガーネタ多いなあ。
それでいて千差万別イイ話に仕上げてくるんだから若い発想っていいな……。
336 ◆9SqXjvykIQ :04/08/23 10:30 ID:WE0l6QDZ
天空物語のミミ?
まぁ、なんでもいいや。

どこかで見たような展開だけど、おもしろいと思ふ。
かこいいコリンズと青髪・・・・
個人的には禁断の巻物の行方が気になる。
>>324-334
状況がよく分かるような文章に仕上げてくださっていて
とても読みやすく、想像しやすく、また続きが気になる作品が
登場したことを嬉しく思います。
レックス、タバサ、コリンズが大魔王討伐から5年経って
少し大人になったということも分かる台詞回しもとても好感が持てます。
期待大!! がんばれ!!

>ヘンリー一家から誕生日おめでとうの一言がないのが
二日酔いで青ざめてる人を前に「おめでとう」の方がおかしいと思いますが…
気分直しのハーブティーを差し出してくれる方が自然っぽくね?
ヘンリーさんの優しさもよく分かる一コマだと思ったんですが…

>天空物語のミミ?
それとは別人かと…
PS2の博物館で受付嬢しとる人でしょ。
あと青髪なんてあったか? 金髪と青瞳じゃなかったか…
338ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/08/23 13:49 ID:NqA7ffcF
名前忘れたヨ

>>337
金髪と青瞳だろうな。
あ、ホントだ。金髪だった・・・スマソ
ん?てことはレックスが二人!?
339 ◆bsDQ5/RxE. :04/08/23 14:39 ID:nHXSizuC
>>335
新作マダー?
>>334
コリンズが凄く格好いい!見かけは「俺は王になんてなりたくない」と重圧から逃げ出してしまう
タイプだけどむしろそれをプラスに前向きさと責任感が好印象。
ゲマ登場、かと思ったら…続きが気になります。
>>鏡の中の群像
面白い!名産品博物館が話の始まりになるなんて今までに無く新鮮
王子たち三人だけでなく両親たち脇キャラが面白い、
酒の上とはいえピピンお前はなんて命知らずなことをw
唇を静かに離すと、あらためて彼は目の前の女性を見つめた。
ほのかにあかく色づいた顔から藍色の瞳が見上げている。春の小川のような碧い髪を
頭の後ろでまとめ、まとうドレスは上品ながら肩から胸元にかけての透きとおる白い肌を
隠していない。彼が見入っていると、彼女は瞳と顔とを恥ずかしげにうつむかせてしまう。
なんと美しいひとだろう。彼は、自分は彼女に恋し彼女を愛するため産まれてきたのだと
断言できるのだ。
彼の初恋は幼馴染みの娘だった。笑顔の明るい、手足の伸びやかな少女。互いに初恋とは
思えぬほど熱烈に愛した。二世をも契った。
しかし……訪れたある屋敷で、物憂げに外を眺めていた女性――彼女を見た瞬間に、彼の
過去は吹き飛んでしまった。
活発で奔放な少女とは違う、洗練されて落ち着いた、分別のある振る舞い。それでいて
純粋さを喪っていない物言い。彼は戦慄すら覚え、激しく後悔した。今まで生きてきて
何を見てきたのだろう。彼女こそ妻にふさわしい。彼女を腕に抱けるなら、禁忌を犯しても、
王の座を捨てても、いいと思った。
だが、さしもの彼も、愛されて平和に暮らす彼女の生活を壊すことにはためらわれた。
そのまま何もなかったなら、彼の想いだけで終わるはずであった。
ところが、夜、屋敷の庭に忍び込んだ彼は、ひとりで散歩している彼女に出会ってしまったのだ。
彼は、夢中で彼女に駈け寄ると、腕をとり、翼を使った。一瞬ののち、二人は彼の城の
バルコニーに立っていた。
驚く彼女に、彼は想いのたけを率直にぶつけた。このような告白をいま突然おこなう恥も
人間の道に外れる背徳もわかっている、だが自分は誰よりも貴女を愛しており、もはや
死ぬまで消えはしない、自分の愛を受け入れられないなら、もちろん、拒絶してくれ、と。
彼の言葉を黙って聞いていた彼女は、やさしく微笑むと、彼の手に触れ、ささやいた。
こうなることはわかっていた、子供の頃からずっと彼を待っていた、ほんとうは、縛られた
生活がたまらなく嫌だった……と。そして、あぜんとし少年のように顔を朱にした彼に、彼女から
体重を預けてきたのだ。
その晩のうちに、二人は結ばれた。
―――それで、今に至る。
はにかんだ彼女のあの朝の仕草と、うつむき恥じらう彼女のいまの様子は、まったく変わって
いない。
3442/3 ◆SSS1Rus0TY :04/08/24 09:20 ID:MNUyIoRU
「………」
彼は、彼女の腰に回っていた手を下へ滑りおろした。
あっ、と彼女が顔を上げ、彼の腕に手を乗せる。
「い、いけませんわ……」
「どうして」
「あの子たち、それにビアンカさんが帰ってきます。もしも見つかれば……」
「構わない。何とかするさ。俺にとって、この国の王妃は君だ」
彼女の豊かな臀部を持ち抱えるように引きつけた。節くれ立った外見のわりに器用な指が
スカートをスルスルと巻き上げる。陶器のようなくるぶしが、蝋人形のそれのようなふくらはぎ
そして膝が、露わになってくる。
「ああ……」
肩骨にくちづけられると、彼女は観念したように甘い息を漏らした。
彼は胸で彼女の身体を押し、ベッドに仰向けに倒れ込ませた。音ひとつ、しなかった。
唇が重なる。彼が手を彼女の太股に這わせると、彼女は彼の肩にしがみついてきた。
その薬指に、黄水晶の指輪が、光っていた。


「………………」
その二人を、寝室の扉の隙間から最前よりうかがっている、2つの顔があった。
この城の王子王女である双子の兄妹。互いに顔を近づけているために母親譲りの金髪が
首筋をくすぐりあっているが、ふたりともそれをまったく意に介さず、ただただがくぜんとした
面持ちで、息を呑み、手を握り合って、彼らの行為を見つめている。
この年頃のたいていの少年少女のように、双子はその行為もその意味も頭で知ってはいた。
興味を持ちながらも、その行為を暗く汚らわしいものとして嫌悪していた。それを今初めて
目の当たりにし、しかも兄妹にとっては尊敬・憧れ・思慕とも世界で最上級に位置するはずの
人間どうしが、この場で、その行為を行っているのである。見てはならないものを見てしまった
という恐怖、加えて、裏切られたような思いにとらわれていた。
しかし―――。
王子も王女も、それとは別の熱い心持ち……興味や好奇心などよりさらに強いもの……が、
心に湧き上がっていた。ふたりは眼前の行為に目を離さず見守っていた。早すぎる鼓動が
正常に物事を考えることを妨げ、顔や頭に熱い血を立ちのぼらせる。兄妹は陶酔したように
ぼおっとしながら、互いの手をさらに強く握り合った。
3453/3 ◆SSS1Rus0TY :04/08/24 09:26 ID:MNUyIoRU
「…………」
とうとう双子は、どちらが先ともなしに、顔を相手に向けた。トロリとした悩ましげな瞳をしている
のを互いに認めあった。王女がうつむいた。王子は、ぱちぱち瞬きしてから口をもごつかせ、
妹の手を放した。だが、べったりとした汗を膝で拭うと、再びおずおずとその手を伸ばし、今度は
妹のほっそりした腕をつかんだ。左腕、次に、右腕も。
王女が顔を上げた。青い瞳を大きく見開き、しばらく兄を見上げた。それからまぶたを静かに
閉ざした。わずかに、おとがいを反らせながら。
「………!」
彼女がそうするのを待っていたはずの王子は、驚いたかのように肩を震わせ、額に汗を浮かべた。
唾をのみこみ、差し出された小さな唇を見つめ、舌で乾いた唇をなめ、さらにその舌で、歯を
磨いたかどうか確かめた。そうしてやっと、身体を傾け、妹の両腕をつかむ手にわずかに力を
こめた。王女の肩が震えた。その妹に、王子は、唇を突き出した滑稽な顔を近づけていった。
「―――!!」
そのとき。階下から母親の帰城の挨拶が聞こえてきた。兄妹はハッと動きを止め、弾かれた
ように離れた。そして、相手に顔を見せないよう見せられないよう、我先にと階段に向かって
走っていった。


「んー、スッキリしたぁ!
 ほらほら、帰ってきたんだからしゃんとしなさいよ王様。だらしないわよ。うふふっ」
「ん、ああ。きみは楽でいいよなあ……。
 おっ、レックス、タバサ、ただいま。どうかしたか? 顔、真っ赤だぞ」
「そ、そんなことどうでもいいでしょ。
 それよりお父さん。その……お父さんたちの部屋に、お祖父ちゃんとお祖母ちゃんがいるよ!」
「え。パパスさ……お義父さんたちの幽霊、またぁ?」
「うん。あのね、その……デート、してるみたいなの……」
「父さんたち、やっぱりまだ天国に行ってなかったのか。
 俺たちを見守ってくれてるって言うけど、こうたびたび出て来られるとなあ……」
「んもう。たびたびじゃないわ、ここんとこ毎日毎晩よ。おかげで私たち、ぜんぜん……。
 コ、コホンッ! このままだと私たちゆっくり眠れないわ。一度、あなたから、お二人にちゃんと話さなきゃ」
「といっても、俺にはどうしようも……。
 しょうがない、レックス。今度父さんたち出てきたら、シャナクかけてあげてくれ」
346 ◆9SqXjvykIQ :04/08/24 09:42 ID:vTYllVuv
1レスじゃねぇしな・・・
347 ◆9SqXjvykIQ :04/08/24 09:57 ID:vTYllVuv
疑問に思うのだがシャナクで成仏できるのか?
どっちかっていうとニフラムだと思うのだが・・・・
3481レス劇場屋 ◆SSS1Rus0TY :04/08/24 10:26 ID:MNUyIoRU
小細工しないと落とせない。地の文がくどい上にボキャ貧でいっぱいいっぱい。
これが漏れの長編どころか短編も書けない理由です。うう、職人さんが羨ましい……。

>>337
>二日酔いで青ざめてる人を前に「おめでとう」の方がおかしいと思いますが…
それはひょっとしてマジでおっしゃってるんですか(AA略

>>339
期待してくれて亞里亞d。
休日続きだと「まともなエロネタ」しか浮かばんのです……。

>>346>>347
うっさいなあw ほい、しょぼいけど1レス↓。ニフラムはモンスター出さないと駄目でしょう。

「ええっ? ぼくが、ギガデイン受けてる夢見たって? タバサ」
「うん……わたしの夢って、よく正夢になっちゃうの。おにいちゃん、気をつけて……」
「わかった。ありがと。……けど、モンスターでギガデイン使ってくるのって、いたっけ?」
「レックスとタバサ! キングス、ピエールと代わってくれ」
「うん! あっ、ライオウ!? そうか、もしかしてライオウが混乱してぼくにギガデインを……。
 ようし、じゃあ早く戦闘終わらせないと! ギ・ガ・デ・イ……って、うわわ、ガメゴンロードがいる!
 そっか。こういうことだったんだ。危なかったあ。
 でもまだ何があるかわかんないな。そうだ、お父さんには悪いけど、戦闘終わるまでこの井戸に隠れていよっと……」

「ふう、もう終わったかな。お父さーん、さぼっちゃってごめんなさ……??
 え、あれ? ここどこ? なんだかどこかで見たかも……?」
「あれえっ? あなた、誰かな。こんなとこにあなたみたいなカワイー子、いたっけ?」
「あ、この子ってほら、この前ここ通ったときに召使いさんと女の子といっしょにいた、お父さん探してるって子よ」
「へええ。いつの間にこんな成長したんだ。しかもやたら強そうになってるな。おいぼうず、お前、今の職業は?」
「しょ、職業ですか? 職業……えっと、勇者、かなあ」
「すげー! 勇者だって! オレ様でさえまだパラディンだってのに。おい、ついでだし、こいつ仲間にしちまおうぜ」
「何だよ、ついでっていうのは。怖がってるじゃないか。でも、なんか他人とは思えないな……。
 えーと、君。僕たちはこれからダークドレアムっていう奴を倒しに行くんだ。良かったら一緒に来ないかな?」
349337:04/08/24 12:16 ID:42Dze1V0
>それはひょっとしてマジでおっしゃってるんですか(AA略

ん? 大マジだけど?
何かおかしいこと言ったですか?
おかしい箇所があったら教えてくださいえろい人。
350ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/08/24 13:00 ID:vTYllVuv
エロイ人だって・・・・
答えてあげなよ、えろい人。
>>345
某サラボナのお嬢様との失楽園かと思ったら昇天夫婦のギシギシアンアンかΣ(゚д゚lll)
どちらにしろ双子がやっていたことに変わりはないわけだが
352名前が無い@ただの名無しのようだ:04/08/24 18:49 ID:eeYiwyAs
>>348
ウホ
ごめーん。誤爆した
シリアスな話大歓迎、むしろ上手いこと原作の設定をつかっていると思う
コリンズを久々に見た気がした

>>316
ぷちぷりユーシィのココルーの執事チャウを思い出した

>>348
デスコッドキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
そのままY世界に紛れ込んだレックスの話を長編で見たくなった
355 ◆bsDQ5/RxE. :04/08/24 21:54 ID:BeRoWyI6
>348乙

デスコッドでの二人ってどんな格好してたっけ?
画像あったらアップしてください。
>>355
Yにおける普通の男の子と女の子のCG
357二つの思い / 受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/08/25 03:26 ID:vbfqFVez
えっと投稿前にいくつか。

えっちなネタは全く書いちゃいけないとは言いませんけど、
あまりにも露骨な表現のあるSSは>>2にあるスレ(を探してそこに)載せてから
こっちで告知する形が良いんじゃないかと思うです・・・。
ぁ、でも私はここの管理者でもなんでもないですから、
一意見としてとらえてくだされば、と思います。

それから前回の小説では、ミスタイプがありまして申し訳ありませんでした。
あとビアンカが青髪双子を知っているか、ですが
>一方、グランバニア城では4人の帰りが遅いと城中で大騒ぎになっていた。
の一行でビアンカにも知れ渡っていると察していただけると嬉しいです。
・・・もう少しわかりやすい文を書くように努力します。

358二つの思い / 受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/08/25 03:41 ID:vbfqFVez
>>280-283 の続きです。

「―もうそろそろ日が沈むね。 タバサ、こっちおいで。」
「うん、お兄ちゃん!」

大神殿では、お互いに体を寄せ合って空を見上げている二人の姿があった。
あの席では七夕の前後の話しかしていなかったが、
ここにきて二人はお互いの世界での出来事をいろいろ話しあった。
青髪レックスたちが、向こうの世界で金髪タバサたちと同じ経験をしていたことも―。

「ねぇ、お兄ちゃん・・・。 私、幸せかも・・・。」
青髪レックスを横に、大の字のように寝転がる金髪タバサ。


ここでの生活は金髪タバサにとっては夢のようなものだった。
この生活から抜け出すなどということは今の金髪タバサには到底考えられない。

今、青髪レックスと金髪タバサの二人は世界で一番高い場所で、
この禁断の恋を成就させている。

これからもずっと、誰にも悟られず二人で過ごしていくはずだった。
359二つの思い / 受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/08/25 03:42 ID:vbfqFVez
が。

((ザワザワ・・・))


「ん・・・お兄ちゃん、誰かいるよ?」
"何かの気配"を人一倍早く察知した金髪タバサが青髪レックスに言う。
すると突然、
「はっはっは! ・・・あーっはっは!」
青髪レックスは勝ち誇ったかのように高々と笑う。
「青髪タバサもやるなぁ!頑固なあいつを落としたのか。
なぁ、タバサ?あいつも結局は寂しかったんだよなっ。」
そのままの顔で金髪タバサに目をやる青髪レックス。

「ふふ、そうね・・・。 ―!!」

ドゥンッ。
魔法だ。明らかに、自分たちを殺傷する目的を持っている―。

「あ、危ない―!!」
間一髪で、青髪レックスは金髪タバサを自分のほうへ引き寄せ、守る。
「メ、メラゾーマ・・・?」
困惑している二人。
ふと青髪レックスが顔をあげると、目の前に信じられない光景が広がった。

「おやおや。 エスタークさまのお導きでしょうかねぇ。
こんなところにこの二人がいるなんて。片方は髪の色が違う気がしますが・・・
挨拶代わりのメラゾーマもよけましたし、まぁ本物なのでしょう。 」
360二つの思い / 受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/08/25 03:54 ID:vbfqFVez
「・・・おまえ、なぜ・・?」
「・・なに、お兄ちゃん? ・・・!!」
青髪レックスの声につられて顔をあげた金髪タバサの顔も一瞬にしてこわばった。

「ほっほっほっ・・・なぜか?と問われれば、答えてさしあげましょうか。」
この癖のある話し方。あの頃と変わっていない。 ―ゲマだ。
「・・・地獄の帝王、エスタークさまのおかげなのですよ。
あの方が、特別に私を生き返らせてくれたのです。」

「・・・エスターク!? 誰だ、それは・・・ 答えろ、ゲマ!」
激しい憎悪からか、青髪レックスの声は先ほどまでとはうってかわってとげとげしい。
「おや、知らないのですか・・? 魔界のとある洞窟の奥深くに眠るお方ですよ。
・・・まぁ、貴方たちは知らなくてもよいことです。 さぁ、死んでいただきましょう!」

「そうはいくかっ、ギガデイン!」
「なに、今までの私じゃありませんよ!」
青髪レックスのギガデインをゲマはいともたやすく避ける。

「・・・やるな! でも、これはどうだ?ミナデイン!」
「何度やっても同じことです! あきらめなさい! メラゾーマ!」

「マホカンテ!」
金髪タバサととっさの判断で青髪レックスはメラゾーマを跳ね返すことができた。

「いてつく波動!」「メラゾーマ!」

パリンッ。 青髪レックスの体をつつんでいたマホカンテの膜が割れ、
そこにゲマのメラゾーマが直撃した。
361二つの思い / 受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/08/25 03:55 ID:vbfqFVez
「お兄ちゃん、私に任せて! イオナズン! 」
辺りが真っ白になる。 と同時に、ものすごい爆発音が大神殿に響く。

「この程度ですか。私には蚊みたいなものですねぇ。」
ゲマは平然としている。

「・・・!なんで・・・」
金髪タバサの顔が青ざめる。

「タバサ、下がってて!」
片手でタバサを自分の後ろに逃がし、自分はライデインを天空の剣めがけ放った。

「お前だけが強くなってるわけじゃないんだ!
僕だって新しい技を覚えた! くらえっ、ギガスラッシュ!」

スパンッ。 ドゥンッ。
レックスがゲマにつくった傷から光があふれ、ついには爆発した。

「・・・やったか?」

甘かった。
「貴方たちはこのような力しかないのですか?
以前と比べると威力が落ちています。・・・鍛錬不足ではないのですか?」
ゲマの口元から微笑がこぼれる。

「くっ、タバサ、こっちくるんだっ!」
青髪レックスは金髪タバサの手を引いて走った。
362二つの思い / 受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/08/25 03:59 ID:vbfqFVez
「どこまで逃げるつもりです! 逃げられませんよ!」
ゲマも後をおうようについていく。
青髪レックスはどこまでも逃げた。 走れる限り走った。
ミナデインも、ギガデインも真技もきかない。そえに金髪タバサの魔法もきかない。
これ以上思いつくことのない青髪レックスには一か八かの逃げの手以外にとる方法はなかったのだ。

********************

次回に続きます。
>>362
うおぅ、続きキタ!!
お疲れ様です

ゲマ(゚д゚)ツエーナー


マホカンテはマホカンタじゃないのかと思ったのはナイショ

3641レス劇場屋 ◆SSS1Rus0TY :04/08/25 06:26 ID:9TQFigtj
>>357
連投規制が辛い時間帯に乙でした。急展開ですね。
ライデイン+スラッシュなんですからどっちかというとライスラッシュ……これじゃ学食か。
ダイだとライデインストラッシュなので問題ありませんでしたけど。

「あまりにも露骨な表現」というのもビミョーな定義でして……。
けっきょくは自主判断だのみになってしまうと思います……と漏れが言うのもナンですな。

>>349
雑談スレ……はないので、避難所へどうぞ。

>>350
ミラーの話はダーク系なんですか?
自治うぜー(´A`)
>>362
続き乙、意外なキャラに意外な展開
エスタークの名前もでてきたりして金レックスはびっくりしそうだ
367337:04/08/25 17:35 ID:s6NioygW
>364
じゃあ避難所に答えをどうぞよろしくお願いします。
368鏡の中の群像の作者…:04/08/25 18:33 ID:tbbSuUdW
読んでくださった方ありがとうございます!!たくさんのレスを頂いて本当に嬉しかったです!

ヘンリー一家からおめでとうの一言が無かった件については
後で自分で読み返してみたら>>337さんのような解釈もできるんだなぁって一人で納得してしまいました。
それを俺が計算した上での、あの展開だったらアリなんじゃないかな、と自分でも思うのですが
実際には二人の誕生日の次の日であるということが、俺の頭からすっぽ抜けていただけなんですよね。要精進です、俺。
ただ、物語というジャンルの性質上、書いてる人間が意図しなかった解釈がでてくるというのもおおいにアリだと思うんです。

多分、1レス劇場屋さんのご指摘がなかったら、自分が見落としているということに気付けなかったと思うし、
>>337さんのレスがなかったら別の解釈ができるんだな、ということにも自分は気付けなかったと思います。

つまり何が言いたかったのかというと、これは作者のエゴですが、読んでいて気付いた点とかあったとき
レスしてくださったら、書いてる側の人間からすれば凄くありがたいな、と思うことです。

長々とすみませんでした。こんな作者の書く作品ですが生暖かく見守ってくだされば幸いです。
369鏡の中の群像:04/08/25 18:35 ID:tbbSuUdW
>>334より続き

「驚いたなぁ、いきなり斬りつけてくるんだもんな。
 まぁ、狙いがフードだってのは分かっていたから避けなかったけどさ」
少年がニコニコ笑いながら可愛らしく肩をすくめる。
「君は誰なんだ? どうして僕とこんなに顔が似ている?」
「それを知ってどうするの? どうせこれから死んじゃうのにさ」
「!?」
少年の周りを漂っていた黒い霧が彼に集まり、体の中へと入っていく!
「勇者レックスに魔法使いタバサ。そしてオマケのコリンズ」
「…おいオマケって何だ、オマケって!」
コリンズのツッコミをあっさりとスルーしながら、少年は瞳を妖しく光らせる。
「悪いけどここで死んでもらうよ。
君たちってどう考えても僕にとっては邪魔にしかならないと思うからさ」
少年の体中から強烈な魔力があふれだす。
レックスはもしものためにと持ってきていた天空の剣を構えて、少年に言った。
「君が強いのは分かるよ。でも、その程度じゃ僕らには勝てない」
少年はクスクス笑いながら、両腕を大きくゆっくりと左右に広げた。
「それくらい分かっているよ。まだ僕は準備が整っていないからね。
 だから、僕の代わりにこの子に頑張ってもらおうと思うんだ」
少年がそう言うなり、彼の足元に巨大な魔法陣が生じた。
そこから強烈な光が溢れる。そのあまりの眩しさにレックスたちは腕で目を覆った。
急に重苦しくなる空気。剣を握る手にはじわりと汗がにじむ。
レックスは突然言いようもない不安に襲われた。何かが来る!!
「これは!?」
光の中から姿を現したのは、紫色の鱗に覆われ、巨大な爪と牙、そして羽を持つ
大型のドラゴン系の魔物。
「な、なんだコイツは? こんな魔物、今まで見たことがない!」
370鏡の中の群像:04/08/25 18:38 ID:tbbSuUdW
レックスが叫んだ。魔物あたりをゆっくりと見回す。
『私が倒すべき相手はこんなガキ共なのか? フン、なめられたものだ…』
「あんまり見くびっちゃいけないよ。この人たち見た目以上に出来るからさ」
少年は笑いながら言った。
「それじゃ生きてたらまた会おうねー、まぁ無理だと思うけど」
笑いながら手を振る少年を闇の光が覆い始める。
「あっ、待て!」
止める間もなく少年は闇の空間に掻き消えた。

後にはレックスたち三人と魔物だけが取り残される。
『さて… 私も暇ではない。抵抗しなければ楽に殺してやるぞ』
魔物が人の言葉を話すこと自体も驚きであったが、
それ以上にレックスは今の一言にカチンと来ていた。
「子供だと思って馬鹿にするんじゃないぞ!」
レックスが鞘から天空の剣を抜き放つ!そして一瞬で二人の間合いが詰まったかと思うと
次の瞬間には魔物の腹から血が吹き出していた!
レックスの一閃が見事に決まったのである。
「レックスのヤツ、やるじゃねーか!」
『ぬぅ… それは天空の剣か? と、いうことはお前が勇者の再来か…
 なるほど、そうと分かれば全力で叩きふせるまで!』
瞳を光らせ、竜がその巨大な尾を振り回した。
「うわっ!」
尾の重量と回転の速さ、そして遠心力が組み合わさり、
とてつもない破壊力が生み出される。その一撃をまともに食らって、
レックスはまるで子供に投げ捨てられたボロ人形のように
あっさりと遠くへ吹っ飛ばされて床に叩きつけられた。
『抵抗しなければ楽に殺してやると、忠告はしたぞ!』
追い討ちをかけるかのように竜は口を大きく開けた!
ゴォオオと大きな音がたったかと思うのと同時に凄まじい熱気がレックスに襲いかかった。
371鏡の中の群像:04/08/25 18:39 ID:tbbSuUdW
「あち、あちちち! 何だこれ? 炎は見えないけど熱い…
 でも、しゃくねつの炎に比べたら全然大したことないな。
 こんなんじゃ僕らを足止めすることすら出来ないよ」
レックスが精神を集中させ、手の平に魔力を集める。閃光の呪文べギラマだ。

「なんか、俺たちの出番無さそうだな」
コリンズがつぶやくが、その隣にいたタバサの顔は不安で満ち溢れていた。
「今の見えないブレスは何なの? この変な匂いは… これは…」
タバサははっと顔を上げた。
「お兄ちゃん、攻撃の魔法を使ったらいけない!」
「え!?」
しかし、既にレックスはべギラマの呪文の詠唱を終えていた。
彼の手の平に炎が生じる。だが次の瞬間にべギラマの炎は
レックスの意に反して大きく膨れ上がり彼を巻き込んで巨大な爆発を起こした!
「な!? これは……」
爆発の衝撃で吹っ飛ばされ、壁で頭を強く打ったレックスはそこで気を失ってしまった。
「レックス!!」
『さて、後はお前たち二人だけだ…』
竜は牙を見せてニタリと笑った。
「タバサ!? 今のは一体何なんだよ!? 
何でレックスのべギラマが勝手に爆発しちまったんだ?」
「私、昔本で読んだことがあるの。世の中には燃える気体があるってことを…」
「燃える気体? 何だそれ?」
『フン、この時代の人間はガスも知らんのか』
「ガス?」
「コリンズ君、私が何とかするから少しだけ時間を稼いで!」
「お、おう!」
タバサはこの非常事態に対処すべく頭脳をフル回転させた。思いのほか魔物は強敵だ。
コリンズは一瞬戸惑ったような顔をしたが、すぐに鋼鉄の剣を構えて走り出した!
372鏡の中の群像:04/08/25 18:41 ID:tbbSuUdW
『お前ごときが時間稼ぎをすることが出来るかな?』
「そんなの、やってみなけりゃ分からねぇだろ!」
コリンズがムッとしたような表情で剣を振るうがそれは虚しくも空を斬る。
『遅いな』
一瞬でコリンズの背後をとった竜が、その鋭い爪で彼を切り裂いた!
「うぁ……」
コリンズは自分の肩から流れる血を見てゾッとしたがすぐに剣を構えなおす。
それを見た竜はさげすむように笑った。
『まだ闘う気なのか。実力の差は明白だというのに』
「実力の差なんて関係ねーよ、子分を守るのは親分の義務だからな」
言いながらもコリンズは死の恐怖に震えていた。伝説の勇者を一瞬で戦闘不能に
追い込んだ化け物を相手にただの人間である自分がどれだけ闘えるというのか。
――ちくしょう!このままじゃ俺はただの役立たずじゃねーかよ!
コリンズはギリリと奥歯を噛み締めた。

『あきらめろ。苦しみたくなかったらな』
「黙れ、この爬虫類! 人間をなめてんじゃねーよ!!」
コリンズが叫び声を上げながら竜に突進を仕掛ける!
竜は高熱のガスを浴びせかけたが、彼はひるまなかった。
「おらああああ!」
コリンズの斬撃が、先程レックスが切りつけたのと同じ部位を襲う!
『!! が…!! 貴様!!』
怒りにかられた竜が尾を振り回す!その一撃を避けきれずコリンズは床に叩きつけられた。
『最初から大人しくしていればいいものを…』

忌まわしげに竜が呟いたとき、猛烈な吹雪が魔物を襲った。
373鏡の中の群像:04/08/25 18:42 ID:tbbSuUdW
「コリンズ君… 時間稼ぎありがとう…」
タバサの操る極冷呪文マヒャド。それは竜の高熱のガスに対抗する最上の手段。
タバサは、床に崩れ落ちたレックスとコリンズの二人をちらりと見た。
そして、眼前の魔物の目を睨みつける。その瞳は静かな怒りをたたえて燃えている。
『小娘の分際でマヒャドを使えるとは…… 面白い。
 私の高熱のガスとどちらが勝るか勝負といこうか』
タバサの吹雪と竜の強烈なブレスが真正面からぶつかった!

最初は拮抗していた二つだが、次第にマヒャドがおし始める。
『……』
明らかに劣勢なのにも関わらず竜は余裕の笑みすら浮かべていた。
タバサの心に焦りが生じた。この余裕は一体どこから湧き出るというのか?
もしかしたら自分は何かを見落としているのではないか?
タバサがそう思い至ったとき、急に頭が重くなるのを感じた。
「え……?」
喉に何か物を詰められたかのような息苦しさを感じる。
視界がぼやけまともに前を見ることが出来ない。
『高熱のガスのもう一つの力。それは長時間吸い続けた人間の体の自由を奪うこと』
竜が低くつぶやいたが、それさえもタバサはまともに聞き取ることが出来なかった。
大量の魔力を使うことを余儀なくされるマヒャド。
それを使い続けることが結果として狭いフロアに充満した
ガスが早く体中に回ってしまうという事態を招いてしまったのだ。
ただただ何とかしなければ、という思いだけが空回りをする。
腕が痺れてきた。頭はクラクラして立っていられないほどだ。
「そんな……」
マヒャドの吹雪の威力が急に衰える。
タバサは膝の力が抜けて、そのまま床に崩れ落ちてしまった。
374鏡の中の群像:04/08/25 18:44 ID:tbbSuUdW
『なかなかの実力者だったな。だが… これまでだ!』
タバサは苦しげに呻いたが、体に力が入らない。
「こんなところで… 終わっちまうのかよ…!」
コリンズが肩をかばいながら立ち上がろうと試みたが叶わなかった。
竜が大きく息を吸い込んだ。

―――お父さん、お母さん、ごめんなさい……
タバサがゆっくりと目をつぶった。

そして、今まさに竜のブレスが吐かれようとしたそのとき。

気絶していた勇者レックスの指先がピクリと動いた……

―――タバサたちが苦しんでいる……

『む?』
レックスがゆっくりと立ち上がり竜を睨みつける。
足が、痛みでガタガタと震えている。とても立っていられる状態ではない。
『…本当にあきらめの悪い連中だ。勇者よ、そんなボロボロな体で何ができる』
魔物が笑ったが、それでもレックスは天空の剣を手に取った。
「…守らなきゃいけないんだ」
『なぜ素直にあきらめない? 勇者としての責任感がお前を立ち上がらせているのか?』
「違う!!」
レックスは声を張り上げた。
「僕が勇者であるとかそんなのは関係ない!ただ…
 ただみんなのことを僕が好きだから闘うんだ! 
生きることをあきらめない理由なんてそれだけで十分だ…!!」
375鏡の中の群像:04/08/25 18:46 ID:tbbSuUdW
『……そうか。なら自分の力の無さを噛み締めて死ね!』
竜が口を大きく開ける! それと同時に、レックスが天空の剣を振りかざした!
「僕たちは負けない! 決まってくれ。 ライ… ディイイーーン!!」
レックスが叫んだかと思うと、次の瞬間凄まじいばかりの轟音がなり響いた!
天から強烈な稲妻が古代の遺跡に向かって落とされ、天井を突き破る!!
そして茫然とする竜に直撃を……    しなかった……

ガラガラと天井が崩れる落ちる中、魔物の笑い声が響き渡った。
『…フフフ。 フハハハハ!! 天井を壊すだけで精一杯だったとはな。
 最後の最後で詰めを誤るようでは貴様らに勝ちなどない!』
「……いや、これでいいんだ」
レックスが壁にもたせかかりながら笑った。
『これでいい… だと?』
竜はハッとしてタバサの方へ向き直った。

天井が崩れて、そこからは空が見えた。コリンズがバギの呪文を唱える!
フロア中に充満していた竜の吐いたガスはバギの渦に巻き込まれて
大きく開いた天井の穴から外へと拡散していく。
まだ完全とは言えないまでもタバサの意識がはっきりとしてきた。
キッと前を向いて両の手を前に向けて構える!
「マヒャド!!」
『くっ!』
竜がタバサに向かって炎を吐き出した! しかしタバサのマヒャドはそれを
あっさりと突き破って、一瞬のうちに魔物の体温を奪う!
『そんな… 馬鹿な… 先程のマヒャドとはケタ違いな威力ではないか…
 私が負ける…? フフフ、私は…結局、勇者に、倒され…る…運命にあ……』
セリフを言い終えることができずに竜は一つの巨大な氷像へと姿を変えた。
知らない人が見れば一級の美術品と見間違ってもおかしくはないその氷像は
やがて、音もたてずにバラバラに砕け散った……
376鏡の中の群像:04/08/25 18:48 ID:tbbSuUdW

―――……


「…結局お前らに頼りっぱなしだったな」
コリンズがレックスを抱き起こしながらつぶやいた。
決着がついたのを確認した後、レックスはまた気を失ってしまったのである。
「そんなことない。私たちが無事でいられたのはコリンズ君の勇気あってこそのものよ」
「だといいんだけどな」
コリンズは照れくさそうに苦笑した。そしてレックスの顔をじっと見つめる。

「勇者であるとかそんなのは関係ない、みんなのことを好きだから闘うんだ… か」
その寝顔は穏やか、かつ幸せそうで、とても歴戦の勇者とは思えなかった。しかし。

「やっぱ、お前はまぎれも無く勇者だよ」
コリンズがポツリとつぶやいた。

377鏡の中の群像:04/08/25 18:53 ID:tbbSuUdW


「そうだね。君は本当に勇者なんだね、レックス」
緑深き静かな森の中、黒衣の例の少年は大木の枝の上で寝そべっていた。
彼の視線の先には薄紫色の水晶球が浮いている。その水晶はレックスたちと竜の
死闘の様子を鮮明に映し出していた。
レックス本人は戦闘でそれほど活躍していたとは言えない。
しかし、レックスの気迫が倒れて絶望している二人に勇気を与え、そして勝利へと導いた…

「うーん、けど最弱とはいえ四天王の一角をやっつけちゃうとは思わなかったなぁ。
 勇者レックス… か」
少し考え込むような表情をしたあと、少年は水晶を手に取った。
「ちょっとあなどり過ぎていたのかもね。僕もそろそろ真面目に動かなきゃ」
そう言うと少年は目を鋭く細めた。水晶が強烈な光を放つ。
「さて、僕が打ったもう一手は今どこにいるのかな〜、と」
少年は何か獲物を探し求めるかのように注意深く目玉をキョロキョロと動かした。
やがて水晶球は木陰で一心不乱に何かの巻物を読みふけっている一人の若者を映し出す。
「見ぃーつけた♪」
少年がニコリと笑う。風が吹き、木がざわめき、鳥たちが一斉に飛び立った。
まるで、これから何かが始まるよ、とでも言うように。

3781レス劇場屋 ◆SSS1Rus0TY :04/08/25 19:16 ID:9TQFigtj
>>368
乙〜。イイ感じで展開してますね。
少しばかり描写が大仰で、会話が説明的すぎるきらいはありますが、論理がしっかりしていて、読んでいて楽しい話ですね。
自分が目指してたスタイルはこういう味の文章だったなあ……などと遠い目をしてる漏れです。
次の投下も期待しております。

ついでに漏れの>>335についての解釈は、
(i):ヘンリーはとっておきのプレゼントを用意しており、それはアベルビアンカとも知っていて、さらにコリンズも(タバサへの?)特別な贈り物をしようとしている。
(ii):いろいろあって年齢が大きくズレてしまっているため、一家間で誕生日について触れることは禁句になっている。
(iii):アベル一家とヘンリー一家は、親しいながらもお互いに干渉しない、ドライな関係である。
(iv):アベル一家の国とヘンリー一家の国では、時間の流れ方が異なっている。
でした。どれも違ってて良かったw
379ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/08/25 20:03 ID:93dLRRq7
鏡の中の群像
おもしろい!!
戦闘シーンの描写が上手いと思う。戦闘シーンが苦手な漏れにとっては憧れ?に近い物が感じられる。
ただ、戦闘が続くと1パターンになるかもしれないなぁ・・・・それを上手く見せれたら神?になるかも。
とにかく、がんがれ!!続き期待
バトル展開連発キタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!!

>>362
地上で金髪レックスが青髪タバサとのバトル(?)に苦戦している間に
上では青髪レックスと金髪タバサが本当のバトルに苦戦しているとは。
マスタードラゴン達も動きだしたから上の方はどんどん激化するのかな。

>>377
バトル的伏線や設定の使い方、セリフまわしが巧いと思いますた。ダイ大好きの血が騒ぐ
足手まといかと思ったコリンズもそれなりに熱く活躍していて(・∀・)イイ!
アン○レアル登場ということは他にもそっち系のキャラが出そうですね
勇者レックス 魔法使いタバサ 戦士?コリンズ
そんな三人を見てるとX-Uを期待してしまう

コリンズはもう少し武器やアイテムで補強しないと双子と釣り合わないけど
>>368
お疲れさま
面白いです、まじで

上のレスでも書かれてますけど、地の文の表現がすばらしいっす
続きを楽しみにしております
頑張ってください



保管庫のノッティ氏のSSが消えてるのぅ・・・(´・ω・`)
こっちも続きを楽しみにしてたのに
>>358
ギガスラッシュまで使ったのにかませ役だなんて…青無惨


思ったのだけど、呼称が金髪タバサ、青髪レックスより
タバサ(青髪)とか青いタバサ、という感じな言い方の方が良い気がする。
従来の言い方だとセリフ中で呼ばれる名前にちょっと違和感を感じる。
>>382
ホントだ〜削除されちゃってるよぉ〜
>ノッティ氏〜
是非続きキボンヌ!ダークでも何でも面白ければ(度を越したエロは除いて)イイと思う!

