【獣人】亜人の少年少女の絡み9【獣化】

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1名無しさん@ピンキー
このスレッドは、
   『"獣人"や"亜人"の雄と雌が絡み合う小説』
                    が主のスレッドです。

・ママーリand常時sage推奨。とりあえず獣のごとくのほほんと、Hはハゲシク。
・荒らし・煽り・板違い・基地外は完全スルーしましょう。
・特殊なシチュ(やおい・百合など)の場合は注意書きをつけて投下。好みじゃない場合はスルー。
・書きながら投下しない。
 (連載は可。キリのいいところまで纏めて。
  「ブラウザで1レスずつ直書き」や「反応を見つつ文節を小出し」等が駄目という意味)
メモ帳などに書き溜めてから投下しましょう。
・『投下します』『投下終ります』『続きます』など、宣言をしましょう。
・すぐに投下できる見通しがないのに「○○は有りですか?」と聞くのは禁止です。
・作品投下以外のコテ雑談、誘いうけ・馴れ合いは嫌われます。


・過去作品はエロパロ保管庫へ。
http://sslibrary.gozaru.jp/

+前スレ+
【獣人】亜人の少年少女の絡み9【獣化】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1250959076
+過去スレ+
【獣人】亜人の少年と亜人の少女の絡み【人外】
ttp://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1061197075/
【獣人】亜人の少年少女の絡み2【獣化】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1098261474/
【獣人】亜人の少年少女の絡み3【獣化】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1118598070/
【獣人】亜人の少年少女の絡み4【獣化】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1152198523/
【獣人】亜人の少年少女の絡み5【獣化】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1167835685/
【獣人】亜人の少年少女の絡み6【獣化】
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1197755665/
【獣人】亜人の少年少女の絡み7【獣化】
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1207906401/
【獣人】亜人の少年少女の絡み8【獣化】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1225275835/l50


+関連スレ+
【異形化】人外への変身スレ第四話【蟲化】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1241610755/
[獣化]人間が人外に変身しちゃうスレ14[異形](半角二次元板)
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/ascii2d/1242675639/
2名無しさん@ピンキー:2010/12/25(土) 22:31:47 ID:HZs95jQ6
ぐぁぁ、スレ番号間違えた!!10ですね…ごめん。

投下来てるのに不自然なところでプッツリと途絶えていたので何かあったのかと思ったら
容量が満タンになったようなので立てました。
と言うわけで投下続きカモーン
3名無しさん@ピンキー:2010/12/26(日) 10:10:09 ID:JWFPMY7x
いちおつ、そして生殺し状態にされたままの俺おつ
4銀齢祭 (二):2010/12/26(日) 19:58:39 ID:/J+KfLmx


 昨晩は失礼しました。同時に連投によってスレを終わらせてしまい、そちらも申し訳ありません。
 また新たなスレ立ても、お疲れ様です。こんな私のSSにこんな素敵な発表の場を用意して
もらえて本当に嬉しいです!

 本日の投下で、銀齢祭(二)も終了となります。
 拙い物語ではありますが、どうかよろしくお願いします。

5銀齢祭 (二)・31:2010/12/26(日) 19:59:21 ID:/J+KfLmx
「ん、んんむ……」(く、苦しい……!)
 ツューの声に応じて摘み締める行為を強めるヤマト。
「ああぁ! ヤマト! もうちょっと……!」
 そしてついにツューが絶頂を迎えられようかとなり、よりいっそう強くヤマトを抱きしめたその時であった。
「ヤマトぉー! ………あれ?」
 突如としてヤマトの愛撫が止む様子にツューも我に返る。
「ヤマト? どうしたの、もっとしてよぉ?」
 そして込めていた腕の力を解き、見下ろす胸元には――真っ赤に窒息してぐったりとしているヤマトの顔が目に入った。
「や、ヤマト!? うわぁー!」
 急いでヤマトを解放すると、今度はツューが横たわらせたヤマトに両手で風を送り開放する。
 快感に耽るあまり、すっかりヤマトが病み上がりだということを忘れていた。……ましてや男顔負けの狩人であるツューの膂力で力の限りに抱きしめたのだ。たまったものではない。
「ヤマト! ヤマトってばぁ!」
「……う、うう〜ん。あれ、ツュー?」
 どうにか意識を取り戻すヤマトに安堵するツュー。
「ごめんね。つい嬉しくってさ……抱きしめちゃった」
「いいよー……喜んでくれたんならさ、オイラも嬉しい」
 力なく笑ってみせるヤマトではあったが――そんな表情とは一変して、力強く変化したある一点を見つけてツューは息を飲む。
 それこそはヤマトの股間――今まで全く反応を見せていなかったそこが、今はそれを包み込む褌を破り貫かん勢いで天高く勃起しているのであった。
 そは言えそれも、今の状況に促されて起きた自然な変化かと問えば、そうではない。ツューにきつく抱きしめられた
瞬間、衰弱もしていたヤマトの体は本能的に死を察知し、己の種を残そうと肉体的な変化を起こしたに過ぎない。
 生理現象というよりは、条件反射といった方が正しい勃起なのだ。
 それでもしかし準備が整ったそんなヤマトの体に、ツューの中の雌は激しく刺激される。
 そして、
「ねぇ、ヤマト。……舐めっこ、しようか?」
 そんな提案をヤマトにする。
「なめっこ? なにそれ?」
「アタシがヤマトのチンチンを舐めるから、ヤマトはね……ヤマトも、アタシの大事なところ舐めるの」
 口で説明しながら顔から火のでるような想いがした。こういう行為は口で説明するようなことではないのだ。
 それでもしかし、初心(うぶ)のヤマトにはそれくらい言ってやらなければ判らない。事実、そんな提案をされた
ヤマトはというと、
「えっと、うんと………ツューがそうしてほしいって言うんなら、いいよ?」
 ツュー以上にはにかみながら頷くのであった。
 そんなヤマトの返事に途端にツューは表情を明るくさせる。
「ホント? じゃあアタシが上になるねッ」
 そしてヤマトの反応すら確認せずにその上に乗りあげると、ヤマトの眼前には自分の股間が見えるように尻を向けた。
6銀齢祭 (二)・32:2010/12/26(日) 20:02:55 ID:/J+KfLmx
 そうして改めてヤマトの褌を目の前にするツュー。褌越しに甘く饐えた、雄独特の香りが充満している。その香り
に中てられて軽いめまいを起こしながら、ツューは褌の結び目に手を掛ける。
 そして贈り物の包装を解くよう褌を取り払ったそこには――赤剥けて充血した、ヤマトの陰茎が露わになった。
 芽吹いたばかりの青草のよう先細って天を向いたその茎は、先端が濡れぼそって夏の果実のような艶やかさを見せ
ている。
 匂いもまた蟲惑的だ。
 新陳代謝による饐えた発酵臭に加え、数日間入浴を済ませていなかったというそこからは強いアンモニア臭もまた
醸しだされている。それでもしかし、そんな塩気を強く含んだ匂いは強くツューの本能を刺激するのであった。
 そんな臭気と外見にめまいを覚えた次の瞬間には、
「あうんッ! つ、ツュー」
「……ん? んむむッ」
 ツューはヤマトの陰茎を咥えていた。
 舌先に生臭さとぬめりの触感が感じられると、途端に生肉に似た血の味が舌上に広がる。
 その味に再び頭がしびれた。
 あとはただ貪るばかり………唾液と混じって口中に広がる線液を飲み下し、ツューは性器それの奥底にある何かを
引きずり出そうとするかのよう、ヤマトの陰茎それをしゃぶり続けた。
 しばし失心して陰茎を貪り続けるツューは、
「い、痛い! 痛いってば、ツュー!」
「んッ、んッ、んッ……あえ?」
 ヤマトの声にようやく我に返る。
 気付けば、ヤマトが必死にツューの臀部をワシ掴んで中止を訴えていた。どうやら夢中になりすぎるあまり、加減
なしに吸いつくしてしまったようであった。
「ツュー、痛いよぉ。もっと優しくしてってば」
「ごめんごめん、ヤマトのチンチンがおいしいからさ」
 照れ笑いもしかし、まんざらでもなくそう思っているツュー。そんな自分が自分でも怖くなる。
「じゃあさ、今度はヤマトもして」
 言いながらツューは起き上ると、ヤマトの顔を股座の下に置くような形で膝立ちになる。
 そしてショーツの紐を解くと、
「召し上がれ♪」
 ヤマトの眼前に生(き)の膣部を露わにした。
 それを見上げながら生唾を飲み込むヤマト。ぴたりと割れ目が閉じ、熱に蒸れて膨らんだ膣部の眺めはどこかウリ科の
果実を連想させる。
 そんな膣のクレバスに人差し指の先を食いこませた瞬間、
「ッ? ぷわッ」
 途端に大陰唇が割れ、そこにせき止められていた愛液がしとどに溢れだしてヤマトの鼻先を濡らした。
 そんなツューの体液の芳香が鼻孔に充満すると、ヤマトの中の『雄』は半ば強制的に反応させられる。
「わ、すごい。跳ね上がった」
 互いに発情中とあっては、こうしたパートナーの体液が肉体の変化を切り分けるスイッチとなる。
 ヤマトはツューの体の下から這い出ると――立ち上がり、振り向きざまにツューの唇を奪った。
 突然のヤマトからのキスに目を丸くさせるツュー。それでもしかし、想い人からのそれは何とも心地がいい。しば
しヤマトに体を預け、互いの口先同士をついばむキスをすると、
「ツュー……」
 ヤマトは静かに顔を離し、まっすぐにツューを見つめた。
 そしてもう一度だけ触れるだけのキスをして、ヤマトはその両膝を抱えるようにしてツューを抱き上げる。
7銀齢祭 (二)・33:2010/12/26(日) 20:05:04 ID:/J+KfLmx
 歯を食いしばり、震える体から精一杯に力を振り絞る姿に、
「や、ヤマトどうしたの? 無理しちゃダメだってば」
 その身を案じてツューも慌てふためかずにはいられない。
 それでもしかし
「うぅ〜……やらせて!」
 ヤマトは唸るように言い放つ。
「オイラは、こんな小っちゃいし、体だってこんな風になっちゃったけど……それでもツューのことが好きなんだ。
だから……ッ」
「ヤマト………」
 ただでさえ自由の利かない体に加え、さらには倍以上の体格と体重差である。そんなツューを抱きしめて持ち上げる
ヤマトの表情には苦悶の色が大量の脂汗と共に滲みでていた。
「だから! オイラ、ずっとツューを抱きしめてあげるよッ。どんなに苦しくたって、どんなに辛くたって、絶対に
離さないから!」
「…………」
 この状況でのヤマトの告白に、その一瞬ツューは彼の身を案じることすら忘れて心奪われる。
「絶対に幸せにしてみせる! もう、独りになんてしないからね!!」
「……ッ―――ヤマト!」
 そして改めて彼の決意を――その告白を聞いた瞬間、ツューもまたヤマトを抱きしめた。
 もう言葉はいらない。掛ける言葉が思い浮かばない。いまツューに満ちるものは、感謝、喜び、後悔、心痛――
それら全て。言葉になど出来ようがない。
 だから抱きしめた。
 ヤマトの想いに応えるため、そしてこれからを共に過ごすことを誓う為に、ツューもまた抱き返したのであった。
 それを受けてヤマトも俄然奮起する。
 そこにて初めて――ヤマトは屹立した己の陰茎をツューに挿入した。
『う、うわあああぁぁ……ッ』
 二人が二人、同じ声を上げた。互いの粘膜が重なり合う感触と熱に震えたのだ。
 もはや今の二人の意識はそれほどにまで同調している。気持ちだけではなく、最後の垣根であった『肉体』もまた、
ようやく二人はひとつになることが出来たのだった。
「ふぅふぅ……ツュー、大丈夫?」
「う、うん……大丈夫ぅ」
 しばし快感による衝撃の波が過ぎ去るのを待ってから、ヤマトはツューへと声を掛ける。もはやヤマトの頭を抱き
しめて、体全体を預けているツューは息も絶え絶えにそれに応えるのであった。
 しかしながら、
――イッちゃったぁ……
 かろうじて絶頂耐えたヤマトとは裏腹に、ツューはというとその挿入だけで果ててしまっていた。
 彼女達一族には処女膜といった器官が無い故、熟成の済んだ肉体はすぐにでも雄を迎え入れられるようには出来て
いる。――とはいえしかし今のこれは、それにしてもおおげさであるように思えた。
――何これ? 自分でするのなんかとは全然違う……
 もはや快感であることすら認識できないほどの衝撃は、今日まで処女であったツューにはあまりに衝撃的な経験で
あった。
 とはいえしかし一時的な波が去り、今は体に残るその余韻に心地良く浸れていた。そうしていつまでもこのままで
いたいと多幸感に浸るツューであったが、
「ご、ごめんね。いま動くからさッ」
 一方のヤマトはというと、ツューとは対照的にせわしなくなるのであった。
8銀齢祭 (二)・34:2010/12/26(日) 20:06:52 ID:/J+KfLmx
 微動だにせずヤマトにその身を預けているツューの様子を、退屈していると勘違いしたらしい。
「もっともっと、気持ち良くしてあげるからね」
「え……あ、ち、違うの………ヤマトぉ」
 再び彼女の体を持ち直すと、より激しく動けるように両足を踏ん張り、体勢を立て直すヤマト。それに対してツューも
思い違いであることを伝えようとするが、いかんせん先の絶頂の余韻が抜けきれず、うまく呂律が回らない。
――だ、ダメだったらヤマト。まだイッたばっかりなのに、
  そんなにすぐ動かれたら……
 それを心配するも次の瞬間、
「うぅ〜……えい!」
「ッ――あうぅ!?」
 大きく腰を引いて存分に反動をつけると、さながら撞木で釣鐘を打つかの如く、ヤマトは力一杯の挿入をツューに
打ち込んだ。
 絶頂ゆえ敏感になっていた感覚は、その急激な一撃による快感をより強くして体に伝えてしまう。
「あッ……おぉ……お………ッ」
 眼を開き、首をのけぞらせて空を噛むツューは、もはや受け止めきれなくなったその快感にただ声を殺して喘ぐばかり。
 そしてそれを皮切りに、ヤマトは動きだすのであった。
「う〜……えい、えい、えいッ」
「あッ、お! ま、待って……ッ……うん!」
 制止を求めようと、ヤマトとて限界だ。ましてやこれがツューを喜ばせているという勘違いもあって、ヤマトは力の
限りに腰を動かし続ける。……遠回しにツューは、先ほどヤマトにしたイジワルを仕返しされた形であった。
 それでもしかし、
「はぁ、はぁッ……ツューッ」
「あ、う、うん……ヤマトぉ」
 次第に体も熱に馴染み、乱れていた呼吸も鼓動にあわせて均一に弾みだすと、ツューの中の快感の波は徐々にヤマトの
動きにシンクロしていくのであった。
 そして再度の絶頂を予期し、
「ヤマト……ヤマトぉ……」
 抱きかかえられるそこから、ツューはヤマトを抱きしめた。
 小さな頭を抱えるように胸の中へ取り込み、さらには尻尾と両足をヤマトの腰に絡めて、その瞬間に意識を集中させる。
 押し付けられた胸から聞こえてくる鼓動が、まるで鼓楽器のよう強く横顔に振動してくるその音に、ヤマトも本能
でツューの限界を知る。
 それを確認し、ヤマトは疲弊した体に最後の鞭を入れた。
 酸欠と快感から二人の意識はもうろうと白ずむ。
 その中にツューとヤマトは互いの姿を見た。
 ずっと幼い頃の、ずっと昔の話―――何が理由か今となって知る由もないがあの日、泣きじゃくってやまなかった
ヤマトをツューが慰めたのだ。
 その両耳を摘みあげた少女は、それがくすぐったくて泣くのを止めた少年に大きく笑ってみせた。
 その時、少年は恋をしたのだ。
 将来きっとこの人と結ばれようと――この人の為に命を捧げようと―――幼い胸に誓ったのであった。
 それをヤマトは思い出した。ツューもまた、その光景をヤマトと見た。
「ツュー……オイラ、約束を果たせたかな?」
 尋ねるヤマトに対し、
「上出来だよ。今アタシは、最高に幸せ……もう、独りじゃない」
 応えてツューがヤマトの耳介を噛んだ瞬間――ヤマトはありたけの精を彼女の中に撃ち放った。
9銀齢祭 (二)・35:2010/12/26(日) 20:09:03 ID:/J+KfLmx
「んあッ……すごい、熱いよ……すごく沁みるよ………あったかい」
「ツュー……」
 臍の奥で爆発した灼熱感にツューは力の限りにヤマトを抱きしめる。 
 やがて預けていた体が大きく傾いたかと思うと、
「う、うわわッ? や、ヤマトぉー?」
「うきゃあ!」
 仰向けに倒れるヤマトを、ツューは愛情いっぱいに押しつぶしてしまうのだった。



【 8 】

「はぁはぁ………」
「ふぅふぅ………」
 仰向けに二人で天井を見上げる。
 しばしそうして何も考えられない二人ではあったが、ふと吹き抜けた風がカーテンを煽り、その裾を二人の目の間に
広げた瞬間、
「交尾……しちゃったね」
 ヤマトは、依然として天を見上げたまま呟いた。
「しちゃったよ……こんなに子種、たくさん出しちゃってさ」
 応えるツューもヤマトと同じ天井を見上げたまま楽しそうに笑ってみせる。
 しばしそうして笑い合う二人ではあったが――やがてその笑いも夜の静寂に溶けて笑いが途絶えると、熱の冷めた
ヤマトの頭には再び、自分という存在の負い目を恥じる考えとが鎌首をもたげていた。
 今宵、ありったけの愛を存在しあった自分達ではあるが――今の自分達以外の世界は、けっしてツューとヤマトを
祝福してはくれないだろう。
 狩りに出ることも叶わず、そして尻尾すらない雄――そんな自分をパートナーに持つツューがどれだけ惨めな思い
をするのかを思うと申し訳なる。
 それだけではない。いずれは生まれてくる子供達もまた、こんな自分のせいで苦しむことになるのではないか。
………そんなことを考えるとヤマトはたまらなく怖くて、そして悲しくなるのだ。
――やっぱり結ばれるべきじゃないんだろうか……?
 そしてついには、やはりツューを諦めようかと思い直したその時であった。
「ダメよ。そんなの」
 突然のツューの言葉に、ヤマトは心臓が口から飛び出してしまうのではないと思うほどに驚かせられる。
 そして右隣へ振り向くそこには、
「変なこと考えてたでしょ?」
 肘を立て、内に折った手首に顎を乗せた苦笑いツューが自分を見つめていた。
 そんなツューを目の前にして、改めてヤマトは彼女のことをキレイだと思った。好きだとも。それゆえに、より
いっそうに諦めなければと思った。
「ツュー、判ってるのならばやっぱりオイラなんかと結ばれちゃダメだ。絶対にバカにされるよッ。……ツューも、
生まれてくる子供達も」
 思い切ってそんな思いの丈を伝える。
 しかし黙って聞いていたツューは、そんなヤマトの話を聞き終えると小さく鼻を鳴らす。
「ヤマト。これはね、もうアンタだけの問題じゃないのよ? アタシだって、アンタに惚れぬいてるんだ。今さら
諦められる訳ないじゃない。――アタシの性格を一番よく知ってるのはアンタでしょ?」
「だ、だけどさぁ……。オイラなんてこんなに小っちゃいし、もう何も持ってないよ?」
 自分で言いながら、それが情けなくてポロポロとヤマトは涙をこぼした。
10銀齢祭 (二)・36:2010/12/26(日) 20:10:07 ID:/J+KfLmx
 そんな悲しみの粒を拭うように、そっとツューは触れる程度のキスをヤマトにする。
「……今までね、いろんな雄がアタシに告白してきたよ」
「………?」
「一生食べさせてくれるって約束してくれた雄もいれば、森の半分をくれるっていう雄もいたし、余所の国の人なんか
お金でアタシを買おうとした」
 うつ伏せに寝そべると組んだ両腕の上に頬をつけて、そんな過ぎ去りし日をツューは思い出す。
「でもね、自分の命を捧げてくれる人はいなかった。――ヤマト、アンタだけだった。アタシなんかの為にそれを
してくれたのは」
 だからこそヤマトでなければならないのだ――そう言って、もう一度ツューはキスをした。
「それにさ、だからといって甘やかすつもりはないよ? このアタシの旦那になるんだ。これから恥ずかしくない雄
になってもらわなくちゃ!」
 そういって快活に笑ういつもツューに、思わず感動から涙ぐんでいたヤマトは強く目頭をこする。
「ッ――わかったよ。オイラ、判ったよツュー! 強くなる! もっともっと強くなって、ツューが恥ずかしくない
雄になる!」
 幼き頃、胸に刻んだ誓い――ツューと共にあることをヤマトは今、弱き自分に再び誓い直すのであった。
「そうこなくっちゃ。……よろしくね、ダーリン」
 そう微笑むツューに――今度はヤマトからその唇を奪う。
「こちらこそ、よろしく。ツュー」
 太陽のように咲くその笑顔を――ツューは力一杯に抱きしめた。
 これにてヤマトの銀齢祭と、そしてツューの人生を縛っていた全ての過去の清算は終りを告げた。
 これからどのような人生を二人が歩むかは知る由もないが、それでもきっとそれは楽しいものとなることだろう。
 銀齢祭を過ぎて有明にその身を細らせ始めた月ではあるがそれでも―――
 今宵新たに結ばれた二人を祝福するかのよう、月はありたけの銀の粉をツューとヤマトに降り注がせるのであった。



11銀齢祭 (二)・37:2010/12/26(日) 20:11:09 ID:/J+KfLmx















「ところでさぁ、ヤマトぉ………」
「んー……なぁに、ツュー」

 ひとしきり互いの愛を確認し合ったツューは、どこか気怠そうにヤマトへと語りかける。一方のそれを受けるヤマトも
また、うつ伏せに突っ伏してどこか空苦しそうに呼吸を弾ませていた。
「ちょっと下まで行ってさ、サユマ呼んできてくれないかなぁ? なんか……おなかの傷が開いちゃったみたい。
ちょっとヤバいかも……」
「うぅ〜……あのね、実はオイラもけっこう前から尻尾の縫ったところが開いちゃったみたいで、血が止まらないの
ぉ。……なんかクラクラしてきたぁ」


 かくして翌日………昼過ぎになっても降りてこない二人を心配した母に発見されて、再手術を余儀なくされる。
 結婚を誓い合った二人の初の共同作業は、枕を並べて仲良く入院をすることであった。

12銀齢祭 (二)・38:2010/12/26(日) 20:12:34 ID:/J+KfLmx

【 蛇足(そのあと) 】


 無事に退院を果たし、どうにか歩けるようになったツューとヤマトは互いの結婚を村長へと報告に行った。
 思わぬ二人のそれを聞いた村長はそれは喜び、ならばと二人だけの為に再び銀齢祭を催した。
 折しも村には先のマーラッツ退治の報を駈けつけた多くの人々や行商人達が残っており、ましてや結ばれる二人と
いうのがあの魔獣退治の当事者ともあれば祭りが盛り上がらない訳がない。
 かくして、開かれたツューとヤマトの式はそれは盛大で、数日前に行われた本祭よりも規模の大きいものとなった。
 
 同時にツューも角頭の役目に復活を果たす。村人達から、ツューを許すようにと嘆願書が集められたからであった。
 羊皮紙や繊維紙に蝋を押した正式なものもあれば、はたまた村の子供達が木の葉や木の実にしたためたものに至る
まで、村に住む全ての人々がツューを許してほしいと願い出たのだ。
 それを目の前にして、そしてみんなの気持ちを確認した瞬間、ツューは思わず泣き出してしまった。
 子供のように声を上げて、ツューは泣いた………ずっと独りだと思っていた自分ではあったが、けっしてそんな
ことはなかったのだ。
 この『村』という大家族に包まれてツューは生きてきた。
 そのことに気付いた時、ツューのトラウマは残らず消えていた。
 
 そして、その翌年の終わりにツューは8人の子供を産む。
 まるで今まで先送りにしていた『幸せ』が利子をつけて、ツューの元へ返ってきたかのようであった。
 狩りに勤しみ稼ぎを持ち帰るツューと、そんな彼女の帰る家を守るヤマト――そんな二人のでこぼこの生活はこの
上なく幸せそのものである。


 ともあれ、悲喜交々あった今年の銀齢祭もこれにて一巻の終わり。
 はたして次なる銀齢祭ではどのような物語が生み出されることやら――。
 それは神様にだってわからないのである。






【 おしまい 】

13銀齢祭 (二):2010/12/26(日) 20:19:48 ID:/J+KfLmx


 以上をもちまして、銀齢祭(二)の投下を終了します。
 数日にわたっての投下と、そしてスレには大変ご迷惑をおかけしました。
 でも、そんな皆さんの励ましがあって、すごく良いお話が書けたと思っております。
 またいつか誰かの銀齢祭を掛ける機会に恵まれた時には、ここへ持ち込ませていただきます。
 本当にこのたびはありがとうございました!!


ここからはお言葉いたけました方へのレスになります。
 まずはツューのキャラが崩れていなくて良かったですー。
 書きながら「ノリが少し軽くなってないかな?」なんて思ったりした時もあったので、
そう言って貰えて安心しました。

 そして大和のキャラも受け入れてもらえたようでホッとしてます。
 かなり私の趣味が入ったキャラだったので受け入れてもらえるかどうか心配しましたが、
予想以上に温かく迎え入れてもらえて、本当に嬉しいです。

 また何かありました時には、要望など出してください。
 何でも書きます!

14名無しさん@ピンキー:2010/12/27(月) 00:50:27 ID:eHa63R/o
いいよいよすごくよかったよ感動した。
ツューとヤマトが幸せになれて本当によかったわー。
15名無しさん@ピンキー:2010/12/27(月) 17:53:01 ID:XLxW7D/2
ヤマトってサユマとラトラの息子だよね?
ヤマトと結婚するということはつまり、好きだったラトラ君と友人のサユマと半分ずつ結婚したことと同じか…(遺伝子的に)
16銀齢祭 (二):2010/12/28(火) 17:22:11 ID:bw7iT5zg
>>14
そう言っていただけるのが本当に嬉しいです! 幸せさが伝わって何よりで……。
もしかしたら「ヤマトだけが不幸になってる印象が伝わってないかな?」なんて、
推敲の時に感じていたので、それが読んでくれた人にうまく伝わってくれて、本当に嬉しいんです。
ありがとうございました!

>>15
そうなんです、前作の二人の息子だったりしてます。
しかしながら二人の半分づつと結ばれたっていう考えは15さんに言われるまでありませんでした。
そしてすごく素敵な考えだと思います!
正直わたしの中では「前作のスピンオフだから、とりあえず二人も物語の中に絡めておくか―」程度の
考えだったので、15さんからそれを聞いた時に何か運命めいたものも感じましたよ。

14さんにもお返ししたことですが、そういうことも含めて本当に二人が幸せになってくれて良かったです。
17名無しさん@ピンキー:2010/12/31(金) 04:26:21 ID:4XmjHemA
遅れたけどまままマジで乙です。登場人物、みんな可愛くて死にそう
18名無しさん@ピンキー:2010/12/31(金) 05:45:34 ID:+eMxq71h
乙です。すげー感動した。超GJ。
ツューかっこかわいいよツュー
ちっちゃいけど最高に素敵なパートナーに巡り会えてよかった
19名無しさん@ピンキー:2011/01/01(土) 09:34:54 ID:xDJVFOV6
とりあえず、おめでとうございます!
20名無しさん@ピンキー:2011/01/03(月) 00:56:12 ID:hPcDbNZQ
本当に素敵だ
お疲れ様です
21名無しさん@ピンキー:2011/01/04(火) 01:09:20 ID:TzKQcMTO
22名無しさん@ピンキー:2011/01/04(火) 07:55:34 ID:ljXf80II
ところでお年玉(SS投下)はまだか?
23名無しさん@ピンキー:2011/01/09(日) 13:02:14 ID:P2xnNz1A
保守
24名無しさん@ピンキー:2011/01/14(金) 14:24:07 ID:24GUST9V
保守
25名無しさん@ピンキー:2011/01/21(金) 20:09:25 ID:LfP9dsuR
ほっほっ
26名無しさん@ピンキー:2011/01/23(日) 05:58:22 ID:5XhbSuLw
誰か投下無いのかー?
もしくは何か話題でも・・・・
27名無しさん@ピンキー:2011/01/23(日) 20:43:38 ID:Ucdrq07z
エロシーンが書けなくて辛い(´・ω・`)
28名無しさん@ピンキー:2011/01/23(日) 23:52:32 ID:bcWBFVRo
獣体型キャラにおっぱい要素を無理に付けようか
やめておこうか、迷ってる。
おっぱい付けても、ネコ科って授乳期でもあんまり膨らまないから
揉めないし、蛇足かなぁ。
あれ? 大型ネコ科って乳頭数いくつだっけ?
29名無しさん@ピンキー:2011/01/24(月) 05:51:29 ID:RaNKjf9p
>>27
よっぽど書きこんじゃうか、もしくは全然書き込めないかのどちらかだよな
30名無しさん@ピンキー:2011/01/24(月) 12:26:28 ID:yT8N8nZf
結構エロく膨らんでるぞ。
31名無しさん@ピンキー:2011/01/24(月) 21:36:29 ID:RaNKjf9p
どれくらい獣の成分が入っていた方が好かれるのかな?
32名無しさん@ピンキー:2011/01/24(月) 23:10:56 ID:dcRAdoFj
そりゃもうたっぷりと
33名無しさん@ピンキー:2011/01/25(火) 06:00:52 ID:dKZ31HlE
4つ足じゃなく、かつ知性や羞恥心も人並みってラインが守れれていれば
限界まで獣じみていた方が好みだな
34名無しさん@ピンキー:2011/01/26(水) 12:59:24 ID:ITpfFTcg
寒いので温泉話でも書くか。
ケモっ娘の毛皮の脂や臭腺の分泌物やフェロモンや
○○○(ピー)のお汁が溶け込んだお湯できゃっきゃウフフ
35名無しさん@ピンキー:2011/01/28(金) 09:47:36 ID:giXxX3LE
のちの呪泉郷である

「(性的な意味で、快楽に)溺れた」という意味が誤って伝わったものである
36名無しさん@ピンキー:2011/01/29(土) 16:02:56 ID:HCylnIuq
>>28
獣人に複乳かどうかは人それぞれ好みの問題かと
37名無しさん@ピンキー:2011/01/29(土) 21:11:17 ID:cnesEeJy
>>36
俺は二つがいいかな
とはいえ表現力次第だけど
「乳首が8つの複乳だった」程度の描写じゃうまく想像できなくて
38名無しさん@ピンキー:2011/01/31(月) 19:57:49 ID:n0l4SkVI
>>30
話題は膨らまないよな、ここ
39名無しさん@ピンキー:2011/01/31(月) 22:29:35 ID:RQ6yklco
>>38
投下があれば股間は膨らむけどな
40名無しさん@ピンキー:2011/02/01(火) 07:07:37 ID:MioaWAzf
>>39
誰が馬いことを言えと
41名無しさん@ピンキー:2011/02/05(土) 20:30:56 ID:PppSuAT9
ほう
42名無しさん@ピンキー:2011/02/06(日) 05:57:40 ID:2ZVWNH5o
新しく一本書いてるんですけど連投になっちゃうんですよね……
まだ少し時間はかかりそうですけど
43名無しさん@ピンキー:2011/02/06(日) 08:12:10 ID:ZFGIlVj8
連投は迷惑にならない、というか歓迎だけど、
予告はちょっと迷惑
44名無しさん@ピンキー:2011/02/06(日) 19:55:49 ID:2ZVWNH5o
すんません
書けたらまた貼りだしていきます
45名無しさん@ピンキー:2011/02/07(月) 17:39:12 ID:Dx7txaKo
兄が猫化して妹にいじられる漫画かと思い
『兄踏んじゃった』を購入→壁にHOT SHOT!
46名無しさん@ピンキー:2011/02/08(火) 22:16:37 ID:XexU7EkL
どう考えても兄が妹に足コキされる漫画だろ…
47名無しさん@ピンキー:2011/02/14(月) 00:24:17 ID:Ctf8sKm4
道ばたに、目の周りを青く腫らし、鼻血をどうにか止めようとしている若者が居る。
「おおイエルク?ってあれっ!おまえそれどうしたんだ!?」
その知り合いとおぼしき青年がその有様をみて驚いた声を上げた。
「や、やあ、ヴァル…ゲルダをからかったら思い切りぶん殴られた」
イエルクは少し涙声で答え、ヴァルは額に手を当て頭を振った。
「またゲルダか。あいつ無茶苦茶やるからなあ…全くどうしたもんだか…」
ヴァルは、持っていた布をイエルクに渡しながら、角がまだ短いゲルダの顔を思い出した。
意志の強そうな瞳が印象的な娘で、確か14か15くらいだったと覚えている。
同世代の娘達に比べ、引き締まった少年のような身体つきをしていて、性格といえば
花を摘むよりもウサギを撃って来るような娘だった。
また、どうにも馬鹿にされるのが嫌いな性分で、娘らしく無いことを少し上の年代の少年
らにからかわれてはケンカをするなど、たびたび問題を起こしていた。
どうもイエルクもその手のからかい方をして、手ひどく殴られたらしい。
「イエルクも、ゲルダからかうのもほどほどにしとけよ」
といいつつも、自分があとみっつほど若い、イエルクと同年代であれば、多分からかったかも
しれないと思う。
そう思うからこそ、いつもゲルダのことを良く気にかけていたのだが、ゲルダばかりの問題
でもないためいかんともしがたく、また気にかければかける程、近隣の住人には妙な
誤解を与えているようで、長達からは早くゲルダと結婚しろと言われる始末だった。
そう言われるとゲルダもヴァルも反発していたが、ヴァルはどこか本心では否定できず、
対するゲルダも同様なのであった。

-----------------------------------------------------

旧い種族がある。その種族は新しい世界よりも前からあり、彼らの神が
去った後も世界を放浪し、主を捜し続けているのだと、伝承は言う。
頭にはねじれた角を生やし、馬のような長い顔、強靱な身体に長い尾。そして割れた
ヒヅメ。旅する人達は、山で、荒野で、ごく希にその種族に会うと言う。
主を捜し、さすらう狩人。
彼の種族を、人々は「竜の人」と呼んだ。

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48名無しさん@ピンキー:2011/02/14(月) 00:25:08 ID:Ctf8sKm4
ゲルダの、その狙う視線のおよそ数十メートルの先には、伏してしきりに何かを気にしながら
あたりを窺う "白い豹" がいた。
 風下から全く気取られることなくここまで近づけたのは、まだ一人前にほど遠い
彼女にとって、ほぼ奇跡と言っていいできばえといえた。恐らく、豹が何かに気を
とられていなければ不可能だっただろう。
 しかし獲物と言えば、独りではウサギか山鳥ほどしか射たことがない彼女にとって、
これは手に余りすぎる標的であった。。
 狙うはその首筋。正確に当たれば即死させられる距離までつめた。そして十分に狙いはつけた。
後は、好機を逃がさず放つだけで事が終わる。
 長いのか短いのか。正確に推し量れない時が過ぎ、ついに "白い豹" が緊張を解いた。
右前足を舐めて手入れを始めたその白い豹の、ごく短いたてがみに守られた後頭部が、
痛いほどに目に刺さる。そして、まるでほんの目の前にあるような錯覚すら覚えるその
場所に向かい、刹那、ゲルダは弓を放っていた。
彼女の放った矢は、これ以上ないほど正確に "白い豹" の後頭部に突き立った。
その瞬間、豹は一瞬びくりとし、その後まるで糸の切れたパペットのようにがくりと
その場に崩れ落ちる。
会心の一撃であった。
手に伝わる、恐ろしいまでの手応え。その巨大な感触に思わず腰が砕けそうになる。
横隔膜が痙攣して息が途切れ、弓手は固まったまま下ろすことができない。
このままたっぷりと100程も数えたころであろうか。ついに彼女はへなへなとその場にへたり
こんでしまった。それと同時に、この上ない安堵と歓喜が、その小さな胸に充ち満ちた。
言うまでも無く、こんな大きな、それも「豹」を一人で倒すのは初めてのことだ。
この獲物を持ち帰れば、一人前と認めてもらえる。誰からも女子供とバカにされない。
彼女は、知らずに溢れていた少しばかりの涙を腕で乱暴に拭い、倒した獲物へ向かって歩き出した。
まだ全て終わったわけではない。今から豹を解体し、持ち帰れるものは全部持って帰らないと
いけないのだ。

-----------------------------------------------------

さて、獲物を獲て喜ぶ者が居れば、獲物を失い落胆する者も居る。
山から滅多に下りてこない、"白い豹"を見つけたヴァルは、これを倒せれば売った毛皮や骨で
決して少なくないであろう対価を得ることができると考えていた。
だが、なかなか仕留めるに必要な距離まで近づく機に恵まれないでいた。
だが、こちらを気にする豹が緊張を解き、詰める好機を得たと思った矢先である。
ヒュウという風を切る音と同時に、豹が崩れ落ちた。
何処から飛んできた矢は、これ以上無いと思えるほど正確に豹の首筋に突き立っている。
おそらく即死であろう。
そして獲物は当然、倒した者が得る。
しかし、同じ場に、見知らぬ者が二人もいる。これは余りにも酷い偶然であった。

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49名無しさん@ピンキー:2011/02/14(月) 00:25:59 ID:Ctf8sKm4
 あの "白い豹" を射殺したのは一体だれだ?
 失意の中に弓を仕舞ったヴァルは、せめて射止めた者の顔でも見ておこうと思い、その獲物
を射止めた人物を探す。
 待つことしばし。出てきたのは、驚くことにまだ角が生えかけの若い同族であった。
 ヴァルはおやと目を細めた。あの姿には見覚えがあるぞ?あれはゲルダじゃないか?
とここまで気がついた時に、こちらに気がついたゲルダが、ヴァルに向かって矢をつがえた。
「おいおい!ちょっと待て!」
さっと身を伏せて、ヴァルは叫んだ。
「オレだ!ヴァルだ!ゲルダ!」
彼は、ゲルダが弓を下ろすのを確認すると、両手のひらを向けたまま、ゲルダのところまで
歩いていった。
「なんでヴァルがここにいるの」
何となく敵意を感じる声で、ゲルダが訪ねる。
「いや、オレもコイツを追ってたんだよ。白い豹なんて、それはもう珍しいからな」
「あげないわよ」
「横取りなんてしねぇよ。ただ、誰が仕留めたか位は見ておきたいだろ」
欲しくないわけはないが、ヴァルの事をかなり警戒しているゲルダをみて、そんなことは
おくびにも出さず彼は答えた。
 しかし、こうやって見るとかなり大きな獲物だということが解る。これを仕留めたゲルダ
は、いや確かにたいしたものであった。
「それにしても、これを仕留めるなんて凄いな。良くやったじゃないか」
ほめられたゲルダは、ちょっと照れた表情をしてありがとうと言った。
 こんな表情を見ると、ゲルダは年相応の少女だとヴァルは思う。両親がいないせいで突っ張って
いるなどと集落の長は言うが、どうもそれだけではなさそうに思えた。
「でもねヴァル。わたしこんなおっきな獲物初めてなんだ。出会ったついでに、
解体するのてつだってくれる?」
「えっ?オレも手伝うのかよ」
 しまったと思ったが、手伝わないわけにはいかないであろう。とりあえずは、皮を剥いで肉を
落とし、燻して処理するまでのなめし処理を、初めてのゲルダがきちんとやれるとは思えない。
 それに、集落に戻るまで時間もかかるし、この際、ゲルダに教えられることを教えればよい。
 そう考えたヴァルはよしと頷き、猟刀と鉈を出すように促した。

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50_:2011/02/14(月) 00:27:31 ID:Ctf8sKm4
 白い豹から皮を剥ぎ、洗い、毛皮の肉を刀で落とし、燻す。頭骨はどうしようもないので、埋めて
目印を立てる。獣に掘り返されたり、他の種族が横取りしなければ、恐らく数ヶ月で掘り出せるであろう。
 幸いにも川が近くにあったため、作業は滞りなく進んだが、それでも全ての作業を終えたら、もう
あたりは暗くなっていた。
 毛皮を貼り付けて燻している小さな櫓が、まず倒れない事を確認すると、二人は水浴びをし、
その後たき火を囲んだ。
「それにしても良くやったな。まずはお祝いだ」
ヴァルはそう言うと、ゲルダに酒の入った水筒と乾し肉を手渡した、
「あれ?これって酒?私、成人じゃないのに飲んじゃってもいいの?」
「ふっふっふ。成人が何かって言うと、色々としちめんどくさくて、オレも決まりを全部知ってる
ワケじゃないんだけど、一人前と見なされる方法は、単に儀式を受けたり、身体が成長するという以外にもあるんだ。
一番端的なのが、今回ゲルダがやったことだ。山獅子・豹・熊のいずれかを独りで射止めた者は一人前の狩人、
つまり成人と見なされるんだぜ。いやホントは長達から認めてもらったりしないといけないんだけど、
お前がやったことはオレが見てたし、神様も見てる。だから大丈夫さ」
何となくけしかけられている気もしたが、うんと納得すると、ゲルダはまず、水筒を開けて一口中身を飲む。
初めて飲むそれは、最初冷たくのどから胃に染み渡り次にぶわっと暑さに変わる。
鼻を抜ける強い匂いと、喉を焦がす暑さ、そして癖のあるほろ苦さ。それ以外は良く解らなかった。
ああこれが酒というものか。そう思いながら水筒をヴァルに返し、乾し肉を咬む。
乾し肉の塩気が口いっぱいに広がった。同じものをいつも食べているのに、今日の乾し肉は最高だ。
考えてみれば、今日は何も食べずに作業をしていたのだ。
非常に骨の折れる仕事だったが、充足感はおおきい。そしてゲルダは、こんな作業を、いろいろと必要な
事を教えながら手伝ってくれたヴァルに心から感謝した
51名無しさん@ピンキー:2011/02/14(月) 00:28:33 ID:Ctf8sKm4
「ねぇヴァル」
「なんだい」
「…今日はありがと」
ゲルダはちょっとだけためらい、顔に血が上るのを感じながら感謝の言葉をかける。
「…いや、良いんだよ。次からは困らずに、一人で出来るようになるし」
「うん。ありがと」
ヴァルは、彼女の尾の先がぴくんと跳ね上がり、おまけに耳までぱたぱたさせているのを確認し、
照れているゲルダに少し意地悪をしたい気持ちを抑えつつ、つとめて普通に受け答えた。
「ところで…」
うん?と顔をあげたゲルダに、ヴァルは日頃から考えていたいた質問を投げかけた。
「どうしていつも無茶ばっかりやってるんだい?」
「…早く一人前になれれば、大人として認められれば、みんなに馬鹿にされないし…」
ゲルダは左膝を抱えると、少し上目遣いにヴァルをみやった。
「うん?」
「それに、ヴァルが私と結婚しろって長老に言われなくてすむわ?」
ヴァルはそれを聞いて頭を抱えた。いやそう言う事じゃないんだよ。それは誤解なんだ。
ゲルダは笑うと、さらに続けた。
「でも私。ヴァルとなら結婚してもいいよ?」
「おいおい!」
「う・そ」
体よくはぐらかされてしまったが、悪い気はしない。
「…でもね、早く一人前になりたいのは本当。私は両親がいないから、みんなに支えられてきた。
だから早く一人前になって役にたちたいの…」
ゲルダは、黙って話を聞いてくれるヴァルに、ひとりでぽつぽつと夢などを語りながら、
パチパチとはぜるたき火を見つめて、今日の出来事を思い出す。
矢を射たときの大きな手応えや、解体するときの内蔵の色や血の臭い。
それらを思う内に、内から発する熱っぽさと、下腹部に何か疼く物を感じる。
膝を抱えたまま、右の指先で疼くそこを数回撫でると、さらに熱っぽさが増した。
「…ヴァル。なんだか暑い」
気怠げなゲルダにヴァルが目を向けると、心なしか少し興奮しているように見えた。
恐らく、初めての事が多すぎるのと、作業の疲れが合わさっているのだろう。そう判断し、彼は
彼女に水浴びを奨めた。
「ああ、そう言えばずっと作業してたもんな。水浴びをしてこいよ」
ゲルダはゲルダで、うんと言った物の、たき火の光が届かない川は、なにか恐ろしげに見える。
月が出ているだけましと思われたが、それでも不安が大きい。
「…暗くなってて怖いから、一緒にあびようよ」
ヴァルはぽりぽりと頭をかくと、仕方ないと立ち上がった。そう言えば、二人とも結構汚れていた。

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52名無しさん@ピンキー:2011/02/14(月) 00:29:19 ID:Ctf8sKm4

結局、水浴びをしても暑さと気怠さはぬけなかった。疲れに加え、ただ一口だけの酒が思った
以上に効いたらしい。
じゃあ、お休み。
 ヴァルに背を向けて横になり、しばらく経ったものの、疲れと酔いがあるはずのゲルダはなぜか
全く寝付けないでいた。
 興奮が冷めるどころか、一日の出来事を思い出すごとに目がさえて仕方がなかった。しばらくの後
後方で寝息を立てはじめたヴァルをうらやましく思いながら、彼女はため息をついた。
 眠れない。それに、下腹部が熱っぽく疼く。
 ゲルダは太腿に両腕を挟むと、腰巻きの上から右手の人差し指で下腹部の割れ目をなぜた。
この奥が、疼きの原因なのだ。撫でても、その感覚は収まらず、むしろもっとそうしろと言わんばかり
に、さらに強く、熱っぽさを伴って訴えかけてくる。
(この奥を…)
ゲルダは、背中の気配を窺い、ヴァルが眠っていることを確認すると、腰巻きをたくし上げ、
まだ排泄をすることしか知らぬ場所に、指先を少し潜り込ませた。
 少しばかりの熱さと、粘膜はぬるぬるとした粘り気のある体液で濡れている。
 彼女は、その指を鼻面の先までもってくると、おそるおそる匂いをかぐ。尿とは違う匂い。
上気するのを感じ、ゲルダは慌ててその液体を腰巻きでぬぐい、そしてまた、そろそろと
割れ目をなぞる。
股をぐっと閉じたくなるような、腰が引けるような奇妙な快さに、ゲルダはしばし酔いしれた。

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53名無しさん@ピンキー:2011/02/14(月) 00:30:05 ID:Ctf8sKm4
 月の光が、水浴びをするゲルダの細くしまった身体を照らしている。
 彼女が動くたびに、その細かい褐色の鱗がぬらぬらと月光を反射し、水面に波紋が踊る。
 うつつのなか、ああ、これは夢なんだ。とヴァルは何故かそう感じていた。
先ほど一緒に水浴びしたときに、ゲルダの裸体を見たせいだ。それにまだゲルダはこんなに心を波立たせる
ほどなまめかしくは無かった。
ゲルダが近づいて、首にその細い手を絡ませてくる。鼻先と鼻先がふれ合い…
そしてヴァルは、おおきく息を吸い込むと、ふと目を覚ました。
 ほんのかすかだが、生臭く、そして熱い臭いがする。ああそうだ。この臭いがこんな妄想を
かき立てるのだ。ヴァルはまだ経験がなかったが、この臭いは雌の臭いだと直感した。誰だ。
こんな所に女は居ない…いや、自分のすぐ横に。
 背中越しに気配を探ると、なにやらもそもそとした動きと、押さえつけた、震えるような息づかいが
わかる。
 ヴァルは、身体の深いところから沸き立つ感情を抑えようとしてみたが、その匂いは抗しがたい
フェロモンであり、ヴァルの思考を蝕んでいく。
 普通ならば、夫婦にでもならないかぎり嗅ぐことのない匂いなのだ。
「それに、ヴァルが私と結婚しろって長老に言われなくてすむわ?」
いやそう言う事じゃないんだよ。それは誤解なんだ。
「本当に?他にも女は居たじゃないか?」
そんなささやきが聞こえる。
「でも私。ヴァルとなら結婚してもいいよ?」
どきりとした。いや。これは単に、女の匂いに惑わされた思考が、都合の良い答えを出している
だけなのだ…
だが、そんな考えとは裏腹に、ヴァルの雄は硬く屹立し、雌に抱かれたいと脈打っている。
ヴァルは左手でそれをつかみ、ゲルダに気取られないようにゆっくりと動かす。
それは奇妙な光景だった。背中合わせの男女が、動けばふれあうほどに近いにも関わらず、互いに
気取られないように自分を慰めている。
54名無しさん@ピンキー:2011/02/14(月) 00:30:53 ID:Ctf8sKm4
 じんわりとした先走りが、親指の先に糸を引いた。
(オレはバカだ)
ヴァルはゆっくりと上半身を起こして後ろを向いた。その突然の気配に、ゲルダはびくりと身を
すくませる。
彼はゆっくりと寝そべると、身を固くしたゲルダを後ろから抱きよせる。
柔らかい…暖かい…
密着したゲルダの背中から、彼女の体温と、自分より少し早い鼓動が伝わってくる。
(…大丈夫。怖くないから)
うなじの匂いを嗅ぎながら、ぼそぼそとつぶやく。
(…うん)
ヴァルは、ゲルダの柔らかいたてがみと長い耳を、鼻先と唇で愛撫する。
かれの指先は、ふくらんだ胸を過ぎ、ほどよく筋肉のついた腹を通り、すでに湿っている場所
へとたどり着く。中指で孔の上をなぞると、ゲルダは少し腰を引き、そしてヴァルの手に自分の
手を重ねた。
触り合いはだんだんと熱を帯び、気づかぬちに向かい合ってまさぐりあう。
ゲルダは鼻先を上げ、潤んだ瞳を向ける。二人の唇が触れる。息が上がり呼気にあえぎが混じる。
熱い吐息が混ざり合い、舌と牙が絡み合う。
ゲルダはヴァルの首にその細い手を絡ませ、ヴァルはゲルダの腰を引き寄せる。
初めての瞬間は、二人の上をあまりにもあっけなく過ぎた。そのことについて二人は何の感慨も
持たず、あるのはただ迎え入れた喜びと受け入れられた喜びだ。
体表より少し暖かく、ぬめりを帯びた海は浅く深く雄の本能を刺激する。
二人は確かめ合いながら、だんだんと押し寄せるものを感じていた。
やがて組み敷かれていたゲルダが、ヴァルの腰に足を絡ませぐっと力を込め、身体を震わせた。
ヴァルの太い尾が跳ね、まだその場に押しとどまろうと虚しい抵抗をする。
しかし、それは押し寄せる波にとってささやかな抵抗にすらならなかった。
打ち付けられた波はヴァルをさらって白い飛沫をたてる。
彼は深淵に思いを送り届けると、一等深くゲルダを抱きしめた。
(ゲルダ。愛してる…順番が逆だったけれど)
(…うん)
ゲルダは、ヴァルの硬いたてがみをぐしゃぐしゃと撫で、鼻先を上げた。
ヴァルはそれに応じて長い鼻面をすりあわせる。
合わせた胸から、互いの鼓動が伝わってくる。ヴァルはゲルダを優しく包み込むと、彼女が
目を閉じるのを見届けてから、自分も目を閉じた。
(おやすみ)
(おやすみなさい)

-----------------------------------------------------

村に帰り着いた二人は、ゲルダの射殺した豹を、村長達にみせた。
「ほお。これはまたでかい豹じゃのう。これをゲルダが一人で!」
村長達は、持ち帰った豹を見て驚きの声を上げた。大きな上に白豹だ。
「ゲルダは、もう一人前と見てもよさそうじゃな」
ここまでは二人の予想通り。
「まあ、じゃから昨晩二人で何をしていたかなど野暮なことは聞かないよ」
「なに。様子を見ればわかるわい。伊達に長生きしとらんて」
目を丸くする二人に老人はこともなげにいう。
「ほれヴァルや。今度は、お前さんがでかい獲物を捕まえてくるんじゃ。豹を捕る嫁に負けてなぞ
おられんぞ!」
「うわぁ。行ってきます!」
55名無しさん@ピンキー:2011/02/14(月) 00:31:43 ID:Ctf8sKm4
-----------------------------------------------------

終わりです。エロ控えめですごめんなさい。
56名無しさん@ピンキー:2011/02/14(月) 06:49:45 ID:N0+NezaH
おお!投下があったのか
今夜読ませてもらう
とりあえず投下乙
57名無しさん@ピンキー:2011/02/15(火) 21:21:25 ID:tgjk0QLp
(´・ω・`)
58名無しさん@ピンキー:2011/02/15(火) 21:33:51 ID:5oANmzLp
>>55
初々しい感じでエロスというよりなんだか和んだ
ごちそうさまでした
59名無しさん@ピンキー:2011/02/21(月) 15:02:06.91 ID:w5Fvdu/9
かなり前に見たCAPCOMvsSNKの獣化、魔獣化を集めた動画が見つからない…
グギギ
60名無しさん@ピンキー:2011/02/21(月) 15:05:13.73 ID:w5Fvdu/9
ニコニコがググったら案外簡単に見つかった
http://www.nicovideo.jp/watch/sm3707918
61名無しさん@ピンキー:2011/02/21(月) 20:57:26.81 ID:gilSoYgX
>>58
感想ありがとう。

全オレが泣いた。もっとイイのがんばって書くよ。
62名無しさん@ピンキー:2011/02/26(土) 17:52:15.43 ID:JCctOvZ2
ほっしゅ
63名無しさん@ピンキー:2011/02/27(日) 01:20:35.27 ID:dTQJZq7I
>>55
乙です。

ちょっと気になったのが、>>50で水浴びをしたのに、その後でまた水浴びをしたとこかな。
64名無しさん@ピンキー:2011/02/27(日) 20:41:29.97 ID:ODJEWk2m
>>63
まとめてた断片や、書きかけの物からつぎはぎしたらかぶっちゃいましたorz
まあ、えーと、熱いならクールダウンしてこいよという感じでお願いします。
65名無しさん@ピンキー:2011/03/05(土) 16:54:15.45 ID:dbHREZ+O
動物がヤラレ役だと心が痛い
66名無しさん@ピンキー:2011/03/06(日) 10:13:44.59 ID:s3iPSVPJ
>>65
だけどそれが生意気ショタ獣人なら…?
67名無しさん@ピンキー:2011/03/06(日) 12:17:22.17 ID:2cRf5LOl
もっと痛いです
68名無しさん@ピンキー:2011/03/06(日) 13:43:03.10 ID:mNAgKI6j
だがそれがいい
69名無しさん@ピンキー:2011/03/09(水) 05:43:37.66 ID:PTNOG7eg
偶蹄目や奇蹄目の獣人の手や指の構造はどうなるんだろ
やっり蹄の指がいいのかな
70名無しさん@ピンキー:2011/03/09(水) 21:31:33.68 ID:VWNs4i3F
自分の書きたい話やシチュエーションに合わせた都合で自分で決めていいと思うよ

楽器演奏や小物作りとか手先を使うことやらせたいならヒト手でもいいし
そこまで器用じゃなくてもいいけどモノを掴める程度の機能は欲しいなら
ゴツゴツしてるけど一応は指状に分かれてるとか、機械や魔法を使った補助手袋・義手とか
完全蹄でも、不器用さを補うパートナーが居る凸凹コンビものから
手が使えないのをいいことに一方的に色々やっちゃうプレイまでできそうだし

……手淫してもらうならモノ掴める方が良いかとも思うが
ローションたっぷり染み込ませた靴下でも手袋代わりにかぶせて蹄コキというのも
フェチな責めとしてイイかも知れないと思う俺変態
71名無しさん@ピンキー:2011/03/09(水) 22:31:05.56 ID:WZ6Do8At
>>70
もし豚TFなら、手が蹄になってる=アソコも豚のものになってる可能性があると思うんだけど
螺旋状のブツを蹄コキして気持ちいいのかな?
念入りに揉む様にすればいいのかw

蹄になったことでの不器用さ、不自由さが出てくるのは萌えるよね。
手が使えないので犬、いや豚食いしなければいけなくなったり、
四つん這いになったことで上手く動けないのを利用して後ろから襲ったりとか色々妄想できるw
72名無しさん@ピンキー:2011/03/09(水) 23:03:21.56 ID:VWNs4i3F
落ち着け
誰もTFとは言ってないし豚とも言ってないし
蹄コキはどちらかと言えば、おっとり牛娘に奉仕気味にやってもらうか
強気馬娘にS的にやってもらうイメージだったし

いや大好きだけどね!豚もTFも!
73名無しさん@ピンキー:2011/03/10(木) 01:02:52.60 ID:UcSlc3ZA
すまん早とちりしすぎた!<notTFnot豚

好きすぎてつい先走ってしまうのは悪い癖だなー
この無駄な情熱を創作にむけてみようか
74名無しさん@ピンキー:2011/03/10(木) 07:30:23.35 ID:OZ+ndO87
そこは
「豚とは言ってない?じゃあ豚のことしか考えられない身体にしてやんよ」と言って
>>71×>>70のTSTF物語が展開されるのを見たかった
75_:2011/03/10(木) 08:08:55.24 ID:M2mgR9p0
豚TF厨うぜぇな。せめて人外スレでやれよ。
76名無しさん@ピンキー:2011/03/10(木) 09:05:06.12 ID:iOvOA52Q
一週間書き込みがなかったりする過疎よりはまぁいいんじゃね?

>>69
いろいろやるのに必要だろうし手は人間型でもいいけど
せっかくのケモなんだし足はケモ足やヒヅメ足がいいな
足ならそんなに器用さなくても困らないだろうし
77名無しさん@ピンキー:2011/03/10(木) 10:47:39.52 ID:M2mgR9p0
>>76
豚のやつは、ケモノジャンルとかよりむしろ、容姿的な辱め、SM的倒錯とTFの話しかしないからね。
なんつーか、ケモノに興味ないホモが、ケモホモを隠れ蓑にしてるような気分の悪さを感じる。
それは置いといても、TF好きならTFスレに行って心置きなく語ってほしいところ。

オレは足はその動物のままで、手は人の手に対象の属性を乗せている。
足は飛んだり跳ねたり走ったりする能力に直結するからね。人の足のまま岩場を軽々と踏破したり
方向転換のときに強烈なグリップ力を発揮とかできないし。
でもやはり手は難しいな。海外絵師がかく、人の手の指先が蹄になってるとかはアイディアとしては
いいんだけどねぇ…ねぇ…?
78名無しさん@ピンキー:2011/03/10(木) 11:01:42.77 ID:vXfOQfJL
なんか自治気取りがいるけど無視したほうが良さげだね。
意味のわからない気分の悪さを押し付けられてもねぇ…ねぇ…?


それは置いといても、容姿的な辱めやSM的倒錯の話の何が悪いのかね。
それを言い出したら、>>1にあるとおり雑談自体よしたほうが良いと思うわ。
79名無しさん@ピンキー:2011/03/10(木) 11:18:43.65 ID:M2mgR9p0
>>78
黙れよ豚野郎。って罵ってほしいの?

仮に、「容姿的な辱めやSM的倒錯の話の何が悪いのかね。 」
この一文を撤回するとして、TF談義はTFスレでやれっていうのは無視するの?
貴殿におかれましては、その部分はいかように捉えておいででしょうか?ねぇ…ねぇ…?

まあいいや。豚をNGワードにしておこう。

80名無しさん@ピンキー:2011/03/10(木) 11:42:37.61 ID:UcSlc3ZA
・ママーリand常時sage推奨。とりあえず獣のごとくのほほんと、Hはハゲシク。
・荒らし・煽り・板違い・基地外は完全スルーしましょう。
まあ、TF談義はTFスレでやれってのはともかく
>なんつーか、ケモノに興味ないホモが、ケモホモを隠れ蓑にしてるような気分の悪さを感じる。
って自分から下種な勘ぐりで喧嘩売ってるのは馬鹿なの?マジキチなの?とは思うよ
わりとマジで。そもそもここTF禁止ではないわけで。
81名無しさん@ピンキー:2011/03/10(木) 11:48:37.31 ID:vXfOQfJL
頭悪いなぁなら最初からNG入れろよカス。
ごちゃごちゃ言う前にやれよ。
82名無しさん@ピンキー:2011/03/10(木) 11:56:44.47 ID:M2mgR9p0
>>80
単に住み分けをして欲しいのだが。何のためにTFすれあるの?
と思ったらスレタイに獣化まで入ってたのか。ハァ。申し訳ございませんでした。

>>81
頭悪さはお互い様ですね。貴殿の申し様には特になにも言いませんが。ねぇ…ねぇ…?
83名無しさん@ピンキー:2011/03/10(木) 12:04:00.43 ID:vXfOQfJL
さすが池沼さんいちいち一言多いんだな。
まともに謝ることすら出来ないという…。


スレタイも見えないめくらは怖いね。ハァ。
84名無しさん@ピンキー:2011/03/10(木) 12:18:25.86 ID:M2mgR9p0
>>83
いえいえ、勘違いしていただいては困りますが、貴殿には謝っておりませんよ。
本当はレスするのも穢れるので嫌なんですが、誤解されると困りますので ;^^
品性の下劣さは、触るだけでも移ってしまうもので。ハァ。
85名無しさん@ピンキー:2011/03/10(木) 13:29:36.89 ID:UcSlc3ZA
ここで喧嘩されるほうが迷惑&スレチなんですが・・・
86名無しさん@ピンキー:2011/03/10(木) 14:32:07.68 ID:iOvOA52Q
暴れてんのは二人だけだしNGで平和

ヒヅメプレイ談義とかもちゃんと獣人要素絡んでたから問題ないだろ別に
87名無しさん@ピンキー:2011/03/10(木) 15:25:17.30 ID:2us1rvKx
話題を振って後々にスレを見たら大変なことに
そういえばナルニアに出ている大きな獣人いいね
88名無しさん@ピンキー:2011/03/10(木) 16:02:05.89 ID:XlIFTS5t
>>87
おお同志がいた!
あれってミノタウロスかな、顔が牛っぽかったけど
89名無しさん@ピンキー:2011/03/10(木) 23:49:15.95 ID:KAkTQ581
ナルニア映画の監督って、明らかに亜人フェチだよな
前2作でも原作に出てない・大して出番のないケンタウロスやミノタウロスが大活躍しすぎだったし
90名無しさん@ピンキー:2011/03/10(木) 23:51:40.22 ID:KAkTQ581
なんか書き方が間違ってた

原作に(名ありキャラとして)出てない、ね
91名無しさん@ピンキー:2011/03/11(金) 00:06:25.85 ID:ShI/z/51
セントールが、儀仗兵みたいに剣でアーチ作ったシーンはなかなかかこいいな
92名無しさん@ピンキー:2011/03/15(火) 01:13:34.37 ID:DgGuRThQ
ちがうそれケンタウルスや。
93名無しさん@ピンキー:2011/03/15(火) 01:17:50.98 ID:ZQ8t1Beg
セントール=ケンタウロスやで
94名無しさん@ピンキー:2011/03/15(火) 02:27:02.72 ID:JB/Cb2rg
瀬田訳だと「セントール」表記なんだよね
あと「パン」じゃなくて「フォーン」とか
95名無しさん@ピンキー:2011/03/15(火) 08:03:09.82 ID:gF61xOjH
名前とかどうでもいいからナルニア本スレでやれ
96名無しさん@ピンキー:2011/03/15(火) 08:53:24.91 ID:OymOf0rl
何という度量の小ささ
97名無しさん@ピンキー:2011/03/15(火) 09:00:48.52 ID:gF61xOjH
お前のずうずうしさには負ける
98名無しさん@ピンキー:2011/03/15(火) 10:19:12.27 ID:8Oz779j0
この前からあの話題は駄目この話題は駄目とうるさいのがいるな
ちゃんと獣人・亜人に関する話をしてるのに何なんだ
逆に何の話題ならいいのか教えろというかむしろ自分で話題提供しろ作品投下しろ
99名無しさん@ピンキー:2011/03/15(火) 11:23:00.21 ID:tHrKU5Y0
仏語読みするか英語読みするかの違い。
100名無しさん@ピンキー:2011/03/15(火) 12:32:59.29 ID:peROTFcy
獣人の話題を降るのはいいけてどマニアックな話になると本スレで〜ってことかと
101名無しさん@ピンキー:2011/03/16(水) 03:00:58.38 ID:XgmcedD9
話題無いし それくらい良いと思うんだが、お客様の査定は厳しいでござるな。
102名無しさん@ピンキー:2011/03/16(水) 06:58:55.33 ID:aY2NaXrI
獣化現象を発生させる何かに作用され獣人化して、
そこから更に何らかの獣化作用を受けてよりケモノ度の高い獣人に変化(活性化?)するシチュに萌える
人間に戻るどころかより深くケモノに染まるような、獣人化してから更に獣化するような感じ。
まあ滅多にないけど
103名無しさん@ピンキー:2011/03/16(水) 08:51:57.72 ID:uJqhTtUt
人間→狼男→狼みたいな?
人間→半獣人→獣人て感じか
104名無しさん@ピンキー:2011/03/16(水) 15:08:52.38 ID:aY2NaXrI
とりあえず獣化、獣人化が複数段階ある感じかと
限界を超えたり進化するのもありかな
ただでさえ獣人に獣化しているのに更に何かに作用されケモノ度が上がり、
見た目や強さ、本能が格段に変化し人に戻るどころか離れてしまう内容が好き
家畜な獣人やバリバリの戦闘タイプや愛玩動物系とかが一層ケモノらしくなる展開に萌える
105名無しさん@ピンキー:2011/03/16(水) 15:59:49.60 ID:l4PxML/c
>>104
分かる、分かるぞその気持ち
106名無しさん@ピンキー:2011/03/16(水) 18:32:31.00 ID:JBM3tqNh
なんだか凄く魅力的な響きだが
四足歩行レベルまで動物化すると体位やプレイの自由度が制限されたりしそうでバランスが難しそうだな
ある程度知性残さないとただの動物になるし
107名無しさん@ピンキー:2011/03/16(水) 20:51:06.81 ID:1+9TUle5
>>69-70あたりで出てた話を参考に
「人→物を掴めるし人語も喋れる獣人→かろうじて獣人型だが物も掴めず喋れない」
という変化も良いんじゃなかろうか
108名無しさん@ピンキー:2011/03/16(水) 21:01:59.32 ID:QWffuEl7
>>102
デジモンフロンティアという単語が脳裏を横切るのであった
109名無しさん@ピンキー:2011/03/16(水) 22:23:11.66 ID:aY2NaXrI
>>108
ああチャックモンやブリザーモンは良かった色々ギャップとかがあって
110名無しさん@ピンキー:2011/03/16(水) 22:44:00.78 ID:aY2NaXrI
>>106
完全に獣になるのもよかったり馬とか
>>107
そういうのが一番萌えるかも
111名無しさん@ピンキー:2011/03/16(水) 23:38:11.89 ID:8PrKfA5w
おしりどうやって拭くの(´;ω;`)
動物は拭かなくても良いようにできてるんだよ

お箸持てないよ(´;ω;`)
皿から直接食べればいいじゃない

立ってあるけないよ(´;ω;`)
四つ足が基本なんだ

感覚がおかしいよ!目がよく見えないし周りの臭いが強すぎるし、うるさすぎるよ!(´;ω;`)
早く慣れようね。
112名無しさん@ピンキー:2011/03/17(木) 10:44:54.10 ID:43NauhP0
問題は、その後どうやって絡みに発展させるかだなー
獣化と戸惑いで終わってしまったら変身スレ向きになってしまうし…

「こんな姿になってしまったけど私を愛してくれる?」とか
ケモノの荒々しい本能赴くままの〜って感じでいけばいいか?
113名無しさん@ピンキー:2011/03/17(木) 21:30:04.83 ID:4EV7Yc1D
モチのロン!たっぷり可愛がってね!
114名無しさん@ピンキー:2011/03/18(金) 17:07:12.31 ID:+85CXENM
>>112
君が一番興奮すると思うことで書くんだ
どれだけ変態的であろうと皆受け入れてくれるだろう
115金と銅貨のワルツ:2011/03/21(月) 06:56:53.55 ID:R1wiEatv


新しいのを書いてみまたしたので投下してみます。
今回もよろしくお願いします。


116金と銅貨のワルツ:2011/03/21(月) 07:02:43.12 ID:R1wiEatv


突然ですが、申し訳ありません。家のPCからだと上手く連投出来ないようです……。
夜に再び、別の場所から投下してみます。
お騒がせしてスイマセン。
117名無しさん@ピンキー:2011/03/21(月) 17:15:42.93 ID:lZ1LrlGh
>>115
新作wktk
今規制凄いからね
これも書き込めるかどうか心配
118金と銅貨のワルツ:2011/03/21(月) 19:03:12.31 ID:R1wiEatv


朝は失礼しました。投下は別の場所からと言いましたが、地元のネカフェが全滅していました……。
かなりの時間、スレを占有してしまいますが自宅より投下させていただきます。
今回もよろしくお願いします。

119金と銅貨のワルツ:2011/03/21(月) 19:05:18.95 ID:R1wiEatv
【 1 】


 後悔が無いという訳ではない――否、レェスはこの後に及んでもなお悩んでいる。
 なぜなら自分は今、送迎の馬車(ブルーム)に揺られて街の遊郭へ向かおうとしているのだから。

 伸びた鼻頭(ノズル)と鋭角に立った大きな耳、そして茶の毛並みもふくよかに外へ丸まった大きな尾のレェスは、
世間一般では犬狼型に分類される獣人である。
 今年の四月――晴れて成人し親元を離れた彼は、故郷より遠く離れた帝都の街中に居た。大概の若者達がそうで
あるように、田舎暮らしで華の時間を浪費してしまうことを惜しんだレェスは、「自分試し」などという説得力の
かけらもない理由をつけて離郷を果たしたのだ。
 そんな世間知らずの田舎者にとって都会の風はそれなりに強く冷たいものではあったが、それでも日々そこで感
じる未知の世界はレェスの愚かな独立心を励ましてやまなかった。自分は生涯をここで生き、そしてここで死ぬの
だと、もはや使命感にも似た感動(かんちがい)を胸に抱いたほどである。
 しかしながらそんな生活も半年が過ぎると途端にその光(いろ)を失っていった。
 せわしない都会の時間(ながれ)にも慣れ、仕事も憶えてサボりの要領を得てくると、途端にレェスは脱力した。
 このままでいいのか? 結局は、ここでも自分はつまらない仕事に時間を浪費していくばかりなのではないの
か? ――朝目覚めると、いつもそんなことを自問した。……しかしながらそれも、哲学などといった崇高な命題
ではなく、単に仕事をサボりたいが故に起き上る自堕落で甘えた妄想ではあるのだが。
 とはいえしかし。それに気付けぬレェスにとってのそれは、今の自分を崩壊せしめぬほどに重要な問題であった
のだ。
 しかしながら若者ゆえの浅はかで計る問題のこと、その解決策は実にあっさりと彼の中で紡ぎだされた。

