1 :
名無しさん@ピンキー:
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
>1乙
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
びιょぅι゙ょ
うふ〜ん
ひんにゅぅがぃぃょ
>>1 ヘ
| \_
/ _/
L<\/
ヘ
| \
| |
| ●∴∴
ロ/ < ∴
_n/ n/ ∴
/ _ / ∴ .
∠_/ロ|_/ ∵∴∵
/\ _ヘ
L |L_/
`Ln/
こ、これは乙じゃなくて
放射性物質なんだから
変な勘違いしないでヨネ!
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
ぉはなι
まだかなo(^o^)o
まゃたん×カヲルきゅんとか
ぁすかたん×カヲルきゅんとか
ぉねがぃιますo(^o^)o
ょろιく
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
こんなキチガイに占拠されてもう嫌だ
こうなったらまとめサイトに直接投稿しちゃだめ?
あ、そうするとまとめサイトが荒れるか
ぁすかたんo(^o^)o
まゃたんo(^o^)o
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
ぁすかたんo(^o^)o
まゃたんo(^o^)o
ぁすかぁぃぃょ
まゃたんかぁぃぃょ
ぁすかぁぃぃょ
まゃたんかぁぃぃょ
ぉはなιo(^o^)o
まちだぉo(^o^)o
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
ぁすかたん×カヲルきゅん
ぁすかたん×美少年小学生
ぁすかたん×ガチムチ
ぁすかたん×シンジ
まゃたん×シンジ
まゃたん×美少年小学生
まゃたん×カヲルきゅん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
>>92 したらば型の避難所借りるか?
規制しやすいとこが良いし、2chに近いしたらばならそのままブラウザ登録できるしな
ただ、エロパロ板だからこそ色んな人が新しくやってくるってのはあると思うんだよ
今、荒らしの規制申請進んでるし
規制が通るのが一番なんだけどな
ぁすかぁぃぃょ☆
まゃたんかぁぃぃょ☆
みらくるびιょぅι゙ょ
そぉりゅぅ ぁすか らんぐれぃ たん☆
ぁすかぁぃぃょ☆
まゃたんかぁぃぃょ☆
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
ぁすかたん×カヲルきゅん
ぁすかたん×美少年小学生
ぁすかたん×ガチムチ
ぁすかたん×美少年小学生
>>154 場所を変えるかどうかについては、ほかの人の意見も必要だろうね。
ただ、エロパロから場所を移すことで新規が減るというデメリットの話だけど、
SSをネットで読んで楽しむという楽しみ方が昔と違ってマイナーになってきてる。
エヴァはかつては一大SSコミュニティを形成したアニメで今も大人気の部類だろうが、
ここに限らずSSスレは閑散としている有り様だし。
たぶんここの書き手も、同じ人が数人で連作してるだけだろうし、
新規が減るというデメリットは小さいのではないかとみる。
あと、BBSPINKはしばらくまえからp2で書けなくなっている。
プロバイダが巻き添え規制されたときに、書き手のp2でも書けずお手上げ、
読み手も感想とか要望が書けずお手上げ、というのを防ぐ意味でも、
したらば脱出は一つの解決方法なので自分としては賛成したい。
いま書いてる途中の書き手は、したらばにまた頭から書き込んでもらう
手間がかかるかもしれないけど。
要約すると、荒らしに敗北して逃走しませんか、ってことね
お前らみたいにいちいち騒ぐ人間がいなけりゃ透明人間も同然なのに
ここでやったらいいじゃん
この荒らし前のときもこのペース3日と持たなかっただろまたすぐ根をあげるよ
NGにしたら何の問題もないし
前の荒らしのとき、3日どころかほとんど荒らしの書き込みのみでスレひとつ消費したじゃん
確かSS一本しかなかったスレがあったろ(何代目かは忘れたがまとめサイト見ればわかる)
しかしよそに移るのはできれば避けたい
新規職人、新規住人はここが一番くると思う
別にスレ立てに金が掛かるわけじゃないし勝手に埋めさせときゃいいだろ
例え10スレ埋められても、何一つ困るわけじゃない
なんでスルーしない?話題にしたら喜ぶだろ。
そっちの方がどうかと思うんだけど。
このまま行くか
埋められたら埋められただけ立てれば良いし
ただ投下が埋もれてしまうと勿体無いんで、これはスルーせずにな
何度かここに投下してるけどしたらばだと敷居が高いからこっちの方がいい
とりあえず今回はもう片付きそうだぞ
ドコモのP903i使ってるやつは、このキチガイの巻き添えになりそうで可哀想だがな
よりによって、ドコモかよ?
≪*** PINK分 ***≫
《報告》
>>5-20 《ログ》
>>23-38 《集計》
7rG0roJ @ docomo 163res
ドコモがPINKでも全域規制が来そうだ。
この板にいるだけでみんな基地外だ。
はいはい、荒らしの負け惜しみ乙
みんなキティGUYでつねー
188 :
名無しさん@ピンキー:2011/06/03(金) 22:53:55.73 ID:xw+vQVrw
破の予告に出てたアスカは
惣流アスカラングレーなんだって
とQを見た人から聞いた
投下待つか。あ、軍曹の人はイラナイからw
独りよがりキモイwww
ここの人たちって必死だねw
超気持悪い
携帯が焼かれたから、今度は自宅PCからか?
良いぞ
今度はそっちも規制されてしまえw
エロは人間の基本だ。ここの荒しは精神病の人でないかな
っと思う私。普通の人間の執着でここまでのことはできないな
平和になったもんだな
NGで飛ぶ番号も大人しいもんだし
エヴァ板の方で暴れてた奴とも同じだったんじゃないかって疑惑も出てるしなー
筋金入りの真性だったんだろ
まあ、ともかく、報告した人お疲れ様。乙です。
さて、平和になったところでアスカ×シンジをだな
専属慰安婦の方続きを是非!
アスカ×シンジあり得ないしw
レイ×カヲルではいけませぬか
後もう一つ。特定の催促やめようよ。他の人投下しにくいだろ。
203 :
軍曹の思い出:2011/06/06(月) 00:35:26.74 ID:uTEk/L+1
いえ別人っす
空気読まずに再開させていただきます
205 :
軍曹の思い出:2011/06/06(月) 00:41:13.24 ID:uTEk/L+1
「昼飯にはちょうどいい時間ですね。なんか食いましょうか。」
部屋に入るときアスカに持たせていたバッグから、ハインツが食材を取り出しはじめる。
ちなみにアスカの付けている足枷もこれに入れてあった物だ。
シリアルコーンにパン、サラミなどが次々と出てきて、本気で長時間滞在するために用意
してあったのかと、アスカは呆れつつ見ていた。
「ハムのサンドイッチでいいよな?」
206 :
軍曹の思い出:2011/06/06(月) 00:43:22.01 ID:uTEk/L+1
アスカの分を作ろうと、ハインツは念のために聞く。
さっきまで慇懃無礼だったくせに、今度は馴れ馴れしく無礼な話し方だ。
口の利き方がコロコロと変わる奴だとアスカは思う。
「!…待ちなさいよ! アタシが自分で作るわ!」
アスカは何か思いついたように叫び、切り掛けのパンをひったくる。
部屋には簡易キッチンが付いていたので、アスカは足枷に苦労しながらかもそこまで歩いて、
備え付けのケトルに水を入れて火にかけた。
207 :
軍曹の思い出:2011/06/06(月) 00:45:26.23 ID:uTEk/L+1
「コーヒーでいいわよね」
コーヒーの粉末を入れたカップを二人分用意しながら、まずは自分のサンドイッチを作る。
パンとハムを切るのは、包丁ではなく軍曹の私物のサバイバルナイフであるし、
料理の経験が無いのでみっともない形のサンドイッチしか出来なかった。
次にハインツの分も作り始める。
「アンタも同じでいいわよね。面倒くさいし。」
「おいおい、エリート大尉殿がこの俺の分まで作ってくれるとは予想外だな。
どういう風の吹き回しだ?」
「こういうのは女のアタシの仕事だしね。」
208 :
軍曹の思い出:2011/06/06(月) 00:47:32.01 ID:uTEk/L+1
これは嘘だ。
料理は女の仕事なんていう前時代的な価値観を、彼女はいちばん嫌っている。
ハインツに料理を任せては、何を仕込まれるかわからないかだけである。
たとえば睡眠薬でも盛られるようなことがあれば…
だからさっきは自分が作ると言い出したのだ。
「ふうん、女の仕事ねぇ」
そうとは知らないハインツは、サンドイッチ作りを続けるアスカの背中を見つめた。
体の線もあらわなスーツの美少女が、自分のためにキッチンに立って食事を作っている。
ハインツでなくても、男なら誰でも嬉しくなるはずだ。
「料理する大尉の背中って、なんかいいですねぇ、新妻って感じで。」
209 :
軍曹の思い出:2011/06/06(月) 00:49:35.74 ID:uTEk/L+1
実際にうきうきした気持ちになりながら、褒めてみる。
「アンタ馬鹿?! あたしをアンタのお嫁さんみたいに言わないでよ!」
振り返って反発するアスカに近づいて、彼女の腰に両手を添える。
アスカが怒るのは当たり前だろう。
ハインツにもそれはわかっているが、会話でコミュニケーションを続けること自体
がアスカの心に入り込むための彼なりの方法なので、少しくらい怒らせても
かまわなかった。
「本当ですよ。大尉みたいな人を嫁さんに出来たら最高だし。
そういえば、これってなんだかハネムーンみたいですよねぇ。」
「はぁ!? どこがよ! バッカじゃないの!」
210 :
軍曹の思い出:2011/06/06(月) 00:51:41.44 ID:uTEk/L+1
全力で否定するアスカだが、ハインツもいまさらうろたえはしない。
「まあまあ、いっそ本当にこれをハネムーンにしちまいませんか?
大尉じゃ若すぎてまだ法律上の結婚はできないけど、そこは事実婚ってことで。」
「……アンタ、本気で頭大丈夫なの?」
ジト目のアスカにも、ハインツは怯まない。
「俺は本気ですよ。
でもって、ここで二人だけで過ごす今夜が大尉のロストバージン!」
ハインツはロストバージンと言いながら、アスカの腰に添えていた両手の指を、
プラグスーツのVラインに沿って彼女の股間に向けて滑らせる。
「やめて!」
背中に冷たいものを感じてアスカはハインツを突き飛ばす。
211 :
軍曹の思い出:2011/06/06(月) 00:53:46.00 ID:uTEk/L+1
この男にロストバージン宣言されたとき、背筋は寒気がしたというのに、男の指先が
触れた股間の奥は妙に熱く疼いたのである。
自分の体の初めての異変に、少女は戸惑い、微かに怯えた。
「ほらっ、出来たから食べなさいよ!」
下半身の熱さは気の迷いだと誤魔化すように、ハインツに不細工なサンドイッチを突き出す。
そうだ。あってはならない。あるわけがない。
こんな卑劣な男に、自分の大事なバージン喪失を期待するなんて。
ベッドの上に二人して座って、サンドイッチを頬張りながらコーヒーをすする。
食べている間だけはハインツの性欲がアスカに向くこともないため、会話が進んだ。
「ねえ、あたしの足に付けてるやつ、外してくれない?
動きにくいし」
足枷を外させようと切り出す。
212 :
軍曹の思い出:2011/06/06(月) 00:55:53.13 ID:uTEk/L+1
「駄目だ」
「なんでよ!」
「だって外したら逃げる気だろ?」
「逃げないわよ! だから外して!」
「外されても逃げない?」
「逃げない!」
「なんで逃げないんです? 普通は逃げたいでしょ」
「え…それは…」
「それは?」
外してもらいたくてウソついてます。とは言えなかった。
「……」
「俺とここにいたいから、ですか?」
ハインツがにんまり笑いながら言う。
「ア、アンタ馬鹿ァ!? 誰がアンタなんかと!」
「なら外さなくてもいいですよね。俺は大尉が逃げると困るし。」
「う……アンタと居たいわけじゃないけど、この格好じゃ足が窮屈だから外して、って事よ」
確かに、開脚したままでは疲れるだろう。
213 :
軍曹の思い出:2011/06/06(月) 00:57:58.13 ID:uTEk/L+1
「ふーん、じゃあこうしましょう。俺と大尉がクイズで勝負するんです。」
「はぁ?」
「俺が見せる兵器の名前を言ってください。これ使って出題します。」
ハインツが手にしたのは、ユーロ軍の兵器の子供向けガイドブックであった。
こういう本にはシロウト受けしそうな兵器しか載っていないものだ。
プロ軍人のアスカにとってはまさに子供だましといえる。
「4問出して大尉が全部答えられたら、足枷を外してあげます。
ですが1問でも外したら、俺の言うことをなんでも聞いてもらいます。
いいですね?」
「わかったわよ。」
「じゃ1問目。これは何です?」
戦闘機の写真を指差して、軍曹が聞く。
ユーロ空軍の象徴とでも言うべき戦闘機だから、アスカが間違えるはずがない。
「タイフーンよ。」
214 :
軍曹の思い出:2011/06/06(月) 01:00:01.72 ID:uTEk/L+1
2問目3問目も正解した。
「お見事。
最後の問題に行きますけど、その前にハインツって10回言ってくれませんか。」
いったい何を言い出すのか、馬鹿くさいと思いながらもアスカは従う。
「ハインツハインツ……ハインツ!ハ・イ・ン・ツ!!
ほらっ、言ったわよ!」
「じゃこれの名前を言ってみてください。」
ハインツが指差した写真は、アスカがよく見慣れた攻撃ヘリだった。
「ハインドよ!……え? ええーっ!?」
「残念! これはユーロコプター社のティーガーです! れっきとしたドイツのヘリです。
ハインドは旧ソ連のヘリです。見事に間違えましたね大尉殿。
約束ですから、俺の言うことには何でも従ってもらいますよ。」
「卑怯よ! アンタがハインツを10回言えなんて言うから!」
215 :
軍曹の思い出:2011/06/06(月) 01:02:31.52 ID:uTEk/L+1
「何が卑怯だよ。間違えたのはお前のミスだろ。足枷は外してやる。」
ハインツは鍵を手にして、足枷を外した。アスカの下半身は自由を取り戻した。
「ただし、俺に従うという約束は約束だからな。
さ、ベッドに仰向けになって股を開け。」
自分は勝負をしてこいつに負けたのだ。その現実から逃げるほど、卑怯者ではないつもりだ。
「くっ……」
歯ぎしりしながらも、アスカは従う。
ゆっくりとM字開脚をした股間に、ハインツに躊躇することなく顔を押し当てられ、
アスカの体温が上がる。
ここまで自分を求める男は初めてだった。
「アンタ…さっき、ドサクサにまぎれて名前…呼んだでしょ」
そういえばさっき、アスカと呼びかけた気がする。
たしかアスカの尻を楽しんでいたときだ。
その事を根に持っているのだろうか。
216 :
軍曹の思い出:2011/06/06(月) 01:04:41.66 ID:uTEk/L+1
「そうか?」
クチャクチャとスーツの上から舐め回す音を立てながら、ハインツは返事する。
「呼んだわよ! アンタの名前、なんだっけ?」
「ベルク軍曹だよ。」
覚えてなかったのかよと、ハインツはちょっとムカついた調子で返事する。
「そうじゃなくて!」
頭を起こしたアスカの声にもハッキリといらつきが混じった。
「ファーストネームを聞いてるの! アンタのファーストネーム!」
「ああ、ハインツだよ。」
そんな事を知りたかったのかと意外に感じながら、答える。
「……だからクイズの時に、アタシにハインツと何回も言わせて嬉しそうだったわけ?
特別にアスカでいいわよ。アタシも馬鹿ハインツって呼ぶから。」
217 :
軍曹の思い出:2011/06/06(月) 01:06:49.66 ID:uTEk/L+1
「…え?」
一瞬自分の耳を疑ったハインツだが、あっさりとアスカの許可を受け入れることにした。
こういう切り替えは早い男だ。
「だったら、アスカは、どうして俺なんかに」
どうして大尉のあんたが軍曹の俺なんかにこんな無礼をされて耐えていられるのかという、
きわめて当然な質問をしたつもりだったが、
「愚問ね、黙ってなさいよ、馬鹿ハインツ」
あっさり切り捨てられた。
「自分のためよ、こんなことするのは。アンタはどうなの?」
「さあ、どうなのかな。よくわからん。」
「アンタ馬鹿? そうやって責任のがれしてるだけなんでしょ?」
「…アスカが欲しいのかもな。」
「……」
218 :
軍曹の思い出:2011/06/06(月) 01:08:55.34 ID:uTEk/L+1
「今日は、初めてアスカを自分が望むようにできたのが嬉しいと思った。」
「……」
「俺、アスカが欲しくてこんなことしてるんだと思う。」
「…アンタって…ほんとに馬鹿ね。」
笑いを含んだ、アスカの言葉。
自分の中に込みあげてくるハインツへの奇妙な親近感を、これ以上誤魔化すことはできそうになかった。
「アンタ、ママはいないの?」
「いねえよ。俺が小さい頃に死んだ」
やっぱり――アスカが勘付いていた通りだった。
ハインツに語りかけるアスカは、不思議と穏やかな笑みを浮かべていた。
幼くして母を失ったハインツが、自分を受け入れてくれる女性の母性に飢えていた事を知った。
だから年の離れたアスカにも、女を求めたのだ。
219 :
軍曹の思い出:2011/06/06(月) 01:11:10.09 ID:uTEk/L+1
「あのね……ハインツ、実はね…私も、そうなんだ…アンタと同じ」
どっちも、似た物同士だった。
―――そっか、私、笑えるんだ。
「うふふ…」
―――こんな事、されてるときなのにね。
「…っふ、ふふふっ…」
アスカからは屈託のない笑いが漏れつづける。
―――ううん…こんな事、されてるからかもね…愛してもらってるもの、男に。ハインツに。
「おい、どうしたんだアスカ。」
さすがに、ハインツが心配そうな声をかけた。
気でもふれたかと思ったのだろう。
「ん、なんでもないわよ。
ねえ馬鹿ハインツ、アンタ、あたしとヤリたい?」
今までの笑顔が嘘みたいに表情を消して、真顔でアスカが言う。
220 :
軍曹の思い出:2011/06/06(月) 01:13:20.12 ID:uTEk/L+1
「え?」
さっきまでの調子はどこにやらといった感じで、ハインツは沈黙した。
予想外だった。直球すぎる質問だったから。
「……ヤるって、何をだよ……」
アスカの言わんとしている事は、もちろんわかっている。
でも信じられないのだ。
「セックスよ。」
ゴクリ。
自分の唾を飲み込む音が部屋にやたら大きく響いた。もう、答えたも同然だった。
「あ、ああ。ヤリたいな。」
「ふーん、ま、当然よね。
あたしみたいな美人を見て何も感じない男なんているわけないし。
……プラグスーツ、脱いであげよっか? それとも着たままがいい?」
221 :
軍曹の思い出:2011/06/06(月) 01:15:28.75 ID:uTEk/L+1
挑発するような秋波をハインツに送りながら、聞く。
「まずは、着たままで。」
カラカラの喉から、ハインツはどうにか搾り出した。
「プラグスーツに穴とか開ける道具も準備してあるの?」
「あ、ああ。」
ハインツは例のバッグの中を手探りし始めた。ちゃんと用意してあったらしい。
「ふん、やっぱりね。プラグスーツのあたしをオカズにしてたみたいだしね。」
ハインツがさっき言っていたことをアスカは思い出していた。
「ほらっ、さっさと来なさいよ! 馬鹿ハインツ!」
挑発するように、アスカは両脚を開いて真紅のスーツの股間を晒した。
相変わらずツマンネ。読む気にならん。しかし厚顔無恥っていうか・・・。空気読めねーな。
223 :
軍曹の思い出:2011/06/06(月) 01:17:37.08 ID:uTEk/L+1
今日はここまで
無駄に長文w
投下乙
埋め立て荒らしも出来なくなったアホの未練がましいスレ妨害なんざ、NGしとけば良いぜw
何でも嵐かよw普通に駄文だしwそういうのに限ってまとめて投下しないしw
せめて3回でまとめれ
いや、普通にお前が荒らしなだけだから
軍曹待ってました!
ハインドのくだりはワロタ
投下スピードは上げて頂きたい。あきる。
ブログでやって欲しい。
エロパロ板は初めてか?力抜けよ
何言ってんだ、この馬鹿
>>232 なんでそんなに必死なの?
思ったこと言っただけだけど。
>>235 必死ってのは、一日中スレに張り付いて荒らし連投するようなキチガイのことを言うんだよ
お前みたいなな
ばれてないと思ってるんだろ?
一日中携帯手放さずに荒らし続けるようなキチガイだもんな
分かってないんだろ
キチ○イって言葉は差別だよ!
そうゆうのはネットでも使わない方が良いよ
ID変えりゃ良いと思ってるようだが、運営からすりゃ丸わかりだからな
どうせ自分は今度こそ賢く立ち回ると思ってるんだろうが、既に携帯焼かれたような馬鹿が
自分で思うほど賢くやれるかよ
自宅回線も規制だな
賢いやつは携帯焼かれたりしないもんなー?
あーあ、キチガイってのは家族にも迷惑だねぇ
家族にどう説明するの?
あんた、プロバイダから苦情が来てるけどなにやらかしたの、またなにやったの、またなの
とか怒られてさw
一日中携帯片手に荒らしかぁ
学校行かないの?
仕事行かないの?
友達と遊びに行かないの?
買い物にも行かないの?
携帯なんざ覗いてられないほど時間使う趣味もないの?
悲惨だねw
差別w
はい確定、荒らしの前科者ね
>そう「ゆ」う
これも突っ込み所だろ
キチガイの上に基本的教養もこの程度w
こんな馬鹿が人様の文章にケチ付けるんだから、ほんと自分が賢いと思い込んでるバカってのは笑えるな
242 :
軍曹の思い出:2011/06/06(月) 22:46:04.12 ID:UTVQ0tEH
243 :
軍曹の思い出:2011/06/06(月) 22:51:54.15 ID:UTVQ0tEH
今までになかったイタモノを書こうとしてみたんですけど、
人によってはイタすぎるんですかねw
お相手がオリキャラの軍曹だったのが、ひとりよがりと見えてしまう人もいる一因かな
244 :
軍曹の思い出:2011/06/06(月) 22:54:19.15 ID:UTVQ0tEH
感想をお聞きしたいです
アスカが堕ちる、ここまでの描写はどう?
>>244 乙です。
一言。荒らしが一番悪いのはもちろんだけどなんでスルーしないの?
わざと相手にして面白がってる奴もいるだろ。それもイラつくわ
お前さんも空気嫁
好き嫌いは分かれるんじゃね
って感想
tk感想クレクレカコワルイ
読み手を気にしても仕方ないよ。
書くのを楽しめればいいのでは?
GJです。
しばらく書き込みできない環境だったんでROMってましたが、いつも楽しみにしてます。
ようやくクライマックス?前ってことでいろいろ個人的に感想もあったので、まとめて書いちゃいます。
>アスカが堕ちる、ここまでの描写はどう?
2人の背景設定から手順を踏んで、駆け引きもありでなかなか先が気になる展開で工夫されていたのは良かったです。
アスカが抵抗し、精神的に拒絶しつつも意に反する肉体の反応に引きずられていってしまう、という描写の積み重ねはかなり萌えてましたw
が、今回の投下での、肉体的だけでなく、精神的にも堕ちたというか、心惹かれてしまったという風に見える描写はちょっと意外でした。
気丈で賢い式波さんのこと、親がいない同士という共通点ごときで、監禁陵辱に及ぼうとしている最低喪男に心を許す訳などない!
これはきっと、式波さんの一発逆転を狙った読者をも謀る一世一代の秘策なんだ!と思っております。
(新劇名台詞オンパレードなんで本気だとかなりイタイですよ…)
まあ、その秘策が裏目に出てあふんあふんで全然問題ないですがw
何が言いたいかというと、肉体で堕ちるのと精神的に堕とされるのでは意味合いがまるで違うということです。
僕の式波さんはこの程度では精神的には堕ちないのです。(肉体は速攻ですが)
ちょっと個人的感想に走りすぎたので、技巧的なところで締めます。
少々気になったのが、視点。
3人称視点なのですが、視点がアスカと軍曹でコロコロ変わるところ。
サスペンス風なのだから、ある程度視点(キャラ)を固定してくれたほうが、相手の真意が分からない、掴めていなかった、という意外性を楽しめるのではないかと。
好き放題書きましたが、続きの投下、首を長くしてお待ちしています。
流石に、感想だけで連続2レスも使うのはどうかと思うぜ
流石にキモいわ
僕の式波さんて…。
おまいら、、、。今の時代投下してくれることが貴重でありがたいんだから
文句言うなよ。続き待ってるぜ
投下主に文句言ってないし
感想くれは引くわ。
ギスギスするのイヤだな〜。何でこうなるんだよ
ここが荒れたら嬉しい奴がいるんだろ?
しかしだ軍曹の職人さんよ、感想欲しい気持ちをあからさまに示すのと細切れ投下するのはよく叩かれるから気を付けてな
ここ数年の感じだと細切れ投下はこのスレの住人はあまり気にしてない様子だが、よそのスレではホントひどく叩かれることがある
作品の出来の善し悪しじゃなくそういうことで叩きたがるから困ったもんだ
まとめサイトに完成品として完結した作品が載ったあとに初めて評価されたりする例を俺は何度も見てきた
このスレは精神的に大人な住人ばかりで、すごく職人にとって居心地がいいとこだと思う
他作品のスレにも投下してみたらよくわかるぜ
「マナー」とやらをたてに誰かを叩く自分の「正しさ」(吐き気がするね)に酔ってるお子様がこの板にはいっぱいいるってな
261 :
軍曹の思い出:2011/06/08(水) 00:30:41.42 ID:KQ1bIem+
いろいろな御意見いただき感謝します
アスカが堕ちるまでのスピード感のさじ加減がわからず
これで早いか遅いか質問してしまった
いろいろ感謝レスしたいけど、それは終わってからにして
続きかくのに専念します
!?続きまだ書いて無いの?一応全部書いてから投下するものだよな…
>>262 誰がそう決めたんだ?時間がある奴ばっかじゃだろw
てめえが書きもしないのにつまらん文句たれるな黙ってろカス
>>261 期待して待ってるぜ
カスとか消えろとか物騒だな。ちょこちょこ見てるけど今回は投下人さん
擁護不可。俺的にはね。人によって意見は違うんだしあまり上げ足取りとか
すると嵐認定されるよ。
>>260の言う通りでこのスレは穏やかな住人で成り
たっているからさ
みんな落ちつけ
だったら擁護不可とか余計だろ
叩こうとしながら落ちつけとかアホか
嵐が去ったのに荒れてるとか。意味ないじゃん。
いちいち反応するのはなんでかなあ
去ってないからだろ
過去ログ見返してくれば分かるよ
この荒らしは時にまともなスレ住人をよそおったり、どんな道理の通らない理屈だろうが難癖付けられるだけ付けて荒らしてくる
差別がどうの、原発事故がどうのと言ってね
そこ踏まえて投下すれば良いね
完全スルーすれば問題ないよね。あおらない、レスしない、とにかく無視。
これ守れば元に戻るかな
だから自演したりするからそれにも釣られんなよってはなしだろ
272 :
名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/11(土) 11:14:36.00 ID:OXdB0I7/
(^-^)/か
273 :
名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/11(土) 11:15:03.48 ID:OXdB0I7/
(^-^)/し
どや
没ネタ
「ふー、危ない危ない、遅刻寸前やった」
トウジが息を切らせて教室に入ってきた。
その途端、教室は静まり返る。
「どないしたん?」
「……んぐ!」
実は、と言いかけて、ケンスケがあわてて口を右手で口をふさいだ。
「どないしたんや、ケンスケ」
ケンスケは黙って黒板を指差す。
黒板に大きく書かれていた言葉を読んで、トウジは息をのんだ。
『碇君を殴った鈴原とは一週間口をきかない』
『沈黙刑』
『口をきいたらそいつも同罪』
「何やねん! これ!?」
誰も答えない。
ケンスケは黙ってカメラをいじっている。
ヒカリも女友達と話を続けている。
シンジはいない。
3日後。
「おはよう。今日は遅くなっちゃった。お弁当作ってたら……」
息を切らせて教室に入ってきた。
しかし、誰からも返事は返ってこない。
「どうしたの?」
「……!」
女子生徒の1人が、何かを言いかけてあわてて口を閉じた。
「どうしたのよ?」
聞くヒカリに、あれを見ろと言わんばかりに黒板を指さす。
『洞木ヒカリ 一か月の沈黙刑』
「こ、これ、どういうこと!?」
誰も答えない。
ケンスケも、トウジもソッポを向いている。
「鈴原! どういうことなのよ!」
トウジに詰め寄るが、
『やかましい近寄るな』
殴り書きされたメモを突きつけられた。
『自分の胸に聞いてみい』
さらにメモを投げつけられた。
誤爆?
他のスレまで荒らすなカス!!!!!!!!!111111111
携帯買い変えたのか?わざわざ御苦労なこってwwwwwwwww
その情熱を他に向けなカスwwwwwwwww
キチガイ、降臨
_人人人人人人人人人人人人人人人_
> わりとどうでもいい <
 ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
ヘ(^o^)ヘ
|∧
/
|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
|| ○荒らしは放置が一番キライ。荒らしは常に誰かの反応を待っています。
|| ○重複スレには誘導リンクを貼って放置。ウザイと思ったらそのまま放置。
|| ○放置された荒らしは煽りや自作自演であなたのレスを誘います。
|| ノセられてレスしたらその時点であなたの負け。
|| ○反撃は荒らしの滋養にして栄養であり最も喜ぶことです。荒らしにエサを
|| 与えないで下さい。 Λ_Λ
|| ○枯死するまで孤独に暴れさせておいて \ (゚ー゚*) キホン。
|| ゴミが溜まったら削除が一番です。 ⊂⊂ |
||___ ∧ ∧__∧ ∧__ ∧ ∧_ | ̄ ̄ ̄ ̄|
( ∧ ∧__ ( ∧ ∧__( ∧ ∧  ̄ ̄ ̄
〜(_( ∧ ∧_ ( ∧ ∧_ ( ∧ ∧ は〜い、先生。
〜(_( ,,)〜(_( ,,)〜(_( ,,)
〜(___ノ 〜(___ノ 〜(___ノ
>>279 おまえが間接的に荒らしを呼び込んでるんだが。
自覚しろハゲ!!!
アホくさ。このスレも
糸冬 了
|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
|| ○荒らしは放置が一番キライ。荒らしは常に誰かの反応を待っています。
|| ○重複スレには誘導リンクを貼って放置。ウザイと思ったらそのまま放置。
|| ○放置された荒らしは煽りや自作自演であなたのレスを誘います。
|| ノセられてレスしたらその時点であなたの負け。
|| ○反撃は荒らしの滋養にして栄養であり最も喜ぶことです。荒らしにエサを
|| 与えないで下さい。 Λ_Λ
|| ○枯死するまで孤独に暴れさせておいて \ (゚ー゚*) キホン。
|| ゴミが溜まったら削除が一番です。 ⊂⊂ |
||___ ∧ ∧__∧ ∧__ ∧ ∧_ | ̄ ̄ ̄ ̄|
( ∧ ∧__ ( ∧ ∧__( ∧ ∧  ̄ ̄ ̄
〜(_( ∧ ∧_ ( ∧ ∧_ ( ∧ ∧ は〜い、先生。
〜(_( ,,)〜(_( ,,)〜(_( ,,)
〜(___ノ 〜(___ノ 〜(___ノ
オリキャラ×アスカの投下人さんいい加減続きマダー!?
ID:44alSrg+
↑携帯焼かれたアホな
NGにぶち込んでOK
あーあ。釣られてるwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
早くQの情報こないかな。燃料欲しい。
完結してから新劇観る予定の自分は賢かったかも。待つのつらいよ
新劇観てない奴がこの板来んのか。別にどうでもいいが。
294 :
軍曹の想い出:2011/06/18(土) 01:47:53.46 ID:vgczpJYb
クライマックスでどんでん返しを考えています。巧くまとまらなくて何度もボツにしてしまい遅れて申し訳ない。
一声かけて頂ければ作者冥利に つきます。スランプ中。。。頑張って投下できる状態にしますので、待ってください。
295 :
軍曹の思い出:2011/06/18(土) 09:10:08.86 ID:Sajo19mx
ちょっと待った。
上のやつは偽物です。
前に言ったように余計なことは書き終わってから聞きますので、
以後こういうのはスルーで。
以後わたしはSS本文以外は書きません。終わるまでは。
トリップオヌヌメ
ちょっと待ちくたびれてキタ
過疎っちゃたね…。誰かがんばってください
どっちが騙りかわからんが、偽者まで出たか軍曹の人!
いい意味でも悪い意味でもそれだけ人の心を揺さぶるというのはすごいこと
俺はいい意味で揺さぶられた人間
続きを全裸待機!
つか『思い出』と『想い出』とで偽者わかるな、よく見たら
とりあえず次回投下からトリップつけた方がいいよ、軍曹の人
つけ方はググってみてくれ
301 :
名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/19(日) 23:34:18.51 ID:cY/tR4P4
過疎あげ
軍曹といえば
ハートマン、サンダース、ケロロ
ハートマンて誰?
>>299 違うでしょ……見事にスレの動きをフリーズさせたのは軍曹の投下者の
空気読めなさ。アスペっぽい。作品はパラ読みしかしてないけど。
ここの住人は心が広いから許されてるだけ。今までわりと良スレだったのに
と、粘着キ印
他スレなら3日以内が限界かと。
他の職人様お願いします。アスシンが読みたいっす。
>>303 フルメタルパnじゃなかった
フルメタルジャケットを見なさい
コミカルなミサシン作者さんのも一度読んでみたいです
大胆に大きく広げたアスカの股間が、ハインツの視線を釘付けにした。
これほどの美少女が、男の劣情を煽り立てる身構えを自分に晒している。
また音を立てて飲み込んだ唾は、さっき以上に固い。
「ああ、もちろんだ。」
自分でわかるくらい、ニンマリとスケベな笑いを浮かべて言う。
何しろ今度はアスカから誘ってきたのだ。遠慮の必要も無い。
据え膳食わぬは男の恥というものだ。
「何よ、それ。」
ハインツのバッグから、コードで繋がれたデザインナイフ状の機械が取り出されたのを見たアスカが聞く。
アスカにとっては初めて見る機械だった。
コードを壁のコンセントに挿しながら、ハインツが説明する。
「超音波カッターというんだ。日本製の輸入品だ。」
「ふーん、日本製。」
自分の中にもその国の血は流れているからか、アスカは少しだけ興味を惹かれた。
「部下に模型が趣味の奴がいてな、そいつから借りたんだよ。」
「模型ねぇ…そんなの、普通のナイフでもいいんじゃない?」
コーヒーを淹れるときに使ったミネラルウォーターのペットボトルがベッド脇の
サイドボードに置かれたままだったので、ハインツはそれを手に取る。
「それが違うんだな。見てろ。」
そう言うと、ペットボトルのプラスチック製のキャップにカッターの刃先を当てる。
そんなに力を込めたとも見えないのに、刃が離れたときには固い素材のキャップが深く切り込まれていた。
「すごいじゃない、何でよ?」
アスカもちょっと驚いたようだ。
「名前に超音波が入ってる位だからな。超音波で刃を振動させて簡単に切っちまうらしい。」
「ふーん、振動で切るわけね。発想としちゃ、エヴァのプログナイフと同じね。
……で、それであたしのプラグスーツを切ろうってわけね?」
「ああ、こいつならそのスーツも簡単に切れるはずだしな。」
「……で、どこを切るのよ?」
アスカは真顔で聞いてから、愚問だったという風にニヤリと笑い、
「当然、ココよね。」
自分の局部に視線を落として言う。
「他の場所がいいか?」
「どこでもいいわよ。そのかわり、肌に傷はつけないでよ?」
ベッドの上を枕の方に移動し、両肘を支えに上体を起こしたアスカは、
超音波カッターを手にしたハインツを迎えるため両脚を大きくM字に開いた。
彼女の両脚の間に上半身を入れたハインツも、今度ばかりは慎重だ。
深く刃を入れすぎれば、スーツの生地ごとアスカの玉の肌を切ってしまう。
自分の肩幅でアスカの太股をさらに押し開いて、スーツ切断に挑もうとしたハインツだが、
どこを最初に切れば一番安全か、迷っているらしいのを見たアスカが助け舟を出す。
「割れ目の上を切りなさいよ。」
そのアイデアにハインツも納得する。
そのほうが、確かに少しなら刃が深すぎてしまっても肌まで切る危険は減るはずだ
プラグスーツの上からでも、アスカの割れ目の位置はうっすらとわかる。
空いている左手の親指と人差し指をアスカの股間に添えた。
「お前こそ、変に動くなよ。」
プラグスーツの生地を上下に引き伸ばして割れ目をよりくっきりと浮き上がらせてから、慎重に、割れ目の中央あたりに刃先を当てる。
まずは、できるだけ浅く切った。
スーツは厚みの半ばまで、長さ1センチほど浅く切り込まれたが、まだ穴は開かない。
傷跡の上をさらに切り裂くと、小さくプツリと切れる音がして今度こそプラグスーツに穴が開いた。
「どう? 切れた?」
急かすようにアスカが聞いてくる。
まだ小さな穴の奥から、アスカの雌の匂いが流れてくる。
それはハインツの脳髄に染み渡るほどに官能的だった。
答える代わりにハインツが穴の上から息を吹きかけると、スーツに開いた穴が小さな笛のような音を立てた。
「あ……ほんとに切っちゃったんだ。」
ちょっとショックを味わったような口ぶりだった。
「ああ。もっと大きく切るから、もう少しじっとしてろ。」
「わかった。」
ポテリとベッドに上半身を投げ出して、アスカはさっきと同じ天井を見つめる。
ハインツはまたプラススーツを切る作業にかかったようだった。
穴の上と下を切っているらしいのが、刃先が動く感触でわかる。
(アタシ……こんなことして、本当によかったのかな……)
明日、基地に戻れたとして、プラグスーツに破れがあることはメンテナンス担当に間違いなくばれる。
プラグスーツは運動程度で裂けるような出来ではないし、見れば鋭利な刃物で開けたとわかる。
しかも股間という、女性にとって非常に思わせ振りな場所にである。
わざと開けたと一発でわかってしまうだろう。間違いなく追及を受ける。
軍が本腰で調査すれば、このモーテルにいたことも、連れが軍曹であることも、
いとも容易く調べ上げられてしまうのは確実だ。
しかも、これはアスカ自身がハインツを誘ってしまった結果だ。
だから彼女にすべての責任がある。
今更ながら、後悔に似た思いが胸の片隅に渦巻きだす。
が、それが吹き飛んだのは次の瞬間だった。
「ひっ!?」
頓狂な声を上げ、アスカは電撃でも受けたように身を震わせた。
軟体生物の熱くざらついた表面が、新鮮な粘膜を削り取る感触。
何が起きたのかと、見るために思わず上半身を起こすアスカ。
ハインツの舌が、彼女の秘部に直接ねじ込まれていた。
スーツの穴はさらに大きく上下に切り広げられて、大事なクレバスはすでにその全部が
晒され、髪の毛と同じ色の柔らかに生え揃う草むらまで露わだ。
その全てが今やハインツの目の前に晒されていると知ったアスカの顔が、耳までピンクに染まる。
熱い息まで至近距離から秘肉に当てられて、アスカは錯乱した。
「ちょっと! やめなさいよ変態ッ!」
ハインツはやめなかった。
「いやっ…変態! いきなりこんなのって…」
言葉の最後のほうは半泣きのような声で抗議する。
まだ若すぎるアスカには、いきなりクンニリングスを求められた事実はショッキングだったに違いない。
セックスと聞けば、キスとか優しい愛撫からはじまるものと夢見がちな年頃だ。
テレビでゴールデンタイムにやってたドラマのベッドシーンくらいしか、男女の睦み合いの知識が無かった。
それでも、彼女の体は正直だ。
プラグスーツのガードが破られるより前からハインツに下半身を責められていたおかげで、
スーツの内側も十分すぎる量の愛液で濡れていた。
スーツの穴から透明な液体がこぼれ、プラグスーツの尻の間を伝って落ちていく。
それがシーツに達して染みを作る前に、ハインツは舌で舐め上げて嚥下しては、水源を直に飲み干す。
男を迎え入れる準備ならすでにできたとばかりにこんこんと湧き出すアスカの分泌は
十分に多かったが、ハインツの欲求を満たすにはそれでも足りなかった。
プラグスーツの切れ目をめくり返して濡れた裏地にまで舌を這わせ、蜜とアスカの汗が
混じった液体を舐め取っていく。
彼はどこまでも貪欲だった。
一通り蜜を飲み干して、次にハインツはクリトリスに吸い付く。
器用にも唇だけで包皮を剥き、真珠のような先端を舌先で刺激する。
舌の技でエリート軍人の少女から悩ましい喘ぎを搾り出させながら、ハインツは聞く。
「アスカ、お前セックスの準備にココの手入れしてるのか?」
「し、してるわけないでしょ!」
無理もない答えだろう。
彼女の若さで、セックスの前準備のための手入れなど思いつくはずはない。
生理の対処が精一杯だろう。
「だろうな。結構カスが溜まってる。」
「…え?」
「カスが溜まってるんだよお前のは。恥垢ってやつ。
まったく、いつセックスしてもいいように綺麗にしておくのが女のマナーだぞ。
ほら、自分のカスだ。」
ハインツはさっきのパンの切れ端でアスカの恥垢を拭うと、彼女の鼻先に突きつける。
チーズを思わせる濃密な臭気に小さく呻いて、アスカは顔を背けて息を止めてしまう。
「臭いか?
こんなので汚れてるマ×コをさらしてるお前が、俺を変態呼ばわりできる立場かよ。
あん?」
こんな屈辱にも、アスカは顔を背けたまま無言だ。
罵倒をうわの空で聞きながら、アスカはショック状態にあった。
そんな場所も清潔にしておくのがマナーだとは、今の今まで知らなかった。
むしろ軍人のたしなみとして、身だしなみの清潔さには自信を持っていたくらいだ。
「どうすりゃいいか、わかるよな?」
「……わかったわよ。自分で拭くわよ。自分で綺麗にすればいいんでしょ。」
力無い声と表情で言い、アスカはボックスティッシュに手を伸ばす。
届く前にその手首が掴まれた。
「こういうのは年上の俺に任せろよ。
俺にお願いしてみな。あたしを綺麗にしてください、ってな。」
震えるアスカの瞳を正面から見据えて、迫る。
ハインツがどんな方法で綺麗にするのか、アスカには察しがついた。
舌で舐め取る気だと。
「ば…馬鹿! そんなの言うわけないじゃない!
だって、言わなくたってどうせアンタは……」
「ん? なんだ?」
「……綺麗にしたかったら、勝手にすれば? 変態野郎。」
軽蔑をたっぷり込めて言おうとしたのに、調子は棒読みだ。
顔が火のように火照る。腰の奥まで熱を帯び始めている。
「へへっ、じゃあ勝手に。」
アスカはもう、たまらなかった。
股間に迫ろうとしたハインツの頭を両手で抱え、そのまま押し付ける。
「アンタに綺麗にしてくださいなんて、あたしは一度も言ってないんだからね!
あたしが嫌って言っても、どうせアンタはやるとわかってるからやらせてあげてるだけなのっ!」
そう叫んだ声は、自分でもわかるくらいに興奮に上ずっていた。
嬉しいのか恥ずかしいのか、自分でもわからない。
「アンタがこんな事…したいって言うから…アンタが言うから…
だってそのほうが手間も省けるからあたしは…あたしはっ!」
ハインツの舌が蠢くのを感じて、アスカの声も弾む。
ただ、こんな自分は実は間違いなく色情狂だと思った。
(……変態は、あたしだ。)
一人の女として男に求められる悦びが、彼女から正常な判断力を焼き尽くしていく。
さっき感じた気がした後悔などとっくに四散した。
(あたしは、色情狂だ……)
本気でそう思った。
アスカの奥底で、何か大切なものが崩れていく。
アスカがハインツに貫かれたのは、それからすぐだった。
対面座位でハインツに打ち込まれた瞬間、額に汗を浮かべてアスカは叫んだ。
たった今、自分を犯した男の名前を。
初体験だったが、不思議と破瓜の痛みは少なかった。
「出すぞっ!」
アスカを貫いたままハインツが叫ぶ。
「来て!…来てッ!!」
背中を大きく反らしたアスカが応じる。
アスカの尻肉に両手の指をめり込ませて固定したまま、ちょうど眼の前の高さにある
胸の谷間に顔を埋めてハインツは射精した。
赤いプラグスーツの腰の奥に、20も年上の男の種が勢い良く注ぎ込まれた。
アスカの左右の乳の頂きを交互に吸いながら、男はなおも放ち続けた。
「あ…あああっ!」
アスカの背筋を、悲しくも妖しい快感が駆け抜ける。
きっと、自分はこれを求めていたのだと思った。
自慢の美貌も、14歳で大卒の頭脳も、大尉の階級も関係無しに、あるがままの自分を
求めてくれる男がここにいる。
そして、一匹の生身の雌としてそれに応える自分がいた。
典型的ともいえるストックホルム症候群の症状。
アスカはすでに、ハインツの策に落ちてしまっていたのだった。
ハインツはすぐに二度目を挑んできた。
筋骨逞しいハインツの肉体が、力強いストロークでアスカに肉の楔を打ち込む。
両手はアスカの肩を掴んで押さえてはいなかった。
ベッドのヘッドボードを両手でがっしりと掴んで、腰の動きだけでアスカを責めている。
「アアッ!…ヒアッ!…アハァッ!…アァッ!」
正常位で激しく突き入れられるアスカの喘ぎに負けじと、ベッドも激しい騒音を立てた。
プラグスーツがハインツの肌と激しい摩擦音を立て、マットレスのスプリングが軋んだ。
突如、ハインツが吼える。
アスカの奥深くまで打ち込んでから、解き放つ。
「あは、あははっ!」
精を注ぎ込まれるのを感じながら、アスカは屈託ない声と笑顔で笑った。
笑うのが楽しかった。こんなに笑えたのは生まれて初めてかもしれない。
「ま、あたしの初セックスはいま説明したような感じ、ってわけ。」
夜も更け、月明かりが差すだけの部屋。アスカはシンジに語り終えたところだった。
もちろん、ハインツとの初体験の思い出話である。
今夜ミサトは当直で居ない。家に残ってるのは二人プラス、ペンペンだけだ。
アスカは大した事でもなかったような調子で、あっさりと言い放ったのだが、聞いていたシンジの胸は衝撃に潰れた。
さっき床に就いて本を読んでいたら、ふすまを開けてアスカが入ってきたのである。
それも、場違いなプラグスーツの格好で。
驚いて起き上がったシンジの横まで来てアスカは正座をし、しばらくシンジの顔を見つめてから
「シンジ。あたしを食べたくない?」
と意味不明なことを告げた。
混乱するシンジが問い直すと、
最近料理に凝りだしているが、どうにも美味しい料理ができない。
いつも弁当を作ってくれているシンジに料理でお礼が出来なくて、なんだか悪い気が
するから、料理の代わりにあたしを食べてみないか、という話が返ってきた。
あたしを食べるの意味は、あたしとセックスしていいという事だという。
当然シンジは、僕たちまだ中学生だよそんなの早いよと慌てふためきながら断った。
ところがアスカは、「早くなんてない」と落ち着きはらって言う。
「あたし、もうセックス経験したもの」と言い出して、ハインツ・ベルク軍曹という
男とのドイツ時代の経験を赤裸々に語りだしたのである。
話を聞くにつれ、シンジの理解を超えるとんでもない実態が語られた。
自分と同い年のクラスメイト、それも同居人が、20歳も年上の男と初めてのセックス
を経験済みだと言うのだから。
しかも、軍隊の階級がずっと下の相手だという。
「おかしいよアスカ! そんなの絶対おかしいよ!」
14歳らしい潔癖さでシンジはアスカの行いを否定するが、アスカはシンジの胸を
突き飛ばすと、すごい剣幕で言い返してきた。
「うるさいわね! 何がおかしいのよ!
ハインツもあたしも、ママがいないから理解し合えたし惹かれ合ったの!
ハインツは女のあたしに同時に母性も求めていたから、やたらとあたしの胸を欲しがったのよ。
女の胸は母性の象徴だしね。
でもあたしはハインツのママの代わりじゃない! ハインツの初めての女でもあるの!
あたしはハインツに、母と女の両方を望まれたのよ!
ママがいない同士のただの傷の舐め合いとは違うの!
何も知らないくせにおかしいなんて言葉で片付けたら承知しないわよ!
わかった?!」
「う、うん。ごめん…」
納得したと言うよりは、ただアスカの勢いに押されただけな返事を返すしかできないシンジ。
「まったく! これだから日本人は!
悪いと思ってなくても謝る癖でも染み付いてんのかしらね。
……ところでシンジ、アンタもママがいないのよね?」
アスカがニヤリと思わせ振りな薄笑いを見せて、聞いた。
「う、うん。」
「ならアンタも、ハインツと対等な条件ってワケね。
いいのよ? ハインツみたいにあたしを好きにしても。
アンタにはその資格があるしね。」
「し、資格って何だよ!?
お母さんがいないなんて理由で、アスカは誰とでも、そ、その…セ…セックスするって言うの?」
「はぁ…アンタ馬鹿? 人の話聞いてた?
ママがいない子供同士、傷の舐め合いで寂しさを紛らわすなんてあたしの趣味じゃないのよ。
女としてのあたしも愛してくれないと駄目なの。アンタにはその資格があるわ。
あたしに女とママの両方を求める資格が。
ねぇ……女のあたしが、欲しくない?」
そう言って、アスカは正座していた足をゆっくりと開いた。
間違いなく自分を誘っている、そう知ったシンジの胸がざわつく。
彼の視界に晒された股間の真ん中に、プラグスーツと色が同じ赤のテープが縦に
貼られているのが見え、シンジの頭の中で何かの直感が閃いた。
「あ、そのプラグスーツ、もしかしてさっきの話の?」
「馬鹿シンジにしては察しがいいわね。
これ、ハインツとセックスしたときのプラグスーツなのよ。あいつに切られた穴はテープで直したけどね。
記念にずっととっておくつもりよ。」
「エヴァに乗らないのに着て、怒られないの?」
「もちろんダメよ、本当はね。
ドイツを出るときに処分される筈なのを、こっそり貰ったの。」
「どうして今着てるの?」
「アンタをあたしの虜にするには、このほうが都合がいいからよ、馬鹿シンジ。
プラグスーツはしょっちゅう着るしね。
これ着たあたしとセックス体験しちゃったら、これからプラグスーツ姿のあたしを
見るだけで思い出しちゃうでしょうね。
どう? このテープ剥がしてあたしとセックスしてみない?」
脚を広げたまま、アスカはシンジにじり寄るが、
「べ、別にいいよ! そんなの!」
シンジは赤面しながら彼女から身を引く始末である。
「ウブねぇ。お子様のアンタにはもう少し聞かせたほうがいいかしらね。
ハインツとあたしのセックスの続き。」
シンジの返事など構わないで、アスカは思い出語りを再開した。
ここまでです
軍曹の人キター!
いいねいいね!
すごく引き込まれた
煽り・荒らしは気にせずにゆっくり自分のペースで書いてください
これからも続き待ってる
乙
アスカが初体験を語るとかないわ…。ビッチかよ。キャラ壊さないで
この展開はいらんわ
一気にアホみたいになった
なんだ?またエヴァ板から設定廚が紛れ込んできたのか?
アダルト板はエロさが正義。エロけりゃ何でもありだ。
自分の好みと違う作品はスルーがルール。それができない奴は帰れ!
エヴァ板からでもなかろうよ
昔から、エヴァのFFなんて葉鍵界隈と並んでキャラ性の同一性なんてあってなきがごとし
名前だけ同じ別人状態なんてありふれてたからな
つまりは、いつものごとく携帯焼かれたアホが難癖付けてるだけさ
何でもかんでも嵐のせいにするのもどうかと。エロパロなんだしエロいのは大前提。
つか嵐の話蒸し返して何がしたいんだ?それがイラつくわ
荒らしガー
荒らしガー
って言て自分正当化したいんじゃねw
※相手にする方も荒らしです
エロいのは大前提とかエロパロ板の流儀知ってますアピールしているようだが、まず自分でそのエロパロの流儀に背いてるから荒らし認定されてるんだろう
分からないのか?
エロの趣味は人それぞれなのが当たり前だ
趣味に会わなかったらただスルーだろう
もう投下と作品GJ以外のレス禁止にした方がいいんじゃね?
それ以外のレスは完全スルーで
でも今のこのスレはそれしか許さない空気だな
330 :
ヤンデレアスカ:2011/06/24(金) 23:42:53.19 ID:lMkhux8W
(んー寝付けない)
蒸し暑い夜。さっきまで加持が来ていて4人でシンジの作った食事を楽しんだ。アスカは気分が良かった。
(水飲もう…)
うつらうつらしながらアスカはキッチンへと向かおうとベッドを降りた。しかしドアノブに手をかけた瞬間、動きを止めた。
「ん…それ以上はだ、駄目…んっあん…やめて加持く…」
「葛城…ごめん。俺今日おかしい」
「どうしたの?」
「・・・我慢できない」
そんなやりとりがリビングから聞こえてくる。アスカは硬直した。かすかに開いているドアの隙間から二人が確認できた。
(嘘…信じられない)
加持は背後からミサトに覆い被さるようにして、片手で胸をまさぐり、もう片方の手はスカートの中に滑り込まれていた。しかも二人の動きは徐々に激しくなっていく。
(加持さんが、あの加持さんがあんないやらしいことをするなんて!)
アスカはショックでその場に立ちつくした。というより動くことが出来なかった。
加持の舌が音をたててミサトの唇を舐めまわす。やがてそれは舌先でこじ開けられ、ミサトの口内に侵入し動き始める。
「こら、う、ん…ん…やっ、駄目よ、隣にはシンジ君とアスカが」
「我慢できないんだ。・・・少し酔ったのかな、俺」
加持がミサトのシャツをめくると乳房に顔をうずめる。ミサトは懐かしい感触に我を忘れる。
「はぁ、あ、あぁン!」
「・・・葛城」
加持は指で一番敏感な突起を摘まんだり、舌で転がしたりしていた。ミサトの息が荒くなる。
(いやらしい!加持さんがあんな…ミサトだってあんなミサト知らない!!)
アスカは普段からは想像つかない二人の行為に頭がぐるぐる回った。吐き気すらした。
しかし思考とは裏腹にアスカの股間はぐっしょりと湿っていた。
見たくない。あんな気持ち悪い行為なんて絶対にしたくない。息を整え、ベッドに戻ろうとしたがミサトのあえぎ声がアスカの足を引き留める。
「はぁ・・・んっ」
加持の手がスカートの中の下着をずり落とし、ピチャッピチャッとミサトの股間から水音が深夜のリビングに響き渡る。
「やっやっ・・・加持く・・ああぁン!」
水音は一層大きな音をたて、ニュルニュルとはしたない音と二重に響いた。
それに合わせてミサトの腰は妖しく動めき、加持の指が一定のリズムで出し入れされていた。
「葛城…変わってないな。こうだろ」
そう言うと加持はミサトの足を大きく開いて舌でクリトリスを優しく刺激した。つついたりざらざら舌で舐めまわす。指は相変わらず中を掻き回す。
「いっ、イヤ…!」
ミサトは身体をくねらせて愛撫に耐えた。たまらずツンと上を向いた乳房を自分の手で下から上へと揉みしだく。
「はぁあぁぁん、ん!・・・あぁ!!!」
「こら…シンジ君たちに聞こえるだろ」
加持はミサトの唇をキスで塞いだ。
(大人って・・・こんなことするの?!)
アスカは軽蔑しながらも股間はますます濡れていた。それは今までに経験したことのない感覚だった。
下半身が熱く、子宮がキュッとうずいてじっとしていることが苦痛だった。アスカはそっと下着を下ろし、恐る恐る股間に指を充てた。ネバネバとした液体が下着から太ももまで伝っている。
(こ、こんなの私じゃない!私が悪いんじゃない。加持さんとミサトのせいよ!大人なんて、大人って汚い!)
しかし加持がしたようにアスカは指をそっと膣に入れてみた。
(こ、ここ?)
人差し指の先を膣内に少し入れる。にゅるんと簡単に入り指先が温かくなる。自分の体内にこんな場所があるのが何だかとても不思議だ。
(・・・別に何ともないじゃない。こんなこと。でもミサトはとても気持ち良さそうなのに)
アスカは思いきって指を奥まで入れてみた。つるんと人差し指はアスカの体内に包みこまれた。
(動かしていたわね)
アスカは嫉妬と好奇心が入り交じっていた。
(私は十分大人よっ!私だって同じようになれるわ!!)
指を出し入れしてみた。とてもきつく、奥にはこりこりとした部分がある。何回も出し入れしていると膣壁が刺激され、子宮がさらに熱くうずく。
(んっ、んん…!)
アスカは初めての女性としての快楽に抑制が効かなくなっていた。既にぐちゃぐちゃになったマンコからはどんどん透明の液体がとめどなく溢れだす。
(加持さんはミサトの股間を舐めていたわね)
アスカは手鏡をそっと手に取り股を開いて自分のずぶ濡れのそこを映してみた。キラキラと光っていた。そして膨張した赤い小さな突起物を見つけた。
(これがクリトリス…よね)
指で撫でると太ももの内側に痺れるような快感が走る。
(これをこするの!?)
本能のまま14歳の少女はあられもない姿で自分の女性器をいじくりだした。
小さな突起を濡れた指で前から後ろへゆっくり擦る。何回か繰り返すと突起物は大きくなった。
(こうかな…ンなんだか気持ちいい・・・)
さらに速度を上げて指を動かしてみる。くちゃっくちゃっとした音がさらに興奮させる。
(ぐっ…んぁ!な、何してるんだろ私)
そして隣のリビングからはミサトの押し殺した声が微かに聞こえる。アスカは頬を蒸気させながらぼんやりとドアの隙間に視線を移した。カチンッ、と音がして加持がベルトを緩めていた。
(えー!?まさか、この先もしちゃうっていうの!?)
下半身をさらけ出した加持はミサトの両足を押し退けて挿入した。ミサトの小さな歓喜の悲鳴とずふりという音がする。
(嘘…あんなに大きいの!?指なんてまるで比べ物にならないじゃない・・・)
加持は乱暴に腰をミサトに打ちつける。ミサトは小柄な方ではないのに加持の身体の下になるとまるで子供みたいに小さく、壊れてしまいそうに見えた。そして初めて男女のセックスを見たアスカは女があんなはしたないあられもない格好をしているのに動揺した。
(まるでケモノじゃないの)
驚き軽蔑しながらもアスカの指は加持の動きに合わせて出し入れされた。
(は、ハァ・・・う、ううっ…)
一本では物足りなくなり指は二本、そして三本に増えていた。
「加持く、んっ、んん…!ずっとこうしていて!」
ミサトは加持の背中に爪を立て、腰を揺らしながら懇願する。
「ああ、離さない。離さないよ。ずっとこうしててあげるよ」
加持は動きながらミサトに口付ける。
(ホントにいやらしい!穢らわしい!)
心ではそう思っているのにアスカの指は動きが速くなる。
(はぁ、あ…私、私も)
ぐちゅぐちゅに性器をいじくりながらアスカは自分の手では物足りなさを感じていた。
加持が床へと横たわりミサトを促す。ミサトは加持の身体に馬乗りになり手をついて上下に尻を動かしはじめた。加持が揺れる乳房をギュッと掴み、乳房はいびつな形に変形している。
(こんな・・・こんな風にもするの?!)
加持はミサトの腰を支え時々奥までグイっと突き上げる。その度にミサトの身体は大きく反りかえる。
「葛城…もう・・・ううっ!」
「私も、い、イク…イッちゃうぅう!」
加持のが思いきり深く突き上げるとミサトは崩れ落ちた。
(・・・)
アスカはそっとベッドへ戻った。ぐっしょりした液体でベトベトした股間が熱く、脈打っていた。子宮が疼く。熱くてむずむずしてどうしようもない。
(どうしちゃったんだろ、私)
暫くベッドで今起きた出来事を思い出していると玄関のドアが開き二人の足音が遠ざかって行った。きっとミサトが加持を送りに行ったのだろう。車のキーを取る音がしたから。
アスカはリビングに出て二人の足音が完全に消えると隣のシンジの部屋へと自然に向かった。
投下乙です。
ヤンデレアスカはいいですね。
このあとシンジとどうなっていくのか楽しみにしてますよ。
335 :
名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/25(土) 17:17:12.94 ID:R9Bze/CD
式波はヤンデレじゃないだろ。惣流設定ならどんだけ古いんだよw
タイトルからして読む気しない
>>335 嫌なら読まんで結構。
つか、アスカが「加持さん」って言ってる時点で惣流に決まってるだろ?
俺はヤンデレアスカは好みなので、続きの投下を待ってるよ。
o( ^(,,ェ)^)o 俺もゆっくり待ってる!
>>333 スッゴいイイです。
カジミサもアスカ×シンジも
2度楽しめるのかな?
のんびり待ちます。
こういう書き込みはプレッシャーかもだが
早く続きを・・・・・・・。ぱんつが
GJ!
続き全裸期待
>>342 いつもお疲れ様ですありがとうございます
>>342 いつもありがとうございます。お疲れさまです
(なんだろ。急に暑くなったなあ)
シンジは心地よく眠りについていた。味にうるさい同居人女性二人も加持も美味しそうに自分の料理を食べてくれた。ちょっとしたパーティーみたいな夜だったのだ。
(それにしても暑いなあ)
何か柔らかい、温かい物が自分にまとわりついている、変な気がさした。そしてその物体はいい匂いがする。
自分の身体中を触られ、手を握られたり頬をつねられたりもする。
「起きなさいよ!」
(・・・誰?)