>鏡の中の群像
先の読めない展開がイイ!続編期待しています。
385ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/08/27 21:11 ID:H/+q+zMs
あ、なんか久しぶりかも・・・・
削除したのは自分なんですけど・・・なんか自分のSSに自信がなくって。
だから、次回作はもう少し待ってくれませんか?
>>385
のんびり投下してやってくださいな
387鏡の中の群像:04/08/27 23:45 ID:mz0GJqC3
>>377より続きです。

第二章,夢の中の男

その日の夕刻、ラインハット城は大きな動揺とざわめきに包まれていた。
無理もない、二つの国の王子と王女が全身傷だらけで城に帰ってきたのだから。
「うちのコリンズならともかく、レックスとタバサがここまで深手を負わされるとはな…」
深刻そうな顔をしてヘンリーが腕組みをした。アベルとマリアの顔も暗く沈んでいる。
そのときガチャリと扉が開く音がした。三人は慌ててそちらを見た。
中から疲れきった表情のビアンカが、その後ろからタバサとコリンズが出てきた。
「おう、二人はもう大丈夫なのか?」
ヘンリーは暗い雰囲気を取り払うように、わざと明るい声で呼びかけた。
「私たちはもう大丈夫です。お父さんのべホマが良く効きましたから… でも」
「レックスはまだ眠ったままよ。命に別状は無いんだけどね。
 まぁ、タバサでさえやられかかったガスの中でライデインなんか使っちゃったから
 しょうがないんでしょうけど」
辛そうに話すタバサをさえぎってビアンカが続けた。

「そうか… まぁでも命に別状が無いのならとりあえずは良かったよ。
 ……しかし、世界は平和になったはずじゃないのか?」
アベルが首をかしげた。それを聞いてタバサが一歩前に踏み出す。
「今から私が今日見聞きしたことを全部話します。
 信じられないことも多いかもしれないけど… 私だって出来れば信じたくないけど…
 全部本当のことです。信じてください…」
そしてタバサはゆっくりと話し始めた。

今まで見たことも無かった魔物が現れたことを。
レックスと瓜二つな少年の存在と、彼が何かを企んでいるらしいことを。
そして、名乗りもしないうちから彼が自分たちの素性を知っていたということを……!
388鏡の中の群像:04/08/27 23:48 ID:mz0GJqC3

その頃――― レックスは夢を見ていた……


小さな部屋の中に所狭しと言わんばかりに家具やら何やらが置かれている。
全体的に古くボロい家ではあるが、住み心地は決して悪そうではない。
夕刻なのか、窓から差し込む光が壁をみかん色に染め、部屋の奥からは
何かのスパイスらしい、いい匂いがただよってきている。
その中で、一家五人は身を寄せ合って暮らしていた。

一家の主と思われる中年の男と、その妻らしき女。二十歳そこそこに見える男と、
レックスと同じ年頃の少年、そしてまだ幼い女の子。

レックスは、その家の玄関口に立っていた。
(ここは一体どこなんだ? タバサやコリンズはどこにいるんだ?
 …そしてこの人たちは一体誰なんだろう?)
古代の遺跡で自分そっくりの少年に出会い、彼の呼び出した魔物を死闘の果てに
打ち倒したところまでは覚えている。その後、気付いたら、レックスはここにいた。

初めて会うはずの人々では会ったが、一番末の小さな女の子には
なぜかレックスは見覚えがあった。もっともそれが誰なのかは思い出せなかったのだが。
彼がそこにいることに一家は気付いていなかった。思い切って呼びかけてみることにする。
「あの… すみません!」
しかし彼らはレックスに見向きもしなかった。困ったレックスは頭を掻こうと腕を上げたが、
そのとき自分の腕が透けていることに気付いた。
「な、何だこりゃ!?」
そこで、一家がレックスを無視しているのではなく見えていないのだ、
ということに気がついた。
389鏡の中の群像:04/08/27 23:50 ID:mz0GJqC3
「今日も飯はこれだけか。俺、育ち盛りなのにまいっちゃうよなぁ」
食卓に並ぶ料理を見て、少年が両腕を頭の後ろで組みながら不満を言った。
「前の王様のときは暮らしやすかったんだけどな。
 デール様が王座についてからラインハットは変なふうに変わっちまったねぇ」
「バート!! そんなことを言うのはよせと言ってるだろう!」
父親が少年に向かって怒鳴りつけた。バートと呼ばれた少年は面白くなさそうに
そっぽを向いた。
「何で王族に生まれたってだけであいつらは裕福な暮らしをしているんだ?
 俺たちが汗水たらして働いても、ちっとも報われないっていうのによ」
「バート!!」
「分かってるよ、親父。俺が貧乏な家に生まれたのはいわば運命。
 今更グダグダ文句言ってもどうしようもないことだ」

レックスは胸がチクリと痛むのを感じた。自分も王族の人間だ。
旅の中で辛い目には何回も遭ったが、それでも食うに困ったことはない。

「あのな、バート。確かに暮らしは貧しいけれども俺はだからといって
 不幸だとは思わない。こうやって家族みんなでいられるんだからな」
「おめでたい考え方だな」
父親は柔らかく微笑んだ。
「今はまだ分からなくてもいい。けど、いつかお前も俺の言うことが分かるよ。必ず」
「なんだよそれ。俺がまるで物分かりの悪いガキみたいじゃねーか」
「違うのか?」
バートの兄であるらしい青年が笑った。
「さあさあ、ご飯にしましょう! せっかく作ったのに冷めちゃうじゃないの!」
母親がパンパンと手を叩いて、みなを促す。やがて食事が始まった。
390鏡の中の群像:04/08/27 23:52 ID:mz0GJqC3
レックスは彼らに背を向けて、玄関先に座り込んで頬杖をついた。
普段なら人一倍食い意地の張るレックスであったが、
今日はなぜか物を食べたいと思わなかった。いや、思えなかった。
「家族…… か」
レックスは何かを考え込むように目を細めた。
家族。それは幼い頃、自分がもっとも欲しかったもの。
レックスとタバサには物心がついたときには両親はいなかった。
裕福ではあったがどこか満たされないでいた日々。
それが結局はレックスを旅に駆り立て、真の勇者として成長させることに繋がるわけだが。

家族の愛に包まれてはいるが、貧しい身であることを嘆くバート。
裕福ではあったが家族のぬくもりに飢えていたレックス。
「幸せってのは結局なんなのだろうな……」
レックスが寂しそうに独り言を言った。
しかし、レックスは死闘の果てに両親を取り戻した。
再会の日の喜びは今もなお目を閉じれば思い出される。
欠けていることに気付けないでいた感情が、一瞬にして埋まるあの瞬間。
胸が不思議なもので熱くなるあの温かさ。

レックスはそっと拳を握り締めた。
両親を捜す間レックスは独りでは無かった。いつもサンチョが面倒を見てくれていたし、
隣にはいつもタバサがいてくれた。だからやり遂げることができた。
(今まで考えたことも無かったけど… 僕はすごく恵まれているヤツなんだな)
レックスはホウ、と息を吐き出した。
二章キタ━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!
392鏡の中の群像:04/08/27 23:58 ID:mz0GJqC3

と、突然まわりの空間が強烈な光を発し始めた。
驚いたレックスは弾かれたように立ち上がる。あまりの眩しさに目を開けていられない。
「な、なんだ!? うわ!」
為すすべもなくレックスは光に飲み込まれてしまった……

―――……

光が収まったとき、レックスは今までいた所とは別の場所に立っていた。
そこはどこかの森の中らしく、まわりを背の高い樹木に覆われていた。
薄い霧が辺りを覆っており、静寂の中ただ小鳥のさえずりだけが聞こえる。
遠くに見える山の端からは太陽がその頭を覗かせ始めているのが見えた。
いきなりの状況の変化にレックスは戸惑い目をクルクルと回した。
場所はもちろんのこと、時間も夕方から朝に変わっている。
まるでルーラとラナルータを同時にかけられたかのよう。
「なんだか夢でも見ているみたいだなぁ」
レックスは頬を指で掻いて苦笑いをした。

そう、それは夢。確かに夢であるはずなのだが
レックスはそれが夢であるとは気付いていなかった。
夢にしてはあまりにも意識がはっきりとし過ぎていたし、また感覚も鋭く働いていたので。

……その夢はただの夢ではなかった。


今日はここまでです。
やっぱ面白いわ。
レックスは誰かの意識を見せられているのかな。

>ルーラとラナルータを同時にかけられたかのよう
確かに夢ってそんな感じだよね。
>>387
(゚д゚)ウマー
これからどうなるのかめっさ気になる

>>385
投下するのをまっとります
自分の納得いくまで焦らずに仕上げてください
ガンガレ(´д`)9
>>385
次の作品読めるの楽しみにしてますよー!
焦らずに、ご自身のペースで頑張ってください!
>>392
ラインハットの家族、どういう風に話に絡んでいくんだろう気になる。
レックスが見たことある女の子はゲーム中にもいたのかな。
続き期待です
家族の愚痴は偽太閤時代かと思ったが今の話なんだろうか?
W世界との関わりに期待
ペコさん大分かかってるようだね。
399( ’ ⊇’) ◆Et9DC.e1eg :04/08/29 15:09 ID:UaAlLIZu
 
またネコミ三かよ
>>398
HPの方での双子SS執筆があったからかな
402鏡の中の群像:04/08/29 23:41 ID:TPqujGun
>>392より続きです。

突然の出来事にレックスは戸惑っていたが、
その場に留まっていても仕方ないだろうと判断して、
近くを歩いてみることにした。せめてキメラの翼でもあれば一瞬でタバサたちの所に
帰れるのだけれど、そう思ってレックスはそっと舌打ちをする。

そのとき、前から人が歩いてくるのが見えた。
目を凝らして見ると、歩いているのはバートとその友人と思われる人間がニ、三人。
狩にでも行くつもりなのか弓を肩に担いでいる。
彼らなら道を知っているかもしれない、と考えてレックスは走り寄った。
しかし彼らはレックスに気付くことなく歩き去る。
途中でバートの肩がレックスの肩に触れたが、ぶつかることなくすり抜けてしまった。
「……そう言えば僕の声は聞こえないんだっけ。
 それだけじゃなくて触れることさえも出来ないとはなぁ」
レックスは諦めて首を左右に振った。どうせ行くあてもない。
レックスはしばらく彼らについて行ってみることにした。
403鏡の中の群像:04/08/29 23:43 ID:TPqujGun
「やれやれ、最近は狩をするのにも余計な苦労をさせられるな」
「仕方ないさ。国が森をメチャメチャに開発しているからな。
 何の考えもなしに木を焼き払っていたら、そりゃ動物もいなくなるぜ」
「あーあ、前の王様んときは良かったよなぁ。
 デール様が王になったのはいいけど、まだ幼いし…
 実権を握っているのは結局あのイカレ太后だからな」
少年たちの話す声が聞こえる。
レックスは首をかしげた。デール王が幼い? 実権を握っているのが太后?
なんだかおかしい。レックスの知るデール王は立派な大人であるし、
そもそもラインハットの太后は既に病気で他界しているはずだった。

「噂じゃヘンリー王子が失踪したのには太后が絡んでるらしいぜ」
「え? サンタローズから来たっていう戦士が黒幕じゃなかったのか?」
「馬鹿、国の流したデマに騙されてるんじゃねーよ」
「…でもこの前うちの国はサンタローズ村を滅ぼしちゃったじゃないか。
 王子失踪の責任が、あの村の戦士にあるってことを理由にして」
「だから… そうなんだよなぁ。何でうちの国はこんなに狂っちまったんだろうな」
ヘンリー王子の失踪、サンタローズ村の壊滅… 
そこまで考えてレックスはハッと顔を上げた。これらは全てレックスが生まれるよりも
さらに昔に起こったことの話だ。父アベルから聞いたことがある。
もしかして自分は過去の世界に来てしまったのではないか、と考えレックスは頭を抱えた。

「なんか税金が異常に高くなってるし、罪人に対する刑罰はありえないくらい厳しいし」
「城の内部じゃ暗殺やどろどろした地位の奪い合いはもう日常茶飯事だもんな」
「嫌な世の中になったもんだぜ。誰か何とかしてくれねぇかな」
404鏡の中の群像:04/08/29 23:44 ID:TPqujGun
それまで黙ってうつむいたままだった少年が不意に顔を上げた。バートである。
「お前ら自分で何とかしてやろうって気にはなれねぇのかよ」
バートの瞳がギラギラと光を放ちながら少年たちを睨みつける。
彼らは言葉に詰まってバートから目を逸らそうとした。
「…何とかするったって。今、国に逆らったら間違いなく首をチョン、だぜ?」
「兵士連中よりも一般人の方が大勢いるんだ。数で押せば絶対何とかなると思うぜ、俺は」
少年たちが顔をこわばらせながら笑った。
「ハ、ハハハ… お前はいいよな、バート。そんなお気楽思考でよ」
「お気楽思考なんかじゃねーよ、俺は……」

「おーーーーい!! バート!!」
バートが反論をしようと、口を開きかけたとき、
後ろから何者かが大声で叫びながら走ってきた。
「ジョーじゃないか。どうしたんだよ、そんなに慌てて」
ジョーと呼ばれた少年は息を切らしながら、悲痛な声で言った。
「た、大変だ、バート。お前の家族が城の兵士たちに… 連れて行かれた」
「!!」
バートの、そして少年たちの顔がサッと蒼ざめる。
レックスの心にも緊張が走る。短い間、それも一方的にだったとはいえ、
あの家族と関わりをレックスは持ったのだ。とても人事とは思えなかった。
「…なんで、俺の家族が連れていかれなきゃならないんだよ?」
「悪い… 詳しいことは分からねぇんだ。けど… だけど…」
「……分かった。わざわざありがとう、ジョー」
意外な程にバートは落ち着いていた。ゆっくり仲間の方に振り返って言う。
「悪いけど俺… 町に帰るよ」
「あ、ああ。いや、俺たちも一緒に行くよ。狩なんてやってる場合じゃねぇや」
「……ありがとう」
そして、彼らは走りだした。
405鏡の中の群像:04/08/29 23:46 ID:TPqujGun

三十分ほど走り続け、ようやく町が見えてきた。
確かにそこはラインハットの城下町だった。けれどもレックスが知っているそれとは
やはり似て非なるものであることを実感させられる。
町は重苦しい空気に包まれているし、全体的に薄汚れている。
行き交う人々の顔は一様に疲れていて、活気がまるで感じられない。
町を歩いていた中年の婦人がバートに気付いて彼を呼び止めた。
「バート君!」
「おばさん、俺の家族が捕まったってのは本当なのか?」
「バート君… ごめんなさい、ごめんなさい…」
婦人は抑えていた感情が溢れ出したのか、その場に泣き崩れた。
「いや、おばさんは悪くなんかないよ。 親父たちは…… 城だな?」
婦人は目を腫らして泣いていたが、ハッと顔を上げた。
「ま、待って! 今はあなたは行ってはいけない!!」
バートは彼女が止めるのも聞かずに走りだした。
みんなどうか無事でいてくれ、と誰にも聞こえないほど小さな声でつぶやきながら。

城の前の広場には野次馬が大勢集まっていた。
人だかりのせいで何が起こっているのかは分からない。
ただ、周りの様子からただ事ではなさそうである、ということだけは分かった。
バートの瞳が焦りの色に揺れる。全身が小刻みに震えて、
頭は何かの重りでも乗せられたかの如く重く感じる。
彼は群集を無理矢理掻き分け、列の一番前に出た。

そこで――― バートの時の流れが止まった。

406鏡の中の群像:04/08/29 23:48 ID:TPqujGun
「親父……?」
信じたくはない現実がそこにあった。
目の前にあったのは、かつて自分の家族であった人々の魂の器。
そして赤く染まった剣を片手に、不気味に笑う数人の兵士。
見たくはないはずなのに、彼は目を逸らすことが出来なかった。
頭の中が真っ白になる。目の前で起こっていることがあまりにも唐突であったため
それを事実として彼は受け取ることが出来なかった。
バートの喉がカラカラに干上がり、全身から汗が噴き出す。

『確かに暮らしは貧しいけれども俺はだからといって
 不幸だとは思わない。こうやって家族みんなでいられるんだからな』

バートの頭の中で父親のセリフが響いた。
彼は鼻で笑ったが、それの重さをこんな形で思い知らされるとは思っていなかった。
全身がワナワナと震えだす。言いようもない後悔の念が彼を襲った。

「ひどい話よねぇ、税金を納めるのを二週間滞納してたくらいで…」
「やめとけって! 下手なことを言うと俺たちまで殺られるぞ」

―――税金? それが…… そんなものが理由?

バートの顔から血の気が失せ、顔面蒼白になる。
彼はゆっくりと広場の中央へと歩き出した。
「おい、バート!ここは退け! お前まで殺されるぞ!!」
友人が彼を押さえつけようとしたが、バートはそれを邪険にサッと払いのけた。
407鏡の中の群像:04/08/29 23:49 ID:TPqujGun

「なんだお前は。我らに歯向かうと命は無いぞ」
「…親父たちを晒し者にするな。返せ」
「お前、こいつの息子…」
言いかけた兵士の顔が苦痛に歪んだ。バートが物凄い勢いで殴りかかったのだ。
「な、何をしやがるこのガキ!! おい、誰か来てくれ」

不意に何か大きな波のような物がレックスにぶつかってきた!
それがバートの怒りや悲しみをごちゃまぜにしたような感情であることをレックスは
瞬時のうちに理解した。レックスはバートを助けたかった。
しかし彼はこの世界の人間に触れることは出来ない。
援護の呪文を唱えようとしたが、それは不思議な力で掻き消されてしまった。
「どうして、肝心なときに魔法が使えないんだ、僕は!!」
叫び声をあげながらレックスは兵士に殴りかかろうとしたが、
その拳が兵士に当たることはなく、宙に空回りする。
その間も兵士のバートに対する暴行は止むことは無かった。
「どうして… どうしてなんだよ!!」
レックスの目からとめどなく涙が溢れてきた。
408鏡の中の群像:04/08/29 23:51 ID:TPqujGun
バートは地面に腹ばいになりながらも、顔を上げて兵士の顔をギロリと睨みつけた。
「しつこいヤツだ。ふん、そろそろ終わらせてやるか」
一人の兵士が剣を振りかぶったが、傍らにいた他の兵士が彼を制した。
「おい… もうやめようぜ… 何で民を守るべき俺たちが、
 何の罪もない人間を殺さなきゃいけないんだよ、俺はもうたくさんだ!!」
「……ここまで、ボコっておいて今さら言うなよ」
「この少年は牢屋にでも入れておけばいい。殺す必要は無いって」
「分かったよ、でも牢屋に入れてもどうせこいつは辛苦を味わうことになるんだからな」
「あぁ……」
バートはそのまま彼らに引きずられていった。

バートは… うつむき、声を押し殺したまま泣いていた。
レックスは奥歯を噛み締めて地面を殴りつけた。体の震えが止まらない。
今日ほど自分の無力さを思い知らされたことはなかった。

そのとき急に周りが光りだし、風景が歪み始めた。
「また… か」
レックスは自嘲ぎみに呻き、目をつぶった……



今日はここまでです。 何か暗い鬱な展開でスミマセン……
>>402
続き乙、そうか過去のラインハットにレックスの意識は飛んでいたのか。
4101レス劇場屋 ◆SSS1Rus0TY :04/08/30 00:33 ID:OC4RzhGj
>>409
更新乙です。
うーん……視点の使い分けはきっちりなさってるんですが、こういうシーンはレックス視点だけで書いてほしかったです。
これからの展開によりけりですけれども……。
それから、やっぱりセリフがわかりやす過ぎ(「つくりもののシーン」という意識をして書いていらっしゃるのならすみません)。
次の更新マダー?(AA略
4111レス劇場屋 ◆SSS1Rus0TY :04/08/30 00:35 ID:OC4RzhGj
アンカー間違えた ○| ̄|_
>>410
ゴタクはいーから次のきわどいネタを
413DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/08/30 00:52 ID:knf1GGhw
前回からこんな空いてるのか・・・。とりあえず>319の続き

時を同じくして空高く浮かぶ神の寝床天空城。
男が一人城門まで歩み寄ると、眠い目を擦りながら職務にあたっていた天空人はその男の気配に気づき、行く手を阻む。
「これ、そなたはどこから来たのですか?」
「・・・・・。」
男は問いに答えず、自分の身体の前に立つ天空人の顔を見る。
深くかぶったフードから見えるは血の様な赤い瞳と美しいと声が出てしまう程の銀色の髪。
突然、天空人の全身から汗が吹き出るほどの禍々しい気配を男は放つ。
「・・・そなた、人間ではないな?何しに来た!!モシャスで人に化けたジェリーマンか!?」
天空人はその男から発せられる気に押しつぶされそうになるのを唇をかみ締めてこらえ、両手に持った槍の切っ先を男の喉下に突きつける。
男は躊躇することなく向けられた切っ先に自ら歩み寄っていく。
「お、おい、止まれ!・・・止まらんか!!」
「・・・邪魔だ・・・。私はマスタードラゴンに用があるのだ。」
初めて男が口を開く。
「マ、マスタードラゴンさまはすでにお休みになられておる!
ぇえい、止まれと言っておるだろうに!さもなくば、この槍で貴様の喉元に向こう側が見えるくらい風穴を開けるぞ!!」
天空人は精一杯の虚勢を男に張った。
しかし、男は動揺することなく、向けられた切っ先を見て呪文を唱える。
「・・・ラリホー。」
相手を眠りに誘う呪文ラリホー。天空人は果敢むなしく、その場で眠りに落ちた。
414DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/08/30 00:54 ID:knf1GGhw
一瞬であったが、男から発せられた気配は遠く玉座に眠るマスタードラゴンの元にも当然届いていた。
マスタードラゴンは目を覚まし、天空城全体を透視する。
「・・・まさか・・・あやつが・・・。」
マスタードラゴンは何かを思わせぶりにそう呟き、一歩、また一歩近づく男の気配を強く感じていた。
ギィィィ
玉座の扉が開き、男が足を踏み入れる。
「久しぶりだな、マスタードラゴン。」
「・・・まさか・・・主がここに来るとはな・・・。」
男が不適に微笑み、フードを取ると、長く繊細な銀色の髪が揺れ、その隙間からは長い人間のものとは思えないほどの長い耳が突起する。
「主も変わらぬな・・・まったく老いというものを感じん。やはり、魔族ということか・・・。」
「フン、それは貴様もだろう。・・・まあいい、勇者はどこだ?」
「・・・勇者・・・?貴様の知る勇者はもうこの世にはおらんぞ?」
マスタードラゴンが片方の目を瞑り、爪先であごを掻きながら男の問いに答えると、男は苛立ちを隠せない様子で続けてこう問う。
「私の知る勇者ではない!奴の子孫がいるだろう?
ミルドラースとか言う低級魔族を倒し、平和を手に入れたと勘違いしているおめでたい勇者がな!」
男の声が天空城にこだまする。マスタードラゴンは臆することなく、男の問いに答える。
「おめでたい勇者か・・・知っておるが、会ってどうするのだ?」
「貴様に関係ない。ただ居場所を教えさえすればいい。」
「ハッハッハ。理由も聞かずに居場所を主に教えるわしだと思うか?」
「フンッ・・・まあいい、そんなに知りたくば教えてやる。────────」
415DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/08/30 00:57 ID:knf1GGhw
玉座の間で行われた謎のやりとり。
一部始終を影から見ていた天空人はマスタードラゴンの普段では見ることのできない神さま振りを喜びつつも、その神さまと対等に話をしている男にどこか見覚えがありつつも思い出せないまま、気づかれないようにその場を離れていった。

「なるほどな・・・。しかし、いくら居場所を知ったところで今の人間界の事情を知らぬ主が辿り着ける土地ではないぞ?
・・・どれ、わしが連れて行ってやろう。」
そう答え、マスタードラゴンは竜の姿からしがない人間の姿に化け、男の前に立つ。
「・・・フン、神ともあろう者が・・・くだらん。」
「ホッホッホ。この姿の私を『神』とか『マスタードラゴン』とか呼んでは駄目ですよ?
今の私は『プ・サ・ン』です。わかりましたか?ピサロさん。」
プサンは人差し指をピサロの顔の前に突きつけリズムに合わせて左右に揺らす。
「・・・くだらん。俗世に染まる神など聞いたこともない。まあいい、早く勇者の下に連れて行け。」
ピサロはフードを再びかぶり、プサンに背中を向ける。
プサンは相変わらずにこにこと緊張感のない顔のままピサロの後ろをゆっくりと歩き始める。
ふたつの影は足音だけを残し、玉座の間から闇へと消えていった。


つづーく

ラブコメ路線かと思えばシリアス路線な予感?
ひとつだけ言えるのは、『この先の展開何にも考えてない』ってことだけ。また勢いか・・・
416鏡の中の群像の作者…:04/08/30 01:02 ID:L8C+vZ+S
ペコさん更新お疲れさまです! ピサロ登場で緊張感が…!!
続き期待です!!

>>410
そうなんですよね。どうにもこうにもセリフとかがくどくなってしまって…
どこまでをセリフで説明させて、どこまでを省略するか…
自分にとっては大きな壁ですが、何とか改善出来るよう努力したいと思います!

自分の言葉で書いたら良いんです。十分に面白いんですから。
上の添削好きさんも言ってますが
僕は解かりやすすぎるくらいで丁度良いんじゃないかと思います。
まぁ、好きずきですけど…
万人受けする必要なんかないんです。僕はあなた好きですけどね。
これからもがんばってください!
>>416
萌えが中心のこのスレではなかなか評価されないかも知れませんが、読み物として普通に面白いです。
荒探しするわけでもなければ、読んでいて特に気になるところもなかったです。
この続きがかなり楽しみです。

>>ペコ氏、乙〜。
ピサロとプサン(・∀・)イイ!!
419ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/08/30 11:05 ID:mjas58mJ
んにゃ、台風で風が強〜い(関係ない)

>>鏡の中の群像
うん、やっぱり読みやすくて、おもしろいと思う。
『萌え』の定義としては微妙だけど、漏れのSSも全く萌えないしね。
純粋におもしろい。続きが気になる

>>ペコ氏
とりあえず乙。ピーちゃんが出てきた!!
Wとの絡み、ですか。てことは先代勇者が何か関係あるのかも・・・・
ていうか前の話忘れた・・・。読み返してきます
420 ◆bsDQ5/RxE. :04/08/30 16:28 ID:1oxqrgzE
>>419
んで、どうやってドリスはテンの記憶を消したのかと小1時間(略
気になる。>123の話
421ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/08/30 18:32 ID:5FNFtWp1
>>420
多いんだよなこの質問・・・・あ、別にこのスレじゃないけどね。
面倒くさいな・・・・答えなきゃダメか?
ていうか、ソナタも>>349の質問に答えてやれよ。えろい人。
>>408
原作がシリアスだからこういう話もむしろ自然に感じられる。
この男がプロローグの犯人なのかな。

>>415
個人的にはタバサとその分身とレックスのラヴコメンの行方が気になる。
それとももしかしてピサロも交えてラヴコ(ry
423DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/08/30 22:28 ID:jNTzZfmA
>>415の続き

翌朝、いつもと変わらないはずのグランバニア。
ひとつだけ違うことは、レックスが誰よりも早く起きていること。
「・・・寝れなかった・・・。なんかまだ腕にタバサの感触が残ってるや・・・。」
レックスは足取り重く部屋を出ると、ついつい隣の部屋の存在が気になってしまった。
「・・・タバサ・・・まだ寝てるのかな・・・。」
無意識に身体は隣の部屋へと向けられていた。ドアノブに触ろうとする手が震えている。
ゴクリと生唾を飲み、普段あまり入ることのない・・・
最近のレックスにとっては入りづらなってしまった部屋のドアノブを回す。

・・・ガチャ。
・・・・・・ギィー。

────────
424DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/08/30 22:30 ID:jNTzZfmA
「・・・タバサ・・・起きてる・・・?」
ボクは入り口から顔を覗かせながら小さな声で呼びかけた。
いつものボクならここで恥ずかしくなって中には入れないのに、今日は中に入ってみようと思った。
ううん、いつも思ってるけど、それが行動に移せなかっただけだ。
アア・・・タバサの匂いだ・・・。
ボクはベッドで横になっているタバサに近づいていった。
踏み出す一歩が重い・・・。
手のひらの汗が拭いても拭いても止まらない・・・。
タバサに近づくたびに鼓動が速くなる。
少し首を伸ばすとタバサの寝顔が目に入ってきた。
ヤヴァイ・・・かわいい・・・。
タバサのすぐ横まできてボクは改めて妹の・・・いや、女性としてのタバサを心底カワイイと再認識する。
ボクはタバサを起こしにきたという目的をとうに忘れ、タバサに見入っていた。
寝息をするたびに上下に動く布団を、少しだけ開いている窓から吹く風で揺れるタバサの髪を、
胸元まで開けられた寝巻きから微かに見える白い肌を、すねの辺りまであらわにしている脚を・・・。

あきらめることなんて出来ない。忘れることなんて出来ない。タバサじゃなきゃボクは満たされない。

「どんな夢見てるのかな・・・?」
ふいに呟いたボクの言葉に答えるようにタバサは口を開く。
「・・・お兄ちゃん・・・。」
425DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/08/30 22:33 ID:jNTzZfmA
「!!!・・・なんだ、寝言か・・・ボクの夢を見てるの?・・・恥ずかしいな・・・。」
タバサとの距離まで推定40センチ。
今、ボクは無抵抗なタバサにここまで近づいている。
そっと手を伸ばした。
指先はタバサの髪に触れ、そこからだんだんとボクの身体は熱を帯びていった。
ゆっくりと指先をこめかみのあたりまで動かし、タバサの感触を楽しむ。
行き場をなくしたボクの左手はグーとパーの中間で腰の辺りで止まっている。
その左手をぐっと握ってボクはタバサに触れている右手の指先を頬まで動かした。
タバサはそこで小さくピクンと身体を動かした。
慌てて手をどける・・・が、どうやらまだ起きてないみたいだ。

・・・ドキドキしてきた・・・。

ボクは再び右手の指先をタバサの頬につけゆっくりと唇まで這わしていく。
プニッ
柔らかい感触が指先全部を覆う。タバサの唇に、今ボクは触れている。
「う、ううん・・・。」
今度は唇に置かれた手をどけることなく、少し開いたタバサの口にゆっくりとひとさし指を入れてみる。
あったかい・・・タバサは食べ物と勘違いしているのか、ボクのひとさし指を抵抗なく受け入れ
背中がゾクゾクする・・・上下の唇に挟まれた指はタバサが唇を動かすたびに快感を覚える。
これだけでボクは達しそうになった。
夢見心地とはこのことを言うのだろうか・・・まるでこの世のものとは思えない感触、感覚。
426DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/08/30 22:35 ID:jNTzZfmA
ガブッ
「イ゛ッ!!!」
さっきまで声を必死に抑えたボクだけど、この不意打ちにはどうしよもなかった。
慌ててタバサの口から手を離す。
タバサの歯跡がついたひとさし指をしばらく眺め、ボクはタバサに目をやった。
見ればさっきと変わらず寝息をたてるタバサがそこにいた。
「タバサの奴・・・何か食べ物と間違えたな・・・。」
残念なような、ほっとしたような不思議な気持ちになりつつ、
これ以上ここにいたらタバサにとんでもないことをしちゃうかもしれないと思ったボクは部屋を後にした。

タバサの顔が紅潮しているのに気づかずに・・・。

───────────

一方その頃・・・

「おい、プサン。」
「どうしましたか?ピサロさん。」
「本当にここに勇者がいるのか?なんだかうるさい所だが・・・。」
「ま〜そう焦らずに焦らずに。まずはスロットでもやりませんか?」
「・・・くだらん。早く連れて行け・・・。」
「ホッホッホ。『魔界のプリンス』とも云われた男が、スロット遊びを知らないんですか?プゲラ」
「貴様・・・貸してみろ、スロットくらいやったことある。これだな?確かここにコインを入れて・・・」
ピサロがスロット台に座るとまわりで見ていた女性達が颯爽とピサロに近づく。
「お兄さんやりかた教えてあげようか?綺麗な髪の毛ねぇ・・・。」
「ちょっと!私が最初に目をつけてたんだから邪魔しないでよ!ねぇねぇお兄さん、お隣いいかしら?」
「あ、何か飲みます?」
「・・・・・・・・・・。」
そんなやりとりを、遠目からプサンはうらやましそうにピサロを見つめていた。

つづく (これはえちぃくないハズ・・・ウン)
>>415>>426
レックスの変態レベルがどんどん上がっている(;´Д`)
ピサロはこんな今代の勇者を見てがっかりしそうだ・・・
「こ、こいつが勇者だと!?うらやま・・・じゃない、ここまで堕落するとは許せん!」
あいかわらず微妙な三角関係と、新たな不穏な動き。展開読めませんな。
…2chレベルの煽りに釣られるピサロに笑った。
429てんあい:04/08/31 00:04 ID:QRoJJIr9
ペコさん、鏡の作者さん、1レスさん、受験生さんお疲れさまです。
311さん、312さん、313さん、314さんありがとうございました。
しばらく見ないうちにここも様変わりしているようで、「鏡の中の群像」、大人気のようですね。
主役は氏に任せて自分はのんびりといきます。

翼の欠けた天使たち 第八話
「お父さんたちはいつ出発するの?」
「キミたちを見送ってからにするよ。」
 翌朝。今回はキメラの翼などを使わずに魔法のじゅうたんで行くことにした。
荷物も全部乗せ終えて、よし準備完了。そろそろ出発しようかな…。
「…テン、これを持っていくといい。」
 お父さんが渡してくれたのは一振りの長剣だった。天空の剣とは少し違うけど、
この剣からも力強さが伝わってくる。…それに懐かしい感じも。
「この剣は?」
「パパスの剣…。キミのお祖父さんが愛用していたものだよ。形見ともいえるかな…。」
 お祖父さんの剣だったのか…。あの懐かしい感じはお祖父さんの…。
「こんな大事な剣、本当にいいの?」
「これはキミに持っていてもらいたいんだ。モンスターもおとなしくなったとはいえ、
それでも人間が襲われる事件も報告されているからね。ソラのこと、頼んだよテン。」
「うん…!」
「いいなぁおにいたん…。ぼくもほしい!」
430てんあい:04/08/31 00:16 ID:QRoJJIr9
 お祖父さんの剣を覗き込んでソラが言った。
「そう言うと思って、ちゃんと用意しておいたわよ。はい、ソラ。」
 お母さんがソラに渡したのはストロスの杖だった。先端は丸みを帯びたフォルムで、
青い宝玉が静かに光を放っている。でも今のソラに使えるのかな…。
「わぁーい! おにいたんみてー!」
「…ソラ、重くないの…?」
「へーきだよ、ほらぁ。」
 ソラは自分の身長の倍以上はありそうなストロスの杖を軽々と振り回している。
うーん、何だか体と心以外は変わってないみたいだな。
「じゃあそろそろ行こうかソラ?」
「はーい。」
 ソラをじゅうたんに乗せて、ボクのひざの上に座らせる。
「テン、ソラ、気を付けてね…。」
「うん、お母さんたちも…。行ってきまーす!」
 お父さんとお母さんに見送られて、ボクたちはラインハットに向かった。
431てんあい:04/08/31 01:13 ID:QRoJJIr9
 途中、とある湖のほとりで休憩をとった。食事も済んでひと休みしようと横になると、
「ねぇおにいたん、あそんできていい?」
「いいけど、あんまり遠くに行ったらダメだよ。」
「うん!」
 そう言うと、ソラは靴を脱いで湖に向かって走っていく。
「おにいたーん、つめたくてきもちいいのー!」
 スカートを捲り上げてはしゃぐソラ。チラチラとのぞく白い下着がまぶしい…。
「あ、あんまりはしゃぐと転んじゃうよ?」
「ぼくはへーきだもん! …わっ!?」
「ソ、ソラ!」
 だから言ったのに…。ボクはソラのところに駆け寄る。
「てへへ、おにいたんごめんなさい…。」
「ほら、風邪ひいちゃうから着替えなきゃ…。おいでソラ。」
「…おにいたんのえっちぃ。」
 な、なんだよ。
「えへへ。おきがえしよ、おにいたん。」

第八話終了です。Xの4コママンガとか買って読んでみたんですけど、ここみたいに
仲のいい双子を描いてくれる人があんまりいなくてちょっと寂しかったりします。

あと、挿絵みたいなもの描いてみました。拙い絵ですがもしよかったら見てください。
ttp://smcf.xrea.jp/dq5/cgi-bin/ibbs/img-box/img20040831011153.jpg
    /\        /\
    /:::::::ヽ____/::::::::ヽ、
   丿 ::.__  .:::::::::::::  __  ::::ヽ_       ,. 、       /   /
  / /。 ヽ_ヽv /: /。ヽ  ::::::ヽ    ,.〃´ヾ.、  /  /
 / / ̄ ̄√___丶  ̄ ̄\  ::::| / |l     ',  / /
 | .:::::::::: / / tーーー|ヽ     ..::::: ::|r'´  ||--‐r、 ',    おにいたんのえっちぃ!
 | .:::::.  ..: |    |ヽ   .,..ィ'´     l',  '.j '.     おにいたんのえっちぃ!!
 | :::    | |⊂ニヽ| |  'r '´         ',.r '´ !|  \
 | :    | |  |:::T::::| !  l!     ....:.:.:.:.:.:ヽ、   ,l    \
 \:    ト--^^^^^┤   ゝ、.,_ ---‐‐‐----ゝ、ノ
433鏡の中の群像:04/08/31 06:34 ID:h7zPdTEv
>>ペコさん、てんあいさんお疲れさまです!続きが気になります!
 ていうか、俺なんかにはもったいないお言葉恐縮です……

>>408より続きです

光と歪みはなかなか収まらなかった。
それが長い時を越えていることを意味するのだということを
何となくレックスは理解していた。次で自分は一体何を見せられるというのか。
これが夢であるなら早く醒めて欲しいと、彼は切に願った。

そして、光が収まった。
そこは広い、豪華な部屋の中。何となく見覚えのある場所。
だが、目の前では壮絶なる戦闘が繰り広げられていた。
「今まで俺たちの国で好き勝手してくれた礼。ここでさせてもらうぜ」
「僕はお前を許すことはできない。倒させてもらうよ…」
「クッ!」
きらびやかな衣装を身にまとった醜い魔物を二人の青年とその仲間が追い詰める。
ヘンリーさんと、父さんだ!とレックスは気付いた。
二人ともレックスが知る今よりも若い感じであった。
「おのれえええええ!!!」
怒り狂った魔物が燃えさかる火炎を吐き出した!
だが、アベルはそれを冷静にバギマの呪文で相殺する!

「今だ、ヘンリー! 君の手で決めてやれ!」
「言われなくてもな!!」
ヘンリーの鋼鉄の剣が気合一閃、魔物を両断した!
「ぎゃあああああああ!!」
魔物は凄まじい悲鳴を上げて豪勢な絨毯の上に倒れ伏した。
434鏡の中の群像:04/08/31 06:36 ID:h7zPdTEv
「く、ククク… 愚かなことよ…
 俺様に全て任せておけばこの国は世界の覇権を握れたものを…」
悔しそうに呻きながら、野心抱きし魔物は宙にかき消えた……
「バーカ、世界の覇権なんてお前以外、誰も望んでなんかいねーよ」
ヘンリーが剣を鞘に収めながら呟いた。民が望むことはただ一つ。
笑って日々を過ごせる環境を王がキチンと整えるということ。
それがヘンリーが旅の中で見つけ出した答えだった……
「終わったな、ヘンリー」
「あぁ、俺はな。ホント長かったぜ……」
ヘンリーはその場にどっと座り込んでため息をついた。

この日、ラインハットは恐怖政治の悪夢から解放された。
多くの人々はヘンリー王子の帰還と新しい時代の始まりを心から喜ぶのであった。

レックスは城下町に出た。人々の顔は活気と喜びに満ち溢れている。
これが父さんたちの果たした偉業なんだな、と思ってレックスは嬉しくなった。
少しだけ心の痛みがやわらいで、レックスはあたりを見回していたが、
ある一点を見て、レックスの動きがピタリと止まった。

国に平和が訪れたことを喜ぶ人々を、ギラギラとした目で睨みつけている青年。
その瞳からは抑えようもない憎しみの念が溢れている。
髪は伸び放題で薄汚れた布をまとっていたが、彼が誰であるのかレックスは瞬時に悟った。
「……バート?」
レックスが知るよりも痩せ細っていて、
レックスと同じくらいだった身長も彼より頭一つ分高くなっていたが、間違いはない!
435鏡の中の群像:04/08/31 06:38 ID:h7zPdTEv
青年がゆっくりとレックスの方に振り返った。
「どうして俺たちを助けてくれなかったんだ?」
彼の凍てついた瞳の輝きが、レックスの目を真正面から貫く。
レックスは自分の心臓が凍りつくのを感じた。口をあんぐりと開けて彼を見つめる。
「…君は僕のことが見えているのか?」
レックスはやっとそれだけを言った。しかし彼はそれには答えず、重ねて問いかける。
「お前には力があったはずだ。なのになぜ助けてくれなかったんだ?」
「……」
重苦しい沈黙が、あたりを支配した。
浮かれ騒いでいた町全体も、水を打ったかのように静まり返る。
町の人々にレックスの姿は見えていなかったため、
バートの声が自分たちに向けられたものと勘違いしたのだ。
レックスは何かを言おうとしたが、喉から言葉が出てこなかった。
「俺は何もできなかった自分を許せない。 そして… 同時にお前のことも許せない」
「バート……」
「言いたいことはそれだけだ…」
バートはレックスに背を向けて歩き出した。
レックスは慌てて彼を追いかけようとしたが、足が思うように動かせなかった。
「待ってくれ、バート!! 待ってくれ!!」
レックスの叫びもむなしく彼はどんどん離れていく。

バート、僕は… 僕は!!

436鏡の中の群像:04/08/31 06:43 ID:h7zPdTEv

「バート!!!」

ガバ!! ゴツン!!