『 そうだ、彼女を作ろう! 』

 要は寂しかった訳である。
 都会暮らしに慣れて余裕が出てくると、途端に独り身が沁みた。しかしながら、望郷や人恋しさを認めてしまう
のは、少年のちっぽけなプライドが許さない。
 ゆえに遠回りに自分探しなどを考えさせて、その寂しさを紛らわせるパートナー探しを理想(ハードボイルド)の
自分に認めさせたという訳であった。
 そう結論づくとにわかにレェスの生活は活気を取り戻す。
 まずは職場において、そんな運命の相手がいないかどうかを検討した。
 レェスの通うレンガ工場は街でも一番の規模を持つ老舗で、工場内には常に50人以上の人足がいた。
 しかしながらそこの働き手達は全てが男であり、しかもそのどれもが中高年の世代という有り様。唯一の若衆は
レェスただ一人だけである。
 ならば事務職には? ――と考え、経理を始めとする事務所や営業もしらみつぶしに探してはみたが、どれも
似たり寄ったり。そこにおける数少ない女達もまた、「とうの立った」おばちゃん達ばかりと、ロマンスの予感は
微塵も感じられなかった。
120金と銅貨のワルツ:2011/03/21(月) 19:08:41.37 ID:R1wiEatv
 そうして危機感を募らせるうちに、最初は単なる『寂しがり(ホームシック)』であったはずの心の隙間は、次第に
『強迫観念』へと変わっていった。
「このままでは自己が崩壊する」――若者特有の陳腐で無根拠な思い込みではあるのだがしかし、等の本人である
ところのレェスにとっては重大な問題である。
 それを苦悶する生活に重いストレスを感じ始めた彼は、日に日に疲弊していった。
 毛並みは艶を無くし、耳と尾は常に垂れ、鼻は乾き視線も俯きがちとなった。そんな傍目からからも見て取れる
レェスの疲弊ぶりを見かねて、彼の雇い主でもあるところの工場長がついにレェスへと声を掛ける。
 そこにて、初めてレェスは己の悩みを他人へと打ち明けたのであった。
 レェスの話を終始無言で聞いていた工場長ではあったが、その時々で笑いを堪えかねては何度も咳払いをした。
他人のそんな青臭さがなんともこそばゆいのだ。
 そして全ての話を聞き終えるや、
『 レェス。お前さんは童貞かい? 』
 そんなことをレェスに問いただした。
 その質問に慌てふためき、はたまたどうにか無頼な自分を取り繕おうとしたもののそこは経験の差――緩急織り
交ぜた工場長の話術に翻弄され、たちどころにレェスは『一八歳(こども)の自分』へと丸裸にされてしまった。
 そうなると素直なもので、レェスは率直に今の不安と問題解決の糸口を工場長に求めた。
 そんな折、彼から返された返事(こたえ)こそが―――
『 一度でいいから女でも抱いてみろ。もしかしたら考え方が変わるかもしれない 』
 そんな中身の有るような無いような、なんとも無責任な答えであった。
 正直その時のレェスも、そんな工場長の言葉に何一つ琴線を震わせられる事が無かったものだから、ただ「はぁ」
と空返事を返しただけであったが――事件はそれから4日後に起きた。
 いつものように仕事を終えたレェスは件の工場長から呼び止められる。
 そして一枚のカードを手渡されたと思うと、
『 明日の休みにこの店へ行け。役所前に迎えの馬車が来ている筈だから、それの御者に声を掛ければあとは万事、
向こうがよろしくやってくれる 』
 工場長はそう言って武骨な笑みを見せた。それこそは、とある娼館への招待状であった。
 代金は自分で工面するようにと言われた。金貨一枚分であるそうな。言うまでもなく大金である。
 しかしながら初めての風俗というシチュエーションに発奮してしまったレェスには、そんな金額の高低など気に
はならなくなっていた。その時はただただ緊張し、そして胸ときめかせた。
 自室に帰ってからも、食事すら忘れて貰った名刺を眺めて過ごす。
 普段の生活において目にしたことすら無いほど奇麗に精製された紙面に繊維の屑などは一本として見当たらない。
麦の穂のよう、かすかに金色を含んだ色合いのカードには、達筆の書体で『Nine・Tail(九尾娘)』と店名が印刷され
ており、さらにはその隣にレェスの名前が「様」を付けて書かれていた。
 なんどもそれを見つめ、さらには匂いなど嗅いだりしてはレェスは妄想を膨らませる。
 いったいこの場所で何をするものなのだろう?
 それこそ己の持つありとあらゆる知識を動員して淫靡な妄想にふけろうと考えるも――結局それらは何一つ実体
を持たず、ただ行き場のない情動となって胸を焦がすばかりであった。
121金と銅貨のワルツ:2011/03/21(月) 19:11:00.16 ID:R1wiEatv
 そこにおいてようやくレェスは、自分が何も知らない「子供」であったことを自覚する。
 思えば女の子と接触を持ったことなどは、田舎に居た時からなかった。
 もし故郷において齢相応の相手に巡り合えていたのならば、自分はこんな都会に出ることもなかったのではない
か、などと妄想する。
 平凡ではあるものの、つましく楽しい毎日を生涯の伴侶と送り、家業の酪農に精を出すのだ。……そんな妄想の
中の自分に、レェスは思わぬ寂しさを感じて大きく鼻をすすった。
「もう……取り戻せない生活だ」
 そんなことを呟いて目頭をきつく閉じると、涙が一筋頬を伝った。
 傍から見れば「何を言うか」とツッコミたくもなる。況やまだ18の子供が、だ。
 そう思うのならばすぐにでも故郷に戻って家業でも婚活でも、好きにすれば良いのだろうがとかくこの年代の
若者は、何かというと破滅的な方向にばかり未来を考えては悲観して、その主役であるところの自分に陶酔して
過ごすものなのであろう。
 閑話休題。
 そうまで考えながら明日の日を待ち望む傍ら、とはいえ今回の初風俗を素直に受け入れられぬ想いもあった。
 それこそは今日のトラブルにいたる元凶ともなった、ちっぽけな『プライド』に他ならない。
「これは……男のするべきことなんだろうか?」
 寂しいだ破滅だと散々のたまっておきながら、この期に及んでレェスは考え込んでしまった。
 風俗――すなわちは『女を金で買う』という行為を思い悩んでしまった訳である。
 些細な疑念であったはずのそれも、そう思い込むと途端に心の中を占める割合を大きくしていった。
 とはいえしかし、風俗にも行きたい――良心と本能、プライドとスケベ心との狭間でその夜、レェスは眠れぬ
まま煩悶し続けるのであった。
 そして翌日の夕刻、彼は約束の場所である役所前に―――居た。
 結局はスケベ心が勝った。とはいえしかし、それに心が傾いたのは本当に僅かな差異に他ならない。事実いまも、
胸の内では葛藤が続いている。そんな今の状況はむしろ、寂しさに打ちひしがれていた時よりも激しく心を乱して
いた。
 斯様にして情緒不安定なレェスへと、
『 レェス様、でいらっしゃいますか? 』
 何者か声が掛けられた。低く落ち着いた男のものである。
 それに驚いて振り返ればそこには、テールコートの正装に身を包んだ紳士が一人。
 年の頃は四〇代半ばといったところか。僅かに胸を張り背筋を正したその立ち居は、自然な振る舞いでありなが
らも慇懃で折り目正しく、けっして己を卑下をしない「強い男」の印象をレェスへと憶えさせた。
 とはいえその「強さ」もけっして腕力や、権力を背景にした脅しじみたものではない。
 いうなればそれは、この男が持つ自己への誇りと自信に他ならないのだろう。
 口にはせずとも彼が、己の仕事に気高いプライドと固い意志とを以て挑んでいることがはっきりと見て取れた。
まだ、彼が何者か聞いてもいないにも拘わらずである。
 そんな紳士の落ち着いた雰囲気に包まれて、混乱の極みにあったレェスも沈静化する。
『 レェス様でいらっしゃいますか? 』
 そして再度の紳士からの問いに、ようやく我に返ったレェスは大きく頷くのであった。
122金と銅貨のワルツ:2011/03/21(月) 19:13:41.86 ID:R1wiEatv
『 お待たせいたしました。私は、「Nine・Tail」からの使いの者であります。レェス様をお迎えにあがりました。
こちらへどうぞ 』
 渡されたレェスの名刺を確認して一礼をすると、紳士は泰然自若とした振る舞いで半身を開きレェスへと道をあ
ける。そうして誘うよう右手を泳がせたその先には、黒塗りの馬車が一台停められているのだった。
 そんな馬車の壮観にレェスは思わず息を飲む。
 自分の身の丈ほどの車輪を四環搭載し、さらには楕円の円蓋を被せた粋な造りのそれは見るからに優雅で美しい。
 さらにはその中に誘われて、今度は息を止めた。
 赤を基調に、向かい合うように設置されたソファは質素な造作ながらも造りが実に細やかで、背もたれに施され
た刺繍ひとつをとっても細部まで実に手が込んでいた。さらにはその手触り、はたまた硬すぎず柔らかすぎない
座り心地からは相当にこれが高価なものだということを貧民のレェスにすら実感させる。
 それら自分の日常からは完全にかけ離れた、別世界の物に触れるということにレェスは躊躇いすら覚えずにはい
られない。
 それらに比べて今日の自分はといえば、一張羅のジャケットにハンチング帽。シャツとパンツにはそれなりの物を
身にまとっては来たが、それでも目の前の馬車やそれの御者たる紳士のそれに比べれば、月とすっぽんほどに今の
自分は滑稽に思えた。
 そうしてそれらに圧倒されるまま馬車の中に閉じ込められると、御者は外套(マント)を羽織り馬車を発進させる。

 かくして運命の車輪は動きだしてしまった。
 後悔が無いという訳ではない――否、レェスはこの後に及んでもなお悩んでいる。
 なぜなら自分は今、街の遊郭へと向かおうとしているのだから。

123金と銅貨のワルツ:2011/03/21(月) 19:15:44.78 ID:R1wiEatv
【 2 】


 目的地である娼館『Nine・Tail』は、遊郭街の外れにあった。
 入口に近い通りには原色を散りばめた派手な看板の、一目でそれと判る店が多かったのに比べ、件のNine・Tail
がある一角は一見したならば高級住宅街かと見紛わんばかりに閑静で趣のある建物が並ぶ通りである。
 そしてその中の一つである、一際大きい洋館が今居る店であった。
 入店し待合室に通されたレェスは、緊張から味の判らぬ紅茶に舌を焼いていた。
 室内の壁面に備え付けられたソファーはコの字を描くようにして設置されており、その前には小型のテーブルが
個別に何基も備え付けられていた。その上にはそれぞれ重厚なガラスの灰皿とライターとが置かれ、そんな自分の
机そこにはさらに紅茶とおしぼりがある。
 とりあえずここで待つように指示されたレェスは、緊張から何度も部屋の中を見渡しては、ここに至るまでの
経緯を思い出すのであった。
 入店と同時にレェスは、入口正面に設けられたロビーにて再度の名刺提示を求められた。続いて『入館料』と
称した金銭の提示に、レェスは虎の子の金貨一枚を支払う。受付もまたそれを受け取ると、銀貨二枚をレェスへと
返した。
 料金は金貨一枚分と聞かされていたレェスだけに、これには大いに困惑した。そんなレェスの混乱を察し受付の
紳士は、『その残りはお相手を務める給仕にお渡しください』と笑顔で諭してくれたのであった。
 どうやらこの手の店はまず店側に『入館料』を支払い、さらには相手となる娼婦に残りの金額を支払うという
仕組みらしい。なんとも困惑する。
「早まったかなぁ……金貨一枚分は高いよなぁ」
 呟き、手の中で握りっぱなしであった銀貨二枚を見下ろす。この金とて、工場に勤め始めてから今日に至るまで
に貯めたレェスの血肉のような銭である。それを、手元に形の残らぬこのような遊行に使ってしまうことへレェス
はなんとも強い抵抗を感じていた。
――これだけあったらコートが買えた……ブーツだって買えるし、
  飯だって好きなものが食える。
 そう考えだすとどんどん思考は所帯じみて、いつもの妄想も現実味を帯びてくる。
――チョコだって食える。肉だって食える。パンだって好きなだけ。
  フルーツだってそりゃあもう。大判コロッケもいい。いくらどぶ漬けか。さんま焼き
  だっていいぞ、そこに生ゆば刺しなどつけるか。岩のり250円も渋いな……。
 そうしてすっかり現実逃避をして自分の妄想(せかい)に入るレェスへと、
『お待たせいしました、レェス様。ご案内いたします』
「ッ!? こ、こっちもうな丼ください!」
『――はい?』
 案内係の存在に気付けずにいたレェスは、その突如の声に思わず両肩を跳ね上がらせた。
『いかがなさいましたか、レェス様?』
「え? あ……い、いや何でも。ははは」
 怪訝な案内役の表情に我へと返ったレェスは、つい自分の奇行を笑ってごまかす。同時に、その瞬間が訪れたことを
瞬時に理解する。それゆえにさらに混乱する。
124金と銅貨のワルツ:2011/03/21(月) 19:18:32.58 ID:R1wiEatv
――ついに……ついに女の子と……!
 心臓は鼓楽器よろしくに、その音が喉から漏れているのではないかと心配するほど強く胸を叩いている。
 目の前を歩く案内役の背に、レェスはこれから会うであろう嬢を妄想した。
――猫型の華奢な子が来るんだろうか? それとも白兎の純情そうな子とか? 
   いやいや、もしかしたらオイラと同じ犬の娘なんてことも……!
 様々な美少女達が案内役(エンコート)の背に浮かび上がっては消える。
 やがて目の前を行くその背が止まった。
『こちらからは御一人でどうか。――どうぞお楽しみくださいませ』
 体を開いてレェスの前へ道をあけると、案内役は深々と頭を垂れた。
 そんな目の前には巨大なカーテンが壁のように通路を塞いでいる。
 いったいこれからどう行動したらいいものだろうと困惑するレェスではあったが、目の前のカーテンそこにスリ
ットが通っていることを発見した。
 どうやら二枚を重ね合わせてある造りらしい。それを前に一歩踏み出すと、レェスはその隙間へと体を進入させ
た。
 シルクのカーテンの質感それを鼻先に感じながらそこを潜り切ったその先には―――

「はじめまして。お待ちしておりました」

 柔らかく、そして落ち着いた声。
 その瞬間、レェスは金色(こんじき)の風を見た。斜陽に輝く夕暮れの稲穂畑ような紅(あか)と黄金の煌めきが
目の前を走ったように思えた。
 しかしそれが目の前にいた彼女の毛並みから連想した錯覚であることをすぐに理解して我に返る。
 目の前には、
「今宵、あなたのお相手を務めさせていただきます『チトノ』と申します。本日はありがとうございます」
 狐型の女性が一人、レェスへと微笑んでいるのであった。
 光を受けると深い赤の色合いを反射(かえ)すその金色の毛並みは、どこまでも強く深い黄金の色合いをレェスに
印象付けた。
 高く通って上を向いた鼻頭と切れ長の瞳。しかしながら、黒く潤んで静夜の湖面のような光彩を満たした大きな
瞳ゆえに、そこからは細目の持つ冷たい印象は無い。ウェーブ掛った金の髪を額から後ろへ流した髪型も、そこか
ら一筋垂れた前髪がそんな瞳の顔(おもて)にかかり、それが彼女の気怠さとそして得も言えぬ妖艶さを演出している
ようである。
「…………」
 そんな彼女を前にしばしレェスは言葉を失う。
 しかしながらそれは、けっして目の前のチトノに見惚れているからではない。むしろそれは――『困惑』あった。
――え……? なんでこんな人がいるの?
 その放心の理由をつけるならばそれは、チトノが自分の想像していた『嬢』とは大きくかけ離れた容姿であった
からだ。
125金と銅貨のワルツ:2011/03/21(月) 19:20:46.74 ID:R1wiEatv
 今のこの瞬間に至るまでレェスが思い描いていた風俗嬢とは、どれも若く華奢な、あくまで『同年代』の少女た
ちであった。しかしながら今目の前に居るチトノは、明らかに自分よりも年配のように思える。
 体つきも然りだ。大胆に露わとされたドレスの胸元そこには、襟元の淵から零れてしまうのではないかと思わん
ばかりの乳房が谷間もみっちりとその肉を凝縮している。
 妖艶にくびれた腰元のラインも臀部とのメリハリがきいており、ふくよかな彼女のヒップラインがより大きく
そして艶めかしくその存在感をアピールしているようである。
 斯様にして男好きしそうな体つきの彼女ではあるがしかし……それでも、期待していた風俗嬢象からかけ離れた
チトノの存在は、ただただ今のレェスを戸惑わせるばかりであった。
 そんなレェスの心情を鋭敏に察知すると、
「もー、なぁに? こんなおばさんでがっかりした?」
 チトノは微笑みつつもしかし、チクリとレェスの図星を突く。
 その声に再び我に返されるレェス。
「あ、いえ、そ、そんなッ」
 思わぬチトノからのそれに、さらに慌てふためいて言葉を重ねようとするもそれが泥沼。可哀相なほどに慌て
ふためいたレェスの反応はしかし、如実にチトノの言葉を肯定してしまうのであった。
「ふふ。いいのよ、気にしないで。たしかに若くはないもの」
 そんなレェスにコロコロと笑って見せるチトノ。そんな彼女の仕草に、思わずレェスはどきりとする。
 純粋に今のチトノを可愛いと思ったのだ。
 そう思うと同時に、いま自分が娼館へと来ていることもまた思い出す。そして目の前に居る彼女こそが、今宵
自分の相手を務めるパートナーなのだと実感した瞬間、
「ん? あら、嬉し♪」
「――え? あ。うわぁー!」
 レェスの体が反応した。
 股間は傍目からも判るほどに怒張して、大きくパンツの前面を突き上げて張らすのであった。
「い、いやコレはッ……その!」
 途端に股間を抑えて腰を引くレェスではあったが、そんな彼にあきれることなく微笑んでチトノはその腕を取る。
「遠慮しなくていいのよ? ここは『そういうこと』をする場所なんだから。むしろ私なんかに反応してくれて
嬉しいわ」
 言いながらレェスの頬へと愛情たっぷりに唇を押し付ける。そんな異性(チトノ)からのファーストキスに、完全に
レェスは熱しあがって――そして脱力した。
「さぁ、はやくお部屋に行きましょ♪」
 あとは為されるがままレェスはチトノに腕を引かれ、すぐ傍らのドアを開く。
 自分の身長の倍はあろうかと思われる重厚な装飾のドアをくぐると――目の前に広がった室内の様子にレェスは
息を飲んだ。
 体を反らせて見上げるほどに高い天井と、足音を完全に消してしまうほどの柔らかな絨毯の足もと。猫足の椅子
やテーブルといった調度は、そのどれもが高価そうに見える。
 そんな部屋の中で一際レェスの目を引いたのが、その中央に設置されたキングサイズのベッドであった。
126金と銅貨のワルツ:2011/03/21(月) 19:22:54.11 ID:R1wiEatv
 シルクのカーテンを弛ませた天蓋付きのそれは、まるで絵本の中に出てくる姫や王族が使用するかのようなそれ
だ。そしてそんなベッドの淵にレェスとチトノは腰掛ける。
「そういえばまだ名前聞いてなかったね? 君のお名前は?」
「あ、あの……レェス、です」
「『栗毛(レェス)』君、か。ふふ、君にぴったりな名前だね♪」
 まるで恋人同士の会話のよう微笑むチトノではあるがしかし、その行動は徐々に妖艶さを増していく。
 さりげなくレェスの腿の上に這わされた掌が――そっと股間まで伸びた。
「ッ! う、うわ……!」
 パンツ越しに、勃起していた陰茎の先端を包み込まれる感触にレェスは上ずった声を上げる。
 そしてその反応を楽しむよう、チトノは手首を返し、そしてさらには回しては手の平の中央(なか)にある先端を
こねる。
「あ、あぁ……もうッ」
 今日までの禁欲生活ゆえかそれだけで達してしまいそうになるレェス。そんな彼の反応を前に、チトノは動きを
止めてそこから手を離した。
「えぇ……?」
 そんな突然の『おあずけ』に不安げな視線を向けてくるレェスにチトノも苦笑いに微笑む。
「このまま続けちゃったら召し物を汚しちゃうよ? ちゃんと準備しよ。そのあとは……たっぷりね」
 顔を寄せレェスの耳元でそう囁くと、チトノは愛おしげにその耳介を甘噛みするのであった。
 そこからは職業故か、実に手際良く準備をこなすチトノ。いつの間にかレェスのジャケットを剥ぎ取ると、瞬く
間にその下のシャツやパンツもまた脱がし、たちどころに彼を丸裸にしてしまうのであった。
「わぁ♪ 可愛い顔してるのに、こっちはすごい『男の子』なんだから……」
 そうして露わになったレェスの陰茎を改めて前にし、細めた瞳に期待を輝かせるチトノ。
 興奮からくる緊張に刺激され続けた茎の先端からは夥しい量の線液が溢れ、先細りの陰茎はそれに濡れて赤剥け
た全身を夏の果実のようにぬめらせ輝かせている。
 それ自身が放つ、潮の香りにも似たほのかに塩気を含む茎の臭気に、チトノもまた眠たげに瞼を細める。斯様な
レェスの雄の香に、彼女も発情を促されているようであった。
「じゃ、私も準備するから……ちょっと待っててね」
 言いながらレェスの茎から視線を振りきると、チトノは背筋を伸ばしドレスの背後にあるジッパーへと左腕を
ひねるようにして手を伸ばす。
 ゆっくりとそれを降ろすと、胸部で形を作っていたドレスの胸元が崩れ、重力に引かれた乳房が水風船のような
質感で下に降りる。
 そんな乳房両方を、残った右腕で抱えるようにしてドレスを脱ぐチトノ。肩口が無く、胸部で引き締めることに
より形を維持する構造のドレスは、背のジッパーを解くことでいとも容易く、さながら輪でもくぐるかのよう足元
までストンと落ちて脱げた。
 そうして目の前には裸体に近いチトノがあらわれる。
 豊満な胸元を両腕で抱えるように隠し、股間にはレースを施したシルクのショーツと、同じく白を基調としたス
トッキングとガーターベルト。ドレス姿であった頃には黄金一色に思えた彼女の毛並みが、胸元から股間に掛けて
は雪原のような眩い白に変わっている様子にレェスは目眩を覚える。
127金と銅貨のワルツ:2011/03/21(月) 19:25:02.40 ID:R1wiEatv
 美しいと思った。全てが想像を越えていた。ゆえに目の前のチトノにどう対処すべきか悩んだ脳は激しく混乱し、
さらには発奮してはそれらが目眩となってレェスを惑わせた。
 そうして見つめる中、チトノは流し目でレェスを捉えたままこちらへと背を向ける。大きく、そしてふくよかに
毛並みの整った木の葉型の尻尾が、優雅に左右へ揺れる様に目を奪われる。
 やがて上体を前へ倒しレェスの前へ尻を突き出すと――チトノは両腰に手を添え、ゆっくりショーツを脱ぎすの
であった。
「ん……ん、ッ……」
 固唾を飲み、その光景にもはや呼吸すら忘れてレェスは見入る。
 性の知識など何も知らないレェスであっても、異性の股間そこに対する執着は本能で備わっている。――むしろ
そういった知識が無いからこそ、なおさらに妄想をかき立てられ興奮を覚えたのかもしれない。
 半ばまで脱ぎ下ろすと、レェスの前にチトノの臀部が露わとなった。
 乳房同様に豊満な臀部の両房は、裏腿の上に乗り重なってくっきりとその形良い丸みのラインを浮き上がらせて
いた。その眺めはまさに『尻』、そしてまさに『女』だ。華奢な若い世代には無い、匂い立つような艶気(いろけ)と
体温とを感じさせずにはいられない体をチトノはしていた。
 そんな豊満な臀部の両房に挟みこまれたクロッチ(股間部)が、もうショーツが大半まで下着が降ろされているにも
かかわらずそこに貼りついて、肝心の部分を隠している。
 やがては腿までショーツのサイドを降ろすとついにはそれもぺろりと剥がれ始める。
 その様にレェスの興奮は最高潮にまで熱し上げられた。
 そして完全にそれが剥がれ、ついに目の前にチトノの全てがさらけ出されたと思われたその瞬間――
「ん? ん、んん?」
 そこが露わになるのと間髪入れず、彼女の尻尾の尖端がそこをよぎる。
 完全にショーツそれは剥ぎ取られたというのに、掃くように目の前を左右する尻尾のせいで未だにチトノの秘所
そこをレェスは確認することが出来ない。
――もうちょっと……あともうちょっとなのに!
 それを凝視するがあまり、ついには体が前に出る。
 鼻先を立てて瞼を細め、ちらつく尻尾のさらに奥底を覗き込もうとしたその瞬間であった。
「ん〜……、んッ?」
 そんなレェスの後ろ頭を、突如として何者かの腕(かいな)が絡め取った。
 さらにはそれに引き寄せられて――
「んむ? んんッ? んん〜ッ!」
 レェスはチトノの肉付き深い臀部の谷間へと、深々と鼻先を突き立てるのであった。
「捕まえたー♪ この覗き屋さんめ♪」
 そうして掛けられるチトノの声。埋もれる尻の谷間から見上げるそこには、こんな自分へと振り返っているチト
ノの妖艶な視線があった。そして同時に、いま自分の首根を絡み取っている物が彼女の尻尾であることも理解する。
「たっぷり見ていいからね。匂いもたくさん嗅いじゃって♪」
 今まで焦らしてきた行動とは一変して今度は己からレェスの鼻先に尻根を押し付けるチトノ。さらには首に回した
尻尾にも力を込めて、よりいっそうにレェスの頭を抱き寄せる。
128金と銅貨のワルツ:2011/03/21(月) 19:27:44.49 ID:R1wiEatv
 一方のレェスはたまったものではない。
「見ろ」とは言われたものの、鼻頭(マズル)がすっぽりと尻の中に埋まってしまったそこからはチトノの背の峰しか
望めない。
 しかし一番の問題は、チトノの秘所そこにて呼吸器を塞がれていることと――さらにはそこから感じられる、
彼女の芳しいまでの雌臭それであった。
 唇の先にはおそらくは膣部と思わしき粘液の感触が僅かにある。おそらくはチトノ自身も相当に興奮しているで
あろう故か、そこから溢れてくる彼女の愛液が鼻下を伝って、レェスの口中に直接流れ込んできている。
 粘性のその味は塩気を含みつつも、ほのかに酸味と苦みも織り交ぜたような複雑な味であった。とはいえ尿など
といった不快な臭気や舌触りは感じられない。
 しかしながら一番の問題と思われることは、鼻先に当たる器官のこと。
 膣のある口先よりも僅かに上に位置するそこは、何物でもない『肛門』それであろう感触とそして匂いとがあった。
言うまでもなく排泄に使われるその器官は、性知識においてまったく無知であるレェスであっても一嗅ぎでそれと
判る存在感を醸している。
 そんな器官に鼻先を押し付けられているのだ。本来ならば嫌悪を抱くであろうはずがしかし――
「ん、んん………んむんむ」
「きゃあッ? なぁに、そこー?」
 押し付けられるチトノの臀部を両手でワシ掴むとレェスはよりいっそう鼻先を押し付け、さらには伸ばした舌先
にて肛門そこへの愛撫を始めたのであった。
 正体の判らぬ膣よりも、なまじ馴染みのある肛門の方がよりリアルに性的なイメージをレェスに働かせたのだ。
 鼻孔には苦みばしった独特の匂いが充満している。言うまでもなくそれは胆汁のそれであり、悪く言うのならば
糞汁でもある匂いではあるのだが、
「ん、ん、んむ……」
 この状況とそしてその相手が誰でもないチトノとあってはむしろ、そんな器官に禁忌感(タブー)すら強く孕んだ
興奮を憶えてしまうのである。
「もー。初めてのエッチでお尻の穴を舐めまくっちゃうなんてヘンタイすぎるよー? いけない子なんだから」
 そう言ってレェスを諭すチトノであはるが、上気して熱しあがった表情からはその言葉通りの嫌悪感は微塵として
見られない。
 むしろそれをさらに望むかのよう、
「そんな悪い子にはお仕置きしちゃうんだから♪」
 よりいっそうにチトノは自分のアナルそれをレェスに押し付けて、その顔を臀部の谷間へと埋めさせるのであった。
 それにより完全にレェスの呼吸器がふさがれる。その段に至ってさすがに我へ返り慌て始めるレェスではあるが、
いかんせん発音器である口元も塞がれている状況とあっては、それを声にして伝えることも叶わない。
――く、苦しい……チトノさんッ、窒息しちゃうよ!
 臀部をワシ掴み、必死にマズルを抜き取ろうと抗うものの、
「あん、すごいよぉレェス君ッ。もっとしてぇ!」
 それを愛撫に感じてしまっているチトノは、そんなレェスの緊急事態に気付くことなく一人ヒートアップしていく。
129金と銅貨のワルツ:2011/03/21(月) 19:29:51.19 ID:R1wiEatv

 そして、
「すごいぃ! 初めてなのにレェス君にイカされちゃう。レェス君、レェス君ッ! ――ん、んんぅ……!」
 よりいっそうに首根へまわした尻尾に力を込めて、尻全体でレェスを抱きしめた瞬間――チトノの絶頂と共にレ
ェスからも力が抜ける。
「はぁはぁ……ふぅ。上手じゃない……すごく良かったよ、レェス君」
「………」
「――ん? レェス君?」
 いざ我に返り、相手であるはずのレェスから何の反応も無いことにいぶかしむチトノ。
 そうして恐る恐る振り返るそこに、すでに顔のほとんどを臀部の中に飲み挟まれて白目をむいているレェスを発
見し、
「きゃー、またやっちゃった! レェス君ッ、レェスくーん!」
 チトノは慌て尻尾に込めていた力を解くと、抱き上げたレェスの頬を叩いて彼を介抱するのであった。



130金と銅貨のワルツ:2011/03/21(月) 19:42:10.82 ID:R1wiEatv

【 3 】


 気怠さを憶えて覚醒すると――レェスは天井と思しきそこをぼやけた視線で見上げ、そしてため息をついた。
「……夢?」
 思わず呟いてしまう。
 貴族の住むような屋敷で絶世の美女のお尻に挟みこまれて窒息した――記憶にある今までを振り返るのならば、
夢と思えても不思議ではない。むしろそんな現実の方が、よっぽども夢物語じみているように思えた。
 故にそれらはすべて夢だったのではないかと考える。そう考えた方がつじつまも合うというものだ。
 そもそもこんな体験が現実であるという『証拠』はどこにも――
「あ。目、さめた?」
「ッ! ち、チトノさんッ?」
 その『証拠』が突如として視線に入ってきた事にレェスは両肩を跳ね上がらせる。
 そうして起き上り、見渡すそこはベッドの上――そして傍らには全裸のチトノ。全ては紛う方なき『現実』で
あったことが証明された。
 途端に自分が意識を失う瞬間のあの、生々しいやり取りもまた思い出して、
「わぁ、元気だね♪ 安心したー」
 レェスの茎は再び高く堅く屹立して、天を向くのであった。
 しかしながら一方の本体(レェス)はというと、そんな自身の体の反応とは裏腹に未だ混乱から脱しきれていない。
「あ、あのさ……これからどうしたらいいの?」
 つい尋ねてしまう。とはいえしかし、レェスにとっては重要な問題だ。現状を把握したからと言って、童貞の
レェスには今後自分がどのような行動を取ったらよいものか見当もつかないのだから。
 そしてそんなレェスの不安もまた知るからこそ、
「大丈夫だいじょーぶ。お姉さんに任せて寝てればいいのよ」
 片や百戦錬磨のチトノはそんなレェスを愛おしげに抱きしめるのであった。
「私がリードしてあげるから、レェス君は気楽にしてて。そのつどでやりたいこととか思いついたら言ってよ。
何でも応えてあげるから♪」
 言いながら見つめ、そしてレェスの体の上に乗り上げてくるチトノの瞳が妖しい光を宿す。言うまでもなく発情
しているであろう彼女の様子を察した次の瞬間には、チトノの唇がレェスの口唇を塞いだ。
 口先を噛みあうようにし、侵入させた舌根を幾重にも絡ませ合いながら施されるチトノのキスに、次第にレェス
の頭にも靄がかかってくる。
 ひとしきり互いの唾液を味わい、レェスも脱力して再びベッドの上に横たわると、いよいよ本格的なチトノの
奉仕が始まった。
 唇を離れた口唇は舌先でレェスの体をなぞりながら下降していく。快感を伴いつつも憶える強いこそばゆさにレ
ェスは低く声を殺しては身をよじらせる。そんな反応を楽しむようチトノも舌先で穿つ力らを強めると、レェスが
苦手であろう腹部の周辺をより丹念に愛撫するのであった。
 一頻りそうして愛撫をすると、ついにチトノの唇は下半身そこに辿りつく。
131金と銅貨のワルツ:2011/03/21(月) 19:44:16.78 ID:R1wiEatv
「あ、あぁ………」
 チトノを見守るレェスの視線は、次に彼女が起こすであろう行動を予想して、奉仕する彼女へとくぎ付けになる。
 そして期待通りにチトノの舌先は――赤剥けて反り返った陰茎の腹を舐め上げるのであった。
「んッ、うわわ……ッ!」
 剥きだされた粘膜をさらに別の粘膜が触れる感触と熱にレェスは上ずった声を上げる。
 今はまだ快感よりもくすぐったさの方が勝った。その感覚に耐えかねる体は何度も痙攣しては、会陰と肛門との
縮小を小刻みに激しくさせる。
 そんなレェスの反応にチトノも心得たもので、舐め上げていた舌先は先端まで昇り上がるとさらにそこから折り
返して、今度はペニスの背へと降り始める。そしてその流れのまま自然に、チトノはレェスの茎全てを口中に収め
た。
「あッ、っくうぅ……ッ」
 その瞬間、さらなる痛痒感がレェスの体を奔る。
 舌先で一部箇所だけを責め立てられていた時とは違い、今度はペニス全体があのこそばゆさに包まれていた。
 ゆっくりとチトノの口唇がそれを飲みこんでいく。茎の背に当たる前歯の感触に震え、さらにはその深部に辿り
つき咽喉の奥底へペニスの尖端が触れると、今度は唇とはまた違った粘液の締め付けに絡め取られて、レェスは
その感触に体をのけぞらせるのであった。
 臍の奥底がキュッと締まるような感触にレェスは射精が近いことを意識する。
 そしてこのまま果てたいと思ったその矢先――
「ん、ん……ん〜、っぷは」
 チトノは強く引きずり出すかのよう吸いつけた口唇を引き上げると、口中からレェスのペニスそれを解放してし
まうのであった。
「あッ……そんなぁ」
 そんなチトノの行動に対し、露骨に悄(しょ)げた表情を見せるレェス。その様はまさに、おあずけ受けた仔犬その
ものだ。
 しかしながらそこはプロ。チトノとてそんな相手の機微は知り尽くしている。レェスが絶頂に達せようとして
いるのを察知し、あえて愛撫(フェラチオ)を止めたのであった。
 泣きそうな表情のレェスに微笑んでみると、
「このぐらいでイッちゃうなんてもったいないよ。もっともっと楽しんで」
 そう言ってチトノは、M字に膝を立てさせたレェスの両足を肩に担ぐようにして、その下へ自分の上半身をもぐ
りこませる。
 そうして目の前に露わとなった会陰へと、
「う、うわわッ?」
 再びチトノは舌先を這わせるのであった。
 舌先で強く押し付けるような刺激は、今までの口中で包みこむかのようだった柔らかい愛撫とは対極のものである。
それでもしかし、そこへの箇所の責めは体内の奥底にあるレェスの前立腺を強く刺激してなんとも直接的な快感を
与えるのであった。
 しばしそこらをこそぐよう上下に愛撫していた舌先は、やがてぬるぬると下降していく。そしてチトノの舌は、
「ッ? ひゃあ!」
 レェスの肛門の淵をなぞる。思わぬ箇所への愛撫にレェスもまた声を上げる。
132金と銅貨のワルツ:2011/03/21(月) 19:46:20.16 ID:R1wiEatv
「ち、チトノさんッ。そこ、お尻だよ?」
「知ってるわよー、なぁに今さら♪ さっきはレェス君だって、私のお尻をたくさん舐めてくれたじゃない」
 そう言われてレェスは何も返せなくなる。浅はかにも過去の自分の行動が今、自分を責めている。
「もうさ、今夜は私達の間じゃ『汚い・恥ずかしい』は無しだよ。だから安心して♪」
 さらにはそう微笑まれてしまうともはや、レェスは一切の抵抗を封じられてしまうのだった。
 やがて呟くよう「お願いします」と伝えると、レェスは観念してベッドに倒れ込む。
 そんな彼をなんとも思惑のこもった笑顔で見届けると、
「たくさん気持ち良くしてあげるね」
 チトノもまた愛撫を開始するのであった。
 肛門の淵をなぞるように舌先は這っていく。時おり奥窄まったアナルの中心へと舌先が伸びると、そこに感じる
暖かな感触にレェスは身を震わせる。やがてはそんな舌先も、次第に肛門そこを掘り穿つような強い愛撫へと移行
していった。
「あ、はあぁ………」
 途端に熱がそこに感じられた。
 舌先の粘膜がぬるぬると肛門の中に侵入してくると、そこを中心にしてヌルリと暖かい感触が広がって、レェス
は強い快感を感じるのであった。
 しばしそうしてレェスのアナルそこを愛撫していたチトノが不意に口を離す。
「そろそろチンチンの方も気持ち良くしてあげるね」
 そう言ってレェスの両足の上に胸元を乗り上げたかと思うと、屹立する彼の陰茎それを豊満な両乳房で挟みこむ
のであった。
 見下ろす股間そこに乗り上げたチトノ――そんな自分の性器それが彼女の豊満な乳房二つによって埋もれている。
 ツンと上を向いた形の良い乳房が、今はレェスの体の上に押しつけられることで楕円にその形を歪ませていた。
そんな彼女の巨乳ぶりを改めて再認するその眺めは圧巻するばかりである。
「ふふ、すごいでしょー♪ じゃ、始めてあげるね」
 見下ろすレェスの凝視に気付いて、上目づかいにウィンクを返してくるチトノにレェスは大きく胸が高鳴る。
純粋に今の彼女を可愛いと思った。
 しかしそんな想いに心なごんだのも束の間――次の瞬間、脳天に突き抜ける刺激にすぐにレェスの淡い思いは
吹き飛んだ。
「あ、うわぁッ?」
「んふふー♪」
 胸の谷間に置いたレェスの陰茎を左右から乳房で押し挟んで圧迫した瞬間、茎全体を包み込んだ肉圧とそして
体温の感触にレェスは情けない声を上げる。
 乳房にて包まれ圧迫されるその感触は、先に受けたチトノの口取りによる圧迫感とはまた違った感触をレェスに
与えていた。
 しかし刺激はそれだけではない。
「動くよー?」
「……え?」
 包み込んだレェスの陰茎が零れてしまわぬようしっかりと乳房を左右両脇から手の平で持ち抑えると、
「わぁ、わあああぁ!」
 チトノは己の乳房で扱くようにしてレェスの茎を愛撫し出すのであった。
133金と銅貨のワルツ:2011/03/21(月) 19:48:43.35 ID:R1wiEatv
 これまでの愛撫とは打って違い『動き』のあるそれにレェスは戸惑わずにはいられない。多少の騒々しさはある
ものの、今まで貞淑に接してきてくれたチトノがこんなにも激しく奉仕をしてくれる姿はそれだけでレェスには
衝撃的であったりする。
 それでもしかし一番の衝撃は、いま現在ペニスに対して与えられている未知の快感それだ。
 先にも述べたようフェラチオの時とは全く違った、『肉圧で扱く』という刺激――しかしながら今レェスが感じて
いる快感は、そんな豊満な乳房の肉圧だけによるものではなかった。
 それこそは――
――うわぁ……さらさらのむね毛が気持ちいい……
 首元から胸元に掛けて生い茂る、チトノの白い毛並みに包みこまれる感触それであった。
 柔らかく細やかな内の毛並みはシルクさながらの肌触りを感じさせるようである。それが乳房の体温で温められ、
さらには潤滑の為にそこへ流されたチトノの唾液と混じってぬめりを帯びるや、その快感は口中でされていた粘膜の
それに勝るとも劣らない快感をレェスに覚えさせるのであった。
 そんな乳房の合間から、時おり頭を出すペニスの尖端へとチトノは丁寧に、そして愛情たっぷりに唇や舌先を
這わせて愛撫する。
「どう? オッパイ気持ちいいでしょー? 自慢なんだから」
「う、うん、気持ちいい。でも……」
「うん? 『でも』?」
「でも、チトノさんの毛並みが気持ちいい。サラサラでふかふかで、すごく気持ちいいッ」
 そんなレェスの告白にその刹那、チトノは動きを止めて目を丸くする。
 しかしそれも一瞬のことすぐにその表情へ笑みを取り戻すと
「……お目が高いんだから。レェス君は」
 否、前以上に淫らでたくらみに満ちた妖艶な笑顔(ひょうじょう)で呟くようにそう言うと――チトノは挟みこんで
いた乳房の拘束からレェスを解放してしまうのであった。
「えッ? もう終りなの?」
 そんな中途半端な幕切れに不安の声を上げるレェスではあるがしかし、
「もっと良いことしてあげるよ」
 そんな彼の上によじ登って顔を近づけると、その耳元でそんなことを囁いてからチトノは強く唇をレェスの頬へ
吸いつけるのであった。
 やがて再び乳淫の時と同じポジションに戻ると、チトノは依然として屹立したレェスの茎へと口づけしながら、
己の尻尾をその前に持ってくる。
 改めて見る彼女の尻尾に生唾を飲み込むレェス。
 透明感のある毛質に見惚れた。
 遠目でもはっきりと毛並みの色艶が判るそれではあるが、こうして間近で見ると尻尾それ自体が光を放っている
かのように眩い。その形も竿の中程でふくよかに膨らみを持ち、稲穂さながらの色合いと相成っては、なんとも
豊穣で大らかなチトノの魅力を体現せしめているかのようである。
 そんな尻尾を手に握り、弄ぶよう左右へさらさらと揺り動かせていた彼女であったが、やがてはそれを見つめる
レェスに妖しく微笑んだかと思うと、
「これは特別な人にしかしない技なんだからね♪」
 そう言ってチトノは――その尻尾をレェスのペニスへと巻きつけるのであった。
134金と銅貨のワルツ:2011/03/21(月) 19:50:50.11 ID:R1wiEatv
「ッ!? うわぁぁ!」
 その感触にレェスは針にでも刺されたかのような声を上げる。
 チトノの尻尾――その毛並みで包み込まれるという感触は、粘液にまみれていた口中とも、はたまた肉圧に挟ま
れていた乳房ともまた違う衝撃をレェスに与えた。細やかで柔らかな毛並みの一本一本が余すところなくレェスの
陰茎を包み込む密着感は、先の二つの愛撫には無かった新しい感覚である。
「ふふふ。これくらいで驚いてちゃ困るわよ♪」
 そんなレェスの反応を楽しみながら、チトノは包み込んでいた尻尾を上下に揺する動きを始める。
 それによってレェスの茎がチトノの尻尾によってしごかれ始めた。
 レェスの線液とチトノの唾液とを絡ませた彼女の尻尾が、その粘液を取り込んでより緻密にレェスのペニスに
絡まりつく。その感触たるや、もはや『毛並みで包み込む』などという表現では言い表せられないほどに複雑で、
それでいて純粋な快感を与えてくれるのであった。
 ついには、
「あ、あうぅ……チトノさぁん、もう……」
 絶頂を迎えようと喘ぐレェス。ここまで何度も焦らされてきたせいか、もはや射精の限界を堪えることなど出来
ない。
「うん。いいよ、レェス君。私の尻尾の中にたくさん出して」
 そんなレェスの反応を確認し、チトノもまたよりいっそうに尻尾で扱く行為を激しくさせる。
「あ、あぁぁ……チトノさんッ」
 そして毛並みに包まれていたレェスのペニスが、一際深く尻尾の中へと打ちこまれたその瞬間、
「んッ、んんぅ……ッ!」
 ついにレェスはチトノの尻尾の中へと射精して達するのであった。
「あはぁ、出たぁ♪」
 一人でする時のいつも以上に茎は跳ね上がり、会陰は激しく痙攣して精液を送り出す。まるで尿道がいつもの
倍にも膨らみあがったかのような錯覚を覚えるほどに強くそして大量に、レェスはチトノの尻尾へと射精するのだった。
 そうして最後の一滴まで出しつくすと―――レェスは深くため息をついてベッドに沈む。
「すっごい出たねー♪ 尻尾の中がヌルヌル」
 言いながらレェスの茎を解放すると、チトノは根元から握りしめた自分の尻尾を上に向かって絞りあげていく。
 見守る中、尻尾の尖端に白い水球がいくつも浮き上がったかと思うと、チトノの握り拳が昇るのに合わせて大量
の精液それが尻尾の先から溢れ出る。その色合いとさらには絞り器(ホイップ)を彷彿とさせる彼女の尻尾の形と
相成ってはさらながら、生クリームを絞り出しているかのようだ。
「ほぉら、こんなに」
 そうして絞りあげ、そんな手の平いっぱいの精液を自慢げにチトノは見せたかと思うと――次の瞬間にはその
掌の杯を煽り、チトノはレェスの精液を飲みほしてしまうのだった。
「あ……飲んじゃった、の?」
 その様子を信じられないといった様子で眺めるレェスと、一方で手の平に残った精液の残りを愛おしげに舐めて
拭うチトノ。
「うん。飲んじゃったよ♪ 濃くて匂いがきつくて、すごく美味しかった」
 そう言ってほほ笑む彼女にレェスの胸は大きく高鳴る。もはや頭の中はチトノでいっぱいだ。体だって今しがた
射精したばかりだというのに再び、痛いくらいに勃起して反応している。
135金と銅貨のワルツ:2011/03/21(月) 19:53:14.92 ID:R1wiEatv
「チトノさん……今度は、オレがやっちゃダメかな?」
「ん?」
 気付いた時にはそんなことをチトノに聞いていた。
 もちろんその言葉の意味は、彼女への愛撫を自分も施したいという意味ではあるのだが――奥手の自分がそんな
積極的になれていることに、レェスは自身に対して驚きを隠し得ない。
 そしてならば開き直ってしまおうとも思い、
「オレも、チトノさんの体に触りたいんだ。その……いじったり舐めたりとか、さ」
 レェスはそんなことを懇願する。――それでもやはりその告白は恥ずかしくて、言葉の語尾はしぼむように小さ
くなって消えた。
 しかしそんなレェスの申し出を一番喜んだのは、
「いいよッ。ううん、むしろいっぱい触って。私も、レェス君に触れてほしいよ」
 誰でもないチトノであった。
 少女のように表情を輝かせ、レェスの上に乗り上げると愛情いっぱいのキスをチトノはその頬へとする。その
仕草は若い世代の男女がするような初々しい恋愛のようである。
 やがて起き上るレェスと入れ替わりにチトノはベッドへと横たわり、今度は彼に対して体を開く。
「お願い、レェス君。私も気持ち良くして」
 そしてそうお願いをして微笑むチトノ。
 そんな彼女の肌に、
「い、いきますッ」
 レェスは今、そっと手を触れるのであった。



136金と銅貨のワルツ:2011/03/21(月) 19:55:18.03 ID:R1wiEatv

【 4 】


 手の平が被さるようにチトノの乳房の上に置かれた。
――さ、触った……! オッパイに、初めて!
 しばしそのまま正面から押すだけの遠慮した愛撫を続けるレェスではあったが、次第に気持ちが落ち着いてくる
と徐々にその掌をすぼめ、今度は触れていただけの乳房をしっとりと握り包む。
「あ……ん」
 ジワリと手の平に彼女の体温が広がると、得も言えぬ弾力もまた指先に伝わった。
 チトノの乳房そこはレェスが想像していたものよりもずっとしっかりしていてそして弾力があった。柔らかでは
あるが、そこにはけっして見た目の大きさにかまけただらしない弛みなどはない。この大きさでありながら崩れる
ことのない張りと弾力とが、美しく彼女の乳房を形成しているのだ。それゆえに手の中に感じるその揉み応えはた
だ触れているというだけで再び、滾らんばかりの射精を予期させん情欲をその胸の内へ沸きあがらせる。
 このまま優しく触れていたいと思うのと同時に、力のままに握りしめて壊してしまいたくもなる―――斯様にして
表情豊かなチトノの乳房は、実に様々な妄想を彷彿とさせてくれるのだ。
 そんな魅惑の乳房に対してレェスがとった次の行動は、
「あ……んふふ。いけない子」
 両手それぞれに乳房を納め、その先端の片方にレェスはしゃぶりつく。
 唇を立てて乳房それを強く吸いつける。口中に含むとかの乳房はまた、手にしていた時とは違った姿をレェスに
感じさせた。
 大らかな房の壮観にまぎれて見逃しがちではあるが、いざ口に含むと彼女の乳首もまた大きく形のしっかりした
ものであることが判る。吸いつけるほどにそれは肥大して、もはや小指に劣らぬほどの大きさと形とをレェスの
口に中で形成していた。
 その大きさがまた心地良いのだ。
 舌の上に感じられる乳首の存在感はなんとも心の安らぎを憶えさせてくれる。そんな乳首を口中で愛撫している
と、ほのかにミルクの甘みが舌の上に広がった。
 実際は彼女のそこから母乳が滲むなどということはない。それこそは赤ん坊のころの記憶の再生ではあるのだが
しかし、それでもレェスはさらにそれを欲して吸いつける口の動きを激しくしていく。
 強く吸いつけて鼻先を乳房の中に埋め、しまいには大きく開いた口中全体でチトノの乳房ごと口の中に含むので
あった。
 そんな愛撫に夢中になっているレェスへと、
「こーら、レェス君。牙が当たってるよ」
 チトノは微笑みながらに言い諭して、抱き込んだレェスの後ろ頭を撫ぜる。
「――む? あ、ご、ごめんなさいッ」
 その声に我に返りチトノの乳房を解放するレェス。見れば均整だったチトノの乳房の上には自分の歯型がくっきり
と残ってしまっていた。
「ごめん、つい夢中になっちゃって。……痛かった?」
「ううん、大丈夫。レェス君すごく可愛かったよ♪ 何の気なしに声掛けただけだったんだけど、正気に戻っちゃった
んだね」
 謝るレェスに対し、どこか残念そうに微笑むチトノの表情はどこまでも和やかでそして暖かである。おそらくは
チトノもまた、自分の乳房を吸うレェスに母性を刺激されていたのであろう。
137金と銅貨のワルツ:2011/03/21(月) 19:57:24.31 ID:R1wiEatv
 ともあれそこから仕切り直す。
 ベッドに横たわり、そこから後ろ肘をついて体を起こすと、チトノはレェスを前に両膝を立てて腰を上げた。
 そしてM字に形作った両足が、目の前であられもなく広げるられると、
「うわぁ………」
 そんなチトノの股間の前に、四足(ケモノ)のよう身を伏せてレェスは鼻先を近づける。
 尻尾やむね毛以上に柔らかく細やかな毛並みで包み込まれた彼女の膣部――閉じ合わさったスリットからは大陰
唇のひだが僅かにその頭をのぞかせていた。そんな一枚をレェスは右の指先で摘みあげる。
「ん……くふ……」
 さらには左のそれもまた同じように摘みあげると、レェスはそれをゆっくりと開いていった。そしてそれは完全
にその包みを解かれたその瞬間、そこで堰止められていた愛液が吹き出すように溢れて零れだした。
 ぬめりを帯びて艶やかに肉圧の身を凝縮させた膣内は、部屋のほのかなランプ光に当てられて妖艶な輝きをレェ
スの目に反射(かえ)している。
 そこから醸される芳香もまた蟲惑的だ。
 潮を思わせる塩気と果実のような酸味を思わせるほのかな香の中に、肉の持つ血の匂いが生々しく混じり合って
レェスの頭を痺れさせる。
 それこそはまさにフェロモンだ。けっして人口では作り出すことの出来ない、獣としての本能を刺激するそれに
中てられて、レェスは誘われるようチトノのそこへと口づけをした。
 膣口に舌先を這わせるとその一瞬、それが触れる感触に反応して内壁の肉は僅かに収縮してその身を縮こませる。
そんな動きにレェスは、
――この肉でベロを包まれたらどんな気分がするんだろ?
 この膣内の中に舌全体を埋めたい衝動に駆られた。
 一度考えだすともう、その衝動は止められない。
 立てられたチトノの裏腿をワシ掴んでより深く体を前に出すと、レェスは彼女の膣口そこを口先で覆い、その内部
へと深く舌を侵入させるのであった。
「あ、ふぅん……あったかい。レェス君のベロが入ってくる」
 その動きに湿った声を漏らして反応するチトノ。彼女もまた股座にあるレェスの後ろ頭に手を添えると、より深く
彼の愛撫を受けようとその頭をかいぐる。
 そんなチトノの助けも受けてレェスの舌はどんどん深く彼女の中へと入っていった。
 舌上にはほのかな塩気と苦みが広がってレェスの頭を痺れさせる。さらにその味わいを求めようと首をかしげ、
膣内での舌を反転させた瞬間、
「んんぅッ。ひねっちゃダメぇ!」
 奥底で跳ね上がった舌の尖端が、チトノの快感部位を刺激した。それを受けて一気に熱せ上げられた体は、放尿の
よう愛液を吹き上げさせレェスの口中を、そして鼻孔にそれを満たす。
「ん……んん……」
 舌を挿入している口中はもとより、鼻の中にまで満ちる彼女の体液にレェスは目眩をおぼえる。
 呼吸器を塞がれることによる酸欠ではない。それこそは彼女の発情に自身もまた同調しているからだ。止めどなく
溢れ続ける愛液に鼻孔と口中とを満たされて、今やレェスの呼吸器そのものがチトノの膣と一体化しているかの
ような錯覚を憶えていた。斯様な同調(シンクロ)を得て今や、彼女の興奮や快感がまるで自分のことのように感じら
れるのだ。
138金と銅貨のワルツ:2011/03/21(月) 19:59:30.32 ID:R1wiEatv
 二人は今、心と体とを完全に共有しあった存在となっていた。
「レェス君……もう欲しいよ。レェス君のおチンチン欲しいよぉ」
「うん。オレも……オレも、チトノさんに入れたい」
 どちらが言い出すでもなく二人は言葉を紡ぎ合うと、示し合わせたかのよう見つめ合い、そして自然と口づけを
かわす。
 ついばむよう小さな音を鳴らしながら何度も互いの唇を味わいながら、チトノは体を起こし四つん這いにレェス
へと尻を突きだす。
 それを前にレェスも目の前に晒された臀部を両手で握りしめ、乗り上げるようにチトノの背に覆いかぶさる。
 性知識に関しては全くの無知であるはずのレェスではあったが、チトノの背に乗りあげるその動作には一切の
迷いは無い。この体位こそは、人以前の『獣』であった頃からの本能でレェスは知り得ているのであった。
 チトノもまたそんなレェスの重みを背で感じながら伸ばした右掌を彼のペニスに添え、それを己の膣へと導く。
 そして開ききったチトノの膣口にペニスの尖端を宛がいついには――

「くッ……あううぅんッ」
「あッ……は、入ったぁ……!」

 ついには、レェスはチトノの膣(なか)へと挿入を果たしのであった。


139金と銅貨のワルツ:2011/03/21(月) 20:02:14.10 ID:R1wiEatv

【 5 】


 かくして念願の童貞卒業を果たしたレェス。――ではあったが、その心境に喜びや達成感は微塵として無かった。
その時のレェスはとても、そんな感傷にふける余裕など持てるような状況それどころではなかったのだ。
――ち、チンコが無くなった……!
 陰茎全体を包み込む未知の感触それに戸惑うレェスには、今の挿入にただただ震えるばかりだ。
 ぬめりを帯びた膣の内壁にむき出しの粘膜(ペニス)を包み込まれているのだ。激しいこそばゆさが茎一点に集中
するかのようなその未知の感覚に、とてもではないがレェスは何か考えることなど出来なくなっていた。
「ふふ、どうレェス君? ドーテー卒業できた感想は」
「は、はわわぁッ。う、動かないでぇ、チトノさん!」
 膣(はら)の中にレェスを感じながら腰をくねらせるチトノに、対照的にレェスは悲鳴に近い声を上げる。
 もはや今、この陰茎を包み込んでいる感触が快感かどうかすらも判らない。ただ今は、少しでも気を緩めたら
達してしまいそうになる痛痒感それにレェスは堪えるばかりであった。
「もー、レェス君ったらー。動かないと気持ち良くなれないよー?」
「わ、わわわッ、あうあう……。で、でもさぁ、こんなので動いたらすぐにイッちゃう……ううう」
 チトノからの叱責にレェスも己の甲斐性無しを呪わずにはいられない。とはいえしかし、それを責め立てるチト
ノもまた、充分にレェスの現状を知りつつそんな言葉を投げかけている訳でいたりする。ようは今の状況を楽しん
でいる訳だ。
 やがては、
「すぐにイッちゃってもいいのにー? ……だったら、私だけ楽しんじゃうんだから♪」
 鹿爪らしく言って微笑んだかと思うと、チトノは尻尾を振るような要領で尻根をこねて、自らレェスの腰元へと
臀部を打ち付けるのであった。
「はわわわ! だ、ダメ! くすぐったい! オシッコ出るー!」
「出しちゃえ出しちゃえ♪ それそれー♪」
 その動きに耐えかねて腰を引くレェスを追いかけるよう、チトノもさらに尻を押し付けてその跡を追う。
 そうして逃げるレェスを追うを繰り返すうち、ついにレェスは腰砕けて仰向けに倒れる。そんなレェスの上に、
「んふふー、登頂ー♪」
 チトノは騎乗位に乗り上げて、背中越しにレェスを見下ろすのであった。
「さぁ、これでもう逃げられないよぉー。たくさん動いちゃうからね♪ ――よいしょっと」
「あ、あわわわッ、捻じれるぅ!」
 乗り上げたレェスの腰の上、依然として繋がったままのチトノは正面から彼を見下ろせるよう尻を回し体位を
変える。そうして改めて見下ろすそこに泣き出しそうな表情のレェスを見つけ、
「……可愛い。本当に可愛いんだから」
 チトノは上体をたおらせてレェスと胸元を合わせると、今まで以上に深く口づけを交わすのであった。そうして
何度も舐り尽くしてレェスの唇を味わいながら、チトノは挿入されている腰元を上下させていく。
「ん、んんッ! んー!」
 その動きに刺激されて判りやすいほどに腰元を跳ね上がらせて陰茎の痙攣を激しくさせるレェス。今度は先の
後背位のよう腰を引いて逃げることは叶わない。そしてそれを知るからこそチトノもまた、
「ほらほぉら。気持ちいいでしょー? 気持ちいいよねー、レェスくぅん♪」
 母犬が我が子を愛撫するよう何度もレェスの頬や鼻頭に舌を這わせて腰の動きを激しくさせる。
140金と銅貨のワルツ:2011/03/21(月) 20:04:17.39 ID:R1wiEatv
 一方のレェスはすでに限界が近い。否、もう自分自身では今の限界を見失っている。
 陰茎に力を込め過ぎるがあまり肛門はその内へ窄むほどに締まり上がり、ペニス全体は鼓楽器のスネアさながら
に小刻みな痙攣を以てチトノの膣内で何度も跳ね上がり続けた。
「も、もうダメ……漏れるぅ……ッ」
 そしてついにその時は来る。
「イクの? レェス君、イッちゃう?」
 息も絶え絶えに漏らされるそんなレェスの反応に、チトノも打ち付ける尻根をより激しくしてその時を迎えよう
とする。
「イッて。イッていいよッ。たくさん出して。私を妊娠させるくらい出して♪」
「あうぅ………ッ」
 そして一際深く腰を打ちおろし、チトノの奥底にある子宮口が吸いつくよう尖端を啄ばんだその瞬間――レェス
はありたけの精をその膣(なか)に放出してしまうのだった。
「あん、熱ぅい……ッ♪」
「あ、あ、んあッ……」
 チトノの膣の奥深くにペニスを咥えこまれて射精をするレェス。しかしながら突き当りとなる子宮口の収縮に
合わせて射精しているに至っては、それはレェスが自律的に行っているというよりはむしろ、チトノによって絞り
取られているといった方が正しいともいえた。
 事実レェスは今、
――あぁ……バカになる……バカになっちゃう………。
 一跳ねごとに尿道を通る精液の奔流を感じながら、今までに体験したこともないほどの量の射精と快感を実感し
ているのだから。
 そんな依然として射精の続くレェスのペニスを咥えこんだまま、ようやくチトノもその動きを止める。やがて
射精の切れを確認し、完全にレェスのペニスがその動きを止めるのを確認すると、チトノはゆっくりと上体を置き
上がらせ大きく息をつくのであった。
「いっぱい出たねぇ。気持ち良かった?」
 依然として上気した表情で見下ろすも、大きく呼吸を弾ませたレェスはただ泣き出しそうな視線を向けるばかり
である。
「何も答えられない? んふふ、すごかった? ふふふ♪」
 そんな視線を受けて一方のチトノは満足そうだ。立ち膝になってようやく自分の膣からレェスのペニスを引き
抜くと、水の沸くような粘性の水音と共に放出された精液がそこから漏れて内腿を伝った。
「うわ、すごーい。こんなに出して貰えたのって久しぶりー♪ やっぱ若いっていーねー」
 その眺めに喜びの声を上げると、チトノはそこに伝う精液それを指先でぬぐいさらには咥えて己の愛液と混ざり
合ったそれを味わい堪能する。
「んふふ、エッチな味ー。……ねぇ、まだイケる?」
 そうして本日二回戦目となるおねだりを、色気たっぷりの流し目に乗せて伝えるも、
「はぁふぅ、はぁふぅ……ッ」
 肝心要のレェスは、依然として仰向けに寝そべったまま返事すら出来ない有様であった。
141金と銅貨のワルツ:2011/03/21(月) 20:06:23.54 ID:R1wiEatv
――お口でも一回抜いちゃったしもう無理かなぁ……
 そんなレェスの様子にチトノもまた諦めかけたその時であった。ふと立ちあがる内腿に何か当たる感触を感じて
視線を落とす。見下ろすそこにあったものは――何物でもない、堅く屹立したレェスのペニスであった。
「わぁ、すごいッ。素敵ー♪ まだイケるじゃない」
 その様子に声を明るくして喜ぶチトノではあったが、一方のレェスはというと未だに大きく胸元を上下させて
呼吸を弾ませるばかり。チトノの言葉に反応している様子は見られない。
 おそらくは極度の緊張状態にあるが故の生理現象であると思えた。けっして性的な興奮を憶えているからではない。
 しかしながらそんなこと発情してしまった雌(チトノ)には関係ないもの。勃っている物は親でも使うが信条だ。
「それじゃ勝手に私が楽しんじゃおうかな♪」
 言いながら再びレェスの上に跨り直し、屹立した茎の尖端を秘所へと誘うチトノ。
「ふふふ、今度はもっとすごい所に入れてあげるね」
 そしてイタズラっぽく微笑んだかと思うと、チトノは一気に腰を落として再度の挿入を果たした。
「はぁはぁ……、んッ!? うわわッ?」
 再び茎を包み込んだその感触にようやくレェスもまた覚醒して声を上げる。
 しかし驚きの声を上げたのは、急な挿入に驚いたからではない。いま陰茎全体を包み込んでいる感触が、今まで
の膣の物とは明らかに違ったものであったからだ。
 先程までペニスを包み込んでいた感触は、どこまでも柔らかくて暖かなものであった。故に挿入を果たした瞬間
には、そのあまりにもソフトな感触に茎の境界を見失ったほどである。
 しかしながら今、この身を包み込む感触は明らかに違った。
 ペニスを包みこんでいる今のそれは、堅く弾力に富んでいて、それでいて焼けるように熱い。感触としてはチト
ノの口唇にて口取り(フェラチオ)されていた時と感触が似ているが、それ以上にきつく締めつけて、なおかつ粘液の
ネバつくような感触を憶えていた。
「な、なに? ……なんなのぉ?」
 そんな感触に驚いて首を持ち上げるレェス。しかしながらそこから見つめる眺めは、つい先ほどまでの騎乗位に
挿入されていた時と変わらないように思えた。
「ふふふ、これじゃ判りづらいかな? それじゃあさ、これならどう?」
 レェスの困惑した表情をこれ以上になく楽しそうに見つめながらイタズラっぽく微笑んだかと思うと、チトノは
再び腰を上げて密着して居た腰元を離していく。
 ペニスの中程が見えるまで腰を上げると、チトノは関取の四股さながらに両足をガニに開いた露わな格好となる。
そんなチトノの、下品ともとれる姿勢になぜかときめきを憶えてしまうレェス。
「ほっほっ、と♪」
 曲げた両膝がしらの上に左右それぞれの掌を突いたまま、チトノは体を回しレェスの体をまたぎ直す。
 そうして同じ騎乗位ながらも、その背を完全にレェスへと向けた姿勢になるチトノ。
 なだらかな背のラインと、そしてその尻根にて依然、陰茎を咥えこんだ壮観がレェスの前に広がる。
 その瞬間になって、レェスは自分のペニスがどこに埋まっているのかを理解した。チトノの思惑を理解する。
 膣とはまったく違った感触のそこ――自分のペニスは今、
「お、お尻ッ? お尻の穴の中に入っちゃってるの?」
「そうだよー? 今度は肛門(アナル)で食べちゃった♪」
 互いの言葉にて確認する通り、レェスのペニスは今、チトノの肛門(アナル)の中に深々と挿入されてしまっている
のであった。
142金と銅貨のワルツ:2011/03/21(月) 20:08:29.10 ID:R1wiEatv
 その挿入感たるや、膣に包まれていた時とは180度変わるほどの印象だ。
 本来は性交に使用される個所ではない肛門と直腸そこは、排糞をひり出す為に独特の収縮筋が発達した部位である。
故に粘膜であった膣とは違い、剥きだしの排出器官の内壁で締め付け、そして扱く行為は暴力的とすら言えた。
 それでもしかし、
「お、お尻……お尻の穴………」
 それでもしかし、レェスは今の状況それに興奮せずにはいられない。
 かねてより肛門そこへ強い執着があったレェスである。それが性交に使われたと理解するや、彼の中の性的衝動は
むしろ、膣部にてそれを行っていた時よりも激しくその胸の中で駆り立てられるのであった。
 そして、
「お尻!」
「え? ――きゃうんッ!」
 目の前に突き出されたチトノの臀部両房をワシ掴んだかと思うと次の瞬間、レェスは強くそれを引き寄せて、
さらには激しく突き上げた腰をそこへ打ち付けた。
 突然のそれに驚いて目を剥くチトノではあったが、それこそが始まりであった。
「お尻ッ! お尻ッ!! チトノさんッ!」
 そこから間髪入れずしてレェスは二撃目となるピストンを打ちこむ。それが始まりであった。
 ベッドのスプリングも利用して腰を弾ませるレェスの激しいストロークは無遠慮にチトノのアナルを突きえぐっ
ていく。ここに至るまですでに二回の射精を経ているせいか、今レェスにはみこすり半で果ててしまうような敏感さは
残ってはいない。レェス本来の持つ逞しさを存分にぶつけてくるその腰の動きとそして情動は、まさに原始の
雄が持つ猛々しさそのものであった。
 そして突然のそんなレェスの発火に中てられたチトノはたまったものではない。
「あ、おッ……ま、まって! まってぇ、レェス、君……は、激しいッ、い、痛い……!」
 どうにかその暴力から逃れようと身をよじるも、そんなレェスの上に騎乗位で腰抜けてしまっている状況では
満足にそこから動くことすらチトノには難しかった。ましてや臀部の肉をその形が歪むまでにワシ掴みされて拘束
されているのだ。チトノはただ、為されるがままにされるしかなかった。
 しかし――そこは百戦錬磨のプロである。この手の理性切れした客の相手はチトノとて心得ている。
――あちゃ〜、悪乗りしすぎたなぁ。もう、言葉なんか届かない状態になっちゃってる……。
 とりあえずは今の状況分析に勤めるチトノ。依然としてレェスに犯され、その体の自由を拘束されながらもしかし、
そんな中でも自分でコントロールできる体の箇所と部位とを確認する。
――このまま立ち上がることは無理。終わるまで動けないって言うのなら……イカせるのみ!
 そしてチトノも覚悟する。
 彼女がとった行動は、
「んッ……んぅ、んぅ、んぅ!」
 責め立てるレェスへとさらに、己からその身を呈することであった。
 ぶつけてくる腰に合わせて自分からも強くそこへ尻根を打ち付ける。さらには腹部に力を込めると、
「んッ? う、うわわぁ!!」
 そんなチトノの行動にレェスは声を上げた。
143金と銅貨のワルツ:2011/03/21(月) 20:11:14.21 ID:R1wiEatv
 その『行動』の正体それとは――
「んふふー……ぐねぐね動くでしょ?」
 チトノがアナルにて、レェスのペニスを包み込む直腸の締め付けをコントロールしているに他ならなかった。
 吸い込むよう腹部をへこませて次は吐き出すように、それこそ排泄さながらに直腸へ力を加えると、チトノの
アナルそれは波打つような収縮を繰り返してレェスの陰茎を扱きあげた。
 口唇や掌による愛撫、ましてや膣内ですら経験できなかった未知の動きである。その精妙な括約筋の動きにたち
どころにレェスの射精感は熱せ上げられ、そして昂ぶらさせる。
「あ、あうぅ……ち、チトノさん……もうダメぇ」
 その段に至りようやく理性を取り戻しつつあったレェスではあったが……
「ダメぇ! まだイッちゃダメ! 私も、イキそうなの! レェス君のチンチンでイキそうなの! ウンチの穴を
ごしごしされてイクのぉ!!」
 その頃には立場は逆転し、今度は姦淫の虜となったチトノが理性をかなぐり捨てた声を上げているのであった。
「んうーッ、んぅーッ! お尻! ウンチ、イクッ!!」
「あ、うああああああ……ッ!」
 もはや腰を打ち付けるチトノの動きの方がレェスの突き上げるそれを凌駕して激しさを増す。
 射精を間近に控えて限界にまで充血して肥大したペニスを咥えこんだアナルは、その淵のしわが伸び切ってしまい
真円にその形を変えている。打ち付けるごとに内部にて互いの体液と空気とを撹拌した直腸は、激しく放屁を繰り
返して滲んだ水音を響かせるのだった。
 そしてついにその時は来た。
「い、イク……イッちゃう……お尻でイッちゃうよぉ、レェスくぅん!」
「あ、んうぅぅぅ……もうダメぇ……」
 チトノのオルガスムスとレェスの射精感とがその数瞬、重なった。斯様にしてシンクロし始めた体は、互いの
絶頂の波を同調させようと何度も激しい痙攣を器官に引き起こさせる。
「んぅーッ、いくぅー! おぉッ……イクのぉー!!」
「あ、あぁ………もうダメぇ」
 そして一際強いレェスの打ちこみがチトノの深部を突きえぐいた瞬間―――

「おッおッおッおッ、ッ〜〜〜〜〜〜あおぉぉぉ―――――んんッッ!!」
「あッ……うわああぁ……ッ!!」

 二人のオルガスムスが完全に重なった。
 絶頂の衝撃からコントロールを失ったチトノの直腸は激しいまでの収縮と締め付けを繰り返し、そして射精に至った
レェスのペニスはそんな直腸の動きに誘われて止めどない精液の奔流を彼女の中へと吐きだし続けるのであった。
 ノドを反らせ、弓なりに体を反らせて天を仰ぐチトノ。口唇(マズル)を細めて長い咆哮を吼え猛るその姿は、原始の
野獣そのものだ。
「お、おぉ………ん、ふぅんッ」
 やがてはそんな絶頂に硬直していた体からも力が抜けると、チトノは両腕をベッドにつき大きく肩で呼吸を弾ませる
のであった。
144金と銅貨のワルツ:2011/03/21(月) 20:13:14.70 ID:R1wiEatv
 そんなチトノを依然として腰の上に乗せながらレェスも大きく呼吸をして酸欠に熱せ上がった体に冷気を取り
込もうと胸元を上下させる。
「ぜはー、ぜはー……はぁー……」
 徐々に呼吸が整って、熱に焼かれた頭にも酸素が行き渡るとレェスも普段の自分を取り戻す。
 僅かに首を持ち上げて自分の体を望めば、そこにはまだ豊満な肉尻を自分の腰元に潰し乗せたチトノの背の峰が
見えた。
 そんなレェスの視線に、僅かに横顔を向けたチトノの流し目とが合う。その一瞬の邂逅で彼女は微笑んだかと
思うと、レェスの上に座り込んでいた体をゆっくりと体を持ち上げて、自分の肛門そこからレェスの陰茎を引き抜い
ていくのだった。
 その途中の、互いの粘膜が擦れ合う感触に二人はくぐもった声を上げて快感の余韻に震える。かくして完全に
レェスのペニスが解放されると、いまだ硬さを保ったそれは大きく反動してレェスの内腹にその背を打ち付けるので
あった。
 赤剥けて屹立したペニスと、その上にある広がり切ったチトノのアナルの光景――レェスの怒張した茎を納めて
いたことはもとより、数度に渡る激しいピストンに掘り穿たれた肛門は、その淵がすっかり体内に押し込められて
ぽっかりと洞のような穴をそこに開いていた。
 しかしやがてはそこも、肉体の回復と共に押し込まれていた外肛門の括約筋が降りて穴を塞ぐと、肛門はドーナ
ツ状に円環の肉を盛り上げて完全に直腸を閉じるのであった。
 そんな一連の動きにレェスも全ての行為が終ったことを察する。これにて、自分の『諸体験』の全てが終了した
のだと実感した。
 しかし――そんな最後の瞬間こそに、その体験は待っていたのだ。
「ふふ……よぉく見ててね」
 自分のアナルに釘付けとなっているレェスを背中越しに確認すると、チトノは突き出すよう尻を持ち上げて、先
のアナルをさらにレェスの前へと明らかにする。
「んッ………ふッ、んんッ!」
 そして呼吸を止めて腹部を締め、再びアナルへと力を入れた瞬間――仔猫の鼻のよう濡れそぼった肛門は、再び
その身を盛り上がらせて閉じた出口を開き始めるのであった。
「え? えッ?」
 そんな目の前の光景にただレェスは戸惑うばかりだ。このチトノが今さら、自分に対して何をしようとしている
のかが理解できない。……否、ある種『理解できていた』からこそ困惑したのかも知れない。なぜならば性交以外
で肛門を力ませる行為が意味することはただひとつ、『排泄』に他ならないからだ。
――な、何するつもりなの? まさか、本当に……!
 そんな状況と予想に焦りつつも、チトノのアナル一点に視線を注いだままのレェスはそこから身動きを取ること
が出来ない。理性ではその『最悪の状況』を嫌悪しつつもしかし、本能ではそれを目撃することを望んでいたりも
する。
 やがて見守り続ける中、再びぽっかりと口を開いた肛門の中に今度は奥から押し出されてきた直腸の内壁が浮き
出して、ぴっちりとその空洞を埋める。
 先に拝見した膣部の奥底に見えた子宮口を連想させるよう、直腸の真部には小さな穴が窺える。
145金と銅貨のワルツ:2011/03/21(月) 20:15:20.63 ID:R1wiEatv
「ん、んぅ〜……ッ。い、いくよレェス君。よく、見ててッ」
 そして力み続けていたチトノがそうレェスへと言葉を掛けると同時、直腸の肉穴は水音を多く含んだ放屁を奏で
る。
 か細く長くそれは続き、そして腸内の空気が全て絞り出されると次の瞬間には――先に飲みこんでいたレェスの
精液がそこからひり出されるのであった。
「え? え? あ、あぁ……!」
 真っ赤に充血した直腸から絞り出されて来る純白の精液――己のペニスの上へとひり出されるそれの眺めに、ただ
レェスは混乱するばかりだ。
 一方のチトノとて遠慮などしない。
 一度その逆流が始まると、直腸は排泄さながらにその内部をうごめかして、出だしの時以上に勢いも強く、大量
の精液を送り出してくるのであった。
 そんなひり出す精液の中に、
「んうッ、んう〜……くぅんッ」
「あ、あぁ……血が、混じってるの?」
 僅かに血の赤と、そして茶褐色の筋が混じる。
 それこそはレェスのペニスがどれだけ乱暴にチトノの奥深くまでを犯していたかを雄弁に物語るかのようである。
その様にレェスは嫌悪を憶えるよりもむしろ、いかに自分が無慈悲に彼女を責め立てていのかを、そしてチトノが
いかに献身的に自分へと接していてくれていたのかを悟るのだった。
 そうして再び開ききった肛門が元に戻る頃には――屹立する己のペニスは、同じく自分のものとなる精液で真っ
白に盛り付けられているのであった。
 それを前にチトノはようやくレェスの上から移動すると、先の愛撫(フェラチオ)の時と同じように、彼の股座へ
上体を納めてそのペニスと対面する。
「ふふふ、こんなにいっぱい出したんだねぇ。すっごいいっぱい」
 目の前に立つ精液まみれのペニスにチトノは恍惚と微笑んでみせる。
 粘膜の光る赤身の剥きだされたペニスに純白の精液がデコレーションされたその様は、さながら生クリームを
用いた洋菓子のような眺めですらある。
 そしてそんなレェスのペニスへと、同じくデザートでも食するかのようチトノは舌を這わせるのだった。
「あ、あぁ? ち、チトノさんッ?」
 そんなチトノの行為にレェスは戸惑わずにはいられない。なぜならば今チトノが口に含んでいるそれは、つい
先ほどまで彼女の直腸の中におさめられていたものであるのだから。
 しかしそれは彼女とて知るところ――
「すっごいエッチなデザートだね♪ 臭くてべとべとで……すごく美味しいよ、レェス君」
 それに嫌悪を抱くどころか、チトノはそれを口に出来ることへ強い興奮と、そして喜びを見出しているのであった。
 口先を細め、下品に音を立ててそれを啜ると、あとは丁寧に茎や根元の茂みに沁み込んだレェスの精液それを
チトノは残らず飲みほしていく。
 ついには歯を立てて食するかのよう自分のペニスを甘噛みし貪るチトノを目の間に、再びレェスは興奮から強い
目眩を感じて意識を朦朧とさせた。
 彼女の口の中で陰茎がされるようにレェスの意識も舐め溶かされて………いつしか現世(うつしよ)と己の境界を
見失うのであった。