「いい加減に目を覚ましなさいよ!」
(ん?…)
聞き覚えのある声だ。はっきりしない意識の中でぼんやりとシンジは目を開ける。薄暗い部屋の中。だんだんと目が慣れてきて物体の正体がはっきりした。
「あ、アスカ!?」
シンジはベッドから転がり落ちた。温かい物体はアスカだった。しかも全裸で白い肌をさらして自分の寝ていた場所にいる。
「何してるんだよ?そ、そんな格好で・・・・」
顔を真っ赤にして叫んだ。
「バカシンジ。ダラダラ寝てるんじゃないわよっ!」
そう言ってアスカは見せ付けるように自分の胸を反らした。まだ成熟しきっていないがツンとしたピンク色の乳首。形の良い、少女らしい綺麗な真っ白い乳房。シンジは目のやり場に困る。
「アスカ、どうして…」
「うるさいわね!私がこんな夜中にこんな格好でアンタの部屋に来てるのよ。どうするか分かってんでしょ?」
そう言うとベッドから飛び降りてシンジの肩に両手を回した。アスカの息が首筋にかかってくすぐったい。心臓がドキドキして止まりそうになる。
「アスカどうしたの?さっきまで加持さん加持さんて…」
なんとか理性を保ってシンジは自分を落ち着かせようとした。
「フン。加持さんならミサトとセックスしてたわよ」
「え?まさか…そんな」
シンジの言葉を遮りアスカはリビングのドアを開けた。丸い形の良い尻をプリプリとさせながらシンジの前を歩く。見とれながら付いて行った。
「ほら。」
アスカは何故かゴミ箱に手を入れてシンジの前に丸めたティッシュを突きだした。ツンとした臭いが鼻をつく。それはシンジも知ってる臭いだ。
「ね、分かったでしょ」
シンジはあまりの生々しさに動揺した。さっきまで普通に話していた二人が自分の隣の部屋でそんな行為をしたなんてまるで夢のようだ。そして裸体のアスカが自分の前にいることも。
「あ、アスカは、一体…」
真っ直ぐにシンジの目を見てアスカはきっぱりと答えた。
「私たちもセックスするのよ!」
シンジが戸惑い何か口にしかけた瞬間、アスカは再び抱きついた。さっきよりも強く身体をグイグイ押し付ける。柔らかい乳房を感じてシンジのぺニスは素直に膨張した。
「あ、アスカ、だ、ダメだよ…こんな」
言葉とは裏腹につるつるした肌の感触に頭がくらくらしてきた。
「いいから。ほら…」
シンジの手首をとって自分のおっぱいに導く。
「あ…うわあっ!」
思った以上に柔らかくて気持ちがいい。どうすればいいのか分からなくて円を描くように動かしたり先端をくりくりこねたり本能のままに触れた。
「あふぅ…ん…シンジ…」
アスカが喘ぐ。その声に理性が飛びそうになった。触るだけじゃ物足りなくて口に含んで吸ってみた。
「ああ、あン!シンジ、ベッドに行こう」
二人はアスカの部屋へ向かった。
勢いでしてしまっているけどシンジはふと我に返った。アスカが好きなのは加持だ。
「あのさ、アスカ。アスカは加・・・」
シンジの言葉を無視してアスカは半ば強引にベッドに二人で倒れこんだ。
「さっきの続き…して」
「え?」
「私の乳首、吸ってたじゃない」
シンジは赤くなる。
「なかなか気持ち良かったわよ」
アスカは横たわりシンジを促す。シンジは再び乳首に口を含む。ちゅぱっちゅぱっと唾液が混ざるといやらしい音を立てた。
「私のおっぱい、美味しい?」
アスカが少し紅潮した顔で尋ねた。
「う、うん。でも僕、どうやったらいいのか知らないよ」
無理もない。14歳の少年なのだ。
「下から上に持ち上げるようにゆっくり揉んでみて」
さっきのミサトの行為を思い出しながらアスカは言う。
「こ、こうかな…」
ぎこちない手つきで言われた通りにするシンジ。アスカはなんだかたまらない征服欲を感じた。
「そうよ!気持ち、いいわよ…続けてちょうだい」
シンジは言われた通りに繰り返す。するとアスカの息が荒くなって行くのに気付いた。
乳房を丁寧に愛撫しながらピンク色の乳首をペロッと舐めてみる。
「あぁぁン!」
アスカの身体がはね上がった。白い肌が赤く染まる。
(気持ちいいんだ)
シンジは少し自信が出てきた。気の強いアスカでも僕なんかにこんな風にされてなんとも言えない表情をしている。これは男性本能に火をつけた。
軽く噛んだり吸ったり、親指と人差し指でつまんで刺激したりする。動かす度にアスカは小さく悲鳴を上げた。
「ねえシンジ…ここも…」
アスカはシンジの手を股間へと導く。先程まで自分で可愛がっていたのとシンジの愛撫とで溢れかえっている。シンジは思わず息を飲んだ。
「アスカ・・・こんな」
シンジの頭から恐怖は完全に消え去った。股間に顔をうずめて臭いをかいだ。ツンと鼻をかすめるチーズのような臭い。舌に感じる酸っぱさ。目的の部分を探してにゅるにゅる指を動かす。アスカが甘い声と腰をヒクヒク小刻みに動かし愛撫に反応する。
「あン!」
つるん、と指が吸い込まれた。きつく、生暖かいアスカの中。宝物を発見したかのような嬉しさが込み上げる。
ゆっくり出し入れしたり、顔を近づけて観察したりした。ここに入れてみたい、素直にそう思った。
「入れてみたいんでしょ?」
シンジの髪の毛を指でかきあげながらアスカは言った。汗で手がべとつく。緊張しているんだろう。
「入れたいんでしょ?」
シンジはアスカの股間に顔をうずめたまま動きを止めた。
「・・・答えなさいよ!!」
シンジは突然口調を荒げたアスカに驚いて思わず顔を上げた。
「アスカ?」
きょとんとしているシンジのぺニスを掴むと下から上へと動かし始めた。
「はうぅ!!」
「こうするんでしょ?これが気持ちいいんでしょ?」
そのまましごく。何度もピストン運動させる。だんだんとぺニスが硬くなってきた。
「アスカ、恥ずかしいよ。いきなりこんなの」
「いいから黙ってなさい。気持ち良くないの?!」
先っぽからは透明の液が溢れアスカの手を濡らしている。
「ほら。分かってるんでしょ。これが出るってことはイイってことよ」
「ほら。分かってるんでしょ。これが出るってことはイイってことよ」
「あぅっ!!」
いきなりぺニスに生暖かい物が絡み付いた。それはアスカの舌だとすぐに気付いた。それだけでは当然終わらない。ねっとりとした口の中にぺニスが包まれていく。喉の奥までくわえこまれて先端がきつく絞められる。
「そ、そんなことダメだよ!出る…出ちゃうよ!」
シンジは悲痛な声で叫んだ。
「へえ。これがイイんだ。気持ちいいのね」
アスカは玉を手でさすり、さらに激しく口を上下させた。じゅぶっ!じゅぶっ!と、唾液が垂れアスカの顔も手もベトベトだ。
「あ…あ、あぁぁ!!ぅっ!!ぅっ!!」
シンジは頂点に達した。アスカはゴクンっと喉を鳴らし飲みこんだ。あまりに量が多すぎて口の端から白い液がこぼれ落ちた。
「はぁ、はぁ、アスカ・・・」
シンジはバツが悪そうに顔を赤らめた。同期生の女の子の口の中に精液を出してしまった。罪悪感と恥ずかしさで死にたくなる。
アスカはペロリと舌で精液を拭い、にっこり微笑んだ。
「今度は私を気持ち良くさせるのよ」
「来て」
そう言うとアスカは仰向けになり足を開き、上に挙げた。
「え?」
戸惑うシンジの手をひっぱり自分の上に導く。親指と人差し指で膣を広げて促した。
「ここよ。さっき指入れたでしょ」
シンジは言われるままにぺニスの先を挿入させた。
「あン!…」
少しの痛みはあった。けれどなかなか気持ちいい。再び子宮がじんわりと熱くなる。
「アスカ、大丈夫…なの?」
シンジは心配になって聞いた。
「うるさいわね!濡れてるでしょ?にゅるにゅるしてるでしょ!早く動かしなさいよ!」
アスカは腰を浮かせ、ぺニスを奥に吸いとった。子宮の入り口に先端があたる。シンジは命令に従い腰を振りだし始めた。
「あ…あン…いいわよシンジ…」
アスカは目を閉じて全身で感触を楽しんだ。つられてシンジの腰のピストン運動も速まる。
「はぁ、はぁ・・・アスカ、これでいい?僕、僕…」
「まさかもうイキそうってワケじゃないわよね?」
シンジは泣きそうな顔をした。
「だって…だって…我慢できないよ!くっ!うぅ!!」
「情けないわねえ。もっともっと私を楽しませなさいよ!」
そう言いつつも内心アスカは満足感でいっぱいになる。
(オトコをイかせるなんて簡単ね)
シンジは自然に乳房に貪り付きながら快楽に酔いしれる。
「う、あああン!やんっ!シンジの入ってる…気持ちいいわ…凄いわ!」
乳首が充血してピンと立ち上がる。だんだんと快楽が増していく。
「もっともっとちょうだい!」
アスカは肛門に力を入れた。
「あああ…あ…そんなにされたら…で、出る…イクよ!イッちゃうよ!」
「はぁ、し、仕方ないわね…それじゃあたっぷりと出しなさい!!」
ドピュ!!!!!!
おびただしい量の精液がアスカの中に注ぎこまれて行った。
「アスカ、何で急にこんなことしたの?」
シンジはパジャマを着ながら尋ねた。
「別に。好奇心よ」
素っ気なく答えるアスカにシンジは虚しくなった。
「あ、一つ宿題を出すわよ」
シンジは戸惑いながらアスカを見た。
「次は私を満足させなさい」
シンジはどうしたら良いか分からず、小さくうなずいて部屋を出た。
翌朝
「おはようシンちゃん」
「おはようバカシンジ。遅いわよ」
いつもと変わらない女性二人。昨日のことは夢だったの知れない。朝食をいつも通りに作り、いつもと同じように賑やかな席。シンジは軽くため息をついて洗い物を始めた。
「シンジ遅〜い。先行くよ」
玄関先でアスカが叫んだ。
「あ、忘れ物…」
アスカが戻ってきてシンジの耳元で囁いた。
(宿題、しっかりやりなさいよ)
驚いているシンジを後にアスカは玄関のドアを閉めた。
「いってらっしゃ〜い」
ミサトの明るい声がした。いつもと変わらない。変わらないことにシンジは恐怖を感じた。でも。
(宿題はしっかりやらないと。アスカに何を言われるか分からないから)
そしてミサトがいない夜は二人の探求と欲望のいとなみが繰り返されることになるのだった。
おわり
ここまで駄文だと逆に潔いなwwwwwww
よかったよ!
GJ!
荒らしは気にせずに
乙だけどヤンデレってタイトル関係なくね
そこだけ気になったんだが
GJです!
いつもちゃんと小説みたいに筋があってすごいです。
萌えまくりでした。またぜひぜひ投下宜しくおねがいします。
355 :
名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 22:27:26.02 ID:WZ/OfmvX
投下お願いします()自演バレバレw
356 :
名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 22:28:32.36 ID:WZ/OfmvX
つーかこんなんしてる労力が無駄。節電しとけ
357 :
名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 22:30:14.61 ID:WZ/OfmvX
キモイキモイキモイ
358 :
名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 22:31:24.70 ID:WZ/OfmvX
キモアニメにキモオタwぴったりだなwwwww
読んでくださってありがとうございます。ヤンデレにならなくてごめんなさい。
携帯からなので改行も読みにくいと思いますが失礼しました
ヤンデレアスカとても良かったですよ。
読みやすい文章で好感が持てました。
気が向きましたらまた投下して下さいね。
携帯焼かれても懲りないとか、知能障害持ちはたまらんな
また水遁申請あたりから規制依頼しとくか
>>359 遅くなったがGJ
携帯から投下でここまでとはやりますな。引き込まれたぜ!
アスカが加持に強引にせまる
シンジがミサトにセックスを教えて欲しいとせまる
そんな続きが見てみたい
364 :
名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/30(木) 23:57:01.07 ID:JIcm1SFx
自演乙wwwwwwwwwwwww
これは恥ずかしいwwwww
潔癖症のマヤに四十八手で調教する
そんな話も見てみたい
歌丸です
もう一度ミサトシンジ読みてえ。
o( ^(,,ェ)^)o ヤンデレの人ありがとう
他の職人さまの続きも、ゆっくり待ってる
マダー?
私もミサトシンジ希望です!!
よろしくお願いします!
LRSでおながいしまつ
思いも寄らぬ嘆息を吐き、苦笑する。この模糊とした空間の中でも腹を
据えていられるほど、自分は自信に満ちた人間だったろうか。
「アンタってさぁ、…まぁ、意外に大物よね」
「そう…かな」
この事態の異常さまでも把握できない朴念仁ではなかろうに。
台所に立って炊事に精を出す時とさして変わらぬ空気をまとい、正座する
シンジは人数分用意したティーカップに、蒸らし終えたダージリンから抽出した
琥珀色の液体を注いでいく。あんなのは午○テ○ーとか日○紅○で充分なのに。
「アスカは、砂糖は二つだったっけ」
「四つ」
頭の中で大量の糖質を燃焼させる戦いが控えているのだ。高血糖なぞ
知ったことか。
これは戦いなのだ。相手が打ちひしがれるまで叩きのめさなければならない。
だから、むしろ、アスカは無自覚にも喜びさえ覚えていた。自分の前途を阻む
障碍が、かくも明確な形と言動を伴って現れたことに。
「お待っとうさぁーん」
二人の視線がそこに釘づけになり、またたく間に凍りつく。
股と同じく頭もゆるいのだろうと蔑みしてはいた。が、ふすまを開いて姿を
現した、フリルのついたパステルピンクのエプロンドレスとカチューシャに
衣替えした女を見、アスカはその認識が甚だしく誤っていたことを知った。
『ねじがまるっきり抜けてんだわ、こいつ』
ぎゅう詰めの紙袋を両手にぶら下げ、出迎えたシンジ共々部屋に
押し込められた時点で、何やら企てているらしいと云う予測はついた。さすがに
ここまでは思いの到らなかった、常識的な自分を褒めてやりたいものだ。
「…アンタ、バカ?」
「いやいやいやいや、そんなにほめられても照れるにゃー」
隣でやはり唖然として座り込むシンジの指に、自分のそれを巻きつけずには
いられない。
胸の底が不安に陰り出すのが判った。くり広げられる修羅場に備えて
いくつもの非難の文句を、反駁のせりふを脳内で推敲していたのも、これでは
全くの徒労に終わりそうだ。
「マリ、それって…」
「わっかんないかにゃー!? メイド、メイドさんよ。これからマリは誠心誠意、
シンジ様にご奉仕させていただきます、ってわけ」
どちらが解っていないのか。この災禍を招いたシンジでさえ辟易しているに
違いない。間の抜けた口をぽかんと開くばかりだった。訊きたいのはもっと別の、
根っこの理由なのに。
「あ、あなたも着る? まだ持ってきてんだ。えーと、ナースと、女教師と、
チャイナドレ―」
「遠慮しとくわ」
「うーん、そうねぇ、確かにバストのサイズが合わないかも」
まじまじとアスカの胸を鑑定するマリに向け、盛大な溜め息を吐いてみせる。
アンタに比べればアタシも洗濯板の類でしょうよ。何が詰まっているのか
知らないけど、大きければいいって話かしら。
「胸の自慢をしに来た、ってことは…ない…わよね」
交渉の要諦を見出すことはおろか、交渉へと発展しそうもない遣りとりを
続けていれば、その裡にミサトが帰って来よう。とり繕うにせよ、
打ち明けるにせよ、面倒なことになるのは間違いない。
しかし、この非常識な女と会話を成立させられるか否かさえ定かではなかった。
そのメイド姿で街中を歩いてはこなかった以上、最低限の分別があるのは
確かなのだが。それはのら猫を躾けるようなものか。
「だぁからさぁ、空気の読めない女に散々寸止めされて、ご主人様が
溜めまくっちゃった色々をすっきり解消させてもらいやす、ってぇこと」
「寸…止め?」
比喩ではなしに、めまいがする。巷の女たちとて、男を巡ってこんなにも
卑俗ないがみ合いをしてはいまい。
だから、何で固まったままなのよ、シンジ。アンタも何か云ってやりなさいよ。
「じゃあ、まずは…、シンジ様ぁ、お茶が入りましたぁ」
ひざまずき、足許で湯気を立てるティーカップを手にした女は、シンジに
奉げるように両手でその口の先へ運んでいく。
何を、何から突っ込めばよいのか判らない。コイツはどこまでアタシたちから
日常を奪えば気が済むのか。
シンジと口裏を合わせて担いでいる。そんな疑いさえ持たずにはいられない、
あまりに異質な、おぞましい夾雑物。他人を愛することが同時に他人の恨みを
買うことにもなるのであれば、メフィストフェレスとて人間だ。
「…マリ、っつ! 熱!」
「ちょっ、ア、アンタねぇ!」
その手の所作を端から見ていれば、故意にこぼさせたのは明らかだった。
「あらあら、これはとんだご無礼を致しまして」
だから、Tシャツに浮かぶ染みをハンカチで拭う手がシンジの股間に
伸びるより早く、脇腹に蹴りを入れ切って横倒しに引っくり返す。
まるで漫画だ。ここから力尽くで叩き出す以外の選択肢がないとは云え、何と
安っぽい茶番をさせられるものか。
「ってぇーにゃー、もぉー! 余興でマジになるって、どんだけ焦ってんの?
ねぇ、シンジ」
「だから! 何くっついてんのよ!」
さもしたたかに傷ついたかのように、女は体を起こすや否や、シンジの肩口に
頬を乗せてしなだれてみせる。
シンジもシンジよ。さっさとそのビッチを引き剥がしなさいってば。
「んー、ご主人様ったら陽も落ちてないのに、エッチな匂いさせてますにゃー」
簡単でしょう。こうしてやればいいのよ。襲いかかって襟をつかんだ手が、
しかし、硬直する。
「やっぱ、初めて同士だったわけだし、わたし一人じゃとてもとても
満足させられませんかにゃー」
「ア、アンタねぇ…」
「にしても校内でしちゃうなんて、こぉの絶倫」
いじましげに指で隣の頬を突つく。何を照れているのか。拗ねているのか。
気持ちよかったら、性欲が満たせたらそれでいい。そんな半端な関係では
ないのだ。
自分とシンジは、こんな下半身で生きているサキュバスとは違うのだ。もっと
深い絆があるのだ。昨日今日で結べるような、そんな軽薄なものでは断じてない
繋がりが。
『ある、の、に』
鼓動が速まる。血の気が引いていく。胸のどこかで、息づく理性が
絶えだえにも叫んでしまっている。本当にそうなのか、疑問を投げかけている。
嘘ではない。決してない。
「僕は、こんな…、最低な、半端な奴…だから…」
もう、そんな独白は聞きたくなかった。最低なのはシンジではない。この女だ。
この女さえ現れなければよかったのだ。ただそれだけのことなのに、どうして
それが判らないのか。どうして自分一人を責めるのか。
「だから、二人の…満足できる責任のとり方は―」
「んにゃー! もぉー!」
眼鏡をかけた女郎蜘蛛は、獲物の首に手を回して口づけを、肺腑から魂を
抜きとるかのように深々と交わしたまま、体重を乗せて浴びせ倒した。
「っぷはっ。…っとにまじめなんだにゃー! シンジを好きになったからって、
シンジの全部を求めたりなんかしないって。そうでしょ?」
何されているのよ、こののろま。両手に花で、まんざらでもないってわけ、
男ってのは。
「わたしはさぁ、わたしの中のシンジがわたしを愛してくれたら、それでいいよ」
「だけど」
「…シンジは、わたしの為だけに生まれてきた、ってんじゃないからにゃー」
それはその通りだ。愛していると云う言葉で他人の心を縫い止めるのは、
浅ましい執着だ。あまりに憐れで痛切な真実。
が、ならば、アタシの中のシンジはどうなるのか。
「男の人って、色々…難しいからねぇ。守るものばっかりで…」
「アンタのご高説は…そりゃごもっともですけど、で、何でファスナー
下ろしてるのよ」
「だってぇ、ご主人様の大切なところがやけどしてないか、確認するのも
メイドの務めですからぁ」
衝動の赴くまま、また蹴りをお見舞いしてやろうか。女の指に絡めとられて
トランクスの袖から顔を出す、節操なく紅潮し、隆起し始めているシンジの
それごと。
できよう筈もない。つい今朝方、衆目の中で顔をひっぱたかれておきながら、
こうして臆面もなく相対し得ている女に、間違いなく自分は気圧されている。
何と惨めなことか。
「え、ちょ、ちょっとマリ、そこは―」
かがみ込んだ女は、アスカに見せつけるように体を斜めに構え、陰茎を指で
あやしながらはみ出る陰嚢に舌を這わせる。
「ご主人様の、まだ残ってる」
それも愛撫の一つなのか。垂れる髪を手櫛で漉きながら、シンジと、そして
自分の流した体液がまだこびりついているだろう生殖器を洗い、すすぐように
舐め回しては唇でねぶっていく。
マーキング。そこから睦み合いの痕跡を消し、新たな匂いを上書きする。
『…何…してんのよ、アンタたち…』
震えているのはひざだろうか、床そのものだろうか。
目の前の、ただ二人のテリトリーで行われている乱痴気は、はぶかれた
アスカへの、アスカの中のシンジへの凌辱に他ならなかった。
自分よりほんの数刻先んじてシンジとセックスした。それだけで、今、ここで
シンジを独占する権利がどうして与えられるものか。
『与え、る…?』
誰がそれを与えるのか。自我にひびが入るのを喰い止めるべく、アスカの
本能は思考をそこで停止させた。
「こう云うの、どうですか? ご主人様」
女はエプロンを緩めて前をはだけ、露出した豊満な乳房のあわいにシンジの
猛りを挿み込む。
「あ、そんな…うあっ、こんなの」
「にひひっ。十代のおっぱいでこれって稀少価値じゃない? お、がまん汁」
シンジの苦悶と恍惚の入り混じった呻き。聞きたくない。はみ出す亀頭に
首を傾け、舌を伸ばしてほしいままに嬲る女のくぐもった笑い。聞きたくない。
なのに、そのなまぐさい光景から視線を逸らせられない。
「…ねぇ、そぉんなにガン見されるとさ、恥ずかしいんだけどにゃー」
どうすればシンジを悦ばせられるか、男の生理につけ込めるか、解答がそこに
繰り広げられている。
マリに怯んでいると云うのは、悲しいまでに自分へ向けた嘘だった。アスカも
また、身を焦がす情念の導くままに股を開いた刹那から、ソドムの住人に
なり果てているのだから。
汝、姦淫するなかれ。それは姦淫の何たるかを知る者が、知る者に示す戒め。
『だったら、さぁ…』
「ア、スカ、な、何を」
胸の奥からほとばしる何かに衝き動かされ、四つん這いのまま、猫のように
そこに駆け寄り、餌を横どりするように赤紫色にふくらみ上がった亀頭を
くわえる。
決壊寸前だったのだろう。その熱いくびれをしごいて甘噛みするや否や、喉の
奥へ目がけてより熱い塊が噴射された。
「んむっ」
シンジとアスカの、抑えつけようとして抑えつけられぬ理性の唸りが重なる。
だから、吐き出された物は受け止める。不潔でも何でもない、ただそれだけの、
自然なことだ。粘膜の上にぬかるむ精液を嚥下する。
『シンジの、味』
美味いものではない。が、先刻とは違い、消化器官に流し込んでいくことで、
自分をなしている細胞の隅々にまで、速まる血流に乗ってシンジが
直接とり込まれていくかのような、倒錯した昂奮が脳髄を白くまばゆいて撃つ。
堪らなく好きな男が自分の一部になる。この女の中のシンジとて、もう
アタシからは逃げられない。
「ちょ、あなたさぁ、それ、酷くない?」
「っさいわねぇ。イカせられなかったアンタが悪いんじゃない? 下手くそ」
「アスカ、歯、歯が」
出したらこうなっちゃうんだもんな。でも、今日は出し尽くすまで止めて
なんかあげないんだから。口腔の中で体積を減らす陰茎から、頬をすぼめて
一滴あまさず精子を吸い上げる。見上げるシンジの面持ちは、神妙そのものだ。
そうよ、女に恥をかかせたんだから、償ってみせなさいよ。ほんとう、女の
嫉妬は怖いんだから。
目で合図して上体を上げると、呑み切れなかった体液が亀頭と口先の間に
逆アーチの橋をかける。
「もぉー、二人だけで雰囲気作っちゃってさぁー!」
女がシンジの頭を抱え込んで唇を重ねる。それも、雛のせがんで口を大きく
開くような、舌まで挿し入れる深い口づけ。
「ねぇ、シンジ様ぁ、わたしにもきっついお仕置きしてくれないと」
「お、仕置き? って、え?」
自分が疎外される番になったら、必死でおねだり。不様ね。
いい加減に認めたらどうなのかしら。アンタがどれだけシンジの指を股間に
導いても、どれだけシンジのそれをしごいても、もうアタシの中に欲の丈を
ぶちまけたくでしょうがないでいるんだから。
精々、ひざを抱えてねずみの絵でも描いていなさい。
「ほら、…シンジ」
匂いを消したくてせっかく着替えたのに。デニムのショートパンツを
ずり下せば、そこがどうなっているか、否が応でもシンジの目に届く。判る。
「アタシの、もう、こうなっちゃってる」
頬がにやついているのを自覚する。こんなにも野蛮な、野卑な血が自分の
本能に眠っていたことを、しかし、嬉しく思う。女と云うのも、障害物に対して
戦う場合に初めて実力を発揮するものなのだ。
今、ここがその場であることは疑いようもない。あしのうらに入り込んだ
小石をとり除くようにめくってみせる。かわいいのを穿いておけばよかったかな。
「あ…」
よく見てごらんなさいよ。アタシの、もう、子供じゃないんだから。アンタに、
シンジに愛されたくて、こんなにじくじくうずいているんだから。
「うはっ、さっすが、ろばの鳴き声でしゃべる娘は大胆だにゃー」
自分の指でも慰めていないのに、花弁は充血し、裂け目からは分泌液が
漏れ出して蒸れてさえいる。
愛する男に求められる悦び、愛する男を求めるたぎりが、一日もかからぬ裡に
女の本能を呼び醒ましていた。
意外と気の利くことも云えるんだ、アンタ。そう、盗賊の言葉でしゃべるより、
純粋でしょう。生唾を呑み込んでよろめくシンジに馬乗りになれば、することは
最早一つだ。
「ア、アスカ、ちょっと待っ―」
何をそううろたえているのか。隣にいるのはただの木偶だ。おもんぱかる
必要なぞ、毛の先ほどもありはしない。
過信ではない。事実、粘膜と粘膜との距離を埋めるかのように、シンジの
陰茎は間もおかず回復して直立し、宙でひくついている。もう、腰を下すだけで
よかった。
「お、おおっ、騎上位って奴っすか!?」
「ふあっ、はあっ!」
ひざを曲げ、触れさせただけで、アスカの芯がわなわなと震えてとろけ出す。
張りつめた糸の切れたように、軽い絶頂に、しかし、抗う術なく文字通り
屈したアスカの胎内へ、陰茎は一気呵成とばかりに突き刺さる。
「ひ、やあっ!」
『これ、この格好、届く、届いちゃう、奥まで!』
余韻に浸って敏感なそこに、初めての、自分の体重を乗せた卑猥な体位は、
想像を超える深い結合と快感を促していた。そこに、第三者に注視されながらの
行為である事実も重なり、自制心を底辺から粉砕していく。
「ア、アスカ、そんな、そんなに動かないで」
「やあっ、やっ、嫌、止めらんない!」
腰をくねらせ、振り乱す度、張り切った陰茎が膣の中を撥ね、抉る。きつく
締めつけるだけだったそこが、精液を搾りとらんとシンジの情欲の形に
呼応し、ぬめぬめと愛液を分泌しながら蠕動している。
いやらしくなんてない。はしたなくなんてない。だって、愛しているのだから。
シンジを。シンジが。
「シンジぃ…ん、ひぃあっ! あっ、す、好きって云って! アタシのこと、
好きって!」
シンジの口から聴きたい。このずべ公の鼓膜にも響くように、何度でも。
シンジの愛をむさぼりたい。ハンディカメラ越しに覗いているこの三一にも、
どちらへの愛が深く、強いかがはっきり解るように。
否、それだけでは足りない。コイツだけではない。司令のお人形にも
見せつけてやりたい。あのとり済ました顔を敗北感で歪ませてやりたい。酸鼻で
めちゃくちゃにしてやりたい。
「…って、ア、アンタ何撮ってんのよ!?」
「んー、ビデオ。日本発、精飲大好き淫乱女子○学生、発情嵌めまくり白書、
みたいな?」
まあ、直にその目で見られないならしょうがないか。ちゃんと見比べて肝に
銘じなさい。自分がどれだけちっぽけで憐れなピエロか。
「ねぇ、シンジ、好き、ずっと好き、大好きなの! だから、云って!」
「うっ、…うん」
繊細な指が乱れた髪を掻き揚げてくれる。そうよね。こんな時でも、
こんな時だから、ちゃんと見つめ合って告げてくれないと。
―好きだよ、アスカ―
そう、女の子みたいにきれいな唇が開き、白い歯が見え、おとがいが
動いたのに、自分の胸のばくばくと弾む鼓動さえ聞こえるのに、その声だけは
聞こえない。昂ぶり過ぎている性感の為だけでもなかろう。
硬く、重く、凍てついて揺るぎもしなかった扉が開いた時、光に目を
奪われるのと同じことだった。
涙が止め処なく溢れる。部屋に籠もるなまぐさい匂いさえ、神聖な息吹に
満たされて二人の聖域を浮かび上がらせているようだ。
「シンジ、シン―いひいぃっ!」
が、突如、局部を烈しい刺戟が襲い、口の端からよだれを垂らしているのも
気づかずにいたアスカは、忘我の境地から引き戻されてしまう。
横合いから差し出される手が、何かをクリトリスに押し当てていた。虫の
ようにぶるぶると蠢いている。
「な、あうっ、ア、アンタ! んひっ、何それ!?」
「んー、ピンクローター」
プラスチック製の小さな紡錘体はノイズを発しながら、膣内で感じるものと
同等の、且つそれより速いピッチの快楽をもたらして神経を蹂躙していく。
「アスカ、し…まる…よっ」
「う、嘘っ、や、らめぇっ、それ、今らめらの!」
嫌だ、嫌だ、嫌だ。永遠にアタシに刻まれる、絶対の瞬間なのに。シンジの
だけでイキたいのに、アンタの手でイカされるなんて。
同性ならではの理解もあろうし、自分で使った経験もあるからなのか。マリは
巧みな指さばきでピンクローターを操り、アスカを未知の絶頂へ追い立てていく。
「えー、せっかくなんだからさぁ、お願い! アタシが女になる姿で抜いて!
みたいな?」
よほどむくれているのか、女は口を尖らせながら、片手を止めぬままに二人の
媾合部にカメラのレンズを近づける。
「やっ、やらぁ、こんな…こんなの、いっ、凄いの、来ちゃう、シンジ!」
「もう、もう、俺…」
「いやぁー、盛り上がって参りましたにゃー。ぐちゅぐちゅ云ってる」
止めさせてよ。こんなこと、あり得ない。あっていい訳がない。
しかし、シンジもまた昇りつめようとしているからだろうか、マリの加虐心が
伝染したのだろうか、アスカの腰を両腕でつかんで固定し、一心不乱に陰茎を
突き上げて子宮の先を叩く。処女を失って間もない少女には苛烈な二点責めだ。
『やだ、アタシの、あそこ』
女の胎内の、一番大切なところを撃ち破らんばかりのピストン運動。なのに、
そこが下がるのが、口を開くのが判る。その奥の玄牝に、シンジの全霊を
呑み込もうとしているのが。
「来ちゃう、イッちゃう! いひゃあっ、イッちゃうの! 死んじゃう、
シンジぃ!」
「出すよ! アスカ!」
間断なく喘ぎを漏らす息の根ごと止めるかのような、二度目ながらも熱く
沸き立った射精を浴びる。
「んっ、んひぃっ、す、凄い…のぉ…」
悪魔に魅入られたように甘く狂おしい、官能的なしびれが全身に波及していく。
一度蝕まれれば、二度と元には戻れない。至福の、それが故に禁断の
オーガズムに溺れ、アスカは水風船のようにぐにゃりと弛緩して男の腹上に
なだれ込んだ。
『あ、嘘、…かけちゃう、シンジ…に…』
「うは、…潮吹き! 結構勢いよく飛ぶんだねぇ、これ」
愛液とは違う体液が、燃え上がった血と摩擦熱でただれた二人の性器を
冷やすように撒かれていく。
潮でもおしっこでもいいわ。こんなことも平気なくらい、アタシたちは
許し合えているんだから。アンタにはできるのかしら。
シンジのへそを水たまりに変えながら、朦朧とする意識の中、アスカは
勝ち誇った笑みを、ごつごつと節くれ立った棒に持ち替えたマリへ向ける。
「…ふぅ、…マリ、それ、…何?」
「んー、何て読んだかな、これ。えーと、ひ…ご…ずいき?」
やれやれ。悔し紛れに何を引っぱり出してきたものか、この負け犬は。
「って、いぎいっ、いっ、痛っつぅ! な、何すんのよ、このくそ阿魔!」
あろうことか、女はアスカの肛門を押し広げて異物を挿入したのだ。その
ぬめりも加わり、みりみりと音を立てながら直腸を裂かんばかりに侵入してくる。
その姿は、先刻までの自分のそれと寸分も違うまい。底知れぬ醜怪さを瞳に
湛えた夜叉。
「だってぇ、ご主人様の体に粗相するような牝豚には、お灸を据えてやらないと
いけませんから。も、ち、ろ、ん、おいたが過ぎたご主人様にも。ね、シンジ?」
書き忘れました、以上で終わり。ま、ちょっとはgdgd展開覚悟しておけ(続くにしても)
おつう
キター!
待ってました!
GJ!
続き全裸待機!
ネクタイくらいしとけよ
正直、キモい。アスカがシンジにメロメロな設定って無理すぎ
作者のLASぶりが痛い。
アスカもんならレッドシャドウが好きだ。続き見たい
いまどきクールビズじゃない職場のほうが珍しいんだ、ネクタイなんて秋までさよならだろう
>>396 なるほど。俺も葬儀用のしか持ってねぇがw
ハワイ最高
ハワイはアロハシャツとスラックスと革靴さえあれば結婚式も一流レストランのディナーも大丈夫というが、
お土産アロハじゃないまともなメーカーの地味系のシャツで、開襟はだめ、裾はタックインしないとだめ、とか、
革靴は紐付きのじゃないとだめとか、何気に細かいルールがあるからなあ
レインスプーナーのラハイナセーラーに下は黒のチノパン、足元はボストニアンあたりのプレーントゥなんて、
どこでもOKそうな恰好をすると、旅行会社の現地係員みたいになってしまうのが玉に傷w
エヴァと関係ない話してすまぬ
蛇足だけど、シャツはレインスプーナーやカハラのままでもパンツをディッキーズ874の黒にして、
靴をスケッチャーズあたりのレザースニーカーかトレッキングシューズ、あるいはペイレスシューソースや
Kマート、ウォルマートなんかで売ってる安モン革靴にするとあら不思議、タクシーかバスの運転手みたいになる
去年の今頃からずっとここ放置しててごめんなさい
リアル嫁ができてなかなかエロパロ創作が難しくなっちゃったのよw
>>393 元々内心はシンジ欲しくてたまらんって子だし
>>399 結婚おめでとう。Kマートって3時間居ても飽きないわ。
おっとスレチ失礼
アスシンは腹一杯。ラブラブ()な二人は違和感ありまくり。
まだこのスレにいたのか
パロだからなんでもアリだけどアスカがデレてるとつまらん
シンジがエロむき出しなのもなあ。14の男なんて子供だし
アスカがデレデレなのは式波ならありなんじゃない
それと14歳って子供ではあるけど一番エロい事に興味津々な年頃なんじゃないかと
ともかく
>>389GJ
続ドロドロ3Pに期待
シンジの性格じゃ興味はあってもビビって絶対ない。
この板って幼児ナントカって条例違反にならない?二次の二次はオッケーだっけ?
くっついたりそれに近い関係になったらむしろ惣流のがデレそうだが
惣流はデレと言うよりも、依存しそうだな
他の女と話しただけで泣きながら怒りそう
410 :
名無しさん@ピンキー:2011/07/18(月) 15:23:06.52 ID:q79j1l64
居るね。いちいちケンカふっかけてくる女。
電話ガンガンかけてきたり待ち伏せしたり。アスカとかモロ地雷タイプ
「ボーダーライン被害者」でググると山ほどそんな女が出てくる
俺もリアルで遭遇するまで信じられなかった…あんな女に童貞を捧げた過去を消し去りたい
惣流アスカはヤンデレの走りだったんだな…あの頃ガイナは10年先を行ってたな
あー確かに。地雷女は美人多い。普通にしてりゃしあわせなのにな。
多少ブサの方がさっさと結婚して無難に過ごす。委員長とか良い嫁タイプ
投下カモーン
414 :
名無しさん@ピンキー:2011/07/23(土) 12:56:19.59 ID:wCx+LKju
ダメなのね、もう・・・
藤林丈司
>>414 そんな悲しいこと言うなよ…
投下を待てばいいと思うよ
( ゚∀゚)o彡°おっぱい!おっぱい!
o( ・(,,ェ)・)o 逆に考えるんだ、投下がないなら自分が投下すればいいんだ
俺はここで投下を待つことしかできない。でも職人にはできることがあるんじゃないかな?
専属慰安婦の方なんとか完結を〜
そうだね・・・ぜひ完結させてほしい。
あの「作品」は・・・・・・・・・・・
自分の望む設定で書きたいだけかいちゃうと、そこで満足しちゃうんだよ
エロとかエヴァとかに限らず、続き物の二次創作の完結率が低いのはそのため
体位やシチュも一通りこなしたしw
下手に完結させても今更感や無理矢理感の漂うラストになる
普通にすばらしい作品だぞ思うぞ。。
時間かかってもラストは見たいな
そうなの?
ここにはヒカシンものはないのですか?
>>427 まとめサイトに載ってる分にはないようだ
それ以後はシラネ
そうですか・・・・サンクスです・・・・今後に期待
およよよ
「専属慰安婦」・・・完結編熱望!
同じく完結きぼ!エロパロ板の名作。
なんかイタいのが来た
でしょ?あの文章力は凄い。
アニメにして欲しいくらいの名作だと思う。
ただのエロ描写に留まらず、シンクロ率低下が止まらないアスカの救済もテーマのひとつになってる。
他の作者が投下しにくい雰囲気を作らない方が良いのでは?
ここは名作多いし
賛成!
作品の投下はまだか?
建前18禁の板ということで、住人の大半が仕事してる大人だと思うので聞いてみる
お盆の休みもここ見に来る予定の人は結構いるの?
おれは毎日見てるよ!
お盆も関係なく仕事だが、たまに覗きにきては新作投下がなくてしょんぼりしてるぞ
31になったばかりの俺もいますよ
破の公開の頃とか数年前の職人さん沢山いた時期が懐かしい
エロに仕事も盆休みもない
って携帯で見られる時点で国外でも行かん限りは制約なさそうだが
軍曹とtimeAfter〜の続きを待ってる
我が国にも未だに特定キャリアの携帯が圏外の集落というのがあってね…orz
屋外ならアンテナ二本立つが室内では圏外とか、人口カバー率に含まれるんだか含まれてないんだか、みたいなとこ
海外のがまだローミングでネット利用できたりするぶんマシ
まあパケ代で恐ろしいことになるけど
ハワイのオアフ島と台湾の台北周辺ではローミングでネット普通に見れた
新作投下熱望!
(`・д・´)
\(゜ロ\)ココハドコ? (/ロ゜)/アタシハダアレ?
ここはエロパロのエヴァスレ・・・我々住人はエロとエヴァを愛する者・・・
金ロー観るか
449 :
冒険中年:2011/08/25(木) 21:32:45.91 ID:0x7jX48W
シンジとヒカリの物語 零話 少年と少女-01
ここは第三新東京市のとあるマンションの一室。
「・・・・・・・・・・ああああ・・・・・・・・・」
「ああ・・・・・・く・・・・・くうっ・・・・・・・・・・・・・・・」
少年が少女のまだ膨らみ掛けの乳房を揉みしだき・・・・・・・・・・・・・・・・・
初々しい乳首を口に含む・・・・・・・・・・・・・
ちゅう・・ちゅうと吸う・・・・・・・・・・・・
舌先で・・・・・・・・・・・ころころと転がす・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「あうっ・・・・・・・・あはっ・・・んンぅ・・・・・・・・・・・・・・」
その度に聞こえる少女とは思えぬ悩ましい声・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・・・・いい・・・・ああ・・・・・・・・・・んんっ・・・・・・・・・・・・・」
黒髪の少年と黒髪の少女・・・・・・・・・・
ふたつのまだ幼いと言ってもいい肉体が、小さなベッドの上で激しく絡み合う・・・・・・・・・・・・・
450 :
冒険中年:2011/08/25(木) 21:35:13.99 ID:0x7jX48W
シンジとヒカリの物語 零話 少年と少女-02
「あ・・・・・・・・・・・・・もう・・・・・・・・・もう・・きてっ・・・・・・・・シンジっ・・・・・・・・・・・ああ・・・・・・・・・・」
「うん・・・・・いくよ・・・・・・・・・・・ヒカリっ・・・・・・・・・・」
シンジと呼ばれた少年がヒカリと呼ばれた少女に入っていく・・・・・・・・
蜜で一杯に満たされた少女の胎内へ・・・・・・・・・・
「ああっ・・・・・・・・・・・・・・・・・ああ・・・・・・・・・・・・・」
少年の腰が少女を打ち据える!
「いいっ!・・・・・・・・・いいわぁ・・・・・・・・・・・ああ!・・・・・・・・・・・・・・」
ぎしぎし・・・・・・・・・・ベッドが揺れ始めた。
・
・
・
「ああっ・・・・・・・・・もう・・・だめ・・・・・・・・・・・」
「もう・・・・・・・イク・・・・・・・・・・・・いく・・・・・・・・・・イっちゃううううううううっ!!」
「僕も・・・・・・・・・・イクよっ!!」
・
・
・
ベッドの揺れが収まり、薄暗い中で、
少年と少女は息も荒いままに見詰め合う。
笑みを交わす。
451 :
冒険中年:2011/08/25(木) 21:38:46.01 ID:0x7jX48W
シンジとヒカリの物語 零話 少年と少女-03
少年は、もし髪を長く伸ばしていたら少女と見紛う程の線の細い、中性的な美少年。
少女は、セミロングの美しい黒髪を大きく二つに分けたおさげの、良妻賢母的美少女。
少年の名は、碇シンジ。
少女の名は、洞木ヒカリ。
これは、その少年と少女の物語。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・少しだけ時間を戻させて欲しい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ついこの間まで・・・・・・・・・・・・
ふたりは別々の街で暮らしていた。
勿論、互いの存在など知らずに。
少年・・・・碇シンジ・・・・・は父親の知人の元で・・しかし・・たったひとりで・・・・・・・・
少女・・・・洞木ヒカリ・・・・は母親こそ居ないものの、
しっかり者の姉と少々おませな妹、それに優しい父親に囲まれて・・・・・・・・・・・
452 :
冒険中年:2011/08/25(木) 21:40:29.01 ID:0x7jX48W
シンジとヒカリの物語 零話 少年と少女-04
シンジが、ある事情でこの街、第三新東京市にやって来た時に、
ヒカリの、いや人類の運命を変える歯車が、何の前兆も無く動き出した。
そして、その混乱の中で、ある事件をきっかけに深く触れ合ったシンジとヒカリの、
ふたつのこころが結ばれるのに長い時間は必要では無かった。
「・・・・・・・・・ほ・・洞木さん・・・いや・・・ひ・・・ヒカリ・・・・・・・・・・・・好きです・・・・僕と・・・・・・・・・・付き合って下さいっ!!」
ある意味、それは初めてエヴァに乗った時よりも大きな決断だった。
夕陽の美しい公園で、シンジは少年としては華奢な身体一杯の勇気を振り絞って、
ヒカリへの告白の言葉を紡ぎ出した。
顔が真っ赤なのは夕陽の所為だけではない。
453 :
冒険中年:2011/08/25(木) 21:43:12.81 ID:0x7jX48W
シンジとヒカリの物語 零話 少年と少女-05
「!!」
ヒカリは言葉が出ない。
困惑の為ではない。ましてや拒絶や嫌悪ではない。
嬉しいのだ。
彼女がずっと待ち望んでいた言葉なのだ。
(やっと・・・・・・・・・・やっと言ってくれた・・・・・・・・・・・・・・・・)
知らないうちに黒い円らな瞳に涙が浮かぶ。
頬を伝って、つうーとひと筋落ちていく・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そして本人の意思より先に、ヒカリの身体はシンジの薄い胸板に飛び込んでいた。
「あ・・あの・・・」
いきなりの事に、困惑気味のシンジ。
ヒカリの身体のやわらかさ・・・胸のふくらみのやわらかさがシンジに伝わる
454 :
冒険中年:2011/08/25(木) 21:44:55.38 ID:0x7jX48W
シンジとヒカリの物語 零話 少年と少女-06
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うれしい・・・・・・・・・・・・・嬉しいの・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・待ってたから・・・・・・・・・・ずっと待ってたから・・・・・・・・・・・・いかりく・・シンジがそう言ってくれるの・・・・・・・・・・」
シンジの胸元で涙が交じったヒカリの声。
「私も・・・・・・・・・・・私も・・好き・・・・・・・大好きよ・・・・シンジの事・・・・・・・・・・・」
ヒカリはゆっくりシンジの胸から少しだけ離れると、
瞼を閉じて、まだそばかすの残る可愛らしい顔を・・・唇をシンジに向ける。
シンジはヒカリを抱き締めて・・・・・・・・・唇を重ねた。
シンジにもヒカリにも初めてのキス。
(・・・・・・・・・・・・これが・・・・・・・・・・・・・・・・・キス・・・・・・・・・・・なんだ・・・・・・・・・・・・・)
(・・・・・・・・・・・・これが・・・・・・・・・・・・・・・・・キス・・・・・・・・・・・なのね・・・・・・・・・・・・・)
ふたりは、その行為の心地良さに、互いの唇の柔らかさに酔いしれている。
誰も居ない公園のベンチに座って・・・・・・
愛を・・・初めて確かめ合うふたり・・・・・・・・・・・
シンジとヒカリを夕陽だけが見ていた。
それは第四の使徒が現れて数日後の事だった。
【シンジとヒカリの物語 零話 少年と少女 終了】
新作キター!
全裸期待
456 :
冒険中年:2011/08/26(金) 00:16:40.70 ID:zcIWyXF4
>>455 早速読んで下さってありがとうございます。
このスレにはSSは初投稿ですが、駄文を不定期に投降させてください。
宜しくお願いします。
新作キタ〜
投下乙!ピンクは生きてるのか
>>456 乙です
3話辺りは、レイとも疎遠だし、3バカ結成前だし、委員長に世話焼いてもらってシンジがころっといってしまうのはありかと思いました
(委員長は多分、面食いなんでしょうw)
その辺の描写を今後に期待
あと、個人的には「・・・」を多用しすぎなのがちょっと気になりました(特に本文中のもの)
460 :
冒険中年:2011/08/26(金) 18:31:24.41 ID:zcIWyXF4
シンジとヒカリの物語 壱話 初めて(前篇)-01
常夜灯だけが灯る薄暗い部屋の中・・・・・・・・・・・・・・・
ここはシンジの部屋。
そこにシンジとヒカリは居た。
お互いの息遣いだけでなく、お互いの心臓の音が聞こえてくる様な気がする。
「・・・・シンジ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わたし・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・初めて・・・・・なの・・・・だから・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・やさしく・・・・・・・してね・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・おねがい・・・・・・・・・・・・・・」
震える手と指で自分のブラウスのボタンを外しているシンジに囁くと、
ヒカリは・・・ぎこちなく微笑みかけた。
声が少しだけ震えている。
トレードマークのおさげは、もう解かれていた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・ヒカリ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「僕も・・・・・・同じだから・・・・・・・・」
シンジも同じ様に微笑み返す。
声も同じ様に震えている。
自身は、もうダークブルーのトランクスだけになっていた。
その前面がテントを張った様なのをヒカリは余り見ない事にする。
461 :
冒険中年:2011/08/26(金) 18:33:09.23 ID:zcIWyXF4
シンジとヒカリの物語 壱話 初めて(前篇)-02
ブラウス・・・そして・・・スカートが離れて行き、
身に付けるのは上下の下着二枚だけになったヒカリはベッドに腰掛ける。
スカートもブラウスもシワにならない様に傍の机の上に畳まれていた。
(・・・・・・・・・・・・・・・シンジ・・・・・・・・・・・・・・・・)
(・・・・・・こういう気遣いも好きなところね・・・・・・・・・・)とヒカリは思う。
シンジの着ていた物は椅子の上に畳まれている。
ふっ・・・・と胸が楽になった。
特に飾り気の無い、真っ白なブラジャーが自分から離されるのが判る。
視線が胸に集中するのを感じたヒカリは、反射的に両腕で隠してしまった。
「・・・・・・・・・・・・いや・・・・・・・み・・見ないで・・・・・・」
「はっ・・・・・恥ずかしいから・・・・・・・・・・・・・胸・・・・・小さいから・・・・・・・・・・」
確かにクラスの中でも大きい方では無い、だが小さくも無い、つまり、標準なのだが、
この少女にはコンプレックスの様だ。
462 :
冒険中年:2011/08/26(金) 18:35:28.92 ID:zcIWyXF4
シンジとヒカリの物語 壱話 初めて(前篇)-03
シンジは思う。
(そんな仕草が・・・・とても・・・可愛い・・・・・・・・・・・・)と。
ヒカリをぎゅっと抱き締める。
胸を庇っていたヒカリの細い腕もいつの間にかシンジの背に回されている。
「・・・・・・・・・・・・・・・シンジ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ヒカリ・・・・・・・・・・・・・・・」
ふたつの視線が複雑に絡まり、唇がそっと重なった。
未だ互いに一枚の下着を残しているとはいえ、
初めて素肌の温もりと・・・・・・・・・そして・・・・・・・・・互いのときめきを・・・・感じているのだ。
どき・どきどき・・・どき・どきどき・・・どき・どきどき・・・
心臓が早鐘の様に鳴る・・・・・・・・・・・
ふたつの身体はベッドの上に、そっと倒れ込んだ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
463 :
冒険中年:2011/08/26(金) 18:37:28.94 ID:zcIWyXF4
シンジとヒカリの物語 壱話 初めて(前篇)-04
シンジは逸る心を無理矢理押さえ付けてヒカリの白い裸身に挑む。
悪友達とこっそりと観たビデオや雑誌を必死に思い出して。
瑞々しい乳房を・・・・・・・・・やわやわと揉みしだき・・・・・・・・・・・・・・・
初々しい乳首を・・・・・・・・・口にそっと含み・・・・・・・・・・・・・・・
時折・・・・・・・ちゅうちゅうと吸ってみたり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
舌先で・・・・ころころと転がしてみる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
だが、どこかおっかなびっくり・・・・・・・・・・こわごわとしている行為・・・・・・・・・・
「ああ・・・・・・・・あん!・・・・・・・・・・・・・・・・・あう・・・・・・・・・・・・・・・」
「く・・・・・・くうゥ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
(・・・・・・・・・く・・くすぐったいよ・・・・・・・・・・・シンジ・・・・・)
これまでシンジが聴いた事も無いヒカリの声音・・・・・・・・・・・・・
シンジは・・・・・・・・・・想う・・・・・・・・・・・・・・・
ヒカリの乳房と乳首を味わいながら・・・・・・・・・・
(・・・・・・・おっぱいって・・・・・・・・こんなにやわらかいんだ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
(・・・・・・・・・ヒカリの乳首って・・・・・かわいくて・・きれいだな・・・・・・・・・)
464 :
冒険中年:2011/08/26(金) 18:39:44.11 ID:zcIWyXF4
シンジとヒカリの物語 壱話 初めて(前篇)-05
(そうだ・・・・・・・・・・なにか・・・何か言わなきゃ・・・・・・・・・・)
(会話も大事だって・・・・・・・・・・・・あの本に・・・・・・・・)
シンジは懸命に言葉を探した。
・
・
・
「・・・・・・・・・ねえ・・・・ヒカリ・・・・・・・・・・・気持ち・・・いいかな?・・・・・・・・・・・・・」
(うわっ・・・・・・・・・・ダサっ・・・・・・・・・・・僕って・・・・・・)
「・・・・・・・・・・よく・・・わかんない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ヒカリも、初めて受ける愛の行為に混乱している。
(・・・・・・・・・いけない・・・・・・・・・こういうとき・・・・・・・・・・・・)
(・・・・いいって言わないと・・・・・・男の人は白けるって・・・・・・・・・・・・・)
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お姉ちゃんの・・・・・・・・・本に・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
「・・・・・わかんない・・・・でも・・・・・恥ずかしいの・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・でも・・・・・うれしい・・・・・・・・・・・・・・・シンジ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
465 :
冒険中年:2011/08/26(金) 18:41:14.32 ID:zcIWyXF4
シンジとヒカリの物語 壱話 初めて(前篇)-06
「・・・・・・・ヒカリ・・・・・・・・・・・・かわいいっ!!」
その声音と表情がシンジの【おとこ】を呼び覚ました。
先程とは違い、ただひたすらにヒカリの肢体を求めた。
「ヒカリ!・・・・・・・・ヒカリ!・・・・・・・・・・・・・・・・・」
少女の名を呼びながらシンジは遮二無二乳房を揉みしだき、乳首を吸いたてる。
「ああっ!・・・・・・あうっ!・・・・・・・・・・・・・・」
「ああん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あはっ!・・・・・・んンっ!!」
(・・・・・・・・・・・やさしく・・・って言ったのに・・・・・・・・・・・・・・・)
決して乱暴な行為ではない。
だが、初めての・・・・・・・・・経験など全く無い・・・・・・
無垢のヒカリには刺激が強過ぎる様だ。
「・・・・・・・・・・・・・でも・・・・・・・・・・・・・・きもちいい・・・・・・・・」
(・・・・・・・・・・・・・でも・・・・・・・・・・・・・・きもちいい・・・・・・・・)
・・・・・・・・・・・・・初めての・・・・・・・・・・快感が・・・・・・・・・・・・・ヒカリの肢体に流れ始める・・・・・・・・・・・
・・・・胸から・・・・・・震える乳房と・・・・・・・つん!と起った乳首から・・・・・・・・・・・
「・・・・ああ・・・・・・あああああ・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・あうう・・・・・・・・・・・・・あうっ・・・・んぅッ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
466 :
冒険中年:2011/08/26(金) 18:43:45.44 ID:zcIWyXF4
シンジとヒカリの物語 壱話 初めて(前篇)-07
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・よし・・・・・・・・・いくぞ・・・・・・・・・・・・)
シンジはトランクスを脱ぎ捨てて、
未だ残っていたヒカリの真っ白なショーツに手をかける。
「あっ・・・・・・・・・・・」
(・・・・・・・・・・・・・・・脱がされてる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
いつの間にかヒカリの腰が浮き、シンジの行動を助けていた。
太ももを抜け、膝を通り過ぎて最後の純白の薄布がヒカリから離れていく・・・・・・
その中央に小さな沁みがあるのを、シンジは気が付く筈も無かった。
初めて見る女の子の・・・・・・・・・・「あそこ」・・・・
(・・・・・・・・・・・きれいだ・・・・・・・・・・・・ヒカリの・・・・・・・・・・・・)
ごくり・・・と唾を飲み込んだシンジは目を離す事が出来ない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
まだ薄い草むらに隠れる様に息づく美しい肉色の二枚の花びら・・・・・・・・・・・・・・
「きれいだよ・・・・・・・・・・・・ヒカリ・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・み・・・・見ないで・・・・・・・・・・・・・いやっ・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だめ・・・・・・・・・・はずかしい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
シンジの視線を浴びて、また讃辞の声を聞いて、ヒカリは恥ずかしさに両手で顔を覆う。
467 :
冒険中年:2011/08/26(金) 18:46:51.69 ID:zcIWyXF4
シンジとヒカリの物語 壱話 初めて(前篇)-08
「あああっ・・・・・・・・・・・・・・・・」
ヒカリに、ヒカリの肢体に更なる衝撃が走る。
美しさに魅入られたシンジが、花びらに口付けを始めたのだ。
唇と舌で、花びらとその合わせ目を舐めて・・・吸う・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・ぺろぺろ・・・・・ちゅう・・ちゅう・・・
「・・・・・・・・・・・・・・あああ・・・いやっ・・・・・そんなとこ・・・・舐めちゃ・・・・・いやぁ・・・・・・・・・・」
「・・・ふ・・不潔よぅ・・・・・・・うう・・・・・・・あうゥ・・・・・・・」
「・・・・・・・・あふっ・・・・・・・・・だめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・吸わないで・・・・・・・・・・・・・・ああっ!・・・・・・・」
どうやらシンジには、今の行為を止めるつもりは無いらしい。
ヒカリの身体が・・・・ふるえる・・・・・ぶるぶる・・・・・震える・・・・・・・・・・・
知らないうちに蜜が湧き出している。
「あ!・・・・いや・・・・・・・・・ああ・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふけつ・・・・・・・よお・・・・・・・・・・・・・・・・・」
・・ちゅう・・ちゅううっ・・ぴちゃっ!・・・・ぴちゃ・・・・・ぴちゅ・・・・ちゅばっ・・・・・・・・・・・
それどころか、もっと強く舐めて、もっと強く吸う。
まるで蜜を舐め取り、蜜を吸い尽くそうとするかの様に・・・・・・・・・・・・
468 :
冒険中年:2011/08/26(金) 18:49:22.98 ID:zcIWyXF4
シンジとヒカリの物語 壱話 初めて(前篇)-09
・・・・ぴちゃ・・・・・ぴちゅ・・・・ちゅううっ・・ぴちゃっ・・ちゅう・・・・・・ちゅばっ・・・・ちゅるっ!・・・・・・・・・・・・・
「あああ・・・・・・・・・ああっ・・・・・・・・・く!・・・・・・あああ・・・・・・・・だめ・・・え・・・・」
(・・・・・・でも・・・・・・・・・・・・これ・・・・・・・・・・・いい・・・・・・)
(・・・・・きもちいい・・・・・・・・・・・・・・・)
先程とは比べ物にならない快感・・・・・・・・・・
ヒカリのからだの中に・・・・・・・・・・・・
今度は花びらを起点として広がって・・・・・・・・・・・・・・・・
指先にも・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・爪先にも・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(あああ・・・・・・・・・・・・あふれる・・・・・・・あふれ・・・るぅ・・・・・・・・)
ヒカリの口は動いて言葉を紡いでいた。
それは・・・・・・・・・自分の意思とは別のもの・・・・・・・・・・・・・
「ああ・・・・・・・・・・・・・・・・もう・・・・だめぇ・・・・・」
「・・・・・・・・・・きてぇ・・・・・・・・・・・シンジ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あううううっ・・・・・・・・・・・」
【シンジとヒカリの物語 壱話 初めて(前篇) 終了】
469 :
冒険中年:2011/08/26(金) 19:40:58.25 ID:zcIWyXF4
おつう
今日の放映は観れないので何か燃料あったら教えて欲しい
>>471 宇宙戦を行う眼帯アスカ。2012年秋公開予定
>>469 乙です
>>471 破はカットのみ
予告新バージョンがこんなん
2号機&アスカオンリーでアスカファンにはお得
316 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの 本日のレス 投稿日:2011/08/26(金) 23:33:31.21 ???
新世紀ヱヴァンゲリヲン新劇場版Q予告(2011年8月26日金曜ロードショウ版より)
(ミサト)「碇シンジは目覚める。傍らに立つ見知らぬ少年。そして彼を待つ新たな世界」
破壊された頭部の右側を別パーツで修復された2号機のアップから引き。
その背後には星の輝く漆黒の空間。
右手には小型化された陽電子ライフルらしき武器、背面に身長の二倍程度のサーフボードのような板状の装備。
低軌道らしき宇宙空間を2号機が地球を背景に回転しながら機動し、月を背に発砲する。
宇宙空間に大爆発。
エントリープラグ内のつぎはぎだらけの赤いプラグスーツ(Newtype6月号のデザイン)のパイロット。
胸には「02」の文字。
顔全体を覆っていたバイザー(マリの旧式装備に似る)を脱ぎ捨てると左目に眼帯をしたアスカの顔が露わになり、
ロングヘアをなびかせて真剣な表情で何事かを叫ぶ。
(ミサト)「次回、新世紀ヱヴァンゲリヲン新劇場版Q!さーてこの次もサービス、サービスゥ!」
(字幕)西暦2012年秋公開
---------------------------------------------------------------------
とりあえず、アスカのアクションがみられたので眼福。
ふう、金ローのあと旧劇DVD引っ張り出して最後まで見たからレス遅れてすまぬ
今見てもわけわからんな旧劇
庵野と宮村がデキてて破局したからアスカの扱いがああなった、という説はホントなのか…
>>469 乙でした
第弍話期待!