「痛ってーーーーー!!」
コリンズが額を押さえて床に座り込んだ。
「え? あれ? ここは… どこ?」
「お、目を覚ましたかレックス! 二日も眠ったままだったから心配したよ」
父アベルが優しく笑いかけた。レックスはベッドの上だった。
どうやら目を覚まして勢い余ってコリンズにぶつかってしまったらしい。
「……今のは夢だったのか? それにしてはリアルな…」
レックスは自分の手を見ながら、それを開いたり閉じたりさせた。
「お兄ちゃん。大丈夫だった?」
タバサが心配そうにレックスの顔を覗きこんだ。
家族――― 一番失いたくない大切なもの……
レックスの目にじわりと涙が溢れてきた。そしてそのままタバサを抱きしめる。
「え? ちょっとどうしたの? いきなり」
タバサは顔を赤らめたが抵抗はしなかった。
そして声を出さずに泣くレックスを見て、そっと背中をなでた……
「…っていうかお前ら揃いも揃って、俺のことは無視かよ」
コリンズが少し悲しそうにつぶやいた…
437鏡の中の群像:04/08/31 06:48 ID:h7zPdTEv

レックスが目を覚ましてから一時間後、ヘンリーが資料を片手に彼の元へとやってきた。
「レックス。頼まれたことだが、さっき調べ終わったぞー」
「早かったですね。ありがとうございます」
「お兄ちゃんが頼んだのって確か…」
「ラインハットの民、バートの生死について」
ヘンリーがタバサの疑問に早口で答えた。
「大体の年と、名前しか手がかりが無かったから、本当ならとんでもない
 大作業になるところだったが… 偶然にも戸籍保管係のジョーがそいつと旧知の仲でな。
 思ったよりも早く終わったよ」
「ジョーってあの人か… それで? どうだったんですか?」
「あぁ、バートは既に死亡済みだそうだ。どうやら魔物に襲われて死んだらしい」
「そう… ですか」
レックスは拳をギュッと握り締めてうつむいた。

「博物館のミミさんにでも頼まれたのか?」
「え? どういうことですか?」
意外なヘンリーの言葉にレックスは思わず身を乗り出した。
「何だ、彼女に頼まれたんじゃないのか? まぁいい。
 博物館で受付やってるミミさんは、どうやらこのバートの妹さんらしいぜ」
「あっ…」
レックスは絶句した。夢の中で見た、見覚えのある女の子は、あのミミであったのか…
「けど、それならレックスはどこからバートなんて人間の名前を引っ張りだしてきたんだ」
ヘンリーが呆れたように笑った。しかし、レックスにとっては笑い事などではなかった。
あの夢がただの夢では無いということは、彼の中ではもはや疑いようの無い事実であった。

438鏡の中の群像:04/08/31 06:54 ID:h7zPdTEv


見渡す限り広がる広い草原の真ん中に一本だけ、ちんまりと立っている小さな広葉樹。
その木陰で青年は食い入るようにして絵巻物を見つめていた。
青年の目は血走り、皮膚はカラカラに乾ききっている。
まだ若いと思われる彼であったが、それらが彼を実際の年よりも老けて見せていた。
そんな青年の背後に何者かが足音を立てずにゆっくりと近づいてきた。

「あんた、俺に何か用なのか?」
青年が振り返らずに言った。影の主―――黒ローブの少年がクスクスと笑う。
「なかなか感が鋭いんだね。やっぱり僕が見込んだだけのことはあるよ、バート」
青年が立ち上がり、このレックス似の少年を眺めやった。
そして少しだけ眉をひそめる。彼の顔に微かに見覚えがあったので。
「お前は何者なんだ …なぜ俺の名前を知っている?」
「そりゃ知っているよ。なんたって一度死んだキミを
 地獄から呼び出したのは、この僕なのだから」
「お前……」
「僕の話を聞いてくれないかな、バート。損はさせないよ」
少年がニコリと可愛らしく微笑んだ。

二人の出会い。それが、悲劇の始まりであった―――



第二章終了です。諸事情でこの次の投稿はやや遅くなります。
読んでくださっていた方、スミマセン……
おお、初めの伏線がすべて消化されてすっきりしました
本当の黒幕の偽レックスらの因縁もすごく気になります

>>431
ほのぼの萌え!
ずっとこのままの方が…という悪魔の囁きが
挿絵もとてもほのぼのでイイ!ですね
>>438
悪魔に魂を売って人間をやめてしまいそうな予感
偽太后イベントのヘンリーはやっぱり格好いい
マターリ続き待ち
441二つの思い / 受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/09/01 02:44 ID:harsl5eO
いつも私の「二つの思い」をお読みくださっている皆様へお知らせ致します。

毎度の投下後のご意見ご感想誠にありがとうございます。
勝手ながら今回アドバイスに従いまして表記の変更をさせていただきたく思います。
読者の皆様には混乱させることになりまして誠申し訳ありません。

||金髪レックス→レックス(金髪)
||青髪レックス→レックス(青髪)
||タバサも同様です。
||会話文の中では会話が自然になるようにレックス、タバサの呼び方としました。

>>363さん
え、完全に勘違いしてましたね・・・これ(д)゚゚ 今までマホカンテだと・・
>>383さん
ありがとうございます。金と青どちらか、というのは成り行きからわかると判断しまして、
記述での金、青の区別をとりやめます。
442二つの思い / 受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/09/01 02:48 ID:harsl5eO
>>358-362 の続きです。

その少し前、タバサ(青髪)と喧嘩して疲れたレックス(金髪)はというと、
ポートセルミの宿屋に戻っていた。

レックス(金髪)はベッドの上で大の字になって今日一日の出来事を思い出していた。
(いろんなことがあったな・・・。あのコったら、何を考えてるんだよ・・・。
・・・・・・・・・・・・・・。

・・・結局、あのままあのコおいてきちゃったな・・・。
やっぱり、ちょっと可哀想かな・・・呼んでこようかな。)

すっとベットから飛び降りてドアノブに手をかけた。
すると―バン! 勢いよくドアが開いた。

「うわわわっ!」 ビターン。
レックス(金髪)はタバサ(青髪)の前で鼻からおもいっきり倒れてしまう。

「・・・お兄ちゃん、なにやってるの?」
タバサ(青髪)が首をかしげながら言っているが、レックス(金髪)にはそんなことはお構いなし。

「あいたたた・・・ ・・・! なんでキミがここに!」
鼻をさすりながら立ち上がると同時にレックス(金髪)が驚いたように言う。
「僕・・・キミにここに泊まってること教えてないよね。」
443二つの思い / 受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/09/01 02:50 ID:harsl5eO

きょとんとした目でレックス(金髪)のことを見るタバサ(青髪)。
「あら! お兄ちゃんって有名じゃない。人に聞いたら簡単にわかるわよっ。」
タバサ(青髪)は言う。漫画の世界だったらタバサ(青髪)の鼻が1mくらいのびてるような調子で、だ。

「・・・!!」
きょとんとした目でレックス(金髪)のことを見るタバサ(青髪)。
「あら! お兄ちゃんって有名じゃない。人に聞いたら簡単にわかるわよっ。」
タバサ(青髪)は言う。漫画の世界だったらタバサ(青髪)の鼻が1mくらいのびてるような調子で、だ。

「・・・!!」
(・・・やっぱり心配するんじゃなかった! ほんとに・・・なんてコだ・・・。)

「まあまあっ。 あがるわよ。」
タバサ(青髪)はいそいそと靴を脱いでいる。
「こ、こら、まだあがっていいと・・・」
レックス(金髪)がたしなめようとするが・・・
「いいじゃないのっ。」

困惑するレックス(金髪)に何の気も払わず、
タバサ(金髪)は我が物顔に物事を進めていく。

「ね、一晩一緒に過ごしたら考えも変わるんじゃないかなっ?
今夜は楽しみましょうね。 お に い ちゃ ん? ふふっ。」

(うわぁぁぁっ!)

タバサ(青髪)に押し倒されかけた、その時。
レックス(金髪)の頭の奥深くから、何かが聞こえてきた。
444二つの思い / 受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/09/01 02:54 ID:harsl5eO

(( ・・・けて。 ・・・!))

「ね、ねぇ キミ? 何かしゃべった?」
レックス(金髪)はタバサ(青髪)に問いかける。
「え?しゃべってないわよっ。 ほら、照れないのっ。」

「わわっ、や、やめて・・・。」

さらに困惑するレックス(金髪)だが・・・
次第に「その声」は大きくなっていった。

((・・・けて。 お・・・ちゃ・・!))
((・・・けて。 おにいちゃ・・!))
   
((・・・けて。 おにいちゃん!))


((  助けて、お兄ちゃん!  ))

―その声はまさか・・・
い、いや間違いない! ――タバサだ!
445二つの思い / 受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/09/01 03:00 ID:harsl5eO
ガッ。 レックス(金髪)は今まさに覆いかぶろうとしているタバサ(青髪)を
ものすごい力で押しのけた。
「タバサ!! いまいくっ、まってろ!」
大きな声を上げてタバサ(青髪)のほうを向く。

「えっ、な、なによ? ええ〜!!」
今度はタバサ(青髪)が困惑する番だった。

「ねぇ、キミ!! ルーラで僕を大神殿へ飛ばして!」
レックス(金髪)がタバサ(青髪)の両肩を激しく揺らす。
「え、えっ? 何、私と過ごす気分になったの?」

「それは後で! 時間がないんだ、はやく!」
「え・・・??」

「はやく!」

「・・・は、はい! ルーラ!」

光にのりながら、レックス(金髪)は手をぎゅっと握り締める。
 ―まっててね、タバサ。 いま助けるから!

*******************
446二つの思い / 受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/09/01 03:01 ID:harsl5eO

ちょうどレックス(金髪)がルーラの光にのっているころ。

「・・・・? これは・・・。」
マスタードラゴンにのっていたアルスは大神殿についた。
羽から飛び降り、マスタードラゴンを見送った後、屋上までやってきたアルスが見たものは・・・

メラゾーマの跡。ギガデインの跡。
「・・・戦闘? ・・・二人が危ない!」

アルスはさっきのぼってきた階段をいっきに下ろうとした。 その時。

「お父さん!」
タバサ(青髪)とレックス(金髪)がルーラの光にのって大神殿に到着した。

(・・・レックス、無事だったか!)
アルスは声を聞いて振り返る。
「無事だったか!・・・ってお前たちのほうか!
他の二人はどうしたんだ?  4人で行動していたんじゃなかったのか?」
「お父さん、話は後で!タバサたちがあぶない!そう僕の頭がいってる。
この跡を見ても確かに危ないんだと思う。 だから!」
「・・・あぁ、そうだったな! いこう、二人とも!」
447二つの思い / 受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/09/01 03:05 ID:harsl5eO
「はい!」

3人はいそいで階段をおりていく。

― お兄ちゃん、大丈夫だよね・・・?
タバサ(青髪)はそんなことを考えながら。

「ところで・・・お父さん?」
「ん、なんだ。」
「マスタードラゴンさまはついてこないの・・・?」

 [マスタードラゴンはその大きな体が仇となり、]
 [残念ながら内部へと進入することができない!!]

********************

いったんここできります。
現在戦闘シーンを必死で執筆中・・・汗。
>>431
挿し絵もついてるなんて(*´д`*)ハァハァ
>>447
青髪タバサの小悪魔ぶりが良いっすね、シリアス展開だと流石に真面目になるか


双子萌えスレが荒らしに落とされてしまった…誰か次スレ立てキボン
>>449
キタ━━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━━!!!サンクス!!
451名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/01 22:50 ID:wUwJVZif
まだここやってんのか。いい加減飽きたら?
マスドラは輸送係としてしか役に立たないか。
金・青二人とも本当の片割れの方が大切に思ってるんだな。
453名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/02 15:12 ID:KwFkVra5
どうでもいいけど
1レス劇場屋は

う  ざ  い

454名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/02 18:31 ID:15b/lNhc
どうでもいいけど
SS職人全員

う  ざ  い
455キタ━━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━━!!!:04/09/02 18:32 ID:15b/lNhc
どうでもいいけど
1レス劇場屋は

う  ざ  い
挿絵がもっと増えるといいなぁ
457名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/02 22:42 ID:15b/lNhc
てんあいごときがあんな挿絵を描けるわけがねぇだろ、ヴォケども。
どっかのサイトからパクッてきたんだろ。

しかも、内容はつまらん。
ホント、このスレッドもレベルが落ちたよな
出迎えた真新しい看板をくぐると、むやみに景気のいい道具屋の宣伝文句が聞こえてきた。その
ぞっとする大声に、彼らは一瞬立ち止まってから、再び街を北へ歩き出す。
くすんだ色のローブをすっぽりとかぶったその姿は修行僧の二人連れのようであったが、彼らふたり
――グランバニア国の王子と王女――がこの街を訪れた目的は、修行僧の神への敬虔で禁欲な奉仕
とは正反対のものであった。
「…………」
ふたりが向かっているのは、教会、防具屋、武器屋の間を抜けた先にあるはずの、この街の宿屋。
彼らの母親が少女期を過ごした家であり、かつてそこで彼らの両親は初めて夫婦の契りを交わした
のだった。赤面してふざけあう父王と母妃からそのことを聞き出して以来、ふたりは、自分たちも結ば
れるのであればその宿屋で……と、心に決めていたのだ。
今日、ふたりが宿屋に向かっているのは、その夢を実現させるためである。
もちろんふたりは恋人だった。しかしもし彼らが本来の出で立ちで現れれば、人々はこぞって彼らを
こう称えるであろう――勇者様とその妹君、と。
ふたりは、兄妹、双子だった。最も近き者に産まれつきながら決して愛し合うことを許されぬ男女。まして
肉体を求めあうなど二親そして神への冒涜にほかならず、一国の皇子と姫、世界の救世主であっても、
いやむしろそうであるからこそあってはならぬ、背徳の行為。
だが、彼らに迷いはなかった。罪の意識に戸惑うこともなく、前方に見える教会の十字架に畏れおの
のきもしなかった。今、空を見上げて頬を緩ませたり引き締めたりする兄が考えあぐねているのは、
部屋をとるときの男らしいカッコ良い台詞は何かとか、どうやって夜まで時間を潰そうとか、コリンズは
頼んだとおりにちゃんと言ってくれるかななどということであり、また、ほんのわずかに口紅を塗られた
小さな唇を結んで薄く開けた目を爪先に向けている妹のほうといえば、ドリスお姉ちゃんと選んだ下着
似合ってないって言われたらどうしよう、私のカラダがこどもっぽすぎて何にもできなかったらどうしよう、
その前におにいちゃんのカラダがその気になってくれなかったらどうしよう……ということを真剣に思い
悩んでいるのだった。
愛し合うこの幼き兄妹にとって、背徳などというものは、とうに結論づいてしまったはずの理屈であった。
4592/2 ◆SSS1Rus0TY :04/09/02 23:12 ID:/Q1dc4Dz
「あーん!おにいちゃん待ってよぅ!」
ふたりの胸よりも背の低い男児と女児が横を駆け抜けていった。ハッと振り向き見送ると、彼らは
顔を見合わせてクスリと笑いあい、すぐにその笑みを消し、それぞれ上と下に赤い顔を戻して再び
歩きはじめた。
そのとき、彼は、この日の朝目覚めたとき心に浮かんだことばを思い出した。子供の頃から互いの
隣にいた少年と少女が初めての肉体を交える寸前に抱く甘美な幻想――本来ならばずっと以前に
備わっているべき気構え――と同じ、しかし彼らにとってははるかに重いはずの台詞であった。
今日―――ぼくたちは、オトナの男と女になる。
相手の手を強く握りなおしたのは、ふたり同時だった。

新装開店を祝う花輪の並ぶ防具屋を通り過ぎたとき、彼らは足を停めた。あの宿屋が見えた。
「…………!!」
そのとき皇子様とお姫様の身体を震わせたもの。それは。
いよいよだなという緊迫感と、もうどうにでもなっちゃえという開き直りに似た落ち着いた安堵感。
あるいは想いの達成を目前にして不意に心に湧き上がってきた背徳への怖れとその重さ。
……そのいずれでもなかった。
玄関扉の5倍はある大看板、派手な光の装飾が彩るカジノさながらの外壁、乱立するノボリ、ごった返す人々。
『勇者様のご生母ビアンカ王妃様のご生家! 一泊お一人様100ゴールド(休憩70ゴールド)』
『勇者様サイン入り安眠枕はこちら! キャンペーン中につき2個500ゴールド!』
『勇者様ビアンカ様親子饅頭売切済。次回販売は本日夕方。おひとり様1箱限り』
『歓迎!オラクルベリー商工会議所ご一行様(23名様)』
『歓迎!ポートセルミ船舶安全協会ご一行様(18名様)』
『歓迎!テルパドール勇者様研究会ご一行様(11名様)』



「ほららぁ、コリンズくんも、もぉっと飲むのれーす! んみゅう……」
「た、タバサ、レックス! お前らいい加減飲み過ぎだぞ!
 だいたいお前ら、なんで本当に泊まりに来たんだよ。
 お前らんとこの親に、オレんとこ泊まりましたっていう口裏合わせしとくだけのはずだったろ?」
「ううっ、ぼくらの憧れの場所をあんなにしやがってぇ……。
 おとななんて大っ嫌いだぁ! おとなになんか絶対なるもんかぁ! ……ぐうぐう」
>劇場屋さん
あなた… 何かヤケ糞になってません?
「説明クサイ」って、あなた自身が前に感想として書いておられたと思うんだけど
>458-459のコレこそ説明くさく感じてしまう…
文章も何だかゴチャゴチャしてて読みにくいし
改行にも読む側への配慮が感じられないです。
あなた、どうしちゃったんですか?
前はそんなことなかったのに…
正直、今回のは今までで一番「えー…」って思ったので敢えて書かせてもらいました。
なんかイヤなことでもあったですか?
>>459
せっかくの咲耶はお楽しみ宿屋だったのに観光地化してたらムード台無しだ
こうなったら小説版のように砂漠で(ry
462名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/02 23:59 ID:hy7vPLJz
隣にいた少年と少女が初めての肉体を交える寸前に抱く甘美な幻想隣にいた少年と少女が初めての肉体を交える寸前に抱く甘美な幻想
隣にいた少年と少女が初めての肉体を交える寸前に抱く甘美な幻想
隣にいた少年と少女が初めての肉体を交える寸前に抱く甘美な幻想
隣にいた少年と少女が初めての肉体を交える寸前に抱く甘美な幻想
隣にいた少年と少女が初めての肉体を交える寸前に抱く甘美な幻想
隣にいた少年と少女が初めての肉体を交える寸前に抱く甘美な幻想
隣にいた少年と少女が初めての肉体を交える寸前に抱く甘美な幻想
隣にいた少年と少女が初めての肉体を交える寸前に抱く甘美な幻想
隣にいた少年と少女が初めての肉体を交える寸前に抱く甘美な幻想
隣にいた少年と少女が初めての肉体を交える寸前に抱く甘美な幻想
隣にいた少年と少女が初めての肉体を交える寸前に抱く甘美な幻想
463プゲラッ:04/09/03 00:02 ID:HxcKLvFm
隣にいた少年と少女が初めての肉体を交える寸前に抱く甘美な幻想隣にいた少年と少女が初めての肉体を交える寸前に抱く甘美な幻想
隣にいた少年と少女が初めての肉体を交える寸前に抱く甘美な幻想
隣にいた少年と少女が初めての肉体を交える寸前に抱く甘美な幻想
隣にいた少年と少女が初めての肉体を交える寸前に抱く甘美な幻想
隣にいた少年と少女が初めての肉体を交える寸前に抱く甘美な幻想
隣にいた少年と少女が初めての肉体を交える寸前に抱く甘美な幻想
隣にいた少年と少女が初めての肉体を交える寸前に抱く甘美な幻想
隣にいた少年と少女が初めての肉体を交える寸前に抱く甘美な幻想
隣にいた少年と少女が初めての肉体を交える寸前に抱く甘美な幻想
隣にいた少年と少女が初めての肉体を交える寸前に抱く甘美な幻想
隣にいた少年と少女が初めての肉体を交える寸前に抱く甘美な幻想


上げ野郎ウゼー
4651レス劇場屋 ◆SSS1Rus0TY :04/09/03 00:47 ID:pIeCqmua
今回のネタはペコさんのSS「嵐」から思いつきました。勝手に拝借してこんなヴァカな話書いてしまってすみません。
もちろんペコさんレクタバの萌え萌えさを再現しようなんてことは考えもしてません。マネしようとしたってできるものじゃないです。
会話でも地の文でも萌えさせられる文章を漏れも書けたらなあ……見果てぬ夢か。

>>412
今回きわどくなくてゴメンナサイ。次こそはッ……!

>>431
ぐあああ文中の双子も挿絵の双子も可愛い……(*´Д`)モエモエ
文章も絵も書ける方というのはそれだけで漏れは尊敬の眼差しになります。
仲のいい双子漫画なかったんですか……残念無念。

>>460
ウーン。こういう小話は、気味悪いほどのクドクドからアッサリストンと落とす快感が、書いてる漏れにはあるのですが……。
改行については、掲示板に投稿する場合どう切ればいいのか、実は漏れは未だにわかってないんです。
見た目よくスパッと切るか、読みやすくキリのいいところでエンター打つか……改行も考えて書ければいいんですが。
とにかく今回、ネタの格からいってやはり会話オンリー形式が良かったですね。
イヤなことあったわけでなく、みなさんの作品読んでて漏れも欲が出てきたってだけです。ご心配d。


粘着がつくようになるのは職人として一人前になったって証拠……漏れの場合は違うけど。
ご迷惑かかるのでやっぱ避難所にでも疎開したほうがいいでしょうか。あるいは官スレとか。
疎開といえば毎年この時期のFFDQ板は空襲警報が鳴りっぱなしですのでご注意。2ちゃんねるブラウザを導入してない人はお早めに。
誰かがおっしゃてましたが、漏れの書き込みを見たくない方は◆SSS1Rus0TYをNGnameにご登録ください。見事に消えてなくなります。
466Scherzo:04/09/03 00:48 ID:qq/M6mQm
お久しぶりです。夏休み明け記念(?)1発。

Scherzo「あなたの名前はなんですか?」
レックス「レックス」

Scherzo「お仕事は?」
レックス「主に大魔王を倒して世界を救う事」

Scherzo「その小さな身体にはがねの鎧って、重くはないのですか?」
レックス「正直、めちゃくちゃ重い。一度泣いた」

Scherzo「嫌いな人は誰ですか?」
レックス「ゲマ」

Scherzo「本当ですか?」
レックス「はい」

Scherzo「本当の事を言って下さい」
レックス「タバサ」

Scherzo「それはどうしてですか?」
レックス「時々、天空の鎧の内側にカエルとかヘビとか入れるから」

Scherzo「それはどうしてですか?」
レックス「たぶん嫌がらせ」

Scherzo「ドリスさんをどう思いますか?」
レックス「声は可愛い」

Scherzo「グランバニア王のお父様をどう思いますか?」
レックス「どっちかというと、お父さんの方を勇者にして欲しかった」
467Scherzo:04/09/03 00:51 ID:qq/M6mQm
Scherzo「コリンズ王子がタバサ王女を口説いていますが」
レックス「意味わからん」

Scherzo「一番嫌いな味方は?」
レックス「ピピン」

Scherzo「それはどうしてですか?」
レックス「いや・・・誰でもあのアゴはヒク」

Scherzo「ルドマンさんに一言」
レックス「逃げんな」

Scherzo「いやな思いでとかありますか?」
レックス「前に一度山奥の村の温泉に行って、風呂からあがったら服が無くなってて
      仕方がないからタオルまいて帰ったらイオナズンされた」

Scherzo「誰にですか?」
レックス「タバサ」

Scherzo「それはどうしてですか?」
レックス「たぶん嫌がらせ」

Scherzo「天空の武具はあなたしか使えないワケですが、他の人が持つとどうなるんですか?」
レックス「ただの荷物になる」

Scherzo「では、あなた以外の人にとっては必要のないモノですか?」
レックス「特にタバサにとっては」

Scherzo「でも、その天空の一式をタバサ王女が売り飛ばそうとしているという情報もありますが」
レックス「えっ!!??」

きっとこれも古いネタなんでしょうねぇ… ではまたっ!
>>465
ただ、ヘタに他の作者さんにあーしろこうしろと言うのがちょっと鼻につくから控えて欲しいと思う。

>>467
久しぶりです。確かに見たことがあるような気がしますがそれはまあ置いておいて。
こっちが比較的正常(?)な兄妹関係なんだろうけど…(;´Д`)
酔っ払い双子(・▽・)萌え!


>>467
Scherzoさんキターあのアンパンコピペですね、またSS作品期待してます
>>468
同意。
鼻につくというよりか、偉そう。
相手が指摘してくれと言われてから、あーしろこうしろと言うのが筋でしょ。
それ以外は気にならん。
471名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/03 18:55 ID:oEe4WyZo
萌えないSS、それが1レス劇場屋

>>466>>467
不覚にも笑った・・・・
「第三回グランバニアクイズ、28問目は俺の大親友で特別参加、ヘンリーから!」
「じゃ問題だ。オレが修道院にマリアを迎えに行ったとき乗ってた白馬の名前は、パトリシア。○か×か?
 お前らの王様の親分からの問題だ、間違えるなよー!」
「こらこら。解答者を脅すな。四分の一が○、残りは×。正解は?」
「当然×。あんときパトリシアはお前んとこの王様の馬車引っ張ってたろ?
 ん? おい、コリンズ! なんでこれ、お前が間違えてんだよ!!」
「はは……。次の担当は……俺か。それでは司会自らの問題!
 グランバニア城内の1階と2階の昼間の人間の数は、2階のほうが多い。○か×か?
 みんな悩んでるね。人間だよ。スライムや天空人、犬は……。
 正解は……×! 1階と2階の人間の数は同じなんだ」
「お父さん……くすん。私、ピピンのこと、数え忘れてたの……」
「あはは。ちょっと難しかったかな。レックスは? お、まだ残ってるか。
 じゃ、タバサはそっちで問題考えててくれ。……えー、次の出題者はサンチョ! 頼むよ!」
「こほん。では僭越ながら。
 先代のパパス王は、生涯、魔物と対しても1度も後ろをお見せにはならなかった。○か×か?」
「父さんか。無敵な人だったけど、だからこそ撤退を恥じない人だった気もする……。
 解答者は……マルが少し多いかな。サンチョ、正解は?」
「×です。私が不在のときは別にして、1度存じ上げていることがございます。
 お若い頃、バルーンという魔物に混乱させられ、大泣きなさいながら一目散に逃走されましてね。
 そのあと、ものすごく恐ろしい顔をなさいながら、私に口止めなさいましたよ」
「へえー。これは俺も驚く新事実。サンチョ、ありがとう。今晩父さんが化けて出ないことを祈るよ。
 では次は、ピピン兵士長からの問題!」
「えっ、私……ですか? しまったぁ、何にも考えてなかったっ!
 えーとえーと、問題になりそうなこと……ああっ思いつかない。何でもいいですよね?
 も、問題っ! タバサ王女様は、もちろんまだ処女である! ○か×か?」
「ぴっ、ピピン!なんだそれは。単に君の妄想を口走っただけじゃないか!
 そんなの問題になるか! 見ろ、全員が○のほうに行っちゃっただろう!
 ……あれ? おーいレックス。なんでお前だけそこでじっとしてるんだ?」
473名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/03 23:08 ID:4PAl//OL
これは高校生クイズを見てのSSか?
>>472
前ふりはともかくオチワラタw
正解VTRが激しく見たい。



クイズ決勝、王子と王女が白熱した点の取り合いをしている中、放置プレイされるコリンズ
4751レス劇場屋 ◆SSS1Rus0TY :04/09/03 23:48 ID:pIeCqmua
しまった。○×問題で、移動式じゃなくてボタン押したり帽子をかぶる形式を想像した人にはワケがわからない……。

>>468>>470
1 まあまあの同人誌を売る和気藹々サークルAさんと、ヘボ同人を売っている一人サークルBが並んでいる。
2 挨拶回りのついでにAさんの同人をとったBが、ここはこうしたほうがいいんじゃない?と偉そうに指摘しはじめる。
3 2の出来事が、ことあるごとにニ度三度と続く。
4 見ていてたまりかねたファンが数人、Bに対して、Aさんが迷惑してるから持ち場に戻ったらどうですか、と言う。
5 さらに、野次馬までが騒ぎ出す。
↑現在はココ。次に必然的に起こることは……。
6 Bが、Aさんに「俺って迷惑?」と聞く。
 ということで。ペコさん、群像さん、ノッティさん。漏れって迷惑でしょうか?

>>473
逆です。高校生クイズの日だからと考えたネタ。お願いですからageないで……。


いたストに双子出ないかな。
5主ビアフロにクリアリと、カップルで出てるし、双子もいても良さそうな気がするんですが……。
>>475
迷惑かと聞かれることが迷惑だと(ry
>>475
特に出しゃばったりしなければいいんだよ。
478野次(゚д゚)ウマー:04/09/04 08:50 ID:9dFtNIpO
>>475
3人が迷惑じゃないと言えば全く問題ないのかw

よしんば3人がいいと言ったとして新しい職人さんが出てきた時に、
同じことをしてその職人さんが気分を害したらどうするんだ?

以上、忠告。
煽りと思うのならそれも結構。
受験生さんのSS>>158の挿絵を描いてみました
ttp://smcf.xrea.jp/dq5/cgi-bin/ibbs/img-box/img20040904084835.jpg



>>475
態度をのぞけばなるほどとおもう指摘もありますから
作者さんを刺激させないようなオブラートな指摘をすれば大丈夫だと思います
>>478さんの意見でもですが指摘を忠告と受け止めるか煽りと受け取るかは相手次第ですから

実はあるとき自分では言いたいけどとても言えない事を劇場屋さんが言ってくれた時
そこにしびれる!憧れる!と思ったりしましたw
イイ!!
挿絵どんどん増えろ〜。
481ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/09/04 14:08 ID:xG75/7XQ
>>劇場屋氏
別に漏れは迷惑って事はないけど・・・・
それにしてもクイズですかい・・・・。

>>479
イイ!!ウマー!!
ただ、タヴァサが目立ちすぎかも・・・王子好きの漏れは・・・・

「レックスー? 誰かお風呂使ってるのー?」
「わ、わっ、お母さん! ぼく今出るところだから入ってきちゃダメ!
 どうしたの? 夜まで、カジノで遊んでくるんじゃなかったの?」
「うふふ。それがねー、賭けるたびにね、どんどん勝っちゃうのよ!
 けどそのあと、スライムレース、3回続けて外れちゃって。鉄板なのによ?
 こういうときは儲かってるうちに切り上げるのがいいって、お父さんと意見が一致してね。
 それで宿屋に帰ってきたの。だから、あなたの次のお風呂、お母さんね」
「だ、駄目だよ。その、ぼくら今日、海に行ってきて、ぼくもタバサも砂だらけになっちゃったんだ。
 それで、タバサもすぐ入りたがってるんだよ。お母さんは、タバサの次にしてよ」
「あら、そう。なら、レックスが出たわよって、タバサを呼んで来るわね」
「お、お母さんっ!そんなことしなくていいよ。タバサは、ぼくが呼びに行くことになってるんだから!」
「そんな細かいことまで決めてるの? ふふっ、仲良しね。じゃ、出たらすぐ呼びに来てって、タバサに言っておいて」
「うん。わかった」

「あら。あなた、ここにいたの。タバサはもう、お風呂行ったかしら?」
「いや? さっきレックスが通ってったけど、タバサは見かけなかったよ」
「ふーん、やっぱり。ありがと。
 おかしいわね……今すぐ入りたがってるってレックスは言ってたのに、まだ、部屋なのかしら?
 待ってる人がいるっていうのにな……。
 そういえばレックスったら、ちゃんとお湯に蓋して出たかしら? 見とかないと。
 ……あらっ? タバサの服があるわ。タバサー、中にいるの?」
「うん。いま出るところなの。
 お母さん、お待たせしてごめんなさい。ゆっくり、入ってください」
「タバサ? あなた、いつの間に……?
 んっ、待ちなさい。タバサあなた、お湯ちょっとかぶっただけなんじゃないの?
 だめよ。もう子供じゃないんだから、そんなお風呂の入り方しちゃ!」
「ううん。私、きちんと洗ったよ。ほら、髪とか爪、見てみて」
「まあ、ほんとね。すごいのねタバサって。レックスが出てからあんまり経ってないのに、こんなにキレイにしちゃうなんて。
 ごめんなさい変なこと言って。夕食、先に食べてていいからね。
 ……あなたー! お風呂やっとあいたわよー!」
            グッジョブ!  
       n       >      n
      (ヨ ) /∨∨へヽ ノハヽ∞( E)
      \ \〃( *゚∀゚)(゚∀゚*)||| ノ
        \(uu   /   uu) /
         |     ハ    /
484二つの思い / 受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/09/05 15:57 ID:WvUQjQJd
>>479さん
うわ、挿絵描いていただけたなんて・・・本当にありがとうございます!
レックス(金髪)もタバサ(青髪)も私のイメージとぴったりで本当に嬉しいです。
個人的にレックスにほれま(うわなにをするやめorz
485二つの思い / 受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/09/05 16:00 ID:WvUQjQJd
>>442-447の続きです。(短くてすみませんが・・・)

「はぁっ・・はぁっ・・・はぁっ・・・ くそうっ!」
「はぁ・・はぁ・・・あっ!」
タバサ(金髪)がついについていけなくなり、その場に倒れてしまう。
もう二人とも体力、精神力ともに0に近い。

「あっ、タバサ! ほら、僕の背に!僕が運ぶから、早く!」
「うん・・ありがとう、お兄ちゃんっ!」
そうはいうものの、レックス(青髪)の体力も限界がきているのだ。
しばらく順調に走ってはいたが・・・
「・・・うわぁっ!」
あろうことか、ほんのわずか、わずかの体のゆれで
レックス(青髪)は小石に躓いてしまった。

「お兄ちゃん!」
タバサ(金髪)が空中に投げ出される。
それを見逃すゲマではない。
「ほっほっほっ・・・最期です! メラゾーマ!」

空中を舞っているタバサにメラゾーマの業火が放たれる。

「・・・タバサ・・・! くそっ!」
立ち上がり、タバサ(金髪)を守るようにタバサの前に立ちはだかった。
―せめて、タバサだけは!
>>482
タバサよ、どこに砂が入ったのかと(ry

>>485
青神レックス嫌なやつだったがついにあぼんとなってしまうのか
「おにいちゃん……私、リボン片方、なくしちゃったみたいなの……」
「あ、ぼくのマントの間に挟まっちゃってたんだよ。ごめん。はい」
「もう、おにいちゃん。お風呂では、きちんとたたんで、別々に置いとかないとダメなの!
 この前も、間違えて私のベルトして、お部屋に行っちゃったでしょ?」



「どうだ魔王! 思い知ったか!!」
「ぐ、ぐ……わ、私は、魔界の王にして王の中の王……その私が、敗れる、のか……」
「何が王の中の王だ。母さんの力をもってしてもお前はこの魔界から出られなかった。
 その程度の存在だったんだよお前は!お前なんか、俺の父さんの足下にさえ及ばない王だったのさ!」
「な……何を言う……貴様らのような未熟な人間ごときに……私の夢、わかって、たまるものか……!」
「夢? 魔王! あなたは人間の世界に行き、どのようなことをしたかったのですか?」
「……私は……神に仕える神官であったが……ある女と恋に落ちた……。
 だか彼女には既に神によって定められた夫がおり……しかも、私の、実の姉だったのだ……。
 私は彼女に約束した……重婚だろうと近親婚だろうと可能な……神の決めた下らぬ道徳などというものに縛られぬ世にすると……。
 しかしそのため私たちは神の怒りを受け……私は神殿を追放され、姉も幽閉された……。
 だから私は……約束を果たそうと……。神を倒すために進化を……姉を助け出すために魔界の門を開く力を……!」
「魔王、貴様っ!
 ……俺と手を組まないか?
 わかるよその気持ち! 俺も、未だに心残りの女性がある村に……イデッ!」
「あなた! 何を考えているんですか! この方は、あなたのお父様とお母様を奪った魔王なのよ!
 って!? レックス、あなたどうしてベホマの詠唱してるの!? タバサも、その賢者の石、どうしようっていうの?」
>>487
18禁DQ四コマチックで面白いぞw
489DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/09/05 20:56 ID:klj9czwz
>>426のつづき

場所はグランバニアに戻り、自室で語りあうタバサともう一人のタバサ。
タバサはなぜもう一人の自分を創ったのか?
それはタバサ達が育った環境に大きな理由があった。

ここ、グランバニアは四方を山や湖、はたまた海に囲まれているため旅人の出入りが少ない。
そして、お城の中では自分達と同じ年頃の少年少女がいない、つまり友達がいなかったのである。
レックスには同い年のコリンズという友達がいたわけなのだが、タバサにとってはそれは異性。
故にタバサの目の前にいるタバサは、彼女の唯一の本音を言える相手、お友達なのだ。

しかし、このもう一人のタバサ・・・
実は姿形だけでなく中身もタバサそっくりに出来上がってしまったことがタバサにとっての誤算であった。


それは、もう一人のタバサもお兄ちゃんLOVEだということ。
490DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/09/05 21:08 ID:klj9czwz
「どうしてコリンズさまとご婚約してしまったのですか?」
タバサと一緒に入れたレモンティーを飲みながら問いかけると、
タバサは驚きむせ返りながら恥ずかしそうに答える。
「ゴホッゴホッ・・・そ、それは・・・お兄ちゃんを好きだってことはイケないことだから・・・
でも、今すぐ結婚ってわけじゃないのよ?
ちゃんと、わたしの気持ちが固まってからって約束だし・・・。
今のままだと、お兄ちゃんより好きになるってことはないと思うんだけどね・・・。」
『そうなんですか〜』と顔をしながら、もう一人のタバサはうなづき、続けてこう問いかける。
「ご主人さまは、お兄様がもしも、ご主人さまと同じお気持ちだったら・・・どうなさるおつもりですか?」
「ぇえ?・・・お兄ちゃんと一緒の気持ちだったら・・・?
ぅうん・・・うれしい・・・けど、それはないよ・・・。あはは・・・。」
自分の気持ちには正直なくせに、あんなバレバレな行動でどうして気持ちに気づかないものなのか・・・?
もう一人のタバサは本物よりも色恋沙汰に関しては敏感であった。
彼女は悩んだ。
今朝、本物のタバサと少し入れ替わっていた時にあった出来事を言おうか言うまいかと・・・。
491DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/09/05 21:13 ID:klj9czwz
意を決して言ってしまおう・・・と決断し、もう一人のタバサは口を開く。
「あ、あのですね・・・きっとお兄様も・・・」
もう一人のタバサが全てを告げようとした瞬間、タバサは突然うずくまる。
「なに・・・この感じ・・・凄く・・・怖い・・・。」
「大丈夫ですか?ご主人さま?」
手に持ったカップをテーブルの上に落とし、タバサは両腕を抱えながら椅子から膝を落とす。
もう一人のタバサが慌てて駆け寄り、身体を起こし必死に呼びかけるも、
だんだんタバサの身体は冷たくなっていく。
「もしかして・・・もう予兆が・・・ご主人さま・・・。」

つづく 物語は急転直下。
>>482.487
そのセリフを戦いの前にしていれば主人公たちは味方になったのに(w
竜王の提案よりも転びやすい。
>>489
たしかにグランバニアには同年代の友達いない。
しかしだからといって魔法で造っちゃうとは危ない娘だ。
「お兄ちゃん」「お兄様」ときたんだからあと11人程欲しいな。
493鏡の中の群像:04/09/06 01:42 ID:iI4zZIFq
受験生さん、1レス劇場屋さん、 Scherzoさん、ペコさんお疲れ様です!
家に帰ってきたらたくさんの話があったのですごく嬉しかったです!