146金と銅貨のワルツ:2011/03/21(月) 20:17:55.18 ID:R1wiEatv

【 6 】


 再度のことであった故か、二度目の覚醒においてレェスが取り乱すことは無かった。
 むしろ目覚める自分に「大丈夫?」と声を掛けてくれるチトノを確認して、レェスはひどく恐縮したほどである。
――そっかー……エッチしちゃったんだよなぁ。こんな綺麗な人と。
 改めてチトノを観察してレェスはそんな思いに耽る。
 行為前には何とも妖艶に見えていた彼女ではあるが、今こうして気分落ち着けて対峙するチトノには、どこか
少女のような華やかさもまた感じられた。種族柄、細めがちの瞼にもしかし、その奥底に宿る瞳には黒の光彩が
大きく煌めいて、まるで無垢な子供のそれを覗き込んでいるかのようだ。
 それを感じてしまうが故に、
「オレは……最低だ」
 冷静さを取り戻したレェスは、ただ己に嫌悪してしまうのであった。
「ん? どうしたの、レェス君? エッチのこと? 初めての割には良かったと思うよ」
「違うよぉ。違うんだ……オレが言ってるのは、女の子にあんな酷いことをしちゃったってこと。それと――」
「……それと?」
「それと……お金で、女の子を買っちゃったってこと」
 それを告白してきつく瞳を閉じるレェス。
 ここに来る前より思い悩んでいたことではあったが、いざ事が済んで冷静になるとそのことは、射精後の罪悪感
もあって尚更に重くレェスの心に圧し掛かるのであった。
 そしてそんな告白を聞いて、鼻を鳴らすようため息をつくチトノ。
「ねぇ、レェス君」
 不意にその名を呼び、レェスの顔を上げさせると――
「でこぴんッ!」
「ッ!? うわたぁッ!!」
 親指で引き絞った人差し指の一撃を、チトノはそんなレェスへとお見舞いするのであった。
「レェス君。『お金で買う』ってこと以上にね、今の君の考え方って女の子を傷つけてるんだよ?」
「あつつつ……え?」
 涙目で見上げるそこには、思いもよらぬ真剣な面持ちのチトノ。
「レェス君は、『お金の力で女の子を言いなりにさせてる』ってことを悩んでるんでしょ? ――そうね。確かに
その一面もあるわ。だけどね……」
「だ、だけど?」
「だけど、買ってもらう以上は私達だってこの仕事にプライドを持ってるんだよ?」
 言いながらチトノは、ずいとレェスに顔を寄せる。
「確かに抜き差しならない事情でこういう仕事をしちゃってる女の子だっているけど、でもだからこそプライドを
持っているの。けっして自分は『奴隷』なんかじゃないっていう思いがあるからこそ強くいられるの」
 命を扱う医者が己の技術を信頼するかのよう、そして世に感動を造り出す芸術家が己を誇るように、チトノ達
『娼婦』もまた己達がこの生業を担うことにプライドを持っている。それこそは自分達にしか為し得ないことであり、
そしてこの仕事こそは世の男達の救済であるのだ。
147金と銅貨のワルツ:2011/03/21(月) 20:20:06.94 ID:R1wiEatv
 確かに望まれずにこの仕事に就く者はいる。しかしだからこそプライドを持たねばならない。自身が世に必要な
存在であると鼓舞し、強くならねばならない。
「私たち娼婦が本当に堕落して、「人」の尊厳を失っちゃう瞬間っていうのはね―――」
 それこそは『金の為に身を売る』こと――そう思った瞬間に娼婦は堕落し、そして惨めな人生の放浪者になるの
だとチトノは言った。
「こんなのは強がりかもしれない……どんなに女の子たちがそう思おうと、現実はやっぱり『最低の仕事』をやら
されているのかもしれない。でもね、たとえ強がりだったとしたって、そんなプライドがあるからこそ私達は綺麗
で気高いの」
 だからこそレェスの言葉、そして要らぬ思いやりは娼婦の心を傷つけるのだ。
 労われるるほど哀れまれむほどに娼婦たちは対等さを失い、そして人以下の存在とされていってしまう。
「だからこそ、女の子を買う時、そして買った時には笑顔でいて♪ 『気持ち良かったよ』ってお世辞でもいい
から言って、そして感謝して欲しい。――そうすればきっと、レェス君だってもっと気持ち良くなれるよ」
 そう結ぶと、チトノは少女のように微笑んで触れるばかりのキスをした。
 そんなキス、そんな言葉、そしてその想いを受けて――レェスは今日まで自分を苦しめ続けてきた頭の霧が晴れ
るような想いがした。
「オレが………僕が勝手に差別して、傷つけ傷つけられしてたんだね」
 呟くように言って瞳を閉じると、レェスは堪えるように深くため息をつく。
 自分もまた同じであったことに気付く。
『つまらない』と見限りをつけた故郷も家業も、全ては自分の身勝手なプライドが生み出した思い込みであったの
だ。
 それゆえに居場所を見失い、傷ついた。自虐的に自分と、そしてそれを取り巻く環境を蔑むがあまり、いつしか
レェスは自分を見失って惨めに悩む結果となった。
 それこそは娼婦に対して抱いていた、差別的ともいえる思いやりと一緒だ。
 哀れめば哀れむほどに、それに晒された心は対等さを失って落ち込んでいった。そしていつしか堕落して、自分
自身を見失ったのだ。
 娼婦とて自分自身とて、何ら変わりなど無い。
 皆が同じように生きることを悩み、そして強くあろうとしているのだ。
 そのことに気付いた瞬間、そしてようやく等身大の自分自身と向き合うことが出来た今――『身勝手な子供』で
あったレェスはようやく、名実ともに『大人』入りを果たしたのであった。
 それを理解すると途端に心が軽くなった。
 そして目の前のチトノを改めて確認すると、

「ありがとう、チトノさん。初めての人がチトノさんで、本当に良かった」
 
 レェスは心からの感謝と共に、ここに来て初めての笑顔をチトノへと贈ったのであった。
 そんなレェスを、
「ん………ッ〜〜〜〜、レェス君!」
 チトノは強くその名を呼んで、飛び込むように彼を抱きしめる。
148金と銅貨のワルツ:2011/03/21(月) 20:22:22.04 ID:R1wiEatv
「なに、その笑顔? 可愛すぎ! もっと……もっと笑って」
 素直なレェスの笑顔にこれ以上なく母性をくすぐられたチトノは、胸の中に抱き込んだ彼の額へと何度もキスを
する。
「もう一回しよ? ねッ、もう一回!」
「も、もう一回? 出来るかなぁ……」
 戸惑うレェスをよそに有無を言わさずに押し倒すと、再びチトノはレェスへと愛撫を施す。そしてそんなチトノ
をレェスもまた抱き返すのであった。

 お金でも仕事でもない、刹那の恋ただそれだけに燃える二人の姿がそこにはあった。



★         ★          ★




149金と銅貨のワルツ:2011/03/21(月) 20:25:21.37 ID:R1wiEatv


 寝室の窓から望むそこ――ガラス越しに見下ろす目下には、千鳥足で送迎のブルームに向かうレェスの姿があった。
 そんな彼をそこより見送りながら、
「……また来てね、レェス君。約束だよ」
 未練に胸を焦がしながらチトノは熱くため息を漏らすのであった。
 結局あの後さらに三回戦を強いられたレェスは生まれたての仔馬のよう足腰おぼつかなくさせて帰っていった。
 そうまでして愛し合ったからこそチトノにはその別れが惜しくて仕方がない。
 先にレェスへと述べた、『プライドを持つ』ということは同時に、この行為を『仕事』ではなくしているという
ことでもある。すなわちレェスと肌を合わせるということはチトノにとって、恋人と逢瀬を交わす瞬間に他ならない。
 故にそんな想いを寄せた客(レェス)がここを去ってしまうことに、チトノは仕事としては割り切れない想いに後ろ髪を
引かれていつまでもレェスの乗る馬車を見送るのであった。
 と、そんな感傷にふけるチトノの寝室へと――
「あー! 店長ー! また、やったでしょー!」
 突如としてそこのドアが開かれたかと思うと、けたたましいまでのその声が響き渡る。
 それに引かれて背後を振り返れば、そこには兎の少女が一人。
 綿毛のように細く透き通った純白の毛並みの彼女は、チトノに比べるとずっと若いように思えた。
 そんな少女が、本来は端整であろう表情を怒りにしかめてこちらへと向かってくるのである。
 その接近に、
「あ……あはは、ルウエ。こんばんわー♪」
 チトノも苦笑い気に取り繕って彼女・ルウエを迎え入れる。
 しかしそんな会釈で以て迎えられても、依然としてルウエの憤然とした表情は変わらない。
 その理由こそは………
「チトノ店長! またアタシのお客さん取ったでしょー!!」
 その理由に他ならなかった。
「ご、ごめんね。『童貞君』が来るって聞いたら居ても立ってもいられなくなっちゃってさ」
「もー、何回目なんですかッ!? アタシ、先週から発情期入るってるんですよ! もー! せっかくのチンコだった
のにーッ!!」
 謝るチトノに憤慨やまない様子で叫ぶと、ルウエは今しがたまで二人が愛し合っていたベッドに飛び込み、そこに
残る愛の残滓を嗅ぎ取っては転がるように身悶える。
「まーまー。明日にはお得意さん来るんだから、その時に今日の分まで一緒に可愛がってもらいなよ」
「だからって今日は今日で収まりませんよぉ! ……責任、とってもらいますよ?」
 ベッド上から見上げてくるルウエの視線にチトノは寒気を感じて背を震わせる。
150金と銅貨のワルツ:2011/03/21(月) 20:27:27.39 ID:R1wiEatv
「えっとぉ……ふぁ〜、今日はもう疲れて眠いなぁ。じゃ、おやすみー」
 そうしてベッドの脇を通り過ぎようとするチトノの尻尾を、
「そうはいくか! 今夜は店長にお相手してもらいますからね」
「いッ――、きゃあ!」
 ルウエは両手でワシ掴むと、漁網のよう引きよせてチトノをベッドへと引きずりこむ。
「もー、勘弁してよー。今夜は本当におなかいっぱいなんだってばぁ」
「こっちはペコペコなんですー! じゃあ……最初はそのおなかに溜まったミルクから♪」
「ちょっとぉ――、あんッ」
 かくして同業の客を横取りしてしまった償いを身を以てさせられるチトノ……。彼女の夜はまだまだ長くなりそ
うなのであった。




 ――――と、
 斯様に問題ありの嬢ばかりが集うお店ではありますが、それでもきっとお客様においてはご満足いただけるかと
思います。
 お金とお時間に余裕のお方はぜひ一度、ご来場くださいませ。
 紳士の遊興場『Nine・Tail』―――今宵も美しき九人の尻尾達が、あなたのご来場をお待ちしておりますよ。






【 おしまい 】

151金と銅貨のワルツ:2011/03/21(月) 20:29:55.92 ID:R1wiEatv


――以上で全てとなります。長らくすいませんでした。
長い読み物となっておりますので、気の向いた時にでも楽しんで頂ければ幸いです。

次回もまた何か書いたら持ってきます。
長らくの投下にお付き合い頂いてありがとうございました。

152名無しさん@ピンキー:2011/03/21(月) 21:02:48.10 ID:QKH9ztcC
乙ん
後でゆっくり読ませていただきます
153名無しさん@ピンキー:2011/03/21(月) 23:13:31.29 ID:ms3XTi2T
うおぉ大作超GJ!
じっくり読ませてもらいます!
154名無しさん@ピンキー:2011/03/21(月) 23:22:27.53 ID:lwiPK5tu
こっちから書き込めるだろうか?
大作超GJ!! 連投お疲れ様でした。
明日が早い、今週から激忙しくなるのですぐに感想は返せませんが
合間合間に楽しく読ませていただきます。
これで明日を生き抜けます、割と真面目に。
155名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 09:54:55.79 ID:Y89YNzOz
ベリィグッド!
大好きだぜ店長!
156名無しさん@ピンキー:2011/03/23(水) 05:46:34.27 ID:aFSioHCv

>>155
ありがとうございます。楽しんで頂けたのなら何よりです♪
チトノに関しましては、キャラが立つよう苦心したので印象を残せたのなら嬉しい限りです。
また次回もよろしくお願いします。
157名無しさん@ピンキー:2011/03/23(水) 21:33:07.48 ID:NhhA2k9E
うわエロいな
ここ行ってみたい
158名無しさん@ピンキー:2011/03/28(月) 22:01:30.77 ID:phvv9W5z
チトノルウエレェスて読みにくい…毎回思うがこの作者はネーミングセンスだけはないな
159名無しさん@ピンキー:2011/03/29(火) 09:11:16.47 ID:StYcb7Rd
別に良いんじゃね
無難な名前にするのも良いけど
どこかで聞いたような名前になってイメージに変に影響されることもあるし
読みにくいと言っても音読しろと言われてるわけでもなし
160名無しさん@ピンキー:2011/03/29(火) 09:32:04.24 ID:E7/fZAiJ
いや変な名前なのは糞
読みにくい上に白ける
オリジナリティー出したいのか知らんが無難な名前のほうがまだマシ
161名無しさん@ピンキー:2011/03/29(火) 12:28:28.92 ID:mZdAYL5b
テキストエディタには、置換とか置換とか置換とか
便利な機能がいっぱいあってな…
162名無しさん@ピンキー:2011/03/29(火) 18:21:56.38 ID:9tjWj2IJ
大正ディモクラスィに似たる響きにせんとし、失敗してゐるように我は思ふのである。
163名無しさん@ピンキー:2011/03/29(火) 18:42:11.63 ID:IvMNJC8w
クシャナとかウッソとかエゥーゴとか、
当初は「何その変な名前・・・」と思われても
その内に定着して自然に思えるようになるネーミングな作品なんていくらでもあるのに・・・
164名無しさん@ピンキー:2011/03/29(火) 20:29:51.06 ID:jV32zC49
もっと物語の中身を語ろうぜ・・・・・こういう流れは毎度ながら切なくなってくる
165名無しさん@ピンキー:2011/03/29(火) 22:20:22.27 ID:StYcb7Rd
スルーでいいんじゃね
名前が気に入らないだけで糞呼ばわりとかちょっと…だし
166名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 07:06:20.02 ID:M/ovCcqf
こういう書き込み見て職人が離れていかなきゃいいけど……
167名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 07:35:51.89 ID:IFheWe9n
離れちゃうよねぇ
批判は怖いからねぇ
168名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 08:10:05.03 ID:Ji0d7/wO
エロパロ板やめたら、リアじゅうになったよ!
169名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 08:20:21.44 ID:aLiaf1gg
ハハハ。評価されないよりこき下ろされたほうがましなんだぜorz
170名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 08:55:24.37 ID:1ZwgsiPo
急に沸いて出る擁護きめぇwwww
>>163
挙げた名前すべて変な名前だと思ったことないわ
171名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 09:18:44.85 ID:IFheWe9n
早速ブーメランか
172名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 09:29:04.83 ID:u/Pm5Ksv
>>170
お前のネーミングセンス見せてくれよ。
ググって出るような名前は却下だぜ。
173名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 09:36:27.40 ID:Ji0d7/wO
擁護じゃなくて、現行犯で放火してる馬鹿を追い出したいだけだろ。
174名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 09:51:49.74 ID:aLiaf1gg
名前がバケタモンとか、他にもマンコ・カパックとかとか色々変に思うのはあるんだ。
実際にどう発音するかにもよるんだ。

しかし、表記の見づらさとはまた別の話。文で表現するのだから、なるだけ見やすい
表記にするのも大切だとはおもうんだけどね。
175名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 09:54:57.94 ID:1ZwgsiPo
>>173
エロパロ板をやめたらリアじゅうになったよ!(笑)
176名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 09:57:51.44 ID:aLiaf1gg
>>175
リアじゅうってリア獣って書けばいいの?
177名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 10:06:12.74 ID:IFheWe9n
スルーでおk
最近変なの沸かないほうが稀
178名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 10:10:39.25 ID:1ZwgsiPo
そうそう
擁護する暇があったらまともな感想のひとつでも書いてやればー?
じっくり読みます、ゆっくり読みますとかなにそれwww
179名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 10:49:31.21 ID:BktTj0TN
この流れは春だからなの?
180名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 12:27:42.34 ID:Bc3m7j05
名前程度でボロクソに言ってるのは一人くらいしか居ない予感
181名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 15:37:56.07 ID:IFheWe9n
愉快犯臭いしこの話題修了
182名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 21:21:56.91 ID:M/ovCcqf
この流れの中に投下してしまった職人さんが可哀想だな
次回はもうちょっと過疎った時にでも投下した方がいいと思う
183名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 22:28:59.68 ID:z9qxgvuA
いや回ってないから変なのが居着くんだよ。
184名無しさん@ピンキー:2011/03/31(木) 21:02:45.93 ID:jk2gOwmQ
最近萌える獣要素がないなんかないか探したい
185名無しさん@ピンキー:2011/03/31(木) 21:29:52.87 ID:JisyUcNr
ケモノってでかい括りならそこそこ見つかるけど、獣人・亜人っていうとなんともなー…
186名無しさん@ピンキー:2011/03/31(木) 21:46:11.92 ID:0sWTPcY9
>>119
この職人さんもうここには来ないだろうな…
187名無しさん@ピンキー:2011/03/31(木) 21:57:54.24 ID:jk2gOwmQ
なぁにいつものこと
188名無しさん@ピンキー:2011/03/31(木) 22:09:46.27 ID:p5SkVPY/
こんなんで来なくなるなら2chやめたほうがいいわ
189名無しさん@ピンキー:2011/04/01(金) 20:48:08.71 ID:72HlKnAf
>>158
サユマ・ラトラ・ツユー・ヤマト・ミウ・クミクナ・エトス・ルー・タミリ・リーン・ウォークマーラッツ・リュクス
それに今回のレェス・チトノ・ルウエ
俺はこのセンス嫌いじゃないな
190名無しさん@ピンキー:2011/04/01(金) 21:51:26.19 ID:P4JsAuM2
まぁ人の好みだし自己主張されても困るよね
191名無しさん@ピンキー:2011/04/02(土) 01:13:03.15 ID:+2swmTKq
「名は体を表す」と言う言葉はあるけど、「体は名を表す」と言う言葉は無い
つまり名前には実体を想起させる力があるけど逆は無いから、
名前単体で存在する前の実体、先入観からくる人物像をある程度空想できないと、
例え存在した後でも実体を思い描いたり、人物像を構築したりし直したりと言うことができない

要するに想像力の問題
192名無しさん@ピンキー:2011/04/02(土) 02:31:27.39 ID:bZ1klcmK
>>189
何処の言語族にも属さない響きの名前ってすげぇエキゾチックでいいよね
俺はこの作者さんのセンスに惚れこんでる。
193名無しさん@ピンキー:2011/04/06(水) 16:20:31.24 ID:wfIqjwkt
実際どーてー君である自分がこんなSEXできたら最高だろうなって感じで読んだらムラムラしたので困る。
やはり仮想的日常が垣間見得るのっていいなぁ。
店長にしてもらえるなら獣人になっていい…
194名無しさん@ピンキー:2011/04/06(水) 21:15:54.59 ID:LZhdKCLl
>>150
残りの8人も気になるんだよな
続きの構想とかって無いのか?
195名無しさん@ピンキー:2011/04/06(水) 22:00:59.83 ID:y6oM13YA
このスレ終わったな
196名無しさん@ピンキー:2011/04/07(木) 18:04:07.71 ID:GoK9humJ
アンチ住み着いたないや前からか
197名無しさん@ピンキー:2011/04/07(木) 19:47:26.33 ID:FGw6Oumg
しかしながら良しにも悪しこの獣風俗の話題にばかりなっているのは確かに偏ってるかも
そろそろ別の作品投下か話題くれ
198名無しさん@ピンキー:2011/04/07(木) 20:46:52.83 ID:XO2nzv82
>>197
風俗ネタは切り込んで行きづらいネタだったから
この作者さんが突破口を開いてくれて助かる。
現実と自身のモラルを重ね合わせて忌避感、嫌悪感が
拭いきれないんだよなー、ただの想像の産物なのに。
暫くはこの話のバリエーションで楽しく妄想させてもらえそう。
199名無しさん@ピンキー:2011/04/07(木) 21:04:51.67 ID:i+9VR8KV
マジで終わったな、このスレ
200名無しさん@ピンキー:2011/04/07(木) 22:34:57.26 ID:ymOrUz1f
>>198
だな。風俗なのに割と綺麗なイメージなのがいい
いや高級娼館とかそういうものなのかも知れないが
俺が考えるとどうしてもうらぶれた場末な感じで
安さとハードプレイ可な点だけが売り・・・みたいなのしかイメージできなくて
201名無しさん@ピンキー:2011/04/08(金) 04:41:21.08 ID:pJwLW4cx
終わったならここに来なくていいのにね
202名無しさん@ピンキー:2011/04/08(金) 05:47:58.38 ID:PmAwawfA
>>200
風俗ついでだがせっかくのケモノや獣人なんだからハードなプレイの接客も見て(読んで)みたい
203名無しさん@ピンキー:2011/04/09(土) 06:28:22.43 ID:SyA8SP48
>>200
>>俺が考えるとどうしてもうらぶれた場末な感じで
>>安さとハードプレイ可な点だけが売り・・・みたいなのしかイメージできなくて
現代っぽい設定じゃなくて、中世ファンタジーの世界感で読んでみたいな
誰か描かないのか?

204名無しさん@ピンキー:2011/04/09(土) 17:17:22.23 ID:6KrmzBHZ
性病やらダニやらノミやらネズミやらが跳梁跋扈するうらぶれた路地裏ファンタジーにしからならなさそう。
205名無しさん@ピンキー:2011/04/09(土) 18:17:38.71 ID:OLU5cxmp
リアル中世だと前戯の変わりに毛づくろいしてノミ取りがデフォとかw
宿屋に泊まってもベッドなんて無く、藁に他の宿泊客と共に雑魚寝
時々宿泊客が朝飯に出たりとかカオスすぎて嫌w
もしやるなら個人的には近親相姦ネタがいいなぁ
当時は一家族が固まって雑魚寝するんだが
子供が見てる前にもかかわらず両親は子作りに励んでたそうだ
それを見た子供達が真似して性行為を覚えたり
親子や兄弟で子供を作ったりする事例が結構あったらしい
206名無しさん@ピンキー:2011/04/09(土) 19:41:18.17 ID:SyA8SP48
いずれにせよリアル嗜好はほどほどにお願いします
でも獣の近親相姦はロマンだわいなあ♪
207名無しさん@ピンキー:2011/04/18(月) 10:25:40.93 ID:tJ/5hkJp
和服なケモノさん達で花魁乱れ百合やりたいお…
208名無しさん@ピンキー:2011/04/18(月) 20:30:28.85 ID:VUH4XeRM
初めての発情期とかね。
うずうずするんだけど、どうしたらいいかわからない的な。
209名無しさん@ピンキー:2011/04/18(月) 21:07:26.40 ID://OtdMrn
そういうのを手ほどきする関係の話が大好きです。
親しい仲間同士で色々試して見たり、年上や年輩の大人に手ほどきされたり
一定の年齢になるとセレモニーに参加して自らの初めてと向き合うとか。
前に読んだ銀鈴祭がすごくツボに入りました。
ツェーみたいに、その年齢を通り過ぎてから
戸惑いつつ初めてを学ぶのも大好物です。
210名無しさん@ピンキー:2011/04/18(月) 21:08:40.05 ID://OtdMrn
ツューでした、ごめんね。
211名無しさん@ピンキー:2011/04/20(水) 19:13:10.58 ID:34ttpjdg
>>208
先輩女郎に指導してもらうか、店主に指導してもらうか
同世代同士で分からないまま探り探りエグいことになるのもおいしい
212名無しさん@ピンキー:2011/04/20(水) 20:25:13.49 ID:jdhxLFRC
いっそ素人のまま入って客に指導して(遊んで)貰うって言う展開も個人的に良
213名無しさん@ピンキー:2011/04/21(木) 04:04:15.52 ID:iu0bOXG1
春だしなあ。発情ネタいいなあ。
214名無しさん@ピンキー:2011/04/21(木) 17:42:13.34 ID:bv1T8Frm
何時もは温厚で消極的な巨体な雄が勝気で小さな雌にどきまぎそわそわしてるのをみかねて手ほどきを
まで妄想した。 はふぅ
215名無しさん@ピンキー:2011/04/21(木) 21:14:59.08 ID:zDTYaY5e
>>214
それをSSにする作業をするんだ!そしてここに投下するんだ!!さぁ!さぁ!!!
216名無しさん@ピンキー:2011/04/21(木) 22:13:01.77 ID:dNzl4PtK
ハイエナ小娘:アンタのことぶちのめせると思ったら、アタシびんびんになって来ちゃった…
ハイエナ熟女:あらあら、わたくしも、小生意気なあなたに人生の厳しさを教えてあげられると思うとね…
(この後、二人は本気で殴り合っています)
217名無しさん@ピンキー:2011/04/23(土) 18:31:04.54 ID:zpypA85Z
いきものがたりはこのスレの人たち的にどうなの?

頭がちょっと大きすぎて俺はあんまり好きになれないんだが…
218名無しさん@ピンキー:2011/04/24(日) 01:25:09.64 ID:eHTbiEWn
まぁアレはアレでおk
貴重だしな
219 忍法帖【Lv=6,xxxP】 【東電 83.1 %】 :2011/04/29(金) 10:54:37.73 ID:PphnH/Ny
>>217
とりあえず期待だけはしてます。
今日の3時が待ち遠しかったりするのですよ。
220名無しさん@ピンキー:2011/05/01(日) 15:15:32.13 ID:0XTfGCqn
最近獣分が足りない
どっかにないかな
221名無しさん@ピンキー:2011/05/11(水) 08:36:06.12 ID:+GFUYYz6
君の心の中に保守
222名無しさん@ピンキー:2011/05/14(土) 05:05:03.68 ID:KaS0k6ok
いきものがたりはどうなんだろうか?
コレは良いのか?裸なのはアレだけど
223名無しさん@ピンキー:2011/05/14(土) 08:04:16.21 ID:Ky6ynBD6
脱げば脱ぐほどパラメータ上がったり、
フェロモン発散する仕様じゃないなら用は無い
224名無しさん@ピンキー:2011/05/14(土) 11:00:59.65 ID:lY2KbGjZ
>>222
いきものがたり - EARTH ETERNAL - 4匹目
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mmominor/1304512032/l50
スレはこちらに。

スレ見れば判ると思うけど、明日までOBT中、気になるなら凸るのも手。
もっとも、CBTでも辟易するようなバグ満載。
特に、思い通りのキャラクター色にできないのが当スレ住人には辛い筈。
期待を裏切られても泣かない。
根性と気合と英語能力(未訳部分が多い)が必要。
225名無しさん@ピンキー:2011/05/14(土) 15:47:16.46 ID:KaS0k6ok
>>224
たしかにバグが多いがポリゴンのたぬき?がエロいな
がんばってみる
226名無しさん@ピンキー:2011/05/15(日) 22:32:23.22 ID:f3896EvI
う〜んこれはどうなんのかな
今後に期待
227名無しさん@ピンキー:2011/05/21(土) 21:54:34.04 ID:1lx9aEEj
過疎ってるな
228名無しさん@ピンキー:2011/05/21(土) 23:42:58.56 ID:79OSBokN
ネタが無いのでお題とか妄想でも出してくれるか
いや書くかどうかは別として
個人的には家畜系TFで
229名無しさん@ピンキー:2011/05/21(土) 23:54:41.84 ID:39ycNMH9
怪しげな露天商が動物の声を聞けるという不思議な道具を売っていた。
格安の値段だったので駄目元で買ったが、その効果は身に着けたものを声を聞きたい対象の動物と
同じ動物に変化させてしまうという呪いのアイテムだった。
って話を考えたけどやめた。

>>228
とりあえずお題「身体検査」
230名無しさん@ピンキー:2011/05/22(日) 02:26:52.91 ID:QC92h6Wl
>>229
「せ……先生、やめてくださっ、んん……!」
平時なら消毒薬の匂いに支配されているはずの保健室に甘い空気が混じる。
「どうして……?今日の検査の結果、満足いかなかったんでしょう?
 だからこうして協力してあげてるのに」
女養護教諭の手が少女の胸を柔らかく蹂躙する。
衣服も剥ぎ取られベッドの上で震える女生徒のいたいけなみずみずしさとその背徳的な画は
飾り気の無い簡素な寝台と対照的に映えてむしろ強調されるようだった。
「そんな、だ、だからって、こんな……ぁんっ!」
少女を後ろ手に拘束し抵抗するすべを奪っているのは、
まさに今日の身体検査で胸囲・腹囲を測定したメジャー。
ほどき逃れようとしても、測られていたときには実感しなかった強度で紅潮した柔肌に食い込む。
「こんな……こんなカラダはいやっ、いやぁ!」
純白のシーツの上の光景がモノクロに変わっていく。
否、桜色だった少女の肌の色が変じているのだ。白地に黒のまだらに。
色だけでなくふさふさした体毛を生じ始めたそれはもはや肌と言うより毛皮と言うべきか。
最初は養護教諭の手に収まってしまうような慎ましやかなサイズだった胸も、
今では揉みしだく指の間から弾力のある柔らかな肉がこぼれ溢れるような豊満な乳房と化していた。
「本当にいやなの?……こんなに、気持ちいいのに」
その乳頭をくりっとつまむと、少女の声のトーンも変わる。
「ひぅっ!?ん、ぁあ……!」
縛られ責められ始めた最初は困惑と羞恥の声を、
自分の肉体の変化に気付いた頃には驚愕と恐怖の悲鳴を上げていたが、
今発しているのは明確に、快楽に伴う嬌声。
甘い声を漏らして半開きになった口の中で舌が膨れ上がり、口吻部が顔の前面へとせり出す。
「んー、口の中は結構きれいねー。これからは特に臼歯を大事にしてね?……"草食系"なんだから」
変化しつつある口腔内を観察しつつ養護教諭が言う皮肉にも言葉を返せず、
伸びた耳も含めた全身がびくんびくんと震えるばかり。
全身を駆け巡る感覚に耐えるようにベッドに突っ張っていた足の先は
いつしか硬く黒い蹄にとってかわられていて、食い込んだシーツが裂けそうだった。
「じゃあそろそろ……いただきます」
養護教諭の口が乳首に吸い付くと少女の身体はびんっと硬直する。
「ひぐぁ、あ、あ゛あ゛ぁぁーっ!!!」
裏返った絶叫に近い声と共に乳頭から白い液体が噴き出す。
激しい快感が電流のように全身を駆け巡り、神経を焼きつかせてしまいそうな快楽信号は背筋を貫いてその末端、
尾てい骨で行き場を失って一瞬とどまり、しかし許容量を超えて破裂するかのように弾けた。
女性である彼女には知る由も無かったが、その迸る感覚は男性の射精時の体感に似たもので、
悦楽に身体を痙攣させつつ、細長い肉が……尻尾がずっ、ずずっ、ずるぅっと伸びていく感触に喘ぐ。
ぷしゃあっと潮を吹いた愛液がシーツを濡らすのを止めることができなかった。
「あ、あぅ……あぁ……」
口の端から流れる涎はあまりの気持ち良さに酔っている故か、それともその動物の特徴によるものか……
「……ぷはぁ、ふふ。……願いどおり、立派なバストになったわよ。……子牛ちゃん」
焦点も合わず蕩けきった瞳は、その言葉に喜びを感じたかどうかは判然としなかったが……
養護教諭からは、緩んで半開きになった大きな口がわずかに笑みの形に見えた気がした。
悦びなら、感じていたのかも知れない。

終わり。即興。ちょっとお題の反映が弱いかも知れないスマソ。
231名無しさん@ピンキー:2011/05/22(日) 02:31:55.88 ID:pxFotfPI
トン&乙。
お題出してから半日も経たないうちにこのクォリティとか脅威だ。
っていうかしょうもないお題出して申し訳ない。
232231:2011/05/22(日) 02:35:11.89 ID:pxFotfPI
変身描写がエロすぎてつい読み返してしまう。
一文一文に魔力でもかかってるかのようだ。
233名無しさん@ピンキー:2011/05/22(日) 17:36:47.51 ID:S5LW1MbJ
乙。
子牛のおっぱい飲みたいな
234名無しさん@ピンキー:2011/05/22(日) 18:21:29.69 ID:KGS9LK4x
グッド!
235230:2011/05/26(木) 15:34:16.29 ID:shLWSZXi
レス豚クス
…って結局それだけでスレが止まっては盛り上げるために書いた意味が無いような
引き続きお題や妄想語りでも出しててもらえるか
いや書くかわからん…というより書かないの前提くらいに思ってくれるのがいいが
236名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 20:52:30.10 ID:AH1raarw
っお題「遊園地」or「ピエロ」or「サーカス」

自分でも話作れるように考えてみる
どうせ書くなら自分の欲望に直結してたほうが書きやすいよね?
237名無しさん@ピンキー:2011/05/27(金) 05:56:47.41 ID:yNMURkrc
>>230
素晴らしい。乙です
238名無しさん@ピンキー:2011/05/27(金) 23:27:50.86 ID:lyu6ZQdL
遊園地といえば熊やライオンとか思い浮かべるな
曲芸とか妙にレベルが高い
239名無しさん@ピンキー:2011/05/27(金) 23:34:29.69 ID:8l8bLhp6
サーカスじゃなくて?
240名無しさん@ピンキー:2011/05/28(土) 00:05:42.07 ID:f990EgK2
何勘違いしてんだろ自分
241名無しさん@ピンキー:2011/05/28(土) 00:08:29.24 ID:nBtO5+j9
移動遊園地にサーカスが含まれてることはあるだろうな
242名無しさん@ピンキー:2011/05/28(土) 09:31:16.13 ID:jXIXwg4a
遊園地は遊園地で着ぐるみとかグッズの付け耳付け鼻とかネタにできそう
243名無しさん@ピンキー:2011/05/28(土) 18:04:39.45 ID:f990EgK2
獣人パレードとかありそうだな
写真撮られたり
244名無しさん@ピンキー:2011/05/28(土) 18:09:35.53 ID:kFnIKNFB
Welcome to the Black Parade
245名無しさん@ピンキー:2011/05/29(日) 13:33:42.27 ID:tHQqcfbB
獣人捕まえたい
246名無しさん@ピンキー:2011/05/29(日) 17:45:26.10 ID:ph4vjt1M
獣人獲りが獣人になるという諺があってな
247名無しさん@ピンキー:2011/05/29(日) 21:16:57.70 ID:5eSJX1/m
>>246
閃いた
248名無しさん@ピンキー:2011/05/30(月) 06:20:34.95 ID:uQ/Cbeh9
ピコーン
ビーストスレイヤー
249名無しさん@ピンキー:2011/05/30(月) 10:47:08.68 ID:zCu6HAKo
だいぶ前に獣人ハンターっていう小説を読んだな
内容はよく覚えていないけど

話を変えて、本来だと人間より強いはずが罠にかかったり不意を突かれたりして
捕まってしまい研究所で色々とされ、くやしい…!でも…感じちゃう!的な話を妄想した
250名無しさん@ピンキー:2011/05/31(火) 22:31:35.95 ID:mFQ0jsou
豚獣人になりたい
251名無しさん@ピンキー:2011/06/01(水) 00:19:55.89 ID:tdbZkZdD
獣人になりたいなら獣人捕まえてくるか獣人の足跡に溜まった水を飲めよ
252名無しさん@ピンキー:2011/06/01(水) 09:29:08.85 ID:0R3nYTvU
じゃあまず獣人が居る場所を教えてくださいよぉー!
しかし這いつくばって足跡に口つけて水をすするとかなかなか屈辱的で萌えるな
何か事情があるにしろ無理矢理やらされるにしろ
253名無しさん@ピンキー:2011/06/01(水) 14:49:59.54 ID:sL4IRTvh
狼男というかウェアウルフ関連もここに含まれる?
254名無しさん@ピンキー:2011/06/01(水) 16:04:12.89 ID:7B54VeAQ
見た目による
255名無しさん@ピンキー:2011/06/01(水) 16:36:48.00 ID:0R3nYTvU
まぁ過去スレ・過去作品見ればわかるが四つ足から獣人までいる
「ケモ耳尻尾だけ」どまりだとメイン住人の嗜好からは外れるが、
モノが文章だし、敢えて描写をぼかすことでどうとでもとれるようにする、というやり方も無くはない
人間形態とケモ形態に変身できる系で、人間形態でばかり進行するとやや不評かも、くらい?
256名無しさん@ピンキー:2011/06/01(水) 22:00:28.51 ID:ngd/crYa
Q:ケモ耳尻尾だけのキャラをこのスレで出したらどうなるの?
257名無しさん@ピンキー:2011/06/01(水) 22:37:52.25 ID:LydyrrNi
別にそこまで露骨な拒絶はされないだろうけど
かなり冷静にスルーされそうではある
キャラだけでなく物語などに大きな魅力でもあれば別だが
258名無しさん@ピンキー:2011/06/02(木) 00:55:15.45 ID:Alr1TP1U
牧場とかなら泥んこに足跡いっぱいあるから獣化できそうだな
ただしそこに獣人がいればの話だけどね・・・
259名無しさん@ピンキー:2011/06/02(木) 08:10:01.74 ID:jvPhFWyf
サバンナなどで水場を見つけた場合、すぐに近づいてはいけません。まず肉食獣が潜んでいないかを
見極める必要があります。
運よくいなければ水にありつくことができるでしょう。
でも水を飲むのは少し待ってください。
草食獣やげっ歯類は、水場で排泄するので、多くの場合水は汚染されています。
ですから、まず土を掘って、ある程度きれいな水が湧き出してくるのを待ちます。
水が透明になったら飲むことができます。
260名無しさん@ピンキー:2011/06/02(木) 20:21:40.82 ID:7ybb7qVy
ケモノ臭いのは我慢できるけど汚いのは嫌ン

「綺麗好きなケモノにしてくれー!」と言って豚になるオチ
261名無しさん@ピンキー:2011/06/04(土) 14:25:53.36 ID:R5V06IzO
>>260
本来綺麗好きなのは確かなんだけどこのスレ的にエロい汁まみれになるオチ
262名無しさん@ピンキー:2011/06/04(土) 16:38:51.87 ID:k7AMwahJ
性的なことにも潔癖だったのに強制発情させられて性欲と快楽にオチるオチ
263名無しさん@ピンキー:2011/06/07(火) 15:15:21.28 ID:6N7F6BQs
そして夢オチ
264名無しさん@ピンキー:2011/06/07(火) 22:37:17.73 ID:bq2jV0w2
あんまりだよ・・・こんなのってないよ
265名無しさん@ピンキー:2011/06/08(水) 23:52:12.30 ID:f+zVJltN
しかし身体を洗えば股と尻からどろりと白いものが…
266名無しさん@ピンキー:2011/06/08(水) 23:54:56.62 ID:wtUdgxy7
夢じゃなかったんや!すばらしいハッピーエンド。
267名無しさん@ピンキー:2011/06/09(木) 11:22:15.02 ID:Zj8Ojcy0
そしてまたあの場所へ
268名無しさん@ピンキー:2011/06/09(木) 12:58:12.05 ID:KPhEBis+
>>265
男の場合雌にされてたのかよ!っていう恐怖
269名無しさん@ピンキー:2011/06/09(木) 15:57:53.24 ID:fC4RXw7f
>>268
何か問題でも?
270名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/09(木) 20:58:52.47 ID:KPhEBis+
ちんこ無くなるだけでも嫌なのに強制発情させられて犯されて、最悪孕まされるんだぜ?
271名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/09(木) 21:44:11.22 ID:DdabY83x
美ケモになれるならむしろごほうびです
性的ペットだろうとちゃんと寝食の世話さえしてくれるなら毎日食って寝てエロとかそれなんて楽園
272名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/09(木) 22:45:08.16 ID:Zj8Ojcy0
フゥ何だかんだ悪くないぜ
273名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/09(木) 23:30:19.03 ID:fC4RXw7f
獣人になって交尾できるなら豚でも牛でも犬でもメスでもいいよ
274名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/09(木) 23:54:30.95 ID:KPhEBis+
月曜が豚で水曜が牛で金曜が犬な 日火木は休体日
土曜日は好きなのに変身できる
275名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/10(金) 09:44:41.54 ID:wntEQKPA
>>274
休体日って休肝日みたいな響きだが
獣化にはアルコールと同じように中毒や依存症があるのだろうか?
過剰に獣化エロすると肉体に悪影響も…?
どうなるんだ教えてくれ。いやいっそこの俺の身体を使って試してくれ
276名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/10(金) 22:49:54.59 ID:dFVJWnt8
メスブタ獣人になって安い娼館に売られて一日十時間くらい交尾して暮らしたい
277名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/10(金) 22:56:23.30 ID:+7MS7m9Q
メスになりたい奴多すぎだろw
なら俺はオスのままで肉欲のまま種付けしまくりたいわ!

>>275
肉体よりもむしろ精神に影響がありそう。ゲシュタルト崩壊みたいな。
自分が何者かがわからなくなって、豚と牛と犬の中で一番性質に合う動物になりきってしまうとか。
精神変化から肉体変化で元に戻らなくなりそう。
278名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/10(金) 23:58:10.05 ID:wntEQKPA
理性が完全に消えるよりはある程度残して欲しいな
あるいは山月記的に時々理性が戻る
279名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/11(土) 02:47:44.64 ID:JTpue+Lu
獣化のし過ぎによって体が完全に豚(あるいは牛or犬の可能性もあるが)になってしまった275は
時々自分が人間だったことを思い出して小さくなった瞳から涙を流し、醜く広がった豚鼻をすすってブヒブヒ鳴いていた。
家畜用の檻の中から見える月に向かって、在りし日の自分を思い、犬の遠吠えならぬ豚の遠吠えを繰り返すのだ。
俺の身体を使って試してくれなどと不用意に言うんじゃなかった、と後悔しても今となってはすでに手遅れだった。

檻の外からドスドスと、こちらに向かって人が来る音が聞こえる。
ここの主である雄豚の獣人がまたやってくる。
最初の頃はその巨体から放たれる悪臭が嫌で嫌でたまらなかった。
なのに、あの臭いが今ではとても愛おしい。
身体が熱くなって気が狂いそうなほど発情してしまう。
あの人を前にするとヨガり狂った一匹のメス豚になり果ててしまう。
その巨大なイチモツを私のいやらしいマンコに早く入れて!と叫んでしまう。
「ブヒィ!ブゴッブゴゴッ!プギーッ!」
その頃には、すでに人間の言葉は話せない。
メス豚になってしまった私にはもうそんなことはどうでもいいし、理解する知能も残っていない。


って無理無理もう書けねえ
これが限界だよ!文才ねえよ!
280275:2011/06/11(土) 07:45:02.90 ID:ghM1Du2a
>>279
ありがdございます!ぐっじょブー!
割と理想的で幸せでブゥ
281名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/11(土) 10:46:58.12 ID:50rk98K5
このスレの住民全員犬化すればいいのに
282名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/11(土) 23:33:52.42 ID:JTpue+Lu
犬化は犬種が多くて豚よりも難しいな
なりたい種類の犬になれなかったら悲しいしな
283名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/11(土) 23:38:49.05 ID:JTpue+Lu
>>280
所詮フィクション、現実じゃないんだ。
猿夢ならぬ豚夢だから夢を見る度に身体が変化していくけど。

ちゃんと描くなら変身するところからがいいよね。
人間→獣人→獣形態になっていくのが好き。
元に戻る時もあるけど、何かの拍子に一気に豚に変身とか。
284名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/12(日) 20:48:21.07 ID:j2/5tXsS
急に心臓の鼓動が強くなった。
「あれ?」
 体がどんどん熱くなってきて汗が滴り落ちる。体中が軋む様な痛みが走る。何か自分の中に自分ではない何かが生まれてきている感覚だ。
「何なのよ?」
 月から目を離そうとしても体が動かない。わたしは食い入るように月を見つめている。
「あああ!」
 口から涎が垂れている。そして体中に何か力が漲ってくる。思わず雄叫びのような声を上げて下着を引き裂いてしまう。
わたしの姿は、全身から茶色い獣の毛が勢いよく生えだしている異常な姿にしか見えなかった。
 体からむわっとした獣の臭いが部屋中に立ちこめる。急に足のバランスが悪くなり床に引っ繰り返ってしまった。足が短くなって今の体型では支えきれなくなってしまった様だ。
全身に力が漲っていて、それを発散させないと爆発しそうな感覚である。口の中に血の味が広がっている。犬歯が牙になって他の歯も鋭くなっているみたい。手足の爪も伸びているようで、形も微妙に変化して肉球みたいなのも出来た。
 全身は既に獣毛ですっかり覆い尽くされた。普通の大きさの乳房も徐々に引っ込んで獣の乳房が三対盛り上がってくる。
「ああ…あぉっ…うおっ…」
 もはや人の言葉を喋る事も限界になってしまった。女性らしい体型が筋肉質ながっしりした姿に変わっていき、骨格や骨盤も変形していった。遂に尻尾まで生えてきてしまった。茶色の長くて太い尻尾が左右に揺れている。
頭部も変形が始まってひ弱だった顎が前に伸びて強靭な顎が発達すると鼻も黒く湿り出す。目は黄色に光って耳は三角形になって頭頂部に移動する。
「うおおおお!」
 わたしが雄叫びをあげた頃には、何時しか変身が完了していたようだ。本当なら窓を突き破って外の世界に飛び出して行きたいのだが、なんとか自我を失うことなく体の中の勢いを抑えることが出来るようになった。
285名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/14(火) 19:38:43.62 ID:v+g9tVEs
あれ、続きは…?
286名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/14(火) 20:38:34.68 ID:TmwVcsik
続き キボンヌ 2つ前の人
287名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/14(火) 22:36:23.05 ID:BQDhjIhE
自分で書けってことだよ言わせんな
288名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/17(金) 17:29:36.41 ID:m6d/DaKq
原作レイプとか呼ばれて噂されると恥ずかしいし…

そう言えばスレ長く続いてるけど
リレーとか便乗ネタ二次創作とかシェアードワールドものとかほぼ無いね
289名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/17(金) 22:09:09.78 ID:i7Ew8CW7
>>288
個人的に銀齢祭をネタに書きたかったり
ツューで書こうとしてたら作者さんが書いちゃって必要が無くなった・・・・
290名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/17(金) 22:49:17.70 ID:PcTXwU4W
猿の惑星を下敷きに獣人の惑星を書いてみた。
宇宙船の事故で偶然不時着した未開の惑星
そこは獣人達の惑星でした。
って設定で物語を書き始めてみたんだ

って・・・ そりゃ恒星間旅行出来る前提だと
高度な文明をもった人類の圧勝なんだよな・・・
エロにならん というかエロい文章も書けない;; ただのSFになってしまった
291名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/18(土) 00:57:40.35 ID:VPnBAqSj
>>290
猿の惑星よりか第九地区(District 9)みたいな状況の方が無理がないんじゃね?
漂着した宇宙船はその星の生物の様々な遺伝子を取り込んで
知的生命体を作り出す工場型ロボット船だったという事にすれば
現代で生活する獣人の話が書けそう
292名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/18(土) 09:55:58.01 ID:ammxkygP
ブリンの知性化シリーズみたいな感じがいいな
ヴィジュアル想像するのが難しい種族とかもいるけど
293名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/22(水) 13:43:31.37 ID:0bxJUAKo
ぶ〜りんの痴態化シリーズ…だと…
294名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/22(水) 22:24:01.50 ID:sbcgbK8O
本当に進化した
二足歩行のネコ獣人は
結局アバターみたいなデザインになるのかな
ネコの口鼻だとアゴが突き出るので、首に負担がかかるし、
ネコ耳だと頭頂に内耳が来るから脳の容量が減ってしまう。
口で会話をするには 唇と長過ぎない舌がいる。
295名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/23(木) 06:01:49.54 ID:7kXqN+5E
>>294
発声以外のコミュニケーションが発展するかもしれないな
耳や尻尾、仕草を使った単純な意思表示から
手話的なコミュニケーション言語が発達する可能性だってある
創作的なモノで使うのは難しい設定だけど
自分の妄想としてならそういうのもアリだと思ってる
296名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/24(金) 05:00:02.23 ID:4D6WFu84
>>295
「始源への旅立ち」ではネアンデルタール人が身振りで会話していた
(声を出す能力が低いらしい)
が、表現は会話文形式で、キッチリ読むまで気付かなかった

297名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/25(土) 21:45:17.16 ID:BLWff5Kz
TFネタの場合も、変化した後のコミュニケーション能力って

1:人語を(「流暢に」から「辛うじて」まで差はあるが)喋れる
2:人語を発音できないが聞き取って理解はできる
3:人語が理解できなくなる



A:変化後の種族と本能的に意思疎通できる
B:変化後の種族の意思を感じることはできるが自分からは表現できない
C:変化後の種族の意思表現方法がわからない

との組み合わせで色々なパターンを想像できるな
俺が特に好きなのは1Bか2B
精神変容しちゃって3Aや3Bになるのも好きだけど
298名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 16:34:12.43 ID:nkoJK3gE
俺「ドーブネーズミーみたいにー うーつーくしくなりーたーいー」
神「おk 把握した」
俺「ちょwwwおまwwww」

みたいな感じにドブネズミ化
299名無しさん@ピンキー:2011/06/28(火) 00:12:10.98 ID:eIKUNvuL
幼女ケモノ娘たちが通う小学校の教師になる夢をみたよ

抱きついて体臭でマーキングしてくる子とか
オナニーを覚えた子が先生の足に股間を当ててきたりと
ハーレム状態でした(´ー`)y─┛~~ 
300名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/28(火) 21:45:42.24 ID:hjuZGbUy
う、うらやましい・・・
301名無しさん@ピンキー:2011/07/04(月) 21:29:01.01 ID:WYJ3xoRE
ここはエルフ×獣人も大丈夫なの?
302名無しさん@ピンキー:2011/07/04(月) 21:53:42.33 ID:UUs4Ahwx
>>301
もちろんおk
303名無しさん@ピンキー:2011/07/13(水) 09:03:49.13 ID:wKe8mNKR
でかいもふもふに包まれながらアヘ顏になってる女の子に萌える
304名無しさん@ピンキー:2011/07/13(水) 12:25:19.47 ID:fqtqsI+Q
俺はアヘ顔よりトロ顔の方が好きだな
305名無しさん@ピンキー:2011/07/15(金) 17:57:19.61 ID:gjhXrPGa
豚×獣人♀
強制種付け
陵辱注意




「いや、いやああっ!やだ、やだ、やだ、いやああっ」
床に備え付けられている足枷に拘束しようと数人の帝国兵が両脇を固めた。
装備をはぎ取られ、全裸に剥かれたニアが激しく抵抗した。
「はぁはぁ…馬鹿力だな、この家畜」
「暴れんじゃねぇよ、オラ!」
足枷に拘束する事を諦めた帝国兵が、身を守るように床に伏せたニアを蹴りつけた。
「あぐっ…」
「チッ…おい、耳と尻尾削いじまえ。うるさくてかなわねぇ」
古参らしき帝国兵がニアの髪を掴み言った。
「ああ、どうせ使い道もねぇし…おい牢番、拷問用の鋸を持ってこい」
牢番が持ってきた鋸を手に持ち、帝国兵がニアの上に跨った。
耳を掴み、その根本に鋸の刃をあて軽く引いた。
「いぎ!?…い、いやっ…き、切らないで…」
「ああ?今さら遅ぇんだよ、雌豚が」
「お、お願いだから…き、切らないで!い、痛いの…いや…き、切らないで!」
「勇者様はモノの頼み方知らねぇのか?」
「あ……お、お願いしま…す、き、切らないで…下さい」
ニアは一瞬ためらったが、たどたどしく、消え入るような声で言った。
「獣臭い雌豚の願いなんざ、聞く耳もたねぇよバーカ」
跨った帝国兵がそう言うと再び、鋸の刃をあてた。
「い、いやあああっ!切らないで下さい、お願いします!お願いします!」
ニアは堰を切ったように叫び、何度も、何度も言った。
獣人にとって耳と尻尾を切り取られるのは部族の中でもっとも恥辱とされる罰だった。
「……おい、やめろ」
それを見ていた古参の兵の口元が歪み、鋸を持つ兵を止めた。
「おい、切らないで欲しかったら、……テメェの名前言ってから
『豚と交尾させて下さい』ってお願いしろよ」
「え……そ、そんな…」
ヴェローニアの顔が真っ青になった。
「いやならいいぜ、代わりに耳と尻尾を鋸で削いでやる。錆びた刃は切れ味が
悪いからなぁ……いやなら、家畜らしく四つん這いになって尻上げろ」
「……………」
ヴェローニアはふらふらと立ち上がり、床の上に身を伏せた。
すかさず帝国兵が床に設置されている足枷に足首を拘束した。
両脚を開き、尻を高々と突き上げた格好のニア
306名無しさん@ピンキー:2011/07/15(金) 17:59:29.06 ID:gjhXrPGa
「…う……うう……」
「ほら、早く言えよ。薄汚ねぇ獣人の雌が。それぐらいワケねぇだろ?」
顔を伏せて、絶望に打ちひしがれるニアの耳を掴み帝国兵が急かした。
「……ヴェ…ヴェローニアを…ぶ…豚と…こ、交尾…させて……く、く…ださ…い
お、お…願いしま……す」
それを聞いた帝国兵は下品な笑い声をあげた。
「ひゃははは、本当に言いやがったぜ!」
「おい『豚様の臭い精液でヴェローニアを妊娠させて下さい』って言えよ」
「ぶ…ぶた…さまのく、くさい…せいえき…でヴェロー…ニアを…に、妊娠…させ…て…く、ください」
「はっはっは、勇者様にお願いされちゃあしょうがねぇな…おい、攻城戦用の盛りのついた豚を連れてこい。
勇者様が交尾したいんだとよ!」
そして連れてこられた豚は荒い息をつき、およそ豚にみえない醜悪な面をした魔物だった。
「城攻め用に魔物と掛け合わせた豚だ。年中盛りまくってる豚だからよ…せいぜいいい声で鳴け」
「い…いや…」
帝国兵が魔物と首輪を繋ぐ鎖を放り投げた。
醜悪な顔を持ち上げ、豚はしきりにニアの周囲を回り、匂いを嗅ぐ。
「うッ…く、臭い」
猛烈な臭気がニアの鼻をついた。
「ああ?テメェも同類だろうが!家畜が!くせぇんだよ!」
そして魔物はニアの尻の匂いをかぎつけると股間に鼻を擦りつけた。
「はっ!?……い、いやああ」
クンクンとしきりに股間の匂いを嗅ぎ、ざらりとした舌で
閉ざされた割れ目を舐め回した。雌の匂いをかぎ取り、交配するための秘部を
愛撫し、雌の潤滑油の湧出を促しているらしい。
「い…いやっ、そ、そんな所…な、舐め…舐めないで…」
身体を動かし、豚の愛撫を解こうとするが、尻を突き出し、両脚を開いたまま
固定されている状態では尻を振り、誘っているようにしか見えない。
『…グガァ…ガアッガアアア!』
熊の咆哮の様な豚のいななき、雌の匂いに興奮したのかニアの尻に前脚をのせた。
ドンという思い衝撃、そしてそのまま、背中に覆い被さってきた。
ニアの尻に幼児の腕くらいはありそうな肉棒が擦りつけられた。
「いやっやだああっ!やああっ!」
しかし、豚はいきり立つ肉棒をもどかしくニアの尻に塗りたくるだけでいっこうに入らない。
ぶしゅ…ぶりゅ…と漏れ出す黄ばんだ糊のような精子がドロドロと鈴口からニアの尻や股間に塗りたくられる。
「チッ、入らねぇな…………おい、豚のチンポをテメェで穴にいれろ」
帝国兵がニアの頭に足を乗せ、非情な命を下した。
「そ、そんなのいや、じ、自分でなんて……ゆ、許して…ぶ、豚は…豚はいやなの……」
「そうか、じゃあもう耳も尻尾もいらねェな?」
「う…うう……いや…いやだよ……」
ヴェローニアは眼を閉じ、おずおずと股間や下腹部に擦りつけられる肉棒の先端を
指で掴むと、地震の秘部へと導いた。
「…はぁ……は…ん、んんっ」
『ガフッ…ガフッ!』
興奮した豚がニアを急かすように、尻に肉棒を擦りつける。
「い…いや…いやだよ……んんんッ!」
つぷっと豚の肉棒の先端が秘部にあてがわれた。
『ガフッグガッ!ガアッ!』
「はっ…い、いや…は、入って……あああっ」
ずぶぶぶっと豚の猛々しい雄が濡れそぼった雌の秘唇をかき分け、押し入ってきた。
307名無しさん@ピンキー:2011/07/15(金) 18:01:49.23 ID:gjhXrPGa
「くっ…くうううううっ……」
目尻に涙をため、ニアは手を握りしめた。
『グ…グブッ、ブヒッ、グウウッ!』
豚が咆哮をあげ、体重をかけニアの中に肉棒を打ち込んだ。
奥を突き上げるような挿入にニアは悲鳴を上げた。
「いぎっ…あ、あ、あ―――ああああああああっ!!」
『ブギイイイッ』
「いやっ…はぐっ、痛、ああっ、い、や、やあ…ぐぎ…!!」
熱い雄で何度も何度も責められる度にニアは苦悶の声を上げた。
背中にのし掛かられ、豚は歓喜の声を上げ腰を振っている。
「あ…あっ…いや!や…ぐッやめっ…てぇ!」
一突き、一突きが重く、秘部の壁が太くなった雄に負けじと絡みつく。
四つん這いの格好でドスドス激しく突かれる度にぷるんぷるんと波打つ乳房。
豚は尻からニアと胴を挟むようにさらにのし掛かった
突きが激しくなり、尻肉がその突きに揺れ、ぶるぶると乱れ踊っている。
「お、そろそろぶっ放すみてぇだな」
「い、いやっ!やめてっ!やめてっ!」
ニアが頭を振り、帝国兵に懇願した。
「知ったこっちゃねぇーなぁ、奴隷が思い上がったりすんじゃねぇよ」
「はっあああっ……あぐっ……ん、んんううううっ!」
『ガハッ…ガハッ…ブヒィィィィッ』
豚のくぐもった呻き声をもらし、下腹部をぶるぶると震わせた。
ぶりゅうぶりゅううううと粘ついた豚の精がニアの膣内に吐き出される。
「いや…はあ…もう…いやぁ…はぐ はぁ…はっ」
豚はニアの尻にぐいぐいと尻を押し当ててくる。
びゅるるびゅううと断続的に精が注ぎ込まれる度にニアは冷たい床に頭部を擦りつけるようにして
すすり泣いた、こんな醜悪な魔物に犯され、種を体内に放出されてしまった。
受け入れがたい屈辱。そして絶望。濃厚な魔物の精液が体内に溢れ、太腿をつたって床に垂れ落ちる。
ようやく魔物が離れた。どろりとした糊のような糸がニアの秘部と豚の雄とを結んでいる
「おい、次だ、次。まだいるだろ?盛りのついてる奴は全部連れてこい」
「ひ…ひぃ…も、もう…やだ、いやだよ…お、お願い…い、いやあああっ」
暗い牢獄に新たな悲鳴が響き渡った。

ぶしゅ…ぶりゅ…と漏れ出す黄ばんだ糊のような精子がドロドロと鈴口からニアの尻や股間から
冷たい石の床に垂れ落ちた。最後の豚がニアから離れ、その周りを囲んだ兵士がニアの頭を
ブーツで小突いた。
「は………あ………」
何十匹の豚と交尾したヴェローニアは何も反応しなくなった。
絶え間なく股から零れ落ちる豚の精液は猛烈な臭気が漂う。
「あーあ…汚ねぇな…つーか、豚と獣人で交尾して孕むのかよ?」
「知らねぇ…別にどうでもいいんじゃねーの?あーあ、はやく交代してエルフ
か人間、有翼人の女とヤリてぇ…勇者軍の女はどれも上玉揃いだからなぁ」
兵士達の下卑た与太話を余所にヴェローニアはすすり泣いた。
……そう、獣人は獣と交わった場合、稀に孕むことがあるのだ。
それあ豚、それも盛りのついた豚ならなおさらだろう。
「いや…いやだよ…豚の…豚の子供なんていや……」

END

別スレに投下した話の外伝なのでぶつ切り感が
拭えないのはご了承下さい
308名無しさん@ピンキー:2011/07/15(金) 22:36:27.67 ID:g9olLNXO
鬼畜陵辱GJ!
獣人・亜人に人権がないっぽい話もいいよね
バッドエンドでちょっと気分が沈むこともあるけどそれはそれで
309名無しさん@ピンキー:2011/07/15(金) 23:06:33.00 ID:jjWdEFHH
投下乙
最近は猛暑でヤベェな
これじゃモフモフしてる獣は干からびちまうな
310名無しさん@ピンキー:2011/07/16(土) 10:07:43.76 ID:f4bll6mf
特に猫獣人はきついだろうから、
水分補給はこまめに‼
(猫は暑さに弱いそうだ)
311名無しさん@ピンキー:2011/07/16(土) 13:35:44.24 ID:TPZxaeLU
冷却と保湿のために泥風呂や泥パックするブヒ

>>307
GJ!
外見的特徴にあまり言及ないけど牝豚呼ばわりされてるってことは豚獣人なんですかね
獣人に獣姦させて恥辱的なだけでなく孕んじゃう可能性もあるってのが美味しいですね。乙です
312名無しさん@ピンキー:2011/07/18(月) 00:16:39.58 ID:qbWA87Lb
>>309の関連で
狼獣人(♂)×猫獣人(♀)






イルファは尋ねてきたワーウルフ族の獣と共に熱い情事を交わしていた。
その獣人はボナパルトと言った。
「はぁ…はぁ…ん、あっ…い、いいよ。そ、そこ…あ、あはっ」
イルファはボナパルトによってベッドに押しつけられ、
はだけたスカートの間から手を突っ込まれ、濡れそぼった股に愛撫を受けていた。
「もう濡れて…手に絡みつくみたいだな…」
「あ、ダメ…ソコばかり触らないで…おっぱい…好きなんでしょ?」
ボナパルトはゴクリと生唾を飲み込み、娘の胸元を一気に押し開いた。
反動で、お椀方の美乳がぷるんと、零れ落ちてきた。
更に胸もとを開くと白いうなじに生肩が顕わになった。
「ふふ…ワーウルフだけに餓えた狼さんだね」
「んちゅ…お前はほんと…いい女だ……」
「嬉しい……ちゃんと悪い奴らをやっつけて帰ってきてね」
「ああ、任せろ。俺達の力を持ってすれば敵はいねぇ!」
そのごつごつした手でイルファの白い乳房を揉みし抱き、乳首に食らいついた。
手の中で淫らに歪む乳房は、つきたての餅のように柔らかくその先端の桜色の突起は硬く、勃起し始めていた。
「あっ…あふん…はああっ」
「な…なぁ…頼み…聞いてくれるか?」
「あん…何?語尾に『ニャ』でも付けて欲しいの」
貪るように乳房を吸い、舐め、揉みしだく。服を完全に腰まで引き下ろすと、
今度は股間に頭を埋め、イルファの秘所を愛撫し出した。両腕でがっちりと尻を掴み、腰を引く娘を固定する。
「あっあああっダメ、そこはまだ…っ」
「ち、違う……そ、その全部さ…片づいたら…」
「あんっ…ああっあっ…ダメ、ダメ…ちゃんとイカしてくれるまでダメ」  
娘の長い髪が乱れ、白い喉が仰け反った。
313名無しさん@ピンキー:2011/07/18(月) 00:20:38.40 ID:qbWA87Lb
そのボナパルトの頭部を両手で押さつけて娘は達した。
「はああ…ああ……んっ…」
くたぁと脱力した娘はそのまま荒い息をつき、ボナパルトと対面座位の格好になった。
「ん…先にイっちゃったにゃ〜ん♪……ごめんね。いいよ…な〜に?」
「ぜ、全部…全部終わって帰ってきたら…俺と結婚してくれ!」
「えっ?あっ…ちょっと」
「だ、ダメか?お、俺は真剣なんだ…た、頼む」
両手を持ち、懇願するボナパルトに娘は営業スマイル……というのだろうか。
心にもないことを平然と言った。
「うん…いいよ……待ってる。って、前もそれ言ったよね、」
くすくすと笑うイルファ。
「あ、あれそうだっけ!?で、でも絶対、帰ってくるからな」
それから娘は対面座位、正常位、駅弁…と様々な体位でボナパルトに尽くした。
何度も何度も精を膣内に、口に、顔に受け止め、今は後ろから突かれていた。
「はっはあっ…あ…も、もぉ……元気すぎるよォ…」
スカートを捲り上げられ、小振りな尻を掴まれ激しい剣突を受けながら娘は弱々しく言った。
「はっ…ん…ダ、ダメ…ん、んんっ出る、出る!」
背後から抱きつかれ、うなじにしゃぶりつかれ、背後から揺れ踊る乳房を揉みくちゃにされる。
ボナパルト同士の交尾は何ともいえないほど甘美で、淫らだった。

END

毎度のごとくぶつ切りでごめんなさい。

>>311さん
元作品でもヴェローニアには特に種族は設定してなかったと思いますが
ワーキャットだったような気がします。
牛とかだったら巨乳設定ができそうですが、どうしても豚や牛は
魔物系に行きガチで申し訳ないです。
314名無しさん@ピンキー:2011/07/19(火) 23:00:31.65 ID:2U+T+iRD
獣人の交わりの場合、セックスよりも交尾って思ったほうがなんだかエロく聞こえる
315名無しさん@ピンキー:2011/07/22(金) 17:39:35.65 ID:1VtrmG7t
「『尾行・備考・鼻孔』って早口で十回言ってみてください
 ……そんなことを連呼するなんて淫乱なケダモノですね
 似合いの姿に変えてあげます」
316名無しさん@ピンキー:2011/07/23(土) 05:26:37.51 ID:EJ3nDR/T
>>315
ブタにされブヒィ
317名無しさん@ピンキー:2011/07/23(土) 06:12:17.93 ID:OSWjGkdQ
>>315
なんというトラップワード
318名無しさん@ピンキー:2011/07/23(土) 10:31:14.35 ID:zMsttF+u
このスレもう魔女と動物しかいないんじゃないかな
319名無しさん@ピンキー:2011/07/23(土) 15:41:16.06 ID:Kc02bQZD
変な電波をまた受信したのでカキコ

帰り道に子猫が捨てられているのを発見したのでお持ち帰りしたら
実は♀獣人の赤ちゃんで、数年後おっきく成長した彼女とムフフな展開に・・
320名無しさん@ピンキー:2011/07/23(土) 19:47:57.24 ID:2rmrHNj7
>>319
それなんてうさぎドロップ
321名無しさん@ピンキー:2011/07/23(土) 22:05:37.89 ID:bzZ1Go6R
>>312の関連話
獣人♀×獣人♂
和姦



ボクの名前はエッジ。
大陸で一番大きな行楽地兼港町に住む16歳の♀。
宿屋『ボナパルト』を営む5人兄姉の次女だ。
父をワーウルフに、母をワーキャットにもつハーフ。
ボクは母ちゃんの血が濃いらしく頭の上にある耳は尖っていないし、
尻尾も細長いし、毛もふさふさしている。
まぁ、この大陸はいろんな種族が住んでいるので特に珍しいわけでもない。
むしろ純血な種族の方が珍しいのかもしれない。
何十年も前に大きな戦争があって、多くの血が流れたようだけど
たくさんの人が尽力して大陸は平穏を取り戻したそうだ。
ウチの父ちゃんも義勇軍として戦ったみたいで、たまにその時の戦友さんが泊まりに来る。
内緒だけどここには元・帝国の皇女様もお忍びで泊まりに来ることがある。
だけど皇女様とはいってもお転婆姫様だし同じ年齢なのですぐ仲良くなった。
今年もそろそろ海水浴シーズンだ。今年もまたお付きの人達とお忍びで海水浴に来るのだろう。
それで直属の従者のイケメンダークエルフさんと熱い夜を――――
「エッジ姉ちゃん、どうしたの?にやにやしちゃって」
カウンターに座ってニヤニヤしていると帳簿を整理しているリーチェルが顔を上げて聞いてきた。
こいつはボクの妹だ。父ちゃんの血が濃いのか、耳は尖っているし、尻尾の毛もバリバリしていて硬い。
でも母ちゃんに言わせれば『私の血を一番濃く受け継いでいるのはリーチェだね』とのこと。
あと上に兄ちゃんが二人に姉ちゃんが一人。
兄ちゃん達はこの時期、父ちゃんと漁に出ているのでいない。
姉ちゃんは市場に買い出しに行っている、もうすぐ帰ってくる時間だ。
322名無しさん@ピンキー:2011/07/23(土) 22:06:33.90 ID:bzZ1Go6R
「何でもないよ。へっへ〜ん」
「へっへ〜んじゃないよ、エッジ!二階と三階の部屋の掃除はしたの?」
「終わっているよ。掃除は完璧。ついでに部屋の飾りと202のシーツ、少し汚れていたから
替えておいた。カーテンも全て新調済み。でないと、ここで涼んでないよ」
「さっすが!将来の女将さんはエッジ姉ちゃんだね」
とこれはリーチェル。実際、ボクは宿屋の切り盛りと経営が好きだ、性に合っているんだろう。
「ならいいけど。あ…エッジ、リュリュを迎えに行ってちょうだい」
「姉ちゃん、まだ帰ってきてないの?しょーがない……じゃ、行ってくるか」
リュリュことリュチエッタは長女のことだ。ボク達の家系では珍しく、物静かで大人しい性格だ。
が一度、怒らせると一番怖い。父ちゃんも凌ぐほどだ。
「リュリュ姉ちゃん、モテるからね。また声掛けられてるんじゃないかなぁ〜」
とぼけたようなリーチェの声を尻目にボクは店を出た。

ワイワイガヤガヤ、港町のお昼は賑やかだ。海神のお祭りが近いのもあるだろう。
この季節は東から西へと風が強く吹く。それを利用して貿易船や商船が極東の珍しい品物を積んでこの港に品を降ろしに来る。
その品目当てに商人達が。さらに海水浴シーズンとお祭りの時期が重なって、観光客が大陸中から集まってくる。
港の岸沿いに歩いていると海から吹く心地よい風が、潮の香りを乗せて頬をくすぐる。
市場への近道である船着き場の桟橋の上を歩いていると
「よォ、エッジ。女将さんの使いか?」
漁船の上から舫(もやい)にロープを巻き付けていたワーウルフの少年が声をかけてきた。
この少年は幼なじみのジジ。古くからこの周辺の漁場を仕切る一族の出だ。
海の男よろしく褐色に焼けた肌に、リーチェルよりも硬そうな毛に筋肉質な腕が逞しい。
ジジが網やロープの後かたづけをしているという事は今日の漁は終わったのだろう。
「そうだよ、ジジ。漁はどうだった?」
「大漁、大漁。後で店に届けてやるぜ、クラーケンの足焼きとビッククラブの丸焼きで乾杯だ」
クラーケンとは神話に出てくるような何十メートルもある怪物じゃなくて、20センチくらいのイカを指す。
何十メートルもあるようなお化けはとうの昔に絶滅したとか、しないとか……とりあえず、この辺りの海にはいないらしい。
ビッククラブとは名前のごとくデカイハサミをもったエビのことだ。
「全部、無料ならお酌してあげるけど?」
「そりゃゴメンだ。リュリュさんかリーチェがおやっさんにチクったら俺の命が危ねぇ」
豪快に笑い、トントンと桟橋を渡りこっちに歩いてきた。そしてボソッと耳打ちしてきた。
「…………今日の夜どうだ?おやっさんはまだ漁から戻ってないだろ?」
「ふふふ、そうだねぇ……どうしようか?」
ボクはにんまりと笑って、明後日の方向を向いた。
「え………た、頼むよ。明後日からまた海に出るし、おやっさんが戻って来たらそうそう会えないしさ」
このやり取りを聞いていてわかると思うけど、ボクはジジとつき合っている。
父ちゃんは『そんなのはまだ早ぇ!嫁入り前だぞ!?傷物にでもなったら――――――』が、母ちゃんに
『枕元で結婚申し込んだのは誰だったっけ?しかもジジくらいの年齢の時に』といつも言われてバツの悪そうな顔をする。
父ちゃん、ごめんなさい。エッジはもう傷物です。ジジにボクの処女あげました。
こんな台詞を父ちゃんの前で吐いたら、次の日にジジはボロ雑巾みたいな状態で海に浮いているだろう。
「いいよ。じゃ、いつもの所で――――――ちゅ」
「んっ――――――わかった。ぜ、絶対だぞ」
ジジに軽くキスし、手を振って別れると、ボクは姉を迎えに市場へ言った。
姉ちゃんは市場の青果か野菜の区画にいるはずだ。
323名無しさん@ピンキー:2011/07/23(土) 22:07:48.76 ID:bzZ1Go6R