あまり見ない組み合わせなのでますます楽しみ
476 :
471:2011/08/27(土) 06:21:24.64 ID:4f7nGwa1
477 :
冒険中年:2011/08/27(土) 09:37:41.98 ID:dKSB7SwN
シンジとヒカリの物語 弐話 初めて(後篇)-01
「ヒカリ・・・入れるよ・・・・」
ヒカリは・・目を閉じて・・・頷くだけ・・・・
感極まった様なヒカリの求めに、シンジはすぐに応じる。
雫を垂らしていきり立つ自身のモノを、蜜を湛える花びらの合わせ目にそっとあてた。
ぬるりとする感触・・
「あああああ・・・・・」
腰を進めてみる・・・・少し・・・
「・・・い・・痛いっ!・・・・・」
ヒカリが声を上げる。
シンジもそこに純潔の障壁を感じた。
「もうすこし・・・・もうすこしだから・・・・がまんして・・・・ヒカリ・・・・」
優しく話しかける・・・
「・・・力を抜いて・・・・」
「・・・だい・・じょうぶよ・・・・・シンジ・・・・・」
余程痛みが酷いのだろう・・・・円らな瞳には涙が浮かんでいた・・・
478 :
冒険中年:2011/08/27(土) 09:44:58.43 ID:dKSB7SwN
シンジとヒカリの物語 弐話 初めて(後篇)-02
「・・きて・・・おねがい・・・・・」
「・・・・アゲル・・・シンジに・・・あげる・・から・・・・」
ヒカリの右手はシンジの左腕を、左手は右腕を握った。
「いくよ・・・・・・」
意を決したシンジが腰を、ぐいっと進める。
「・・いた・・・いたい・・・ああああ・・・・・」
さらに・・進んだ・・・・ぐいっと・・
「ああああっ・・・・・あううう・・・・」
ヒカリの可愛らしい爪が、シンジの細い腕にぎりぎりと食い込む。
「くうっ・・・」
シンジも呻いた。
「あああああああああああああーーーーーっ!!」
479 :
冒険中年:2011/08/27(土) 09:53:10.49 ID:dKSB7SwN
シンジとヒカリの物語 弐話 初めて(後篇)-03
ヒカリの苦痛と苦悶の声と引き換えに・・シンジは障壁を何とか潜り抜ける事が出来た。
「ヒカリ・・・・入ったよ・・・・」
「・・・・ひとつに・・なれたのね・・・・・わたしたち・・・・」
「・・・・・うれしい・・・・・シンジ・・・・」
破瓜の痛みに耐え、肩で息をするヒカリ。
頬を伝うひとすじの涙・・・・
「・・・僕も・・・うれしいよ・・・・・・」
シンジは優しく微笑む。
ふたりは見詰め合い・・・・・手を握り・・・・・唇を合わせる・・・・舌が絡む・・・・・・・
(・・・これが・・・ヒカリの・・【中】・・・なんだ・・・・)
(・・・・・・・・あったかくて・・・やわらかくて・・・・きもちいい・・・・・・)
(・・・・シンジのが・・・わたしの【中】で・・・・・)
(・・・あっ・・・・ぴくぴく・・・・・してる・・・・・・・・)
(・・・・・まだ・・・・・すこし・・・・・・いたい・・・・・・・・)
・
・
・
「あああ・・・・ああああ・・・・・」
シンジが動いた。
ゆっくりと往復する・・・ヒカリの花びらの【中】を・・・・
そろそろと歩く様に・・なるべく痛くない様に・・・・・
480 :
冒険中年:2011/08/27(土) 09:58:53.19 ID:dKSB7SwN
シンジとヒカリの物語 弐話 初めて(後篇)-04
「・・・・・ああっ・・・・・・・・くうゥっ・・・・いたっ・・」
それでも痛むらしい・・・・
ぎし・・ぎし・・・・ぎしし・・・・・
小さなベッドも少しだけ・・・・苦しげに軋む。
(・・・あれ?・・・・こ・・これは・・・・)
動き続けるシンジは・・・・不意に・・そして急速に・・・・自分の限界を感じる。
(もう・・・イクの?・・・まずいよ・・・・)
そうなのだ。
何の備えもしていない・・・このままでは・・・・・イケない・・・・
「・・・どう・・・したの?・・・・」
急に動きの止まってしまったシンジにヒカリの声・・・・・
「・・もう・・・・イキそうだから・・・」
離れようとしたシンジの脚に、ヒカリのしなやかな脚が絡まる。
「えッ?・・・・」
「・・いいよ・・そのままで・・・・」
(・・・お姉ちゃんの本の通りなら・・・・)
「・・きょう・・・・・・だいじょうぶな・・・日だから・・・・・・・」
またもヒカリの声・・・
「・・・・・ありがとう・・・・・」
シンジの声・・・・
そして・・・・・
481 :
冒険中年:2011/08/27(土) 10:04:51.36 ID:dKSB7SwN
シンジとヒカリの物語 弐話 初めて(後篇)-05
ヒカリの切なげな声と・・・シンジの荒い息遣いと・・ベッドの軋みと・・・・
薄暗い空間でのコラボレーション・・・・・・・
・
・
・
そして・・・・・・・・・・・
シンジは・・・・・
「もう・・イクよ!・・・・ヒカリ!!」
「・・・出すよ!!」
ヒカリは・・・・・
「ああ・・いいわ!来て!シンジ!!」
「・・・・いっぱい出して!!」
「ううううっ!!・・・・・」
・・・・・呻き声・・・・・
シンジは・・・シンジのモノは決壊した・・・・
かつてない達成感と共に・・・・・ヒカリの【中】へ想いの籠った濁流を放った・・・・・
・・・とても暖かくて・・とても柔らかいところへ・・・・・
「あああああああああ・・・・」
・・・喘ぎ声・・・・
ヒカリは・・・・自分の【中】に熱いものが迸るのを感じた・・・・・
それは・・・・とても・・・とても熱いもの・・・・・・
熱くて・・暖かいもの・・・・・
482 :
冒険中年:2011/08/27(土) 10:13:06.00 ID:dKSB7SwN
シンジとヒカリの物語 弐話 初めて(後篇)-06
(これが・・・・・セックス・・・なんだ・・・・)
(これが・・・・・セックス・・・なのね・・・・)
ふたりのこころは暖かいものと心地良いものでいっぱいだった。
それは経験したことのないもの・・・
・・・初めて経験するもの・・・・・
また・・・見詰め合って・・唇が重なる・・・舌が絡んだ・・・・・
・
・
・
「・・・ヒカリ・・・すごく・・・・気持ちよかったよ・・・」
「・・ありがとう・・・ヒカリの・・【初めて】を・・僕にくれて・・・・・」
シンジは声を掛けてみる。
自分の腕を枕にして寝ているヒカリに。
「・・うれしいの・・・わたし・・・・・シンジに・・・・あげられて・・・・・・・・・」
「・・・・・まだ・・・・・・・・・・痛いけど・・・・・・・うれしい・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・ありがとう・・・・・・・シンジ・・・・・・」
ヒカリはシンジの耳元で、まるで囁くように応えた。
シンジはもう一度ヒカリを抱き締める。
ふたりは互いの温もりの中で眠りに落ちていった・・・・・・・
それから数分と経たないうちに・・・・・・・・
汗も互いの体液も・・・そのままに・・・・・・
乱れたシーツに純潔の証を残して・・・
・
・
・
483 :
冒険中年:2011/08/27(土) 10:17:14.80 ID:dKSB7SwN
シンジとヒカリの物語 弐話 初めて(後篇)-07
『まだ早い』とか『中学生のくせに』とか言われても構わない。
自分達には『あした』が無いかもしれないから。
シンジはヒカリを失う事を恐れ、ヒカリはシンジが逝く事を恐れた。
だから求めた。
シンジはヒカリを・・ヒカリはシンジを・・・・・
激しく求めあって・・・今夜結ばれた・・・
それだけのこと・・・
それは・・・ヒカリが初めてウソをついて外泊した日・・・・
それは・・・この家の主が急な出張で家を空けた日・・・・・
まだ第五の使徒が現れていない・・・
ある暑い夜の事だった・・・
【シンジとヒカリの物語 弐話 初めて(後篇) 終了】
484 :
冒険中年:2011/08/27(土) 10:26:48.34 ID:dKSB7SwN
>>470、
>>473、
>>474、
>>475 読んで下さってサンクスです。
色々御指摘ありがとうございます。
弐話・・投下しました。
時系列は少々飛ぶのですが、ヒカリの「処女喪失」とシンジの「童貞卒業」が、
どうしても書きたかったので先にしました。
>>484 「・・・・」は「……」が基本。「さんてん」で変換すれば出てくる。
486 :
冒険中年:2011/08/27(土) 20:01:03.39 ID:dKSB7SwN
初心者スレで練習した方がいいかも。
ちょっとこのスレは早い
>>486 書き忘れてたけど、…は1個じゃなくて2個(……)にするのも基本ね。
それはあくまでも慣習であって、ルールではないから、問題ないはず
490 :
冒険中年:2011/08/27(土) 22:39:44.02 ID:dKSB7SwN
そうですね……また勉強して出直してきますね。
失礼しました…。
>>490 気にせずどんどん投稿するんだ。頑張って!
>>490 書いていくうちに巧くなるってもんですよ。気にせずに自分のペースで書いてください
ここがお前のチラシの裏だ
誤爆した
496 :
冒険中年:2011/08/28(日) 10:45:21.11 ID:lL9YN2ck
このスレはものすごく初心者に優しいと思う
自分もこのスレに一人の職人として育ててもらった
だから冒険中年氏にもいろんなことをこのスレで学びながら腕前を上げていってほしい
みんなあんたを暖かく見守っているぜ
GJだ
498 :
冒険中年:2011/08/30(火) 01:29:48.94 ID:sZzUJx4h
>>497 暖かいメッセージありがとうございます。
これより参話、投下します。
499 :
冒険中年:2011/08/30(火) 01:31:53.79 ID:sZzUJx4h
シンジとヒカリの物語 参話 幕間-01
ぎし…ぎし…ぎし…ぎし…
ベッドが苦しそうに軋む。
「あああああ……」
「あううっ……」
「あん!……ああん!!」
ヒカリが踊る。
舞っている。
一糸纏わぬ姿で。
シンジに跨り、全裸のシンジと繋がって、
悦びを唄い、歓びに舞う、ヒカリの白い裸身。
おさげを解いた美しい黒髪を振り乱し、白い指で掻き乱して……
シンジは、ヒカリの細い腰に手を添えて支えつつ、
ヒカリの腰が浮き上がったところを…ずん!と突き上げる!
「ああっ!!・・・いいわっ………」
500 :
冒険中年:2011/08/30(火) 01:34:03.35 ID:sZzUJx4h
シンジとヒカリの物語 参話 幕間-02
不意に・・揺れる・・乳房を・・跳ね回る・・乳首を・・
…揉む!…摘む!!…シンジの掌と・・指…・
「あうううう・・・あはっ・・・んンっ!!・・・」
シンジの行為に敏感に反応する白い肢体。
時折汗がぽつり、と落ちてくる。
それも今のシンジには心地良い。
(きれいだ・…ヒカリの感じてる顔って。)
悪友たちから見せられた、DVDの所謂「ハメ撮り」
それをする気持ちがわかる。
自分もいつかやってみたい。
ヒカリに揺さぶられながら、シンジは想った。
(カメラ、買おうかな?)
「ああああ…もう…いく…イク・・う・・・・」
ヒカリに限界が来たらしい。
「いくっ・・ああ……イク・・・イっちゃうううううううう……」
501 :
冒険中年:2011/08/30(火) 01:36:50.17 ID:sZzUJx4h
シンジとヒカリの物語 参話 幕間-03
何回か肌を合わせるうちに、
ヒカリは、シンジの愛の行為で歓びの高みに登り詰める事を覚えた。
シンジは、ヒカリを自らの手で悦びの頂きへと押し上げる事が出来た。
登り詰めた事で全身の抜け切ったヒカリがシンジの元へ落ちてくる。
シンジは、そっと受け止めて、くるりと身体を器用に上下入れ替えた。
今度は、シンジが上でヒカリが下だ。
ずん!ずん!!と腰を打つ!
「ああ…あうう…」
だが、シンジも限界が近い。
「あっ!」
2,3度、ヒカリを打ち据えると、シンジは、
すっ…と、ヒカリの【中】からモノを抜き出した。
ヒカリの蜜で濡れて、それはぬらぬらと光っている。
その時だった!
「うううっ!」
シンジが小さく呻くと・・ぶるぶると震えるモノが吠えた!
どぴゅっ!と、吐き出された白濁液が、
びちゃっ!と、ヒカリの腹や胸に飛び散った。
「ハア・ハア・ハア・・ハア・・ハア・・・ハア・・・・」
「はあ・はあ・はあ・・はあ・・はあ・・・はあ・・・・」
荒い息のままで、ふたりは事の後始末をする。
がこっ、がこっ、と、ティッシュを出す音がする。
かさかさと紙の擦れる音も。
502 :
冒険中年:2011/08/30(火) 01:40:04.40 ID:sZzUJx4h
シンジとヒカリの物語 参話 幕間-04
その音もしなくなり、やっと息の整ったふたり。
そのままで暫しまどろむ。
どのくらい時間が経った頃だろうか。
不意にヒカリが起き出す。
「シンジ…ありがとう……」
ヒカリはシンジの胸板に顔を埋めて呟いた。
「ヒカリ?いきなり…何?」
シンジの問いかけにヒカリは応える。
「夢…見たの…あのこと…シンジに助けてもらった…」
「ああ…あのことか…」
シンジはヒカリの背に手を回した。
「そう…あのことよ…」
「あれがなかったら・・・」
「僕たち…どうなってたかな……」
「……きっと…わたし…ひどいこと…されてたわ……」
「シンジが来てくれなかったら……」
「だから……ありがとう…シンジ……」
ふたりは思い出す…ふたりの出会いと…あの日のこと…
ふたりのこころが強く結ばれる切っ掛けになった…あの事件のこと……
【シンジとヒカリの物語 参話 幕間 終了】
おお、またキター!
毎回楽しませてもらってる
続き全裸待機
504 :
冒険中年:2011/08/30(火) 20:44:28.92 ID:sZzUJx4h
>>503 読んで下さってありがとうございます。
四話はただいま書いていますので、しばらくお待ちください。
505 :
冒険中年:2011/08/31(水) 23:06:17.04 ID:LUxDaT+0
シンジとヒカリの物語 四話 出会い…そして……触れ合い (前篇)-01
『シンジ……初号機に乗るんだ…でなければ…帰れ!!』
『乗りなさい、シンジ君。乗らなければ君は必要のない人間なのよ!』
この街、第三新東京市に呼び出され、
何の予備知識も心構えすら無く乗せられ、闘わされたエヴァンゲリオン初号機。
悪夢の様な第三の使徒との戦いから数日後、
シンジは第壱中学校へと転入した。
「碇シンジ君ね…わたし、クラス委員の洞木ヒカリ。よろしくね!」
それが、このおさげの少女の第一声だった。
初対面の転校生である自分に、
いきなり満面の笑みを向けてきたヒカリに面食らったシンジであったが、
なんとか挨拶を返す事が出来た。
「よろしく…洞木さん…」
「困った事があったらわたしに言ってね。」
ややそばかすが残っているものの、愛くるしい笑顔のヒカリに、
シンジのこころはドキリ、とときめく。
女の子が大の苦手だった筈なのに、何故かヒカリと話すのは苦痛ではない。
むしろ楽しい。
こんな事は初めてだ。
506 :
冒険中年:2011/08/31(水) 23:08:40.55 ID:LUxDaT+0
シンジとヒカリの物語 四話 出会い…そして……触れ合い (前篇)-02
「お昼はどうするの?購買部に行くのなら、案内しようか?」
「あ、弁当なら作ってきたから大丈夫だよ。」
「え?お弁当、自分で作ってるの?」
「うん…弁当だけじゃないけど……」
「すごいわ!碇君。男の子なのにお料理できるんだ!」
「料理も洗濯も、掃除も僕がやってるよ…」
「じゃあ、わたしと同じね。わたしも家の事、全部やってるから。」
ヒカリも、家事をするという、この線の細い少年に奇妙な親近感を覚えた。
初対面の転校生だというのに。
気が付けば、毎日あれこれと世話を焼いていた。
シンジは、生まれて初めて学校に行くのが楽しくなった。
毎日元気に登校するのを見て、ミサトが不思議に思うくらいに。
だが、それも長くは続かない。
シンジが「ネルフのロボットのパイロット」であることが露見した翌日の事だった。
507 :
冒険中年:2011/08/31(水) 23:10:27.31 ID:LUxDaT+0
シンジとヒカリの物語 四話 出会い…そして……触れ合い (前篇)-03
「スマンなぁ…転校生…ワシはお前を殴らなアカン・・・…」
「妹がな、お前のヘボな運転の所為でケガしたんや…」
自覚のかけらも無い罪によって、
シンジは見知らぬ級友から強かに殴られた。
「鈴原君!!何してるの!!だめ!!やめて!!!」
それは駆け付けたヒカリの目の前で起きた。
ヒカリはシンジが鈴原トウジに暴力を振るわれるのを防げなかった。
「碇君…大丈夫?」
「……大丈夫だよ…洞木さん。」
保健室で手当てをしながら、ふたりの会話はこれだけだった。
シンジは自分の知らないところで傷付いた者がいる事を初めて知らされ、
相当のショックを受けていた。
(僕の所為で…彼の妹さんが…)
殴られた痛みより心が悲鳴を上げていた。
ヒカリは、そんなシンジの様子に心を痛める。
鈴原トウジや彼の妹の事も気にはなったが、目の前の少年は蒼ざめ、震えてさえいるのだ。
(碇君……)
慰めようにも言葉が見つからない。
ヒカリの手は意識する事無く、震えるシンジの手を取っていた。
そっと握り締めるヒカリの手の温もりがシンジに伝わる。
はっとするシンジがヒカリを見ると、優しげな微笑みで自分を見詰めている。
(もう大丈夫よ…)と言わんばかりの微笑みで。
「ほ、洞木さん……。」
「碇…君…」
ふたりの視線が熱く絡み合った……。
その時、がらっと保健室の戸が無粋に開く。
「…非常招集…先…行くから…」
包帯だらけの綾波レイが抑揚の無い声で、それだけを言い放って行ってしまう。
その言葉に我に返ったシンジが立ち上がった。
「僕も…行かなきゃ…」
放されるふたりの手と手。
「気を付けてね…碇君…」
シンジの背にヒカリが声を掛ける。
「ありがとう…洞木さん…」
振り返ったシンジは、力の無い笑みを浮かべて、それだけ言うと走り出した。
ヒカリが、もう一言何か言いたげに右手を伸ばしたが、
結局言葉が紡ぎ出される事は無かった。
508 :
冒険中年:2011/08/31(水) 23:13:56.70 ID:LUxDaT+0
シンジとヒカリの物語 四話 出会い…そして……触れ合い (前篇)-04
そして始まった第四の使徒との戦い。
鞭の様な腕の攻撃に翻弄される初号機。
ミサトやリツコの指示通り攻撃してもダメージを与えられないばかりか、
逆に追い詰められてしまうシンジ。
(また誰かを傷付けているんじゃ……)
そんな負のイメージの中では反撃の糸口さえ掴めない。
更に戦況は悪化の一途を辿った。
アンビリカブルケーブルは切断され、初号機の活動限界は刻々と迫る!
また、戦場に紛れ込んだ同級生二人を、
リツコの反対を押し切ったミサトの命令でプラグに乗せる事になってしまう!
途端に急降下するシンクロ率。
(くっ…集中できないっ!)
<シンジ君!撤退して!!>
モニターのミサトが叫ぶ。
だが、逃げようにも【異物】を二つも呑み込まされた初号機は思う様には動いてくれない。
気持ちが逃げ腰になりつつあるのだから当然かもしれない。
まるで熱でも有るかの様に足元がふらつくのだ。
近づく限界!!
509 :
冒険中年:2011/08/31(水) 23:16:11.20 ID:LUxDaT+0
シンジとヒカリの物語 四話 出会い…そして……触れ合い (前篇)-05
(くそっ…どうすれば……)
ふと…頭に浮かんだのはあの少女の優しげな微笑みだった。
『碇君……よろしくね…』
『碇君……気を付けてね…』
『碇君………………………』
『…………碇君……………』
(このまま僕が負けたら……洞木さんも……)
「そんな事、させないっ!」
そう思った途端に身体が軽くなった。
初号機の肩からプログナイフを抜き放つと斜面を駆け降りる!
逃げられないなら討って出るしかないのだ。
モニターのミサトや【異物】の二人の怒号も今のシンジには聞こえなかった。
勿論、僅かな残り時間を告げるオペレーターのマヤの声さえも。
「ぐふっ!」
使徒の鞭が初号機の腹を貫く!
が、シンジは突進を止めない。
「うわあああああああああああああああーっ!!」
シンジの絶叫と共に、初号機はコアに光輝くナイフを突き刺した!!
まるで刺し違えるかの様に。
ぴきっ……コアの破壊音と共に使徒の活動が停止する。
初号機の電源もそれを見届けたかの様に落ちていった。
シンジは薄れていく意識の中で思う。
(…勝ったよ……洞木さん……)と。
【異物】の二人、鈴原トウジと相田ケンスケは、唖然とする表情でシンジを見ていた。
「転校生……」
そう呟きながら……
510 :
冒険中年:2011/08/31(水) 23:18:13.62 ID:LUxDaT+0
シンジとヒカリの物語 四話 出会い…そして……触れ合い (前篇)-06
あれから二日が過ぎていった。
だが、シンジの姿が2-Aの教室に現れる事は無かった。
ヒカリは、それが心配でならない。
あの後、すぐに避難したシェルターの中でも、家に戻ってからもそうだった。
(碇君の身に何かあったんじゃ……)
授業の前後の号令にも力が入らない。
気が付けば誰も居ないシンジの席を見ている。
黒く美しい瞳に憂いの色を浮かべて。
同じ教室の中の二人の人間が、
自分と同じにシンジを気遣っている事など気付く筈も無く。
その頃…シンジは自宅であるミサトのマンションにいた。
命令違反によって謹慎処分を受けているからである。
異物混入?によるエヴァの不調を訴えたのだが聞いてもらえなかったのだ。
「私は貴方の上司なのよ!命令には従う義務があるの!!」
逃げ道も使徒に塞がれ、動きの悪いエヴァではああするしか無かった、と、
いくら説明してもミサトの怒りが治まる様子は無い。
下された処分は三日間の自宅謹慎。
その間、退屈しのぎに人外魔境と言われるミサトの部屋の掃除をしていたのだが、
乱雑に書類や雑誌が積まれた中にあったのは一冊のノート。
「さ、サードチルドレン監督…日誌って…」
「僕は監視されていたのか…」
「か…家族って言ってくれたのに……」
手にしてみるとそこには、
シンジの学校での行動が、ヒカリの事までが書かれていた。
それについてのミサトのコメントまでが細かく記されている。
シンジは散らかった部屋にがっくりと膝をついた。
「僕は…僕は一体……」
(何をしていたんだ。)
その日、ミサトが帰宅すると家の中にシンジの姿は無かった。
『サードチルドレン監督日誌』の上に置かれた一枚の置き手紙だけを残して。
「あのバカ……」
そう呟くミサトをペンペンの円らな瞳が見上げていた。
511 :
冒険中年:2011/08/31(水) 23:20:58.76 ID:LUxDaT+0
シンジとヒカリの物語 四話 出会い…そして……触れ合い (前篇)-07
シンジは夜の街を彷徨い、オールナイトの映画館で眠る。
夜が明けると、また街を彷徨った。
もとより彼には行くあてなど無いのだから。
歩きながら、ふとヒカリとの楽しいひと時が、ヒカリの笑顔が思い出される。
(洞木さん……どうしているかな……)
「洞木さん…………」
本人も知らぬうちに呟いていた。
(碇君…また…来ない。)
今日もヒカリのこころは晴れる事は無い。
ただ時間だけが無為に無駄に過ぎて行く。
気が付くともう今日の授業の終わりを告げる鐘が鳴っている。
ヒカリは、ふと、ある事を思い付いた。
教室の一番後ろの一番端っこの席にいる、もう一人のパイロット、綾波レイ。
保健室にシンジを呼びに来た彼女なら…
(綾波さんなら何か知っている筈……)
ヒカリは包帯だらけの少女の席に向かった。
だが……
「……知らないわ…何も……」
ヒカリの懸命の問いかけにも、
レイの抑揚の無い、感情のこもらない声が聴こえてくるだけだった。
(それなら……)
帰宅するレイの後ろ姿を見送ったヒカリは職員室へと急ぐ。
担任の老教師のところに。
「先生、碇君の住所を教えてください。」
「もう三日も碇君は休んでいます。クラス委員として碇君のお見舞いに行きたいんです。」
(そう、これは“公務”なのよ。クラス委員としての…)
大義名分を得たヒカリは臆する事も無い。
「じゃあ、洞木さん…碇君の事、宜しく御願いしますね……」
老教師は、慣れない人間には決して読めない達筆でさらさらと書いたメモと何枚かのプリントを
ヒカリに渡すと、にっこりと微笑んだ。
512 :
冒険中年:2011/08/31(水) 23:23:58.32 ID:LUxDaT+0
シンジとヒカリの物語 四話 出会い…そして……触れ合い (前篇)-08
「ここね……碇君の家は。」
十数分後、ヒカリは【葛城】というネームプレートの付いた部屋の前に辿り着いていた。
早足で歩いて来たので少し汗ばんでいる。
だが、
ぴんぽーん…ぴんぽーん…
何度インターフォンを押しても、中からの反応は何も無い。
(留守なのかな?)
そう思ったヒカリは、ドアの前で待ってみる事にした。
だが、誰も帰って来る気配すら無い。
(もう少し待ってみよう。)
(あと10分待って……)
そんなことを何度思っただろうか……気が付いたらもう日が落ちていた。
あたりはうす暗くなっている。
いくらなんでも、もう帰らねばならない。
夕食の支度もしなければならない。
ヒカリは洞木家の“主婦”なのだから。
とぼとぼと歩くヒカリ。
シンジの家に行く時とは大違いだ。
早く帰らねばならないのに、脚が進んでくれない。
「碇君…どうしてるのかな……」
歩きながら想う事はそればかりだ。
“心ここにあらず”のヒカリが繁華街を歩く。
その時、不意に誰かに腕を掴まれた。
【シンジとヒカリの物語 四話 出会い…そして……触れ合い (前篇) 終了】
513 :
冒険中年:2011/08/31(水) 23:26:30.07 ID:LUxDaT+0
四話……投下しました。
今回からエロのない話が続きますが、何卒御勘弁を……
ヒカリとか誰得。
誰かアスカを!
>>513 待ってました!
旧世紀版がアスカルート、新劇が綾波ルート(多分)できてるから、ifとしていかにもありそうなヒカリルート、エロなしでも楽しみで仕方ない
読ませる作品、ありがとう!
516 :
冒険中年:2011/08/31(水) 23:48:27.25 ID:LUxDaT+0
>>515 早速読んで下さってありがとうございます。
五話も近日中に投下します!
>>513 乙です
投下の最初の方と比べると随分読みやすくなった気が
が、ここからエロないのか…
いや、シンジが介入するまでの、超寸止めまで凌辱されるヒカリ、で十分エロ話になるはずだw
518 :
冒険中年:2011/09/01(木) 21:03:56.03 ID:7yLNpNlK
シンジとヒカリの物語 五話 出会い…そして……触れ合い (中篇)-01
「いやです!放して!放して下さい!!」
夕暮れの街を彷徨うシンジの耳に入って来たのは、聞き覚えのある少女の声、いや悲鳴だった。
「誰か!誰か助けて!!」
そして目に入って来たのは、中年男に手を握られ、泣きながら助けを求めるヒカリの姿。
(あれは!!)
「お譲ちゃん…おじさんとイイコトして遊ぼうよ…」
ヒカリに不埒な事をしようと企んでいる様だ。
「お小遣い、いっぱいあげるから…イイトコロへ行こうよ……」
「ほ、洞木さん!」
かなり居る筈の通行人達は面倒を恐れてか、誰も助けようとしない。
シンジも正直怖い……
その中年男はシンジより遥かに身体は大きいのだ。
でも、シンジは呟く…心の中で。
まるで何かの呪文の様に、繰り返し繰り返し呟いた。
(逃げちゃ駄目だ…逃げちゃ駄目だ…逃げちゃ駄目だ…逃げちゃ駄目だっ!!)
「僕は…僕は、もう逃げない!!」
シンジは駆け出した!
ヒカリの元へ!
数日前に知り合った少女の危機に!
転校生の自分に優しくしてくれて、笑顔をくれた洞木ヒカリの大ピンチに!
519 :
冒険中年:2011/09/01(木) 21:06:54.64 ID:7yLNpNlK
シンジとヒカリの物語 五話 出会い…そして……触れ合い (中篇)-02
「洞木さんを放せっ!!」
叫ぶシンジは、中年男を目掛けて渾身の右ストレートを打つ!!
ばきっ!!
見事!男の左頬にクリーンヒット!!
でも、それは始めたばかりの格闘訓練でやっと覚えたもの。
だから、男がヒカリの手を放すだけの効果しかない。
ノックアウト!なんてとんでもない。
だから、逃げるしかない!
「碇君…」
突然の事に呆気にとられるヒカリ……
「洞木さん!逃げるよ!!」
シンジはヒカリの手を握り締めて走り出す!!
ヒカリもつられて走り出した!!!引っ張られる様にて走った!
「この野郎!待ちやがれ!」
中年男の罵声を背中で聞いて、ふたりは走った!
走り続けた!!
息の切れるまで。
男から逃げる為に。
(掴まってしまったらアウトだな。)
(その時は僕が盾になって洞木さんを逃がす。逃がしてみせる!)
元よりシンジの腹は決まっていた。
520 :
冒険中年:2011/09/01(木) 21:11:46.36 ID:7yLNpNlK
シンジとヒカリの物語 五話 出会い…そして……触れ合い (中篇)-03
5、6分は走っただろうか。
どうやら、追って来る様子は無いらしい。
ふと気が付くと……そこは小さな公園だった。
明かりと小さな水飲み場がある。
「ハア…ハア…ここまで来たら、もういいだろう。」
「ハア…ハア…洞木さん…大丈夫?」
シンジは息を整えながら声を掛けてみた。
「はあ…はあ…はあ…はあ…はあ…」
まだ無理の様だ。
「ケガしてない?」
少し間を置いてもう一度。
「……だいじょうぶ…」
と…呟く様な返事が聞こえる。
「よかった。」
と、シンジが返した時、突然ヒカリが抱き付いてきた!
「え?ほ、洞木さん??」
ヒカリの身体の感触…特に胸の柔らかさに困惑のシンジ。
女の子に抱き付かれたのは、生まれて初めての事なのだ。
そう言えば、自分から手を握ったのも初めてだ。
だが、ヒカリの身体は小刻みにぷるぷると震えている。
「お願い…このままでいさせて…怖いの……凄く怖いの……」
シンジは、そっと震える背中を抱いた。
「もう大丈夫だよ。」
特に意識もせずに、そんな言葉が口から出てきた。
521 :
冒険中年:2011/09/01(木) 21:15:10.31 ID:7yLNpNlK
シンジとヒカリの物語 五話 出会い…そして……触れ合い (中篇)-04
その時、シンジの中で何かが沸き起こる…
この人を護りたい、いや、護らなくちゃいけない、という思い。
それは14歳になったばかりのシンジにとって、初めての感情だった。
「こ、怖かったの…とても…」
「ありがとう…助けてくれて……」
身長差が殆ど無いので、
ヒカリの声が…吐息が…シンジの耳元をくすぐる。
汗の匂いと、髪の匂い…女の子の匂いが…シンジの鼻孔をくすぐる。
それがシンジには堪らない。
身体が熱い。
こころも熱い。
「ありがとう…碇君。居てくれて…よかった……」
「ほんとに……ありがとう……」
途中からのそれは、涙声だった。
「僕の方こそ、洞木さんに会えてよかった……」
「学校で……僕に優しくしてくれて…僕に笑顔をくれて……」
シンジも、そっと耳元で囁いた。
少しは落ち着いたのだろうか。
やっと震えの止まったヒカリが、シンジから少し離れた。
だが、涙を浮かべた円らな瞳はシンジを見詰めたままだ。
シンジもヒカリから目が離す事が出来ない。
522 :
冒険中年:2011/09/01(木) 21:17:36.41 ID:7yLNpNlK
シンジとヒカリの物語 五話 出会い…そして……触れ合い (中篇)-05
ヒカリは、誰一人助けてもくれなかった、あの状況で、
学校では無抵抗のままに殴られ続けたシンジが、
人を殴ってまで自分を助けてくれた事を、
決して忘れまいと、そのこころに深く刻み込んだ。
シンジは、自分の様な人間に優しくしてくれたヒカリが、
『居てくれてよかった』
『ありがとう』……そう言ってくれた事を、
決して忘れまいと、そのこころに深く刻み込んだ。
同時に、ふたりのそれぞれのこころに、暖かくて優しいものが満ちていき、
どちらからともなく笑みを交わす……シンジとヒカリ……
「…洞木さん……」
「…碇君……」
手を取り合おうとした…その時だった。
【シンジとヒカリの物語 五話 出会い…そして……触れ合い (中篇) 終了】
523 :
冒険中年:2011/09/01(木) 21:20:11.26 ID:7yLNpNlK
五話投下しました!
>>517 読んで下さってサンクスです。
すみません…今の時点(四〜五話)では、まだヒカリは無垢な“処女”なので、
何卒、御勘弁を……
>>523 漢なシンジさんいいね!
これで二人の距離が一気に縮まるのですな!
親密になってく過程見てニマニマしたい
茅の外の鈴原が可哀想ではあるがw
525 :
冒険中年:2011/09/01(木) 22:44:36.59 ID:7yLNpNlK
>>524 早速読んで下さってサンクスです。
六話は明日投稿予定です。
今回もエロなしですみません。
一応エロスレなんだから前置き長すぎるとあきる。
いちいちレス付けなくていいし。
何書こうが自由だけど最低限過去スレや現行スレは見て空気読んで欲しい
見てから投下したのなら悪いけど
外野は気にするな
エロパロとはいえ「エロ」と「パロ」両方の性格が必要なんだ
首から上すげ替えただけの、ただエロいだけの粗製乱造SSより、エロ以外でも読ませるSSのほうがレベルが高い
ただ、このスレではあまりうるさくないが、あまり短いものの投下を短時間に繰り返すのは板としてはあまり歓迎されないみたい
今までの二回分を一回で、投下間隔を長くしてみるといいんじゃないかな
あと職人が感想に対して全レスするのも板としては好まれない
このスレだからあまりうるさくは言われてないけど、他所ならフルボッコにされて追い出されても文句は言えない
いい作品書いてるんだから、作品以外の部分で味噌ついたら惜しいよ
もし他スレへも進出を考えてるなら、そのときは気を付けることだ
他の人マダー?
たまにルールが話題になるので、ちょっとまとめてみました。
新生エロパロエヴァスレも数年の歴史があるので、
そろそろ新規職人さん、新規読者さん用にも明文化しておいたほうがよいかと思います。
次スレ立てるときにテンプレに入れてもらえればいいと思います。
エヴァスレ以外のエロパロ板スレも見てるので、
特にここならでの変わったルールはないと思いますが、
他の方もご意見あればどうぞ
--------------------------------------------------------------------------------
投下ルール
前提
1.「1作品」は起承転結を持つ、ひとまとまりのものである
(短編は「1作品」、長編は複数の「1作品」からなる)
2.本スレはエロパロスレなんので「1作品」にはエロシーンを含む
(長編作品では、エロシーン抜きの話があるのは可)
職人サイド
1.(推奨)タイトルをつける
2.(推奨)作者名を明記する
3.(推奨)グロ、スカトロ、イタモノなどの内容を含む場合は冒頭で明記する
4.(推奨)他の職人の投下後は24時間程度、間隔を開けて投下する
5.(必須)1作品を数レスずつ細切れ投下しない(書きながら投下しない)
6.(必須)一回の連続投下が終わった場合は、連続投下が終わったことを示す
7.(推奨)他の職人の投下後は24時間程度、間隔を開けて投下する
8.(推奨)読者のレスに対する職人からのレスは、個別にせず、時間をおいてまとめてする
読者サイド
1.(推奨)自分の気にいった作品にはレスをすること
2.(推奨)自分の気に入らない作品はスルーすること
3.(推奨)ルール違反と思われる投下に対しては、ルールを示して注意すること
4.(推奨)元ネタ作品や、投下作品に関する雑談は可とする
5.(推奨)特定職人への投下待ちコメントはほどほどにすること
>>527 別に読ませる文章でもないのに無駄に長いって思っただけだが。
作者のシンジ萌えキモいし。
冒頭からやるだけの話は俺も興味ない。
甘いから良いスレとは言えないだろ
被せ投下がどうこう、細切れがどうこうと、せせこましいこと言う奴が増えた後で決めればいいんじゃないのか、ルールなんて
今のまま自由にやればいい
きちんと職人と住人がコミュニケーション取れてる現状ではルールなど必要ないと思うな
自分で自分の首絞めて身動きとりにくくなるだけだよ
シンジなりアスカなりの誕生日にみんなシンジやアスカの話投下したい、とか、そういうのあるだろ
>シンジ萌えきもいし
え?俺は大歓迎だけど
趣味嗜好の問題だろ
エロパロで嗜好が合わないからって噛み付いてたらキリないぞ
534 :
冒険中年:2011/09/02(金) 19:19:51.33 ID:CNFRV60z
シンジとヒカリの物語 六話 出会い…そして……触れ合い (後篇)-01
夕闇の中から現れる数人の黒衣の男たち。
それに黒衣の女がひとり。
皆、夜だというのにサングラスまでかけている。
「!!!」
ヒカリは、また反射的にシンジに身を寄せ、
シンジは本能的にヒカリを背に庇った。
ふたりとも恐怖と緊張に顔が強張る……
「……碇シンジ君ね……」
この女がリーダーなのだろうか。
男たちの前に立つと、シンジに一方的に語り掛ける。
「いいところを邪魔しちゃって…御免なさいね……」
「…偉いわ…碇シンジ君…君は彼女を暴漢から護ったのよ…流石はサードチルドレンね……」
「見ていたんですか?」
「あなたは…あなたたちは一体…」
誰なんですか?と続けようとしたシンジの言葉を、目の前の女は遮った。
「私達はネルフ保安部の者です。碇シンジ君…君を本部まで連行します。」
その宣告にも、シンジは女から目を逸らす事は無い。
「判りました……御一緒します……でも……」
この場は大人しく従う…それがヒカリを護るには最善とシンジは考えたのだ。
「大丈夫よ。君の彼女は、私が責任を持って自宅までお送りするから。」
「それにさっきの男の身柄は私達が“処理”したから、君達は心配しないでいいわ。」
シンジは、あの中年男が追って来なかった理由を理解する事が出来た。
だが、男がどうなったかは、考えない事にする。
多分、もう……出会う事はあるまいから。
「お願いしますね……」
シンジの女を見る目には、
『洞木さんに何かあったら、あなたを絶対に許さない。』
と言う色がくっきりと浮かんでいた。
535 :
冒険中年:2011/09/02(金) 19:21:23.50 ID:CNFRV60z
シンジとヒカリの物語 六話 出会い…そして……触れ合い (後篇)-02
「じゃあ、洞木さん…おやすみなさい……またね……」
シンジは無理に笑顔を作った。
男たちに促されて真っ黒な車に乗り込んで行く。
「…碇君……」
ヒカリが怖くて何も言えないうちに、シンジは連れて行かれてしまった。
また瞳には大粒の涙が浮かび、ぽろぽろと零れる。
(また…何も出来なかった…)
その後悔の念と共に。
黒衣の女の真っ黒な車。
その中でヒカリは何も話す事は無かった。
乗る前に「碇君は、どうなるんですか?」と、しつこく訊いても何も返って来なかったからだ。
ただ一言、「総て忘れなさい」、そう冷たく言い放たれた以外は。
家に帰った後も、ヒカリのこころは晴れる事は無かった。
自分の窮地を救ってくれたシンジの事で頭がいっぱいだったから。
黒衣の男たちに連れて行かれたシンジが心配でならなかったから。
姉のコダマが用意してくれた夕食を食べている時も……
風呂に入っている時も……
あの男に握られた手や腕を念入りにごしごしと洗っている時も……
ベッドに入ってからも……
……碇君は…今、どうしているだろう……
……碇君は…ひどいことをされてはいないだろうか……
……碇君は…夕食は食べられただろうか……
……碇君は…お風呂に入れただろうか……
……碇君は……
……碇君は…………
……碇君は………………
……碇君は……………………
ぽろぽろと涙が零れる。
自分を護ってくれた少年、碇シンジの身を案じて、ヒカリは泣いた。
家族に心配させないよう、声を殺して泣いた。
泣き疲れて眠ってしまうまで。
536 :
冒険中年:2011/09/02(金) 19:24:35.68 ID:CNFRV60z
シンジとヒカリの物語 六話 出会い…そして……触れ合い (後篇)-03
シンジも同じ様にヒカリを気遣っていた。
(洞木さんは無事に家に帰れただろうか?)
黒塗りの護送車の中で黒衣の男に両脇を固められながら、
シンジの頭の中はヒカリの事一色に塗り潰されていた。
(携帯か家の電話番号訊いておけば良かったな。)
(これじゃ連絡もできないし。)
時折、自分に向けられたヒカリの笑顔を思い出しながら。
そして・・・シンジは、ミサトのオフィスに連行される。
「お帰りなさい……シンジ君……」
そこには見るからに不機嫌なミサトがいた。
「シンジ君…久しぶりね…」
そして、いつも通りのクールなリツコも。
「どう?歩きまわって、夜遊びして気分は晴れたかしら?」
ミサトの声音には隠しようも無い刺がある。
「ミサトさん、リツコさん……どうも済みませんでした。」
シンジは目の前にいる二人の女性に深々と頭を下げた。
理由はどうあれ、勝手に「家出」したのは悪い事だと思うから。
「私達がどれだけ心配したと思ってるの!」
まだミサトは気持ちが治まらない。
が、リツコが口を挟んだ。
「ミサト!その辺にしたら?」
「他に言う事、あるでしょ……」
「わかってるわよ!」
「シンジ君…ごめんなさい……」
突然、ミサトはシンジに頭を下げた。
537 :
冒険中年:2011/09/02(金) 19:26:40.41 ID:CNFRV60z
シンジとヒカリの物語 六話 出会い…そして……触れ合い (後篇)-04
「えっ?どういう事ですか?」
困惑するシンジにリツコが解説を始めた。
「MAGIでね、シミュレーションしてみたのよ。」
「ミサトの命令をシンジ君が実行していたらどうなったかを……」
「異物を呑み込まされた初号機がどうなるかをね。」
「そうしたら、95%の確率でね…初号機の負け。」
「それが何を意味するかは判るわよね?シンジ君…」
「………………………………」
「サードインパクトで人類滅亡!危なかったわね。」
「つまり……シンジ君は間違っていなかった、ということよ。」
「あとは自分で話しなさい、ミサト。」
それだけ言うとリツコは、「まだ仕事が残っているから」と出て行った。
「ごめんなさいね…シンジ君…」
ミサトは、また謝罪を繰り返した。
「もういいですよ…ミサトさん。」
シンジはミサトにそう言ってこの場を収めようとするが、
彼女は、まだ言い足りないらしい。
「もう少し言わせて頂戴ね。
私が戦闘の事できつく言うのは、シンジ君にケガしたり……
死んだりして欲しく無いからなの。まあ…失敗する事もあるけどさ…。」
「それとね、『家族』って言ったのは、私の本当の気持ちよ…勿論、同情や監視云々が全く無い訳じゃないけどね。」
「…私ね…シンジ君の歳からずっと独りで生きてきたわ。」
「とても寂しかった。」
「だから、だからね、『家族』が欲しかったのよ。」
「疲れて帰って来た私を笑顔で迎えてくれたり、一緒に笑ったり泣いたり出来る『家族』が……」
538 :
冒険中年:2011/09/02(金) 19:31:17.60 ID:CNFRV60z
シンジとヒカリの物語 六話 出会い…そして……触れ合い (後篇)-05
シンジはミサトをじっと見つめているだけだった。
自分の事だけを考えてミサトの事を判ろうとしなかった自分が、何だか恥ずかしい。
「シンジ君…これからどうするのか、どうしたいのか自分で決めていいわ。」
ミサトもシンジを見つめている。
「ミサトさん……」
シンジが口を開いた。
「僕は…いえ…僕を、またエヴァに、初号機に乗せて下さい。」
「そして……もし良かったら、僕をミサトさんの『家族』にして下さい。」
「お願いします……僕はここに居たいです……」
『護りたい人がいる。』と言わなかったのは、余り軽々しく口にしたくなかったからだ。
言い終わると、シンジはミサトに頭を下げた。
ミサトの目が潤んでいる。
「ありがとう…シンジ君…」
シンジはミサトに抱き締められていた。
大人の女性の豊満な身体の感触と匂いに包まれ、心地良さを感じている。
そして、ヒカリにちょっとだけ済まない思いがする。
それが何故なのか、その時は理由が判らなかった。
「じゃあ、帰りましょう……私達の家へ……」
シンジは無意識のうちにミサトの隣を歩いていた。
つい先日までは後を付いていっていたのに。
それに気が付いたミサトは、ほんの少しだけ、嬉しく思った。
「碇、これは本当かね?シンジ君が、ガールフレンドを助ける為に暴漢を殴ったというのは。」
ここは広大な司令室。
保安部からの報告書に目を通した冬月がゲンドウに声を掛ける。
「親は無くとも子は育つものだな……」
「それとも、“男子三日会わざれば”、というべきか?どうだ?碇……」
ゲンドウは特に何も言おうとはせず、代わりにいつものポーズのまま、口を歪めてニヤリとしただけだった。
その意図するところは、長い付き合いの冬月にも良く判らなかった。
【シンジとヒカリの物語 六話 出会い…そして……触れ合い (後篇) 終了】
539 :
冒険中年:2011/09/02(金) 19:37:21.70 ID:CNFRV60z
六話……投下しました。
皆様、色々御意見ありがとうございます。
文句言ってたけど読み物としてなら凄く楽しい。
逆にエロ入るのが微妙に残念に感じる。
小説みたいでいい!
>>539 今回もいいね!
ただヤってるだけじゃない、ただイチャコラしてるだけじゃない、こういう話の造りの上手い作品は見てて惚れ惚れする
GJでした!
あーこれは普通にストーリーを楽しみたい。いいんちょのブサ顔でセックスは想像したくない
楽しいからエヴァスレでやれば良かったのに
>>539 漢シンジの裏でミサトさんが微妙にカワイソスw
意味深な笑みを浮かべるゲンドウまで出てくるとは思わなかったw
このままIF世界でどこまで進むのか気にはなるな…
あとはエロを…
544 :
冒険中年:2011/09/03(土) 18:04:18.33 ID:4y4ZwQNH
シンジとヒカリの物語 七話 間奏-01
「あーいい気持ち……」
ヒカリが、最近、女らしさを増した裸身を横たえているのは、葛城家の風呂である。
ベッドでシンジにたっぷり愛された後で、ゆっくりと、この風呂に入るのが好きなのだ。
理由は簡単。
脚を伸ばしてゆったりと入れるからである。
ヒカリの家は一軒家なのだが、いささか古いタイプの家なので、風呂場は広くは無い。
湯船も小さいから、所謂、体育座りで浸からねばならないのだ。
出来れば毎日この風呂に入りたい、などと、つい考えてしまう。
(それにしても……)
(あの時のシンジ、素敵だったな。)
(みんな見て見ぬ振りしてたのに、シンジだけが助けに来てくれた。)
(シンジに会えて良かった。)
(もし会えていなかったら、シンジが他のクラスだったら、なんて考えたくない。)
さっきベッドで見た夢…シンジとの出会いと触れ合いの記憶をヒカリが反芻し始めた時だった。
その時、がちゃっ、と風呂場のドアが開いてシンジが入って来た。
勿論何も身に付けてはいない。
545 :
冒険中年:2011/09/03(土) 18:05:58.88 ID:4y4ZwQNH
シンジとヒカリの物語 七話 間奏-02
「いやっ!見ないで!」
何度もシンジと肌を合わせ、ベッドを共にしているヒカリなのだが
明るいところでは、シンジに裸はおろか、下着姿すら見せた事は無い。
自分のプロポーションに余り自信が無くて、恥ずかしいからなのだ。
「一緒に入ろうよ。いいでしょ?」
シンジは、ヒカリが了解する前に、じゃぼじゃぼと湯船に入って来た。
股間のモノは隆々といきり起ち、天を見上げている。
「だめよっ!来ないで!」
ヒカリは湯船から逃げようとするが、
シンジに後から抱き締められ、そのまま湯の中に戻されてしまった。
「ああっ……」
「いやっ…お風呂の中なんて……」
ヒカリが幾らもがいても、
最近ネルフでのトレーニングで、めきめきと力をつけているシンジには敵う筈も無い。
「よく温まらないとカゼをひくよ。」
そう言いながら、シンジは右手で恥丘を包み込み、左手は乳房を鷲掴みにしていた。
唇は、おさげを解いた黒髪をかき分けて、首筋と右肩に繋がる美しいラインを往復している。
そして、突き上げる様にいきり立つモノが尻に当たる。
ヒカリは少しだけ仰け反って悦びの声を上げた。
「あ…あっ……うゥっ!」
(は、恥ずかしい……)
「こんなの…やあっ……あああ……」
(でも…きもちいい……)
花びらの合わせ目と、その近くにある快楽の真珠が中指でなぞられ、
人差し指と親指で乳首が摘まれる。
時折、右手と左手の役割が交換され、左肩から首筋へのラインも唇の愛撫の恩恵を受ける。
その度に、少女とは思えぬ艶めかしい声が、可愛らしい唇から洩れ出て来る。
546 :
冒険中年:2011/09/03(土) 18:07:36.24 ID:4y4ZwQNH
シンジとヒカリの物語 七話 間奏-03
シンジは、ヒカリの、この声が堪らなく好きなのだ。
この声を聴く度に全身に、殊に下半身に力が漲る気がする。
「ヒカリ、好きだよ……」
シンジが耳元で囁いて、吐息をふっと掛ける。
「あん!」
ヒカリの肢体がふるふると震えた。
「……わたしも…シンジが好きよ…」
ふたりの唇が重なり、舌が絡み合う。
二種類の唾液が行き来する。
「ごめんね…ヒカリ…でも、見たいんだ。」
「ヒカリの裸を…」
ヒカリの唇を解放したシンジは、また囁いた。
吐息がヒカリの可愛らしい耳をくすぐる。
「わたし…恥ずかしいの…プロポーション、自信無いから……」
ヒカリが呟くようにシンジに返した。
シンジは、ヒカリの身体をぎゅっと抱き締めた。
「ヒカリの身体、綺麗だよ。自信を持っていい。…でも……」
「でも?」
「他の奴には、絶対見せたくない!」
「シンジ…ありがとう…」
ヒカリは身体をくるりと回して、シンジにしがみつく様に抱き付いた。
547 :
冒険中年:2011/09/03(土) 18:09:10.12 ID:4y4ZwQNH
シンジとヒカリの物語 七話 間奏-04
「やっぱり、恥ずかしいわ……」
湯船の縁に腰掛けたヒカリは、俯いたまま呟いた。
「ヒカリ…綺麗だよ。」
シンジは跪くと、ヒカリの閉じられた二つの膝頭に交互に口付けする。
「ああ……」
声を上げたヒカリにシンジは話し掛けた。
「ねえ、脚を開いて。ヒカリ…見たいんだ。ヒカリの『あそこ』が。」
「い…イヤぁ…」
だが、言葉とは逆に、ヒカリのほっそりとした両脚は、徐々にゆっくりと開かれていく。
そして…見えてくる。
白い太股の奥に、まだ薄い漆黒の草むらでは隠しきれない肉色の二枚の花びらが。
シンジは、その美しさに見とれてしまう。
「イヤ…見ないで……」
だが、ヒカリは自ら脚を閉じようとはしない。
「綺麗だ……」
シンジは、その美しさに魅入られた様に太股の奥までにじり寄り、花びらに口付けをした。
ちゅっ、と音を立てて。
548 :
冒険中年:2011/09/03(土) 18:10:34.44 ID:4y4ZwQNH
シンジとヒカリの物語 七話 間奏-05
「ああっ!」
快感の電流がヒカリの全身を駆け抜ける!
「いやっ!こんな明るいところで…いやあ……」
シンジの舌は花びらを舐める。舐め続ける。
そして、その舌の動きはヒカリの蜜を呼び覚ます。
ぴちゃぴちゃ…ちゅうちゅう…ぴちゃぴちゃ…ちゅうちゅう…
溢れだした蜜を舌が舐め取り、唇が吸い立てる。
「ああっ!……ああん!」
ちゅうちゅう…ぴちゃぴちゃ…ちゅうちゅう…ぴちゃぴちゃ…
「いやっ!吸っちゃ…イヤあ!」
ヒカリが震え出した。
「ああっ…だめっ!」
「い…いく……イク…イクうっ!!」
悦びの高みに届いた証の様に、後に仰け反るヒカリ!
「あっ!」
シンジが咄嗟に立ち上がって抱き留める!
「大丈夫?」
「うん…大丈夫。」
「とっても、とってもよかったの……だから…イっちゃった……」
ヒカリは、はあはあと大きく肩で息をしながら、恥ずかしそうに微笑んだ。
549 :
冒険中年:2011/09/03(土) 18:13:33.70 ID:4y4ZwQNH
シンジとヒカリの物語 七話 間奏-06
「えっ?…ここで、スルの?」
シンジの提案にヒカリは困惑を隠せない。
元々潔癖症であり、つい先日までは処女だったヒカリは、
『セックスは、薄暗い部屋でベッドもしくは布団の上でするもの』と思っている。
こんな『明るい場所』で、ましてや『風呂場』で『スル』など、
『常識外の行為』としか思えないのだ。
「いやっ…そんなヘンタイみたいな事、いやよ…」
声は小さいが拒絶の言葉を漏らすヒカリを、シンジはきつく抱き締めた。
ヒカリの腹に、いきり立つシンジのモノが当たる。
「大丈夫だよ…僕に任せて。」
と言うなり、シンジはヒカリの身体を風呂場の壁に押し付けた!
すかさずヒカリの右膝の後ろに左手を入れて持ち上げる!
「えっ?何…」
『何するの』と言う前にシンジのモノが正面から入って来た。
「ああっ!」
「いやっ!」
経験済みの騎乗位とも違う、突き上げられる感覚。
しかも片足だけで立たされる不安定さ。
そして壁に押し付けられる圧迫感。
それらが複合的相乗的にヒカリに襲い掛かってくるのだ。
「あああ………」
(………これって………)
ずん!ずん!
シンジが腰を使う度に、ヒカリの身体が少しだけ浮き上がる。
その浮遊感も加わる!
550 :
冒険中年:2011/09/03(土) 18:15:02.67 ID:4y4ZwQNH
シンジとヒカリの物語 七話 間奏-07
「ああん!」
(何なの?でも………)
ずちゃっ!ぬちゃっ!と、いやらしい音。
(………どうしてなの?…)
「あううううっ!」
(…いいわ…きもちいい………)
沸き起こる快感に、ヒカリはお返しとばかりにシンジの背に爪を立てた。
「つっ!」
シンジは苦痛を感じながらも腰を打ちつけて、ヒカリを突き上げる!
「あん!………あはっ…んンっ!」
(そう…これって……あの映画と…同じ………)
ヒカリの朦朧とする意識の中に蘇るひとつの記憶。
それは去年だと思う。
姉と一緒にテレビで観た映画の1シーン。
ヒロインの美女が、恋人の目の前で悪人にレイプされる場面。
今の自分と同じ様に壁に押し付けられて、脚を持ち上げられて………
『不潔よっ!』と言いながらも、とても興奮して観たのを思い出した。
「あああああ………」
(わたしも…同じ……)
映画のヒロインはブラウスを破かれ、スカートを捲り上げられての事だったのだが、
それは些細な事だ。
「あうううううう………」
(わたし…レイプ…されてるんだ!シンジに!!)
そう思った時、ヒカリの快感曲線が急激なカーブを描いて上昇を始める。
「あ!あ!あん!ああん!!」
壁に押し付けられた身体が、ぶるぶる震えた。
551 :
冒険中年:2011/09/03(土) 18:18:58.83 ID:4y4ZwQNH
シンジとヒカリの物語 七話 間奏-08
(……わたしって………)
「もう…い、く…イク……」
(……レイプ願望あるんだ……不潔よっ…)
「イっちゃううううううううううーっ」
ひと際高い声を上げて快感の絶頂を極めたヒカリ。
シンジも我が身の限界を悟り、大慌てでヒカリの脚を下ろして、花びらからモノを抜き去る。
ヒカリは絶頂に辿り着いた代償として全身の力を失い、風呂場にへたり込んでしまった。
とろん、とした顔でシンジを見上る。
その表情も、とても可愛らしい。
シンジと目が合ったと思った、その時、いきり立つシンジのモノが決壊した!
どぴゅうっ!とばかりに放出された白く熱い粘液は、
放物線を描いて飛ぶと、手近な目標に、びちゃあっ!と着弾した。
何が起こったのか、とろん、としたままで把握できないヒカリ。
シンジは、何か困った様な苦笑いを浮かべている。
そして数分後、
自分の状況を正確に把握したヒカリは、大きく息を吸い込むと得意のセリフを言い放つ事にした。
それは風呂場のみならず、主不在の葛城家に木霊した………
風呂場に向かおうと冷蔵庫から一度は顔を出したペンペンだったが、その日は風呂を諦める事にした。
以後彼は、最近住み付いた人間の若いオスが同じく若いメスを連れて帰って来た時は、
決して風呂に入ろうとはしなかったという。
今度こそと身を清めたヒカリが、シンジの腕で『お姫様抱っこ』でベッドに運ばれ、
夢の世界へと旅立ったのは、それから更に1時間ほど後の事だったらしい。
(もし夢が自由に見られるならさっきの夢の続きの夢にして下さい。)
シンジの腕を枕にヒカリは願うのだった。
その夢とは、シンジとヒカリの忘れられない思い出のひとつ。
シンジとヒカリと友人たちとの絆の事。
【シンジとヒカリの物語 七話 間奏 終了】
552 :
冒険中年:2011/09/03(土) 18:23:20.66 ID:4y4ZwQNH
七話…投下しました。
皆様、暖かい御意見、色々ありがとうございます。
とても嬉しく思っております。
色々御指導宜しくお願いします。
八話は明日投下予定です。
>>552 エロパートキタコレ
最高にGJだ!
あんな初々しかった二人がこんなことを…と思うと昂る
エロなしパートの話が深いからこそだよ、これ
これからも楽しみにしてる
( ;∀;) イイエロバナシダナー
ミサトの風呂につかるとか許せん。そこでヤるバカ二人。
不細工ヒカリとなんてできるか。気持ちワリィ。続き読まね
556 :
冒険中年:2011/09/04(日) 18:28:14.79 ID:/lft1Qku
シンジとヒカリの物語 八話 誕生!トリオとカップル-01
「ヒカリ!大変よ!碇君が久しぶりに来たと思ったら、鈴原君と相田君に何処かに連れて行かれたのよ!」
昨夜の事件で少々朝寝坊したヒカリが、少し赤い目を擦りながら登校すると、
クラスの女子の一人が大慌てでやってきて一気に捲し立てた!
「何ですって!!」
(碇君が危ないわっ!)
ヒカリは鞄を机に置くなり、教室から飛び出した。
普段は廊下を走る生徒を注意している事など、きれいに忘れ去った様だ。
「きっと屋上ね。」
この時間に一番人目の無いのは屋上なのだ。
そう確信したヒカリは階段を駆け上がる。
スカートが脚や膝に纏わり付いてくるのがもどかしい。
(早く、早く行かないと!また碇君が!)
やっと屋上出入り口に辿り着いたヒカリは、
まるで蹴破る様に重い鋼鉄製のドアを開け放った!
そこでヒカリの円らな瞳に映った光景は…………到底信じられないものだった。
557 :
冒険中年:2011/09/04(日) 18:29:55.63 ID:/lft1Qku
シンジとヒカリの物語 八話 誕生!トリオとカップル-02
「オノレという奴は、やっぱり根性ババ色やな!」
「何だよ!トウジだって似た様なもんじゃないか!」
シンジもトウジも10年来の親友の様に打ち解け合い、じゃれ合っていたのである。
少し離れてケンスケが面白そうに見守っている。
勿論カメラを向けているのは言うまでも無い。
「何よ……これ……」
ヒカリは全身の力が抜けた様に、その場にへたり込んだ。
(でも、とても楽しそう……碇君て、あんな風に笑うんだ。)
屈託の無い笑顔を見せるシンジの姿に、ヒカリは目が離せない。
存在に気が付いたのか、ケンスケがヒカリに話しかけてきた。
「おはよう、委員長。笑っちゃうだろ?これ。でも、5分前まで殴り合ってたんだぜ。」
言われてみれば、二人とも顔が腫れている。
ヒカリはケンスケの次の言葉を待った。
「俺達さ、この前のシンジの戦い、見たんだ。あいつ全然戦いに慣れていないんだよ。
そうだよな、トウジに殴られっぱなしな位なんだから。」
「でも、それでも、あいつ必死なんだ。必死に何かを護ろうとして戦ってるのさ。」
「あいつの戦ってる姿見てたら、もう何も言えなかった。」
「必死の形相でさ、ネルフの人に逃げろって言われても逃げずに突っ込んで行って……」
「怪獣に勝っちまう様な凄い奴って判ったから……」
「だから、俺達、あいつに、シンジに謝らなきゃって、謝って、友達になろうって思ったんだ。」
「で、トウジの奴が『ワシを殴れ』って言って、シンジが殴ったら殴り返して……でも、
3分もしないうちに、ああなってたって訳さ。」
ケンスケの目に光るものが見えたのは気のせいだろうか。
昨夜、自分を護る為に暴漢と戦ってくれたシンジの姿がリフレインして、
ヒカリも目頭が熱くなるのを感じた。
558 :
冒険中年:2011/09/04(日) 18:31:47.14 ID:/lft1Qku
シンジとヒカリの物語 八話 誕生!トリオとカップル-03
「そうだったんだ…………それで碇君の戦い、何処で見たの?顔見たって?」
「悪いな、委員長。言えないんだ。“守秘義務”って奴さ……」
(くうーっ……やっと言えたね、このセリフ!)
ケンスケは念願のセリフに感動している。
その時、ようやくヒカリの存在に気が付いたシンジとトウジが
じゃれ合うのを終えて近付いて来た。
「いいんちょ、おはようさん。」
「おはよう、洞木さん……色々心配かけてごめ……」
シンジは最後まで言葉を紡ぐ事が出来なかった。
それは……
「碇君のばか!ばか!!ばか!!!
夕べだって今だって、凄く心配したのに何よ!何よ!!何よ!!!」
と、ヒカリが泣きながら抱き付いてしまったからだ。
「無事なら電話くらいしてよ!お陰でよく眠れなかったわ!!」
(注:まだシンジとヒカリは電話番号もメアドも交換していません。)
泣きながら耳元で捲し立てるヒカリに、シンジは成す術がない。
「何や?どうしたんや?いいんちょ?何かあったんか?」
「委員長!どうしたんだよ?」
トウジもケンスケも突然の事に、どうしていいのかわからない。
勿論、思い当たる節の有り過ぎるシンジでさえも、顔を真っ赤にして硬直しているだけだ。
(注:『あ、胸が当たってる……髪の毛、いい匂い……』という思考に集中してます。)
そんな中、しっかり撮影を続けているケンスケ!君は“プロ”だ!
559 :
冒険中年:2011/09/04(日) 18:35:18.88 ID:/lft1Qku
シンジとヒカリの物語 八話 誕生!トリオとカップル-04
「シンジ!何があったんや?」
「そうだぜ、シンジ!白状しろ!そうすれば楽になるぜ!」
ヒカリは泣き続けているので、追及の矛先をシンジに向ける二人。
これは至極当然の行為であろう。
「あのさ……」
何か言おうとしたシンジだったが、ヒカリの目が『何も言わないで』と、
訴えているのに気付いて、結局口を噤んでしまう。
「何やシンジ!男らしゅうないで!はっきりせんかい!」
声を荒げるトウジ。
「ごめんね……鈴原君、相田君、“守秘義務”なの。」
やっと泣き止んだヒカリの一言。
「まあ、いいんじゃない?トウジ。そう言う事にしとこうよ。」
「しゃーないな、ケンスケ。そうするわ。」
納得せざるを得ない二人。
だが……
「……って、やばいよ!1時間目、半分終わってるぜ!」
ケンスケのその一言に全員が蒼くなって教室に駆け戻ったのは言うまでも無い。
560 :
冒険中年:2011/09/04(日) 18:37:10.58 ID:/lft1Qku
シンジとヒカリの物語 八話 誕生!トリオとカップル-05
しかし、教室では事情を全く知らない善意?の生徒たちによって構築されたストーリーが、
担任の老教師に報告されていたのだ。
それは……
トウジとケンスケが転校生のシンジを巻き込んで何か良からぬ事を企んでいて、
委員長のヒカリは、その責任感から、単身、彼らの野望を食い止めに行った……というもの。
「ほう……そうなのですか。それはいけませんね。洞木さんは一人で大丈夫なのでしょうか?