>>438より続きです


第三章、崩壊の足音

深い闇があたりを包む。ロウソクの光で微かに照らされた名産品の数々は
昼間とは違う雰囲気を醸し出してどことなく神秘的だ。自分を除いて誰もいない館内。
静寂の中足音のみがカツン、カツンと響き渡る。それだけならなお厳かな雰囲気なのだが。
「はぁ〜〜〜〜〜、ぐごごごごごご……」
せっかくのロマンティックなムードをぶち壊す、眠り続けるジジイの高らかないびき。
……情緒のカケラも感じられない。
博物館の受付嬢ミミはふう、とため息をついた。

その日も博物館は盛況のうちに閉館した。禁断の巻物が盗まれてから
早一週間が過ぎようとしていたが、客足には大して影響は出なかった。
むしろ、薄気味悪いあの巻物は一般客には評判が悪かったので、
逆に人の入りが増えているくらいである。
「こう言っちゃあなんだけど、あの巻物盗まれて良かったのかもねぇ」
ミミは一人手をヒラヒラ振りながら笑った。
「そうみたいだね。変な物持ち込んでしまってごめんよ」
後ろから突然、若い男の柔らかい笑い声が響いた。ミミは思わずビクッと肩を震わせる。
こんな時間に博物館を訪れる男など彼女は一人しか知らなかった。
「ア、アベルさん!? 来るなら来るって言ってくださいよー。もう!!」
なぜかミミが逆切れをした。アベルは笑いながら謝った。
「ごめんな。けど、その様子だと禁断の巻物はまだ見つかっていないみたいだね」
「も、申し訳ありません。いえ、本当にスタッフ一同全力をあげて捜しているんですけど」
まったくもって説得力がない。アベルの後ろから現れたレックスとコリンズが
顔を見合わせて吹き出し、それをタバサが軽くたしなめた。
494鏡の中の群像:04/09/06 01:44 ID:iI4zZIFq
「いいんだ。今日来たのは別の用事だから」
アベルがそう言うのを聞いて、ミミが意外そうな顔をした。
「え? それじゃあ何なのですか?」

レックスのたっての希望。ラインハットで目覚めたばかりである彼はまだ
本調子ではなかったが、一刻も早くミミに確かめたいことがあったのだ。
「バートって人のこと…… 知っていますか?」
レックスがミミの目をまっすぐに見て聞いた。彼女の顔色がサッと変わる。
「バートは… 私の兄の名前よ。もう随分昔に死んでしまったけど……」
途中まで言ってミミは、ああ!と手を打った。
「そうだわ、兄さんだったのね! そっか、そっか!」
一人で勝手に納得しているミミを四人は不思議そうに見つめた。
その視線に気付いた彼女は慌てて、ごめんなさいね、と言ってから続けた。
「この前ね、お客様の中に一人だけ見覚えのあるような気がした人がいたの。
 今思えば、兄さんが成長したらあんな感じになるんじゃないかなー、って……」
「!! それはいつの話!?」
「え? あ〜、それは… えーと、その〜」
ミミは口ごもってあらぬ方向を見る。
「大体でいいから! 思い出して…!!」
詰め寄るレックスの見幕に、ミミはあきらめたように首を横に振った。
「はっきり覚えているわ。だって… あの。
 ……禁断の巻物が盗まれた日のことだから。
 それと… あの巻物でちょっとトラブルがあって。それに関わっていたのが
 確か、兄さんに似ているあの人だったような…」
「トラブルって何があったんですか?」
「え? えっと、それはですね……」
ミミは何故レックスがこんなことにこだわるのかを不思議に思いながら
巻物の前に居座って離れない男と酔った客との間で喧嘩が起こりそうになったこと、
そしてその日の夜に巻物が無くなってしまったことなどを手短に話した。
495鏡の中の群像:04/09/06 01:45 ID:iI4zZIFq

「ふーん、じゃあ普通に考えれば、そのお兄さん似の男が犯人なんじゃねぇか?」
コリンズが思ったことそのままを口にした。
「かも知れないけど… その人の行方が全然分からなくて…
 ところで、レックス君は何でそんなに兄さんのことを知りたいの?」
「それは……」

レックスが見た不思議な夢。それはただの夢ではなかった。
少なくともレックス本人はそう確信している。
その壮絶な夢の内容を聞いてミミは眉をひそめてうつむき、
ラインハットの王子コリンズは悔しそうに拳を握り締めた。
みな一様に黙り込んでしまい、あたりに気まずい空気が流れる。
レックスがミミに会いに来たことを後悔し始めたとき、彼女が不意に口を開いた。
「兄は… 世界を、そして人々を憎んだまま死んだのでしょうか。
 だとしたら、ちょっと悲しいですね……」
「ミミさん……」
ミミはどこか遠くを見つめるような目をしてそっぽを向いた。
彼女の目にじわりと浮かぶ涙がロウソクの炎に照らされてキラリと光った。

496鏡の中の群像:04/09/06 01:48 ID:iI4zZIFq

「お帰りなさい、何か分かったの?」
ラインハット城ではビアンカたちが帰りを待っていた。
アベル一家も今日はここに泊まって行くことにしたのである。
「確かにレックスが夢で見たバートって人はミミさんのお兄さんだった。
 けど、それ以上のことは漠然としていて分からないよ」
疲れきっているレックスに代わってアベルが答えた。
「そう… でもよくミミさんはあの事件の後無事だったわね」
「それは事件の当日ミミさんが親戚の家に遊びに行っていたかららしいんだ。
 ラインハットの兵士も無駄に犠牲者を増やしたくなかったんだろうね。
 あまり深くミミさんの行方を追及しようとはしなかったみたいだから」

アベルは小さくため息をついた。彼の心の故郷ともいえるサンタローズ村が
ラインハットに焼き討ちにされたときも多くの村人は見逃してもらえた。
それでも薬師の親方をはじめ幾人かは犠牲になってしまったのだが。
アベルは辛い過去を振り払うようにして顔を上げた。今は彼にはすべきことがある。
「明日,天空城へ行ってみようと思うんだ。マスタードラゴン様なら
 何かご存知なんじゃないかと思うから。レックスたちがこの前闘ったという
 少年のことも、もしかしたら何か分かるかもしれない」
言いながらアベルは大きく天を仰いだ。
これから始まるであろう、大きな戦いの未来に臨む覚悟を決めて。
497鏡の中の群像:04/09/06 01:50 ID:iI4zZIFq

その夜、レックスはラインハット城の見張り用の塔で星を眺めていた。
その輝きは今日もいつもと変わっていない。先の誕生日の夜はおろか自分が生まれる前、さらにはもう何千何万年もの間、星は変わらず輝き続けているんだろうな、と考えて
レックスは何か自分が途方も無く小さな存在であるように思えてきた。
夜風がほどよく吹き、揺れる髪がレックス自身の頬をくすぐる。
レックスはその場にごろんと寝転んだ。ひんやりとした床が全身を冷やす。
今日はこのまま、ここで眠ってしまっても構わないくらいに気持ちがいい。
「こんな所で寝たら風邪をひいちゃうよ」
レックスが目だけを動かして声のした方を見ると、そこには右手を腰にあてた
タバサが呆れたように笑いながら立っていた。
「やぁ、タバサもここで寝っころがってみない? すごく気持ちいいよ」
「私はいいよ」
タバサは手すりに寄りかかり、思い切り深呼吸をした。
「でも、ここは本当に気持ちがいいね!昔から全然変わってない」
「タバサは変わったね。昔は高い所とか来るといつも足とか
 ガクガクブルブル震えていたのにさ。今じゃ全然怖く無さそうだ」
タバサはレックスにキョトンとしたような顔を向け、それから笑い出した。
「そりゃ変わるわよ。私だっていつまでも子供じゃないんだから」
「そうか。そうだよな。僕達は大人にならなきゃいけないんだもんな」

レックスは小さく笑った。まだ小さい頃、レックスは早く大人になりたいと
切に願っていた。大人の世界に計り知れない自由と魅力を感じていたので。
それが今、レックスの心の中では目標とする父アベルのような
大人になりたいと思う気持ちと、この少年時代に別れを告げたくないと思う
二つの気持ちがせめぎあっていた。
レックスは何かを考え込むようにして空を見つめた。
「僕がこの先どう変わるかは分からないし予想もつかない。
 だけど… 今は僕がやれることを精一杯やっていくことにするよ…」
レックスがつぶやき、タバサが微笑みながら力強く頷いた。
498鏡の中の群像:04/09/06 01:52 ID:iI4zZIFq
次の日の朝、アベルとレックス、そしてタバサの三人は天空城へと向かうため、
手早く準備を整えた。とは言っても例によってルーラで往復出来るので、
荷物も軽いものだ。アベルがよし、と頷きルーラの呪文を唱えようとしたが、
そこへすっかり旅支度を整えたコリンズがやってきた。
「アベルさん、俺も天空城へ連れて行ってくれないか?」
「ん?」
アベルは少し戸惑った。自分たちは観光しに行くわけではない。
コリンズの幼少期のイメージから、彼が何かマスタードラゴンに対して粗相を
働かないか不安になってしまったのである。
「悪いが連れて行ってやってくれねぇか」
渋るアベルの耳元でヘンリーが囁いた。
「こいつはこいつなりに世界の危機だのなんだのってキチンと考えている。
 親の俺としてはこいつの意志を出来る限り尊重してやりたいんだ。
 何かお前らの邪魔をするようなことをしたら遠慮なくぶっとばしていい。
 いい機会だから鍛えなおしてやってくれ」
「ヘンリー…」
アベルはしばらく腕組みをして考え込んでいたが、やがてニッコリと笑いながら頷いた。
「分かったよ、コリンズ君。天空城へ一緒に行こう」
「アベルさん… 親父… ありがとう」
コリンズはホッとしたように笑い、そしてまた真面目な顔つきに戻る。
そして四人はルーラの呪文で空の彼方へと消えていった。

「なんていうかコリンズ君変わったわねぇ、いい感じに」
彼らの飛んでいった方角を眺めながらビアンカはヘンリーに言った。
「たぶん、レックスとタバサのおかげなんじゃないかな。
 俺がアベルと出会ってから変わっていったように」
「そういうものなのかなぁ」
「そーいうモンだよ、きっと」
ヘンリーは自らの記憶の底を見つめるようにして目を細めた。


今日はここまでです。
んーこのスレ的には双子の萌えがあた方が更に完璧なんだろうが。
どうせなら色恋沙汰は一切なしで進んでほしいな。
このストーリー展開で萌えはちょっと似合わないしな。

それにしてもちょい役も適度に物語に組み込ませているあたりが良いね。良くできてる。
>>491
ご主人様想いでお兄さまラヴよ!なタバサ2萌え、お姫様お付きの侍女キャラみたいで


>>498
相変わらず話に引き込まれる展開、ミミたん…
思春期の少年少女の成長物語的流れもいいですね、それを見守る大人たちも

僕はいつ頃大人になるんだろう〜♪

ちゃっかりパーティに入れてもらってるしコリンズ格好よくなったな
王女も苦手克服で進化してる。
502「The Battle in Museum」 ◆SSS1Rus0TY :04/09/06 21:44 ID:Eqd1XQbx
「おじいちゃんとおばあちゃんの、思い出のロケット。
 私もね、じゃーん! これと同じもの作ってもらったの。それでね、ほら、おにいちゃんの絵、入れてるのよ」
「いいね! ぼくも作ってもらって、ぼくとタバサと、お父さんとお母さんが並んでる絵を入れよっと。
 もう、みんな、絶対に離ればなれになったり、しないようにね」

「ほこらでもらった、うわさのノート。
 おにいちゃん、ほらここ『グランバニアの王子様と王女様はいけない関係らしい』なんて書いてあるよ。困っちゃうねっ」
「ええっ、ぼくたちにそんな噂があるの? じゃあ、コリンズの噂も何かあるのかな。探してみようよ」

「山奥の村の秘湯の花。
 いい匂い。こんど、これ入れたお風呂に、おにいちゃんとふたりで入りたいなあ……」
「うーん、でも、二人いっぺんに入ったらお湯があふれちゃってもったいないよ。やっぱ、本物の、ビアンカさんの温泉に行こうよ」

「アルカパの宿屋さん特製の安眠枕よ。
 ねっ、おにいちゃん。今晩、この枕して、おにいちゃんといっしょに寝ちゃ……ダメ?」
「あはは、いいよ。小さい枕だけど、でもこれならきっと、二人ともあっという間に、ぐっすり朝まで眠れちゃうね」

「お父さんとお母さんの結婚式記念の、紅白のおまんじゅう。
 かわいいよね。おにいちゃんと私の結婚式でも、これ、みんなに配ろうねっ!
「そうそう、タバサ、紅白饅頭ってね、初めてお饅頭作った人が、自分の結婚式のとき紅白のお饅頭を配ったのがはじまりなんだってさ。知ってた?」

「ヘンリーさんマリアさんの、結婚記念オルゴール!
 私たちも、こーやって、ぴとっ!て、ふたりで並んだ人形、結婚式に作ってもらおうよ。ねっ、おにいちゃん!」
「わっ。タバサ、お客さんたちが見てるよ!
 それならさ、次にサンタローズに行ったら、洞窟で宝石を探そうよ。ぼくと、タバサのとき用に、1つずつね」


「ミミさーん! すみません、手を貸してもらえますか?」
「何でしょうレックスさん? ……まあ、タバサさん!? いったいどうなさったの?」
「よくわかんないんです。いきなり『おにいちゃんのバカ!』とか言って、ルラフェンの地酒を一気飲みしちゃって……。
 寝かせられるところないですか? 気がつくまで、ぼく、タバサについてますから」
503DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/09/06 22:14 ID:zexXYtez
>>491のつづき


タッタッタッタッタッタ・・・ガチャ

「タバサ!大丈夫・・・!?き、君は・・・タバサの・・・。」
慌てて駆け寄るレックス。もう一人のタバサは自分にもたれかかるタバサをレックスに預け
「お兄様・・・よかった・・・。でもどうして・・・?」
タバサを受け取ったレックスは震えるタバサの髪を優しく撫でながら
「昔から・・・タバサに何かあるとすぐにわかるんだ・・・ボク・・・。」
「そうですか・・・。それって・・・いけない、誰か来ます・・・!」
そう言ってもう一人のタバサは倒れるタバサの指輪に自ら還っていく。
「あ、待って・・・!・・・行っちゃったか・・・。」
レックスは腕の中で赤ん坊のように震えるタバサを再度抱きしめる。
「タバサ!無事か!?・・・レックス?」
「父さん!どうしたんですか・・・?」
突如現れたアルス。その後ろからひょっこり顔を覗かせるプサン。
「おお、レックスくん。大きくなりましたね・・・。」
「プサンさん・・・それより、これは?」
「えーっと、なんと言いますか・・・。」
「わたしが説明する。」
フードをかぶった男がレックスに近寄る。
「あ、あなたは・・・?」
「わたしの名はピサロ。いいか?貴様の妹を今すぐ渡せ。」
504DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/09/06 22:16 ID:zexXYtez
「は・・・?なんで?なんでタバサを・・・?」
レックスがわけもわからなくピサロから隠すようにタバサにマントを覆いかぶせる。
「進化の秘法だ。」
「しんかの秘法・・・?」

「わたしが遥か昔に封印した進化の秘法の一部をどこぞの下等魔族が手に入れ貴様らの世界を闇に包もうとしたが、
勇者とその仲間達によって野望は打ち砕かれた。・・・それがミルドラースだ。
そして、そのミルドラースが残した進化の秘法をわたしは再び封印するためにエビルマウンテンに訪れたが、
そこには進化の秘法は既になかった。」

「え・・・?進化の秘法はじゃあどこに・・・?」
ピサロが深くため息をつき、『まだわからないのか?』と顔でレックスを見ると、横からアルスがこう告げる。
「レックス、落ち着いて聞いて欲しい。」
「あ、はい・・・父さん・・・。」
「進化の秘法は貴様の妹が持っている指輪だ。」
アルスが口に出すより早くピサロが答える。
その場は水をうったように静まり返り、その静寂をレックスが声に出して打ち破る。
「指輪・・・タバサの・・・?」
505DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/09/06 22:18 ID:zexXYtez
「はい・・・ですから、その指輪を彼に返して欲しいのです・・・。」
プサンが申し訳なさそうに言うと、レックスは自ら立ちプサンにこう答える。
「で、でも・・・タバサにちゃんと聞いてみないと・・・。」
「悠長なことは言っておれん。さっさと指輪を外せ!」
怒鳴るピサロにレックスは嫌悪を覚える。

「外せって・・・おなたは何様ですか!
第一、あなたがきちんと進化の秘法を封印しないからこうゆう結果になってるんじゃないですか!」

「フン、人間風情が・・・貴様も勇者なら世界を救うために早くその娘の指輪を外せ。」
「な・・・と、とにかくタバサが目を覚まさないことには・・・。」
抱きしめるレックスの腕にタバサが手を置く。
「もう・・・大丈夫だよ・・・。お兄ちゃん。話は聞きました・・・すいません、指輪・・・今外しますね・・・。」
「タバサ・・・大丈夫なの・・・身体・・・?」
心配するレックス。決して大丈夫なわけではなさそうなタバサだが、
自らが犯した行為をすでにわかっているのか、ゆっくりと立ち上がり

「うん、ごめんね・・・迷惑かけちゃって・・・ピサロさん、わたし・・・この指輪が進化の秘法ってこと・・・知ってたんです。
天空城の古書に・・・『そのものの望みの姿に進化する』って文を読んで・・・この指輪の秘密を知って・・・、
わたし・・・今の自分から変わりたくって・・・。」

「タバサさん・・・お気持ちはわかります・・・が、人は定められた運命からを変えることは出来ないのです。」
プサンはタバサの前に立ちしっかりと目を見つめる。全てを知っている目で。
「そっか・・・プサンさまはマスタードラゴンさまだからなんでもお見通しなんですよね・・・。
でも・・・でも、わたし・・・。」
大粒の涙をこぼし、今にも崩れ落ちそうな身体を一生懸命こらえてタバサは右手の薬指にはめられた指輪に手をかける。
506DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/09/06 22:21 ID:zexXYtez
「あ、言わないで下さいね・・・いつか・・・わたしの口から言いたいから・・・。」
微笑むタバサにプサンは表情を曇らせ無言でうなづく。
「わかってます・・・だから・・・これにかけてみようって決めたんです・・・。
これを使えば・・・いつかは・・・わたしじゃないわたしになれるって思ったから・・・。」
「タバサ・・・君は何に・・・。」
レックスに向かって話しながらゆっくりと指輪を外し始めるタバサ。

「あのね・・・わたしね・・・他に好きな人がいるの・・・。だから・・・コリンズくんとは結婚なんかしたくないんだよ?」
「ど、どうしたのさ・・・。タバサはコリンズくんが好きだから結婚するんじゃないか?」
タバサの言う言葉の意味がよくわからず、レックスは問いかける。
「それは・・・わたしが好きになった人は・・・好きになっちゃイケない人だから・・・。」
「タバサ・・・。」
507DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/09/06 22:24 ID:zexXYtez
そう言って指輪を外すタバサ。
その瞬間、まばゆい黄金色の光が辺りをつつみ、そこに居たレックス達は目をくらませる。
レックスが目を開けると、目の前には黄金色に輝くタバサの姿が目に入った。
「・・・タバサ・・・?」
手を差し伸べようとするレックス。
「チィ、指輪が・・・!・・・グワッ・・・!」
そのレックスを払いのけタバサに触れようとするピサロだが、強い力に拒まれ後ろに吹き飛ばされる。
「ピ、ピサロさん・・・これは・・・?」
ピサロを受け止め、プサンは問いかける。
「黄金の指輪と共振している・・・。この娘の想いと魔力がそれほどまでに強いということか・・・!」
「そんな・・・。では・・・タバサは・・・?」
アルスの問いに・・・いや、その場にいる全ての疑問に答えるように
ピサロはゆっくりと口を開く。
「進化が・・・始まる・・・!」

つづく

(´-`).。oO(ヤヴァイ、話が大きくなりすぎてる・・・もうどうにでもなれ〜)
>>507
待ってました。
進化の秘宝は使う者の意思次第で、っていう設定なら更に選択肢増えそうですね。
今回のタバサの場合、それが白か黒かちょっと分からないけど。
警告!着信あり。電話回線からの出現件数2。1つは電話番号
不明、もう1つは・・・・トレジャー
『ありえない。何かの間違いではないのか?』   
"聞こえるか?こちらはトレジャーの者だ。あまり時間がないので
よく聞いてくれ。KONMAIを倒すためには君の助けが必要だ。"
"我々は別々のルートから会社の内部に侵入し、IR担当者と
現在の集計結果をそれぞれ破壊しなければならない。"
"無論、どちらか片方ではだめだ。2人とも成功しない限り、我々に
未来はない。"

"選択の余地はなさそうだな。"
地震が多いなあ・・・地震が来て机に隠れている時に乱れ牡丹を思い出した私は双子スレマニア
タバサが2人になったりピサロまで出てきたり、いきあたりばったりで話が見えなかったが
進化の秘法で上手く話が繋がったと感じた、全部伏線だったのか!って
続きの展開が気になる


>>502
実際レックスはこんな感じでタバサのアプローチをかわす、というか気づいてなさそう
天空でもテンのバカと言われるほどの鈍感さであったし
>>510
某SS作者のSSが懐かしいですなぁ。
513二つの思い / 受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/09/07 19:22 ID:mR3Qc3Og
お疲れ様です。゚(ノд`)゚。

>>地震で〜(略
な、懐かしいですね・・・。私も双子スレマニアってとこでしょうか。

ようやく、メモ帳のほうでは作品完成しました。
後は他の作者さまの邪魔にならない程度にぽつぽつはっていこうと思います。
514二つの思い / 受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/09/07 19:24 ID:mR3Qc3Og
遠くから声が響く。
「マホカンタ!」
カーン。 メラゾーマが跳ね返る。

「・・・!?」

 [レックス(青髪)もタバサ(金髪)もゲマも予想外のことに驚いている!!]

「なにやってるのよっ!お兄ちゃん! しっかりしなさい!」とタバサ(青髪)
「タバサ、大丈夫!?」とレックス(金髪)

「おにいちゃん! お父さん!」
「わ、それにタバサ!」


「二人とも・・・本当によかった・・・・・・ん?」
「え?お、お前は? あのときに倒したはず!確かにみたんだ、エビルマウンテンで―」

「レックス・・・それも気になるが、今はそんなことどうでもいい。
おい、ゲマ。お前いったいどこまでうちの家族につきまとう気なんだ!いい加減消えろ!」
アルスが珍しく憎悪の念をむき出しにしていう。

ゲマは驚かされてはいたが、すぐに落ち着きを取り戻すとアルスたちに向かって言った。
「・・・数が増えましたね。 でも、私もパワーアップしてるのです。
これでやっと戦いが面白くなるというものです。ほっほっほっ、かかってきなさい。」
515二つの思い / 受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/09/07 19:26 ID:mR3Qc3Og
「ベホマ! ・・・レックス、何してる! ゲマとたたかえっ!」
アルスは信じられないといった表情をして固まっているレックス(金髪)に激を飛ばす。

「・・・はっ、はい、お父さん! ギガデイン!」

 ・・・だが、やはりレックス(金髪)のギガデインでもゲマに命中させることはできなかった。
「おい、もう一人のレックス!あのゲマには、ミナデインもギガデインもメラゾーマもきかないんだ!」
レックス(青髪)がレックス(金髪)にむかって言う。

「なんだって! ・・・どうすれば・・・。」
それをしり、驚愕とするレックス(金髪)

「ほっほっほっ! とんだ肩透かしでしたね! 数が増えても何もできないままとは!」
ゲマが勝ち誇ったように高笑いをしてニヤッとした表情を浮かべる。

「くっ・・・。」
レックス(金髪)に焦りの表情が浮かぶ。

(うろたえるな、勇者とその一族よ!)  ―マスタードラゴンの声がする!
どうやら外から念を飛ばしているらしい。
レックスはその場で目を閉じる―。
(いいか、レックス。お主、以前教えた、しかも父アルスからも教わっていることを忘れてるのではないか?
「強き心は時を超えて」と・・・。 心を強くもつのだ。 お前には大切なタバサがいるであろう!)


「はい、マスタードラゴンさま・・・仰せの通りでした!」
「はいお兄ちゃん、誕生日プレゼントのイオナズン。大事にしてね」
「ありがとうタバサ。お返しのギガデイン、受け取ってよ」

「このやろう!」「この馬鹿兄!」

という仲の良い兄妹がおりました・・・
>>515
うーん、切るにしてはちょっと中途半端な気がしますね。
それとも連投規制でも入ってるんでしょうか。
今のところ、他の作者さんは小休止のようですから、どんどん貼って頂いた方が、
当方としては嬉しい。
518鏡の中の群像の作者…:04/09/07 23:34 ID:Uql5eeT4
1レス劇場屋さん、ペコさん、受験生さん、お疲れさまです!
受験生さんは執筆完了おめでとうございます!
一番盛り上がるここに来てキャッチフレーズ登場ですねー。
スゲー心にくい演出でいい感じだなって思いました。
最強ゲマにどう対抗するのかクライマックス期待です!
519鏡の中の群像:04/09/07 23:37 ID:Uql5eeT4
>>498より続きです


天空城。それは悠久の間、世界を見守りし龍神の住まう天を駆ける城。
柱や階段など何もかもが巨大であるにも関わらず、地上で見るいかなるものよりも
それらは繊細な輝きを放っていて、見る者の心を引き付けて離さない。
「すっげ……」
コリンズはボウっとしてあたりを見回した。
荒れ果てていた昔とは違い、今は城の修築もほぼ終わっている。
レックスたちも思わず感嘆の声をあげた。
そんな彼らの元へ羽を生やした天空人が近づいて来た。
彼ら独特の優雅な礼を受けて、レックスたちも慌てて背を伸ばした。
「アベル様方、ようこそ天空城へ。マスタードラゴンがお待ちしておりますよ」
「待っていた?」
彼らは驚いて互いの顔を見合わせた。

『よく来たな。そなたらが来るのを待っていたぞ』
天空城で最も広い玉座の間にマスタードラゴンの重々しい低い声が響き渡る。
その堂々たる体躯の龍神を見て畏怖の念を感じない者は恐らくいない。
さっきまで興奮気味だったコリンズは、マスタードラゴンの
そのあまりの威圧感と神々しさに息を飲んで絶句してしまった。
520鏡の中の群像:04/09/07 23:38 ID:Uql5eeT4

挨拶もそこそこにアベルは本題に移った。先日現れたレックスに似ている少年と
彼が呼び出した今まで見たこともないような新しい魔物の出現について。
アベルが話し終えるのを待ってからマスタードラゴンはゆっくりと首を横に振った。

『あの竜の魔物は新種の魔物などではない』
「え? でも僕はあんなヤツは知らない…」
レックスが反論しようとしたがマスタードラゴンはそれを目で制した。
『そなたらは知らなくて当然だろう。あれは… 数百年前、邪悪なる者が現れたときに
 その大将の側近を務めていたもの。 四天王の一角アンドレアルだ……!』
「な!?」
レックスたちは唖然とした。そんな大物を相手にしていたなど思いもよらなかったからだ。
『しかもだ。私の知るアンドレアルはあそこまで強くはなかった。
 明らかに何者かの手によって強化されていると私は見ている』
「…その強化を施したのが、僕に似ているあの男の子だと…?」
『だろうな。彼は恐らく、数百年前の戦いの時に勇者によって葬られたはずの
 禁断の秘術をその手中に収めている!』
「禁断の秘術!? それは一体…」
レックスたちの中に緊張が走った。

521鏡の中の群像:04/09/07 23:40 ID:Uql5eeT4

「進化の秘法?」
雲一つない青空の中、草原で寝転んでいた青年が尋ねた。バートである。
その横では薄紫色の水晶をおもちゃのようにして操りながら黒衣の少年が笑っていた。
「うん、進化の秘法。それによって昔の魔王は強大な力を手に入れることに成功したんだ」
「…だが、今世界が平和であるところを見ると結局、
 進化の秘法とやらを使っても、魔王が勇者たちに勝つことは出来なかったようだな」
「それは彼らの進化の秘法がまだ完璧ではなかったからさ」
「それじゃあ使い物にならないな」
つまらなさそうにそっぽを向くバートを少年は嬉しそうに見つめた。
「でも僕は見つけちゃったんだなぁ、それを完璧にする方法を」
「そいつは良かったな」
少年はバートの正面に素早くまわりこんでその目をじっと見つめた。
「ねぇ、僕と手を組まないかい? 僕は君の願いをかなえることができる。
 君は僕の願いをかなえるのに必要な人材だ。お互いにとって絶対有益だと思うよ?」
「……」
「どうせ行く当てはないんでしょ? 悪くない話だと思うんだけどな〜」
「……」
「手を組むってのが不満なら、君は単に君の目的のために僕を利用すればいい。
 その代わり僕も君を最大限に利用させてもらうけどね」
「……」
バートは何かを考え込むようにして少年から目を逸らした。
その様子にわずかばかりではあるが手応えを感じ取って、少年はニヤリと笑った……

522鏡の中の群像:04/09/07 23:44 ID:Uql5eeT4

レックスたちが玉座の間に入ってから約ニ時間後。
天空城の門前では二人の天空人が警備をしていた。
ポカポカ陽気の中、一人が暇そうに大あくびをして、目をこする。
それを見て、もう一人の天空人が白い翼の装飾が施された槍の柄で
あくびをした天空人の頭をポカリと叩いた。
「お前なぁ… 我らは誇り高き天空人なのだぞ? 何だその様は!」
「すみません、すみません。けど本当に退屈で」
「まぁ、気持ちは分からないでもないが… ん?」
天空人たちの目つきが急に鋭くなった。
まわりの空気が微妙に重くなり、肩にのしかかるかのような不快感。
彼らは地上の人間よりも遥かに優れた感覚を持つ。普通の人間なら気付かないであろう
まわりのわずかな変化でも天空人は敏感に感じ取るのであった。
「なんだ、この感じは?」

「ちょっとお邪魔させてもらうよ」
彼らの背後で突然何者かの声が響いた。彼らが驚いて振り返るとそこに立っていたのは
黒いローブをまとい微笑む少年。そして…… 巨大な棍棒を持つ大柄な怪物!
天空人たちは背筋が寒くなるのを感じた。
いつの間に後ろをとられていたのか全く見当がつかない。
「お、お前たちは一体何者だ!? どうやってここに侵入したんだ!?」
「ルーラの魔法さ」
少年はあくまでも可愛らしくニコニコと笑う。
だがしかし天空人は気がついていた。
彼らが自分たちを遥かに上回る力量を持っているということを。
「…お前は勇者レックスに似ているな。だが分かるぞ。その心は邪悪で満たされている!」
「純粋なる魔の者が天空城の領域に侵入するのは不可能だったはずなんだがな…」
言いながら二人は槍を構えた。敵わないからといって逃げるわけにはいかない。
523鏡の中の群像:04/09/07 23:46 ID:Uql5eeT4

「僕たちが魔の者… か。自分たちにとって都合の悪いものはみんな魔の者で
 ひとくくりにしちゃって悪役に仕立て上げるんだもんな。ひどいモンだよね…」
少年は悲しそうに笑った。だが、それはほんの一瞬のコト。
次の瞬間彼は全身を震わせて、その力を解放し始めた。
「やっぱり、そんな自分勝手で傲慢な人たちが治めている世界なんていらない…
 神もこんな世界も存在する価値なんてまるでない……!!」
「う、うぅ…」
少年が放つ凄まじいばかりの気の前に、天空人たちはじりじりと後ずさりを始めた。

―――殺される… 我々では相手にすらならない……!!

彼らの顔に恐怖の色が浮かんだそのとき、
城の奥から異変に気付いたレックスたちが駆けつけた!

「やっと来たね、勇者レックス」
少年はまるで自分のおもちゃを見つけて喜ぶ子供のように微笑んだ。
「また会ったな… そこにいるでかいのには進化の秘法を施してあるのか?」
「あぁ、そうさ。紹介するよ。この子はギガデーモン。
 知っているかもしれないけど四天王の一人さ。はっきり言って強いよ」
『そういうことだ』
ギガデーモンと呼ばれた悪魔が小さな目を残忍に光らせてニタリと笑った。
「…強いのは見ればわかるよ。けれど僕たちが闘わなければ…」
レックスが天空の剣を抜き放った。
524鏡の中の群像:04/09/07 23:47 ID:Uql5eeT4
『勇者の実力とやらを見せてもらおうか…!』
ギガデーモンがいきなり巨大な棍棒を振り回し、レックスに向かって打ち下ろしてきた!
魔物の体は超肥満体と言ってもいいほどに大きいのに、その動きは恐ろしいほどに速い。
レックスは間一髪でそれを避け、反撃を試みた。
天空の剣が振りかぶられギガデーモンを襲う!しかし刃先が魔物に届こうとしたそのとき、 
いきなりカァンと乾いた音が響いたかと思うと天空の剣は弾き飛ばされてしまった。
「な!?」

レックスは思わずあたりを見回してしまった。
今、剣を弾いたのはギガデーモンでもなければ黒衣の少年でもない。弾いたのは……
城の柱の影からやや痩せた背の高い青年が姿を現す。レックスの目がみるみるうちに
丸くなった。心臓の音が高鳴る。それを自分自身でもはっきりと感じ取れるほどに。
青年が凍てついた瞳でレックスを睨みつけた。そう、あの夢と寸分違わぬ仕草と表情で。
「バート……?」
レックスが茫然としてつぶやいた。


今日はここまでです!
群像氏、相変わらず良くできてるなぁ。
ところでアンドレアルってDQ4に出てたっけ?どなたかご教授を。
526二つの思い / 受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/09/08 01:03 ID:zFxmqeU6
中途半端ですみませんでしたorz
>>514-515の続きです。

レックス(金髪)は目をかっと見開いてタバサ(金髪)のほうをむ・・・むかなかった。
すぐに首をぶんぶんとふり、代わりにタバサ(青髪)のほうを向いた。
「キミ、大丈夫? ミナデインの余裕ある?」

「ええ、お兄ちゃん。私なら、お父さんのおかげで大丈夫よ!」

「・・・だからそれだときかないんじゃないのか?」
レックス(青髪)が怒気を含んだ声で言う。
どうやらレックス(青髪)にはマスタードラゴンの声は聞こえなかったようだ。

「タバサ、僕に力を貸して! ―ミナデイン!」
タバサ(青髪)と手を合わせ、ミナデインの詠唱をする。

「ふん、こんなもの! まだ弱いわ!」
やはりゲマには効かない。

「ほら見ろ! きかないじゃないか!」

(レックス、お前はまだ気がかりことがあるな。それが何か、よく考えてみるのだ。)
マスタードラゴンから再びメッセージがくる。

「そうだ――。僕が気にかけてること、それは・・・。」
「お父さん!ちょっとゲマを足止めしてて!」
527二つの思い / 受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/09/08 01:04 ID:zFxmqeU6

「タバサ、お願いだ。 僕はタバサのことが大好きだ。
青い髪をした僕にだって、奪われたくない。ずっと僕といてほしいんだ。」
「お兄ちゃん・・・」
「タバサ、タバサは僕のことをどう思ってるの?」
「えっと・・・」

「こざかしい!金色の髪をした双子よ!死になさい! ――メラゾーマ!」

「マホカンタ!」タバサ(青髪)のりんとした声で二人は守られた。
「ええい、早くしなさいっ! 私たちが貴方たちのことを守るから!」
タバサ(青髪)があきらめたかのようにレックス(金髪)に向かっていった。
「あぁ、・・・ありがとう。」

レックス(金髪)はタバサ(金髪)に向きなおって・・・
「タバサ、時間がないんだ。いつまでも時間が稼げるとは限らない。
僕はずっとそれをきにしてた。 ・・・・・・答えをください。」

「お兄ちゃん・・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・!」
「私、ずっとお兄ちゃんから離れない!」

「そう、だったら僕と力をあわせて最大のミナデインをうとう。
ゲマがもう二度と地上に現れないように塵にするんだ!」
「ええ、お兄ちゃん!」

二人は手を取り合ってミナデインの詠唱に入った。
528二つの思い / 受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/09/08 01:07 ID:zFxmqeU6
「おぉ、あの二人が力をあわせることになったんだな。」
レックス(青髪)がその様子を見ながらいう。
「ええ、お兄ちゃん。ぁ、私ならいつでもおっけーよ!」
レックス(青髪)は一瞬きょとんとした顔でタバサ(青髪)のほうを見たが、
やがて大きく頷いて言った。「・・・ あぁ!二人に加勢するとしようか!」
「ええ!」

「小細工なんて弄しても無駄なことです!
終わりは"あなたたちの死"なのですからねっ!
私の新しい呪文をおみせしましょう。
アルス、レックス、タバサ。貴方たちもここまでです!」

「待て待て、このアルスを忘れるなよ、ゲマ!
王様やっていて腕がなまったとは思ってないな?みろ、この力を!」

「時間がない、いくよ! ミナデイン!」
「ミナデイン!」
「ドラゴンの舞!」
「エスターク様の力を見よ! ギガゾーマ!」

・・・・。
・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・。

ミナデインの光線とギガゾーマの業火とアルスの魔力を得たドラゴンの杖がぶつかり合う。
想像しがたい世界がそこに広がった。

やがて―

光線は業火を打ち消し、さらにゲマの体へと―
529二つの思い / 受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/09/08 01:10 ID:zFxmqeU6
「う、うわぁぁっっ・・・ な、なんて威力だ・・・
しかし、エスタークさまが復活させてくれたもう1つの能力、瞑想!」

詠唱を始めたゲマの体に舞っていたドラゴンの杖がつきささる。
ぐわぁぁぁぁぁっ。 ゲマが断末魔をあげる。

「な・・・なぜ・・・ なぜ貴方たちにはどうやっても勝てないのです・・・。
エスタークさま・・・お教えく だ さ ・・・」

ゲマが砂のように崩れていく。 ついには、消え去った。

「・・・。終わった、な。 しかし引っかかるのは・・・」
「はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・」

「とりあえず・・・帰ろうか。 ルーラ!」
530二つの思い / 受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/09/08 01:26 ID:zFxmqeU6
戦闘シーン後の続きは明日にまとめて投稿します。
鏡の中の群像の作者さん、516さんもお疲れ様です。
続き、楽しみにまっています。レックス・・・。゚(ノ□`)゚。
>>524
GJ!
謎に満ちた黒衣の少年、気になる存在です。
バートも手を結びそうだしギガデーモンも出てきて続きが楽しみ。

>>525
リメイク4で追加された四天王の一人です

>>529
ラブラブ石破天驚拳!(違
こんな状況でもちょっと陽気なタバサ(青髪)がかわいい。
>>530
こういう展開でしたか。無理言って申し訳ありませんでした。これでゆっくり眠れます。
>>531
おっと、レスついてましたか。どうもです。
>>524
続きがきになるきになる
四天王は残りの二人は出てくるのかな?

>>530
ギガゾーマの上はテラゾーマですか?
完成お疲れ様です
投下を楽しみにしております


アンドレアルは追加ってーかFC版でもでてるんだけどな

つか皆メモ帳使ってるのか
書いた後とかはきれいサッパリ消してるのかな?
535二つの思い / 受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/09/08 20:06 ID:zFxmqeU6
>>532さん
謝ることないです、私が変なところで切ったのが原因ですから・・・。
こちらこそ申し訳ありませんでした。
>>524さん
私は書いた作品は3つとも全部残してます。゚(ノд`)゚。
自惚れと受け止められるかもしれませんが、せっかく書いたものを消すのはもったいなくてですね・・・。
テラゾーマ、1024G=1Tでしたっけ。 ものすごい威力を誇りそうですね(;´д`)

では、以下投下します。
536二つの思い / 受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/09/08 20:12 ID:zFxmqeU6
>>526-529 の続きです。

その数日後。
さきほどから普段めったに聞こえてこない アルスの怒声が王の間に響き続けている。
ひと段落したのだろうか。怒声がとまる。 先ほどから中の様子が気になっていた兵士が
様子を見るべくドアに手をかけて少し開けた時、今度はアルスとレックス(金髪)の驚く声がその兵士の耳をつらぬいた。
どうやら、レックス(青髪)がなぜゲマが大神殿にいたのかを事細かくアルスに話したようだ。

全てが終わった後、4人は王の間を後にした。
廊下を歩いているとき、タバサ(金髪)がレックス(青髪)を呼び止めた。
「ごめんなさい。私、やっぱり金髪のお兄ちゃんがいい。」

それをみたタバサ(青髪)は先に言われたとばかりにあせった様子でレックス(金髪)を呼び止める。
「ごめんなさい、金髪のレックスくん。私、間違ってた。」

レックス(金髪)はふふっと笑って―。
「いいんだよ、タバサ。 これで元通りだね!
さぁ、ポワンさまのところにいこう。 あの日のやり直しだ!」

********************
537二つの思い / 受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/09/08 20:14 ID:zFxmqeU6
こうして4人はポワンのとこへやってきた。

「まぁ・・・レックス。本当にやり遂げたのですね。
わかりましたわ。 それで、青い髪のお二人は、元の世界に帰る意思は?」

「はい、あります。」
二人は口をそろえて言う。

「わかりました。 では・・・」
ポワンはなにやらわからない言語で詠唱をはじめる。
すると、だんだんと青い髪の二人の姿が光とともに薄くなっていく・・・

「じゃぁ、お別れだ、二人とも・・・
騒がせて悪かったね・・・。 僕たちも向こうの世界で
なんとかやっていくさ。 ありがとう・・・。」

「私たち、向こうに戻ったらお父さんに話してみる。
認めてくれるかどうかはわからないけど、ね。」
「私たちも話してみるわ。 お互い幸せになれたらいいねっ。」

「ええ! じゃあ・・・。さようなら、2人とも・・・。」

二人が消えたあと、レックス(金髪)とタバサ(金髪)もポワンに別れをつげ
グランバニアへと帰っていった。――手を繋ぎながら。

*******************
538二つの思い / 受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/09/08 20:17 ID:zFxmqeU6
「お父さん、お騒がせしてごめんなさい。
今度はきちんとポワンさまのところへいってきました。」
グランバニアへ帰るなり、二人は話をするべく王の間へと直行した。

「おかえり、ふたりとも。 で・・・様子を見ると、ちゃんとなんとかなったみたいだね。
今日はいろいろあったから、疲れただろう。さぁ、自分の部屋で休んでおきなさい。
後で、誰かにご飯を持っていかせるから。」
アルスは優しい声で二人をねぎらう。

タバサがレックスの裾をひっぱる。言って、というサインなのだろう。
「はい。 それで・・・」
レックスは少しいいにくそうに言う。

ふうっ。 アルスは大きなため息をひとつつくと、二人に向かって言った。
「言いたいことはわかってる。 実はあのあと、ポワンさまから手紙がきていてね。
それにあの時、お前たちの会話は聞こえていたんだ。・・・お前たち二人の交際は認めるさ。
・・・それに、こんなことが続いたらたまらないからね。」
アルスは軽く微笑んでいる。

予想外の言葉に、レックスたち二人は目を丸くさせる。
「ほんと?・・・ほんとにいいの?」
「あぁ・・・。こんな大事なこと、冗談ではいえないだろう?」
「・・・ありがとう!お父さん!」
二人は嬉しそうに返事をする。
539二つの思い / 受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/09/08 20:21 ID:zFxmqeU6
その夜、レックスとタバサの二人は夜遅く、城を抜け出した。
珍しくタバサがレックスを誘ったのだ。
タバサのルーラに導かれ、レックスがやってきたのはサラボナの見張りの塔。

「ううんっ・・・ここからの眺めキレイだね、タバサ。
あれ、タバサ? どうしたの?」
タバサも目の前に広がる美しい夜景を見つめているが、その眼は涙をたたえている。
「私・・・嬉しい。いろいろあったけど、お兄ちゃんと一緒になれて・・・。
お兄ちゃん、ごめんなさい。こんな私だけど、これからも、お願い致します・・・」
チュッ。タバサはうんと背伸びをして自分の唇をレックスのものに重ねると、
レックスの大きな胸に顔をうずめる。
「うん。よろしくね・・・」
レックスは静かにタバサの頭をなでる。

やがて、二つの影は一つになった―――

それを遠くからみつめる二人がいた。
「やれやれ・・・あの二人もあついな・・・」
「ふふ、ほんとね。あら?そういえば――。私たちも負けてられないわよ?
ね、あ・な・た?」ビアンカがアルスの耳元でささやく。

「はは、まいったな・・・。」
不敵な笑みを浮かべてアルスの顔を覗き込むビアンカに
少し戸惑った顔をみせるアルスだった。
540二つの思い / 受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/09/08 20:24 ID:zFxmqeU6
*******************

ねぇ、タバサ。僕、タバサと一緒になれて嬉しいよ。
いろいろあったけど、僕はもういいんだ。
大好きだよ・・・もうはなさない。


お兄ちゃん・・・本当にごめんなさい。
私、あのときのこと本当に後悔してる。
お兄ちゃん・・・こんなふつつかものですが、
末永くよろしくお願い致します・・・。
えっ、堅苦しい?似合わないって?えへへ。

これからもずうっとなかよくやっていこうね!