「ん〜たぶん、この辺にいると思うんだけど……あ、いた」
日よけ傘が差してあるテーブルの上で果物のアイスティーを飲んでいる。
「もォ、姉ちゃん。呑気にジュース飲んでいる場合じゃないよ。帰りが遅いから迎えにきた」
「あら、エッジ、それは悪かったわね。果物も野菜も購入したんだけど暑くてね。涼んでいたのよ」
でれーとしてお茶を飲む姉。………今この姿を姉に熱を上げている若者共に見せてやりたいぜ。
我が姉は物静かな仕草とゆっさゆっさと揺れる豊満なおっぱいでかなりモテる。
姉に手を出そうとした若者を父ちゃんが何度、海に投げ込んだ事か……
そんなことは露知らず、姉は「まぁ……お父さん、またお酒を飲んで…」と宣いやがる。
本当に超がつくほどの天然さんだ。おっぱいがでかいのと天然なのは比例でもしているのだろうか?
「だーかーら、帰るの。荷物はボクが持つから」
「もう、いやなのよ。何もかも!ぷんすか」
「何もかもって…あのさ…買い物だけじゃん。しかもさぁ…すねても全然、可愛くないから」
「………暑いもの。日が沈んでからでいいじゃない」
再び、ぐでーとテーブルに突っ伏しジュースを頬にあてて、こちらを見た。
「……………飲も」
「あ、あのねぇ……全然、可愛くないって言ってるだろーが!姉ちゃん、聞いてる?」
「エッジ……姉を慈しむ殊勝な妹として、この猛暑に溶解しそうな姉を救う手だてはある?ないでしょう?
だから涼んでいくの。アイスティーを飲みながら、さんさんと照りつける太陽への恨み辛みを語り合いましょう」
暑さでついにイカれやがった。
「涼まない、飲まない、語らない。それに溶解しているのは『お脳』の間違いでしょ?
『しゅしょう』とか難しい言葉を使ったからって誤魔化されないよ。とりあえず帰るの」
「……強くなったわね、エッジ…………この日傘ごと移動しちゃダメかしら?」
「ダメだから、店のものだから」
そんなこんなで姉を引きずるようにしてボクは宿へ帰った。
324名無しさん@ピンキー:2011/07/23(土) 22:08:30.67 ID:bzZ1Go6R
そしてその夜。
「悪いわねぇジジ。水揚げしたばかりの格安で売ってもらって」
「女将さんはお得意様だから、気にしないで。漁長もよろしくって言ってたし」
今日のメニューはジジの持ってきてくれたクラーケンを塩で焼き、輪切りにしたものを
香草と唐辛子に貝を混ぜたパスタをメインにビッククラブの丸焼き、冷えた葡萄酒とフルーツの盛り合わせ。
「今日の恵みを海神様にお祈りして…ハイ、いただきます」
「いただきまーす」
女4人にお客1人の晩餐が始まった。
姉やボクはジジや母ちゃんと談笑しながら食べているのを余所にリーチェが
もりつけられたパスタを猛烈に食う、食う、食う。
「はぐはぐ、もぐもぐ、ばりばり、むしゃむしゃむしゃごくん……美味しい〜ありがと、ジジ兄ちゃん」
成長期なのかだろうか、いつもお使いや買い出しで家を空けるボクや姉にかわり
留守番としてカウンターに座っているだけなのに、何でこんなに食えるんだ?
しかも、食べても、食べても一向に太らない。その分、栄養が四肢に行き渡り、さらにはおっぱいとお尻に行き
今でこそ小柄で凹凸のない身体だが、いつか姉以上のボインになるかもしれない。
「いやぁ…リーチェはいつも食いっぷりがいいなぁ」
「えっへっへ〜ジジ兄ちゃんとケッコンしたら毎日、新鮮なモノが食べられるんだよね。
あたし、ジジ兄ちゃんのおヨメさんになるぅ〜♪」
甘えた声でふざけたこと抜かしやがるぜ、この野郎。
「リーチェルは末っ子だからジジ君のお嫁さんになるには、お父さんが海で行方不明になるか、
ジジ君がお父さんを撲殺しない限り無理じゃないかしら?」
おっとりしながら不吉なこと言うな!しかも何故、撲殺なんだ?
「はいはい、そういう話はいいから。冷めない内に食べなさい」
さすが母ちゃん、ナイスなタイミングだ。
そんなこんなで楽しい晩餐を終えたボク達。後かたづけを終えて、リュリュ姉とリーチェはお風呂へ。
先に帰ったジジの後を追うため、家を抜け出そうとしていると母ちゃんに見つかってしまった。
これはまずい。ジジとの約束しているのに……が、気を利かせた母ちゃんが
「恋する娘に何を言っても無理だねぇ…そんなトコまで私に似なくてもいいのに…行ってきな」
と外出を許してくれた。
「でもちゃーんと避妊はするんだよ?安全日だったのに…って言う事にならないようにね」
母ちゃんの含み笑いに苦笑しながらボクはジジとの約束の場所に向かった。
そこは夜になると潮の関係で現れる洞窟だ。この場所は漁師の人達も知らないジジの秘密の場所。
325名無しさん@ピンキー:2011/07/23(土) 22:10:04.50 ID:bzZ1Go6R
「…………エッジ」
ジジの手がボクの股間に伸びる。
「あッ……」
鼻にかかったような甘い声。
シコシコと二、三回擦るとムクッと先端が反応し、みるみるうちに勃起した。
思春期まっさかりのジジはボクの脹らんだおっぱいを堪能していく。
「あはは…んッ…ボクのおっぱいばっかり…コッチもしてくれないと」
ボクは言うが早いかショートパンツと下着を脱いだ。
くるくると揺れ動く尻尾とそこにあるのはボクのアソコ。
あまり毛深い方ではないので、形がくっきり丸見えだ。
「ほうら…ジジ……久しぶりだもんねぇ、直に……してくれる?」
「エッジの甘い匂いは久しぶりだ……」
くんくんと鼻をひくつかせ、ボクのおっぱいからおへそ、そして下半身へと顔をずらしていく。
「ん…はっ…」
指で濡れたアソコの筋をさすられ、ボクはかすれた声をあげた。
ぴくんぴくん断続的に走る心地よさにだんだん立っていられなくなる。
ボクは洞窟の岩に腰掛けて、ジジの頭部に両手を当てた。
「はぁはぁ…くっ…エッジ…エッジの」
「あっ…んっそこ…ジジ…ひゃ…そうやって舌で…もっと吸って…」
丹念に舌で愛撫され、ボクは喉を仰け反らせる。自分でする時より
何倍も感度が上がるのはやはり、好意をもった男の子だからだろう。
「あっ…ジジ……ボクも、もう…イッ…ああっ!」
尻尾と背中がピンと張り、つま先立ちになってボクは達した。
ふるふると小刻みに震えるお尻に指を食い込ませてジジは股に埋めた顔を上げた。
「エッジ、イった?アソコがキュッって締まったけど」
へへッと得意顔のジジにボクはむっとした。
「……ジジのクセに…生意気だぞ」
ボクはジジに飛びかかるようにして押し倒すと、ジジのアソコを
口に含んで一気に吸い上げた。
「や、やっべ!?…エッジ離れ…出ッ…うっ」
予期せぬ快感にジジは眉を潜め、射精した。
どぴゅっどぴゅっとその精液がボクの口内に直撃し、二度、三度搾り出すと、
ジジは眉をひそめて、脱力感に耽った。
「はぁ…はぁ…は…いきなり……」
「ケホッケホッ…これでおあいこだもんね、ジジばっかりリードさせないよ」
「負けず嫌いは親父さん似かなぁ…」
そして洞窟の壁に手をつくと後ろから挿れやすいようにお尻を突き出した。
いわゆる立ちバックだ。いや…誤解の無いように言っておくけど
ボクは別に後ろからが好きってワケじゃない。獣人だからという見解は偏見だ。
下がごつごつした岩が突き出てるし、砂だし、色々と問題があるからだ。
326名無しさん@ピンキー:2011/07/23(土) 22:12:54.74 ID:bzZ1Go6R
「エッジ……」
ジジのアソコは既にギンギンに勃っていて、痛々しいくらいだった。
海で溜まりまくったアソコの固さを確かめるとボクは上気した顔で言った。
「ボクのお尻は魅力的?」
「……それもあるけど…尻尾の毛並みが…すっげぇ色っぽい」
耳、尻尾、毛並み…これは獣人にしかない局部フェチだろう。
……いや、人間にも獣耳が好きっていう人いるけどさ」
「ボクと交尾したくてたまらないって感じだね」
「ああ……もう我慢の限界だ…エッジと……交尾したい」
「狼みたいな眼をしてるよ。ケダモノさんだ♪」
「あー…まぁ、俺ワーウルフだしなぁ…」
「あははは、それはそうだね…じゃあ――――」
ボクはお尻をくいっと突き出し、人差し指と中指でアソコを開いた。
「ハラペコ狼さん…召し上がれ」
「……ゴクン」
ジジは喉を鳴らして生唾を飲む音、そして先端をボクのアソコにあてがった。
「ふッ…んんッ……」
ぬぷッとした感覚のあと、ジジがボクの中に入ってきた。
「あっうっ…んっ…ん」
「エッジ……」
ジジが背中に覆い被さるようにして、体重をかけると
ずぷぶっと最奥まで埋没していった。久しぶりに味わうジジにボクは思わず声をあげた。
「んっ…ふ…結構、キツイなぁ……どう…久しぶりのボクは?」
「あ……き、気持ち…いい、気持ちよすぎ…ちょっとこのまま…」
ジジはボクの中に埋没させたまま、しばらく動けないでいた。
項にかかるジジの吐息が荒い。相当ため込んでいるようだった。
「あはっ、嬉しいなぁ……動いていいよ………ゆっくりとね」
「ゆっくり?」
「早いとジジがすぐイっちゃうだろ」
「そりゃ…ごもっとも…」
ジジは腰を動かし、ずぶ…ずぶっ…とゆっくりボクを突き上げ始めた。
327名無しさん@ピンキー:2011/07/23(土) 22:13:11.76 ID:bzZ1Go6R
「あっ…いつも激しいから…何か新鮮な…ん…感じ」
そう、いつもは若さに任せてかなり激しく交わる。父ちゃんも若い頃はベッドを破壊する
勢いで母ちゃんとエッチしていたらしいし…その血かな?
「ああ…そ、そうだ…な」
腰を掴んでいたジジの両腕が、動き突かれる度に揺れるおっぱいを掴んだ。
姉ちゃんみたいにゆっさゆっさとは揺れないけど、それなりにある。
パイズリはギリギリできるかもしれない。けど今のジジにとっては極上のおっぱいだ。
ふにゅふにゅとした感触を楽しんでいるのだろう。時折、先端を指でくりくりされると
思わずボクも感じてしまう。その証拠におっぱいの先端がぷっくりと勃っていた。
「んあっ…ジ、ジジのって大きいね…ボク壊れちゃうかも」
「あっ…あっエッジ、エッジ…」
ジジはもうたまらないという風に上下に腰を振り始めた。
「もっと、もっと乱暴にしていいよ」
「エ、エッジ…いっ、イきそう!で、出る」
「いっ、イってもいいよ…そのまま、そのまま中でイって!濃いの、たくさんだして……ボクにいっぱい注いで」
身体を固定し、膣の一番奥で精を吐き出すために
ジジはボクに密着して、おっぱいにむにゅと指を食い込ませた。
パンパンパンパンパンと激しくジジがラスチスパートのように腰を激しく打ちつけだした。
遠慮のない、叩きつけるような突きにボクも思わず声を上げた。
激しく腰が打ちつけられ、頭の中が真っ白になっていく。
「で、出る、出る、出る!エッジ」
「いい、いいよ!いっぱい、いっぱいちょうだい!ボクもイクッ!」
次の瞬間、ジジの先端が大きくなり、すさまじい勢いでどぶッびゅと大量の精液が放出された。
「んっんうううっジジの…ジジの熱い…熱い…」
「ふっ…ふ…ああ…」
ボクの上に折り重なり、ジジは一滴も残すことなく放出した。
膣内ではまだ勃起したモノが精を断続的に吐き出し続けている。
「あ…ああ…エッジ…エッジ…ま、まだ出て…」
「ふふっ…はァはァ…んッ…ジジにマーキングされちゃった…お股と…お腹の中に…」
「……やべ…鼻がきくリーチェにばれたら……俺、おやっさんに沈められるな…」
……母ちゃん、避妊しないでごめんなさい。あ、安全日だから大丈夫だと思う……

おしまい
328名無しさん@ピンキー:2011/07/24(日) 03:18:13.41 ID:c7Pb1P+R
>>321
日本語としては
「ワーウルフを父に、ワーキャットを母に」
の方がしっくり来るんじゃないだろうか
329名無しさん@ピンキー:2011/07/25(月) 18:36:55.81 ID:NWjLqG5A
やっぱり獣はエロいな
330名無しさん@ピンキー:2011/07/27(水) 19:14:14.66 ID:bBilfq0Q
331名無しさん@ピンキー:2011/07/27(水) 23:48:54.99 ID:j74eo39T
これは胸が熱くなるな

ところでこの板って「スフィンクス」や「マンティコア」みたいな人面の獣ってアリかな?
恐ろしげな外見をしていて、実はツンデレなマンティコア娘とか
332名無しさん@ピンキー:2011/07/28(木) 12:22:54.14 ID:/LPCF43d
人外の娘さんなら、こっちの方が適切かと。
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1308262517/
333名無しさん@ピンキー:2011/08/02(火) 18:49:25.34 ID:NaKB/ASt
街を支配するマフィアボスの主医師を務めている人間主人公。
ある日瀕死の犬獣族の女の子が屋敷に運び込まれてくる。
どうやらボスの乗っていた車にはねられたらしく、適当に看病しておけとの指示を受ける。
冷血非道なボスのことだからいずれ実験動物か性奴隷に売り出すつもりだろうと思いながらも
彼女を看病しつづける主人公。
やがて彼女は外を歩きまわれる位までに回復し、主人公に対しても笑顔を見せるようになるが
彼女の命運はボスが握っているという現状に主人公は悔しさを隠しきれないのであった。

という話を閃いたがエロゲで既出な予感が・・
334名無しさん@ピンキー:2011/08/16(火) 11:43:22.89 ID:MB/J5QjG
ドクン!!
私の体内で何かが動きはじめた。
その途端、
ジワジワジワ…
私の腕や手に茶褐色の毛が沸き出すように生え始めると、見る見る両手を覆い始め、まるで厚手の手袋をはめたようになり、両手の五指は爪の形がより黒く、鋭利になっていく。
脚も腕を同じように茶褐色の毛に覆われたて両足の指先にも研ぎ澄ませされた鉤爪が顔をのぞかせる。
じわりじわりと、体毛は腹部や首元からも茶褐色の体毛が生え始めて、どこか油っけのある汗がうっすらと獣臭さを感じさせる。乳房も体毛に覆われて乳首もその中に姿を消してしまう。
体毛は強く皮膚に根付きながら、規則正しく整えられていき、私の上半身をまるでうっすらと起毛した上着を纏った姿へと変えていく。
私の股間を覆う黒い茂みも新しい体毛によって茶色い草原へと入れ替わっている。
少しずつ顔に生じ始めていた茶褐色の体毛と共に、瞳の色は金色へと変わり妖しい光を放つ。
私の鼻先が少しずつ湿り気を持ち、黒ずんでいく。それとともに湧き上がってくる獣の臭いを鋭敏に嗅ぎとれるようになっていく。
バサバサバサ…
私の頭からの髪の毛が消えうせると、周囲に髪の毛をまき散らせていき、顔と同じ茶褐色の体毛がまるでショートヘアのように私の頭部を飾っていく。
手のひらと指先がまるで水泡のようにぷっくりと腫れると黒ずみ始め、それはぷにぷにとした感触を持つ肉球と化すと、足の裏と指先にも同じように肉球が生じる。
獣毛をはやした両耳もまた頭上に引っ張られるような形で先端を尖らせていき、今まで聞こえなかった音が私の耳を刺激する。
純白の一糸纏わぬ姿の上に茶褐色に彩られた起毛が広がり、私の体を女性のボディラインを浮き出せるオオカミへと変身させた。
茶褐色をした獣毛に覆われた全身は茶色い毛皮で厚着をしてようにも見える全体として、少しばかり太っている容姿にも見える。
その下からは、汗の代わりに自らの臭いを発するための器官が発達し、濃密な獣の臭気を放ちはじめる。その顔だちは映画に登場する狼人間の顔つきそのものであった。
「ハァ…ハァ…」
体全体を覆い尽くしていた獣毛は体から熱が奪われるのを防ぎ、肉球で覆われた手のひらと足の裏以外のからすぅと汗が引くのを感じる。
だが、逃げ場を失ったその熱は私の体の内に篭り、獣毛で直に見る事が出来なくなった顔を火照らせ、熱く荒々しい吐息を吐く。最早、下着一枚身につけることすら出来ない。
335名無しさん@ピンキー:2011/08/22(月) 21:34:51.10 ID:WhaWvfSG
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
 体中が熱い。心臓が激しく鼓動し、息が自然と荒くなる。全身から力が漲ってくるのが分かった。
どくん
私の心臓が波打つ。
どくん、どくん……どくどくどくどく
痛いほどの鼓動が際限なく加速していく。
 苦しみの余り、私の両手は無意識のうちに自分の左右の肩を掴み、爪が肌に食い込んだ。
「痛っ……」
 とっさの行為に私は驚き怯え、慌てて両手を肩から離して両手を見る。
「はあ、はあ、はあ……う、うそ……あっ……」
荒々しい息を続ける私は自分の両手を見て驚愕した。
 そこには、光沢のある茶褐色の何かが、腕全体を覆うように広がって白い肌を覆い隠していく。それは二の腕、手の甲を覆い、指先まで広がっている。
掌には大きな肉球を纏い、さっきまで丸く整えられていた五つの爪は、全て硬化して鋭さを持った鉤爪に変わっていく。
 私は鋭い爪を生やした片手を伸ばして茶褐色の部分をさする。擦られた茶褐色の部分からは素肌の感触ではなく、絨毯の毛皮のような感触が伝わってくる。
茶褐色の毛皮が上半身から全身へと広がっていき、女性らしかった胸元やお腹や背中もスリムなフォルムを保ちながら、一面を体毛に覆われてしまう。
やがて、細長い手足も茶褐色の毛皮に覆われ、手足の爪は猛獣の牙がそのまま生えているかのように鋭く研ぎ澄まされ、元の面影が想像できないくらい凶悪な爪が連なって生えていた。
茶褐色の毛皮は、私の顔はおろか耳の内側まで生えそろってしまっていた。
 不意に私の眼鏡がカラリ、と落ちると、私の瞳は普通の人間と異なり黄金色の輝きを発し、両耳は三角形に伸び始めていく。
「うううぅぅ〜〜〜〜〜〜……」
 耳の変化からくる痛みを堪えて唇を噛み締めている私の口元から、低い唸り声が漏れる。
 やがて、その口元からは唇がめくれて牙のように伸びた歯が剥き出しになって露わになる。
「ううぅ……がぁぁぁぁぁッ!」
 私が獣じみた叫びを放つと、一瞬のうちに私の顔が歪み、引き裂かれていく。
 先端が黒く染まった私の鼻が長く伸びて鼻面に皺を寄せ、獣のような鼻を形成していく。
最早普段の私の気弱げな表情は記憶の彼方、今の表情は人らしさの残滓すらない。
 耳の付け根まで裂けて牙を覗かせた口から、遠吠えが迸った。
「ァオォォォォ――――――――ン!」
決して人間ではありえない、恐ろしくも美しい獣――人狼が人間の数百万倍とも言われる嗅覚で大気中に血の臭いを嗅ぎ付けて、自らの存在を越えた雄叫びをあげているのだ。


336名無しさん@ピンキー:2011/08/30(火) 13:26:40.61 ID:zzRBNsZ+
わんわん
337名無しさん@ピンキー:2011/09/04(日) 00:43:55.00 ID:X6/Lkmvo
338名無しさん@ピンキー:2011/09/05(月) 12:24:56.25 ID:rbzrzpFC
>>334>>335
で、いつになったら絡みが始まるんだろうか
もしかしてあっち(変身スレ)と間違えた?
339名無しさん@ピンキー:2011/09/05(月) 18:56:26.13 ID:ym6cmNNU
書きながら投稿におもえる。
文章はいいけどちゃんとエロパロ板のお作法には従おうね。
340名無しさん@ピンキー:2011/09/09(金) 04:43:31.77 ID:Mni6fnV0
作法のなってないメスガキを教育する
作法のなっていない自分がお嬢様に教育される
どちらも浪漫があるな
341名無しさん@ピンキー:2011/09/20(火) 17:28:21.64 ID:ANuRb9Gk
ほっしゅ
342名無しさん@ピンキー:2011/09/22(木) 02:37:07.75 ID:XR10lTJ1
ほしゅん
343名無しさん@ピンキー:2011/10/02(日) 08:57:21.97 ID:tTe4p8xA
ほしゅ
344名無しさん@ピンキー:2011/10/11(火) 15:39:56.06 ID:6oY4ZsBu
345名無しさん@ピンキー:2011/10/12(水) 21:05:33.62 ID:UvXzEwOu
読みたいシチュとかある?
書くけど
346名無しさん@ピンキー:2011/10/12(水) 22:10:45.63 ID:KtCsbTF9
思春期に入ったライオン娘が、自分の10倍くらいありそうな牡ライオンに絶望的なほどめちゃくちゃに
陵辱される話がいい。
347名無しさん@ピンキー:2011/10/12(水) 22:35:47.69 ID:xfycrg2H
決闘で負けて雌豚獣人にされた男の話とか
348名無しさん@ピンキー:2011/10/12(水) 22:57:01.58 ID:XYvMD+Bn
>>347
なんか惹かれる響きなのでもうちょいkwsk
いや>>345じゃないし書かないかもだが
349名無しさん@ピンキー:2011/10/13(木) 00:59:35.01 ID:c2CzJIRH
奴隷が解放をかけて主人と闘って負けたら奴隷よりさらに下層の性処理用の家畜の雌豚獣人に変えられてしまうとか
拳闘でもギャンブルでもなんでもなんでもいいけど
350名無しさん@ピンキー:2011/10/13(木) 22:55:51.67 ID:9NjZ26FL
ギャンブルとかいうから一気に背景が「ざわ… ざわ…」ってイメージに塗りつぶされたじゃないか
351名無しさん@ピンキー:2011/10/14(金) 00:08:54.75 ID:24EdCr1u
そのイメージが次第に「ぶひ・・・ ぶひ・・・」になっていくんですね
あとは、オークに負けてオークの種族に取り入れられるとか?
352名無しさん@ピンキー:2011/10/14(金) 21:40:31.31 ID:Tv0JgECE
>>350-351
「ざわ… ざわ…」→「ぶひ… ぶひ…」の変化って
観客もTFさせられる群集変化なのか幻覚MCなのか観客は人間に化けてただけで元々豚だったのか、どれだろうね
どれも萌えるけど
353名無しさん@ピンキー:2011/10/14(金) 21:43:58.72 ID:b6pr/YiG
>>352
奴隷生活一カ月目で豚舎の班長からビールを御馳走される少女
354名無しさん@ピンキー:2011/10/14(金) 21:49:29.00 ID:24EdCr1u
集団TFは萌えるけど書くのすごく難しそうだな
幻覚MCでぶひ・・・に変わる頃に豚になってるとかなら楽かも
355名無しさん@ピンキー:2011/10/14(金) 22:47:39.09 ID:Tv0JgECE
>>353
カイジとか福本作品ネタなのか?
実は読んだことないので「ざわ…」以外の元ネタわからん…

>>354
>集団TFは萌えるけど書くのすごく難しそうだな
でもケモバイオハザードな集団TFとか憧れるな…殺されるんじゃなく性的に襲われて感染するの
>幻覚MCでぶひ・・・に変わる頃に豚になってるとかなら楽かも
…え?自分は人間だ、元に戻せ、って?
何言ってるんですかこんな所に人間は来ませんよほら周りを見てみなさい豚しかいないでしょう?
自分が牝豚だと忘れちゃったのかな混乱してるみたいですね。
でも思い出して。皆ぶひぶひ鳴いてるでしょう?これが普通。当たり前のこと。
あなたも鳴いてみれば思い出しますよ?さぁ鼻を鳴らして、大きな声で、ぶひぃ、って。

…あーぁ。本当に鳴いちゃった。受け入れちゃいましたね?自分は牝豚だ、って。
もう人間には二度となれませんよ?
まぁでも実際それがあなたの本質だったのかも知れませんけどね。鳴いてみて気持ち良かったでしょ?

とか?
356名無しさん@ピンキー:2011/10/14(金) 23:21:04.59 ID:24EdCr1u
>>355
牡と牝って字が似てるからわかりにくいんだよ畜生!

ぶっちゃけその8行だけで十分萌えたわ
前と後ろにちょこっと付け足せば立派なSSになるじゃんか
357名無しさん@ピンキー:2011/10/15(土) 00:59:44.68 ID:NCmcaAG6
>>356は雄豚化希望だったん?>>347は雌豚化リクエストだけど
性別だけでなくさせたい派やさせられたい派とか色々あるな
358356:2011/10/15(土) 01:07:12.80 ID:doSnsSGf
>>357
どっちも好きだけど、字を見て牡だと思ったら牝にされてたってのにしてやられた感があったんだ
自分では不本意なのに強制的に変えられてしまうシチュエーションって超萌える
スレ的にその後無理矢理交尾が待ち受けてそうだしな
359名無しさん@ピンキー:2011/10/15(土) 01:59:04.25 ID:NCmcaAG6
>>358
無理矢理交尾?そんな無理矢理なんて酷いことしませんよ。
…だって、無理矢理じゃなくて、そっちが求めてるんじゃないですか。
女の仔な、牝豚の、あなたの身体が。
違うって?ふぅん、じゃあその豊満なおっぱい弄ってみましょうか?

…ほら、乳房揉まれただけで、乳首つままれただけで、そんなに反応してるじゃないですか…女の仔らしく。
ふふっ可愛い声ですねぇ。恥ずかしがらなくてもいいのに。
恥ずかしいのはは女っぽい声上げちゃったからですかね?それともぶひぶひ鳴き声が混じるから?
我慢せずに大きな声で鳴いちゃっていいんですよー。その大きな豚耳ならよく聴こえるでしょ?

…あらら、股の間もうぬるぬるじゃないですか。感じてないとか牝豚じゃないとか、全然説得力ないですねぇ。
じゃあ実験してみます?そうですね、イメージしてみましょうか。人間の女の子の裸。綺麗な、自分の理想の女性像の。
…思い浮かびました?じゃ次、豚をイメージしてみてください。
牡の豚。大きくて、ケモノくさくて…立派なおちんちんを持った牡豚を。
…あははっ!すごい、あっという間にぐしょぐしょに濡れちゃったじゃないですか。
自分は人間だ、男だ。ってさんざん言ってたけど、どうですか?牡豚思い浮かべて興奮しちゃった気分は?
普通人間の男は牡豚相手に欲情したりしませんよねー。そんなに牡豚と交尾したいんだ。牝豚さん♪
…えー、まだ違う違うって、往生際悪いなぁ。そう?本当に違うんですか?
…じゃあ、そこまで違うって言うなら、本物の牡豚呼んでも大丈夫ですよね?

…うわぁ…牡豚を目にして、匂い嗅いだだけで大興奮じゃないですか。
いくら否定しても、その大きな豚鼻が牡のフェロモンを少しでも多く感じようとしてふごふごしっぱなしですよ。
自分で気付いてないんですか?ヨダレだってだらだら…上の口からも、下の口からもね?
あーあーあそこだけじゃなく可愛い尻尾も、お尻の穴までひくひくさせちゃって…
穴という穴全て犯して欲しいと言わんばかりですねぇ。

…もういい加減つらいでしょ?我慢せずに受け入れちゃったらどうです?
もっとも…受け入れたら、さっきと同じように、取り返しがつきませんけど、ね。


とか?
360名無しさん@ピンキー:2011/10/15(土) 02:22:05.98 ID:doSnsSGf
>>359
起きてて良かった・・・ハイパーGJ!
加害者視点の形式のおかげで俺まで濡れた

これイメージ的には牝豚獣人にされたってことでいいんだよね?
361名無しさん@ピンキー:2011/10/15(土) 19:52:36.70 ID:NCmcaAG6
>>360
レスd
>これイメージ的には牝豚獣人にされたってことでいいんだよね?
ですね。完全四足でもいいんだけど体位とかいろいろできるし獣人で

「取り返しがつきませんけど〜」とか言ってるけど実際受け入れたらどうなるかは特に考えてないし続かない
「人間に戻れなくなる」は先にやっちゃったし…
それとも何か面白い案ある?
362名無しさん@ピンキー:2011/10/15(土) 22:26:01.86 ID:doSnsSGf
>>361
四足は四足で萌えるけど制限が多いもんね

牝から戻れなくなって、さらにそれを受け入れると取り返しがつかなくなるって答えはひとつ!
種付けされて孕まされて子豚たちを産むというBADすぎるENDとか

性的に他者に感染させていくのは牡にされた場合のほうが容易なのかな?
いや、牝もフェロモンなりなんなりで誘って咥えて強制獣化させられるか!
363名無しさん@ピンキー:2011/10/15(土) 23:08:27.20 ID:eYf/FCMC
とりあえずライオン娘の方は俺が書いてるので完成した上げます
性格がかなり勝ち気になっちゃってるけど……
364名無しさん@ピンキー:2011/10/16(日) 17:28:10.68 ID:wWTx6qoK
>>362
孕み出産も萌えるし精神的な責めとしても効果大きいだろうがなんか「普通」な気がする
TFやMCならではのファンタジーな要素が欲しい
例えば本格的に人語が喋れなくなって鳴き声だけにされちゃうとか…
でも反面それだと制約もできてちょっと面倒だから他にないかな

>>363
超期待!勝ち気もそれはそれで萌えそうだし!
365名無しさん@ピンキー:2011/10/16(日) 20:58:34.69 ID:SSpIijVb
>>364
人であった頃の記憶が消えるとか複乳にとか?

ファンタジーな要素をつけて制約なしだと何があるかな
孕んだまま元の姿に戻されるけど自分の中の子豚たちが夢で語りかけてきて
自分から牝豚にしてくださいと懇願するとか
今までのは夢で目が覚めたら元通りになってるんだけどだんだん体が牝に変化していくとか
直接責めに繋がる要素が思い浮かばないなあ

獣人なのに動物と同じ振る舞いをするとかだと制限になるかな
366名無しさん@ピンキー:2011/10/19(水) 22:57:27.50 ID:oyDipUIP
俺もライオンの考えてる…ような気がする(^ω^)
367名無しさん@ピンキー:2011/10/19(水) 23:21:32.08 ID:W4gX5Tpx
ライオンだろうが豚だろうが楽しみだぜ
投下まだかな〜
368名無しさん@ピンキー:2011/10/22(土) 16:40:39.93 ID:Q9v22cpW
>>364
ありがちだけど相手の命令に逆らえなくなるとか
完全洗脳じゃなくて、自分の意識残ってるのに身体が勝手に動いちゃうタイプだと萌えるね
369名無しさん@ピンキー:2011/10/26(水) 15:03:07.75 ID:SP6v6pB4
保守しておこう
370名無しさん@ピンキー:2011/10/30(日) 10:33:00.33 ID:29TOIPM9
今しがた銀齢祭(二)を読み終わった
すごい面白かった
描写が丁寧で戦闘シーンなんか漫画読んでるみたいに描写が頭に浮かんできた
ツューとヤマトがカッコ可愛いなあ・・・・・誰か絵化してくれんだろうか
ともあれGJ!楽しませてもらいました 
371名無しさん@ピンキー:2011/11/06(日) 02:10:54.34 ID:+rZLEX3g
あげ
372名無しさん@ピンキー:2011/11/09(水) 15:30:25.66 ID:xuxzJLOy
>>370
新作が少なめな今はかえっていいかも知れないな。昔の名作読み返す週間
タイミング逃してコメントしそびれたのもあるし
投稿したその場限りで忘れ去られるのも惜しいし
373名無しさん@ピンキー:2011/11/09(水) 17:56:19.91 ID:Jo/RmHfT
   *'``・* 。
   |     `*。
  ,。∩      *    みんな幸せになーれ
 + (´・ω・`) *。+゚
 `*。 ヽ、  つ *゚*
  `・+。*・' ゚⊃ +゚
  ☆   ∪~ 。*゚
   `・+。*・ ゚
374名無しさん@ピンキー:2011/11/11(金) 06:37:17.72 ID:cbkuS3BC
>>372
少し尺のある作品だと投下された当時は読み切れなくて感想会に間に合わなかったりだからな
375名無しさん@ピンキー:2011/11/16(水) 09:35:29.59 ID:sJ1uPlV1
昔の名作となると俺は秘島探検が好きだわ
文字通りケモノのような輪姦乱交されて獣化させられるとか理想的
俺もされたい
376名無しさん@ピンキー:2011/11/16(水) 17:01:07.57 ID:nElJWPOg
 『カナリアの国』シリーズがエロすぎて切なすぎて股間と胸の奥にきて生きるのがつらい
377名無しさん@ピンキー:2011/11/20(日) 03:53:52.16 ID:ot3vBE5R
人間と獣人の絡みは、このスレ的には許容範囲に入るのでしょうか
378名無しさん@ピンキー:2011/11/20(日) 16:37:04.57 ID:CPKTQ187
>>377
過去にもいくつかあったみたいだからいいんじゃね?
エロゲみたいに「人間♀ばかりメインに描写して、獣人♂はただの竿役」
みたいなのだとつらいかも知れないけど
379名無しさん@ピンキー:2011/11/22(火) 20:37:39.15 ID:RdHBaMNk
>>377
もうその方向で書きはじめてるの?それとも聞いてみただけ?
とりあえず期待
380名無しさん@ピンキー:2011/11/23(水) 00:30:45.08 ID:BDawkN2v
豚獣人に一方的に見初められた人間の娘が無理矢理嫁にさせられ、華やかなウェディングドレス着たまま、
結婚指輪の代わりに耳に魔法のリング(家畜タグ付き)付けられて豚耳になったり
強引に誓いのキスさせられて舌入れられながら鼻と口が突き出して豚顔になったり
そして教会で獣人達が見てる目の前で発情した雌豚になっちゃったり…

いい夫婦の日と聞いてそんなネタを思いついたが書けなかったよ…
381名無しさん@ピンキー:2011/11/23(水) 03:17:55.53 ID:OU3id0LY
>>380
娘じゃないけど豚獣人の嫁になりたい
382名無しさん@ピンキー:2011/11/23(水) 08:31:18.12 ID:zQN+dYIc
結婚耳輪:豚
なら
結婚鼻輪:牛
結婚首輪:犬・猫
結婚轡:馬・ロバ
結婚緊箍児:石猿
とかもあるのかな…
383名無しさん@ピンキー:2011/11/26(土) 23:59:23.22 ID:p9n4NViV
狸獣人と結婚したい…
384名無しさん@ピンキー:2011/11/30(水) 12:13:34.28 ID:atJ3Z9Id
毎晩、狸汁を味わえると聞いて
385名無しさん@ピンキー:2011/12/05(月) 09:48:17.49 ID:JI/G1fW4
どの汁?
雄から出るのか雌から出るのか胸からか棒からか割れ目からか尿道からか
386名無しさん@ピンキー:2011/12/06(火) 00:51:49.59 ID:8S1SLgHg
>>383-385
でっぷりした腹と股間のフグリ
雄同士がぶつかり合い、熱い雄汁を貪る
濃厚なケモホモの匂いがする
387名無しさん@ピンキー:2011/12/06(火) 09:25:32.72 ID:chrqEOqM
ホモには少し抵抗があるが
人♂が化かされてTSTFして狸♀になれば結果的にヘテロなのでおk
388名無しさん@ピンキー:2011/12/06(火) 12:42:12.60 ID:chrqEOqM
…あ、いや、抵抗あると言っても
書いてくれるなら同性でもアブノーマルでもありがたくいただきますが
389名無しさん@ピンキー:2011/12/07(水) 09:40:55.95 ID:+5Kqh3F+
私ホモじゃないけど
獣化できるなら雄獣人に犯されたりしゃぶらされたりしてもいいや
私ホモじゃないけど
390名無しさん@ピンキー:2011/12/08(木) 01:21:52.39 ID:nihSQZbP
ゲイや801小説はキモイが
雄獣人がホモる小説はキモく感じない…不思議
登場人物が人から獣人に変っただけなのに なぜだろう不思議
391名無しさん@ピンキー:2011/12/08(木) 10:29:34.73 ID:WDXJM2dG
ただ、獣ホモ小説って、「彼は○種の動物の特徴を持った獣人である」みたいな説明の一文以外に
ほとんど(時には全く)獣人や亜人らしい描写がなくて
ただの人ホモ小説から名詞のみをすげ替えただけなレベルのが多いのがちょっと…
ちゃんと書いてくれれば同性でも萌えるんだけど
392名無しさん@ピンキー:2011/12/08(木) 12:17:44.61 ID:inVf8O0Y
ていうかなんでケモホモの話になってんのよ。
専用スレいけばいっぱいあるじゃない
393名無しさん@ピンキー:2011/12/08(木) 13:37:50.22 ID:IvgM84nD
ぽっちゃり好きとしては狸合戦ぽんぽこのふっくらした狸♀とか萌えるわ
394名無しさん@ピンキー:2011/12/08(木) 20:24:37.26 ID:L/9OdGAA
お前らの好みなんてどうでもいいわ
395名無しさん@ピンキー:2011/12/08(木) 23:09:59.85 ID:WtsBXObI
ぽんぽこ懐かしい
発情期を迎えながらも、人間に勝つまでは僕たちは清く正しい関係でいよう!
って主人公カップルが誓った直後に交尾しちゃうんだよな…
396sage:2011/12/18(日) 04:39:07.58 ID:2ZgViuoR
投下する。 

無様だったら嘲笑うといい。
397名無しさん@ピンキー:2011/12/18(日) 04:43:11.53 ID:2ZgViuoR
日本には、『衝撃的』と言う言葉がある。

体験した者が実際に物理的な衝撃を受けたように錯覚するほどのインパクトを持った出来事を表現する時に使われる言葉だ。

多かれ少なかれ、そして程度の差こそあれ、人は生きていればそういう物事を経験する事になる、と私は考えている。

私が送ってきた秋山美月という十八年の比較的短い人生にすら、そういう出来事があったからだ。

私がそれを体験したのは九歳の時だった。

自分が生まれつき患っている病気をインターネットで検索し、その病気が不治の病と呼ばれる類のもので、

私は――――秋山美月という人間は、おそらく長くは生きれないだろうと言う事実を知ったのだけれど、その時私は、確かに心臓を刃物で突き刺されたような痛みを感じたし、その事実を思い出すたびに同じような痛みを感じてきた。

自分の人生を左右するような物事なのだ、その位のインパクトはあって当然だろう。

以来その出来事は、十年近く私の衝撃的体験ランキング1位を独占し続け、さすがにそれ以上に衝撃的な出来事は、今日に至るまで起きた事はなかった。

『無かった』、今日までは。


「好きです!」

半ば叫ぶような調子で告げられた、たった四文字の短いフレーズ――――

そんなもので、十年近く私の人生に圧し掛かっていた出来事をあっさり吹き飛ばして衝撃的体験ランキングを塗り替えたのは、灰色の毛色をした熊の少年だった。
398名無しさん@ピンキー:2011/12/18(日) 04:44:42.52 ID:2ZgViuoR
突如として私のみに降りかかってきた、そして現在進行形で起こっている出来事――――それは本当に唐突で、あまりにも突拍子の無い事だ。

だから私は、今自分に何が起こっているか良くわからなくて、なんと答えていいのかもわからくて………私が今考えているのが彼の言葉に対する返答ではなく、どうしてこうなったと言う疑問なのも、きっと仕方が無い事なんだろう。

どうしてこうなった?

朝目が覚めてから朝食をとり、常服薬を飲んで玄関を出るまでは極普通の一日だった筈だ。

今日は十二月の十五日で金曜日だから祝日でも休校日でもない訳で、酷く冷たい冬の風や、重々しい灰色の空模様に気が滅入ったとしても、私は学校に行かなければいけない。

だから私は、家を出て最初の十字路を左に曲がり、通学路である小道に入った。

すると、十メートルほど先にこの熊の少年がいて、私の顔を見ると酷く驚いたような顔をした。

通常、獣の人の顔は体毛に覆われているので表情が判り辛い。

にも拘らず、はっきりと彼が驚いている事が判るほど、彼は驚いていた。

だから、私は何事かと思って立ち止まったのだけれど、それを見た彼は一礼して私に近づいてきて、突然、例の言葉を言ってのけたのだった。

以上が事の顛末で、思い返してみてもどうしてこうなったのかは全く判らない。
399名無しさん@ピンキー:2011/12/18(日) 04:47:26.02 ID:2ZgViuoR
私は、五秒ほど考えたけれどなんと答えればいいのか思い浮かばなかったので、先ず彼を良く観察してみる事にした。

彼は学生服………それも、私が三年前に卒業した中学校の制服を着ている。

だから彼は中学生で私の後輩だという事が判る。

身長は百六十センチちょっとの私より頭一つ大きい。

だから間違いなく百七十センチ以上はあるだろう事が判る。

私を見つめるダークブラウンの瞳には、人生経験に乏しい私にもそれと解るほどに強い緊張と決意のようなものが見て取れる。

だから、彼は冗談とか罰ゲームとかでこんな事をしているのではない事が判る。

つまり、彼は本気で言っているのだ、私の事が好きだと。

「………だから?」

それらを踏まえ、私がたっぷり十秒以上の時間をかけてなんとか搾り出したのは、そんな返答だった。

だってそうだろう?

これが、「好きです、付き合ってください」だったら「友達からなら」とか答えられたかもしれない。

だけど、ただ「好きです」だけでは私はどうすればいいのか、何を求められているのか判らない。

しかし、私の言葉は恐らく意図した通りには伝わらなかったのだろう。

熊の少年は私の返答を聞くと、耳をぺたりと伏せ、今にも泣き出しそうな顔で俯いてしまった。

無言のまま立ち尽くす私と彼との間を、乾いた風が甲高い音を立てて吹きぬけていく。

私は、今になって、いや………今更になって、自分が重大な責任を負っている事に気がついた。

恐らく、彼にとってこの恋は初恋というものなんだろう。

恋愛経験皆無、それ故に猪突猛進、駆け引きなしのノープラン、恥も外聞も
かなぐり捨てて玉砕覚悟の告白だ。

それがとても勇気のいる事なのだという事は、告白をしたことのない私にも簡単に想像できる。

そんな真剣な気持ちも、行動も、私が応えなければ無意味なものになってしまうのだ。
400名無しさん@ピンキー:2011/12/18(日) 04:51:40.62 ID:2ZgViuoR
「あの……!」

私は、意を決して彼に声をかけた。

肩をびくりと震わせ、弾かれた様に彼が顔を上げる。

私は、深呼吸を一つして、これから口にする文章の意味を考え、それを頭の中で何度か繰り返し、声に出した。

「好きだといってくれたのは本当に嬉しいんだけど、「好きです」だけじゃ君がどうしたいのか判らないの。 『だから』どうしたいのか教えて欲しいんだけれど。」

若干声が上ずってしまったけれど、私はやり遂げた。

一字一句間違いなく、正確に、穏やかな口調で告げたその言葉は、きちんとその役割を果たし、熊の少年は「あっ!」と短く声を上げた。

「え、えーと………」

彼は恥ずかしそうに私から目を逸らした。

さっきまで力なく伏せていた耳が、今はピンと立っている。

彼は、暫くの間何やらモゴモゴと口篭っていたが、やがて大きく息を吐いて私の目を真っ直ぐに見つめ返し――――

「セックスしてくださいっ!」

地面に頭を擦り付けるほど深く跪いた。
401名無しさん@ピンキー:2011/12/18(日) 04:53:40.60 ID:2ZgViuoR
続きは2〜3日後に投下する。

書き終える前に投下して申し訳ない
402名無しさん@ピンキー:2011/12/18(日) 09:13:42.46 ID:mEVlqEr0
これは楽しみだわ。激しく期待
403名無しさん@ピンキー:2011/12/19(月) 14:35:59.35 ID:Ag99wjc0
熊といえば、3P
404名無しさん@ピンキー:2011/12/20(火) 00:59:17.56 ID:BexkSOyz
今年最後の期待
405>>397:2011/12/22(木) 02:13:30.83 ID:Y2fuDnlS
書けるだけ書いたけれど、最後まで書く事ができなかった

書きあがった分だけ投下する。

ごめんなさい
406>>397:2011/12/22(木) 02:14:07.09 ID:Y2fuDnlS
日本語には驚きを表現する言い回しが幾つかあるのだけれど、その内の一つに『驚きのあまり言葉がでない』と言う物がある。

恐らく、この言葉以上に今の私の状態を的確に表す事の出来る単語は無いと思う。

私の人生の衝撃的体験ランキングにおいて十年間不動の王座を守り続けた出来事をあっさり吹き飛ばして一位に輝いたさっきの愛の告白が、たった五分で二位に転落してしまうほど衝撃的な出来事を体験した私は、跪く熊の少年を前に、暫く何を言う事も出来ずに立ち尽くしていた。

彼も、跪いたまま無言で私の答えを待っている。

少し遠くを走る車の往来の音が妙にはっきり聞こえるほど、辺りはしんと静まり返っていた。

跪く、いわゆる土下座と言うやつだ。

昔見た西部劇の映画で、絶体絶命のピンチを迎えた主人公に対し、悪役の男が銃を突きつけながらこう言っていた。

『跪いて命乞いすれば命だけは助けてやるぞ』

そして、その言葉に対し、主人公は不敵な笑みを浮かべてこう答えた。

『死んだほうがマシだ』と。

生き恥を晒す位なら潔く死を選ぶ――――この映画の影響という訳ではないのだろうけれど、私は、男の人はそういうものなんだろうと思ってきた。

少なくとも、朝の通勤・通学の時間帯に、人通りが少ないとはいえ一般公道で土下座をするなんて想像した事さえなかった。

「そんなに、その………したいの?」

一分ほど過ぎた頃になって、私は漸く声を絞り出して、目の前で跪いている熊の少年に尋ねた。

何か考えがあった訳じゃなく、跪くという行為のインパクトに圧倒されて自然と口が動いてしまったような感じだった。

彼は無言のまま即座に頷いて、私を見つめる。

ほんのちょっと前まで私を見下ろしていたダークブラウンの瞳が遥か下から私を見ている事に、酷い違和感を感じてしまう。

不治の病を患って先が長くない私だって、処女のまま死ぬのは嫌だなと思った事はあった。

でも、だからって、人前で土下座なんて――――

そこまで考えた時、私は酷い事実に気がついた。

私は、人前で土下座されているのだ、それも家から百メートルも離れていない所で。

私はわりと有名人だ。

不治の病を患った可哀想なお嬢さんという存在は、他人の目から見ればそこそこドラマチックに映るのだろう、この辺りの住人には『秋山さんのところの』で私の事を意味する位には存在を認知されている。

だから、こんなところを見られれば、明日中には家族や学校を含めた私の生活圏全域に『一般公道で男の子に土下座させていた』という事実が知れ渡る事になるだろう。

「立って」

私は、急いで熊の少年の右袖を掴むと、強く引っ張って立ち上がるように促し、そのまま少し早足で歩き出した。

彼が困惑しきった表情で「あの………」と呟いても、私は無言のまま歩き続ける。

兎に角、私の知り合いのいない所に行きたかった。
407>>397:2011/12/22(木) 02:18:29.52 ID:Y2fuDnlS
それから十分ほどの間、私達は無言で歩き続けた。

私は熊の少年の袖を引きながら今まで通った事の無い道を選んで歩き続け、彼は私に引かれるまま後ろをついてくる。

私が行く当ても無く歩き続けている事を知ったら、彼はなんて言うだろうか。

本当は学校に行かなければいけなかった筈だ、私も、彼も。

連絡も無く学校を休んだりすれば、家族に連絡が行くだろう。

唯でさえ病気で心配をかけているのにこんな事をして――――全く、滅茶苦茶だ。

思わず漏れた溜息が、一瞬白く煙って灰色の空に溶けていく。

「どうしてあんな事をしたの? 人に見られて変な噂になったら君だって困るでしょう」

私は足を止めず、後ろも見ずに言い捨てた。

「………すいません」

体格に似合わない柔らかな声が、本当に申し訳なさそうに謝るのが背中越しに聞こえても、イライラは晴れそうにない。

私は怒っている、こんな事になったんだから怒ってもいい筈だ、だから怒ろう――――そう自分に言い聞かせて、私は後ろへ振り向いた。

熊の少年は、再び耳を伏せてオロオロと私を見つめる。

可愛いとは思う、でも許さない。

「君はもう少し後先を考えなさい。 今したい事と、そうしたらどうなるかをちゃんと考えて、それが『だから』で繋がるか考えるの。 理屈で考えるの………わかる?」 

私は息継ぎ無しに一息で言い切ると、あらん限りの眼力を籠めて彼を睨んだ。

熊の少年は、大きな体を居心地悪そうに縮めて私と視線を合わせながら、力ない声で「ハイ」と答える。
408>>397:2011/12/22(木) 02:20:27.97 ID:Y2fuDnlS
気持ちとか感情とか、そんな物なんの役にも立たないのだ。

現に、私がどれだけ死にたくないと思っても、病気は治るどころか少しづつ進行している。

症状の進行を遅らせるだけの抑制剤に頼る日々を続ける間、不安とか絶望感とかは常に私の毎日に付きまとっているけれど、それ自体が症状を悪化させる事はなく、ただそこにあるというだけの物に過ぎない。

その程度のものだ、気持ちなんて。

だから私は、『だから』で物事を考える事にしたのに、それでも私は今感情的に怒ってしまっている。

イライラを吐き出そうとと二度目の溜息を吐くと、熊の少年が遠慮がちに「あの………」と声をかけてきた。

「なに?」

「えぇと、怒って………ますよね?」

………なんて事を聞くんだ、こいつは。

困惑した顔で尋ねてくる彼に、私は思わず噴出しそうになった。

この状況で怒らない人がいたら、それはきっとそういう病気だ。

私も病気ではあるけれど、そんな病気ではないし、表情ぐらいちゃんとある、筈だ。

「そう見えないかもしれないけど、怒ってるし、驚いたし、恥ずかしかった。 怒ってるように見えない?」

良く見てみなさい。

私は彼の顔に息がかかるほど顔を近づけ、思い切り眉根を寄せて見上げてみせた。

もし彼が人間だったら、多分真っ赤な顔をしていると思う。

彼は目を見開き、口を大きく開けて「あの………」という言葉を何度か繰り返し、逃げるように目を目を逸らすと、

「ちょっと、判りにくひへっ!?」

「このくらい怒ってるの、わかるでしょう?」

ちょっと判りにくいですと言おうとしたんだろう。

私は『判り』の辺りで彼の袖を握っていた手を離し、代わりに彼の鼻先を人差し指と親指でぎゅっと摘む制裁を加えてやった。

「すひまへん」

彼は反射的に謝ろうとするが、鼻を摘まれたままなので妙な鼻声が出るだけだ。

だから、私は

「ちょっと判りにくいです」

さっき彼が言おうとした言葉を言って、摘んでいた鼻を放して歩き出した。
409>>397:2011/12/22(木) 02:22:57.31 ID:Y2fuDnlS
人間と獣の人の最も大きな違いの一つに、体毛の量が挙げられる。

獣の人の毛は、種族によって様々な特徴を持っているけれど、豊富な体毛で皮膚の表面を覆い、皮膚と体毛の間に空気の層を作って体温を調節するという機能は、おおよその種族に共通した特徴だ。

だから、彼らは十二月の半ばに学生服とYシャツと肌着だけで外をうろついても寒さに凍える事はない。

けれど、私はそうじゃない。

私は体表の八割近くを露出させて生きている人間という生物で、しかも病人で体力も無い。

だから、いくら学生服の下にベストとYシャツとシャツ二枚とウールのソックスと毛糸のパンツを穿いていても、冬の寒さは酷く堪える。

震えながら歩く私を見かねた熊の少年の提案で、私達は彼の家で暖を取る事になった。

彼の両親は共働きで、夕方までは誰もいないらしい。

もちろん、私は最初その申し出を断った。

いくらなんでも名前も知らない男の子の家に行くというのは抵抗があったし、何より、彼は私とセックスしたいと公言している。

けれど、いまさら学校に行けば遅刻の理由を詮索されるだろうし、堂々と学校をサボってしまった以上、家にも帰り辛い。

だから、絶対何もしませんからと食い下がる彼の言葉に、当ても無く何時間もこの寒空をうろつくよりはと了承してしまったのも仕方ない事だと思う。

彼の家に着くと、私は二階にある彼の部屋に通された。

男の子の部屋に入るのは初めてだったので、どんな部屋だろうといろいろ想像していたけれど、実際は私の想像したあらゆる部屋よりも綺麗だった。

私服はきちんとハンガーラックにかけられ、季節ごとに種類わけされているし、二つある大き目の本棚に納められた本は、図鑑や雑誌など種類別に分けられ、コミックスは一巻から順に並んでいる上に、帯もちゃんとついている。

そして、私が一番目を引かれたのは、ベッドと隣接する壁に貼り付けられている沢山の写真だった。

写真は主に風景写真で、花や鳥、夕焼け、祭りといった春夏秋冬のワンシーンを切り抜いたみたいに、素人目にも良く撮れている。

「これ、君が撮ったの?」

私は、部屋の真ん中に置かれている炬燵に入って、彼が淹れてくれたホットココアをちびちび飲みながら、彼に尋ねた。

体の大きい彼が炬燵に入ると私が入るスペースがなくなるからだろう、彼はベッドに腰掛けてホットココアを飲んでいたけれど、私が尋ねると照れくさそうに笑ってハイと答えた。

私よりも背が高いし体格もいいのに、彼のこういう仕草の一つ一つが可愛いと感じるのは、彼が年下だからなんだろうか。

何にせよ、私は彼を可愛いと感じ始めていて、だから――――だからで繋がらない気もするが、ともかく――――本の少し意地悪をしてみたくなってしまった。
410>>397:2011/12/22(木) 02:35:23.43 ID:Y2fuDnlS
「そういえば、お互い名前も知らないね」

私は、どんな意地悪をしてやろうと考えながら、その片手間に彼の事をいろいろ知っておく事にした。

この後彼とどんな間柄になるにせよ、知ってる事は多い方がいい。

「私は、秋山美月。 高三で君の中学の卒業生だから、一応君の先輩」

通り一遍の自己紹介をして、私は「君は?」と熊の少年に自己紹介を促した。

「熊谷スサビです、遊ぶって書いてスサビ。 中二で………写真撮るのが好きです」

彼は、ちょっと悩みながらそう答えると、学生服のポケットから小さなデジタルカメラを取り出して見せる。

大きな熊のスサビ君が小さなデジタルカメラを持つと、カメラがまるで玩具みたいだ。

その対比がおかしくて、私はちょっと笑ってしまった。

「今笑ってるのは判ります」

スサビ君は嬉しそうにそう言うと、ココアのカップをベッドの木枠において、デジタルカメラを私に向ける。

笑ってるんだから、笑ってるのが判るのは当たり前でしょう。

そういいかけて、私はふと思い止まった。

それを言ったら、返ってくる答えはきっと「ちょっと判りにくいです」だ。

それはちょっと癪だ――――だから私は、別の答えを返す事にした。
411>>397:2011/12/22(木) 02:42:09.18 ID:Y2fuDnlS
私は、ファインダー越しに笑っているスサビ君に微笑を返しながら、出来る限り穏やかな口調で

「そのカメラに私の写真が入ってるのは判ります」と、言ってやった。

瞬間、スサビ君の体毛が、見て判るくらい逆立った………獣の人は、本当に驚くとこうなるのか。

「なっ、な………いや……あの………」

スサビ君は、何か言おうと口をパクパクさせてるけど、何を言っていいかわからないようだ。

多分、今朝彼に跪かれた時の私も同じような感じだったんだろうが、他の人の様子を見る分にはなかなか面白い。

「そんなに驚く事無いでしょう。 私だって告白しようと思うぐらい好きな人がいたら、その人の写真を欲しいと思うもの。」

私は、勤めて笑顔を保ったままそういうと、『正直に言いなさい』とダメ押しを入れる。

その言葉に、スサビ君はしゅんと俯きながらカメラを下ろした。

「すいません、撮りました」

きっと怒られるとか、軽蔑されるとか思っているのだろう、うなだれるスサビ君は、体が一回り小さくなってしまったみたいだ。

「それは、いつ撮ったの?」私は、純粋に興味本位で尋ねてみた。

「………三週間前です」

スサビ君は、私の顔色を伺いながら、恐る恐る答える。

「あそこを通った時に、先輩がいて、丁度夕焼けがでてて、先輩が凄く綺麗で、写真撮らせてもらおうと思ったけど声かけられなくって………」

「もういい、わかった」

私は恥かしくなって、たどたどしい説明を続けるスサビ君を片手を挙げて制した。

面と向かってそういう事を言われると、聞いてる方が辛い………私は、うつるから来るなといわれるのは慣れっこだけれど、綺麗とか好きとか言われるのには全く耐性が無いのだ。

「つまり、一目惚れって事なの?」火照り始めた頬を両手で覆い隠しながら、私は尋ねた。

「えーと、その、多分………」

スサビ君は、恥かしそうにそう答えると、視線を逸らして「好きになっちゃいました」と付け加えた。

その言葉を聞いた瞬間、私の体の中で燻っていた何かがついに爆発した。

「だからって、あれはないでしょう!」 私は、自分でもびっくりするほど大きな声で怒鳴った――――こんなに大声を出すのは、いったい何年ぶりだろう。

私の勢いに気圧され、スサビ君がびくっと肩を震わせて耳を伏せる。

けれど、私はそんな事などお構い無しに怒鳴り続けた。

「好きだって言われたのは嬉しかったけど、あれだっていきなり過ぎだし!  人前で土下座されたのだって恥かしかったし! 急にあの、あんな事言われてハイわかりましたって言える訳無いでしょう!」

怒鳴れるだけ怒鳴って、私は炬燵に突っ伏した。

今日一日で、二年分くらい体力を使った気がする………頭の中がグチャグチャで考えが全然まとまらないし、『だから』も全然繋がらない。

ただただ、耳の奥でさっきの「好きになっちゃいました」が鳴り響いている。
412>>397:2011/12/22(木) 02:45:01.37 ID:Y2fuDnlS
今回はここまで、書ききれなくてごめんなさい
413名無しさん@ピンキー:2011/12/23(金) 08:22:04.14 ID:TqDVZ0X8
>>412
続きが楽しみだ
414名無しさん@ピンキー:2011/12/29(木) 19:36:54.17 ID:mxmqBhJT
続きマダ?
415名無しさん@ピンキー:2011/12/30(金) 14:06:50.59 ID:ExyfW2xi
糞みたいな文晒して恥ずかしくて自殺したんじゃね
416名無しさん@ピンキー:2011/12/30(金) 19:44:57.86 ID:8O4neSSH
俺は好きだぜ
いきなりエロに入らず初々しい関係から少しずつ詰めていくのもいい
417名無しさん@ピンキー:2011/12/31(土) 08:20:21.24 ID:mrM3ZsXM
ここにもなんか変なの涌いてんだな
418名無しさん@ピンキー:2011/12/31(土) 17:27:29.20 ID:Q/DItaWu
主人公の容姿とかが全然かかれてない

風景描写がすくない

心理描写が多すぎ

これだけ書いててまだエロに入ってない(無駄に長い)

以上の点から考えて、まだ人に見せるレベルじゃあないと思う
419名無しさん@ピンキー:2011/12/31(土) 20:38:03.51 ID:yA/dgHTk
>>418
今度からコテつけといてくれ
NGしとくから
420名無しさん@ピンキー:2011/12/31(土) 21:18:18.29 ID:7WwZ1956
新年初投下を狙ってる人も居るかもしれないのに、雰囲気悪くする馬鹿はタヒねよ。

作者さんも叩かれる隙作り過ぎだ。
書きながら投下、いつ続きが来るか分からないんじゃ、
年末年始の時事ネタの時期に他の書き手が投下し辛くなってしまう。

このスレ、連載始めて反応が薄いと止めちゃう人が多いけど、
書き上げてくれなきゃ感想の付けようもないんだから、最後まで書いてくれよ。
421>>397:2012/01/01(日) 20:36:50.43 ID:AVcAkoDQ
配慮が足りなくてすまない
稚拙な分ですまない
必ず最後まで書く
422名無しさん@ピンキー:2012/01/04(水) 07:17:45.06 ID:RPmDUm9S
今日もまたドラゴンのオスメスを仕分けるだけの仕事が始まるお…
423名無しさん@ピンキー:2012/01/04(水) 11:35:57.08 ID:jQL8BenZ
ドラゴンがいるファンタジー世界なら、
オスメス比率が偏ってメスが少ない時にオスをメスに変えちゃう術とかもあるに違いない…
ドラゴンに限らず獣人や元人間も…
424名無しさん@ピンキー:2012/01/04(水) 19:08:45.43 ID:XF2AGSIH
>>423
ファンタジーの世界観だと戦争だらけだから
むしろ決定的な雄不足に…
425名無しさん@ピンキー:2012/01/04(水) 19:20:18.80 ID:N1n5wDKB
>>424
雌の方が多い分には一夫多妻でどうにもなるが
雄の方が多くて一妻多夫になると生産量上がらないし…
426名無しさん@ピンキー:2012/01/04(水) 22:25:53.48 ID:KVdEMpaQ
食用にも採卵にも適さないドラゴンを、
縁日でカラードラゴンにして売る。
色で用途が決まります。
ピンクドラゴンは慰安用
427名無しさん@ピンキー:2012/01/06(金) 20:58:27.26 ID:4BHhCySb
>>423
オレが別スレに投下した小説じゃ交配の為にドラゴンの体液が別の種族を竜化させるって設定にした
428名無しさん@ピンキー:2012/01/08(日) 08:42:11.17 ID:UFpa694O
エルマーとりゅうってなにげにエロい話だった気がする。
竜を首輪で繋いで乗り物にしてご褒美に精液飲ますとか。
あれで竜属性に目覚めた。
429名無しさん@ピンキー:2012/01/08(日) 22:35:59.13 ID:vpOUh2gL
保育園に通ってた時に読んで劇もやった記憶があるけど
そんなエロい話だっけ
探してみよう
430名無しさん@ピンキー:2012/01/10(火) 05:52:22.01 ID:BfS7/SRo
>>421
楽しみに待ってる
431名無しさん@ピンキー:2012/01/17(火) 19:06:40.63 ID:1pTLCD09
ファードラをモフりたい
432名無しさん@ピンキー:2012/01/18(水) 02:03:43.33 ID:hK9mlnbS
ライオンのお兄さんの膝の上に乗って鬣を弄りながら日ごろの愚痴を聞いてもらいつつ頭を撫でてもらいたい
そういうホストクラブがあったら週三で通う
433名無しさん@ピンキー:2012/01/18(水) 03:34:33.69 ID:KhWDYJqG
お兄さんでいいのか?
ライオンは年を重ねた方が鬣がフサフサなんだぞ
おじさまでなくていいのか?
434名無しさん@ピンキー:2012/01/18(水) 10:20:08.99 ID:JP8LsocY
アメリカライオンのおねえさんがペロペロしてくれるお店がいいな
435名無しさん@ピンキー:2012/01/18(水) 10:29:51.15 ID:IxZBtdWP
二次創作の話でアレだけど、最近渋で何点か見かける
Fate/Zeroのイスカンダル擬ライオン化の絵がものすごく理想に近くてたまらん
436名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 00:48:04.26 ID:9FWKJKwW
>>435
検索してもケモノですらないホモな絵しかでてこない
437名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 02:11:09.72 ID:hmeGdO/E
>>436
腐女子絵やガチホモ絵の中に漫画形式で1ページ混ざってたりするんだけど
ケモタグはついてないから難しいかも
438名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 05:12:57.79 ID:Upl6P84E
439名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 07:34:57.48 ID:h8by30Sa
直リンがムリなら一発で上位に来る検索キーだけでもクレ
440名無しさん@ピンキー:2012/01/20(金) 02:31:28.63 ID:MPNdf5dR
・クラス名よりは真名タグの方が探しやすい
・擬獣化などオリジナルアレンジの利きすぎてる絵には二次系のタグが付いてない場合もあるので
 これと思った絵師の作品一覧をチェックしてみると吉
・漫画形式のらくがきまとめの中に一枚混ざってることもある
・他の鯖に比べても腐向けorゲイ向け率の高い中に分け入っていく必要がある
・うっかり男の娘属性の扉を開く可能性がある

雑食に自信がある人以外にはあまりおすすめできない
441名無しさん@ピンキー:2012/01/21(土) 13:04:13.66 ID:NIYWxCHr
ネコ科系獣人といえばサンレッドのアーマータイガーさんこそ至高



いや、検索しても検索しても
原作以外はガチゲイ向けのファンアートしか出てこないんだけどさ
442 ◆q6hKEmO86U :2012/01/21(土) 21:37:59.96 ID:QMFRT2fX
ドラゴンでもライオンでもなくて申し訳ないですが、投下します。

カワウソ族の女の子と、オオカミ族の青年の絡み。
性奴隷モノです。ジャンルに付き物の描写は一通りあると思うので、
苦手な人はNGを。
(全編のうちどこかにかなり過激?な描写が入る予定です)
後半、自然災害ネタがありますので震災などで強いトラウマのある方もご注意下さい。
最後はちょっと気持ちが優しくなるお話にしたつもりです。

長いので、分割して投下します。
一話あたり10レス前後で、全9話+プロローグ+エピローグの構成です。
手直ししながらになるので間が開くと思いますが、お付き合いください。
他の作者の方は自由に割り込んでもらって構いません。

では・・・
443 ◆q6hKEmO86U :2012/01/21(土) 21:39:59.91 ID:QMFRT2fX
『かわうそルルカの生活』

     【プロローグ】 −裸の獺−

街の中心に位置する広場には中央に大きな噴水があり、
地下を通った用水が噴き出し、放射状に張り巡らされた水路を流れていく。
一頭の牝の獣が、そんな広場の石畳を行き交う人々の流れを見ていた。

色彩豊かで様々なデザインの民族衣装を着た者たち。
ここは交易の街、シエドラ。
世界各地から多様な種族が集まり、滞在し、また去っていく。
広場や通りは雑踏に満ち、夜は酒場や宿が繁盛する、そういう街だ。
どの種族の者も、長毛であれ短毛であれ、全身を毛皮に包まれているにも関わらず、
その種の違い、住む土地の違いにより系統の異なった衣装を纏う。
そういった衣装は羞恥心を感じないためにだけでなく、身嗜みであり、
種族のシンボルとして着けられているものだ。
対して、自分は──。

彼らの衣装に決して引けをとらないとは思う、陽を受けると輝く美しい毛並。
しかし、密に生えた細かな茶褐色の毛皮の上には纏うものもなく、
二つのふっくらした乳房や、赤く腫れた小さな牝の性器は体の前面に露出している。
恥ずかしさにはとっくに慣れたつもりだったのに、
今のように、こうしてふっと一息つくような瞬間があると、
往来で恥部を人目に晒していることが惨めになってくる。
美しく整った形の乳房は、以前よりずっと大きくなった、オトナの獣のそれだ。
無意識に胸を覆いそうになる短い腕を、はっとして左右に開く。
裸身を隠すことは許されていないのだ。
長く、根本の太い尾が、地面と水平になるまで下がっていることに気付き、
慌てて持ち上げる。
後ろから誰かが自分を見たとき、そのようにして薄桃色の慎ましく締まった肛門まで、
およそ若い獣の女性なら必死に隠そうとする箇所を全て晒しておかなければ、
罰せられるのだ。

珍しいことに、今この瞬間、誰も自分を見ていなかった。
そのことに気付き、緊張が解ける。
人の流れはいつもより忙しない。
何故だろう、と尾を地面に着け、短い足のつま先で立つ。
首をもたげると、喉のすぐ下にある大きな金属の環が、その重さで乳房を圧迫した。
この銀色の環は乳房の上と脇の下を通り、背中をぐるっと一周して、
胸部にぴったりとくっついている。
それは彼女の唯一の装身具であり、その身分を象徴するものだ。
そして、それは永久に外せないのだ。
常にじわじわと体温を奪う金属の感触は、彼女の心の芯まで卑しいものに貶めようとしていた。
密かに自慢の形のいい乳房が環の重みで崩れてしまうのではないかと恐れ、
こうして立ち上がるときは、両手をそっと環に当てて支えた。
そんな小さな努力を知れば、誰もが鼻で嗤うだろう。
身の程を知れ、と吐き捨てるだろう。
もっとも、そんな気遣いが必要なのは、
石畳に転がされた姿勢を強制され続ける日常の中の、ほんの一瞬のことだけ。
こんなふうに体が自由になる時間は滅多に与えられない。

往来から、誰かの「珍しい異国の行商が来ているんだ」という声が聞こえたが、
一目見たいと思っても、それはこの獺(かわうそ)族の娘、
「ルルカ」には叶わぬ願いだった。

444かわうそルルカ 2/4 ◆q6hKEmO86U :2012/01/21(土) 21:42:48.84 ID:QMFRT2fX
立ち上がって広場を見渡すルルカの姿に目を留めたのか、
頭に大きな二本の角を持つ男たちが数人、近寄ってくる。
ルルカは慌てて姿勢を正した。
「今日は珍しく行列ができてないじゃないか」
「北の果てに住む連中ってのにも興味はあるが、あっちはそのうち見れるさ」
長い角を持つアンテロープの一族だ。全部で五人。
砂のような色の毛皮に、顔と胴に黒いストライプの入った体。
彼らの民族衣装も毛皮と同じ砂のような色で、首元にぐるぐると巻いた布は、
衣服に砂塵が入るのを防ぐ役割をしている。砂漠に囲まれたオアシスに住む種族だった。
頭上の二本の角は、細長い槍のような形で少し弧を描き後ろに伸びていた。
植物を糧にする種族は、頭に戴く角が大きければ大きいほど性格は強引で暴力的であることを、
ルルカは嫌というほど知っている。
憂鬱な気持ちになりながら尾を持ち上げ、足を軽く開いて胸と股間を突き出す、
恥ずかしいポーズを取った。
それは、自らの体を自由にさせるという意志表示である。
全ての男に対して等しく、それを行わねばならなかった。

尻尾を地面に付けていたことは咎められなかった。
ただ、それは始めに数発殴られるか、そうでないかの違いだけだ。
男の一人がルルカの胸元の金属環を掴み、乱暴に持ち上げる。
自分の倍以上の背丈を持つ男に体を振り回され、ルルカは身を竦ませる。
いつまでも慣れることのない、体格と腕力の差から生まれる恐怖。
水中での活動に適したルルカの体は、祖先から受け継いだもの。
陸に上げられた獺族は、他のどの種族と比べても小柄で非力だった。
別の男がルルカの短い腕を掴み、万歳の姿勢を取らせると、
環を掴んだ男はもう一方の手でルルカの乳房を握り潰し、悲鳴を上げさせた。
また違う男がルルカの足を左右に開こうとする。
抵抗しても無駄なことは分かり切っているのに、自然と力が入り、股を閉じようとしてしまう。
(見ないで……)
足はあっさりと開かれ、ルルカの恥部が男たちの目に晒された。
ふふん、と鼻で嗤う音がルルカの耳を襲う。
つるりとした広い獺族の恥丘に、牝の性器を意味する卑猥な焼き印が押されているのだ。
すぐ下に、本物の性器が見えている。ルルカは自分でそこを見ないようにギュッと目を閉じた。
慎ましい窪みだったはずのそこは、活火山の火口のように赤く染まった肉をはみ出させている。
その変わり果てた自分の股間を覗き込むたびに、ルルカは惨めな気分にさせられた。
獺は回復力に優れているから今以上には酷くならないだろう、と医術の心得のある者は言った。
事実、その通りではあった。
半年ほど前に、ルルカのそこがこのように造り替えられて以来、ずっとこのままなのだ。
ルルカにとって悲観を誘うその部分の有り様は、男たちの劣情を誘うのには適しているようだ。
染み出した愛液に濡れ光る赤い肉襞がイソギンチャクの口のようにキュッキュッと蠢くのを見て、
正面の男は下半身を覆う衣類をはだけ、血管の浮き出た大きなペニスを露出させた。
「さっそく楽しませてもらおうか」
男は、ルルカの胴の半分近くもある長さのペニスを、
何の容赦もなく目の前の牝獺の小さな体に突き入れた。

これが、シエドラで生きる獺族の娘たちの日常。
延々と昼も夜もなく続く断罪の儀式だった。
裸の牝獺たちに対し、行為を強要する側は着衣のままというのが、いっそう惨めさを感じさせる。
何故、こんなに理不尽な目に遭わねばならないのか。
それはルルカたちが獺族だから、という理由以外に何も分からなかった。
私は獺だから、私は獺だから……。
ルルカは心の中で繰り返した。
では、獺だから──、どうして?