でも、もう少し様子を見た方がいいですね……」
何かとんでもないストーリーだが、納得されてしまうのも普段からの行いと人望の差とでも言えばいいのだろうか?
(納得の仕方にも問題はあるような気がするが。)
で、教室に駆け戻った4人を待っていたのは、老教師の賞賛と叱責の言葉だった。
賞賛の言葉は、勿論ヒカリのみに向けられたものである。
目が泣き腫らした様に赤いのも、泣きながら悪事を思い留まる様に説得したのだと誰もが思った。
残りの3人に対しては、同じ内容が無駄に5回は繰り返される叱責の言葉と、
午前中の授業を教室の後ろで立って受けるという罰則だった。
ケンスケとヒカリが反論を試みたものの、聞こえないふりをされてしまった。
(本当に聞こえなかった可能性も否定はできないが。)
トウジとシンジの顔が少々腫れている事など気付く者は誰もいない。
言い終わると、老教師はまた雑談に戻った。
誰もが、いつもと同じと思ったが、ほんの少しだけ、それは違っていた。
「私の若い頃、そう根府川に住んでいる頃ですね……“3バカトリオ”というお笑い芸人がいましてね……」
「君達3人にそっくりです……」
老教師がそう言った事から、彼ら3人を“3バカトリオ”と呼ぶ様になったとか…………(ウソです。)
だが、この一件は彼らの友情を、より深める事になったのは言うまでも無い。
561 :
冒険中年:2011/09/04(日) 18:39:02.73 ID:/lft1Qku
シンジとヒカリの物語 八話 誕生!トリオとカップル-06
「起立!礼!」
そして、やっと今日の授業を終えるヒカリの号令が掛かった。
(やっぱり、今日の号令は一味違うな。)
ケンスケと一部の女子生徒がそう感じた時、
何も感じていない男が、もう一人の何も感じていない男に話し掛けていた。
「シンジ!今日ヒマやったらケンスケと三人で遊びに行かへんか?」
「ごめん、トウジ。今日は洞木さんと約束があるんだ。」
「何やそれ!オノレは男の熱い友情より女を取るんやな!」
「そんなんじゃないよ。洞木さんの家の近くに、
安くておいしい肉や魚、野菜を売ってるお店があるって言うから教えてもらうだけだよ。」
「今日は夕方のタイムサービスもあるらしいし……」
「何や、色気でのうて食い気かいな。なっさけないのう。」
と、そこでケンスケが介入する。
「トウジ、諦めろよ。別の日でもいいじゃないか。シンジにも都合の悪い時だってあるさ。」
「せやけど、今日はワイらが初めて友情を確かめ合った大事な日やで!」
「いいじゃないか。俺達の友情は明日も明後日も続くんだし。」
「まあ…しゃーないなぁ…次はワイらに付き合うんやで。」
「ごめん、トウジ。ありがとう、ケンスケ。」
シンジは誘ってくれたトウジに詫びを、助け船を出してくれたケンスケに礼を言った。
友達になったその日に誘ってもらえるなんて、初めての事だ。
いや、それ以前に、この街に来る前は友達などただの一人も居なかったのだから。
家に帰ったらミサトに、いや不仲な父親にさえ報告したいくらいに嬉しい事なのだ。
562 :
冒険中年:2011/09/04(日) 18:41:36.72 ID:/lft1Qku
シンジとヒカリの物語 八話 誕生!トリオとカップル-07
だが、シンジにはヒカリに誘われた事が何より嬉しかったし、随分と心配させてしまったという思いもある。
(もう洞木さんを泣かせたくない。)
何度も泣かせてしまった、おさげの少女。
自分の為に泣いてくれた少女、これもシンジの人生で初めての存在なのだ。
だからヒカリを護りたい、いや護らねばならない。
自分はその為にこの街に居て、その為にエヴァに乗る!そう決めたのだから。
「碇君!お待たせ!」
帰り支度の出来たヒカリがシンジの元へ小走りにやってきた。
満面の笑みを湛えて。
それを見たケンスケはその笑顔が、
自分やトウジに向けられるものとは全くの「別物」である事を感じ取っていた。
そして、シンジがあのロボット、エヴァンゲリオンの中で必死になって護ろうとしていたのは、
世界の平和でも、臨時に乗り込んだ自分達などでも無く、この笑顔の少女である事も。
彼は伊達にカメラを持っている訳では無いのだ。
「じゃあ、またね、トウジ、ケンスケ。」
「じゃあ、またね、鈴原君、相田君。」
同じ様な挨拶を同じ様なタイミングでして、シンジとヒカリは帰って行く。
おそらく意識してはいないだろうに、もう手を繋いでいる。
563 :
冒険中年:2011/09/04(日) 18:44:08.34 ID:/lft1Qku
シンジとヒカリの物語 八話 誕生!トリオとカップル-08
「さいなら―シンジーいいんちょー」
「またな!シンジ、委員長。」
不揃いの挨拶を返して見送るトウジとケンスケの耳に、
もう「ふたりの世界」に突入した、シンジとヒカリの会話が聞こえてきた。
「ねえ、洞木さんちの今日の夕食は何にする予定?」
「そうねえ……」
「うちは魚にしようと思うんだ。最近肉が続いたから。」
「いいんじゃない?でも献立はお店に行ってから決めた方がいいのよ。」
「え?どうして?」
「だって、献立を決めてから行ったら、その食材が高くても買ってしまうかもしれないでしょ。」
「あ!そうか!…まだまだ勉強が足りないや。」
「ねえ、碇君。何か判らない事があったら、わたしで良ければ何でも訊いてね。」
「うん、そうするよ。ありがとう、洞木さん。」
564 :
冒険中年:2011/09/04(日) 18:46:35.41 ID:/lft1Qku
シンジとヒカリの物語 八話 誕生!トリオとカップル-09
「何や、あれ?ほんまに中学生の会話かいな?」
「う〜ん、ビミョーだね。でもいいんじゃない?」
「何でや?」
「シンジと委員長だから!」
「せやな……」
今日、ここ第三新東京市に、
エプロンのとても良く似合う中学生の、
いや、小さな主夫と小さな主婦のカップルが誕生した。
それは3バカトリオ誕生と同じ日であった事は意外に知られていない。
「なあ、ケンスケ。これから二人で遊びに行かへんか?」
「いいけど。何で?」
「『祝い』や!」
「何の?」
「決ってるやろ!シンジといいんちょの『祝い』や!」
「いいねえ!付き合うよ!」
シンジとヒカリの事が、何故かこの二人には我が事の様に嬉しかった。
二人はシンジとヒカリが歩いて行ったのとは別の方向に走り出した。
何をして遊ぶかを考えながら。
565 :
冒険中年:2011/09/04(日) 18:50:00.93 ID:/lft1Qku
シンジとヒカリの物語 八話 誕生!トリオとカップル-10
「どうやら、シンジ君がこの街に、ネルフに残ってエヴァに乗るのは、
可愛いガールフレンドを護りたいからの様だね。」
「それにシンジ君はガールフレンドだけでなく、良き友人達も得た様だな。」
「お前も“親としては”嬉しかろう………」
「だが、これでは後になって我々のシナリオに影響は無いだろうか?」
冬月が書類の山に向かいながら、
隣の、自分の物より遥かに大きなデスクに陣取るゲンドウに話し掛けていた。
ゲンドウはサングラスを掛け直すと、
電話とPCの他には何ひとつ載っていないデスクに肘を付いて返した。
「問題無い……誤差の範囲だ。」
「次は、レイに接触させる。」
冬月と目を合わせる事は無かった。
冬月は愛用のマグカップに残っている、冷めたブラックコーヒーを一気に呑み干した。
そのカップが、かつて愛した女性から贈られたものである事は、彼以外は知る事は無い。
【シンジとヒカリの物語 八話 誕生!トリオとカップル 終了】
566 :
冒険中年:2011/09/04(日) 18:52:10.71 ID:/lft1Qku
八話……投下しました。
皆さん、ご意見ご感想ありがとうございます!
いつまで続くのー?
長編でダラダラするならブロクでやってくれないかなー。
なんか周りも巻き込んで動かすみたいだしこの板に不向き。委員長が可愛い?(笑)
時系列もよくわからんし。ちょこまか投下で長編は止めてくれ。無理に本編ぽくしなくていいしそう言う話ならいくらでも他であるから。
空気嫁
と空気読めない奴が申してるけど、ほっといて頑張れ
楽しいけどちょっとエロパロ向きじゃないのは同意。エヴァ本スレのノンジャンルに書き込みすれば神レベル。
場面が飛び飛びは良く使う手だけど上手く生かす作者は少ないな。
レイもシンジに惚れてお約束のハーレムか。。。護るより守るの方がしっくりくる
ビミョーにミサトシンジの長編名作(未完)パクってる。ヒカリはナイわ。トウジヒカリに何故しない?
いいじゃんヒカシン
エヴァゲーの初代にだってあったんだ
改行の多さとエロシーンのオノマトペには閉口
ソバカスおせっかいブスがキライ。シンジは美女美少女と絡んでこそ活きる
まあレイアスカでてきて迫られても「僕
にはヒカリだけだよ☆」ってなるんだろうけど。
ヒカリがションベン臭くてやだな。全体的に臭そうw
やっぱアスカだな。それ以外需要ナシ
ID変えてまでご苦労様だな
SS書いてる人は乙
ヒカリアンチうぜー
冒険中年氏GJ
やっかみは気にしないで
どうでもいいが3、4回にまとめてくれ。
次の人マダー?
アスカジ希望
アスカジって、鬼畜な加持さんにコマされるアスカ、しか思い出せない
正統派は貞版よろしく寸止めになるが、エロパロ的にはどっちがいいのだろう
うーん。ベタだが酒に薬を入れて失神した加持にアスカが迫る…って感じ?してくんなきゃコロシテルヤンデレ満載で
>>582 なにその萌え展開
シンジ×ヒカリ読みやすいです。トウジを健気に思うヒカリが好きだからちょっと複雑ですが。本編は本編、こっちはこっちで楽しみましょ〜
エヴァ初号機と弐号機がセクロスして乗ってるシンジとアスカもシンクロで擬似セクロス体験みたいな話どっかにないかな?
>>582 逆レイプしかも眠姦か…
漫画ならいいんだが、文章だと視点をどう置くかが問題だ
失神した加持は駄目だし、ヘタにアスカ視点にすると、「加持さんとヤッてる」妙な気分になりそうだw
こんなのは?
場所は月夜のOTRの飛行甲板でアスカは加持の見てる前で水兵に輪姦される。
複数はアスカ可哀想。
取り敢えず投下してくださっている人がおられるから続き楽しみです。
最近管理人さんいらしてませんね。心配です
>>586 ビデオ版の追加シーンで?どんだけ鬼畜かつ愛の無い加持なんだw
鬼畜加持で妄想していたら、電波一個受信した
ガンスリもどきで
ゼーレの秘密に迫るためにアスカを道具扱いで、酷使する加持
任務完了のご褒美セックスのために、ハニートラップから殺しまで身を捨てて実行するアスカ
愛の無い2人
>>587 そういや、ご無事だろうか
加持ミサ ミサシンの職人さんはまだかなまだかな。久々ミサシン書いてホスィ
ミサト書く人は本スレの話も良かったよ。女目線のミサトとアスカはかわええ
冒険中年氏、周りの雑談は気にせずヒカシン投下継続してくれい
雑談にとらわれすぎてブレるのが一番よくない
乙
感謝いたします
>>592 本当にいつもお忙しい中、ありがとうございます。
>>592 いつもありがとうございます。
お疲れ様です
596 :
冒険中年:2011/09/07(水) 18:09:35.12 ID:AuoHFt/Q
シンジとヒカリの物語 九話 接触-01
順調に始まったと思われたシンジとヒカリの交際。
だが、お互いが主夫と主婦であり、シンジがエヴァがらみの実験や訓練に相当の時間を取られ、
また、中学生であるから勉強もせねばならないという身の上では中々進まない。
はっきりとした告白の無いまま二週間が過ぎ、ヒカリが悶々とし始めた頃、やっとシンジがはっきりと告白してくれた。
その時にファーストキスも経験し、ヒカリは夕陽を浴びて感激の涙を流した。
お互いを呼ぶのも『碇君』、『洞木さん』から『シンジ』、『ヒカリ』になった。
初めは、かなり照れたし、周囲からも冷やかされた。
しかし、時間の経つうちに慣れていき、今では2-A唯一の公認カップルとなっている。
だが、それからの進展は余りない。
ファーストキスから二カ月も過ぎたというのに。
せめて毎日学校で会えるとか、毎日買い物が一緒に出来るとかすればよかったのだろうが
それすらもままならない。
ちょくちょくと言うか面白い様に(失礼!)シンジにネルフからの呼び出しが掛かるのだ。
頭では事情は判ってはいるのだ。だが、こころでは、そうはいかない。
ヒカリの小さなこころの水面に小さなさざ波が立ち始めていた。
これは、そんな時のお話。
597 :
冒険中年:2011/09/07(水) 18:11:01.48 ID:AuoHFt/Q
シンジとヒカリの物語 九話 接触-02
今夜は、「シンちゃんの自慢の彼女のヒカリちゃんに会わせて!」というミサトの強い希望を訊いて
シンジとヒカリは、少ない時間をやり繰りして食事会を開いた。
同じくヒカリに会ってみたいというリツコも招いて。
当初はミサトも自慢の手料理を披露すると主張していたのだが、
シンジの「ミサトさんは主賓ですから」の一言で何とか断念してもらう事が出来た。
本人はとても残念そうであったのだが。
シンジもヒカリもプレゼントし合った色違いのお揃いのエプロンで、葛城家のキッチンに立つ。
ふたりで料理をするのは初めてなのだが、そうとは見えない見事なコンビネーション。
ヒカリの確かな技術とシンジの適確なサポートで、短時間のうちに、見事な料理が仕上がった。
ブリ大根、きんぴらごぼう、肉じゃが、ほうれん草のおひたし、お豆腐のお味噌汁
お漬物はヒカリが持参した自家製、etc.
皆、素朴な和食の家庭料理。
だが、箸をつけたミサトもリツコも、シンジでさえ、言葉を失った。
とても中学生の料理とは思えない。
どこかで食べた様な、懐かしい味。
職人技の様に洗練されているのとは違う、温かく暖かい味。
ミサトは亡き母を、リツコは疎遠になった祖母を、シンジは知らない筈の亡き母を想った。
3人のその表情を見て、ヒカリもとても満足そうに微笑んだ。
料理を盛った大きな皿は次々と空になっていく。
「くわわわっ!!」
ペンペンもご機嫌だった。
ご主人と彼の二人?暮らしの時は、美味しい食事にありつく事は出来無かった。
だが命を長らえる為には、何でも口に入れなければならない。(それが元で危険な目にも合ったが)
最近、人間の若いオスが住み付いて食生活は飛躍的に改善され、毎日の食事が楽しみになった。
そして今日現れた若いメスの作ってくれた食事は、彼にとっても一段と美味しいものだったのだ。
この様な食事が毎日食べられたら、きっと大空を舞う事だって出来るに違いないと思う。
彼はこの若いメスの顔を決して忘れない様にしようと心に誓うのだった。
598 :
冒険中年:2011/09/07(水) 18:13:30.14 ID:AuoHFt/Q
シンジとヒカリの物語 九話 接触-03
「ほんとに美味しいわ!こういう時のビールって特に美味いのよね♪」
「ミサト!いい加減にしなさい。今日はヒカリさんもいるのよ。」
「本当ですよ、ミサトさん。」
「ううう…し、シンちゃんまで…おねーさん悲しいわ。」
「あ、あの、まだお料理ありますけど……」
「じゃあ、ヒカリさん、もう少し戴こうかしら。」
「はい♪」
会話も弾む。
シンジとヒカリは、ミサトのからかいとリツコの巧みな誘導によって、
その馴れ初めから、告白の言葉、遂にはファーストキスの状況まで、事細かにすっかり白状させられていた。
この二人が取調室の刑事ならば、落とせない犯人は存在しないだろう。
「へえ〜シンちゃんがね〜」
「“男を変えるのは女”ということね。」
ミサトもリツコも、正直驚いた。
自分たちの前ではひ弱な頼りない少年が、この少女の前では“男”いや“漢”なのだという事を。
勿論、「暴漢撃退事件」の事である。
彼女たちにはこの事実は知らされていなかったのだ。
(保安部に捻じ込んでやるわっ!!)
(副司令かしら?こういう事をするのは。)
だが、その場でそれを口にする事はしなかった。
同時に、シンジがなぜネルフに残り、エヴァに乗るのかをミサトもリツコも理解する事が出来た。
あの放浪から戻って以来、シンジの訓練や実験に対する姿勢が別人の様に変わったからだ。
それまでの『命令された事には大人しく従う』のではなく、積極的に取り組むようになり、
今では質問や提案をする事も珍しくも無い。
この料理上手で家庭的なヒカリという少女を護る為に、シンジは強くありたいと願い、自らを鍛えているのだ。
ミサトもリツコも思った。
シンジはヒカリの前では“漢”の顔になり、ヒカリもシンジの前では“女”の顔をするのだろう。
それが、眩しくもあり羨ましくもある。
彼女たちには、そんな経験は無いのだから。
あの忌まわしき「セカンドインパクト」によって。
599 :
冒険中年:2011/09/07(水) 18:15:51.09 ID:AuoHFt/Q
シンジとヒカリの物語 九話 接触-04
「とても美味しかったわ。ごちそうさま。」
「流石はシンジ君の噂の彼女ね。お料理の腕は抜群ね!」
リツコは、食後のお茶を味わいながら、今夜の料理を丹精込めて作ってくれたヒカリに礼を述べた。
「これなら、いつシンジ君のお嫁さんになっても大丈夫ね。」と付け加えた一言は
当のヒカリだけでなく、シンジまで真っ赤なオブジェとする威力があったのだが。
「そうなったら、あたしも毎日ヒカリちゃんの美味しい手料理が食べられるのね!」
と、ミサトはビールを呷る。
「何っているの、ミサト!あなた、新婚家庭に居候するつもり?」
リツコはミサトをきつい調子で窘めた。
「冗談に決ってるじゃないの!」
「ミサトが言うと冗談に聞こえないわ!」
いつの間にか再起動を果たしたシンジとヒカリは、
二人の大人の女性の舌戦を笑顔で見ていた。
リツコの心は、これから行うことについての呵責を感じていた。
それを行えば、少年と少女のこころに少なからず波風を立たせるには違い無いのだから。
だが、悪魔に魂を売った男に身を委ねた彼女は、それを実行した。
僅かに残った良心の中で、ごめんなさいねと呟きながら。
600 :
冒険中年:2011/09/07(水) 18:18:25.00 ID:AuoHFt/Q
シンジとヒカリの物語 九話 接触-05
「ねえ、シンジ君。お願いがあるのだけれど。これを明日ネルフに来る前に、
綾波レイに渡してもらえないかしら?IDカードの更新版なんだけど、渡しそびれていたの。」
意味深な視線と共にリツコはヒカリと並んで座るシンジに、
綾波レイのIDカードを隣のヒカリにも良く見える様にして渡したのだった。
リツコから受け取ったカードを見詰めるシンジ。そこにはレイの写真がプリントされている。
レイの日常と同じく無表情のそれが。
無表情だが、端正な顔立ちが見えた。
(え?シンジ、まさか?)
ヒカリの笑顔に僅かな陰が差す。
「あーら、シンちゃん。大事な彼女の前で他の女の子の写真なんか見詰めちゃだめよん!」
「でもーレイはかっわいいしねぇ♪♪見てるだけだから、ヒカリちゃん、許してあげてね!」
「シンちゃん!ホントの浮気なんかしたらおねーさんが許さないんだからね♪」
ミサトの軽口もヒカリの陰を少しずつ色濃くしていく。
こころの奥のさざ波が少しずつ大きな波になって。
(シンジは、綾波さんの事、そんなに気になるの??)
「変な事言わないでよ、ミサトさん。」
「そう言う事じゃ無くて、僕は綾波さんの事、何も知らないから。」
「同じエヴァのパイロットなのに…」
実はこの時、シンジの脳裏に浮かんだのは、前回の実験の時に綾波レイと楽しげに話す、
父・ゲンドウの姿だったのだ。
実の息子の自分には掛ける言葉も無いのに、他人の綾波レイには笑顔を向ける父の姿を
想い浮かべていたのだ。
そう言えばレイも笑顔だった。
学校では決して見せる事の無い笑顔を父に向けていた・
しかし、ヒカリには、シンジとの交際が進まない事に、余りふたりで逢えない事に小さな苛立ちを感じている、
今のヒカリの目にはそうとは映らない。
真剣な眼差しでレイの写真を見詰めるシンジ。
そのこころは、自分にではなく、実はレイに向けられているのでは?という小さな疑念が、
今、生まれてしまったのだ。
601 :
冒険中年:2011/09/07(水) 18:20:52.24 ID:AuoHFt/Q
シンジとヒカリの物語 九話 接触-06
この時、シンジの心中を理解していたのはリツコだけであったろう。
ヒカリのこころに差し込んだ陰の事も。
だが、彼女は次の一言を言わねばならない。
「良い子よ、とても。あなたのお父さんに似て、生きる事にとても不器用だけど。」
リツコの脳裏には、前回の事故の際に我が身を省みずにレイを救出するゲンドウの姿が浮かんでいた。
「父さんに、ですか?」
シンジは、そう呟くように言うと、もう一度IDカードの中のレイの顔を見詰める。
ヒカリは、レイのIDカードを大事そうに鞄にしまうシンジをじっと見ていた。
もしネルフ関係の物で無かったら、自分が預かって渡すと申し出ていただろう。
ヒカリを送るシンジの後ろ姿を見ながら、タクシーを待つリツコは今日控えていた煙草に火を付ける。
煙を一息吸い込むと気持ちが、やっと落ち着いた。
だが、罪の意識までは消える事は無い。
(ごめんなさいね……シンジ君…ヒカリさん…)
リツコは二本目に火を付けた。
シンジに送られて家に帰ってきたヒカリだったが、気分は今ひとつ晴れなかった。
帰り道にキスしてくれるかと期待していたのに、はぐらかされてしまったからだ。
本当にシンジは自分の事を好きでいてくれるのだろうか。
今日は別だが、最近は学校以外で会う事は少ない。
学校ですら、シンジは休んだり早退する事も多くなっている。
そして、綾波レイ……
悶々としている時、姉のコダマが話し掛けてきた。
「どう?食事会、上手くいった?」
「うん、シンジも保護者のミサトさんも、そのお友達のリツコさんも、
美味しいって褒めてくれて、とても喜んでくれたわ。」
だがヒカリの言葉には、何処か元気が無い。
「良かったじゃない。」
コダマは気付かぬ振りをして言葉を返してみる。
「でも、でもね、お姉ちゃん……」
ヒカリはコダマに事の顛末を話した。
602 :
冒険中年:2011/09/07(水) 18:23:33.36 ID:AuoHFt/Q
シンジとヒカリの物語 九話 接触-07
「で、ヒカリはシンジ君が、実はその綾波さんって子を好きなんじゃないかって疑ってる訳ね?」
「そ、そんな!疑ってるって程じゃ……」
「言葉のあやよ。ま、いいわ。」
「これまでお惚気を聞かされてきた情報を総合して検討すると、シンジ君はそんな子じゃ無いと思うんだけど。」
「でも……私の目の前で、綾波さんの写真を見詰めてた。」
「それってどんな写真なの?まさか水着とかヌードって訳じゃ無いでしょ?」
「IDカードの…写真……でも、とても綺麗だったわ。」
コダマはそれを聞いて表情を崩した。
「あのねえ、ヒカリ。“オトコ”ってさあ、彼女の前で平気でエッチな雑誌のヌードグラビア見る様な生き物なのよ。」
「大丈夫よ。気にする事無いって。」
「わかったわ。ありがとう、お姉ちゃん。」
ヒカリの顔が明るさを取り戻した。そして、黒い瞳が悪戯っぽく輝いた。
「ねえ、それって、お姉ちゃんの“彼”の事?」
「そ、そうよっ!そうなのよ。ほんとにイヤになるわね、“オトコ”って。」
この場で、友人の“彼”の事だとは言えないコダマであった。
「ただ、もし、もしもシンジ君が、ひとりでその、綾波さんて子に会いに行くなら要注意ね。」
姉の最後の言葉はヒカリに深く刻み込まれた。
一方、
ミサトは……
大量の皿と格闘していた。
「何であたしひとりで洗い物しなきゃいけないのようっ!!」
「シンちゃん!早く帰って来て!!」
ペンペンは満腹感と幸福感に浸って夢の世界に居た。
そして翌日を迎える。
603 :
冒険中年:2011/09/07(水) 18:25:53.40 ID:AuoHFt/Q
シンジとヒカリの物語 九話 接触-08
綾波レイは、その日、登校する事は無かった。
シンジは、時折レイの席を見ている。
隣の席にいるヒカリの視線に気付く事も無く。
余談だが、当初は離れた席にいたシンジとヒカリだったが、
2-Aクラス全員の総意により、教室中央に隣同士で座っている。
ふたりの遠距離での視線のやりとりがうっとおしい、というのもあったが、
クラス唯一の公認カップルに対する、かなりお節介な配慮でもあった。
初めは真っ赤になっていたふたりも、次第に新しい“環境”に順応していった。
担任の老教師も、『クラスの総意』という、この席替えにかなり驚いたが、
「いいですねぇ…私は皆さんが益々好きになりましたよ……」と目を細めると、いつもの雑談を始めていた。
「起立!礼!」
ヒカリの号令で2-Aの一日は終わり、シンジとヒカリは連れ立って教室を、校門を出た。
ヒカリの手はシンジの手をしっかりと握っている。
決して離さない、と言わんばかりに。
数分前、ヒカリは帰り仕度をしながらシンジに話し掛けた。
「ねえ、これから綾波さんの家に行くんでしょ?」
「うん。あのカードをネルフに行く前に渡さなきゃいけないから。」
「わたしも行くわ。このプリント、渡さなきゃいけないから。」
「それなら僕が一緒に持って行くよ。」
「いいの。これはクラス委員としての“公務”なんだから。」
『シンジひとりで綾波さんのところに行って欲しくないの』とは言えなかった。
廃棄寸前の巨大なマンション群。
そこに綾波レイはたったひとりで住んでいた。
604 :
冒険中年:2011/09/07(水) 18:28:16.06 ID:AuoHFt/Q
シンジとヒカリの物語 九話 接触-09
シンジとヒカリは驚きを隠せなかった。
中学生の女の子が、たったひとりで住めるような場所ではない。
自分なら1時間も居られ無いだろう。
そしてふたりは、ある棟の402号室に辿り着いた。
インターホンはヒカリが押した。
だが、故障しているのか、何の音もしない。
ドアポストにはチラシやダイレクトメールやらが埃だらけになって溢れていた。
こんこん!こんこん!
シンジがノックしてみる。
何の反応も無い。
「居ないのかしら?」
ヒカリはシンジに話し掛けた。
「そうなのかな?」
と、言いつつ、シンジはドアノブに手を掛けた。
回る!カギは掛けられて居ない様だ。
「シンジ!だめよ!」
ヒカリが声を上げて窘める。
だがシンジは、
「カード渡さなきゃいけないし…」と言ってドアを開けてしまう。
ヒカリも慌てて続いた。
「綾波さん、碇だけど…」
「綾波さん、洞木ですけど…」
流石に勝手に上がり込む訳にはいかないので、ふたりは三和土で声を掛ける。
1分ほど経ったろうか。
すたすた…とスリッパの足音がする。
「…何?…」
シンジとヒカリの前に、綾波レイがいつもの無表情で現れた。
ただいつもと違っていたのは、何一つ、下着の一枚すら身に付けて居ない事だけだった。
605 :
冒険中年:2011/09/07(水) 18:30:31.08 ID:AuoHFt/Q
シンジとヒカリの物語 九話 接触-10
蒼銀の髪に真紅の瞳
白磁の様な肌
歳相応だが綺麗なお椀型の乳房にさくらんぼの様なちいさな乳首
すらりとした腕と脚
ほっそりした腰
下半身の真ん中の、髪と同じ色のうっすらとした茂み
茂みの奥に息づく純白の美しい二枚の花びら
シンジは、いや同性のヒカリですら、その美しさに目を離す事が出来なかった。
どのくらいの時間が過ぎた頃だろうか、
「…何?…」
レイは何故か固まったままで自分を凝視しているふたりに、いつもと同じ様に感情の籠らない声を掛ける。
その声にいち早く現実復帰したヒカリは、「見ちゃだめっ!」とばかりにシンジに強引に後を向かせ、
「「勝手に入ってごめんなさい!」」とふたり揃って大声で謝罪した。
「あ、あのっ、プリントを届けに来たのっ」
ヒカリは狼狽しながらもレイの裸身から目を逸らして言った。
「り、リツコさんから、更新、カードを頼まれて…」
語尾をあやふやに、シンジは後ろ向きのままで言う事しか出来なかった。
レイは、目の前のふたりの級友の行動を不審に思いながらも、理由を尋ねる事はしない。
その代わりに、
「…そう…なら、そこに置いといて……」とだけ言って、すたすた、と部屋の奥に戻って行った。
ヒカリは美しい背のラインや形の良いヒップから目を離せず、シンジもちらちらと盗み見ている。
シンジとヒカリは、下駄箱の上にプリントとカードを置くと逃げる様にレイの部屋から立ち去った。
ヒカリは、シンジの手をまた、きつく握り締めた。
無言のまま、シンジとヒカリは歩き続けた。
ふと目に付いた自販機でスポーツドリンクを二本買ったシンジは、ヒカリに一本渡すと自分はぐいぐいと飲み干した。
受け取ったヒカリは、対照的にちびちびと飲む。
また、ふたりは歩き始めた。
606 :
冒険中年:2011/09/07(水) 18:33:14.49 ID:AuoHFt/Q
シンジとヒカリの物語 九話 接触-11
「綺麗だったね…」
そう、ヒカリが、ぽつり、と言った。
「何が?」
シンジが訊き返した。
「綾波さん…しっかり見てたくせに。」
「ごめん……」
「いいわ…わたし…あんなに綺麗じゃないから…」
「え?何の事?」
「知らない……」
会話が途切れたまま、ふたりは目的地に着いた。
そこはバス停だった。
ネルフに向かうシンジは、ここからバスに乗らねばならない。
「じゃあ…僕、ネルフに行くから。また明日ね。」
そう言ってシンジはヒカリから離れようとした。
が、ヒカリはシンジの手を放そうとしない。
「どうしたの?」
「行かないで……このまま、帰ろう!帰ってお買い物しよう!ねえ!いいでしょ!」
円らな黒い瞳からは大粒の涙がぽろぽろと零れている。
「ヒカリ、何言ってるの?」
ヒカリは答える代わりにシンジに抱き付くと、強引に唇を重ねた、いや、奪った、というべきだろう。
数分後、ヒカリの唇から解放されたシンジは困惑しながらも、ヒカリに優しく話し掛けた。
「一体、どうしたの?話してくれないかな?」
607 :
冒険中年:2011/09/07(水) 18:35:30.18 ID:AuoHFt/Q
シンジとヒカリの物語 九話 接触-12
「いやなの…綾波さんのところに行っちゃイヤなの…」
「え?」
「綾波さんの事、好きなんでしょ!だから、最近わたしと逢ってくれないんでしょ!」
「だから、夕べもあんなに写真を真剣に見詰めたり、今日もひとりで行こうとしたんでしょ!」
「綾波さんに会えるから、一緒に訓練できるから、ネルフへ行くんでしょ!」
シンジは今更ながら気が付いた。
自分の不用意な行動が、目の前の少女を傷つけ泣かせてしまった事に。
「心配させちゃってごめんね。でも信じて。僕が好きなのはヒカリだけなんだよ。」
「だからヒカリを護る為にエヴァに乗るんだ。その為にはネルフで訓練したり勉強したりしなきゃいけないんだ。」
「余り会う時間が無いのは済まないと思うけど。」
「だから僕を信じて、ネルフに行かせて欲しい。」
シンジの真剣な眼差しに、少し安心したのか、ヒカリは泣き止んだ。
「綾波さんと訓練で一緒になる事は、ほとんど無いよ。綾波さんはもう何年もネルフにいて訓練受けてるんだ。
まだ何カ月にもならない僕とは、当然別のメニューだよ。」
そう言って、シンジはヒカリを抱き締めようとした。
だが、間の悪い事にバスが来てしまう。
本数の少ないバスなので、これに乗らないと訓練に遅れてしまうのだ。
シンジはヒカリを放し、ヒカリは名残惜しげに離れた。
「じゃあ、行くね。ヒカリ、また明日ね。」
シンジはヒカリから離れてバスに乗り込む。
ヒカリの右手が、『行かないで』と伸ばされていた。
そのままの姿でバスが見えなくなるまで見送っていた。
そうしないとシンジが何処かに行ってしまうとでも思ったかのように。
シンジもバスの最後尾の窓から、自分を見送るヒカリを見詰めていた。
その姿が小さくなるにつれ、ヒカリが自分の前から消えてしまう様な気がした。
608 :
冒険中年:2011/09/07(水) 18:37:46.27 ID:AuoHFt/Q
シンジとヒカリの物語 九話 接触-13
ネルフに着くなり、シンジは訓練場に走る。
今日は格闘訓練。
トレーニングウェアにプロテクターを付ける。
「お願いします!!」
シンジは大きな声で教官に挨拶する。
準備運動の後、組手が始まる。
シンジの攻撃は教官に難なく止められ、態勢の崩れた処を易々と反撃され、
必死に防御している。
まだ、とても教官に勝てる技量では無いが、気持ちは負けていない。
劣勢をものともせず、教官に立ち向かっていく。
ここに初めてミサトに引き摺って来られた頃が嘘の様だ。
「シンジ君、逞しくなったわね……これも“彼女”のお陰か……」
トレーニング中の一人の女性がシンジを見ていた。
それは、あの時の保安部の女性職員だったが、彼女はシンジに近づこうとも名乗ろうともしない。
無論、シンジも、それが彼女だと気付く事は無い。
シンジが訓練に励んでいる頃、
レイはリツコの研究室で診察を受けていた。
「各数値は問題なし。順調ね、レイ。」
レイはリツコの言葉に反応する事無く、今日疑問に思った事を訊いてみる事にした。
「赤木博士…質問があります…」
「何かしら?」
609 :
冒険中年:2011/09/07(水) 18:39:29.63 ID:AuoHFt/Q
シンジとヒカリの物語 九話 接触-14
「…今日、指示通り学校を休みました…そうしたら…」
「…私の部屋に碇くんと洞木さんが来ました…それで…私をじっと見たまま…
しばらく動きませんでした…何故でしょうか?」
(あの子もレイの部屋に?予想しなかった訳じゃ無いけど、流石“恋する乙女”ね。)
そう思いつつ、リツコは考えてみた。するとひとつの疑問が…
「参考までに訊くけど、その時のあなたの服装は?」
「…シャワーを浴び終えて制服を着る前だったので…何も着ていませんでした…」
リツコは軽い目眩がした様な気がした。
「あのね、レイ。“女”はね、裸や下着姿で人前に、特に男性の前に出てはいけないものなのよ。」
「…それは命令ですか?…」
リツコは、不意に目の前の少女、いや少女のカタチをしたモノ、綾波レイが不憫に思えた。
第二使徒リリスと碇ユイの遺伝情報を元に生み出された、いや造り出された人工生命。
人類補完計画の重要なファクター…
…ヒトのカタチをしているのにヒトとしての営みすら教えられずにいる…
「命令よ。」
「…了解しました…」
「…赤木博士…私の質問の答えは?…」
「そう、そうだったわね。きっと二人はレイの裸を見て、綺麗だと思って見惚れていたのでしょうね。」
「…綺麗?…なら隠さなくてもいいのでは?…理解出来ません…」
「そうね、難しいわね。」
リツコはレイを抱き締めたい衝動に駆られたが、
瞬時に自分には、その資格すら無い事に気付き、思い留まるのだった。
610 :
冒険中年:2011/09/07(水) 18:41:57.10 ID:AuoHFt/Q
シンジとヒカリの物語 九話 接触-15
ヒカリは、再び姉のコダマに相談していた。
「そう、なんだ……」
事の次第を聞いたコダマは大きく息を吐いた。
「お姉ちゃんの…言う通りだった……」
俯いたままヒカリは呟くように言った。
「その、綾波さんの裸って、そんなに綺麗だったの?」
「うん。本当に綺麗だった。わたしなんか絶対勝てないくらい……」
「そうね、シンジ君も『オトコ』だから、全裸の美少女に迫られたら魔が差しちゃうかもね?」
コダマは元気の無い妹を茶化す様に言ってみた。
「お姉ちゃん!」
ヒカリが顔を上げて姉をきっと睨む。
「ごめんね。でも『オトコ』って、そういうところもある生き物よ。」
「でも、シンジ君、『僕を信じて』って、はっきり言ってくれたんでしょ?」
少しだけ元気の出てきた妹に安心したのか、コダマの表情も緩んだ。
「うん……」
「なら、信じてあげていいんじゃない?」
「そうね、わたし信じる。シンジの事。」
ヒカリは、ふっ、と微笑んだ。
「それがいいよ、ヒカリ。」
コダマも微笑んだ。
コダマは、自分より先に“恋する乙女”の顔になって行く妹を、少しだけ羨ましいと思った。
そして潔癖症の妹を変えていく“碇シンジ”という少年に会ってみたいとも思うのだった。
611 :
冒険中年:2011/09/07(水) 18:43:48.41 ID:AuoHFt/Q
シンジとヒカリの物語 九話 接触-16
その頃、シンジは自ら進んで追加メニューの訓練を受けていた。
流れ落ちる汗
荒い息
早く強くなってヒカリを護りたいと強く念じながら、大きな声を出した。
「教官!もう一本、お願いします!!」
「碇、シンジ君がレイと接触した時に彼のガールフレンドも傍に居た様だぞ。」
「何か拙いのではないか?」
冬月の問いにゲンドウが応える事は無かった。
唯、微動だにせず虚空をサングラスの奥で見詰めていた。
【シンジとヒカリの物語 九話 接触 終了】
612 :
冒険中年:2011/09/07(水) 18:47:03.00 ID:AuoHFt/Q
九話……投下しました。
>>592 お忙しいところを拙作をUPして頂き、誠にありがとうございます。
皆様、色々な御意見ありがとうございます。
>>592 いつもお疲れ様です
>>612 乙です
展開予想不能になってきたけど、
自己改造に励むシンジとか、不気味なゲンドウ、リツコの蠢動とか、
前倒しで親子対決か?
>>612 いいねいいね
完璧な綾波と比べて自分は…と悩み、疑いたくないのにシンジを疑ってしまうヒカリ、乙女だね
GJでした
特定キャラヘイトありなら先に宣告よろ。
ヒカリはもっと明るくシンジを尻に引きそうだが
専属慰安婦の方…新作お待ちしてます
専属慰安婦マダア?
物置からサターンの『鋼鉄のガールフレンド』が出てきた
アスカがテンプレ的ツンデレで笑える
これってマナルート、アスカルート、レイルートだけだったっけか?
たしか、その筈
ただ、マナルートが二つあるんだっけ
専属慰安婦はまだですか?
623 :
619:2011/09/09(金) 23:13:37.28 ID:2u5YQdQv
>>620 ありがとう
なんかセカンドインプレッションとごっちゃになってて、なんだかヒカリルートあったような気になってたが、ないんだね
今やるとすげえ突っ込みどころ多いわこのゲームw
シンジがDATで聞いてるの内田有紀だとか
内田有紀は本編でもそうじゃなかったか?
すまぬ間違ってageてしまった
冒険さん続き待ってるよ〜
>624
なわけねーだろ
628 :
冒険中年:2011/09/10(土) 12:38:06.00 ID:7oHe0LXs
シンジとヒカリの物語 拾話 決心と決戦と、そして……その後-01
今ヒカリはシンジの家にいる。
いつもの制服では無い、可愛らしいデザインのブラウスとスカートを身に付けて。
今日ミサトはいない。帰るのは明日の夕方だ。
ヒカリは大きな荷物と大きな決心を持ってやってきた。
家族には、「友人の家に泊まる」と言って出て来た。
だが、姉には見抜かれた様で、意味深な視線で送り出してくれた。
中々シンジに逢えない、交際が進まない焦燥感
綾波レイに対する劣等感と危機感
ヒカリは今日勝負に出る。
『勝負下着』も付けてきた。
『わたしをシンジにあげる』
それが出来れば、そんなものは総て解決だ。
それは先日の事だった。
「…あなたに聞きたい事があるの…」
他の誰も居なくなった2-Aの教室で、ヒカリはレイに話し掛けられた。
声はいつも通りの抑揚の無いものだった。
シンジはネルフでの訓練の為に早退していた。
レイがここに居るという事は、シンジの言った事が正しい証明と言える。
ヒカリは彼の言う事を信じて良かったと思いつつ、また、初めて話し掛けられた驚きを隠しきれないままに、
レイに向き直った。
「な、何かしら?」
629 :
冒険中年:2011/09/10(土) 12:39:40.54 ID:7oHe0LXs
シンジとヒカリの物語 拾話 決心と決戦と、そして……その後-02
「昨日、あなたと碇くんが私の部屋に来た時、裸の私を見たまま動かなくなった……」
「それはなぜ?」
ヒカリは狼狽する。
レイが他人に話し掛ける事は皆無と言っていい。
話し掛けられただけでも驚いているのに、その内容が訊かれたくない、思い出したく無い事だったから。
「……………………」
ヒカリは何も答え無かった。
今朝、シンジとふたりで詫びた時は「気にしてないから、いいわ。」と言ったレイが、
何故今になって自分だけに問うのか判らなかったから。
「赤木博士は、あなたと碇くんが私の裸を綺麗だと思ったに違いないと言ったわ……」
「その見解は正しいの?」
「……………………」
ヒカリは、また何も答えなかった。いや答えられなかった。
『劣等感』を触発された様な気がして、言葉が出て来ないのだ。
『私はあなたより美しいのよ!』と宣言されている様で怖いのだ。
レイはいつの間にか居なくなっていて、ヒカリはひとり取り残されていた。
のろのろと帰り支度を終えて、教室を後にするヒカリのこころには、
先刻のレイの言葉が、まるで自分に対する『宣戦布告』の様に渦巻いていた。
(綾波さん……シンジの事…)
ヒカリは茫然と立ち尽くした。
そんな事があった。
綾波さんに負けたくない……
綾波さんに負けたくない……綾波さんに負けたくない……
綾波さんに負けたくない……綾波さんに負けたくない……綾波さんに負けたくない……
そんな想いがヒカリの中で渦巻く
だから、週末のミサトの出張を聞いた時、決心したのだ。
『わたしをシンジにあげる』と。
630 :
冒険中年:2011/09/10(土) 12:41:25.57 ID:7oHe0LXs
シンジとヒカリの物語 拾話 決心と決戦と、そして……その後-03
シンジには、ただ遊びに行くとだけ言っていたのだが、
「今日、泊めて欲しいの。」
真っ赤になってそう言った時に、真っ赤になって頷いてくれた。
総てを判ってくれた様で、ヒカリはとても嬉しかった。
ふたりで、キッチンに並んで立って料理を作った。
今夜は、
さばの味噌煮、ひじきの煮物、卯の花の煎り煮、きんぴらごぼう、しじみのお味噌汁、だいこんの浅漬け
ミサトにも食べてもらえるように多めに作った。
そしてふたりで食事をした。
ふたりで作った料理はとても美味しかった。
ふたりでの食事は、新婚生活みたいで楽しくもあり恥ずかしくもあった。
流石に『あーん』の食べさせっこは出来なかったが。
ペンペンも大喜びで食べてくれた。
後片付けもふたりで済ませて、今はふたりでお茶を飲んでいる。
きょうはアールグレイ。良い香りがふたりのリビングを包む。
ペンペンは気を遣ってくれたのか、食事が済むと冷蔵庫に引き上げて行った。
そして………
シンジもヒカリも、これからどうやって次に進めばいいのか
進みたいのに、お互い切っ掛けが掴めない、そんな雰囲気が支配していた。
「ねえ、聴いて欲しい物があるんだ。」
不意にシンジがヒカリに話し掛けた。
631 :
冒険中年:2011/09/10(土) 12:43:03.18 ID:7oHe0LXs
シンジとヒカリの物語 拾話 決心と決戦と、そして……その後-04
「何なの?」
「チェロだよ。誰にも聴かせた事は無いけど、ヒカリには前から聴いて欲しいと思っていたから。」
「ちょっと待っててね。」
シンジは早速チェロを部屋から持ってきて調弦を始める。
ぎーぎーと音がする。
「聴いてくれると嬉しい。ヒカリが初めて聴いてくれる人だから。」
調弦を終えると、シンジはすぐに弾き始めた。
ヒカリの為に
ヒカリだけの為に
僕のヒカリだけの為に
そんな想いを精一杯込めて
ヒカリは目を閉じてシンジの演奏に耳を傾ける。
曲名など判らない。
だが、シンジの奏でる旋律にのって、色々な事が思い出される。
出会い 触れ合い 好意 ファーストキス 焦り 嫉妬
ヒカリはカラオケで歌うのは好きだが、チェロ等のクラシック系は正直、良く分からなかった。
でも、シンジの演奏は何か温かいものを感じる。
優しさに包まれている様な、安らかな気持ち。
本当に誰にも聴かせた事はないのだろうか?
わたしは何を焦る必要があったのだろうか?
シンジが演奏を終えた時、ヒカリは無意識のうちに手を叩いていた。
「ありがとう、ヒカリ。」
シンジはヒカリの拍手に笑顔で返した。
「ありがとう、シンジ。」
「わたしチェロの演奏を聴くのは初めてだけど、何かこう、感動したというか…」
「とても素晴らしかったわ。本当に他人に聴かせた事って無かったの?」
ヒカリは少しだけ興奮していた。
誰も知らないシンジの一面を自分だけが知る事が出来たのだから。
632 :
冒険中年:2011/09/10(土) 12:45:11.73 ID:7oHe0LXs
シンジとヒカリの物語 拾話 決心と決戦と、そして……その後-05
「うん、前にも話したけど、僕には友達が誰も居なかったからね。」
「ここに来て、ヒカリに出会った。ヒカリが初めてだったんだ。僕に優しくしてくれたのは。」
「だからヒカリを好きになった。」
言ったシンジも言われたヒカリも赤くなった。
「だから、ヒカリにだけ話すよ。僕が綾波さんのカードをつい見詰めてしまった訳を。」
「聞いてもらえるかな?」
ヒカリは真剣な顔で頷く。
シンジの告白が始まった。
「まだ、話して居なかったけれど、僕には父さんと一緒に暮らした思い出も、死んだ母さんの顔さえ覚えていない。」
「僕は父さんに捨てられたから。」
「いや、捨てられる様におじさん、おばさんの家に預けられた。本当のおじさん、おばさんかどうかも知らないけど。」
「10年、放って置かれたよ。」
「いきなり『来い』って、それだけ、別の何かの書類の裏に殴り書きした手紙が来て、ここに来たんだ。」
「それでエヴァに乗せられて、闘わされたんだ、使徒と。いやなら『帰れ』って言われて。」
「あ、使徒って、例の怪獣の事ね。ネルフではそう呼んでる。秘密だって言われてるから内緒にしてね。」
「でも、使徒に勝っても、勝っても、褒めてもらえるどころか、父さん、口も訊いてくれないんだよ。」
「なのに、綾波さんには、綾波さんには笑顔で話し掛けるんだ。おかしいだろ?実の息子が傍にいるのにさ。」
「実の息子が、死ぬ思いで闘ってるのに見向きもしないのにね。」
「綾波さんも、笑顔で父さんと話すんだ。とても嬉しそうに。学校では誰とも挨拶も話もしないのに。」
「だから、つい見ちゃったんだよ。綾波さんのカードを。この人は一体どういう人なのかって思って。」
「父さんとはどういう関係の人なんだろうって思って。」
「ごめんね、ヒカリ。嫌な想いさせちゃったね。」
シンジの告白の後半は涙声になっていた。
ヒカリも泣いていた。ぽろぽろと涙を零して。
シンジの告白の前半の半ばあたりから、ずっと。
そしてふたりの距離は殆ど無くなっていた。
「ごめんね…シンジ。知らなかったから、わたし…ごめんね、ごめんね…」
「いいよ、気にしないで。僕も話さなかったから。」
「わたしも話すね。聞いてくれる?」
633 :
冒険中年:2011/09/10(土) 12:47:30.49 ID:7oHe0LXs
シンジとヒカリの物語 拾話 決心と決戦と、そして……その後-06
「シンジ、この前のバス停の事、覚えてる?」
涙を指で拭い終えたヒカリがシンジに語り掛けた。
「うん、勿論だよ。」
「あの時、シンジが何処か遠くへ行ってしまうんじゃないかって思ったの。」
「綾波さんの事?」
「その事もあるわ。綾波さん、綺麗だもの。でも……」
レイに問われた事は敢えて言わなかった。
「それだけじゃなくて、最近シンジに逢ったり、一緒にお買い物したり出来なくて、
ちょっと、というか結構イライラしてたの。」
「そうしたら、シンジが綾波さんの写真をじっと見たり、大事そうにしたりしたから、もしかしたらって。」
「ごめんね。」
「ううん、もういいの。」
「それでね、そうなる前に……わたしをあげたい…シンジのものになりたいって思ったの。」
そう言ったヒカリの顔は、いや、全身はトマトの様に真っ赤だった。
「だからね、今日泊まりに来たの。」
ヒカリは照れ隠しにシンジの胸に飛び込む。
シンジはヒカリの熱い身体を受け止めて、耳元で囁くように言った。
「僕もね、あの時、見送ってくれるヒカリの姿がどんとん小さくなって行った時、
ヒカリが僕の前から消えてしまうんじゃないかって思ったんだ。だから凄く怖かった。」
「だから、ヒカリが欲しい、抱きたい、そう思っていた。」
シンジの全身も真っ赤にそして熱く火照っている。
「今日、ヒカリが来てくれて凄く嬉しい。」
シンジはヒカリをぎゅっと抱き締めた。
634 :
冒険中年:2011/09/10(土) 12:49:46.05 ID:7oHe0LXs
シンジとヒカリの物語 拾話 決心と決戦と、そして……その後-07
「ねえ…ヒカリ…」
「何?」
「もし僕で良かったら……」
「僕のものになってください!」
「嬉しい!いいわ、わたし、シンジのものになるわ!」
「好きだよ……」
「好きよ………」
ヒカリは円らな瞳を閉じて唇をシンジに差し出した。
シンジはヒカリを見詰め、唇を近付けていく。
ふたりの唇が重なった。
これまでと違い、激しく唇を求め合う。
そうするうちに、どちらからともなく舌が差し込まれ、絡み合った。
思考力が途切れてしまう様な、蕩けそうな快感!
その行為が『ディープキス』である事を知ったのは、少し後の事。
シンジの右手が、その奥に早鐘の様に鳴り響く心臓のある左の膨らみに触れた時、
ヒカリの唇がシンジの耳元で動いた。「待って。」と。
「ここ…明るいから、恥ずかしいわ。」
「それに……」
「ここよりシンジの部屋がいい。シンジのベッドがいいの。」
『シンジの匂いのするベッドがいい』とは恥ずかしくて言えなかった。
「シンジの部屋まで抱っこで連れてって。」と甘えられたシンジはヒカリをお姫様抱っこに抱き上げた。
軽々と抱き上げられたヒカリは、これまで感じた事の無い浮遊感にシンジの首にしがみ付く。
ヒカリの身体は決して重くは無いが、この街に来た頃の自分では、きっと苦労しただろう。
シンジは自分を鍛えてくれた訓練に感謝した。
ふたりが部屋に入って、すぐに明かりが消えた。
シンジの部屋が暗くなってから、女になろうとする少女の歓びの声がずっと聞こえていた。
ある時だけ、痛みを訴える声も聞こえた。
それから何かが軋む様な音も聞こえてきた。
ふたつの荒い息遣いも聞こえてきた。
やがて、それらが聞こえなくなり、シンジの部屋が静かになった。
今は、安らかなふたつの寝息だけが聞こえる。
少年と少女が“男”と“女”になる儀式を終えた事を察したペンペンは、トテトテと風呂場へと向かうのだった。
635 :
冒険中年:2011/09/10(土) 12:58:03.95 ID:7oHe0LXs
シンジとヒカリの物語 拾話 決心と決戦と、そして……その後-08
ヒカリは、いつも通りの時間に目が覚めた。
いつも通りで無いのはここが自分の部屋では無く、
シンジの部屋でシンジのベッドの上でシンジの隣で寝ていた事だろう。
しかも何も身に着けずに。
それは『シンジのもの』になったということ。
とても嬉しくもあり、とても恥ずかしくもある。
そして、昨夜、初めてシンジを迎え入れたところが痛む。
何か、まだシンジのモノが入っている様な感じさえする。
シーツを見ると、大きく赤黒く汚れている。
自分を、自分の“初めて”をシンジにあげる事が出来た証とは言え、何か恥ずかしい。
そうだ。シンジにお願いしてシーツをもらって帰ろう。ふたりの初めての夜の記念にしよう。
そうしようとヒカリは思った。
ヒカリは、シンジを起こさない様に、そっとベッドから降りると、バッグから着替えを持って風呂場へ行く。
おはようのキスで起こす前に身を清めて、やっておきたい事があるから。
シンジが目を覚ますと、隣に居た筈のヒカリの姿が無い。
何処に行ったのかと思った。
机の上に畳んだ服は無いが、ヒカリの持ってきた大きなバッグはあるので、
まだこの家に居てくれているのだろう。
何故か嬉しい。とても嬉しい。
“男”になった実感とでも言うのだろうか。昨日までの自分と違う気がする。
それにシーツには、ヒカリが痛みと共に残した純潔の証がくっきりと印されていた。
そこを指で触れてみると、もう乾いている。
シンジは、昨夜の事が夢では無い事を実感した。
シンジは部屋着のTシャツと短パンを着るとベッドを出た。
キッチンに行ってみるとヒカリは、やはり、そこに居てくれた。嬉しい。
「おはよう、ヒカリ。」
シンジが声を掛けると満面の笑みが返って来た。
「おはよう、シンジ。もう起きちゃったの?おはようのキスで起こしてあげたかったのに。」
「朝ご飯出来てるわ。」
「ありがとう。」
「こういうの憧れてたから。す、好きな人の為に朝ご飯、作ってあげるの……」
「まるで新婚の奥さんみたいだ。」
「やだ!恥ずかしいじゃない。」
ふたりで真っ赤になりながらの会話が弾んだ。
636 :
冒険中年:2011/09/10(土) 13:01:59.40 ID:7oHe0LXs
シンジとヒカリの物語 拾話 決心と決戦と、そして……その後-09
そして始まるふたりでの初めての朝食。
アジの開きに、お味噌汁、焼のりetc.
「頂きます。」
「召し上がれ。」
シンジとヒカリは、微笑みを交わして箸を取った。
「お味噌汁、美味しいよ。アジの焼き加減も好きだな。」
「ほんと?」
「もちろん!」
「ありがとう。嬉しいわ。」
何度もシンジに褒められているのに、ヒカリはとても嬉しかった。
やはり特別な朝からだろうか。
シンジに処女を捧げてひとつになった初めての朝なのだから。
それはシンジも同じだった。
そして、朝目覚めた時に朝食が出来ていた事が、それと同じ位に嬉しかった。
ここ数年、そんな事は無かったのだから。
「御馳走様でした。」
「お粗末様でした。」
食事を終えて、シンジとヒカリは、また微笑み合った。
後片付けはふたりでやって、今はリビングでくつろぐ。
アールグレイの香りの中で。
「その…まだ痛む?」
シンジは歩きにくそうなヒカリを気遣う。
637 :
冒険中年:2011/09/10(土) 13:05:32.03 ID:7oHe0LXs
シンジとヒカリの物語 拾話 決心と決戦と、そして……その後-10
「少し……」
本当はかなり傷むのだが、それは言わなかった。さっき飲んだ鎮痛剤も効いてきた様だし。
「ごめんね。」
「いいの。シンジのものになった証拠だから。」
「とても嬉しいの、わたし。“初めて”をシンジにあげられたから……」
ヒカリの黒い瞳から涙がひとすじ流れ落ちた。
「ありがとう。僕にヒカリの“初めて”をくれて。そして僕を“男”にしてくれて。」
シンジはヒカリを抱き締めた。
「わたしも…ありがとう、“女”にしてくれて。嬉しいよ…シンジ…」
ヒカリもシンジに抱かれ、その背に手を回した。
そして囁いた。
「あの…わたし…シーツ、汚しちゃってごめんね。」
「いいよ。洗濯するのは僕だし。」
「あのシーツ、わたしにくれない?……その……ふたりの記念にしたいの……」
「うん……いいよ。」
「ありがとう。」
少しの静寂がふたりに流れた。
ぶーんぶーん!
そんな時に無粋な音がする。
シンジの携帯が鳴る音だ。
「はい、碇です。」
「シンジ君、使徒が現れた。すぐ本部に来てくれ。迎えの車はもう着くはずだ。」
ミサトの部下、日向の声だった。
途端にシンジの表情が変わる。それは闘う漢の顔。戦士の顔。
「ヒカリ、ごめんね。使徒が現れた。」
「僕、行くよ。ヒカリを護る為に。」
「シンジ……」
『行かないで』と言いたげなヒカリ。
だが、それは許されない。
638 :
冒険中年:2011/09/10(土) 13:08:03.10 ID:7oHe0LXs
シンジとヒカリの物語 拾話 決心と決戦と、そして……その後-11
「ヒカリは早く避難して!」
シンジはヒカリに、この家のスペアキーを渡す。
「シンジ…気を付けてね…」
ヒカリは潤んだ目でシンジを見詰めた。
「ああ、大丈夫だよ。必ず戻るから。ヒカリも気を付けてね。」
「好きよ…シンジ…」
目を閉じたヒカリが昨夜の様に唇を差し出す。
「僕も好きだよ、ヒカリ。」
シンジも昨夜の様に唇を重ねた。
そして、シンジは出かけて行った。
ヒカリは、シンジが乗り込んだ車を手を振って見送った。
綾波レイとの関係で気を揉んだ事など、どこかに忘れ去っていた。
そして、キスの感触を確かめる様に、ヒカリは自分の唇にそっと触れた。
ヒカリは戸締りと火の始末を確認するとペンペンを連れて行こうとしたのだが
ペンペンはここから離れたくないらしく、冷蔵庫から出ようとしない。
「ペンペン!気を付けてね。また来るわ。」
冷蔵庫の外から声を掛けると、中から「くええええっ」と返事が聞こえた。
ヒカリは身一つで葛城家を後にした。渡されたキーでしっかりカギを掛けて。
バッグを残して来たのは、ここに、シンジの元にすぐ戻ってくるという気持ちだったから。
ヒカリは姉と妹が居る筈の家に急いだ。途中でタクシーを拾った。まだ痛みが残っていたから。
全市に避難命令が出たのは、ちょうど家に辿り着いた頃だった。
第五の使徒現る!!
無機質な表面で出来た宙に浮く蒼い正八面体の身体?には目も口も手足も確認する事は出来ない。
「日向君、無人ヘリ隊、発進させて!」
ミサトが指示を出す。彼女は、使徒出現の報に急遽出張先から戻って来たのだ。
「了解!第一及び第二無人ヘリ攻撃隊、急速発進!」
日向は凛とした声で現場に指示を伝えた。
無人ヘリは戦訓により開発・配備された威力偵察用の兵器である。
使徒はどんな能力を持った敵性生物なのか判らない為、「小手調べ」の戦力が必要なのだ。
決して安価ではないが訓練された貴重な人材を失う事に比べれば遥かに安いと言える。
ましてや、宝石より貴重なパイロットを乗せたエヴァンゲリオンを無策のままに使徒の前面に発進させるなど
もう、有ってはならない事なのだ。
639 :
冒険中年:2011/09/10(土) 13:11:03.31 ID:7oHe0LXs
シンジとヒカリの物語 拾話 決心と決戦と、そして……その後-12
「攻撃開始!!」
無人ヘリ隊は、一斉に対戦車ミサイルと無誘導ロケット弾を発射した。
その着弾寸前の事だった。
「目標内に高エネルギー反応!」
日向の隣に座る青葉が叫んだ!
「何ですって!!」
蒼い正八面体の外縁部から、ぴかっと怪光線がきらめく!
「無人ヘリ隊、全滅!」
使徒が体内に内蔵した加粒子砲で無人ヘリ隊は一瞬で壊滅した。
その他の無人兵器の攻撃によって、
第五の使徒は一定範囲内の敵性体を体内の加粒子砲で自動的に排除する事が判明した。
その破壊力はエヴァの特殊装甲であっても防御は困難であると推測された。
さらに、使徒の下部から伸びるボーリングマシンの様なものが12時間後には総ての装甲板を貫き、
本部が攻撃されるであろう事も明らかになった。
ミサトは1つの作戦を計画。ゲンドウに上申した。
その作戦とは戦略自衛隊より徴発した高出力ポジトロンライフルで使徒の射程外から攻撃するというもの。
「反対する理由は何もない。やりたまえ、葛城一尉。」
その一声で、日本中の電力総てを徴発する「ヤシマ作戦」が開始された。
シンジが初号機でライフルを扱うオフェンス、レイが零号機で盾を使うディフェンスと担当が決まる。
着々と準備が進む中、シンジはレイと満月を見ながら会話していた。
シンジは青と白、レイは純白のプラグスーツに身を包んでいる。
ヒカリに悪いと思いながらもレイと話がしてみたかったのだ。
同じエヴァのパイロット、仲間なのだから。
640 :
冒険中年:2011/09/10(土) 13:14:28.09 ID:7oHe0LXs
シンジとヒカリの物語 拾話 決心と決戦と、そして……その後-13
「綾波さんはどうしてエヴァに乗るの?」
シンジはレイの横顔を見る。無表情だが端正な横顔。
「絆、だから。」
レイはこちらを見る事は無い。
「父さんとの?」
「そう、わたしには他に何も無いから。」
「僕もね、この街に来る前は、友達がひとりも居なかった。他人に近づくのが怖かったから。」
「なら、何故今は友達がいるの?」
「そうだね、どうしてかな。多分、怖いのを忘れちゃったんだと思う。」
「そうなの?」
「だから、綾波さんも『何も無い事』を忘れてしまえばいいと思うよ。」
「よくわからないわ。」
レイは月を見上げる。
641 :
冒険中年:2011/09/10(土) 13:17:13.35 ID:7oHe0LXs
シンジとヒカリの物語 拾話 決心と決戦と、そして……その後-14
「碇くんは何故エヴァに乗るの?」
レイが初めてシンジを見た。
月光の元でレイの蒼銀の髪が輝いて見える。
初めて視線を交わすシンジは、少しだけ、ドキッとした。
真紅の瞳がとても美しかったから。
「護りたいから、かな。」
「あの人を?」
「あの人って?」
「委員長の洞木さん。」
「そうだね。ちょっと恥ずかしいけど。」
「洞木さんが碇くんに絆をくれたの?」
「そうだね、その通りだよ。ヒカリが僕に色々な絆をくれた。」
「私も絆が欲しい。色々な絆が。」
「おかしいね……僕たち死ぬかも知れないのに、こんな話、して…」
シンジもレイもお互いから視線を外した。
「時間ね。行きましょう。」
「あなたは死なないわ。私が守るもの。」
「さようなら」
レイはシンジと目を合わす事無く零号機に向かう。
シンジは、その儚げな後姿を見送ってから初号機へと走った。
642 :
冒険中年:2011/09/10(土) 13:20:27.96 ID:7oHe0LXs
シンジとヒカリの物語 拾話 決心と決戦と、そして……その後-15
ここはシェルターの中、
電源が落とされ、バッテリーによる非常灯の薄暗い中でコダマ、ヒカリ、ノゾミの洞木三姉妹は身を寄せ合っていた。
「大丈夫。シンジが怪獣をやっつけてくれるから」
そう言ってヒカリは震え続けるノゾミを抱き締める。
抱き締めながら、シンジの無事をこころから祈った。
コダマも妹二人を抱き締める。
そして、ヒカリのこころを掴んで放さない碇シンジという少年に会ってみたいと思った。
光を失い、地上は漆黒の闇に包まれた日本列島。
その中で、ただ一箇所、深夜の第三新東京市に眩いばかりの閃光が飛び交う。
レイは宣言通りにシンジを守った。自らを盾として。
シンジはレイに守られ、日本中のエネルギーを使徒にぶつけた。
放たれた閃光が第五の使徒を貫き、大地を揺るがす轟音が轟いた。
「パターン青、消失!使徒殲滅を確認!」
日向の高揚したコール。
「うっしゃあっ!!」
ミサトの歓喜の叫び。隣でリツコも微笑む。
「うわあああああああああああ!!!」
前線指揮車と発令所、それに全作業員の歓声!
