落ち着いてLRS小説を投下するスレ

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おすすめLRS小説を教えてくださいver4
http://comic4.2ch.net/test/read.cgi/eva/1079497781/
LRSって少数派? 八人目
http://comic4.2ch.net/test/read.cgi/eva/1079777658/
>>1
がんがれ
3第弐より転載:04/05/02 20:09 ID:???
          , '⌒⌒ヽ
            ′   ノソ)
          ヽ、从ハゝ  < ・・・
             〉., ヽ)
           ( (  |ゝ
             i_ノ _j~


           '⌒⌒ヽ
         ′从 从)
         ヽゝ゚ ‐゚ν  < ダメ、他人に裸を見せてはいけない。
          ゝ`-ゥ )
        く,,,`て.イ 彡サッ
         i_厂\),
最近、僕は綾波と付き合い始めたんだ。
買い物に、とかじゃないよ。恋人としてだ。

……綾波もそう思っているかは自信ないけど。

みんなには秘密している。
トウジになんかバレたら、ひやかされるに決まっているし。
とりあえず、学校の帰りはいつも一緒に歩く。
ほんの少しの間だけど、それでも僕は幸せな気持ちになれるんだ。
まだ、手を繋いだことはないけど、いつかきっとそうなると思う。
それから綾波にお弁当を作ってあげてる。
だって、綾波の食事って、酷いんだよ。
三食すべてカロリーメイトとビタミン剤。
よく、これで生きていられると感心しちゃうよ。
まあ、だから綾波はスリムで胸が小さ……と、これは内緒。
そういうわけで、綾波に少しでも美味しい物を食べてもらおうと思ったんだ。
お弁当を作ってる時は、そりゃあ幸せだったよ。
──綾波が僕の作ったコロッケをパクッと口に運ぶ。そして、美味しいと微笑む。
そんなこと夢見ながら料理をしていた。
けど、

「美味しくない。……これは食べられないわ」

そう言って、綾波はお弁当を僕に突き返した。
僕は思わず涙をこぼしてしまった。
なんでも、父さんによく高級レストランへ連れて行ってもらっていたらしく、
綾波は超グルメだったんだ。
はう〜、どうしよう。

つづく
「綾波は肉、食べられないんだよね?」
「いいえ、食べられるわ」
「えっ! だって、前に『肉は嫌いだもの』って言ったじゃないか」
「ええ、嫌いよ。米国産輸入牛は、」
「へっ?」
「国内産牛肉は好き。特に、松阪牛A5等級サーロインは好物」
「そ、それは……」

 僕は贅沢すぎると言ってやりたくなったけど、それをグッとこらえた。

「じゃあ、豚肉は?」
「嫌い」
「鶏肉は?」
「嫌い」
「綾波さん。他には何が食べられるの?」
「レバー」
「……他は?」
「仔牛の脳味噌」
「うっ」
「後は、子袋も好き」
「そ、そうなんだ」

 はっきり言って、普通じゃないよ。
 僕は、綾波と肉を食べに行くのは止めようと誓ってしまった。
 と、ここで綾波は口を開いた。

「でも、一番好きなのは碇君が作った卵焼き」

 明日つくる綾波へのお弁当のおかずは、この時、決まった。
「綾波も料理ができた方がいいと思うんだ」
「……なぜ? 料理をするのは面倒なのに」

 そう冷たい目で僕を見る綾波にたじろいてしまったが、

「だって、ほら、その、す、す、好きな人に手料理を作ってあげたら素敵かなって」
「好きな人に?」
「う、うん」
「碇司令?」
「えっ!」

 僕は絶句してしまった。
 だが、綾波は口元をふわっと緩ませると、

「じょうだんよ」
「あ、あやなみ〜」
「わかったわ。碇君は私に料理を作ってもらいたいのね?」
「……うん」

 と、僕は顔中を真っ赤にしながら小さな声で頷いた。
 綾波はそんな僕をジッと見つめていたが、突然、背中を向けると歩き始めた。
 僕は小走りで追いかけ、彼女の隣を歩く。

「綾波、どうしたの? 急に」
「教えてくれるんでしょ?」
「……?」
「私に料理を」
「あっ、うん」

 僕は笑顔で返事した。
 これから商店街に買い物へ僕らは出かける。
 これが始めてのデートなのかもしれない。
 不思議に思ってたことがあるんだけど、綾波はどうしてカロリーメイトばかりを
食べているんだろう。自分で料理をしないとしてもコンビニ弁当やホカ弁、調理パン
などもあるのに。どうしても気になって、ある時、僕は彼女に訊いてみた。

「綾波はどうしてお昼にカロリーメイトを食べてたの? 購買でパンも売ってるのに」
「……美味しくないから。あれを食べるくらいなら、カロリーメイトの方がマシ」

そう淡々と答える綾波に、あーなるほどと僕は納得してしまった。

 最近、お昼は僕と綾波が勝負する時間になっている。僕の作ったお弁当を綾波が
全部食べたら勝ちだ。まあ、僕が心の中でそう思っているだけなんだけど。
 綾波は勝負には厳しい人だ。少しでも不味いと残してしまう。嫌いなものには手を
つけようとしない。彼女はけっこう偏食するので、僕は綾波の嫌いなものを覚えるだ
けで疲れてしまう。
 でも、彼女が全部たべてくれると、こう、なんていうか、とってもうれしくなる。
 今日も今日とて僕は綾波にお弁当を渡す。
 メインのおかずはナスのカレー焼き。綾波はスパイスが効いたものが好物なので
きっと食べてくれると思う。

「はい、綾波。お弁当」

 そう言って僕がお弁当を渡すと、綾波はカバンからカロリーメイトを取り出して、
黙って差し出す。ちなみにチョコレート味だ。
 これはいつものことなので、僕はそれを受け取る。昨日はフルーツ味だった。
 初めてカロリーメイトを差しだされた時は、何かの冗談かと思った。
 でも、それが毎日続くようになって、僕は気づいたんだ。
 これが綾波にとって、お弁当の交換を意味しているんだと。
 まだ自分でお弁当を作れるくらい料理をすることができない彼女にとって、
精一杯の気持ちなんだと。
 だから、僕はいつも顔をほころばせながらカロリーメイトを食べる。
 まあ、その分、僕のお弁当にはご飯が入っていないんだけどね。
 でも、この頃は、カロリーメイトでおかずを食べるのが美味しかったり。
レイがゲンドウにレストランに連れて行ってもらった、なんて描写は本編にはないけどな。
最初の一ヶ月はこんなシンジキュンも
だんだんムカツイてきて、3ヶ月で破局というオチですか?
ニダ━━━━━━<ヽ`∀´>━━━━━━ !!!!!
じゃあ、壱拾七話の
「レイ、上がっていいぞ。食事にしよう」
っていうゲンドウの台詞は?


まさかゲンドウの手料理か?
あれは文字道理食事に行くわけではなくて暗号みたいな物です。
>>11
当たり前だろ、おいなりさん作ってきてんだよ。
「レイ、上がっていいぞ。食事にしよう」
「食堂ですか?」
「残念、私のおいなりさんだ」
15アルエ:04/05/02 23:15 ID:???
第五使徒との戦いから数日後。
既に校内には下校時刻を知らせるチャイムが鳴っていた。
僕は急いで教科書やノートを机から鞄にしまいこむ。
ふと、久しぶりに登校してきた綾波が気になった。
使徒戦の際に僕を守ったせいで怪我をして入院していた彼女。
大丈夫だろうか?と思い、視線を綾波の方へ向ける。

「……ぇ…?」

その姿はいつもと同じ、無表情で窓の外を眺めていた。
そう、そう見える筈だった。
だけど今の僕にはそうは見えなかった。
別に表情が暗いとか、何か変わった様子はないけど。

「…何?」

思わず口から漏れ出た小声に気がついたのか綾波はこっちを向く。
赤い瞳に青い頭髪、無表情。
そう、綾波は無表情だった。
見た目には何も変化は見受けられない。
だけど、あまりにも悲しそうだから。
つい聞いてしまった。

「…あ、あのさ、綾波は、何で…何でそんなに悲しそうにしてるの?」

「悲しそう?……そう、私は悲しいのね」
16アルエ:04/05/02 23:16 ID:???
また、だ。
表面上は変わりがない。
なのに僕には綾波が少し項垂れたように見えた。

「…零号機は大破してしまった……零号機、私の絆……」
「…………」
「…たぶん、私の居場所がなくなってしまったから…」
「…………」

どう答えていいかわからなかった。
絆…綾波が言っている絆ってどうゆうことだろう?
人と人との繋がり、みんなとの絆。
居てもいい自分の場所、みんなに認められる自分の価値。
それを、探している?
………いや、それは僕か…。

ハッと気がついて教室を見るといつの間にか綾波はいない。
どうやら僕が考え込んでいる間に帰ってしまったようだ。
急いで綾波を追いかける。
17アルエ:04/05/02 23:17 ID:???
校門を出た所に綾波はいた。

「あ、綾波ぃ!」
「…何?」
「あ、あのさ、一緒に帰らないかなぁと思って……あ、嫌なら別にいいんだけど…」
「…構わないわ」
「あ、ありがとう」

お礼を言って綾波から少し離れて隣りを歩く。
そして訪れる沈黙。

「…………」
「…………」
「…………」

一緒に帰ると言ったはいいけれどどうすればいいのかわからない。
何か話さないと、とは思うけど何を話したらいいかわからない。
ふと、小さな公園が目に映った。

「…あ、あのさ…」
「…何?」
「そこの公園に寄っていかない?」
「何故…?」
「今日は確か綾波もシンクロテストも何もなかったよね……。
 いい機会だしそこでちょっと話でもしようかなぁ…って」
「…………」
「…………」
「…………」
「あ……あはは…何言ってんだろ、僕。こんなこと言っても迷惑なだけなのに」
18アルエ:04/05/02 23:19 ID:???
焦る僕を尻目に綾波は無言でそのまま歩いていく。
どうしよう…気を悪くしちゃったかな…何か…何か言わなきゃ…。
鼓動が早くなるのを感じる。その分、焦りも大きくなって何も思いつかない。
俯いている僕の前に影が射した。
顔を上げると、綾波が無表情でこっちを見ている。

「あ…綾波…?」
「行くんでしょ、公園」

そこは滑り台とブランコと水のみ場しかない、どこにでもある公園だった。
どちらともなくブランコに座った。
そして、数分の沈黙の後に綾波は言った。

「何故、私にかまうの?」
「…え…?」
「私は独りで平気なの」
「…………」
「…………」

絶句した。
同時に何か熱いものが胸に込み上げてきた。
綾波は、
本当に独りで平気なの?
本当に独りで平気なの?
ホントウニヒトリデヘイキナノ?
ホントウニヒトリデヘイキナノ?
――違う。
19アルエ:04/05/02 23:22 ID:???
「…平気じゃない…」
「?」
「平気なわけないよ!独りで平気なんて人がいるもんか!!」
「……それは貴方の価値観だわ、それを私に押し付けないで」
「それなら…それなら何でそんな哀しい顔で俯いているのさ!!」
「!!」
「独りで平気なんて絶対嘘だ!!綾波は独りが哀しいんだよ!!」
「…………」
「哀しい時は…哀しい時くらいは泣いてよ……」

それっきり、お互いに何も言えなくなって時間だけが過ぎていった。
徐々に太陽が傾き始めて西の空が赤くなる。
赤く照らされた静かな公園にブランコが揺れる音だけが響く。
20アルエ:04/05/02 23:24 ID:???
――僕はいつでも側に居る僕がこれから側に居る――

「……綺麗な夕焼けだね」
「……僕も、僕も一緒に居ていい?」

――君は人より少しだけ不器用なだけの女の子――

「嬉しい時は笑えばいい…」
「だけど、どんな風に笑えばいいか解らないの」

――ハートに巻いた包帯を僕がゆっくり解くから――

「…………」
「……綾波」

――笑顔を写すスライドの準備しといて――

「そんなに難しく考えないでさ…」
「嬉しい時は目の前で両手叩いて笑ってよ」

――そんな寒いトコ今すぐ出ておいで――

赤い空の下、彼女は僕の方を向いて両手を叩いて優しく微笑んだ。

――アルエ――
>>11
ネルフの食堂で喰ったのかもしれないし仕出し弁当を喰ったのかもしれないし
ただ単に食事休憩を取るって意味だったのかもしれないし
そのセリフから高級レストランに行く、ってのは単なる想像じゃん
FFなんだし、作者の裁量の範囲だろ
バンプのアルエって、レイ×俺?
それっぽだけど、逆行王子様シンジとかにしといてくれろ。
>>21
それもまた想像でしょ
強大な権力を持つ組織の総司令がどういうところで食事をするのかな、と考えて、
高級レストランを思い浮かべるのは別に不自然ではない
食堂もアリだとは思うが、高級士官用の別スペースとかを想像しちゃう

二人して仕出し弁当喰ってたら結構笑える絵になるな
休憩室のベンチで二人してカロリーメイト喰ってるのもいいなw
>>3は2nd ringからなのかな
 今日は土曜日。学校もネルフの訓練もお休み。
 というわけで、お昼は綾波の家で練習も兼ねて、彼女と一緒にご飯を作ることになった。
 狭いキッチンに立っている僕ら。お揃いの青いエプロンは僕から綾波へプレゼントしたもの。
その意味を彼女はたぶんわかっていないと思うけど、僕はとても幸せに感じている。
 ペアルックはちょっと恥ずかしいけど、他の誰も見ないから、まあ、OKだ。

「ここは、こうして軽く叩きながら……」

 僕は四角い卵焼き用のフライパンで実演している。
 綾波はそれをジッと見つめてから、僕の目へ視線を合わせた。
 この頃は、彼女が黙っていても何となく言いたいことがわかる。
 僕は綾波にフライパンを渡し、彼女が卵焼きを作るのを見守った。

 リビングのテーブルには、味噌汁と卵焼きとご飯茶碗が置いてある。
 まだ料理を覚え初めなので、他のおかずはスーパーで買った納豆と漬け物だ。
 綾波が納豆を好きなのを知った時は、ちょっと驚いたな。

「碇君、はい」
「ありがとう」

 と言って、僕は彼女からご飯が山盛りになった茶碗を受け取った。
 綾波は御飯が大好きなんだ。最近は、家でカロリーメイトを食べることも少なくなり
ちゃんと御飯を炊いている。で、何をおかずにしているかというと、からし明太子かフ
リカケだ。それだけあれば、他に何もなくても大丈夫だそうだ。なんか、綾波らしいね。
 そんなこんなとしているうちに、食事が進み、彼女は自分で作った卵焼きを口にした。
 ちょっと眉を寄せ、難しい顔をする。

「……美味しくない」
「今日、初めて作ったから。これから練習していけば、上手く作れるようになるよ。
 ……でも、僕は綾波の作った卵焼き、美味しいと思う」

 表面がこげで黒くなって苦みはあったけど、なぜだか卵焼きが甘く感じた。
 綾波の部屋。以前、来た時と同じ。でも、やっぱり違う。
 そう思いながら、僕はリビングの中央でイスに座っていた。
 彼女はベッドに腰掛けて、黙って僕を見ている。

「君は、その、僕を憶えていないの?」

 彼女はやはり無言で頷いた。
 僕は泣きそうになるのをこらえて訊く。

「どこまでなら憶えてるの?」
「……使徒が現れる前。零号機の起動試験の時までは、知っている」
「じゃあ、もう僕のことは何も憶えていないんだ。僕を助けたことも…」
「……私は、あなたの知っている私じゃない。もう、あのコと私を重ねるのはやめて」

 そう告げる彼女を、僕はただ呆然と見つめることしかできなくて、時間は過ぎてい
くばかりだった。やがて、彼女は立ち上がり、キッチンへ歩いていった。
 そして、彼女は静かに料理を始めた。少しの時間が経ち、

「あなたも食べる?」

 と彼女が訊いてきたので、僕はつられるように頷き返した。
 テーブルの上には御飯と味噌汁と卵焼き。

「これ?」
「……なぜだか知っていた。ただ、それだけよ」

 僕たちは黙々と食事を進める。
 彼女は卵焼きを食べ、ふりかけをかけた御飯を口の中に入れた。そして、呟く。

「ひとりで食べるより、美味しい。……不思議ね」

 いつの間にか、僕の左手に持つ御飯は涙で塩味になっていた。
>>14
ワロタ。
あの人はさびしがり屋で、とってもかわいい人なんです。
二人目、三人目がテーマでふりかけの匂いあふれる生活感たっぷりな
SSはなんか新鮮。イイヨイイヨー(・∀・)

小道具を変えただけといえばそれまでなんだがw
シンジ君とレイちゃんの「手料理シリーズ」良いですね。
面白いです。
>>27 >>28
コンチクショー!
ちょっとウルウルきちまったじゃねえか!



ありがトン
33忘れ物:04/05/06 23:27 ID:???
 前の使徒戦後、私は変わった。
(碇君……)
 気が付くと同僚のサードチルドレン、碇シンジのことを考えてしまう。教室では、
自然と目が彼を追って動く。本を読んでも内容は頭に入らず、碇君の顔が心に
浮かんでくる。いままで、碇司令以外の人に関心を持つ事なんてなかったのに、
私はいったいどうなってしまったんだろう。
 碇君の事ばかりを考えているからか、家に帰ってから私はらしくない失敗に気付いた。
学校にネルフのカードを忘れてきてしまったのだ。普段は学校でカードを出すことなど
ないので、帰宅するまでまったく思い出せなかった。今日に限ってカードを取り出したのは、
水泳の授業が終わった後に制服に着替える際、カードがポケットから落ちてしまったのが
きっかけだ。
 それを拾ったとき、ふと少し前のことを思い出した。カードの更新で私の新しいカードを
碇君が届けに来てくれたときのことだ。私がシャワーからあがるとなぜか碇君が部屋の中に
いて、私を押し倒してきた。そのときは何も感じなかったけれど、今日の学校で思い出した
ときには、心臓の鼓動が早くなって熱でもあるかのように地に足がつかない感じになって
しまった。まるで自分が自分でなくなるような感覚。エヴァのパイロットである事や、地下の
空の器など関係なく、碇君のことだけが頭を駆け巡った。私はその後の授業中、カードを
見つめながら何度も同じ場面を思い返し、どこか心地いいその感覚を堪能した。そして放課後、
カードを机の上に置き忘れて今に至る。
 何度思い出しても、体の変調は起こる。けれど、カードが無いと明日ネルフへ入るのに
面倒な手続きをしなければいけないので、記憶の再構築は止めて学校に取りに戻る事にする。
 と、私がドアを開けようとしたちょうどそのとき、外からドアが開けられた。外に立って
いたのは、先ほどまで私が考えていた対象、碇君だった。
34忘れ物 ◆mgLRSSSzDg :04/05/06 23:34 ID:???
>>33
「あ、綾波」
「碇君……」
 私と碇君の声が重なる。碇君が一瞬沈黙したのを見て、私が用件を尋ねる。
「何しに来たの」
「綾波、カード学校に忘れてったでしょ。はい、これ」
 碇君が差し出してきたものを受け取る。私のネルフのIDカードだ。
「机の上に置いてあったのを見つけて、持ってきたんだ。それが無いと明日の実験、ネルフに
入れないでしょ?」
「ええ」
 碇君と話していると、心臓が早く動く。
「でも珍しいよね、綾波が忘れ物なんて」
「そう」
 司令と話してるときの安心感とも違う、心が自然に浮き立つ。
「うん、綾波ってしっかりしてるから。特にネルフ関係」
「任務だから」
 こうしてずっと話し合っていたい。
「そうだよね、だから本当に珍しいと思ったんだ。今日はどうかしたの?」
「……別に」
 碇君の声を聞くたびに、胸が高鳴る。
「ふーん……。あ、ごめん、なんか話し込んじゃって。じゃあね」
「あっ……」
 碇君の去り際、思わず声を上げたけれど彼は気付かずに離れていった。私は何を言おうと
したんだろう。自分でもよく分からないけど、何か言い足りない気がした。
 彼がいなくなった後、ひとりの部屋。さっきまでの高揚感はなく。胸が締め付けられる
ような痛みがある気がする。手を目の前に持ってくると、そこにはネルフのIDカード。
 また忘れ物をしようか、なんて考えがちらりとよぎった。
ひゃっほう!←喜びの表現
だれかー
俺にLRS分をくれーーーーーーーーーーーーーーー
病院。
ここは怪我をしたり病気をしたりしている人たちがやってくるところ。
「あーん。」
「はい。」
ぱく。もぐもぐ。ごっくん。
けれど、このふたりの少年少女は、お互い笑顔で話し合っていた。
「おいしい?」
「うん。碇君の作ったものなら、みんなおいしい。」
レイはシンジが作ったお弁当を、シンジに食べさせてもらっていた。
右手を怪我しているので、箸を使えないから、とシンジは聞いている。
「ありがとう、綾波。そう言ってくれると、もっと頑張ろうって思えるよ。」
「本当? うれしい。・・・これからも、作ってきてくれるの?」
レイが不安そうにシンジに聞く。
「うん、僕、誰かにこんなに頼られるのって初めてだよ。
だからうれしいんだ、必要とされるのって。」
「私には碇君が必要よ。碇君がいれば他に何もいらないわ。」
レイは心の底からそう思っていた。
「綾波・・・。」
シンジがレイの気持ちを感じて、思わず抱きしめようとしたとき。
シュィーーーーン。
「綾波さん、包帯を替える時間です。」
看護婦が病室へ入ってきて、慌ててシンジはレイから離れた。
心臓がどきどきしている。
「じゃ、じゃあ、綾波、また明日。」
なんとか平静を装おうとしながら、シンジはレイに別れを告げた。
「イヤ。」
だがレイは不機嫌な声で一言答えると、怪我人とは思えない速さで
ベッドから起き上がり、左手でシンジの服のすそを掴んだ。
「え? ・・・でも、このあと、ネルフの実験があるし・・・。」
シンジが戸惑いの声をあげる。
そろそろエヴァのところへ向かわないと、午後に予定されてる実験に間に
合わなくなってしまう。
>>38
「どうしてそういうこと言うの」
レイが悲しそうに言うと、シンジはもう抵抗できない。
(だめだ。綾波を悲しませるなんてできないよ。)
「う、分かったよ。それじゃあ、包帯替えるまで外に出てるね。」
「うん。」
レイはまだ少し不満そうだったけれど、頷いて出て行くシンジを見送った。
外に出るとシンジはため息をついた。
レイが包帯を替えるところを見ててもいいから、シンジに一緒にいて
ほしいと考えていた事が分かったのだ。
シンジだって男だから、見たいけれど・・・。
シュィーーーーン。
ドアの前で悶々と悩んでいると、やがて看護婦が中から出てきた。
シンジが入れ替わりに中へ入ると、レイが満面の笑顔で出迎えた。
「さ、碇君、もっとお話しましょ。」
「う、うん。」
レイの笑顔に見とれて、ぽーっとしながらも何とか頷くシンジ。
(この笑顔が見れるなら、実験サボってもいいかな・・・。)
「どうしたの? ぼーっとして。」
「綾波が可愛いくて見とれちゃった。」
つい心に思ったことをそのまま言ってしまった。
それを聞いたレイは、一瞬きょとんとした後、意味を理解して顔を
真っ赤にして俯く。
「何を言うのよ。」
「あはは、ごめん。」
レイの照れるしぐさが可愛くて、どうしてもシンジは笑顔になってしまう。
笑われたレイはちょっとふてくされ。
「もう、碇君のばか。」

ちなみに予想通り、シンジは家に帰るとミサトにたっぷりと怒られた。
40 ◆mgLRSSSzDg :04/05/13 22:33 ID:???
本家のヤツは1話で挫折。
俺はLASはだめだな。
いいねぇ。
本家って、どこ?
43 ◆mgLRSSSzDg :04/05/13 22:45 ID:???
本家

あまえんぼうアスカちゃん(LAS)
ttp://www6.big.or.jp/~tarm/evasite/epistles/indexm4.html
いや、それは極端な話だと…
LASとかそういう次元の問題じゃないだろう、あれは。
ギャグとして楽しめない人間にとっては漏れなく最低、そんなラインすれすれの作品だ。
>>38-39
満足した。
47いぬみみレイちゃん:04/05/14 18:29 ID:???
今日は日曜日。
ネルフのテストもなく、久しぶりにのんびりできるということ
で、綾波を家に招くことにした。
いつも無表情で無口で人付き合いが悪い綾波と、こんな僕がど
うしてそういうことになったかと言うと、その、なんと言うか
僕たちはいわゆる「付き合っている」という関係なのだ。

ぴんぽーん

とチャイムが鳴った。どうやら綾波が来たみたいだ。

「はーい、今開けるね」

小走りで玄関まで行き、ガチャと、ロックを外す。開ける扉の
すきまから蒼銀の髪がちらりと見えた。

「おはよう、あやな……」

元気よく挨拶をしようとし、その瞬間に僕は固まった。
信じられない光景が目の前に広がっている。
夏の陽射し、小鳥の囀り、おはようという綾波の声、心地よい
筈なその全てを酷く遠く感じる。

「あやなみ……」
「? どうしたの、碇君?」
「いや、そ、その、どこか違和感を感じるところとか、ない?」
「? ないわ」
48いぬみみレイちゃん:04/05/14 18:30 ID:???
綾波は小首を傾けて不思議そうな顔をしている。うっ、可愛い…。
じゃなくてどうやら自分の変化に気づいていないみたいだ。
でも、おかしい。
絶対におかしいよ。
アレに気がつかないなんて!

「今日の碇君、何だか変」

綾波は僕のおかしい態度が気になるのか、むぅと口を少し尖ら
せ、両手をお腹の前に持っていき、指をもじもじさせながら上
目遣いで僕を見つめてくる。
その姿は反則的に可愛くて、このまま玄関先で「最低だ、俺って」
な行為に及びそうになってしまうのだけれど、

「綾波」
「なに?」

だ、駄目だ。こんなのってないよ!
だって、

「なんで、犬耳が……」

ぴょこぴょこと、綾波の可愛い顔に犬耳がついているのだから。
あ、尻尾も揺れてる……
49いぬみみレイちゃん:04/05/14 18:45 ID:???
「え」

どうやら本当に気がついてなかったみたいだ。
珍しく焦りながら、頭に手をやったり、尻尾を見ようとぐるぐる回ったりしている。
……か、可愛い

「あ、綾波……?」
「碇君、これ、なに?」

珍しく、と言うか初めて見る涙目になりながら尋ねてくる綾波。
いつも冷静沈着な綾波だけれど流石にこれには凄く吃驚したみたいだ。
犬耳もぺったりと伏せていて、尻尾もしゅんとしている。
その破壊力は、NN地雷なんて目じゃなかった。
いや、或る意味ポジトロンススナイパーライフル?
コアどころか魂まで貫かれて、業火に燃やし尽くされたけど。

僕はふらふらと近づきながら言った。

「だ、大丈夫……」
「え」
「ダイジョウブだから、ね」
「? 碇君……?」
「と、とりあえずこっちに来てくれるかな」
「わかったわ」

おずおずという言葉がピッタリ似合う風情で綾波が近づいてきた。。
耳はペタンと伏せられたままで、尻尾は不安そうに揺れてる。
50いぬみみレイちゃん:04/05/14 18:57 ID:???


だ、駄目だ、もう!

「!!!」

ガバッと僕は綾波を抱きしめた。
耳と尻尾がピーンッ! と伸び上がった。

「綾波!」
「え? あ……?」
「そ、その、な、撫でてもいいかな」
「あ、碇君……?」
「かわぃ……うぅ、ゴメン!」

抱きしめたまま、僕は綾波を撫でつけた。
犬耳はどうやら本物みたいだ。きちんと触感もある。
綺麗な蒼銀の髪に柔らかい耳に、可愛い綾波の顔。
僕はもう頭の中がどうにかなってて、これでもかって撫でつづけた。

しばらくそうしてると、垂直に立っていた尻尾はだんだん下がって
ゆき、やがて遠慮がちにふわふわと揺れだした。
僕の手の動きに合わせて動いてみるみたいだ。
その、暴走してしちゃったことだけど綾波は嫌がってない……のかな?

「あの……綾波?」
「んん、あぁ……」

綾波はとろんとした表情をしている。
頬が僅かに上気して、唇もうっすらと開いているみたいだ。
もしかして、気持ち良いのかな?
おい!つdyくいはsどうすた
52いぬみみレイちゃん:04/05/14 21:00 ID:???

「あの、綾波、嫌じゃない?」
「……」
「綾波?」
「……けて」
「え?」
「このまま続けて」

艶やかな声と表情でそう言って、僕に体をすりすりする綾波。
耳と尻尾は気持ちよさそうにふわふわ揺れている。
え、えーとこれはつまり、もっとして欲しいってことでいいのかな。

「う、うん。わかったよ。その、僕からしといてなんだけど、嫌だったらすぐに止めるから言ってね」

そう言って僕は綾波を撫でるのを再開する。
耳、頭、背中を順番にゆっくりと優しく撫でていく。
ぱたぱたふわふわ。せわしなく動く耳と尻尾。

(気持ち良いみたい……そうだ、確か犬って喉を撫でられると喜ぶよね)

そんなことを考えて僕は喉を撫でる。
「んん」とくぐもった声を漏らして、これまで以上に耳と尻尾を揺らす綾波。
よく見ると顔どころか首筋も真っ赤に染まってて、口からすこし舌を出している。
その姿が、その、なんと言うかとてもそそると言うか……凄く良い……。

撫でるたびに綾波の声と吐息を耳元に、擦り寄る柔らかな感触を体に感じる。
もはや僕の脳髄はドロドロに融け、思考すらままならない。

「このままウチで飼いたいな……」

だから僕は、無意識のうちにこんなことを言ってしまいました。
この話、どこかで読んだような気がしたが、
ぱたぱたレイちゃんの犬耳版だね。
54いぬみみレイちゃん:04/05/14 21:21 ID:???

(――っ!)

気づいた時にはもう遅かった。
綾波は体を離し、顔は赤いままだけど目をまん丸にして僕を見つめている。
その姿を見て、僕の煩悩まみれだった頭は急激に冷め、体からは血の気が引いていく。
世界は闇夜の如き黒に覆われて、足元がグラグラと揺れて立っていられない。

「……ぅうあ」

嫌われた。
間違いなく。

「……ぅあ゙ぁ」

世界が沈んで逝く。僕が沈んで逝く。
黒は僕と僕のちっぽけな世界を覆いつくし、足元には地獄の入り口が見える。
あぁ、やっぱり最低だ、俺って。
なのに

「……いいわ」
「私、碇君だったら、飼われても、いい」

……綾波はうっとりとした声でそうおっしゃいました。
あ、いつのまにか首輪してる
55いぬみみレイちゃん@hetare:04/05/14 21:34 ID:???
続かない
つづけよ
スッゲーいい!
マジで癒されるよ…
どっちが主人か分からんな(汗)
59いぬみみレイちゃん@hetare:04/05/17 21:31 ID:???
週末にまた投下するのココロと
60名無しが氏んでも代わりはいるもの:04/05/23 01:55 ID:cykXnBA/
期待age
ho
まだー?
【LAS人】こんなアスカは大好きだ!2【専用】
http://comic4.2ch.net/test/read.cgi/eva/1084034936/


このスレみたいに、思いついたことをそのまま書いていった方がいいと思うよ
高尚なのを好む人が多いからな…
ネタスレ化すると荒れちゃうよ。
念のため避難所を貼っておく。

落ち着いてLRSを語る
http://www24.big.or.jp/~ker/16/test/read.cgi?bbs=eva&key=999136453
>>28
 夕食を取るためにネルフ本部の食堂へ行くと、綾波が席に着いているのが見えた。
 一瞬、僕は視線を逸らす。未だに、彼女と何を話せば、どう接すればいいのかわからない。
 だけど、綾波と遠く離れて座るのもなぜか躊躇い、ハンバーグカレーを受け取ると、
彼女のそばに歩み寄っていった。綾波の向かいの席を顔で指して、

「ここ、座っていい?」
「かまわないわ」

 と、彼女は僕の目へ視線を合わせて答えた。
 僕はほっと安心して腰を下ろす。
 少し気持ちが落ち着いて、彼女の方へ視線を向けた。
 綾波はニンニクラーメンを黙々と食べている。その姿はかつてみんなで屋台へラーメンを
食べに行ったことを僕に思い出させたが、同時に寂寥感をもたらしてもいた。
 彼女が口にしているのはチャーシュー。あの時は、食べなかったのに。
 やっぱり、彼女は僕の知っている綾波では無いということを思い知らされた。
 頭の横をハンマーで殴られたような痛みを感じたが、僕はカレーを食べようとスプーンを
右手に持った。何かをせずにいられない。ただ、それだけのために。
 けれど、口の中に入ったカレーの味は少しもわからなかった。
 カレーを3分の1ほど食べた時、僕は彼女に話し掛けた。

「今度、フィフスチルドレンが来るんだってね。アスカの弐号機に乗るのかな」
「たぶん、そうなる」

 と、綾波は食べる手を止めて言った。
 会話の切っ掛けで話しただけなので、すぐに言葉が詰まり、僕はまた違うことを訊いた。

「ねえ、そのラーメン、美味しい?」
「そうね。少しニンニクの量が足りないわ」

 器の中を見ながら眉をひそめ難しい顔をしている綾波が、どこか懐かしかった。
キタ^---------ッ!!!!
ニンイクイイッ!イイッ!続きもさらにキボンヌ!
69>>67:04/06/01 17:38 ID:???
 アスカは未だに入院している。トウジやケンスケは疎開していった。
 綾波は僕の知らない人になってしまった。
 僕はまた独りぼっちになってしまったのかもしれない。
 街が沈んで生まれた湖の岸辺に膝を抱えて座りながら、僕はそんなことを考えていた。
 リツコさんの話では、綾波は人ではないらしい。
 エヴァと同じ。彼女はエヴァと母さんの遺伝子から生まれた。
 けど、そんなことよりも、僕のことを、僕との思い出を彼女が知らないことの方が哀しかった。

 知らない間に僕は涙を流していたらしく、右腕でそれを拭った。
 とその時、口笛が聞こえてきた。
 第九のメロディー。その音の方へ視線を向けると、湖面に立っている天使の像に座る少年がいた。
 暫くして、彼は口笛を止めると、

「歌はいいねぇ。歌は心を潤してくれる。リリンの産み出した文化の極みだよ。
 そう感じないか? 碇シンジ君?」

 と言って、僕へ振り向いた。
 彼の口元にはきれいな笑顔が浮かんでいる。でも、なぜか心がざわついた。

「君は誰?」
「僕はカヲル。渚カヲル。君と同じ、仕組まれた子供、フィフスチルドレンさ」
「フィフスチルドレン? 君が。……あの、渚君?」
「カヲルでいいよ。碇君」

 彼の瞳は笑っていた。瞳。紅い瞳。綾波と同じ。

「カヲル君。君は誰?」
「僕かい? そうだね。天国から君を迎えに来た天使かな。
 ふふっ、そんなことより、一緒に食事でもどうだい? おなか、ぺこぺこなんだ」

 そう言って、彼は天使の像からジャンプしたが、勢いが足りず湖の中に落ちてしまった。
 びしょ濡れになって笑う彼と一緒に、僕も声を立てて笑っていた。久しぶりの笑い声だった。
保守げ
「キモチワルイ」
 これが少女の最後の言葉だった。僕とは正反対のようだけど、本当は同じとこ
ろもたくさんあって、もしかしたら分かり合えたかもしれないかけがえの無い戦
友。けれど彼女は生きる事を放棄してしまったから、この世界にはもういない。
どうにかして助けようとしたけど、もともとかなり衰弱してた上に、食べも飲み
もしなかったんだからどうしようもない。点滴の仕方なんて知らないし。ショッ
クは大きかったけど、ミサトさんのことがあったからかな。二日も経ったらだい
ぶ立ち直った。もしかしたら感情が麻痺してるのかもしれない。
 どうしても触る気にはなれないので、遺体はそのままにしてある。
 いまはもう一人の戦友と同じ姿のモノの言葉を信じて、別の場所の赤い海のほ
とりでひとり待つ事数日。誰も戻ってこない。「自分の形をイメージすれば元に
戻る」「全ての命には復元しようとする力がある」とか言ったのに……。あれは
嘘だったの? ねえ、綾波? 母さん? …確かに他の生き物は少しずつ戻って
きてるみたいだけど、人間は僕一人だ。
 僕がおなかがすいて、またコンビニで何か食べ物を調達しようと立ち上がった
ときだった。

ずずーん

 突然大きな音とともに、沖合いにあった巨大な綾波?の頭が崩れ落ちた。僕は
最初ぼけっとしてたけど、大きな波がこちらに向かってくるのに気付いて慌てて
陸地側へ走り出す。海は赤い液体だから、ひょっとしたらLCLで呼吸もできる
かもしれないけど、そうじゃなかったら泳げない僕は死んでしまう。なんとか少
し高くなってる丘のようなところに登ると、背中から波を被った。
「うわあっ」
 僕は情けない声を出して、前のめりに倒れた。波が僕を追い越していったので、
地面にぶつかる事は無かったけど、液体の中に頭まで潜ってしまった。液体に流
されてわけが分からなくなったのは一瞬で、すぐに波は引いて息ができるように
なった。
「ゲホ、ゲホ」
 いくらか気管に入ってしまった液体を吐き出す。出てきた液体の色は赤くて、
まるで血を吐いているようだった。
 しばらくして何とかせきも納まった僕は、立ち上がって綾波?の頭のあった方
を見る。しかし、そこには何も無かった。どうやら崩れて全て海の下に沈んだよ
うだ。かつての戦友には悪いけど別にあの気持ち悪いでかいオブジェがなくなっ
ても感傷を覚えたりはしない。あんなのを綾波と見るのは無理だし、僕の知って
る綾波は……。
「はぁ、酷い目にあったな……」
 考えを止め、ずぶ濡れになった全身を見て呟いた。Tシャツもジーパンもパン
ツもびしょ濡れだ。早く洗濯しないと染みになってしまうかもしれない。
「けど、取りに戻るの面倒だなー。どうせ誰もいないんだから勝手に服を取って
もいいかな……。食べ物はもう無断でとってるんだし」
 それに、考えてみたら別に染みになっても構わないじゃないか。いまこの星に
は僕しかいないんだから、服が汚れていて困る事なんか無いはず。……でも、さ
すがにこの格好のままだと気持ち悪いから、やっぱり着替えだけはしよう、と考
えて動き始めたとき、その音に気付いた。パシャパシャ、というその音は、海の
方から聞こえている。
「なんの音だろう?」
 魚でも戻ってきたのかな、と思った。サードインパクトが起こってから小さな
虫くらいしか動物を見てなかったから、やっぱりこのままみんな戻って来ないん
だと半ば以上諦めていた僕にとって、それは希望だった。少しずつ大きな動物も
還ってくるのかもしれない。音の方を見ると、暗くてよく分からないけど、赤い
海の中に、しぶきが立っているのとその向こうにかすかに青いものが見える気が
する。今はたぶん昼なんだけど、赤い雲のような霧のようなものが太陽の光を遮っ
ていて、辺りはかなり暗い。その暗闇の中の海を、音としぶきはこちら、僕のい
る方へと近づいてきていた。
「真っ直ぐこっちに向かって来てる?」
 ちょっとおかしいかな、と思ってよく見てみると魚じゃないのに気付いた。あ
んな大きな魚はいない……こともないかもしれないけど、こんな浜辺に近いとこ
ろには来ないだろう。とか考えてるうちにもその生き物はどんどん近づいてきて、
人間がクロールで泳いでるんだ、というのが分かる距離まで来た。
 そして見える髪の色は青色だった。青い髪の色の人間なんて僕はひとりしか知
らない。いや……。彼女は人間ではなかった。
 自分は三人目だから覚えていないと言った彼女。あの地下の水槽の中にいた、
そして形を失って崩れていった大勢の彼女たち。最後のときに現れた、巨大な、
初号機よりも遥かに大きなものも彼女の姿をしていた。何かが起こって、夢のよ
うな空間にいた僕に優しく語りかけてきた彼女。僕の知っていた彼女とはまった
く別の存在のようだった。違うかな……。僕が何も知らなかっただけで、たぶん
あれも彼女を形作っていたものなんだろう。初めて会ったときから、僕の知らな
い秘密があるような気はしていたし。

 近づいてくる青い髪の少女に、僕は何の反応も出来ないでいた。声をかけるこ
とも、逃げ出すこともせず、ただ立ち竦んでいた。逃げ出す……そう、僕は彼女
を怖がっている。得体の知れないものに対する恐怖。人間が持つ生来の性質。加
えて僕の性格、『彼女』との思い出。彼女と対面するのは嫌で、再会を喜ぼうと
する気持ちなんか一片も出てこない。すごく逃げたいと思ってるのに、情けない
事に足が震えて動けない。まるで金縛りにあったように目を背けることも出来な
いで、彼女が泳いで近づいてくるのをただ見ていた。
 僕が何もしないでいる間に彼女はすぐ其処まで来ていて、立てる深さになった
らしく泳ぐのを止めて立ち上がった。僕はそれでも何も出来ずに突っ立っていた。
しばし二人で見つめ合う。僕は彼女を恐怖の感情を浮かべて見つめていたけど、
彼女がどう思いながら僕を見ているのかは分からない。波と風の音だけが二人の
間を通り過ぎていく。

 しかし止まった時間も永遠には続かない。
「碇君……」
 やがてどこか躊躇うように発せられた彼女の発した声で沈黙が破れ、同時に時
間が動き出す。聞こえてきた声はあの頃と寸分の違いも無く。だからこそ僕には
耐えられない。心から湧き出る恐怖と嫌悪の感情に従い、僕は百八十度回転して
全力でその場から逃げ出した。
「あっ…」
 後ろから彼女の声が小さく聞こえた気がしたが、僕は振り向かずにそのまま走
り去った。
 とにかくその場から遠くへ離れることだけを考えて、ひたすら走り続けた。海
とは反対の、かつては街であった廃墟の方へと一心に駆けた。途中で道の上に転
がっている障害物に足を取られそうになっても何とか踏ん張り、止まらないで一
直線に走った。
 どれぐらい走っただろうか。足が疲れて動かなくなった僕は、恐る恐る足を止
め、後ろを振り返る。視界にはただ廃墟が広がるだけで、彼女はいなかった。
「はぁ…」
 それを確認すると一気に力が抜けてその場にへたり込んでしまった。地面に腰
を下ろして壁に背中を預けた。
 そのままの体勢でしばらく荒い息を整える。世界がこんな事になってしまって
からはまったく運動なんてしてなかったから、息を切らすのはずいぶん久しぶり
の事だ。
「ハァハァハァ――ふぅ。あー、疲れた。……つい逃げてきちゃったけど、これ
からどうしようか……。このまま誰も戻ってこないのか、綾波に聞くべきなのか
な」
 綾波と話すのは怖いけど、このままずっと逃げ続けてもしょうがない。僕はひ
とつになるのは違うと思ったから、もう一度もとの世界を望んだ。なのに戻って
来たら目の前に赤い海が広がっていて、僕の他にいるのはアスカだけ。そのアス
カももう死んでしまった。どうしてこうなったのか、これからどうなるのか、綾
波に聞かなければいけない。たぶん綾波は知ってると思うから。
 頭ではそう考えていても、恐怖は消えない。かなり長い間その場所でじっとし
て悶々と同じ思考を繰り返していた。

ぐ〜

 何回目かのループに入ろうとしたとき、不意に辺りにくぐもった音が響いた。
……僕のお腹が鳴る音だった。
「そういえば、お腹が空いてたんだっけ。とりあえず、コンビにでも行って何か
食べ物取ってくるか」
 誰かに言い訳をするように独り言を言って、場所を移動するために立ち上がっ
て歩き出す。もう疲れもだいぶ癒えていたので、しっかりとした足取りでコンビ
ニを探す。考えるのはご飯を食べた後にすることに決めた。
 廃墟の中からそれらしい建物を見つけたので、中に入る。爆風か何かでガラス
は割れているので、電気が来ていなくても入るのに支障は無い。
 お店の中はガラスや商品が床に散らばっていて、足を取られないように慎重に
歩を進めていく。一通り回って、パンと飲み物をいくつかビニールに入れて建物
から外へ出た。
 適当な場所に座ってパンの袋を破り、ジュースのキャップを開けて食事を開始
する。メロンパンをゆっくりと食べながら綾波に会う覚悟を決めていく。
「やっぱり、このまま逃げてもどうにもならないよね…。綾波と話して、いろい
ろ聞いて、それからどうするか考えよう。綾波が何なのかは分からないけど、僕
に何かするっていうわけでもないんだろうし、たぶん。別人だと割り切る事はで
きないし、そもそも本当にあの綾波と全然違う人なのかも不明だけど。そんな人
と話すのは怖いけど、それでもそうしないと先に進めないんだ」
 よし、と気合を入れて立ち上がりさっきの場所へ向かって道を戻る。散々悩ん
でからの行動なのに、僕の中には綾波に会うことにまだ躊躇いがあった。来るま
での何倍もの時間をかけて、ゆっくりと歩いて彼女のいるはずの海辺へと戻った。

 近くまで来てもまだ躊躇が残っていて、僕は何かの残骸の陰に隠れて海の方を
窺った。綾波はまだそこにいた。海の方を向いて何をするでもなく座っていた。
――裸のままで。
 さっきは突然の事で気が動転してたから何とも思わなかったけど、冷静になっ
てみるとまずいんじゃないかって思った。服を取って来よう、と考えて綾波に見
つからないように移動しかけて、足をどこかに引っ掛けて盛大に転んだ。

ガシャーン

 しかも何かが倒れて大きな音を立ててしまった。
「何? ――碇君……」
 当然綾波にも気付かれてしまう。僕が痛みに顔を顰めながら上を向くと、綾波
がゆっくりとこちらに来るのが見えた。また裸の彼女を見てしまったので慌てて
下を向く。その視界にぎりぎり足が入る辺りまで近づいたところで綾波は足を止
めた。話し合うには遠く、声が届かないほどには遠くない微妙な距離。
「何か用?」
 僕にかけられた綾波の声は、ずいぶん冷たい響きを持っていた。まるで初めて
僕と会った頃の彼女のようだった。僕との思い出のある彼女じゃないんだな、と
考えかけて、ふと思う。――あの頃の綾波は用事も無いのにわざわざ向こうから
声をかけてくることなんか無かったっけ。
「う、うん。ねぇ、綾波はどうしてこんな世界になっちゃったのか分かる? 僕
が望んだのはもっと違う世界だったのに」
 少し冷たい雰囲気の綾波に気圧されて、多少つかえながらも気になっていた事
を尋ねる。
「碇君は自分の望みが全て叶うとでも思ってるの?」
「え?」
 綾波の言葉は僕に対する問いかけだったけど、違う響きを伴っていたように思
えて、聞き返してしまった。『私の望みは叶えられたことが無いのに』と言われ
たような気がした。綾波は二度とは言わず、最初の僕の問いに答え始めた。
「今の私にはリリスと一体化していたときの記憶もあるから、それで分かる範囲
で教えるわ。私はアダムを取り込んだ後リリスとひとつになり、碇君と初号機を
依り代としてサードインパクトを起こした」
「何でそんなことしたの?」
「そうしなければエヴァシリーズが起こしたわ。それに、もともとリリスの因子
を持っていた私は、間近にあるアダムとリリスの気配に惹かれて、ひとつになろ
うとする自分の内側から沸き起こるどうしようもない欲求に抗う事は出来なかっ
た。碇君と初号機を依り代として起こされたサードインパクトは、そのときの碇
君の精神状態でどんなことが起こるのかが決定された。それまでの戦いで心に傷
を負い、何もかもが嫌になっていた碇君の心は何も無かった。欠けた心が求めた
ものは、心の補完。それによって起こされたインパクトも、みんなの心を補完し
ていったわ。みんなの魂を補完した結果、全てがひとつになった。それがこの赤
い海」
 綾波の話は僕にはよく理解できない事もあったけど、それは後で考えてから聞
くことにした。今聞きたいのは別の事だ。
「でも、僕はその後でこれは違うと思ったはずだよ。それなのにどうしてみんな
は戻ってこないの?」
「あのときの私は私であって私ではないわ。碇君の望みを映す鏡だったのよ。だ
からあのとき私が言ったことは、碇君の願望、希望。けれど、実際にはたぶん普
通の人は自分をイメージしてATフィールドを作り、現実の体を作るなんてこと
をできないわ」
 その言葉は衝撃だった。もうこれからも人が還ってくる事はないなんて……。
「で、でも、それじゃあどうして僕たちだけが戻ってきてるの? 小さな虫とか
も戻ってきてるし、他の人もそのうち還ってくるんじゃないの? 母さんが全て
の命には元に戻ろうとする力があるって言ってたよ」
 僕がそう言うと、綾波はちょっと顔を顰めて答えを返した。
「私はリリスの力があったし、碇君たちはエヴァに乗ってたから、その中の魂に
協力してもらって再び自分を形作る事ができたわ。どうして他の生き物は戻って
きてるのに人間は戻らないと言えるのかというと、心の複雑さに応じて必要なA
Tフィールドの強さが違うからよ。ヒトを形作るATフィールドは地球上の生物
の中で一番強固で、それ故に一度壊れたものを作り直すのは難しいの。いえ、む
しろ不可能なのよ。元に戻ろうとする力にも限界はあるの。……あなたのお母さ
んの言うことは楽観的すぎるわ」
「そんな……!」
 綾波の言葉に、最後の希望を粉みじんに打ち砕かれて僕は絶句してしまった。
これから僕はどうすればいいんだろう……。何も思いつかない。

 僕がうなだれて動かないでいると、綾波が歩く砂の音が聞こえた。
「ま、待ってよ! どこ行くの!?」
 一人にされたくない一心で、急いで起き上がり綾波の手首を掴んで問い詰める。
「あなたには関係ないわ」
 僕を拒絶する言葉。だけど、違うと感じた。綾波の瞳をは、僕と同じくらいの
寂しさを湛えているように見えたから。それじゃあ、どうして離れようとするん
だろう。
 理由を知りたくて綾波の顔をじっと見る。このときの僕は、綾波への恐怖なん
てどこにも無くて、一人になる事への恐怖だけがあった。どうすれば綾波が一緒
にいてくれるのか、それを知るために彼女の考えを読み取ろうとする。
 そして気付いた。
 綾波の目がまるで泣き腫らしたように赤くなっていることに。いまの綾波の目
は瞳だけでなく、白目のところも赤くなっていた。よく見ると頬に涙の後も見え
る気もする。
 でも、どうして綾波が泣いていたのかなんて僕には分からない。
「放して」
 僕から距離をとろうとする綾波。その様子は僕に怯えているようだった。
 僕に怯える? 僕は綾波が怖いけど、どうして綾波がただの人間の僕に怯える
んだろう。僕は綾波を傷つけるような事なんてしてない……。
 そこまで考えて分かった。自分の馬鹿さ加減には呆れてしまう。自分のことを
殺してやりたいくらいだ。
 話もせずに彼女の前から逃げ出したのは誰だ? 僕のために命を尽くしてくれ
た彼女に対して、ヒトではないという理由だけで拒絶したのは誰? それで傷つ
かないとでも思ってたのか、僕は。いつも自分の事ばかり考えて。だからこうし
て彼女も離れていこうとしてしまってる。
 けれど、まだ彼女は目の前にいる。まだやり直せると信じたいから。
「ゴメン! 綾波から逃げたりして。綾波は何も悪い事してないのに……本当に
ゴメン!」
 綾波の手首を放して頭を下げ、今までの人生の中で一番真剣に謝った。本当に
綾波に悪いことしたと思ったから。自分のためじゃなく、綾波を思って謝罪の言
葉を言った。
 僕が自分のことを責め続けながら何度もゴメンを言っている間、綾波は立ち去
らなかった。
「もういいわ」
 そう言われてもまだ頭を上げられなかった。どうしても自分を許せなかったか
ら。
「もういいの、頭を上げて。碇君が後悔してるのは良く分かったから」
 それでようやく頭を上げた僕の目に映ったのは、涙を流して顔をクチャクチャ
にしながら浮かべられた、眩しいほどの笑顔だった。
キター
ヽ(`Д´)ノツヅキマダカヨー!!!
小難しい話より、お馬鹿な話を読みたいと思う今日この頃
全く、人大杉でてるし。。。
越後屋さんのような話を誰か書いてくれないかと、ずっと待っているわけだが・・・
自分で(・∀・)カクノダ!!
自分で書くと、

シンジ 「綾波」
レイ  「碇君(ポッ」

で満足してしまうので駄目だ。
レイ「ダメ、私は人じゃないもの」
シンジ「俺は大好きだあああぁぁーーーーーーーーっ!」

だめだ、蔵に浮気してくる。
>>86
それ最強に(・∀・)イイ!!かも知れん。
まあ、シンジの台詞回しはアレだが。
横島シンジだな
レイ「ダメ、私は人じゃないもの」
シンジ「人じゃなくても大好きだあああぁぁーーっ! ここはもう、神様と人間の禁断の恋でっ!!」

そしてATフィールドで叩き落とされるシンジ
>>89
叩き落とすけど、レイがシンジを好きなら面白そうだ。
でもシンジをもうちょっとシンジらしくして欲しい。
「碇君、ごめんなさい」
「どうしたの? 綾波。急にそんなこと言うなんて」
「今まで黙っていたことがあるの」
「なに?」
「……」
「……」
「……」
「あ、言いたくないならいいよ」
「……私、人じゃない」
「へっ、? またまた、冗談言わないでよ」
「……本当」
「嘘だよ。だって、どうみても人間じゃないか」
「いいえ、違う」
「わけわかんないよ。綾波」
「……証拠。見せるわ」
「証拠?」
「そう。少し目を瞑って」
「うん」
「……もう、いいわ。どう? これでわかったでしょ」
「えっ? 全然わからないけど」
「そう。じゃあ、もう一度瞑って」
「うん」
「……もう、いいわ。どう? わかった?」
「う〜ん、まだわからないけど」
「そう。少しでは駄目なのね。碇君、もう一度目を瞑って」
「うん」
「……いいわ。どう? これでわかった?」
「あ、綾波……。どうして、こんなに……」
「ごめんなさい。もう碇君と逢えない」
「う、うん。今はちょっと無理かな。だって、エヴァより大きいんだもん。でも、また小さくなれるんでしょ?」
「……うん」
「だったら、何も問題ないよ。うん、全然OK。……あと、裸のまま大きくなるのは止めた方がいいんじゃないかな」
>>91
激しく和んだ。すっげーいい。
シンジ冷静だなー。
「……赤木博士。開発して欲しい新装備があるのですが」
「あら、レイがそんなことを言い出すなんて珍しいわね。で、どんな物が欲しいの?」

「碇君が『裸のまま大きくなってはいけない』というので……」

数分後、巨大綾波に着せる服の縫製法を真剣に検討するリツコの姿があったとか無かったとか。

95碇姉弟:04/07/01 21:01 ID:???
 