*******************
541二つの思い / 受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/09/08 20:26 ID:zFxmqeU6
翌朝。
アルスは二人を王の間に呼び出した。

「うん、二人ともよく眠れたかい?実は、この間僕が怒った時に青い髪のほうのレックスが言っていた
エスタークについて調べてみたんだけど、どうやら魔界のとある洞窟の奥深くにすむ輩らしいんだ。
厄介なことがまた起こる前に、討伐しにいこうと思う。」
アルスはいったん言葉を区切った。
「で、―お前たちもくるか?」
もはや答えは見えているといわんばかりだ。

二人がお互いを向く。 強くうなづく。
「お父さん、当然、僕たちもいくよ!」

**************

・・・ということで、二人はめでたく結ばれたんだ。
彼らは父アルスとともにエスタークを討伐した後に二人は子供1人を授かり、
二回目の平和を迎えたグランバニアを立派に治めていったそうだ。」


お話はここで終わりさ。 ―ある遠い大陸、そう、グランバニアでの物語―。


fin
ご愛読してくださった方、ありがとうございました。m(__)m
>>541
このスレ的な展開で良かった良かった。

分かっているけどあえて揚げ足。
>自分の唇をレックスの  もの  に重ね… (;´Д`)

次回作…もとい勉強頑張って下され。
>受験生氏
完結乙、やはり本来の相手が一番だね
個人的には537の青い双子との別れで締めた方が綺麗な終わりかなと思った


>鏡の中の群像氏
四天王とのバトル期待
敵はただでさえ強敵なのにレックスにとっては精神的にも辛い戦いになりそうだ
544DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/09/08 23:51 ID:jYxKpYNj
>>507のつづき
受験生さまお疲れ様でした。勉強しないt(ry


光続けるはタバサの身体。

触れることも、近づくことも出来ないレックス達はただ呆然とタバサの進化を見ていることしか出来なかった。
突然、光輝くタバサはレックスに一歩、また一歩と近づき始める。
恐れることなく、目を逸らすことなくタバサを見つめるレックス。

ゆっくり、ゆっくりと近づき、タバサは両手をレックスの頬に当て、唇に自らの唇を重ねる。
「「「!!!!!!!!」」」
そこにいた全員が声を失った。
顔と身体の輪郭しかおぼろげに見えないが紛れもなくレックスと今口付けを交わしているのはタバサである。
「タ、タバサ・・・?」
アルスが頭から大きな汗を出し、開いた口がふさがらなかった。
545DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/09/08 23:53 ID:jYxKpYNj
「ん・・・んん・・・。」
レックスも声にならない声をタバサとの唇の間からこぼす。
小刻みに震える両手をタバサの肩に手を置くレックス。
「ブハッ・・・タ、タバサ・・・ど、どうしちゃったのさ・・・?」
大好きなタバサとの口付けをうれしがるよりも、何故タバサに口付けをされたのかを理解できないレックス。
レックスの手の中でタバサは強い光を放ち、その光はじょじょに静まっていく。
「・・・クスッ・・・恥ずヵしがってるんですヵ?レックスヵわぃぃですぅ・・・。」

「「「?????」」」

レックス達の目の前に現れたのは確かにタバサなのだが、口調が違う。
違うというよりも、レックスのことを『お兄ちゃん』ではなく名前で呼んでいるでわないか!
それに、いつものタバサとは違ってなにやら小悪魔のような微笑でレックスを見つめている。

「タバサ?・・・タバサの声だけど・・・君は本当にタバサなの・・・?」
「な・・・タバサ・・・だよね・・・?」
「タバサ・・・さん?」
レックスが、アルスとプサンがタバサに問いかける。
546DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/09/08 23:59 ID:jYxKpYNj
「もちろんですぅ♪」
小悪魔な素振りを見せるタバサは魔女っ子ポーズをしてそう答えた。

レックスは・・・アルスは・・・プサンは混乱している!

「ピ、ピサロさん・・・ウ、ウチのタバサは・・・ど、どうなっちゃったんですか・・・?」
アルスがヒソヒソとピサロに聞いてみると、ピサロは胸の前で腕を組んでこう答える。
「・・・恐らく、娘の魔力と黄金の指輪との共振で娘の望む進化を遂げたはずなのだが・・・。」
「そ、それじゃあこれが・・・タバサの望んだ進化なの・・・?」
ピサロの声が聞こえたのか、レックスは振り返り続けて問いかけると、
ピサロは少し弱気にこう答えた。

「・・・わ、わたしには・・・わからん・・・。」


つづく

(´-`).。oO(つーか、自分もわからん。)
小悪魔タバサ=VIDAL SASSOON (シャンプー)のCMに出てる小悪魔ギャルな感じで脳内保管よろしくです。
>魔女っ子ポーズ

(゚Д゚) ……?
「この世に生まれし第11の息子よ、銀の銃をもって人々の魂を撃ちぬくのだ」
「お願い、あきらめないで」
「愚かじゃよ人間は…」
「人よ立ち上がれ!この大地は神が我々に与えしものなのだ」
「あんた、正気なのか?自分のやっていることがわかってるのか?」
「なっ、何をする!」
「希望を持ちましょう、そしていつの日か必ず」
「この荒れ果てた大地を見るがよい、これが我々に与えられた天罰なのじゃ」
「殺せ!そして奴等を根絶やしにするのだ!」
「戦争を止めることは出来ないのだよ。戦争はお互いが正義じゃからな…」
「お願い、あきらめないで」
「ここには夢や希望なんてない…」
「緑に覆われたあの頃の風景はなくなってしまった」
「あきらめないで」
「わたしにだって夢はあったわ、でもどうしてかしらね」
「これからは人を中心とした政治が必要なのだよ…」
「このことにより世界大戦は避けられないものとなりました」
「我々はもう一度考え直すべきです。皆さんにもわかっているはずだ」
「サイは投げられた。もう誰にも止めることはできん」
「世の中は移り変わってゆく…しかし、変わらないものが一つだけあるのだ」
「あきらめないで」
「俺の夢はね…この宇宙の中にあるんだ」

「わたしのこと、愛してる?」

「!?」(爆発)
>>541
長期連載、SS完結お疲れ様
最初から読みなおしたけど二ヶ月近くもかかってるんだな
また何か思いついたら是非とも書いて下さい
その前にb(ry

>>546
魔女っ子
・・・エレニアック?


・・・スマネ・・・_| ̄|〇

550ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/09/09 11:27 ID:1btDfrXs
>>548
酢飯疑獄思い出した。
551ノッティ ◆9SqXjvykIQ :04/09/09 17:11 ID:GusUwUCP
最近、進化の秘法ネタが増えたな、と思う漏れ。しかし、久しぶりに来てみれば完結している作品があるわ
おもしろい展開になっている作品があるはでなかなかおもしろひ。

>>受験生殿
完結乙〜!!
エスターク戦も書いて欲しかった気分だが。しかし、長かったな。
乙彼!!

>>鏡の中の群像
おもしろい展開、キター!!
四天王ってことは、あとヘルバトラーとエビルプリーストが残っているな・・・・
個人的にはエビルプリスートの処置をどうするかが気になる。
続き期待。そして、バートの今後にも期待!!

>>ペコさん
イ、イメージが・・・・・けど、萌え(´д`)
しかし、シリアスな展開になると思えば、いきなりギャグ?か・・・
まぁ、続き期待
みんな受験生さんの次回作を期待しつつ勉学のことを言ってるのにワラタw

>>546
小悪魔化キタ━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!
王女の願望と言えば
・王子と他人になる
・もっと積極的になる
・巨乳になる
あたりかな
553「嫁ぐ妹」 ◆SSS1Rus0TY :04/09/09 19:27 ID:RkPhEb2S
「おにいちゃん! わあい、久しぶりだねっ!」
 ……あ、変な匂いするよ。お姉さん、また変な実験してるのね。おにいちゃんかわいそう」
「え、匂う? あはは、ぼく、もう気にならなくなってるよ。それでタバサ。コリンズとさ、うまくやってる?」
「う、うん。おにいちゃんも……お姉さんと、仲良くしてるよね?」
「もちろん!」
「けど、喧嘩とかは、するんでしょ?」
「たまにね。でも大丈夫。城を吹っ飛ばしたりするのは月に一度だけだから。あははは」
「………そういうことじゃ、ないんだけどな……」
「……。タバサ。今日は、何の用なんだい」
「うん……。その、ね……私……。
 結婚………やっぱり私……やめたいの」
「何だって、どうして? コリンズの奴が暴力ふるったりするの? それとも、城の人にいじめられてるとか?」
「ううん。コリンズ君、すごく優しくしてくれるよ。私のこといちばんに考えてくれてる。お城の人たちとも、仲良くなれたし……」
「だったら」
「でも、でも私………おにいちゃんのこと……」
「………」
「お姉さんいるってわかってるけど……やっぱり、諦めきれないの……」
「……そのことはもう、何度も話したじゃないか」
「でも! ……だって、このまま気持ちに嘘ついて結婚しちゃうの、コリンズ君に悪いもの……」
「コリンズは、君のことはみんな知ってる。けどあいつは、そんな君を、まるごと愛してくれてるんだぞ。
 それに、今になって取りやめなんて、コリンズは当然、父さんやヘンリーさんも恥かくことになるよ。国どうしの関係だって、おかしくなっちゃう」
「国、って……おにいちゃんも、そういうこと言うようになったんだ」
「……。タバサがまだ、子供なだけだよ。
 グランバニアを出るとき、僕たちに約束したろ。妹の君は、コリンズの、いい奥さんになるって」
「……。……なんで? なんでなのかな……?」
「タバサ?」
「……私が、妹だったから、かな?
 もし、私のが先で、私がお姉さんだったら……私が、グランバニアに、残れたんだよね? それで……」
「……そういう話、今したって、仕方ないじゃないか」
「だって……!」
「悪いけどさ。僕、そろそろ行かなくちゃ。
 これからテルパドールのタバサ5号とも会わなくちゃいけないから。じゃあね、タバサ2号」
554鏡の中の群像:04/09/09 23:42 ID:zViPkazb
作者の皆様お疲れさまです!
受験生さん、完結おめでとーございます!
最後は青髪双子もいい感じに活躍できて良かったなぁ…
これから一番辛い時期に入ると思いますが頑張ってください!

>>524より続きです

青年がレックスたち一人一人の顔をゆっくりと眺め見た。
その瞳の奥では決して消えることの無いであろう憎悪の炎が燃え盛っていた。
「この人がバートさん? 怖い… ううん、
それよりもなんて悲しそうな瞳をしているの…?」
タバサが両頬を手で覆いながら低く呻いた。
「…どうして君がこんな所にいるんだ? 君は死んだんじゃなかったのか?」
「答える義理はないな」
バートが細身の長剣を構えた。地獄のサーベルだ、と理解してレックスはゾッと震えた。
普通の人間が使おうとすればたちまちのうちに
その精神を悪魔に乗っ取られると言われる剣。それを彼が軽々と扱えるという事実が、
彼が既にまっとうな人間でないということを証明していた。

バートがレックスに斬りかかってきた。レックスはそれを危なげなく受けきるも
顔色が冴えず防戦一方。アベルは小さく舌打ちをした。剣の切れ味自体は
確かに地獄のサーベルが天空の剣をやや上回っているが、剣の実力ではレックスの方が
遥かに上。彼がその気になれば、バートを傷つけないようにしながら
気絶させることなどいくらでも出来るはずなのだが…
レックスはかつてないほどに動揺している!
555鏡の中の群像:04/09/09 23:44 ID:zViPkazb

―――バート、僕は君と闘いたくなんてないんだ! お願いだ、退いてくれ!

レックスの願いもむなしく、バートの攻撃は激しくなるばかり。
『やれやれ。このまま、こうちゃく状態が続くのはよろしくないな』
ギガデーモンが棍棒を振り上げる。アベルたちがギガデーモンに向き直った。
だがしかし、その狙いはアベルたちではなくレックス!

―――僕はどうすればいいんだ? 

闘いの最中にあってレックスは、なお迷いを捨てることが出来なかった
夢を通して知ったバートの心の痛み。大切なものを理不尽に奪われる辛さ、悲しみ。
父や母に会えないでいた少年時代を過ごしてきた彼にはそれが痛いほどにわかる。
しかし、今バートは明らかに破壊活動へその身を投じようとしている!!
  
―――止めなくては… 止めなきゃいけないんだ! だけど……

「お兄ちゃん、避けてーーーーっ!!」
タバサの悲痛な悲鳴が響き渡り、レックスはハッと我に返った。
ギガデーモンの棍棒がレックスの眼前に迫りくる!
「くそーーーーー!!」
もはや、避けきることは出来ない!レックスは天空の剣で防御の構えをとった。
ガッ! 天空の剣と魔物の棍棒がぶつかり、鈍い音がする。
想像以上にギガデーモンの一撃は重い。あまりの怪力にレックスの足が床にめり込んだ。
『俺の一撃を受けきるとはさすがは勇者といったところか。だが… 終わりだ!!』
ギガデーモンの腕の筋肉が盛り上がり、さらにレックスの足が深くめり込んだ。
「くっ…」
レックスが苦しげな声を上げたそのときだった。異変が起こったのは。
556鏡の中の群像:04/09/09 23:47 ID:zViPkazb

 ……ピキ

「え?」
レックスは目を疑った。アベルたちも目の前で起こっているそれを信じられないと
言いたげな目で見つめた… 黒衣の少年がフッ、と笑う。

天空の剣に… ヒビが入った……!

「なんでだ…? どうしてなんだよ!?」
レックスの目に涙が溢れてきた。その間にもヒビはどんどん大きくなってゆく。

ピキキ… ピキピキ…

「持ちこたえてくれ!! お願いだ!!」
レックスの願いは通じず、天空の剣の光の輝きも急速に失われていく。

そして…  

パキィイイン……

「そんな……」

天空の剣は砕け散った……
>>546
メイドタバサが消滅してしまったのか、それともそれがオリジナルを乗っ取ったのか気になる。


>>553
12人くらいいますか
558鏡の中の群像:04/09/09 23:52 ID:zViPkazb
「いけない!!」
アベルが叫んだ。ギガデーモンの一撃が茫然とするレックスの横っ面を思い切り
引っぱたく! かろうじて立ってはいるもののレックスは頭から血を流し、その目はうつろ。
『ここは一旦退け!』
上空からマスタードラゴンの声が響いた。
見上げると、彼らの上をマスタードラゴンが旋回していた。
『アベル、タバサ! 我が天空の民を連れてどこか地上の安全な場所へ避難するのだ!』
マスタードラゴンが叫ぶのと同時にアベルたちを不思議なオーラが包む。
守備力増強の魔法スクルトだ。
「お兄ちゃん、コリンズ君! 急いで!」
レックスはまだ魂が抜けているかのような顔つきであったが大人しくタバサに従う。
四人が天空人たちの保護に向かおうと走り出したが、その進路をギガデーモンが阻んだ!
「そう楽に行かせる訳ないでしょ。僕たち三人とちゃんと闘いなよ」
少年が愉快そうにケラケラと笑った。
「くっ!」
レックスたちがそれぞれ構えようとしたが、それを、右手を上げて制す者が一人。
「お前たちは天空人を連れて、マスタードラゴン様と早く避難するんだ」
「父さん……?」
それはレックスとタバサの父アベル。
「ここは僕が食い止める…」

タバサはそんな父を止めようとしたが、アベルの横顔を見て思わず息を飲んだ。
キッと目の前の敵たちを睨みつけてドラゴンの杖を構えるアベル。
その澄んだ漆黒の瞳の奥では、何者にも覆すことの出来ない不屈の精神が燃えている。
強敵を前にしたその父の姿は、いつにも増して凛々しく、そして大きく見えた。
そう、それは仇敵ゲマや大魔王と対峙したあのときのように……
「大丈夫」
アベルが優しく微笑みかけた。タバサの目に一瞬涙が浮かんだが、小さく頷き、走り出す!
「な、どうしてだよ!? タバサ! 父さんを置いていくのか!?」
レックスは悲鳴のような声をあげた。
559鏡の中の群像:04/09/09 23:53 ID:zViPkazb
「コリンズ君!! お兄ちゃんを!」
「あ、ああ!」
アベルの助太刀に行こうと走りだしたレックスを、コリンズが後ろから羽交い絞めにした。
「放せ、放せよ! コリンズ!」
「放さねぇよ! バカヤロウ!」
「くそーーーっ、 放せ! 放してくれーーー!!」
タバサ、コリンズ、レックス、そして門番の天空人たちがアベルの視界の奥に消えた。

アベルはそれを確認すると安心したように微笑んだ。
その間にもギガデーモンたちの執拗な攻撃が続いていた。
「やれやれ、一人のくせによく頑張るね。おかげであいつら逃がしちゃったじゃんかよー」
少年がつまらなさそうに不平を言う。
「でもさー、そこまでするってことは、もう命はあきらめてるって思っていいんだよね?」
少年が冷たく笑い、衣の内に隠していた剣を取り出した。
その剣を見たアベルの目が大きく見開かれる。
「その剣……!! 君は……」
「さよなら、アベル…」
少年の瞳が一瞬だけ悲しそうに揺れた……
560鏡の中の群像:04/09/09 23:56 ID:zViPkazb

見渡す限りどこまでも続く広大な平原。空の青さが痛いくらいにまぶしい。
レックスたちは名産品博物館のある島のさらに北に位置する中央大陸にいた。
レックスは立ったまま折れた天空の剣の柄を握り締めうつむいている。
タバサとコリンズも疲れたような顔をして地面に座り込んでいた。
そんな彼らを心配そうに見つめる天空人たちの顔も一様に暗い。
マスタードラゴンだけはいつもと変わらず落ち着いている様子であった。
「あの、お兄ちゃん…」
タバサが申し訳なさそうにレックスに話しかけた。
「その… ごめんなさい。無理に連れ出して…」

レックスが顔を崩し、胸の痛みをこらえるようにして微笑みながら答えた。
「タバサは悪くないよ。実際、あのとき僕が助太刀に行ったところで、足でまといにしか
 ならなかった。むしろ僕はタバサとコリンズに感謝しているんだ。 …ありがとう」
優しく微笑むレックスの瞳を見て、タバサの目からせきを切ったように涙が溢れだした。
レックスは何も言わずにタバサの肩をそっと抱き寄せる。
タバサはレックスの胸に顔を埋めて声をたてずに泣いた……


「……マスタードラゴン様。どうして父さんを助けてくれなかったんですか?
 あなた程の力がある方なら、ギガデーモンたちを蹴散らして
父さんを助けることが出来たはずだ… なのに… どうして……」
レックスがうつむいたまま震えた声でつぶやいた。言いながら気付く。
夢の中でまったく同じ言葉をバートに言われたことを。
マスタードラゴンがそっと目を伏せた。
『すまない…… 私は自身が闘うことをおのれに禁じているのだ。
例えそれがために私の身の破滅を招くことになったとしても
私は神として、それを破るわけにはいかない……」
すべての上に立つものの宿命。神は神であるがゆえに何者にも縛られることはない。
ただ一つ、自身の言葉を除いては。
561鏡の中の群像:04/09/09 23:58 ID:zViPkazb
マスタードラゴンも恐らくアベルを助けたかったのに違いない。
天空城を襲う不逞の輩を自身の手で始末したかったに違いない。
だが、神の立場がそれをすることを許してはくれなかった。

自分ではどうしようもない状況。歯痒い思い。
それを頭の中では痛いほどに理解しながらもなお、
レックスの心の奥にはしこりのような、何か嫌な物が残った。

『…私のことが憎いか? レックス』
レックスはマスタードラゴンを見つめた。その横顔はいつもとは違いどこか寂しげだった。
「…マスタードラゴン様は悪くなんてない。
僕が憎むべき敵は天空城を襲ってきたあいつらです。
いえ… 僕はそれ以上に力の無い自分が憎らしい……」
マスタードラゴンはしばらく何かを考え込むかのような顔をしていたが不意に口を開いた。
『そなたが更なる力を求めるのならば、妖精の城へ向かえ。
 そこに新たなる道を切り開くための鍵がある』
「妖精の城?」
妖精の城はゴールドオーブを得るために、訪れたことがあった。
しかしそこに一体何があるというのか?
『詳しいことは妖精の女王に聞くといい。ただ… 一つだけ言っておく。
 力に溺れるものは、力にその身を滅ぼされることになる。
そなたの持つ真の強さは決して単なる力によるものではない。それを努々忘れぬことだ』
「……僕の持つ真の力」
レックスは折れた天空の剣を見つめ、それから拳をギュッと握り締めた……


今日はここまでです
>>561
どんな展開が待っているのかめっさきになる
続きに激しく期待
563名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/10 14:45:18 ID:V7XmP8Jv
>>561
予想外の展開でワクワク
父さーん。・゚・(ノД`)・゚・
マスドラがなんで戦わなかったのかの疑問もちゃんとフォローしてあっていい

これからの二人のレックスがどうなるか期待
564名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/10 16:35:03 ID:2qPy3Gc7
ああ、ここまで秒単位レス表示の流れが…
565受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/09/10 19:37:09 ID:HErpsAG4
皆様、小説(と学習)に対するレスありがとうございます。
7月の七夕ネタブームに乗じて書いていたはずなんですが、2ヶ月も経ってしまうとは・・。orz
(一レス劇場屋さんの七夕ネタSS「賢者の願いごと」の作品の
続編のような形で許可をいただいてました。)

>>543さんのレス、ノッティさんののレスも心に留めさせていただきます。
それから学習状況のほうにまで気を配ってくださる皆様、素敵です。゚(ノ□`)゚。
受かりましたらこっそりご報告させていただきますね!

それでは投下されていくSSを楽しみながら勉強していくことにしますが
突然投下側にまわっていても気にしないでく(ry y-( ゚д゚)・∵.ターン
566名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/10 22:58:22 ID:1On65p/L
アンドレアル戦でもそこまで活躍しなかった上に今回の敗北…
これはパワーアップイベントの前兆だったのか!

>>565
突然のSS投下待ってますよ。とりあえずb(ry
567名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/11 01:49:19 ID:SG0ryULN
ゲーセンが終了する深夜0時直前、あまりのヤリたさにゲーセンからダッシュで出る。
道路を強引に嘘避けで横切ってそのまま彼女の家へ。
途中赤信号を3回連続で無視したことに気づいて思わず「chainだぜ…」とつぶやいてしまう。

彼女の体にBUZZりまくり、漏れのナニが連続レベルアップ。
その後は彼女のハイテンション攻撃が漏れを襲う。
最後はギリギリ射精前にアソコから抜いてナイスボム…
と思ったが、一瞬の隙を逃さずテクニカルボーナス…
のはずがパターンが崩れ決めボムに終わる。

そして周りに待っている人がいないのを確認してから連コイン。
2プレイ目は属性チェンジを使いつつ彼女の3ボタンを状況に合わせ器用に押し分ける。
無論、必要な場面ではピアノ撃ちで連打することも辞さない。
途中やばくなったので覚醒。なんとかやり過ごす。

3プレイ目では「5」を出すことに重点をおき、
4プレイ目では勲章を逃さずとることに専念した。

終了後、今なら緋蜂も倒せるかもと思ってしまう自分に苦笑し、帰宅。
568名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/12 12:01:33 ID:zPIu1kRA




























│         |
│         |
 \_____/
569プゲラッ:04/09/12 17:30:28 ID:8qyuoVLx
さらしage
570名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/12 20:42:30 ID:4agwjYl0
ゲームでも思ったが天空の剣はもう少し強くしてくれても良かった
ラミアスの剣くらいに
571鏡の中の群像:04/09/12 23:22:49 ID:IyZjrMyC
>>561より続きです

第四章、いにしえの魔女

バートは天空城を支える分厚い雲の端に立っていた。
両手をズボンのポケットに突っ込み、無言のまま下界を見下ろす。
雲の上から見る地上は、とても小さくて儚く、そして脆いものに思えた。
これが、神がいつも見ていた地上の姿なのかと思うと気が滅入り
うんざりとした気分になる。もっともこの嫌な気持ちの原因は
それだけではないのかも知れないが。バートは小さくため息をついた。

「やぁ、バートここにいたのか。目的の物、見つけてきたよ」
少年が上機嫌な様子で近づいてきた。
右手に掲げられているのは神々しく、まばゆいばかりの光を放つ金色の球体。
「…それは一体なんなんだ? 見たところただの球ではなさそうだが」
「ゴールドオーブさ。空に浮かぶ天空城を支える魔力を内に蓄える球で
 同時に進化の秘法を完全なものにするためのアイテムでもある」
「それを取ってしまったら、この城は空には浮いていられなくなるんじゃないか?」
「まあね。けど、原動力にはこれの他にシルバーオーブと呼ばれる宝玉があるから
 しばらくは大丈夫なんじゃない? 多分」
「…そんな情報をお前はどこで仕入れてくるんだ」
少年は物憂げに目を細め、やや間を置いてから答えた。
「僕の中にある、神になり損ねた者の記憶…… かな」
「神になり損ねた者?」
「詳しいことはまた今度教えてあげるよ。
 それよりも次の目的地に早く行こう。もうここには用はない……」
572鏡の中の群像:04/09/12 23:24:02 ID:IyZjrMyC

天空城は今、少年が呼び寄せた魔物の群れであふれかえっていた。
憎き龍の神を追い出すことに成功した喜びに魔物たちは浮かれ、騒ぎまくっている。
そんな魔物たちに冷たい冷笑を向けて、少年はルーラの呪文の詠唱を始めた。
「次はどこに行くんだ?」
「大神殿。あそこが多分、僕らの目的達成のために一番役に立つから」

ルーラが発動する直前、少年は左手に持っていた紫紺のターバンを
地上に向かって放り投げた。
「楽しかったよ、アベル…」
ターバンはゆっくりと地に吸い寄せられ、やがて彼らの視界の奥へと消えた……

573鏡の中の群像:04/09/12 23:25:33 ID:IyZjrMyC

その頃、レックスたちと天空人は妖精の城に到達していた。
傷つき、身も心も疲れ果てた彼らを、妖精たちは優しく迎え入れてくれた。

「あなた方も大変だったようですね…」
女王がそっと目を伏せて彼らをねぎらう。
「ええ。でも泣き言ばかり言ってもいられません。
 天空城を乗っ取った以上、彼らは近いうちに必ず何かをしでかします。
 そうなる前になんとかしなければ… そして父さんを助けるためにも」
最後の部分を言うとき、レックスはうつむき、拳を握りしめた。

「女王様、私たちはこの城に私たちが強くなるための鍵があると聞いてきました。
 お願いです。どうか私たちにその道を示してください…」
「そうですか… そうですね」
女王は一瞬だけ迷って、それからレックスとタバサ、
そしてコリンズの目を真正面から見つめた。
「三人共よく聞いてください。レックスとタバサは知っているとは思いますが…
 この城の二階におのれの心を写し出すという絵があります」
二人は頷いた。五、六年前、父と共に来たときに見たことがあった。
「その絵があなた方を受け入れてくれるのなら… 新たな道が開けると思います。
 もしかしたら多少の危険が伴うかも知れませんが…
 心が決まったら… そこへ向かってください。
もし何かが起こったら、こちらから連絡をいれますので…」
三人は一瞬顔を見合わせたが、すぐに頷いた。危険に飛び込む覚悟など既にできている。
574鏡の中の群像:04/09/12 23:27:00 ID:IyZjrMyC

「なぁ、心を写し出す絵って一体何なんだ? 俺にも説明しろよ」
城の回廊を歩きながらコリンズが二人に尋ねる。
「私にも漠然としか分からないけど… お父さんはその絵の力で時を越えたみたい。
 そこで懐かしい村の人と会って、亡くなったパパスお祖父様と再会を果たして……」
「時を越える…ねぇ。なんかウソ臭い話だな」
「そうでもないよ」
横からレックスが口を挟んだ。
「噂だとその絵は時の砂を使って描かれているらしいんだ。
 それが本当だとしたら時を越える力があの絵に備わっていても不思議じゃない」
「ふ〜ん。けど俺もさ、人生やり直せたらいいなって思うよ。
 その絵の力を使えば俺の人生はバラ色になるんだろうなぁ」
「おいおい」
「でも私も時々同じこと考えるよ。あのときこうしていれば良かったな、とか、
 昔に戻って、いなくなってしまった人に会えればいいのに、とか」
「タバサ……」
レックスとコリンズは何となく厳粛な気持ちになって黙り込んでしまった。
「思い出には人の心を引きつけて離さない何かがあると思うの。心の弱い人は、
もしかしたら思い出の世界にひたったまま現実に戻れなくなるかも知れない。
 だから… 昔、思い出の世界に行った後、ちゃんと私たちのところへ
 戻ってきてくれたお父さんはスゴイなって思ったんだ。
 お父さんが思い出の世界よりも今を選んでくれたことが、私すごく嬉しかった…」
「……」
レックスは横を向いて頭を掻いた。自分も同じ場面に立ち会っていたが
そんなコトは考えてもみなかった。ただ絵の前で放心したように立ちすくむ父の姿を見て
大笑いをした記憶しか残っていない。
やっぱりタバサにはかなわないな、とレックスは思った。
「確かこの部屋よね?」
立ち止まり、タバサが目の前にある大きな扉を指さした。
「あ、あぁ。確かそうだった思うよ」
タバサに見つめられ、レックスは慌てて答えた。
575鏡の中の群像:04/09/12 23:28:41 ID:IyZjrMyC

こじんまりとして閑静なその部屋の中に、心を写し出すという絵があった。
昔はただなんとなくこの絵を眺めていたレックスであったが今なら分かる。
この絵に神秘的な何かが宿っているということを。
「綺麗… ていうか。う〜ん、スゲー絵だな…」
コリンズも何かを感じ取っているらしい。見た目はただの風景画であるはずなのに。
「この先に何が待ってるのかは分からないけど…… 行こう!」
レックスとタバサ、コリンズの三人は絵の前に並び立った。
心臓が高鳴る。大きく深呼吸をして、願う。強くなりたい――と。

突然周りの風景が歪みだした。
「これは……」
レックスはこの感じを知っていた。
そう、それは夢の中でバートと会ったときのと同じあの感覚。
視界がどこか懐かしい雰囲気を漂わすセピア色に覆われる。
そして… レックスたちの意識は宙に溶けた……
576鏡の中の群像:04/09/12 23:31:01 ID:IyZjrMyC

その少女は鼻歌を歌いながら歩いていた。手から下げられているカゴの中には
ハーブらしき草が溢れんばかりに詰め込められている。
空はよく晴れ渡り、優しく吹く風が若葉の匂いを運んでくれた。
こんな気持ちのいい日には彼女は決まって昔仲間と共に歩んだ
懐かしき旅路を思い出すのだ。辛いこともあったけれども、それ以上に楽しかった日々。
一癖も二癖もあるような連中ばかりではあったが、
自分にとってはかけがえのない最高の仲間。
「…みんな元気してるかなあ」
手の平を太陽に透かしながら彼女はつぶやいた。

と、そのとき急に空がピカリと光った。
「んー? なになに?」
いぶかしがって見上げるとそこには……

「うわーーーー!!!」
「きゃあああああ!!」
「ぎょええええええ!!」

ドン!ダァン! ズガァーーン!!

凄まじい悲鳴と、聞くだけでも十分に痛そうな衝突音。少女は茫然としてそれを見つめた。
空から人が降ってきた。それも三人も。
577鏡の中の群像:04/09/12 23:32:27 ID:IyZjrMyC
「あいたたた…」
そのうちの一人、金髪の少年がのそりと起き上がった。
緑髪の少年と、金髪の少女もすぐに起き上がって、服についた土を払い落とす。
言うまでもなく、彼らはレックスたち三人であった。

「驚いた。あれだけ体強く打って、もう起き上がれるんだ。君たちは化け物なの?」
呆れたように笑う少女に気付いて、レックスは照れ笑いを浮かべた。
「こんにちは。ここはどこですか?」
「アハハ! 空から降ってきておいて、さらに迷子?
 あんたたちって面白い子たちだね」
少女は腹を抱えて大笑いをした後、レックスたちの背後を指さした。
「ここがどこかって言われたら、ゼニス様の城の近所ってのが一番正解に近いのかな」
三人は振り返ってアッと声を上げた。そこにそびえ立っていたのは巨大な城。
いや、彼らが驚いたのはその城の形を知っていたからなのだ。
「あれは… 天空城!?」
「でも、空に浮かんでなくないか?」
少女は彼らの話を聞いて急に目つきが鋭くなった。
「へぇ… この城に見覚えあるんだ。やっぱ、あんたたちただ者じゃないのかもね」

レックスたちは彼女の方へ向き直った。
「あなたはあの城に住んでいるんですか?」
「うん、そうだよー」
タバサは少女を見つめた。自分と同じくらいの体の大きさである彼女ではあるが、
その体の内には途方も無い魔力がみなぎっているのが、タバサには分かった。
578鏡の中の群像:04/09/12 23:34:15 ID:IyZjrMyC

「あの、私タバサって言います。こっちが兄のレックスで、
その隣にいるのが友達のコリンズ君です」
友達と紹介されて、コリンズは思わずため息をついたが、
仕方ないかとでも言うように首を横に振った。

「あなたにお願いがあるんです。どうか聞いていただけませんか?」
少女はレックスたちの顔を一人一人見つめ、そして白い歯を見せて笑った。
「なんか訳ありっぽいね。いいよ、話は聞いたげる。
 あたしの名前はバーバラ。ヨロシクね!」
バーバラが手招きをしながら目の前の城に向かって歩き出す。
レックスたちはお互いの顔を見て確認しあうように頷き、彼女の後に続いた。


今日はここまでです!
5791レス劇場屋 ◆SSS1Rus0TY :04/09/12 23:38:02 ID:zpEZe46d
バーバラキタ━━━━━━(゚(゚∀(゚∀゚(☆∀☆)゚∀゚)∀゚)゚)━━━━━━!!!!!
580名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/12 23:50:44 ID:Wv6yHaVV
続き乙。
まさかバーバラが(;´Д`)ハァハァ
だがそうなると一番レベルアップしそうなのがタバサな予感。
581プゲラッ:04/09/13 00:00:17 ID:hRg2WUZU
さらしage


582名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/13 01:49:04 ID:WXxKYIfI

マダンテ継承イベントが起きそうなヤカン
レックスはギガスラッシュか?
583名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/13 19:35:59 ID:yZ0TkiBZ
(⊃Д`)アベル・・・
584プゲラッ:04/09/13 19:39:48 ID:hRg2WUZU
age
585名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/13 21:07:43 ID:qW3JFIcy
>>578
やはり主人公は・・・、それも含めてリベンジなるか気になる
さりげなく友達扱いでがっかりのコリンズにワラタ
586名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/13 22:19:58 ID:cKSb600m
鏡の中の群像はBGMを付けながら読んだりするとなかなかおもしろい・・・・うふっ
587プゲラッ:04/09/14 10:00:57 ID:JDNm4SbW
age
588鏡の中の群像:04/09/14 23:23:47 ID:pKot0SSI
>>578より続きです

地上で最も高い山、セントベレス。その頂に大神殿はあった。かつては教祖イブールの
もとで栄えた光の教団の本拠地も、今では見るも無残に荒れ果てている。
その神殿の象徴とも言うべき祭壇の上に、黒衣の少年とバートは立っていた。
少年は足元に落ちている瓦礫の破片を手に取りながら微笑んだ。
「つわものどもが夢の後って感じだよね。
 一時の間とはいえ、光の教団は世界中にその勢力を広げていたっていうのにさ」

「…ここへは何をしにきたんだ? 確かに拠点にするには悪くは無い場所だが…」
しかし大神殿と天空城とを比べたら、ここが不便であるのは明らかであった。
「ここに来たのは力を集めるためだよ。世界広しといえどもここに勝るところはない」
「力?」
聞き返すバートの問いには答えず、少年は薄紫色の水晶を手に取り呪文の詠唱を始めた。
途端に風がやみ、あたりに凛とした空気が流れ始める。

「……? これは…」
「見てて、バート…」
少年が指の先に力をこめた。次の瞬間、地面から大量の黒い霧が噴き出した!
589鏡の中の群像:04/09/14 23:25:37 ID:pKot0SSI
「!!」
黒い霧はまるで生き物のようにうねり、ぶつかり合っては離れ、そして混じり合い、
一つの大きな塊になったかと思うとまたバラけた。
「う〜ん、さすがは大神殿。期待はしていたけど思った以上だよ」
少年は嬉しそうに、そしてうっとりとその黒い霧を見つめた。
「おい、これは一体なんなんだ?」
「これはね、この神殿に残された人々の負の感情を具現化したものだよ」
「負の感情?」
「そうさ。怒りや悲しみ、絶望や憎しみ。それらの感情は喜びとかの感情よりも大きく
 強くなりやすい。そして時を隔ててもなお人の心を縛り、ずっと残っていく」
「……」
バートは腕を組みながら少年の顔を眺めた。いつもはおちゃらけた感じの少年が
いつになく真面目に語っているのが不思議に思われたのだ。

少年が水晶を高く掲げた。あたりを漂っていた黒い霧が急速に水晶に集まってゆく!
「その負の感情を力に変えることが出来るのが僕の能力なんだ」
少年はバートの方を向いて二コリと笑った。
「さぁ、準備は整った。僕らの夢がかなうのはもうすぐだよ。
 フフフ… フフフフフフ…」
少年の目がギラリと輝いた。
590鏡の中の群像:04/09/14 23:26:50 ID:pKot0SSI

ゼニスの城のとある一角。
バーバラはカップの中の紅茶を一気に飲み干し、そしてため息をついた。
「なるほどねー。あんたたちの事情は大体分かったよ。結構やっかいそうな話だね」
「天空城… その、乗っ取られちゃってすみません。僕が弱かったから…」
「気にしなくていいよー。別に今回が初めてって訳じゃないし」
「え?」
「いや、こっちの話よ。とにかく取られたモンは取り返せばいいんだから。
 そんな落ち込まないでもっと元気出していこう! ね?」 
バーバラは身を乗り出し、うつむくレックスの肩をボンボンと荒っぽく叩いた。

「…あの、バーバラさん。私たちはどうしても強くなる必要があるんです。
協力していただけないでしょうか?」
「いいよ」
バーバラはあっさりと言った。これには三人も面食らう。
「ず、随分簡単に請け負ってくれんだな。今日会ったばかりなのにさ。
 俺たちのことを、ちっとは疑おうって気にはならないのか?」
「あたしを馬鹿にしちゃいけないよ。これでも世界中旅してまわった身だからね。
 信じられる人間かそうでないかの区別くらいはつくよ。あんたたちの信念も
 覚悟の深さも分かっているつもり。だから野暮な前置きなんていらないでしょ?」
バーバラはそう言うと立ち上がって大きく背伸びをした。
「それにさ、はっきり言って退屈なわけよ、ここの生活って」
「あ、ありがとうございます!!」
「いいって、いいって。その代わり…… ビシビシ行くからそのつもりでね」
バーバラが含み笑いを浮かべた。コリンズは少し背筋が寒くなるのを感じた。
591鏡の中の群像:04/09/14 23:28:32 ID:pKot0SSI

レックスたちが案内されたのは玉座の後ろにある隠し通路から行ける秘密の部屋。
「どう、驚いた? すごく巧妙に隠してある入口だと思わない?」
バーバラの問いにコリンズは首を大きくコクコクと振って頷いたが、
レックスとタバサはあまり驚いた様子を見せなかった。
なぜなら二人はその通路の存在を既に知っていたので。
それよりも彼らの関心は別のところにあった。

「タバサ、さっきの部屋の玉座すごく小さくなかった?」
「うん、私もそう思った。あんなのにドラゴンなんか座れないと思うんだけど…」
言いながら二人はバーバラに視線を向けた。
「もしかしてここの城の主の方は人間なんですか?」
バーバラは口をポカンと半開きにしてマヌケな表情になった。
玉座の間にはその日、誰もいなかったので、
レックスたちはこの城の主が誰であるのか知らなかったのである。
「まぁ、人間って言えるかどうかは妖しいけど… それでも人っぽい感じよ」
「う〜ん、やっぱり僕らが知ってる天空城とは少し違うのかなぁ?」
「でも城の構造とかはすごく似ている…ていうか同じよね?」
顔を見合わせて話す二人を見てバーバラは肩をいからせた。
「ねぇ、この隠し通路見てもなんとも思わないの? 玉座がそんなに面白い?
 絶対あんたたち注目すべき場所間違えてるよ。つまんないなぁ」
それでもなおリアクションの薄い二人を見て、バーバラはふて腐れ一人歩き出すのだった。
592鏡の中の群像:04/09/14 23:30:26 ID:pKot0SSI

隠し通路の入口のすぐ脇に下に降りるためのはしごがあった。
そのはしごの先にはやや広い空間が広がり、左右には通路が伸びている。
レックスたちが知る限りではこの奥にゴールドオーブとシルバーオーブがあるはずだった。

「こんな所で修行なんか出来るんですか?」
タバサが不安そうに聞く。
「うん。この二つの通路の先にはそれぞれ小さな部屋があるんだ。
 その先で鍛えてもらうよ。コリンズは向かって右側、レックスは左側に進んでね」
「え、あの私はどうするんですか?」
「タバサはあたしが直々に面倒見てあげる。同じ魔法使いだしさ。それに……」
「それに?」
「あ、いや、なんでもないよ。とにかく戦士系の二人はここで頑張ってね。
 何をすればいいかは進めばわかるからさ」
バーバラが何を言おうとしていたのかは気になったが、今は一刻も早く強くなりたかった。
レックスは足早に歩き出そうとしたが、途中で何かを思い出したかのように
はたりと足を止めて振り返る。

「あの、バーバラさん」
「何? もしかして怖気づいた?」
「いや、そうじゃなくて……」
レックスは鞘に納まったままの天空の剣を取り出してバーバラに見せた。
「この折れた剣で修行は出来ないかな、と思って。
 よかったら、この城にある剣を貸してもらえないですか?」
バーバラはそっと目を伏せて腕組みをした。
593鏡の中の群像:04/09/14 23:31:54 ID:pKot0SSI
「……ダメ。レックスにはその折れた剣を使って修行してもらうよ」
「え…!?」
三人が同時に声を上げた。レックスはバーバラが冗談を言っているのかと思ったが
彼女の顔は真剣そのもの。杏子色の瞳には曇りも迷いもまるでない。
「お言葉だけどさ… 折れた剣を使っても実のある修練は出来ないと思うぜ、俺は」
横からコリンズが口を挟んだが、バーバラは首を横に振った。
「確かに普通ならそうかも知れない。でもね、レックス。
 あんたはその剣を使って試練を乗り越えなければいけない。
 そのための試練をあたしは用意させてもらったから…」
「そのための… 試練」
「うん。メチャメチャ怪しいと思うかもしれないけど。あたしは本気だから… 信じて」
「……」
レックスは剣を鞘から抜いて眺めた。真ん中から先の無いその剣は
かつて刀身から放っていた神々しい輝きも既に失っている。確かにレックスにとって
思い入れの深い剣ではあったがこんな剣で修行をすることに果たして意味があるのか。
それは分からなかったが、しかしレックスは剣を納めながら小さく頷いた。
「…分かりました。多分バーバラさんには何か考えがあるんですよね。
 それが何なのかは僕には分からないけど… 必ず試練をクリアします。この剣で……!」
決意を固めるレックスの表情を見てバーバラは安心したように微笑んだ。

「私は応援することしか出来ないけど… 
 お兄ちゃんもコリンズ君も頑張ってね…!」
「あぁ、タバサもね」
レックスとタバサそしてコリンズの三人は軽く握り締めた拳を互いにぶつけあい、笑った。
そして、互いに背を向けてそれぞれの試練に向かって歩き出す。

強くなるために… そして自分自身のために―――!!