445かわうそルルカ 2/4 ◆q6hKEmO86U :2012/01/21(土) 21:45:03.21 ID:QMFRT2fX
「こいつらは、冷たい水の中で暮らしていたから病気知らずだし、
 水中を自在に動く体は柔軟で、どんな体位でも平気なんだ」
「そんなことは知っているさ」
「早く射精(だ)しちまえよ、次が待っている」
言葉通り、男はルルカに無理な姿勢を取らせようとした。
石畳にうつ伏せに押し付け、四足獣のような姿勢でルルカに覆い被さる。
前後に激しく揺さぶられる男の腰が、ルルカの背中を弓なりに曲げ、
乳房を石畳に擦り付けた。
『やめて、やめて……』
ルルカは獺族の言葉で叫ぶ。それは、彼らの耳には入っても、意味は通じない。
チィチィという鳥の鳴き声のように聞こえているだろう。
かつて隆盛を極めた獺族は独自の言語を持ち、多くの種族が使う公用語を話さなかった。
そもそも、発声方法が違うのだ。
固有名詞でさえも、別の音に置き換えられるため、まったく通じない。
声帯の構造が独特な獺族に公用語の発声は困難で、
話すにはとてつもない訓練と努力を強いられるものだ。

シエドラの牝獺には、公用語を覚える機会そのものが与えられない。
言語に共通点が一切無いため、耳に入る言葉を覚えることも叶わない。
しかし、ルルカは特別だった。
小さい頃に、母獺から公用語を習ったのだ。
そのことが却ってルルカを苦しめた。
(いっそ他の牝獺たちと同じに、彼らの言葉が分からない方が良かったのに……)
「誰にも、決して公用語を話せることを知られてはいけない」
そう言った人物は、ルルカにとって心の支えになってはくれなかった。
誰もルルカに声をかけようとはしない。
金属環を鎖で繋がれ、どこにも行くことができないルルカの生活に会話というものは無く、
孤独感が彼女の心を蝕む。
自分がこの先どのように生き、そして死んでいくのか、全く知らされもせず、
孤独と不安に押し潰されそうになりながら、
それでもルルカはここ、シエドラでの生活を余儀なくされていた。

446かわうそルルカ 4/4 ◆q6hKEmO86U :2012/01/21(土) 21:46:38.06 ID:QMFRT2fX
自分の快楽のためなら、
この小さな牝獺の体がどう痛めつけられようと構わないと言わんばかりに、
ルルカの体をほとんど押し潰すようにしながら、男は射精した。
体の中でペニスがどくどくと脈打ち、度重なる凌辱で緩み、
風船のように造り替えられてしまったルルカの子袋を精液でいっぱいに満たした。
ペニスを抜かれたルルカの体はまた勢いよく持ち上げられ、振り回される。
精液を指で乱暴に掻き出され、恥部をさっと水で清められたかと思うと、
次の瞬間には別の男のペニスが体に突き立てられていた。
今度は仰向けの状態でルルカは犯された。
両手両足を石畳に大の字に開き、ルルカは屈辱に耐えた。
乳房を乱暴に掴まれ、ほとんど搾るようにこね回されながら、
それでもルルカは指一本動かさないよう務めた。
獺の身分では、相手の体を触ることは許されないのだ。
うっかり触れただけでこっぴどく殴られることも珍しくない。

次の男は体重を腕に乗せ、ルルカの乳房を執拗に揉んだ。
金属の環に押し付けられた乳房が形を歪められることが悲しかったが、
やめてもらうよう訴えることはできない。
体の奥を抉られ、ルルカはまた別の悲鳴を上げた。

五人の男はそれぞれ一回ずつルルカを犯し終え、周囲を見渡し、
他にこの牝獺の利用者が居ないことを確認すると、もう一巡、
ルルカの体を楽しむことに決めた。
いや、一巡と言わず他の利用者が現れない限り何度でも、だ。
普段ならルルカの前には交尾待ちの行列ができており、次々と相手が交代していく。
中にはおとなしいやり方の種族も居て、その分、楽になれるのだが、
今日は北方の行商とやらのせいで、この乱暴な五人の男たちに延々と輪姦されることになった。

頑丈なのが取り柄の獺族の体を持っているとはいえ、
この草食獣たちの乱暴なやり方はルルカを憔悴させる。
男たちは逆に調子付き、快楽をルルカの小さな体から汲み上げようと、
射精をしながらも激しく腰を振る。
痛みに痺れた胎奥を熱い液体と肉棒に掻き回され、ルルカは意識が遠くなる。
ここまで酷くされたのは初めてだった。
目を閉じると昔の記憶が甦ってきた──。


447 ◆q6hKEmO86U :2012/01/21(土) 21:50:42.81 ID:QMFRT2fX
以上、初回は短めです。
クッキーがおかしいのか、名前欄が狂ってしまい、申し訳ない。
>>443が 1/4で、>>445が 3/4です。

次回、かわうそルルカの生活 第一話は、サブタイトル『獺槍』
追われる獺族たちが恐れる、冷酷な金属の槍──、ルルカに運命の日が訪れる。
みたいな感じでお送りします。お楽しみに。
448名無しさん@ピンキー:2012/01/21(土) 23:46:31.91 ID:3X1EfzJL
449名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 03:51:58.71 ID:m1ApjrVe
パンツ脱いだ
正座で待機する
450名無しさん@ピンキー:2012/01/27(金) 22:28:37.56 ID:zlQI974o
イスカンダルの奴を必死こいて探してるのですが
別の物に目覚めそうです
451 ◆q6hKEmO86U :2012/01/28(土) 21:49:48.59 ID:uBam7Vd+
かわうそルルカの続きを投下します。
注意事項等は、>>442の通りです。
452かわうそルルカ 1-1/9 ◆q6hKEmO86U :2012/01/28(土) 21:51:09.88 ID:uBam7Vd+
     【1】 −獺槍−

ちいさなまあるい頭の子、だあれ?
それはかわうそです
おててにみずかきのある子は、だあれ?
それはかわうそです

乳離れをしたばかりの幼いルルカは、温かい、母の優しい胸に抱かれ、
子守唄を聞いた。
質素でごわごわした肌触りの獺族の衣装に触れては可哀想だと、
母獺は裸の上半身に布を巻き付け、ルルカを直接乳房に触れるように抱いていた。
揺りかごのようにルルカの体を揺らす動きは、短い後ろ足で急ぎ歩く母獺が、
精一杯、我が子に怖い思いをさせないようにする気遣いから生じるものだ。
ルルカの一番古い思い出は、獺族の引っ越しだ。
それは、逃避行だった。

幼いルルカは長い距離を自分の足で歩けず、母の胸に抱かれていた。
ルルカと両親以外に、子供の居ない四組の番いの獺が、
森の中を隠れるように何日も歩いた。
住んでいた「ラッドヤート」という地を離れ、引っ越す先もまた、
「ラッドヤート」なのだと、ルルカは聞かされた。
それは獺族の言葉で、「誰のものでもない土地」という意味だった。
獺族はそうして、平原に都市を構える多くの種族の目から隠れるように、
深い森の中を移り住みながら暮らしていた。
何故、というルルカの問いには、誰も答えてくれなかった。
もう気の遠くなるほど、ルルカの何代も、何十代も前から、
獺族はそうして追われているのだという。

新しい土地では、雨露を凌ぐよりも何よりも先に、井戸が掘られた。
獺族にとって、水は無くてはならないものなのだ。
広大な大陸の丘陵部に点在する森林は、地下水脈の上に成り立っており、
根気よく掘れば必ず水が出た。
固い繊維で編まれた衣服はすぐに乾くため、彼らは服の上からでも水を被った。
水浴用の小屋が作られると、交代でそれを利用した。
獺たちは、一日に数回、水浴びを行う習慣がある。
体を清めるのが目的ではなく、
かつては多くの時間を水に浸かって過ごしていた獺族にとって、
体調を整えるために必要なのである。
特に若い牝の獺は、体温が籠って熱が取れなくなることを避けなければならない、
と言われていた。
幼いルルカには、頭の上からすっぽりと被る釣鐘型の子供用の衣装が着せられた。
そのままの状態で、父獺はルルカに水浴びをさせるのだが、
ルルカはそのごわごわした着心地が気に入らず、よく脱ぎ捨てた。
『我々、獺族はこうしてひっそりと暮らしているが、それを惨めに思ってはいけない。
 世界が水で溢れていた頃と変わらず、今も誇り高き一族なのだから。
 身嗜みには気を遣うものだ。
 ……ほら、ルルカ、裸でいちゃいけないよ』
父獺はそう言って、ルルカにまた服を着せるのだ。
集落の者が着る衣服は、木片を叩いて取り出した繊維を編んで作ったものだ。
その素材は、大昔に獺族が使っていた特別な植物で作るものに比べると、
非常に質が悪いのだと父は弁解した。

453かわうそルルカ 1-2/9 ◆q6hKEmO86U :2012/01/28(土) 21:52:56.61 ID:uBam7Vd+
獺族は代謝が激しいため、日常の時間のほとんどを食糧の採集に充てる。
集落での食事は、体を冷やす効果があるという味気のない植物と、
トカゲやカエル、昆虫などがほとんどで、
ルルカはそういった食べ物を美味しいと思ったことがなかった。
ときおり御馳走として捕えられる野鳥はまだましだったが、
それらは捕り過ぎれば、居なくなってしまう。
『ルルカにも魚を食べさせてやれたらな』
と、父はよく言った。
河川に棲むという、その生き物が、獺族の主食だったらしい。
『魚を捕りに行けば、我々の所在が知られてしまう……』
今の時代、魚の居るような大きな川の近くには必ず異種族の都市があった。
父も、一度しか食べたことがないのだ、とルルカに語った。
『ダムを作って人工の川を引けば、魚だって食べられるさ』
集落の男が冗談めかして言う。
『そんなことが出来れば、苦労は無い』
父獺は大きくため息をつくのだった。
『川って……? ダムって……、何?』
『川ってのは、そうだな、井戸から水を引いている水路があるだろう?
 あれのずっとずっと大きな水の流れるところが自然にできたものだ。
 ダムっていうのは、その水を堰き止めて流れる量を制御する……、
 獺族にしか作れない石の建造物のことさ』
もっとも、その知識だけが獺族の中に細々と受け継がれているだけで、
実際にはもうこの世界の誰も作れないのだ、とルルカの質問に答えた男は言った。

獺族はかつて、世界中の水路を取り仕切っていた。
生活に必要な資源は思うままに手に入り、あらゆる種族を従え、支配した。
数百年前に壮大な規模の干ばつが起こり、大陸にあった地表の多くの水源が失われ、
中級以下の河川は全て消えた。残った川もほとんどが流量を失った。
以来、他種族に比べ体格と腕力の劣る獺族は、迫害を受けることになったという。
乾いた世界にわずかに残った森は、
追い詰められた獺族がひっそりと暮らすのに適していた。

ルルカが物心ついた頃、一族はまた引っ越しをした。
今度は自分の足で、ルルカは新しい土地へ移った。
ルルカの父は、森にある物から生活に必要なものを何でも造り出した。
集落で暮らす他の四つの家族は、それぞれ違う分野の知識と技術を持っていた。
水源を管理する者、住居を整備する者、衣服を作る者、食糧を集める者、
それら全てに精通しており、仲間を統括する役目を担っているのが、ルルカの父だった。
ルルカはそれを誇りに思った。
獺族は皆、なんらかの特技や知識を、親から受け継ぐことになっている。
とても父のようにはなれないと言うルルカに、母獺は、
自分の持つ知識──公用語を教え始めた。

「やっぱりだめ、うまくしゃべれれないよ……」
獺族の声は、他の種族にはキュキュッという甲高い響きにしか聞こえない。
彼らが話すのは、感情と意味を同時に音に載せる、美しい歌声のような言語だ。
公用語は単語それぞれにひとつの意味しかなく、
それを組み合わせて意思を表現することが、獺族にはとてつもなく困難に思えるのだ。
獺族のきれいな言葉があるのに、どうして二つの言葉を覚えなければならないの、
というルルカの問いに、母獺は、
『いつか役に立つことがあるかも知れないからよ』と、優しい声で答えた。
少しずつでもいいから覚えなさい、と母はルルカを促した。
『大事なのは……、獺語でもそうだけど、気持ちを表す言葉。
 「ありがとう、うれしい、気持ちいい、好き、悲しい、苦しい、ごめんなさい」
 そして、一番大切な感情を表す言葉は──』
『なに?』
『ほら、また獺の言葉になってる』
「……ごめん……なさい?」

454かわうそルルカ 1-3/9 ◆q6hKEmO86U :2012/01/28(土) 21:55:46.91 ID:uBam7Vd+
母と同じくらいに公用語が話せるようになると、
それを使う異種族の者たちがどんな姿をしているのか、ルルカは知りたくなった。
そう告げると、父はこれまで見せたことのない厳しい表情を浮かべ、
『そうか、お前にも話しておかねばならないな』と言った。
父獺は、ルルカを住居の奥に作られた小部屋へ連れて行き、
引っ越しの際に運んできたままになっている荷物の中から、布に包まれた細長い物を取り出した。
『抵抗してはいけない。咎は受け入れなければならない。
 それでも、絶望してはならない』
父は、呪文のようにそう言った。
『何があったのか、どうして他の種族が我々を見付け次第殺すのか、
 もう誰もその理由を覚えちゃいない。咎とは何のことを指すのだろうな。
 ただ、この言い伝えの言葉が示す通り、
 我々は争いを好まない。誰も傷付けない道を選んだんだ。
 しかし、彼らは決して我々を許そうとはしない──』
ルルカは背筋に冷たいものを感じ、身をぶるっと震わせた。
「殺す」という言葉の意味を、ルルカはもう、朧げながら理解していた。
食糧として鳥や昆虫を狩るのではなく、その行為が獺族へ向けられたとき、
それは、自分や自分に近しい者たちがこの世から消え去ることを意味していた。
布の包みの中から出てきたのは、
鈍く光る、先が針のように尖った、ルルカの尾の長さほどの金属の棒。
根本には折れた木製の軸が残っている。
『金属を見るのは初めてだろう。ここでは造れないからな』
『金属……?』
『これは、"獺槍"というものだ。
 異種族との接触は何がなんでも避けなければならないが、
 特に気をつけるのがこの槍を持った者たち──私たちを狩りに来た連中だ。
 見かけたら、急いで戻り、皆に知らせなさい』
父は、狩人たちにどう対処すべきかをルルカが教わるにはまだ早いと言いつつも、
"獺槍"の恐ろしさだけはつぶさに語った。
それは単に獺を殺すだけの道具ではない。
直接的に攻撃に使われることも稀にしかない。
獺を苦しめるための道具なのだ。

まず獺は、生け捕りにされるのが普通だった。
そして、衣服を全て剥ぎ取られたうえで、獺槍の鋭い切っ先で腹を突かれるのだ。
突き通す場所は決まっていた。
腹の一か所に、臓器をなるべく傷付けずに済むポイントがある。
獺槍に貫かれた獺は、垂直に立てられた槍の上で数日間は生き長らえ、
短い手足では成すすべもなく晒し者にされるという。
その姿のまま、異種族の街に連行された獺は、
命が続く限り棒で突かれ、刃物で切り刻まれ、糞尿を撒き散らして悶え苦しむのだ。
どのような怨念が、異種族の者たちにこの残酷な武器を使わせるのか、計り知れない。
『獺族の生命力は強い。その分、長く苦しむことになる。
 彼らは容赦などしない。獺の体のあらゆる部分を嬲りつくそうとする。
 特に性器などの──』
言いかけて、父は言葉を切った。
生殖に関わる神聖な部分を弄ぶことは、
心を持つ者の尊厳を徹底的に貶めるにはもってこいの手段だ。
だが、まだ性について何も知らない、自分の体のこともよく分からない子供のルルカには、
これを話しても理解できないだろう、と父獺は考えた。
仮に理解できたとて、ルルカ自身、後に我が身で嫌というほど、
それを思い知らされることになろうとは、露ほどにも思わなかっただろう。
そのときのルルカはただ、その禍々しい凶器の不気味な形を目に焼き付けるばかりだった。
これまで幸せに暮らしてきたルルカは初めて、恐怖というものを知った。
『何故このようなものを大事に持っているかというと、
 我々がともすればこれの恐ろしさを忘れ、
 軽率な行動を取ってしまわないよう戒めるためだ』
そう言って父獺はまた荷物の奥へ、その獺槍をしまうのだった。

455かわうそルルカ 1-4/9 ◆q6hKEmO86U :2012/01/28(土) 21:57:29.35 ID:uBam7Vd+
さらに何度か移住を繰り返すうち、ルルカは背丈だけは母と同じほどにまで成長した。
乳房が薄っすらと膨らみ始める年頃になり、母獺が新しい服を作ってルルカに与えた。
尾の部分に大きな穴が開き、膝から上、胴と胸、
そして肘のあたりと首元までをすっぽりと包む、
獺族の流線形の体のラインを隠さない、独特の衣装だ。
水に浸かればそのまま洗うこともできる衣服は、一度着てしまえば滅多に脱ぐことはない。
排泄ができるように、股間の部分は四角い布が臍のあたりからお尻に回され、
尻尾に紐で結ばれている。
子供用の服に比べて、体に密着するようなその衣装は、胸の部分だけがぶかぶかしていた。
『ごめんね。素材が少ないから、何度も作ってあげられないの。
 その胸の部分がちょっと窮屈に感じられるようになったら、
 あなたもオトナの獺の仲間入りよ』
『私も、お母さんみたいなおっぱいになるの?』
『そうよ』
母獺はルルカの手を取って、自分の大きな胸にそっと当てさせた。
ルルカは久し振りに感じるその乳房の温かさと柔らかさに、どきっとした。
何か神聖なものに触れているような気がした。
手のひらを通して、母が自分のそれを大切に思う気持ちが伝わってくる。
ルルカは自分の胸も同じようになると聞いて、嬉しくなった。
『女の子はここを大事にしなくちゃいけないのよ。
 簡単に誰かに見せたりしてはいけないの。
 本当に大事なひとにだけ、そっと見せたりするものよ』
ルルカはまだ、自分の集落に住む者たちしか獺族の仲間を知らなかったが、
移住を繰り返すうちに獺たちは、別の一団に出会うことがある。
若い獺の男女が出会えばお見合いをし、互いを気に入れば、
娘を持つ側の親は、相手の集団へ我が子を預けて去るのが習わしだ。
『いずれあなたにも、誰か好きなひとができる。
 少しお洒落をしなくちゃね』
母と同じ衣服を着せられたルルカだが、向かい合ったその姿にはまだ違いがある。
母獺は衣服の上に、螺旋状に布を巻いているのだ。
獺族のオトナの女性は、"飾り布"という、薄くて軽い生地の布を纏う。
それは、質素な暮らしをする獺族の唯一のお洒落で、身嗜みである。
首元で括った布を、くるくると胸に巻き、乳房の膨らみを目立たないようにする。
それでも余るほどの長い布を、お腹を包むように巻き、最後に端を尾の根本に括り付けた。
飾り布は首と尾の結び目を解けば、すぐに脱げ落ちて、そのまま水に飛び込むことができる。
『昔は、これももっときれいな布で作られていたらしいけど……』
母獺はルルカのためにこしらえた新しい飾り布を、娘に巻いてやった。
そして、布で覆ったルルカのお腹を優しく撫でた。
『女の子は、ここも大事にしなくちゃいけないの』
『おっぱいだけじゃないの?』
『そこはね、子供を育てるところだからよ』
母が撫でたのは、ちょうどルルカの子宮があるあたりだ。
どうしてお腹で子供を育てられるのか、その頃のルルカには想像もつかなかったが、
自分も母の体から生まれてきたのだということは理解した。
命が親から子へ、そしてまたその子へと繋がっていく。
それは、とても素敵なことだと思った。

456かわうそルルカ 1-5/9 ◆q6hKEmO86U :2012/01/28(土) 21:58:57.23 ID:uBam7Vd+
運命の日──、
ルルカは母に頼まれ、居住地から山を一つ越えたところへ、
キイチゴを摘みにやって来ていた。
集落を離れるときには飾り布は置いていく。
ルルカは短い足で細長い体を揺らし、灌木の間を駆ける。
急な斜面では、手をついて四つ足で走ったりもした。
ルルカはしっかりと両親の言いつけを守っていた。
見通しのいい場所を通るときは、草を編んだフードを被って身を隠した。
少し走っては立ち止まり、周囲の音に耳を澄ました。
山の中腹の少し開けたあたりでキイチゴを籠にいっぱい採ったルルカは、
帰ろうとして、ふと立ち止まる。
『水だ……』
獺の長いひげが、近くに水があることを教えていた。
足元に、ちょろちょろと流れる細い細い、天然の水路があった。
『これが……川なのかな。ちっちゃな川だね……』
ルルカはどうしてそんなところに水が流れているのか不思議になり、
その源を辿り始める。
しばらくもしないうちに、ルルカは泉を見付けた。
『井戸を掘らなくても、こんなふうに水があるんだ……?』
帰ったら、皆に教えてあげよう──。
ルルカは嬉しくなって、キイチゴの籠を放り出し、泉に飛び込んだ。

身長の倍ほどの深さがある天然の水瓶の中をくるくると泳いで満足したルルカは、
水から上がり、服を乾かそうと大きく体を伸ばしたところで、異変に気付いた。
いつの間にか、異種族の男たちに囲まれていたのだ。
角のある者、大きな鬣を持った者、尖った耳を持った者、
十数人の狩人たちがルルカを捕えようとしていた。
(獺狩りだ……。
 私は、裸にされて、槍で突かれて死ぬんだ──)
逃げようとするルルカの首に投げ縄がかけられ、三方から引き絞られる。
ルルカは抵抗してはいけないという父の言葉を思い出し、その場に立ち尽くした。
「若いが、牝の獺のようだ」
「胸が小さくてよく分からないな」
彼らは、母が教えてくれた公用語を話していた。
恐怖がルルカを包む。
首を絞めつける縄でつま先立ちの姿勢を強要されたルルカの足はガクガクと震え、
長い槍のようなものを手にした男が目の前に立つのを見て、悲鳴をあげた。
『心配するな、これは獺槍じゃない。ただの棒っきれだ。
 これでも獺を大人しくさせるには十分だろう。
 お前が牝の獺なら、殺したりもしない』
暗褐色の毛皮を持つ、小さな丸い頭にずんぐりした体型の男の言葉に、ルルカは驚いた。
『私たちの言葉が……話せるの?』
『そうだ。俺たちクズリ族は、お前たちと祖先が近い。
 だから、通訳のために話す訓練をしてるのさ』
『服を……脱がされるの?』
自分がどうやって殺されるのか知っている、というルルカの態度を見て、
クズリの男は苦笑を浮かべた。
『だから、これは獺槍じゃないって言ってるだろう。
 まぁ、裸になりたいなら好きにすればいいさ』
ルルカは首を横に振る。
『そうだろうな。とはいえ、確かめさせてもらうぞ』
男は長い鉤状のツメで器用に紐を解くと、ルルカの股間を覆う布を捲り上げた。
457かわうそルルカ 1-6/9 ◆q6hKEmO86U :2012/01/28(土) 22:00:11.60 ID:uBam7Vd+
若い牝獺の慎ましい女性器が丸見えになる。
ルルカはそこをおしっこをする場所だとしか思っていなかった。
それでも、大勢の前で普段は決して他人に見せることのない部分を晒され、
言いようのない恥ずかしさに身を焼かれるように感じた。
男は、身動きできないままのルルカの股間に手を当て、恥部に指を突き立てる。
『!!』
おしっこの出る穴に、男のツメがめり込んだのだと、ルルカは思った。
痛みと羞恥に包まれ、全身がかっとなる。
命の危険に曝されている恐怖も吹き飛ぶほどの恥ずかしさに、
『やめて!』とルルカは叫んだ。
両親にもらった大事な体が穢されていると思った。
そんなルルカを横目に、男は仲間たちに告げる。
「こいつは、牝だ」
続いて交わされる公用語の会話。
「子供だな。近くに親も居るだろう」
「何人か先に行って住処を探すんだ。気付かれたら逃げられるからな」
「牡はすぐに殺せ」
男たちの言葉に、ルルカはまた、震え上がる。
ルルカは、自分がそれらを理解できていることを知られてはいけないと思った。
通訳のクズリが居るのは、彼らが獺族とは言葉が通じないと信じているからだ。

クズリの男に促され、首に縄をかけられたまま獺たちの集落へ向かったルルカが見たものは、
誰も居なくなった空っぽの住居だった。
生活道具だけでなく、食べ物も、あの父が見せた獺槍を包んだ布も──全て、無かった。
『お前は囮にされたんだ。自分たちが逃げる時間を稼ぐためのな』
『そんなことは……』
あの優しい母が、父が、自分を捨てるわけがないと信じたかった。
『ここで暮らしていた形跡も残っちゃいない。
 予め、準備していた証拠だろう』
ルルカはわっと泣き出した。

『近くに別の獺狩りが来ているらしい。
 逃げた連中が生き残れるかは怪しいな。
 奴らは牡だろうと牝だろうと容赦はないからな。
 お前は運がいい。
 獺族は見付け次第、殺すことが全種族間の合意となっている。
 だが、俺たちの街、シエドラでは、
 牝獺だけは生かしておくことになっているんだ』

ルルカは、彼らの街へ連れて行かれた。
森を出て砂漠化した大地を二、三日歩き、
僅かに緑のある平原に聳え立つ、石の壁に囲まれた都市へ着いた。
そこには、隠れ里の生活の中でルルカが見たことがないほどの「水」が溢れていた。
獺族から奪われて久しい、生活の基盤である、水──。
特に、広場の中央に高く飛沫を上げる噴水は、ルルカに強い印象を与えた。
ルルカは、獺の本能か、飛び込んで水を浴びたいという衝動に駆られる。
その噴水を、ただ眺め続けるだけの生活を送ることになろうとは、
そのときのルルカには想像もできなかった。

458かわうそルルカ 1-7/9 ◆q6hKEmO86U :2012/01/28(土) 22:02:26.64 ID:uBam7Vd+
−/−/−/−/−/−/−/−/−

涙で曇った目の視線の先に、大きな噴水がある。
ここに初めて連れてこられたあの日に見たものと同じ噴水──。
ルルカは夢から現実に引き戻されていた。

五人のアンテロープの男たちは、気絶したままのルルカを一回ずつ犯し、
やはり反応が無くては楽しくないと、一人が両腕を掴んで吊り上げ、
別の一人が乳房を平手で打ち始めた。
ルルカは目を覚まし、痺れるような痛みと、
きれいな形の乳房を打たれて歪ませられる悲しさに、弱々しく呻いた。
体をくねらせて避けようとすると、地面に触れている尻尾の先を踏みつけられ、
抗う術を奪われた。
小さな体の獺は、そんな万歳の恰好をさせられてしまえば、
女の子の大事なところを守ることもできないのだ。

三巡目の凌辱が始まる。
獺族の頑丈な体が状況に慣れてきており、ルルカの意識は次第にはっきりしてくる。
その分、体の奥底を抉られる鈍痛や、
惨めなマークを刻印された恥丘に打ち付けられる大きな睾丸の衝撃や、
生臭い草食獣の精液の臭いを嫌というほど感じさせられる。
先端まで太い草食獣のペニスは、
緩んだルルカの子宮の入り口を貫通することはない代わりに、
子宮全体を胃のあたりまで押し上げる。
ルルカは嘔吐しそうになるのを必死に耐えた。
胃の内容物を吐き出して、男たちの衣服にかかったりでもすれば、
さらに酷い目に遭わされるだろう──。

「ちょっと、いいか?」
聞き慣れた声が、ルルカを輪姦するアンテロープの男たちに投げ掛けられる。
助かった──、とルルカは思った。
こんな状況でなければ、その声の主をルルカはあまり歓迎しないのだが。
全身灰褐色の毛に包まれ、尖った耳と突き出た鼻先とルビーのように赤い、
鋭い眼光の目を持った男が、割って入ってきた。
「"おつとめ"をさせるんだ。こいつはしばらく店じまいだ」
アンテロープの男たちは口々に文句を言ったが、
現れた男の首から背中にかけての毛がざわっと逆立つのを見て、
慌てて逸物を腰布の中にしまい、逃げるように去って行く。
厚い胸と上半身を覆う豊かな灰色の毛並み。筋肉質の体に着けているのは、
緩く身に纏わり付くズボンのみで、体の後ろには特徴的な長く太いブラシのような尾が揺れる。
彼は、ウォレンという名の狼族の青年だった。
アンテロープと狼のやり取りを見ていた通行人は、ウォレンとルルカを遠巻きにして、
近付こうとはしない。
繋がれたルルカが見聞きした印象では、シエドラにおいて狼族は特権階級であり、
彼らの指示には誰も逆らえないようだった。
結果として一息つくことができたわけだが、ウォレンの登場はいつも、
ルルカに取って良いこととは思えないものだ。
ルルカは当然、彼に対しても牝獺の挨拶の姿勢を取らねばならない。
立ち上がって尻尾を持ち上げようとしたところ、
足腰が立たなくなっており、ルルカは前のめりに倒れそうになった。
ウォレンの大きな手が、ルルカの胸環を掴み、体を支えた。
彼が親切心からそうしているのではないことをルルカは知っている。
狼の鋭い眼光が、ルルカの裸身を刺した。特に、乳房と性器の上を視線が這い回る。
いつもそうだ。
彼は、しばらくそうしてルルカを立たせ、美しく、艶めかしく、
また、とても性的である裸の獺の体を眺めて楽しんでいるのだ。
今日のようにルルカが憔悴している場合は、体を支えてくれることもある。
その間に息を整えろ、と言いたいのだろう。

459かわうそルルカ 1-8/9 ◆q6hKEmO86U :2012/01/28(土) 22:03:54.13 ID:uBam7Vd+
今日は何の用?と、ルルカは目で問いかける。
「行商にこの街の特徴的な制度について説明するんだ。
 遠い土地で暮らしていて、本物の獺族を見たことがないって連中だ」
「あ、あの北の果てから……っていう?」
「人目のあるところで声を出すなと言ってあるだろう」
(だったら、話しかけてくれなければいいのに……)
ウォレンはこの街で、ルルカが公用語を話せることを知る唯一の人物だった。
「北の果てに住む、シカの一族だ。
 北方の種族の性器はでかいぞ。お前にはつらいだろうな」
ルルカは悲しくなって俯く。たった一人の言葉が通じる相手なのに、
彼はいつもこんなふうに意地悪を言うのだ。
「そんな顔をするな。彼らの土地の話を聞き出してやる。
 少しは気が紛れるだろう」
(でも、どうせその後、犯されるんでしょう?)
ウォレンはルルカの頭をぐしゃぐしゃと撫で、「行くぞ」と言った。

ウォレンがその行商に説明しようとしているのは、
ルルカたち牝獺の処遇についてに他ならない。
一年中発情して自由に性欲の捌け口に利用できる牝獣が居るのは、
世界中どこを探しても、ここシエドラ以外には無い。
ウォレンの言う"おつとめ"とは、新しい訪問者たちに対し、
牝獺に奉仕をさせて、シエドラの宣伝に役立てようというものだ。
ルルカは何人いるか分からない、
少なくとも一人や二人ではない行商の男たちに順に犯され、
終わった後、ウォレンにも犯されるのだ。

ウォレンは壁に繋がれたルルカの鎖を外して手に取った。
そのまま彼女を引いて行こうとするウォレンに、
ルルカは小声で「体を清めさせて」と訴えた。
「十秒だけ待ってやる」
ウォレンは鎖を放す。
どうせ周囲に荒野が広がるこの都市から逃げられはしないし、
ルルカも、獺の短い足で必死に逃げたところで、
すぐに捕まり罰を受けることはよく分かっている。
ルルカがいつも繋がれている位置から鎖の届く範囲に流れる水路の一部が、
そこだけ深く掘られており、1メートル四方ほどのプールになっている。
ルルカは急いでそこへ飛び込むと、水中で三度、宙返りをして水流を起こし、
体の汚れを洗い落とした。
ここへ浸かると、ルルカはあの運命の日、泉に飛び込んだことを思い出す。
獺の本当の生きる場所はここだ、水の中だ、と本能が告げている。
いつまでもそうして泳いでいたかったが、ウォレンが待っている。
いつもは長く水に浸かっていると、鎖を引き上げられ、殴られた。
今は鎖の端はどこにも結わえられていないが、ルルカは律儀に約束を守った。
(十秒……)
水底にとん、と片手を突いて水面へと向きを変え、
体を竜巻のように回転させる勢いで、石畳の上へ飛び出し、ぶるぶると体を振って水を払う。
「いつもながら、お見事」
ウォレンはまさに水を得た魚のような獺族の流れる動きに感嘆の声を漏らしたが、
抑揚の無い公用語で言われても、ルルカには彼の感情が汲み取れない。
肉食獣の鋭い眼光で射竦めるようにしながら褒められても、嬉しくなかった。

460かわうそルルカ 1-9/9 ◆q6hKEmO86U :2012/01/28(土) 22:05:42.22 ID:uBam7Vd+
ルルカの体内には、まだ先ほど流し込まれた精液が溜まっている。
牝獺の排泄用に、石畳に浅い排水路が掘られていた。
ルルカはその上にしゃがみ込んで、水を掬って性器を洗う。
体の奥まで注ぎ込まれた男たちの精液をなんとか絞り出し、
さらに指の届くところまで清めようと思った瞬間、ウォレンが鎖を掴んで引いた。
「あ、待って……」
どんなに惨めな扱いを受けていても女の子の嗜みとして体を清潔にしておきたい、
と思うルルカの気持ちは、いつもこのようにして踏みにじられる。
「どうせすぐに汚れるんだ」

ウォレンに促され、ルルカは彼の指す方向へ歩き始めた。
乳房に圧し掛かる金属環を少し持ち上げながら、よたよたと短い足で進む。
噴水の横を過ぎ、広場から路地へ出る頃には、
ルルカの股間からジュクジュクと音を立てて愛液が溢れてきていた。
犯されている間はそんなに出ているとは思わないのに。
きっと自分の体は、凌辱に慣らされ過ぎているんだろう、とルルカは思う。
そこに何も挿れられてないと、体が浅ましく牡を求めてしまうのだ。
どうして、こんな体になってしまったんだろう──。
(ごめんね、お母さん……。
 お母さんにもらった体を、私は大事にできなかった……)
牝獺の体を性の奴隷に変えてしまう儀式を、ルルカは思い出していた。
それはこの狼、ウォレンとの出会いの記憶でもあった。


461 ◆q6hKEmO86U :2012/01/28(土) 22:07:34.92 ID:uBam7Vd+
以上です。
エピローグを除いて、今回が一番エロが薄い回になると思います。

次回、かわうそルルカの生活 第二話は、サブタイトル『毒針』
囚われたルルカの体は、惨めな性の玩具に造り替えられていく。
 『お前たちの体はもうお前たちのものじゃない。
  だから、体を隠すことも許されない』
みたいな感じでお送りします。お楽しみに。
462名無しさん@ピンキー:2012/01/29(日) 15:16:20.42 ID:BxF78aam
うひょー素敵です
463名無しさん@ピンキー:2012/02/01(水) 22:50:34.74 ID:YvMhNEZs
SUGEEEEEEEE!世界観とか凝ってるなあ!
つづきのエロも超期待してます。
なんとなく狼×兎の時間割を思い出したけど、同じ作者さん?違ったらごめんね
464名無しさん@ピンキー:2012/02/03(金) 23:04:18.19 ID:xHAW1T/K
>>463
匿名で書いてる作者さんの詮索はよろしくないよ

うさうさ懐かしいな。あの頃のスレは活気があった…気がする
465名無しさん@ピンキー:2012/02/11(土) 18:58:19.66 ID:c2O9zIXO
モフモフ
466名無しさん@ピンキー:2012/02/12(日) 21:13:48.67 ID:cn1ovXf+
【異形化】人外への変身スレ第五話【蟲化】
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1286775543/
↑で獣化ネタを扱う人も増えているし、
ただ、向こうは例の保管所に登録していないから、1000まで行ったら記録が引き出しにくくなるという危険性がある。
467 ◆q6hKEmO86U :2012/02/19(日) 00:23:05.83 ID:AL+dZQeP
かわうそルルカの三回目、第二話を投下します。
注意事項等は、>>442の通り。
今回はちょっと過激な責めシーン有りです。
468かわうそルルカ 2-1/15 ◆q6hKEmO86U :2012/02/19(日) 00:24:20.20 ID:AL+dZQeP
     【2】 −毒針−

獺狩りの部隊は、食糧などを運ぶ大きな馬を数頭連れて来ていた。
首縄を馬に繋がれ、強制的に歩かされるルルカは、異種族の男たちより、
自分の十倍以上もある大きさの四つ足の動物に怯えた。
その動物は、背負った鞍以外は裸で、声も立てず、男たちの指示に従っていた。
『家畜を見るのは初めてなんだな』
クズリ族の男が、ルルカの後ろについていた。
『こいつらは、言葉を持たない遠いご先祖さまの生き残りさ。
 大干ばつで野生の大型動物は姿を消した。
 こうして捕えた獣を殖やし、調教し、役立てる。
 人や荷物を運ばせたり、食用にしたり、とな』
『言葉を話さない者たちは、食べていい──っていう?』
『そうだ。
 どの種族も親から似たようなことを聞かされるんだな』
『この……家畜?
 ……も、食べられるの?』
『使い物にならなくなれば、な』
『そう……』
短い足で必死に歩くルルカには、それ以上の言葉を続ける余裕は無かった。
シエドラに着いたルルカは、街に溢れる人の数に圧倒される。
そして、行き交う人々に混じる、馬や豚や牛などの家畜たち。
街には馬に似た顔の人間も居て、ルルカは不思議な感覚に包まれた。

クズリ族の男はいつの間にか姿を消していた。
ルルカは、耳に飛び込んでくる無数の公用語の会話に嫌でも耳を傾けることになる。
母から教わっていたといっても、本物の言葉は早口で、なかなか正確に聞き取れない。
誰もルルカを相手にしていなかった。
獺族に言葉が通じるとは思っていなかった。
ルルカは群衆の中に居て、孤独だった。
首縄を引かれるルルカは、街に居る縄や鎖で繋がれた家畜たちと自分の違いは、
服を着ていることだけのような気がした。

人垣の間を連行されたルルカは、広場の噴水の前で、
首縄を太い革製の首輪に付け替えられた。
首輪には長い鎖が付いており、それはさほど頑丈なものではなかったが、
ルルカに囚われの身であることを自覚させるに十分だった。
「で、空きが出たのはどこだっけ?」
「酒場と集会所の裏と──」
「広場の牝もそう長くはない」
「じゃあ、この牝獺はいずれ広場に繋ぐことになるな」

黒い布がルルカの顔に巻かれ、視界を奪われた。
「こうすれば獺は大人しくなるんだ」
目隠しをされたルルカは、何をされるのかと怯えた。
複数の男の手で、ルルカは服を脱がされた。
目隠しのおかげで、恥ずかしさよりも不安が勝り、ルルカは身を縮こまらせる。
男たちは、ルルカの足を軽く開かせ、「おしっこをするところ」を指で広げる。
(どうしてそんなところを調べるんだろう……)
水中での生活に適応した祖先の血を引く獺族の性器は目立たない。
特に、発情もしていない若い牝獺の場合、その部分は毛皮から顔を覗かせた、
小さな桃色の膨らみでしかない。
肉の膨らみに、縦に一筋の溝のような窪みがあり、それが陰裂を形作っている。
男の指が、陰裂を押し広げて粘膜を露出させていた。
ルルカは自分の性器の構造をよく知らない。じっくり見ようと思ったこともない。
何人もの男たちの好奇の視線がそこに注がれていることは、
目隠しをされたルルカには分からなかった。
469かわうそルルカ 2-2/15 ◆q6hKEmO86U :2012/02/19(日) 00:26:03.12 ID:AL+dZQeP
こうして、新しい牝獺の健康状態を確認する傍ら、
いずれここが熟れた果実のような変わり果てた姿になり、
ペニスを誘い込むようになるさまを、男たちは想像する。
異種族の目にも、小さな体で美しい毛並のルルカは、可愛らしかった。
今は清楚で純真無垢なこの牝獺が、
やがて淫らな汁を垂れ流し、美しい声で喘ぐようになるのだ。
男たちは交代で、その薄桃色の未熟な果実を眺めるのだった。

(いつまで触られてるんだろう?)
このように指で広げられ、粘膜を空気に晒されることなど初めての経験だ。
股間の粘膜が冷たい空気に触れ、ルルカは尿意を感じた。
街に近付いたあたりから排泄をさせてもらっていない。
尿意はどんどん強くなり、ルルカは必死に我慢した。
胴と同じくらいの長さの特徴的な獺族の尾が持ち上げられる。
根本が太く、お尻との境い目が目立たない尾の付け根に覗く、獺の肛門は、
ビロードのような茶褐色の毛並がその部分だけ地肌に変わり、
水棲動物らしく慎ましい締まりを見せている。
尾を吊り上げられ、くつろげられた肛門の中央にも薄桃色の粘膜が顔を出した。
(お尻の穴を……見られてるの?)
いつもきれいにしているとはいえ、不浄な部分を見られたくはなかった。
ルルカを包む不安は、徐々に恥ずかしさに変化していく。
男たちの手はルルカの全身を這い回り、やがて未熟な乳房に触れたとき、
ルルカは『あっ』と声を上げ、身を捩った。
初めて見せる抵抗。
母から大事にしなさいと何度も言われていた乳房を、何者とも分からない連中に触られる──。
耐え難い悪寒が走った。
(やめて!)
ルルカが激しく暴れ出す前に、動きを察した男が、首輪を掴んで吊り上げる。
上手く顎に体重がかかったため、呼吸を妨げられることはなかったが、
ルルカは恐怖に包まれた。
自分の倍以上ある体格の異種族に体を振り回される恐ろしさ。
非力な獺たちにとっては、想像したこともない、暴力だ。
ルルカの父を思い出してみても、
まだ彼を見上げるくらいの背しかなかったルルカを抱き上げるのに苦労していた。
宙に浮かされただけですでに逆らう気力も失っているルルカの腕が、
大きな手で掴まれ、捩じ上げられる。
獺のオトナたちは皆優しかったし、幼いルルカに服を着せようとした父の腕の力も、
こんなに恐怖を感じるほどには強くなかった。
ルルカはこの一瞬で、獺族が彼らに力ではまったく敵わないことを知らされてしまった。
だらりと腕と足を垂らしてルルカは乳房を押し潰される痛みに耐えた。
可愛らしい桃色の乳首が赤く染まってくる。
「まだ、随分と固いな……」
「使えるようになるには、半年くらいかかるか」

検分は、ルルカが感じていたよりはずっと短い時間で終わった。
目隠しをされたまま、着ていた服が腕の中に返されると、
ルルカは乳房と股間を隠すように、それをギュッと抱き締め、ほっとする。
その母からもらった服は、ルルカにとって家族との最後の絆だった。

ルルカは目隠しを解かれぬまま、鎖を引かれて広場から離れた。
足の裏に、陽に照らされた石畳の熱を感じなくなったとか思うと、
石の階段を降りさせられていた。
地面の下へと潜っていくのが分かった。

470かわうそルルカ 2-3/15 ◆q6hKEmO86U :2012/02/19(日) 00:27:05.75 ID:AL+dZQeP
ルルカが連れて行かれたのは、広場の脇にある建物の地下だった。
目隠しが外され、ルルカは地下牢の部屋の一つに押し込められた。
牢の格子戸に錠がかけられる。
長い鎖が格子戸に繋がれてはいるものの、ルルカはその部屋の中に限っては自由になった。
まだ裸のままだったルルカは慌てて服を着た。
ルルカは、男たちと入れ替わりに地下に降りてきた二つの影に気付き、
咎められるのではないかと思い、怯えた。
『服は着ていてもいいぞ。いや、ここではそうしていろ』
聞き覚えのある声。獺族の言葉。
檻の格子の向こうから、クズリの男が声を掛けてきた。
男の一人は、ルルカが捕えられたときに通訳をした、あのクズリ族だった。
『俺はジエルだ。こちらはジルフ。
 これから、ここでお前たちの世話をする』
『あの、私は──』
『おっと、名前を言うんじゃない』
名乗ろうとするルルカを、ジエルが手を突き出して制止した。
『言うなよ。言ったら酷い目に遭わすからな。
 いいか、俺たちを除いて、お前らは誰とも話ができないんだぞ。
 いずれは俺たちも……』
『ここでは、お前はただの捕えられた一頭の牝獺なのだ。
 世話をする者が情を移さないよう、こういう決まりになっておるのだよ』
ジエルの言葉を補ってルルカに語りかけるのは、ジルフと呼ばれた男だ。
ごろんとした逞しい体格のジエルに比べ、小柄で少し背の曲がった初老のクズリ族だった。
ジルフの顔は白髪でまだらになっており、細めた目が柔和な印象を与える。
ルルカは緊張が解け、途端に、先ほどからおしっこを我慢していたことを思い出した。
『あの……』
『なんだ?』
『……おしっこが……』
ジエルが、そうかと言って、部屋の端を指差す。
『床に溝がある。ちょろちょろと水が流れているだろう?
 そこで排泄するんだ』
彼の言う通り、壁から少し離れたあたりを、手のひらほどの太さの水路が床を横切っていた。
ルルカはそれを跨いで股間を覆う布を捲ったところで躊躇する。
『あの……』
『どうした、早くしろ』
『音を聞かないで』
ジエルはルルカの願いを、くくっと笑い飛ばす。
『早くしろ。何なら、我慢の限界がくるまで、じっくり見ておいてやろうか?』
ここの生活に早く慣れておけ、とジエルは言った。
ルルカが音を立てないように少しずつおしっこを出し切って格子の前に戻ると、
クズリたちの姿は無かった。
冷たい鉄の格子は恐ろしげではあったが、獺族の集落では造れない金属も、
水と同様にここには溢れていることがルルカを驚かせた。

しばらくして、いい香りが漂ってくる。
『食事だ』
ジエルが大きな碗に湯気の立つ食べ物を入れて運んできた。
どろどろしたスープ状のそれは、何かを煮込んだものらしい。
ルルカは、すっかり自分のお腹が空いていることに気付いた。
見たことが無い食べ物ではあるが、香りに誘われ、碗に頭を突っ込む。
次の瞬間、びっくりして叫んでいた。
『……痛いっ!』
ジエルは、腹を抱えて笑った。
『痛い、じゃない。熱い、だろう?』
471かわうそルルカ 2-4/15 ◆q6hKEmO86U :2012/02/19(日) 00:28:10.67 ID:AL+dZQeP
獺族は食べ物に火を通さない。煙を上げるわけにもいかず、また、
彼らの消化器官には不釣り合いなものまで食糧にしなくてはならない獺たちには、
食べ物を料理している余裕など無い。
放浪を続けるうちに、料理をするという文化が失われていた。
ルルカは生まれて初めて、舌に火傷をしたのだ。
『食事は、一日に五回与える。
 だが、いつもこんな温かい食事を出すつもりはないからな』
ジエルは、これは獺専用の餌だと言った。
獺に必要な栄養だけを考えて余り物を混ぜて煮込んだだけのものらしいが、
それでも、これまで食べてきたものよりずっと美味しく、
獺族の食生活がいかに貧しいものだったかを、ルルカは思い知らされた。

人心地が付くと、ルルカは改めて自分が閉じ込められた場所を観察した。
壁と床を冷たい石で覆われた寂しい空間は、それでも、
家族三人で横になっていた窮屈な寝室の数倍の広さがあった。
上部が桶状になった小さな石の台から水が溢れ、先ほど使った排泄用の水路に流れている。
このひと部屋だけで水回りには困らないようにはされていたが、
飲み水や、濡らした布で体を拭くには充分にしても、水浴びをすることはできそうにない。
水路と反対側の部屋の壁に、木の板を鎖で吊ったベッドが用意されていた。
ベッドには寝藁が敷かれていた。これまで床に直接転がって寝ていたルルカは、
その寝藁の心地よさに驚く。
あんなに恐れていた獺狩りが想像していたものと違うことを不思議に思うルルカに、
老クズリのジルフは言った。
『お前は獺族の代表の一人として、いずれ罰を受けねばならん。
 今はまだ体がオトナになっていないから、ここで成長を待っておるのだ』
ジルフは、ルルカを憐みの籠った目で見る。
『罰って……、どういうこと?
 どうして、獺族は追われなければならないの?』
ルルカは小さい頃から誰も答えてくれなかった疑問をぶつけた。
獺を殺そうとする彼らなら、教えてくれるかもしれない。
『昔から続いていることだ。誰も疑問に思わず、それを繰り返している』
『じゃあ、理由は……』
『記録にも残っておらんし、本当のところは誰にも分からんかもしれんな』
それでは、獺のオトナたちから聞いた話と変わらない。
『何でもいいの。あなたが知っていることを……教えて!』
ジルフに食い下がるルルカを見かねてか、ジエルが口を挟む。
『つまりさあ、獺族ってのは他の種族にとっては深い恨みの対象なのさ。
 冷酷で残忍な獺どもは、世界を引き裂き圧政を敷いていたんだ。
 お前たちの罪はいつまでも消えない。長い時間をかけて裁かれるんだ』
『ジエル、そのくらいにしろ。
 我々の仕事は獺が体を壊さないよう、管理するだけだ。
 余計なことを話すのは禁じられているだろう』
『獺族の罪って、何なの?
 世界を引き裂いたって……』
『そんなこと知るもんか。だから言ったろ、大昔の話さ。
 誰も覚えちゃいないんだ』
立ち去ろうとする二人のクズリを呼び止めようと、ルルカは叫ぶ。
『そんなよく分からない理由で獺族は殺されてきたの!?』
やれやれ、といった風に、ジエルはルルカに向かって、こう返した。
『お前の両親は、お前を囮にして逃げたんだ。
 あれが獺族の本性なのさ──』

472かわうそルルカ 2-5/15 ◆q6hKEmO86U :2012/02/19(日) 00:29:10.82 ID:AL+dZQeP
クズリたちの姿が消えた後、ルルカはふらふらと部屋の隅に行き、
顔を伏せて泣いた。
ジエルの言った言葉──、信じたくはなかったが、
それが事実ではないと言い返す自信がルルカには無かった。
本当にルルカを囮にするために、母はキイチゴを摘みに行くよう仕向けたのか。
涙が次から次へと溢れてきた。
裏切られたかもしれないことが悲しいのではない。
ほんの数日前の出来事だというのに、キイチゴを採ってきて欲しいの、とルルカに言った、
あのときの母の表情が、どうしても思い出せなかったからだ。

数日もすれば、ルルカは地下牢での生活にも慣れた。
隠れるところもない広い部屋で排泄をする恥ずかしさは無くならないが、
いつも誰かが見ているというわけでもない。
天井近くに明かり取りの隙間が開いており、壁と床を冷たい石で覆われた寂しい空間に、
時間の流れを伝えてくれる。
明かり取りは、広場の石畳すれすれの位置にあるらしく、
街の喧噪が閉じ込められたルルカの耳にも届いた。
夜になれば、その細長い光の入口は閉じられ、代わりに蝋を使った燭台が灯される。
至れり尽くせりのその地下の空間は、意外なほどに快適だった。
いや、ルルカも初めのうちはそう思っていたが、
次第にそこが、獺族にとっては必ずしも良い環境とは言えないことに気付く。
床を流れるほんの少しの水では、水浴びができない──。
そのことがルルカを苦しめるようになる。
部屋は温度を逃がさない構造になっており、日中、差した陽の光がもたらす熱は、
朝までその場に籠っていた。
ルルカが閉じ込められているのは、"獺の窯牢"と呼ばれる獺専用の収監施設だった。
長い年月のうちに工夫されてきた、巧妙に牝獺の体を変化させていく仕組みがそこにはある。
文字通り、窯のように熱を溜め、獺の体を蒸し上げるのが目的なのだ。
若い牝獺は、体に熱が籠らないように水浴びをしなければならない。
ルルカも小さい頃から何度も言い聞かされてきた。
そうしなければ、体が疑似的に発情を起こしてしまう。
それはルルカのような、まだ完全に性成熟していない若い牝獺の体にも起こるのだ。

閉じ込められて十日もしないうちに、ルルカは息苦しさに包まれる。
体中が熱くなり、頭がぼうっとする。
水を何度口にしても、その熱は収まりそうになかった。
我慢しきれなくなって、肩で大きく息をする。
肺いっぱいに空気を取り込んでも、体はいっこうに冷えず、呼吸はどんどん激しくなる。
この先ずっと、そのはぁはぁという荒い呼吸と付き合って生きなければならないことを、
ルルカはまだ知らなかった。

『もう症状が表れたか。感度のいい娘だね』
気付けば、老クズリのジルフが、牢の中で激しく息をするルルカを見詰めていた。
『私はどうなるの?』
『心配することはない。シエドラで暮らすのに相応しい体になるだけだ。
 苦しいかもしれないが、じきに慣れる。
 前にも言ったが、暑くても服を脱ぐことは許さないよ。
 それが決まりだ』
『何が起きてるの? 私の……。
 熱が籠ってはいけないって言われてた。
 これがそうなの?』
ジルフは相変わらずルルカの質問に答えようとはせず、
代わりに牢の中のルルカに何かを差し出した。
473かわうそルルカ 2-6/15 ◆q6hKEmO86U :2012/02/19(日) 00:30:14.84 ID:AL+dZQeP
『これからは、これをいつも体の穴の中に入れておくのだよ』
『体の……?』
『お尻の方ではないぞ』
ジルフが手渡したものは、獺の小さな手のひらにかろうじて収まる大きさで、
卵を細く引き伸ばしたような形の、樹脂の塊だった。
ジルフは続けて、液体の入った小瓶をルルカに渡す。
『この果実から採った油を塗って使うのだ。
 体に収めたら、まずは明日の朝までずっと入れておくのだよ』
『何のために……』
『お前の苦しみを減らすためだ』

ルルカは困惑した。
ベッドの上で、股間を隠す布をそっと捲り、自分のそこを確かめた。
(お尻の穴……じゃない……穴……)
他には、おしっこをする穴しか思い当たらない。
ルルカは、性器に指先を当てる。熱に冒されるようになってから、
そこも少し熱くなっていて、心なしか膨らんでいた。
そのことには、小便をするときに気付いていた。
『あっ……!?』
肉の突出した部分を開いて粘膜の中心をそっと触ってみると、
指が沈み込んでいく部分があった。
性についてそれまで何も教わったことのなかったルルカは、自分の体の、
おしっこの穴のすぐ下に、もっと大きな穴があることを初めて知った。
穴が体の奥まで続いていることもすぐに分かった。
(これは、もしかして?)
その穴の奥には、きっと母が教えてくれた「子供を育てるところ」が在る、
そうルルカは直感した。
そうか、とルルカは思った。
ずっと不思議だった、お腹で子供を育てるということがようやく理解できた。
この穴は、おそらく、子供が生まれてくるための穴なのだろう。
それにしては──、おしっこの穴に比べれば大きいとは言っても、
指先がかろうじて入るくらいの広がりしかない。
ルルカはジルフに渡された道具を見て、身を震わせた。
こんなものを入れたら、体が壊れてしまわないだろうか。
大事にしなさいと母に言われていた体の奥の部分が傷付くことをルルカは恐れたが、
優しそうな物腰のジルフの言葉に逆らう道理も持ち合わせていなかった。

ジルフに言われた通り、小瓶の油を表面に塗って、その樹脂でできた棒を、
ルルカは股間に押し当てる。
裂けるような痛みが走る。
痛みを我慢していると、それはじわじわと体の奥に飲み込まれていった。
(大丈夫……。入る……。入るよね……?)
ルルカは、時間をかけてその道具をなんとかお腹の中に収めた。
体の中が引き攣ったようになり、しばらく仰向けになって喘ぐ。
食事を運んできたジエルが声を掛けても、
ルルカはベッドの上から起き上がることもできなかった。
『なんだ、もうあれを始めたのか』
声には出さないが、ジエルがくっくっと可笑しそうにしている様子が伝わってくる。
ルルカは自分のしていることが恥ずかしいことだと気付いた。
『食べ物はここに置いておくぞ』
ジエルに言われて、ルルカはベッドから降りた。
二本足で立つと、お腹に収まった棒を中心に、ズキズキと痛みが起きた。
474かわうそルルカ 2-7/15 ◆q6hKEmO86U :2012/02/19(日) 00:31:24.17 ID:AL+dZQeP
這うようにしながら、ようやく牢の格子戸まで辿り着いたルルカを、
ジエルはその場でずっと待っていたようだ。
そのニヤニヤした顔を見て、ルルカはまた羞恥心を掻き立てられる。
『その様子だと、自分の体に三つの穴があるのを知らなかったってクチだな』
『……』
『寝転がっててもダメだぞ。普通に歩けるようにならなきゃな』
『そんなの……無理だよ……』
その後も半日ほどは、お腹の中の違和感で歩くこともままならなかった。
しかし、水を飲んだり排泄したりしないわけにはいかない。
薄暗い照明が灯される頃には、のろのろとなら立って歩けるようになっていた。

『確認するぞ。お腹の中のものを出して見せろ』
翌朝、現れたのは、ジルフではなく、意地の悪いジエルだった。
目が覚めてすぐに、ルルカはその違和感に我慢できなくなって、
体に収めた樹脂の棒を取り出そうとしていたところだった。
朝まで、という約束は守られているはずだが、
まさかジエルが確かめに来るとは思っていなかった。
ジエルは格子戸に結わえられている、ルルカの首輪の鎖を引いた。
『えっ? 待って……』
引っ張られてベッドからどさりと落ちたルルカは、慌てて床にツメを立て、踏ん張る。
股間を丸出しにしていた。ジエルに見られたくない。
『嫌っ! 自分でするから、お願い……』
『それじゃあ、いつになるか分からないな。
 なかなか出てこなくて不安になっていたんだろう?』
図星だった。
体に収まった棒は、指を挿し込んでみても、先端に触れてさらに押し込まれてしまうばかりで、
取り出すことが出来なかった。
それでも抵抗するルルカを、ジエルは恐ろしい力でずるずると引っ張った。
改めて、獺族の非力さを思い知らされる。
それだけでも恐ろしいのに、ルルカを引き寄せたジエルが、
格子戸を開け、牢の中へ入ってきたのだ。
ルルカは悲鳴を上げたが、体を押さえ付けられてしまった。
服に手をかけられて、ルルカはジエルの意図に気付き、恐る恐る聞いてみる。
『……裸を見たいの?』
ジエルは手を止め、いつもの笑いを顔に浮かべた。
『そりゃそうさ、男はみんな、女性の裸を見たいもんさ』
『どうして?』
『恥ずかしいんだろう?
 どの種族だってそうさ、女は簡単に裸を見せるものじゃない。
 だから、その隠されたところを拝めると思うと、男は欲情するのさ』
『欲情って?』
『いずれ分かる。嫌というほどな』
『……』
『仕方ない、今は、見ないようにしてやるよ』
ジエルは顔を突き合わせた体勢で、ルルカを四つん這いにさせると、
ルルカのお腹を手前から奥へ、ゆっくりとさすり始めた。
『ほら、タイミングを合わせて力を入れてみろ』
ジエルの協力で、昨日からルルカを苦しめていた道具が、
ようやく体から抜け落ちた。
『慣れないうちはたっぷり油を塗って使うんだ。
 次からは一人でやれるな?』
樹脂の棒はきれいに拭かれ、またルルカに返される。
『今日はこれを十回、出し入れするんだ。
 明日は二十回。毎日十ずつ回数を増やしていけ』
『そんな……』
『嫌なら、縛り付けて俺の手でやってやる。
 恥ずかしいところもたっぷり見せてもらうからな』

475かわうそルルカ 2-8/15 ◆q6hKEmO86U :2012/02/19(日) 00:32:27.72 ID:AL+dZQeP
憂鬱になりながらも、ルルカは言いつけを守った。
四〜五日で、股間の痛みは無くなった。獺族の体は適応力も回復力も優れていた。
ジルフは繰り返し、牝獺のためにそれをさせているのだと言った。
『昔はよく、若い獺の娘が、儀式の際にショックで死んでしまうことがあった。
 あれは憐れなものだ。
 そうならないように、儂がこれを考えたのだ』
『儀式って?』
ルルカは新たな不安の種に怯えた。
ここへ来たときに、いずれ罰を受けると言われた、そのことなのだろう。
『おお、すまんな。怖がらせるつもりはなかったのだ。
 この地下牢に居る間は、先のことは考えるな。
 悪いようにはしない──』

温和なジルフと対照的に、ジエルはいつも乱暴な物言いをした。
『外では異種族のご機嫌を取り、ここへ来れば牝獺なんぞにまで気を遣う。
 クズリ族も大変さ』
彼の生活は、獺の世話ばかりではない。
郊外にある水車を利用して水揚げした魚を市場で売るのが、もう一つの仕事だと言った。
『まったく、魚なんて誰もあまり食べやしないのに。
 いつも売れ残りを捨ててばかりさ。
 どうしてクズリ族はこんな仕事ばかり代々続けてるんだろうな』
『お魚が……あるの?』
ルルカは、父から聞かされていた獺族の主食だったという魚が、
ここシエドラでは食材として売られていることを知って驚いた。
『ああ、余っていると言っても、決してお前たちの口には入らないぞ。
 獺に魚を食わせた者は罰せられる決まりだからな』
お前たちには専用のエサがお似合いなのさ、とジエルは言った。
『でもな、アレもなかなか美味いだろ?』
彼は、どうやら料理の腕に自信があるらしい。
ジエルが言うには、食事が冷めていて美味しくないときは、
間違いなくジルフが作っているということだ。
ルルカはシエドラへ来て初めて、くすくすと笑った。
クズリ族の喋る獺語は、音程の変化がなく感情が読み取り辛いものだが、
そのときルルカは初めて異種族と気持ちが通じ合ったと思った。
ジエルはときどき、ルルカに話し掛けるようになった。
そのほとんどは、独り言にも似た愚痴だったが、
ときおり漏らす言葉は、ルルカに期待と失望を与えてくれる。
『大昔の協定で、あらゆる種族が獺槍を持つようになった。
 全ての獺は殺されるはずだったんだ。
 だがシエドラの先人たちは牝の獺に利用価値を見付けたのさ』
『利用価値って?』
『それは、今は教えられないな──』
『そればっかり……』
『仕方がないだろう。お前を捕まえたのは、仲良くしようってわけじゃないからな』

道具を出し入れしなければならない回数は、
いつしか二百回を超えるようになっていた。
道具を体に収めたり出したりしていると、体が熱くなり、息も荒くなる。
ルルカは、自分が恐ろしく恥ずかしいことをしているのだと思った。
短い時間で一度に出し入れを行い、
残りの時間は入れっぱなしにするのが楽だった。
それがルルカにとって当たり前になってきたのを見計らってか、
ジルフが新しい樹脂の棒と交換すると言い出した。
それは、これまでのものより一回り以上大きく、表面に無数の突起が付いていた。
(こんなものを入れるの……?)
ルルカは異物を初めて体に入れたときの苦痛を再び味わった。
樹脂に付けられた凹凸は、お腹の中にざわざわした感覚を生み、
その夜、ルルカは眠ることができなかった。

476かわうそルルカ 2-9/15 ◆q6hKEmO86U :2012/02/19(日) 00:33:27.28 ID:AL+dZQeP
朝になって、ルルカは桃色をしていた股間の肉が赤く腫れ上がっているのを見て驚いた。
そして、悪い予感はあったが、案の定、お腹に収めたものは、
力を込めてみても出てこなかった。
ルルカは仕方なく、ジエルに助けを求めた。
『さすがに今度は見ないようにはできないな』
ジエルはまた、牢の中まで入ってきて、ルルカを立たせると股間を晒すように強要した。
『体がおかしいの……。すごく腫れて……』
ルルカは恥ずかしさを我慢して、ジエルの大きな手が下腹部を撫で回すのに耐えた。
突起の付いた道具が股間から飛び出して床に転がるのと同時に、
液体がぽたぽたと音を立てて滴るのを感じて、ルルカはまた、驚いた。
『え……、何!?』
それは、明らかにおしっこではなかった。もう一つの大きな方の穴から漏れ出していた。
自分の体に何かが起きていることは確かだった。
『いよいよ恥ずかしい体になってきたな。
 その汁はもう止まんないぜ?
 服を汚すのが嫌なら、そこをいつも丸出しにしておくんだな』
そこが腫れているのも、もう一生治まらない、とジエルは言った。
"獺の窯牢"にひと月も囚われていては、獺族の体を冒した熱は一生取れなくなる。
ルルカはその熱により、疑似発情を起こしていた。
ルルカは、今までさせられていたのが、
牝獺の大事なところを穢す行為だったことをようやく知るのだった。
『騙したの?』
『お前たちが死なないように、
 ってジルフが言ってるのは本当のことだぜ』
『でも……、酷い──』
『これが要るだろう? 服を洗うのに素っ裸になるのが嫌ならな』
ジエルはルルカに布を数枚、手渡した。
いつも体を拭いているものではなく、
股間の汁で服を汚さないようにするためのものだった。

その日からルルカは、クズリたちと言葉を交わさなくなった。
ジエルの言ったことは全部が本当というわけではなかった。
性器の腫れが引くことはなかったが、体の奥から滲み出てくる、
あのおかしな汁は、道具を体に入れさえしなければ出なかった。
しかしルルカは、否が応にも、この獺の窯牢の罠に囚われていく。
始めの頃のように、ルルカがそれを体に収めているかどうかを、ジルフたちは確認しなかったが、
ときおり、無言で手を差し出し、ルルカに道具の交換を促す。
ルルカがそれを使っているかどうか、もう彼らは確認する必要が無かった。
牝獺が、一度習慣になった行為を止められないと知っているからだ。
新しく渡されるものは、少しずつ大きさを増していった。
いずれ行われる儀式というものが股間の穴に関係していることは間違いない。
クズリたちを信じていいものかも分からず、不安を募らせたまま、
ルルカは股間に道具を出し入れする行為を続けていた。
我慢できないのだ。
母からもらった服のだぶついた胸の部分の奥で、果実が成熟するかのように、
ルルカの乳房は膨らんできていた。
服の上からゆっくりと乳房を撫でながら、股間の穴に挿し込んだ道具を動かすと、
頭がぼーっとするような感覚に包まれる。
まだ幼さを残した体が感じる、禁断の淡い快楽。
それを感じることは恥ずかしいことだとルルカは思った。
それでもルルカは、母にもらった体の神聖な部分を自らの手で穢す罪悪感に苛まれながら、
自慰行為を繰り返すようになっていた。
ベッドの上は牢の格子戸から丸見えになっている。
ジエルが時々にやにやしながら見ていることに気づき、
ルルカは格子戸の脇の壁の裏に隠れるようにしてその行為をするようになった。
(体が熱い……。気持ちいい……)
ルルカは、『ああっ、あああっ』と小さな喘ぎ声を上げていた。

477かわうそルルカ 2-10/15 ◆q6hKEmO86U :2012/02/19(日) 00:34:48.84 ID:AL+dZQeP
──数か月が過ぎた。
地下牢の中で暮らしているうちに、ルルカの乳房は、
立ち上がれば胸に重さを感じるほどに大きく膨らんできていた。
体を拭くときに、誰も覗いていないことを確認して、ルルカは上半身裸になってみる。
成長した、お椀型のきれいに整った乳房がそこにある。
茶褐色の艶々した毛並の膨らみの頂点に、薄桃色の乳首がちょこんと飛び出していた。
ルルカは美しいオトナの牝獺になっていた。
服を着直すと、胸の部分が窮屈に感じられた。
母の言った通り、それはルルカがオトナになった証拠であり、そして同時に、
襲いくる災厄の前触れを知らせるものだ。
恐ろしい儀式の存在。かつて獺族が犯した罪をルルカは贖わねばならない。
とは言え、いったい何の罪を──?
儀式について、いくら頭を巡らせようと、どんなものか想像もしようが無かったが、
獺槍で突かれるに等しい行為がこの身に行われることには違いないだろう。

ルルカは恐ろしさを忘れようと、さらに自慰行為に没頭するようになった。
行為に対する羞恥心は以前より増していた。
それでも、手が止まらない。
快楽の強さも増していた。
ルルカの体は、知らず知らずのうちに、今度は本当の発情を迎えていたのだ。
もう獺の小さな手のひらには収まらなくなったサイズの道具を体に押し込み、
目を閉じて、乳房と同時に股間を刺激する。
いつも感じている快楽の先に、もっと強い感覚があることを、ルルカは予感した。
それを掴もうと必死になった。
『……んああぁっ!』
大きな喘ぎ声を上げた瞬間、ルルカは凍り付く。
格子戸が開いていた。
ジエルが、床に転がって喘ぐルルカを見下ろしていた。
『ずいぶん可愛い声で鳴くようになったじゃないか』
見られた──!?
『そうだよなあ、我慢できないよな。
 恥ずかしい牝獺ちゃんには』
(言わないで……)
先ほどまで感じていた快感は、すっかり吹き飛んでいた。
恥ずかしさに身を縮こまらせるルルカを、ジエルは無理やり立たせた。
ジエルの後ろに数人、黄色い毛並に黒い斑模様や縞模様が刻まれた猫科の男たちの姿があった。
ジエルは恐怖に怯えるルルカに、檻から出るように告げる。
『ほら、お○○こからそれを抜いて、出て来い。
 これから、断罪の儀式を始めるんだ』

(いよいよ、このときが来たんだ──)
突然のことに茫然とするルルカは、首輪の鎖を引かれ、実に半年ぶりに牢から外へ連れ出された。
途中で、他の牢から出された二頭の牝獺と一緒になる。
ルルカは初めて、自分と同じくらいの年頃の仲間に出会った。
(一緒に捕まっていたんだ……)
『おっと、互いに言葉を交わしちゃならねえぞ』
声を掛け合おうとした獺たちを、ジエルが制した。
他の二頭は、獺族の衣装の上に、ルルカが家に置いてきた飾り布を纏っていた。
その華やかな装飾を羨ましく思いながら視線を下に移すと、
股間を覆う布が、紐を解かれて下腹部から垂れたままになっている。
ルルカと同じように自慰に耽っていたところを連れ出されたのだろう。

478かわうそルルカ 2-11/15 ◆q6hKEmO86U :2012/02/19(日) 00:35:49.40 ID:AL+dZQeP
階段を上ると、あの噴水のある広場に出た。
窯牢の暑さに慣れた体が、外の空気に触れ、ぶるっと震える。
もちろん、温度差のためだけではない。
抑えようのない不安が、三頭の牝獺を包んでいた。
陽が落ち、空に闇が押し寄せようとしていた。
街にはあちこちに篝火が点り、
特にシエドラの中心に位置する広場はその全体を見渡せるくらいに明るく照らされている。
広場の噴水の前に火やぐらが組まれ、炎が黒煙を噴き上げていた。
儀式が行われると聞きつけ、広場を埋め尽くすほどの人が集まっている。
焚き火の火の粉がかかりそうな位置に据えられた三本の柱の前に、
ルルカと、他に捕えられていた二頭の獺の娘が引き立てられてくると、歓声があがった。

ジエルは、三頭の牝獺の首輪を外した。
すかさず、後ろに控えていた豹頭の男たちが、槍を構え、ルルカたちに突き付ける。
三頭は震え上がった。
本物の獺槍だった。
『逃げ出そうとすれば、どうなるか分かるな?』
牝獺たちは、一箇所に体を寄せ合い、恐怖におののくのだった。

集まった大衆の前にゆっくりと歩み出てきたのは、老クズリのジルフだった。
「永きに渡り、世界民族を分断し苦しめ続けた獺族の代表とし、
 この牝獺たちに重い罰を与える──」
ジルフが、大衆を前に、宣言を行う。
他の二人は言葉が分からず、きょとんとしていたが、
ルルカだけはその恐ろしい言葉の意味を噛み締めた。
『お前ら、ろくでなしの獺どもは、
 悲惨な目に遭わなきゃならねえって言ってんだ』
クズリ族の二人が、この儀式の進行役を買っていた。
ジエルが獺たちにかける言葉を、ジルフが通訳し、集まった人々に伝える。
そしてジルフの宣言を、ジエルが憐れな牝獺に言い聞かせるのだ。
周囲を取り巻く猫科の男たちは、儀式の執行人といったところだろう。

『まず、服を脱ぐんだ』
いつもふざけた調子だったジエルの声が、重い命令の口調に変わっていた。
『お前たちは一生、裸で過ごすんだよ。
 そして、街のどこかに繋がれて暮らす。
 外の陽射しは獺族にとっては暑いからな、裸でちょうどいいだろう』
獺の娘たちは、状況を悟って悲鳴を上げる。
『ジエル、やめて……』
『言うことを聞かないなら、それでもいいさ』
懇願するルルカに向けて、ジエルがさっと手を振ると、
獺槍の切っ先がルルカの喉元に突き付けられる。
「段取りがあるんだ、さっさと済ませろ」
嫌がる獺の衣服を男たちが引き裂き、剥ぎ取る。
ルルカも同様に裸にされた。
衣服は焚き火に投げ込まれ、あっという間に灰になって消えた。
二頭の牝獺が纏っていた飾り布も、炎に焼かれて消え去った。
獺たちが身ぐるみ剥がされると、その惨めな姿を見ようというのか、
それまで遠巻きにしていた群衆が、ルルカたちを囲むように集まってくる。
三頭の牝獺は立ち上がったまま震えていた。
ただでさえ、人前で裸になることは恥ずかしいことだとずっと教えらえてきた牝獺たちだ。
物心ついてからは、親にもほとんど見せることのなかった裸身を、
大勢に見詰められるという恥辱は耐え難かった。

479かわうそルルカ 2-12/15 ◆q6hKEmO86U :2012/02/19(日) 00:36:48.74 ID:AL+dZQeP
獺たちは、互いに身を寄せた。
乳房を押し付けるようにして抱き合う。
他の二頭は顔を伏せ、頼るようにルルカにしがみ付いていた。
ルルカが以前、クズリたちと対等に話していたのを聞いていたからだろうか。
ルルカだって、心細いことに変わりはない。
しかし──。
ルルカは、逆に二頭を頼りたい気持ちを必死で抑えながら、
小さな両手で彼女たちを抱き寄せ、皆の股間を隠すように尻尾で覆うと、
ジエルを睨みつけた。
それは、理由も分からぬ断罪を受ける理不尽に対する抵抗だった。