振りかかる陽光の仄かな温もりを顔に感じて目を覚ます。
 正面の壁に掛けられている時計に目をやる。
 6時55分。
 そろそろ起きないといけない時間だ。けれど、
「……ねむ」
 昨日は3時までPCゲームをしていたのでしこたま眠い。
 僕はゲームは攻略本や攻略サイトなどを使わずに自力でクリアする主義だ。
 必然的にプレイ時間は長くなる。
「……中々良いシナリオだったな……EDはイマイチだったけど」
 そう、あれだけ苦労してクリアしたのにEDはイマイチだった。
 シナリオも絵も音楽も中々良かったのに、まったく、肝心なところで手を抜くなっての。
「……というわけで僕は二度寝していいのです。むしろしないといけません」
 夢の中で理想のEDを見るとしよう。
 姉さんと一人で起きるという約束をしたのだけれど、こちらのほうが重要。
 心地よい眠気。
 あう、幸せ。
 
96碇姉弟:04/07/01 21:03 ID:???
 
 7時25分。
 シンジは起きてこない。
 寝起きが悪くて、夜更かし大好きで、いつも寝ぼすけ。
 ゲームが好きで成績は中の下、運動は苦手。
 女の子みたいな整った小さな顔、華奢な体、すらりとした手足、白い肌。
 私の、弟。
 世界で一人しかいない、大切な家族。
「……そろそろ起きないと遅刻してしまうわ」
 けれど、あの子が一人で起きてくることなどありえない。
 両親を事故で亡くして二人で暮らしはじめて7年。
 毎日私が起こしているのだ。
「……もう」
 今日もだめだった。
 シンジを起こすのは煩わしくないし嫌いじゃない。
 けれど今年で14歳だ。
 いい加減一人で起きれるようになってもいいと思う。
 なのに中学生になったら一人で起きるという約束が守られたことは無い。
 
 と、いろいろ思案しているうちにシンジの部屋に到着。
 案の定部屋の中から規則正しい寝息が聞こえてくる。
「……わかっていたのだけれど」
 ため息。落胆。
 これで一人で起きるという約束破りは記念すべき300回目。
 すこし癪なのでちょっといじわるしてやろう。
 
97碇姉弟:04/07/01 21:05 ID:???

「……シンジ」
 なるべく小さな声で呼びかける。
「シンジ、起きて」
 起こさないように、ひっそりと。
「……うぅ〜ん、むにゃむにゃ……」
 もちろんこの程度でシンジが起きるはずもない。
 幸せそうな寝顔。
 このまま見つめていてもいいのだけれど、今日はお姉ちゃんちょっと意地悪なの。
「……ふふふ」 
 シンジの耳元に口を寄せる。
「……シンジ、起きて。……起きないとエッチなことしちゃうよ」
 熱く、熱のこもった甘い声。
「……ん、ぐぅ」
 耳たぶに息がかかってくすぐったいのか、シンジは身を捩る。
 それでも起きる気配はまったくなく、きれいな寝息。
「そう、起きないのね。……うふふ」
 その様子を見て微笑むわたし。
 鏡が無いのでわからないけれど、魔女の笑みってきっと今の私のことをいうのだと思う。
「大切なお姉ちゃんとの約束を破る弟にはおしおき」
 立ち上がり、シーツをそっとめくる。
 ベッドの上に乗って、シンジの足と足の間に入り、ズボンごとパンツをにずりおろす。
「ぁぁ…………シンジ」
 朝の生理現象で、女の子みたいなシンジ自身とは正反対の状態のそれ。
 見ているだけで体の奥がジン、と疼いて頬が蒸気し、息が熱っぽくなる。
ン  ☆  チン       ☆
       チンチン           チンチン     ♪
           ♪   ☆ チチン
    ♪                .☆   ジャーン!
        ☆ チン  〃  ∧_∧   ____
          ヽ ___\(・∀・ )/\_/ 続きマダー
        チン  \_/⊂     つ   ‖
           / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/|  ‖
        |  ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:| :| /|\
        |             |/
(*´Д`)'`ァ'`ァ
続きが三日以内に張られないとEVA板を殺す
殺されるに一票。
ヲタクの集団が…集団がこttうわあぁあぁあ
103碇姉弟:04/07/02 00:38 ID:???

「……ん、あついぃ、シンジの」
 ちゅっ、ちゅ、と竿の部分から順にキスしていく。
「ん……ちゅ、れろ……ん、ちゅ……はぁ」
 竿、袋、亀頭とまんべんなくキスをする。
「んちゅる、ちゅ、ちゅう……ん、ぁん、ちゅ……ちゅぅ」
 舌を出して、唾液を塗しながらなめあげる。
 カリ首のところを舌先でつつくと、びくん、と竿が震え大きさが増す。
「ちゅ、……んぁ、素敵、シンジ」
 唇に舌に、シンジの感触と熱を感じるたびに体の疼きが大きくなっていく。
 あぁ、ゆっくりして意地悪しようと思っていたけれど私の方がだめみたい。
 肌には汗が浮かび、吐く息は火傷させそうなほどに熱い。
 ショーツは湿り、あそこはすでに濡れている。
「はぁ、……シンジぃ、お姉ちゃんが気持ちよく、してあげる、ねぇ……」 
 舌を離し、ちゅ、と亀頭に優しくキスして、シンジをくわえ込んだ。
104碇姉弟:04/07/02 00:39 ID:???

「…………ん……んむ」
 小さな私の口では全部を含むことはできない。
 七、八分ほどだろうか。
 でもそれで充分だ。
 口内の空気を抜きながら、唾液を出しながら粘膜を貼り付けるようにしていく。
「ん、ちゅ……んふっ……ん、ちゅぅ……んる……んん」
 吸い抜くイメージで、喉を鳴らしつつ頭をゆっくりと動かす。
「んっく、うぅ、ん……うぁ……れろ、れ、ちゅ、ちゅる」
 唾液が溢れる。
 鼻で息をしながら、強く吸い込み舌を絡ませる。
「んっ、んっ、んんん、んー……ちゅ、ちゅる」
 唇でしこぎたてながら、強く吸引。
 隙間なく吸い付いた粘膜で、口内全体にシンジを感じる。
 まるで実際にシンジを受けいてるような感覚に、体の熱が増す。
「ちゅ、んっく、んっんっ、んんんっ、っく、んー」
 時節鼻が鳴るのを止められない。
 体の疼きはもう限界で、内股はショーツから溢れ出た愛液でべたべたになっている。
「ふぁ……、はぁ、んぁ、あ、しん、じぃ……」
おいなんで中途はんぱなんだよえwぇらskじぇ;
106碇姉弟:04/07/02 23:27 ID:???

 小さい頃、私の後ろに隠れるようについて来て、いつも不安げにびくびくしていたシンジ。
 家の外に出ようとせず、私以外の誰とも遊ばない。
 保育園、幼稚園、小学校と、友達一人できなかった。作ろうとしなかった。
 一緒に登校して、一緒に昼食を食べて、一緒に帰宅して、いつも二人。
 私が中学に入学して、別々に通うことになったときのシンジの悲しみようは凄かった。
 結局シンジは六年生の一年間は小学校に行かなかった。
 私も一年生の一年間は中学校に行かなかった。
 それを煩わしいとも厭だともいけない事だとも思わなかった。
 髪の毛と目の色のことで虐められていた私。
 両親が居ないことと、性格の所為で虐められていたシンジ。
 学校に行っても何も楽しいことなんて無かった。
 私たちにはずっと辛いことばかり。
 だからシンジが中学に入るまではずっと家に二人で居ることにした。
 一緒に起きて、一緒にご飯を作り、食べ、一緒に買い物に行き、一緒に風呂に入り、ひとつの布団で寝る。
 時々エッチなことをして、互いの傷を舐めあう生活。
 そんな生活が好きだった。
 ずっとシンジと二人で居られたらいいと思った。
 私はシンジを愛している。
 シンジも私を愛している。
 辛くて悲しいことだらけの世界で、二人で居るときだけ私たちは幸せだった。
107碇姉弟:04/07/02 23:28 ID:???

 シンジが中学に入学して、再び二人で学校に通うようになって暫く、変化はやってきた。
 シンジに友達ができたのだ。
 鈴原トウジと、相田ケンスケ。
 はじめは信じられなかった。
 けれど、彼らは毎日家にシンジを迎えに来て、三人で登校。
 昼食を三人で食べ、放課後にゲームセンターに行き、休日は遊びに来たり行ったり。
 そして、次第に明るくなっていくシンジの姿を見て、私はこの三人が友達どころか親友なのだということがわかった。
 彼らと交遊するシンジは幸せそうだった。
 私と二人でいるときのそれよりも幸せそうだった。
 けれど、シンジが彼らと交遊するようになって、私は一人で居ることが多くなった。
 登校するときも、昼食のときも、下校のときも。
 家に居るときでさえ、シンジは部屋にこもって相田君に借りたゲーム三昧。
 一緒に食事はするけれど、風呂も寝るのも別々になった。
 Hなことも全然しなくなった。
 寂しいと思った。
 悲しいと思った。
 シンジを取られたと思った。
 けれど、彼らと交遊しているシンジはとても幸せそうで、私は我慢するしかなかった。
なんで毎回いいところあhdrぐぁjkdj
tudukiha
madaka
110碇姉弟:04/07/04 00:10 ID:???

 そう、我慢するしかなかった。
 けれど、今は、今だけは。
 ほんの一時だけでいい、だから、今だけは。
 そうして気がつけば、ショーツを足首まで降ろしシンジに跨っている私が居る。
 これだけやっているのに目を覚まさないシンジには些か不安になるが、起きたところで止めはしない。
 否、もうここまできて止めることなど不可能だ。
「……ん、久しぶり……シンジと繋がる、の」
 自らの指で火傷しそうなほどに熱くなった秘所を広げ、先端と密着させる。
「……さいしょは、少しだけ……入れ……ん!」
 腰を落とし、そのまま数センチ挿入する。
「あ……あ、あぁ……はぁ、あ……」
 それだけで快感が全身を貫き、軽く達しそうになる。
 それを下唇を噛んで耐え、もっとシンジを感じるべく、徐々に脚を開いて深く繋がっていく。
「……ん……んんんっ、ん……ん――っっ!」
 視界が一瞬白一色になる。
 局部を貫く熱い怒張が、全身に高熱の刺激を与えるように感じられる。
「……はぁ……も、すこし、ゆっくり……」
 壁をなぞる怒張の感覚を確かめながら、腰を落とす。
「んんん、んっ……あ、あぁぁぁぁぁぁ」
 腰を持ち上げる。
「はぁんっ……あ、あ、んっ、はぁぁ……」
 落として、持ち上げる、落として、持ち上げる。
 シンジと触れ合っている部分を、壁と粘膜全体を使ってまんべんなくこそぐ。
「あん……ん……ゆっく、り……んあぁぁ……」
 と、シンジのそれがびくん、と震えた。
 達する前兆だ。
「……んぁ……シンジぃ……だめ、なの……まだぁ」
 
111碇姉弟:04/07/04 00:11 ID:???
 
 腰の動きを止める。
「はぁっ、はぁ、はぁ……あつい……やけど、しちゃい、そうだよ……ん!」
 直前で快感を止められたシンジが、あと少しを求めて無意識に腰を動かそうとする。
「んぁ……だめ、シンジぃ、いっしょに……ね」
 腰に力を入れ、シンジの動きを止める。
 そして右手を自分の乳房に持っていき、痛々しいまでに膨れ上がった乳首に添える。
 そして、親指と人差し指で乳首を押しつぶすように捻りながら、一気に腰を沈める。
「きゃはぁん、はぁ、あぁ……ん、んんんん、〜〜〜〜〜ッッッ!!!」
 両方からの強い快感にイキそうになるのを耐え、腰を動かしシンジを高めていく。
「はぁっ、あっ……あっ、あっ、あぁぁぁあぁぁぁ……」
 と、再びシンジがびくん、と震える。
 それにあわせて、腰の動きを早め、捻り、強くする。
「んっ、んんっ。んっんっんっんっんっ――――」
 そして、シンジが一足先に達した。
 吐き出された熱い塊が、どくん、どくん、と、子宮を叩く。
「……はぁ……はぁ……あっ、あぁ、あっ、イク……イク……ッッッ――――!!」
 その熱い迸を受けて、私も達する。
 意識は朦朧とし、視界は白一色。
 シンジを握りつぶすように、膣が収縮する。
 吹き出た愛液がシーツとシンジの下半身を濡らす。
「んぁ、あぁ……はぁ……ん……あつぃ…………ぁん、まだ、出てる……」
 長い放出。
 まるで精の大きな塊を何個も吐き出しているような。
 それで、シンジも私と同じで溜まっていたのかなと思うと少し嬉しくなった。
112碇姉弟:04/07/04 00:24 ID:???

「ん……まだ……出てるよぅ……」
 眠っていたシンジがうぅっ唸って、ようやく終わった。
 ……まだ起きないようだ。
 顔には汗が浮かんでいるが、幸せそうな顔をしている。
 起こそうかと思ったが、無理に起こすのもの悪いかと思い、このままにしておくことにした。
 体を倒し、額の汗を舌で舐めとり、唇に啄ばむようなキスをする。
「……まだ、ぜんぜんおさまらない、けど……」
 体は熱く、膣内はさらなる快感を求めてシンジを誘おうと蠢いている。
 シンジの分身も硬度を保ったままだ。
「…………シンジ、ぜつりん」 
 微笑してシンジの顔を見る。
 少し荒いが、穏やかな寝息。
 起きる気配は無い。
「……もいっかい、いいよね?……シンジ……」
 舌をぺろと出して、腰を動かす。
 シンジを強く感じれるように、壁と粘膜全体を使い、強く。
「はっ、はっ、あっ……あぁ、んっ、んぁっ、う……んん、あっ、はぁぁっ」
 先ほど放出した愛液が感覚を鈍くしていたが、幾度か動くと膣圧が余分な液を追い出す。
 シンジの唸り声と、私のくぐもった息遣いが重なる。
 腹筋に置いた手から感じるシンジの体温が暖かくて安心する。
「んー、んん、あ、あん、ん……」
 当たり所を調節しながら腰を動かす。
「んんん、んあぁっ、あっ……ふあぁ、ひ、あぁ、きゃっ……」
 捻る、浮かす、沈める、揺する。
「あぅ……うっ……うんっ……」
こんだけしたらさすがに起きるだろう……っつーか(*´Д`)'`ァ'`ァ
つづきはまだかああああああああ
つづき(;´Д`)ハァハァ
            r'゙⌒\ つづきまだぁ?
      r'゙⌒\ (゚ω゚= i r'゙⌒\
  /⌒ヽ(ω゚=  l  i. U  | (ω゚=  l /⌒ヽ
 i =゚ω゚)l U   l  l、/  ) l U  .l (=   i
 U   U /⌒ヽ  (、 <ヽ( /⌒ヽ.l    lj
  l  Y j / =゚ω) /⌒ヽ  / =゚ω)l  ) )
  ヽ 'l 〉 l  U l / =゚ω゚) l  U l 〈 / ノ
   U '、j (  ソ |  U /  ((   ノ  し ∪
       ノ、 }  ( ヽノ  ノ 〉 ノ
       し U  ノ>ノ   し U
            しU
まだぁ
    ヴェ〜
    ∧ ∧γ⌒'ヽ
    (,, ・∀i ミ(二i
    /  っ、,,_| |ノ
  〜( ̄__)_) r-.! !-、
          `'----'

    ヌブヴォヌブヴォ〜
    ∧ ∧γ⌒'ヽ
    (,, ・∀i ミ(二i
    /  っ、,,_| |ノ
  〜( ̄__)_) r-.! !-、
          `'----'
119碇姉弟:04/07/06 15:48 ID:???

「あほぅぅおおおおお!!」
 びくびくびくびくん。
 どぴゅどどぴゅ、ぴゅるぴゅるぴゅぴゅぴ。
 おふお、はぉお、おう……これで2回目……。
 しかし――なんて良い夢!
 ゲームの中の憧れのアルちゃんとエッチできるなんて!
 しかも騎乗位で向こうが僕を悦ばせようと頑張ってくれている。
 男なら、漢なら幸せを感じれずにいらいでか!
 ……しかし、理想のEDを夢に見ようと思ってこんな夢をみるなんて……溜まってるのかな、俺。
 最近姉ちゃんとはそういうことしてないしなあ……やっぱり溜まってるのか。
 姉ちゃんに言えばすぐにさせてくれたりするんだろうけど、やっぱりそれは人としてどうかと思う。
 トウジたちと友達になるまでは気がつかなかった。
 今までの僕とレイ姉ちゃんの暮らしは凄くオカシイってことに。
 こうして気がついたから良かったけれど、そうでなかったら取り返しのつかないことになってたと思う。
 たった二人、二人だけで死んでいたかもしれない。
 だからトウジとケンスケには凄く感謝してる。
 俺を昏い暗闇から引き上げてくれて、僕を普通の人間にしてくれて、普通に友達やってくれて。
120碇姉弟:04/07/06 15:49 ID:???
 
 そう、僕はもう大丈夫。
 ……でも、でも、姉ちゃんは?
 僕はトウジとケンスケに救われた。
 姉ちゃんは?
 やっぱり僕と同じように友達が救ってくれるのを待つ?
 ……駄目だ。
 僕が言うのもなんだけれどレイ姉ちゃんに友達が作れる、出来るとは思わない。
 それなら、誰が?
 僕が?
 僕が救えるのか?
 ――いや、救わなくちゃいけない。
 なんと言おうと、どれだけ僕たちがオカシイ関係でも、やっぱり大切な、大好きな、姉ちゃんだから。
 今日学校から帰ったら、二人で夕食を食べに行こう。
 それでもって、明日は僕が早起きして姉ちゃんを起こしてあげよう。
 ……なんだか急に姉ちゃんに会いたくなって来た。
「はっ、毎日会ってるだろうにこのシスコン野郎」
 うるさい! てかお前は誰だ、人の夢の中に勝手に入ってくるな、アルちゃんに触れるな。
 ……とにかくさっさと起きよう。
 ……運動して腹も減ったし。
 姉ちゃんの小言聞きながらの朝飯はなかなかオツだ。
 じゃ、そういうことで――――
ぽか〜ん

( ゚д゚)
 
(つд⊂)ゴシゴシ
 
(;゚д゚)
 
(つд⊂)ゴシゴシ
  _, ._
(;゚ Д゚) !?
123名無しが氏んでも代わりはいるもの:04/07/06 16:07 ID:cn2u7LDl

「…………うぇぇぇん、姉ちゃん、姉ちゃん」
 ……泣いてる。
 シンジが泣いてる。
 私のシンジが泣いてる。
 泣かないで、私が傍に居るから。
 泣かないで、泣かないで、私が守ってあげるから。
 泣かないで、泣かないで、泣かないで、私とひとつになろう。
 二人だけで居られたら、それは、どんなに――――――――

「はっ、はっ、あっ、あっ……あぁ、んっ、んぁっ、う……ん、あっ、はぁぁぁっ」
 これは何?
 ――ねぼすけのシンジへの悪戯。
「あっ! はっ……ん……んんっ……はぁ……」
 本当に?
 ――どうしてそういうことを言うの?
「んん……んっ、はっ、あはっ、はっ、はぁぁっ……ん……あ……」
 寂しいんでしょ? シンジをあの子たちにとられて。
 ――そんなこと、ないわ。
「あ……あう、あっ、んっ、あああ、んっ、あっ……」
 嘘。シンジが変わってから、あなたの心は悲しみに満ちているもの。
 ――うるさい、だまって。
 あなたはシンジが欲しいだけ。
 ――うるさい。
 シンジは変わったのに、シンジはあなたのモノじゃないのに。
 ――――うるさい。
 シンジと同じように、あなたも変わらなくてはいけない。
 ――――――うるさい。
 このままじゃ、あなたは駄目になる。
 シンジも駄目にする。
 そうなるま「……うるさいっ!!」
124碇姉弟@中の人:04/07/06 16:09 ID:???
おう、あげちまった_| ̄|○

馬鹿エロと思いきやシリアスで御免なさい。
もうちょっとで完結しますんでお付き合いのほどを宜しくお願いします。
>>124
さっきので終わりかとびびりますた
割り込みすまそ。続きカモンです
甘ったるいセリフが無い作品ってある?
シリアスで悲恋なの。
>>127
それはひょっとしてギャグで言ってるのか

あ、NACさんか
こんばんわ^^
>>126
本編がオススメ。
>>129
本編は尻切れだし
スレ違い
132碇姉弟:04/07/08 19:13 ID:???

 ――そういこうとで、重い瞼を何とか開けた、途端、
「うるさいっ!」
「ほわおっ!」
 よく聞き慣れた声の、鋭い怒鳴り声を聞いて頓狂な声をあげてしまった。
「――えっ…………シ……ンジ」
 寝起きで無防備無気合状態な自分に浴びせられた、無慈悲な衝撃に呆としてるそこに、今度は冷めた
ような、怯えるような、窺う声が聞こえてきた。
 いや、もう何が何だかわけがわからないのだけれけど、その声を聞いたおかげで取り敢えず落ち着く
ことができた。
 ――状況を確認しよう。
 目を覚ましたらいきなり姉ちゃんに鋭い声で怒鳴られた。
 そして、次はいつもの声で心配された。
 ……うん。
 やっぱり、姉ちゃんの透き通るようなきれいな声が怒鳴をあげるのは似合わない。
 暗いのはいつものことだし、これくらいがちょうど良い……って、 
「――って……ね、ねぇちゃんっ!?」
 なな、なんで、姉ちゃんが僕の部屋に居るんだ!?
 最近はそういうこともしてないから一緒に寝ることは無いし……はっ、もしかして、溜まってたから
無意識のうちに自分の部屋に襲ってしまったとかっ!?
 …………落ち着こう。
 姉ちゃんが、朝、僕の部屋にしにくること言ったらひとつしかないじゃないか。
 いつも寝坊する僕を起こしに来てくれたんだ。
 うん。
 そうだよ、そうさ。
 ほら、その証拠に姉ちゃんはブラウスをはだかせて、スカートを捲くってショーツを脱いで、僕の股間
のうえに跨って、ちょうど騎乗位で繋がって……繋がって……つながって!?
いいんだけど

 ひ と  ま と め に し ろ 
134碇姉弟@中の人:04/07/09 01:01 ID:???
全部書けたら加筆修正して支援の投稿板にあげるわね
あそこは糞LAS厨の溜まり場だからやめといた方がヨロシ
>>134
綾展あたりに投稿してみるというのはどうか。(w
あそこは18禁もOKだったかな?
137碇姉弟(欝展開注意):04/07/18 00:16 ID:???

「ちょっ……! ね、姉ちゃん! なななな何やってるのさっ!!!」
 僕の名前を呟いたあとからずっと俯いている姉ちゃんに大声で問いただす。
 夢の中で姉ちゃんに対する重要な決意をしたのだけれど、そんなことはもう何処吹く風。
 とりあえずこの状態は非常に拙い。
 何が拙いかって、久しぶりに見る姉ちゃんのあられもない姿はとても艶があって、良い匂いがして、そ
の匂いは頭の奥を痺れさせて、脚に感じる太腿の柔らかさは凶悪で、なにより久しぶりの姉ちゃんの中は
以前したときとはまるで別の生き物のように感じるほど、その……凄い。
 だから拙い。
 このままでは拙い。
 早くこの状態から抜け出さないと、このまま、このまま――――
「――っ!」
 誘惑に負け、飛んで行きそうになる意識をつなぎ止める。
 危ない……少しでも気を抜くとこのまま僕の方から姉ちゃんを押し倒してしまいそうだ。
 ……それは、いけない。絶対にいけない。
 確かに姉ちゃんを救おうと決めた。
 これは姉ちゃんが望んでやったことなんだろうけれど、こんなのは間違ってると思う。
 夜這い……とは少し違うけれど、寝ている僕を襲うなんてやっぱりおかしい。
 今までも風呂にいきなり入ってきたりすることはあったけど、こんなに直接的なことをすることは無かっ
た。
 だから、ここは話をしないといけない。
 こういうのは駄目だよ姉ちゃん……その、僕姉ちゃんのこと好きだけど、やっぱり姉弟でこういうことす
るのはおかしいと思うんだ。と。
 そう。ちゃんと話せば姉ちゃんは頭が良いからきっと分かってくれる、……分かってると思う。
 
138碇姉弟(欝展開注意):04/07/18 00:16 ID:???

 こんな頭でもちゃんと思考を纏めれたことに安堵してため息をひとつ吐く。
 僕は黙ったままの姉ちゃんの腰に手を当てて、自分のモノを引き抜くための準備をする。
 もちろんいきり立ったままだけれど、その辺は我慢だ。我慢の出来る男、碇シンジ。
 で、抜いた後は、話をする前にまず服をどうにかしないといけないなあ……などと思いながら、姉ちゃん
に声をかける。
「姉ちゃん、その、とりあえず抜くよ……?」
「………………」
 けれど、姉ちゃんは相変わらず俯いて黙ったままだ。
 ――瞬間、その姿を、なぜか「怖い」と感じた。
(……なんで姉ちゃんのことを怖いと思うんだ……?)
 まだちょっと頭がパニくってんのかなあ、などと思いながらもう一度声をかける。 
「姉ちゃん? こういうことしたら駄目だよ……だから、抜くよ?」
「………………」
 けれど、やはり返答は無く姉ちゃんは沈黙不動を保ったままだった。
 うーん、いくらなんでもこの距離で聞こえない筈は無いんだけれどなあ。
 しかし、姉ちゃんは微動だにせず、その状態を保ったままだ。
 その様子はとても訝しいものだけれど、同時に不安をも感じさせるなんとも言えない奇妙さがある。
「………………?」
 ……いくらなんでも少しおかしい。
 とりあえず表情を確認するために姉ちゃんの顔を下から上目遣いに覗き込む。
 そして、
「――――っ!」
 そこで
「……ね、えちゃ、ん……?」
 はじめて
「…………駄目よ……シンジぃ、抜いちゃ駄目」
 姉ちゃんが
「シンジは……わたし、だけの、ものなんだから…………!」
 亀裂のような笑みを浮かべているのに気がついて、
 気がついたときには、もう手遅れだった。
しばらくLRS系スレを離れてるうちに、こんなナイスなSSの投下があったとは・・・

レイとシンジの関係をひきこもり姉弟の傷の舐めあい的な近親相姦に例えるとは
なかなか素敵ですな。本編での関係もそういう一面もありましたよね。
つづきまだぁ?
つずき
ず:・、;「
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴
       ∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴
           ∴∴∴∴∴∴∴∴
         ∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴
141碇姉弟(欝展開注意):04/07/19 17:13 ID:???

 欲しいのに手に入らない。
 渇望するのに逃げていく。
 近くにあるのに手に入らない。
 私の半身が逃げていく。
 
 ――――逃げるのなら、逃げれないように。

 ――――手に入らないのなら、無理やり奪ってでも。
 

 ――――そうすれば、■■■は私のモノになって、ずっと一緒に居られるから。

 
 チャイムが鳴って、声が聞こえる。
 いつもの声。嫌いな声。
 ■■■を私から奪っていく声。
 憎い声。憎い声。憎い声。 
 黙れ、■■■は私のモノだ、お前らなんかには、やらない。
 だって、■■■は、私の、私だけの、モノ、なんだから。
 
 そして私は■■■の細い喉元に噛みついて――――

 二度と奪われないように
 二度と逃げられないように
 二度と手放さないように
 

 ――――■■■を■して、私だけの、モノに、した

142碇姉弟(欝展開注意):04/07/19 17:14 ID:???

 築20年は経過しているボロいマンションの4階の角部屋が碇の家だ。
「おーいシンジー、学校行こうぜー」
 俺はいつもどおり呼び鈴を鳴らしながら声をかける。
 向かいにある廃ビルが日差しを遮って、玄関先は朝だと言うのに薄暗い。
 飾り気の無い無機質な鉄のドアには、二人きりで暮らす姉弟を罵倒する落書きが書かれている。
 ”死ね””出て行け””気味悪いんだよ””化け物”
(……いつ見ても気分悪いな……)
 碇は性格の所為で、碇の姉さんはアルビノという特異な外見の所為で幼いころから虐められ、友達
も出来なかったらしい。
 そのうえ両親は早くに亡くなって……。
(クソっ……!)
 なぜあの二人がこんな目に遭わなければいけないのだ、と思う。
 実際に付き合ってみて、友達していてわかる。断言できる。シンジもシンジの姉さんも良い奴だ。
 そりゃあ初めは暗い奴だな、とか思ったり、姉さんの外見に吃驚したりはしたけれど――
(……碇の姉さん、髪の毛や目の色に気を奪われて気がつかないけど、よく見るとめちゃくちゃ美人な
んだよなあ……憂いを帯びた秀麗な横顔は被写体として最高の部類に属するよ)
 ……それがシンジと友達になろうと思った動機の7割だということは俺だけの秘密だ。
 あぁ、今朝も姉さんに会えると思うと落書きを見て暗く沈んでいた思考が一気に晴れ渡る。
 我ながら調子の良い性格だとは思うけれど、こればかりは仕方が無い。男のロマンっていうやつだ。
 相田ケンスケ14歳。ロマンと情熱に燃える男が俺なのである。
 今朝もお姉さんを写すために新しく買った一眼のデジカメ(\69.800)を持ってきたのだ!
 うおぉ、今から燃える! ドキドキする! 
 昨日は制服の上にピンクのエプロンという素晴らしい服装で出迎えてくれたお姉さん。
 今日は、今日は進化して、は、ははは裸のうええええにいいいいいエプロンをををを!
 ……って、それはそうとして、
143碇姉弟(欝展開注意):04/07/19 17:15 ID:???

「……遅い、返事すら無い。……なにやってんだ碇の奴」
 碇家は先ほどの俺の声にたいしてまったくのノーリアクションだ。
 俺が毎日の日課の暗い思考とロマンに燃えている時間が2分弱。
 いくらなんでも応対するのに2分も掛かるわけがない。
 シンジはともかくお姉さんまでもノーリアクションというのはおかしい。
 ……イカン、これは由々しき事態、大問題。
 学校に遅刻とかそういうことじゃなくて、撮影時間が短くなるという大問題。
「さあな。ま、いつもの寝坊やろ。寝坊は料理に並ぶセンセの得意技のひとつやさかい」
 そんな俺の苦悩知らず気の抜けたことを言うトウジ。
 ふぅ、これだから彼女持ちは頭がボケてて嫌なんだ。
 シンジは寝坊かもしれないけれど、お姉さんは……お姉さんは? シンジはいつもどおり寝坊? 
お姉さんは……寝坊……でも……いや、そうか! ひ、閃いた!
「寝坊だったらお姉さんが応対してくれるだろ。二人そろって寝坊してるのかもしれないぜ」
 メガネを中指で押し上げ、得意げに語る。
「アホか。あのしっかり者の姉さに限ってんなことあるかい」
「ふふふ。甘いなトウジ。しっかりしてるからこそ、いつもの疲れが出て寝坊してしまっているかも
しれないだろう?」
「……ケンスケ、何かたくらんどるな」
 さすがトウジ。
 俺の考えを見抜くとはさすが親友一号、熱血ジャージ、委員長の恋人、莫迦!
「ふ、企みとは人聞きの悪い。俺はただ、いつもシンジを起こしたり家事をしたりと大変なお姉さん
を優しく起こしてあげようと思っているだけだ。幸い、俺たちはシンジから合鍵を貰っている」
「な、ななな……!」
 トウジは俺の言葉にショックを受けたのか、吃驚した顔をして仰け反った。
 わなわなと震え、よく分からない言葉をぶつぶつと呟いている。
 ……ふ、トウジ。俺には今のお前の心が読めるぜ。そして次に言う台詞もお見通しさ。
144碇姉弟(欝展開注意):04/07/19 17:16 ID:???

 と、思考が纏まったのか、居住まいを正してこちらに向き直るトウジ。そして、
「……な、なんちゅうエエ奴なんやお前は! せや、姉さんをワシらで優しく起こしてさしあげよう!」
 鼻の下を伸ばしたにへら顔で高らかと宣言。
 かっこ悪いことこの上ないがさすが親友、そうと決まれば……
「行くぜ! トウジ!」
「おお!」
 ガシっと腕をぶつけ合い、気合を入れる。
 そして鞄から鍵を取り出して玄関の鍵を――――

「…………がぁっ!……ぁっ……ぁぁ…………」

 ――――開けようと扉に近づいて、家の中から、悲鳴、のような声を、聞いた。

「「――――っ!?」」
 トウジと二人、咄嗟に扉から身を離す。
 ドクン、ドクン。と、心臓が警鐘を鳴らすかのように強く鳴っている。
 驚きと混乱が精神と思考を支配する。
 あまりのことで息がつまり、思うように呼吸が出来ない。
 歯はガチガチのなり、膝は振るえ、気を抜くと今すぐにでもその場にへたりこんでしまいそうだった。

 ――――だって、その声がよく聞きなれた声にとても似ていたから。

 嫌な予感が背筋をムカデのように這い上がる。
 今だ混乱状態の頭はそれでも全力でその嫌な予感を振り払おうと理性を総動員する。
「お、おい……トウジ……?」 
「ああ……なんや、今の声」
 俺もトウジも掠れたような声しか出ない。
 見ればトウジも歯を鳴らし、膝が振るえ俺と同じような状態になっている。
 ……つまりそれは、トウジもあの声が■■■の声に似ていたと思って――――
だから 一 度 に 全 部 だ せ よおぉぉぉおぉおおおお!
>>145
君は言葉遣いってものを知らないね。
親しみと慣れ慣れしさは違うぞ。
なんだかよくわかりませんが便座カバー置いておきますね

     C
>>147
右。
149名無しが氏んでも代わりはいるもの:04/07/19 19:58 ID:83SFiNx9
きねんぱききょ
        ∫
   ∧,,∧ ∬       / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   ミ,,゚Д゚ノ,っ━~  <  良い目をしているな
_と~,,,  ~,,,ノ_. ∀  \ 若いの・・・
    .ミ,,,/~),  .| ┷┳━ \_________
 ̄ ̄ ̄ .し'J ̄ ̄|... ┃
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   .┻
151碇姉弟(欝展開注意):04/07/20 03:13 ID:???

 ――――■■■を■して、私だけの、モノに、した


 はずなのに――――


「……かふっ……ぅ……ね、えちゃん……なんで、こんなこと」
 ……まだ、■■■は、私だけのモノに、なってくれない。
 事前までセックスをしていたせいか、力が充分に入らなかったみたいで、即■には至らないようだ
った。出血は多いが、すぐに手当てすれば助かるだろう。
 ……どうして、
「どうして、私だけのモノになってくれないの……?」
「……な、にいって、んのさ……」 
 力ない掠れた声だけれど、■■■はしっかりと私に聞いてくる。
 その声を聞くことができるのは嬉しいけれど、それよりも、早く私だけのモノにしないといけない。

 だから、ちゃんと、■さないと――――

 ベッドから離れ、部屋を出て包丁を取りに台所に向かう。
 使い慣れた台所。よく■■■も使っていた台所。……二人で使っていた、台所。
 目当ての物は直ぐに見つかる。
 しっかりと握る。使い慣れている、手に馴染む。
 ……うん。これなら、ちゃんと■せそう。

 ――これなら、今度こそ、■■■を、私だけの、モノ、にできる――

 と、向かいにある窓に、私の顔が映っているのに気がついた。
 ――その顔は、口元が赤くてお化けみたいだけど、確かに、愉悦の表情を浮かべている。
 それを見てくすくすくす、と笑い声が毀れる。
 ……可笑しいなあ。何で私こんなに嬉しいんだろ。私、滅多に笑わないのに。
152碇姉弟(欝展開注意):04/07/20 03:15 ID:???
 
 ――そんなの、決まってる。

「…………そう」 
 だって、■■■を■せば、■■■は、私だけの、モノ、になるんだから。
 だから、すぐ行くね。もう私、我慢できないの――――と、台所の入り口から、物音がした。
「…………シンジ?」
 大所の入り口にシンジが俯いて立っている。物音はシンジの足音だったのだろう。
 ……あの傷で、部屋からここまで来たんだ。ふふっ、お姉ちゃん少し感心だなあ。
 ……でも、
「……駄目よ、部屋でおとなしくしていないと」
「…ら………っ……な……」
 シンジは何か呟いている。
 どうしたんだろう。先ほどは掠れ声だけどちゃんと喋れていたのに。
「……どうしたの? シンジ」
「うら……っ……な……!」
 まただ。
「……シンジ?……何を言っているのかよくわからないわ」
「…………っ!」
 沈黙するシンジ。
 その様子は、何かを耐えているかのようで。
 ――何か、嫌な予感がする――
 と、シンジが俯いていた顔をあげた――
「――――ひぃっ!」
 ――それを喩えるなら、怒りに燃える復讐鬼か。
 地獄の業火に焼かれ、自身の血にまみれながら、相手を屠ろうとせん復讐鬼。
 それを彷彿とさせる形相で、シンジの顔は酷く歪んでいる。
鬱というより笑えるな、これ
154碇姉弟@中の人:04/07/20 03:29 ID:???
いやね、自分でもオカシイなーこれとは思ってるんだけれども_| ̄|○
あーこれほっぽり出していぬみみの続き書きてえ
いや、漏れは結末を楽しみにしてるよ。
がんがってください。
いぬみみと同時進行しる
157いぬみみ@息抜き:04/07/21 23:25 ID:???

 ベッドの上、四つんばいにさせてお尻をこちらに向けさせる。
 短めのワンピースは捲くれ、清楚で可愛らしい下着があられもなく晒される。
 その下着に包まれるように、それでいてその存在を誇示するような左右の膨らみ。
 肉感はお世辞にも良いといえないけれど、膨らみから内股を通る太腿への曲線美しく、
 瑞々しく張りのある白磁のような肌と相俟って、なんとも言えない色気がある。
「……綺麗、だ」
 感嘆。自然と台詞が口から零れ出る。
 羞恥からか、肌をうっすらと桃色に染め小刻みに震える綾波の身体と、
 不安からか、先ほどからしゅん、と垂れ、こちらも震える尻尾をを前に、
 嗜虐心が嫌がおうにも掻き立てられ、このまま僕の好きなように、本能の赴くまま滅茶苦茶にしてやりたいと思う。
 事実、そうしても彼女は何も嫌がることなく、されるがままにするだろう。
 何しろ今彼女は僕に”飼われている”のだから。
 どす黒い欲望。渇望。所望。
 ――けど、それは
「……いくらなんでも僕のキャラじゃないよなあ……」
「…………碇君?…………」
 脈絡の無い、この場の雰囲気にそぐわない僕の台詞を疑問に思ったのか、
 綾波が窺う疑問系のイントネーションで僕の名前を呼ぶ。
 その声が怯える子犬のそれと、初めてしたときのそれにとても似ていたから、
 一度萎んだ筈の黒い欲望がむくむくと大きくなるのを抑えられない。
 ニヤリ、と酷薄に口元を吊り上げて。
「コラ!」という台詞とともに、音があがるほどの力で綾波の右の尻を平手で叩いた。
158いぬみみ@息抜き:04/07/21 23:25 ID:???

「――きゃっ……!」
 行き成りの僕の怒声と痛みに驚いたのか、尻尾をビクン、と突っ張らせ、頓狂な声を上げる。
 四つんばいの姿勢を正す。そして、暫く何がおきたのか理解できないような表情をしていたが、
 僕がお尻を叩いたのだと気づくと、眉根を下げ、耳と口を尖らせ、睨む様な目遣い。
 おそらく腫れたであろう、右の尻を摩りながら不満を口にしようとする彼女を遮って、
 もう一度、先ほどより大きな声で怒鳴りつける。
「駄目じゃないか綾波! 今、綾波は犬なんだから人間の言葉を喋るのはルール違反だよ」
「――――っ!」
 ビクリ、と身と耳と尻尾を振るわせる綾波。
 目を丸くさせ、またもや何がおきたのか理解できないような表情をする。
 暫く、僕の台詞の意味することを理解したのか、綾波は僅かな逡巡ののち、
 耳と尻尾をしゅん、と垂らし、罰の悪そうな、羞恥に耐えるような何とも言えない顔で
「……わん」
 と呟いて、4つ脚でこちらまで移動して、まさに飼い主に甘える飼い犬のように。
 閉じられ、震える瞼と睫と、上気した顔。そっと手――前足を僕の肩に添え、僕の頬をペロ、と舐めた。
「――――っ」
 ぬめり、ざらり、とした感触。
 触れる舌と粘液は驚くほど熱く。ぞわり、と背筋が震え上がる。
「……ん……んぅ……」
 ぺろぺろ、れろれろ。一心不乱に舐め続ける。
 さすがにこのままでは……なので、勿体ないけれど、ゆっくりと綾波を引き離す。
 開けられた目は潤んでいて、頬はさらに上気している。吐く息は熱く、舌は出たままだ。
 しかし、耳は垂れたままで――艶やかで、不安そうで――破壊的に、可愛い。
「……よしよし……大丈夫だよ……綾波はいい娘だね……」
 我慢できず抱きしめる。
 左手を背中に、右手を頭に。優しく撫でてあげる。 
159いぬみみ@息抜き:04/07/21 23:34 ID:???

「……はぁ、ぁ……」
 気持ち良いのか、安心したのか、甘い声を漏らす綾波。
 見れば耳も尻尾も気持ちよさそうに揺れている。
 ……良かった。
 それにしても、細くて小さい僕の両手に収ってしまう綾波の身体。
 もう少し弱く叩けば良かった、と後悔。叩かない、という選択肢が出てこないのはこの際置いておく。
「ごめんね……吃驚したし痛かったでしょ? …………僕のこと嫌いになった?」
 僕の肩に乗せた頭をふるふると小さく横に振って否、とする綾波。
 と、綾波は僕の左手を取って、自分のお尻に導いた。
「…………どうかした?」
 何がしたいのかよくわからない。といった風に僕が尋ねると、綾波は不満まじりの声色で
「…………わぅん」
 と呟いた。
 ……あぁ、そうか。
「……ごめんね、やっぱり痛いよね」
 腫れてるであろう部分を刺激しないように、ゆっくり、細心の注意をはらって摩る。
「……んん、ん……はぁぁ……」
 漏れる甘い声と掌に感じる柔らかさは凶悪で、このままむにっと揉んでしまいたい欲望が湧き上がるが、
 まだ黒く染まっていない理性を総動員して押さえつける。 
「……んぁ……んん、んぁ……」
 さわさわ。すりすり。
 その間も手は優しく、丁寧に。
「……はあぁ……あん……あん、ぁぁ……」
 綾波の声に熱がましてきてるようだ。
 ……やば、そろそろ限界だ。
「――綾波……? その、そろそろ最初の続き、しよっか……?」
160碇姉弟&いぬみみ@中の人:04/07/21 23:35 ID:???
息抜きなんでここまで(;´Д`)
シンジがキチクなのは仕様です。
うーむ、普通、配役が逆だろう
某病院系18禁ゲームのアニメ思い出した俺はいますぐカレーパンで旅に出る
>161
そうか。俺はこっちの方が好きだ(*´Д`)'`ァ'`ァ
外人(AA略)
エロイのも良いんだけど
クソ甘ったるいのも是非キボンヌ
息抜きってことは碇姉弟って真剣に書いてるってことか?
伏字をはずしたらギャグになるとかじゃなく大マジなの?
167碇姉弟&いぬみみ@中の人:04/07/23 00:32 ID:???
フェラチーオとかレイの独白とかケンスケのとこはマジに書いてたりする。
あとはそのときの気分。行き当たりばったり。プロット? なんだそれ、喰えるのか? なノリで書いてる。
168碇姉弟&いぬみみ@中の人:04/07/23 00:41 ID:???
そういうわけでダークなのかエロなのかギャグなのか判別がつかない不思議作品になってます、非常に申し訳ない
どうでもいいから続きまだぁ!
釣りじゃなくて生粋の最低作家だったのか・・・
まあ、↑みたいな粘着がついてこそ一人前だw
でも、適当に書いたとこはカットしたほうがすっきりするぐらいだよな。
趣味が合わないときはスルー。
それが大人のやり方。

雰囲気悪くなるからな。
じゃあ、子供ならいいのかな
ぶっちゃけ、まとめて評価板にでも投稿してもらった方が読みやすいかな
>>173
子供ならなおさら。
座の空気をしらけさせることばかり上手くなっても得なことないよ。
どうでもいいから続きまだー?
>171-175は自作自演だな
こんな過疎スレでありえない
>>177
過疎板、過疎スレすら賑わう季節ではないか
アスカより綾波のが好きなんだが残念な事に
ネタスレもSSもLAS系のが遥かにおもしろいんだよなぁ…

LRSは厨臭いのが多すぎ、世のLRSの9割は最低系だし
自分の設定に酔ってる厨が書くのって大抵LRSなんだよなぁ…
なんでだろ? 人間じゃないって設定が厨を惹きつけるんだろうか?
LASスレに帰ったら?
わざわざつまらないものを読む必要もあるまいて。
自分がたりやレッテル張りも立派な厨だと思うけどね。
確かに180さんの言う通りだと思います。作品の批評を言うならまだしも、
作家の方のやる気を無くさせるような事をただ書くだけと言うのは酷評されて
も仕方が無いと思います。私もLRS派の人間ですが、ここの作品は結構期待して
います。作家方々頑張ってください。
最低系LRSもまた味わい深い
>>182
最低スレに(・∀・)カエレ!

>>181
いま使ってるのはひとりだけどね……
結局、使ってるのが低レベルな奴1人だから問題なんだよな…
今さら新規職人なんて期待できないし
いや、そーいう問題じゃねーだろ。っつーかそんなこと言うならてめえが書け
夏なのかどーもややこしいヤツが混じってるみたいだな。
本スレのほうに常駐してる荒らしがこっちに出張してきてるんだよ。
夏のせいではない。
しかし昔に比べて威勢のよい殴り込み減ったよなLRSスレ
粘着質で陰湿なのは増えたがな。
>>189
自己紹介ですか?w
おまえらはだまれ
続きまだぁ?
別に続きなんていらんだろ、スレ違いだし
最低SSは最低スレに投下してくれよ
またお約束が来たよ。やれやれだ。
最低スレは最低FFを発掘する為の基地。
最低FFを書いて発表する場所じゃねーぞ。
>>194
おまえのような奴をその昔、自治厨房とよんで、2chではひどく嫌われた
存在だったのだよ。

だが、今のおまえは違う。
なぜなら、誰からも相手にすらされないからだ。


悲しいかな、おまえのレスにレスをしてやれたのは俺だけ.... 俺はおまえ
がひどく哀れに感じたからだ。
         /レ'エ~~~~~~'⌒`ヽ、
        //● / , ,、 ヽ ヽヽ ト、
      /7O j_ノ_/ハHl、_j l lN
       〈7イ エ|/l/   `ヘノ} jrく)j  
     r‐ヶハl  c⌒r─ォ⌒c,ハヽ〉  わはー
     Y//,ハ>、j>l、_ノ.イレ1l レ′
        \l l//` ` ̄エ j l レ'
         _>′r。~。ヽ レ'エ
      (__ゝ、<ゞニア< |
           \`^^エ  l
              `ーr-、ノ
            し′
ttp://mypage.naver.co.jp/waha/jpg/026.jpg
荒らしがまた来てるのか。
もはや定期便、乙とでも言うしかないな。

少なく見積もっても俺とあと2.3人は続きを待ってる。
職人氏には是非とも完結まで持っていっていただきたい。
漏れも続き待ってるよ。いぬみみレイ(*´Д`)'`ァ'`ァ

>>197
荒しは最低スレいけよ
俺も…………わぅんに(;´Д`)ハァハァ
やはりレイは犬が相応しい。綾な犬小屋なんて名作もある支那。
ちなみにシンジはネコ。

とりあえずティッシュを置いとこう。

  _,,..i'"':,
  |\`、: i'、
  .\\`_',..-i
   .\|_,..-┘
>>199
いやこっちこられても困るんだが
夏だしこれくらい我慢しろ
シンジは犬だよ、どう見ても。
優しくされるとすぐなつくし。
何を考えているか分からないレイの方が猫に見えると思う。
いや、匂いフェチのレイは明らかに犬・・・と思ったけどシンジも匂いフェチだったなw
ネコ耳系の話にシンジが良く登場して子猫のごとく愛でられる作品をよく読んでたんで、シンジ=ネコ
のイメージがあたんだが、二匹とも犬でいいやw
きつねがいいな
>>200
一応もらっとく
でもちょっと微妙
    _, ,_   シュッ
 (;´д`)
 Σ⊂彡_,,..i'"': 
     |\`、: i'、
     \ \`_',..-i
        \|_,. .-┘
シチュなら文句なしで姉弟なんだがなー
でも犬のほうがエロ文としてまとまってるような気がするんだよな
206(゚∀゚)アヒャ:04/07/29 23:48 ID:???

 綾波が犬になってから穏やかに眠った夜は無い。
 それは今晩も同じで、ようやく深い眠りに入れそうになり、意
識が沈んでいくのを感じ始めた……その時。
 ぴちゃぴちゃ、と。
 何か、水音のような音を聞いた。

「ん――――――――」

 その音が酷く耳につく。
 浮上しかける意識はまだ微睡み、音から逃れようと身体が寝返
りをうつ。
 
 ……ちゃ……ぴちゃ……

 水音はとても近くから聞こえてくる。
 まだ微睡み。
 しかし、貪欲に眠りを求める意識は、
 
 ……ちゃ、ぁ……ん……、ふあ……

 水音の合間に聞こえる、甘い彼女の声で目覚めようとする。
207(゚∀゚)アヒャ:04/07/29 23:50 ID:???