それらを聞く事も無く、シンジは機体表面が高熱で溶け掛かった初号機を動かした。
半壊したライフルを捨て、零号機へと急ぐ!
急造の盾を失い、自らの機体を盾として初号機を守り抜いた零号機の装甲は、溶けて癒着していた。
シンジは零号機の背面装甲を無理矢理引き剥がす!
自動的に排出された純白のエントリープラグが月光に輝いた。
初号機が溶けかかった手が、それを地上に静かに置くと、シンジは初号機から転げ落ちる様に飛び出す!
異常な熱さを物ともせずにプラグに駆け寄る!
プラグスーツの両手が焦げるのも構わずにハッチをこじ開ける!
「綾波さん!!」
そこにはレイの無事な姿があった!
643 :
冒険中年:2011/09/10(土) 13:24:19.39 ID:7oHe0LXs
シンジとヒカリの物語 拾話 決心と決戦と、そして……その後-16
「よかった、生きてて、良かった。」
シンジは思わず涙ぐんでしまう。
「何故、泣いてるの?何か悲しい事でもあったの?」
「綾波さんが生きていてくれて嬉しいからだよ。」
「人は嬉しくても泣くものなの?」
「うん、そうだよ…ごめんね、ほんとは嬉しい時は笑うんだけど…そうだ、僕も笑うから、綾波さんも笑ってよ。」
シンジは涙を指で拭うとぎこちなく微笑んだ。
そのシンジの表情は、何故か以前の事故の時のゲンドウのそれに似ている様にレイには見えた。
そしてレイはシンジに返す形で、戸惑いながらも微笑んだ。
シンジは、何一つ言う事が出来ずに初めて見るレイの笑顔を見詰めていた。
天頂から降る月の光に照らされて、それはこの世のものとは思えぬ程、美しかった。
(ヒカリ…ごめん、ごめんね…)
シンジはこころの中でヒカリに土下座して謝った。
薄暗いシェルターの中で、自分の無事を祈り続けているであろう、ヒカリに。
決戦が終了し、長い夜が明けて、シェルターから出る事を許された一般市民達が見た物は、
多くのビルを薙ぎ倒して大地に転がる巨大な蒼い正八面体だった。
ど真ん中に大きな穴が開いている。
「シンジ…勝ったんだね、ありがとう……」
ヒカリは、朝陽に輝くそれを見上げる。コダマもノゾミもそれにならって怪獣の残骸を見上げた。
ヒカリは姉と妹と一緒に自宅に戻った。自宅に被害の無いのは何より嬉しい。
今日は休校だから学校へ行く事は無いから、三姉妹は順番にゆっくり風呂に入り汗を流した。
有り合わせのもので急ぎ食事を摂る。
人は空腹が満たされると安心するのだ。
姉妹が安心したところでヒカリは行動を開始した。
644 :
冒険中年:2011/09/10(土) 13:27:27.03 ID:7oHe0LXs
シンジとヒカリの物語 拾話 決心と決戦と、そして……その後-17
「じゃあ、お姉ちゃん、ノゾミ、わたし出かけてくる!」
家を出たヒカリは商店街で買い物を済ませ、シンジの家に向かう。
身体の、下腹部の痛みの事などすっかり忘れていた。
そしてシンジが無事戻って来る事も、何故か確信めいたものを感じていた。
やっとの事で葛城家に辿り着く。被害は無い様だ。
「良かった。ここも無事で。」
だが、インターホンを何度押しても反応が無い。
「まだ帰って無いのかしら?」
預かったままのカードキーを使ってドアを開けてみる。
ぷしゅっと音がしてドアが開いた。
ペンペンがトテトテと走って来た。
「くわわわっ!」
「くええええっ!!」
ヒカリが来た事が嬉しいらしい。
勝手に上がり込んで悪いかな?とも思ったが、もう身体が止まらなかった。
お掃除をした。(シンジの部屋でHな本を発見して、姉の言葉を再確認した。見なかった事にして元に戻した。)
お洗濯をした。(記念のシーツは跡を消さない様に洗濯して、早々にバッグに仕舞い込んだ。)
お料理をした。(今日はカレーにした。シンジは疲れて帰って来るだろうから、食欲の起き易いものと思った。)
お風呂を沸かした。(疲れが取れ易いと本で読んだ事のある40℃に設定した。)
そして、ドアの開く音がした!
「お帰り!シンジ!!」
玄関に走ったヒカリはシンジの姿を見つけると、やや厚くなってきた胸板に飛び込んだ。
「ヒカリ、来てくれたんだ……」
シンジはヒカリを抱き締める。
シンジとヒカリは、お互いの無事を今確かめ合った。そこに言葉は要らない。
645 :
冒険中年:2011/09/10(土) 13:31:18.18 ID:7oHe0LXs
シンジとヒカリの物語 拾話 決心と決戦と、そして……その後-18
「ねえ、一度外に出て。それでね、1分経ったら入って来てくれる?」
耳元で、ヒカリの甘えた声。少しだけ涙声。
シンジは訳も訊かずに言われた通りにしてみた。
「お帰りなさい、あなた。」
そこには三つ指ついて満面の笑みで自分を出迎えるヒカリの姿があった。
「ただいま、ヒカリ。今帰ったよ。」
何をヒカリがしたいのか、鈍い筈のシンジにも判る。これも肌を合わせたからだろうか。
「お食事になさいます?それともお風呂ですか?」
「風呂だ。すぐ支度してくれ。」
夫婦の会話など、シンジは滅多に見ないドラマでしか知らない。
ヒカリは、幼い日の記憶の中の父と亡き母の会話を思い出していた。
そんな、ぎこちないシンジとヒカリの夫婦ごっこは暫く続いた。
ミサトが帰宅してくるまで。
「たっだいまーって、ヒカリちゃん来てくれたのね♪」
「「お帰りなさい、ミサトさん。」」
「くええええええっ」
ミサトは、身に纏う空気が先日と違うシンジとヒカリの雰囲気に、自分の留守に何があったのかを瞬時に理解した。
だが彼女は、寛大にも、この場は知らぬ振りをする事にする。
ヒカリの家族には申し訳無い気もするが、自分は、そしてネルフはシンジに途轍もない重荷を背負わせているのだ。
通常の、一般人の倫理観など押し付けて何になろう。少しばかり早い気もしないでは無いが世間でよく聞く話だ。
明日にでもリツコと相談して対策を立てれば良いではないか。
めでたい、実にめでたい事だ。
戦勝気分と相まって、今夜のビールはとても美味かった。
ヒカリのこころの籠った料理を肴に、ミサトは強かに酔った。
ヒカリを送って行くシンジ。
ふたりの後ろ姿を、ミサトはベランダから見ていた。
「ペンペン!乾杯しよ!」
「シンちゃん、ヒカリちゃん、“漢”と“女”になっておめでとう。おねーさん、凄く嬉しいわ。」
ミサトは一気にビールを呷った。
「くえええええっ!」
ペンペンも喜んでミサトに付き合った。
646 :
冒険中年:2011/09/10(土) 13:35:15.17 ID:7oHe0LXs
シンジとヒカリの物語 拾話 決心と決戦と、そして……その後-19
2,3日して、レイが久しぶりに登校してきた。
「…おはよう…」
教室に居た全員が驚愕した。
レイが自分から誰かに挨拶した事など、転校以来初めての事だ。
そして、それはシンジと隣に居るヒカリに向けられていた。
それは紛れもない綾波レイの声。
だが先日までの抑揚の無い、無色透明のそれではなく微かだが色づいている。
声だけでは無い。
微かに微笑むレイの表情。
誰もが美しいと思った。
シンジは勿論、ヒカリでさえも。
そしてこの二人も……
「のう、相田屋。」
「何でございます?鈴原お代官様。」
「美しい“おなご”よのう。」
「流石はお代官様、お目が高い。」
「これは売れるで!」
「これは売れるぞ!」
トウジがニヤリと笑い、ケンスケの眼鏡が怪しく光った。
浪花の商人(あきんど)とカメラオタクが、がっちりと握手を交わす。
ケンスケが愛用のデジタル一眼レフのスイッチを入れた。
中古で購入した愛機は、大分使い込まれている。
余談だが、この後、ケンスケは新品のデジタル一眼レフを、トウジは舶来モノの高級ジャージを手に入れている。
だが、彼らがその資金について語る事は無かった。
その日以来、レイは級友たちから話し掛けられる事も多くなり、
レイも中々噛み合わないながらも、会話に応じる様になっていった。
勿論、シンジとヒカリのサポートがあった事は言うまでも無い。
ヒカリはシンジに純潔を捧げ肌を合わせた事で、『私も絆が欲しい』と言う、レイを気遣う余裕が生まれたのである。
自分がシンジに愛されている、という確証が得られたのだから。
正に勝者の余裕と言ったところだろうか。
シンジとヒカリにとってレイは “友達”になった。
647 :
冒険中年:2011/09/10(土) 13:39:02.13 ID:7oHe0LXs
シンジとヒカリの物語 拾話 決心と決戦と、そして……その後-20
「碇、これを見ろ!保安部からの報告書だ。
『綾波レイに感情らしきものが芽生えつつある疑いあり。詳しくは赤木博士の分析を要す。』とあるぞ。」
「やはり拙かったのでは無いのか?シンジ君と接触させたのは。」
「問題無い。誤差の範囲だ。」
ゲンドウは冬月の言葉を受け流すと、
「構わん。手は打って有る。」
と、サングラスを掛け直した。
ふたりの『初体験』の日から、二週間が過ぎた。
あの日から、シンジとヒカリは何回か肌を合わせる事が出来た。
第五の使徒の後始末にミサトが忙殺され、家を空ける事が多かったのと、
エヴァが修理中だったので訓練や実験も殆ど行われ無かったからである。
そんな中で、ふたりは、こっそりと身体を重ねた。
シンジとヒカリは、しあわせだった。
父の事も綾波レイの事も気にならない位に。
そしてある日の事。
今日も実験も訓練も無いので、ふたりで買い物に行こうと、仲良く手を繋いで校門を出たシンジとヒカリ。
その時、紺碧の旋風が吹いてふたりの前に止まった。
それは見間違える事など有り得無い、ミサトの愛車、アルピーヌ・ルノーEV改だった。
中から出てきたのは勿論ミサトと、何故か白衣を着たリツコだった。
「はぁ〜い!シンちゃん、ヒカリちゃん、もう学校は終わったの♪?」
「なら、ちょっと私達に付き合ってもらえないかしら?」
「いいですけど……」
シンジはヒカリの目の「いいわ」と言う色を確認してから応えた。
「あら?目で会話なんて妬けるわね」
「何処に行くんですか?」
狭い後部座席にシンジとヒカリは身を寄せ合う様にして乗り込む。
「いいところよ♪」
「この前のお礼に美味しいコーヒーを御馳走するわ。」
意味深なセリフのミサトとリツコがふたりを連れていった場所、そこはネルフ本部だった。
その道中、ハリウッド映画のカーチェイスの様なミサトの運転に、シンジもヒカリも死を覚悟した事は余談である。
648 :
冒険中年:2011/09/10(土) 13:42:56.23 ID:7oHe0LXs
シンジとヒカリの物語 拾話 決心と決戦と、そして……その後-21
「いいんですか?本部にヒカリが入って?」
「だいじょうぶよ♪」
「私達が許可すればね。」
「あたし達、こう見えて偉いんだから。」
ただヒカリはリツコの研究室までアイマスクを着けさせられたが。
リツコの煎れてくれたコーヒーはとても美味しかった。
そして……
「率直に訊くわ。シンちゃんとヒカリちゃん、しちゃったんでしょ?セックス……」
「この前のあたしの出張の時に使徒が来た、あの日に。」
ミサトの物言いは、本当に率直だった。
「………………」
ふたりは言葉も出なかった。真っ赤になっただけで。
「あ、あの、な、何故、判ったんですか?」
少し経って、シンジが遠慮勝ちに訊いてみる。
「見ていれば判るものよ、そう言う事ってね。」
リツコは笑顔で言ってのけた。
「「済みません……」」
シンジとヒカリはとても悪い事をしてしまった様な気がして、ミサトとリツコに頭を下げた。
「あら、謝る事なんて無いわよ♪」
「愛し合うふたりが結ばれる、素晴らしい事よ。」
ミサトもリツコも自分達を責める積りは無い事に、シンジもヒカリも安心した様だ。
「ヒカリちゃんの御家族はもう御存知なのかしら?」
「父はまだ知りません。姉には…すぐばれましたけど。」
ヒカリは姉に事細かに“尋問”された事を思い出した。
「そう……オトコって鈍感だからね。」
「男性は、そういうものよ。」
「でも、シンちゃん、ヒカリちゃん…ちゃんと避妊してる?パパとママになるのはちょっち…早いわよ♪」
649 :
冒険中年:2011/09/10(土) 13:47:07.69 ID:7oHe0LXs
シンジとヒカリの物語 拾話 決心と決戦と、そして……その後-22
「「あの……」」
ミサトの問いに対してシンジとヒカリは何も言えなかった。
『中』に出さない事しかしていないから。
「だから良いお薬を作ってあげる。ふたりのコンディションにぴったりのをね。今日はその為の検査を受けてもらうわ。」
「二人に来てもらったのは、実はその為なのよ。」
「本当はもっと早く、と思ったのだけれど色々忙しくて…ごめんなさいね。」
リツコの指示で迎えに来たスタッフに案内され、ふたりは即、ネルフ医療グループの検査を受ける事になった。
定期健診を受けているシンジと違い、ヒカリの検査は特に入念にいや、執拗と言う程に行われていた。
まるで何か別の目的でも有るかの様に。
身長、体重に始まっての各種検査は『人間ドック』さながらだった。
血液、脈拍、視力、聴力、レントゲン、検尿etc.
最後は足のサイズや3サイズまで測定された。
「ヒカリの検査は、まだ終わらないんですか?」
検査をすぐに終えて戻って来たシンジはヒカリが戻って来ないので少し心配そうだ。
「女の子の身体はデリケートだからね。男の子と違ってね♪」
ミサトがフォローする。
だが、この時、顔には出さないがミサトの意識の片隅に小さな疑問符が付いた。
「ただいま。」
暫く経って、ヒカリが医療部の女性スタッフに連れられて戻って来た。ちょっと疲れた様子だ。
リツコはパソコンに表示されたデータを見ながら、電話で何事か指示している。
今度はシンジがコーヒーを煎れた。
「あら?シンジ君の煎れたコーヒーも美味しいわね。」
「ホントね、美味しいわ、シンちゃん。」
4人で飲んでいる間に、女性の薬剤師が薬の袋を二つ持って来た。
650 :
冒険中年:2011/09/10(土) 13:50:35.28 ID:7oHe0LXs
シンジとヒカリの物語 拾話 決心と決戦と、そして……その後-23
「はい、これがシンジ君、こっちがヒカリさん。ひと月分ね。
一日一錠、毎朝必ず飲むのよ。セックスする時だけじゃなくてね。」
リツコは、薬の袋を渡しながら用法を説明する。
「僕も飲むんですか?」
シンジが質問した。
彼の知識では経口避妊薬は女性が飲む物の筈だ。
「そうよ、ヒカリさんだけで避妊しようとすると身体の負担が大きくなるの。副作用とかね。」
「シンジ君も応分に負担すべきね。ヒカリさんの事を想うのなら。」
「判ってくれるわね、ふたりとも。」
シンジとヒカリは時々目を合わせながらリツコの話を聴いている。
どうやら納得した様だ。
「「判りました、リツコさん。ありがとうございます。」」
「一か月後にまた来てもらうわ。ふたり一緒にね。」
リツコはその姿に微笑みながら言った。
「「えっ?」」
その言葉にシンジとヒカリは顔を見合わせた。
「あなた達は若いのよ。一か月毎の検査でも少ない位だわ。」
リツコはさらりと言ってのけた。
リツコはミサトがシンジとヒカリと一緒に帰宅するのを見送ると、
研究室のドアにロックを掛け、デスクの上の山の様な書類やデータを逐一詳細にチェックし始めた。
文字のひとつ、数字のひとつも見落とすまいとリツコの眼鏡が妖しく輝く。
日付が変わろうとする頃、データの検証は終わり、その結論は出た。
それは彼女が愛する、悪魔に魂を売った男の希望に沿うものだった。
その時の表情は歓びと哀しみが複雑に絡み合った様で、リツコは誰にも見られなかった事に安堵した。
651 :
冒険中年:2011/09/10(土) 13:55:35.46 ID:7oHe0LXs
シンジとヒカリの物語 拾話 決心と決戦と、そして……その後-24
出張の為、冬月の居ない司令室。
報告書を受け取ったゲンドウは、何一つ語る事無く不敵な笑みを浮かべた。
リツコは、その姿を見て、心の中で泣いた。誰の為なのかは余人の知る処では無い。
そしてミサトはヒカリを家まで送ってからシンジと帰宅。
入浴と夕食後に人外魔境と呼ばれた自室のデスクで思考に耽っていた。
勿論ビールを飲みながらだ。
ミサトがシンジとヒカリが関係を持った事を相談した時に、
リツコがヒカリの検査と避妊薬の調剤をネルフでする事に拘ったのは何故だろうかと、
今更ながら思うのだ。
何を今更とも思うのだが、
使徒の処理・分析・解析、それにエヴァの修理等で多忙を極めていると言うのに、「何故?」と。
「何の為?」
「ヒカリちゃんのプライバシー?オーダーメイドの薬を作る為??ネルフやシンジ君の責任回避???」
「何故??」
ミサトは少し後悔した。決して長年の親友を疑う訳では無いのだが……何かがあると思った。
6本目のプルタブを開けると一気に呷った。
でも、少しも酔う事は出来なかった。
【シンジとヒカリの物語 拾話 決心と決戦と、そして……その後 終了】
652 :
冒険中年:2011/09/10(土) 13:58:10.38 ID:7oHe0LXs
拾話……投下しました。
皆様色々御意見ありがとうございます。
本編分岐って感じで凄く面白いです。ミサトリツコ好きだから登場嬉しい。
ダークなリツコさんも好きです
そもそもなんでヒカリなんだよ
誰得
ここはLAS以外は投下NGなんですか?
てか、ネルフとして重要なのはシンジなんだから、
誰を相手にしても良いようにパイプカットすべきだろ
>>655 同人くらいはアスカ様に花を持たせてくだされ。
ヒカシンは楽しい。続きワクテカ
>>652 乙です
ホンワカ話で進むのかと思いきや、エラいダークな展開になりそうで
しかし、本編分岐でこのまま進むと「惣流さん」が登場しちゃうが、
このストーリィ上でどう処理するのかかなりドキドキだ
話が好きだ。アスカも上手くかわしてくれ。加地が出てくるならミサトとカップル希望っす。
悪りっちゃん萌え
>>652 乙
今回のも楽しませてもらった
このまま原作通りアスカが出てきたらどうなるとかワクテカ
ヒカシン万歳
楽しいです。リツコさんとゲンドウが何を企んでいるのかな。
長すぎて読む気にならん
他の人マダー?
>>655 んなわけない
LRSやカジミサに留まらず、過去には冬月×ユイとかトウジ×マヤなんてのもあったぞ
一部の狂信的アスカ信者がわめいてるだけ
大多数の住人はカプ論争に興味なく、エロさやエヴァっぽさを普通に評価してくれるぜ
>>663 ありがとう。まとめ読んでみた。二次創作だとLASが多いね。
俺はミサトリツコオタなんで。LMSやカジミサ、変にキャラ変わってなくて楽しませてもらった。
このスレ自体知らなかったからすげえ嬉しいwヒカシンもエロは足りないけど良い話だ。
エロパロ板なんだから本来エロけりゃ何でもあり。
時々エヴァ板からカプ厨が紛れ込んで来て火病を起こすが放置で。
666 :
冒険中年:2011/09/13(火) 20:16:45.12 ID:dUbKRtPS
シンジとヒカリの物語 拾壱話 予感と現実-01
ある日、第三新東京市旧市街の商店街にて……
今日、ヒカリはとてもご機嫌である。
愛するシンジと久しぶりに夕食の買い物を楽しんでいるからだ。
タイムサービスと言う事もあり、格安な食材が手に入った事も大きい。
こんな時、ヒカリは思うのだ。
(早くシンジと結婚して一緒に住めるようになりたいわ……
一緒にお買い物して…一緒にお料理して…一緒にお食事して…一緒にお風呂入って…一緒に寝たい……)
四番目の『一緒にお風呂入って』のあたりで顔が赤くなってしまうのは御愛嬌である。
何やら物凄く騒がしい声がする。
何だろうと思って、シンジとヒカリは怖いもの見たさで近づいてみた。
すると……
「何よ!アンタ達!それでもキ●タマにチ●チ●付いてんの!!」
「可弱い美少女相手に大人数で!!」
見れば、ひとりの少女が、その美貌にそぐわぬ放送コードすれすれの啖呵を切って、
数人の不良と思しき連中を相手に華麗なストリートファイトを展開していた。
亜麻色とでもいうのだろうか?赤みがかった金髪を靡かせて。
男達の攻撃を紙一重でかわし、カウンター気味の一撃を加えていく。
短めの黄色いワンピースの裾が乱れるのも構わずにハイキックを放つ!(どうやら中身は“白”らしい)
だが、軽量の彼女では決定打にはならない。
このまま長引けば、少女が不利になるのは明らかだ。
(何とかしなくちゃ!)
そう思ったシンジはヒカリに何事か耳打ちすると、物陰に入ってから最大限のボリュームで一緒に叫んだ。
「「おまわりさーん!こっちでーす!!女の子がたいへんなんです!!早く来てくださあーい!!!」」
下手に直接介入するよりは余程効果的である。
すると……
「やべえっ!!兄貴!!」
「野郎ども!!逃げるぞ!!」
「覚えてろーっ!!」
定番の捨て台詞を吐いて、不良たちは蜘蛛の子を散らす様に逃げ去って行った。
667 :
冒険中年:2011/09/13(火) 20:18:51.91 ID:dUbKRtPS
シンジとヒカリの物語 拾壱話 予感と現実-02
「大丈夫?」
シンジはその少女に声を掛けた。ヒカリと手を繋いだままで。
「アンタ達!!何よ!何よ!余計な事してくれちゃってさ!!」
そう叫んだ亜麻色の髪の美少女は、シンジとヒカリを、その紺碧の瞳でひと睨みすると、
不良達とは反対の方向に走り去って行く。
「な、何だよ……」
「そ、そうね……」
シンジとヒカリは唖然として美少女を見送る。
まあ別にお礼を言われたくてやったのではないが、これではあんまりではないか。
それにしても……あの謎の美少女は……
外国人と日本人のハーフなのだろうか?スラングまで操る日本語(品は無いが)……
年齢は自分達と同じ位か、少し上だろうか?
自ら“美少女と称する、まるでフランス人形の様に整った顔立ちは、笑えばきっと美しいだろうに……
シンジも、ヒカリも、そう思った。
陽光に輝く美しい髪を靡かせて走り去る美少女の後姿を、じっといつまでも見送る続けるシンジ。
その様子に“かちん!!”と来たヒカリは、シンジの足をドカっ!と思い切り踏み付けた。
「イタっ!何すんだよ、もう…」
突然の事にびっくりするシンジ。だが、何故そうなったのか鈍い彼には理解出来ていない。
「知らないっ!」
そう言い放ったヒカリは、ずんずん!と美少女とは反対方向に歩いて行く
「待ってよ!ヒカリ!一体どうしたの??」
足の痛みを堪えてヒカリを追い掛けるシンジ……
その後…約3分後、やっと自らの失態に気が付いたシンジが、
「ごめんね、ヒカリ。もうしませんから許してください。」と、平謝りに謝り、
「なら、今日はラムレーズンとチョコミントにバニラで許してあげるわ。」と、
某有名店のアイスの三段重ねを向こう一週間(実数である)御馳走する約束をさせて、
何とか怒りと嫉妬の矛を収めたヒカリだったが、漠然とする不安を“女の第六感”は訴えていた。
「何かが、起きるわ……とても嫌な事が……」
手に持っていた荷物を全部シンジに押し付けたヒカリは、ヒグラシの声を聞きながら夕焼けの空を見上げていた。
668 :
冒険中年:2011/09/13(火) 20:20:42.47 ID:dUbKRtPS
シンジとヒカリの物語 拾壱話 予感と現実-03
翌日、放課後 ネルフ本部・ブリーフィングルームにて
「セカンド・チルドレン、惣流・アスカ・ラングレーさんよ。今日から弐号機で参戦してくれます。みんなよろしくね♪」
「セカンド・チルドレン、惣流・アスカ・ラングレーです。ドイツ支部から来ました。よろしくお願いします。」
ミサトに紹介され、レイと挨拶と握手を済ませ、にこやかに微笑みながら、
自分にも握手を求めてくるのは、昨日のストリートファイターの美少女である。
(どうして?あの子が?セカンド・チルドレン?そんなバカな……)
シンジは何も言えなかった。
微笑みの中の紺碧の瞳が、(アンタ!余計な事を言ったら死刑よ!!)とばかりに冷たく鋭い光を放っていたから。
「さ、サード・チルドレン、碇シンジです。よ、よろしく……」
どぎまぎしながら握手した手もシンジには冷たく感じられた。勿論ヒカリと比べてだが。
その様子を見て、ミサトは酒の肴が増えそうだな、と、ニヤリとした。
数分後 本部内・ラウンジにて
四人掛けのテーブルにミサト、アスカが並んで座り、反対側にレイとシンジが座った。
ミサトとシンジがコーヒー、アスカがミルクティー、レイはレモンティーを飲んでいる。
親睦の為のお茶会である。
「流石ね、アスカ。第六の使徒を倒した映像、見たわよ。凄かったわね。1分掛からずに使徒を倒すなんて。」
「ええ……それほどでも無いです…」
「それに卒業したんでしょ?大学も。」
「ええ……理論物理学での私なりの考察を先生方に認めて戴けて……」
ミサトの言葉に笑顔を振り撒いてニコニコと応ずるアスカ。
シンジは、ミサトとアスカの会話を聴きながら、時折アスカの顔をチラ見していた。
「シンジ君、アスカが可愛いからって見惚れちゃ駄目よ♪。ヒカリちゃんに言っちゃうわよ♪。」
ミサトの大好きな“からかい”が始まった。この純情少年は実に“からかい”甲斐があるのだ。
「み、ミサトさん!勘弁して下さいよ!」
昨日の悪夢が脳裏に蘇り、真っ赤になって狼狽するシンジ。
彼を弁護させてもらうと、シンジは別にアスカに見惚れていたのではない。
昨日、大立ち回りを演じていた彼女とのギャップに、驚き呆れていただけなのである。
『猫を被る』と言う言葉があるが、もしそうだとしたら被っている猫の毛皮は一枚や二枚では無い。
多分最低五十枚位は必要に違いない。そう思って見ていたのだ。
669 :
冒険中年:2011/09/13(火) 20:22:22.45 ID:dUbKRtPS
シンジとヒカリの物語 拾壱話 予感と現実-04
「ミサトさん、『ヒカリちゃん』て誰の事ですか?」
アスカは、多分サードと一緒にいた黒髪の女の子の事だろうと思ったが、一応訊いてみる事にする。
「シンジ君の可愛い自慢の恋人よ♪お料理上手でね、あっつう〜いキッスも経験済みなのよね♪♪」
流石にその先の事は言わなかった。これも勤務中、いや、単にビールを呑んでいなかったからだけであろう。
「ミサトさん!!」
シンジは更に真っ赤になり、レイはしれっとした顔でレモンティーを啜っていた。
(これも赤木博士に報告・相談すべき事なのかしら?)と思いながら。
そしてアスカは……
笑顔が消えていき表情が急に険しくなり華奢な肩がぷるぷると震えたかと思うと、
いきなり立ち上がってシンジをびしっと指差して腰に手を当て、叫ぶ様に言い放った。
「サードっ!アンタ甘いわ!ここは使徒が攻めてくる戦場なのよ!」
「戦場でラブロマンスなんて、アンタ、やっぱり司令のお坊ちゃんね!」
「アンタ、ばかあっ!それでも名誉ある選ばれたエヴァのパイロットのつもりなの!」
「はん!いい加減にしてよね!」
突然猫の毛皮を全て脱ぎ捨てて捲し立てるアスカに、シンジもミサトも目を丸くして驚いている。
レイは、驚く事はしなかったが、報告・相談すべきと判断して観察を始めていた。無論、しれっとして。
「そうでもないぞ、アスカ。」
と、男性の声が割って入ってきた。
「え?その声って、まさか?何で?どうして?」
聞き覚えがあるのか、狼狽するミサト。彼女の頭脳から正常な思考力が失われていく……
「よう!みんな揃ってるな?」
無精ひげを生やした精悍な顔付きの男がやって来た。
漢くさい笑みと飄々とした雰囲気。
ただ、くたびれたYシャツに緩めたネクタイは、少々だらしない印象を与えるが。
「❤加持さん❤!」
アスカは途端に表情を一変させ、加持と呼んだ男に満面の笑顔で擦り寄って行った。
さっき脱ぎ捨てた猫の毛皮を慌てて着込んだ様だ。
「俺は加持リョウジ。アスカの随伴で来たんだ。
ついでに、葛城とは古い馴染みってところだ。それに赤木リツコ博士ともね。」
「シンジ君、レイちゃん、宜しくな!」
「それで、さっきの続きだけれど……」と加持は自己紹介を終えると話し始めた。
「守りたい人がいる人間は、それだけ強くなれる。守りたい相手が恋人なら、愛する女性なら尚更だ。」
「現にシンジ君は何の訓練もせずにエヴァを起動させ、既に3体の使徒を倒しているんだ。」
「とても、ただのお坊ちゃんには出来ない芸当だよ。そうは思わないか?アスカ。」
加持がシンジを褒める言葉を重ねて行くうちに、再びアスカの表情が険しくなっていく。
670 :
冒険中年:2011/09/13(火) 20:24:13.18 ID:dUbKRtPS
シンジとヒカリの物語 拾壱話 予感と現実-05
「そんな…ただの偶然です。それにミサトさんやリツコさんや他の人達、それに綾波さんが助けてくれたから。」
「でも、どうして僕の事を?」
それに気付く事無く、シンジは加持の賞賛に対して謙遜してみせた。
「シンジ君やレイちゃんの事は全部知ってるよ。君達は有名人だから。」
加持はアスカの表情の変化など知らぬ振りで、シンジとレイを持ち上げた。
「偶然で使徒が倒せたら、エヴァもネルフも要らないさ。君の才能だよ、自信を持っていい。いや、持つべきだな。」
「それに周囲に感謝するところなんか、将来大物だな、なあ葛城?」
「あ、悪夢だわ。きっと夢よ、幻よ、嘘よ……」
加持から話を振られたミサトであったが、
『一番会いたくない男』・加持の突然の襲来で外界の出来事に反応出来無くなっていた。
「あ、アタシだって、アタシだって1体倒したわよっ!」
とうとうアスカが声を荒げた。
「UN太平洋艦隊の捨て身の協力があった事を忘れるなよ。」
加持が一言付け加えた。真剣な表情で。
「いいわよっ!もう!」
アスカの他人より小さな堪忍袋の緒が切れたらしい。椅子を蹴飛ばす様にラウンジから出て行く。
「惣流さん…」
アスカを追おうとしたシンジを制して、アスカのいた席に座った加持は話を続けた。
「スマンな、シンジ君。アスカはずっと独りで生きてきた。勉強も訓練もね、独りだった。」
「周りは皆大人ばかり。友達もライバルもいない。大人は褒めそやし、おだてるだけ。」
「結果、エヴァのパイロットである事にプライドと拘りを持ち過ぎただけでなく、
自分は何でも出来る、自分は常にbPだと思う様になってしまった……」
「なんか、僕と似てるところがありますね。惣流さん…」
「僕も、この街に来る前は、友達もいない、ひとりぼっちだったから。」
「でも、今は違うだろ?恋人や友人に囲まれてる。」
「はい。」
シンジは少しだけ赤くなった。
「それは君が、“いい男”だって事さ。アスカを頼むぜ、シンジ君。」
(ひとりでは戦えない、ひとりでは生きられないって事を教えてやってくれ。)
加持は敢えて最後の一言は口にしなかった。余計だと思ったからだ。
「仲良くやっていけるかな、惣流さんと……」
そう呟いたシンジの隣の席でレイも呟いた。
「命令があればそうするわ……」
それを聞いた加持は苦笑した。
ミサトは、未だ再起動を果たせずにいる。
数年前にトラぶって別れたわだかまりが彼女の中で渦巻いていた。
671 :
冒険中年:2011/09/13(火) 20:25:50.33 ID:dUbKRtPS
シンジとヒカリの物語 拾壱話 予感と現実-06
アスカは本部内に宛がわれた自室で、ひとり燃えていた。
「アタシが次の使徒を一人でチョイチョイッと倒して見せてやれば済む事よ!」
「トップエースはアタシだって事をサードやミサトに思い知らせてやるわ!」
「そうすれば加持さんも、アタシを認めてくれる!」
(アタシを女として見てくれるかもしれない!)
最後の一言を口にする事無く、アスカは枕に顔を埋めた。
まるでそれが誰か男の胸ででも有るかの様に。
第七の使徒が現れたのは、その翌日の事だった。
「アスカっ!待ちなさい!無人ヘリの攻撃が先よっ!」
海岸線に進出しての迎撃戦。
アスカはミサトの制止を振り切って、ヒトデを前衛的にデザインし直した様な風体の使徒に突撃する。
「シンジ君!援護して!!」
指揮車に居るミサトの指示で、初号機の抱えるパレットガンが火を吹く。
ちなみに発射されているのは、通常の徹甲弾と榴弾の混合である。
劣化ウラン弾では着弾時の爆煙で視界が損なわれる事と、
やはり環境に対する影響が少なくない、と言う事で使用は当面控えられる事になったからだ。
ATフィールドを中和した上でも、余程の至近距離でなければ牽制程度にしか使えないと判明した事も大きい。
シンジの正確な射撃が使徒の動きを止める。
それを見逃すアスカでは無い!
「てやあああああああああああっ!!」
アスカの駆る弐号機が宙を舞い、
振り上げたソニックグレイブが、第七の使徒を文字通り真っ向唐竹割りに真っ二つに切り裂いた!
「どう?サード。見たでしょ?アタシの腕前。戦いは華麗に美しくよ!」
アスカはシンジに誇らしげに言った。
アスカの得意のポーズを弐号機がとっている。
しかし、この時弐号機は使徒の死骸に背を向けていたのだ。
だが、ミサトもシンジも気が付いた。使徒が、まだ死んでなどいない事に。
「アスカっ!後ろよっ!!」
「惣流さん!まだ動いてるっ!!」
真っ二つになった使徒が文字通り二体に分裂して復活したのだ。
「何よ!インチキしないでよ!!」
アスカは声を上げた。
672 :
冒険中年:2011/09/13(火) 20:29:07.67 ID:dUbKRtPS
シンジとヒカリの物語 拾壱話 予感と現実-07
二体になった使徒にはエヴァの攻撃は何も通用しなかった。
切っても突いても刺しても、すぐに再生した。
再生して反撃してきた。
シンジもアスカも疲労と焦りから、使徒に追い詰められていった。
そして、アンビリカルケーブルを切られた初号機も弐号機も次々沈黙していった。
とてもみっともない有り様で。
最早これまでとミサトはエヴァを回収するとUN軍に依頼してN2爆弾の使用を決意した。
使徒に対しての決定打にはならぬ事、数日後には復活してくるのは承知の上で。
閃光が煌めいた。
それから数時間後 ブリーフィングルーム
赤木リツコ博士の短くも屈辱的なコメントの添付された戦闘記録映像を延々と見せられ、
無駄に長い冬月の叱責、ゲンドウの止めの一言を浴びせられたシンジとアスカには、さらなる試練が待ち受けていた。
使徒に惨敗を喫したシンジとアスカに、加持が考案した、ある作戦の為の特訓が課される事になったのだ。
その特訓とは…………
シンジを絶句させ、アスカに「そんな無茶な……」と言わしめるものだった。
それから三日が過ぎた。
673 :
冒険中年:2011/09/13(火) 20:30:27.20 ID:dUbKRtPS
シンジとヒカリの物語 拾壱話 予感と現実-08
第壱中学校2-Aの教室では、ひとりの少女が憂いを秘めた眼差しで空を見上げていた。
(シンジ…今日も来ないわ。携帯も電話も通じないし。まさか…何かあったんじゃ???)
何日も学校に現れないシンジに気を揉むヒカリ。
授業も聴いておらず、号令も1テンポ遅れている。声にも張りが無い……
トウジもケンスケも同じくシンジを心配している。
実はレイも休んでいるのだが、
彼女が何日も続けて休むのはさして珍しい事では無いので、さして重大な事とは思われていない。
ケンスケが重い口を開く。
「委員長…実はさ、またエヴァが、シンジが戦ったみたいなんだ、海岸の方で。」
「詳しい事は判らないけどN2兵器も使われたらしい。」
「何やて!!」
声を荒げるトウジ。
「そんなっ!!!!」
ヒカリは目の前が真っ暗になった。
脳裏にN2爆弾に吹き飛ばされ四散するシンジの無残な姿が浮かぶ。
ヒカリは真っ青になって、しゃがみ込んでしまった。
(どうしよう……もし…シンジに何かあったら、わたし生きていけない……)
「いいんちょ、しっかりせいや!」
「とにかく後で、シンジの家に行ってみようやないか。」
トウジの提案で放課後に皆でシンジの家を訪問する事になった。
674 :
冒険中年:2011/09/13(火) 20:32:36.46 ID:dUbKRtPS
シンジとヒカリの物語 拾壱話 予感と現実-09
放課後 葛城家・玄関前にて
一行は葛城家に辿り着いた。
ヒカリの震える指がインターホンに伸びる。
(もし、シンジがいなかったら……もしひどいケガをしたって言われたら……もしシンジが……)
覚悟を決めたヒカリの指がボタンを押した。
ぴんぽーん!とドアの奥で音がした。
ぱたぱたと足音がした……
ぷしゅっとドアが開いた。
「え?」
悲壮な覚悟を決めていたヒカリの黒い円らな瞳は、今小さな点になっていた。
「はーい、ってアンタは…」
出てきたのは、あの時の亜麻色の髪に紺碧の瞳の美少女だった。
「あなたはあの時の…」
(でも、どうして、この子がいるの?)
ヒカリには、何故この美少女が此処にいるのか理解できない。
(誰や?この女。)
(さあね?俺も知らないよ。)
トウジとケンスケはアスカと面識が無いので、更に混乱している。
その中でアイコンタクトだけで会話するとは流石は、悪代官と悪徳商人の仲であると言えよう。
「サード!アンタにお客さんよ。」
心の中で、アスカの美貌が、ちゃあーんす!とばかりに歪む。
(コケにしてくれたサードにひと泡吹かせてやるわ!)
675 :
冒険中年:2011/09/13(火) 20:33:58.71 ID:dUbKRtPS
シンジとヒカリの物語 拾壱話 予感と現実-10
「ヒカリ…トウジにケンスケ……」
アスカに呼ばれて出てきたシンジであるが、
この状況をどうやって説明したらいいものか、一瞬だが言葉に詰まってしまった。
それを見逃すアスカではない!
「アタシたちねぇ♪今一緒に暮らしてんのよぉ❤それはそれはもう、深―く愛し合ってるのォ❤ねえ、ダーリン❤」
アスカが小悪魔の笑みで、シンジが何も言えないでいるうちにとんでもない事を言ってくれた。
「シンジ!!一体どういう事なの!!」
即座に反応したヒカリはシンジに詰め寄った。だが、守秘義務の事もあるし、どう言えばいいか判らない。
トウジとケンスケは重大な事に気が付いた。
シンジと見知らぬ美少女は同じデザインのレオタードを着ているのだ。
間の悪い事に、それが口に出てしまった。
「「ぺ、、ぺあるっく…」」
「「いやーんな感じ…」」
「「やっぱり!同棲か?」」
見事なユニゾンだ!
当然ヒカリの耳にも届いてしまう。
「そ、そんな、同棲だなんて、ふけつよおおおおおおおお!!」
「ヒカリ 誤解だよ!」
「五回も六回も無いわっ!!一回でも浮気したら許さないわっ!!」
泣きわめくヒカリに胸倉を掴まれるシンジ。
突然の事に呆然とするトウジにケンスケ。
アスカは小悪魔のいや、魔女の笑みを浮かべて楽しそうに四人を見比べていた。
676 :
冒険中年:2011/09/13(火) 20:35:37.64 ID:dUbKRtPS
シンジとヒカリの物語 拾壱話 予感と現実-11
「あら、みんな、いらっしゃい。楽しそうね。」と能天気な声がする。
ミサトが加持とレイを伴って帰って来た。
ミサトが状況を説明し、初対面の面子を紹介する事で、何とか騒ぎを鎮める事が出来た。
エヴァが使徒に惨敗した事と、三日後に復活すると予想される、
使徒に対する新戦法の為の特訓とその為の期間限定合宿だという、この状況を。
新戦法とは分離合体再生する使徒に対して二つのコアに対しての2点同時加重攻撃。
その為にはエヴァ二体の攻撃のタイミングを完璧に合わせる必要がある。
その為にはパイロット二名の完璧な、体内時計をも同調させたユニゾンが必要である。
その為の特訓という訳なのだが……
(ネルフの守秘義務って?というツッコミは、この際無しである。)
「それやったら早うに言うてくれたら良かったのに。」
「委員長なんか真っ青になったり、泣いたり喚いたりで大変だったんですから。」
「それで、シンジと惣流さんの特訓は上手く行ってるんですか?」
ケンスケをじろり、と、ひと睨みしたヒカリがミサトに訊いてみる。
アスカが言った事はたちの悪い冗談で、此処に居るのはあと3日の期間限定と判って少しは落ち着いた様だが。
でも、ひとつ屋根の下で、自分は到底及ばぬ金髪碧眼の美少女が、シンジと寝食を共にするなど、
本当は堪らなくイヤなのだ。到底容認不可なのだ。
だが、あと3日の辛抱であり、ミサトも一緒なのだから間違いは起きるまいと自己暗示を掛けまくって、
何とか堪えているヒカリなのである。
「それがね……」
そこには……
【ツイスター】を改造したような一見ゲームの様な特訓用メカに挑んでいるシンジとアスカの姿があった。
ヘッドホンで音楽を聴きながらゲーム盤上を表示された位置に手足を動かしていくものらしい。
音楽に合わせるのも勿論だが左右2名のプレーヤーの動きが合うことの方が重要な設定の様だ。
(これも加持の考案である。製作は勿論ネルフ技術部。)
シンジはチェロを奏でるくらいだから音感もリズム感も悪くない筈。更にネルフでの訓練に励む日々を送っている。
だが、エヴァに関する訓練を10年も積んでいるアスカの華麗でしなやかな動きには付いていけないのだ。
もっとも、自分に付いて来るのが当たり前というアスカの姿勢にも大きな問題があるようだが。
皆が来てからだけでも数回繰り返しているのだが、すぐに【エラー】が表示されゲームが止まってしまうのだった。
「……見ての通りなのよ。」
ミサトの言葉を合図に大きな溜息をつく一同。
「当り前でしょ!このアタシにサードが付いて来るなんて到底不可能よ!」
両手を腰に当て誇らしげに胸を張るアスカに、加持は不敵な笑みを浮かべると、
ゲーム盤の上でへたり込むシンジの汗をタオルで拭いているヒカリに声を掛けた。
「ヒカリちゃん、試しにシンジ君とやってみてくれないか?」
677 :
冒険中年:2011/09/13(火) 20:37:20.71 ID:dUbKRtPS
シンジとヒカリの物語 拾壱話 予感と現実-12
「えっ!わ、わたしがですか?」
困惑するヒカリ。
「か、加持さん!!」
アスカは驚愕の眼差しで加持を見詰める。
(アタシをシロウトとのサードの恋人と比べるって言うの?加持さん!!)
だが、加持の目は真剣だ。
「ヒカリちゃん、君なら大丈夫さ。」
そう言って、ヒカリを促した。
「ヒカリ、ごめんね。巻き込んでしまって……」
「いいのよ、シンジの役に立てるなら。わたし、嬉しいの。」と、
ふたりの世界に入り掛けたところでアスカが、ごほん!と咳払いした。
現実に戻って来たシンジとヒカリは向かい合って手を握り、呼吸のタイミングを合わせる。
合ったところで「ミサトさん!お願いします。」とシンジが声を掛け、ゲームはスタートした!
初めは、やはり呼吸が余り合わずに【エラー】となってしまっていた。
(ほら、ごらんなさい。)とばかりに、アスカは余裕の笑みすら浮かべていた。
だが、ゲームを繰り返す度に、次第に、ぴたりと揃うふたりの動き。
アイコンタクトを繰り返し、ほとんとミスをする事無く62秒のゲームを終える事に成功した。
表示された得点も思いの外の高得点に驚愕する一同。
特にアスカは、
(信じられない)
(そんなバカな)
(何かの間違いよ)
(うそよ)
という表情を浮かべている。
「ブラボー!シンジ君、ヒカリちゃん。」
「こりゃ、もしヒカリちゃんがエヴァに乗れたら、迷わずシンジ君と組ませるよな、葛城?」
加持は、ぱちぱちと拍手でシンジとヒカリを称え、ミサトとアスカに交互に意味深な視線を投げ掛ける。
それは異常なほどのプライドと拘りを持ち、エヴァを操るアスカには到底聞き捨てならない事だった。
「何よ、これ!!もう、やってられないわ!!」
激昂して飛び出していくアスカ。どこか泣いている様にも見えた。
678 :
冒険中年:2011/09/13(火) 20:39:04.19 ID:dUbKRtPS
シンジとヒカリの物語 拾壱話 予感と現実-13
「シンちゃん、お願い!!」
ミサトはすぐさまシンジにアスカを追わせる。
「わたしも行きます!」
ヒカリも飛び出して行った。
レイも何を思ったか、無言ですたすたと出て行く。
「ちょっと薬が効きすぎたかな?」
と苦笑いしている加持。
「どうしてくれんのよ!加持!」
「このままじゃ人類滅亡よ!!」
ミサトは睨みつけた。
「鈴原君!相田君!留守番頼むわっ!!」と、
言い捨てて加持の襟首を掴むと、彼を引き摺る様にして出かけて行った。
その脳裏には、(やっぱりこいつの案なんかに縋るんじゃなかったわ!)という思いが沸き起こっていた。
取り残されたトウジとケンスケ、それにペンペン。
「なんでワイらだけこうなるんや?」
「さあてね…サブキャラだからだろ…」
「くええええええっ」
ペンペンが一声鳴いた。
近くのコンビニにアスカは居た。
「弐号機パイロット…そこに居たのね…」
レイはペットボトルコーナーの前にしゃがみ込むアスカの後ろに立つ。
「何だ…ファーストか……」
「何も言わなくてもいいわよ…どの道、アタシにはエヴァに乗るしかないのだから……」
「私もあなたと同じ…エヴァしか無かった…でも…碇くんと洞木さんが違うものをくれた…」
「違うもの?」
「友達という絆……それはとてもとても温かいもの……」
「友達?絆?何?」
「なってみればわかる……」
679 :
冒険中年:2011/09/13(火) 20:40:41.95 ID:dUbKRtPS
シンジとヒカリの物語 拾壱話 予感と現実-14
夕陽の綺麗な公園。
そこは、かつてシンジがヒカリに告白した場所。
同時にファーストキスの思い出の場所。
その場所で、アスカはコンビニで買い込んだ山の様なサンドイッチを自棄食いしていた。
食べてはウーロン茶で流し込んでいる。
レイは「肉キライだから」と辞退したのだが、ポテトサラダサンドと野菜サンドを押し付けられ
ちびちびと食べて、ウーロン茶をちびちびと飲んでいた。
そしてレイは友達になる事をアスカに強引に約束させられてしまったのだ。
「友達は強引になるものではないわ……弐号機パイロット……」
「あーっ、もう、うっさいわね!これは重大な決定事項よ!変更不可なのよ!!」
「それにアタシの事はアスカって呼びなさいって言ったでしょう!レイっ!」
「判ったわ……弐号機パイロット……いえ…アスカ…」
サンドイッチがもう少しで無くなる頃、シンジとヒカリはやっと公園に辿り着いた。
「「惣流さん、ここにいたんだ。」」と見事なユニゾンを披露する。
アスカは、紺碧の瞳をふたりに向ける。
「何よ、そこまで見せつけたい訳?」
「どうしようもない軟弱者ね、アンタ達。いいわ、このアタシが鍛え直してあげるわっ!」
「傷付けられたプライドは10倍にして返すのがアタシの主義よ!」
「??」
シンジとヒカリには意味不明だ。唖然としている。
「何よ!判んないの?アンタ達、ばかァっ?じゃあ判り易く言ってあげるわ!!」
「この完全無欠の人類史上最高の天才美少女のアタシが、特別にアンタ達の友達になってあげるって言ってるのよ!」
「涙を流して感謝しなさい!!」
兎に角、友達になりたがっているらしい事だけはシンジとヒカリもわかった。
((ならいいんじゃない?))と目で会話する。
「アンタ、名前は?」
「洞木ヒカリよ。」
「ヒカリね。アタシはアスカでいいわ。」
「アンタもアスカって呼びなさい、バカシンジ!」
「そうと決ったら帰って特訓よ、特訓!!」
「レイっ!アンタも来るのよっ!」
という訳でいささか強引だが、
ここで、4人に、いや、シンジとヒカリのカップルとアスカ、レイとの間に奇妙な友情が生まれた。
680 :
冒険中年:2011/09/13(火) 20:42:27.73 ID:dUbKRtPS
シンジとヒカリの物語 拾壱話 予感と現実-15
「アスカらしいわね。」
「そうだな。」
そのやり取りを見ていたミサトと加持は、この作戦の成功を確信した。
ミサトも何故か昔の事など、どうでもいい様に思えてきた。
「ところで葛城、シンジ君とヒカリちゃん、どこまで行ってるんだ?」
「そりゃ…イクトコまでよ……」
「なるほどな、だからか…じゃあ、アスカともシテもらうか?シンジ君に。」
「バカな事言わないで!血の雨が降るわ!それこそ人類の危機よ。さっきも見たでしょ、ヒカリちゃん嫉妬深いのよ!」
「冗談だって。それと、ちゃんと避妊はさせてるんだろうな?あの歳でパパとママなんてドラマのネタだぜ。」
「それは大丈夫よ。リツコが薬用意してくれたから。
もし、そんな事にでもなったらネルフの責任だって大騒ぎしてネルフで検査までして薬作ったのよ。」
「へえ〜リっちゃんがねえ〜。手回しのいいこって……」
加持の目が微かに輝いたのをミサトは見逃さなかった。
加持は、(この俺に調べてくれって事だな。)と理解した。そして、それは間違っていなかった。
ヒカリとレイを巻き込んでのシンジとアスカの友情?の特訓が始まった。
時に怒鳴り、時に怒り、時に泣き、そして時に笑い合い、特訓は続いた。
それは旧世紀、それも70年代の『青春ドラマ』の様だった。
アスカは初めての友人たちとの触れ合いを楽しんでいた。
シンジも同じだった。恋人であるヒカリや、トウジ、ケンスケ、レイとは違う、
このアスカという新たな友人との触れ合いを楽しめるようになった。
すると、ユニゾンの特訓は大きく前進を見せる。
まず、【エラー】で停止する事が無くなった。
そして、得点もどんどん上昇して行く……
ミサトも加持もご機嫌だ。
一方、シンジとアスカのユニゾンの完成度がどんどん高まるにつれて、
ヒカリは自分の中の嫉妬の心がどんどん大きくなっていくのを感じた。
(わたしってイヤな子なのかな…でも……)
もう少しの辛抱だと我慢する事にした。
681 :
冒険中年:2011/09/13(火) 20:46:41.18 ID:dUbKRtPS
シンジとヒカリの物語 拾壱話 予感と現実-16
その晩の事、
ヒカリもレイも帰宅し、現在、ミサトは鼻歌交じりに入浴中。
アスカはバスタオル一枚だけの姿で亜麻色の髪にドライヤーを掛けている。
ヒカリには悪いと思うが、シンジは気になって仕方が無い。
「ねえ、早く服を着なよ。」
「何よ、ならこっち見なきゃいいでしょ、エッチ!」
そう言ったアスカの顔が、また小悪魔に変わった。
「ねえ、見たいの?なら…見せてあげようか?」
悪戯っぽい光を宿した紺碧の瞳がシンジを見詰めている。
「い、、いいよ、見たくないよっ」
「アタシ、プロポーションに自信あるんだヨ…ヒカリには内緒にしてア・ゲ・ル……」
アスカはタオルに手を掛けた。
「や、やめろ!取るな!」
シンジの声を合図にするかのように、はらり!と落ちていくバスタオル。
だが、実に残念な事に、
アスカはバスタオルの下に肩紐の無いチューブトップとホットパンツをしっかりと身に着けていたのである。
「ぎゃはははは……おっかし〜アンタ耳まで真っ赤にしちゃってさ、ホントにからかい甲斐のあるヤツ!」
高笑いのアスカ。布団の上を転げ回っている。
たちの悪い冗談に引っ掛けられたシンジは、ぷいっとアスカに背を向けた。
682 :
冒険中年:2011/09/13(火) 20:48:54.29 ID:dUbKRtPS
シンジとヒカリの物語 拾壱話 予感と現実-17
数分後、ジュースを二つのグラスに入れたアスカがシンジに声を掛けた。
「さっきはごめんね。」とジュースを手渡して。
「ねえ、シンジ、アンタ、ヒカリと付き合ってんでしょ?ヒカリのどこが好きなの?」
アスカは、この前から訊きたかった事を訊いてみた。それをなぜ訊きたいのかは、はっきりと理由は判らなかったが。
「え?そ、その…まあ…ん…そうだね…可愛くて、優しいところかな。」
「この街に来るまで、友達がひとりも居なかった僕に優しくしてくれて、友達になってくれたんだ。
それで気が付いたら恋人になってくれていた。また、アスカに怒られるかもしれないけど、
僕はヒカリを護りたいからエヴァに乗るんだ。こんな事言うのはちょっと恥ずかしいけど。」
「でも、初めて会った時から好きだったのかもしれない。」
その時のシンジの顔は、アスカが見た事も無い程清々しいものだった。
「ふ〜ん……そうなの。ごちそうさま。」
そう言ったアスカは、ごろん!と横になった。
もうひとつ訊きたい事があった筈なのに、アスカはそれをシンジに訊く事が出来なかった。
そして、夜中、
ミサトの鼾で目が覚めてしまったシンジに聞こえてきたのは、
寝言で啜り泣くアスカの声だった。
「ママ……ママ……」
加持の言った『アスカはずっと独りで生きてきた』という言葉が思い出された。
と言う事は、アスカの両親はもうこの世には居ないのだろうか?しかし、簡単に訊ける話では無い
シンジは、取り敢えず今は忘れてしまう事にした。
当面必要なのはユニゾンを完成し、第七の使徒を倒す事なのだから。
683 :
冒険中年:2011/09/13(火) 20:51:08.27 ID:dUbKRtPS
シンジとヒカリの物語 拾壱話 予感と現実-18
翌日も友情の特訓は続き、シンジとアスカのユニゾンは夕刻になり、やっと完成した。
使徒の復活と決戦は明日の朝である。ギリギリのタイミングと言っていい。
ほっとした一同に重大な事が発覚した。
ミサトが明朝7時の作戦準備の為に、本部に泊まり込みを余儀無くされたのだ。
「じゃあ…今夜はシンジと二人きりなのね!うふっ!❤」
アスカは、再び小悪魔の笑みを浮かべてシンジとヒカリを交互に見る。
シンジは、げんなりと項垂れ、ヒカリの華奢な両肩はワナワナと震えた。
「アタシ、シンジに求められたら、全てを捧げちゃうかもよ?」
その一言にヒカリは、
「わたしが一緒に泊まるわっ!!と高らかに宣言した。
レイも「…私も……」と呟いた。
葛城家のリビング
ひとりの少年と3人の少女が並んで寝ていた。
シンジ、ヒカリ、アスカ、レイの順で。
シンジとレイは早々に眠ってしまったが、ヒカリとアスカは中々寝付けなかった。
「ねえ…ヒカリ…起きてる?」
寝付けないアスカはヒカリに声を掛けてみた。
もぞもぞしているから、まだ起きているに違いないと思ったのだ。
「何?」
「ヒカリはバカシンジの何処がいいわけ?」
昨夜のシンジと同じ質問をしてみる。
「強いところ、それに優しいところ、そして優しくて強いところ」
そうヒカリは応えた。
「強い?優しい?シンジが?アタシにはわからないわ。」
【優しい】は認めてやるのも吝かではないが、【強い】とは、一体何の話だ?とアスカは思った。
「そうかもね。」
「確かにシンジはケンカとかは弱いと思う。でもね、前にわたしが街で変な人に絡まれた時に助けてくれたの。
周りの人はみんな見て見ぬ振りでいたのにね。身体の大きな男の人だったのに、シンジは相手を殴って、
その隙にわたしを連れて逃げてくれたのよ。自分が弱くてまともにケンカしたら私を護れないって知ってたから。
自分が弱い事を知ってるから強いのよ、シンジは。」
「あ、これウチのお父さんの受け売りだけどね。」
「でも、初めて会った時から好きだったのかも知れないわ。」
ヒカリの顔も、昨夜のシンジと同じ様に清々しく見えた。
アスカにはヒカリが、薄暗い部屋なのに何故だか眩しく見えた。
684 :
冒険中年:2011/09/13(火) 20:52:50.84 ID:dUbKRtPS
シンジとヒカリの物語 拾壱話 予感と現実-19
「そうなんだ。ごちそうさま、ヒカリ。」
シンジもヒカリも同じ様な事を言うのね、と思ったアスカも同じ様に返していた。
アスカは昨夜シンジに訊けなかった事を訊いてみる事にする。何故訊けなかったのかは、まだ解らないが。
「で、アンタ達、どこまで行ってるの?」
「ええっ!」
ヒカリが赤くなっているかどうかは常夜灯の元では良く判らないが、とにかく狼狽しているのは確かな様だ。
「言っちゃいなさいよ、大丈夫、みんな寝てるんだし。」
「わかったわ………」
「わたし…もうシンジのものなの。何度も愛してもらってるわ…」
アスカの追撃に観念したヒカリは事実を吐露した。婉曲的な表現だが。
「…………」
アスカは言葉に詰まった。
「そう…もうシちゃったんだ……」
何故だか暫く言葉が出て来なかったアスカが、やっとの事でそう呟いた時には、もうヒカリは寝息を立てていた。
アスカはヒカリが寝ているのを再度確認して、シンジの部屋に行ってみた。
中には自分のとヒカリのとレイのバッグがある。
自分のは数日前に持ってきたもの、ヒカリとレイのものは彼女達が急遽取りに行ったものだ。
そして、机に椅子、それにベッド。
「このベッドでシタのね。」
たぶんそうなのだろう、とアスカは思った。
中学生がラブホテルなど行く筈も無いし、この何日かで聞いたところではヒカリには姉と妹が居るそうだがら、
ヒカリの家という可能性も低い。
面白そうだから、このままなし崩し的に、この家に居座ってやろうかと思ったのだが、
ここでシンジとヒカリが絡み合っていたのかと思うと、少し考えてしまう。
ふと、小悪魔の様に悪戯っぽい笑みがアスカの美貌に浮かぶ。
「やっぱり、アタシって冴えてるわね。」
しかし、なぜ自分が、それに拘るのかは彼女の鋭敏かつ明晰な頭脳をもってしても、
その時点では理解出来ていなかった。
ともかく名案を思い付いたアスカは布団に戻ると、すぐに眠りに落ちて行った。
685 :
冒険中年:2011/09/13(火) 20:54:28.51 ID:dUbKRtPS
シンジとヒカリの物語 拾壱話 予感と現実-20
そして翌朝となった。
MAGIの予測通りに復活した第七の使徒は、
UN軍や無人ヘリ隊の攻撃を悠然と受け流して第三新東京市に侵攻してきた。
AM07:00 作戦は開始された。
前回の戦いで初号機と弐号機を翻弄した第七の使徒は、見事なユニゾンを見せる両機に逆に翻弄される。
ミサトの指揮する無人ヘリや兵装ビルからの的確な援護射撃も加わり、
使徒は苦し紛れに無意味な分裂合体を繰り返すが、それも空しく、どんどん追い詰められていった。
そして、
「わあああああああああああああああっ!!」
「たあああああああああああああああっ!!」
空中高く舞い上がった濃紫と真紅、二体のエヴァのフライングドロップキックが、
コンマ001秒のずれも無く二つのコアに決り、第七の使徒はその衝撃に耐えきる事が出来ずに爆発、四散した。
数日の猛特訓を必要とした大作戦は、予定通りの僅か62秒で終了した。
(ただ、使徒の爆発の影響で市の外れにある廃棄寸前のマンション群が一斉に倒壊した事だけが予定外だった。
しかし、住人は全員外出中だったので人的被害がゼロだった事は不幸中の幸いだったと言えよう。
同地区はこれを機に再開発が開始される事になった。)
「やったわ!ばんざーい!ばんざーい!!」
ミサトは加持と手を取り合って喜んだ。
数年前のわだかまりは、もう何処かへと消えていた。
その様子をリツコは複雑な表情で見詰めていた。
シェルターの中で轟音を聞いたヒカリは、シンジとアスカの勝利を確信した。
少しだけではない嫉妬を覚えながらも、アスカに、もう会う事が無いのかと思うと少々寂しい気もした。
大卒であり、才能溢れるアスカはリツコの指導の元で技術者としての養成を受けながら、
パイロットの任務に就く予定だったからである。
宿舎も市内の職員宿舎だと聞いていた。
シンジも同じだった。
この数日間振り回されっ放しだったが、これでエヴァでの実験や訓練、
それに実戦の時しか顔を合わせる事は無いのかと思うと、少しだけ寂しい気がした。(ヒカリには極秘だが。)
ただ、少々気になったのは、作戦終了後のデブリーフィングの後で、
アスカとレイが何か意味深な視線を自分にチラチラと投げ掛けながら、
ミサト、リツコそれに加持と何やら話し合っていた事だが、
一刻も早くヒカリに逢いたいシンジは早々に本部を後にしてしまった。
彼は、これを後々後悔する事になる。
686 :
冒険中年:2011/09/13(火) 20:56:42.64 ID:dUbKRtPS
シンジとヒカリの物語 拾壱話 予感と現実-21
さらにその数日後の事………
第三新東京市立第壱中学校 AM08:30
亜麻色の髪を靡かせた転校生が2-Aにやって来た。
「惣流・アスカ・ラングレーです。よろしくお願いします。」
日独のクォーターでありながら容貌は何処か東洋的であり、
その紺碧の瞳に亜麻色の髪、白い肌とプロポーションは西洋的という美少女。
笑顔を振り撒く彼女の周りには、たちまち人の輪が出来た。
シンジもヒカリも驚きの余り声も出なかった。
アスカが第壱中学に、しかも2-Aに転入して来る事など、何一つ知らされていなかったのだ。
ミサトもリツコも加持も、誰も何も教えてくれなかった。
「「だ、大卒のアスカが、どうして?」」
シンジとヒカリは悪い夢でも見ているかの様だった。
「そうね、日本の中学校っていうとこにも行ってみたかったし、アンタ達と一緒だと面白そうだからってトコかしら?」
「よろしくね、シンジ、ヒカリ。」
小悪魔の笑みを浮かべ、亜麻色の髪を靡かせて、悪戯っぽい光を宿した紺碧の瞳の主が、シンジとヒカリに微笑んだ。
「「お、面白そうって……」」
シンジとヒカリは顔を見合わせ、大きな溜息を吐いた。
そしてこの二人は……
「のう、相田屋。」
「何でございます?鈴原お代官様。」
「美しい“おなご”よのう。」
「流石はお代官様、お目が高い。」
再びトウジがニヤリと笑い、ケンスケの眼鏡が再び怪しく光った。
浪花の商人(あきんど)とカメラオタクががっちりと握手を交わす。
「売れるぞ、これも売れるぞ!」
「そうや!もうひと儲け出来るで!!写真にあの性格はあらへんからの!!」
そう、猫の毛皮を数十枚着こんだ虎だろうが小悪魔だろうが、猫に写ってくれればそれで良いのだ。
ケンスケは愛用のデジタル一眼レフのスイッチを入れた。
謎の資金で新たに購入した愛機は輝いている。装着されているレンズも以前の物より1ランク上だ。
描写力も素晴らしい。
きっと傑作が撮れるに違いない。
だが、今回はケンスケの機材もトウジのジャージも新品になる事は無かった。
代わりに、アスカがヒカリやレイ、他の女子生徒をファーストフードや甘味処へと誘う姿が頻繁に見受けられる様になった。
これは彼女たちの交友と友情を深めるのに大きな役割を果たした、と後に語られている。
だが、アスカはその資金の出所を語る事は一切無かったという。
トウジとケンスケに大きな誤算があったのは間違い無かろう。
悪代官と悪徳商人の野望は潰えたのだ。
687 :
冒険中年:2011/09/13(火) 21:01:18.51 ID:dUbKRtPS
シンジとヒカリの物語 拾壱話 予感と現実-22
そして、シンジとヒカリにも、それは降り掛かって来た。
シンジとヒカリは久々に共に過ごそうと手を繋いで葛城家へと戻って来た。
ミサトも早く帰って来ると言っていたので肌を合わせる事は出来ないだろうが、
ふたりでゆっくり会話を楽しんで唇を合わせる事くらいは出来るだろう。
シンジとヒカリは、数人の引っ越し業者のスタッフと入れ違いにエレベーターに乗った。
中で微笑みを交わすふたり。
エレベーターを降りる。そして部屋に向かって歩いて行くと……
葛城家のドアの前に二つの人影を見つけて、シンジとヒカリの足がピタリと止まり、身体がビシッと硬直した。
人影は、二つとも見慣れた第三新東京市立第壱中学校の女子生徒の制服を着ていた。
一つめは蒼銀のシャギーの入ったボブの髪に、真紅の瞳
二つめは腰まで届きそうな長い亜麻色の髪に、紺碧の瞳
そんな容姿を持った人物はごく限られていた。
勿論、綾波レイと惣流・アスカ・ラングレー、二人だけである。
「お帰り!シンジ、遅かったじゃない。いらっしゃい、ヒカリ。」
「碇くん、お帰りなさい。洞木さん、いらっしゃい。」
アスカはいつもの小悪魔の笑みで、レイは僅かに、はにかんでいた。
「「え?アスカ、綾波さん、い、今なんて言ったの?」」
驚愕と動転の極みにいるシンジとヒカリは、絶妙のユニゾンを披露していた。
「アタシ、このマンションに住む事になったからよ。」
「私も、このマンションに住むの。前の部屋、壊れたから。」
「「ま、まさか、この部屋?」」
688 :
冒険中年:2011/09/13(火) 21:03:43.16 ID:dUbKRtPS
シンジとヒカリの物語 拾壱話 予感と現実-23
「アンタ達、ばかァ?〜この部屋じゃないわよ。」
「私はそれでも良かったけど……」
「ここのマンションにある1DKの部屋よ。」
「そう、その部屋。」
「「ええっ」」
「アタシは702よ。」
「私は701。洞木さんが、この前、五階も六階も駄目だと言ったから七階にしたの。」
「「そ、そんな……」」
「それからね、アタシ達お料理出来ないでしょ、そしたらミサトがね、『ならウチに来て食べればいいわ』って言ってくれたから、よろしくね、シンジ。ヒカリも偶にはお料理しに来てくれるんですって?よろしくね、ヒカリ。」
「碇くん、洞木さん、よろしく……」
「「な、何で……」」
「アタシ、ピーマンとカボチャはキライだから。それと、ドイツ料理なんて言わないけど偶には洋食も出してよね!」
「私、肉と生の魚、きらい……好きなものは“ニンニクラーメン・チャーチュー抜き…お願い…」
「「こうなるの??」」
「ねえ、荷物の整理手伝ってくれるわよね?シンジ?ヒカリ?」
「碇くん、洞木さん、手伝って……」
こうして、ひと時の逢瀬を夢見たシンジとヒカリは、哀れにもアスカとレイの部屋に連行されて行くのであった。
ヒカリは、あの日の予感が現実のものになってしまった事を心から嘆いた。
(この事だったのね……あの悪い予感…)
689 :
冒険中年:2011/09/13(火) 21:07:14.63 ID:dUbKRtPS
シンジとヒカリの物語 拾壱話 予感と現実-24
ほぼ同時刻・ネルフ本部内・ミサト執務室
ミサト、リツコ、加持が談笑している。
学生時代からの馴染みである彼らは、きっと昔もこうやってつるんでいたのだろう。
「へえ、アスカがねえ〜自分から言ったのかい?中学校に行きたいって?」
「そうなのよ。余程シンジ君やヒカリちゃんが気に入ったのね。
初めは『大卒のアタシに中学校なんて冗談じゃないわ!』って大騒ぎしてたのに。」
「“女を変えるのは男”ということよ、ミサト。レイも変わってきたわ。最近シンジ君絡みの質問や相談されるもの。」
「まさかアスカも?レイも?」
「こりゃあ、まさしくシンジ君の『才能』だな。将来が楽しみだ。」
「加持、あんた、まさかシンジ君にヘンな事、教えて無いでしょうね?」
「おいおい、俺は何もしてないよ。きっと血筋だよ。司令の。」
「きっと、これから苦労するわよ、ヒカリさん。シンジ君は、誰かさんと違って自覚が無いもの。」
「おいおい、リっちゃんは俺を誤解してないか?」
「いいえ、私は、極普通に正確に分析しているつもりよ。」
「あたし、アスカはウチに住まわせようと思ったのになあ……」
「シンジ君を物置に押し込めてかい?」
「仕方が無いでしょ、他に部屋無いんだから。」
「知ったんだろ?シンジ君とヒカリちゃんがどこまで行ってるのか……」
「そうでしょうね……」
「そっか、なら住めないわよね。シンジ君とヒカリちゃんの寝た部屋になんて……
それにしてもレイの住んでた部屋が使徒の爆発で吹っ飛ぶなんてね。不可抗力とは言え、レイも災難ね。」
「葛城、本当に不可抗力だと思うのか?」
「どういう事よ?」
「アスカとレイが謀った、と言う事でしょ?加持君の言いたいのは。」
「そう言う事。しかも今となっては、その証明も出来ないしな。」
「でも良かったわね。ミサトのマンション、空き部屋ばかりで。」
「ほんと不思議よね。あんないいトコなのに。ウチの隣でも良かったんだけど、
アスカとレイが言ったのよ。相部屋はいやだってね。」
「それはそうよ。シンジ君に関係する事以外、あの二人は『水と油』だもの。
シンジ君の存在無しでは、エヴァでの連携も難しいでしょうね。」
「シンジ君が人類存亡の鍵を握るってか?何かアニメの主人公みたいだな。」
「「………………………」」
そこで3人の会話は途切れた。
690 :
冒険中年:2011/09/13(火) 21:09:48.29 ID:dUbKRtPS
シンジとヒカリの物語 拾壱話 予感と現実-25
ほぼ同時刻・ネルフ本部司令室
「碇、いいのか?レイを外に出して。」
冬月はレイの転居をあっさりと認めたゲンドウの裁定に疑問を投げ掛けた。
「前の場所はもう無いのだ。仕方あるまい。それに…もうダミーは完成した。問題無い。」
いつもの様に顔色一つ変わる事は無い。
ゲンドウが冬月に無言で書類を手渡した。
「いきなり何だ、この書類は?」
「マルドゥック機関の報告書だ。」
それは、見せ掛けだけの、もっともらしい体裁の書類だった。
「何だと!四人目を使うというのか?!」
勿論、冬月も誰が適格者を選び出しているのかは知っている。
「そうだ。」
「しかし、エヴァはもう無いぞ。」
「問題無い。もうすぐ手に入る。」
ゲンドウはいつものポーズで口元を歪める。
冬月は、嫌な予感を覚えながらも、恐るおそる書類を開いた。
内容を見るなり、大きく天を仰いだ。
「こ、この子は!!」
(ユイ君、君は、この悪魔に魂を売った男と、その男に力を貸してきた私を許してくれるかね?)