594鏡の中の群像:04/09/14 23:34:01 ID:pKot0SSI

コリンズが廊下を道なりに進んでいくと、その先にはこじんまりとした
小さな部屋があった。レックスたちからの情報だとそこにはシルバーオーブと呼ばれる
宝玉があるはずであったが、そこにあったのは淡い空色の光を放つ光の渦。
「旅の扉?」
それは扉に選ばれし者のみがその恩恵にあずかり、全く異なる二つの地点を
一瞬で行き来出来るという神秘の光。いまだにその原理が解明されていない
世界に残された大きな謎のうちの一つでもある。
もっともコリンズの生家ラインハット城にはその不思議がでんと内に構えているのだが。

ここから先に待ち受けるのは恐らく過酷なる修行。
コリンズは大きく深呼吸をして気持ちを落ち着かせた。
そして、意を決してその渦の中に飛び込む…!!
あまりの光の強烈さにまぶしく目を開けることも出来ず、頭はグラグラに揺れ、
さらに全身がバラバラにされてぐちゃぐちゃにかき回されているような感覚を覚える。
(……うへー。気持ちワリーな、おい)
コリンズが思わず口を両手で押さえたが、それは一瞬のコト。
耳の奥でリィィーンと涼やかな音が響いたかと思うと、彼は見知らぬ場所に立っていた。

そこは城のダンスホールのように広く開放的なドーム状の空間だった。
窓が見当たらず外の光が入ってこないためか薄暗い。
この空間を照らすのはコリンズの後ろにある旅の扉と、
壁のところどころに埋め込まれている不思議な淡い光を放つ石だけであった。

「ようこそ、コリンズ君! これから始まる君の修行にはボクが付き合わせてもらうよ!」
いきなり甲高い少年のような声が耳に突き刺さり、コリンズはビクッと震えた。
「だ、誰だ! どこにいる!? 出て来い!!」
「なに取り乱してるのさ? ボクはここにいるだろ? ほらほら、君の足元」
595鏡の中の群像:04/09/14 23:36:27 ID:pKot0SSI
コリンズが言われるがままに足元を見るとそこにいたのは一匹のスライム。
小さな体をぷるぷると震わせている様は、普段なら可愛らしく見えるのであろうが
この薄暗い閉鎖された空間の中ではどことなく不気味だ。

「へぇ… お前が修行相手か。つまりお前を倒すことが課題ってわけだな?」
言うが早いが、コリンズが剣を構える。しかしスライムは必死になって体を左右に振った。
「ち、違うやい! ボクはあくまで君の手伝いをするだけ! 早合点すんなよ!」
「なんだ、違うのか。そりゃ悪かったな。けど、それなら俺は何をすればいいんだ?」
「あれを見て」

スライムがくるりと向き直ったその先に、拳大程の大きさの金色の球が無数に浮いていた。
「今からあの百個の球をすごく速いスピードで飛ばすから、
それを全部、君の剣で叩き落してね。それが最初の課題だよ」
スライムがそう言うなり、百個の球が急に命を得たように不規則にあたりを飛び始める。
球はヒュン!とうなりをあげながら飛び回り、その速さは文字通り目にも留まらないほど。
「な、なんだこりゃ? こんなのどうやって叩き落せと… あでっ…!?」
球のうちの一つがコリンズの脳天に直撃したのだ。
呆気に取られているコリンズの脇を球がからかうかのようにかすめて行った。

「……へぇ。やってくれるじゃねぇか。  …覚悟しろよ! この野郎!!」
コリンズの目は血走りそれはまるで鬼の形相。今にも突進しそうな勢いだったが。
「それだよ、コリンズ君。今、君が抱える一番の問題点は」
スライムが横から口を挟んだ。
596プゲラッ:04/09/14 23:37:53 ID:JDNm4SbW
         ______ 
       ,;i|||||||||||||||||||||||||||||||ii;、         _/
     /||||||||||||||||||||||||||||||||||||||ii;、        \
  / ̄ ̄\||||||||||||||||||||||||||||||||||||ii;゙ヽ,      /
'" ̄ヽ     ヽ!!||||||||||||||||  ||||||||||!!"ヘ     <  ロマンティックageるよ
ヽ          ゙!!!||||||||||||  |||||||!!   iヽ── /
|||l            ゙゙ヽ、ll,,‐''''""     | ヽ|||||||||ロマンティックageるよ
|||l     ____   ゙l   __   \|||||||||  
||!'    /ヽ、     o゙>┴<"o   /\   |'" ̄| ホントの勇気 見せてくれたら
\  /  |ミミヽ──‐'"ノ≡- ゙'──''彡| |、 |   |
   ̄|    |ミミミ/" ̄ 、,,/|l ̄"'''ヽ彡|| |、/   / ロマンティックageるよ
 ヽ、l|    |ミミミ|  |、────フヽ |彡l| |/  /_
  \/|l    |ミミミ| \_/ ̄ ̄フ_/  |彡|l/    ̄/ ロマンティックageるよ
  \ ノ   l|ミミミ|  \二二、_/  |彡|      フ  
    ̄\  l|ミミミ|    ̄ ̄ ̄  |メ/       \トキメク胸に キラキラ光った
    | \ ヽ\ミヽ    ̄ ̄"'  |/        /
    /  \ヽ、ヾ''''ヽ、_____//       /_夢をageるよ
  /  ヽ ゙ヽ─、──────'/|         ̄/
. /       ゙\ \     / / \__
   ───'''" ̄ ̄ ゙゙̄ヽ、__,,/,-'''" ̄   ゙''─



597鏡の中の群像:04/09/14 23:38:17 ID:pKot0SSI
「も、問題点だと?」
スライムが飛び跳ねながら「そうさ」と言って続ける。
「今、君にもっとも欠けているのは冷静な判断力だよ。まわりに的確な指示を
 出してくれる人がいたらいいんだけどさ。 今の君が一人で闘ったら自分より
 少しでもレベルの高い敵が相手だと、勝手に自滅しちゃうとボクは思うよ」
「うっ…」
コリンズは言葉に詰まった。確かに先の戦闘での彼の行動は、
タバサの指示に従ってのものだった。コリンズは顔を赤くして小さく舌打ちをした。

「恥ずかしがることも悔やむこともないよ。今から君はそれを克服するんだから。
 さぁ、深呼吸をして」
「……」
コリンズは言われるがままに深く息を吸い込み、そして大きく吐き出した。
「そうそう、肩の力を抜いて。大丈夫、君はセンスは悪くないから。自分の力を信じて…」
ゆっくりと剣を構え、百個の球を見据えるコリンズ。もう焦っても、慌ててもいなかった。
「…行くぜ!!」
コリンズが走りだした……!!
598鏡の中の群像:04/09/14 23:38:54 ID:JDNm4SbW

コリンズが廊下を道なりに進んでいくと、その先にはこじんまりとした
小さな部屋があった。レックスたちからの情報だとそこにはシルバーオーブと呼ばれる
宝玉があるはずであったが、そこにあったのは淡い空色の光を放つ光の渦。
「旅の扉?」
それは扉に選ばれし者のみがその恩恵にあずかり、全く異なる二つの地点を
一瞬で行き来出来るという神秘の光。いまだにその原理が解明されていない
世界に残された大きな謎のうちの一つでもある。
もっともコリンズの生家ラインハット城にはその不思議がでんと内に構えているのだが。

ここから先に待ち受けるのは恐らく過酷なる修行。
コリンズは大きく深呼吸をして気持ちを落ち着かせた。
そして、意を決してその渦の中に飛び込む…!!
あまりの光の強烈さにまぶしく目を開けることも出来ず、頭はグラグラに揺れ、
さらに全身がバラバラにされてぐちゃぐちゃにかき回されているような感覚を覚える。
(……うへー。気持ちワリーな、おい)
コリンズが思わず口を両手で押さえたが、それは一瞬のコト。
耳の奥でリィィーンと涼やかな音が響いたかと思うと、彼は見知らぬ場所に立っていた。

そこは城のダンスホールのように広く開放的なドーム状の空間だった。
窓が見当たらず外の光が入ってこないためか薄暗い。
この空間を照らすのはコリンズの後ろにある旅の扉と、
壁のところどころに埋め込まれている不思議な淡い光を放つ石だけであった。

「ようこそ、コリンズ君! これから始まる君の修行にはボクが付き合わせてもらうよ!」
いきなり甲高い少年のような声が耳に突き刺さり、コリンズはビクッと震えた。
「だ、誰だ! どこにいる!? 出て来い!!」
「なに取り乱してるのさ? ボクはここにいるだろ? ほらほら、君の足元」


599鏡の中の群像:04/09/14 23:39:53 ID:pKot0SSI

同時刻、レックスは影のような魔物を相手に苦戦を強いられていた。
今、彼がいる場所は丁度コリンズがいるのと同じような薄暗いドーム状の空間。
相手の影は輪郭がゆらゆらと揺れ動いて特定の形を持たず、大きさも見るたびに
大きくなったり小さくなったりを繰り返している。
レックスは折れた剣の柄を握り締め、奥歯をギリリと噛み締めた。
その影は斬りつけてもまるで手ごたえが無く、呪文をぶつけても平然としている。
影自身の攻撃力は大したことはないのだが、
どれだけレックスが攻撃してもまったく衰えを見せる気配がないのだ。

レックスはとてつもない疲労感に襲われた。戦いの終わりがまるで見えない。
急に、このまま自分は死ぬまでここで戦い続けるのではないのか、という不安に
レックスは襲われた。始めは頭の一点にだけ浮かんだこの恐怖であるが、
時間がたつごとにじわじわと頭の中をむしばんでゆく。
「…新しい剣さえあれば……」
ポツリとレックスがつぶやいた。折れた愛剣を睨みつけながら。
そういえば、なぜバーバラは天空の剣を使うことに、こうもこだわっているのだろうか?
レックスがそう考えたとき、影が彼に覆いかぶさるようにして襲い掛かってきた!
「くそっ!!」
半分やけっぱちに剣を振り回す。それこそ無我夢中で。
あまりにも必死に剣を振るっていたのでレックスは気がついていなかった。

一瞬だけ天空の剣がチカリと輝き、ドクンと強く脈打つようにして動いたのを。



今日はここまでです。
600名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/14 23:49:15 ID:JDNm4SbW
乙です

臨場感のある文章で手に汗握りました。
いまにも戦いの声が耳に届いてきそうでドキドキしました。
6011レス劇場屋 ◆SSS1Rus0TY :04/09/14 23:53:30 ID:oXPQqCor
>>599
乙です。希望への光が見えてきましたね。ラミアスの剣、復活なるか?

以前も書きましたが、秋は荒らしの季節ですので、
快適なスレ閲覧のために2ちゃんねるブラウザ導入を推奨いたします。
詳しくはココ↓
2ちゃんねるブラウザのススメ
http://school4.2ch.net/test/read.cgi/qa/1065946671/
更新が楽! あぼーん機能で荒らしもバカコテもグロAAも怖くない!
sage忘れ、メル欄の見逃しもなし! 背景色変えれば目にやさしい!!
ただし、便利すぎて2ちゃんにますますハマってしまうという副作用がありますので、ご使用は計画的に。
602名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/15 00:12:38 ID:MZomdshg
秋っつーか定期的に来るような気がするけどな。
603DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/09/15 00:28:26 ID:Xywrwjmd
クロノトリガーにはまってました。
>>546のつづきからでつ

「フンフンフンフーン♪」
鼻歌交じりにレックスの腕に抱きつくタバサ。
それをよそにヒソヒソとどうするかを相談している男3人。
「ピサロさん・・・ウチのタバサを元に戻してやってください・・・。」
「や、やってはみる。・・・わたしもあの指輪を返してもらわなければ困るしな・・・。」
「ロザリーさんにお家に入れてもらえないんですもんね。あれ取り返さないとw」
「きっさまぁぁぁああプサン!それは絶対に内緒にしろと言ったはずだろうがぁぁぁあああ!!」
突如大声をあげてプサンの胸倉を掴むピサロ。
しかしプサンは自分の頭をコツンと叩いてこう答える。
「そ、そうでしたっけ・・・?ウッカリしてました・・・エヘッ♪」
「お・・・おふた方・・・今はそんなことしてる場合では・・・
ウチのレックスがああやってタバサの気を引いているうちになんとか・・・お願いします!」
間に入って仲裁をするアルスだが、そのアルスを見て二人はため息を漏らす。
「まぁ・・・気を引いてるっていうかお互い惹かれてるって感じですけどねぇ・・・。」
「というか、こんなわかりやすい二人を見ても気づかないのか?ここの王は・・・?」
「え???どうかなされましたか・・・???」

「 「 い や 、 な ん で も な い 」 で す よ 」
604DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/09/15 00:30:56 ID:Xywrwjmd
3人とは裏腹に傍から見れば恋人同士に見える様なやりとりを交わすレックスとタバサ。
「タ、タバサ・・・あのさ・・・み、みんなも見てるしさ・・・ちょっと落ち着いて離れてみない・・・?」
「それってぇ、冷却期間を持とぅってことですヵぁ!?ヒドィ・・・!キスまでされたのにぃ・・・!」
「れ、冷却期間・・・?キ、キスって・・・あれはボクがされたって言うんじゃ・・・」
「男の子は細かぃことにぐちぐち言っちゃ駄目ですょぉ〜?」
タバサは人差し指でレックスのおでこを突っつきながらそう答えた。
「は、ははは・・・助けて・・・。」
と、レックスは力なく呟いた。

イチャイチャする二人をよそに作戦が決まったのか、ピサロは一層声を潜めて他の二人に告げる。
「いいか?イチ・ニのサン!であの娘を抑えるんだ。抑えた隙にわたしが指輪をもう一度外す!」
「わ、わかりました。」
二人はピサロの作戦にうなづき、合図を待つ。

──イチ

────ニの

──────サン!・・・今だ!!」
605DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/09/15 00:35:42 ID:Xywrwjmd
その合図で一斉に飛び掛るアルスとプサン。
「うわっ!」
レックスは二人に押し飛ばされ床に尻餅をつく。それを気にせず二人はタバサを左右から羽交い絞めにする。
「キャァ・・・ィャーン・・・パパのェッチィー!!」
「パ、パパ・・・。」
タバサの思いがけない言葉に気が緩んでしまうアルス。それに気づき、激を飛ばすプサン。
「アルスさん!力が緩んでます!」
「え・・・あ、はい!すいません!」
そう答えるアルスだが、何故か顔は緩みきっていた。

のちにアルスはこう語る。『父さん、本当はパパって呼ばれてみたかったんだ・・・。』と

「よし、しっかり抑えてろよ・・・!!」
ピサロはタバサの指輪を外そうと腕を掴む・・・が、
「んもぅ!レックスが転んじゃったじゃなぃですヵぁー!!」

             ドッカーン!
606DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/09/15 00:38:08 ID:Xywrwjmd
激しい轟音が部屋全体に鳴り響く。その爆発で壁に穴は空き、天井は崩れ、
すでに部屋という原型を留めるのに精一杯の空間がそこに出来た。
「アイタタタタ・・・タバサさん・・・まさか何の躊躇もなくイオナズンを撃つとは・・・迂闊でした・・・。」
「ゲホッゲホッ・・・す、すみません・・・盛んな年頃で・・・。」
土煙を扇ぎながら現れる人影。ピサロがレックスに叫ぶ。
「・・・ちぃ!おい! そこのトンガリ頭!貴様の妹の事だ!貴様の言うことしか聞かない!
その指輪に込められた望む進化を聞きだせ!」
「・・・え?聞き出して・・・どうすれば・・・?」
キョトンとした目つきでピサロを見つめるレックス。ピサロは
「それがわかればあれを作ったわたしなら無効化できる!」
「な、なるほど・・・!わかりました・・・!!」
希望の光が見えたレックス。立ち上がり、タバサの元へ歩み寄る。

「あ、あの・・・プサンさん・・・。」
「どうしました?アルスさん・・・?」
「あの指輪をミルドラースが使ってたなら、な〜んでピサロさんは無効化しなかったんですか?」
「えっと・・・それは・・・(チラリ」
「あの時のミルドラースは完全な進化を遂げていた。だから無効化できなかったのだ。
今の娘の場合はまだ食い止められる。それだけだ。」
「・・・だそうですよ?」
「わ、わかりました・・・。」

つづくのか?(これとは全然違う話が一本完成しちゃったのは内緒です)
607名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/15 13:27:23 ID:QbMKbikA
>>599
三人も着実に強くなっていくがそれにも増して敵側も力をつけているね。
主人公サイドと敵サイドで話が進むからわかりやすい。

>>606
ある意味進化したタバサは父さんの願望も叶えていたのか。
ピサロとプサンはともかくレックスと父にとってはそこまで必死に戻す理由はないのかも。
608名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/15 14:15:42 ID:KqhOiJjW
どうなんだろーね。
なんにせよ続きが気になるー(^^;)
609名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/15 14:57:12 ID:07t5sziZ
なんか変なのが粘着するようになったな。
610名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/15 16:20:53 ID:KqhOiJjW
なんかしつこくageられてるね。こいつさりげなくageてるし。↑
611名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/15 16:35:44 ID:Np4t+jjZ
あげ
612名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/15 17:34:50 ID:pN8bHuJf
>>610
メ欄に「sage」と入れようね。IDの意味分かるかい?
613名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/15 17:41:08 ID:KqhOiJjW
これでいいのかな
614名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/15 17:49:36 ID:QYErkJQ9
今更言うまでもないが、
こいつ↑は分かっていながら遊んでいるんだから仕方無い
615名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/15 17:50:45 ID:KqhOiJjW
ここに永遠にすむことにしました。
長い付き合いになりますね。
616名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/15 20:37:02 ID:KqhOiJjW
はやく話書いて。
厳しく感想AGEる
617名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/15 22:19:24 ID:utFKGjv+
>>606
ピサロはロザリーの尻にしかれているのか
パパと呼ばれることは父親の夢
もうひとつの方の作品も期待
618名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/15 22:45:20 ID:KqhOiJjW
はあ?
619中山 悟 ◆1AeKISTOmo :04/09/15 22:50:01 ID:IUjj/Tjt
キモイんだよ 脳内妄想軍団w
620名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/15 23:02:48 ID:lFL/6kL/
( ´д)ヒソ(´д`)ヒソ(д` )
621名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/16 02:31:20 ID:7MZ33lCK
荒らしは華麗にスルーしる。

ところで新しい保管所つくらないか?
鏡の中の群像氏のSSもペコ氏のSSもこのまま流しておくのはもったいない希ガス。

まぁ保管する価値のないやつもあるだろうが、そのあたりは住人の投票で決めるとか。
622名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/16 04:11:08 ID:uyuoUvFM
作ろうか?

めっさ簡素な保管所になるがそれでもかまわんなら
623名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/16 04:15:18 ID:2mb6REgJ
>>622
頼みます。保管所、更新停止中ですしね。
624名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/16 12:56:55 ID:K8zHHOwh
>>622
期待しています
625名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/16 23:37:38 ID:POm8L1xG
保管する価値のないやつもあるだろうが


具体的にどれ?きになる〜
626中山 悟 ◆1AeKISTOmo :04/09/16 23:42:28 ID:0+Pn73x8
神秘的で華麗な存在は私だけでいい
6271レス劇場屋 ◆SSS1Rus0TY :04/09/16 23:57:11 ID:tsar0y/R
あちらのBBSで連載中の作品もあるので、そのへんの配慮を。
628名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/17 02:11:32 ID:qnOyQJeI
久方振りに来てみたが、随分作品うpされてて楽しめました
職人さんたち乙です
629622=某304 ◆008R6CDoL6 :04/09/17 06:39:34 ID:w54FumSv
保管庫完成しました
めっさ簡素ですが・・・(;´д`)

ttp://www.geocities.jp/dq5ss/index.html


SSの量が思っていた以上に多かった・・・_| ̄|〇

えーと・・・
向こうの注意書きでも書いていますが、SSのタイトルが無いものに関しては
俺が独断でつけています
それぞれの作者様、SSのタイトルを考えていたらレスくださいな

次に・・・
名無し様の投稿は4-299や4-816となっておりますが
これは4レス目の299という意味です

も一つ
BBSに掲載されている作品ですが
自分の作品も含めて、保管は今のところ保留にしようかなと
とりあえずはM.Sakurai◆MeguDZCpQg氏の許可がでれば保管しようと思っております

最後に
これ保管されてねーじゃねーか!!とかこれ抜けてるぞ!!とかあれば遠慮なく申して下さい


ハライテェ・・・('A`)
630名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/17 06:56:49 ID:REeUs0Hs
>>629
見、、、見られない・・・orz
631名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/17 18:34:19 ID:PntXnQbX
>某304氏
乙カレー
632鏡の中の群像:04/09/17 21:36:30 ID:kr3axXMm
>>629
お疲れさまです!すごく見やすくまとめられていて
とてもいい感じだと思いました

>>599から続きです

レックスたちが修行を始めて既に一週間―――

タバサとバーバラはゼニス城の裏庭で魔力の底上げをするための基礎訓練をしていた。
ヒャドの呪文をとぎらすことなく己の限界まで唱え続ける訓練。
ただでさえ、とてつもない集中力を必要とする呪文を長時間継続して使い続けるのは、
使い手の精神力を大きく削ることになる。たとえそれが初級呪文であったとしてもだ。
苦痛に顔を歪めながらもヒャドの呪文を唱え続けていたタバサであったが、
ついには草原の上に倒れこんでしまった。
「大体、一時間半ってところかな。驚いたよ、タバサ。最初は三十分ももたなかったのに」
バーバラが驚いたような表情を見せながら、タバサの手に祈りの指輪を握らせてやる。
「でも、ちょっと辛いですね… 弱音を吐いてはいられないんですけど…」
力なく笑うタバサに水の入ったグラスを渡してやりながらバーバラは優しく笑いかけた。
「焦ることはないよ、最強魔法の習得なんて一朝一夕でできるモンじゃないんだから」
タバサのすぐ脇にバーバラがどっかりと腰を下ろした。彼女がタバサに課した修行は
バーバラの持つ最強魔法を習得するに耐えうるだけの魔力を身につけることだった。

バーバラが最強の魔法を教えてもいいよ、とタバサに言ったとき
彼女は一人の魔法使いとしてそれを喜ぶのと共に自分が究極の魔法を習得することに
底知れぬ不安を感じた。その魔法は一歩間違えれば世界を滅ぼすことにも
なりかねないほどの威力を持つらしい。強くなるために力を欲したタバサではあったが
そんな魔法を身につけることの重圧と大きな責任、そして恐怖とで、
夜な夜なタバサはベッドの中で震え、ときには泣きもした。
633鏡の中の群像:04/09/17 21:37:52 ID:kr3axXMm
こんな重大な選択を迫られたときにレックスたちが隣にいてくれたならば
どれだけ心強かったであろうか。しかし、彼らは自分自身と闘っている。
今、彼らに頼るわけにはいかない。彼女は迷って、考えて、悩みぬいたあげく
最強魔法を習得することを決意した。

バーバラはそんな彼女を愛しそうに見つめた。

たぶん、タバサならあの魔法を自在に扱える。タバサなら正しく使ってくれる。
魔法都市カルベローナに伝わりし最大にして最強の魔法マダンテを―――!!

「そういえばバーバラさん。お兄ちゃんとコリンズ君は今どうなってるんでしょうか?」
「……コリンズには総合的な基礎能力を上げるメニューを用意しといたよ。
 あれをしっかりと消化すればかなり強くなれるんじゃないかと思う。 レックスは……」
バーバラは一旦、言葉を切った。
「レックスはどう転ぶか私にもわからない」
「……どういうことですか?」
「当たり前だけどあたしの用意した試練に打ち勝つことができるかどうかは、彼しだい。
 けど、もし失敗してしまったら、レックスはもう立ち直れなくなるかもしれない…」
「そんな… それならなんで折れた剣で修行をさせているんですか?
 折れた天空の剣でそんな大きな試練なんか突破できるはずが…」
「天空の剣は折れてなんかいないよ」
「え……?」
意外な言葉にタバサは目を丸くした。バーバラはそんなタバサの目をじっと見つめる。
「折れたのはレックスの心だよ」
634鏡の中の群像:04/09/17 21:38:46 ID:kr3axXMm

薄暗いドームの中、肌に突き刺さるような寒気がレックスの全身の傷にしみた。
自身の頼りなく儚い吐息以外、何も聞こえないこの空間にいると、
なんだか自分が世界の孤独と悲哀の中心に一人立たされているような気がして、
レックスはともすると泣き叫びたくなった。

しかし、レックスは退こうとはしなかった。いや、退けなかった。
折れた剣の柄を握り締め、目の前の影を力の限り睨みつけながら立ち続ける。
倒すべき相手である影は、時間と共にどんどん大きくなっていった。

―――もう、どれくらいの間こうやっているのだろう?

レックスがふと考えた。それは今となってはたった一時間程度であるようにも思えたし、
はたまた数年もの間、闘い続けているような気さえした。彼の背後では旅の扉が
変わらずに輝き続けている。だから逃げようと思えばいつでも逃げられた。
実際、実戦においては逃げを選ぶ勇気というものも必要になってくる。
しかし、レックスはこの影からだけは逃げてはいけないような気がしていた。
なぜそう思ったのかはレックス自身にも分からない。それは直感―――

突然、影がこごえる吹雪を吹きつけてきた!
「くっ…」
レックスは避けようとしたが、戦闘中に痛めた足が思うように動かせず、
吹雪を真正面から受けてしまう。レックスは剣を落とし、さらに片膝をついてしまった。
「まだだ… まだ… 僕は負けるわけには…」
レックスは剣を拾い上げようとしたが、目がかすみ剣がどこにあるのか分からない。
傷が痛み、頭が急に重たくなってきた。
(やばい、このままじゃ…)
635鏡の中の群像:04/09/17 21:39:40 ID:kr3axXMm
レックスの顔に焦りの色が浮かんだそのとき、急にあたりが温かな光に包まれ始めた。
影がその光から逃げるようにして、そそくさと壁際による。
「え…」
驚きを隠せないでいるレックスの肩に何者かの手がのせられた。
それは大きく、力強い暖かな手。レックスの目がみるみるうちに丸くなった。
「少し休んだらどうだ?」
聞こえてきたのは落ち着いた低い声。優しくどこか懐かしい感じのするその声は
レックスの耳をふわりとなでて、彼の胸を切なく締めつけた。
そこにいたのは父アベルよりもさらに一回り大きな体を持つ男。
全身を筋肉の壁が覆い、むき出しの地肌からは大小様々な傷の跡が顔を覗かせている。
見た目はどう見ても屈強な戦士であるのに、彼は同時に何者にも侵すことのできない
王者の気品と風格をそなえていた。
「……おじいちゃん?」
そう面と向かって呼ぶのは初めてだった。レックスは知らず知らずのうちに赤くなった。
そこに立っていたのはグランバニアの前国王にしてアベルの父、
そして、もう決して会えないはずであったレックスとタバサの祖父、パパス……!!
636鏡の中の群像:04/09/17 21:40:38 ID:kr3axXMm
「お前はいつも急いでいるなレックス。努力をするのは尊いことだが、
 ときには立ち止まってまわりを見てみるのも大切なことだぞ」
「見て… いたんですか」
目の前に立つ祖父に会うことのできた嬉しさと気恥ずかしさが入り混じって、レックスはパパスの顔をまともに見ることができなかった。そんな彼に祖父は優しく答える。
「あぁ、見ていたよ。ずっと。アベルのこともビアンカのことも、
 タバサのことも… そしてレックス、お前のこともずっと、ずっと見ていた……」
急にまぶたの裏が熱くなるのを感じて、レックスは慌てて右腕で目をこすった。
「ありがとう、おじいちゃん。けど、僕はまだ休むわけにはいかないんです」
レックスは天空の剣を拾い上げのろのろと立ち上がり、そしてパパスに背を向けた。

「お前はなぜ、そんなボロボロな体になってまで闘おうとするのだ?」
「僕が闘わなければ他の誰かが傷つくことになります。
 そんなことはさせない。させちゃいけないんだ。だから… 僕が闘います」
「フム。つまりは人々のために闘うということか。それもいいだろう。
 だが、お前がいかにあがいても結局は誰かが傷つくことになるのだぞ?
 それが戦いというものだ」
「それは……」
レックスは言葉に詰まった。脳裏にバートの憎しみのこもった、
それでいてどこか悲しげな表情が浮かんだ。
「闘うことで救うことのできる人間の数などたかが知れている。お前がどれだけ
 勇敢で強い勇者であったとしてもだ。闘い続けても結局は報われないかもしれない。
 それでもなお、お前は戦い続けるというのか?」
レックスは振り返ってパパスの瞳を見つめた。パパスもレックスの目をじっと見ている。
重苦しい沈黙の中、レックスは必死に答えを探していた。
レックスの思いが暗く閉ざされた闇の中を、光を求めて駆けずり回る。
637鏡の中の群像:04/09/17 21:41:29 ID:kr3axXMm

―――僕が闘うことで誰かが傷つく。それは逃れようのない現実だ。
   けど、もしここで僕が闘うのをやめたらどうなるんだろう? 
   
あの少年とバートが世界を巻き込んで何かを起こすのは、もはや火を見るよりも明らか。
それを黙って見過ごせば、多くの人が犠牲になってしまうのではないか?

レックスの心臓がドクンと強く脈打った。

家族や仲間、これまで出会った大切な人々。これから会うことになるかも知れない人々に
すれ違うだけで終わるかもしれない人々、そして一生会えないかも知れない人々。
そのすべての人々の悲しむ顔をレックスは見たくはなかった。
見れば自分の無力さを嫌というほど思い知らされるから。見れば自分まで悲しくなるから。
天空城で敗北した後にタバサが流した涙を思い出す。
兵士に引きずられていきながら嗚咽するバートの姿を思い出す。
そして、そのときに何もすることができなかったみじめな自分を思い出す。

―――もう、あんな思いはしたくない……!

レックスの頭の中で何かが弾けた。目をカッと見開き、顔をゆっくりと上げる。
「おじいちゃんの言うとおり、闘いは人を傷つけずにはいられない。
 それに、闘いの中で辛い目に遭うことも、絶望に追いやられることもあるかもしれない。
 けど… それでも僕は闘います。この命がある限り……!!」

―――なぜなら僕はみんなのことが大好きだから……!!
   みんなの笑顔にまた会いたいから……!!

それがレックスのすべての原点。彼が闘う理由。レックスの空色の瞳に決意の炎が燃える。
638鏡の中の群像:04/09/17 21:42:23 ID:kr3axXMm
―――闘い続けても報われないかもしれない。誰かを傷つけてしまうかもしれない。
しかし、それでも…! 闘うことで救える命があるのならば僕は闘い続ける…!
   誰のためでもない、自分自身のために……!!

いかめしい顔つきをしていたパパスが柔らかく表情を崩した。
「それがお前の答えか。いいんじゃないか? すごくお前らしい」
「ありがとう… ございます」
レックスがはにかむようにして笑った。
「レックス。お前は王子や勇者である前に一人の人間だ。
 お前の人生は、お前自らの手で切り開いて… そして自分のために生きろ……!!」
「はい……!」
レックスは大きく頷いた。そして壁際で縮こまっている影にスッと向き直る。

「僕は怖がっていたんだ。闘いの中で何かを失ってしまうことを。
 でも、もう迷わない。もうためらわない。守りたいものが… あるから…」
レックスが天空の剣を高く掲げた。
「行くぞ!!」
レックスが雄たけびを上げるのと同時に、彼の手に握られていた天空の剣が
力強く輝きだした。それはまるで命を得たかのように強く脈打ち、レックスの
闘志に呼応するかのごとく唸りをあげる!!
「う… うおおおおおおおお!!」
剣の光はますます強くなっていく! 薄暗いドームがまるで真昼の太陽に
照らされたかのようにまぶしい光で包まれた。
そして光はレックス自身をも包みこみさらにその輝きを増す!
「もう、負けない……!!」
レックスの目が鋭く光った。

そんなレックスの様子をまぶしそうな目つきでパパスは見守った。
「どうやらもう大丈夫なようだな… 頑張れよ、レックス…」
パパスは安心したように微笑んで、そして人知れず宙へと消えていった……
639鏡の中の群像:04/09/17 21:43:22 ID:kr3axXMm


魔界―――
常にどんよりとした雲が空を覆い、決して太陽の光の恩恵を授かることのない禁断の地。
その魔界唯一の都市であるジャハンナは普段は昼でも夜でも活気にあふれているのだが、
ここ最近は昼間であるにも関わらず町は静まり返っていた。
「なんだか嫌な感じねぇ… なんかこう、空気が重たいっていうか、息苦しいっていうか」
町にただ一つしかない酒場の女主人が大きくため息をついた。
酒場では大勢の住民が身を寄せ合ってヤケ水をあおっていた。

「だぁーーー!! 何でこんな気分が晴れないときに酒場でコソコソ水なんか
 飲まなきゃならねぇんだ!! イライラするったらありゃしねぇ!!」
店の中央の席に座っていた大柄な男が突然、癇癪を起こして立ち上がり
空いている椅子に蹴りを入れた。
「なら、酒飲むかい? 魔物に戻っちまうけど」
女主人が酒の入ったグラスを差し出したが、男はそれを無言で突っ返した。
彼らはかつて偉大なるエルヘブンの民、マーサの力で人間になった元魔物。
しかし、酒を飲むと彼らは元の魔物の姿に戻ってしまうのだ。
男は肩をすくめて席に戻った。
「まったく、こんな気分になるのはミルドラース様がご存命のとき以来だぜ。
 いや、ヘタしたらそれ以上にヤバイかも知れねぇ」
「方角的にはエビルマウンテンだな。何かが起こっているのは」
大柄な男の隣に座っていた男がボソリとつぶやいた。
「やれやれ、暇つぶしに様子でも見てくるかねぇ」
大柄な男が何気なく言ったその一言が酒場全体を湧きたせる。
「いよっ、兄ちゃんよく言った!! あんた男だよ!」
「素敵ィ!! 惚れ直しちゃう!!」
盛り上がるなかで男はたじたじになった。しかし、こうなってしまったら後には退けない。
「よっしゃあ!! いっちょ男を見せてやるかぁ!!」
男が立ち上がりガッツポーズを作って見せると、酒場は大きな拍手と喝采に包まれた。
640鏡の中の群像:04/09/17 21:44:43 ID:kr3axXMm
「やめておけ。今、お前が行ってもただ鏡の魔力に飲み込まれるだけだ」
突然、店の片隅から怒気鋭い声が上がった。一瞬のうちに酒場はシンと静まり返り、
みなの注目は声のした方へ。そこにいたのは背の曲がった老人。
彼は酒場の喧騒に背を向け、一人静かに水を飲んでいた。
大柄な男がこの老人の元へとずかずかと歩み寄り、彼の胸倉をズイとつかんだ。

「ジイさんよ。せっかく雰囲気が良くなってきたってのに
 それに水を差すようなこと言うのははいただけないな。
 俺は元セルゲイナスだぜ? 多少の危険なんざ屁でもねぇんだよ!」
彼は言うだけ言って、この老人を突き飛ばした。
「愚かだな。あの鏡が目覚めた以上、セルゲイナスだろうが勇者だろうが関係ない。
 みな等しく鏡の魔力に飲み込まれて土へと還るだけじゃ」
厳しく言う老人にデコピンをして、男は笑った。
「なるほど、エビルマウンテンのどこかに変な鏡があるんだな?
 OK、今から俺がそいつを叩き割って、その破片を持ち帰ってきてやるからよ。
 そんじゃ皆さん、ちょいとエビルマウンテンまで行ってくるぜ!!」
男は大勢の客の拍手で見送られて酒場を後にした。

それが客たちの見る男の最後の後ろ姿だった。
男はそのまま二度と町へ帰ってくることはなかったのだ……


今日はここまでです
641名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/17 23:31:51 ID:ngyJF51l
>>629
乙です
前スレのもフォローされてるのがイイ!

>>640
ついにタイトルにもある鏡が鍵になりそうな予感
孫の復活の手助けをするなんて流石パパス
642名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/17 23:56:56 ID:T4h8kBZP
タバサとバーバラの関係にこっそり萌え
643名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/18 01:05:07 ID:ZiNW+05U
つまらんねえ。
消えろよ
644名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/18 01:30:37 ID:aQtySxsp
お前いい加減にしたら?
645名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/18 13:12:16 ID:ZiNW+05U
646名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/18 13:36:13 ID:9RMwJrwr
>>642
まぁどっちも萌えキャラだからな。
647名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/18 16:47:55 ID:52dYHtNl
質問なんだが王子と王女の名前、レックスとタバサってオフィシャルなの?
648名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/18 17:51:17 ID:BhaoQczt
>>647
PS2版だと一応そう、公式というよりデフォルトネームというのかも
主人公の名前にあるアルス、アベル、ソロみたいなものと思う
649名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/18 23:55:32 ID:XJ8yqm6x
タバサという名前にも最近ようやく慣れてきたよ。
650名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/19 00:09:45 ID:YVCThf5L
651名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/19 16:47:24 ID:YVCThf5L
早く新作くださいよ
652中山 悟 ◆1AeKISTOmo :04/09/19 16:53:58 ID:NHOOqe2+
ホントつまんねえなあw
653あぼーん:あぼーん
あぼーん
654名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/20 08:33:14 ID:PoSUoIwN
まだ変なのがはっついてるんだなぁ
655名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/20 08:54:57 ID:DmJ73+QO
荒らしを相手にするのもあれだけど、
まぁ、寂しいやつなんだろうな
656名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/20 10:28:38 ID:r56vGy1W
         _, ,.-‐、- ..._ ,. 、
        , ' / ,.へヽ−'" へ.ヽ
       / 〃/   (●)  丶 ` 、
      .,' .,'.///  i ,l. i 、  ヽ ヽ
      l l / i(●)| l| il ! (●) ヽヽ         
       ! ! l ,|ィ''フノ`| /!l ノト!、} } l |. !
      .! /l:Vl, ,         ノ  ノ ル!       
      | / (●)    (〇)    (●}   DESTROY THE CORE!!
      .l.Ll |L」`  ,  I I  、 ./''!.l ,'  
       `、| l | `   トェェェェィ ノ ! ! /   
         !」」 ヽ(●)+++r'レ(●)レ    
         >.ゝ`ニ`´ユ    l/              
        ,. '´  {丶  (●)\ .ノ          
      ,<丶、   \ ` ´ |  >,.、     
    /`` ‐、 ミ `‐-、_\ .!_,. 彡 '"
           _
          _ヽ ヽ.__________ 
        ≡] _三 ,. ヽ_ 丶-`゙__=- 
            ‖_,"=== ̄

  「ありえない。なにかの間違いではないのか?」
657ダークドレアム:04/09/20 12:11:22 ID:xtXpxrZQ
     人
    (__)
  \(__)/ ウンコー!
   ( ・∀・ )
     ̄ ̄ ̄
658名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/20 12:28:24 ID:UcykA2yq
寂しいというか、荒らすことでしか自分を主張できない可愛そうな奴。
659「今更ですが本編クリア」 ◆SSS1Rus0TY :04/09/20 17:33:23 ID:VheJEnIV
「私も結婚したいなあ……。お兄ちゃんと!」
「……。アレと?」
「秘技むちゃくちゃダーンスっ!あっ、それ!」

「……やっぱり、お父さんにしよっと」
660名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/20 17:55:56 ID:H63RWFGw
>>659
まだクリアしていなかったのか
息子は選ばれなかった方の花嫁候補に「…ぽっ」となる節操なしだからな
661名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/20 19:55:46 ID:tne/7tYM
662鏡の中の群像 ◆kcqsUR3J8k :04/09/21 00:29:41 ID:q1QYnEVP
第五章、王都決戦

深き森の中にひっそりとたたずむグランバニア城。そこの一番高い階のテラスで
王妃ビアンカは目を閉じたまま手すりに寄りかかり頬杖をついていた。
「どうしたの? なんか元気ないね。やっぱ、みんながいないと不安でたまらない?」
声をかけたのはオジロンの一人娘ドリス。
ビアンカはゆっくりと振り返り不機嫌そうに鼻をならした。
「べっつに。あんな、あたしのコトほっぽらかしにしてその辺フラフラしてる
 ような人たちなんて心配じゃないわー。帰って来たら一発ブン殴ってやるんだから!」
とても一国の王妃の言うようなセリフとは思えない。ドリスが苦笑しながらなだめる。
「まぁまぁ、そんなこと言わないで。アベル王がなんの事情もなしに
 ビアンカを放っておくわけないじゃないの」
「じゃあ、ドリスはどんな事情があると思ってるの?」
「え? あー、そうねぇ、アハハ、なんだろ?」
ドリスは返事に困り、笑ってごまかした。

「もしかしたら、王様たちの身に何かよくないことでも起こったんじゃないですかねぇ」
そう言いながら顔を覗かせたのは兵士ピピン。
「…って、あのアベル様なら大丈夫ですよね! アハハ!! え? あれ?」
言ってはいけないことを言ってしまったピピンを殺意あふれる瞳で
睨みつけるグランバニア最恐美女二人組。ピピンは身の危険を感じて一歩後ろに下がった。
「え、え〜と、僕はその… 定時報告にあがっただけです! ハイ!
 今日もみんな元気、ハッスルしまくりで異常はありません! それでは失礼します!!」
ピピンは逃げるようにしてその場を去っていった。ビアンカはふぅ、とため息をつく。
「異常なし… ねぇ…」
「ん? どうしたの?」
「いえ… なんか今日は肌がピリピリすんのよねー。何も起こらなきゃいいけど」
ビアンカがそのつややかな髪をかきあげながら空を見上げた。
そこにあったのは一見いつもと変わらない澄んだ青空。
しかしビアンカは何か妙な胸騒ぎがするのを感じずにはいられないのであった。
663鏡の中の群像 ◆kcqsUR3J8k :04/09/21 00:30:52 ID:q1QYnEVP

ゼニス城の裏庭では今まさに最強魔法マダンテの伝授が終わろうとしていた。
バーバラとタバサの二人が強烈な光に包まれている。バーバラの全身からあふれる
あまりの魔力の強大さにタバサは思わず後ろにのけぞった。
「怖がらないで、タバサ。これは敵じゃないんだよ。
 あなたの新しい力。仲間なんだ。真正面から受け止めて……」
タバサは激しく打ち寄せる魔力の波に押しつぶされそうになりながらも
懸命にこらえ、体を大の字に広げ、キッと前を見据えた。
「うん、いい顔になったね。それじゃ… 最終段階行くよ!!」
バーバラが叫ぶのと同時に、光はさらにその輝きを増した。
それはあまりのまぶしさに目も開けていられないほど。

ドォオーーーーーーン!!!