 時刻は真夜中。
 暗い部屋に、窓から差し込む仄かな月光。
 淡い蒼光に照らされて、どこか幻想的な雰囲気を醸し出す部屋
の中。ベッドで眠る俺の股の下で、彼女は蒼銀の髪を乱れさせな
がら一心不乱に――

「――――――――!」

 その光景を見て、身体は芯に焼き鏝を入れられようように熱く
なっていく。
 腹を通って臍の下。脚の付け根、股に粘りつく粘液。
 まだ完全に覚醒していない全身において、そこだけがとても熱
い。
 思わず腰が退けそうになった。

 ……ぁ……わぅ……ん、ん……
 
 こんな時まで律儀に犬のように喋るのか。
 弾む吐息がかかり、更に熱くなる己を感じながらそんなことを
思う。
 飽きれながらも、その甘美な従順にを嬉しいと思い、同時に―
―とても、興奮する。
ヽ(゚Д゚)ノ   
  ( ヽ(゚A゚ )ノ('∀`(゚∀゚ )ノ
  | |ノ ノ└  )V  /
   「 「  「 「 「 「
なんだよこれだけかよ
くそがっ
AAのペ^スト分返せ
   ○○○
  ○ ・ω・ ○  モチモチ
   ○○○    
  .c(,_uuノ
   ○*.,.m  ハハ、モチモチウメー!!>
  ○ ・ω* :
   *;.○○.;.:;;,,    
  .c(,_uuノ :;;.;,.::;
     ,.,,:;:,.;;:.,
スレタイ通り落ち着いたところで
いぬみみまだぁ
いぬみみは戦った、そして勝った。
・匂いを嗅ぎまわる
・命令されるのが好き
・結構無駄に死ぬ

以上からレイは犬ということで宜しいか?
ちんこのにおいかがれたい
噛まれるぞ







いや、噛むんじゃなくてしゃぶるのか
・・ここはエロスレか?
>>217
そうよぉん♪
1人目の私が貰った初めてのキャンディー。
それは「ヴェルタースオリジナル」で、私は4才でした。
その味は甘くてクリーミーで、こんなに素晴らしいキャンディーをもらえる私は
きっと特別な存在なのだと感じました。
今では私も3人目。
碇くんにあげるのはもちろん「ヴェルタースオリジナル」。
なぜなら、彼もまた、特別な存在だからです。
”綾波が台所に立つなんて..."

「????これ、どれくらい入れたらいいのかしら?」
「綾波は、お茶入れたことないの?」
「ないわ」

人すくいお茶の葉を掬うレイ

「これくらい?」
「いや、多すぎると思うよ....」

ポットに手を掛けるがレイはやけどをしてしまう
「キャッ」
「大丈夫?ほら、こうして水に当てておくと良いよ」
「あ、ありがとう」

無事にお茶はいれられた

「碇君ってお茶いれるの上手ね」
「そうかな」
「きれいな黒」
「??黒いね....(なんだこれ)」

ズズッとお茶をすする二人
「「(まずーーーー)」」
「でも、あ、あた、たかいわ」
「でもまずいね」「うん」

そこには、ドクダミ茶の缶がただただ転がっていた
なごんだ
>>220
(・∀・)イイ!!まったり(・∀・)イイ!!
そういうのをもっと!
>>219-220
(・∀・)イイ!!
レイたんがほっぺたあかくして、夜這いかけるSSきぼんう
225即興妄想:04/08/20 04:45 ID:???
「うーん・・」
嫌がらせの様な湿度を持った暑さに、なかなか寝付けなかったシンジは
床に入ってから何度目かの寝返りを打った。
どうせ眠れないのなら、と無理に閉じていた目を開ける。
何一つ光源の無い部屋。窓から差す月光が、シンジの目に殺風景な部屋を映す。
ふとドアに目をやったシンジは違和感を覚えた。
(・・・人?誰かいるの?)
ドアの前に立つ細い影。
「・・・アスカ?」
予測しえない事態に、同居人の名を呼んでみる。
しかし、意外な、だが良く聞き覚えのある声がシンジの問いを否定した。
「セカンドチルドレンは、こうして貴方の部屋に夜忍び込んだりするの?」
「あ、綾波!?」
ここに居るはずの無い人物の返事に、シンジが悲鳴にも似た声をあげる。
「起こしてしまってごめんなさい」
「い、いや…どうせ眠れなかったし…それより、綾波がなんで此処に?」
この異常な事態の状況を掴もうと、質問すると、綾波はシンジにそっと歩み寄った。
「・・・・仕返し」
226即興妄想:04/08/20 04:58 ID:???
「し、仕返し?」
思いがけない言葉に素っ頓狂な声をあげるシンジ。
「そう、仕返し。私がシャワーを浴びてる間に、部屋に入った事があったでしょう?」
あの時の映像がシンジの目の奥に甦る。
タオル一枚の綾波。接近。掴み合い。転倒。触れてしまった胸の柔らかさ。
「あっ、あの時はごめん!」
赤面して謝るシンジに掛けた綾波の声は優しかった。
「良いの。こうして仕返ししてるから」
綾波はシンジのベッドの横に立ち、続ける。
「あの時、貴方がした事を私もしたいの」
月の光に照らされた彼女の頬は赤く染まっていた。
「した事って……」
呆気にとられるシンジの言葉に答えず、彼女はベッドに倒れ込んだ。
「え、ちょっと、あ、あやな…」
慌てるシンジの唇を人差し指で軽く抑え
「あの時、私は何も着てなかった」
そう言うと、彼女はシンジのTシャツをあっさりと脱がせてしまった。
227即興妄想:04/08/20 05:09 ID:???
シンジの上に馬乗りになり
「私の胸…触ったものね」
と言い、シンジの胸に手を置く。
シンジの鼓動が伝わる。まるで早鐘の様な鼓動。
「あの時…私がどいてと言っていなかったら、貴方はどうしてたかしら」
シンジの胸に顔を寄せる
「こうしてた?碇君」
シンジの乳首を舌先で優しく突く。
「ひゃっ」
たまらず切ない声を漏らすシンジを愛おしく見つめ
「こうしてたかもしれないわね」
そう言うと、彼女は舌先で愛でていたそれを、口に含んだ。
「あっ…うぅん…綾波…やめてよ」
やっと絞り出したかのようなシンジの声に、彼女は口元を歪ませる。
「やめてほしいの?でも…私のお尻に当たってる物はやめてほしいなんて言ってないわ」

もう寝ますw
続きを・・・(;´Д`)ハァハァ
>227
そんな殺生な(;´д`)
230224:04/08/20 13:41 ID:???
って本当に書いてくれたのか(;´Д`)
231(゚∀゚)アヒャ:04/08/20 15:07 ID:???
 目が覚めたのはいつものように日が上りきった、時間で言うなれば1時頃だった。
 砂浜に寝そべっていた体をのそっと起き上がらせ、いつものように海の水で顔を
洗い、同じようにして口をゆすいでシャツの腹の部分で拭く。 
 舌先に僅かに残るそれは海水なのにしょっぱくない。当たり前だ。この水は海水
でなく――LCL。そしてLCLには地球の皆が溶けている。生命のスープみたいなも
のよ。と誰かが言っていたような気がするが、それが誰なのかはとっくに忘れてし
まった。思い出そうとも思わない。
 ということは僕は人間の出汁で口をゆすいでいるんだな。などとしょうもないこと
を考える余裕などあるはずも無く。ただ無気力に頭を軽くニ三度振って深呼吸。完
全に目が覚めたところで空を見る。
 
 そこにあるのは、もうずっと昔、やたらずぼらな女の人と一緒に住んでいた頃。
友人たちと登校しながら見上げたビルの輪郭に薄く切り取られた空ではなく、何に
も遮られること無く、ただ、悲しいくらいにどこまでも広がっている赤い、赤い空。
 
 暫く空を眺めた後「綺麗だな」などと柄にもないことを呟いて、今度は遥か海の
向こう、横たわる白い巨大な顔に視線を向ける。

「おはよう、綾波」

 ぽつりとそう呟いて暫く瞑目する。誰から返事があるわけでもない。いつのまに
か身に付いた習慣だった。
 目を開いたあと、砂間に寝そべってまた眠ることにする。返事は無いし腹も減ら
ない。やることもない。……それに

「夢の中なら君に会えるしね」
 
 そういうこと。
232帰ってきた即興妄想:04/08/20 21:57 ID:???
「ご、ごめん」
「謝る必要は無いわ。私が貴方のペニスの上に座っているんだから」
身体を捩り、彼女の尻に押しつつけられているペニスをずらそうとするシンジ。
「ん…碇君のが擦れて…」
彼女は切なそうに目を閉じ、身を反らす。
「あ、ごめ…」
またも反射的に軽々しくも謝罪の言葉を吐こうとするシンジの唇を彼女が塞いだ。
シンジの唇を押し広げ侵入する柔らかい舌。
そのとろけるような感覚に思考する力を奪われるシンジ。
アスカとのキスとは全く違う、性行為としてのキス。
舌と共に侵入してくる彼女の唾液が、媚薬のように作用し
ずぶずぶと快楽の淵に沈んで行くような錯覚を覚える。
その感覚に身を委ねようと、全身の力を抜いたシンジの唇から
ふっと、彼女は口を離し、ベッドを降りる。
彼女はそのまま背を向け、ドアに手を掛ける。
「これで仕返しは済んだわ。でも少しやりすぎてしまったわ」
背を向けたままの彼女。夢でも見ているかのように呆然したままのシンジ。
「碇君。貴方がいつか、今日の仕返しに来るのを待ってるわ」
そう言い残し彼女は真っ暗な廊下に消えていった。


なんか気がかりだったので一応完結させました。
おわってないでしょ?
おわってないよねー
おわったなんて言わせない
わたし、いまあなたのへやの外にいるの
234LRS?:04/08/23 18:23 ID:???
 ここ数日、彼は妙な夢ばかり見ていた。
 どんな具合に妙かと言えば、つまりアレでソレでコレな夢なのである。
 若いのだからそんなものかもしれない、とは言え、それが毎日のように続けば不安にもなるし、何より彼女と目を合わせるたびに思い出してしまうのが困る。
「碇君?」
 と、少し不安げに見つめてくる彼女の顔を真っ直ぐ見る事も出来ない。
 いや、こんな二人きりの状態でそんな事になったら──。
「ごめん、綾波!」
 膨れ上がった自分の妄想に堪え切れなくなって、彼は本部の通路を走り去った。
 独り残された彼女はちょっとだけ不満気な顔で彼の背中を見ていたが、彼の姿が視界から消えると、満足そうな笑みを浮かべてその場を後にした。

「……という訳なんです」
「ふむ……まあ、あなた位の年頃には良くある事ね」
 と、彼の勇気を振り絞った告白をリツコはさらりと流した。
「睡眠薬でも処方しておく?
 夢見までは無理だけれど、ぐっすり眠れるようにはなるわよ?」
「いえ……いいです」
 とぼとぼと部屋を出て行く少年。
「ごめんなさいシンジ君。私にはどうする事も出来ないわ」
 リツコは独り呟く。
 睡眠薬はとっくに処方してあった。
 彼が途中で目を覚まさないように。
235LRS?:04/08/23 18:26 ID:???
 今日も彼は安眠の友、ウォークマンを抱えて床についていた。
 眠り、また同じ夢を見る事に些かの不安はあったが、もとより純真な青少年が困惑しているだけの話、睡魔を押し殺すほどの事ではない。
 何より、クーラーの送風口から静かに流し込まれた赤木印のガスが彼を深い眠りに誘っていた。
 夜半、寝静まった彼の部屋に、かららっ、と施錠されている筈のガラス戸を開けて入ってくる人影があった。
 それが件の彼女──上の階から階段状のバルコニーを降りて来た綾波レイであることを知る者は、ナイフと対物ライフルと、どっからどう見ても偽造された総司令の命令書を突きつけられて口留めされた諜報部の皆さんのみである。
「はふぅ……」
 と、何やら綾しい声を出しつつ、彼の寝顔に三十分ほど魅入った後、彼女は仕事に取り掛かった。
 拳銃の弾倉やら小型のガスバーナーやら、これでもかとばかりに怪しい物が詰め込まれたバッグの底をがさがさと漁って、ラベルにハートマークのついたS-DATのカセットを一つ引っ張り出し、彼のウォークマンに入っていたクラシックのテープと取り替えて再生する。
 静かな月夜であった。時折、彼のイヤホンの透間から『ぁぁん……』だの『碇くん……』だの、そこはかとなく綾しい音が漏れ聞こえて来るのを確認しつつ、彼女はベッドの端に背を預けて、彼と同じ空気を吸っている事に満たされながら短い眠りについた。
 明け方近く。
 目覚めた彼女はカセットを元に戻して、来た時と同じように撤収した。
 何時の間にか空を薄く被っていた雲が、静かな雨を降らせ始めていた。

「あれ? シンちゃん、こんな日に洗濯?」
「ええ、毎日やらないと溜まっちゃいますから」
 少年は精一杯の愛想笑いで答えた。
「そ、そう?」
 内心、耳が痛いのですごすごと退散していくミサト。
 そんな彼女の心境はつゆとも知らず、少年はぼんやりと回る洗濯機を眺め、
 ボソリと呟いた。
「最低だ……俺って」
>>235
「綾しい」というのがなんか良いですな。
レイにはストーカー的愛情がよく似合う…r私見だがな
(・∀・)イイ!!とても(・∀・)イイ!!よ。
続きを(;´Д`)ハァハァ
(・∀・)
∀・)
・)
)

ァハァ
`)ハァハァ
Д`)ハァハァ
(;´Д`)ハァハァ

  盛  り  上  が  っ  て  参  り  ま  し  た  !


(;´Д`)スバラスィ ...ハァハァ
241名無しが氏んでも代わりはいるもの:04/08/26 20:51 ID:jZ0bt/Vj
チン☆⌒ 凵\(\・∀・) つづきまだぁ?
(;´Д`)ハァハァ
期待age
ぶっちゃけ、エロだったら何でもいいんだよな
そんなことないぞ・・・


期待。
>>219 ワラタ
247名無しが氏んでも代わりはいるもの:04/08/30 19:30 ID:SwubGcGl


           '⌒⌒ヽ
         ′从 从)
         ヽゝ゚ ‐゚ν  < ダメ、他人に裸を見せてはいけない。
          ゝ`-ゥ )
        く,,,`て.イ 彡サッ
         i_厂\),

hage
249名無しが氏んでも代わりはいるもの:04/09/02 23:30 ID:q6gVEW23
レイが血を流さない女ってのが凄くLRS的には痛いな。
いくらシンジの愛情を注いでもらっても、実りがないというのが。

この設定さえなければ、もっとLRSは隆盛したと思わん?
たとえユイママソのクローンという設定は変わらなかったとしてもさ。
だが、そこが良い
女神と人との交合は新たな世界を産み出したのだ
人と女神の恋に創世神話ですな。
ロマンティックかつ壮大なお話で結構なことではないですかw
悲恋の気配も濃厚ですがw
他のカプには無いアドバンテージでもありますな。
252sage:04/09/03 00:05 ID:???
寸止メはツライよママンッ(;´Д`)
フルコンタクトに入りなおせ。
羽衣伝説とか蛇女房とか、とかく異種婚姻譚ってやつは悲劇が多いからな。
その上、近親相姦で人造人間か……もう完璧? OTL
さらに主人公の父親と怪しい関係だしね。俺らLRS人はマゾだな。
だが、そこが良いw

各要素の配合具合をテイスティングするのもLRSの楽しみ方。
例えば昼メロ暗黒路線が楽しい荒地エヴァなんかでも、なにもかも暗黒LRSじゃないんだよね。
実は異種婚姻譚分は濃厚でも近親相姦分はかなり薄かったりするしな。
今更ながら逆行物を始めたらしい
リンクにアダルトサイトがあるから営業目的かな?
ttp://www.mof.ne.jp/~story/index.shtml
綾波展のBBSで発見したので、一応

漏れ的にはリンクにアダルトサイト入れるぐらいなので
18禁物を今後に期待

皆で萌えもの書けってメール送ってみるか?
>>257
メール送るならついでに「白地に黄色い文字はご勘弁」と書いておいて欲しい…
物凄い配色じゃのう。作品は発表したいけど読んで欲しくないとかw
あと、FF紹介はスレ違いかと・・・
260257:04/09/03 15:01 ID:???
>>258
メール送ってみたw
「すみません、考えます」って帰ってきたw

>>259
スレ違いか、そだな小説を投下するスレだった。すまん
>>257
本当にメールを送ったという勇気ある行動は賞賛に値する。
一スレ功労者>257氏に敬礼!
ジーク・ハイル!
さあ、こい!age
「綾波は人だよ」
「…碇君………ポッ」
綾波は人間じゃない使徒だよ。
僕たちの敵なんだよ?うわぁ気持ち悪いなぁ
その辺でシンちゃんが思い悩む話を書こうと思ったのだが、
どこをどう捻っても俺の頭の中では「つーか、人間じゃなくても別に不都合無いじゃん?」とゆー結論に至ってしまう(汗)
俺の脳味噌と対人関係はよっぽどいい加減に出来ているらしい。
>>263
Σd(・∀・)グッジョブ!
>>264
ъ( ゚ー^)グッジョブ!!
別に良いんじゃない。俺も人間じゃなくていいと思ってるし。
むしろ人間じゃないほうが萌えるw
安易に人間だなんて言わないほうがイイ!
一緒に悩んだけるしんちゃん萌え
>>265
本編もそんな感じだったからなw

1思い悩んで避け続ける
2恐怖のあまり拒絶して男に走る
3うやむやのうちに和解、後はどーでもいいやw

265はシンジきゅん思考をトーレースしてしまったわけだ。
レイのボディ自体はただの人間だろ?
ただのクローン人間なら普通に一人一人に自我が芽生えます
レイは使徒もどき
人間じゃないからレイを恐れたってのが一般的な解釈みたいだけど、それだと、EOEでそこにいたんだねカヲル君(台詞うろ覚え)
なんて使徒だとわかっているカヲルにいわないと思うんだけどなあ。
そもそもクローンも人間なわけだから、ぷかレイを見たからといってレイ≠人間だと考えてはいなかったと思うのだけれど。
シンジが恐れたのは綾波レイの姿をした知らない人なんでないの?
二人目レイと親しかっただけに同じ姿をした別人(シンジからみて)に拒絶されるのが怖かったんじゃないのかな。




EOEのは、いろいろあって心神喪失状態のところに
普通じゃねえと思ってたレイがいきなり巨大化して現れたから
完全に心を壊して狂を発してしまったと。
で、そこに、かってい一番心を許した(そして自分の手で殺してしまった)かヲルの姿が
現れたので赤子のように心も体もその似姿に委ねてしまったと。

それに仮にレイをただのクローン人間として解釈しても、その異質さに恐怖や戸惑いを
憶えてしまっても何の不思議は無いと思うぞ。

俺なんか肩書きだけでも結構怖い、政治家とかヤクザとか三国人とか・・・
でも迫害や虐待は受けるだろうな
同じ人間でも異状や異質があると差別だったり迫害があるからな
どっかの人権団体見方につけないと
そうすると今度は逝き神様に祭り上げられる悪寒。
>273
シンジにとってのカヲルはたった一人、使徒で、なおかつ自分を好きといってくれた友達。
でもレイは複数。自分と一緒に戦い、自分を守って死んだ綾波レイと
その抜け殻を再利用したよくわからない存在の綾波レイ。
仮に中盤辺りで(綾波は二人目のまま)シンジに知られてしまったらどうなるんだろうか?
そういうFFなら捜せばいくらでもあるだろう。
アニメシンジならマジで拒絶しそうでいや。
まあ、実際に拒絶しとるけどな。
でも気合とタイミングともう少し緊密な人間関係の構築で何とかなると思うよ。
現に映画でも理解しあえたわけだし。(無理やり融合してだがw)
あれを理解しあえたと言えるのだろうか?
シンジに気合や親密な人間関係を求めるのも無理。
そのへんがLRS最大の壁であり、作家の力量が問われる所。
なんか妙に男&大人なシンジや安易な逆行物ばかり。
スパシンじゃなくても、LRSシンジってみんな王子様っぽいね。
王子様シンジくらいの度量が無いとなかなか……
荒れ地のシンジくらい逝っちゃっていれば、それはそれで良し
>>281
レイを想定してカキコしてたんだがw
カヲルの例もあるし、気合とタイミング次第では使徒娘だってシンジに受け入れられるさ。
きっと、ほんの少しの勇気や偶然や気まぐれで変化すると思うよ。
シンジから関係を作るって難しいね
消極的なところあるから
基本が「僕を受け入れてよ、愛してよ! ・・・でも自分からは何もしたくない。怖いし」
というスタンスだったしな。
そんなの女から見りゃ「じゃ知ったことか」なんだが、それだと話が終わる。
ついでに言えば、こんなヘタレの権化みたいなの、やっぱり書きたくない。
百歩譲って性格がジャンならまだいいんだけど。
シンジの(レイも)その駄目人間っぷりが共感を呼ぶし、愛しくもあるんだけどな、
彼らがお互いに、どこか惹かれるところがあったのも「性格が良い」からってわけでもなかろ。

作者がキャラの性格が嫌いだから性格を書き換えるっていうのも、FFの執筆理由としてはありなんだろうけど
やりすぎると興ざめだし、王子様シンジとかスカシンとかと呼びたくなる違和感にもつながるわな、

まあ、そういうのが好きな読者層も必ずいるんだろうけど。
シンジは駄目人間だけど、綾波は駄目じゃないよ
自己の希薄な人形で短気で空気読めないイタイ女で献身的というより自己破壊願望の権化で・・・
って多分、シンジと同じぐらいの駄目人間っぷりだと思うが。

まあ、チルドレン達はお互い鏡像関係な駄目人間だけどな。でも、そこが良いと思われ。
それこそ信義に厚くて熱血漢でフェミニストで勇気があって絶望を知らず武術を修めたスーパーヒーローばかりだった
当時のスーパーロボット物パイロットと正反対の一般人性格のパイロットだったからこそ
あれだけの話題になったということもあるんだろうな。
ガンダムのアムロやカミーユもまあ、駄目なところはあったが、一応自立する勇気はあったし。
そういやカミーユ、フォウのカプはグッと来ますな。
ホンコンシティーのあたりのエピソードは特に(;´Д`)ハァハァ
どうやら漏れは、駄目人間ヒーローと母性と儚さを兼ね備えたヒロインのカプで
ちょっと悲恋気味にすると思わず食いついてしまうようだ。
エヴァに出てくる奴は全員人間臭いよママン
もっとこうスカーッ!としてても良いんじゃないかと
特にシンジとかシンジとかシ(ry
トップでもみてれば?
投下はやくぅ
>257
私もメール送ったよ(笑)。そしたら直後に文字色が黄色からオレンジになって大分読みやすく。
何件か同様のメールがあったものと推察される。
にしても配色に無理があるような。
案外800×600辺りのディスプレイで見てて、背景が切れてる事に気付いて無かったりして。
……背景がわざわざ右下に寄せてあるからそんな事は無いか?
普通に底辺系の作品だと思うけどな。
なんで、そんなにこだわってんの?
つーか、おまえらスレ違いだ。
そういうことは他のスレで語れよ。
最低スレで語るにはハッチャケ度が足りないのう。
ドッカ−ンなんてハイセンスな擬音を使ってくれてるのは美味しいんだが。

大人に悪態をつきたくてウズウズしてるがために、自分の行動の怪しさや言動の矛盾に気がつかないシンジとか
いきなりの念話に心を開いてしまうレイとかがでてくるとLRS系スレで話題にするのも嫌になるんだがな。

・・・語らんかスレぐらい?
>>298
当初は物凄い色の使い方だったのよw
それは兎も角、個人的には背景は格好良いと思う


まあ評価できる所と言えば……
使徒全員擬人化に挑戦して完結してる所くらいか。
それも書き込みが足らんので使徒のキャラが立ってない。
ベタベタの割にはLRS分も薄いし。
ここで敢えてLRS(ライダーX士郎)SSを投下しようかと思案してみるテスト
保守しとこ
>>303
板違いはさすがにどうかと。

ベタではあるけど、どうせやるならリツコ×シンジでしょ。(笑

でも、今あるLRS関連スレのタイトルが、Rをリツコに見立てても、違和感なさ気に
見えるのは俺だけだろうか?(苦笑
碇姉弟カムバックキボン
307姉弟の人:04/09/24 02:43:13 ID:???
今Fateの二次やってるからムリポ('A`)
せめてマリみてだったら・・・_| ̄|○
一生戻ってこなくていいよ。
好意的レスをつける住人が2〜4人しかいなくて粘着アンチまで憑くとなると
続きを書く気もということか・・・Fateとやらは反響が大きいのかねえ?
国王やその他多くの人がFateに流れていったよね
Fateとやらさえ無ければヽ(`Д´)ノウワァァァン!!
こうなったら俺もFateをプレイするしか・・・
俺もフェイト物を書いてみたいが、もうウン年繰り返し見まくって、FFも読んで、書いてもいるのに
いまだレイとかどう動かしたら良いか分からないもんだから手控えてる。
きっとアスカもどきのFateキャラとか、シンジもどきのFateキャラなんてみたいに、無様なことになる
んだろうなと思ってな。
フェムト物からはじめると良いんじゃないかな。
315姉弟の人:04/09/26 12:54:09 ID:???
反響はまーまー。
サイト開いて二ヶ月で5〜6万打くらいかしら。
姉弟とは全然違うキャラ萌えばかり書いてるわ。
ここの読者が推定で3人とアンチ1人にROM係数X10で約40人か・・・
そりゃ6万ヒット優先ですかいのう。
heid?
318萌える名無し画像 :04/09/28 02:37:11 ID:???
まだ国王は我々を見捨ててはいない。
つーか、こんな過疎スレで自演すんなよw
ほす
>>281
さすがに万能の王子様だの無敵の傭兵だのになれるとは思わないが、
あれくらいの年頃の餓鬼は、結構ちょっとしたことで性格が変わることもしばしば。
ある意味で14で社会に放り出されたんだし、ちょっと何かが変わるだけで性格が激変することもありうる。
個人的な話であれだが、うちの兄貴はもともとものすごく臆病&怠惰な人だったんだが
中学に入って親友と彼女ができたとたん真面目な熱血スポーツマンに変化してしまった。
一ヶ月も亀レスかよ
木星から送信したんだよ
ワレワレハウチュウジンダ
木星は行き来に3年かかる。
久しぶりにLRSに浸りたくなったのでいろいろ検索しよう
なんとなくSSスレで1000いくのはやだな。
みんなで500kb目指して投下しよーよ。
意味わかんねーよ
>>328
スレの容量が500kbになると書き込みできなくなる。
つまり1レスあたりの書き込み容量が0.5kb以上なら
1000まで行かずに書き込めなくなってしまう。

普通SSは容量が大きくなるので、SSの割合が多いと
容量が大きくなって500kbでストップする。

逆にSSの割合が少なくて雑談や保守ばかりだと1000まで行く。
330名無しが氏んでも代わりはいるもの:04/10/10 20:58:30 ID:oR83SATP
投下してくれーーー
>>329
スマン。ただの誤爆だ ( ´∀`)
332萌える名無し画像 :04/10/11 03:07:21 ID:???
君には失望したよ
>>331
君には失望した
ほしゅ
335名無しが氏んでも代わりはいるもの:04/10/17 20:20:14 ID:+ZtIKFyG
ageちゃうよん
先輩とライダーはなにやら肩を寄せ合って二人で一冊の雑誌を読んでいる。
何か気になる記事でもあったのか、ライダーは表情を輝かせ、しきりに先輩
に声をかけて先輩はそれに――どうして、そんなに嬉しそうな顔で答えてい
るんですか。 
>>336
誤爆か?(--;;
ライダーとシロウなら一応LRSだな
339名無しが氏んでも代わりはいるもの:04/11/16 22:41:35 ID:yfRMlgk+
まだ早いかもしれないけど、見れなくなりそうなんで上げます。
一本くらい書いてみようかな・・・
書いてみようかと思うんだけど、いいですか?
文才ないからヘタレだと思うが…
練習のつもりで気軽に行こう。
どうせ過疎スレだしな。
342hosyu:04/11/20 20:10:36 ID:???
hajimetenokotoba
343れい:04/11/20 21:15:38 ID:???
はやくかけぼけ
 零号機の自爆によってレイを失った悲しみがシンジを覆い尽くしていた。
 ミサトを拒絶し、自室に閉じ籠もる。
 だが、翌朝、ミサトに掛かってきた一本の電話が状況を変えた。

「シンジ君!」

 そう大声を上げながら、ミサトはシンジの部屋に入ってきた。
 ほとんど寝ていないなシンジは虚ろな目で顔を上げた。

「なんですか?」
「急いで逃げるわよ」
「へっ?」

 と、その時、地震のように部屋全体が大きく揺れた。

「ちっ、気付かれたわ」

 と、ミサトは舌打ちをして、ベランダへ向かって走っていった。
 シンジも彼女の後を追う。
 そして、二人が見たものは。

「あ、あ、あ、あやなみ」

『碇君』

 と、鼓膜が破れるような大音声。
 そこには、全長100mはあろうかという白い巨人が立っていた。
 しかも、レイの顔で。付け加えるなら、まっ裸であることも。
 にゅーっと、白い巨人の手が伸びる。そして、シンジを掴み上げた。

「ミサトさーん、助けてー」
>>344
やめれw
む、なぜ止める?
俺的には続きが読みたいとこなのだが
>>346は24時間体制でレスつくの待ってた作者(プ
まあ例によってLRSの感想はつかないわけだが。
感想をつけたくなるような作品にはつけてる。
ジャンルはギャグなのか?マジモンなのか?
いずれにせよ「ミサトさーん、助けてー」はインパクトが足らないぞ。
どうせならEOEみたいに
「?hわああああああああああああああああああああああああ!!!
 ひゃああああああああああ!!!?hぁああああああ」
の方がらしいと個人的に思う。

まあでも続き読みたい。投下してみてくれ。
作者必死wwww
変なのが居ついたな。
昔からだ。
LRS系スレが機能してること自体が許せないらしい。
また自演か……
んぢゃあ、変なのが居付いてるってのも込みで、スルーしながら進めるしかないな。
LAS系スレみたいに人数が多いと、勢いで正常化できるんだけどね。
こっちは人数少ないんで、空気が悪くなるとそのままだからな。
職人氏には肯定または中立のレスの数と内容だけで反響を判断してもらいたい。

無理にこんなスレ使う必要無いというのも、また真理だけどね。
LRS系のスレが無いと、それはそれで寂しいしな。
底意地の悪いカキコと頭の悪そうなカキコでスレが埋まってるのを見てると
LRS系スレなんぞ全部無くなってしまえという気にもなるがな。

まあ、それを狙ってる奴が本当にいそうなのが嫌なんだが。
句読点に特徴あるから自演バレバレなんですけど?
お前もな
>>360
ちょっと待ってよ。
2ちゃんなのにその言い方はないでしょ。
↑のほうを見るにAA職人っぽな住人もいるはず。
適当なAAを貼ってくれるんじゃないかな。
お前”も”な

>360が自白しますた。
どうでもいいから、LRSを投下しろ。ここはそのためのスレだ。
ここじゃなくて評価板や他の投稿サイトいけよ
>>365
仕切ってんじゃねぇよ カス
他所いったら自演できなくなるからなぁ
テコでも動かんよw
逃げちゃだめだ!
>>365
じゃあ、このスレは何をするところなの?
あなたは何がしたいの?
LHSを書きたいと思った……そのときの気持ちは、本当だと思うから……

       / ̄ ̄ヽ     / ̄ ̄ヽ
       l i'´~`ヽ|   l /~`ヽ |
       ヽ.\  ,レ-――-'<、 _ノ /
         `‐/_____\- '         人_ト、__ノ、_,ヘノ\_ノヽノ、
          / ,-、      ,-、 ヾ、       人/                \__
           l  ,..、       ,..、  l     _ノ
     __l  i 0} ,.●、 !0 i  l__  _)
  / ̄| | . |  `~ /___\`~´   |  | __ノ  LHSなど絶対に許さんぞ虫ケラども!!!!!!!
/     | | |l    ‘-イ !_|_!`r’     !|  | ノ
\\   | |. |`、   r{     h   ,/リ <    じわじわとなぶり殺しにしてくれる!!!!!!!
  \\.| |   ヾ\ ヽ二ニ二.ノ  /〃 |  )
、   \ノ^,ニ‐-ァ  ̄`ー-----一´ ̄/  | ^ヽ
\  // ,/⌒i、_\\_____//  .|  |  ⌒)
   {   i   |  iヽ`ー-----― '    |  |    ̄ヽヘ/⌒ヽ/\i'\へ/⌒Yヽ'^
    i          }         _|  |
>>369
だってここに投稿しても叩かれるだけじゃん
まだ評価板のほうがまし
「だけ」ってことはないぞ。
自演しなきゃ叩かれないよ
まぁ、人を煽って楽しみたがるアレな粘着をスルーする心構えはいるな。
2ちゃんねるならどこででも必要なことだけど。
自覚的な粘着じゃなくて、単に可愛そうな頭のナニの可能性もあるか。
ジャスとかみたいな、某CQスレで観察される類。
>>376-377
いきなり自己紹介されても困るんだが……
375自演おつ
>>373
じゃあ、余所に投稿したらヤバイような物をここに投下すればいいんだね
375じゃないけどおk。待ってるよ。
エロ、グロでも何でも来いや
/ 箱根の山間を行く電車の車内。

 来い。
 と、汚い字で一言だけ書かれたものが手紙と呼べるかどうかは判らないけれど、僕は
父さんから三年ぶりに届いたその手紙にしたがって、第三新東京市へと向う電車に乗っ
ている。

 「はぁ」
 
 と、盛大な溜息をつく。SDATに入れたラフマニノフはもう何回も何回も聞いて、飽きてしま
っていた。いや、別に退屈だからって溜息をついたっていうわけじゃない。なんで僕はずっと
ほったらかしにされていたのにこうやってノコノコ父さんに会いに行っているのか、その理由
が自分でも判らなかった。
 ふわ、と一つあくびをして、あたりを見回す。
 乗客は僕以外誰も居ない。見かけは古いけれど、クーラーがきいていて涼しい。この列車
はいつもこんなに伽藍としているのかなぁ、と考えて、直ぐにどうでもよくなってやめた。
 窓から差し込む陽光がぽかぽかと気持ち良い。腕時計に目をやると、目的地まではあと三
十分くらいで到着するという時刻だった。眠るには短い時間。
 さて、どうしたものかと思案していると、突然。

「……、うわっ!」
 
 ガタン、と車体が揺れて、甲高いブレーキ音。慣性の法則よろしく向かいのシートに頭をぶ
つけて、ソレと同時に電車が停止した。
「な、なんなんだ……?」

 身を起こして、とにかく窓から外を見る。するとそこには、先ほどとまったく変らない長閑な
箱根の山々に、何という名前かは判らないけれど、綺麗な湖。ばさばさと飛んで行く鳥達。

「どうしよう」
 
 こういうときは普通車掌さんか来てくれるのだろうけれど、生憎この列車は自動運転だった
のを出発前に先頭の車両を見て知っている。いや、そんなことよりきちんとダイヤ整理されて
いる電車が止まるなんて大事だ。何か事故があったに違いない。けど、僕はどうしようもない。

「……」

 そのままシートに座りなおす。自分の無力を悲しいとは思わない。僕はいらない子だから。
 イヤホンをして、今の衝撃で停止になってしまっていたSDATの再生のスウィッチを入れる。
 けれど、僕の耳に入ってきたのはラフマニノフの澄んだピアノの音色ではなく、

『非常事態発令、非常事態発令』
「うっ……!」

 耳をつんざくような大音量の警告音と、非常事態を知らせる緊急アナウンスだった。
『住民の皆さんは直ちに指定のシェルターに非難してください――――』

 繰り返されるアナウンス。ソレを聞いて、僕は軽いパニックになった。
 やっぱり何か起きたんだ。
 事故、それよりシェルターってどこだろう、早く逃げないと。でも、どうやって。何処に。

「なんなんだ、なんなんだよ……」

 こんなことなら来るんじゃなかった。どうしようもない毒をついて、僕はスポーツバッグを肩にか
けた。ここにいてもどうしようもない、とりあえず電車の外に出よう。
 それは、僕にしてみれば凄く大胆で積極的な決断だった。
 なのに、

「――――え?」

 電車の窓から見えた光景は、そんな僕の決断なんか吹いて消して飛ばすくらいのインパクトを
持った、衝撃的なものだった。

「きょ、巨大ロボット……!?」

 山間からぬっと現れ出た、二体の巨人。
 金属的なフォルムをし、体の真ん中に変なお面みたいなのを付けた人型と、丸い頭部に、肩から
角を生やした青色のスマートな人型。そして、あろうことかその二体の巨人は、

 ――――ガギンッ!

 鋭い動作で繰り出される青色の巨人の右拳。それを受けてバランスを崩す金属質な巨人。
 格闘戦を、繰り広げだした。
気まぐれで企画書エヴァの冒頭なんか書いてみたり。
こんなのシンジじゃねぇ_| ̄|○サヨナラ
えっと、俺は380じゃないよ
>>375が書く前に、自演乙。
まあ、お約束で。
これは珍しい題材ですのう。
中途半端に積極的なところが、なんとなく漫画版シンジを思い起こさせてくれますな。

LRSの気配がするとこまで続く?
>>388
お前以外の人は自演とかしないから
余計な事しないほうがいいよ

キチガイには言っても無駄だろうけど・・・
>>390
375おつ
HDDに溜まっているゴミ文をどんどん投下すればいいじゃない
>>69
 カヲル君が本部に来てから3日がすぎた。僕は、毎日、変わらずに行われるシンクロ
テストに明け暮れるしかなかった。テストが終わっても家には帰りたくなかった。誰もい
ない家の中は寂しくて、怖くて。あの後から、ミサトさんの雰囲気は変わってしまい、家に
戻らず本部に籠もりっぱなし。だから、僕はここにいるのだろう。
「どうかな? しょっぱくない?」
 里芋の煮っ転がしを口に頬張っている綾波に、僕は自信のない声で訊いた。
 綾波は少し小首をかしげていたけど、
「おいしい」
 と、短く答えた。僕はそれに安心とうれしさを感じながら、自分もご飯を食べ始めた。
 その後、食事が終わり、綾波と一緒に焙じ茶を飲んでいたら、
「碇君。どうして、私に会いに来るの?」
「理由がなきゃ駄目かな?」
「私は二人目ではないわ。あなたの知っているあの子とは違う」
「……そのことは、わかっている」
「なら、どうして?」
「……正直、キミを見ると、前の綾波を思い出してしまう。だけど、それだけじゃないんだ。
どう言いばいいのかわからないけど、……キミと、綾波と一緒にいたいんだ」
「そう」
「嫌だったら、そう言って。すぐに帰るから」
 綾波は手に持った湯飲み茶碗を上げ、ヤケドしないように少しずつ飲んでから、
「かまわないわ。あなたの作るご飯は美味しいから」
「あ、うん」
 僕はホッとしたのと同時に少しの落胆を感じていた。でも、その時、
「それに、あなたといると楽しく感じる」
「えっ」
「…あの子の気持ちがわかるような気がする。……碇君。あの子の代わりではなく、私と
新しい絆を結ぶことができる?」
 長い時間、僕は考え続け、
「わからない。だけど、これから僕とキミの一緒に過ごす時間が答えをくれるような気がする」
「…そう。なら、始めましょう。これから、私とあなたで」
 と言って、綾波は微かに口元を緩めると、僕の湯飲み茶碗にお茶を注いでくれた。
こうもきっちり二人の気持ちに整理をつけられてしまうと
あっけない印象をうけますのう。セリフも説明的だし。

全てが曖昧で不安な状況下での、なんでもない日常生活
が魅力的だったので、ちょっと残念。
 あれから、僕と綾波の間に何か変化があるわけでもなく、ただ一緒にいるだけだった。
僕は未だに今の彼女へ前の綾波を重ねてしまうことが多いけど、彼女の行動や話し
の端々に違いが多く、戸惑いと哀しみを感じてしまうことが多々あった。でも、彼女と
過ごすことで僕は何かを見つけようと、そう思っていた。

 父さんはどうなんだろうか。

 それはともかく僕はカヲル君と仲良くなったような、そうでないような。
 学校が閉鎖され、本部に行くしかなくなった僕には同年代の知り合いが綾波とカヲ
ル君、そして入院中のアスカしかいなくなった。だから、カヲル君と一緒にいることが
多いんだけど、その、なんというか、困る。
 どうやら僕のことを嫌ってはいないみたいで、いや、その逆なのかな。いっつも僕に
くっついているんだ。シンクロテスト後のお風呂にも入ってくるし、なぜか風呂の中で
手を繋いでくるし、好意を持っているとか言ってくるんだ。そりゃあ、好きと言われて
嬉しいけど、その時の雰囲気が妖しくて、かなり引いた。
 それに、綾波と、仲が悪いんだ。いや、カヲル君はそうでもないんだけど、綾波がね。
 さっきだって、綾波と食堂でお昼を取っている時、カヲル君が僕の隣に座ってきたんだ。
 僕はソースカツ丼を、彼女は月見うどん。あ、相変わらず綾波は偏食が激しくて、味に
厳しいのは生まれつきなんだなって思った。
 で、カヲル君も食べているのは月見うどん。それで、カヲル君が綾波の食事を見て、

「君は僕と同じだね」

 と言ったんだ。そうしたら、綾波が、

「いいえ、違うわ。私はあなたみたいにタマゴをかき混ぜて食べないもの」

 と静かに言って、席を移動しちゃったんだよ。
 たぶん、あれは生卵がドロドロになって黄色くなったカヲル君の器を見たくないという
のもあるし、口の回りを汚している彼に耐えられないというのもあると思う。
 まあ、一番は馬が合わないということだろうけど。
 僕は綾波と一緒にいたいのに、ふー、困った。
懸案事項はあんまり解決されてないのに、一気に脱力系になったねw
このまま気楽にサードインパクトも良いかな?
 アスカは一時、失踪した後、今はネルフの付属病院に入院している。詳しいことは
よくわからないけど、自立失調系の病、精神の病であるらしい。
 ほぼ毎日、僕はアスカを見舞いに行っている。綾波はアスカのことを何も知らない
ので、僕一人だけで行くことがほとんどだった。前に、一度だけカヲル君も来たけど。
 今日も一人で行き、ベッドの横で椅子に座ってアスカを見ていた。アスカは目を見
開いて、ベッドの上で横になっているけど、身動き一つすることはなかった。彼女の
眼前で手を振っても、その青い瞳は全く動かない。アスカは僕がいることに気付いて
いないのかもしれない。
 また、アスカの大好物だったシュークリームを口元に当てても、反応は無かった。
仕方なく、そのシュークリームは僕が食べたけど、全然、味は感じられなかった。
 アスカの病室を出た僕は、残ったシュークリームが入ったビニール袋を右手に持ち
ながらトボトボと本部の中を歩いていた。
 と、その時、正面の方から綾波が僕の方へ向かって来ていた。
 彼女は少し手前で止まり、暫し黙って僕へ視線を注いでいた。そして、僕の右手へ
目を移すと、少し小首をかしげる。僕はハッと気付き、綾波に袋の中を見せ、

「これ、食べる?」
「……ひとりでは、こんなに食べられない」

 と、綾波は小さく言った。
 袋の中にはシュークリームが5つほど入っていて、綾波ひとりでは少し無理。

「じゃあ、一緒に食べようか」

 こくんと、彼女は小さく肯いた。
 その後、休憩室でペットボトルの紅茶を飲みながら、僕と綾波はシュークリームを食べた。
 彼女が呟くように、

「おいしい」

 と言い、僕はそれに微笑んで答えた。アスカのところで食べた時と違って美味しく
感じたことが、僕はうれしくもあり、そして哀しかった。
398名無しが氏んでも代わりはいるもの:04/12/02 16:45:09 ID:Tnyln3nM
投下キター――(゜∀゜)!頑張ってくださいです
399夏の最後の薔薇:04/12/05 19:49:39 ID:???
もはや少年の面影はなく、逞しく成長したシンジと、少女の頃を過ぎ、美しく成長したアスカは、束の間の逢瀬を果たしていた。
あれから10年近い月日が過ぎていた。

日本にも四季が戻っていた。
夕陽が空を赤く染め、水平線の向こうに沈もうとしている。
二人の影が、浜辺に長く伸びる。

「もう夏も終りね」
アスカが、夕陽の方を向いて言った。彼女の言葉は、たおやかで、慈しみに溢れていた。
「朝晩は、もうずいぶん涼しくなってきたもの」
「そうだね」
シンジは柔らかい微笑を返す。
だが、二人はそれっきり、何も言わずに浜辺を歩いていた。
波が打ち寄せる音だけが聞こえる。

つぶやくように、アスカが言った。
「どうしてもシンジじゃなきゃ、駄目なの?」
「うん。これは僕の問題でもあるから」
肩を寄せ合って歩く二人。浜辺に、二人分の足跡だけが伸びてゆく。

400夏の最後の薔薇:04/12/05 19:50:19 ID:???
「そろそろ行こうか」
「・・ええ」
二人は、元来た道を戻り始めた。車は廃屋となって久しいらしい農家の前に止めてある。
シンジは、壊れかかった生垣に一輪、小さな花が咲いているのを見つけた。いつかのアスカのような、鮮やかな赤い色だった。
「薔薇だよ」
「・・・独り咲く、夏の最後の薔薇 全ての可愛い仲間は消え去った はにかんだ笑顔を照り返し、ため息をもらし合うべき仲間の薔薇はもういない」
アスカは、節をつけずに諳んじた。寂しげな横顔が、残照に映える。
「スコットランドの歌だっけ?」
アスカはかすかに肯いた。
「まるで私みたい」
「・・・ともに眠れ、その褥に あなたの葉をやさしくかけよう」
シンジもその詩の終わりに近い一節を呟いた。そして、刺のないところを器用につまんで、その薔薇を手に取り、アスカに差し出した。
「だけど、僕は戻ってくるよ。こんなところで薔薇を朽ちさせたりはしない」
アスカは俯いて、少しだけ、涙ぐんだ。
「受け取ってよ。僕の代わりに。冬が終わって、また一杯薔薇が咲く頃まで」
シンジはやさしくアスカの肩を抱いた。
「待っていてよ、必ず、僕は戻ってくるから」
ホリデーみたいのかな?
面白ければ別に良いんだけど、いきなりLASに満ち溢れた出だしだとちょっと引くのう。
402夏の最後の薔薇:04/12/05 20:21:24 ID:???
そしてシンジは帰ってこなかった。

シンジはNERVの研究員兼被験者として、シンジ自身が起こしたサードインパクトのメカニズムの解明に従事していた。
アスカはドイツに戻り、やはり研究者としての立場を得ていた。
やるべきことは山のようにあった。二人とも仕事に忙殺され、二人で過ごせる時間は短い。年に数度会う事が精一杯だった。
シンジが、初号機と生命の樹に関する危険な実験のため、宇宙に旅立つことに決定したあの時でさえ、アスカが日本にやって来ることが出来たのは、シンジの出発する2日前だった。

そして実験は失敗したらしい。

403夏の最後の薔薇:04/12/05 20:27:02 ID:???
アスカはあの浜辺に座り、冬の海を見詰めている。荒涼とした風景。気まぐれな潮風が、アスカのマフラーを揺らす。
短い休暇をひとり日本で過ごすことが習慣になって、もうどれくらいになるのだろう。
傍らには、あれ以来、片時もその体から離さない、薔薇のドライフラワーの入ったガラスの瓶。
アスカはあの時のシンジの言葉を思い出す。

『僕は、いつまでも君を愛している。
いつか冬が来て、すべてが死に絶えたように見えても、それはただ、眠っているだけなんだ。
春になれば、また薔薇は芽を出す。アスカ、忘れないで。僕らが生きてきた時間のことを』

・・・格好つけちゃって。馬鹿。何回春が来ても戻ってこないで。
・・・見なさいよ、地球は氷河期に近づいているんだって。もう次の春なんか、来ないかも知れないわよ。
・・・いつまで私を待たせるつもりなの。あんた、私を騙したんじゃないでしょうね。
悪態をついていないと、涙が出てきそうだった。
404夏の最後の薔薇:04/12/05 20:28:12 ID:???
陽は次第に陰り、夕闇があたりを覆い始めた。
アスカは後ろ髪を引かれる思いを断ち切って、借りてきた車に戻る。
その道すがら、アスカはありえないものを見つけた。
シンジがあの日、薔薇を折り取った、その朽ちかけた生垣に、一輪、ぽつんと咲いた小さな花。青い薔薇だった。
「まさか」
青い薔薇なんてものが、この世にあるはずが無い。ましてや、今は冬なのだ。
近づいて、よく目を凝らしてみれば、それは青ではなく、薄い紫色だった。

そう、初号機のような紫色だったのだ。

405夏の最後の薔薇:04/12/05 20:28:49 ID:???
小さなその花は、寒風に耐え、全てが死に絶えたように見える世界でただ一輪、健気に咲いている。
モノトーンで覆われた世界の中で、そこにだけある、色彩。
アスカの瞳が潤む。
「・・・帰って・・・きたの?」
小さな花が、折からの潮風に吹かれて・・・揺れた。

「おかえりなさい、私の愛しい人・・・」
涙が溢れて、止まらない。アスカは、いつまでも、そこに立ち尽くしていた。

おしまい

ぼちぼち悪くも無いけど、さして語るほどのいいところも無かったなぁ。
ひょっとすると既存の作品の配役をエヴァにしただけか? なんて
印象も受けちゃったし。

ところでスレ間違うとらん?
それとも、ワシ釣られとる?
詩的な作品には、カプ厨的で理屈っぽい感想は野暮かな?
割り込み失礼。
はっきり言って最初から最後までLАSって時点でもう駄目。LАSから最終的にLRSになるんであれば、萌えたかもしれんが。スマソ
嵐に謝る必要はないよ。
薔薇が『青』にも『紫』にも見えたところに
LRS要素がそこはかとなく無きにしもあらずと言えなくもないような気もしないでもない

書かれた物を貶そうとまでは思わんが、書いたヤツは貶されても文句は言えんよな。
スレ違いだし。

評価板にでも投下すりゃ良かったろうに。
話のでき云々以前に、LAS投下スレあるのになんでLRS投下スレに……。
不貞寝の人のいやがらせ
善意に解釈して、LAS投下スレと間違えたということにしようよ。
そう、ことを荒立ててもしょーもないし。
まあ、スレ始まって以来の反響ではある。
>>412
在るんだっけ?>LAS投下スレ

じゃあ、そっちにLRSを投下……したら、荒れるんだろうなぁ、きっと。<偏見?(笑
偏見もなにも、純粋にスレ違いなんだから荒らしと見なされてもしょうがないだろ。
418416:04/12/06 18:15:17 ID:???
いや、それは、解っているんだが、むこうだとこの程度じゃ済まないのかな? とかね。

一応、言っておくが、実行する気は更々ない。投下できるようなブツがあったら、ここに
落とすか、どっかに投稿する。

変なこと書いてスマンかった。
419416:04/12/06 18:17:22 ID:???
いや、それは、解っているんだが、むこうだとこの程度じゃ済まないのかな? とかね。

一応、言っておくが、実行する気は更々ない。投下できるようなブツがあったら、ここに
落とすか、どっかに投稿する。

変なこと書いてスマンかった。
420夏の最後の薔薇:04/12/06 21:50:22 ID:???
すいません!!
誤爆です。酔っ払ってました。
401の時点で気づくべきでした。
janeなんですけど、お気に入りの上下に並んでて・・・

どんな陵辱でも受けます。許してください。
421416:04/12/06 21:54:14 ID:???
( ´∀`)σ)∀`)
>>420
ケツから手を入れてウンコ引きずり出して「これが僕のうんこです!」
雄たけび上げながらパンツァーリード歌って近所走って
お地蔵さんにしこふんでこいこのスカタンマヌケアンポンタン
まだ言い忘れた
ドジのヘタレで甲斐性なしの社会的弱者で俺より顔がキモイチンカス野郎
一生懸命考えたのか。偉いぞ。
>>424
パパに教えてもらったんだ!
>>425

  逝  っ  て  よ  し
おい、おまいら!ドジることは誰にでもあるんだ!