ジエルは、いつものニヤリとした笑いを浮かべた。
ルルカの態度は、ジエルには織り込み済みであったらしい。
小さな獺の、精一杯の小さな勇気は、簡単に掻き消されてしまう。
『どうやらまだ自分たちの立場が分かっていないようだから、
 じっくりと教えてやる。
 お前たちの体はもうお前たちのものじゃない。
 だから──』
体を隠すな、とジエルは言った。
身を包むものもない心細い姿で、自分たちより数倍の体格の牡獣に強い口調で命令されると、
牝獺たちはいっそう身を縮こまらせてしまう。
ジエルは構わず、シエドラにおける"牝獺の心得"を説いた。
シエドラの牝獺は、常に乳房と性器と肛門を見られるようにしなければならない。
両手は体の側面より後ろへ、足は開き気味にして立ち、
人の姿が見えたら尾を高く掲げて恥ずかしい部分を全て晒さねばならない。
ジエルの講釈が終わると、三頭は獺槍で脅され、それぞれ別の柱の前に追い立てられた。
槍を突き付けられては、言われた通りの姿勢を取らざるを得ない。
腕を左右に開いて、形のいい乳房を前に突き出した。
足も開いて、少し上付きな牝獺の性器を露わにする。
発情して腫れあがった牝の性器が、下腹部から少し飛び出している。
尻尾を精一杯持ち上げ、体がVの字になるようにすると、
桃色の蕾のような肛門までが丸見えになった。
あまりの恥ずかしさにぽろぽろと涙がこぼれる。
観衆から喝采の声が上がる。
若い獺の娘には耐え難い屈辱だった。

『よくできたな、ご褒美だ』
ジエルが合図をすると、豹頭の男たちは、獺槍を地面に置き、
銀色に光る環のようなものを運んできた。
嫌がるルルカたちを押さえ、万歳をさせると、半円状になった環を、
体の前後から合わせるように嵌める。
がちぃん、と大きな鈍い音が響き渡ったかと思うと、
環は完結し、継ぎ目も見えなくなっていた。
それは首輪の代わりになる、牝の乳房を利用した拘束具。
脇の下から背中をぐるっと一周する金属環だ。
背中の部分にある小さな輪に、改めて鎖が固定される。
『この環はもう外せない。おっぱいを削ぎ落とせば別だが……』
三頭の牝獺は同時にわっと泣き始めた。
金属の環は、指が数本差し込める程度の隙間を残し、体に密着していた。
乳房に圧し掛かる重さに、牝獺たちは呻いた。
その重さは、ルルカたちに一生付きまとうことになるのだ。
可愛らしい二つの乳房は、金属環の重みに潰され、歪められ、
惨めな様相を呈していた。

480かわうそルルカ 2-13/15 ◆q6hKEmO86U :2012/02/19(日) 00:38:31.77 ID:AL+dZQeP
項垂れる牝獺たちに、ジエルの言葉が追い打ちをかける。
『足元に溝があるだろう?
 もうすっかり使い慣れたとは思うんだが……』
はっとして地面を見ると、柱の前を横切るように、
水がちょろちょろと流れる溝が掘られていた。
それは、ここ半年ほどの間、身近にあったものと同じものだ。
獺たちは、ジエルの意図を察して、悲鳴を上げた。
『恥ずかしい遊びに夢中で、すっかりするのを忘れていたんだろ?
 今からそこで溜まっているものを全部出すんだ』
ジエルは三頭の牝獺に、この先ずっと、裸を見られるだけでなく、
排泄さえも人目をはばからずしなくてはならないことを悟らせようとしていた。

『ほら、お前からだ。小便をしてみせろ』
ジエルは、ルルカから離れた右端の牝獺に命令する。
牝獺は、いや、いや、と首を振った。
『当然、そうくるだろうな……』
ジエルの手が牝獺の腕にすっと伸びる、次の瞬間、牝獺は悲鳴をあげ、
片腕を押さえながら地面を転げ回った。
『何をしたの!?』
ルルカともう一頭の牝獺は同時に叫んだ。
『獺用の毒針だ』
ジエルは小さな筒のようなものを見せ、中から液体に浸された針を取り出した。
『こいつは、獺族の筋肉に痛みと麻痺を与える毒だ。
 他の種族にはほとんど効果がない。獺専用の毒なんだ。
 行商や旅人を除いて、街の男たちは皆、これを持っていることを覚えておけ。
 言うことを聞かない獺には、これを使うことになる。
 おっと、もう使っちまったか』
地面に伏せて苦痛に喘ぐ牝獺は、猫科の男たちに両脇を抱えられ、
無理やり溝を跨がされる。
ジエルが毒針の入った筒をちらつかせると、牝獺は怯えた表情で、小便を始めた。
ジエルは、ルルカの隣の獺に『さあ、次はお前だ』と言って、排泄を強要した。
その娘は、毒針の効果を目の当たりにしながら、
それでも首を振って拒絶した。
再び、ぎゃあっと叫び声が上がる。
ルルカの隣の娘も、毒針を右腕に打たれていた。
『何度も毒針を打たれると、そのうち組織が腐って腕がもげ落ちるからな』

(次は、私の番だ……)
ジエルがゆっくりと振り向くのを見て、ルルカは自ら溝を跨ごうとしたが、
ふと思い止まる。
二頭の牝獺が毒針を打たれたというのに、自分だけ苦痛から逃れようなんて──。
ルルカは震える腕をジエルの前に差し出していた。
『なんだ?』
ジエルは目を円くした。
残り一頭の牝獺も、当然嫌がって抵抗するだろうと思っていたのだ。
『ふざけるな。そんなの誰も望んじゃいない。
 ここに集まっている連中は、憎き獺が醜態を晒す姿が見たいんだ』
ジエルは、いきなりルルカの乳房にクズリ族の大きな爪を突き立てる。
生まれて初めて乳房に加えられた痛みは、一瞬でルルカを絶望の淵に追いやった。
体を強張らせてみても、筋肉の無い乳房では痛みを堪えることも叶わない。
爪を食い込ませ、ジエルはルルカの体を吊り上げる。
『生意気な牝獺め、毒針はもっと痛いぞ。
 お前はこの先ずっと、いつ打たれるか分からない毒針に怯えて過ごせ』
ルルカは改めて、思い知らされた。
自分の背丈の倍以上もある異種族の者たちは、毒針などに頼らずとも、
簡単に小さな獺を痛め付けることができるのだ。
481かわうそルルカ 2-14/15 ◆q6hKEmO86U :2012/02/19(日) 00:39:33.71 ID:AL+dZQeP
ルルカは、乳房を放してと懇願した。
泣き叫び、赦しを乞うた。
この程度で音を上げてしまう自分が情けなかったが、
乳房に突き刺さった爪は、今にも皮膚を破き、血を絞り出さんとしていたのである。
地面に降ろされたルルカは、素直に溝を跨ぎ、
恥ずかしい音を立てながら小便をするしかなかった。

涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら立ち上がろうとする三頭の牝獺に、
ジエルは手で、待てと合図する。
『大きい方が残っているだろう?』
『ああ……』
牝獺たちに、逆らう気力は無かった。
観衆の笑い声が、ルルカたちの羞恥に拍車をかける。
言葉が通じなくとも、嘲笑の響きは種族に関わらず、同じだった。

『さて……』
排泄を終えて泣きじゃくる獺たちに、ジエルは言った。
『人前で排泄するなんて家畜と同じ。
 これからそのように扱われてもいいって宣言したも同然だな』
『そんなことは……』
『どれだけ違うと言い張ろうと、いつも丸裸で言葉も通じない、
 それが下等な動物である証明さ。
 それに、お前たちはこれから、
 シエドラに飼われる家畜であることの証を刻みつけられるんだ』
『証……!?』
裸にされ、銀色の拘束具を着けられ、さらに何をされるというのだろう。

三頭の獺は、柱の前に一人ずつ立たされた。
胸の金属環から伸びる鎖が短く詰められ、柱に牝獺の小さな体を固定する。
尾は鎖の余った部分で柱に縛り付けられる。
短い手に縄がかけられ、柱の頂点に引き上げられた。
柱の根本の石畳に楔が打ち込まれ、足首も縄で固定される。
すっかり怯えてしまった三頭は、されるがままだった。
ルルカたちは下腹部を前に突き出した姿勢で動けなくされてしまった。

「これより、牝獺たちに、隷属の証を刻む──」
広場に響く声で、そう宣言が行われた。
「幻の街、レドラの無念を忘れるな」
広場の空気が変わった。観衆は、口々にジルフの言葉を繰り返した。
(レドラの街って……?)
それは、獺族の犯した罪を知るキーワードなのだろう。
しかし、ルルカにそれを確かめることはできなかった。

482かわうそルルカ 2-15/15 ◆q6hKEmO86U :2012/02/19(日) 00:41:25.68 ID:AL+dZQeP
『見ろ』
ジエルが、火やぐらを指差した。
この儀式の舞台で、火が焚かれている理由が分かった。
恐れおののくルルカたちの目に、
やぐらの炎の中から、先が真っ赤に焼けた三本の金属の棒が取り出されるのが映る。
焼き印のための焼き鏝だった。
『まずは、生意気なお前からだ。
 精一杯、大きな声で泣き叫んでくれ』
ジエルがルルカへ向けて手を振ると、豹の頭を持った男が、焼き鏝を水平に構えた。
それは何の躊躇いもなく、柱を背に突き出されたルルカの下腹部、
ちょうど臍の下から性器の真上のあたりに押し付けられた。
熱いというより、肉を削ぎ取られるような痛みが体を突き抜けた。
先ほど排泄させられていなければ粗相をしてしまうところだった。
全身の感覚が麻痺してしまうほどの激痛だ。
ルルカの天を裂くような叫び声を聞いて、他の牝獺たちも、
その恐ろしい拷問器具が自分たちに押し当てられる様を想像し、泣き喚いた。
焼き鏝が離され、すぐに水がかけられて冷やされたが、
断続的に起こる引き攣るような痛みに、ルルカは首を振り回し、泣き叫ぶ。
やがて痛みが和らいでくると、ルルカは自分の下腹部に刻まれた印に目をやった。
明るい灰色の毛皮の表面に、赤く腫れた地肌が模様を描いている。
二重の丸に放射状の線が引かれたその図案は、牝の性器を表していた。
「おやおや、お○○こが二つになったぜ」
誰かの声に、周囲からどっと笑い声が起こった。
ルルカは、完全に家畜同様の扱いを受けている屈辱に顔を伏せ、身悶える。
息をするだけで、火傷の痕がズキズキと痛む。

(私は家畜なんだ……。家畜にされたんだ……。
 一生裸で、どこかに繋がれて……。
 そして、誰とも話せない。誰も言葉をかけようともしない。
 恥ずかしい体を見られて生きるんだ──)

幼少の頃から聞かされてきた獺族の誇りは、粉々に砕かれ、もうどこにも無かった。
自分のすぐ右隣で起こる絶叫に、ルルカは耳を塞ぎたくなった。
腕を吊られたままのルルカの耳に、それは嫌でも突き刺さってくる。
残り二頭の牝獺の下腹部にも、順に焼き印が押されていった。


483 ◆q6hKEmO86U :2012/02/19(日) 00:45:40.84 ID:AL+dZQeP
以上です。

次回、かわうそルルカの生活 第三話は、サブタイトル『堕ちる獺』

「私は、ルルカっていうの──」
その狼との出会いは、
ルルカに二度と解かれることのない性の呪縛をもたらすものだった。
儀式の終わりは、新たな苦難の始まり──

みたいな感じでお送りします。お楽しみに。

#なんだか書くのが辛い雰囲気です。盛り上がってる方が嬉しいので、
#雑談、時節ネタ、割り込み、どんどんお願いします。
484名無しさん@ピンキー:2012/02/20(月) 18:20:36.43 ID:TfeyHEX/
GJ!続き期待してます!
485名無しさん@ピンキー:2012/02/20(月) 21:02:58.30 ID:sae+3gTW
これがケモノなのか
486名無しさん@ピンキー:2012/02/24(金) 11:47:56.05 ID:ADPWx2Fj
うーん素敵
こういう瑞々しいの久しぶり
487名無しさん@ピンキー:2012/02/28(火) 16:15:30.12 ID:q6w+YzpE
そろそろ、おんなのこのせっく、だな
488名無しさん@ピンキー:2012/03/07(水) 10:31:07.95 ID:X/RgS2D/
長靴を履いた猫が気になる
489名無しさん@ピンキー:2012/03/08(木) 01:54:29.57 ID:BZWZ1ih6
>>488
向こうでみたけどダンスバトルは前半の山場でなかなかよかったよ。
490名無しさん@ピンキー:2012/03/08(木) 08:41:20.59 ID:WNAROvM/
>>489
まじか時間があったら観たい
491名無しさん@ピンキー:2012/03/08(木) 18:05:05.79 ID:qUmL1W9N
予告の長靴だけ履いた全裸モードになるシーンで欧米人の変態性が良くわかった。
492名無しさん@ピンキー:2012/03/08(木) 21:24:31.38 ID:WNAROvM/
かわいいな
493名無しさん@ピンキー:2012/03/09(金) 21:26:32.33 ID:fE7QEIr6
水族館でカワウソ見てきた
ルルカたんを思い出してハァハァしたよ
494名無しさん@ピンキー:2012/03/09(金) 22:04:20.48 ID:M5ydMFdY
リアルカワウソに手を出すと指の骨くらい噛み砕かれるよ
495名無しさん@ピンキー:2012/03/17(土) 17:04:13.79 ID:40MV2Toh
獣人の全裸モードは合法か?
496名無しさん@ピンキー:2012/03/17(土) 18:01:05.99 ID:u0xhjTVq
>>495
見えなければ合法
しかし最近散歩してる小型犬の着衣率たけーわ
アレはアレで可愛いから許せるけど
497名無しさん@ピンキー:2012/03/17(土) 18:15:54.90 ID:B5R4ZvOi
マ○コ丸見えでも平気だけど、お尻の穴がちらっとでも見えてしまうと
恥ずかしくてうずくまってしまうケモっ娘
498名無しさん@ピンキー:2012/03/18(日) 10:05:05.34 ID:Z9pCpDov
大事なところは隠さずに防具を着ている冒険獣人に萌えるな
胸とか腰回りは露出してるのに肩当てとかベルトは装着してるやつとか
499名無しさん@ピンキー:2012/03/20(火) 20:09:14.15 ID:PZONtcAG
長靴を見たが意外と面白かったな
息抜きにはよかった
猫もかわいかった
500名無しさん@ピンキー:2012/03/21(水) 21:18:03.58 ID:rOLvex6Q
ブラックジャックの人間鳥萌えた
501名無しさん@ピンキー:2012/03/23(金) 18:35:20.15 ID:iL3Jd26M
>>500
あれは当時はエロい意味でビビったな
502名無しさん@ピンキー:2012/03/24(土) 03:25:16.75 ID:H8QjZ/TN
手塚治虫の獣人萌えは格が違う
503名無しさん@ピンキー:2012/03/24(土) 05:16:38.06 ID:W4mazXUY
大抵の二次元における変態性癖は漫画の神が通過した後だからな
504名無しさん@ピンキー:2012/03/25(日) 18:44:47.55 ID:DjED9RSp
太陽の下に新しきことなしとは古人の道破した言葉である。
505名無しさん@ピンキー:2012/03/29(木) 02:14:29.32 ID:rIccP5Dk
バギのリメイクアニメ化を心待ちにしている者が通りますよ
506名無しさん@ピンキー:2012/03/31(土) 12:40:38.35 ID:Nk+lhRvH
アニメといえば新しくしろくまカフェというのが放送するな
後あらしのよるの新しいのとか
おおかみがすげぇ違和感
507名無しさん@ピンキー:2012/04/01(日) 00:50:08.89 ID:teL8MGnT
新あらよるはガブもそうだがメイのコレジャナイ臭が……あれミイだろ……
声もくぎゅって無駄に豪華だけどそれもなんか違うような
ケモショタあんまり好きじゃないけど、ことメイに限っては
成宮のハスキーボイスがよくはまってたと思うんだよね個人的に

まあ実際見るまではわからんけどもな
映画とは別方向の良作に化けてる可能性も十分にある
508名無しさん@ピンキー:2012/04/01(日) 01:17:04.53 ID:tss63I8r
今度のTV版は絵本の絵とビジュアルが違いすぎてなぁ…
いかにも中韓制作って感じのあの絵のテイストは好きになれそうもない
509名無しさん@ピンキー:2012/04/01(日) 22:35:22.38 ID:UC+7ZtP+
元はそれほどボリュームの無い話だけど、どれだけエピソードを水増しするのだろう
510名無しさん@ピンキー:2012/04/02(月) 10:31:53.02 ID:TjQG5S4S
オリキャラ登場とか
511名無しさん@ピンキー:2012/04/05(木) 13:13:29.46 ID:NsMBPmgy
あらしのよるの新しいのなんかアレだったな
つーかEDにガックリ
512名無しさん@ピンキー:2012/04/06(金) 09:38:40.23 ID:KnjH6RUi
『グスコーブドリの伝記』予告編見てきた!
これは期待を遥かに超える映像美だ……
『おおかみこども』ともども、今年の夏はケモノ日和だなぁ///
513名無しさん@ピンキー:2012/04/06(金) 16:28:05.88 ID:ZXtmaNqY
アタゴオルや宮沢賢治作品の漫画化とかで有名なますむらひろしの作品は内容や雰囲気が
独特で猫のキャラクターなどで結構はまったな
514名無しさん@ピンキー:2012/04/06(金) 19:10:23.56 ID:KnjH6RUi
ニュースで一瞬流れたブドリの妹の可愛さと言ったら……!
感動のあまり、涙出てくるかと思った。
何年前だったか、ますむらひろし作品にハマった頃は、
まさか『グスコーブドリの伝記』までアニメ化なんて到底予想していなかった。こんな嬉しいことはない!
515名無しさん@ピンキー:2012/04/07(土) 21:13:32.93 ID:gOJsEFrc
獣人と、人間を擬獣化して描画するのはなんか違う気がする。
前者は、獣人の身体的特徴を行動に反映する場合が多いけど
後者の場合、人間的行動以外の事は絶対しないからな。ケモ耳娘と一緒だよ。
516名無しさん@ピンキー:2012/04/08(日) 02:20:50.13 ID:kb9TMdif
>>515
絶対しないということはないと思うが……。

逆にケモ耳娘でも獣ぽい行動する場合あると思うし
(それじゃ萌えない人もいるかもしれんが)
517名無しさん@ピンキー:2012/04/08(日) 10:01:08.42 ID:NqZO3ak4
ケモノの擬人化でケモノ特有の仕草をしなかったり、見た目がケモノの特徴を抑えてなかったりすると正直がっかりする
それってただケモ耳つけてるだけとか見た目がケモノなだけ
まあ後者は内容にもよるけど
518名無しさん@ピンキー:2012/04/08(日) 10:16:47.48 ID:NqZO3ak4
今更カンフーパンダを視聴してケモノの擬人化の一例だけど言葉をしゃべる以外に
実際の動物の鳴き声とか入れてよりモチーフの存在感が表のに出ていたな
何というかキャラクターデザインの空気化を避けてる感じがした
519 ◆q6hKEmO86U :2012/04/12(木) 06:34:17.23 ID:vEiLWUY+
すみません、かなり間が開いてしまいました。
構成見直してほとんど書き直ししてます。
ペースゆっくりですがお付き合いください。

では、かわうそルルカ四回目、第三話を投下します。
注意事項等は、>>442の通り。

文章の整形方法を変えてます。読み難かったらごめんなさい
520かわうそルルカ 3-1/10 ◆q6hKEmO86U :2012/04/12(木) 06:35:30.08 ID:vEiLWUY+
     【3】 −堕ちる獺−

 体を柱に固定していた鎖が解かれると、恐怖と苦痛で全身の力が抜けた牝獺たちは、その場にくず
おれた。焼き印の痕が引き攣れるように痛んだが、互いを庇おうと、三頭の獺は這うようにして身を
寄せ合った。
 クズリ族のジエルの巨体が近付くのを見て、彼女たちは先ほど身に染みて教え込まれた"牝獺の心得
"を思い出し、のろのろと体を起こそうとする。
 ジエルが、それを制した。
『しばらくそのままでいい。痛みが治まるまではな』
 ジエルは近くの男たちに公用語で「しばらく時間をくれ」と伝えた。このひとときの休息は儀式の
決まった段取りの一つらしかった。獺族に深い恨みを持つシエドラの異種族たちにも、慈悲はあるよ
うだ。痛みを堪えてうずくまって震える牝獺たちを前に、さて、とジエルは言った。
『これで、お前たちと言葉を交わすのも最後になる。
 いくつか質問に答えてやろう』
 ルルカたちは顔を見合わせる。これまでは何も教えてもらえなかったに等しい。聞きたいことはい
くらでもあった。でも、いざこうして質問を求められると、まずは何から聞けばいいのか──。
 ルルカの頭の中にも、いくつも言葉が浮かび上がってくる。この儀式の意味は何なのか。獺族の犯
した罪は、これだけの仕打ちを受けなければならないほどのものなのか。ジルフの宣告の中にあった
レドラの街とは何なのか。そして、これから自分たちはどうなるのか──。

『これは、どういう意味なの……?』
 獺の娘のうち一頭が、二重の円と放射状の線が組み合わされた図案の焼き印が押された下腹部の、
少し上あたりに手を当てて聞いた。彼女にとって、今、身を襲っている痛みから意識を逸らすことが
できないのだろう。それが最初に口を突いて出た疑問だった。
『それは、牝の性器を表しているんだ』
『性器……?』
『そのマークのすぐ下に、同じものが付いているだろう?』
『あ……』
 以前はおしっこをするだけの場所だと思っていた、その桃色の柔らかい露出した肉の狭間に穴が──、
今では指の数本くらいは挿し込めるほどになってしまった穴が開いていることがずっと不思議だった。
 これを、性器っていうんだ──?
 ルルカたちは股間を覗き込んで、改めて自分の体に付いているものを確かめた。獺狩りで捕えられ
る前はほとんど目立たなかったその部分は、赤く腫れ上がり、ぬるぬるした液体を滲ませている。
『何で体に穴が開いてるの?』
『それは、本来、子供が生まれてくるところなんだ』
(やっぱり、そうなんだ)
 ルルカは、そして、同じように無垢のまま育った牝獺たちは、自分の体についてようやく理解し始
めた。これは女性の体に必ず在るもので、自分の母親にも在るその場所から自分が生まれてきたのだ
と知った。
 しかし、牢獄の生活を続けるうちに、どうしてそこからとろっとした液体が滲みだしてくるように
なったのか。自分の体はどうして今、恥ずかしいくらいにその液体を溢れさせてしまっているのか。
この液体はいったい、何なのか。どうして、そこを異物で擦り上げる行為に、快感が伴うのか。まだ
分からないことばかりだった。
『やれやれ、何で俺がお前たちの性教育をしなけりゃならないんだ』
 ため息をつくジエルも、貞操観念の強い獺族が性について知るのはずっと成長してからのことだと
分かっている。これは過去に何度も繰り返してきた問答だ。
『どうやってこの穴から子供が生まれるの?』
 自分たちの状況も忘れて、三頭の牝獺は好奇心を小さな円い瞳の奥に覗かせる。
 ジエルは答えるのに少し躊躇うような素振りを見せた。後から思えば、それを知ることでルルカた
ちの苦しみが大きくなる、と彼は考えていたのだろう。
『お前たちがいつも道具を出し入れしていたところ、あれを膣って言うんだ』
『膣?』
『子供が生まれるときの通り道さ。その更に奥にあるのが子宮、
 子供が外の世界で生きられるほど大きくなるまで、母親が自分の体の中で育てる場所だ。
 そうだな、ちょうどその焼き印のあたりから上に向かって縦長の肉の袋があるのさ』
『女の子の大事なところ……』
『そうか……。そんな風に教わっているのか』
 異口同音に呟いた牝獺たちを、ジエルは憐れみを込めた目で見た。

521かわうそルルカ 3-2/10 ◆q6hKEmO86U :2012/04/12(木) 06:36:37.36 ID:vEiLWUY+
『私たちの体……どうなってるの?』
 一頭の牝獺が、呟くように聞いた。
『発情してんだよ、お前たちは』
 ジエルはやり切れない様子で、いつもの乱暴な口調に戻って答える。
『発情……?』
『そんな風に一年中、汁を垂れ流す牝は、お前たち獺族だけだ。
 それはいつでも使えますよと言ってるようなものだ』
『使う?』
『そう、そこを使ってお前たちは街の男に奉仕するんだ』
『どんな風に……』
 奉仕、というジエルの言葉に一気に不安の気持ちが膨らむ。
 これまで何を聞いてもまともに答えてくれなかったジエルが、どうして今になって色々教えてくれ
るのか。それは、ルルカたちにこれからの運命を悟らせるためなのだろう。そう分かっていても、
ルルカたちは聞くのを止められなかった。
『もういいだろう?
 この後、すぐ分かることなんだ』
 ジエルは、ルルカたちの問いを遮った。
『祖先が近いからと言っても、
 獺の言葉を使うのはすごく疲れるんだ』
 そう言って、喉を押さえる。
 知らなかった。
 ジエルの言うことが本当なら、彼はルルカたちの前で悪態をついたり、愚痴を吐いたりするときに
も無理をして獺語を使っていたことになる。どうして、わざわざ──。
(それは私たちが、寂しくないように……?)
 その想像が当たっているのか、ルルカには全く確証が持てない。これまでの彼の態度とあまりにも
格差があったからだ。しかし、今、彼が牝獺たちに向けているのは、肉親や仲間たち以外の者から初
めて受けた優しさである、とも思えるのだ。
 ルルカははっとしてジエルの顔を見上げた。お礼を言わなくては、と思った。
 しかし、言葉に出そうとしても、口がパクパクと動くだけで声にならない。彼の温情に応えようと
する気持ちより、自分に待ち受けているこれからの生活に対する不安の方が勝っていたのか、それと
も疑いを打ち消せなかったのか。
 ジエルはルルカの頭にそっと手を置いて、優しく撫でるような仕草をした。
『儀式が始まれば、もうお前たちとは会話ができなくなる。
 これが最後の言葉だ』
『え? 今、何て……?』
『儀式は、これからだ──と言ったんだ』
『!?』
『死ぬんじゃないぞ』
 ジエルはそう言い残して、ルルカの前から離れた。

 ルルカは殴られたようなショックを受ける。ジエルが言っていたように、この後すぐ、ルルカたち
はそれぞれ別の場所、街のどこかへ連れて行かれ、鎖で繋がれるのだと思っていた。恥ずかしい烙印
を押された丸裸の体、その浅ましい姿を街灯の明かりの下に晒されるのが、儀式の締めくくりだと思っ
ていた。
 ルルカたちには、さらなる恥辱と、本当の地獄が待っているのだ。拘束用の金属環、毒針、衆目監
視の中での排泄、焼き印──、それらはこれから行われることの準備でしかなかった。

522かわうそルルカ 3-3/10 ◆q6hKEmO86U :2012/04/12(木) 06:37:44.69 ID:vEiLWUY+
『ジエルは何て言ってたの?』
『まだ……、儀式はこれから……だって』
 ルルカの言葉を聞いて、他の二頭の牝獺も絶句する。
 三頭はいきなり頬を強く叩かれ、悲鳴を上げる。ジエルと入れ替わりに、豹頭の男たちが立ちはだ
かっており、牝獺たちが会話をしたことを咎めたのだ。
 ルルカが彼女たちと言葉を交わしたのは、これが最初で最後になった。牝獺たちは引き離され、鎖
を引かれてそれぞれ三本の柱の前に引き立てられた。

「仕上がりを確認してくれ」
 三人の男たちが、それぞれ牝獺の体の検分を始める。大きな鋭い爪の生えた手が、ルルカの乳房を
撫でた。男の手は充分に膨らんだ牝獺の乳房の重量感を楽しむように、持ち上げたり、軽く握り潰し
たりを繰り返す。ルルカの呼吸は次第に荒くなってくる。オトナになって膨らんだ乳房を初めて他人
に触られる感触に怯えるルルカの乳首は、ガチガチに硬くなっていた。
 指先が乳首に触れる。敏感になった部分を触られ、ルルカは自分のそこの様子がいつもと違うこと
に驚く。痛みとも快感ともつかない刺激が体を走り、身をビクッとさせた。男の手が刻まれたばかり
の下腹部の傷跡に触れる。チリチリとする痛みに、ルルカは歯を食いしばって耐えた。
 そして、無慈悲な指先が、ルルカの股間の柔らかい部分を捉える。触られたことで改めてそこが信
じられない状態になっていることを気付かされる。体の奥から溢れてくるあの液体が、これまで経験
したことがないほど大量に滲み出していた。
 しかもそれは、牡獣の指先で、糸を引くほどのねばねばした状態に変質していた。
「──充分な仕上がりだ」
 体に熱の溜まった牝獺の体は、ただでさえ興奮し易い状態になっている。そこへ、身も凍るような
残酷な仕打ちを受け、生命の危機に曝された。ルルカたちの身に起こったのは、極限状態に置かれ、
せめて子孫を残そうと生殖機能が活性化するという、牝獣の体の自然な反応だった。ただ、そんな理
屈を彼女たちが知るはずもない。
(これが発情……しているってことなの?)
 ルルカたちを取り巻く群衆にとっても、獺たちの身に起きていることを理解する必要はなかった。
憎しみの対象である牝獺たちが浅ましく牡を求めて淫液を滴らせている姿が愉快で仕方がない。誰も
が獺族が貞操観念の強い種族であることを知っているだけに、その侮蔑は倍増する。
 淫らな牝獣に対し、口々に嘲笑の声が浴びせられる。
 彼らの言葉が分かるルルカばかりでなく、残る二頭の牝獺も、その声の調子から自分たちが蔑まれ
ていることを悟って、惨めさに啜り泣いた。
「あれ、濡れてるんじゃない?」
「うそ、信じられない……」
 ルルカの耳に、そんな、同性と思われる声も飛び込んでくる。教わったばかりの「発情」という言
葉の意味はまだ理解できていないが、自分たちの今の状態が恥ずかしいものであることは痛いほど分
かった。
(恥ずかしい……。でも、何で恥ずかしいんだろう……)
 裸を見られていること自体が、恥ずかしいと思う。さらに見られることで体が勝手に興奮して息を
荒げてしまっていること。見られれば見られるほど体が疼いて、股間から溢れ出す粘液の量が増す。
そんな自分が恥ずかしい。
 ルルカは、やはりあの老クズリのジルフに騙されていたのではないかと思った。性器を常に刺激す
るよう仕向けたあの道具が、自分の体をこんなに惨めにしてしまったのではないか、と。ただ、それ
は結果に過ぎないのかも知れない。ジルフは、ルルカたちが儀式で命を落とさないように、そうさせ
ているのだと言った。
(そういえば、儀式の際に死んでしまうことがあった……、って──?)
 ルルカは、それを思い出して身震いする。ジエルも先ほど、死ぬなと告げて去って行った。その儀
式はまだ始まってもいないのだ。これからどれほど恐ろしいことがこの身に降りかかろうとしている
のか──。

523かわうそルルカ 3-4/10 ◆q6hKEmO86U :2012/04/12(木) 06:38:46.28 ID:vEiLWUY+
 群衆のざわめきが収まるのを待って、豹頭の男たちは再び動き始めた。ジエルばかりでなく、ジル
フの姿ももう無い。クズリ族の役目は儀式の準備の段階まで、ということらしかった。それはこの先、
ルルカたちに通訳が必要ないことを意味する。何も知らされず、恐怖に怯えたまま儀式を受けること
も、獺族に対する罰の一環なのだろう。
 男たちは三頭の腕を捻りあげ、背中に回して縄で軽く縛る。鎖が柱の頂点に繋がれ、多少の余裕は
あるものの、ルルカたちは腰を地面に落とすことができなくなった。それは性器を守ることをできな
くするための拘束であることに、彼女たちはまだ気付かなかった。

 三本の柱の前に、恥丘に卑猥な刻印を刻まれた牝獺が並んだ。
 腕を縛られ、胸も股間も隠すことができず恥ずかしさに震える三頭は顔を伏せて恐怖に耐える。
 そして、恐れていた瞬間が訪れた。
「準備はできた。始めてくれ──」
 豹頭の男の一人が、合図をすると、広場に鐘の音が響き渡った。

 怯えるルルカたちの前に、それぞれ一人、立派な体格の男たちが立った。
 それは、獺狩りの部隊の中にも、シエドラの群衆の中にも見たことのない種族だった。
 原色に近い赤の衣装の男が一人、青い衣装の男が二人。引き締まった筋肉質の体と胸から背中、首
筋を覆う立派な鬣状の毛──。窮屈に上半身を包む衣装の胸元から、自慢するかのように豊かな毛を
剥き出し、ぶかぶかした布製のズボンを着けた下半身には、後ろに突き出した流線形の長く太い尾が
見える。
 赤い眼、鋭い眼光のその異種族の男たちに睨まれ、三頭の牝獺はいっそう震え上がった。
 豹頭の男たちがお辞儀をして場所を譲る。彼らはこの街の特別な身分の者であるらしい。二足歩行
に適した姿に進化した数々の種族の中で、特別に小柄な獺族と対照的に、突出した身体と能力に恵ま
れた、狼族の男たちだった。

 ルルカの前に立った赤い衣装の狼族は、毅然と立つ他の二人と違って、体を屈め、口吻が突き出た
大きな顔をルルカに近付けた。
「俺はくじ運がいいな。こんな器量のいい娘に当たるとは」
 落ち着きと気品を帯びた鋭い眼光からは想像できないような言い回しにルルカは驚いた。それでも、
褒められていることが分かり、緊張が解ける。男の低く唸るような声質は、父の声に少し似ていてど
こか懐かしさを感じさせた。
(あっ……)
 狼の指先が、ルルカの乳房をそっと撫でた。先ほどの男たちの検分と違う、優しい感触にルルカは
ぞくっとした。それはルルカがこれまでに与えられたことのなかった愛撫の手つきだ。男の指は、
ルルカのどろどろになった股間をまさぐる。
「よく濡れているな。ジルフの考えたっていうあれの効果か……」
 その男の指先の動きに、不快感は無かった。怖いのに、どこか安心できるような不思議な感覚が
ルルカを襲った。発情した牝の体が愛撫を求めているのだということを、何も知らないルルカが当然、
意識してようはずもない。もうしばらく触っていて欲しいとルルカは思ったが、男は手を離してしま
う。
 ここまでは独り言のように呟いていた男は、ルルカの頭に優しく手を乗せ、ルルカに声をかけた。
 そう、それは、はっきりとルルカに向けられた言葉だった。

「俺がお前の相手をする、ウォレンだ。お前は──」

 公用語が獺族に通じるはずがないことは、彼も分かっているはずだった。しかし、狼族の気質か。
礼儀を重んじるあまり、そうして名乗りを上げたのだろう。
 ウォレンと名乗った男の語りかけがあまりにも自然だったからか、頭を撫でるような彼の手つきに、
先ほどジエルから受けたのと同じ、優しさのようなものを感じたからか。
あるいは、ずっと誰かに聞いて欲しかったのかもしれない──。
 ルルカの口は、勝手に動いていた。

「私は、ルルカっていうの──」

524かわうそルルカ 3-5/10 ◆q6hKEmO86U :2012/04/12(木) 06:41:18.46 ID:vEiLWUY+
 はっとして口を噤んだときには、もう遅かった。
 公用語で、喋ってしまった──。
 男の目が大きく見開き、ルルカに取り返しのつかないことをしてしまったことを気付かせる。やは
り、獺が公用語を話せてはいけないのだ。ルルカは血の気が引く思いで、狼の反応を待った。
「お前……」
 そう言ったままウォレンはしばらく冷静さを取り戻すのに手間取っていたようだった。やがて、
ウォレンは、喧噪にかき消されて二人の間でしか聞き取れないくらいの小声で言った。
「ルルカっていうのか……。
 いや、答えなくていい。ずっと隠してきたんだろう?
 皆に知られたら、大変なことになる」
 大変なこととは……?
 それを聞こうとしたルルカは、ウォレンの吸い込まれるような真紅の瞳に射竦められ、怯えながら
頷いた。ウォレンの眼光は、ルルカが公用語を口にすることは命に関わるほどの深刻な結末を彼女に
もたらすのだと語っているようだった。
「黙っててやる。俺たちだけの秘密だ。決して他の誰にも知られるんじゃないぞ──」

 再び、鐘の音が鳴った。「始めてください」と豹頭の男が、獺の前に立つ三人の狼たちに告げた。
 何を──?
 不安な表情を浮かべるルルカの口吻をぎゅっと掴んで、ウォレンは声を出すなと念押しした。
「お前が泣こうが喚こうが、これから起こることは何も変わらないんだ」
 ウォレンはそう告げて、他の二人の狼たちがすでに始めているのと同様に、狼族の衣装である下半
身を緩く覆う布のズボンの結び紐を緩め、腹部と同じ色の白い毛に包まれた牡獣のシンボルを露出さ
せる。
(……何? これ……)
 ルルカはちょうど目の前に突き出された、見慣れない器官に驚愕した。天を向いた白い筒状の毛鞘
の先端に、何かが飛び出してきそうな裂け目が見える。鞘の下には、大きな玉子型の白い毛玉が二つ
ぶら下がって揺れている。
(これも性器なの? 男の人の……)
 ルルカは先ほどジエルから教わったばかりの言葉を思い浮かべた。知識を総動員して考えると、
それは子供を胎内に身籠ることと関係しているはずだったが、とてもそうは思えない。性器、という
その言葉に相当する公用語をまだ知らないルルカには、ウォレンに尋ねることもできない。
 牡と牝とでは、股間の構造が違うことぐらいは、ルルカもなんとなく知っていた。しかし、獺族の
牡のペニスは、水中での行動に邪魔にならないよう進化したため、普段は僅かに飛び出した突起に過
ぎない。睾丸も体の中に埋没して、外側からはほとんど分からない、つるんとした股間なのだ。
 目の前の、あからさまな形状の牡獣の性器に、ルルカは恐怖すら覚えた。この白い鞘の先端から、
おそらくこの牡狼は小便をするのだろう、とルルカは思った。だから、いっそう、何故、今このとき
にそれを出して見せる必要があるのか分からなくなった。おしっこを裸に剥かれたこの体に振りかけ
られ、辱められるのだろうかと思ったが、そうではなかった。
 ウォレンの手が、今度は荒々しくルルカの頭部を掴み、自身の股間に引き寄せる。鼻先に、ウォレン
のペニスの先端があった。ルルカは、そこを舐めるように強制されているのだと悟り、そっと舌を出
す。その毛皮の鞘の先端がぴくりと震え、何かが飛び出してくるのを舌先に感じた。
 小便をかけられるのではと思い、思わず目を閉じ、しばらくして何も起こらないことを訝しんで目
を開けたルルカは、驚きのあまり、息を詰まらせる。
 毛皮の鞘から飛び出した赤い肉の塊が目の前にあった。それは、みるみるうちに大きさを増してい
った。心臓がばくばくと痛いほどに脈打つ。ルルカは突き付けられたその禍々しいものに視線を釘付
けにされた。自分の股間に開いた穴、そしてこの槍のような牡の──性器……。ルルカは、本能的に
それが自分の体に突き入れられるべく、そこにあるのだと悟った。
 ただ、それはあまりにも大きい。だんだん自分の置かれた状況を理解し始めたルルカを恐怖が蝕む。
 ジルフの指示で股間に収めておくよう渡された道具が、このときのためにルルカの体を拡張してお
くものだったことを知る。しかし、ルルカの鼻先に突き付けられている肉の槍は、これまで体に収め
たことのある道具のうちどれよりもずっと、大きかった。
525かわうそルルカ 3-6/10 ◆q6hKEmO86U :2012/04/12(木) 06:42:20.16 ID:vEiLWUY+
 表面に浮き出た赤黒い血管が散りばめられた、禍々しい形のもの。それは狼族特有の巨大なペニス
だった。
 体の底に、妖しい疼きが起こる。ルルカの発情した体が、牡を受け入れることを欲しているのだが、
彼女にその自覚は無い。頭をぶるぶると振っておかしな感覚を振り払った。それどころではない事態
が、目の前に迫っている。

「入れるの……?」
 震える声で問う。
「そうだ」
「入らないよ……」
 じわりと涙が滲み出る。
「何度も言わせるな。お前の運命は変えられないんだ」
 ウォレンはルルカの胸の上の金属環を掴み、「始めるからな」と告げた。
(何を──?)
 答えの分かり切った問いは声にならなかった。
 ルルカの頬をぽろぽろとこぼれた涙が伝って落ちる。あんなものを入れられたら、お腹が裂けてし
まう──。
 近くで上がる他の牝獺たちの絶叫が、ルルカの恐怖を倍増させる。獺語にもならない叫びに続いて、
『痛い、痛い』『助けて』という言葉が飛んだが、この広場で牝獺を取り巻く誰もが、彼女たちの言
葉の意味を理解することはないのだ。
 そして、同じことがルルカの身にも行われようとしている。
「優しくはできないからな。
 ここに居る者は皆、俺がそうすることを期待している」
 ウォレンはいきなり、ルルカの膣に指を突き入れた。体の中を他人に触られる初めての感覚にルルカ
は怯える。狼族の爪が、柔らかい肉の壁をちくちくと刺激した。『痛いっ』と獺の言葉で叫んで、小
声で「痛いの…」と訴えた。
 ウォレンはその言葉を無視して、指を引き抜くと、無造作にルルカの片足を掴み、金属環と一緒に
持ち上げた。牝獺の小さな体は、それだけで完全に宙に浮いてしまった。
 もうルルカには抵抗のしようがなかった。
 何の躊躇いもなく、大きなペニスがルルカの体に挿し込まれた。圧倒的な質量のものが、ルルカの
小さな入口を押し広げながら侵入してくる。太さだけをとっても、これまで体に入れたことのあるも
ののゆうに倍以上はある。いや、もっと──?
 焼き印を押し当てられたときと似た痛みがルルカを襲った。今度はそれがじりじりと長く続くのだ。
全く慣らしもせずに、このときになっていきなりペニスを突っ込まれていれば、ショック死をしても
おかしくない痛みだった。ルルカは、ジルフを疑ったことを悔いた。確かに彼のおかげで、ルルカた
ちは死なずに済んだのかもしれない。それ思うほどに股間に感じる激しい痛みは想像を超えていた。
痛みから逃れようとしても、胸の上部に嵌められた金属環をしっかりと掴まれ、股間に大きな楔を打
ち込まれていては、僅かに体を逸らすことすら許されなくなってしまう。

 自分の身に何が起こっているのか、混乱する頭では理解のできない牝獺たちだったが、初めての男
性経験がこのような形で訪れることが彼女たちの心を深く傷付けたことに変わりは無い。これほど惨
めな性行為があろうか。衆目監視の中、自分たちだけが裸に剥かれ、拘束され、焼き印まで押された
惨めな体を凶器のような肉の槍で貫かれる。苦しみ悶え泣き叫んでも、誰も救いの手を差し延べよう
とはしない。それどころか、牝獺たちの呻きを掻き消すように、大きな歓声が上がる。
 憎き獺族が苦しんでいるさまが愉快なのだ。

 止めようのない痛みが断続的に体を襲い、ルルカはそれをひたすら耐えねばならなかった。
 体に異物を押し込まれているだけで、勝手に胸がはぁはぁと激しく喘いだ。子供の頃、野原を全力
で駆け回って、それ以上走れなくなってひっくり返ったときのように、全身が新鮮な空気を求めてい
た。
 頭がぼーっとしてくる。そのまま意識を失いそうになったが、苦痛から逃れることは許されなかっ
た。ウォレンの手が、ルルカの頬を軽く叩き、正気付かせる。
「体の力を抜け。本当に辛いのはここからだ」
「えっ?」

526かわうそルルカ 3-7/10 ◆q6hKEmO86U :2012/04/12(木) 06:44:44.65 ID:vEiLWUY+
 思わず、苦痛を感じている部分を覗き込んで、ルルカはすぐに後悔した。先ほど見た恐ろしい長さ
の牡の性器は、まだ半分も体の中に入ってはいなかった。
 ウォレンはルルカを胸の環だけで吊り上げ、腰を上下にゆっくり揺らし始めた。肉の楔が槌で叩き
込まれるかのように、ルルカの体内に突き刺さる。更に強い痛みがお腹の中心部に沸き起こった。
(やめて……)
 ルルカはウォレンが何をしようとしているのか理解した。彼の股間から突き出したものの先端は、
ちょうど今、刻まれた焼き印の下あたりを抉っているのだ。そこはジエルが、そして、かつて母が教
えてくれた、子供を宿す女性の神聖な器官があるところ──。
 獺族は水中で活動するため、、他の二足で立つ種族のような筋繊維に包まれた子宮と違い、四足獣
に近い原始的な縦長の子宮を持っている。重力に対抗する必要がないため、子宮口も他の種族ほどし
っかり閉じているわけではない。
 狼族の巨大なペニスの先端が、これまで開いたことなどない若い牝獺の子宮口を割っていた。牝獺
たちのそこは、異物の侵入をあっさりと許してしまった。体を引き裂くような痛みが走る。それは堪
える術がない恐ろしい痛みだ。
 体の奥を激しく突かれ、抉られながら、牝獺たちはこの儀式の目的をおぼろげながらに感じ取った。
 獺族の命を繋ぐその場所を穢し、彼らの尊厳を貶めること──。
 牡狼たちが腰を突き出す度に、牝獺の子宮は拡張され、牡の欲望を流し込む容器として造り変えら
れていった。体の奥で何が起こっているのか、ルルカには分からなかったが、突き上げられる度に走
る痛みが、取り返しのつかない変化を体にもたらしていることに薄っすらと気付き、嗚咽した。
 ウォレンが腰の動きを止めると、近くに居た男たちが、柱からルルカを拘束していた鎖を外し、手
を縛っていた縄を解いた。ルルカは思わず自分に苦痛を与える大きな牡獣の胸に、短い前足で必死に
しがみついた。何かにしっかり抱き付いていないと、繋がった部分が引き攣れを起こすように痛むの
だ。ルルカは獺族の鋭い爪──水中で魚を捕えるために発達した強力な武器──を狼の体に突き立て
ていた。
 このときでなければ、血を吐くほど殴られてもおかしくないルルカのその行為を、ウォレンは黙っ
て受け入れていた。それは、この地獄の儀式の中で牝獺に僅かに与えられた慈悲のようでもあったが、
牝獺がそういった抵抗を見せることは織り込み済みである。狼は、ただ寡黙に、自分の責務を果たそ
うとしているだけだ。
 しばらくの間は好きにさせていたが、ルルカの荒い呼吸が多少落ち着くのを見計らい、ウォレンは
彼女の体をしっかり掴むと、小さな獺の腕を体から引き剥がし、ぐるりと半回転させた。
『ん……ぐっ』
 体の中で、大きな質量を持ったものが回転し、内壁を擦り上げる。
 体に突き刺さった牡の性器としっかり掴まれた金属環でウォレンの正面に体を固定されたルルカは、
膣口のすぐ内側でウォレンのペニスの根本が大きく膨らんでゆくのを感じて、悲鳴を上げた。足をば
たばたさせて逃れようとしたが、それを止めることは叶わなかった。
(もうやめて……)
 次から次へと、信じられないような災厄が身を襲った。狼族の牡の性器は牝の体に挿入された後、
根本にある巨大な瘤状の膨らみで固定され、射精が完全に終わるまで繋がったままとなる。そんなこ
とをルルカが知るはずもなかった。ルルカはそれが二度と抜けなくなってしまったのではないかと
思った。

527かわうそルルカ 3-8/10 ◆q6hKEmO86U :2012/04/12(木) 06:45:50.15 ID:vEiLWUY+
 他の二頭の牝獺も、ルルカと同じように牡狼に体を完全に貫かれ、数倍ほどにも見える体格の牡獣
の体の全面に磔のようにされてしまっていた。
 狼たちは牝獺の胸の環を体に引きつけ、憐れな小さい獣の裸身を観衆の前に晒す。狼は見せつける
ようにゆっくりと体を回転させ、ふっくらと膨らんだ成熟した牝獣の乳房がゆらゆらと惨めに揺れた。
恥ずかしかったが、牝獺たちは、獺の心得を思い出し、腕をだらんと垂らして、胸を隠さないように
努めた。
 下腹部には、赤く腫れた傷跡で描かれた牝の性器を表すマーク。すぐその下にある本物の性器は、
太い楔を打ち込まれ、限界に近いほど広げられていた。両足は引き攣るように左右に開き、あまりに
も受け入れているものが大きくて閉じることができず、恥ずかしい結合部分を余すところなく晒して
いる。
 視線を落としたルルカは、自分のお腹が異様な形に膨らんでいるのを見た。巨大な狼族の男性器が
内臓を突き上げ、体の半分ほどまで埋め込まれているのだった。
 焼き印の形が不自然に歪んでいる。体内のその位置にある子宮も、当然、原型を保っているはずが
なかった。

 打ちひしがれたルルカを、更なる絶望の予感が包んだ。上半身を屈め、ルルカの肩越しにふっふっ
と荒い息を吐きながら、体を小刻みに震わせるウォレンの様子は、何かが差し迫っていることを示し
いていた。
 次に起きることは……。
 ルルカは自分の体に押し込まれているものが、小便を出すところだということを思い出し、ぞっと
する。
「……おしっこ、するの……?」
 身を捩ってウォレンを見上げ、小声で尋ねる。
「おしっこか……、そうだな、お前たちにとっては似たようなものだ」
 ウォレンは事もなげに答えると、いきなり体を大きくぶるっと震わせた。
 熱い液体が、激しい飛沫をあげてお腹の中に満ちてくる。
『うわあぁぁ……』
 信じたくない出来事だった。体の中に排泄されている──。
『やめて、やめてっ!!』
 頭を振り乱し、泣き叫ぶルルカの胎内を、不浄な液体が、内側から汚していった。新しい命を育む
ための場所が惨めに穢されてしまった。
(お母さん、ごめんなさい……。こんなことになるなんて──)

 お腹の中におしっこをされてしまった。
 小さい頃から何度も聞かされてきた、獺族の誇り。逃亡生活を余儀なくされながらも、誇り高い種
族であると──。そんなのは嘘だった。いや、「嘘にされて」しまった。
 焼き印を押されたときは家畜の身分に堕ちたことを思い知った。今の自分は、それよりももっと惨
めな、家畜以下の存在だ。

 狼の射精は、最初のうちの勢いはしばらくして衰えたものの、断続的に延々と続く。射精を続けな
がら、ウォレンは膝をつき、ルルカの体を石畳に降ろした。
 大きな狼族の手が腹部に当てられ、ルルカはそこが流し込まれた液体でパンパンに膨らんでいるこ
とを思い知らされた。手足が地面に触れると、ルルカは屈辱と恐怖に震える体で、それでも必死に逃
げようと地面を掻いた。
(どうして……!?)
 もう体のどこも掴まれていない。それなのに、どんなにもがいても前に進まなかった。
(ああ……、性器が──)
 ルルカは思い出した。先ほど、体の中で感じた恐ろしいほどの圧迫感。
 牝獺と牡狼の性器は密着していた。いや、牡狼のそのペニスの特殊な構造が、牝の体を繋ぎ留めて
いた。行為の全てが終わるまで、相手を逃がさないのだ。この儀式を行うのに彼らが適任である理由
が、この特徴的な射精にあった。愛し合う同種族の者にとっては愛情を育むこともできるその仕組み
は、小さな牝獣の体を凌辱し尽くし、絶望を与えることにも最大限の効果を発揮していた。

528かわうそルルカ 3-9/10 ◆q6hKEmO86U :2012/04/12(木) 06:46:53.81 ID:vEiLWUY+
「"練り込み"を始めてください」
 ルルカたちの耳には無機質な響きに聞こえる公用語で、豹頭の男が狼たちに告げた。
 短い手足で四つん這いの姿勢にさせられた牝獺に、ペニスを挿入したままの狼が、後ろから体を押
し付けている。その腰が、二・三回ゆっくり動いたかと思うと、前後に激しく揺さぶられ始めた。獺
たちの小さなお尻も、その動きに合わせて振り回される。
 三頭の獺の甲高い悲鳴が広場に響き渡る。
 これが、"練り込み"という儀式の行程の一つで、牡のペニスを牝獺の体に馴染ませるための行為だ
った。この後、シエドラでの過酷な生活を迎える牝獺たちにとっては、早めに慣らされておくという
意味では、むしろ有難いことであったが、今の彼女たちにはそんな理屈は救いにならない。
 精液で膨らまされた子宮をさらにペニスの先端が何度も抉り、激しい痛みが与えられる。気絶しそ
うになり、また痛みで目を覚まされることの繰り返しに牝獺はいっそこのまま殺して欲しいとまで思
った。しかし、しばらくしているうちに、牝獺たちは恐ろしいことに気付く。
 頑丈なことが取り柄の獺族の体は、徐々にこの陰惨な状況にすら慣れてきていた。子宮が牡の形に
馴染んできたためか、お腹に感じる痛みは次第に和らいでいく。
 ただ、それでももう一箇所、刻まれてまだ間もない焼き印の火傷の跡に、狼族の大きな睾丸が打ち
付けられる痛みは薄れることなく、ルルカたちを苦しめた。その位置に刻まれた印は、こうして犯さ
れる度に獺たちに身分を思い起こさせるためのものでもあるのだ。

 豹頭の男たちが新たな合図を出し、ルルカたちは狼に犯される姿のまま、観衆の検分を受けること
になった。様々な種族の街の住人が、男と言わず女と言わず、ルルカたちの体に触れる。その瞬間だ
け狼は腰の動きを止めた。憎しみを込めて乳房や頬を平手で打つ者が居れば、牝獺の腹部に手を当て、
その小さな体の中に吐き出される射精の脈動を感じ取ろうとする者も居る。
 皆、獺族の惨めな姿を確かめると、満足そうな表情を浮かべて離れていく。

 一時間ほどの時が過ぎた。
 最後にまた体の奥に勢いのある液体の射出──、狼族の体内で交尾中に生成される大量の前立腺液
が吐き出されるのを感じながら、ルルカは疲れ果てた体をぐったりと地面に横たえていた。お腹がさ
らに膨れ上がったが、もう嘆く気力も無かった。
 体からウォレンのペニスが引き抜かれ、代わりに大きな木製の球が股間に押し込められる。
 ウォレンの声がぼんやりと聞こえる。
「この娘はどこに?」
「この広場担当だ。後ろの壁に繋ぐ予定だ」
「そうか、可哀想にな……」
 何が、どう可哀想なのだろう──。
 顔を起こすと、ウォレンの姿はもう無かった。ジエルも、ジルフも、知った顔はどこにも居なかっ
た。
「見ろよ、精液でぱんぱんだ」
(セイエキ……?)
「狼族の精液が、こいつらの体を変化させるらしい」
「へえ〜」
(変化って……、どういうこと?)
 ルルカの膣には、流し込まれたものがこぼれ出さないように、狼の性器の根本にある膨らんだ瘤と
同じか、少し大きいくらいの球が挿入されていた。同じ大きさの球が、三頭の獺たちの口にも押し込
まれ、ベルトで固定される。獺同士、互いに言葉を交わすことが禁じられたのだ。
 まだ空には闇が広がっていたが、広場に集まった群衆も今ではまばらになり、儀式の終焉を告げて
いた。しかし、ルルカたちの悪夢はまだ終わりではない。

529かわうそルルカ 3-10/10 ◆q6hKEmO86U :2012/04/12(木) 06:48:05.86 ID:vEiLWUY+
 広場の中央にある噴水。その池の縁に新たに三本の柱が立てられた。上部には横木が十字に組まれ、
下へ目をやると、池に向かって鳥の止まり木のように棒が突き出している。
 下部の棒に目の粗い布が巻かれた。そこはちょうど牝獺の股間が当たる部分になるのだ。三頭の牝
獺は、改めて柱に固定された。横木には腕を左右に開いた形で縄がかけられた。両脚は拘束されなか
ったが、宙に浮いた状態で足先が掛かる場所もなく、だらりと垂らすしかない。
 尾はきつく柱に縛り付けられる。その先端が地面に触れるかどうかという高さで、三頭は身動きが
取れない姿にされた。体は噴水の方へ向けられている。観衆に対し晒し者にするのが目的ではないよ
うだった。
 広場から、人々の気配が消えていく。ルルカたちは、裸身を磔にされ、噴水池の前に放置されたの
だ。
 街灯が照らす広場から見上げる月の無い空は、漆黒の闇に見えた。
 噴水の水は止められており、風も無く、鏡のようになった池が目の前にある。牝獺たちは、惨めに
変形させられた己が身体を水面に眺めながら、明け方までの時間を過ごすことになる。
 それは彼女たちの中に残った僅かな尊厳の残滓までも奪い去ろうとする仕打ちだった。
 荒い呼吸に合わせて上下に揺れる剥き出しの乳房。二度と外すことのできない、不気味な銀色の金
属の環。まだちりちりと痛む、卑猥な模様の描かれた焼き印の痕。精液で膨らまされたままの子宮──。
 一生覆い隠すことの許されない、惨めな牝獺の日常の姿がそこにあった。
 性に疎い獺の娘たちは、まだ体の中に小便を排泄されたと思っている。大きな木製の球で膣口を塞
がれ、その液体を胎内に留めておくよう強制される屈辱に喘いだ。それが体に染み込んでくる想像に
囚われ、身悶えた。
 ルルカだけは、それが精液というものだと男たちの会話から聞き知っていた。狼族の精液が体を造
り替えるという、街の男たちの会話が気掛かりだったが、口に嵌め込まれた球に阻まれ、他の二頭に
それを伝えることは叶わなかった。

 さすがに疲れが出たのか、眠気が襲ってくる。ルルカは、淡い恍惚に包まれていた。既に恐ろしい
体の変化が始まっていることを、彼女は知らない。ぼんやりと、いつかジエルにお礼を言わなくちゃ、
と思った。湧き上がるその気持ちが、今置かれた状況から逃れまいとする悲しい心の動きだとは、
ルルカ自身は思わない。
 大事なのは、気持ちを表す言葉──、何度も母にそう言われていた。ルルカは、素直にありがとう
と言えなかった自分を責めた。
(間違いない。ジエルはきっと、私たちが寂しくないように無理をして獺の言葉を話していたんだ──)
 しかし、その彼自身の言によれば、クズリ族が牝獺と会話をすることはもう無い。
 ルルカが彼に礼を言う機会は、どれだけ願おうとも、決して訪れないのだった。
530 ◆q6hKEmO86U :2012/04/12(木) 06:51:42.59 ID:vEiLWUY+
以上です。

次回、かわうそルルカの生活 第四話は、サブタイトル『水瓶と獺』

「何故、獺族はそんなことをしたの──?」
鎖に繋がれ街を歩かされるルルカを苛む孤独。
泣き晴らし、嘆くルルカにウォレンが見せたものは──?

みたいな感じでお送りします。お楽しみに。
531名無しさん@ピンキー:2012/04/12(木) 23:23:50.64 ID:sqI/PizF
ルルカたん新作キター

上手いしエロいし長くても引き込まれるし面白いしで言う事無いのだが
ルルカと他の二人が可哀想で可哀想で…
どうか救われるENDでありますように…
532名無しさん@ピンキー:2012/04/13(金) 00:49:01.02 ID:BtL2iF4m
お疲れ様!!
ずっと待っていた!! ありがとう!
陵辱の中に思いやりや愛情が見え隠れするって、実際に書いてみるとうまく表現できないのに、
こんなにすっきりと書けるのはやっぱり上手いですよね。これは時間がかかるわけだ。
533名無しさん@ピンキー:2012/04/13(金) 15:23:48.86 ID:rBSjdxmF
切ないなぁ
534 ◆q6hKEmO86U :2012/04/13(金) 23:03:02.27 ID:GwtTRcDn
感想ありがとうございます。
ルルカはこの後、もっと辛い目に遭うと思いますが、
頑張った子にはいっぱいご褒美を用意してます。たぶん
535名無しさん@ピンキー:2012/04/14(土) 00:13:35.25 ID:a917A0Hf
こんなスレがあったとは知らなかった
痛痛しいけどなんか読んでて面白い
536名無しさん@ピンキー:2012/04/15(日) 23:08:02.15 ID:FPAhEP/D
そう言えば、異形化・蟲化スレって落ちたのか?
537名無しさん@ピンキー:2012/04/16(月) 18:57:49.11 ID:DgsL/vEx
たしかに異形化・蟲化スレが見れなくなってますね
どうしましょうか
538名無しさん@ピンキー:2012/04/19(木) 23:00:38.66 ID:x1vLMw4/
ttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1334558943/
異形化・蟲化スレ、新しく立ったみたいですよ
539名無しさん@ピンキー:2012/04/22(日) 22:12:42.08 ID:mmdbWCWQ
このスレ用に書き始めてる作品が一本あるんだが、ここってスカトロネタって大丈夫なんだろうか?
コーヒーのお話なんだけど
540名無しさん@ピンキー:2012/04/22(日) 22:52:38.68 ID:YCSO4SKR
スカトロ……コーヒー?
……ごくり
541名無しさん@ピンキー:2012/04/23(月) 01:23:54.82 ID:Iq4mXCNF
>>539
注意書きさえあれば大丈夫だと思いますよ、このスレ。
むしろ美味しくいただきます。コーヒーだけに
542 ◆q6hKEmO86U :2012/04/23(月) 01:41:56.92 ID:Iq4mXCNF
まだ書き始め、ということなのでお先に失礼して、ルルカの続きを。
この次はまたしばらく間が開いてしまうと思いますので…。

かわうそルルカの生活五回目、第四話
注意事項はいつもの >>442の通りです。
では、
543かわうそルルカ 4-1/10 ◆q6hKEmO86U :2012/04/23(月) 01:43:27.76 ID:Iq4mXCNF
     【4】 −水瓶と獺−

 シエドラには夜の活動を好む種族も住んでいて、眠らない街になっている。それでも、明け方近く
になると人通りもまばらになってくる。儀式の終わった広場にも、もう喧騒は感じられなくなり、
通行人も、噴水池の前に磔にされた牝獺たちを気にするわけでもなく、いつもの生活にいそしむばか
りだ。
 当の牝獺たち──夢うつつであった彼女たちは、身を焼くような熱を感じて目を覚ました。何かが
体の中で起こり始めている……。
 乳首が、空気の僅かな流れを感じるほど敏感になっていた。体中が冒されたように熱くなり、口に
押し込められた木の球の隙間からでは呼吸が足りず、フーッ、フーッと激しい鼻息を立ててしまう。
膣の内側が、ときおり、何かを求めるかのようにヒクヒクと蠢くのを感じる。ルルカは恐ろしくなっ
た。
(これが、街の人が言ってた、変化……なの?
 私たちはいったい、どうなるの──?)
 入口を堰き止められて、精液でいっぱいに満たされた膣の中に、更に自分の体から分泌されるあの
とろりとした液体が滲み出て、体積を増しているような気がした。事実、何の刺激を受けなくても、
彼女たちの体はいつも愛液を滲み出させるようになってしまっていた。
 それなのに……。
 噴水池に映る惨めな体を見下ろした牝獺たちは、ぞっとした。お腹の膨らみは、この柱に括り付け
られたときと比べ、明らかに小さくなっている。それは、狼が体の中に放った液体が、膣や子宮の粘
膜を通して牝獺の血肉に吸収され、全身に染み渡ってしまっている証拠だ。
 恐ろしさに身悶えると、股の部分に突き出した横木に巻かれた荒い布地が、大きな木の球で広げら
れた膣口をちくちくと刺激した。どうやら、それが狙いのようだ。性器が擦られる感覚に反応し、粘
液の量が更に増す。体の中で、狼たちが出した精液と自分の中から滲み出してくる液体が混ざり合い、
対流を起こすのが感じられるような気がする。
 その淫らな液体の湧出が、この日を境に二度と止まらなくなることにルルカたちは気付いていなか
った。何故だかは分からないが、狼族の精液を体の奥へ注ぎ込まれた獺族は、一生発情し続ける体に
なってしまうのだ。シエドラの住民は、獺族を追い詰める長い歴史の中でそのことに気付き、牝獺の
体を利用するための術を発展させてきた。"獺の窯牢"に始まり、金属製の獺の拘束環、焼き印、そし
て、締めくくりがこの儀式だった。
 何も知らない牝獺たちはただ、すすり泣き、恐怖と戦いながら夜明けを待った。

 重なり合った建物の隙間から漏れた朝の陽の光が、広場の石畳に射す頃になって、再び豹頭の男た
ちが現れ、三頭の牝獺を柱から降ろした。
 夜明け近くからずっと、疼く股間を布に擦り付け続けていた牝獺たちは恥ずかしそうに身を縮めた
が、胸の環を掴まれ、排水路の上にしゃがまされる。膣に押し込められていた球が抜かれると、体に
滲み込んだ精液の残りがたらたらと溝に流れ落ちた。
 牝獺たちをしゃがませたまま、男たちは後ろから乳房を掴んでゆっくりと揉んだ。昨夜から敏感に
なったままの乳房に触れられると、そこがスイッチにでもなっているかのように、股間からまたジュ
クジュクと液体が染み出てきた。そのまましばらく、牝獺たちは胸を揉まれ続けた。そうして、愛液
で膣に残った精液を洗い流そうとしているのだろう。ルルカは、その液体が延々と止まらずに滲み出
し続けることに驚く。
 自分たちが昨日までとはまるで違う生き物になってしまったことを実感した。
 若い獺の子宮と膣はそのうちすっかり溜めていたものを吐き出し、これまでのことが嘘のようにし
っかりと肉の壁が閉じ合わされていく。しかし、せっかく元通りになろうとしているその部分に何か
を押し込めたい衝動に駆られ、ルルカは戸惑った。体の内側を何かで満たしたい衝動が湧き起こる。
ジルフに渡されたあの道具が欲しくなった。いや、代わりになるものなら何でもいい。あの狼族の牡
の性器であっても……。再び激しい痛みに襲われるとしても、この妙な体の疼きが治まるなら構わな
い──、そう思って、ルルカははっとする。
(やっぱり、あれは嫌……)
 自分はどうにかしてしまったのだと思った。そしてそれが狼の精液がもたらした変化なのだと、
ルルカは信じたかった。そうでなければ、自らお腹の中の大事なところを穢すような行為を望むはず
がない。

544かわうそルルカ 4-2/10 ◆q6hKEmO86U :2012/04/23(月) 01:44:27.89 ID:Iq4mXCNF
 ふと視線を移すと、他の二頭の獺を、豹頭の男たちが連れ去ろうとしていた。
 男たちは牝獺の胸の金属環に付けられた鎖を引く。この環は乳房に引っ掛かるため決して外れない。
とは言っても、体に貼り付いているわけではなく、多少の隙間がある。環をぐるりと回して先を歩い
て鎖で引き回すこともできるし、鎖を背中側に回し、獺を前に歩かせることもできる。そして、これ
には更に別の使い方もある。
 二頭の牝獺は、男たちの前を疲れ切った体でよたよたと歩いた。ときおり、股間から滲み出る液体
を気にして立ち止まりながら。
 牝獺の一頭が、いきなりお尻を男に蹴られた。軽く突くような勢いでも、予期していなかった攻撃
にバランスを崩し、牝獺は悲鳴を上げて倒れ込んだ。獺の心得を忘れ、尾を下ろして歩いていたのだ。
後ろに男が立てば、牝獺は当然、尻尾を精一杯持ち上げて肛門を晒さなければならない。のろのろと
立ち上がった彼女は、もう一度お尻を突かれ、ようやくそのことに気付いた。
 言葉の通じない牝獺はこのようにして、少しずつシエドラでの生活のルールを叩き込まれていくの
だ。行為の最中、相手の体に触れてはいけない。当然、爪を立てることなど許されない。口元に性器
を突き付けられたら、舐めなければならない。そのとき、少しでも歯を当ててはならない。排泄の意
思表示は、行為が終わった後に速やかに行わねばならない──。
 ルルカの手に、きれいに磨かれた木製のお椀が握らされた。これはシエドラの牝獺の唯一の財産で
あり、日に何度か配給される食事を盛ってもらうために手の届くところに置いておかねばならないも
のだ。牝獺は、必ず犯されながら食事を摂らねばならない。挿入されていないのに食べ物に口を付け
ると罰せられた。客の少ない牝獺の場合、相手が現れるまで食事はお預けになる。これも、彼女たち
に身分を思い知らせるための決まりだった。

 ルルカは、昨日の悲惨な儀式の舞台となった広場の片隅にある建物の壁へ、繋がれた。そしてすぐ
に、ウォレンがこぼした「可哀想に」という言葉の意味を理解した。ジエルの言う「奉仕」の意味も、
痛いほど思い知らされた。
 あっという間に、無数の男たちが、壁に繋がれたルルカの前に列を作った。怯えるルルカは石畳に
突き飛ばされるように転がされ、悲鳴を上げた次の瞬間には、異種族の巨大なペニスを、昨夜処女を
散らされたばかりの膣に挿入されていた。
 男たちの性欲処理用の受け皿、便利な道具──、排泄のための共用奴隷。
 それが、シエドラの牝獺に与えられた立場だった。

 街の中心にある噴水広場には、雨でも降らない限り真夜中でも人通りが絶えない。そこへしばらく
欠員となっていた牝獺が繋がれたとなると、途切れることのない行列ができるのは必至だった。
 広場に繋がれる牝獺には誰よりも多くの牡を受け入れねばならない定めが待っている。
 ルルカはその日から実に三週間、一切の休息を与えられず、犯され続けた。牝獺の生活のルールを
体に叩き込まれた。排泄のとき以外、食事をさせてもらっている間もペニスで体を突かれ続けた。疲
労が溜まり、ほとんど失神するように細切れの睡眠に落ちるその間も、男たちの容赦無い凌辱は続い
た。
 普通の種族ならば確実に、数日のうちに衰弱死するようなこの状況にも、獺族の体は耐えた。かつ
ては水中で一日のほとんどの時間を過ごしていた獺族の肉体は、代謝に優れ、持久力も並外れていた。
ルルカの体はいつしかその日常に慣らされていった。
 三週間経ち、ようやくほんの一息の時間、輪姦の連鎖から解放されたルルカは、自分の体がどのよ
うに変わってしまったのかを知った。惨めに変形させられた性器の形──、それは茶褐色の美しい毛
皮の合わせ目から覗く慎ましい桃色の蕾であったところ。今はそんな面影は微塵もなく、弾けた赤い
ざくろの実のように肉の襞を曝け出していた。開き切った肉の門は恥丘に押された焼き印の図案その
ものだ。ルルカは、その部分が二度と元に戻らないことを予感した。

545かわうそルルカ 4-3/10 ◆q6hKEmO86U :2012/04/23(月) 01:45:26.92 ID:Iq4mXCNF
−/−/−/−/−/−/−/−/−

(あれからもう、半年も経ったんだ──)
 延々と繰り返される屈辱の日常に時間の感覚がおかしくなりそうだったが、人々の会話からルルカ
は暦を知っていた。月日は経っても、あの儀式の恐ろしい経験は昨日のことのように思い出される。
 今、ルルカを"おつとめ"に連れ出し、後ろを歩くウォレンに対するルルカの印象は、儀式のときと
は随分変わっていた。ルルカが思わず名乗ってしまったほどの礼儀正しい狼族の姿は無い。あの原色
に近い赤の窮屈そうな衣装は、儀式のための特別な服なのか、街で姿を見る狼族は、その自前の毛皮
とあまり変わらない灰褐色の上着を身に着けている。ウォレンに至っては、上半身は常に裸だった。
彼は男性であるし、胸を隠さなければならない理由はない。むしろ、狼族特有の筋肉質の胸を覆う豊
かな毛と首筋から背中にかけての立派な鬣を自慢したいかのようだ。
 そのいでたちは彼の性格も物語っている。街の支配階層であり、気品のある振る舞いをする狼族の
中にあって、ウォレンは異端だった。自由を好み、粗野で身勝手で強引、そして、軽薄で意地が悪い。
それがルルカのウォレンに対する評価だ。
 二本足でよたよたと歩くルルカのお尻を、ウォレンがつま先で軽く突く。「お尻をもっと上げろ」
と言いたいのだ。獺族は普通、二足で歩くときは尾の半分以上を地面に下し、体を支える。シエドラ
の獺の心得に従い、お尻の穴を見せるようにして歩くと、どうしても体が左右にふらふらと揺れてし
まう。
 使い込まれた性器と違って、若い牝獺の肛門は薄桃色をしていて、慎ましく、可愛らしい。ウォレン
はそれを後ろから見てニヤニヤしてるに違いない、とルルカは思った。
 裸で尾を上げて歩くと大きく膨らんだ乳房が左右にゆらゆらと揺れるのも惨めだった。
「いつも寝っ転がってるばかりじゃ、筋肉が鈍ってしまうだろう?
 足だけで歩いた方がいい」
 いかにも後付けな理由を彼は口にする。
(好きで寝転がってるわけじゃないよ……)
 ルルカはこのウォレンの意地悪なところが嫌いだった。最初に出会ったとき、頭に乗せられた手の
ひらから感じた優しさは、ルルカの思い違いだったに違いない。

 儀式の後、彼がルルカの前に姿を見せたのは、三週間ほど経ってからだ。
 上半身に衣装を着けていない狼族の毛並に、ルルカは一瞬、目を奪われた。街灯に照らされた灰褐
色の毛皮は美しく輝き、見惚れたルルカは、それが儀式で自分の体を貫いたあのウォレンだと気付く
のに時間がかかった。
 日が暮れ、ルルカの前に行列を作った仕事帰りの男たちを、ウォレンは脅して追い払い、こう言っ
た。
「星を見に行こう──」