(シンジ君……君は絶対に許さんだろうな……)
冬月はしばらく口を開く事が出来なかった。
【シンジとヒカリの物語 拾壱話 予感と現実 終了】
691 :
冒険中年:2011/09/13(火) 21:11:49.59 ID:dUbKRtPS
拾壱話……投下させていただきました。
皆様、いろいろなコメント、ありがとうどざいます。
相変わらずの長編おつ
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
今回も読ませる作品、ナイスでした
乙です。加持キター!!!
リツコさんの薬が気になってたまらない
乙です
貞アスを持ってきたのは良い計算と思う
(庵アスは多分制御不能だからw)
ここから一気に参号機事件に跳ぶのかな?
一人しか書いてる人がいないのか
長いよ
長編やりたいならブログなりホームページなり作ってそこでやりなよ
最近投下ないしいいんじゃないかな。確かに長編過ぎな気もするけど
冒険中年氏を全力で支持する
だからこそ途中で連載投げ出されて未完でモヤモヤするのだけは嫌だよ
楽しいですよね。ヒカリがちょっと可哀想だけど。
加持好きなので出演嬉しい
長編おkだな。書ける実力のある人で完結してくれるなら大歓迎
大丈夫だ。長いと言ってる方も読んでるから。頑張るのだ!
自分も支援します。エロ抜きで面白いよ〜
703 :
冒険中年:2011/09/16(金) 20:44:46.44 ID:rn62y7i9
シンジとヒカリの物語 拾弐話 責任-01
『俺は、君に俺の経験を語る事しか出来ない。
後は自分で考えて行動するんだ。
誰も君に強要はしない。
自分で考え、自分で決めろ。
君には君にしか出来ない、君になら出来ることがある筈だ。
今の自分が何を為すべきなのか。
今の自分に何が出来るのか。
まぁ、後悔のないようにな。』
シンジは、ある男の言葉を噛み締めて聞いた。
そして日々思考を巡らし、色々な場所に足を運んだ。
忙しい最中、時間を見つけては…
「よし、ここなら良い……」
「ここで、こうして……」
「あと、必要な物は……」
そして今日を迎える……
某月某日 PM04:00 第三新東京市立第壱中学校
シンジは、ヒカリを伴って音楽室に入った。
入ってすぐに中からカギを掛ける。
そして、更に準備室に招き入れて、同様にカギを掛けた。
「ねえ、シンジ、チェロを聴かせてくれるのなら、音楽室の方がいいんじゃないの?」
「それにチェロ、どこにあるの?ここには無いみたいだけど。」
ヒカリは少し不安になって、シンジに話し掛けた。
「大丈夫さ、チェロならちゃんとあるよ。」
シンジは、にこにこと微笑むと、ヒカリを背後から抱き締めた。
704 :
冒険中年:2011/09/16(金) 20:47:13.48 ID:rn62y7i9
シンジとヒカリの物語 拾弐話 責任-02
「え?何するの、シンジ!」
ヒカリは、急な事に驚いて声を上げる。
「ヒカリが、僕のチェロさ。」
シンジは抱き締めたヒカリの身体を弄り始めた。
腰に回された手が競り上がり、胸の膨らみを包む。
「ね?チェロと同じ形をしてるよ、ヒカリの身体……」
「ああ…い、いやよ、こんなところで、触らないで……声でも聞かれたら…」
口では拒みながらも、セックスを、性の歓びを知っているヒカリの身体は、
シンジの愛撫から逃れようとはしない。
アスカとレイが葛城家のあるマンションに住み付いて?からというもの、すっかり御無沙汰なのだ。
ヒカリにだって性欲はある。
「音楽室は完全防音さ、聞こえやしないよ。」
包んだ手が、膨らみを揉んだ。
「はうっ…人が…人が来るわぁ……」
「カギが内側から二つも掛けてある。大丈夫さ。」
シンジは制服のジャンパースカートの両脇からするりと手を入れて、
真っ白なブラウスの上からヒカリの乳房を揉みしだく。
「ああっ……いやああ…ここじゃ…いやぁよ……」
「ほら…良い音色のチェロでしょ?ヒカリは。」
ヒカリの耳元で囁きながら、シンジの指先はブラウスの膨らみの上をなぞり、
ブラの中の乳首を探り出してコリコリと刺激する。
「そんな……ああん…だめ、だめよぅ…人が来ちゃう!」
「来ればいいさ、見せてあげようよ、ヒカリの感じてるところ。」
シンジは、ブラウスの小さなボタンに手を掛けた。
「ああっ…やだぁ!このヘンタイ!」
「ヒカリを悦ばせる為だったら、僕はヘンタイにだってなるよ」
ボタンがひとつずつ外され、真っ白なブラウスの中から白いブラジャーと白い胸元が見えてくる。
705 :
冒険中年:2011/09/16(金) 20:48:41.98 ID:rn62y7i9
シンジとヒカリの物語 拾弐話 責任-03
「やあっ…シンジがヘンタイなんて…ああっ!」
「今日のヒカリはヘンタイの僕に、ここで、音楽準備室で犯されるんだよ……」
ブラジャーが強引に擦り上げられて、ヒカリの可愛らしい乳房が、ぷるんと出てきた。
シンジの指先がピンクの乳首を摘む。摘んで転がす。
「あああっ!あううっ!」
「僕の大好きな音色だよ…ヒカリ。」
シンジは襟元のリボンを解き、ジャンパースカートの肩をブラウスから外す。
ブラウスも、ぐいっと開いて、ヒカリの細い首筋に唇と舌を這わせた。
「だめっ…そこ…よわいの…あああ……」
「知ってるよ。だからさ…」
シンジは、首筋を強めに吸った。
ちゅうっ、と音を立てて。
「ああ……」
ヒカリの足元がふらついた。
シンジはヒカリの前に回り込んで抱き締める。
抱き締めたまま、壁にヒカリを押し付けた。
そして唇を奪う。
乱れた胸元を弄り、乳房を揉みしだき、指先で乳首を弄んだ。
(犯される……また、シンジに犯される……わたし…)
ヒカリの秘めたレイプ願望が、頭を持ち上げる。
(いい……きもちいい…どうしてなの……)
『いいか、シンジ君。
女って奴は周囲の状況の変化には敏感な生き物だ。
だから、【普通、セックスしない様な場所】とか、【誰かに見られるかもしれない場所】での行為には、
異常に燃えたりするものなんだ。
いい例が【青姦】とか【カーセックス】さ。
まあ、リスクも高いから、君には勧めないけどね。
だが、君の身近にだって、そんな場所はある筈だよ。
良く周りを見てみるんだ。きっと見つけられる。君なら……』
シンジのこころの中でも、あの男の言葉が蘇っていた。
706 :
冒険中年:2011/09/16(金) 20:50:47.11 ID:rn62y7i9
シンジとヒカリの物語 拾弐話 責任-04
「ああ…いやぁ……だめぇ…ううっ……」
シンジはヒカリの胸に顔を押し付け、
ぺろぺろと、左右の乳房を舐め、ちゅうちゅう、と音を立てて両方の乳首を吸い立てた。
ヒカリは拒否の声を上げながらも、その手はシンジの頭をぐいぐいと押さえ付けている。
まるで求めているかの様に。
「そこは…いやぁ……」
ヒカリがまた声を上げた。
シンジの右手がスカートの中に入って来たからだ。
ヒカリの一番敏感な場所を目指して、手は太股の内側をなぞり上げていく。
「やめてぇ…だめぇ……」
「あああああっ!」
どうやらその場所に辿り着いた様だ。
「あれ?ヒカリ、湿っぽいよ。ひょっとして濡れてるの?」
シンジは胸元から顔を上げてヒカリの顔を見た。
「いやぁぁ…言わないで…」
「でも、ヒカリの身体は嫌がって無いみたいだよ。どっちが本当なの?」
まるで誰かのセリフの様なシンジの物言い。
「ぁああ…あぁあ……ああぁ…」
ヒカリは応える代わりにシンジの愛撫に身を任せ、歓びの声を上げた。
「ぁう…ぁぅ……ぁふっ…んぁあああ……」
くちゅくちゅ…くちゅくちゅ…くちゅくちゅ…くちゅくちゅ…
ヒカリのスカートの中から聞こえるイヤらしい音。
シンジの手が下着の中へ滑り込んだらしい。
そして指は、蜜が溢れる花びらの隙間に出入りを繰り返しているに違いない。
「ああ……あはっ…んぅ……いやァ…もう………」
707 :
冒険中年:2011/09/16(金) 20:52:48.23 ID:rn62y7i9
シンジとヒカリの物語 拾弐話 責任-05
ヒカリの両の手は、シンジの逞しくなってきた両肩をしっかりと掴んでいる。
しなやかな指先はカッターシャツを通して肩に食い込んで、恐らくは爪痕を付けているだろう。
シンジの愛撫に震え続けるヒカリの胸元や乳房にも愛された痕跡が記されている。
ふたりとも当分の間、家庭での服装や風呂、体育の授業の着替え等には細心の注意を払わねばなるまい。
くちゅくちゅ…くちゅくちゅ…くちゅくちゅ…くちゅくちゅ…
シンジの指は、まだ蠢きを止めない。
すると、ヒカリの身体の震えが激しさを増してきた。
「だめっ……もう…いや…あふっ……ああ……い……ク…」
がたがた、ぶるぶる、と、まるで悪寒の様だ。
くちゅくちゅ…くちゅくちゅ…くちゅくちゅ…くちゅくちゅ…
「イ……く…イ……くぅ…あああああ……いく…イク…イクうっ!!」
シンジの指の技だけで高みへと追いやられたヒカリは、ぐったりとしてシンジに身を預けた。
「ハア…はあ……ゆび…指でなんて……いや……いやなのに…いいの…とても…」
ヒカリは乱れた息のままシンジの肩に顔を埋めている。
「素敵だよ、ヒカリの感じてる顔や声…ビデオに撮りたいくらいだ。」
シンジはヒカリの汗と髪の芳香を吸い込みながら囁いた。
「やだよ…そんな…ヘンタイみたいなこと…………」
シンジは応える代わりにヒカリの濡れた下着をゆっくりと引き下げる。
「やだ……脱がさないで…」
ヒカリの拒絶は言葉だけだ。
抵抗もしない。
シンジはするすると下着を足元まで引き下ろすと左右の足先を持ち上げて抜き取ってしまった。
机の上にあるヒカリの鞄の上に置く。
白い下着が、あの部分が濡れているのが良く解る。
「ヒカリ、ほら、こんなに濡れてるよ。」
シンジは下着を指差した。
アドバイスをくれた、あの男は『彼女の顔の前に持って行き、見せ付けるんだ』と言ってくれたのだが、
シンジは、ちょっと可哀そうかなと思って、アレンジしたのだ。
708 :
冒険中年:2011/09/16(金) 20:54:59.55 ID:rn62y7i9
シンジとヒカリの物語 拾弐話 責任-06
「いやっ!見ないで!見ないで!!」
ヒカリの円らな瞳は涙で濡れていた。
シンジは今のヒカリの様子から、自己の判断が正しかった事を確信した。
「ごめんね、ヒカリ、ちょっと待ってね。」
シンジは制服のズボンもトランクスも脱ぎ捨てた。
もちろん股間のモノは隆々といきり立ち、天を見上げている。
そして、イったばかりで、ぼうっとしているヒカリの手を取った。
「……どうするの?」
「ヒカリも、ずっと立ってたから疲れたでしょ、だから少し座ろうよ。」
シンジは、スツールタイプの椅子を見つけると自分が先に腰掛けた。
「わたしは……どこに座ればいいの?」
「僕の上だよ。さっきはヒカリが僕のチェロになってくれたから、今度は僕がヒカリの椅子になってあげる……」
シンジはヒカリの手を引いて招き寄せる。
「さあ、僕を跨いで、スカートを捲り上げて……」
「これでいい?」
ヒカリは何かに魅入られた様にシンジの言う通りに、彼を跨ぎ、スカートの裾を持ってするすると捲り上げた。
スカートの中から白い太股が現れ、更にはまだ薄い漆黒の草むらと濡れそぼる花びらも見える。
「ゆっくりと腰を下ろして…そう、そうだよ……」
シンジは下りてくる花びらの合わせ目にいきり立つモノを向けた。
もう少しだ。
ぬるり!とする感触。先端が触れた。
「あ!」
ヒカリが声を上げた。
ずぶずぶとヒカリの花びらの奥に呑み込まれて行く。
「ああっ!」
「当たってる……」
ヒカリは大きく仰け反り、シンジは、抱き締める様にして支えた。
ヒカリもスカートを放してシンジにしがみつく。
ふたりの身体は更に密着した。
709 :
冒険中年:2011/09/16(金) 20:56:56.69 ID:rn62y7i9
シンジとヒカリの物語 拾弐話 責任-07
「あああああ……いい…いいわ!」
「奥まで…ああ……入って…あうっ……当たってる……」
シンジが何か言う前に、ヒカリの本能が自ら腰を上下させていた。
ぬちゅ…にちゃ…にゅるる…じゅる…
ふたりの粘膜が触れ合うイヤらしい音がする。
普段はベッドの軋む音で聞こえないイヤらしい音が。
にゅるる…じゅる…ぬちゅ…にちゃ…
「ほら、ヒカリのスカートの中でイヤらしい音がしてるよ。」
「あん!ああん…言わないで……ああ…」
…じゅる…ぬちゅ…にちゃ…にゅるる…
ヒカリの細い腰が上に跳ね、下に沈む。
シンジも突き上げる。
その度毎に、ヒカリは快楽の塔の階段を駆け上がるのだ。
シンジが時折思い出した様に、揺れる乳房や跳ねる乳首に悪戯をする。
「あん!…あふっ…ああぁぁ……」
その行為もヒカリを追い立てるのだ。
そして…………とうとう…………
「ああっ!もうっ!だめェっ!」
「い、イ…いくっ……イクぅっ…………」
「僕もイクよっ!ヒカリ!!」
シンジも限界が近い様だ。
「一緒にイこう!ヒカリ!」
「ああ……いく…いっちゃう…………イっちゃううううううううっ!!!」
ヒカリが遂に快楽の塔を登り切り、高みへと達した。
710 :
冒険中年:2011/09/16(金) 20:59:42.18 ID:rn62y7i9
シンジとヒカリの物語 拾弐話 責任-08
「くううっ!」
シンジも小さく呻いて、自分に跨るヒカリの花びらの奥へ欲望の噴流を打ち上げた。
その時だった。
「もう…………わたし……………………」
ヒカリの全身から力と魂が抜け落ちた様に、シンジにもたれ掛ってきた。
どうやら気を失ったらしい。
シンジは、自身もイったばかりでトロンとしていたのだが、
寸でのところで気が付いてヒカリの身体を抱き留める事が出来た。
『男が女を守る。これは当然の事だ。
守って守り抜いて、自分の子を産んでもらわなければならないからな。
シンジ君、君は立派にヒカリちゃんを守ってる。実に大したもんだ。中々大人だって出来はしない。
でもな、それだけじゃ駄目なんだ。男は女を悦ばせてやらなきゃならない。
そう…【セックス】でね。
そうしないと、いつの間にか、腕の中から居なくなってしまう……
……実に厄介な生き物だよ、女って。』
気を失ったヒカリを抱き締めるシンジに、また、あの男の言葉がリフレインした。
2、3分だったのか、もっと長かったのか判らない。
シンジの腕の中でヒカリが、やっと目を覚ました。
「大丈夫?」
とろんとしているヒカリの顔を覗きこむ様に、シンジが声を掛けた。
まだ、精を放って小さくなったが、シンジのモノはヒカリの【中】にある。
「わたし……どうしたの?」
ヒカリの声にシンジが応えた。
「その…僕と一緒にイったら…気を失ったみたいになったんだ……」
「そうなの……よかったのよ……」
711 :
冒険中年:2011/09/16(金) 21:02:25.26 ID:rn62y7i9
シンジとヒカリの物語 拾弐話 責任-09
「え?」
「とってもよかったの……ものすごく…きもちよかった……でも……」
「でも?」
「でも、ものすごく恥ずかしかったわ……こんな場所で…スルなんて……」
ヒカリの円らな瞳から大粒の涙がぽろぽろと零れる。
「ごめんね…ヒカリ………僕、ヒカリに…悦んで欲しかったんだ……最近シテなかったから…」
シンジは、少々やり過ぎたのかなと思い、ヒカリに詫びた。
「きもちよかったわ…よかったけど、こんな…誰かに見られるかも…………しれないトコで…」
「恥ずかしかった…とても恥ずかしかったわ…………」
不意にヒカリの顔付きが変わった。
「わたしに、こんな恥ずかしい事させて…………責任取ってもらうわっ!」
それは、以前に『一回でも浮気は許さない』と言われた時と同じ表情だった。
「えっ?せ、責任って……またアイス?」
「そんな事じゃ済まさないわよ。わたしの家に来て正式に挨拶して!
お父さんとコダマお姉ちゃんと妹のノゾミに会って、わたしと付き合ってるって言ってちょうだいね!
そうしてくれたら許してあげてもいいわ……ねえ、し・ん・じ……」
「あと……アイスもお願いね!そう一カ月で許してあげる。」
ヒカリは途端に表情を再び一変し、ニコニコと微笑んだ。
だが、シンジの目にはアスカを遥かに凌駕する小悪魔の笑みに見えた…
彼は後に近しい友人二人にその様に語ったという。
シンジは、ヒカリが身繕いする間に、どこに用意してあったのか、
ティッシュやらウェットティッシュ、消臭剤、ガムテープ等を動員し、その場の証拠隠滅を図った。
きれいになり過ぎずに痕跡を巧みに消して行く様は、妙に手慣れていたと、ヒカリは後に姉に語っている。
まるで、誰かの教えを受けたかの様だとも。
ヒカリが「お父さんがシンジに会いたがってるから、来週、家に来て。」と、シンジに告げたのは翌日の事だった。
シンジは覚悟を決めた。
712 :
冒険中年:2011/09/16(金) 21:05:11.27 ID:rn62y7i9
シンジとヒカリの物語 拾弐話 責任-10
その二日後の事
ネルフ本部内・ミサト執務室 PM06:30
「よう!葛城、そろそろあがりだろ?一杯飲みに行こうぜ。いい店見つけたんだ。
そこはな、パスタを山盛りに出してくれるんだぜ。いいワインも揃ってるし。」
「ありがとう。丁度良かったわ。あたしも、あんたに会いたかったの。来てくれて嬉しいわ。」
能天気に自分を誘いに来た加持を、ミサトはかつて見せた事も無い様な笑顔で出迎えた。
加持は、瞬時にその笑顔の奥に何か不吉なものを感じたが、時既に遅し、彼の退路は断たれていた。
ドアはロックされてしまっていたのだ。ミサトだけが知る16桁の暗証番号を入れない限り開ける事は不可能だ。
「そりゃ光栄だな。」
加持は努めて冷静を装った。
「ねえ…ちょっち訊きたい事があるんだけど……」
「これ、保安部からの報告書。これによれば、三日前、シンジ君は16:04にヒカリちゃんを連れて中学校の音楽室に入った。
そして出てきたのは17:32。一体何をしていたと思う?加持君?」
「何だよ、俺に解る訳ないだろう?」
加持は、そう言いつつも、愛弟子の戦果を内心とても喜んだ。
(やったな!シンジ君。音楽室とは考えたな。流石だ。やはり君には才能がある!)
だが、その僅かな表情の変化を見逃すミサトでは無い。
「音楽室には窓も無いし、しかも完全防音。保安部の連中にも解らなかったそうよ。
何してたのかしらね?シンジ君とヒカリちゃんは……一時間半も…音楽室で…ふたりきりで……」
「特殊監査部の、あんたの意見を訊きたいのよ。腕利きなんでしょ?」
「さあてなぁ…歌でも歌うか、楽器の練習でもしてたんじゃないのか?場所から考えれば…」
加持には、シンジがヒカリと言う楽器を奏で、ヒカリが女の悦びを唄う光景が浮かんでいた。
だが、その僅かな表情の変化を見逃すミサトでは無い。
「あたしはね、シンジ君とヒカリちゃんが何か【いけない事】をしていた様に思えてならないのよね。」
「それに、誰かが、【音楽室】を使う様に入れ知恵したんじゃないか?ってね。」
「ねえ?か・じ・く・ん……」
加持にはそのミサトの微笑みが悪魔の様に見えた。
713 :
冒険中年:2011/09/16(金) 21:07:33.26 ID:rn62y7i9
シンジとヒカリの物語 拾弐話 責任-11
そして、その恐怖が、一瞬だけ彼から冷静さと思考力を失わせた。
「お、俺は何もシンジ君に言って無いよ、音楽室を使えなんて。自分で考えろって、あ!しまった!!」
もう遅かった。血の気が失せて行くのが自分でも判る。
「やっぱり、あんただったのね!純真なシンジ君にヘンな事を教えてるのは!!」
「ゆっくりと時間を掛けて訊き出してやるわ!!」
「夜は…これから…長いんだ・か・ら……」
加持は、言葉を発する事も出来ずに、全身から冷や汗が流れ落ちるのを感じていた。
その数分後、ネルフ本部から特殊監査部・加持一尉の姿が消えた。
翌日の早朝、彼のアパートの前で青いスポーツカーから転がり落ちる様に降りて来る姿を目撃されるまでの間の
加持一尉の行動は本部でさえも把握できていない。
また、ほぼ同時刻に作戦本部・葛城一尉も姿を消していたので、何らかの関連があるとの見方が強い。
そして、その日から加持一尉は、勤務中も何処か疲れた表情を見せる様になった。
対照的に葛城一尉は、とても元気に勤務に励み、一時は荒れて見えた肌も前にも増して艶々としていた。
そんなある日、実験の為に本部を訪れたシンジは、自販機で煙草を買うリツコに話し掛けた。
「あの、リツコさん、ちょっといいですか?」
「何かしら?」
「この頃ミサトさん、凄く機嫌がいいですね?」
「それに、何と言うか、綺麗になった様な気がするんです。ミサトさんに何かあったんでしょうか?」
「さあ、良く解らないけど?それがどうかしたの?」
リツコには、勿論その理由は解っている。
それが、事更に騒ぎ立てたり、あれこれ詮索する筋合いの無い事も。
「いや、あの、もし何かいい事があったのなら、お祝いとかしてあげた方がいいのかなって思ったんです。」
リツコが意味深な笑みを浮かべた。
「ねえ…シンジ君…"A secret makes a woman woman."って判るかしら?」
「えーっと、『ひとつの秘密は一人の女を女にする』ですか?」
シンジは自身の拙い英語力を総動員してみた。
「直訳は、そうね。本当の意味は『女は秘密を着飾って美しくなる』よ。アメリカのある女優の言葉…」
「ということはね『女が生きて行くには秘密が必要』と言う事なの…覚えておくといいわ。」
リツコの切れ長の目が意味深に光る。
714 :
冒険中年:2011/09/16(金) 21:11:37.97 ID:rn62y7i9
シンジとヒカリの物語 拾弐話 責任-12
「あの……リツコさんも、そうなんですか?」
シンジは意味も判らないうちに反射的に訊き返してしまった。
「随分はっきりと訊くのね?シンジ君…ええ、勿論その通りよ。多分ヒカリさんもね。」
不躾なシンジの質問にもリツコは動じる事は無い。
「え?ヒカリに秘密なんて、そんな……」
ヒカリの名が出た事でシンジの方が動揺してしまう。
「あら?さっきも言った筈よ。秘密の無い女なんか居ないわ。じゃあ、もうひとつ教えてあげるわね……」
「男はね、女の秘密を覗いてはいけないの。そしてね、男は女に秘密を持ってはいけないのよ…解るかしら?」
先程の意味深な光はより強さを増していた。
「よく解らないです。」
「シンジ君が、もう少し大人になれば…解るわ……」
それだけ言うと、リツコはシンジから離れて行った。
煙草の匂いを消すためなのだろうか?多少きつめの香水の香りを残して。
「……………………」
シンジはリツコの言う事が良く解らない。
余計な事に口を出すなとでも言いたいのだろうか?と言う事は何となく分かった気がする。
だが、ヒカリに秘密があるなんて思いたくもなかった。
更に四、五日が無事に過ぎていった。
夕食の為に葛城家を訪れたアスカは、ミサトから意外な事を聞かされた。
ちなみにレイはエヴァ零号機の改修後のテストの為にリツコに呼ばれ、本部に居る。
「え〜?出前取るの?じゃ、アタシ、あの店のハンバーグ定食ね!」
と言いつつ、アスカは「シンジはどうしたのよ!」とミサトに尋ねた。
「シンちゃんならヒカリちゃんのお家よ!」
715 :
冒険中年:2011/09/16(金) 21:15:06.54 ID:rn62y7i9
シンジとヒカリの物語 拾弐話 責任-13
ミサトは電話のボタンを押しながら応える。
「何よ!シンジの奴、自分だけヒカリにご馳走になろうってえの?アイツってば!」
途端にアスカの機嫌が悪くなる。
「違うわ。何でもヒカリちゃんのご家族に正式に挨拶するとか言ってたわよ。」
電話を終えたミサトがリビングに入って来た。
「え?それって……どういう事なの?」
更に顔色が悪くなる。
「あ〜ら気になるの?アスカ?」
ミサトの目がニンマリと笑う。
「別に……バカシンジがヒカリと何をしようとアタシには関係ないわよ!」
無理にいきがって見せる。
「婚約の挨拶かもよ?日本の法律じゃ男は18、女は16にならないと結婚は出来ないけど、婚約は違うから。」
「婚約なら年齢に制限は無いから、今のシンジ君とヒカリちゃんでも出来るのよ。」
「『あと4年たったらお嬢さんを僕に下さい。』とか言いに行ったんじゃないの?」
「もう〜シンちゃんたら、やるわね!」
ミサトは、今夜シンジが洞木家に招待されたのは、その為では無い事は勿論知っている。
アスカの気持ちも何となく解っている。
ただ、日頃、小生意気なアスカをからかってみたかったのだが……
716 :
冒険中年:2011/09/16(金) 21:16:57.95 ID:rn62y7i9
シンジとヒカリの物語 拾弐話 責任-14
「…………………………」
アスカは、デリバリーされてきたハンバーグ定食の味が解らなかった。
それに、半分しか食べられなかった。
「あれは、冗談だってば。」というミサトのフォローも聞こえなかった。
「あちゃ〜マズったわね。どうしよう?」という表情のミサトに見送られて、
アスカは、とぼとぼと自室の702号へと戻った
今やっと解った。
何故、ここに住む事に拘ったのか
何故、シンジとヒカリの関係が気になったのか
何故、街で助けられた時にシンジにあんな態度を取ったのか
何故、初日のお茶会でシンジをあれ程罵倒したのか
何故、ユニゾンの特訓が楽しかったのか
何故、シンジとヒカリが婚約と聞いてこれ程動揺しているのか
「アタシ…好きなんだ……シンジの事。」
「ヒカリとシテるのに。婚約するのに。」
「アタシはヒカリと友達なのに……」
「どうしよう……」
「アタシ…どうすれば………」
初めての感情、それは加持に対して想ってきたのとは全く別の感情である事に、
アスカの明晰な筈の頭脳は、フリーズしてホワイトアウトしていた。
やがてそれはブラックアウトとなり、アスカは深い眠りへと落ちて行く。
本人の自覚の無い涙を流して。
717 :
冒険中年:2011/09/16(金) 21:18:54.63 ID:rn62y7i9
シンジとヒカリの物語 拾弐話 責任-15
少し時計を戻して、第三新東京市の旧市街。
庭付き一戸建てが並ぶ住宅街の一角にシンジは居た。
インターホンに伸ばす手が少し震える。
(逃げちゃ駄目だ…逃げちゃ駄目だ……逃げちゃ駄目だっ!)
指がボタンを押した。
賽は投げられた…………
「こんばんは、あの僕、いや、私は碇シンジと申します。宜しくお願いします。
学校ではヒカリさんに大変良くして頂き、また学校以外でも仲良くして頂いています。
今日はお招き頂きましてま、誠に有り難うございます。」
これが碇シンジの洞木家訪問の際の第一声だった。
苦心して文章を考え、ミサトにも見てもらい、練習までしたのだ。
それでも慣れない言葉は使いにくい。
緊張しきったシンジの挨拶は、洞木家の面々には好印象を与える事が出来た様だ。
「シンジさん…お父さんに、コダマお姉ちゃん、そして妹のノゾミよ。」
ヒカリが家族を紹介する。
「君がシンジ君か。君の話はいつもヒカリから聞かされているよ。
先日はヒカリを助けてくれてどうもありがとう。
本来なら、こちらからお礼に伺うべきところを大変失礼しました。どうか許して下さい。」
早速ヒカリの父が語り出した。
見るからに温厚そうな風貌のヒカリの父は、シンジを子供扱いする様子は無い。
シンジを一人の男として、男同士の会話を望んでいる様だ。
彼が尊敬する加持と同じに。
「いえ、そんな、あの、わ、私は当然の事をしたまでで……」
「本当に、そう思うのかね?ヒカリの話だと周りに通行人は大勢いたそうじゃないか。
誰もが見て見ぬ振り。まあ皆自分や家族に責任があるから係わり合いにはなりたくないだろう。
だが、警官を呼ぶ、警察に電話をするくらいは出来た筈だ。しかし、誰もそれをしなかった。」
「しかし、君は勇気を振るって君の手でヒカリを救い出してくれた。」
「父親として、これほど嬉しい事は無い。シンジ君、本当にありがとう。」
ヒカリの父は深々とシンジに頭を下げた。
718 :
冒険中年:2011/09/16(金) 21:21:27.79 ID:rn62y7i9
シンジとヒカリの物語 拾弐話 責任-16
「あ、あの、とんでもないです。」
父親ほどの年齢の他人に、そうされた経験の無いシンジは恐縮するばかりだった。
「君は悪者を殴ってヒカリを助け出した後、すぐにヒカリの手を引いて逃げ出したそうだね?
それは何故だか教えてもらえるかな?」
「私では、まともに闘ったら勝てないと思ったからです。負けたらヒカリさんを護れないと思いました。
だから逃げられる内は逃げようと思ったんです。」
ヒカリの父の問いにシンジは率直に答えた。あの時はそれしかないと思ったから。
「そうか、やはり私の思った通りだったな。実はね、そこが一番気に入ったのだよ。
シンジ君、君は自分が弱い事を、悪者には勝てない事を知っていたのに勇気を出してくれたのだ。
自分が弱い事を自覚出来ている人間は、実は強いのだよ。
私は君が気に入ったよ、シンジ君。ヒカリをよろしく頼むよ。」
ヒカリの父は笑顔で右手をシンジに差し出した。
「は、はい、ほ、洞木さん」
シンジは、ややどもりながら、その手を握った。
温かい手だった。
ヒカリ達洞木三姉妹は、この手に引かれて生きてきたのかと思うと、シンジは羨ましく思った。
自分には、そんな記憶の欠片すら無いのだから。
こうしてシンジは洞木家の面々と対面し、ヒカリの父や姉のコダマ、妹のノゾミにも
『ヒカリの恋人』として晴れて認められる事になった。
このあと、ヒカリが腕によりを掛けて作った料理で食事をしながらの歓談となった。
テーブルいっぱいに並んだヒカリの料理は、いつもより更に美味しく感じられた。
シンジは、『娘のボーイフレンドと酒を酌み交わすのが夢だった。』という、ヒカリの父の願いで、ビールを初めて口にした。
ほんのひとくちだけだったが、その時のシンジには、その苦い味さえ心地良いものだった。
ミサトが毎日浴びる様に呑む気持ちも何となく分かった。
シンジとヒカリは、ミサトとリツコの時と同じくコダマとノゾミに根掘り葉掘り訊かれてしまい、
ふたりの馴れ初めから告白の言葉や場所や情景、デートの場所、
更にファーストキスを済ませている事まで、すっかり白状させられていた。
ヒカリの父は苦笑し、コダマはニヤニヤと笑い、ノゾミは目を輝かせて聞いていた。
『その先』の事についてはヒカリとコダマが『当分の間は極秘』という打ち合わせが事前に出来ていたので、
話題となる事は無かった。それは実に懸命な判断だった。
『ファーストキスは済ませている』と言った時、ヒカリの父の表情が一瞬だけ著しく変わった事を、
シンジも洞木三姉妹も忘れる事は無いだろう。
シンジもヒカリも洞木家の人たちも、そのひとときをこころから楽しんだ。
皆、しあわせを感じていた。
特に家族や兄弟姉妹を知らないシンジにとっては、まるで夢の様な時間だった。
シンジはヒカリを羨ましく思った。
そして、ヒカリを護る為には、ヒカリの家族をも護らねばならない事も感じていた。
719 :
冒険中年:2011/09/16(金) 21:24:00.69 ID:rn62y7i9
シンジとヒカリの物語 拾弐話 責任-17
宴の終わりに、ヒカリの父が唐突に切りだした。
「君はネルフのロボット、エヴァンゲリオンのパイロットをしているそうだね……」
ヒカリの父もネルフ関連企業の中堅社員であるから、ある程度の事は知っている。と言っても極表層部分でしかないが。
「エヴァンゲリオン」と「使徒」の名前位は知っている。
「はい……」
「ヒカリを悲しませない様に、命は大切にしてくれ…」
「その積りです。そうでないとヒカリさんや皆さんを護れませんから。」
「頼むぞ、シンジ君。それが君の責任だよ。」
ヒカリの父は再び右手を差し出した。
シンジは黙ってその手を握り締めた。
ヒカリは勿論、コダマもノゾミも、その光景をうっとりと見ていた。
シンジは再度その手の温かさを感じながらも、
実父であるゲンドウと握手出来る日が来ればいいな、と、こころの何処かの片隅で思った。
720 :
冒険中年:2011/09/16(金) 21:26:44.22 ID:rn62y7i9
シンジとヒカリの物語 拾弐話 責任-18
シンジが一家に見送られて帰宅してから、父はヒカリに語り掛ける。
「シンジ君は【いい男】だな。ヒカリのライバルも結構多いんじゃないのか?」
「うん……」
ヒカリは言葉を濁しながら、自分を遥かに凌駕するアスカとレイの美貌と肢体を思い浮かべた。
「いるらしいわよ〜。それもとびっきりの美少女が二人も!」
「オトコって美少女には弱いのよねぇ……」
コダマが割って入る。
「それってほんとなの?コダマお姉ちゃん?」
「ヒカリお姉ちゃん、失恋の大ピンチ!」
ノゾミも会話に入って来た。
「ひどいわ!コダマお姉ちゃん、ノゾミまで…」
激昂するヒカリを、まあまあと宥めて父はまた語る。
「彼が外見だけで女性を選ぶ様な軽い男では無い事は、私にも良く解ったし、
ヒカリ、お前が一番良く解っているだろう?」
父の言葉に、ヒカリは黙って頷いた。
「シンジ君はパイロットだ。これまでもそうだったろうが、きっとこれからも辛く苦しい戦いを強いられるだろう。
それに、彼はヒカリや私達を守るといってくれたが、そうとばかりもいくまい。
他の誰か、例えば、その美少女達の為に命を掛け、身体を張らねば成らぬ時もあるに違いない。
その時、ヒカリは取り乱すことなく彼を信じて支えてあげて欲しい。そういう女性になって欲しい。
これは私の願いであると同時に、彼を愛し、彼から愛される、ヒカリ、お前の責任だと私は思う。」
「わかったわ、お父さん。ありがとう。」
父の言葉に、ヒカリは少し赤くなりながら、もう一度頷いた。
「きゃ〜愛し愛されるですって、どうもごちそうさま、ヒカリ!」
冷やかすコダマに父は話を振った。
「そういうコダマは、いつ頃ボーイフレンドを私に紹介してくれるのかな?」
「随分と待たせてくれるが……」
「わ、私は理想が高いから……」
「コダマお姉ちゃん、そういうの【負け惜しみ】って言うんでしょ?」
言葉を濁したコダマにノゾミがツッコミを入れる。
「何ですって!待ちなさい!ノゾミっ!」
激怒したコダマは、逃げるノゾミを追い掛ける。
父とヒカリは微笑んで、それを見ていた。
使徒と言う名の謎の怪獣が襲い来る街、第三新東京市。
明日をも知れぬこの街で、父と三人の娘達は、しあわせだった。
【シンジとヒカリの物語 拾弐話 責任 終了】
721 :
冒険中年:2011/09/16(金) 21:29:07.43 ID:rn62y7i9
拾弐話…投下しました。
皆様、数々のコメント、本当にありがとうございます。
おつう
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
GGGGGJJJJJJ!
乙。エロパロなのにエロがあるとモヤモヤするのは何故だ?!
725 :
名無しさん@ピンキー:2011/09/17(土) 00:46:10.08 ID:VK4VDXRA
次回作よろw
恋愛小説っぽいなあ。
ミサト微妙に扱い悪い。
葛城家でsexするのは図々しい
ミサトさんはちゃんとラブホでセックスしてるのに
アラサーの加持の吹き込み通りのセックスがシンジにできるわけない。ヒカリがチェロは気持ち悪い。初々しい感じが似合うだろ。
一気に冷めた。
アスカ→シンジとか話膨らませすぎたかな。途中経過飛ばして最後だけ〆てくれ。
嫌がらせコメ酷いな
だが何言われようとSS書いてる奴が一番偉いんだ
ネチネチとあちこちチクチク重箱の隅にケチ付ける奴の事は気にせずマイペースでやってくれ
乙です
微妙に計算ずくなのか、天然なのか分らない加持さんの動向が気になるw
しかし、この世界だと一番割を喰うのはアスカだよな、やっぱり
病まずにレイとの友情を育んでいってほすぃ
ただまあ、人大杉な気はする
投下してる人が一番エライって訳じゃないと思うが。中年さんは人柄よさそうで支援するが。
まあ長編本編分岐ならエヴァ板でやった方が良かったかも。
それなら神扱いだった気がする
俺も他スレでは書き手だが偉いなんて思ったことねえよ。
ジコマンだし。読んでくれたことに感謝だよ。
冒険氏の最初から読ませてもらった。楽しいよ。けどせめて3回くらいでまとめた方がいいかと。
次の投下人もいるかもしれない
SS本編より感想の方が面白いw
エロいらないから他でやると良い
前はもっと大人な住人の集まるスレだったのになあ
まだ大学生は夏休みだっけか?
読み手様多すぎ
作品としては好きだけどさすがに板違いな気がする
軍曹投下で荒れた気がする。あれは黒歴史
軍曹の人の自己陶酔っぷりは…
そいつが今のSSに嫌がらせレス付けてるんじゃね?
>>738 >>727-
>>729みたいに失敗してID変えなくてもいいのに変えちゃう必死君とか
荒らしな皆さんが目立つだけで、本来の住人は静観してんじゃないのかな
>>740-
>>741 スレの雰囲気悪くしようと必死だな…
長編言っても、20〜30話くらいで終わるなら、このまま続けてくれればいいと思う
それ以上になりそうなら、エロ分離してエヴァ板などに投下しなおして、エロ部だけこっちに投下するとかね
ここで爽やかなエロを一発投下待つ!
…最近寒くて寒くて…北国で全裸ネクタイはつらい
>>742 訳わからんけどアンカーはマトモにうってくれ。初心者?
746 :
冒険中年:2011/09/19(月) 15:50:19.10 ID:MtH1PbJb
シンジとヒカリの物語 拾参話 なつかしい声 あたたかな声-01
あれから二か月が過ぎた頃のお話
ヒカリは、最近イライラする事が多くなった。
シンジと家族との顔合わせは、実に理想的に済ませる事が出来たヒカリだったが、
その後が全く上手く行かない。
一緒に行けると楽しみにしていた修学旅行も、シンジは戦闘待機命令で行けなかった。
(これはアスカもレイも同じだったが)
一緒に泳ぐ時に見せようと、シンジには内緒で選んだ水着も無駄になった。
シンジに見てもらえるならと、大冒険して選んだというのに、
その水着は修学旅行では日の目を見る事無くタンスに仕舞い込まれる事になった。
最近、シンジのネルフでの訓練や実験が多くなってきた。きっと戦いが激しくなってきたのだろう。
一週間のうち、授業をきちんと朝から6時間目まで受けるのは二日くらいだ。
大抵は午前中で早退だが、一日中休みというのも珍しく無くなった。
今日は訓練も実験も無いという事で葛城家に遊びに行けば、
アスカとレイのどちらか一方、または両方がリビングに屯して?いるのだ。
彼女達は自分の部屋には、ほとんど寝に帰る位である。
これではまるで『同居』ではないか。
同じマンションに住んでいて、シンジと同じにネルフの、そしてミサトの監督下にあるから仕方が無いのだが。
登校して来るのもシンジはアスカとレイと一緒なのだ。(下校はスケジュールの違いから余り一緒では無い様だが。)
どうやら保安上の理由と言うことらしい。
つまり、シンジは恋人であるヒカリよりもアスカやレイと一緒にいる時間の方が圧倒的に長い。
それに、自分の知らない、知ることが出来ないネルフでのシンジの姿を知っているのだ、アスカもレイも。
自分より遥かに美しい少女達。
シンジはわたしを選んでくれた、そう思っても、
自分とシンジは愛し合う恋人同士、そう思っても、
自分はシンジに身もこころも愛されている、そう思っても、
アスカもレイも自分の大事な友達、そう思っても、
父との約束があろうとも、
やはり悔しいし、悲しいし、つらい。
もっとシンジと一緒に居たい、抱かれたい。
747 :
冒険中年:2011/09/19(月) 15:53:07.47 ID:MtH1PbJb
シンジとヒカリの物語 拾参話 なつかしい声 あたたかな声-02
まだ終わる様子は無い、使徒と呼ばれる怪獣との戦いの為に、
ヒカリは何回も父や姉妹と共にシェルターに避難した。
或る時などは、第三新東京市から50kmも離れて避難する事を命令された。
また或る時には全市が停電に見舞われる事もあった。
丸一日、シェルターの中から出られない事もあった。
その度にヒカリは、自分や家族の事以上にシンジの身を案じてきた。(アスカやレイの事も勿論心配したが。)
元気な顔を見るまで生きた心地がしない事も多いのだ。
シンジは(アスカもレイも)、守秘義務と言う事で多くは話してはくれないが、
それが決して楽なもの、簡単なものでは無い事くらいは何となく判る。
きっと身も心も削る様な、薄氷を踏む様な戦いなのだろう。
しかも、その戦いでヒカリが、シンジに出来る事は何も無いのだ。
あるとすれば、美味しいお料理を作ってあげるとか、
シンジと肌を合わせ身体を重ねて、疲れた身体とこころを慰める事だろうか。
だが、それすら、機会が殆ど無い。
経口避妊薬の為の検査でネルフ本部に呼ばれる時は、シンジと一緒だけれど、送られる時はひとりだ。
シンジはそのまま訓練や実験に行ってしまうから。
いつかの保安部の女性が、送ってくれる。
「よかったわね。彼とうまくいって……」
別れ際にそう言われて、ヒカリは頬を赤くした。
でも、薬を毎日飲んでも、自分をシンジに捧げる機会が無い。
飲む度に思うのだ。『シンジに抱かれたい』と。
いつかの様に恥ずかしい事でもいいから抱かれたい。
シンジは、『ヒカリが居てくれるから、僕は闘えるんだ。』、そう言ってくれる。
それは、とてもうれしい、堪らなく嬉しい。
だからこそ、シンジの為に何かしてあげたいのだ。
「ネルフでのシンジの事は、このアタシに任せなさいよ。」
「碇くんは私が守るもの。」
そう言うアスカやレイの言葉さえも、
「ネルフでは、シンジと一緒に楽しくやってるわ。とっても楽しい事してね……」
「碇くんが私を望めば、私は拒まない。それはとてもとても嬉しい事……」
そう言われている様な気がして堪らなくなる時がある。
特に、アスカのシンジへの視線。
何かを秘めた様な視線が、とても気になる時も多い。
こんなに嫉妬深い女だなんてと、自分がイヤになる時もある。
748 :
冒険中年:2011/09/19(月) 15:55:47.78 ID:MtH1PbJb
シンジとヒカリの物語 拾参話 なつかしい声 あたたかな声-03
わたしもシンジと一緒にネルフに行きたい
わたしの知らないシンジを知りたい
わたしもエヴァに乗りたい
乗ってシンジと一緒に戦いたい
わたしもシンジを守りたい
ヒカリのこころにそんな秘めた想いが渦巻いていた。
そして、その秘めた想いをシンジは知る由も無い。
夜、ベッドに入るとシンジの笑顔が浮かぶ。シンジとの情事の様子が浮かぶ。
するとヒカリは、いつの間にか、パジャマの前を開けて乳房を揉み、乳首を弄るのだ。
切ない声を上げて。
右手が下着の中へ潜り込み、最も敏感な部分を弄る。
この手は自分のじゃない、シンジの手だ。ヒカリはそう思う事にした。
そして、いつの間にか達したヒカリは、夢の世界へと落ちていった。
そこでヒカリは見た。
裸のシンジに絡み付く二人の美少女。勿論彼女達も裸だ。
一人は、腰まで届きそうな長い亜麻色の髪に、紺碧の瞳、それに歳に不相応な豊満な肢体。
もう一人は、蒼銀のシャギーの入ったボブの髪に、真紅の瞳、それにスレンダーだが美しいラインの肢体。
肌は二人とも雪の様に真っ白だ。
声が聞こえてくる。
「どう?アタシのこのカラダ。すごいでしょ?全部シンジのモノよ…アンタの好きにしていいわ。」
「碇くん、私とひとつになりましょう…それはとてもとても気持ちの良いことなの…」
ヒカリは声を限りに叫んだ。
「やめて!シンジ!わたしはここよ!こっちに来て!わたしを愛して!!お願いよぅっ!!」
だが、その声はシンジには届かない。
シンジは笑顔で二人の美少女を両手に抱き、代わる代わる口付けをする。
そして美少女達のしなやかな手がシンジの下腹部に伸びて……
シンジの手も美少女の胸へ、下腹部へと伸びる……
美少女達は、シンジと交互に交わり、交互に歓びを唄い、交互に悦びの高みへと達していく。
シンジの精を胎内に注がれて美少女達はうっとりとして………
749 :
冒険中年:2011/09/19(月) 15:58:34.27 ID:MtH1PbJb
シンジとヒカリの物語 拾参話 なつかしい声 あたたかな声-04
「いやああああああああああああああああああああああああああ……」
ヒカリは自分の悲鳴で夢の世界から戻ってきた。
びっしょりと汗をかき、動悸はまだ治まらない。
時計を見るとAM04:46。
少し早いが、起きてしまおう、起きてシャワーを浴びよう。
そう思ったヒカリはベッドから起き出すと着替えを持って浴室に、のろのろと向かった。
熱くて強いシャワーを頭から浴びる。
イヤな夢を洗い流したかったから。
その数時間後、ネルフ本部は突然の喧騒に包まれていた。
北米第一支部が消滅したという情報に、ミサトやリツコも驚きを隠せなかった。
原因は無数に推測されたが、最も有力なものは、
「S2機関搭載の為のエヴァ参号機の改造中の事故ではないか?」というものだった。
数千の命が一瞬に何の痕跡も残さずに失われた事に、誰もが恐怖した。
そして日本時間での昼食前には、遺された四号機は本部に移送される事が決定した。
だが、その一連の事は、シンジ達パイロットに知らされる事は一切無かった。
「エヴァ四号機は来週には届く。予定通りにな……」
昼も薄暗い司令室で、ゲンドウが笑みを浮かべた。
「碇、まさか……」
冬月はその表情に感じるものがあった。
「その通りだよ…冬月…」
「お前という男は…数千人の人間の命を……」
「些細な事だよ、そう思わんか?セカンドインパクトに比べれば……」
冬月は今更ながら恐怖を感じた。目の前の碇ゲンドウという男に。
750 :
冒険中年:2011/09/19(月) 16:00:21.67 ID:MtH1PbJb
シンジとヒカリの物語 拾参話 なつかしい声 あたたかな声-05
そして午後。
ミサトはリツコの研究室にいた。
「四号機が来るって本当なの?」
リツコの煎れたコーヒーを飲みながらミサトは言った。
「そうよ。厄介払いってところかしらね。」
リツコもコーヒーを飲む。
「四号機、大丈夫なんでしょうね?真っ平よ、“消滅”なんて。」
「大丈夫よ。四号機は通常型だから。ただ向こうの独自規格の部品も多いから、
実際の運用にはかなりの交換と調整が不可欠だけど。」
「来たとして、パイロットはどうすんのよ?」
「四人目を使うわ。」
「見つかったの?フォース・チルドレンが?ちょっと、タイミング良過ぎない?」
「判らないわ。私もさっき碇司令から知らされたばかりだもの。」
そう言ってリツコは一通の書類をミサトに渡した。
親友を欺かねばならない罪悪感は何処かに置き忘れた。
「ええっ!」
書類を見たミサトの顔から血の気が引いていく。
「寄りにも寄って、この子なんて……どうして?」
「マルドゥック機関の調査の結果だもの。仕方が無いわ。それに私達にはこういう子達が必要なのだから。」
「面接には、明日私が行くわ。」
リツコは淡々と語る。
ミサトはリツコに返す言葉が無かった。
(偽善者ぶるのは止めなさいって事ね……)
(今、わかったわ…あの検査の目的が………)
751 :
冒険中年:2011/09/19(月) 16:02:29.94 ID:MtH1PbJb
シンジとヒカリの物語 拾参話 なつかしい声 あたたかな声-06
その頃、第壱中学校2-Aでは……
その日、シンジは訓練の為に早退していった。
アスカとレイは、今日は訓練も実験も無いと言うことだったので、
放課後、ヒカリは誘われて一時間ほどファーストフードでの他愛無いおしゃべりに付き合った。
ほとんどしゃべっているのはアスカだけだったが。
ヒカリは、あのイヤな夢のお陰で、二人と視線を合わせるのが少し辛かった。
シンジも、ヒカリに逢えない、抱く事の出来ない状況にもどかしさを感じていた。
加持の言葉がリフレインする。
だが、激しくなる一方の使徒との戦い。
前回も僅かな隙をつかれて使徒に、使徒のディラックの海に呑み込まれるという大ピンチに陥ったのだ。
その事は当然ヒカリには話していない。話せる訳が無い。
守秘義務である事以上に、大好きなヒカリを心配させたくないから。
(マグマの海に沈んで行こうとするアスカを助ける為に、
標準装備の初号機で浅間山の火口から飛び込んだ事も話していない事も同じ理由からである。)
運良く初号機の暴走に助けられたものの、あと数分で死んでいたかもしれないという恐怖は、
シンジを更なる訓練へと駆り立てていた。
もっと強くならねば、使徒に勝てない。
そうでなければ、ヒカリを護れない。
そうしなければ、ヒカリの父との約束も果たせない。
その思いがシンジを突き動かしていた。
752 :
冒険中年:2011/09/19(月) 16:04:22.53 ID:MtH1PbJb
シンジとヒカリの物語 拾参話 なつかしい声 あたたかな声-07
その晩、ミサトは加持と逢って、いや密会していた。
そこはラブホテルと呼ばれる類の建物の一室。
情事を終えての寝物語の様な会話。
「やはり、そうだったのか……」
「やはりって、あんた知ってたの?四人目の事。」
「おれも、今朝知ったところさ。」
「そうなの……シンジ君達にどう言ったらいいのか判らないわ。」
「すぐに知らされる。葛城は何もしなくていいさ。」
「そうね…それがいいかもね……ところで…マルドゥック機関て何なの?」
「何も無いさ。」
「どういう事よ?」
「存在しないのさ、そんなもの。」
「それって、一体どういう事よ?」
「どうもこうも、碇司令本人って事だ。」
「まさか………リツコも?」
「それは……どうかな?」
「じゃあ、あの検査は何?」
「済まない、詳しい事はまだ判らないが、関係は大有りだろうな。」
「やっぱりね……」
「後はコード707だよ。」
「それってシンジ君の学校の事でしょ?それがどうかしたの?」
「ヒントさ……」
「ところで、あんた…『アルバイト』やめてもらえないかしら?」
「何の事だ?」
「惚けても無駄よ、みんな知ってるわ。それこそ司令もリツコもね。」
「バレバレって訳か…」
「日本の内務省、それともうひとつ係わってるみたいね?」
「何でもお見通しか…ネルフも中々やるな。」
「今なら引き返せるわ。」
「碇司令は俺を利用してる、まだ大丈夫さ。」
「何がしたいのよ。」
「真実が知りたい。」
「何の?」
「セカンド・インパクト、ゼーレ、エヴァンゲリオン、そしてネルフ、その他諸々ってところかな…」
「死ぬわよ。」
「構わないさ。」
「死なないでね。」
「考えておくよ。」
加持はミサトをもう一度組み伏せた。
ミサトも抵抗する事無く、加持の愛撫を受け入れる。
男の荒い息遣いと女の悦びの声、それにベッドの軋む音が聞こえた。
753 :
冒険中年:2011/09/19(月) 16:09:15.68 ID:MtH1PbJb
シンジとヒカリの物語 拾参話 なつかしい声 あたたかな声-08
その翌日、再び第壱中学校2-Aでは……
今日、シンジは訓練の為、朝から休み。
ヒカリは隣の空席を見詰めては溜息をつき、悶々としていた。
(シンジに逢いたい………)
そばかすの残る可愛らしい顔に、そう書いてあるのは誰の目にも明らかだった。
そして昼休み。
アスカとレイは訓練の為に揃って早退して行った。
そんな時だった。
「2-Aの洞木ヒカリさん、至急校長室まで来る様に。」というアナウンスで呼び出されたヒカリが、
恐るおそるドアを開けると、そこには見知った女性が座っていた。
だが、その表情は以前に合った時とは別人のようだった。校長の前だからだろうか?