と言ってみるテスト
>413
違うわい
>>428
そうかよし殺すはぁはぁ待ってろよ(あーあーりゃく
職人さんが帰ってこない…
碇くんの匂いがする。下から手を回して、彼の背中につかまった。
何も考えたくなかった。私は目を閉じる。
このまま碇くんの中で眠って、目が覚めなければいいと思う。


(;´Д`)ハァハァ
体臭フェチ……時代に逆らうようなその性癖や良し。
綾波の匂いがする。後ろから手を回して、綾波の背中を抱く
何も考えたくなかった。僕は目を閉じる。
このまま綾波の中で眠って、目が覚めなければいいと思う。


(;´Д`)ハァハァ
そういえばシンジのほうも臭いフェチだったね。
そーいやいぬみみという神憑かり的エロ作品があったな。
職人さん帰って来てえ。
>>435
ここに行くよろし。
感想用の新スレ立てて、書いてあげれば喜ぶんじゃないの。

ttp://jbbs.livedoor.jp/anime/1510/
Fateのサイト持ちって言ってたが、なんじゃこりゃ。
こちらはエロオーケーなのですか?
おkだけどエロ用の投下スレもあったりする。
いやぁぁ・・碇くん・・やめて・・ぁぁん・・
http://comic5.2ch.net/test/read.cgi/eva/1080803519/
好きなほうへどうぞ。
感想、批評が欲しければ↓という手もあります。
エヴァFF発表・評価板
http://eva-2ch.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/ss/santhology.cgi?
440438:04/12/19 00:56:47 ID:???
>>439
ありがとうございます。親切な人。
話ふっといてまだネタはないんですけども。
(´゚Д゚`)
ヽ(゚皿゚#)ノ
443438:04/12/19 01:05:05 ID:???
orzスマヌ
おまいら、Ultraの20ちゃんと読んだ?
飽きたから読んでないよ。
俺も厭きたけど、台詞だけは読んでるよ。
地の文は全く読まないけど。
誤爆か?おすすめスレなら熱狂的な読者がいるぞ。
 今、僕は自分の家の前にいる。
 サードインパクトはなんとか回避でき、平和になった世界。父さんとサルベージさ
れた母さんと一緒に10年も住んでいた家。
 僕の隣には綾波が立っている。
 彼女は緊張しているのか、その白い頬をさらに薄くさせ、
「碇君…」
 と心配そうな声を出した。
 僕は微かに震える彼女の右手をそっと握り、
「大丈夫さ。何も心配はないから」
 と答え、微笑んだ。
 彼女は少し安心したのか手の震えを止め、頬を緩めた。

 そして、今、リビングのソファに僕と綾波は並んで腰を下ろしている。
 向かい側に座っているのは父さんと母さん。
 あの頃みたいにサングラスと顎髭は無いけど、その代わり年相応に貫禄が増して
いる。母さんはまだ30代に見えるくらい若いが、やっぱり母親らしく落ち着いていた。
 僕は僅かに声をうわずらせて、
「報告したいことがあるんだ」
「ん、何だ? 言いたいことがあるなら早くしろ。私は忙しいのだ」
「あなた」
 と、母さんが諫めると、父さんは一つ咳払いして誤魔化した。
「で、何だ? シンジ」
「う、うん。その、綾波と結婚することを決めたんだ」
「駄目だ」
 そう間髪入れずに父さんは言った。
 僕の頭が真っ白になったところで、さらに母さんが、
「そうね。お父さんの言うとおりレイとの結婚は認められないわ」
「な、何でさ?」
「レイはヒトではない」
 と重々しい声で父さんが答えた。
「更にだ、レイはユイの遺伝子を受け継いでいる」
「そういう事よ。シンジ、諦めなさい」
 僕は思わず立ち上がり、
「そんなことわかっているよ。でも、綾波は母さんじゃないし、ヒトじゃなくても
全然かまわない。それが10年付き合ってきて出した答えなんだ」
「シンジ、おまえがどう考えようと事実は変わらん」
「父さん……、母さん……」
 僕は隣で顔を白蝋のようにさせ肩を震わせていた綾波の手を取り、
「もういいよ。でも、僕と綾波は一緒になるから」
 と言い捨てて、そこから立ち去った。
 そして、再び自宅前に僕と綾波は立っていた。
 今にも崩れそうな彼女の細い体を抱き締め、
「綾波、駆け落ちしよう」
「……駆け落ち?」
「そう。綾波もわかるだろ? 父さんと母さんのこと。あの二人がいたら絶対に
一緒になれない。この街を出て行かないと駄目なんだ」
「いいの? 私のためにそんなことして」
 綾波の赤い瞳へ僕は視線をまっすぐに注いで、
「僕は綾波と一緒にいたいんだ」
 と静かに告げた。
 彼女は目に涙を溜めながらも、その桜色の口元に微笑みを浮かべた。


つづく
こういうのは楽しくて良いんだけど、サードインパクト後10年ってことは、もう25歳。
ずっと交際していたようだし、正式な形に出来ないぐらいで、いきなり駆け落ちっていうのも不自然なような。

もっと幼い設定にして交際事態を咎められているぐらいにするとか、無理に引き離されそうになってるとか
にしたほうが良いんじゃないのかなーと思ったり。
おすすめスレの話題からこんな話を書いたのかな。
個人的にはレイが守ってもらうんじゃなくて、自発的に動く話が読みたい。
どうもLRSでは「弱気な女の子」と描かれることが多い。
そうだね。もっと若い設定の方が自然かも。
でもこの後の構想があるなら勿論思った通りにどぞ。
長くなるなら連載評価板とかに落とすのもいい。がんがれ。
>>449
 ひとまず、僕と綾波はそれぞれのアパートに戻り、荷物の支度に取りかかった。
 ネルフ時代、散々悪行を重ねてきた父さんと、一人エヴァの中で人類滅亡後まで生き
続けようとした母さん。その二人なら僕たちを引き裂くためにはどんなことでもするだろう。
 そもそも、どうして綾波と交際中に反対しなかったのか謎だ。
 もしかして綾波が……だから……、
 ふー、嫌なことを考えてしまった。
 ともかく、あの二人から遠く離れなければ。
 そう考えながら、僕は車を運転していた。
 暫くして、綾波のアパートの前に車を止め、僕は彼女の部屋に向かった。
 ドアホンを押し、中から彼女が現れるのを待った。
 鋼の扉がゆっくりと開く。
「ア、アスカ!」
「早かったわね」
 そう言って出てきたアスカは僕へ睨むような視線を向けていた。
「ど、どうしてアスカがここに? 綾波は?」
「ファーストならいないわよ」
 と、アスカは冷たい声で答えた。
「嘘だ!」
「あんたに嘘を言ってどうすんのよ」
「だって、……どいてよ。アスカ」
 僕はアスカを押しのけるようにして部屋の中に入った。
 だが、彼女の言う通り、そこに綾波の姿はどこにもない。
 落胆に肩を落とした僕の背中に、
「どう? わかった?」
「……どうして、……どうしてなんだよ」
「シンジ。ファーストからアンタへの伝言を預かっているわ」
「伝言?」
「私を捜さないでって」
 僕は立っていられなくなり、床に膝をついていた。

つづく
そういえば、シンジだけ空回りしてたようにも受け取れるのう
それでもいいから俺は読みたいですがダメですか。








俺は作者の人じゃないからな。上の方で似たような書き込みがあったが。
今、このスレは新たな風を必要としているのだよ。
ン  ☆  チン       ☆
       チンチン           チンチン     ♪
           ♪   ☆ チチン
    ♪                .☆   ジャーン!
        ☆ チン  〃  ∧_∧   ____
          ヽ ___\(・∀・ )/\_/ 続きマダー
        チン  \_/⊂     つ   ‖
           / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/|  ‖
        |  ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:| :| /|\
        |             |/
>>453
(これまでのあらすじ)
 幾多の苦難を乗り越え、遂に邂逅を果たしたシンジとレイであったが…


(本編)
「母さん! これはどういうこと?」
「シンジには知られたくなかったけど、仕方がないわね」

 母さんはLCLで満たされた容器の中にいるレイを見つめた。

「ここまで揃えるのに10年の月日を要したわ。約束の日はもうすぐ訪れる」
「何をいっているかわからないよ」
「初号機とエヴァシリーズは失われ、アダムとリリスも消えたわ。今、残っているのはレイだけ」
「……?」
「初め、自分の分身とも言えるレイを見た時、嫌悪さえ感じたわ。あの人を罵ったりもした。
でも、今になってみると、レイがいたことは幸運だったわね」
「な、何を言っているの?」

 僕は声を震わせながら訊いた。
 母さんは口元に微かな笑みを浮かべると、

「真の人類補完計画を遂行する時が来たのよ」

 と歓喜に満ちた声で言った。


つづく
おー悪役っぽなユイさんカックイー
コタツに向かいって座りながら蜜柑を食べてる僕たち。
「碇君、くち」
「い、いいよ。自分で食べるから」
「……」
「……」
「あーん、して」
「だから、自分で食べるって」
「……」
「……」
「あーん」
「あ、あのね。綾波。」
「なに?」
「その、食べてもいいけど、夏蜜柑を皮も剥かずに丸ごと一つは無理。ぜーったいに無理」
「……どうして、そういうことを言うの?」
「いや、だってね」
「あーん」
初めに戻る。
禿しく萌えてしまった。
>>459
(;´Д`)ハァハァ
炬燵に入ってテレビを見ている僕たち。
モニターの中では初詣中継で伊勢神宮が映し出されていた。

「碇君、」
「ん、なに? 綾波」
「お雑煮、食べたい。味付けは京風の」
「じゃあ、今夜、作るよ」
「……これは?」
「あんこ餅だけど」
「そう。でも、正確には、お汁粉」

 と言って、綾波はお椀の中を見つめていた。

「ぜんざいの方が、よかった」
「じゃ、じゃあ、夜にぜんざいも作るから」
「……碇君、姫初めって知ってる?」
「ぶっ!! うっ、げほっ、」

 僕は食べていた餅を喉に詰まらせてしまった。
 と、その時、綾波が僕に近づき、くちびるを重ねた。
 そして、激しく吸引を始める。
 驚いた僕はつまらせた餅を吐き出し、綾波の頬にそれをくっつけてしまった。

「ご、ごめん。だけど、どうして?」
「碇君が苦しそうにしていたから」
「……ありがとう。そ、それで、さっきの姫なんとかだけど、誰に聞いたの?」
「葛城3佐。碇君にしてもらうようにって」

 その時、僕はミサトさんを恨んだらいいのか感謝したらいいのかよくわからない気持ちだった。
 とりあえず、これからスーパーへ食材を買いに僕たちは出かけるだろう。
これ、続くの?
取り敢えず姫始め萌えたので続きキボン>中の人
「………ん……朝…」
「…スゥ……スゥ……」
「…碇君……起きて……」
「…………」
「…碇君……」
「…………」
「…………」

   カプッ

「痛っ!?…綾波!?」
「……起きた…」
「…何で噛んだの?」
「……起きなかったから…」
「…?あっ…ありがとう…」
どこを噛んだのかが気になる
>>465
(;´Д`)ハァハァ
「……ただいま…」
「おかえり…どうしたの!?すぶ濡れじゃないか!」
「……雨…」
「とっ…とにかく、僕のトレーナー貸してあげるから着替えなよ。風邪ひくよ?」
「……ありがと…」


「………?」
案の定ブカブカなトレーナーを不思議そうな顔をして着ているレイ
「…ちょっと大きかったね」
「……いいの…碇君の匂いがするから……」
「…えっ……?」
「……温かい…」

冬の雨でカラダは冷たかったけど
レイのココロは温かった
>>468
いいな、こういうの
長編っぽくぶちあげた>>448はどうしたのか?
469
ありがとう
>>468
終わりの文イイ!ささやかな幸せ的萌えをdクス!
不器用なレイタンと家庭的なシンジキュンのカプは見てるこっちも癒されるな〜
468さん萌え
ヤシマ作戦は、急務だった。
少なくとも、どうやら使徒の攻撃で気を失っていたらしい僕にとっては。
「明日午前0時より発動されるヤシマ作戦のスケジュールを伝えます。
 碇・綾波の両パイロットは本日1730ケイジに集合。1800、エヴァンゲリオン初号機、及び零号機起動。
 同05、出動。同30二子山仮説基地に到着、以降は別命あるまで待機。明朝日付変更と共に作戦行動開始。」
淡々と任務スケジュールを話す綾波に、僕は声もでなかった。
目覚めてすぐ、綾波の姿を見たせいも少しはあったのかもしれない。
けれど大部分は違った。
怖かったから。
使徒もエヴァもミサトさんも…たぶん、押し倒してしまってから僕の眼を1度も見てくれない綾波も。
なぜ?あんな怖い目にあったばかりなのに。
どうして僕が?もう一度あんなのに乗れっていうの?
誰か…助けてよ……。
僕の頭の中はぐちゃぐちゃだった。
きっとその時誰かに頭の中を見られたら、茹でた後潰されたジャガイモみたいに原型をとどめていなかったろう。
それくらい、僕の頭はおかしかったから。
「またアレに乗らなきゃいけないのか…」
ようやく出た言葉は、自分でも思うほどに情けないものだった。
震えが止まらなかった、純粋な恐怖は時に人を強くするって何かで読んだけど、そんなのは嘘だ。
怖い、怖い、怖い。
恐怖はただ、人を臆病にするだけだ。誰もが信じられないほどに、人の心は脆弱で崩れやすい。
勇気を飲み込み、決断力を鈍らせ、行動力を奪い、思考すら止める。
そんな恐怖には、勝てるわけがないんだ。
「嫌なら…逃げればいいわ」
綾波のひとことはが、ふいにループを遮断した。
「初号機には私が乗る……パーソナルデータの書き換えなんて、すぐだもの」
変わらぬ、淡々とした口調。
冷たい一言。
夕日に照らされた蒼い髪。
えぐられる、心。
その時の僕が僕じゃなくなるには、十分すぎる材料が揃っていた。
整いすぎたくらいに、素敵な舞台。
始まるのは、惨劇。
ガシャァァァン

たぶん、綾波が持ってきてくれた物だろう。
配膳台に載せられた食事が、音をたてて床に落ちた。
「うぅっ」
綾波は苦悶の表情で僕のほうへ引き寄せられた。当たり前だ、僕が彼女の首を絞めてそうなるようにしたのだから。
「あ、綾波なんかにっ、僕の怖さがっ、わ、わかるわけないんだぁぁぁ」
そう、考えてみればこっちに来てから辛いことの連続だった。
よく知らない人に、車に乗せられてつれて来られた。
久しぶりの父さんとの会話もままならず、出撃させられた。
ほんの少しのわがままで、「上司」に怒られた。僕だけが悪いわけじゃないのに。
痛い思いもたくさんした、精神的にも肉体的にも。
父さんに物扱いされていることを認識した。
右目が抉られた感触を味わった。
同級生の妹を、殺しかけた。
わき腹に穴があく感覚を知った。
そして、ついさっき本当の意味で死にかけた。
熱かった、痛かった、どうしようもないくらい辛かった。
綾波にとっては悪気など欠片もなかった一言だったであろうそれは、
偶然に、僕のためていた何かを破裂させてしまった。
「い……かりく…くるし……」
ただでさえ血の気のない綾波の顔は既に死人のようだった。
「僕がぁ、僕がどれだけ怖い思いをして戦っているのかぁ、あ、綾波は知らないんだぁっ。
 く、訓練と起動実験だけでっ、じ、実戦なんて一度もやったことないくせに!
 いつ死んでもおかしくないっ…そんなの嫌に決まってるじゃないかぁ!」
逆に僕の顔は真っ赤だった。興奮して、汗すら流していた。
今まで生きてきた時間の中で、一番強く両手に力を込めた。
「わ…わたしは……そ…んなつもり……うぁぁ」
ギリギリと首を絞める音が聞こえた。
彼女の顔色は、いよいよ酷くなっていった。
土気色、とでも表現しようか。先ほどよりも、さらに死人のそれだった。
唇は紫色に近くなり、少量の気泡が見えた。この先にあるのはまず間違いなく、僕が先ほど恐れたものだろう。
つまりは「死」だ。
フッ

それに気づいた瞬間、僕の手から力はぬけていた。
「けほっ、けほっ」
咳き込む彼女。先ほどの反動か、顔色は赤みを帯びていた。
首筋に残る僕の手と同じ形をした痕が、なまなましさと僕のしたことを物語っていた。
僕は彼女の首から手を離した。感触はまだリアルに、ぬくもりと共に両の掌に残っていた。
「…ゴメン、綾波」
謝罪など、なんの意味も持たないことを理解しながら、僕には謝ることしか出来なかった。
苦しそうな彼女に対して。
眼をそむけると、配膳台が視界に入った。
僕はまず無理だろうと思いながら、唯一倒れていなかったコップを彼女に近づけた。
中には水が先ほどの余韻を残すかのように、揺れていた。
「……ありがとう」
意外なことに彼女はすんなりとそれを受け取った、それも感謝の言葉すらつけて。
コクコクッっと、静まり返った辺りには綾波が水を飲む音が響く。
その姿は、飲む、というよりは摂取と言った方がなぜかしっくりくるように思えた。
「…ゴメン、綾波」
数秒の沈黙の後、僕は再び謝った。
それしか出来ることはなかったし、沈黙に耐えることもまたできそうになかったから。
「………」
彼女は押し黙ったまま、口を開こうとはしなかった。
「………」
僕もまた、沈黙するしか出来なかった。それ以上口を開いても、気の利いたセリフなどでてきそうもなかったし。
なによりこれ以上喋ると、また深い墓穴(はかあな)を掘りそうだったから。
耐え切れずさっきよりも酷いことも、してしまいそうだったから。
「ありがとう……」
沈黙は彼女のほうから破られた。
「え?」
「ありがとう…感謝の言葉……あの人にも言ったこと、なかった」
あの人……きっと父さんだろう。
僕の中でまた、なにかが破裂しそうだった。
「けれど、あなたには言えた……なぜか、わからない。首をしめられたのに」
なにかは急速に僕の中でしぼんでいった。
自分のした行為を思い出したからか、それとも綾波の疑問が僕に問いかけられていたからか。それはわからない、それもわからない。
「私はまだ…碇君のことを知らないわ。初号機パイロットとしてのあなたしか」
沈黙が嘘だったかのように、綾波は饒舌だった。
「でも、私が碇君の触れてはいけない部分に触れてしまった……それはわかった」
眼を伏せて、無表情なまま、けれどどこか申し訳なさそうに彼女は言葉を続ける。
「私は……碇君に悪いことをしてしまった」
「そ、そんなことっ」
ない、言いかけて堪えきれず、僕は綾波を抱きしめてしまった。
勢い、とは少し違う。これ以上綾波に自分を責めて欲しくなかった。僕が一方的に悪いのに、これ以上綾波から自虐的な言葉を聞きたくなかった。
あるいはそれも、自分に都合のいい言い方でしかなくて、綾波の言葉を借りれば逃げただけなのかもしれない。
けれど、これ以上は嫌だったんだ。そう考えたら、体はもう動いていた。
「僕がっ、僕が悪いんだから…綾波は……悪くなんて…ないから…」
涙が勝手に溢れてきた。我ながら、勝手だと思った。
綾波はそんな僕を、同じように背に手を回し抱きしめた。
驚いた。
拒絶されることは慣れてきた、だって受け入れられることはなかったから。
でも今綾波は、僕を抱きしめてくれた。
「…手は、きっと手だけで使うものではないのね」
彼女の口調は、柔らかで優しかった。
「手だけで使えば冷たく首を絞めるかもしれない……
 けれど腕と共に使えば……こんなにも優しく人を包める」
幼子を諭すように、まるで母親のような口調で彼女は続けた。
「あや…なみ……?」
どこかで聞いた懐かしい声。
どこかで感じた懐かしい感覚。
「私には…知らないことがたくさんある
 ……
 ……
 今知りたいのは、碇君……こんな時どんな顔したらいいのか、教えてほしい」

腕を少し緩め、綾波は僕の方を見た。
…けれどその時の綾波に僕が教えることはなにもなかった。
なぜならそう言った彼女の顔には、この世の誰よりも美しい笑顔が浮かんでいたから。
ちょっとした変化による分岐物っていうのは嫌いじゃなんだが
個人的には、最近、駒鳥拒否症でな。
絶叫系や感情爆発系が苦手になってしまったーよ。
>>481
それはまたタイミング悪く駄文を投下してしまってすまんかった
>>482
それは481の個人的事情だから、気にするな
>>482
483に禿しく胴衣。追い詰められて絶叫&首締めこそがシンジ君の神髄だ。
これからも
他のキャラに甘える

「イヤ」

絶叫&首ギューの黄金パターンを是非。
いや、首絞めは良いんだけどな。
もうちっと落ち着いて淡々と絞めても良いんじゃないかなと。
そんなシンジは恐え
つか、シンジでなくとも淡々とやられちゃ怖えw  485の言う事もなんとなく解る気はするけど。
そして482氏、俺は楽しませてもらった。 dクス!
ぎゅっ…ぽたぽた…
    (綾波って…なんだかお母さんって感じがする…)


最近よく、昔を思い出すんだ。
「…?どうしたの?」
拭き掃除をしながら答える彼女。すこし困った顔してる。
「いや、なんでもないよ。ふふっ…」
「…?」
「困った顔もかわいいねって、思ってさ」
あ、赤くなってる。あのときもこんな顔して照れてたっけ…
「もうっ…」
辛いこと、もちろんいっぱいあった。でも、君に会えた。全てを忘れることは出来ないけれど…
「…ねぇ、本当に僕でよかったの?」
意地悪な質問。答え、聞きたいような聞きたくないような、変な感じ。
「…あなたは幸せ…?」
「僕は…」
口に出すのは恥ずかしいから、声には出さない。
し・あ・わ・せ・だ・よ

わ・た・し・も

二人の心はひとつ。過去を忘れられる瞬間、永遠にも近い一瞬
「またやってるの!?パパ、ママ!」
うわあああああああああ!思わず飛び下がる僕。あっ、残念そうな顔してる…
「びっくりさせないでよ!」
「…邪魔をしては…駄目…」
「ラブラブなのはいいんだけどぉ〜!もっと隠れてやって!もう迷惑なのよ!何でこんなハートマーク飛んでるのよ!?」
ははは…甘やしすぎたせい…かな?誰ににたんだろうこの性格…
「「「はぁ」」」
重なるため息。ふふふっ…
二人も微笑んでる。

(やりたいこと、見つけたかい…?)
加持さん、今なら胸を張って言えます。僕は…
「二人とも、愛してるよ…」

この、幸せを守ることです。
萌え死ぬ!GJ!
加持をもってきたか!いい!いいそぉ!
弐十話分岐、アラエル未襲来。
以後、使徒の侵攻はなく、ネルフはだらだらと存続。
四季も戻ってきて、現在は冬。

設定に関する突っ込みはカンベン。考えてないから。
しいて言えば、こうくそ寒いのに夏の話は書けねえってことだ。
−2℃!
493492:05/01/26 13:31:54 ID:???

食後の片付けはめんどうな仕事だ。
割れない程度に乱暴な仕草で食器を流しに突っ込み、水を流す。
勢いよく蛇口から出た水がはね、袖口を濡らしたシンジは舌打ちをした。
ガスで温められた湯もこの寒さですぐに冷たくなる。
濡れた部分は少ないが、このシャツで外に行けばひどく冷たく感じるだろう。
新しいシャツに着替えなければならない。
さらに増えた手間に朝の短い時間を奪われ、シンジの機嫌は悪くなった。

台所で仕事を終わらせ居間に戻ったシンジは、コタツに座る人影を見て驚く。
いつの間に入ってきたのか、背中を丸めてコタツの天板になつきながらテレビを見ている人がいる。
淡いブルーのふわふわとしたショートの髪。
寒いのか脱いでいない紺のコートは大きめで、そこに埋もれるように小さな頭が見えている。

「あ、綾波!?
 なんで、朝から…?」
「おはよう、碇君。
 …指令を伝えに来た。
 この指令は、自動的に…」
494492:05/01/26 13:32:43 ID:???
誰かの物まねなのか、綾波はわざと低い声を出そうとしているようだ。
しかし綾波の声では「威厳がある」ではなく「眠そう」に聞こえてしまう。
もごもごと篭った声は不明瞭で、シンジはすぐに彼女の台詞の続きを聞くことを放棄した。

最近綾波は古い映画に凝りだしたアスカにつられて、夜ふかしが激しい。
おそらく昨日の晩もそうして映画でも見たのだろう。
普段は無口だが記憶力のいい綾波は、映画の台詞も一度聞けば覚えるらしい。
面白がったアスカに言われるまま、レコーダーのように台詞を繰り返しているのを、
シンジは見かけたことがある。
それともアスカは、普段は言葉の続かない綾波と長く会話が続くことを、
単純に楽しんでいたのかもしれないが。
アスカの親切は、少しばかりねじれているので分かりにくい。
綾波が嫌がらずに付き合っているということは、それなりに意志の疎通があるのだろうけれど。

ぶつぶつと映画の台詞なのか、アスカに吹き込まれたものか、
意味不明の言葉を続ける綾波を見ながらシンジはぼんやりと考える。
見るからにマイペースな綾波に、ついまったりとしてしまったシンジだが、
テレビの画面の中で時計を掲げて飛び跳ねるちびキャラを見て現在の時間を思い出し、
あわてて登校の支度を始める。
495492:05/01/26 13:34:08 ID:???
中学を卒業して、漸く念願かなった一人暮らしである。
遅刻が多いなどと通報されては、今度こそシンジは一生、葛城家の「家政夫」にされかねない。
「監督責任よ〜」とかのたまいながら引き止めるミサトを説得するのに、半年もかかった。
(もっともそのミサトも、今は大掛かりな犯罪組織の摘発とやらに借り出されて、
 ここ数ヶ月世界を飛び回っている)
アスカは自分も独立したがっていたので何も言わなかったが、
シンジの作る食事には未練があるらしく、よく食べに来る。
けれど一人での訪問には抵抗があるようで、来るときは綾波を誘うようになった。
シンジも最初は戸惑ったが、他人の家を訪ねる事などしたことのなかった綾波が、
自分以上に戸惑っていたことを知ってからは、この「訪問」を許した。
アスカも、綾波を自室に招いたりしているようである。
シンジの知らぬ間に、どうしてこんなに仲良くなったのかは不思議だったが、
相反する性質を持ったように見える二人の少女は、案外うまくやっているようだ。

だからか、アスカとは違い「男の家を一人で尋ねる」という事を特に意識しない少女は、
こうして時々シンジを驚かせる。

ふらりと訪れては、シンジが気づかないうちに、部屋の隅で眠っていたりとか。
496492:05/01/26 13:35:02 ID:???
綾波が意識しないといっても、シンジはそれではすまない。
家に帰ったら、同じ年の女の子が寝ているのである。
それも、可愛いと素直に思えてしまうような女の子が。
「食べて」といわんばかりの美味しい状況だが、相手にはおそらくその気はない。
あったら、こうも無防備ではいてくれないだろう。

いろいろと妄想してしまうことぐらいは許して欲しいとシンジは思う。
シンジとて健全な男だ。
でも長い間、ちょっと凶暴な美人二人と暮らした経験が、シンジの忍耐力を鍛えていた。
事実、考えるだけで、まだ、…手を出してみたことはない。

…。
通学に使う時間を逆算しながら、新しいシャツを取り出そうとシンジは引き出しを開ける。
狭いワンルームマンションなので、着替える場所はこの部屋しかない。
綾波は相変わらずコタツになついている。
背を向けているからいいかと、シンジも気にせず着替え始める。

…彼らのこの気安さが、関係を進めさせない最大の関門だということに気づかないあたり、
シンジも彼女を責める資格がない程度に鈍いことは明白だった。
497492:05/01/26 13:35:56 ID:???
シャツを換え、セーターに手を通そうとしたところでシンジはある違和感に気づいた。

このセーターは学校指定の既製品だ。
男女の別はないかわりにサイズが多めに揃えられた、紺地のシンプルな品である。
(高校に入って身長が伸び悩んでいるシンジが、
 このセーターのサイズをコンプレックスに思っているのは秘密の話だ)

そのセーターだが、どうも自分のものとは違うような気がする。

「綾波。
 えっと、このセーターって…」
「換えたの」
「…?
 換えたって、綾波のと?
 なんで、そんな…」

綾波の不可解な行動よりも、彼女とサイズが同じだったことにシンジはショックを受ける。
いくらなんでも体型を見れば、そんなわけないことが分かるはずだが、
ここでもう一つ考えを進められないのは、シンジが素直すぎるからだろうか。
セーターは余裕を持って着ることを好むものもいるので、そう受け取ったとも取れるが。
…しかし赤い髪の同僚に言わせると、このシンジの思考は「鈍感バカ」ということになる。
498492:05/01/26 13:37:19 ID:???
「濡れたから」
動揺するシンジとは裏腹に、綾波は淡々と理由を述べる。
さらにシンジの動揺を深めるような理由を。

「濡れたって…?
 ええっ、これって濡れてるの!?」
「いいえ。
 …洗濯しただけ。
 今は乾いてるわ」
「そっ、そう。
 じゃ、じゃぁ、いいのかな?」

セーターを着ずに登校できるほど、外の寒さは易しくない。
かといって濡れたものを着ていては風邪を引くのがオチだろう。
それが回避できたらしいことに、シンジは安堵の息をつく。

そのまま無造作にセーターに袖を通しかけて、シンジは気づく。
サイズが同じだから着られないわけではないが、これは綾波のセーターである。
ショックで一時的にぼけたのかもしれない。
濡れたものが乾いたのなら、綾波が自分で着ればいいだけの話だ。

再びセーターを脱いだ様子に綾波が小さく舌打ちしたのを、シンジは聞いていなかった。
499492:05/01/26 13:38:18 ID:???
「乾いたんなら、自分で着ればいいじゃないか。
 …綾波、ねぇ、聞いてんの?」
「…問題ない」
「………似てないよ、ソレ」

「碇君、時間」

卓にひじをついてあごを乗せて述べるのは、定番の台詞。
ここでさり気なく上目遣いにすることがポイントだったのが、シンジには効かなかったようだ。
ホンモノを見すぎているせいかもしれない。
先に衝撃的なこと「セーターが濡れてる」を聞かせて動揺を誘う方法も失敗したようだ。
シンジがごまかされないことを悟った綾波は作戦を変えた。
時計を指差して現実を見せる。
確かに彼女が指差した時刻表示は、シンジ的なレッドゾーンぎりぎりを示している。
無駄に言い争っている時間の余裕はなかった。
シンジは仕方なく説得を切り上げ、綾波のセーターをかぶった。

石鹸の香りに混じる、綾波の匂い。

洗濯洗剤は量販店で箱買いしたものを、アスカや綾波、ミサトなどど分けて使っている。
生活費の節約なのだが、ならばそれで洗濯された衣服は同じ洗剤の匂いがするのが普通だ。
けれどたとえ洗濯したてでも、何度も袖を通した衣服には持ち主の匂いが移るものだ。
体臭の薄い綾波でも、その微かな匂いで、シンジがセーターに違和感を感じたほどに。

500492:05/01/26 13:39:03 ID:???
体を包むふわりとした毛糸のぬくもり。
ぼーっとした気分になるのは、暖かさのせいだけではないはずだ。

無意識に誘惑されている気分になる。
綾波にはその気はやはりないのだろうけれど。

「碇君、はやく」
靴を履いた綾波が玄関先で振り返る。

いつか打ち明けることが出来るだろうか?
今はまだ自分ばかりが振り回されているようにシンジは感じている。
気持ちの速度がそろったら…などと考えるのは己に自信のない証拠でもあるが。

玄関のドアが閉まる音を聞く前に、もう一度名前を呼ばれる。

シンジは急いでコートをつかむと、ガスの元栓を確認し部屋を飛び出る。
階下の駐輪場ではすでに自転車の後ろに座った綾波が、彼を待っている。
ドアの鍵を閉める僅かな時間にも、冷たい外気はシンジの体に纏わる部屋の名残を払う。

「待っているのは、僕もなんだけどな…」
小さな独り言をさらうように、冬の風がシンジを追い立てる。

その頬に当たる風を避けて首をすくめたシンジがセーターに触れてしまい、
赤くなって駆け出したのは、風ばかりの責任とは言えない。

501492:05/01/26 13:40:11 ID:???

・・・蛇足、あるいは少女たちの策略編・・・

走り出した自転車の荷台で、風をよけるように背中に頬を寄せる。
紺色のコートを通して伝わるシンジのぬくもり。
綾波レイはそのあたたかさにうっとりと笑う。

このコートの下に彼が着ているのは、彼女のセーターだ。


昨夜見た古いスパイ映画は、アクション以上に恋愛のスパイスが色濃くまぶされていた。
それを見たのは年頃の少女が二人。
となれば当然その後の映画の感想とも言えないおしゃべりは、
恋人同士の駆け引きについてになる。

鈍感な少年は気づかない。

恋を知れば年齢に関係なく、少女はたやすく女へと変わる。
臆病でいられるほど、彼女たちを包む環境は甘くない。

お気に入りのクッションを抱いて夜通し話すのは、いかにして少年を陥落させるかだ。

「だからぁ、最初が肝心なのよ。
 あっちから告白させなきゃ、絶対ダメ。
 弱みなんて見せたら、シンジはすーぐ調子に乗るわよ」
「…そう?」
502492:05/01/26 13:40:58 ID:???
「そぉよ。
 覚えてるでしょ、あいつがシンクロテストが良かったとき。
 ちょーしにのって、使徒に飲み込まれてたじゃない?」
「そうね」
「でも、あいつもとろいって言うか、鈍いわよね。
 好きだってことバレてんのに何で言わないのかしら?
 日本の男ってみんなそう?」
「碇君…もててるわ」
「鈍くてもいいってこと?…わかんないわねー。
 あ、あんたのことじゃないわよ。
 あんたはシンジのことよく知ってて好きなんでしょ。
 そうじゃない奴らが、シンジを好きになるっていうのがわかんないのよ。
 シンジってぱっと見、どこにでもいそうじゃない?」
「碇君はやさしいわ」
「まーね。
 いいとこもないわけじゃ、ないわね」
「セカンド…」
「もー、何心配してんのよ!
 シンジはあたしの守備範囲外。
 あたしはもっと気が利いて、包容力があるタイプがすきなの!」
「ごめんなさい」
503492:05/01/26 13:42:39 ID:???
クッションにあごを埋めてうつ伏せたアスカが、足先だけをパタパタと動かす。
悪戯っぽく見上げた視線の先で、レイが膝を抱えている。

「いいっていいって。
 あーあ、あたしも恋がしたいわ。
 あのファーストが、こんなになっちゃうんだもの。
 “好き”って、すごいわよね」
「でも、いいことばかりではないわ。
 私、碇君の恋人ではないもの。
 …碇君が、誰か…」
「誰かって、あんた以外?
 そんなのあるわけないじゃない」
「でも…」
「ふぅー。 
 あんたも心配性ね。  
 そうねぇ、確かにシンジは流されやすいものね。
 イケイケの女に迫られたら押し切られちゃうかも」
「…っ。
 それは、嫌」
「じゃーどーする?
 印でもつけとく?
 あんたのだってわかるように」
「名札?」
504492:05/01/26 13:43:26 ID:???
「名札って、シンジは物じゃないんだから」
「首輪?」
「それもいいけど、…シンジには似合いそうね。
 でも、もっとあるでしょ?
 ほら、さっきもやってたじゃない、映画で」

「…キスマーク」
「おー、ファーストって大胆」
「セカンド!」

適温に管理された室内で、気心の知れた同性しかいないとなれば薄着にもなる。
肩紐のついたキャミソールからのぞく細い首筋から鎖骨にかけて、
レイの透明感のある白い肌が淡いばら色に染まる。

かつては表情を殺し、ビスクドールさながらに硬質な雰囲気を湛えていた少女。

それが今は羞恥に頬を染め、赤い瞳を潤ませてアスカをにらんでいる。

その変貌が、アスカにはうらやましい。
『恋』とはこうも鮮やかに人を変えるのか。
自分も変わるのだろうか、…この少女のように?
アスカの思案も知らず、どうも照れているらしいレイは感情の行き場をなくして、
クッションを叩いている。
505492:05/01/26 13:44:25 ID:???
「もぉ、やめなさいよ。
 ほこりが立つでしょ!」

アスカの言い草に、レイが上目遣いでにらむ。

「ふふん。
 そんな顔しても、あたしは引っかからないわよ。
 シンジにしなさいよ、シンジに」
「…そんな顔?」
「今の顔。
 ちょっとこうやってあごを引いて、唇噛んでみたりとか」

アスカがお手本を示す。
乾いた唇を濡らすように、ちらりとのぞいた紅い舌が艶かしい。
どきどきと速度を上げた胸元を掴んで、レイはアスカのまねをする。
…これで碇君が誘惑できるのだろうか?
疑問が表情に残っていたが、真剣なレイの姿にアスカもまじめに応える。

「そうそう、いいんじゃない?
 あんた色気がたんないもんね」
「色気…」
「そのうち身につくわよ。
 それより、ムシ対策するんでしょ?」
506492:05/01/26 13:45:11 ID:???
「ムシ?」
「女よ、女。
 シンジがほかの誰かに取られちゃ嫌なんでしょ?」
「嫌」
「それで、どうする?
 キスマークつけてみる?」
「…………無理」
「何、想像してんのよ。
 耳赤いわよ、ファーストのスケベ」
「セカンドはダメ。
 想像しないで」
「いいじゃない想像くらい。
 減るもんじゃないわよ」
「減りそうな気がするもの。
 …碇君」
「はいはい、ごちそうさま。
 とにかく、あんたの物だってわかればいいのよ。
 ようはマーキングなんだから」
「マーキング」
「そっ、印付け」
507492:05/01/26 13:45:56 ID:???
「なんでもいいの?」

しばらく考え込んでいたレイが尋ねたとき、アスカは半分寝ぼけていた。
もう後数時間で朝になる。

「あんた寝てたんじゃなかったの〜。
 いい、いい。
 なんでもいいから、もう寝なさいよ」

柔らかな毛布に引き込んだレイは、なにやらもこもこしたものを抱え込んでいる。

「何持ってるの?」

半ば夢の中にいるアスカのかすれた声は、それでもレイに届いたようだ。
くすくすと笑いながら、レイはより深く抱き込むようにそれに腕を回す。

「マーキングするの、…碇君に」

レイの返事はアスカには意味不明だった。
けれど睡魔の誘惑に負けたアスカは、レイの返事に対する思考を手放した。
どうせ明日になれば嫌でも知ることになるだろう。
レイにとってアスカは、なんでも相談できる大切な女友達なのだから。
508492:05/01/26 13:47:19 ID:???
レイは腕に抱きこんだ紺色のセーターにそっと頬をよせる。

明日の着替えのために持ち込まれたそれは、まだ洗濯してから一度も袖を通していない。
学校指定のものとはいえ、これはレイが持つ物の中で唯一碇シンジとおそろいの品だ。
もちろんサイズも彼のものと同じ。
レイにとってはいささか大きなそれもシンジと同じだと思えば着ているだけで楽しかった。
そのことをシンジが知らなくても。

けれど彼がこれを着てくれたら、きっともっと楽しい。 
レイは明日について想像し、幸せそうに微笑んで目を閉じる。




女の子は敏感だ。
気になる相手の一挙一動、言葉に行動にクセ。
持ち物、着るもの何にでも。

そしてもちろん匂いにも。

これはマーキングだ。
シンジが気づかなくとも、アスカの言う「ムシ」はこれでけん制できるだろう。


…独占欲などという言葉も知らないだろう少女は、
しかし少年の思いもよらないスピードで大人への階段を駆け上っているらしい。
                                                   終了
GJ!
(・∀・)イイ!!すばらしく(・∀・)イイ!!

続きを!
>柔らかな毛布に引き込んだレイ

レイとアスカは一緒に寝ているのか!
すばらしい!この調子で作品を末永く投下されることをお祈り申し上げまする。
非常にGJ!!
良スレage
515515:05/02/01 17:09:40 ID:bhh9kKIl
設定は明治時代
シンジ、渚、相田、鈴原は同じ札幌の学校の寄宿舎に住む学生で、
綾波は、シンジが英語を教えていた娘である。
516515:05/02/01 17:10:20 ID:bhh9kKIl
 十月の始めだ。けれども札幌では十分朝寒といっていい時期になった。
シンジは綿の重い掛け布団を首のところにたくし上げて、軽い咳を二つ三つした。
冷え切った空気が障子の所で少し温まるのだろう、かの一匹のハエはそこで静かに動いていた。
黄色く光る障子を背景にして、ほくろのように黒く点ぜられたそのハエは、
六本の足の微細な動きかたまでもシンジの眼に差し込んだ。
一番前の両脚と、一番後ろの両脚とをかたみがわりに拝むようにすり合わせて、
それで頭をなでたり、羽根をつくろったりする動作を根気よく続けては、何の必要があってか、
すばやくその位置を二、三寸ずつ上のほうに移した。
乾いたかすかな音が、その度ごとにシンジの耳をかすめて、ハエの元いた位置に真白く光る像が残った。
それが不思議にもシンジの注意をひきつけたのだ。
外では生活の営みがいろいろな物音を立てているのに、シンジの部屋の中は秋らしく物静かだった。
シンジは自分の心の騒ぐのを部屋の空気に感ずるように思った。
517515:05/02/01 17:11:06 ID:bhh9kKIl
 やはり綾波さんは渚に頼むのが一番いい。相田は駄目だ。鈴原でも悪くないが、
あのがさつさは綾波さんにはふさわしくない。
そればかりでなく鈴原はひょうきんなようで油断のならない所がある。
あの男はこうと思い込むと事情も顧みないで実行に移る性質だ。
人からは放漫と思われながら、いざとなると大づかみながらに急所を押さえることを知っている。
綾波さんにどんな心を動かしていくかもしれない・・・・。

 ハエが素早く居所を変えた。
518515:05/02/01 17:12:53 ID:bhh9kKIl
 俺は綾波さんを要する訳ではない。
綾波さんは度々俺に眼を与えた。
綾波さんは異性に眼を与えることなどは知らない。
それだから平気で度々俺に眼を与えたのだ。
綾波さんの眼は、俺を見るとき、少し上気した皮膚の中から
大きくつやつやしく輝いて、あるはにかみを感じながらも俺から離れようとはしない。
「心の底からの信頼を信じて下さい」とその眼は言っている。
眼は綾波さんを裏切っている。綾波さんは何も知らないのだ。

 ハエがまた動いた。軽い音・・・・

 綾波さんのその眼のいう所を心に気づかせるのは俺にとっては何でもないことだ。
それは今までも俺にはかなりの誘惑だった・・・。
519515:05/02/01 17:13:56 ID:bhh9kKIl
 シンジはそこまで考えてくると眼の前には障子もハエもなくなっていた。
彼の空想の魔杖の一振りに、
真白なユリのような大きな花が見る見るつぼみの弱々しさから日輪のようにかがやかしく開いた。
シンジは香りの高い雌しべの中に顔を埋めてみた。
蒸すような、焼くような、くすぐるような、
悲しくさせるようなその香り・・・・、その花から、まだ誰も嗅がなかった高い香り・・・・・
シンジはしばらく自分をその空想に溺れさせていたが、
心臓の鼓動の高まるのを感ずるや否や、
振り捨てるように、空想の花からその眼を遠ざけた。
その時はハエは右のほうに位置を移した。

 シンジの心にある未練を残しつつその万華鏡のような花は跡形もなく消えうせた。
520515:05/02/01 17:15:26 ID:bhh9kKIl
 渚ならばいい。あの純粋な渚になら綾波さんが与えられても俺に不服はない。
あの二人が恋し合うのは見ていても美しいだろう。
二人の心が両方から自然に開けて行って、ついに驚きながら喜びながら
互いに抱き合うのはありそうなことであって、そしていいことだ。
俺はとにかく、誘惑を避けよう。
俺はどれほど魅力的でもそんな所にまごついてはいられない。
しかも今のところ綾波さんは処女の美しい純潔さで俺の心を引きつけるだけで、
これはいつかは破られなければならないものだ。
しかしそれは誘惑に違いないが、それだけの好奇心で綾波さんの心を俺の方に目覚めさすのは残酷だ・・・。

 シンジは下らないことをくよくよ考えたと思った。

 そして前どおりに障子にとまっている一匹のハエに総ての注意を向けようとした。

                          完
えっ!?終わり!?
文体がものすっごいおばあちゃんちの小説っぽい
狙ってやってるんだろうけど、続き気になるがLRSでよろ
>>515
あー……。
とりあえずsageを覚えましょうね。
そろそろバレンタインデーですね。書いてみようかな。
525515:05/02/02 17:58:28 ID:V8/MfyzY
シンジと綾波は2人でキャンプに出かけた。
2人は星空の下、テントを張って眠りについた。
真夜中・・・、綾波がシンジを起こした。
「碇くん、上を見て・・・。そしてあなたの考えを聞かせてほしい・・・。」
シンジはちょっと考えてから答えた。
「星がたくさん見えるね。」
「・・・そのことから何か分かる?」
綾波はまた尋ねた。
ここは何か良いセリフを言わなければと心の隅で思ったシンジだが、
彼はまだ若すぎた。
そしてシンジは答えた。
「宇宙には何百万もの銀河と、おそらくは何十億もの星があるんだ。
占星学的に言えば、土星はしし座にあって、
測時法で言えば、今はだいたい3時15分ぐらいかな。
神学的には、神様は全能で、僕たちは小さく取るに足らない存在だ。
気象学的には、たぶん・・・明日はいい天気だよ。」



「・・・・私たちのテントが盗まれたの。」
                         おわり
ごめん、sage忘れてた。
はぁ?
氏ね世何がsage忘れただ
>525
普通につまらん。
君の書き込みよりは面白い
>>525>>529
必死ですw
>>529

( ´,_ゝ`)プッ
「つまんねえ」言われたくらいでキレんな。
「綾波は僕を犬のように扱うんだね・・・。」
「そんなことない・・・。私、犬、好きだもの・・・。」
放課後、ネルフへ
「碇君・・・今日、何日?」
「ごめん、わからないよ・・・。
あ、綾波が今持ってる新聞を見ればいいじゃないか。」
「だめ・・・。これは昨日のなの。」
何で敢えて昨日の新聞を持って来たのか解らんが取り敢えず533の綾波に萌えました。
昨日の新聞だと判っているなら今日の日付は判ってるんじゃないか…ってのは野暮の極みだろうな。
野暮じゃなくてそこに萌えなきゃどこに(ry
学校の帰り道、シンジはレイの様子がおかしいことに気がついた。その表情はいつもと違い氷のように冷たかった。
「あ、綾波?どうしたの…?僕なんかいけないこと言ったりしたかな?」
少女の表情のみならず、発せられた声もまた氷のようだった。
「碇君、弐号機パイロットとキスしたって本当?」
「あわわわわ…いきなり何を言い出すんだよ綾波!そそそそんな…」
必死にごまかそうとするが、自ら嘘と言っているようなものである。そんな浅はかなシンジの思いを砕くようにレイは続けた。
「あの人から聞いたわ。どうして嘘つこうとするの?」
赤い瞳が少年を射抜く。
ううっ…アスカぁ、何も綾波に言わなくていいじゃないかぁ…
赤い髪の少女が自分をいつものようにあざけ笑う姿が目に浮かぶようだった。
「あの…ごめんなさい…その…ホントごめん。何でもするよ。」
「そう、何でもするのね?じゃ目つぶって。口閉じて。」
シンジはエスカレーターでの出来事を思い出していた。
…痛かったなぁ、綾波のビンタ。またされるんだろうな…
レイの表情からは何も読み取れなかった。観念して目をつぶるシンジ。
「行くわ…」
シンジは思わず肩に力を込めた。来るべき衝撃に備えて。
…ちゅっ

……へっ?
唇に触れる感触に目を開けると、蒼銀が一面に広がり、どこか甘いような香りが微かにただよった。

「あ、あ、あ、あや…」
レイが口付けをやめて離れてから、ゆうに10秒はたった後、シンジはようやく自分の置かれていた状況に気づいた。
「…私以外の人ともうこういうことしないで…」
レイの顔が夕暮れのなかほんのり薄紅色に染まった。
ぶんぶんぶんっと機械仕掛けの人形のように上下に振るシンジ。顔はピンクと通り超えてもはや真っ赤である。
「…わかってくれれば…いいの…」
薄く微笑むと、少し恥らいながらシンジの指に自分の指を絡めた。

いつもと同じ、二人の帰り道。
いつもと違う、二人の距離。
言葉はなくても、二人はいつもより幸せでした。
首を上下に…だ。すんません。
GJ!

>>539
このばやい「上下に首を」の方がスッキリする希ガス
>>537-538
すんごいGJ!!
やっぱ従順レイよりこーゆーほーがいいな〜
シンジと綾波。2人の恋人とシンジの父は、シンジがかわいがっている老猫と暮らしていました。
ある日シンジは、仕事で5日間外国へ行くことに。
「綾波、猫と父さんの世話を頼むよ」
「・・・わかった。安心して・・・。」
でも猫が心配なシンジは、外国から毎日電話で綾波に猫の様子をチェックしました。
「綾波、猫の様子はどう?」
「・・・元気よ。」
次の日も
「綾波、猫の様子はどう?」
「・・・元気よ。」
毎日そんな感じで、5日目もシンジは電話でたずねました。
「綾波、猫の様子はどう?」
「・・・病気で死んだ。」
「あぁ、なんてこった!・・・あ、綾波!!!今まで元気だと言ってきたのに、
そんなことをいきなり聞いたら僕がショックを受けるのはわかるじゃないか!
悪い知らせは徐々に聞かせるもんなんだよ。
1日目に『元気だ、でも屋根に上ってる』、
2日目に『屋根から落ちた』、
3日目に『獣医のところにいる』、
4日目に『様態が悪化した』、
これで5日目に『死んだ』と聞く方がどれだけ救われるか!」
「・・・ごめんなさい。」
「・・・もういいよ。それより父さんは元気?」



「・・・元気よ。でも屋根に上ってる。」
綾波はネルフの食堂で食事をしているとき、
偶然にも向こうのテーブルにいる2人の男の会話を聞いた。

「お前が習ってた論理学ってのはどういったもんなんだ?」
「やって見せましょう。お宅には芝刈機があります?」
「あるよ」
「ということは、広い庭があるわけですね?」
「その通り!うちには広い庭がある!」
「ということは、一戸建てですね?」
「その通り!一戸建て!」
「ということは、ご家族がいますね?」
「その通り!妻と2人の子供がいる。」
「ということは、あなたはホモではないですね?」
「その通り!ホモじゃない!」
「つまりこれが論理学ですよ」
「なるほど!」

隣で聞いていて深く感心した綾波は、翌日シンジに言った。
「・・・碇君。」
「え?何?」
「・・・論理学を教えてあげる。・・・碇君の家に、芝刈り機・・・ある?」
「ないよ。」



「・・・・あなたはホモなのね。」
>>537-538
あー綾波キャワス…くそういいな〜!
>>543
面白いなw
>>543
(・∀・)イイ!!
あの時…
どうしてあんなに胸が痛んだの……?


レイは自分の感情に戸惑っていた。
第12使徒戦。あの時彼は命令に違反し、使徒の内部のディラックの海へ飲み込まれた。
本来ならば独断先行などあってはならないことだ。使徒殲滅が自分たちの義務である以上、命令違反は許されるべき行為ではない。
……だがあの時自分はどうだったか?…一瞬とはいえ帰還命令よりもあの少年の救出を第一に考えようとした。

…碇シンジ。あの人の息子…

(信じられるわけないじゃないか…)

(綾波はどうしてエヴァに乗るの?)

(綾波っ!)