突然何かが爆発するような轟音が響いたかと思うと
タバサは仰向けにひっくり返ってそのまま気を失ってしまった……


「―――… 痛っ!!」
タバサが目を覚ましたのはゼニス城のベッドの上だった。起き上がろうとしたが
頭に激痛が走り、額を押さえてまた倒れこむ。そんな彼女を心配そうに見守る影が二つ。
「大丈夫か? タバサ?」
声をかけたのは身をボロボロやつしたコリンズ。
その横ではバーバラがたっぷりと水を含んだ手ぬぐいをしぼっていた。
「私はなんとか… それよりもコリンズ君、修行終わったの?」
「あぁ、ついさっきな。十幾つも課題があってよ、ホント面倒な修行だったぜ。
 けど俺…… 多分強くなったよ」
「そう… よかった… おめでとう」
タバサが薄く微笑んでみせる。まだ頭がもうろうとしているようだ。
664鏡の中の群像 ◆kcqsUR3J8k :04/09/21 00:32:20 ID:q1QYnEVP
「タバサもマダンテの伝授はちゃんと完了したんだよ。おめでと!」
バーバラが優しくタバサの頬をなでてやりながら、額に手ぬぐいをのせてやった。
タバサは自分の右手を見ながら、手の平を開いたり閉じたりさせる。
究極の魔法を習得したという事実をタバサはまだ実感できないでいたのだ。
そうしてから何かを思い出したようにタバサはハッと顔を上げた。

「あ、あの、お兄ちゃんの修行はまだ終わってないんですか?」
コリンズとバーバラが顔を見合わせて首を振る。
「残念だけどまだよ。さすがにそろそろ終わってないとマズイんだけど…」
タバサがバーバラの顔を不安げに見つめたが、バーバラは目を逸らし視線を宙に泳がせた。
「あのさぁ、修行のしすぎでレックスが死んじまった、なんてことは無いよな?」
コリンズがタバサに聞こえないように、そっとバーバラに耳打ちをした。
「あー、肉体的に死ぬってことはないよ。そういう空間だから。
 けど、精神的にバッサリやられちゃってるかもしれないのよね。それが心配」
バーバラが素早く囁き返す。何となく気まずい空気が流れ出したそのとき。

「ただいま」
「!!」
コリンズとバーバラ、そしてタバサが突然聞こえてきた声に驚いて振り返ると
部屋の入口にレックスが立っていた。満身創痍、服もボロボロで今にも倒れそうだったが、その顔は何かを成し遂げた者だけができる輝きに満ちあふれている。
「お兄ちゃん… おかえり」
「…ったく心配かけさせんじゃねぇよ」
タバサがホッとした顔つきで微笑み、コリンズがレックスの首を締め上げた。
「それで…? レックス、天空の剣は?」
じゃれているレックスにバーバラが聞くと、彼はニッコリと笑って剣を取り出して見せた。
665鏡の中の群像 ◆kcqsUR3J8k :04/09/21 00:33:55 ID:q1QYnEVP
「「え…?」」
タバサとコリンズが言葉を失う。天空の剣はもう折れてなどいなかった。
美術品として扱われても決しておかしくはないような美しい銀色の刀身。
その刃先は龍の翼と牙を思わせ、見るものに畏敬の念を抱かせる。
それは以前と変わらぬ、いや、それ以上の力を秘めた剣であるようにタバサには思われた。
「おいおい、なんで刃が何事もなかったかのように再生してんだよ?」
「僕にもよく分からない。でも、バーバラさんはこうなるって分かってたんですよね?」
レックスたちの視線がバーバラに集まる。
「まぁ、分かっていたっていうか、ちょっとした賭けだったんだけどね」
バーバラがベッドの上に腰掛けながらニヤリと笑った。
「その剣ってさ、鞘から抜くと刃先が変形するでしょ? 普通の物質じゃないんだ。
 持ち主の心次第で強くも弱くもなる剣… それがその剣の真の特性。
 ときには簡単に折れるナマクラ剣にもなっちゃうし、ときには
 メタルキングの剣と同等か、それ以上の切れ味を持つ剣にも変貌する……」
「メタルキングの剣以上…?」
三人は驚きを隠せないでいる。
「まぁ、今のその剣がどれくらい強いのかは分からないけど…」
バーバラはそう言ったあと、一旦言葉を切った。そして笑顔で続ける。
「なんにしてもこれで三人共、全員修行終了だね。結構厳しめの課題出したのに
よく頑張ったと思う。おめでとう! そして… そろそろお別れかな…?」
バーバラの顔が寂しげな色に揺れた。

別れは唐突に訪れた。レックスたちの体が一瞬だけチカリと光ったかと思うと、
ゆっくりと透け始め、その色がどんどん失われていく。
突然の出来事にレックスたちは戸惑った。まだ言いたいこともたくさんあるというのに。
「ほら、あんたたちは一流の戦士なんでしょ。しっかりしなさいな」
バーバラが両手を腰に当ててぴしゃりと言う。レックスたちは慌てて背を伸ばした。
「バーバラさん、本当にありがとう… あの…」
「うん、すべてが終わったらまた遊びにおいで。お茶とか用意して待ってるから…」
「は、はい!! また、絶対に会いに来ます!! それじゃあとりあえず、さよなら!!」
「うん、またね!!」
666鏡の中の群像 ◆kcqsUR3J8k :04/09/21 00:35:43 ID:q1QYnEVP

そして三人は完全に宙へと消えていった。そこにはもはや何も残ってはいなかった……

バーバラは放心したようにフゥ、とため息をついてまたベッドのうえに腰を下ろした。
そしてまだタバサの温もりが残っているシーツをそっとなでた。

「終わったのかね?」
純白のローブを身にまとった老人が部屋に入ってきた。
「ゼニス様。なんだ、いたんならレックスたちに会ったらよかったのに」
「それはできんよ。しかしやはりあの双子は…」
「えぇ、間違いなくカルベローナの力を受け継いでますね。
 マダンテもあっさり習得しちゃったし。 また会いたいな……」
バーバラは目を細めた。そうかと思うと次の瞬間には彼女は笑顔に戻っていた。
「ところで、ゼニス様。空飛ぶお城ってなんかカッコいいと思いません?
 お空に浮かべてみませんか? このお城」
「無茶を言うな」
「無茶なんかじゃないですよ」
バーバラは片目をつむってやんちゃな笑みを浮かべて見せた。
「なんたってここは夢の世界なんだから……!」

667鏡の中の群像 ◆kcqsUR3J8k :04/09/21 00:38:23 ID:q1QYnEVP

風を切り裂き、雲間を縫うようにして、龍神マスタードラゴンが天空を駆け抜ける。
『全力で飛ぶぞ。振り落とされないようにしっかり捕まっていろ!!』
レックスたちはマスタードラゴンの背中に乗っていた。
目指すは魔物の群れに占拠されてしまったという天空城。
マスタードラゴンの張ったバリアのおかげで強烈な向かい風や冷気は
シャットダウン出来たが、凄まじい速さと、高さばかりはどうしようもない。
レックスやコリンズは興奮して歓声をあげたが、タバサはじっと固まったまま
目を開けようともしなかった。

「しっかし、こっちの世界とあっちの世界とでは時間の流れ方が全然違うんだな…
 まぁ、俺としては好都合だからいいんだけどよ」
コリンズが巨大なウロコにしがみつきながらつぶやいた。
ゼニス城で彼らが修行をしたのは約二ヶ月。
その間に現実世界ではたったの三日しかたっていなかったのである。

彼らが妖精の城に帰還してから、ことは一気に進んだ。
妖精の女王にとお礼と挨拶をして、一晩の休憩をとってからすぐに天空城へと急行。
目的はただ一つ、天空城の奪還。
668鏡の中の群像 ◆kcqsUR3J8k :04/09/21 00:39:17 ID:q1QYnEVP
『天空城が見えてきたぞ。魔物が大勢いると思われるが… 頼む……!!』
「ええ、僕たちに任せてください……」
「な、何とか頑張ります…」
「思い切り暴れてやろうぜ!!」

マスタードラゴンの背から飛び降りて、彼らは天空城に降り立った!
突然の襲撃に魔物たちは慌て、にわかに混乱と喧騒にあたりは包まれる。

「ゆ、勇者たちか!?」
「無駄な闘いはしたくない。命が惜しかったらさっさと天空城から去るんだ。
 だけど、邪魔をする気なら容赦はしない… 切り捨てる……!」
レックスたち三人は臆することなく魔物たちであふれかえる城に歩み寄る…
その気迫に魔物たちはたじろき、逃げ出す者さえもいた。が、しかし。
「お、俺たちをなめてんじゃねーぞ!! クソガキどもが!」
一匹の魔物が奇声を発しながらレックスたちに襲いかかったのをきっかけにして、
戦局が一気に動き始める!! 戦いが始まった……!!

669鏡の中の群像 ◆kcqsUR3J8k :04/09/21 00:40:29 ID:q1QYnEVP

グランバニアの城門に、黒いローブをまといフードを目深にかぶっている男が
近づいてきた。門の両脇に立っていた兵士が互いの槍を交差させて彼の行く手をはばむ。
「グランバニア城に何か御用ですかな? とりあえず顔を見せていただきたい」
言われるがままに男がフードを取ると、兵士の顔が驚きの色へと変わった。

「レ、レックス王子!? こ、これは失礼いたしました」
レックスと瓜二つな少年が涼やかな笑みを浮かべる。
「ふふ、ただいま。通してくれるよね?」
「もちろんです! しかし… アベル王やタバサ王女はご一緒ではないのですか?」
「いや、ちょっと忘れ物を取りに来ただけだから。用事が済んだらすぐに城を出るよ」
「そういうことでしたか、いや失礼しました。ささ、お通りください!!」
「ありがと。それじゃあ早速、頂戴するとするよ」
「え… 頂戴するとはどういう… ぐわ!」
言いかけた兵士がいきなり後ろに吹き飛び、城門に叩きつけられた。
驚いたもう一人の兵士も、声をあげる間も与えられずに地面に倒れ伏す。

少年は爽やかに笑いながら薄紫色の水晶を取り出した。その途端に水晶から
黒い霧があふれだす。それはまるで火口から流れ出すマグマのような凄まじい勢いで
グランバニア国全体に襲いかかり、あっという間に城のすべてを
黒い霧がすっぽりと覆い尽くしてしまった。それを待っていたかのように
いつの間にか少年の後ろに控えていた大量の魔物が、どっと城になだれこむ!

「君たちの苦しみこそが僕への最大の捧げもの。さぁ、宴の始まりだ……!!」
少年の瞳が血に飢えた獣のように、冷酷に輝いた……
670鏡の中の群像 ◆kcqsUR3J8k :04/09/21 00:42:07 ID:q1QYnEVP

「な、なんなんだよ、これ?」
「お母さん怖いよ〜」
「終わりじゃーーー! 世の破滅じゃーーー!!」
突然現れた黒い霧と魔物の群れに怯えて国民の間に、にわかに不安と動揺が走り始める。
慌てて荷物をまとめる男に、教会に駆け込んで必死に祈りの言葉をつぶやき続ける老婦人、
泣き喚く子供もいたし、この混乱を幸いと見て店屋の売り物を強奪しにかかる者までいた。

ビアンカはこの騒ぎを目の当たりにして、大きくため息をついた。
「なんかよく分かんないけどマズイ状況であることだけは確かね。
 あなた、兵士長に兵の三割を混乱の収拾と国民を安全な場所へ誘導するように、
 残りの七割を城周りの警備にあたらせるように伝えておいて!!」
すぐ近くにいた兵士に指示を出し、ビアンカ自身は愛用のグリンガムの鞭を取りに
自室へと走った。そこへ息を切らしながらドリスが駆け込んでくる。
「ビアンカ! なんか大変なことになってるね。あたしはどうすればいい?」
「モンスター爺さんのところに行って、みんなに城の警備をするように頼んでおいて!」
「分かった!!」
ドリスはあれで案外肝っ玉が据わっている。ビアンカは落ち着きを取り戻して微笑んだ。

「アベルたちが帰ってくるまでは何とか私たちだけで耐えてみせるから……!!」
ビアンカが胸に手をあてて、瞳に闘志あふれる炎を宿す。
そのとき、急に背筋がゾクリと寒くなるのをビアンカは感じた。
671鏡の中の群像 ◆kcqsUR3J8k :04/09/21 00:43:50 ID:q1QYnEVP
「残念だがアベル王はここに帰ってはこない。いや、帰りたくても彼はもう帰れないんだ」
ビアンカが振り返るとそこに立っていたのは一人の若者。地獄のサーベルの切っ先を
まっすぐとビアンカに向け、憎しみのこめられらた瞳で彼女をギラリと睨みつけている。

「あなたは誰なの? 勝手に人の主人を殺さないでちょうだいな」
ビアンカの問いには答えずその男、バートは一人で喋り続けた。
「グランバニア国の王妃ビアンカ。私怨は無いが覚悟してもらう」
「あら、私を殺す気なの? でも、か弱い女の子だと思ってなめてもらったら……」
言いかけた彼女だが、男のある一点を見て黙り込み、目を大きく開ける。
バートは脇に小さな男の子を抱えていた。ビアンカは見覚えのない少年であったが、
恐らくはグランバニアの民の子供。泣きべそをかきながら何かを目で訴えている。
人質……! ビアンカはすぐに悟った。

「あ、あんた……」
ビアンカは怒りに肩を震わせたが、バートは動じない。
「俺が何を言いたいのかは分かっているはずだ。武器を捨ててもらおうか?」
「……」
ビアンカの頬を一筋の冷たい汗が流れ落ち、そしてそれは静かに床を濡らした。


今日はここまでです!
672名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/21 01:02:48 ID:9Dy9kgMY
うーん、ビアンカピンチか。最近変な空上げ荒らしが常駐しているが気にしないで。
673名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/21 09:07:32 ID:39xEPMrS
空sage
674名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/21 09:33:05 ID:AFxYuWQV
>>671
乙!
バーバラが仲間にはならなかったのが少し残念だったり
グランバニア決戦が楽しみ、ビアンカがカッコイイ
675名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/21 13:12:16 ID:902O/qoR
 
676名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/21 16:11:45 ID:zYYkqlxL
次回を期待させる終わり方ですね、早く続きが読みたいですが
まったり書き上げてください。
ビアンカはどのような行動をとるんでしょうか、それとも・・・? あぁ、ワクワクします。

頑張ってください、応援してますよ。
677あぼーん:あぼーん
あぼーん
678名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/21 17:27:58 ID:902O/qoR
それとも見たいですか?
どうしてもというならかんがえます
679名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/21 17:34:23 ID:lYfUu/Fa
>>677>>154のコピペ。
これ以上調子に乗るといい加減削除依頼に出すので二度と来ないで下さい。
推奨無視ワードはレスを良くみれば分かるでしょうけど。
680名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/21 17:35:59 ID:AL6KghXz
あれ?
幾つか透明あぼーんになってるなw
681名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/21 17:49:05 ID:dXIJLtWg
>>678
おねがいだからsageてね
682名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/21 22:45:41 ID:bUbkOCO4
三日で二ヶ月・・・あの部屋は精神と時の部屋だったのか!
アベルのことを知らないビアンカが哀れすぎる。
683名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/22 00:43:15 ID:ouRVBVx9
>>681
荒らしにレスしちゃだめだよ。削除依頼通らなかったじゃないか。
684某あの人 ◆CFbBJSZQHE :04/09/22 05:26:23 ID:hWnlE+gO
TMR(タバサミステリー調査班)〜いたストの謎に迫れ!!〜

レックス「ねえお父さん・・・なんでお父さん達、いただきストリートに出れるの・・・?」
アべル「そ、それはだな・・・レックス・・・そ、そう!お父さんは主人公だからでれるんだよ?」
ビアンカ「そ〜よレックス、そしてね?お母さんはヒロインなの!!だから出れるのよ〜♪」
タバサ「えっと・・・お母さん達以外に今参戦が決定している主要人物わぁ・・・
FF7からクラウドさんとティファさん、そしてDQ4からアリーナさんとクリフトさん・・」
レックス「そしてFF10−2からユウナさん、リュックさん、パインさんそしてチョコボにスライムだね?」
ビアンカ「そ〜よぉ〜?他にも沢山の人たちでスゴロクするの!ふっふ〜ん♪お母さん、DQ5を代表するヒロインなのよ〜♪」
アベル「ビ、ビアンカ・・・二回も言わなくても分かるよ・・・」
タバサ「けどね・・・お母さん・・・現在参戦が決定している人達からね・・・?私・・・とんでもないことを発見しちゃったの・・・」
ビアンカ「へ?な、何?タバサ?」
タバサ「今現在、参戦が分かっている中で、いたスト登場人物の平均年齢をあげているのは、お母さん達なのよー!!」
アベル&レックス&ビアンカ「(; ・`д・´) !? (`・д´・ (`・д´・ ;)ナ、ナンダッテー!!?? 」
ビアンカ「ま、待ちなさいタバサ!!お、お母さんに向かってなんて事を・・・・!?」
レックス「そ、そうだよタバサ!それに、お母さんは何年も石にされていたから、中身はともかく、見た目は20代前半に見えるから大丈夫だよ!!」
タバサ「確かに見た目はそうかもしれない・・・けどね・・・!お母さん達が平均年齢を上げている事は紛れもない事実なの!!」
アベル「け、けど、こうは考えられないか・・・?いたストに出ている俺とビアンカは、お前達を生む前、つまり10代後半から20代前半の俺たち!
685某あの人 ◆CFbBJSZQHE :04/09/22 05:27:18 ID:hWnlE+gO
アベル「それなら決して俺とビアンカが平均年齢を上げてる事には・・・」
タバサ「それは有り得ないわ・・・」
レックス「な、なんで・・・?」
タバサ「まずは、このゲームを購入するユーザーの立場について考えて・・・?
FF,DQの大ファンが大多数購入するという事が容易に考えられるわ・・・
そしてそのファンを満足させる為にはとてもコアな部分、そう、エンディング近くのネタまで出さなくちゃいけない・・・
そしてそんなネタを出すには若々しいお母さんを出す事には矛盾が生じてしまう───」
アベル「なるほど・・・だから俺とビアンカの高年齢化・・・か・・・!」
タバサ「そう!そうなの!そして・・・最悪の事態が起きてしまうの・・・!!」
ビアンカ「さ、最悪の事態・・・?」
タバサ「そう!DQ5未プレイの子たちに、DQ5は20代後半〜30代前半のおじさん、おばさんのRPGだと思われてしまうの!!!!」
アベル&レックス&ビアンカ「(; ・`д・´) !? (`・д´・ (`・д´・ ;)ナ、ナンダッテー!!?? 」
レックス「僕たちには・・・どうする事も出来ないの・・・?」
タバサ「ううん、お兄ちゃん、この状態を打破する為の、素敵な方法がたった一つだけあるの!」
686某あの人 ◆CFbBJSZQHE :04/09/22 05:28:38 ID:hWnlE+gO
アベル「ど、どうしたらいいんだ!!タバサ!」
タバサ「そう、たった一つの・・・そして完璧で素敵な方法・・・
それはね・・・!私とお兄ちゃんも、一緒に参戦したらいいのよ!!」
ビアンカ「そ、それだわ!!!」
アベル「た、確かに!お前達2人ならエンディングを迎えた時点でも12歳前後!!これなら平均年齢をあげる事は無い!!」
レックス「け、けど・・・どうやったら僕とタバサも参戦できるんだろう・・・」
タバサ「簡単よ!お兄ちゃん!!」
ビアンカ「!?どうするつもり?タバサ!」
タバサ「今からスクウェア・エニックスに逝って、懇願してくるの!!」
アベル「な、なるほど!!」
レックス「よーしTMR(タバサミステリー調査班)出動だ!!」
一同『おー!!』


レックスクエスト外伝
TMR(タバサミステリー調査班)〜いたストの謎に迫れ!!〜 終

687某あの人 ◆CFbBJSZQHE :04/09/22 05:29:39 ID:hWnlE+gO
いや、お久しぶりです、ふと思いついたんで久々に駄文を、んでは!
688名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/22 12:20:11 ID:Jeirz5Mx
>>687
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!

いや本当にいたストに二人が出て欲しいよ、おねがいスクエニ。
689名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/22 16:35:02 ID:JJ4pcW3v
>>687
ヽ(゚∀゚)ノ おかえりー 
690受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/09/22 21:16:25 ID:AK4lWop7
>>鏡の中の偶像さま
お疲れ様です、レックスとパパス格好いい・・・。
さりげなくバーバラはゼニス城を空に浮かべてみません、とか。
人質をとられたビアンカはこれからどうなるのか・・・目が離せません。
大変でしょうが頑張ってください。
>>687さん
おかえりなさい!
いただきストリート、未プレイですが双子が参戦するなら
勝って受験後の楽しみにしようかと・・・でて欲しいですね、本当に。

やっと見つけました、天空物語。何か一巻目からもう死にそうです・・・
691受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/09/22 21:18:04 ID:AK4lWop7
呼称がさま、さんで分かれてしまってる・・・
あの、大変失礼しましたorz 決して差別とかをしてるわけではないので・・・
692名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/22 22:32:25 ID:Bs2YHpBd
タバサ「でも、わたし達が参戦した場合、考えられる呼称は『謎の男の子と女の子』…
     つまりわたし達はお父さんとお母さんの子供じゃないのよ!」

アベル・ビアンカ「な、なんだってー!!!」

レックス「……まあお父さんとフローラさんの子供かもしれないからね、というかあって欲し(ry」



>>690
なるほど、買うと勝つがかけてある。
死にそう・・・というのはいい意味でか、それとも悪い意味でかきになる。
693名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/22 23:14:21 ID:ga7yon5c
職人さん達おっつです

なんかレス番一つずつずれてるな…荒らしのせいかな
694名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/22 23:26:32 ID:7OjN0TYN
なんかさあ、実際いまDQ5やってる?
なんか飽きてきちゃってできなくなってきた
695名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/23 14:03:46 ID:MPKTw4zj
>>694sこのスレにくる、こないは自由ですが、このスレにそのようなことを
言いに来るのは止めていただきたい、DQXをやってる方はすきでやっているので
あってつまらないのにやっているのでは無い、それに飽きてきているが小説を
書きに来る人やただ単に会話をたのしみに来ている人もいる、>>694sのその発言は
DQX攻略スレなどに言いにいけばいい、ここはあくまでSSスレである、DQXを批判されようが
ここはSSスレである、飽きるのはゲームであってここはSSスレ、DQXを飽きようが、飽きまいが
SSを見に来てるのだから関係ないと思います、以上(長ッ)
696名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/23 14:06:58 ID:MPKTw4zj
↑で言いたいこと言いまくったのにsageいれなかった・・・どうもすみませんでした
これじゃ俺が荒らしみたいだ・・・
697名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/23 17:27:29 ID:fPqtEJK1
こんなに長文で批判されるようなこと書いた覚えはないんだが。
どういうつもりだ?嵐か?
698名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/23 17:36:20 ID:Ct1+oM3y
しらんけど>>695が読む気しないのはたしか
699名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/23 17:36:23 ID:irfa0x+u
まあ、気にするな。このスレの現状から過剰反応してしまったんだろう。
700名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/23 18:03:42 ID:fPqtEJK1
sine荒らしか
701名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/23 18:16:28 ID:u+DXjmAg
ID:fPqtEJK1

こいつは上げ荒らしだな。クズコテが来るからいい加減止めろ。
702鏡の中の群像 ◆kcqsUR3J8k :04/09/23 20:33:39 ID:V6IIZbH6
>>671より続きです

天空城での戦いはあっさりと決着がついた。レックス、タバサ、コリンズの三人が
城の各所に散り、迫り来る魔物はなぎ倒し、逃げるものは追わず。
怒涛の勢いで攻め立てる勇者たちの前に、魔物たちは為すすべもなく
わずか二時間ばかりの戦闘で魔物の気配は天空城から完全に消えてしまった。

「へへ、大したこと無かったな。俺たち、ちょっと強くなりすぎたか?」
コリンズが嬉しそうにはしゃいだが、逆にレックスとタバサは浮かない表情をしていた。
「なんだよ、せっかく勝ったんだからもっと喜べよ」
「なんだか勝った気がしないんだ。うまく言えないんだけどなんか、こう…」
レックスが顔をしかめた。頷きながらタバサが続ける。
「あまりにも楽に勝てすぎたわ。弱い魔物しかいなかったし… 
 何か敵の手の上で踊らされているような嫌な感じがして……」
真剣に語る二人の表情を見て、コリンズは思わずゴクリと喉を鳴らした。
そのとき、今まで目を伏せたまま黙っていたマスタードラゴンが憤怒に顔を歪ませた。
『しくった!! そういうことだったのか……!!』
「マスタードラゴン様?」
『三人ともご苦労だった、と言いたいところだが休んでいる暇は無さそうだ』
「…それはどういう意味です?」
『グランバニア城が… 魔物の群れに襲撃されている!!』
レックスの、そしてタバサの顔色がサッと蒼ざめた。

その襲撃には恐らくあの少年とバートが絡んでいる。天空城にいた魔物が自分たちを
引き付けておくための、おとりだったということになぜ気付けなかったのか。
自分の不甲斐なさを呪いながら、レックスは拳を握り締めて床を睨みつけた。
703鏡の中の群像 ◆kcqsUR3J8k :04/09/23 20:35:15 ID:V6IIZbH6
「急いで戻ろう、タバサ、ルーラを頼む!!」
「う、うん!!」
タバサがルーラの呪文の詠唱を始めたが、その途中で眉をひそめ、口の動きが止まる。
「タバサ?」
「ダメ… 何か変なものに邪魔をされてグランバニアには飛べない……」
マスタードラゴンが顔をしかめた。
『まさか結界でも張ったのか? フン、用意周到なことだ…
 三人とも私の背に乗るがよい。結界は私がなんとかしよう』


マスタードラゴンがその力の限りを尽くして飛び続ける。それはレックスにも痛いほどに
分かるのだが、それでも今は一分一秒が惜しまれてならなかった。
「くそ……!」
「お兄ちゃん、焦っちゃだめ。確かに何もできなくてもどかしいっていう気持ちは
 分かるけど。でも今私たちが自分を見失ったら、それこそ相手の思うツボよ」
「……ん。ごめん。それは分かってるんだけど。 でも…」
「今は… 今しかできない私たちのできることをやろう?」
「今しか… できないコト…」
うつむきながらレックスがつぶやく。気持ちを落ち着かせるようにして深呼吸を
二度三度。焦ってはいけない、レックスは自分にそう言い聞かせ、さらに
両手で自分の頬をバシバシと叩いた。
「ありがとうタバサ、もう大丈夫…」
レックスが笑顔になったが、次の瞬間には真面目な顔つきになる。
「マスタードラゴン様。僕に似ているあいつは一体何者なんでしょうか?
 何を目的にして動いているのかも謎だし… 
 なんかよく考えてみたら、分からないことだらけだ」
704鏡の中の群像 ◆kcqsUR3J8k :04/09/23 20:37:23 ID:V6IIZbH6
やや間をおいてから、マスタードラゴンがゆっくりと言った。
『……あの少年はまぎれもなくレックスだ』
「僕? 僕はあんなヒドイことはしない!それに僕が二人いるなんて変じゃないですか」
『そうだな。正確に言うならば別の世界のレックス、といったところか。
 確証がないからあまり言及したくはないが… おそらく魔界が絡んでいる』
「別の世界から来た僕に、魔界…か。なんか話が大きくなりすぎて訳分かんないや」
「でも、今さら逃げる気なんてないんだろ?」
レックスの隣にいたコリンズが茶化すように言う。
「当然。ここまで来たら相手が誰だろうがもう関係ない。全力でぶつかるだけさ……!!」
レックスがニヤリと笑ってみせた。
『フッ… 若さとはまぶしいものだな… さて、もうすぐ到着するぞ!!』
マスタードラゴンが鋭く叫んだ。


グランバニア城はまがまがしい黒い霧に覆いつくされていた。
霧の外側からは城の外壁を確認することすらできない。
「なんだよ、これ…?」
コリンズが茫然とつぶやく。
『どうやらこの黒い霧がルーラの魔力をさえぎったようだな。
 普通に侵入しようとしても、霧の魔力に惑わされて、霧の外に押し出されて
 しまうことだろう』
「そんな… じゃあ僕らはここで見ていることしかできないんですか?」
705鏡の中の群像 ◆kcqsUR3J8k :04/09/23 20:38:54 ID:V6IIZbH6
『落ち着け、レックスよ。私がこの霧の魔力を抑える。
 その隙にお前たちが侵入するのだ』
そう言うとマスタードラゴンは息を大きく吸い込み、そして咆哮をあげた!
マスタードラゴンの体が金色に輝いたかと思うと、凄まじい衝撃波が霧にぶつかる!
そのあまりの力強さに、森はざわめき大地は震え、海には巨大な波が立った。
黒い霧が真っ二つに裂け、中央に一筋の線が走る。

「す、すごい……」
空間そのものがビリビリと震えているのをレックスは自身の肌で感じ取った。
これが、龍神マスタードラゴンの力……!

マスタードラゴンが地に降り立った。
『あそこの割れ目から侵入できるはずだ。時間が経てばまた霧が全体を
 覆い尽くしてしまうだろうが… 突入するなら今がチャンスだ……!!』

「ハイ… ありがとうございます!! よし、行くぞ!!」
レックスたちは走り出し、霧の奥へと突入した。
706鏡の中の群像 ◆kcqsUR3J8k :04/09/23 20:40:16 ID:V6IIZbH6

城が近づいてくるにつれて霧が一段と濃くなってきた。
黒い霧は太陽の光をほぼ完全にさえぎっていて、あたりは闇夜のように暗い。
霧はじっとりと粘り、体にまとわりつくような不快感を彼らにあたえた。
走りながらタバサが顔をしかめて鼻を押さえた。
「血の… 匂い…」
コリンズの顔にも不安の色が見え隠れする。
「大丈夫だよ、グランバニアには屈強な兵士が大勢いる。
 それに、父さんが仲間にした魔物のみんなもいるんだ。負けるはずがない!!」
レックスは自分自身に言い聞かせるようにしてつぶやいた。

レックスたちは走った。行く手をはばむ魔物の攻撃を受け流し、
ときには一撃のもとに葬りさりながら。ただひたすらに走った。

―――お願いだ… 間に合ってくれ!! みんな無事でいてくれ……!!

足が千切れるのではないかと思うくらいに全力で走り続けていると、ついに
城門が見えてきた。火の手が上がっている様子はない。とりあえず最悪の事態には
なっていないようだ、と思いホッと胸をなで下ろしたのもつかの間。

『おっと、そこで止まってもらおうか? 負け犬の勇者君?』
超肥満体の体に巨大な棍棒、そして残虐な色に光る小さな瞳。忘れもしない
数百年前の四天王。 もしかして… ひょっとしたら父の仇であるかもしれない魔物。
「ギガデーモン……!!」
『覚えていてくれて光栄だぜ……』
魔物はその大きく長い舌で自分の顔をベロリとなめまわし、ニタリと笑った。
多分こいつからは逃げ切ることはできない!そう判断したレックスたちは素早く身構えた。
707鏡の中の群像 ◆kcqsUR3J8k :04/09/23 20:41:52 ID:V6IIZbH6
「お前たちの目的はなんなんだ!?」
『フン、冥途の土産に教えてやろう。今回の目的は王妃ビアンカの命だ。
 だから関係のないお前らに邪魔をさせるわけにはいかねぇんだよ』
「「お母さんの命……!?」」
レックスとタバサの声が完全に重なり、怒りに顔を歪めるのもほぼ同時。
『さぁ、話は終わりだ。かかってこい!!』
「あぁ、こんな所で無駄なおしゃべりをしている時間はない」
レックスが天空の剣を手にギガデーモンのもとへと歩み寄る。

『ほう… 完全にへし折ったはずだったが。どこぞの鍛冶屋にでも直してもらったのか?』
「まぁ、そんなところだよ…」 
天空の剣を構え直してから、レックスが短く叫ぶ。
「タバサ、コリンズ!! こいつは僕に任せて先に行くんだ!!」
「でも、レックス!!」
「大丈夫… 僕は絶対に負けない。こんなヤツには二度と負けない!!」
レックスが瞳をカッと見開き、そして吼えた!
そのレックスの闘志に応えるかのように天空の剣が光り輝き始める!
「二人は母さんを…!!」
もう一度レックスが叫ぶ。鬼気迫る様子のレックスを見て
タバサとコリンズは小さく頷き走りだした。
『おっと、行かせるわけには…』
ギガデーモンが二人の進路を塞ごうとしたが、レックスが素早く切りつけて邪魔をする。
ギガデーモンは咄嗟に棍棒で剣を受け止めたが、
その隙に二人がギガデーモンの脇をすり抜けていった!
走り去る二人を横目にチラっと見てギガデーモンは唇の両端を持ち上げた。
『……なるほど、それなりに強くなってはいるようだな。
 いいだろう、本気でかかってこい!!』
ギガデーモンが棍棒を振り回しレックスに向かって突進をしかける!!
「絶対死ぬんじゃねぇぞ!! もし死んだらぶっ殺すからなっ!!」
遠くからコリンズの叫び声が聞こえてきて、レックスはかすかに微笑んだ。
708鏡の中の群像 ◆kcqsUR3J8k :04/09/23 20:43:41 ID:V6IIZbH6

ジワジワと広がるドス黒い不安を、振り払うようにしてタバサとコリンズは走った。
あちらこちらに負傷した兵士がうずくまり、たくさんの魔物の亡骸が転がっている。
「ちっ……!」
「ケガをしている人は… ホイミンたちに任せましょう…」
タバサはこういうときに回復の呪文を使えない自分が悔しくてならかった。

城門の前ではグランバニア兵とアベルの仲間の魔物が、大量の魔物を相手に奮戦していた。
今のところかなり善戦していると言ってよい状況ではあったが、魔物は倒しても倒しても
際限なく現れてくる。戦いが長引けばグランバニア側が不利になるのは誰の目にも
明らかであった。
「こりゃ敵の頭を叩かなきゃどうしょうもねぇか」
「そうね。たぶんお母さんのところに本命がいるとは思うんだけど…」
タバサが目を吊り上げ、怒りをこめた口調でつぶやく。

「ビアンカさんはどこにいるか分かるか?」
「たぶん、一番上の階よ。そこからお母さんの暖かい力と、
誰かの強力な闇の力の二つを感じるから……」
タバサが言いかけて口を止めた。城の入口の大扉の奥から肌に突き刺さるような殺気を
感じたのだ。無言のまま二人は身構えた。突然、扉の内側から凄まじい閃光が走った!
かと思うと、目の前に雷でも落ちたかと思うような轟音が鳴り響き、
とてつもない爆発がタバサたちを襲う!! 
そのあまりの威力のまえに扉は跡形もなく、消し飛んでしまった。
タバサはそれがイオナズンの魔法であることを瞬時に理解した。
709鏡の中の群像 ◆kcqsUR3J8k :04/09/23 20:46:32 ID:V6IIZbH6
煙がたちこめる中から、何者かがゆっくりと歩いて近づいてくる。
頭から巨大な角を生やした青黒い肌の獣人。全身をぶ厚い筋肉の壁が覆い、
その瞳は闘志をむきだしにして、獲物を見つけた喜びにギラギラと輝いている。

『待っていたぜ… 嬢ちゃんたちよ』
「ヘルバトラー……」
タバサがつぶやき、口をへの字に結んだ。そんなタバサにコリンズが囁きかけた。
「タバサ、ここは俺に任せてビアンカさんのとこに行くんだ。
 たぶん、ヘルバトラーぐらいなら俺一人でもなんとか闘える!!」
タバサは一瞬困ったような顔つきになったが、真剣に自分の目を見つめる
コリンズを見て、小さく頷き、彼にマホカンタの呪文をかけた。
「気をつけて……!!」
「あぁ!」

二人が同時にヘルバトラー目がけて走り出す!ヘルバトラーがその丸太のように
太い腕を振り回してコリンズに殴りかかってきた! その横をタバサが走り抜けて
城の中へと消えていったが、ヘルバトラーは彼女に目もくれずにコリンズに襲いかかる!
そのことを不審に思ったコリンズがそっと眉をひそめた。

「……へぇー、タバサのことは完全に無視か。まさかお前ら…」
『察しがいいな、コリンズ王子。今、お前が思った通り俺たちの本当の目的は
 ビアンカ王妃の命ではなくお前ら三人を分断することだ!』
「そっちの罠にあっさりと引っかかっちまったわけか。情けねぇ…」
コリンズが自嘲気味に笑った。
710鏡の中の群像 ◆kcqsUR3J8k :04/09/23 20:50:10 ID:V6IIZbH6

急にあたりを包む霧がその濃さを増してきた。それを見てヘルバトラーがニタリと笑う。
『フッ、あの小僧も動き出したか。ではこちらもさっさと終わらせるとしよう!』
ヘルバトラーの攻撃がさらに激しくなった!
「くっ!!」
コリンズはそれを防ぎきるのが精一杯で反撃ができない。コリンズがべギラゴンの呪文を
ぶつけようとしたが、しかし呪文は黒い霧にかき消されてしまった。
「なに!?」
『無駄だ。この第二段階に入った霧の中ではいかなる呪文もその力を出すことはできない』
「!? それじゃあ、まさか…」
コリンズの顔から血の気が失せた。わざわざ三人を分断させる意図にやっと気付いたのだ。

―――やつらの本当の狙いはタバサ… 呪文を封じられたらタバサに勝ち目はない!!

「やべぇ…!」
コリンズが焦り始めたそのとき、まがまがしい槍を構えた兵士が割って入ってきた。
「助太刀しますよ、コリンズ様!!」
「お前は……」
「グランバニア兵、ピピン参上です!」
二人がそれぞれの武器を構えなおしてヘルバトラーに向き直った。
『フン、人数が増えたといっても、所詮はザコ。俺の敵ではない』
「僕らがザコか。いいだろう、そのザコを甘く見るとどうなるか思い知らせてくれる!」
ピピンの目が鋭く光った……!


今日はここまでです!
711名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/23 21:09:10 ID:fPqtEJK1
おつかれさまです。
一人でも多くの人に読んでほしいのでageます。
俺は信念をもってageます。決して荒らしじゃないです。
712名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/23 21:56:31 ID:u+DXjmAg
敵さんはマダンテをご存じでないようで。
「計算だけで計れるものじゃないオレたちサ(ry」

もうさ、ここまで来たら恋愛ネタはマジでスルーでお願いします>>群像氏
713名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/23 21:56:52 ID:4auHmo0v
>>710
やつらの本当の狙いはタバサ!のところで思わずハッとしてしまった
タバサとビアンカがどうなるか激しく気になる、続き期待
7141レス劇場屋 ◆SSS1Rus0TY :04/09/23 22:03:43 ID:oa5KktER
>>710
GJ!佳境ですね。
四天王最強のヘルバトラーと1対1なんて、コリンズ強くなりすぎw
それから……余計な一言!書いたら音読しましょう!