 どこから持ち出してきたのか、ルルカを繋ぐ鎖の鍵を外し、今もそうしているように、鎖を握って
ルルカに前を歩かせた。
 広場から街の周辺部に抜ける道を歩き、街灯のほとんど無い石段を数百段登った先に、高台がある。
「ここなら夜は誰も来ないから、声を出してもいいぞ」
 広場と同じくらいの敷地に、腰を下ろせる石でできた腰掛けが点在していた。三週間の地獄のよう
な生活から解放されてほっと安心したルルカは、ずっと疑問に思っていたことをこの狼なら答えてく
れるのではないかと思い、聞いた。
「ねえウォレン、どうして獺族は──」
「ほら、街の灯りが見える」
 ウォレンはルルカの言葉を遮り、ルルカの胸環を掴んで、高台の端にある石の物見台にひょいと乗
せた。
「円い光の中に、小さな暗い円があるだろう。あれがお前の居る噴水広場だ。
 街の中央と言われてるが、実際には少しこっち側へずれている。
 横を走る大通りの端は、比較的新しい居住区シェス地区。
 その手前が肉の市場、ラムザ地区。街の反対の端にあるのが、草の市場ギザ。
 食べ物で市場が分かれているのさ。面白いだろう?」
「えっと……」
 星を見に来たんじゃなかったの?
 そんな嫌味の言葉を、ルルカは飲み込んだ。
546かわうそルルカ 4-4/10 ◆q6hKEmO86U :2012/04/23(月) 01:48:13.24 ID:Iq4mXCNF
 眼下に広がる情景に目を見張る。漆黒の世界に浮かび上がる、人々の生活の灯。光は集まったり離
れたりして、美しい紋様を描いていた。それはルルカがこれまで見たことがない素敵なものだった。
獺族の隠れ里で暮らしている限りは、一生見ることのない光景。それは当然のごとく、鎖に繋がれた
ままの牝獺にも見ることのできないもの。
 ルルカはウォレンに、こうして連れ出してくれたことのお礼を言わなければ、と思った。ジエルに
対して持てなかった素直な気持ちを、今ここで表さなければ、また後悔することになる。
 ウォレンを見上げようとしたルルカは、次の瞬間、近くの石の腰掛けの上に押し倒されていた。
(どうして──?)
 仰向けにされ、大きく足を広げられ、股間には大きな狼のペニスが押し込まれた。
 ルルカの落胆は大きかった。
 結局、ウォレンは自分の好みの場所でルルカを犯したかっただけなのだ。そして、覆い被さった
ウォレンの大きな胸に邪魔をされ、星など全く見えなかった。
 一事が万事、ウォレンはいつもこの調子なのだ。期待を持たせては必ず裏切ってくれる。だから
ルルカは、彼の顔を見る度に憂鬱になる。
 週に一度、多いときは二〜三度、ウォレンはこうしてルルカを連れ出しては、犯した。

 高台で、ルルカはウォレンの体を再び受け入れた。狼族のペニスはやはり他のほとんどの種族より
も大きく、先端が尖っているため子宮の奥まで突き刺さり、儀式のときの恐怖が甦った。しかし、あ
のときと違い、ウォレンはルルカに覆い被さったまま射精を始めると、体の動きを止めた。
「……動かさないの?」
 絶望をもたらしたあの"練り込み"のときの腰の動きを恐れて身構えていたルルカは、思わずウォレン
に聞いた。
「ああ、そうか。安心しろ。もうあんな風にはしない。
 これが本来の狼族のやり方なんだ」
 ウォレンはそう言って、一時間近くの間繋がったままじっとしていた。ときおり、トクトクと微量
の精液を注ぎ込む以外に、一切の動きを見せず、ウォレンはルルカを抱き続けた。ウォレンがルルカ
を気遣ってそうしているわけではないのは、その後、狼族に良く似た顔を持つ狐族などがやはり同じ
ようにすることから分かった。
 彼らとの交尾は、ルルカにとって体を休める時間を与えてくれるものだ。とはいえ、長時間牝獺を
占有することになる種族には、当然、不満の声が投げかけられる。彼らはルルカのように利用客の多
い牝獺の列に並ぶことはあまりなく、街外れに繋がれた獺を利用した。ウォレン以外の狼族は滅多に
人前に姿を現さないこともあり、この静かな交尾は、ルルカにはほとんどウォレンとの間にのみ交わ
されるものとなっていた。
 体が楽になれるはずなのにルルカの気分が浮かないのには理由がある。
 相手が腰を動かさないと、ルルカの方が落ち着かなくなった。儀式のときに無理やり広げられた膣
や子宮が、まるでウォレンの形を覚えているかのように違和感もなくそれを収めていると、逆に不安
になる。
 ルルカは、尾を支えにして、腰をウォレンの体に押し付けていた。牡のペニスを求めるようなその
体の動きをルルカは止めることができなかった。牢の中で膣に道具を出し入れしていたときに感じた
渇望のようなものが体の中に沸き起こる。あのとき感じた淡い快感を再び求めようと体が勝手に動く。
股間を押し付けると、性器の頂点の辺りにじーんと痺れるような強い感覚が湧き起こった。牢獄で自
慰に耽っていたときに感じた淡い快楽にすら程遠い、微かな心地よさ。それでも、性奴隷の身に堕と
され、もう手の届かないところへ行ってしまったかと思っていた、快楽の更に先にある強い感覚の予
感が、この狼と体を合わせているとルルカの中に再び芽生えた。
 しかし、狼族のペニスの根本にある瘤でしっかり固定されてしまっていては、自由が利かず、ルルカ
はもどかしい思いをしながら腰を揺するばかりだ。
 乳首が噴水池の前に磔にされていたときと同じように敏感になっていて、ウォレンのお腹の毛が触
れる度に、ルルカは身を仰け反らせた。体がこんな風になるのは狼族と──、ウォレンとの交尾のと
きだけだった。
 ルルカはそんな浅ましい自分が恥ずかしくて堪らなかった。体の繋がっているウォレンはきっと、
牝獺が淫らに悶える様を直に感じ、侮蔑の目を向けていることだろう。これが、自らを誇り高い種族
と豪語していた獺族の本性なのだと、嘲っているに違いない。
547かわうそルルカ 4-5/10 ◆q6hKEmO86U :2012/04/23(月) 01:49:13.18 ID:Iq4mXCNF
 ルルカは羞恥に身を焼かれた。
 ウォレンとの交尾はルルカにとって救いになるものでもあれば、普段よりいっそう惨めさを感じさ
せるものでもあるのだ。しかし、早く終わって欲しいと思っても、最後の激しい勢いの前立腺液を吐
き出すまでは決して結合が解かれることが無いのが、狼族との交尾だった。

「今日も"おつとめ"……、なの?」
「さっき、そう言っただろう。北方の行商の相手をしてもらう」
(そういうことを言いたいんじゃなくて──)
 こうして彼がルルカを連れ出すのは、結局、何かと理由を付けて犯したいからなのだろう、とルルカ
は言いたくて言えずにいた。彼に嫌味が通じないのはよく知っている。
 ウォレンが言う"おつとめ"というのは、この街を交易の中心とするための広報活動のようなものだ。
牝獺を使った性欲処理のシステムは、世界中を見渡してもここ、シエドラにしかないという。
 美醜の観点で言えば、牝獺たちは皆、どの種族の目から見ても美しく、可愛らしかった。高級な布
の生地を思わせる手触りのいい毛皮に包まれた全裸の牝獺は、大き過ぎない形のいい乳房と滑らかな
体のラインが男の劣情を誘うシルエットを描いている。お腹側の明るい灰色の毛に包まれた乳房。そ
の双丘に突き出す乳首は桃色に染まり、見る者の目を楽しませる。獺族の肉体は寿命を迎える間際ま
でほとんど衰えることがない。そのため牝獺の性器は、いつでも締りが良く、瑞々しいと評判だった。
 何より人気なのは、犯されるときに彼女たちが漏らす、高く響く歌声のような鳴き声だった。苦し
さと惨めさに嘆き叫ぶ牝獺の声は、公用語を話す種族の男たちには、喜んでいるように聞こえるらし
い。命の保証をされたうえに、快楽まで与えられているこの街の獺は幸せなのだ、とまで言われてい
た。
 獺族は見付け次第、殺さなければならないというのが、世界に住む全種族間での協定であったが、
シエドラだけは、特例として牝獺を生け捕りにしてよいことになっていた。
 ここでは、全裸の獺が街の至る所に繋がれていて、一日中、男たちの性欲処理用として自由に使え
る。女性に年に1〜2度の発情期しかない種族にとっては、これほど便利なものはない。その噂が街
を訪れた人々を通して伝わり、人を呼び寄せ、交易はますます盛んになっていく。

 牝獺たちを繋いでいる鎖を外す鍵を自由に持ち出せるのは、ウォレンが狼族だからだ。彼らが街を
統括する傍ら、牝獺の管理を任されているのは明らかだったが、"おつとめ"というのは単なるウォレン
の趣味ではないのか、とルルカは思うことがある。
(だって、おかしいよ……。ウォレンは私ばかり連れ回してるみたいだし……)
 ウォレンが街をふらふらしている姿を、ルルカはいつも見かけていた。街を管理する重要な職に就
いているらしい他の狼族と違って、彼は権力を盾に好き勝手しているだけではないかと思う。
 ルルカは一度、いつもの意地悪の仕返しに、殴られることを覚悟で聞いてみたことがある。
「ウォレンは、何の仕事をしているの?」
「自警団だ」
「なんなの、それ? それって結局──」
 街を行き交う人の会話から聞き取った言葉。職を持たずに、調子のいいことを言って誰かの世話に
なりながらその日暮らしをしている連中のことを、ルルカは思い浮かべた。
「"遊び人"っていうんでしょう?」
 口にしてすぐにルルカは後悔した。下手に怒りを買えば、あの恐ろしい毒針を打たれるかもしれな
いことをルルカは思い出し、目を閉じて覚悟を決めた。
 しかしウォレンは、怒るどころか可笑しさを堪えた様子で、「まあ、そんなところだ」と返した。
「ウォレンもあの……毒針を持っているの?」
 先に確かめておけばよかったと思いながら、恐る恐る聞いてみる。
「当然だ。俺にこれを使わせるんじゃないぞ──」

548かわうそルルカ 4-6/10 ◆q6hKEmO86U :2012/04/23(月) 01:50:15.43 ID:Iq4mXCNF
 その後もルルカは、ウォレンの気紛れでこうして"おつとめ"に連れ出されている。
「今日はどっちへ行くの?」
「街の北端に、行商が泊まっている宿がある」
「方向が逆じゃないの……」
 ルルカは大きくため息をついた。ウォレンはいつも、目的地に真っ直ぐ向かわず、必ず寄り道をす
るのだ。
「疲れたら四つ足で歩いてもいいぞ」
 それは譲歩のように聞こえるが、実際には強要だとルルカは思う。少なくとも、彼は親切心で言っ
ているのではないだろう。
(……見たいんでしょう?)
 ルルカは前足をぺたんと地面に着けた。細長い獺の胴を弓なりにして、長い尾は先ほどよりも高く、
真上に掲げた。こうすれば、肛門が丸見えなのは当然のこと、可愛らしい丸いお尻の双丘の間に、淫
らな汁を滴らせた赤い肉の花が飛び出して見える。お尻を揺すって四つ足で歩くルルカの股間で性器
が艶めかしく形を変える様を、後ろから眺めようというのがウォレンの魂胆に違いない。
 裸の体を──、乳房や性器を好色の目で見られるのには慣れていた。それでもルルカの胸が締め付
けられるのは、ウォレンがこの街で唯一、言葉を交わせる相手であるからだ。彼にだけはどうしても、
この恥ずかしい姿を見られるのが嫌だった。

「足元をよく見てみろ」
(えっ……?)
 ウォレンの突然の言葉に戸惑いながら、ルルカは指示に従った。
「あっ、石畳の色がここから変わってる……」
 そうだ、とウォレンは言った。
「ここ、リオン通りは街で一番低い位置にある。
 その先が、いつだったか教えたシェス地区。
 あっちの住居は新しいだろう?
 街が設計された時代には、おそらくここには建物はなかった。
 何か意味があるんだろうな」
「そう……、だね……」
 ルルカの気を紛らわせようとしてくれているのかもしれないが、自分では決して自由に歩くことの
できない街の様子を教えられることは、ルルカにしてみれば、やはりこれも意地悪をされているとし
か思えない。悲しさを堪えながら、彼に調子を合わせる。そして、小さな抗議の意味を込めて、ルルカ
は繋がれた鎖をぴんと引いて、先へ急ぐようウォレンを促した。

 ルルカとウォレンは、その居住区に足を踏み入れた。昼間のシェス地区には、広場ほどではないが、
多くの人の姿がある。通りで遊んでいた子供たちが、ルルカの姿に目を留め、駆け寄ってきた。普段
は牝獺が繋がれている辺りには近寄らないように言われている子供たちは、こうして獺を見掛けると
大喜びで近寄ってくる。ルルカはたちまち、四〜五人の異種族の子供に囲まれた。
 ウォレンが鎖を引いてルルカに愛想よくするように合図する。ルルカは二本足で立ち上がった。
ルルカの顔より少し低い位置に、異種族の子供たちの顔があった。馬族の少年、豹族、硬く尖った毛
の針鼠族、ルルカの背丈より少し小さいくらいの彼らは好奇心いっぱいの目をルルカに向けている。
 一人が、「よしよし」と言ってルルカの頭を撫でる。嫌な気はしなかった。
「大きなおっぱいー」
「可愛いね。これが獺?」
 子供たちにとっては、言葉の話せない牝獺は可愛らしい家畜の一種という扱いなのだ。その獺が股
間から垂れ流している愛液の意味も知らない。純真な子供たちに体のあちこちを触られ、ルルカは何
故だか、優しい気持ちになる。ラッドヤートでの生活が続いていたら、ルルカもいつかきっと、子供
を産み、育てていたのだろう。
 広場を、大きなお腹を抱えて歩く女性の姿を見掛けることがあった。その近くには必ず同族の男性
が居て、二人は幸せそうに見えた。体の中に精液を流し込まれる、自分にとっては苦痛でしかない行
為が、同じ種族なら愛情を育むためのものになるのではないか、とルルカは思い始めていた。
(同じ種族同士なら、あんなに辛いものじゃないのかな?
 それとも、女性はみんな痛い思いをして母親にならなきゃならないのかな……)
 いずれはこの子たちも街の大人たちと同様に獺族を憎むようになるのだろうと思うと、ルルカはま
た憂鬱になった。
 移り気な子供たちは、また別の何かを見付け、わっと声を上げて走り去っていく。
 取り残されたルルカは、ウォレンの顔をちらりと窺うと、再び四つ足になって歩き出そうとした。

549かわうそルルカ 4-7/10 ◆q6hKEmO86U :2012/04/23(月) 01:51:14.84 ID:Iq4mXCNF
「ねえ、何でそれ、ぶら下げて運ばないの?」
 突然の声に、ルルカは思わず顔を伏せてしまう。自分と同じ、女性の声だ。
 ウォレンが叱咤するように鎖を引く合図で、ルルカはおずおずと顔を上げ、立ち上がり、両手両足
を軽く開いた開帳のポーズを取る。いつも男性ばかりに挨拶をしていたルルカは、女性が相手のとき
もシエドラの牝獺の心得を忘れてはいけないのだと初めて知らされた。
 近付いてきた狐族の女性の姿に一瞬見惚れたルルカを、すぐに激しい羞恥心が包む。
 淡い赤茶色の毛並も美しいが、長い布を体に巻き付けたような民族衣装は、原色の糸を織り込んで
いて、露出した白いお腹の臍のあたりと手足の先の毛皮とのコントラストがいっそう、彼女を麗しく
見せていた。
 帯のような衣装の胸の部分は、形が崩れないような巻き方をしてあり、それがルルカにはとても羨
ましい。あれなら、自分みたいに歩くときに乳房がみっともなく揺れたりしないで済むだろう。
 同じ女性でありながら、その装いのあまりの違いにルルカは愕然とした。
 裸であるばかりではない。ルルカは、丸出しの股間から、淫らな液体を滴らせている。狐の女性は
腰に布を巻いて恥部を隠しているが、同じ衣装をルルカが身に付けたら、あっという間に恥ずかしい
汁で布地をべとべとにしてしまうだろう。
 女性の視線がルルカの頭から足の先までをゆっくりとなぞった。ルルカは恥ずかしさで消え入りそ
うになる。同性に発情した牝の裸の姿を見られるのはあまりにも惨めだった。

「散歩でもさせてるの? 獺には運動は充分足りてるでしょう?
 運動というか、……あれだけど」
 当然のことながら、女性はルルカにではなく、ウォレンに話しかけていた。獺族には言葉が通じな
いと彼女が思っているから、とは分かっていても、あからさまに存在を無視されるのは悔しい。人々
は、厳格で顔つきも恐ろしげな狼族の顔色を窺い、接触を避けるものであるが、ウォレンは別だ。
ルルカには軽薄に見えるウォレンの態度は、人当りの良さを感じさせるのかもしれない。こうして誰
かが声をかけてくることは珍しくなかった。
(あれ? どうしてだろう……。ウォレンが誰と話そうと、私には関係ないのに……)
 ウォレンに対する親しげな女性の態度に、嫉妬のようなものを感じ、ルルカは戸惑った。

550かわうそルルカ 4-8/10 ◆q6hKEmO86U :2012/04/23(月) 02:04:30.72 ID:Iq4mXCNF
「これって年中、発情しているの?」
 狐族の女性は、ルルカの股間に長く突き出した鼻を近付けて言った。
「長い間、体を水で冷やさずに過ごした獺族の娘はこうなるんだ。
 それと、儀式の効果だな。狼族の──」
「娘って……!?」
 女性は驚いたような声を上げ、くすくすと笑った。ウォレンが牝獺のことを人間並みに扱って言う
のが可笑しいらしい。
「"これ"の餌はどうしてるの?
 夜中もずっと……あれ、やってるんでしょ。いつ食べるの?」
「給餌係が巡回してる。一日に五回、小分けして与えるんだ。
 ペニスを受け入れながらでも、食べることはできるからな」
「ふーん」
 抑揚のはっきりしない公用語の発音なのに、ルルカはその声にはっきりと侮蔑の感情を聞き取って
いた。シエドラの女性が、牝獺たちを激しく嫌っていることをルルカは知っている。彼女たちは、徹
底してルルカたちを家畜扱いしていた。ルルカたちの存在が、女性の価値を貶めているとでも言いた
げに。
 普段は遠巻きにして揶揄するばかりで、実際の牝獺をじっくりと見る機会はほとんどない。この狐
族の女性はウォレンとの会話にかこつけて、牝獺を観察してやろうと思っているようだった。好奇の
目がルルカの隠せない裸体の上を這い回った。
 ルルカはその視線を避けるように目を閉じた。心の中で、ごめんなさい、と呟く。
 シエドラの牝獺たちが、この惨めな生き方をどれだけ恥じているか、この女性は知らないだろう。
一日中、体の内側を擦られ続ける辛さなど想像もしないだろう。子宮の入口まで、ときにはその奥底
までを掻き回す棍棒のような物体。押さえ付けようと無意識に締め付けてしまい、逆にその形と動き
を嫌というほど感じさせられる惨めさ。それが当たり前の感覚になってしまっていて、挿入されてい
ないと体が牡の性器を求めて疼くのだという事情を、この女性の狐は知らない。
「私たちって発情してもこんなにならないよね……」
 ルルカが腰を小刻みに揺らし、股間から愛液を滴らせている姿を見て、狐族の女性は独り言のよう
に呟いた。ルルカは無意識のうちに体が動いていたことにはっと気付く。目を開くと、女性の蔑むよ
うな視線がルルカの瞳に突き刺さっていた。
「信じられない。恥ずかしくないの?」
 女性は身を屈め、ルルカの体の前面に開いた赤い花びらのような性器を凝視して言った。
 思わず弁解の言葉を口に出してしまいそうになったルルカの性器に、いきなり指が突っ込まれた。
(ああっ!)
 ウォレンが鎖を短く詰めて引き上げていたため、ルルカは身を捩って避けることもできなかった。
ルルカの性器は、何の抵抗もなく女性の指を根本まで飲み込んでいた。中に溜まっていた、洗い流し
損ねたアンテロープたちの精液とルルカの愛液が混ざった液体が、ぷちゅっと音を立てて飛び出し、
狐の女性はうわっと叫んで指を引き抜いた。
「やだ、きたないっ!」
 女性が振り払う液体から、ムッとするような臭いが漂ってくる。いつも繋がれている辺りでは嗅覚
が麻痺してしまって感じないその臭いは、特に草食獣の精液には付き物の強い臭気だ。
(だから、もう少し体を清めさせて欲しかったのに……)
 ルルカのそのウォレンに対する苦言は、的外れとも言える。例えそれがルルカ自身の体から滲み出
た液体だけだったとしても、さほど事情は変わらなかっただろう。これまで幾度となくルルカの中に
流し込まれた、様々な種族の大量の精液の臭いが、入り交じってルルカの体の奥底にまで染み付いて
しまっているのだから。牡たちの排泄行為に体を使われるというのは、つまりこういうことなのだと、
ルルカは思い知らされていた。
 怒りを露わにする狐族の女性に、ルルカは獺の言葉で『ごめんなさい、ごめんなさい』と繰り返し
た。ウォレンが狐族の女性に同調するでもなく、ルルカを擁護することもなく、ただ黙っているだけ
なのが、ルルカにはまた悲しかった。

551かわうそルルカ 4-9/10 ◆q6hKEmO86U :2012/04/23(月) 02:05:53.65 ID:Iq4mXCNF
 シェス地区を抜けると、ウォレンは、高台へ登る石段を横切って街を南北に結ぶ回廊へとルルカを
誘導した。
 人の目が無くなると、ルルカは声をあげて泣いた。
 嘆いても、発情した体の疼きが止まるわけではない。ウォレンも普段と何も変わらない様子で、
ルルカを歩かせ続けた。
(酷いよ……、ウォレン……)
 ルルカはなおも愛液を股間に滲ませながら、よたよたと歩き続けた。
 一時間ほどして、回廊の北端に辿り着く。ようやく気分も落ち着き、泣き止んだルルカは、立ち止
まり、振り返った。
「ウォレン……」
「何だ?」
 無駄だと思いつつ、お願いをしてみる。
「これからは他の人たちのように、ぶら下げて運んで欲しいの……」
 先ほどの狐族の女性が最初にウォレンに問い掛けたのは、このことだ。牝獺の胸に嵌められた金属
環は、そうやって牝獺を運ぶために着けられているものでもあった。体の小さい牝獺は、男たちの腕
なら軽々と持ち上げることができる。しかし、ウォレンだけは一度もルルカをそうして運んだことが
無かった。
 ぶら下げてもらえれば、さっきのような恥ずかしい思いをしなくて済む──。

(えっ?)
 ウォレンが黙って金属環を掴み、ルルカの体を持ち上げた。ルルカは驚いたが、彼女の望みにこの
狼が応えたわけではないとすぐに気付いた。
「あれが見えるか?」
 ウォレンがルルカの体を浮かせたのは、獺の背丈では届かない塀の向こうを見せるためだった。高
台の中腹にあるこの回廊からは、シエドラを囲む壁の外側の景色が一望できる。
 遠くに山脈があるのが霞んで見えた。その山と山が途切れた位置に、距離感がおかしくなりそうな、
巨大な石の壁があった。
(まさか、あれは……)
 武者震いが起きた。初めて見るものなのに、それが何なのか、ルルカにはすぐに分かった。獺の血
がそれを知っている。獺族にしか作れない石の建造物──。
「ダム……」
 ウォレンは少し驚いたような素振りで「知っていたのか」とルルカに聞いた。
「昔、聞いたことがあるだけなの。見るのは初めて……」
「そうか」
 ウォレンはルルカを塀の上に立たせた。ルルカが落ちないようにしっかりと体を抱えるウォレンの
顔がルルカの顔のすぐ傍にあった。
「あれがダム──、獺族の作った水瓶だ。
 数百年前の干ばつで、地表から水源のほとんどが消えた。
 残った河川の流れを集められるだけ集めたのがあのダムだ」
「あれは……」
「あれは、かつて獺族が建設したものだと言われている。
 あれのおかげで、この街の水が枯れる恐れはない。
 これほど憎んでいる種族の遺産に頼らねばならないというのは皮肉だがな」
 シエドラだけが獺を生かしたままにしておけるのも、あれがあるからだ、とウォレンは言った。ダ
ムから視線を逸らし横を向くと、ウォレンの真紅の瞳が、ルルカを見詰めていた。普段と変わらない
はずのその表情は、ルルカの目には穏やかなものに見えた。
 ルルカはどきっとする。
「ウォレン……」
「ずっと聞きたかったんだろう?」
 ウォレンは、獺族について、街に残っている古い記録を調べてきたのだと言った。
552かわうそルルカ 4-10/10 ◆q6hKEmO86U :2012/04/23(月) 02:06:33.28 ID:Iq4mXCNF
「数百年前に起こったという大干ばつ、それは知っているだろう?
 それ以前の世界は、人の住む土地は全て河川と湿原に囲まれ、
 水中での活動に長けた獺族こそが、世界の支配者だったんだ」
 ルルカには、信じられないことだった。森に隠れ住み、獺狩りに怯えて逃げ回っていたこと、そし
て今の自分の性奴隷の立場も、獺族が体格も身体能力も他種族に及ばない劣等種であることを物語っ
ているとしか思えなかったからだ。
 ウォレンの説明によると、獺たちは水中での活動に適した独特の衣装と武具を携えており、その運
動能力を最大に発揮できる場に限って、彼らは優位を保てたということだ。彼ら以外の種族はその圧
政の前に屈し、資源の流通を妨げられ、ある種族は飢え、ある種族は戦いを挑み、滅ぼされた。
「しかし、干ばつが獺族の運命を変えた。水が無ければ、彼らは能力を発揮できない。
 積年の恨みを晴らすべく、各種族は獺たちを追い詰め、殺していった」
「その恨みが、今も続いているの……?」
「レドラの街──。ここと同じような雑多な民族の集まる栄えた街だったという。
 レドラは、獺族の手で一夜にして滅ぼされた。今ではどこにあったのかも分からない。
 幻のように、消えてしまったのさ。
 記録は何も残っていない。
 それでも人々は……、忘れないんだ。憎しみの記憶だけはな」
 獺族を排除し、交易の発達した世界が生まれた。水は相変わらず各地で枯渇しているが、衣類も食
べ物も薬も、今では自由に手に入る。獺族は長い歴史の中で間接的に何百、何千万という人々を殺し
てきた。報いを受けるのは当然だろう、とウォレンは言った。
「でも……」
 自分が罪深き種族の末裔なのだと改めて知らされたうえで、ルルカの中にひとつの疑問が消えずに
残る。
「何故、獺族はそんなことをしたの?」
 ウォレンは、ふうっとため息をつくと、記録に残ってないんだ、と繰り返した。

 もう少しウォレンに話を聞きたい、と思ったが、ウォレンはルルカの体をひょいと塀の上から降ろ
してしまった。人通りを避けて荷物を運ぶ馬車が、回廊を通過していた。ウォレンにお尻をつつかれ、
ルルカはまたよろよろと歩き始めた。仕方のないことだ。ウォレンとの会話を誰かに聞かれるわけに
はいかない。
 長い石段を降りると、雑踏の中に出た。以前、通ったことがある場所だとルルカは思った。近くに
市場があるはずだ。物売りの叫ぶ声が聞こえてくる。このあたりはシエドラの北端にあたる。今日の
目的地は近かった。
 いつもなら憂鬱になるはずのルルカの足取りは、少しだけ、軽い。
(ウォレン──、
 今度ばかりは期待を裏切らないよね。
 私のためにわざわざ調べてくれたんだよね……?)
 ウォレンがどういう風の吹き回しで話をしてくれたのか分からないが、ルルカは彼に何かお返しを
しなければ、と思った。それはきっと、今日の"おつとめ"をしっかりこなすことで果たせるはずだ。
そしてその後、ウォレンに抱かれるときにも──。
(いったい、どのようにしたらウォレンは喜んでくれるだろう?
 でも……、あれっ?)
 ルルカは生まれて初めて、自ら交尾を望んでいることに気付き、不思議な気持ちになった。
553 ◆q6hKEmO86U :2012/04/23(月) 02:09:44.14 ID:Iq4mXCNF
以上です。

次回、かわうそルルカの生活 第五話は、サブタイトル『もう一人のルルカ』

荒々しい北方の種族に蹂躙されるルルカ。
(──ルルカ、見るな!)
青い衣装の狼族が連れてきた牝獺は、近い未来のルルカの姿──

みたいな感じでお送りします。お楽しみに。
554名無しさん@ピンキー:2012/04/26(木) 19:39:33.08 ID:o75PYzSe
ルルカたん…
頑張った子にはごほうびがあるんだよな?幸せになって欲しい
555名無しさん@ピンキー:2012/04/26(木) 21:39:14.24 ID:xrFu4UZ3
>>553
>青い衣装の狼族が連れてきた牝獺は、近い未来のルルカの姿──
らめぇ! ルルカたんの心折れちゃうぅぅぅぅぅ!!
556名無しさん@ピンキー:2012/04/29(日) 00:25:15.53 ID:WZOk71za
ごほうび?
甘ったれたケモノにはお仕置きとしつけが必要だな!!!
557名無しさん@ピンキー:2012/04/29(日) 00:30:12.48 ID:WZOk71za
頑張るなんて当たり前
心はボキボキに折れてしまえ
558名無しさん@ピンキー:2012/04/29(日) 00:43:54.97 ID:WZOk71za
頑張ったからなんだ?
甘えるのが好きな畜生め
559名無しさん@ピンキー:2012/04/29(日) 22:18:29.11 ID:i7t3jBUH
かなしいよーつらいよー可哀想だよー
でもすごく続きが気になります!
ルルカたん、がんばって
560名無しさん@ピンキー:2012/04/30(月) 09:22:38.21 ID:aufNQ3va
スカトロコーヒーにもすごく期待してる
561名無しさん@ピンキー:2012/04/30(月) 22:48:45.60 ID:veq3kFU7
>>560
美味しいコーヒーの秘密を探ろうと深夜にこっそりお店のキッチンを覗きに行った少年が
そこでお皿の上にウンチしてる店の女の子(マスター)の姿を発見した

ってところまで書いた
562名無しさん@ピンキー:2012/05/01(火) 01:15:45.11 ID:YmZAcvP6
読んでて昔テレビでやってた小公女を思い出したわ
理不尽な仕打ちに対して必死に耐える姿がだぶって見える
563名無しさん@ピンキー:2012/05/01(火) 02:03:32.33 ID:kmSY71Vv
>>561
めちゃくちゃ続きが気になるww
564名無しさん@ピンキー:2012/05/01(火) 09:26:09.55 ID:LwSPoBcF
>>561
マスターはジャコウネコなのかな ルアックコーヒーには興味があるが手が出せないぜ
会陰腺からも香水が採られたりと大変ですね
565名無しさん@ピンキー:2012/05/04(金) 21:56:40.32 ID:uQWKNbr/
>>564
ジャコウネコ! その発想はなかった。本編が楽しみだな!
今日コーヒー屋に行った時、思い出し笑いしちまったので来たw
566名無しさん@ピンキー:2012/05/05(土) 06:20:16.99 ID:Fp/67935
今更だがマイリトルポニーに興味を持った
日本でも放送してくれないかな
普段は日本語で歌は英語で放送希望
567名無しさん@ピンキー:2012/05/06(日) 04:19:36.35 ID:hVPTdDqO
テスト
568名無しさん@ピンキー:2012/05/12(土) 05:57:39.24 ID:EfG8PNNL
モフりたいが暑くなってくる時期
569名無しさん@ピンキー:2012/05/12(土) 19:24:34.73 ID:kUoG6jok
最近は寒いので問題ない
570名無しさん@ピンキー:2012/05/17(木) 01:17:18.64 ID:ok+G+5ww
スカトロコーヒーを楽しみに今日も保守
571名無しさん@ピンキー:2012/05/19(土) 07:22:33.84 ID:ePynfaCw
世界樹の迷宮の新作に新職業というかモノノフという獣人?様な種族が登場するのか
世界樹は獣人とかはパーティには入らないというイメージがあったから以外
2にペットがいたけど
572名無しさん@ピンキー:2012/05/23(水) 14:49:57.56 ID:I0KMS7W/
ブレード&ソウルの猫可愛過ぎだろ
573名無しさん@ピンキー:2012/05/30(水) 02:08:27.35 ID:wpxNZEsa
ttp://www.youtube.com/watch?v=yTJoXBun-JA
「野生時代」日本語版はさすがに上がってないから今度レンタルしようと思う
574名無しさん@ピンキー:2012/05/31(木) 20:08:25.20 ID:vVrwZszw
猫になった主人公のケツの穴が一瞬みえるシーンがある回だっけ?
これ元々日本で放送された奴じゃなかったっけ?
575名無しさん@ピンキー:2012/05/31(木) 20:09:13.93 ID:vVrwZszw
ああだからレンタルか
勘違いスマン
576名無しさん@ピンキー:2012/06/10(日) 18:15:05.81 ID:c4KpFtVL
エロパロ板はまず落ちないとは聞くが10日書き込み無かったので一応保守
家畜TFとか見たい
577名無しさん@ピンキー:2012/06/10(日) 19:15:21.87 ID:ChFLDTLN
なんでTFについて違和感を感じたのかよくよく考えてみると、半虹には人間が人外に変身のTFスレがあるんだね。
なんでエロパロには無いか…と思ったら人外への変身スレがあるじゃん。
578名無しさん@ピンキー:2012/06/11(月) 06:38:48.05 ID:GSR5EWRm
>>577
元々こっちで獣化とかをやってたんだけどね。獣人化してやるとかそんな感じ。
後発なあっちのスレタイが「異形化」「蟲化」になってるのはその辺配慮だったはず。
まぁ、該当スレが出来たなら住み分けた方が良いのかもしれんが、
そういう風に言われると昔からの人の中には反感買う人もいるから…
579名無しさん@ピンキー:2012/06/15(金) 23:40:23.45 ID:ED3WOcj/
雌豚と入れ替わりたい
580名無しさん@ピンキー:2012/06/16(土) 22:53:59.85 ID:oJ7LKSuD
>>579
【人間⇔動物】人間と人外の入れ替わり妄想スレ
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1323705581/
581名無しさん@ピンキー:2012/06/17(日) 10:27:39.04 ID:lCtWgDQG
入れ替わりにしても、意識や魂がスッと入れ替わって終わり、ではなく
人間が動物にTFすると同時に相方の動物が徐々に人間に変化していって成り代わる
とかの方が好きかな
582名無しさん@ピンキー:2012/06/18(月) 00:09:51.78 ID:Y0oLlknG
一緒に閉じ込めて共同生活させて少しずつ入れ替えていくとか
583名無しさん@ピンキー:2012/06/18(月) 20:36:37.79 ID:Z22tVFPj
>>581
だったらなお>>580のスレに行く事を勧める
向こうは向こうでそういう勢力が弱くて
「立場入れ替えの方に占領された」なんて嘆きの声もあるし

なんてあっちだこっちだと仕切ってもつまらんから
ここは絡みスレという事で入れ替わった後に
どういう絡みにもってくかを考えた方が良いのかな
584名無しさん@ピンキー:2012/06/24(日) 23:58:02.15 ID:1d212y4I
入れ替わった後の絡みというと
発情期の動物と入れ替わって自分の意志とは関係なく発情
性欲に耐え切れずに自分の体に入った動物に交尾をねだる
交尾を条件に動物の言いなりになる
みたいな?
585名無しさん@ピンキー:2012/06/30(土) 02:18:49.06 ID:bO3TiTGT
……首から下は地井武男ェ……
5861/2:2012/07/07(土) 11:46:51.37 ID:cTmSE8av
"赤鬼の面"が独りでに神棚から飛び上がると、
グッ
ゆっくりとわたしの顔に近づけていった。
「いやっ…!!」
わたしは迫ってくる"赤鬼の面"から怯えながら逃げようとしたが、
しかし、
スルッ
「え?」
"赤鬼の面"がわたしの顔のすぐ傍に近づくと、
ピタッ
っとわたしの顔に張り付いてしまった。
『ぐもぉぉぉぉ(いやぁぁぁぁ)』
"赤鬼の面"が張り付いてしまったわたしは、必死になって顔を振りながら潜ったような声を上げると、
ドクン
「……」
突然心臓が激しくなると同時に少しずつ体が熱くなる。
「あっ、あんっ、ダメッ、こんな…所で…」
ドクン、ドクン、ドクン…。
激しい胸の鼓動と全身を包む熱さに耐え切れずわたしは淫らに全身を広げる。
それと同時に…
ピクッ!
「うっ!」
全身の肌、
いや、
筋肉がピンッと張り詰めたと同時に、
バリバリバリ
制服が無惨に引き裂かれ、
わたしはショーツ1枚残しただけの姿となるが、その肌はいつもの色白ではなく、燃えさかる炎のような赤胴色の柔肌をしていた。
「あんっ、あうっ、くうっ…」
人前でこんな姿を見せているのは恥ずかしい以外の何物でもない。
そう思うとより赤面が増して真紅に染まるが、そんな気持ちにかまう事なく指一本動かせず、わたしは大の字になりながら変化が進むのを見届けているしかなかった。
5872/2:2012/07/07(土) 11:47:33.72 ID:cTmSE8av
メキメキメキ!!
わたしの体中から骨が軋む音が響き渡ると、
ピクッ、ムクッ、ムキムキッ!
手足が少しずつ長く、太く伸びながら大きくなって行く。
ボコッモリッ
わたしの肩やお腹で筋肉が盛り上がり、見る見るそのシルエットが大きくなっていく。
全身を変化による苦痛、
そして快感が覆うと、
恥ずかしいという感情は消え去っていき、
ピクン。
「うっ!」
すでに全身の感覚が普段とは全く違うものになっている中、わたしが女である事を生理的に証明している場所も変化の流れに侵され始める。
ググッ、ムグッ、ググ…。
「あん、あうっ…ぐぐ…」
服越しにMサイズの胸の膨らみに筋肉が張り詰め、そして胸の中に引きずり込んで行く感覚が伝わる。
柔胸は膨らみを微かに残しながら胸板に押し上げられ、柔らかい胸の感覚の代わりに逞しい胸板の感覚が胸にかかる。
ムクリ。
『ああ…ああ…こ、声まで…』
喉の奥から何かが盛り上がると同時に、
"赤鬼の面"の口の上下からは牙が突き出して、本当の口のように動きだし、そこから出る声も太く低く唸るようなそして獣のような声になる。
今やわたしの姿は9割がた筋骨隆々の鬼の姿となっている。
最期に床の上に靡く黒髪が毛先まで金色に変わっていくと、
"赤鬼の面"にはめ込まれたわたしの目が金色に染まり、
グリッグリッ!
『うぐっ、うごぉっ……うぐわぁぁぁぁぁぁ!!』
わたしが頭の両側に痛みが奔ると同時にこの世のものとは思えない獣のような雄叫びを響かせると、
ベキベキッ!!
ベリッ!!!
振り乱した金色の髪の毛を掻き分けるように左右に角が突き出すと、
そこには剛毛が生えた赤い肌に微かな柔胸を残した厚い胸板と太い手足、そして頭に2本の角を生やした赤鬼がそびえ立った。
588名無しさん@ピンキー:2012/07/09(月) 15:44:52.15 ID:XQi4tiwk
>>586-587
懐かしい作品ですね! 祟られ屋・恭平の事件簿、大好きでしたよ!
ttp://www2u.biglobe.ne.jp/~bell-m/bunko/15_miko/i-110.htm
続編に期待していますが……無理でしょうか……
589 ◆q6hKEmO86U :2012/07/11(水) 00:23:53.62 ID:KbkGsykh
御無沙汰してます。なかなか書く時間が取れなくて・・・。
次はいつ頃になるかも分かりませんが、どうかお付き合いください。

かわうそルルカの生活 第五話です。
注意事項は >>442 参照。
590かわうそルルカ 5-1/11 ◆q6hKEmO86U :2012/07/11(水) 00:25:30.54 ID:KbkGsykh
     【5】 −もう一人のルルカ−

「ルルカ──?」
「えっ?」
 ウォレンとの交尾を頭に思い描いていたルルカは、声をかけられ、我に返った。
 ウォレンは慎重に辺りを見渡していた。ルルカが言葉を話せることを知られないよう、彼はいつも
気を配るのを忘れない。いつの間にか二人は、市場周辺の雑踏を抜け、塀に囲まれた路地を歩いてい
た。塀の上にあちこち植物の穂が飛び出して見える。
「この街外れの土地では市場に出す植物を栽培している。
 あの丈の長い草は、誰も食べないはずなんだが……」
 いつもは退屈なウォレンの解説も、今のルルカは素直に聞くことができた。
 路地の先に、日当たりの悪い居住区があった。温暖な気候のこの都市では、あえてこういった場所
を好んで住む種族も居る。
「ここで最後だ。これでお前はこの街の全ての場所を知ったことになる」
「え……?」
 そんなことのために、ウォレンはいつもルルカを自分の足で歩かせていたのだろうか。
「帰り道は分かるか?」
「えっと……、すぐ近くにギザの市場があって……、
 そう、石段を降りてこっちへ来たのと逆の方……。
 そこを左に抜けて、大通りを真っ直ぐ、街の中央まで……でしょ?」
「上出来だ」
 ルルカは自分がウォレンの問いにすらすらと答えられたことに驚いた。いつもと変わらないウォレン
の態度に、また失望させられてもおかしくないというのに、不思議と腹も立たなかった。目を閉じれ
ば、シエドラの街の構造が頭の中に浮かんでくる。ルルカは、いつだったか泉を見付けたときのよう
な、胸の高揚を感じた。
 想像の世界なら、いつも繋がれっ放しのルルカも、自由に街を歩けるのだ。思えば、他に何も考え
ることのないルルカは、広場で男たちに犯されている間、いつもウォレンと行動した記憶を繰り返し
辿っていたのだから。この街のどこに何があるか、知らず知らずのうちに覚えてしまっていてもおか
しくないだろう。
(ありがとう、ウォレン。そう、ありがとう。
 あなたがどういうつもりだったか分からないけれど──)
 ルルカが、その想いを口に出すことはなかった。目の前に、石造の宿屋があった。ウォレンは、
そっとルルカの口に手を当て、ここから先は言葉を発してはいけないと知らせるのだった。

 ウォレンはすぐ宿の中に入ろうとはしなかった。裏の洗い場へルルカを連れて行き、宿の主人に数
枚の布を持ってこさせると、愛液でべとべとになったルルカの股間を清め始めた。
 冷たい水に浸された布で何度も拭かれ、ルルカは体の熱が治まっていくように感じた。粘液の湧出
がほとんど無くなったのを確認して、ウォレンは縦長の布を濡らしてルルカの胸に当てた。
(えっ……?)
 柔らかく編まれた布は、たっぷりと水を含んだまま、ルルカの体を心地よく冷やす。ウォレンは布
の端をルルカの胸の金属環に巻き込んで固定し、胸から下、体の前面と股間を覆い、もう一方の端を
尻尾の付け根に括り付けた。
(いいの──?)
 ルルカは、振り向いて、視線でウォレンに聞く。衣服を焼かれ、一生裸で過ごすように命令された
牝獺のルルカには、裸で居ることが当たり前になり過ぎていて、逆に不安になった。体に張り付いた
布は、懐かしい獺族の衣装を思わせた。こんな身分を弁えない恰好が許されるはずがない。
 ただ、狼族のすることを咎める者も居ないだろう。
 きっとウォレンには考えがあってのことだ、とルルカは思った。狼の赤い瞳は、普段と変わらず冷
たく鋭い光を放っていたが、ルルカは初めて、その中にウォレンの意思を感じた。ウォレンはこれま
でになく険しい表情をしていたのだ。その理由は、すぐに分かった。

591かわうそルルカ 5-2/11 ◆q6hKEmO86U :2012/07/11(水) 00:26:43.21 ID:KbkGsykh
 古びた建物のその宿屋は、シエドラの交易の歴史の長さを感じさせるものだった。入口の戸をくぐ
ると、そこは広場の噴水池を思わせる円形の広間になっていた。建物の一階は、そのような広間がい
くつも繋がっている。個室やベッドでの就寝に慣れない種族も居る。信仰に基き、故郷を離れても日々
の儀式を執り行う種族も居る。広間はそうした旅の者たちが多目的に利用するために用意されていた。
 入ってすぐの広間に、噂に聞いた北方の行商の男たちが集まっていた。人数を数えたルルカの両手
の指はすぐ足りなくなった。十数人ほどの見たことのない姿の者たち。
 その北方の草食獣を祖先に持つ獣人は、ルルカと似た灰褐色で、密度の高い滑らかな毛皮を持って
いた。異国の情緒を演出する商売道具でもある民族衣装を脱ぎ捨て、上半身裸になり、二人の到着を
待っていた。彼らにとって、この土地は暑過ぎるのだ。大きな手のひらを広げたような形の角を生や
し、重そうな頭を揺すっている。
 男たちは、狼の前に立つ小さな獺の姿を見て歓声を上げた。「どうして裸じゃないんだ」という声
も飛んだ。
 ウォレンはルルカを引き寄せ、胸の下に手を回して抱きかかえた。ルルカは、その大きな腕が緊張
で固くなっていることに気付く。無理もない。早く牝獺を使わせろと、掴み掛らんばかりに迫る異種
族の男たちは、一人一人がウォレンに負けないほどの立派な体格の持ち主なのだ。ウォレンは興奮す
る彼らからルルカを守ろうとしていた。多数の種族の中で特に身体能力に恵まれた狼族に等しいその
肉体より、更に恐ろしいのは、彼らの巨大な角だ。ルルカはまた、草食の一族は角が大きければ大き
いほど激しく暴力的な性格の持ち主である法則を思い出した。
(何でもお見通しなんだ、ウォレンには──)
 彼ら──北の大地に生きる「馴鹿族」のこの熱狂を。ルルカの乳房や股間を布で覆ったのは、彼ら
の獣欲を少しでも抑えようという目論見があったのだ。
 ウォレンが大きく息を吸って、上半身の毛を逆立てるのを見て、男たちはぎょっとして伸ばしてい
た手を引いた。
「お楽しみは後にして、まずは持ってきた交易品などを見せてもらえないか。
 見たところ、食糧や香辛料といったものより、調度品や装飾品が多いようだ。
 そういうものを並べておく場所が市場に無い。
 我々、狼族が取り次いで買い手を探すことになっている」
 広間の周辺には、布で覆われた荷物が山積みになっていた。ウォレンの言葉に冷静さを取り戻した
男たちは車座になって座り、世間話を交えて交易品の紹介を行う運びとなった。
 ルルカは、胡坐をかいたウォレンの組んだ足の大きな太腿の上に乗せられた。布越しに股間を
ウォレンに押し付けることになったが、水に濡れた布の冷たさのおかげか、そこが今は恥ずかしい液
体を滴らせていないことが判って、ルルカはほっとした。
 ウォレンは出掛ける前の約束通り、北方に住む種族の男たちから、その土地の話を聞き出し、ルルカ
に聞かせてくれようとしているようだった。
 馴鹿族がウォレンに手渡す北方の特産品や工芸品を、彼は一つ一つ、ルルカの手に握らせた。それ
は、見たことがないものがほとんどだ。どれもが白く、表面が艶々として輝いている。細かく彫刻の
施された燭台や装身具、それは彼らの大きな角を加工して作ったものだ。
「角、か。見事なもんだ。しかし、これを作った者の角はどうなるんだ?」
 ウォレンが感心してみせる。
 それは、言葉を発するわけにはいかないルルカの気持ちの代弁でもある。
「毎年、落ちてまた生え変わるのさ。だから、材料はいくらでもある」
「便利だな。狼の牙は取ってしまったらおしまいだ」
「また生えないのか?」
「ははは、まさか」
 次に男たちが出してきたのは、凍土から掘り出した粘土を高温の窯で焼いたという陶器だった。こ
れも透き通るように白く、上薬が宝石のような光沢を与えている。シエドラでは滅多に陶器を見掛け
ないこともあって、ウォレンもその美しく輝く壺や食器を眺め、感嘆の声を上げた。
 ルルカの手に、小さなお椀が渡された。日に五度、食事を盛ってもらっているあの木製の器とほと
んど変わらない大きさのそれを見て、ルルカはため息をついた。上薬の下に、これも角の加工品と同
様、美しい模様が描かれているのだ。これに比べると自分の唯一の持ち物である木の器は随分とみす
ぼらしく思えてくる。あれはあれで丁寧に磨かれていて木目が美しいけれど、と対抗心を燃やしてみ
ることが、ルルカにできる精一杯だった。

592かわうそルルカ 5-3/11 ◆q6hKEmO86U :2012/07/11(水) 00:27:43.59 ID:KbkGsykh
 ウォレンとすっかり打ち解けた馴鹿族の男たちは、自分たちの種族とその生活について語り始めた。
「俺たちは、もう一つの種族と共生関係にある。
 黒く、長い毛を持った草食系の連中だ。体つきは、そうだな、俺たちとそう変りない」
「ここへは来てないのかい?」
「ははは、あいつらは俺たちより更に暑さに弱いからな。
 とてもじゃないが、耐えられんだろうよ」
(二つの種族が、共生している……?)
 馴鹿族が続けて語った内容は、ルルカに驚きを与えるものだった。
 極北の厳しい自然の中で、二つの種族は姿は違えど、よく似た生態を身に着けた。厳冬期以外の比
較的穏やかな季節に発情を迎え、妊娠しなかった場合は、数週間後にまた発情する。そうして受胎率
を高める彼らは、獺族の凋落と共に困った問題を抱えることになる。交易が盛んになり、暖かい気候
の土地から知識や資源が流れ込み、生活水準が大幅に改善された。一方であまり変わらない北方の食
糧事情の下で、彼らは出生率を抑える必要が出てきたのである。
「しかし、どちらの種族も元来、性欲は強すぎるほど強いときている。
 そこで、二つの種族は協力して、配偶者の他に異種族の交尾相手を持つようになったのさ」
 ルルカには大きな衝撃だった。
 本来、交尾は同種族で行うものだと本能的に理解していたルルカは、これまで特別だと思っていた
シエドラの牝獺以外に異種族との交尾が行われている例を初めて知った。そして彼らの口振りから分
かるのは、どちらの種族の女性もそれを歓迎しているらしい。
 ルルカは、薄々と気付いていた、交尾とは愛する者同士が行う行為であるということを、今ここで
はっきりと知らされたのだ。それゆえに一方的に性欲の捌け口にされるだけの獺族は、いっそう惨め
であるとも言える。
(愛し合っているなら──、女の人は、辛くないの? 痛くされたりしないの?)
 言葉を発するわけにはいかないルルカにはそれを確かめられないのがもどかしい。馴鹿族の言葉を
引き出すウォレンの話術に期待するしかない。
 そのウォレンは男たちの話を聞きながら、ルルカの頭に片手を乗せ、もう一方の手でゆっくりと小
さな獺の体を撫でていた。それは無意識にそうしているだけで、ウォレンは身を乗り出して馴鹿族と
の会話に熱中しているようだ。
 ああ、やっぱりね──。
 ルルカは小さく溜息をついた。話を聞き出してやると言ってたくせに、自分ばかりが楽しんでいる。
いつものウォレンだった。しかし、いつもみたいに腹が立たないのは何故だろう、とルルカは思う。
(そもそも私はウォレンの何に腹を立てていたのかな──?)
 自分たちの性について語る馴鹿族は楽しそうだった。ルルカは自分もそんな風に交尾を楽しめたら
いいいのにと思った。例えば──ウォレンと?
 ルルカはそのとんでもない発想にどきっとして、頭をぶんぶんと振った。
 たとえ今日、珍しく優しくしてもらえたといっても、ウォレンなんかと──。
 おかしな想像を振り払おうとするものの、体がかっと熱くなってくる。無造作に体を撫でるウォレン
の手の動きから意識を逸らせなくなった。濡れた布越しに、ウォレンの手が乳房に優しく触れた。狼
の大きな爪の先が腹をそっと掻いた。その感触に、ルルカは昔、母親に木のブラシで毛皮を梳いても
らったときのことを思い出す。体を撫でられるうちに、全身がどんどん熱を帯びてくる。
(気持ちいい──)
 体に触れられることが、こんなに気持ちいいことだと思ったのは初めてだった。
 これまで男たちの手には嫌悪しか感じなかったというのに、今のウォレンには、ずっとこのまま触
れていて欲しいと思った。
(やめて、そんなに触らないで。いや、止めないで……)

593かわうそルルカ 5-4/11 ◆q6hKEmO86U :2012/07/11(水) 00:28:43.61 ID:KbkGsykh
「それじゃあ、シエドラの牝獺の使い方を説明しよう」
 ウォレンの愛撫に身を任せ、周囲の声も耳に入らなくなっていたルルカは、はっと我に返る。
 ウォレンが胸の金属環でルルカの体を持ち上げた。体を覆っていた濡れた布が、胸の金属環からす
るりと抜かれる。ルルカは思わず、やめてと叫びそうになった。愛撫で火の点いた体が、再び淫らな
蜜を滴らせていることに気付いていたからだ。
 剥き出しになった股間を男たちの視線が刺した。ウォレンは思わず身を縮こまらせて性器を隠しそ
うになったルルカの両腕を掴んで、万歳の恰好にして吊るした。
「ほおっ」と声が上がる。
 男たちの目に、つるりとした牝獺の下腹部にはっきりと刻まれた焼き印が飛び込んだ。
 それを見て彼らがどういう感想を抱くか、もうルルカにも充分解かっている。
 狼の膝の上で好奇心に目を輝かせていた小柄な可愛らしい獣の姿はそこには無い。目の前に居るの
は、シエドラを訪れた彼らが初めて見る、生きた性欲処理器──。
 美しい流線形の体を持った牝獺の裸身が余すところなく披露され、男たちはカチカチと互いに角を
ぶつけるほど顔を近付け、その小さな獣の体の淫らな変化に見入る。
 ルルカは何度経験しても慣れない恥ずかしさに身を焼かれた。心で拒んでも、牡を求めて疼く発情
した牝の体。この後、恐ろしい凌辱劇が待っているというのに、体だけが肉欲の期待に反応し、乳首
がぎゅっと固くなって痛いほどだ。焼き印の下で花弁を広げる膣口が淫らに蠢いた。

「シエドラの街では、あちこちにこんな牝獺が繋がれている。
 交易証を発行された者なら、自由に使っていい」
 ウォレンが説明を始めた。
「牝獺の前では、たいてい誰かが順番を待っている。
 順番が来たら……、他の男の精液が気にならないというのでなければ、
 少し待ってやってくれ。
 近くにあるプールで、こいつらは自分で体を洗う。
 ただ、すぐに水から上がってこないようなら、鎖を引いて引き上げるんだ」
 ウォレンはそう言いながらルルカをいったん床に降ろし、向かい合うようにして抱きかかえた。今
にも襲いかかりそうな男たちの興奮を抑えるためだろうか。巨漢で乱暴そうな馴鹿族を恐れるルルカ
には有難い。嘆こうが喚こうが、この後犯されることに変わりはないのだが、ルルカは逞しいウォレン
の胸に顔を伏せることで、気持ちを落ち着かせようとした。
「一人一回の射精で交代だ。後はどう使おうと構わない。
 ただし、死なせないこと。交尾のできない体にしないこと。
 この禁を破った者は、街へ二度と入れない。
 口や肛門を使いたがる者も居るが、消化器系を痛めるのは獺族にとって致命的だ。
 特に罰則はないが、これも御法度だ」
 ウォレンはわざわざルルカの尻尾を持ち上げ、桃色の可愛らしい肛門を晒した。
(このために抱え直したの? 見せなくたって、言葉だけで分かることなのに……)
 男たちの口から、「使えないのか、勿体ないな」という言葉が漏れ、ウォレンも少しぎょっとした
ようだった。ルルカを抱く手に力が籠る。肛門を使った性交渉をタブー視する種族も多いが、馴鹿族
には避妊の手段として使われてきた歴史から、抵抗が無いのだろう。そんな事情はともかく、ルルカ
にとっては恐怖でしかない。膣と違って慣らされてもいない場所に凶悪なサイズのペニスをねじ込ま
れるときの痛みを想像しただけで身が震えた。牡を受け入れるようにはできていない獺の腸はあっと
いう間に傷付き、ルルカは血を撒き散らして悶え苦しむことになるだろう。ウォレンを見上げ、もっ
と強く咎めるように目で訴えた。しかし、ウォレンがそれに応える素振りは無かった。

594かわうそルルカ 5-5/11 ◆q6hKEmO86U :2012/07/11(水) 00:29:43.71 ID:KbkGsykh
「獺の方から体に触らせないようにすること。
 言葉は通じないから、そうやって身分が違うことを教えるんだ」
「……もし、獺が言うことを聞かなかったら?」
 男たちから質問が飛んだ。
 その答えを、ルルカは嫌というほど知っている。
「多少、痛めつけても構わない。
 そして、シエドラの住人は皆、規則で毒針を持ち歩いている。
 声をかければ、獺を懲らしめてくれる。
 獺に大きな苦痛を与える毒だ」
 ルルカはまだ毒を打たれたことはなかったが、儀式のときに見てその効果は分かっている。交尾の
興奮に我を忘れた男たちに理屈は通じない。規則で命の保証はされていても、ルルカを利用する男た
ちは、気に食わないことがあるとすぐルルカを殴った。

「今日は街で一番人気の獺を連れてきたんだ」
 悲惨な日常を思い起こし、意気消沈していたルルカは、ウォレンのその言葉に飛びあがりそうにな
った。
(えっ? そうなんだ、私……?)
 そんな風に言われたのは初めてだった。そもそも、ウォレンがこんな風に丁寧に解説をしていたこ
とはこれまで無かったような気がする。いや、憂鬱な"おつとめ"を前にルルカがふてくされて耳を傾
けようとしていなかっただけなのか。
 ウォレンが言っているのは、いつもと同じ、シエドラの設備の一つである性欲処理の道具について
の説明に過ぎない。そうに違いないとルルカは思う。それでも、心臓がドキドキと脈打って止まらな
い。
「人通りが多いところに繋がれている牝獺ほど人気があると思っていい。
 体つきや声の可愛らしさで、繋ぐ場所を決めるんだ。
 その分、使おうと思えば、行列の後ろで待つことになる。
 手っ取り早く、性欲を満たしたければ、街の外れへ行くといい」
 ウォレンは、ルルカを床に降ろして立たせると、「ほら、挨拶しろ」と頭を叩いた。
(挨拶……ね)
 ルルカは、言葉が分からない振りをして、いつものポーズを取る。小さな腕を左右に広げ、体の後
ろ側へ反らすと、胸の膨らみが前方へ押し出され、強調される。軽く足を開き、尻尾を精一杯持ち上
げ、股間と肛門を晒す恥ずかしい挨拶の姿勢を取った。
 ウォレンは、よくできた、と言わんばかりに頭を軽く撫で、今度は男たちに乳房や性器がよく見え
るように正面を向けた形で、改めてルルカの体を持ち上げた。大きな腕を乳房の下から支えるように
回し、片側の乳房を手のひらで包むようにして、ウォレンはルルカの体を自分の胸にぎゅっと押し付
ける。完全に宙に浮いたルルカは、されるがままに、足と尾を脱力させ、だらんと垂らした。閉じ気
味に尾に後ろ足を添わせても、恥ずかしい部分は隠せない。背中と尾を一直線になるように抱えられ
ると、腰を前に突き出したようになる体つきの獺の場合、性器も、肛門も正面から丸見えになる。
「この娘のおっぱいはすごくきれいな形をしている。
 見た目も、触り心地も、最高だ。
 人気がある理由が分かるだろう?」
 抑揚に乏しい公用語のウォレンの言葉が、ルルカの耳には少し自慢をしているような調子に聞こえ
た。もしかして、いつもルルカが乳房の形を気にして、胸環で潰されて崩れないように頑張っている
ことに、ウォレンは気付いているのだろうか。
595かわうそルルカ 5-6/11 ◆q6hKEmO86U :2012/07/11(水) 00:30:43.90 ID:KbkGsykh
 乳房がゆっくりと揉まれ、ルルカは熱い息を吐いた。乳房を中心に、じわりじわりと快感が全身に
広がっていく。ウォレンはしばらくルルカを腕の中で喘がせると、空いたもう一方の手をルルカのお
尻の方から回し、獺の短い後ろ足をぐいっと持ち上げた。
 すでに丸見えになっている股間を、さらに強調するかのように、衆目に晒す。
 可愛らしい小さな肉球の付いた足の裏、つるりとした丸みを帯びたお腹。そこに押された卑猥な焼
き印、真っ赤な花弁のように開いた牝の性器、ピンク色の肛門。
 ルルカの恥ずかしい部分が余すところなく男たちの目に飛び込んだ。
「それ、すごいな……」
 馴鹿族の一人が改めて漏らした言葉は、ルルカの焼き印のことを指していた。今更恥ずかしがって
も仕方がないのに、ルルカは消え入りそうになりながら、身を捩る。
 持ち上げられた足の先で必死にマークを隠そうとするルルカの動きを、ウォレンは許さなかった。
一生消えない性奴隷の印を指先でなぞり、毛皮から覗く表皮に刻み込まれた肉の溝が今もそこにはっ
きり残っていることをルルカに意識させた。
「見ての通り、これはお○○この印だ。
 性器の形は種族によって違うからな。獺の性器に欲情しない種族もいるだろう。
 だが、可愛らしいおっぱいとこのマークを見れば、
 一度でもシエドラの獺を使ったことのある男なら、
 すぐに臨戦態勢になるっていう寸法だ。そういう印さ」
 なるほど、と男たちは納得する。
「牝獺にとっても悪いことばかりじゃない。
 金属の胸環と、この印は、シエドラの所有物であることの証。
 これがある限り、獺狩りで殺される心配はない。
 他の街に牝獺を攫って行こうとする不届き者がときどき居るが、
 牝獺はシエドラでなければ養えない。ここは特別なんだ。
 他所でこのマークを見かけたら、知らせて欲しい。
 この印は、彼女たちの命を守るためのものでもある」
(そう……なんだ?)
 この説明も、ルルカは初めて聞いたように思う。悪いことばかりではないと知らされ感心するルルカ
だが、焼き印を押された当人にとっては後付けの理由にも思える。
 ウォレンがいつもの軽い調子で、口から出まかせで言ってるんじゃないの?
 今日のウォレンはどうかしている。
 いや、どうかしているのはきっと自分の方に違いない。
 ウォレンが初めて見せてくれた優しさ、獺族の過去について教えてくれたことに感謝する気持ちが、
形式的ないつもの"おつとめ"の行程を違うものに感じさせている。それにしても、前置きが長いよう
な気がした。

596かわうそルルカ 5-7/11 ◆q6hKEmO86U :2012/07/11(水) 00:31:43.66 ID:KbkGsykh
「さて……。
 使う前は少し興奮させてやった方がいい。
 特に、あんたたちのような草食の種族は先走りがあまり出ないから、
 牝の方から潤滑剤をたっぷり絞り出してやるんだ」
 下腹部をそっと撫でるウォレンの手つきが、なんとなく優しい動きに感じられる。そのウォレンの
指先がすーっと下がり、いよいよ、ルルカの秘芯を捉えた。
『あ……』
 思わず声が出る。
 ただ、柔らかい肉の狭間に指が触れただけだというのに、雷に打たれたような衝撃が、全身を貫い
た。いつもより敏感になっている……?
「おや?」
 ウォレンが小声で呟く。疑問に感じるのも無理はない。ルルカのそこは、自分でもはっきり分かる
くらい、いつもと様子が違っていた。
 二本の指を添えられ、くつろげられた肉の入口が、自分の意思と関係なく、ひくひくと収縮し、浅
ましく牡のペニスを求めているかのように蠢く。布で体を冷やされ一時は収まっていた愛液が、再び
体の奥から滲み出て、ウォレンの指を伝って流れるほどに滴っている。おかしい、とルルカは思った。
犯されていないときほど牡を求めて激しく疼く牝の体は、いざ憂鬱な交尾を前にすると萎縮してしま
うはずなのに。
 ウォレンの指先が穴に挿し込まれ、ゆっくり円を描くように動くと、くちゅくちゅと恥ずかしい音
が、部屋中に響き渡った。ルルカは、股間の穴の上、おしっこの小さな穴を通り越してさらに上のあ
たりが、ズキズキと脈打つのを感じた。
(何……?)
 ルルカがそこに意識を集中させるのとほぼ同時に、狙い澄ましたかのように、ウォレンの指が、ま
さにその部分に当てられた。
(っ!?)
 その瞬間、ルルカには全身の筋肉が勝手にピンと張り詰めるのが分かった。強烈な快感の波が、そ
の部分を発端に、一瞬で手足の指の先まで広がった。
 ウォレンの指先は、獺族の小さな陰核を捉えていた。
 性器の真上あたりにとりわけ敏感な部分があることを、ルルカは知っていた。ウォレンと交尾をす
るとき、体が無意識に動いてその部分を彼の体に押し付けてしまう。でも、今ほど敏感になるような
ことはなかった。
 ウォレンの指先が、ルルカに今、自分の体がどういう状態にあるのかを教える。ウォレンはそこを
そっと摘み上げた。痛みを伴う快感に近い強い刺激とともに、その部分が小さなお豆のような突起に
なっていることをはっきりと感じる。それは乳首と同じように固くなっていて、乳首よりもずっと敏
感だった。
 ルルカの体は激しい興奮に包まれていく。全身が熱く、息が苦しい。
『ああっ……、やめて、ウォレン……』
 強い刺激に、頭が真っ白になりそうだった。ルルカはかろうじて、公用語を使わないという理性を
保っていたが、体は言うことを聞かなかった。
「珍しいな。この娘はあまり鳴かないのが玉に瑕だったのだが……」
 ウォレンの指が股間と胸の敏感な三つの突起に順に触れる度、筋肉が緊張と弛緩を繰り返す。性器
の入口もそれに合わせてギュッと締まっては、緩む。ルルカは、まるでウォレンの手で奏でられる楽
器のように、呼吸もままならず、『ひっ、ひっ』と短い悲鳴を上げ続けた。それは、男たちの耳には、
キュッキュッという可愛らしい鳴き声に聞こえる。
(もうダメ……)
 凌辱の日々の中ではほとんど感じることのない快感の洪水に、ルルカはどうにかなってしまいそう
だった。手足がぴんっと突っ張ったような感覚に襲われた次の瞬間、随分と長く忘れていた感覚がよ
みがえりそうになった。いつだったか、地下牢で感じた、強い感情の高まり。その極みに、あとわず
かで到達しそうに思った。
 しかし、ウォレンの愛撫は、突然打ち切られてしまった。

597かわうそルルカ 5-8/11 ◆q6hKEmO86U :2012/07/11(水) 00:32:43.73 ID:KbkGsykh
「それじゃあ、お楽しみの時間だ」
 床に降ろされたルルカは、まだ肩で息をしていた。ウォレンの手の支えが離されると、足腰が立た
ず、ペタンと尻餅をついた。ぼんやりした視界に、ウォレンの大きな手が映っていた。その指先は、
ルルカの体から分泌されたねっとりした液体にまみれている。指と指の間を糸が引いているのを見て、
ルルカは恥ずかしさに顔が熱くなった。気持ちがいいときほど、その液体は粘っこくなるからだ。
 男たちに声をかけておきながら、ウォレンはまるでルルカを渡すのを躊躇うかのように、動きを止
めている。
 どうして──?
 次第に視力のはっきりしてきたルルカの目に、自分を取り囲む馴鹿族の男たちの姿が入る。男たち
は皆、ルルカの痴態に興奮し切っていた。今にも襲い掛からんばかりにルルカの眼前に迫る男たちは、
股間を覆う布を大きく盛り上がらせている。中にはすでに腰布を緩め、牡の性器を露出させている者
も居る。
 「それ」を一目見て、ルルカの血の気が引いた。
 見たことがないようなサイズだった。これまで相手をしたことのある種族で、最も大きなペニスの
持ち主は、狼族である。その中でも、ルルカの知る限り一番大きく逞しいのはウォレンのものだった。
しかし、彼ら馴鹿族の逸物は、ルルカのお腹の中で膨らみ切ったときのウォレンのものより、さらに
大きい。そして、それは狼族との交尾と違い、すでに大きくなった状態でルルカの中に押し込まれる
ことになる。
(嫌……、怖いよ、ウォレン──)
 ウォレンが会話を引き延ばしていた理由が分かった。彼もルルカを男たちの餌食にするのを躊躇っ
ていたのだ。シエドラの大切な資産である牝獺を壊されないよう気遣うのはウォレンの役目なのだか
ら。
 しかし、いつまでもそうしているわけにはいかない。首を左右に振って尻込みするルルカを、
ウォレンは覚悟を決め、男たちの前に押し出した。

 ルルカは足を掴まれ、乱暴に牡獣たちの輪の中に引き込まれた。ウォレンがあれだけ説明したのに、
馴鹿族の男は滾る欲望を抑えきれない様子で、前戯も何もなく、ルルカの小さな体にいきなり剛直を
押し込んだ。信じられないほどの質量のものが、ルルカの内臓を押し上げた。恐怖を感じたルルカは
手足をバタバタさせてもがく。そんな抵抗が何の意味もないことは分かり切っているのに。
 馴鹿族のペニスは狼のそれの先端ほど細くはなく、狼が持つ根本の瘤ほどの太さがあるわけでもな
い。突き込まれたペニスの先はいったんルルカの子宮を強く押し上げ、しばらく間を置いてから子宮
の入り口をこじ開け、中に潜り込んでくる。普段から大量の精液を溜め込む袋のように拡張され、緩
んでいたはずの子宮の肉壁が、痛みを感じるほどにぐちゃぐちゃに掻き回される。
 異物で子宮を徹底的に蹂躙され、周囲の腸や胃袋まで圧迫される感触に嘔吐きそうになった。
 先ほどは快楽のために苦しかった呼吸が、今度は苦痛のためにままならなくなる。
『……助けて!』
 ルルカは悲痛な声を上げた。
 それを、男たちは、「いい声で鳴くな、この牝は」などとしきりに褒め、さらに興奮を募らせてい
く。獺族の悲鳴を、歓喜の声と思い込んでいた。
 こんなに苦しいのに。涙が止まらないほど流れているというのに、誰も気に留めようともしない。
獺族の言葉で叫んでいる限り、付き合いの長いウォレンにも違いは分からないだろう。しかし、彼に
通じる言葉で助けを求めるわけにはいかなかった。
 大勢の前で、公用語が話せることを知られてはいけない──。

598かわうそルルカ 5-9/11 ◆q6hKEmO86U :2012/07/11(水) 00:33:43.95 ID:KbkGsykh
 馴鹿族は性欲が強いと豪語するだけあって、挿入から射精までの時間が恐ろしく長かった。ルルカ
の体を抱き寄せ、腰を上下に激しく振った。あまりの苦しさに、ルルカは手を突っ張る。
 ルルカの小さな爪が、男の腹を弱々しく掻いた。
「おっと、これは躾けておいた方がいいのか?」
「牝獺は、交尾相手の体に触れてはいけないんだったな」
 挿入している男が、ルルカの頬を平手で打った。彼は手加減をしているつもりなのだろうが、筋肉
質でルルカの三倍近くにも見える体格から生み出される打撃は、首が吹き飛ぶかのような衝撃をルル
カに与える。
 一発だけではなかった。横殴りの打撃が何度か与えられ、勢いで乳房も数発、打たれる。筋肉が無
いため痛みを堪えることのできない乳房を叩かれるジンジンと響く痛みは、熱のようになってしばら
くそこに留まり、ルルカを苦しめた。
 最初の男がようやく大量の精液を吐き出したかと思うと、全くルルカに休む間も与えず、すぐに次
の男が覆い被さってきた。
 地獄のような交尾だった。
 朝のアンテロープたちのしたことが可愛く思えるほどに、馴鹿族は乱暴で容赦が無かった。
(ウォレン、みんなを止めてよ……。
 どうして、止めてくれないの?)
 ルルカの望みに応えることは、ウォレンには無理な相談だ。ウォレンの前でルルカはほとんど悲鳴
を上げたことなどないのだから、獺族の苦痛の叫びをウォレンは知らないのだ。

 全身を千切られそうな激しい交尾の衝撃に、ルルカの意識がウォレンの声を認識できなかっただけ
で、実際には、ウォレンは何度も制止の声を掛けていた。獺語は分からなくとも、男たちの性欲の尋
常ではない強さに不安を覚えた。しかし、馴鹿族の男たちは興奮に包まれ、ウォレンの言葉を聞き入
れなかった。
 止まない凌辱は、ルルカとウォレンの思いをよそに延々と続き、五人目の男がルルカに肉の槍を突
き刺すと、あちこちから我慢し切れなくなった手が伸び、ルルカの腕や尾や乳房を鷲掴みにした。
 お腹の恥ずかしい焼き印の痕にも手が当てられ、精液の詰まった子宮を肉の上から強く揉まれた。
口腔を無理やり指で広げられ、やがてお尻の穴にまで指がねじ込まれた。ウォレンが禁じたことを彼
らは忘れているようだった。ルルカはこのまま殺されるのではないかと思った。
「こいつ、漏らしやがった!」
 男の言う通り、ルルカの股間からはシュルシュルと力の抜けたような音を立てて、尿が漏れ出して
いた。口からは泡を吹き、ほとんど意識が飛んでいた。
「やめろ、そこまでだ!」
 小便をかけられた怒りに任せてルルカを殴ろうとした男の間に、ウォレンが割って入った。
 我を忘れ、雄叫びを上げる蛮族のような男たちからルルカを奪い返し、ウォレンはもう一度、やめ
ろ、と一喝した。

599かわうそルルカ 5-10/11 ◆q6hKEmO86U :2012/07/11(水) 00:34:43.49 ID:KbkGsykh
「一度、牝獺を休ませる。続きはそれからだ」
「すまない、次からは気を付ける……」
 ウォレンの声に意識を取り戻したルルカは、布が敷かれただけの床の上に仰向けに転がされている
ことに気付いた。ルルカの両足は、木の棒に軽く縛り付けられ、大きく左右に開かれて固定されてい
た。
(休ませるって……。こんな惨めな恰好で……)
 ルルカには体を休めている間も恥部を隠すことは許されていないのだ。ルルカをこんな姿に拘束し
たのは、恐らくウォレンだろう。
 今日、ウォレンの態度から感じた優しさは、やはりルルカの思い違いだった。彼がルルカに対して
優しくする理由など無い。"おつとめ"を中止する気も無さそうだ。彼は、ルルカの今日の責務を全う
させようとしていた。
 馴鹿族の男は全員で十三人。ルルカを犯していない者がまだ八人、残っている。あんな惨めで辛い
交尾を、まだ続けなければならないのだ。
 ルルカは自由にされている手で、顔を覆ってすすり泣いた。
 視線を自分のお腹に向けると、そこは大きく膨らんでいた。子宮口はもう緩み切っているが、若い
牝獺の締まりのいい膣が、牡獣たちの精液を胎内に押し留めていた。呼吸をする度に、股間から漏れ
出した精液が、お尻の下に敷かれた布に吸い取られていく。自然に精液が抜けるまで休んでいていい
ということなのだろう。

 馴鹿族の男たちは、落ち着きを取り戻しているようで、大人しくウォレンの言葉に耳を傾けていた。
ウォレンはもう一度、牝獺がシエドラの資産であることを語り、一度に一人しか牝獺に触れてはいけ
ない、それが守られなければ、馴鹿族にシエドラの獺を利用する許可は与えられない、と念を押した。

 二十分ほども大人しくしていれば、獺の体力は回復してしまう。過酷な水中で行動をしていた獺族
の体質のおかげであるが、今のルルカにとっては有難いものではなかった。
 無造作に膣に押し込まれたウォレンの指先が、精液が抜け切ったことを確かめる。
『お願い、ウォレン……。もう帰らせて……』
 獺語で訴えてみるが、当然、それはウォレンに理解できるはずもない。
(あと八人も相手をさせるの? 酷いよ、ウォレン……)
 ウォレンは足の拘束を解いてルルカを立たせ、折り畳んで厚くした布をルルカの股間にトントンと
当てた。これ以上、粗相をしないように、残った小便をそこに出せと言っているのだ。いつもは衆目
の中とはいえ、女性らしくしゃがんで用を足しているルルカに、彼はさらに惨めな思いをさせようと
していた。
 ウォレンにとって自分は、シエドラの広報を行うための道具に過ぎない。ルルカはそのことをはっ
きりと意識した。
 早くしろ、とばかりに尿道口を布が擦り上げる。
『うっ、うう……』
 ルルカは布に股間を押し付けるようにして、立ったままおしっこを出した。
 恥ずかしさと悔しさにこぼれる涙で視界が滲んだ。

600かわうそルルカ 5-11/11 ◆q6hKEmO86U :2012/07/11(水) 00:35:43.77 ID:KbkGsykh
「どうした? やはり一時中断か?
 言っていた通りじゃないか」
 突然、声がして、一人の男が広間に入ってくる。大柄で灰色の毛並の男。ウォレンと同じ狼族だっ
た。
「お前……。来るなと言っただろう?」
 ウォレンはその男が歩み出る先に立ちはだかり、対峙する。まるで、ルルカから遠ざけようとする
かの動きだった。
「一頭じゃ厳しいかもしれないと言っていたのはウォレンだろう」
「休ませながらやるから、お前は来なくていいと後から言ったはずだ」
 上半身の被毛を自慢げに露出させているウォレンと違い、その男は、目の覚めるような青い原色の
糸で織り込まれた衣装を纏っている。それはいつも見る狼族の灰色の正装ではなかった。ルルカの脳
裏に、儀式の日のことが浮かぶ。あのとき、赤い衣装を着たウォレンの他に居た二人の狼族。彼らが
着ていたのが、この青い服だ。ルルカは、衣装の色が狼族の中での階級を示すものであると気付いた。
ならば、ウォレンは──?
 ルルカの頭の中に浮かんだ疑問はすぐに掻き消えた。ルルカを、新たな衝撃が襲う。

「そいつはもう少し休ませろ。ほら、もう一頭連れてきてやったぞ」
 男の言葉と同時に、ウォレンは振り返ってルルカの顔を見た。ウォレンは声を出さなかったが、口
の動きでルルカに何かを伝えようとする。

──ルルカ、見るな!