(もう別れ際にさよならなんて悲しいこと言うなよ…)

(笑えば…いいと思うよ…)

(綾波の匂いがする…)



……そしてあの海から彼が帰って来たとき…自分が感じたものは何だったか…

…怒り?違う。

…軽蔑?違う。

…安堵?………

どうして…


…彼に会えば、わかるかもしれない…




「綾波?いる?碇だけど…」
ドアを開けると、少し頬を上気させたシンジが立っていた。
軽く走ってきたのだろうか、多少息も荒い。
「こんな遅くに呼び出してごめんなさい…あがって…」
「う、うん、気にしないでよ。どうせすることなかったし…じゃぁお邪魔します…」

「…待ってて、今紅茶入れるから…」
「あ、ありがとう、綾波。気をつかわせちゃってごめんね。」
シンジは所在無さげに部屋を見回していた。


「出来たわ…はい…」
レイが紅茶を運ぶと、落ち着かない様子だったシンジは、少し安心した様子で受け取った。
「ありがとう。…あ、紅茶入れるのうまくなったね、綾波。おいしいや。」
「そう?いつも飲んでるから…」
「そっか…でさ、僕に話って何かな?」
レイは飲んでいた紅茶のカップをテーブルに置くと、ゆっくりと話し出した。

「…碇君、この前の使徒との戦いのこと、覚えてる?」
「えーっと…あのボールみたいな奴のことかな?あいつに飲み込まれちゃってからのことは僕あんまり覚えてないんだ…」
「そう、あなたが命令違反をして飲み込まれた時。」
「うっ…それはその…あのときはどうかしてたんだよ、僕。綾波や、みんなにかけちゃって…ホントにごめん。」
シンジの表情がみるみる曇っていった。
違う、そうじゃない…彼を責めたいんじゃない…
彼を傷つけてしまったと感じたレイは、顔には出さなかったが少し悲しかった。

「…ごめんなさい、命令違反のことを責めるつもりはなかったの…」
レイの口から出てきた意外な言葉に、シンジは少し驚いた。てっきりこのまま命令違反のことを言われるんだと思っていたのだ。
「そ、そうなんだ…その、とにかくご、ごめん…」
「いいの…あの時、あなたが飲み込まれたとき…私も命令違反しようとしてたから…」
「あ、綾波が?命令違反…?」
驚いたな…綾波が命令違反なんて…その…悪いんだけど考えられないや…
「えぇ…あなたがいなくなると思うと、体が勝手に動きそうになったの…それに、胸がとても痛くなったわ…」


……
「綾波…」
「それにあなたが帰ってきた後、本来なら命令違反を咎めなければいけないのに、心が暖かくなった…」
「綾波、僕は…」
「ねぇ、どうして…?碇君…私、わからない…これが何なのかわからない…」
シンジの心は震えていた。目の前の少女の、余りにも健気な告白に。
そして表現を知らない純粋な心に。
そして、さっきまでレイのことを誤解していた自分を、強く心の中で殴った。

ゆっくりと、シンジは言葉を紡いでいった。

「綾波…もし綾波が僕と同じことになったら、きっと僕も綾波と同じように思うよ…」
「…でも、命令は…」
思わずレイの肩をつかんでしまうシンジ。
「綾波!違う…聞いて欲しいんだ。いくら父さんが命令しても、僕の気持ちは変わらないんだ。命令違反をしても、僕は君を思い続けるよ。
命令なんかよりも、その気持ちのほうが大事なんだよ…」
「……」
「綾波、さっきの綾波の言ってくれたこと、本当に嬉しかったんだ…その…ありがとう。さっきのことが本当なら…僕の気持ちと、綾波の気持ちは一緒ってことだと思う。」
「…碇君と一緒…?」
「僕は、綾波が好きだ。本当はヤシマ作戦のときから気になってたんだ…でも、自信がなかったんだ。その…本当に好きなのかとか…」
「碇君…」
「でも今ならはっきり言えるんだ。綾波レイ、君のことが好きだよ…君と、同じ気持ちならその…う、嬉しいな…」
「…碇君は私が好き…私は碇君と同じ…?私は碇君が好き…」
「…綾波?綾波?」
固まってしまったレイを見て呼びかけてみるが、返事がない。
もしかして…僕の勘違い?シンジの顔が青ざめかけたとき…
「…そう…これが好きという気持ちなのね…暖かい…私は、碇君が好き…」
ゆっくりとレイの顔に、笑顔という名の花が開いていった。
「綾波…ありがとう…ありがとう…!心配させたりしてごめんよっ…!」

シンジはその愛しい少女を離すまいと、しっかりとその両手で抱いた。
シンジの笑顔には、少しばかりの涙と、たくさんの幸せが浮かんでいた…

レイも、もう失いたくないといわんばかりに、少年の背中にしっかりと腕を回していた。
かけがえのない少年のぬくもりが、レイの心を優しく包み込んでいく…

ゆっくりと重なっていく二人の影を、月明かりが照らしていた。


……

隣で眠っているシンジを起こさないように、ゆっくりとレイは起き上がった。
そのまま何かを左手で持つと、ベランダへ歩いていった。

月明かりの中、レンズの割れたメガネを握り締める。


…あの人との絆、心地よかったのかも知れない…
…でも…あの人は…私を見ていない…
…絆…いえ、鎖だったのね…
…いつか、碇君に話さなければいけない…私は…私は…


かつて綾波レイが絆と感じていたものは
彼女の左手の中で、音を立てて崩れた。

いつの間にか、後ろに、いとおしい少年が立っていた。
そっと抱きしめられる。

少女の瞳から
銀色の雫が
ひと筋流れた。

その雫は
どんな人間よりも
人間らしいものだったのかも知れない

終わり。
シンジはイライラしていた。最近のネルフの訓練は日に日に厳しくなるばかり。
さらに休暇すら一日もなかった。
そして今日の訓練も終わり、シンジは帰ろうとしていた。
そのとき、綾波が声をかけてきた。
「・・・碇君。」
「何!?」
「・・・碇君は、一時間にどれくらい稼ぐの?」
「・・・大体2万ぐらいかな。」
「・・・そう。じゃあ、1万円・・・貸してほしい・・・。」
「は!?何言ってんだよ!僕が毎日毎日こんな訓練をしているのを知っといて、
次はお金の話!?いい加減にしてよ!僕はもうこんなのうんざりなんだよ!!」
シンジは駆け出した。

その日の夜

そういえば今日、綾波にひどいこと言っちゃったな・・・。
綾波だって僕と毎日同じように訓練しているのに・・・。
大変なのは僕だけじゃない・・・のか・・・。
それに一万円がどうとか言ってたな・・・。
綾波がお金をほしいって言うなんて・・・よっぽどほしいものがあったのかな。
いつもは物なんてほしがる様子、なかったのに・・・。
そんな彼女の気持ちをイライラしてたからって・・・僕は・・・。
・・・明日・・・謝りに行ったほうがいいのかな・・・。
そして
シンジは綾波のマンションまで来た。
ピンポーン
ガチャ
そこには綾波の驚いた表情があった。
「・・・。」
「・・・あの、・・昨日はごめん。あんなひどいこと言って。
僕もどうかしてたんだ。」
「・・・。」
「・・・あ、そうだ今日一万円持ってきたんだ。貸してっていってたでしょ?
これで何か好きなものでも買ってよ。」
すると彼女は眼を輝かせた。
「・・・・ありがとう。」
一万円札をシンジの手から取り、綾波は部屋の中に入っていった。
が、すぐに帰ってきて、その手には一万円札が二枚握られていた。
「なんだ、綾波。一万円もってるじゃないか。」
「・・・だって、足りなかったの・・・。でも、もう大丈夫。」
そして彼女は手に握り締めていた二枚の一万円札を
シンジの目の前に差し出し、顔を赤らめてこう言った。
「・・・碇君。・・・私、二万円持ってる。・・・これで、碇君の一時間・・・買える?」
あげてやる
>>553-554

ええい誰だ!
レイタンにそんな中年援交オヤヂみたいな発想を教えたやつは!
まったくもって実にケシカランヽ(`Д´)ノ
30分じゃなくて「貴方の一時間を私にちょうだい」?
553-554いいじゃないか。
ネルフのチルドレンに対する3日間もの身体検査はついに最終日を迎えた。
そういうわけでここからは男女別となった。
「じゃあ、シンジ君。悪いんだけど明日までにこの試験管に精子を入れてきてちょうだい。」
一瞬戸惑ったシンジだが、彼はわかりましたと答えた。

そして、翌日。シンジははリツコに訴えていた。
「自分でやろうとしたんですが、
どうにもこうにも出来なかったので、綾波にしてもらおうとしたんです。
最初は右手、それから両手でやってもらったんですが、ぜんぜんだめでした。」
「そう・・。困ったわね。」
「それでアスカにも頼むことにしました。口でやるのが得意中の得意だというので、
ずいぶん熱心にやってもらったのですが、やっぱりピクリともしなくて・・・。」
「・・・やっぱりだめ?」
「・・・はい。」
「しょうがないわね、じゃあ男の人に頼んでみたら?」
「・・・はい。それなら大丈夫な気がします。」

そして翌日
「リツコさん、やりました。」
「そう、よかったわね。誰に頼んだの?」
「それが・・・実は父さんが・・・。」
「へぇ、以外ね。碇指令が・・・。」
「はい、父さん以外に力が強くて、簡単に試験管のフタを開けてくれました。」
LRS関係なかった・・・
おい!アメリカンジョークをエヴァネタにするスレになってるぞ!
「初体験」
それは始めてだった
決して忘れることはない
あのすばらしい体験を・・・
空はどこまでも暗く
月はどこまでも高かった
僕たちは二人きりだった
彼女の髪は柔らかく
彼女の目は澄んでいた
僕は彼女が望んでいることを知っていた
彼女の肌は柔らかく
彼女の足はすてきだった
僕は、彼女の背中に指を這わせた
どんな風にしたのだろう
無我夢中だったから
僕は彼女の胸にさわった
突然僕は怖くなった
心臓が飛び出しそうだった
でも彼女は足を広げた
もう僕は怖くなかった
急に彼女がいとおしくなって
どっと白い液体があふれ出た
終わった何もかもが
これが僕の初めての体験だった
牛の乳搾り・・・
シンジと綾波は2人で動物園に来ていた。
シンジはふとライオンの檻の前にたちどまり、
ライオンの恐ろしさ、獰猛さを綾波に聞かせた。
すると綾波はシンジに身をすり寄せてきた。
「・・・碇君。・・・もし、ライオンが檻を破って出てきて・・・碇君を食べてしまったら・・・
・・・私・・・・」
「・・・綾波・・・。」


「・・・どのバスで帰ったらいいの?」
結婚してちょうど2週間になるシジとレイが新婚旅行から帰ってきた。さあこれから新しい生活の始まりだ。

翌朝、シンジがシャワーを済ませ服を着替えて台所に行ってみると、レイが泣いている。
「どうしたんだい、レイ?」
「今朝あなたに素敵な朝食を作ってあげようと思って台所に降りて来たの。でもお料理ができないの」
シンジが微笑みながら言う。
「さあ、さあ、泣かないで。料理や掃除なんかできなくてもちっとも気にしてないから。
 2階のベッドへ行こう。僕が朝御飯に食べたいものを教えてあげるよ」
ということで、2 人は寝室に行った。

その日のお昼、シンジが昼食を食べに帰ってくるとレイがまた台所で泣いている。
「今度はどうしたの、レイ?」
「やっぱり朝と同じなの。昼食に何か作って上げようと台所に来たんだけど、やっぱり料理ができないの」
シンジは再び微笑んで言った。
「ベッドに行くってのはどうだい? 昼御飯はそこでもらうよ」
ということで、2 人はまた寝室に行った。

その日の夜、シンジが仕事から帰り家に入ってみると、レイが素っ裸で階段の手すりをすべり降りている。
そして、階段を駆け上がると、シューという音と共にまた手すりをすべり降りてくる。
3度目に降りてきた時にシンジが言った。
「いったい何をしてるんだ、レイ?」
レイが答える。
「あなたの夕食を温めてるの」
542−543
532
533
542−543
553−554
559
562
563
を書いたので感想下さい。
ついでに515-520も僕です。
>>565
芸風が評価版の某氏に近いな。わりと好きよ、こういう会話だけの構成でも。
感想というか、これは元ネタがあるんでしょ?
え?コピペ改変に感想?
>>565
553-554は桶
オナジク
「碇君、今日は何の日だか知ってる?」
「せつぶんのひ、だよね。」
「そう、せつぶん。年の数だけ好きな人に口付けできると言われている日…」
「あのー…綾波さん?何を言ってるのかわからないよ…?せつぶんって鬼は外、福はうちって奴…」
「私は数え歳で15歳、15回接吻できるのね…」
「僕の話聞いてる…?」
「今からしてくるから…じゃ、さよなら…」
「なっなっ…」
「どうしたの?そこ、どいてくれる?」
「なっ、何だよ綾波っ…どうして…どうして…」
「冗談よ…ごめんなさい…こういうときどういう顔をしていいかわからないの…」
「…そんなに笑って言う台詞じゃないよ…ひどいよ綾なむ、むぐぅ!?」
……
「…ふぅ…後14回ね…」
「あ、あ、あ、あやなみ…あっ…んっ…」

……
………
「…これで15回…碇君?碇君?」
「…う…あ、あやな…み…すご…あう…」

「…ごめんなさい、嫌だった…?どうしよう…とりあえず葛城三佐に連絡…きゃっ!碇君、起きてくれたのね」
「ふ、ふふふ…綾波…そうだよね…今日は『せつぶん』だよね…僕も15回分あるんだよ…?」
「あっ…そのあの…」
「僕にしたこと…お返ししてあげるよ…」
「…んふっ…んっ…」

その日から毎年この行事は行われたとさ、ちゃんちゃん♪
接吻
>>572
あまーい!(スピードワゴンのいとだの声で)
うあばbなsんdんwl
あまあままっまー
576名無しが氏んでも代わりはいるもの:05/02/04 01:54:18 ID:XebW4nPc
>>553-554
すげー萌えた。
2万を両手に抱えた綾波を想像してしまったよ。
577名無しが氏んでも代わりはいるもの:05/02/04 02:10:59 ID:Iogw4MWK
576うむ。何かいいよね
しかし1時間に二万稼ぐとは…富豪シンちゃんだな
賭博黙示録シンジ
シンジは小学校で副委員長をしている。成績が良い訳でもなく、頼られているわけでもない。
しかし、誰もするものがいないので仕方なく推薦となったとき、なぜかシンジが選ばれたのだった。
ある日授業が終わって学校から出たシンジは、校庭の端のほうに立っている桜の木下に
同じクラスの集団を見つけたので、気になって近づいてみた。
「こんなところで何してるの?」
「知らないの?北校舎の3階のトイレに女の髪の毛があったんだって。
そして血がいっぱい落ちているんだって。」
重大そうに答えたのはクラスの委員長だった。
「知らないな。」
「そしたらね、夜、女の泣き声が聞こえるんだって。オバケがでるんじゃない?」
彼女の友達が恐ろしそうに付け加えた。
「いったい誰がその泣き声を聞いたのさ。」
シンジは落ち着いていった。
「知らないわよ。知らないけどほんとらしいよ。ねえ。」
委員長がみんなの顔を見た。みんな一斉にまじめな顔でうなずいた。
シンジはばかばかしそうに笑った。
「うそだよ、そんなの。」
「うそだって、どうして碇君にわかるの?みんなはほんとうにオバケが出るって言ってんのよ。」
委員長の言葉に、そうだ、そうだ、と言うように、生徒たちはうなずいた。
シンジは少し困ったが、言い返した。
「だって、オバケなんかいないって、お父さんがいってたよ。」
「うちのお父さんは、オバケを見たことがあるんだって。」
「うん、うちでも、オバケはほんとうにいるって、いつでも言うよ。」
みんな口々にいるいるといった。
「そんなものいないよ。」
シンジが言い張った。
「そう・・・。じゃあ、ほんとにオバケが出るかどうか、今夜八時にこの木の下で集まりましょうよ。」
委員長が言った。みんなだまってしまった。そっとどこかに行くふりをして離れた人もいた。
「どうする?集まらないの?」
委員長が返事をうながした。風が吹いて、うつむいている生徒たちの上に、桜の花びらが降りしきった。
「みんなで集まるんだから、こわくはないわよ。」
「そうだ、みんなで集まるのはおもしろいぞ。」
シンジと同じ副委員長の相田が委員長の意見に賛成した。
「碇君はもちろん来るわよね?」
委員長は逃がさないぞという顔をした。
「くるよ。今夜八時にここで集まるんだよね。」
シンジは副委員長らしい落ち着きをみせてうなずいた。
「よし。じゃあ、もちろんみんなも来るわよね。どんなことがあっても。」
委員長はそういって一同を見回した。みんな口々に「うん」と言った。
夕食のときになって、雨がぽつぽつ降りだしていたが、七時を過ぎたころには、雨に風をまじえていた。
「お母さん、ぼくこれから学校に行ってもいい?」
さっきから、暗い外を眺めていたシンジが言った。
「え、これから学校にどんな用事があるの?」
ユイはおどろいて、シンジを見た。
「つまんないことなんだけど・・・。そうだ、行ってもつまらないから、やめようかな。」
シンジは再び外を見た。雨の音が激しかった。
「何かあるのか。」
新聞を見ていたゲンドウが顔を上げた。
「学校のトイレに夜になると女の泣き声がするんだって。みんなで今夜集まって、
それがオバケかどうかみるんだって。」
「オバケなんてこの世にはいないわよ。そんなことで雨の中出かけることなんてないわよ。
ねえ、あなた。」
ユイはおかしそうに笑った。ゲンドウは腕を組んだまま、少し難しい顔をしていた。
「うん、ぼく、行かないよ。こんなに雨が降ってきたら誰も集まらないに決まってるよ。」
「そうか。やめるのはいいが、シンジはいったいどんな約束をしたんだ?」
「今夜、八時に桜の木下に集まるって。」
「そう約束したのか。約束したが、やめるのか。」
ゲンドウはじっとシンジをみつめた。
「約束したのはしたけど、行かなくてもいいんだ。オバケがいるかどうかなんて、つまらないから。」
こんな雨の中を出て行かなければならないほど、大事なことではないとシンジは考えた。
「シンジ、行ってこい。」
ゲンドウはおだやかに言った。
「うん。・・・でも、こんなに雨が降ってるのに。」
「そうか。雨が降ったら行かなくてもいいという約束だったのか。」
ゲンドウの声がきびしかった。
「ううん。雨が降ったときはどうするか決めてなかった。」
シンジはおずおずとゲンドウを見た。
「約束を破るのは、犬猫以下だ。犬や猫は約束などしないから、破りようもない。
人間よりかしこいようなものだ。」
(だけど、大した約束でもないのに。)
シンジは不満そうに口をとがらせた。
「シンジ。守らなくてもいい約束なら、はじめからしないことだな。」
シンジの心を見透かすようにゲンドウは言った。
「はい。」
しぶしぶとシンジは立ち上がった。
「私も一緒に行くわ。」
ユイも立ち上がった。
「ユイ。シンジは五年生の男だ。ひとりで行けないことはない。」
学校までは一キロある。ユイは困ったようにゲンドウを見た。
外に出て、何歩も歩かないうちに、シンジはたちまち雨でずぶぬれになってしまった。暗い道を、
シンジはつま先で探るように歩いていった。思ったほど風はひどくないが、それでも雨にぬれた。
真っ暗な道は歩きづらい。五年間歩きなれた道ではあっても、昼の道とはまったく勝手が違った。
(つまらない約束をするんじゃなかった。)
シンジは何度も後悔していた。
(どうせ誰も来てないのに。)
シンジはゲンドウの仕打ちが不満だった。ぬかるみに足を取られて、つまづきそうになった。
春の雨とはいいながら、ずぶぬれになった体が冷えてきた。
(約束って、こんなにまでして守らなければならないものかな・・・。)
わずか一キロたらずの道が、何十キロもの道に思われて、シンジは泣きそうになった。
やっと校庭にたどりついたころは、さいわい雨が小降りになっていた。
暗い校庭はしんと静まり返って、何の音もしない。
誰か来ているかと耳を澄ましたが話し声はなかった。
ほんとうにどこからか女のすすり泣く声が聞こえてくるような、不気味な静けさだった。
「・・・誰?」
と、ふいに声がかかった。シンジはぎくりとした。
「い、碇だ。」
「・・・なんだ・・・碇君か。」
女の子のような声だが、委員長の声とは思われない。
シンジの前の席に並んでいる綾波レイだった。
綾波は普段目立たないが、落ち着いて学力のある生徒だった。
「ああ、綾波か。ひどい雨なのに、よく来たね。」
誰も来るはずがないと決めていただけに、シンジはおどろいた。
「・・・だって、・・・約束・・・だから・・・。」
淡々とした綾波の言葉が大人っぽくひびいた。
(約束・・・だから・・・。)
シンジは綾波の言葉をつぶやいてみた。すると不思議なことに、
「約束」という言葉の持つ、ずしりとした重さが、シンジにも分かったような気がした。
(ぼくは父さんに行けといわれたから、仕方なく来たんだ。約束だからじゃない・・・。)
シンジは急に恥ずかしくなった。綾波が一段えらい人間に思われた。
日ごろ、副委員長としての誇りを持っていたことが、ひどくつまらなく思われた。
「・・・みんな、来ないみたいだね。」
シンジは言った。
「・・・うん。」
「どんなことがあっても集まるって約束したのにね。」
シンジはもう、自分は約束を守ってここに来たような気になっていた。
「・・・雨だから・・・仕方ない・・・。」
綾波が言った。その声に、自分は約束を守ったぞというひびきはなかった。
シンジは綾波をほんとうにえらいとおもった。

おしまい
>>554
レイは1時間いくら?(;´Д`)ハァハァ
586シンジと同じく二万かも?
何時間買ってやろう…
その日以来、シンジは綾波に目をやる機会が多くなった。
彼女は休み時間は外で遊ばずに、いつも本を読んでいた。
一度シンジは何の本を読んでいるのか聞いてみたが、彼女はシンジの目を見ると、
すぐに目をそらして、何事もなかったように本に視線を向けた。
シンジは気にとめなかったが、それから彼女と目が会う機会が多くなった。

五月の中ごろになって、桜の花も散り、すっかり暖かくなった。
ある日の昼休み、委員長の提案で、放課後にかくれんぼをすることになった。
「じゃ、授業が終わってすぐにいつもの木のところに集合ね。」
シンジはどうしようか迷ったが、「副委員長として参加すること」と委員長に言われた。
「もうすぐチャイムがなるぞ。」
と言われ、シンジは席に戻ろうとした。そのときふと綾波と目が合ったが、彼女はまたすぐにそらした。
シンジはなにか思い至って、綾波の席の前まで行った。
「綾波も一緒にかくれんぼしようよ。」
「・・・いい。」
本に視線を向けたままそう答えた。
「だめだよ、綾波っていっつも本読んでばっかだろ。たまには外で遊ばないと。」
綾波はじっと本を見ていたが、しばらくすると本を閉じ、うつむいたまま口を開いた。
「・・・碇君も・・・来るの?」
「うん、僕も行くよ。」
「・・・わかった・・・私も行く・・・。」
「よかった。じゃあ、約束だからね。」
そういうとシンジは小指を出した。
綾波もおずおずと自分の小指を出してシンジのものと結ばせた。
放課後になり、木の下に集まったのは男女あわせて十人ほどだった。
「じゃ、最初は碇君が鬼ね。」
「え?何で僕なんだよ。」
「決めたの。」
「誰が?」
「私が決めたの!」
委員長の声は何故か怒りをふくんでいた。
シンジもあの待ち合わせの日以来、彼女の態度が変わったのを感じていた。
シンジは不満に思ったが、仕方なく鬼になった。

「次は相田が鬼だな。」
「もう遅いし、これで最後ね。」
もう空は幾分赤みを含んでいた。
「いくよー。いーち、にーい、さーん・・・」
シンジはすぐに駆け出して、校舎の裏にある小さな物置に入った。
「・・・ここならみつからない。」
扉を開けてみるとそこは大人一人が座れるほどの隙間しかなかった。
シンジは中に入って扉を閉めた。
上を見上げるとオレンジ色の光が壁にあいてある穴から差し込んでいた。
「・・・きゅーう、じゅう!もーいいかい。」
「まーだだよー。」
「いーち、にーい、さーん・・・」
委員長だな、とシンジは思った。
すると急に目の前の扉が開いた。
「わ・・。」
そこには綾波が立っていた。
「綾波か・・・。」
「碇君・・・ここに隠れていたのね・・・。」
綾波は周りを見渡して他に隠れる場所を探しているようだった。
「もう時間がないよ。はやく、ぼくの後ろに隠れて。」
「・・・でも・・・。」
少し戸惑った綾波だが、こっくりとうなずいて、彼女はシンジのそばに寄った。
「はーち、きゅーう・・・」
もう数え終わりそうなのを聞いて、シンジは綾波の腕をつかんで物置の中に押し込んだ。
そして自分も再び入り、扉を勢いよく閉めた。
「・・・じゅう!もーいいかい。」
「もーいいよー。」
「間に合った。」
シンジはふーっと息を吐いた。
二人が座った物置の中はほとんど隙間がなくなっていた。
「見つけた、鈴原。」
どこかで相田のはずんだ声が聞こえた。
薄暗い物置小屋の中で、シンジと綾波は座ったまま顔を見合わせて首をすくめた。
その時、シンジは綾波を抱きしめたいような、へんに胸苦しいような気がした。
「綾波。」
シンジはそっと呼んだ。
「・・・何」
綾波もそっと答えた。青いふわふわした髪の下の澄んだ眼も「なあに?」と言っている。
「ううん、なんでもない。」
(いつまでも見つからないといいな。)
シンジは綾波と二人でそっと隠れているのが楽しかった。
今まで、かくれんぼをして、こんな風に何か甘っ苦しいような楽しさなんかシンジは知らなかった。
「・・・楽しいの?」
シンジは綾波に自分の心を見透かされてる気がしてひどく恥ずかしくなった。
「楽しいよ。」
「私も・・・かくれんぼがこんなに楽しいなんて、知らなかった・・・。」
シンジはこの言葉をきいて何故かうれしくなった。
「・・・このまま見つからないといいね。」
「・・・うん。」
シンジにとってこのかくれんぼは人生で一番楽しいものとなった。

おしまい
591さん、面白かったです。小学生の設定は珍しくて新鮮でした。続き物のよう
なので、続き期待して待たせてもらいます。
可愛い・・・・・
579-585 588-591>GJ!!カワエエなぁw

この2人はこういう純粋なのがイイ(*´∀`)
7月になった。シンジは相変わらず綾波を見ていたが、
眼が合ったときに先にそらすのはシンジの方だった。
シンジは綾波と一緒にいることを避けるようになっていた。
彼女といると、自分の体温が上がっていくのを感じ、
それがクラスのみんなに分かってしまうような気がした。
しかしシンジの心は綾波を避けるたびに、何故かさびしくなっていた。
1学期の最後の日、終業式も無事に終わり、
あとはホームルームを残すのみだった。
シンジは席に座り、これから始まる夏休みのことで、
心がはずんでいた。
ふいに綾波に目をやったが、彼女はじっと前を見ていた。
シンジと目が会うことはなかった。
教室の扉が開き、担任が入ってきた。
「はいはい、静かにしなさい。
さて、みなさんに通知表を渡す前に、ちょっと悲しいお知らせがあります。
綾波さん。ちょっと前に出てきて。」
「・・・はい。」
シンジは綾波を目で追っていたが、彼女はずっと遠くを見ているようだった。
「綾波さんは、両親の都合で海外に行くことになりました。
ですから綾波さんがこのクラスの一員なのは今日が最後になります。」
「え〜さみしい〜。」
「海外ってどこ?」
「お手紙書くからね。」
みんな口々に別れの挨拶を言ったが、
シンジには何も聞こえなかった。
夏休みのことなんてすっかり忘れてしまっていた。
ホームルームも終わり、生徒たちはこれから始まる長い夏休みが待ちきれないように、
校庭を駆け出していた。
シンジはゆっくりと校庭をあるいていた。
自分が今何をしているのか分からなかった。
校庭がどこまでも続くような気がした。
横に目をやると、
一本の木が立っていた。
それを見るとシンジは、急に泣きたくなるような、走り出したくなるような気になった。
「・・・碇君。」
シンジははっとして後ろを振り向いたが、彼女はいなかった。

家についても、シンジは自分が何をしているのか、何がしたいのかわからなかった。
シンジの心は、いままで感じたことのない胸が締め付けられるような気分だった。
窓の外を見た。空は真っ青で、おおきな入道雲が唯一の白だった。
シンジはあの木の下で綾波と一緒に過ごしたことを思い出した。
綾波と一緒に物置小屋に隠れたことを思い出した。
青いふわふわした髪と、澄んだ目を思い出した。
シンジはもう駆け出していた。
シンジの家と綾波の家は、学校をはさんで1,5キロほどだった。
シンジは何も考えずに走っていたが、まっすぐに綾波の家に向かっていた。
途中、小石に引っかかって転んだような気がしたが、走り続けた。
綾波の家の前には、すでに二台のトラックが荷物を運び終えて、
今にも走り出そうとしていた。
(綾波・・・)
心の中でそう唱えながら周りを見渡したが、彼女の姿はなかった。
シンジは泣きたくなるなるのを、もう我慢できそうになかった。
「・・・碇君?」
シンジは背中が急に温かくなるような気がした。
目を袖でぬぐっても涙は止まらなかったが、かまわず振り向いた。
「・・・やあ、綾波。」
「・・・泣いてるの?」
シンジは自分が泣いてるのにはじめて気づいた。
「泣いてないよ。」
シンジは袖で顔をぬぐった。
「・・・ほら。」
そう言ってシンジは笑おうとしたが、顔がくしゃくしゃになってしまった。
「・・・うん。」
綾波はシンジの顔をみると、うつむいてしまった。
彼女の手には、いつも学校で読んでいた本が握られていた。
「・・・碇君。」
彼女はうつむいたまま呼びかけた。
「何?」
シンジはぬぐってもぬぐっても湧き出てくる涙に手を焼きながら答えた。
綾波は自分の持っていた本をシンジに突き出した。
「・・・これ・・・碇君に・・・あげる。」
シンジは彼女がこの本をいつも大事そうに持っているのを思い出した。
「でも・・・これは綾波の大事な本じゃないの?」
綾波はずっとうつむいていた。
「・・・あげる。」
「・・・いい・・・いらない。」
「・・・あげる。」
「いらないってば。」
「あげるったらあげるの!」
綾波はそう言うと、シンジの胸に本を押し付けた。
シンジは綾波の大きな声に驚いたが、
それよりも綾波があげたその顔の目に涙があふれていたのにびっくりした。
シンジは彼女の手が震えているのを感じた。
「・・・うん、ありがと。」
そういうとシンジは本を受け取った。
二人はその場に立ったままだった。
ふいに綾波の家の前から声がした。
「レイ、行くわよ。」
シンジは彼女にどう声をかけていいか分からなかった。
自分のこの心のもやもやが言葉にできないことがくやしかった。
「・・・さよなら。」
綾波は顔を再びうつむけて、シンジの脇を通り過ぎた。
シンジは振り返ろうとしたが、足がうごかなかった。
(・・・さよなら。)
シンジは心の中でその言葉を繰り返した。
「・・・綾波。」
シンジは自分が握っている本を見た。
「綾波!」
いつの間にかシンジは綾波のそばに駆け寄っていた。
綾波の目は涙でいっぱいになっていたが、
驚いたように目を見開いていた。
「・・・また、一緒にかくれんぼしようね。」
「・・・。」
「・・・約束だからね。」
「・・・約束。」
「そう、約束・・・。」
「・・・わかった。・・・約束。」
綾波は小指をシンジの前に出した。
シンジも小指を出した。
小指を結ばせた時の綾波の顔は、涙でぬれていたが、
その表情は、シンジが見たこともないほどの美しい笑顔だった。

おしまい(後一回だけ続けていいですか?)
ついでにage
イイ!(ノд`)゚。・゚
>>600
イイネェ。(ノД`)

その本に綾波のキモチが記されてると思ってた・・。
大好きです先生!!もう1回と言わずどんどん続けちゃって下さい!!
シンジは十五になった。中学を卒業し、高校に入学してから一週間が過ぎた。
シンジの家から高校までは、電車で二駅ほどの距離にあった。
毎朝歩く駅までの道沿いには、小学校があった。
彼はその小学校の校庭に立つ一本の木をいつも眺めながら歩いていた。
今は桜が満開だった。
学校の帰り、シンジは駅前の書店に寄った。ここは比較的大きな書店で、
ビルのワンフロアすべてにわたっていた。
シンジはエスカレーターで五階に上り、真っ直ぐその目的地へと向かった。
(この本を眺めるのは何度目だろう。)
シンジは本棚に手を伸ばした。そのとき、同じ本をとろうとしていた別の手に触れた。
「あ・・。」
シンジははっとして隣を見た。
澄んだ目をした、色白の女性だった。
シンジはじっと彼女を見つめ続けた。彼女がうつむくとやっと自分のしていたことに気がつき、
シンジは恥ずかしくなった。
気まずくなってしばらく沈黙が続いた。
「あの・・。」
彼女が口を開いた。
「あなたが、先立ったから。」
「あ・・・、い、いえ。僕はこの本を持ってますから・・・。」
彼女と再び目が合った。
シンジは逃げ出したくなった。
「あの・・・僕はこれで・・・。」
シンジはそういうと、彼女をおいて書店を出た。
翌日、シンジは学校へいつもどおり登校してきた。
「なあシンジ、知ってるか?」
相田がシンジに話しかけた。彼とシンジは高校でも同じクラスだった。
「何が?」
「今日さ、転校生がうちのクラスに来るらしいよ。」
「へぇ・・。」
「それがさ、何でも帰国子女って噂だよ。」
シンジは胸が高鳴るのを感じた。そして何故かあの本のことを思った。
「はぁ・・・どんな子かなぁ。かわいかったらいいよなぁ。うちのクラスの女子はぱっとしないし。」
「お・・女の子なんだ・・・。」
シンジの手が少し汗ばんだ。
「ばか、帰国子女って言ったら女だろ。」
「はは・・・。バカはお前だよ。」
そうしているうちにシンジ達は学校の門をくぐった。
(帰国子女らしいよ・・・)
シンジは彼の言葉を心の中で繰り返しながら階段を上った。
(・・・バカか、僕は・・。何を期待してるんだ・・・。)
そう思って落ち着こうとするが、心臓は言うことを聞かなかった。
(・・・約束・・・)
ふいにこの言葉がシンジの心に浮かんだ。
「・・・ンジ、シンジ!」
シンジは我に返った。
「な、何?」
相田はシンジの目をじっと見た後、あきれ気味でこう言った。
「ったく。何考えてたんだ?お前もつくづくやらしい奴だよな。」
「うん・・・ゴメン。」
「おいおい、何認めてんだよ。ほんとに大丈夫か?」
「大丈夫だよ。」
そう言うと、シンジは教室に入り、窓際にある自分の席に着いた。
ふーっと息をはき、青い空を眺めた。
雲ひとつない青空だった。
「今日は転校生を紹介します。」
担任の一言にクラスがざわついた。
「親の都合で、ドイツに住んでいたらしいんだけど、小学校までは日本で暮らしてたみたいなので、
言葉の問題はないでしょう。」
この言葉を聞くと、シンジはいよいよ胸が高鳴るのを抑えられなくなった。
「じゃ、入ってきてちょうだい。」
クラスが一瞬シーンとなり、扉が開いた。
「おぉ・・・。」
「美しい・・。」
「髪きれい・・・。」
「スタイルいいよな・・・。」
ほかの生徒が口々に反応する中、シンジは思わず自分があっと言いそうになった。
(昨日本屋であった女の子だ。)
「自己紹介、お願いね。」
「はい。」
そう言って彼女は教壇に立った。
「惣流・アスカ・ラングレーです。親の都合で少し帰国が遅れてしまいましたが、
そんなことは気にせず、今日からこのクラスの一員として皆さんと仲良くしたいと思います。
よろしくお願いします。」
ハキハキとこう言うと、彼女はニッコリと笑った。
そして男子のため息と、女子の殺気がクラスを覆った。
「じゃあ惣流さんの席は・・・碇君の隣ね。」
シンジは彼女と目が合った。
「あ、あなたは昨日の・・・。」
アスカがこう口を開いた瞬間、クラス中の男子が殺気を含んだ目でシンジをにらみつけた。
(碇・・・昨日何があったんだ・・・)
(オ・・オレの惣流さんに何を・・・)
(碇・・・殺す)
シンジは言いようのない寒気を感じた。
「あら、二人はもう知り合いなの。惣流さん良かったじゃない、知ってる人がいて。
シンジくん、彼女を大事にね。」
(先生・・・余計な真似を・・・)
シンジは自分が冷や汗をかいていることに気づいた。
「じゃ、惣流さん、席について。私はほかのクラスで授業があるからこれで・・・。」
担任が教室から出た後、アスカは優雅に机の間を歩き、シンジの隣の席に着いた。
「よろしくね、シンジ。」
彼女はニッコリと笑った。
「あ・・・うん、よろしく、惣流さん。」
すると彼女の顔は何故か不機嫌気味になった。
「あのさぁ、アタシがシンジって呼んでるんだから、
シンジの方もアタシのことをアスカって呼ぶのが筋ってもんなんじゃないの?」
「いや、それは・・・。」
「何よ、アタシの名前を呼ぶのがそんなに嫌なわけ?」
「そうじゃないけど。」
「じゃあいいじゃなーい。言っとくけど、シンジがアタシのことアスカ以外で呼びかけても
無視するからね。」
「わ、わかったよ・・。」
(何なんだこの子は・・・)
「よ、よろしく・・アスカ。」
「うん、よろしい。」
と言って彼女はニッコリと笑った。
一時間目は英語だった。その時間中シンジは片肘をつきながら、窓から見える空の景色を見ていた。
彼はアスカが教室に入ってきた瞬間、自分が少しがっかりしていたことに気がついていた。
(期待した僕がバカだったのか・・・そんなこと、あるわけないのに・・・。)
シンジは自分自身がおかしくて少し笑った。
そして目線を落とし、校庭へと続く道沿いに咲いている桜の花を見た。
そのときシンジは桜の木の下で誰かを待っているような女の子の姿を見た。
目をこすり、もう一度見てみると、女の子の影は消えていた。
(そうだ・・・。あの時も彼女が桜の木の下で、ずっと待っていたんだ・・・。
そうか・・・、そうだったんだ・・・。やっと気づいた・・・。会いに行くのは・・・僕のほうだ。)
シンジはもう一度空を見た。
澄んだ青い空の中を、二羽の鳥が横切った。

おしまい(すいません。あと2、3回続きそうです・・・。)
2,3回と言わず好きなだけ書け。
いや書いてください。
激 ツ ボ だ す
長期戦キボン!
長期投稿歓迎ですよ。アスカ登場でますます目が離せなくなってきたし。
続き期待してますね
綾波を探そうとしたシンジだが、何からすればいいかまったくわからなかった。
困り果てた末にとりあえず、インターネットで「綾波レイ」と検索することにした。
(こんなことでわかれば苦労しないけど・・・)
そう思いつつエンターキーを押した。
(17件も引っかかった・・・)
シンジは少し不審に思い、とりあえずそのうちのひとつをクリックした。
それは過去のニュース記事だった。
「心臓に重度の障害を持つ患者、ドナーを求めて渡米」
シンジは指が震えるのを感じた。

「重い心臓病で入院していたW県の綾波レイさん(11歳)が米国で移植手術を受けるため、
支援団体が集めていた募金が九日までに、目標を上回る一億千五百万円に達し、
二十日に両親らとともに渡米することが決まった。
六人の医師団も同行。受け入れ先のシアトルの小児病院で、臓器提供者が現れるのを待つ。
募金は街頭などで集めたほか、これまで子どもの海外移植手術を試みた六家族から、
それぞれが集めた募金の余剰金計六千八百万円も寄せられ、
渡航や手術費など目標の八千万円を上回った。
この日、W市役所で記者会見したレイさんの父親(38)と母親(33)は
「感謝の気持ちでいっぱいです。必ず元気になって戻ってきます」と話した。
レイさんは今年五月、移植以外に治療法がない拡張型心筋症と診断された。
国内では未成年者の臓器提供などが認められないため、両親が米国での移植手術を希望。
知人らが支援団体を結成し五月から募金を呼び掛けてきた。
                         20××年 7月14日」

シンジはほかのページも調べた。
綾波は、もう生きていないかもしれないという思いが何度も頭をよぎったが、
シンジはそれを振り払った。そして「現在も療養中、ドナーはいまだ現れず」
という言葉を見つけ、シンジは胸をなでおろした。

このことを知ってからのシンジは2、3日眠れなかった。夜の闇が急に怖くなった。
自分が何もできないことを、認めたくなかった。
(僕が力になれることは・・・必ずあるはずだ。)
シンジはようやく手紙を書こうと決めた。
しかし、いざペンを持ってみると、何を書いていいのか分からなくなった。
自分の中に渦巻くいろいろな感情を文字で表すことがこれほど難しいなんて、
彼は夢にも思わなかった。
結局昨夜は何もかけなかった。
一晩中机に向かっていたが、心に浮かぶどの言葉も、綾波の力にはならない気がした。

シンジはいつもの道を駅へ向かって歩いた。ふいに一本の木が目に留まった。
桜は散りかけていた。その様子が綾波の命を表しているようで、胸が締め付けられる思いがした。
(そうだ・・・。桜の花を押し花にして送ろう。)
そう思うと、シンジは再び駅へと向かった。
一歩一歩進むごとに、綾波が桜の押し花をもらって喜ぶ姿が目に浮かぶようだった。
手紙を送ってから二週間が過ぎた。シンジは家に帰るとすぐに自宅のポストを覗いた。
するとシンジ宛に海外かららしき分厚い手紙が来た。
シンジはそれを持って急いで自分の部屋に行き、すぐさま封を切った。
中から出した手紙を広げると、美しい字が目に付いた。綾波の母からの手紙だった。

「碇君、あなたの送ってくれた桜の押し花を、レイはどんなに喜んだか、
文字では書き表せないぐらいです。その日はちょうど吹雪で、ガラスが真っ白でした。
吹雪の中で見る桜の押し花は、あなたが想像しなかったほどレイを慰めてくれました。
このごろのレイはずっと寝たきりです。
胸のほうはそんなに痛んでいないみたいだけど、脊椎がやられたらしく、
歩くとよろけてしまうので、仕方なくずっと寝ています。」

この手紙のほかに、綾波の手紙の入っていた。
その文字は彼女らしく、丸みを帯びていた。

「碇君、桜の押し花、ほんとうにありがとうございました。
あまりに何度も眺めていたから、お母さんに笑われました。
私は桜の花を見るまで、生きていけるような気がしませんでした。
だからこの押し花を見たとき、私ものすごくうれしかった。
何だかあと一年ぐらい生きていけるような気がします・・・。」
そんなことが綾波の手紙に書いてあった。
シンジはそれから花を見るたびに、押し花にせずにはいられなくなった。
チューリップも、ユリも、タンポポも、小さな花も大きな花も、押し花にして綾波に送った。
そのたびに綾波から簡単だが、心のこもったお礼の手紙が来た。
シンジはその手紙を一通一通大切に机の中にしまった。

学校にいても、花に目が止まると、ふっと白い綾波の顔が目に浮かんだ。
綾波の病気が恐ろしいと思ったのは、初めのうちだけだった。
いつ助かるかも知れない綾波が、なんとも言えず憐れだった。
もう来年まで、生きていることのできないような気がして、シンジは綾波の心になって花を見た。
すると、バラひとつ、菜の花ひとつにも、涙がにじんでくるような気がした。

アスカといろいろな話をしているときの楽しそうな彼女の顔を見ても、シンジは綾波を思った。
アスカはこの先何十年も元気に生きていけるかもしれない。
しかし、綾波は、あのまま十五歳の命を閉じるかもしれない。
そう思うと、ついまた机の前に座ってペンを握らずにはいられなくなった。
何か一言でも話しかけてやれば、それだけ綾波の命が永らえることができるような気がした。
綾波からの手紙はいっそう短くなっていった。
それはまさに、彼女の命が次第に残り少なくなっていくような、
そんな心もとない感じだった。

こうして綾波のことを考えているうちに、
いつしかシンジも命という問題について、まじめに考えるようになっていた。
道の途中で見かける元気な小学生を見ても、
(この子達もやがて死ぬのだ・・・。)
とふいに考えることがあった。
学校で人に気に入らないようなことをされても、こう思うとすべて許せるような気がした。

「行ってきます。」
と母親に言ったとたん、今日再び生きて家に帰ってくるかどうか、何の保証もないんだ、
と思うこともあった。
とにかくシンジの命に対する考え方が、単なる「考え事」ではなくなってしまっていた。
ある日、シンジは父親のゲンドウに尋ねた。
「父さん、人間は、死んだら何もかも終わりだよね。」
シンジは綾波のことを思いながら言った。
ゲンドウは、突き詰めたようなシンジの表情に、しばらく黙っていたが、
「シンジ、私は死がすべての終わりだとは思っていない。」
「だって父さん、死んで何がはじまるって言うのさ!死んだ人間にも未来はあるって言うの!?」
シンジは声を荒げた。
ゲンドウは静かにうなずいた。確信に満ちたうなずき方だった。
「どんな未来があるっていうの?」
「シンジ、私もお前のような年のころ、同じ悩みを持っていた。
死んだら何もかも終わり、だったらなぜ生きているのか、というようなことをいつも考えていた。
そんなときだ、親父が死んだのは。私はショックだった。
あれほど厳格で、無口な親父が、昨日まで元気だったのに急に死んでしまうんだからな。
それから私は何に対しても無気力になった。何もかもがどうでもよくなった。
だがある日、もし親父が生きていたら今の私の姿を見てどう思うかと考えた。
そのとき気づいた。
親父は死んでもなお私に影響を与え続けていると。
死んでも人の心はほかの人の心に住み、そしてその人に影響を与える。
私と私の親父がその例えだ。
そして私自身が死んでもまたほかの人に影響を与える続けるだろう。
それも一人じゃない。
私という人物を記憶しているすべての人にだ。
そうやって人々の思いは続いていく。
そう考えると、私は自分が生きている意味を見つけたような気がした。
死を考えることは、生を考えることと同じということだ。」
ゲンドウはそう言った。シンジはなんとなく釈然としなかった。
父が自分とは違う遠い世界にいるような気がした。
そう思いながらも、あの死を目の前にしている綾波が、
「確かに死はすべての終わりではない。」
と信じることができたなら、それはどんな大きな力になるだろうかとシンジは思った。
そして、自分では信じていないその言葉を、
綾波に告げてやりたいような気がしてならなかった。

おしまい(ああ、イタモノになりそうだなあ・・・。)
。・ ゚・。* 。 +゚。・.。* ゚ + 。・゚・(ノД`) 涙ガトマラナイヨ…
願わくばアスカもうまく絡めてやってくれ
おしまいってかい!?
まて。イタものはスレ違いだぞ、と言ってみる。
イタモノでも何でもかまわん!!
つ、続きを…
こ、怖い。けど見たい。
二人に幸せな未来がありますように。
LRSならなんでも良いんだよ
死んでアスカと結婚…いや、まさか…ゴクリ
ホリデーパターンか
LRSと愛と必然性があれば…
というか、ドナー待ちレイちゃんはかつてのレイちゃんで決まり?
1.アスカがドナーになる
2.綾波死亡アスカ告白してシンジと結婚
3.シンジがドナーになろうとするも臓器拒絶、アスカが「私を見て!」シンジ無視して刺して終わり

どれだろうどれかしら
こっちの人達は本当に心が広いなー
いっそのことあの人趣旨変えしてこっち来てくれないかなー
あれほど痛そうだとこっちでも嫌がる人たくさん出るだろうけど…
なんのこと?
七月になった。シンジの綾波を思う心に変わりはなかったが、
しかしこのごろシンジの中に少しずつ変わっていくものがあった。
学校の生き帰りに見かける女性の姿に目を奪われることが多くなってきたような気がする。
髪を後ろに束ね、袖をまくりあげてガラスを磨く若い女性の白い二の腕や、
セーラー服を着て、靴音を立てて歩く女性の姿などに、シンジはつい目を誘われてしまうのだ。
制服のネクタイを胸高に結んで、颯爽と歩いてくる女子高生の群れにも、
シンジはやはり興味をそそられた。

以前は、母と同じ年頃の女性でも、恥ずかしくて真正面から見ることができなかった。
どこで、どうして、このように変わっていくのかと思うと、ふっと不安になることがある。
(人の心は変わりやすい・・・)
そんな言葉が胸に浮かぶ。
まだまだ自分の心が思いもかけない方向に行ってしまうような気がする。

心の底ではやはり綾波を思っているのだが、考えてみると、それは綾波を思っているというより、
若い女性というものを、綾波を通して愛しているような気もした。
必ずしもシンジにとって、相手が綾波でなければならないというほど、
強いものではないような気がした。

シンジは流れる雲を眺めながら、人間の心の不確かさにいまさらのように驚いていた。
(あの雲のように、自分もまた、どこから来てどこへ行くのかわからないんだ・・・)
シンジはそんなことを思うと、ひどく寂しかった。
何の目的もなく流れている雲と、何の目的もなくこの人生をさすらっているような自分が、
あまりにも同じように見えてならない。
何だか生きていることがむなしいような気がした。
「シーンジ、一緒に帰ろ!」
学校からの下校途中、アスカが後ろから話しかけてきた。
「あ・・うん。」
するとアスカは、シンジの脇から顔を覗かせて、じっとシンジの顔を覗いた。
シンジはアスカと目が合うと、すぐに視線をそらした。
「な・・何?」
「シンジこそどうしたのよ、そんな辛気くさい顔して。」
「別に・・・アスカには関係ないよ。」
「何よそれ・・・。変なシンジ・・・。」
そういうと二人とも黙り込んでしまった。
ただアスカはずっとシンジの隣を歩き続けていた。
シンジはチラッとアスカを見た。
彼女は黙ってうつむきながら歩いていた。
何か彼女も考えているようだった。
「ねぇ・・・シンジ・・・。」
アスカが口を開いた。
「何?」
シンジはアスカを見ずに答えた。
「シンジってさ・・・彼女とか・・・いるの?」
「・・・いないよ。」
答えてから、シンジは綾波を思った。
おそらく治ることのない綾波とのことを、シンジは考えたことがなかった。
もちろん手紙でもそのような思いを伝えたことはない。
もし付き合っている人がいるかではなく、好きな人がいるかと尋ねられたなら、
シンジはためらわずにうなずいたかもしれなかった。
「そっかぁ・・・。」
シンジは彼女の真意をはかりかねていた。
「じゃあさ・・・アタシが・・・その・・彼女になってあげても・・・いいわよ。」
シンジは言葉の意味が一瞬分からなかった。
「え、何?」
シンジは歩くのをやめた。
アスカはシンジの前に回りこんだ。
「もう!二度言わせるんじゃないわよ!アタシが彼女になってあげよっかって言ってんの!」
シンジは呆然として彼女を見た。
彼女の顔は、夕焼けの逆行になって、よく見えなかった。
ただその手は震えているような気がした。
「・・・そんな、突然・・・。」
シンジはどう答えていいか分からなかった。
「・・・ふん。まあいいわ。答えは待っといてあげる。それまでアタシに話しかけるんじゃないわよ!」
そういうと彼女は首筋まで真っ赤になって、逃げるように駆け出した。
鞄を手に持って、制服をなびかせて走っているその姿が、
初めて彼女を見たときよりもずっと魅力的に見えた。
別にどこといって、とりたてて嫌うべき所はない。
むしろつやのある髪と、上目遣いのまなざし、形のいい口元など、
心惹かれるものはあった。
しかしそれだけのことであった。
第一、高校ですぐに彼女を作る気もなかった。
そのくせふっとアスカの顔が胸に浮かぶことがある。
生まれて初めて告白された相手だから、
シンジにとってそれだけでもアスカは刺激的な、そして心にかかる存在であったかもしれない。