「洞木ヒカリさんね。私はネルフ本部技術部E計画責任者、赤木リツコです。宜しくお願いしますね。」
ヒカリはリツコの前に座る様に促された。
ヒカリを正面に見据えたリツコは、何通かの書類をファイルから取り出した。
「率直に言うわね。洞木ヒカリさん、あなたエヴァに乗って見る気はありませんか?」
「わ、わたしがですか?エヴァに?乗れるんですか?」
ヒカリは漠然と望む事はあっても現実的に予想などしなかった事態に驚愕し狼狽した。
「ええ勿論よ。詳しい事は秘密ですが、エヴァのパイロットを選抜するある機関のコンピューターが、
あなたを選んだのです。ですから間違いありません。」
リツコは熱心にそう言いながら、自分は大嘘吐きだなと思った。
パイロットを選ぶのはコンピューター等では無いのだ。
「でも、わたし……運動とか苦手で、武道の経験もありません…ケンカも嫌いですし…」
ヒカリは不安に思う事を吐露する。
「それは大丈夫。あなたも良く知っている碇シンジ君、彼もそうだったわ。
余り詳しい事はここでは言えないけれど、彼は今ではネルフの誇るエースパイロットよ。」
リツコは初心者の成功例として、ヒカリの良く知る、いや心から愛するシンジの事を持ち出した。
これは嘘では無い。暴走などに助けられたケースもあるが、
彼の実績は長年訓練を積んできたアスカやレイのそれを遥かに凌駕するのだ。
ネルフで異論を挟むものは居ないだろう。
「本当ですか?エースって?シンジは余り話してくれないから……」
「そうね、守秘義務もあるし、彼の性格でしょうね。シンジ君は余り自慢話をする人では無いでしょう?」
「はい。」
ヒカリはシンジがエースだと聞いて、まるで自分の事の様に嬉しかった。
754 :
冒険中年:2011/09/19(月) 16:11:18.38 ID:MtH1PbJb
シンジとヒカリの物語 拾参話 なつかしい声 あたたかな声-09
「彼は本当によく頑張っているわ。アスカとレイのサポートもあるけれど、まだまだ彼には助けが必要なの。」
「だから、シンジ君と親しいあなたに彼の傍に居て助けて上げて欲しいのよ。」
いつの間にかリツコの表情は、ヒカリの知っているリツコに戻っていた。
ヒカリはアスカとレイの名が出た時、ぴくりと身体が動いた。
「ネルフとしてだけでなく、私からもお願いするわ。ミサトも同じ気持ちよ。」
これは嘘だな、とリツコは心の奥底で自嘲した。親友はただ真っ青になって絶句しただけではないかと。
「シンジ君の傍に居て、一緒に戦ってあげてちょうだい。」
「シンジ君もきっと喜んでくれるわ。」
これも嘘だ。大嘘だ。シンジの性格を考えたら、愛する恋人が危険を冒す事など望む筈が無い。
ましてやエヴァに乗って使徒と戦うなど……
そう思いながらもリツコは、こう言わねばならない。彼女の愛する男の希望を、いや野望を叶える為に。
ヒカリは、ずっと考えていた。
リツコが、パイロットの待遇やら義務やら責任の話に移ってからは余り聞いていなかった。
余り興味の無い事だったから。
怪獣は確かに怖い。
戦うのも怖い。
ケンカもスポーツも苦手だ。
だが、それはシンジも同じではないか
恐怖に耐えて何度も怪獣に勝っている。
エヴァに乗ってだけでなく生身でも暴漢から自分を救ってくれた。
今度は自分の番だ。
エヴァに乗って一緒に戦って
シンジを怪獣から守ろう
ヒカリは、アスカとレイというエヴァに乗って戦う美少女達の存在によって
この何カ月も焦りや嫉妬を嫌と言うほど感じさせられてきた。
シンジに抱かれ、肌を合わせる様になってからもだ。
友人である彼女達を信用しない訳では無いし、全部自分の想い過ごしなのかもしれない。
だが、自分がエヴァに乗れば総て解決する筈だ。
自分が知らないネルフでのシンジの顔も知る事が出来るに違いない。
ヒカリは決意した。
決意したヒカリはリツコに宣言した。
「わたしはエヴァに乗ります。乗ってシンジと一緒に戦います。」
その顔はとても晴れやかな笑顔だった。
「ありがとう、ヒカリさん。」
ヒカリは、笑みを浮かべるリツコの求めるままに何通かの書類にサインしていく。
755 :
冒険中年:2011/09/19(月) 16:13:27.90 ID:MtH1PbJb
シンジとヒカリの物語 拾参話 なつかしい声 あたたかな声-10
その場では何の発言も許されていない校長は心の中で天を仰いでいた。
ヒカリの葛藤や秘めた想いなど知る筈もない彼は、
彼女が赤木リツコという得体の知れぬ女の巧みな誘導に乗せられてしまったとしか見えなかった。
まるで風俗か水商売の道にでも、いや、もっとたちの悪い道へと堕とされて行く様に見えたのだ。
そして彼は“魔女”とはこういう女の事を言うのだなとも思い、またこの“魔女”に踊らされ、さらわれていく、
洞木ヒカリと言う気真面目で家庭的な可愛らしい少女の無事を心から祈るのだった。
「ではヒカリさん、どうもありがとう。ご家族には今夜ネルフの人事担当者が伺いますから、
それまでは誰にも言わないでくださいね。それからクラスメートにも当分秘密にしてください。」
「シンジ達にもですか?」
「ええ、彼らには明日の訓練の時に紹介するから、それまでは秘密にして下さいね。
守秘義務はもう発生しているのだから。訓練は明日からだから、そのつもりで。」
そう言いながらリツコはヒカリに一枚のカードを手渡した。
それはいつか見た事のある、綾波レイのカードと同じデザインだった。
「校長先生、急な事で申し訳ありませんが宜しく御手配お願い致します。」
如何にもそれと判る愛想笑いを浮かべたリツコが校長室を出てからヒカリも校長室を出た。
授業に戻ってからも、何も聞いて居なかった。
そして夜、リツコの予告通りにネルフの担当者がやって来た。
ヒカリの父は、その担当者と口論に成り掛けたが、結局は折れざるを得なかった。
ヒカリ自身が、エヴァに乗る事を望んだ事もあるが、特務機関ネルフの権限はそこまで強大だったのだ。
尚も心配する父と姉妹にヒカリは笑って応えた。
「大丈夫。シンジも戦っているからわたしにも出来る。」と。
だが、彼女にもひとつの疑問はあった。
例のIDカードの件である。
(今日IDカードを持って来たと言う事は、わたしがOKするという確信があったと言う事?)
だが彼女はそれを口にする事は無く、忘れる事にした。
このカードさえあればシンジの傍に居られるのだから。
そして翌日の訓練の時刻を迎える。
756 :
冒険中年:2011/09/19(月) 16:17:11.04 ID:MtH1PbJb
シンジとヒカリの物語 拾参話 なつかしい声 あたたかな声-11
「みんな知っていると思うけど、彼女がフォース・チルドレン、洞木ヒカリちゃんよ!」
「みんな仲良くね!」
ミサトの明るい声がブリーフィングルームに響いた。
プラグスーツを着たヒカリがそこに居た。
彼女のスーツはピンクと白。デザインはシンジの物に良く似ていた。
ミサトかリツコが気を利かせたのであろうか。
「フォース・チルドレン、洞木ヒカリです。皆さん、宜しくお願いします!」
少し恥ずかしそうだが、大きな声で元気よく挨拶するヒカリ。
純白のスーツのレイ
真紅のスーツのアスカ
青と白のスーツのシンジに視線を送る。
シンジのスーツが自分のものと色違いで似たデザインである事に、ヒカリは嬉しくなった。
(シンジとお揃いだわ…)とにこやかに微笑んだ。
だが、余りの事にシンジもアスカも、レイですら動揺を隠せなかった。
「ミサトっ!エヴァも無いのにどうしてパイロットが要る訳?」
やや興奮気味にアスカがミサトに質問、いや詰問した。
「近日中に四号機がアメリカから輸送されて来るわ。彼女にはそのパイロットをやってもらいます。」
ミサトは平然とアスカを軽く往なした。
スーツの胸元に印された『04』と背中に大きく印された『4』の数字は、
ヒカリが四号機のパイロットである事を主張している。
ちなみに、レイは『00』と『0』、シンジが『01』と『1』、アスカは『02』と『2』である。
もっとも、長い亜麻色の髪に隠されて、アスカの『2』の数字が見える事は、殆ど無いが。
「じゃあ、何でヒカリなのよっ!」
「エヴァのパイロットはマルドゥック機関の調査によって選ばれているの。私達の知るところでは無いわ。」
「これはあなた達も同じなのよ。」
今度はリツコが応えた。これでは欺瞞を通り越して最早道化だなと思いながら。
「わ、分かったわよ……」
渋々アスカは納得してみせた。
アスカは、別にヒカリを嫌っているのでは無い。
嫉妬と言う、決して表に出してはいけない想いは別にして、
ヒカリのキャラが、『エヴァ』と『戦い』に似合わないと思っただけである。
シンジもそれは同じだった。
だが、シンジは何も言えなかった。
757 :
冒険中年:2011/09/19(月) 16:21:32.32 ID:MtH1PbJb
シンジとヒカリの物語 拾参話 なつかしい声 あたたかな声-12
レイ、アスカと握手を終えたヒカリが自分に握手を求めてきた時、シンジは、やっと口を開いた。
「ヒカリ……僕は…」
「何も言わないで…わたしシンジを守りたかったの…」
ふたりの世界に入り掛けたシンジとヒカリをミサトとアスカの声が現実に引き戻した。
「シンジ君!ヒカリちゃん!すぐ訓練に入るわ!時間が無いの。四号機が来るのは来週よっ!!」
「こうなったらビシビシ鍛えてやるわっ!アタシが訓練付き合うわ!いいわね、ミサト!」
「レイっ、アンタも来るのよ!!」
アスカはヒカリとレイを引き摺る様に訓練場に向かって行った。
シンジは言葉も無く見送るだけだった。
『シンジを守りたかったの』という言葉、その秘められていたヒカリの想いに今の今まで気付く事は無かった。
いつかリツコに言われた『ヒカリにも秘密がある』とはこの事だったのかと思いながら。
ヒカリの訓練が始まった。
基礎体力訓練、LCL注水訓練、格闘訓練(今は主に受け身)や、座学(エヴァの武装等に関する知識等)、
実際にエヴァに搭乗する前に必要な訓練は山ほどあるのだ。
これはシンジ達の訓練や実戦の結果からフィードバックされたものも多い。
付け焼刃的だが、機体到着後の調整と起動試験が済めば、若干の訓練で実戦に投入される。
『子供達を誰も死なせたくない』、それが教官たちの共通の思いだった。
学校を休む形で行われた連日の訓練は、余り運動などした事の無いヒカリには、皆きつい訓練だった。
胃の中の物を戻しそうになったりする事は何度もあった。
シンジに送られて家に戻っても、家事をするどころか食事を摂る事すら出来ずに寝てしまう事もあった。
だが、ヒカリは耐え抜いた。シンジと戦いたい、シンジを守りたい、シンジと一緒に居たい、その想いで。
758 :
冒険中年:2011/09/19(月) 16:23:59.23 ID:MtH1PbJb
シンジとヒカリの物語 拾参話 なつかしい声 あたたかな声-13
数日後、四号機が到着した。
しかし途中、太平洋上で奇妙な積乱雲に遭遇した事など報告すらされなかった。
当然、その中で何かが四号機に付着した事にも気付く筈も無い。
「あれか!四号機って。意外ね、真っ白なんて。」
四号機の空輸に先行する形で松代の実験場に来ていたミサトは空を見上げて言った。
「そうね。星条旗でもプリントされてるかと思ったわ。」
リツコもそれにならった。
「でも白ならいいかもね。」
「何が?」
「ヒカリちゃんに似合うかなって……」
「そうね……なら四号機で良かったかもね、参号機は真っ黒だったそうだから。」
自分に、もしエヴァが宛がわれるなら間違いなく参号機だな、とリツコは思った。
輸送機に吊り下げられている四号機の姿は十字架に磔にされている様に見えた。
だが、それがこれから起こる事の不吉な前兆であったなどと思ったのは、全てが済んでからの事だった。
それから二日掛けて機体の検査と必要な部品の交換と調整が入念に行われ、
いよいよ明日はパイロットを搭乗させての起動試験となった。
太平洋上で付着した“何か”が素体の奥深くに潜り込んでいる事などスタッフの誰もが、
いやリツコでさえ気付く事は無かった。
759 :
冒険中年:2011/09/19(月) 16:30:05.72 ID:MtH1PbJb
申しわけありません!12と13の間に以下の文章を挿入してお読みください。
大変失礼しました!!
シンジとヒカリの物語 拾参話 なつかしい声 あたたかな声-12.5
辛い訓練の中でも嬉しい事はある。
シンジと極稀にだが、訓練が一緒になる事があるのだ。
初体験の朝に見たのとも違う戦士としての凛々しい顔。
(シンジってあんな顔もするんだ……)
ヒカリは胸がドキドキするのを抑えられなかった。
それにエヴァを初めて見られた事。
シンジに案内されてケージを見て回った。
濃紫の巨体に双眼に一本角のエヴァ初号機。
「これがシンジのエヴァなのね……」
ヒカリは目を輝かせて初号機を見上げる。
「そう、これが僕の初号機。あっちがアスカの弐号機。その向こうが綾波さんの零号機。」
シンジの言った通りに視線を動かすと真紅の機体にに四ツ眼の弐号機、紺碧の機体に単眼の零号機の姿があった。
「初号機の隣のケージが空いてるから、きっとそこにヒカリの四号機が来るんだね。」
「四号機ってどんなのか、楽しみだね。」
笑顔を向けてくれるシンジに、ヒカリも笑顔で返した。
彼らのずっと後ろでアスカが険しい目で見詰めているのに気付く事は無かった。
760 :
冒険中年:2011/09/19(月) 16:32:27.67 ID:MtH1PbJb
シンジとヒカリの物語 拾参話 なつかしい声 あたたかな声-14
ネルフ本部……
明日は四号機の起動試験と言う事でヒカリは軽めの訓練となり、それも早めに切り上げられた。
そして、シンジとヒカリは共に居た。
ここはパイロットの控室。
アスカもレイも帰宅しているので、ここに居るのはふたりだけ。
いつもの制服姿に戻っている。
「いよいよ明日だね…」
「うん…」
「がんばってね……」
「うん……」
「きっと…成功するよ……」
「うん………」
語り掛けるシンジに返って来るのは生返事ばかりだった。
「どうしたの?」
「怖いのよ…やっぱり怖いの。」
ヒカリの顔は強張っている。
「平気だよ、ミサトさんやリツコさんたちがちゃんと準備してくれているし。それに…」
「それに?」
「臆病で弱虫の僕に出来てる事だから、大丈夫、ヒカリなら出来るよ。」
シンジはヒカリに微笑みかけた。
ヒカリもがんばって微笑み返した。
「ねえシンジ…」
「何?どうしたの?」
「抱いて……」
シンジはヒカリを抱き締めた。ヒカリの身体は微かだが震え続けている。
「そうじゃなくて、抱いて欲しいの……」
「え?ここで?」
「お願い、シンジ。怖くて堪らないの……」
761 :
冒険中年:2011/09/19(月) 16:35:07.92 ID:MtH1PbJb
シンジとヒカリの物語 拾参話 なつかしい声 あたたかな声-15
「い…いいよ……」
シンジは控室のカギを掛けるとヒカリをソファに寝かせた。
ここには常夜灯など無いから明るいままだ。
だが、今のふたりにはどうでも良かった。
ヒカリの着ているものを総て脱がすと自分も総て脱ぎ捨てる。
シンジは震えるヒカリに挑みかかった。
「抱いて!わたしをめちゃくちゃにして!!」
全身に指と舌と唇と掌をじわじわと這わせる。唾液を丹念に塗り付け、丁寧に擦り込む様に。
「ああっ!」
手指に始まったその行為は腕へと続き、
乳房や乳首、腹、恥丘だけでなく肩、背中、腰、尻と進み、足の指の間まで及んだ。
「ああ…いいわ…ああ…」
シンジの大好きなヒカリの声。
「それ…すきなの!もっと…もっとしてぇっ!!
その声はシンジの『オス』を呼び覚まし、ヒカリは『メス』となって応えた。
瑞々しい肌に玉の汗が浮かび、ヒカリの花びらは蜜を溢れさせた。
「もうっ、来てっ!シンジ!」
「わたしを突き刺して!!」
ヒカリの切ない声に、シンジはいきり立つモノを濡れそぼる花びらへと突き刺した。
「ああああああああっ!!」
ヒカリの歓びの声にシンジはすぐさま腰を打った。全身の力を込めてヒカリを打ち据えた。
「もっと!もっとよ!もっとめちゃくちゃにして!!」
ソファが、ぎしぎしと苦しむ。
762 :
冒険中年:2011/09/19(月) 16:37:49.88 ID:MtH1PbJb
シンジとヒカリの物語 拾参話 なつかしい声 あたたかな声-16
「ああん!あん……あふっ…んンっ!」
シンジの汗がヒカリの肌の上に落ちて、ヒカリの汗と混ざった。
そして……
「もうっ…いくっ!いっちゃうううううううう……」
ヒカリが歓びの高みに達した時、シンジもヒカリの奥底に精を放った。
やがてふたりの息が静かに整った時……
「シンジ…ありがとう。これでもう…大丈夫……」
「ヒカリ……」
ふたりは、再び抱き締め合った。
シンジとヒカリが寄り添う様に帰宅した後、
マヤはモニターの記録を全て削除した。彼女の瞳からひとすじの涙が零れたのを知る者はいない。
そして、翌朝、家族に見送られて保安部の車に乗り込んだヒカリを、シンジは少し離れた場所から見送っていた。
763 :
冒険中年:2011/09/19(月) 16:40:46.48 ID:MtH1PbJb
シンジとヒカリの物語 拾参話 なつかしい声 あたたかな声-17
ヒカリは実験場に着くと、笑顔のミサトとリツコに出迎えられた。
「ヒカリちゃん、おはよう!今日は宜しくね♪」
「おはよう、ヒカリさん。今日は頼むわね。」
「ミサトさん、リツコさん、おはようございます。今日は宜しくお願いします。」
ヒカリも元気よく挨拶して笑顔を見せた。
「ヒカリちゃん、昨夜は良く眠れた?」
「はい。シンジが……とても優しくしてくれたから……」
「そう、良かったわね。」
少し顔を赤くして話すヒカリの様子で、昨夜何があったのかを察する事が出来たが、
ミサトもリツコもそれを口にする事はしなかった。
起動試験は間もなく開始され、運命の時を迎えた。
ヒカリが搭乗後、白銀の機体は、すんなりと起動に成功しホッとした一同だったが、
起動直後に異常が検知され、急遽電源が落とされた時はもう遅かった。
大爆発が起こり、ミサトもリツコも激しい爆風に煽られて意識を失った。
暴走する白銀のエヴァ…四号機
田畑や村々を踏み潰して迫って来る。
夕陽を浴びて輝くその機体は血の様に赤く見える、
764 :
冒険中年:2011/09/19(月) 16:43:15.71 ID:MtH1PbJb
「助けて!誰か助けて!!」
「シンジ!助けて!!」
何故か音声のみだが通信回線だけは生きていて、そこに囚われた少女の悲痛な声を響かせていた。
松代で事故発生の報でシンジ達パイロットは急遽招集され、エヴァ各機は緊急空輸された。
ミサト不在の為ゲンドウが戦闘指揮を執る。
ただ、エヴァの配置については日向の進言を取り入れ三機が一箇所に集中的に配置される事になった。
(当初ゲンドウは分散配置を指示したのだが、確実な迎撃と救助を考慮した日向が、その様に進言したのだ。)
迎え撃つ濃紫・真紅・紺碧の三機のエヴァ。
「ヒカリっ!!早く脱出するんだっ!!」
必死に呼びかけるシンジ。
「だめっ!脱出装置も何も反応しないわ!!」
叫ぶヒカリ!
こんなことで死ぬのはいやだ
まだ何もしていないのに
まだシンジを守っていない
まだシンジと一緒に戦っていない
「シンジ!!たすけてぇっ!!」
「停止信号、プラグ緊急射出信号、共に反応ありません!」
マヤが報告する。
「現時刻を以てエヴァ四号機は破棄。第拾参の使徒として殲滅せよ。」
冷徹なゲンドウの声が聞こえた。
765 :
冒険中年:2011/09/19(月) 16:46:40.30 ID:MtH1PbJb
重ねて失礼します!
>>764は、
『シンジとヒカリの物語 拾参話 なつかしい声 あたたかな声-18』です。
766 :
冒険中年:2011/09/19(月) 16:48:37.30 ID:MtH1PbJb
シンジとヒカリの物語 拾参話 なつかしい声 あたたかな声-19
「父さん!!何を言ってるの!!あれはエヴァだよ!!ヒカリが乗ってるんだよ!!!」
シンジの抗議など聞こえないかの様にゲンドウは言い放った。
「伊吹二尉、弐号機に指令!ポジトロンライフル改で使徒を殲滅せよ!!」
マヤから指令が伝達される。
震える声で。
「に・・弐号機、ぽ・・ポジトロンライフル改でし……使徒を殲滅せよ…」
「りょ・・了、解。」
弐号機からの声も震えていた。
ポジトロンライフル改…それは第五の使徒戦で使用されたもの程ではないが、大出力と破壊力に秀でた武器である。
現在のところ弐号機でしか使用出来ず、またコードレスの為発射も一回しか出来ない。(通常型の全弾分のエネルギーを一気に撃ち出す設計の為であり、また弐号機専用なのもアスカの射撃成績が高いという理由からである。)
理論上はATフィールドを展開したエヴァをも至近距離なら一撃で破壊できる兵器である。
ただし最大出力での試射は為された事は、まだ無い。
「ヒカリ…聞こえる?」
「アスカなの?」
「そういう訳だから…悪く・悪く思わないで・・ね。」
「一発で仕留めて…あげる……から」
「ヒカリ……」
アスカの心は葛藤を続けている。
友人を撃つ事に。
使徒と共に友人を撃たねばならない事に。
秘めた想いが更に心に複雑に絡まって居る事に。
だが長年戦士として訓練された身体は、目標である四号機を正確にスコープのセンターにロックオンしていた。
「た、たの…頼むわ………アスカ…」
ヒカリの悲痛な声が聞こえる。
発令所の声も聞こえていた。
自分はネルフに身捨てられたのだ。
シンジも父である司令の命令には逆らえないだろう。
もう助けてもらえない。
絶望の淵に追い詰められていくヒカリ。
その脳裏に浮かぶのは、父の顔、姉妹の顔、そしてシンジの顔…
アスカはトリガーに指を掛ける。
767 :
冒険中年:2011/09/19(月) 16:51:21.82 ID:MtH1PbJb
シンジとヒカリの物語 拾参話 なつかしい声 あたたかな声-20
「アスカっ!!やめてよ!!」
「父さん!やめてよ!!」
「マヤさん!日向さん!青葉さん!やめてよ!!」
発令所にシンジの悲痛な声が響く。
「どうした?弐号機!早く撃て!」
ゲンドウが直接回線で叫んだ!
「ヒカリ…シンジ…ごめんね……」
アスカの呟き。
「シンジっ!さよなら!好きだったわ!!」
ヒカリの慟哭。
「ヒカリーっ!!!!!!!!」
シンジはヒカリの名を叫びながら想った。『力が欲しい!ヒカリを助ける力が欲しい』と強く念じた。
【だいじょうぶよ】
シンジは、何処からかそんな声が聞こえた気がした。
アスカはゆっくりと、ライフルのトリガーを引いた。
眩い閃光が夕陽を切り裂いて、朱に染まった白銀の巨人に伸びていった。
その時だった。
眩い光に包まれた紫の巨人が緋色の空を跳んだ!
初号機が四号機の前に降り立ち、四号機を庇う様に閃光の前に立ち塞がった!!
「「シンジっ!!だめえっ!!!」」
ヒカリとアスカは同時に叫んでいた。
四号機を狙った閃光は初号機の胸板に正確にヒットした。
だが初号機の纏った光は何事でも無い様に、それを弾き飛ばした。
「きゃあああああああああああっ」
悲鳴を上げたのはアスカの方だった。
弐号機の両腕とライフルが消し飛んでいる。
大出力に耐えられず、ライフルが爆発してしまったのだ。
「ああああ……」
アスカは両肩を押さえて襲い来る激痛に耐えていた。
768 :
冒険中年:2011/09/19(月) 16:54:01.58 ID:MtH1PbJb
シンジとヒカリの物語 拾参話 なつかしい声 あたたかな声-21
「弐号機の神経接続を全面カットしろ!」
「何故初号機は無事なんだ??」
冬月は叫ぶ。
「判りません!が、ATフィールドと思われます!」と日向は応えた。
「馬鹿な…有り得んよ……」
「零号機に弐号機を救助させろ!」
困惑を隠すように冬月は青葉に命じた。
発令所の混乱を余所に、シンジの駆る初号機は、ヒカリが閉じ込められた四号機と組み合っていた。
「ヒカリっ!今助けるからっ!」
「だめ!!私を殺して!」
「でないとシンジが死んじゃうっ!!」
「いやだ!!そんな事出来ない!!」
「伊吹二尉、ダミープラグの用意をしろ」
ゲンドウの声がシンジにも聞こえた。
フォース・チルドレンの救出に拘り、使徒と化した四号機を攻撃しようとしないシンジに業を煮やしたのだ。
ダミープラグとは、エヴァにパイロットが乗っていると誤認させ起動させる、ある種の自動操縦装置の様なものである。
まだ技術的に問題が多く、完成はしたものの暴走の危険も高い。
「父さん!ヒカリは僕が助ける!!使徒も倒してみせる!!」
「それでいいんだろ!」
「ヒカリは、僕が、僕が護るんだっ!!」
「何もしないでよっ!父さん!!」
シンジの力強い宣言だった!
769 :
冒険中年:2011/09/19(月) 16:59:01.79 ID:MtH1PbJb
シンジとヒカリの物語 拾参話 なつかしい声 あたたかな声-22
それは、発令所の面々も、冬月もゲンドウでさえ絶句するほどの迫力だった。
彼が、『碇シンジ』である事を疑いたくなるほどに。
絶句した冬月は思わずゲンドウの顔を見た。
その時、彼は長年の盟友に何かの違和感を感じたが、すぐ正面のモニターに向き直った。
マヤは、ダミープラグの準備は済ませていたが、敢えてゲンドウに報告しなかった。
次の指示が無かったのをいい事に、そのまま放置したのだ。
リツコの不在も、彼女自身がダミープラグを嫌悪している事も理由だったが、
昨日、不安に震えるヒカリと彼女を抱き締めるシンジ、求め合うふたりの姿を見て、
今シンジの力強い言葉を聞いたからだ。
愛し合うふたりを殺させてなるものか、とマヤは思った。
「シンジ……シンジ……」
ヒカリは、ぽろぽろと涙を零した。
うれしくてうれしくて嬉しくて、涙がLCLに溶けていくのも気付かずに。
またシンジだけが助けようとしてくれているのだ。
誰もが身捨てた自分の命を。
司令である彼の父の命令に逆らってまで。
だが、四号機と初号機の力は拮抗している。
組み合ったままの膠着状態だ。
「ちくしょう!どうすればいい…」
シンジは手詰まりだった。
ヒカリを助けるにはエントリープラグを引く抜くしかない。
だがそのチャンスが無いのだ。
弐号機は大破し、零号機は、その救援中。
自分一人でやるしかない。
その時、シンジに聞いた事の無い声が聞こえてきた。
それはあたたかな女性の声。
〈だいじょうぶよ〉
〈むすめをたのみます〉
〈むすめをたすけてください〉
「誰?」
シンジがその声を聞き終えた時、
使徒と化した四号機の力が抜け、動きが止まったのだ。
770 :
冒険中年:2011/09/19(月) 17:01:13.47 ID:MtH1PbJb
シンジとヒカリの物語 拾参話 なつかしい声 あたたかな声-23
「このやろうーっ!!」
シンジはすかさず四号機を投げ飛ばして大地に叩き付けて捻じ伏せた!
それは苦しい訓練で、やっと身に付けた技だった。
「きゃあああああああああああああ」
ヒカリの悲鳴!
ダメージはフィードバックされている筈。
だが、ヒカリは思った程の痛みを感じる事は無かった。
〈だいじょうぶよ〉
〈もうすこしよ がんばって〉
〈ひかりのだいすきなひとが たすけてくれるから〉
ヒカリは薄れかける意識の中で、懐かしい声を聞いた様な気がした。
「少し、我慢してね!!」
シンジは四号機の背面装甲を引き千切ると、ヒカリが閉じ込められているエントリープラグに手を掛けた。
「ごめんよ!」
シンジは白い筒を白銀の巨人から渾身の力で引き抜く!
「きゃああーっ!」
また悲鳴が聞こえた。
初号機の右手はヒカリのいるプラグを掴んでいる。
それを確認したシンジは四号機を思い切り蹴飛ばした。
四号機は苦しそうに呻いて、のた打ち回っている。
「今だ!!」
シンジは自ら初号機のエントリープラグを排出すると、ヒカリの元へと走った。
過熱しているハッチを構わずこじ開ける。
「ヒカリ!ヒカリ!!」
気を失っているのか返事は無い。
「くうっ」
ヒカリを抱きあげて背負い、初号機のプラグへと急ぐ。
一緒にプラグに入って再起動を始める。
のそり、と四号機が起き上ったのはその時だった。
771 :
冒険中年:2011/09/19(月) 17:03:25.90 ID:MtH1PbJb
シンジとヒカリの物語 拾参話 なつかしい声 あたたかな声-24
「まずい!」
だが初号機はまだ息を吹き返さない。
ぱぱぱぱぱぱ………ぱぱぱぱぱぱ………
朱に染まった白銀の機体に無数の弾着!
零号機のパレットガンが吠える!
「碇くんっ!!早く!!」
「綾波さん!ありがとう!」
が、四号機の白い両腕が文字通り零号機に伸びる。
「きゃあーっ!!」
首を掴まれた零号機は、そのまま地面に叩きつけられた。
沈黙する青い巨人。同時に射出されるエントリープラグ。
だが、まだ初号機は動こうとしない。
「くそっ!うごけ!!動け!!」
「今動かなかったら、ヒカリもみんなも死んじゃうんだ!!」
「動いてよーーーーーっ!!」
シンジは、また一心に念じた。
どくん、どくん………
シンジには、何かの鳴動が聞こえたような気がした。
【だいじょうぶ】
【しんじは まけないわ】
今度はまたあたたかい女性の声
先程とは違って何処か懐かしい声
〈ありがとう むすめをたすけてくれて〉
〈さようなら むすめをよろしくおねがいします〉
〈しんじさん〉
またさっきのあたたかな声。
そして、シンジは気を失った。
772 :
冒険中年:2011/09/19(月) 17:08:45.66 ID:MtH1PbJb
シンジとヒカリの物語 拾参話 なつかしい声 あたたかな声-25
うおおおおおおおおおおおおおおんんんんんん
ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおうううううううううううう
初号機は雄叫びを上げると、こちらに向き直った四号機に襲いかかった。
圧倒的なパワーで捻じ伏せる
右腕を折る
左脚を捻じり切る
臓物が飛び散る
右足を潰す
左手を噛み切る
余りの残酷な光景に発令所は凍りつく。
女性スタッフの多くが気分の悪さを訴え、中にはトイレに駆け込む者も出た。
これがシンジの操縦によるものでは無い事はモニターで確認されている。
これは“暴走”と呼ばれる状態に他ならない。
今は誰にも止められないのだ。
「碇……ダミーを使ったのか?」
戦慄する冬月は小声で問うが、ゲンドウは首を振って否定する。
「じゃあ……か、彼女が目覚めた?とでも言うのか?」
ゲンドウは、にやりと口元を歪めた。
「俺もお前も、シンジ君に殺されても文句は言えんな……」
「ああ……そ、そうだな……」
冬月は、先刻と同じく、その時のゲンドウの表情に気になるものを感じたが、その時は深く気にする事は無かった。
目の前の、いや、モニターの中で起きている惨劇の処理の方が当面重要かつ緊急の問題だったからである。
773 :
冒険中年:2011/09/19(月) 17:11:10.20 ID:MtH1PbJb
シンジとヒカリの物語 拾参話 なつかしい声 あたたかな声-26
うおおおおおおおおおおおおおおおおうううううううううううううう
正面に見える映画館のような発令所のモニターの中で
夕陽と血で真っ赤に染まった初号機が勝利の雄叫びを上げていた。
先刻まで四号機だった使徒の血に染まった首を両手で天に掲げて……
それは伝説の“鬼”のようだった。
「アタシ……こんなのに乗っているの?!」
「シンジ……ヒカリ…アンタ達…」
アスカは傷の手当てもそこそこに初号機を食い入る様に見詰めていた。
喜ぶべき勝利のはずなのに
勝利に酔っているのは初号機だけだった……。
血まみれの荒野の中で。
774 :
冒険中年:2011/09/19(月) 17:13:31.98 ID:MtH1PbJb
シンジとヒカリの物語 拾参話 なつかしい声 あたたかな声-27
「葛城!しっかりしろ!おい葛城!」
あたし生きてる、誰かが呼んでる、そう思ったミサトは目を開けた。良く知った男の顔が目に入る。
「え?加持?どうしてここに?」
「お前が心配ですっ飛んで来たんだ。」
「痛むか?」
優しく微笑む加持に、ミサトは少しだけ強がってみせた。
「ええ、少しだけね…」
「一体何が起きたの?四号機は?ヒカリちゃんは?リツコは?みんなどうしたっていうの?」
加持はミサトが口にしたのと同じ順番で事の次第を話した。
「四号機は使徒に乗っ取られて暴走、使徒として処理された。初号機に。」
「ヒカリちゃんはシンジ君が命がけで救出したよ。碇司令の攻撃命令を拒否してね。」
「リっちゃんは、お前より軽傷だ。手当てを受けて、もう実況検分に出てる。人が居ないからな。」
「そう……シンジ君がヒカリちゃんを……」
「ああ…凄い奴だな、シンジ君は…」
「そうね……すごいわね……司令に逆らってまでなんてね……ねえ加持……」
「何だ?」
「もしあたしが同じ目にあったら、あんた助けてくれる?シンジ君みたいに…」
「そうだな?その時までに考えておくよ…」
「ありがとう……ねえ、眠っていいかしら?」
「ああ…いいよ、俺が傍にいてやるから…」
言い終わらないうちに、ミサトは眠っていた。
加持はその安らかな寝顔を見ながら、自分のしてきた事、している事、
これからやろうとしている事に想いを馳せた。
そして、碇シンジと言う少年と、彼に愛される洞木ヒカリという少女の事を少し、いやかなり羨ましいと思った。
【シンジとヒカリの物語 拾参話 なつかしい声 あたたかな声 終了】
775 :
冒険中年:2011/09/19(月) 17:18:11.22 ID:MtH1PbJb
拾参話……投下しました。
途中、不手際があり、大変失礼致しました。お詫び申し上げます。
※管理人様、拙作UP時に御配慮頂ければ幸いです。
皆様、色々なコメントを書き込み頂いて誠にありがとうございます。
おつう
ヒカリはブサイクだし。話はいいけどプラスー姿想像したらリアルで吐いた。
死ねば面白かったのに。構成はうまいけどヒカリがな〜
乙、良かったです
ラブラブ具合がいい安定感です
んー、でもいまいちわからんのは助けた動きは覚醒なの?
のちに暴走はなんか正史に繋げる為かもしれないけど
意識的に守る為に能力以上のATフィールド使って、最終的に暴走で大暴れって流れが少し変な感じ
>>775 乙でした
ヒカリがパイロットになるとは御約束展開ですなw
しかし助かってよかった
雑音は気にせず頑張ってくれ
あと軍曹の人を悪く言う奴いるけど、あれはあれで悪くなかったと思う
確かに決め台詞安易に使いすぎな感じはあったけど、面白かったよ
好みは人それぞれ。ヒカリ→トウジが鉄板すぎだから入り込めないが悪リツコ大好きだから完結させてくれ
軍曹は読んでないが投下人の感想クレクレが顰蹙かったんじゃね?
乙。山場越えたかな。ヒカリの嫉妬がちとウザい。後可愛いキャラではないからそういう表現は止めといた方がベター。
マヤにグロ画像見せるのもね。
いちおー最後まで書いて。
軍曹の・・・よりは読める
結局 ス パ シ ン か
本編とはやや違う流れでの救出だし
この程度でスパシンとか言ってたら本編見てもスパシンだろ
そうそう、新劇もスパシンなんだよなw
陰鬱な旧劇が好き
みんなシンジくんが大好き☆なんですよー。アスカやレイという美少女差し置いてシンジは私を選んでくれたの♪
ヒカリぶさいくだし殴りたい
トウジ×ヒカリならな。
中学生が女房気取りでかわいげない。ミサトやリツコにシンジがいてくれるから()とかヒカリじゃない。ごはん作るとか抱かれて癒すとかガキは考えない。ただのウザ女。作者が恋愛経験無いのがわかるwww
すげえ引き込まれた
続き期待、全裸期待
長えよ。3回でまとめろ
ブロクじゃねえんだよ
長いっつーの
>>775 乙です
エントリープラグまで浸食されていなかったのと、ヒカリママンの協力補正があるからスパシンというより運のいい展開程度じゃないかな
ヒカシンの陰で地味にアスカが酷い目にあってるけど、今後が心配だ
親友&想い人の恋人を命令とはいえ殺しかけた挙句に、想い人に止められ、エヴァは自爆で大破、暴走の恐ろしさまで見せつけられる
シンジが第3新東京市を離れる展開は無くなったけど、代わりにアスカがドイツに帰っちゃうかもねw
弐号機大破、初号機もシンジ&ヒカリがLCL化してるかも知れないし、次のゼルエル戦はどうなることやら
ワクワクしてきた
>>790-791 志村〜、ID、ID!
偉そうに解説してんな。
投下も長きゃレスも長えのかw
エロくねえし長いっつーの
これだけ長いならエロ抜きはやっぱエヴァ板で、エロはここでって事の方がいいと思う
向こうもそういう風になったし
物語が書きたいみたいだしエロパロにはむかない。
前降り等は必用だけどこれは完全にSSじゃん。本編分岐ってジャンルの。
まとめ見て空気読んでから投下すべき
ここまで来て、他で書け!というのも何なので、出来ればここで完結してほしいものだが、
実際、後何話くらいの構想なのかな?
(いつまで続くか分らないというのも、板違い派の人のフラストレーションにも関係してると思うし)
あとちょっとと言う話なら、読みたくない人に少々我慢してもらうのが良いが、
まだまだ半分も行ってないとかなら、投下先分けを考えて貰った方が良さそう
てか他に投下あるわけでもないし、別にいいだろ
そういや荒らしがくる前はあった、シンジとアスカの話の職人さんは帰ってこないのかねぇ
>>799 あくまでエロパロ板だから、SSメインになっちゃうと一応は板違い
それで自分はこっちにエロ投下誘導されたからね
シンジとアスカならネタはあるからその内投下するよ
まとめだって細切れ投下やエロ薄いのたくさんあるぜ
にわかが知ったかすんな
エロパロなんだからエロ入れろ
失礼な奴等。ヒカリ×シンジが気に入らないだけなんだろ?
嫌ならレスしなきゃいいじゃん。やたら上から目線だし。
オメーらが書けよ
後さあ他の職人の話投下中にすんなよ。書きたきゃ書くし飽きたら来ないだろ。
見てるだけで文句つけてんな。ここまでって宣言あるししたきゃ投下しろや。
糞野郎
延びてるから続ききたと思ったのに…。
あーしろこーしろ勝手すぎじゃないの?読む読まないは各人の勝手でしょ。
強制じゃないんだから。まったりいこうよ
専属慰安婦の続きを読みたくてちょくちょくこのスレをみ続けてたけど
もう諦めた方が良いのかな…?
冒険さん頑張ってください。
続き楽しみです。
あまり嫌なレスは気にしないで
自分も連載途中で投げ出したクチだから慰安婦の人は責められないが、まとめ見たら途中で書くのを投げ出すヤツ多すぎだな
震災以降みんなSS書ける状態か、つかそもそも生きてるかも怪しいから、今更でもみんなが続きをどうするかはわからんとは言えるが
しかし少なくとも自分はまだほぼROM專な状態でここにいるし、録画してた金ローのQの予告でテンション上がってムラムラと何か書きたくなってきた
俺の駄作の続きを誰かが待っててくれると信じて、プライベートのゴタゴタが収まればSSは必ず書きたい
慰安婦の人や他のかつての常連職人たちもここを見ていてくれてることを祈る
そして今書いてくれてる冒険中年氏を全力で支持・支援する
書き込みのマナーを口実に、あるいはあからさまに特定キャラヘイトを見せて潰しにかかってる連中を殲滅させようじゃないか
昔のここ、メロウでポエジーな紳士の社交場を、みんなで取り戻そうぜ
>>810 だよね。とにかく今投下してる方を支持します。
自分もマイノリティなの書くのでちょっと投下しにくいです。
投下中の人、連休に続きくるかな?待ってますよ
じゃあ次回から板違いでもおkってテンプレに入れないといけないね
自分はエロパロ板だからエロパロを優先させるべきだとは思うよ
エヴァは他の作品と違ってエロ抜きのSSを投下出来る板があるから
エロはここ、それ以外はエヴァ板と優遇されてるのを忘れちゃいけないと思う
嘗てエヴァ板でエロネタスレが消されたのはそういう理由もある
他の作品のスレはそういう区別を付けられないから板違いでも許されてるっていうのもあるし
何でもキャラヘイトとひと括りにしないで欲しい
適当こくなよ
エヴァ板でエロネタスレ潰されまくったのは、エロに過剰反応するキ印が
通報荒らししまくった結果だろうが
他に場所があるからどうのと、理性的な話し合いの結果とやらがどこにあった
通報されまくった後にスレの立て直しか否かという話し合いがあったのを知らないのか?
その時に立て直しを計っていくならモロなエロ部分はエロパロへ誘導、エロ無し部分は該当ネタスレでという
事で纏まった事があったんだよ
キチが通報したのもあるけど、やっぱりエロを全年齢板でするのは不味いよなって話の方向になった
創作発表板が出来たのもエロパロ板なのにエロ抜きは板違いじゃないかとか
エロ抜きで投下したいという声が出てきたという話があったからって話だし
後はそのスレの住人の裁量だが、それとて普通は予め荒れないようにお伺いをたてたりするだろ
今回の話は専用板があるからその辺どうするって事だと思うけど
これがアスカ×シンジだったら文句言わないんだろw
ホントスカ豚はキメェわwww
答えてみろよw
俺は冒険中年氏を支援する。
ヒカリの役がアスカだったらおまえら絶賛してただろw
このスレはエロパロ板以外のことを話す場所でもないし、
特定のカップリングを貶める場所でもない
正直LASが以外読みたくない
今まで他のカプは飛ばしてたが
今度のは長いから困る
>>817の言い方はアレだが的を突いてる。
中年さん応援する。ただ今どの地点なのかだけレス下さい。
上にもあるし
821 :
冒険中年:2011/09/23(金) 00:26:47.14 ID:KhpJCrTh
>>803、
>>820 皆様、様々なコメントありがとうございます。
もう物語は終盤に差し掛かろうか、という処です。
往年の阪神ならば、ウィリアムスが出てきたあたりとでも申しましょうか。
皆様、今少しお付き合いくださいませ。
冒険中年
>>821 楽しみにしてますよ。
話はとっても楽しいです。
負けないで
なぜかエステバンが出てきて打たれるんだろ
ついにここもカプ厨に荒らされるようになったか
○×△以外認めない、それ以外がもてはやされるとキーッ!ってなる…まるで…いやなんでもない
今冒険中年以外投下してない?
828 :
冒険中年:2011/09/23(金) 18:57:32.17 ID:KhpJCrTh
拾四話…投下します。
今回『キャラ崩壊』的な場面があるかと思いますが、
この私の妄想世界での事、皆様、どうかご笑覧下さい。
829 :
冒険中年:2011/09/23(金) 18:59:05.23 ID:KhpJCrTh
シンジとヒカリの物語 拾四話 ふたりのチカラ-01
第拾参の使徒殲滅から二週間が過ぎた。
「今日も来てるのね、シンジ君。」
「そうなのよ。学校も余り行って無いみたい。」
「余程好きなのね、彼女の事が。」
「ええ。女としてはヒカリちゃんが羨ましいわね。あそこまで愛されて大事にしてもらえると。」
「本当ね。女冥利に尽きるわね。」
「ねえ…シンジ君が、あの碇司令を相手に啖呵切ったってホントなの?」
「らしいわ。司令の攻撃命令を拒否して『ヒカリは僕が護る!』ですって。マヤがうっとりして話してくれたわ。
『私も、あんな風に言われてみたいです。』ってね。」
「碇司令、相当アタマにきたでしょうね。」
「それがそうでもないらしいわ。不思議な事に。」
「そうなの……不思議ね。」
身体のあちこちに包帯やら絆創膏の目立つ美女ふたり。
ミサトとリツコが見ているのは発令所の、あるモニター画面である。
その画面には、本部内の庭園で車椅子に乗る少女と、それを押している少年の姿が映し出されていた。
ヒカリはシンジによって無事救出され、
当初懸念された使徒による肉体及び精神汚染の疑いも皆無である事が確認された。
しかし、乗っ取られたエヴァ四号機からのプラグの強引な分離等のフィードバックの影響で、
身体の自由、特に脚が利かずにネルフ本部内の病院に入院を余儀無くされていた。
医師団の見解では、一時的な症状であり、短期間の入院とリハビリによって完治するというものだった。
「シンジ君、自分の所為だって思ってるみたいね。」
「そうなの。医者もヒカリちゃん本人も違うって言ってるのにね。」
「ところで、どうなの?」
「何の事?」
「初号機よ。あたし達が気絶してる間の事よ。調べたんでしょ?」
「ええ…でも、理論上有り得ない事ばかりよ……例えば…」
「初号機の光の事?」
「ええ…輝いた事も、あのライフルのビームを弾き飛ばした事も、理論上は絶対に不可能よ…」
「どういうことよ!それって!!」
「判らない、としか言えないわ。」
「その後の“暴走”も、でしょ?」
「…………」
「それに使徒に乗っ取られた筈の四号機の通信回線だけが生きていたのは何故?
ヒカリちゃんが肉体も精神も汚染されていないのは何故?」
「ごめんなさい。何も判らないわ。」
「赤木博士、何か隠してることがあるんじゃない?」
「…………あなたに渡した報告書が総てよ、葛城三佐…………」
満身創痍の二人の美女の会話はそこで一度途切れた。
830 :
冒険中年:2011/09/23(金) 19:02:04.06 ID:KhpJCrTh
シンジとヒカリの物語 拾四話 ふたりのチカラ-02
だが、リツコには実は何と無く解っているのだ。
ただ科学者としては到底認められない『お伽話』の様なものだから、
例え誰が相手であっても口にする事は出来ない。
個別の事情聴取でシンジとヒカリが話した、『誰かのあたたかい声を聞いた』とか『なつかしい声を聞いた』という事。
これから導き出される事は限られてくるのだが、話したところで、誰が信用するだろうか。
リツコは思った。
もし、自分がエヴァに乗る立場だったら、自分はシンクロ出来るのだろうか?
出来たとして、危機に陥ったら声を掛けてもらえるのだろうか?
使徒の浸食から守ってもらえるのだろうか?
どれも難しいだろうなと、リツコはかなり自嘲気味に思った。
「ねえ、リツコ。まだ訊きたい事があるんだけど。」
唐突にミサトが口を開いた。
「何?」
「シンジ君とヒカリちゃんが飲んでる薬、あれホントに避妊薬なんでしょうね?」
「ええ、本当よ。信じて頂戴。」
「信じるわ、赤木博士。それともうひとつ、ヒカリちゃんはどうなるの?」
「それは私には答えられないわ。司令と副司令が協議中なの。」
「どういう事よ?4号機はもう無いのよ。」
「エヴァは機密の塊だもの。今ネルフから離したら、かえって危険に遭う可能性も高いという事よ。」
「じゃあ、どうするのよ。」
「司令に提出したプランよ。」
リツコは数枚の書類をミサトに渡した。
「何よ!これ!こんな事、上手く行くの?」
書類に目を通し驚くミサトに、リツコは平然と言ってのけた。
「だから試すのよ。」
831 :
冒険中年:2011/09/23(金) 19:03:53.88 ID:KhpJCrTh
シンジとヒカリの物語 拾四話 ふたりのチカラ-03
「ところで、エヴァ各機の修復の方はどうなの?」
「それは、もう不眠不休でやってるわ。ロクに家にも帰らずにね。
お陰で一番損傷の酷かった弐号機もあと二週間もすれば何とか使える様になる筈よ。
零号機と初号機は、それぞれ一週間と言う処かしら。初号機はさっきの改造も含めてよ。」
「そう……三機揃うにはあと二週間か……済まないわね、リツコ。」
「気にしなくていいわ、仕事だもの。それより問題なのは………アスカよね?」
「そうよ、碇司令の命令とは言え、ヒカリちゃんを撃ったんだもの。
そしてシンジ君が身を挺してヒカリちゃんを庇うのを見せつけられ、
おまけに弐号機は調整不足のライフルの所為で大破でしょ…
アスカ自身が大ケガにならなかったのは不幸中の幸いでしか無い。」
「ヒカリさんとは面会したのでしょう?」
「ええ…二人とも大泣きで抱き合ってたわ。見てるこっちが恥ずかしいくらいにね。」
「でも、それで解決ではない?」
「シンジ君の事がね……」
「そうね、あれではアスカの入り込む余地なんて無いものね…」
リツコはシンジとヒカリの映るモニターを見た。
「これであんたのプランが実現したら……」
そう言ったミサトもモニターを見ると大きく溜息を吐いた。
「最後にもうひとつだけ訊くわ。あんた、ヒカリちゃんが選出されるのを随分前に知ってたんじゃない?
だから、妊娠されると困るから薬を作り、色々な検査までした……どう?違うかしら?」
ミサトは以前から疑問に思っていた事をぶつけた。少し早いかもしれないが、カードを切るのは今しかないと思った。
「随分と飛躍した推理ね。でもごめんなさい。違うわ。単なる偶然よ。」
とうとう来たか、リツコは思った。だが、まだ真相を明かすわけにはいかないのだ。
「そう?単なる偶然?…………信じていいのね?赤木博士。」
「ええ……信じてくれると嬉しいわ…………葛城三佐。」
その最後の一言だけは嘘では無かった。
リツコはミサトが出て行ってから、煙草に火を付けた。
832 :
冒険中年:2011/09/23(金) 19:06:16.17 ID:KhpJCrTh
シンジとヒカリの物語 拾四話 ふたりのチカラ-04
そして、他にも少年と少女を見詰めている男がいた。
ゲンドウは、ふたりの様子をやはりモニターで食い入る様に見ていた。
シンジがヒカリを毎日見舞う様になって、ゲンドウの日々の日課のひとつになっている。
「……」
そして何事かを呟いた。それはとても小さな声だったので冬月にも聞こえる事は無かった。
「冬月、少し頼む。」
そう言い残し、ゲンドウは司令室を足早に出て行った。
それも最近よく見られる事のひとつだった。
だが、その表情は、まるで別人の様だ。
「碇め、やっとシンジ君と話す気になったとでも言うのか?」
「良かろう。人生に遅すぎると言う事は無いらしいからな。」
「傍にヒカリ君も居る事だし、話が弾めば良いな。」
冬月は珍しく嬉しそうにゲンドウの行動にコメントした。
ここはネルフ本部・ジオフロント内の庭園。
古代ギリシャ建築風の石柱が所々に立ち、噴水や花壇、芝生等が心を和ませる。
シンジは、まだ退院できないヒカリのために、
実験や訓練が無くとも毎日の様に見舞いに訪れては、リハビリや散歩に付き添っていた。
「今日はね、こんな事があったんだ……」
シンジは車椅子を押しながら、学校での他愛ない事をヒカリに話す。
最近休む事も多いから全てが真実ではないが。
「そうなんだ、面白いね……」
ヒカリはシンジに笑顔で応える。ヒカリにもわかっているが敢えてそれを言う事は無い。
今はふたりの大事な時間である。他には誰も居ないから。
やっとふたりで過ごせるのだから。
一見、微笑ましい少年と少女。
だが既に“男”と“女”であり、肌を合わせ身体を重ねる仲だと知れば、
事情を何も知らぬ世間の余人は眉を顰めるだろう。
しかし、この時のふたりからは、そんな生臭さは感じられなかった。
ごく普通の何処にでもいる中学生のカップル、それがシンジとヒカリだった。
不意に、視界に長身の黒衣の男が入って来る。
833 :
冒険中年:2011/09/23(金) 19:07:54.72 ID:KhpJCrTh
シンジとヒカリの物語 拾四話 ふたりのチカラ-05
「父さん……」
シンジは車椅子を止めて父を見詰めた
ヒカリはシンジとゲンドウを交互に見上げた。
ゲンドウが話し掛けたのは、またしてもシンジでは無かった。
「具合はどうだ?フォース・チルドレン。」
「は、はい、順調です。あと二週間位で退院出来るだろうと言われました。」
ヒカリは突然の事に驚いた。
何故こんな時に、これまで一度も会った事も無い司令が現れて、自分の容態など気にするのか?
視線も自分に向けられている気がする。
一方でシンジは父に微妙な違和感を感じていた。何処がどう、と、はっきり言えるものではないが。
「それは良かった……」
「ありがとうございます。碇司令。」
シンジに申し訳ないと思いならが、ヒカリはゲンドウに礼を言った。
「あの…父さん……この前はごめんなさい……」
シンジは、今の父なら話が出来る気がしたので、思い切って声を掛けた。
「何の事だ?」
ゲンドウはシンジに目を合わせる事も無く言った。
「父さんに、父さんの命令に逆らった……」
「ヒカリを助ける為とはいえ……」
ゲンドウはシンジと目を合わせようとはしない。
シンジはしっかりと父の目を見て話をしているというのに
「結果が全てだ。お前は使徒を倒した。それでいい……」
「ありがとう……父さん……」
通り過ぎようとする父の背中から声がした。
「フォース……いやヒカリ君……済まなかった。」
父の突然の謝罪にシンジも、当のヒカリも声も無かった。
「シンジ……良くやったな……」
「今年は、ヒカリ君も連れて来るがいい……ユイも喜ぶ……」
言葉も無く、ふたりは去っていく男の背中を見つめ続けた。
お互いの手を握り締めたまま。
834 :
冒険中年:2011/09/23(金) 19:10:00.06 ID:KhpJCrTh
シンジとヒカリの物語 拾四話 ふたりのチカラ-06
シンジとヒカリから離れ、司令室に戻ろうとするゲンドウを呼び止める者が居た。
「御子息の恋人の御見舞いですか?碇司令。」
その男は見知った特殊監査部・加持一尉だった。
「そう見えたなら、その通りだ。が、君こそ何をしている?」
「司令と同じですよ。もっとも、私はこれから行くところですがね。」
「ならば、さっさと行ったらどうだ?」
「ええ、勿論そうします。司令はこの何日か遠くから、あのふたりの様子を伺っていらした様ですが…」
「……………………」
「ところで、司令、私は『アルバイト』から、近々足を洗おうかと思っています。」
「君の様な優秀な人材は無碍にはせん。だが一体どういう風の吹き回しだ?加持一尉。」
「司令と同じですよ。あのふたりの子供の顔を見たくなったんですよ。ついでに自分の子供の顔もね。」
「……………………」
「あれ?違いましたか?済みませんね。
じゃあ、そろそろ私もシンジ君とヒカリちゃんに会って来るとしましょう。失礼します。」
ゲンドウは加持の言葉に反応する事は無かった。
だが今一度振り返った。
すると、加持とにこやかに談笑するシンジとヒカリの姿が見えた。
ゲンドウは彼らの姿を見て何かを感じた。
だが彼には、その何かが何なのか、よく判らなかった。
835 :
冒険中年:2011/09/23(金) 19:12:55.54 ID:KhpJCrTh
シンジとヒカリの物語 拾四話 ふたりのチカラ-07
ゲンドウがヒカリを連れてくる様にとシンジに言った事とは……それは亡き母・ユイの墓参りだった。
ヒカリの退院から数日の後、シンジとヒカリは連れ立ってその場所に来た。
いつもの壱中の制服姿で、お揃いの白百合の花束を持って。
ここはセカンドインパクト犠牲者の墓地。
ただの鉄柱に名前だけの墓標。それらが延々と無数に並ぶ。
その中のひとつが亡き母・碇ユイの墓標なのだ。
シンジとヒカリは、辿り着いた墓前にふたり揃って跪き、花束を供え、手を合わせた。
「ここにシンジのお母様がいらっしゃるのね……」
「いや、母さんの遺体は無いんだ。墓標だけだよ。」
淡々と言うシンジに、ヒカリはとても寂しい気がする。
自分の母親も既にこの世には居ないけれど、
墓地の墓石の中に、遺骨がちゃんと納められている。
初体験の夜に、母親の記憶が無い事は聞かされた。
自分は数年分とは言え、母親の記憶は残っている。
ネルフのVTOL連絡機の爆音が聞こえてきた。見上げていると墓地近くの空き地に着陸した。
いつもの黒衣を纏ったゲンドウが現れた。
「早かったな……シンジ、ヒカリ君……」
父の手にも花束があった。やはり白百合だった。百合の種類が違う様だが。カサブランカとかいう種類だろうか。
大きな花の百合だ。値段も高い。
ゲンドウも墓前に跪き、花束を供え手を合わせる。
「母さんてどんな人だったの?」
「写真とか、ビデオとか…無いの?」
シンジは前から聞きたかった事を問うてみる。
「……全ては心の中だ……今はそれでいい……」
まただ。
また、期待した回答ではない。
嘘でもいいから、一度でもいいから、
『お前の母親の碇ユイとはこういう人だった』という話を聞かせてもらえないだろうか。
シンジは、がっくりと肩を落とした。
836 :
冒険中年:2011/09/23(金) 19:15:29.18 ID:KhpJCrTh
シンジとヒカリの物語 拾四話 ふたりのチカラ-08
「あの……」
落胆するシンジの顔を見て、ヒカリは恐る恐るゲンドウに話し掛けた。
「どんな方だったのですか…シンジさんのお母様って……。」
「………………」
ゲンドウは何も言わなかった。
そのヒカリの表情の中に何かを見つけたからだ
「ヒカリ君、今日はありがとう……ユイも喜んでくれただろう……」
「シンジ……三日後……ヒカリ君と二人で、赤木博士の処に行け。」
それだけ言うと父は待たせていたVTOLへと去って行く。
「父さん!」
シンジの声でゲンドウは立ち止まる。
「今日はありがとう!ヒカリを母さんに会わせてくれて。」
「そうか……」
父の姿は機内に消え、爆音と共に飛び去っていく。
ふたりは声も無く見送るのだった。
VTOLの座席ではリツコが待っていた。
墓前に行かずともユイの冥福を祈っていたのだろうか、黒衣を身に付けている。
化粧もいつもより薄い。
実は花束を手配したのはリツコなのだ。
「宜しいのですか?シンジ君やヒカリさんと、もっとお話しされなくて……」
「構わん……今夜…いいだろうか?」
「はい……喜んで……」
ゲンドウは顔色ひとつ変える事は無かったが、リツコは、ほんの僅かに頬を染めた。
837 :
冒険中年:2011/09/23(金) 19:19:36.69 ID:KhpJCrTh
シンジとヒカリの物語 拾四話 ふたりのチカラ-09
ヒカリはどこか寂しげなシンジを見つめる。
「シンジ……」
「大丈夫だよ……ヒカリ……」
シンジは微笑んで見せた。かなり無理をして。
「ねえ……シンジ……遊園地行こうよ!」
ヒカリは笑顔でシンジを誘った。
「でも僕ら制服だよ。」
「いいじゃない。平気よ!」
少し戸惑い気味のシンジの手をとって、ヒカリは引っ張る様に歩き出した。
ふたりは手を繋いで市の郊外にある遊園地へとやって来た。
そしてお約束のコースを回った。
ジェットコースター……ふたりで思い切り絶叫した。
お化け屋敷……………ヒカリは、わざと大げさに悲鳴を上げてシンジにしがみついた。
シンジもヒカリをぎゅうっと抱き締めた。
最後は観覧車だ。
「ねえ、ヒカリ……いいかな…これから…」
シンジは、顔を赤らめてヒカリに声を掛けた。
これは、自分を求めるときのシンジの顔なのだ。
そう感じ取ったヒカリは、自分も顔を赤らめて応える。
「いいけど…今日は泊まれないわ……」
ヒカリは円らな瞳を閉じてシンジに唇を差し出した。
「わかってる……」
シンジは自分の唇をヒカリの可愛らしい唇に重ねた。
838 :
冒険中年:2011/09/23(金) 19:21:39.09 ID:KhpJCrTh
シンジとヒカリの物語 拾四話 ふたりのチカラ-10
しばらくして唇が離れると、ヒカリはシンジに囁く様に言った。
「ほんとにいいの?お母様の御命日なのに……」
「うん。いいんだ。僕とヒカリの事を母さんにも知って欲しいから。」
シンジも囁いた。
「嬉しいわ。わたし、気に入ってもらえるかしら?心配だわ。」
「大丈夫。ヒカリは可愛いし、優しいし、しっかりしてるし、お料理上手だし…」
「ありがとう…」
ふたりは、また唇を合わせた。
「わたしたち、制服よ……」
「大丈夫、平気さ…」
少し戸惑い気味のヒカリの手をとると、シンジは引っ張る様に歩き出した。
839 :
冒険中年:2011/09/23(金) 19:26:09.53 ID:KhpJCrTh
シンジとヒカリの物語 拾四話 ふたりのチカラ-11
同日 深夜 市内某所のリツコのマンション
情事を終えてベッドを出ていたリツコが戻って来た。
バーボンのボトルに氷、ミネラルウォーターを載せたトレイを持って。
素肌の上に唯一枚纏っているのは白衣だ。
ゲンドウは全裸のままで、窓際に立ち虚空を見詰めている。
「どうかされたのですか?」
リツコはバーボンの水割りを作りながら問うてみる。
「これから言う事は、君に言う筋合いのものでは無いのかも知れん。」
「だが、他に聞いてくれる者が私には居ないのだ。私の独り言として聞いて欲しい。」
ゲンドウは語り出した。だがその口調は決して独り言等では無く、リツコに縋る様なものだった。
「シンジが、ヒカリ君を毎日の様に見舞っていた。
君も知っての通り、文字通り雨の日も風の日も。一日たりとも欠かさずに。
学校すらロクに行かずに、リハビリに付き添っていた。
ネルフの課した実験や訓練があろうとも、例え五分しか時間が無くとも必ず見舞っていた。
私はずっと見てきた。見てきてしまった。そして、見てしまったのだよ。
あのふたりに、シンジとヒカリ君に。
若き日の、知り合った頃の、いや共に暮らし始めた頃の、ユイと私の姿を!