 ウォレンが振り向いたときには、すでに手遅れだった。涙を拭ったルルカの瞳に、その男が連れて
きたもう一頭の牝獺の姿が映っていた。
 男は胸環でぶら下げた獺の体を広間の全員に見えるように突き出した。
 それは、可愛らしい獺の娘だった。顔立ちは驚くほどルルカに似ていた。整った形の乳房や、滑ら
かなお腹のライン、毛の色の濃淡に至るまで、ルルカにそっくりだった。噴水池の水面に映った自分
の姿を、ルルカは思い出した。ルルカが街で一番人気と言われているのがよく分かるほど、そのルルカ
と瓜二つの獺は、美しい。
 しかし──。
 ルルカは全身が強張るのを感じる。何かがおかしかった。

 小さな体の牝獺は、ぶら下げられたまま、荒い呼吸で肩を喘がせていた。意識はあるはずなのに、
眠っているように目を閉じた顔を力なく傾けている。両腕は曲げられて乳房の脇にぴったりとつけら
れている。両足は脱力しておらず、不自然に左右にはだけられていた。
 二つの乳房の頂点に、銀色に光るものが見えた。
 大きく開かれた股間の赤い薔薇のような性器の頂点にも、鈍く光る金属の欠片があった。

 ルルカは恐ろしさに身震いする。久し振りに見る、自分以外の獺族の姿──、それは変わり果てた
ものだった。そしてそれは、近い未来のルルカを映す鏡でもあった。
601 ◆q6hKEmO86U :2012/07/11(水) 00:37:17.09 ID:KbkGsykh
以上です。

次回、かわうそルルカの生活 第六話は、サブタイトル『おさかな』

知らされた己の運命。
絶望から逃れようともがくルルカを、更なる絶望が襲う。
「そして、安らかな死を迎える。
 これが、シエドラの牝獺の最期だ──」

みたいな感じでお送りします。お楽しみに。

どんどんきつい話になりますが、
次回はルルカにとって嬉しいことがある・・・かもしれません
602名無しさん@ピンキー:2012/07/11(水) 01:47:07.59 ID:/Q31o3p5
うおおおお!! なんとなく来たら、投下直後に読めた!
投下お疲れ様! 毎回読ませてもらっています。ウォレンの愛情が切ない。

嬉しいこと…最初の注意書きからこれからどういう展開があるのかなんとなく予想がついたけど。
ジエルとジルフの当初の設定はこんなにいい人じゃなかっただろうし、今後の展開から目がはなせないな。
603名無しさん@ピンキー:2012/07/11(水) 17:19:02.03 ID:XwVy0Khu
ルルカちゃぁぁぁん切ねぇぇぇよぉぉぉぉぉ
604名無しさん@ピンキー:2012/07/12(木) 01:07:12.03 ID:tYRiOOwQ
怖え、つーか戦慄
そこまでするかという描写にシビれる
痛いのキライなはずなのに続きを読みたくなるから不思議
605名無しさん@ピンキー:2012/07/13(金) 06:30:24.99 ID:nwNO0zn9
ルルカに布押し付けるウォレンマジ鬼畜
しかしその描写に激しく萌えてしまった俺
606名無しさん@ピンキー:2012/07/14(土) 08:21:15.65 ID:XozX2j6L
救済
607 ◆NFt41Ic3fU :2012/07/16(月) 03:49:02.19 ID:978h4wXN
まとまった時間が取れたので、未読だった「かわうそルルカ」
1から通して拝読させていただきました。
話題作だけあって、完成度が半端じゃないですね…
背景にある世界観や設定が作り込まれているばかりでなく、
細かい描写や、ひとりひとりのキャラクター性、
物語の見せ方などにおいても、非常に参考になりました。
「ただひとりの公用語のわかる娼婦」を主役にするという発想は
どのようにして生まれたのでしょうか。連載が終わった暁には、
是非あとがきで、作品構想のきっかけなども教えて頂ければ幸いです。
影ながら、応援しておりますので、今後とも推敲頑張ってください!
608名無しさん@ピンキー:2012/07/20(金) 22:30:58.16 ID:W6MOVdOR
「テラフォーマーズ」のゴキブリ人間と
「害虫女子コスモポリタン」のゴキブリの交尾見たい
609名無しさん@ピンキー:2012/07/22(日) 16:25:51.65 ID:Bs16hLpv
昆虫は人外スレの守備範囲かと思ったけど
人外×人外は受け入れ先ここしか無いのか・・・
610名無しさん@ピンキー:2012/07/22(日) 20:36:14.28 ID:/55RpNw8
>>609
いっそ自分で建てちゃうっていうのも手だぞ
住人が居つくまでスレの維持が少し面倒だろうけど
611 ◆q6hKEmO86U :2012/07/29(日) 22:12:19.58 ID:1lHNb4lp
ご感想ありがとうございます>ALL

かわうそルルカの生活 第六話です。
注意事項は >>442 参照。

全編中一番キツい話になるかもしれませんが、
ちょっとだけご褒美もあります。
では・・・
612かわうそルルカ 6-1/15 ◆q6hKEmO86U :2012/07/29(日) 22:13:27.88 ID:1lHNb4lp
     【6】 −おさかな−

 青い衣装の狼族の男は、広間に集まった者すべてに見えるように、連れてきた牝獺を胸環で掴んで
ぶら下げ、突き出した。美しく愛らしい獺の娘がもう一頭増えたことに、観衆は「おおっ」と歓声を
上げたが、ルルカとウォレンだけは時間が凍り付いたかのように身を固くして言葉を失った。
 ルルカに瓜二つのその牝獺の様子は、尋常ではなかった。
 彼女はただ、ぶら下げられているだけなのに、はぁはぁと荒い呼吸をしていた。口はだらしなく開
いて舌が飛び出している。眠っているかのように閉じられた目は、その部分だけを見ると喜んでいる
風にも見える。頭は脱力して傾いており、つるりと長い獺族の胴も太い尾も、吊るされるままにぶら
ぶらと揺れているのだが、両腕は緊張して乳房の横に引き付けられ、両足もぴんと突っ張ったように
左右に広げられているのが、如何にも不自然だ。意識はあると思われるのに、彼女はその場に居るも
う一頭の牝獺──ルルカを見ようともしなかった。
 股間から漏れ出た液体が、尻尾までベトベトに濡らしている。その牝獺が激しい興奮状態にあるこ
とは一目瞭然だ。
 彼女のきれいな形の乳房。その先端に飛び出た乳首の先で、銀色に光る小さな環が呼吸に合わせて
揺れていた。
(あれは……何?)
 ルルカは自分の乳首がきゅっと摘ままれるように感じた。視線を落とせば、同じ金属の環がもう
一つ、股間にもぶら下がっている。
(どうして、あんなところに──?)
 牝獺は、時折、ビクビクッと体を震わせた。

 一時、唖然としていたウォレンは慌てて、ルルカの視線を遮るようにしながら、ルルカの顔を胸に
押し付け、抱きかかえた。
「俺たちは、帰らせてもらうぞ」
 青い衣装の狼族は、ウォレンが苛立っている様子に首を傾げて言った。
「何言ってんだ。大事な行商の連中だろ、顔繋ぎしてもらわなきゃ困る」
 ウォレンは諦めて男の言葉に従ったが、あの牝獺をルルカに見せたくないことはルルカにも伝わっ
てくる。ルルカの息が苦しくなるほど彼女を自分の胸に強く押し付ける。
(ウォレン、私は──)
 ウォレンが強引にルルカを連れ帰ろうとしても、ルルカ自身はその場を離れようとしなかっただろ
う。男にぶら下げられた牝獺が何をされたのか、知らぬままでは居られなかった。
 馴鹿族の男たちに同族の狼を紹介したウォレンは、さりげない仕草で、ルルカを床に立たせると、
ルルカがうっかり言葉を発しないように、短い獺族のマズルをそっと掴んだ。もう一方の手で目を覆
い隠す。ウォレンはルルカのためを思ってそうしたのだろうが、逆効果だった。
「さて、こちらの牝獺は、"加工済み"だ。
 そうだな、街の二割ほどの牝獺がこの状態にされている。
 こっちを好んで使う者も多い」
(加工済み──?)
 男の不気味な言葉が耳に突き刺さる。ウォレンも、ルルカの耳を塞ぐわけにはいかない。彼女が公
用語を聞き取れることが知られてしまうからだ。
 その青い衣装の男に悪気があったわけではない。彼はルルカに言葉が通じるなどとは思いもしな
かったのだから。彼はウォレンにも見える位置に立ち、馴鹿族の男たちに説明を始めた。ルルカはこ
れまで考えたこともなかった、シエドラの牝獺が迎える運命について、聞かされることになる。

613かわうそルルカ 6-2/15 ◆q6hKEmO86U :2012/07/29(日) 22:14:32.81 ID:1lHNb4lp
「交尾を繰り返すと、体の頑丈な獺族とはいえ、膣が緩んでくる。
 どの牝獺も、いずれはそうなる。
 殴ってみても締め付けが良くなるわけじゃないから、
 使用感が悪くなってきたら、我々に伝えてくれ。
 頃合いを見て、"加工"する──」
 男の指先が牝獺の乳首のリングを摘み上げた。牝獺はかすかな声で、チィと可愛く鳴いた。ルルカ
にはその意味がはっきりと判る。それは、官能を刺激されて出る喘ぎ声だ。
「これを付けられた牝獺は常時、性感帯を刺激され、こんな風に……」
 男は、牝獺の体を揺すって見せる。牝獺はチィチィと繰り返し鳴き、荒い息を吐いて喘ぐ。手と足
だけを緊張させたポーズで、牝獺はぶらぶらと揺られた。
「ほとんど動けなくなる。歩いただけで感じてしまうんだからな」
 ルルカは、ウォレンに押えられた口の中で、小さな悲鳴を上げた。目を塞がれていることで、却っ
てルルカの恐怖は大きくなった。
 あの娘の体に着けられた三つの金属リング、──あれは、体の何処に着いてるの?
 胸のリングは乳首の根本を貫通しているのだろう。そちらは一瞬目に飛び込んできただけでも、
はっきりと分かった。問題は股間に見えた金属の光だ。乳首を貫いているのと同様のリングに見えた。
あんなところにどうやって装着されているのか。
 その疑問に対する答えはとっくにルルカの中で出ていた。きっと間違いない。さっき、ウォレンに
触られたあの小さな突起に、金属の環が貫通しているのだ。
 恐ろしく敏感な部分──。ウォレンに優しく触られただけで、快感でおかしくなりそうだった。あ
んなところに穴を開けられ、金属のリングを通されたら、男の言う通り、一日中あの突き上げるよう
な快感に包まれて過ごすことになるだろう。歩けなくなって当然だ。

「食事や排泄くらいは自分でできるから、面倒なことはない。
 これを着けられると、牝獺の膣は常時、痙攣したように動くんだ。
 挿入されていようがいまいが、寝てる間もずっとだ。
 間隔や締め付けの強さは個体によって違うから、
 それだけ色んな感触を楽しめる」
 男は、牝獺の片足を持ち上げ、性器を晒す。そこは、牝獺が体を震わせるタイミングに合わせ、
キュッとすぼんでは、まただらしない口を開き、淫らな液体を垂れ流した。
 見えなくとも、ルルカには毛皮の擦れる音や牝獺の荒い息によって何が起きているかはっきりと想
像できた。痴態を演じる主は、自分とそっくりな顔立ちの獺の娘。それを思うと、ルルカまでもが恥
ずかしくなって、顔がかあっと熱くなる。
 狼族の男は、ウォレンが馴鹿族たちを前にそうしたように、牝獺の紹介を始めた。その細かな内容
はルルカの耳に入っても右から左へ抜けてしまい、頭に残らない。牝獺の激しい喘ぎ声ばかりが、
ルルカの意識に飛び込んでくる。
 青服の男は、自慢げに、牝獺の滑らかな被毛を撫で、形のいい乳房に手を添えて馴鹿族の男たちに
見せつけているようだった。ウォレンがルルカの乳房を愛撫したのと同じように。
 ルルカは、自分がそうされているような錯覚を受ける。興奮に包まれて我を忘れていたあのときの
自分も、彼女と同じような喘ぎ声を立てていたのかと思うと、ルルカはまた恥ずかしくなった。

614かわうそルルカ 6-3/15 ◆q6hKEmO86U :2012/07/29(日) 22:15:32.64 ID:1lHNb4lp
「ウォレン、その獺を貸せ。彼らに見比べてもらう」
 ウォレンに対する男の依頼に、ルルカは飛び上がりそうになった。ウォレンは素早くルルカの目と
口を覆っていた手を離し、肩を強く押えた。そのことは、言葉が通じることに気付かれないよう、
ルルカに念押しをする効果があった。ルルカは叫びだしたくなるのを抑えて、必死に平静を装った。
何も分からない振りをしようと努めた。
 男が一歩踏み出して、ウォレンに手を差し出していた。ルルカを繋いでいる鎖を手渡せと言うのだ。
(やめて、ウォレン、渡さないで……)
 ウォレンは黙って手を伸ばし、男の手に鎖の端を受け渡した。
(どうして、ウォレン……)
 それは、ルルカの秘密を隠そうとしてくれているウォレンにとってそうせざるを得ない行動なのか
もしれない。ただ、ルルカには無慈悲極まりない結果をもたらす行為だった。鎖を引かれれば、ルルカ
は男がぶら下げている牝獺に歩み寄ることになる。彼女の体にどのような"加工"が施されているのか、
ルルカがそれから目を逸らし続けることは不可能だった。
 男は躊躇せずにルルカを引き寄せた。言葉の出せない種族は家畜と変わらぬ存在であることを思い
知らされる。ルルカは恐ろしさに震える足を気付かれないように、ゆっくりとした足取りで従順な獺
が鎖に引かれる様を演じた。そんな気遣いをしている自分に、気がおかしくなりそうだった。男は
ルルカが状況を理解していると思っていない。だからルルカに残酷な現実を見せ付けることに何の感
慨も無いのだ。
 男が片手で鎖を短く詰めると、引かれたルルカの顔は思わず上を見上げる。ルルカの目に、横向き
になったもう一人のルルカの乳房が飛び込んできた。
(ああ……)
 乳首を金属の環が貫通しているのは予想していた通りだったが、さらにその根本、桃色の肌が露出
した乳輪と毛皮の境目あたりにも小さな金属の球が光っていた。歪められた乳房の先端を見詰めてい
るうちに、それが乳輪を真横に貫く金属棒の両端に固定された球だと気付いた。そこがいつも刺激さ
れるようにするため、シエドラの民が重ねた工夫の産物だ。
(なんてむごいことを──、あっ!)
 足を止めたルルカを寄せようと、男は鎖を強く引き上げた。前のめりに足を踏み出したルルカと、
男が腕を振り上げる反動で正面を向いたもう一頭の牝獺が鉢合わせになった。
 ルルカは息を飲む。目の高さにちょうど、吊り下げられた牝獺の下半身があった。
 目の前に牝獺の可愛らしい肛門があった。桃色の放射状の襞は、膣から溢れ出した液体で表面を覆
われてきらきらと光を反射した。同じものを体に持つルルカも、思わず見惚れてしまう美しさがそこ
にはあった。
(私も、いつもこんな風になってるの?)
 いや、違う、と思った。その愛液の量は尋常ではなかった。肛門ばかりか、尾全体の毛に染み渡る
ほどに流れ出しているのだ。
 ルルカの視線は、ゆっくりとその源流に向かった。脳裏に、先ほどのウォレンの顔が浮かぶ。
「ルルカ、見るな」という聞こえるはずのない声がもう一度、聞こえたような気がした。それでも、
ルルカの視線はその部分に吸い寄せられていた。
 薔薇の花びらのように赤く染まった肉の襞が大きな口を開け、暗い穴の奥から止め処ない液体を湧
出させている。その頂点に赤い宝石のような珠があった。それはウォレンの指で刺激され、ルルカを
悶え狂わせたあの部分だ。"加工"が施されていなければ、ルルカは自分の体にもそのような綺麗な果
実か宝石かと思うほどの器官が存在することに驚いただろう。しかし、それは無惨に造り変えられて
いた。股間に見えた金属の光。それは、牝獺の陰核の根本を横に貫く金属のリングが放つ光だった。

615かわうそルルカ 6-4/15 ◆q6hKEmO86U :2012/07/29(日) 22:16:32.36 ID:1lHNb4lp
 全身の力が抜け、崩れ落ちそうになったルルカの胸環を男が掴んで吊り上げた。先ほどウォレンの
指示で排尿をさせられていなければ、ルルカは小便を漏らしてしまっていただろう。しばらく男たち
の会話を夢うつつに聞いていたルルカを、突然、恐ろしさが蝕み始めた。ルルカは現実から目を背け
るように目を瞑った。同じように目を閉じて喘ぐ、自分とそっくりな牝獺がすぐ隣に居る。青い衣装
の狼族の手で、二頭一緒にぶら下げられているのだ。
 もう一人のルルカ──彼女の身に行われた施術を思うと、ルルカは胸が痛んだ。どんなに恐ろし
かったことだろうか。激しい痛みとともに体に次々と通されていく金属の環──。

「少し触ってみるといい。ほら」
 男はウォレンにそう言った通り、馴鹿族の男たちに"加工済み"の獺とまだ加工されていない獺を比
べさせるつもりだった。
「これはどうやって体に着けているんだ?」
 誰かが隣の牝獺のリングを指して言っている。
「穴を開けて通しているんだ」
 やっぱり──。
 ルルカは身を捩りそうになるのを必死で堪えた。思わず乳房を手で覆ったり、股間の痛みを想像し
て両足を擦り合わせでもしたら、ルルカが彼らの言葉を理解しているとばれてしまう。
「着けたら二度と外せないのか?」
「一度着けたら、一生このままだ。
 工具を使えば外せるだろうが、獺族の手では、無理だな」
「相当、痛いんだろう? こういう飾りを成人の儀式で着ける種族を知っている」
「そりゃあ、聞いたことのないような悲鳴を上げるものさ。
 ただ、痛いのはそのときだけだ。すぐに快楽の虜になる。」
 聞いたことのない悲鳴──、それはあの忌まわしい焼き印を押されたときより強い痛みに襲われる
ということだろうか。
 突然、下腹部のその焼き印をつつかれ、ルルカはドキッとして目を開けた。隣の牝獺の広げた足の
先が当たったのだ。
 そうだ、とルルカは思った。言葉が通じないと彼らが思っているのなら、少しくらい獺語の会話を
しても大丈夫だろう。馴鹿族は獺の言葉を聞いたこともないのだし、狼族の男は両手が塞がっていて、
ルルカたちを咎めようにも大したことはできないはずだ。
『大丈夫?』
 ルルカは小声で尋ねた。返事はない。
『私はルルカ。あなたの名前は……?』
 もう一頭の牝獺は激しく喘ぐばかりで、言葉を交わすことはできないようだ。それほどまでに強い
刺激を受け続けているのだろうか。ルルカが諦めようとしたとき、う……っと小さくうめき声が聞こ
えた。やはり、彼女には意識があるのだ。
『話せるの? あなたは──』
 ルルカの問いに、牝獺は小さな声で何かを言った。『ミルカ』と聞こえたような気がする。
『ミルカ……? それがあなたの名前……なの?』
 ミルカという名前らしいその牝獺は、再び激しく喘ぎ始め、それ以上は何も答えなかった。

616かわうそルルカ 6-5/15 ◆q6hKEmO86U :2012/07/29(日) 22:17:46.61 ID:1lHNb4lp
「本当にこっちの牝は動けないのか?」
 男たちは、体の敏感な部分にリングを通された牝獺を興味津々に見ていた。先ほどはこんなに小さ
な体なのに男たちのペニスを受け入れるシエドラの牝獺──ルルカの体にひとしきり感心したばかり
である。北方の一族の好奇心は膨らみ続けていた。
「信じられないな」
「だったら、確かめてみるかい?」
 狼族の男は、ルルカともう一頭の獺、ミルカの体を自由に触らせると言った。
 すぐに無数の手が、ルルカたちの体に伸びてくる。乳房を荒々しく揉まれ、膣や肛門が押し広げら
れた。恥ずかしい体の内側の粘膜までが男たちの好奇の目に晒される。
「お尻の穴はどちらの牝も可愛らしいな」
「本当、これが使えないというのはつくづく惜しい」
 肛門に指先が押し付けられ、先ほどの激しい凌辱を思い出したルルカは恐怖に包まれ、また目を閉
じた。男たちは、二頭の牝獺の体を弄びながら品評を始める。
「おっぱいの形もそっくりだが、こっちの牝の方が柔らかいな」
「それだけ使い込まれてるんだろう」
「それにしても、すごい蜜の量だ。これが"加工"の効果か……」
 ミルカは断続的に『ああっ』と喘ぐ。
(ミルカ……、気持ちいいの?)
 ルルカには、ミルカが感じているであろう快楽がどの程度のものか分からなかった。男たちに触ら
れただけでこんな声を出すのだろうか。自分は、気持ちいいなんて思ったことはなかった。先ほどの
ウォレンの愛撫を除いては……。
 男たちが面白がってミルカの乳首や陰核を貫くリングを引いて刺激する。ミルカはさらに激しく喘
いだ。これが、体に金属の環を通された効果なのか──。ルルカは自分もこんな風になってしまうの
かと恐ろしくなった。ミルカに対する評価はそのまま、近い未来のルルカに対するものだ。
「本当だ、こっちの牝はこれだけ鳴いてるのに、この恰好のまんまだな」
 ミルカと同じように、ルルカの敏感な突起もこね回された。ルルカは身を捩って避けようとする。
「こっちは反応がいいが、鳴かないな」
「そっちの牝はあまり感度が良くないと聞いているが」
「さっきの狼が弄ってたときはいい声で鳴いていたんだがな」
 男たちの指が、股間の敏感な突起に集中する。ルルカは体がかっと熱くなるような恥ずかしさを感
じたが、ウォレンに触られたときのような快感は無い。火傷の痕を撫でられるような痛みに似た感覚
に涙を滲ませる。やがて、指は嫌がるルルカの膣に潜り込んできた。隣のミルカも同じようにされて
いるみたいだ。
「こっちの牝はすごいぞ」
「中がヒクヒクしてる……」

 指が抜かれると、狼族の男は二頭の牝獺の体を床に降ろす。ルルカは足が着くとなんとか自分で立
てたが、ミルカは両足を開いたポーズのまま、床にごろんと倒れた。
(本当に、動けないんだ……)
 自分もいずれ彼女のようになるのかと思うとぞっとする。男がウォレンの方へルルカを押しやり、
ルルカはふらふらとよろめくようにしながら、ウォレンの足元に辿り着き、そのまま支えを求めて彼
の大きな足に抱き付いた。
「さて、どっちがいいのかな。じっくり比べてみたいところだが……」
 その馴鹿族の言葉は、遠回しに二頭とも使わせろと要求しているのだ。青い衣装の狼は困った顔を
した。まだ交易証が発行されていない彼らは、"おつとめ"で提供される牝しか使えない。
「残念だが、このお披露目では一人一回と決まっている。
 じゃあ、こうしよう。残りは何人だ?」
 八人の男が手を挙げる。
「じゃあ、二人が先にこいつを使う。
 残り三人と三人で同時に二頭の牝獺を使うんだ。それで比べればいい」
 ルルカは男の提案に愕然とする。残りの八人をすべてミルカに押し付けて自分は助かろうというつ
もりはないが、体が先の凌辱劇を覚えていて、震えが止まらない。
「いいだろ、ウォレン。十分休ませてあるんだろう?」
「ああ……」
 ウォレンがルルカにしてやれることは、その小さな頭にそっと手を当てて抱き寄せることだけだ。
ルルカをここから連れ出す口実が無かった。

617かわうそルルカ 6-6/15 ◆q6hKEmO86U :2012/07/29(日) 22:18:40.78 ID:1lHNb4lp
「今から、こいつを使ってもらう。
 さっきの牝獺との具合の違いを確かめてみてくれ」
 男がまた、ミルカの体を宙に吊るした。こいつはいいぞ、と男は言う。ウォレンがルルカを紹介し
たときのように、彼も自分が連れてきた牝獺を自慢しているように聞こえる。
 馴鹿族の男たちは、先を争って牝獺に手を伸ばすかと思われたが、さきほどの狂乱の反省からか、
冷静さを装って質問を始める。
「加工ってことは、やはり、生のままの方がいいんじゃないのか?」
「元が良ければ、加工をすればもっと良くなる」
「そんなに良いなら、街に居る獺、全部加工してしまえば……?」
 ルルカは耳を塞ぎたくなったが、それはできない。
 そして、一番聞きたくなかったことが、狼の口から語られてしまった。
「加工された牝獺は、寿命を縮めることになる。
 そうだな、牝獺の最期についても説明しておこう──」
 ルルカを押さえるウォレンの手に力が籠る。おそらく彼がルルカに一番聞かせたくなかったもこの
ことだ。ウォレンがルルカを連れて先に帰ろうとした理由が分かった。惨めに変えられたミルカの姿
は、いずれルルカ自身が身をもって知ることだ。ルルカがミルカと違うのは、公用語を理解できてし
まう、ということだ。

「それは、何の前触れもなく起こる。
 獺族の体も、過酷な生活に耐えられなくなるんだろう。
 見た目には若いままなんだ。そのまま体が突然、"硬直"を始める。
 手も足もガチガチに固くなって動かなくなる。
 内臓は逆に緩んで食事もまともにできず、かろうじて声が出せるだけだ。
 そうなったら、もう助からない」
 膣も──、と男は続けた。性器も緩んで使い物にならなくなる。それは、シエドラにとってその牝
獺の存在価値が無くなるということだ。
「我々は、牝獺に二つの選択肢を与える。
 通訳を通して、選ばせるんだ。
 獺槍で突かれて死ぬか、通訳に教えられた通りの公用語で、
 シエドラで生かされたことへの感謝の言葉を口にするか、だ。
 ほとんど全ての牝獺が、拙い発音で感謝の言葉を述べる。
 彼女たちの心臓には、特製の毒針が打たれる。
 この針は痛みを感じないように細く、丹念に磨いてある。
 せめてもの慈悲というやつだな。
 そして、針を打たれた獺は安らかな死を迎える。
 これが、シエドラの牝獺の最期だ──」

 ルルカがその言葉を理解していると思っていないだけに、男の説明は躊躇いが無かった。そして、
ルルカにとってこれ以上残酷な宣告はない。
 体がガタガタと震える。ルルカの体を造り替えてしまったあの恐ろしい儀式のときに感じた以上の
恐怖がルルカを襲う。おそらく、あの儀式のときに正気を保てたのは、シエドラに捕らえられた獺は
殺されないという約束があったからだ。
 ついにルルカは、自分がどうやって死ぬのかを聞かされてしまった。それもあまりにも惨めな姿で
死ぬのだ。牝獺が死の間際に感謝の言葉を口にするなど、ルルカには信じられなかった。あちこちに
金属の環を着けられた裸の体、動けない体を仰向けにして、淫らな焼き印の痕や限界まで使い込まれ
た性器を晒しながら、何を感謝するというのか。

618かわうそルルカ 6-7/15 ◆q6hKEmO86U :2012/07/29(日) 22:19:40.77 ID:1lHNb4lp
「あの牝獺だって──」
 狼族の男に指を差され、ルルカの心臓は飛び出しそうになった。部屋の全員が振り返り、ルルカを
見た。思わず彼らの方へ向き直ってしまったルルカは後悔した。
 言葉が分からない振りをしなければ──。
 ルルカは必死で涙をこらえ、何も分からないといった表情を作ろうとした。それがどんなに悲しい
行為か、男たちには想像も付かないのだろう。無情な会話が続けられる。

「広場の牝獺は寿命が著しく短い。
 あの牝も、あと半年もすればこれと同じリングを体にぶら下げているだろう。
 そのときにまた来て試してみるといい。
 今日とは違った膣の感触が楽しめる」

(あと半年──!?)

「そうなったらすぐ死ぬんだろう?」
「硬直が起こるまではまず死なない。
 リングを着けた牝獺が行為中に死んでも罪にはならない。
 ただし、速やかに届け出てもらえれば、だ」
「リングを着けてから、どのくらい生きてるんだ?」

(やめて、やめて──)

「普通なら、半年から一年ほど。
 だが、広場の牝なら、二か月も持てばいい方だろう」
「じゃあ、月に一度はシエドラまで来なきゃあな」

(もう許して──)

 狼族の男の言葉は、ルルカの胸の奥に突き刺さった。恐怖で全身を締め付けられるように感じた。
 半年のちには、ルルカは敏感な三か所の肉の突起に冷たい金属の環の重みを感じているはずだ。さ
らに二か月経たないうちに、小さな獺の体は岩のように固くなり、そしてこの世に別れを告げること
となる。それがルルカに突き付けられた現実だ。
 泣き喚きたい気持ちと、会話が聞けることを隠し通さねばと思う気持ちの葛藤に小さく震えるルルカ
に、ウォレンは何もしてやれないようだった。今ならルルカにも分かる。ウォレンはせめて、シエドラ
の牝獺の運命を知らぬままにしておいてやろうとしていたのだ。その気遣いは全て無駄になってしまっ
た。ウォレンはただ、倒れそうになるルルカの背中をそっと支えていた。
 そんな二人を置き去りにして、男たちはミルカを犯し始めた。

619かわうそルルカ 6-8/15 ◆q6hKEmO86U :2012/07/29(日) 22:20:40.74 ID:1lHNb4lp
 自分とそっくりの牝獺が馴鹿族の巨大なペニスを突き立てられる様に、ルルカは時間が巻き戻され
たように感じる。自分と自分を犯す男以外の者の目には、あのときの情景がこんな風に映っていたの
だろうと思う。ただ、ペニスを受け入れるミルカの反応はルルカのものとははっきりと違っていた。
 胸環を掴まれ、宙に浮かされた状態で激しく子宮の奥を突かれるミルカ。ルルカにとって思い出す
のもおぞましい内臓を押し上げるようにした後、間を置いて突き刺さる剛直の衝撃を小さな体に受け
ながら、ミルカは、苦しい呻きの中に明らかに快楽の混ざった声を上げていた。
「これは凄い。国の女たちでは味わえない」
「そんなにいいのか? さっきの牝だって……」
 ミルカを犯す男の漏らした感想に、馴鹿族の男たちはまた興奮を募らせ、広間は荒い吐息と熱気に
包まれる。
 誰かが、ふと思い付いたように青服の狼に尋ねる。
「こんな牝がいったい何頭居るんだ?
 牡を捕まえてきて、もっと殖やせないのか?」
 自分たちの国へ何頭か連れ帰りたい、と彼は言った。それに対し狼族の男は、牝獺はシエドラでし
か飼えない、とウォレンが説明したことをもう一度繰り返した後、少し考えて、こう付け加えた。

「それに、こいつらの子宮は緩み切っている。
 妊娠しても、すぐに流産してしまうだろう──」

 その言葉を耳にした瞬間、ルルカは、公用語でも獺語でもない動物の本能的な叫びを上げていた。
腹部にキリキリと痛みが走った。そこはかつてルルカの母が優しく撫でてくれたところ。子供を育て
るための大事な器官──。実際に傷を付けられたわけではない。ルルカの心を引き裂かれる思いが、
その痛みを感じさせていた。
 子供を産み、育てることは憧れだった。叶わないとしても、街で異種族の子供を見掛ける度に温か
い気持ちになれた。いつか、この生活から解放されるような奇跡があれば──。しかし、そのルルカ
の小さな望みは、とうの昔に断たれていた。そう、あの"断罪の儀式"は牝獺からその能力を奪うため
に行われたのだ。ルルカはもう、母親にはなれないのだ。

 ルルカはウォレンの手を振り切って駆け出そうとしたが、ウォレンが慌てて鎖を引いたため、弾み
で小さな体が振り子のようになって宙を舞った。逃げるどころか、周囲に居た馴鹿族の男たちの目の
前に投げ出されてしまう。驚いた男たちが一斉に駆け寄る。ミルカを犯している男までが、彼女に
ペニスを突き入れたまま、飛んできた。
 床に転がったルルカの目の前に、ミルカの顔があった。
(どうして……)
 苦しそうに喘ぎながら、目を閉じたミルカは恍惚の表情を浮かべていた。
(どうして、そんな顔ができるの?)
 こんなに酷い目に遭っているというのに──。
 自分もあのリングを着けられ加工されれば、ミルカのようになってしまうのか。あの狐族の女性に
蔑まれて当然だと思った。ルルカたちの性器は今や、異種族の男を悦ばせるためだけに付いているの
だから。
 ルルカはまた、『わあっ』と叫んで起き上がろうとした。男たちの手が、暴れるルルカを床に押さ
え付ける。
「いったいどうしたんだ?」
「俺は鎖を引いただけなんだが……、自分がまた犯されると思ったんだろう。
 こいつらには言葉が通じないからな」
 慌てて駆け寄ったウォレンが取り繕う。
「今、黙らせる──」

620かわうそルルカ 6-9/15 ◆q6hKEmO86U :2012/07/29(日) 22:21:40.72 ID:1lHNb4lp
 ルルカはウォレンの言葉に驚いて、目を見開いた。
(黙らせるって?)
 ウォレンの厳しい表情が目の前にあった。
 次の瞬間、右腕に激しい痛みが走る。息が出来なくなるほどの衝撃が襲った。今でもはっきり思い
出せるあの焼き印の痛みよりもずっと強い、身を引き裂くような痛覚。続いて左腕を、同じ痛みが襲
った。肩のあたりから先が痺れて無くなってしまったかのようだ。両腕がまったく動かなくなってい
ることに気付き、ルルカは何が起こったのか、ようやく理解する。
 毒針を打たれた。それも、ウォレンの手で──。
 ウォレンは口で脅していても実際にそれをルルカに対して使うことはない、そういう甘い期待が心
のどこかにあったルルカは、また彼に裏切られたのだと思った。
(酷いよ……)
 ウォレンは、ルルカがそれ以上声を発しないように、口をしっかり掴んでいた。ルルカはまだ動か
せる足と尾をバタバタと振り回して抗議した。
「押さえろ!
「足にも打て、ウォレン!」
 両足と尾にも毒針を打たれたルルカは、男たちの手でぶら下げられた。痺れた手足をだらりと垂ら
して抵抗できないルルカの頬と乳房が、横殴りに打たれた。もうルルカには声を上げる気力も無かっ
た。それでも、騒いだ罰にと男たちはルルカの乳房を何度も執拗に殴った。
 可愛らしい整った形の乳房が激しい痛みと共に無惨に歪む。
 ウォレンだって褒めてくれた、きれいな乳房が──。いつも形が崩れないようにしてきた小さな努
力が無駄になっていく。しかし、それを嘆くのは滑稽なことにも思えた。

 どうせ、あと八か月も生きられないのだから──。

621かわうそルルカ 6-10/15 ◆q6hKEmO86U :2012/07/29(日) 22:22:43.34 ID:1lHNb4lp
 体を動かせない恐怖に、ただ涙を流すことしかできないルルカを見かねて、割って入ったウォレン
が強引に男たちの手から小さな牝獺の体を奪い取った。
「こいつは連れ帰って、俺が仕置きをする」
「手伝おうか? なんなら、すぐにでもリングを……」
「いや、お前は皆の相手を続けてくれ」
 青服の狼にそう告げて、ウォレンは一人、ルルカを宿から連れ出した。

 宿を出たウォレンは市場への道に向かわず、建物の間の細い路地の人気のない場所へ、怯えて嗚咽
を繰り返す牝獺を運んだ。
「ウォレン……」
「声を出すな。その小さな喉にも、毒針を打たなきゃならなくなる」
「……」
 ルルカは仰向けに寝かされる。ウォレンは少し苛立っているのだろうか、ルルカは地面に投げ出さ
れたように感じた。手足の感覚が無くなっており、尾もぴくりとも動かせない。頭と胴だけの惨めな
体にされてしまったような気がした。
 色々な思いが頭の中をぐるぐると巡り、込み上げてきた悔しさに涙がこぼれる。
「どうして教えてくれなかったの?」
「普通の獺は、そのときが来るまで知らないことだ」
「でも……」
 公用語が理解できるルルカには、その理屈は当てはまらない。それは、いずれ誰かの会話から知ら
されるかもしれないことだった。それでもウォレンは、そのことがルルカの耳に入らないよう、注意
してくれていたのだ。その点で彼を責めることは筋が違う。
 ルルカは抗議の矛先を変えた。
「毒針を打つなんて、酷いよ……」
 そう言われて、ウォレンは逆に、ルルカが暴れたことを咎める。
「お前はまだ、事の重大さが分かっていない」
 ウォレンは、これまでただ漠然と大変なことになるとだけ言っていた、ルルカが公用語を話せるこ
とを知られてはいけない理由を語る。牝獺に施される"加工"をルルカが知ってしまった以上、黙って
いる必要はなくなったからだ。
 長いシエドラの歴史の中で、実際にそういう獺が居たかどうかはウォレンは知らない。ただ、取り
決めだけははっきりと記されているのだ。牝獺が公用語を解することが判明した場合、牝獺にはただ
ちに"加工"が施されなければならない。性感帯を刺激し体の自由を奪い、さらに毒針を喉に数回打ち、
声帯を潰してしまわなければならない。
「獺族が我々と対等の能力を持っていてはいけないんだ。
 同情や共感を生めば、シエドラの牝獺を使った制度は成り立たなくなってしまう。
 言葉を話せる獺族の存在は速やかに抹消されねばならない。
 だったら、どうするか……。分かるか?」
 答えることのできないルルカの下半身に、ウォレンの手が伸びた。体を起こせないルルカは、彼の
指先が体の柔らかい部分に触れるのを感じ、怯えた。ウォレンはルルカの尻尾の付け根に指先を当て
ていた。
(そこは──)
「牝獺を意図的に殺すことはシエドラでは許されない。
 しかし、なるべく早く死んでもらいたい。
 そのために、この規則はあえて明文化されていないんだ」
 ルルカはウォレンが馴鹿族の男たちに話した言葉を思い出した。口や肛門を使うことに罰則はない
が、建前上は御法度であるということ。
 ウォレンは、ルルカの肛門までが凌辱の対象となる、と言っているのだ。当然、肛門だけが犯され
るのではないだろう。同時に二つの穴が使われることは容易に想像できた。その恐ろしさも──。
 言葉が使える牝獺は、それが知られたその場で体に金属のリングを嵌められ、穴という穴を犯され、
徹底的に嬲られる。
「半月もしないうちに硬直が始まるだろう。
 声を奪われたお前は、獺語だって話すことはできなくなる。
 声が出せないというのが、どういうことか。
 感謝の言葉を言えない以上、必ず獺槍に突かれて死ぬということだ」
 だから、これからも誰にも気付かれるな、とウォレンは念を押した。今日のような粗相は二度とし
てはならない、と。
 ルルカも心の底から自分のしてしまったことを悔やんだ。そして、ウォレンへの抗議の気持ちが薄
れると、今度はシエドラの牝獺の運命がルルカの胸を押し潰す。

622かわうそルルカ 6-11/15 ◆q6hKEmO86U :2012/07/29(日) 22:23:40.57 ID:1lHNb4lp
「私は本当に……、あと八か月で死ぬの?」
 声が震えた。
「あれは一般論だ。色々な牝獺を見てきた。
 お前はそんなすぐに死にやしない」
「うそ……」
「気休めじゃない。信じろ」
「だったらいつまで生きられるの?」
「……」
「答えられないんじゃないの……」
「ルルカ、俺は──」
 ウォレンはなだめようとするが、ルルカの感情は堰を切ったように溢れ出した。
「もう信じられないよ!
 いつも調子のいいこと言って、私をがっかりさせてばかりで……」
「ルルカ!」
 ウォレンはこの会話を誰かに聞かれることを心配してか、ルルカを制止しようとした。胸環と鎖を
掴まれると、身動きできないルルカの中で、不安と苛立ちとやるせなさが一気に膨らんで、弾けた。

「あなたが、私をこんな体にしたからじゃないの!」

 叫んでしまってから、ルルカは後悔した。自分は、何を言っているんだろう──。
 それは身の程を弁えない言葉だった。罪を背負った獺族に、狼族のウォレンが気遣う道理などそも
そも無いのだ。むしろ、ウォレンの態度はルルカに甘すぎた。
 確かに、ウォレンのペニスで子宮を貫かれたことでルルカは発情を続ける体になった。子供を宿す
ことのできない体になった。ただ、そのことを責めるのは逆恨みに過ぎないと、ルルカにも分かって
いる。
「俺は、シエドラの仕来りに従っただけだ」
 吐き捨てるように言ったウォレンの言葉は、ぞっとするほど冷たく、ルルカの胸に響いた。
「喋るな、ルルカ。何度も言わせるな」
 ウォレンは、歯を剥き出した怒りの形相でルルカの顔を覗き込んで言った。ウォレンがルルカにそ
のような表情を向けたのは初めてのことだった。肉食獣を祖先に持つ者の逆鱗を覗かせたその顔は、
ルルカを竦ませるのに十分だった。
 ウォレンはルルカの両腕を曲げ、鎖を絡めて乳房の左右に固定した。脱力した両足を左右に大きく
開いて仰向けに転がした。これは、性感帯を刺激するリングを体に穿たれたミルカが無意識に取って
いたポーズと同じだ。ウォレンはあえてルルカにその恥ずかしい恰好をさせたのだろう。
「反抗を見せた牝獺には制裁を加えねばならない。
 少しそのままにしていろ。決して、声は出すな」
 そう言い残して、ウォレンは姿を消し、ルルカは人気の無い路地に放置された。

 愛想を尽かされたのだと思った。
 痺れてまったく動かせない裸の体を仰向けにして、ルルカはこれまでにないほど不安に感じた。急
所である腹を無防備にしていることによる生存本能に揺さ振りをかける恐怖と、乳房や性器といった
秘部を晒す恥辱が重なってルルカを責め立てる。
 ウォレンは、彼女に仕置きをすると言っていた。毒針を打たれる以上の何をされるのか。ルルカは
叫びたい気持ちを必死に押えた。

623かわうそルルカ 6-12/15 ◆q6hKEmO86U :2012/07/29(日) 22:24:40.79 ID:1lHNb4lp
 しばらくして、人の気配が近付いてくる。複数の足音と息遣い。ウォレンだけではないようだ。
「おや、これはまた見事な眺めだ」
 聞き覚えのある声に、ルルカはかろうじて動く首から上を起こし、見た。
(ジエル……!?)
 ウォレンが連れてきたのは、クズリ族のジエルだった。
『久し振りだな。えっと、半年前に広場に繋がれたやつか。
 お前のことは覚えているよ。
 "おつとめ"の最中に暴れたんだって?』
 ジエルは、いい体だな、と動けないルルカの体を撫で回して言った。
『そこの狼──、ウォレンの旦那に言われて来たんだ。
 牝獺に立場を改めて教えてやれ、とな』
 ルルカの立場──、それは男たちの性欲処理の道具に他ならない。
 俺は仕事が忙しいんだが、と言いつつ、ジエルは裸のルルカを眺めて舌なめずりをする。クズリ族
は普段、牝獺に近付かないのが規則だった。ジエルは制裁のため、特別にウォレンのお墨付きをもら
ったらしい。
「始めろ」とウォレンが言った。
「犯しながら、獺語で、そいつらの身分について教えてやるんだ」
(ウォレン……)

 ジエルはおもむろに腰布をほどき、性器を露出させる。ニヤリと笑うと、その先の尖った赤いペニ
スを、動けないルルカの鼻先に突き付けた。強い刺激臭が鼻腔を満たし、ルルカはむせ返る。
『クズリ族は性器の周辺に臭腺があるのさ』
 舐めろ、とジエルが強要する。ルルカはおずおずと舌を出し、ジエルのペニスをそっと舐めた。口
の中まで嫌な臭いが広がる。あまりの辛さに涙が滲み出てくる。
『俺たちクズリ族が牝獺を使わないように言われているのは、
 情が移りやすいってこともあるが、
 この臭いが移るのを嫌がる連中が居るからって話だ。
 だが、お仕置きにはもってこいだろ?』
 これをお前の中に突っ込んでやるからな、とジエルは言った。
『そんな……』
『おっと、会話は禁止だぜ。前にも言っただろう。
 お前は俺が言うことに、はい、とだけ答える。いいな?』
『……はい』
 動けないルルカを、ジエルは犯し始めた。先の細い、つるりとした形のクズリのペニスは、特段、
ルルカを苦しめるものではないが、手足の自由が効かないのは、想像以上に恐ろしいことだった。相
手の体に触れることは許されていないとはいえ、手足が動けば、いざというときに抵抗できる。その
心の支えが奪われていた。普段無意識にしているように、地面に足を突っ張り、手の爪を立てて耐え
ることも許されず、ルルカはジエルの腰の動きに翻弄された。
 繋がった部分から、クチュクチュと激しく音がする。
『嫌がって逃げたっていう割には、随分と濡らしてるみたいだな』
『言わないで……』
『お前の体はもう元には戻らないんだ。
 一生、そうやって汁を垂れ流して男を欲しがって生きるんだ。
 分かったか?』
『……はい』
『ほら、濃いやつをたっぷり流し込んでやる。
 これに懲りたら、もう無駄なあがきをするな。
 辛い思いをするだけだ』
624かわうそルルカ 6-13/15 ◆q6hKEmO86U :2012/07/29(日) 22:25:30.56 ID:1lHNb4lp
 クズリ族の交尾は短かった。射精を終えたジエルは、ペニスを引き抜くと、ルルカの体を折り曲げ、
ルルカ自身の股間を眺めさせるのだった。火口のように開いた膣口から、吐き出されたばかりのどろ
りとしたクズリ族の精液が溢れている。クズリ族特融の臭腺の臭いが鼻を刺す。臭いがルルカの体に
擦り込まれていた。クズリ族だけではない。これまでルルカを犯したあらゆる種族の精液やペニスの
臭いが、そこに滲み込んでいる気がした。
(私は……あと半年、こうして過ごすんだ……。
 もっといっぱい犯されて……。
 そして……)
 ウォレンはもっと時間があると言ってくれたが、早いか遅いかだけの違いだ。いずれルルカの体に
冷たいリングが通されることは決まっている。
『反省しているな?』
『……はい』
 ジエルの問いに、ルルカは素直に頷いた。

『次はウォレンの旦那がお前に制裁を加えるってよ』
(えっ……)
 ジエルがルルカから離れると、すかさずウォレンがペニスを鼻先に突き立てた。舌で奉仕をさせら
れるのは、儀式のとき以来、一度も無かったことだ。ウォレンはルルカに屈辱を与えようとしていた。
 ルルカは涙を滲ませながら、仰向けのまま舌でウォレンのものを大きくするよう努める。
 クズリ族に犯されたばかりの性器に、今度は狼族の巨大なペニスが押し込まれた。前の男の精液を
洗い流さずにウォレンがルルカを犯すのは初めてのことだ。それはウォレンの明白な意思表示だ。
ウォレンの体の下で抵抗することもできず、異種族の性器を受け入れている牝の獺が、シエドラの備
品であり、単なる性欲処理器であることを知らしめようとしていた。
(痛い……)
 初めてのときと変わらぬ感覚がルルカを襲う。儀式でウォレンに初めて子宮の入り口を貫かれたと
きの痛みをルルカは思い出した。それは単なる錯覚なのだが、ルルカには現実の痛みと区別が付かな
かった。お腹の中に嫌な感じが広がった。ウォレンとのいつもの交尾では感じたことのないものだ。
「それじゃあ、あっしは仕事があるんで……」
「ああ、手間を取らせたな、ジエル」
 狼族の交尾が長いことを知っているジエルは、来た路を引き戻して行く。
 ウォレンはルルカを羽交い絞めにして、精液を流し込んだ。その脈動を、ルルカはウォレンの怒り
のように感じた。思えば、ルルカは彼に恥をかかせてしまったのだ。
 シエドラ自慢の牝獺を披露する場で、ルルカは思い上がった行動をした。そのことにウォレンは怒
っている。
(ごめんなさい、ごめんなさい……)
 そうなんだ、とルルカは思った。自分は何を勘違いしていたんだろう。これが私とウォレンの本来
の関係なんだ──。
 涙がつっと目尻から流れ落ちた。この後一時間近く、ルルカは狼を体に受け入れたままとなる。そ
れだけならいつもの交尾と変わらない。
 狼の赤く冷たく光る瞳が目の前にあった。ルルカは、彼がしようとしていることが、ただ犯すだけ
に留まらないこと気付いた。

625かわうそルルカ 6-14/15 ◆q6hKEmO86U :2012/07/29(日) 22:26:20.59 ID:1lHNb4lp
 いつもは体を貫かれながら見上げる視線の先には狼族の上半身を包む美しい灰褐色の胸毛があった。
今、ウォレンの顔が見えるのは、彼が背中を強く曲げて、普段と違う姿勢を取っているからだ。
(ウォレン、何をしようというの──?)
 ウォレンは乳房に置いた手にゆっくりと体重をかける。狼族のウォレンにとってはそれほど強い力
を込めているわけでもないのだろうが、圧力に肺が押し潰されそうになる。
「くっ……、はっ……」
 ウォレンが力を緩め、ルルカが苦しそうに息を吸うと、すぐさままた体重がかけられた。そんなこ
とが数度、繰り返される。
 ウォレンはルルカが恐怖に叫び声を上げたりしないことを確かめたようだ。
「よし、どんなに苦しくても声は出すな」
 ウォレンはルルカの体を思うがままにできることを知らしめようというのか、ルルカの下顎を掴み、
口を開けさせる。
(何!?)
 肉食獣の鋭い牙やぎざぎざに尖った裂肉歯の並んだ恐ろしい口が近付いてくる。獺にだって、立派
な牙がある。だが、それを相手に突き立てようものなら、報復が待っていることは明らかだ。ウォレン
の口に牙を当ててはいけない。ルルカは必死になって口を大きく開いた。そこに、大きく裂けた狼の
口が重ねられる。
 熱い舌が、ルルカの口腔に押し込まれ、さらに奥へ進もうとするそれを、ルルカは小さな舌で必死
に遮ろうとした。膣に感じている嫌な感覚が、口中にも広がる。異物の侵略を本能が拒絶していた。
 鼻が摘ままれ、呼吸ができなくなる。ルルカは耐え切れず、喉の奥にウォレンの舌が侵入するのを
許してしまった。
(嫌……、やめてっ)
 ルルカは二つの口を同時に犯されている。ウォレンは勝ち誇ったようにペニスを突き上げ、ルルカ
の口を自在に動く器官で満たした。体の奥に吐き付けられる精液と同様、強制的に流し込まれる大量
の唾液を、ルルカは成すすべもなく受け止めねばならなかった。
 体中がウォレンの体液で満たされる。自由の利かないルルカは、今この瞬間、完全にウォレンの欲
望を受け止めるだけの器だった。
 ルルカが窒息しそうになる寸前で、ウォレンは舌を引き、ひと呼吸つかせると、また舌を押し込ん
だ。二度目は、最初のときよりも長かった。三度目はさらに長く、ルルカは半狂乱になって、いつま
でも続くその繰り返しに体を震わせた。
 体が酸素を求め、心臓がバクバクと動く。全身を激しく血流が巡るのが分かる。鼓動が激しくなる
のと裏腹に、意識は薄れていく──。

「怖いか?」
 ルルカは全身をガタガタと震わせていた。ウォレンの言葉に、潤んだ目で頷く。
「そこまで怖がられるとは思わなかった。
 口を合わせるのは嫌か?」
(えっ?)
 ウォレンの大きな手が、ルルカの頭の後ろに差し込まれた。その優しい手つきに、ルルカは戸惑う。
ウォレンは周囲を見渡し、人の気配がないことを確認して、言った。
「じゃあ、こういうのはどうだ?」
(!?)
 ウォレンは、再び、ルルカの口に自分の口を重ねていた。
 ウォレンの舌が、ルルカの小さな舌を抑え込み、喉を大きく開かせる。頭をぐっと押し付け、首か
ら背中の筋肉を何度か震わせたウォレンの動きと、口の中に広がる酸っぱい香り。ウォレンがルルカ
に何をしようとしているのか、それは彼女の想像の限界を超えていた。
 ウォレンの喉の奥から生暖かいものが吐き出され、ルルカの押し開かれた喉の奥に流れ込んできて、
ようやくルルカは事態を理解した。ウォレンは胃の内容物を、ルルカの口の奥に吐き出していたのだ。
そこまでして、徹底的に獺族の尊厳を貶めようというのか──。
(酷い……ウォレン……。
 でも……あれ?)

626かわうそルルカ 6-15/15 ◆q6hKEmO86U :2012/07/29(日) 22:27:10.71 ID:1lHNb4lp
──美味しい!?

 ウォレンが吐き出したものは、どろどろと溶けかけた細切れの何かの塊で、始めのうちこそ酸っぱ
い感じがしたが、すぐに舌の上でしっとりと甘く感じる不思議な味に変わる。
 これは、もしかして──?
 口を放した狼が、ルルカが目をぱちくりさせながら、口の中のものを飲み込む様子を見守る。
「これは……おさかな……なの?」
「そうだ」
「どうして、私に──?」
「まだ残っている。食べたいか?」
 ルルカは思わず頷いて、おねだりするように口を開いた。我を忘れるほど、魚という食べ物は美味
しかった。父から聞いていた、獺族の主食。
(これが、魚……)
 それにしても、こんなやり方で食べさせてくれるなんて。
 ウォレンは、狼族だけにできる特技だと言った。狼族自身もほとんどの者が知らない、四足の遠い
祖先から受け継いだもの。ルルカに魚を食べさせるには、こうするしかないとウォレンは言う。
「今ここで俺がしたことは、二人の秘密だぞ。
 獺に魚を与えた者はシエドラを追放される。
 あの毒の解毒作用がある成分を、獺族は魚からしか摂ることができない。
 だから、獺に魚を与えてはいけないんだ」

 そのうち、痺れが取れてくるはずだ──。
 ウォレンがルルカの後頭部を撫でながら、そう言ったような気がした。
 お腹の中を優しく叩くようなウォレンの射精はまだ続いていた。その響きが、今は心地よく感じら
れる。うっとりとした気分に包まれ、ルルカは目を閉じる。緊張の解けたルルカを、強い眠気が襲う。
 胸のあたりがじわっと暖かくなった。それは、眠りに落ちるときの生理現象だと、ルルカは思った。

627 ◆q6hKEmO86U :2012/07/29(日) 22:28:41.39 ID:1lHNb4lp
以上です。

次回、かわうそルルカの生活 第七話は、サブタイトル『水掻きのついた手』

ルルカの反抗は、シエドラの牝獺全員を巻き込んだ。
激しい後悔の後、与えられた思わぬ安息に、ルルカは小さな希望を見る。
『まずは、ごめんなさいって言おう。
  そして、ありがとう、と──』

みたいな感じでお送りします。お楽しみに。
628名無しさん@ピンキー:2012/07/29(日) 23:42:42.70 ID:RHCthhvF
うお!? 第六話来てる!? 早く読まねば!
629名無しさん@ピンキー:2012/07/31(火) 00:04:15.78 ID:qo2cDRCA
獺族に対するあまりにむごい仕打ちに「このド畜生どもが・・・!」
と思ったのだが、元から畜生たちの世界でしたサーセンw
それにしても毎回毎回、ケモエロなのにシリアスで深い世界観に圧倒されるばかりだ。
まだだ・・・まだ抜いてはいけない・・・!
630名無しさん@ピンキー:2012/07/31(火) 00:46:31.11 ID:zqfwGJ3k
話が動き始めたね
エッチ描写も楽しみなんだけど物語の行く末がちょっと心配
あと世界背景が詳しく書かれるのがすごい好き
チョイ出の種族とかキャラもちゃんと主張してるのがいい
631名無しさん@ピンキー:2012/08/01(水) 11:12:24.92 ID:hqxM0Pv/
最後の「逆もののけ姫」シーンに心温まったわ…
632名無しさん@ピンキー:2012/08/02(木) 00:45:15.55 ID:PixetiPh
いつも楽しみに読んでます
どんな結末になるんなー楽しみ
633名無しさん@ピンキー:2012/08/02(木) 21:47:04.18 ID:+kUKhFoM
おおかみこどもとグスコーブドリの伝記観たが作品は癖があるけど悪くはなかったな
なんだかんだ良かったな
634名無しさん@ピンキー:2012/08/02(木) 22:14:34.88 ID:JUmC5faq
>>633
どうしても主題歌歌ってる奴が気になってしょうがない……
そんなの気にしちゃいけないってのはわかってるんだが
635名無しさん@ピンキー:2012/08/02(木) 22:57:05.20 ID:+kUKhFoM
>>634
あー不満はあるけどケモノ好きなら癒しにはなるはず
636名無しさん@ピンキー:2012/08/02(木) 23:01:47.41 ID:StD7ktOF
まだどっちも観てないや。はあぁ、時間が欲しい・・・

スレ容量488KBであとちょっとだけど、スレ立てられる人は
次スレ11でお願い。ここは本当は10番目だから
637名無しさん@ピンキー:2012/08/07(火) 17:50:17.49 ID:FfcSSJfG
【獣人】亜人の少年少女の絡み11【獣化】
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1344329266/

不手際が無いか確認よろしく
638名無しさん@ピンキー:2012/08/07(火) 23:52:42.31 ID:bEBOH9O4
>>637
超乙!!

新スレの作品面白そうだけど、途中で止まってるように見えるのは
規制食らった? それともいったん休止?
639名無しさん@ピンキー:2012/08/08(水) 00:07:23.44 ID:ZzzmMjj3
その後の文章を調整中(;´Д`)
まあ五輪でも見ながら待ってて下され

多分、多分投稿できると思うんだ!
640名無しさん@ピンキー:2012/08/08(水) 11:37:48.29 ID:3rcHk4Mt
>>637
おつ!

動物が活躍する映画をレンタルでたんまり見ているが面白いのが多いな
映画館で見れたらもっと良かったんだろうな
641名無しさん@ピンキー:2012/08/09(木) 23:11:59.12 ID:rAdYWzAL
カールじいさんが途中から犬萌えアニメになるのは盲点だぜ
すみません、これまで書いたところでミスがありました。
>>545
誤:その手前が肉の市場、ラムザ地区。街の反対の端にあるのが、草の市場ギザ。
正:その手前が草の市場、ギザ地区。街の反対の端にあるのが、肉の市場ラムザ。
>>590
誤:すぐ近くにギザの市場があって……、
正:すぐ近くにラムザの市場があって……、

普段は市場で魚を売ってるジエルがワープしちゃうのはおかしい…。
最初正しく書いてたのに気の迷いで逆に直してしまってました。
他にも細かいミスがあるかもしれませんが、ご容赦を。


>>637
スレ立て乙です。
作品の続きも期待してます!
643名無しさん@ピンキー:2012/08/11(土) 01:45:38.71 ID:wALbr234
>>641
マジか

なんかの機会があったらカンフーパンダ2観たいな
644名無しさん@ピンキー:2012/08/11(土) 16:05:34.85 ID:Vb9p3Uno
>>643
面白かったよ
ぜってー字幕でみろよな
645名無しさん@ピンキー:2012/08/12(日) 14:06:00.01 ID:FCjKAZ0A
吹き替えあれだからか
公式見て把握
646名無しさん@ピンキー:2012/08/12(日) 23:56:43.71 ID:r1h/uABP
今日久々にコミケ行ったんだけど、ケモナーって結構数が多いというか、ケモナー島があるんだな。
でもケモナー出してる人って外見がかなりヤバい感じの人ばかりだった。
一番ヤバそうなのは鉄道とかバス同人やってる人だったけど。
647名無しさん@ピンキー:2012/08/13(月) 03:50:27.39 ID:eceDAi9B
ケモナー出してる人=ケモナーっぽい人の事?
そういえばケモノに対してケモナーという書き込みをたまに見るけど
正直意味不明なんだがどういう事?
648名無しさん@ピンキー:2012/08/13(月) 10:37:02.13 ID:KI2m8tL4
レッテル貼りするような人はスルー推奨
649名無しさん@ピンキー:2012/08/13(月) 17:19:23.49 ID:/NYhB1HW
>>646
俺なんかポケモンとかケモキャラクター物の大きいぬいぐるみにオナホ埋め込んで遊んでたりするんだが
時おり自分がどのくらいヤバい状態なのか解らなくなるな
アニ横のしゃべるイヨぬいぐるみはかなり興奮できた
650名無しさん@ピンキー:2012/08/13(月) 18:35:50.38 ID:62wlM1eI
それ
かなりヤバイ
651名無しさん@ピンキー:2012/08/13(月) 18:55:52.76 ID:o7hg/i6Q
いや、オナホなんてヒトマンで満足しているようではまだ甘い
652名無しさん@ピンキー:2012/08/13(月) 20:49:16.05 ID:/NYhB1HW
>>650
やっぱりか……
653名無しさん@ピンキー:2012/08/13(月) 22:35:54.99 ID:/NYhB1HW
新スレが作品公開で、こっちが雑談の流れか
容量的に
654名無しさん@ピンキー:2012/08/16(木) 10:23:08.01 ID:V317khWi
そろそろ埋めた方が良いかな?
655名無しさん@ピンキー:2012/08/19(日) 21:58:01.47 ID:9aOpa9Pq
さすがに埋めた方がよさそうだな。
雑談っていうか、ショートショートとかがあるといいんだが・・・
656適当に書いてみる:2012/08/19(日) 22:30:38.61 ID:9aOpa9Pq
 暗い森の奧、どこからかフクロウの鳴く声が聞こえる。その森の真
ん中に若いネクス族の魔法使いが住む家があった。その魔法使い、名
前をエスクと言った。人ではなく、猫でもなく、と例えた詩人がいた
そうだが、エネクは猫を二足歩行にして人の手を持ったような姿をし
ていた。
 エスクは攻撃用の魔法は使えなかったので、もちろんのこと人里に
行ったことなど一切無かった。どちらかというと魔法を使っての配合
薬作りや、ヒーリングの方が得意だった。エスクにはフリラという友
人の魔女がいる。フリラもこの森に住んでいるので二人はよくどちら
かの家に出かけてレモンティーでも飲みながら語り合うのだった。フ
リラはどこにでもいそうな若い魔女だったが、滅多に魔法は使う事は
無かった。その理由はフリラの専門魔法が攻撃魔法だったためか、フ
リラがただ気まぐれなだけなのかは定かではなかった。

 ある日の夜、エスクはただならぬ様子で家の中をかけずり回ってい
た。手には何冊も積み上げて本を持っていたため、階段の中間あたり
で天井に本を引っかけ一気に崩してしまった。そんなエスクを玄関の
窓の外から偶然見たフリラは、くすくすと笑いながら呼び鈴を押した。

「あ、ごめん。ちょっとハプニングがあって・・。」

案の定、尻尾のあたりをさすりながらドアを開けたエスクを見て、フ
リラのくすくす笑いは止まらなくなってしまった。

「え、どうしたの?・・あ、そこから見てたのか。」

エスクは困ったような笑顔でそう言った。そうよ、と言ったフリラは
玄関脇の小窓をちらと見て、優しく微笑む。しばし、二人で笑って合
ってから、頃合いを見計らってエスクが立ちあがる。

「君が来るのを待ってたんだ。ちょっと用事があってね。」

なんの用事なの、とフリラが聞いた。頭の上の三角耳が楽しげにぴく
ぴくと動く。

「あがってきて。見せなくちゃならないものがある」

エスクは少しも笑わず、そう言って廊下の奥の部屋まで歩いていった。
フリラもドアを閉め、失礼します、と言って靴を脱ぎ、廊下を歩いて奥
の部屋に言った。その部屋はとても薄暗く、深緑色の炎が部屋を照らし
ていた。そこでエスクは深緑色の炎で沸騰させた透き通った液体の中に
紐を垂らしていた。

(続かない)
6575年前の黒歴史投下:2012/08/19(日) 22:45:04.24 ID:9aOpa9Pq
 下校の時間になり、疲れていた山野は自転車を押しながら宮越と一緒に住宅街を歩いて
いた。二人以下で家に帰ってはならないと言われていたが、今日は木刀を持ちかえること
もあり、特別に許可が下りた――まぁ、許可無しで一人で帰っている人も大勢いたが――。
「俺、怖いよ……最近ずっと一人で帰ることが多かったから、ヘタしたら俺も誘拐されて
いたかもしれないって考えたらさ……」
そう言う宮越を励ましながら、山野は心の中で大きくため息をついていた。昨日の朝、あ
の事件のことを話したそばからこんな事になるなんて……酷すぎる。
 公園の脇を通りかかった時、ふいに、人の言い争う声が聞こえてきた。薄暗いので初め
は何がどうなっているのか全く把握できなかった。一体何が起こっているのか、それは近
づいてみて初めて分かった。宮越が後ろで息を飲む音が聞こえた。
 会社員らしき男が、長髪の女に首を絞められている。おまけに、その絞めつけられ方は
尋常では無かった。男は首を絞められた状態で宙に浮いていたのだ。それに……。
「な……な、何あれ!」
宮越が怯えた様子で叫んだ。気絶したらしい男の首から手を放し、こちらを向いた女性は
人間とは思えない姿をしていたのだ。裸の上半身は野獣のごとき体毛で覆われており、目
は不気味に赤く光を出していた。
「あ……あんた、誰だ!?」
自分が動揺しているのが分かった。こんな化け物が現実に存在しているなんて、映画じゃ
あるまいし、信じられなかった。もしかしたら着ぐるみか何かだろうか。
「見たなぁ……」
女性はそう呟いたかと思うと、突然飛びかかってきた。かわし損ねた山野は、首を掴まれ
て地面に押し倒された。
「お前も本部に連れ帰って仲間にしてやるよ……」
「宮越……、に……逃げろ……」
強烈な握力で首を締め付けられながらも、山野は力を振り絞って言った。
「助けを呼んでくるからっ!」
宮越は叫んで走り出す。そうだ。それでいい。山野は地面に転がっている自分の木刀を手
に取った。そして、それを女性の右側頭部めがけて打ちつけた。犬の悲鳴に似た声をあげ
て、女が山野の首から手を放した。その隙に山野は女と距離をとった。
「来るな。近寄ってきたら、もう一発喰らわしてやる」
山野は低く押し殺した声で言った。女は打たれた部分を押さえながら立ち上がった。その
姿は先ほどまでとは違った。顔は完全に狼になり、両手両足の爪は鋭く尖っていた。
「やれるものなら、やってみなよ」
化け物と化した女は、ゆっくりした足取りで近づいてくる。目に殺気が溢れている。完全
に怒らせてしまったという事が分かった。剣道二段の自分が、本気の化け物あいてにどこ
までやれるのか。不安な気持ちになったのが原因だったのかも知れない。次の瞬間、木刀
は空を舞い、山野の右腕には化け物の牙が食い込んでいた。激痛で悲鳴をあげるところだ
ったが、それは叶わなかった。何者かが後ろから山野を羽交い締めにして、口を塞いでい
たのだ。それが宮越だということを知ることが無いまま、山野は気を失った。
「ねぇオカミ、もしかして山野君を殺そうとしなかったかい?」
宮越は地面に倒れた山野を横目で見ながら、何食わぬ顔で化け物に話しかける。オカミと
呼ばれた化け物は目を見開いた。
「いえ! 滅相もございません!」
「ならいいけれど……『ユーモア』は人殺しが御法度ってこと、忘れないようにね」
そう言いながら、山野を背負って立ち上がる。
「さぁ、彼を連れて帰ろう。彼は僕よりも剣道が上手いからね。いい戦士になるよぉ……」
くくく、と笑いながら宮越は歩き出した。

(続かない)
658名無しさん@ピンキー:2012/08/19(日) 22:50:29.86 ID:4KxMFrZq
まだ保管庫に収録されてない作品あるけど落としちゃっていいのかな
6595年前の黒歴史投下(続いた)
あらすじ(山野が浚われる寸前、駆け付ける人影)

「あんたら二人とも、いい加減にしなさいよ!」
武子はそう言ってオカミと宮越を交互に睨んだ。案の定、問答無用で突っ込んできたオカ
ミと宮越を高く飛んで交わし、気絶した山野の傍らに着地する。
「後悔しても知らないからね」
武子は目を閉じ、精神を集中させながら手のひらを顔の前でパンッと組んだ。指の形を変
えないまま組んだ手をゆっくり外し、素早く両手を正面に出した。間髪入れず、手のひら
を外に向けたまま左右に腕を開くと同時に目を大きく見開く。
「変身っ!」
電流が走ったような衝撃が体に走り巡った。それに少し遅れて身体の内側が燃えるように
熱くなった。肘から先が分厚い金毛で覆われ、頭蓋骨が激痛と共に変形していく。武子は
悲鳴をあげるが、それは猛獣のごとき声として轟いた。オカミと宮越は怯えたように一歩
下がる。今のって、本当に自分の声なの? 武子は驚いていた。激痛も治まり、武子は息
を整えた。どうしよう。
「ほ……ホントに変身しちゃったんだけど……」

 突然、オカミが狂ったような叫び声をあげながら突進してきた。
「あとは任せたぞ! 俺はこいつを連れて帰る!」
先ほどの気絶した男性会社員を抱えて、宮越は闇に消えていく。
 一撃で決着をつけてやる。武子は両手の爪を出して、舌なめずりをした。そしてそれと
同時に驚愕していた。身体の自由が効かない。勝手に身体が動いてる。二足歩行の虎と化
した武子の身体は狼の怪人に向けて走りだしていた。勝負は五秒もかからなかった。武子
の両手は怪人の腹に深々と突き刺さっていた。激しい閃光が辺りを包み込む。手を引き抜
いて殴り飛ばすと、オカミは地面に倒れたまま動かなくなった。
 数秒後、大爆発。

(さすがにもう埋まったかな)