このまま友達としてアスカといるのも、なんとなく寂しい気がする。
といってまだ付き合う気にもなれない。
一方綾波のことも決して忘れてはいない。
時々書く手紙には、今日は暑いとか寒いとか、体の具合はどうだとか、
不器用なシンジはいつも決まりきった言葉を書いているのだが、
綾波の返事はいつも穏やかだった。
その文字を見ると、何となくシンジの心は静かになる。
どこにいるときよりもそのときの自分の顔が、シンジは好きだった。
もし自分が、いまアスカと付き合ったら、綾波はどう思うだろうと思ったりする。
案外何も思わず、ひっそりと生きていくような気もする。
しかし自分のほうは、そうたびたび綾波に手紙を書くことができなくなるのではないか。
そう思うとずいぶん寂しい思いをするのだろうかと考えたりもする。
そしてある夜、シンジは長いこと自分に禁じていた欲望に一人身をまかせた。
激しい嵐のような一時が過ぎると、シンジはいっそう寂しく味気ないように感じた。
自己嫌悪とむなしさの中で、シンジは生まれて初めて、
もう一人の自分の顔を見た気がした。
それは真面目で自制的な、そして向上しようとする自分の姿ではなく、
どこまでも堕ちて行きたいような、幾分ふてぶてしい、すさんだもう一人の自分の姿だった。

それは、今までシンジが自分の中に気づかなかったもう一人の自分の姿だった。
それに気づくと、シンジは布団を跳ねのけて、ガバッと飛び起きた。
シンジは家を飛び出して、無我夢中で走った。
七月にもかかわらず、朝の風は涼しかった。
シンジはぎゅっと唇を噛みしめながら、川沿いまで来ると、やっと自分自身に戻ったような気がした。
「シンジ、具合が悪そうだぞ。」
その日の朝、相田が話しかけてきた。
「いや、別に体調が悪いわけじゃないんだけど・・・。
ちょっとね、告白されちゃったんだ・・・。」
「ほー、さすがはシンジだな。」
そして相田は探るように言った。
「・・・やっぱりアスカか?」
「え!?何で分かるの?」
「・・・ふぅ、やっぱりお前、まだ分かってないのか。」
「え?何のこと?」
「まあいいさ・・・。で、どうするんだ?」
「・・・どうしようか。」
「そりゃシンジの心持ち次第さ。」
「それが・・・よくわからないんだ。」
シンジは自分のアスカに対する気持ちを語った。
「なるほどねぇ・・・。シンジ、お前はまだ、女の子と付き合ったことがないんだろ?」
ずばりと相田が言った。シンジはたじろいだ。
「シンジ、実はおれもな、付き合ったことが無いから、
なんとなく会った女の子、会った女の子が妙に魅力的でね。
だからちょっと知り合えば、手放すのが惜しくって・・・。
思い切りが悪いんだよ。シンジと同じさ。」
シンジはうなずいた。
「けどなシンジ、俺は告白して振られたことがあるからなぁ。何となく気が重いよ。
なるべく女の子を傷つけないように、早く答えを出してやれよ。
いらんおせっかいかもしれないけど、とにかく、いいとおもったら付き合ってみろよ。」
相田らしいおおらかな言い方だった。
女の子を傷つけないようにという言葉が、何か心に痛いまでしみ通った。
そしてシンジは、自分でも思いがけない気持ちが湧き上がってくるのを感じた。
(おれはやっぱり、綾波が好きなんだ。)
何故かそのことが今はっきりと、シンジ自身にもわかったような気がした。
いまシンジの心を占めているのは、あのアスカではなく、綾波の病床の姿だった。
今後告白されるたびに、少しは迷い、心を動かすことがあるとしても、
結局は綾波を見捨てて、他の女の子を選ぶことはできないのではないか、とシンジは思った。
(そうだ!俺は綾波のそばにいよう。たとえ一生待つとしても!)
顔を上げると、空がいつもより青く見えた。
その日、アスカは休みだった。
シンジはアスカが学校に来るまで自分の気持ちを告げるのを待とうと思ったが、
学校から帰るその足で、アスカの家に向かった。

シンジはチャイムを押した。しばらくするとドアが開いた。
そこにはパジャマ姿のアスカがいた。
「・・・何しに来たの?」
「あの・・アスカ、昨日一日考えたんだけど・・・その・・・。」
シンジはどういっていいかわからず、口が思うように動かなかった。
そしてシンジが戸惑ってるうちに、先にアスカが口を開いた。
「・・・ちょっと待ってて。」
そういうとアスカはドアを閉めて家の中に入ってしまった。
(どうしたんだろう・・・)
シンジは不思議に思ったがしばらくそこに待っていた。
すると、ドアが勢いよく開いた。
「お待たせ。」
アスカは淡い黄色のワンピースに身を包んでいた。
「さあ、行くわよシンジ。」
と言うと、彼女はシンジの腕を取り、シンジを引っ張るように進んだ。
「い、行くってどこへ?」
「デートよデート!決まってるじゃなーい。」
「デートって・・・けど僕は・・・。」
「いいの!その先は言わなくて・・・。あんたの気持ちぐらい・・・わかってるんだから・・・。」
シンジは自分の腕をしっかりと握っているアスカを見た。
「まったく、アンタには同情するわ!
こーんなに可愛い女の子の申し出を断らなきゃいけないんだから。」
アスカは歩きながら続けた。
「・・・いるんでしょ?」
「え?」
「・・・好きな人。」
シンジが少し動揺すると、アスカが顔を覗き込んだ。
「こんな顔してたら、誰だってわかるわ。」
アスカは少し笑った。
「・・・誰なのか教えなさいよ。」
「え・・、けどアスカは知らないとおも・・」
「いいから!答えなさいよっ!」
アスカはそういうとシンジの腕をつねった。
シンジは仕方なく綾波の名前を告げた。そして現在の状況も話した。
「ふーん、で、もし良くならなかったらどうするのよ。」
「・・・治るまで待つよ。」
「アンタバカァ!?今どきそんな人、いないわよ。」
「・・・うん。」
シンジがそういうと、アスカはあきれるように言った。
「・・・ほんとにばかね。・・・けどちょっと悔しいな・・・。あの女にシンジを取られるなんて・・・。」
「え!?綾波を知ってるの。」
「・・・ふぅ、やっぱりあなた、まだ分かってなかったのね。」
アスカはシンジの腕を抱き、遠くを見ながら答えた。
「五年生ぐらいのころかな・・・。アタシがクラスの委員長やってたとき・・・、
シンジ・・・あなた副委員長だったでしょ。」
シンジは過去の風景を思い浮かべた。
そしては思い出したような顔をしてもう一度アスカを見た。
「アタシね、そのころからシンジのこと好きだったんだけどなぁ・・・。」
二人は腕を組みながら歩き続けた。
空はもう真っ赤に染まっていた。

おしまい(感想がいつもより多くて、いつもよりうれしくなりました。)
おわり…でふか!?
かなりツボにハマった俺は生頃し!?
いやいや、全てを書き尽くす必要もあるまいて。
小学生の時のクラスメート(しかも美少女)をすっかり忘れてるってのは…。
まあいいや。続きに期待。
作者よ…計画の遅延は認められんぞ
続きを任せたぞ
え、これで完結じゃないの?
>>633
落ちついてLASを小説を投下するスレのN3爆弾氏のこと
たった二日でレス一つ食いつぶす話題作を投下中
ただし、その作品はかなりにイタモノ読むには覚悟が必要。
しかし、その作中のレイがやたらかわいい…LASスレにも関わらず
LRSで良いという人が出てくるほど
まぁ、アスカが駄目すぎるってのもあるけどね
648俺の求めてるのはアイツじゃない…
>>648
オススメ小説スレで話題に出てた人か。

街頭属性キャラを愛情タップリに書いてたら駄目人間になったり、
他キャラが案外魅力的に書けるっていうのはあるかもね。
LRSでも結構思い当たる。

イタモノに関しては、たまたま現在スレにいる住人が寛容なだけだと思われるんで
なんとも言えないですのう。

3月の下旬、シンジはシアトル国際空港のロビーにいた。
シンジは綾波に会いに行くと決めてから、一心不乱にバイトをした。
そしてようやくこの春休みを利用して、二週間のアメリカ滞在が決まった。
綾波には日本をたつ一週間前に、アメリカに行くことを手紙で告げてある。
おそらく彼女は昨日までにはその手紙を受け取っているはずだとシンジは思った。

シンジはバスに乗った。ここから目的地までは三時間ほどかかる。
後ろから二列目の席に座ると、シンジは窓の外を見た。
過ぎてゆく町並みを見ていると、その土地の人々の生活の営みが伝わってきた。
そしてうえのほうに目をやると、赤みがかった空にいくつかの雲が浮かんでいた。
シンジはそのうちのひとつをじっと見た。
初めは犬のように見えていた雲が、次第に形を変えて、ついには消えてしまった。
そのような雲の移り変わりを見ると、シンジは
(はかないなぁ・・・。)
と思った。
シンジは自分が感じたその言葉が、自分や綾波にも向けられたものだという気がした。

シンジはホテルに荷物をあずけて、その足で病院へと向かった。
ここは3月とは言いながら、ひどく寒かった。
しかしシンジはその寒さをほとんど感じなかった。
ホテルから病院までは歩いて五分もかからない距離にあった。
綾波のいる病院は、日本の大学病院と同じか、それ以上の規模だった。
シンジは足がすくむような気がしたが、かまわず前に進んだ。
中に入ると、すでに日が落ちたからであろうか、
その広く、薄暗いロビーにはほとんど人影がなかった。
シンジは辺りを見回して、その薄暗さに寒気を感じた。
頭に浮かぶ薄く粘っこい不安を振り切りながら、シンジは受付らしきところに向かった。
「あの・・すいません・・・じゃなかった。エ、エクスキューズミー。」
すると受け付けのナースは微笑んで、
「あら、日本人の子ね。」
と言った。よく見ると、どうやら日系人のようだった。
シンジは久しぶりに心が落ち着くのを感じた。
「誰かのお見舞い?」
「あ、はい。こちらに綾波レイっていう患者さんが入院していると思うんですけど・・・。」
「ちょっとまってて・・・綾波レイさんね・・・。」
こう言いながら、彼女は脇にあるパソコンで調べているようだった。
「・・・はい、確かに。綾波レイさんはE-015号室に在室中です。
ところで・・・あなたは彼女のご親戚かなにかかしら?」
「いえ・・・親戚でもなんでもないんですけど・・・。」
シンジはなんといっていいか分からず、口どもってしまった。
「・・・そう。・・・あの、ちょっと言いにくいんだけど、E棟の患者さんは、
ご親類以外の面会をお断りしているの・・・。」
シンジは一瞬、彼女の言葉が理解できなかった。
「え・・・、そんな・・・。」
「わざわざ遠いところを・・・悪いんだけど・・・。」
シンジは目の前が真っ暗になった。
「・・・もしかして、碇君?」
ふいに後ろから声がしたので振り返ると、そこには一人の女性が立っていた。
「あの・・・あなたは・・・。」
「あら、覚えてないかしら。あなたとは一度会っているのだけれど・・・。」
シンジは綾波を最後に見た日、彼女の後ろに立つ母親らしき人物を思い出した。
「もしかして・・・綾波のお母さんですか?」
すると綾波の母らしき人物はにっこりと笑った。
「ふふ・・、そうよ。よく覚えていてくれましたね。」
その笑顔は、あの日の綾波の笑顔と心なしか似ていた。
「お手紙は昨日受け取りました。さぁ、行きましょう。きっとレイも喜ぶわ。」
「あの・・・でも・・・。」
シンジは受付のほうをちらりと見た。
「ふふ、親の許可があればOKよ。じゃ、この紙に名前を書いてね。」
と微笑んだ。
「あ、ありがとうございます。」
シンジは名前を書き終えると、綾波の母の後へと続いた。
「本当に久しぶりね、碇君。もうすっかり男らしくなっちゃって。」
「あ・・・いえ・・。」
シンジは何故か未来の綾波と一緒にいるような気がして恥ずかしくなった。
そんなことを話しながら、二人はエレベーターに乗った。
「小学生のころだったかしら・・・。レイったらね、
学校から帰るたびに碇君の話ばっかりするのよ。
碇君が話しかけくれたとか、碇君と何回も目が合ったとか、碇君と一緒に遊んだとかねぇ。
私はそれがおかしくておかしくて・・・。
でもね、そんな話をしているときのレイの笑顔と言ったら、とてもかわいらしい笑顔でね。
私は今でもその時のあの子の顔が、目に焼きついてる・・・。」
綾波の母の頬に、一筋の涙が流れた。彼女はそれを指でふいて続けた。
「けど、ここに来てから、レイはほとんど笑わなくなっちゃって・・・。」
シンジはこの言葉を聞くと、背筋が寒くなった。
五年以上も病んでいる綾波は哀れではあった。
日本で描く幻の綾波の姿は確かに可憐だったが、
今思うとそれは現実と大きく違っているような気がした。
「でもね、去年の今頃だったかしら、碇君から桜の押し花をいただいたでしょう。
そのときのレイは本当にうれしそうでね、久しぶりに笑ったわ。
まるであの頃に帰ったような気分だった・・・。」
綾波の母の目は、シンジにはどこか遠くを見ているように写った。
シンジは綾波の容態を聞きそびれた。
綾波の部屋に近づくにつれ、シンジの口は重くなった。
綾波のやせ衰えて、青ざめた顔が目に浮かぶようだった。
五年以上も病気であれば、どんな慰めもそらぞらしく聞こえるに違いないと思うと、
会ってなんと励ましていいかわからなくなった。
一日二日の風邪で寝込むのさえ、つらいものだ。
五年越し、しかもここ一年ほどは来る日も来る日も寝ているということは、
どんなにつらいことだろう。
まして若い女の子なのだ。
シンジは胸がふさがる思いがした。
「そこのつきあたりにある部屋よ。」
と、綾波の母が指差した。
「きっとレイも待ちかねていると思うわ。」
一歩一歩、その部屋までの距離が短くなっていく。
(何て言って慰めたらいいんだろう・・・。)
シンジは幾分固くなりながら、後に従った。
綾波の母は取ってに手をかけ、ゆっくりと扉を開けた。
「レイ、碇君よ。」
その声がひどく優しくて、シンジの胸を打った。
「碇君・・・。」
シンジはその声にはっとして立ち止まった。
シンジがかつて聞いた彼女の声とまったく変わっていなかった。
病室の窓際に、綾波はか細い体を横たえていた。
しかしその顔は、シンジがいまだかつて見たことのないような、明るい輝きに満ちていた。
「綾波・・・。」
シンジはそう言ったまま、その場に座った。
こんなに細くなって、しかも寝たきりの生活の中で、なんてにこやかな顔をしているのだろうと、
シンジは心打たれて言葉が続かなかった。
「・・・碇君・・・疲れた・・でしょ。・・・ここは遠い・・・から。」
可憐な声が、子供のようにあどけなかった。
シンジはちらっと綾波の花嫁姿を思った。
ふと目をやると、綾波の寝ている壁に、押し花がずらりと貼られてある。
桜も、スミレも、梅も、それぞれに受け取った月日を小さく書き込んで貼ってあった。
シンジは胸が熱くなった。
「・・・碇君の送ってくれた花・・・こんなにいっぱいになった・・・。」
綾波の母はすでに席を立ってここにはいない。
シンジは何か胸の締め付けられるような思いがして、あらためて綾波の顔をじっとみた。
そのシンジを、綾波は静かに見返した。
恐ろしいほど澄んだ目だった。
と、その目のさっと涙が走った。
だが次の瞬間、綾波はニッコリと笑っていた。
「・・・私・・ほんとうに押し花・・・うれしかったの・・・。」
笑ったその目から、ほろりと涙がこぼれた。
その涙を細い指でぬぐいながら、
「・・・変。・・・うれしいときでも、涙が出るのね・・・。」
と、綾波は恥じらった。
シンジはその綾波を見つめながら、心の底から綾波をいとしいと思った。
この可憐な綾波のために、どんなことでもしてやりたいような思いがした。
自分ができることであれば、綾波を喜ばすためには、どんな努力も惜しまないと思った。
長い間、日本で描いていた綾波とはまったく違ったその明るさに、シンジは感動した。
それは自分が健康な者としての哀れみに似た思いではなく、尊敬とも言える感動であった。
シンジは自分の手の中に入ってしまいそうな綾波の手を見た。
その手を強く握り締めたいような思いに耐えながら、
「綾波、また明日来るよ。僕は長い時間ここにいるから、今度は押し花じゃなくて、
いろいろな花を持ってきてあげるよ。」
と言った。
綾波の目はみるみる涙でいっぱいになり、その瞳がきらりと光った。
ガラスが風でかすかに揺れた。

おしまい(急展開ですいません。あと三回で終わります。)
俺にもそんな経験あったな(´Д⊂グスン
幼馴染(♀)が高校くらいのときになんか珍しい病気にかかって
母親から腎臓かなんかもらったけどやっぱり治らなくて学校にも行けなくて。
そんなときにお見舞いに行ったんだけど、お世辞にも見れた姿じゃなくて…。
それでも俺がいる間は精一杯気を張ってたらしく、俺が帰ったあとはゲーゲー吐いてたとか。
ずっと忘れていたが、そんな昔を思い出した。
GJ!
うわーん良スレだぁ〜!
(ノд`)。゚・。
凄くイイ!(ノд`)゚。・゚ 幸せになって欲しい!
…そこに作者はいるか?

話は読んだ、よくやったな作者
この次も期待している

……しかしレイを傷つけることをしたら技術部や作戦部がって冬月、何をするその注射をどうくぁうぇrftgyふいじょk
あげ
それからシンジは必ず毎日朝から病院に顔を出して綾波を見舞った。
二人はいろいろなことを語り合いながら、ともに笑った。
シンジが綾波に対する思いを口にしなくても、お互いの心はいつしか通じ合っていた。
綾波といるときが、シンジには一番充実した時間のように思われた。

シンジは、外の景色や、学校での出来事などをよく語って聞かせたが、
綾波はいつも心から喜んで聞いた。
そしてまたどんな見舞いの品でも、たとえば道端の花一本もって行っても
綾波は喜びを顔いっぱいに表した。

いつも寝ていて、何年も外を見ることのない綾波には、
ありふれた花一本にも、いろいろな風景が目に浮かぶらしかった。
だがそれにもまして、自分を喜ばせようとするシンジの気持ちを、
いつも鮮やかに感じ取ってくれるのだった。
そんな綾波を、シンジはつくづくかわいいと思い、優しいと思った。
人の好意を受け取ることに関しては、綾波は天才的ですらあった。
ほんのちょっとした好意でも、それを綾波が受け止めるとき、
言葉すくなだが、限りない豊かな想像を加えて、
またひとつの楽しい思い出となった。

りんごやみかんを買っていくと、綾波はそれを手にとって飽かず眺め続け、
そして無邪気に笑って喜んだ。
見舞ったものの方が、かえってうれしくなるほど喜んでくれた。

いつも綾波が喜ぶものだから、
シンジはつい何を見ても綾波に見せたいと思った。
特に山陰に沈む夕焼けや、桜の並木を見せてやりたいと思った。
どんなに喜ぶだろうと想像するだけで、
シンジも綾波とともに見ているような気持ちになった。
こうして綾波を見舞い、語り合うことはシンジの大きな喜びであり、
心の支えとなっていった。
それだけに、いつかは日本へ帰らなければならないということが、
次第にシンジの心の大きな重荷となっていた。

そしてとうとう最後の日が来た。
その日にシンジが見た朝日は、いつもより鈍い光を発していた。
顔を洗い、歯を磨くときでも、シンジは綾波のことを思った。
これまでの二週間、とても充実した毎日だった。
いろんな話もできたから、シンジはそれで十分ではないかとも考えた。
何かもやもやした思いのままに、シンジはまっすぐ綾波の病院へと向かった。

病院へと続く道を歩いていても、シンジは綾波の姿を思った。
いつもは早く病院に行こう、綾波に会いに行こうと急ぐのだが、
今日に限ってずっとつかなければいいのにと思うこともあった。
逃げ出しそうにもなったが、シンジはそれを思いとどまった。
シンジは病院の敷地内に入った。
今日でここに来るのが最後かと思うと、
何気ない風景一つ一つが感慨深いものに思えた。
ロビーへと続く通路の脇にある庭に、シンジはふと目をやった。
そこにはここに来た当時には感じられなかった、
春を思わせる色鮮やかな花が咲いていた。
その一角に、綾波の母が立っていた。
彼女はそこに咲いている花のひとつに水をやっていた。
すると彼女はシンジに気づき、水をやるのをとめて、
シンジを見て微笑んだ。
その顔を見ると、シンジは急に切なくなった。
「あら、碇君おはよう。いつも早いわね。」
シンジは綾波の母の顔をみず、うつむいたままだった。
「あの・・・、実は今日で日本に帰らなければならないんです。」
出会うなりシンジは言った。
「・・・え、今日で?もう?」
綾波の母はさっと顔をこわばらせて、綾波の部屋のほうをうかがった。
シンジも綾波の部屋のほうをうかがった。
「もう帰らなきゃならないのね・・・。でも碇君が来てやっと二週間たったばかりじゃないの。」
「はい・・・でも、学校があるので・・・。」
シンジはやっとの思いで口に出した。
この時ほど学校が余計なものに感じたことはなかった。
「そう・・・学校ね・・・。」
綾波の母は、その細い手をぎゅっと締めて、涙声でつぶやいた。
シンジはその母の様子を見ると、急に不安になった。
この人でさえ、こんなに悲しむなら、当の綾波はどうなることかと、心配でならなくなった。
この一年間、綾波の体は徐々に衰弱していったが、
ここ二週間は、それがうそのように体調がよくなっていった。
せっかくよくなりつつある体にさわりはしないかと思うと、
帰国を告げるのは、いかにも残酷に思えた。
「まあ・・・仕方ないわね。引き止めるわけにも行かないものね・・・。
でも碇君、レイにはあなたから言ってくれない?
私からじゃとてもいえそうにないから・・・。」
普段の姿に似合わず弱気だった。
シンジは仕方なく綾波の部屋に向かった。
いつも通りなれているはずの道が、やけに長く感じた。
「おはよう・・、碇君。・・・私・・昨日・・流れ星を見たの・・・。とってもうれしかった・・・。」
輝かしいほど明るい綾波の表情に、シンジはいっそう気重になった。
この部屋を、自分は何度訪れたことだろう。
何度訪れても、綾波は一度として不機嫌だったことはなかった。
この分なら打ち明けて大丈夫かもしれないと、
心を奮い立たせながら、シンジは綾波の枕元に座った。
「・・・綾波。」
あらたまったシンジの声に、綾波は不審そうに澄んだ目を向けた。
その目を見ると、シンジはやはり言い出しかねた。
何ていったら、一番驚かさずにすむか、悲しませずにすむかと、
シンジは言葉を捜していた。
「・・・どうしたの?・・・とても難しい顔をしてる・・・。」
「・・・うん、・・ちょっとね・・・。」
シンジは少し笑った。
自分がここを去っても、綾波はここにこうして、ただ寝ているより仕方がないのだと思うと、
直ちに帰国を告げるのはできなかった。
「綾波。」
シンジは思わず綾波の手を取った。
細いやわらかい手が、シンジの両手に素直に握られた。
とけてしまいそうな柔らかなその手を握っていると、
綾波の細々と命がじかに感じられて、シンジは胸が詰まった。
もし帰国を告げたなら、この手は本当に生きる力を失ってしまうのではないかと、
シンジはその手をそっと包むように握りなおした。
「・・・何?・・・なんだか・・・いつもの碇君と・・・違う・・・。」
手を握られて、綾波は赤くなっていた。
「あのね・・・綾波・・・。」
シンジは思い切って言った。

おしまい
寸止めかよ!殺生な…(ノд`)。゚・。
え…
 
 
 
 
 
 
 
 
        エェー!?(゚д゚;)
「思い切って言った」言葉がどんなものか、それを読者に任せるあたりがGJというか悪魔というか(笑)
シンジのセリフが「僕、帰国するのをやめて、綾波とずっと一緒にいるよ」なのかもしれないしな
続き・・・(ノд`)。゚・。

おまいら落ち着け!!
「 今 日 は 」おしまいなだけだ!!
…多分な。
676"(ノ_・、)" ◆USIWdhRmqk :05/02/10 17:17:24 ID:???
(▼▼メ) y-゚゚
677:"(ノ_・、)" ◇USIWdhRmqk:05/02/10 17:21:20 ID:???
( ̄□ ̄;)
…そこに作者はいるか?

私だ
話は読んだ、よくやったな、作者
…その、なんだ、早く続きを書くとこを願っている
これで終わりだと?総員第一種戦闘はい…って赤木くん、司令部になんの用って何をする首を絞めくぁwせdrftgyふじおklp
マジでいい。
あんたすごいよ。
続きお願いします。
なんだか>>659の幼馴染のその後が気になる。
681名無しが氏んでも代わりはいるもの:05/02/10 20:35:46 ID:KI0AV0wa
糞スレage
神認定。よろしいですか?
どうか続きを〜!!(ノд`)。゚・。
684659:05/02/10 23:23:37 ID:???
>>680
リアルイタモノだから聞かない方がいい
>>684
やっぱ死んだの?
傷口をえぐるのは止めなさい。
聞いて欲しくないなら書かなきゃいいのに
688659:05/02/11 01:36:23 ID:???
いや、生きてるけどね。ここ何年もずーっと入院。治療法がわからんから退院の見通しも立たず。
だけどイタいと言ったのはそのことだけではなく、
そんな状況の幼馴染がいることをつい昨日まですっかり忘れていた俺自身のこと。
最初はちょくちょく見舞ったりもしたけど、なんだかんだいってもやっぱり他人事なんだと。
一番辛いのは本人なんだけど、出口の見えないレースに疲弊して最初にリタイヤするのは結局他人の方なんだな、と。

とまあそんなことを思ってここに書いた。思い出させてくれた作者にはマジで感謝。
出来ればハッピーエンドでおながいします。
688
なんか、あんた偉いな。
「僕は今日、日本に帰らなきゃいけないんだ・・・。
でもね、またすぐ会えるから・・・。」
じっとシンジの顔を見ていた綾波のつぶらな瞳が、みるみるぬれていき、
いっぱいに見開いたその目に涙が盛り上がった。
と思うと、涙がこぼれるように両頬を流れた。
綾波は一言もしゃべらなかった。
そっとシーツを胸元まで上げ、次に首まで隠し、
最後にはすっぽりと顔まで隠してしまった。
シーツがかすかに動き、綾波はその下で、声を立てずに泣いているようだった。
シーツを持っていた細い手が、シーツの中に隠れた。
その細い手が、涙をぬぐっているのだろうと思うと、
シンジは胸が締め付けられるようだった。
どれほど時間がたったのだろうか。
やがてシーツの中から綾波が顔を出した。
目を真っ赤に泣きはらしたまま、綾波はそれでもシンジを見てニッコリと笑った。
「・・・変、・・・私・・・涙がないって思ってたのに・・・。こんなにたくさんの涙・・・
どこに隠れてたのか・・・わからない・・・。」
笑った目からまた涙がこぼれた。
そこまで言うと、唇をぎゅっと締めて、綾波はまた涙をぬぐった。
シンジも自分の涙をぬぐった。
「でもね、綾波、一生の別れってわけじゃないんだよ。
・・・また夏になったら、見舞いにこれるから・・・そんなに泣かないでよ・・・。」
「・・・ありがとう・・・。でも・・・そのうち・・・碇君は、私のこと・・・忘れるかもしれない・・・。
でもそれは・・・碇君のためには・・・いいことだと思う・・・から・・・。」
「綾波・・・それはあんまりだよ・・・。僕は声に出して、自分の気持ちを言ったことはないけど、
綾波はわかってくれてると思ってたのに。」
「・・・でも・・・碇君は・・・健康だから・・・。」
「・・・いい機会だから、はっきりと言っておく。
実はね、綾波、僕は高校で告白されたことがあるんだ。
けど僕は断った。
それはね、綾波、僕には綾波という人がいるからだ。」
綾波は驚いてシンジを見た。
「必ず、綾波はよくなる。そして僕のお嫁さんになるんだ。
どんなにかかっても、必ず治ってくれなきゃ困る。
けどなおらなければなおらないで、僕は一生ほかの人とは結婚しない。」
シンジは初めて自分の想いを綾波に告げることができた。
そして本当に、この可憐な綾波以外の誰とも結婚すまいと、あらためて心に誓った。
「・・・そんな・・・もったいない・・・。」
「何がもったいないんだ。僕のほうこそ、綾波のような心の美しい人と、
こうしていられるだけで、どんなにもったいないことか。」
シンジはひざを正して言った。
「綾波・・・僕と一生をともにしてほしい・・・。」
再び綾波の目から、涙があふれた。
綾波はゆっくりと首を横に振った。
「・・・いけない・・・。碇君は・・・健康な人と一緒になって・・・。
私を・・・かわいそうだと思わないで・・・。」
シンジは綾波のそばに寄った。
そして手で綾波の涙をぬぐいながら、シンジは言った。
「綾波・・・人間にとって一番大事なものは、体だとでも言うの?
僕はそうは思わない。僕には体よりも心が大事だ。」
「・・・ありがとう・・・。でも・・・。」
「なにが「でも」なんだ。人間が人間であることのしるしは、その人格にあるはずだ。
手がなくても、目がなくても、口がきけなくても、人間として大事な心が立派なら、
それが立派な人間だっていえるんじゃないか。
病気のことなんて、決して悪く思っちゃだめだ。
綾波には誰にもまねできない優しさや、純粋さがあるんだから。」
「・・・うれしい・・・。碇君にそんなふうに言ってもらえて・・・。・・・でも・・・。」
「・・・またでもか。もうでもなんて、言うなよ。」
「・・・でも・・・。」
そのとき、シンジは覆いかぶさるようにして、綾波のぬれた唇に唇を重ねた。
綾波は驚いて、抵抗することができなかった。
やがてシンジが顔を離した。
綾波は目を見開いて、かすかに震えていた。
胸が大きくあえいでいた。
「綾波・・・。」
シンジはそっと綾波を呼んだ。
綾波は両手でシーツをつかんで、再びそれで顔を隠してしまった。
すこしして、綾波はシーツを口元まで下ろして、真っ赤になった顔を覗かせた。
その姿がシンジにはとてもかわいらしく写った。
「・・・あの・・・碇君・・・その・・・。」
綾波はなんといっていいかわからず、口が上手く回らないようだった。
そしてちらりとシンジのほうを見ると、すぐにまた顔を赤くして、視線をそらした。
「綾波・・・僕はずっと待ってるから・・・心配しないで・・・。
そしていつか綾波がよくなって、日本に帰ってきたとき、その答えを聞かせてほしい・・・。
綾波・・・約束・・・だからね。」
そう言ってシンジは笑った。
綾波は顔を半分シーツで隠しながら、こっくりとうなずいた。
二人は黙って顔を見合わせた。
窓ガラスが風にがたがたと鳴った。
「・・・二週間。」
ぽつりと綾波が言った。
「ああ、僕がここに来てから?」
「うん・・・。ちょうど十四日・・・。」
綾波は何かを考えているようだった。
「それで?」
「うん・・・。たった二週間でも、・・・何だか・・・、
私の過ごしてきたすべての楽しかったことを全部集めても・・・、
この楽しさには比べられないって・・・思ったの・・・。」
綾波はニッコリと笑った。
これがシンジが病室で見た綾波の最後の笑顔だった。
ホテルに帰って、シンジは荷物を整理しながら、綾波の病室でのことを思った。
(どうして僕はあんなことをしたんだろう・・・)
そう思うたびに、シンジの胸は高鳴った。
仕方がないとはいえ、一時の感情に身をまかせてしまったことに、
シンジは後ろめたさを感じた。
けど心のどこかで、自分の思いをつたえられたことに対する満足感があった。
そして綾波の見せてくれた笑顔を思うと、
シンジは綾波の病気がすぐにでもよくなるような気がした。

荷物を整理し終えると、シンジはこの部屋から見える外の風景に目をやった。
そこから真っ赤な夕日が沈むのが見えた。
(また今度の夏・・・ここに来よう・・・)
そう思って、シンジはスーツケースを手に取り、部屋を後にした。
チェックアウトをすませ、時計を見ると、まだバスが来る時間までには余裕があった。
シンジはその間に少し周りを散歩しようと思った。
アメリカに来た当時よりも、そこの町並みは緑が多くなっており、春が感じられた。
シンジは心地よい空気を感じながら近くのベンチに腰を下ろした。

その時、シンジが手を放したすきに、スーツケースが坂を転がっていってしまった。
シンジははっとしてその遠ざかるスーツケースを走って追いかけた。
そしてようやく道が平たんになっているところで捕まえた。
そこは道路の真ん中だった。
シンジは近づいてくる車に気がつかなかった。
二羽のカラスが木から飛び立った。

おしまい(明日最終回の予定が、長くなりすぎて4回分になりそうです。)
明日完結か…
辛い、辛すぎる!うぇーん(ノд`)゚。・。゚
698sage:05/02/11 11:42:08 ID:mZC8PnUf
あぁマジかよ。こんな…こんな展開ありかよ…シンジを綾波を殺さないで…シンジを殺さないでなんて思ったの初めてだよ。
移植で二人は一つになったとかやめてくださいな。
綾波の病室での最後の笑顔…今後の展開に影響するんだろうな。
死ぬってことかマジか…
ミコとマコだったか?
吉永小百合がブルーリボンとってた話だよな
最近純愛ブームでリバイバルされて再出版されてる
7000通の文通の末、彼女死亡
そこまではかぶらないことを祈る。あとは同じだけどな
続き期待しまくって待ちますね
なんか、こっちの祭りがメインになってきたな…
規模は正直小さいけど、質は高いし、純愛ものだから
私好みなのです
…そこに作者はいるか?

話は読んだ、よくやったな、作者
……だが最後の方に道路の真ん中に飛び出すとあるのは私の幻覚か…?
うちのシンジがまさか…まさか…
レイ、構わん ドグマに降りてこの作者に槍を使え
ってレイ、そのATフィールドはまずいぞ何故私に心を開かんのほんとすいませくぁwせdrftgyふじこlp

(ユイ、そこにいたのか…)
701
君にはいつも笑わせてもらっているよw
確かにいつもさりげなくいるゲンドウのコメントも面白いなw
しっかし、このスレは9ヶ月かけてやっと700レスなのにLAS投下スレは4日で900…
医師の一言で、院長室に緊張が走った。
「それはたしかなんですね?」
「はい、オリンピア近郊で起きた交通事故で入院していた意識不明の患者を、
受け持ちの担当医が本日午後三時半をもってその患者を脳死と判定しました。」
若い医師は興奮気味に言った。
「続けてください。」
「はい。その患者が入院していたタコマ市民病院では、
すでに患者の両親の了承を得たといっております。
患者の臓器を二十四時間以内で運べる地域のうち、
臓器提供を必要としている患者を、全米臓器医学会に問い合わせて検索した結果、
我が病院にて入院中の綾波レイが、
心臓の部分で最も適しているとの報告が出たと、先ほど連絡がありました。
本日中に返答を、とのことです。」
病院長はひげをさすりながら、ゆっくりと落ち着いた様子で言った。
「・・・わかりました。この病院の教授、主治医、心臓外科医を集めて、
午後六時からカンファレンスを開きます。
その旨を伝えなさい。」
「わかりました。」
若い医師は一礼すると、急いで部屋から出て行った。
病院長は一呼吸置いて、そばの受話器を手に取った。
「もしもし、私です。スタンレー教授はそちらにいらっしゃるかな?」
その日の病例検討会議、通称カンファレンスはいつにもまして激しかった。
「私は手術に賛成です。
ここ二週間、患者の血圧、脈拍、そして基礎体温、
すべて十分に手術に耐えうるレベルを維持しています。」
「それは数字上のことでしょう。事実をまったく反映していない。
彼女は食事も満足にできず、点滴で栄養を取るのがやっとだ。
それに顔色もよいとはいえない。」
「だが彼女は、五年以上もドナーを待ち続けている。
これ以上、手術を延期するのは得策ではないでしょう。」
「それにこのチャンスを逃せば、またいつドナーが現れるかわからない。
すぐにでも手術に踏み切るべきだ。」
「だが医療はギャンブルではない。
そのような理由では、手術されるほうも浮かばれんでしょう。」
重苦しい雰囲気が室内を覆った。
「しかし、実際手術をするにしても、うちの設備では不安が残ります。
機器も満足ではない。」
「その点は大丈夫だ。
ワシントン州立大学付属病院に連絡を入れれば、
三日ほどで機器を運ぶ準備があるとのことだ。」
「だが優秀な執刀医がいないでしょう。」
「私の第一外科医局にパーマー助教授がいる。彼に任せればいい。」
「たしかに彼の心臓外科に関する技術はすばらしい。
しかし彼はまだ臓器移植手術の経験が浅い。
少々衰弱しており、しかも未成年の女性を彼に任せるのは、
心もとないのではないか?」
「となると、我が病院には手術に適した医師はいない、ということになりますなぁ。」
教授たちはみな黙ってしまった。
すると今まで沈黙していた病院長が口を開いた。
「・・・私は、カリフォルニア州立医科大学のスタンレー教授と古い知り合いでね。
手術の話をすると、喜んでやりましょうとの答えが返ってきた。」
教授たちは驚いて病院長を見た。
「本当ですか?」
「あの心臓外科手術の権威が・・・。」
「スタンレー教授なら、十分にこの手術を担当できますね。」
会議室がざわつき始めた。
「・・・では、この話は手術を受ける、ということでよろしいかな。」
病院長は医師たちの顔を見回した。
「・・・そうですね。」
「私も異論はありません。」
教授たちは先ほどと打って変わって素直に手術に同意した。
それほどスタンレー教授という名前は医学会では有名だった。
「では、あとは患者本人の承認を得次第タコマ市民病院に連絡を入れる・・・
ということでよろしいですね?」
そこにいる全員の医師たちがうなずいた。
「では、本日の臨時カンファレンスは終了します。」
病院長が威厳を持って言った。
綾波は病室でこの知らせを聞いた。
答えはもちろん「手術を受ける」ということだった。
綾波は医師が部屋をあとにした後、窓から外の風景を眺めた。
そこから見える街並は、相変わらず閑散としていた。
しかし綾波には、街並みの微妙な変化が感じられ、
それが自分の変化を反映しているようだった。

五年間、彼女は同じ病室で過ごした。
来る日も来る日も薬と点滴で、毎日が苦痛だった。
時折彼女を襲う胸の痛みは、彼女から生きようとする意思を奪っていった。
もういつ死んでもいいと思っていた。
生きることがつらかった。
私が死んでも、世の中は何も変わらずに流れていくのかと思うと、
ふいに夜に涙があふれてきた。
そんな時、思いかけず届いた桜の花は、彼女を生に結びつける唯一の絆となった。
そこから、彼女の止まっていたときが動き出した。
どのような手術かは、前々から綾波は知っていたが、
いざ時が来ると、急に怖くなった。
手術を受けるということは、もう現状維持はありえず、
病気が治るか、はたまた拒絶反応などで悪化し、
最悪の場合死ぬという、この二つしかなかった。
それにたいして、彼ともう一度会うときは元気な姿でいたいという強い意思が、
綾波に何事にも耐えうる勇気を与えていた。

手術は一週間後に決まった
それでも綾波はいつもと変わらない様子で毎日を過ごした。
時おり綾波は日本のことを思った。
もしかして彼も今頃私のことを想っていて、そして私も彼を想っているのではないかと考えた。
それだけで彼と会っているような、温かい気分になった。
世の中にたった一人でも、自分を想ってくれている人がいれば、
それだけで、こんなにも生きる希望がわく、ということを、
綾波は身をもって知った。
綾波は、手術が成功し、体もある程度動くようになったら、
こちらからも手紙を書こうと決めた。
毎日少しずつ良くなっていく自分の姿を、
彼にもみてほしいと思った。
そして、いつか日本で、必ず彼ともう一度会って、
そのときに自分の想いを私の声で伝えたいと願った。

そんなことを思いながら、綾波はもう一度外の風景を見た。
街にはさまざまな家から温かい家庭の光が漏れていた。
ふと上に目をやった。
その日は綺麗な満月だった。
その白い光が、
暗い闇の中で唯一輝いている自分自身の希望を象徴しているようだと感じた。

おしまい(終わらなかった・・・。すんません、最終回まで三回ってことで。)
いくらなんでも悲しすぎるよ(T_T)
これが本当にシンジ君だったら。
最終回は明日ですか?
お願いだから最終回はハッピーエンドで!!
ここまで来たら作者さんの思い通りに書いてくださいな

ハッピィーエンドを希望してますけどね…
手術当日の朝、綾波はいつもより少し早く目が覚めた。
体を起こして、目をこすり、少し部屋を見回した。
いつもと同じ、静かでさびしい様子だった。
不思議と緊張はしなかった。
綾波は自分の手を見た。
細々とした指はどこか痛々しかったが、
この手がシンジに握られたかと思うと、少し温かくなったような気がした。
そしてその手を自分の胸にあてた。
もう今日で、この心臓の鼓動を感じるのは最後かと思うと、
少し名残惜しい気がした。
ドアがノックされ、綾波の母がドアを開けると、担当医が入ってきた。
そして麻酔液を綾波の細い腕に注射した。
綾波は、このまま自分が眠ってしまって、
もう覚めることはないのかもしれないと感じた。
すると目に涙がにじんできた。
「・・・これで私は・・・このまま眠ってしまって・・・手術台にのせられるのね・・・。」
綾波がぽつりと言った。
そしてそばにいる母に目を向けた。
「・・・お母さん・・・今までありがとう・・・。ずっと一緒にいてくれて・・・。」
綾波の母も胸が熱くなった。
綾波は涙を浮かべながら、母に笑いかけた。
「考えてみたら・・・私と同じ病気の人は・・・世界中に何百人もいて・・・
そのうち何人のドナーが見つかるか・・・。それですべて決まってしまうのね・・・。」
綾波は自分のすごしてきた日々を思っていった。
「・・・私・・・もう満足・・・。」
「・・・レイ、何を言うのよ・・・。」
綾波の母は娘の頭をなでながら言った。
「・・・たとえ手術が成功しなくても・・・私・・・今まで生きていて・・・とても幸せだった・・・。」
「・・・違うわ。・・・生きなきゃ意味なんてないのよ・・・。」
「お母さんと一緒にすごせた・・・。それに・・・碇君ともう一度出会えた・・・。」
綾波は自分の片手を少し上げた。
「・・・また・・・会えるよね・・・お母さん・・・・。」
「当たり前じゃない・・・。」
涙を流しながら、綾波の母は、娘の手を握ろうと手を伸ばした。
が、手が触る寸前、綾波の手はぱたりと落ちた。
綾波は涙が流れた後を残しながら意識を失った。
その寝顔は、心なしか笑っているように、綾波の母には写った。
中央手術室の自動ドアが開き、手術衣を着たスタンレー教授の姿が現れると、
室内に緊張が走った。
八人の手術助手と、二人の麻酔医は、定位置についてスタンレー教授を迎えた。
手術室の上部には、そこから手術室全体を見渡せる位置に、
大きなガラスがある部屋が設けられており、
スタンレー教授の手術を見ようと、数多くの医師たちが見学に訪れていた。

手術帽をかぶり、大きなマスクをしたスタンレー教授は、
上部を見て軽く一礼してから手術台のそばによった。
全身麻酔がかけられている綾波レイは、白く美しい顔を上に向けていた。
手術部の胸部だけには青いシートはかかっていなかった。
「麻酔の様子はどうかね?」
スタンレー教授は、ゴム手袋をはめた指先を軽く屈伸させながら言った。
「はい、深麻酔期に入り、脈拍は七十で緊張良、
血圧は百二十で状態良好であります。」
麻酔医は緊張した様子で言った。
「よし、では今から心臓摘出及び移植手術を始めるが、その前にいっておくことがある。」
助手たちは真剣なまなざしでスタンレー教授を見つめた。
「オペはチームプレーが重要だ。
この場にいる一人一人がきちんと役割を果たして初めてスムーズなオペが出来る。
各自、自覚を持ってこのオペに集中してもらいたい。」
スタンレー教授は威厳のある声で一人一人の顔を見るように言った。
「この患者は、若干衰弱しているのでオペにはスピードが要求される。
かといって、むやみに患者を傷つけるわけにはいかない。
各自細心の注意を払うように。」
そしてスタンレーは助手の一人を見た。
「パーマー君、君は将来この病院でこのような大手術を受け持つかもしれない。
特に入念に見ておくことだ。用意はいいな。」
室内のすべての動きが止まるように静まりかえり、
白い照明の光が手術台を照らし出した。
助手たちは息を殺すように、スタンレー教授の第一刀を待った。
台の前に立ち、さまざまな機器だしをする熟練したナースの目にも、
息がつまるような緊張の色がにじんだ。
スタンレー教授はちらっと壁時計を見た。
一時三十四分三十秒・・・。
「よし始める!メス!」
スタンレー教授の右側に立ったナースが、メスを渡した。
室内の照明があたり、きらりとメスが光ったかと思うと、
綾波の胸部にぐいとメスが入り、十五センチほど正中切開した。
三センチほどの深さまで切り下ろすと、たちまち鮮やかな血が、胸の両側へ流れたが、
スタンレー教授の鮮やかなメスさばきで、出血は少ない。
筋膜を摘み上げて、布を切るような手つきですうっと切り開くと、
第一助手のパーマーと第二助手がすばやく膜を持ち上げて、
コッヘルとストッパーで、切開部を広げて固定した。
助骨を切断し、心膜を開くと、そこにメロン大に肥大した心臓が姿を現した。
それは不気味に脈打っていた。
「まずは動脈、静脈を人工心肺につなげる作業を行う。メス!」
スタンレー教授の手さばきは見事だった。
すばやく動脈、静脈ともに人工心肺装置につないだ。
「血圧はどうだ?」
「はい、正常値を維持しています。」
「よし、ではこれより心臓を摘出する!」
スタンレー教授の声が手術室に響いた。

おしまい(あさって最終回です)
手術描写がやたら迫力あってビックリしました
レイが浮世離れしているから余計に生々しく感じられて…
続き激しく期待してます
あげ
スタンレー教授は的確に血管部にメスを入れた。
出血の量も少なく、患者の負担は最小限にとどめられていた。
助手たちの中には、教授の腕前を見て、感動を覚えたものすらあった。
そしてすべての血管を切り終え、スタンレー教授はぐいと切開部に手をつっこみ、
心臓を取り出した。
「摘出完了!」
というと取り出した心臓を、プレートの上に無造作に乗せた。
その心臓の不気味な大きさは、これまでの患者の苦しみを表すような、
グロテスクな様子だった。
この時点ですでに手術開始から四時間経過していた。
「臓器を用意しろ。」
「はい。」
助手の一人が袋に入れられた臓器を取り出し、慎重にスタンレー教授に手渡した。
その心臓は先ほどのものよりも赤々しく、生命力を感じさせた。
スタンレー教授は受け取った心臓を慎重に胸部にはめて、
ピンセットと糸を使って血管や神経を一つ一つ縫合し始めた。
そのすばやさと正確さを見て、また助手たちは驚きを感じた。
すべての部位を縫合し終えたとき、手術開始から八時間を経過していた。
スタンレー教授は一呼吸置いて、そして口を開いた。
「ただ今から、人工心肺装置による血液循環から、心臓による循環に切り替える。」
室内の者すべてに緊張が走った。
もしこれで、患者の心臓が動かなければ、手術は失敗、
患者は目を覚ますことなく死亡してしまう。
スタンレー教授は切り替えのスイッチを押した。
・・・・・・・・
不気味な静けさが続いた。
・・・・・・・・
まだ心臓は動き出さない。
・・・・・・・・
教授は背中に汗が流れるのを感じた。
・・・・・・・・

・・・・ドクン、ドクン、ドクン・・・・・
「心臓、動き出しました!」
助手たちはほっと胸をなでおろした。
上の部屋で見ていた医師たちも歓声を上げた。
しかし・・・
ピーーーーーーーー

「え・・・?」
心臓が痙攣している姿が目に飛び込んだ。
「まずい!もう、拒絶反応が出始めた!電気ショック用意!」

ドン!!

綾波の体が少し跳ね上がった。
「ダメです!心音、回復しません!」
「あせるな!もう一度だ!電圧上げて!」

ドン!