>>695
漏れはPS2版DQVをプレイする前からネタ書き込んでましたよ。
ゲームの面白さと萌えとは別です。何のゲームがとは言いませんが、シ○プリとかシス○リとかシスプ○とか。

↓以下、独り言。
あれ、ぼうや。2ちゃんねるのスレに書きこむときにはまず>>1を読むようにって、がっこうでならわなかったかい?
ぼうやが何年生か知らないけど、まずはルールをまもってはじめて、じぶんの信念がなにか、言えるんだよ。
んーと、その前に。2ちゃんねるにかきこむにはね、半年かん、ROMっていって、なにもかきこまずに見てべんきょうしなきゃいけないんだ。わかった?
715てんあい:04/09/23 23:03:59 ID:ERdOHX0l
皆さんお久しぶりです。
ずっと投稿は見合わせていたのですが、ここも落ち着いてきたようなので。
鏡の作者さん、1レスさん、ペコさん、某304さんお疲れ様でした。
Scherzoさん、某SS作者さんはじめまして。
受験生さん完結おめでとうございます。次回作も期待しております。
第八話、挿絵共々ご覧になっていただいた方々ありがとうございました。
もう書かれてしまいましたが、我らが双子が『いたスト』に登場してくれることを願って第九話です。

翼の欠けた天使たち 第九話
 休憩などをしながらゆっくり来たためか、ラインハットに到着したときには既に夜になっていた。
「ふわぁ…。」
「ソラ、眠いの?」
「ううん、へいきなの…。むにゃ…。」
 とは言いつつも、もう目を開けているのもつらそうなソラ。
「もう暗いし、お城に行くのは明日にしようか。」
「はい…。」
 今にも寝てしまいそうなソラを連れて宿屋へと向かう。
 部屋が空いていればいいけどな…。
 宿屋の主人に聞いてみたところ、急な団体客が入ったとかで空いている部屋がシングル一室だけ
ということだった。
「べっどがひとつしかありません…。」
「ごめんね。この部屋しかなかったんだよ。…寝るのは一緒でいい? それともボクは床で寝ようか?」
「…いっしょがいいです。」
「いいの? じゃあ食事にしようか。」
 簡単に食事を済ませ、ボクたちはベッドに入った。
 うーん、やっぱり二人だと少し狭いかな。
「ねぇおにいたん、もっとくっついていい?」
716てんあい:04/09/23 23:08:15 ID:ERdOHX0l
「…え?」
 ソラはボクの返事を待たずに、顔をボクの胸にうずめて、腕を背中へとまわしてくる。
 …ん? 何かが脚に…。
「ソ、ソラ!?」
 ソラは脚まで絡ませようとしていた。妙に柔らかい感触が脚に伝わって…。
「えへへ、おにいたんあったかいです…。」
 温かいのはいいけど、これじゃあボクは…。

「ねむそうですけど、だいじょうぶですか?」
「う、うん。大丈夫だ…よ。」
 寝不足なのはソラのせいだよぉ…。
 翌日、ラインハット城に向かうボクとソラ。ソラがボクの顔を覗き込んで少し心配したように言う。
 軽快に歩くソラとは対照的にボクの足取りは重い。それでも何とか城に到着した。
「テン=グランバニアです。ヘンリーさんに…。」
「こ、これは勇者様! どうぞお通り下さい。」
 ………。
 まだ何も言ってないのに…。
 用件を言う前に城内へ通されたボクたち。
 まぁこれもグランバニアとラインハットが友好国としてうまくやってるってことだよね。
「おにいたんってゆうめいなんだ…。」
 小さな声でソラがそうつぶやく。
 ヘンリーさんの部屋に向かう途中、ソラは歩きながらキョロキョロと辺りを見回し、ボクの服を
つかんでくる。
 やっぱりグランバニア以外は覚えていないみたい。少し不安なのかな。
「やぁテン! 久しぶりだな。」
 すると、部屋に着く前にヘンリーさんと出会った。ラインハット王のお兄さんで、お父さんとは
小さい頃からの親友だったりする。 
 あれ、もしかして向こうからも来てくれたのかな。
「あ、お久しぶりです、ヘンリーさん。」
717てんあい:04/09/23 23:11:26 ID:ERdOHX0l
 ヘンリーさんの姿を見るなり、ソラは逃げるようにボクの後ろに隠れてしまった。その仕草が
何だか可愛らしい。
「どうした今日は?」
「…はい。父からこれを預かってまして…。」
 お父さんから預かったプレゼント(?)をヘンリーさんに渡す。
「ん? 何だこれは?」
「友情の証と言っていましたけど。」
 そう言うと、途端にヘンリーさんの表情は笑顔へと変わり、
「おぉ、例のアレか! あいつ、随分と待たせやがって…!」
 ちょっとこっちが驚くくらいのリアクションをする。
「…コホン、ここしばらく会ってないがあいつは元気か?」
 ボクの驚いた顔に気づいたのか、さっきまでの真顔に戻るヘンリーさん。
「…はい。今は休暇をとって母と二人で“冒険”に行っていますけど…。」
 もちろんその理由や目的は伏せておく。
 ヘンリーさんは苦笑いしながら、
「相変わらずだな。戻ってきたら二人によろしく伝えておいてくれ。」
「…はい。」
 お父さんからのプレゼントを受け取った笑顔のヘンリーさんは鼻歌交じりにスキップを
しながら部屋に戻っていく。
 明らかに行動が不審だな…。
 すると、何かを思い出したように立ち止まってこちらを振り返り、
「あぁ、コリンズは自室にいるからな。ゆっくりしていってくれな。」
「は、はぁ…。」


718てんあい:04/09/23 23:22:04 ID:ERdOHX0l
第九話終了であります。
今、リメイク版で天空物語再現プレイをしています。仲間にするモンスターを同じにして
(キラパンの名前もゲレゲレ)、ビアンカと結婚、あとは双子の名前、という感じです。
…いや、それだけなんですけど。これをやるにあたって問題はホイミスライムでした。
オリジナル版を含めて今まで仲間になったことが無かったんです。それが先日ついに起き上がって
くれまして思わず声を上げてしまいました。今は、水のリングを取ってきてサラボナに戻ってきた
ところです。もうすぐ結婚式です!
それではまた次の話で。

719名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/23 23:42:33 ID:4auHmo0v
>>718
どんどんふくれあがる邪な想いとそれを抑える様子がまさに生殺し
小さくなったソラを見たコリンズの反応はどんなだろう、やはりテンと同じように…

同じく天空物語パーティで一番苦戦したのはホイミン。三日間話を進められなかった
7201レス劇場屋 ◆SSS1Rus0TY :04/09/23 23:44:50 ID:oa5KktER
>>718
乙です。添い寝レクタバ(;´Д`)ハァハァ
今後どうなるのか、群像さんとは別の意味で期待!
天空物語、はぐりんがいなくて良かったですね……いたっけ?
721名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/23 23:52:57 ID:fPqtEJK1
いませんよ
もぐりでSSなぞ書かないでほしいですな。
722「カン違いの日」 ◆SSS1Rus0TY :04/09/24 00:08:26 ID:eOp5SnqL
「遅いわよレックス。手はちゃんと洗ってきた?」
「うん。ごめんなさい……あれっ? あっ、お父さん、今日結婚式に行ってたの?」
「はは、違うよ。その赤いご飯はね……」
「ダメーッ! お父さんっ!!」
「どうして? いいじゃないかタバサ。おめでたい日なんだから」
「もう、あなたったら。タバサの気持ちも考えて。おめでたいことでも、女の子にとっては、恥ずかしいことなのよ」
「え? 恥ずかしいことって……。何かあったの、タバサ」
「…………」
「タバサ。お母さんがレックスに話すわ。いい?
 レックス。笑ったりしないで聞いて。今日ね、タバサに……」
「あっ!! わかった。そっかあ。タバサ、おめでとう!!」
「………っ」
「あら。もうわかったのレックス? ふーん……」
「へえー。レックス、知ってたのか。すごいじゃないか、ははは」
「もう、お父さん。ぼくだってそのくらいのこと知ってるよ。
 今日からちゃんと気を付けなくちゃいけないっていう日なんでしょ?」
「なっ???」
「れ、レックスっ??」
「え。ぼく、なんか変なこと言った?
 ええっと、ぐあいが悪くなったり、心が不安定になったりするから、運動とか魔法とか、負担かかることはしちゃいけないんでしょ。
 あと、栄養とか、食べるものに気を付けて……。だから、ぼくが気を遣ってあげなきゃいけないんだよね」
「あ。な、なんだ、そういうことね。そうよ」
「は、はは、よく知ってるなあ。その通りだぞレックス。からかったりしないで、しっかり気遣ってあげるんだぞ」
「からかったりなんてしないよ、お父さん。こういうことって、ぼくのほうがしっかりしなくちゃダメなんでしょ。
 お父さんお母さん。タバサのことは、ぼくに任せてください!」
「お、おにいちゃん……。ぽっ」
「レックス……びっくりした。おとなになったわね」
「えーっと、それでね、お父さん。
 まだ気が早いのかもしれないんだけど……名前は、できたら、お父さんにつけてほしいんだ」
「!! お、おにいちゃんっ、ちがううっ!」
723名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/24 00:50:58 ID:lmLebAJI
>>722
うまいな、いや普通に
724名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/24 10:41:38 ID:YUiHijlH
そっち方面の勘違いかと思ったら、その上の段階と勘違いしてるなんて…両親は胃痛が続きそうだ

>>710
ピピン・コリンズ、三枚目でヤムチャ臭のするこの2人がヘルバトラーに挑む姿に
格好良いと思いつつ不安を感じずにはいられないw
725名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/24 12:19:06 ID:XUR8qYzX
タイムリーなことに今ピピンが王子より強い設定のSS書いてますw
主役は双子とプックルなんで出番はないけど。
726名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/24 19:54:07 ID:5hg7znP6
>>722
うまい
727名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/24 21:24:28 ID:XUR8qYzX
「ああ、いい天気、気持ちいいー!」
 陽光が降り注ぐ緑が眩しい、なだらかな平原。ソラは大きく身体を伸ばし、清涼な空気の中に身を浸す。
「ごきげんだね、ソラ」
 プックルの背に仰向けでだらけている、テン――ソラの双子の兄であり、ソラの半身にも等しい少年である――尋ねる。こちらもごきげんな様子である。
「だって、しばらく外に出てなかったじゃない」
 王族はなにかと忙しい。おいそれと自由に外へは出られない。
 グランバニアはただでさえ、城壁の中に街が造られている。
 一応、屋上には庭園もあるし、見張り台で兵士とお喋りをしながら景色を眺めるのもいい。
 だけどやはり、まだ10才に満たない二人にとっては自然の中で味わう開放感が一番だ。
 そんなわけで、王である父の配慮、プックル(護衛兼散歩)と一緒に、たまにこうしてピクニックに行く事を許してくれる。
 その日も、ランチを食べた後は、二人寄り添って、背中をプックルの体に背を預けて昼寝をするところだった。
 肩と肩をくっつけあって、頬と頬をくっつけあって、風の音を聞きながら、プックルの暖かさに包まれて眠ろうと――プックルが跳ね起きる。
「わっ!」
「プックル? どうしたの?」
 プックルは空間を睨みつけながら唸り声をあげる。同じ方向に目を向けてみると、いつの間にそこに居たのだろうか、黒ずくめのローブを纏った長身の魔導師が立っていた。
 プックルがはっきりと男に敵意を向けている事から、二人も魔導師を警戒する。
 警戒しながら――まず口を開いたのは、ソラ。
「私たちに、なにかご用でしょうか?」
「王子と王女だな?」
「!!」
 誰何の声は若い男のものだった。
「だったら――なんですか?」
 テンは天空の剣を抜き、ソラを庇うように前へ出ながら問う。
「天空の武器防具を渡せ」
「な――」
「どうしてそんなものを? テン以外の人には、扱えません」
「何故だ?」
「何故、ってそんなの――」
「フ、興味があるのさ、例えばただの道具がどうやって勇者とそれ以外の人間を区別しているのか」
728名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/24 21:26:10 ID:XUR8qYzX
「は――?」
 相手が何を言っているのか理解できない、というようにテンは声をあげる。
「オレの目的は神秘の研究――と言っても理解できんだろう。大人しく渡せばそれで良し、渡さないのなら――」
 根本から揺るがす殺気。
「殺すぞ?」
 あっさりとした声の調子とは真逆の殺気が重圧となる。
「――――ッ!!」
 二人の心が警鐘を鳴らす。コイツは、この男は邪悪だ、と。
 勇者とその半身としての使命感が、天空人の血が、ここで倒さなければいけないと訴える。
 為すべき事が定まったら、自然と腹を括る事ができた。
 本能に訴える恐怖に後ずさるプックルの背に、テンの左手とソラの右手が乗せられる。なだめるように、安心させるように。
 それで、プックルの震えも止まった。怯えはなく、ただ純粋な敵意のみを以て、男を睨む。
「クックック……なるほど、例えガキでも一応は勇者という事か」
 殺気はそのままに、黒ずくめのローブを纏う男はテンを見定める。
「それで? 見たところ剣だけで天空の防具は身につけていないようだが――それでもやるのか?」
「あたりまえだ!! お前が何者かは知らないけど――放っておいちゃいけない!!」
「そうか、まあいい。では――剣は力ずくで頂くぞ」



「イオラ!!」
 ソラが爆裂系呪文を放つ。
 それを――
「イオラ!!」
 魔導師は全く同じ呪文で応戦した。
 爆発。煙と塵が舞い上がる。
 煙の向こうに見える人影めがけ、プックルがテンを乗せて駆ける。
 勇者の天空の剣が閃き、キラーパンサーの前脚が暴風の如く振るわれる――!!
 
729名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/24 21:27:33 ID:XUR8qYzX
「なんだ……この爪!?」
 魔導師は右手の爪で天空の剣の刃を、左腕でキラーパンサーの力を受け止めていた。
 それは爪というには鋭すぎて、長すぎた。見れば左腕も肥大化している。
「なるほど……天空の剣、伊達に伝説になっていないらしいな……!」
 この爪は魔導師の自慢の爪である。どんな剣にも勝る切れ味だと自負していたが――
 天空の剣には傷一つ無く、逆に魔導師の爪に刃を喰い込ませている。
「ハァッ!」
 そのまま魔導師は腕力に任せてテンを弾き飛ばし、プックルを前蹴りで蹴り飛ばす。
「つッ――!」
 肉弾戦は不利だとテンは悟る。相手は正真正銘の化け物だ。
 だったら――!!
 剣を左手に持ちかえ、右手を空にする。
 そして、右掌に意識を集中。途端、テンの身体に魔力が篭もる。
 身体から溢れ出す魔力の残滓が薄緑の燐光となり、テンの周囲を乱舞する。
 右掌に圧縮された魔力が電光となり、バチバチと堅い悲鳴をあげる。
 掌に集め、振りかぶったそれは――
「ギガ――」
 最高の威力を持つ最強の雷撃呪文――!! 
「デイン――!!」
 空間を裂いて走る幾条の稲妻、直撃すれば例え化物の身体であろうとも、容易く引き裂くだろう。
「ホウ!?」
 その威力を裏付けるような、魔導師が漏らした感嘆の息。ただ、そこには恐怖など微塵もない、純粋な驚きだけがあった。
 テンはここであまりにも稚拙なミスを犯した。
 自身の最大出力をぶつけたといえば聞こえは良いが、実際は苦し紛れに呪文を放ったにすぎない。
 失念していたのだ。相手は剣士でなければ武闘家でもなく、魔導師――!!
「――マホカンタ!!」
 魔導師の周囲に展開された光の壁。それは襲い来る雷撃を反射する幻鏡となり――
「な――」
 跳ね返されたそれはテン自身を打ちのめす――!!
730名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/24 21:28:31 ID:XUR8qYzX
 叫ぶ声はなく、轟音と共にテンの身体が吹き飛んだ。
 身体は地面に落ち、剣は側に転がり、テンは苦悶の声をあげる。
「はっ――――あ、は――――!」
「テンッ!!」
 視界が白む。痛みによって意識が真っ白になった途端、次の痛みで目が覚める。
 剣が、ある程度避雷針になってくれたのか、テン自身に耐性があったのか、ともかく黒焦げにならずにすんだのは僥倖だった。だが、痛みと痺れで身体が動かない。
 そして、魔導師はその隙を見逃さない……!!
「メラ――」
 倒れた少年の身体に向けて、魔導師は右掌を掲げる。魔導師の、上半身を覆うまでの直径に膨張する掌の火球。
「ッ――、私が止める!! プックル、テンを!」
 腰に差している妖精の剣を捨て、走る。プックルはテンの元へ、ソラは彼と魔導師の間、呪文の軌道上へと割り込み――
「――ゾーマ!!」
 豪火の球が撃ち放たれる。
 迫り来る灼熱。それを前にして、ソラは両手を突き出し、魔力を叩きつけるかのように――
「マヒャド――!!」
 叫びと共に火球めがけて疾走するは、周囲の空気を凍結させるほど超低温の吹雪。
 メラゾーマが火炎系の最大呪文であるならば、マヒャドは冷気系の最大呪文。
 故に、その威力は大火球を相殺するに十分……!!
 しかし、魔導師が、突きだした掌を気合とともに握り込んだその時――
「散(サン)ッ!!」
 ――火球が、弾けた。
「そん、な――!?」
 弾けたそれは無数の小さな火の玉となり、迂回するように吹雪との衝突を回避し、ソラの横を抜け、テンめがけて収束する。
 呪文の遠隔操作など、あり得ない。呪文に関して天賦の才を持つソラだからこそ、断言できる。あり得ない。
 目の前で起こった出来事が信じられず、ソラは呆然とそれを目で追う事しかできなかった。プックルがテンを庇うように、彼に覆い被さるのが見えた。そして――幾つもの爆音。
 同時に、その反対方向でどこか金属的な反射音を聞く。マホカンタによって跳ね返された、メラゾーマを「通過」してしまった吹雪である。
「あ、――」
 ソラは反応する事ができず、冷気の嵐に為すすべもなくその身体をさらわれた。
731名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/24 21:35:17 ID:XUR8qYzX
初めて書くSSです。
厳密に言えば1シーン1シーンを4キロバイトくらい書き散らした事がある程度の経験はあるのですがw
とりあえずバトル主体――というより反則級の強さを持つ敵相手にあがいてあがいてあがきまくるテンとソラの心理描写
を書きたいなと思った、というのがSS書いてみたきっかけです。
批評や批判など頂ければありがたいです。よろしくお願いします。
732名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/24 21:50:31 ID:6QiRcVgu
うーん、、、まだ書きなれてない感じがしますね
文章がいまいちマトマリがありません。
733名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/24 21:59:58 ID:PngFPuCy
>>730
GJ!!キラパン好きなんでプックルがバトルに参加してるのが嬉しい。ピエールはあったけどプックルは初かも。
このピンチにピピンは救援に来るのかな?
力では圧倒的に負けてるけど知恵と勇気で乗り切る〜みたいなテンソラ期待。

敵の魔導師にダイのハドラーなイメージを感じた。
734名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/24 22:05:47 ID:/e872eNJ
9月以降急に粘着が現れ出したな。
7351レス劇場屋 ◆SSS1Rus0TY :04/09/24 22:49:13 ID:dPc6Vu+x
>>731
……批評してもいいんですか?
736名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/24 23:18:04 ID:wHsQLovb
そういうことは聞かないで自分で判断するもんだ
737名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/25 00:11:29 ID:7BLpzVJx
>>735

やめろ。批評をすると荒れるだけだから
738名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/25 00:24:46 ID:bhDD800p
>>735
おまいがやると厨が荒らし出すからやめておいた方がいいと思われ
739名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/25 00:27:34 ID:bhDD800p
厨と意見が一致したのがシャクだから前言撤回
740DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/09/25 01:10:38 ID:V5f0F4rl
>606のつづきから
すっげー忘れてた・・・。みなさんいい話書いてる中、かなり場違いなSSですが完結させとかないと気分悪いしなぁ。

「タ、タバサ・・・そ、その指輪に何を・・・お、お願いしたのかな?」
おもむろにタバサに近づき、棒読みのセリフを言い始めるレックス。
「気になりますか〜?」
タバサはレックスの胸にもたれかけ上目遣いで答えた。
「う、うん。気になるな〜。知りたいな〜?」
「ぇヘヘ〜・・・実はですねぇ・・・。」
恥ずかしがるタバサ。その表情が普段見せる顔とはうって違って大人っぽかったため、
レックスは思わずドキッとしてしまう。
「この指輪にはぁ、レックスのぉ・・・。」
「う、うん。ボクの・・・?」
最後の一言をゴクリと生唾を飲み込んで待つレックス。
「やっぱり恥ずかしくて言えません〜♪」
当然といえば当然のオチ、そこにいたレックス達は力なくその場に崩れ落ちた。
741DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/09/25 01:14:47 ID:V5f0F4rl
うっすらと砂煙が舞うすでに部屋とは呼べないほど半壊した部屋にさっそうとビアンカが訪れる。
「ちょ、ちょっとあなた!なんなの?さっきの爆発音・・・って何この部屋!」
ビアンカの怒号にアルスは首をすくめて振り返る。
「あ、ビアンカ・・・えっとこれには深いわけっていうかその・・・。」
ヅカヅカとアルスに近寄り、顔を見上げる。
「わけ?」
「う、うん。ちょっとタバサが勢いあまってイオナズンしちゃったんだ。」
横からレックスが割り込み、しどろもどろしているアルスに代わりにビアンカに説明をした。
「そうなの?あーもーこんなにお部屋散らかして・・・後片付けちゃんとしなさいよ!
お城大工のハッサンさんにまた修理お願いしなきゃ・・・(ブツブツ」
「「はーい。」」
普段通り?の理由なのか、ビアンカはさほど気にもしない様子で部屋を後にする。
一部始終を見終えたプサンとピサロはお互い顔を見合わせ、頭に大きな汗をかいていた。
「ほら、タバサ。お部屋も片付けないといけないし、指輪に何をお願いしたか教えてくれないかな?」
再びレックスの説得が始まると、今度はさっきと違って顔をピンクに染めたタバサがもじもじしながら問いに答える。
「う〜ん・・・。やっぱり教ぇなぃとだめですヵぁ・・・?」
無言でうなづくレックスを見てタバサは口を開く。
「じゃあ、ひとつレックスにぉ願ぃがぁるんですけどぉ・・・?」
742DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/09/25 01:17:10 ID:V5f0F4rl
「え?お願い・・・?そ、それってボクに出来ることかな・・・?」
レックスがそう答えると、タバサはズズッとレックスに近寄り上目遣いでこう続ける。
「ぅ〜ん・・・逆にレックスにしか出来ないって感じ?」
突然タバサとの距離が縮まり、レックスは後ずさりしてしまう。
タバサを真似、レックスは語尾を上げてこう答える。
「ど、どんな感じ?」
しばしの沈黙の後、タバサは両手でギュッと握り拳を作り
「今夜、レックスのぉ部屋にぉ泊りしてもぃぃですぁヵぁ?」
もちろん驚いたレックス。上下左右に両手をバタつかせ
「え!?こ、今夜・・・?な、なんで?」
「だって〜、タバサのぉ部屋はこんなだから寝れそぅになぃもん・・・。」
レックスに身体に自分の身体をスリ寄せ、タバサは甘い声でレックスの問いに答えた。
「えっと・・・と、父さん・・・そんなことらしいんですけど・・・?」
首だけをアルスに向けると、アルスは両手を組んだまま
「まあ、仕方ない・・・だろ?」
と答えた。それを聞いたタバサはその場でピョンピョンと跳ね
「やったー!パパ大好き〜♪」
と声を大にしてアルスにウインクをした。
アルスはヘラヘラと笑いながら頭をかき
「そ、そうか?アハ、アハハハハ。」
とまんざらでもない顔でタバサに答えた。
「あと〜、お部屋をお片づけしてくれたらもっと好きになるかも?」
「なに?よ〜し!パパ張り切って部屋の後片付けしちゃうぞ〜!」
「父さん・・・。」

喜ぶタバサ、張り切るアルス。そんな父親を冷たい視線で見つめるレックス。
だんだんと存在が薄くなっていくプサンとピサロ。
そして、自分が何を書いてるのかがまったくわからなくなってきた作者を巻き込み、
物語はいよいよクライマックスを迎える・・・はずだった。
7431レス劇場屋 ◆SSS1Rus0TY :04/09/25 03:50:35 ID:g2ubch9Y
>>742
部屋がメチャクチャになってもすでに慣れた作業のビアたんに萌え。
細かいことですが「と……した」が3連発です。ペコさんの文体にしては珍しいことなので少々気にかかります……。

ただいま483kb。立てられる方、次スレをおねがいいたします。
744名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/25 04:33:45 ID:cIgR0Nik
この事態でも嬉しそうな父さん。

これが父親の性か
ピサロとプサンは急いで馳せ参じた割に放置プレイされてるのに哀愁を感じる


容量溜まるの早いね、一応次スレタイ案
ふたりの大冒険〜DQ5の王子と王女SSスレ6〜
745 ◆bsDQ5/RxE. :04/09/25 09:28:27 ID:xAd92Dw6
一応次スレ立てたよ

ふたりの大冒険〜DQ5の王子と王女SSスレ6〜
http://game8.2ch.net/test/read.cgi/ff/1096071867/l50
7461レス劇場屋 ◆SSS1Rus0TY :04/09/25 12:49:45 ID:oXrtqWQW
>>745               _
                  》\_
                 ヾ⌒/ ヽ ~フ
               ∠〈人〈,ハノノ>
      乙━━━━━ ノl.> < ! ゝ ━━━━━!!
.                `ヾ ワ "ノ'く
.                /彡ヌ三ミヾゞ
.         .        |┤, \!-| |
.         .        U!◎==;じ' .l
.                  l   ; | \ヽ
.                  l_i_/__|ヾ_.l 〉
. .                乙乙_」ー〜´

このスレもめでたく前スレになりましたね。ムフフ。
747名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/26 21:51:08 ID:r4dSNjOx
こっちも前々スレと同じように長生きしそう

>>731
始まりが唐突だけど迫力あるバトル描写で面白いです
一回世界を救った勇者が手も足も出ない敵側の正体も気になるポイント
748DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/09/27 00:04:29 ID:lQy/WUpT
スレうめ用に久々DQ5クリアした時にサラッと仕上げたやつを投下してみようかな。




「わが名は ミルドラース・・・。魔界の王にして 王の中の王。
そ その・・・私が・・・やぶれる・・・とは・・・
だが 人間よ・・・ このままでは 済まさぬぞ・・・
グハハハハハハー・・・・・・・・・・・・!」

断末魔と一緒にミルドラースは身体から閃光を放ちそのおぞましい姿はまわりの景色と混ざり合うように消えていった。

─────ボク達・・・勝ったんだね・・・世界を平和に・・・なるん・・・だね・・・。

バタリ

次に目が覚めた時はふかふかのベッドの上だった。

(ここはどこ?)
749DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/09/27 00:08:27 ID:lQy/WUpT
横を見るとタバサがボクの手をギュッと握りながら床に座り込んで頭だけをベッドの上に乗せて眠っている。

(タバサ・・・妙に左手が熱いと思ったら、ずっとタバサが握ってくれてたんだね・・・ありがとう。)

音をたてないように、起こさないようにボクは身体を起こそうとしたけど・・・
「う、ううん・・・。」
起こしちゃったみたい。

ボクはうっすらと目を開けたタバサと視線がぶつかった。
「お、おはよう・・・タバサ・・・。起こしちゃったね・・・。」
ちょっとした間のあとにボクが口を開くと、タバサは目をこすってマジマジとボクを見つめてきた・・・けど、ちょっと恥ずかしいよ・・・。
「・・・お兄ちゃん・・・だいじょうぶ?喉・・・渇いてない?」
少しずつピントが合ってきたのか、タバサはボクに顔を近づけて聞いてきた。
「う、うん・・・ごめんね・・・結構寝ちゃってた?あ、喉は・・・ちょっと乾いたかな・・・。」
「んーん。しかたないよ、お兄ちゃん前線でフバーハとかベホマで大変そうだったもん・・・。」
テーブルの上に置かれたコップに水を注ぎ、両手でボクに手渡してタバサは笑顔で言ってくれた。
750DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/09/27 00:11:32 ID:lQy/WUpT
「ありがとう・・・。」コクコクとコップの水を飲んで、
「ふぅ・・・。」一息つくとタバサが両手をパンと叩いた。

「あ、お父さんとお母さん・・・呼んでくるね!目を覚ましたら呼びに来てねって言われてるの!」
「待って、一緒に行くよ!」まだ思うように動かない身体をゆっくりと起こし、ドアの前で待ってくれてるタバサに駆け寄った。
タバサは「だいじょうぶ?」って心配してくれてるけど、
悪い魔物も倒して平和になったんだし、いつまでもベッドの上で寝てなんかいられないよ!
みんなの顔も見たいしね!

でも、まだ力が入らないから転びそうになっちゃって思わずタバサに抱きつくような感じで寄りかかっちゃった。
「やっぱり、まだ寝てたほうが・・・。」ってなんだか恥ずかしそうに心配してくれてるけど、
「へーきだよ! もう大丈夫だから・・・。
あ、支えてもらってもいい?まだまっすぐ歩けなくって・・・。」
そう答えてタバサの肩に手をまわした。
そしてら、タバサのやつ照れちゃって

・・・おいおい、ボクまで恥ずかしくなってキチャッタヨ・・・。
751DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/09/27 00:17:00 ID:lQy/WUpT
部屋を出て廊下を並んで歩き、お父さんとお母さんのいる部屋に行く途中、タバサが二人を見つけた。
お父さんとお母さんはテラスで空を眺めてた。後ろから声をかけたら驚くかな?
ボクとタバサは顔を合わせてうなづき、
ゆっくり、ゆっくり近づいたら話し声が聞こえたからちょっとストップ。

「・・・さっきの天空人さん・・・私達のことは永遠に語り継いでいきますって言ってたわね・・・。
うふふ、永遠に・・・か。
私ね なんだったら もう一度 石になっても いいかな・・・ って思うの。
ただし アルスが 永遠に そばにいてくれるっていう 条件つきよ。」

だってさ・・・うわ〜お父さんとお母さんいっつもラブラブだね・・・!
聞いてるこっちが恥ずかしくなってくるよ・・・。

「私も・・・お兄ちゃんがそばにいてくれたら、ずっと石像さんのままでもいいの・・・。」
「ん?タバサ何か言った?」
お父さんたちの方に集中してたから聞こえなかったよ・・・。
タバサ、顔真っ赤にして「なんでもない・・・です。」って首振ってたけど、気になるな〜・・・。

あ、お父さんとお母さんボク達に気づいたみたいだよ?
752DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/09/27 00:20:49 ID:lQy/WUpT
ボク達はそのままプサンさn・・・じゃなくて、マスタードラゴンさまの所に呼ばれたので向かった。

相変わらず大きいな〜・・・でも、その背中にもう乗せてもらえないんだなって思うとちょっと残念。
コリンズくんを驚かせようとしたんだけどな・・・。

「わが名は マスタードラゴン。世界のすべてを 統治するものなり。
伝説の勇者レックスと その父 アルス そして その一族の者たちよ。
そなたらの はたらきで 世界に再び 平和が おとずれた。心から 礼をいうぞ。
・・・と かたくるしい話は なしにしよう。
私も 長く人間をやったせいか こういう言葉遣いは つかれてしまうのだよ。」

「マ マスタードラゴンさま!」

アハハ、マスタードラゴンさまって面白いよね。
急に神さまっぽく見えなくなるし・・・隣のお偉いっぽい人もあわててたよ!
753DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/09/27 00:31:18 ID:lQy/WUpT
「わっはっはっはつ。まあ よいでは ないか。さて アルスよ。
地上ではなつかしい人々が そなたらの帰りを 待っていることだろう。
私が そなたらを 送りとどけてやろう。
ひさしぶりに 人間界も 見てみたいしな。では ひと足 先に 外で 待っておるぞ!」
え?また背中に乗せてもらえるの?
やったー!お父さん、お母さん、タバサ!早く行こうよ!

ボクが喜んで走っていったらタバサが「お兄ちゃん!走ると危ないよー!」
って叫んでた。「だいじょぶだいじょぶ。」って言いながら振り返ったら、
・・・あ、タバサのやつ下見ないで真正面みながら階段降りてきてる・・・。
ペンギンみたいだ。
そっか、高い所苦手だっけ・・・悪いことしちゃったかな・・・ちょっと待ってよっと。
止まってタバサ達を待ってたら、妖精さんがこっちに走り寄ってきた。

「クルリン クルリン。 世界に 平和が もどりました。」

なーんて言いながらボクの周りをクルクル踊ってくれた。
ボクも一緒になって踊ってたら、タバサが血相かいてこっちに来てボクの手を握ってきたんだ。
ちょっとビックリしちゃったけど、

「クルリン クルリン・・・。 お、お兄ちゃんも いっしょに おどろうよ! ねっ!」
って踊りはじめた。
そっか、タバサも一緒に踊りたかったんだね!うん!踊ろう!クルリン、クルリン〜♪
妖精さんがニコニコしながらボクらに手を振った。
ボクとタバサも手を振って「今度、妖精の国に遊びに行くね!」って言ったらすごい喜んでた。
え?「私も行く」って?もちろんさ!タバサも一緒にね!
754DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/09/27 00:34:59 ID:lQy/WUpT
っと、お父さんとお母さんがボクらを手招きしてるよ。
これ以上マスタードラゴンさまを待たせちゃ悪いから行こうか!
タバサの手を取ってボクらはマスタードラゴンさまの背中に乗った。
「行くぞ。しっかりつかまっておれ。」
マスタードラゴンさまは大きな翼を広げて飛び立ちました。

大空から見る景色はもう、すごく気持ちよくって・・・!
まるで人がゴミのようだ!なーんてね!
タバサ・・・は怖くてボクのマントをずっと握ってた。

・・・ちょっと苦しい・・・。




結構長いし、いったんここで区切り。
気づいた方はいるかもだけど、エンディング中のセリフがチラリズムで出てます。
755名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/27 01:03:31 ID:lQy/WUpT
イケる!自分を好きでい続けてくれる男にはまだ希望がある。

仕事頑張る、先輩見直す
 ↓
先輩、ふとした時にミス
 ↓
コキョが機転利かせてナイスフォロー
 ↓
コクヨくん・・・ぽっ
 ↓
ウマー
756ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/09/27 01:06:02 ID:lQy/WUpT
チクショォオオオオオ!!!
7571レス劇場屋 ◆SSS1Rus0TY :04/09/27 02:15:54 ID:kIMIFcTa
見なかったことにしまして……。
残り容量たった(8+α)kbなんですから、投下するならしちゃってください。
容量埋めAA荒らしが来ないとも限りませんので。

どさくさ紛れにR指定投下……は今回は無理そうですね。漏れもおとなしく新スレに行くことにします。
758名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/27 11:02:38 ID:OTbCvesp
>755
何だコレは!!
759名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/27 23:15:38 ID:iBG9Kx6B
>>754
エンディング中のセリフはいいなぁ私も結k(ryをはじめ萌えなの多いね
サンタローズの元パパス宅での掛け合いなんかは実にいい
760DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/09/28 03:36:50 ID:OBsmeGo7
最初に来たのはエルヘブン。
・・・マーサおばあちゃん・・・ちょっとしか顔が見れなかったな・・・。
でも、会えてよかったよね、タバサ。
僕らは神官さんにいろんなお話を聞いた。
それで、おばあちゃんはとてもこの村の人たちに愛されてたんだなって・・・ちょっと涙が出そうになった。

そしたらタバサが「お兄ちゃん、私・・・おばあちゃんにもう会えなくなって寂しいけど・・・
おばあちゃんはずっと私の心の中にいるんだってわかったら・・・とっても嬉しくなったよ・・・!」

って・・・。そうだね!僕ら、お父さんの子供でよかった!お父さんがおばあちゃんの子供で本当によかった!!
帰ろうとしたら、タバサとお母さんが「おじいちゃんとおばあちゃんのかけおちのお話」をすっごく真剣に聞いてたな。
「女性ってのはそうゆう話が好きなんですよ。」ってピピンが教えてくれたけど、まだ意味がよくわかんないや。

ほら、いこいこ!次は・・・・え?ラインハット?
コリンズくんの所だね!・・・あ、タバサが露骨に嫌な顔してる・・・。
761DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/09/28 03:44:15 ID:OBsmeGo7
だいじょぶだって、コリンズくんがタバサにカエルさんとか投げてきたら、ボクがギガデインしてあげるよ!
え?やりすぎ?じゃあ、ライデインでいい?って聞いたら、「手加減はしてあげてね。」だってさ。
で、できるかな?

ラインハットでは、ヘンリーさんとマリアさんがすごく喜んでました。
「世界が平和になったことも嬉しいけど、お前が無事に帰ってきてくれたことがなによりも嬉しいよ・・・アルス・・・。」
そんなことを話してました。
ヘンリーさんは好きだなぁ・・・目がお父さんと似てるから・・・。
え?タバサもそう思うって?・・・そっか・・・ヘンリーさんが好きか・・・。
あれ・・・?なんでこんなにフクザツな気持ちになるんだろう・・・。

コリンズくんはっていうと、相変わらずな奴でした。
「レックスはでんせつのゆうしゃ だったのか!オレさまの子分に してやるぜ!」
だってさ。うわ・・・タバサのほっぺたがすっごく膨らんでる・・・。
だ、だいじょうぶだって・・・コリンズくん、根はいい奴だから!きっと友達になろうって意味だと思うよ!
だから・・・ね?その右手に集中している呪文を・・・止めようよ・・・ほら・・・コリンズくんがちょっと青ざめてるから・・・。
762DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/09/28 03:50:33 ID:OBsmeGo7
バルコニーを歩いてたら、タバサがもじもじしながらこんなことを言いました。
「あのね・・・お城に戻ったら・・・お父さんとお母さんとお兄ちゃんと4人でお弁当を持って森にピクニックに行きたいです・・・。」

いいね〜ピクニック・・・!行こうよ!お父さん、お母さん!
「いいわね〜、お弁当は私が作るわ♪」
お母さんがうれしそうにそう言ってくれた。
やったー!じゃあ、ボクはウインナーがいっぱい入ったお弁当がいいな!
タバサは?「たまご焼きがいっぱい入ったお弁当が食べたいです。」
タバサって本当にたまごが好きだよね〜・・・ボクも好きだけど!!
「それじゃあお母さん、約束だよ!」
ボクらはその場で父さんと母さんに指きりをさせた。

「そろそろ行きましょうか・・・。」
お母さんがそう言って、父さんが僕らの頭にポンっと手を置いて、
ボクらはニッコリ微笑んで「うん!」って返事をして歩き出した。
マスタードラゴンさまの背中でタバサがこんなことを言った。
「あそこのシスターさん、神のご加護ありますように・・・ っていうけど 神さまって プサンさんなのよね。
・・・それって すごく不安。」

タ、タバサ・・・聞こえちゃう聞こえちゃう・・・!
ボクはタバサにシィーっと口の前で人差し指を立てて合図をしたら、
タバサは舌をチロっと出して「ごめんなさい。」って謝ってた。
763DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/09/28 03:54:58 ID:OBsmeGo7
次はサンタローズに連れてってくれた。
旅の途中、ここに来るとお父さんとお母さんはいつも悲しい顔をしていたっけ。
だからボクらもここに来るのは少し抵抗があったんだけど、
マスタードラゴンさまが僕達に見せたいものがあるからどうしてもと言われたので僕達はそれに従いった。

お父さんとお母さんはサンタローズに着くなり驚いた顔をしてた。
ボクとタバサももちろん驚いてたよ。だって・・・
あの誰もいなかったサンタローズに人が・・・ううん、それだけじゃなくって・・・
お父さんとお母さんの言葉を借りたら、「元通りになってる」んだもん。
「これをマスタードラゴンさまは見せたかったのかな・・・?」
隣にいたタバサに聞いてみた。
「わからない・・・でも、そんな気がします・・・。
お兄ちゃん見て・・・お父さんとお母さん凄くうれしそう・・・よかったです・・・。」
タバサが思わず目をウルウルとさせていたのを見てボクもなんだか目が熱くなった。
「うん・・・よかったね・・・。」
ボクらは入り口でお父さんとお母さんを待っていました。
だってここは二人だけの思い出がいっぱい詰まってるかもしれないから、
ボクらが邪魔しちゃ駄目だよね?タバサ・・・。
優しく手を握ると、タバサも答えるように手を握り返してくれた。

「あ、お父さんとお母さんが帰ってきました!」
タバサがまだ遠くにある二つの人影を指差してそう言った。
「え?どこどこ・・・?あ、ほんとだ・・・!うわぁ・・・なんか腕組んでるよ・・・。」
ボクもお父さん達を見つけて喜ぶと隣でタバサが
「ちょっと・・・うらやましいです・・・。」って呟いた。
「うらやましい・・・?なにがうらやましいの?」
タバサに聞くと「内緒です。」と答えた。
う〜ん・・・でもなんか凄く目がキラキラしてるよ、タバサ。
764DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI :04/09/28 03:59:13 ID:OBsmeGo7
次はサラボナに行ったんだけど、お父さんとお母さんここに来るといつになく緊張した顔になるんだよなぁ・・・。
昔ここで何かあったのかな?どう思う?タバサ?・・・え?
「大人の事情です。」だって?
それってボクを子供扱いしてる?そりゃないよ〜・・・。
もう夜タバサがトイレ行きたいって言っても一緒に行ってあげないぞ?
「ェェー・・・お兄ちゃんの意地悪ぅ・・・!」
「あはははは。冗談だよ!じょーだん!」
ルドマンさんのお屋敷でボクらが走り回ってたらお父さんにしかられちゃった。
ごめんなさーい。

その後は山奥の村に行きました。
途中、噴水広場でお祭りがやってて覗いていきたかったんだけど、
おじいちゃんが待ってるから我慢するよ!
おじいちゃんはとてもとても喜んでくれました!
「世界が平和になったことより、お前達が無事で帰ってきたことがなによりだ。」
ってちょっと涙流しながら話してた。
それを聞いてお母さんがおじいちゃんに抱きついて一緒に泣いてた。
今度・・・また来ようね・・・温泉入りたいし・・・。
え?タバサも入るって?・・・そうだね!みんなで来よう!
「わたしだってルーラ使えるんだから、お兄ちゃんと二人っきりでも・・・。」
タバサが小さい声で呟いた。
タ、タバサってたまにドキっとさせること言うよな・・・。
なんか体中がキィーー!ってなっちゃうよ・・・。
765名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/28 07:47:01 ID:ZCgA7B3t
連投規制喰らっちゃった(´・ω・`)ショボーン
766受験生 ◆V9cl6OhgG2 :04/09/28 21:07:33 ID:U6lMlw15
ペコさんお疲れさまです。
エンディングを知る者としてはにやりとしてしまう場面が随所にちりばめられていますね〜!
グランバニア城の王の間に入ってからのストーリーも是非拝見してみたいところです。
767名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/29 08:16:25 ID:axZOxyDX
ペコさんナイスです!
768DQ外伝@ペコ ◆DQsS5wEGEI
「さあ、グランバニアに戻りましょう!」
「「オーッ!」」
お母さんの掛け声の後にボクとタバサとお父さんで右手をお空に挙げてポーズ決めちゃった。
ボク達には帰る所が、待ってる人達が居るってことがすっごくうれしい!
だって全部終わったんだもんね?
「これからずっと一緒にいられるんだよね?」
お父さんと・・・お母さんと・・・タバサと・・・お城の皆とずっと・・・。

「タバサは大きくなったらほかの人のお嫁さんになっちゃうかもね?」
不意にお母さんがそう言って、ボクはどんな顔してたの?
タバサが、「行かないもん!」ってボクの袖を握った時、ボクはちょっとうれしかった。
だって、タバサがいなくなるって寂しいもんね。
タバサが側にいてくれることがうれしい。
・・・ずっと一緒だったもんね。急に『タバサがいなくなる』なんて考えられないよ・・・。