歳恰好は勿論、顔付きも何もかも違うのに、何故かダブって見えるのだよ。
ユイと私が共に支え合って生きていた頃の姿が。
加持君がアルバイトをやめると私に言って来た。
その理由が、シンジとヒカリ君の子供の顔を見たくなった事だと言ってな。
加持君に言われたよ。お前はシンジとヒカリ君の子供の顔は見たくないのかと。
840 :
冒険中年:2011/09/23(金) 19:28:01.57 ID:KhpJCrTh
シンジとヒカリの物語 拾四話 ふたりのチカラ-12
恥ずかしいが、図星なのだ。
シンジが私に逆らってまでヒカリ君を助けてから、あの時のシンジの顔を見てから、
毎日ヒカリ君を見舞うシンジと、奴を待つヒカリ君の姿を見ていたら、ふたりの子供の顔を見たくなってしまった。
私で無く、ユイに似て欲しいとか、柄にもない事を想うのだよ。
笑ってくれたまえ!
これが悪魔に自ら魂を売り、人の命など顧みず、数千の命さえ些細な事と言い放った男の正体なのだ。
君や君の母親を凌辱し利用し、ユイの恩師である冬月先生すら虐げてきた男の情けない姿なのだ。
シンジの愛するヒカリ君さえフォース・チルドレンとして利用し、あまっさえ殺そうとした男が、このザマだ。
私は、この十年、何をしてきたのか。
ただ己の盲執の為に他人を踏み躙って生きてきただけではないのか。
あの老人達に組し、その悪魔の所業の尖兵となりつつ、その実、己の野心の為だけに行動してきた。
ただ、ユイにもうひと目だけ逢いたい、それだけの為に。
シンジは私が出来なかった事をやって見せている。
私が出来なかった、愛する者を命がけで守ること、それをシンジは私の目の前で実行して見せたのだ。
私は奴に、シンジに何もしてやらなかったと言うのに。
どう接していいか判らずに子捨て同然の事をしたと言うのに。
私のしてきた事、これからする事は、シンジやヒカリ君の未来を踏み潰すものでしかないと言うのに。
笑ってくれたまえ、この無様で哀れな男を。頼む、笑ってくれ…リツコ君。
君にはそれだけの理由も資格も権利もある筈だ。」
ゲンドウの両眼には光るものがあった。
841 :
冒険中年:2011/09/23(金) 19:30:19.71 ID:KhpJCrTh
シンジとヒカリの物語 拾四話 ふたりのチカラ-13
リツコはゲンドウと共に生きた数年の間に一度たりとも見た事の無い、醜態とも言えるこの姿に少なからず衝撃を受けた。だが、僅かな沈黙だけで、それを心の奥底に沈める事が出来た。
これは、彼女がゲンドウと同じ、或いはそれ以上の修羅場を潜って来たからに他ならない。
リツコは充分に気持ちを鎮めてからゲンドウに応える様に話し掛けた。
彼女なりの優しさを込める様にして。
「いいえ、私には笑えません。笑える訳が有りませんわ。
私もこの数年あなたの傍に居て、あなたと同じく悪魔に魂を売って生きてきたのですから。
私にはその資格も権利も、勿論理由すら有りません。
あなたは、私に今初めて弱さを見せて下さいました。
失礼ですが、惚れ直しましたわ。
弱さを見せてくださったあなたは…とても素敵です。
それにあなたは数千の命を奪ったと言われましたが、同時に多くの命を救ってもいるのですよ。
あなたがエヴァを建造しなければ、使徒によってもっと多くの命が奪われている筈です。
勿論、帳消しになるとは思いませんが、それは私も同じ事です。
あなたの罪は私の罪なのですから。
それにネルフは超法規的機関ですわ。
いささか詭弁が過ぎるかもしれませんが、法によって罰せられる事も無い代わりに、
法で定められた責任を果たせば罪を償った事になる訳では無いのです。
どう償うかは、全て終わってからの話です。
ただ、神があなたを罰しても悪魔があなたを見放しても、私はあなたに付いて行く、それだけです。
それでよろしいでしょうか?
生前の母から聞いた事があります。
あなたは母と副司令に人類の新たな歴史を作らないか、と言われたそうですね。
それなら、今からシンジ君とヒカリさんの未来を作る事を考えればいいではありませんか。
人類の新たな歴史などという御大層なものではなく、少年と少女の未来を。
私も見たいですわ。
シンジ君とヒカリさんの子供の顔なら。
あなたはご自分がシンジ君に何もしなかったと言われましたが、本当にそうなのでしょうか?
覚えて御出でですか?ネルフに、この街に来た頃のシンジ君を。
自分の明確な意思表示も出来ずに、言われた事には大人しく従うだけ、そんな少年でした。
しかも友人のひとりさえいない…
842 :
冒険中年:2011/09/23(金) 19:32:37.96 ID:KhpJCrTh
シンジとヒカリの物語 拾四話 ふたりのチカラ-14
それが今では恋人や友人に囲まれ、父親であるあなたにさえ、はっきりと意思表示の出来る少年に成長しましたわ。
ヒカリさんに逢ってから、劇的に彼は変わりました。
正に『男を変えるのは女』という言葉を具現化した様に。
聞くところによれば、ヒカリさんのお父様にも気に入られて、ご姉妹とも仲良くなっているそうです。
これは皆、あなたが書き損じの書類の裏に殴り書きした手紙で、シンジ君をネルフに呼んでからの事なのですよ。
あなたが呼ばなければシンジ君はヒカリさんに出逢う事も無かった筈ですから。
これもあなた流の〈子育て〉とお考えになっては如何ですか?
私も父親の名前すら知りませんから、大きな事は言えませんが、
〈マイホーム・パパ〉、〈ともだちパパ〉だけが父親では無いと思います。
碇ゲンドウは立派な父親ですわ。
少なくとも私は、そう思います。
ただ、シンジ君ともう少しコミュニケーションをとられた方がいいとは思いますけど。
申し訳有りません。
私の様な者がこんな勝手な事を申し上げて……………」
一気に語るリツコ。
その表情は、何処か晴々としている。
リツコの物言いを、ゲンドウは茫然としながら聴いていた。
自分は碇ユイ以外の誰からも愛される事も理解される事も未来永劫有り得ないと確信、いや妄信していたのだから。
それが、肉体と頭脳を利用するだけの存在であった筈の赤木リツコから、
自分を、自分の全てを愛している事、理解している事を告げられたのだ。
リツコの言葉は彼の心の混乱に拍車を掛けた。
リツコは、そんなゲンドウにバーボンの水割りを手渡した。
これまで誰にも見せた事の無い様な慈愛に満ちた微笑みを添えて。
震える手でグラスを受け取ったゲンドウは、
それを一気に飲み干すと、リツコを乱れたベッドの上に強引に組み伏せた。
そして只管にリツコを求めた。
時に獣の様に呻き、時に嗚咽を漏らしながら。
リツコは、それをすべて受け入れ、かつてない悦びの声を上げていた。
843 :
冒険中年:2011/09/23(金) 19:34:50.96 ID:KhpJCrTh
シンジとヒカリの物語 拾四話 ふたりのチカラ-15
翌日、ゲンドウとリツコから、
今までのシナリオの破棄と老人達のシナリオを阻止するという計画を聞かされた冬月は、大いに驚愕した。
当然である。
何しろ心を殺して悪魔に魂を売るに等しい行為を繰り返して来たこの十年を無にするというのだから。
だが結局は彼らに賛同した。
『シンジとヒカリの子供の顔が見たくなった』という理由が冬月を納得させたのである。
「ならば仕方あるまい。全ては終わってから考えればよい。」
「俺はお前達と一蓮托生なのだからな。」
早速冬月が加持を司令室に呼んだ。
「皆さんお揃いですね。私を呼び出すとはどういう風の吹き回しですか?」
加持は意外だというコメントをしながらも表情はそうではない。
むしろ『やっとお呼びが掛かったのか』と言わんばかりである。
「私達も君と同じでね、シンジ君とヒカリ君の子供の顔が見たくなったのだよ。
碇にとっては勿論だが、この私にも孫のようなものだからね。その為に是非君にも協力を願いたい。」
冬月が意味深な笑みを浮かべて言った。
言葉を発する事は無いが、ゲンドウもリツコも同様だ。
「解りました。協力させていただきましょう。で、私は何をすれば……」
加持も、同じ様に返した。
「それはだね……」
加持を交えて四人の密談が始まった。
844 :
冒険中年:2011/09/23(金) 19:38:57.34 ID:KhpJCrTh
シンジとヒカリの物語 拾四話 ふたりのチカラ-16
三日後 AM10:00 リツコの研究室
リツコが、それにミサトも、シンジとヒカリを笑顔で迎えた。
「ヒカリさん、どうかしら?身体の具合は。」
「はい、お陰さまで、来週からは学校にも行く積りです。」
「良かったわね、ヒカリちゃん。」
ヒカリが笑顔で返すと、シンジも微笑んだ。
「では、本題に入るわね。シンジ君、ヒカリさん、これからふたり一緒にエヴァに、いえ、初号機に乗ってもらいます。」
予想もしていなかったリツコの言葉は、シンジとヒカリに少なく無い衝撃を与えた。
「「ええっ?」」
「ヒカリはネルフから離れるんじゃないんですか?」
シンジはやや憤りを含んだ声で言う。
「ごめんなさいね。それは無理なのよ。」
「エヴァは機密の塊だから、そう簡単には行かないわ。」
ネルフから離れる危険については今は言わなくていいだろう、と判断したリツコは、それに触れる事は無かった。
「だからって…」
まだ何か言おうとするシンジをヒカリが制した。
「いいよ、シンジ。私、頑張るから。」
「シンジと一緒に戦いたい。」
「今度は私がシンジを護るから……」
ヒカリの円らな瞳がシンジを見詰めていた。
シンジはヒカリの手を握った。
「ヒカリ……」
『ふたりの世界』に入って行こうとするシンジとヒカリ。
845 :
冒険中年:2011/09/23(金) 19:40:58.62 ID:KhpJCrTh
シンジとヒカリの物語 拾四話 ふたりのチカラ-17
「いいかしら?」
おほん!と咳払いしたリツコが再び語る。
「あの時…四号機、いえ、使徒から救出した時、シンジ君は意識の無いヒカリさんを初号機に乗せた。」
「それにも拘らず初号機はヒカリさんを“異物”として認識しなかったわ……」
「前にミサトが私が止めるのも聞かずにクラスメート二名を乗せた時にはシンクロ率が急激に低下したというのにね。」
ミサトは「へいへい、あたしが悪かったわよ……」と拗ねていた。
「そして…“暴走”とはいえ、直後に見せた初号機の超絶的な“力” ……」
「実験してみる価値はあるわ、パイロット二名のタンデムシンクロを。」
「これを、シンジ君、ヒカリさん…身も心も通じ合ってる、あなたたちに頼みたいのよ。」
リツコの言葉をシンジもヒカリも「真っ赤」になって聞いている。。
「だからってプラグの中で実験中に“ヘンなこと”しちゃだめよん❤」
何時の間にか機嫌の直ったミサト。
「ミサト!余計な事は言わないで!!」
「へいへい……じゃ、シンちゃん、ヒカリちゃん、がんばってねん❤」
ミサトは、また、おちゃらけて見せた。
846 :
冒険中年:2011/09/23(金) 19:43:01.91 ID:KhpJCrTh
シンジとヒカリの物語 拾四話 ふたりのチカラ-18
更衣室に入ったヒカリは、ロッカーの中に用意されているプラグスーツを見つけた。
それは、あの日に着ていたピンクと白のスーツではなく、シンジと同じ青と白のスーツだった。
そして、印されている数字も『01』と『1』になっている。
「これで完璧にシンジと“お揃い”だわ…」
ヒカリは何故だか、とても嬉しくなった。
これはミサトが縁起を担いだのだ。
ヒカリがあんな目に会った時のプラグスーツなど縁起が悪い。
予備も含めて全て破棄させた。
どうせならと胸元と背中の番号も色もシンジと揃えさせた。
新調されたスーツを着て更衣室を出ると、シンジがすぐに気が付いてくれた。
「“お揃い”だね…それとも“ペアルック”の方がいいかな?」
ヒカリはシンジの言葉が嬉しかった。
「どっちでもいいわ……」
ヒカリは右腕をシンジの左腕に絡めた。そして膨らみを押し付ける。
「あ、あの、ヒカリ…当たってる…」
ドギマギするシンジにヒカリは悪戯っぽい笑みを向ける。
「何が当たってるのか教えてくれない?」
シンジは、敵わないな、という表情を浮かべてからヒカリに微笑みかけた。
そして、お揃いのプラグスーツを着たふたりは、そのまま初号機のあるケージへと向かった。
847 :
冒険中年:2011/09/23(金) 19:45:14.56 ID:KhpJCrTh
シンジとヒカリの物語 拾四話 ふたりのチカラ-19
改造されたプラグに入ると、確かにシートが延長されている。
シンジが前に乗り、ヒカリが後から抱きつく様な形で座る設定の様だ。
まるでバイクのタンデムだなとシンジは思った。
プラグスーツ越しに互いに身体の感触が交差する。
シンジは、背中に押し付けられるヒカリの柔らかな肢体に“女”を感じ、
ヒカリは、シンジの逞しくなってきた背中に“男”を感じていた。
「二人ともいいかしら?」
リツコの声が割って入る。
「テスト始めるわよ!集中して!」
「「了解!」」
見事にハモる、シンジとヒカリ。
その表情には昂揚が、はっきりと見て取れる。
見守るリツコとミサトもマヤも微笑む。
テストが始まり、マヤの済んだ声がスピーカーから流れる。
「シンクロテストスタートします!。」
「第一次接続開始!」
「エントリープラグ注水!」
「主電源接続、全回路動力伝達!」
「起動スタート!」
「A10神経接続異状なし!初期コンタクトすべて問題なし!」
「双方向回線、開きます!」
「ハーモニクス誤差、0.15%以内です!」
「シンクロ率上昇…10…20…30…40…50…60%突破!」
「まだ伸びます!70…80…85…90…まだいけます!」
「93.4%で安定しました!」
「すごいじゃない!シンちゃん!ヒカリちゃん!」
ミサトの声が少し上ずっている。
「そうね、初めてだというのに……訓練を重ねれば100%超も夢ではないわ。」
予想を超えた結果なのだろうか?
リツコも興奮気味だ。
848 :
冒険中年:2011/09/23(金) 19:47:06.22 ID:KhpJCrTh
シンジとヒカリの物語 拾四話 ふたりのチカラ-20
色々設定に変更を加えて実験は進む。
最後にジオフロントに出て、歩いてみる事になった。
「気分はどうかしら?二人とも。」
リツコがシンジとヒカリに問い掛ける。
「えーっと、、その、、すごくいい感じです。」
「身体が軽くなったような…それに…少し熱い…感じ…」
と、シンジ。
「ヒカリさんは?」
「い、言えません…まるで…は、はずかしい……」
ヒカリは頬を染めて口籠ってしまう。
「まるで、何?」
「……え…あ、あの…」
「まるで“あの時”みたい?そういうことかしら?」
「いやっ!!言わないで下さい!」
リツコの際どいセリフに狼狽するヒカリ。途端にシンクロ率は急降下する。
「リツコ、だめじゃない!ヒカリちゃんをからかっちゃ。」
「違うわ。これは純粋に科学的な事よ。A10神経は、肉親や異性への愛情、性的な快感を司るわ。」
「そしてパイロットはLCLを介してエヴァとシンクロするの。さらに同乗者ともね。」
「ということはセックスしてるのと同じ様にキモチイイってわけぇ!!?」
「ミサトっ!声が大きいわ!」
「せ、先輩も葛城さんも…不潔です。」
シンジもヒカリも固まっていた。真っ赤になって。
849 :
冒険中年:2011/09/23(金) 19:49:09.36 ID:KhpJCrTh
シンジとヒカリの物語 拾四話 ふたりのチカラ-21
約2時間後…パイロットの仮眠室で……
「はあ…はあ……」
少年の荒い息遣い。
「ああっ!いいわ……」
「もっとして!!」
少女の悦ぶ声。
ぎし・・ぎし・・とベッドが軋む。
「お願い!シンジ!!」
「それ、いいの!!」
「いくぅっ!」
「イっちゃう――――っ!!」
仮眠室と言う初めての場所での情事。
タンデムシンクロテストでA10神経をたっぷりと刺激され、
プラグスーツ越しとは言え、お互いの身体の感触をたっぷりと感じた後である。
シンジもヒカリも快感に酔いしれた。
肌を合わせる心地良さに。
温もりを感じる悦びに。
ベッドで絡み合うふたり。
お揃いのヘッドセットが常夜灯に鈍く光った。
少しだけ時計を戻して…リツコの研究室
「「そんな…実験で…する…なんて……」」
タンデムシンクロテストの後で、リツコから実験の一環として、《セックス》をする様に言われたシンジとヒカリは、
顔を見合わせ、同じ様に呟き、同じ様に真っ赤になって俯いた。
「大事な事なの。シンジ君、ヒカリさん。お願い!必要な実験なのよ。」
無論の事、リツコは真剣だ。
「勿論、映像モニターは切るから。安心して。」
しばらく無言で見詰め合っていたシンジとヒカリだったが、
無言で頷き合うと揃ってリツコの方を見た。
「判りました…リツコさん……」
シンジがそれだけ言うと、ヒカリも無言で頷いた。
850 :
冒険中年:2011/09/23(金) 19:51:13.78 ID:KhpJCrTh
シンジとヒカリの物語 拾四話 ふたりのチカラ-22
そして……
シンジは、バスタオル一枚でシャワールームから出てきたヒカリを見て…これが実験である事を忘れた。
ヒカリも、シンジにきつく抱き締められてベッドに押し倒されて……総てを忘れた。
シンジはヒカリの瑞々しい肢体に溺れ、ヒカリはシンジの激しい愛撫に狂った。
玉の汗
荒い息遣い
ベッドの軋み
汗の匂い
体液の匂い
お互いを呼び合う声
後から……前から……
シンジはヒカリを求め……
上になり……下になり……
ヒカリはシンジに応えた……
リツコの研究室……
「凄いわね…シンちゃんもヒカリちゃんも……」
ミサトが呟く。
スピーカーから流れるふたりの声と、多方向からのサーモグラフィーの画像、
それにヘッドセットから送られる脳波データ。
「ほんとに……若いっていいわ……って、これは実験なのよ。ミサト!」
窘めつつもリツコもサーモグラフィーから目を放さない。
マヤもうっとりとしてデータ画面を見詰めていた。
シンジは…幾度となく果てた……ヒカリの胎内に……
ヒカリは…幾度となく登り詰めた……シンジの愛撫に応えて……
ふたりが静かな眠りを迎えたのは、小鳥たちが目を覚ます頃だった。
乱れきったシミだらけのシーツ
お互いの身体に付けた愛し合った痕
シンジの左腕を枕に眠るヒカリ
リツコの部屋の三人の女性たちは大きな欠伸をしつつ、濃いブラックコーヒーを飲んでいた。
851 :
冒険中年:2011/09/23(金) 19:53:32.76 ID:KhpJCrTh
シンジとヒカリの物語 拾四話 ふたりのチカラ-23
数日後 初号機ケージ
「まだですか!!リツコさん!」
シンジは叫ぶ。苛立ちを込めて!
突如出現した第拾四の使徒がジオフロントに攻め込んでいるのに、
修復し立ての零号機も弐号機も出撃しているというのに、初号機の調整がまだ済まないのだ。
「アスカと綾波さんが!!」
ヒカリも叫ぶ。焦りを感じて!
「ごめんなさい!あともう少しよっ!!」
「出来るだけ気を落ち着けてお互いとエヴァに集中して!!」
シンジとヒカリのタンデム搭乗での実戦投入はデータ・訓練共に不足と考え、
リツコは初号機の調整をシンジの単独搭乗の設定に戻していた。
だが……
「実戦テストにはいい機会だ。問題ない……」と
ゲンドウの一声で急遽決定されてしまったので、出撃まで時間が掛かっているのだ。
タンデムシンクロには、より微妙な調整が必要だからだ。
一方。初号機を、シンジとヒカリを待ち切れずに、
先行して出撃したアスカとレイは既に戦闘状態に入っていた!!
「シンジとヒカリが居なくたって、あんな奴!!」と、アスカが言えば、
「少しでも時間を稼ぐわ。」と、レイが返す。
「こいつ!墜ちろ!墜ちろ!!墜ちろっ!!!」と、アスカが撃ちまくり、
「使徒の弱点はどこ?」と、レイは使徒を見据える。
852 :
冒険中年:2011/09/23(金) 19:55:37.72 ID:KhpJCrTh
シンジとヒカリの物語 拾四話 ふたりのチカラ-24
バズーカ
ライフル
パレットガン
ポジトロンライフル
「ATフィールドは中和してる筈なのに何でやられないのようっ!!」
「碇君と洞木さんを少しでも楽にするっ!!」
あらゆる火器の砲声が轟き、閃光が走る!
硝煙の匂いがジオフロントに立ち込める!
しかし使徒は何のダメージも受けていないのだ。
悠々と近づいて来る。
ふわりふわりと宙を漂うかの様に。
ならば!と、弾丸を撃ち尽くした武器を捨て去り、
弐号機はソニックグレイブを掴み、零号機はスマッシュホークを構えた。
「今度こそっ!!」
「来るわっ!!」
使徒の怪光線が煌めき、リボン?の腕が伸びる!
「きゃあああああああっ!!!」
「あううっ!!!」
奮戦も空しく、弐号機も零号機も片腕と首が切り跳ばされ、片腕が焼かれた!!
アスカとレイの悲鳴と共に……
「アスカっ!!」 ミサトが叫び!
「レイっ!!」 ゲンドウも声を上げた!!
「シンクロカットしてっ!!」
「二人は?!!」
「無事です!生きていますっ!!両機ともプラグ緊急射出確認!!」
日向が報告する。
「すぐに救助してっ!!」
「初号機はまだなのっ!!リツコっ!!」
ミサトはモニター画面に怒鳴った。
「あと1分だけ待って!!」
リツコが怒鳴り返した。
その時だった。
853 :
冒険中年:2011/09/23(金) 19:57:51.50 ID:KhpJCrTh
シンジとヒカリの物語 拾四話 ふたりのチカラ-24
うおおおおおおおおおおおおおんんんんんんんん………
初号機が唸る。
青白い輝きと共に。
シンジに何かが伝わる。
ヒカリにも何かが……。
シンジには懐かしい声
ヒカリには初めてだが、あたたかな声
【しんじ いきなさい】
【ひかりさん しんじをたのみますね】
「行くよ…ヒカリ…怖くない?」
「大丈夫、シンジと一緒なら……」
ヒカリには初めての実戦。
シンジにもタンデムシンクロでの初めての実戦。
お互いに命を預け合って闘う初めての戦い。
(ヒカリを死なせはしない!)
(シンジは私が護る!)
そう誓い合って!
「「リツコさん!ミサトさん!」」
「「初号機、発進しますっ!!」」
指令を待たずに発進するシンジとヒカリ。
「待ちなさい!二人とも!!」
ケージにいるリツコの声を振り切ってジオフロントに飛び出した初号機。
使徒は目の前にいた!
ふわふわと空中浮遊して
どくろにも似た顔
あの「力の使徒」
そして大破した弐号機と零号機。
ふたりの眼に映る無残な姿。
両機共、首も片腕も無く、残った腕も焼け爛れていた。
854 :
冒険中年:2011/09/23(金) 20:00:11.31 ID:KhpJCrTh
シンジとヒカリの物語 拾四話 ふたりのチカラ-25
「「アスカっ!!」」
「「綾波さんっ!!」」
「「わあああああああああ――――――っ!!」」
「「よくもっ!!!」」
「「やったなあっ!!!」」
光を纏った初号機が
いや
シンジとヒカリが絶叫と共に
力の使徒を
殴る!! 蹴る!!
圧倒的な力で!!
叩き伏せる!!
しゅるる…………と伸びる
弐号機と零号機を切り刻んだリボンの腕!
ぴかっつ!
目からの怪光線!
使徒の必死の反撃!
しゃきいん!
初号機の光の鎧が難なく弾く!
使徒の怪光線もリボンの腕も傷ひとつ付けられない!
「「すごい………」」
ミサトも、発令所に戻って来たリツコも同じ様に呟いた。
ゲンドウはにやりと笑い、
冬月も勝利を確信して表情を緩める。
「「このオおおおお!」」
虹色に輝いた初号機の拳が使徒の胸を抉る。
赤い光球にヒビ
ぴきっ!という音!
「「おまえなんか!!」」
「「消えてしまえっ――――――!!」」
もう一度!止めの一撃!!
ぐったりと活動停止する第拾四の使徒。
855 :
冒険中年:2011/09/23(金) 20:03:21.02 ID:KhpJCrTh
シンジとヒカリの物語 拾四話 ふたりのチカラ-26
紅潮し息を荒げたままのふたり……
「パターン青、消失しました!」
「目標、完全に沈黙しました!」
日向と青葉のコール。
「シンジ君!ヒカリちゃん!」
「よくやったわ。」
ミサトもリツコも安堵の笑みを浮かべる。
発令所のモニターに映るシンジとヒカリ、ふたりの表情は、
異様な高揚感に包まれている様だった。
まるで“あの時”の様な快感に…情事の余韻に浸っている様な………
((…きもち…いい………))とでも言いたげな…………
その時だった。
「大変です!初号機パイロットのシンクロ率が急上昇します!!」
マヤが絶叫した。
「初号機が使徒の死骸を!!!」
青葉も叫んだ。
「しょ、初号機が…使徒を、使徒の死骸を喰っています!!」
モニターの画面の中で初号機が使徒の死骸に噛み付いて、いや齧り付いていた。
ばりばり…がつがつ…という音まで集音マイクに拾われている。
「「何ですって!!」」
ミサトとリツコが同時に声を上げ、モニターに見入った。
856 :
冒険中年:2011/09/23(金) 20:04:57.49 ID:KhpJCrTh
シンジとヒカリの物語 拾四話 ふたりのチカラ-27
「シンクロ率現在120…180…220…260…350……400%を超えました!!
マヤの報告が続く。
「S2機関を取り込もうとでもいうの!!」
リツコの声にミサトは彼女を見詰めた。
エヴァが、初号機が使徒を喰らうという凄惨な光景に、発令所の、
特に女性のオペレーター達は吐き気を催す者も増えていった。
シンジもヒカリも初号機をコントロールする事も忘れ、いや、出来ず、異常な高揚感の中で意識は朦朧としていた。
まるで何か身体が揺らめいて何かに溶けて行く様な感じ……
そして数分後には、ふたりの身体はモニターには映らなくなっていた。
お揃いの青と白、二着のプラグスーツと二つのヘッドセット、それにヒカリの髪留めが漂っている。
「これが……400%と言う事!!」
その異様な光景に発令所の一同は絶句した。
うおおおおおおおおおおおおおおんんんんんん
ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおうううううううううううう
使徒の死骸を美味しそうに食べ終えて、初号機が嬉しそうに雄叫びをあげた。
857 :
冒険中年:2011/09/23(金) 20:08:02.21 ID:KhpJCrTh
シンジとヒカリの物語 拾四話 ふたりのチカラ-27
その一方で、シンジとヒカリは何処だか分らない、
どちらが上か下かも、いや、どちらが右か左かも分らない空間に居た。
何ひとつ身に付けない姿で漂う様にして居た。
だが不思議と恥ずかしいとは思わなかった。
と言うよりは意識自体がはっきりしなかったのだ。
夢の中に居る様な気分……
ふたりの目の前に、不意にその人影は現れた。
ふたりの良く知るレイに似た容姿
年齢は二十代半ばの美しい女性
髪は栗色 瞳も栗色
身に何ひとつ付けていない
シンジには元より、ヒカリにもその女性とは面識は無い。
【シンジ、ヒカリさん、いらっしゃい。ふたりが来てくれるのをずっと待っていたわ。】
女性が親しげに語り掛けて来る。
しかし、シンジもヒカリも、何故か口を利く事が出来なかった。
女性は一方的にふたりに語り続けた。
【私は碇ユイ、シンジ…あなたの母親よ。大きくなったわね。】
【私はずっと此処に居たわ。ここ…エヴァ初号機の中にね。シンジが乗ってくれる様になってから、
シンジの心の中はいつも、ヒカリさん、あなたの事で一杯だったわ。だからあなたの事もよく分かる。】
【ヒカリさん、あなたは随分シンジに良くして下さっている様ね、嬉しいわ。】
【だからあなたとシンジに一緒に来てもらったのよ。】
【シンジだけじゃなくあなたにも逢いたかったから。】
【シンジと結ばれたあなたに……】
858 :
冒険中年:2011/09/23(金) 20:10:03.78 ID:KhpJCrTh
シンジとヒカリの物語 拾四話 ふたりのチカラ-28
【ヒカリさん、四号機にはヒカリさんのお母様がいらっしゃった。】
【でも、もう何処にも………】
【使徒の浸食からあなたを守る事で“力”を全て使ってしまわれたから。】
【ヒカリさんの身体とこころを守る為に……】
【彼女は、私とシンジにあなたの事を託して逝かれた。】
【ごめんなさいね。私の“力”では、助けて差し上げられなかった。】
だがシンジもヒカリも、朦朧とする意識の元ではよく聞き取れない。
何か、とても重大な衝撃的な事を言われた様な気がする。
しかし、《セックス》の最中の様な高揚感に揺らぐ意識では理解も記憶する事もままならない。
【シンジ…ヒカリさんをしっかりと守るのよ……】
【ヒカリさん…シンジをお願いしますね……】
【私はあなたたちを、いつでも見守っているから…】
そう言い終えると、その場から女性の姿が消えて行く……
シンジとヒカリの姿もその場から消えて行く……
859 :
冒険中年:2011/09/23(金) 20:16:18.53 ID:KhpJCrTh
シンジとヒカリの物語 拾四話 ふたりのチカラ-28
「初号機パイロット、シンクロ率下がります!350…300…250……」
マヤのコールの通り、シンクロ率が下がって行くと、
次第にシンジとヒカリの姿がプラグの中に実体化する。
ただし、何一つ身に付けぬ姿で。
意識も無い様に見える。
「…180…130………100…90%で安定しました!」
ほっとしたかの様なマヤの声。
初号機もゆっくりと膝をついた。
「初号機の活動停止を確認!」
青葉のコール。
「プラグ内モニター、至急カットしなさい!」
「初号機の回収、急がせて!」
「プラグからのパイロットの救出は女性スタッフが行う事!良いわね!!毛布を忘れない様に!」
冷静さを取り戻したミサトの矢継ぎ早の指示でスタッフが慌ただしく動き始めた。
ミサトは再びリツコを見据えた。
「リツコ…今のは何?シンジ君とヒカリちゃんが消えたり現れたり、
エヴァが…初号機が使徒の死骸を食ったり……
まさか、タンデムシンクロが原因じゃないでしょうね?」
リツコは若干の動揺を隠しきれずにいた。
「それはない…筈よ……いえ…分からないわ。」
「どういう事よ?」
「分からない…多分……」
「多分って何?」
「多分…意思よ…エヴァの…両方とも。」
「何ですって?」
だが、ミサトの問いに対してリツコの口が開かれる事は無かった。
860 :
冒険中年:2011/09/23(金) 20:19:25.30 ID:KhpJCrTh
シンジとヒカリの物語 拾四話 ふたりのチカラ-29
そして司令席では…
「碇…今のはどういう事だ?」
冬月は動揺を隠せない。
「間違い無い…総てはユイの意思だ。」
冬月に応えたゲンドウは、嬉しそうに口元を歪めた。
【シンジとヒカリの物語 拾四話 ふたりのチカラ 終了】
861 :
冒険中年:2011/09/23(金) 20:23:48.22 ID:KhpJCrTh
拾四話…投下終了しました。
皆様、コメントありがとうございます。
おつう
ここはこの程度のエロでもおけ?
中学生に子供望んだり大人が羨ましく思うのは強引だな。
クソガキの恋愛にうっとりするマヤちゃんとかねーな
ヒカリ気持ち悪ィー。あのツラでエロシーン入っても何も萌えない
書き手のヒカリマンセーがウザい。孕ませ展開は勘弁。
青葉シゲル鬼畜ハーレムか青葉シゲルとリツコが読みたいな
どんだけヒカリ嫌われてんのよw
スレの注目集められて悔しかったらアスカでもっとエロいの書いてみろよw
面白いな悔しかったらって煽り
そういう時はな、書いて下さいって頭下げてお願いするもんや
このスレはやっぱりSS本編よりも感想のほうが格段に面白いな
発情するブスほどキモイ物は世の中にないな
エヴァ板にヒカリスレあったと思うが。そこでどうぞ。
ここはLASメインだからシンジ主人公なら相手はアスカ。百歩譲ってミサト。
原作でまったくヒカリシンジの関係が無いのにおかしい
ここがLASメインだって誰が決めたよ?
勝手にスレの総意を作るな
つかサターン版にヒカリエンドあるだろが
ごめん、サターンってなに?
つーか妄想だからなんでも良いかと。日向×ヒカリ、青葉×ミサトとかトンデモなのもアリっちゃアリ。エロパロ板にふさわしい内容ならな。
そりゃセガ・サターンでしょ
>>861 乙です
キャラ崩壊と言ってもバカップル(失礼)の毒気にあてられてみんながお花畑思考になって行く、ってストーリーの方向がハッキリしたから問題なし
あとはゼーレもお花畑化すれば完璧だw
アスカの片想い設定は活かされてない気がするけど、まあ瑣末な話だ
SSとして考えたらまあいいんじゃない?板的に課題は残るけど。委員長がかわいらしいってのはモニョるが
ヒカリの性格でファンなヲタはいる。だがカワイイカワイイ表現されると退くわ。
可愛い彼女等の描写がしらける原因かと。あとギャグでもないのに公開セックルはだめだわな。とにかく長いからパラ読みしかする気しない
結構脊髄反射でヒカリのかわいい描写駄目な人いるんだな。
ヒカリってレイ、アスカには敵わないだろうけど、キャラデザイン的には、そばかす美人なんだと思ってる。
まあエヴァ板から流れてきたカプ基地害が暴れるのは、このスレじゃ
昔から定期的にあること。生暖かく見守ればいい。
どうみてもぶさいく<ヒカリ
アスカの引き立て役。
そばかす美人(笑)
ヒカリのイク顔とかグロ画像だろw蹴り飛ばして顔面グチャグチャに踏みつけるわwww
セガ・サターンってなに?
64bit級だよ!
専業慰安婦マダー?
専業慰安婦マダー?
専業慰安婦マダー?
サターン知らない世代がエロパロに来るようになったんだね
本放送のときサターンのセガールとアンソニーのCMが入ってたのが懐かしい世代にはショックだよ
ヒカリはしょんべんくさい。
生理的に受け付けない。頼むからエヴァ板へ帰ってください。
ここはエロパロ板ですよ。
そんなに嫌なら專ブラ入れてNGにすればいいのに
コテハンやトリップはその為の物だろ
お前が嫌ってる物も好きな奴はいるんだぞ
LRS者としてはLASネタは萎えるが、LRS者は誰もLASに文句付けてないだろ
大人になれ
最後はアスカ×シンジになる展開にしろよ。メスブタは使い捨てろ。
例の荒らしがまた出たんだろ
連投してるのってそっくりだぞ
かまうなよ。
けど普通のSSだし長編だから一言あったら良かったかもね
>>891 LRSは新劇でリアルに展開されてるから羨ましい
>>894 エロシーンのある普通のSSと、エロパロの差ってなんだろ?
ちょっと気になる
>>896 エロ部分の描写を目的としてるか否か
普通のSSなら尚更スレ違い以前に板違い
エロ本とヤンジャン
エロビと氷の微笑
官能小説と村上春樹
くらい違う。
必要性あってエロ描写入れるのがSS
エロメインな話はエロパロ
>>897 >>898 なるほどねえ
>エロ本とヤンジャン
例としては、これが一番微妙でいいかも
ヤンジャンは過剰にエロいから…
専業慰安婦マダー?
マダー、と散々催促するくせにタイトル間違って覚えてるのなw
ホンマや
このスレはやっぱりSS本編よりも感想のほうが格段に面白いな
はやく投下してくれ。次でまとめで。専業慰安婦様お待ちしております
そんな職業はねえよw
この流れいつまで続くの?
無論、作品が投稿されるまで
908 :
冒険中年:2011/09/28(水) 22:28:26.52 ID:fqFraUhP
シンジとヒカリの物語 終話+後日談 一挙投下します。
今回、いよいよ“彼”が登場します。
ですが、“彼”には今回損な役回りを演じてもらいます。
誤解しないで頂きたいのですが、私は“彼”が嫌いな訳ではありません。
もう一人割りを食ってる“彼女”もです。
909 :
冒険中年:2011/09/28(水) 22:29:54.09 ID:fqFraUhP
シンジとヒカリの物語 終話 終幕のシ者-01
第拾四の使徒殲滅から約一週間後の事
ネルフ本部・司令室
「初号機の覚醒とS2機関の取り込み、ゼーレにはどう言い訳なさる御積りですか?」
「初号機は暴走中だった……イレギュラーな事さ…事故だよ、単なるね。」
「もし“ゼーレ”がパイロット二人の尋問を求めてきたら……どうされます?」
「その時はその時だ。そう…葛城三佐か赤木博士にでも代理に立ってもらおう。
サード及びフォースのパイロット両名は……そうだな……重度の精神汚染で療養中だ。」
「良い御判断と思います。では、その様に……」
「ああ………宜しく頼む…」
二人の男の会話は、そこで終わった。
その頃、『療養中』と言われたふたりは、主が残業で戻れぬ葛城家のシンジの部屋に居た。
やっと検査入院と尋問に近いリツコとミサトの審問から解放されたのだ。
まだ日は高いというのに、既に数度の愛の行為を終えて、ベッドの中で余韻に浸るふたり。
「ねえ…シンジも何も思い出せないの?」
シンジの腕を枕に寝ていたヒカリがシンジの胸板に顔を埋める。
「うん、ヒカリと同じさ。それに信じられないよ、僕達が初号機に取り込まれたなんて。」
シンジはヒカリを抱き締めた。
「そうよね。それで、すぐに戻ってきたなんて言われてもね。」
「怖くない?エヴァに乗るのが。」
「うん…少しだけ。でも、シンジと一緒なら大丈夫。」
「ありがとう…ヒカリ……」
シンジはヒカリの身体をもう一度組み伏せた。
ヒカリはシンジを笑顔で受け入れると、また悦びの声を上げた。
そして、その声はしばらく止む事は無かった。
空腹に耐えかねたペンペンがシンジの部屋の襖を叩くまで。
910 :
冒険中年:2011/09/28(水) 22:31:27.54 ID:fqFraUhP
シンジとヒカリの物語 終話 終幕のシ者-02
第拾四の使徒殲滅から約一ヶ月後の事
某国某所
暗く、何も無い空間に、ぼうっと妖しく光る強化ガラスの円筒形の水槽。
その中に漂う全裸の少年。
「タブリス…目覚めよ…タブリス……我々のシナリオの要たる存在……」
虚空から聞こえてくる声。
男の声。
しかも若くは無い。
はっきり言えば老人の声。
「何だい?ボクの出番はもう少し先の筈だったんじゃないの?」
少年の瞼が開かれると真紅の瞳が現れた。
「事態は常に推移している。」
「エヴァシリーズに生まれいずる筈の無いS2機関。」
「それを自ら使徒を喰らう事で手に入れたエヴァ初号機。」
「これは我々“ゼーレ”のシナリオには想定外の事。」
「この修正、容易ではない。」
「左様…だからなのだよ…」
「碇の狂わせた時計を再び我らの元に戻す為に。」
「貴様の出番も繰り上がったのだ。」
どうやら老人は一人では無い様だ。
「そう…分かりましたよ。で。何時出掛ければ良いのかな?」
「今すぐだ。」
「それは…また急な事だね。」
「そう…事は急を要するのだ。」
「では、その様にするよ。それがボクの使命らしいからね……」
少年は不敵に笑った。
911 :
冒険中年:2011/09/28(水) 22:33:43.88 ID:fqFraUhP
シンジとヒカリの物語 終話 終幕のシ者-03
セカンド・チルドレン・惣流・アスカ・ラングレー、彼女は今、悶々とする日々を送っている。
同僚であるサード・チルドレン・碇シンジに対する淡い、いや、熱い想いを自覚してしまった、あの日からずっとだ。
殊に、浅間山での作戦でマグマの中へ沈んで行くしかない大ピンチを、
シンジに間一髪、救われてからは余計に想いが募る一方であった。
しかし、シンジの気持ちが決して自分に向く事は無いのも解っている。
保安上の理由と称して、登下校を可能な限り共にする様にミサトに提案したのは自分だ。
だが、教室に着くなり、シンジはヒカリの元へと行ってしまう。
(席がヒカリの隣だから仕方ないのは解っているが。)
成層圏から落ちて来る使徒を受け止めた時も、シンジはヒカリに宛てて遺書を書いていた。
シンジが使徒に呑み込まれた時も、入院して目が覚めるまで枕元に一睡もせずに付き添った。
なのに、うわ言でシンジが口にするのはヒカリの名前ばかり。
(シンジが目覚めた時に礼だけは言われたが。)
しかも、シンジとヒカリは、クラス公認どころか学校公認?のカップルで、更にヒカリの家族公認である上に
(シンジを問い詰めてヒカリの自宅訪問は婚約の為ではない事を確認してホッとした。)、
既にイクトコロまで行ってる間柄なのだ。
何処をどう見ても自分は少女漫画の【横恋慕キャラ】である。
《一発必殺大逆転の方法》…そんなもの有りはしない。有ったら苦労しない。
思い切って告白でも、と思ったりもするが、ミサトの立てる作戦より勝算の薄い事に賭ける勇気も無い。
それに、玉砕したらシンジの傍に居る事さえ叶わなくなる。
決して人前で顔に出す事はしないが、自室に戻ると、出てくるのは溜息ばかり。
「天才美少女が聞いて呆れるわね。」とか「報われない恋って正にこの事ね。」という、
ネガティブな、自分らしくないセリフばかり。
912 :
冒険中年:2011/09/28(水) 22:35:02.69 ID:fqFraUhP
シンジとヒカリの物語 終話 終幕のシ者-04
その上アスカは、エヴァのパイロットとしての実績も思う様に残せていない、と感じている。
シンジとレイという同僚パイロット達との交流と友情を得てからは、
来日当初の様に単独での戦果に拘っている訳では無いが、やはり気になるのだ。
使徒殲滅の[貢献度A]の判定はいつもシンジばかりだと言う事が。
更にヒカリがフォース・チルドレンに選抜され、初号機に一緒に乗る様になった。
しかも、お揃いの青と白、「01」と「1」を付けたプラグスーツを着て。
アスカが(レイもだが)、丸で手も足も出なかった第拾四の使徒を、一方的に叩きのめして倒した。
シンジとヒカリの初号機でのタンデムシンクロの実力を見せつけられてしまったのだ。
しかも、その初号機はイレギュラーとはいえ、使徒からS2機関を取り込んだ。
エヴァンゲリオンの致命的欠陥、活動限界も今は無い。
正に“天下無敵のシンジ様ヒカリ様初号機様”ではないか。
自分との差は開く一方……
公私共に悩み続けるアスカのシンクロ率は徐々にではあるが、低下傾向にあった。
「ママ……アタシどうしたらいいの…ママ……」
ベッドに伏し、亡き母を想い、縋るアスカ。
閉じられた瞼に流してはならない涙が滲んだ。
そして、その翌日に行われたシンクロテストでも前回より更に成績は芳しく無いものだった。
がっくりと肩を落としているアスカに、誰も言葉を掛けられない。
シンジもヒカリも……レイでさえも。
四人が帰った後
ミサトとリツコが険しい顔で話している。
「困ったわね…アスカ……」
「シンクロ率もそうだけど、それより………」
「元気が無いのがね………」
「原因は判ってるのに解決法が無い……」
「ええ、まさかシンちゃんとヒカリちゃんに頼む訳にもいかないし……」
「そうね…………」
「『シンちゃんをアスカに貸してあげて』なんて……」
「ほんとね…………」
美女二人の溜息だけが残った。
913 :
冒険中年:2011/09/28(水) 22:37:57.25 ID:fqFraUhP
シンジとヒカリの物語 終話 終幕のシ者-05
その翌日、本部へと向かう道、シンジとヒカリは、いつもの様に手を繋いで歩いていた。
他愛もない会話をして、時折、お互いの顔を見る。
微笑む。
それを繰り返す。
そして、それはそんな時の事。
使徒との戦闘の流れ弾で破壊された小学校の傍を歩くシンジとヒカリに、ピアノの旋律が聞こえてくる。
「シンジ……」
「うん…行ってみよう。」
その方向に歩いて行くと、瓦礫の中に何故か輝くグランドピアノがあった。
そして、ピアノを弾いているのは少年、それも見た事も無い少年である。
アッシュグレーの髪にレイと似た真紅の瞳の少年。
しかも壱中の制服を着ている。
少年は一心にピアノを弾いていた。
「上手いな。」
「上手ね。」
シンジとヒカリは演奏の邪魔にならぬ様に耳元で囁き合った。
弾き終わると、少年はシンジとヒカリに微笑みながら話し掛けてきた。
「ねえ、君達、もし知ってたら今の曲、何て言うのか教えてもらえるかな?」
「さっき街で聴いたのだけれど曲の名が判らなくてね。」
「第九だと思うよ。べートーベンの。」
シンジが答えると、ヒカリも頷いた。クラシックは苦手なヒカリにもその位は判る。
914 :
冒険中年:2011/09/28(水) 22:39:15.77 ID:fqFraUhP
シンジとヒカリの物語 終話 終幕のシ者-06
「そう……第九って言うの…ありがとう。」
「君、楽譜も無しに今の演奏を?」
「まあね…ボクには難しい事じゃないよ。」
「凄いんだね。君は。」
少年はシンジの言葉には答えなかった。
「音楽はいいねえ。君達リリンの生み出した文化の極みだね。」
その代わりに意味不明の言葉を紡ぎ、さらに脈絡の無い言葉を続けた。
「君達、仲が良いんだね。さっきからずっと手を繋いでいる。」
突然、初対面の相手に言われて、シンジもヒカリも赤くなった。
「あ、いけない。もう行かないと。ボクには大切な用事があるのを忘れるところだったよ。」
「また会えるといいね。」
そう言いつつ、その少年はシンジとヒカリの前から去って行った。
シンジもヒカリも言葉も無く、その少年を見送っていた。
しっかりと手を繋いで。
915 :
冒険中年:2011/09/28(水) 22:40:55.67 ID:fqFraUhP
シンジとヒカリの物語 終話 終幕のシ者-07
「フィフス・チルドレン、渚カヲルです。宜しくお願いします。」
その日、あの水槽の、そして先刻ピアノを弾いていた少年は、突然ネルフ本部に現れた。
しかも日本の中学生、いや、壱中の制服姿で。
その表情には、一切の緊張感など感じられず、ニコニコというよりニヤニヤとした笑みまで浮かべている。
自分達が、その存在を預かり知らぬチルドレンが存在した。
しかも委員会からの通達からすぐに本部に現れた。
その事実に、
そして、司令室に通されてきた少年の姿を見て、ゲンドウも冬月も驚愕の中に居た。
流石に二人とも顔に出す事はしなかったが。
「渚君と言ったね。遠いところをよく来てくれた。」
「我々は君を歓迎する。」
そう言った冬月は渚カヲルと名乗った少年と笑顔で握手を交わした。
ゲンドウは何も言わずデスクの上で、いつものポーズのままだ。
「作戦指揮官の葛城三佐の処へ行きたまえ。詳しくは彼女から説明させるから。」
「分りました。ではご案内を宜しくお願いします。」
その少年、渚カヲルは彼を案内して来た職員に連れられ、司令室を後にした。
不敵ともとれる笑みを残して。
冬月は、渚カヲルが立ち去るのを確認してから、ゲンドウに話し掛けた。
先刻の笑顔から表情を一転強張らせて。
「碇、あの少年は委員会が、いや、ゼーレが直接に送り込んで来た……」
「分っている。奴は老人達の間諜だ。」
ゲンドウの顔色が変わる事は無い。
「ならばどうする?」
「どうもせんよ、好きにさせておくさ。そのうちボロを出す。」
「今色々と嗅ぎ回られるのは拙いのでは無いのか?」
「問題無い…奴に分る位の情報なら既にこっちから流してある。彼の手でな……」
ゲンドウはいつもの様に口元を歪めた。
916 :
冒険中年:2011/09/28(水) 22:42:12.05 ID:fqFraUhP
シンジとヒカリの物語 終話 終幕のシ者-08
数分後 ミサト執務室
アッシュグレーの髪にレイと似た真紅の瞳の少年は、
どこか薄ら笑いを浮かべている様に見える。
美形と言える風貌だけに余計に不気味だ。
「君が渚カヲル君ね。司令から話は聞いてるわ。もっとも、ついさっきだけどね。」
ミサトは少年の雰囲気に何か嫌なものを感じながら、作り笑いを浮かべる。
「折角来てくれたのに悪いのだけれど、あなたに乗ってもらうエヴァは今無いわ。」
「それに追加の機体が配備される予定も無いの。当分は予備パイロットと言う事ね。」
渚カヲルは先刻からの薄ら笑いを浮かべてミサトに応えて見せた。
ミサトの話を早速小馬鹿にする様に。
「それは…急いで来たのに実に残念な事ですね。」
「でも…それなら、先輩方の誰かにアクシデントがあってリタイアする事になれば、
ボクもすぐにエヴァに乗れると言う事なんですよね?葛城三佐。」
「渚君!口を慎みなさい!!冗談にしてはタチが悪過ぎるわ!!」
意味深な笑みを浮かべる渚カヲルにミサトは顔色を変え、声を荒げた。
「怒らせてしまったのなら謝りますよ。何せボクは思った事を自由に口にしてしまうタチなものですから。」
「これから気を付けるのね、渚君。私の命令に従えないなら、今すぐにでも帰ってもらう事になるわ。」
余り悪びれる様子も無く言葉だけの謝罪をする目の前の少年にミサトは厳しい目を向ける。
「以後気を付けますよ。ボクも今送り返されたりしたら、老人達に叱られますからね。」
「老人達って?」
「いや、ボクの育ての親の様な人達ですよ。」
「ま、いいわ、付いてらっしゃい。みんなに紹介するわ。丁度訓練の時間だから。」
渚カヲルはミサトに連れられ、エヴァ各機のあるケージへと向かった。
917 :
冒険中年:2011/09/28(水) 22:44:58.59 ID:fqFraUhP
シンジとヒカリの物語 終話 終幕のシ者-08
「みんな、紹介するわ。フィフス・チルドレン、渚カヲル君よ。仲良くしてあげてね。」
ミサトの声も表情もアスカやヒカリを紹介した時とは何処か違っている。
「フィフス・チルドレン、渚カヲルです。宜しくお願いします。」
漆黒のプラグスーツを纏い、アルカイックスマイルを浮かべて挨拶する少年の顔を、
四人のチルドレン達は見詰めていた。
特にシンジとヒカリは驚きの視線で。
渚カヲルは、その視線をものともせずに握手を交わしていく。
「ファースト・チルドレン…綾波レイ…宜しく。」
「アタシがセカンド・チルドレン、惣流・アスカ・ラングレーよ。よろしく。」
「やっぱりまた会えたね。」
渚カヲルはシンジとヒカリを見ると、更に嬉しそうに微笑んだ。
「僕はサード・チルドレン、碇シンジです。よろしく、渚君。」
「わたしはフォース・チルドレン、洞木ヒカリです。よろしく、渚君。」
ふたりが挨拶を終えると渚カヲルは話を続けた。
「しかし、君達プラグスーツまでお揃いとはね。」
「余程仲がいいのか、それとも一緒にエヴァに乗るとでも言うのかい?」
「それはこれから説明するわ。」
ミサトが割って入った。
「エヴァの説明と一緒にね。」
918 :
冒険中年:2011/09/28(水) 22:46:17.79 ID:fqFraUhP
シンジとヒカリの物語 終話 終幕のシ者-09
「奥からレイの零号機、アスカの弐号機、一番手前がシンジ君とヒカリちゃんの初号機よ。」
ミサトの視線の先には紺碧、真紅、そして濃紫のエヴァンゲリオン各機が並んでいる。
「え?初号機は複座?エヴァは皆、単座では無かったのですか?葛城三佐。」
渚カヲルは疑問を口にする。彼の得ていた情報ではそんな事は無かった筈であるから。
「ええ、初号機は最近改造されたのよ。シンジ君とヒカリちゃんが一緒に乗る為に。」
「そうなんですか……」
と一拍置いた渚カヲルは、また彼としては当然の事を口にする。
「では、他の二機のどちらかを同じ仕様に改造すればボクも乗せてもらえますね?」
「残念だけど、今その予定は無いの。ごめんなさいね、渚君。」
「詳しい事はともかく、一緒に乗るのは色々難しい条件があるのよ。」
「いえ、ボクは弐号機に乗れたらなって思っただけですから。ボク、赤い色が大好きなんですよ。」
そう言って不気味にニコニコと笑う渚カヲルにアスカは焦りを感じた。
アイツはアタシの代わりに来たのだと。
全く必要も根拠も無い焦りを。
後日に行われた各種テストで、渚カヲルはエヴァ各機、特に弐号機との高い親和性を伺わせるデータを示した。
更に大きくなるアスカの焦り。
「このままでは弐号機をアイツに取られるかもしれない……」
919 :
冒険中年:2011/09/28(水) 22:48:15.00 ID:fqFraUhP
シンジとヒカリの物語 終話 終幕のシ者-10
そんな折に第拾伍の使徒が衛星軌道上に出現する。
「総員、第一種戦闘配置!対空迎撃戦用意!!」
「目標は衛星軌道上に停滞中。映像で確認しました。最大望遠です!」
光で出来た鳥の様な姿は、優雅な美しささえ感じさせる。
初号機はS2機関取得後の調査が不充分の為に出撃見合わせと成り、弐号機と零号機の出撃となる。
「これをミスったら、多分弐号機を降ろされる。きっとアイツが、フィフスの奴が……」
それだけではないだろう、とアスカは思う。
(ひょっとしたら、ドイツへ送り返されてしまう??)
それは嫌だ。
もう少しだけ、もう少しだけでもシンジを見て居たい。
使徒は衛星軌道から降りて来ようとはしない。
「焦れったいわね!サッサと降りて来なさいよ!一発で仕留めてやるわ!」
アスカは弐号機にポジトロンライフルを構えさせた。
「今度のは大丈夫よ。」
リツコにそう言われて持たされた、そのライフルは前回の事故原因を徹底究明し、改善と改良がなされたものだ。
射程も威力も以前のものの比では無い。コードで電力供給されるから数回の発射は可能だ。(発射速度は遅いが。)
だが、衛星軌道となるとどうだろうか?
後で出撃して来るレイの零号機の持つポジトロンスナイパーライフルの方が射程は長いらしい。
(発射速度はさらに遅いらしいが。)
アスカの紺碧の瞳がスコープのど真ん中に使徒の姿を捉えた。
「さあ、降りてらっしゃい…そうしたらアンタを終わりにしてあげるから……」
その時だった!
使徒がいきなり怪光線を放った!
そしてその光線が地表に、いや弐号機だけに降り注いだ!
「いやあああああああああ!!」
920 :
冒険中年:2011/09/28(水) 22:49:50.75 ID:fqFraUhP
シンジとヒカリの物語 終話 終幕のシ者-11
「使徒の指向性兵器なの?!」
悲鳴をあげて苦しむアスカの姿にミサトは動揺する。
「いいえ!熱エネルギー反応無し!!」
「パイロットの心理グラフが乱れていきます!精神汚染が始まります!!」
「まさか…心理攻撃?!使徒がアスカの、人間の心を探ろうとでもいうの??」
青葉とマヤの報告にリツコは考えを巡らせる。
「アタシのナカに入って来ないで!!」
使徒の怪光線を浴びたアスカは、逃げる事も、ライフルのトリガーを引く事も出来なかった。
その心の奥底深くに仕舞われていた筈の記憶が、全て洗い浚い掘り起こされていく。
「アタシのココロを覗かないで!!」
母のこと
狂った母のこと
父のこと
義母のこと
母の自殺のこと
母による絞殺未遂のこと
エヴァの特訓のこと
そして、
加持への憧れのこと
初めての友人レイのこと
そして今一番大きなもの シンジへの想い
同じくらいに大きなもの ヒカリへの嫉妬
921 :
冒険中年:2011/09/28(水) 22:51:21.71 ID:fqFraUhP
シンジとヒカリの物語 終話 終幕のシ者-12
その嫉妬の心が、アスカと同じ形になってアスカに語り掛けてきた。
〈アンタはシンジの事好きなんでしょ?〉
「なんでアンタがそんな事を!」
〈分かるわよ、アンタはアタシ、アタシはアンタだもの。〉
〈残念だったわね、あの時もう少し、いや、もう1秒早く撃ってたらヒカリを殺せたのに。〉
〈ヒカリを殺してシンジをアンタだけのモノに出来たのに。〉
「そ、そんな事!」
〈そんな事考えた事も無いって言うつもり?だめよ!嘘ついても。〉
〈言ったでしょ?アタシはアンタなんだから。〉
〈ヒカリを殺せないなら、他に方法はひとつ…〉
〈ねえアンタ…もっと勇気を出してそのカラダでシンジを誘惑しなさいよ……〉
〈夜にベッドに忍び込んで、アンタの自慢のそのカラダをアゲればイチコロよ……シンジなんて…〉
「な、何を言うのよ……」
〈アンタ、ばかあっ?そんな事も出来ないの。〉
〈ヒカリは出来たのに?カラダを使ってシンジを落としたのに?〉
〈あの、ガキっぽいカラダを使ってさ……〉
〈意気地無し………〉
「い、イヤ……」
〈そんな事も出来ないなら、アンタはヒカリには勝てないわ!絶対に!〉
〈天下無敵の美少女も地に落ちたわね!〉
「言わないで!!」
〈あはははははははははははははははははははは………………………………〉
「これ以上アタシのココロを犯さないで!!」
〈あはははははははははははははははははははは………………………………〉
「コンチクショ―――――――っ!!!」
アスカは、やっとの事でトリガーを引いた!
だが、アスカの苦し紛れの反撃は使徒に届かない。
使徒の直前でライフルの放った陽電子の奔流は闇に消えてしまう。
922 :
冒険中年:2011/09/28(水) 22:53:06.52 ID:fqFraUhP
シンジとヒカリの物語 終話 終幕のシ者-13
「陽電子消滅!」
「駄目です!射程外です!!」
「レイは!零号機のライフルはまだなの!!」
日向と青葉の報告にミサトがヒステリックに叫ぶ!
「最終段階です!強制集束機作動中!!」
「地球自転及び動誤差修正0.03!薬室内圧力最大!全て発射位置!!」
青葉のコールにも余裕は全く感じられない。
「いきます!!」
レイは逸る心を押さえて、ゆっくりとトリガーを引く。
ずばああああああああああああっ!!
ポジトロンスナイパーライフルの一条の光が伸びる!虚空に浮かぶ使徒に向かって!!
ぱきいいいいいいいいいいいいいいんん!!
しかし、レイの渾身の一撃も命中はしたものの、使徒の強力なATフィールドに弾かれてしまった。
「駄目です!出力が足りません!!」
「出力は最大だと言うのに…………」
リツコの顔が強張る。
「アスカっ!撤退しなさい!命令よ!!」
ミサトがマイクに、モニターに向かって叫ぶ!!
「いやよ!ここで撤退なんて、死んでもイヤよっ!!」
ミサトの撤退命令も無視してアスカは、その場に留まった。
と、言うより動けなかったのだ。
ココロがイタくて……アタマがイタくて……………
923 :
冒険中年:
シンジとヒカリの物語 終話 終幕のシ者-14
「何やら面白い事になってきたね。」
苦しむアスカの様子がモニターに映るのを見て、
漆黒のプラグスーツの渚カヲルは、さも嬉しそうに言った。
「何が面白い事なんだよっ!」
「そうよ!ひどいわっ!」
激怒したシンジと激昂したヒカリが、渚カヲルに掴みかからんばかりに迫った。
「父さん!出撃させて!!」
「司令!お願いします!!」
シンジもヒカリも揃ってゲンドウをじっと見る。お揃いのプラグスーツと同じに。
「無駄だよ、アスカさんと同じ目に遭うだけさ。」
「君達はそんな事も分らないの?シンジ君?ヒカリさん?」
渚カヲルは冷笑を浮かべていた。
「やってみなきゃわかんないだろ!」
「そうよ!その通りよ!」
ふたりは、もう一度渚カヲルを睨みつけた。
その時、司令席からの声。
「サード、フォース、それにフィフス、出て失せろ!戦闘の邪魔だ!」
サングラスを外し、そう言い放ったゲンドウの目はシンジとヒカリを交互に見ていた。
何か意味深な視線。
ふたりはスタッフに追い出される様に発令所を出ると、見詰め合った。
もう、渚カヲルの事など眼中に無い。
「ヒカリ、アスカを助けたい。力を貸して!」
「勿論よ、シンジ!」
シンジもヒカリも脇目も振らずに初号機を目指してケージに走った。