「・・・だめです!動きません!」
「くそっ!」
スタンレー教授は、心臓を手につかみ、直接心臓をマッサージした。
「教授!出血しています!」
「分かってる!心臓マッサージが先だ!」

ぐっ、ぐっ、ぐっ、・・・・
その様子を見かねたパーマー助教授は目をつぶってしまった。
「目を閉じるな!」
教授の怒鳴り声に、パーマーは驚いた。
「君は医者だ・・。君には患者を見届ける義務がある・・・目をそむけるんじゃない!」
教授は心臓マッサージを続けた。

ぐっ、ぐっ、ぐっ、・・・・

「動け・・・。」

ぐっ、ぐっ、ぐっ、・・・・

「動けえええ!!」

ぐっ、ぐっ、ぐっ、・・・・

すべての医師たちの目が、教授の手にそそがれた。
そして教授は心臓から手を離した。
「・・・ハァ、ハァ、ハァ・・・・」
・・・・トクン、トクン、トクン・・・

心臓は再び動き出した。
「・・・手術を・・・続ける・・・。」
教授の息は荒くなっていた。
「免疫抑制剤を五十ミリグラム用意しろ・・・。」
と、助手の一人に向かっていった。
「・・・ですが、これ以上の投与は患者の大きな負担になります。
副作用が現れてしまう可能性も増します。」
「わかっている・・・。だが、これ以上心停止が起こらないようにするためには、やむを得まい。」
教授は助手を言い聞かせるよう穏やかに言った。
「・・・あとは・・・この患者の生きたいという意志・・・、それ次第だ・・・。」
教授は再びメスを握った。
「・・・ここは・・・どこ・・?」
綾波は何か心地よい、光に満ちた空間にいた。
辺りを見回しても、そこには白や黄色の光が目に写るだけであった。
ふと自分の服装に目をやると、
どこのものか分からないが、学校の制服のようなものに身を包んでいた。
体もどこも悪いところはない様子で、自由に動けた。
「・・・そう・・・これは・・・夢・・・なのね・・・。」
夢ならば、何かいいことがおきればいいのにと思っていると、
いつのまにか周りが学校の校庭になっていた。
綾波にはその場所はどこか見覚えがあった。
そしてそこにたっている桜の木に目をやると、そこには人影がひとつあった。
「・・・碇・・・君・・・?」
綾波は何故か彼をそうだと思った。
そして確認という意味も込めて彼に近づいていった。
「・・・碇君・・・なのね・・・。」
桜の木のそばに立っている彼はニッコリと微笑んでいた。
綾波も思わず笑みをこぼした。
「・・・碇君・・・私ね・・・手術を受けることにしたの・・・。」
風が二人の間を通り抜けた。
「・・・まだ、成功するかどうか・・・わからない・・・けど・・・、
もし・・・上手くいって・・・私が治ったら・・・多分・・・こんな風に・・・なると思うの・・・。」
綾波は今の自分の状態を指していった。
「・・・そしたらね・・・碇君・・・私の・・・気持ちを・・・。」
綾波は彼をちらりと見た。
シンジは遠く上を見上げていた。
そこから差す光が、シンジの体を包み込んでいた。
綾波はシンジがどこか遠くに行ってしまいそうな気がした。
「・・・碇君・・・イヤ・・・行かないで・・・。・・・私を・・・もう・・・一人にしないで・・・。
碇君がいないと・・・私・・・。」
するとシンジは綾波に近づいていき、彼女を力強く抱きしめた。
綾波はシンジの胸に顔をうずめて、彼の力強い鼓動を感じた。
体全体が温かくなっていくのを感じた。
すっとこのままでいたいと綾波は思った。

どれくらい時間がたったのだろうか。
シンジは綾波の体から手を離して、再びニッコリと綾波の顔を見て微笑んだ。
そして一冊の本を差し出した。
「・・・碇君・・・それ・・・。」
綾波はその本を受け取らなければならない気がして手を伸ばした。
本に綾波の手が触れた。
ピッ、ピッ、ピッ・・・・

心電図の音が響いている。
綾波はゆっくりと瞳を開けた。
気がつくと、そこは病室のようだった。
上に見える天井がいつもと違っていたが、ベッドの感触は同じだった。
綾波は呼吸器がつけられた状態で瞳だけを動かして辺りを見回した。
点滴、心電図、チューブなどが目に入った。
「・・・碇君・・・。」
ぽつりと彼の名前を言った。
一筋の涙が綾波の目から流れた。
彼女は再びゆっくりと瞳を閉じた。

おしまい(最終回はもう書き終わっていますが明日投下します)
ラストまで畳み掛けられていたら俺はきっと泣いただろう。
N3読んで後頭部なぐられてる所にこれか・・・救いがねー

あ、作者さんに対してじゃねーからね、自分のチラシの裏
・・・・・・・・・・・(ノд`)゚。・。゚
ここまで粘って結局ドナーはシンジというオチ
( ̄□ ̄;)!!ガーン
期待age
目を覚ますと、カーテンから光の筋が2、3本漏れていた。
枕元の時計を引き寄せて、時間を見た。
六時四十七分・・・
目をこすり、ベッドからゆっくりと起き上がった。
部屋では、薬品や、消毒液のにおいはしなかった。
だが、目を覚ますたびに、自分はまだ入院しているのではないかと不安になる。
辺りを見回してから初めて帰ってきたんだと実感できた。
窓際まで行き、カーテンを開けると差し込んできたまぶしい光で思わず目を細めた。
暖かな光が、部屋の中に満ちてくる。
手術から一年がたち、再び四月になった。
綾波は過酷なリハビリを終えて、日本に帰ってきていた。
彼女は高校三年時への編入が認められ、今日がその初登校の日だった。

朝食や洗顔を済ませ、綾波は再び自室に戻った。
横に目をやり、壁にかけてある真新しい制服を手に取った。
制服に着替え、鏡の前に立っている自分の姿を見てみた。
新品の制服に身を包んだ自分の姿は、どこかぎこちなく、しっくりと来なかった。
鏡の前でくるりと回ってみた。
それでも自分の姿の印象は変わらなかった。
その後、学生カバンの中に、ノートや教科書を一つ一つ確認しながら入れていった。
そして最後に、一冊の古ぼけた本をそっとカバンの中にしまいこんだ。
綾波は準備を終えて、部屋から出たところで母親に話しかけられた。
彼女は心配そうな視線を娘に向けていた。
「レイ・・・まだ日本に帰ってきてから三日とたっていないのよ。
ほんとに今日から学校へ行って、大丈夫なの?」
母は綾波の体を気遣うように言った。
「・・・うん。・・・大丈夫。・・・私・・・一日も早く・・・学校に行きたいから・・・。」
彼女のはやる気持ちは、母も痛いほど身にしみて分かっていた。
「・・・そう。・・・仕方ないわね・・・。」
あきれるように言ったがどこか愛情がこもっていた。
「・・・あの・・・お母さん・・・。私・・・この制服・・・似合ってるかな・・・?」
そういわれて母は綾波の制服姿をじっとみた。
不意に過去の綾波の姿がよみがえってきた。
急に胸が熱くなったが、母は涙が出そうなのを必死でこらえた。
「・・・ええ。・・・とってもよく似合ってるわ・・・。」
すると綾波はうれしそうな笑顔で少し恥らうように、
「・・・ありがとう・・・お母さん・・・。」
と答えた。
「じゃあ・・・気をつけて行って来るのよ・・・。無理しちゃだめだからね・・・。」
手をぎゅっと握り締めて、声を搾り出すように言った。
「・・・わかった・・・。行ってきます・・・。」
そういうと綾波は靴を履いて、とんとんとつま先を鳴らした後、
学生カバンを手に取り、ドアを開けて颯爽と外へ向かって駆け出していった。
母はそこで初めて涙をこらえるのをやめた。
綾波は直接駅へは向かわず、かつて通い慣れていた方の道を歩いていた。
この道から見える風景は、以前と少し変わってはいたが、
それでも当時の雰囲気はありありと感じられた。
綾波はすぅーっと息を吸い、そしてゆっくりとはいた。
ここから見える家や人影、道端に咲く花一本にも生命が感じられた。
綾波は、ただこうして外の空気を吸い、町を眺め、自分の足で歩いているだけで、
幸福を感じることが出来た。

綾波はある場所まで来ると、ゆっくりと歩くのをやめた。
彼女の視線の先には、小学校の校庭、そしてそこに立つ一本の桜の木があった。
綾波はその満開の桜の木を見ながら、
彼とはじめて話したときのことを思い出していた。
それにくわえて、なぜだか分からないが、
最近もあの場所で彼とあったような気がしていた。
(・・・あの時・・・碇君・・・笑ってた・・・。)
彼女はそっと自分の胸に手をあてて、そこで心臓の鼓動を感じながら、
ぽつりとつぶやいた。
「・・・私も・・・碇君のこと・・・。」
そこまで言って彼女は細い指で自分の涙をぬぐった。
そして学校へ行くために駅に向かって歩き出した。
学校の門の前には、今日もいつもどおり学生たちが登校していた。
「なぁ、お前、知ってるか?」
「なにが?」
「今日さ、転入生がうちのクラスに来るらしいよ。」
「へぇ・・・。」
「それがさぁ、なんでも帰国子女ってうわさだよ。」
「ふーん。どんな女の子かなぁ。」
「はぁ?お前バカか。帰国子女ってだけでは男女の区別はつかないんだよ。
・・・でも、まぁ確かに女の子だたらいいよなぁ。
うちのクラスの女子どもは相変わらずぱっとしないのが多いからなあ。」
「おい!そろそろ走らないと、遅刻するぞ!」
「うわ!ほんとだ!急ごう!」
二人の生徒は駆け出し、門を潜り抜けたところでチャイムが鳴った。

教室に入ってくるなり、担任は口を開いた。
「今日は転校生を紹介します。」
そのひとことで、クラスがざわついた。
「ちょっと事情があって、六年間アメリカに住んでいたらしいけど、
それまでは日本に住んでいたみたいだから、言葉の点は大丈夫でしょう。
じゃ、入ってきてちょうだい。」
クラスが一瞬シーンとなり、ドアが開いた。
「うお・・・。」
「色白ーい・・・。」
「細いなぁ。」
「・・・綺麗だ・・・。」
クラスのどよめきを担任が制した。
「じゃ、自己紹介して。」
綾波は無表情のまま教壇に立った。
「・・・綾波・・・レイです。・・・よろしくお願いします・・・。」
そう言ってぺこりと頭を下げた。
「じゃあ、綾波さんの席は・・・惣流さんの隣ね。」
アスカの隣の窓際の席が、一つぽっかりと空いていた。
「じゃ、綾波さん席についてね。私はほかのクラスで授業があるからこれで・・・。」
担任が教室を出た後、綾波はゆっくりと机の間を歩き、アスカの隣の席に着いた。
「・・・よろしく。・・・惣流さん。」
「・・・よろしく。」
アスカは肩肘をついた手で、頭を支えながら答えた。
その目はどこか遠くを見ているような目だった。
「・・・碇君が・・・」
綾波のこの言葉に、アスカが驚いた様子でこちらに顔を向けた。
「・・・あなたに・・・ありがとう・・・ごめんね・・・って・・・。」
二人は顔を見合わせた。
するとアスカの目にみるみる涙がたまっていった。
彼女はそれを隠すように顔を背けた。
「・・・あのバカ・・・。」
アスカの背中は震えていた。
声を殺して泣いているようだった。
綾波は、窓から見える外の風景に目をやった。
そこには校庭に続く道沿いに、綺麗な桜並木があった。
そのうちの一本の木の下に、
一人の女の子が寂しげに立っていた。
すると向こうのほうから男の子が女の子の近くまで走りよってきた。
その二人が顔を見合わせ、笑顔を見せたとき、
綾波の目の涙で二人の姿がぼやけて、一つになった。
涙をぬぐってもう一度見てみると、その姿は消えていた。
風で桜の花びらが舞った。
その花びらを追うようにして目線をあげると綺麗な青空が見えた。
その雲ひとつない青空に、一羽の鳥が遠くへ飛び去っていった。

おしまい


最後まで読んでくれた方、ありがとうございました。
本当は最初の二回で終わりのはずだったのですが、
調子に乗ってここまで書いてしまいました。
出来れば最初から読み直してから、感想をいただけたら幸いです。
乙でした。
ストレートに来たなぁ、てっきりドナーは別の患者でシンジは無事でしたエンドか、
昏睡状態のシンジを術後のレイが見守るエンドかと思ったが。
最初からざっと目を通したけど、カンファレンスとか術中の描写がちとくどかったくらいかな。文句付けるなら。
あとはGJ!でした。っつーか2ちゃんFFにしちゃちょっともったいないな。
しかるべきところで発表すればもっと多くの人に読んでもらえると思う。
うーん切ない・・・とおぅぅっても良かったっスよ つД`)・゚・。・゚゚・*:.。..。.:*・゚
でも意図して出さなかったのは分かるけど
後半もちっと幻想シンジを登場させてホスかった。
てか余韻がホスかったっス。2人のね。

んでもGJ!!!
結局最後はシンジの心臓が…ってことなのかな?そこらへんははっきりして欲しかったんだけどなぁ。なんかフに落ちないよ。そこらへんどう思ってるんすかね?作者さん?
どんなエンドでも必ず文句垂れる奴がいるから、そういう輩に
配慮して名言を避けたってことなんでね?
結局はこうでしたか…
でもイイ!GJ!乙!
作者さんへ。切なくて良い話しだと思いました。これも幸せの形。
でも欲を云うと僕は2人に生きて一緒に幸せになって欲しかった。(ノд`)゚。・。゚
綾波がシンジのお嫁さんになるとこ見たかったっす。(ノд`)゚。・。゚
次回作も期待してます。
シンジがドナーだとして、どうしてシンジがそうなったのかがサパーリ。
交通事故で脳死にでもなったの?
すまぬ。自己解決した。
オレは誰かがシンジの身代わりになって死んで、それがカヲルとかアスカなんじゃないかという所まで妄想してますた。
最初から通して読みました。
いいぞ作者氏!GJ!
文章も軽めで読みやすいから一気に読めた。
イタさも俺的にはこんなもんが好み。
お疲れ様でした。
厨房が書いて厨房が読んで騒いでる、下劣なエロだらけのLASスレにくらべ、なんなの?このレベルの高さ。
LRSスレって投稿はすくないけど書き手の実力も読み手の反応も素晴らしいね。
レイは幸せだな…。
スレの反応自体で遊ぶ連中が全部LASに行ってるだけだ。
LASスレの書き手には、アスカに対する愛情はひとかけらもない。
レイの書き手は愛に満ち溢れてる。
>>753
全部がそうとは言わんが、
一部については確かにそうだな。
エロを書けば人を集められるからね。でもレイというキャラクターにセックス描写が
あまり似合わないと思うのは俺だけかな。
とりあえずゲンレイのH描写を入れればいいんじゃないの
「似合わない」じゃなくて「難しい」のではないかと。
なんかしっとりとしたエロみたいのは似合いそうだけど難しいだろうね
「母性」と「永遠の処女性」が綾波の真髄なのです。エロい人にはそれが分からんのです。
俺も書いてみたんですけど投稿してOKですか?
大歓迎だ
>>760
是非お願いします。
ありがとうございます。

 地面を揺らすほどの音と共に、幾重にも重なる光の矢が空に舞った。
 たまゆらの輝きを求めて、河川敷から夜空へと飛んでいく打ち上げ花火を、僕らは眺めていた。
 初めのうちは間をおいて、ゆっくりと打ち上げられていた花火も、フィナーレを迎えるに当たって、隙間無く打ち上げられている。
 そのたびにどこからか歓声があがり、真夏を彩る鮮やかな光の傘に、華やかさを添えていた。
「しかし、混んでるわねぇ」
 隣にいるアスカが、不満をあらわにして言った。
 確かにアスカの言うとおり、花火大会の行なわれている河川敷は、人であふれている。
 背伸びして向こうを見渡そうとしても、人の波の終わりを見つけることは困難を極めていた。
「アスカはわがままね。誘ったのはアスカでしょ?」
「レイは黙ってなさい!」
 綾波の言った言葉にも、だいぶ刺々しく返している。
 その青い瞳には、花火が映っていないようにも思えた。 
「ま、唯我独尊じゃなきゃ惣流じゃないわな」
「そうやで」
「二人とも、やめなさい」
 なんだか懐かしいやり取りに、僕はなぜだか笑いがこみ上げていた。
 こうして六人で何か行事に参加すると言うのは、実に久しぶりだった。
 中学校のころは、よくこの六人で何事もやっていた。
 学校行事の班を決めるときは大抵このメンバーだったし、放課後どこかよるときもいつも一緒だった。
 高校に上がって一年ぐらいは変わりはしなかったけれど、僕とアスカが付き合うようになってからは、いつの間にかそうではなくなってしまった。
 アスカは独占欲が強いのか、それとも四人に気を使わせたのか、おそらくどっちもだろうけど。
「どうしたの碇君? 笑ったりして」
「いや、懐かしいなぁと思って」
 綾波は不思議そうな目をしていた。
 真っ赤な瞳に射られては、アスカに悪いとは思いながらも、不意にドキリとしてしまう。
 僕は動揺を悟られまいと、空に視線を戻した。
 絶え間なく打ちあがる花火は、さもすれば暗黒に染まってしまう世界を懸命に照らし続けている。
 こうして止むことの無い花火は、花火らしい儚さを無くしているようにも思えた。
 やがて、一層激しい音が鳴ると最後の花火が大空へと散っていった。
 最後の音と共に、世界中の音をさらっていってしまったように静かになる。
 それもつかの間で、人が色めきたって騒ぐのと同時に帰路に向かうために動き出した。
「さて、さっさと帰るわよ。もう人ごみなんてゴメンだわ」
 アスカは言い放った後、飲み込まれるように僕らの先頭を切って人ごみに飲まれていく。
「惣流が誘ったのになんだってんだよ」
 ケンスケは文句を言いながらも、見失うまいときちんとついていく。
 本来なら僕の役目なんだろうけど、花火に見とれていて、感慨に浸っていた僕はワンテンポ遅れてしまった。
 それに釣られるように、トウジや洞木さんもついていく。
 僕は綾波が動き出すのを見届けてから、最後尾に着いた。
 前のアスカを除く四人はなるべくお互いを確認しながら進んでいる。
 ケンスケは特にアスカに気をつけていた。
「こんなところではぐれたら、もう見つからないな」
 たぶんこの人の波は駅のほうに向かっているんだろう。
 向かう方向は同じだからよいが、如何せん人が多すぎる。
 袖から露出した部分が見ず知らずの人間に当たるのが不快で仕方がない。
 すぐ目の前には綾波の髪の毛が見えた。
 暗闇の中でも、ほんの少しの街灯に照らされて、ぼんやりと水色に輝いている。
 見れば見るほどに、幻想的で吸い込まれていきそうになった。
 それは肩口から見える真っ白な肌と相まって、途中に上がった青白い花火を思い出させる。
 相変わらず、人ごみはどこまでも続いている。
 この波がほどかれる時はまだまだきそうになかった。
 ふと、綾波の足が止まった。
「どうしたの? 置いていかれちゃうよ」
 僕は軽く背中を押して、綾波を歩くように促す。
 それでも綾波は動き出そうとはしなかった。
 もしかして、疲れたんだろうか。
「綾波? 疲れたの?」
 背後からやってくる人達が、流れを乱されて、不快な顔をしながら僕らの横を通過していく。
 見る見るうちに残りの四人は人ごみの向こうへと流されていった。
 綾波はうつむいていて、表情がわからない。
 かすかにくちびるが動いて、なにかつぶやいているのがわかったが、雑踏のせいで何を言っているかまではわからなかった。
「え? 聞こえないよ?」
「抱いて…」
 僕は思わず目を見開く。
 頭を上げた綾波の顔には、あふれ出した涙が筋を作っていた。
「こんなのはいけないってわかってる。でも…」
 綾波は僕の手を握り、胸の前に持ってきた。
 握られた手がじんわり汗で湿っていくのと一緒に、のどがカラカラに渇いていくのがわかった。
「碇君が欲しいの」
 背徳で足がすくんだ。
 それでも、潤いながら真っ赤に燃えたぎるその瞳に、僕の心は焼き尽くされていた。
 もう手遅れだった。
 一度火を注がれた劣情は、どれだけ押さえ込もうとしても理性では押さえ込めない。
「お願い…」
 僕は手を解き、綾波を抱きしめていた。
 耳元に甘い息遣いが聞こえる。
 瞳を閉じてみても、その奥で、空色の髪が揺らめいていた。
「碇君…ずっと好きだった」
 その声に反応して、僕は回した腕に力を込める。
 ここには絶対にアスカがいない。
 そう思った瞬間、安堵してしまった自分にひどく嫌悪感を覚えた。
「今だけでいいから、今だけで…」
 嫌悪の気持ちで腕を緩めたはずなのに、僕は目を閉じてかまえる綾波にキスをしていた。
 人ごみの真っ只中だというのにくちびるを押し付けあう。
 腰の先から昇ってくる昂りに、僕はもうこらえ切れそうに無かった。
「綾波…」
 一度口を離し、名前を呼ぶ。
 その涙を携えた儚い微笑みを見届けると、僕は。
 僕は、手を取り人の流れに抗って、駅から遠ざかっていた。
純愛物のあとにこんなんでスマン…orz
どんなものでもLRSならオッケーですよ
どこぞの派閥みたいにぎゃーぎゃー騒がないのがLRSの人達ですから
続き期待させてもらいますね
>>751-753
>>769

LRSを誇るなら、一々他属性を貶めて優越にひたろうとか卑しい真似ヨセ。
むしろみっともないから。
あっちはあっち、こっちはこっち。
今度は純愛物のシンジと綾波が結ばれる話しが読みたいです。自分でも書きたいけど書けないし、長編だとなおかつ嬉しい。
>>770
あっちをパロってるだけでしょ
まぁ↑こんなのが多い季節だから仕方ない
スルーしれ
レイを書く以上、愛情が欲しいわけだし
キャラを痛めつけて読者の反応を伺って…というのはどうもね。幸せなレイがみたい。
「綾波が雑巾しぼってる姿、なんだかお母さんって感じがした。案外綾波って主婦とか似合ったりして。」

(母親……主婦……妻……)
(……そう。つまり碇君は今私に妻になれと言うのね。)
(でも駄目。日本の法令では男子の結婚が認められるのは18歳からだもの。)
(でも碇君は『そんなの関係ない』とか言うのね。)
(そこまで言われたら私……駄目、断れない。ごめんなさい碇司令……)


「綾波? 急に立ち止まってどうしたの? オーイ。聞こえてる?」
「……私でいいなら。」
「何が私でいいなら?」
「一生付いていくわ。」
「誰に?」
ン  ☆  チン       ☆
       チンチン           チンチン     ♪
           ♪   ☆ チチン
    ♪                .☆   ジャーン!
        ☆ チン  〃  ∧_∧   ____
          ヽ ___\(・∀・ )/\_/ 続きマダー
        チン  \_/⊂     つ   ‖
           / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/|  ‖
        |  ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:| :| /|\
        |             |/

763まだぁ??
職人さんがくるまで暇つぶしでもして待とう。



レイがテレビにハマる。
というかビデオに。しかもホラー。
「知りたいの。恐怖。」
「……テレビとビデオ買いなよ。」
「駄目。部屋が狭くなる。」
「僕、ああいうの苦手なんだよ……」
「……なら一人で見るわ。」
「僕の部屋なのに……分かったよ。付き合うよ……うう……」



「何故手を握るの。」
「だ、駄目かな?」
「別に。」


「碇君、震えてる。」
「ご、ごめん……コレ結構恐いね……」
「……分からない。」
「分からないって……」
「うあ……」
「……」
「ひぇ……」
「……恐いのね。」
「う、うん……」

「碇君。手、痛い……」
「あっ、ごめ……」



「綾波、ごめん、今だけ。手、やっぱり繋がせて。お願い。」
「いいわよ。」


「……うわあぁぁぁぁっ!」
「……」
「ご、ごめん!」
「私は平気。」

「あの…」
「碇君に胸触られるの慣れてるから。」
「い、今のは触ってなかったよ!」
「嘘。触ったわ。」
「……触ろうとして触った訳じゃなかったんだよ。」
「でも触った。」
「うー……」
「終わったぁ……」
「うん。」
「恐かったね。」
「……よく分からなかった。」
「そっか……」

「碇君はどうだった?」
「僕は……格好悪いけど凄く恐かった。」
「違う。胸。」
「……え?」



音声のみでお伝えしてみますた(・ω・)

つか呪怨マジ恐ェ('A`)
胸かよw
シンジはあれか。
綾波のおっぱいより、呪怨のほうが気になったわけだw

なんにせよ、綾波のマイペースさが「らしく」ていい。
乙でした。
>>782
無理。

アヤナミストの漏れの隣に綾波さんが座って一緒に見られる超千載一遇のチャンスが巡って来ても無理。
呪 怨 だ け は 絶 対 無 理。


「映画を見ても何も感じなかった。……でも碇君に触れられた時は少し違った。」
「いや、それは……」
「これが恐怖……だけど少しも嫌な感じでは無かったわ。」
「あのー、綾波さん?」
「もう一度……私に恐怖を与えて欲しい。」
「……ねぇ、綾波って通知表に『人の話を聞かない』って書かれた事あるだろ?」
GJ!(^ー^)b
>>783
作者さんかな?ま、違ってもいいや。

呪怨の恐ろしさがよく伝わってくるレスでつね(笑
(恐怖の根底は『個の存亡に関わる問題』なんだよな。大小こそあれ。)

(外部要因による生命活動への干渉、それに対する肉体からの警告である『痛み』による恐怖。)
(集団の輪から外れる事で他の中の個の因子が失われる現象、『孤独』による恐怖。)

(だから綾波は恐怖を感じないんだ。)
(個の滅び、すなわち死を望んでいるんだから。カヲル君と同じだ。)

(つまり僕が綾波のお、お、……胸を触る事でデストルドーを緩和するのは綾波に恐怖を与える事に繋がるんだ!)


「あ、あのさ綾波。」
「何。」
「……何でもない。」
(でもやっぱり僕には無理だ……)
「私に触れるのが恐い?」
「……うん。多分。」

「触れたら……綾波に嫌われるのが恐い。」
「私はそれを望むわ。」
「綾波は……僕に嫌われるのは恐くない?」
「碇君に?」
「うん。」

「……恐い。碇君に嫌われて忘れられるのを考えるのは……とても悲しくて恐ろしい。」
「それが『恐怖』だよ。」
「この気持ちが……恐怖……」


「でもこの気持ちは碇君に胸を触られた時の気持ちとは違う。」
「う……」
結局、綾波の欲求に押し切られる感じで。

最初はただ手を当てるだけだったんだけど。
それからちょっとだけ動かしてみたり……
制服とブラジャーの間に手を入れてみたりしてた。
父さんも初めての時はこんな気持ちだったのかな、
なんて妙に冷静に考えながら震える指でホックを外すのに苦労してたら……

綾波が体勢を替えた拍子に肘でリモコンの再生ボタン押しちゃったんだ。
だから、当然テレビ一杯にあの映像が……ね……

あの日以来、綾波はちょくちょくと恐いビデオを持って家に遊びにくるようになった。
僕はいつの間にか綾波の腰にしがみ付いてビデオを見るのが標準になっつた。
時々、頭が割れるかと思うくらいの力で綾波に抱き締められる時も増えてきた気がする。

そんな時に下から見上げる綾波の顔は……綾波には悪いけど、凄く必死そうで。
この顔が見られるのは僕くらいなのかな、って少し嬉しくなるんだ。
うはwww変な電波受信したwww
呪怨のせいだ('A`)


つか恐くて寝らんねェ。
助けて碇君(;´Д`)
>>789「ふすまの隙間から僕のこと見てるんだ!だれがkdfrhkふじこlp」
ゲ「これより目標を第うわイスの下にだれrjzんfj」
マコト「かつらぎさんsうしろういあゆいわあああdgl」
レイ「碇くnうわべっどのしたにだうrj;d。」
リツコ「科学的に幽霊なんtうわかあさんかあすrjfl:」
そして誰もいなくなったage
792日記より抜粋:05/02/18 23:09:01 ID:???
今日も碇君が珍しい物をくれた。

コードの付いた桃色の小さな鶉の卵のような物。
スイッチを入れると小刻みに震える卵。

本来は振動で血行の促進や筋肉の硬直を緩和する機械らしい。
胸の成長と共に肩が張る事の多くなった私にはとても便利な贈り物。

更に軽量な素材と技術の粋を集積した小型化、耐水性で携帯にも適していた。
なので鞄に入れて持ち歩くことにする。


そう言えば赤木博士も肩こりが辛いと言っていた。
明日は丁度起動実験。
おそらく逢うので少しだけ貸してあげようと思う。

同様に碇君から貰った踊る小さなコケシを見せた時の博士の顔は何故か強ばっていたが
きっとこれならば喜んでくれるような気がする。
明日が楽しみ。
黒〜〜〜いww
シンちゃんちょっとこっちおいで お兄さんが拳骨を(ry
胸がでかいと肩がこるって俗説じゃなかったっけ?
マジらしいよ
つーかおっぱい大きい人はそれだけ脂肪が多いってことだから運動不足の人が多い
運動不足の人は肩こりになりやすい
別におっぱいが重いから肩が凝るって因果関係ではないらしい
ある程度以上あると揺れるから激しい運動が難しくなるってのもある
機能的には、ほぼ完全なデッドウェイトなんだし無関係ってわけではないと思うが
買った小説から思いついた小説書こうとしたら完全にUVとかぶったwwwwwww
うはwwwwwwwココノさんごめんwwwwwwwww
「胸は無駄……そう。無駄なのね。」
「む、無駄じゃないよ! あの……その……」
「いいのよ別に。」


「……僕は……好きだ。」
「そうね。碇君はここが大好き。」
「え?」

「親しくない人の部屋に無断で乗り込んで押し倒してここに触れたり。」
「!」
「プラグスーツの時も制服の時も水着の時もそこばかり見ていた。」
「あ、あれは……」
「胸の大きな上司の母性本能を刺激して同居にまで持ち込んだ。」
「母性?」
「赤木博士や伊吹二尉も最近刺すような視線が気になると言っていた。」
「……嘘だよね?」
「ええ。最後のは嘘。」
「良かった……心臓止まるかと思ったよ。」
「……身に覚えがあるのね。」
「……ごめん。」


(何故謝るの?)
(もう私は必要ないから。葛城三佐や赤木博士や伊吹二尉のがあるから。)


(嫌、そんなの認めない。)

「……非道い。」
「?」
「揉みしだいて、いじくって、弄んでおいて。要らなくなったら捨てるのね。」
「……はい?」
「でもいい。私は多分幸せだったから。」
「綾波……さん?」
「例えそれがかりそめの幸せでも私は嬉しかったから。」
「……もしかしてまた何か受信してる?」
「……出来るならもう一度だけ最後に思い出をください。」
「ちょ、綾波待って! ズボン脱がさないでっ!」
責任取らないとねぇw
男なら責任とれよシンちゃん!!
シンジに揉ませて育てればいい
最後だけ語尾が違っててワロタ
そんな事より>>1、ちょっと聞いてくれるかな。スレとあんま関係ないけど。
先日、近所の吉野家行ったんです。吉野家。そしたらなんか人がめちゃくちゃいっぱいで座れないんです。
で、よく見たらなんか垂れ幕下がってて、1日限りの牛丼復活、とか書いてあるんです。もうね、どうなのかなと。
あのね、牛丼如きで二度とこねーよって言ってた吉野家に来ないでよ。
牛丼だよ、アメリカ牛肉の。なんかケンスケとかもいるし。メガネなくせに吉野家か。
おめでたいよね。よーし並二杯頼んじゃうぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。
あのさ、EVAのパイロットにしてやるからその席空けてよと。

吉野家ってのはね、もっと殺伐としてるべきなんだよ。
Uの字テーブルの向かいに座ったアスカから蹴りが飛んで来てもおかしくない、抜くか殴られるか、そんな雰囲気がいいんじゃないか。一般人は、すっこんでろと。
で、やっと座れたかと思ったら、隣で綾波が、ごぼうサラダ、とか言ってるんです。
そこでまたぶち切れですよ。
あのな、ごぼうサラダなんてきょうび流行んねーんだよ。もやし女が。得意げな顔して何が、ごぼうサラダ、だ。
お前は何しに吉野屋来たのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。
お前、僕の後着いて来ただけちゃうんかと。分かんないで店入っちゃっただけとちゃうんかと。

吉野家通の僕から言わせてもらえば今、吉野家通の間での最新流行はやっぱり、ねぎだく、これだね。大盛りねぎだくギョク。これが通の頼み方。
ねぎだくってのはねぎが多めに入ってる。そん代わり肉が少なめ。これ。
で、それに大盛りギョク(玉子)。これ最強。
しかし今日はこれを頼んでも店員にねぎだくは拒否されるという危険も伴う、諸刃の剣。素人にはお薦め出来ない。

コピペにレスするのもなんだが何故ごぼうサラダ?
牛丼大盛りの肉抜きとかにしろよな
>>799-800にインスパイアされた俺の駄文を

…碇君は胸が好き、これは確定事項
…碇君は物事を最初は嫌がっても、最後までしっかりとする、これも確定事項
…碇君は私のことが好き……これは不明、非確定要素が多い
…間接的な情報収集より、本人が傍にいる今はより直接的な方法を提唱
…可決、可決、条件付可決
…ばあさんもたまには役に立つのね

「碇君」
「…なんだい綾波」
「碇君は私のことが好き?」
「な、なんでいきなりっ?」
「直接的な質疑応答が現在の状況に一番適していると思ったから」
「えぇ?そ、そんなリツコさんみたいなこと言われても…」
「碇君は赤木博士が好きなの?」
「え、いや、そんなわけじゃ…確かに最初に会った時の水着に白衣はありだなって思ったけど…」

想定外の人物が軸線上に浮上、ばあさんの娘は結局ばあさんなのね
臨機応変な対応、質問をずらして別の角度からの再行動を開始します
「質問を変えるわ、碇君は女たらし?」
「ちょ、ちょっと綾波!どこでそんな言葉覚えたのさっ」
「碇君がさっき言った人物。碇司令は女たらしとか、碇司令は手当たりしだいとか
碇司令はもうノーマルだけじゃダメとか…」
「そ、それは父さんで僕じゃないじゃないか!リツコさんも綾波に何教えてるんだ…」
「そう?でも遺伝している可能性があるわ、ばあさんの娘はばあさんですもの」
「それって蛙の子は蛙じゃ…と、とにかく僕は違うってば!」
「証拠があるわ。さっきの白衣発言、葛城三佐への露出行為、艦上での弐号機パイロットの
下着の盗撮行為、赤木博士及び伊吹二尉への視姦行為……そして私を押し倒したこと」
「ど、どれも事故じゃないか!しかも盗撮はケンスケだよっ」
「でも、ほぼ事実だわ」
「うっ…た、確かにそうだけど……
(でも僕だけが悪いわけじゃなくて環境とか、そうそもそも全部事故なわけだし、
視姦っていってもちょっとだけ見ただけで、ほらマヤさん今日も白なんだとか
リツコさんは黒かぁとか思っただけだから全然問題はないと思うんだけど…
だって僕だって健全な男子なんだし、それくらいは…ブツブツ)」
「私を押し倒したときの碇君の顔は、野獣のようだったわ」
「…その言い方もリツコさんから教えてもらったの?」
「ええ」
「綾波、騙されてるから。リツコさんにはもう変なこと教わっちゃダメだよ」
「碇君がそう言うのならやめるわ」
「うん、とにかく僕は女たらしじゃないからね。今まで綾波が言ったのも全部事故だから」
「了解。…でももう一つだけ、事実があるわ」
「え?…まだ何かあるの、綾波…?」
「えぇ……ズボンを脱がした後の碇君、すごかった」
ごめんなさい、こういう時どこで笑えばいいかわからないの
>>809
無理に笑わなくてもいいと思うよ。



「碇君。もうすぐアザーズが始まる。一緒に観ましょ。」
「またホラー?」
「そう。」
「僕は……止めとこうかな。」
「恐いの? 心配ない。私が隣に居るわ。」
「そうじゃなくてさ……」
「それに……この映画は碇君の好きなシーンが沢山出てきます。」
「そういう意味でもなくてさ。」


「終わったら11時過ぎちゃうからさ。帰りの電車なくなっちゃうよ。」
「泊まっていけばいい。」

「いや、やっぱり帰るよ。」
「意気地なし……」
「何か言った?」
「別に。」
評価板のまったりうんたらみたいなのが今の流行か?
いや好きだけどね
コソーリお誘いレイタン(・∀・)イイ!
>>811
だぁーってぇー。

いちいち状況説明とか心理描写とかしてたら数レスじゃ納まんなくなっちゃうしぃー。
携帯からだから長文打つと指つるしぃー
台詞だけの方が考えんのラクだしぃー。
短い方が作者のボロ出にくいしぃー。
もしマジで書きたくなった時はそーゆートコ行くしぃー。

ってゆーかぁー。
短い文から自分なりに想像するのってチョー楽しくなーい?って話なんだけどぉー。
とまぁ>>813で騒つく内面を悟られぬようにチャラけてみた訳ですが……

最近、ぶっちゃけドウナノカナと思う訳なんですよ。

LRSってホラ、「重厚かつ繊細な魂の触れ合い」とか好きなヒト多いですやん?

美味い味噌ラーメン食いにきたのに、クッキーみたいな軽いもの出されたらムカつく香具師もいるのかな、と。
で、クッキーの受けが少々良かったからって調子コいて、やれマドレーヌだマカロンだってふんいき(変換するのマンドクセ)壊しかねない勢いでお出して宜しいのかな、と。


やっぱラーメン屋では(例えラーメン作るの苦手でも)ラーメン出した方がいいのかな。
そこらへんドウナノカナと思っちゃったりする訳なんですよ。
クッキーもマドレーヌもマカロンも大好きだ GJ!
だがしかし、
亀屋(←ここポイント)の最中や麦粉菓子、
鼈甲飴などの繊細かつ微糖な甘味も捨てがたい
そして!
甘味処で出すのはラーメンではなく心太ではないかと思うのだが?
…最近の洋菓子屋は違うのか?
ファミレスだと思っているので、鰻重が出てもラーメンが出ても
チョコパフェが出てきても驚きません
でもゲテモノと腐ったものは嫌ですね。つーかマジいらね
それ以外ならなんでもおK
もちろんフルコースのような格式ばった料理もおいしくて好きだけどそればっかじゃ飽きるもんだよ
たまに食うからうまいっつー話
材料はみんなの好物なんだから、あとは料理人さんがどう料理しようと俺らはふつーにおいしく頂くだけだから深く考えない方がいい

つぅかお残し厳禁ってわけじゃないんだから合わなけりゃ残せばいいだけのことだろ
>>817
とはいえ、口に合わないもの出されると出されると怒る人いるのも事実…
特に香辛料の類が多いとね。
テンプレにでも、そういうお客禁止でも書いとけば良いと思う
「建設的な意見をまるで含まない、批判のみのレスお断り」みたいな
やりすぎかな?
それでも書くヤツは書くし
>>818
そのへんもシェフの腕しだいってとこじゃない?
>>820
ンな一流コックばっかり居る訳じゃねぇしなぁ。
そんなことばっかいってないで皆思い通りに投下すりゃいいんでないの?
それぞれ好き好きあるだろうけどさ。
お久しぶりです。
579-740を書いた者です。
短編(18禁)を
http://comic5.2ch.net/test/read.cgi/eva/1080803519/
に投下したので、よかったら見てくださいね。
>>823
一瞬釣られたかと思ってしまったw
>823
先生!GJっす!!こちらにも何か投下お願いします!!
できれば甘甘ラブラブもので!!
そして、誰もいなくなった
投下ブームもどこ吹く風、か。
まぁオフィシャルLRSコミックが投下されたしな。結局LRGだったけど。
・・・・・結局ゲンレイかよ・・・・orz

LRS!!LRS!!思いっきり濃いLRSが読みたいんだよおおおおお!!

・・・・・うぅ・・・・(つд`)
>>827
それなに?初めて聞いた。詳しく教えて
貞本エヴァのこと
迷うわ 甘甘なのイタモノなのーどっちがすきなのー?
イ タ モ ノ は 今 み た く な い
イタくて甘いやつ
ゲンドウとかアスカとかイラネ( ゚д゚) 、ペッ
シンジが怒って不仲になるが最後は仲なおりする話が読みたい
836>
おっ!それ(・∀・)イイ!!
凄まじい大喧嘩して最後仲直り!みたいな
怒ってる綾波タソ…(;´Д`)ハァハァ
誰かそれ書いてくれ。 癒されたい。
禿しく読みたいなそれ。
漏れもなんか投下してみようかなぁ。文才ないけど。
企画はこれで決まりだな!皆〜投下待ってるよ〜(・∀・)ノ゛
綾波を怒らせるの難しいな…でも頑張る
頑張れ!!おれも頑張ってみるよ。
綾波が怒るんじゃなくてシンジが怒るんだよ
そこがミソ
シンジが怒るのは綾波に対して?
それ以外のなにかに怒っていて、それが飛び火?
状況がなかなか有り得ないものだけに想像も難しそう・・・

ただどっちにしても内罰的なシンジだと間を置くと、怒った自分に意識がむきそうだな。
そういや、おこった綾波ってあんまし見たこと無いな…
怒ってる綾波タソ…(;´Д`)ハァハァ
どうせ喧嘩するんならお互い『氏ねよゴルア!!(#゚д゚)』てな感じに
先生と呼ばれて調子に乗っている僕もがんばってみます。
その前にエロ短編の続編を投下しますが・・・。
見たよ先生!!エロかった!!
ガンガレ先生。期待してるぞ。(・∀・)ノ

しかしいざ書くとなったら難しいなコレ…
倒れた椅子、破かれた雑誌、割れた食器、その他死屍累々。
これが、NERVから帰ったミサトが見た最初の光景だった。
「・・・」
「・・・」
その元凶は散乱した部屋の中央で睨み合う2人にあるのだろうことは確かだ。
しかし、その2人が、あの綾波レイと碇シンジだという事実がミサトを混乱させた。
だがこのまま呆然としていたら事態は何も改善しない。
「レ、レイ、シンジ君、これはいったいどういうことなの?」
とりあえず、この張り詰めた空気を打破しようと試みる。が・・・
「綾波が悪いんだよ!!」
いつもはどこか頼りない少年が初号機もかくやという咆哮をあげる。
「大声を出すのは自分に非があることをしっているから。悪いのはあなたのほうよ、碇君」
負けずに少女も絶対零度の声で応戦する。



ごめん初めてじゃこれが限界orz
>>850タンの作品を正座して待ちます
いいじゃないか!

続きキボン
うーんいいねえGJ!!!!
チン☆⌒ 凵\(\・∀・)続きまだぁ?


上手く謝れなくてシンジに付いて回るも無視される
必死によかれと行動するもカラ回り・・・
でもシンジの方にも意図があった
突き放せば突き放すほどレイの人としての感情が豊かになっていく事に
シンジへの想いが更につのっていく
深夜に彼の部屋に忍び込んだレイは・・・
>853,855
イイねぇ!両作品とも続きが気になるところ。GJ!!
できれば続き読みたいな
>>855
うぉぉぉー癒されてぇぇぇぇぇぇえぇーーーーー
彼女はそっと部屋のドアを開けた。
そこにはいつもは冷たい表情でいる彼のやさしい寝顔があった。
「・・・碇君・・・眠ってる・・・。」
レイは彼のベッドのそばまで近づき、そこでちょこんと正座になった。
じっと彼の顔を見つめてみる。
彼の静かな寝息で、レイは自分の心が癒されていくのを感じた。
シンジの寝顔をもっと近くで見ようと、そっと彼の顔を覗き込んだ。
不意にシンジが寝返りを打つ。
レイはビックリして後ろに飛びのいた。
彼はまだぐっすりと眠っていた。
「・・・まだ・・・起きない・・・。」
レイは再びシンジに近づいた。
彼は無防備な寝顔を上に向けている。
シンジのほっぺを指でつついてみた。
「・・・やわらかい・・・。」
その感触が気に入ったのか、レイは何度も指でつついた。
そしてほっぺを指で引っ張る。
シンジは少し声を上げたが、まだ目覚める気配はない。
「・・・大丈夫・・・多分・・・。」
レイは、意を決っして、シンジのベッドの上に載った。
「・・・少しだけ・・・だから・・・。」
そういうと、彼女はシンジの布団にもぐりこんだ。
シンジの呼吸がすぐそばで聞こえた。
レイは緊張しながらも、ゆっくりと自分の頭をシンジのそばに寄せた。
「・・・暖かい・・・。」
レイは自分がシンジに包まれているようで心まであったかくなったような気がした。
そしていつの間にか自分も眠りにおちていた・・・。

すんません、勝手に続き書きました。先生失格ですね・・・。
あれから何日経ったろうか。
ふとした疑問から出た言葉が彼の心の線輪に触れてしまったようだった。
いつも自分に温かい視線を送ってくれる少年は消えた。
彼は意図して自分避けていて、そして不快にも思っているように感じられた。
「碇君・・あの・・」
「・・・」
「・・・食券を貰ったの。NERVの・・・だから・・テストの後、一緒に・・・」
「・・・いい」
「え?」
「行かない」
「・・・そう」
もう何日も彼への接触を試みて、そしてそのどれも以前の彼を取り戻せないでいた。
1人アパートへ帰ってベットで鬱々とした時間を過ごす。
「碇君・・・」
彼の事が頭から離れない。
レイは戸惑った。元より他人には関心が無かった自分が初めて心を寄せた人。
その人に拒絶されるのがなにより心を沈ませるのだという事実に。
「私・・・彼が大事・・・。そう、大切に想ってる・・・。大切?そう、宝物のように・・・」
心が沈めば沈むほど、有々と彼への感情に気付かされた。
そして、不安と共に急くような気持ちが湧き上がる。
「ここに・・・1人では居たくない・・・何も変わらない」
時間は日付が変わった頃だった。レイは部屋を飛び出していた。
860859:05/03/01 01:03:52 ID:???
あんれ・・・先生の投下が・・・
すっかり邪魔してしまいすんまそん・・・
いいねいいねいいね皆いいね!!
俺はおまいらが大好きだ!!!
もっと続きを書くのだよ!!!!
うお!連続投下?
はああぁぁはぁぁあぁぁはぁぁあっぁぁぁ・・・ハァハァしすぎて過呼吸_| ̄|○
GJGJGJ!!!!
いいねー、レイが良い!盛り上がってきたね!
864859:05/03/01 03:40:59 ID:???
「酷い言い方だったな・・・可哀想だったよな、やっぱり」
その頃、シンジも又ベットの上で鬱々としていた。
この所自分がレイに対してしている仕打ちに心が痛む。
シンジがレイに辛く当り始めたのには訳があった。
いや、気付いたと言うべきだろうか。
少し前------

保健体育の授業で男女が分かれて授業を取った。
普段と違うその内容に、男子生徒達は自然と桃色な会話に熱を入れ始める。
「やっぱ初めては優しく教えてくれるお姉さんがいいよなー」
「うちのクラスにはいねーな」「洞木なんてどーよ?」「あームリムリ」
「惣流は?」「殺されそう」「ぎゃははそーだよなー絞り取られそうじゃんな」
この時とばかりに皆口々に好き勝手な世迷言を口走る。
「綾波いいと思わねぇ?」

---「あーダメダメあいつ不感症丸出しって感じじゃん」-----

口に出して制する事もしなかった。よくある噂話。
シンジ自身レイの何でもない、口出しする権利はない。
けれど非道く傷つく自分がいた。「綾波は・・・そんなんじゃない」


>>855を自分で書いてみたりしておりまっす・・・
中学って保険体育なんてありましたっけ?字も間違ってそーwその辺はテキトーw
行き当たりばったりで・・・続けるのか?自分
ど う か 続 け て く だ さ い
お願いだから続けてください
土下座しますから orz
小、中、高と保健体育はあったけど、
私ンとこはずっと男女いっしょだったなあ。
男女分かれるのが普通なの?
小学校高学年の頃に女子は「特別な」授業がありました。
第二次性徴に関するお話ですねぇ…。
ビデオとか映画を見せられます。
その頃男子は体育です。
今はどうかなぁ?
四月も半ばを過ぎた。
心地よい春風が顔をなでる。
碇シンジは軽快な足音を立てて、学校から家へと向かっていた。
彼は今年、高校二年生になった。
まだ顔には幼さが残っていたが、
それでも制服を着ると、きりりと引き締まって見えた。

自宅のマンションまで来ると、シンジはカバンの中から鍵を取り出した。
(・・・あれ?開いてる・・・。)
シンジはドアをゆっくり開けて、玄関に並べてある靴を見た。
(父さんのくつだ。)
くつを脱ぎ、家の中に入ると、
父がリビングのソファーで横になっているのが目に入った。
「シンジか、おかえり。」
「ただいま、父さん。今日は早かったんだね。」
「・・・うむ、午後の学会が急にキャンセルになったからな・・・。」
シンジの父、碇ゲンドウは、ある大学で生物学の研究をしていた。
今はまだ、画期的な論文を発表できていないが、
それでも毎日、自室の書斎にこもっては、膨大な書物を読みふけっているようだった。
「そっか。じゃあ晩ゴハンまだなんだね。今から作るから・・・。」
「・・・シンジ。その前にちょっとここに来て座れ。」
ゲンドウは姿勢を正していった。
「え?・・・うん。」
シンジは不審に思いながらも、カバンをその場に置き、父の元で座った。
「・・・シンジ、今まで黙っていたんだが・・・。」
父のいつに泣く真剣な表情に、シンジは息を呑んだ。
重苦しい空気が部屋を覆った。
ゲンドウがゆっくりと重い口を開いた。
「・・・再婚するんだ。」
「・・・え?」
シンジはビックリしてしばらく固まったが、やがて父に向かって微笑んだ。
「何だぁ。脅かさないでよ。もっと大変なことかと思ったじゃないか。」
シンジは気が抜けたように後ろに手をついた。
「・・・で、どんな人なの?」
「・・う、うむ。・・・ユイさんって言ってな、病院で婦長として働いてるんだ・・・。」
「へー。看護婦さんってわけだ。それで、どうやって知り合ったの?」
「私が・・・この前入院しているときにな・・・担当してくれたのが彼女なんだ・・・。」
ゲンドウは少し照れながら答えた。
「そっかぁ、父さんもカタブツに見えて、いざというときはやるもんだね。」
シンジは感心するように言った。
「・・・それでな、明日ユイと私とお前で食事をすることにしたんだが・・・、
お前の都合が悪ければ別に・・・。」
「ううん、そんなことないよ。僕もユイさんって人と早めに会っておきたいし。」
「そ、そうか。それはよかった。」
「じゃ、あしたは急いで家に帰ることにするよ。」
そういってシンジは自室に向かおうと立ち上がった。
「ちょっと待ってくれシンジ、ひとつ言い忘れたことがある。」
「何?父さん。」
「実はユイの方もバツイチでな、娘さんが一人いるそうなんだ・・・。」
「え・・・。」
シンジは言葉が出なかった。
「彼女の話だと、小学二年生らしい。お前の妹になるわけだな・・・。」
シンジはほっと胸をなでおろした。
「よかったー。妹なら大歓迎だよ。僕も前々からほしいなとは思ってたんだ。」
シンジはまだ見ぬ妹を思い浮かべながら、自室に向かった。
翌日・・・。
「な、何か緊張するな。シンジ。」
めったに来ない高級レストランの窓際の席で、
ゲンドウはなれないスーツに身を包み、ガチガチに固まっていた。
「何で父さんが緊張するんだよ。」
「実は私もユイの娘さんってのを見たことがないんだ・・・。」
「え、そうだったんだ・・。それじゃあ仕方ないよね。」
(そういえば、ユイさんってどんな人なんだろう・・・。)
シンジは自分の母親になるであろう人物の姿をいろいろと思い浮かべてみた。
(ヤバイ、僕も緊張してきた・・・。)
「あ、来たぞ。」
ドキッ!
シンジは恐る恐る立ち上がり、顔を上げた。
「初めまして、シンジ君。私が綾波ユイです。
あら、やっぱり碇ユイのほうがよかったかしら?」
白いスーツドレスに身を包んだ彼女は、にっこり微笑んで、シンジに手を差し伸べた。
「・・・あ、ハイ。僕が・・・その・・・碇シンジです。」
おずおずと、シンジも手を伸ばし、握手した。
(キレイなひとだなぁ。)
そう思って、シンジはユイの顔をじっと見た。
「あら、私の顔に何かついてるかしら?」
「あっ、いえ。・・・すいません。」
シンジは恥ずかしくなって顔を背けた。
と同時にこの人が母親になることに喜びも感じていた。
「で、どう?シンジ君。私の印象は?」
ユイは微笑みながら、シンジに顔を近づけた。
「あ、その・・・いいと思います。優しそうだし・・・。」
シンジは彼女の顔をまっすぐ見れなかった。
「そう、よかったわー。シンジ君に嫌われたらどうしようかと思ってたのよ。」
そういって彼女はほっとしたように胸に手を当てた。
「・・・ところでユイ、お前の娘さんはどこにいるんだ?」
「ああ、ここに・・・あれ?おかしいわね、さっきまで後ろにいたんだけど・・・。」
ユイはあたりを見回した。
シンジも見回して自分の妹を探したが、そのような子供はいなかった。
「あ、いたいた。レイ、こっちよ。」
レイは母の声に気づいて、こちらに近寄ってきた。
シンジは目を疑った。
(うそ・・・だろ・・・。)
その妹の姿は、どう見ても小学二年生に見えず、自分と変わらない年のようだった。
「お父さん、話が違うじゃないか!」
シンジは小声で父に話しかけた。
「・・・すまん、二年生だと聞いててっきり・・・。」
(二年生?ってことは高二?僕とおんなじじゃないか!)
「・・・綾波レイです。初めまして・・・。」
そう言うと、彼女は無表情のままぺこりと頭を下げた。
そして顔を上げると怪訝そうにシンジの顔を見た。
「・・・お母さん・・・あの人、誰?」
「あ、彼は碇シンジ君。ゲンドウさんの息子さんで、あなたのお兄さんになる人よ。
と言っても同じ高校二年生なんだけどね。」
そう説明されても、レイはさらに表情を険しくした。
「・・・私・・・聞いてない・・・。」
「ごめんねー。そのことを言ったら、あなた絶対に来ないと思ったから・・・。」
ユイは手を合わせながら謝った。
(・・・あれ?何か気まずいな・・・。)
シンジはこの悪い空気を取り去ろうと、レイに歩み寄り、手を差し出した。
「初めまして。碇シンジです。よろしく。」
レイはじっと彼の手を見つめた後、プイッっと顔を背けて、さっさと席についてしまった。
シンジはそのまま固まってしまった。
「ごめんね、シンジ君。あの子、男の子に免疫ないみたいだから・・・。」
「ハハ・・・そうですか・・・。」
シンジはレイの態度に軽くショックを受けながらも、席に着いた。
隣で親たちが楽しそうに話しているのを横目に、
シンジはずっと正面のレイを気にしていた。
彼女は誰にも目を合わせようとせず、ただ黙々と目の前の料理を食べていた。
シンジは思い切って口を開いた。
「・・・あのさ、綾波さん・・・でいいのかな?」
「・・・・。」
「・・・こ、高校はどこに行ってるの?」
「・・・・・・・。」
「・・・アハハ・・・ハハ・・・。」
(何なんだよ・・・この娘は・・・。)
ガチャ!
「あ・・・。」
レイは自分の脇にあったナイフを落としてしまった。
「あ、僕が拾うよ。」
そういってシンジが手を伸ばしたとき、二人の手がほんの少し触れた。
その瞬間、レイはビックリして手を引っ込めた。
「・・・私が・・・拾うから・・・。」
「・・・あ・・・そう。」
(これは相当嫌われてるな・・・。)
シンジはがっかりして、また料理を食べ始めた。
「シンちゃん、私たちあなたのところへ引っ越すことにしたから。」
「・・・え?何ですか?」
「だから、私たちが、あなたたちの住んでいるところへ引っ越すことにしたから。」
「え・・・でも・・・。」
シンジは自宅の間取りを思い浮かべた。
3LDKで父の寝室、書斎、そしてシンジの部屋。
あと二人が入るには狭すぎるはずだ。
「・・・でも・・・部屋とかはどうするんですか?」
「大丈夫よ。もともと私の家の荷物は少ないし。」
「でも・・・僕の部屋と・・・その・・・彼女の部屋はどうするんです?」
シンジはちらっとレイのほうを見た。
「それなんだけどね・・・。二人には同じ部屋で生活してもらうことにしたわ。」
「え?そん・・・。」
「そんな!」
ガチャンと音を立てて、レイが立ち上がった。
「何もそんなに驚くことはないでしょ。兄妹が同じ部屋なんて珍しいことじゃないわ。」
「・・・でも・・・まだ会ったばかりなのに・・・まだ兄妹とはおもえない・・・。」
レイは手を震わせて言った。
「それに・・・男の人と同じ家に住むのだって嫌なのに・・・同じ部屋なんて・・・。」
「なにもずっとってわけじゃないわ。
新しい家を見つけて、その頭金がたまるまでの辛抱じゃない。」
「・・・でも・・・こんなの・・・。」
レイは今にも泣きそうになっていた。
「もう決めたんだから、なにを言ってもだめよ。」
ユイは母親らしく言い聞かせるように言った。
レイは観念したのか、顔をうつむけたまま再び座った。
その話を目の当たりにしたシンジは、言葉を失っていた。
(・・・僕は・・・この娘と上手くやっていけるんだろうか・・・。)
シンジはこの先の生活に大きな不安を感じながらも、
再び目の前の料理を口に運んだ。

おわり(どーも、新作の第一話です。こんな感じでどうですか?)
非常に( ・∀・)イイ!
すっきりしてて読みやすいね。内容も今後が楽しみ。
どうでもいいけど萌えゲンドウって流行りなのか?

でもシンジの実母がナオコとかいうオチだけは勘弁しておくれ
凄くイイ!確かに読み易いし。
末永くガンガッテ下さいな!
最近ゲンドウが一途で素敵なおじさまに見える俺としてはいい!がんがって〜
881名無しが氏んでも代わりはいるもの:05/03/02 19:05:33 ID:sAeSw9Wr
>>877
良かったですよ、あとトリップ付けて題名入れてほしい
早く続き書いてほしいな
すまんageってしまった
続き禿しく期待します!!!!



・・・シンジの母親がものすご気になる・・・
レイの父親は冬月
しかしユイが酷い母親に思えるのは俺だけ?(笑)
子供の思惑なんか関係なく、自分の思い込みのまま突っ走っていくのは原作準拠と言えなくもないが(笑)
なんかわけがあるのですよ。
続き激しく希望!
ちくしょう俺を寝かさない気だな!?
明日仕事なのに… 続き激しくキボン
ママレードボーイかとオモタ
なんかまた面白そうなのきてるねぇ。
激しく続きが気になる(*´Д`)ハァハァ
二人の年齢が中2じゃなくて高2なのは作者さんに思惑があるのかな?
ともかく続きに期待!
ン  ☆  チン       ☆
       チンチン           チンチン     ♪
           ♪   ☆ チチン
    ♪                .☆   ジャーン!
        ☆ チン  〃  ∧_∧   ____
          ヽ ___\(・∀・ )/\_/ はっやくっ はっやくっ
        チン  \_/⊂     つ   ‖
           / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/|  ‖
        |  ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:| :| /|\
        |             |/
どきどき(*´∀`) わくわく
このレイタン、男性恐怖症ぽいでつな(´・ω・`)
そこをシンちゃんが…
引越して初日の朝、シンジの部屋の片隅に設けられたスペースで、
レイはテキパキと自分の荷物を整理していた。
シンジはその光景を、布団の中からボーっと眺めていた。
「・・・あのさ、手伝おうか?」
そう言って、シンジが近づくと、レイは鋭い目つきでシンジを睨みつけた。
「この部屋のこっち側には絶対に入らないで。」
「あ・・・うん。」
シンジは再び自分の机のほうに戻った。
「・・・あのさぁ、仮にも兄妹なんだから、もう少し仲良くしようよ。」
そういうとレイは動きを止めて、
「・・・私は、あなたを兄とは認めていないし・・・仲良くするつもりもないから・・・。」
と、シンジのほうを見ずに答えた。
「・・・あ・・・そう。」
レイは大体を整理し終えると、さっさと部屋を出て行ってしまった。
「・・・ったく、なんであんなに冷たいのかな。」
シンジは一人でつぶやいた。
「もう少しかわいげがあってもいいと思うけど・・・。
まぁ父さんたちが仲良くやれればいいか・・・。」
そういうと、シンジは再び布団の中にもぐりこんだ。
しばらくその状態が続いたが、シンジは時計を見てガバっと飛び起きた。
「もうこんな時間か・・・。顔を洗わなきゃ。」
そう言ってシンジは洗面所に向かった。
「あれ?誰かいるみたいだ・・・?」
見ると、明かりがついているようだ。
シンジはドアを開けた。
そこではレイが自分のぬれた髪をタオルで拭いていた。
服は着ていなかった・・・。
彼女は何かに気づいたように後ろを振り返った。
その瞬間シンジはドアを閉めた。
胸の高鳴りは抑えられそうもなかった。

シンジは自室に戻って一人で頭を抱えていた。
(や、やばいよ・・・。どうしよう・・・。)
部屋に近づく足音がする。
シンジの胸はいっそう高まった。
そしてガチャリとドアが開いた。
レイはシンジに目もくれず、自分の机に座り、一言つぶやいた。
「・・・見たのね・・・。」
「・・・見てないよ。」
「・・・うそ・・・。」
「う、うそじゃないよ!綾波の裸なんて全然見てないから!」
「・・・やっぱり見たのね・・・。」
「・・・え?・・・あれ?」
「・・・・。」
「・・・か、鍵をかけてないのが悪いんじゃないか!」
「・・・知らない。」
そういうと彼女は身を翻して、また部屋を出て行った。
(あぁ・・・。さらに嫌われちゃったかな・・・。)
シンジはため息をついて、ベッドに身を投げた。
ずーっと天井を眺めてみた。
「・・・綾波って・・・着やせするんだな・・・。」
シンジは洗面所での綾波の姿を思い浮かべた。
「・・・碇君・・・。」
不意に彼女の声がした。
「え?うわ!」
綾波はいつの間にか部屋に入ってきていた。
そして氷のように冷たい目でシンジを見た。
「・・・変態・・・。」
ガタン!
大きなドアを立てて彼女はドアを閉めた。
朝食の時間になった。
四人そろって初めての朝食だというのに、
シンジとレイの間を流れる重苦しい空気は、親たちにもじかに伝っていた。
「・・・あの・・・二人とも、何かあったのかしら?」
「・・・それは・・・ですねぇ・・・。」
ちらっとレイのほうを見た。
「・・・別に・・・。」
彼女は無表情のまま食事を続けていた。
「・・・綾波、悪かったよ。あれは事故だったんだ。」
「・・・どうだか。・・・わざとかもしれない・・・碇君ならやりかねないもの・・・。」
「なっなにを言うんだよ!誰が好きで綾波の裸なんか・・・。」
「ぶっ!」
ちょうど味噌汁を飲んでいたゲンドウが噴出した。
「・・・シンジ・・・見たのか?」
「え?」
「・・・見たんだな・・・。」
「・・・な・・・何を言ってるの・・・父さん。」
ゲンドウはゆっくりと箸をおいた。
「・・・シンジ・・・お前ってやつは・・・。」
なぜか泣きそうな目をしていた。
「・・・レイちゃん。いくらなんでもそれは早すぎるんじゃないかしら?」
ユイは面白半分に言った。
「・・・ごちそうさま・・・。」
「あら?怒った?」
「・・・別に・・・。」
すっと立ち上がって、レイは部屋に向かって行った。
「あ、僕もごちそうさま。・・・ちょっと綾波、待ってよ!」
シンジも急いでレイの元へ向かった。
レイは部屋の前まで来ると、
「・・・制服に着替えるから・・・絶対入ってこないで・・・。」
と振り返らずに言い、バタンとドアを閉じた。
(あー、もうどうすればいいんだ!)
シンジはその場で立ち尽くしてしまった。
「じゃ、行ってきます。」
シンジは身支度をととのえて、玄関に立っていた。
「あ、シンちゃん、今日からレイもあなたの学校に通うことになったから、
いろいろとよろしくね。」
「あ、はい・・・。ところで綾波は・・・。」
「もう五分ぐらい前に出ちゃったわ・・・。シンちゃんと一緒には行きたくないって・・・。
ほんとごめんね。」
「いや、いいんですよ・・・。僕が悪いんだし・・・。」
シンジはため息をつきながら玄関のドアを開けた。
シンジの心とは裏腹に、そこには雲ひとつない青空が広がっていた。

おわり(さすがにするどい意見もありますね・・・)
お約束キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
綾波よりゲンドウの方がかわいいと思ったのは俺だけでいい。
投下キテタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!

シンジキュンすっかりレイタソに嫌われちゃってますねぇ。
この後の展開が気になるな…わくわく〜♪
凄く(・∀・)イイ!!続き待っとるよん。
兄妹ってとこに超萌えるね(*´Д`)ハァハァ
シンジとレイの今後の関係もだが、シンジの実の母親が気になってしょうがない。
ユイさん=シンジの母親ってイメージがどうしても頭から離れないからさ。
つーか、そうであって欲しい。ナオコは嫌だ。でもそうなると、シンジとレイは
血の繋がった兄弟になっちまうわけだ。…どうしたらいいんだあああああああ!!!!
べつにどうでもいいんじゃないか?シンジの母親なんて。
大事なのはどうやってレイの目を盗んでオナニーするかどうかだ。
バカだな。どうでも良くなんかないぞ!!!!!てことはつまり
シンジの顔がユイ似じゃなくなるわけだ。ゲンドウかナオコなんだ。
オナニーなんか二の次だよ!!!!
愚か者!シンジと言えばオナニーだろ!?
漏いらはデリケートなお年頃だぞ!!
おまいらオナニーオナニー言ってんじゃねえ!!ヽ(`Д´)ノ
・・・オナニーシンジキュン(*´Д`)ハァハァ
へ ん な ぎ ろ ん を す る な 
ぶっちゃけシンジとレイが血の繋がった兄妹だったら
それはそれで萌える。
なんでもありだな君たちは
けしからん、エロすぎるぞ!


…レイ(*´Д`)ハァハァ
元々ユイとゲンドウが親戚だったと脳内補完すれば全く問題ない!…ハズ
 と り あ え ず 落 ち 着 け 。
シンジの本当の母親はキョウコさん・・・
俺は生みの母親がナヲコでもいいよ
普通に考えてリツコだよ
赤木親子はいらないよ。やっぱユイさんだろー。
大穴でミサト
正直、どうでもいい
続きは明日ー?
`∧_∧
(´・ω・)
( つ旦O
と_)_)
続ききになるよ!!!早く読みたいよ!!!!!
頼むぜ作者さん!!!!!!!!!
盛り上げすぎ
プレッシャーかけるなよ
だって待ち遠しいんだもーん!
>925
わかったよ(´・ω・`)

スマソ作者さん。無理せずがんがって下さい!応援してまっせ!
928散髪 ◆7setylRarE :05/03/04 02:48:40 ID:???

 レイがうるさそうに髪をかき上げる。伸びた前髪が目に刺さって痛いからだ。
 サラサラとした髪はすぐに元に戻り、また目をさす。
 髪をかき上げては元に戻り、また髪をかき上げては元に戻る。

「髪伸びたね」

 こくりとシンジの声にうなずき髪をまたかき上げた。
 シンジはレイのアパートにプリントを届けに来ていた。
 シンジが来たときには、レイはネルフから帰ってきていた。
 レイはいつもより固い表情を作って、どこか機嫌が悪そうだった。

「綾波は髪を切らないの」

 シンジがそう言うと、レイは引き出しの中からはさみを取り出して無造作に君を切ろうとする。

「ちょっと綾波」

 シンジが慌ててレイの手を押さえる。

「なにをするの」
「そんな切り方じゃ変になるよ」

 不機嫌なレイからはさみを取り上げる。
 レイは眉をひそめて、シンジをじっと見つめた。

「なら、碇くんが髪を切って」
「素人だし無理だよ」
「自分で切るよりいいわ」
929散髪 ◆7setylRarE :05/03/04 02:52:16 ID:???

 レイははさみを取り返そうとシンジにせまった。シンジはひょいとレイをよける。

「美容院にはいかないの?」
「だってわからないもの」
「はぁぁ。なら僕が切るよ。タオルと櫛と鏡はどこにあるの?」
「取ってくるわ」

 レイはそう言い残し、バスルームへ向かった。
 空はとても晴れていて。窓からのぞく風景はとても暖かだ。
 昨日までの曇りの天気がウソみたいだ。春の暖かな日差しを受けてシンジは思う。

――こんなに陽射しは気持ちいいし、外でしよっか

「これでいい?」

 レイは持ってきたプラスチック製の櫛とタオルと鏡を、シンジに渡した。

「うん、天気もいいし外で髪を切ろっか。部屋も汚さなくてすむし」

 シンジはそう言って傍にあった椅子に荷物をのせてを持ち上げた。

「屋上にでも行こうよ」
「うん」

 ◇
930散髪 ◆7setylRarE :05/03/04 02:56:33 ID:???

 タオルをレイの首元に回す。少しだけ触れたレイの肌にどぎまぎする。
 髪に櫛を通し整えていく。サラサラと流れる髪はとても素直だった。

「はい、鏡もって。変なところとか、こうしたいところとかあったら教えて」

 シンジはレイに鏡を渡した。
 レイは鏡を受け取り自分と向かい合う。伸びた青い髪が少しだけ野暮ったい。

「じゃ、切るよ」

 シンジはそう告げると、綺麗な髪にはさみを入れた。
 シンジは見様見真似で手を動かしていた。失敗しないように少しずつ整えるように切っていく。
 櫛で髪を流しつつはさみを入れる。サラサラと自然な雰囲気が出るように。
 髪を撫でるように手櫛を入れ、重くなりすぎないよう梳いていく。
 レイはシンジのいつもと違う真剣な眼差しを鏡越しに見ていた。
 シンジの表情がとても真剣で魅入ってしまいそうになる。
 そして不器用に、それでも丁寧に動く手の動きを見るのが面白かった。

「ん、なに綾波。どこかおかしいかな」
「なんでもない」

 軽く首を振り否定する。

「もうちょっと切るよ」

 シンジは髪を軽く撫でる。
 頭を撫でられているようで、レイは気持ちよさから目を細めた。
931散髪 ◆7setylRarE :05/03/04 03:00:58 ID:???
 撫でられるたびに安らいでいくように感じた。
 軽く息を吐く。春の日差しがどこまでも暖かく、このまま溶けていってしまいそうになる。
 鏡越しにシンジの動きを追う。

――今度も碇くんに髪を切ってもらおう

「前髪切るから、目を閉じて」

 レイは目を閉じた。目の前にいるだろうシンジの息遣いが聞こえる。
 シンジはレイの前髪をかき上げて櫛を通した。はさみを縦に入れてギザギザを作っていく。
 一つ一つ慎重にはさみを入れていく。真剣なあまり顔が近づいていくことに気がつかないでいた。
 シンジの息遣いがレイの頬に触れた。少しだけ薄目を開けてみると目の前にシンジの顔があった。
 驚いて目を大きく開いてしまう。カァと頬が熱くなった。
 レイの異変にシンジも気づいた。視線をうつすとそこには綾波の顔があと数センチまでに迫っていた。
 思わず目が合いレイの赤いルビーのような瞳に魅入ってしまう。
 シンジの頬もすぐに赤く染まった。

「わっ、ごめん」

 シンジは慌てて飛び退く。シンジの急な動きに驚いたレイは、鏡から手を滑らしてしまう。
 慌てて手を伸ばすも、鏡は落ちて割れてしまった。

「ごめん。綾波」
「なんで急に動くの?」
「なんでって、綾波の顔があんなに近くにあるって知らなかったんだ。怪我はない?」
「大丈夫、気にしないで。続けましょう」

 早い鼓動を打つ心臓を落ち着かせながらレイは言った。
932散髪 ◆7setylRarE :05/03/04 03:05:21 ID:???
 ◇

「これぐらいでどうかな? って、鏡が割れちゃったからわかんないよね」

 レイの首元にあるタオルを、袖に髪が入らないように取る。
 服について髪を軽くたたいて落とした。

「ええ、大丈夫。邪魔じゃなくなったから」

 レイは頭を数度振る。軽くなった髪がふわりと揺れた。

「そういうわけじゃないんだけど」

 シンジは思わず苦笑してしまう。

「鏡って他にない?」
「洗面台のがあるわ」
「じゃ、戻ろっか」

 シンジは来たとき同じに、荷物を椅子の上にのせて持ち上げた。

 ◇

「どうかな、うまくいったとおもうんだけど」

 レイを鏡の前に立たせて、レイの後ろからシンジは言った。
 鏡と向き合うとそこにはさっぱりとした可愛らしい少女がいた。
933散髪 ◆7setylRarE :05/03/04 03:13:44 ID:???
 美容院の仕上がりほどではないが、丁寧にカットされた髪。
 シンジの思いがこもっているようだった。

「うん、いいわ。――ありがとう」

 レイは小さく、それでいて確かにうなずいた。

「じゃ、屋上の片づけしてくるね」

 シンジは微笑みを残してバスルームから出て行った。

――これは絆

 レイは髪をいとおしく撫でる。
 鏡の中の少女は静かに微笑んでいた。
934 ◆7setylRarE :05/03/04 03:34:06 ID:???
  ツイー
    -=≡( ゜◇゜)ノ~ <では、ではぁ〜♪
     -=(  o┯
    -=≡u―u|
    -= (◎) ̄))
お疲れ様です。とてもほのぼのできて良かったです。
ですが、一つ誤字を発見しました。
>シンジがそう言うと、レイは引き出しの中からはさみを取り出して無造作に君を切ろうとする。
ここで「髪」を「君」と打ち間違えていらっしゃるようです。
また、新たな作品を投下されるのをお待ちしています。

最近自分でLRS小説書こうとしているんですが、本当に難しいですね…
たくさん書いていらっしゃる作者さんを本当に尊敬しますよ。
一本書くのにあんなに手間取るとは正直思ってませんでした。未だ導入部しか書けてないし。
遅れに遅れ、第弐にまで来てくださる方に申しないです。
おぉフワーリ氏か、おつかれー。
もうちょっとシンジからレイへの好き度が分かる描写があると良いかな、とも思った。

肩に髪がかかるぐらいのレイも見てみたいなー(*´Д`)
937 ◆7setylRarE :05/03/04 11:05:19 ID:???
>>935
あ、気づかなかった
ども、ありがとうございます。

>>936
肩に髪か……
身なりに気をつけはじめたレイがシンジにお願いするって感じかな
ぞれならとシンジはレイを美容院に連れて行き切ってもらう
(美容院にお願いして、肩に髪がかかるくらい)
けど、なぜかしっくりしないレイは、シンジにもう一度切ってもらう
そんでベリーショートに――って、あれ?
耳だしレイ クルワァァァ(゚∀゚)ァ( ゚∀)ァ( ゚)ァ( )ァ(` )ハァ(Д`)ハァ(;´Д`)ハァハァ
空はすっかり晴れているというのに、シンジの足取りはいつになく重かった。
「よっ、シンジ。おはよう。」
「あ、おはよう。」
高校へ向かう通学路の途中で、シンジは後ろからケンスケに話しかけられた。
彼は中学時代からのシンジの親友で、クラスメートでもある。
「それより聞いてくれよ。ビッグニュースだぜ!」
ケンスケは上機嫌だった。
「うん、何?」
「それがさ、俺らのクラスに転校生が来るらしいよ。」
「げ!同じクラスになるの?」
シンジは反射的に反応してしまった。
「ん?シンジ、お前転校生来るの知ってたか?」
ケンスケはそのめがねをつけた顔を近づけてシンジの顔をのぞいた。
「いや・・別に・・・なんでもないよ。」
(よりによって同じクラスかよ・・・ついてないな・・・。)
「よっ、お二人さん。朝から何してんねん。」
後ろから鈴原トウジが声をかけてきた。
彼も中学時代からのシンジの親友である。
「お、トウジ。聞いてくれよ。うちのクラスに転校生が来るって話だよ。」
「何?ホンマか。それで男なんか?女なんか?」
ケンスケはその質問を待っていたかのように、胸を張った。
「ふふ、よろこべ諸君。正真正銘の女の子さ。」
「おおー、よっしゃ!これでもしかするとバラ色の高校生活が送れるかも知れへんなぁ。」
「ハハ・・・それはないと思うよ・・・。」
「なんやシンジ、辛気臭い顔しとんなぁ。何かあったんか?
女の転校生が来るんやから、もっと喜ばへんとあかんで。」
「そ、そうだね。ハハハ・・・。」
(よろこべるわけないって。)
「ま、ええわ。それより、はよせんと学校におくれてしまうで。」
そういうと、ケンスケは時計を見た。
八時二十三分・・・
「あ、ほんとだ。おい、シンジ急ごう!」
「う、うん。」
三人は一斉に走り出した。
そして学校の門を通り抜けると同時にチャイムがなった。
教室に入るなり、担任が口を開いた。
「はーい、静かに。今日はなんと、わがクラスにやってきた転校生を紹介します。」
「よっ、待ってました。」
トウジがそう言うと、周りから笑いが起こった。
「さ、入ってきてちょうだい。」
ドアが静かに開いた。
「おぉー。」
男子はもちろん女子のほとんどもその転校生の姿に見とれていた。
彼女は背筋を伸ばしたまま、スっと教卓の横に立った。
「・・・綾波レイです。・・・よろしくお願いします。」
無表情のまま、ぺこりと頭を下げた。
ケンスケはその姿に心を奪われていた。
「あぁ、あの子かわいいよなぁ・・・。そう思わないか?シンジ。」
シンジは肩肘を突いてボーっと彼女を眺めていた。
「・・・そうかなぁ。・・・なんだか人形みたいで、近寄りがたいって感じだよ。」
「・・・あっそ。で、トウジのほうはどう思う?」
シンジを一瞥して後ろのトウジに話しかけた。
「何やアイソがないなぁ・・・。ワイの好きなタイプとちゃうわ。」
「・・・まぁトウジはもう相手がいるもんね。」
シンジが横槍を入れた。
「ん?何か言ったかシンジ。」
「いや、何も。」
「まったく二人とも分かってないなあ。その冷たい表情がいいんだよ。」
「え?」
「ケンスケ、どういうことや?」
二人の疑問を尻目に、ケンスケは一人空想の世界に入っていった。
「あぁ・・・あんな表情で命令されてみたいなぁ・・・。」
ポツリと出たケンスケの言葉に、二人は寒気を感じた。
「・・・お、おいシンジ。こいつちょっとおかしいんとちゃうか?」
「う、うん・・・ケンスケって・・・変態だったんだね。」
それをきいて、ケンスケは急にこちらを向いた。
「なっ・・・失礼なことを言うなよ。俺と同じ感受性を持った人は全国に何万人も・・・。」
「ハイハイ、そこの三バカトリオ。静かにしなさい。話は後でゆっくりとしてね。」
担任のその一言で、またクラスにどっと笑い声が響いた。
そのとき、シンジとレイの目が一瞬合った。
が、すぐに彼女のほうがそらしてしまった。
(やっぱり、嫌われてるな・・・。)
「じゃ、綾波さんはそこのあいてる窓際の席についてね。」
「・・・ハイ。」
レイはそういうと、シンジをみることなくその脇を通り過ぎて、自分の席に着いた。
そして放課後・・・。
「おい、シンジ、トウジ。ちょっとこっちに来いよ。」
生徒がほとんど教室から出た後、ケンスケは一人机に座り、目の前にいる二人を手招きした。
「何?」
「何やケンスケ。」
「まぁいいから、こっちにこいよ。」
二人がケンスケのそばまで来ると、急に彼は声をひそめて、
「・・・今からさ、あの綾波って子の家を突き止めてみないか?
何かこう、神秘的な感じがするじゃないか。」
「お、ええなぁ。おもろそうや、ワイもさんせ・・・。」
「絶対ダメ!!」
シンジが威圧するような声を出して、トウジの言葉をさえぎった。
「え・・・。」
「何でやシンジ。何かわけでも・・・。」
「とにかく!そんなことは絶対にダメだ!!」
シンジはいつもは見せない鋭い目つきで二人を威嚇した。
「な、何やしらんけど、シンジがそういうならやめとこか・・・。な、なぁケンスケ。」
「あ・・・あぁ、うん。今日のところは止めにするよ。」
二人はたじろぎながら言った。
「今日じゃなくても!そんなことは絶対にするなよ!」
シンジは二人をにらみつけた。
「お、おうシンジ。わかっとるがな。」
それを聞くと、シンジは安心したのか、ゆっくりといつもの表情になっていった。
「そう、よかった・・・。わかってくれて・・・。」
彼はほっと胸をなでおろした。
「じゃ、僕は先に帰るから。」
「お、おう。またな、シンジ。」
「じ、じゃあな。シンジ。」
シンジは教室を後にした。
それから二十分後、シンジを除く二人は、綾波を追跡するため路地に身を隠していた。
「シンジのあの豹変ぶり・・・。絶対なにか裏があるとしか思えないね・・・。
そもそも転校生が来ることを知っていたみたいだし・・・。」
「そやな・・・。こうなったら何が何でも綾波ん家を突き止めたろうやないかい!」
二人はシンジの言葉で逆に決心を固めていた。
「おい、あそこのかどを曲がったぞ。」
「よっしゃ、先回りや!」
二人はこそこそと草むらに入っていった。
しばらく追いかけると、見覚えのあるマンションが姿を現した。
「アレ・・・トウジ。このマンション見覚えがないか?」
「ああ・・・シンジのマンションやな・・・。」
「これはますますあやしいな・・・。」
ケンスケは目を光らせた。
「お、おい。綾波のやつ、エレベーターに乗ったで!」
「よし、こっちは階段で追いかけよう!」
二人は必死で階段を駆け上がった。
「はぁ・・・はぁ・・・ここは何階や?」
「ハァ、ハァ・・・。九階だよ・・・。やっぱりシンジと同じ階だ・・・。」
「あ、ヤバイ。あいつが来るで!隠れろ!」
二人が物陰に隠れた後、レイはすたすたと二人の目の前を通り過ぎた。
「ふぅ・・・危なかった・・・。トウジ、ここからは慎重にいこう。」
そういうと二人はゆっくり彼女のあとをつけた。
そしてレイは碇と書かれたドアの前で立ち止まり、その中へ入っていった。
二人はこの光景を見て、言葉を失った。
「な・・・なんてことだ・・・。シンジと綾波が・・・。」
「み・・・見間違いかもしれへんで・・・な、なぁケンスケ。」
二人が立ち尽くしていると、後ろから足音が聞こえてきた。
「まずい!隠れろ!」
二人は間一髪で物陰に隠れた。
「アレはシンジやな・・・どうみても・・・。」
「うん・・・。」
シンジは、二人の姿に待ったくきづかずに、レイが先ほど入った家へ、後に続くようにして入っていった。
「・・・見たか?ケンスケ。」
「・・・うん。この目でしかと見届けた・・・。」
二人の疑いが確信へと変わった。
「シ、シンジめ・・・。この裏切りもん・・・。」
トウジはこぶしを握り締めた。
その横で、ケンスケは息を呑んだ。
「こ・・・これはビッグニュースだぞ・・・。」
そして翌日・・・。
「おはよ・・・。」
シンジが教室のドアを開けるなり、生徒に取り囲まれた。
「え?な、何?」
シンジは混乱した。
「碇君って綾波さんと同棲してるってほんと?」
「二人は駆け落ちして一緒に住んでるって・・・。」
「碇、お前ってやつは・・・うらやましいぞ。」
「え?なんでなんで?」
不意に教室の隅にいるケンスケたちと目が合った。。
彼らはシンジと目が合うとびくっとして顔をそむけてこそこそっとしていた。
(・・・あいつらだな・・・。)
シンジははっとしてレイのほうを見た。
彼女も、数人に囲まれているみたいだったが、
「・・・知らない。」
の一点張りで切り抜けているようだ。
「あの、ちょっとどいてくれないかな・・・。」
シンジは人の波をかきわけ、やっとの思いで席に着いた。
するとレイはスっと立ち上がり、シンジの席のところまでやってきた。
「碇君・・・ちょっといい?」
彼女の目は冷たかった。
「え?うん・・・いてっ。」
レイはシンジの腕を無理やり引っ張って彼を屋上まで連れて行った。
「何なんだよ綾波・・・こんなところまでつれてきて・・・。」
すると彼女はキっとシンジの目をにらみつけた。
「・・・どういうこと?」
シンジは一瞬たじろいだが、
「ど、どういうことって・・・僕も知らないよ・・・。」
シンジの弁明も、彼女には効果がなかった。
「・・・どうしてくれるの・・・せっかく苗字も綾波のままにして分からないようにしたのに・・・。
・・・私は・・・静かな学校生活を送りたかったの・・・それなのに・・・。」
「そ、そんなこと言われたって・・・。」
「・・・全部あなたのせいよ・・・。・・・お母さんの再婚なんて・・・認めなければよかった・・・。」
レイは手を震わせていた。
(何なんだよ・・・。)
シンジも少しずつ彼女に対する怒りがわいてきた。
だが彼女の怒った表情を見て、ふとある考えが頭をよぎった。
(・・・綾波ってよくみると・・・。)
すると彼女がまた目線をあげた。
「・・・何よ・・・そんなに私の顔がおかしい?」
「・・・いや・・・そうじゃなくて・・・。」
シンジは綾波の顔を真正面から見た。
(・・・やっぱり・・・)
「じゃあ・・・何なの・・・。」
「えっ・・・その・・・。」
シンジは一瞬言葉に詰まったが、思い切って自分の思いを言った。
「綾波ってさ、せっかく可愛い顔してるのにどうしてそんなに怒ってばかりなのかなって。」
「え?」
レイは驚いた表情でシンジを見た。
「だから!せっかくかわいい顔してるのにどうしてそんな顔してるのかなって思ってたんだよ。」
レイはしばらく動きを止めたが、やがて言葉の意味が分かったのか、
顔を赤らめてうつむいてしまった。
その少女らしい表情に、シンジは一瞬心を奪われた。
(こんなかわいい顔もできるんだ・・・。)
「・・・だって・・・それは・・・。」
レイはぼそぼそと言うと、黙り込んでしまった。
「・・・もういい。」
そういうと彼女は顔を下に向けたまま走って教室へ向かっていった。
「ちょ、ちょっとまってよ。」
シンジはわけが分からずに、レイのあとをついていった。
「何や、そうやったんかい。それならそうと、はよう言ってくれればよかったのに。」
シンジはトウジやクラスメイトたちに事情を説明して、何とか納得してもらった。
(ふぅ・・・とにかく大事にならなくてよかった・・・。それにしても、みんな物分りがいいんだな・・・。)
「ん?ケンスケ、どないしたんや?」
「・・・ブツブツ・・・。」
ケンスケはうつむいたまま、なにか言っているようだ。
「ケンスケ?」
すると彼はガバっとシンジの肩をつかんだ。
「お願いだシンジ!彼女のパジャマ姿、いや、私服姿でもいいから、写真にとってきてくれ!」
彼の目は尋常じゃないほど血走っていた。
「・・・へ?」
「この相田ケンスケ、一生のお願いだ!頼む!」
ケンスケはシンジの肩を揺らした。
「・・・ほんとに変態なのか?」
「ばっばかをいうな!この僕と同じ考えの男は全国に何万人も・・・。」
「それは昨日きいたよ。」
シンジはその後、一日中ケンスケを説き伏せるのに必死だった。
しかしその一方で、レイが屋上でみせたあの表情は、
シンジも写真にとって飾っておきたいぐらいだとも思っていた。

おわり
ほのぼのしててイイ!!なんだか優しい雰囲気のssですね。GJ!!
これで終わりなのか?
今での投稿を見りゃ続く事が想像つくと思うが
954951:05/03/04 13:19:07 ID:???
ゴメン。おれが書きこんでるうちに投下があったとは・・・
フワーリ氏に対してのレスです。
939さん。続きは明日かな?楽しみに待ってます!!!
投下キテタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!! しかも2作品も!
作者さん達乙〜!!
あぁ〜(*´д`)すげぇGJ!!
最近は良作投下の機会が多くていいですね、おまいら
す、素晴らしい…GJ!!
このスレ、すごくイィ・・・
そして職人さんGJ!
そろそろ次スレですね
965さん、よろしく
次スレ立ったね
落ち着いてLRS小説を投下するスレ2
http://comic5.2ch.net/test/read.cgi/eva/1110013621/l50
スレ立て乙!!!
とりあえず埋めとこう
別にいい。
私が埋めなくても、誰かが埋めるもの。
じゃあ僕も埋めとくよ綾波・・・。

あの・・・でもさ、もう2、3作品くらい投下できるんじゃないかな・・・。
>>966
君はだれ?
父さん、また?

に、逃げちゃ駄目だ
ちょっと前に気まぐれで書いたヤツを埋めに投下してみるテスト。
評判が良かったら次スレで続けたいと思います。
969レイ ◆sJpx0O/4BY :05/03/09 04:58:30 ID:???

 碇家は前世紀から日本国に限らず、世界各国にその名を轟かせている名家である。
 第二東京市の面積の約二十分の一に相当すると噂されるほどの広大な敷地に建てられた本宅は、西

洋の城を彷彿とさせる瀟洒な作りの大豪邸であり、執事長冬月コウゾウ、家政婦長赤城ナオコ以下使

用人数は五百人をゆうに超える。
 
 時は西暦二千十五年。季節は初夏。

 一人の少女が碇家の使用人試験を受けるために、碇家本宅の使用人寮の一室に招き入れられるとこ

ろからこの物語は始まる。
 空色の髪と、深紅の瞳を持つ少女の名前を、綾波レイ。
 碇家の今代当主碇ユイ――その息子次期当主碇シンジ。

 これは、ジェントリとメイドの――決して認められることのない恋の物語である。
970レイ ◆sJpx0O/4BY :05/03/09 05:01:39 ID:???

「次の方、どうぞ」
「―――はい」

 試験会場である使用人控え室。その中からのナオコの声に促されて、レイは部屋の前に用
意されていた椅子から立ち上がった。レイの順番は二十三、今呼ばれた人が二十二番。次ぎ
の人は部屋の扉の前で待機していなければならない。
 扉に向けて、レイは歩き――その身にはシンプルなメイド服が纏われている――出す。途
端、注目を受けて、同じように使用人試験を受けに来ていた人々からひそみ笑いがあがる。
曰く、何あれ? 貧乏臭い服装。碇家のこと舐めてるんじゃない? あんなヤツが受かるわ
けないじゃない。など。

「―――っ」

 扉の前で立ち止まる。
 あからさまに本人に聞こえるように言われたそれに、レイはしかし動じない。いや、唇を
きつく結んで耐える。―――大丈夫。こういうことには慣れている。
971レイ ◆sJpx0O/4BY :05/03/09 05:02:31 ID:???

 幼いころに両親を亡くしたレイは親戚――伯母夫婦の元に預けられた。だが、そこでレイ
を待っていた生活は、お世辞にも良いモノではなかった。

「ったく、何でアタシがあんな女の娘の面倒を見なきゃいけないんだよ―――」
「―――」
「……何だよ、何見てんだよアンタ」
「―――」
「何だい、何だいその眼は。そんな眼が食わしてもらってる人様に向ける眼かいっ!」
「―――っ!」

 元からレイの母親と仲が悪かった伯母は、何かと理由をつけてはレイを虐待した。殴り、
蹴り、タバコの火を押し付ける。何て可愛げのないガキだと罵った。容姿をネタに罵詈雑言
を浴びせた。夫は完全に伯母に尻に敷かれていて、虐げられるレイに対して終始見て見ぬ振
りをしていた。
 そんな伯母だから、勿論お小遣いなど払うはずもない。それどころか、学校にも満足に行
かせて貰えず、レイは小学校――ここでも容姿のことやらで虐められた――を卒業すると伯
母の仕事――その地方の名家の使用人を手伝わされた。
972レイ ◆sJpx0O/4BY :05/03/09 05:03:20 ID:???
 
 仕事は辛かった。伯母は職場でも相変わらず何かとレイを邪険にしたし、家政婦長だった
伯母を恐れて他の使用人もレイを助けてはくれなかった。けれど何処にでも必ず『良い』人
というのは居るものである。執事長をしていた初老の男性はレイを孫のように可愛がってく
れた。ミスをすればカバーしてくれ、こっそりお小遣いを貰ったり、勉強を見てもらったり
もした。それは勿論、レイが健気にも一生懸命仕事をしていたからだ。
 しかし、それも長くは続かない。
 執事長がレイに良くするのが気に食わない伯母は、せっかくレイが貰ったお小遣いも、そ
れまで稼いでいた給料も全部取り上げた。さらに雇い主であるその家の婦人に嘘を吹き込ん
で、執事長とレイをクビに追いやった。
 そして伯母はレイを家からも追い出した。数万円の現金を投げつけて、何処へでも行っち
まえ、とっとと失せろ。あんたのその髪も、目も、顔つきも全部あの女にそっくりで腹が立
ってしょうがないんだよ! ――ヒステリックなその叫び声を最後まで聞かず、レイは現金
を握り締め、着の身着のままで家を飛び出していた。去り際に

「上等だ糞ババア! こんな家こっちから願い下げだ、お望みどおり消えてやらぁ!」

 という叫びを残して。
 
 ―――荒んだ環境の中での生活は、レイをとてもとても強い子にしていました。
 
973レイ ◆sJpx0O/4BY :05/03/09 05:04:29 ID:???

 きつく結んだ唇。――耐えているのは怒り。

「碇家の使用人は能力主義なのよ。あんな小娘がついてけるようなレベルじゃないってこと
にどうして気が付かないかしら」 
「―――っ」
「見てよあのメイド服。レースも付いてないどころかシルクですらないわよ。貧乏臭いわね」
「―――っ!」
「変な髪の毛の色。パンクバンドでも気取ってるのかしら。気持ち悪い」
「―――っ!!!」

 ピキ、と音がした。
 レイのこめかみに浮かぶ血管。……そろそろ、限界だ。私がどういわれようと構わないが、
お母さんから受け継いだこの髪の毛をことを悪く言うヤツは許せない。お父さんが綺麗だと
言ってくれたこの髪や、眼の事を悪く言うヤツは、絶対に許さない。
 掌が白くなるほど強く拳を握り締めたまま、レイは猛烈な勢いで振り返った。――その表
情を見て、場の空気が瞬時にして凍る。

「さっきからゴチャゴチャうるせぇぞテメぇら!」
「ヒ―――っ!?」

 ドスの効いたレイの怒声と剣呑な視線に射すくめられて、ひそみ笑いや悪口を言っていた
面々がすくみ上がった。レイの顔に浮かぶのは鬼の形相。美形であるために凄まじい迫力で
ある。
974レイ ◆sJpx0O/4BY :05/03/09 05:05:30 ID:???

「―――」

 鬼の形相のまま顔を引き攣らせた面々を見渡すと、レイはツカツカと早足で扉の前から歩
き出した。そして先ほど髪の毛をことを馬鹿にした女性の襟首をつかみあげる。

「オイテメェ! 誰の髪の毛が変なんだって!? あぁ!?」
「キャ―――っ! ちょ、な、何なのよアン―――」
「声が小さくて聞こえねぇんだよ! オイ! 誰の髪の毛の色が、変なのかって聞いてんだ
よコラ! もっと腹に力入れて喋りやがれ!」
「ヒ……っ!? アン、ごめ、ごめんな、さい―――っ!」

 ブンブン、と前後に力任せに揺さぶられながら至近距離で怒声を受けた女性は半ベソにな
りがらも何とか謝罪の言葉を搾り出すが、それしきの事では昂ったレイの怒りはおさまらな
い。つかみあげた腕に力を込めると、此方に向けて引き寄せ、半ばヘッドバットをかますよ
うな勢いで額と額をくっつける。

「今度同じことを言ってみろ。その時はテメェの髪の毛をどす黒く染めてやるからな」

 女性にだけ聞こえるように、一際ドスの効いた低い声でそう呟くと、レイは襟首を掴んで
居ない方の腕を振り上げた。握りこんだ拳。――殴る気だ。そこになってようやく、周りに
居た面々も氷結から解除されてレイを止めようと駆け寄るが、間に合わない。
975レイ ◆sJpx0O/4BY :05/03/09 05:46:57 ID:???

 肉と肉――骨が当たる鈍い音が当たりに広がった。

「ぐ―――っ!」

 レイの拳を受けて、倒れる。

「な―――」

 驚きに満ちた、レイの声。それもそのはずだ。今しがたレイに殴られたのは、咄嗟に――
誰もが間に合わないと思ったその瞬間に、レイと女性の間に割って入った少年であったから
だ。

「っつー……っ」

 口の中を切ったのか、殴られたは少年は頬を抑えてうずくまる。咄嗟に少年に押し飛ばさ
れた女性は、尻餅をついたものの無事だ。その様子を見て、駆けつけてレイを止めようとし
ていた人々に安堵の色が広まって―――けれど、それは瞬時にして混乱に打って変わった。

「ちょ―――、何なんだお前、急に飛び出して―――」
「―――シンジ様!?」
「きて危な―――って、え―――っ!?」

 シンジ。そう。咄嗟に身を挺して女性をレイから守ったのは、ここに集った使用人――に
なるかもしれない人たちの、ひいては雇い主になるかもしれない人物碇ユイの一人息子、碇
家次期当主碇シンジであった。
976レイ ◆sJpx0O/4BY :05/03/09 06:03:22 ID:???

「マジかよ……」

 流石のレイの顔からも血の気が引いていく。今殴り飛ばした拳をもう片方の手で握り締め
て、呆然とシンジを介抱する様を見つめる。

「誰か、医務免許を持っているヤツは居ないか……っ!?」
「馬鹿! お召し物が汚れるだろ! 気をつけろ!」
「―――あぁ、あぁぁ……」

 ――最悪だ。よりもよって次期当主様を殴っちまった――というか、今の場合急に飛び出
して勝手に身代わりになっただけだから大丈夫じゃねぇか。いや、そもそも何でここに次期
当主が居るんだ。お坊ちゃまは本棟に居るはずじゃないのか。それが何てこんな使用人の建
物に。

「シンジ様、しっかりしてください! シンジ様!」
「誰か部屋の中にいる家政婦長さんか執事長さんを呼んで! 早く!」
「お前、何てことを―――!」

 あぁ、腫れてるよ。頬。痛そうだな。思い切り殴ったもんな。……よく見たら割と女ぽい
顔してるな。資料で見たときは全然そんな感じじゃなかったけどな。あんまりアタシの好み
じゃないなぁ――っつーかもうアタシはオシマイだ。あぁ。

「はは、は」

 自然、口から笑いが零れ出た。笑いというよりは哂いと言った方が相応しいかもしれない。
何をやっているんだろう、私は。髪の毛を馬鹿にされて――そうだ。アイツが悪いんじゃな
いか、なのに何でアタシが。
 こんなことになって、もう雇ってもらえる筈がない。いや、それどころか傷害罪で訴えら
れるかもしれない。いやいや、このまま何処か地下室みたいなところに連れていかれて殺さ
れるかもしれない……。
977レイ ◆sJpx0O/4BY :05/03/09 06:14:00 ID:???

 悪い想像は、けれど現実感を持ってレイに襲い掛かった。女性に食って掛かった時のよう
な威勢のよさは完全にすぼんでしまって、それどころか顔は完全に血の気がひいて死人のよ
うになっている。

「あー……っ、痛ててて……」

 頬を押さえながらシンジが立ち上がる。近くにいた男性が肩を貸して、それ以外の者は半
分がシンジを心配し、半分がレイをにらみつけた。

「―――」

 気まずい、鉛を流し込んだような雰囲気。それでいてピリピリと緊張感が張り詰めている。

「―――」

 レイは相変わらず呆然とシンジを見つめていた。――その耳朶に、走る足音が聞こえてき
た。警備員だ。
 思考が飛びかけていたレイは、その足音を聞いて何とか現実世界へと立ち直った。

「シンジ様――!」
「うわ……っ!」
「ちょっと、お前――!」

 介抱にあたっていた人々を跳ね除けて、シンジの前に躍り出る。

「す、すいません……! その、私とんでもない事を――」

 そのまま深深と頭を下げる。下げてから土下座ぐらいするんだったとレイは後悔するが、
どうせこれで追い出されるのだから関係ないだろうと直ぐに諦めた。それに土下座して許せ
て貰えるような自体でもないだろうとも思った。
978レイ ◆sJpx0O/4BY :05/03/09 06:24:47 ID:???

「すいませんすいません……! 本当に私、あの、何とお詫び申し上げてよろしいか――!」
 
 今日のコレが――最悪の初対面で、同時に最後の対面だ。許して貰えるとも思わないし、
許せて貰おうとも思っていない。しかし謝罪はしておこう。しなくちゃいけない。それぐら
いしか今の私に出来ることはない。

「すいませんすいませんすいません……! 本当に……ごめんなさい……」

 何度も何度もレイは頭を下げる。半ば叫ぶようにして謝罪の言葉を繰り返しながら。その
眼には、いつしか涙が溜まっていた。
 その様子を、他の者はある者は良い気味だ、とか、やっぱり、とか冷ややかな視線で白眼
視し、ある者は同情の視線で見つめた。例の髪の毛を馬鹿にした女性は、前者だったが。

「―――っ!」

 その様子が顔を上げたときに視界に入って、レイはギリと歯を噛み締めた。けれど直ぐに
謝罪を再開する。ちくしょう。あの野郎絶対に許さない。そう心に誓いながら。

「もう、いいよ」

 だから、シンジがそう声を掛けたとき、レイははじめそれが自分に向けられた言葉だと直
ぐに理解出来なかった。

「あの、今なんと……」
「もう謝らなくていいよ、って言ったんだよ。大丈夫、僕は全然平気だから。気にしてない。
だから君も気にしないで。……でも、暴力はいけないと思うな。……あー、だからやっぱり
ちょっとは気にして欲しい、かな」
979レイ ◆sJpx0O/4BY :05/03/09 06:35:38 ID:???
 
 そう言って、シンジは腫れた頬をそのままに微笑してみせた。女臭い笑顔だった。

「―――」

 シンジの言葉を聞いて、レイは一瞬面食らったように驚いた。一体目の前の少年は何を言
っているんだろう。そんなに酷く頬が腫れてるのに、気にしてない。そんな訳ない。滅茶苦
茶痛かった筈だ。なんていったってアタシのパンチなんだ。
 ――それを気にしてないうえに全然平気だと。
 
「―――」

 レイは俯いた。肩がぷるぷると震えている。
 その様子を見て、周りの人間はレイがシンジの言葉を聞いて感激して感涙しているものだ
と思った。実際、本当に感激して感涙している者も数名居る。拍手して、さすがシンジ様、
と口を揃えた。何とか雇って貰おうという魂胆丸出しだったが。

「……ねぇ、どうかし―――」
「―――殴れ」
「へ……?」

 レイの様子を不審に思ったシンジが声を掛けると、レイがぼそりと呟いた。よく聞こえな
かったシンジが聞き返すと、レイは顔を上げて――顔を真っ赤にして、叫んだ。

「だから、このままではアタシの気がおさまらないからアンタもアタシを一発殴ってくれ!」
980レイ ◆sJpx0O/4BY :05/03/09 06:50:58 ID:???

「ちょ、何を言って―――。で、出来るわけないじゃないか、そんなこと――っ!」
「殴るのが駄目だったら、蹴ってくれてもいい! 火責めとか、もう何でもいい! とにか
くこのまま許されたらアタシの方が耐えられないんだ! だから……頼む!」

 肩を震わせて、目尻に涙を溜めて。潤んだ瞳と真っ赤になった顔でそう叫ぶレイに、その
場に居た全員が気圧しされた。

「―――」

 シンジは初めは反論したものの、異様なレイに対してどう対応していいか判らず、呆然と
している。優雅で格式正しき育ちをしたシンジにはレイの言っていることがまったく理解で
きなかった。――人は紳士に産まれるのではない。紳士に成るものだ。何故かそんな言葉が
脳裏を掠めたが、何の役にも立ちそうになかった。
 ずっと呆然状態のシンジを見て、レイは何かが切れたように叫んだ。

「シンジ様……っ! 早く、お願い。お願いします――! アタシを殴って、ぶって、蹴っ
て……っ! お前は役立たずだって、怒ってやって……!」

 引いた。その場にいたシンジとレイ以外の全員が、その台詞に引いた。そして確信した。
 ――コイツ、特殊な性癖に違いない、と。

「むっ、無理だよ……! 出来ないよ! そんなこと! 君が何を言っているのか全然分ら
ないよっ!」

 詰め寄るレイを、シンジは全身全霊を込めておし留めた。そうしなければ何かジェントリ
として大切なモノを失ってしまいそうだった。
981レイ ◆sJpx0O/4BY :05/03/09 07:10:10 ID:???

「先ほどから一体何の騒ぎかね……っ!?」

 扉を半ば蹴破るようにして、執事長である冬月コウゾウが飛び出した。若き頃を拳闘士と
してならした彼は、執事長と警備長を勤める執事と書いてバトラー的な存在である。碇家に
務める前は、イギリスで何とかという機関に所属していたらしいが、詳細は雇い主でも完全
には判らない。――と、話がずれた。
 
「ふ、冬月さんっ! ちょうど良いところに、こ、この娘をどうにかして下さい!」
「シンジ様、その頬はどうなされたのですか―――!?」
「シンジ様、速く、お前は汚い雌豚だと踏みつけてっ!」
「っ!? 君、いったいシンジ様に何をっ! コラ! 大人しくしなさい!」
「あ―――いやっ、離せ! テメェ! コラッ……!」

 シンジに縋りついてたレイは、冬月によって剥がされる。じたばたとパワフルに暴れまわ
るが、所詮は少女の力。初老とはいえ男性でありバトラーである冬月の力には敵わない。

「そこの君! シンジ様を医務室へ。あと、タンカを一つ用意してくれたまえ」
「ハイ! 判りました!」

 近くに居た執事にそう指示すると、冬月はな暴れもがくレイの首筋に手刀を一つ叩き込ん
だ。

「―――やっと大人しくなりおったか」

 途端、ぐったりと気絶するレイ。彼女はその後、用意されたタンカによって医務室に運ば
れて行った。その様子を、シンジは悲しいようなほっとしたような複雑な視線で見つめてい
た。
982レイ@中の人 ◆sJpx0O/4BY :05/03/09 07:12:50 ID:???
出会い編完。
こんな具合にワケワカラン話です_| ̄|○
レイがMなのはギャグではなくてちゃんとした設定があったりなかったり。
それでは、埋めでした。
おもしろかった。続き読みたい。
でも、もしかしたら創作スレ向きかな?とも思った
漏れは別にLRS投下スレでもいいと思うけどね
他の人の意見も参考にして決めてくだされ
こ、これはレイとシンジじゃなくてはいけないんだろうか(^_^;)
↑確かに。全然レイじゃないし、次スレで書いたらまず荒れそう。
こんなのレイじゃない!とか
うむ。
イカリクンポッと別ベクトルだが同程度に完全な別人だな。
設定自体は構わんが、口調だけでも本編に近づけたほうがいいと思う。
エヴァである必要が無いんだな。
でもそれも二次創作ではよくある事なんだな。
綾波&メイドってある意味最強の萌え記号だよな。
989レイ@中の人 ◆sJpx0O/4BY :05/03/09 18:57:52 ID:???
やっぱり飛び道具杉たかー。もっと鍛錬したいと思いまつ。どもども。
>>989
というか、単純にスレ住民が求めている物が違うだけだと思うぞ
漏れのLRS人のイメージ:しっとりとした純愛物が好き
だから創作スレを勧めたわけで
とりあえず、どこかに続き投下キボンヌ
>>985
梅に便乗して昔のボツネタを……w


ttp://www.mirai.ne.jp/~unamu/eva/rough00c.jpg


まぁ、と言うわけで
レイ@中の人氏にも、続きを期待したいなぁ
作者が求めてないならあきらめるけど(^^;
>>990
>単純にスレ住民が求めている物が違うだけだと思うぞ
そんなレベルじゃない。
異世界ものはその性質上「エヴァである必要ないじゃん」ってなりやすいけど、
これは口調すら丸っきり別じゃん。創作スレでも受け入れられるかどうか…。
単純に殴って、とか火炙りとかに萎える
梅ぼし太郎
埋めクンッポ
貴様、ヴォルギンの手先か
埋めるぞ
CQC!CQC!
ナインティーナイン・ナイナー
1000だったらレイタンは俺の物
10011001
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もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。